2024年度に放送されたTVアニメ動画一覧 286

あにこれの全ユーザーが2024年度に放送されたTVアニメ動画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の2024年度に放送されたTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

70.6 26 2024年度アニメランキング26位
魔法少女にあこがれて(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (201)
592人が棚に入れました
わたし、柊うてなは魔法少女が大好きなごく普通の女の子☆ある日、変身する力を与えてくれそうなマスコット的なやつに出会って不思議な魔法をかけられちゃった! これでわたしも魔法少女に――と思ったらえ? なにこの格好?悪の組織の女幹部ってどういうこと!?これからわたしどうなっちゃうの~~~!!?魔法少女ファンの心優しい内気な少女がサディスティックに大変身!!?正義と悪の激しい SM プレイ(!?)スタートです!!

わんわんお さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

"解釈違いにも程がある"

きゃぴった萌え声とボンビーのテーマみたいな演出音が流れるギャグアニメ
となってしまいましたが原作はそうではありません
本当に面白い漫画なのでアニメで変なイメージがついてしまう前にぜひ読んで欲しいです
原作厨めいたことを言ってしまいましたが、低評価なのは単純に作品の設定とアニメの演出が噛み合っていないためです

主人公である柊うてなは学校では誰とも絡まずひとりぼっちでご飯を食べているような陰キャで、唯一の楽しみが魔法少女を推すことという極度な内向的オタクキャラです
しかし変身することで内面に潜んでいた狂気、サディスティックでエッチな変態性、優しさ、百合、邪悪さ、色んな他者に対する外向的感情が発露します


何をどう解釈したのかアニメではこれら全ての要素を排除してしまいました

演出面では内に秘めた感情の発露、とくにマジアベーゼの暗黒面が垣間見えるサディストシーンでどうして90年代のようなコメディ演出をしたのか不思議で仕方ありません

演技面もド新人声優和泉風花さんを否定する訳じゃないですが、現状顔と萌え声のみで勝負する彼女はこの二面性のあるキャラを演じきれていません
少なくとも1話では最もアイコニックな面である陰鬱さと狂気を示す必要がありました
(尤も彼女の枠をOKしなければ企画倒れとなっていたんでしょうけど)

うてなちゃんの言葉を借りて解釈違いにも程があると言いたいです
満足度★評価は演出や演技によって物語のジャンルやキャラクター性が歪んで伝わってしまっているので低評価にしてあります

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やはり魔法少女は素晴らしい…byマジヤベーゼ。久々に「謎の光」が輝くとき。

 主役の名前がうてなで、ネイチャこと前田さんが出ている時点で期待作。もこっちっぽい陰キャデザインをここまで良くしたのは素晴らしい。


 アリス登場くらいから作画もテンションも下がっちゃったけど、7話終盤から持ち直しましたね。声優さんもノリノリで、イジり辛い感じに下手とか、アリスちゃんとキウイちゃんの仲良しぶりも良い。こっからの展開が楽しみでワクワクしてきた。


「ラブリーロコ」が聞けただけでこの作品見た甲斐がありました。「イジり辛い感じに絶妙に下手くそだなお前…」byキウイちゃん。それにしても、ウテナ役の和泉さん新人ぽいが才能あるなぁ〜。こんな汚れで才能開花させちゃうと、一発で終わっちゃうか、大輪の花を咲かせるか2つに一つやでぇ。


 全体的に作画が平均的に良しとされがちな退屈な優等生感ある昨今のアニメ業界で、本作は平均より重要なポイントで作画開放するというどちらかというと昔ながらな姿勢で臨んでいて好感がもてる。なにより魔法少女の敵という道に矜持を見せるマジヤベーゼという主役が一本筋が通っているからやる気のない単なるネタエロに堕していない。


 薄っぺらい弱肉強食論を説いてるロードに対して、マジつまんねぇーこの人なに言っての?というマジヤベーゼの姿勢には、昨今現実にも跋扈しているイキリ逆張り小賢しい勢に対する良いカウンターで心地よい。ロード、実は正体は本当にイキってる小学生とかでも良かったなぁ。久々に2期が欲しくてオラわくわくしてきたぞ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

オリジナルのないエロ2次創作が生み出したオリジナリティ。

 最終回が一番面白かったのが意外でした。ツボに入って声を出して笑い転げました。
(追記 12話で終わりと勘違いしていました。13話がありました。この作品に水着回が意味があるのかわかりませんが、マジアアズールの覚醒が明言されていました。やはり、マジアアズールが真の主役でした。伏線はずっとありましたから、一応これで伏線回収ということで)

 この手の作品は出落ちが多いので本作もそうかなと思っていたら、どんどん面白くなってゆきました。原作未読なので、アニメの制作の力なのか原作の出来の良さなのかはわかりませんが、エロと面白さの相性の良さを最大に引き出した秀作と言えるでしょう。

 それと本作をメタ的に俯瞰した場合、本作はちゃんと構造上「魔法少女もの」の物語になっているのが素晴らしかった。魔法少女に憧れている少女が闇墜ちして、悪役に回る。悪に取り込まれそうになるけど、悪のやり方が気に入らず、3つ巴の対立構造になる。そして、真の悪役である異質な悪意(ヴェナリータ)が次の展開をにおわせる。

 これをシリアスにやろうと思えばそのままダークヒロインものにもなりそうだし、原点ともいえる女児向け魔法もの(プリキュア等)にもなりそうです。つまり本作はプロットがしっかりあります。

 キャラのコンプレックスを使えばテーマの深堀りもできます。悪と正義の仲良しごっこは魔法少女モノそのままです。本作はそれをエロに持って行ったということですね。

 出来がいいので、テーマ的なものを牽強付会できなくはないです。が、それは視点を間違ってしまう気がします。
 本作の優れているところは「魔法少女」というカテゴリーのエッセンスを抽出して、そこにエロのガワをかぶせることによって作品を仕上げているということです。
 オリジナルのない「魔法少女もの」という概念に対する2次創作が、結果的にどんな作品よりもオリジナリティを産み出したという評価が正しいかもしれません。要するに本質を見抜く目を持った人が作り出した作品と言えるでしょう。

 最後のエピソードが特撮怪獣ものの視点でも描けるよ、というのを見せてくれたのもいいですよね。シンウルトラマンでみんなが思った事をそのままやっている感じです。
 いろんなカテゴリーのエッセンスを抽出して、是非、特撮もの、戦隊もの…と続けて欲しいものです。


 作画の評価4が高すぎるのは分かりますが…しかし、ここまで攻めた作品をやり遂げたスタッフへの敬意も込めて。

 



1話 化けたらすごい作品になるかも。推し活の深層にあるリビドーを描いている?

{netabare}  可能性を感じる作品です。明らかにまどマギのオマージュですが、力と引き換えの自らの選択を試されているわけでなく、強制的に魔法少女…のアンチとされてしまうところが秀逸です。

 少女の憧れだった魔法少女をまどマギで少女の欲望・ダークサイドとして描きました。その後「魔法少女特殊戦あすか」「間違った子を魔法少女にしてしまった」等過激さは増して行きますが、いずれも魔法少女側です。この作品はその点で視点が非常にいいです。

 そして、その逆転構造にエロス・リビドー・性癖を入れてきています。これはメタ的な視点で 2次元の魔法少女を愛でるマインドとは?理屈をつけてもエロだろう?という意図が見えます。少女の性の切り売りというのはまどマギのテーマの一つでもあると思いますが、あまりそこは注目されませんでした。

 また丁度今やっている「SHY」のヒロインのメンタルに非常に近いので、正義・悪というよりも、コンプレックスと2面性、承認と立場のような構造になるのかな?という気もします。

 ウテナという名前にも何か意図があるのか?柊の意味は?マギアレコードの方には出てくる苗字みたいですが見てないのでわかりません。花言葉というより棘があるのと冬の字が入るのが重要なのでしょう。

 とにかく1話面白かったです。これは期待枠…と言いながらも、アニメは結構安っぽいので、ほどほどの期待にしておきます。今のところ可能性ですが、化けたら面白そうだなあ、とは思います。出落ち、パターン化ではないことを祈ります。そして、謎の光いる? {/netabare}


2話 放送事故並みの止め絵も、やっぱり面白い。演出力でしょうか。

{netabare}  地上波でもやってるんですよね?今回は随分攻めてましたけど大丈夫か?と思ったら、ATXの他はサンテレビ、KBS、BS11ですか。一応選んでるんですねえ…

 巫女に面…そして○○○○とはマニアックな…古き良き日本の緊縛ですね。

 で、なかなか面白い展開でした。一方的な蹂躙だと飽きるかなと思っていたら、まさかでしたね。ヒロイン?のコンプレックスをエピソードでもっと描いてくれると奥行が増すのですが、まあ、過剰な期待はしませんが、おバカな作品に見えて、妙な何かに引っかかりがありますので、展開に期待します。テーマ的なものが見えてくるのでしょうか?

 それにしても面白さは作画じゃないということでしょうか?ファミレスのアップシーンとか放送事故か?と思うレベルでしいた。5,6秒は動かなかったと思います。一番力が入っていたのがSM雑誌だった気もします。それでも面白いのは演出力なんでしょうか?

 で、1話のあこがれverも見ましたが、謎の光があった方が見やすいかも。どうせこのレベルの作画ですからね。想像を掻き立てられる分で変な効果が出ていると思います。{/netabare}

3話 アニメは予算じゃない。センスと工夫だ。

{netabare} 面白い作品は予算じゃなくてセンスなんだろうなあ…と。本当に面白いです。ストーリーやキャラが秀逸なのはもちろんですしプレイのシーンが秀逸なのはもちろんです。謎の光があっても…というかあったほうが面白いのはすごいですね。
 それだけではなくて、金髪の娘の髪のハイライトが白抜きではなくピンクになっていたり、EDの歌詞がしっとりとSの目覚めについて歌ってたりで、アニメ作りに関していろんなところの工夫がいいですね。

 あるいは原作×制作会社の奇跡のマリアージュかもしれません。

 というか、これが予算があっていい作画だとつまらなくなる気がします。作画のB級感が脱力系の面白さにつながっています。その点では「おにまい」と似て非なる面白さですね。

 3話はちょっと電気ショックプレイだと物足りないかな…と思ってたらアズール…最高です。「うてな×アズール」がいい感じなのが伏線なんでしょうか。

 レオパルトが承認欲求キャラでうてなとの対比で、結構キャラがちゃんとあるんですよね。これが物語の面白さを引き出しています。ところでレオパルトはベットの上で何をしてたんでしょう?自家発電ではなく、エロ系の写真アップでいいねを貰おうとしていた…と見えたんですけど、スマホとかが描かれていなかったので確信がもてませんでした。 {/netabare}


8話 笑いの感情とサディズムは相性がいい。境界線上だから面白い。

{netabare} いわゆる一般と成人の線引きって、考えてみればかなり恣意的ですよね。性癖の多様性を考えれば、単にどこまで見せているのかで考えるのはかなり乱暴です。その線引きに挑戦しているのが本作かなあという気がします。

 変な言い方出すが、大人が見ればこの作品はギャグです。決してアダルトには見えません。魔法少女もののパロディとしてギャグ要素をエロにする、というだけの話です。薄い本の様なニーズでは決してないと思います。

 こういう面白さを表面上の裸体表現の有無で安易に判断することで、どこかでクオリティを犠牲にしているのではないのか?という気がしなくはないです。「お兄ちゃんはおしまい」でも、ある意味本作のベクトルのチャレンジはありましたが、そのコンセプトは本作においてもっと先鋭的です。

「笑い」はサディスティックな感情と相性がいいのは漫才・コントで良く知られています。みっともない、醜い、痛い、そして裸…蔑む心が笑いを誘います。

 なんとなく本作を見ていると「笑いの構造」「エロとギャグ」「ジャンル・規制とは何ぞや?」などと考えてしまいます。見ているときはもちろん普通に楽しんでますけどね。
 要するに本作の「ジャンル」は境界線上ぎりぎりだと思いますが、その境界線が生み出す面白さだなあ、と思います。そこに人間の感情が一番動くポイントがあるのかもしれません。

 それとマジアアズールだけ、妙に内面の深掘りが丁寧ですよね。このキャラがいることで深みがあるように感じているのは錯覚でしょうか?7話最高でした。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

70.5 27 2024年度アニメランキング27位
ポケモンコンシェルジュ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (17)
64人が棚に入れました
『ポケモンコンシェルジュ』は、Netflixと株式会社ポケモンの共同で制作される「ポケモンリゾート」を舞台に描かれたオリジナルアニメ作品。

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ポケモンリゾートへようこそ!

色々あって…、ポケモンリゾートにやって来たハルさんである。
ここでの決め事はただ一つ、ポケモンファースト。
1話15分余り、たった4話ではあったが、悩めるコダックや泳ぎの苦手なコイキング、極め付けは引っ込み思案のピカチューの可愛さに、たくさんの心和む出会いに、最後はきっと涙すること請け合いだ。

とても丁寧な作りのストップモーションアニメであった。
何より自然な演出と、きめ細かくデザインされた背景や小道具、そこに溶け込み、自由気ままに動き回るポケモンたちに癒される。
そして“竹内まりあ”さんが歌うエンディング、これがまたリゾート感たっぷりの良曲で^ ^。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

camuson さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

印象度:80

英語の教材を探していたところ手頃だなと思って見始めました。

私のポケモン経歴は、
原作ゲームをプレイしたこともなければ、派生のアニメも見たこともなし。
ポケモンGOの波が来た時には、手を出しましたが、
数か月で、だいたいこんなものかということが分かったのでプレイ停止。
と言ったところでしょうか。

アニメの主人公サトシが10歳ということを踏まえると、
ポケモンGO以外の作品は基本的に子供向けという認識でいますが、
本作は、それらに比べるとおそらく対象年齢が高く設定されていて、
ポケモンGOから入った人でも十分楽しめる内容だと思います。

本作においては、仕事や恋愛など現代社会に疲れた20代女性が主人公で、
思い立ってポケモンリゾート(南国の島)のスタッフとして働き始め、
基本ドジっ娘ではあるものの、ポケモンや人々との交流を通して、
手ごたえを感じて自信を取り戻すという話です。

1話10分ちょっとで、全4話。
ストップモーションアニメという手間のかかる手法を取っているため、
無駄が許されず、脚本が練りに練り込まれているのが感じられます。

ポケモンたちのフワフワぬいぐるみ感は、
通常のアニメでは得られない手触りで、思わずモフモフしたくなります。
「PUI PUI モルカー」をさらに贅沢にした感じですかね。


追伸
プラスチック製の人物の表情や口の動きは、CGを使って加工して、
ストップモーション風に見せてるのかなと思ったのですが、
youtubeのメイキング動画を見たところ、
表情だけで数十種類のパーツを実際につくってるとのことです。
(今は3Dプリンターを使えば、パーツをつくること自体は、
 そこまで手間ではないのかも知れません。)

英語の学習も兼ねて、最初に英語版を見て、
分からないところは繰り返し見て、日本語版で答え合わせして、
その後英語版を繰り返し発声しながら体に摺り込んでいく
という感じで教材として活用しています。

とても手間をかけた作品で、
画面の隅々まで、隙間なく緻密に"仕込み"がなされています。
たまたま繰り返し見ているわけですが、
最初は見落としていた新たな発見があり、飽きることなく楽しめそうです。
英語学習にはうってつけの教材かも知れませんね。

主人公の女の子の声優は日本語版は「のん」
英語版は福原かれん(「スーサイド・スクワッド」のカタナ役)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

lumy さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

英語学習用1【役立ち度★★★★☆】

英語学習用に英語音声、英語字幕で視聴しました。

リゾートを舞台にしているので、
ストーリーに大きな起伏があるわけでありませんが、
どのようなシーンかは映像を観れば分かるので、
日本語訳を観なくても、だいたい言ってることが分かる
良い作品です。

また、ストップモーションの出来がよく、
カイリュー好きの私にはたまらない可愛さでした。

一番びっくりしたのは、英語版の声優さんが
とても声優であったことです。
日本の声優に負けないぐらい感情の乗せ方が上手で、
本業が声優でないアイドルなんかが声をあてる
レベルだと思っていたので、
すっかりアメリカの声優さんにハマってしまいました。

特に主人公役の福原カレンさんの英語は聞き取りやすく、
キャラにとっても合っていました。
日本版では、のんさんが声優をやってますが、
自分は福原さんの声がベストだと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

70.3 28 2024年度アニメランキング28位
夜のクラゲは泳げない(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (219)
598人が棚に入れました
“私”も誰かみたいに輝きたい。 明日話すべき話題も、今週買うべき洋服も、 全部スマホ(ルビ:トレンド)が教えてくれる。 何者かになってみたい——そんな願いを持つ間もないほどこの世界は忙しい。 活動休止中のイラストレーター“海月ヨル” 歌で見返したい元・アイドル“橘ののか” 自称・最強Vtuber“竜ヶ崎ノクス” 推しを支えたい謎の作曲家“木村ちゃん” 世界から少しだけはみ出した少女たちは匿名アーティスト“JELEE”を結成する。 自分じゃない“私たち”なら——輝けるかもしれない。
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

テーマや狙いに対するアプローチは良い、でも起きている事象とキャラに対する踏み込みがもう一歩だけ足りない。

 全体を通して
 {netabare} 本作品に対する印象は、第3話まで視聴した時点で抱いたものとそう変わりません。

 その時に書いたものに付け加えるならば、この作品は「やりたい演出を最優先に考えたエゴイスティックな作品」であったと思います。
 私は、オリジナル作品においてこの心理を重要視することはなんら悪い事ではないと思っています。

 前クールの、周年記念で趣味を詰めたオリジナルアニメを作ったものの、結果が振るわなかった某SF作品なんかより、自己満足が出来ている分何倍もマシだと思います。


 ただ、そんなエゴを通した演出が作中で十全な効力を発揮する展開になっていたか、作中を生きるキャラクターたちの心情に最後まで真摯に向き合っていたか というとそんなことはありませんでした。
 
 心打つ演出や溢れる表現力を持っていたからこそ、それらが勿体無く感じてなりません。
 

 第1話がハロウィンからスタートし素敵な演出を見せてくれたものの、その後仲間集めが終わったら一気に時間をすっ飛ばして1周年ライブとしてみたり、とかも今思うとそうですね。


 展開の持っていき方、キャラクターの心情については各話の時に散々書いたので割愛するとして、それ以外の点に言及すると、作中キャラクターの創作活動に対して向き合う姿勢がカットされているのが残念でした。

 木村ちゃんやキウイちゃんは基本全カットで、花音やまひるは不十分…というより片やゴチャつき 片や変な方向へ となってしまいました。

 花音に関しては、第7話にて重要な問題がいつの間にか生じていていつの間にか勝手に解決したりしていました。
 その後過去が明かされたりするものの、「母親」「アイドル」「見ろ馬鹿」という要素が繋がっておらず、雰囲気で理解するしかありませんでした。
 
 歌うことの方についてはまだ最終回にかけて拾えた判定をしたとしても、作詞に関する方はもう…なんか…悩んだりしそうな雰囲気を出しておいて、目を離した隙に完成していたりしていましたね。

 まひるは安っぽい技術の部分と自分の絵に納得できているかどうかという部分ばかりで楽曲に絵をつけることに対しての思いは一切ありませんでした。


 クリエイターとしての彼女たちの側面を疎かにしてしまった本作品なので、第9話以降でそこを問われた時 碌な回答を出せずキウイちゃんでお茶を濁してしまいました。
 勉強していなかったところがテストで出てしまった感覚ですね。


 こんなにも花音が歌詞作りの中身に言及しないこと、まひるの楽曲を絵で表現することに対しての思いがないことを考えると、
 
 シナリオ作りと楽曲制作の連携が上手くとれなかった。

 のではないかと個人的に推測しています。

 直接的な言及は避け、当たり障りのないようにしたんじゃないでしょうか。


 最後に

 極端なことを言ってしまうと、この作品はやりたい演出がやれればそれで良かったので、彼女たちが彼女たちである必要性はありません。

 別に彼女たちの心の変遷を描きたかったわけではないので、創作活動を通して精神的に成長しなくてもいいんです。

 今、この瞬間に感動的であればいいので、どこかで借りてきたようなメッセージ性で十分なんです。

 
 刹那的な感動を貪るための作品、それが「夜のクラゲは泳げない」です。
 
        {/netabare}

 第3話まで視聴しました。
 {netabare} 映像は文句無しにキレイでよく動いていて、キャラクターの可愛らしさを後押しし、共感性の高いテーマと音楽の要素で、全体がポップでキャッチーで取っ付きやすくなっていると思います。

 ですが…何故かこの作品を 面白い! 彼女たちのこれからに目が離せない! 彼女たちのやりとりをもっと見ていたい! とは断言できない妙なモヤモヤが残ります。

 非常に俗っぽい言い方にはなりますが、この作品はバズりたくて仕方が無く 世間が好きそうなものを集め 広いターゲット層に全力で媚びてみている そんな印象です。
 もちろん、オリジナルアニメなので世間ウケを意識することはとても重要なことだと思うのですが、その気持ちだけが先行しなんとなくの人物描写で進行してしまっているように感じます。

 
 個人的に一番引っかかっているのは、まひるです。

 第1話にて、主人公が行動を起こす際にセルフツッコミを多用するのは話作りにおいて弱腰であるように思います。 行動の一つ一つに保険を張っていると言いますか…。

 意図的にまひるはすぐに自分を客観視し冷めた言葉を自分にかけてしまう性格である と示しているなら別に構いません。
 ですが、その割にまひるってモーションがブリブリしてますよね?
 売り物の靴下に話しかけていたり、鼻をつままれ手をバタバタしていたり などです。

 なんというか、提示されているキャラ設定と画面内のキャラの動きに齟齬があるように感じます。

 他にも例をあげるなら
 まわりからどう見られるかに過敏な子が、電話しながら買い物したりしますかね? 
 対人関係があまり上手では無さそうなフリを作っておいて、初対面の花音相手にいきなりくだけた感じのジョークをかましているのはどういうつもりなん? とかもあります。

 
 それと、まひるの人格形成エピソードについて。

 壁画を自慢しようとしたら、友人から「変な絵」と言われてしまい、絵を描くのをやめてしまいとさ。
 悪くはないんですが、発想の1個目って感じがして弱く感じてしまいます。
 
 何気ない他人の一言が影響を与えたとしたいなら、その後の「上から落書きしちゃう?」とかの台詞はちょっとやり過ぎの欲張り過ぎだと思います。
 そんなにわざとらしくしなくてもw

 ていうか友達2人はまひるが絵を描くことこの時から知ってるはずなので、余計に言わされてる感が強いんですよね。

 
 あと、自分で黒歴史だと言っているのに 海月ヨル のアカウントを残しているのは何故?

 少なくともこの思いっきり顔が出ている投稿は削除するんじゃないのか?


 まひるは没個性なのに共感性が薄いキャラに仕上がっているように思います。


 他キャラについて。

 花音については、第1話で「ヨルって結構普通なんだね」と言っていて、小学生のときにちょろっと絵を描いていただけの子に何をそんな期待することがあるんや?とは思いましたが、彼女はそういう役回りなのでこれでいいと思います。
 それよりも、15歳の女の子のところに記者が突撃取材とかするかなぁ? 暴行って言ってもそこまで過激なものでもないやろうし、ちょっとしたことでも騒がれる程人気ならまひるが知らないっていうのも違和感よなぁとかそっちの方が気になりました。


 木村ちゃんについては、橘ののかと山ノ内花音の両方を推すことにしたそうですが、そのきっかけとなったものはよくわかりませんでした。
  昔した約束を覚えていてくれた というのはただファンとして嬉しいことでしかなく、別に表現者としての山ノ内花音に何か感銘を受けたとか、根っこの部分に橘ののかを感じたとかでもなかったのが非常に残念です。

 
 キウイちゃんはエピソードがまひると付随していることや順番で一番損をしているように思います。
 新しい環境で上手く馴染めず引きこもりへ…という気持ちは理解できるんですが、正直 まひる木村ちゃんと続くと、あぁはいはい また周りの所為ね と思ってしまいました。
 現実ならままあることなんでしょうけど、フィクションとしては面白味にかけます。

 踊りの部分とか感動的っちゃそうですけど、でも元はと言えば自己紹介でやらかして、その後自分の好みを相手に押し付けてばっかりのキウイちゃんの自業自得だしな…とか、まひるはこの2年間こっちの誘いは全部断るくせに友達とファミレス行った話とかをしてくるキウイちゃんを一度も不審に思ったことはないのか? とか色々考えてしまいます。


 キャラクターの内情を描くのが不得手な本作品ですが、この先関係性が深まっていき何か化学反応を起こすでしょうか次回に期待です。

           {/netabare}

 第4話視聴しました。
 {netabare} 今話は順当過ぎる程に花音についての掘り下げ回となりました。
 それと同時になんだかこの作品の底も見えてしまった、そんな一話でした。

 
 では、本編です。

 どうやら、前回発表したMVは再生数一万回を突破したようです。
 まひるは「一本目で一万いったら充分じゃない?」と事も無げに言いますが、充分どころの話じゃなくないか!?
 チャンネル登録者数2人だったアカウントでいきなりオリジナル楽曲出して、一万回、充分すぎるって!

 個人的に、この一万回という数字はそれほど荒唐無稽な話ではないと思っています。
 なぜなら、この結果って竜ヶ崎ノクスによる宣伝効果の賜物ですよね?

 別に活動が順調な滑り出しをしていることは構わないんですが、ここでまひるが「さすが、キウイちゃんが宣伝してくれただけのことはあるね」とか、花音が「まぁキウイちゃんのファンが見てくれたからね…でもまぁまずは知ってもらう事が大事!」などの何故こうなっているかを自覚している台詞が必要だったと思います。

 
 その後、花音のサンフラワードールズに対するなかなか一言では言い表せない感情が露わになったなったり、プロデューサーがお母さんであることなどが明かされました。
 花音は第1話でまひるに対し「ヨルって結構普通なんだね」という印象的な台詞を残していましたが、この感じから察するに花音も結構普通そうですね。


 キウイちゃんと木村ちゃんが花音と帰ってくるとまひるが部屋の掃除をし、シチューを作って待っていました。
 自炊をしなさそうな2人の家にシチューの食材があるわけねぇだろ、と考えてしまうと なんかとりあえず家事ができたらキャラの株があがるだろっていう安易な発想のもとこんな事しているんだろうなと邪推してしまいます。


 食後には互いに秘密の暴露大会が始まりました。

 キウイちゃんについては前回でも思っていましたが、中学デビューで失敗したなら高校は知り合いいなさそうなとこに行くとかは出来なかったんですかね?
 立北高校は中高一貫の私立校っぽいので、高校から心機一転としやすいと思うんですけどね。
 それも込みで虚栄を張ってしまったってことなんでしょうか。
 というか、そもそも高校デビューで失敗したで良かったような…。


 木村ちゃんの秘密は、歌が苦手なことだそうです。

 先生にまで止められたことがショックだったようで、「まるで、私が変だって世界に決められちゃったみたいで…」と語ります。

 …いや、音程が合ってないんだから、そりゃ変だろ。
 
 楽曲の理解や表現について食い違いがあるというならまだ分かりますが、音程が合っているか外れているかっていう段階の問題で個人の解釈なんか入ってこねぇよ。
 お前が外してるんだから、お前が変だよ。

 
 その後夜を徹して作業した結果、曲とMVが完成しました。
 1日徹夜して完成するなら、ちゃんとスケジュール立てていれば来週の水曜日までなんて余裕だったんじゃないですかね?w
 全員満身創痍な感じでしたが、キウイちゃんは意外と健康的なタイプの引きこもりなんでしょうか。
 
 
 仮眠をして起きるとどうやらバズっているらしいです。
 どういう理由でバズっているかはまだ定かではありませんが、やっぱりなんか軽いですね。
 創作活動においての産みの苦しみも無く、注目してもらうための工夫もない、でも結果だけは転がり込む。

 非常に素敵なファンタジーだと思います。

 ファンタジーならファンタジーで大いに結構なんですが、一丁前に現代的なテーマ性がありますよ みたいな顔をしているのが問題なんでしょうね。

 次回に期待です。

            {/netabare}

 第5話視聴しました。
 {netabare} 今話は まひる というキャラを主人公に据えた本作品にとっては避けては通れない、チェックポイント的な話だったように思います。

 
 では、本編です。

 前回の 引き であったバズっている要因は、やはりアクシデント的なものだったようです。
 今話のような、ひょんな事でバズってしまった でもちゃんと中身も聞いてもらえているから前向きに考えよー! ということを印象付けたいなら、どうして一曲目から一万回再生の好調な滑り出し にしてしまったんでしょうね。


 順調に増える再生回数に浮かれるまひるでしたが、「イラストだけしょぼくね?」というコメントを見つけてしまいます。
 本作品の性質とは逆なコメントですね。

 ショックを受けるまひるは追い打ちとして、有名絵師による二次創作を喰らってしまいます。

 花音は自虐モードになってしまったまひるを、俺が信じるお前を信じろ!というグレンラガン構文を用いて励まします。

 少し元気を取り戻したまひるでしたが、「私より上手い人が描かないでよ、邪魔だな」という気持ちを抱えていることがわかります。
 まひるが自分より上手い絵師に対してや、二次創作を喜ぶ花音に対して嫉妬の感情を持ち、その本音をしまい込んでいる様子は ことなかれ主義で相手に本音を明かすことを怖がるまひるらしいと思いました。

 思っていたんですが、その後電車内で人目も憚らず急に花音に「あの人と私どっちが上手いと思ってるの?」と瞳孔開きながら詰問し始めていて、またまひるの事を掴みそこなった感じがします。

 「めんどくさいね」って言っておけば何でも成立するわけじゃありませんよ?

 
 その後、悔し泣きながら絵を描くまひるの様子はとても印象的なシーンでした。
 
 ですが…その…まひるは絵の上手さについてこだわっていますけど、そこを取りあげてしまうとさ…圧倒的に絵に対してかけてきた時間が違うやんって話になってしまうような気がするんですよね。

 10歳を境に精力的に描くのをやめたっていう長期的な点でもそうですし、この2曲目に関しては徹夜の大急ぎで仕上げてたやん。

 
 そして、その後渾身の絵と共に3曲目を発表したわけなんですが…
 根本的な画力で悩んでいた子が、たかだか2週間弱の頑張りでそこそこ納得できる画力を手に入れとても素敵な絵が描けました! となってどうするよ。

 ここで必要だったのは、あくまでもまひるの技術の上達ではなく、曲や歌詞に対しての理解度 ひいては花音に対する理解度を深めようとする姿勢、今回のイラストにどういうメッセージ性をつけるのかという葛藤、そしてJEELEの楽曲を表現することについては誰にも負けたくない という気概だったように思います。


 こうしたようにもう一歩だけ踏み込むことを止め、初詣にてほっぺにチュー のような見栄えだけを意識した演出に尺を割くから内容が薄まってしまうんだと思います。

 一応、次回に期待です。
  
           {/netabare}

 第6話視聴しました。
 {netabare} 今話は言うなればギャグ回というか箸休め的な一話であり、中身も母娘のハートウォーミングな内容でした。
 本作品のストロングポイントである「見やすい」に特化した一話だったように思います。


 では、本編です。

 スランプに陥った花音を慮り、一先ずDMに来た楽曲制作依頼者と話してみる一行。
 匿名シンガーやってんのにホイホイ人と会うなよ笑

 みー子さんに対して「設定が甘い」とまひるが言及していましたが、甘さについてはどっこいどっこいなのであんまりギャグになっていませんね。

 それから、ハロウィンライブでの件を持ち出され否応なしに楽曲提供を引き受けることになったわけなんですが…
 これ、みー子さんは何を根拠にあの時の仮面少女とJELEEを結びつけたんでしょうね?

 いや まぁ、みー子さんからすると歌声しか判断基準がないので、たまたま回ってきたJELEEの楽曲を聞いて、チャンネルのページに移り、過去の「カラフルムーンライト」の動画を見つけ、聞き比べて確信を得たってことなんでしょうか?
 みー子さんはすごく耳が良いんですね!

 
 その後、みー子さんには小学生の娘がいることがわかり、その子と木村ちゃんが 誰かを推すこと について話したりするんですが、正直 この亜璃恵瑠ちゃんの心境の変遷が都合よく扱われすぎだと思います。

 亜璃恵瑠ちゃんは少し前まで暗い性格で、お母さんを見て気持ちが楽になり明るくなったそうですが、そのきっかけが いつもと変わらないお母さん ということなら、何故そもそも暗い性格になってしまったんでしょうか?

 まぁこれは最悪、生来の性格がそうであったから として飲み込むとしても、その後の 周りにからかわれる事
でお母さんや自分が変なのではないか と思い詰める様子を見せるのはさすがに物語として恣意的に誘導し過ぎなような気がします。

 さっき、人ってこんなにも考えずに喋ってもいいんだ という知見を得たって話はどこいってん。

 上げる演出の為にわざと下げる を繰り返しているように思います。

 木村ちゃんが返答するターンでは、第2話では大して深堀りされなかった事に対する補足がなされるのかと思いきや、当たり障りのない台詞かつJELEEとして活動してみたことが活かされているわけでもない台詞で肩透かしを食らってしまいました。


 場面変わって、あっという間にライブ当日となりました。
 亜璃恵瑠ちゃんはお友達と初詣に行ってからライブに来るそうです。
 これなんでわざわざ初詣にしたんでしょうね? 作中時間は冬休みも終わった1月の4周目突入間近くらいだと思うんですが、どうしても花園神社をもう一度出したかったんですかね?

 ここで亜璃恵瑠ちゃんは同級生の男の子に絡まれてしまいライブに間に合わなくなってしまいますが、亜璃恵瑠ちゃんは思ったよりギリギリのタイムスケジュールで行動しているんですね。
 
 男の子のコメントを見て察したキウイちゃんの「同級生の悪意だと思います。学校ってそういう場所なので…」という台詞、みー子さんに状況を理解させるための圧縮された良い台詞だと思うんですが…

 傍若無人な小学生時代を過ごし、そのノリが中学校では通用せず出とちり、その後自分の好みを相手に押し付けるだけの交友術が災いし居場所をなくし、高校に上がっても環境を変えようとせず勝手に引きこもり、親友に対して虚言を弄して見栄を張っていた、何から何まで自業自得な子が、果たして学校生活というものをどれだけ理解しているんでしょうね。
 

 その後、飛び出して行ってしまったみー子さんの代理としてステージに立つことになった花音たち。
 ステージパフォーマンスと衣装もあいまってとても新鮮でした。
 
 意外だったのは、会場にほぼ満員くらいのお客さんが入り、熱狂的なファンもついていることです。

 これは別のアイドル作品でも書いたことがあるんですが、事務所ライブでキチンと集客ができるアイドルをクビにする理由ってなんなんですかね。
 
 吹っ切れたみー子さんは秘密を暴露し、曲もバズることができめでたしめでたしとなりました。
 最初にも書いたようにハートウォーミングな話だったように思います、みー子さんには小学生のアンチコメントよりも戦わなくてはいけないより恐ろしく厳しい現実があるとは思いましたが。

 
 でも…なんかほんと、ずーーっと周りが悪いですね この作品。 引き出しが少ねぇって。
 世間の目やいわゆる「現実」が、打破するもの 乗り越えていくもの ではなくただの「悪者」でしかないのは非常に歯痒いです。
 
 ただまぁ大人になるとこの作品のように周りの所為ばっかりにする話には中々恥ずかしくてできませんが、それを乗り越え 彼女たちの目線に立った等身大のストーリーに仕上げているんだという点で見ればとても良いと思います。
          {/netabare}

 第7話視聴しました。
 {netabare} 前回のギャグ回 もしくは 箸休め回を経た今回は、脚本担当曰く 進路回 だそうです。
 果たしてどうなるでしょうか。


 では、本編です。

 進路について考えている面々と話し、なにやら自分も思うところがある花音、とりあえずキウイちゃんの教習所合宿に同行するそうです。

 てっきり進路とかについて悩むのは まひるの役回りかと思っていました。
 結局、才能を持った花音も普通の人と変わらない悩みを持つんだよみたいな展開に行くんでしょうか。

 キウイちゃんは出席が足りず卒業できないだろうから高卒認定試験を受けるそうですが、進級自体はできているんですかね?
 できているとしたら、新年度になったばかりなんだから自由登校まで後もうちょっとくらい頑張れよ と思いますし、それか、できていない もしくはできたけど行く気がない ならまわりくどい言い方はせず新年度を機に中退した、でいいんじゃないのか?
 
 なにはともあれ免許合宿が始まりました。
 驚いたことに作中はもう5月なんですね、前話から4ヶ月も経ちましたか 時の流れは早いですね。
  
 これまで焦りながら続けざまに3曲+1曲を公開してきましたが、今は随分と余裕がありますね。
 そういえば現サンフラワードールズへの対抗心がうやむやになっていますが、もういいのでしょうか。
 前回からのスランプがまだ続いているんですかね。


 その後、教師を志すというキウイちゃんの胸中が語られます。
 中学時代に苦しい思いをしたキウイちゃんが教師を目指すというのは立派だと思います。
 でも、その動機付けの中身を 自分がマイノリティ側だった故 みたいにすんなよ。
 前にも書きましたが、キウイちゃんが浮いてしまったのは趣味嗜好が原因じゃねぇって、自分が求める反応を周りがしてくれないって駄々こねてただけだろうが。
 
 なんでこの子はずっと被害者面をしてんだよ。
 
 教師の的を得ていない指摘はまだしも、同級生のわざとらしい台詞で被害者面を増長させてる場合か。
 不登校してる奴の顔を覚えてる程、みんな暇じゃねぇって。

 それと、キウイちゃんはわざわざ変装道具を持ち込んでまで合宿中に書類を受け取りにいく必要性はあったのか?
 試験の出願はもう済んでいるみたいですし、高卒認定試験って8月ですよね?
 さらに言うなら、二輪免許取得の合宿期間てだいたい10日かからないくらいですよね?
 合宿前でも合宿後でもなく合宿中じゃないとダメな理由is何?


 その後、不思議なお姉さん小春さんを交えた会話で花音が「いいんだよ 変なくらいで、普通よりはマシ」と語ります。
 台詞の意図は分かりますが、この作品の現状は「尖っていると思われたい」という一番普通な感じなのはなかなか皮肉ですね。

 それから、今話は急にチチに関する話をねじ込んできましたが……テコ入れですか?



 免許を無事取得した花音はまひるを連れ海へやってきました。

 花音はどうやら、掲げた目標の意味やそれを目指す情熱、自分が歌う理由がわからなくなってしまっているようです。
 まわりがちょっと進路の話をしただけでここまでグラつくなんて、花音ちゃんも大概普通ですね。
 飛ばされた時間の間に何かあったのかもしれません、想像で補いましょう。

 前話で作詞につまり、今話で特にエピソードもなく目標や歌う理由すら見失っているなら、なんかもう…やめりゃあいいのに… っていう心情にしかならないんですけど…。

 今話の花音が抱える悩みって作品として大事なポイントだったと思うんですけど、なんかいつの間にか生じた問題がいつの間にか勝手に解決してしまったような気がします。
 進路とバイクの一本橋をかけて満足してる場合じゃないんですよ。


 余談

 今話で登場した宮本境教習所は武蔵境教習所のもじりだと思うんですが、これは単純にフィクションとしてってだけではなく、二輪の二人乗りに関するルールも知らない奴に合格を出す教習所であるという炎上を回避するためだったりするんですかね笑
 
 次回に期待です。

         {/netabare}

 第8話視聴しました。
 {netabare} 今話は花音の身バレ問題も含みながらも「JELEE」結成一周年記念ライブを行う話となりました。
 先に今話の感想を総括してしまうと、やはり「浅さ」を感じる一話でした。
 見えていた底がまさかせり上がってくるとは思いませんでした。
 今話のように、SNSにリアタイでファンアートを募る取り組みはオリアニの強みを活かしていてとても良いと思うんですが、でも企画ありきの話作りをされてもな…。


 では、本編です。

 時系列は前回からグイグイ進みもう8月になり、結成一周年を迎えるにあたり花音からライブの提案がなされます。
 今話は このライブというものに強く思い入れがある花音の様子が印象的でした。
 
 そういえば、花音って別に匿名シンガーだからこその表現がしたいわけでも、匿名シンガーでいたいわけでもなく、あくまで世間をある程度見返したいだけですもんね。
 本当ならガツガツ前に出たいんでしょうね。

 それと、もう一つ印象的だったのは、せっかくライブをするなら新曲を作ろう とか、大晦日に今年の集大成として作ろう などと花音が言っていて、なんか…「JELEE」は節目がないと制作ができない感じになっていますね笑
 人間らしくて親しみが持てるといえばそうなんですが笑


 その後はキャッキャッウフフな合宿をパートに入っていきます。
 ステージについてよく下調べをしていたのに、観客にクソかさばる傘を持ってくるよう指示していたのは笑いました。

 
 合宿を終え 会場の下見をしている際、「私達の一歩目 JELEEが現実を泳ぎ始める最初の舞台」と花音がサラッと言っていますが、他3人はこういうライブをしていく方向性にみんな納得しているんですね。
 

 そうこうしているといよいよ満を持して盛大に振りかぶりながら、花音の身バレ問題へと突入していきます。
 花音もまさか みー子さんのあのライブから半年以上も経ってから特定されるとは思わなかったでしょうね。
 前話で入れるスペースがなかったので致し方ありません。

 大きくなる騒動に対し、キウイちゃんは「なんだよ…これ…」と漏らします。
 まぁでも、とは言うものの そもそも前提としてこうなるから匿名シンガーをやっていたわけで…

 結果的に、みー子さんのライブにて かつて仮面をつけていても正体がバレた実例がすくそばにいるのにも関わらず、顔を隠さず舞台に立ったことや、最近浮かれ気味だった花音にしっぺ返しがきてしまいました。

 こうなっても誰も花音の過去について言及しようとしないのは優しいですね、最良だとは思いませんが。
 「JELEE」の活動は4人のやりたい事だ というなら花音の過去も4人で背負うのが筋だと思いますが、それは次回以降に期待ですかね。
 
 会場貸し出しを渋る店長さんにキウイちゃんが無観客ライブを提案します。
 咄嗟の機転はステキですが、無観客ライブならもうここでやる必要なくないか?


 あっという間に2ヶ月が過ぎライブ当日となりました。
 結局ネットの騒ぎはほとぼりが冷めるのを願ってフルシカトでだんまり決め込むとはなかなか肝が据わっていますね。
 ライブは開催できるのかという問題が、無観客でファンと繋がれるのか という問題に一瞬ですり替わっているのも見事です。

 ライブ開始直後、ファンアートが映し出される演出に驚愕していましたけど、結局あれからキウイちゃんが1人で舞台のセッティングなりなんなりをしたってこと!?
 なんか…「JELEE」の関係性って歪ですね。

 たくさんのファンアートが寄せられたことに対して、まひるが「ハッシュタグが出来ててね」と言っていますが、
 えっ!?自分たちで仕掛けたわけではなく勝手に出来たん!?

 これらの絵は全部、リアルの顔なんて関係ない 私たちが好きになったジェリーちゃんはこのクラゲの女の子
なんだから信じよう って思いで描かれているらしいです。
 えっ…じゃあ今から自分たちの姿をチラ見せしながらライブする意味って??
 このファンアートを描いてくれた人たちは別にこの形のライブを望んでいないってことになっちゃいますけど…。
 それから、ファンアートを見て繋がっているって感じるなら別にこれまでとなんも変わんなくね?

