2020年度に放送されたアニメ映画一覧 63

あにこれの全ユーザーが2020年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の2020年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

70.7 26 2020年度アニメランキング26位
ブレッドウィナー(アニメ映画)

2019年12月20日
★★★★☆ 3.8 (13)
32人が棚に入れました
11歳のパヴァーナは、アフガニスタンの戦争で荒廃したカブールにある小さなアパートの1つの部屋で、教師だった父、作家の母、姉と幼い弟と暮らしています。タリバンの支配下に生きるパヴァーナは、父が語る物語を聞きながら成長し、市場で人々に手紙を読み書きして生計を立てる父を手伝っています。 ある日、父親がタリバンに逮捕され、パヴァーナの人生は一変します。タリバンは、男性を伴わずに女性が家を出ることを禁じているため、家族はお金を稼ぐことも、食料を買いに行くことさえできません。 一家の稼ぎ手として家族を支えるために、パヴァーナは髪を切り“少年”になります。そして危険をかえりみず、パヴァーナは父を救いだす方法を探そうと決意するのですが…。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アフガン人が誇り高く生きのびるための物語

イスラム原理主義組織タリバン軍事政権下のアフガニスタン。
男尊女卑の社会で、家族の生活のために髪を切り“少年”となり
“ブレッドウィナー”(稼ぎ手)となった少女の瞳に映る、世界を描いた
児童文学小説『生きのびるために』(未読)を
アイルランドの制作会社カートゥーン・サルーンがアニメ化した長編映画作品。

【物語 4.5点】
暗い。しかし胸に迫る。

ただでさえ女は無断外出を制限され、生き辛い世界だと言うのに、
その上、{netabare}一家の稼ぎ手だった父はタリバンに拘束され、
幼子以外は女だけ残された家族は、
稼ぐどころか、食糧を買いに行くことすらままならない。{/netabare}

主人公少女が“少年”になった後も苦難は続き、
彼女たちはしばしば祖先から伝承された物語の空想世界に思考を飛ばす。
それが悲惨でもあり、また希望でもあり、
婉曲に女性の地位向上における教育の重要性を訴える材料にもなる。

何より空想シーンも巧みに織り交ぜる構成じゃなきゃ、
息苦しい現実が続く展開に視聴者が耐えられません。


【作画 4.5点】
好センス。芸術性あり。

砂埃が舞い、色彩が乏しい首都カブールの街並みがもたらす陰鬱な空気。
“少年”として多少の自由を得た少女に映る、ほんのり色付いた景色。
空想に逃避した先に広がるカラフルな物語の夢世界。
随所に色彩で心情を表現する背景美術のセンスが光る。


人物作画も大きくデフォルメした目が、
重苦しい街の空気に伏目がちになったり、
女の外出取り締まりに警戒してキョロキョロしたり。
コソコソ隠れるように生きねばならない不条理等を好表現。


【キャラ 4.5点】
11歳の男装主人公少女パヴァーナ。
元教師でパヴァーナに物語を教えてくれた父({netabare}戦争で片脚を失う{/netabare})
家計のためにも、そろそろ嫁ぎ先も考えたい姉。
パヴァーナが語り継ぐ物語であやされる幼い弟。
あまりタフではないが娘たちを心配する気持ちは強い母。
とうの昔にいなくなった兄。

以上の家族構成で過酷な社会を生き抜く。
男装し、ちょっとだけ世界が広がった主人公少女はほのかな夢も抱き、
現実を思い知った年長者ほど、
危険で無駄なことはやめて欲しいと諫める世知辛い構図。


取り締まるタリバン兵や男たちも男性優位に胡座をかく
一方的な弾圧者としてではなく、
戦争と死に怯え、そんな故もあって、弱者を苛めたりする人間として描写。

この街じゃ男たちも太眉を下げ、大きな背中を丸めて暮らしているのだ。
キャラ各々に深みがあり、考えさせられる。


【声優 4.0点】
※レンタルDVD吹替版の評価。

主人公パヴァーナ役は新田 恵海さん。
パヴァーナと同じ男装仲間のショーツィア役に飯田 里穂さん。
両ラブライブ声優のカップリング?がウリ。

少女として道端で声を潜めていた過去。
“少年”として声を張ってチョットだけ自信を持った今。
それでも現実は厳しくて感情が振り切れた夜。

社会が凝縮された難役を落ち着いて吹き替え。
これができるなら“えみつん”は今後も生きのびることができるでしょう。


私も字幕版でもいいから劇場で観たかった!と嘆くつもりでしたが、
正直、重苦しい物語に耐えられる程、メンタルに自信もないので、
道中は、穂乃果ちゃんと凛ちゃんの顔も思い浮かべて、
“みんなで叶える物語”に現実逃避したりしながら完走しました。


【音楽 4.0点】
劇伴、ED共に中央アジア伝統の弦楽器も交えてシルクロードのムードを付与。
シリアスな場面ではストリングスでしっかりと心を掻き乱して来る。

街の喧騒や、時に挟まる米軍機の爆音が告げる現実
など音響にも臨場感あり。

ここは劇場音響で体感しなかったことを素直に後悔しました。


【感想】
本作の製作総指揮にアンジェリーナ・ジョリー氏ら……。
と言うことで、私は欧米人がまたぞろ自分たちのことは棚に上げて、
余所の悲惨に首を突っ込んで偽善を振りまくのでは?
とつい警戒してしまったわけですが。

作品自体は欧米列強からは心理的距離もあると思われるアイルランドの制作現場から
ロシア、アメリカの介入も背景に折り込まれ、
比較的、多方向からの視点にも耐え得る、
誇り高き人々が暮らすアフガニスタンを表現できていたと思います。

とは言え、作中、アフガンが苦難に陥った歴史的経緯等についての
具体的説明は最小限で、子供視点でぼやけてもいるため、
例えば女性蔑視で野蛮なイスラムさえ排除すればアフガンに平和が訪れる
といった短絡思考に陥らないためには、
多少の予習はあった方がベターだとは思いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 26
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

閉ざされた環境で、生きる幸せはどこに?

