2021年度に放送されたアニメ映画一覧 99

あにこれの全ユーザーが2021年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月13日の時点で一番の2021年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

84.1 1 2021年度アニメランキング1位
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)

2021年3月8日
★★★★★ 4.2 (430)
1967人が棚に入れました
 エヴァがついに完結する。2007年から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再起動し、『:序』『:破』『:Q』の3作を公開してきた。その最新作、第4部『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇場公開が決定。人の本質とは何か? 人は何のために生きるのか? エヴァのテーマは、いつの時代にも通じる普遍的な核を持っている。
 シンジ、レイ、アスカ、マリ、個性にあふれたキャラクターたちが、人造人間エヴァンゲリオンに搭乗し、それぞれの生き方を模索する。人と世界の再生を視野に入れた壮大な世界観と細部まで作り込まれた緻密な設定、デジタル技術を駆使した最新映像が次々と登場し、美しいデザインと色彩、情感あふれる表現が心に刺さる。
スピーディーで濃密、一度観たら病みつきになるその語り口は、興行収入80億円超えの大作『シン・ゴジラ』も記憶に新しい庵野秀明総監督による独特の境地。その庵野総監督がアニメーションのフィールドで創作の原点に立ち返り、新たな構想と心境によって2012年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以後、封印されてきた物語の続きを語る。
 1995年にTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』でアニメファンのみならず、アーティストや学者までを巻き込んで社会現象を起こした初出から、実に25年――その間、常にエポックメイキングであり続けたエヴァの、新たな姿を見届けよう。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

さよならエヴァンゲリオン

スタジオカラー制作。

初号機の覚醒により発生した、
ニアサードインパクトから14年後の世界。
再び厄災のトリガーとなったシンジは、
茫然自失のまま赤い大地を放浪している。
一方、ヴィレはパリ解放を目指し、
ネルフとの市街地戦を繰り広げている。

本質は何も変わっていない。
主題の普遍性に驚くばかりである。
どう解釈するのかは全く問題ではない。
全てのものごとに決着を試みた、
その瞬間に立ち会えたことに感謝したい。

物語は4部構成になっているが、
日常パートは鮮烈なほど印象深い。
{netabare}どのような状況であれ、
日々懸命に生き、生命を育む人々を、
ありのままに肯定し描くことが、{/netabare}
旧劇との対比となっているのでしょう。

そして碇親子の物語である。
{netabare}父ゲンドウは最愛の人との再会を願い、
差異のない世界を創造しようとしている。{/netabare}
シンジは父との対話を通じ決断をする。
彼にはもう迷いがないのだ。
{netabare}父の告白を許容するシンジ、
ユイが歌う「日付のない墓標」が優しい。{/netabare}
ほんとに似た親子なのだと思う。

物語が「ある場所」で終わったことに、
とても意味のあるものだと感慨深く思う。

ぜひたくさんの想いを。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 49

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「否定」ではなく、「肯定」する生き方

ネタバレを極力避けて話したい。

25年前の庵野監督は明らかに「オタク」であることに対して「否定」的な立場から作品を作っていた。

アニメとか漫画とか映画とかゲームとかどうでもいいから、街に出てコミュ二ケーションしなさいと。。。

「書を捨てよ、町に出よう」ということである。

しかし、この25年間で社会は様変わりした。アニメを見ることに対しての偏見は愚か、アカデミー賞や歴代の興行収入を支えているのはアニメや漫画だし、ハリウッド製作の映画やドラマまでもが今やアニメや漫画の実写化がほとんどである。

そういった状況において、本作はそういった「多様的」な生き方を「肯定的」に捉えている。

僕の周りには本当にいろんな人間がいる。サッカーが好きな人間もいれば、ギターや音楽が好きな人もいるし、漫画でもキワモノが大好きな女性もいっぱい知っている。

はたまた、性に対してもゲイやバイセクシャルな人だっているだろうし、興味がない人だっているだろう。

そう、その全てが全て「存在」していいのである。

確かに、それぞれは言葉が通じなくお互いを傷つき合うかも知れない。

あるいは全く引き合うことすらないかもしれない。

しかし、そういう社会でお互い理解し合おうとすることがなにより大切なのだ。

それがこのシン・エヴァにとって、いや全人類にとって「大人」になる。ということであると「結論」が出ている。

確かに現実ではなく「理想論」に過ぎないが、それでも人はあの25年前に比べれば、偏見や差別と向き合う人が増えた。

そういう意味では「進歩」しているのである。

個人的には今回の「シン・エヴァ」のラストより、漫画版の「エヴァンゲリオン」の方が好きだが、そういったことはこの際どうでもいい。

庵野監督とこの作品を全力で作ったスタッフの皆さんに何よりの感謝と尊敬を。。あなた方の「伝えたい想い」は伝わりました。

お疲れ様です。そしてありがとう「エヴァンゲリオン」

人生においてここまで晴れ晴れした気持ちになったのは久しぶりでした。



追記

ラストのある「ゲスト声優」が時代を象徴していると思うし、
なにより今度の「シン・ウルトラマン」がまさにド王道の物語になることも必然だと思う。

良い意味で垢抜けた傑作になることを期待してます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 42

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いやぁ〜全然面白くねぇな!。ただ、庵野先生とカラーの次回作にご期待ください。

 ネタバレになるので例え話でのツッコミになりますが、「思い出ぽろぽろ」か!、スターウォーズep9か!な作品です。言わんこっちゃないとは思いましたが、スターウォーズと同じで前作でグチャグチャになった風呂敷を大急ぎで畳んでるだけだから、ドラマやエモーショナルな盛り上げにも、物語という形での上手なテーマの展開にも、キャラの描き込みにも失敗してます。


 あるポイントでわかりきってる愁嘆場みたいなのが始まった時には頭を抱えそうになったし、ゲンドウの件りでは「それ前から知ってた!」とツッコミを画面に入れたくなった。


 ロボバトルの描写としてもCGばっかで手描きの最高峰だった旧劇のような色気も艶もないし、重量感や上がるロマン描写もなし。軽そうなエヴァがチャカチャカと動くばかりで何が起こってるのかよくわかりづらい(これは本作だけに限ったことじゃないが)。


 アナクロニズムと言われようが、やはりロボは手描きの方が向いている。テレビだと今は色々あるのかもだが、映画では手描きの方がねぇ…。そりゃあ手描きじゃあ表現は無理という場合もあるが、CGだからこそのロボ表現で本当に痺れたことは今んところあんまりないかな。


 じゃあ面白くもなんともないかと言うと、ある意味で面白いところはある。それは庵野監督の大人になりっぷりである。結婚して多くの人の仕事を指揮するより大きな立場になって、もうあんな昔みたいに中二丸出しでグズグズ悩んでらんねぇよ!って庵野さんの心は確かに伝わってくる(それを物語の中で上手く消化できてるとは言い難いが)。


 絵作り的にも、CGを殆ど使ってない庵野さんのロマン溢れる部分のパートでは流石の冴えを感じたし、あのキャラが☓☓☓な件にも「あぁ…、本当に大人になったんだなぁ…」と染み染み感じ入った。


 その辺の描き方が「思い出ぽろぽろ」と同じで、少々懐古主義的、或いは理想化され過ぎな気もするが、宮台さんの動画を見たりして共同体の大切さや共同身体性の重要さについて考えさせられていた私としては言いたいことはわかる、という感じではあった。昔には戻せないから、テックを使ってアップデートは必要だが新しい形の共同体の作っていくのは急務だろう。


 それにしても、やはり映画一本に詰め込むには無理があった気がする。どうせなら決戦前の物語をテレビで1クールやるくらい必要だったかも。


 ここまで大人ぶりを見せられると、やはりエヴァから開放させれた庵野さんとカラーの次回作に期待したい。庵野さんはナウシカはやって欲しいが、あとはフリーハンドで作って欲しい。


 カラーにはTVアニメにも参戦しないとジブリの二の舞になるから、優秀なスタッフたちの才能を活かせるオリジナルでも原作付きでも年一くらいでは新作を制作して欲しい。あぁ〜やっとネタバレを心配しないでネットを見れるという安堵の気持ちのみ!。


 作品としてのエヴァは、やはりスターウォーズにおけるep4、5、6みたいに旧劇までで終わりで良かった、という新劇が作られる当初から思ってたことなので別に大きなショックも無し!(破の時点では正直期待しちゃいましたがね)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

80.4 2 2021年度アニメランキング2位
映画大好きポンポさん(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.2 (186)
600人が棚に入れました
敏腕映画プロデューサー・ポンポさんのもとで製作アシスタントをしているジーン。映画に心を奪われた彼は、観た映画をすべて記憶している映画通だ。映画を撮ることにも憧れていたが、自分には無理だと卑屈になる毎日。だが、ポンポさんに15秒CMの制作を任され、映画づくりに没頭する楽しさを知るのだった。 ある日、ジーンはポンポさんから次に制作する映画『MEISTER』の脚本を渡される。伝説の俳優の復帰作にして、頭がしびれるほど興奮する内容。大ヒットを確信するが……なんと、監督に指名されたのはCMが評価されたジーンだった! ポンポさんの目利きにかなった新人女優をヒロインに迎え、波瀾万丈の撮影が始まろうとしていた。

声優・キャラクター
清水尋也、小原好美、大谷凜香、加隈亜衣、大塚明夫

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

映画製作は伸るか反るかの一発勝負

絵の可愛らしさとは裏腹に、結構真面目な物語でした。
この映画では、映画監督のこだわりや信念を十分に感じ取ることができ、楽しまさせていただきました。

この映画の主人公はポンポさん…と思いきや、ポンポさんのアシスタントのジーン。
ポンポさんは明るく元気な映画プロデューサーですが、ジーンはお世辞にもカッコいいと言えない暗い目をした男。
しかし、その彼がある日、ポンポさんから15秒の映画予告編作制作を任されます。
そこからジーンの能力が開花し始めるのです。
やがてジーンは、1時間30分の映画の監督も務めるようになります。

この映画は、新人映画監督ジーンの成長物語でした。
口下手なジーンは、実は相当なこだわり屋さん。それだけ彼には信念があるのです。

映画監督がこだわりの全くない人だったら、制作される映画は何の信念も感じられないつまらないものになるし、
映画監督がこだわり続けていたら映画製作には莫大なお金がかかってしまいます。
しかも、観客が映画監督のこだわりに共感してくれないと大赤字になります。

また、映画は、私たち観客に現実を忘れさせ、夢と希望をもたらしてくれますが、わずか90分ほどしかない上映時間で登場人物の生い立ちやら信念なども含めて夢や希望を表現するのは至難の技です。
しかし、その至難の技に映画監督は毎回挑み続けているのです。
今回、映画監督さんの苦労を一部でも知ることができて良かったと思います。

エンディングは「窓を開けて」 カンザキイオリさんの作詞作曲でCIELさんが歌っています。
とてもテンポの良い心地よい曲でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 38
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

🏅クレイジーなくらい活きが良い映画と対峙する喜び

“ニャリウッド”にて映画監督に憧れる根暗なアシスタント青年が、
敏腕プロデューサーの“ポンポさん”に抜擢され、
映画人としての階段を駆け上がって行く。

元・深夜ショートアニメの没企画を、
pixivでコミックとして公開した同名作品の劇場版。
(鑑賞後、無料公開部分を閲覧)

【物語 5.0点】
泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい。
2時間以上の集中を観客に求めるのは現代の娯楽としてやさしくない。

映画制作物ということで、登場人物に、
理想のエンタメ論を代弁させる本作自体が、有言実行してみせる所が、
格好良すぎて感動します。

作中、理想の編集を求めて七転八倒する新人監督に報いるように、
序盤の何気ないシーンを終盤に回収する伏線芸、
劇中劇内の人物と制作者をシンクロさせる心情描写
など、映画好きならこれくらいキャッチできるよな?
と受け手の想像力も信じて、リアリティより夢のある映画実現のために培われて来た
脚本、編集の秘術を次々に投げ込んでくる快刀乱麻ぶり。


見た目はロリ、中身は大人のポンポさんを光源に、
明るい作風の中で心を弾ませつつ
夢の実現のために何かを犠牲にする狂気にも踏み込むなど、
軸もシッカリしている。
「幸福は創造の敵」の真意。凄く納得させられました。


何より気に入っているのが、
{netabare}上映時間90分が理想の尺とキャラに言わせておいて、
本作の本編をキッチリ90分にまとめ上げた所。{/netabare}


【作画 5.0点】
アニメーション制作・CLAP

人物作画で特徴的なのがカラフルな主線。
昼光にはグリーン、ネオンにはパープル、水面反射光にはブルーと、
使い分けることで、照明を追求する主人公ジーンの撮影へのこだわりを、ここでも体現。

画面分割、ワイプ(次の画面が前の画面を押しのける)
背景も昼夜で違う表情を見せる街並みを描き込み、
タイムラプス撮影(低速度撮影によるコマ送り風動画)による
日常シーンの早送り、巻き戻し演出を再現する。
など演出、編集手法も多彩で、
好テンポ追求という劇中劇との共通課題の解決に貢献。


こういうカットがあるから映画が好きになれたんだと
思い出させてくれる映像構築が
多数再現された玉手箱を開ける至福。


ジーンが身を切るようにフィルムを編集カットする
“アクションシーン”もクレイジーで圧巻♪


【キャラ 4.5点】
プロデューサーのポンポさん。
「ポンポさんが○○に来たぞーっ!」などと、
状況説明とキャラ立ちを両立させる軽快な口調でテンポアップに貢献しつつ、
随所に敏腕の哲学と言動を垣間見せる。

ポンポさんに埋もれた才能を見出す審美眼や、夢を阻む障壁を撤去する豪腕を持たせ、
常識を超えたポジションに確立することで、
新入りアシスタント・ジーンや、新人女優・ナタリーの抜擢という、
夢のようなサクセスストーリーに説得力を持たせる。
リアリストの“ご都合主義”批判など、
トラブルすら逆手に取ってマーケティングに生かす
ポンポさんが暗躍してシャットアウトするぞーっw


アニオリキャラの銀行員・アラン。
元・万能“陽キャ”の伸び悩んでるサラリーマン。

正直、私はクリエイターを描いた作品は別世界の住民を見ているようで、
あまり得意ではありませんが、
アランが夢を追う人間を見つめる一般人代表として
間口を広げてくれたのは有り難かったです。
影の主役として共感度の高いキャラでした。


【声優 4.0点】
ジーン役の清水 尋也さん&ナタリー役の大谷 凛香さん。
夢世界に引き上げられる新人役には敢えてタレント俳優陣をオーディションで起用。
拙い演技も映画業界に飛び込んだばかりの若者の初々しさを狙ってのことと、一応は容認できる。

清水さんは狂気を孕んだイケメンの役作り等に実績がある俳優。
(実写版『ちはやふる』の須藤役とか)
エキセントリックな演技が、終盤開花するジーンの映画人としての本性にマッチ。


ポンポ役の小原 好美さんは安定のキャラ作りだけでなく、
女優経験もある声優としてアドバイスを送ることでも、上記二人をサポート。

アニメ映画主演にどうしてもタレント、俳優を使いたいスタッフの皆さん。
一本に一台。脇に小原さんを置いときましょう♪


“世界一の俳優”マーティン・ブラドック役には大塚 明夫さん。
頼もしいベテランがいると制作も楽そうです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は松隈 ケンタ氏。
序盤はコメディタッチも交えて軽快に、
終盤は音楽をテーマにした劇中劇制作ドラマの佳境に、オーケストラ等も交えて重厚に。
BiSHなど豊富な音楽プロデュース経験に基いて、多彩なジャンルを動員する引き出しの多さで対応。

主題歌・挿入歌はKAMITSUBAKIスタジオのアーティスト陣が提供。
エネルギッシュなバンドサウンドや前のめり歌詞が爽快だが、
音楽が場面を引っ張る感じではなく、
既に感情や芸術が爆発しているシーンに追い打ちをかけて来る感じなので、
気持ちよく突き抜けることができます。


【感想】
シナリオだけでなく、作品自体の出来の良さに、
こういう映画を待っていたんだと泣けて来る、会心の劇場鑑賞でした♪

最近、映画がつまらなくて、エンドロールまで立たずに観られたためしがない。
そんな方にこそオススメしたい快作です♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

突き動かされてしまう

<2022/1/9 初投稿>
原作未読。
近所の映画館で「見逃した映画特集2021」と銘打って上映されてたので、本日鑑賞してきました。

前評判高かったんで期待して行ったんですけど
期待以上!
思い切り引き上げていたハードルを軽々とクリアでした!

内容は、
映画の都Hollywoodならぬニャリウッドを舞台とする、映画制作を描いた90分のアニメ映画です。

予め計算に計算をし尽くしたであろう展開、演出。
アニメ見て「絵コンテすげえ」と絵コンテよくわかってない素人の私が衝撃受けるくらい凄いです。

とにかく濃密

キャラクターや世界観がすんなり頭に入ってくる。
物語の展開が目まぐるしく矢継ぎ早で、量も多い。
でもこれらもすんなり頭に入ってくる。
そして盛り上がり、
心は揺さぶられ、
気がついたら画面から目が離せない。

見終えた後、自分も何かの情熱に突き動かされているような錯覚に陥りました。

これは原作の良さもあるのかもしれないですが、
アニメ制作の技術と情熱が凄まじいのではないかと。
平尾隆之監督の作品はこれからも注視したいと思います。

映画好きが情熱と拘りをぶつけるようにして創ったようにしか見えない本作。なのにマニアックになるでもなく、見る者の心を掴んで離さない。

素晴らしいアニメでした。。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31

79.0 3 2021年度アニメランキング3位
シドニアの騎士 あいつむぐほし(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.2 (111)
471人が棚に入れました
———— 身長差15メートルの恋未知の生命体・ガウナに地球を破壊され、かろうじて生き残った人類は巨大な宇宙船「シドニア」で旅を続けていたが、100年ぶりにガウナが現れた。再び 滅亡の危機に襲われた人類だったが、人とガウナから生み出された白羽衣つむぎや人型戦闘兵器・衛人(モリト)のエースパイロットである谷風長道の活躍により、ガウナをいったん撃退。なんとか勝利をおさめたのだった。あれから10年-。シドニアの人々は、つかの間の平和を楽しんでいた。つむぎも、今やシドニアの英雄となった長道に想いを寄せながら、穏やかな日々を過ごしている。だが、艦長・小林は分っていた。ガウナがいる限り、この平穏は長く続かないことを。そして、人類の存亡をかけ、最終決戦を決断する。愛する人を守るため、シドニア最後の戦いがついに始まった。

声優・キャラクター
逢坂良太、洲崎綾、豊崎愛生、金元寿子、櫻井孝宏、佐倉綾音、喜多村英梨、大原さやか、坪井智浩、子安武人、新井里美、田中敦子、本田貴子、鳥海浩輔、阪脩、佐藤利奈、能登麻美子、内田雄馬、上村祐翔、水瀬いのり、岡咲美保
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

人類お引っ越し前、最後の大掃除

数百年に亘る長き放浪の果て。
ようやく移住先となる惑星を発見した「播種船・シドニア」が
行く手を阻む「ガウナ」との最終決戦に挑むシリーズ完結編。

【物語 4.5点】
勝利のために人間やめますか。不完全な人体に拘る意味はあるのか。
愛する一人を守るために戦うのか。一人を犠牲にしてでも種を守るのか。その両立は。

内容はSF等で幾度も問われて来た王道テーマ。

本劇場版は、それらの葛藤を、主人公・谷風 長道(ながで)とヒロインらの世代だけでなく、
意志を受け継ぐ下の世代や、
ついに開示される上の世代{netabare}「不死の船員会」{/netabare}の過去と共鳴、合流させることで、深化、立体視。

怪物の如き野心に溺れた人間と、人間的な愛に目覚めた人外との対比も良好。

キャッチコピー“身長差15メートルの恋”も決してネタではなく、真剣な恋愛物語として秀逸。

敵だけでなく、登場人物各々が抱えた煩悩一掃をも図る集大成ぶりで、
ファンとしては上々の満足度が見込める。


人類の悲願達成を目指す最終作戦は一年の長期プランで
{netabare}恒星を決戦兵器「重力子放射線射出装置」のエネルギー源と企画する{/netabare}など大スケール。
(『BLAME!』も観ておいて良かった)

阻止せんとする「ガウナ」も{netabare}スパイ活動や「知性型ガウナ」による「掌位」連携プレイの再現{/netabare}などより狡猾に。

局地的な「ガウナ」の圧倒的物量、性能による絶望だけでなく、
中長期で徐々にプランが瓦解される切迫感がSF戦闘シナリオを重厚化。


永遠の命か、子孫に託す絆の蓄積かの問答の視覚化も骨太化に寄与。
クライマックスで{netabare}先祖伝来の人工カビの巨弾を「大シュガフ船」にぶち込む{/netabare}件など、
まさに人類の継承パワーの真骨頂。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・ポリゴン・ピクチュアズ

3DCGによる亜光速航行も含む、超高速戦闘シーンは相変わらず圧巻。
人型兵器「衛人(もりと)」のモニター等に敷き詰められた
視覚による戦況把握と、東亜重工フォントのレーダー、文字情報。
それに合理的な情報伝達を追求した専門用語による報告乱発が加わり、
多量の情報が脳に押し込められる多幸感は健在♪

人物描写もさらに洗練しCGによる違和感も軽減。皆さん、眉間に良い皺寄ってます。
あと、赤面する融合個体に触手。かわいかったです♪

「シドニア」船内の夜景もロマンチックに活用され恋愛劇の盛り上がりに貢献。


【キャラ 4.5点】
冷徹な指揮で「シドニア」を導いて来た小林艦長。
彼女が数百年ぶりに分厚い仮面を外すか否かも本作の重要ポイント。

ヒ山と落合の過去と合わせて、上の世代が人類数百年の宿願を強調。


下の世代では主人公・長道(ながて)の同期・山野栄子の弟・稲太郎が
因縁に決着を付けんと躍動。
{netabare}彼の最後の一撃もまた人類継承の力の一端。{/netabare}

同世代のエース・浜形 浬(かいり)。優秀だがお調子者なのがイマドキの若者感w


元祖・お調子者の弦打(つるうち)にも見せ場?あり。
美女と一緒に“光合成”する彼の悲願は叶うのでしょうかw


そして、1期&2期と余り良い所がない岐神海苔夫(くなとのりお)w
最後に最高の“海苔夫タイム”に乞うご期待♪
{netabare}実際、本作の海苔夫は凄く格好良かったです。{/netabare}


【声優 4.5点】
主役・谷風長道(ながて)役の逢坂 良太さん。
長道は英雄としてポジションアップもしたけれど、
あまり格好良くなり過ぎないようにとの微妙なディレクションにも対応。

ヒロイン・つむぎ役の洲崎 綾さん。
幼女の如き無邪気さも見せたかと思えば、自己犠牲をも厭わない達観ぶりも見せる。
人間・星白の残像との距離感も含めて、精神年齢の塩梅が難しい役をこなす。

共に本シリーズ1期放送年度末に声優アワード新人賞を受賞したお二人が、
この劇場版完結編にて、懐の深い演技で成長の証を見せる。


その他の声優陣も、抱えた業が滲む好演。
そんな中、クローン人間姉妹・仄(ほのか)シリーズには新個体が補強され、
CV.喜多村 英梨さんはさらに多役にw


そして、ラスボスはやはり{netabare}子安 武人さん。
“テラ子安”な完全生物の自己陶酔ボイスが思想面でも長道らを翻弄。{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当はTeam-MAX・片山 修志氏に変更。
金管を前面に押し出した戦闘曲の攻撃力は健在♪

心情曲では監督要望により、長道(ながて)にオーボエを、つむぎにピアノ&ストリングスを、
“テーマ楽器”として設定し、アレンジ配分で、二人の距離感等を好演出。


挿入歌では{netabare}「シドニア」{/netabare}の投入もあり熱かったです。


ED主題歌はCAPSULE(カプセル)「ひかりのディスコ」
作品とのマッチ度よりも、本編終了後の解放感が強いエレクトロ・ポップ。
{netabare}新しい身体、早く慣れると良いですね♪{/netabare}

同ユニットは劇伴ソング「うつせみ」も提供。こちらは本編に食い込んだ高シンクロ曲。
{netabare}乙女が髪を解いて歌い上げたあの一曲は
長道に斎藤の面影を重ねていた彼女の決別と決意の表れか。{/netabare}


【感想】
原作未読のまま、2期の軽いラブコメのノリも続くのだろうと高をくくっていた私。
異種間恋愛の純粋さに思いがけず感動させられる等、
感極まるシーンも多い大満足の劇場鑑賞でした♪

私は平凡なシネコンでの鑑賞でしたが、
シリーズ特有の発砲、発進音、
触手つむぎのムギュムギュ音など音響へのこだわりは相当感じました。
本作はドルビーアトモスにも対応とのことなので、
今後、鑑賞される際は音響には妥協しないことをオススメします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

思い、重なり

原作未読 109分

シドニアの騎士の劇場版です。テレビ版の1期・2期を観ることをオススメします。

脅威を受けてきた謎の生命体ガウナとの最終決戦に挑む谷風 長道たち人類との戦いを描く作品です。

そして、ポスターやサムネにもなっているように谷風 長道と白羽衣 つむぎの恋模様も描いています。

危機的で絶望的なことがたくさんありました。ガウナどんどん進化していきましたね。

バトルはテレビ版以上に凄かったですね。もう何が何だか分からないぐらいスピード感がありました。
{netabare}
つむぎちゃん可愛かったですね。

まさかのデート、そして水遊びw 仄たち大変でしたね。またいっぱい増えて全然分かりませんw

小林艦長の本音と涙、仮面の下にこれまで何度もそんな表情をしていたんでしょうね。

海苔夫は落合の支配が解けて、変わりましたね。居住区での山野弟ともに戦ったガウナ戦、カッコ良かったですね。

つむぎちゃんのみんなを守る心、そして長道を思う心、美しかったです。

最後、人間体になったつむぎちゃん、長道といつまでも幸せに^^

そしてもうひとつ、緑川が男子になったのは驚きましたw イザナと幸せに^^

シドニアの新天地への旅はまだまだ続きそうです。
{/netabare}
何度もウルウルさせてくれました。

たくさん見どころのある作品でした。詰め込んだ感じでしたが、違和感はなかったですね。

観終わった、難解なところもありましたがスッキリと爽快感がありました。観て良かった作品です。

主題歌はCAPSULEさん、ちょっとこの作品には軽い感じがしました。
{netabare}
長道と海苔夫が一緒に出撃するときに流れたテレビ版主題歌「シドニア」には震えましたね。隣いた友人とビクッと体が反応しましたw
{/netabare}
最後に、一度延長しましたが、この緊急事態宣言の中、上映ありがとうございました。今回初めてDolbyAtmoで観ましたが音が凄い迫力でしたね。映像と合わせて引き込まれました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

原作未読だとより楽しめそう。。是非1期から。そして劇場へ!

