2021年度に放送されたおすすめアニメ一覧 396

あにこれの全ユーザーが2021年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月18日の時点で一番の2021年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

74.2 51 2021年度アニメランキング51位
先輩がうざい後輩の話(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (363)
1134人が棚に入れました
糸巻商社入社2年目、早く一人前になりたい五十嵐双葉。ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩・武田晴海。双葉は武田先輩をうざいと思いながらも、本当はまんざらでもない様子だったり、でもやっぱり本当にうざいときもあったり…

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

社会人になろうとする人が見るべきアニメ…とても癒されます

可愛い絵のタッチとは裏腹に、社会人としての仕事の大切さを題材とした物語です。
これから社会人になろうとしている人は、ぜひ見るべきアニメのようです。
そして、いま社会人である人たちも見たほうが良いと思います。


どんなに一生懸命仕事をしても、失敗するときがあります。
どんなに気持ちよく仕事をしようと思っても、嫌な思いをするときがあります。
そんなときに、この物語に登場する先輩のような人がいてくれたら、凄く心が救われるでしょう。


主人公の五十嵐 双葉(いがらし ふたば)は入社二年目の女性。
背の低い彼女は頑張り屋さんの明るい性格です。
武田 晴海(たけだ はるみ)は、双葉の先輩ですが、いつも双葉のサポートをしてくれます。
双葉が困っていたら何気なく助けてくれるし、双葉が失敗したときは決して怒らず、全て自分の責任だと上司やお客様へ報告します。

双葉にとって鈴木先輩は頼りがいがある良い人です。
だけど、少しウザイ人。双葉の仕事が良くできたときには必ず双葉の頭をなでる癖があるため、双葉は気に入りません。
自分のことを子ども扱いしているような気がするためです。一人の女性として見てもらっていない気がするのです。

どうやら、この物語はタイトルと物語の内容が違うような気がします。
正しいタイトルは、「先輩に女性として見てもらいたい後輩の話」のようです。

オープニングは、双葉たちが歌う「アノーイング!さんさんウィーク!」 とても楽しい歌です。但し出だし部分で歌と描写がずれているのが気になりました。でも双葉が凄く可愛い表情をしているので聞いていて楽しいです。
エンディングは堀江由衣さんの「虹が架かるまでの話」
堀江さんの優しい歌声に心がすごく癒されます。
この歌を聴いていると、なぜか、とらドラ!の「バニラソルト」を思い出しました。バニラソルトを聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください。

第七話は結構感動しました。
上手だから続けるのではなく、好きだから続けることができる。
双葉は夏美に、夏美は双葉に、それぞれ助けられましたね。

私は、文章で自分の気持ちを表すことが好きです。
好きだから続けることができます。
難しい字句は使えないけど、詩文のような美しい文章も書けないけど
何度も何度も書き直して、自分が納得できる文章ができたら、とても嬉しいです。

最終話で武田先輩が「双葉に大切な人ができるまで、ずっと隣にいて守ってあげる」と宣言しました。
おそらく双葉は、武田先輩以外の人を隣にすることはないでしょうね。

アニメは終了しましたが、この二人の今後が見たいです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 45
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

からかい上手の武田さん

原作未読


職場恋愛。大人っすよ大人(笑)
まるで某高木さん♀のそれのように、武田晴海(CV武内駿輔)先輩♂が、後輩の五十嵐双葉(CV楠木ともり)をからかう感じだといえなくもない。恋心を隠してるかどうかは知りません。
武田はガタイがよく一見ガサツなわりには細かいところに気がつきけっこうな頻度でクリティカルを放つTHE体育会系。対照的に双葉は見た目幼いちびっ子なんだけどそこ指摘されるのは気に食わないタイプ。基本頑張り屋です。鈍感ガサツな武田にからかわれる度にイラっとくるみたいなやりとりを指して“先輩がうざい”となってます。実際のところ、武田の後輩指導は双葉の羞恥心喚起どまりで面倒見の良さが視聴者にもわかるコミュニケーションとなってます。悪意がなくそれでいて一線を越えず、言い過ぎたり本当にへこんでるのを察知すればきちんと双葉のストライクゾーンに響くボールを投げ込むため不快さとは無縁ですね。

そんな凸凹コンビが紡ぐほのぼのラブコメ全12話でした。定番(王道)と変化球の塩梅もほどよかったかもしれません。思いつくところで以下

■定番(王道)
ラブコメはキャラが大事で見た目も性格も対照的な二人の絡みは相性がよいです。
要領が悪かったりなにかしらコンプレックスを抱えながら一生懸命頑張るヒロインと、そんなヒロインに迎合しないけどぞんざいな扱いをするわけでもなく適宜ヒロインが欲しい言葉を投げてくれる男の構図は少女漫画での定番カップルの構図ですね。放送中に目についた版元の“一迅社”は沿革みたところ少女向け媒体に強みありそうな出版社なので関係してるのかもしれません。

「この人あたしのことどう思ってるのかな?」

ここに至るまで適当なジャブをかましながら一定のラインを越すアクションを仕掛ける。その反応を見ながら何度かライン越えすると相手の警戒も解けるのです。その過程をきちんと辿ったストーリーだと思います。


■変化球
ありがちな“実は有能で優しい陰キャ”♂主人公の対極にあるキャラに新鮮味があります。一方♀は“かわいい”を全面に出した安全牌キャラでした。
ナントカの王子様的なビジュアルに頼ったわかりやすいイケメンではないけど女子のニーズをきちんと捉えているタイプですね。

完走して思ったのが{netabare}“三角関係の放棄”。双葉祖父が代替と勘違いしかけましたが基本ガヤです。{/netabare}
話の凹凸をつけづらいけどふっ散らかる心配もなく評価が別れそうなポイントでした。


ヒロインの楠木ともりさんは『ガンゲイルオンライン』レン役で認知した声優さんで今回もちびっ子役です。収まりがいい感じ。周囲を固める声優さんも適材適所だったと思います。
いわば手堅い作品。大きい波とは無縁ですが安心安全な佳作の印象です。



※ネタバレ所感

■だが断る
一言モノ申したいところはありますよ。評価爆上げとまではいきませんでした。

1.{netabare}社会人?{/netabare}
 {netabare}らしさをあまり感じません。双葉の見た目は当然として主要キャラの世代が狭い範囲で固定されたのが要因ですかね。おじいちゃんはイロモノ扱いだし、職場で唯一の大人枠部長は空気でした。高校生/大学生設定でもそのまま使えそうなパッケージだったと思います。{/netabare}
 {netabare}世代の固定ともう一つ。あけっぴろげなんですよね。“秘するが花”社内恋愛の醍醐味でしょうに。皆の見てる前でイチャコラはご法度です(笑) 和気あいあいとしすぎる職場環境は気になりませんでした。
フォローもしとくと、商事会社っぽいですが安パイなお得意取引先で食ってる小規模企業でしたら自ずと家族的な雰囲気を醸成したほうがうまく回ったりします。それに社内イチャコラといってもよくよく見れば好き好き光線の発信元は双葉のほうで武田にはありません。湿っぽくならない良きバランスではありました。{/netabare}

2.{netabare}見た目のハンデ{/netabare}
 {netabare}双葉が新卒三年目設定だと25歳になるわけですがどうみても十代半ばです。見た目もそうだし言動も幼い。清少納言ですら『瓜にかぎたるちごの顔』をうつくしきものとして、ちっちやいのを愛でる精神は日本人の血肉レベルに落とし込まれてることからそこをどうこう言う気はありません。むしろ日本文化を体現した世のロリコンどもは胸を張ってよい!
物語途中から登場の同僚桜井さんの弟君も高校生設定なのに見た感じはショタでした。このギャップを設けるメリットは好きだ惚れたの恋愛ドラマ未満にしてコメディ路線をキープできること。本気にしたらニッチな性癖を刺激することになります。一方デメリットはそのまんまラブ放棄。毒にも薬にもなりにくい仕上がりとなりますね。{/netabare}


■訂正しお詫びとさせていただきます

{netabare}冒頭。武田先輩をからかい上手としましたが、終わってみれば風間くんに対する桜井さんの振る舞いの足元にも及びませんでした。
桜井桃子(CV早見沙織) VS 風間蒼太(CV土田玲央) 両名にむしろラブコメの波動を感じたことで本作を良しとしたいと思います。{/netabare}

あいも変わらず{netabare}パピコは偉大なり! 最近セブンイレブンでお見かけしないのが寂しい限りです。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2022.02.06 初稿

投稿 : 2024/12/14
♥ : 41

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

「夢かもしんない」思い出した

<2021/10/10 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
原作未読。
あんまりマークしてなかったけど掘り出し物かも

本当は冒頭のヒロインの朝食シーン辺りで見るのやめようかとも思ってたんですが。
なんと!
ヒロインのお箸持つ手が左!
アニメで左利きって存外珍しい。
左利きに親近感湧いてとりあえずちゃんと見てみることに

内容は広義の「高木さん」系列の恋愛もの。
「お仕事できる先輩にときめいてしまう」系でした。
しかもアニメではこれも珍しい営業もの。

見ててとある漫画思い出したんですよ。
星里もちる作「夢かもしんない」
1990年代と古いんですが、これが名作で。
コンピュータ販売系営業マンの主人公が後輩の女の子をさりげなく助けるところがあって(そこは主題ではないんですけど)
これが良い感じ。

本作もその良い感じがちょっとあるかも。
今後のエピソードの強さ次第で面白くなるかもしれません。

<2021/12/30 追記>
最終話まで見終えました。
ゆる〜いラブコメでしたね。

双葉と武田先輩の行方も気になりますが、
桜井さんと風間くんもなかなか。
ニヤニヤですよ♪

個人的に気に入ったとこ
・前述の双葉の左利き
・だし巻き卵美味しそう
・双葉の部屋の生活感あふれるキッチン。タオル掛けの位置とか、冷蔵庫の側面に醤油とか
・OP、1コマ目の双葉のジト目
・桜井さんは制服だけど、双葉はスーツ。これは事務職と営業職の違いかな。こういうところ含め懐かしいですね。今、制服ないとこ多いですから
・照れなく風間くんにだけは巨乳ネタぶっこむ桜井さん
・つか桜井さんの声、早見さんの時点で勝利でしょ(なにに?)

穏やかな気分でニヤニヤできる今季の高木さん枠でした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 39

74.0 52 2021年度アニメランキング52位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (309)
1124人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

家族愛と友情を描いた半妖の子供たちの物語

この物語では登場する妖怪たちを怪物(けもの)と呼びます。
そしてこの物語に登場する怪物と人間との間に生まれた子供たちは、家族や友達をとても大切にしています。
もしかして、私たち人間よりも家族や友達を大切にしているようです。
だから、この物語を見ると、けっこう感動します。

主人公の夏羽(かばね)は人間と怪物との間に生まれた半妖の子供。
夏羽が13歳になったとき、村で家畜の変死体が相次いで発見されます。
犯人は別の怪物でしたが、この事件で村に居づらくなった夏羽は探偵の隠神(いぬがみ)に引き取られ、東京で暮らすことになります。
東京の探偵事務所には、夏羽と同じように半妖の男の子が二人いました。
一人は蜘蛛の母親をもつ織(しき)、もう一人は雪男の一族に生まれた晶(あきら)です。

夏羽は両親の顔を知りません。夏羽の望みは親を捜し出すことでした。
織は母親の消息が不明であり、母を見つけたいと願っていました。
晶は生き別れになった兄を捜しています。

この物語は、別の見方をすれば、家族を見つける物語でもあります。
だから、単なる妖怪アニメではありません。物語の内容が結構しっかりしていて要所要所で感動する話があります。

意外とお勧めできる内容です。


ところで、
この物語に登場する晶という男の子ですが、
晶は、この物語に登場するすべての女性よりも奇麗で可愛い。それに笑顔が眩しい。
晶の笑顔にとても癒されます。
私は男の趣味はないはずなのですが…。私の頭がおかしくなったのかなぁ?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 31

74.0 52 2021年度アニメランキング52位
アニメ ブルーピリオド(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (279)
890人が棚に入れました
成績優秀で世渡り上手な高校2年生・矢口八虎は、悪友たちと遊びながら、毎日を過ごしていた。誰もが思う"リア充"……そんな八虎は、いつも、どこかで虚しかった。ある日、美術室で出会った1枚の絵に、八虎は心を奪われる。「絵は、文字じゃない言語だから」絵を通じてはじめて正直な気持ちを表現できた八虎は、美術のおもしろさに目覚め、衝動のままにスケッチブックへ向かっていく。そして八虎は、ついに進路を固める。「第一志望 東京藝術大学」実質倍率200倍、入学試験まで、あと650日──!国内最難関の美大を目指して青春を燃やす、アート系スポ根物語、開幕!
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美大を選択するという生き方

アニメーション制作:Seven Arcs
総監督:舛成孝二、監督:浅野勝也
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:下谷智之
美術監督:仲村謙、金子雄司、
美術設定:緒川マミオ、中島美佳
音楽:井上一平、原作:山口つばさ

よく行く飲み屋には、美大出身の人が何人かいた。
多摩美、ムサビ、東京藝大の人もいたように思う。
ひとりはフィギュアを制作する会社に勤めていて、
ほかには、三越に勤務している人や、
飲み屋を経営している人もいた。
彼らと話していると、美大出身の人は
インテリが多いのだと感じさせられた。
幅広い知識を持っているし、音楽や文学、芸術には
やはりこだわりがあって詳しかった。
彼らと話す時間は楽しかった。

今回、美大受験がテーマのこの作品を観ていて、
彼らがなぜ深い知識を有し、面白い話ができるのかが
分かったような気がした。
東京の美大は難関が多いのはよく聞いていたし、
彼らはやはりほかの人と少し違った性質を
持っていたように思う。

それは美大を選択するという困難さ、
そして、受験するに当たり、
自分という人間を深く理解しなければならないという
難しいテーマについて、この若い時期に対峙するからだろう。
しかも、美大に入学したとして、
それが良い就職につながるというイメージはない。
もちろん、美大は優秀なところが多いので、
それなりに良い就職先はあるだろうが、
普通のサラリーマンになることを考えるような人は、
まず選ばない進学先だと思う。
美大を選択することは、将来の仕事というより、
生き方を選択することに近いのかもしれない。

主人公の矢口八虎は、ノルマをクリアする感覚で
楽しく人生を謳歌している人間だった。
頭は良いし、何でもそつなくこなす。
ピアスと夜遊びで、周囲から不良と見られているが、
それは、自分が何を好きなのかが分からないことの
裏返しの行為だった。
趣味のひとつは、サッカー日本代表の試合を
スポーツバーで観戦し、友人たちと騒いで、
喜びを共有することだった。

ある日、八虎は学校で美術を本気で志している人の
F100号という大型サイズの天使の絵を目にする。
そのことによって自分のなかの何かが動く。
美術講師から授業で「好きな風景」の課題を出され、
徹夜明けの渋谷の街が心のなかで膨らむ。
自分の感じたもの、自分の目に見えた渋谷の街を
ブルー基調で紙に表現する。
その絵を多くの人から感じ取ってもらえたことで、
自分の好きなもの、自身の感覚を大切にする
真っ直ぐな生き方に心が動かされる。
そして、絵を描くことで、これまで見えていなかった
現実の景色も、より明瞭に見えるようになるのだった。

この作品は、矢口八虎が美術に出会い、
美大受験に取り組んでいく話でしかないのだが、
内容はとても深く、哲学的ですらある。
物事の「価値」は、一体どこにあるのか。
自分にとって大切なものは、何なのかを
一人ひとりに突き付けてくる。
もちろん、美大受験、あるいは好きなことを
目指すことだけが幸せになるとは限らない。
しかし、自分の好きなことに対して、
真正面から取り組むことは、きっとその人の人生に
豊かな彩りを与えてくれるのだろうと思わせてくれる。

私は美大受験に対して全くの無知なのだが、
東京藝大出身の作者が描くこの世界の論理は
スッと自分のなかにも入ってくる。
結局、東京藝大を目指すには、
「好きなもの」や「表現したいこと」が
自身のなかではっきりしていないといけないし、
そこには誰もが知っているありきたりなものではなく、
自分自身が何度も反芻して導き出した
理屈が必要になってくる。
そこは、企画書作成のやり方に似ているかもしれない。
誰もが分かりやすい表現方法で、問いに対する明快な解答を
オリジナリティを加えながら行わなければならない。

「美術は生き方」だと予備校の大場講師は言う。
人によってゴールの場所が違うし、
ゴールに行くまでの方法は、自分で考えなければならない。
正しい解答があるというよりも、
見た人を納得させられるロジックと技術力が必要なのだ。
これはもう「受験」という部分とは外れているように思える。
一般的な大学と違い、2浪、3浪、4浪以上までが
たくさんいるのもかなり特殊だろう。

受験で興味深いのがスケッチブックを提出すること。
普通の試験なら解答が合っているか間違っているかでしかないのに、
美大受験の場合、作品と一緒にその過程を表現するものも
提出しなければならない。つまり作品を補完する役割のもので、
これがとても重要になってくる。
その解答に至った「過程」や「考え方」を重視するのだ。

受験は人生の重要イベントのひとつだ。
思春期ということもあり、
人によっては色々なことが起こるだろう。
でも、私自身の経験では、やはりかけがえのない日々だったように思う。
自分が将来何をやりたいのかも見えない時期に
ただひたすら勉強ばかりするのは辛くもあるが、
自分の知らなかったことをどんどん吸収できる喜びがあった。
勉強のことしか考えていなかったのに、
未知の世界を旅するような感覚だった気がする。
八虎はそんな時期に龍二の悩みにまで入り込み、
自分自身の問題として捉える。
海に飛び込まないと、冷たさや暗さ、怖さなど、
本当のところが分からないのなら、飛び込むしかないと思える。
これは、八虎が美大受験を通して受け入れた副産物ともいえる
他人に対する考え方でもあったのだろう。

{netabare}東京藝大の一次試験・自画像に続き、
二次試験のモチーフはヌードモデル。
実際に若い裸の女性が現れてモチーフにするという。
こんなテーマが受験で出されることがあるのは驚きだ。
やはり美大受験は一筋縄ではいかない。
八虎は龍二との小旅行時に自分の裸を描いたことで、
自分にとって裸が意味することを理解していた。
毛の生えた薄いゴムのように情けないのが裸で、
だからずっと武装しようとしていたのが
自分自身だと気づいていたのだった。

ありのままを認めること

それが人生において、生き方において
とても大切なことなのだと八虎は最後に行き着く。{/netabare}

受験を通して、主人公が自分自身について深く考え、
成長していく様子をつぶさに見せてくれる。
これはどの世代にも響くだろう。

私は、この作品がとても気に入っているのだが、
はっきり言ってアニメ自体には不満も多い。
いろいろな事情で制作の難しい面はあっただろう。
12話で受験までを構成しなければならないのは、
どう考えても必須だっただろうし、
そのためには、時間をかけずに物語を
進めなければならなかったのも分かる。
ただ、個人的にはメリハリが不足していたと思う。
というのも、内容は良さそうなのに1度観ただけでは、
ぼんやりしている部分が多すぎるのだ。
これは、見せ方や演出、そして捨てる部分を
増やすべきだったのではないだろうか。

内容はとても好きだったので、
アニメを全話鑑賞したあとに、コミックスを全巻購入した。
そして、読後に感じたのが、漫画で大切にして
2ページを使って表現しているような部分を
アニメでは軽く流してしまっているので、
そこが、重要で心に響くシーンなのだということに
気づきにくいのだ。これは演出の問題だと思う。

この作品は作者の「言葉の選び方」も秀逸で、
そこをきっちりと視聴者に伝えないといけないのだが、
アニメでは無頓着に感じる。
原作者との打ち合わせなど擦り合わせが必要な部分も
多かっただろうが、個人的には制作会社の力不足を感じた。

しかし、それはあくまで作品の良さのいくつかを
表現できていないというだけで、
私はアニメを鑑賞して原作購入を決めたので、
十分に奥深い魅力を伝えてくれているとは思う。
あくまで、原作レベルでの良さを
伝えきれていないという意味だ。

おそらく時間や人手不足もあったのだろう。
本編のアニメーションの質自体は、
崩れる一歩手前というレベルの部分など、
観ていて引っかかる場面は多数あった。
美術作品をアニメーションのなかで表現しないといけないという
とてつもない高いハードルもあったので、
仕方ないのかもしれないが、良い作品だけに
余計に気になってしまったのかもしれない。
ただ、OPとEDのアニメーションは、
とても良く出来ていたと思う。美術アニメとしての
イメージを存分に生かして落とし込んでいる。

私の感覚でしかないのだが、
この作品のアニメにおける続編は
BDがよほど売れない限り、
ほぼ期待できないのではないだろうか。
内容がそもそも一般受けしないことに加え、
視聴者に伝わりにくいと思えるからだ。

「青の時代」なのか青春なのか、
それとも全く別の何かなのか。
タイトルへと導く物語の行く末は、
コミックスで最後まで見届けたい。
(2022年2月19日初投稿)

投稿 : 2024/12/14
♥ : 44
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分の意思で絵を描いたことが少しでもある人には殊更に響く

<2021/10/5 初投稿>
「ずっきゅーん!」
撃ち抜かれました
これは・・・凄い・・・かも

<2021/11/21 追記>
7話まで見ました。
いいですね。
素晴らしく面白い。

音楽ものの物語ってアニメにしろ小説にしろ映画やドラマにしろ数多くあるんですが
「絵画」系は実は少ない。
特に絵画制作における葛藤とかを具体的に真っ向から描いた作品となると全く思い出せない。

例えばハチクロははぐみや森田の天才性を抽象的に表現しているけど、メインは人間模様ですし。
(この手法は3月のライオンも全く同じ)

こういう作品って、実際に美大で真剣に絵画に取り組んだ人には物足りなく感じるかもしれないのですが。
私のように趣味で絵を描いてた時期があるような人間には大大大好物なのです。

ところで東京藝大について少し。
本名は「国立大学法人東京藝術大学」
日本で唯一の「国立」の「総合芸術大学」なのだそうです。
総合なので絵画から音楽まであらゆる芸術を網羅してるんでしょう(よく知らんけど)

そして特定の学科専攻はえげつない競争率と難易度でも有名。
例えばピアノやヴァイオリンとかの「器楽科」や
そして本作に登場する油画や日本画などの「絵画科」も。
さらに言えば学科専攻によって、合否基準にかなりの個性というかクセがあるそうで。
ピアノやヴァイオリンはいくらコンクールで優勝とかしてても関係なく、特定の技術(流派なのか?)を叩き込まれた人の中からだけ合格者が生まれるのだとか。
おそらく絵画科も難易度でだけでなく、かなりクセ強なんでしょう、たぶん。

ただどんな学科専攻でもそんなアホのような難易度とクセ強ではないそうで。
以前、東京藝大の邦楽科卒のお琴の先生に聞いたら「琴なんて競争率低すぎてラクショー」なんて言ってました。
もちろん多分に謙遜が入ってるんでしょうけどね。
でも「全然違う」はめちゃくちゃ力込めて言ってました。

そんなわけで、東京藝大受けるのは他の美大受けるのとは根本的に違うらしいですよ。

ちなみに東京藝大・絵画科出身のアニメ関係の有名人には安倍吉俊さん、そして故・増岡弘さんがいらっしゃいます。

安倍吉俊さんは「灰羽連盟」の原作・脚本・キャラデザなど多数のアニメ作品に携わる名イラストレーター
19の時、先輩の漫画の手伝いをきっかけに絵の道へ進もうと専門学校へ進学。
バイトで学費稼ぎながら勉強して東京藝大の絵画科の日本画に一発合格したのだそうです。
すげえ!

そしてまさかの増岡弘さん!
まさかマスオさんが東京藝大出身とは!
本作で芸大受験する矢虎の声がマスオさんで再生されそう笑

<2021/11/28 追記>
9話見ました。
一次試験と二次の狭間、鮎川龍二がクローズアップ。
前話で久しぶりの登場でしたが、9話は凄かったですね。
声優さんって凄いな、とあらためて。
龍二の声を当てている花守ゆみりさんの演技力が凄すぎる。
龍二という性自認が身体の性と異なるキャラクター。
身体は♂なので声の高い男性声優が演じるという選択肢もあったのかもしれないけど。
(実際、自分は3話くらいまで龍二のことを「たまに男っぽい格好する美女」だと思ってました 笑)
ここまで話が進んでみると花守ゆみりさんで大正解だったんだな、と。
「心が女性の男性」としての男っぽさと可愛らしさを醸し出しながら、そして肝のシーンでは凄まじいまでの迫力。
これ、花守さんも演じてて楽しいんじゃないかな。
もちろん物凄い努力と苦労されてるとは思うんですが。

<2021/12/18 追記>
最終話見終えました。

{netabare}矢虎合格しましたね!
びっくり!
これまでの流れから浪人させるのかな?とも思ってましたが。
これからは世田助くんと共に藝大ライフを送ることになるのでしょうが、どんなふうに展開するのか楽しみです。
でも龍二や森先輩、佐伯先生や大葉先生とか普通に出てほしい。
{/netabare}

ところで毎話予告後の山田五郎先生のコーナー。
内容はごくごく普通なんだけど。
まさかの山田五郎先生。
昔「タモリ倶楽部」で女性のお尻の品評会みたいなコーナーやったて人ですよね。
出てくると毎回笑っちゃって。
Wikipedia調べたら本当に美術に詳しい人でした。
Wikiに書いてあったのですが、この山田という苗字は芸名なのだそう。
この芸名が生まれ、世に広まった経緯が最高に頭おかしいwww

閑話休題。

というわけで本作は、他に類を見ないスペシャルな作品でした。
続きが見たいです。

2期はあるのが当然、と期待していいんですよね。
とにかく待ちます。
んー、でも原作読みたいな。
どうしよっかな

<2022/2/11 追記>
最近知ったのですが「ドロヘドロ」作者の林田球さんも東京藝大卒なんですね。
それも矢虎と同じ絵画科油画専攻。
凄いな。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

青い水平線を駆け抜けていくような

原作未読


芸術で『青の時代』ときたら、あーピカソっすねくらい想像しやすい親切なタイトル。たしかあれも偉大な芸術家20歳前後のゆらぎだったような。
そのピカソの時まで“青”が憂鬱や貧困などの負のイメージと結びつける表現は無かったよとどこかの美術館の説明文で見かけた気がします。

物語は主人公矢口八虎(CV峯田大夢)が高校2年生の時から始まります。彼がとあるきっかけで絵画に目覚め美大を目指して奮闘するストーリー。美大受験とは珍しいテーマです。

そんでもってこちら↓

 『響け!ユーフォニアム』の吹奏楽
 『この音とまれ!』の箏

共通するのは原作者が実務者であったこと。『響け!』の武田氏は吹奏楽部経験者、『とまれ!』のアミュー氏は一家総出の筝曲家一族で自身も英才教育受けとります。血肉レベルまで落とし込まれている題材への深い造詣が

 知識 +α

αの部分。その題材ならではの心の動きみたいなのが垣間見えて作品のオリジナリティを担保しているところがありますよね。本作の原作者山口つばさ氏は東京芸術大学卒かつ芸術系高校出身のいわばサラブレット。全12話を通して期待したい+αを感じることのできた良作でした。

大多数の視聴者?と同じく当方絵心とは無縁です。噂では狭き門と聞く美大受験も一般受験しか経験したことのない身にとってはこれまた縁遠い。
そんな僕らに美大受験のお作法だったり美大専門予備校の存在だったり、そしてなにより受験に向かう若者のメンタリティを教えてくれました。良きチュートリアル系アニメで自身の見識を広げることに繋がるかもです。



 
※ネタバレ所感

■驚きと納得

芸術畑の人って独自の感性があって空気読むのに長けておらず唯我独尊っていうパブリックイメージ。一方で芯を突いた発言に納得させることも多々で変人と言い切れないハイスペック常識人が実際会った方には多い気がします。なぜか?

