2020年度に放送されたアニメ映画一覧 63

あにこれの全ユーザーが2020年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月27日の時点で一番の2020年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

91.1 1 2020年度アニメランキング1位
劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★★ 4.4 (562)
2626人が棚に入れました
――あいしてるってなんですか?かつて自分に愛を教え、与えようとしてくれた、大切な人。会いたくても会えない。永遠に。手を離してしまった、大切な大切なあの人。代筆業に従事する彼女の名は、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」。人々に深い、深い傷を負わせた戦争が終結して数年が経った。世界が少しずつ平穏を取り戻し、新しい技術の開発によって生活は変わり、人々が前を向いて進んでいこうとしているとき。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、大切な人への想いを抱えながら、その人がいない、この世界で生きていこうとしていた。そんなある日、一通の手紙が見つかる……。

声優・キャラクター
石川由依、浪川大輔
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

最後の手紙(2回目感想を追記)

下手な言葉を使うとネタバレしそうなので、ポスターのキャッチコピーを一部引用しました^^;

 TV版本編の初放送は2018年で初視聴も同時期でした。。

===劇場版:初見での感想===
 2020年9月19日(土)、劇場版本編を観覧。
 (★舞台挨拶ライブビューイング付き)

全国の劇場で舞台挨拶が見られるとのことで、
予定を繰り上げて、あわてて劇場に行きました。

でも、TV版本編を少しでも復習してから、行くべきでした。。
2年の月日は自分にはちょっと長かった。。
ヴァイオレットへの愛情は忘れようがない。
そんな変な自信を持っていましたが、いかんせん物語の詳細をとどめておけるほどの記憶力は、現在の自分には持ち合わせていない事を突き付けられました。。トホホ

いよいよ物語の主人公、ヴァイオレット本人のストーリーが幕を開けます・・

■{netabare}
 ヴァイオレットには幸せになってもらわないと・・
 ひょっとして、社長とくっつくのかなぁ・・

なんて思ってたら、

 まさかと思うけど、少佐の兄?

と思ってしまうような展開でした。。

でもその上を行く、まさか・・・
少佐が生きていたとは、ね。
TV版完走時は死んだと思ってたから、
外伝も感動したんだけど。。

途中辺りから、

 え。ひょっとして生きてる?

てな展開。
ぶっちゃけ、ダマされた、という思いもw

いや・・・でも・・
これで、よかった。

思えばTV版を観ている時、実は少佐は生きていたというストーリーを妄想していたんでした。ちょっと忘れてました。
ヴァイオレットが幸せになる道は、それしかないですよね。

でもでも・・
少佐の生存がわかるシーンの感動が薄いせいか、
その分、ラストに至るまで延ばす延ばすw

 なんだよ、少佐・・
 ナニ自虐的になってんだ、そういうキャラ?
 てめ、ヴァイオレットを泣かすんじゃねーw
 身元を引き受けた責任と、
 何より「愛してる」と言った責任、
 男ならキッチリとりやがれw

てな展開は、個人的にはストレス展開でした。
いやわかりますよ。
その後の感動のための前フリだろうってことは。

でも、それならそれなりの想いの爆発に共感したかった。。
少佐が走り出した時って、なんか自分的には動機づけが弱かったんですよね。。
ドア越しにしゃべった時以上の動機が感じられなかったというか。。
だから、ラストの感動シーンも、ちょっとモヤモヤして感情移入しきれなかった。

さすがに、ラストシーンは感動的でした。
ただ、あんな遠い岸からのあんな掠れたような声が聞こえるのか、とか
ヴァイオレットは義手重いはずなのに泳げるの、とか
細かいところが気になって、これまた感動ボルテージ上昇の阻害要因となってしまいました。。トホホ

躊躇なく海に飛び込んだヴァイオレット、男っぽい。
惚れ直しそうw

そんな彼女も、ようやく・・本当にようやく、たどり着いた少佐の胸では・・ただただ・・泣き崩れるしかなく・・


さて・・
ここで触れずにはおけませんね。
ツイッターにも出ています。
舞台挨拶での石立監督の言葉。

 ~{netabare}
  ヴァイオレットが書いた手紙には、
  セリフに出なかった一文がある。
  これが、少佐をヴァイオレットの元に
  駈け出させた。。

  というもの。

  なんでしょうね。。
  気になる。。
  「あいしてる」かな。
  でもそれはドア越しに言ってたような。

  てかこれ、セリフにしてくれれば
  もっともっと感動できただろうに。。
 {/netabare}~

にしても、ポスター、いい絵ですね♪
ネタバレしそうですがw

でも・・

ああ・・完結してしまった><
(ホントはこれをタイトルに書きたかった)

もっと引き延ばして何作か出してくれてから、こういう結末になるんだと思ってました・・
原作はどうなんでしょう・・

未来からヴァイオレットを過去の人物として振り返る作りは、個人的にはあまり好きとは言えず、どうせなら子孫も見せて欲しかったけど・・

エンドロール後の1ショットは、救われました。
これで、よしとしましょう。

過去だからお幸せに、と言えないのはもどかしい。

ならば・・

良かったね、ヴァイオレット。

{/netabare}■

そう、エンドロールは最後まで、観ないとですね♪

ちなみに劇場で配布された、入場者プレゼントは
~{netabare}「ヴァイオレット・エヴァーガーデン if」{/netabare}~でした。

あ、3種類の短編小説ランダム配布って公式に書いてた。。
急いては事を仕損じる。
ゆっくり読もう。。


===劇場版:二回目の感想===

京アニはご存知のとおり寄付金を受け取ってくれません。
感謝の心、支援の心を込めて、再度劇場へ行きました。
TV版を観直した後、今度は目線を変えて。

その目線とは、ヴァイオレットであり、ギルベルト。
初見ではどうしてもホッジンズ社長というか保護者目線になってしまいましたが、この物語は、二人の物語であり、その目線で観るのは必定かと。

~{netabare}
まずは、1期を再視聴したことで1期を思い出させるシーンがとても胸に響きました。手紙が空を舞うシーンとか主要エピソードとか。
特にアンのエピソードは一番涙を堪えるのが大変だったかも。

感激は初見ほどではありませんでしたが、ギルベルトの気持ちが何となく理解できました。
愛するが故、自分はヴァイオレットにふさわしくない、と。
これは初見でもわかってはいましたが、わかって1期を観なおすと、彼はヴァイオレットを預かり戦場に送ったことをとても後悔していて、結果ヴァイオレットの両腕を失わせ、たとえ自分が生き永らえたとしても、自分の愛を貫くことは資格がないと考えても仕方がないかもしれない、と思えました。
彼がヴァイオレットに会えないと言ったのも、会ってしまえばその信念も揺らぎかねないからで、つまりそれだけヴァイオレットを愛しているからに他なりません。

ヴァイオレット目線で観ると・・・
心からの願いが叶えられないと知り、本当に切なくつらい日々を過ごして。
それが会えるかも知れないとわかり、本当にうれしくて。
でもやはり会えないことになり、とても悲しくて。
それでも生きていてくれたことが、やはりうれしくて。
最後に追いかけてきてくれたことが、最高にうれしくて。
この目線で観るのはとても切ない・・・

むしろ、ラブコメ風に・・・
「このまま会えないまま、どっちか結婚して、その後に会うことになってたらどうするのよ!ギルベルトおおおー!!」
と罵ってあげても良かったのにww

でも、やはりこれは二人の愛のストーリー。
これで、良かった・・

最後に、手紙の一文の考察を。
~{netabare}
映画の冒頭では、sincerelyの文字が出ます。
意味は「心から」かと。

また本シリーズは物語の最後にタイトルが出ます。
本劇場版では「あいしてる」。
つまり・・・
『心から 愛しています』
これが、ヴァイオレットからの、愛する人への最後の手紙の、最後の一文だったのではないでしょうか。

振り返ってみると、ヴァイオレットはドア越しでは「愛してる」は言っていません。彼はその事実を知らず、ただ父親のように慕っているものと勘違いしていたのかも知れません。
だから、この一言が、彼をヴァイオレットの元へ駆け出させたのだと、私は思っています。
{/netabare}~

いつか、ネタ明かしがされる事を期待します。


蛇足ではありますが・・
病院で亡くなる男の子のシーン・・
音がデカ過ぎて感情移入の邪魔になる思いでした。
もっと静かな曲か、むしろセリフのみでも良かったかと。
{/netabare}~

はぁ・・切なくて息が詰まりそう。
この劇場版と、1期・Extra・外伝で無限ループに陥りそうです・・

 制作:京都アニメーション
 監督:石立太一
 脚本:吉田玲子

 2020/09/19 閉館直前のMOVIX利府にて初視聴。
 2020/10/05 同じ映画館にて二回目視聴。


■余談
劇場内で完全新作ARIAの予告編が流れてました・・脚本が同じく吉田さんかな?と思ったら・・

 総監督・脚本:佐藤順一
 監督:名取孝浩
 アニメーション制作:J.C.STAFF

ほへ・・
ストレスフリーの世界でホッとしたい・・
違う作品の話ですみません^^;

投稿 : 2024/05/25
♥ : 57

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

上映してくれてありがとう 感動を与えてくれてありがとう

この劇場版は、世界の多くの人たちが待ち望んでいました。
様々な困難にもめげずに、この劇場版を完成された監督、スタッフ、関係者の皆様、ありがとうございます。


この映画は現代と過去の二つで物語が進行します。

現代での物語の主人公は、デイジー・マグノリア。どこかで聞いたことのある名前が含まれていると思いませんか?
そうです。デイジーは、テレビアニメの第十話で登場したあの少女の孫娘。

お婆さんが亡くなった後、デイジーはおばあさんが最も大切にしていた宝物(ひいばあさんからの手紙)を知り、その手紙を代筆したヴァイオレットに興味を持ちます。
ヴァイオレットのことを調べるうちに、デイジーは彼女の不思議な魅力に魅かれていきます。
やがてデイジーはライデンに行き、愛してるを知るようになったヴァイオレットのその後の足跡をたどるのです。

それと同時に、過去の物語が始まります。もちろん主役はヴァイオレットです。
とても感動する内容です。涙が出てきます。
ぜひとも劇場へ足を運んでください。「見て良かった」と、きっと思いますよ。

デイジーの声の役を諸星すみれさんがやってられました。諸星すみれさんは第十話でもあの少女の声の役をされた方です。
それだけで私は感動しました。


科学技術が進歩し、今では電話やEメール、LINEで遠くの人と気軽に話せるようになりました。
でも、心がこもった話を私たちはしているでしょうか? 相手の気持ちに寄り添った話をしているでしょうか?
特にEメールやLINEは気軽に発信できるので、つい相手の心を傷つけたりすることがあります。

手紙は不便だからこそ、時間をかけて相手の心に寄り添う内容を書けるのかもしれません。
そして手紙は、受け取った人が宝物として大切に保存しておくことができます。

もちろん、EメールやLINEも保存が可能ですが、いつの間にか削除されることが多いような気がします。
大切なEメールやLINEは、特別な場所に格納して一生の宝物にしたいですね。


この映画は、本来は2020年1月に公開されるはずでした。
しかし、2019年7月に、不幸な出来事が発生し、多くの社員の方々が亡くなり、京都アニメーションは存続の危機に立たされました。
それでも京都アニメーションの方々の努力と沢山の人たちの支援により、2020年4月を目指して製作が続けられました。
すると今度は新型コロナウィルスの影響で、またしても製作が困難になり、上映が延期となりました。

でも、なんとしてでも完成させるという信念を持ち続けた京都アニメーションさんのたゆまぬ努力により、2020年9月、ようやく上映されることになったのです。

上映してくれてありがとう。感動を与えてくれてありがとう。
これが私の今の気持ちです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 75
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

心と時代の火傷が癒やされていく……(ドルビーシネマ版・体験談追記)

【ドルビーシネマ版・体験記】

先日、京都MOVIXにてドルビーシネマ版で再鑑賞。
(大河ドラマ史跡探訪の寄り道)

色域の広さ、コントラストの幅を最大化した映像。
128個の音源により実現したサウンドの360°空間移動による臨場感溢れる音響。
が特徴の映像規格。

嵐の後のエカルテ島の朝焼けは、よりグラデーションが美しく、
光源処理も眩しく鮮やかに。
ライデンの夜景と花火は、通常は同じ黒に見える暗闇の中に、
描き分けられた家屋や夜空の明度の違いがハッキリと伝わり、より味わい深く。
紅葉シーズンの京都に匹敵する絶景が巨大スクリーンいっぱいに広がり、
私も景色で泣いているのか、物語で泣いているのか分らない状態にw


鳥や虫の音、床が軋む音も含む多彩な足音。
など環境音も芸が細かい本作ですが、立体音響により一層リアルに。
今回は空気が流れる微かな音までシッカリ聞こえて驚愕しました。

音が繊細なだけじゃなく、単純に音を振動として人体に伝えるパワーも強く、
心臓の奥まで突き動かされるような音響で、
私は終始、心拍のリズムがおかしかったですw

主題歌「WILL」等も生オーケストラ演奏級の大迫力でした♪

何より恐れ入るのが、誤魔化しの効かないこの規格で
むしろ本領を発揮するだけの手間とコストを京アニがかけていたという事実。

ひょっとすると本作の映像ソフト化では
Ultra HDブルーレイ版の展開等もあるのかもしれません。

私も音響までは無理でも、再生プレイヤーくらいは検討してみましょうか……。



以下、2020.9.21初回投稿


【物語 4.5点】
シリーズ集大成となる本作。メインシナリオ自体は単純。

だが、このシンプルな愛の話が成就するまで
主人公ヴァイオレットや周囲の人々の揺れ動いて来た心の曲折を、
最後まで丹念に描き切ることで“【不変】で【普遍】の愛の物語”が花開く。

時系列前後、TVアニメ版エピソードの延長線導入など、
脇にトリッキーなプロットも組んで来るが、

彼女とその想いは時代を越えて確かに存在していたこと。
手紙じゃなきゃ伝えられない事もあるが、大切なのは想いを伝える意志。

といった王道を整備、補強する材料として的確にシナリオがチョイスされ機能している。


【作画 5.0点】
元々、心情を気象現象等に投影する背景美術、アニメーション表現を追求してきた本シリーズ。

いよいよヴァイオレットの感情も開花し猛威を振るう本作では、
天候描写等も、何もここまで作画カロリーMAXにしなくても良いのに
という位の極致に到達。


京都アニメーションはさらにえげつなくなって帰って来ました♪


手元の描写に、顔に出さない心情を吐露させる表現も目立った本作。
ヴァイオレットの義手も、序盤でネジを締め直して調節する描写が入り、
来る感情表現に向けて準備万端。

失われた後で補った偽りの手でも、手紙をタイプすることはできるし、
{netabare}指切りやサムズアップ{/netabare}だってできちゃうんです👍


何より成長したヴァイオレットの笑顔が本当に素敵です。


通常の泣きアニメでは、
外部から露骨に泣かせに来る涙腺攻撃だけ警戒していれば良いのですが、
本作の場合は、心情から背景まで一体となった
ハイレベルな表現に琴線を触れられた心の奥底から
溢れ出て来る感情により、涙腺が内部から崩壊させられる感じ。

ふとしたシーンの何気ない風景や表情にすら、グラッと来るから油断できません。
このパターンで涙腺決壊したら、
以降はずっと涙が氾濫しっぱなしになると思われます。

ファンの間ではハンカチより大型タオルの持参が推奨されていますが、
決して大げさではないと思います。
自身の涙腺耐久度等に応じて備えましょう。


【キャラ 4.5点】
すっかり喜怒哀楽が豊かになったヴァイオレット。
「あいしてる」や、ギャグも少しは分るようになった模様。
但しギャグセンスは『ターミネーター2』のT-800(演:シュワちゃん)レベルでしょうか?w
今後の成長を温かく見守りましょう♪

消息が気になる少佐については、{netabare}心を閉ざしてしまった青年として、
兄・ディートフリートとの関係も含めて掘り下げられる。
それにしても本作のディートフリート兄さんは汚名返上して、
さらに高性能なツンデレとして
ハートを全部持って行きそうな勢いを感じますw{/netabare}


人々との出会いがヴァイオレットの感情を育む。
シリーズのキャラ作りの基本線は本作でも踏襲され、
ヴァイオレットの背中に最後の一押し。

今回は新たな依頼主として{netabare}病気療養中の少年・ユリスが登場。
TVアニメ版のアンのエピソードの、死んでも想いが残る手紙という美談に対して、
生きているうちに想いを伝えなくても良いのか?{/netabare}
という反証材料を提供し、物語の洗練に寄与。


戦乱の時代に武器として傷つけ傷付いて来た少女を、
平和になった時代が恋する乙女として再生させた。

本作は世界が「あいしてる」を取り戻す物語でもあるのです。

【声優 4.5点】
ヴァイオレット役の石川 由依さんが感情を振り切った熱演をする傍ら。

ディートフリート役の木内 秀信さん。
それと{netabare} ギルベルト役の浪川 大輔さんに、ユリス役の水橋 かおりさん。{/netabare}
この辺りの男性役が、憎まれ口で本音を包み隠してしまう素直になれない男共を好演。


誰かさんは女の子を持ったら身が持たない。いや男の子も……。
などと愚痴っておりますがw

本作については、男の私から見ても、男の方が断然、面倒臭いですw


【音楽 4.5点】
足音だけで何種類あるんだろう?と感心させられる、
多彩かつ繊細な効果音、環境音は健在。


私は田舎で選択肢がありませんでしたが、
これから鑑賞される方は、音響にはこだわって欲しいと思います。


劇伴はEvan Call氏の続投。吹き荒れる感情の大嵐に寄り添うべく、
ドイツの映画音楽専用スタジオで収録した音源を提供する本気度。

主題歌はTRUE「WILL」こちらも作曲・Evan Call氏。
相変わらず壮大なオーケストラにも押し負けないパワフルなボーカルで、
作品のキーワードを押さえた歌詞を歌い上げる。
「帰ろ~うか♪ 帰~ろうよ♪」帰宅ソングの新定番が誕生♪
TRUEさんは他に{netabare}本シリーズのボーカルアルバムより
「未来のひとへ」がオーケストラVerでED曲に起用。{/netabare}

また、同じく{netabare}茅原 実里さんの「みちしるべ」もEvan Call氏の劇伴と、
歌詞にマッチしたクライマックスシーンと化学反応し輝きを放つ。{/netabare}

投稿 : 2024/05/25
♥ : 61

85.5 2 2020年度アニメランキング2位
劇場版 メイドインアビス -深き魂の黎明-(アニメ映画)

2020年1月17日
★★★★★ 4.2 (527)
2267人が棚に入れました
隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された秘境の大穴『アビス』。どこまで続くとも知れない深く巨大なその縦穴には、奇妙奇怪な生物たちが生息し、今の人類では作りえない貴重な遺物が眠っている。「アビス」の不可思議に満ちた姿は人々を魅了し、冒険へと駆り立てた。そうして幾度も大穴に挑戦する冒険者たちは、次第に『探窟家』と呼ばれるようになっていった。アビスの縁に築かれた街『オース』に暮らす孤児のリコは、いつか母のような偉大な探窟家になり、アビスの謎を解き明かすことを夢見ていた。ある日、母・ライザの白笛が発見されたことをきっかけに、アビスの奥深くへ潜ることを決意するリコ。リコに拾われた記憶喪失のロボット・レグも自分の記憶を探しに一緒に行くことを決意する。深界四層でタマウガチの毒に苦しむリコ。リコを救ったのは成れ果てのナナチだった。ナナチを仲間に加え、ボンドルドの待つ深界五層へと三人は冒険を進める。そこで、プルシュカと名乗る女の子に出会い…

声優・キャラクター
富田美憂、伊瀬茉莉也、井澤詩織、森川智之、水瀬いのり

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「喜びしか知らぬ者に真の祈りは産まれません」。夢と祈り、その果てにあるものは…。

幕張でほぼ満員の中で鑑賞。流石は劇場版!なスーパークオリティーのかなり原作に忠実な映像化。故に原作の良いところも悪いとこも出てる。


原作の時点で思ったが、一番美味しいトロなエピソードになりそうだったのに、この幕切れは少々勿体無い。プルシュカの件もだが、単行本ならもう一冊、映画ならもう30分くらい尺が必要だったかな。


しかし、全体的にはやはり最高にサイコー!。特に戦闘シーンは、ちゃんと燃えるセットアップが出来てるからこそ超絶作画で上がる。


特典でミニカレンダーがもらえるとは豪華やし、EDはなんと表現していいか水墨画がヌルヌル動いてるような凄まじい出来映えで、これどうやって作ったのか撮影したかもよくわからぬ逸品だ。


原作ファンなら当然見に行くとして、アニメのみの人はまぁ言わなくてもわかってるだろうが覚悟して見るべし。


ボンドルドは、あたしの好きな「ガンソード」の鉤爪の男くらい好きな悪役なので、イッちゃってる悪役好きには見逃せない。


それにしても、結局ボンドルドの真意は明らかにならずで、その辺が後々きいてきそう。


次の2000年、祈手、お祈り骸骨、「喜びしか知らぬ者に真の祈りはうまれません」、祈る手の形な白笛、たぶんこれらはみんな繋がってるだろう。


さらに、ボンドルドのオブセッションが祈りなのは明らかだ。これらのことから彼は単なるマッドサイエンティストなんじゃなくて、大きな目的があってやってるうちにあんなことになっちゃったんじゃないかな?。大いなる絶望の果に、あんな存在になっちゃった…だったらより好きになっちゃう。


原作でたぶんその辺も今後明らかになって、ボンドルド倒しちゃったことに後悔、あるいは彼に対する気持ちがより複雑になりそう。


オススメ動画「カートリッジの作り方」、ワクワクさんとゴロリの有名動画のパロディー。ナナチ「こんなの作りたくないよ!だ」。


「メタルインアビス」、クソ映画界の雄メタルマンの博士とボンドルドの夢のマッドサイエンティストコラボ。「本当に申し訳ない」。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 49
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

冒険と探求を続けるための凄惨な儀式

【物語 4.0点】
R-15。地獄でなぜ悪い。“宿敵”ボンドルドとの対話と対立を軸に、
アビスの深層のヤバさと、冒険に深入りし過ぎた人間のヤバさが、さらに深化。
常識を越えた“探窟家”の価値観から受ける負荷に
精神が押し潰されそうになる試練の100分間。


【作画 4.5点】
R-15。グロくてなぜ悪い。出血、部位欠損だけじゃない。
排泄や、生物の体内組織漏出など、
見たくない物を見せ付けてくる作画は健在。

怖じ気づいた鑑賞者を引き止めるように披露される圧巻の自然背景描写。
だから冒険はやめられない。ズルいよ。


【声優 4.5点】
本作のキーとなるボンドルド役・森川 智之さんが
沈着冷静に優しい声色から滲む狂気を好演。

もう一人のキー、プルシュカ役は水瀬いのりさん。
主人公リコ役の富田 未優さんが原作読んでいる際、
いのりんボイスでプルシュカのシーンを
脳内再生していたという“意中”のキャストで相性良好。


【音楽 4.5点】
劇伴は引き続きケビン・ペンキン氏が
フィルムスコアリング(映像合わせて作曲する)による新規書き下ろしにより、
人知を越えた体験と価値観に直面した登場人物の割り切れない感情に、
弦楽や高音ボイスを駆使した繊細で複雑な旋律で肉薄。BGMもいよいよ深層突入。

ED主題歌のMYTH&ROID起用も本作やペンキン氏による劇伴の作風にマッチした適材適所。


【キャラ 4.5点】
ついにメインストーリーのド真ん中に躍り出た黎明卿ことボンドルド。
某“白笛”による“筋金入りのろくでなし”
との評判に違わぬキチガイぶりでスクリーンを制圧。{netabare}「愛です、愛ですよ」{/netabare}