 中東の砂漠の街かと思ったら、タリバンなんて言葉が出てくるので、トルクメニスタン、アフガニスタンが舞台のお話になるです。中央アジアが舞台なのに、明らさまな英語だったです。

 兵隊だか野党だかわからない変な男に言いがかりをつけられた父娘が、逆恨みを買うです。家に押しかけられ、父親を逮捕と語って、拉致されるです。
 女性は顔を隠さなければならない、男性と一緒でなければ外に出てはいけないという、勝手な決まりの社会でしたです。反したものには、「帰れ!」言いながら、容赦のない暴力に会います。
 そんな中で生活するため、主人公のパヴァーナは、少年になりすますことにです。

 パヴァーナが、刑務所から父親を救出できるか?までの様々な日常を描いたお話だったです。

 パヴァーナが弟や友人や一人でいるときに語るお話が、なんだか面白かったです。主人公がスリマンというのも面白さがあったです。
 NHKに出てきそうな昔からあるかの絵本童話のような作画が、今現在にとってなかなかいい味出していたです。

 男性優位の社会で、女性が生きていくことの難しさが、もろに伝わってきたです。
 出てくる男性が悪人ばかりでなく、一部にいい人もいたのがせめてもの救いだったと思ったです。
{netabare}  それが、パヴァーナの父親救出に間一髪のところで、救いになるのです。

 その先、親子がどうなっていくのかわからないけれど、再会できたところに大きな感動があったです。ひとまず、「これでいいのだ!」です。{/netabare}
 欲を言えば、この家族たちがこんな環境から完全に脱出できたまでを、見たかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ペルセポリスに通ずるものがある

この作品はターリバーン政権下のアフガニスタンを題材とした
アニメ映画である。カナダ人であるデボラ・エリス氏の
小説を原作としている。
ちなみに、制作会社はブレンダンとケルズの秘密や
ソング・オブ・ザ・シーでおなじみのカートゥーン・サルーン。

内容を一行で言い表すと、家族を守るために少年として
生きることを決意した少女の話だ。
すこぶる難しい話ではないが、アフガニスタンの歴史に
ついて事前に知識を入れておくと、理解がスムーズに
進むのではないかと思われる。

見終わった感想だが、現実と空想をうまいこと
織り交ぜつつ、少女パヴァーナが懸命に生きる姿を
きちんと描いた作品だった。
現実は手書きアニメ、空想は切り絵アニメで
丁寧に対比されているのも大きなポイントだ。非常に濃厚な
作りに仕上がっている。

主人公パヴァーナが絵本好きというのも相まって、劇中では
しばしば絵本内の出来事が描かれている。いわゆる
ファンタジーものに当たるのだが、彼女の心境と重なる部分が多く
重要なエッセンスだ。

私が以前ペルセポリスというアニメ映画を見ていたのもあるが
いくつか共通点が見受けられる。
・少女が主人公であること。
・家族との出会いや別れがあること。
・非常に厳しい男尊女卑の社会。
特に男尊女卑に関しては描写が徹底されている。
ターリバーン政権においては、女性が一人で外出することは
固く禁じられているので様々な制限がかかる。

決定的だったのは、覚悟を決め男装を行った主人公パヴァーナが
初めて外出した際、他の男性の見る目が180°変わった瞬間だ。
それまでは、まったく相手にもせず威圧的な態度だったのに、
男子と判断した時の温和な表情。こっちからの注文に素直に耳を傾け
心配するそぶりまで見せるのだ。家族を養うためとはいえ
決意するのは相当ためらったはず。彼女の勇気に敬意を表する。

ここまでの段階では、男対女という図式が頭の中で
組み合わさっていたのだが、最後まで目を通すと
必ずしもそうとは限らないのだと考えを改めることになった。

中盤あたりになるのだが、主人公が大事にしていた服を買う老人の場面。
主人公側からみると、男性として生きる決意表明になるのだが
老人側からすると、自分の奥さんを大切に思っているという暗示になる。
きちんと家族の絆が描かれているというわけだ。

比較的重いストーリーではあるものの、非常にメッセージ性
の高い作品であった。
ペルセポリスが好きな方、アフガニスタンに興味がある方、
強い女性を描いた作品を見たい方なら
一度視聴してみてはどうだろうか。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

70.6 27 2020年度アニメランキング27位
進撃の巨人 ~クロニクル~(アニメ映画)

2020年7月17日
★★★★☆ 3.8 (11)
110人が棚に入れました
今回はSeason1~3まで全59話が放送されたTVアニメを1本の映画として再編集。巨人の侵攻によって人類を守る壁が壊された“あの日"から、すべての巨人の駆逐を誓った少年エレン・イェーガーの戦いと成長の軌跡を追った、まさに「進撃の巨人」入門編ともいうべき作品になっている。NHK総合にて「The Final Season」が放送予定。エレンたちの物語もいよいよ佳境を迎えることになる。その前の予習として、また復習として、ぜひともご覧いただきたい。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、谷山紀章、嶋村侑、小林ゆう、三上枝織、下野紘、細谷佳正、橋詰知久、藤田咲、神谷浩史、小野大輔、朴璐美
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