理由①{netabare}おかんの観察。デッサンの絡みで八虎の気づきは絵を描いてなければ知り得なかったことと描写されてます。目にはしててもスルーするのか意味を見出すかで断然後者のほうが有能なんでしょう。{/netabare}
理由②{netabare}構図の計算。名画と呼ばれるものは三角形四角形の配分が完璧だとか。これ数式解くのと全く一緒ですやん。{/netabare}
理由③{netabare}手段の多様性。画材いっぱいあり過ぎて(笑) なんだかんだ成果物が出来上がるわけでして、都度都度選択した表現手段に評価が下されるわけです。{/netabare}

対象の本質を見抜いた上で①、整合性を保ちながらプレゼンプランを練り②、相手に納得理解を促す方法を採用する③。
めちゃくちゃ普遍的なことだよね、と納得しました。こんなん若い時分から訓練してたらすごいことになりそうです。


■さらに納得

{netabare}「違うな。矢口さんはご飯食べたりう〇こしたりするのを褒められたらそれに自信持てるの?」

八虎に才能を褒められての高橋世田介(CV山下大輝)のセリフ。結局自分すら客観視できているがゆえに断言できるのだと思います。
徹底した観察を経ての表現(アウトプット)と捉えるならば、こういったキツイ台詞も根拠があるのだな、と。はたから見て「ちょっとユニークね」なのは鮎川龍二(CV花守ゆみり)の女装なんかもそうですね。

“本人なりに突き詰めた結果”と“突発的な奇行”とではまるで違うのでしょう。自省も込めて後者と受け取りがちなところをもしかすると前者かもねと懐深くあたりたいものです。そしてひとかどの芸術家もまた前者であることに説得力のある作品でした。{/netabare}


■アニメーションにも納得…わりと重要

おおむね満足しましたが、一歩間違えれば作品を台無しにしてたかもしれないのが成果物の魅力。ここはアニメ制作スタッフありがとう!です。

{netabare}絵です。これしょっぱいと興ざめもいいとこなんですが描いた絵どれもが美術品っぽい。工程如何に凝りまくっても蘊蓄たれまくっても出てきたものがこれですか?となれば説得力もなにもなくなります。{/netabare}


※余談

■OPって…

一瞬…{netabare}山下達郎かと思った。良い意味でまとわりつくねっとりとした高音。{/netabare}
{netabare}なお、EDはEPOかと思った。どなたか共感できる方おります?{/netabare}


■なんか普通

脱陰キャな主人公はそれだけでポイント高い。
おいそれと都合よくいじめられてたり、ぼっちだったり、ゲームやアニメ好きだったりしないのです。
見た目よかろうが、友達いようが、それなりにコミュ力あろうが、煙草吸おうが悩むものは悩む。

{netabare}「後悔はないですよ。反省は山ほどあるけど」
受験しながら脳味噌フル回転だったからこそ課題が具体的に見えてくる。ものすごい成長です。{/netabare}

{netabare}そしてそんな成長を促すことのできる良い大人がいるアニメってだいたい良作なんですよ。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

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2022.02.01 初稿

投稿 : 2024/12/14
♥ : 35

73.9 54 2021年度アニメランキング54位
白蛇:縁起(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 4.0 (12)
45人が棚に入れました
唐の時代、国師は民に蛇狩りを強要し、それに対し蛇の妖怪「白」は国師を刺殺しようとしたが失敗。白は逃亡のすえ記憶をなくし、蛇狩りの少年「許宣」に救われた。大きな試練が与えられた二人の未来は一体…

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

欧米作品をも凌駕す亜州3DCG

英題:White Snake
年度:2019年
製作:中国
監督:Ji Zhao / Amp Wong
時間:99:00

物語は鉄板、
アクションファンタジーロードムービー、
と見せかけての
切なきファンタジックラブロマンスストーリー

2021年7月30日
日本語吹替え版公開ももうすぐ、
主役はSnow Man 佐久間大介くん、
(だからか特典付ムビチケは既に完売だそうで、)
迎え打つ女性声優陣は三森すずこ、佐倉綾音、悠木碧さんらと大物揃い、
楽しみですね( ^ω^)



2019/10/15 中国語音声/日本語字幕版視聴----------

作画はピクサー3DCGにパペットの表現力を加味したかの様、
際立つ質感、
情景美術はフルカラーなのに淡い水墨画の如き、

美しく妖艶なキャラ、
甘く淫靡な百合模様に胸熱く成り、

音楽も素晴らしい、

いやはやここまでとは、
参った凄すぎ、
悪い所が見当たらない、、

粗を探すなら字幕がグーグル翻訳並みのちょっと面白翻訳だった位w

素晴らしいアニメーション作品です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

何が起きても動じない愛のなせる業

 何やら修行??だかをしている美人のお姉さんが、500年前を振り返った妖怪と人間、種族を超えた愛のお話だったです。何千年前のような、中国の時代背景で、中国語の声優さんで字幕だったです。

 敵の幹部だかの暗殺依頼を受けたお姉さんが、人間離れした体術、仙術と活躍するです。失敗して目覚めた先が、婆さんの住む小屋だったです。婆さんの案内で、村を見学し自分を助けた宣殿(センドノ??何と読むのかわからない)という青年と、運命の出会いをするのです。

 お姉さんは、宣殿と語り合い付き合い、蛇妖怪や人間の何やら刺客と戦ううちに、記憶を取り戻し、名前が白(シロと読むのかわからない)だとわかるです。どんどん進むと事の真相だとか、自分が何者なのか?、持っているかんざしが何なのか?どこか壮大な感じの展開になっていくのです。敵が、よくわからなくなったりもしたです。

 アナ雪、ディズニーアニメに匹敵するフルCGで、背景が特にリアリティーにあふれていたです。
 お話も大スペクタクルロマンというべきなのか?展開が、凝縮されていた感じだったです。
{netabare} 白も記憶を取り戻し、妹とこの時点で100年も生きているということなので、宣殿と少なくとも80歳前後は年が離れているので、種族以前に年の差をも超えていると思ったです。{/netabare}
 人間の感情や、妖怪の感情も伝わり、互いをどのように見ているのかが、激しさを特に、妹の青から嫉妬を感じたです。

 宣殿が、白の正体を知っても、思いを貫く信念が、自らをどうするのかにも注目です。愛犬のハラマキも巻き込まれるです。
 バトルシーンが、人知を超えた妖怪バトルで凄いです。蛇だけでなく、ドラクエに出てくるような3つ首のモンスターも出てくるです。仙術を駆使した戦いが、目を見張るです。

 白が、アイシャドウをし人形を越した魔性の美人みたいな外見で、身体能力、天女のような白い服が印象的です。{netabare}この美人が、本来の姿になったりするところも面白いし、巨大化が凄いです。
 武器屋の狐二面お姉さんも煙管を吸って、足を出して見せつけて魅惑的だったです。
 白と宣殿の思いが初めて通じた瞬間、白が大胆な行動をとるので、2、3分ほどのNHKならあり得ないシーンあるです。{/netabare}

 このお話の結末と現在に戻るとき、白は何を思うのか?宣殿はどうなっているのか?非常に興味深くなると思うです。あの意味ありげなシーンは、ご想像になるけど、「これで、いいのだ!」と思ったです。EDの中国の歌が、美しく聞こえるです。

 これ、一部のミニシアターだけでなく、日本の声優さんつかって吹替えし、全国公開したら反響を呼ぶと思ったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大陸のアニメが本気になると、とにかくスケールのデカさにおったまげる(@д@)舞台挨拶レポート付き

『ナタ転生』を手掛けた中国の追光動画が2019年1月にワーナーブラザーズとの共同制作で発表した3DCG映画
中国ではポピュラーな民話の1つである「白蛇伝」をベースにしながら、その白蛇の前世を描くという中国アニメ史上最大スケールのアクションと切ないラブストーリーが織り成す99分


実は2019年秋に『羅小黒戦記』の初期字幕版が池袋で単館上映され密かな話題になっていた頃、同作の配給を手掛けたチームJOYによってひっそりと限定上映されました
その時はスケジュールが合わずに観ることが出来ませんでしたが、今回新たにブシロードとチームJOYが日本語吹替え版を制作し、待望の全国公開と相成ったわけです


ヒロイン、白の吹き替えには三森すずこ
その脇を固めるのが佐倉綾音、杉田智和、悠木碧、石川界人、本田貴子、柴田秀勝といった豪華声優陣
さらに白と種族を超えた恋に堕ちキーパーソンとなる人間の青年、宣の吹き替えをジャニーズ屈指のアニヲタにしてSnow Manのメンバーである佐久間大介が務め、彼の所属するSnow Manが日本語版主題歌に起用されるなど黒ちゃんの時と違ってアニヲタ以外にも訴求する様な展開が為されています


初日初回、三森すずこ、佐久間大介、佐倉綾音、杉田智和の登壇した舞台挨拶をライブビューイングで観覧してきたのでその模様を中心にレポートします


























まず司会が森嶋秀太で既にブシロードあるあるで笑ってしまいましたw


佐久間、七色に反射する素材のジャケットで登場
「今日はキラッキラに光ってます!(プレスに対して)シャッターチャンスですよ!」


はらまき(宣の愛犬)役の杉田が挨拶
「バウアウ!あ、この回ネタバレokだった?普通に喋ります」


作品について
杉田「アフレコが終わると良い意味で作品が自分の中から抜けていくんですけど、『白蛇』はずっと自分の中に不思議と残っていて、テレビでキレッキレに踊る佐久間君を観ては、あ!そうだ!『白蛇』舞台挨拶あるんだよな、と思い出してました」


アフレコの感想について
佐久間「すずこ姉さんに引っ張ってもらえたのでそつなくこなせました」
森嶋「すずこ姉さんって呼んでるんだw」
佐久間「ずっとお世話になりっぱなしだったので姉さんと呼ばせてもらってます!」


杉田「佐久間君とはアニメの話で意気投合しました。佐久間君、アニメとか好きなんだって?今期なに観てる?」
佐倉「ヲタク?ヲタクの会話ですか?w普通のヲタクの会話ですよね?w」
佐久間「この舞台挨拶の直前まで外でずっとデカイ声でアニメの話してましたw」
杉田「何のアニメの話をしていたか?ここではタイトルは言えません!」


杉田「一緒に取材受ける時なんかも「凄い!声優グランプリだ!」ってガチで喜んでる人初めて見たよ」
佐久間「いやぁ、だってずっとアニメ雑誌とか声優雑誌とか読んできましたから、自分が取材を受ける立場になるなんて感無量で」


杉田「彼、今もこうして誠実な人柄なんだけど、僕らと話してる時はこうやって人前に出るとき以上に、凄くこう誠実で、この姿を俺らで独占しちゃって、世にお届けできないのがなんか申し訳ないなぁ、と思いましたね」


佐倉「メインキャストはみんな一緒に録ったのに私だけ、私だけ!別録りでした…三森さんとはよく共演してるし、杉田さんとは(『恋愛ラボ』とか『シンカリオン』で)親族になった事もあるけどw佐久間さんは今日が初めましてですね」
佐久間「僕は一方的に作品は拝見させていただいてますw」


アフレコで佐久間が泣いたという件について
佐久間「クライマックスで、すずこ姉さんは所謂抜き録りをされていて、それをバックブースで観ていて感極まって泣いてしまいました。本当に凄いお芝居だなぁ、と」


自分の役の好きなところ
杉田「はらまきを演じるに当たって芝犬を飼っていた事を思い出しながら演じました。吹き替えなんで声に集中しなきゃいけないんですけど、はらまきの場合表情が凄く豊かなんで、声以上に画面のはらまきがどんな顔してるのかを注視してアフレコに挑みました。あーこんな顔、ウチの犬もしてたっけなとか、こんな顔はしなかったな、とか。(杉田家の犬)脱走すると飼い主をおちょくる様に一定の距離を保って逃げるんですよ。泳げないから河原に追い込むように追い詰めるんですけど。まあとかく犬って良いよね」


佐倉「青は勝気な性格なのでドスの効いた声が出ちゃうことが多々あったのですが、勝気な性格と妹な部分のバランスが大事なんだ、とよくリテイクをもらってましたね」
佐久間「ドスの効いた声ってw」
佐倉「普段結構過酷な場面を演じてるのでどうしても声が張っちゃうんですよwやれ戦乱に巻き込まれたりとか、やれ敵と戦ったりだとかwそんな勝気な性格と妹な部分のギャップとバランスが好きなところです。ただはらまきを蹴飛ばしたところだけは許せない!」
杉田「あそこは生々しくならないように気を付けましたよ、ヤラレ声って結構大事で深刻そうにも聞かせることも出来るし、面白おかしくする事も出来ますからね」
佐倉「杉田さんのお芝居に助けられたと思います」
佐久間、この声優あるあるトークに目を輝かせながら聞き入る


佐倉「佐久間さんの様にタレントの方がゲストでアフレコに挑戦される時はプロが仮アフレコを先録りするんですけど、他の皆さんは2日ぐらい掛けて録られました?」
三森「3日に分けたよ」
佐倉「私、ちょうどその間に録ったと思うんですけど、声の入ってるパートと入っていないパートがあって、その宣の声がバチクソ上手くて、え?え!?誰???ってなったんです。今日も入りの時に佐久間さんの挨拶の声の張りが声優さんの、声を生業としている人の声の出し方で、話し声とか聴いていて、あ…この人がやっぱり宣なんだ…と凄く実感が湧いてきました」
杉田「僕、普段は人の事あんまり褒めないんですけど、佐久間君は本当に立派だと思います、ここにいる彼は、佐久間君はゲストじゃないです、共演者です」


登壇しなかった悠木碧からのメッセージを森嶋が読み上げましたが最後の一文が
「あ~そうそう、宝青坊に御用の際はいつでもお越し下さいませ」
の一言で締めてたので杉田から
「100点!」
と賛辞が寄せられましたw


以上がざっくりとですがまとめになります
誤解を恐れずに本編についてお話しすると、『ナタ転生』もそうですが画面の動きが早過ぎてあまり観易い映像ではないというのが本音ですが、日本語吹き替えになったことでお話への没入感はよりし易くなったと思います
エンドロールと日本語版エンディングの後には既に本国では公開された『白蛇2』の予告編もありますのでお観逃し無く

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

73.8 55 2021年度アニメランキング55位
見える子ちゃん(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (385)
1244人が棚に入れました
見えるはずのないものが見えたとき見てはいけないものを見たときあなたならどうしますか……?そんなものが語りかけてきたらこちらに向かってきたらあなたはどうしますか……?一目散に逃走する?あやしげな術を学び、もしくは霊媒師を頼り、戦う?女子高生・四谷みこの取った行動は――徹底的にスルー!なんにも見えていない、気づいていない!これは、鋼の精神とスルースキルを駆使して女子高生が異形な“ヤバい"やつらを回避するお話……見えていないだけで、そいつらはあなたの隣にも、ほら……

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

過小評価ってこういうこと?

<2021/12/22 初投稿>
先程最終話まで見終えました。
原作は未読です。

本作、面白いですね。
変化が凄い。
最初の頃はホラーのフリしたシュールコントかと思ってましたが。
どんどん景色が変わっていく。

最終2話の展開は素晴らしいものがありました。

よく「これは過小評価されてる」と言われる作品があります。
最近なら無職転生を岡田斗司夫さんがYouTubeで「過小評価」言ってましたが。
無職転生はちゃんと高く評価されてますでしょ。
少なくともあにこれでは、私がキャッチしてる方々のレビューでは辛口レビュアーさん含めほぼほぼ絶賛の嵐。

そもそも「過小評価されてる」というフレーズ、あんま好きじゃないんです。
というのも「人気作のファンがさらに欲張りに世間の評価を求めてる」気がして、ちょっとウンザリしてしまうんです。

一方で本作。
そもそも目立ってないし。
キワモノ扱いすらされてる。
あにこれでも微妙な評価が目立つ。

でも本格派ですよ。
変化球投手のフリした本格派。
そう思うんです。

こういうのが「過小評価」というんじゃないかと思い始めたり。

そんな本作、騙されたと思って最終話まで見ることをおすすめします。
もちろん、無理にとは言いませぬ。。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 43

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

彼女のすごさは見えることではなく恐怖に立ち向かう勇気

普通の人には見えない異形のものが見えるようになった女の子の物語です。
主人公の四谷 みこ(よつや みこ)の度胸と友達を災いに巻き込まないように勇気を振り絞って行動する姿が好感を持てます。


四谷 みこは、女子高生。
ある日、突然に異形のもの(お化けの類い)が見えるようになります。
異形のものと目と目を合わせると大変なことになる。
それが何となくわかっている彼女は、ことごとく異形のものを無視します。
その無視の仕方が我慢強く、懸命さを感じます。「頑張れ、私」と、みこが心の中で叫ぶとき、思わず応援したくなります。

きっと彼女は、泣き出したいほど怖いのでしょう。腰を抜かすほど驚いているに違いありません。
だってその異形のものは、巨大でとてもグロテスク。「食べられてしまうかも」と、恐怖を感じます。
しかも、いたるところに異形のものがおり、思わぬタイミングで出現します。

仮に私がみこと同じような立場だとしたら、おそらく人生が嫌になるでしょう。
どこに行っても何を見ても落ち着かないはずです。どんな料理を食べてもおいしく感じられないでしょう。

でも、みこは懸命に頑張って日常生活を送っています。
そして、友達が異形のものに取り憑かれないようにと、恐怖に耐えながら異形のものから友達を遠ざけています。
それは、とても勇気がいることです。

みこは力こそありませんが、とても勇敢な少女です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 39

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「見えてるのにガン無視」の一点突破で突き進むホラーコメディ

原作漫画は未読です。第5話まで観た時点で、このレビューを書いています。

あにこれのあらすじにある通り「見えるべからざる物が見える女の子」である女子高生、四谷みこが主人公のお話です。

みこの立ち位置は、『夏目友人帳』の夏目にある意味で近いと言えます。霊的な物が見えてしまったとして、相手がそれに気づくといろいろとちょっかいをかけられます。場合によっては、みこの身に危険が迫ることも…。

また、そういった物が見えていると他の人に話したところでおかしな人扱いされるのは確実なので、他人に「見える」能力については一切話をしません。

この「見える」みことそれ以外の人との認識の差異のようなところを、うまく笑いに繋げることを試みているのが本作ということになるかと思います。

また「見える者」同士も変人扱いを恐れてお互いに「見える」ことを口に出さなかったりするところも笑いにつなげていきます。

もちろん「見える」ことは恐怖にのみ繋がるわけではなくて、夏目のように人助け(霊助け?)も可能であったりはするわけです。なかなかに興味深いところですね。

みこを始めとして登場人物に女子高生が多いことでいわゆる「エロ要素」的な物もあるにはあるんですが、本作においてそれは鑑賞に誘導するための餌であったり、作中での視聴者の視線を巧みに誘導するための物であったりする気がします。そう、ちゃんと本作の「エロ要素」にはある程度必然性はあったりするわけです。

「見えるか見えないか」のギャップ、そして「見えてもガン無視」というだけでどこまで話を引っ張れるのかと思っていましたが、第5話にして『夏目友人帳』でいうところの田沼ポジション、すなわち「見える能力に差がある」という存在が加わったことで、本作は個人的にはかなり楽しめるアニメになりつつあります。

まだ読むには至っていませんが、原作も面白そうな気がします。

2022.4.7追記:
最終話まで楽しめました。

アニメの放送時期にはComic Walkerでかなりの部分まで無料で読めましたし、現在も新しい話数はComic Walkerで読めていて原作も楽しんでいます。

やっぱりキャラとしてはみこと霊的な物の見え方が異なるユリアやただの占い師として振る舞うゴッドマザーがこの作品の良いフックになっていて、個人的にはかなり好きな作品になりました。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 38

73.7 56 2021年度アニメランキング56位
劇場版 Free!–the Final Stroke– 前編(アニメ映画)

2021年9月17日
★★★★☆ 4.0 (28)
126人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

行こう,栄光の舞台へ――

「Free!」のシリーズは最も好きなアニメのうちの1つでテレビシリーズも劇場版も全て観たし原作も読みました。
なのですが,好きすぎて1stシーズンしかレビューできていませんでした。
しかも,当時はあまりピンときていなかったので「Eternal Summer」と併せてのレビューという暴挙(?)に出ていまして…。
いずれ近いうちに書き直し,他のシリーズとこちらの劇場版のレビューをしたいと思っていたのですが,こちらがあまりに素晴らしかったので,一時的なやつと割り切って先にレビューしてみようと思います♪

―というわけで,観ました!!Free!最終章!!
満足度でフル★5は「鬼滅の刃 無限列車編」でつけて以来もうしばらくないだろうなと思っていたのですが…!!
これまでFree!の映画ってテレビシリーズの焼き増しって感じだったのですが,今回はテレビシリーズでは描かれていない新規のお話です。
まず演出が素晴らしいです。カメラワークとかBGMとか。
そして,なんと言っても作画!!
これまでも素晴らしかったというか,もう京都アニメーションっていう時点でそこはもう安心と信頼の京アニって感じではあるのですが!!
最後のシリーズというのもありますし,京都アニメーションは色々あったので,なんというかスタッフさんの“遺志を継ぐ”じゃないですけど,「良いものを作ってやるぜ」的な気合い,心意気みたいなものを勝手ながら感じてしまいそれもあってか最初から最後まで終始うるうる涙を滲ませながら観ていました。
水の表現とか試合会場の臨場感とかキャラクターの動きとか諸々もう神がかってますね!!
{netabare}個人的には(細かいんですけど)泳ぐ前の凛と郁弥が話してるシーンで郁弥が振り返る動きと帰省の電車から下りた凛ちゃんの目線がみんなから宗介に移るとこがリアルで良いなって思いました。
そして,ハルが泳ぐところは映像がかっこよすぎて泣きそうにな…ってか泣いてました(笑)。
物語で泣くことはあってもアニメーション自体がかっこよすぎて泣くとかオタクすぎますね(^-^;
そうかと思ったら凛ちゃんの番で「見てるか?親父」からの
郁弥「気になる?」
ハル「あいつの競泳への想いを知っているからな」
でポロポロと心の汗が流れてしまいました。゚(゚இωஇ゚)゚。ドバァ
ハルちゃんのこれまでの性格だと「別に」とか言いそうなのに…。
郁弥が,ハルの泳ぎを観ている凛ちゃんを後ろから見ていて,その回想シーンだけで凛ちゃんのハルに対する想いと,郁弥が2人の関係を気にしている感じの2つが伝わってきてグッとくると同時に切ない気持ちにもなりました。
あと,みんなで電車で帰省するとこ!!
画もきれいだし,「そういえばみんな地元同じなのか!!」ってはっとしました。
特に郁弥と旭!!佐野より板東の方が岩鳶に近いのねって。
板東は岩鳶中だけど,佐野は佐野中があったもんね確か。
原作に合わせて旭がちゃんと板東で下りてたとこは地味に嬉しかったです。
そういえば劇場版「ハイ☆スピード」でも一緒に帰ってたな!!
電車では郁弥が驚いた表情をしてたけど,あの時誰を見てたんだろう??
やっぱハルと凛を見てたのかな。。

物語の内容で1番わたしが思ったのは,「ハルって凛とか郁弥のことどう思ってるんだろう??」ってことです。
凛も郁弥もハルに憧れてライバルだと思ってると思うのだけど,ハルって2人のことそう思ってなさそうだなって今回思いました。
ハルが見ているのはアルベルトだけで,凛のことも郁弥のことも眼中になさそう。
厄介なのが,それでありながら仲間とは思ってるってとこなんだよな。
凛に対しては終盤の小学校のシーンで思いました。
「アルベルトに勝ちたい」じゃなくて「お前に勝ちたい」って言ってやれよ!!―って思った。
何度凛ちゃんに勝ったところで次の試合,そのまた次の試合ってずっと勝ち続けられるかどうか分かんない相手だよ!?
郁弥はもっと気の毒で…
彼はDFの時からずっとハルと凛の関係を意識している描写があって,特に今回は3人でシドニーに行ったものだからなんだか可哀相になりました。
行きのバスでもハルは凛と座ってましたね。
ハルとのライバル関係とか友達関係において凛には叶わないとか思っちゃってないといいけど…。
凛が泳いだあと,郁弥を置いて凛の元に走っていっちゃって…。
凛には会えずじまいだし,郁弥は金城たちに難癖つけられるし…ハル,何やってんだよ。。
あたしは郁弥推しなので,郁弥がこれから泳ぐのに凛のとこにいっちゃったハルにちょっとムッとしちゃいました。
それと,ハルが階段から落ちそうになったとき郁弥がキャッチしてくれたのに,郁弥のこと目に入ってないって感じだった。
ハルは凛や郁弥のことろくに見てないくせに,精神的に頼ろうとするなんてムシが良すぎる。
それにしても,郁弥は意外と凛と2人のシーンが多くて驚きました。
序盤の学園祭の郁弥は可愛すぎましたね。
「白黒つける!?」の言い方好き(*^▽^*)
凛と郁弥は大分打ち解けたのかと思ったけど
「君と過ごしてみたけどさ,変わった奴だよね,凛て」ていう郁弥のセリフに距離感を感じました。郁弥は一歩引いて見ているのかな??
2人の間接ライバルの感じ好きなんだけどな~。
そして,ハルと郁弥はあんまり2人で話せていない気がする。
2人は個人メドレーでしか勝負できてないのだからちゃんとフリーで勝負してほしい。
あと,細かいのだけど,鮫柄の寮で凛ちゃんと宗介が御子柴先輩が現れた途端後輩という立場にすぐさま切り替えて挨拶するのが,体育会系のノリでめっちゃ良いなって思いました。

そして,言っておきたいのは声優さんの演技ですね。
元々,凛ちゃんの中の人の演技はESから一目置いていて今回も凄く良かったのですが,今回はハル!!
元々そういうポテンシャルを持った声優さんなのか,それともタイトなディレクションをされたのかは(声優さんに詳しくないので)分からないのですが,今回の映画は凄く生っぽいというか,アニメの声優というよりは役者って感じの演技で驚きました。
郁弥は夏也に電話した時の第一声「あ…アニキ…」が片言っていうくらいぎこちなさが出てて好きです。
それだけじゃなくて,カメラワークもそうだし,脚本もそうなのか作品自体の雰囲気も実写のドラマっぽさがあって,好き嫌いはあるのかもだけどわたしが高評価をしたのはそれも一因です。
それでいて,マコちゃんが見た線香花火から金魚みたいな不思議なビジョンの演出とかはアニメっていう強みが活きてる感じがしました。
EDは急遽変更になったのかな??
最後のエンドロールを見ながら「We could be free最高じゃん♪むしろこっちのが終わりの雰囲気と合ってて良かった」って思いました。
BGMはどれも素晴らしいけど,個人的にはサウンドトラックの中で「Tidbit」が特に好きです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

もうどこをどうとっても素晴らしい映画でしたが,後編はどうなるんだろう??っていう気になる終わり方でもやもやが残ります。
―というか,惨敗の2人にプロの話が来るってちょっとおかしくないか??
凛ちゃんはオーストラリアだからまた事情が違うのかもだけど,郁弥は日本だしメダルも取れてないのに変だよね。
郁弥推しのわたしとしてはハルと2人で話すシーンが欲しい。。
郁弥は凛とか旭とかとばっかシーンがあってさ…。{/netabare}
戦いに関しては,郁弥推しではあるわたしだけどやっぱハルに勝ってほしいです。
応援しているのは,宗介と夏也先輩だな。
やっぱ“アニキ”にはかっこよくいて欲しいしね☆
続きがとても気になりますが,キャラクターが大勢いるので後編で全て大団円といくのかな??
後編,早く観たい気持ちはあるけど,観たらもう終わっちゃうと思うと観たくない気持ちも強いです。。
みんなの頑張りが報われますように――って思います★

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

二十歳を過ぎたらただの人?!