彼に挑むリコ陣営。脚本のシリアス化を中和するように、
ナナチのモフモフに宿る和みパワーにすがるパターンが定着。


【感想】
引き続き原作未読のまま挑みましたが、私にとっては予想通り、
本作は正義の主人公が悪のボンドルド卿をやっつける話ではなく、
リコの冒険心とボンドルドの探究心、
どちらがより強いのか、見方によっては、どちらがよりイカれているか、
さらなる深淵に挑む権利をかけた、ある種の儀式にも見えました。

泣ける展開もありましたが、私はTVアニメ最終話ほどは泣けませんでした。
TVアニメの時は探窟家に人生を無茶苦茶にされた人間の哀しみが伝わって来ましたが、
本劇場版に至っては、どーせ探窟家ってそうなんでしょ?
って感じで諦観。涙も涸れ果ててしまった感じでした。

決して主人公リコに全面的に共感して感情移入する物語じゃない。
作品傾向もさらに鮮明になって来たので、
私は一番人間らしさを残していると目している
ナナチのモフモフにしがみ付いて惨劇を眺めていました。

ただそのナナチですら確執や罪を越えて、冒険熱が再燃しつつある……。


そして発表されたシリーズ続編制作決定の報せ。

ええぃ、ここまで奥深くまで付いてきてしまったなら、もうヤケクソじゃ。
者共、地獄の底まで参りましょうぞ。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 42
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

この恐ろしくも残酷な真実

 2020年最初に見た劇場アニメは、『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』だぁ‼です。
 TVシリーズの続き、細かく言えば、最後に出てきたボンボルドの娘、新キャラ、プルシュカ登場この前年公開された「劇場版 総集編メイドインアビス 【後編】放浪する黄昏」の続きとなるのです。

{netabare}  前座アニメ、『マルルクちゃんの日常1』もなんだか和んだです。{/netabare}

 ナナチを加えて、次の旅へのリコとレグ、この先に待ち受けるのは、深界第五層、ナナチ、ミーティの宿敵となるボンボルドの本拠地なのです。
 第六層に進むには、そこにしかない侵入口、避けられないボンボルドの遭遇はいかにです。

 その前に出てくる美しい花畑にも、残酷?!な場面もあるので、キャラが可愛いのとは対象的な正にメイドインアビスだったです。これだけでは驚けないのが、この先なのです。

 意外な展開からのプルシュカとの出会い、ボンボルドとの遭遇、何かありそうだったです。
 思ったとおりになるです。ボンボルドの狙い、レグどうなっちゃうの?危ない!でしたです。
 プルシュカは純真な子供で、リコたちと仲良くなれるけど、この先の展開に私の頭の中は、超サイヤ人化したです。

 ボンボルドの非人道的な、善悪のかけらのない狂人性、「今日を生きる資格がない!」という憤りを感じたです。
 レグとボンボルドのバトルシーンは、正に大迫力必死だったです。

 明かされる白笛の謎、第六層に行くということ、ボンボルドという存在、プルシュカの運命、あまりにも残酷な真実を突きつけられ、この光景は目を背きたくなるほど、子供に見せられない内容だったです。
 白笛は、{netabare}ハガレンに例えると「賢者の石」に近いかもしれないです。終盤、新しい白笛ができたシーンあったですが、{/netabare}衝撃だった印象です。{netabare}(これは無残で、酷いと思えたです。){/netabare}(

 それらを乗り越えたとき、深海第六層の道が開けるのだろうか?要注目です。

 リコ、レグ、ナナチ、ボンボルド、プルシュカ各々、キャラとしての個性が強く出ていたお話だったと思うです。{netabare} 「to be continued」{/netabare}最後に出てきたこの文字、「私、気になります!」だったです。 

投稿 : 2024/05/25
♥ : 11

84.7 3 2020年度アニメランキング3位
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(アニメ映画)

2020年10月16日
★★★★★ 4.1 (567)
2428人が棚に入れました
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

列車と流行は乗るものです

長いものには自ら巻かれにいきます。プライドはありません。


全23巻で完結するだろう原作漫画の7巻ぐらいまでを2クール26話でアニメ化。この劇場版は8巻の内容に相当、TV本編からの続編を意味します。

2期やるならゴールデンタイム放送も荒唐無稽な話ではなく。
しっかりバンダイさんが日輪刀を発売してますし、物販で円盤以外の武器があることは強み。原作が完結しているとはいえ暫く商売にはなりそうです。
そしてこの劇場版。老若男女巻き込んで記録的ヒット中なわけですがなんか様子がおかしい。初見の方が楽しんでるのです。「続編だからTV版観といてね」というわけでもなさそう。整理します。

1.原作を読んでいる。読んでない。
2.アニメを観ている。観てない。
3.観た人はリアタイの頃?それとも最近?

一見さんお断りというわけではないのでそれぞれ立ち位置だけ確認。
自分は原作未読でアニメ視聴済み。かつ公開直前の部分一挙放送でおさらい済み。もしも準備したいなら第21話以降最後までをおさえておくとよいかもしれません。
{netabare}※劇場版メインキャラ:煉獄杏寿郎(CV日野聡)と魘夢(CV平川大輔)が顔出しするのと、無限列車編に向けた先出し情報がけっこう含まれてます。{/netabare}


【社会現象】
様々な角度から分析されてるでしょうから細かくやらんけど、もたらされた興収で一服つけた映画館が数多くあったと聞きます。上映作品の弾数少なくスクリーンに空きができたコロナ禍の特殊事情なんてのを数年後に思い返すことでしょうね。流行り病を鬼の仕業とみなす伝承になぞらえ、経済循環の一翼を担うことで現実世界でも鬼退治してるようなもんに思えました。


そして本編。
冒頭の1カット。え!?実写ですか?というところから始まります。TV版の第1話は、え!?劇場版ですか?という入りだったのでなんとなく既視感みたいなのを感じますね。
美術はTV放映での神回と呼ばれる第19話の気合が最初から最後まで続くと思っていただいてよし。
117分の上映時間のうち一部を除いて列車の中での出来事です。殺陣や空間を使った演出など狭い列車空間ではスケールダウンするかもという不安は杞憂となってます。梶浦由記さんの劇伴も物語を盛り上げ、作画/音楽の良さは太鼓判を押せましょう。まさに劇場で鑑賞すべき作品ですね。

ストーリーはいかんせん途上なのでなんとも言えじ。全体でどうこうはひとまず置いといて1エピソードとしてみるなら申し分なしではないでしょうか。家族愛との結びつきで“強くなれる理由”を知った本編なら、その強さを何のために使うのか志(こころざし)の領域、メインキャラ煉獄さんを通して“闘う理由”が劇場版でははっきりしてきます。感動するとしたらここ。個人的にはむしろ家族愛に囚われちゃうと見落としかねないとすら思ってます。

キャラはもちろん炎柱の煉獄さんがごっそり持ってくんですけどTV本編からの進展もある。炭治郎の同期、特に伊之助との絡みにそれは顕著でした。TV本編では兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめ。「努力」「友情」「勝利」の「友情」部分が希薄だったと言えましょう。そのため「友情」の中核たる善逸や伊之助についてキャラ立ちの良さを認めつつも別角度から見れば三人いることの相乗効果は感じられず、またギャグテイストな二人は一歩間違うとガヤ扱いでうるさい。炭治郎の“やさしさ”で繋ぎとめている関係に見えなくもなく、このへんが子供向けと断じてしまう要因だったように思えます。それが劇場版では幾分緩和されてました。段階が一段上がったとも言えるかも。
そして余力あるか2回目でもいいですけど“煉獄さん”“炭治郎”“善逸”“伊之助”“禰豆子”誰が欠けてもラストステージには届かないという細い糸を手繰り寄せるような作業を各々がしていたことを見逃さないでほしいです。

公開中なら映画館の迫力映像&音響を楽しめるのはもちろんのこと、例え機を逸して自宅鑑賞となったとしても、ストーリーやキャラの関係性がTV本編に上乗せされてるので見応えはあります。
それに事ここに至ってはなんだかんだ鑑賞のきっかけをはかるレビューの意義をあまり感じないのが本音。これだけメディアの露出がある作品ですのでお祭りに参加する感覚でよろしいのでは? 

ちなみに泣こう泣こうと思ってもそうはならないと思います。感動したーのインタビュー映像は一切無視。期待値のコントロールは各自しっかりして、無駄にハードルを上げ過ぎないようにしましょう。





※ネタバレ所感

■これはデカい!共通言語を獲得

「それにしても素人使うのはちょっと…」
劇場版が公開される度につぶやかれてきた常套句ですね。プロモ兼ねて世間認知度の高い俳優さんを起用するいつものアレ。ふとしたことで気づきます。このメガヒット作にその不満が一切ないことを。
このことはアニメファンにとって二重の意味で幸せなことだと思います。一つは文字通り棒演技を我慢することからの開放。二つめは共通言語の獲得。

 普段アニメを観ない人と声優さんの話ができる!{netabare}…かもしれない{/netabare}

「あー○○さんね。鬼滅で△△の役やってた人だよ」というテンプレがこの度誕生した衝撃はもの凄いものがあります。

「あー○○さんね。××で△△の役やってた人だよ」の××の選択肢がほぼジブリ/ディズニー/他夕方ご長寿アニメ独占状態だったところに近年『君の名は。』がやっと追加された今日この頃。
鬼滅はキャストが脇役含めて深夜アニメオールスターと言ってよく、TV本編を視聴してる層も一定数いることも考慮すると△△に入る人たちがめっちゃ多い。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準。皆なにかしら代表作持ってる方々なのに一般の人からみれば誰も知られてない。
それが此度の一件で「鬼滅の煉獄さん役の人が主役はってるオーバーロードってのが…」みたいな発展が容易にできちゃう世界になってしまいました。
応用パターンも。スラダン世代だったら鱗瀧さん役の芳忠さんは仙道やってて、炭治郎が初めて遭遇するお堂の鬼役緑川光さんは流川楓だぜー!みたいなツカミもできるわけです。


実力のある制作会社。本職がもたらす声の演技の凄み。作品に寄り添って製作された主題歌の余韻。
よくよく考えると深夜アニメ王道を行くタイプの作品としてこれだけのメガヒットは史上初では?
訓練されたアニオタには常識でも一般人には未知なるフロンティア。今回初めて“深夜アニメ”に触れた多くの方々が泣いたり笑ったり楽しんでいるこの状況が喜ばしいのです。
あらためて思います。日本のアニメは素晴らしい。


■「家族愛」と言うけれど…

“覚悟”と“責任”のお話ですね。だから人々の琴線に触れるのだと思います。
“家族愛”があまりにもプッシュされてるんですけど少しばかり疑義が有る。行動や考え方の根っこに家族の存在は根付いてるけれども登場人物たちはその想いを大切にしながらそれより先。志を持ち責任を全うする覚悟を携えている。いわば未来を見据えております。むしろ鬼側の諸事情が家族止まりという対比にもなってますね。
愛郷心とでも言うべきでしょうか。家族より広範囲な+αの共同体を守らんとする物語となってます。

{netabare}TVの第2話で鱗瀧さんが炭治郎に覚悟を迫り禰豆子が人を襲った時に自害すると即答できなかったことを詰問するところから始まり、柱門会議の御前において禰豆子が人を襲えば腹を斬る主旨の書面をしたためていた鱗瀧さんと富岡義勇の凄みがまさにそれかと。三人とも実際の家族ではないのです。{/netabare}

{netabare}煉獄さんが守ったのは200名の乗客の生命。それと己の生き様でした。

劇中で炭治郎が叫んだ「勝利」の定義を受け入れられるかどうかは作品の評価に直結します。
野暮と承知しつつ、引き換えにしたものと天秤にかけて敢えて損得勘定したとしても、後進(炭治郎、善逸、伊之助)の心に炎を灯したことでお釣りが充分とれたよねと私は思ってます。
これが唯物論的に捉えるとまったく景色が変わってくると思います。物理的な勝利ではなく「え!?これでなんで感動するの?犬死じゃん」となっちゃうかも。{/netabare}








※マジで無駄話…しかも長くてゴメン

■つまりこういうことね

鑑賞済みの方向け。そのわりには全く踏み込んでないただの妄想のため閉じとく。

{netabare}国際関係に少しばかり踏み込むネタなため不快にさせちゃうかもしれません。たいした話ではありませんが念のための注意喚起。ブラウザバック推奨です。
ちなみに弊社は彼の当該国に事業所があり取引先も存在し、同僚もそこそこ多国籍でわりと喧々諤々楽しくやってます。そのため実地をそれなりに把握してると自負しつつ放言しますのでご容赦を。{/netabare}

{netabare}鬼 「鬼にならんか?14億の市場で儲けさせてやる!」
人 「一度鬼になれば利益の再投資は鬼界に限定され人間界には戻ってこれない」
鬼 「人口減少や低水準待遇の人間界に未来はない。鬼はいいぞ!バスに乗り遅れるな!」
人 「弱い鬼たちを浄化してふんぞり返るなんて俺とは考え方が違うということだ。断る!」

という既視感。{/netabare}

{netabare}代々蓄積されてきた肌感覚なんですよ。
菅原道真公がなんで大宰府に流されたかって遣唐使廃止で利権をごっそり潰したことへの報復でしょう。左遷先の大宰府で客死しそのあと都で人死にが続く。祟り扱いされたのは飛ばした連中に後ろめたさがあったからでしょうね。

となるとそんなリスク背負ってまで遣唐使廃止する必要なかったのになんで?となるのが普通の感覚です。そこで出てくるのがマルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』と並ぶ世界三大旅行記とされながら現代日本人にとってはドがつくマイナー書『入唐求法巡礼行記』(円仁)。刊行年は遣唐使廃止の50年くらい前。大陸の人肉食習慣その他悪習がこれでもかと書かれていて国内の東洋史学会ではウケない内容っすね。なお書店で販売されてるのは肝心な唐での体験部分がごっそり抜けたもの。

そもそも遣唐使は行って戻ればアホみたいに儲かる。交易あらば交流あり。文化は良し悪し関係なく流入してくるのは当たり前ですよね。巷では悪習が入り込んですこぶる庶民には評判が悪かったという土台があって、それを唐が滅亡する13年前に鎖国を断行。悪習の流入阻止ばかりではなく大国滅亡の混乱に巻き込まれることをも防ぐファインプレー。

そんなこんなで道真公は神社of神社ともいえる『天満宮』の御祭神であらせられますからね。亰で頻発する祟りを鎮めるために大宰府の庶民が詣でますかって話です。神童でならし出世が早かったなんて人は他にもたくさんいるでしょう。

 きっぱり関係を絶ったからです

そして別にこの時も後の江戸時代だって彼の国と敵対してたわけじゃないんですよ。付く時期と離れる時期の見極めは歴史に学んで良いと思います。隣り近所なんてそんなもんなんですから。
そもそも人食ってるところに利益ぶら下げられたからってホイホイついていくか?ってのが問われているのです。ズブズブになって「生殺与奪の権を他人に握らせる」前に道真公は撤退したのですよ。おそらく自分の身にふりかかる災難を見越した上でです。
そんな菅原道真公を祀って顕彰し続け御社に足を運ぶ1000年前の日本人の感覚と“煉獄さん拝みに劇場に足を運ぶ”僕らの感覚とでそんなには変わらんのだろうよと勝手に妄想している私です。大ヒット神社と大ヒット映画!うーん…このへんで止めとかないと罰が当たりそうなのでお終い。

{netabare}そういえばいつのまにか聖地化してた竈門神社も大宰府でしたね…{/netabare}


作品に戻って“正しく生きること”を考えさせられます。煉獄さんの母はこう言いました。

 「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」

これはお侍さんの基本的な考え方だったかと思います。
思えば伊之助が乗客省みず猪突猛進しかけた時も乗客の安全を確保してからだったし、
火の呼吸は知らんので話はお仕舞だとぶった切ったと思いきや、煉獄家のヒントを指し示したり、
後輩の話を聞き流してんじゃなくて留めて心を砕いてくれてたんだなということがわかります。

そして正しいことをやるためには強くならないとね。子供に見せたいという声があるのも分かる気がします。子供に見せる名目で大人が見るのももちろんご随意に(笑)

{netabare}大事小事関係なく、私たちは常に「鬼にならないか」と誘われる日々を過ごしているといえます。人と鬼双方に事情があることは作中で示されており巷でも作品の魅力によく挙げられてますよね。そんなんで鬼にも同情すべき点があるなぁと呑気に構えていたら、この劇場版で煉獄さんに「鬼の倫理」と「人の倫理」は明確に違うことを突きつけられたわけです。{/netabare}

映像と音楽が突出して良くて、あとは良くも悪くも少年JUMP的作品。これはTV本編の私の評価です。その基本的な考えは変わってないのだけれどもちょっとだけTV本編よりも評価高めどす。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 劇場にて 

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2020.11.15 追記

別に予言でもなかったのだがさっそくの教訓。

「お前も鬼にならないか?」 ⇒ 「はあいよろこんで~」

を地でいくNEWSが飛び込んできた。炭治郎の耳飾りのデザインを変更して某半島で配給するとのこと。長くなるので止めとく。



2020.11.01 初稿
2020.11.15 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/05/25
♥ : 65

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

煉獄さんの信念、勇気、責任感に感動!

この映画には良い意味で騙されました。

宣伝では、睡魔を武器とする鬼と闘う炭治郎の姿がしっかりと描かれていましたので、炭治郎が大活躍するのだろうと思っていました。

確かに炭治郎は大活躍しました。
でもそれ以上に、柱の煉獄さんが大きな大きな力を見せてくれました。
大きな大きな感動を与えてくれました。
煉獄さんの信念に感激です。

彼は汽車の乗客や仲間たちを誰一人死なせることなく、守り通しました。
体を張って守り抜きました。

確かに煉獄さんは柱の一人であり、炭治郎たちよりも強いのですが、強さだけであの行動はできません。
彼の信念、彼の勇気、彼の責任感があそこまでさせたのでしょう。


物語は、行方不明者が30人以上も発生している夜行汽車に鬼殺隊の煉獄、炭治郎、善逸、伊之助が乗り込みます。そして、彼らは睡魔に襲われます。

睡魔に襲われた際に見る夢は、とても懐かしく、とても暖かく、心地良い。二度と帰ってこない時代の夢でした。

私個人としては、あんなに暖かい夢を見せてくれる鬼がいたならば、その鬼を大好きになると思います。
あの下弦の鬼は、能力の使い方を誤らなければ、誰からも尊敬され、そして親しまれたでしょう。



ところで、この物語の途中で主要メンバーの心の景色が表現されます。
炭治郎の心の景色は、やはり思った通り澄んだ青空でした。
ウユニ塩湖のように美しい風景でした。

こんなに澄んだ心を持った炭治郎は、鬼を殺す仕事には向いていません。
それは炭治郎自身もわかっていることでしょう。


エンディングは、Lisa の『炎』 素晴らしい歌でした。
Lisaさんは作詞も手掛けます。今回は梶原由紀さんとの共同作詞ですが、
自分で作った歌詞なので、あれだけ感情がこもった歌声が表現できるのだと思います。そして、心がこもった歌声だからこそ、多くの人が感動するのでしょうね。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 57
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

一つ期待したいのです

<2020/11/3 初投稿>
昨日ようやく観に行けました。
原作未読。
テレビ版全26話は視聴済みです。

凄いですね。
ついこないだまで、今年日本で1番話題になった映像コンテンツは半沢直樹だろうなと思ってたのですが、あっさり上書きする勢い。

興行収入も3週目で既に150億円超え。
千と千尋の神隠しの300億円超えも現実味を帯び、どこまで行くかもうわからん感じです。

なぜこんなに売れたのか?
は自分にはよくわかりませんが良い作品であることは間違いないと思います。

ただ一つ期待したいな、と思ってることがありまして。
それは本作の爆発的なヒットでアニオタと非アニオタの垣根がなくなる、まではいかなくともかなり下がるのでは?という期待。

この20年くらいで、例えば「けいおん」ブームなどを経て垣根はかなり下がってきました。
それでもその垣根はまだまだ高さを保っています。
その証拠が深夜アニメ。
お子様向け作品を除くと今のアニメはほぼ100%ド深夜の放送です。

結局「アニメを好きな層は深夜でも見る視聴欲求が極端に強いマイノリティ」とテレビ局は認識してるのだと思います。

ところが本作の文字通り「空前」の大ブーム!
元々はどちらかというとアニオタ向けの深夜アニメ。
そんな本作が、老若男女小さなお子様/アニオタ・非アニオタ全ての層に受け入れられたという奇蹟。
この世の空気感まで変わってくれると嬉しいのですが。

と、ここまでは前置。
以下、本作鑑賞の感想です。

まず第一印象としては、テレビアニメ版見てるか、そこまでの原作を読んでないと十分楽しめない。
当たり前なことなのですが、人気が出過ぎて「いきなり観に行っても大丈夫じゃね?」と錯覚する人も出てきそうなので。
つまり予習は必要。

そして、映像美。
予想はしてましたが、それを超える美しさと迫力。
始まってすぐ、最初のシーンの映像で一気に飲み込まれてしまいました。
例えば「君の名は。」なども映像が至高レベルなのですが、それは「絵画」「フォト」としての美しさ、つまりそこだけ切り出して成立するような美しさなのではないでしょうか。
本作は「アニメ」としての美しさが際立っている。
それは動きの滑らかさや力強さ、迫力を伴った美しさだったり、背景であってもあくまでアニメの一部として調和した美しさだったり。
特に戦闘シーンは特筆もの・さぶいぼものです。

声優は実力と人気を兼ね備えたプロで固めてます。
特に今回は日野聡さんのよく響くテノールの力強さと突き抜け感が◎。
もちろんレギュラー三人組+禰豆子もさすが良い仕事をされている。
ややサプライズだったのは{netabare} 猗窩座の石田彰さん。{/netabare} やはりこの方はスペシャル・ワンですね。


そしてキャラクターと物語について、ですが
ここからはネタバレなので未視聴の方は開かないでください。

{netabare}
三人組+禰󠄀豆子、みんな活躍してました。

伊之助が存外とかっこよかった。
敢闘賞クラスの活躍
被り物が役に立ってよかったね。
女性ファンからしたら被り物脱いでほしいのかもしれないけど。

善逸は相変わらず煩いけど、笑えるしいざとなると強い。
いきなり霹靂一閃はびっくりしたけど、そっか。
こいつは寝てるから出せるのか 笑。
やはり結構好きなキャラ。

禰󠄀豆子は可愛らしさと面白さに磨きがかかった印象。
あと久しぶりに日本語喋ってた 笑。
善逸の夢の中だけど。
最後の朝日をバックに禰󠄀豆子を箱に詰めようと慌てる善逸ときょとんとする禰󠄀豆子には感動してる最中に笑かされました。
でもバトルでも頑張ってましたよね。
頭突きは笑ったけど。

主役の炭治郎。
無意識のイメージがまさかのウユニ塩湖!
ここでピアノでバライチを弾く炭治郎をつい思い浮かべたり。
花江さんはウユニ塩湖に縁があるんでしょうか。
と、それはさておき。
やはり本作の主役は炭治郎なんだな、とあらためて思いました。
その優しさや誠実さ、濁り一つない真っ直ぐさ。
当然、その強さも活躍ぶりも。
彼のキャラクターは本作の方向性の中心にあると思います。
どんなジャンルであれ良い作品というのは主役がそのキャラクターと行動で作品全体を支えてますよね。
その典型だと思います。

そして炎柱・煉獄杏寿郎さん。
本作では炭治郎超えましたねえ。
というか全部持っていきました。
強い、優しく、熱く、まさに燃えるようにかっこいい漢。
それでいて心のうちに葛藤も抱える。
最初の登場シーン、大量の駅弁を一口食べるごとに馬鹿でかい声で「美味い!」「美味い!」「美味い!」
「うみゃーうみゃー」言いながらキャットフード食べる仔猫動画を思い出しました 笑
声デカすぎてうるさかったけどw
普段、目がどこ見てるかわかんないし大丈夫かこの人?と思ってましたが、いざ鬼を前にするとカッコ良い。
加速装置みたいなものもついてるみたいだしw
猗窩座との一騎打ち痺れました。
ufotableの映像力が遺憾なく発揮されていたと思います。
煉獄パパのやさぐれてしまった理由が気になる。