 
わはーい!ようやく始まり。。
そして終わる、のか。。

自分としてはTVシリーズは最多の7周した、ツボ度◎で完成度◎な作品です。

 原作:月刊アフタヌーン(弐瓶勉)
 制作:ポリゴンピクチュアズ
 公開:1期 2014年4月(全12話)
    2期 2015年4月(全12話)
    本作 2021年6月
 視聴:2021年6月(イオンシネマ利府)

正直、アニメ続編は諦めていました。

1期、2期を観て、原作を読み同原作者漫画のBLAME!を読み・・はや、数年。

公開が決まってからもコロナウィルスの影響で延び延びになって・・ホントに待ちくたびれました。

ようやく、ようやくです。。

■作画
もう最高。
3Dでの動き、演出は美麗で迫力もあり圧巻。
宇宙の無限感も惑星やガウナの質感も艦内の空気感もしっかり感じられる。
キャラも、BLAME以降はのっぺり感なくて表情豊か。
一部のキャラデザは初め違和感ありましたが、まあ許容範囲内かな。

■キャラ
なにこのチャラいリーゼント。いけ好かんw
新人たちが原作にいたかどうかは記憶にありません・・orz
え、ナガテかっこいいw
~{netabare}
・イザナ
 cvそういえば豊崎さんだったんですよね。
 2期観終わった後しばらくして気付きました。
 けいおんの唯ちゃんと同じ声帯とは思えない。
 いやー、さすがです。
・小林艦長
 cv大原さんだったんですね。
 つい最近気づきましたw
 やっぱりさすが。
 後半の艶っぽさ、それもそのはず、
 ARIAのアリシアさんですからねぇw
・モズク
 cvあやねるも後になって知りました。
 当初は嫌いなキャラでしたが声は好きでした。
・半間乙希(若手メガネギャル)
 cv岡咲美保さん。
 転スラのリムルではイイ演技でした。
 今作ではチョイ役なのがちょっと惜しい。
・端根色葉(若手のカワイコちゃん)
 cvいのりん!ありがとう(何)
・不動産屋のお姉さん
 む!cvゆかちー・・今頃気づいたorz
・仄姉妹
 cvキタエリさん。一体何役?すごいの一言。
 ちゃんとEDに書いてくれたら「魔女の旅々」以上かもw
・星白/紅スズメ/つむぎ/のどか
 cv洲崎綾さん。
 映画化に合わせてか、一時期地上波クイズ番組に出てましたが公開が延びてしまって、なんだかなあ。。でしたねぃ。あ、洲崎さん、たまこだったんだ。。
{/netabare}~

■エピソードとかつっこみとか
ハラハラする展開で息をも持つかせぬバトルがあったかと思えば、定番のほっこりエピソードも。意外なあのカップルまで登場。
これぞシドニア。
~{netabare}
しかし原作ラストまでうまく入れ込みましたね。
無理やり感はなかったけど、入らなかったキャラがいたのはちょっと残念。
無理に詰め込まずに、某EVAの様に3編位に分けてもよかったのにw
でも、人間つむぎの登場はジーンとしました。。
そして、ちゃんと娘ののどかまで。。
これは、本当に続編を作る気はなさそうですね。。
 ~原作{netabare}
 たしか融合個体二号のカナタには固有の人格があり、ツムギとの絡みもあったはずだし、機械生命体テルルの話とかも面白かったのに。

 2期でつむぎはクナト(落合)をお父さんと呼んでたけど・・落合、てめーまさかエナ星白を。。あれ?紅スズメのエナ星白を母体としてカナタを作ったとしたら、自分の子供に乗り移ったワケ?ホント外道だ。。まあそもそも人道なんて通じないか。。

 ガウナさん、山根を擬態!?赤井や百瀬はしないのんな・・

 仄の妹シリーズ、原作でもチビっこだったかな・・
 まいった。このキャラデザはツボった・・
 もっと登場させて欲しかった。外伝希望w

 原作でナガテがつむぎを選んだのも驚きでしたが、
 イザナとユハタがくっつくいたのはさらに衝撃でしたw
 自分の中ではイザナが男性化したものと記憶してましたが。。
 まさかユハタが男性化だったとはw
 そうだったとしても、ユハタの場合、性転換だったような。。
 うーんどうだったかな。。
 今作ではあっさり過ぎて視聴者に伝わったのか疑問です。

 ララァが美形だったのは、確か原作通りだったと思います。

 艦長の歌は原作になかったような。。
 歌も大原さんかな?だとしたらARIAでも聴けなかった歌声は貴重。

 原作も、もっとエピソードや戦闘を盛り込むこともできたと思うんですが、弐瓶さんの潔さがむしろうらめしいw
 {/netabare}~
しかしデート回なんかは原作の再現性も押さえながらもすごく綺麗でした。

{/netabare}~
原作知らずに観れば、きっと、もっともっと感動したでしょうね。。
ま、こればっかりはしょーがない。。
また原作読もうかな。。

いずれにしても、また劇場に行って、今度は噛みしめながら観たいと思います。


 さあ あなたも あい つむぎに ・・・ 
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

78.3 4 2021年度アニメランキング4位
ジョゼと虎と魚たち(アニメ映画)

2020年12月25日
★★★★☆ 4.0 (185)
762人が棚に入れました
趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。

声優・キャラクター
中川大志、清原果耶、宮本侑芽、興津和幸、Lynn
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

恋の浮力、青い世界

田辺聖子、短編恋愛小説。

趣味の絵と本に囲まれ、
想像の世界を生きるジョゼ。
幼い頃から障がいを持つ彼女は、
危うく坂道で転げ落ちそうになり、
通り掛かった大学生の恒夫に助けられる。
夢を追う二人の人生が交差する。

原作からも大きく脚色され、
セクシャルな要素は描かれていないが、
アニメ表現としてはこれで良いのでしょう。

車椅子生活を送るジョゼは、
自己防衛のために高飛車な態度をとる。
他者との接触には恐怖感が募るのである。
恒夫にも悪態を付き困惑させる。
{netabare}好きな時に、好きな場所に行きたい。
絵と本に夢中になり外の世界を夢見ている。
彼女が描く絵が全てを物語っている。{/netabare}

ジョゼの時間は止まっているのだと思う。
{netabare}いくつかの事件を通じ彼との距離は近づき、{/netabare}
様々な人と出会い、触れ合い知る新しい自分。

路面電車は、大阪のローカル線だ。
そこには今でも暮らしが息づく軌道がある。
雪の中の車椅子の轍、彼女の痕跡。
{netabare}季節は廻り、彼女は何を得たのであろうか。{/netabare}

この先、幸せでありますように。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 44

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

勇気という名の翼を胸に広げて未来へ飛び立とう

心温まる素晴らしい映画でした。
この映画を教えてくださったあにこれの皆さまに感謝します。

映画タイトルの『虎』は恐怖の象徴、『魚たち』は安らぎの象徴。

ジョゼは半身不随の歩けない女の子。
外に出るときはいつも車椅子。
しかし、彼女の祖母は「外は危ない」とジョゼに言い、なかなか外に出してもらえません。
それでも外に出たい。まだ見ぬ世界を見てみたいとジョゼは願っていました。
ジョゼの願いは、誰もが持っているごく普通の願いです。


主人公の鈴川恒夫(すずかわつねお)は大学生。
彼はクラリオンエンゼルの集団を海中で見ることを夢見ており、
そのためにメキシコ留学を目指し、勉強とアルバイトに明け暮れていました。

そんな二人が偶然にも出会います。
恒夫はジョゼの背中を押してくれます。まだ見ぬ世界を見せるためにフォローしてくれます。
砂浜のある海岸、公園の並木道、クレープ屋さん、図書館、…etc
誰もが普通に見ることができる光景ですが、ジョゼにとっては、どれもこれもが新鮮でした。

でも、ある出来事が起こり、それから…、今度は恒夫が夢を見失います。
ジョゼは恒夫を励ますために…あることをします。
それはとても心が暖まることでした。


ジョゼは障がい者です。
ですが障がい者だから特別ということではなく、
誰でも勇気をもって歩みださねばならないときがあります。
そんなときに友達が背中を押してくれたり励ましてくれたりすると、勇気がもらえます。

勇気という名の翼を胸に広げて未来へ飛び立ちましょう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

心のバリアを穿つ物

原作小説は未読。実写映画版も未見。サガンも未体験。
鑑賞時は予備知識ほぼゼロで挑みました。

【物語 4.5点】
繊細。

原作よりは明るい方向でのシナリオ改変。
ヒロイン・ジョゼの車椅子設定も障がい者の生き辛さより、
人間社会全体における生き辛さの表現の一つとして。

との事前情報は耳にしていて、
車椅子がぞんざいに扱われたりして興醒めしないだろうか?
などの懸念を私は抱いていましたが、他の方の好評を信じて行ってみたら杞憂でした。
ありがとうございました♪


原作刊行当時の昭和→現代の大阪が舞台となり、
バリアフリーや行政支援など身体・生活面の障壁撤廃策は充実したけど、
最低限の暮らしは保障されるのだから夢だの恋だの自己実現は諦めよ。
といった形で浮き彫りになった心の壁や、障がいの有無以前の人間としての甘えや諦め。
障がい者だけでなく健常者にもある諸々を乗り越えるには?
という主題が{netabare}恒夫のメキシコ留学やジョゼに絵の才能を与える{/netabare}など
突破口となり得る夢の追加設定も交えて、丁寧な描写で伝わって来ます。

(因みに本作では“障がい者”という言葉は一度も出て来ません。
“健常者”なら一回だけ強烈に繰り出されますが。)

新しい日常の一コマかな?と思しきダイジェストで披露された小ネタが、
後々、回収されるなど伏線芸も細かい。

普遍的な青春物として目を懲らして観る価値がある。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・ボンズ

実写とアニメの中間を追求。

背景美術もリアル志向ながら全部描いて圧が強くなりすぎないよう情報量を調整。
フォトリアルにありがちなしつこさが本作は少なく見易いです。

loundraw氏のイメージボードを下敷きにしたヤマ場の背景の美しさは圧巻。
月並みですが{netabare}ジョゼと恒夫の波打ち際{/netabare}は本当に綺麗です♪

鍵となる絵や絵本の素材提供には、プロの絵本作家を起用。
生き辛さや言い訳で、絶やしてはいけない夢や芸術があることを視覚的に証明。
{netabare}あの絵本の虎さん動物園以上の迫力w{/netabare}


人物作画も台詞に表れない、或いは言葉の裏に隠した心情を良く拾う。
最初に、恒夫がジョゼ宅に上がると決まった時、ジョゼの後ろ姿がピクッと反応した瞬間、
私はこれは!とガチ鑑賞モードに切り替わりました。いい“先制ジャブ”頂きましたw


【キャラ 4.5点】
ヒロインのジョゼ。嫉妬などの心情が明快な、どこにでもいる普通のツンデレですw
ジョゼは2020年アニメ映画、私の最萌キャラです。萌えましょうw

そんなジョゼと恒夫の間に、入って来るアニオリキャラの舞。
恒夫に伝えまいとする分り辛い恋心(まぁ、隼人や鑑賞者にはバレバレですがw)
ジョゼの障がい故であっても、舞の一般的な乙女心故であっても、
想いを堰き止める青春の心の壁は共通であることを強調する好材料となる。
{netabare}ジョゼVS舞の無差別級・修羅場舌戦お見事でした。二人は強敵(とも)ですw{/netabare}

アニオリキャラ・その2・隼人。
女好きのチャラ男でも、いざという時はやる典型。
{netabare}恒夫を呼吸させる{/netabare}好アシストはシビれました。

あと、祖母に存在感のあるアニメ映画に外れはないと思います。


【声優 4.5点】
ジョゼ&恒夫。メイン二人は俳優陣。

が、キャスティングもまた実写とアニメの中間領域の開拓精神から、
声優、俳優幅広く検討した結果。
ジョゼ役の清原 果耶さん起用にしても、
大阪府出身で方言をカバーしつつ、実写&アニメ両要素の演技ができる
という勝算があったから。

重要なのは“ちゃんとした声優”か否かではなく、
結局スタッフが熱意を持ってオーダーできるか否かだと改めて痛感する好例。


脇の声優陣も舞役の宮本 侑芽さんが
表情と一致しない台詞など台本の裏を読む好演。
花奈役のLynnさんもサガン好きの“同志”来館に色めき立つ積極的な図書館司書を熱演。


意外性はジョゼ宅に居座る野良猫・諭吉役の河西 健吾さん。
『3月のライオン』主演声優がホンマもんのニャーとなり、闖(ちん)入者・恒夫を威嚇w


【音楽 4.5点】
劇伴はEvan Call氏。恒夫のバイト先で流れるBGMなど
エレクトロポップ配合のオシャレな都会ムードもフォローするが、
やはり魅力的なのは弦楽を生かしたファンタジー風で、海中世界や空想をカバーした仕事。
真骨頂は、その作風でクライマックスを彩った心情曲。

四季の移り変わりも美しい本作ですが、
美術だけでなく環境音の貢献も聞き逃せません。

他には砂浜にめり込む車椅子のタイヤ音や、
古式な和風民家であるジョゼ宅の木珠のれんが擦れる音など、
マニアックな効果音もリアリティや生活感の向上を下支え。


ED主題歌&挿入歌はEve。
今回は二曲共、場面の劇伴ソングとして使用。
“ああこのまま立ち止まってしまったら 涙の味でさえ 知らないままだったな”
などジャストミートな歌詞で{netabare}辛いリハビリ生活{/netabare}も乗り越える。

要するに本作はEDの後まで立ってはいけない作品だと言うことです。


※初回投稿2021/1/7 1/20誤記修正。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 36

78.0 5 2021年度アニメランキング5位
ARIA The CREPUSCOLO(アニメ映画)

2021年3月5日
★★★★★ 4.2 (83)
350人が棚に入れました
ネオ・ヴェネツィアの街が、落ち葉の絨毯で彩られる秋。オレンジぷらねっとで修業の日々を送るアーニャには、気がかりなことがありました。お互いに多忙なこともあり、長い間会えていない先輩のアリスとアテナ。そのせいで元気がないアテナに対し、アリスはなぜか会うのを避けている様子なのです。友達のアイとあずさにも協力してもらい、先輩たちが絶対に会える方法を探す中、アーニャは今の自分だからこそ見える“景色"があることに気づかされるのでした……。

声優・キャラクター
広橋涼、佐藤利奈、茅野愛衣、安野希世乃

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

公開された時点で百点、アリスとアテナさんの師弟愛で千点、エンドロールで5千点。

 数ある日常系の頂点にして至高の作品は何か?。私は万感の想いを込めて「ARIA」シリーズであると言いたい。そんなあいつらが帰ってきた…。それだけで百点をあげたくなる駄目な大人ですが、60分しかないとは思えない傑作でした!。


 本作はアリスとアテナさんを中心にした物語である。となれば、ファンなら一番気になるのは、故 川上とも子さんからアテナ役を引き継いだサトリナさんがいかにはまっているかだろう?。正直「はわぁ〜」な駄目アテナさんはかなりの一致度である。ただ、シリアスになるとやはり違う…。だから物足りないか?というとそんな事は全くなし!。何故なら話自体も、キャラの活かし方も凄く上手いから!。


 数ある名キャラクラーばかりの「aria」においても特に大好きな広橋さん演じるアリス中心の物語というだけで盛り上がってしまうが、本作においてもグッとくるエンタメとして力と、テーマ性が見事に両立している。


 子供はドキドキとワクワクが満ちているが、それを受け入れるのに精一杯。素敵なオトナはそれらを作り出すことも、見方次第でそれを見出すこともできる。すなわち、現象学的にも、受動的では世界は無意味に感じがちだが、積極的に把握しようとすることで世界の意味を見出だせるという本作を通してのテーマを軽やかに実現させている。


 そして、終盤の展開とその後に流れるナレーション、からの〜ed曲「エコーズ」。全てが絡み合っていて、大きな物語のダイナミズムがなくても思わず目頭が…、これこそariaの真骨頂。「水」の街に相応しい、想いが波間を伝わり、そして響き合い高みへ昇っていく。


 そしてedロール後に流れたものを見て「えっ!」ってなった…。こういうedロール後におまけが〜な作品は多いが、ここまでビックリ+歓喜したのは初めてかも。ファンならばこの状況でも全員もれなく突撃すべし!。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

心地良いひとときを…

この映画は、やはり癒しのアニメでした。
主役が変わってもARIAの根底にあるものは同じ。

心優しいARIAの人たちが集まって心温まることをしてくれる。
そんな心地良いひとときを映画館で堪能させていただきました。

主役はオレンジぷらねっとのアーニャ。
そしてメインの登場人物は、アリスとアテナ。
今までのシリーズで主役だった水無灯里は、今回はサポート役です。

灯里ファンの方には少し残念ですが、それでもアーニャが頑張ってくれるので、素敵なミラクルを見ることができました。

それに藍華やアリシアさんや晃、グランマ、ウッディーさんや暁さんなど、懐かしい顔ぶれも登場します。
そして昔の懐かしいシーンが物語のいたるところででてきますので、そのときのアリスやアテナの気持ちを思い出してしまい、思わず頬笑んでしまいます。
もちろん若手のアイちゃんやあずさちゃんも登場しますよ。


ARIAの登場人物は、皆お人よしばかり。
こんな優しい人たちに囲まれたら、幸せな気持ちになります。
それは現代の人たちが失いつつある大切なものだからではないでしょうか?

特に都会に住んでいたら時間に追われてしまい、人に優しくする余裕がなくなります。
それに、隙を見せたら詐欺にあうことが多いので、ついつい他人に無関心になりがちです。
だから、ARIAは現代の社会人にとって心のオアシスのようなものでしょう。


今回も素敵なメッセージ(藍華にとっては恥ずかしいセリフ)がたくさん飛び交います。
そのメッセージは、私たちが生きる上でも大変参考になります。
ARIAで表現される素敵なメッセージを、私も言えるようになりたいと思っています。
そうすれば、今よりももっと未来が明るくなるでしょう。


最後に アテナとアリスとのデュエットは、とても美しい歌声でした。
あの歌を聴いただけでも幸せな気持ちになれまよ。(*^_^*)

ARIAの次回作が待ち遠しいです。(^_^)/

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とても好きなだけに。。寛容もこだわりも持てる作品。個人的には・・

なんだろう。。臥竜点睛を欠く、かな。。 
ハルフィルムメーカーの偉大さを思い知りました。

春風そよぐ3月上旬の宮城。
地震による劇場変更にもめげず公開記念舞台挨拶&全国ライブビューイング回に行ってまいりました。

PV映像は個人的に違和感を感じた部分があったけど、果たして・・

新キャラはアレッタ。
~{netabare}
CVは安野希世乃さん。挿入歌も担当。
冴えカノで共演した茅野さんが喜んでおりました。
 =>茅野愛衣のむすんでひらいて 第159回
  https://www.youtube.com/watch?v=HUZiEOZtob8
{/netabare}~

■よかった点
 何より、アテナが良かった ^ ^
 全然違和感なし。さぞかし様々な重さや想いがあっただろうに。
 最大限の賛辞を贈りたいです。(※1)
 そして、アーニャも。(※2)
 全体的には優しい世界観とキャラ愛と奇跡に満ちた過去の作品に浸る事が出来てとても有り難い時間でした。

■惜しかった点(好きな方はスキップ推奨)
 個人的な好みによるところが大きいんでしょうけど・・

 【キャラ】
 ~{netabare}
 旧キャラ(特に灯里)が別人過ぎ。
 歳をとったというのはわかるけど・・
 この作品は、世界観、流れる空気、音楽の他に、やはり各キャラの魅力も大きいと思うワケですよ。特に自分はこの部分の比率が大きい。そしてキャラの中でも灯里が占める部分が大きい・・。
 その灯里の顔が・・自分にとっては全くの別人。もう、「誰?このオバサン」レベル・・ごめんなさい。好きな方には聞き捨てならない言葉ですよね・・でもこの部分がどうにも自分の許容範囲を超えていて、正直、ストーリーに集中できませんでした。アリシアや他のキャラも違うけど、特に灯里はヒドイ ><。
 {/netabare}~

 【音楽】
 ~{netabare}
 過去作でもタイトルロゴがオレンジの作品についてはキャラに違和感を感じるものもありました。それでも、音楽だけはやさしい弦楽器系で統一されていました。でも今作では、ピアノ中心になってました。。これは自分にとってはとても大きな違和感でした。弦楽器ならではの雰囲気が好きだったので。
 弦楽器の音色は男性の多くが好み、ピアノの音色は女性が多く好む、といったような話を聞いたことがあります。次作へ向けて新しい雰囲気を出すために敢えてピアノ系にしたのかも知れませんけどね。。
 あと牧野由依さんの歌もちょっと入れて欲しかったなあ・・
 {/netabare}~

 【エピソード】
 ~{netabare}
 そもそも本シリーズは日常系。
 それでも過去作ではキャラの魅力や音楽の効果でいいシーンも。
 でも今回は新キャラ達への思い入れも浅く(設定が薄い)、
 旧キャラは上記のとおりで別人感が満載なワケで。
 なので感情移入が難しく、エピソードへのリスペクトは大きくはなかったかな。とても残念です。
 {/netabare}~

■舞台挨拶
 【3/6登壇者】
 広橋涼、茅野愛衣、葉月絵理乃、大原さやか、
 佐藤利奈、西村ちなみ、佐藤順一総監督、名取孝浩監督
 MC檜山沙耶

 Youtubeに3/5の動画が上がってましたが、3/6では西村さんがいました。
 広橋さんの髪型や、各々の話す内容も若干変わってました。
 何度か観ても面白いかもw

■まとめ
 まずは再起動してくれたことに大感謝。
 惜しいところはありましたが、変化はつきもの。
 改善しながら今後も続いて欲しい。
 灯里が里帰りするとこなんかも観たいし恋バナも気になるしw

■完全余談(ネタバレじゃないけど畳んでおきます)
 ~{netabare}
 映画が始まったとたん、劇場の音がデカ過ぎてヒドかった・・
 特にキャラの声がキンキン耳に響いた。音楽は普通なのに。
 劇場もしくは作品自体、ボリューム調整しくじってないかな・・

 今回初めてプレミアボックスシートなるものを利用したけど、ゆったりと幅も広く隣席との区切りもあり、とても快適。
 ただ追加料金1000円で上映時間61分だったので、ライブビューイングない回はもったいないかもw

 特典配布は、灯里とアイのコースターでした!当たりw

 ちなみに安野希世乃さん、宮城出身とのことですが劇場にはらしき人はいませんでした(アタリマエw
{/netabare}~


 原作:天野こずえによる日本の漫画
    2001~2008年
 制作:J.C.STAFF
  天野こずえの「あまんちゅ!」もアニメ制作
 監督:名取孝浩
 脚本:佐藤順一
  吉田玲子さんにして欲しかったw
 キャラデザ:伊東葉子
 封切:2021年3月5日(上映61分)
 視聴:2021年3月6日
    (Live Viewing回/TOHOシネマズ仙台)

あ、そうだ。
「あまんちゅ!」を観てから、また劇場に行こうかなw


<自分用メモ>
 1期:2005年秋  ARIA The ANIMATION
 2期:2006年夏秋 ARIA The NATURAL
 3期:2008年冬  ARIA The ORIGINATION
 OVA:2007年9月 ARIA The OVA 〜ARIETTA〜
 OVA:2015-16年 ARIA The AVVENIRE
    『蒼のカーテンコール』第一章
 映画:2021年3月 ARIA The CREPUSCOLO
    『蒼のカーテンコール』第ニ章
 ~{netabare}??:?年    ARIA The BENEDIZIONE
    『蒼のカーテンコール』最終章(制作決定)
    べねでぃじおーね?よみづらーw{/netabare}~