 TV放送の「-Dive to the Future-」というより「劇場版 Free! -Rosd to the World-夢」の続きです。遥達楽しい日常と世界との差を痛感した遥、金城楓、力を十分に出せなかった凛、郁弥の心の葛藤を描いたお話だったです。

 お馴染みのキャラ達全員登場で楽しい話題ありつつも、真面目な話を織り交ぜている構成にやや私は戸惑うようにも思えたけど、今まで以上に人間らしさを感じたFree!だったです。

 シドニーの世界大会でアルベルトの超人的な泳ぎに飲み込まれてしまう遥の葛藤がかつてなく、東を始め凛にまで当たってしまうところが、今までにないものだったです。アルベルトの意外な行動もこの先につながるような感じだったです。

 世界大会以外で、大学や岩鳶での日常は楽しく独特のいつもの空気が相変わらずだったです。

 今までにない壁に当たったとき、特に遥、凛、郁弥の将来における決断とこれからを選んだとき、どうなっていくのかが後半につながるようだったです。
 TV放送の高校生だった頃も印象的だったけど、大人に近づく遥達も違う良さがあったようにも思えたです。
{netabare}  よく言っていた遥のつぶやきも、ギクシャクした終わり方も、2022年4月22日上映予定の後半どうなるのか?「私、気になります!」だったです。{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

にら さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

腐女子向けと思ってるそこの君

Free! の数少ない男性ファンだが、今回も面白かった。

この作品は女性ファンが多いため勘違いされがちだけど、断じて腐女子向けに作られた作品ではない。
水泳選手が努力する過程に正面から向き合ったスポーツものであると同時に、青年たちの葛藤と成長を細やかに描いた青春ストーリーなので、男女問わず誰でも楽しめるのがいい。

加えて本作はキャラクターがちゃんと年を重ねる作品である。
小→中→高→大学→大学生として世界選手権出場、と成長する中で立場や環境も変わり、抱える苦悩も水泳や仲間に対する考えも徐々に移り変わっていく。そういう積み重ねを以って彼らが大人へと近づく過程を見ると、この作品はただのスポーツ作品じゃないんだと毎度思わされる。


Free!シリーズは出た順番で

①Free!(1期)
②Free!-Eternal Summer-(2期)
③ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-(映画, 中学時代を描く過去編)
④Free!-Take Your Marks-(特別編, 2期〜3期の間の話)
⑤Free!-Dive to the Future-(3期)
⑥Free!-the Final Stroke-前後編 (映画, 完結作)

と数が多いためめんどいって人も多いと思うが、それでもやっぱり素晴らしい作品だからたくさんの人に見てほしい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

73.6 57 2021年度アニメランキング57位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (418)
1394人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異世界転生スローライフ物

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観た時点で、このレビューを書いています。原作は未読ですが、コミカライズ版は読んでいます。元々は「小説家になろう」掲載作品で、現在でもなろう版を読むことはできるようです。

女性が異世界転生するストーリーの代表格が「悪役令嬢」だとすると、異世界召喚される方の代表格はたぶん「聖女」なんじゃないでしょうか。

通常は1人しかいないはずなのに余分な召喚者がいるというパターンも増えてきているようですね。また前世の労働が過酷だったために異世界でスローライフを送るという話も増えてきてますね。

本作では儀式により聖女を召喚したものの召喚者は二人いてどちらが本来の聖女か当初は不明であり、儀式の責任者であった王太子である第一王子には無視されたセイは薬草の研究を中心にスローライフを開始するという、要素てんこ盛り的ななかなかに欲張りな作品となっています。

魔物の脅威はあるものの召喚されたスランタニア王国は基本的に治安の良い平和な国家であろうこととか、文化レベル的な物は台詞で事細かに説明するというよりはプロップデザインなどで画として説明されている感じで、その意味では作画的にもシナリオ的にもまあまあレベルは高いアニメだと思います。

派手なイベントは多くなく起伏の少ない話なので、主人公のセイを中心とした人間関係の機微とかに興味を持つことができないと、かなり退屈に感じる可能性は大です。セイ自身が多少照れたりすることはあっても基本的にはあまり恋愛に強く関心を持たないキャラなので、あからさまに「逆ハーレム」的な描写もあまり多くはありません。

ここにハマれればかなり気分良く観れますが、合わない人には「どこが面白いかわからん」的な作品だろうと思います。

あと、本作ならではの描写としてはなろう原作アニメでありがちな「ステータス表示」みたいなものは無しになっています。

コミカライズ版はセイはウインドウ的な表示で自身のステータスを知ることができていたのでたぶん原作も普通のなろう作品的に主人公のセイは自身のステータスやスキルを確認できる設定であったのがアニメで改変されたんじゃないかと思いますが、これが想像通りだとすると個人的にはこれは改変して正解じゃないかと思いました。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.23追記:
最終話まで視聴終了しました。結局アニメは現在6巻まで刊行されているコミカライズ版を追い越したようです。スピンオフコミック『聖女の魔力は万能です ~もう一人の聖女~』の描写も取り入れつつ、卒のない出来のアニメ化となったようです。

こう書くと怒られそうですが、ディオメディア制作とは思えない終始安定した作画で、最終話まで安心して観ることができました。

そして主人公のセイがだらけたりむくれたりする表情が大変かわいく、2021年春クールではかなり気に入った作品になりました。

原作を読んでいる人からすると色々なエピソードがオミットされているという声も聞かれますが、原作が継続している1クール作品と考えると「ちゃんと1クール観終わった」と感じられる、なかなか考えられたシリーズ構成だったのではないでしょうか。

社内に兼業ラノベ作家陣を抱える、ある意味ディオメディアの強みを見せた脚本だったと言えますね。

音楽面では「結城アイラ最強!」とでも言うべき出来で、ここもなかなか素晴らしかったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 41
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こんな異世界生活なら、多少強引に召喚されちゃってもいいかも(笑)

安全な所で、高貴な美青年に囲まれて、みんなに大事にされてww

おまけにこの異世界で貴重な、異世界モノお決まりのチート能力を持ってる上に、
異世界召喚効果?でちゃっかり目もよくなって、
さらには容姿までなぜか綺麗になっちゃって。


お話としては、
それだけなんですけど、
それだけで、十分、
羨ましいですよねえ!(*^~^*)

腐ってるって思われてしまっては心外です。
ですが、そう思われたって、このゆったり幸せな感じは、
やめられません(*^▽^*)

もちろん、他人様にはお勧めしたりはしません。


作画が意外と丁寧だとか、
主人公セイちゃんのキャラクターがおっとりしてて親しみやすいとか、
男性の、騎士とか貴族とかだけでなく、同性のお友達もちゃんとできたりとか、
お勧めできるところはいろいろあるのですけど、
やっぱりこういう、まったりした逆ハーレム感、
こっそり楽しみたい世界ですね(#^〇^#)


観終わりました。
{netabare}最終回での魔物との戦いは、この作品の苦手なところみたいで、
ちょっと観ていてガッカリでした。
作品の主旨と違うから?
こんなカッコ悪い戦闘描写だったら、絵にしないで、後方支援に徹しておいてほしかった、かな・・・?

それでも。
逆ハーレム要素満載なのに、
セイちゃんが一途なの、悪くなかったです。
最終回で、やけにセイちゃんの唇のアップが多いような気がしたんですけど、
それもよかったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 38

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転移モノの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生・転移モノと主人公最強は、決して相性が悪いとは言えない。
異世界転生・転移モノと中二病は、かなり相性が悪い。
異世界転生・転移モノとハーレムは、主人公が中二病を発症していなければ問題ない。

まあ、個人の見解ですが、おおむね以上の通りかと。
もう少し補足すると、主人公が大人(もしくは元大人)で、その大人っていう設定が活かされてさえいれば、おおむね間違いないように思います。

さて、本作の主人公は大人です。
しかも女性。
大人の女性という設定はしっかりと活かされています。

主人公最強と言えば言えなくはありませんが、それはあくまでも結果的にという話で、いわゆる主人公最強系とは異なります。

逆ハーレムの兆候は見受けられますが、主人公が中二病を発症していないので問題ありません。

ゆっくり、まったりと物語は展開していきます。
これはお気に入りの棚直行ですねぇ(笑)。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 34

73.6 57 2021年度アニメランキング57位
劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!(アニメ映画)

2021年10月1日
★★★★☆ 4.0 (50)
210人が棚に入れました
マクロスΔの完全新作。

歌うことは生きること。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

なぜ、このような結末にしてしまったのか…

以下はあくまでも個人の意見です。

正直な話、マクロスΔの監督は、今までのマクロスシリーズの主張、守るべき大切なものを忘れているような気がします。

テレビ版もそうでしたが、劇場版では取り返しのつかない結末になってしまいました。

確かに戦闘シーンは迫力があり、歌も素晴らしいし音響効果も抜群です。
でも、最も大切なものを2つも捨ててしまっている。
それが何かすら、監督さんは気づいていないような気がします。

一つ目は、歌の力で戦いを終わらせることと歌の力で戦いに勝つことには、雲泥の差があります。そのことを忘れられたようです。
ミンメイもバサラもランカもシェリルも、歌の力で戦いを終わらせたのです。戦いに勝ったのではありません。相手を力でねじ伏せたのでなく、相手と理解し合えたのです。

二つ目は命の大切さです。歌うことで寿命が短くなるなんてマクロスシリーズの趣旨に反しています。

仮にマクロス7のバサラが登場して、歌の力でフレイヤに生きる力を与えたならば…
と、つくづく思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 9

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ごりごり、燃えた 燃え尽きたんよー

 マクロスΔの続きで、ハヤテやワルキューレら共に故郷に帰ったフレイヤだったです。
 突然の奇襲に立ち向かうワルキューレ、Δ小隊、特にフレイヤが命を賭けて歌うお話です。再び愛の告白、マクロスファン必見驚きのサプライズキャラ登場もあったです。

 以前の「劇場版マクロスΔ 劇場のワルキューレ」は、TV放送のアレンジ構成で少し話をラストも含め変えていたです。今回は完全新作、ワルキューレの歌が目立ちすぎる前回とは違い、フレイヤを軸にハヤテ、美雲、カナメ、レイナ、マキナ、ミラージュなどの絡み、以前明かされた謎を盛り込んだ作りになっていたです。

 フレイヤの里帰りも含めライブを行ったウィンダミアで、一体何が起こるのか?突然の出来事に話は、盛り上がりを見せるです。
 戦いのさなかに、全力を出すフレイヤに一体何が起きるのか?注目です。フレイヤを思うハヤテであったり、美雲であったりとどうなるのかなぁと思ったです。ワルキューレそのものの存在意義も見た気がしたです。

 敵の正体、目的、対抗戦力も何なのかな?設定だったです。「マクロス+」の要素を取り入れたΔならではな、演出も施されていたです。

 自分の身を顧みないフレイヤの決断、その先に何がおころのだろうか?衝撃の展開へと進むのです。人間にしかわからないともいうべき、歌の力を見せたと思うです。以前の戦いの終わった直後、地球人とウインダミアの間で互い全てを受け入れられなかった面も見れた流れで、一つにまとめることができたように見えたです。

 ED後のシーンは、ハヤテたちが受け入れた展開の中で残された希望のように、ハヤテと新たな命を見せたように思えたです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5
ネタバレ

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

油断して観たら、痛い目にあった...

同時上映の短編マクロスFの新作目当てで、合わせて観ました。正直Δの方にはあまり期待していませんでしたが、いい意味で裏切りられました。

詳述は避けますが、マクロスシリーズの肝とも呼べるストーリを占める柱は、歌、戦闘、そして三角関係という認識で、私はシリーズを通して視聴していました。テレビ版Δが公開されたとき、三角関係が薄まってると思って三本柱の一本が揺らいだと思って、やや残念に思っていました。

今回の劇場版視聴後、シリーズの三本柱と思っていた「三角関係」の要素は誤りで、歌、戦闘、そして「{netabare}悲恋{/netabare}」が本当の柱なのではと、思わずにはいられませんでした。今一度、この要素の視点でもって、シリーズを改めて視聴し直したいと思った次第です。河森監督、そして劇場版Δに携わった方々に、気付きをいただけたこと、素晴らしい作品に仕上げ公開していただいたこと、深く御礼申し上げます。心を入れ替えて出直してきたいと思います。

追記:マクロスプラス、7、そして若干Fの要素も、劇場版では含まれています。併せて視聴すればより楽しめると思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5

73.5 59 2021年度アニメランキング59位
宇宙戦艦ヤマト 2205 新たなる旅立ち 前章 TAKE OFF(アニメ映画)

2021年10月8日
★★★★☆ 4.0 (14)
40人が棚に入れました
白色彗星帝国との戦いから三年──。滅びに瀕したガミラス民族を救うべく、新たな母星の探索を続けていたデスラー総統は、天の川銀河の一画に条件に見合う星を見出す。が、そこは、強大な星間国家の領域内であった。銀河で勃発した領土紛争は、ガミラスと安全保障条約を結ぶ地球を否応なく巻き込んでゆく。地球に軍事的・経済的優位性をもたらしてくれた時間断層という魔法は、自分たちの命と引き替えに消滅してしまった──自責の念に駆られながらも、ヤマト新艦長の任についた古代進は、来るべき有事に備えて新クルーらと共に訓練航海に旅立つ。その中に、自分をつけ狙う何者かが紛れ込んでいるとも知らずに。かつてない不安の時代に、新たなる旅立ちの時を迎えるヤマト。その行く手では、想像を絶する新たな敵が待ち構えていた……。

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

コンパクトにまとまっていてよかったかな。

ヤマト作品は好きなシリーズの一つで、リメイクも割としっかりと作ってあるのでいつも楽しみに見れると思っている。

2202のレビューではいろいろとツッコミを入れたものの、作品自体としてはやはり私の原点であり、好きな作品。
今作については、前半を視聴した段階で、いろいろとコンパクトにまとまっていて、新しい要素も上手く盛り込んであり、ドラマとしてはよく出来ていたと感じた。
組織としては色々と突っ込むところもあったけど、なんか昭和を感じるカタルシスがポイントポイントでよく出ていた。

相変わらず、ピンチの時の援軍到着が熱くていいと思うw。

ちょっと、深みは足りない気はしたけれども、時間の都合もあるだろうし、大筋でもリメイクの枠は外れていたんかったんじゃないかな。

ヤマト世代のオジサン、オネイサン達もナットクナンジャナイカナ。



さて、後半も観てみよう。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まだ終わらない新たなヤマトの船出

 ガミラスの運命とイスカンダルを巻き込んだ、ヤマトの新たな戦い幕開けのお話だったです。主にデスラーとヤマト新人乗務員に焦点が、当てられたです。今までの回想が、序盤にあるので初めて見る人でも分かると思うです。

 2202で終わりで良かったと思ったけど、2205まだまだ続くです。これも旧作のヤマトの設定を盛り込み、2205風にリメイクした作りだと思われるです。ガトランティス並みの敵の出現や、目的にスケールの大きさを感じたです。
 今回も作画、演出2205ならではの新しいヤマトの世界感も良かったです。

 デスラーの今までに見せなかった人柄を、もろに見せてくれた今作だったです。滅びゆく運命にあるガミラスの新たな惑星を見つけ、ガミラス市民の移住が行われようと進むです。
 地球とガミラスの和平協定のため、出向するヤマトです。新人乗務員も加わるので、また違ったヤマト館内になるようです。また2202で古代進、森雪、ヤマトの帰還により、日常を奪われた人の存在も明かされることになったです。それも含めて、新人乗務員それぞれの行動も描かれるのです。それに対して、古代は何を思うか?だったです。

 後半、正に移住を進めようとガミラスで準備がされていたさなか、何が起こるのか?凄かったです。これと同時にヤマトサイドでどうなっていくのかも注目です。ガミラスはどうなるのか?イスカンダルも何が起こるのか?です。
 何だかんだヤマトらしい行動から、これもいいところで終わってしまい ネタバレレビューを読む続き、「私、気になります!」だったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

過去の劇場版リメイク

1979年放送の「宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち」のリメイク版。
宇宙戦艦ヤマトはずっとリメイクされているし、リメイク版の方が出来が良いのでうれしい限り。
こちらは前後半で1つの物語となっているので、レビューは後半にまとめて。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 3

73.3 60 2021年度アニメランキング60位
死神坊ちゃんと黒メイド(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (266)
859人が棚に入れました
触りたい 触れない ―世界で一番、切ない両想い。幼い頃、「触れたもの全てを死なせてしまう」呪いを魔女にかけられた、貴族の「坊ちゃん」。呪いによって周囲から拒絶されるようになった彼は、森の奥の大きな館で孤独な日々を過ごす。そんな彼に仕えるのがメイドの「アリス」。しかしそのアリスの存在が坊ちゃんの一番の悩みの種。なぜならアリスは日常的に逆セクハラを仕掛けてくるから……!いつもギリギリの距離感で誘惑してくるアリスと、彼女のことが愛しいけれど手をつなぐことすら許されない坊ちゃん。二人の純愛は、果たして実を結ぶのか…!?

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

素敵な御伽噺

<2021/10/17 追記>
一つ書き忘れてたので補足
アリス役の真野あゆみさん
素晴らしかったです。
清楚さと落ち着いた色香と優しさと哀しさが綯交ぜになったような、少し低音の自然な声
真野さんのキャスティングがなかったらここまでの雰囲気は創り出せなかったかも。
もう一度言います。
素晴らしかった。


<2021/7/8 初投稿>
原作未読
見始めなので評価はデフォルトの3.0です

ありがちな思春期男子向けのサービス作品かと思ったらそんなことなかった
格調高いです

色気振りまいてるように見えて存外いやらしくない
そういうの期待してるとがっかりするかも
でも作者が見て欲しいところはおそらくそこじゃないような

押切蓮介先生の絵柄に似ているのでちょっとクセはあるものの、それも含めて味になってる

今期10作ぐらい見てようやく刺さりました
期待大です

<2021/7/27 追記>
4話まで見ました

3話のビリヤードシーン、かなり上手く描かれてますね
一球目の手玉の動きがおかしい(二度撞きのような動きしてる)けど、他は自然でした
アニメのビリヤードシーンの球の動きってCGでも変なことが多いんですよ
チョークの塗り方と左手の形(ブリッジ)が変なのはご愛嬌

Bパート・夜の湖のシーン、いいですね
青の色調が気持ちいい

そして4話
今までとちょっと違う感じの新キャラ登場
今後、呪いの正体に近づいていくのか?
という期待を少し抱いたり

本作の二人の関係、というか距離感は「からかい上手の高木さん」に少し似てますね
こういうの好きです

<2021/9/21 追記>
最終話まで見終えました。
予想以上に良かった。

「上品な御伽噺」でした。
全て幻想的な空気に包まれてますね
ARIAのケットシーの回を彷彿とします

坊ちゃんとアリスに全く裏表がないところも好感度大。
二人ともよい子で真っ直ぐにお互いが好き。
そういうのを見てると嬉しい。

最終話の坊ちゃんのお母さんに向けたセリフはまっすぐで気持ちよかった。
その後のお母さんの表情見て
なんとなく、君嘘・公生の公生ママとの対話のシーンを思い出したり。

今期、やはりかなり好きな作品です。。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 43

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

触れることはできなくとも…二人の影は、いつも寄り添っている

タイトルに似合わず、とても温かで心が安らぐ物語でした。

監督は、山川吉樹さん。「ハイスコアガール」や「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」の監督もされた方です。
山川監督は、人の弱さや悲しさを知っているからこそ、温かく優しい作品をつくれるのだと思います。


幼い頃、触るものは全て死に絶える呪いを魔女にかけられた坊ちゃん。
坊ちゃんは名門の貴族の長男ですが、彼の名前は不詳です。
母親からは「死神のよう」とさげすまれ、古い友人からは化け物と罵られた彼。
本邸から馬車で2時間もかかる別邸にて、執事とメイドと三人で暮らしています。

呪いがかけられた最初の数年は、彼は孤独でした。未来に絶望しか持てませんでした。
でも、今の彼は孤独ではありません。

メイドのアリスは、献身的に彼を愛してくれて、彼に生きる希望を与えてくれました。
執事のロブは、彼の親代わりに大切に育ててくれました。
そして妹のヴィオラは、2時間もかけて毎日のように兄に会いに来てくれます。
そして、カフやザインといった友達もできました。

今年は、皆と一緒にクリスマスパーティを催し、楽しむこともできました。

現代人の私たちは、何不自由なく暮らしていますが、坊ちゃんのように多くの人に囲まれてクリスマスパーティをしているでしょうか?
もしかして、私たちのほうが呪いをかけられた坊ちゃんよりも孤独なのかもしれません。


アリスは幼い頃は体が弱く、虐められていたところを坊ちゃんに助けられました。
優しい坊ちゃんの何気ない行動が、幼い頃のアリスにとって救いとなったのです。
そして今、アリスの献身的な行動が、坊ちゃんにとって救いとなっています。

それぞれお互いは、当たり前なことをしているだけだと思うでしょうが、その行動によって救われる人は確かにいるのです。
それは、とても素晴らしいことだと思います。


坊ちゃんはアリスが大好きです。アリスも坊ちゃんが好きです。
お互い触れ合うことはできませんが、一緒にダンスを踊ったり、一緒に歌ったり、一緒にお祭りを見に行ったりと、まるで恋人同士のようです。
それに、夢の中では、二人は手をつなぐことができました。

確かに好きな異性の人とは、手をつなぎたい、キスをしたい、抱きしめたい、と願います。
でも坊ちゃんには、それだけはできません。

しかし、お互いに触れることはできなくとも、二人の影は、いつもしっかりと寄り添っています。
二人の心は、しっかりとつながっています。


オープニングは、「満月とシルエットの夜」 坊ちゃんとアリスとが楽しそうにデュエットしています。
エンディングは「夜想曲」 アリスの力強い歌声を聞くことができます。

素晴らしい作品を教えてくれた私の友達に感謝します。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 36

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

視聴意欲が低い作品でしたが・・・。

どちらかと言うと「観たい!」「観なければ!」と言う作品ではありませんでした。
ただ、あにこれの時期別ランキングで割と良いランキングだったのと、機会に恵まれたので視聴。

物語的には、魔女の呪いによって触れたものを動物、植物を問わず死に至らしめる体となってしまった主人公のお坊ちゃんとそのお坊ちゃんに好意を寄せるちょっとえっちいメイドさんアリスとのあれやこれや。
周囲を固める登場人物もなかなか個性的で楽しい。

私的には「流し見が平気系の作品」かなぁって感じ。
でも、独特の雰囲気があって面白かった。
私がよく言う「いい雰囲気」と言うのとは少々違う感じがしていて、なんと表現して良いものやら、少々迷っている。

実は原作も数話だけ漫画で観たことがある作品。
残念ながら、その時は「へぇ~面白いアイデアを考えるものだ」とは思ったものの、それ以上の感情には至らず、継続して読むこともなかった。