猗窩座は出た瞬間「フリーザ様?」とか思ったけど、声が石田彰さんなもんだから「色っぽいフリーザ様」w
上弦の強さがよくわかりました。
彼は最後の炭治郎の叫びをどのように受け止めたのでしょうか?
たいして気にしてないのかな。

ストーリーは王道というかシンプルというかわかりやすいシナリオ。
元々が話をこねくり回して複雑にするタイプの作品ではないので、そこを期待してる方は残念な気持ちになったかも。{/netabare}
テレビアニメ版のレビューでも書きましたが「王道なストーリーを腕の良いクリエーターがしっかりと肉付け練り上げると素晴らしい作品になる」
それだと思います。


というわけで。
まだまだまだまだ勢いの止まらない本作。
本当に面白いし、未見で本作が気になってる方は、映画館に足を運んでみてはいかがでしょう。
あ、予習してから、ですよ。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 61

82.8 4 2020年度アニメランキング4位
劇場版 Fate/stay night [Heaven's Feel] III.spring song(アニメ映画)

2020年8月15日
★★★★★ 4.3 (247)
1298人が棚に入れました
「俺は、桜にとっての正義の味方になるって決めたから」少年は、真実からもう目を逸らさない。少女を救うために。自分の選んだ正義を貫くために。魔術師〈マスター〉と英霊〈サーヴァント〉が万能の願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。その戦いは歪んでいた。ひとりの少女――間桐 桜は犯した罪と共に、昏い闇に溺れてしまった。桜を守ると誓った少年・衛宮士郎は遠坂 凛と共闘し、「聖杯戦争」を終わらせるため、過酷な戦いに身を投じる。イリヤスフィール・フォン・アインツベルンは闘争の真実を知る者として、その運命と向き合い、間桐臓硯は桜を利用して己が悲願を叶えようとする。「だから──歯をくいしばれ、桜」激しい風に抗い、運命に挑む少年の願いは、少女に届くのか。終局を迎える「聖杯戦争」──。最後の戦いが、遂に幕を上げる。

声優・キャラクター
杉山紀彰、下屋則子、川澄綾子、植田佳奈、門脇舞以、伊藤美紀、中田譲治、津嘉山正種、浅川悠、稲田徹
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

聖杯なんかより衛宮家のご飯一杯の方が価値がある

原作ゲームは未プレイ。アニメは『~S/N』『~UBW』に『~Zero』などを視聴。
本三部作は第二章までは配信、録画視聴で追い掛け、この第三章のみ劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
“最終ルート”のクライマックスとあって、ファン向けの集大成。
聖杯の成り立ちなど、コンテンツの根幹が掘り下げられ、
“トゥルーエンド”に向け、各々、宿命を背負った者同士の
高密度な戦いが繰り広げられる。

私もセイバー、凛ルートはアニメでおさえたから……
位では、分らない部分も出て来たので(苦笑)
例えば{netabare}士郎の肉体と魂の状況{/netabare}などは、鑑賞後ググりましたw

本三部作だけでも概況は分るが、他ルートや外伝も押さえておけばおくほど、
回収される伏線にも反応でき、感動ポイントも多くなる。

何より、納得度が段違いだと思います。
要するに……(※割と核心的なネタバレ)
{netabare}一人を悪者にして世界を救うという聖杯の大義に対して、
罪を背負った、たった一人を救うために聖杯を破壊するというシナリオ。

セイバー&凛ルートにて、正義にしろ、悪にしろ、
人間が掲げる論理に完璧なものなどなく、皆、欠陥や矛盾を抱えつつ、
己が信念に基づいて戦っているという描写で散々思い知らされた後だと、
ならば、好いた女がどんなに罪で穢れていようとも、世界を敵に回して救済しよう
という選択に対して、より許容できる確率が上がると思います。

因みに本ルートも最後は……{netabare} 全員生き残ることはできません。
“トゥルーエンド”にしては苦いラストですが、
私はこれも選択の重みが感じられる幕引きとして好感できました。{/netabare}{/netabare}


【作画 5.0点】
戦闘シーンでは最高峰のアクション作画が連発。
これだけでも劇場に足を運ぶ価値がある。

エフェクトは黒を強調したダークな風味。
その描写にグロだけじゃない、登場人物の業を感じるのは、
三部作を通じて、ふとした日常で垣間見せる、
例えば、桜の言葉にできない、不幸感や劣等感、姉に対する嫉妬などを
繊細に描いた表情描写があったからこそ。

『Fate』と言えば、聖杯周辺で掲げられる大義と、
衛宮家の平凡だが、かけがえのない日常との対比が
テーマの深化に寄与しているが、
この『~[Heaven's Feel]』は衛宮家の生活感を出すカットが特に素晴らしい。

作画の力で、世界の救済より「おかえりなさい」が一層、光り輝く。


【キャラ 4.5点】
士郎&桜以外では、言峰綺礼の深掘りも目立った本作。

近頃は人様の不幸という蜜の味と、あとは激辛料理に溺れるw
アブナイ神父様との風評に流されがちな私でしたが、
彼もまた士郎の酔狂な正義に対峙し得る悪の権化として信念を見せ、
選択する人間の力強さを士郎との{netabare}拳VS拳の肉弾戦{/netabare}で体現してくれます。

聖杯戦争を通じて人の業を一番俯瞰して来たのは綺礼であることを、
思い出させてくれる活躍&解説ぶりでした♪

正義と悪の類型について、ここまで見事に比較論評されたら、
また『~Zero』の切嗣との争点辺りから、復習したくなってしまいますw


あとは、このルートのライダーはどうしちゃたんだ?って位カッコいいです♪


【声優 4.0点】
衛宮士郎役の杉山 紀彰さん、間桐桜役の下屋 則子さんが感情を振り切って、青春を熱演する傍ら。

“攻略ルート”から外れたセイバー役の川澄 綾子さんと遠坂凛役の植田 佳奈さんは、
抑え気味なボイスで冷静な演技。

これがまた渋くて良いです。
セイバーや凛ってこんなにクールビューティーだったんだなと。
他ルートにて、彼女たちをデレさせた士郎は大したモンですw


【音楽 4.5点】
音楽担当の梶浦 由記氏が“梶浦語”も駆使して戦いをアシスト。
本章でも要所で過去の主題歌がBGM化され作品を盛り上げる。
劇場で体感するシリーズ伝統の処刑用BGM“エミヤ”。シビれました。

梶浦氏の作詞・作曲により桜の心情を代弁して来た
Aimerの三部作・主題歌も、本作の「春はゆく」でファイナル。

振り返れば、当初3月公開予定だった本作が、コロナ禍で延期になる中、
主題歌だけは予定通りリリース……。

しんしんと降り積もる時の中、
この春、屈指のスプリングソングとして街中で歌だけが聞こえて来るという、
お預け状態が続いて来ましたが、夏になって、ようやく春が来ました。


【感想】
『Fate~』はアニメだけという私にとっては、
“黒桜の部屋”などネタでしか知らなかった黒桜が堪能できて感無量でしたw

集大成作でありながら、観たら関連作に改めて触れたくなる、
コンテンツ拡大力もヒシヒシと感じた本作。

私は帰宅後、『衛宮さんちの今日のごはん』に手を付けましたw
だって、本作を観たら……{netabare} 皆で「いただきます」する夢……見たくなるじゃん……。{/netabare}

投稿 : 2024/05/25
♥ : 28

フェイルン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

その日々は夢のように

まずは鑑賞している私の条件から。

・Fate/stay night アニメ作品鑑賞済み。(deen版・UBW・HF)
・Fate/stay night原作ゲーム全ENDプレイ済。
・Fate/stay night hollow ataraxia全ENDプレイ済。
・Fate/Zero全鑑賞済み。
・空の境界全章鑑賞済み。
・月姫プレイ済。
・魔法使いの夜プレイ済。
・FGOはほぼ未プレイ。
・アニメーション製作会社ufotableは「空の境界」からのファン


本作品はどんな人向けか。
いきなりFateも知らない人が観て分かるような作品では無いでしょう。
Fateの原作ゲームをプレイもしくは今までに出て来たFate/stay nightのアニメ作品を一通り観ないと分からないでしょう。
FGOは知らなくて良いでしょうが、Fate/stay nightについての知識がかなり必要です。
Fateへの愛が試される作品かもしれません。


2020/3/28公開予定だった本作品が、新型コロナウイルスによる延期やufotableの某事件により公開がどうなるか分からぬ状態でしたが、2020/08/15に公開されました。
ufotableについては空の境界の頃から応援しているアニメーション製作会社ですが、ここ最近は良くない事も耳に入り、今後について心配なところもありました。しかし、Fate/stay night Heaven's Feel 3部作の最終章である本作が無事に公開されて非常にうれしいです。しかも、2章同等にレベルの高いアニメーションは待っているかいがありました。
期待に胸を膨らませながら仕事は休みを取り、気合を入れて公開初日の舞台挨拶ライブビューイング回を観に行きました。

細かな内容はネタバレになるので省いた少し違う形でレビューします。


◎感想
まずは感無量。ほぼ非の打ち所がない。言い過ぎでしょうかね?
バトルは2章と同じくらいに激しく、内容は2章を超える密度の濃さです。出来ればもう1時間伸ばしても良いくらい。
観終えて、満足なのと同時にFate作品は終わったのかという喪失感が沸々と増していきます。
というのも、私にとってのFateはFate/stay nightが殆どを占めており、本作でアニメーションとしての映像化も一端終わりを迎え喪失感が半端ない。嗚呼、これで終わってしまったのかと寂しさがありますね。
その日々は夢のように……。
あと、Fateというのか、聖杯戦争とは何ぞや?というのも答えも本作のテーマであり、須藤監督の解釈だと思われますが、ゲームでここまで表現されていたかなと思えるくらいに分かりやすく味付けされていました。魅せたいシーンを逆算するような部分もあったので、見返すとまた新しく気がつく事も多いかも知れません。
何度か見返したくなる要素が結構あります。
セイバーもですが、ライダーも同じくらい好きなキャラクターなので、やっとカッコイイ所を見せてくれて痺れました。知っていても激アツですね。
作中では、空の境界や月姫からのゲストもいて、TYPE-MOONの原点的な作品もまたプレイしたくなりました。


◎三章を通して
須藤監督の桜に対する愛からの解釈、ufotableスタッフによる高いアニメーション技術と密度の濃い映像、梶浦由記さんの音楽にAimerさんの桜の各章の心境がそのまま反映されたかのような唄。
特に音楽関係では3部作通して梶浦由記さんとAimerさんの起用は実に良い方向に働いているように感じます。
不幸で日陰者な桜の雰囲気が音楽や唄により何倍にも表現されていて、3部作全体を通して暗めの雰囲気作りに大いに影響していましたのでは無いでしょうか。

◎舞台挨拶(ライブビューイング)より
舞台挨拶(ライブビューイング)では桜役の下屋さんが何度か泣いていました。
桜が今まで押さえていた気持ちを凛にぶつけるシーンはかなり辛かったそうです。あと15年ですかね。なかなか光の当たらなかった桜がやっと光が当たって感極まったのでしょうね。
セイバー役の川澄さんも泣いていました。セイバーオルタという今までとはある意味逆の立場で敵となり四郎達と戦うのが辛かったそうです。
ジョージさんは言峰綺礼のコスプレをしながら黒鍵を構えていて、声を出して笑えなかったので映画館で観ている皆さん辛そうでしたよ。

Aimerさんのライブは、とても気持ちがこもっていて価値がありました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 5
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ファン待望のサクラ編完結。映画館にサクラサク

※よく読み返してみたらちょっとしたネタバレが含まれていたため編集しなおしました。
もしもネタバレになってしまったかたいらっしゃいましたら深く謝罪致します。

フェイトのサクラ編を元にした劇場版3部作の最終章。
この劇場版は完全に話が連続しているので必ず前2編を見てからご覧ください。

サクラ編を劇場版でここまで力を入れて制作されたことに感謝したいですね。

なんていうんですかね、自分のボキャブラリーではこの感動を十分に表現することができません。

とにかくすべてにおいて完璧でしたよ。文句のつけようもないです。
バトルシーンも相変わらず見ごたえがありました。

前2編も一緒ですが、劇場がほぼ満員なのに、静寂に包まれていました。
それだけ皆さん集中して見ていたのでしょうね。年齢層も割と幅広く、家族連れ、高校生、大人、年配のかたとかなり幅広い支持を受けていることが良くわかりました。

{netabare}
サクラ編なので仕方ないですが、とにかく全編通して暗くてドロドロしていますね。
それだけ壮絶な人生を歩んでいるので仕方ないんですが。

サクラを守るために一生懸命な士郎がいいですね。
欲を言えば、もう少し幸せな日常シーンを入れて欲しかったとは思いますが
いい映画でした。

{/netabare}

フェイトが好きな方は是非3作ともご覧になってください。
フェイトが知らない方は是非、staynight、zero見てみてください。
この興奮と感動を多くの人に味わってほしい。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 33

80.0 5 2020年度アニメランキング5位
劇場版「SHIROBAKO」(アニメ映画)

2020年2月29日
★★★★☆ 3.9 (347)
1662人が棚に入れました
いつかアニメーション作品を一緒につくろうと、ひょうたん屋のドーナツで誓いを立てた上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後、5人はそれぞれアニメーション制作に携わる。宮森あおいは「えくそだすっ!」「第三飛行少女隊」の制作を経て、少しずつ夢へ近づき、「自分が本当にやりたいこと」を考え始めていた。一方、日々の仕事に葛藤を抱きながら過ごしていたあおいは、新企画の劇場用アニメーションを任され、「今の会社の状況で劇場用アニメーション制作を進められるのか?」と不安を感じる。はたして、劇場版アニメーションの納品は間に合うのか――!?

声優・キャラクター
木村珠莉、佳村はるか、千菅春香、髙野麻美、大和田仁美、佐倉綾音、山岡ゆり、葉山いくみ、米澤円、井澤詩織、田丸篤志、松風雅也、中原麻衣、吉野裕行、小林裕介、檜山修之、こぶしのぶゆき

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

いやフィクションだから絵空事には違いないんだけど・・・あと今一番気になっているのは「みゃーい」いらなくない?ってことで・・・←みゃーいはいらなくない!って話

2014年秋期~2015年冬期にかけて2クールに渡って放送された、あの“アニメを制作するアニメ”の『SHIROBAKO』が劇場アニメになって帰ってきた!
正直登場人物多くて前作のあらすじとか説明するのダルいんですけど(爆)これだけは言わせて欲しい!
『SHIROBAKO』の登場人物ってアニメ制作に携わる人々の最少人数しか描かれてないんですよ!
つまり1人たりとも欠けてはいけない人達しか描かれてないんです
だから登場人物多過ぎ・・・と退かずに真摯にこの作品のキャラ達と向き合って欲しいんですよ、僕は!


ムサニこと武蔵野アニメーションが制作した『第三少女飛行隊』の完結から3年4ヶ月後
とある事件がキッカケで下請け制作会社に逆戻りしてしまったムサニ
宮森あおいはムサニのラインプロデューサーに
安原絵麻はフリーランスの作画監督に
坂木しずかはローカルテレビのアニメ関連番組のリポーターに
藤堂美沙はスタジオカナブンのメインアニメーター格に
今井みどりは新人脚本家に、それぞれなっていた
成長しているようで、停滞してもいるよう・・・どこか惰性で日々を過ごしてしまっている面々だった
ところがある日、宮森は元ナベPこと渡辺から新しい仕事の話を持ちかけられる
「今のムサニで劇場をやるとしたら、どうする?」
背水の陣に立たされたムサニに舞い込んだ、あまりにも大きな劇場用アニメ映画制作の依頼
苦悩する宮森、ロロとミムジーの問いかけに、彼女は大きな決断をするのだった・・・


さて、僕は本当に『SHIROBAKO』という作品が好きでして、何故か?と問われれば【アニメが好きなのと同じくらいアニメを作ってる人達が好きだから!】です
アニメの制作者と、アニメを制作することに、最大限の愛を捧げたアニメが『SHIROBAKO』だからなんです
しかしそれと同時に、『SHIROBAKO』は僕が思うところの“理想のアニメ制作現場”とは違う、ともテレビシリーズの頃から思っていました
基本的に『SHIROBAKO』って制作進行やプロデューサーである宮森の目線で描かれるわけです
つまり現実の制作会社で言うところの、P.A.WORKSの堀川社長、或いは今回の劇場版で言えば相馬P、彼等が思い描く理想像というのが色濃く反映されている作品と言えます


じゃあけみかけが言う“理想のアニメ制作現場”ってどんなんだよ?wと思われたことでしょう
それはずばり、クリエイター目線で理想的な環境、です
これについては長くなってだいぶ『SHIROBAKO』から脱線してしまうので、また別の機会に語りたいと思いますが、奇しくもこの劇場版『SHIROBAKO』と並行して今期には『映像研』というテレビアニメが放送してるのが面白いですよね
ずばり、クリエイター目線で描かれているのが『映像研』なので、両者を比較していただくのが手っ取り早いので強くオススメします


ところで、『SHIROBAKO』には無駄な登場人物など一切登場しないと前述しましたが、今作で追加された新キャラ、みゃーいこと宮井楓
ぶっちゃけキャラ表が公開されてから実際に本編を観た後に至るまで、「正直コイツいらなくね?」って疑問がずっと頭の中を巡っていたんですよ、僕は
そんなこんなでずっとレビュを書けずに今日までいたんですが、3回ほど映画をリピートしてやっと分かりましたわ
『SHIROBAKO』は堀川社長、つまりラインプロデューサー目線だって前述しましたよね?
ラインプロデューサーって仕事は、クリエイターと製作委員会に挟まれるいわば中間管理職のような立場でして、残念ながら味方になってくれる同じ立場の人に乏しいんです
そこは今作の宮森も同じで、人を使う側の立場に立ったはいいが自分を助けてくれる人はいない・・・という一見して順風満帆でも実は天涯孤独の様な立場として描かれてるんです


で、そこでみゃーいの登場です
彼女はメーカープロデューサーのアシスタントで宮森と同性で同世代?としてより宮森に近い立場で接してくる
単純に気の合うビジネスパートナー、の様でもありますが、実はこの関係、凄く大事で“制作者”と“製作者”の隔たりを無くすためには彼女達の様な親密な友好関係が必要なんです
これ、堀川社長に対するインフィニットのナガッチョこと永谷さんの立場を体現したキャラってことなんですよ


知らん人の為に解説すると、インフィニットは「こーゆーアニメ作りませんか?これ原作にしてアニメ作りませんか?この人スタッフに連れてきたらどうですか?製作委員会はウチが集めますよ!」ってアニメ制作をプロデュースする会社です
アニメは作らない、でもこのインフィニットが無ければ世に出なかったアニメの数は無数
特にP.A.WORKSとは切っても切れない縁と言っても過言では無いでしょう


実際のところ、劇中でみゃーい自身が何か作品を生み出すキッカケを作ったり、孤軍奮闘する活躍を観せるワケではありません
でも宮森1人では到底辿り着けなかったであろう作品完成への道筋には、確かにみゃーいという人間の力が必要だったわけです
自分1人では無理だけど、誰かが助けてくれれば無理難題でも乗り越えられる
これが堀川社長が思うところの“アニメ制作の理想像”ってわけです


まあ肝心のナガッチョ自身の容姿は【げ~ぺ~う~の社長役のモデルにされてしまっているんですけどねwww】(爆オチ


ところで「明日に向かってえくそだす(逃亡)」から始まった『SHIROBAKO』が「明日に向かってヨーソロー(出発)」で終わるのって、エモくないですか?

投稿 : 2024/05/25
♥ : 18

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

アニメ制作の方々に感謝

あの感動から4年
ムサニはある制作上の出来事により
大きく会社環境の変化を余儀無くされていた。
そこへ舞い込んだ劇場版の話し
新たな戦いが始まる…

本作では4年後の劇場版作成に纏わる
エピソードを主に描いていて、前作は1クール作品の
制作を1クールで描いていたので、今回は劇場版は
劇場版でと言うスタンスなのかなと。

4年後なので、何よりも彼女たち5人の成長が
垣間見れる描写も有り、実際同様がむしゃらに努力をする姿から、落ち着き、拘り、そして体力も付き、
人によれば呑む量も増えてくる時期ですよね。
彼女たちの姿を観れた事が何よりです。

個人的にはTVシリーズの劇場版を観て
完結編で無ければいつも思う率直な感想は主に
TVシリーズの良さの再認識
劇場版の尺の短さ(もう少し観ていたい心情)
続きを観たい(出来ればTVシリーズの長い尺で)
この3点が絡んでくる中で如何に自分の満足度を
見つけられるか?と思っていつも観てます。
特に本作はTVシリーズが良過ぎたので…

基本的にこのシリーズは、普段お世話になっている
アニメ制作が題材なので今回も私は楽しく観賞出来ました。
やはりいつかは『七福神』を制作する
内容を観てみたいものですね。

これからも、なるべく劇場版は劇場に足を運んで
微力ですが制作の方々に貢献出来るようにと
思える事が出来る作品でした

投稿 : 2024/05/25
♥ : 43

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

アニメは「みんな」でつくるんだ!。私的2020年ベスト映画。

 クレイジーボーイこと水島監督はクレイジーな巨匠の領域へと旅立ってしまった…。ガルパンもやってるし、夢のシロバコ映画化!ってだけでも十二分に喜んだ。もうよっぽど酷くなければ満足、なんて駄目なファンに成り下がっていた私の頬をもろに宮森にぶっ叩かれたようだ…。


 信じがたい密度、とてつもない熱量、心の機微を描く上手さ、なによりも決して尽きることない愛、これが愛の映画でなんだと言うのか!。愛といっても純愛などという名の元に量産される愛でも、セカイの名の元に作られる視野狭すぎな愛でもない。


 それは脇役なんて作らない全てのキャラに対する愛、「みんな」でアニメショーンを作ることに対する愛、夢と情熱に対する愛、そしてみっともなく足掻き続けても明日を目指して生きることに対する愛。テレビ版が持っていた魅力が全てグレードアップした、とてつもない大傑作だよこれ!。


 ふ~、少々興奮しすぎた。いったん冷静になってネタバレにならない程度で中身の話を。


 ツカミから各キャラのその後を説明的でなく説明する件も良かったが、今回は本当に枷の重要性を再認識した。基本的な構成はテレビ版とそんな変わらないが、今回のほうが圧倒的に枷が重い。だからこそ宮森が決意する瞬間も、その後の展開も熱すぎる!。


 熱すぎて正直置いてかられる瞬間も正直あったけど、熱いだけじゃなく繊細な機微を描いた小技も見事だからちゃんとメリハリがついてる(まさか遠藤さんの奥様に泣かされるとは…)。


 そしてなによりアニメは「みんな」で作ってることをこんなに感じたことはない。膨大なキャラが出てるけど誰一人適当な脇役でもモブでもない。何故ならばアニメには「みんな」が関わっているのだから!。


 設定だけのようなキャラも、話の上での都合なキャラもない、「みんな」生きてる存在なんだよ!、そんな監督の想いがビンビン伝わってくるほどにキャラクターに対する愛がそれぞれのエピソードをみんな輝かせている(個人的には、指導する側にまわったみーちゃんのエピソードがツボ)。え、この映画って3時間くらいあったっけ?ってくらいボリュームを感じたのに、全然ダラダラしてないとか信じられぬ。