3シーズン全59話を2時間強で駆け抜ける超強行軍な劇場版総集編

【物語 3.5点】
光陰矢の如し。

6年に亘る巨人との戦いを一挙に振り返るのに寄り道など不要。
リヴァイ兵長の大掃除も、ライナーの結婚願望も構っている暇など無いw

尚、『~Final Season』に向けた新規映像とかも特にないです。

ナレーションを延々と聞かされる苦行が続くかと思いきや、説明すらも最低限。
本作戦の経緯?狙い?兵団員なら事前に把握しておくのが当たり前だろうw

結果、クライマックス映像の連発に魅せられる、
ファンならば意外に楽しめる一本に。


再編集版を見る意義は、場面&セリフ選択を通じて、
スタッフたちが何処を重視して制作して来たか確認できること。

本作でも、世界は残酷。それに抗う個人の願望と意志の強さと狂気。
といった要点を改めておさらいすることができる。


本作で私が意識させられたのは若さについて。

特に窮屈な尺の中で繰り返し強調されたケニーの
{netabare}「みんな何かに酔っ払ってねぇと やってらんなかったんだな…」{/netabare}
との一言。

夢追う人間は時に不幸を招くかもしれないが、
だからと言って、夢に酔って来たと自虐したり、
夢が呪いになっているので楽にしてやろうと憐れまれたりしたら、
いよいよ世代交代、お迎えの時間ですよ。

最後の最後で精神的な若さが明暗を分ける。
そんな印象を抱いた再構成でした。


【作画 3.5点】
劇場版総集編の醍醐味は大スクリーンであのシーンを体感できる所!
……と行きたいところですが、シーズン1&2については既に劇場版総集編がありましてw

ハイペースな本作の見所は、
初期のシーンの因縁を、シーズン3でリベンジするカタルシスを一本で堪能できる点。

{netabare}冒頭、巨人の攻撃で陥落したシガンシナ区に、
終盤、「ウォール・マリア最終奪還作戦」で戻って来た時は、
分っていてもグッと来ます。{/netabare}

長期シリーズとなっている本作ですが、
勝負所では立体機動アクションも含めて、
一貫して良作画を揃えて来たWIT STUDIOの実力も再確認できます。
(次作から制作変更になったMAPPAへのプレッシャーとも言えるw)


【キャラ 3.5点】
編集に伴い、サブの大人たちにも非情な選抜が……。
上述のケニーが{netabare}アッカーマンの血筋{/netabare}もあってか、重宝される一方で、
グリシャと接点(私怨)があったキース教官らは落選……。

改めて面目躍如だったのは飲んだくれのハンネス。
{netabare}エレン巨人による、実母を喰った因縁の異母ダイナ巨人との接触による“座標”獲得
のついでもあったとは言え?
最初、一度は遁走した巨人相手に、後半では立ち向かって男を見せる
一作品内で対比するとシビれます。{/netabare}


【声優 3.5点】
再編集版につき、新録、再録等はなし。

主人公・エレン役の梶 裕貴さん。
ある時は、巨人への復讐心を燃やし駆逐してやる!と叫び、
また、ある時は、自分の選択の結果、犠牲が出た……と自己嫌悪に陥っては叫び……。
こうして感情が振り切れたボイスを凝縮すると相当世話の焼ける主人公ですw

そんなエレンも最後は、
{netabare}海を前に「向こうにいる敵…全部殺せばオレ達 自由になれるのか?」{/netabare}
と述べ、願望を活力源にした個々人が、勢いに任せて運命を突破するだけでは解決しない、
難題を意識する一皮剥けた一面を示してくれました。
彼の葛藤の日々が糧になり、報われることを祈ります。


【音楽 3.5点】
劇伴は澤野 弘之氏が過去にシリーズ通じて提供して来たBGM&ボーカル曲の総動員。
見せ場シーンでは、音響がTVアニメ版や過去の劇場版総集編から
楽曲をシャッフルして起用することで新鮮味を与えようとはしている。

ED主題歌はなし。
澤野氏の劇伴メドレーと共に、3シリーズ&本作のスタッフ名が、
テロップが滲む勢いで大挙“進撃”してくるエンドロールは圧巻w
(被りもあるとは言え、これ調査兵団の全兵力(300くらい?)を軽く凌駕してますw)


【感想】
こんな無茶な企画、果たして作品の体を成すのか?との懸念も抱いた劇場鑑賞でしたが、
思っていたよりは、まとまっていた、まずまずの劇場版総集編でした♪

この内容なら来る『~Final Season』放送前に復習として本作を流せば起爆剤になると思います。
NHKさん、如何でしょうかw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23

70.2 28 2020年度アニメランキング28位
映画ドラえもん のび太の新恐竜(アニメ映画)

2020年8月7日
★★★★☆ 3.7 (29)
118人が棚に入れました
のび太が恐竜博の化石発掘体験で見つけた1つの化石。絶対に恐竜のたまごだ! と信じたのび太が、ドラえもんのひみつ道具“タイムふろしき"で化石を元の状態に戻すと…生まれたのは双子の恐竜! しかも、未発見の新種だった。のび太に似てちょっと頼りないキューと、おてんばなミュー。個性の違いに苦労しながら、親のように愛情たっぷりに育てるのび太だったが、やがて2匹が現代で生きていくには限界がきてしまう。キューとミューを元の時代に返すことを決心したのび太は、ドラえもんや仲間たちと共に6600万年前へと出発! キューやミューの仲間の恐竜たちを探す旅がはじまった。ドラえもんのひみつ道具や恐竜たちの力も借りながら、恐竜の足跡を追って進むのび太たちが辿り着いたのは謎の島。恐竜が絶滅したとされる白亜紀で待ち受ける、キューとミュー、そしてのび太たちの運命とは──!?