よって、この作品に親しむ結果となったのは、この作品=アニメの良さに魅かれたという事だろう。


作画については、ほんの少し慣れるまでは違和感があるかもしれない。
なんだか、ハイスコアガールと似ているなぁと調べてみると同じスタッフが作成に参加しているとの情報が。
なるほど、あちらはあちらでクセはあったものの3DCGアニメでも充分、熱量やかわいわしさが伝わる作品だったが、なるほどと納得した。
もはや3DCGがマイナス要素になることはほとんどないと言っても良いレベルではないだろうか。

さて、この作品はある意味ラブコメに位置づけされる作品と受け止めている。
しかし、わちゃわちゃのギャグオンリーに走らず、ベッタベタなえっちい路線にも走らず、落ち着いた雰囲気を保っているのは「触れたら死」という強烈な障害、制限が設定されているからだろう。
ラブコメには様々な障害が用意され(曰く、ライバル、親、身分、人間関係、etc...)、それゆえ、色々な物語が紡ぎだされるわけだが、この作品はこの無機質な設定故に主人公の葛藤(一人がたり)やアリスの立ち振る舞いが活きている気がする。
更に言えば、この設定の中で、アリスのちょっとえっちいお姉さん的キャラ付けや、あたかも母のようにすべてを受け止めてくれそうな母性的キャラ付け、そしてちょっとイジワルなツンデレ的側面、様々な一面が強烈に活かされている。
なかなかにユニークだ。

それにしても、仲間=友人が増えていく感も私の好みだったなぁ。
それもだいぶ、おっかしい奴らがw

カフはなんか独特のかわいらしさがあるよねぇ。
雑でバカ(誉め言葉)で素直で・・・愛嬌がある。

ザインはエロ兄貴って感じか、こちらも気を使わない自由な感じが大変よろしい。
しょっぱなのあいさつで「いや~今日もオッパイでっかいねぇ」って・・・、言ってみたいものだ。いや、エロい意味では無く、そこまでサッパリ、スッキリ言えたらストレスたまらんだろうなぁ、と。
もちろん相手は選ぶでしょうがね、そういう性格って少し羨ましいと思いまして・・・。
いや、リアル社会での良識はもってますよ、私は・・・ホントですよ。

ああ、妹のヴィオラもなかなかにぶっ飛んでいてか愛嬌がありますよね。
コロコロと表情が変わってなかなかにかわいらしい。
飽きがこない気がします(いや、妹って飽きるものなのかよw)


総評としては、観てみてよかったです。
えっちい表現もまぁ、一般的に観てもさし使えないレベルでしょう。
どうやら、既に2期も決定したというお話も聞きました。

今後気になる点も残っていますし、それぞれのキャラクタの今後も楽しみです。
きっと、観ているだけで賑やかで楽しいものになる気がしています。

どうぞ、機会があればご覧くださませ。




まったく・・・、いちゃいちゃしやがって。
オマエらもうくっついちゃえよ!
ああ・・・くっつけないのか(それは切ないな・・・)。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 23

73.2 61 2021年度アニメランキング61位
僕のヒーローアカデミア(第5期)(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (196)
950人が棚に入れました
超常能力“個性"を持つ人間が当たり前の世界。憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った“無個性"の少年・緑谷出久、通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、オールマイトから“個性"ワン・フォー・オールを受け継いだ。デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、“個性"で社会や人々を救ける“ヒーロー"になることを目指し、ヒーロー科1年A組のクラスメイトたちと切磋琢磨する毎日を過ごしていた。「プロヒーロー仮免許」取得とプロヒーローインターン活動。そこでの少女・エリとの出会いと、そのエリを恐るべき計画に利用する「死穢八斎會」の若頭オーバーホール、エリを救うための死闘。エリや雄英生徒の皆を笑顔にするための文化祭。新たなヒーローランキングの発表…。慌ただしい日々の中、デクは着実に成長を続けていく。その一方で、死柄木弔率いる敵<ヴィラン>連合もその力を蓄えていた。“最高のヒーロー"を目指すデクの次なる試練、それは同じくヒーローを目指す1年B組との、互いのプライドを懸けた対抗戦!体育祭以来の直接対決に、生徒たちの意気は上がる。そんな中、デクの中で新たな“何か"が目覚めようとしていた―。

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、増田俊樹、悠木碧、井上麻里奈、細谷佳正、畠中祐、広橋涼、真堂圭、諏訪部順一、三宅健太

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

おおいなる戦いに向けて、強くなれ。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版は第1期~第4期まで視聴済です。
間もなく秋アニメも終盤…というか、もうぼちぼち終わり始めている作品がある中、この作品の視聴とレビューがこんなにも遅くなるなんて、改めてアニメの視聴時間が減っているのを実感します。

アサルトリリィのラストバレットに絶賛ハマリ中である上、仕事もこの春から忙しくなったという理由は明確に分かってはいるものの、これらの原因は自分ではどうにもならないので、もう少しこんな感じが続くんだろうなぁ…と思っています。


超常能力“個性”を持つ人間が当たり前の世界。
憧れのNo.1ヒーロー・オールマイトと出会った“無個性”の少年・緑谷出久、
通称「デク」は、その内に秘めるヒーローの資質を見出され、
オールマイトから“個性”ワン・フォー・オールを受け継いだ。

デクはヒーロー輩出の名門・雄英高校に入学し、
“個性”で社会や人々を救ける“ヒーロー”になることを目指し、
ヒーロー科1年A組のクラスメイトたちと共に成長していく。

デクは爆豪、轟と共にNo.1ヒーローであるエンデヴァーの事務所へインターン活動に臨む。
最高峰の現場に身を投じたデクはワン・フォー・オールに眠る新たな“個性”黒鞭を操るなど、
ヒーローとして確かな成長を見せる。

一方、敵ヴィラン連合の死柄木弔は、リ・デストロ率いる異能解放軍と激突。
リ・デストロとの戦いで窮地に陥る中、死柄木は忘れていた凄惨な幼少期の記憶を取り戻し、覚醒する。

異能解放軍を掌握し、その勢力を拡大しつつ、全てを壊すため自らに新たな力を求めるのだった。
デクと死柄木、ヒーローと敵ヴィラン。その全面戦争の時が迫る―!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

第5期は、大きく以下3つの物語で構成されています。
①1-B組との同戦闘訓練編
②冬休みインターン編
③敵(ヴィラン)連合 vs 異能解放軍編

個人的には、出久、爆豪、轟や麗日などヒーロー科の活躍を見るのが大好きなので、①と②は想定通りに堪能できましたが、③に限っては雄英が完全に蚊帳の外だったので、先の2つほど楽しめた印象はありませんでした。

確かにこれからの展開に必要な物語であることは理解できますし、死柄木の生い立ちについても知ることができるので、理解の幅も広がります。

ですが、例えば「1-B組との同戦闘訓練編」の爆豪の試合の様に体全身が痺れるような感覚に襲われることは無かったと思います。
しかし、この爆豪の試合は鬼懸かっていたと思ったのは私だけじゃないと思います。
思わず2度見直してしまうくらいインパクトのある展開でした。
この展開こそこの作品の醍醐味なのではないでしょうか。

そしてその感覚は、冬休みのインターンでもしっかり感じることができました。
個人的には爆豪の評価が鰻上りです。

確かに口は悪いし、あの攻撃的な性格は一緒にいたら絶対に疲れると思います。
でも、勝利に対して物凄くストイックなんですよね。
ただ勝つだけじゃない…勝ち方に対しても徹底的にこだわりを持っているんです。
その勝負に対する姿勢は決して嫌いじゃありません…というか、寧ろ大好物だったり…

雄英高校ヒーロー科のみんなが紡ぐ激アツで全力全開の物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
もし視聴されるなら、絶対第1話からの視聴をお勧めします。
現時点で113話もあるので、相応の時間を必要としますが時間をかけた分だけのリターンは十分にあると思います。

オープニングテーマは、DISH//さんによる「No.1」と、MAN WITH A MISSIONさんによる「Merry-Go-Round」
エンディングテーマは、the peggiesさんによる「足跡」と、崎山蒼志さんによる「嘘じゃない」

2クール全25話の物語でした。
既に第6期の制作が発表されています。
放送は2022年の秋だとか…
今から来年の秋が楽しみです。
期待値MAXで放送を待ちたいと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 6

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

不穏な空気が漂うアニメシリーズ第5期

アニメシリーズ第5期。
前半はヒーロー科1-Aと1-Bのクラス対抗戦、中盤にそれぞれのインターンの話と轟君の家族の話、後半はヴィラン(敵)視点のストーリーを描いたシーズン。

前半は今までのどの期よりも、テンポが悪くて中々見ずらかった。それだけ各キャラを丁寧に描いてるんだろうけど、今までのスピード感はなかったです。その中でも、かっちゃんのチームの戦いは凄く良かった。本当に魅力的なキャラ過ぎるぞ爆豪勝己。

今期の注目は、後半5話(108話~112話)のヴィラン側のストーリー。
ヴィラン連合側のキャラを深堀してて、それぞれ一皮剥けるシーンがあってすごく良かった。死柄木弔の話は正直ショッキング過ぎた。人って生まれがどうあるかより、出会う人によって人生が変わるって事をこの作品見てて凄く思うから、死柄木くんの今後がどうなるか見守りたくなった。

噂に聞いてたけど、ヒロアカは地獄というのが身に染みてきた…。
今後の展開も見逃せないので、2022年秋放送予定の第6期も続けて視聴予定です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4
ネタバレ

なっぱ‪‪𖧷‪‪𓈒𓂂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ヴィラン連合軍側のストーリーが多め

A組vsB組の戦闘訓練↓#92~#99
{netabare}
体育祭のトーナメントで出久くんと戦った
個性・洗脳の心操くんがヒーロー科に編入するため
相澤先生に特訓してもらい努力していた!?
そんな心操くんが今回の訓練に参加してて
ヒーロー科のみんなに遅れをとってる分を埋めようと
一生懸命に頑張ってて可愛らしかった‪(*ˊᵕˋ* )

戦闘訓練はA組B組が各5チームに分かれて
お互いに相手チームがヴィランのつもりで捕獲し、
先に4人捕まった方が負けというシステムでA組勝利!
クラスメイト全員に焦点を置いて
それぞれの戦い方と成長が丁寧に描かれていて、
今回の訓練でB組の全員がどんな人なのかも分かって
楽しみの幅が広がる試合でした。
こんなに人数がいてA組だけでなくB組も加えた上で
モブと呼ばれるようなキャラがいないってすごいです!

気のせいかもしれないけど、
全体的にB組の戦闘の仕方が周りのものを壊したり
被害拡大に繋がりそうな攻撃をする人が多かったのは
訓練ではなく実際の救助を経験した事のある
A組との差が出てるからなのかなと感じました。
そこまで考えて描かれていたとしたら凄いですね!

最後の試合では出久くんのワンフォーオールが暴走し
危険な感じにもなったけどお茶子ちゃんの判断と
心操くんの洗脳で無事収まり試合続行。
最近の出久くんは夢や心の中で先代達と会ったり
中には先代から話しかけられたりしている。
今回の暴走は、洗脳中に先代から教えられた話によると
どうやら感情に任せすぎたせいらしい。
この力を怖いと思わずに
自分のものであり味方だと思うことが大事。
{/netabare}

仮免補講最終日・クリスマス↓#100~
{netabare}
仮免取得後30分で街中のヴィランと遭遇し
かっちゃんと轟くんが活躍する。
退治後に駆けつけたプロヒーローがかっちゃんの事を
"雄英のヤバい子"と認識してるの面白すぎたw

Mt.レディの教えでいつもの体を張る訓練とは違い
ヒーローインタビューの練習をするみんな、
エリちゃんも一緒に楽しいクリスマスを過ごすみんな、
和気あいあいとしたA組のテンション大好き!
エリちゃんのサンタコスも可愛かったな♡
{/netabare}

インターン再開↓#102~
{netabare}
インターンでエンデヴァーの元へ行けることになった
出久くん、かっちゃん、轟くん。
轟くんしか面倒を見るつもりがなかったエンデヴァーが
2人を受け入れ真剣に教えることにしたのは、
極秘で連合軍にスパイとして潜り込んでいる
ホークスから恐ろしい事実を暗号で伝えられたから。
"敵は解放軍、数は10万以上、4ヶ月後に決起"
これを知るのは公安とホークスとエンデヴァーのみ。

急にインターンが再開となり
前回の任意と違い課題として出されたのは、
この計画の阻止に失敗したときの保険として
学生たちも戦えるよう強くしておくため。

内通者の正体が分からない以上ヒーロー側に
計画を知っていることが知れれば内通者によって
ホークスがスパイだと連合軍側にバレてしまうから、
計画への対策を隠しながら進めなければいけない。
何も知らされずに教えるプロヒーローたちや
教わる生徒たちの事を考えると苦しくなります、、

インターンで轟くんの友達も一緒という事を知って
轟くんの姉・冬美さんの要望で友達を紹介してほしい
という事で轟家に晩御飯を食べ行くことになった。
、、が食卓の雰囲気は最悪で
出久くんとかっちゃんの反応がいちいち面白いし
"地獄の轟くん家"というサブタイも最高w
{/netabare}

相澤先生とプレゼントマイクの悲劇↓#107~
{netabare}
冬休みが終わり新学期が始まってすぐに
恐ろしい事実が発覚する。
以前捕まえたヴィラン連合の黒霧が脳無だということ、
そして脳無は作られた人形だと思っていたが
脳無である黒霧の正体は相澤先生とプレゼントマイクの
元クラスメイトであり共にヒーローを目指した
亡くなったはずの白雲の脳をいじられたものだった。
{/netabare}

ヴィラン連合の過去や関係#108~
{netabare}
時を10月頃に戻し、
ここからは泥花市の事件で何があったのか
ヴィラン側の視点で描かれている。

異能解放軍に仲間の義爛を人質にとられ
リ・デストロから宣戦布告を受けたヴィラン連合は
義爛を助けるため泥花市へ向かう。
泥花市を管轄とするヒーローの多くは解放軍側で、
来れば義爛を解放するという約束は果たされず
ヴィラン連合vs異能解放軍の戦いが始まり
戦場となった泥花市はこれにより崩壊してしまう。

戦いの中で明かされていくトガちゃんの過去は
人の血を使う自身の個性の影響で
周りの普通と自分の普通の差に苦しむ姿があり
とても同情せずにはいられないものでした。

そんなトガちゃんの為に必死になるトゥワイスや
義爛のためにリスクを冒して助けに来た連合軍を見ると
ヴィラン連合の中にもヒーロー達と同じように
仲間を思い合う気持ちを持つことが分かり、
ただ周りの環境が違っただけの同じ感情を持った人間
だと思うと一概にヒーローのみを応援しがたくなる
すごく複雑な話になってきてしまいました。

ヒーローのみんなに死んでほしくないけど
それと同じくらいトゥワイス達にも死んでほしくない、
だけどこれから始まる超常解放戦線では
戦うからにはどちらかが犠牲になってしまうんだろうな
と思うと既に辛すぎます( ᵕ ᵕ̩̩ )
ヒーローにヴィランの心を救ってあげてほしい!!

トガちゃんの話やトゥワイスの話、
死柄木弔という人間が個性を発動するまでの話など
ヴィランのことが知れるのは面白かったけど
個人的には少し長すぎて途中マンネリもしました。

5期最終回の1話だけヒーロー視点に切り替わったけど
もう少し出久くん達の話も楽しみたかったかな、、

出久くんやお茶子ちゃんたちが
それぞれ遠征だと呼び出された先には
ヒーロー達が集結しており、
何も知らないみんながプロヒーローの元
これから戦争防止していこうというところで5期終了!
次の6期は楽しみだけど心痛む話が多そうなので
視聴側も覚悟して観なければと思います!w
エリちゃんが疼いてた様子も気になりますね。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

73.2 61 2021年度アニメランキング61位
大正オトメ御伽話(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (243)
718人が棚に入れました
時は大正——。事故がもとで母と右手の自由、父の期待を失い田舎に養生という名目で家を追われた青年・珠彦。世の中の全てに嫌気がさし、引き籠もりの厭世家となり果てていた珠彦のもとに、夕月という少女がやってきた。彼女は父が珠彦の世話をさせるため買ってきた嫁で…。

声優・キャラクター
小林裕介、会沢紗弥

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とても心が和みます

とても心が和む物語です。
ヒロイン夕月(ゆうづき)のはつらつと働く姿や、主人公に対するいたわりの心がとても素敵です。
夕月は姿かたちこそ幼い少女ですが、立派で広い心をもった優しいオトメです。


物語は、交通事故で右手が動かなくなったために親から死んだように扱われ、世の中を疎むようになった主人公志磨 珠彦(しま たまひこ)のもとへ夕月が嫁いできます。
夕月は、親の借金返済のために、お金で買われた女性でした。
でも、夕月はそんなことを気にしません。いつも珠彦のことを気遣い、身の回りの世話をします。
珠彦がふさぎ込んでいたら外へ連れ出し、珠彦の心を和ませます。

最初の頃は夕月を追い返そうとしていた珠彦も、彼女の清らかな心と明るく元気な性格に魅かれてゆきます。


貴方は、お金持ちだけど心がすさんだ人生と、ぜいたくはできないけど明るく笑顔に絶えない人生と、どちらが好きですか?

この物語を見ると、きっとその答が見つかるでしょう。

原作はまだまだ続きがあるようですが、このアニメはどうやらここでキリが良いので終了するようです。
夕月の花嫁衣装や珠彦の教師として働く姿が見たかったですね。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 36
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

優しい気持ち、ありがとうの気持ちがみんなを救う

【紹介】
世の中にうんざりしたご主人とその周りの面倒くさい人たちの凍てついた心を、心の綺麗な少女が溶かしていく話。
全体的にフルーツバスケットに似ていて、ギスギスドロドロしない爽やかなフルーツバスケットって感じ

少女マンガじゃないようですが、女性作者ですし全体的に少女マンガっぽい作りですね。
嫌な人も出てくるけどゆずのやさしさを見せるためにやってるところあって、悪役があまり出しゃばってこないなど優しい作りです
奇跡に近いような偶然が多くてかなりご都合主義なところあるけどとても純粋で優しくて好きなアニメ、素直な心で楽しんで欲しい、オススメです!

挿入歌の「戀ノ歌」がとても好きです!

【キャラクター】
キャラデザは頭身高めですっきりした顔立ちの典型的な少女マンガだけど、萌えアニメ寄りにデザインを少し柔らかくしている感じで男女ともにウケが良さそう。

{netabare}
主人公は彼女の優しさのおかげでどんどん人間的に成長していくのが良い。
ちょっと溶かされるのが早すぎる気はするけど、絶望して傷ついた心にこんなに優しくされたらそりゃ改心もしたくなりますよね。

他のキャラクターも最初は面倒くさくて嫌な人が多いけど、夕月のおかげでどんどん自分をさらけ出すようになって雰囲気が良くなっていきます。
ずっと夕月ちゃんの頑張る姿を応援しながら視聴していました。
{/netabare}

【シナリオ】
{netabare}
夕月は奴隷とか使用人じゃなくてあくまで将来の嫁として来てて、お嫁さんが家のために献身的に働いて無償の愛をささげるところ、今の感覚だと女性蔑視って言われそうだけど、これは大正時代なのでこれでいいんだと思いますし、
夕月の優しさのおかげで成り立っている関係だけど、考え方によっては夕月も優しく献身していたらちゃんと報われる良いご主人に巡り合えて幸せって言えると思うので、当時の常識で考えればWINWINな関係なのだと思う。

ひねりはないけど、わかりやすくて視聴しやすいシナリオ。
全編にわたってヒロインの可愛さによって支えられていますね。

キャラクターのほとんどはこれくらいじゃ改心しないでしょってくらい腐ってて、最終話も震災でめちゃくちゃになった大正時代の東京で人を見つけるのはたぶん無理だと思うから、ちょっとご都合主義が過ぎるんじゃって思うけど
一生懸命相手のことを思いやって頑張る女の子に、心を開いていく人たちを見て「良かったね」って素直に思って涙出てきました。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 35

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

少女漫画系ラブコメ(OP『オトメの心得』は名曲!)

== [下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
まだ第1話しか放送されていませんが、観た時点で幸せな気持ちになり、現時点で大変気に入っております。

原作漫画のタイトルは『大正処女御伽話』でアニメのタイトルは『大正オトメ御伽話』、原作は処女を「オトメ」と読ませるらしく発音的には同じになります。

原作は未読なのですが「ジャンプSQ.(スクエア)」掲載作品だそうで、全5巻で既に完結しているそうです。

事前情報としてはテレビ放送1週間前の「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」という番組を視聴済みです。期限は不明ですが現在もYouTube配信されているようなのでよろしかったらご覧になってみてください。

作中の物語はちょうど今から100年前、大正10年(1921年)の冬から始まります。志磨珠彦(しま たまひこ)はかなり裕福そうな志磨家の次男ですが、怪我で右手が利かなくなったことから東京の実家を離れ、独り千葉の山村で暮らすことになります。

そこに、結婚相手として立花夕月(たちばな ゆづき)が訪ねてくるという導入でした。珠彦は17歳であり夕月は14歳ということで「即結婚」ということにはならないのですが、二人きりでの田舎暮らしが始まります。

ネタバレ的なことはあまり書きたくないのでストーリー詳細は割愛しますが、個人的には夕月を主人公として、少女漫画的に話を追う方がしっくりくる感じがします。

別に呪いとかは無いんですが、時代相応のそれなりにヘビーな設定などもあり必ずしもほんわかほのぼの一辺倒の話にはならないような気はしますが、私はライト系でもヘビー系でも恋愛ものの少女漫画は大好物なので、楽しませてもらえると思っています。

余談その1:「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」に原作者×監督×脚本の三者対談があったのですが、そちらを観る限りではアニメ制作陣と原作者の波長はかなり合っていそうです。

余談その2:「大正オトメ御伽話アニメ前日譚」の最後に「※この番組はアフレコ終了後、時間が経ってから収録しております」とテロップが出ていたので、制作スケジュール的には優良だったことが窺われます。
== [第1話視聴終了時のレビュー: ここまで。] ==

2022.3.31追記:
最終話を観終わってから約3ヶ月後のレビュー更新ですね。

実は2話目を観るか観ないかあたりでもう原作が気になって仕方がなく、『大正処女御伽話』はさくっと全巻揃えてしまいました。原作漫画もとても面白かったです。

OP曲『オトメの心得』の作りから見ても「大正オトメ」は夕月だけではなく、珠彦の妹である珠子、珠彦の住む村の地元の少女である綾、人気歌手の小鳥ちゃんもみんな「大正オトメ」であるというスタンスの作品だったのでしょうね。

GARNiDELiAといえば一番好きな曲は『SPEED STAR』だったんですが、まったく違う曲風のこの『オトメの心得』ですっかりやられてしまいました。個人的には2021年のアニメOP大賞くらいの勢いかも?

アニメでもチラッと垣間見ることはできましたが、原作の志磨家はかなり闇深い一族でした。特に珠代姉さまがおっかない人です。

多少ウジウジと珠彦が悩むシーンなどもあったにしろほぼ終始爽やかだったアニメと比べてみると面白いかも。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 31

73.0 63 2021年度アニメランキング63位
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (502)
1519人が棚に入れました
片思いした相手にバッサリ振られ、ヤケ酒をした帰り道、26歳のサラリーマン・吉田は路上に座り込む女子高生・沙優と出会った。べろべろに酔った吉田は、前後不覚のまま行き場のない沙優を一晩泊める。…翌朝、ふわりと美味しそうな香りに目覚めると、食卓には味噌汁が。「おはよう」「なんだお前!!なんでJKが俺ん家に!」「泊めてって言ったら泊めてくれたじゃん」「…味噌汁」「昨日“毎日味噌汁を作ってくれ~”って」「ハァ!?絶対言わねェ!!」家出をして行き場のない沙優を追い出すわけにもいかず、吉田は家事を条件に彼女の同居を認めることに…。こうして、家出女子高生とサラリーマンの微妙な距離がもどかしくもあたたかい、不思議な同居生活が始まった―。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

拾うか?届けるか?正直悩む

原作未読

物か人かで事情が変わるのよね。

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』

指摘するまでもなく釣りタイトルでしょう。そしてパクっと釣られる私。
セクシャルな要素入れ込むとわりと賛否別れるのよね。そんな作品です。

神待ち女子高生荻原沙優(CV市ノ瀬加那)を26歳IT企業勤務の吉田(CV興津和幸)が酔った帰りに拾う出だし。そこからの同居生活すったもんだを描くラブコメ。
沙優役一ノ瀬さんのこれまでって、気弱さの中に芯がある配役が多い印象でややビブラートかかり気味な発声が好みの役者さんです。『色づく世界の明日から』あさぎ役と『キャロル&チューズディ』チューズディ役の人って感じ。大事に育てられてるお嬢さん、決してお姉さんにはなれない声です。
それがトーンそのままなのに設定はもろセクシャル。このギャップでおなか一杯になる変態は私だけでしょうか。とどのつまり

 それ(市ノ瀬姐さん熱演)だけでよくね?