<補足>
※1 アテナの声優さん
 ~{netabare}
 過去作のレビューにも書きましたが、過去作のアテナのcvは川上とも子さん。ウテナやAIRのヒロインの他、CLANNAD Afterでは幻想世界の少女なども演じた方です(中原麻衣さんと共演していたんですね)。
2011年6月に癌で他界された後の作品ではアテナは登場しても歌のみだったり、過去シーンを利用・・でもエンドロールに名前あり、などのエピソードがファンの熱い想いを掻き立てました。
 で、今回その大役を引き継いだのは、サトリナこと、佐藤利奈さん。
 ネギまや超電磁砲の主人公、無限の住人(旧)などで活躍されてますが、今回、見事にアテナ役を継承されたと思います。3/5の舞台挨拶では感極まっていました。。
https://www.youtube.com/watch?v=V16aAq2MO-s&t=23s
 {/netabare}~

※2 アーニャの声優さん
 ~{netabare}
 まあ畳む必要もないとは思いますが、かやのんこと、茅野愛衣さん。
 これも過去作レビューにも書きましたが、かやのんが声優になるきっかけとなったのが、このARIAシリーズ。アフレコで感極まって泣き出したとの逸話はけっこう有名かと。
 {/netabare}~

作品外のエピソードも含めてARIAシリーズは稀有な作品だと思います ^ ^


それはそうと、世界のサトジュン監督・・・
お願いだから、次作では顔を元に戻してください ><。
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

77.3 6 2021年度アニメランキング6位
ARIA The BENEDIZIONE(アニメ映画)

2021年12月3日
★★★★★ 4.2 (62)
256人が棚に入れました
長い冬を迎えたネオ・ヴェネツィア。寒空の下、合同練習をしていたアイ、あずさ、アーニャの3人は、いつもと様子が違う晃の後をつけたのをきっかけに水先案内人ミュージアムを訪れることになりました。出迎えた館長の明日香は、姫屋の伝説的なウンディーネとして知られる晃の大先輩。二人は姫屋の創業時から大切に乗り継がれてきた1艘のゴンドラの継承者でもあるのですが、晃の話によると、次の乗り手として期待される藍華にはその気がないというのです。納得がいかないあずさは、どうしてなのか理由を探ろうとするのですが……。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

努力を積み重ねる頑張り屋さん それが優秀な人の証

この映画はARIAのフィナーレです。
2005年にテレビ放映が開始されて16年。多くの視聴者の心を癒してきたARIA
それがついに終わりを迎えました。私達ARIAファンにとって、それは一つの時代の終わりを意味しています。
佐藤順一監督や制作を担当された皆様方、今までありがとうございます。そしてお疲れさまでした。


この映画は、藍華(あいか)と晃(あきら)の昔話が思い出として語られます。
この二人、実は似た者同士なのです。
二人とも、自分には才能がないことを知っていました。

才能がない人が学力・技術力を向上させるためにはどうすれば良いでしょうか?
その答は簡単です。
努力すればいいのです。努力を積み重ねれば良いのです。
但し、口で言うのは簡単ですが、それを毎日毎日実行するのは、相当の忍耐力が必要です。

そして、懸命に努力を重ねても、挫折しそうなときが必ずあります。
そんなとき…、助けてくれる人がいたら、心が救われます。頑張り続けることができます。
藍華は晃に,晃は藍華に、心を救われました。

年下の藍華には晃を助けた記憶がありません。でも、助けられた晃はしっかりと覚えています。
当人はほんの些細な出来事だと思っていても、それで救われる人はいるのです。


Openingは牧野由依さんの「エスペーロ」でした。
初めて聞く曲ですが、どこか懐かしい。まさにARIAらしい曲でした。
そして物語の最初から最後まで途切れることなく穏やかに流れるBGM
とても心が癒されます。

そしてEndingは、牧野由依さんの「ウンディーネ」
これはARIAの始まりの歌。もっとも思い出深い曲です。
きっと多くの人が「ウンディーネ」を聴きたかったはずです。

最初から最後まで、心が癒されます。

欲を言えば、最後は灯里が主人公で締めくくってほしかったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

その 薔薇の香りに包まれて…

原作未読 初日舞台挨拶30分+上映時間61分

TVアニメ放送10周年記念プロジェクト 『蒼のカーテンコール』3部作の最終章です。

初めて初日舞台挨拶を観ました。(中継)

今回は姫屋が中心なので、藍華役の斎藤千和さん(ビデオメッセージ)の・晃役の皆川純子さん、あずさ役の中原麻衣さん、灯里役の葉月絵理乃さん、アリス役の広橋涼さん、監督の名取孝浩さん、そして総監督の佐藤順一さんが登壇されました。みなさん和気藹々でおめでたいお話が3つもありwトークも盛り上がってとても楽しいひと時でした。

冒頭、ショートアニメ{netabare}(結局、私は何が変化したか分かりませんでしたw){/netabare}を挟んで、本編が始まりました。

第1部のARIA The AVVENIRE(未来)はARIAカンパニーの灯里・アイを中心に、第2部のARIA The CREPUSCOLO(黄昏)はオレンジプラネットのアリス・アテナを中心に、そしてこのARIA The BENEDIZIONE(祝福)は、姫屋の藍華・晃を中心のお話です。

今回もアイ、アーニャ、あずさの後輩ちゃんたちが起点となって物語が進んでいきます。

佐藤総監督がお話ししていましたが、テレビの1期から音楽を担当している方達に観る方にすぐにARIAの世界に入れるように何気ない日常に音楽つけてほしいとリクエストされたとのことでこのBENEDIZIONEも始まった瞬間、ARIAの世界に引き込まれました。

藍華・晃の過去を描きながら2人がどう絆が深められてきたかという感じで、とても心が暖かくなるお話でした。

今回も原作者の天野こずえさんの書き下ろし漫画付きパンフレット買いました。藍華・晃に焦点を当ててより密度の濃いお話でしたね。

これで『蒼のカーテンコール』は終わりとなります。寂しくなりますね。後輩ちゃんたちの成長をもっと観たいです。いつかまた会える日を待っています。演者のみなさん・総監督も含めてこれで終わりじゃない感があったので、首をなが〜くして続きを待っています^^
主題歌は牧野由依さん、歌声を聞くと涙が出てきますね。

最後に、火星をテラフォーミングされた水の都アクアの水先案内人(ウンディーネ)たちの物語。ゆっくり流れる時間と何気ないひとときを一緒に過ごして観ませんか。

さあ、お手をどうぞ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

剣と盾

本日はARIAの青のカーテンコールの第3幕を見て来ました。

ARIAシリーズはBlu-rayも夏に全て購入して予習をして初日の初回公開と2回目の公開の2度見ることにしました。
今回もTwitterで半券キャンペーンもするようですしARIAは何度見ても飽きませんし特典の色紙も可愛いから欲しかったしw

さて、物語は姫屋のアキラ&アイカペアが物語の軸となります。
原作でもアニメでも殆ど描かれてない。
アイカの昇格試験が明かされます。

そして、アイカは姫屋の次期当主でもあり歴史が1番深い観光協会の伝統ある姫屋を将来背負って立つ人間でもあります。
だから、彼女は当時その重荷に苦しめられた。

{netabare} アイカの母はアイカに姫屋を継いで欲しい訳じゃなくて、アイカには自分の道を進んで欲しかった。
でも、アリシアさんと出会いウンディーネに憧れウンディーネになる決意を母に伝える。{/netabare}

でも、成長して知っちゃった。
{netabare} なりたい気持ちだけではなれない事に。
アイカの母はクイーンと呼ばれる姫屋の総支配人……そして姫屋に所属するウンディーネ達に更にアキラさんを含む姫屋の歴代エース達。{/netabare}

そんな人々の中で揉まれたアイカは、自分の事を何も秀でた物がない粗悪品だと思ってしまう……
だから、悩んでしまう。

何故、悩むのかな?
{netabare} それを考えた時、アイカちゃんの中の悩みと考えが見えてきます。

1つは、彼女は姫屋の次期当主について凄く考えています。
姫屋の歴史の深さと重み。
姫屋がここまで大きくなったのはクイーンを初め沢山の人が姫屋の歴史に伝統や信頼に信用を積み重ねてきたわけです。
それだけで、凄く凄く凄い訳ですよね。

それを、ただ、産まれたら姫屋の一人娘だから、クイーンの娘だからって理由で自分が受け継いでいいのだろうか?

それをミドルスクール時代のアイカは、幼き頃の自分の発言と姫屋の次期当主って立場と向き合った。
真っ直ぐで真面目な彼女だから見えた現実だったのかな?って…… {/netabare}
この事に、この歳でしっかり向き合えるのは凄いと思います。


2つ目は、誰もアイカちゃんをアイカちゃんとして見なかった。
{netabare} 姫屋の娘だから優秀、クイーンの娘だから優秀、次期当主だから優秀って風にしか、多分誰も見なかった……だから簡単に優秀と言われたり期待されると心は傷ついて……重くて苦しくなってきちゃう……

周りの人も別に馬鹿にしたり嫌味で言ってる訳じゃない……でも肩書きで期待されて褒められても本人からしたら秀でた物もないし期待に答えられるかな?何を見て優秀だと言うのかな?って不平不満で負担になってしまう。 {/netabare}

だからこそ……現実から逃げ出した。
姫屋から……ウンディーネから……自分から……

{netabare} でも、アキラさんが、そんな彼女を見つけだしてアイカちゃんが納得出来るまで文句言わずに付き合ってくれる。

事情も聞いたりはしない。
静かに優しく、アイカちゃんが喋りたくなるまで、ただひたすらにゴンドラを漕ぎながら待っていてくれた。
話を始めると漕ぐのを辞めて目をしっかり見て聞いてくれる。
本当に優しくてカッコイイなぁ〜って思いました。
{/netabare}

昇格試験にはあんな事があったんですね。
{netabare} アイカちゃんの姫屋に認められたい訳じゃなくて、アキラさんに認めて貰いたいって凄く素敵な気持ちですよね。{/netabare}

次に、何故アイカが姫屋ではなく{netabare} アキラさんに認められたいかって、深く掘り下げると。
多分、アキラさんってアイカちゃんに接する時に姫屋の娘やクイーンの娘としてではなく、1番最初にアイカちゃんとして見てくれた人だったんだと思いました。
だから、アキラさんに認めて貰いたかった。 {/netabare}

そして、作中でも話してましたが、アリシアさんに見惚れてウンディーネを目指したけど……
{netabare} 彼女が見てきたのはアキラさんだからアキラさんに認めてもらいたい! {/netabare}
アキラさんは凄く嬉しかっただろうなぁ〜

アキラさんの昇格試験は難易度高めで、諦めてしまいます。
でも、アイカちゃんは気がついたのです。
これくらいで折れるくらいなら昇格した後の茨の道は歩けない事に。

アキラさんの{netabare} 「昇格試験……ちと難易度を高くしすぎたかな」ってセリフの後のアイカちゃんの顔は笑って居ました。
逆境でも笑えるくらいに成長したんだって思えました。 {/netabare}

この2点なが私が強くアイカちゃんの成長を強く感じたシーンでした。

{netabare} そして、昇格試験でアキラさんに勝利する。
この瞬間、私は……あぁ、そっか、アイカちゃんがアキラさんを超える日が来たんだ。と思いました。
プリマ昇格試験試験が、その一手目なんだと感じました。{/netabare}

この2人って凄く似てますよね。
努力家で頑張り屋だけど……他にも共通点がある気がします。
この2人は多分……もし、お互いに出会ってなければプリマになれなかったんだって思いました。

アキラさんは当時諦めかけていた時に幼いアイカちゃんに大切な気持ちに気付かせてもらえたから今のプリマとしてのアキラさんがいる

{netabare} アイカちゃんは家出をした時にアキラさんに見つけて貰えたから逃げ出さずにすんで今、プリマとして成長したんだって思いました。
アキラさんの走りながらの回想を見ながら、そう感じちゃいました。{/netabare}
本当に素敵な2人だと思います。

レジェンドゴンドラ……
姫屋創立から共に歩んできたゴンドラ。
歴代の姫屋の猛者達が乗り継いできた大切なゴンドラ……アイカが乗るのがいいと皆は言います。

それは、アイカが姫屋の次期当主と周りが認めているからです。
{netabare}でも、そのゴンドラには乗りたくないと言います。{/netabare}

私はアイカちゃんがゴンドラに乗らない理由に少し学ばされました。
{netabare} ただ、バトンを繋ぐだけじゃダメなんだと。
考えてみれば、バトンを中継するくらいなら誰にでも出来る……それは自分じゃなくても。

でも、バトンを渡された時にするべき事は、そこに自分が居た事を、自分の……自分だけのレジェンドを刻み込む事の大切さ。
だから、アイカちゃんはレジェンドゴンドラには乗らない……歴史が作った高みに乗るだけではなく、自分がそこから更なる高みへと姫屋を導く為に自分のレジェンドを始める為に…… {/netabare}


作中に出てきた。
「頑張り屋さんだから優秀」ってセリフいいですよね。
才能なんて有るに越したことはないですが、才能がなくても諦めずに頑張れば優秀になることだって出来る。

世の中、自分が優秀だなんて思える人は少ないかもしれません。
周りと比べてしまい自分はダメだと思ってしまう人も少なくはないかもしれません。

それでも、諦めずに頑張り続けたらアイカちゃんやアキラさんの様に頑張るから優秀な人になれるそんな気がするセリフではないでしょうか?
皆さんはどう感じましたか?

アイカちゃんは優秀だと言われる事に不安や負担を感じていました。
{netabare} でも、プリマになった後のアキラさんの「これだけ優秀なのに、とても頑張り屋さんだもんな」ってセリフに「それはちょっと違いますよ。頑張り屋さんだから優秀なんです」と返して居ました。
優秀って言葉を自分に言ってあげられるくらいに成長した{/netabare}彼女の姿がそこにありました。


さて、蒼のカーテンコール最終章との事ですが最後までよかったです。
ラストのエンディングが今までなら次への歩むアカリちゃん達の姿が描かれていましたが、今回は最終章だけあり歴代のARIAのシーンを振り返るような仕様になってます。
くぅ〜最終章なんだなぁ〜って実感した‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

そして、アカリちゃんの最後の言葉の{/netabare}「この街を作った人も携わった人も今はもう居ない……でもこの街はネオヴェネツィアであり続ける私達が居なくなっても」ってセリフも何だか切なくも感じるけど{/netabare}
「あぁ〜そうだよね」って納得しちゃう自分もいたりします‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

↑多分、アカリちゃんのセリフと違うところもあるかもです(*꒪꒫꒪)
うろ覚えな部分もありましてww

アキラさんについても最後に1つ。
私はARIAのキャラは一人一人が女性としての強さが輝いている部分があると思います。

例えるなら、アリシアさんが優しい女性でアテナさんなら美しい女性って感じで。
アキラさんなカッコイイ女性ってイメージがあります。

今作はアキラさんのカッコ良さが引き立っていましたね。
振る舞いが色々カッコよくて、何度か姫を守る騎士の様なナイトみたいだなぁ〜って感じました。
{netabare} アイカの剣となり盾となる。 {/netabare}
このセリフに凄く合うのがアキラさんだなぁ〜って感じました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

76.5 7 2021年度アニメランキング7位
機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 4.0 (176)
707人が棚に入れました
第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。U.C.0105——。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府組織「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

声優・キャラクター
小野賢章、上田麗奈、諏訪部順一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

シャア・アズナブルの亡霊

サンライズ制作。

第二次ネオ・ジオン戦争より12年、
地球連邦政府の腐敗した政治に抵抗すべく、
ハサウェイは反地球連邦組織マフティーに参加。
アムロ、シャアの理想と理念を宿し道を切り拓く。

戦争ではなくテロとの抗争が描かれるようだ。
ブライトの息子、ハサウェイ・ノアは、
組織を率いるほどの青年に成長している。
反政府組織の急先鋒としてのマフティー、
マフティー殲滅を任務・遂行する連邦軍大佐、
そしてシャトルに乗り合わせた美女アンダルシア。

あまり難しく考える必要もないでしょう。
{netabare}物語の主要メンバーが搭乗便の襲撃を受け、
立ち位置を明確にし、それぞれが活躍する。{/netabare}
物語の導入部としては素晴らしいものがあります。

後半はMSによる、戦闘がありますが、
操縦室のモニター、造形、音響に感動するも、
{netabare}そもそも、ガンダムの外装に違和感がある。
そんな複雑な印象を受けつつも、{/netabare}
もしかすれば群像劇として「人」を描くのかなと、
それはそれで、期待しております。

好感が持てる、新劇の開幕でしょう。

ぜひ配信で観て下さい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場で観るべき劇場版アニメ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
久しぶりに、「あ~、俺、今、ガンダム観てるわ~」と思えた。非常に充実した1時間半。

原作は、1989年に出版された、富野由悠季さんの同名小説。「逆襲のシャア」から12年後の世界を舞台にしており、主人公は「ハサウェイ・ノア」。ホワイトベースの艦長として知られるブライト・ノアの息子。

コロナの影響もあり、この1年、映画館に行くのは控えていたのですが、本作はどうしても劇場で観たかったので、昨日行ってきました。田舎の映画館ということもあり、キャパの10分の1程度しか客がいなくて、かなりゆったり観られました。

劇場版三部作の1作目ということで、ストーリーは完結しませんが、充分な満足度がありました。

私が本作を劇場で観てほしいと思う理由は、本作の見所が、やはり映像と音声にあるからですね。

本作では、人間目線でのモビルスーツ戦が多く描かれます。モビルスーツの部品がちょっと落下しただけで命を失ってしまう、絶望感や恐怖。それを味わうには、大スクリーンで観るのが1番だと思います(私は映画館に行くと、視界が全部スクリーンで埋まる、前の席で観るのが好きなんですが、今作はそれがハマってた、スクリーンを見上げる形が良い感じでモビルスーツを見上げている気分になりました)。

まあ、ガンダムを知らない人はまず観ない映画だとは思いますが、一応、「地球環境の為に、全人類を宇宙に移民させようとする青年(テロリスト)の戦い」を描くストーリーです。逆シャアと世界線は繋がっていますが、前作を知らずとも観られる映画だと思います。

コロナ対策をしっかり行った上で、映画館で観てほしいですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
原作小説は、確か中学生の時に読んだはずなのに、びっくりするくらい内容忘れてる(笑)

あれは、いいものだ、、、いや、これは、いいことだ(笑)

ということで、ストーリーは知らずに、新鮮な気持ちで楽しみました。

序盤、宇宙船内の会話劇。これがガンダムの会話だよなという空中戦に、ニヤリ。

続いて、ホテルのシーン。どこかクェスを思い出させる、ギギのキャラに、ニヤリ。ハサウェイが大人になってて、ちょっと複雑な気分(笑)

(ちなみに、ハサウェイの植物学の先生が、アマダ博士って、シローとは関係ないよね? 映画の間、ずっと気になってしまったw)

ホテルを射撃したところからの逃亡戦は、本作で一番の見所。人間の目から観たモビルスーツ戦の迫力。圧倒的な暴力。

ハサウェイは、「地球のため」に戦っているが、「人のため」に戦っているのだろうか。明後日を考えられない人がいるなかで、1000年後の人類の、地球のために戦う愚かさと純粋さ。「魚が取れなくなった」と地球環境を嘆くくせに、ディナーで魚を食べる矛盾。しかしそれも、腐敗した連邦高官のせい。

市街地の上でも容赦なく射撃した軍も軍だが、そもそも市街地を盾にしたのはマフティーだ。

どちらが正しいとか間違っているなんてこと、富野さんが書くわけない。両陣営にそれぞれガンダムがいることが、その証左か。

終盤のモビルスーツ戦は、パイロット目線での戦いが熱い。ワケワカランが、訳もなく面白かった。

ストーリーに関しては、まだ序盤なので、3作観てから語りたいと思います。

余談ですが、私は今、30代中盤なのですが、映画館の客層の中ではまだまだ「坊や」でした(笑) オッサン8割、女性1割、子供1割(笑) もうちょい、ガンダムも裾野を広げていかないとな~と思いました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モビルスーツの場違い感が醸す破滅の予兆

原作小説は未読。

【物語 4.0点】
三部作の一作目。

構成は序盤~中盤3分の2が人間ドラマ。派手なバトルシーンは終盤に集中。
だからと言って、終盤の見せ場にソースを集中すべく、前半を捨てているわけではない。

むしろ前半のハサウェイと出会う人々との濃密なやり取りの方が、
武装蜂起を前にした、ハサウェイ自身によるアイデンティティが不安定な現状を自己分析するパートとして重要なのではないか?
それくらい人物描写が繊細で惹き付けられます。

ハサウェイ率いる反地球政府運動「マフティー」
相次ぐ戦乱で疲弊した地球に特権階級だけを残すべく、
市民を拿捕して宇宙へ強制移住させる「マンハント」。こうした腐敗に鉄槌を下す。
大義としては申し分ないが、過去の武力行使を正当化する名分と比べるとかなり弱い動機。
戦乱で敗れ去っていった者へ思い入れるハサウェイの私心ありやなしや?

マンハント糾弾という点では、地球に残りたい市民とマフティーの利害は一致するが、
最終的に人類は全員宇宙に移住すべしとのマフティーの理想とは齟齬を来す。

何より今や、宇宙世紀(U.C.)0105年。
もはや武力だの、モビルスーツだの、ニュータイプ理論だので現状を変更する時代でもない。
マフティーが人々から“テロリスト”と揶揄されるのは時代の空気を読めていないからだ。

そんなことはハサウェイも百も承知。
その上で彼はシャアら先人たちが歩んだ破滅の未来を回避するには?或いは破滅を織り込むのか?
自己の立ち位置を再確認するために、ネクタイを締め市井に紛れ、自分を模索し続けるのだ。


この観点から心に刺さっているのが{netabare}タクシードライバーとの会話シーン。
その日暮らしの市民には1000年後の地球環境を憂うマフティーの理想になど構っていられない。
だって周りには結構、自然は残っているし。

この活動家が日常生活から乖離して孤立する状況。
世の浮いてる活動家の方々には、テロに手を染めないためにも、耳をかっぽじって傾聴して頂きたいと願います。{/netabare}


ハサウェイが思索の果に迎えるガンダム発進シーン。
綺麗に自己を総括できていますが、高揚感は少な目です。
曇天への発進は、地に足が付かない、五里霧中な行く末を暗示しているかのようです。


以上の通り、物語を愉しむには、
『逆シャア』までのサーガをテーマまで咀嚼することが必須な、マニアックな作品であることは言うまでもありません。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

背景美術と人物作画の一体感を出す昨今のトレンドに逆行する本作。
写実的な海面などの背景に割り込んでくるモビルスーツなど浮きまくっています。
戦闘シーンでよくある街中でモビルスーツが煙を巻き上げるカットはメカを魅せるための演出。
ですが、本作の場合は、何もそこまでスクリーンいっぱいに煙やら火花やら噴かなくてもいいじゃないか(笑)
ってくらいの迷惑行為として処理。

宇宙世紀を動かすのはモビルスーツに乗ったニュータイプなどではなく、
メンズスーツを着たオールドタイプである。
モビルスーツなんてお呼びじゃない。
メッセージ性が作画構成でも徹底しています。


とは言え、オールビューモニター搭載が標準化したモビルスーツ同士の戦闘は迫力満点。
私は一作目は通常のシアターで鑑賞しましたが、
次作は360°没入感を最大化できる巨大スクリーン等での鑑賞にこだわりたいです。

【キャラ 4.5点】
主人公ハサウェイ・ノア。
顔立ちや対人関係のぎこちなさはアムロ・レイ。
二つの名を使い分ける暗躍ぶりはシャア・アズナブル。
アムロかシャアか。ハサウェイ自身が葛藤する際の引き出しにもなる。

ハサウェイの秘密を見抜き絡んでくる謎の美少女ギギ・アンダルシア。
大人の色気で、ハサウェイのライバルともなるケネス大佐とのトライアングルを仕掛けたかと思えば、
戦場では幼女の如く動揺を露わにする情緒不安定ぶり。

ギギとの交流の中で、クェス・パラヤを破滅へと攫っていったシャアの一件が重なるハサウェイ。
大義より、過去のトラウマという感情で言動を左右されるハサウェイ自己分析の一助ともなる。

総じて各サブキャラとも、ハサウェイ自身が掴めていない自分探しにヒントを与える献身ぶり。

【声優 4.0点】
ハサウェイ役の小野 賢章さん。
幼さと凛々しさが混在する青年ボイスで、村瀬監督からの“感情と思想に引き裂かれたキャラクター”という難題に応える好演。
このハサウェイ危ないことするよ。

ギギ役の上田 麗奈さん。ボイスを高嶺にコントロールして正体を掴ませない妙演。
これは周りの男どもも取り扱い方法に困ります。


公開前、劇場版『逆シャア』の少年時代以来、
長らくハサウェイに声を当ててきた佐々木 望さんからの“声優交代”が物議を醸しました。
ただこれも『ガンダム』以外のコンテンツではよくあること。
アニメ化よりも先にゲーム等でキャスティングされた声優が、アニメでは変更になるのは割りと普通。
ただハサウェイの場合はアニメ映画化以前にゲーム等で活躍する期間があまりにも長すぎましたw

また、このキャスティングについては、アニメ映画化後もゲームのハサウェイは佐々木さんが担当していることなどから、
①小説版『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』→『閃光のハサウェイ』原作小説のハサウェイは佐々木 望さん。
②劇場版『逆襲のシャア』→本劇場版三部作のハサウェイは小野 賢章さん。
①②はパラレルワールドの別系統作品であると示唆しているとの見方もあるそうですね。

劇場版三部作見ながら原作小説読んだら①②の異なる要素が混ざり合って困惑してしまうかも。
この辺りが、私が劇場三部作展開中は、小説購読は『~ベルトーチカ・チルドレン』までで止めておこうと決心している理由です。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は澤野 弘之氏。
エッジの効いたテクノ等をアレンジした戦闘曲及びボーカル曲で魅せる。
「TRACER」は特にぶち上がります♪

気になるのが『UC』の澤野氏が『ハサウェイ』でも音楽担当している事。
『UC』は原作『ハサウェイ』完結後に、『逆シャア』~U.C.0100の間に闇に葬られた史実があったと後付けされたエピソード。
よもや本シリーズで『UC』を絡めてくることもないとは思いますが、
パラレルだとしたら何でもありですし。
もしくは『UC』同様、『ハサウェイ』も戦乱の亡霊を退治する物語として同一視すれば良いのか。
考え出すと落ち着きません。


ED主題歌は[Alexandros]「閃光」
過去を振り払って未来へ驀進する快作ロック。
ですが、今のハサウェイにはちとまぶしすぎる感もw
Netflix海外配信に合わせて英語版もリリース。
MVは英語版の方がAMVになっており作品のシーンを振り返るのにも最適。


【付記】
分割2クールの『水星の魔女』の幕間に、本作のTV編集版が1/15~全4話で放送されるそうで。
制作中の第2部への予習復習としてハサウェイを分析してみるのも一興かと。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

76.1 8 2021年度アニメランキング8位
ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア(アニメ映画)

2021年10月30日
★★★★☆ 4.0 (164)
853人が棚に入れました
新プロジェクトで描かれるのは小説『ソードアート・オンライン プログレッシブ』を原作とした物語。

デスゲームの舞台であるアインクラッド第1層からクリアまでの軌跡を川原自らが描くリブート・シリーズ。キリトが“黒の剣士”となったエピソードや、《アインクラッド》編では語られなかったエピソード。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥
ネタバレ

遊微々 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

さあ立ち上がれSAOアンチよ!今こそ手の平を返す時だ!!