 曲が進みテンションが上がったキウイちゃんが「顔バレ?アンチコメント?関係ないね!」と息巻いていますが、そうやって開き直るならもはや「JELEE」である必要はなくなってしまいますね。

 後、野暮なこと言ってしまうと、ライブの演出がほとんどイラストで進行していますが、だったらこれ新曲のMVってことで良かったんじゃね? 

 4人は達成感でいっぱいでとても満足気ですが、本当にまひるの台詞通り花音1人のわがままから4人のわがままになってそのまま終わるとは思いませんでした。


 今話のまとめとしては、前述やタイトルにもしているように起きている事象とキャラに対する踏み込みが今一歩な感じで、いつまで浅瀬でパチャパチャやってんだという印象です。
 今話でも触れなかったため、花音ちゃんの過去の出来事に対するハードルが高くなっていますが大丈夫ですかね。
 次回に期待です。
              {/netabare}

 第9話視聴しました。
 {netabare} 今話は物語として終盤を迎えるにあたり、大きな転換点となった一話だったと思います。
 場面自体はシリアスな雰囲気を醸し出してはいますが、全てのパートにおいて疑問符がつきまといながら進行していて ゲームオーバー間近のテトリスを想起させます。

 
 では、本編です。

 冒頭は、花音が作文を発表しそれを周りがクスクス笑っている というこの作品お得意の 学校の人間はみんな悪者!からスタートします。
 とりあえずなんとなく花音を孤立させるためにモブAに「やっぱ変な子だね〜」と言わせるだけなんて、やっつけ仕事にも程があるだろ笑


 OPが明け、フォロワー10万人突破を皆で喜びます。
 疑惑や騒動に関しては前回のアレで本当に解決なんですね。


 まひるは仕事の依頼についてキウイちゃんに相談します。
 まひるは最近だんだん自分の絵が好きになってきて、この仕事を受けて自信に繋げたいようです。
 
 この子は第7話にて、自分の絵を好きになりたいのとすごい絵を描いて喜ばせたい人がいるから美大に行くんだと語っていたはずですが、もうすでに半分は叶ってきているみたいで良かったですね。
 
 まひるは「このチャンスを逃したら、こんなことはもうないよね。」と続けます。

 えっ…そうなん? むしろ流れとしては目標としていたフォロワー10万人も達成してこれからなんじゃ…?
 なんでこれまで散々トントン拍子のキラキラサクセスストーリーをやっておいて、もう次はないかもみたいな悲観的にさすん??


 その後、木村ちゃんに雪音さんについて教えてもらい、花音との電話パートに入ります。

 芸能事務所社長が暴露系配信者をやっているかもしれないことを天国と地獄の扉両方の鍵を握っている、とめちゃくちゃいいように言っていたのは笑いました。
 結果的に違うかったみたいですが母親が暴露系配信者をやっているって、普通に枕営業とかしているよりイヤですね笑

 何はともあれ電話パートです。

 崩れている絵を褒めてくる花音に苦笑いのまひる。

 この場面で何故か急にアホになってしまった花音が印象的ですが、これはお母さんとの対比を演出するための苦肉の策なんでしょうね。
 敏腕プロデューサーかつやり手社長 という人物像を描く際に、優秀さを考えるより比較対象に知能デバフをかけた方が楽ですもんね。


 打ち合わせ当日になりました。

 仕事としての実績はなにもない、しかも高校生に重大なイベントの根幹の部分を任せるって、お母さんだいぶはっちゃけてますね。

 大きい話に対し、自分の絵は未完成であると尻込みする様子を見せるまひるなんですが…
 まひるが言う「未完成」って先程も登場したこの絵のような所謂ミスみたいな部分の話なんですか?
 表現したいことに対して技術が追いついていない とか モチーフに対する理解力をもっと深めたい とかでもなく??
 イラストそのものに対しても、絵を描くことそのものに対しても信じられないくらい浅いところで会話のラリーをしているので驚愕です。

 それと、そもそも根本的な部分 かつ これを言ったらお終いなのかもしれませんが、このライブで描いたクラゲの絵 言うほどスゴイか?

 人にインスピレーションを与える程、印象的か?革新的か?思想があるか?世界観があるか? うーん……。

 この打ち合わせ、雪音さんの優秀さとまひるがかけてほしい言葉をかけてもらえた喜びを出したいなら、これまで描いてきた絵を見て雪音さんが「これは〇〇を表現しているのよね」とか「この絵はこうゆう感情が伝わってくるわ」とかをズバズバ言い当ててくる みたいな感じの方が良くないか?
 小手先の技術を褒められるより、絵として表現したものを汲み取ってもらえる方が何倍も良くないか?

 あぁ…でもそうか、そういえば まひるが絵に対してなにか想いを込めていたことなんてありませんもんね。


 Bパートに入り、いよいよ花音の暴行事件について語られます。
 ここまで引っ張ってきたのに、いきなり回想として済ましてしまうのは意外でした。

 雪音さんの夢は「自分が0から育てたアーティストがドームの五万人の前で歌うこと」だそうです。
 じゃあ大きい事務所は辞めない方が良かったんじゃない?

 虹色少女の喫煙動画が流出し問題になっているみたいです。
 騒ぎようから未成年喫煙だったのかと思っていましたが、明文化されていないのでそういうわけではないみたいですね。
 にも係わらず謝罪動画を出して謹慎処分て、その辺の感覚がよく分からないんですがアイドルが喫煙してるのってそんなに許せないんでしょうか?
  
 ていうか謹慎処分て事務所が出しているんですよね?そもそも、大きい事務所のアイドルが楽屋らしきところでパカパカ吸っているのを黙認していた事務所の監督不行き届きなんだから、そんな謹慎も重くならないような気がするんですがどうなんでしょうね。

 
 その後、「見ろバカ」の正体がメンバーのメロだったことを知った花音はその場でメロをぶん殴りました。
 
 思っていた以上にフワッと語られたので、正直 何がトリガーで相手を拳で殴るまでに至ったのかが不明瞭です。
 確かに「見ろバカ」のやっていることは褒められたものではありませんが、虹色少女の行為は少なからずイメージを損なうものではありそこに嘘も脚色もありません。
 本人にチャンネルの閉鎖を訴える、や お母さんに相談するなどもなく、正体を知った驚きのままとりあえずぶん殴るって何がそんなに花音を突き動かしたんや?

 ファンの悲しみコメントや謝罪動画がフラッシュバックしてたけど、そんな正義感あふれるような子やったっけ?
 
 そんで、恐らくタレントクローク的な場所にも関わらずスマホ構えて野次馬してた連中はなにもんやねんw

 雪音さんはこれ内々のケンカとして処理できなかったんでしょうか?
 殴ったっていっても15歳の女の子ですし、ステージ上で起きたわけでもないですし、どうしても炎上するような内容だとは思えないんですけど…。
 これですぐさま見限ってしまうって、雪音さんちょっと諦めが良すぎるような…。

 ていうか、お母さんはメロのやっていること知っているんですかね?
 知らなかったとしたら、「偶然 枠が空いたわラッキー!」って思っている天然さんになってしまいますね。


 完全に視聴者のためだけの回想が終了し、現在へと戻ってきました。

 進捗報告の場で、ご破算を告げる まひる。
 頼むからこのミーティングはあの打ち合わせ直後に行われていてくれ…!

 まぁ例えそうだったとしても今回一番タチ悪いのはコイツなんですけどね。

 まひるの言い分を聞いてみましょう。
 「本当にごめん、私やっぱりこの依頼受けたい」
 「本当にごめん、でもやってみたいの、大きな舞台で自分を試したいの」
 「前まで自分のこと大嫌いだったけど、最近は絵を描いているときは自分が好きになってきて…」
 「楽しかったから…違うの…」
 「私、もっと上手くなりたい!私の絵のこと、自分のこともっとちゃんと好きになりたいから!」

 マジで自分の話しかしやがらねぇなコイツ! コイツの方をぶん殴った方がいいんじゃないのか。
 
 技術を褒められたいだけのまひるに大きな舞台で自分を試す必要なんかないと思いますけどね。
 毎日、ひたすら必死にデッサンしてろよ。


 そういう問題じゃない!と花音が大きな声を上げてしまいすが、こういう場合感情的な方が言ってること正しいことってあるんですね。
 本当に、そういう問題じゃない。

 その後、花音の言葉によりまひるは傷ついたみたいな顔していますが、明らかに花音にここまで言わせたコイツが悪い。

 まひるがやっている事ってつまりは、真っすぐこっちを見つめながら丁寧に…
      まひる「踏み台 乙www」
           って言ってるわけですからね。

 第5話以降、まひるの海月ヨルとしての葛藤なんかなかったやん。
 頑なに、これからも「JELEE」として活動していく上で私も成長したいみたいなこと言わないのは、なんなん?

 コイツ前回自分で言った台詞、覚えてないのか?

 「花音ちゃんが無茶言い出して、仕方無いなって言ってついていって…でもそれだけだと思う!? 私も見たくなってるんだよ、花音ちゃんが見た景色。だからライブは花音ちゃんだけのワガママじゃない、これは私たち4人のJELEEのやりたいことだもん!」

 ということは、前回のライブは4人ともやりたいJELEEのやりたいことだったからやったけど、今回の集大成MVは別に大きな仕事も来たし、そこまで私はやりたいことではないから、これはJELEEとしてやりたいことではない、よし!1抜けた! ってことですよね。

 こういうのを、自己中と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょうか。
 

 今話のこの展開は、互いのキャラの主義、主張、理念、スタンス、物の見方 考え方、などが対立した結果としてギスギスした展開になったのではなく、第9話だしとりあえずギスギスさせとくかw くらいのノリでしかありません。
 テーマにもキャラにも思い入れがないくせにギスらせるのは甚だ無意味だと思いますが、これからまくってこられるでしょうか。


 次回はホームページにて、JELEEの大事な場面に居合わせる事が多い と明記されていたみー子さんが再登場するようなのでそこは期待です。
 
                {/netabare}

 第10話視聴しました。
 {netabare} んん?あっ…こういう感じ…?

 今話は、前回のギスりを踏まえ各々の「JELEE」としての関係性についての心情や考えが見えると思っていましたが、今話の内容をまとめてしまうと「前回でモチベーションが下がってしまった花音をとりあえず元気付けましょう!」でした。
 花音が歌う理由を見失ってしまったのは三話ぶり二度目ですが、感情の起伏が激しいのは実に10代らしくて良いですね。
 やりたい演出が先行しすぎて、演出のための展開になり過ぎている気もしますが…。


 では、本編です。

 やる気がなくなってしまった花音に代わり、アルバイトをする木村ちゃんとキウイちゃん。
 キウイ「活動休止したいって、なんでだよ!?」←いや、なんでかはわかるやろ。 キウイちゃんは時々すごく的外れなことを言ったり、やったりしてますね。

 木村ちゃん「ののたんは弱くありません!ファンだけは裏切らないアイドルだったんですから!」←メンバーを殴って辞めたことはカウントしないんですね。

 アルバイトをしている様子はいいんですが、何か違和感を感じます。
 この2人は、急に休みたいと言い出した花音に困惑しているけども 信じて待とう! みたいなスタンスをとっていますけど、前回のあの場面に同席して目の当たりにしていたのにもかかわらず、そんな見解なんですか?

 今回の花音の心情を推測してみたりもせず、そこから花音とまひるの関係性についても考えてみたりもせず!?
 作劇上 特別な関係性の2人をメンバーとして近くで見ていた者の視点で語ることもなく!?
 
 今回の件に関して、相談をされていたキウイちゃんはともかく、色々とありまして とだけしかまひるから聞かされてなかった木村ちゃんは何も思うところはないんですかね。


 外に出された木村ちゃんは瀬藤メロに出くわし、花音のことを聞くため特攻を仕掛けます。
 
 これ…追いかけ回す様子がギャグになっていますけど、世間的にも実際の事実としても瀬藤メロは花音にぶん殴られた被害者なわけなんですが、そんな相手に花音の関係者なんですって言って話を聞かせてもらえると本気で彼女は思っているんでしょうか?
 確かにメロは強かであり、ただ可哀想なだけの被害者でないことは確かですが、それを知っているのは当事者と視聴者だけですよね?
 それとも木村ちゃんの中ではあの事件はなにかの間違いとして処理しているんですかね? でも残念ながら本当にぶん殴ってるんだよな…。

 あぁでも、そういえば第2話の時に木村ちゃんは 空気読めない系 と言われていましたね。
 
 それと木村ちゃんはメロのSNSなどをマメにチェックしているんですね。
 てっきり橘ののかだけが目当てで現サンフラワードールズには興味ないのかと思っていました。

 その後、メルの雪音さんへの心酔っぷりと花音も自分と同じであるということを木村ちゃんに話します。

 メルはなにやら意味深なカットが多いですが、残りの話数で彼女についても拾えるんですかね。
 正直、「見ろバカ」についてのあれこれは全体を見た時の余計な装飾品になりそうな気がしています。


 みー子さんの家にデリバリーしに来たキウイちゃん。 
 みー子さんに「JELEE」の現状について話しますが、ここでも違和感です。
 「気持ち的に歌えないんじゃしょうがない」「告知してた年末の新曲は?」「新曲はもう多分無理で…」

 なんか…花音が休んだ影響で…みたいな言い方してますけど…
 いやいや…ちょっと待ってくださいよ、元はと言えば告知もしていた段階で、やっぱ別の仕事やりたいんでって抜けたまひるの所為ですよね?
 キウイちゃんはまひるの背中を押した張本人やん!
 まひるから相談を受けた段階でちゃんとした形で年末に発表することは無理なんわかってたやん!

 ただの新曲ってだけならまだしも、今年の集大成としての作品を作ろうってコンセプトで動いていた企画を、とりあえず曲だけ先に出して後からMVつければいいやって本気で思ってたん!?

 まぁ、まひると電話をした際にも「まひるから何か言ってほしい」くらいの認識でしかいなかったですもんね。


 そして、この電話で今回の騒動の原因、大元、本丸であるまひるは何を語ったのかと言うと…
 
 「私はこの仕事を選んだんだ、だから今 何を言っても嘘になっちゃうから」
 いや、あなた一番言うべきタイミングの時、自分の話しかしていませんでしたけど?
 キウイちゃんが言った、話したらわかってくれるだろ って一方的に自分の気持ちだけを相手に投げつけて後は知らんぷりすることじゃありませんよ?

 「けど、必ずもっと上手くなって約束を果たすから待ってて欲しい」
 自分の脳内の美談を基準にして他人と関わるな馬鹿。
 花音からすればお前は自分を踏み台にしていった裏切り者でしかないよ。
 木村ちゃんにもちゃんと謝っとけよ。


 その後、花音は木村ちゃんにお母さんに対する述懐をしたわけなんですが…
 いや、あの依然として じゃあなんでメロをぶん殴ったんだってところが解決しないんですけど…。

 お母さんは私の人生を自分の為に使いたかっただけなんだ って気付いたのはぶん殴った後ですよね?
 
 「私、自分が利用されてお母さんを恨んでたのに…」

 えっ…自分が利用されてお母さんを恨んでた!?ですって!?

 いや、だから!問題を先に起こしたんは自分やん!

 雪音さんの「私の為に歌ってくれる?」に「うん!」て元気よく返事したんは自分やん! 

 学校で馴染めてなかったけど、才能を開花してもらいアイドルとしての居場所を得て、それを楽しんでたのは自分やん!

 ファンの前で歌うこと ファンのみんなと一つになることの気持ち良さを熱弁してたのは自分やん!

 何を恨む道理があるねん!! 切り捨てられたことを恨むにしても、だから先に手を出したんは自分やん!!

 
 「私…まひるの人生を自分のために利用しようとしてた…」
 いや、この場合利用されてるのは花音の方なんだよな…。

 なんかもう、訳分からんところで被害者面し、全然間違ったところで責任を感じていて、支離滅裂のぐっちゃぐちゃですね笑 これを狙ってやってるなら逆にスゴい。
 

 木村ちゃんとキウイちゃんの電話のシーン。
 キウイちゃんの本音がポロッと出たりしましたけど、ここまでの行為を見ている限り、キウイちゃんは一步下がった位置にいるもののその実何も分かっていない厄介なキャラになっていますね。


 場面は今話の山場である生配信に突入します。

 明らかにメンタルが落ちている人の言葉を受けて、木村ちゃんとキウイちゃんの2人での配信で解散を宣言しましたけど、こんなすぐさま解散しなアカン理由って何??
 せめて活動休止にもしない理由って何??
 とりあえず、まひるの仕事が終わるまでも待てない理由は何??
 まひるはこの事知ってんのか?

 木村ちゃんが「最後なんて嫌ですー!」って歌い始めましたけど…
 これ、ファンからしても 知らんがな案件 過ぎません?

 そもそもが勝手にやってる音楽活動で、勝手に音楽以外の所でモメて、勝手に一部のメンバーだけで解散を宣言して、それで やっぱり嫌ですー!で 仲直り☆  知らんがな!!

 しかし、歌唱シーンは間違いなく凄かったと思います。
 熱量が高く作品全体の山場としても機能していたと思います。

 そもそもなんでこうなったのかはさておき、どうして花音はこういう気持ちになったのかもさておき、とりあえず 元気出してけ!テンション上げてけ!公開告白だ!FU〜! は些か勢いに任せすぎな気がしますけどね。
 第7話のときの相手がまひるから木村ちゃんに変わっただけじゃないか?

 なんか本当にやりたい演出しかしませんね。別にそれでも構わないとは思いますけど、せめて一定以上の説得力はくれ。
 

 今回の生配信を聞いて微笑ましそうに笑っているまひる。
 いや、笑ってる場合か。元凶はお前やぞ。

 まひるはこれ、あのまま解散ってことになっていたらどうするつもりだったんでしょうね。
 解散にならなくても本来なら、自分以外のメンバーの結束が固くなり戻ってこれなくなっちゃいそうですけど…。
 今回は何故かメンバーが事の発端についてを記憶喪失してしまったので事無きを得ましたけどね。

 
 ていうか、みー子さんの出番…というより役割ほとんどありませんでしたね。
 別にみー子さんである必要はなくバイト先の店長さんがやっていても良かったですね笑

 後、熱帯魚越しに映っていた男性はお父さんでしょうか?
 どう話に絡むのか気になりますね。

 と、思っていたら今話はキウイちゃんの竜ヶ崎ノクスとしての身バレ問題で 引き となりました。
 匿名シンガー「JELEE」として活動する竜ヶ崎ノクスの正体のキウイちゃんの身バレ、なんか遠いな笑。
 う、うーん…。キウイちゃんについてはこれ以上掘ってもなにも出てこないような気がするんですが、一応期待です。

               {/netabare}

 第11話視聴しました。
 {netabare} 最終回を目前にして、いや だからこそなのかこの作品の残念さはとどまることを知りません。
 話の本筋として腹を据えて向き合わなければいけないところを、自分の手癖で書ける内容でミスディレクションしてなぁなぁにしてしまう。

 この作品のキャラクターは展開の奴隷です。

 
 では、本編です。
 
 冒頭、竜ヶ崎ノクスの配信に本名をバラす荒らしコメントが寄せられます。
 キウイちゃんは第8話のライブシーンにて、「顔バレ?アンチコメント?関係ないね!」と息巻いていましたが、やはり自分の話となると違うんですね。


 OP明け、まひるを除いた3人でのミーティング、どうやら前回の木村ちゃんがバズっているようです。

 匿名シンガーとして活動しているのに素顔を晒されまくっていますね。
 なんだか、ここにきてまだ身バレうんぬんの話をしているのを見ると、あのライブの素顔をチラ見せする演出はマイナスなことしか生んでいないような気がします。
 まぁでも、そういえば基本的にこの物語は花音のやらかしの物語であり、真っ当に匿名シンガーやっていれば起こらなかった問題ばかりですもんね。

 モブのファンを出して、私たちが好きになったのはこのクラゲの女の子なんだから とかJELEEの歌が好きなんだから とか言わせているのに、結局 素顔が切り取られているやつが一番バズっているのは皮肉ですね。

 またしても不本意なかたちでバズってしまった訳なんですが、ここで この220万回再生をもったいない って言ってしまうのは、もうほとんど炎上商法みたいなもんじゃないか?
 「JELEE」としてそれで良いのか?とは思いますが、メンバーそれぞれ「JELEE」をどうしたいかなんて別に無く、バズればそれでいいんだから良いのか。


 その頃一方、まひるは雪音さんからリテイクを食らっていました。
 海月ヨルの良さがごっそり消えてしまっているようです、一大事ですね。
 まひるも十分焦っていますが、一番内心穏やかでないのはまひるを抜擢した雪音さんの方かもしれませんね。
 
 雪音さんは「成る程ね、あなたは自分の絵のことが好きじゃないのね」とズバッと見抜いてきましたが、ですが正直 この事は最初の打ち合わせの段階で見抜いていて欲しかったなと思います。
 こうなってしまうと結局物語の主眼が、自分の絵を好きになるには というこれまでと変わらないものになってしまっています。
 そして、まひるはこの事についてすでにこれまでの話の中で落としどころを見つけているはずです。
 その為の進路回でしたよね?


 それでもここにきてこの事についてやるんだ!と言うなら、まひるの「見ろ馬鹿」に対するお気持ち表明よりも描くべきものが他にあると思います。
 マジでノイズにしかなってないな「見ろ馬鹿」。


 修正案を出され、その通り直せと言われショックなまひる。
 さぞや事細かに指示されているんだろうなと赤ペンの内容を見てみると「今風に」とか「popな雰囲気で」などと思いの外ざっくりとしていて、服の構造についてやアクセサリーの造形についてなんかも「もうちょっと工夫して」とか「もっと詳細に」くらいの指示が散見され、正直 この通り直せと言われましても…みたいなレベルで拍子抜けでした。
 やっぱりそもそも、イラストとデザインでは勝手が違うんだろうな と思うものの、雪音さんも雪音さんでデザイン素人のまひるに無茶振りをするなら、ディティールの調整くらいは最初からサポートしてやってもいいのにとは思います。
 
 もし私が雪音さんの部下だったら、実績のない女子高生を大抜擢した結果 案の定上手くいってないことにめちゃくちゃ笑うと思います、いや笑い事じゃないか。
 このまひるに渡す用の修正案を任されたと思われる部下の人は、どういう気持ちでこの仕事したんでしょうね。


 それと、修正案を見てもう一つ思ったんですが…なんかそもそもデフォルメの具合からして全然違うんですけど、これは…要求に応えられなかったまひるが悪いのか、クライアントが急な路線変更をしたせいなのか、どっちなんでしょうね。
 
 
 まひるは壁画になったクラゲの絵を探すためキウイちゃんと出かけます。
 そこでまひるは「私って自分の絵のこと本当に好きなのかなって」などと のたまいます。
 自分の絵が好きになってきた という気持ちに自信をつけるためにこの仕事を受けたはずですが、逆に失くしちゃったんですね。
 
 花音がこれ聞いたらそれこそぶん殴っちゃいそうだな…。
 「JELEE」で描けばいいじゃん!というあの時の台詞がここにきてぶっ刺さっています。

 「楽しかったから…違うの…!」とか言っていたのに、いざ厳しいこと言われると凹んじゃうのね。


 その後まひるは身バレしたキウイちゃんのもとに昔の知人から心無いメッセージが来ていることを知ります。

 ここで意外だったのは、キウイちゃんって "まひるにだから" 見栄を張って嘘をついていたわけじゃなく、全員に同じ嘘をついていたんですね。

 よく、ここまでバレなかったな…。

 でもそんな中、まひるにだけはVチューバーをやっているor始めることを打ち明けたのか…キウイちゃん的にはどういう線引きだったんでしょうか。
 単純に 親しいから というだけではなく頻繁に誘われることに対して、もう一つ断れる理由が欲しかったからなんですかね。

 私は前回キウイちゃんの身バレ問題を "遠い" と表現しましたが、今一度整理してみたいと思います。

 「JELEE」のライブが話題になり素顔が切り抜かれる→竜ヶ崎ノクスの正体に関心が集まる→みー子さんのライブ代理の時の画像が出回る→渡瀬キウイだと断定される。
 ここまでは分かりますが、さらにもう一段階 不登校で嘘をついていた までバレるのは立北のヤツが言いふらしたんですかね?

 それにしても、キウイちゃんは少なくとも高校に入ってからは本格的な引きこもりをしていたにも関わらず、小学生時代の友達に直近まで何かに誘われる程人望を保っていたのはスゴいですね。(11/22に3件の誘いに対し、嘘ついて断りを入れているので)
 それとも、竜ヶ崎ノクスであるとバレたのと嘘をついていたことがバレたのには若干ラグがあるのかな?


 キウイちゃんは、過去は変えられない 私は見た目も名前も全部変えて新しい人生を歩んでいるのに、ちょっと身バレしただけですぐここに逆戻り と語ります。

 見た目も名前も変えたんならメッセージアプリも新しく変えていれば良かったですね!
 すぐここに逆戻り と言いますが、直近まで一人でも立北に知り合いがいればバレるような嘘ついているので、戻るもくそもないと思います。
 

 そして本来、同級生はこの時期、受験シーズン終盤 最後の追い込み真っ只中だと思うので、これらのメッセージは選りすぐりの精鋭なヒマ人たちから来ているんでしょうね。


 思い出深いゲーセンへとやってくると、案の定エリートヒマ人が登場します。
 地元の小ぢんまりしたゲーセンにたむろしているとは、さすがエリートヒマ人 やりますね!

 それにつけても、このモブの安っぽさったらないですね笑
 この子たちは高校3年生なんですよね?中学生ではなく。

 まひるのことはスゴいって思うのに、同じメンバーで かつ 8万人弱登録者がいるVチューバーをしていても、不登校ならそれらの加点が全部消えてむしろマイナスになるんだ…。

 この子たち学校大好きなんですね、むしろサボりそうな見た目なのに…。

 もう一回言いますけど、この子ら高校3年生なんですよね? もう学校は自由登校に差し掛かっていくようなこの時期に不登校イジり!?今さら!?

 まひるも下手に止めようとするより、「でも、キウイちゃん早稲田(作中表記ワソダ)行くよ?」で黙らせられそうですけど。


 そしてここから、キウイちゃん語気強く想いを捲し立てるターンです。
 まず、初手は「普通の奴にはわかんないんだよ!」から入ります。
 いや、キウイちゃん…多分その子ら割と普通じゃないと思うぜ…。

 そこからは大まかにすでに知っている情報をなぞるだけだったので、こちらもまた同じ感想を抱くしかありません。
 キウイちゃんが学校で馴染めなかったのは決して趣味嗜好が原因ではなく、その好きなものを一方的に相手に押し付けるコミュニケーション術の方であり、また、変化した環境でこれまでの傍若無人な態度がまかり通らなくなったことのギャップから勝手に潰れただけです。

 そして、決めの台詞。
 オレが作った大好きな自分のことを誰にも否定させるもんか!
 豪胆な台詞で大変結構なんですが、それを利用して現実の誘いを断るのはやめましょうね。
 それは何も知らない相手からすると嘘以外のなにものでもなく、否定させる口実を与えているのは自分自身です。

 後、個人的にどうせ開き直るなら「もう不登校じゃねぇ!中退だ!」まで言って欲しかったです笑

 さて、今回のこのキウイちゃんの叫びなんですが、前回は木村ちゃんだったから次はキウイちゃんの番ね とあらかじめ叫ばせるのは決まっていて後から中身を取敢えずで詰めたみたいな感じがするんですよね。

 そのプロセスが悪いわけではありませんが、最初ちゃんとキウイちゃんの痛い所を突いていたはずのモブがどんどんと いやそこじゃないやろ という部分を攻撃し始め、キウイちゃんのやりやすい方 ひいては脚本の楽な方へと降りていっているのが見え見えなのはサムいだけです。


 言いたいこと言ってスッキリしたキウイちゃんは今日も元気に配信をしています。
 んー…だから言ったじゃーん、キウイちゃんはこれ以上掘っても何もないって。
 ブロックしてスルーが最適解のこの問題で、もとより花音の身バレの時にも見せた鋼のスルースキルを持つキウイちゃんだと、スッキリする以上のことは起きないんですよ。
 そして今、キウイちゃんが昔の知り合いに対してスッキリしたところで、それがなんなん?って話なんですよ。

 もし、今回のキウイちゃんの叫びに意味を持たせるなら、叫ぶ相手は ほとんど僻みの域に入っていて これ見よがしな悪意を纏う頭の悪そうなぽっと出の昔の知り合い ではなく、一応キウイちゃん的にこうなった要因であり 同じくらいの学力を有し キウイちゃんの人物像を知らずフラットに"普通"としての意見を言える立北の生徒 であったほうが幾分マシだと思います。
 

 まぁそれより、もうちょっと花音やまひるの内面に対する比重を重くした方がいいような気がしますけどね。
 なんか知らない間に歌詞も絵も完成しちゃってるし…。


 これは完全に推測なんですが、脚本が一番書きやすいのがキウイちゃんなんでしょうね。
 自己表現として絵を選んだものの自分の絵を好きになれない女の子の苦悩より、歌う理由を見失ってしまった才能ある歌手の女の子がどんな想いを歌詞として綴るのかより、ただ学校に馴染めなかっただけの子の方が共感できるし創作について悩んでないから書きやすいんでしょうね。

 ただでさえ少ない引き出しなのに、中身もないだなんて始末におえませんね。
 

 この一件で何やら感銘を受けた様子のまひるは、今話三度雪音さんと相対します。
 
 「自分でなりたい自分を作って、そんな自分を誇って、自分が好きだって言い切って、私はそんなところが大好きなんです。私もそうなりたいんです」

 「これが私の絵です!」

 「これが私が好きな私の絵です!!」


 …えーと…うん。……ん?

 自分の絵が好きになってきたという気持ちに自信をつけるためにこの仕事を受けたものの、やはり分不相応であったことを痛感し 以前の悩みモードへ逆戻りしたけれど、この仕事とは関係ない件でのキウイちゃんを見たら、悩みがなくなりました!

 ってマジでまひるはモメてまでこの仕事受けた意味なかったな。
 この仕事だからこそ得られたというものが何一つない。
 
 で、ジャーン!っていって出されたヨル先生の絵なんだけど…さ…。
 自信満々の渾身の出来!といった様子で、話的にも一応ここまで引っ張ったものの、いまいち期待を越えてこないというか、驚きがないというか…。
 元も子もないこと言ってしまうと…アニメキャラをイラスト調に ってなんかあんま変化ないんだよなぁ…。

 雪音さんもこれでいいなら、別にまひるじゃなくて良かったような…。
 まぁ満足しているならそれでいいんですけど…。

  
 すっかり気が大きくなったまひるはここで切り込みます。
 「待ってください、一つ交渉したいことがあります。JELEEもこのイベントに出してください!」

 えぇ…どの立場で言ってるんやコイツ…。交渉ってなに?了承せんかったらこの絵渡さへんつもりなん…?

 メンバー内で決まってた企画放り出したくせに、今度は勝手に仕事とってくるんや…ドン引きやなコイツ。

 「JELEE」vs「サンフラワードールズ」は何が生まれるでしょうか、次回に期待です。

          {/netabare}

 最終話視聴しました。
 {netabare} 良いところは確かにあるものの、それを十全に活かしきれていない話運びをしてきた本作品。
 最終話はどう締めくくるでしょうか。

 
 では、本編です。

 前回の引きから、雪音さんに交渉をするまひる。

 「この切り抜きだけで300万再生、コメントはこの未完成曲の完成版を求める声で溢れています!」

 未完成となった一番の原因が何を言ってんねん。

 放送事故の切り抜きがバズったからっていうのは、前回でも書きましたが だから炎上商法やん って思っていたら、雪音さんからのフォローが入りました。

 例え炎上商法だと言われてもそこに美学があればバズだそうです。

 雪音さんに美学を問われ、「私は恩は返したいタイプなんです」と答えるまひる。

 いや、だからどの口が言ってんねん。恩にも返し方があるやろ。

 自分が曇らせの原因でありながら、解散危機は人任せ、自分の都合が終わったら勝手な判断で恩返しを決行する、なんか…DV彼氏みたいなマインドしていますね笑

 
 どうやら まひるの美学は雪音さんの美学査定を突破したらしく、ライブの出演が決まりそしてあっという間に当日を迎えます。
 
 キウイちゃんの配信にて、「炎上商法?顔バレを利用して話題に変えた早川氏の手腕はお見事…あぁその噂…そういう声も全部ぶっ飛ばすのがJELEEだろ!」

 うーん…?なんかこの辺り、内情を赤裸々に語るわけにもいかない ということを差し引いても違和感というか もやもやした感じが拭えません。

 なんか…雪音さんに全部責任をおっかぶせてないか?

 いや、そりゃまぁGOサインを出したのは雪音さんですし、雪音さんは責任をとる立場の人なんでしょうけど、(広い意味で)自分たちから出してくれって言ったのに、こういう認識なのがなぁ…。


 そして、会場へと向かう電車内。

 今だ心ここにあらずな花音に尋ねます。

 まひるさんのことですか?歌えるかどうかですか? それとも母親のことか?

 わからない…何をしたいのか、何が怖いのか…。

 ↑これは花音の本音というより、制作側の本音って感じがしますねw 
 色々とやろうとはしていたけど、なんか変な感じになっちゃってもうこんな終盤になっちゃったから、とりあえずフワフワさせとけっていう…。


 グループの不安定さを、無理言ってねじ込んでもらった他所様のライブイベントで払拭しようとするの、「JELEE」はめちゃくちゃ主人公していますね、悪い意味で。
 歌いたい気持ちはあるんだけど、なんか気分が乗らないからどうだろうなぁ、ってこれはどんな美学があるんでしょうね。

 野暮かもしれませんが、まひるとはライブまで2週間以上あったんだから話し合いでもすりゃいいのに。
 雪音さんとの打ち合わせとかもなかったんですかね?


 そしてライブ開始です。

 サンフラワードールズのステージは思いの外あっさり終わりましたね。
 苦労して作ったアバターも一瞬で、なんかショボ…いや、いいか…。


 いよいよ「JELEE」の出番です。
 解散配信で日本を賑わせたあの曲の完成版という触れ込みがなされていますが、歌詞全部変わっていますけどいいんですかね。

 歌う理由がないままステージに立つことが初という花音に対し、いや これ 依頼されたお仕事だからなぁ というマジレスはさておき。


 出番直前の2人との会話や歌い出すまでのシーン、この辺り なんだか花音の怖いと思う要因が、内的要因から外的要因にすり替わっているような気がして違和感を覚えます。

 花音は歌う理由としていた 雪音さんに見限られ まひるに捨てられたと思うことで、精神的喪失を味わい、歌手として半身をもがれた状態で歌うことは怖いという内的要因だったはずです。

 それが、シームレスに昔の事を思い出し、幻聴の野次や実際の野次などの外的要因で心が折れてしまっているのは話が違うと思います。

 観客を前にして怖くなったというのは良いと思うので、曲前の受け答えまではなんとか平常を保ち、曲がかかると観客の顔が見れなくなってくる 人の意見が気になる、というふうに内的要因が外的要因にまで "派生" していく様子を花音の心情を交えながらやって欲しかったなと思います。

 じゃないとまた結局 世間が悪くて私は被害者です になってしまいます。

 というか、リハはどうだったんですかね?


 花音の窮地を救ったのは、街並みが水族館になったかのようなプロジェクションマッピングとまひるの呼び掛けでした。

 まひる「花音ちゃーん!」は別に良いんですけど、まひるはこれ なんでサプライズにしたかったんですかね。
 雪音さんと高みの見物してる場合か。キウイちゃんと木村ちゃんもまひるのこと引っ張ってこいよ。


 無事歌いきった花音はまひると抱擁を交わし、「約束守ったよ!」アハハと笑い合います。
 あの約束って何が何でもできるだけ早く達成しなきゃいけないものだったんですね。

 ここをこういう風にしたいなら、フワッとしたすれ違いじゃなく第9話でもっとちゃんと本格的に花音とまひるは別離していて欲しかったな。

 その後、早川花音としてクレジットされているという感動的なシーンです。
 とても素敵でしたが、ここで橘ののかとして表記してある方が意味不明なので、当然の帰結ですね。

 この話で我々が得るべき教訓は、金とコネがあれば夢は叶えられる でしょうか。
 
 
 そして、ここから長いエピローグへと入っていきます。
 
 キウイちゃんは、お前たちハグレモノの味方だぜ!と声高に宣言してくれましたが、話していた進路通りなら自分はきっちり有名大学に進学しているので、あんま真に受けない方がいいですね。
 エピソードはほとんど嘘のくせに学力はあるってたち悪いな笑

 花音は卒業式の迎えに来てくれた雪音さんに、「お母さんの夢叶えてあげた」と言って颯爽と歩いていきます。
 きっと雪音さんは(ドームって単純な集客力以外のハードルがいくつもあって、それが大変なんだけどなぁ)と思っているでしょうが、そっと胸の内にしまいます。

 後々、花音もこの事実を知ってカッコつけたこの日の自分に悶えることでしょう。


 その後、新しくなったクラゲの壁画の前を花音のお父さんと思しき方が通りますが、晴れている中青い傘をさしている様子はもう完全に不審者でしたね。
 お父さん…意味深だった割に思った以上になんでもなかったな…。

 そして、まひるのポエムと共にオープニングのスチルを回収してEndとなりました。


 さて この最終回、内容そのものには見切りをつけ演出に全振りしたのは英断だったと思います。
 たっぷりエピローグでのかさ増しも功を奏していました。
 おかげで、読後感ならぬ視聴後感はスッキリとしています。


 この作品の全体について軽く言及すると…

 この作品は、あまりキャラクターに感情移入せず、展開の繋がりについて思考せず、ただ現状 画面で起きていることだけに集中する視聴方法がいいと思います。

 こういう部分が発展していくんじゃないかな という期待はことごとく裏切られていくので、第1話を視聴してからすぐ最終回を視聴するか、第3話まで視聴して取り敢えずキャラだけ認識して最終回を視聴するのが一番楽しめる方法なんじゃないかと思います。

  {/netabare}
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

タイトルに負けた。1話と9話と結末がぶれて何が言いたいか見えなくなりました。

 やっぱり花音の9話のセリフ「私がいたから泳げた」が引っ掛かるのと、その回収ができていない。1話の「夜のクラゲ」の意味性が何かボンヤリとした、渋谷の水族館に置き換わってしまった。そのせいで、テーマ性が失われてせっかくネットや在野(ストリートとか)で活躍クリエータ全体の応援の話になるのかと思ったら、結局メジャーがゴール的な感じ…いや、違うか…ここがちょっと読み取れなかったかも。とにかくステージとか母親の意味がよくわからなかったです。ミーコも視点は良かったのに使いきれませんでした。

 題名や実際に参加しているクリエータを見るとそういう意図が感じられるので、何かの理由でぶれたんでしょうか。もっととんがった話を準備していた気もします。

 それほど手抜きのアニメの印象もないしなあ。うーん、正直もったいない。本当にもったいなかった。それはやっぱり9話以降のメイン2人の使い方、特に花音がもったいない。
 9話以降が1話からブレブレですよね。物語の中で激情に駆られて口に出したセリフはやっぱり「本音」と捉えるべきだと思います。まひるへの嫉妬とも取れますけど、殴ったシーンの周辺の花音からすればまひるの「独自性」への評価より「メジャー」「アイドル」への想いが強い描かれ方ですからね。
 つまり、9話のセリフがまひるに対する本当の評価であり、自分のために利用した、と読み取れます。そこからの花音の心の動きを描かないでいつの間にか和解しているという感じでした。

 毒親やアイドルへのあこがれと過去の事件と自分が置かれた立場のジレンマ。その状況で自分がどう創作や表現と向き合うか、が全く描かれていない気がします。
 ハッピーエンドの方が評判がいいという意図なのかなあ…それともメタでバンドを機能させたいの?この凡作感はちょっと…残念としか言いようがないです。話的には多分いうほどひどい話でなく、バンドものの中では面白い方だと思うんですけど、せっかくとんがった「夜のクラゲはおよげない」というタイトルに内容で負けてしまった感じで、がっかり感の方が大きいといえば良いのかな。

 1話~9話の構成の使い方がもったいなかったかな。9話が5話くらいで花音とまひるが仲たがいしてからが本場ならもうちょっと違った気がします。

 ということで作画は動きはそうでもないですが、きれいで丁寧でした。4.5…は盛りぎ?声優さんも悪くなかったですので4。歌はごめんなさい私には響かなかったので3.5にしておきます。ストーリーはがっかり感を表現するためあえての2.5、キャラ造形はよかった。素晴らしかったといってもいいです。ただ、花音がなあ…まあ4.5-2で2.5にしておきます。

 評価点よりは楽しめた気もしますが、落胆も大きい作品でした。逆にもしかして、再視聴するなどで筋が通ったものが見つかれば評価は上がるかもしれません。




以下 視聴時のレビューです。


1話 内発的なものを描けるか友情感動ポルノどまりか。期待枠ですが…

{netabare} 平凡か特別な才能か、それは前提として才能があるのかないのか、特別になるための努力の過程、結果が出ない苦悩、周囲との軋轢、ライバルとの切磋琢磨、俺TUEEE、障害が降りかかってくるのを2人ではねのける、2人の間の熱いバトルと友情、シリアスの見た目のイチャイチャ日常もの、アイドルもの…どのルートにも行く可能性があります。もちろん組み合わせも。どれをとってもテーマ自体は平凡です。

 前提は説明的すぎて余韻も何もないのが欠点の様な気もするし、現代的で文学性よりも分かりやすさ重視で情報の処理がしやすいかもしれません。2話分を1話で説明しきった感じです。
 行間よりも感動という感じもします。どちらがいいかは作品の出来ですので今後の作品の質ありきでしょう。

 質は2話3話くらいまでで方向性を見たいですね。ただ、意外なテーマ…にはならない気がします。そして結論を見ないと評価はできないかもしれません。

 本作の価値はテーマ性よりもどんな「ドラマ」があるのかかなあ。テーマを伝えるメッセージ性が感情作りに落とし込まれているかどうかですね。本作の2人であれば「内発的」なものが描けるかが重要でしょう。
 いずれにせよ「感情」の作品になりそうな気がします。挫折や軋轢のカタルシスが、友情や成功ありきの感動ポルノにならなければいいのですが。

 オリジナル作品だけに秀作になりそうな期待値が大きい分、ひどいときはひどいでしょうからがんばってほしいです。

 作画はいいです。というか全体的にクオリティは高いです。音楽は作詞に40mPと出てましたが「タイムマシン」の人ですよね?作曲じゃないんだ…というのが意外でした。{/netabare}


2話 記号的な物語の進行で、誘導されている気分。解釈の幅が無いかな?