と釣られたまま完走です。異論は受け付けます。

そして本題。

 おー未成年略取か…そうかそうか

犯罪の匂いどころかこれあかんやつです。保護するでも児相ならOKで一個人ならNGな法律の建て付け。結局、ここでリリースしたらこの子にとってあかん!と吉田が思ったわけで古き良き昭和のお節介みたいなもんでしょう。それを良しとするか否か。
基本的に家出娘なんて頭のネジぶっ飛んでたりするもんなのに、けっこうな常識人に見えるところがむしろリアリティに欠けるのでツッコミどころはそこでした。設定そのものが許容範囲の内か外かで出だしの評価は分かれるでしょう。

私はわりと寛容的です。
法律を守るのは前提。さりとて現状に則してない法律がわんさかあるのはどこの法治国家だって一緒。近々のコロナでは、ロックダウンして私権制限しようにも法律がその建て付けになってないし、それゆえ制限と引き換えの補償も根拠薄弱で運用でカバー。法の整備を待たずに「主権制限しろ!」と主張してる方々と吉田の行為との根っこは同じ。「現状を良くするための具体的な方策はこれ」という意識なんだと思います。良し悪しは別としてですよ(笑)

 見ず知らずの他人に手を差し伸べるか否か

ぶっ壊れそうな娘を放り出せるか?って自問したのでしょう。
この最初のハードルをクリアできればそれなりに楽しめるんじゃないでしょうか。“違法行為”に目くじら立てるよか“違法行為しちゃう心の動き”に焦点を当てたい。そこはまずまず。拾う動機はわかるんだけど吉田は拾うにあたってもっと葛藤して良い。

その上でセクシャルなの取り扱う作品っておおむね3択だと思います。

1.『D×D』や『エグゼロス』みたいなアニメらしい能天気なやつ
2.とりあえずおまえら○○見たいんだろ?なあからさまなやつ(僧侶枠あたり)
3.山本直樹的な文芸作品(希少)

意外や意外。3.の雰囲気を感じました。全体の展開は中途半端な箇所も散見されますが時折光る部分があるんですよね~。私好きですよ。
1クールでスッキリまとめてラブコメらしい帰着をしており、手の出しやすい良作だと思います。
主人公が娘に出を出すかどうかは見てのお楽しみではあります。



※ネタバレ所感

■その時折光るやつ

・{netabare}バイト先で沙優と再会した矢口くんの一挙手一投足

 ややモブ的立ち位置な彼。これ普通のアニメなら嫌な役回りのキャラにしてお終いでしたよ。そうはなってません。登場からフェードアウトしてくまでの一連の所作が腑に落ちる感じがするのは私だけでしょうか…{/netabare}

・{netabare}自殺しちゃった娘と沙優との関係

 沙優の何もできない感じと自責の念とで堕ちていく感覚はわかるよね。{/netabare}


あっ!でも…
 {netabare}社内でマルチタスクする気にはなりません。こっちが真のリスクかと。{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.03 初稿
2022.05.28 修正

投稿 : 2024/12/14
♥ : 50

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ラブコメと呼ぶには気持ち悪い

== [下記は第5話まで視聴終了じのレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで視聴終了した時点で、このレビューを書いています。

スニーカー文庫では有名タイトルだとは思っていますが、カクヨム掲載も含めて原作は未読です。

別の作品を読んでる「月刊少年エース」をBook☆Walkerの「マンガ・雑誌読み放題」で読んでいるのでコミカライズは何度かチラ見してますが、ほぼ読み飛ばしていたのでアニメがストーリー初見と言って差し支えありません。

家出した女子高生が20代半ばの社会人男性に拾われて同居するという、保護者の同意なしに行うと未成年略取に当たる犯罪行為という判例があるらしい設定でストーリーが展開します。その点では原作は良くスニーカー文庫から刊行できたなとも、良くテレビアニメ化されて地上波放送されているなとも思います。

ただ、私は「創作物でも犯罪行為を描いてはいけない」という立場には立たないので、この設定自体に関しては特に問題とは思いません。
(そもそも親告罪なので親がアクションを起こさなければ犯罪ではない。)

ということで設定に関しての議論は横に置いての話なのですが、ラブコメというのは「ラブ(恋愛)」と頭には付いても「コメディ」要素がそれなりにあって欲しいと思うのですが、本作にコメディ要素ってほとんどないような気がするのは私だけでしょうか。

それと、主人公の吉田の職場の先輩に当たるアラサー女子の後藤さんが、面倒くささを極めた「特大地雷物件」としか思えません。

ヒロイン荻原沙優(おぎわら さゆ)の心理描写など見るべきものはそれなりにあって、文学作品的な面白さはちゃんとあると思うのですが少なくとも現在アニメで放送されている時点のストーリーにおいて、本作は断じて「ラブコメディ」ではないと私は思います…。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.29追記:
最終話まで視聴終了しました。

現在コミカライズの連載で差し掛かっている、吉田の高校の先輩(元カノ: アニメでは写真のみ登場)の話をバッサリとオミットして、原作最後までアニメ化したという感じでしょうか。

基本的に好感を持てる人物が見当たりません。敢えて挙げるなら沙優(さゆ)のコンビニバイトの同僚だったあさみくらい?

フィクションとして割り引いて考えても、各キャラクターの行動が「どうしてそうなった?」という疑問に溢れかえるストーリーでした。なんかもう、話題性だけで見続けて完走したようなきがします。

余談: テレビ放送だと提供テロップの後に「次回も観てね」的な1カットが入るんですが、最終回放送後は沙優のドアップでした。

それは良いのですが、テロップで表示されたのが「今度はあなたの家に泊めてよ♥」ってそれ、作品内容全否定のコメントとちゃいますのん…?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
本作は「家出した女子高生と、それを家に泊めるがエロいことはしない社会人との恋愛モノ」という、過去に例のない設定が見処。

とはいえ、これはつまり「美人で金持ちで周りの男子全員からチヤホヤされてる女の子と、それに全くなびかず正論で説教かましてくるネクラ男子のラブコメ」という、王道設定の変化球なんだと思います(皆と違い、なんでアイツだけは、、、的なw)

本作の主人公の行為は、そこに悪意や性行為がなくても「未成年者略取・誘拐罪」にあたり、それに不快感覚える方はそもそも視聴しない方が吉だと思います。

本作を視聴するのであれば、そういう違法行為がある前提で、(主人公達も自らの違法性は認識してますから)その中で悩んだり歩み寄ったりする登場人物達の成長と恋愛を楽しむというスタンスが必須だと思います。

レビューでは、「犯罪、ダメ、絶対」ではなく、もっと内面的な部分で、本作で気になった点を。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私はアニメにおいて、設定は重要視していて、その上できちんと成立していれば褒めるし、破綻していれば批判するのだけれど、本作に関しては、やや破綻しているように感じる点がある。

まず、吉田の聖人君子っぷりが気持ち悪い、、、のは一旦置いといて(笑)、

荻原沙優は、これだけお世話になっている吉田を、「自分が犯罪者にしている」ことに対してどんな気持ちなのだろうか?

バレれば(吉田が)普通に警察に捕まることは理解している。なのに、身バレのリスクが上がるだけのバイトをしたり、あまつさえ初対面(どんな人かもまだ分からない)の友達(あさみ)を連れてくるとか、軽率が過ぎる。

あれ、結城あさみが通報してたら、一撃で吉田は犯罪者。社会的に大ダメージを受けるわけで。

そこに頭が回らないほど、バカなキャラじゃないでしょ、沙優は。

「すぐに身体を求める男→ヤらしてやったから対等の関係(貸し借りなし)→警察に捕まってもそれは自分のせいじゃない」という沙優なりのロジックがあるのは分かる。

でも、吉田の場合はそのロジックの外側にいる存在なわけで。

沙優が吉田を大切に思うほど、吉田の元を去らなければならないと考えるのが自然であり、でも、吉田の元にいたい自分の恋心との葛藤がちゃんと描かれていれば、この作品の設定をきちんと活かした恋愛アニメになったんじゃないかと思うんだよね。

その点は、後藤さんに諭され、矢口に襲われかけて、少しは描かれてたけど、それだと遅いんだよな~。

つまり、順番の問題ですね。

矢口に迫られたり、兄貴が来て初めて危機感を覚えるのではなく、もっと前の段階から葛藤していて、それでもズルズルと甘い汁を吸ってしまっていた自分が嫌で。

この設定でやるなら、こういうドラマだよな~と思うんですよね。

本作の縦軸となっているのは、「沙優が自分の過去を受け入れて、未来に向かって自立する」ことなんだろうけど、本作で1番リスクを背負っているはずの吉田に対し、「まあ、吉田自身がリスクを承知で良いって言ってるんだから、良いでしょ」っていうスタンスで、彼の犯罪行為を責める奴、もしくは吉田の為になんとかして沙優を追い出そうとする奴が誰もいないことが、めちゃめちゃ不自然。

だから、沙優にとって甘すぎる世界が生まれ、沙優が自分のことばかり考えているように見えちゃうんですよね。吉田のことを考えれば、最後の思い出作りに夏祭りになんて行っている場合じゃないし。

学校への不法侵入のクダリもそう。沙優の気持ちも分かるが、吉田のことを考えるなら連れていくべきではない(セキュリティ甘いとか、誰も来ないとかは理由にならない)。

ということで、「沙優の危機感のなさ」=「沙優が自分本意である」という構図になっているのが残念。確かに沙優にも同情すべき理由はあるけれど、ただ(男や友達に)依存体質なだけじゃないかともとれる。

本作の設定ならば、沙優のワガママに吉田が振り回されるよりも、吉田のワガママに沙優が振り回される方が、自然だったと思う。

例えば、吉田が沙優の母に対して正論で説得しきるより、「沙優、結婚しよう」と、吉田がぶちあげ、母親を見限り、父親に結婚の同意をとりにいくくらいが、個人的には好きでしたね(民法上、未成年の結婚は、親権がなくても父母の片方が認めれば可能なはずなので)。

このアニメは、あまりキレイじゃないことをやっているのに、結論をキレイにまとめようとしているところがあって、だから、なんかこう違和感を感じるんだよな。

まあ、(私の案はトリッキー過ぎるので)本作のゴールとしては、しっかり大人になった沙優と吉田が結ばれる、しかないわけで。

その過程をどう魅せていくかということに対して、全ての登場人物(沙優、吉田、後藤さん、三島ちゃん、橋本)の心理描写が雑だったように感じる。

ちなみに、個人的には完全に三島ちゃん推しです。あざと可愛いくて素敵だ思うので、それも吉田の好感が下がる一因でした(笑) 
{/netabare}

【余談~本作を例にし、アニメ(創作物)における犯罪行為について考える~】
{netabare}
例えばドラクエやってモンスター殺しても動物虐待なんて言う人はいない。

バトルものなんて全部暴行罪だし、ラブコメでお風呂覗いちゃうのも完全に犯罪だ(のび太君もw)。

ただしそれは、作り手も受け手も「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません」という約束事の中で遊んでいるからであり、この作品に賛否があるのは、作り手も受け手もそこが曖昧になっているからだと思う。

家出女子高生を社会人が自宅に泊める。それはリアルにあること。

そんな女子高生が「ヤッても良いよ」といっているのにヤラずに住ませ続けてあげる男がいる。それはややファンタジー。

まあ、お化け屋敷みたいなもんだね。作り手は極力リアルになるように作る。受け手は、それに全力でのっかって恐がる(楽しむ)か、あくまで作り物という枠内で俯瞰して楽しむか。

私の場合は後者のタイプだけど、前者のタイプの方は吉田の犯罪行為を許せないのだと思う。

本作の場合、なぜここまで批判を呼んだかと言うと、「真似できる犯罪だから」だと思う(悟空がカメハメ波で街を壊しても「真似したらどうする」という苦情は出ないもんねw)。

昔、ドラマでタバコを吸うシーンがあって、ある保護者から「子供が真似したらどうするんだ」というクレームが入って、それに対して、「子供に真似していいことと悪いことの違いを教えるのが親の仕事だ」と言ったコメンテーターに共感したことがある。

本作の行為は犯罪行為であり、それは絶対に許されないことだけど、単純に「真似した奴が悪いだけで、作品自体は悪くない」と思う。世の中で犯罪者が出たとき、「それはアニメの影響だ」みたいな風潮がたまにあって、1アニメファンとして腹立たしく思うことも多い。

と、は、い、え。

本作の場合、「吉田みたいな良い奴がいるかもしれない」と、年端もいかない女の子の家出のハードルを下げてしまう心配はある。

女子高生くらいになれば多少の分別はついても、中学生や、あるいは小学生ならどうだろうか。世の中にはそういう子を狙う変態もいる。

彼女らを家に泊め、セックスをしない人が0人とは言わないが、割合はかなり低いだろう。中には、トラウマになったり、望まぬ妊娠をしてしまったり、命を奪われたり。そういう危険性がある行為であることには違いはない。

「真似して良いかどうかを教えるのが親の仕事」というのは正論だし、私は誰の親でもないからただのお節介なのだけろうけれど、正論をしゃべりたくなる気持ちも分かる。

だから、このように、「低年齢でも真似しやすい犯罪行為」について、あまりに美しく描きすぎることの危険性はあると思う。対比として、沙優の友達(知り合い)とかで、同じようなことをしていて殺されてしまうようなことも、描く必要はあるように感じた。

ということで、「アニメで犯罪行為を描くこと自体は批判しない」が、「低年齢でも真似しやすい犯罪に関しては最大限の配慮をすべき」だと思います(まして今は、たくさんの子供が深夜アニメを観ているからね)。

ちなみに、同様の事例で、「家についていきたい」と言ってきた家出女子中学生を拾った男子大学生は、自室に女性の友達を呼び、2人で女子中学生の悩みごと(父親による家庭内暴力)を聞いた上で、しっかり説得し、警察と児童相談所に通報し、警察から表彰されたらしいですよ、参考までに(笑)

よって、私がこのレビュータイトルにつけようと悩んでいたのが、「ひげは剃れ。そして、女子高生は拾うな」です(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆2
まあ、ヤるよな、普通は。聖人君子。

2話目 ☆3
会社の後輩、可愛いよな。三島ちゃん。

3話目 ☆3
三島ちゃん、良い子(笑) 沙優は、自分の身体に興味をもってくれないことが、自分に興味をもってくれないのかと思うわけね。う~ん、あまりに良い人過ぎてな、犯罪者であっても。

4話目 ☆3
どうやってコンビニでバイト採用になったの? てか、不用意だな。

5話目 ☆3
男性経験豊富なJkと、処女のアラサーの対決か。

6話目 ☆3
いやいや、それを店長にしゃべったら、通報されて自分も逮捕されるんだから、大丈夫でしょ。ここで吉田のことを心配するのは、まあ、そうだよな。

7話目 ☆3
兄貴ね。完全にバレてる設定で動かないとね。

8話目 ☆4
超正論。三島ちゃん、切ないな~。可愛いのに。花火大会、行ってる場合か? 

9話目 ☆3
世間体しか気にしない母親なら、家庭訪問を月1回とかにしてもらい、その時だけ帰省すれば?

10話目 ☆3
う~ん、感動的な話だとは思うけど、やっぱり、順番がな。吉田にヤキモキするし。

11話目 ☆3
更に不法侵入、とか、叩かれそうだな(苦笑) ビンタの1発で驚いたのは、もっと無関心を想定したからか。

12話目 ☆2
自覚していれば良いってもんじゃない。その通り。だから、そういう母親の性格を知っているなら、沙優は吉田を家に連れてくるべきじゃないよな。母親が訴えたら、どうする? 売り言葉に買い言葉。養子縁組なら、笑える(笑) ここで、法的根拠や正論が、通じるか? 

13話目☆3
ここまできてヤッちまったら、めっちゃ笑うけどな(笑) 吉田、もういっそ気持ち悪いよな、ヘタレ過ぎて。これで、吉田が結婚せず待っていて、沙優が会いに行くの忘れてたら、めっちゃ笑うけどな(笑) もしくは、三島ちゃんや先輩と付き合っていた吉田のとこれに沙優が来て、School Days展開に(笑)  とかって、最終話なのにふざけちゃう時点で、このアニメにハマらなかったってことだよな(苦笑) 最終シーンは、結構好きだけどね。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 36

73.0 63 2021年度アニメランキング63位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (374)
1395人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう...そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?勘違い? 人たらしラブコメディの幕が再び上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、柿原徹也、鈴木達央、松岡禎丞、岡咲美保、水瀬いのり、早見沙織、増田俊樹、和氣あず未、子安武人、上坂すみれ、白井悠介、小倉唯
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

せっかく綺麗に終わった「はめふら」なのに、

どうして、人気があったからって、
無理やり2期制作なんてしちゃうんですか?!
って、正直言って、思っていました。

どうせ1期で勢揃いした攻略目標キャラたちと、
カタリナとの間でちょっとした揉め事や行き違いが起こって、
派手派手にハート飛び交う賑やかな逆ハーレムでしょって。

あるいは、ひょっとしたら、
乙女ゲーム「フォーチュンラバー」の続編が、
元の世界で発売されていて、
カタリナには新たな破滅フラグが林立するの?
なんていうことも想像していたりして、
どっちにしても、
自分が生き残ることに全精力を傾けているうちに、
悪役顔+農業スキル持ちの真っ直ぐな女の子になってしまって、
みんなを虜にしちゃうカタリナが可愛いから、
やっぱり観てしまったわけですね~(笑)

そうしたら、私の予想は、{netabare}だいたいは当たっていて、
破滅フラグ回避に成功したカタリナと、
ゲームでの主要キャラだったカタリナを取り巻く子たちの、
楽しくてキャッキャウフフで、
でもカタリナが誘拐されたりキースが行方不明になってしまったりして、
それなりに、ゲームのあとの人生、
賑やかで充実してて、
トゥルーエンドじゃなくて、
友情エンドで、みんな、かえってハッピーでよかったね!
なんていう感じではあったんですけど、
同時にストーリーの中に、魔法省での不穏なフラグをいっぱい立てる準備も、せっせと進められていて、
ああこれで、3期か、劇場版に繋げるわけなんだって、
けっこうあからさまに展開していたのは、
まあいいかもね。
私の予想も全然ハズレってことでもないしね~
なんて感じではあったし、実際、最終回のあとに、
新しい破滅フラグとつづきは劇場版で!
という終わり方。

それだけなら、やっぱり続編ってこんなものだねーって思うんだけど。

予想もしていなかったけど、
第8話に凄く、魅了されてしまいました!
たぶん、劇場版で活躍することになる新キャラ「フレイ」と、
お馴染みキャラ・伯爵家の「ニコル」の、お見合い。
お互いに婚約する気はないままに会って、
でも隠すことなく本音をさらけ出して。

この第8話こそが、はめふらXの真骨頂なんじゃないか!って強くつよーく思います!!!

なんの事件も、派手なアクシデントも起きないのに、
麗花爛漫のお花畑と花びらいっぱい。
美しく抜けたような空。
夕日に映える雲。

二人の心情と相まって、すごく、凄く。
美しい!

この第8話の背景美術だけが、まるで別の作品のように素敵で。

ああ、制作の方たちは、この話のため、美術のために、
この第2期を作りたかったんだー
そう思ったら、なんか涙が・・・

それで、けっきょく。
このお話は、はめふらの続編ではあるけれど、
独立した「はめふらX」という作品なのだ。
と、納得してしまったのです。

私がチョロいだけなのかも知れないけど、
実際に劇場版制作は告知されて半分予想は当たりなのかも知れないけど、
どうせ1期のキャラでドタバタ+ラブコメやるだけでしょ?っていう予測は
{/netabare}見事に斜め上にハズされて、
すごく、
良かったなあって、
そう思っています♪

投稿 : 2024/12/14
♥ : 44

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

蛇足?

第1期は大のお気に入り作品だったので、迷わず視聴決定。

面白かったですよ。
天然カタリナ。
カタリナの脳内会議も面白可愛かった。
嫉妬に狂う、メアリの突飛な言動も可愛らしかった。
ええ、第2期もお気に入りの棚に入れますよ。

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。

蛇足?
なにそれ、美味しいの?






・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
破滅フラグの無い「はめふら」が物足りなく感じるのは、当然ですよね。
だって、単なるラブコメだもん。
(心の声)

投稿 : 2024/12/14
♥ : 33

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

評価が難しいですね

物語的には、このアニメは終了してします。
でも、第一期があまりにも人気があったため、第二期として作成されました。
そういうわけで、この第二期は評価が難しいですね。
そしてそれ以上に、この第二期の進め方や終わらせ方が難しく、原作者や監督の方も悩まれたことだと思います。

だから、この物語は、第一期のエピローグとして気楽に視聴されることをお勧めします。


ところで、
カタリナは学力が優秀なわけでもなく、スポーツに秀でているわけでもなく、魔力が凄いわけでもありません。
ましてや、美人と言えるほどでもありません。
もちろん淑女としてのたしなみも全くありません。
得意なことと言えば農作業だけです。

でも、カタリナは皆から慕われています。
その理由は、カタリナが一人一人を大切にしているからです。
いつも相手の話を丁寧に聞き、相手の良いところを褒めてあげて、相手が困っているときは真っ先に助けに来る。

もちろんカタリナには、そうせざるを得ない理由があります。
そうしないと、この世界でのカタリナは、悪役令嬢として殺されてしまうか国外追放されてしまうためです。
でも、そんな理由は、この世界に住む人たちは誰一人知りません。
だから、この世界のみんなは、カタリナの心が美しいと感じています。

私たちも、下心たっぷりで構わないのでカタリナのように生きることができたら、みんなから愛される幸せな日々が送れるでしょうね。


最終話まで見ましたが、この物語は続きが映画化されるようですね。
マンネリにならないように、さらに別世界へ行くとかした方が良いかもしれません。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 32

72.9 65 2021年度アニメランキング65位
異世界食堂2(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (282)
986人が棚に入れました
「いらっしゃいませ!ようこそ、洋食のねこやへ!!」アレッタとクロが働いている「洋食のねこや」は猫の絵が描かれた看板が目印。一見、日本のどこにでもある普通の食堂だが、7日に一度“特別営業”であるドヨウの日になると、異世界のあらゆる場所に扉がつながる。扉を通じて、今日も様々な“向こうの世界”の客がやってきては絶品の料理に舌つづみを打ち、帰っていく。この店に集う人々、料理との一期一会を描く物語。温かい出会いの扉が再びつながる。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

偉大なるマンネリになれるか?

原作未読


こちらの世界とあちらの世界の間。週に一度繋がる洋食屋「ねこや」を巡るあれやこれやの2期め。
どこで修業積んだんだよ!とツッコミ不可避な店主が繰り出す洋食の範疇に留まらない料理全方位ぶりに感嘆しますが、そうでもしないとネタが早々に尽きてしまうんだろうな、と邪推可能な2期でした。

良くも悪くも単調でしたね。まとめて観るよりねこやの仕様と同じく週一くらいで嗜むのがお作法かもしれません。

 「なんだこの美味いものは!」

と週替わりゲストが幸せそうにしてるのを見てこちらも満足すればよい作品との評価になります。ある意味稀有なポジションを確立しとります。
単調と感じた理由はネタバレで後述。それでも日本人の誰も『笑点』を悪い意味で単調とは言わないように偉大なるマンネリを目指してほしいものです。
自分は腹八分。3期あるとしても惰性でのお付き合いになると思います。



※ネタバレ所感

■1期との差分

エルフやリザードマンやら挙句にはドラゴンなど人外さんが舌鼓を打つさまは愉快かつ独創的だった。“だった”ということです。
1期レビューとの重複になりますが本作品の要素は下記3点の掛け算

 飯テロ × 人情噺 × 気分いい

①飯テロ
 読んで字のごとく。美味そうな画とそう思わせる異世界人のご弁舌のハーモニーは作品の柱です。
{netabare}ただこれだけですと、別に異世界でやる意味はないのよね。出オチになるかどうかはその後の展開にかかってます。{/netabare}


②人情噺
 食にまつわる周辺エピソードやら背景。人生が透けてみればなお良し。
{netabare}これが2期では薄味でした。基本的には一人一品ルールだったりするためか1期で登場したキャラたちは傍らでいつもの品を食べてました。RPGにある街でモブがいつもと同じセリフ吐いてるのと変わらず深掘りがありません。
また誰もが恐れる人外さんが食の奴隷になるみたいな面白さは2期にはなく、起伏が乏しい印象。ただし終盤に求婚エピソードもってきて山を作ろうとしていたのは好感でした。冷静に考えりゃ異世界である意味は全くありませんがベタでも入れといてよいエピソードでしたね。{/netabare}

③気分がいい
 誤解なきよう『異世界居酒屋』『異世界食堂1期』のレビューにてがっつり説明しております。一言で済ますなら“日本食が海外に受け入れられた喜び”みたいなもの。私たちの普通が他人には特別なものに映ることで私たちも足元の素晴らしさに気づくのに似た感覚です。
{netabare}これも薄味でしたが逆説的にそれで良かったと思います。1期踏襲ならくどく感じてたかもしれません。{/netabare}


長く続けるなら定期的に②の要素をまぶしていかないと平坦すぎてつまらなくなるでしょう。出汁を感じ取ることができる味覚を有している我々ですから薄味で良いのです。無味無臭はいけないってそれだけなんですけどね。ばんばん無味無臭化フラグが立ってると思いませんか?


{netabare}突然目の前に現れる「ねこやへの扉」に意味合いがないのよね。たまたま発見してラッキー!以上です、、、みたいな。膨らませ甲斐のある設定でしょうに。{/netabare}

{netabare}それと店主の出自にちらっと触れてましたね。さてさてどうなることでしょう?{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2021.12.23 初稿

投稿 : 2024/12/14
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

深夜の飯テロ再び開幕!(世界観はそのまま作画はグレードアップ?)

小説家になろう発でヒーロー文庫から刊行のライトノベル『異世界食堂』のアニメ化作品。「2」が付かない前作からの2期目作品です。

本作のフォーマットは基本的にAパートで1品、Bパートでもう1品の計2品の料理について、それぞれに纏わるストーリーで構成されるという定式化された物になっています。

(恐らくはずっと)Aパートでは「洋食のねこや」に初来店の客が出てきて、店主やウエイトレス達からどのような店なのか説明を受ける形になっているので、途中の話数から観る初見の方でもいきなり観てある程度は話について行けるように作られています。

が、一応形だけ説明しておくと食堂があるのは「我々から見ると異世界の住民から見た異世界」である現代日本なのですね。そして店主は日本人でウエイトレス達は異世界人。何でそんなことになっているのか気になる方は1期目から観てみると良いでしょう。

そして本作のメインとなるのはやはり料理作画ということになりますが、第2話まで観た限りでは全く問題ありません。制作スタジオが変更になったせいなのか、人物や背景の作画も含めて全体的に作画は1期目よりも良くなっているように見えます。

原作でもそうですが、2期目では1期目以上にお店で出会った異世界人の常連客同士の交流にも見所が増えてくると思いますので、お楽しみに。

2022.3.31追記:
原作は続いていますけど、「小説家になろう」での更新はあまり進んでいませんよね。アニメ3期目を作るつもりもあまりなさそう。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 36

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ダイエットの天敵

【紹介】
一週間に一度、異世界のあらゆる場所に扉がつながっていろんなお客さんがやってくる食堂の話。
2期になりますが、別に1期見なくても大丈夫だし、話が飛び飛びに見ても大丈夫な感じです。

【作画】
1期に比べてさらに料理作画に力を入れてきた飯テロアニメ。
料理がとにかく美味しそうで、においまで感じられそうな作画が素晴らしい。
飯テロに全振りしていて、人物作画は無難な感じ。

【シナリオ】
1期以上に話が薄くなった気がしますが、話はオマケ。

【総評】
絶対夜遅くに見てはいけませんね。
一期でも時々そうしてましたが、スーパー行く前に視聴してそのままおかずの参考にしていました。

安心して気軽に見られるいいアニメだと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 33

72.8 66 2021年度アニメランキング66位
蜘蛛ですが、なにか?(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (436)
1509人が棚に入れました
女子高校生だったはずの主人公<私>は、突然ファンタジー世界の蜘蛛の魔物に転生してしまう。しかも、生まれ落ちたのは凶悪な魔物の跋扈するダンジョン。人間としての知恵と、尋常でないポジティブさだけを武器に、超格上の敵モンスター達を蜘蛛の巣や罠で倒して生き残っていく……。種族底辺・メンタル最強女子の迷宮サバイバル開幕!