勝ったあああああああ!!!!
俺ようやく勝ったよおおおおおお!!!!


まあ順を追って説明しましょうか。
最早説明不要な「とある」に続く電撃文庫が誇る大ヒットシリーズ「ソードアート・オンライン」
2012年のアニメ1期放送から、アニメ業界でも一線級の人気を集める作品ですよね。
私自身は1期放送のリアタイ勢なのですが、今まであにこれで触れることはほとんどありませんでした。
まあこの作品やっぱりファンが多いわけじゃないですか。このサイトにも好きな人は多いし、キャッチさせていただいてる方にも高評価な方が多いわけですよ。そんな状況でこんなこと言うのもあれなのでレビューとかも一切控えてたんですが、いい機会だからハッキリ言いましょう。

私このSAO、大っっっっっ嫌いな作品だったんです。

うーん、なんて言うんでしょうか。好きと嫌いは表裏一体とでも申しましょうか・・・
最初の3話くらいまでは面白くて毎週楽しく見てたんですよ。でも10話過ぎたあたりから急速に熱が引いていくのを感じるようになりましてね。最終話まで見終わった時に感じたのが凄まじいまでの失望感だったんですよね。
最初に感じたワクワクが消え失せていくのがどうにもやるせなくてですね。
キャラも世界観ももっと調節すれば上手くいくのになぜこんな結果に・・・という感情が先行してしまって、気づけば反吐が出るほど嫌いな作品になってました。
極端な話、キリトとかアスナとか全員〇ねばいいのに、くらいまで至っていたと思います。


さあそんな私の目に飛び込んできたのが今作「ソードアート・オンライン プログレッシブ」の告知。
最初のSAOの新解釈版というかリブート版みたいな内容ということで、私がずっとヤキモキした気持ちを抱えてた「もっと他にやりようあっただろうがよぉ」をワンチャン形にしてくれているのでは!?という期待を込め、見に行く決意をしたのが3か月前。
で、今日ようやくその日が来たわけですけども、結果は最初に述べた通りです。

いやーーーー、長かった。1期放送から約10年、ようやく面白いと思うことができて良かったですよホント。

{netabare}TVシリーズの本筋をなぞりつつも、ちょくちょく変更が加わってましたね。
アスナの親友であるミトの存在や、キリトと出会うまでの過程が変わっていたりと。
特にキリトとの出会いと関わり方をTVシリーズと変えていたのは本当に大事でしたね。「いつの間にこいつら仲良くなってんの?」状態だったあっちと違って、こっちの方がより自然で受け入れやすいです。
そして危機感の描き方といいますか、命がけの戦いから生まれる緊迫感がよく伝わってきました。そうそうこういうのを求めてたんですよこっちは。
おかげでご覧なさい?あれだけ鼻についてウザさと薄ら寒さしか感じなかったキリトさんの活躍シーンがこんなにも意味を持ったカッコイイシーンに仕上がるわけですよ?
ビーター発言のところとかTV版見返しても「キャーキリトサンカッコイイー」くらいにしか思わないのに、そこに至るまでの経緯をしっかりと描くことで「キリトさん・・・アンタ男やで・・・」と見えてくる不思議!
そして野郎がカッコよければそれに比例してヒロインのアスナの魅力も増すってわけですよ。正直キャラデザ以外の魅力0だなこのヒロインと、そう思っていた時期が私にも・・・というかずっとそうだったんですが、今作で見せた普通の人間らしい弱弱しさやそこを乗り越える強さ、そして時折垣間見える可愛い女の子らしさといった部分が実にGOOD。アスナさん、あんた超ヒロインしてたよ・・・。
ようやくこの二人が好きになれたというだけでも今作が果たした役割は大きかったです。やっぱりボーイミーツガール好きとしてはこのままで終わりたくなかったですしね。

ただ一つ誤算だったのは今作で完結!!
ということではなく、どうやらこのシリーズ続き物になるみたいで・・・
今回の感じだと3~4部作くらいの構成になりそうだなーという予感。
あんまり待たされるのも嫌だなー。
{/netabare}

SAOファンの方はもちろんですが、SAO嫌いな人にこそ一回見て欲しい。
マジで認識変わる可能性あるから!マジで!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

ゆーな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

みんな心配してそう

コロナ心配だったけど映画館に2人で行ってきましたヽ(ω・ヽ)

アスナ視点でアインクラッド編を見ていくだけではなくて、一期になかったお話が追加されて一期で想像するしかなかった部分のお話が見れたのはとっても良かった(*'ー'*)
新キャラクターは不遇な感じがして私はあまり好きではないですけど、一期に登場してないキャラクターなのでいつ死んじゃうの?ってドキドキしながら見てました((((;゚Д゚))))ガクガク

アスナが主役だから優雅な感じカナって思ってたけど、ゲーム好きなキリト君と違ってゲームとそんなに縁がないアスナがSAO事件に巻き込まれたのはもっと不幸な感じがしてかわいそうって思っちゃいました(/_<。)
普通の中学生の女の子だったのにね(´・ω・`)

一期の時も思ったけどフルダイブしている間、身体のほうは無防備だからアスナみたいな可愛い女の子が遊ぶのは心配になっちゃいますよね(-_-;)

とても楽しかったので、映画館に行けて良かったですo(・∇・o)

{netabare}
アスナのサービスシーンはお約束みたいになってるよね(*´艸`)
わたしは女なのでドキドキはしないけど、アスナのサービスシーンって女神様みたいな神々しさがあって、ぜんぜんいやらしさがないのが好きかも!

広場の作戦会議に出ていたちょっと意地悪そうな煽っていた人誰だったかなぁ。
後のエピソードに出てきた人だと思ったけど ホエ?(´д` )

他のよくあるデスゲームに巻き込まれた人だと「あなたのせいで」って責めたりするけど、アスナは全然そういうことしないのがステキ!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

さあ、物語のはじまりへ。。リンクスタート! 

 
衆議院選挙で騒がしい2021年の10月某日。

明日ヒマだな~映画なんかやってたかな~。検索してみるか・・
ん・・?
SAO劇場版?ああ、SAOリブートのやつか。
え・・?
初日舞台挨拶ライブビューイングだとお!

購入ボタンぽちっとな。

てな流れで観てまいりました。

 原作 :KADOKAWAラノベ(未読)
 制作 :A-1 Pictures
 公開 :2021年10月30日~
 視聴日:2021年10月30日(109シネマズ富谷)

■初日舞台挨拶(約30分)
出演者は、河野監督、戸松遥、松岡禎丞、Lisa、そして・・水瀬いのり?
ナマいのりんマジ尊いわ~(厳密にはナマじゃないけどw)
やっぱかわえかったですw
挨拶内容は、見どころや演じた苦労とか、やっぱネタバレできないってことで、遠慮がちでしたが、もちろん期待値もテンションも上がり、同時にハードルも上がりましたねw
2回目の舞台挨拶も決まったそうで、そこではネタバレありありらしいので盛り上がりそうだし、ナマいのりんをご所望の方も公式HPをチェックしとくと良いかもw

 #詳しく知りたい方は、
 #「SAO 初日舞台挨拶」でググってみてください。
 #(ここ、URL貼れなくなったもんだで・・)

■本編(約1時間45分)
公式にも書いてある通り、アスナ視点で描かれるリブートシリーズの第一歩です。
正直、あっという間でした。

なるほど、こうやってキリトと出会ったんだ。。
~▼超{netabare}ネタバレ
自分の中では既に人のものとなってしまったアスナですが、
この作品においてはまだ誰のものでもなく、初々しさもあり、
やっぱ魅力を感じてしまいました。。

ミト(水瀬いのり)・・
仮想世界では初め男キャラ。
「おいおい、いのりん最初だけかよ~!」
「このままフリーザ声で通すのかよ~!」
とがっかりしましたが、そんなわきゃなかったですねww

そっか・・本人の容貌に強制変換されたんだ・・
どうりでキリトも本人に似てるワケだ・・
すっかり忘れていましたw

にしてもミトは1期に出て来ていないワケで・・
「これはどっかで死ぬのか・・そうなんだな?」
と思って身構えていたら、これもハズれてまたも安堵w

アスナとミトの再開・・
個人的には「そんなんじゃ済まんやろ」と思います。
パーティーを外れて逃げた理由、ちゃんと聞いてないし。
(聞き逃したんじゃなければ)

これから始まる物語の、初回数話分一挙放送!みたいな、カンジでしたが、原作プログレッシブ編は前日譚ということなんで当たり前かもです。
TVシリーズ1期をちらっと観返しましたが、第2話までの話でしたね。
同じところ、違うところが興味深かったです。
この前にアスナとの出会いがありミトとの別れがあったんですね。
ミトは映画オリジナルらしいですがサブストーリー的に出してくれるとありがたい。

シリカ・・
1カットしか出なかった><

サチ・・
期待したけど出なかった。
(真のヒロインはサチやろがーい)
ま、次があるさ。。次はサチ視点でよろしくですw
{/netabare}~▲

バトルは確かに迫力あったかな。
初心者なアスナもこれまでになく貴重。
バトルが好きな人やアスナファンなら劇場視聴もいいかもです。

さあ、この先のアインクラッドの物語が楽しみです!
もちろんアノ娘は出るよね~~w
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

76.0 9 2021年度アニメランキング9位
劇場版ポケットモンスター ココ(アニメ映画)

2020年12月25日
★★★★☆ 4.0 (42)
181人が棚に入れました
ポケモンに育てられた少年ココ。
この夏、ポケモンと人間の、新たな絆が生まれる。


人里から遠く離れたジャングルの奥地。

そこに、
よそ者が足を踏み入れることを許さない、
厳しい掟で守られたポケモンたちの楽園、
オコヤの森があった。

その森で、幻のポケモン・ザルードに、
ポケモンとして育てられた少年ココ。

自分のことをポケモンだと信じて疑わないココは、
ある日、サトシとピカチュウに出会い、
初めての「ニンゲンの友達」ができる。

自分はポケモンなのか?
それともニンゲンなのか?


オコヤの森に危機が迫った時、
ポケモンと人間、親子の愛が試される。

声優・キャラクター
松本梨香、大谷育江、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコ、堀内賢雄

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

近年のポケモン映画のテーマは「協力」。ココがもっと良いショタボイスだったらなぁ〜。(78点)

 サトシのキャラデザが変わった前作がなかなか良かったので、評判の良い本作も鑑賞。子供向けプログラムピクチャーの良作としてポケモン映画が新たに台頭してきたか…。


 本作を見て改めて感じたが、前作から「伝説のポケモン」などの強力なポケモンんを中心にした話ではなく、弱小なポケモンや人間たちの協力が一番燃えるポイントに変えてきている。


 本作のクライマックスはピカチュウがアイアンテイルを打ち込むだけなのに滅茶上がりました!。弱小なポケモンたちも協力しあい、コンビネーションを巧みに組み合わせ、リレーするようにピカチュウに決定打をキメさせる。それを非常に縦横無尽なカメラアングルで描いてくれるから見事としか言いようがない。


 それに至るまでのセットアップもシンプルながら強い動機づけを上手く積み上げられているからこそより上がる。ポケモン同士だけでなく、人間とポケモンの協力という面も町での描写からしっかり作れているし、なによりココが人間とポケモンの架け橋という存在に収斂していくからハマっている。


 敵の存在が少々微妙とか、ココがちゃんと良いショタ声の声優さんだったら…というないものねだりも少々あるけど大満足な出来栄え。「うさぎドロップ」と同じく、親にはなっていくもの、子供に教わり救われる、という親子といポイントもちゃんと抑えている。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

圧がちょうどいい。

公開初日に(こどもに言われて)観に行かされましたw
劇場で観たポケモン映画は、
元祖・ミュウツーの逆襲以来ですね。

視聴後の感想は、意外に、思ったより、良かったです。
どの程度のものを期待してたかというと、
程よいストーリーで、程よい作画で、程よく泣ければ
いいかなと思っていたのですが、
これらが期待をちょっと上回る内容でしたね。
特に作画は、けっこう気合が入っているので、
子ども向けとあなどってはいけません。

子ども向け映画の鉄板はドラえもんだと思うのですが、
最近のドラえもんは賛否があるようなので、
(泣かせよう、こうあるべきという圧が強い)
本作ぐらいの道徳心と泣かせ具合がちょうどいいです。
というか、涙腺は思ったよりも緩くなっているみたいですw

ゲスト声優のお二人も、作品に合っていて
違和感ありませんでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

めーいっぱい泣かせていただきました。

ポケモンの映画にはホントにお世話になったなぁ。
うっとこの娘がちっちゃいころ夏になったら必ず映画館にいってたもんさね。

いつくらいまで見に行ってたかなぁ。
ルカリオくらいかなぁ。

確かルカリオの時、名古屋にポケモンの遊園地が期間限定で開催されてて、それ行ったなぁ。

そこでルカリオの帽子買ったんだけどあれどこいったかなぁ。


劇場版ポケットモンスター ココ。
これ実は見たかったんだよなぁ。

もう娘と一緒にポケモンの映画を見に劇場まで足を延ばすなんてことはありませんので、ひとりでこっそりアマプラで見ちゃいました。


ああ。ポケモンの映画。

それだけでなんか夏休みだなとか子育てが大変だった時期だったなとかなんかいろいろいろいろ思い出して。

いやー。ポケモン全然知らんやつばっかじゃん。
ラ・ラ・ラ言えるかなーポケモンの名前ーってボクの知ってるポケモン全然いないじゃんかー。

にしてもロケット団。相変わらずいい仕事してくれてるぜ。
コジロウ声炭次郎の親父じゃんか。もっと声若かったのになぁ。
ムサシは全然かわってないのね。あとニャースも。
なんだかとってもいいかんじーってのはもう言わなくなってんのか。
あれ好きだったのにな。


そんな心持でもってこの映画見ちゃうとですね。
そらあもうだめですってば。


めーいっぱい泣かせていただきました。

話はですね、やっぱりご時世かグローバリゼーションの波が押し寄せていてなんかヤな感じなんですが、カンクローのくどい芝居と上白石妹のアレな芝居がいろんな意味でとにかくよくて、まいりました。

なーんかよかったですわ。
たまにはポケモンの映画もいいもんですな。

なんだかとってもいいかんじーーーーー。
なのでした。


終わり。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

75.8 10 2021年度アニメランキング10位
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章(アニメ映画)

2021年2月11日
★★★★★ 4.1 (102)
573人が棚に入れました
舞台は19世紀末。共和革命によりアルビオン王国は分離。巨大な壁で分断された首都ロンドンは、東側を王国、西側を共和国が統べ、各国スパイが暗躍する影の戦争の最前線となった。革命から10年、王国の名門クイーンズ・メイフェア校には女子高生を隠れ蓑に共和国スパイとして活動する5人の少女がいた。女王暗殺未遂事件を阻止し、カサブランカでの休養を終えた彼女たちにコントロールから新たな指令が下された。この任務をきっかけに5人の少女、チーム白鳩は国を揺るがす大きな渦に巻き込まれていくことになる——。

声優・キャラクター
古賀葵、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子、飛田展男、本田裕之
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

全🦎黒蜥蜴星人★待望!本格スパイ映画シリーズ開幕!!

【物語 4.0点】
全6章の新作劇場版シリーズ開幕戦。本作の構成は一話完結。

TVアニメ版の後日談なので、事前視聴は必須。
{netabare}チェンジリング、“革命”の動揺が残るロンドン、{/netabare}黒蜥蜴星人ネタ、
などは物語と心情理解の前提条件。


スパイ物としての内容はさらにハードに。

ブラフ、モグラ、二重スパイ、暗号および
{netabare}新聞記事&広告による連絡、
ブック・サイファ(書籍をコードブックとして活用した換字式暗号による情報伝達術。足が付かない){/netabare}
チェスを通じた心理戦……。

これからより本格的にスパイやるんだから、
これ位は基礎教養と言わんばかりに、
老獪なスパイ“ビショップ”を通じて、
アンジェや“チーム白鳩”だけでなく、
鑑賞者にも確認テストでレベルアップを求めるスパルタぶり。


その先に、重厚なスパイシナリオの大風呂敷が示唆される。

王国の王位継承という政情不安も懸念される中、
何処ぞの“ネズミ”のロンドン暗躍は間違いないが、
共和国・コントロールも王国・ノルマンディー公も正体は掴めておらず、
炙り出そうと釣り糸を垂れる段階。

そんな静かな前哨戦の最中にもスパイには各々人生があり、
嘘つきが幸福を掴む難しさが改めて提示される。


【作画 4.0点】
冒頭、煙るロンドンの夜を舞台に、{netabare}二階建てバスも交えたカーチェイス{/netabare}で、
スチームパンク・アクションでも魅せる所信を表明し、先制に成功♪

一方、スパイ活動も彩る小道具にも
引き続き、時代考証のレベルから注力。

公然と語れない秘密という首根っこを掴むか掴まれているのか?
心理戦もシビれる本作。
ならば公の駆け引きはチェス等を通じて暗喩して行わねばなるまい。

鉄壁の守り、動揺して年甲斐もなく大胆に攻める?
チェスの作画も、盤面の資料を元に心理を反映した局面を選択したとのこと。
この辺は、私にはサッパリ分らなかったので、プレイヤーの解説を求めますw


背景美術では離宮の入れ込み具合が際立つ。
真のスパイの仕事場は戦場ではなく、宮廷内での駆け引き等であることが、
ここでも示される。


【キャラ 4.5点】
“チーム白鳩”他、王国&共和国のスパイ関係者ら、
TVアニメ版の主要人物が揃い、人物相関の現状を再確認。

中でもアンジェ&プリンセスに関しては、
追加キャラ(まぁ{netabare}“ビショップ”{/netabare}のことだが)を通じて、
秘密を抱えて、時局に直面するリスクの増大が課題として突き付けられる。

ドロシー、ちせ、ベアトリスは掘り下げられなかったものの見せ場はあり。
ちせさん、{netabare}運転習得まで、{/netabare}もう少し頑張りましょうw


【声優 4.5点】
ヒロイン・アンジェ役。

今村 彩夏さんの引退に伴い、新たに古賀 葵さんが起用。

気だるげな感じがやや後退し、若干の色気が出た彼女なりのアンジェが演じられる。
変化はあるが違和感はなく、むしろこの女子高生スパイも少し大人になった?
だから少しは周りに頼れるようになったのかなと納得できる好演。
特に終盤、{netabare}「……寂しいわ」{/netabare}と感情がこぼれた演技にはグッと来ました。


ビショップ役の飛田 展男さんもいぶし銀で先輩スパイの矜持を後進に示す。
「そんな大人、修正してやる!」の中の人と同一人物とはとても思えませんw

そんな渋いボイスで、ノルマンディー公(CV.土師 孝也さん)と、
相手の弱味を知った上で煽っているのか?
知ったかぶって動揺を誘うブラフで探り合っているのか?
含みが多い濃密なボイスでベテランスパイの対局を展開。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は梶浦 由記氏の続投。
華麗にスウィングするサウンドと“梶浦語”コーラスがスクリーンに広がるゴージャスさ。

OP主題歌「LIES&TIES」も引き続きアーティストプロジェクトのVoid_Chordsが担当。
今回ボーカルに迎えた麦野 優衣さんは
『パワプロ』テーマ曲の歌唱経験もあるシンガーソングライターで
中~高音の爽やかなパワフルボイスが特徴。
彼女もまた米国での生活、留学経験があり、
ビッグバンドの全編英語曲も歌いこなす。

ED主題歌もまた“チーム白鳩”5人の合唱。
適宜、挿入される手拍子も心地良い、
相変わらず一聴すると平和なメロディだが、何処か狂気も覗く全編英語曲。

ポイント・ピクチャーズの妙にメルヘンチックなED映像もグレードアップ♪
固い絆で結ばれたアンジェ&プリンセスのご尊顔に悶えましょう♪


【感想】
二次元、三次元関係なく、本格的なスパイ映画を劇場で堪能できて嬉しいです♪
スパイをエンタメ化するのに大量の爆薬は必須ではない。
手応えを感じつつ、今秋予定の2章以降も続く全6章の長丁場に挑みたいです♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

嘘つきは疲れる

視聴前 一応キャラの名前だけ確認しとこ

視聴後 そういう感じね

この話は黒トカゲ星人が嘘を付き続ける話
ジャンルはスパイ・戦争
2017年のアニメがなぜ急に映画化したのか、はたまた最初からあったのか、正直そこまで気になってなく調べてないのでわかりませんが、2021年に公開、ということで視聴。
3,4年も前のコトなんぞほとんど覚えていないでしょうから、一応本作を見る前に主人公たちの名前を確認しました。が、案外覚えているものですね。
流石に細かいシーンなどは覚えてませんでしたが、本作を楽しむのには十分な感じでした。
そして本作は一応6章から構成されるそうです。同時期に殺っているガルパンもそうですが、なぜ新作TVアニメではなくOVA先行上映という形で放送するんでしょう。よくわからないです。

さて本作の内容です。6章と言ってるくせにとか言うと怒られそうですが、一話(章)完結型です。ある程度本作内で完結しています。ただ、謎の部分や伏線が残された状況なのでこれから徐々に処理していくのでしょう。要はTVアニメと同じパターンですね。まぁガルパンみたいに中途半端で終わって「これからどうなる!?」とかやられても困るので正直助かるっちゃ助かるのですが。

前半から説明やダイジェストなし、いきなり展開が始まるので、キャラの顔や名前を見てもピンと来ないかたは見直したほうが良さげです。
後半から展開が続きますが、やはり限られた時間での物語なので割と雑に終わります。この終わり方が次作にどう響くのかが気になりますが、気長に待つとしましょう。

監督は橘正紀さん。
シリーズ構成・脚本は木村暢さん。ニャル子やビルドダイバーズなどを担当された方ですね
キャラデザは秋谷有紀恵さんと西尾公伯さん。
劇伴は梶浦由記さん。
アニメ制作はアクタスさん。単独ですね。という今更ですが、ガルパンもここ担当でしたよね。六部構成は縛りなんでしょうか

作画は良かったです。戦闘を含めた動きが細かく丁寧さを感じました。
主題歌はKonnie Aokiさん作詞、高橋諒さん作編曲、Void_Chords feat. Yui Muginoさん歌唱の「LIES & TIES」
声優さんはとても良かったです。

総合評価 まだ一部なので判断尽きませんが、期待はしている

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8
ネタバレ

やまげん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待通り

テレビアニメは視聴済み。

奇をてらうことなく、テレビアニメ版の続編を制作した感じ。

物語の内容的にやや重めの話なので、時間制限のない劇場版で丁寧に作られた感じがして良かった。

OP・EDともに、テレビアニメ版の曲や映像を意識して作られていると思う。OPは曲も映像もとにかくカッコイイ、EDはかわいい絵柄の映像にちょっと切ない曲調。

{netabare}内容的には文句はないのだが、今回は王国と共和国との対決についての話は進まなかった。今年の秋に続編公開ということだが、このペースだと少なくともあと3回は劇場版を作らないと話がまとまりそうにない。そこまで作品人気が持つのか、ちょっと心配。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

75.3 11 2021年度アニメランキング11位
ガールズ&パンツァー 最終章 第3話(アニメ映画)

2021年3月26日
★★★★☆ 4.0 (88)
480人が棚に入れました
『ガールズ&パンツァー 最終章』第3話の劇場上映

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

プロデューサーらの見込みは甘かったかな。シャア並の速さでかっ飛ぶ50分。

 今回は残念ながら興業が落ち込んでいるようである。長期化してしまった弊害が出てきたと言わざるを得ない。


 たぶん、プロデューサーや企画を考えた上層部としては、こんだけ人気あるんだからプログラムピクチャーとしてサクサク作れば儲かるじゃん!くらいに思っていたのではないだろうか?。ストーリーが複雑だったりしないし、一作一年、良ければそれより早く出来んべくらいな認識だったと思う。しかし、監督は水島さんであることが誤算だった…。


 まさか水島監督がこんなにこだわり、全部監督しようとするなんて…。というような企画自体に対する文句はこのくらいにして作品自体のレビューとなります。


 なんだかんだいってずっとガルパンを追いかけてきた人間なら上がるにきまってるopを経て本編へ。大洗vsチハ短のバトルは最終章に入ってから一番面白かった。ジャングルという地形利用の面、駆け引きの妙、なにより敵の顔がちゃんと見える試合はやはり良い(まぁ、これでも全然描き込みが足りてないと思うが)。


 主観カメラの利用も、CGの出来栄えも明らかに進歩していて本作の白眉は間違いなくここだろう。だけに、幕切れが少々あっけない…。その後には他の試合がどんどん描かれるが、その早いこと早いこと。あっとういうまに話が進んでいきマンモス。


 しかし、正直あんまり面白くない平場パートなしにドンドン進むのは好感がもてるし、卒業生たちの喪失を過剰に描かないでサラッと触れるのは悪くない。それにしてもせっかくの最終章なのにライバル新チームとか出ないんじゃ勿体ないな。


 最期はおそらくシモ・ヘイヘオマージュなスナイパーさん締めで終わりました。シモ・ヘイヘってことは名前は下山平子さんとかかな?。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

戦車の女 無限軌道編

なぜ鬼滅の刃風なタイトルにしたかというと、本作と一緒に鬼滅劇場版も初めて見たからです。

なのでどうしても比べて優劣をつけてしまいますが、

結論:本作の勝ち!