{netabare} この5年くらい、記号的な表現、データベース的なエピソードにライドして自分の中で感情を盛り上げて見る、という前提で作品が作られている気がします。いや、手塚治虫以来、マンガ、アニメは記号なんですけど、特にそれが強まっている気がします。

 本作は特にそれが顕著で、非常に記号的、情報的で感情の盛り上がり方を演出と音楽と合わせて、作品に全部指示されているような気がします。1話でもそういう感じが強かったんですけど、2話のめいのストーリーは、なんていうか記号の塊に感じました。

 彼女の2年前の状況から、なぜラストで花音を受け入れることができたのかが全く分かりません。それは内面描写が薄いからです。感情の描写はあります。状況の描写はあります。ですが、一番重要ななぜ花音に対する自分の感情が変化したか、その感情の移り変わりの理由が描けていない気がします。もちろん昔の約束というきっかけはあるんでしょうけど…その時の感情の動きが良くわかりません。

 その作り方が全部悪いかと言われると、理解しやすさや感動のしやすさなどで、いい面はあると思います。いたずらに難解にするよりは余計な考察に頭を使わない分、物語に集中できるかもしれません。ただ、解釈の重層性というか幅が少ないんですよね。

 それと本作はコンセプトとして、サブカル集大成みたいなところがあるんでしょうか。サブカルというものが現状で成立しているかは分かりませんが、ニコニコ的なクリエータを「使って」それっぽく仕上げている気がします。それがいい方向にも出ている気がしますが、これも作品の色付けが露骨に意図的なので、少し本作のコンセプトそのものが見えてしまい、冷める気もします。

追記 そうそう2話に関して言えば比較対象の「ガールズバンドクライ」の方が面白かったです。{/netabare}


3話 よくできているし感情も動きますが、余韻がない気がします。

{netabare} 相変わらずアニメ作品としてのレベルは高いのですが、やっぱり一本調子かなあ。引きこもりについての深掘りがなくイコール不幸な状態、友情の力で…のようなデータベース的エピソードです。

「怪獣8号」でも感じましたが、この「型」を使った作品は感情は動かせるとは思います。ただ、やっぱりブレ幅が少ないテンプレートなので、行間も余韻もないんですよね。
 その高度な例が「ヴァイオレットエバーガーデン」だと思うんですけど、感情が動くわりに、見終わったあとすぐに違うことを考えれらる感じです。モヤモヤ、ザワザワ、イライラ、ムカムカ、ホノボノ、ポカポカ、ドキドキ…どんな余韻でもいいんですけどそういうのが欲しいかなあ。

 よくできた作品だとは思います。メッセージも伝わってきます。感動もできるでしょう。ですが、後に残らないなあという感じがします。 {/netabare}


5話 独自性のあるイラストが自分らしさだったのでは?拒否反応が強いので断念します。

{netabare}  1話で1つの出来事がシーケンシャルに解決してゆくというのは、わかりやすくていいんですけど、どこか紙芝居を見ているような印象になってしまいます。そこが少し合わなかったです。

 また、対比として元のアイドルを出してくるのもいいんですけど、彼女たちと争うことにカタルシスを頼ってしまうのでしょうか。あるいはヒロインたちの方が成功してしまい、それでひと悶着あるのかな?

 まあ、それが花音の毒親というか依存からの脱出になるのはいいと思いますが、要するに当て馬にしか見えません。描き方によっては両方の正義も考えられますが、アイドルグループがわかりやすく性格が悪いので結局アイドルの方が悪かった、で終わる?

 で、5話です。この作品の主題であったまひるのイラストの話なんですけど、イラストの技術の問題に帰結していいものなんでしょうか?壁に描いたクラゲの絵は誰もわかってくれないけど「自分らしさ」であり、分かる人には深く突き刺さる。そこにアートがあったはずなんですけど…そこは回収できるのでしょうか。

 そもそもファンアートで実力がある人が厭味ったらしく技術を見せつけるのを否定してこそ、この作品の主題だと思っていたのですが、みんなでほめちゃってるし。水族館でクラゲを見た後に出てくるイラストがあんなに平凡でいいの?という気がします。そこがテーマでないならもういいかな。

 ということで、ちょっとこの作品に対して、我ながら拒否反応が強いのでもうやめておきます。サブスクのあらすじはチェックして、意外性のある展開になれば見るかもしれません。{/netabare}


 6・7話未視聴で8話・9話を見ました。あまりのひどい展開に唖然としてしまいました。逆に興味がでたので視聴を再開します。


{netabare} あらすじで確認したところ、身バレと殴った理由というのがわかったとのことで、8話9話見たのですが…これは10万人達成で「贖罪」が済んで殴った理由が「正義(笑)」だから?その話はオールOKという理解でいいのでしょうか。

 話の内容そのものにも納得感はないですが、それはお話なのでいいです。ただ、殴ったことの感情がその後の花音の「生き方」つまり「自分が信じるアート表現」にどういう影響を及ぼしたのかが描かれるべきでしょう。「なぜ暴力をしたのか」という自分の内面を咀嚼すると、売れることありきはおかしいという心になった。

 つまり暴力はアイドルの否定からのロック…だから、夜のクラゲに共感したのではないのでしょうか。1話を見る限りこういう解釈になると思うのです。ですが、今の8話9話だと花音がアイドル的なものに否定的になる要素はないし、メジャー志向ということ?

 うーん、ここからですよね、本来は。これは「どこにも正義がない状態」ですし「贖罪とは」「売れるとは」「アイドルのペルソナとは」「成功とは」ということと「母親P・メジャーVS娘・マイナー」の戦いの構図になるべきところでしょう。

 そこから「人の心に響くアートとは?」=自分らしさの表現論、つまりマスメディアが死んでネットの世界で活躍する個人の時代が来る、とか権威主義や大衆の萌えへのアンチテーゼが描かれるべき素材だったと思います。

 もちろん違う方向性でもいいんですけど、しかし「夜のクラゲ」と「事件」を重ねるような部分を描かないで、母親Pのおそらく陰謀に安易に取り込まれるまひるのなんと安っぽい事。暴力事件への復讐なのかもしれません。

 それにしても水族館ってなんだよ、ということです。クラゲ=力のないクリエータの卵。それが自由にアートができる空間を作りたいにつながるならわかりますけど。

 いったん中断した作品に再び酷評のレビューをするのも何ですが、1話がいい出来だったので気になる作品です。それがこういう展開になるのは残念です。散らばっている素材はいいだけに、もうちょっと何とかならなかったのか?という気がします。

 ちょっと、物語として「なぜこういうことになった?」「1話のテーマはどこで消えたのか?」に興味があります。いったん中断してましたが、ちょっと分析的に見たくなってきました。一応、視聴中にステータスを戻します。それで本当にひどい話なら評価をかなり低くするつもりです。{/netabare}


6話後付け視聴 なぜこの方向を深掘りしない?素材はいいが生煮え感。

{netabare} このバツイチ子持ちアイドル(31)って、一つのテーマですよね。もちろん「推しの子」と重なるしアンチテーゼにもなります。

 超高齢化、少子化社会において、30代で非処女系の清純派の母親というのを定義してみんなで萌えるという道筋を、このアイドルを使って描けていれば独自性という点で非常に面白かったと思います。
 また、ある意味の究極の少子化対策です。「子持ち、カッコイイ」です。

 隠れて秘密ではなくて、子持ちアイドルとして絶大な人気になる方向性…そこにプロ意識とか努力とか周囲のちょっとした協力とかネットの力とか、そういうのが描けていれば「夜のクラゲ」という言葉からイメージする内容に寄り添ってゆく気がします。

 このキャラはよかったと思いますが、ジェリーフィッシュの誰かがこの視点で、自分を変化させられなかったのか?と思います。やっぱり素材はいいんですけどね。生煮えばかりの作品だなあという気がします。{/netabare}


10話 1話を全否定する9話の花音のセリフをどう回収するかでレベルが決まるでしょう。

{netabare} やっとテーマに近づいてい来たなあと思いましたが、微妙な展開です。花音の被害者ヅラはなんなんでしょうね?悲劇のヒロインを気取っていますが、人のスマホを見て正義ぶって殴ったりして芸能活動が続けられなくなって…

 ただ、心理学的な母親依存している娘の造形になっている気もします。自分が承認されるために手段を選ばない。つまり「夜のクラゲ」に感動したことが嘘だった…ということであれば、面白い展開ではあります。
 花音が冷静になって、そこに自ら気が付いて、2度とジェリーフィッシュの活動ができない、という状態になるのは、ストーリー的に急激な展開ではありますが、自然な反応かもしれません。

 ただ、もう10話ですからね。あと2話で本格的な決裂のあとの回収ができるのかを10話の終わり方で見ると、まひるが「花音に見合う絵が描けるように」とか言って技術論ですごい絵がかけた…になる気もするし、めいが頑張ってうたっているのに感動して花音が「わたし…間違ってた」とか言って、ライブに入ってきたら噴飯ものの展開です。

 そこをどう乗り切るのか。9話の花音のまひるに対するセリフがこの作品のキーワードで1話の全否定のセリフでしょう。「感情のまま言ってしまった」ではなく「心の底からの本音だった」と言えるかどうかで作品のレベルが決まってくるかな、という気がします。

 それにしても、みー子の使い方よ…もうちょっと何とかならないのかなあ。{/netabare}


11話 この11話を深掘りしてほしかった。パーツも視点も良いのにもったいない作品だなあ。

 11話の内容をもっとじっくり描いてくれていればなあ、という気がしました。技術論に走って描きたいものではなく上手いものを描いてしまっているまひるの覚醒ですね。

 この覚醒のやり取りをしている母親の内面とか想いが、つまり花音に対する態度だった…ということになるなら、テーマとしてはそれほど珍しくないでしょうが、ガールズバンドもの…というか、ネット上で創作活動をしている人へのメッセージという意味では最高だったと思います。その点でまひるがマスに迎合しているのがいいのかという問題もあると思います。

 それと花音の「売れたい」=「母に認められたい」という気持ちの持っていき場が1話を否定してしまている件の回収ですね。これは覆水盆に返らずですから、自分の本音として受け入れたうえで反省ではなく、母との決別とかネット上での仁義とか何かほしいなあ。なんか、10話のめいの歌でごまかされますけどね。
 ミーコとかいいキャラですが、扱い切れないなら切ってしまえば良かったのに…キウイの話も展開はわかるんですけど、唐突ですよね。

 何かもうちょっとメッセージを絞って、特に「夜のクラゲ」=オリジナリティでネットという場だからこそ自分自身を表現できるんだ…それが認められるの方が話としては深くなったかなあ。

 仲間ごっこで終わるかどうかです。全体として「パーツも視点も共感できるのにもったいない作品」だなあ、という気持ち強い作品でした。もちろん最終回しだいだし、最終回がよければ中盤集中して見ていなかった部分を拾ってみますけどね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

グッバイ、世界。

全12話 オリジナル作品

高校生の光月 まひるは幼少期イラストレーターだったが、あることで自信を失い描くことを辞めていました。以前、まひるが路上で描いた作品を認めてくれたある事件でアイドルグループを脱退、覆面歌手「JELEE」として活動している山ノ内 花音と出会い、アイドル時代の山ノ内 花音の熱狂的なファンで音楽学校でピアニストの高梨・キム・アヌーク・めい、まひるの幼馴染で有名なVtuberの渡瀬 キウイの4人が、各長所を生かしてグループ「JELEE」として活動していくお話です。

花音が中心に物語が展開していて、各キャラをそれぞれ過去や現在も色々なことを抱えていて、そして現状を深堀していますので親近感が出てきますね。

音楽より人間関係がメインのお話だったように思えます。

ただ、楽曲は多かったですね。

イラストがカラフルなのが印象的でした。

OPはカノエラナさん、EDはツルシマアンナさんが歌っています。

最後に、タイトルは渡瀬 キウイがネットを落とす時のセリフにしました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

70.3 28 2024年度アニメランキング28位
トラペジウム(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (33)
98人が棚に入れました
元乃木坂46の高山一実が、現役アイドルとして活動していた2016年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載した同名長編小説をアニメーション映画化。
高校1年生の東ゆうはアイドルになるため、「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」という4箇条を自らに課して高校生活を送っていた。城州東高校に通うゆうは、ほかの3つの方角にある高校へ行き、3人の美少女と友だちになる。文化祭やボランティア活動を通して結束を深めていくゆうたちに、ついにテレビ出演のチャンスが舞い込む。やがてアイドルデビューのプロジェクトも動きだすが、大きな問題に直面する。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

嘘で磨いた虚像(アイドル)で光って何が悪い?

元・乃木坂46の高山 一実氏が、現役アイドル活動中に連載した同名小説(2018年書籍化)の劇場アニメ化作品。

アイドルを目指す主人公女子高生・東ゆう。
自身も含めたの東西南北の美少女JKと親交を深めて、
アイドルグループとしてのデビューを目指して画策する青春作品。


【物語 4.0点】
私は虚像としてのアイドル、アイドルと嘘に向き合っている作品には一目置く傾向がありますが、本作も同様。

主人公少女は街で美少女を見かけたら皆アイドルになれば良いのにと思ってしまう程、アイドルに心酔。
アイドルになるためなら嘘も方便、東奔西走して集めた美少女たちとの友情すらも夢へ至るため手段。
4人で取り組んだボランティア活動だって、
将来、有名になった際、過去のSNS等を漁られても好印象を保持するための粉飾にすぎない。

夢のため、打算の友情、慈善を重ねてしまう主人公の青さ。
ビジネス成功本を斜め読みした上昇志向が墓穴を掘る、チクチクした予感が常に胸を刺す。
アイドルへとステップアップする度に4人の間の歪(ひず)みが拡大する描写はとても不穏。


それ以上に私の背筋を凍らせたのが、芸能界のシステム。
主人公少女はまだ、夢のための嘘と打算に多少の後ろめたさを感じている様子も。
が、芸能界は、光る原石を発見したら、迷いなく育成プログラムに組み込んで研磨して輝かせて売り込み消費させる。
品質保持のためなら、ライブでの口パクだって、さも当然のようにやってしまう。
芸能関係者はいい人たちばかりなのに、長年熟成された芸能界の慣習がそうさせる。
嘘や誇張があろうが、メンバーの関係やメンタルに影があろうが、容赦なく突き進んでしまう。
何もかも用意されている「これが大人の世界なんだ」との主人公少女の感想が強烈です。

この辺りの生々しさは実際にアイドルを経験した原作者ならではだと感じました。
虚像をリアルと夢想するのがアイドルと割り切っているつもりの私でも、
夢の芸能界とは言え、これで良いのか?と割り切れない問答が心中を入り乱れるシナリオでした。


因みに私は本作の“東西南北”が現実にアイドルデビューしたら結構ハマるなと感じました。
{netabare} オーディション出身じゃない“天然物”のJK4人を、
アイドル挑戦コーナーで見守り育成しているような
リアリティショー風の成功物語の演出には弱いものでして。{/netabare}
“東西南北”は俺が育てた等と、掌の上で思い上がってしまうのだろうなとw


実は、私は原作小説は序盤で挫折していまして。
その理由について、私は文体が合わなかったとか色々言い訳してきましたが、
今回、劇場鑑賞して、結局、行間から察知した不穏な空気に、読み進める覚悟ができなかったからだと悟りました。

また原作は東西南北のアイドルを集めるまでが大分長いのかな?との印象でしたが、
本劇場版は集めてからの方が長い構成。
{netabare} 10年{/netabare} に及ぶ青春物語を90分余りで一気に駆け抜ける。
{netabare} ひとつの夢の始まりと終わり{/netabare} を通じて、嘘でも間違っていても、夢を見る尊さを噛み締める痛切な青春アニメとしても良作。

いずれにせよ、鑑賞の際は相応の覚悟が必要なアイドルアニメだと思います。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・CloverWorks

アイドルライブ映像には特筆すべき点は見当たりませんでした。
むしろ刺々しいシナリオだからライブも変化球で来るのかな?と構えていたら、
案外キラキラした普通のCGで肩透かしを喰らった感じw

作画高評価の理由は人物の心情を繊細に表現した表情描写。

原作は主人公少女・東ゆうのささくれだったモノローグが牽引する作風ですが、
劇場版では、モノローグはほぼ削除して、ゆうたちの各種顔芸で描写。

プラン通りに友情を演出し、アイドルデビューに近付いたとほくそ笑んだり、
希望通りの方向に親交が発展しなかったと歯噛みしたり。
事態が深刻化して、ホラー映画ばりに目が据わってみたり。
すぐ顔に出る、ゆうの表情を読むのが本当に楽しくて怖かったですw

私のベストショットは4人で自撮りしたライブパフォーマンス後の写真。
笑顔で輝いているように見えて、よくよく見ると無理した仲間の表情がかげっていたことに後から気が付く。
その他、4人の距離を絶妙に離してみたり、光と影に分けて置いてみたり。
キャラの配置にもメンバーの関係性の変化等を滲ませた“読み応え”のある作画でした。


目の保養になったのが、4人それぞれ違う学校の制服。
スカートの裾の揺れ動き等も高密度で好再現されており、
私はアイドル衣装以上に輝きを感じました。
制服フェチでもあるという工藤くんとは一度、
学生服について語らってみたいものですw


原作者がスタッフに要望するコミュニケーションも密だったという本作。
私がひとつ高山さんナイスと思ったのが、
アイドルだけでなくアイドルファンもリアルに描くとの意思の実現。
即ち巷に根強く共有されているハチマキ&ハッピを装備してコールを絶叫しているドルヲタなど今はほとんど見ない。
自身もアイドルファンだと公言する高山さんが、
アイドルとしてもステージから客席を観察した実体験に基づいた、
貴重なアップデートだったと感心しました。


【キャラ 4.0点】
“東の星”主人公・東ゆう。
黒髪ショートなゆう自身も十分美少女なのですが、ゆうが集めた3人はもっと美人という設定。
時折、劣等感で魔が差す場面も危ないです。

“西の星”大河くるみ。
高専でロボコン優勝を目指す、小柄、萌え袖の人見知り工学系女子。
人前でパフォーマンスすることを当然の喜びとするアイドル志望とは真逆の価値観からの、
一般人目線のセリフでアイドルについての論点も深める。

“南の星”華鳥蘭子。
女子校のお嬢様。必然、練習&憩いのスペース提供セレブ枠に。
{netabare} お嬢様テニス作品のネタ等{/netabare} で意気投合したゆうの夢プランに、
乗っかってしまえとの楽天思考で“西”や“北”との寒暖の差を表現。

“北の星”亀井美嘉。
ゆうが集めたのではなく、向こうから寄って来た。
ゆうとはまた違った外面をまとった黒髪ロング美少女。
(※核心的ネタバレ){netabare} かつてイジメを受けていた際も、普通に接してくれたゆうに憧れを抱いていた
ゆうのファン第1号。{/netabare}
故に、ゆうに求める友情は重量級で、夢のために友情を軽く考えがちなゆうと、
緊張感あり過ぎなやり取りを繰り広げる。


メイン4人とも美少女ですが、生々しい裏の部分もえぐり出されているので、
私は推す気にはなれず。
代わりに私の癒やしになったのが、一途に星空等の写真を取り続けた工藤真司くんと、
崖っぷちなのに元気なADの古賀さん。


【声優 4.5点】
“東”さん・東ゆう役……結川 あさき
“西”さん・大河くるみ役……羊宮 妃那
“南”さん・華鳥蘭子役……上田 麗奈
“北”さん・亀井美嘉役……相川 遥花
(以上、敬称略)

アフレコはクライマックスの{netabare} アカペラ歌唱{/netabare} も含めて基本同時収録で敢行。
4人の感情が乱反射する修羅場にも緊迫感がありました。

率直に私の鑑賞の決め手となったのは『僕ヤバ』&羊宮ロスの緩和への期待から。
CV.羊宮さん、相変わらず旨そうに弁当喰いながら喋っていて、どうもごちそうさまでしたといった感じですw

羊宮さんは終盤の{netabare} もうアイドルやりたくないと駄々をこねる{/netabare} 迫真の演技でも魅せてくれました。
あれと似た場面を以前アイドルドキュメンタリー映画でも見たトラウマも蘇って来て、
その点でも本作にはリアリティを感じました。

それ以上に今回私が惹き付けられたのが主演の結川さん。
権謀術数から激情爆発まで、声優界にまた有望な濁声の使い手が台頭して来ました。
結川さんはこの夏、TVアニメ版『逃げ上手の若君』でも少年主人公役が決まっており、
今後の活躍が期待されます。


魔球だったのが、ボランティア先で出会ったお爺ちゃんたち3人。
“ウッチャン”内村 光良さんをリーダー役に、
脇を原作者・高山 一実さん本人と、同じ元・乃木坂1期生・西野 七瀬さんが固める布陣。
元アイドル女子のしわがれ声もネタとしては面白かったのですがw
打算のボランティアをも許し包み込む味わい深い人生の先輩方を、
例えばベテラン声優がいぶし銀で体現してくれれば、
或いは声優5.0点もあり得ただけにチョットもったいない気もしました。


【音楽 4.0点】
OP主題歌はMAISONdes「なんもない(feat.星街すいせい,sakuma.)」
まだ何者にもなれない自分への焦燥感を抱えて、夢を追って生き急ぐ青さが、
痛切で眩しい、痛快青春ソング。

OPアニメーションも演出が多彩。
横切る人物で、めくるノートでワイプする画面切り替え等もリズミカルです。
そんな冒頭映像、最近の劇場アニメのご多分に漏れず公式がチラ見せ動画をアップしているので、
気になる方はご試食されては如何でしょうか。


劇伴担当は横山 克氏。
こちらも私の好きな作家の一人で鑑賞を後押し。
今回は“東西南北”のアイドルソングの作編曲も提供。
作風は懐メロも想起させられる素朴な味わい。
ももクロにも楽曲提供した実績もある同氏。
今後は2.5次元界隈への出没も期待したいです。

様々なジャンルの音楽に挑戦する横山氏ですが、
やはり真骨頂はTVアニメ版『君嘘』の頃から十八番の、
ピアノとストリングスによる心情曲。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

夢じゃない、夢で終わらせたくないから…現実にする!(ただし手段は選ばない)これはアイドルアニメ戦国時代に解き放たれた4人の少女の“破滅の物語”である

元・乃木坂46メンバーの高山一実が乃木坂現役時代の2016~18年に発表した小説を原作にした94分の劇場用作品
監督は今作が監督デビューとなった篠原正寛
脚本は柿原優子
キャラデザは新里りお
制作はClover Works




(千葉県館山市をモデルとした)城州市の東高(ひがしこう)に通う高校1年生の東ゆう(あずまゆう)は他人には話せないある大きな夢を抱えていた
それを実現する為に同じ城州の東西南北の高校に通う女子高生を1人ずつ友達にする計画を進めている
東ゆうの行動力に偶然も重なって、聖南テネリタス女学院に通い『エースをねらえ』のお蝶夫人に憧れるお嬢様の華鳥蘭子(かとりらんこ)
西テクノ高専に通いロボコン全国優勝を目論む理系美少女の大河くるみ(たいがくるみ)
北高に通い、東ゆうと小学校時代の同級生だったが当時の面影が感じられない美女の亀井美嘉(かめいみか)の4人が揃った
実は東ゆうの夢とはアイドルになること
オーディションで落選し続けた焦りから彼女は、自身が水面下でプロデュースした『東西南北』をグループアイドルとして売り込む算段を企てていたのだ
東ゆうの思惑通り、バラエティ番組を経由してアイドルとしてデビューを果たす事に成功した『東西南北(仮)』
しかし覚悟も曖昧なまま友達付き合いでデビューしてしまった西南北の3人と東ゆうの間には次第に溝が生じるようになっていき…




アニメに限らず、日本のアイドルを題材としたコンテンツが氾濫する世はまさにアイドル戦国時代
そんな中で発表された、当時の現役アイドルが執筆した青春ストーリーは波紋を呼び、またこうやってアニメ映画となったことで再評価されています


僕もさほど期待していなかった一方、初鑑賞後は暫く後半の展開を受け止めきれず、3日ほど頭を抱えてしまいました
観た人の感想によっては打算的で自分勝手な東ゆうの言動が耐えられないかもしれませんし、僕と同じように後半の崩壊していく『東西南北(仮)』の姿を観るのが辛いかもしれません
とても観る人を選ぶ作品と言って良いでしょう
その一方で、間違いなく2024年上半期に最も心動かされたアニメであると断言も出来ます


アイドルアニメと一言で言っても、『推しの子』や『アイドリッシュセブン』の様に芸能界の闇と戦うわけではありません
むしろ登場人物の中で東ゆう以上に悪い人間は全く出てこないぐらいです
『It's My Go』や『ガールズバンドクライ』の様にメンバー同士の熱量のぶつかりあいでもない
ただ『ブルーロック』以上にエゴイストな東ゆうの、自業自得で起こる出来事の結果でしかない
キラキラだけでないアイドルの成長ヒストリーと考えると『Wake Up,Girls!』や『シャインポスト』がお好きな人なら比較的受け入れやすいかもしれませんが、たぶん一番似たような作品を強いて挙げるなら、『マクロスΔ』のクレア・パドルの回じゃないでしょうか?
ただそれらとも違っていて、普通サクセスストーリー映画のクライマックスって何かを成し遂げる事や、困難を乗り越える事を描く事に注力するじゃないですか?
でも本作の場合は違うんですよね・・・


これは偶然の一致でもありますが後半の大河くるみの様子なんかは元 ・欅坂46の平出友梨奈の脱退直前に通ずるところがあります
彼女の脱退前後の一部始終は『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』というドキュメンタリー映画に残っていますのでご興味ある方はチェックしてみて下さい




さて、実は原作からだいぶ改変された部分もあり、昨今なんでもかんでも“原作通りのアニメ化”を求められる風潮に一石投じるような作品でもあるのが本作です
具体的には各キャラの個性が簡潔かつ濃厚なものにまとめられ、各キャラの方向性が定められています
例えば華鳥蘭子は原作ではもっと我侭で高飛車なお嬢様だったのが、上品で物腰が柔らかで友達想いな一点にまとまってたり
亀井美嘉なんか実は大河くるみ目当てのファンの1人で、本作より打算的で内向的だった原作から、あくまで東ゆう一筋の純粋な娘に変わっていたりします
この我侭、打算的といったマイナスの面は本作では基本的に東ゆうに集約されていて東ゆう1人に本作のヘイトが集中するよう上手く仕込まれてるんですね


また原作ではアイドルとしてデビューするまでの過程に重きが置かれているのに対し、本作ではアイドルデビューを境にしたビフォーとアフターがほぼ同尺で語られていて、点描を含めてアイドルとしてどんな活動をしていたのかが具体的に描写されています
小説→アニメ映画へと媒体が変わった事でより適切な描写に改変する流れだと賞賛できる出来栄えだと僕は感じました
特に“点描”が上手く決まるのは実写作品とは違うアニメ特有の演出だと僕は思っています
デビューライブに向けてレッスンに励む4人の点描はテンポ感も相まってアニメ史に残る名シーンだとすら思います
それだけ本作の点描は上手く決まっていました(逆に言うと僕は実写作品の点描が大嫌いです)




映像面以外に面白いのが主題歌にも力が入ってるところですね
オープニングテーマとして流れるMAISONdes「なんもない feet.星街すいせい,sakuma」ですがあえてVTuberの星街すいせいをボーカルに起用しているのが憎らしいところです
星街すいせいはアイドルを目指していた時期があり、アイドルオーディションに落選したが夢を諦めきれず方向性を変えてVTuberとなった過去があります
さらに個人勢からホロライブへの栄転が決まるも名義やモデルを変えて別人として再デビューする所謂「転生」を打診されるもこれを拒否、あくまで「星街すいせい」であり続ける事に拘って食い下がる等、本作の東ゆうの夢の実現には手段を選ばない貪欲さに共通した面を持っています
そんな星街すいせいに「僕がいちばんなんにもないんだろう 君もいちばんなんにもないんだろう 僕ら なんも なんも なんも なんも手にできてないんだろう」と歌わせるのはそれだけで胸を締め付けられますし、本作の内容を十分理解した上で観る2回目以降だとだいぶ印象も変わって癖になる中毒性を孕んでいます
また“イントロが歌始まり”“ハイテンポでラップ調の歌詞”“3分台で完走する尺の短さ”等、昨今の売れ線の曲のツボをちゃんと抑えた戦略的にもとても優れた楽曲と言える潔さがあります


逆にエンディングを飾る「方位自身」は劇中で東西南北(仮)の4人が作詞したという設定の元、原作者の高山一実自らが作詞
イントロもアウトロもたっぷりあってフルサイズ5分越えの大作で映画の余韻にゆったりと浸れるように割り切っています




まだまだ語り足りない気持ちではありますが最後に1つ
今作で監督デビューした篠原正寛は『Reゼロ3期』の監督を、主演を務めあげた結川あさきは『逃げ若』の時行公を演じられています
今後の活躍が期待される新進気鋭の若手が本作で大いなる船出を飾ったことは、歴史の1ページとして刻みたいものです
「夢を実現出来たかどうかは、叶えた人にしか分からない、だから今の私は堂々と言える、あの日の私、ありがとう」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

酷評も多いのも絶賛も多いのも宿命か、問題作か傑作か、おすすめ度★★★★☆

初めてアイドルを見たとき思ったの、人間って光るんだって。

元乃木坂メンバーの高山一実原作。アイドルという概念に一石を投じる特異なアイドルアニメ。主人公が目をつけた子達と一緒にアイドル活動をやるという独特なシナリオ展開が特徴。

人間味こそないものの夢に対しては愚直なまでに正直なので、こういうエゴイスト丸出しな主人公は1周まわって好感が持てる。

作画は比較的良かった。ただ、CGと手書きの落差があったり、けろりら先生の作画担当パートがあからさまに浮いている上にシリアスでけろりら絵をやられても変な感触しかしない。楽曲は挿入歌の「なりたいじぶん」、「方位自身」の2曲だけど、どっちもいい曲だと思います。

序盤の勧誘パートやアイドル活動で芽をだす所は良かった、中盤からは本音のぶつかり合いとアイドルとしての苦悩を描いていて、ドラマとしての色濃さが見られていて、見応えがあった。

個人的には十二分に面白かったと思うけど、人を徹底的に選ぶ作品だなぁ…と。嫌いな人は嫌い、好きな人は好きだろうが自分は後者側のスタンス。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

70.1 30 2024年度アニメランキング30位
オーイ!とんぼ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (81)
207人が棚に入れました
トカラ列島を舞台に、ゴルフと人が紡ぐドラマティックストーリー 過去を捨て、世間から逃げるように鹿児島県「トカラ列島」に移り住んだ五十嵐。 "日本最後の秘境"と言われる"火之島"で出会ったのは、島でたった一人の中学生、とんぼだった。 天真爛漫な少女は、とんでもないゴルフの才能を秘めていた!? この出会いをきっかけに、二人の運命が大きく変わっていく…。

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見た目に騙されるな! かなりインテリジェンスが高いゴルフ作品

【レビューNo.136】(初回登録:2024/7/28)
コミック原作で2024年作品。全13話。
視聴してみるとまさかのガッツリ理論派だったとは・・・
いやーこれは完全に見た目に騙されましたわ。

(ストーリー)
プロゴルファーの五十嵐一賀(イガイガ)は、ゴルフで不正を犯したためゴル
フ界を追われ、新たな職を得るために鹿児島のトカラ列島の「火之島」へと転
居してくる。
そこは人口百数十人ほどしかいない離島で、五十嵐はこの島で中学3年生の少女
・大井とんぼと出会う。
とんばは幼少期に両親をなくしており、漁師をする祖父のゴンじいに引き取ら
れていた。
また島には3ホールの立派なゴルフコースが設営されており、そこでとんばと
プレーをした五十嵐は、彼女の「高い技術と個性的で自由奔放なゴルフ」に大
きな可能性を感じるのだった。
「島の外で本格的にゴルフの才能を開花させてやりたい」
島で一生暮らすことを望むとんぼの気持ちを変えるために、五十嵐は動き出す。

(評 価)
・中学生に見えないキャラデザ
 主人公とんぼは愛らしいのですが、個人的には中学生には見えなかったなと。
 ・幼い顔つき
 ・華奢な体つき
 ・言動の幼稚さ
 最初は小学生だと思っていたのですが、次のシーンでセーラー服で登場して
 「え―――っ」ってなりましたね。しかも中学3年って・・・
 それを象徴するのが終盤なんですが、話は一気に半年後の卒業までワープ、
 そこで登場したとんぼは、
 ・顔つきが大人びてるやん
 ・手足もスラっと伸びて、体つきも改善されてるやん
 ・顕著なのがイガイガとの相対比で
  ・before:頭がイガイガの肩位
  ・after:完全に頭が肩を超えてるやん
  (言動は相変わらずだがw)
 って感じで、これ位モデルチェンジしないと、やっぱ中3~高校生には見えん
 だろうとw

 そんなキャラデザを象徴するように、作品の雰囲気としても
 ・大自然の中でノビノビと
 ・島民皆が家族的な付き合いでハートフル
 ・1打の緊張感のない”遊び”としてのゴルフ
 全体的に”緩く優しい世界”で描かれているという感じですね。

・時代の最先端?! かなりインテリジェンスが高いゴルフ作品
 ただ上述の”優しい世界”に反して、ゴルフシーンはかなり密度が高いです。
 例えばとんぼは
 ・通称「3鉄」(父の形見の3番アイアン)1本であらゆる球を打ち分け
 ・それを遊びの中で独自の感性で磨き上げた
 という「自由奔放なゴルフ」なんですが、これをイガイガが
 ・フォーム(肩の入れ方やスタンス、スイングの軌道等)
 ・クラブ捌き(フェイスやシャフトの使い方等)
 から何故打ち分け可能なのかを事細かに理論的に解説していくという。
 またゴルフコースについても
 ・このコースの設計意図
 ・プレイヤーの攻略作戦
 といった「設計者 VS プレーヤー」といった構図で面白くみせてくれてい
 ます。
 人によっては「いちいち理屈をこねてうんざり」と好き嫌いが分かれそう
 ですが、個人的には
 ・イガイガの解説が的確で演技もよく分かりやすい
 ・アニメの利点を活かした作画・演出が効果的で見やすい
 ということで
 「ゴルフも奥深さを知るとこんなに面白いのか!!」
 と高評価ですね。
 (たった1打に「どんだけ情報が詰まっているねん!」と素直に驚きw)

 ゴルフ作品といえば最近だと『BIRDIE WING』がありましたが、あちらが
 「とんでもゴルフで勝負の熱さをみせる」という(少し昭和臭のする)作
 品だったので、ある意味対極的な位置付けになるのかなっと。
 ちょうどサッカーだと最近の『アオアシ』『ブルーロック』辺りは「個人  
 戦術」や「ゴールアイデア」といった、やはり情報量が多く、サッカーの
 奥深さをインテリジェンスでみせる作品にシフトしてきているので、やは
 り本作もそういう最新の流れを汲む、インテリジェンスが高い作品という
 印象ですね。

ストーリー的には
・島の世界しか知らない才能ある野生児・とんぼが
・(落ちぶれた元プロ)イガイガと出会い、新たなゴルフの世界を知り、島の
 外の世界へ飛び立っていく
という王道展開ではあります。
ただ「勝負の世界」というシリアスさがなく、1期は仕込みに終始したという
感じなので、少しメリハリに欠けるところはあるのかなっと。
しかし
・イガイガや他のキャラとの出会いによるとんぼの成長をしっかりみせ
 (これも出会いによりクラブが1本づつ増え、キャラ名をクラブにつけると
  いう演出が上手い!)
・インテリジェンスが高く、ゴルフの奥深さを提示しちゃんと面白い
という、かなり良く出来た作品だと思います。
2期も決定しましたし、とんぼも「競技ゴルフ」の世界に足を踏み入れること
になるので、その辺りは今後に期待ということで。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Blowin' in the Wind

ゴルフ雑誌掲載漫画のアニメ化。
原作は2014年から既刊49巻しかもまだ連載中らしい。

またおじいちゃんの昭和センスゴリ押し企画かと思えば…。
今のバズってナンボな露悪的な要素が皆無な心地よさ。

アニメ化記念で漫画が数巻無料!

よくあるやつと言えばよくあるやつ。ドロップアウトした元プロが田舎娘の才能に魅せられ彼女の成長と共に自身もまた自分の人生を取り戻すヒューマンドラマ。飛び道具に頼らない地に足のついたキャラクター造形で、ゴルフのディティールにもきちんとロジックがある。緻密に計算された設計を微塵も感じさせない嫌味のなさには古沢優氏による味わい深いキャラデザも貢献。気の抜けた作画のようでゴルフ素人にもわかる画面の説得力。見た目はのんびりでも毎回が怒涛の展開でしっかりとヒキもある。長らく愛されてきた作品を使い捨てシノギアニメのネタにすることを許さなかったゴルフダイジェスト社は日本の誇り。


13
面白かった。個人的今期トップ。

子供を持つ親視点で観れるなら古き良き昭和的ノスタルジー感もある比類なき傑作。しかし若者にとってはショッキングなフックも奇抜なアイデアも魅力的なルックスのキャラも皆無だし道徳の教科書的なお上品な健全さなのでなかなかに退屈かも。いい意味でも悪い意味でも大人向けなんだと思う。ゴルフ専門誌でのんびりと競争にさらされない環境だからこそ継続できた感。刺激的な展開が求められる少年誌なら即打ち切りでしょうね。

中高生は軒並みVtuberに流れてるし円盤もグッズも売れるとは思えない。鬼滅の成功によって「アニメは儲かる」との認識が強くなり、漫画原作や古典掘り起こしなどで一気に作品数が増えてきたが、こういうバズ狙いから距離を置いたある意味採算度外視な作品がアニメ化出来るのも市場が広がったおかげでもある。

2期確定も既定路線でしょう。しかし今期と違って次はよくあるJKおっさん趣味ものと同じ構図になってしまう。安易な可哀想プロレスにならずにそこでも独自性を貫けるか否かが勝負どころ。ライバルキャラを先出ししてるのである程度は安心出来るがゴルフ勝負ばかりのバトルものになってキャラデザ勝負になるとちと分が悪いかも。でも瞳ウルウル膝テカテカしたとんぼは見たくないのでこれでいい。

いっちょかみ中抜きビジネスに巻き取られなかった奇跡のガラパゴスアニメ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

この作画じゃ期待できない… からの内容良好。過疎の島での暮らしも興味深い

作画を見てまあいまいちだと思ったのですが…
内容は結構良かったですね。

主人公は… どっちだ。男は元プロゴルファーで、挫折しただか色々あったらしく過疎の島で就職目指す。
そこでダイヤの原石のような少女に出会う… という。
ゴルフ描写もちゃんとしているしヒロインは可愛らしく、過疎の島での生活が興味深い。

ちょっと見たいと思えました。
ただ絵柄的に華はないのは確かなので… 考えます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

69.8 31 2024年度アニメランキング31位
ゆびさきと恋々(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (142)
381人が棚に入れました
この手で「好き」って伝えたい…。 累計発行部数360万部突破(電子含む)、各種賞にランクインし、SNS などでも多くの反響を集める森下 suuが描く『ゆびさきと恋々』。 女子大生の雪は、ある日困っているところを同じ大学の先輩・逸臣に助けてもらう。 聴覚障がいがあって耳が聴こえない雪にも動じることなく、自然に接してくれる逸臣。 自分に新しい世界を感じさせてくれる逸臣のことを雪は次第に意識し始めて…⁉ 聴覚障がいのある女の子・雪と世界を旅する大学の先輩・逸臣のピュアラブストーリーがはじまる。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 少女マンガ的な感じが好みではないので視聴中止します。

1話 2人のやり取りがさっぱりわからない。僧侶的な何かなんでしょうか?

{netabare} 僧侶的な何かかと思ってたら、ラブストーリーでした。で、聴覚障碍者の女の子の恋愛なんですけど…うーん、ルッキズム?ちょっと2人の心のやり取りがまったくわかりませんでした。予告編だと私に戸惑わなくて…とか言ってましたけど…それでいちいち惚れちゃうの?

 一旦障害は横においておきましょう。

 雪の世界に入れて???なんでそうなるの?あの店の2人はいかがわしいことこの上ないですが、女子の好きなタイプと言うのは分かります。男が好む作品で、ロリ巨乳のドジっ子JKがセーラー服で店でバイトしているようなモノでしょう。そのマインドと同じで、一目ぼれとか或いは「助けてもらった」「特別視しない」というもっともらしい理由をつけて興味を持つのはいいでしょう。

 ただ…うーん…分かりません。リアリティが全く感じられません。とりあえず付き合ってやることやるだけの話なんでしょうか?遊ぶだけ遊んで捨てるつもりが心惹かれてという展開だということ?いや、結局女子にとってのリアリティというものをやっぱり私が理解していないということだと思いますが…

 障碍者とのボーダレスという点では特別な意味付けをする必要はないと思います。まあ、きっかけの一つでというのはいいでしょうけど…

 あまりに分からな過ぎてかえって興味があるかも。何が描きたいの?登場人物多いけど群像劇…じゃないですよね?ゆびさきって手話の事ですよね?

 それとも消防士というか僧侶的な何かなんでしょうか?女性なら理解できるんでしょうか?まあ100%女性原作でしょう。 {/netabare}


2話「いっそ安全なところにいてくれればいいのに」というセリフが琴線に触れました。

{netabare}  中盤で「いっそ安全なところにいてくれればいいのに」というセリフが無ければ2話切りだったかも。その後、ラオスに行く=世界が広がるという展開の前振りかな?