声優・キャラクター
悠木碧、堀江瞬、東山奈央、石川界人、小倉唯、喜多村英梨、奥野香耶、田中あいみ、榎木淳弥

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もしかしたらアニメは原作より面白いんじゃないの? 知らんけど…。

2021年1月から、どうやら2クール放送される作品のようです。このレビューを書いている時点では15話まで観終わっています。

ストーリーの進め方として、異世界で蜘蛛の魔物に転生した主人公(わたし: 蜘蛛子さん)主観パートと、それとは別の異世界での学園に主人公の転生前のクラスメートが転生して通っていると思われる人間社会パートの2トラックで話が進んでいきます。

私は原作は未読で、コミカライズ版は無料サイト的な物である程度読めた状態で視聴しています。

で、原作は読んでいないのでコミカライズからの推測にはなるのですが、どうやらアニメの描写は原作で書かれているエピソード順にはなっていないのではないかということがわかります。

どうやら作品世界内での時系列が異なっているわけではなさそうなので、シリーズ構成・脚本の判断としてひたすら蜘蛛子さん主観のストーリーを続けるというのを避けて、人間社会の様子を描くパートを挟むようにしているんだろうと思います。

たぶん蜘蛛子さんのレベル上げが延々と続いても視聴者が飽きるだろうという判断がされていると考えますが、個人的にはこのシリーズ構成を支持します。エピソード順序でミスリードを誘ったり、それが後でミスリードされていたことに気づいたりということで単調になりがちなストーリーをアニメ作品として楽しませようという意図を感じます。

それほど世間での評判は良くもないようですけど、私はそれなりに楽しく観られていたので後半クールに入っても視聴継続しているという状況です。

ただ、みんなこれを楽しめるのかというとそこはけっこう疑問です。ということで強く他人に視聴をお勧めするということはしません(笑)。

2021.7.5追記:
ギリギリの作画を続けながら最終回まで持ち堪えるかと思いきや、まさかの最終回だけ落としての放送延期。第24話の放送のはずが第23話の再放送となりましたが、無事BS11で最終回が放送されて無事に観終わることができました。

私は話に飽きない工夫として「蜘蛛子さんパート」と「人間パート」がかわるがわるやってくるのを肯定的に見ていましたが、他の方のレビューやネット上での評判などを見るとわりと不評だったようですね。

上坂すみれさんがキャスティングされた魔王さまは、特に性格変化後がなかなかお茶目でキャラとして気に入りました。

2クールでの最終回として区切りとして微妙だったような気もしますが、わりと楽しく観れていたので続編がアニメとして放送されれば、きっと観ると思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 42
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

蜘蛛子さん「わああーーーーーーーーーっ!!!」

悠木碧さんが、とにかくめちゃめちゃハイテンション!(笑)

エンディングのうたでも、悠木さんが、
「わああーーーーーっ!!」ってガナるの、凄いテンションです!
これはもう、他の人には絶対できないし、
発注されたってやりたくない系!
悠木さん、こういうのって独壇場です!素敵ですwwww


本編の中でも、
{netabare}逃げる逃げる!
罠張りまくる!
それでもって、
捕らえた獲物、
毒殺しまくり、
血シブキ一杯、
飛び散らかし跳ね散らかして、
獲物の肉を齧ってカジって、むさぼりまくって食べまくる!

ウニャウニャ動く8本足とか、
身体の変な水玉模様とか、
血まみれでお腹いっぱい~って満足顔とか、
キモ可愛いというより
むしろハッキリ言って、
ただただ気持ちわるい(>_<)

でも、同時に転生したクラスの子たちや先生は、
竜の子になったひとり以外、
人間として転生してるし、
ここで観るのやめちゃうと気持ち悪いだけなんで、
蜘蛛子ちゃんがレベルアップして、
オープニングに描かれているように、
人間に変わるか擬態できるようになるまでは、{/netabare}
私、頑張って観続けます!


・・・
って頑張って、最後まで観ましたけど、
{netabare}私には結局、悠木さんの演技とキャラの面白さが、
全て。
って感じでした。
人間転生者のパート、時間差トリックとか使っていて、
挑戦心はいいんだけど、お話自体が面白くなくて・・・
蜘蛛子さんパートみたいに、
みんなで「わあああっ」ってやってくれた方が、
盛り上がったんじゃないかな?
なんて、思ってしまったりして。
続きがないと中途半端すぎるけど、
続きがあっても、
観る気になるかどうか、微妙になっちゃいました。。。{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 40

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どう考えても、蜘蛛パート一択で十分でしょ(笑)

悠木碧さんの「蜘蛛パート」は面白かった。
蜘蛛子さんのキャラと悠木碧さんの怪演が合わさって申し分ない。
これだけでも視聴した価値はあったと思います。

一方、「人間ルート?」は痛々しくて・・・。
テンプレキャラと中二病全開の展開。
いや、もういいですわ。
こういうの。

というわけで、☆評価は(蜘蛛パート☆5+人間パート☆1)÷2=☆3で(笑)。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 37

72.8 66 2021年度アニメランキング66位
劇場版 きんいろモザイクThank you!!(アニメ映画)

2021年8月20日
★★★★☆ 3.9 (61)
266人が棚に入れました
「きんいろモザイク」の新作劇場版

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

遠いようで近い場所

安定のキララ作品の劇場版なので安心して見られました。
原作は未読ですが、この劇場版がアニメ作品の完結作であり原作は終了してる様です。

さて、彼女達の過ごした高校最後の時間が詰め込まれています。
修学旅行は京都と奈良が舞台でした。
安定のチョイスですね。

大抵アニメの修学旅行は京都や奈良や沖縄辺りが多いけど、修学旅行の定番って感じでいいですよね。
私も小学校の頃の修学旅行は京都と奈良でした。

そして、京都と奈良は数年前に友達と旅をした場所でもあるし、私達が行った奈良公園やら春日大社やら金閣寺や清水寺などもシノ達が回る場所を見ながら、何だか色々思い出しながら楽しく見えましたꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

さて、作中では卒業がテーマかな?
受験勉強も大変ですね。
でも、皆で勉強をするのも青春だなぁ〜って思うし、友達から貰ったプレゼントを受験の御守りにして試験に挑もうとするのも凄く可愛くていいと思いますw

シノの髪飾りを付けて、奮闘する綾は頑張りましたねw
あんな金髪邪念の塊の中のプレッシャーでよく立ち向かえたかとw

ホッコリエピソードとしては、シノの母が進路が決まらないまま悩んでいるシノの気持ちに気付いてあげていた点が凄くホッコリしました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

後は、カレンの進路の悩みも印象的でした。
彼女はアリスについて回ってばかりだったけど、日本で沢山の楽しい事を知って日本が好きになって、日本で楽しい日々をまだまだ送ってみたい。

でも、アリスは卒業後にイギリスに帰ってしまう……
そうなると2人はバラバラになる……だからカレンは悩む。

人間大抵の事は慣れたりする。
でも、慣れない事もある。
何百回経験しても慣れないもの「別れ」これだけは何度経験しても寂しいし悲しい。
卒業後の未来はワクワクするけど、それ以上にやっぱり寂しさが勝ってしまうかなって。

だから、カレンも悩む。
その悩みに答えを出したのはアリスでした。
アリスの言葉は迷うカレンの背中を力強く押してあげられる優しい言葉でした。

そうして、シノとアリスは彼女達の母が通っていたイギリスの大学へ

カレン、綾、陽子、穂乃果は日本の女子大へ行く事になります。

作中でも言って居ましたが、イギリスと日本って遠いようで近くですよね。
外国は遠く感じるかもしれませんが、同じ地球の同じ空の下にあり海を跨いだその先の地なんて会いに行こうと思えば、会えるのですよね。
その事をアリスとカレンのお陰で知れたって綾のセリフは凄く良かったです。

卒業式では、シノは笑って居ました。
それは、きっと寂しさよりも楽しかった思い出が勝っていたのでしょう。

アリスは泣いてしまいました。
それはきっと、彼女にとっての3年間は本当に幸せなもので、それが大きければ大きい程、掛け替えなければ掛け替えのない程に、涙も出てくるのです。

そうそう、久世橋先生も泣いてましたね。
受験生の1人1人の為に破産覚悟で1万円を投げ入れようとしたりw
多分、ここはギャグなんだろうけど、私は素敵な先生だなぁ〜って思ってしまいました。
卒業式でも泣いてくれたし本当に生徒を大切に思ってるのだなぁ〜ってw
流石に、願掛けぬいぐるみは重いけどw

後、合格祈願の舞もありましたねw
受験生の間で流行るかもしれませんね……ん……??……流行らない?

卒業後にシノ達とイギリスで再開します。
やっぱりこの5人がいると安心しますね。
個人的には、金髪同盟の穂乃果も居て欲しかったです。
彼女は、劇場版をみているとメインキャラみたいな描写がいくつかあるのに、たまに居なかったりするのが、少し不思議に思いましたw


さて、ED後に画面に4分割にされた映像が流れるのですが、その内容は過去のアニメ放送の記録です。
彼女達の思い出の青春エピソードが4画面それぞれに流れて、全てのシーンを見るのに目玉で円を描く様に見たのですが、目玉が疲れて来る罠が仕掛けられてます。
あれ?そんな見方するの私だけ?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そわそわダンスと合格の舞、さくらコスチューム

 きんモザ集大成とも言うべきお話だったです。卒業後のアリスとしのの思い出から始まる修学旅行と楽しい日々、それぞれの進路への思いと受験、その後を少し描いていたです。

 しの、アリス、綾、陽子、カレン、穂乃花、香奈それぞれの学校生活、しのの金髪愛が更に増していたです。綾、陽子、カレンも相変わらずで、カレンに気にしてほしい穂乃花もらしかったです。楽しらを満喫するみんなが、きんモザらしかったです。

 アリスが卒業後の未来を悩む姿、寄り添うしの、カレンもいまのままでいたい悩みありと高校3年生らしさが、良かったです。めだちやすいダンボール箱が、面白かったです。

 そんな彼女たちを見守り心配する久世橋先生、烏丸先生の姿も最後まで健気だったです。合格の願掛けが、怪しかったです。
 受験当日、その後もありここでうまく行かなければ話にならないのです。アリスの衣装は、その象徴だったです。

 卒業後もどんな場所にいても、常に思い出を積み重ねていくしの、アリスたちの姿が、絵になっていたようです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5
ネタバレ

郷音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私達の毎日は、きらきらしたきんいろです!これからもずっと。

2021年劇場公開アニメ。

3年生になった忍たちの修学旅行、受験、そして卒業までを描く。

上映時間90分に収めるのがもったいないくらいのテンポで進んでいきます

俺は原作読んでないけどそれでも飛ばしたシーン多いんだろうな…と感じちゃうくらいです

ただちゃんと笑いあり萌えあり感動ありと見ごたえある作品です

種田梨沙さんの喉の調子があまりよろしくないのか少し心配になります

綾と香奈の班長コンビが好き。もっと出番くれよ!

{netabare} 綾陽子カレンの受験は映像化されたけど忍アリスの受験はさらっと終わっちゃったなぁ。結局忍が英語しゃべるシーンなかったよね。合格祈願ダンスだっけ?あれはもっと流行るべき。 {/netabare}

今まで見てきたファンは絶対劇場で見るべきです!

原作の特別編Best wishes.が残ってるから最後にOVAでお願いします…!

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

72.6 68 2021年度アニメランキング68位
はたらく細胞BLACK(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (325)
1215人が棚に入れました
毎日せっせと体中に酸素を運ぶ、新米赤血球。しかし彼の職場(世界)の労働環境は、徹底的にブラック――!!飲酒、喫煙、ストレス、睡眠不足……不健康の総合商社のような世界で、過重労働の末に細胞たちは何を思うのか?これは、あなたの体の物語――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、KENN、日笠陽子、Lynn、内山夕実、鳴海崇志、久保ユリカ、椎名へきる、ブリドカットセーラ恵美、平川大輔、津田健次郎

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

不健康な生活、やめますか? それとも人間、やめますか?

今日から不健康な習慣やめよ・・・
きっと誰もがこんな感想を持つアニメ

後半ちょっとマンネリ感がでてきたけどかなりオススメ。面白いです
ある意味どんなホラーアニメよりも怖い
身体の仕組みに詳しくなるし、身体に気を遣うことの大切さをわかりやすく教えてくれる良い教育アニメですねー!

身体の状況が本編と比べて劣悪なため、細胞たちの雰囲気もかなりサツバツとしています
でもはたらく細胞の魅力はそのままに、違ったテイストで特に自分の健康に不安がある人にとっては身近な題材で、本編よりも楽しめる人も多いかも?

たぶん、タバコ、ダメ、ゼッタイ!とかそういうポスターを見せるよりよほどこのアニメのほうが効果あると思う

私は人間やめたくないので、健康に気を付けます!

投稿 : 2024/12/14
♥ : 41
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

BLACK de 連想

あらかじめお断りしときます。筆が進みません(当社基準)。

ナレーションが能登麻美子さんから津田健次郎さんへ
赤血球が女子から男子へ…ざーさん出てきません
逆に白血球は女子へと変貌

別の体だからという理由でした。『はたらく細胞』スピンオフ作品です。
“BLACK”といえば富山のご当地醤油ラーメンが真っ先に思い浮かぶ私ではありますが、こちらの作品はおそらくブラック企業の“BLACK”を念頭に置いてます。
不摂生だったり、過度のストレス下にあると身体にガタがくると言われてますけど、それを見える化しちゃったぞな全13話。よって“WHITE”な世界からは想像つかないくらい酷使されてる細胞さん達とのお付き合い。ラインナップはこちら↓


 {netabare}第1話 喫煙、細菌、終わりの始まり。
 第2話 肝臓、アルコール、誇り。
 第3話 興奮、膨張、虚無。
 第4話 最前線、淋菌、葛藤。
 第5話 過重労働、脱毛、錯乱。
 第6話 腎臓、尿路結石、涙。
 第7話 カフェイン、誘惑、嫉妬。
 第8話 ふくらはぎ、肺血栓、機転。
 第9話 異変、水虫、働く意味。
 第10話 胃潰瘍、友情、喪失。
 第11話 自暴自棄、痛風、反乱。
 第12話 復帰、心臓、終焉。
 第13話 心筋梗塞、蘇生、変化。{/netabare}


正直な話
真面目な話
いやいや変な話ぃ

これまで観てきた「やれ鬱アニメだ」「胸糞展開だ」「グロ注意!」などの作品群なんて鼻で笑っちゃうくらい陰鬱とした気分になりました(自分基準)。何話か観ていたたまれなくなって視聴ストップしたのは私史上初です。
理由は明快。宿主と自分がそう変わらず実際死にかけたから。そもそも真っ先に醤油ラーメンを想像してしまう自分の浅はかさを省みて自己嫌悪に陥るのです。
だがしかし作品は悪くありませんよ。人相悪めの血小板ちゃんが悪態ついてたり、過酷な環境だと人心が荒廃してくる様子なんか元々の『はたらく細胞』との良い対比になってます。
“人間(細胞)は環境の生き物”だなぁってのが良くわかる良品でした。



※一言

生活習慣変わるよね、マジで



視聴時期:2021年1月~3月 リアタイ

-----


2021.04.29 初稿
2022.01.16 修正

投稿 : 2024/12/14
♥ : 40

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本作を視て我が振り直そうか

<2021/1/20 初投稿>
原作未読。
1、2話視たときは「面白いんだけど自分の不摂生を顧みて暗い気分になってしまいそう」で素直に楽しめなかったのですが。

第3、4話は神回 笑。

<2021/3/21 追記>
全話見終えました。
面白いんですけど、やはり見てて心痛くなるところ多数 笑。

自分は昨年の正月にタバコやめて。
昨年秋頃から体調に不安を感じて
以前は毎日飲んでいたお酒を、かなり減らし。
ダイエットandウォーキングandプチ筋トレを毎日。
食べ物や睡眠にも気を使い始めました。

おかげさまでかなり体調良くなってきましたが、それでも本作見ると心にグサッときますね。
幸い水虫、痛風、毛髪は大丈夫そうなんですが。

やっぱ健康って大事だわ。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 33

72.5 69 2021年度アニメランキング69位
JUNK HEAD(アニメ映画)

2021年3月26日
★★★★☆ 3.9 (22)
107人が棚に入れました
人類は遺伝子操作により長寿を得たが、代償として生殖能力を失った。さらに環境汚染、ウィルス感染により、世界は滅亡への道を歩んでいた。新たな命を生み出すカギは、地下で独自に進化した人工生命体マリガンに隠されていた。今、未来を救うために“主人公”が迷宮へと潜入する─!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

イカれた地下未来世界で得た生きる実感

ストップモーションSF長編アニメ。
堀 貴秀監督の個人制作短編『Junk Head1』(未見)から改変、追加し、
少人数体制、低予算、総制作期間7年で完成させた“三部作の第一章"。

【あらすじ】
{netabare}遠い未来……。人類は核により汚染された地上を捨て地下世界開発に活路を見出した。

人類が、地下の労働力として創造した人工生命体・マリガン。
が、自我に目覚めたマリガンはクローンを増やし叛逆。
長い戦乱の末、人類は地下を放棄し、地下のマリガンと棲み分け。

それからさらに約1500年……。
人類は未知のウイルスによる遺伝子崩壊により生殖機能を失ったが、
代わりに肉体の無機質化と、無限に等しい寿命を獲得した。

さらに1000年……。
新型ウイルスによる人口減で瀬戸際に立たされた人類は、
地下で独自の生殖を獲得したというマリガンの調査に乗り出す……。{/netabare}


【物語 4.0点】
上記の超壮大かつ、ぶっ飛んだSF設定の割に、
シナリオには意外とこじんまりとした日常コメディ風味もw

地下世界に潜入した人類・パートンが遭遇する、
人工生命体・マリガンたちの社会にも、
{netabare}上長より強い職場のお局様や、
肩書きにより態度を豹変させるサラリーマン的処世術
分業し過ぎて仕事の意義や全体像など誰も知らない労働現場{/netabare}
など、未来のディストピアで、
現代的なボケとツッコミの掛け合いが繰り広げられる。

これはシュールさを醸す芸風なのだろうか?と訝しむが、
(一応、低予算故の苦肉のコメディタッチでもあるとのことですがw)
こうした日常コメディも、寿命から解放され、
自我を脅かされる位、刺激が希薄化した未来の人間社会では
既に喪失、形骸化した日常の息づかい。

日常コメディ要素が、話が進むに連れ、
パートンが、死の危険に直面する地下世界にて、
生の実感を獲得していくというテーマ性にも不思議と合致していく。

私が印象に残っているのは、{netabare}人類・パートンとマリガン・リコとのダンスシーン。
バーチャルでしか踊ったことがない元“ダンス講師”が
初めて踊るリアルダンスが妙に感慨深かったです。{/netabare}


終盤、凶暴な野生のマリガンとの戦闘でも、
生と死のテーマは回収されていく。
不死者は死なないが、死なねば天国には行けないのです。


前半、私は退屈する場面もありましたが、
後半のテーマの収束感に一本取られたので高評点とします。


【作画 4.0点】
ほぼ人形劇で構築されたストップモーションアニメ。
舞台となる1/6スケールのミニチュアセット。
セット総数は絞った低予算体制だが、リアル志向には妥協がなく、
サビ、汚れなど、一つ一つの作り込みが半端じゃありません。

そのセット上で撮影される人形も、
場面に応じたダメージ描写、粘液付加など
“生感(なまかん)”溢れる造形で臨場感に貢献。

地下の高級食材“クノコ”({netabare}人類遺伝子由来のクローンの背中?で栽培w{/netabare})
の躍り食いできそうな鮮度からの劣化過程も生々しくて不気味w


【キャラ 4.0点】
主人公の人類・パートン。
寿命はおろか、食事、睡眠からも解放され、
僅かな電気刺激さえあれば頭部だけでも自我を保てる。
この着脱可能なキャラクター設定がシナリオ展開でも生かされている。
({netabare}喋れない身体に接続された時の扱いはいたたまれませんでしたw{/netabare})

アレクサンドル&ジュリアン&フランシス
黒ずくめのマリガン3バカトリオ。
コメディ要員か?と油断させておいて、
終盤カッコいい所を持って行く本作の敢闘賞。

その他のマリガン勢もSF世界観や社会風刺?の末端を体現する上々のキャラ活用。


【声優 3.0点】
少数の制作スタッフが掛け持ち。
どうせ音声は我々には分らない未来の別生物の言葉なので、
声優さんじゃなくても雰囲気は出ますw

どちらかと言うと、これは音楽の一部として加点した方が良いのでしょうか?(苦笑)

但し、{netabare}クノコに集(たか)る、マリガンの“チケチケ……”との鳴き声を
“ケチケチ……”と空耳させたの{/netabare}はツボにハマりましたw


【音楽 4.0点】
劇伴はエッジの効いたエレクトロ風のBGMが、
ドタバタしたコマ撮りの動きにより表現された、
未知のマリガンとの遭遇&逃亡シーンにもマッチしつつ、
日常コメディ風への大仰な起用により、シュール成分増量にも寄与w

ED主題歌は、“バルブ村の子どもたち”による「人類繁盛」
幼児風の歌声で繰り返される“ポッコリーノ♪ペッコリーナ♪”に中毒性ありw
これもどうせマリガンだから何言ってるか分りませんがw
(※古の人類の生殖活動をビンビンパパーン♪と謳った下ネタソングとのことなので
良い子は知らなくていいですwっていうか子供に何歌わせてるんですかw)


【感想】
他者との接触機会減少による生の実感の減退。
昨今のコロナ禍はそれを幾分前倒しただけで、
文明の進歩がもたらす利器による人間活動の代替は、
宿命的に人類の自我を脅かす。
そんな感想も抱いたSF映画でした。
刺激が欲しい方などにオススメです♪

投稿 : 2024/12/14
♥ : 15

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

情熱と狂気

このストップモーションアニメ映画は、堀貴秀氏が
ほぼ一人で作り上げた大作である。
数年前に30分バージョンのものを見て、衝撃を受けた記憶が
あったので気長に楽しみにしていた。

だが、それから100分以上になった今作が今年に公開されるのは
きちんと把握していなかった。そもそもこれを知ったのは
某動画サイトでこの作品が紹介されたのが理由だ。
(まあ、マスメディアが取り上げるようには思えないにしろ)
もう少し堀氏の動向を機にかけてよかったのでは
と自ら省みた次第。改めて某動画サイトに感謝。

見終わった感想だが、ほとんど一人かつ独学で作った
ものとは思えないほど濃厚な作品であった。
ジャンルとしてはいわゆるダークファンタジーものであるが、
「パンズラビリンス」や「パシフィックリム」でおなじみの
映画監督、ギレルモ・デル・デルトロが絶賛するのもうなずける出来だ。
(まあ、これはデルトロ本人がこういった作風の作品を
好むというのもあるが)

なんだかんだいって、いつの間にか自分もパンフレットを
購入していたのでこの作品のとりこになっていたのは間違いない。

王道ではあるが、個人的にはかなり見応えのあるストーリー構成。
観る前はゴッテゴテのファンタジーアドベンチャーもの
ではと思っていたが、日常要素も程よく加えられており、
うまいこと工夫されているのが分かる。
中だるみする場面もそこまでなく最後まで見ることができた。
主人公がガラクタでできた体という設定も
うまく生かしているように感じた。

愛らしくも魅力的なキャラクター達。
主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられており、このキャラは不要だと感じたことは
ほとんどなかったように思う。

個人的には地獄の3鬼神こと3バカが一番のお気に入りだ。
当初はただのかませ犬では言う印象がぬぐえなかった
のだが、後半における大活躍で感銘を受けてしまった。
こういった人物になりたいものだと常々思う。

ギャグにおいても自分好みの部分に入る。いくつかあるのだが、
お気に入りキャラである3バカのやりとりや、トロちゃんの
愛称で呼ばれる野生動物が持っている特定の部位が
唐突にクローズアップされるシーンが印象的。

終盤において3バカの名前が明らかになるのだが、独自の
言葉ではなく日本人でも違和感なく聞こえるほど
そのままの通りの名で呼ばれるのも面白かった。

監督について調べていたところ、今までの職業経験の積み重ね
や監督自身の好きな映画による体験がよく反映されているのがわかる。
改めて思い返しても、相当こだわりを感じられる。内部まで
作られた背景セットや徹底されたカメラワーク、事細かな
キャラクターの動きが視聴者の目を釘付けにする。

監督自身の好きな映画についてだが、主に挙げられていた映画は3つ。
不思議惑星キン・ザ・ザ、エイリアン、ヘルレイザーがそれにあたる。
主人公たちが交わす独自の言語でのやりとり、クリチャーによる
舌なめずり、目玉を持たない地下に住む住民たち等々。
元ネタがわからないとピンとこないが、ある程度映画に
精通している人なら
ニヤッとするはず。

ちなみに、彼がこの作品を作ろうと思ったきっかけは、
(君の名は。でおなじみの)
「新海さんが一人で作ったと耳にしたから」だそうだ。

私自身は新海作品と非常に相性が悪く、いい思い出がないので
不安だという印象しかないが、堀さんに動機を起こさせたので
あれば話は変わってくる。
(新海氏の映画をほめているわけではない)

今までは前述のようなイメージだけだが、少なからず
堀さんに影響を及ぼした人物としては高く評価している。
こればかりは新海監督に感謝せねばならない。ありがとう新海監督。

(個人的な意見ではあるが)映画をそれなりに見ている方を
対象としているような気がするが、ファンタジーものが
好きなら一見の価値ありだと私は考えている。
まあ、グロ描写がそこそこある故に人を選ぶ作品で
あることに変わりはないが。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 13

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

世界観◎、造形◎、テンポ◎

ロストフューチャーなSF世界をテーマに描くストップモーションアニメ。
評判の高さから気になっていたけど、まさかアマプラが拾ってくれるとは。
雰囲気としてはシドニアの騎士とかメイドインアビスが近いかも。
不気味だけどかっこいいキャラクター造形と恐ろしく作りこまれた地下の町。
シリアスな見た目なのにキャラクターのやり取りがコミカルで、それを両立させているあたりにこの作品の狂気性が表れていると思う。
最初はそれが違和感としてあったけど、物語が進んできたときこの作品の世界の得体の知れなさと方向性の読めなさが味わいとなっていることに気づいた。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 12

72.4 70 2021年度アニメランキング70位
月が導く異世界道中(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (345)
1151人が棚に入れました
平凡な高校生だった深澄 真は、とある事情により“勇者"として異世界へ召喚された。しかしその世界の女神に「顔が不細工」と罵られ、“勇者"の称号を即剥奪、最果ての荒野に飛ばされてしまう。荒野を彷徨う真が出会うのは、竜に蜘蛛、オークやドワーフ…様々な人ならざる種族。元の世界との環境の違いから、魔術や戦闘においては常識外な力を発揮する真は、様々な出会いを経て、この世界でどう生き抜くのか…… 神と人族から見捨てられた男の異世界世直しファンタジー開幕!