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、木村拓哉、渡辺直美
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

これは見事な“のび太の新恐竜”

『のび太の恐竜』はオリジナルも2006年版も未見。

【物語 4.0点】
一昨年の『のび太の宝島』の今井 一暁監督&脚本・川村 元気氏の再タッグ。

ドラえもんの秘密道具というリアリティクラッシャーを気にして、
ツッコミ所をモグラ叩きして小さく縮こまるより、
道具を伏線として活用し、新たなプロットのパターンで魅せよう
という思い切りの良さは相変わらず。

例えば、タイムリープ物で問題になる歴史改変という罪の壁を克服するのに、
中々手の込んだ仕掛けを繰り出すなど、
結構、複雑な構成を組んではくる。
が、伏線となる諸要素については、分かりやすく演出で強調してくれるので、
好奇心を持って眺めれば取りこぼしはないと思われる。

この道具は、動きは、終盤どこでまた使ってくるのだろう?
こんな感じで頭と心を柔らかくして、ワクワクしながら待ちましょう。

尚、『新・のび太の恐竜』ではなく『のび太の新恐竜』になります。
これも“新恐竜”を連呼してくるので分るでしょうが、意識しておきましょう。


【作画 3.5点】
旧『~恐竜』二作品の後に、何が出来るのか?葛藤もあったという本作。
ネタを探すべく集めた恐竜研究の最新成果が作画にも現われる。

恐竜時代を再現した背景美術は、
同じ中生代でもジュラ紀と白亜紀の違いくらいは描き分ける精度がある。

恐竜たちを構築したCGの出来自体は平凡。
カラー選択には爬虫類の仲間としての恐竜→鳥類の祖先としての恐竜。
というここ三十年のトレンド変化を反映。
(※恐竜の色は化石に残らないためカラーは想像)

味方の恐竜は手描き、敵や部外者はCGという使い分け。
勝負所では手描きで演出という方針。手描きキャラは心の友ですw


【キャラ 4.0点】
ドラえもん&のび太たち5人と新恐竜の二匹。
シナリオに刺激を与える黒幕?ゲスト二名はいるものの、
キャラクター構成はシンプルで、
キャラが混線して、明快なシナリオ展開を阻害することはない。

生後間もなく滑空するなど現生種として優秀なミュー。
飛ぶことすらままならない、恐竜界の、のび太くんとしてのキュー。
双子の新恐竜の使い分けもテーマの深化に寄与している。


【声優 4.0点】
鬼門のゲスト声優。
本作は敵役ポジションに木村 拓哉さんと渡辺 直美さん。
声優出演歴はあり、それなりの演技でまとめる。
シナリオ重要度もそれ程でもないのでダメージは比較的少ない。

聴き所は新恐竜キュー役の遠藤 綾さんと、ミュー役の釘宮 理恵さん。
セリフは概ね「キュー」か「ミュー」しかないが、
その中でも感情を込めた流石の好演。

あとは『~宝島』にてオウム型ロボットを演じた悠木 碧さんが、
今度は、たまご型ロボット役で、のび太たちの冒険をサポート。
相変わらず器用なお方です。ロボットにしとくのは勿体ないw


【音楽 4.0点】
劇伴は大長編三年連続の服部 隆之氏。
感動を狙ったシーンで、分っていてもグッと来てしまうのは壮大なBGMがあってこそ。

主題歌には脚本・川村氏意中のMr.Childrenを起用。
あのシーンでミスチルの歌を流したいという希望も、
テーマを反映した挿入歌の提供で実現。

ま~たMVかwというアレルギー反応。
私は大丈夫でしたが、重症の方は注意しましょうw


【本作で使用されたと思われる恐竜知識の整理等の長文】
(※ネタバレ要素多し、鑑賞後閲覧推奨)
{netabare}
・恐竜から鳥類が進化したという仮説については、
19世紀、ジュラ紀地層からの始祖鳥化石発掘以来、長らく研究が停滞していたが
近年、相次ぐ白亜紀の鳥類の化石発掘などで、かなり証拠が固まり、
恐竜→鳥類については定説になりつつある。

・中生代の鳥類については、
白亜紀には既にジュラ紀の小型恐竜→始祖鳥から進化していた真鳥類が、
翼竜の隙間を縫うように、生息、繁栄していたが、本作では描かれず。

・尚、白亜紀末の大量絶滅により真鳥類も恐竜と共に姿を消しており、
現在の鳥類は真鳥類とは別の新鳥類の子孫である。

・新鳥類がどの生物からどう進化したかについては、
真鳥類の非飛行型の陸生生物から進化したのか、
白亜紀の小型恐竜・オヴィラプトルの仲間から、
始祖鳥のラインとは別の新たな鳥類の系統として進化したのか、
そこが進化のミッシング・リンクになっている。
本作は後者の仮説を基に空白を新恐竜で埋めるシナリオを構築していると思われる。

・中生代の空の気候は基本的に安定、微風と推定されている。
よって飛行生物は、骨肉を削ぎ落した徹底的な軽量化、省エネ滑空飛行が王道。
終盤登場した超巨大グライダー生物である翼竜・ケツァルコアトルス?は、
中生代の空の覇道の極致である。

・一転、巨大隕石衝突後の空は荒天、乱気流と推定されている。
新恐竜キューが滑空ではなく、胸筋ド根性で羽ばたきにより飛行に挑むのは、
中生代白亜紀においては正気の沙汰じゃないが、
大量絶滅下の過酷な空では必須の進化。
弱肉強食ではなく適者生存こそが進化の本質であることを、
キューの羽ばたきチャレンジが示唆している。

・尚、巨大グライダーな翼竜の翼は羽毛ではなく指から伸びた皮膜。
一枚しかない薄膜のため、乱気流下では軽量もあって吹き飛ばされ破損し、
たちまち飛行不可になったと推定され、翼竜もまた恐竜と共に姿を消した。


恐竜ファンには、どうせ恐竜は絶滅したし……というバッドエンド確定の悲哀があり、
恐竜は鳥になって今でも生きている!というのも仮説に基づいた気休めの一種でしたが、
本作はそこを物語化したという点で新たな希望となり得る作品でもありました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

感情に赴くのび太

 約5カ月延期されたドラえもん映画、何んとなく見てきたです。第一作ドラえもん映画のリメイク?と思ったけど、やや似ているようで違う、オリジナル要素の多い『ドラえもん のび太の新恐竜』だったです。
 「のび太の恐竜」違うのは、タイム風呂敷で一つの卵に返したに恐竜が、二匹だったことと種類の違うこと{netabare}、怪しい人は出てくるけど、悪者は出てこないこと{/netabare}だったです。