 かなり評価しているアニメ映画版の「ジョゼと虎と魚たち」がまさにこのテーマだったので、琴線に引っかかりました。もしそこを描いてくるなら見たいかも。ラブの理由は前提として受け入れて見た方が素直に見えるのかもしれません。

 先天性で、手話と筆談とスマホとリップリーディングと補聴器を全部使う人って珍しい気もするのですが、その辺はリアリティあるんでしょうか?ここは知識不足で適当な事は言えませんが、ちょっと気になったので調べるかも。{/netabare}


3話 エピソードの連続とポエミーなモノローグだけの感動ポルノに見えなくはない。

{netabare} うーん…話になっていない気がします。小さなエピソードの積み重ねが延々とあるだけで。モノローグで恥ずかしいポエムを延々と聞かされて、エモい場面が連続するだけです。

 聴覚障害で問題がある場面があっても、周囲の人が全部解決してしまいヒロインの苦労として描かれないので、真面目に描いている(つもり)なら申し訳ないですが、感動ポルノとしての障害に見えてしまいます。

 その点で言えば、手話ノートは例えば小学生とかなら心温まる話なんでしょうけど、大学生がやることか?という気がします。スマホ持っているというこはネットでもユーチューブでもいくらでも動きがある手話学習ができますし…

 うーん…あと1話だけ見て判断しますが、印象としては昔はやったケータイ小説のような物語のないエピソードの連続で終わってしまいそうな気がします。{/netabare}


4話 少女マンガ的な感じが好みではないので視聴中止します。

 あまり障碍が活きていなかったと思います。いろんな立場の人を作品に登場させるのはいいと思いますし、そこに意味性を持たせようとしすぎるとおかしなことになるのでそれはある意味いい事なのかもしれません。

 しかし、肝心のストーリーというか感情の動きが理解不能でした。場面中心の少女マンガ的な表現が多く、読み取れる人にはちゃんとわかるのだと思いますが、私には無理でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ろう者との一種の「異文化」交流

『日々蝶々』などの森下suuによる原作漫画は、『デザート』(講談社)にて連載中(既刊10巻、原作未読)。
アニメは、全12話(2024年)。監督は、『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』、『かくしごと』などの村野佑太。制作は、『北斗の拳 イチゴ味』、『本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません(1期と3期)』などの亜細亜堂。
(2024.4.19投稿、5.22加筆修正)

【あらすじ】
生まれながら耳が不自由(ろう者)な大学生・糸瀬 雪(CV.諸星すみれ)は、見知らぬ外国人から外国語で話しかけられていると思って困っていたところを同じ大学の先輩・波岐 逸臣(なぎ いつおみ:CV.宮崎遊)に助けられる。イケメンで「初対面でも私と会って戸惑わない」逸臣に興味をもった雪は、次第に逸臣との距離を縮めていくという恋愛もの。美男美女カップルなので、それぞれの恋のライバルとの絡みもあります。


【ろう者との一種の「異文化」交流】
予めタイトルの「異文化」に誤解が生じないよう断っておきますが、日本のろう者が日本人と異なる文化をもっているという趣旨ではありません。

私は、ろう者を受け入れる体制が整った中学校にたまたま通っていたので、ろう者のクラスメイトや後輩がいました。その実体験もふまえて、完全な異文化交流ではないけれど、異文化交流と似た側面があるという趣旨で使っています。


まず、彼らは、聴覚障がいの程度にもよりますが、補聴器から聴こえてくる不鮮明な音と相手の唇の動きを読む読唇術の組み合わせによって、相手の言ってることを「概ね」理解します。

したがって、ろう者と「十分な」コミュニケーションをとりたい場合は、指文字や手話を使った方が望ましい(ただ、周囲のちょっとした工夫、例えば、口をちょっと大げさに動かしたり、筆記を用いたりすれば、日常会話で困ることはほぼありませんでした。)。

指文字や手話は、日本語ベースなので完全な外国語ではないのですが、相手とより十分なコミュニケーションをとりたいと思った場合に必要になってくるので、外国語の習得と似たようなところがある。

本作でも、外国語を習得するにはその言葉を話す人を恋人にすればいいとよくいいますが、逸臣は雪に対する興味に比例するかのように指文字や手話に次第に興味を持ち始めていきます。


次に、ろう者は、当たり前ですが聴覚からの情報がないか少ない。これは、もちろん不自由な点ですが、彼らはそれを補うための独特の感性をもっている。

現在の補聴器の性能は私が学生だった数十年前と比べて相当上がっているようですが、補聴器の補助と読唇術による会話は完全ではありません(本作では、さらに文脈や過去の経験をあわせて考えて、ちょっと素敵な聞き間違い(「ギ」と「キ」)をしていますが、こういった勘違いはよく生じます。)。

また、当然、相手の口が見えないと何を言っているのかわからないので、横を向いて他の人と話したり、(一人の口しか見れないので)大人数で話したりしていると結構不安みたいです(本作にも同様のシーンがあります。)。

そういった場合は、本作の主人公である雪もモノローグがすごく多いのですが、断片的な情報からものすごく色々なことを考えているようです。

なので、勘違いを正したり状況の説明をしたりせずにいると想像がどんどん膨らんでいく場合があるため、できるだけ確認していく必要がある(本作では、逸臣が自然にそれをやってましたね。)。

確かに、煩わしいと思うかもしれませんが、本作のりん(CV.本渡楓)もそうでしたが慣れてしまえばそうでもないし、音のない(もしくは少ない)世界にいる彼らの感性は、音のある人と少し違う面がある。

特に彼らは音以外から得ている情報量が多い。相手のちょっとした手の動きや顔色などから、そんなことまで感じているのかとよく驚かされた(的外れすぎて驚いたこともありましたが(笑))。
当時はそんなつもりはありませんでしたが、今思えば、それがちょっとした一種の「異文化」交流みたいな感じだったなあと。

本作でも、逸臣は海外旅行好きで異文化交流も大好きなのですが、海外旅行と同様に違った感性を持った人と出会った驚きや喜びが表現されていると感じました。


最後に、日本の聴覚障がい者は、40万人(300人に1人)らしいので、極めて珍しい存在ではないはずです。しかし、日本では、「特別支援学校」に通うことが多いため、ある意味、一般社会から隔離されている面がある。

それが、上のあらすじでも書いた「初対面で私と会って戸惑う」といった「心理的な壁」を生んでいる原因でもあるのですが、そういったところで大切にされて育ってきた彼らは、本作で逸臣も言っていましたが、すごい純粋だと私も感じました。

そういった雪のもつ純粋さに逸臣が惹かれていくところも本作の魅力の一つだと思います。


【「周囲と違った魅力を持つ人はモテる」(2024.5.22加筆修正)】
私が本作を「異文化」交流と評した一番の理由は、例えば、日本に来たフツメン留学生が可愛い日本人の妻と結婚して帰国したり、その逆もまたよく見ていたりしたので、「周囲と違った魅力を持つ人はモテる」という実感があって、本作がそれと同じだと思ったから。

本作の雪と逸臣が惹かれあった理由って、お互いの外見というより(外見ならエマ(CV.東山奈央)でもいいわけで)、私は基本的にそこ(周囲と違った魅力)にあると感じたので、異文化交流と同じだなあと思ったわけです。
したがって、障がい者が出てくると度々問題となりますが、本作は、主に身体障がい者を同情・感動を誘うコンテンツとして消費する「感動ポルノ」にあたらないと私は思います。

私の恋愛ものの評価基準は、容姿以外の恋に落ちた理由が納得できるかどうか。
本作は、私のような経験のある人の方が共感できる部分が多いのかもしれませんが、異文化交流と同じように異なる境遇の人に対する想像力があれば、雪と逸臣がお互いに惹かれあう理由が十分に納得できる作品だと思いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

聴覚障害の描写はよかったが・・・キャラ描写に違和感

【レビューNo.115】(初回登録:2024/3/24)
コミック原作で2024年作品。全12話。

(ストーリー)
聴覚障害を持つ女子大生糸瀬雪は、困っているところを波岐逸臣に助けて
もらう。実は逸臣は同じ大学の先輩で国際サークルに入っていて、バック
パックで海外を飛び回る学生生活を送っているのだった。
耳の聞こえない雪にも動じることなく接してくれた逸臣に、少しずつ雪は
惹かれていく。

(評 価)
・聴覚障害の描写はよくできていた
 ・主人公は聴覚障害を持つ女子大生・雪ということで、この聴覚障害の
  描写はホントよかったと思います。
  ・手話から始まり、最初逸臣のキャラデザをみたとき「唇」が特徴的
   で凄く違和感を覚えたのだが
   → 後に雪が「唇の動きを読む」という描写があり、そのために唇
     を細やかに動かす必要があるということで凄く納得できた。
  ・それから
   ・背後から不意に近寄り触れられると(足音が聞こえないので)ビ
    ックリする。
   ・聴覚障害がネックになって、なかなかバイトが見つからない。
  といった描写は、言われてみれば「なるほど!」なんですが、普段だ
  と健常者には気づかないわけで、特にバイトの話は個人的にかなり衝
  撃を受けましたね。
  それでいて、聴覚障害を前面に押し出した「感動ポルノ」的な創りで
  なく、「雪の日常の一コマ」的な自然な描写は好感が持てましたし。
 ・また逸臣の
  ・バックパッカーで感性が日本人離れしているところがある。
  ・「言語習得マニア」的なところがあり、「手話も言語のひとつ」と
   いう捉え方をして雪と関わっていく。
  というキャラ造形は自然さがあり、この辺りはよかったと思います。
 
・ラブストーリーというかキャラ描写に不満が残る
 ・主人公・雪が逸臣に少しずつ惹かれていく描写はかなり丁寧で納得感
  もあり、この辺りは上手く描けていたのかなっと感じました。
 ・しかし逸臣の方の描写が・・・
  「『雪』という名前のように『白く無垢な純心さ』に惹かれたのかな」
  と感じる部分はあるのですが、全体的に
  「はじめから都合よくイケメン男子に惚れられた」
  という唐突感が凄くて・・・
  まるで「わた婚:清霞様」を彷彿させるような女性原作者さんの妄想
  「『理想の王子様』を描きたかっただけなんかい!」
  という感じが拭えなかったんですよね。
 ・逸臣については、会って間もないのに「頭ポンポン」がネット上で物
  議を醸したらしいのですが、個人的にはこれより
  {netabare}「俺を雪の世界に入れて」{/netabare}
  の方が、「こいついきなり何言ってんだ?!」って感じで「ムリ!」
  って思ってしまいました。
  女性的にはこういうセリフがグッとくるのでしょうか?!
  上述したように逸臣は感性が日本人離れしているところがあるので、
  「こういう距離の詰め方が逸臣らしい」
  と言われれば、そうなのかなあとしか言いようがないのですが。
 ・それにこの2人以外の登場人物も「親友」「恋敵」等のサブキャラに
  魅力がなく
  「こういうキャラがいた方がエピソード創りやすいよね♡」
  みたいな原作者都合が透けて見えるというか・・・
  サブキャラの掘り下げなんかもあるんですが、それを見ても「とって
  つけたような」という印象の方が強いというか、こちらに積み重って
  くるものがないんですよね。極論でいうと
  「2人を引き立てるために、他のキャラが存在する」
  という構図に見えてしまうみたいな。

・雪というキャラへの思い入れが強すぎる?!
 こういう表現が適切かどうか分からないですが、感覚的には
 ・原作者はある意味雪というキャラへの思い入れが強すぎる
 ・それ故に「雪目線」で視点が固定されてしまい、物語を大きく俯瞰
  できていないようにも感じる
 という印象かな。なのでキャラの造形が
 ・雪:凄く共感できる「理想的な主人公」
 ・逸臣:雪からみた「理想の王子様」
 ・サブキャラ:雪からみた「都合よく関わってくる存在」
 という構図に見えてしまうみたいな。
 そういう意味では、雪にしっかり感情移入して視聴できれば
 (「雪目線」ではきれいな世界が構築されているので)
 「理想的なストーリー展開で凄くいい作品だった!」
 と感じられる反面、私のように1歩引いてしまうと
 「何だか歪な世界に感じてしまう」
 という評価になってしまうのかなっと。
 そういうところが少女漫画原作らしいといえばまま納得感もありますが。

「声」に頼らず「手話」「読唇」「筆談」で2人の時間を紡いでいく描写は、
美しく愛おしさを感じましたし、聴覚障害の描写はよくできていたと思いま
すが、ラブストーリーというか主人公以外のキャラ描写に違和感を覚えたの
は残念でした。
特に物語に厚みや深みを出すために、サブキャラを魅力的に育てるってかな
り重要だよなって感じましたね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

69.6 32 2024年度アニメランキング32位
BURN THE WITCH #0.8[バーンザウィッチ ゼロポイントエイト](TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (39)
221人が棚に入れました
久保帯人によるもう一つの尸魂界 2人の魔女の前日譚アニメ化

69.2 33 2024年度アニメランキング33位
マッシュル MASHLE 神覚者候補選抜試験編(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (142)
544人が棚に入れました
誰もが魔法を使い、その優劣が全てを決める魔法界。人里離れた森の中で、日々筋トレの鬼と化す少年・マッシュの秘密は、魔法が使えないこと。その秘密を他人に知られた時、日常は一変!! なぜか魔法学校に入学し、トップを目指すことに…!? 鍛え上げた筋力とパワーで、全ての魔法を粉砕するアブノーマル魔法ファンタジー、ここに開幕!!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

シンプルな面白さ

ワンパンマンがハリーポッターの世界に迷い込んだようなアニメ
1期とだいたい同じなので、雰囲気が好きなら2期も楽しめると思う
シンプルな面白さは健在、安定して面白かった!
{netabare}
魔法が使えない者に人権がないような世界で、魔法が使えないマッシュが友達だけじゃなくちゃんと実力のある人達から徐々に認められていくのがいいですね

欠点はマッシュが強すぎるから戦闘で負けそうな気がしないので悪い意味で安心して見ていられるところ、これはワンパンマンも一緒ですね
キャラクターが好きになれないとだんだん飽きてくるかも

でも私はマッシュと仲間達みんな好きなので楽しめています
ぜひ最後までアニメ化して欲しいです {/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

サルモネラ菌 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

うーん

ジャンプの連載1話目からマッシュル見てた人だけど
マッシュルは面白いとは思う。けど、全世界で大バズりするほどの物語ではないかなと思う。鬼滅と同じ。例えばドラゴンボールが全世界で大ヒットしたのは必然だと思う。でもマッシュルはopの力でヒットしたという感じ。もちろんマッシュルという作品はおもしろいと思ってるし、結構好きだけど、過大評価かなと思ってる。アニメあんまり見ない人が見たら
面白く感じると思う。
・マッシュの人外戦法(褒めてる)が面白い
・キャラへの感情移入が少しできない
・ギャグが時々寒い
・ストーリーに深みがない
・どんどん上へと行くワクワク感がいい
と言う感じで良いところもあり、悪いところもある
というかんじ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今期のOPがむちゃくちゃ良い

Creepy Nuts
あれ?むっちゃいいやんwと思ってたらなんとSpotifyの海外チャートにランクインしたそうな
元々Creepy NutsのR指定はフリースタイルがとんでもスキルの人ですげーなーの記憶の人で曲なんて知らなかった
それがCreepy Nutsで活動してるってのをアニメ夜ふかしの歌で知った
そもそも夜ふかしの歌自体が曲からのイメージで作られたアニメっての聞いてびっくり
アニメの中で流れるロスタイムが気に入って速攻ミュージック開いて検索したけどまだ出てなくてずっと待機してたほど
なのでいずれまたなにかのアニメで曲提供するだろうなーと期待してたので嬉しかった
今回の曲はドレイクのCurrentsにも使われてるドアがリズムよくキーコーキーコー鳴ってるような音が特徴的なサウンドに相変わらず面白い歌詞
マッシュがそれに合わせてリズミカルに踊る

ぜひOPすっとばさずに見てみてね

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

69.2 33 2024年度アニメランキング33位
ダンダダン(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (58)
395人が棚に入れました
霊媒師の家系に生まれた女子高生・モモ<綾瀬桃>と、同級生でオカルトマニアのオカルン<高倉健>。 モモがクラスのいじめっ子からオカルンを助けたことをきっかけに話すようになった2人だったが、「幽霊は信じているが宇宙人否定派」のモモと、「宇宙人は信じているが幽霊否定派」のオカルンで口論に。 互いに否定する宇宙人と幽霊を信じさせるため、モモはUFOスポットの病院廃墟へ、オカルンは心霊スポットのトンネルへ。 そこで2人は、理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。 窮地の中で秘めた力を覚醒させるモモと、呪いの力を手にしたオカルンが、迫りくる怪奇に挑む!運命の恋も始まる!? オカルティックバトル&青春物語、開幕!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

7話 シリアスさのチューニングに違和感があります。これがやりたいの?

1話 方向性はわかりませんが面白い。SARUのアニメ表現は最高だなあ

{netabare} サイエンスSARUは今のところハズレなしの印象です。独特なアーティーなアニメ表現がとても良いです。作画もいいですし。

 ダンダダンですか。名前はかねがねという感じです。こういう話だとは知りませんでしたが。初回はアニメに意識を持っていかれて話を確認するため2回見てしまいましたが、オカルトアクションボーイミーツガール?ホラーヰタセクスアリス?そんな感じでしょうか。

 はじめの格闘シーンで女の子が容赦なくボコられるのが、なるほど攻めた作品だという期待感になりました。その割にスカート鉄壁じゃん、さすがサイエンスSARU。机に座っているときもわざわざ椅子の背でスカートの部分を隠していたので性表現のデオドラントがすごいな、と思っていました。

 で、あのエロい拘束シーンですか。うーん、だったら格闘シーンで見えたほうが不自然じゃない作画だった気がしますが、そこは椅子も含めて演出なんでしょう。下着はシンプルなデザインですけど、肩紐が浮いていたりなかなかの作画でした。薄い本の展開っぽかったですね。性的な内容なのか?と思いましたが、アクションも派手でしたのでどの方向性かわかりません。

 処女を強調した以上、そこはテーマにしてほしいですけどね。これだけ性的な内容を入れたのだから。そこが軽いと単なる少年漫画どまりでしょう。ただ「ギャル」に対する視聴者(読者)への言い訳な気もしますけど。

 心情とか過去をセリフで説明しちゃうのが今どきの少年漫画的でそこでちょっと期待感が薄れましたが、初回のアニメのクオリティーはすごかったので継続視聴します。

 一番最後の「この作品は、実在の人物(○○○を含む)、団体とは一切関係ありません。」の〇〇〇に気づけた人はアニメを注意深く見ている人でしょうね。{/netabare}


2話 思ったよりエロくないいし、がっつりオカルトで少年向け感があります。

{netabare} 考えてみれば「イチモツがない」と言うことは「性的な作品ではない」という宣言なんでしょうか。1話を見るとセックスがテーマに含まれるかとおもいましたけど。
 2話を見ると微エロは見せますけど、むしろ孤独な主人公がヒロインと出会う、ボーイミーツガールなのか、友情物語なのか。何しろイチモツがないですから男女の友情が成立するということかな?そういう話は含まれるでしょう。  

 最後イチモツを取り戻したときにはどうなることか、その辺よくわかりません。去勢された男子=恋愛もセックスも出来ない草食系男子とも取れます。
 名前が話題になる話はそこが結論になるんでしょう。本名でオカルンが呼ばれる日はいつ来るんでしょう?そして、モモがオカルンを高倉健と呼ぶときはどんなときでしょうか。

 思ったより本格的なオカルトで行くんですね。というより変身ヒーローものの亜流の匂いもします。期待よりは少年向けテイストが強いですが、話、テンポ、演出、作画が高水準なので面白く見られています。後半の白黒+赤の画面でこれだけ魅せるのは大したものです。

 それとOPみると2人サブキャラがでそうですが、その辺どういう展開なんでしょうか。味方なのか敵なのか。 {/netabare}


3話 結構普通だったかも。頭を使わないで見られる系かな?面白いけど。

{netabare} 回を追うごとに普通の少年マンガになって行きます。面白いですが展開は一般的なボーイミーツガールものになりそうですね。もうちょっと何かあるのかと期待していましたが、そこは期待外れです。それとも何か仕込みがあるんでしょうか。

 それと、祖母があの若さなのは何かオカルト的なものがあるのでしょうか?「幽遊白書」の婆さんがたまに若くなっていた気がしますけどそれとは違いそうです。理屈では40歳ちょっとで高校生の祖母になれますけど。

 面白いのは否定しませんが、どんどん頭を使わなくなっています。レビューを継続する内容があるかどうかはもう数話見極めたいと思います。{/netabare}


4話 汚いセリフと表情が良かった。ターボババアの出自が今後活きるのか?

{netabare} 追いかけっこのシーンは迫力はありますが、こういう速いだけの作画というのはあまり好きではないです。ただ、汚いセリフのテンポが快感になります。ウイリアムテル序曲をベタに使いながらもセリフと効果音が効果的で耳的には非常によかったです。

 それとこの作品はむしろ止め絵の方が気に入っていて、人物の作画のカメラアングルと表情が非常にいいですね。この作品の特筆すべきところでしょう。

 追いかけっこで終わるのかな、と思っていたらターボババアは「理不尽な死」と言葉を選んでいましたが、凌辱され殺されたた少女の怨念ということですか。だから、イチモツを切り取る妖怪だったんですね。このターボババアの話が今後なにかあるんでしょうか。イチモツが戻ってもタマがないのかな?

 カニはちょっと「デビルマン」の「ジンメン」をオマージュしている感じでした。ところでなんでカニなんでしたっけ?意味がありそうですけど。
 カニが温泉で赤くなるのか?と思ってちょっと調べたら40度くらいからすこしずつ赤くなるみたいですね。固くなるのは60度からだとは思いますが。{/netabare}


5話 恥ずかしすぎる青春劇に悶えましたが、そこが良かったです。

{netabare} 青春劇が恥ずかしすぎて悶えてしまいます。ギャルとオタクはもはやテンプレですし、ギャルのパワーで恋愛描写を省略したり恥ずかしさを相対化する機能だと思っていましたが、本作は思いっきり内面を描いた恥ずかしい青春もの展開でした。
 だが、それがいい…という奴ですね。キャラの性格造形と立ち位置を深掘りしつつ、短い時間で面白く丁寧に描写しました。内面を自分で説明しているのでわかりやすすぎますが、テンポが良すぎるぐらい良いし、ギャグテイストでやっているので気になりませんでした。

 それにしても、日常パートの作画が本当に素晴らしい。前半の学校のシーンの2人の表情がたまらないですね。コミックとアニメのいいとこどりをしたような感じで、これこそがアニメ化の意味ですね。これは本当に良かった。「ダンジョン飯」とか本作とか見ると、日本のアニメはまだまだやれると思わせてくれます。

 それとあのピンク髪の娘はゲストではなく続くんですね。なかなか濃いキャラで期待が持てそうです。

 コミックスをポチリたいのを我慢しています。アニメをフレッシュな気持ちで見たい作品ですけど…読みたくてしょうがないです。 {/netabare}


6話 体感時間5分の圧倒的テンポ。1週間のロスがきつい。

{netabare} アイラが金の玉を拾ってポケットに入れるシーンのカメラワークのレベルの高さに魅了されてしまいました。もちろん、話も面白い、キャラ立ちがすごい、演出もいい、何よりテンポですよね。

 コミックのアニメ化はこの作品のテンポを見習ってほしい。コミックの段階からこのテンポだとしたら、削ることを知っている原作者なんだと思います。全部だらだら見せて、聞かせて、説明するのではなくとにかく怒涛のようにすすめる…それでいて話を見ていれば説明の必要がない過不足のない作りこみ。つまり推敲がきちんとできている考え抜かれた作品ということでしょう。

 ストーリー、演出、作画、カメラワーク、テンポ、声優あらゆる面で最高です。

 恋愛の部分もいいですね。可愛い事に気づくって…甘酸っぱすぎるでしょう。ボーイミーツガールにふさわしい展開です。それにモモの友達のギャル達がいい子すぎます。
 声優さんに金玉とかクソダラと言わせる光景もメタ的に想像して1粒で2度おいしいですね。

 という事で今週もさっき見始めたと思っていたら体感5分で終了です。1週間のロスがきついなあ…それにしてももう6話かあ…分割2クールであってほしい…いや、4クールでもいいですよ?{/netabare}


7話 シリアスさのチューニングに違和感があります。これがやりたいの?

 アニメ作品はきれいごとだけでは奥行が浅くなるので、つらい事や悲しい事、痛い事、ストレスがたまる事など必要があれば描くのは避けるべきではないと思います。

 ですが、どうでしょうね。この作品のチューニングとして今回の後半の回想をあそこまで丁寧に描く必要があったのか。主要キャラ2人とターボババアに同様の出来事があるんでしょうか?
 例えばターボババア発生の原因となったのか知りませんが過去犠牲になった女子学生たちのことを描いているなら今回の回想はわかります。しかし、実際にはこのレベルの悲惨さは他の主要キャラでは描いていません。

 そこの違和感はかなり強く感じました。つまり、妖怪退治で過去の悲惨な出来事を掘り起こす話になってしまうのでしょうか?そういうじめじめした部分を省略することで、深味とサラリとした部分を両立するのが良かったのにと思わなくはないです。この深掘りがやりたいのなら、主要キャラのどちらかで初めの内に見せておくべきでした。

 要するに今回の悲惨さとか女の辛さが主要なテーマであるとか、キャラたちの過去を深掘りするとか、アイラのキャラ描写に役立つならいうことはありません。ただ、何で突然この妖怪の深堀りだけするの?というのが本気でわかりません。
 そして、この7話が面白くないとはいいません。エピソードの出来が悪いとも思いません。ですが、チューニングというかバランスが非常に悪いなあと思いました。そして、ちょっと悲惨さがテンプレな気もしますので、その点でもっと短く描いても良かった気がします。

 はじめアイラの実の母だと勘違いしましたが、葬儀のシーンを見ると違う人みたいですね。その割に父親の淡々とした感じに違和感はあります。悲しみをこらえて虚無になっている感じでもないし。そこにまだ設定が残るのかな?アイラの母親も今回の妖怪と同じだという読みとり方も出来なくはないですが…

 ということで、本作の初の減点項目ですね。こういうシリアスがやりたいなら1~6話の導入がちょっと違う気がします。引き延ばしが始まらなければいいのですが。
 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

掴みバズり優先と、笑えないワチャワチャ問題。opは見事。

 opのセンスが良くて惹きつけられて見てみたが、とにかく今時の当てようとしてる作品お共通の個人的不満点を兼ね備えてる感じで少々ゲンナリ。


 まず、掴みはオッケー!重視でとにかくいきなりわかりやすく、バズりやすいようなフックを矢継ぎ早にかけようとしまくるが…。その意図ありきすぎて有機性がない…、早くやんないと今のネットで読む読者は逃げんちゃうんだよ!って焦りが見えすぎる感じで本当に心を掴まれてワクワクしない。


 あと、シリアスやイイ話とワチャワチャでメリハリをつけようとしてるんだろうけど、ワチャワチャがテンションだけで笑えないから寒いし、これも無理にやってる感あるから有機的なキャラに感じられない。現実にいるような人しか認めない!なんて言わないが、いくらなんでも切り替えが極端過ぎるのはねぇ…。


 結局、物語もキャラも丁寧かつ大胆に積み上げていく、という面倒だろうと王道の道以外に道はなし。魔法のような一発逆転なんてない。目に見えない地味な筆力だけが底力となる。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ウルトラマンオマージュ

サイエンスSARU制作。

幽霊肯定派の女子高生綾瀬桃と、
同級生でオカルトマニアの高倉健、
彼らは心霊スポットのトンネルで、
理解を超越した圧倒的怪奇に出会う。

好みの世界観もありこれは楽しい。

{netabare}廃墟の病院では、悪霊に妖怪に宇宙人、
生者も死者も入り乱れての激しい応戦があり、
能力が開花する少女と呪われた少年、
2人は迫り来る怪奇や不思議な現象に挑む。{/netabare}

声優も音楽も贅沢でいいですね、
映像表現からは迫力と勢いを感じ、
動きも大きく戦闘に臨場感がある。

奇々怪々な物語が面白い。

今期楽しみにしていた作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

69.2 33 2024年度アニメランキング33位
ラーメン赤猫(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (94)
262人が棚に入れました
猫だけで営むお店『ラーメン赤猫』、そこにバイトの面接で訪れた人間の珠子。正直に犬派と答えた彼女はあっさりと採用が決まり、任されたお仕事は猫たちのお世話係。ブラッシングを通じて垣間見える猫模様に、様々なお客様が織りなす人間模様。身体も心も温まる『ラーメン赤猫』、愛しさ大盛り、召し上がれ。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

猫と経営と日常の素晴らしい融合。面白いけど、惜しいのはテーマ性。

 人種差別のアナロジーとかコミュニケーション論とかいろいろテーマ性はつけられると思いますが、それは牽強付会でしょう。どちらかと言えば、経営と猫という2つの異質な要素の優れたミクスチャーと見ればいい気がします。

 その点では素晴らしい作品でした。猫あるあるにとどまらず、経営と猫の緻密な設定から面白く興味深いエピソードを作り上げていました。高く評価したいと思います。

 ただし、です。その構造にテーマ性をもう少し入れられなかったのかな、という気もしなくはないです。何か軽くてもいいので主義主張があればもっと興味深く見られたのかなと思います。
 最終回に至ってタマコの過去が清算された気がします。その構成は大変良かったですが、クリシュナの虎・製麺、佐々木さんの経営者、サブのゲーム、ハナのアイドル設定などエピソードのネタどまりになった気がします。

 ですので、名作・秀作認定はできませんし、わかりづらくてよくわからないけど引っ掛かりがある話でもありません。よくできた日常系の範囲にとどまってしまったかなという気がしました。ですので再視聴のモチベーションがわくかちょっと疑問です。1年後くらいに再評価されるかどうかでしょうね。

 ですので、評価はオール4。面白さ、設定のすばらしさをストーリー・キャラに加味して4.5とします。





1話 いや、毛がメインテーマかい!という突っ込みを入れたくなる。

{netabare} 猫を飼ったことがある人はご存じでしょうが、猫の毛はすごいです。猫の苦労は、スプレーと爪とぎさえしつけられれば、毛との闘いと言っていいでしょう。毛はどんなにいい子でもどうしようもないです。
 ですので、本作も猫がラーメン屋とか無理だろうけど、まあフィクションだからそこはスルーして見ようか…と思い見始めました。「いや、毛がメインテーマかい!」と言う感じです。

 この設定で出オチ以外に何かできるのか、興味があります。ラーメンに主題はいくのか、それともお客さんのゲスト物語なのか、個々のキャラの深堀りなのか。猫好きとして内容は数話は確認したいです。

 それにしても、釘宮さんと早見さん、最近また活躍が増えてます?{/netabare}


2話 面白いです。猫設定をちゃんと活かせています。ただ、偽格言とサブタイが機能してないかも。

{netabare}  なるほど…面白いです。通常のラーメン屋物語では成立しない猫だからこそ、猫を活かして話がうまくできていると思います。その点で後半は普通にわかりやすかったです

 前半はタマコさんがなぜお客さんから受け入れられたかが、ちょっと読み取れませんでした。猫だけだから繁盛しているわけじゃない、という意味なんでしょうか?もちろん「ハナちゃんのプロ意識」がサブタイトルですから、その話なんでしょうけど。プロ意識が空回りしているのがちょっとハナちゃんが可哀そうな感じでした。後半のギョウザ無料券を渡すところも含めてかな?

 それと、好奇心は人をもころす…という導入の意味がよくわかりませんでした。これは後半の実況者にかかっているの?タマコさんは余計なことはしなかったし…
 製麺機のちょっとした下りでも、ちゃんと猫(虎)であることのハンディキャップと手打ちの話が入ったりして、次以降に繋がりそうで話の作り方は上手いと思います。
 ですが、どうもサブタイトルと冒頭の偽格言が活きているかなという気はしました。

 とはいえこれは気楽に1クール見られる奴ですね。ED後のショートコーナーが面白いです。 {/netabare}


3話 結構作品としてレベルが高いことをやっている気がします。面白いし感心します。

{netabare} 今週気づいたのが、ハナちゃんの耳の花はちゃんとピアスの穴をあけてるんですね。そして花が変わります。ちゃんと女の子してました。
 あと「水曜日のカンパネラ」って、テレビ番組の名前だと思ってたら、アーティストだったんですね。で、辮髪の子が歌ってるのはそういう中華風のチョイスをしたんでしょうか。なかなか癖のあるいい曲ですのでちょっとチェックしてみます。

 今回はラーメン屋としての売りの問題ですね。手打ち麺は前回からの続きで結局売れているかどうかわからないというのは、次回以降で何かあるのでしょうか。クリシュナちゃんが性格の割にプライドが高いのが分かるし、そのプライドは本当に経営と比べて優先すべきなのか?が描かれました。
 それとスープの味の方は、ちゃんと猫の性質についてネギ中毒と塩分(腎臓をやられて本当にすぐ死にます)の話が絡んでいるのが工夫です。

 イケメン問題はちょっと猫の審美眼が気になりましたが、最後のショートコーナーで回収していました。

 この原作者は単なる猫あるあるじゃなくて、猫を物語に昇華しています。それぞれの猫の性格も虎が混ざっていることも活かしているし。結構、レベルが高いことをやっていると思います。1つの店の話でクオリティを落とさず少なくても3週続きました。今後も期待します。とても面白いです。 {/netabare}


4話 原作者は経営に携わったことがあるのかな?

{netabare} 猫は「寝子」らしいですから、当然寝る話は出てくるだろうなと思ってたら、やっぱり出ました。寝かしつけられる話だとは思いませんでしたが。最後のオチがシャンプーの香りというのが、なんとも言えない味があります。ゲーミングPCのところでは、寝起きのシャーがありましたし。

 で、商工会議所にも参加しているんですね。商工会ではないところから大きな街だということはわかります。

 手打ちラーメンはやっぱり一つの軸になってくるのでしょうか。少しずつ前進しています。クリシュナちゃんの人件費というか猫件費がかかっているなら、当然、手打ち麺の比率が上がれば利益率はかなり改善しますよね。廃棄が減るのもそうですが、1回の製麺にかかるコストは一緒ですから。そこに付加価値を載せられるなら当然でしょう。ただ、仕入れている麺の廃棄問題がありますけどね。お客様のニーズに合わせてハーフをすぐに提案するなど、この辺はちゃんと筋が通った話になっています。

 商工会議所、原価率、人事関連のエピソードもありましたし、原作者は経営に携わったことがあるのでしょうか。妙に生々しい話が出てきます。

 そういえばゲーミングPCが買えるなら、結構給料もらっているのでしょうか。{/netabare}


5話 面白さでは今季ナンバー1候補です。本当に話の作り方が上手いです。

{netabare} 単純な面白さで言えば今季ナンバー1です。今のところ候補ですけど5話時点でこれなら1クールならそうは変わらないでしょう。
 猫あるあるに逃げないでラーメンと経営、猫好きの人間という視点を組み合わせてエピソードにするところが本当に素晴らしいと思います。

 今回は「換毛期の猫の毛」「猫好き」の両面からいろんな人物に焦点を当てていました。ヒロイン雇用の前日譚としてなぜ猫好きじゃないというのが雇用条件だったのかも自然に説明できていますし、クリシュナのイライラの見せ方も良かったです。
 クリシュナの毛玉も何かいじってくるかな、と思ってたら全然絡まないのでちょっともったいないと思ったら、最後にやっぱり使ってましたね。{/netabare}


6話 中間総括。擬人化ではなく、猫あるあるでもなく。発想が特異です。

{netabare} CEOですか。この作品の特異性はこの辺でしょうね。

 半分経過ですので総括すると、擬人化の様で擬人化じゃない、猫そのものです。猫あるあるの様で猫あるあるじゃない。人間から猫に向ける視線は愛玩動物としてのそれですが、しかし、店のクオリティも認めている。アニメにおけるしゃべる動物はたいていはマスコットどまりかファンタジーですし、本作は実に特異な作品です。

 一旦見方を戸惑うとひょっとしたら面白さが伝わらない人もいるかもしれませんし、それはしょうがないと思います。覚めてみればこんな荒唐無稽な話もありません。

 それだけに話の作り方は難しいでしょうけど、上手くラーメン店を丁寧に設定することで、ネタは今のところダレは感じません…と言いたいところですが、6話はちょっとダレたかな、という気がしなくはないです。

 6話は少し同じネタが重複してきたかな…と思わなくはないです。ただ、クリシュナの出自とかハナの感情の変化とか相変わらず上手く描いています。最後のギョウザの件も黒猫の性格を上手く拾っているので、それほど心配することはないでしょう。

 終わってみれば、今季NO1は言い過ぎかもしれませんが上位作になると思います。{/netabare}


7話 「照猫画虎」が気になります。スイカを食べる虎は、猫を見て描いたので本質じゃない…というメタ的なギャグ?

{netabare} 今回も順調に面白かったので、言うことはあまりないのですが…

「照猫画虎」という故事成語、初めて知ったのでためになりましたが、やっぱり作中のどこに当てはまるかわかりません。最後のラーメン屋買収の話かなとも思いましたが「形骸化」という意味だそうで、ちょっと違う気もします。

「形だけまねて本質の理解がない」ということなんでしょうか。ただ、あのラーメンチェーンの経営者の言っていることは、結構「赤猫」の本質だった気がします。ラーメンの味にこだわらないところに店長は引っ掛かっていましたが「赤猫」の客の描写から判断すると味もありますが猫のために来店している気がします。

 それと虎って、スイカ食べるんだ…雑食ではなくて肉食のはずなんですけど…とちょっと思いました。で、思ったのがメタ的に「照猫画虎」は「ラーメン赤猫」という作品の虎は、猫を見て描いたので本当の虎じゃないよ、という意味なんでしょうか。つまりメタ視点のギャグです。{/netabare}


8話 道徳的な話でちょっと違う感がありましたが、結果組織論になってました。

{netabare} 一番初めの子育てママの話は「社会・コミュニティで子供を育てる」ということですね。赤ん坊は社会の礎ですから子育て中の母含めて社会で守らなければなりません。赤んぼを見かけたということは同じコミュニティにいるということですから、その時点で無関心であってはなりません。その啓蒙にもなると思います。
 思いますが、この作品はそういう道徳から少し離れたところが良かったのになあ、という気はしなくはないです。

 ただ、経営を考えて『情けは人のためならず』的に「大きくなったらまた行こう」というセリフで分かる通り「客を囲い込む」という思惑も出てきます。つまり企業がやる「善行」は基本的には先行投資であるという考え方とも取れます。その辺に佐々木の経営者としての手腕が読み取れました。過剰サービスの匙加減の難しさは明言されていました。

 あとは仕事上の個人の工夫ですね。業務に関する自主的な努力をする子を便利屋として使いつぶすのは会社にとって大きな損失です。ただ、そういう子に気が付いて評価するのは、本当に難しいものです。

 そして、新規メニューですね。そのタマコの見えない努力を評価し自分を反省できる店長の資質です。全体として優秀な人間を正当に評価すると組織全体が進化するという話だったと思います。{/netabare}


9話 面白いですが「相変わらず」になって、どこかでマンネリ感も感じます。

{netabare} 相変わらず面白いですが「相変わらず」になってきた気がします。日常系とはいえ、感心するポイントがあるからこその出来の良さですので、そろそろ若干の陰りを感じ始めました。

 今回思ったのがクリシュナがいること、ハナとヤシロさんの関係性、佐々木の経営者キャラなどで話を作ってきましたが、今後、新味が感じられる何かが必要でしょう。ですが、新キャラやキャラの深堀りが効果的かと言われると苦しいでしょうね。

 それと最後のショートコーナーでハナの「決まっているような接客してごめんなさい」の意味が取れませんでした。アドバイスがありきたりという意味ではないですよね?ちょっと考えてしまいました。

 来週変化球があればまた印象も違うでしょうが、現状では1クールでちょうどいいと思います。その辺は構成で最後盛り上げてくれると期待します。{/netabare}


10話 お話のためのお話かな。

{netabare} 少々話のレベルが落ちてきた…気がします。なんとなくお話のためのお話で、こういうのを続けるのはちょっと…という感じがしました。{/netabare}


11話 捨て猫の話が面白かったです。

 捨て猫の話は、猫がやっている飲食店に捨て猫が来ると?というIFがちゃんと話になっていて面白かったです。女弁護士で笑ってしまいました。クリシュナの話は、面白いけどいつも通りですね。
 で、気が付いたのが生い立ちとか過去の話が私は面白さを感じないみたいです。それも大事なんでしょうけどファンタジーに無理に理屈をつけない方がいいきがします。人情ものにはなりますけどね。

 で、あと1話ですかね。今週持ち直して良かったです。11話までのアベレージは高いレベルだったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

猫も茶を飲む

人の近くで、何千年もの間生活してきた猫。
ニャーと鳴いてゴロゴロするかと思えば、遠くから様子を伺う。
この絶妙な間合いがなせる技か、起源種から体の大きさをほとんど変えずに世代を重ねてきた。

この作品には毎回、オープニングが始まる前に、本編にまつわる“まくら”が入る。
これがすこぶる気が利いている。
そんなわけで、ネットで調べてみると、こんな本に出会った。
『世界の猫ことわざ』である。
紹介記事から一つ。

「猫を嫌う人には気をつけろ」(アイルランドのことわざ)

相手を支配したがる人には注意しろと言う皮肉の効いた格言である。
決してこちらの思い通りにならない、マイペースさが魅力の猫。そんな猫を嫌う人は、きっと支配欲の強い人だと…。

あと、最近使われなくなった日本のことわざで、「猫も茶を飲む」と言うのがある。
分不相応で、なまいきなことを猫に例えたものだそうだが…。

『ラーメン赤猫』にいるのは正真正銘の猫。
もちろん人に合わせて大きくなったりしない。
その距離感、人も猫も分をわきまえた世界が素敵だ。

まさに、人も猫も幸せにする人情噺でしたね。
ラスト3話、しっかり泣かせてくれました。
釘宮理恵さんの啖呵とキャラソン。
佐々木さんと店長の“あやふや”な記憶、そして津田健さんの「いらっしゃいぁせ」。
特に最終話の展開はお見事でした。
珠子さんの思いと感情が見事に昇華された笑顔。

ありがとうございました^ ^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にゃー!

原作未読 全12話

猫が営むラーメン屋に人間(女性)がアルバイトとして採用されて働くお話です。

猫が人間の言葉を理解して人間の言葉を話して、ラーメン屋を営むわけですが、そこはファンタジーとして見ていますのであまり気になりませんでした。

猫同士、お客さん、アルバイトの女性などそれぞれの心温まるお話が好きでした。

時には猫特有のトラブルにも巻き込まれるお話あり、その場ではかなりピリピリしていますが、解決の方法も良かったですね。

1話に2〜3のエピソードとなっていますので、テンポ良くお話が進んでいきます。

また、エンディングの後にその話のエピソードの補完があって、そちらも一緒に観るといいですよ^^

キャラも猫の従業員たちアルバイトの女性とお客さん、ラーメン赤猫を支える人たちと結構出てきますね。{netabare}(虎のクリシュナは反則ですねw){/netabare}

そこまで期待して観たわけではないのですが、とても好きな作品になりました。興味がある方は是非観てくださいね。

OPは水曜日のカンパネラさん、EDは離婚伝説さんが歌っています。

最後に、OPのタイトルはずばり「赤猫」、歌詞にも赤猫が使われていてテンポも良かったですね。EDは毎回気になる名前でついテロップを観てしまいますw曲はポップでこちらもテンポ良い曲でした^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

69.2 33 2024年度アニメランキング33位
烏は主を選ばない(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (68)
225人が棚に入れました
「山内(やまうち)」と呼ばれる異世界で、烏ながら人の姿に転身できる「八咫烏(やたがらす)」達が織りなす物語。「ぼんくら次男」雪哉は、八咫烏一族の長「金烏(きんう)」である奈月彦の側仕えをすることになり…朝廷の権力争いに巻き込まれる日々が始まった!?圧倒的スケールの世界観と緻密な筆致でおくる異世界ファンタジー!

声優・キャラクター
雪哉:田村睦心
若宮:入野自由
あせび:本泉莉奈
浜木綿:七海ひろき
真赭の薄:福原綾香
白珠:釘宮理恵
澄尾:竹内栄治
長束:日野聡
路近:白熊寛嗣
敦房:河西健吾
藤波:青山吉能
大紫の御前:田中敦子

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

面白くなりそうな所で終了!前半は何だったのか…。

 最終話(20話)まで観ました。2024.09.22

 何か規模のちっせえ話だなぁ〜と思っていたら、本当に規模の小さいお話でした。八咫烏の世界の謎が明らかになります。大猿とか、烏の生存の脅威になる連中が周りに沢山いるらしいですよ?

 しかし…、前半の嫁選びとか、〇家との関係とか何だったのか…。烏内で争っている暇は無いほど危機的な状況の様です。

 若宮が金烏というのも、王権の称号的なものでは無く、本当に八咫烏を救うための存在を示す様で、宮廷内での争いや兄との関係も、実は茶番だった…。と、言うか若宮死んだら八咫烏やばくね?

 今までの伏線は回収され、これから話が面白くなりそうですが、前半の宮廷死闘編で切った人は、だいぶいるんだろうなぁ〜と感じます。

 原作ストックの問題もあるんでしょうが、前半が丸々必要性の薄い茶番という作りは良かったのかなぁ〜と疑問には感じます。

 若宮がわりと全知全能で、結局全部説明してしまうのですが、後半は面白かったので、観て良かったと思います。最後まではアニメ化しないんだろうなぁ…。

………………………………………………………………………

 13話まで観ました。2024.07.04

 まさか、あの姫が天然性悪鬼畜女だったとは!?一応、今までの謎が明らかになりました!