エピローグ

宮森、ロロ、ミムジーが夜道を行く

「みんな」の想い

なにより監督の想い

それらと共に歩いてきた者なら三人の会話に応えざるをえない。

「届くよ、きっと」


二回目鑑賞後


見返すと、終盤の展開は作中作品についての話だけど、本当はこの作品自体で作ってる時の状況をそのまんま盛り込んだようなものなんじゃないかなぁ~と思わざるをえない。


そうじゃなきゃ3日前納品とかにはならないし、ラストの作中内作品におけるアクションの凄まじさはありえないだろう。メタとは違うが、こういう形で現実と二次元の関係が他と明らかに違うのはプリキュアぐらいしかないと思ってたが…。


EDで各キャラの次々に映っていく中、もう恍惚としか言いようがない幸せが心を満たす。膨大なキャラ、その全てが愛おしいほどに肯定的に生きている。それがもたらす効果は、創造されたもう1つ世界、あるいは創造力そのものに対する大いなる肯定。世界を悲観するのは簡単だ、しかしそれでも肯定する真の強さを見た。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 48

78.9 6 2020年度アニメランキング6位
この世界の(さらにいくつもの)片隅に(アニメ映画)

2019年12月20日
★★★★★ 4.3 (99)
636人が棚に入れました
ここではひとりぼっち、と思ってた。広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる――。

声優・キャラクター
のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山茂、新谷真弓、花澤香菜、澁谷天外
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

改めて冬から語り始める戦時下の日常

原作コミックは未読。

【物語 5.0点】
より文芸的に、より普遍的に。

すずさんの半生描写を通じ、戦時下でも語っても良い日常を確立した前作に、
すずとリンの関係シーンの追加等により、従来シーンの位置付けも新調された“完全新作”に。

すずさんが人として、秘密を持った女として、
立場について葛藤するなど、心情を掘り下げることにより、
人間にとって居場所とは何か?を問うなどテーマがさらに普遍化。

戦後の広島県が……{netabare}大型台風被害に見舞われるシーン追加による
本作公開年、同じく災害に苦しんだ現代と戦中の庶民感情の共有も◎。{/netabare}

戦時中という時代設定云々を越えて、語り継がれる名作が新生し深化。


【作画 5.0点】
作品リズムを変化させる追加カットの妙。

前作は時代ドキュメンタリー風の演出に、すずさんの日常を乗せたテンポ重視の構成。
一転、本作追加シーンでは、例えばリンさんがすずさんに語る場面でもゆったりとした時間が流れる。

2時間半越えの長尺以上に、緩急により醸し出される大作感。

あとは、{netabare}花見のシーン。満開の桜の木with秘密を語り合う女二人。{/netabare}美しかったです。


【声優 4.5点】
俳優でも声優として、しっかり仕事をさせる情熱。

主人公すず役・のんさん。本作で鍵となるリン役の岩井 七世さん。
共にいわゆる“ちゃんとした声優”ではないが、
役者として持っている演技力が追加シーンでも、しっかりと引き出されている。
結局、専業声優であろうがなかろうが、好演を引き出すのはスタッフ次第。

前作から周作役・細谷 佳正さんの“地元”広島弁の包容力も魅力的だったが、
本作ではCV.花澤 香菜さんの九州弁も追加され、声優ファンにとっても聴き所あり。



【音楽 5.0点】
音響パワーアップ。

元々、庶民の心情にも寄り添う繊細な弦楽や静かなボーカル曲が、
凡百の仰々しい金管爆音とは一線を画していた劇伴。
故に、戦争があろうが無かろうが変わらぬ蝉の声など、環境音もよく拾っていた前作。

音響技術が改善されたという本作では、人物の声などもさらにクリアに。
実はこの“完全版”で一番の評価ポイントは音響。


【キャラ 5.0点】
戦時中……この非常時だからって、夫婦喧嘩したって、営んだって何が悪い?
強烈な日常物のキャラ立てが“厳粛な戦時中ドラマ”の呪縛を克服していた前作。

加えて本作にて披露される、
{netabare}夫とのカンケーを問い質すべく竹槍で“武装”した、すずさんの遊郭“討ち入り”シーン。{/netabare}
時代に翻弄されるだけでなく、私事が時代を凌駕するのもまた庶民。勇猛果敢なり。

メインキャラとしてリンさんが確立される等、群像劇化が進行しても、
すずさんは薄まらないどころか、さらに深みを増す。


【感想】
季節としての夏は好きな私。けれど8月、特に上旬。
あの戦争を回顧しながら、変哲のない戦時下の日常など軽々に口にできない重苦しいムードの中。
“歴史戦”に熱中する輩が、戦時中の先人たちの人生経験の中から、
都合の良い体験や証言だけをピックアップ或いは創作して、主義主張を押し通し合う。
そして「8月15日」を過ぎたら「終わった終わった」とばかりに嘘みたいに静まりかえる。あの節操の無さ。
ひと夏過ぎるごとに、イデオロギーに引き千切られたあの時代の人々が、
現実世界から乖離し神話世界の住人になっていく……。

そんな8月が私は大嫌いです。


前作は相当ロングランした後での劇場鑑賞だったので気が付きませんでしたが、前作は11月公開。
そして本作の封切りは12月20日。
作中の物語自体も12月から始まる。

この冬スタートの理由について片渕 須直監督は
「~第2次世界大戦を描いた作品は、どうしても8月のものと言われがちです。
でも、むしろそうではない、8月のものではないと考えてこの映画を推し進めていきました。
戦争、それ以前の歴史は、ずっと続いている毎日、と捉えてもらいたかった」
と語っていますが、

理由はどうあれ私にとっては、この8月と距離を取る制作方針が心地良かったです。
“終戦”しても話をおしまいにしない戦時中のドラマとして一目置いていた前作から、
私の好感度はさらに高まりました。


前作で掘り起こした戦時中の人々の人間性。
本作では、その人間の内面により深く踏み込んでいく。
戦争ドラマより人間ドラマとして秀逸になった本作。


要するに前作より本作の方が私のお気に入りだということです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 26

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

二つを繋ぎあわせる手。

日本人であることに幸福を感じることが現代で一体どれだけあろうか?。そんな稀有な存在が今ここにある。


某ディズニー二大タイトルは、世界中どこでも見れるし、両手を挙げて褒められる物でもない。そんなところに人が殺到している中で片隅にひっそりと咲いている奇跡のような花が一輪。この美と香りに酔いしれないのは国家的損失である。


今更何を言うか!、な傑作という言葉すらもの足りぬ「この世界の片隅に」、それが更にパワーアップしたらどうなるか?。そりゃもう恐ろしい爆発力でエンディングロールでも泣き続けるという初体験。「この世界の片隅に」のレビューでは私なんかより山田玲二先生が素晴らしいのをやってるので書きません。ただ、この尊さと、愛おしさを味わって頂きたいとしか私は言えない。


どうしようもなくてやるせない大いなる痛み、それでも生きていく大いなる愛。失われてしまった物と、失われなかった物のために。二つを繋ぎあわせる手がある限り。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 24

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

視点を変え長尺為す、もう一つの片隅に、、、

特別先行版に更に3シーン程追加されたそうで上映時間は168分!

視点を変えたことにより大幹に変化を与え、
加えられた小枝により各人を深く掘り下げ、
個々に纏わる事象も依り際立たせる、

全ての女性達に光当たる演出、
男性陣の想いもしっかり描写、
先暖かな終幕も心に滲みる。

情背景の描写は圧巻! 幾度か震えしたる、
リアルを追究しながらもリアル志向と相違、
昨今巷溢る端的実写模写との道違歴然成り、

静から動へと、僅音にも拘る音響に痺れる、

素晴らしいアニメーション作品でした。



----------------
2019年11月4日
東京国際映画祭にて「特別先行版」を鑑賞


冒頭から感極まり、

ずーっと、

ずーっと、

泣きながら観ていた(´;ω;`)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 13

77.3 7 2020年度アニメランキング7位
世界一初恋~プロポーズ編~(アニメ映画)

2020年2月5日
★★★★★ 4.2 (11)
63人が棚に入れました
出版社・丸川書店エメラルド編集部に勤める少女漫画担当の編集者・小野寺律は、「初恋の人」で「元恋人」でもある編集長・高野政宗の部下として、恋に仕事に毎日少しずつ成長中。そんなある日、結婚式を挙げた他部署の社員から、律を含めたエメラルド編集部全員が二次会へと招待されたのだが…?編集者が青ざめるほどちょこっとリアルな出版業界ラブ☆

声優・キャラクター
近藤隆、小西克幸、立花慎之介、中村悠一、岡本信彦、前野智昭、堀内賢雄、蒼月昇

77.1 8 2020年度アニメランキング8位
劇場版 GのレコンギスタⅡ ベルリ 撃進(アニメ映画)

2020年2月21日
★★★★★ 4.1 (14)
74人が棚に入れました
ベルリたち救出のため出撃したデレンセンが海賊部隊のメガファウナを急襲。地球周回軌道上での宇宙戦闘を強いられたベルリは、恩師との対決とは気づかずにG-セルフで迎撃してしまう。一方、キャピタル・アーミィはG-セルフとラライヤ・マンディの身柄も要求し、エルフ・ブルックのマスク部隊に続き、ベッカーのウーシァ隊を出撃させる。その背後にはスコード教のタブーを無視するほどの危機――宇宙からの脅威の存在があった。

声優・キャラクター
石井マーク、嶋村侑、寿美菜子、佐藤拓也、逢坂良太、高垣彩陽、福井裕佳梨、鷄冠井美智子、小山剛志、姫野惠二
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

注目すべきはキャラクター。思い切ってバトルシーンを削っても良い気がしてきた…

2020年2月公開のアニメ映画。「劇場版 GのレコンギスタⅠ 行け!コアファイター」続編です。
TV版の6話から11話までのストーリーを再構成しています。
時期が時期なだけに、他の映画作品と同様に興行収入に響きそうで心配ですね…。

今回はコンパクトに纏めたというより、余韻を楽しみたいシーンを削ってしまったように感じた所があって少し残念でした。
音楽の使い方が相変わらず忙しなくてあまり好みではないのも勿体ない。
ベルリとアイーダの心理を明確にした構成はⅠから一貫しており、メインキャラクターに注目すると楽しめると思います。


【戦闘シーンについて】
{netabare}今回は劇場版を見てからTV版を復習してみたのですが、戦闘回数が多く尺が圧迫されていて、ストーリー展開は駆け足に感じてしまいました。……というか、身も蓋もないけどバトルシーンはもっと削っても良いような…
純粋にSF冒険譚としての方が、個人的には面白いし興味深い。会話シーンやドラマパートがもっと見たいなあ。
船の修理にモビルスーツを使うのはすごく好きです。ハッパさんに誰も頭が上がらないのも良い。

TV版の再構成だからかな?大画面で見るとカメラが近くて戦闘シーンが見にくかったです。
それから、デレンセン戦の台詞はテレビの方が好き。わかりやすさ優先ならこれで良いのだとは思いますが。
Gセルフ、映画で丁寧に描き直されると瞳の内部構造の緻密さもあって強すぎて恐ろしい…敵に同情したくなるほどえげつない活躍ぶりでした。
改めてマスク大尉は可哀想やな(汗) {/netabare}


【ストーリーについて】
今作は起承転結の「承」に当たるため、どんどんスケールが広がってきていますね。展開がハイペースでついていくのが大変…。
ですがキャラクター心理に関しての追加シーンを的確に入れ込み、アイーダからベルリへの感情を若干変更しています。
{netabare}
まず軍拡の様子やアーミィのきな臭さはわかりやすくなっています。
地上の風景の美しさや一般の人たちの生活が見られるのも良い。日常と軍事との境界の曖昧さが描かれるのがとても好きです。こういうシーンは削りませんよね、富野監督は。TV版の時から世界名作劇場みたいな雰囲気が好きだったので私は嬉しい。

「祟り」という言葉はTV版にもあったのですが、周囲の反応が少し違っていましたね。
TV版だと艦長が嫌そうな顔をするんですけど、劇場版だとそのシーンは無くなりました。ベルリやノレドの言葉に「祟りを止めないといけないでしょ」というような答え方に変更されています。
アメリア側の人間(この発言は確かアイーダだったかな…?)も、事態が事態だし呉越同舟の状況なので余計な波風を立てません。艦内の雰囲気は少し穏やかになりました。 {/netabare}


【キャラクターについて】
この時期になると、ベルリとアイーダは少し視野を広げ、自分で考えるようになってきます。
{netabare}
アイーダが強力なメカに対して「確かに助けられたけど、こんなものがあって良いのかしら」と言うようなシーンが2回あります。技術の発展が必ずしも正しいわけではないのかも?と考え始めるのですね。
アイーダにはさらに自分自身を省みるシーンも増え、周りに目を向け始めるのがより強く感じられました。
恩師を殺したベルリの姿を目にしたことでアイーダの心理にも変化が生じ、TV版に比べてベルリへの態度が棘の無いものになっていたり、周囲からの要求と現在の自分の乖離を自覚しているらしいのもわかってきます。

ベルリの心理もわかりやすくなりました。
ベルリは器用な割に頼まれたら断らないし、結構貧乏くじ引かされてるんですよね…。
デレンセンを殺してしまった次の朝には仕事に追われてベルリは考える暇もない。曲がりなりにも軍事行動中のメガファウナで、ベルリはGセルフのパイロットとして働かざるを得ない。
その後にケルベスとベルリの会話が追加され、状況を整理すると共に二人の心理をよく描いています。このシーンではキャピタル・アーミィに対するケルベスの反発も強く感じられました。
母子関係にもきちんと尺が割かれていて好き。母の愛情の強さとスコード教を深く信じるが故の脆さを知ったことで、ベルリは精神的に一歩自立し、自分の意志でメガファウナに残ることを選ぶのですね。

6話分一気に見られるせいもあり、ラライヤが段々回復しているのもTV版より解りやすくなっています。
マスクの情けなさは強調されていますが、都合良くアーミィに使われてしまっているのを再認識できました。TV版から大きく変更されたわけではないのですが、不思議と飲み込みやすくなっています。 {/netabare}


今回は6話分の内容を詰めてありストーリー展開にはあまり変更は無いので、どうしても第1部より切り張り感がありました。
反面、心理描写の追加はとても良かったです。
第3部以降はもう少し余裕も出ると思いますし、新規パートが多いと聞いているので、もう少しすっきり纏めてくれることを期待しています。(2020.3.22)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

真意を疑るよう感覚へ訴えかける物語運びが絶妙

Gのレコンギスタを再構成した劇場版の第2部。
凡そ6話から11話までの再構成版となってます。

内情も思想もわかっていないまま、すっかり海賊部隊の一部としてモビルスーツの操縦桿を握ったベルリ・ゼナムが、一応の成長をする一幕です。
そもそもスコード教の教えには従順であったという設定だったと思うのですが、なんだかよくわからないうちに敵組織の一員のようになってしまっています。
本作は、そんな彼をわざわざ助けに来たキャピタルの軍勢と、意思疎通のすれ違いから戦闘してしまうシーンで始まります。

基本的な流れは放映版を踏襲しているそうですが、格段にわかりやすくなっています。
放映版視聴時は宇宙に上がったあたりにはもうついていけなくなっていた記憶があったので、対立構造がWikipedia見なくてもわかる分、良くなっていると思いました。
ただ、それであっても、モビルスーツで殺し合ってるはずの対立する部隊の人物が、遊びにでも来たかのように訪れてきたりしていて、戦争しているのか違うのかよくわからなくなります。
銃を向けあっているのに、一方で顔を合わせると笑顔で会話する、理解した上で視聴すると結構、妙な世界観の作品だと思いました。
そういう意味では、放映版は富野節で霧に隠れているので、放映版の方が雰囲気で楽しめるところがあるかもしれません。

放映版からですが、テンポはよくて約1時間30分はあっという間でした。
キャピタル・アーミィを設立し、宙を観測することを禁止したその真意を疑るよう、感覚へ訴えかける物語運びが絶妙で、続きが見たくなります。
放映版は一度見ていますが、前作の感想でも書いた通り、内容を覚えていないので、新鮮な気持ちで楽しめそうです。
放映版で挫折した方、あるいは、見たけど内容を忘れた方は多いと思うので、劇場版での再視聴をおすすめします。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 2

75.8 9 2020年度アニメランキング9位
映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(アニメ映画)

2020年9月11日
★★★★☆ 4.0 (21)
106人が棚に入れました
自由なラクガキをエネルギー源として空に浮かぶ王国、その名も「ラクガキングダム」。しかし、時代の流れか、近年地上でラクガキを目にすることも減り、王国はエネルギー不足により滅びようとしていた…。「ラクガキングダム」の王国軍は国の命運をかけて、地上への進撃を開始!! その下にはなんと、しんのすけたちが暮らす春日部が!! 描いたものが動き出す、王国の秘宝「ミラクルクレヨン」を与えられし勇者は…まさかの“ちょ~お気楽5歳児”野原しんのすけ!! 果たしてしんのすけは、ほほ~いと描いたラクガキたちと世界をお助けできるのか!?

声優・キャラクター
小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ、神谷浩史、山田裕貴、りんごちゃん、きゃりーぱみゅぱみゅ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

やっちゃえば~、ラクガキは春日部を救うぞぅ

 劇場で初めて令和になってから、クレヨンしんちゃんの映画見たです。クレしん映画において、やたらトラブルに巻き込芽れる春日部だなぁです。クレしんにしては、音楽も何だか凝った感じがしたです。

 空に浮かぶラクガキングダムが崩壊の危機にさらされていていです。ラクガキングダムの防衛大臣の陰謀???により、「ウキウキかきかき作戦」が決行されるのを防ぐため、ミラクルクレヨンが宮廷画家により、勇者として野原しんのすけに託されることにです。
 制圧された春日部を奪還するため、しんのすけや、ミラクルクレヨンから生まれた、ブリーフ、ななこお姉さん???(ニセななこ)、ぶりぶりざえもんと共に、ユウマも途中加えて立ち向かうお話だったです。
 ラクガキがテーマなだけに、しんのすけがラクガキで奇跡を起こす展開は見所です。

 ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもんが、しんのすけに引けを取らず個性的だったです。
 終盤、自分の身を顧みないブリーフ、ニセななこの決意行動は、胸を打たれるです。
 ぶりぶりざえもんも相変わらずで、お調子者で一瞬敵に寝返る行動もとるけど、良いところもあったり、大活躍するので必見です。

 前半、可笑しな乗り物に乗った、変な格好をした兵士たちが、春日部を襲撃するところは、非常識と非現実すぎる行動で、クレしんえいがらしかったです。

 やはり、相変わらずなしんのすけが、全体的にらしさを占めている印象がしたです。ミラクルクレヨンをどう最後使っていくのか?しんのすけも含めて、ユウマもやさしさを見せてくれたと思ったです。

 一番印象に残ったのは、終盤のラクガキから出てきたものもそうですが、前半の春日部に戻ろうとする、しんのすけ、ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもんの行動、ユウマとの出会いと行動を共にする展開だったです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 5

ハルヒ激love35 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

下手したら将来、令和最高傑作と言われかねない、歴代でもtop10には入れる傑作

ハイグレ~ジャングルまではビデオやらDVD、オトナ帝国からず〜っと毎年足を運んでいますが、今作は久々にきましたね〜。
初めてですね、”クレヨンしんちゃん”というタイトルを回収した作品は。ニセななこお姉さんは間違いなくヒロインです。最後は涙無しではいられなかったです。
あとぶりぶりざえもんのカッコ良さ、これはブタのヒヅメ以来じゃないでしょうか。救いのヒーローの名は伊達じゃないです。
サブキャラの無駄のなさや、子ども達が頑張っているのに対しての大人達の反応、風刺的な描写もあり大人向けとしても好評価です。
いやほんと、声優とか時代とかじゃないんですよ。
声優が交代したから、昔の作品の方が出来が良かったとかでスルーされてる方々、勿体ないですよ〜

投稿 : 2024/05/25
♥ : 4
ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まさにタイトル回収作品

シリーズ28作目。

「クレヨンしんちゃん」というタイトルを回収するかのような作品。素晴らしい作品だった。
{netabare}
不意打ちだった。ここ7年は橋本監督と高橋監督が交互に手掛けていて、この2人によって当時暗黒期だったしんちゃん映画をここまで立て直してきたわけだけど、ついに今年新しい監督に代わるということで(しかも順番的には高橋監督で私は高橋監督の作品が好きだったため)、正直期待せずに劇場へ足を運んだ。
それがまさかこんなロボとーちゃん以来の感動作を見せられるとは思いもよらなかった。

作画も綺麗で良く動き、音楽にもこだわりを感じた。そして何より脚本がかなりの仕上がりだった。
前半から伏線が散りばめられ、物語の終わりにかけて回収していく様が気持ちいい。
今回は野原一家やカスカベ防衛隊すらほとんど活躍しないという珍しい作品ではあったが、過去作で見たことがあるようなシーンも多く、過去作へのリスペクトを感じた。
しかも毎度おなじみになっていたねんどアニメをOPでなくEDにもってくるなど、既存のルールに囚われない挑戦的なところも兼ね備えていた点も評価したい。

おなじみキャラを封印したとは言え、しんちゃんの孤独な戦いかと言えばそうではなく、落書きによって生み出されたブリーフ、ななこ、ぶりぶりざえもんがそれぞれ魅力を持って描かれ、終盤の演出にそれぞれが一役買っている。

前半は冒険もので、終盤はしんちゃん映画としては珍しい殺伐とした画を持ってきていたが、最後は「カンフーボーイズ」や「B級グルメ」のような歌と映像によって突き抜け、そのカタルシスを表現している。

おそらくぶりぶりざえもんが劇場でしゃべったのは「ブタのヒヅメ」以来だと思うので、それも感慨深いものを感じた。ぶりぶりざえもんの人間臭さが相変わらず良かった。
誰しも生きていれば長いものに巻かれなければいけない瞬間ってあると思うんだけど、そんなぶりぶりざえもんが悩みながらも最後には良い行いをするというところに私たちはロックを感じたり、勇気をもらえたりするのではなかろうか。

京極監督、最初なめててすみませんでした。お見逸れしました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

75.4 10 2020年度アニメランキング10位
PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR(アニメ映画)

2020年3月27日
★★★★☆ 3.8 (223)
1335人が棚に入れました
2120年、東京。シビュラシステムによって管理された社会で、刑事課一係を率いて事件を解決してきた二人の監視官、慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、事件を捜査していく渦中で真実と正義を巡り決裂してしまう。それらの事件の裏で暗躍する梓澤廣一は、ついに刑事課そのものを標的に定め、公安局ビルを襲撃する。かつてない窮地に立たされた公安局刑事課一係。灼と炯の信義を問う、最後の事件が起きる――

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、櫻井孝宏、大塚明夫、諏訪部順一、名塚佳織、沢城みゆき、佐倉綾音、日髙のり子、宮野真守、中博史、日笠陽子、森川智之、堀内賢雄、矢作紗友里、関智一、野島健児、東地宏樹、伊藤静、本田貴子、花澤香菜

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

き、汚い!。流石サイコパス汚い。

フェイトがおじゃんになっちゃったので、急遽予定変更してサイコパスを鑑賞。正直3期は微妙だったし、アマプラで見れるから…と期待はしてなかったのですが、面白れぇ…じゃねぇかこれ。


しかし、やはり汚い!。詳しくはネタバレ注意なんで言えないですが、こんな終わらせ方は汚い!。でも…、好きってなってしまうのが罪深い。そもそもディケイドじゃあるまいし、続きは劇場で!はないと思いますが、ソフトが売れない今は色々厳しいのかも。


正直言って作画は劇場版に相応しい超豪華仕様じゃ全くありません。テレビのクライマックスな2、3話を劇場にかけた感じです。しかし、微妙だった3期が見違えるほどに面白い!。終わらせ方はともかく、一本の映画として充分ストーリー、キャラが魅力的だから善し!。正直私は全シーン作画がしっかりしてないと許せないタイプではないので。作画の粗捜しはつまらないことです。


