tomledoru さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:----
作品を通して何をどう描くか。
もう20年近く前の作品になってしまった「青い花」(アニメも秀逸でしたが原作はもっと)は,まじめに正面切って(百合という表現は適切ではない作品でしたし,百合というのはマニアックな表現なので好きでありません)ガールズ・ラブを描いてました。
「ささやくように恋を唄う」は,「青い花」と同じ路線に乗る作品なのだろうかと思って観ています。令和の昨今,価値観の多様性は認められてきて,法律や条例に触れなければ「あなたも正しい」「私も正しい」という,かつてないある意味,心情的にはとらえようのない世の中になったことを認めます。
ただし「何でもあり」というのは,自分と異なる立場の人も理解していくという必要と覚悟が要るということでもあるのです。
いわゆる一昔前の教育談議で「ふつう」の子なんていない,というフレーズと同様に,「ふつう」の人って何なんだという世の中になりつつあるのでしょう。たった80年前の太平洋戦争までは,日本の人々は一つの価値観しか認められなかったことを思えば,喜ばしいことです。
「ささやくように恋を唄う」は,様々な価値観と真摯に向き合える作品になっていくのか,どろどろ模様の人間関係を描いただけのマニアックな人向けの作品になるか,この先が見ものだなあと思っています。
ヒロインの気持ち揺れ動くさまは手に取るように表現されていますが,この後はどうなっていくのかも見どころだと思っています。
追記 結局は,バンドがらみの音楽アニメなのかなあという収まりは,何かお茶を濁しているようで、肩透かしをされたように思います。
まだ、アニメでの終わりが来ていないので,これくらいしかコメントできませんが・・・