 おぉ!と言う展開ですが、やはり烏がなぁ…。基本的に登場人物達はバイタリティあふれるクリーチャーです。

 家とか無くても其の辺の木にとまって生きていけるそうです。しかも、警備をくぐり抜けて、割と簡単に宮廷に間男達が侵入してきます。烏ですから…。ケダモノダモノ…。

 若宮様に対する他のキャラ達の言葉遣い(ほぼ敬語なし)も含めて、これでもかとクリーチャー振りを発揮してきます。主君に対してズバズバ失礼なことを言い過ぎです。

 個体としてそもそも頑強なので、惰弱な人間の様に陰湿な貴族社会を作ってグダグダやることに説得力がありません。

 これ、老若男女問わず、自分を武辺者と認識してそうなんですが…。いざとなったら烏に剥けて、どこまでも逃げたら〜!追手は殺す!位に思ってそうです。
 
 アニメ化すると、烏設定がキモいだけで、意味が良くわかりません。特異な設定の小説をアニメ化するのは難しいですね。
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 9話まで観ました。2024.06.02

 多分、原作は面白いんだろうとは感じます。ただ、アニメ化には向かない作品なんでしょうね。

 貴族の暗闘を描いているのですが、こいつら全員烏で飛べるんですよね…。これがアニメ化すると良くない方向に作用しています。

 現代でもそうですが、権威というのは、地位による進入範囲の制限で成立しています。国会には議員しか基本的に入ってはいけません。市民が乱入して議決することは出来ません。

 封建社会や貴族社会はもっと露骨です。貴族でも厳格に昇殿の制限がありました。だから、高貴な姫達は御殿に引きこもって生きていたわけです。

 本作品は、全員烏で飛べるので、割と地下人も御殿に飛んで入ってこれます。姫達もやろうと思えば飛んでどっかに行けるわけです。機動力ゼロの現実の姫達とは異なります。

 アニメは物語の空間的な広がりを可視化するので、飛べる連中がゴチャゴチャ狭い範囲で暗躍しているのに、説得力が無いんですよね。

 多分、鳥人間の世界は機動力の劣る二本足の猿が織り成す様な現実の貴族制とは異なる世界になるでしょう。烏設定がアニメの面白さに全く繋がっておらず、世界が単に矮小に見えるのが、とても残念です。

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 5話まで観ました。2024.05.06

 朝廷の権力闘争を描く壮大なストーリーのはずなんですが…。この手の話で歴史的な事実を背景にせずスケール感を出すのは難しいですね。

 主人公の若宮様が気さくな感じで城下町へフラフラ遊びに行く上に領民ともフランクに接するので、地方領主の若様的な感じです。

 少なくても暴れん坊将軍的で貴族っぽく無いです。貴族の嫌らしい感じをアニメで描くのは難しい様です。

 貴族なんだから、地下人なんて人間扱いしてはいけません。殿上人のみで話を作る気概が欲しいですね。

 とても全国を支配している国家の話しには見えません。国土のスケール感が無いので、小規模感が強いです。官僚組織もある様に見えません。

 話はつまらなくは無いのですが、この小規模感のせいで盛り上がりに欠けているのが残念です。

 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

烏は主を“選べない”

『八咫烏シリーズ』、人気の和風ファンタジー小説だそうだ。
NHKの大願であろう。ファンタジー大河をやりたいという本気度がビシビシ伝わってくる。
前半は、きっと何処かで見てきたような、いわゆる既視感に囚われ、危うく視聴を止めてしまうところであった。ただ、抑揚をつけることなく、ひたすら語りかけるレジェンド、山根基世アナのナレーションに引っ張られる形で、衝撃のラストを目撃出来たことが嬉しい。原作をご存知の方なら『烏は主を選ばない』の意味するところ、この微妙な“てにをは”に感ずるところがあるに違いない。
しかし今私は、タイトルに入れさせて頂いたとおり、“選べぬ”烏たちに思いを馳せるのである。

これは紛うことなきハイファンタジー大河ドラマである。
そして上質のミステリーであると。
そう、サイコパスは誰だ!
                (2024/07/10)猿!!!
セカンドクール、継続終了していたのですね^^;

いやいやいやいや…、これはこれは…!
さすが鳥獣人物戯画の血脈と言うべきか、もちろん今期、最後までご覧の諸兄におかれては、あれやこれやの作品群が思い浮かぶことでしょう。
しかしながら、これ程までに深く、主と烏に“人”の心を感じ、この世界の成り立ちを身近に、愛おしく感じられたことに、この上もない嬉しさを覚えるのです。

前半パートの如く、まだまだ何かが待っている?
2期を期待せずにはおれませんね。

「誰からも“取り残さない”社会目指す」某放送局のこと、きっと烏や猿からも?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界観が独特なミステリーファンタジーの良作

[2024.9.22見終わって]
このお話は世界観や物語も一見とっつきにくい感じなんだけど、全20話を見終わって見て良かったって思える良作でした。
前半のクライマックスである12~13話も驚きましたが、18話で明かされたこの世界の真実に再び驚かされました。
最終話は {netabare}雪哉が真の金烏の真実を知り忠誠を誓う{/netabare}ところで物語の幕は閉じられましたが、謎はいくつか残されているので、続きもアニメ化してくれると嬉しいです。でもいまいち人気なさそうだから原作読もうかな・・

[2024.6.30初回感想]
人間の世界とは隔絶された山中にある山内(やまうち)と呼ばれる世界に住む、人間の姿で生活する八咫烏(やたがらす)たち。
そこでは4人の姫たちが登殿し、金烏(きんう)である若宮が現れ選ばれるのを心待ちにしていた・・で始まる物語。

原作は「八咫烏シリーズ」というファンタジー小説ですが未読です。
全何話かまだ不明ですが、2クールみたいです。

監督はゆるキャン1期、2期も務めた京極義昭監督。

こういう昔の日本みたいな世界観のファンタジーって見たかったんですよねー。
ファンタジーものってほとんどがヨーロッパ風、たまーに中華風で、和風っぽいのってほぼないんですよね。

だからこういう平安時代っぽい和風な世界観ってだけで観たくなりました。

絵も和の美しさを感じるような綺麗さで、キャラ絵もその雰囲気に合ってると感じました。

最初の数話は姫の登殿の話から、若宮や側近の雪哉の話になったりしてつかみどころがない感じなんですが、張られた伏線が明かされる12話、13話の展開は驚きましたし、ぞくっとするほどの見ごたえのある話で、ここまで見てきて良かったとホントに思いました。

本当は作品が終了してから感想を書く予定でしたが、他の作品たちの中に埋もれているのがもったいない良作だと思ったので、紹介を兼ねて感想を書かせていただきました。

もし興味を持たれた方いましたら12話まで長いですけど見られることをおすすめします。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 20

69.2 33 2024年度アニメランキング33位
T・Pぼん[タイムパトロールぼん](TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (21)
84人が棚に入れました
なにもかもが平凡な中学生の並平凡は、未来からやってきたT・P(タイムパトロール)隊員の少女リーム・ストリーム、不思議な生き物ブヨヨンと出会う。歴史に影響しない、不幸な死を迎えてしまった人間を救う活動をしているというT・P 隊員。任務を遂行する中でリームたちを見た人間の記憶は消されることになっているが、とあることから記憶が消えされなかった凡は、やむをえずタイムパトロールの見習い隊員として迎えられる。 リームとバディを組んで任務を遂行していくことになった凡は、時代も場所もひとっ飛びできるタイムボートをはじめとする未来の道具に大興奮。お調子者の凡だが任務を通じ、それぞれの時代で賢明に生きる人たちの人生に触れていくことになる。 『T・P ぼん』と一緒に、地球と人類の壮大な歴史を旅しよう!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

時間ものSFマンガの名作の丁寧なアニメ化。素晴らしい作品でした。

第2クール

 ゆみ子の印象がコミックと結構違う気がします…いい方に。コミックから結構主体的でぼんを引っ張りまわすイメージがありましたが、どうしてもマスコット的なイメージでした。アニメの方がより主体的なのでキャラとしての役割を果たしている気がします。

 感情というか内面に人間味を感じます。もともとそういう描き方だったと思いますが、声優さんの演技がいいのでしょうか。ちょっと生意気だけど憎めない感じがコミックス版よりも好感がもてます。

 1クールのようなSFの名作というより、SFエンタメ化はしているのですが、ゆみ子はリームがあっさり解決方法にたどりつくのに対して、試行錯誤しているのが作品としての面白さにもつながっています。また、登場人物の事件後の救済の描写にまでストーリーがカバーしているのもエピソードとしての満足感が増している理由でしょう。その分、1クールのような間延び、引き延ばし感が薄まっています。話を見て素直に面白いのは2クールの方が面白い気がします。

 11話・12話はお世辞にもいい出来ではないですが、やっぱりリームとのその後は見たかった点においては良かったです。

 1クール合わせた総括としては、藤子F不二雄作品の連載作としては出色の出来で、SFマンガの名作だと思います。それを非常に丁寧にアニメ化しており、キャラはアップデートしていながら原作の良い雰囲気を残しています。タイムボートもかなりカッコ良く仕上がっています。作画もエフェクトも良かったです。

 感想としては、やはり1クールの最終話はSF発想はしびれるほど好きですしキャラはリーム派なのですが、2クール目でゆみ子編の面白さを再認識しました。
 ただ、私のノスタルジー補正、コミックの知識が非常に大きな要素です。子供のころからの座右の書ですので、アニメ作品としての評価がどれくらい高くなるのかは客観的には評価できません。



第2クール
 
第1話

{netabare} 現在第1話だけ見ました。さて、結構原作と設定を変えてきましたが、あまり大きな影響はないと思います。どちらかと言えばユミ子と組む2、3部の方が長いですが、ちょっと娯楽色が強くなります。一度綺麗に完結したSFの名作ですが、掲載雑誌変更の影響で最終回後に続けたせいでしょうか。
 圧倒的に私はリーム編が好きですが、だからと言ってユミ子編も普通以上に面白いです。

 作品のリストを見ると11話、12話が知らない話です。一応、幻の34話、35話を収録した小学館の新装版の3巻は持っている(1~5巻の2部までは旧コミック版)のですがこの話は知りません。一応作品リストで確認したので漏れはないはずなのですが…
 じゃあ、アニメオリジナルかというと、リームと再会する話がある、と聞いたことはあります。昔のTPボンのアニオリだったのか、藤子F氏は最期までこの作品の構想を持っていたそうでその関係なのかわかりませんが、その作品だとしたらうれしいですね。
 もし、本作のアニオリだとしても、リームとの再会はやっぱりほしいのでそれは受け入れます。作品の出来次第ですけど。

 第1クールと違って、SFとしての考察というより肩の力を抜いて楽しみたいです。{/netabare}


11話、12話を先に見ました。多分アニオリでしょう。ストーリーラインや機械のデザインに藤子F不二雄先生を感じないし(先生ぽくはありますけど)、SF的な構想が先生なら「歴史上で起きた何か」に解決を絡めてくると思います。また、シンプルな話にうなるようなテーマを放り込んでくるような感じでもないので。

{netabare} 結果的に歴史上の事件に絡めはしますが、それは結果論でしかありません。まあ、先生に寄せた工夫をしたのはわかります。が、そういうところがやはり藤子F不二雄先生の天才性を感じるところです。

 そして、その出来なんですけど、うーん、リームがまた出てきたのは嬉しいんですけど、そうじゃないんですよね。事件の原因・プロセス・結果…どこにも見るべきところがありません。リーム編の最終話のすばらしさが改めてわかります。

 で、正直話の出来には期待していませんでしたので、どちらかと言えば、3人が一緒に協力して何かを成し遂げてほしかったなあ。それでユミ子が独立するとか。それで美しく終われたのに。リームの設定も無理やりだし。

 正直この2話については、あっても無くてもいいような話でしたね。評価下げたい気もしますが、本作原作は私の幼少時代からの座右の書ですので、このままで。{/netabare}






第1クール 時間と歴史を哲学するSFジュブナイル。そしてリームが最高でした。

1話 アニメの出来は原作の雰囲気の再限度は高いです。が…話がちょっと薄まるのと令和に通用するか、ですね。

{netabare} ネトフリで12話一気に登録はうれしいのですが、じっくり見たいので少しずつにします。現状1話のみ見た状態です。

 昔少しだけアニメ化された旧作はあまり満足のゆくできではありませんでしたが、本作はいいですね。OPを見る限りCGのモデリングなんでしょうけどど、原作の雰囲気が上手に再現されていると思います。特にリーム、声優さんも含めいい出来だと思います。ちょっとプヨヨンの声がイメージとは違うし演技がうるさい気もしますが、ひょっとしたらもともと原作の想定ではこんな感じだったのかもしれません。
 多分2話でやると思いますが、リームは原作で2016年に生きていたはずなので、もう現実は追い抜いています。本作はどうなっているか楽しみです。

 で、これは原作も同じなのですが、1話のみリームの性格が悪すぎだろうとか、チェックカードとか持っていない前提で話が作られているので、シリーズ上の矛盾点はあります。そこは変えても良かったんじゃないの?という気がします。こういうところを直すのがアニメ制作者の腕の見せ所だと思います。

 不満点としては、24分アニメかあ…原作が1話30数ページくらいあるので、できなくはないでしょうが、やはりちょっと尺を足してますね。話が薄まている印象はあります。

 それと私はノスタルジー補正が非常に強く働いていますので、のめり込んでいますが、本作はそれほどメジャーではないですよね。令和の今のアニメとして原作通りで大丈夫か?という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 抽象概念が発達し始める4年生くらいに見せたい創作物の教科書の1つだと思います。

{netabare} 5話まで見ました。それでいろいろ思い出しました。時間遡航により歴史を改変する、という発想はもちろんドラえもんで小学校低学年で知ったわけですが、多分4,5年生くらいだったころ本作に触れて、その奥行きに感動した記憶がよみがえりました。

 小学校4年と言えばそろそろ抽象概念とか死、性というものを意識しだすころだと思いますが、そういうものを形として見せてくれたのが本作でした。つまり本作は私のSFどころか小説や科学歴史に触れる原体験でありきっかけになっています。

 SFというのはなんて面白いんだろう、と思ったのが4話の記憶を消すことと写真が別とか、アケビの話と石ころの話で因果の積み重ねというのは知らないところで影響している、という部分です。

 と同時に歴史の裏に隠れた「無名の個人」に発想が行くようになりました。歴史であるジョセル王の階段ピラミッドとそれを作った職人という発想で、教科書に載っている出来事や建築物の裏で、たくさんの人が当時暮らしていたという事実を知り、それを絵で見せてくれてひどく感動したことを覚えています。

 気になっていた5話の拷問シーンは、結構再現度が高かったです。このシーン、少年の心にひどくショッキングな映像でしたが、一方でそういうことが人間の歴史の中で事実として行われていたことで人間の本質がきれいごとでないことを学びました。
 死、暴力、性などが心のざわめきになり、忌避する感情と暴力的、性的な衝動が自分の中にも人間の中にもあることを知りました。だからこそ制御することを考え始めたと思います。そういうことをこの作品から学んだことを思い出しました。

 で、本作ですけどネトフリで16歳+の指定なんですね。それはないだろうと思います。こういう作品から吸収できるのは10歳から12歳くらいでしょう。SF的発想、思考、感情、歴史観、倫理と道徳、人間の生死感や残酷さなどを学んでゆきます。藤子F氏の絵でマイルドで見やすくなっています。こういう優れたSFを子供は早いうちから触れるべきだと思います。

 そのおかげで私はこの後、小説とか歴史や物理に興味がでて、字だけの本を自主的に読むようになったと記憶しています。改めて本作のすばらしさを堪能しています。{/netabare}


6話 時間遡航の矛盾をどう解釈するかを子供のころ悩みました。

{netabare} 西遊記…大唐西域記ですね。この話はスケールが大きいので話自体が面白いのですが、幼い心に悩みました。

 ぼんは西遊記の話を劇でやろうとしていました。つまり、猿・豚の孫悟空と猪八戒は知っていました。それが過去に戻って助けるとき、フォゲッターを入れ忘れてその記憶が西遊記になった…という話です。

 1点目の悩み。玄奘三蔵の著書は「大唐西域記」であると作中で説明があります。で「西遊記」は作中では説明はないですが後年(1500年代?)の創作物と言われています。つまり、猿・豚・河童は1500年代の創作のはずなんですけど…というのが1点です。

 今回思ったのが、この点は実は1500年代の著作という説には強い批判があるので、実は玄奘か一行の誰かが裏でこの作品を書いていてそれがひそかに伝わっていた、というSF的なIFは考えられます。であれば著者はあの少年でしょうね。
 あるいは本作をジュブナイルとして大唐西域記=西遊記とあえて単純化して話を作っているのかもしれません。

 2点目の悩み。因果関係のもつれです。ぼんは初めから孫悟空を知っていました。つまり、既定の事実としてぼんが少年を助けに行くという命令を受ける前から、ぼんとリームは猿と豚のぬいぐるみを着て助けている過去があった、ということになります。

 この解釈をどう考えればいいのかを悩みました。これって、さらに言えばぼんが1話で消された場合、西遊記という物語がなかったことになるのではないか?ということです。これは子供心に非常に迷った記憶があります。運命論になってきますよね。
 ドラえもんの1話の話を適用すれば、2人が過去にさかのぼらなくても創作されていた、ととることもできますが、それじゃあつまらないです。

 ということはタイムパトロールの指令は過去のある時点において既定されているとも受け取れます。となると時間遡航による過去改変という心配って、どういう意味を持つのかにもかかわってきます。
 因果関係がループしてはいけない理屈もない、という発想に至れば解決できると思います。 {/netabare}

7話 生贄という立場。1度死ぬということ。その哲学的な意味。

{netabare} 7話のミノタウルスですが、これは生贄というものを考えさせられた作品です。日本昔話の人柱的なもの強烈なのは「キジも鳴かずば」ですが、それはもちろん知っていました。ただ、懲罰的なものではなく、名誉あるものとして送り込まれる生贄についてその2人の心情をクローズアップした本作は、自分の生死感に強く影響を与えました。
 同時に、時間を操作できたとしても、自分が1度死ぬということは哲学的にはどういう意味があるのかを考え始めた最初だった気がします。{/netabare}


9話 日用品のデザインをSF的に考えるという発想

{netabare} 9話「ドラえもん」の長編の何作目かの恐竜ものの原型ですね。子供のころは、この1匹の生物から人類が発生した…みたいな表現に違和感がありました。種としての進化はもっと大きなグループで起きるのだろう、ということですね。
 ただ、長じて「ミトコンドリアイブ仮説」の様に1人の人間がすべての人類の祖先になるんだ、ということを知って本作の意味が逆に深まった記憶があります。(ただし、これは誤解で「ミトコンドリアイブ」は遺伝子の中に共通する遺伝子が含まれている女性で一人の女性から進化したわけではない…ということも更に後で知りました。)

 それと、この作品は空中のテントにものすごく感動したのを覚えています。日用品をSF的な発想でデザインするとリアリティが増す、というのを初めて実感しました。また、こういうIFの中でデザインを真剣に考えることで豊かな発想になるんだな、と思いました。{/netabare}


11話 マラソンの史実からのストーリーの作り方が見事。

 マラソンの元がある、というのを知ったのは本作だと思います。ただ、それよりもこの作品で知って感心したのは、エウクレスとフィリッピデスの2つの説があるというのが本当だということです。

 そうだろうなとは思っていましたが、これを確認したのはネットで検索して始めてしったので、ウィキとかが発展しだして以降だったと思います。話の内容と史実をぴったりと合わせた見事さは、さすがとしか言いようがありません。


12話 時間の流れは人間の歴史という発想がSF的でした。

 タイムパトロールの別組織が未来にもある、という発想がびっくりしました。なるほどなあ、と思います。しびれます。ワクワクします。その設定を無理のないものにするのが、未来ほど時間の流れが速くなる、という現象ですね。

 これって、宇宙の歴史からすると加速するのが急すぎるのでは?って誰でも思うと思います。それにお互いが連絡を取り合えばいいじゃんと。

 この問題、ずっと小学生のころから引っ掛かっていて大学生くらいになるまで考えていたと思います。自分の中の答えだと、人間の認知によって時間の流れが決まるとすると、つまり人間の時間とはつまり歴史である。時の流れが加速するのは人間の発展のスピードと言えるのでは…とひどく自分で合点した記憶があります。

 人間の地球の歴史が断絶したことで時間の流れにも断絶があるのでしょう。そして、物語の区切りとしてこの作品を持ってくるうまさ。素晴らしと思います。


 全体としては、杉の木というモチーフが効いてましたね。800年の時間を眺め続けるという詩情がSFと歴史ロマンを融合させていました。1つ1つの話は時間旅行ものとしてSF的によく練られていて、多分中学生くらい向けながら考えさせられる視点がたくさん詰まっていました。私がSF好きになったのは、本作によってだと思います。

 また、歴史的な視点でも歴史に名前を残さない一般の人たちを意識することができたし、生死感や時間を哲学的に考えるきっかけになりました。並みで、平凡な主人公にすることの意味の深さが伝わってきます。
 
 正直、この後の後半はリーム編の面白さの半分くらいになります。本当に素晴らしいのはこのリーム編だと思います。その点でこの1期は本当に良かったと思います。はじめ、ちょっと冗長でテンポが悪いかとも思っていましたが、見慣れていくうちに気にならなくなりました。

 アニメの出来は藤子F不二夫氏の作風そのままに見事にアニメ化していると思います。作画も素晴らしかったし。なにより少年のころにあこがれたリームストリームというキャラの再現性が素晴らしく、感激しました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

必見の面白さ、大人向けドラえもん。

初見評価
ドラえもんも彷彿とさせる作画のアニメ。
だけど、生と死をテーマにしておりグロ描写や重い内容も多く大人向け。
平凡な高校生が時空を超えて不遇な死を遂げた人々を救っていく。

ピラミッド作った人や魔女狩り三蔵法師や第二次世界大戦、生贄等々時代も場所も様々で各話事に完結しており見やすかった。
ペースも早く明るい雰囲気でありながらもメッセージ性もあり見ごたえがある。
残酷な歴史の数々その上に今の生活が成り立っているんだな、いや今も世界中で同じような残酷な事が繰り広げられているんだなと考えさせられる。

作画もなじみのある絵だけど劇場版のような迫力もあり、声優さんも違和感なく没入できた。
ずーっと、見てられるご長寿アニメにでもなってほしいくらい。

キャラクターも等身大の高校生で理不尽な歴史や、助けられない無力感など葛藤したり無邪気に喜んだりと感情豊かで共感できヒロインも可愛かった。


最後すこし寂しい終わり方だったけど次への布石として楽しみにしてる。
限定配信であまり話題になってないのがもったいない。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1
ネタバレ

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

英語学習用2【役立ち度★★★★☆】

【1クール視聴後】
原作未読です。

あんまり視聴継続中に投稿をしないのですが、
本作はあまりにもおもしろかったし、
これから2クール目が始まるので、宣伝を兼ねて投稿します。
(ネトフリでしか観れませんですが・・・。)

特に、英語学習用の英語吹替が最高です。
少し難しいですが、なんとなくの話の経過は分かります。
そして、分からなかったら、種﨑さんが演じる日本語版リームで
内容を確認すればいいのです。
(この日本語版リームがかわいい。かわいいけど、ここは頑張って
 英語版を聴きます。でも、英語版リームも、とてもよいです。)

ということで、観れる環境にある方は、7月からの2クール目の
視聴をおすすめします。


【2クール視聴後】
最高にクールなアニメでした。
藤子・F・不二雄先生は、やっぱり天才なんですね。
1980年にこんな作品を書き上げるなんて、
本当に天才としかいいようがありません。

作品の設定が抜群に良く、
ドラえもんとは違ったSFが楽しめました。
(少し、どころではない不思議と、歴史の勉強になります。)

また、キャラが良い。
リームは、かなり好印象なヒロインですね。
それを現代風にアレンジしつつ、
藤子先生のキャラデザインをしっかりと踏襲したボンズの仕事ぶりも
見事だと思います。
また、{netabare} 2クール目でヒロインチェンジするのがにくい。ゆみこもまた、かわいいヒロインです。 {/netabare}

日本語版の声優(ゲストも含めて)が豪勢なので
ぜひ日本語で聴きたいところですが、
最後まで頑張って英語で視聴しました。

でも、英語版の声優さんもすごい上手いと思います。
自分は、もはや英語版のキャストが一番しっくりきます。

誰か設定やキャラを活かしつつ、
新しい脚本を書いてくれないかな・・・。
ずっと続きを観ていたい、そんな作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

69.0 38 2024年度アニメランキング38位
魔法科高校の劣等生 第3シーズン(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (170)
624人が棚に入れました
魔法。それが現実の技術として確立されてから約一世紀が過ぎていた。 国立魔法大学附属第一高校、通称“第一高校”にとある兄妹が入学する。 魔法師として致命的な欠陥を抱える劣等生の兄・達也。 すべてが完全無欠な優等生の妹・深雪。 二人の学生生活は激動に次ぐ激動の日々だった。 政治結社《ブランシュ》の襲撃。 九校戦への香港系国際犯罪シンジケート《無頭( ノー・ヘッド・)竜(ドラゴン)》の介入。 大亜連合軍の横浜への侵攻。 人の精神に取り憑いて変質させる魔物パラサイトの出現。 そしてUSNA軍魔法師部隊スターズ総隊長アンジー・シリウスことアンジェリーナ=クドウ=シールズの来訪。 波乱に満ちた一年が終わり、二年生になった二人の生活も少しずつ変化する。 四葉家から使わされた桜井水波が達也たちと同居することになり、 達也は新設された魔法工学科、通称《魔工科》に転科する。 深雪と共に平穏な学園生活を送るはずだったが それを世界が許すはずもなく…。 そして、──波乱の日々が、再び幕開く。

声優・キャラクター
司波達也:中村悠一
司波深雪:早見沙織
桜井水波:安野希世乃
九島光宣:戸谷菊之介
千葉エリカ:内山夕実
西城レオンハルト:寺島拓篤
柴田美月:佐藤聡美
吉田幹比古:田丸篤志
光井ほのか:雨宮天
北山雫:巽悠衣子
黒羽亜夜子:内田真礼
黒羽文弥:加藤英美里
七草真由美:花澤香菜
七草香澄:喜多村英梨
七草泉美:悠木碧
七宝琢磨:橘龍丸
周公瑾:遊佐浩二
中条あずさ:小笠原早紀
十文字克人:諏訪部順一
九島烈:大塚芳忠

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

まずまずな感じ。ただ、演出は・・・監督レベル低すぎる

原作未読。

1期は良かった。2期は並列要素が多すぎていまいち。
そして優等生は論外だった。。。

で、3期。
うーん、1話だけだけど、なんか期待できそう。評価はあくまでも暫定。
ただ、カット割りというか、画の見せ方に攻殻機動隊の影響をすごく感じる。
まあ良い作品の良い要素を取り込んだと思えば、良し。

さてさて、1期を超える面白さを作ってくれることを期待。


第8話まで視聴

うん、1期に近い感じで面白いけど、
明らかに言葉での説明が増えた。
映像でさりげなく見せる演出ではなく、最初から言葉を加えての説明ばかり。
あと、演出面でも見え見えというか下手にわかりやすいものが増えた。
そういった意味で面白さが減ったな。
というか、アニメ初心者への間口を広げたと言うべきか。

果たしてどうなんだろうなあ。
1期と比較しても深みは減った。

これは、ぶっちゃけ監督がダメなのだろう。
本業のデザインだけずっと担当していればよかったのに・・・・。
この作品に詳しくて思い入れもあるのだろうけど、アニメ監督としての才能は一切ない。
才能がないから演出が子供騙しなんだろうな。

あれだ、どこぞの映画評論家が自信満々に映画を作ったらクソだったってのに似てる。
横から口出す時は、まとものように聞こえるけど、実際にメガホン取ったら、
なーんも分かっていない素人以下のクズ。
声だけデカいやつには、何かと周りは騙されちゃうんだよなぁ・・・。

実写は才能のなさを余すとこなく露呈するが、
アニメの場合、周囲のスタッフが優れていると多少誤魔化しが効く。
この3期は、三流監督を周りがなんとかフォローして見れる作品になっている。
だから尚更罪深いのだけど・・・。

あと、マッドハウス時代と比較すると作画レベル下がったというか、難しい作画を一切しなくなった。
止め画を多用しまくりだし・・・。アニメなのだから紙芝居は要らんのよ。
ソニー系列制作会社は、自社主導作品じゃないとき作画に対するあからさまな手抜きレベルが酷い。
それはハッキリわかる。あ、監督のレベルの低さを見抜かれて、
結果として現場スタッフから手を抜かれている可能性も捨てきれないが。

なんにせよ、原作小説でのこの辺りはすごく面白いのに、
それがアニメではまるで描ききれていないなあ。
原作の表面だけをなぞったアニメ化とでも言えばいいのかな。
元々の原作の骨格が持つ面白さでなんとか保っている。

早くこの監督は降格させた方が良い。まるで才能がない。
作品のためにも。
適材適所でやらないと勿体無い。

◾️10話まで視聴

正直、今回3rdシーズンの原作はめちゃめちゃ面白い。
それだけど、アニメ化にあたっての演出がクソすぎる。
キャラの個性もブレブレというか極端に振りすぎ。

これは全部監督の才能がないからだろう。
アニメ監督に向いていない人間がやるから、演出が子供染みているというか、直接的過ぎる。
メリハリを理解していないというか、稚拙すぎて全てにおいてセンスが感じられない。
何でもかんでも言葉で説明だし・・・。

せっかく原作が面白いのに、そのアニメ化としては、もっと面白くなるはずだけに平均レベル程度の時点で監督のレベルの低さが露呈している。

◾️11話視聴

あー、やっぱり監督がダメだ。原作展開は超面白いのにアニメでその半分も伝わらない。
文字だけの展開にボロ負けのアニメ化というのは、監督に才能がないからとしか言えないよなー。
本当に勿体無い。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

古都内乱編は最悪でした。名作をメチャクチャにし続ける会社。

 原作ファンとしては、CG、演出、構成すべてにおいて不満でした。1話冒頭のシーンの映像が素晴らしいものだっただけに、非常に残念な結果です。
 途中までは真由美とかあずさとか使って面白い部分はありましたが、古都内乱編はほめるところはないです。

 もともと、原作時点でリーナ登場までとそれ以降では面白さのレベルに違いがありますので、そこをどうやって補うか楽しみでした。ですが、アニメが原作を全然超えられませんでしたね。

 省略したことが面白さにつながってないし、CGに時々とんでもない違和感があったりとで、シリーズを追うのをやめようかなと思うレベルでがっかりしました。
 劇場版来るらしいですが、今のエイトビットには何も期待できません。「ヤマノススメ Next Summit」「ゆるキャン△3」「転生したらスライムだった件3」と素晴らしいシリーズをメチャクチャにした前科と「SYNDUALITY Noir」の出来の悪さはちょっとどうなの?と思います。

 まあ、1話の冒頭のクオリティで全編作れるならと思わなくはないですが、エイトビットかあ…もうやめようかなという気がしてきました。

 ストーリーは原作通りといえば通りですが、省略の仕方が気に入らないので2.5点…というかオール3でストーリーだけ2.5にします。前半はともかく後半が心の底からがっかりでした。古都内乱編だけならオール2ですね。




1話 予想の斜め上の映像と演出でした。悪くないと思います。

{netabare}  映像的に面白いですね。人物もフル3DCGの様に見えます。その割に2Dっぽい良さがあります。髪の毛が若干塊になってしまったり、身体、特に女子の制服がヌメッとした感じはありますが、かなり自然でした。加えて構図や動き、魚眼レンズ効果など面白いことをやっています。
 強いて上げると深雪の横顔がどうかなあ、と思わなくは無かったですが、以前も同じだった気もします。

 3DCGは好きじゃなかったんですけど、もうここまで来れば毛嫌いする必要はないかもしれません。冒頭のシーンや最後の戦闘シーンを含め、かなり高度な水準ではないかと推察します。視覚効果を使った演出は面白かったと思います。テンポも声優さんも期待通りでした。

 さて、今回はどこまでやるのでしょう?2期の来訪者編が3冊分+アルファで中途半端な話がくっついた感じで1クールの完成度は低かった印象でした。
 ラノベはダブルセブン編から1冊が薄くなった気がするので、ちょうど4冊分、ダブルセブン、スティープルチェイス、古都内乱編2冊までの消化でピッタリでしょうか。1話を見る限り変な引き延ばしは感じられませんでした。

 ラノベのSF的ストーリー的な完成度で言えば1期の横浜騒乱編までが98点だとすると追憶編は85点来訪者編92点、この3クール目の(おそらく)3作は80点ぎりぎりかなあという評価です。ですが、面白さではなかなか良いパートです。その面白さを拾えていると思います。

 ここのパートは女子たちが面白く、特に七草真由美が面白いパートです。特に古都内乱編は最高です。登場シーンは少ないですけど。

 なお、Dアニメの1話のサムネの映像ですが、女子の胸のサイズが陰影でモロに分かるようになっています。これも遊び心なのか、3DCGのレベルの高さを見せつけているのか…{/netabare}


2話 幽霊みたいなモブはやめて。それとCGは良いけど画面がクリアすぎます。

{netabare} 後ろを歩いているモブが幽霊みたいで、あれはやめた方がいいですね。群衆の密度は確保できているのだから必要ないでしょう。他の出来の良さを全部打ち消してます。

 女性たちは美しいですねえ。深雪と真由美嬢、黒羽亜夜子は非常に良かったです。このCGモデルは本当に素晴らしい。それと映像としては冒頭の四葉家の深雪はかなり美しくできていました。このシーンのクオリティで全編作れれば感動ものですね。達也がちょっとおかしい気がする以外、主要キャラは本当に技術的進化を感じます。

  ただ、最大の欠点が画面が独特すぎて話に集中できません。CGは出来は良いんですけど、あまりにクリアです。ごくごく少しでいいのでエフェクトを使ってコントラストを下げた方がいい気がします。

 それと、九島烈役は声優さんが交代したんですね。他界されていたのを知りませんでした。

 内容は2期の最後のタワーの件をまだ引きずっているんですね。それほど話に影響しない感じですけど。 {/netabare}



3話 この話が理解できると本作の面白さがわかる。すごいが不親切でもある。説明なしにこの作品を理解できるのか?

{netabare} この作品がすごいと思う反面、不親切だと思うのは今回を見ればよくわかると思います。

 核融合の仕組みは今ホットな物資でああるトリチウム(3重水素、陽子+中性子2つ)と(2重水素、陽子+中性子)を超高温にしてプラズマ状態つまり電子と原子核が分離した状態にします。
 この状態で両方をぶつけると2陽子+2中性子のヘリウムの原子核と中性子になります。このヘリウムができる過程で、実は質量がほんの僅か減少します。これがE=mc2乗により莫大なエネルギーを生み出します。

 で、この状態は高温プラズマ状態のために飛び出した中性子が高速で動き回るあめ、いろんな衝突と分解、結合が起きます。3重水素原子核、2重水素原子核、中性子、陽子などさまざまな粒子が飛び回ります。次の原子核にぶつかることで連鎖反応がおき、核融合反応が継続することになります。

 この高温プラズマ状態は1千万度から1億度に近い状態でこの反応している場を閉じ込めるのが非常に困難になります。現在は磁力などを用いて閉じ込めることを想定しています。が、これを重力制御で閉じ込める、といっているのだと思います。

 核分裂ほどではないですが「ガンマ線」がでるので、これを防いでいます。プラズマとは固体液体気体の次の「第4の状態」ということです。「クーロン力」は原子核はプラスの電荷の陽子と中性子なのでプラスです。原子核同士、つまりプラスとプラスをぶつけようとしても反発します。これをぶつけるために高温にするわけですが、クーロン力を制御できれば炉の効率があがりますし、反応速度の調整もできるでしょう。

 こういう核融合反応の基礎知識が重要…とまでは言いませんが知っていると何をやっているのか、どんな話なのか理解できます。

 本作の主要テーマの1つとして、今までなぜ魔法でできなかったかといえば「重ね掛けはできない」という設定がありました。だから飛行魔法つまり飛び続けることができなかったわけですが、それをループキャストを機械制御することで継続的に魔法をかける技術で飛行魔法を実現しました。核融合炉は反応の連続なので魔法をかけ続ける必要があります。

 つまり、シルバーホーンという設定は俺TUEEEでなく、飛行魔法の発明から重力制御の熱核融合炉の実現につなげる設定ということです。これが一つのテーマとして魔法師と一般人の対立と絡めて、この作品を貫いています。
 達也のマテリアルバーストにより質量を消滅させることができますので、その魔法と対になっています。これが平和と軍事のアナロジーとなっているのも面白いところです。

 また、市川先輩の横浜の実験ですが、ちょっとわかりづらいのですが実験の様子を見るとクーロン力をゼロにすることで強引にぶつけに行っているのかなという気がします。さらにレリックによる常駐型魔法の実現もここにつながります。

 こういう風にSFとオカルトを融合させてかなり面白いストーリーになっています。核融合炉の仕組みがわからなくても、この軍事のみの魔法師の身分と一般人の問題、四葉家の内部闘争と外部対立など十分面白いのですが、達也が研究している内容のつながりの意味の説明、つまりSF的知識的な伏線の種明かしが弱い気はします。

 つまり「これで面白さが伝わるか」ですね。本作が酷評されるケースはこういう部分の説明不足なのかなあ、という気がしています。{/netabare}


4話 見せ所のチョイスが間違っているような気がします。

{netabare} あれ?今回はちょっと省略と説明不足で何をやっているのか原作勢以外は置いてけぼりのような…それと原作で、深雪の「身の程を弁えぬ愚か者です」っていうセリフに水波同調して、達也が頭を抱えるシーンが面白かったりするんですけど…完全省略ですね…楽しみにしてたのに。それとテレビ局の社長の娘のところもこれでは何をやっているのかわかりません。

 うーん、シリーズ構成はどうなんでしょうね?前回の核融合の説明不足は原作からの面白さの一つでもあるんですけど、今回のは原作の省略です。今回はダブルセブン編なのに2つの7の意味とドラマの説明が不十分すぎる気がします。

 たしかにダブルセブンはちょっととってつけたような話だし、水波登場シーンは2期でやってしまったしで、短くすることに異論はないんですけど、見せ所のチョイスに不満がありました。{/netabare}


5話 あまり好きじゃないパートですが、女子の作画がやたらとすごい。

{netabare} スティープルチェイス編は、正直全31巻の中でもあまり好きなパートではない…というよりパラサイトという設定があまり好きではないので、正直流し見かなと思ってたら映像と演出が思いのほかよかったです。

 特に女子を使ってなかなか見どころを作ってますね。あずさのデフォルメ絵はいいアイデアだと思いますし、七草真由美嬢もよかったです。
 それとやっぱり作画が妙にいいです。特に女子の作画は素晴らしい。多分3DCGモデルだと思うのですが、手書きとほぼっ遜色がないです。ちょっとその辺の詳細はわからないんですが、感心してみてます。EDの作画は注目です。

 今期はアニメが思ったより切れないので、本作のレビューは特記事項がない限り途中経過はこれくらいにします。とにかく作画を楽しんでいます。 {/netabare}


6話 原作の責任もありますが大量脱落が出ても不思議ではない回ですね。

{netabare} 通常ラノベ原作の場合、間延びしてテンポが悪くなることが往々にしてありますが、本作の場合、スティープルチェイスははっきり飛ばしすぎだし説明不足だと思います。これはアニメ制作陣というよりも原作からそうですからどうしようもないでしょう。

 それと5話とは演出も作画もレベルが落ちている気がします。まだ、スタッフのお名前は確認してませんが、スタッフの方には申し訳ないですが外れ回だった気がしました。
 構成が原作と若干違う気がしますが、まあ、それはシリアスとギャグを明確に分けて5話に資源を集中したのだと思います。

 私は原作読んでいるしファンなのでいいですが、大量脱落者が出ないか心配になりました。{/netabare}


7話 深雪の足が大失敗でしたね。

{netabare} やっぱりCGモデルは不自然さがでます。中盤の達也と深雪のいいシーンにおいて、深雪の足でやってしまいましたね。広角レンズ的な演出とはいえ、足の線の醜さは、やはりCGでよくみられる棒足で関節の不自然さが出ていました。重要でかなり緊張感があると同時に、ある意味最強のブラコン発露で笑ってしまうような緩急の狭間にあるような場面です。ここでそれかあ…という感じで、技術的に可能かわかりませんが、手で修正できなかったのかなあと思います。

 それと顎の線…というより顔と首の陰影ですね。ここのコントラストが今回は随分気になりました。

 話的にはあんなに面白かった9校戦なのに…という気がしますが、まあだらだら同じようなことをやられるよりは、いいのかな、という気がします。全員が仲良しグループになってしまう話が多い中、こういう裏表がある作品も少ないですし。
 そして演出面では最後の数分は結構よかったですね。{/netabare}


8話 話としてはあっさりですが、戦闘シーンは良かったです。

{netabare}  なるほど…話としてあまり盛り上がりのないダブルセブンとスティープルチェイス編をかなり意識してあっさり終わらせた感じですね。構成としては古都内乱編に力を入れるんでしょう。

 とはいえ8話はなかなか絵というかシーンとして戦闘シーンは面白かったです。アニメの出来はもちろんですが、特にピクシーのオペレーションの落ち着いた声が演出としてよかったと思います。ギャーギャー騒ぐオペレーターの作品はそれだけでシラケてしまうので、そういうところはツボをちゃんと押さえてます。それと東山奈央さんの機械的な演技が好きなので個人的にとても満足しました。

 それと七草先輩のコメディリリーフ的活躍が楽しみなのが3期に対応する原作3作ですね。水着もなかなかエロかったし次の登場が楽しみです。

 それと音楽があまりよくないなと思っているこのシリーズですが、今回のEDはなかなかいいですね。{/netabare}


9話 不気味の谷という言葉を思い出した回でした。

{netabare} 久しぶりに「不気味の谷」という言葉を思い出しました。なんでしょうね。この微妙感。EDが半クールで変ったし、初めの方にあった豪華な作画から判断して、お金はちゃんとかけていると思います。

 3DCGのモデルもいいところはいいので、それなりの水準で仕上げてきたなあと思っていたのですが、何か絵が気持ち悪い回があります。モブはもちろんですけど、6、7話が違和感があって、9話はそこまでじゃないんですけど、その微妙さが少し嫌な絵になっていました。

 まあ、この技術はこれからなんでしょうけど、私としてはAI生成動画の方が可能性は感じるかなあ…3DCGモデルは多分日本のアニメ絵、萌え絵だと限界がある気がしてきました。ガルクラくらいぶっ飛んでいるならいいんですけどね。

 話は原作既読勢には問題ないですが、やっぱり説明不足な気はします。{/netabare}



10話 作画も演出も急に劣化しました?シーズン通じて構成もなんか変だし。

{netabare}  んん???なんか作画も演出も急激に劣化している気が…楽しみにしていた古都内乱編なのに…という感じです。尺の使い方もテンポがいいというより、変な構成に感じます。
 それと水波への注目度が足りないので、構成というかキャラの焦点の当て方が大丈夫かなあと思っていたら、やっぱり今回違和感がありました。