 のび太のキャラクター性全開みたいで、のび太らしさが目立っていたです。子供としてのわがまま純真さが、伝わった今作です。のび太と二匹の恐竜、キュー、ミューの出会い、生活、本来住むべき世界への冒険いくところが、ドラえもん映画らしさがあったです。

 のび太とキューとのやりとりに似たもの同士、どこかぐっとくるものあったです。{netabare}成長したミューが空を飛べるのに対し、キューが空を飛べないことが、後半において不利というのか、マイナスになることが明らかになるです。そこで、{/netabare}のび太、特にキュー自身どう乗り越えるのかが、このお話を大きく左右したと思うです。

 これから起ころうとする歴史の悲劇に対して、悲しみ納得できないのび太の行動は、何をもたらすのか?です。思いもよらない展開を引き起こしていくことが、意外性があり面白かったと思うです。ドラえもんたちの活躍と、キューの成長がカギとなるです。どんなことでも、乗り越えることができることを見せてくれたようだったです。感動的な終わり方と、主題歌がかなり合わさったようで良かったです。

 今作を見てキャラ、背景画、物語といい、十数年前のドラえもん映画より、やはりさらに質が上がっているのは、当たり前なのだろうなと思うです。6600万年の世界、いかにもそんな時代の世界で、凄いというのかリアルさを感じたです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

イヌイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

この映画の監督と脚本の違和感が飛んだ。

久しぶりの投稿です。小学生以来久しぶりに映画館で見ました。この映画の監督と脚本のコンビの映画は正直言って嫌な予感がしました。宝島では、完結せず違和感も生まれ面白かったもののモヤモヤしました。
しかし、いざ見るとなんてことだ面白いじゃないかと思いました。
まずは、作画ですね。近年の映画ドラえもんは作画が安定している上にそのクオリティが上がっているので安心して見れるのと同時に、恐竜にはCGを使うなどしているのでとてもリアルです。特に映画のopでの作画の時点でもう傑作です。
ストーリーも良かったですね。今回はしっかりと完結して良かったです。普段あまり泣かない私ですが、目頭が熱くなるほど感動するので涙腺が弱い人は覚悟した方が良いかもしれません。キャラクターも可愛く、声優も棒読みはいません。ただ、この作品はとても賛否両論で明らかに矛盾している点や、多様性の間違った解釈だなどの意見が目立ちました。しかし、私はそれらを踏まえて見ても、最高傑作の部類に入ると思います。見て損は少なくともありません。途中で「のび太の恐竜」を見ている人にとってサプライズがあるのでそこにも注目です。
とても良い映画でした。来年が楽しみです。
レビューを見ていただきありがとうございます。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

70.2 28 2020年度アニメランキング28位
STAND BY ME ドラえもん 2(アニメ映画)

2020年11月20日
★★★★☆ 3.8 (17)
75人が棚に入れました
22世紀から来たネコ型ロボット・ドラえもん。ドラえもんとのび太が一緒にいるのが日常になった<現在>のある日、のび太は部屋でくまのぬいぐるみを見つける。それは幼稚園の頃に亡くなってしまったおばあちゃんが繕ってくれた、大切な思い出の品だった。大好きだったおばあちゃんを思い出し、涙が止まらなくなったのび太は、タイムマシンでおばあちゃんに会いに行きたいと提案する。反対するドラえもんだったが、直接会わずに様子を見たらすぐ帰ることを条件に、のび太が3歳だった<過去>へ出発!会いたい気持ちを抑え、陰からこっそり見ていたのび太だったが、ひょんなことから、おばあちゃんに見つかってしまう!小学生になったのび太の姿を見て驚きつつ、あの頃と同じく優しく受け入れてくれるおばあちゃん。すると、「のびちゃんのお嫁さんをひと目見たくなっちゃった」とふとつぶやくのだった。大好きなおばあちゃんの願いを叶えるため、<過去>、<現在>、そして<未来>を舞台に、ドラえもんとのび太の大冒険が始まる―――!!果たして、のび太は無事に未来のお嫁さんをおばあちゃんに見せてあげられるのか?

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、宮本信子、妻夫木聡

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全ては、プリンスメロンホテルで叶えられる、一つの願いのために!

 おそらく多くの人に知られている、のび太のおばあちゃんに会いに行く話、のび太の結婚式、のび太誕生の話などを一つのつながりとして、うまくまとめたお話だったです。

 この3DCGアニメは、3Dでないのび太達と違い表情動作、手といい、まるで生きているような感じがしたです。ただ、再会した時のおばぁちゃんの動きがぎこちない感じがしたけど・・だったです。

 今の声優さんでなかったとき、今回のようなつながりでなく、個別で完結しているのをやや思い起こすです。
 冒頭から、現在、幼かったころ、大人とのび太の弱虫でわがままな一面が、らしさを見せてくれたと思うです。
序盤でのび太の身に何が起きていたのかは、見ていけばわかるようになっていたです。

 背景の風景なども非現実であっても、どこかリアルなところに、自分が幼いころ見た当時とは比較できないほど、洗練されていたです。秘密道具、タイムマシンなど、かなり精密に描かれていたです。

 大人ののび太と現在ののび太を見ていると、イライラしてくるけどそれが、のび太なんだなぁと思うです。これは、ドラえもんも大変です。

 トラブルがありながらも、都合よく過去はのび太とドラえもんしか、直接確認することができないけど、彼らだからこそ改めて気づかされる、自分があることを改めて知ることができたお話だったです。

 終盤の光景は、一つの願いのための現在ののび太による、私の記憶にない大人ののび太へのサプライズを見たです。最後は、見覚えのあるようならしい終わり方だったです。のび太の結論に注目です。「これで、いいのだ!」です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

