ねごしエイタ さんの感想・評価
4.2
突きつけられた悲惨な世界
朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)から亡命した男性による、政治犯強制収容所の実態を告白を通して、そこで生きる家族を描いていたお話だったです。過酷で無慈悲、迫害、人間とみなさない非人道的な扱いの中で、人間が希望を捨てず生きることを見せたです。衝撃的な3DCGアニメでしたです。
時代背景としてこのレビュ時点、全世界で有名な金正恩(キム・ジョンウン)総書記の父親、故金正日(キム・ジョンイル)統制下の北朝鮮だったです。日本人13人を拉致したことに関与したとされていることで、知られているです。このアニメ、北朝鮮で上映したら、強制収容所に連行されるに違いないです。
首都、平壌(ピョンヤン)で生活していた家族が、父親不在時に軍警察?により夜中押し入られ、父親を政治犯だと言われ、訳も分からず連行られるのが始まりです。父親に合わせることもなく強制収容所に一生収監され、怪我したり病気になったとしても医者自体が存在しない環境です。一生、無報酬の過酷な労働に従事させられ、監視監に獣として扱い非人道的な対応を受けるのです。例えば、すぐに従わない人をすぐ銃殺するなどです。
物語、背景の環境が、アニメ以上にリアルに描かれていたです。{netabare}故金日成(キム・イルソン)、金正日の写真も実写でないながらも、それに近いCGだったです。
キャラが、ゲームのバイオハザードを思わせるような感じだったです。序盤に出てきた物乞いをする老人たちなんか、バイオハザードのゾンビが襲ってくるみたいな感じです。 {/netabare}
独特な楽器の奏でる赤とんぼや、北朝鮮っぽい国歌みたいな軍歌が、雰囲気をかもし出したりもしたです。
生きるために、どんな屈辱にあってもあがき生きる少年インスの姿が、見るに忍びなかったです。周囲の人を裏切ってでも生きるしかない、そうするしかないところにどうすることもできないです。家族が危険にさらられても、助けることのできない無力さも見たです。
絶望にさらされて、自分の生きる意味を見出し、皆を助けあい、死にゆく人をみとるところもこの状況下では、難しかったかもしれないながらもその姿を見たです。
様々な苦境をに合い、理不尽に身内や仲間が汚される事を知り、目のあたりにしたインスの決断、賭けが行われるのです。{netabare}この計画からこの物語を語っていたのが、インスなのか注目であり最後に誰なのか明かされるのです。EDで強制収容所を否定する北朝鮮に、証拠の衛星写真も公開されるです。{/netabare}
脱北、亡命した人たちそれぞれ事情が違いながらも、教育も受けられず人として生きる自由を与えられない環境下だったことを物語っていたと思うです。何も知らず無関係にも関わらず、突然巻き込まれるこの世界は、どうなのだろうか?です。事実であることを前提にするなら、理解しがたさを越した気持ちになったです。