 そして、光宣ですけど…モブ?今後注目キャラなのに…。

 うーん。ちょっとアニメの制作レベルがつらい状況ですねえ…今度1話2話当たりと比較してみますが…よくないなあ…{/netabare}


11話 もう見たくないけど、一応、チェックはします。また一つアニメ会社が…

{netabare} 出来がなあ…と思います。正直もう見たくなくなってきましたけど、一応、七草先輩のところは見たいので、チェックはします。

 エイトビットは2021年くらいから徐々におかしくなっている気がします。転スラ、ヤマノススメ、ゆるキャン△に続いて本作もなんかおかしくなっちゃったなあ。SYNDUALITY Noirとかやっている場合じゃあないと思います。

 資本関係がバンダイになったから?よくわかりませんが、また一つアニメ会社が…という感じですね。{/netabare}


12話 最悪。真由美との絡みがカット?そして面白くない。

 うーん、このシリーズで一番見たかったホテルでの真由美との絡みのシーンがカットなの?順番的にはもう場面が過ぎてしまいましたが…来週に持ち越し…はないかなあ…いや、回想という形はありえますね…それに期待しましょうか…

 ただ、そもそも面白くないなあ…古都内乱編は本当に面白くないです。アニメの作りが。演出かなあ…エイトビット…うーん…





 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

21世紀末の情報工作の捌(さば)き方

引き続き原作未読で視聴継続。

達也&深雪2年度の部「ダブルセブン編」、「スティープルチェイス編」、「古都内乱編」
3エピソードを1クール全13話で描くTVアニメシリーズ第3期。

【物語 4.0点】
ライトノベル、特に電撃経由でアニメ化するSFファンタジーには、
魔法に関する独特な解釈が興味深い作品が多い印象ですが、本シリーズはその最たる物。

物理次元に重なる情報次元の書き換えによる事象変更こそが魔法である。
などというSF的な魔法解釈はかなりぶっ飛んでいますが、
魔法を技術として捉える方法としては説得力があり、その再現たる魔法戦闘には独特の渋味があります。

例えば、第四話は、ほぼ校内模擬戦が3戦続くだけの回でしたが、
その回すらも、今日も“脳汁”が出る素晴らしい話だったと満足してしまう私はスッカリ『魔法科』に沼ってしまっているのでしょうw


のみならず、本シリーズは魔法が夢や憧れではなく、現実の技術として確立されて1世紀。
100年も経てば魔法に、もはや夢の新技術がもたらす未来への期待感などはほぼなく。
今や魔法も、国家間の駆け引きの道具、社会分断の一因、支配者層の権力争いのコマ等として既存の世界にこべりついて陳腐化してしまっている。

魔法への夢が乾き切ってしまった21世紀末に、
主人公・司波達也が魔法の平和利用実現を通じて、戦場以外の魔法師の価値を確立し、
深雪との居場所をどう切り開いていくのか。
この渋さに惹かれて私は本シリーズを追いかけ続けています。


この3期では大人たちの陰謀、外国勢力も含めた情報工作合戦を背景にした魔法が掘り下げられ、いっそう渋味が増した感。

情報操作による世論誘導についても、自勢力の主張に沿った露骨なネタばかり流布させるのではなく、
燃え過ぎて事態が急進し過ぎて、火の粉を浴びないように、
時には反対の主張を反映したネタもばらまいて“火加減”を調節しながら慎重に世論を整えていく。

その文脈で展開された第三話。
反魔法主義を標榜する政治家と、その取り巻きのマスコミ関係者。
反魔法主義者たちは、魔法大学付属高校は魔法の軍事転用を目論み、生徒に教育しているという、自陣営の勢力拡大に有利な扇動ニュースネタが欲しい。
彼らに対して達也たちが{netabare} 魔法の平和利用の礎となる“恒星炉”実験の{/netabare} “おもてなし”を成功させ一泡吹かせる。
というこれまた渋味の効いたシナリオ。

私はこの三話を観て3期も面白くなるとの手応えを掴みました。


その土台の上に展開した「スティープルチェイス編」では恒例の九校戦の舞台裏で、
地政学的に日本と敵対する大亜連合も含む、各々の勢力が蠢(うごめ)く。
競技映像発信を通じて、世論に対して、
日本における魔法と軍事の関係性や、戦闘ロボット・パラサイトドールの可能性や危険性を、どう印象付けて、
自勢力のポジションを取っていくかが醍醐味でしたし。

3期の一連の駆け引きに絡んだ黒幕との決着を描いた「古都内乱編」では、
そこに名家・十師族間の駆け引きや伝統派らの内紛も絡んで来る。

詳述された複雑な近未来社会に、ぶっ飛んだ魔法設定が、しっかりと落とし込まれている。
ある種のシュールさも感じる作風がますます病み付きになった所で、
3期完結、新作劇場版の制作発表。

原作ファンからアニメ化熱望の声をよく聞く「四葉継承編」アニメ映画化。
私も公開を心待ちにしております。


【作画 3.5点】
アニメーション制作は劇場版『星を呼ぶ少女』及びTVアニメ2期からのエイトビットが続投。

群衆など作画カロリーが増大しそうな所はCGで補完しつつ乗り切る無難な映像構成。
3期では、これまでメカニック、CAD(≒魔法発動高速化デバイス)デザイン、副監督と叩き上げて来たジミー・ストーン氏が監督昇格。
本作の魔法世界観の勝手知ったるスタッフ布陣で、魔法エフェクトに派手さは無くとも、
伝わる人には伝わる魔法戦闘シーンを構築。

露出は少ないけど、シルエットを強調する衣装で控えめなエロスを表現するのも本シリーズの伝統。
今回も巨乳女子の揺れる所を揺らすカットを隙あらば滑り込ませて来ますw

{netabare} 桜井水波(みなみ)と九島光宣(くどうみのる){/netabare} ほのかな恋のバックで咲く花々など、
意外と奥ゆかしいのも、このSFの味わい深い所です。


【キャラ 4.0点】
3期のラスボス・周公瑾。
3エピソードを通じて黒幕として暗躍。
反魔法組織に連なる人物で、大亜連合のスパイも引き入れて事態を動かしていく。

日本の諸勢力の内紛に蛇のように滑り込んでいく周公瑾の搦め手も見応えがありました。
いわゆる“ネトウヨ”が普段ネット上で糾弾しているような生粋の反日勢力って実はあまりいなくて。
最初は反魔法の理念も共有する同志として協力しつつ、
助力されるのが常態化する内に無くてはならない依存関係の泥沼にはまり、
いつの間にかズブズブと、反日スパイを手引きするまでになってしまう。

諸外国勢力との外交では悪意はもちろん善意の裏にも警戒せねばならない。
ハイレベルな教訓を再認識できる駆け引きも仕掛けてくる手強いボスキャラでした。


四葉(よつば)家当主・真夜。
3期通じて、達也と深雪を“値踏み”するように立ち回る“魔王”ぶりが気色悪い彼女の言動が、
次の劇場版に向けた助走にもなっていた感。

達也も“平和で退屈な時代”に魔法師が生き長らえるため、
“精霊の眼(エレメンタルサイト)”による敵魔法師等の戦力分析だけでなく、
諸勢力のポジション分析にも骨を折る。
子供ながらに、相互の貸し借りを通じた大人の駆け引きにも好対応する。
が、四葉真夜に言わせれば、貸し借りをすぐに精算してしまう達也は未熟。
貸し借りを腐れ縁に発展させていく大人の関係を理解しき切れない辺り達也もまだまだ子供。

その辺りの政治力を達也がどう覚醒させていくのか。
居場所を掴み取るためには欠かせない論点の深化が、新作劇場版以降の私の注目点です。


今後もう一つテーマになりそうなのが魔法と血筋。
「古都内乱編」で新登場した九島光宣(くどうみのる)。
病弱ながら、莫大な魔法力を有する彼のルーツは、
(※核心的ネタバレ){netabare} 九島家当主・真言とその妹との超近親配合で生み出された調整体。
魔法力を追求し血統を追い求める狂気との対峙も意識していきたい所です。{/netabare}


反抗的で可愛いなwと思ったのが、今年の新入生総代・七宝琢磨くん。
{netabare} たった一年先輩なだけなのに何でこんなに差があるんだと悔しがるカット。
大人の一年とは違う、高校生活の圧倒的に濃密な一年間を想起させられ痛感を共感しました。{/netabare}


【声優 4.0点】
脇にまで主役級の豪華声優を敷き詰める盤石の布陣が、
どんどん補強されて大河ドラマ化していく本シリーズ。

七草(さえぐさ)真由美役の花澤 香菜さんが一高卒業して寂しくなるかと思いきや、
新たに次女・七草香澄役の喜多村 英梨さんのボクっ娘ボイス、七草泉美役の悠木 碧さんのおっとりボイスという双子成分が追加供給され、
七宝琢磨に喰ってかかるなど、耳が休まる暇もありませんw

九島家の元当主“老師”烈を演じた大塚 芳忠さんら、
各勢力の要所でベテランの好演が光ったのも政治ドラマ盛り上げの一助に。
その中でも私は七草家ボディーガード・名倉三郎役の上田 燿司さん。
文字通り爪痕を残した、いぶし銀のお仕事ぶりが光りました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は1期から岩崎琢氏が続投中。
『ヨルムンガンド』、『シン・仮面ライダー』などでも魅せた、電子音も交えたハードな戦闘曲のみならず、
21世紀末の音楽トレンドなど誰にも予測できない。
そう言わんばかりの国籍不明な謎BGMによる珍味な日常シーンも楽しめる本シリーズw
特にラブコメの波動を検知してBGMのネジが外れると、あぁまた『魔法科』が始まるんだなと微笑ましくなりますw


OP主題歌はLiSA「Shouted Serenade」
1期前半「Rising Hope」以来のタイアップ。
“Here we go”からスタートダッシュを決める、2番サビ前のBメロを変化させて畳み掛けていくなど、
「Rising Hope」も意識した構成で作品に発破をかけるアップテンポナンバー。


ED主題歌。
「ダブルセブン編」八木 海莉さんの「recall」
「スティープルチェイス編」三月のパンタシア「スノーノワール」
「古都内乱編」ASCA「紫苑の花束を」
エピソードごとにEDを切り替えてメリハリをつける。

八木 海莉さんはSPアニメ『追憶編』に続く主題歌起用。
『Vivy』ヴィヴィの歌い手役の二次元世界での活動は尚も継続していくようです。

頭にこべり付くのが「スノーノワール」
EDまで謎化したのかwという独特のリズムで『魔法科』EDの新ジャンルを開拓。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

69.0 38 2024年度アニメランキング38位
傷物語 こよみヴァンプ(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (20)
199人が棚に入れました
阿良々木暦が彼女と出会ったのは、ある夜のことだった。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。
伝説の吸血鬼。怪異殺し。怪異の王。
腕も脚も無残に引き千切られ、豪奢なドレスを赤く染めて、無惨な姿で血の海に倒れる化物。
しかし暦は、そんな彼女を美しいと思ったー
西尾維新による小説をシャフトがアニメ化した〈物語〉シリーズの、原点。
三部作として公開された映画『傷物語』が、ひとつの物語となる。
全ての〈物語〉のはじまりを、ふたたび。

68.9 40 2024年度アニメランキング40位
弱キャラ友崎くん 2nd STAGE(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (147)
414人が棚に入れました
友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!

声優・キャラクター
友崎文也:佐藤元
水沢孝弘:島﨑信長
日南葵:金元寿子
中村修二:岡本信彦
七海みなみ:長谷川育美
竹井:水野駿太郎
菊池風香:茅野愛衣
夏林花火:前川涼子
泉優鈴:稗田寧々

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君の描いた選択肢が、みんなの物語になる

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

アニメーション制作がproject No.9さんで、キャラデザが矢野茜さん。
この最強タッグの作品が視聴できることが素直に嬉しく思います。

これまでこの最強タッグは、「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」「りゅうおうのおしごと!」「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」「弱キャラ友崎くん」などの作品を輩出してきました。
どの作品も華のあるひろいんが目に浮かぶ作品…と言いたいところですが、ネトゲの亜子ちゃんと、りゅうおうのあいちゃんに、よりその傾向が強く感じられますね。

そして亜子ちゃん、あいちゃんのどちらも演じているのが、ちゃんりななんですよね。
これは運命的な何かを感じるのは気のせいでしょうか^^;?
そう言えば、この度、内田雄馬さんとご結婚されましたよね。
おめでとうございます!! 末長い幸せを祈念しています。


友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。

“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、
学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。

「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」

人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?
日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

第1期では自分を知り、周りとの距離感を知りました。
そして第2期は周りとの距離を縮めつつ、より高校生活を満喫できるようシフトチェンジする展開だったと思います。
距離感に気付き、意識するようになったのは主人公の友崎だけではありません。
七海みなみ、菊池風香、そして少し毛色は違いますが夏林花火の存在がより増した展開であったとも思っています。

個人的には、七海みなみの良い子っぷりが堪らないんですけど…
友崎をブレーンと呼称したり、突然夫婦漫才を始めてみたりと、お互いの息がピッタリ合う感じは、視聴者のみならず本人たちも気持ち良かったのではないでしょうか。

そしてそんな空気を同調できるからこそ、気付いてしまうコトもあるんですよね。
きっと知らないフリをしていても良かったと思っています。
だって、未だ成就出来ていないのだから…
でも、みみみは自分のことより相手を優先する女の子なんですよね。
どこまでもムードメーカーたらんとする彼女に言動には、こちらも思わず貰い泣きです。

そして、ここまで視聴してきて一つ気付いたことがあります。
友崎の変化によって、クラスメイトや友人との立ち位置も変化したと思います。
きっとこれは良い変化なんだと思います。

ですが、パーフェクトヒロインである日南葵の立ち位置だけは全く変わっていないんです。
最初は、友崎のアドバイザー的な役割だからだと思っていました。
でも、彼女の不変はとても頑なで、距離感が近いようで決して自ら歩み寄ることの無い雰囲気が見え隠れしたように感じてしまいました。

私は原作未読なので、アニメを視聴した範囲の事しか分かりません。
ですが、これがもしも彼女のSOSだったとしたら…と考えると、本当に救済すべきは彼女なのかもしれない、と思ってしまいました。

作画も良いクオリティで安定しているので、とても見易くしっかり感情移入できる作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、「イージー?ハード?しかして進めっ!」
エンディングテーマは、「誰かじゃないから」
どちらもDIALOGUE+さんが担当されています。

1クール全13話の物語でした。
原作は小説は既刊13巻(本編11巻+短編集2巻)まで発行されているようですが、漫画は全6巻全29話で完結しているそうです。

もしかすると完結までアニメで視聴できるのでは…?
と甘い気持ちを抱いているのは、きっと私だけではないと思います。
続編が制作されるなら、是非、日南葵にメスを入れて貰えると嬉しいです。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

個性のあるラブコメとして面白いのだけれども・・・。

1期で褒めた点がそこそこ維持されていたので、悪くはない印象でした。

悪くはない印象だったのですが・・・、日南 葵の理論的と言いましょうか、テクニカルな所に強くフィーチャーしている所はすごく苦手でした。

1期のレビューでは理論が違うのを承知の上で、コーチング20%ティーチング80%と評しましたが、2期では、ほぼガッツリとティーチングといった感じでした。
いずれにせよ、依頼人≒友崎くんと信頼関係が築かれた上で、依頼人の希望を叶える方向に動いているようなので外野がどうこう言う事ではないのですが・・・。

また、意図的に心理学や認知心理学、認知行動学などのテクニックを使って「人を動かす」というより、コントロールする様は、なんとも・・・。
いや、本当にどう表現して良いかわからないのですが、あえて言えば苦手でした。
凄いとも思いますし、よく勉強しているとも思いますし、効果的に実行できてるところも「やるな!」とは思うのですが・・・。

皆さんは、この点どのように受けとめられましたかねぇ。




物語の前半部分のキーとなるクラス内不和の件(あえてぼかします)でも、私はどうにも馴染めない点がありまして・・・。

夏林花火がターゲットになってからの、何とかしてあげよう的なクラスメイトの動きは確かに好感を持って観ていました。
そして、やっている側のエリカに不快な印象を持っていたことも確かなのですが・・・。
それ以上に、日和見的な、移ろい易い大衆≒周囲のクラスメイトの様子が嫌でした。
まあ、世の中そんなもんやろ、との思いもあったりはするのですが、どうにも私の感性では嫌なんですねぇ。

結果、諸々の施策、努力の甲斐あって「呪い返し」の様なブーメランによって、落ち着きを取り戻したようですが、本当に私自身の感想としては辛く、苦い面持ちでした。

もしかしたら、これは私の過去体験に原因がある様な気もしますがw自己分析すれば。


そして、後半メインとなる七海みなみと菊池風香のエピソードについても、これはこれで、なかなかにシビア。
前半戦とは別の意味、別のベクトルで辛いものがありました。
これも、多くは語らないのですが、個人の感想として、友崎くんの選択は意外でした。


多分ざっくりとしたお話しか書いていませんが、
この作品は学校モノのラブコメ作品としては、少し別格の魅力を持っていると思います。
個人的にですが、同じような感覚(痛みや辛さ、苦しみを色濃く内包していた作品)を受けた作品として『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズが浮かびました。
こちらも、個人的には学校ラブコメとしては高く評価しているつもりなのですが、それに近い印象を持っています。

ただ、個人的には続きがある様な演出で終わっていましたし、女性キャラが大変に魅力的なので、またの機会があれば視聴をしてみたいという思いは強くあるのですが・・・。
一つ形になった上で、さらに、ゲームチックに「課題」を詰めていくとなると・・・、本当に「ゲーム」になってしまいそうで少し気がかりに思っています。
今後どうなるのかは知りませんが、一度心を合わせてお付き合いを始めた上で・・・、ゲームの様に「課題」をクリアしていくようなお付き合いをされたら、どう思います?
課題をクリアする本人は、対人スキルなり、人間力なり、成長をしていくのだとは思いますが、相対している方は・・・。
課題をクリアする過程とは言え、あっち行ったり、こっち行ったり、あれしたり、これしたり、仲良くなっていけば(お互いの中が進展していけば、本人もそう望んでいるという事で)納得してくれるんでしょうか。

私は、それあんまり見たくないなぁ。
完全に振り切ってコメディレベルまでもっていってくれれば見れるかなぁ、ぐらいには思いますが・・・、今のままの建付では見たくないと思っています。
まぁ、ここら辺は次回があった時のクリエイターさんの腕の見せ所かもしれませんが。

ああそうそう、女性キャラの事ばかり言っていますが、水沢くんは、さすがのイケメンぶりでしたね。
それ以外にも友崎くんに言いにくい事をズバズバいう様子。
チャラいのはチャラいかもしれませんが、努力と才能に裏打ちされた筋のとおったイケメンチャラ男かもしれません。
なかなかにいい男です、友達にはなれそうにありませんがw。



そうですね、私の好きな学校ものラブコメのトップ2が決まったかもしれません。
ちょっと、苦しい思いもあるので、硬派部門かもしれませんが。
ライト部門もいくつかありはするのですが、それはまたの機会にw。


個人的には、ユニークで面白いつくりになっていると思います。
もしかしたら「学び」になる点も多いかもしれません。
この中で描かれているテクニックを使うも、見破るもあなた次第かもしれません。
機会があれば、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

正しさの証明

原作未読ですが面白かった
すごくデキがいいアニメだし、何よりキャラクターの描き方が上手だし、1期の引きこもりな友崎くんの視野はまだ狭くて目の前の出来事で終わってたけど、2期になってリア充の仲間入りした友崎くんの視野は凄く広くなって、クラス全体が見えるようになって人間関係が大きく広がりました、今まで目に入らなかったことが見えるようになって友崎くんの成長がこんなところにも表れています
不自然なこともあるけど、とてもいい作品です!いちばん好きなのは水沢

一期は引きこもりコミュ障だった主人公をリア充に変えていくのがメインテーマのようだったけど、1期の主人公の成り上がりはこの作品全体の本筋ではなく、前フリというか準備期間かな?
キャラクターの描き方がとても上手で、奇抜なキャラ付けに頼らず見事に様々なタイプの高校生を描いているので普通にラブコメとして面白いけど、作者の描きたいものはラブコメのもっと先にあるように思いました

【日南は友崎くんに何をさせたいのでしょうか? 考察】
まず、2期を見ていくと{netabare} この物語にとって主人公が弱キャラからリア充になるのは手段であって目的ではないことがなんとなくわかります、2期の終わり方もハッピーエンドのように見えるけど、この物語の象徴のような位置の日南のことはほとんど掘り下げられてないですからねー
日南はなんで主人公をリア充に導いたのでしょうか?
ゲーム的に表現するなら、私は「ラスボスである日南に挑む勇者を育てたかった」んじゃないかな?って思いました

日南は他人の人生なんて放っておけばいいのにすごく面倒くさいことをしています
「人生なんてクソゲーだ、与えられたものが最初から違う」と言う友崎くんに対し、「私は努力をしてリア充になった」「正しさを証明する」と言う日南
友崎くんをリア充にすることで日南は自分が正しいことを証明したいんですね
じゃあ手間をかけて証明しようとしているその正しいことって何なの?
「一生懸命努力をして作り上げてきた今の日南は正しい」これを証明するのが彼女の目的なんじゃないかな?
「葵に妹って一人しかいないはずなんだよ」これと関係ありそうですね
この一言を言うためだけに10話のBパートまるまるつかってやっていたので日南の鍵になる話だと思う
日南は友崎くんに「彼女を作る」という中くらいの目標を出しました
「彼女を作る」はもっと高いと思うけど中くらいということは、彼女を作ることは日南にとって重要じゃないということです、日南は中学の時に彼氏を作ったけどすぐフったという話がありました、コレ、たぶん日南が自分の正しさの証明の一環でとりあえず彼氏を作るというミッションを達成したかっただけな気がします、だから友崎を自分と同じリア充にさせるために必要な過程なのでしょう
インタビューの時「嘘をついていると思います」と分析する菊池さん、「そのインタビューは聞こえのいい言葉に本音風の毒を混ぜただけのハリボテ」という印象を友崎くんは抱いていました
日南は自分のキャラクターを嘘で塗り固めて本当の自分を隠しているみたい
それと「正しさを証明する」というセリフ
日南ほど努力してきた人なら、本当はそれが正しくないことに気づくと思うから、友崎くんに自分と同じように努力して日南と同じくらいのリア充になってもらって、否定してもらいたかったのかな? パーフェクトヒロインを演じる自分を辞めるきっかけが欲しかったのかな? なんて思いました

日南はキャラというよりまるでこの作品の「システム」のようで、一期から一貫して相手が人間だという感覚を捨て去ったAIのような冷酷さを感じて、1期では不自然さが強かったけど、2期になってキャラが増えていく中、日南だけ意図的に人間味のないキャラクターとして描かれているように思います
日南が言った通りにしたら友崎くんは見事にリア充になることに成功した、っていうことは日南が正しい?
でも、最初から一貫して人間味のないキャラとして描かれている「日南が正しい」という結論でこの物語が終わるとは思えなくて

そんなわけで3期はいよいよ日南のおかげでリア充になった友崎くんが、「日南の努力は正しいかもしれないけど、人生はゲームじゃないよ」って感じで「日南が築き上げてきた圧倒的な正しさ」と戦う話になるんじゃないか?と予想します

そのうえで「弱キャラ友崎くん」というのはどういうことなのか、一期の最初ですら友崎くんは言うほど弱キャラじゃないんですよね、「キャラ」って言葉には「そういう人間を演じている」という側面もあるのでタイトルの「弱キャラ」の意味は、「弱い人間を演じている友崎くん」ということじゃないのかな?って思いました、大好きなゲームを極めた友崎くんは確かな自分を持っていて、リア充になって学校での立ち位置は大きく変わったけど、好きなものを素直に好きと言い、「人生なんてクソゲーだ」と断じる彼は最初から強い人だったようにおもうし、日南は友崎くんが「本当は強キャラ」だって認めたから彼を自分と同じくらいリア充に育て上げたんだと思う
パーフェクトヒロインの彼女が勝てない相手って、ゲームの友崎くんだけだから、一つのことを極めた彼の強さを、努力を信条とする日南が気づかないわけないと思うんです
日南のことはまだ全然良くわからないけど、きっと彼女は強いキャラを演じているだけで本当は強くなんてない
リア充になって弱いキャラを演じることを辞めた友崎くんが、強いキャラを演じている日南と向き合って、彼女を救う?
そんな話なような気がしました{/netabare}

気になったところは、2話3話あたりの {netabare}エリカや花火の行動、クラスメイトの反応や日南の対応がどれも不自然で共感できなくて、まるで全員が台本通りに動かされてるような気持ち悪さを感じた
もうちょっとこのエピソードは自然にできなかったのかな?
例えばエリカのことは、いくらクラス全員が味方でも上位グループの派手で性格がキツい女子を攻撃する勇気ある高校生なんてほとんどいないと思う、クラスで孤立させても他のクラスの子は? 先輩後輩は? 学校外でやばい人と繋がりあったらどうするの?
私はどんな報復されるか怖くてできないです

でも話の面白さとは関係ないのでこのくらいに
{/netabare}
先の話がとても気になります! おもしろかった

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

68.8 41 2024年度アニメランキング41位
変人のサラダボウル(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (139)
467人が棚に入れました
貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。 なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。 一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。 前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。

声優・キャラクター
鏑矢惣助:古川慎
サラ・ダ・オディン:矢野妃菜喜
リヴィア・ド・ウーディス:M・A・O
プリケツ:大地葉
皆神望愛:藤田茜
愛崎ブレンダ:沼倉愛美
永縄友奈:高田憂希
閨春花:真野美月
草薙勲:上田燿司
タケオ:立花慎之介
鈴木:鳥海浩輔
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キャラが良いし普通に面白いけどリアルタイム向け。一気見は飽きそう。

 多分、キャラがドタバタして話が進むような進まないような2000年代のラノベテイストなんだろうやあ、と思っていたらその通りでした。こういう話の場合キャラの魅力が面白さを左右しますが、本作のキャラの作りこみは悪くないと思います。

 惣助とサラをまともにして周囲でギャグを展開する構造にしたので、この主役2人が弱かった気もします。テーマ的にはいじめとか合法・非合法など少し重いなにかはこの2人にまかせて話をエピソードを作りつつ、リヴィアと弁護士のブレンダ、望愛がコメディリリーフという感じでした。これがパターンなので、安心して見られる構造がのんびり見る分にはちょうど良い感じなのでしょう。

 一方でギャグに関してはちょっとパターン化が目立ちました。毎週見る分には面白いのですが、一気見には向かない構造な気がします。
 ゼロ年代ラノベ的ということはハイティーン向けのテイストが強い気がします。故に内容的にサラリとしているので、評価すれば欠点もあまり感じず問われれば面白かったしプラスの評価になると思いますが、後々の評価はリアルタイムよりは結構評価は下がるかな、と思いました。

 まあ、オール4だと高すぎるけどオール3.5だと低すぎる気がする感じです。評価するとすれば作画とキャラ…これを4にして、後は3.5にしておきます。



1話 ベテラン作家原作を日朝アニメ制作会社が作る安定感。

{netabare}  原作の平坂読氏は「僕は友達が少ない」のアニメではまって、原作を楽しみに読んでいましたが…まあ、その先は言うまい…ですね。それでちょっと苦手になってしまいました。
 ですので「妹さえいればいい。」はアニメも原作も全く手を付けていません。

 本作も見始めてから「古いタイプのキャラ造形だなあ」と思い、サブスクの概要を見て初めて平坂氏の作品だと知りました。ヒロインは「ハヤテのごとく」のナギの亜流ですし、主人公が探偵というのも最近では全く見ません。冒頭の展開はもちろん「はたらく魔王さま」ですし。

 一方で古い故に、ゼロ年代ラノベ的安定感がある感じで爆発力はなさそうですが、ひょっとしたら面白いかもとは思いました。
 平坂氏は「はがない」の最終巻こそアレですが同作品は700万部で、「妹さえ」は250万部。1発屋ではないし、他に数作数巻のシリーズを出しているようです。つまりもはやベテランで実力はあるのでしょう。

 アニメ制作会社のSynergySPというところはなじみがないですが、シンエイ動画の子会社で日朝をやってたみたいですね。ということは安定的な作品になるだろうなあ、と思います。

 制作会社と原作者から言って、70点以上75点くらいの作品になるのでは?という予感がします。{/netabare}

2話 予想どおり普通過ぎるくらい普通の面白さですね。

 予想通り、普通の面白さの普通のドタバタ劇以上でも以下でもなさそうです。理解しやすい「ヒナまつり」と言えばいいんでしょうか。まあ、見るかもしれませんが、優先順位は…普通?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

謎の岐阜アニメ

作画は微妙だけど面白かった
岐阜が舞台のギャグアニメ
異世界から姫と従者がやってきて、姫が魔法をあまり使わず探偵事務所や学校でまっとうに暮らしているのに、従者は裏社会にどっぷりはまっていってそれぞれに異世界を堪能しているのが面白かった

【聖地について】
岐阜市周辺ですね
岐阜県は飛騨・東濃・中濃・西濃と4つの地区に分かれていて、古くから交通の要衝であった岐阜県は隣県の影響が強く、地区ごとの特色が強いのですが、それぞれの地区にアニメがあります。地域性の違いにも注目ください!

名古屋に近い中濃・岐阜市は河合荘と僕たちは友達が少ない、変人のサラダボウル、美濃加茂市ののうりん
山岳地帯の飛騨地区・飛騨市の天気の子、高山市の氷菓、白川郷のひぐらしのなく頃に
東濃・多治見市のやくならマグカップも、
関西の影響が見られる西濃地区・大垣市の聲の形

【岐阜のイメージダウン?!】
カルト宗教にパチンコに風俗店に橋の下のホームレスに競馬・・・
間違ってないと思うんだけど、岐阜のいいところも紹介してほしいな

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

岐阜ご当地コメディアニメ

探偵の鏑矢惣助は、ある日異世界から追われてきた姫サラと出会い・・で始まるお話。
原作のラノベは未読です。

見始めて思ったのは「ひなまつり」みたいだなって。
ある日突然現れた異能力者、もうひとりはホームレスになって生活とか似てる部分があったり。

でもこちらはあまり異能力(魔法)を使わず、何も知らないこの世界で頑張って生活する話がメインでした。

色々と話が飛ぶのでとっちらかったイメージでしたが、キャラが出揃ってそれぞれの関係もこなれてきて、これから面白くなっていくのかなってところで終わりました。

岐阜のご当地アニメだったみたいで、地元の方が見ると面白い描写とかあったんでしょうか。

お話では新興宗教の教祖が出てくるんですが、あんまりこういうキャラは好きじゃないかな。
宗教で集めたお金で色々やってると思うと・・ね。

でも気軽に面白く見れましたので、もし2期がありましたら見たいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

68.8 41 2024年度アニメランキング41位
時光代理人 LINK CLICKⅡ(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (34)
132人が棚に入れました
繁華街の一角に佇む「時光写真館」。そのさびれたドアの奥には、特殊な能力を持った2人の男がいた——

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

中国の良作

中国の原作だけど中国独特の敷居の高い設定がなくてかなり見やすいし、萌え等に頼らず話の面白さで引き込むマジメな作品
2期になってちょっと複雑で小難しくなったけど相変わらずストーリーがいい

1期終盤の流れをそのまま受けてはじまるので、ちょっと復習してから見たほうがいいかも
1期は短編集みたいな感じだったけど2期は長編、一期のエピソードがつながっていたりして見ごたえがあった
各話の終わりかたも工夫されていて続きが気になったし、ずっと面白かったです

一期と変わらず良かったのは、人のドラマがとてもシリアスで重いところで、何度か泣きそうになった

残念なのは、最終話の終わり方があんまり良くないのと、敵がしょうもないことかな
続きが楽しみ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

ヨッシャア! さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ファン曰く「日本アニメは中国アニメに追い抜かれた」らしい

【物語】 1.5 / 5.0
1期から見ているが、「1,2話で一つのストーリーが完結し、それらの集大成として最終回を迎えた1期」と比較して、完全に1本の長編構成となった2期だが、1期のときのような目新しさやホームドラマ・コメディのような話はなく、ずっと陰鬱で、ヴィランの後手に回る展開が延々と続く。
「こういう陰鬱で重い展開のシナリオにしておけばいいんでしょ?」という、視聴者を甘く見た方針に感じられる。

【作画】 2.0 / 5.0
アクションシーンはそれなりに動くが、作品のジャンルを考えると不必要なアクションシーンに感じられる上、「アクションで動かしまくれば評価は上がるんでしょ?」と言わんばかりに冗長。
それ以外の日常・会話・推理パートでは、作画が特別秀でているわけではない。

【声優】 3.0 / 5.0
声優自体に問題はないように思う。
櫻井孝宏の一件が影響するかと言われていたが、大丈夫だったようだ。

【音楽】 2.0 / 5.0
サスペンスものなので目立たないくらいでちょうどいいのに、何かと耳につく印象がある。

【キャラ】 1.5 / 5.0
1期と比べて、サスペンス展開に話が大きく偏っているため、キャラの魅力などは全然出ていない。
「このキャラなら、この展開でこう動くだろう」というキャラクターの主体性は感じられず、「こういうサスペンス作品のシナリオを作ったので、キャラクターを当てはめて違和感なく動かしてください」という指示があったのかと思うレベル。



【総括】 10.0 / 25.0 (平均 2.0)
「物語」「作画」の項で述べたが、「これをやっておけば満足するんでしょ?」という視聴者のポイント稼ぎに力を入れているように感じた。
1期とは作品の方向性も変わっており、1期のような展開を期待した人は2期の陰鬱さに面食らうと思う。
また、この作品に限った話ではないが、中国産のアニメを語る時に必ずと言っていいほど、日本アニメを貶したうえで「これからは中国アニメの時代だ!」とのたまう、中国人のサクラのようなコメント・レビューが現れる。
この程度のアニメで、中国アニメが日本アニメを追い抜いた!と豪語できるのは、現実が見えていないように思う。
つまり、その程度の作品ということである。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

素晴らしかった

1クール遅れで視聴しました
というのも1期があまりにも気に入ったので絶対にまとめてしっかりと見たいと思ったからです
なにせ同クールで見たいものが結構りましたからね

本作品は中国産ということもありいわゆるアニメ的な作品ではないです
今まで見てきたなかで似たテイストのアニメといえばBANANA FISHが近いと思いました(腐女子人気があるという点も含め)
派手なキャラクターやアクションではなく、ストーリーで魅せるというドラマ・映画的な作品が好きな方には絶対視聴してもらいたい一作です


取り敢えず1期の最終話から見なおしたのですがやはり演出がすごいです
あくまで日本とは違った感性の下に作られているという点も含めて非常に刺激的です
k-popの台頭もありますが中国だって最先端のセンスで後れを取りません

暫くは1話づつ見ていたのですが、気が付けば4話あたりからもう時間も気にせず一気見をしてしまっていました
とにかく各話の引きが強いのなんのって

1期はある種の群像劇というか、オムニバスのような形式がメインで
それらが最後に1本に繋がる形でしたが、今回はその繋げられた線をひたすら進んでいく一本もの
物語への理解度が低いと途中で振り落とされてしまう人もいたかもしれません

今回の2期で特に自分が注目したのは音楽です、OPEDももちろんなのですが
作中での音楽が(1期からですが)シネマティックで非常に好みでまさにのめり込んでしまいました
日本で言えば澤野 弘之さんのスタイルが非常に近いですね
映画音楽の重厚さと、この作品のもつ日本のアニメという基盤から離れたスタイルが非常にマッチしていました

声優の演技もすばらしく、古賀葵さん演じるチャオリンの演技が特によかったです


1点すこし不便だなと思ったのが1期から主人公たちの名前がトキ、ヒカルなどと日本向けにローカライズされていましたが
今回本名(?)で扱われるシーンが結構多く、いきなりルーグァンだとか言われても自分のようにバッチリ沼ってる人以外はわからないんじゃないでしょうか
2期ではトキ、ヒカルの名前は愛称であって外部の人からフルネームで呼ばれるような場合は中国語の名前という扱いのようです

3期を匂わせるような終わり方でしたが果たして3期の制作はどうなのでしょうか…?
こちらで1期が公開された時にはすでに本国で2期が制作開始?かなにかだったと情報がながれてたのですが今回は…


あ、それと本作の地味に気に入ってるところが話の展開にあわせてEDの曲が使い分けられているところです
どれも良い曲なので一杯聴きたいとおもいます

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

68.8 41 2024年度アニメランキング41位
コードギアス 奪還のロゼ 最終幕(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (17)
88人が棚に入れました
新たな主人公、ロゼとアッシュ、2人の兄弟が繰り広げる『コードギアス』シリーズの最新作第4弾最終幕。

68.7 44 2024年度アニメランキング44位
治癒魔法の間違った使い方(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (191)
575人が棚に入れました
平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。 気づくと、そこは異世界。 3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる『勇者』として召喚された……はずが、勇者の適性を持っていたのはスズネとカズキのみ。 ウサトは巻き込まれただけだった! しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性があることが判ると事態は一変。 救命団団長を名乗るローズが現れ、ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。 そこでウサトを待っていたのは、想像を超える地獄の訓練の日々だった――!

声優・キャラクター
ウサト:坂田将吾
スズネ:七瀬彩夏
カズキ:高梨謙吾
アマコ:会沢紗弥
ローズ:田中敦子
ブルリン:渡辺明乃
オルガ:中村源太
ウルル:青山吉能
トング:伊藤健太郎
ミル:堀井茶渡
アレク:奈良徹
ゴムル:堀総士郎
グルド:藤井隼
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

設定も話も面白かったですが、キャラに入り込めなかったです。

 面白い話だったと思います。肉体修行そのものが強さにつながって行くしギャグにもなっているのが面白いですね。治療魔術が最強なわけでなく、辛い修行とセットで身体性が養われる=強くなる感じです。全体的に修行ギャグとキャラ萌えの話でした。

 最後の対黒騎士は治療魔法をそっちの方向で見せるのは、変なチートにつながるのでちょっと疑問でした。が、本作のエピソードとしては、北風と太陽というか、傷つけるものは傷つくし、治す人は相手を懐柔することができる…という寓話になっているのかもしれません。勇者との対比が活きていました。

 キャラとしてはスズネが非常に可愛いかったですね。キャラデザとしては最高に好みでした。ローズは意図的に「ガラスの仮面」の月影先生に似ているのでしょうか。怖くて厳しい過去がある教師を意識したのかもしれません。

 ただ、最大の欠点なんですけど、主人公が「記号」なんですよね。無自覚でやられキャラ。そのくせ最強という駒ですね。無垢すぎて内面が感じられません。先ほど「ガラスの仮面」と言いましたが、北島マヤも同じでした。サブキャラたちは非常に魅力的だし話は面白いんですけど、「主人公」という名の記号になってしまい、魅力を感じません。

 そして、それはスズネ会長にも言えます。ヒロインとして内面の深みが弱いのでせっかくいい設定・造形なのに、単なるおバカキャラに見えてしまい今一つ惚れられない感じがします。

 ローズだけに物語がありました。過去回想の手法は良くなかったですが、現状では内面が見えるのはローズだけかなあ。

 総評すると発想も設定も話も面白いと思いますが、主人公とヒロインが見えてこないので没入感がなかったかなあ。再視聴したくなる感じがありません。作画は良かったですね。量産型の異世界ものとしてはトップクラスに良かったと思います。

 ということで、話は4ですが、キャラは3.5かなあ。設定は良いんですけどね。キャラ萌えの構造の話なのにキャラに萌えられないというのは痛かったと思います。
 作画は4.5。声優はスズネ役が可愛かったし調整として3.5。音楽は3にします。






1話 コメディよりで変化球な感じ。シンエイ動画最近いいですね。

{netabare} シンエイ動画、最近いいですね。「僕ヤバ」「高木さん」の作画のクオリティにかなり感心しましたが、本作も異世界ものの作画としてはかなりいいと思います。

 かなりコミカルな感じで、異世界テンプレからは少しキャラの反応や異世界側の対応も変化球になっているので、ちょっと期待がもてます。

 生徒会長のキャラに悩み事もあるみたいですけど、転生でワクワクしてましたので、どうなんでしょう?ヒューマンドラマがあるのかないのか。がっつり考察するような話ではないでしょうけど、毎週の配信が楽しみになるレベルの作品になればいいと思います。

 掴みは悪くないと思います。なによりアニメが綺麗なのが好感がもてます。{/netabare}


2話 話もキャラも設定も演出もとても良い。会長が可愛い。

{netabare} 今期は異世界モノをチェックしていこうと思い、いろいろ見てますがなかなか面白い話だと思います。

 設定それ自体が秀逸なのはもちろんですが、それを支えるテンポも演出もいい思います。訓練シーンとローズと会長のキャラ造形が秀逸なのが今のところの面白さでしょう。

 超回復のメカニズムとか、身体を鍛えるとテストステロンで性格がポジティブになるらしいのでその辺が主人公の成長と非常に自然にマッチしています。また、同僚と肉体を通じて仲が良くなってゆく描写もいいですね。モブサイコをちょっと思い出しました。我々オタクも少し見習いたいものです。

 途中「訓練についてこられるというお墨付き」は言葉の使い方が間違っていると思います。お墨付きは偉い人が権威を与える時に使う言葉です。

OPの曲名が「CURE」なのは笑いました。この辺がセンスなんでしょう。EDは会長のイメージビデオですね。とてもかわいい絵でした。

 視聴継続ですね。{/netabare}


3話 展開が面白いです。シリアスもギャグも考えられる進行ですね。

{netabare} 不思議なもので、荒唐無稽ご都合主義でも面白い作品と言うのはあるものです。本作はその良い一例かと。今のところですけど。

 誰も今の段階で主人公が死ぬとは思いませんので、その点では安心して見ていますが、展開が面白いんでしょうね。会長が助けにくることも期待しましたけど出番は一瞬でしたね。もうちょっと会長成分が欲しい。

 今期は本作と「俺だけレベルアップ」「最弱テイマー」が苦労しながら話が進む感じなのが、なかなかいいと思います。なろう系ですからどこかで強くなるんだとは思いますが、今のところ話がちゃんと面白いです。

 魔族側が巨乳のお姉さんでしたけど、ローズがいるし主人公の初陣ですから負けキャラですよね。ひと昔前ならローズが死んで後を継ぐ的な展開もありそうですけど、本作はそこまでシリアスは入れないと思いますがどうでしょう?会長たちも活躍が少ないので、悩みとか出てくるのでしょうか?