需要がない

視聴前 見たくないよ~

視聴後 はぁ

私は1に連れてこられた友達にまた無理やり(今回は半ば強制ではなく完全強制)連れてこられました。見たきゃ一人で見ればいいのに、と思うのでsがドラえもんだけは友達と見たいらしいです。私の数少ない友人の一人なので大切にしますが、さすがに今回は揺るぎましたよ。

さて内容ですが。端的に言って最低です。
アホほどつまらない脚本と鬼ほどイラつくキャラ。本気で制作陣を殴りたくなりました。
序盤中盤終盤と全体的に惰性的な展開で、序破急もテキトー。盛り上がりも悪く、シリアス部分(と呼べるか微妙なほど弱い)とコメディシーンの使いわけが不十分。締めが悪く、終わった感じがしない。まだ続くというよりは小学生の作文の終わり方に似ている(この感覚伝われ)。
前作はまだ「ほらここ泣けるでしょ?泣いてもいいのよ?」と言っているような幼稚な感動シーンがあったのですが、本作に関してはどこが感動場面なのかまっっっっっっっっっっっっっっっったく分かりません。どこ?

さらにはキャラ。以前はガキと無能機械がわめていただけだったのですが、本作では成長したのび太がクズ過ぎました。本当に無理。しずかちゃんも前作の雪山のが全盛期です。それ以外は正直微妙です。ただただ可哀想。

前作の需要は「ドラえもんがフル3DCGで動いている」という需要が成り立っていましたが本作の需要とは?なくない?制作陣はアホなん?

監督は八木竜一さんと山崎貴さん。
脚本は山崎貴さん。
劇伴は佐藤直紀さん。
アニメ制作はシンエイ動画さんと白組さんとROBOTさん。

作画は知らん。
主題歌は石崎ひゅーいさん作詞曲、トオミヨウさん編曲、菅田将暉さん歌唱の「虹」

総合評価 需要なし

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

てっく さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「おばぁちゃん(おじぃちゃん)」という絶対的な温かさ

友人の子供に誘われ?(笑)、映画館へ足を運ぶことに。
視聴したのは公開3日目くらいだっと思いますが、鬼滅熱が冷めない中での公開ともあって休日にも関わらず5組ほどしか居ませんでした。
記憶の中でのドラえもん映画の劇場は「人がいっぱい」というイメージだったので、何か寂しい気持ちと世間の流れを感じた瞬間でもあった。

恥ずかしながら、STAND BY ME1を観ておらず3Dドラえもんは初視聴だったのでその辺りは新鮮でした。
ストーリーとしては、現代(小学生のび太)ののび太の「おばぁちゃんの願いを叶えたい」という思いから、タイムマシーンで過去に行ったり未来に行ったり。
その中で、未来の誰かの想いや過去の誰かの願いを知り奮闘するストーリーでした。
「ドラえもんらしさ」という意味では、いつものドラえもんでしたが、子供目線で観るには、少し複雑さが混乱を招く。
そんな印象を受けた作品。

だけど、純粋に「ドラえもん」を楽しんで欲しい。そんな作品でもあったと思う。

ジャイアン。(スネ夫も)
本当はのび太が大好きでかけがえのない『仲間』なんだと言う事を再認識させてくれる演出も。。。涙
分かってた。分かってたけどホロッとさせられるシーンでした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

70.0 30 2020年度アニメランキング30位
マルルクちゃんの日常 第一話「おねがい」(アニメ映画)

2020年1月17日
★★★★☆ 3.7 (49)
176人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

え、なに。。こんな作品あったの??w(メイドインアビスの外伝)

 
dアニメで発見。(全4話で14分程度。これはその内の1話)
劇場版【前編】の後に視聴。
マルルクちゃんのサービスショット満載!?(かも)

お師さま(オーゼン)のため奮闘するマルルクが懇願する話。

でも・・
~{netabare}
性別は未だ不明。
なのでサービスショットは紳士向けとも言い切れずw

マルルク青笛だったのかぁ・・今まで気付かなかったw
{/netabare}~

てか・・
これ1話ずつ別枠にする必要ありますかね、あにこれ運営さん。。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

メイドインアビススピンオフ①

全4話 1話3分ほどのショートアニメ

たまたまAmazonPrimeで見かけたので観てみました。

メイドインアビスのスピンオフ作品

深界二層に白笛のオーゼンともに暮らすマルルクの日常を描いた作品です。

酒を飲んだ後、全然起きないオーゼン、マルルクが何とか寝室に連れていこうとするのですが‥‥‥

オーゼンは2m近い巨体、なかなか大変ですよねw

工夫して何とかしようしていますが、無理でしたねw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作者のドロドロした性癖に「可愛い」のガワをかぶせた何か。

 4話までページが分割していますが、ここにまとめます。

「メイドインアビス」という作品の本質は何かと問われれば実存主義的な「選択」の物語です。どんなに辛い環境でも生を求めて進み続けなければならなず、人生のアナロジーです。それはカフカ的でもあり丸尾末広氏の「少女椿」的でもあります。だから不条理で残酷な描写が必要になります。
(なお、団鬼六氏の「花と蛇」をレビューしていて本作を思い出しました。)

 一方で、深淵=アビスとはまさに本来人には見せられない人間の本質=性癖や欲望であり、原始的な暴力性です。奥に入るほどドロドロになってゆく。ここにSFのガワをかぶせたのが、本作の本編ということになるでしょう。

 吐しゃ物、血液、排泄、腐敗、毒、人体欠損とスカトロジー、リョナのオンパレードです。そして、痛みがあります。人体改造や変身もありました。それを中性的な少年少女にやらせます。救いのない絶望のような残酷性すら描いています。原作者の「スターストリングス」を見れば、その一見思想性にも見える徹底した残虐性が読み取れると思います。