【バトル】
とにかくバトルが長いのが両者の共通点です。たぶん鬼滅は2時間のうちの半分くらい、本作にいたっては1時間のうち40分くらい?
鬼滅は、上弦の壱と炭治郎の戦いが単調で、見ているこっちが眠気と戦うのに必死でしたが、本作は少しでも眼を離すと戦況が分からなくなるので、見るのに必死でした。

【作画】
戦車のCGのクオリティが上がってました。TVシリーズの1話から最終章2話まではほぼ同じだったのに、ここに来て何故? 今更そんなところに凝るより、早く次回作を作れ。
鬼滅の作画については鬼滅のレビューに書く予定ですが、神作画というレベルなのはイントロだけだったと思います。

【観客】
鬼滅の観客は女性グループ、家族連れが多かったです。男一人なのは自分だけだったかも・・・
公開からかなり経過していたのと、エヴァも公開された直後だったためか、空いていて快適でした。

本作については、大阪で公開翌日の土曜日に見たためか、ほぼ満杯でした。
それにしても、今回初めて映画館でガルパンを見たんですが、本当にガルパンの客ってオジサンが多いですね。 まあ私自身はその中でも平均年齢より上かもしれないですが・・・

両サイドに座っていたオジサンが脂ギッシュなおデブさんで肘掛けからはみ出てるし、鼻息荒くてブヒーブヒーとうるさいし、何と言ってもすごく臭い・・・ マスクが無かったら耐えきれなかったかもしれません。初めてCOVID-19騒ぎに感謝。


結論:作品としては勝ちだが観客で完敗(自分を含む)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

激しい砲撃なジャングル戦と、何か不気味に雪だるまと白い〇〇

 ようやく第三話上映されたです。前回、意外な行動を決めた知波単学園との決着と準決勝序盤のお話で、展開的に今までのような気になる終りでいつになるのか?次回です。

 迫力が今までの劇場版にない、自然の背景、凄まじい砲撃などの音響、目まぐるしい戦車戦を見ることができるです。また、キャラの心情や互いの駆け引きが、かなりよく描かれていると思うです。
{netabare}  以外にも知波単による想定外な苦戦、目が話せないジャングルのデスマッチに興奮が冷めない展開だったです。
 決着をつけたと思い込みから、あっけないような逆転に今までの迫力にややあっけら感もあったです。{/netabare}
 視察しているマイペースなキャラ達も、ガルパンならではだったです。

{netabare}  準決勝の組み合わせ決定、何故かクリスマス、雪原での試合開始と不気味な出だしと雪だるまに今後の予想が、付きづらくなったです。白い魔女が次回のキーポイントになりそうです。
 最後の最後に宣伝された制作中となっている第四話、いつになるやら{/netabare}「私、気になります!」だったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

75.3 11 2021年度アニメランキング11位
プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第2章(アニメ映画)

2021年9月23日
★★★★☆ 4.0 (75)
411人が棚に入れました
1発で戦艦を沈めるほどの絶大な威力を持った新兵器“ケイバーライト爆弾”。
共和国は王国よりも先んじて開発に成功したものの、実用化された3発を何者かによって盗みだされ、王国側に運び込まれてしまった。

一方、王国では王位継承権第三位のリチャード王子が新大陸から帰国。
王位継承権第一位のエドワード王子をはじめ、同二位のメアリー王女、四位のプリンセスと共に、ロンドンに王位継承権者が集うこととなった。
若き王子の凱旋で賑わうロンドンだったが、帰国パレードの最中、リチャードは何者かによって狙撃されてしまう。

混乱が始まる情勢で、コントロールからチーム白鳩に課せられた任務は、ケイバーライト爆弾とその制御装置の捜索と奪還。アンジェ、ドロシー、ちせは爆弾窃盗にかかわったとされる男の家に向かうこととなる…。

奪われた共和国の新兵器の行方と、王室に迫る危機。
不穏な空気が、アルビオン王国を覆い始める―――

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

黒トカゲ星人大活躍

 前回の二重スパイ騒動の次は、爆弾騒ぎのお話だったです。アルビオン王国王位継承権第三位、王子リチャードの暗殺未遂事件も発生するです。これも、のちのちお話に大きく関わることになるかもしれないです。

 盗まれた強力な爆弾を奪還するにあたり、バトルアクションが展開されたです。特にアンジェ、ちせの活躍が今回も光ったです。陰ながらメアリーを気遣い国民も気遣うシャーロットも、どことなく存在感があったです。

 最後の次回につながる伏線が、意外な展開、想定外の陰謀が暗躍するようで、いつやるのかわからない「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第3章」何が待ち受けるのか?「私、気になります!」です。

 中世ヨーロッパの街並みや劇場、船上船内など今回も背景が、凝っていたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

コウキ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

1章とは違った雰囲気

 1章はアニメ映画らしい盛り上がりには少し欠けた部分がある代わりに、地上波の1話などのようなプリプリならではの切なさやお洒落な雰囲気を感じることができる映画でした。
 一方、2章となる今作は派手なアクションシーンやプリプリ全体としてのストーリーの進展が見られ、映画感が1章よりも強い作品だと感じました。個人差がある部分だとは思いますが、プリプリのアクションシーンを映画館ならではの大迫力の音声で感じられたところが特によかったです。なので、地上波の5話(ちせ登場回)あたりが好きな人は、今作も好みに合うのではないかと思います。
 しかし、2章にはストーリーの進展が見られたとは言いましたが、プリプリ全体として見るとまだ起承転結の起の部分です。地上波が基本的に1話完結であったプリプリには珍しく、続編が気になるようなラストになっていたため、次回を待つのが嫌いな人には少しモヤモヤする映画かもしれません。そういう人は3章の公開日が決まってからネットで見てもいいかもしれません。
 ですが、やはり今作の魅力はアクションシーンを映画館で観れるという点であるため、基本的には映画館で観るのがオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

続きが気になる

意外と1章からあまり間を開けずに公開された2章。
全6章って何年かかるんだ?と思ってたけど、このペースなら案外早く終わりそう。

{netabare}
正直言って、前回の一章は微妙に感じてしまったのですが、今回の範囲は面白かったです。
話のボリュームも一章に比べて多く感じましたし、話も緊迫感があって面白かったです。
あのトラップだらけの家の探索シーンはほんとに緊迫感があって良かったし、斧を投げる男との戦闘シーンはほんとにうまく緊張感を出せていたと思う。効果音や見せ方が上手かった。
ケイバーライト爆弾を止めるところみたいに、迫力のあるシーンもあって、映画としてうまくできていたと思う。

かっこいい隠語?的なのを使ったりする、スパイものらしいシーンもあってよかった。
最後は意外にも3章に続く感じで終わったけど、こういう引きで終わるパターン、自分は好きかな。
あの斧の男かなり強敵っぽいし再戦が楽しみ。

物足りなかった点を言うと、これは本編でもそうだけど、やっぱりスパイものだからもっと人をバンバン撃ってほしい、そこだけかな。

それとやっぱり何といってもこの作品はBGMが神ですね。
BGMとか普段気にしないけど、この作品はBGMが良すぎてすごく印象に残ってます。
BGMに関して言えば自分的に全作品で一位。
OPもEDもおしゃれでよかった。

ところでこの映画の範囲って本編でいうとどの辺りなんですかね。
自分の曖昧な記憶だと、本編の最後は両国裏切って草原でおれたたエンドだった気がするけど、それを考えると本編の途中?
それとも記憶が間違ってるのかな。
次見るときはしっかりと本編見返してから見るべきか。

特典は一番欲しかったプリンセスの色紙が貰えて嬉しかった。
第一章も一番欲しかったアンジェのコースターが貰えたし運がいいのか?

曲20段階評価
OP「LIES & TIES」 9.0/10
ED「Nowhere Land」8.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

75.1 13 2021年度アニメランキング13位
劇場版 BanG Dream! Episode of Roselia Ⅰ : 約束(アニメ映画)

2021年4月23日
★★★★★ 4.1 (25)
111人が棚に入れました
「あなた達、Roseliaにすべてを賭ける覚悟はある?」『フェス』に出場するために、バンド結成を決意した湊友希那。そんな彼女のもとに、それぞれの想いを秘めたメンバーが集まる。5人は、Roseliaとして高みを目指す――。これは彼女たちの結成から、FUTURE WORLD FES.へ挑むまでの『約束』を描く物語。

声優・キャラクター
相羽あいな、工藤晴香、中島由貴、櫻川めぐ、志崎樺音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今更『バンドリ』…と臆することなかれ!初心者にオススメ出来るさあこれが『バンドリ』入門!!そしてJCあこの可愛さに浸るがよい!!!(舞台挨拶ネタ付き)

声優によるリアルバンド活動がメインコンテツのメディアミックスプロジェクト『バンドリ』の劇場版第2作
劇中でもリアルでも屈指の高い人気を誇るVロック系ガールズバンド“Roselia(ロゼリア)”を主役とした初のスピンオフアニメ作品でもあります
2021年6月には同じくRoseliaが主役の3作目が、8月には2019年公開のFilm Liveと同じスタイルの4作目が、2022年にはPopinn'Partyが主役の5作目が公開予定です


制作スタジオはテレビアニメシリーズ2期、3期を手掛けたサンジゲン
総監督と本作の脚本はテレビシリーズで御馴染みの柿本広大
監督はテレビシリーズでCGスーパーバイザーを務め本作が初監督となる三村厚史


本作のシナリオ自体はスマホゲーム『バンドリ ガールズバンドパーティ』内で描かれていたものの時系列を整理し、ほぼそのままアニメ化したといった具合に仕上がっています
Roseliaというバンドのクロニクル的な形になっていて、他のバンドとの絡み等も少ないのでテレビアニメやゲームを知らない人が本作から入っても特段問題ないでしょう


シリーズの時系列は現時点で大きく分けて「1年目」と「2年目」に大別出来ます
そのうち1年目のRoseliaはほとんどテレビシリーズには登場しませんでした
映画前半はそんなRoseliaが結成に至るまでの経緯と、1年目の彼女達に降りかかった大きな試練を描き、映画後半ではテレビシリーズ2期と3期の間に当たる2年目の夏にあったRoseliaのもう1つの大きなターニングポイントが描かれます


1年目が本格的にアニメ化、ということでメンバー最年少のドラムス、宇田川あこが中学3年生の姿で登場します
JCあこ(ほぼ)初アニメ化ですよw
それと3期が始まった時にいつの間にか4ヶ月も時間が流れていて描写されなかった夏服姿も登場します
あと『D4DJ』とか経てるとはいえ久々に燐子を通して聴くと、燐子役の志崎樺音さんが心の底からお芝居が上手くなったと感慨深くなります
志崎樺音と中島由貴はキャストの交代騒動を経て現在のRoseliaに加入したメンバーなのでそんな現行Roseliaを"1年目からやり直す"意味でも本作は価値があったと思います


ちょうどテレビシリーズで描かれなかった部分の補完という形になる為、時系列はだいぶ飛び飛びになるのと、主線の間にあったであろう紗夜と日菜の重要なエピソードがガッツリ削られているのには少し疑問です
あと最後にタイトル回収となる「約束」に関してはあそこまで昂めた気持ちのままもうちょっと聴いていたかったですね
何回聴いても良い曲なので、「約束」って
あとゲーム版も本作も「約束」がなぜツインボーカルなのか?に言及してないのでその辺りの回収もして欲しかったです


























ここからは舞台挨拶で出たお話を交えて


冒頭の「Proud of oneself」は柿本総監督から上松範康さんに5人の歌声が重なっていく始まり方を当初から依頼していたそうです
リサの足元に映るエフェクトボードはほぼ本物そのままだそうで再現度の高さに中島由貴は驚愕してました


今作のライブシークエンスは演奏のモーションを完成させてからカメラワークを決定している様です
その為、コンテ演出経験がほぼ無い方でもコンテが切れる様になったとのこと(これって『シンエヴァ』と同じですよね)
今後これで演出デビューする人増えるかも、と柿本総監督は仰ってました
「Neo-Aspect」の緩急の付いたカメラワークは柿本監督とも梅津監督とも違う新しい演出で恐らく穂高正典さんのコンテっぽいですね
梅津監督は「BRAVE JEWEL」でもっとフルアニメっぽく飛んでるドローンが撮る様に動かしてましたから


実際のキャストの動きを画作りの参考にすることは『バンドリ』のアニメではよくある様ですが、本作のアフレコ用ビデオコンテには"ジャージ姿"で身振り手振りで友希那を演じる相羽あいなの姿がワイプで挿入されていた、と工藤晴香が暴露しました
くどはるはそのあいあいの姿を「皆さんにも是非見せたいw」と笑いを堪えていました(見せられるわけがないのですがw)


エンドロールを飾る「overtuRe」は途中で雷光を入れたかった様で、雷光が出るぐらいの曇天なので雨を、と雨を降らしてまさにVロックのPVっぽくなりましたね
2020年のトークショーで松浦社長も「演奏中に雨降らせたい」って言ってました


あこの「はぁー!」や「ほぉー!」など感嘆詞は全て櫻川めぐのアドリブだそうで、ほぼ全採用だそうな


























ここからは個人的な発見と考察です


結成前のセッションでリサが黄色いフェンダージャズベース?だかを弾いてるのは借り物なのかな?
それとも実はESPの前に持っていたんでしょうか?


(一軒家の立地的に)ブルジョワ説がほぼ確定してるRoseliaメンバーですが今井家の駐車場にはランドローバー(たぶんヴェラール)がありました
リアル金持ちですね、間違いありません


ダイジェストシーンで流れる最初のライブに私服で登壇し、まだ路線の定まってない初々しいRoseliaも可愛かったですね
てかダイジェストシーンの挿入歌が「Re:birth day」でそれもまたエモかったです


物語の鍵となる「Future World Fes コンテスト」は1年目の春〜秋の間で開かれてるという事は、2年目のFWFコンテストはアニメ版3期の時点では終了している事になりますよね
映画冒頭のFWFが夢オチや3年目以降の未来でなければRoseliaはFWF登壇を達成出来たということなのしょうか?
これに関してはこの冒頭そのものが幻想的に描かれているので夢オチの線が拭えませんが


本作の効率的で省エネルギーかつカッコいいライブシークエンスを目指す手法は、個人的には一定の評価をしつつも同じサンジゲン制作でありながら“生粋でベテランのアニメ屋”である水島精二監督の『D4DJ』とは真逆の道に進んでるのが面白かったです
『D4DJ』ってキャラのデフォルメとかキャラが口に運ぶ食べ物までモデリングしてるんですよ
アレには力入れるのソコなんだ…すげぇな…と考え方の違いを感じました


この構成(ゲームシナリオの再構築)での映画化が許されるのであればAftergllowとかも映画化出来るのでは…?
観たいです!特にAfterglowの映画!


それとこれは作品と直接関係無いですが今回コロナ渦の中、強行突破で『バンドリ』→『スタァライト』→『バンドリ』と映画を連続でやるわけですが、せめてFilm Live2は応援上映出来る世の中になってから公開しましょうよ…
ブシロードこーゆー時やる事が強引ですよねちょっと

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

時計と歯車とRoseliaノートと +

 ガルパでひときわ輝き、幻想的な音楽と歌で魅了するRoselia、始まりと葛藤を描いたお話だったです。ガルパでも湊友希那、氷川紗夜が、口ずさんでいた「FUTURE WORLD FES」が何なのか?なぜ挑むのか?がわかり、メンバーそれぞれのRoseliaに対する思いがもろに綴られていたです。二日連続で見たです。
 友希那がよく呟く、「あなた達、Roseliaに全てを賭ける覚悟がある?」という強い信念を見ることができるです。OPからインパクトのある歌、曲、パフォーマンスを見れるです。

 友希那が「FUTURE WORLD FES」を目指す理由、過去から結成に至るまでどうなるのか?です。友希那の行動、必然という感じに意外と早くメンバーはそろったです。
 揃ってからが大変というのか?目指す、できていたものが失いかけたもの、友希那の苛立ちがRoseliaらしいです。{netabare}自分にもメンバーにも厳しい友希那に反発して、一時離れるあこ、燐子もしかり、彼女らなりにRoseliaを対する思いや、紗夜の内に秘めた思いも見られるです。見守っていたリサの存在、Roseliaノーに書き込む作詞、Roseliaにとっての自分が、何を見えているのか?考えさせられるです。やたらと出る言葉「誇り」に通じていたです。{/netabare}
 メンバーそれぞれの葛藤、各々見つけた答えに行きつくまでが、興味深かったです。

 終盤におけるRoseliaピッタリな衣装、新たな歌詞、特に {netabare} アカペラで歌う友希那が、 {/netabare}非常に良かったです。{netabare}Roseliaにとっての自分と、友希那の心の変化というのか?成長をED前に聞くことができたです。これも、リサに対しての約束に入るのかなぁな言葉だったです。{/netabare}
 また、EDでの歌、曲Roseliaの幻想的な背景の演出も凄かったです。また見に行きたいと思ってしまったです。
 {netabare}ちょこっと、ポピパも出て来るです。2021 6.25「劇場版 BanG Dream! Episode of Roselia Ⅱ :Song I am.」も {/netabare}「私、気になります!」です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

みのるし さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ロゼリアのボーカルの娘。

あの娘なんかおもろいな。

昔からあんなんなんかなと思ったら子供の頃はやっぱり子供らしのな。
いつからああゆう怖い感じになったのかねぇ。

まあそれはそうと。

ロゼリアのバンドがどうやってできあがってったかってゆうハナシで、もう一個ロゼリアの話あったんですが、あにこれで検索して出てきたのはこれだけだったのでまあそれはしょうがないとゆうことですが、要するに2話見たんですよ。

見る順番を間違えて最初にフューチャーバンドフェスに出演する話から見てしまって一瞬ありゃ~となりましたが、まあ別に見てるうちに気にならんくなったしですよ。

なんかバンドメンバーを深堀する話って純粋に面白いですよね。

太鼓のコは練習の鬼でちょっと若い。
ベースのコはボーカルの子と幼馴染で、性格はいいけどプレイがイマイチ。
ギターのコは最初っからギターがうまい(笑)
ボーカルのコはまああんなかんじ。
鍵盤のコもまああんなあんじ。

ボク的にはフツーバンドってゆうと太鼓とベースのリズムセクションが基本おらおらなイメージで鍵盤が変態でギターは人のゆうこと聞かない奴でボーカルがみんなやかましいぃ!だまらんかい!とゆう感じで統率が取れてるもんだと思ってましたが、ロゼリアは全然違いました。

基本みんないい人でした。

なるほどサウンドにも人柄ってでるからなぁ。(違)

演奏シーンはあんまりなかったですが面白かったです。

あとベースのコが書いた曲にギターソロがなかったのがさみしかったです。
なんせロゼリアのギターのコ。あの子うまいんだ(違)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

74.9 14 2021年度アニメランキング14位
ソウルフル・ワールド(アニメ映画)

2020年12月25日
★★★★★ 4.1 (19)
51人が棚に入れました
もしも、この世界とは違う“どこか”に、「どんな自分になるか」を決める場所があったとしたら…?
ニューヨークに住むジョー・ガードナーは、ジャズ・ミュージシャンを夢見る音楽教師。
ある日、ついに憧れのジャズ・クラブで演奏するチャンスを手に入れた直後に、運悪くマンホールへ落下してしまう。彼が迷いこんだのはソウル(─魂─)たちが暮らす世界で、彼自身もソウルの姿に…。そこは、ソウルたちが生まれる前に、どんな性格や興味を持つかを決める場所。でも、22番と呼ばれるソウルだけは、人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられないまま、もう何百年もこの世界にいた。
まるで人生の迷子のように生きる目的をみつけられない22番と、夢を叶えるために何としても地上に戻りたいジョー。正反対の二人の出会いは、奇跡に満ちた冒険の始まりだった…。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

意味や目的を超えた先に見える物…。リバイバル上映マジ楽しみ!。

 流石すぎるピクサー映画…。こんなにエンタメとテーマが見事に噛み合い、楽しくそして大人な地平に立った作品を作れるのは世界に一つだけだろう。夢を追う主人公なら夢が叶いました、或いは自己実現しましたが普通ならゴールになりがちだが、その更に先を行くとは…。


 とにかく楽しくて入りやすい世界観やキャラクター達の仕上がり具合の素晴らしさはピクサー、特にピート・ドクター監督の十八番だから今更言及するまでもないだろう(それだけで驚異的なんだけど)。しかし、本作は今まで以上の境地に達している。


 アドラーも指摘していたことだが、夢を追ったり自己実現が人生の目的になるとじゃあそこに達するまでの人生は無駄なのか?ということになる。まして当初の目的に到達しなかったらその人生は無意味なのか?。それは追うこと自体が目的になってしまった作中の迷える魂たちと同じなのではないだろうか?。「メンターたちはみんな同じことを言う。人生の目的だの、意味だの…。もっと単純なことなのに」


 仮に夢に達したとしてもそれで人生は上がりなのだろうか?。否、人生は続く。そうしたら後の人生はルーティーンになってしまうのか?。「きらめきは人生の目的じゃない」。


 人生を生きるという事は、生を一瞬一瞬尊ぶことだ。単なる生活の一部だと思っていた食べる歩くこと、日差しを受けること、舞う木の葉を見ること。自分が出会った世界と人々に心からの感謝を、生の目的も意味も生の中自体にあって外部にはない。「きらめき」はその事に気付かせてくるれる助け手でしかない。


 その事を台詞に頼らず映像と、それまでの話の流れで痛感させてくれる上手さと大人っぷりはもう想像を絶する高みにある…。コロナで世界が幼児化している中でこんなに地に足がついて、同時に高貴を失わない精神があるなんて、これこそ「きらめき」だ!。


 ワガママを言うなら、良いとこでスパッと切った感じだけど、こんなに面白いとどうしてもエピローグ的な部分が見たくなっちゃう。後、正直キャラクターのキャッチーさが今までのキャラ達に比べちゃうと弱い部分がある。ただ、私としてはドストライクだし、間違いなくピクサーの最高の到達点の一つだろう。Disnyの回し者じゃないし、むしろDisnyランドに殺到してる人達にはケッ!って感じな私だが、本作のためだけにもDisny+に入らないなんてありえないと言いたい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

タイトルなし

良かったところ
・カウンセラー・ジュリーの人となり
・キャラクターや世界観の表現の幅が広いこと。
→いい感じのルックデブのメイキング動画があったら教えてください
・ソウルの世界への転生描写がインターステラーを彷彿とさせる。引き込みはとてもよかった。

悪かったところ
・スピリチュアルな感じがどうも肌に合わない。
・感情を揺さぶられるシーンがほとんどない。感動できなかった。

まとめ
映像として観る分には面白いけど、エンタメとしてはあんまり好みじゃなかった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

74.8 15 2021年度アニメランキング15位
宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち 前章 TAKE OFF(アニメ映画)

2021年10月8日
★★★★☆ 4.0 (12)
30人が棚に入れました
白色彗星帝国との戦いから三年──。滅びに瀕したガミラス民族を救うべく、新たな母星の探索を続けていたデスラー総統は、天の川銀河の一画に条件に見合う星を見出す。が、そこは、強大な星間国家の領域内であった。銀河で勃発した領土紛争は、ガミラスと安全保障条約を結ぶ地球を否応なく巻き込んでゆく。地球に軍事的・経済的優位性をもたらしてくれた時間断層という魔法は、自分たちの命と引き替えに消滅してしまった──自責の念に駆られながらも、ヤマト新艦長の任についた古代進は、来るべき有事に備えて新クルーらと共に訓練航海に旅立つ。その中に、自分をつけ狙う何者かが紛れ込んでいるとも知らずに。かつてない不安の時代に、新たなる旅立ちの時を迎えるヤマト。その行く手では、想像を絶する新たな敵が待ち構えていた……。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まだ終わらない新たなヤマトの船出