とにかく、今回は梓澤の悪役としての魅力が全体にしっかり芯を通してるし、目標もハッキリしているアクションサスペンスとしてかっちり構成されてます。キャラの台詞がいちいちキマっててどこか箴言じみている味わいがあるのも善し。


多くのキャラ、多くの事態が入っていますがゴチャゴチャにならず2時間15分くらいが凄く充実しています(充実し過ぎて久々に膀胱がヤバイ…って状態に)。


終盤の事件の収拾が少々軽かったり、そもそもあの終わり方…とか言いたいこともあるが、3期でガッカリした人も充分見る価値あります。


最後に、梓澤と相棒のハッカーのおデブちゃんの関係がめちゃ良い!。彼等の活躍をもっとテレビ…とは今更言ってもせんないこと。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 28
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

シビュラの帰還

AmazonPrimeVideoの編集版を視聴。

【物語 3.5点】
『~3』としては大風呂敷を畳むも、
『PSYCHO-PASS』としての論点は、語る土台を整えるに留まる。
とは言え、刑事ドラマとしてシリーズが脱線、霧散という最悪の事態は避けられた。


道中、シリーズの象徴である“ドミネーター”の出番を制限してまで、
アクションや人質に交渉、脅迫、“狐”やブラフなども飛び交う、
刑事ドラマSPらしいお祭り騒ぎを繰り広げた時は、
興奮はするけど、もう『PSYCHO-PASS』は戻って来ないのでは?
とワクワクとイライラが入り混じった複雑な気持ちにさせられましたが、
最後はちゃんと『PSYCHO-PASS』として着地。


結局、{netabare}いつも通りのシビュラ圧勝でしたw{/netabare}


【作画 4.5点】
各組織の“代表選手”が激突する格闘戦、銃撃戦、ドローン戦などが
よく動く作画でド派手に演出されている。

もっとも、私のベストバトルは……{netabare}“ダンゴムシ”無双ですが。{/netabare}


描き込まれた背景美術に重ねられた季節の描写も頑張っていた本作。
降り止まない雨ばかりでなく、
雪降りしきる真っ暗な冬から、やがてやって来る花吹雪舞う新しい春へ……。
春公開の意外なタイムリー性を見せる。


霜月課長の変顔もあるよw


【キャラ 4.0点】
華やか。舞台を公安局とその周辺にしぼることで、
現状のオールスター戦が実現。


『~3』の新主人公キャラの灼(あらた)については、
シビュラとの関係性も含めて立ち位置が明確になり、
罪を憎んで人は執行せず裁きにかけるという性格が改めて強調。


今後、旧主人公の朱の構想や、狡噛の価値観と、
どう関わり、対峙していくかが、
『~3』が壮大な伏線だったか、脱線だったか、
決定付けるポイントになると思います。


梓澤(あずさわ)は、“紙の本”で読書する中々のボスキャラでしたが、
1期の例のあの方には、やはり及ばず……。

むしろ、スタッフさんたちもそれは承知の上で、
及ばない様を、シナリオで生かす道を模索した感があります。


【声優 4.0点】
主要キャスト陣らが引き続き安定。
ブラフ合戦が醍醐味になるのも役者の好演あってこそ。

天才クラッカー・小畑千夜役を演じた矢作 紗友里さんの悪態と、
受け流す梓澤廣一役の堀内 賢雄さんの掛け合いも程よい毒スパイス。

CV野沢 由香里さんとCV斧 アツシさん。
ベテラン勢が演じた“ピースブレイカー”残党も
“亡霊”として渋味が効いてグッド。


【音楽 4.5点】
劇伴は『~3』からのメインテーマが要所で活躍。
新旧キャラが“肉体言語”で会話するシーンでは、
旧メインテーマの旋律もアレンジされ対決を盛り上げる。

OPはWho-ya Extended「Synthetic Sympathy」
雨が降り止まない首都の闇をハイスピードで駆け抜ける快作。

EDはCö shu Nie「red strand」
変拍子も交えて歪んだ世界をかいくぐり意志を貫き通す。


なんだかんだ『~3』の一番の収穫は新OP&ED主題歌体制の確立。
特にWho-yaの抜擢は大きかったと思います。


【感想】
どこぞの中央銀行が利下げした、統計発表がどうだった。
テロが起きた、選挙結果が意外だった……。

現代の市場取引は、世界情勢などにも反応して、
自動的に売買を即断するアルゴリズムによって、
超高速マネーゲーム化している……。

とすると仮に市況を一変させる出来事を操作、創造できるとしたら、
これはもはや大きすぎて摘発されないインサイダー取引だな……。

本作を視聴していて真っ先にこの着想を思い出しました。


過度な刑事ドラマ路線傾倒への懸念はひとまず払拭されましたが、
22世紀が舞台のSFとして未来を見せてくれたかと言えば、
扱われた問題は、引き続き21世紀的だったと思います。

ビブロストとの戦い自体……
{netabare}シビュラ開発過程で残った過去の問題の精算でしたし。{/netabare}


さらにここに来て、朱が、{netabare}法による人とシステムの保護を提唱し出した件。

そう言えば、そもそも法治主義が何故崩壊したのか。
そこからシビュラシステムがどう確立されたのかについては、
語られていないことも多い印象。

もしも朱が法治主義の復活を目論むならば、
今後の物語は多分に温故知新の様相を呈していくと思われます。{/netabare}


因みに劇場公開版の方は、EDクレジット後に今後の展開も匂わせる映像が追加されているとか……。
流石に新型コロナ感染リスクを冒して劇場に遠征する勇気はないですね……。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 27
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

亡霊たちの宴、終幕。

ProductionI.G制作、SF×サスペンス。

乱雑する全ての点が線となり集約され、
ここに亡霊たちの宴が幕を閉じる。
人物を動かすあらゆる動機が露呈された。
シリーズ最高評価点を贈りたい。

正義を巡り決裂した灼と炯・イグナトフ。
{netabare}暗躍するインスペクターが公安局を襲撃する。
仕組まれた自動車事故、微笑むコングレスマン。{/netabare}
かつてない窮地に立たされる公安局刑事課一係。
占拠された公安局ビルでダイハードが始まる。

シビュラシステムの盲点が照準である。
複雑に入り組んだ事件の真相は、
それぞれが抱く正義と信念をもとに、
その分岐点が交錯し始めるのだ。
{netabare}ビフロストの真の目的とは!?
一介の駒である梓澤のその真意とは!?
そして法斑静火の行動原理、
圧巻の映像描写は健在で臨場感が凄い。{/netabare}

シビュラはまだ進化の途上であるのだ。
高度に拡張した完璧なシステムの構築に、
膨大な外部情報だけでは測れないもの、
亡霊とは設計図から零れ落ちたバグである。

灼が語るこの言葉こそ物語の本質である。
{netabare}「ドミネーターには引き金が付いている」
つまり責任はまだ「人間側」にあるのだ。{/netabare}

躊躇する存在こそ人間なのだろう。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 41

74.4 11 2020年度アニメランキング11位
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング(アニメ映画)

2019年12月20日
★★★★☆ 3.9 (110)
724人が棚に入れました
雪が降り続く冬のある夜。ヒーロー社会を壊そうと目論む敵<ヴィラン>・死柄木弔たちが、密かに【何か】を運ぼうとしていた。彼らの動きを事前にキャッチしたプロヒーローたちが現場に駆け付け、激しい戦いを繰り広げる。その戦いの中、その【何か】は、仲間とともに去って行った。「実験は、成功した―。」という言葉を残して。ちょうどその頃、出久たち雄英高校ヒーロー科1年A組の面々は、引退したNo.1ヒーロー・オールマイトの後を継ぐ“次世代のヒーロー育成プロジェクト"の一環として、クラス全員で期間限定の校外ヒーロー活動のために日本のはるか南に位置する離島・那歩島(なぶとう)を訪れていた。ここしばらく大きな事件が全く起きていない平和な島で、駐在ヒーローとして島の人々の生活を助けながら、忙しく、それでいてのんびりとした時間を過ごす中、出久たちは真幌(まほろ)と活真(かつま)という二人の姉弟と出会う。ヒーローに憧れる活真と早速打ち解ける出久だったが、なぜか真幌は、かたくなに活真を出久たちから遠ざけるのだった。そんな中、突如謎の敵<ヴィラン>たちが那歩島に襲来、次々と島の施設を破壊していく。それを指揮するのは、「ナイン」。出久、爆豪ら1年A組のメンバーは力を合わせて敵<ヴィラン>に立ち向かうが、ナインの圧倒的な“個性"と力は想像を遥かに超えるものだった。なぜ、ナインたちは那歩島を襲撃したのか?そして、出久たち1年A組の“ニューヒーロー"たちは、果たして最凶の敵<ヴィラン>から活真と真幌、そして島の人々を守ることができるのか―!?

声優・キャラクター
山下大輝、岡本信彦、梶裕貴、佐倉綾音、石川界人、井上麻里奈、増田俊樹、悠木碧、広橋涼、畠中祐、真堂圭、三宅健太、諏訪部順一、黒沢ともよ、寺崎裕香、今田美桜、井上芳雄
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

前作以上の熱さ!!クラスメイトもしっかり活躍していたのがとてもよかった!!

映画公開日にさっそく行ってきたが……めちゃくちゃよかった!!!!

物語は劇場版といった感じで特に良くも悪くもない。
それよりも目が行くのは作画!!
やっぱり、ヒロアカの戦闘シーンの迫力はすごいね。
これだけでも見る意味がある。

そして、今回の映画の最大の魅力はクラスメイトがしっかり戦闘していること!!
大抵、主人公のデクとかっちゃんのワンマンになりがちだが、今作ではクラスメイトみんなが凄く活躍している。
攻撃力があまりない人たちも必死で体を張って戦っている。
泣けたね~~
こっちまで歯を食いしばってしまう!!

ラストの{netabare}奇跡オチ{/netabare}がう~んって感じだけど、まぁ劇場版だし仕方がないか。
映画でこの展開をしたということは本編の最終回で今回みたいなことはしないのかな?

ヒロアカ好きの人には自身をもっておすすめできる映画だった!!

投稿 : 2024/05/25
♥ : 8

佐藤くん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ヒーロー「達」

 オールマイトがいなくなった世界でどうするのか。今作ではその辺りもテーマになっています。
 今作の副題は「HEROES RISING」ヒーロー達の新進。複数形のヒーローが、力を合わせて一つになりオールマイトの代わりとして最凶の敵<ヴィラン>、ナインに立ち向かいます。
 メインビジュアルにも表れている通り、今作ではオールマイトの力は借りません。借りられません。まだ未熟な1年A組の生徒達しかいない中で、人々の身をヴィランから守ることができるのか。必見です。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 1

よれん。 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

事実上最終回の設定

作者が最終回でやりたかった展開と言ってたのですが
僕の想像を遥かに超える衝撃的な展開でした
映画というより完成され過ぎた一つの作品という印象でした
最後はちょいとご都合主義でしたがその状態でヒロアカ自体が終わったわけではないので問題ないし それを感じさせないくらい面白かったです
最近ヒロアカは少し僕の中で薄れて来てたのですが
この映画と4期のおかげでまた熱が復活しました
久しぶりに熱く燃えるようなものを見せていただきました
これ以上の映画を作るのは作者にとってかなり難しいですが
続編もあれば更に作ってほしいですね

投稿 : 2024/05/25
♥ : 1

73.1 12 2020年度アニメランキング12位
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来(アニメ映画)

2020年11月7日
★★★★☆ 3.9 (47)
198人が棚に入れました
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。

声優・キャラクター
花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏
ネタバレ

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ぶっちぎり!噂通りのすんげぇ奴。ただ、昨今の作画アニメと同じ弱味が…。

 噂には聞いていたが、確かに作画はすんげぇぞ!こいつぁ。アクションのアニメショーンだけでなく、猫の動きの可愛さ一つ一つ、雰囲気まで伝わってくる背景美術、スッキリしつつも親しみ易いキャラデザ、全ての面でトンデモないレベルに至っている。


最後まで息切れせずにこのクオリティーで描ききっているだけで賛辞を贈りたくなるには充分である。ただ、それだけではアニメーションが凄いのであってアニメ作品として凄いわけではない。


本作はハッキリ言ってXメンです。これだけでわかる人なら、あ~そう言う話ねってわかったと思います(子細を書いちゃうとネタバレなのでお察しを)。


別によくある話なのが悪いとは言いません。語り口にキャラ同士の絆をいかに見せるか?、即ち演出の上手さは次第でいくらでも面白くなりえますから。


本作は沢山キャラが出ますが、正直重要キャラはシャオヘイ、ムゲン、フースーだけで他はイマイチ薄い。


シャオヘイとムゲンの旅も、ムゲンのクールキャラのせいでイマイチ心通わす感じや、ムゲンの立ち位置を掘り下げたりするのに弱い。


どうせなら、もう一人、二人の間を繋げるムゲンの弟子でシャオヘイより少し年上な人間の女の子キャラを出したほうが良かったかなぁ~という気もします。フースーとムゲンの繋がりも深めたほうがより必要だったかと。二人に繋がりがあるばこそ、よりバトルに重味がつきますし。


{netabare} 最後の別れのシーンも涙でお別れじゃ流石に泣かせ推しすぎてかえって泣けない感じでした。本作は正直ムゲンの話のように思えたし、実は一番救われるべきなキャラは彼だったと思います。{/netabare}


{netabare} 何も言わずに去ろうとするムゲンの元にシャオヘイが追っていって手を繋ぐ{/netabare}


{netabare}涙を見せまいとするムゲンとシャオヘイの笑顔{/netabare}


{netabare}二人の後ろ姿{/netabare}



{netabare}こちらに向かって手を振るシャオヘイ{/netabare}


{netabare}そこにタイトルがバーン{/netabare}



{netabare}そして白画面に「ぼくが選ぶ未来」{/netabare}って感じ締めた方がえがったかなぁ~なんて妄想しちゃいました。


本作に限らず昨今の作画やビジュアルがやたら誉められる作品は、一番肝心のキャラの感情やストーリーに乗せること、演出における引き算のセンスのよさ、といった目に見えないが必要不可欠な部分がイマイチ弱い傾向にがある気がします。


正味な話、そこさえ良ければ多少作画が貧弱でも問題ないんですよね、一番良いのは両方が揃ってることですが。私はあくまで、脚本や演出こそ物語を見る快楽だと思うので、そこが評価のポイントになってしまいます。


故に本作はなかなか良い作品だと感心しましたが、感動はしませんでした。あと、花澤さんは残念ながらショタはあまり向いていらっしゃらない…。これが悠木さんだったらより好きになれたかもです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 17

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

中国発、アクションファンタジーロードムービー

原題:罗小黑战记/luó xiǎo hēi zhàn ji
中読:ルオシャオヘイジャンジー
邦題:羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来
英題:The Legend of Hei
年度:2019年
製作:中国
監督:MTJJ (木頭)
時間:1:41:00


20210709 DVD / ブルーレイ発売決定!


20201114 MX4D にて鑑賞―――――――

チョー楽しい w

振動や上下動はもちろん突風から水しぶきまでw

もともと緩急素晴らしく作画と音響効果のタイミングばっちり!な作品、

なのでまるでジェットコースターでじっくり周回するが如き空間に酔いしれますね、

いやー面白かったw

MX4D での鑑賞ちょーおすすめします( ^ω^)




20201110 日本語吹替版鑑賞ーーーー

シャオヘイ超可愛い声、
ムゲンは粛々と低く置いていく発声意識す感、
私的脳内再生音声よりどのキャラも僅か一音高めの印象(花屋さんは逆に低め)かなぁ、
とはいえ流石名声優さん達、音響もガルパンなど手掛けた方の様子で良い仕上がり、
IMAX や4DX でも観たいですね( ^ω^)



以下、2019年原版鑑賞時評ーーーーー

追加上映が決まった際に公式より邦題の読みカナ「ロ・シャオヘイ・センキ」が発表されました。

主人公の名前が「小黒/シャオヘイ」です。

WEBアニメとして短編が数十話上がってますが粗別物、別次元の出来栄えとなってます。


2019年10月 ----------

「羅小黒戦記」二回目の鑑賞、

先月「白蛇:縁起」と一緒に観て衝撃を受け、短いスパンでの再鑑賞です。

物語、作画、音楽、全てにおいて緩急が素晴らしい!

物語は「平成たぬき合戦ぽんぽこ」風プロット、複雑ではないがしっかり熟考され隙無き構成と演出のロードムービー。

風背景は日本のTVアニメ名作劇場やジブリ初期の彩画を彷彿、場面構図も宮崎アニメのリスペクト鑑みました。

作画はシンプルで力強い線にベタ塗り、漫画チックですがおもいっきり動かすことで質感、体温感ずる描写に相成り、右から左から横長画面一杯を使い切って動き廻る動体に目が追い付かない程。

画面の真ん中だけ見てればキャラが勝手に寄って来て台詞でも説明してくれる日本のアニメとは一線を画すと今更乍ら認識。

モブがレゴブロックやドットゲームみたいだったのは愛嬌w

声優は皆気負わず抜けた感じがキャラ像にマッチ、小黒は可愛いく、無限カッコ良く、脇キャラもしっかり立ってます。

音楽は、喜怒哀楽軽重と入時機まで感情の起伏に的確成り。

全ての要素が高次元、シンプルなストーリーにライトでスピード感溢れる2D作画は日本のアニメファンにも充分受け入れられるでしょう。

粗となるなら「白蛇:縁起」同様に字幕がグーグル先生並みの面白翻訳だった位(結構気に入ってたりしますがw)


私的に、短いスパンで劇場に再度足を運んだ作品は平成以後では「幸福路上(幸福路のチー)」とこの「羅小黒戦記」のみ、
 

明るく、楽しく、熱く、泣けて、笑える、
素晴らしいアニメーション作品です。


-------------------

池袋では追加上映含め全席満席早めの完売御礼となった様でしたが、この度関西・京都出町座での上映が決まったそう(字幕も修正される様子)、他地域での上映も期待したいですね。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 10

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本編の評価・感想コメントは字幕版に概ね記したので、ここでは4Dと吹替についてだけ

【4D】
4DX2D吹替版で鑑賞。

高速アクションが凄いことは字幕版で分っていたので、
座席から振り落とされないか戦々恐々としながらの鑑賞w

ですがムーブ自体はそれ程激しくなく、変則的でもなかったです。
また物語をジックリ楽しみたい場面ではピタリと止まるメリハリもあり、
落馬や首筋を痛める心配もなくw落ち着いて作品を堪能することが出来ました。

揺れよりむしろ激しかったのが振動。
とにかくアクションの手数が多く、
背中にボコボコとボディーブローのダメージが蓄積していく感じw

ミストの攻撃も意外と頻繁で、天候変化等にも果敢に挑んだ
本作の妥協の無さを再認識しました。

乗り物は妖精の力でジェット船と化したイカダは爽快♪
一方、ムゲンさんの原付はビミョーw


全体的にアクション中心に無難に効果を付加した後付け4Dでした♪


【声優 3.5点】
猫妖精の主人公シャオヘイ役の花澤 香菜さんは、
その食い意地も含めてw好演。

人と妖精の共存を図る勢力に与する
人間離れした執行人・ムゲン役の宮野 真守さんは、
どこか抜けてる面もあるがw生真面目に任務を果たす。
寡黙な中に秘めた熱意を上手く表現。

対する妖精のための世界奪還を目指すライバル・フーシー役に櫻井 孝宏さん。
情状酌量の余地がある敵対行為を表現させたらお手の物。
流石の演技で信念を持って生きる敵役ボイスを提供。


ただ、やや無念だったのは、シャオヘイの猫としての鳴き声は、
原音を尊重して、吹き替え無しに留まったこと。
ざーさんの猫ボイスも聴いてみたかったですw


それにしても、セリフがほぼ「肉」と「酒」くらいしかないテンフー役に、
杉田 智和さんまで引っ張って来るとは。

既にコアな海外アニメファンが一通り字幕版を鑑賞し終えた中、
本吹替版を全国100館超の興業と大規模プロモーションで、
興収トップ10にねじ込んだ件と併せて、
吹替版配給のアニプレックスのパワーを思い知らされます。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 8

73.1 12 2020年度アニメランキング12位
ウルフウォーカー(アニメ映画)

2020年10月30日
★★★★★ 4.2 (12)
48人が棚に入れました
1650年、アイルランドの町キルニー。
イングランドからオオカミ退治の為にやってきたハンターを父に持つ少女ロビン。ある日、森で偶然友だちになったのは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴだった。
メーヴは彼女の母がオオカミの姿で森を出ていったきり、戻らず心配でたまらないことをロビンにうちあける。母親のいない寂しさをよく知るロビンは、母親探しを手伝うことを約束する。翌日、森に行くことを禁じられ、父に連れていかれた調理場で、掃除の手伝いをしていたロビンは、メーヴの母らしきオオカミが檻に囚われていることを知る。
森は日々小さくなり、オオカミたちに残された時間はわずかだ。ロビンはなんとしてもメーヴの母を救い出し、オオカミ退治を止めなければならない。それはハンターである父ビルとの対立を意味していた。それでもロビンは自分の信じることをやり遂げようと決心する。そしてオオカミと人間との闘いが始まろうとしていた。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

冒険ファンタジーに心躍らせてみればガールミーツガールの尊さにひれ伏しつつ涙に目を腫らした!ケルト3部作完結篇にして最高傑作!