 強いサディズムを感じるとともに、原作者の内面に含むマゾヒズムすら感じさせます。というのは、性的倒錯、ロリ・ショタあるいはペドを含んだ、可愛いものに同一化したいという原作者の性癖は濃厚に感じられます。その上でひどい目にあいたいというドロドロした原作者の内面が非常に端的に表れていますし、それを原作者は隠していません。

 これがナナチとミーティをはじめとした素晴らしい物語を生み出したのが不思議と言えば不思議ですが、一方で欲望を隠していないからこそ本質に迫れたともとれます。
 そこが結果論なのか作者の意図なのかわかりません。単にリコとレグその他のキャラを徹底的に痛めつける話が書きたかっただけとも取れます。この傾向は1期よりは映画、そして2期とどんどん強化されてゆきます。1期ではかろうじて保っていたバランスが、映画以降どんどん残酷描写に傾いてゆきます。

 これ以上進むと、リコ、レグ、ナナチのだれかを破壊せざるを得ないと思います。残酷描写のバリエーションが尽きたとき、どうなるでしょうか?そこが本作のモチベーションだとすると私はメイドインアビスは完結できるのか疑問に思っています。

 それを端的に抽出したのが、本作と言えるでしょう。マルルクというボクっ娘とも男の娘とも取れる中性的なショタとロリータの混合物が性的な辱めを受ける話です。そして、最終話でオーゼンとの出会いの描写がありますが、つまり、それは原作者の外部の視点=サディズムの方ですね。

 1話目が縄、2話目が性的倒錯、3話目が汚物による精神攻撃、4話が絶望的な状況でした。本作は「SF」というより「かわいい」のガワをかぶっていますが、そういう話でした。

 評価はキャラありきなのでキャラを4、作画が素晴らしいので5にしますが、それ以外は3にしておきます。


 

 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

69.8 32 2020年度アニメランキング32位
アニメーション映画『音楽』(アニメ映画)

2020年1月16日
★★★★☆ 3.6 (48)
164人が棚に入れました
アニメーション映画『音楽』の原作は、「シティライツ」(講談社)、「夏の手」(幻冬舎)などで人気を集める漫画家、大橋裕之による「音楽と漫画」(太田出版)。楽器を触ったこともない不良学生たちが、思いつきでバンドを組むことから始まるロック奇譚です。

 制作期間は約7年超、作画枚数は実に40,000枚超、を全て手描き、クライマックスの野外フェスシーン をダイナミックに再現するため、実際にステージを組みミュージシャンや観客を動員してのライブを敢行。分業制、CG制作が主流のアニメーション制作において、何もかもが前代未聞の長編アニメーションプロジェクトです。アニメーション化にあたって、監督の岩井澤健治は、実写の動きをトレースする“ロトスコープ”という手法を採用。これにより、登場人物の動きがよりリアルに生々しくなります。

 豪華声優陣には、楽器未経験ながら思いつきでバンド「古武術」を組む不良高校生・研二役に坂本慎太郎、研二の同級生、亜矢役に駒井蓮、「古武術」のメンバー、太田と朝倉役に前野朋哉と芹澤興人、「古武術」をフェスに誘う「古美術」のメンバー、森田役に平岩紙、そして研二を敵視する丸竹工業の不良・大場役に竹中直人がキャスティングされました。このほか、山本圭祐、れっぴーず、姫乃たま、天久聖一も参加しています。

 2019年は『海獣の子供』、『きみと、波にのれたら』、『天気の子』が公開され、12月には『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開。さらに、NHK連続テレビ小説「なつぞら」放送で、今年はアニメーションイヤーともいうべき1年となっています。そんな盛り上がりの中、無謀とも思える挑戦の全貌がついに明らかとなります!

声優・キャラクター
坂本慎太郎、駒井蓮、前野朋哉、芹澤興人、平岩紙、竹中直人

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

マカロニ拳法?古武術と古美術

 ふとしたきっかけから急に、バンドをやり始めた研二をはじめとするヤンキーたちのお話だったです。
 楽器を持ったことのないヤンキーたち、研二、太田、朝倉の奇妙でかつ、どこか目の離せない行動です。同じクラスの亜矢、他校のヤンキー大場、同じ高校のバンドを通して見つけた森田、突っ込みともいうのか?の絡みが絶妙です。

 作画としてちびまる子ちゃんを少し崩したみたいな、無表情キャラの印象だったです。特徴は目つきです。特に研二、太田、朝倉がマイペースみたいで、研二なんか本当に何を考えているのかわからない感じです。

 楽器を持ったこともなく3人で初めてバンドをしたとき、ただ音を出していたみたいながらも、意思の疎通が取れているかのような光景が面白かったです。
 急に研二が止まった行動を所々とるのだけれど、退屈になってしまうというよりは、何をしているのだろう?どうなるのだろう?と私は、思ってしまう感覚になってしまうです。

 なんとなく付けたバンド名も、何処か奇怪な感じがしたです。似たバンド名ということで、知り合うことになった森田も気弱なようで、どこか個性的な歌と演奏するところも斬新だったです。この森田の存在が、後で大きくなるです。

 終盤におけるフェスで、思わぬ展開の連続の話の面白さと、バンドの熱唱が、印象的に話を盛り上げたです。
 最後の熱唱において、研二が本領を発揮するというのかが、非常に興味深く見所になると思うです。私にはこの音楽が個性的過ぎて、歌なのか?雄たけびなのか?よくわからなかったです。
 ギター、ベース、太鼓に加わる新たな楽器が、なかなか良かったです。リアルバンドで、昔いた「たま」とかいうバンドを思い出したです。

 CGもない、かといって昭和のような作画でもない、今時にない手書きの背景画、キャラクター画、音楽を奏でるときの演出が、ある意味凄さを感じた作品だと思うです。研二たちを変だなぁと思っても、何処か引き込まれてしまうみたいな、予測不能な行動、考え方、展開に面白さがあったです。
 ただ音を出していたような3人が、いつあそこまで上達していったのだろうか?は、見た後も謎に思うです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