 ガミラスの運命とイスカンダルを巻き込んだ、ヤマトの新たな戦い幕開けのお話だったです。主にデスラーとヤマト新人乗務員に焦点が、当てられたです。今までの回想が、序盤にあるので初めて見る人でも分かると思うです。

 2202で終わりで良かったと思ったけど、2205まだまだ続くです。これも旧作のヤマトの設定を盛り込み、2205風にリメイクした作りだと思われるです。ガトランティス並みの敵の出現や、目的にスケールの大きさを感じたです。
 今回も作画、演出2205ならではの新しいヤマトの世界感も良かったです。

 デスラーの今までに見せなかった人柄を、もろに見せてくれた今作だったです。滅びゆく運命にあるガミラスの新たな惑星を見つけ、ガミラス市民の移住が行われようと進むです。
 地球とガミラスの和平協定のため、出向するヤマトです。新人乗務員も加わるので、また違ったヤマト館内になるようです。また2202で古代進、森雪、ヤマトの帰還により、日常を奪われた人の存在も明かされることになったです。それも含めて、新人乗務員それぞれの行動も描かれるのです。それに対して、古代は何を思うか?だったです。

 後半、正に移住を進めようとガミラスで準備がされていたさなか、何が起こるのか?凄かったです。これと同時にヤマトサイドでどうなっていくのかも注目です。ガミラスはどうなるのか?イスカンダルも何が起こるのか?です。
 何だかんだヤマトらしい行動から、これもいいところで終わってしまい ネタバレレビューを読む続き、「私、気になります!」だったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

74.7 16 2021年度アニメランキング16位
アイの歌声を聴かせて(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 3.9 (109)
365人が棚に入れました
長編オリジナルアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

幸せを呼び寄せる歌声

愉快に笑いながらも、とても感動する物語です。
見終わった後、しばらく席を立ちたくないほど、感動の余韻が沸き起こります。
もしかして、2021年で一番感動したアニメかもしれません。
それほど私のツボに、はまってました。


主人公は天野サトミ。
彼女は以前、上級生の屋上での喫煙を先生に報告したことがきっかけで、教室内で少し浮いた存在でした。
そして彼女の母は、AIロボット・シオンの製作リーダです。
そのシオンが、サトミのいる高校に転入してくるのです。

シオンは美人で明るいAIです。
但しシオンは、いつも変なことをしでかします。ポンコツAIのようです。
転入初日の自己紹介の際に、いきなりサトミに「今、幸せ?」と尋ねたり、教室で歌を歌ったり…、
周りの人たちが驚くようなことばかりです。

でも、それはサトミを幸せにするためにシオンなりに考えてやったこと。
なぜかシオンは、いつもサトミの幸せを願っています。

そしてシオンが変なことをして歌を歌うたびに、
少しずつ幸せになる人が増えてきます。
そして、サトミのまわりには親しい友達が増えてきます。それはシオンのおかげ。

しかし、あることが起こり、物語は急展開します。
そして、シオンがサトミの幸せを願う理由が明らかになります。
それは、とてもとても心温まる理由でした。

土屋太鳳さんが、シオンの声優をされています。
そしてシオンの歌声も土屋太鳳さんの熱唱です。迫力ある美しい歌でした。

最後はハッピーエンドとなりますので、ぜひ劇場へ足を運んでください。
「見てよかった」と、きっと思いますよ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

吉浦監督作品の現時点での最高傑作

全くノーマークでしたが、
あにこれでの評価が高かったので、
SAOと悩んでこちらを観に行きました。

吉浦監督作品は、イヴの時間とパテナを視聴済み。
どちらの作品もSFジャンルではおススメできますが、
難点としては、設定が凝りすぎて
初見では分かりにくいという点と、
どっちもなぜか酔ってしまうという点ですw

本作は、この両者がなくなり、
SF青春モノとして劇場で観る価値が充分にあります。
映像はJCスタッフなので安定していて見ごたえがあり、
劇中歌も土屋太鳳さんの伸びのある歌声を
大音量で聞くことができました。

視聴前は、ヒロインの二人が声優ではなかったので
心配な部分もありましたが、見終わってみれば
むしろ二人の演技が光っていましたね。
福原さんってこんなに演技上手かったっけ、
というぐらいキャラに合っていました。

一つ注文を付けるとすれば、
シナリオにちょっとぶつ切り感があった点ですかね。
脚本に大河内先生が加わっているようなので、
2時間うなぎ上りのシナリオを期待しましたが、
最後は少しまとまりがなかったので
涙することができなかった点が惜しいです。
それでも十分に感動できる良い作品でした。
吉浦監督の次回作にも期待です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

幸せ

かなり楽しみにしていたアニメ映画です。
私はこの作品を知りませんが、Sunny boyだったかな?
アニメを見終わって必ずCMが流れてて、AIとか歌とか私の好きな題材のキーポイントが多くて凄く期待したってのが、この作品を見ようと決めたポイントです!

さて、物語は試験中のポンコツAIのシオンが転校してきてから始まります。
5日間の短く長い物語の始まり。

1日目

AIと言えば完璧なイメージがありますが何故AIの彼女はポンコツなのか……

1つは極秘実験なのに力加減を一切しない。

{netabare} プールに潜れば永遠に水面に上がらないし、片手でバスケットボールを受け止めて片手で凄い力とスピードで投げ返したり、完全に自分の正体を隠そうとしなかったりw{/netabare}

2つ目は転校初日にシオンはミサトに「幸せ?」と聞く。
彼女はAIで「幸せ」とは何か解らないけど幸せ?と聞いてくる。
彼女には幸せはわからず、自分で調べた幸せを実行していく。
ミサトに幸せになって貰いたくて。

{netabare} 友達を作らせようとしたり、AIロボを暴走させピンチになれば白馬の王子様が登場すると思い暴走する様にAIにお願いしたりw
王子様を確認しようと、人気の男子ごっちゃんにキスをしようとしてみたりw {/netabare}

実は実験の責任者はサトミの母なので密かに行われた実験でシオンがAIだとバレてはダメなのですが……

{netabare} 初日でバレた……4人のクラスメイトの目の前で、間違えて緊急停止ボタンを押してしまい……お腹から何か飛び出して…… {/netabare}

ミサトは母がどれだけAIに力を入れてきたか知っているから、密かに知ったこの実験を成功させてあげたくて……
そうして、5人の秘密がはじまる。

2日目

ごっちゃんとアヤのすれ違い。
2人は恋人同士なのですが、いつしかすれ違っていた。
この理由がまた学生らしくて、あるよなぁ〜ってなりますww
思春期だから悩みも不安も沢山ある、相手の何でもない言葉や態度に不安になり、どうすればいいのか解らなくなる……

でも。
{netabare} シオンの「ごっちゃんはアヤの者じゃないよ」って言葉で、アヤもやっと自分の気持ちに勇気を振り絞る事が出来た。
「もっと素敵な人がいる」失恋した人にはNGな事をシオンが言っちゃたりもしてたけどw
シオンのおかげで2人は仲直りが出来た{/netabare}


3日目

サンダーの試合の話
試合本番に弱くて負けてばかりのサンダー
{netabare} でも、シオンが練習に付き合ってくれてw
AIでも女の子の素体だからかサンダーは練習しにくそうでww
それに比べて本番は男子相手だからやりやすかったのか初勝利を決める事になりました。{/netabare}


4日目

サンダーの初勝利パーティーとし学校を抜け出す6人
しかし、このパーティーが結果的に……

シオンは新しい幸せの形を見つける。
{netabare} 誰かの幸せは誰かを幸せにする。
シオンが気付いたのです。
トウマがミサトが好きで、ミサトもまたトウマが好きだと言う事実を。
そこで、ミサトを幸せにする為に告白の舞台がまた素敵なのです!

ソーラーパネルの向きを変えて月や夜空を反射させた地面に光のイルミネーションに空に打ち上がる花火にシオンの応援ソング{/netabare}
告白の舞台としては最高です⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝

そんな告白の最中、シオンを初め全員捉えられてしまう。
{netabare} それはシオンの制作会社の星間エレクトロニクスの大人達だった。
いきなりアンカーみたいなのを撃ち込まれて残酷なシーンでした(*꒪꒫꒪) {/netabare}

5日目

{netabare} シオンは自分の実験結果を改ざんしていたものを送っていたのでした。{/netabare}

彼女にとって実験なんて関係なくてミサトに幸せになってもらいたくて勝手に考え行動した。

{netabare} 確かに、AIが自立して何かを起こすとエラーやバグとして処理されるし、AIが映画みたいに反逆行為を起こして人間を襲うかもしれない。
そうなると取り返しがつかなくかる……だから、処分される結果になる。{/netabare}
危険を考えたらそれは仕方ないかもしれない…………って思うけど……

それは違うって思います。
{netabare} 大人達からみたらAIが自分達の監視外で動いていた。
結果だけみたら怖いですよね。

でも、ミサト達からみたらシオンは沢山の幸せを教えてくれたAIなんです!
すれ違いの恋心を修復してくれたり、初勝利出来る様に練習に付き合ってくれたり、幸せになって欲しい女の子に告白される舞台を整えたりシオンは幸せになって欲しいって気持ちだけなんです! {/netabare}

確かに彼女は間違えた事もありました。
{netabare} ロボの三太夫を暴走させたりもありましたが、あれだって誰も傷付けてないし止めようと組み合ったサンダーも怪我はしてません。{/netabare}

だから、きっと彼女はその辺も解っていた。

彼女達の中でシオンはAIではなく友達なんです!

シオンの本当の正体には涙がボロボロでました。
シオンの試験内容に「誰かを幸せにする」なんて課題もなければ、何故、ミサトと母の1日が始まる前の掛け声を知っていたりした秘密も明かされましたし、シオンが昔からミサトを知っていた様なセリフがありましたが、それも明かされました。

シオンのミサトが大好きな気持ちに私は映画館でボロボロ涙が出てきて鼻水まで出そうになるし、鼻をジュルジュル言わせたら隣の人に「コイツ泣いてんな〜」って思われそうだったので、我慢しました‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
それほどにシオンのミサトへの想いや気持ちの強さが心にグッときました。

シオンの正体を知ったミサト達は……

{netabare} 敵陣本社に乗り込みます!
そこで、寝たきりのシオンに再開する。
必至に呼び掛け目覚めるシオンに呼び掛けると目を覚ました。

でも、大人達にバレてしまいシオンを逃がそうと友達達も時間を稼ぐ為に頑張ってくれたけど……シオンもバッテリーが少なくて稼働時間も時間の問題。
最後の力を振り絞り他のAI達に協力して大人達の足止めしてもらう。

会社を封鎖された中でシオンを逃がす彼らの作成それは……シオンはAIだから器は必要ない。
シオンの心を別の場所に逃がす為に屋上へと出る……
シオンとはもう触れ合う事は出来ないけど……

彼女を宇宙空間の衛生へと移す作業が始まる。{/netabare}

シオンは嬉し涙は知らなくて、最後も嬉し涙を流すミサトの涙の意味はわからなかった。

だって、悲しいから涙がでるって認識なんだもん‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬
{netabare} それでも、ミサトは笑顔で笑って感謝を告げる。
そして、ミサトと過した5日間を思い返したシオンも最初の頃とは違い「幸せの意味が解らない」と言っていたけど最後は「私は幸せだったんだね」って幸せの意味を知ることが出来た。{/netabare}

シオンは沢山の幸せを皆に与えたけど、シオンも知らずのうちに幸せを貰っていた事に気が付いた(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

{netabare} シオンの居なくなった学校で彼らは集まって、告白もしたトウマとミサトはまだ少しウダウダしてて、それを衛生からみたシオンが2人に声を掛ける。
彼女は、ずっと見守ってくれるのでしょうね。{/netabare}

さて、最後の三太夫の顔に貼られて居た物が凄かったですねw
劇場では笑いが漏れてたけど私は感極まって涙を拭うのが必死でしたw

サンダーは愛は重いなぁ〜
愛を拗らせるタイプですねww
{netabare}一応、サンダーの告白が成功してたけど柔道の練習相手としてOK貰えたなんて思ってないんだろなぁww

でも、サンダーの恋の形って素敵だと思います。
恋って誰が誰を好きになってもいいものだし例え相手がAIでも好きって気持ちに代わりはないと思いますし、それを否定する事は誰にも出来なくて否定しちゃダメだと思うからです。
だから、サンダーの片思いって面白いなぁ〜って思います。{/netabare}
恋の形って人の数あって全然違う形をしてる気がしますꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

全体的な感想としては……

物語に無駄がなくテンポも凄く良かったと思います。
歌も演出が少しミュージカル風な感じで、普通に飽きることなく楽しめました。
凄く面白い作品ですし時間ある人は是非見てもらいたい作品です(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

74.6 17 2021年度アニメランキング17位
劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト(アニメ映画)

2021年6月4日
★★★★★ 4.1 (63)
227人が棚に入れました
「スタァライト」――それは遠い星の、ずっと昔の、遙か未来のお話。この戯曲で舞台のキラめきを浴びた二人の少女は、運命を交換しました。「二人でスタァに」「舞台で待ってる」普通の楽しみ、喜びを焼き尽くして、運命を果たすために。わずか5歳で運命を溶鉱炉に。――危険、ですねぇ。やがて二人は再会します。一人は悲劇の舞台に立ち続け、もう一人は飛び入り、引き離され、飛び入り、二人の運命を書き換えて……キラめきに満ちた新章を生みだしたのでした。もう目を焼かれて塔から落ちた少女も、幽閉されていた少女もいません。ならば……その新章の結末は?「スタァライト」は作者不詳の物語。キラめきはどこから来て、どこに向かうのか。そして、この物語の『主演』は誰か。私は、それが観たいのです。ねぇ――聖翔音楽学園三年生、愛城華恋さん?

声優・キャラクター
小山百代、三森すずこ、富田麻帆、佐藤日向、岩田陽葵、小泉萌香、相羽あいな、生田輝、伊藤彩沙

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

レビューにはテンションとハッタリをぶつけんだよ!。

 平場のシーンが結構多くて、その間はもう「スヤァ…zz」ってなりそうになったけど、後半のレビューはテンションと勢いで持っていく感じは映画館で見る価値あった。ただ、それこそ「ウテナ」や「ガルパン」の劇場版みたいに、もう作品の本質と魅力を凝縮して、ストーリーはもう最小限のが良かったような。「マッド・マックス 怒りのデスロード」なシーンには笑った。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

出てきたキリンの役割は!

 舞台少女の織りなす数々の演技??、剣術をえがいていたです。一番の見所は、舞台と思えない風景の数々や面食らう演出だったです。

 音翔音楽学園三年生の進路決定やその経緯で、進められると思いきやです。
 愛城華恋、神楽ひかりの思い出が現在や舞台につながる設定だったり、別の舞台少女の剣の戦いや歌、語りが突然唐突に起こるです。

 私には、その様々な演技か?舞台か?現実か?分かりづらくなっていくようだったです。
 数多くそれが行われる中で、広範囲な舞台?セットが現実離れなすごい迫力で、爆発的に崩れたり、場面が切り替わっていく所が凄かったことは、認識できたです。

 スタァライトしきったと言われたけど、仮想現実と現実の区別がつきにくく、私にはよく意味がわからなかったです。
 ただ、キャラそれぞれが一つひとつの行動に、全力を傾けていたようには、感じたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

ルド さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

映画の出来は素晴らしいと思う

作画も演出もTVシリーズと比較して圧倒的にパワーアップしていて
アニメーションとして素晴らしい出来だった。
だが映画は本作の独特の演出が更に強烈になっていたため個人的にはクド過ぎで
TVシリーズ位の演出の濃さまでが自分の許容範囲だと理解させられた。
本作の演出を好きな人はこれ以上ない素晴らしい作品となっており、かなり人を選ぶ作品だが1つ完成系と言える映画だと思う。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

74.1 18 2021年度アニメランキング18位
劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか(アニメ映画)

2021年7月9日
★★★★☆ 3.9 (82)
343人が棚に入れました
久米田康治氏の人気漫画が原作のテレビアニメ「かくしごと」の劇場編集版が製作されることがわかった。2020年12月12日に行われた「スペシャルイベント ~こんなイベントやって姫にバレたらどーする!~」で明らかになった。

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

dアニメで配信中

TVシリーズを編集されて、少し新しいカットとエピソードが追加されています。

7月9日劇場公開に際して、劇場上映数14箇所…
2日目に行った際には、パンフレット、BDは完売状態。
良い作品だと感じる故に、勿体無く思えるのが
正直な感想ですが

編集内容としては、十分初見でもいける内容に
編集されてます。結構泣かれてた方は多く感じました。

BDも10月29日に全国発売も決まり
dアニメでは8月7日より配信も始まっていますので
視聴可能な方は是非ご鑑賞下さい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

MASTERPIECE

映画は見に行けなかったが有料アニメ動画配信アプリで配信されていたので視聴。

※本編未視聴でも十分楽しめますが、本編の総集編的な性質もあるので、視聴するなら、本編見てから推奨。

テレビアニメ版の総集編+アルファと言った感じで、結構いい感じにコンパクトに編集されてます。
単なるプラスアルファではなく、本編で語られなかったエピソードもいくつか追加されており、当時を振り返りつつ視聴できた。

追加エピソードの入れ方も良く、映画版らしく最後の締め方も綺麗だった。

心の温まる良い話でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

釈明に失敗、残念。。。

テレビ放送版「かくしごと」、すごく楽しめました。

いちこ先生の「石原さとみとか?」とか、
「伊豆のバジリコ」とかいったこまかいギャグがすごく面白くて。

でも残念。
劇場版では、こういう楽しいギャグが、全部省かれてしまっています。

そして、決定的に残念なのが、{netabare}
テレビ版のときにも気にはなっていたけれど、
敢えて深掘りすることもないでしょってスルーしていた、
しかし、作品の根幹に関わる問題点。

すなわち、
○○才箱の存在・・・・

これ、テレビ版観ていたときにもチラリと気にはなっていました。

でも作品のノリが軽いギャグだし、
突っ込むところでも無いだろうって思ってはいたんですけどね・・・

制作陣は、きっと、気になっていたんでしょう。
だって、死ぬ予定じゃなければ、
我が子の先々10数年分の誕生日プレゼントを、
でっかい箱に詰めて、しまって置くって、考え難いですよね。
不治の病で死ぬという定めでもなければ!

たぶん視聴者は、みんな分かってて、スルーしてきたと思います。

そこを、必要もないのに辻褄合わせようとして。

お母さんが、色覚を失う。
ひょっとしたら、のちのち視覚自体を失う、
という設定に?

それであの箱?

かえって不自然さがクローズアップされています。

海にクルーザーで乗り出したのが、
まるで覚悟の自死だったみたいになってしまっていて、
不自然きわまりないです。

同じことが、カクシパパの用意した、姫ちゃん向けの誕生日箱にも言えてしまって。

だって、倉庫作業中の事故で意識障害に陥るだけなら、
誕生日箱なんて作らないで、
毎年、祝ってあげればいい訳で。

・・・・・・・・・・・

この作品は、細かいギャグの積み重ねこそが魅力だったのだから、
そこを省いて欲しくなかったし、
みんな温かい眼差しで気にしないで済ませていた「誕生日箱」問題を、
こんな中途半端な形でさらして欲しくはなかったです。{/netabare}

未視聴の方には、
こちらの劇場版ではなく、
テレビ放送版の鑑賞を、
強くお勧めしたいと、思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

73.9 19 2021年度アニメランキング19位
白蛇:縁起(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 4.0 (12)
43人が棚に入れました
唐の時代、国師は民に蛇狩りを強要し、それに対し蛇の妖怪「白」は国師を刺殺しようとしたが失敗。白は逃亡のすえ記憶をなくし、蛇狩りの少年「許宣」に救われた。大きな試練が与えられた二人の未来は一体…

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

欧米作品をも凌駕す亜州3DCG

英題:White Snake
年度:2019年
製作:中国
監督:Ji Zhao / Amp Wong
時間:99:00

物語は鉄板、
アクションファンタジーロードムービー、
と見せかけての
切なきファンタジックラブロマンスストーリー

2021年7月30日
日本語吹替え版公開ももうすぐ、
主役はSnow Man 佐久間大介くん、
(だからか特典付ムビチケは既に完売だそうで、)
迎え打つ女性声優陣は三森すずこ、佐倉綾音、悠木碧さんらと大物揃い、
楽しみですね( ^ω^)



2019/10/15 中国語音声/日本語字幕版視聴----------

作画はピクサー3DCGにパペットの表現力を加味したかの様、
際立つ質感、
情景美術はフルカラーなのに淡い水墨画の如き、

美しく妖艶なキャラ、
甘く淫靡な百合模様に胸熱く成り、

音楽も素晴らしい、

いやはやここまでとは、
参った凄すぎ、
悪い所が見当たらない、、

粗を探すなら字幕がグーグル翻訳並みのちょっと面白翻訳だった位w

素晴らしいアニメーション作品です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

何が起きても動じない愛のなせる業

 何やら修行??だかをしている美人のお姉さんが、500年前を振り返った妖怪と人間、種族を超えた愛のお話だったです。何千年前のような、中国の時代背景で、中国語の声優さんで字幕だったです。

 敵の幹部だかの暗殺依頼を受けたお姉さんが、人間離れした体術、仙術と活躍するです。失敗して目覚めた先が、婆さんの住む小屋だったです。婆さんの案内で、村を見学し自分を助けた宣殿(センドノ??何と読むのかわからない)という青年と、運命の出会いをするのです。

 お姉さんは、宣殿と語り合い付き合い、蛇妖怪や人間の何やら刺客と戦ううちに、記憶を取り戻し、名前が白(シロと読むのかわからない)だとわかるです。どんどん進むと事の真相だとか、自分が何者なのか?、持っているかんざしが何なのか?どこか壮大な感じの展開になっていくのです。敵が、よくわからなくなったりもしたです。

 アナ雪、ディズニーアニメに匹敵するフルCGで、背景が特にリアリティーにあふれていたです。
 お話も大スペクタクルロマンというべきなのか?展開が、凝縮されていた感じだったです。
{netabare} 白も記憶を取り戻し、妹とこの時点で100年も生きているということなので、宣殿と少なくとも80歳前後は年が離れているので、種族以前に年の差をも超えていると思ったです。{/netabare}
 人間の感情や、妖怪の感情も伝わり、互いをどのように見ているのかが、激しさを特に、妹の青から嫉妬を感じたです。

 宣殿が、白の正体を知っても、思いを貫く信念が、自らをどうするのかにも注目です。愛犬のハラマキも巻き込まれるです。
 バトルシーンが、人知を超えた妖怪バトルで凄いです。蛇だけでなく、ドラクエに出てくるような3つ首のモンスターも出てくるです。仙術を駆使した戦いが、目を見張るです。

 白が、アイシャドウをし人形を越した魔性の美人みたいな外見で、身体能力、天女のような白い服が印象的です。{netabare}この美人が、本来の姿になったりするところも面白いし、巨大化が凄いです。
 武器屋の狐二面お姉さんも煙管を吸って、足を出して見せつけて魅惑的だったです。
 白と宣殿の思いが初めて通じた瞬間、白が大胆な行動をとるので、2、3分ほどのNHKならあり得ないシーンあるです。{/netabare}

 このお話の結末と現在に戻るとき、白は何を思うのか?宣殿はどうなっているのか?非常に興味深くなると思うです。あの意味ありげなシーンは、ご想像になるけど、「これで、いいのだ!」と思ったです。EDの中国の歌が、美しく聞こえるです。

 これ、一部のミニシアターだけでなく、日本の声優さんつかって吹替えし、全国公開したら反響を呼ぶと思ったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大陸のアニメが本気になると、とにかくスケールのデカさにおったまげる(@д@)舞台挨拶レポート付き

『ナタ転生』を手掛けた中国の追光動画が2019年1月にワーナーブラザーズとの共同制作で発表した3DCG映画
中国ではポピュラーな民話の1つである「白蛇伝」をベースにしながら、その白蛇の前世を描くという中国アニメ史上最大スケールのアクションと切ないラブストーリーが織り成す99分


実は2019年秋に『羅小黒戦記』の初期字幕版が池袋で単館上映され密かな話題になっていた頃、同作の配給を手掛けたチームJOYによってひっそりと限定上映されました
その時はスケジュールが合わずに観ることが出来ませんでしたが、今回新たにブシロードとチームJOYが日本語吹替え版を制作し、待望の全国公開と相成ったわけです


ヒロイン、白の吹き替えには三森すずこ
その脇を固めるのが佐倉綾音、杉田智和、悠木碧、石川界人、本田貴子、柴田秀勝といった豪華声優陣
さらに白と種族を超えた恋に堕ちキーパーソンとなる人間の青年、宣の吹き替えをジャニーズ屈指のアニヲタにしてSnow Manのメンバーである佐久間大介が務め、彼の所属するSnow Manが日本語版主題歌に起用されるなど黒ちゃんの時と違ってアニヲタ以外にも訴求する様な展開が為されています