2009年の『ブレンダンとケルズの秘密』https://www.anikore.jp/review/1691613/


2014年の『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』https://www.anikore.jp/review/1529708/


前2作品に続くアイルランドのアニメスタジオ、カートゥーン・サルーンとトム・ムーア監督によるケルト3部作の最後の1作が今作、2020年の『ウルフウォーカー』になります
3部作と言いましたがアイルランドのケルト人に伝わる伝説をモチーフとしたファンタジー、という共通点以外は繋がりがありません
なのでどの作品から観てもOKです


制作はアイルランドのCartoon Saloon、ルクセンブルグのMelusine Productionsの共同
監督はいまや巨匠のトム・ムーアに加え、『ブレンダンとケルズの秘密』で美術監督だったロス・スチュアートも新たに共同監督を務めています




舞台は17世紀アイルランドのキルケニー
ハンターの父親と2人でイングランドからやってきた少女、ロビン
彼女は父と同じ様に狼を狩るハンターに憧れていた
町を治める護国卿に腕を買われていた父親だが町ではよそ者扱いで肩身が狭く、護国卿の命令に従うほか2人が暮らしていける術は無かった
好奇心旺盛なロビンは父や護国卿の教えに背き、町の外の森へ繰り出す
そんな時に狼の群れが森を伐採する木こりや羊飼いを襲った
勇ましくボウガンを構えたロビンだったが焦りのあまり唯一無二の相棒である隼のマーリンの翼を打ち抜いてしまう
己の失敗に絶望するロビン
それを悔やむ間も無くマーリンは狼を従える赤毛の少女、メーヴに一瞬で連れ去られてしまった
父と護国卿にきつく叱責され、町へ戻ることになったロビン
町へ戻れば護国卿の屋敷のメイドの仕事に付かされる、マーリンを助けに戻るチャンスも無くなる
だが、以前にもメーヴを見たという木こりから彼女の正体を知らされる
彼女は狼と話し、さらには魔法をも操る人と魔女と狼の混血
ウルフウォーカーだと…




まず今作のとにかく凄いところは、これまでのカートゥーン・サルーン作品とは比べ物にならないくらい複雑な作画を積極的にしている事です
町にひしめく人々、大群で押し寄せる狼、それらが画面に所狭しと蠢くカットは、往年のジブリや作画時代のディズニーにすら匹敵するハイレベルなものです
四足歩行の作画の継承者はいまの日本のアニメ業界では絶滅寸前とまで言われてますが、カートゥーン・サルーンにはその心配をする必要は当分無さそうです
さらに中盤の夜の森を駆け回るパートは背景動画や背景美術のテクスチャ化によるCG合成等を駆使して、これまで徹底して画面を平面的にレイアウトしてきたカートゥーン・サルーン作品には無かった、より立体的で躍動感や疾走感のあるカットが次々映し出されます


もちろん遠景の町並みがパース皆無の一枚の板の様に描かれたり、狼の住処が俯瞰で描かれた平面的な真円である様子など、これまでのトム・ムーア作品の特徴をそのまま引き継いでもいます
ですが同時に新しい事に、しかも飛び切り難しい事に挑戦するという姿勢は監督達が今作に掛ける熱量が特段にアツイことの表れでしょう




そして画面もさることながらストーリーもまた美しい
前2作ではアシュリン、シアーシャといった魅力的なヒロインとは別に、物語を牽引する勇敢な男の子が主人公でした
ですが今作ではロビンとメーヴというダブルヒロインが主人公になっています
彼女達の友情が物語の中心となるのですが、物語の中の男共がビビりばっかりなのに対し、この2人はお話が進むにつれてどんどん勇猛果敢に成長していきます
そもそもロビンは序盤は実に未熟な女の子でありながらも大人達の目を盗んで森に出て行くという、積極的かつ能動的に動く“これぞ主人公”といったヒロインです
メーヴはどちらかといえば『ブレンダン』のアシュリンの様な、森の神秘を象徴する存在ですが、ロビンのひた向きな姿勢はケルト3部作とは別に2017年の『ブレットウィナー』の主人公、パヴァーナを昇華させた存在だと感じました
内容はタリバン政権下のアフガニスタンで無実の罪で投獄された父と再会する為に男装する少女のお話でかなりドギツイのですが…今作の能動的なヒロイン像、に通ずるものがあると感じたのでご興味ある方はぜひチェックを


ロビンが街を出なければ関わり合うことのなかったロビンとメーヴの2人はやがて惹かれあい、友情を育んでいく様、これはもう俗的に言えば百合です
『ブレンダン』ではボーイミーツガールを描いたわけですが、今作ではガールミーツガールってわけです、最高か
そりゃもう尊い、の一言に尽きるというわけです
可愛いの前には服従、全面降伏なんです




そんな2人の中を、大きく見れば町と森の架け橋を、考えの凝り固まった大人が破壊しようとするのが後半です
前2作もそうですが、いつも子供の冒険の邪魔をするのは頭の固い大人なんですよね…
俺は途中何度泣かされなことか
そして今作最大のヒールである護国卿は、言わばアイルランドを支配せんとする大英帝国の象徴です
人間による自然破壊を狼狩りに比喩した今作ですが、狼狩りが武力によって他民族を弾圧する現代社会の暗部のメタファーの様だとも感じました


そしてそんな護国卿はイングランド王朝を革命で滅ぼしたオリバー・クロムウェルがモデルの様で、とても信心深いプロテスタントのキリスト教徒、所謂ピューリタンとして描かれています
キリスト教では狼は単なる害獣にあらず、羊飼いであるキリストの羊(信者)を襲う悪しき存在とされています
ですので劇中で護国卿に支配されてるキルケニーでは狼狩りが声高に叫ばれているのです
ちなみにアイルランドの狼は18世紀頃に絶滅しています…


そしてこの護国卿、信仰に浸りきってるが故、自身の行いは絶対の正義であり、自身が民衆を導くのだと信じきっている辺りが恐ろしいですね
護国卿は最後の最後まで信仰を貫き通しているので、ある意味幸せ者であった、とも受け取れます
これは信仰が人の心を救う、と描いた『ブレンダン』との共通点でもあったのですが、一方でそんなトム・ムーア監督が今作で描いたのが信仰に溺れてる男ってのが面白いです
それと個人的には“信仰で奇跡が起きた!”って話が大嫌いなので、トム・ムーア監督は一貫して“信仰で救われるのは心、奇跡なんて起きない”としてるのも好感的です




さてケルト3部作にある意味最も重要なのはケルト音楽です
どこかのアメリカ映画と違ってしれっとエピックが流れたりしません
いや、ケルト音楽とエピックを使い分けるのか、と、ケルト音楽とエピックをミックスした劇伴なのか、は似て非なるものだと思うのは俺だけじゃないはずです


前2作に引き続き、作曲家ブリュノ・クレと民族音楽バンドKiLaが劇伴を担当しているのですが、さらに今作だけのビックゲストとしてノルウェーのシンガーAURORAがテーマソングに参加しているんです
『アナ雪2』を観た方ならお分かり頂けると思いますが、エルザを導いたあの“声”の主がAURORAというわけです
なんでもトム・ムーア監督のランニング中のお気に入りソングだった「Running With The Wolves」を仮のBGMに選んだところスタッフ間の評判が良く、AURORAは若者にも人気だから客ウケも良いだろう、とダメ元でオファーしてみたらわざわざ映画バージョンに歌い直してくれる事になったんだとか
先日、今作に参加してるとは全く知らずにタワレコの視聴機で聴いて気に入り、衝動的にアルバムを買いましたw
買った後に今作にも参加してると知った時は驚きましたね
俺はやっぱりこの手の音楽が好きなんだな、と


ちなみにお約束のフィルムスコアリングでしたが、ファッキンコロナが猛威を奮ってロックダウン中だったらしく、ノルウェーからリモートでレコーディングしたそうです


あとエンドロールで気付いたんですが、今作DolbyATMOS対応作品ですね…
せっかくなので是非DolbyATMOS対応スクリーンで観たいんですが…




最後になりましたが前2作の結末はどちらかというと決別を描いてました
文明社会と自然の神秘、双方に程よい距離感を保つ事がお互いの為だという主張でしたね
でも今作ではアイルランドのウルフウォーカーの世界に、イングランドでやや文明に毒されたロビンが入っていく事で物語が膨らんでいきます
ケルト人、魔女、狼の血に、さらにイングランド人のロビンが加わっていく、というお話なわけです
これはつまり、今後世界は混濁によってバランス取られていく、というメッセージなんじゃないかと思いつつ、あえて3部作の最後にコレをやった事に大きな意義を感じざるを得ません
とにかく素晴らしい




ところでキルケニーってあのビールのキルケニーですよね?w

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今夜、私は狼と共に森を駆ける

中世末期のアイルランドを舞台に
{netabare}眠ると魂が抜け出してオオカミになる{/netabare}“ウルフウォーカー”の伝説を描いた
ケルト三部作(前二作は未見……でしたが理解するのに特に問題は感じず)の最終作。

【物語 4.0点】
プロットは自然VS文明の典型。
立ち位置は著しく自然寄り。

この二項対立では大抵、文明側にも一定の大義があるものだが、
本作の場合は文明は嘘に塗れ、自然にこそ真実があるという思想が顕著。

ましてイギリスによる支配が進むアイルランドの町。
オオカミを退治して、自然を開拓し、住民に安全と文明の進歩をもたらすのが、
ピューリタンの使命云々など、
地元アイルランド人に拒絶されている護国卿による人気取りの茶番に過ぎない。
オオカミ狩りをけしかけられる部下たちも士気が上がらず……。
自然と戦う前から、文明の足下は揺らぐ。

さらには組織の歯車となって、大切な人への愛を見失うなど、
文明側の人間疎外状況も描写され、
もはや文明からの家族愛や人間性の奪還戦の様相。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・カートゥーン・サルーン(愛)

背景美術は、街は木版画調で平面的、画一的。
文明の秩序、規則、管理、人間疎外。

森は水彩画風で、立体的、奥行きが深い、闇も深い、個性的。
自然の混沌、制御不能な恐怖、自由奔放、人間解放。

異なるタッチがせめぎ合い自然VS文明の構図を浮き彫りにする。


人物デザインもデフォルメが強烈。
ウルフウォーカーは髪量が体格を凌駕しているし、
主人公少女ロビンの掌など、父の小指ほどのサイズしかないw
子供が見上げる大人の世界が伝わって来ます。
人物に対する樹木の異様なデカさ等も露骨で、
実態より心象を重視。

人物作画の主線は、動きや感情が鎮まっている時はシンプルな一本線で、
荒ぶる時は、複数の線が乱舞し、怒りや躍動を活写。
(この辺りは高畑 勲監督の『かぐや姫の物語』から刺激を受けたとのこと)


オオカミ主観視点などのアクションでは3Dソフトによる動画で迫力を増強。
発達したオオカミの嗅覚を単色のオーラを絡めて表現するなど、
人間の五感で察知し得ない世界へのナビゲートも魅惑的で良好。

リアルから自由になれる絵の特権、
各々の画風が表現し得るテーマ性、芸術性を熟知した上で、方針を選択してくる。

フォトリアルとアニメーションがどう距離を取るべきか。
など世界のアニメーターたちが苦闘するのを余所に、
このスタジオは遙か先の前衛を驀進してる感。


【キャラ 4.0点】
ハンター志望の少女ロビンと、ウルフウォーカーの少女メーヴのダブルヒロイン。
純真な子供二人の友情が、色々こんがらがった大人の世界を問い質す人物相関図。

象徴的なのはロビンの父でウルフハンターのビル。
文明社会で虚栄にしがみつく護国卿からの司令と、
オオカミの世界に深入りしてしまった娘ロビンとの間で板挟みになる。
不器用な男の葛藤が、組織で空回りする歯車には刺さりますw
{netabare}ビルには新しい家族でどうか幸せになって欲しいです。{/netabare}


ツボは野外でギロチン拘束具に囚われてもアイルランド人の矜持を貫いたオッサンw


【声優 4.0点】
※日本語吹替え版を劇場鑑賞

ロビン役・新津 ちせさん&メーヴ役・池下 リリコさん。
共に子役のダブル主演。
世間的には「パプリカ」歌ってるFoorinのメンバーと言った方が伝わるでしょうか?
親や大人たちが蔑ろにするのは心が痛む純朴ボイスで情に訴えて来る。

ロビンの父ビル役・井浦 新さん。
上記の愛娘ボイスを、護国卿の仕打ちに疑問を感じつつも、
ルールに従うのが娘のためとなだめる。
など微妙なポジションも斟酌した流石の台本読解力。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はブリュノ・クレ氏(仏)
そこにバグパイプ等の民族楽器を駆使するKiLA(愛)の劇伴ソングも加わり、
ケルト音楽の世界を体現。

さらには制作中にスタッフが感銘を受けたという
オーロラ(ノルウェー)の「Running with the Wolves」が
本作仕様にアレンジ再録され幻想的なシーンに挿入。
(レビュータイトルは同曲の歌詞から拝借)


【感想】
自然を加工して文明を切り開けるのが人類。
その過信を疑問視し始めた前世紀。
そして、今や欧米の近代人はスッカリ自信喪失してしまった?
そんな一抹の不安もよぎりました。

ラストも、{netabare}近代前夜の火薬兵器が、森を焼き、
ウルフウォーカー拠点の喉元に迫るが、結果は返り討ち。
このシナリオパターンで、ここまでの自然劇勝からの、
共存や痛み分けを超えた文明から自然への離脱……チョット記憶にありませんw{/netabare}

極上のアニメーションなどの作品評価=自然礼賛への同意という訳でもない。
これは歴史に埋もれたアイルランド伝説の再発掘映画でもある。
そんなことを理解はしつつも……。
本作を称賛する欧米文明社会は今後、どこへ向かっていくのでしょうか?

ウルフウォーカーでも、もののけ姫でもない、
極東近代文明の歯車に過ぎない俺は、
今更、森へは還れないんですよ(泣)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 18

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

中世アイルランドを舞台にしたガールミーツガール・ファンタジー

原題:WolfWalkers
公開:2020年10月30日
製作:アイルランド、ルクセンブルク
監督:トム・ムーア、ロス・スチュワート
原作:ロス・スチュワート
会社:カートゥーン・サルーン
時間:103min

中世アイルランドの伝説に基づく、オオカミであり人間でもあるウルフウォーカーと、ハンターを父にもつ少女との友情の物語、

絵画を彷彿する背景美術、
よく動き表情豊かな人物描写、

高畑勲監督作品「平成狸合戦ぽんぽこ」、
宮崎駿監督作品「もののけ姫」
等と同じ視線有し、
昭和の傑作「太陽の王子ホルスの大冒険」のエッセンスも仄か香る

益々磨きかかったケルト三部作の真打ち、

素晴らしいアニメーション作品です。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 8

72.6 14 2020年度アニメランキング14位
泣きたい私は猫をかぶる(アニメ映画)

2020年6月5日
★★★★☆ 3.7 (136)
649人が棚に入れました
見つけた、君に会える魔法――自由奔放、ちょっと変わった中学2年生、笹木美代(ささき・みよ)。クラスメイトから「ムゲ(無限大謎人間)」というあだ名で呼ばれ、学校でも家でもいつも明るく元気いっぱい。ムゲ熱烈に想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)に毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。大好きな日之出のそばにいられる唯一の方法、それは猫になって会いにいくこと。≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには日之出に近づける日々。猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになっていく。このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――「猫」の世界を通して繰り広げられる、私をみつける青春ファンタジー。

声優・キャラクター
志田未来、花江夏樹、寿美菜子、小野賢章、千葉進歩、川澄綾子、大原さやか、浪川大輔、小木博明、山寺宏一
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

既視感がある猫物語

絵柄が幼いので、あまり期待せずに観ました。
しかし、巧みな物語構成に徐々に夢中に。
それは各キャラの背景が描かれていたからかな。
人猫関係が有機的に結合し、クライマックスへなだれ込む。
見応えがありました。

恋愛ファンタジーストーリー。
破天荒な女の子ムゲはちょっとクールな日之出が好き。
でも、日之出はムゲのアタックをむげに断る。
だから、ムゲは猫に変身し、日之出に会いに行く。
しかし、ムゲはデブ猫の陰謀にハマり・・・という感じの物語。

私のもっとも好きなのは{netabare}エンドロールの映像です。
暖かい余韻に浸れて清々しい。
日之出のお姉ちゃんが可愛そうとか。
ヨリちゃんの照れ顔が可愛いとか。
本筋と関係ないところが楽しいです。{/netabare}

ムゲの声は志田未来さん。
本業ではないけど、役に合っていたと思います。
並みいる声優陣に引けを取りません。
こっちの世界でも十分やっていけるでしょう。

背景は常滑に似ているなあと思ったら本当に常滑でした。
遠い昔に同級生の実家へ遊びに行った街。
狭い路地を上った先は・・・「猫の森?」
谷山浩子好きの同級生のことを思い出しました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 18

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

見つけた、君に会える魔法…

サトジュンと岡田麿里さんがタッグを組んだオリジナルアニメ…
と聞けば気になりますよね。

ですが、私にとって結果的にラッキーでしたが、劇場での視聴を楽しみにしていた方には残念だったのではないでしょうか。
コロナウィルスの影響により、前売券の発売延期、公開日の延期…
そして劇場公開せずNETFLIXでの配信に変更されたからです。
私はNETFLIXに入会しているので視聴できましたが、多くの方々が入会している訳では無いと思うので…


私はあなたの力になりたい。好きって言われたい…

笹木美代(ささき・みよ)は、いつも明るく陽気な中学二年生の女の子。
空気を読まない言動で周囲を驚かせ、クラスメイトからは「ムゲ(無限大謎人間)」という
あだ名で呼ばれている。
しかし本当は周りに気を使い、「無限大謎人間」とは裏腹に自分の感情を抑えて日々を過ごしていた。
そんなムゲは、熱烈な想いを寄せるクラスメイトの日之出賢人(ひので・けんと)へ
毎日果敢にアタックを続けるが全く相手にされない。
めげずにアピールし続ける彼女には誰にも言えないとっておきの秘密があった・・・。

それは、猫の姿になって 大好きな日之出に会いにいくこと。

実はムゲは、ある夏祭りの夜お面屋にいた猫の店主から、「かぶると猫へと姿を変えることができる」という
不思議なお面をもらって以来、猫・太郎として日之出の家に通っていたのだ。
普段はクールに振舞う日之出だが、太郎にだけは素直な気持ちを打ち明けることができ、
いつしか太郎は日之出の支えになっていた。
≪人間≫のときには距離を取られてしまうが、≪猫≫のときには近づけるふたりの関係。
ムゲもまた、猫でいれば周囲との関係に悩むことない自由さを知り、次第に心地よさを覚えていく。

猫として長く過ごすほど、いつしか猫と自分の境界があいまいになるムゲ。
ある日、再び現れた猫店主から、猫の“お面”とムゲの“顔”を交換し、
≪人間≫を捨て≪猫≫として生きるよう迫られる・・・

このままずっと、彼のそばにいたい。でも、《私》に戻ることができなくなる――
自分が誰に支えられているのか。大切なものに気がつくとき、二人の世界が変わり始める。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

始まって直ぐ、サトジュンワールドにジブリ感がプラスされた感じがしました。
ネコと摩訶不思議な空間との組み合わせは、まさにARIAそのものです。
それに「千と千尋の神隠し」の世界観が雰囲気を助長してくれている感じ…
もう期待感が右肩上がりです。

気になるあの人は今、何をしているんだろうか…?
誰でも一度は気にしたことのあるシチュエーションだと思います。
勿論、自分では会いに行けないし、仮に会ったとしても教えて貰えないかもしれません。
そもそも、会いに行くための口実がなかったり、嫌われたくないからあと一歩が踏み出せず躊躇してしまう…

青春のど真ん中って感じが羨ましくもありますけれど…

でも、それが「自分とは全く違う何か」でなら、見せて貰えるかもしれない…
見てどうするか…それはきっと実際に見てみなきゃ分からないと思いますが、この作品の根底にはそんな「もしもワールド」が息づいていました。

この作品で秀逸だと思ったのは人との関わり方です。
最初は、ムゲが日之出の力になりたいと思い動き出しますが、人との関係性ってそんな一方的じゃないんですよね。

お互いが支え、支えられている…
何かをしてあげたいという気持ちは交錯する…
そんな心情が巧みに描かれているんです。

そして物語を彩る主題歌 ヨルシカさんの「花に亡霊」も抜群だったと思います。

作画も綺麗、キャラはしっかり動くし背景も繊細且つ緻密で申し分無しでした。
日本のアニメーションの素晴らしさが感じられる作品だったのではないでしょうか。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 19

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

期待通りのものが出てきて大変満足

正直、劇場で観たかったですわ…

Netflixだけで配信とかマジかよと思いつつ登録しましたよ。
まあ、普通に映画館で観るより安いっすけど、最近の映画館は音響や画質凄いっすからね。
IMAXで観てたらきっと泣いてました。

さて、タイトルの件について、
「泣きたい私は猫をかぶる」
オリジナルものならティザーを見て、どんな話だろうと想像するじゃないですか。アニメ映画で猫、それにスタジオコロリドの作品系統で言ったら、「猫の恩返し」のようなものを期待するじゃないですか。
いやー、まさに期待していたものが出てきたという感じで、個人的には大変満足しております。

新宿に麺屋翔という行列のできる大変おいしいラーメン屋があるのですが、そこで初めて塩ラーメンを食べた時のような感動がありました。
見た目はシンプルな塩ラーメンなのですが、一口スープをすすると確かに塩ラーメンの王道にも関わらず、コクがあって箸が止まらなくなるんです。


しかしスタッフリスト的に、もっとマリー感とかサト順感が出るかと思ったのですが、見事に調和がとれて子供から大人まで楽しめるような丸くて柔らかい映画になってましたね。もしかしてこれが柴山智隆監督の色なのでしょうか?
マクドナルドのCMとかも手掛けられてるんですよね…確かにあのような爽やかな感じが作品に漂っています。

背景の色使い素敵でした。
ペンギンハイウェイから洗練されて落ち着いた空気感を持つようになりましたね。
写実的な背景と異世界の混ざり合った感じが面白かったり…

そうそう、主演の志田未来ちゃん、声をあてるの上手かったです。
しんちゃんでゲスト声優してた時は、正直あんまり上手くないなと思っていたので意外でした。
あれ、もしかして、志田未来ちゃんに反応すると年代がバレる?
逆に私はヨルシカって、先月初めて知ったぐらいなんですけど…
え、時代に取り残されてる感が強くて急にもやもやしてきたぞ…

えっと、うん。良い作品です。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 14

72.6 14 2020年度アニメランキング14位
劇場版 ハイスクール・フリート(アニメ映画)

2020年1月18日
★★★★☆ 3.9 (86)
414人が棚に入れました
今からおよそ100年前、プレートのずれにより、多くの国土を水没によって失った日本。国土保全のため、次々と築かれた水上都市はいつしか海上都市となり、それらを結ぶ航路の増大に伴い、海の安全を守る職業「ブルーマーメイド」が女生徒たちの憧れとなっていた。そんな「ブルーマーメイド」に憧れ、横須賀女子海洋学校に入学した岬明乃は航洋艦「晴風」の艦長に任命され、クラスのメンバーと共に海洋実習に参加する。艦を動かし、目的地へと向かうだけの安全な航海のはずが、彼女たちを待ち受けていたのは、数々の危機ピンチ。教員艦からの突然の発砲、暴走する他学生艦との戦闘、救難船の救護活動など、数々の困難を辛くも乗り越え、無事に陸に帰還したことで、メンバー同士の間に固い絆が結ばれた。その騒動から1ヶ月後、テスト休みを満喫する晴風メンバーに新たな危機ピンチが訪れる。それは晴風クラスが解体されるというもの。晴風メンバーは、動揺しながらも再び一丸となり、クラスの解体を阻止したことで、絆をより深めていくのだった。こうして数々の困難を乗り越え成長した晴風メンバーたち。そんな彼女たちに訪れる、新たな"危機ピンチ"とは―――?