 シリアスよりでもいいし、ギャグになってもいいです。1クールなら面白く見られそうな気がします。{/netabare}


4話 シリアスな要素もありつつギャグで行く感じかな?委員長可愛すぎ。

{netabare}  シリアスギャグという感じでしょうか。魔族側を見るとコメディ臭がプンプンします。真面目なコンセプトではありますが全体的な雰囲気はそれほど重くしなさそうですね。

 委員長やもう1人の描写も含め、努力が必要な点で転生設定がなかなか有意義になっている気がする一方で、もう現地出身者の努力でも同じ話が作れそうなので、転生であることが無意味になっている感じもします。ただ、そこがコメディタッチであるために気にならなくなっているのでしょう。

 で、委員長が無駄に可愛いですね。可愛すぎです。一見極めて平均的な委員長キャラの割に、なぜか印象に残るいいキャラです。

 視聴継続決定ですね。{/netabare}


5話 サブキャラの描写が丁寧なのがいいかも。

{netabare} もう1歩転生した意味、転生後の悩みなどに入り込めればなあ、と思う反面、委員長のキャラ付けにちゃんとできている点がいいですね。面白い作品ですね。勇者も主人公もオレTUEEEだけじゃないし。サブの描写もおろそかにしていないし。ストーリーというよりキャラで見てるかなあ。 {/netabare}


8話 ちょっとローズの説明頼りになっちゃいましたね。ここまでは十分面白いですが、この数話は若干冗長感がありました。

{netabare} ちゃんと話になっているし、各キャラクターのキャラ付けがあってエピソードもありますので、作品としてちゃんと成立している感じがします。ただ、話の展開をローズに任せてしまっている感じなのが、どうか?ですね。

 ウサトの無自覚とか勇者2人を描くのに、狂言回しが必要でしょうし、ポジション的に全部が見渡せる視点にいるローズが適任なのは理解しますが、どうもセリフで説明する感じがします。

 中間の総括にもなりますが、「なろう」作品としては、かなりのストーリー力だとは思いますが、アニメ化にするときもうちょっと構成とか展開を工夫出来ないものでしょうか。特にこの数話、セリフでの説明が顕著な気がして、6~8話の3話で1話分くらい冗長だった気がします。

 この作品出落ち感は少ないのですが、キャラも増えてきてこの後の展開次第では話が続かないのかな?という危惧もあります。作画も丁寧だしいいと思いますが、1クール分なら十分面白く見られそうですが、それ以降が心配になる作品ですね。 {/netabare}


9話 回想シーンは日本のコンテンツの悪しき点だと思います。

{netabare}  8話のレビューで、1クールなら面白く見られると書きましたが、回想の入れ方ですね。12話でほぼ2話回想は長過ぎでしょう。「なろう」全般に言えることですが、設定を後付けで説明する場合どうしても回想を使いたくなるみたいですが、これは感情移入の視点がズレるからやめた方がいいと思います。週刊連載も同じですけどね。回想か学園パートが始まると醒めてしまいます。

 本作の場合、ローズの目の事とキャラ付けから言って決して後付け設定ということではないと思いますし、生還した魔族もキャラが立ってますので何かあるのでしょうけど。それにしては長いです。アニメ化の問題というよりこれは原作からじゃないかと思います。

 回想シーンは必要最小限にしてほしいなあ。感動ポルノにもなり勝ちだし。日本のアニメ・マンガ・ラノベのすべてに共通する悪い点だなあ、と思います。{/netabare}


10話 話は思ったより…ですけど、会長の作画が無駄にいい。

{netabare} 治癒魔法で反転ですからね。話は読めますけどそっちの方向?悪魔には白魔法がきく的なやつでしょうか。
 もっと治癒…治療行為とはなにかをクローズアップしないのかなあ…という気がしなくはないです。そっちにいっちゃうと治癒魔法が無敵魔法になる俺TUEEEになってしまいます。

 戦場における治癒行為って着目点としては悪くないですからね。今回のフォーメーションも設定としてよく考えられています。

 当初思っていたほどストーリー展開が飛び切り面白いわけでもないし、テーマも深いわけではなさそうですが、しかし、なろう系としてはここまでは悪くないと思います。

 問題は会長ですよ。会長可愛すぎですけど、ちょっとあざといですよね。ウサトくんラブにもうちょっとストーリーがあると良かったんですけど。

 しかし、作画がいいなあ…無駄にと言っては失礼ですけど、異世界転生ものでこのレベルって、無職とかオバロとかのビッグネーム以外だと「聖女の力」くらいでしたけど、本作の作画、特に会長は最高です。顔のバランスがいいので非常にいいです。
 これは原画がいいという奴なんですかね。CGが優れているのでしょうか。よくわからいけど、スタジオアドとシンエイ動画…どちらの技術か知りませんが、これは本当に感心しました。

 まあ、あと数話ですもんね。作画と設定は評価したいですね。 {/netabare}









 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

仲間の命と国の存亡を懸けた運命の戦いが始まる――

この作品の原作は未読です。
作品の事前情報と言えば、キャラデザが好みだったことくらい…
物語を重ねるにつれ面白さに拍車がかかる作品だったと思います。


この“回復要員”、全てが常識破り!!

平凡な高校生・兎里 健(ウサト)は、
帰宅の途中、生徒会長の犬上鈴音(スズネ)、
クラスメイトの龍泉一樹(カズキ)とともに

突如現れた魔法陣に飲み込まれてしまう――。

気づくと、そこは異世界。
3人は王国に攻め込んでくる魔王軍に対抗できる
『勇者』として召喚された
……はずが、勇者の適性を持っていたのは
スズネとカズキのみ。

ウサトは巻き込まれただけだった!

しかし、ウサトに“治癒魔法”の適性が
あることが判ると事態は一変。
救命団団長を名乗るローズが現れ、
ウサトを力ずくで連れ去ってしまう。

そこでウサトを待っていたのは、

想像を超える地獄の訓練の日々だった――!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

久々にここまでのパワハラアニメを見た…
序盤はずっとそう思っていました。
何故なら訓練の範疇を大幅に超過したイジメにしか私には映らなかったから…

これまで多くの作品を視聴してきました。
だからBL系じゃなければ、大抵の作品には耐性が出来ていると思います。
それでも、この作品の序盤の展開は辛かった…

だけど、これはあくまで序盤だけです。
中盤以降、ウサトが治癒魔法使いとして頭角を現してからというもの、俄然物語が面白くなりました。
そして、加速的に面白くなるのが終盤の展開…
特に獣人アマコや碧ちゃんの演じるキャラが登場してからは、作品がより一層華で彩られた気がするくらい最高の展開だったのではないでしょうか。

そしてイジメともとれる厳しい訓練をウサトに課したのには、それだけの必然性があったからにほかなりません。
そんな救命団のローズ団長はそうせざるを得ない過去を背負っていたから…

同じ轍は二度と踏まない…
ローズ団長の背負った過去…涙無しには見れない展開でした。
そして、新たな旅立ちが始まるところで物語は終幕を迎えます。

いや、こんなところで終わっちゃダメでしょう…
新たな展開がようやく始まるってところなのに~

そう言えば、獣人や碧ちゃん演じるキャラの登場する前も華が無かった訳ではありません。
なにより一緒に召喚された犬上先輩は才色兼備で学校でも憧れの的だったくらいですから。
確かに容姿も声質も素晴らしいんですが、何故か華があまり感じられないんですよね^^;

まぁ、わざとその様に振る舞っているのかもしれませんけどね。
だって、今の関係が本当に大切で壊したくないから…
それは先輩の色恋よりも大事な事なんだと私は思っています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、waterweedさんによる「Cure」
エンディングテーマは、ChouChoさんによる「Green jade」

1クール全13話の物語でした。
うぅ、続きがメッチャ気になります。
今回のアニメ化で原作のストックをどの程度使ったんでしょうね。
しかも原作では新たな物語を迎える「治癒魔法の間違った使い方 Returns」が発刊されているそうです。
え、まさか1クールで原作のストックを使い果たした訳ではありませんよね。
この作品も続編精査うの発表を楽しみにしています。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

脳筋ヒーラーの正しい使い方

序盤は自分にヒールかけながら地獄のようなトレーニングで鍛え上げて脳筋な話だなーって思ったけど、回復をどう戦闘に生かすのかな?って思ったら、「ああ、そういうことね」って思って、戦闘も脳筋な感じだしストーリーも単純で最後まで脳筋な印象のまま終わった
難しいことなく気軽に見れて、面白かったです!

メイン3人、元々は現代の普通の学生のはずなのに、元々ファンタジー世界の住人なの?ってくらい異世界になじみすぎています
そんな感じで細かいことは気にするなっていうノリがなろう系だなーって思った

だんだん面白くなってくる感じだったので2期あるなら期待してもいいかも

良い人ばっかりで不快なポイントがなくストレスを感じない話なので、異世界なろうアレルギーじゃないならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

68.6 45 2024年度アニメランキング45位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (191)
525人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

{netabare} あるいは変装をしても危険な食べ歩きの安全保障のための小鳩だったのかもしれません。スイーツは本当は小佐内は一人で楽しむものだったんでしょう。スイーツを食べるとき小鳩にまったく興味を示していません。

 したがって「小市民」は小鳩をうまく巻き込むためのガワだったと思います。小鳩に男としての興味はないです。だから、中学校時代からの宿題が終わった瞬間、解散を申し出たと取れます。
 ですので、私はこの作品は小鳩に語らせた叙述トリック{/netabare}と定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造は{netabare}騙された小鳩が視聴者の代弁者となる「他人が語る叙述トリック」と私は捉えています。叙述トリックとは1人称の推理物語の語り部が実は犯人でしたというジャンルです。要するに「メタWHOダニット」なんですけどね。 {/netabare}これが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

{netabare} まさかこのシリーズがアニメ化されると思っていなかったので、アニメ化発表のときに驚きました。このシリーズ、春・夏の読後感がちょっとなあ…という感じだからです。

 氷菓の千反田えるのようなキャラを望んでいる人には【悲報】ですが、小佐内さんに萌えられる人はそうはいないと思います。私は、推理小説は大好きですがキャラ萌えとして楽しむところがあるので、本作は「夏」まで読んで「秋」は買うだけ買って積ん読で手が出ませんでした。確か「巴里」が出るタイミングでやっと「秋」を読んだので10年以上放っておいた感じです。

 それくらい心が離れていました。結果的に「秋」を読むと展開に仕掛けがあるのか…と思いましたが、しかし「秋」はこのペースだと多分アニメ化できないでしょう。「夏」までで大丈夫か?と心配です。そこもネタバレになるので言いませんけどね。

 アニメ本編ですが、キャラや雰囲気の再現性は…うーん、ちょっと綺麗に描きすぎというか、無駄に心象表現をしすぎというか、冗長というか…そんな感じです。
 なお、主人公の家は和菓子屋設定なのでしょうか?これは原作ではなかったと思います。小佐内さんって和菓子苦手だっけ?と思いました。もう1回読み返さないと思い出しません。あとは時代的にスマホがあるとラブレターのニュアンスとか20年前と違うよね?など、細かいところは気になりました。

 追記 ああ何か事件の日の2人の動きに違和感があると思ったら、原作読み返したら、当日の目的はクレープ屋さんで、イチゴタルトは違う日なんですね。そこはちょっとアニメ版は行動として無理があったかなあ?{/netabare}


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

{netabare} いくらなんでも…という回でした。わずか35ページの原作を1話にしましたか…さすがに眠くなるようなテンポの悪さです。

 そもそも、シンクにスプーンの謎かけはいくらなんでも無理があるのは、小説からでした。無理があるというのは、堂島というキャラからいって、その謎を仕掛けるのが不自然だからです。
 ヒントを要素に分解して、謎に気が付くように、解けるように、ただし簡単になりすぎないように難易度の調整をしながら仕掛けるには、常悟朗と同程度以上の頭の使い方が必要です。それは堂島のキャラ造形や言動から言って不自然です。

 そして、日常の中の謎というのはこの無理の連続です。そして、これは本格派推理のジレンマで、パズルを作ろうと思うと、話は不自然になります。ですが、それは本格派小説のマナーみたいなもので、小説ならこういう不自然な話も「そういうものだ」として楽しめます。

 まあ、これは「たまたま堂島のずぼらが作った意図しない謎」という話ととるんでしょう。今度は姉がそこに謎を見出したという不自然さは残ります。堂島のキャラをよく知っているはずですし、一般人にそんな気づきは普通ないでしょう。けど不自然さはマイルドにはなります。

 そして、堂島の意図でないとすると次に別の不自然さが発生します。わざわざ2人を呼び出してココアをふるまった意味がなくなるし、ココアの作り方をレクチャーする意味がメタ的に考えて意味を喪失します。
 推理小説に「無駄はない」の法則から言って、ココアの作り方をわざわざ説明した流れからは謎かけととるべきだと思います。ですので通常なら読み取るならやはり「意図した謎」ととるのが自然でしょう。

 ただ「あんのずぼらが!」のセリフがありますので「意図しない」方にはアニメの解釈は寄せています。そしてそうなるとこの1話が丸々不自然な1話になります。堂島は本当に常悟朗と小佐内を呼んで話がしたかっただけ?


 追記と修正 ここはさっき改めて原作を読んでから件のシーンを見返しました。今回は「ココアの解き方のようなつまらない話を延々と聞かせて反応を見た」という読み方が正解な気がします。ここは私の読み間違いがあった気がします。
 ただ、その行動自体が人間として不自然だし、堂島というキャラの性質上「ココアの入れ方」という話題をチョイスし、反応をうかがうようなことをするのがキャラに合っていない気もしますけど。むしろ単刀直入に聞くでしょう。

 で、これは別の視点なのですが、小学校のころの友人と高校で再会して、キャラが変わった。大きな何かがあったのか?と思う感覚です。普通中学時代の変化は大きいでしょう。変わらない方がおかしな年ごろです。
 むしろ再読してこっちの方が不自然には感じましたが、それだけ常悟朗がインパクトがある少年だったという意味だとは思いますので、この辺は計算があるのでしょう。
 日曜日に家に呼び出して問いただすというのは普通ではありません。つまり「ココアの作り方」の謎を作るためのちょっと無理があるシチュエーションな気はしますが。

 それと小佐内さんを一緒に呼び出す理由は弱い気はします。こういう話をする際、同行者は邪魔なんじゃないかと思います。その点では原作と構成を変えて、小佐内さんが堂島の持ちかけた謎を問いたという話を飛ばした故の不自然さでした。

 いずれにせよ、人間の一般的な言動からは無理があることに間違いはないでしょう。それが日常系推理の不自然さで、今回は見ていて推理のための舞台装置感が非常に強かったです。故にいくら作画が良くても、何を見せられているんだろう?という感覚が強く出ました。

 これは本作に限ったことではありません。ただでさえ日常の謎の推理ものには不自然さがあります。
 ですが、それは小説故に読めるのであって、アニメにしたときのなんと無意味で冗長なこと…その点でやっぱり「氷菓」の出来は良かったんだなあとあらためて思います。

 まあ、小佐内さんの本質が見たいので、そこのポイントはチェックすると思いますが、どうしようかなあ…視聴断念のボーダーライン以下ですが、そこが気になるので、飛ばし飛ばしの視聴継続でしょうか。{/netabare}


3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

{netabare} なるほど、小佐内さんのダークサイドをそう描きましたか…テストの件と連続させたのは、スイーツにかこつけて常悟朗を呼び出す。小佐内さんに推理力はなく常悟朗に推理させる。スイーツをたらふく食べることで自分を押さえる…ということでしょう…か?ここが原作からの疑問でした。

 スマホ(原作だとケータイ)を忘れてきた…というくだりですが、小佐内さんがもし常悟朗に推理をさせようと意図したのだとしたら、ここはちょっと不自然です。常悟朗が学校に戻り現場検証するのが偶然になってしまいます。少し違和感があることろです。

 メールの内容が「話がある」から始まっているなら、小佐内さんの計算ととれるんですけど「ケーキ食べたい」から始まるこのメールの流れだと本当に小佐内さんはやけ食いを意図していたことになります。偶然の流れととるべきか、意図ととるべきかで随分解釈は違います。ただ、2人の約束に縛られて「ケーキ食べたい」がつまり話があるという意味なんでしょうけど。つまり、スマホを忘れて学校に戻る部分はどうやっても不自然にならざるを得ません。

 結局、小佐内さんは常悟朗に対して未必の故意で、推理することをかなりの蓋然性で見込んでいたのでしょう。そうじゃないと、場合によってはテストの件でも復讐するという緊迫感がなくなってしまいますので、そこはいずれにせよ小佐内さんは推理をさせたし、常悟朗は推理をした、ととるのが正解なんだと思います。

 前半でのちょっとした出来事は、小佐内さんは我慢が出来ないことに対しては復讐する、ということですね。

 で、本作のターニングポイント…小佐内さんの笑顔です。いままで無表情だったことの意味を我々はここで知ることになります。もっと素直な笑顔でもよかった気がしますが、そこは解釈ですから少し狂気をはらんだ笑顔というのも理解はできます。

 ただ、ここが大事ですが小佐内さんの本性はむしろ復讐にある、ということが表現できていたかどうかです。あのシーンで一番大事なのはスイーツのときよりも嬉しそうに笑うことではないか、と思ったんですけどどうでしょう?そうなると前半のケーキバイキングのシーンで笑顔が全くないのは演出としていただけません。小佐内さんの狂気が表現できているか?初めての笑顔と、笑顔の違い…演出はどちらが正解なのでしょう?


 そして、原作だと「私有財産の保全」のセリフのところで笑顔を消しているんですよね。復讐のネタを見つけたことに喜び笑顔になって、それを止めようとする常悟朗に対して真顔になることで自分の中にある怒りを再度認識して真顔になる、ということだと解釈しました。ですから本作の「私有財産の保全」のときの小佐内さんの心の動きはちょっと解釈が違うんじゃないかな、と思わなくはないです。


 瓶が落ちる話のトリックですけど、確かに原作では氷やドライアイスの可能性に言及していましたが、特にトリックの明示はありませんでした。本作のあのトリックは証拠を残しています。そこで「濡れ衣」という原作にはないキーワードをアニオリでつけました。原作は純粋にカンニングのため、本作は教室内に悪意があることを示唆しました。この違いに意味があるのでしょうか?

 あと細かいところですが、前半の2人がケーキバイキングの店で並んで座っているのを外から見たシーンで、4分15秒くらいのところは2人のつながりが画面的におかしい気がしました。まるで省略があって何メートルも離れているみたいに見えました。それが本作の演出だと心象なのかともとれるのがややこしいですけど。

 今回は省略もあり随分テンポ良く進みましたが、全体的に小佐内さんの心の動きと本性をちゃんと描けていたか?が、非常に気になります。画面は非常に綺麗なのですが、推理小説ではありますが…特に心理…いや小佐内さんの本質が大事なこのシリーズの前半の根幹ですから、そこは監督・シリーズ構成・演出の人たちはどう考えたのでしょう?OPで狼と狐の絵を見せるだけ?

 それと橋…川の演出はどうなんでしょうね?心象で意味を込めるにしても、ちょっと読み取りづらいかなあ。{/netabare}


4話 この作品の最大のトリックは何か?

{netabare} 本格推理的な雰囲気でありながら、すべて状況証拠の積み上げなので推理としてどうなのか?という点については氷菓も一緒です。ただ、その状況の提示の仕方が、すべて小佐内さんの自転車だよりになってしまったので、非常に不自然になりました。タルトの件、空き巣事件で都合よくナンバーを目撃された件(しかも印鑑が盗まれた…といろいろ調べられたりする)、そして教習所が特定できた件です。

 ただ、重ねて言いますが日常系の人が死なない推理小説は、えてしてそんなものです。捜査ができない以上はそうなざるを得ません。ですので、そこは保留でいいでしょう。小佐内さんのヘイトをためるにも必要だったでしょうから。

 ただ「春限定」の最大のトリックは何か?それは小佐内さんの見た目と内面のギャップです。スイーツの題名でふんわり甘いものを想像して小説を手に取ると、常悟朗の推理ものとして見ていると、最後は実はキャラの性格造形でだまされるというのが本作が読者に仕掛けたトリックです。

 そう考えたとき「春」の不自然なのは推理ではありません。常悟朗が「小佐内さんが危機に陥っているかも」と焦るというところが不自然なのです。小佐内さんが狼と言い切れるほど、狐の常悟朗は「本性」を知っているのに、復讐において小佐内さんがドジするという心配をするというのが作品のカタルシスを減らしたなあと思います。

 ここは小佐内さんの怒りや高校という年齢から言って、どれだけ悲惨な復讐が成し遂げられるか、を心配するくらいでちょうどよかったと思います。本来2人は頼られたら何とかする同盟であって、心のつながりが希薄という前提まで崩してしまいます。
 これは堂島を相手に推理を語らせないと推理として成立させられないからだとは思いますけど。

 それと小佐内さんの復讐に「わからせ」がないです。題名に冠したいちごタルトと自転車泥棒の報いだ、というのが坂上は知ることができません。これを復讐の完遂と呼んでいいかどうかです。

 自転車にまつわる事件を連続させた工夫は感じます。が、最終的には「小佐内さんの内面の恐ろしさに驚愕するミステリ」が本作「春」段階ではそこの描写が弱いので出来損ないの「氷菓」に見えるのでしょう。「氷菓」は各事件の解決の下に潜む人間性・隠れた動機が実は最大のトリックで、さらに作品を通じて主人公が覚醒する話です。その氷菓における隠れた動機に対応する「小佐内さんの本性」の描き方が「春」だけですと非常に弱く、故に面白さが中途半端です。

 それをアニメにしたから、まあ、こうグダグダになったのでしょう。特に3話の小佐内さんの描き方が弱すぎるなあと思いました。ただでさえ短い「春」の話を削った影響もあるかもしれません。

「夏」の方がその意味では本番です。1クールで4話しか「春」に使わないのは当然、主軸は「夏」ということです。推理小説ものなので最後まで見ますけど、やっぱりアニメ化に向かない上に、制作が見せ方をちょっと間違えたのかなあ…という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

{netabare} この「伯林あげぱん」の話は日常系推理としての出来が良く、与えられた素材から推理される内容もその推理が必要で小鳩が巻き込まれる過程も、自然に描けていたかなと思います。「氷菓」の面白さに匹敵するコミカルな感じも良かったと思います。

 そして、小佐内ゆきというキャラの性格というか行動原理が適格に表現されていて、そこの使い方が見事です。話の導入として読者の疑問を掻き立てるのが非常に上手かったです。加えて堂島が新聞部ということも活用できています。

 ただ、少し画面から違和感を感じないでしょうか?5月の設定なのにどう見ても冬の印象を持つ作画、美術、色彩になってませんか?
 直接推理にも話の面白さにも引っ掛からないのでネタバレすると、本話は「巴里マカロンの謎」に収録されていて、時間軸でいえば1年生の冬になります。(追記 さっきまで2年の冬だと思ってましたが、原作確認したら間違っていました)

 この話は本来原作では1年生の年末に近い時期の話で、「春季限定」と「夏季限定」の間の話になります。それがアニメだと小鳩はいきなり2年A組になっています。春と夏の間という時間軸は変わらないのですが、部室のホワイトボードは「5月」と表示されています。つまり、無理やり2年生の5月の話だと改変しています。
(追記 そうそう、なぜ仲良くなさそうな新聞部でこんなことをしたかと言えば、原作では年末の取材の一環でした。ベルリーナー・プファンクーヘンはドイツでは大晦日または2月の謝肉祭に食べられることが多いそうです。それは調べないとわからないのでまあいいでしょう)
 
 話そのものに影響はないのです。ですが、5月なのに画面が寒々しく全員がきっちり制服を着ています。部室の窓もしまっています。午後4時45分なのに夕日になっています。つまり、冬のつもりで作っている人、5月のつもりで作っている人が混在しているような不思議な画面になっています。これは何か事情があるのでしょうか?

 その画面上の不自然さはおいて置いて、これを説明というか何もなくいきなりここに差し込むのは、アニメとして効果的かどうかは疑問です。まあ、これから「夏季限定」が始まるので2年生にいきなりなっていると戸惑うので、無理やりここにいれたのでしょう。ただ、アニメとして説明が不十分すぎます。

 と、アニメの画面の印象と、シリーズとしての説明の工夫にちょっと疑問は感じますが、そうは言ってもこの1話は大変面白い話でした。キャラたちの性格が悪すぎるのは相変わらずですけどね。{/netabare}


6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

{netabare} 冒頭のお祭りのシーンは原作でもわかりづらいというかはっきりとは確定できないのですが、「会いたくない人」に意味深長なものを感じたのですが、その辺は伏線だと思います。あえて自転車で来たと嘘をついたのは{netabare}「自分は見られたくないけど、相手の顔が見たい」 {/netabare}という小佐内さんの事情が原作では小鳩によって推理されますが、アニメではありませんでした。綿あめも本当に食べたいのもあるでしょうが、 {netabare} 顔を隠す {/netabare}という意図もありました。
 ですが、本作アニメではそこをサラリと流しました。推理としてフェアかどうかはアニメ制作者は考えた方がいいと思います。

 それとこの祭りのシーンで「春」では表現しきれなかった、小佐内さんの本質ですね。小悪魔的ではなく悪魔的に、完全に小鳩の内面を翻弄しコントロールしている感じを描くシーンだと思うのですが、そこがちょっと弱かったかなと。

 そして原作で明確でないのがこの時点で小鳩は小佐内さんをどう思っているか?なんですよね。「春」の教習所の件から、互恵関係と言っている割に小鳩は小佐内さんに甘い感じです。そこに恋愛を見出すことはできますが、それはミスリードでしょう。

 このシャルロットで言いたいのは、小鳩の側でも本当は推理を披露する機会が欲しくて、小佐内さんを利用しているということでしょう。小佐内さんがほぼ唯一のその性癖の理解者です。ですが、小佐内さんはそれが分かって小鳩を利用し支配しているというのが、この祭りとシャルロットで描かれたのかな、と。

 それとまあ、これはネタバレですから隠しますが、 {netabare} この構造が「夏」の大きな仕掛けになります。この6話は「5話と同じく出来がいいちょっとしたショートストーリー」…では無く「夏」事件のキャラ造形としての伏線になります。{/netabare}
 こういうところが「春」に比べて「夏」の方が話としては進化したかな、という部分です。

 演出について。シャルロットのパートなんですけど「何やってるの、小鳩くん」は、心象風景ですね。こういう演出が分かりやすいかどうかはちょっと考えた方がいいかもしれません。
 あと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、箱の中のレイアウトはちょっと原作と違うニュアンスになっています。{/netabare}


7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

{netabare} ハンバーガーショップの地図の件は、原作だと謎になっていたんですけど、画面でみると成立してなかったですね。どう描くかをちょっと楽しみにしていたんですけど、演出が付いて行ってなかった気がします。
 一方今回の小佐内さんの変装は笑ってしまいました。ついでに、なぜいつも変装しているのかも明言はされてないですが、そこを考えても面白い気がします。

 1話で小佐内の好みを「和菓子ではなくバターとブランデーが効いた濃厚な甘さ」的なものと言ってしまったが故に、鋭い人は小佐内のスイーツに綿菓子とかリンゴ飴が含まれることに、何かの仕掛けか?というアニメ独自の読み方ができてしまいますね。制作スタッフが意図的に入れたのか、何となく入れたのかが良くわからないセリフでした。

 あと、7話の小鳩の表情はそれでいいのか?という気がしなくはないです。ちょっと私の解釈とは違います。一方で小佐内の表情は私と同じ解釈かな、という気もします。小鳩の表情を本作アニメ版のように捉えると、結末がもっと楽しくなると思うのでそこはなるほどな、と思いました。

 この表情についてはアニメでは意図的にかなり丁寧に作画していたと思います。6話の構造と合わせてしっかりとチェックしておきましょう。そして7話の印象を最後まで忘れないようにしましょう。{/netabare}


8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

{netabare} かなりあっさりと誘拐事件を描きましたね。原作からして薄めの本ですので、描き方のテンポとしては悪くない気もします。もうちょっとヒリヒリさせるよう、ここは引き延ばしても面白かったかもしれません。

 で、誘拐事件の本編はこれからです。楽しみに待ちましょう。私はこの作品が大嫌いですが「夏期限定トロピカルパフェ」という作品の出来の良さは認めています。夏祭りとシャルロットの味わいが活きてきて、見事な推理小説的な展開と構成でした。

 トリックの種類は ※ネタバレ注意※ {netabare} 他人(小鳩)が語る(小佐内)さんの叙述トリックという感じです。小鳩が8話で行ったことは、そういうガワで見えているという表面上のものだけで、これに視聴者はだまされます。

 注意。具体的内容。{netabare}事件そのものは犯人が引き起こしたものですが、それを事前に察知しその事件を監禁・暴力事件から営利目的の誘拐事件という非常に重い罪に見せかける復讐を小佐内さんが仕掛けます。
 その仕掛けの片棒を担ぐことを小鳩が誘導されて意図せずに行ってしまいます。最大の犯人が小佐内さんだということです。その意味で「春」事件のときの小佐内の描き方が弱いので夏のカタルシスが弱くなるなあ、と思っていました。

 変装の意味、なぜ夏祭りのとき顔を見られたくない相手の顔を見たかったのか、シャルロットのときの小鳩の事件を解決したい心理を小佐内さんが確認したこと、小佐内さんとの関係性に顔を緩める小鳩の表情、逆にそれを知った小佐内さんの悪魔的な表情、なぜ事前に地図の場所を把握できていたのか、小鳩に地図を事前に見せたのか、なにより最大のトリック「小市民」という単語の我々のこざかしいイメージの回収。

 つまり、本作は小鳩VS小佐内であり、小鳩が小佐内の手のひらの上で踊る話です。さらに言えば小市民という人を馬鹿にしたような自分たちの小賢しい考えに気づき、関係が破綻する話です。ですので、6話で小鳩がまるで小佐内のことが好きなような表情を見せたことが効いてきます。苗字に小が付くのも原作者の悪意を感じます。この辺、本当に素晴らしい仕掛けでした。{/netabare}

{/netabare}

 こういう感じですので、肝心なのは次回です。事件の説明の中に潜むいろんなものを理解してこの作品の「味わい」を拾いましょう。何度も言いますが、私はこの小説が大嫌いです。

 これが、この作品の1話でレビューした小佐内≠千反田えるの意味です。今のペースだと9話か少しじっくりやって10話くらいで終わる感じですが…それともいろいろアニメだと私が本作原作を嫌いになる理由に何かアニオリが付いて意味を変えてくる可能性がある尺ですね。

 以上のような話です。せっかくここまで見た人は、最後まで見ることをお勧めします。 {/netabare}



9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小市民の星

ラパントラック制作。

清く慎ましい小市民を目指す小鳩と小佐内、
平穏な高校生活を望むも、推理の得意な、
小鳩の元には様々な事件や災難が舞い込んでくる。

涼やかで綺麗な映像描写とちょっとした推理劇、
実写ドラマを意識しているそんな印象も受けますが、
静かなメインキャラは疲れないので良いです。

少年と少女、不思議な関係ですね。
{netabare}穏やかな時間を享受し、互いに助け合い、
完全な小市民を目指そうって!?
ここらあたりは、善意に解釈しましょう。{/netabare}

季節感溢れる青春×学園ミステリー、
素敵な作品になればと期待しています。

5話視聴追記。
新聞部部室での伯林あげぱんの謎解き、
{netabare}冒頭の小佐内の描写に見事に落ちもついて、
良くまとまった楽しめる回となっています。{/netabare}
 
最終話視聴追記。
娯楽性は乏しいのかも知れませんが、
文学的な会話劇、最後はお見事でした。

{netabare}水面下で遂行される過去の因縁への報復、
誘拐されることにより相手を罰し社会的に葬る、
用意周到なおそるべし少女の思惑が完遂する。

これで2人の関係は解消されたのでしょうか、
小鳩が選んだポップコーンの味は甘くない塩味。{/netabare}

続編を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 34

はろい さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

このアニメの原作は氷菓と比べるものではありません。

どちらも面白いところがあり大好きです。

ただ、氷菓はアニメが成功しましたが、
小市民は今のところ受け入れられません。


観るつもり無かったのですが、挑戦もしないで否定するのが嫌なのと、
観た人に遅れをとってしまうのが嫌なので観てみました。

箇条書きです。
・小佐内さんの声がイメージと違い過ぎる
・キャラデザが好きではない
・OP・EDやSNSでの告知、アニメの雰囲気がバラ色過ぎる
・PVで観た小佐内さんに違和感がある


淡々とした世界に小鳩君と小佐内さんとスイーツが並んでいるのを求めていたので、一度断念して時間が経ったらまた挑戦してみます。


原作は原作、アニメはアニメとして考えるなら、キャラ、音楽、雰囲気の時点で観ても無いです。
特にPVの「一番大切なものって」の部分の雰囲気が気持ち悪くて無理です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

68.6 45 2024年度アニメランキング45位
〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (78)
371人が棚に入れました
高校を卒業し、阿良々木暦の物語は終わった。 今度こそ、本当に終わった。 しかし暦に助けられた 彼女たちの物語は、 終わってはいなかった。 青春の中でもがく彼女たちの、 前日譚、あるいは後日談。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シリーズの疲弊は新房演出ではもうカバーできない。前半はかなり面白かったですが…

 前半の撫子のストーリーは、撫子が阿良々木と絡んでいろんな出来事があったので、その総括あるいは未来につながる可能性を見せてくれました。もともと他のキャラよりも非常に一般人の感覚に近いし、ダークサイドも表現されていましたので、キャラ造形に深みがありました。

 エンタメとしても斧乃木余接との絡みが面白いし、何より演出に力が入っていたので見ごたえがありました。

 後半の忍とスーサイドマスターは面白くないとはいいません。最後まで見られたので。ただ、それは私に物語シリーズとしてなじみがあるから慣性あるいは惰性で面白さを感じるだけであって、客観的に見たら面白さはかなり微妙だったと思います。

 というのは撫子と違い、スーサイドマスターもバスケ部のメンバーもまったく思い入れがありません。忍も阿良々木との絡みでドーナッツギャグとかやっている分には良いキャラなんですけど、600年とか長命と眷属から無理やり話を作っているだけに見えます。そして、撫子の前半に比べてテンポが悪すぎます。非常にかったるい時間でした。

 作画はさすがです。非常に美しいものでした。声優さんも豪華だし言うことはありません。OPEDも面白いと思います。ただ、新房演出だけではもう面白さは担保できないところにシリーズは疲弊していると思います。

 新しい表現に挑戦するのも手かな、と思いました。評価は要素としてはハイレベルなので高くなりますが、主観的には70点はいかないかも。前半が90点なら後半は50点。話数で加重平均すれば平均で70点を下回るかなという感じです。



1話 挑戦的な映像は想像以上で驚きました。そして女子がすごい。

{netabare} もう映像表現のレベルが段違いですね。作画レベルとかエフェクトとかそういうことではなく独自性とか挑戦とかそういうところがすごくて、映像そのものを楽しめます。「作画がすごい」と言われているアニメとは違う方向性ですが、その映像表現の斬新さに驚きます。

 そして、女子表現。そう、女子を描きたいという気持ちがものすごいですね。とにかく斧乃木余接の映像表現がすさまじかったです。

 あと、過去多用していた文字芸も一部使用していますが、あまり多用しなくなりました。化物語の時代は紙芝居でしたけどかなり動きも出ています。

 内容はいつも通り寓話もテーマもなく「物語」です。意味性を付与することはできるでしょうが、それは本作の楽しみ方ではないでしょう。そして、だからこそ面白いとも言えます。残念ながら本作の部分は原作を追っていないのですが、また読みたくなりました。

 想像の数段上を行くクオリティでした。体感10分でした。これは楽しませてもらえそうです。{/netabare}


2話 撫子は人間味がでてロリっ気が無くなったせいか非常に可愛くなりました。

{netabare} 今まで千石撫子って、無駄にエロかったしキャラが立っていましたが、あまりに計算されたキャラで私はあまり好きではなかったです。が、今回はいいです。人間的な弱みが出てきたせいか、ロリっ気が抜けたせいか、非常に魅力的です。

 で、話ですけど、進路問題とかプロの1万時間とかもったいぶって深そうな話になりそうで、結局非常にばかばかしい展開になります。成長とアイデンティティの問題にもなりそうですが、まあ、どうせ相対化してメチャクチャな話にするんだろうな、という気もします。それが面白いんですけどね。

 それ故に名作にも秀作にもなりえない構造だと思います。オフシーズンなのでそれでいいんでしょう。それでいてキャラが深掘りできる。本当にアニメ界の中では特異な作品だと思います。

 しかし、絵がいいなあ…なんなんでしょう?すごすぎ。で、EDはYOASOBIなんですね。歌詞はちゃんと撫子の成長と変化のこと歌ってるみたいですね…よく聞き取れないですけど。{/netabare}


3話 ここにきて最高の映像でした。思春期「気分」の描写が良い回でした。

{netabare} やばいです。映像がすごすぎて見入ってしまいました。1話もすごかったですけど、3話は格別です。特に前半が素晴らしかったかな。作画がいいといわれる作品は沢山ありますが、映像としてここまで人を引き付けるセンスには脱帽するしかありません。OPももちろんすごかったです。それと音響も細部にわたって工夫があるようです。

 この作品、含意はあまりないですけど「気分」はあるんですよね。思春期の気分、中学生の孤独、親との関係性。それがそれぞれの実体験と合わさると含意に似たものができる感じでしょうか。本作は成長という題材をちりばめていますがそこに解答がないのは、この作品における化物の位置づけそのままです。

 その気分を共有できる老倉との会話も良かったですが、本当に綺麗なキャラデザだなあと思います。記号としての美人のキャラはいくらでも見てきましたが、普通に絵として美人だと思える数少ないキャラです(私はツインテール時代が好きですけど)。

 いや、面白い。最高です。映像もテンポも演出も内容も何もかもがいいです。すごいとしか言いようがないです。 {/netabare}


4話 今回は見るべきところがなかったかな。

{netabare} 今週はちょっと映像的には見せ場がなかったかなあ。逆撫子の襲撃シーンくらいでしょうか。いや、もちろんレベルが高いのはわかりますが、3話がすごすぎました。来週以降の「ため」でしょうか。

 面白さもちょっとだけ中だるみの回でした。コロナにかかって咳をしながら見たせいかもしれませんけど。次回話が大きく動くでしょうから映像、展開の両面で期待です。{/netabare}


5話 超人気シリーズ故の贅沢で稀有なキャラの掘り下げ。

{netabare} 冒頭の方の絵画的な画面が美しかったです。手ブラの撫子の群衆もちょっと驚きました。

 まあ、そういう視覚的な面がすごいのは1話からずっとなんですけど、話が面白いですねえ。化物語シリーズは含意がないと思ってましたが、今回は結構成長課題を乗っけてきましたね。ただ、それが本作では特殊で、人気シリーズ故に物語内でストーリーとして見せた撫子の顔が本当にある、という点です。

 撫子は特に心に闇を抱えている分、非常にいろんな話の主役となりました。そこを逆手にとってここまでのキャラの総括に仕上げてきたのは、本当に素晴らしいと思います。超人気シリーズだからこその贅沢で稀有な話ですね。{/netabare}


6話 負けヒロインの再生の物語。本当に面白くて素晴らしい内容・映像でした。

{netabare} 1人のキャラの再生の物語をよくぞここまで、丁寧に面白く描きました。素晴らしいと思います。「負けヒロイン」のその後に続く物語に普段あまり目を向けませんが、彼女たちにも成長がちゃんとあります。そして、次の恋愛に向けて再スタートを切ります。

 少し強引なハッピーエンドではありますが、それは1つの事をやりきることと、自分の反省をしっかりする。そして、過去に見切りをつける。これがあるから、受け入れられます。

 しかも、2話~5話の間、たった1人の内面と成長をほぼ数名の登場人物だけで描き切りました。その構造で、まさに自分で自分を見つめなおす物語になっていました。
 作品の内容も素晴らしかったですが、少ない登場人物でこれだけ面白く飽きさせない作品に仕上げたのもまた素晴らしいです。{/netabare}


7話 日常と心の闇の構造でないので、キスショットの話は面白くない。

{netabare} この話を見てこの物語シリーズの何がつまらないか、やっとわかりました。キスショットの物語が面白くないんですね。
 私は「傷物語」のレビューは結構ボロクソに書きました。映画3本にまとめたこと、色合いなどなど。ですがそのいら立ちはキスショットの物語に対する反発のような気がします。

 物語シリーズにおいて、他の女子キャラと化者の物語は日常の中で、自分の心の歪みと周囲の人間の軋轢が生み出す闇のような存在です。それが助かるのは自分でしかないといことだと思います。

 ところが、キスショットの話って、設定なんですよね。キャラ造形に後から付け足したのも不満ですが、少なくとも物語シリーズにおける怪異の在り方とまったくかけ離れています。新規の奇異なキャラを登場させてまさに茶番劇を繰り返すしかなくなってしまいます。

 そこが私には面白くないんだと思います。6話までと比較して評価は残念ながらかなり落ちるだろうなあ、という気がします。撫子の成長を感じさせる物語と違って過去の話ですし。
 不思議なのは原作者はしつこくキスショットの話を書きたがっているのなぜでしょうか? {/netabare}


8話 このパートはストーリーもキャラも美術もセリフも嫌い。2話で区切りがついて良かったですが…

{netabare} さて、キスショットの過去の設定のための設定のような、寓話とは似て非なる言葉遊び。本当にキスショットの昔話は話は面白くないです。

 スーサイドマスターから見た場合は、何か読みとれるものがあるかもしれません。死を無駄にしない、喰うことと愛することは同じ…いろいろ感じるものがあるかも…いや、やっぱり言葉遊びも良いところです。しかも、キスショットがらみだとキレがないです。やっぱりダメです。本当に面白くない。いかにも後付けの設定の説明が嫌いです。

 このまま後半がこの話だったら切るつもりでしたが、7,8話で終わり見たいですね。この先どうなるかです。現代でスーサイドとキスショットの話が続くのか。まあ、現代劇で他のキャラがかかわってくるなら、面白さも期待できなくはなさそうです。ですが、できれば違うキャラで展開してほしいなあ。{/netabare}


9話 神原と阿良々木の安定感。話も面白い。演出は手抜き?

{netabare} ロリキャラ(撫子含む)じゃないとスタッフのやる気が無くなるのでしょうか。前半の演出の豪華さがないのはは不満点です。

 冒頭スーサイドが出来てきてちょっとがっかりしましたが、結果的に話は面白かったです。暗号のところが冗長でしたけどね。新キャラがですぎで、感情移入という点で心配でしたが、神原と阿良々木が出てきたので、その点はいつも面白さが出ていました。

 なかなか、いいんじゃないでしょうかね。やっぱり撫子のところほどじゃないですけど。{/netabare}


10話 ロリ大集合も忍と八九寺はなあ…斧乃木ちゃんが必要な理由がわかります。

{netabare} いつものロリキャラが大集合である意味ほっとするような展開ですが、やっぱりキスショット関係の話は興味もてないなあ。実は八九寺も形骸化してしまい、パタンギャグとしてもパワーが落ちてるかなという気がします。斧乃木ちゃんが必要な理由がわかります。この子は無表情設定で強引ですけど何をしてもギャグになります。

 それはそうと7つの奥義って刀物語の奴ですね。そういうメタギャグはもう古いかなという気もします。作品数がありすぎて全員の共通認識じゃないですからね。

 あとEDについて触れてませんでしたが、私は曲そのものの出来がいいし、化物語シリーズに合っているので悪くないと思います。珍しくアニメのクオリティが付いてきてない気がします。{/netabare}


11話 会話劇を演出で魅せる手法の限界かな?