声優・キャラクター
花江夏樹、佐倉綾音、鬼頭明里

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

エマさん、有能!(← でも『水戸黄門』的な立ち位置は謎)

小説投稿サイト「小説家になろう」発祥の作品らしいですが、私が「なろう」をちょくちょく読むようになったのはここ数年の話なので、始まった当時の詳しい事情は知りません。また、現在はアルファポリスからの出版で商業ライトノベル作品として継続されており、「なろう」では掲載されていません。

同タイトルの原作ライトノベルは未読で、コミカライズは少し読んだ程度です。ストーリー的にはほぼ「アニメが初見」といって良い状態で観ていました。

主人公が中心となって人間以外で構成されるコミュニティを発展させるという類似性から、『転生したらスライムだった件』などと比較して語られることもあるようです。が、少なくとも私は両者が似ているとはあまり思わずに視聴することができました。

お話としては、女神に「勇者」として異世界に召喚されたはずの深済真(みすみ まこと)が、容姿が女神の意に添わず勇者の資格を剝奪されて人外魔境に放り出されるといったお話。

ただ、女神の加護とは別の力を得た真は、その異世界で至高の種族とされ女神に愛されるヒューマンではなく、ヒューマンから差別され女神からも忌み嫌われるる他の種族達との交流をより深め、亜空と呼ばれる異空間に隠れ里的な集落を作っていくといった感じです。

作中の台詞や音楽にはTVドラマ『水戸黄門』をモチーフとしている思われる点が随所にあり、放送回によっては『水戸黄門』の主題歌「ああ人生に涙あり」のキャストによるカバーがED主題歌として使われたりもしています。

「世直し行脚」などといった言葉も聞かれ、従者となる巴(ともえ)と澪(みお)はいわば「助さん・角さん」的なポジションとして描かれます。

そんな一行を支えるオーク族長の娘エマさんは、いわば「文官」的な意味で大変優秀なのですが、『水戸黄門』にはそんなポジションはありませんよね(笑)。といったわけで、レビュータイトルとした次第。


1クールしか観てない本作と4クールに渡ってアニメを観ており原作も結構読み進んだ「転スラ」とでは比較は難しいですが、個人的には「転スラ」の方が早い段階から「国家」というものを意識していたように思います。

本作でも話が進めばまた様相が違ってくるのかもしれませんが、女神に絡んだ本作の主人公設定からすると国家レベルの外交はなかなか本作のトピックにはならなそうな気がしています。

最終話が怒涛の勢いで進んでどうなることかと思いましたが、第2期の制作が決定しているそうで、そういうことなら納得はできる最終回ではありました。が、これから視聴するなら第2部の開始を待った方が良いかもしれませんね。

本作に関しては特に積極的に原作情報を入れることもしないつもりですが、続編が放送されれば観ると思います。

余談: そういえば真がちょくちょく川柳を詠む(5・7・5で喋る)のですが、あれはいったい何なのでしょう(笑)?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 27

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

すみません、パチモン(何の?)と思っていました・・・。

どうも、スミマセン。

何のかわからないですが、全く根拠なくパチモン臭を感じていました(個人の偏見ですw)。
が、あにこれのレビュワーさんの評価を拝見し観てみることにした作品です。
また、どうやら「どこぞのスライム~」よりも前に発表されていた作品との事で、似ている点もあるという評価もできないっぽいですね・・・。

さて、この作品。
私的には好きなタイプの作品でした。
まぁ、出だしが少々変わってはいましたが、俺TUEEE系と言う事であながち間違いではないでしょう。
善意の解釈をすれば、若干、毛色の違ったと評しても良いかもしれませんが。
好きな点としては、私の好きなパターン=即ち「仲間が増えていく系」だという事。
その仲間が割と好きなタイプだった事が大きいですねぇ。
ちなみに主人公の深澄真はあまり好きなタイプではなかったです。
が、最初に仲間と言うか、お供の者に巴と後に仲間になる澪たちが好みでした。
キャラとしての容姿の造形には若干スキも感じられるのですが、主人公とのカラミ方とかそれぞれの関係性、折々のギャグ、ツッコミっぷりが何となく好きです。
主人公の影響で和風にかぶれているのも面白かったです。

そうですねぇ、あとはおブタ顔のエマも声に負けて好きになりました。
某鬼滅の、あのお方が浮かんでしまって違和感爆発なのですがw。
あとは後ろの方で登場するエリスも好きですねぇ。
まぁ、アニオタ路線爆発って事でしょうか。

でも、この作品は声優さんが実に贅沢ですねぇ。
良くこれだけの皆様が集まっておられるものです。
それだけでも、ある程度の価値を見出せてしまいますなぁ。

物語はオーソドックスな仲間づくり、国造り。
そして、バックグラウンドには大筋テーマがある、って感じでしょうか。

この第1期は最終盤が少々駆け足気味でした。
もう少しゆとりを持っても良かった気がしましたねぇ。
なんなら、リッチ君が仲間になるくだり、無くても良かったなぁ(個人の感想ですwあまり魅力を感じるキャラでは無かった為)。

どうやら2期が決まっているそうです。
ほんのりと楽しみです。

あとは・・・。
そうですねぇ、OPちょっとうるさい感じで私のお好みでは無かったです。
反面EDは毎回、月のアップから始まる入りが割と好きでしたねぇ。
やかましさもそれほどでは無かったですし。


この1期分12話が割と軽く観られたことを思い返しますと、物語もそこまで複雑では無いですし(今のところは)、短く感じたって事は面白かった(楽しめた)んだと思います、多分。

「どこかの転生したスライム」みたいな話がお好きならば楽しめる気がしました。
機会がありましたら、ご覧くださいませ。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 26

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

巴と澪に救われた作品。

異世界で町づくりをしていく、最近流行りの物語。

この作品の魅力は、主人公には従順だけど、自由奔放で突飛な言動の多い巴と澪の存在。
彼女たちに救われた作品だと言えるでしょう。

彼女たちの自由奔放活突飛な言動に振り回される主人公。

この構図が面白い作品。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 22

72.3 71 2021年度アニメランキング71位
ジャヒー様はくじけない!(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (257)
869人が棚に入れました
魔界で、魔王につぐNo.2の地位を誇っていたジャヒー様。魔族たちからは恐れられ、わがまま言いたい放題、ぜいたくしたい放題、我が世の春を謳歌していた──はずが、魔法少女の襲撃を受けて、人間界にふっ飛ばされてしまった。魔力の源である魔石を砕かれ、権力も美貌もどこへやら。ちんまりかわいい姿に落ちぶれてしまう。貧乏暮らしを強いられ、風呂なし4畳半住まいで、居酒屋バイトの日々。同情も家賃の催促もふっ飛ばして、野望は大きく「魔界復興」だ!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ジャヒー様が不憫カワイイ。そして、最強店長…(笑)。

第4話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。漫画原作があるらしいですが、アニメを観るまで全然知らなかったので当然未読です。

開始自体が他の夏クール開始TVアニメよりも遅い7月末だったことと、全英女子オープンゴルフによる1週遅延があったので8月末時点でまだ4話しか放送されていません。

2021年夏クールもたくさんのTVアニメが放送されていますが、女の子ばかり出てくるいわゆる「日常系アニメ」にカテゴライズされそうなのは意外にも実は本作くらいなのではないかという気がします。そういう意味では、いわゆる「難民救済作品」なのかもしれません。

魔界No.2として実権を握り魔界を思うままにしてきたジャヒー様。しかし魔法少女の問答無用の侵攻により魔界を維持する巨大魔石を破壊され、小さな魔石の欠片で最低限の魔力しか行使できない身一つで人間界に放り出されることに。果たしてジャヒー様は人間界に散った魔石の欠片を収集し、その力により魔界復興を遂げることができるのか……、といった感じのお話です。

人間界での生活を維持するための居酒屋バイトのためには大人の姿でなければなりませんが、その姿を維持するには魔力が必要で、長時間は維持できず幼女化してしまうジャヒー様が不憫カワイイです。

魔界が滅ぼされた直接の理由は今のところまったく不明(そもそも人類にとって魔界は不利益な存在かどうかわからない)ですし、魔界の権力については常にNo.2の座についてのみ語られ、トップ(?)のはずの魔王についても一切語られない謎…。
(読んでないから知らんけど、たぶん魔王その人については原作でも終盤まで語られなかったりするんじゃないだろうか?)

この手のフィクションにはただの人間のはずなのに人外の主人公を抑える謎のカリスマを持つキャラの存在がありがち(『侵略!イカ娘』の千鶴さんや『はたらく魔王さま!』の木崎さんなど)ですが、本作ではバイト先の居酒屋の店長がそんな感じのポジションですね。
(ただ、千鶴さんは人外の力を維持しているはずのイカ娘よりもガチで強いですが(笑)。)

ジャヒー様の暮らすアパートの大家さんの姉でもあり、たぶん作中登場人物のヒエラルキーのトップは店長さんです。

かつての部下の前では見栄を張ってしまいさらに生活苦に陥ってしまうジャヒー様。ジャヒー様を一方的にライバル視しつけ狙うサルワ、店長の包容力と謎のカリスマに篭絡されてしまう辺りも見どころですね。

2クールあるらしいので中盤以降どんな話になっていくのか良くわからないですが、今のところ楽しく観ています。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 28

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人間界に転生したらぽんこつ幼女だった件

【紹介】
魔界No.2の幹部が魔界から飛ばされて力を失い、幼女の姿になって人間界で極貧生活をしながら魔力を取り戻すために頑張る話。
極貧な上に幼女の姿なので力も弱いしちょっとポンコツなところがあってプライドだけは誰にも負けない。

どれだけ不憫で惨めでもくじけずに前向きに頑張るかわいい日常系アニメ。

雰囲気はまちカドまぞくとか、邪神ちゃんドロップキックとか、はたらく魔王さまとかメイドラゴンあたりと似ているので、そのへんが好きな人は気に入るかも。

【作画音楽】
作画は綺麗。OPやEDアニメもポップな感じで可愛い。

【キャラクター】
いつも尊大な態度なのに、ちっちゃくて無力で一生懸命頑張ってるけどうまくいかなくて、強がり言って、一人になるといつもしょんぼりしてるジャヒー様がたまらなく可愛い。

ジャヒー様がとにかく目立つので周りのキャラクターはちょっとキャラが薄いけど、嫌な感じのキャラいなくて、ジャヒー様はみんなから愛されているので、いい雰囲気でストレスなく見れる癒しアニメ

【総評】
ジャヒー様可愛い、それがすべてな作品だけど、それで十分。
とても可愛くて癒されました。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 26
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャラと声優さんの演技が楽しいギャグアニメ

魔界No.2だったジャヒー様。
ある日魔界に攻めてきた魔法少女に大事な魔石を壊されて、魔界は崩壊。
ジャヒー様は魔力の大半を失って子供の姿になり、現代日本に落ちてきたところから始まります。

まちカドまぞくとか、はたらく魔王さまみたいな軽ーい感じのギャグアニメって好きなんです♪

こういう単純でクスっと笑えるアニメって思ったよりも少なくて、個人的には毎クール1作品はこんな感じのがあったら嬉しいです♡

7月末にスタートと変則的なスタートで始まって、なぜ?と思ったら全20話の2クール!
このジャンルで2クールって珍しいんじゃないでしょうか?私が知らないだけ?

ジャヒー様はプライドが高くて見栄っ張りなんだけど、意外と素直だったり、心を許した相手には子供みたいになったり。
ジャヒー様役の大空直美さんの緩急ある演技が良かったです♪弱ってるときの声がかわいい♡

無一文で住む所もないジャヒー様を助けてくれた、店長と大家の姉妹。

店長はぽわーんとして優しい人だけど、結構マイペースでジャヒー様が手玉に取られてる感じ・・
あらあら♡って聞くと、声優さん違うけどARIAのアリシアさんみたい。

店長の妹の大家はちょっと口が悪くてジャヒー様と家賃の支払いなどでケンカするけど、面倒見がいいところもあったり。
のんのんびよりの駄菓子屋を思い出しました。

店長の経営する、居酒屋まおうで働いて生活費を稼ぎ、大家のアパートで生活するジャヒー様。
でもよく考えたら、お金の流れが、店長 → ジャヒー様 → 大家 って、身内でお金を回してるようなw

ジャヒー様を崇拝してる部下のドゥルジ。
人間界に来て成功してお金持ちになったけど、ジャヒー様に対して自分の都合の良いように勝手に話を作ってどんな状況でもジャヒー様はすごいんだって思っちゃうとこが面白い♪
ドゥルジ役の花澤香菜さんの演技が感情むきだしな感じで面白くて良かったです。あ゛?とか(笑

不幸を呼ぶ魔石を回収してる、魔界を滅ぼした魔法少女。
{netabare}孤独だった彼女が、人を救うことでつながりたい理由で魔法少女になったけど、ある事からジャヒー様を慕うように。
ドゥルジと魔法少女がジャヒー様をめぐって争うところも面白かったです。{/netabare}

魔界No.2の座をジャヒー様から奪おうと企むサルワ。
色んなものを発明してジャヒー様を倒そうとするけど・・
{netabare}実はすごくいい子で、最終話で楽しそうにお祭りに参加してるお話にほっこりしました☀{/netabare}

ジャヒー様の友達で、天使みたいなこころちゃん。
普段は見栄っ張りなジャヒー様がこころの前だと子供みたいになっちゃったり。
リアルでも、会社の偉い人がうちに帰ると子供みたいになるって話聞いたことあるから、意外とあるのかななんて。

Cパートで時々番外編みたいなのやってましたね。
もやし3分クッキングは笑えました♪

変に長いシーンがあったりとテンポが悪いところもあったりしたけど、ジャヒー様をはじめとしたキャラが立ってて
声優さんたちの演技の良さもあり、最後まで楽しく見ることができました!
最終話は、原作最新話だったらしいので(それもすごい話だけど)、2期は難しいかな・・

投稿 : 2024/12/14
♥ : 24

72.3 71 2021年度アニメランキング71位
結城友奈は勇者である 大満開の章 (TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (169)
561人が棚に入れました
TVアニメ新シリーズ『大満開の章』
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈じゃなくても勇者である

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ゆゆゆ、は1期☆4、2期☆4と、高評価しています。好きなシリーズです。

本作は3期というより、ほぼスピンオフですね。ゆゆゆ自体は2期で大団円を迎えていますから、当たり前と言えば当たり前ですが。

本作、普通に普通以上の面白さがあるアニメです(だから☆4)。

ただ、「結城友奈は勇者である」という冠から、3期(2期の後日談)を期待した私が悪いのですが、思ってた作品とちょっと違いましたね、個人的には。

スピンオフならスピンオフと、言ってもらえればね、そういう姿勢で視聴するのですが。

本作、時系列が複雑なので、一応、余談に入れときますね。視聴の参考までに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、1度綺麗に完結した物語を、無理に引き延ばそうとしている感じがした。

おそらく、スピンオフにあたる「楠芽吹は勇者である」と「乃木若葉は勇者である」を、無理に「本編の中に入れたような演出」が違和感を醸し出していたのかな、と。

いや、2作とも単体として、とても面白かったですよ。

特に、「楠芽吹」はキャラの立ち位置として良かった。ああいう、「凡人の最強」みたいなの好きなんですよね。自分が量産型・消耗品でないことを証明するために戦ってきた結果として、本来なりたかった「勇者」として仲間に認められる。

良いじゃないですか。格好良いです。

加賀城雀や弥勒夕海子などサブキャラも魅力あったし。勇者部に匹敵する素敵なパーティ。まあ、やたら「ガンバスター」みたいな雰囲気でしたけど(笑)

ただ、本作の1話目を「勇者の章」の前(がっつり日常系)にしたせいで、「勇者の章」の続き(神を失った後の人類及び勇者部の営み)を期待していた私にとっては、???みたいな感じでした(これは、事前にアニメの情報は入れない私の視聴スタイルが災いした感じです)。

ファーストガンダムの後に、Ζガンダムの1話だけ流して、0083を放送したような違和感(ガンダム好き以外には伝わらないw)。

「勇者の章」ではバッチリ決まっていた、スピンオフを絡めながらの時系列シャッフル。それと同じことしているわけですが、本作ではハマらなかった感じ。

違いはやはり、「進行中の物語」でやったか、「完結後の物語」でやったか、かな。「進行中」なら、視聴者であるこちらも、内容を深めたいと思って観るけど、「完結後」、しかも、あれだけ熱く綺麗に完結した後に、今さら過去を掘り下げられても、もはや蛇足にしか感じられませんでした。

重ねて言うけど、「楠芽吹は勇者である」も「乃木若葉は勇者である」も、凄く面白かったんです。むしろ、もっと丁寧に、6話くらいかけてちゃんと観たかったくらいです(それぞれに単独で1クール使っても全然文句ないです)。

本作のタイトルを、「結城友奈は勇者である 大満開の章」とつけず、「楠芽吹と乃木若葉も勇者であった」とかにして、完全にOVA扱いにするくらいの、

「結城友奈という看板に頼らなくてもいける自信(作品に対する信頼)」

があれば、また少し違ったのですが。もしくは、本作の12話Aパート(純粋な3期)を1話目にもってきて、諸々を描き、12話編成でCパートまでたどり着くようにするか。

と、なんとなく酷評っぽくなっちゃいましたが、最後の友奈の幸せそうな笑顔見ちゃったら、もうどうでも良くなりますね(笑) 

1期からのトータルで、最後まで綺麗に完結した、素晴らしいアニメシリーズだったと思います。制作者の皆さん、お疲れ様でした♪
{/netabare}

【余談~時系列まとめ~】
{netabare}
複雑過ぎるので、多分、ですけど(苦笑)

①「乃木若葉は勇者である」
(アニメ3期5話~7話)
※西暦2018年。地の神VS天の神バトル開始。初代勇者、乃木若葉の物語。神世紀開始。

②「鷲尾須美は勇者である」
(アニメ2期1話~7話)
※神世紀298年。何代目になるかは分からないが、鷲尾須美たちが勇者として活躍していた時代の話。

③「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期2話)
※神世紀300年。あと一歩で勇者になれず、守人となった楠芽吹の話。

④「結城友奈は勇者である」
(アニメ1期1話~12話)
※神世紀300年。結城友奈をはじめとした、勇者部の話。以下、⑦まではほぼ同時期の話。

⑤「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期1話)

⑥「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期3話、4話、8話)

⑦「結城友奈は勇者である-勇者の章-」
(アニメ2期8話~13話&アニメ3期9話~11話)

⑧「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期12話)
※神樹様及び天の神がいなくなった後の世界。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
青い鳥。時系列は、神不在後? 楽器、上手いな。めっちゃ日常系。ゆゆゆの場合、さらなる悲劇への序章にしか感じないんだよね(苦笑)

2話目 ☆4
なんかもう、ノリがガンバスターになってきたな(笑) 量産型と量産型の戦いは熱い。そして、量産型でないことを証明しようとする主人公はもっと熱い。

3話目 ☆4
勇者部を外から見る。防人の歌。城マニア(笑) ここからシリアスか。やはり、勇者の章の前か。

4話目 ☆4
バーテックス倒すとか、かなり強いな。弥勒が犠牲者の1人目か。

5話目 ☆3
すごろく(笑)  ん? また過去編?

6話目 ☆4
さらに、スピンオフか。なかなか闇が深い話。もうちょい、ちゃんと観たいよな。

7話目 ☆5
郡と乃木。最後に、群千景は勇者であると宣言する乃木、格好良いな。

8話目 ☆4
ここでまた、楠芽吹の話に、また戻るか。カリンを励ます元ライバル。

9話目 ☆


10話目 ☆4
熱いバトルだったな~。銀の斧。台詞。千景砲。スナ~(笑)

11話目 ☆3
風の技、普通にめっちゃ格好良いよな。つまりは、ゆゆゆ完全版だね。

12話目 ☆5
ここでようやく後日談か。2期のCパートって感じだよな。やはりテーマは自立か。インフラ、資源はもう無限じゃないしな。クーデター(笑) 人の力になれるのは、人。4年後。むしろその4年を観たいのだが。天の神、放射能? チーム防人。まあ、希望を魅せたラスト、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 24

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

すべての想いを背負って戦う勇者

※間違えて一期にこのレビュー投稿してしまったことを教えていただいたので投稿しなおします。

【紹介】
これは3期にあたります。2期は「鷲尾須美の章・勇者の章」なのでそのあとに視聴しましょう
最初の4話までの時系列は1期と2期の間の話のスピンオフ的な位置で、2期の裏側を楠芽吹の視点で語られます。

【シナリオ】
序盤はものすごくダイジェスト感がありますが、仕方ないですね。こういうスピンオフは好き。
事前に1期と2期を復習しておいたほうがいいかも。

選ばれた勇者は替えがきかない英雄だけど、勇者じゃない防人は、替えがきく消耗品?
別に私じゃなくてもいい、それなら私たちはただ時間稼ぎして盾になるだけの生贄?
注目されることなく、一般兵Aとして大したセリフもなく一瞬で殺され誰の記憶にも残らないモブ戦闘員達。
彼女達がいなくても世界は救われるかもしれないし、何人死んだかなんて誰も気にしてないかもしれない。
世界を救う勇者だけが注目されるけど、そうじゃない一般兵士だって必死に戦ってるんだ、
セリフのないモブだって生きてるんだという当たり前のことを投げかける。

そういった当たり前が描かれるからこそ、託された勇者達の活躍がより輝きを増す。

そして満を持して登場する勇者たち。
すべての人類の希望を背負って、過酷な戦闘に身を投じる勇者
志半ばで倒れていった仲間の想いを継いで、ボロボロになって戦う勇者
応援せずにはいられなかった。

すべての人々が勇者を称えて期待して、絶賛ばかりされる栄光だけの物語とせずに、勇者に否定的な言葉や、感謝しない民衆もいて、多大な犠牲があって、戦う意義を見失いそうになる。
勇者だって人間だ、命がけで戦って、仲間が犠牲になって、理不尽な罵声を受けて平気でいられるわけない。
そういう勇者の苦悩を見せたところが良かった。

でも、一つ一つのエピソードがホントしんどいなあ。
しんどいからこそ、応援したくなるけど。

途中までは面白かったけど、最後のほうの神魂うんぬんが面白くなかった。

【文句も言いたい】
シリーズ通して女の子の自己犠牲の美化が激しく、本作品では「わたしたちは消耗品じゃない、一人一人生きてるんだ」ってところを強調していたけど、やっぱり消耗品扱いしていることは変わらないと思う。

【キャラクター】
歴代のキャラクター達のことは今さら語るまでもないと思いますが
楠芽吹編のキャラクター達もただのモブではないキャラの立ったキャラクター達で魅力的。
弥勒さんがテンプレお嬢様ライバルキャラだけど、すごく好き。

【作画】
とても綺麗で安定感がありますね。キャラデザも好き。
防人はフルフェイス衣装のせいで戦闘中誰が誰かわからないのが残念。

【音楽】
結城友奈OP「アシタノハナタチ」ED「地平線の向こうへ」
OPもEDもなんかグランドフィナーレって感じの曲調ですね。
どっちも激しい戦いを締めるに相応しいいい曲だと思うけど、このグランドフィナーレ感満載のEDが毎回流れるので毎回最終回みたいな感じに。

【総評】
世界観を理解するためにも1期2期視聴は必須。
ちょっと使いまわしが多かったのは残念だけど、何回見てもいいものはいい。

作品全体が最終回みたいな話ばっかり。
ご都合主義で自己犠牲崇拝しすぎだけど、そんなことは気にならないくらい強く引かれる魅力がありますね。

一話一話のエピソードがすごく重たくてかなりしんどかったです。
一気に視聴するのは精神的にかなりくる。

でもこのシリーズは本当にいい作品だと思う。
ここまでずっと見てきて良かったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「車輪の下敷きにならないように」

原作小説で今回アニメ化された部分では『乃木若葉は勇者である』の一部を連載雑誌で見たくらい。

【物語 3.5点】
原案等でシリーズに関わって来たタカヒロ氏もまた2010年代に相次いだ
18禁含むテキスト型アドベンチャーゲームからのアニメ業界進出例。

『ゆゆゆ』でも適宜、前日譚や歴史を豊富なテキスト量でじっくりと紐解き、
設定の深さを伝える。
クライマックスに向けさらに事の発端となった時代にまで遡り、
過去と未来をつなぐ因果を提示していく。
【防人編】(現在)、【西暦勇者編】(過去)、総括(未来)の3部構成にて、
如何にも美少女ゲーム色の強いスケール感の出し方でシリーズを集大成。

結局、少女が身を削って戦って得たのは衰退までの時間稼ぎ程度という「大赦」の通常運転。
「神樹」様が少女に気まぐれに{netabare}神婚{/netabare}を求める(このロリコン神めw)
というパターンの繰り返し?との既視感もありました。
が、勇者たちの歴史を振り返り、
何故、大赦は勇者活動について秘密主義に至ったのか?など根本的な疑問に解答した。
その上で改めて「勇者部」が頑張る意義を再提示した。
スッキリ感は3期が一番でした。