声優・キャラクター
夏川椎菜、Lynn、古木のぞみ、種﨑敦美、黒瀬ゆうこ、久保ユリカ、澤田美晴、菊地瞳、田中美海、丸山有香、田辺留依、中村桜、彩月ちさと、大地葉、宮島えみ、山下七海、藤田茜、小林ゆう、高森奈津美、相川奈都姫、清水彩香、福沙奈恵、小澤亜李、金子彩花、新田ひより、大橋歩夕、麻倉もも、伊藤かな恵、大津愛理、阿澄佳奈、雨宮天、鶴岡聡、五十嵐裕美、森永千才、清水彩香、福沙奈恵
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

全速前進!ヨーソロー!はるかぜ・・・

  ガルパン戦艦版アニメと言ったはいふり、ついに劇場化ですねです。
 楽しい学校行事に始まり、外人の少女が出てきて、緊急事態発生、明乃たち出動、女の子ならではの危険と隣り合わせな戦艦アクションといった具合のお話です。
 その中で焦点となったのが、明乃とましろの友情、関係性だと思うです。ましろにとってのチャンスが訪れての、いろいろと悩んだ最後に出したましろの答えがどうなるのか?だったです。

 何処か距離感のあるような仲良し、明乃とましろどうなるのかなぁ?な展開です。そこに入る出会った少女、スーが次なる展開へのカギになるとはだったです。スーの行動が、次に何をもたらすのか?なぜそうするのか?見てのお楽しみです。

 明乃たちを巻き込んだ、海上アクション、ハラハラ見たいな感じです。女の子と思えない身体能力、威勢の良さがあったり、逆に女の子らしいあたふたした展開もあったりと見所になるです。
 明乃たち、はるかぜの行動は、{netabare}スターウォーズ ジェダイの復讐に例えると、デス・スター突入からの期間を思い起こしたです。全て同じというわけではありませんが、明乃たちの一丸となった行動が、{/netabare}女の子と思えない判断力、危険察知、船の扱いがはいふりならではだったです。最後あたりのましろの活躍は、盛り上がった気がしたです。

{netabare} まだまだ、これからも明乃たちらしく学園生活を送っていくという感じの終わり方は、悪くなかったです。ましろの答えもらしい答えだったです。明乃もましろもはるかぜも「これで、いいのだ!」です。{/netabare}

投稿 : 2024/05/25
♥ : 4

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

緩い最悪

視聴前 どんな感じなんだろ

視聴後 青春やなぁ

この話は競闘遊戯会での話
ジャンルは戦艦・お祭り・学園・青春
まぁ深く考えちゃいけないのだと本編で悟りました
内容は無いわけではなかったのですが、(おそらく)キャラから成り立った作品なおで今回もこうだろうなぁと考えていました。結果はまぁ同じですね。TVアニメを延長した感がものすごく伝わります。なんとなくこれ以上同じ轍を踏まないようなストーリーを制作側が考えた結果「想定できる最悪の事態」なんていうなんとも頭の悪そうな言葉がでてくるわけです。予想ではこれからでる続編(出るのか分からないが)はこういう系だと思っています。「最悪だ!」ろか「これはまずい!」とか。まぁそうしないとただの船乗りの学園生活映してるだけですからねwそれだったら舟要素無くてもいいって話になって固定ファンも離れちゃいますしね
話をもどしますが、キャラからできた本編を無理やり伸ばした劇場版。突っ込みどころは多多ございますが、もう「はいふりだから」で通じます(?)はいふりだからこそ許されるものでありこれが全く知らない作品だったら批判の嵐ですよ。いや嵐ではないかな。
圧倒的に効率の悪い行動(演出上仕方のないことなのだろうが)、圧倒的に不自然な行動に気づかない異常な純粋さ(鈍感さといってもいい)、かなりのご都合主義。これらが許されるのは(二回目)はいふり特有の緩さのおかげです。
しかし大きな問題点があります。それはこの作品で「最悪」を歌っているからです。pvでも言ってましたが最悪が起こるのです。「最悪」なことが「ほぼなんでも許される緩い」アニメで起きるのです。まぁなんてかみ合わないんでしょう!(うっとり)そして結果はなんととても緩い最悪、実感のない最悪に仕上がりました!
しかし、見てて飽きずになおかつ緩くキャラの魅力が伝わる日常系アニメとして総合評価が高いです

総監督は信田ユウさん。ハイフリの監督を担当した方ですね
監督は中川淳さん。
脚本は鈴木貴昭さん、岡田邦彦さん。
キャラクターデザイン・総作画監督は中村直人さん。本編のキャラデザを担当した方ですね
劇伴は小森茂生さん。本編の劇伴をした方ですね
制作はA-1 Picturesさん。

作画は良く、戦艦同士の戦闘シーンも丁寧でした
主題歌はTrySailさんの「Free Turn」
声優さんは素晴らしくキャラの魅力が存分に伝わる演技でした

総合評価 緩さはなんでもあり(??)

投稿 : 2024/05/25
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

守るべき艦(いえ)、進むべき航路(みらい)

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版とOVA前後編は視聴済です。
物語はTVアニメ版とOVAの続きが描かれているので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。
因みにdアニメストアでは早速劇場版が視聴できるほか、「劇場版お疲れさま会でハッピー!」というdアニメストア特番まで用意されていました。

陽炎型駆逐艦である晴風の唯一誇れるのは速力のみ…
他の全ては比叡や武蔵などの大型艦より圧倒的劣位という状況の中、満身創痍になりながらも「越えられない嵐は無いんだよっ!」と砲撃に耐え、そして戦火をくぐり抜ける展開が繰り広げられたTVアニメ版は、正に激アツそのものでした。
そして満を持して公開された劇場版…
これが気にならない筈、ありませんよね。

アニメーション制作がProduction imsさんから、A-1 Picturesさんに変わったのも加点要素と捉え視聴に臨みました。


海に生き、海を守り、海を往く――
それがブルーマーメイド!

そして、晴風クラス解体危機から3ヶ月──

横須賀では、呉・舞鶴・佐世保を含めた全女子海洋学校の生徒が
一堂に会し文化祭と体育祭を行う「競闘遊戯会」が開催され、
明乃たち晴風クラスのメンバーも歓迎祭の準備に追われていた。

大和・信濃・紀伊など超大型艦のクラスも集い、
様々な演し物や競技で賑わう中、
彼女たちに新たな“危機(ピンチ)”が迫っていた……!


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

TVアニメ本編でも凄いと思いましたが、劇場版のクオリティは総じて半端無いレベルだったのではないでしょうか。
大和級の戦艦が続々登場する様は圧巻です。
少し「蒼き鋼のアルペジオ」の「霧の艦隊」に似ている雰囲気もありましたが、気にするレベルではない些細な話…
それに、鬼懸かった晴風の躍動感というか、晴風の活躍っぷりが些細なことなど吹き飛ばしてくれましたから…
小さい船体が波に煽られ、それと同時に訪れるピンチをかいくぐる様は、まるで晴風がドリフトしているみたい…
実際に船にそんな動きが出来るのかは分かりません。
でも、状況のギリギリ感と、晴風の必死さはビンビンに伝わってくるんです。

晴風に課せられたミッション…
これまでの海洋実習も十分危険でしたが、今回は桁が違います。
だって、相手は本気の殺し合いを仕掛けてくるのですから…

彼女たちはブルーマーメイドの卵…
だから海を守るために、自分たちにしかできないことを見極め進言する…
例えそれが最も危険な役回りだったとしても進んで自分たちの本分を全うする…
そんな海の仲間を守るために、ブルーマーメイドが一丸となって作戦を実行する様は鳥肌モノです。

確か晴風って、ブルーマーメイドの試験の成績が芳しくない人の集まりだった筈ですが、今の彼女たちに落ちこぼれの様なレッテルは微塵も感じません。
寧ろ、幾度となくピンチを乗り越えてきた経験が彼女たちを高みに押し上げたのでしょう。
きっと今ではトップクラスのメンバーになっていると確信しています。
現にそれを感じられる場面が本作にもありましたから…

大和級だから凄いんじゃない…
先輩だから凄いんじゃない…
そんな晴風のクルーを含めた真骨頂を余すことなく堪能できる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間100分強の作品でした。
主題歌は、TrySailさんの「Free Turn」

想像の遥か斜め上を行く面白さでした。
そして晴風の雄姿…もう中毒になりそうなくらい見惚れてしまいました。
続編の可能性は低いかもしれませんが、これだけの作品を見せられると期待したくなっちゃいますよ…
思いきり堪能させて貰いました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 11

72.0 16 2020年度アニメランキング16位
デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(アニメ映画)

2020年2月21日
★★★★☆ 3.9 (36)
206人が棚に入れました
太一とアグモンたちが出会い、デジタルワールドを冒険した夏から十年以上が経過した2010年。世界中の“選ばれし子どもたち"は徐々にその存在が認知され、現実世界にデジモンがいる風景も珍しくなくなっていた。太一は大学生となり、ヤマトたちもそれぞれ歩むべき道を見定め、自身の進路を進み始めていた。そんな中、世界中の“選ばれし子どもたち"の周囲で、ある事件が起こり始める。太一たちの前に現れたデジモンを専門に研究する学者・メノアと井村は、"エオスモン"と呼ばれるデジモンが原因だと語り、助力を求めてくる。事件解決に向けて、太一たち選ばれし子どもたちが再び集結。しかし、エオスモンとの戦いの中でアグモンたちの“進化"に異変が起こる。その様子を見たメノアは、太一たちに衝撃の事実を語る。選ばれし子どもが大人になった時、パートナーデジモンはその姿を消してしまう――。エオスモンの脅威は、次第に太一の仲間たちにも及んでいく。戦わなければ仲間を救えない、しかし無理な戦闘はパートナーとの別れを早めていく事に。ずっと一緒にいると思っていた。一番大切な存在と別れてでも戦うのか?“選ばれし子ども"が大人になるということ――。変えられぬ宿命を前に、太一とアグモンの"絆"が導き出す、自分たちだけの答えとは?

声優・キャラクター
花江夏樹、坂本千夏、細谷佳正、山口眞弓、三森すずこ、重松花鳥、田村睦心、山田きのこ、吉田仁美、竹内順子、池田純矢、櫻井孝宏、榎木淳弥、松本美和、M・A・O、徳光由禾

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ついに現れた「ぼくらのウォーゲーム」に匹敵する神作。「ぼくらは」もう大人になった…、それでも「その先へ…」。

懐かし商法、それは名作の知名度を利用した雑な拝金主義の塊。そんな物が沢山作られウンザリしていた昨今、ついにファンに誠実に応えて全力を尽くした作品ができちゃいました…。


見終わったばかりで興奮冷めやらぬ状態なので後でより詳しく書きますが、とにかく戦闘シーンの作画が凄すぎる!。今年、果たしてこれを超えるのは出るのか?ってレベルの、素晴らしく広い空間と巨大感を感じさせてくれる作画な上に、上がるアクションのツボを本当にわかってる。レーザーのSEだけでご飯三杯いけるぞこいつは!。


そしてテーマは、ハッキリ言って予告の時点でわかるし、他の懐かし商法作品でもやってたもの、即ち少年期の終わりである。でも、なんで他は駄目駄目なのにこっちはなんでこんなに感動するんだ?。


それはビンビン伝わってくる原作愛、なにより演出の妙としか言いようがない。詳しく書くとネタバレになるので、あんまり突っ込んで書きませんが、デジモンファンなら当然必見、デジモン詳しくない方でもこのクオリティーには仰天するはず。


ふ~、少し落ち着いたので更に書きます。


こういう作品だと見た人の立ち位置によって評価が変動するとこがあるので、面倒ですがご了承ください。


私とデジモンの出会いは完全に細田監督つながりです。「時かけ」で細田さんファンになり、過去作品を追いかける中でデジモンが好きになりました。といっても、私は初代派で02はそんなにノレず、他は見てないのが現状です。


そこで初代や本作が大好きなのに、02にノレなかった理由が今回割りとハッキリしました。初代のラストの時点で、これはもう少年時代の終わりの話なんだと感じていたからです。一夏の冒険、そして成長と涙の別れ、これだけで切なくもかけがえのない思い出として最高だ!と思っていました。


ところが、02のラストでその綺麗な終わり方がひっくり返されたように感じて正直不満だったのです。そこを本作では完璧に初代のテーマを受け継いでいる!。これが泣かずにいられようか?。否、泣かざるをえない。


全体的に見ると正直完璧な作品ではないです。02メンバーの使い方とか、松岡さん使うのもどうかと思うがなんで「シンゴジラ」の石原さとみさんみたいにすることなかろ等々。


中でも特に感じたのは太一とヤマトのセットアップが少々弱い点。そこをもっと具体的に描いて、ブックエンド方式にしたほうが成長を対比でよりハッキリ描けたかな?。


もしも予習するなら、細田さんが監督の「ウォーゲーム」も良いですが、最初の短い劇場版のがオススメです。見ておけば開幕からニヤリ、終盤で思わず膝を打つこと請け合いです



鑑賞二回目後

なんで私は毎日デジモンを見に行けないんだろう…(遠い目)。


改めて見ると水の演出が非常に凝ってるのが気になった。ガラスに滴る雨水が顔に映って涙みたいに見えるのがグッド!。それにしても、ミデンといいこういう悪役好きだなぁ~私。「ずっと泣いてたんだ…」のとこで号泣。


(追記)

 本作のポイントはやはり悪役がしっかりしている点と改めて感じた。単なる悪いやつじゃなく、太一たちの影であり、同時に視聴者の影でもある存在にしているから味わい深い。子供時代の象徴から脱却はアメリカ映画などでは伝統的な魔チーフだが、私としてはとにかく社会の一部で有益な大人になれ!というメッセージより、子供時代に囚われ続けるのは良くないが、それが持っていたマジックを胸に抱えつつでも大人になれるんだよっていう、本作のようなタイプの方がずっと好み。


 罪深いくても最も苦しんだ人こそ救われるべき、という悪人正機説の物語としても本作は「プリキュアオールスターズメモリーズ」と同じく素晴らしい。グッとくるポイントはいくつもあったが、悪役のラストのところが一番の号泣ポイントだったかも。他の部分はある程度身構えていた展開ではあったけど、ここは無理でした。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 17
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

選ばれしこどもに、子供が選ばれるのは?

 デジモンは今まで見たことなかったけど、今回も気になって見に行ったです。結構、絵は綺麗だなぁと思ったです。
 映画、TVシリーズ、OVAとあったんだなぁとパンフを見て思ったです。歴史あるなぁです。

 さわやかな青年とデジモンの友情、謎の敵と戦うということ、別れの必然、デジモンと選ばれしこどもの在り方、成長するということは何か?、主人公 太一たちの選んだ答えを見た気がするです。

 このデジモンにも味方だと思うと実は・・・だったり、悪い奴だと思っていると実は・・・だったりしたです。

 デジモンと選ばれしこどもの在り方ということにおいて、あるキャラの過去の辛さと選んだ結果が、ゆがんだ方向に進んでいたように見えたです。それに立ち向かう太一たちだったです。

 戦うことにおいてどうなるのか?思い悩みながらも覚悟と勇気を見せてくれたと思ったです。
 デジモンのバトルシーンも迫力あったです。その中において{netabare}仲間が操られた?ピンチのような状況でどこからか?だったような出てきた笛を吹いたシーン、{/netabare}どこか意味ありげみたいで印象に残ったです。

 成長するということしたことにおいての太一、ヤマトのデジモンとの会話は、どことなく感動、寂しさを感じられた気がしたです。やはり本当に分かれるのかは?、見てのお楽しみなのです。
 人は誰しも成長し変わってはいくものだろうけど、何も全てが変わらなければならないということはないと思うです。
 最後の最後、太一たちの思うことその現在において、そんなことももしかしたら示していたのかなぁと私は、思ったです。

 見る機会があったなら、今までのデジモンってどうだったのかなぁ?と思うです。 

 

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

ささしす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

デジモン、やっぱり好き!

デジモンアドベンチャーで子どもだった太一たちが成人。とある事件により未知のデジモンと戦います。
戦闘シーンの迫力は見応えありです。劇場版デジモンアドベンチャーのの2作を観ている人なら、より一層楽しめます。戦闘シーン以外にも、ファンサービスの要素は随所にありました。
太一達のそれぞれの人生の方向の違いを垣間見る事が出来る場面もあって良かったです。
私は子どもの頃にデジモンを観ていたので、大人になって大人になった太一達と自分を少し重ねて、嬉しいような、照れくさいような気持ちになりました(笑)。私にとってデジモンは過去の宝物のような思い出の1つで、この作品を見終わって改めてそのように実感する事ができました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

71.9 17 2020年度アニメランキング17位
囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather(アニメ映画)

2020年2月15日
★★★★☆ 3.8 (13)
98人が棚に入れました
被虐趣味で好色な一面をもつ真誠会若頭、矢代。彼の元にやってきた百目鬼。彼等は次第に惹かれあっていく。自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。運命に翻弄され“欠落"を補い合う二人の行き着く先は─。

声優・キャラクター
新垣樽助、羽多野渉、興津和幸、小野友樹、安元洋貴、三宅健太、高瀬右光、佐藤拓也、三宅貴大、大川透

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

囀る鳥は、百目鬼のことだと思う

 劇場CMで宣伝されていたこともあって見に行ってみたです。やたら、お姉さんやおばさんが来てたことに???だったです。

 会社風のビルを事務所に隠れ蓑に佇む暴力団だかヤクザの若頭、矢代のお話だったです。
 矢代のもとに来ることになった、無表情な百目鬼(どうめき)との絡みなどを異様というのか?百目鬼以外も合わせて、性遍歴、これをBLと呼ぶのか?私には理解しにくい展開だったです。
 R18の対象の場面、言葉の目立つ内容であることは、間違えないです。

 以前にも異性との関係が、女性同士、男性同士において、各々において一方が男らしく女らしさを見ることがありましたが、これはどちらにもそぐわないものを見たと思うです。

 自分にとってのある意味の恐ろしさ、価値観の違いを露骨に表現されたというのか?気分がいいように見えなかった印象です。逆に女性同士でこのお話の展開だったとしても、同じ印象を受けたと思うです。特殊な人間関係を全面的に出したか?のようだったです。

 人を好きに対する考え方、矢代、百目鬼の人間性、魅力と呼べるのか?まさに人間十人十色という言葉に当てはまるのか?その視点ならば、よくできたお話なのかもしれませんです。

 「う~ん?」こういう世界観、暴力団、ヤクザ、こういう同性愛者が、現実にいたとしたら、理解に苦しみましたです。
 自分にとって、異性にしても特に同性に対して、こういう考え行動はできないし、考え付かない感じです。それを乗り越えられたことが、「人を好きになる孤独を知った」という言葉なのだろうか???です。
 見ていた女性の皆さんだとして、素晴らしいと感じられたのか?知るよしもないです。難しいです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 6

71.8 18 2020年度アニメランキング18位
劇場版 荒野のコトブキ飛行隊 完全版(アニメ映画)

2020年9月11日
★★★★☆ 3.9 (11)
82人が棚に入れました
一面荒野が広がる世界、“イジツ"――。ある日、世界の底が抜け、色々なものが降ってきた。中でも“ユーハング"がもたらしたものの影響は大きく、とりわけ飛行機の存在によって人々の生活は激変。以降、世界の潮流は空へと移っていった。時は流れ――、空には商船とその用心棒、荒くれ者の空賊など、さまざまな人々が飛び交っていた。オウニ商会の雇われ用心棒“コトブキ飛行隊"は、空を飛ぶことが大好きな、女の子だけのスゴ腕パイロット集団。彼女たちはお客様の大事な積み荷を守るため、今日も隼とともに大空を翔けてゆく。

声優・キャラクター
鈴代紗弓、幸村恵理、仲谷明香、瀬戸麻沙美、山村響、富田美憂、矢島晶子、藤原啓治、吉岡美咲、岡咲美保、島袋美由利、古賀葵、川井田夏海、大久保瑠美、上田燿司、東山奈央

71.6 19 2020年度アニメランキング19位
ヒックとドラゴン 聖地への冒険(アニメ映画)

2019年12月20日
★★★★☆ 3.9 (14)
47人が棚に入れました
かつてドラゴンは人間の敵だった。弱虫のバイキングの少年“ヒック"と傷ついたドラゴン“トゥース"の活躍で彼らは共存する道を選び、バーク島で平和に暮らしていた。だが、ドラゴンが増え続けたバーク島は定員オーバー!亡き父の跡を継ぎ、バイキングのリーダーに成長したヒックは、島を旅立ち、みんなと新天地を探し求める決断をする。しかし、大移動の旅の途中、最凶のドラゴンハンターに命を狙われ、“トゥース"の前には、謎の白いメスドラゴン“ライト・フューリー"が姿を現す。そして彼らが辿り着いたのは、人間は住めないドラゴンたちだけの<隠された王国>だった―! “ヒック"と“トゥース"は別れる運命なのか?今、人間とドラゴンの友情が試されるー。

声優・キャラクター
《字幕》ヒック:ジェイ・バルチェル、アメリカ・フェレーラ、ケイト・ブランシェット、ジェラルド・バトラー、F・マーレイ・エイブラハム《日本語吹替》田谷隼、寿美菜子、深見梨加、田中正彦、松重豊

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これならまた一作目を見直したい

一作目を見直して鑑賞。2でも感じたが、残念ながら終わった話をやってる感あり。

映像のレベルは半端ないが、駆動力となるストーリーやキャラの成長の喜びが弱いから震えない。ラストのほうのあるシーンは、1を見てる人間にはニヤッとさせるものはあったが。

やはり敵のドラゴンハンターや、ヒックの理想の実現を拒む世界の厳しさをしっかり描かないと、それを打ち破る快感も弱くならざるをえない。全然悪くないが、これならまた一作目を見直したい。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

71.4 20 2020年度アニメランキング20位
BURN THE WITCH(アニメ映画)

2020年10月1日
★★★★☆ 3.7 (125)
617人が棚に入れました
正解には表<フロント>があれば裏<リバース>がある。遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在"が関わっていた。だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側"に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。その中でも、選ばれし人々がウィッチ<魔女>/ウィザード<魔法使い>となり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。主人公は、自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。

声優・キャラクター
田野アサミ、山田唯菜、土屋神葉、平田広明、引坂理絵、麦人、小林親弘、田中美央、清水はる香

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

もっと知られるべき傑作

前知識何もなしに、たまたま目に止まって配信を見たら、すっごい面白い。
もっと知られるべきじゃない?
かのBLEACHの原作者の特別編として作られたらしい。まあ私はBLEACH見てないんで何も分かりませんが。
BURN THE WITCHの文字が最後にBLEACHになったり、意識しすぎじゃないかと思ったが。

それにしてもこのアニメのキャラデザイン大好き!のえるちゃんのファンになっちゃいました。
話も面白いし、アクションも良く動いて見応えあり。
2人の元気な魔女の掛け合いが面白い。
壮大な物語の序章のような作りだが、これでも十分な完成度だと思う。
原作はもっとあるようだから、また元気な魔女漫才を見せて欲しいなあ。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 11

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シンデレラの夢はいつ覚める

視聴前 どういう

視聴後 おおお

この話はフロントとリバースで見る世界が変わってくるイギリスの話
ジャンルはドラゴン・魔法・魔女
一部動画配信サイトで配信されていた映画ですね
個人的には「なぜテレビじゃない…」と思えるくらい好印象です。

普通に面白かったです。
序盤のキャラ説明や世界設定説明は不十分なような気がしましたが、あの短時間でわかってしまうので大分優秀な説明だったと思います。
導入も自然なものでしたし、特に気になる点はありませんでした。
中盤は物語なのですが、まぁかっこいい。完全に中二病なのですが「マジックナンバー75!ガントリング・クラウン!」とかマジでかっこいい。私が言うと非常にダサいのですが、ノエルちゃんもとい山田唯菜さんが言うと超かっこよくないですか!?私もうあの感じが好きでたまらなくて。
終盤は中盤の勢いをそのまま利用していました。悪く言えば終わり方が雑なのですが、良く言えば余韻がある終わり方でした。まぁ個人差はあるでしょうが、良い終わり方だとおもいます。

誰でも楽しめる作品となっているので、見ようかみまいか迷っている方は見ることをおすすめします。

映画なので基本切る人は少ないでしょうが、一応切る基準としては序盤のキャラですね。キャラがわりかし基本となってきます。大抵は好印象ですけど。

原作は久保帯人さん。ブリーチの原作者ですね。
監督は川野達朗さん。原画マンであり初監督だそうです。それにしては。
助監督は清水勇司さん。
シリーズ構成は涼村千夏さん。
キャラデザは山田奈月さん。
劇伴は井内啓二さん。ダンまちなどをされた方ですね
アニメ制作はteamヤマヒツヂ/スタジオコロリドさん。ペンギン・ハイウェイや泣き猫を制作したところですね

作画は良かったです。キャラデザも好みですし、迫力のある作画でした。
声優さんは良かったです。
最後のBLEACH意味がわかりませんでしたが、これBLEACH20周年記念作品だったんですね。

総合評価 みとくべき

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7

トイトイ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

映画単体として見ると80点プロローグとしてなら100点

タイトル通りこれだけだと少し物足りないですがこれをプロローグとして見るならとても満足がいく映画でした。
世界観の説明もちゃんとしており、次作への伏線が貼られていて早く続きが見たくなります。
専門用語がしばしば出ており1回で全てを把握するのは厳しいかなと思いました。単行本と合わせて見ると把握しやすくなると思います。
戦闘のときのbgmが個人的にかなり好きでした。またEDも良く余韻に浸れました。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 1

71.4 20 2020年度アニメランキング20位
劇場版BEM ~BECOME HUMAN~(アニメ映画)

2020年10月2日
★★★★☆ 3.8 (19)
53人が棚に入れました
壮麗と退廃、繁栄と貧窮が運河を隔てて共存する都市「リブラシティ」。若き⼥性刑事・ソニアは、街で頻発する不可思議な事件を追う中で、“ベム・ベラ・ベロ"と呼ばれる3⼈と出会う。醜い姿に変⾝する彼らはやがて妖怪⼈間と名付けられ、事件の容疑者として追われることとなるが、彼らこそが事件を解決し⼈々を助けているのだった。すべては「⼈間になりたい」という願いを叶えるため。リブラシティを裏で操る「⾒えざる議会」が事件の⿊幕であることを突き⽌めたベムたちは、その⾸魁であるもう1⼈の妖怪⼈間・ベガと対峙する。運河をつなぐ橋を破壊するほどの激闘の結果、ベムたちは姿を消したのだった…。それから2 年。ベムの⾏⽅を探し続けていたソニアは⽬撃情報を元に「ドラコ・ケミカル」という製薬会社を訪れる。そこで出会ったのはベムに⽠⼆つの⼈間“ベルム・アイズバーグ"だった…。

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、宮田俊哉

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ベムが望むこと?