{netabare} 最近、アニメ作品の情報量について考えているのですが、この作品って妖怪が出て事件が起きてバトル的な展開とならない限り、完全な言葉遊びなんですよね。特に言葉遊びが激しいのが忍のパートだと思います。その会話劇は1次元の情報です。だからこそ演出で魅せないと本作は成立しないのですが、さすがに演出はすごいとは思うのの、シャフト新房演出は、過去に見たことがあるものの変化形でしかありません。つまり、視聴者を引き付けるには圧倒的に情報量が不十分な気がします。

 今のOPを見れば、昔のサスペンス劇場のオマージュとしてよくできているのはわかりますが、ウエルメイドというのが、見飽きているというのと同じ意味になってしまっています。

 やっぱり、物語がないと作品にはなりません。その物語が後半は薄味すぎます。{/netabare}


13話 なんと14話がある!というのが一番の驚きでした。

 ずっと単調な会話劇が展開しているだけですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ぴーすぴーす

シャフト制作。

阿良々木暦の物語は無事終了するも、
彼に救われた少女たちにまつわる、
いくつかの前日譚、後日談が語られる。

公式発表では愚物語、撫物語、業物語、
そして大学生編である忍物語とある。

開幕は付喪神の童女、斧乃木余接による、
永久の怪異しでの鳥についての観察報告、
つまり阿良々木月火の日常の監視である。

{netabare}彼女はしでの鳥の現世での姿であり、
あらゆる傷を癒すがゆえに何も学ばない。
肉体のみならず、心の傷まで癒すがゆえに、
人生を省みる必要もなく学ばないのである。{/netabare}

超ド級にやっかいなキャラである。

多彩な映像表現と音楽、
相変わらず楽しくて安心しました。

最終話視聴追記。
終幕は女子高生ミイラ化事件の顛末、
{netabare}バスケ部員の心の闇が吸血鬼を呼び寄せたのか、
万死の吸血鬼スーサイドマスターも登場し、
キスショットとの因縁も語られる。

怪異にはそれにふさわしい理由がある、
少女の青春の迷いが悲劇を生んだのである。{/netabare}

個性溢れる面々の喜劇にして悲劇、
そこが物語シリーズの魅力なのでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

化物たちのオフ会

オフ会なのにオンラインオンリィとはこれ如何に…。
課金せずに文句垂れる不届者は誰だ!
気になりだすとポップアップ広告並にイライラが募る訳だが、内容は何処までも化物語の世界からはみ出すことはない。
それどころか、記号化された街並みや風景は、初期の作品のテイストを踏襲、さらに洗練されシンプルに。一足飛びに、彼女たちが息づき、取り残されたネバーランドに迷い込み、その一挙手一投足から目が離せなくなる。
お見事である。
                (2024/08/24)

デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター

聞き取れなかったので、うっかり調べていたら、
『どうやら、またネタバレを喰らってしまったらしい』
要は、遅れて参加のマスターさんは免疫がなかったということでして…
必死が仇となっての決死行でありました。
拡散は万死に値する訳でして、この辺りでお開きに…

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

68.5 47 2024年度アニメランキング47位
転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (188)
577人が棚に入れました
第七王子は“魔術ヲタク” 魔術に大切なものは、“家柄“・”才能“・”努力“……。 魔術を深く愛しながらも、血筋と才能に恵まれずに非業の死を遂げた“凡人“の魔術師。 死の間際に「もっと魔術を極め、学びたかった」と念じた男が転生したのは、強い魔術の血統を持つサルーム王国の第七王子・ロイドだった。 過去の記憶はそのままに、完璧な血筋と才能を備えながら生まれ変わった彼は、前世では成しえなかった想いを胸に、桁外れの魔力で“気ままに魔術を極める“無双ライフをエンジョイする! ライトノベルを原作とし、マンガアプリ「マガジンポケット」(講談社)で連載を開始したコミカライズはアプリ内セールスランキング1位を記録し、シリーズ累計発行部数は250万部を突破! いま最も注目される“転生異世界ファンタジー“が満を持してアニメ化! 舞台となるのは獣や魔人が巣食う異世界。本作では魔術に通じる者たちが恐れを成すほどの絶大な魔力を持つロイドが、自身の興味の赴くままに魔術を学び、極めようと成長する姿が描かれていく。ちょっぴりお気楽だけど、強大な力で圧倒していく魔術バトルの爽快感と迫力が詰まった、“第七王子“による気ままな転生物語が今はじまる! 「俺は、魔術を楽しみたい、それだけだ。」


声優・キャラクター
ロイド:小市眞琴
グリモ:ファイルーズあい
シルファ:Lynn
タオ:関根明良
レン:高橋李依
グリモワール:大塚明夫
アルベルト:堀江瞬
ディアン:広瀬裕也
アリーゼ:熊田茜音
シロ:松井恵理子

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

かわいらしいキャラたちがアクションで魅せる作品。

謙虚なサークル(原作)、メル。(イラスト)による原作小説は、「小説家になろう」から「講談社ラノベ文庫」(講談社)で書籍化(既刊7巻、小説未読)。
石沢庸介(作画)によるコミカライズ版は、マンガアプリ「マガジンポケット」(講談社)で連載中(アプリ内セールスランキング1位を記録、既刊15巻、コミカライズ版は途中まで既読)。
アニメは、全12話(2024年)。監督は『明治撃剣-1874-』の玉村仁。制作は、同じく『明治撃剣-1874-』のつむぎ秋田アニメLab(本作が2作目)。放送は、テレビ東京系列など。なお、二期の制作が決定済み。
(2024.4.14投稿、7.15「本作の特殊な制作体制」を末尾に追加)

【あらすじ】
血統による魔法の才能が絶対的な力を持つファンタジー世界が舞台。そこで才能に恵まれなかった魔術師が血統による魔法の才能に恵まれた貴族と決闘して死亡した後、サルーム王国の第七王子ロイド(CV.小市眞琴)として転生。
その後、血統による魔法の才能を得た主人公ロイドは、第7王子という気楽なポジションと前世の知識を武器に魔術を極めて俺TUEEEするという、いかにも「なろう」な作品。

基本的なノリは、コメディなので観やすい作品だと思います。また、キャラが全般的にかわいらしく、その「かわいらしいキャラ」からは想像しがたいほど「よく動くアクションシーン」で魅せる作品にもなってます。

なので、上で「なろう系」とは書いたものの、雰囲気は、世界観や時代設定が異なるものの、軽いノリや見た目かわいらしいキャラたちが、えげつないバトルをするところから『平穏世代の韋駄天達』が近いでしょうか。ただ、エログロ表現の多い『平穏世代』より内容がマイルドなので一般受けはしそう。


【かわいらしいキャラたち】
主人公のロイドは、10歳のショタキャラなのですが、魔術と武術に対して異常なまでの興味を示し周囲をドン引きさせます。

また、王城の地下に封印されていた魔人グリモは、ペット兼マスコット兼解説役として、わざわざ声優を大塚明夫さんからファイルーズあいさんに変更し、姿も可愛らしくなって、ロイドの使い魔となります。

個人的には、ロイドのメイドで教育係のシルファ(CV.Lynn)が推し。
彼女は、「銀の剣姫」という異名を持つ銀髪の剣の達人なんですが、ロイドを溺愛しており、ロイドのことになると暴走気味に…
また、彼女の見せる「ラングリス流剣術」が本作の見処の一つにもなっています。

あと、冒険者で気術使いのタオ(CV.関根明良)は、イケメンに目がなく、シルファと張り合うやりとりが面白い。

さらに、第6話からEDなどで既に登場していた褐色幼女のレン(CV.高橋李依)がようやく出てきて、圧倒的な魔力を持つ魔族とのバトルが始まります。


【よく動くアクションシーン】
さて、本作では、実写のアクション映画などではよく見てもアニメでは見なれない「アクション監督」(『ダンス・ダンス・ダンスール』の主人公・村尾潤平の父親がアクション監督でしたね)の表示が!
本作のアクション監督のアベユーイチさん、Wikipedia調べですが、特撮のウルトラマンシリーズで監督などをしていた方のようです。

私は武道をしていたので、アクションシーンの違いに敏感なのかもしれませんが、本作のアクションシーンは、他のなろう系アニメとは一線を画すレベルだと思いました。

例えば、第1話でいきなり始まった、それまでのコメディタッチな流れとは不釣り合いとも思えるほどの凄まじいロイドとシルファとの剣の稽古シーン。まず、これに驚いてレビューを書こうと(笑)

また、第10話。シルファの「ラングリス流 一虎・顎」の演出がかっこよすぎる。あの微妙な角度をつけた構えからカメラアングル一周は、実際に達人の動きをモーショントレースするか武道やってた人じゃないと、あそこまで細部を表現するのは難しいと思いました。

監督以外に「アクション監督」が別に求められる理由は、監督の頭に全身の具体的な動きのイメージがないと、それを具体的な動画にできないから(アニメの原型である「パラパラ漫画」の要領)。

是非、他のアニメのアクションシーンと比べて欲しいのですが、他の作品では、具体的な動きのイメージを持てないこと以外にも動かすと予算や作業量などが大変なこともあって、剣を持ったままの「止め画」や、動きの過程を省いて最後だけ敵を倒す描写をした「決め画」が多い。

対して本作では、動きの過程に説得力を持たせるだけの一連の描写の流れに裏付けがある。もちろん、アニメなので実際の動きをリアルに再現したわけではなくて、「カンフー映画」みたいに、動きとしては現実にはありえないんだけど、リアリティのあるアクションになっているということ。

特にアクションシーンに興味がある方は、「百聞は一見に如かず」、話のネタに一度ご覧になってみてはいかがでしょうか(※動画のアクションシーンは、静止画の漫画にはできないアニメ独自の魅力だと思うので、作画の評価をあげました。)。


【声優】
『呪術廻戦』で真人役をしていた島﨑信長さんが、本作でも似たような役柄で登場。そもそも声優業界における悪役不足という問題もありますが、仲の良い松岡禎丞さん共々、最近はこの世代の人たちの悪役も多くなってきましたね。


【「本作の特殊な制作体制」(2024.7.15追加)】
(「『第七王子』のEDクレジットを見ると、なぜ日本アニメの未来がわかるのか」(2024.7.13のASCIIの記事)を引用したかったのですが、URAがNGワード扱いされるので、お手数ですが自分で検索してください。)

この記事によれば、本作は、絵コンテ、作画監督、総作画監督が、ほぼ固定という、日本のアニメ制作においては、特殊な作り方がされているようです。ちなみに、他の制作会社は、各担当が話数ごとに違っていて、それが大雑把に数グループある感じ。

話数毎に担当が違う場合にどうなるかについて、わかりやすい例は、同じ『ドラゴンボール』の孫悟空でも、作画監督によって微妙に描かれ方が違うといった比較がネットを検索すると出てきます。こんな感じで、同じ人が継続して担当するというのは、作画の安定につながります。

それで、詳しくは、記事を見てもらうとわかるのですが、要は、新しい技術を使って、従来分業していた工程を同じ人がまたいで関われるようになり、作業工程が合理化されたみたいです。

上で書いた本作におけるアクションシーンのなめらかさは、そういった制作体制の合理化がもたらした産物であったようです。

そうすると、制作工程の合理化によって、なめらかなアクションシーンを描けるようになり、そこにアクション監督を置く必要性が生まれたという風にも言えるのかもしれませんね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

missing31 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

きつい

原作は未読だが多分小学生~中学生向けのレーベルなんだろう。この内容のラノベをここまで仕上げた漫画家、アニメスタッフが逆に凄いのでは?思う。

講談社はどうか知らんけど、角川やスクエニはコミカライズの際に不自然なところや矛盾点は大抵修正されるものだが、それでもかなりヤバい。

鋼の錬金術師などでもおなじみ「等価交換」の原則や、Fateの様な意味不明なのに謎の説得力がある妄想魔術理論なども一切なく、見ているだけで知能が低下していく感じが逆に心地よくなってくる。

何もかもがご都合主義で、この世のラノベのアクを煮詰めて凝縮したような痛さ満載で「あ~あ、またやりすぎちゃった、てへぺろ」どころの話ではない。清々しい程にIQが低い設定と展開で逆に面白い。あくまでも逆に、だけど。

純粋なアニメの面白さという点で言うと、キャラが良いくらいで後はゴミである。

小学生に見せたら面白いかも?と思ったが、その割に半裸のロリとかショタ要素などがあり、40歳(精神年齢10歳)みたいな特定の層にしか刺さらないのでは?と思ってしまった。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

これは・・・、すごく評価が難しいというか、誰に向けたアニメ???

タイトル通り。
原作未読。


うーん、最初1話を観た時は、いつも通りなダメアニメかあ・・・と思った。
しかし、話数が進むと意外とちゃんとしているというか、出来は悪くない。

ただし!

これ、誰に向けたアニメなの???
子供向けだとしたら、正直、展開が子供向けじゃない。
そして、大人が見ても、作画含め、特別ハマる理由がない。

視聴するターゲットが誰なのか、全くわからないけど、出来自体は酷くはない、という不思議。

例えば、ガンダムは当時の小中学生には話の奥深さを当時は理解できなかったけど、
ロボットアニメとして魅入られる要素が山ほどあった。
大人が見たら、ロボットアニメという子供向けアニメのはずなのに、
設定や世界観は完全に大人でも引き寄せられる物語性があった。

例えば、テレビアニメの名探偵ホームズは、イタリア発注のテレコム制作。
作画やストーリーは完全に子供向けだったが、大人が見ると唸る演出や作画、動きが満載だった。
ルパンで培った宮崎アニメとテレコムの力が存分に発揮されていた。

で、これ。

うーん、作画とか悪くないし、色々凝っているのもわかる。
でも、唸るほどでもないし、そもそもギャグとシリアスの物語の振り方もバランス悪い。
転スラみたいに幅広い人にはウケないだろう。
という以前に、受ける層がどこなのかがわからない。

悪い作品とは思わないだけに、本当に不思議。
9話まできて、まだ完結してないけど、
思うことは、「もうちょっと全体を俯瞰的に見ることができる人(まとめ役)いなかったの?」かな。

悪い作品じゃないけど、良くはない。
惜しい!とも思わない。
結局のところ駄作なんだよな。
妙に作画がまともな、低予算深夜失敗アニメと並ぶ駄作。
無駄にマンパワー使ったなぁ‥。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

68.5 47 2024年度アニメランキング47位
勇気爆発バーンブレイバーン(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (163)
354人が棚に入れました
―――ふたりを繋ぐ“勇気”人型装甲兵器『ティタノストライド=通称TS(ティーエス)』が発達した時代。 各国軍は“ハワイ オアフ島”に集結。陸上自衛隊所属 イサミ・アオと アメリカ海兵隊所属 ルイス・スミスのふたりは戦闘の最中出逢う。 突如所属不明機による強襲を受け、為す術もなく散っていく兵士たち。 己の誇りをかけて戦え。死と隣り合わせの戦場で生き残る為。仲間を救う為。 命を信じて、“勇気”を燃やせ。

腐った牛乳侍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

着地は悪くなかったけどネタ要素ごった煮させる必要あった?

なんで掴みが良かったのに2話でBL表現盛り込んだり主人公無理やりなよらせてネタに走るの?寒々しすぎる。

1話でとんでもないダークホースが現れたと見せかけて2話でネタ路線に走るという意表を突く展開をしたんだろうけど滑ってる。

違うんだよ!見たかったのはこうじゃないんだよ!!ネタ要素でお茶を濁す感じのロボアニメは嫌いじゃないけどネタのアクが強すぎてキツイんだよ!!耐えられない…と思いきやネタ要素よりヒロイン登場や伏線みたいなシーンも出てきて思いのほか面白さを取り戻しつつある…?

伏線の張り方と回収は上手いからちゃんと話の所はしっかりやってるのね。まぁ気持ち悪い描写でお茶を濁すのは大概にして欲しいけど…

9話めちゃくちゃ熱い!伏線回収や引っ張られた謎の収束で一気に盛りあがった!けど尚更前半ネタ要素引くほど濃いめにする必要ありました…?

最終回感想
なんだかんだ熱いアニメで見てて楽しかったけど、前半のネタ要素の癖強さで視聴やめそうになったあたり、ネタ要素やBLシーンはいらないと思います

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

8話が事実上の最終回・・・だと?

<2024/2/19 追記>
制作スタッフがトークショーで「スタッフ的には8話が事実上の最終回」と言ってたらしい。
ストーリー的になのか?
謎が解けるって意味なのか?
アニメ製作作業が一番大変だったってことなのか?
とにかくあと2話っすね笑

<2024/1/20 初投稿>
Cygamesのオリアニらしい
2話まで見ました
見始めなので評価はデフォルトの3.0

こういうのも多様性って言うんですかね
海外の腐れポリコレ野郎どもに是非とも意見を伺いたい笑

内容は・・・ある意味生粋のロボアニメです。
リアルでもありスーパーでもある。
それ以上は今は言えない笑

ロボものお好きな方ならちょっと覗いてみる価値あるかもです。

2話まで見た感じ、もしかしたらブレイバーンって{netabare}女の子か?スミスを乗せるのを「生理的に無理」とか言ってたし。2話ラストで波打ち際に倒れてた女の子って倒された敵ロボたっぽいし。
まさかこの作品って、艦これやウマ娘のように美少女化するスーパーロボものなのでは?笑
Cygamesだし{/netabare}笑

つかこの後どうなるの?

<2024/2/18 初投稿>
6話まで見ました。
評点4.2は6話まで見てのものです。

謎が謎よぶ展開。
さっぱりわかんなくなった。
3〜6話までのポイントは
{netabare}
・美少女ルル登場
・海中戦。エヴァのガギエル戦を彷彿とさせる
・イサミ、ようやくパイロットスーツ着る
・男二人が半裸で拳で確かめ合う笑
・杉田メカ再登場
・名乗りのタイトルバックは自分で投影するスタイルのブレイバーン笑

6話の杉田さんの挙動見ると変態ロボども=美少女説は無くなったのかな
だとするとCygamesはブレイバーンをどんなゲームにするつもりなんだろ?このままだと生理的に気持ち悪いゲームになりそうだけど笑
{/netabare}

4,5話で少しおとなしかったブレイバーンさん
6話でまた気持ち悪さ充満してきましたね。
この先も楽しみ。。

<2024/4/7 追記>
リアタイで最終回見ました
ブレイバーンの正体が{netabare}スミスだってのは、もしかしたらとは思ってましたが、まさか淫蕩のデスドライブズ・田中敦子さんもといクーヌス嬢だったとは!!!笑{/netabare}
どうりで気持ち悪いわけだ
王道エピソードをパッチワークのように組み合わせてるくせに、今まで全くなかったロボアニメになるという訳のわからないアニメでした
あとやっぱOPテーマ曲がクセになりますね

そういえば公式が変ですね
デスドライブズの{netabare}追悼{/netabare}動画を出したり。特にとあるデスドライブズさんの{netabare}追悼{/netabare}動画はほとんど「ヒロシです・・・」になってたし笑

あと女の子キャラの抱き枕を販売するのはわかるとして(ネットでは「なぜイサミとスミスの抱き枕じゃないんだ」の声が上がってたようですがw)、股間にイサミをあしらったパンツ売り出してるし。ケツはブレイバーンw

エイプリルフールネタで「ブレイバーンのフライパーン」とか

最後までやりたいほーだいっすね

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ブレイブ・リバイブ

勇者シリーズの大張正己×サイゲ。
キモいロボという発明。

ロボ好きメカ好き設定厨の人はネタ枠として気軽に観ましょう。ロボSFの醍醐味は無いに等しく、タイトルのわりに勇気の物語ですらない。しかしさまざまな謎を「話を聞かないヤツ」だけで処理する力技は逆にお見事。それっぽい画面が楽しめればOK。ロボプラモ売りたいのかと思えば商品展開なし。やっぱ美少女フィギュアがメインかな。

日米共同演習中に突如異星人が襲来。戦闘機や戦車は勿論、最新鋭の人形兵器すらも容易く蹂躙される中、主人公イサミの前に「助けに来たぞ」と突如現れた喋る巨大ロボ、ブレイバーン。何故イサミを知っている?彼は一体何者なのか?謎の異星人の目的は?なんでロボが喋るのか?あのクドイ歌はなんなの?技名は一緒に叫ぶの?イサミは地球を救う勇者となるか!いけいけブレイバーン!がんばれブレイバーン!

0607
いきなりサクサク進行なわりに無駄に謎が増えるのみ

ブレイバーンがトンデモすぎてせっかくの大張演出も死んでる。生存機体が綺麗すぎ。半壊か、せめて汚して。今更ファティマ設定?ネタバラシしてもへぇで終わりそう。円盤売りが目的でなく話題になればOKなアニメとしてならこれで正解なのか。ルルだけだとツラいので喋る萌えキャラで萌え度アップ。もう誰もツッコまないタイミングでのゴリゴリの萌えキャラ投入。上手い。ロボより萌えキャラのほうが売れるので仕方ないな。

結局美少女アニメだったグリッドマンやガルガンティアよりはマシだが期待した分ガッカリ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9

68.4 49 2024年度アニメランキング49位
ザ・ファブル(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (95)
311人が棚に入れました
最強の天才殺し屋...でも殺してはいけない? 幼少期から殺し屋としての英才教育を受け、 どんな敵も 6 秒以内に鮮やかに葬り去る、 無敵の殺しの天才・通称“ファブル”。 ある日、組織のボスから 「1年間誰も殺してはならない」 という突然の指令を受けた彼は、 人殺しをしない全く新しい生活を送ることになる。 佐藤明と名乗り、プロとして初めて過ごす普通の生活。 しかし、平穏な日常の中に蠢く、不穏な空気が明を放っては置かない...。 果たして、この最大にして至難のミッションを遂行することはできるのか!? 寓話と呼ばれし無敵の殺し屋“ファブル”の、 カッコよく、滑稽で、 そして少し風変わりな 1 年間の殺し屋休業生活が始まる!

声優・キャラクター
佐藤明:興津和幸
佐藤洋子:沢城みゆき
清水岬:花澤香菜
海老原剛士:大塚明夫
小島賢治:津田健次郎
ボス:小村哲生
ジャッカル富岡:福島潤
浜田広志:石井康嗣
黒塩遼:岩崎諒太
高橋勝也:三野雄大
砂川宗一:髙橋耕次郎
マツ:水内清光
田高田健二郎:大西健晴
貝沼悦司:朝比奈拓見
マスター:一条和矢
河合ユウキ:梶裕貴

K2 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

佐藤のこれじゃ無い感

カラー設計は、好みだが、
作画がねぇ、、、
動画部分がねぇ。
格闘シーンで、再度評価かなぁ。

それにしても、佐藤明の「これじゃない」感。

これからのストーリー展開、
というか原作は全て読了なので分かっているのだけど、
あの、シリアス&スラップスティックをどう表現するか、、、。
見もの。

このままなら、見なくなるかなぁ~

4話
洋子の「これじゃない」感が追加された。
まだ、岡田君の実写の方が、まだ原作イメージに近い。
演出のテンポかなぁ。
漫画だと、自分でテンポを作れるけど、
アニメ、映画だとそうも行かない。
実写映画のテンポ感をもう少し、見習ってほしいなぁ。

5~8話
作画は、我慢できるレベル。
やりたい事は、十分に理解できるから。
やっぱりテンポの緩急が良くないなぁ。
笑どころで、笑えないなぁ。
カット割りはパーンとズームを多様しすぎて間延び。
同じく佐藤の殺し屋の本能が垣間見れる
日常とのアンバランスな笑どころで笑えない、、、。

小島の隠しきれない、どうしても日常に溶け込めない狂気が薄い、、、。
残念。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

わぁぁぁあ!やめて!CVが原作潰ししてるとしか‥

原作1部も2部も読了。大ファンです。

独占配信になってるのか
U-NEXTでは1話のみしか無料じゃないけど
とりあえずでもアニメの出来を知りたくて1話のみ鑑賞。

まず、
OPに続々と出てくるキャラたちを見て
原作に忠実な程よいキャラデザで嬉しくなりました!

が!それも束の間‥

ストーリー開始数分、
明と洋子ちゃんが喋った瞬間
地面に頭めり込むかと思いました本当にショック。

気だるそうな喋り方の設定を守ってるんだろうな
という意欲は伝わりますが‥
この出来にGOサインを出したんですね、そうですか。

洋子ちゃんに至っては沢城さんの無駄遣いとしかww
こんなに若々しい媚びた系の話し方じゃなくても
良かったんじゃないかなと思います。

原作読んだ作品をボロクソに言うと
原作勢がうるせー!って思われてしまい
アニメの不出来さに加えて
原作のイメージダウンに更なる追い打ちを
かけてしまいそうなので程々にしておきます。

ちなみにキャラデザについては満足点を出しましたが
躍動感ある動きや迫力が原作の見どころでもあるので
動きを表現してる部分に関しては作画もちょっと‥
物足りないどころじゃない。

とても楽しみにしていただけに酷いです。
これ以上は荒ぶりそうなので書くのやめておきます。

1話しか無料じゃないから"中断"ではありません。
2話以降があっても中断です。

珍しくアニメ化よりも
実写化の方が成功した作品ですね。

☆の評価は原作通りのストーリーであれば、
というのを前提に物語を★5にしています。
声優でバランスが崩れてるのでキャラは★3に。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハードすぎないコミカルすぎない絶妙なバランス。緩急の上手い作品。

 16話まで見ました。見逃し配信で見ています。4、5~8話を飛ばしてしまいましたが、ほぼコミックス通りなのでレビューします。見逃し配信の最後が9月末なのでその前後でディズニーに1か月は入ろうかな、と思うくらいには面白いです。
 原作は何年か前にどっかの食堂で読んだら面白くてその店にある8巻まで数度通って読みました。ちょうど今やっているあたりだと思います。

 こういう作品ってとっかかりが難しいです。1巻の表紙を見ると「殺し屋イチ」「シマウマ」みたいなドロドロの奴を想像していました。こんなにギャグ…だけではない部分もありますが、面白いとは思いませんでした。
 シリアス部分のハードさは少し前にアニメでやった「マイホームヒーロー」くらいですが面白い部分が本作の方が多いです。といっても「静かなるドン」のようにギャグに振りすぎてません。その辺の緩急のバランスが非常に上手くできています。あるようでなかった新鮮な感覚があります。

 そう…この緩急は非常に上手いです。佐藤洋子というコメディよりのキャラを置いたのがいいです。洋子の酔っ払い男の鑑賞、最高です。活き活きしています。それでいて、只者ではない感がいいです。アニメでは沢城みゆきさんがやっているのが非常にキャラに合っています。

 この緩急に関しては、メインヒロインのミサキは洋子と違う意味でいいです。性格が一般人感覚で結構いい性格だろうと思わせる描写が初期からあるので、自然読者・視聴者が応援したくなるキャラになっています。
 素性として{netabare} もとグラドル、AVもどきのイメージビデオの女優をやったり、ちょっと強制的なエロいシーンなど{/netabare}いろいろありますが、その辺の昔の事を含めてなかなか可愛いキャラに描けています。作中の登場人物からのミサキへの評価は読者目線に近いのではないでしょうか。つまり描写やエピソードが上手いということです。この2人のキャラが秀逸です。

 アキラ自身も新しい場所で今までと違う生活をするという話で、そのドタバタがアキラのコミカルな日常に見えます。見えますが、それはアキラの出自にかかわることだとわかってきます。
 それとアキラに憧れるクロを置くことで、アキラの能力の説明が物語上で自然に理解できていきます。この真骨頂が今やっているキャンプ編です。

 この主要キャラ3人プラスクロ以外は比較的シリアスで、その配置が上手いのでしょう。

 アニメはほぼ原作と同じ水準の面白さがあると思います。会話劇のセリフが多い作品なのでアニメの方が理解しやすいかもしれません。

 作画がいいかどうかというレベルでは動きがないですが、原作からさほど動きがある絵ではないので、違和感はほぼありません。丁寧な作りなので必要十分以上の水準だと思います。サブの「あっちの人たち」の描き分けが良くわからないのも一緒です。




追記 最期までみました。

 原作の一番面白いところで終わりましたね。ヒナコの手紙は一つの文学だと思います。最高ですよね。会いたいけど会わないほうがいいことが分かっている感じ。恨みもないし、後悔もない。その精いっぱいの想いがこもっています。

 全編でこの話が一番いいと思います。ミサキとどうなるの?がないのがちょっと残念ですけど、原作の既読勢からするとここが面白さのピークだと思います。

 総評としては「原作でいいじゃん」がつきまといますけど。一方でアニメは若干のエロシーン以外はほぼ忠実だったので、原作読んでいない人でも十分評価できるのではないかと思います。ですので、4はつけたいなと。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

68.3 50 2024年度アニメランキング50位
転生貴族、鑑定スキルで成り上がる(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (187)
584人が棚に入れました
異世界に転生した主人公アルス・ローベントは、小さな領地を持つ弱小貴族の子として生きることになった。 アルスには特別な知力や武力はないが、生まれながらにして他人の能力・ステータスを見抜く“鑑定スキル”を手にしていた。 そのスキルを活かして世に隠れた「逸材」を発掘し、弱小領地から最強の領地へと変貌させていく。 心優しいアルスと、個性豊かな逸材たちの出会いと成長を描く異世界統一記が今、始まる!

声優・キャラクター
アルス・ローベント:藤原夏海
リーツ・ミューセス:坂泰斗
シャーロット・レイス:佳穂成美
ロセル・キーシャ:岡咲美保
リシア・プレイド:花澤香菜
レイヴン・ローベント:東地宏樹
ミレーユ・グランジオン:生天目仁美
ファム:戸松遥

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

地方領主の野望

人の能力を数値にしてみることができる能力を持つ地方領主の息子が主人公
ゲーム知らないけど能力の元ネタは信長の野望というゲームだそうで、高い能力の人を発見したときに戦国武将に例えていますね

主人公がバトルで無双しないので仲間達の活躍が中心、一人一人にスポットライトが当たっていい感じでした
面白かったけど、他の領地との駆け引きや人材集めばかりに目が行っていて、内政や外交は今のところあんまり考えてなさそうなので、これから面白くなるかどうかは半信半疑です

一期は仲間集めでほぼ終わり、他の領地や他国との闘いがどう描かれるのか楽しみですね

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(最終)カタルシスが不足している『なろう』は『なろう』といえるのか

【レビューNo.131】((最終レビュー)初回登録:2024/6/29)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
今期も異世界なろうっぽい作品が多く、ほとんどタイトル切りですが、本
作は「鑑定スキル」が「何の鑑定やねん?!」と気になったので視聴。
出来れば「イセレべ」っぽい「ネタ実況枠」のレビューをやっていきたい
のですが、そこまで香ばしさがある作品かどうかw

(ストーリー)
異世界に転生した主人公アルス・ローベントは、小さな領地を持つ弱小貴
族の子として生きることになった。
アルスには特別な知力や武力はないが、生まれながらにして他人の能力・
ステータスを見抜く“鑑定スキル”を手にしていた。
そのスキルを活かして世に隠れた「逸材」を発掘し、弱小領地から最強の
領地へと変貌させていく。
心優しいアルスと、個性豊かな逸材たちの出会いと成長を描く異世界統一
記が今始まる!
(作品情報より)

(評 価)
・第1話:ゲーム「信長の野望」などを下敷きにした作品かな
 {netabare}・1話の大まかな流れですが、
  ・主人公が現実社会で心臓麻痺っぽい死に方(過労死?)。
   → 田舎貴族のローベント家に「アルス・ローベント」として転生。
  ・3歳になったアルスは鑑定スキルで、ある兵士の鑑定を実施。
   槍より弓矢の適性が高いので、そちらへの転属を勧める。
   → 試してみると一同「おおー!!」
  ・この世界の文献を調べると、中央政権の腐敗が進み、今後動乱の時
   代を迎えそう。
   → 領地を守るためにまずは優秀な人材を集めねば!
  ・町で鑑定スキルで人材を物色していると、武力が高いマルカ人の少
   年リーツを発掘。
   (マルカ人は通常奴隷等で差別対象)
   → 当然登用は周りから大反対。
  ・アルスの熱心な説得の末、この領地最強の父・レイヴンが試験する
   ことに。
   → リーツは才能の一端を示し、父や部下たちも彼の才能を認め、
     無事アルスの家臣に。
     リーツは自分を見出してくれた大恩に報いるためにアルスに忠
     誠を誓うのだった。
  (まだ大したことをしていないということもありますが)3歳で異常に
  しっかりしている点を除けば、悪くない無難な滑り出しだったのでは。

 ・個人的には光栄ソフトの歴史シミュレーションゲーム「信長の野望」や
  「三国志」を下敷きにしてるのかなっという印象ですね。
  これらゲームも武将の能力・ステータスが数値化されていて
  ・有能な人材を発掘し登用していく
  ・知力や政治力の高い武将で国力を上げたり、謀略で他国の戦力を削っ
   たりしながら戦争準備を整えつつ
  ・武力の高い武将で周辺国に攻め込んでいく
  って感じなので。
  この手のゲームは今でもたまにやっているので、なんか愛着が持てた
  というのも大きいですかね(笑)

 ・でも当面は人材発掘でエピソードが創れそうですが、このターンが終
  わるとどうみせていくのでしょうか?
  発掘した家臣は見せ場がありそうですが、アルスをどう扱っていくの
  かがちょっとわからないんですよね。
  ・ひたすら「アルス様にために!」で担がれる神輿になる
  ・「鑑定スキル」の拡大解釈でガバガバ設定にw
  ・現実世界の知見を活かした「領地改革」
   (それじゃ劣化「現実主義勇者の王国再建記」になりそうですがw)
  まあその辺含め、今後も見守りたい作品ではありますね。
  個人的には「イセレべ」のような香ばしい作品になればという感じで
  すが、そこまでのパワーはないかもですね。{/netabare}

・第2-3話:早くも手詰まりの予感。大丈夫か?!
 {netabare}2人目の人材発掘は、魔法の才をもつシャーロットでしたが・・・
 正直2話かけてやるほどの内容ではなかったなっと。
 ・1話は時間配分がちょうどよく面白く視聴できた
 ・今回は(極論でいうと)1話と同程度の内容を2話に引き延ばした感じ
  → そりゃ内容も薄くテンポも悪くなり面白くなくなるよね
 例えば象徴的なのが2話の冒頭のシーンですが、
 ・この国の歴史や現状の説明
  → 1話の説明と大分被ってるし、全体的に無駄に長いよね
 って感じなんですよね。まあ一事が万事こんな感じで・・・

 仮に1クールを12話と考えると
 ・5話位まで人材発掘に使いたいよね
  → 5人ほど逸材を発掘するぞ!
 ・ちょっと待て!OP映像では3人しかいなくないか?!
  → 1人を登用するのに2話使うしかなくない?!
 しかも
 ・鑑定スキルって、一目で適正見抜くのですぐに終わるよね
  → よっぽど上手く話を創らないと2話分引っ張るって無理があるやろ!
 結構構造的に詰んでいるのかなあって感じがするんですよね。
 更に前回懸念事項に挙げたように
 ・人材発掘した後、鑑定スキルどうするの?
  → 出オチで終わるのか?!
    (敵の弱点や外交交渉時の突破口捜し等に使えるかもしれないが)
 ・逸材3人で回すのキツないか?
 等疑い出すとキリがないんですよね。
 まあ始まったばかりなので、これからを信じて待ちたいと思いますが。
 
 ただ1話の好調の滑り出しから一転、評価は急降下で次回も構造的に詰んで
 ないか?という不安を感じる展開だったかなっと。{/netabare}

・第4話:テンポは戻ったが、今度は作画が・・・
 {netabare}前回から3年が経ったようです。
 シャーロットも魔法の才能を磨き、ランベルク軍のエースに成長したよう
 です。
 成長といえば食生活がいいのか、奴隷時代の貧相な体からこちらも立派に
 育ったようですが、「とりあえず胸は爆盛りにしとけばいいやろw」みた
 いなセンスはどうにかなりませんかね。
 またアルス様に双子の弟妹できたようで・・・
 2人とも将来有望で、なるほどそういう逸材発掘もあるんかと。

 3人目の逸材は、知力の才を持つロセルでした。
 まあ攻撃力の高い2人を登用したので、軍師ポジの人材は妥当なところで
 すね。
 今回はロセルの2人の兄も武人としての才ありというオマケ付きです。
 (元々2人の噂を聞きつけて訪問したのがきっかけ)
 これを今回は(予想に反して)1話で収めてくれたので、テンポはよく面
 白かったですね。
 やはり2話構成だと、それなりに緻密に物語を創り込まないと厳しいです
 からね。

 ただ今度は作画が・・・
 元々低予算アニメということもり、作画は多少やむを得ないところはあっ
 たのですが、「前回こんなに酷かったっけ?!」という感じで。
 特にシャーロットなんか、美少女キャラ台無しだよ!!
 今後が不安ですね。
  
 次回はEDを歌ってるリシア回でしょうか。
 しかしサブタイの「嵐、来る!」って何なんや?!
 まあここまでは「なろう原作」と思えないほど、実直に創られているとい
 う印象なので、ここらで1発はっちゃけるのもいいかもしれません。{/netabare}

・第5話:アルス様とリシアの相乗効果を生み出した、いい回だった
 {netabare}今回は許嫁のリシア回でした。
 サブタイ「嵐、来る」から、周りをひっかき回す”とんでも娘”を予想して
 いましたが、
 ・政治力やコミュ力が高く、思慮深く行動できる
  (外面を繕うしたたかさも持ち合わせている)
 ・観察眼の鋭さや野心の高さから、アルス様を見定めようとしていたが
  ・アルス様のを本質的な人間性を見極めて、きちんと内面を好きになる
   (打算ではなく、純粋に人を愛する真っすぐさもある)
  ・民のことを慮れる優しさや上に立つ者の器も持ち合わせている
  ・(今は弱小貴族だが)アルス様の将来性もしっかり見抜いている
  本質的な人間性に優れた、好感度爆上がりなキャラでしたね。
  ”脳筋・シャーロット”との対比も面白く描かれていましたし。
 
 またアルス様の鑑定スキルも人材発掘だけでなく、今後の外交交渉等でも活
 躍しそうかなという期待も膨らみましたし。
 (またリシアの鋭い観察眼との相乗効果も期待できそう)
 ただリシアにドギマギするアルス様は、一見年齢相応で可愛げがあるのです
 が、中身は「DTおじさん」だからなあ・・・
 まあそれはさておき、リシアをしっかり描くことでアルス様との相乗効果を
 生み出した、いい回だったのではないでしょうか。
 前回酷かった作画も持ち直していたように思いますし。

 人材発掘のターンは終了し、ここから動乱の時代に向けての準備が始まるの
 でしょうか。
 それに父・レイヴンの病は何かのフラグなんでしょうか。とりあえず介抱に
 は向かったようですが・・・
 これ無関係だったら逆に何なんやって話ですが。{/netabare}

・第6-7話:ついにアルス様の時代来たる!
 {netabare}中央では総督が暗殺され、後継者争いが本格化。
 それに伴い、各地にも戦火が及ぶ事態に。
 一方のランベルク領も
 >それに父・レイヴンの病は何かのフラグなんでしょうか。
 やはりレイヴンの病は回復せずに悪化した模様です。
 そんな中、レイヴンの代わりに戦場で指揮を取る決意をしたアルス様で
 したが、レイヴンの与えた試練
 ・目の前で罪人の処刑を見ても平常心を保てるか
  → 初めての衝撃的なシーンに耐えきれず
 で、戦場にはレイヴンが出陣。見事敵を蹴散らすもレイヴンも病に没し、
 ついにアルス様が当主として立つことに。
 ようやく1話冒頭のシーンを回収ですね。

 「鑑定スキル」自体は単なる「情報収集」のスキルにしか過ぎないので
 ・その情報をどう活かし見せ場をつくれるか
 って話になるのですが、(スキルの性質上地味な印象は否めませんが)
 地に足がつき、実直に創ってるなあという印象ですね。
 (試練で挫折を描くなども真面目だなって感じですし)
 また動乱の時代に突き進むところで、アルス様が当主になるもの上手い
 切り替えだと思いますし。

 ただここからの「成り上がり」展開をどうするのか。
 物語的には一応
 ・総督の後継者争いの”兄”側につく
 という世界観なので、ここでいう「成り上がり」とは
 ・自らが天下を統一することではなく、”兄”を総督の座につけるため
  奮闘することで認められるってこと?
 ってところに留まるのかなっと。
 (将来的には天下統一ルートもあるかもしれないが)
 尺的にも”兄”の要請に呼応し進軍して、強敵と対峙して「俺たちの戦
 いはこれからだ!」位で終わりそうなんですよね。

 よくも悪くも実直な作品なので、予想を超えてくるのは難しいのかも。
 となると創り込みの丁寧さでポイントを稼げるかという感じでしょうか。{/netabare}

(最 終)
1クール使ってまさか人材発掘だけで終わるとは・・・
よく言えば”実直で丁寧”なんですが、このテンポの悪さはさすがにダレる
かなっと。
それに丁寧というよりは、無駄に間延びしている感じもしますしね。
個人的には
・人材発掘以外のエピソードに面白みを感じなかった
 ・「鑑定スキル=情報収集」ってだけの能力なので、人材発掘以外の見せ
  場が創りづらい
  「鑑定、この領主さまは凄い人物だ!」→それで?!って感じ
・主人公に魅力を感じなかった
 ・ただの「いい人」ってだけ
 ・それに「信長~!」とか叫ぶだけで転生要素が必要だったのかと
 ・また普段は(中身はおっさんなのに)10歳児のリアクションしてるのも
  どうなのかと
・発掘した人材も魅力がイマイチ
 ・やっぱ戦がないと見せ場がないよね

『なろう』ってかなりガバガバでも、
「チート能力をぶっ放して、有無を言わさず(力業で)解決」
というカタルシスを得ることで、作品のバランスが取れてるように思うので
すが(ガバガバ設定へのツッコミを入れるところも込みでw)、本作はそう
いうのが圧倒的に不足している感じなんですよね。
ではその分(コミック原作のような)話が創り込まれているのかといえば、
そこは”所詮は『なろう』”という感じで、薄っぺらいという印象ですね。
なので通常の『なろう』なら
「ガバガバで都合主義のサクサク展開が『なろう』の醍醐味」
で笑って許せるところを、中途半端に実直に創っている分逃げ場がないって
感じなんですよね。

2期も決定したようで、次は戦のシーンもあるだろうから、そこで発掘した人
材が躍動すれば評価も変わってきそうですが、1期はあまりにもテンポが悪く
個人的には5話の「リシア回」がピークだったかなっと。

・チートで無双すれば「これだから『なろう』は┐(-。ー;)┌ヤレヤレ」と叩かれ
・チートせず実直に創れば「カタルシスが不足している」と文句をいう
視聴者ってホント面倒臭いなあ(笑)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

タイトル通りの素直な作品です。

転生感をあまり感じられない異世界転生アニメ。
転生の痕跡は、人物評を戦国武将に例えるくらいです。
弱小貴族に生まれた主人公が、鑑定スキルで有能な家臣を集め徐々に・・・
のような内容で、チート感はあるけれど素直な作品です。

主人公アルスは人が良く、誰からも好かれる優しく素直な性格。
有能な人々に囲まれているので、普通が際立ちます。
しかし、彼の能力は人々に慕われるところ。
人種・身分・境遇・性別にかかわらず分け隔てなく接します。

{netabare}2~3年で1人の家臣をスカウトしています。
だから、時間がアッという間に経過している感覚。
家臣たちは剣士・魔法使い・軍師など、それぞれ秀でた能力を持っています。
1期現在の有能人物は家臣4人、許嫁1人、それにスパイ?1人です。

キャラ立ちは良く、彼ら彼女たちとの確かな関係を築く過程が描かれます。
どちらかと言うと、女性キャラの方が自由奔放で面白味があります。
中でも、許嫁のリシアが怖可愛いい。
間違いなくかかあ天下、良く言えば内助の功、良いパートナーになりそうです。

内戦勃発不可避のラスト。
皇帝への道が示唆されて、1期が終了します。{/netabare}
アニメタイトルの「成り上がる」
2期では、きっとなし遂げられるでしょう。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16
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