初日初回、三森すずこ、佐久間大介、佐倉綾音、杉田智和の登壇した舞台挨拶をライブビューイングで観覧してきたのでその模様を中心にレポートします


























まず司会が森嶋秀太で既にブシロードあるあるで笑ってしまいましたw


佐久間、七色に反射する素材のジャケットで登場
「今日はキラッキラに光ってます!(プレスに対して)シャッターチャンスですよ!」


はらまき(宣の愛犬)役の杉田が挨拶
「バウアウ!あ、この回ネタバレokだった?普通に喋ります」


作品について
杉田「アフレコが終わると良い意味で作品が自分の中から抜けていくんですけど、『白蛇』はずっと自分の中に不思議と残っていて、テレビでキレッキレに踊る佐久間君を観ては、あ!そうだ!『白蛇』舞台挨拶あるんだよな、と思い出してました」


アフレコの感想について
佐久間「すずこ姉さんに引っ張ってもらえたのでそつなくこなせました」
森嶋「すずこ姉さんって呼んでるんだw」
佐久間「ずっとお世話になりっぱなしだったので姉さんと呼ばせてもらってます!」


杉田「佐久間君とはアニメの話で意気投合しました。佐久間君、アニメとか好きなんだって?今期なに観てる?」
佐倉「ヲタク?ヲタクの会話ですか?w普通のヲタクの会話ですよね?w」
佐久間「この舞台挨拶の直前まで外でずっとデカイ声でアニメの話してましたw」
杉田「何のアニメの話をしていたか?ここではタイトルは言えません!」


杉田「一緒に取材受ける時なんかも「凄い!声優グランプリだ!」ってガチで喜んでる人初めて見たよ」
佐久間「いやぁ、だってずっとアニメ雑誌とか声優雑誌とか読んできましたから、自分が取材を受ける立場になるなんて感無量で」


杉田「彼、今もこうして誠実な人柄なんだけど、僕らと話してる時はこうやって人前に出るとき以上に、凄くこう誠実で、この姿を俺らで独占しちゃって、世にお届けできないのがなんか申し訳ないなぁ、と思いましたね」


佐倉「メインキャストはみんな一緒に録ったのに私だけ、私だけ!別録りでした…三森さんとはよく共演してるし、杉田さんとは(『恋愛ラボ』とか『シンカリオン』で)親族になった事もあるけどw佐久間さんは今日が初めましてですね」
佐久間「僕は一方的に作品は拝見させていただいてますw」


アフレコで佐久間が泣いたという件について
佐久間「クライマックスで、すずこ姉さんは所謂抜き録りをされていて、それをバックブースで観ていて感極まって泣いてしまいました。本当に凄いお芝居だなぁ、と」


自分の役の好きなところ
杉田「はらまきを演じるに当たって芝犬を飼っていた事を思い出しながら演じました。吹き替えなんで声に集中しなきゃいけないんですけど、はらまきの場合表情が凄く豊かなんで、声以上に画面のはらまきがどんな顔してるのかを注視してアフレコに挑みました。あーこんな顔、ウチの犬もしてたっけなとか、こんな顔はしなかったな、とか。(杉田家の犬)脱走すると飼い主をおちょくる様に一定の距離を保って逃げるんですよ。泳げないから河原に追い込むように追い詰めるんですけど。まあとかく犬って良いよね」


佐倉「青は勝気な性格なのでドスの効いた声が出ちゃうことが多々あったのですが、勝気な性格と妹な部分のバランスが大事なんだ、とよくリテイクをもらってましたね」
佐久間「ドスの効いた声ってw」
佐倉「普段結構過酷な場面を演じてるのでどうしても声が張っちゃうんですよwやれ戦乱に巻き込まれたりとか、やれ敵と戦ったりだとかwそんな勝気な性格と妹な部分のギャップとバランスが好きなところです。ただはらまきを蹴飛ばしたところだけは許せない!」
杉田「あそこは生々しくならないように気を付けましたよ、ヤラレ声って結構大事で深刻そうにも聞かせることも出来るし、面白おかしくする事も出来ますからね」
佐倉「杉田さんのお芝居に助けられたと思います」
佐久間、この声優あるあるトークに目を輝かせながら聞き入る


佐倉「佐久間さんの様にタレントの方がゲストでアフレコに挑戦される時はプロが仮アフレコを先録りするんですけど、他の皆さんは2日ぐらい掛けて録られました?」
三森「3日に分けたよ」
佐倉「私、ちょうどその間に録ったと思うんですけど、声の入ってるパートと入っていないパートがあって、その宣の声がバチクソ上手くて、え?え!?誰???ってなったんです。今日も入りの時に佐久間さんの挨拶の声の張りが声優さんの、声を生業としている人の声の出し方で、話し声とか聴いていて、あ…この人がやっぱり宣なんだ…と凄く実感が湧いてきました」
杉田「僕、普段は人の事あんまり褒めないんですけど、佐久間君は本当に立派だと思います、ここにいる彼は、佐久間君はゲストじゃないです、共演者です」


登壇しなかった悠木碧からのメッセージを森嶋が読み上げましたが最後の一文が
「あ~そうそう、宝青坊に御用の際はいつでもお越し下さいませ」
の一言で締めてたので杉田から
「100点!」
と賛辞が寄せられましたw


以上がざっくりとですがまとめになります
誤解を恐れずに本編についてお話しすると、『ナタ転生』もそうですが画面の動きが早過ぎてあまり観易い映像ではないというのが本音ですが、日本語吹き替えになったことでお話への没入感はよりし易くなったと思います
エンドロールと日本語版エンディングの後には既に本国では公開された『白蛇2』の予告編もありますのでお観逃し無く

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

73.7 20 2021年度アニメランキング20位
劇場版 Free!–the Final Stroke– 前編(アニメ映画)

2021年9月17日
★★★★☆ 4.0 (28)
122人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

行こう,栄光の舞台へ――

「Free!」のシリーズは最も好きなアニメのうちの1つでテレビシリーズも劇場版も全て観たし原作も読みました。
なのですが,好きすぎて1stシーズンしかレビューできていませんでした。
しかも,当時はあまりピンときていなかったので「Eternal Summer」と併せてのレビューという暴挙(?)に出ていまして…。
いずれ近いうちに書き直し,他のシリーズとこちらの劇場版のレビューをしたいと思っていたのですが,こちらがあまりに素晴らしかったので,一時的なやつと割り切って先にレビューしてみようと思います♪

―というわけで,観ました!!Free!最終章!!
満足度でフル★5は「鬼滅の刃 無限列車編」でつけて以来もうしばらくないだろうなと思っていたのですが…!!
これまでFree!の映画ってテレビシリーズの焼き増しって感じだったのですが,今回はテレビシリーズでは描かれていない新規のお話です。
まず演出が素晴らしいです。カメラワークとかBGMとか。
そして,なんと言っても作画!!
これまでも素晴らしかったというか,もう京都アニメーションっていう時点でそこはもう安心と信頼の京アニって感じではあるのですが!!
最後のシリーズというのもありますし,京都アニメーションは色々あったので,なんというかスタッフさんの“遺志を継ぐ”じゃないですけど,「良いものを作ってやるぜ」的な気合い,心意気みたいなものを勝手ながら感じてしまいそれもあってか最初から最後まで終始うるうる涙を滲ませながら観ていました。
水の表現とか試合会場の臨場感とかキャラクターの動きとか諸々もう神がかってますね!!
{netabare}個人的には(細かいんですけど)泳ぐ前の凛と郁弥が話してるシーンで郁弥が振り返る動きと帰省の電車から下りた凛ちゃんの目線がみんなから宗介に移るとこがリアルで良いなって思いました。
そして,ハルが泳ぐところは映像がかっこよすぎて泣きそうにな…ってか泣いてました(笑)。
物語で泣くことはあってもアニメーション自体がかっこよすぎて泣くとかオタクすぎますね(^-^;
そうかと思ったら凛ちゃんの番で「見てるか?親父」からの
郁弥「気になる?」
ハル「あいつの競泳への想いを知っているからな」
でポロポロと心の汗が流れてしまいました。゚(゚இωஇ゚)゚。ドバァ
ハルちゃんのこれまでの性格だと「別に」とか言いそうなのに…。
郁弥が,ハルの泳ぎを観ている凛ちゃんを後ろから見ていて,その回想シーンだけで凛ちゃんのハルに対する想いと,郁弥が2人の関係を気にしている感じの2つが伝わってきてグッとくると同時に切ない気持ちにもなりました。
あと,みんなで電車で帰省するとこ!!
画もきれいだし,「そういえばみんな地元同じなのか!!」ってはっとしました。
特に郁弥と旭!!佐野より板東の方が岩鳶に近いのねって。
板東は岩鳶中だけど,佐野は佐野中があったもんね確か。
原作に合わせて旭がちゃんと板東で下りてたとこは地味に嬉しかったです。
そういえば劇場版「ハイ☆スピード」でも一緒に帰ってたな!!
電車では郁弥が驚いた表情をしてたけど,あの時誰を見てたんだろう??
やっぱハルと凛を見てたのかな。。

物語の内容で1番わたしが思ったのは,「ハルって凛とか郁弥のことどう思ってるんだろう??」ってことです。
凛も郁弥もハルに憧れてライバルだと思ってると思うのだけど,ハルって2人のことそう思ってなさそうだなって今回思いました。
ハルが見ているのはアルベルトだけで,凛のことも郁弥のことも眼中になさそう。
厄介なのが,それでありながら仲間とは思ってるってとこなんだよな。
凛に対しては終盤の小学校のシーンで思いました。
「アルベルトに勝ちたい」じゃなくて「お前に勝ちたい」って言ってやれよ!!―って思った。
何度凛ちゃんに勝ったところで次の試合,そのまた次の試合ってずっと勝ち続けられるかどうか分かんない相手だよ!?
郁弥はもっと気の毒で…
彼はDFの時からずっとハルと凛の関係を意識している描写があって,特に今回は3人でシドニーに行ったものだからなんだか可哀相になりました。
行きのバスでもハルは凛と座ってましたね。
ハルとのライバル関係とか友達関係において凛には叶わないとか思っちゃってないといいけど…。
凛が泳いだあと,郁弥を置いて凛の元に走っていっちゃって…。
凛には会えずじまいだし,郁弥は金城たちに難癖つけられるし…ハル,何やってんだよ。。
あたしは郁弥推しなので,郁弥がこれから泳ぐのに凛のとこにいっちゃったハルにちょっとムッとしちゃいました。
それと,ハルが階段から落ちそうになったとき郁弥がキャッチしてくれたのに,郁弥のこと目に入ってないって感じだった。
ハルは凛や郁弥のことろくに見てないくせに,精神的に頼ろうとするなんてムシが良すぎる。
それにしても,郁弥は意外と凛と2人のシーンが多くて驚きました。
序盤の学園祭の郁弥は可愛すぎましたね。
「白黒つける!?」の言い方好き(*^▽^*)
凛と郁弥は大分打ち解けたのかと思ったけど
「君と過ごしてみたけどさ,変わった奴だよね,凛て」ていう郁弥のセリフに距離感を感じました。郁弥は一歩引いて見ているのかな??
2人の間接ライバルの感じ好きなんだけどな~。
そして,ハルと郁弥はあんまり2人で話せていない気がする。
2人は個人メドレーでしか勝負できてないのだからちゃんとフリーで勝負してほしい。
あと,細かいのだけど,鮫柄の寮で凛ちゃんと宗介が御子柴先輩が現れた途端後輩という立場にすぐさま切り替えて挨拶するのが,体育会系のノリでめっちゃ良いなって思いました。

そして,言っておきたいのは声優さんの演技ですね。
元々,凛ちゃんの中の人の演技はESから一目置いていて今回も凄く良かったのですが,今回はハル!!
元々そういうポテンシャルを持った声優さんなのか,それともタイトなディレクションをされたのかは(声優さんに詳しくないので)分からないのですが,今回の映画は凄く生っぽいというか,アニメの声優というよりは役者って感じの演技で驚きました。
郁弥は夏也に電話した時の第一声「あ…アニキ…」が片言っていうくらいぎこちなさが出てて好きです。
それだけじゃなくて,カメラワークもそうだし,脚本もそうなのか作品自体の雰囲気も実写のドラマっぽさがあって,好き嫌いはあるのかもだけどわたしが高評価をしたのはそれも一因です。
それでいて,マコちゃんが見た線香花火から金魚みたいな不思議なビジョンの演出とかはアニメっていう強みが活きてる感じがしました。
EDは急遽変更になったのかな??
最後のエンドロールを見ながら「We could be free最高じゃん♪むしろこっちのが終わりの雰囲気と合ってて良かった」って思いました。
BGMはどれも素晴らしいけど,個人的にはサウンドトラックの中で「Tidbit」が特に好きです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

もうどこをどうとっても素晴らしい映画でしたが,後編はどうなるんだろう??っていう気になる終わり方でもやもやが残ります。
―というか,惨敗の2人にプロの話が来るってちょっとおかしくないか??
凛ちゃんはオーストラリアだからまた事情が違うのかもだけど,郁弥は日本だしメダルも取れてないのに変だよね。
郁弥推しのわたしとしてはハルと2人で話すシーンが欲しい。。
郁弥は凛とか旭とかとばっかシーンがあってさ…。{/netabare}
戦いに関しては,郁弥推しではあるわたしだけどやっぱハルに勝ってほしいです。
応援しているのは,宗介と夏也先輩だな。
やっぱ“アニキ”にはかっこよくいて欲しいしね☆
続きがとても気になりますが,キャラクターが大勢いるので後編で全て大団円といくのかな??
後編,早く観たい気持ちはあるけど,観たらもう終わっちゃうと思うと観たくない気持ちも強いです。。
みんなの頑張りが報われますように――って思います★

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

二十歳を過ぎたらただの人?!

 TV放送の「-Dive to the Future-」というより「劇場版 Free! -Rosd to the World-夢」の続きです。遥達楽しい日常と世界との差を痛感した遥、金城楓、力を十分に出せなかった凛、郁弥の心の葛藤を描いたお話だったです。

 お馴染みのキャラ達全員登場で楽しい話題ありつつも、真面目な話を織り交ぜている構成にやや私は戸惑うようにも思えたけど、今まで以上に人間らしさを感じたFree!だったです。

 シドニーの世界大会でアルベルトの超人的な泳ぎに飲み込まれてしまう遥の葛藤がかつてなく、東を始め凛にまで当たってしまうところが、今までにないものだったです。アルベルトの意外な行動もこの先につながるような感じだったです。

 世界大会以外で、大学や岩鳶での日常は楽しく独特のいつもの空気が相変わらずだったです。

 今までにない壁に当たったとき、特に遥、凛、郁弥の将来における決断とこれからを選んだとき、どうなっていくのかが後半につながるようだったです。
 TV放送の高校生だった頃も印象的だったけど、大人に近づく遥達も違う良さがあったようにも思えたです。
{netabare}  よく言っていた遥のつぶやきも、ギクシャクした終わり方も、2022年4月22日上映予定の後半どうなるのか?「私、気になります!」だったです。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

にら さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

腐女子向けと思ってるそこの君

Free! の数少ない男性ファンだが、今回も面白かった。

この作品は女性ファンが多いため勘違いされがちだけど、断じて腐女子向けに作られた作品ではない。
水泳選手が努力する過程に正面から向き合ったスポーツものであると同時に、青年たちの葛藤と成長を細やかに描いた青春ストーリーなので、男女問わず誰でも楽しめるのがいい。

加えて本作はキャラクターがちゃんと年を重ねる作品である。
小→中→高→大学→大学生として世界選手権出場、と成長する中で立場や環境も変わり、抱える苦悩も水泳や仲間に対する考えも徐々に移り変わっていく。そういう積み重ねを以って彼らが大人へと近づく過程を見ると、この作品はただのスポーツ作品じゃないんだと毎度思わされる。


Free!シリーズは出た順番で

①Free!(1期)
②Free!-Eternal Summer-(2期)
③ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-(映画, 中学時代を描く過去編)
④Free!-Take Your Marks-(特別編, 2期〜3期の間の話)
⑤Free!-Dive to the Future-(3期)
⑥Free!-the Final Stroke-前後編 (映画, 完結作)

と数が多いためめんどいって人も多いと思うが、それでもやっぱり素晴らしい作品だからたくさんの人に見てほしい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

73.3 21 2021年度アニメランキング21位
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 4.0 (49)
202人が棚に入れました
マクロスΔの完全新作。

歌うことは生きること。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

なぜ、このような結末にしてしまったのか…

以下はあくまでも個人の意見です。

正直な話、マクロスΔの監督は、今までのマクロスシリーズの主張、守るべき大切なものを忘れているような気がします。

テレビ版もそうでしたが、劇場版では取り返しのつかない結末になってしまいました。

確かに戦闘シーンは迫力があり、歌も素晴らしいし音響効果も抜群です。
でも、最も大切なものを2つも捨ててしまっている。
それが何かすら、監督さんは気づいていないような気がします。

一つ目は、歌の力で戦いを終わらせることと歌の力で戦いに勝つことには、雲泥の差があります。そのことを忘れられたようです。
ミンメイもバサラもランカもシェリルも、歌の力で戦いを終わらせたのです。戦いに勝ったのではありません。相手を力でねじ伏せたのでなく、相手と理解し合えたのです。

二つ目は命の大切さです。歌うことで寿命が短くなるなんてマクロスシリーズの趣旨に反しています。

仮にマクロス7のバサラが登場して、歌の力でフレイヤに生きる力を与えたならば…
と、つくづく思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ごりごり、燃えた 燃え尽きたんよー

 マクロスΔの続きで、ハヤテやワルキューレら共に故郷に帰ったフレイヤだったです。
 突然の奇襲に立ち向かうワルキューレ、Δ小隊、特にフレイヤが命を賭けて歌うお話です。再び愛の告白、マクロスファン必見驚きのサプライズキャラ登場もあったです。

 以前の「劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ」は、TV放送のアレンジ構成で少し話をラストも含め変えていたです。今回は完全新作、ワルキューレの歌が目立ちすぎる前回とは違い、フレイヤを軸にハヤテ、美雲、カナメ、レイナ、マキナ、ミラージュなどの絡み、以前明かされた謎を盛り込んだ作りになっていたです。

 フレイヤの里帰りも含めライブを行ったウィンダミアで、一体何が起こるのか?突然の出来事に話は、盛り上がりを見せるです。
 戦いのさなかに、全力を出すフレイヤに一体何が起きるのか?注目です。フレイヤを思うハヤテであったり、美雲であったりとどうなるのかなぁと思ったです。ワルキューレそのものの存在意義も見た気がしたです。

 敵の正体、目的、対抗戦力も何なのかな?設定だったです。「マクロス+」の要素を取り入れたΔならではな、演出も施されていたです。

 自分の身を顧みないフレイヤの決断、その先に何がおころのだろうか?衝撃の展開へと進むのです。人間にしかわからないともいうべき、歌の力を見せたと思うです。以前の戦いの終わった直後、地球人とウインダミアの間で互い全てを受け入れられなかった面も見れた流れで、一つにまとめることができたように見えたです。

 ED後のシーンは、ハヤテたちが受け入れた展開の中で残された希望のように、ハヤテと新たな命を見せたように思えたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5
ネタバレ

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

油断して観たら、痛い目にあった...

同時上映の短編マクロスFの新作目当てで、合わせて観ました。正直Δの方にはあまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切りられました。

詳述は避けますが、マクロスシリーズの肝とも呼べるストーリを占める柱は、歌、戦闘、そして三角関係という認識で、私はシリーズを通して視聴していました。テレビ版Δが公開されたとき、三角関係が薄まってると思って三本柱の一本が揺らいだと思って、やや残念に思っていました。

今回の劇場版視聴後、シリーズの三本柱と思っていた「三角関係」の要素は誤りで、歌、戦闘、そして「{netabare}悲恋{/netabare}」が本当の柱なのではと、思わずにはいられませんでした。今一度、この要素の視点でもって、シリーズを改めて視聴し直したいと思った次第です。河森監督、そして劇場版Δに携わった方々に、気付きをいただけたこと、素晴らしい作品に仕上げ公開していただいたこと、深く御礼申し上げます。心を入れ替えて出直してきたいと思います。

追記:マクロスプラス、7、そして若干Fの要素も、劇場版では含まれています。併せて視聴すればより楽しめると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

73.1 22 2021年度アニメランキング22位
映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 3.9 (27)
99人が棚に入れました
しんのすけたちは風間くんの誘いで全寮制の超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」、通称・天カス学園に 1 週間体験入学することに。夢と希望に満ち溢れた学園生活に胸を躍らせるしんのすけたちカスカベ防衛隊。体験入学で良い成績を収めればこのエリート校に正式に入学できる、と聞いた風間くんは皆で一緒に入学することを夢見ていた……。しかしその矢先に、怪事件発生!!おシリに奇妙な噛み跡をつけられて倒れている風間くん……カスカベ防衛隊一のエリートだったはずが、目を覚ますとおバカになっちゃった!?不可解な怪事件を解決すべく、天カス学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオ(あつきちしお)とともにしんのすけたちはカスカベ防衛隊、もといカスカベ探偵倶楽部をケッ成!!学園内に残されたダイイングメッセージと目撃者の証言、そして8人の容疑者たち。しかも容疑者の一人はマサオくん!?映像の後半には、しんのすけに対して「お前とはもう絶交だ!」と掴みかかる風間くん……一体しんのすけと風間くんの間に何があったのか?そして永遠の愛されいじられキャラ・マサオくんはなぜか改造ストライダーを飛ばしてツッパリヤンキーに!? 果たしてしんのすけたちカスカベ探偵倶楽部は学園で多発する怪事件をブリっとお解ケツできるのか!?シリーズ初の本格(風)学園ミステリー、ここに誕生!

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やはりプログラムピクチャーの雄はしんちゃんか…。広橋さんがゲストな時点で100点!。

 初期から戦国大合戦くらいの傑作にしんちゃん映画が世代だった私としては、大きくなったし作品の出来もアレなことが増えてきて離れてしまいました。「ロボとーちゃん」のような間欠的な評判作が出ることはあってもあまり続く流れになってないようでまた見る機会がなかったが、近年は評判が良いのが続いてるし(一番近作のCG版は除く)ゲストが広橋さんさんなんて見る目あるぅ〜なので鑑賞。


 評判通りのプログラムピクチャーとして短い時間の中でエンタメしつつ、ちゃんと現実と繋がるテーマを巧妙に入れてくるという、しんちゃん映画の凄さを久々に見ました。あと、風間くんの魅力が横溢してる回ですね。それしても、ヒロシはやはり森川さんじゃないような…(森川さんは大好きだけど、こういうタイプが持ち味な方じゃないかなぁ…)。


 本作はテーマはエリート主義というより、中国のようにテックによる評価経済がメインで、他者の評価でなはく自己承認へ…という現代的な問題を上手く物語のエモーションと合わせて描いてる。


 中国ではもう実際に導入されていたりするポイント制。誰もが「いい子」になって秩序も保たれて問題がないなら良いじゃんという考えは、やたらお上を伺ってばかりの現代日本にも通じるマインドだろう。しかし、その「いい子」は誰にとっていい子なの?。


 人の目を気にしてビクビクして必死で「いい子で」あろうとし、その枠から少しでも外れる人間をむきになって批判して自分を正当化しよう人間は「いい子」なの?それってビッグブラザーなディストピアと何が違うの?。本作はそういう真っ当な人間性と批判精神がエンタメと共に機能している。



 そして、しんちゃん作品の大切な要素がゲストキャラ!。本作の広橋さんの活かし方も見事としか言いようがない。クライマックスの感動的なシーンも単に綺麗綺麗に描かないバランス感覚が上手い。


 頑張ることは、まっとうであろうとすることは格好悪くなんてない!。誰とも知らない「みんな」の承認より、少数でも心通わせた信頼できる人の承認を、そして自分自身の承認へ。権威や数に合わせるんじゃなく、自分自身の真っ当と思える道に沿って生きる。自分勝手や開き直りのスキュラにも、権威主義や全体主義のカリュブディスにも陥らず、バランス感覚をもってご機嫌に生きる。それこそしんちゃん映画のようにありたい。


「勝つとか負けるじゃなく。胸張って笑って生きてくれればいい」

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

真実は、いつもお尻にある?!