まさか3期から初見する方もいないとは思いますが……。
第1話は、勇者部のこれまでの苦闘とノリを共有していれば、
彼女たちの日常はこれでいいんだと納得できます。
が、知らない方が観ると放送事故級の日常カオス回が直撃するので、
ここからいきなり飛び込むのは厳に慎みましょうw

【作画 3.5点】
アニメーション制作・Studio五組

萌えキャラが可愛らしい白目でリアクションするゆる~いコミカルシーンと、
CGの助力も得て表現したバーテックスの数の暴力などの絶望。
日常と戦闘の激しい落差という個性を貫き通す。

目を引いたのは【西暦勇者編】の精霊の力を宿す作画。
この種のパワーアップ機構のプロトタイプは大体、安全性に問題点が多くエグいが、
それが悪名高き「満開」システムの元ともなれば目を覆わんばかりの惨状。
胸に表示されるカウントダウンを見て、
『ゆゆゆ』は魔法少女ではなく特撮変身ヒーローの系譜だと再認識。

魔法少女ではない……と言えば、本シリーズの「樹海化」設定の背景美術。
元々、一面深緑の鬱蒼とした文字通りの樹海でデザインしていたが、
四国にロケハンに行ったスタッフが、
田舎じゃ森は当たり前すぎると実感し、某・魔女結界の如きカラフルな“樹海”に変更したとのこと。
私は初期設定の緑の樹海で見たかったという願望が未だに捨てきれません。
ラストの{netabare}緑で覆われた廃墟{/netabare}を見て、こっちの方が個性出たはずだと、ますます思います。

【キャラ 4.0点】
【防人編】主役の楠芽吹。レビュータイトルは彼女の座右の銘。
歯車の意地……胸に響きます。

【西暦勇者編】主役の乃木若葉。あの会見……グッと来ました。
このエピソードでは結城じゃない方の友奈も登場し、
神による友奈への執着の由来が示唆され、
同時に全ての勇者たちが積み重ねた想いが友奈に集約される流れを作る。

【声優 4.5点】
【防人編】で印象的だったのが加賀城雀役の種崎 敦美さん。
「ぎゃあああ!死んじゃうーー!!」などバーテックスを前に勇者のCVにあるまじき狼狽、大絶叫w
でも、これが化け物に対する中学生女子のごく自然な反応であり、ある意味安心しますw

【西暦勇者編】では郡 千景役の鈴木 愛奈さん。
戦いや勇者システムの副作用だけでなく、{netabare}勇者をバッシングするネット世論{/netabare}からも精神を蝕まれる。
{netabare}眩しすぎる若葉への嫉妬、友奈への重たすぎる百合。{/netabare}
病んだ心情をぶちまけた、迫真の演技に圧倒されました。
ただ、誠に申し訳ありませんが、{netabare}劣等感を爆発させ部屋で暴れる千景を見ていて、
不謹慎にも私はパチンコで駄賃をすって破れかぶれになっている邪神ちゃんを思い出してしまいましたw{/netabare}

友奈“二役”を担った照井 春佳さん。勇者パンチにも二人分以上の気持ちがこもっていました。
8話の{netabare}友奈が友奈に苦しい胸の内を明かす{/netabare}シーンお見事でした。

【音楽 4.0点】
劇伴はシリーズ通じて制作集団・MONACAの面々で完走。
音響がボケるシーンに戦闘曲を宛がう独特の采配もありましたがw
定番の和風女声コーラスなどで概ね無難に締めくくる。

主題歌は讃州中学勇者部。
OPは「アシタノハナタチ」
エピソードを経る度に、勇者たちの歴史と悲願を噛みしめることができるスルメ曲。
ただ……OPアニメが勇者部の少女たちのフルヌードなので目のやり場に困りますw

EDは「地平線の向こうへ」
アコースティックギターの優しい調べがお馴染みのアレンジ。
ラストの{netabare}樹が路上コンサートで歌い始める{/netabare}演出も感慨深かったです。


【感想】
メインストーリーはこれで一区切り。
ただメディアミックスは継続しており、アプリ等で勇者たちのエピソードは制作中。
私はタカヒロ氏ら本シリーズの文体はやはりリズムが合わないのでw
良いシナリオは映像化して頂けるとありがたいです。
後日談として、{netabare}友奈&美森で少女終末紀行{/netabare}とかやっても良いんですよ♪

投稿 : 2024/12/14
♥ : 18

72.3 71 2021年度アニメランキング71位
夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者(アニメ映画)

2021年1月16日
★★★★☆ 3.8 (72)
374人が棚に入れました
「石起こし」森の中で、小さな妖怪・ミツミと出会った夏目。岩鉄という神格の妖怪を、深い眠りから覚ます「石起こし」の役を任されているという。しかし褒美の酒をめぐり、ニャンコ先生や妖怪たちが、起こし役を横取りしようと画策をはじめる。ミツミを気にかけた夏目は、手助けをすることに――。「怪しき来訪者」田沼のもとに現れた、不思議な客人。毎日のように訪ねて来ては、少しだけ話をして帰っていく。その正体が妖怪であることを知った夏目は、田沼を心配するが、田沼は妖怪との交流を楽しむようになっていた。妖怪は悪さをするつもりはないらしいが、少しずつ田沼の体調が悪くなってしまう――。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、堀江一眞、黒田崇矢、岡村明美、チョー、松山鷹志、下崎紘史、金元寿子

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間も妖怪も同じ心があることがわかります

夏目友人帳が久しぶりに帰ってきました。
ファンにとっては、とても嬉しいことです。
夏目友人帳 陸が終了したのが2017年7月。その後、『劇場版 夏目友人帳 〜うつせみに結ぶ〜』が2018年9月に公開されて以来、およそ2年ぶりの劇場版です。
相変わらず、味わい深い内容でした。

この映画は2つの短編でできています。

■石起こし
岩鉄という強い妖怪を眠りから覚ます役目、それを『石起こし』と言います。
その役目は大変重要です。そしてその役目を遂行すると褒美がもらえます。
そして今回、その石起こしに選ばれたのが、超軟弱な妖怪のミツミです。

ミツミは見るからに弱弱しい妖怪です。役目を全うできるかどうか、誰もが不安に感じていました。
ひょんなことからミツミと知り合った夏目は、いつものお人好しな性格でミツミを手助けします。

岩鉄は、なぜ弱弱しいミツミに重要な仕事を与えたのでしょうか?
ミツミが岩鉄を起こすことができなければ、岩鉄はずっと眠ったままになるのに…
しかも、眠り続けている場所を敵に知られたら、襲われて岩鉄の命が危険なはずなのに…

この答は、見る人によって異なると思いますが、それを考えながら視聴されると、趣き深く感じられるでしょう。


■怪しき来訪者
今回登場する妖怪は、三篠(みすず)の友人です。
その妖怪は、どうやら三篠との楽しい思い出を忘れているようです。

きっと三篠は、友人に二人で行ったいろんな場所、いろんな出来事を思い出してほしかったのでしょう。

貴方も、友達との楽しい思い出を友達が忘れていたら、すごく悲しいですよね。
これは妖怪も人間も関係なく、誰もが将来起こりうる出来事なのかもしれません。


■最後に
今回は塔子さんが登場しませんでした。それが凄く残念です。
塔子さんはこのアニメの癒しの人です。年老いても塔子さんの声を聴くと心が癒されます。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 17

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真剣さの中にほっとするものを感じます。

いつもの夏目友人帳です。
それ以上でもそれ以下でもありません。
構成としては、2話分。
癒しのBGMとともに安らかな気持ちなります。

ウイルスやら侵略やら地震やら。
何かと殺伐な心持ちになるご時世。
いつの間にかストレスが溜まります。
だから、心の平静を保つため夏目友人帳が観たくなりました。

妖には妖なりの、人には人なりの譲れないものがある。
それは矜持と言ってもいい。
互いの関わりの中で掛け替えのない充足感を得る。
まさしく、それは前に進む上で大切なものなのです。

それにしても、今回もにゃんこ先生はいい仕事をなさる。
欲望に忠実、でも一方では冷静かつ頼もしい。
妖はすべからく生きるのを楽しんでいるかのようです。
もちろん、人もそうあらねばとつくづく思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 13

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

宝探しみたいなの?と沼の主勝負?

 夏目とあやかしのやり取り2本立ての話だったです。

 夏目が出会ったあやかしと行動と共にするお話が一本目です。友人を気にかけて尋ねると怪しい男性と遭遇し、実はなお話が二本目だったです。

 どちらのお話も、あやかしの個人的な事情に、夏目が巻き込まれたみたいに見えたです。二話目は、特に友人だったかなぁです。
 どこか、不思議な感じがした語らいみたいな、おはなしな印象だったです。劇場のTV放送見たいに思えたです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 6

72.3 71 2021年度アニメランキング71位
漁港の肉子ちゃん(アニメ映画)

2021年6月11日
★★★★☆ 3.9 (51)
136人が棚に入れました
食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、情に厚くて惚れっぽいから、すぐ男にだまされる。一方、クールでしっかり者、11歳のキクコは、そんな母・肉子ちゃんが最近ちょっと恥ずかしい。そんな共通点なし、漁港の船に住む母娘の秘密が明らかになるとき、二人に、最高の奇跡が訪れる――!
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

日本アカデミー賞受賞おめでとうございます。

実は劇場には足を運べてないのですが、DVD出たら必ず見ます!!

恋雨も海獣の子も素晴らしかったので渡辺歩監督には期待大なのであります!!

早く見てみたいのであります!

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そんなわけでなかなかアマプラで見れるようにならんなと思ってたのですが、先だってNHKのEテレで放送されましたんでこれわとゆうことで録画して見ました。

驚いたことにこのハナシにはエンタメには絶対必要といっても過言ではないカタルシス的なモノがない。

要するにどんでん返しとゆうか『なにー!そうだったのかー!』的な。

普通映画ってゆうのはそおゆうとっておきのシーンがあってそこに深く感動したりするもんだと思ってたんですが。

無いんですよ。
このハナシには無いんですよ。

そもそもですな。

話の序盤で肉子ちゃんとキクコちゃんは{netabare}親子ではない{/netabare}とゆうことが簡単に想像ついちゃうストーリー展開になってるわけで、後半そこが明らかになっても『ま、そうだわな』とゆう感じになるとゆうかなり渋い作りになってたわけです。

だからといってこの話はなんやねんおもんないやんけとゆうことにはなりません。

なぜか。

おそらく人の苦労話はドラマチックに描けば描くほど嘘くさくなるとゆう考え方を渡辺監督とさんまさんが共有したんではないかと。

肉子ちゃんのキャラデザこそありえへんぐらいデフォルメされてるんですが、演出は実はものすごいリアルで、苦労した人ほどこの話をかみしめて共感できるのではないかとボクは勝手に思いました。

なのでどこかのシーンでいきなり堰を切ったように涙があふれてとまらないといったようなことは全くなく、そこここのなんてことの無いシーンでなんてゆうのか人間の業みたいなものを『ふっ』と笑ってしまうようなそおゆう深みと出会えるそんな物語でありました。

家族愛とか親子愛とかそおゆうのんを感じさせる感動作品と思ってたんですが全然違います。

そおゆうべっとりした話ではありません。


まあなんとゆうか、うまいことゆえないすけどええ映画でした。


あと意外と飯テロアニメだったのもよかったです。
フレンチトーストも焼肉もすごいおいしそうでした。


ああ。あとラストシーン。

キクコちゃんがトイレで{netabare} 女の子{/netabare}になるシーン。
ボクはあそこでどおゆうわけか思わずガッツポーズをしちゃいました。

ボクが感じたのはそおゆう映画だったなとゆうことです。

おしまい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 9

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白おかしい肉子ちゃんに感謝な娘の話

 漁港の船で暮らす親子、キクコと肉子の生活を主にキクコ目線で、描かれたお話だったです。親子なのに漢字違い(喜久子、菊子)で同じ名前という、訳があるような似てない親子です。題名が肉子ちゃんなのに、娘が主人公にしか見えなかったです。

 肉子を描く描写が、面白く特徴を表していて楽しいです。いつもマイペースで楽しい肉子ちゃん。
 男運のなかった肉子ちゃんが、今キクコと船で暮らすようになった経緯から始まるです。

 肉子ちゃんというより、キクコの学校生活を通して自分自身を見つめ直すお話が、わりと濃く表していたと思うです。これは、意外と似たような成り行きを誰もが、体験しているような気もしないでもない気がしたです。
 自分や肉子ちゃんを見つめた先、とあるきっかけから、親子の秘密が明かされたです。でもそれは、キクコ自身もわかっていたことで、それでも互いに親子であるという認識をさらにはっきりさせたのだろうと思ったです。

 子供としてこういう脳天気な母親を恥ずかしく思うのは、普通かもしてません。でも、自分を常に大切にしてくれている、心配してくれるということも認めているです。そんなキクコの気持ちは、言葉となって肉子に伝えられたところは良かったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

漁港は人生の俯瞰。利他の痴愚と聖性。ただ、解釈より感情かな。

 純文学的ではありますが、どこかメッセージ性もある感じで大衆文学と純文学の中間のような感覚を持ちます。人間の人生のどこかにある暗い部分のドラマを切り取って、描くことで人間の本質について考えるきっかけ、と言えばいいんでしょうか。

 正直いえばオール4の評価は評価の放棄です。オール3ではないという程度の意味です。

 とにかく日本文学的な暗さ、貧しさを描くために、娼婦を出すところはありきたりと言えばありきたりです。キノコのイメージでぼやかしていましたけどそういうことです。

 ただ、そうなるとありきたりな「だめんずうぉーかー」になるところを、キクリンからみた物語にすることで、肉子ちゃんに聖性を見ます。誰かに依存することでしか幸せを感じられなかった肉子ちゃんの「事件」後の気持と、キクリンを対比することで何を感じるのか、でしょうね。

 模型は多分漁港なんでしょうね。つまり、人間いろんなことはあるけど、俯瞰して見ると小さいものだと。表情と模型の関係…隠れてみんな恥ずかしい事をしている、俯瞰してみれば人生なんて箱庭見たいなものだ。だから、一人は可哀想という気持ち…そして人間の負の感情…そう言ったもので悩むより、恥ずかしいとかメンツとかでなく、素直に話をしよう。ここは模型を見ることによる視点の変化なんでしょう。
 地蔵はこんな港街にも長い歴史と不幸な出来事があって、それでも存続して人が暮らしている、ということでしょうか。

 この模型で人生を俯瞰することが肉子ちゃんとみうの人生にもつながってきます。マリアに手を差し伸べるキクリンの気持ちからここに展開する理由でしょう。お腹の痛みは「女の心・人生・肉体の痛み」のことでしょうか。
 本作からは肉子ちゃんの欲望・無垢・痴愚から生まれる利他による幸せ、あるいは聖性を感じます。男のために生きているように見えて「誰かのために生きる」肉子ちゃんの姿が見えてきます。彼女が望むのは金でも安楽でも肉体でもなく利他です。それがみうであってもキクリンであっても、同じことです。
 いままで肉体でお金を稼いでいたのは男のためお金のためだから。そして、子供のためになると風俗は辞めます。そこに金銭の効率などの考えはなく、子供のためだから、でしょう。

 幸せですら望まない肉子ちゃんの利他が本質だからこその聖性なのかもしれません。つまり菩薩でありマリアということです。タイトルに名を冠しながらも内面が見えてこないのは、この聖性によるものだと思います。

 また、恥ずかしさというのもかなりクローズアップされていました。肉子ちゃんの体形と表情、娼婦にしゃべり方…つまり生きていることはみっともないけど、誰でもみっともないと。だったら、自分の望む生き方に幸せはあるのでは?

 キクリンと文学の関係ですね。人間の出会いがもたらすもの、でしょうか。ろくでもない小説書きだったけど、キクリンにいい影響が「偶然」与えられたということなのか、あるいは文学では幸せになれないし、肉子のようなある意味においての幸せを得られないという意味なのか。

 なお、司馬遼太郎の「峠」が借り物競争で出てきました。河井継之助という人の話らしいのですが、未読です。WIKIで若干確認しましたが、どうも病気であることを隠すために牛肉を食べたというエピソードがあるみたいで、それかなあ、という気もしますがよくわかりません。河井継之助は乱読派、精読派の論争で精読派だったらしいです。これが小説家との対比にはなります。

 なお「ライ麦畑でつかまえて」は落ちそうな子供を助けるという意味なので、ちょっと関連ありそうですけど、まだ深く考えてません。面倒ならウィキにかなり詳しくあらすじが載っています。

 本作を見るとどうしても安田浩之氏の「ちひろさん」「ちひろ」を思い出します。ベクトルは全く逆のような同じような。肉子ちゃんに内面はあるのか?ですね。肉子ちゃんの名前は何を表しているのでしょうか?

 見て何を感じるのか、でいいんでしょう。ただ、どんな視聴者層に向けた作品か不思議でしょうがない作品です。こういう作品はどちらかと言えば実写向けの気がします。まあ、肉子ちゃんが生々しくない方がいいのかもしれません。

 そもそも純文学は「画」をイメージするのも含めてのことですから、映像化は零れ落ちるものが多くて難しいものです。それを偶然の要素があったり生身の人間が演技する実写ではなく、記号性の塊ですべてが表現されてしまうアニメにすること自体に矛盾はあります。ありますが、かなり上手くアニメ化はしていると思います。特にみうの過去回想はなかなかの出来栄えでした。

 まあ、要するに解釈してもしょうがないですね。感動や意味も大切でしょうけど、とにかく見て何かを感じるのが大事なアニメでしょう。エンタメとして展開を期待する人には向かないアニメでしょう。ただ、面白いと思いますけど。

 初見なのでまた思いつくことがあれば追記します。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

72.2 75 2021年度アニメランキング75位
憂国のモリアーティ(2クール目)(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (166)
758人が棚に入れました
「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とし、集英社「ジャンプSQ.」にて連載中の⼈気漫画(構成・竹内良輔、漫画・三好輝)。シャーロック・ホームズの宿敵・モリアーティを主人公にした、犯罪による革命の物語だ。コミックスは2021年1月時点で1~13巻まで発売、累計発⾏部数は400万部を突破している。2020年10月から12月までTVアニメ1クール目が放送され、2021年4月より2クール目が放送予定。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹、安元洋貴
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

前半に立てた仮説と検証

分割2クールの後半

原典のホームズVSモリアーティの対立構図を踏まえ、適度に煽りながら後半お楽しみに!と良い引きだった前半最終回。たぶん多くの人がそのまま後半に流れていることが予想される期待の作品です。

結果、

 うまいこというね~ …止まり

“唸る”と“うまいね~”の違いってあると思うのです。後者はなんかうまくまとめたでしょ?って向こうに若干ドヤが入ってる感じ。心に余裕ない時に観るとイラっとくるかもわかりません。
結論ではなく途中途中で「ちゃんとしたごしらえしてたら輝きそうなのに」と思えるネタがいくつか。

{netabare}切り裂きジャック キターとか
ジェームスボンド キターとか
フランス革命をイギリスが仕掛けたとか …あ、これパーマストンならやりかねんな{/netabare}

命題は階級制度へのアンチテーゼ。その処方箋にモリアーティの選択した手段が“犯罪”でした。
さてその階級制度打破についてなにかしら答えが出たがどうかは観てのお楽しみですけど、全くの広げっぱなしでノー回収ということはなかったので安心してください。

少しレビューらしいことも書いときます。
ホームズVSモリアーティでのスリリングな知恵比べに手を汗握った前半1クール。ここがそのまま続いて深化していくかと思いきやそうはなりません。“実はアプローチが違うだけで似た者同士な二人”な共闘関係と取れる描写が増えていきます。
いったん提示されてた視点の変更を余儀なくされるわけでして、スムーズに移行できるような手を打ってほしかったと思います。ここが弱い。説明不足ということです。

なので冒頭に触れたように、うまいこと言ってるように見えるだけの納得感に欠ける結果に。とはいえつまんないとは違うんだよなぁ。



※ネタバレ所感


■前半でたてた仮説についての検証(っぽいもの)

元ネタは前半クールのレビューに書いてます。
社会構造を改善ではなく破壊(革命)によって現状変更を試みる場合、ろくな未来は待ってないだろうよ、ということです。モリアーティ一味がそのうち手段が目的化して労働階級の人間にも手をかけることになるだろうとも予想しました。

{netabare}見落としてるかもわからんけど、労働階級には手を出して無かった気がする。予想外しました。
ろくな未来が待ってないことは私じゃなくても予想するに易いですけどこれも外してると思います。
なんか収まるところにいい感じで収まってましたね。なーんだ、つまんねーの、ちっ…{/netabare}

それでも期待のあの人はしっかりやらかしてくれてました、なコレ↓
{netabare}火をつけちゃだめよね。
予想というか行く末を気にしていた登場人物の一人モリアーティ家の長兄。ガチの貴族で善意の思考停止マン。大英帝国の近衛文麿/西園寺公一と言えるあの人は案の定ダメンズでした。火を放ったのはコイツです。多くの守るべき労働者階級を危険に晒すというところまで文麿仕様というのに強い説得力がありました。

さらに ※最終回のネタバレあるのでさらに隠しときます。
{netabare}手を取り合ってバケツリレーってのがお花畑全開です。
違う階級同士手を取り合っての美談扱いということですけどまさにこれが茶番。火付けは物理的破壊行為となりますが国民生活の破壊という意味でのメタファーになってます。ほら、経済を回らなくする/社会不安を煽る/その他国民を困窮させる行為全般とかね。そうすると現体制に不安が溜まって革命が起こるって寸法ですが、はた迷惑な話ですし、それまで破壊しかしてこなかった連中が疲弊した国民を統治するなんてできるわけありません。断言してもいいです。
アニメのように物理的な破壊なら傷は浅いかもしれません。ただしやっちゃだめよね。門を開けない貴族に文句言う前にお前らが火をつけなきゃいい話だろってのを忘れてます。

 ・民が困窮すればワンチャンあると本気で思っている輩 
 ・そうやって実際に放火して罪をなすりつける輩

現実でもよくあることなので騙されないようにと自戒する機会を与えてくれた佳作です。{/netabare}{/netabare}


追伸
壮馬さんのキャッチミーイフユーキャンの発音がなんかこそばゆい



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.07 初稿
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/12/14
♥ : 31
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

おいおい、終盤、急いだなぁ(笑)

第1期から第2期(本作)の中盤まではかなり面白いのに、終盤「うん?」ってなっちゃう作品。

犯罪卿の誕生から、シャーロック・ホームズの登場。
そして、ジェームス・ボンド、切り裂きジャックまで・・・。

ところが、物語は突然終幕を迎えます。

う~ん?

そう、終盤が急ぎ過ぎなんですよね。
{netabare}「社会を変える」という当初の目的を果たした風で終わっちゃう。{/netabare}

そこまでの密度が濃かっただけに、終盤の性急な感じが残念な作品でした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

僕にとっての盛りあがりって(1クール目)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
いや、ダジャレですけど(笑)

2期も悪くはないけれど、やっぱり1期の方が面白かったなと。

ていうか、圧倒的に尺不足ですね。三期か劇場版があったら、もっともっと面白くなっただろうに、勿体無さ過ぎる。逆に、原作読みたくなっちゃうパターンですね(笑)

レビューでは、本作を見て物足りなく感じたことを。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話1話は結構面白く、特に、子供時代の裁判の話と、清廉潔白な議員を殺人犯に仕立て上げる話は刺激的だった。ジェームズ・ボンドのチート能力は、本作をファンタジー側に寄せすぎ、微妙だった。

本作を1期に比べて低評価をつけたのは、「性急」ということだ。

本作の見処は、モリアーティが犯罪卿として引き起こした犯罪が、どのようにイギリスを変えていくかというところだったが、そこが全然腑に落ちなかった。

最後に、モリアーティは「準備は整った」、ホームズが「全部繋がっていた」と言っていたから、そうなんだろうけど、そんな描写、あったっけ?

バラバラだった事件が繋がり、1つの結末に向かっていくことを期待していたのに、実際に描かれたのは、犯罪卿チームの格好よさや、ホームズとモリアーティの友情、刺激的な事件がメインで。

それはそれでエンタメとしては面白かったけど、本格ミステリーを期待したこちらとしては、やや肩透かし。

おそらく、この辺は原作ならちゃんと丁寧に描かれているのだろうなとは感じた。

最後も、キレイなラストではあったけれど、本作の場合、せめて生死が不明くらいの曖昧な感じの方が似合っていたと思う。

事件がイギリスを徐々に変えていく様。自身の悪事に耐えられず、徐々に死を望むようになるモリアーティの苦悩。正反対の立場で奇妙な友情を徐々に深めていくモリアーティとホームズ。

やっぱり全てが尺不足だった。好きな作品だっただけに、残念感が残った2期だった。原作買おうかな(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、新キャラ。兄貴か。その男装を見抜けないホームズじゃないだろ。

2話目 ☆3
フランス革命をイギリスが主導。そりゃ大事件だよな。

3話目 ☆4
犯罪卿チーム、格好良いよな。そこでジェームズボンドかい。

4話目 ☆4
ボンド、恐えよ(笑) ジャック・ザ・リッパーも仲間に(笑) なんか、エンタメ強くなってきたな。

5話目 ☆3
その狙撃の腕前は、やりすぎじゃないかな汗

6話目 ☆3
なんか、チート過ぎるんだよね、ボンドも。

7話目 ☆4
過去回想ね。孤児院から騙し取るとかね。随分公正な裁判だな。

8話目 ☆3
劇場型選挙。目的が達成できれば、手段や誰がやるかは問わないと。清廉潔白。

9話目 ☆4
心折れるか、復讐に向かうか。本質的な悪。議員に殺人を起こさせるまでの犯罪。理性で踏みとどまり、衝動的に殺人を犯す。死ぬことまで覚悟させるか。

10話目 ☆3
久々にホームズサイド。なんか、本筋から外れているよな。

11話目 ☆3
なかなか刺激的だが、ちょっと急ぎすぎの展開。この流れは、(あれば)三期で良かった気がする。

12話目 ☆3
この展開で、もう死にたいってのは、なかなかに斬新。キレイに終わったけど、う~ん。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 17
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