 TV放送続きのお話みたいで、ベム?が何故か?名前も変えられて?家庭を持っているという設定になっていたです。
 なぜそうなっているのか?その真相こそが、このお話を大きく揺さぶる真実につながるのです。きっかけとなるソニアの存在が、最後まで絡んでくるです。

 ベラ、ベロも出て来るけど、殆どベム中心に話が進められ、ベムの自身が、本能的というのかで、答えにたどりついていったです。
 ベムの日常、周囲は一体何だったのか?、その裏に隠された真実は、再び戦いへと進むのです。ベムに関わる、真の敵の正体も見所です。

 戦闘シーンなどが、BEMらしいともいうべき、質の高い作画、演出で最終決戦は、衝撃の展開となったです。「人間になりたい!」の答えは、悲劇の先にあるのか?ベムがどうなるのか?リメイク三作目の最後となる結末は、見てのお楽しみです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

71.2 22 2020年度アニメランキング22位
思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ映画)

2020年9月18日
★★★★☆ 3.7 (62)
283人が棚に入れました
偶然出会ったタイプの全く違う【朱里】と【由奈】、朱里の義理の弟の【理央】と由奈の幼馴染の【和臣】は同じマンションに住み同じ学校に通う高校1年生。理央に憧れる由奈、朱里に言えない想いを抱える理央、秘密を抱える朱里、ある秘密を目撃してしまった和臣。それぞれの思いは複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違っていき――切なすぎる恋が動き出す。

声優・キャラクター
鈴木毬花、潘めぐみ、島﨑信長、斉藤壮馬

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

痛くて苦しくて、傷つけて踏み続けて

視聴前 少女漫画原作かぁ

視聴後 やっぱ私少女マンガきらいじゃないな

この話は全然タイプの違う女の子と偶然仲良くなった話
ジャンルは恋愛・学園・生徒
まずいいます。個人的には割と好きです。
少女マンガの何が面白くないかというと、少女漫画特有のご都合主義だと思うんですよ。あのご都合主義を取り除いて文を再構成したらきっとマシになるはずなんです。
そして本作。現実にも程がある。いや、果たして現実でこんなことがあるのか、私にはわかりかねますが、多くの人が想像している少女マンガとは違ったものを感じました。
少女マンガは少女のみが許された禁断の聖書だ、と中二の従姉妹がほざいていましたが、なかなか大人は足を踏み入れづらいですよね。まぁそれでも本作の壁は破っていいかなと思いますよ。
超がつくほど恋愛メインの話です。コメディシーンもあるっちゃありますが、少女マンガのノリなのであまり期待せず。故にこういう系に慣れてない方は悶えるかもしれません。前のカップルが映画を見た後より一層イチャイチャしてたのが腹立たしかったですが、ソレほどまでに本作は人間の恋愛心(果たして存在するのか)に鑑賞してくる作品でした。本作を見れば学生に戻りたいと一瞬でも必ず思います。

キャラはとても好きです。出てくるネームドキャラは全員ちゃんとした個性を持ち、物語に不可欠な存在となっています。超好印象。特にあかりちゃんが超可愛い。もう可愛い。語彙力がなくなるくらい可愛い。繊細のくせに自分の気持ちを抑えちゃって変に気遣ってしまう性格はたまらなく好きです。超かわいい。

どうでも良いかもしれませんが、このタイトル本当にすごいと思うんですよ。ジャンルの予想が容易にでき、あえて連用形で終わることで、続きを気にならせる、という手法。なおかつ(というか本命で)語感が最強。口に出したときの心地よさはエグい。

原作は咲坂伊緒さん。ストロボ・エッジやアオハライドの原作者ですね
監督は黒柳トシマサさん。船を編むなどの監督をされた方ですね
脚本は吉田恵里香さん。刀剣乱舞花丸や神の塔の脚本をされた方ですね
キャラデザは山下祐さん。うさぎドロップや終末のイゼッタなどのキャラデザをされた方ですね
劇判は野見祐二さん。耳をすませばや猫の恩返しを担当された方ですね
アニメ制作はA-1 Picturesさん。

作画は良かったです。雨の作画や光の演出など、難しく細かい作画なども丁寧に表現されており、臨場感のあふれる絵となっていました。動きも丁寧でしたし、ちゃんとものすごく鮮やかな作画で好印象です。
主題歌はBump Of Chickenさんの「Gravity」個人的にはもう少し違った曲のほうが良かったです
声優さんは豪華でした。キャラとよくあっており、キャラの魅力をひきたてていました。

総合評価 面白かった。やっぱ少女漫画は定期的に読むと面白い

投稿 : 2024/05/25
♥ : 14

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

セーラー服ってやっぱかわいいねぇ。

いやまあその変な意味じゃなくて。
まあ変な意味にとられてもいいすけど(笑)。

いやなんか久々かなって思ってですね。
花咲くいろは以来かなとか。

花咲くのセーラー服もよかったですけども、思い思われのもなかなかよかったであります。

おしまい。


…と、ここでレビューを終えたらただの変態さんになってしまうのでもうちょっと書き足します。


この咲坂伊緒ゆわはる漫画家さんの話はいずれもビッグヒットしてるのですが、どうもなんかこうアレなんですよねぇ。ボク的には。

おもんないってわけやのうてですね、ボクなんかの高校生時代を振り返ってみてみると著しくリアリティにかけとんですよ。

いや、おのれのしょうもない高校時代と比較して見てどないするねんなとすかさず突っ込まれるのを承知で申し上げますと、あまりに遠い世界の話過ぎて、こう実が入らんのですよ。


しかしながらスマッシュヒットを繰り出す咲坂作品の数々には見る人大勢の人にとって魅力があるからこそだと思いますので、おそらく世の中の人らはこおゆう遠い世界の話に胸をキュンキュンさせるものなのだとゆうですね、そおゆう結論にいたっております。

まま、絵はきれいだし、キャラはどの子もかわいいし、歌はバンプだし、非の打ちどころは基本的にはありません。


とゆうわけで、すごい感動するとかそおゆうのンではなくて、いわゆる美男美女がくっついては離れ、離れてはくっつきするとゆうそおゆうハナシなので、そおゆうハナシが大好きな人にはムフフなアレかと思います。


あとセーラー服が好きな人にもおすすめです(やっぱり変態さんだ)。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 7

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

雨のち雪、そして

四角関係恋愛物語。
思春期の揺れる感情を丁寧に描いています。
少女漫画原作だから、物語は予想通り王道。
もつれた関係が少しずつ解けて行くようなストーリーです。

天候が物語に彩りを加えます。
しとしと雨や降りしきる雪が心理描写を効果的に表現。
雨降って地固まる、冬は必ず春に。
人の世って、そういう風に出来ているのでしょう。

キイパーソンは消極的な性格で恋愛を知らない由奈です。
序盤はイラっとするけど、アカリやリオに触発され成長する。
もともと素直な性格で人を思いやることのできる由奈。
「どうせ私なんか」を克服できれば強いです。

大切な気持ちをなかったことにする。
そんな所にすれ違いが発生します。
はっきりと言葉にして自分の感情を表現すること。
それが幸せへの近道なのでしょう。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 16

71.2 22 2020年度アニメランキング22位
進撃の巨人 ~クロニクル~(アニメ映画)

2020年7月17日
★★★★☆ 3.8 (10)
106人が棚に入れました
今回はSeason1~3まで全59話が放送されたTVアニメを1本の映画として再編集。巨人の侵攻によって人類を守る壁が壊された“あの日"から、すべての巨人の駆逐を誓った少年エレン・イェーガーの戦いと成長の軌跡を追った、まさに「進撃の巨人」入門編ともいうべき作品になっている。NHK総合にて「The Final Season」が放送予定。エレンたちの物語もいよいよ佳境を迎えることになる。その前の予習として、また復習として、ぜひともご覧いただきたい。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美

71.1 24 2020年度アニメランキング24位
劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X(アニメ映画)

2019年12月27日
★★★★☆ 3.9 (13)
46人が棚に入れました
地球を奪うため、新たな敵・ナハネ、オハネフそして謎の巨大怪物体が宇宙から現れた!そのすべては、超進化研究所が密かに開発を進めていた「シンカリオン ALFA-X」が鍵を握っている…!?平穏な日々を過ごしていたハヤトら<チームシンカリオン>の戦いが再び幕を開ける――!!突然の敵の攻撃により父・ホクトが行方不明になってしまい、不安を隠せないハヤト。そこに現れたのは、なんと時空を超えてやってきた“9歳のホクト"だった! 光の粒子に包まれてタイムスリップしてきた<少年ホクト>は、地球を守るため、そして元の世界に戻るため、最新技術を結集し完成した「シンカリオン ALFA-X」の運転士になることを決心する。二人の想いとともに、北海道支部・山形支部・大宮支部・名古屋支部・京都支部・門司支部から集結した<チームシンカリオン>は宇宙最強の敵に立ち向かう!チームシンカリオンは日本の平和と安全を守ることができるのか!ハヤトは父・ホクトと再会することができるのか!?

声優・キャラクター
佐倉綾音、沼倉愛美、村川梨衣、真堂圭、竹達彩奈、杉田智和、雨宮天、うえだゆうじ、山寺宏一、釘宮理恵、伊藤健太郎、吉田鋼太郎
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

青函トンネルを抜けたら……そこは時空を越えた夢のコラボワールドでした♪

ロボットに変形合体可能な同名「プラレール」シリーズのTVアニメ化作品(全話視聴済)の劇場版。


【物語 3.5点】
TVシリーズの“黒い粒子”に加え、本作では時空をも越える“白い粒子”の設定が追加。
新幹線を通じて全国津々浦々を結ぶ横への展開に、時代を前後する縦の展開も重なり、
シリーズ拡大の可能性(何でTVアニメ打ち切ったんだよ!との無念?)を見せる。

ただ、内容は概ね“全車集結!”のキャッチコピーを有言実行するためのロボットお祭り映画。
時空超越設定も例えば{netabare}『ゴジラ』、『エヴァ』{/netabare}等とのコラボレーションに費やされる。
新幹線ロボや巨大怪物体(ゲスト含む)が
スクリーンでプロレスしているだけで幸せになれる方ならば満喫できる。


【作画 3.5点】
作画レベルは安定時のTVアニメ版クラス。
既出の「シンカリオン」各機の変形合体カットもTVアニメ版準拠。
劇場版クオリティという観点から見れば標準的な作画。

改めて評価ポイントとして挙げたいのは新規の変形合体カットについて。
本シリーズのメカニックデザイン担当・服部 恵大氏は、
素材となる新幹線の各パーツをPC上で分解し組み立て「シンカリオン」を構築。

素材の個性も残しつつ、格好いいロボットとして成立させる。
しかも後に新作「プラレール」としてリアルで商品化するので誤魔化しが効かない。
という相当難度の高い3Dパズルをこなして来ているわけですが、
本作の「E5はやぶさmkⅡ」と新登場の「ALFA-X(アルファエックス)」との“リンク合体”等は、
完全に後付けの無茶振り設定であり、そこを無事合体させる手腕は職人芸の域。
ここもやはりロボットアニメファン必見。


【声優 4.0点】
少年主人公役もすっかり板についた佐倉 綾音さんを始め、
少年“運転士”役キャスト陣らが盤石の演技。
主人公ハヤトのゲスト相棒役を務めた釘宮 理恵さんの少年ボイスも良好で、
“大きなお友達”のショタ需要も充足。

敵役として招かれた伊藤 健太郎さん&吉田 鋼太郎さんの俳優陣も、
これまでのアニメ映画出演の経験も生かしてか違和感なし。

本シリーズには隠れた課題として、
初音ミク並びにボーカロイドは声優に取って代わり得るか?という問いもありましたが、
結論するとボーカロイドやAI等が声優を脅かすのはもう少し先の話になりそう。
但し“運転士”ミクも“本職”では意地を見せてくれるので、ボカロファンは要注目。


【音楽 4.5点】
TVアニメ版から継続使用された明快な劇伴がロボットバトルに寄与。
BOYS AND MENのED主題歌「ガッタンゴットンGO!」は
TVアニメ版OP主題歌「進化理論」を“延伸”した風味の無難な佳作。

特筆すべきは、コラボ関連ソングの充実。
例えば{netabare}『エヴァ』の「残酷な天使のテーゼ」、『ゴジラ』の「ゴジラのテーマ」{/netabare}といった、
コラボ作品のアイコンとなる楽曲まで引っ張って来た。
総力戦に拍車をかけた営業の頑張り?を好評。


【キャラ 4.0点】
相変わらず新幹線の先頭車両を“ご尊顔”と敬称する鉄オタ主人公ハヤトら、
「好き!」を振り切った、濃い趣味の小学生“運転士”等、個性的なキャラは健在。
ゲストでも魅せつつ、従来キャラもほぼ総出演させ見せ場を作る、
総力戦をお子様でも完走可能な尺で実現した、お祭り主催者の手腕を評価。



【感想】
俺の好きな“四文字熟語”は「変形合体」だ!という
私のようなロボットアニメファンには堪らない映画でした♪

てか、どんだけ「グランクロス」連発すんねんwいいぞ!もっとヤレ!
といった感じで盛り上がりました♪


私が一つセンスを感じたのは、北海道・函館という舞台設定について。

儚く消える北国の雪と、時空を越える力をも秘めているけど不安定な“白い粒子”が、
シンクロして何とも言えない風情を醸し出しています。

状況に応じて、新幹線で最適な場所さらには時代にアクセスする。
新幹線ロボットアニメのフットワークの軽さを再認識した劇場版でした♪


また個人的にはコラボを通じて私が長らく逃げ回ってきた
{netabare}『新劇場版ヱヴァンゲリヲン』{/netabare}鑑賞の決意も後押ししてくれた。
実に有意義な劇場鑑賞でした♪


付記:名古屋のご当地男性アイドル・BOYS AND MENのみなさん。
本作ED主題歌でのオリコンウィークリーランキング1位獲得おめでとうございます♪

2020年代最初のオリコン1位だった件は是非とも後世に語り継ぎたい史実です。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 10
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

白い粒子による現在と未来につなげる、過去との出会い

 2019年、令和元年、最後に見たアニメは、「劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X」だぁ!です。

 始まりから始まる某アニメの宣伝を兼ねた出だし、とある工事現場の出来事が、この物語を導くのです。

 ハヤトくん親子でいく北海道旅行どうなっていくのか?です。即、北海道と言ったら再び出てくるあのキャラの登場もしかり、巨大怪物体ならぬ、超有名生物の出現は、ある意味アニメを越していたです。

 一方、とある宇宙でうごめく新たな敵の陰謀、彼らヴァルハランの正体は如何にです。

 ハヤトくん親子の前に現れた白い粒子。生物としか言えない巨大怪物体が、立ちはだかること原因で、思わぬ事態へとです。

 ブラックシンカリオン・オーガとの激戦から、秘密裏に開発されたALFA-Xとは、一体です。一番最初の現場から出てきたとされる車両の因果関係は?です。

 気を失ったときに引き込まれた、TVでも出てきたあの世界観は、ゲスト世界としか言えなかったです。
 気がついたハヤトくんが見た子供は、話し方がハルカちゃんにそっくり、誰だろうはわかることになるです。お父さん行方不明、どこに行ったの?です。

 物語の根底に関わることになるその少年は、危険にさらされながらも、ハヤトくんと奇跡を起こすのです。

 チームシンカリオンの出動、和解したエージェント達との協力が、新たな敵から勝利を摑むのです。
 斬新な変形、夢のオーバークロス合体は、必見です。
 勝利を得た先に訪れる光景は、私にはどこか「これで、いいのだ!」だったです。

{netabare}  「好きなものは、好きであり続ければいい」というハヤトくんの言葉は、私には心に響いたです。
 エンドロール後の「シンカリオンは、まだまだつづく」だったか?は、「私、気になります」だったです。
 ツッコミどころは、お父さんがどうやって保護されたかの真相が、省略されたことでしたかねです。上映時間、もっと長くてもいいのでは?です。やや後半、駆け足すぎかもです。{/netabare}まぁ、細かいことは気にしなくていいかもしれないです。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待以上!!!!!

ネタバレを見る前に観に行きなさい!




TV本編にも、レギュラーキャラとして初音ミクが登場し、
エヴァンゲリオンとコラボをするなど話題にこと欠かさなかったシンカリオンの劇場版です。
JR協力で、配給は東宝、アニメーション制作OLM

評判は「対象年齢が俺たち」「児童向けの顔をした中年向けアニメ」


何が起きるかわかりますか??


シアターにいるのが私ひとりだったら、興奮で叫んでましたね。


ああ、シンカリオンを忙しさにかまけて後半観ていなかったのが悔やまれる。

シンカリオンの一番の良さって綺麗な家族愛だと思うんですが、絶妙な演技が滲みるんですよ。それは幼い時代には感じなかった感情。
それを丁寧に、丁寧に描いています。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 3

70.8 25 2020年度アニメランキング25位
ゴブリンスレイヤー GOBLIN’S CROWN(アニメ映画)

2020年2月1日
★★★★☆ 3.6 (178)
823人が棚に入れました
ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーたち一行。襲撃される寒村、謎の礼拝堂と、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えるゴブリンスレイヤー。「取り戻す…、失った物、全てを! 」囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、圧倒的な強さを誇る“何者"かに統率されたゴブリンたちとゴブリンスレイヤーたちが激突する! !

声優・キャラクター
梅原裕一郎、小倉唯、東山奈央、井口裕香、内田真礼、中村悠一、杉田智和、日笠陽子、松岡禎丞

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

失った誇りを取り戻せ

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。
TVアニメ版の内容は鮮明に記憶に残っています。
放送が2018年と比較的最近だったこともありますが、ゴブリンの執拗さや残忍狡猾なやり口は簡単に忘れられるモノではありません。
唯ちゃんと奈央ぼうがパーティーに加わっていたのも大きかったかな^^


“ゴブリン退治に出向いて消息を絶った令嬢剣士を探して欲しい。”
剣の乙女からの依頼を受け、北方の雪山に向かうゴブリンスレイヤーとその一行。
だが、襲撃される寒村、謎の礼拝堂と訪れるにつれ、今回のゴブリンの群れの行動に違和感を覚えていく。

囚われの令嬢剣士を救うため、雪に囲まれた古代の砦を舞台に、
圧倒的な強さを誇る“何者”かに統率されたゴブリンたちと、ゴブリンスレイヤー一行が激突する。


KINENOTEのあらすじを引用させて頂きました。

物語は見たことないパーティーがゴブリン狩をしているところから始まります。
いきなりゴブリンスレイヤーや神官・弓使いが颯爽と登場するとばかり思っていたので一瞬あれっと思いましたが、その心配も杞憂ですぐ「いつものメンバー」が集結してくれました。

その見たことのないパーティーを率いていたのが、捜索依頼の出ている令嬢剣士だったんです。
令嬢剣士率いるパーティーは、万全の準備をしてゴブリンの巣穴に向かい、凡そ万全と思える方法でゴブリンの首を絞めあげていきます。

彼らもこれまでそれなりのゴブリンを相手にしてきたんでしょう。
決してゴブリンを侮ってなどいませんでした。
だから、今回の狩りも戦歴が一つ増えて終わる筈だった…

ですが、ゴブリンってそんな生易しい相手じゃなかったんです。
きっと彼らの取った戦法は間違いじゃなかった…
但し、途中まで…でしたけれど。
今日首尾良く出来たから、明日も同じ方法でうまくいくとは限らないんです。
きっとゴブリンスレイヤーですら目の当たりにしたのは初めてだったのではないでしょうか。
そんな相手と対峙したパーティーの末路なんて…一つしかありませんよね。

そしてそんな惨状を見てゴブリンスレイヤーが黙っている訳…ありませんよね。
ゴブリンスレイヤー一行と小鬼聖騎士(ゴブリンパラディン)率いる大量のゴブリンとの全面戦争に発展するのに、そう時間は掛かりませんでした。

ゴブリンスレイヤー一行の個々の個々のスキルにも圧倒されますが、それより驚かされるのはゴブリンたちがしっかり統率されていることです。
しかも群れを率いていた小鬼聖騎士は更なる目論見を企んでいたようですし…
改めてゴブリンって怖い存在だと思いました。
その分見応えは半端ありませんでしたけどね^^

主題歌は、Miliさんの「Static」
幻想的な序盤から一気に激しさを増す中盤以降の曲調が本作品の作風ピッタリだったと思います。

上映時間が約60分の作品でした。
相変わらずの殺伐とした世界観はしっかり堪能できたと思います。
TVアニメ版は原作の第1巻~第2巻の内容が映像化されたんだそうです。
そして現時点での既刊発刊数は12巻…
続編を制作するのに十分過ぎるくらいのストックが溜まっているのではないでしょうか。
続編…制作が決定するのを楽しみに待っていますね。

投稿 : 2024/05/25
♥ : 20
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

うん。。期待を裏切らない緊迫感は健在

 
本編第一話の効果が大きいのでしょうね。

■エピソード

~{netabare}
ゴブリンによるパーティー敗北・・・
男性はその場で首を落とされ、女性は連れ去られたりその場で・・
そんなことは日常茶飯事と、一期第一話で言ってましたが・・
いやホントにナゼ女性がゴブリン退治に行きますかねw

まー底辺の冒険家や一部の村民レベルの被害に手が回らないほど、魔王を倒す方が大変・・と思うことにしましょう。

雪崩に巻き込まれて無事って・・
雪国の人間にとっては、ちょっと雪崩を舐めすぎのような。
窒息をケアして正解ですが、圧死も対策しないと。
あ、ゴブスレさんは鎧だからOKかな?でも他の人は・・・

でも今回、凌辱系の表現は抑えられていましたね。
やはり内外からの何かがあったのかな・・
あ、R12の劇場版だから・・とかかな。
{/netabare}~

きっちり冒険、してました。
やはり緊迫感ハンパない・・・
面白かったです。

今思えばなんであんなに一話目を否定したのか思い出せない部分もありますが・・
きっと昔の知り合いの体験談を思い出したんでしょう・・ご容赦を。

 制作:WHITE FOX
  刀語、シュタゲ、ご注文はうさぎですか?、
  うたわれるもの2期、リゼロ、少女終末旅行、
  慎重勇者
 公開:2020年2月
 視聴:2020年10月

■キャスト
今さらですが、個人用メモとしてキャストもおさらい・・

~{netabare}
ゴブリンスレイヤー:梅原裕一郎
 慎重勇者の聖哉でした(なるほどw)
剣の乙女:遠藤綾
 らき☆すた(高良みゆき)
 凪のあすから(潮留みをり)
 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(カトレア・ボードレール)!

以下の方はキリがないので出演作は省略w

女神官 :小倉唯
受付嬢 :内田真礼
妖精弓手:東山奈央
鉱人道士:中村悠一
蜥蜴僧侶:杉田智和

牛飼娘 :井口裕香
槍使い :松岡禎丞
魔女  :日笠陽子

本作のヒロイン?的なキャラは・・
令嬢剣士:上坂すみれ

最後酒場で、これでもか的にキャラを出してきましたね。
{/netabare}~

藤井ゆきよさんは今回出ていなかったようで残念・・
ゆかちの声が聴けたのは良かったw
 

投稿 : 2024/05/25
♥ : 21
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