 風間くんの紹介で、天カス学園に体験入学したのはらしんのすけ達の巻き起こす騒動のお話だったです。

 風間くんの思いとしんのすけ達のすれ違いが、吸ケツ鬼事件によって、悲劇?が持たられるです。ガキンちょ化した風間くんを救うため、カスカベ探偵団が設立され事件の真相に迫るです。

 事件の核心をつき新たな試練が、待ち受けるです。明かされた風間くんの願いを知ったしんのすけ達は、どんな行動をするのか?風間くんを元に戻せるのか?です。
 しんのすけらしさ世界観をそのままに、何かを訴えるような、少し感動するかもしれない展開は、なんか良かったです。

 OPの粘土アニメーション、みさえを始めしんのすけを思う野原一家も良かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あっさり目の大人向けしんちゃん

お涙頂戴系にも、ギャグにも、ホラーにも、アクションにも、SFにも振らずに、それらの要素をほどほどに持った、しんちゃんらしくて新鮮な映画だった。
去年は全然しんちゃんぽくなかったからふり幅がでかい。

特に印象に残っている絵がある訳じゃなくて、うまく表現できないけど
映画としての完成度が高いのは間違いない。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

72.6 23 2021年度アニメランキング23位
劇場版 きんいろモザイクThank you!!(アニメ映画)

2021年8月20日
★★★★☆ 3.9 (56)
255人が棚に入れました
「きんいろモザイク」の新作劇場版

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

遠いようで近い場所

安定のキララ作品の劇場版なので安心して見られました。
原作は未読ですが、この劇場版がアニメ作品の完結作であり原作は終了してる様です。

さて、彼女達の過ごした高校最後の時間が詰め込まれています。
修学旅行は京都と奈良が舞台でした。
安定のチョイスですね。

大抵アニメの修学旅行は京都や奈良や沖縄辺りが多いけど、修学旅行の定番って感じでいいですよね。
私も小学校の頃の修学旅行は京都と奈良でした。

そして、京都と奈良は数年前に友達と旅をした場所でもあるし、私達が行った奈良公園やら春日大社やら金閣寺や清水寺などもシノ達が回る場所を見ながら、何だか色々思い出しながら楽しく見えましたꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

さて、作中では卒業がテーマかな?
受験勉強も大変ですね。
でも、皆で勉強をするのも青春だなぁ〜って思うし、友達から貰ったプレゼントを受験の御守りにして試験に挑もうとするのも凄く可愛くていいと思いますw

シノの髪飾りを付けて、奮闘する綾は頑張りましたねw
あんな金髪邪念の塊の中のプレッシャーでよく立ち向かえたかとw

ホッコリエピソードとしては、シノの母が進路が決まらないまま悩んでいるシノの気持ちに気付いてあげていた点が凄くホッコリしました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

後は、カレンの進路の悩みも印象的でした。
彼女はアリスについて回ってばかりだったけど、日本で沢山の楽しい事を知って日本が好きになって、日本で楽しい日々をまだまだ送ってみたい。

でも、アリスは卒業後にイギリスに帰ってしまう……
そうなると2人はバラバラになる……だからカレンは悩む。

人間大抵の事は慣れたりする。
でも、慣れない事もある。
何百回経験しても慣れないもの「別れ」これだけは何度経験しても寂しいし悲しい。
卒業後の未来はワクワクするけど、それ以上にやっぱり寂しさが勝ってしまうかなって。

だから、カレンも悩む。
その悩みに答えを出したのはアリスでした。
アリスの言葉は迷うカレンの背中を力強く押してあげられる優しい言葉でした。

そうして、シノとアリスは彼女達の母が通っていたイギリスの大学へ

カレン、綾、陽子、穂乃果は日本の女子大へ行く事になります。

作中でも言って居ましたが、イギリスと日本って遠いようで近くですよね。
外国は遠く感じるかもしれませんが、同じ地球の同じ空の下にあり海を跨いだその先の地なんて会いに行こうと思えば、会えるのですよね。
その事をアリスとカレンのお陰で知れたって綾のセリフは凄く良かったです。

卒業式では、シノは笑って居ました。
それは、きっと寂しさよりも楽しかった思い出が勝っていたのでしょう。

アリスは泣いてしまいました。
それはきっと、彼女にとっての3年間は本当に幸せなもので、それが大きければ大きい程、掛け替えなければ掛け替えのない程に、涙も出てくるのです。

そうそう、久世橋先生も泣いてましたね。
受験生の1人1人の為に破産覚悟で1万円を投げ入れようとしたりw
多分、ここはギャグなんだろうけど、私は素敵な先生だなぁ〜って思ってしまいました。
卒業式でも泣いてくれたし本当に生徒を大切に思ってるのだなぁ〜ってw
流石に、願掛けぬいぐるみは重いけどw

後、合格祈願の舞もありましたねw
受験生の間で流行るかもしれませんね……ん……??……流行らない?

卒業後にシノ達とイギリスで再開します。
やっぱりこの5人がいると安心しますね。
個人的には、金髪同盟の穂乃果も居て欲しかったです。
彼女は、劇場版をみているとメインキャラみたいな描写がいくつかあるのに、たまに居なかったりするのが、少し不思議に思いましたw


さて、ED後に画面に4分割にされた映像が流れるのですが、その内容は過去のアニメ放送の記録です。
彼女達の思い出の青春エピソードが4画面それぞれに流れて、全てのシーンを見るのに目玉で円を描く様に見たのですが、目玉が疲れて来る罠が仕掛けられてます。
あれ?そんな見方するの私だけ?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そわそわダンスと合格の舞、さくらコスチューム

 きんモザ集大成とも言うべきお話だったです。卒業後のアリスとしのの思い出から始まる修学旅行と楽しい日々、それぞれの進路への思いと受験、その後を少し描いていたです。

 しの、アリス、綾、陽子、カレン、穂乃花、香奈それぞれの学校生活、しのの金髪愛が更に増していたです。綾、陽子、カレンも相変わらずで、カレンに気にしてほしい穂乃花もらしかったです。楽しらを満喫するみんなが、きんモザらしかったです。

 アリスが卒業後の未来を悩む姿、寄り添うしの、カレンもいまのままでいたい悩みありと高校3年生らしさが、良かったです。めだちやすいダンボール箱が、面白かったです。

 そんな彼女たちを見守り心配する久世橋先生、烏丸先生の姿も最後まで健気だったです。合格の願掛けが、怪しかったです。
 受験当日、その後もありここでうまく行かなければ話にならないのです。アリスの衣装は、その象徴だったです。

 卒業後もどんな場所にいても、常に思い出を積み重ねていくしの、アリスたちの姿が、絵になっていたようです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5
ネタバレ

郷音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私達の毎日は、きらきらしたきんいろです!これからもずっと。

2021年劇場公開アニメ。

3年生になった忍たちの修学旅行、受験、そして卒業までを描く。

上映時間90分に収めるのがもったいないくらいのテンポで進んでいきます

俺は原作読んでないけどそれでも飛ばしたシーン多いんだろうな…と感じちゃうくらいです

ただちゃんと笑いあり萌えあり感動ありと見ごたえある作品です

種田梨沙さんの喉の調子があまりよろしくないのか少し心配になります

綾と香奈の班長コンビが好き。もっと出番くれよ!

{netabare} 綾陽子カレンの受験は映像化されたけど忍アリスの受験はさらっと終わっちゃったなぁ。結局忍が英語しゃべるシーンなかったよね。合格祈願ダンスだっけ?あれはもっと流行るべき。 {/netabare}

今まで見てきたファンは絶対劇場で見るべきです!

原作の特別編Best wishes.が残ってるから最後にOVAでお願いします…!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

72.6 23 2021年度アニメランキング23位
JUNK HEAD(アニメ映画)

2021年3月26日
★★★★☆ 3.9 (21)
102人が棚に入れました
人類は遺伝子操作により長寿を得たが、代償として生殖能力を失った。さらに環境汚染、ウィルス感染により、世界は滅亡への道を歩んでいた。新たな命を生み出すカギは、地下で独自に進化した人工生命体マリガンに隠されていた。今、未来を救うために“主人公”が迷宮へと潜入する─!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

イカれた地下未来世界で得た生きる実感

ストップモーションSF長編アニメ。
堀 貴秀監督の個人制作短編『Junk Head1』(未見)から改変、追加し、
少人数体制、低予算、総制作期間7年で完成させた“三部作の第一章"。

【あらすじ】
{netabare}遠い未来……。人類は核により汚染された地上を捨て地下世界開発に活路を見出した。

人類が、地下の労働力として創造した人工生命体・マリガン。
が、自我に目覚めたマリガンはクローンを増やし叛逆。
長い戦乱の末、人類は地下を放棄し、地下のマリガンと棲み分け。

それからさらに約1500年……。
人類は未知のウイルスによる遺伝子崩壊により生殖機能を失ったが、
代わりに肉体の無機質化と、無限に等しい寿命を獲得した。

さらに1000年……。
新型ウイルスによる人口減で瀬戸際に立たされた人類は、
地下で独自の生殖を獲得したというマリガンの調査に乗り出す……。{/netabare}


【物語 4.0点】
上記の超壮大かつ、ぶっ飛んだSF設定の割に、
シナリオには意外とこじんまりとした日常コメディ風味もw

地下世界に潜入した人類・パートンが遭遇する、
人工生命体・マリガンたちの社会にも、
{netabare}上長より強い職場のお局様や、
肩書きにより態度を豹変させるサラリーマン的処世術
分業し過ぎて仕事の意義や全体像など誰も知らない労働現場{/netabare}
など、未来のディストピアで、
現代的なボケとツッコミの掛け合いが繰り広げられる。

これはシュールさを醸す芸風なのだろうか?と訝しむが、
(一応、低予算故の苦肉のコメディタッチでもあるとのことですがw)
こうした日常コメディも、寿命から解放され、
自我を脅かされる位、刺激が希薄化した未来の人間社会では
既に喪失、形骸化した日常の息づかい。

日常コメディ要素が、話が進むに連れ、
パートンが、死の危険に直面する地下世界にて、
生の実感を獲得していくというテーマ性にも不思議と合致していく。

私が印象に残っているのは、{netabare}人類・パートンとマリガン・リコとのダンスシーン。
バーチャルでしか踊ったことがない元“ダンス講師”が
初めて踊るリアルダンスが妙に感慨深かったです。{/netabare}


終盤、凶暴な野生のマリガンとの戦闘でも、
生と死のテーマは回収されていく。
不死者は死なないが、死なねば天国には行けないのです。


前半、私は退屈する場面もありましたが、
後半のテーマの収束感に一本取られたので高評点とします。


【作画 4.0点】
ほぼ人形劇で構築されたストップモーションアニメ。
舞台となる1/6スケールのミニチュアセット。
セット総数は絞った低予算体制だが、リアル志向には妥協がなく、
サビ、汚れなど、一つ一つの作り込みが半端じゃありません。

そのセット上で撮影される人形も、
場面に応じたダメージ描写、粘液付加など
“生感(なまかん)”溢れる造形で臨場感に貢献。

地下の高級食材“クノコ”({netabare}人類遺伝子由来のクローンの背中?で栽培w{/netabare})
の躍り食いできそうな鮮度からの劣化過程も生々しくて不気味w


【キャラ 4.0点】
主人公の人類・パートン。
寿命はおろか、食事、睡眠からも解放され、
僅かな電気刺激さえあれば頭部だけでも自我を保てる。
この着脱可能なキャラクター設定がシナリオ展開でも生かされている。
({netabare}喋れない身体に接続された時の扱いはいたたまれませんでしたw{/netabare})

アレクサンドル&ジュリアン&フランシス
黒ずくめのマリガン3バカトリオ。
コメディ要員か?と油断させておいて、
終盤カッコいい所を持って行く本作の敢闘賞。

その他のマリガン勢もSF世界観や社会風刺?の末端を体現する上々のキャラ活用。


【声優 3.0点】
少数の制作スタッフが掛け持ち。
どうせ音声は我々には分らない未来の別生物の言葉なので、
声優さんじゃなくても雰囲気は出ますw

どちらかと言うと、これは音楽の一部として加点した方が良いのでしょうか?(苦笑)

但し、{netabare}クノコに集(たか)る、マリガンの“チケチケ……”との鳴き声を
“ケチケチ……”と空耳させたの{/netabare}はツボにハマりましたw


【音楽 4.0点】
劇伴はエッジの効いたエレクトロ風のBGMが、
ドタバタしたコマ撮りの動きにより表現された、
未知のマリガンとの遭遇&逃亡シーンにもマッチしつつ、
日常コメディ風への大仰な起用により、シュール成分増量にも寄与w

ED主題歌は、“バルブ村の子どもたち”による「人類繁盛」
幼児風の歌声で繰り返される“ポッコリーノ♪ペッコリーナ♪”に中毒性ありw
これもどうせマリガンだから何言ってるか分りませんがw
(※古の人類の生殖活動をビンビンパパーン♪と謳った下ネタソングとのことなので
良い子は知らなくていいですwっていうか子供に何歌わせてるんですかw)


【感想】
他者との接触機会減少による生の実感の減退。
昨今のコロナ禍はそれを幾分前倒しただけで、
文明の進歩がもたらす利器による人間活動の代替は、
宿命的に人類の自我を脅かす。
そんな感想も抱いたSF映画でした。
刺激が欲しい方などにオススメです♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

情熱と狂気

このストップモーションアニメ映画は、堀貴秀氏が
ほぼ一人で作り上げた大作である。
数年前に30分バージョンのものを見て、衝撃を受けた記憶が
あったので気長に楽しみにしていた。

だが、それから100分以上になった今作が今年に公開されるのは
きちんと把握していなかった。そもそもこれを知ったのは
某動画サイトでこの作品が紹介されたのが理由だ。
(まあ、マスメディアが取り上げるようには思えないにしろ)
もう少し堀氏の動向を機にかけてよかったのでは
と自ら省みた次第。改めて某動画サイトに感謝。

見終わった感想だが、ほとんど一人かつ独学で作った
ものとは思えないほど濃厚な作品であった。
ジャンルとしてはいわゆるダークファンタジーものであるが、
「パンズラビリンス」や「パシフィックリム」でおなじみの
映画監督、ギレルモ・デル・デルトロが絶賛するのもうなずける出来だ。
(まあ、これはデルトロ本人がこういった作風の作品を
好むというのもあるが)

なんだかんだいって、いつの間にか自分もパンフレットを
購入していたのでこの作品のとりこになっていたのは間違いない。

王道ではあるが、個人的にはかなり見応えのあるストーリー構成。
観る前はゴッテゴテのファンタジーアドベンチャーもの
ではと思っていたが、日常要素も程よく加えられており、
うまいこと工夫されているのが分かる。
中だるみする場面もそこまでなく最後まで見ることができた。
主人公がガラクタでできた体という設定も
うまく生かしているように感じた。

愛らしくも魅力的なキャラクター達。
主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられており、このキャラは不要だと感じたことは
ほとんどなかったように思う。

個人的には地獄の3鬼神こと3バカが一番のお気に入りだ。
当初はただのかませ犬では言う印象がぬぐえなかった
のだが、後半における大活躍で感銘を受けてしまった。
こういった人物になりたいものだと常々思う。

ギャグにおいても自分好みの部分に入る。いくつかあるのだが、
お気に入りキャラである3バカのやりとりや、トロちゃんの
愛称で呼ばれる野生動物が持っている特定の部位が
唐突にクローズアップされるシーンが印象的。

終盤において3バカの名前が明らかになるのだが、独自の
言葉ではなく日本人でも違和感なく聞こえるほど
そのままの通りの名で呼ばれるのも面白かった。

監督について調べていたところ、今までの職業経験の積み重ね
や監督自身の好きな映画による体験がよく反映されているのがわかる。
改めて思い返しても、相当こだわりを感じられる。内部まで
作られた背景セットや徹底されたカメラワーク、事細かな
キャラクターの動きが視聴者の目を釘付けにする。

監督自身の好きな映画についてだが、主に挙げられていた映画は3つ。
不思議惑星キン・ザ・ザ、エイリアン、ヘルレイザーがそれにあたる。
主人公たちが交わす独自の言語でのやりとり、クリチャーによる
舌なめずり、目玉を持たない地下に住む住民たち等々。
元ネタがわからないとピンとこないが、ある程度映画に
精通している人なら
ニヤッとするはず。

ちなみに、彼がこの作品を作ろうと思ったきっかけは、
(君の名は。でおなじみの)
「新海さんが一人で作ったと耳にしたから」だそうだ。

私自身は新海作品と非常に相性が悪く、いい思い出がないので
不安だという印象しかないが、堀さんに動機を起こさせたので
あれば話は変わってくる。
(新海氏の映画をほめているわけではない)

今までは前述のようなイメージだけだが、少なからず
堀さんに影響を及ぼした人物としては高く評価している。
こればかりは新海監督に感謝せねばならない。ありがとう新海監督。

(個人的な意見ではあるが)映画をそれなりに見ている方を
対象としているような気がするが、ファンタジーものが
好きなら一見の価値ありだと私は考えている。
まあ、グロ描写がそこそこある故に人を選ぶ作品で
あることに変わりはないが。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界観◎、造形◎、テンポ◎

ロストフューチャーなSF世界をテーマに描くストップモーションアニメ。
評判の高さから気になっていたけど、まさかアマプラが拾ってくれるとは。
雰囲気としてはシドニアの騎士とかメイドインアビスが近いかも。
不気味だけどかっこいいキャラクター造形と恐ろしく作りこまれた地下の町。
シリアスな見た目なのにキャラクターのやり取りがコミカルで、それを両立させているあたりにこの作品の狂気性が表れていると思う。
最初はそれが違和感としてあったけど、物語が進んできたときこの作品の世界の得体の知れなさと方向性の読めなさが味わいとなっていることに気づいた。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

72.5 25 2021年度アニメランキング25位
漁港の肉子ちゃん(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 3.9 (48)
128人が棚に入れました
食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、情に厚くて惚れっぽいから、すぐ男にだまされる。一方、クールでしっかり者、11歳のキクコは、そんな母・肉子ちゃんが最近ちょっと恥ずかしい。そんな共通点なし、漁港の船に住む母娘の秘密が明らかになるとき、二人に、最高の奇跡が訪れる――!
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

日本アカデミー賞受賞おめでとうございます。

実は劇場には足を運べてないのですが、DVD出たら必ず見ます!!

恋雨も海獣の子も素晴らしかったので渡辺歩監督には期待大なのであります!!

早く見てみたいのであります!

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そんなわけでなかなかアマプラで見れるようにならんなと思ってたのですが、先だってNHKのEテレで放送されましたんでこれわとゆうことで録画して見ました。

驚いたことにこのハナシにはエンタメには絶対必要といっても過言ではないカタルシス的なモノがない。

要するにどんでん返しとゆうか『なにー!そうだったのかー!』的な。

普通映画ってゆうのはそおゆうとっておきのシーンがあってそこに深く感動したりするもんだと思ってたんですが。

無いんですよ。
このハナシには無いんですよ。

そもそもですな。

話の序盤で肉子ちゃんとキクコちゃんは{netabare}親子ではない{/netabare}とゆうことが簡単に想像ついちゃうストーリー展開になってるわけで、後半そこが明らかになっても『ま、そうだわな』とゆう感じになるとゆうかなり渋い作りになってたわけです。

だからといってこの話はなんやねんおもんないやんけとゆうことにはなりません。

なぜか。

おそらく人の苦労話はドラマチックに描けば描くほど嘘くさくなるとゆう考え方を渡辺監督とさんまさんが共有したんではないかと。

肉子ちゃんのキャラデザこそありえへんぐらいデフォルメされてるんですが、演出は実はものすごいリアルで、苦労した人ほどこの話をかみしめて共感できるのではないかとボクは勝手に思いました。

なのでどこかのシーンでいきなり堰を切ったように涙があふれてとまらないといったようなことは全くなく、そこここのなんてことの無いシーンでなんてゆうのか人間の業みたいなものを『ふっ』と笑ってしまうようなそおゆう深みと出会えるそんな物語でありました。

家族愛とか親子愛とかそおゆうのんを感じさせる感動作品と思ってたんですが全然違います。

そおゆうべっとりした話ではありません。


まあなんとゆうか、うまいことゆえないすけどええ映画でした。


あと意外と飯テロアニメだったのもよかったです。
フレンチトーストも焼肉もすごいおいしそうでした。


ああ。あとラストシーン。

キクコちゃんがトイレで{netabare} 女の子{/netabare}になるシーン。
ボクはあそこでどおゆうわけか思わずガッツポーズをしちゃいました。

ボクが感じたのはそおゆう映画だったなとゆうことです。

おしまい。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白おかしい肉子ちゃんに感謝な娘の話

 漁港の船で暮らす親子、キクコと肉子の生活を主にキクコ目線で、描かれたお話だったです。親子なのに漢字違い(喜久子、菊子)で同じ名前という、訳があるような似てない親子です。題名が肉子ちゃんなのに、娘が主人公にしか見えなかったです。

 肉子を描く描写が、面白く特徴を表していて楽しいです。いつもマイペースで楽しい肉子ちゃん。
 男運のなかった肉子ちゃんが、今キクコと船で暮らすようになった経緯から始まるです。

 肉子ちゃんというより、キクコの学校生活を通して自分自身を見つめ直すお話が、わりと濃く表していたと思うです。これは、意外と似たような成り行きを誰もが、体験しているような気もしないでもない気がしたです。
 自分や肉子ちゃんを見つめた先、とあるきっかけから、親子の秘密が明かされたです。でもそれは、キクコ自身もわかっていたことで、それでも互いに親子であるという認識をさらにはっきりさせたのだろうと思ったです。

 子供としてこういう脳天気な母親を恥ずかしく思うのは、普通かもしてません。でも、自分を常に大切にしてくれている、心配してくれるということも認めているです。そんなキクコの気持ちは、言葉となって肉子に伝えられたところは良かったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

漁港は人生の俯瞰。利他の痴愚と聖性。ただ、解釈より感情かな。

 純文学的ではありますが、どこかメッセージ性もある感じで大衆文学と純文学の中間のような感覚を持ちます。人間の人生のどこかにある暗い部分のドラマを切り取って、描くことで人間の本質について考えるきっかけ、と言えばいいんでしょうか。

 正直いえばオール4の評価は評価の放棄です。オール3ではないという程度の意味です。

 とにかく日本文学的な暗さ、貧しさを描くために、娼婦を出すところはありきたりと言えばありきたりです。キノコのイメージでぼやかしていましたけどそういうことです。

 ただ、そうなるとありきたりな「だめんずうぉーかー」になるところを、キクリンからみた物語にすることで、肉子ちゃんに聖性を見ます。誰かに依存することでしか幸せを感じられなかった肉子ちゃんの「事件」後の気持と、キクリンを対比することで何を感じるのか、でしょうね。

 模型は多分漁港なんでしょうね。つまり、人間いろんなことはあるけど、俯瞰して見ると小さいものだと。表情と模型の関係…隠れてみんな恥ずかしい事をしている、俯瞰してみれば人生なんて箱庭見たいなものだ。だから、一人は可哀想という気持ち…そして人間の負の感情…そう言ったもので悩むより、恥ずかしいとかメンツとかでなく、素直に話をしよう。ここは模型を見ることによる視点の変化なんでしょう。
 地蔵はこんな港街にも長い歴史と不幸な出来事があって、それでも存続して人が暮らしている、ということでしょうか。

 この模型で人生を俯瞰することが肉子ちゃんとみうの人生にもつながってきます。マリアに手を差し伸べるキクリンの気持ちからここに展開する理由でしょう。お腹の痛みは「女の心・人生・肉体の痛み」のことでしょうか。
 本作からは肉子ちゃんの欲望・無垢・痴愚から生まれる利他による幸せ、あるいは聖性を感じます。男のために生きているように見えて「誰かのために生きる」肉子ちゃんの姿が見えてきます。彼女が望むのは金でも安楽でも肉体でもなく利他です。それがみうであってもキクリンであっても、同じことです。
 いままで肉体でお金を稼いでいたのは男のためお金のためだから。そして、子供のためになると風俗は辞めます。そこに金銭の効率などの考えはなく、子供のためだから、でしょう。

 幸せですら望まない肉子ちゃんの利他が本質だからこその聖性なのかもしれません。つまり菩薩でありマリアということです。タイトルに名を冠しながらも内面が見えてこないのは、この聖性によるものだと思います。

 また、恥ずかしさというのもかなりクローズアップされていました。肉子ちゃんの体形と表情、娼婦にしゃべり方…つまり生きていることはみっともないけど、誰でもみっともないと。だったら、自分の望む生き方に幸せはあるのでは?

 キクリンと文学の関係ですね。人間の出会いがもたらすもの、でしょうか。ろくでもない小説書きだったけど、キクリンにいい影響が「偶然」与えられたということなのか、あるいは文学では幸せになれないし、肉子のようなある意味においての幸せを得られないという意味なのか。

 なお、司馬遼太郎の「峠」が借り物競争で出てきました。河井継之助という人の話らしいのですが、未読です。WIKIで若干確認しましたが、どうも病気であることを隠すために牛肉を食べたというエピソードがあるみたいで、それかなあ、という気もしますがよくわかりません。河井継之助は乱読派、精読派の論争で精読派だったらしいです。これが小説家との対比にはなります。

 なお「ライ麦畑でつかまえて」は落ちそうな子供を助けるという意味なので、ちょっと関連ありそうですけど、まだ深く考えてません。面倒ならウィキにかなり詳しくあらすじが載っています。

 本作を見るとどうしても安田浩之氏の「ちひろさん」「ちひろ」を思い出します。ベクトルは全く逆のような同じような。肉子ちゃんに内面はあるのか?ですね。肉子ちゃんの名前は何を表しているのでしょうか?

 見て何を感じるのか、でいいんでしょう。ただ、どんな視聴者層に向けた作品か不思議でしょうがない作品です。こういう作品はどちらかと言えば実写向けの気がします。まあ、肉子ちゃんが生々しくない方がいいのかもしれません。

 そもそも純文学は「画」をイメージするのも含めてのことですから、映像化は零れ落ちるものが多くて難しいものです。それを偶然の要素があったり生身の人間が演技する実写ではなく、記号性の塊ですべてが表現されてしまうアニメにすること自体に矛盾はあります。ありますが、かなり上手くアニメ化はしていると思います。特にみうの過去回想はなかなかの出来栄えでした。

 まあ、要するに解釈してもしょうがないですね。感動や意味も大切でしょうけど、とにかく見て何かを感じるのが大事なアニメでしょう。エンタメとして展開を期待する人には向かないアニメでしょう。ただ、面白いと思いますけど。

 初見なのでまた思いつくことがあれば追記します。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8
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