7年超に及ぶ執念の自主制作により炸裂したロックな“初期衝動”

楽器経験皆無な不良高校生男子たちが、
せーの、で衝動的に始めたゆる~いバンド活動が、
やがて街にチョットした衝撃を与える顛末を描いた
原作コミック「音楽と漫画」(未読)の映画化作品。


【物語 4.0点】
胸につかえた青春の諸々を音楽で吐き出す。
筋書きはバンド物の王道。

だが、本作の場合は抱えた、あの娘への想いも
声に出す決断もできない青春未満。
演奏もまるで幼児が楽器を思うまま鳴らして戯れるくらいの音楽未満。
一見、世間的には全く取るに足らない代物。

グダグダ感を楽しむギャグ日常系か?
と高をくくっていると最後にノックアウトされる。

それはあたかも独立系の体制で、
不可能と言われた映画制作の夢を実現した
本作の姿勢ともリンクしているかのようだ。

ハートさえ燃えていればロックは、アニメは、映画は爆裂する。

音楽を始めたばかりの時に生じる“初期衝動”を通じて、
創作の原点を思い知らされます。


【作画 4.0点】
監督の岩井澤 健治氏は、元々、映画制作実現が目標。
アニメでという選択肢も、実写よりは金や設備や時間がなくても、
コツコツ作り続けることができるから。
無からアニメーションを構築する作画技術など確保できないので、
実写で撮影した映像、画像をトレースするロトスコープにより制作。

こう書くと消去法の消極姿勢にも見えるが、
せーの、で始めてから、個人制作中心で、
延べ7年で、4万枚超の作画を積み重ねた執念は驚異。

ロトスコープも日常シーンだけでやれば
素人が作画するための苦肉の策だが、
本作みたいにライブシーン構築のため、
実際に疑似野外フェスセットを作って撮影→トレースして再現。
までやると、これはもはや、アニメーション制作の原点でもあるという
ロトスコープによる、見落とされていたアニメの可能性の発見と提示。


人物作画も特に主人公の不良少年は無表情が続く。
({netabare}一時的にバンドやる気なくした研二が寝そべった時の
無表情{/netabare}が可笑しくて忘れられませんw)
だが、その“タメ”が最後の感情爆発で効いてくる。

作画カロリー節減と、演出を両立した賢い制作に、
何かもう色々敵わないわ~ってなりますw


【キャラ 4.0点】
不良少年たち他、独特な目のデザインは原作準拠。
自作が編集者等にスルーされないためだったというインパクト重視。
結果、妙に目が離せないキャラ造形が躍動。


主人公・研二がまた妙なことを始めたと絡んで来る、
マドンナポジションの古のスケバン風パーマ女子・亜矢との関係が
シナリオの一つの軸でもあり、音楽テーマの一つでもある。

キーキャラクターの森田。
膨大な音楽鑑賞と技術の蓄積に裏打ちされた
古のロン毛フォークシンガーが、
適当に繰り出された主人公のサウンドに音楽の原点を感じ、
その衝撃が最後に彼をも覚醒に導く。
音楽面での影の主役と言ってもよい森田の変化が、創作の原点を一層際立たせる。


【声優 3.5点】
主人公・研二役はロック歌手・坂本 慎太郎さん。
ヒロイン亜矢役は駒井 蓮さんと、
キャストは俳優タレント陣で、気だるげで自然な演技を追求。
ただ、ヒロインの演技などは
声優の演技を聞き慣れていると、ややたどたどしいか。

研二の取り巻きの太田役に前野 朋哉さん。
朝倉役に芹澤 興人さん。
主人公グループのライバル不良役に竹中 直人さん。
と実力ある俳優が集結する辺り、
邦画界隈にもまだ、独立系に力を貸して何とかしたい
という反骨心はある模様。


【音楽 4.5点】
世界の映画祭に衝撃を与えたライブシーンを彩った“音楽”
もう考えるより感じて下さいとしか言い様がありませんが、
ただ一点だけ……{netabare}縦笛{/netabare}はサイキョーですw

ED主題歌はドレスコーズ「ピーター・アイヴァース」
他の楽曲ではまだ多彩なアレンジで、
分厚く音やボーカルやコーラスを重ねたりする同バンドですが、
この楽曲はより剥き出しのシンプルな構成と懐古なエコーで、
本作が露わにした原点に応える。


【感想】
今日も街中では百万人に売り込むために製造された、
青春の上辺だけすくった戦略商品の雑音が聞こえて来る。

時代を読み、流行を読み、空気を読み、楽譜を読んで、
定型化されたバンド形式に則って、
金にも物語にもならない俺の気持ちなど無視して、
そんな物の何がロックか?


2020年12月16日。BD/DVD発売&レンタル開始。


衝撃の“初期衝動”喰らうがいい~♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

狂気を感じる

自ら進んで観に行きたくないタイプのアニメでしたが、何故か評価が高いのと、公開期間が長いのが気になって遂に観に行ってしまいました。

大胆な間の取り方と時折見せる狂気的な映像、不意を衝く展開は「笑え」という圧を強く感じさせます。
最初は独特な絵柄で、絵が上手い訳でも無いし、面白いのか?と思いながら見始めましたが、ノってくるとなかなか面白いです。

作中一の美声の森田はかなりハマりました。

ロトスコ、作画枚数4万枚※、制作期間7年という触れ込みですが、作品の雰囲気が孕む狂気に比べたら正直大したことでは無いように感じてしまいました。

※{netabare}参考にトトロが4.8万枚と言われており、ポケモン神回など作画が良いと言われている30分アニメは本編尺21分で8千枚~1万枚辺りです★{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

69.7 33 2020年度アニメランキング33位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (48)
270人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

69.6 34 2020年度アニメランキング34位
マルルクちゃんの日常 第二話「おつかい」(アニメ映画)

2020年1月24日
★★★★☆ 3.6 (40)
154人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ほほう。。マルルクも街に行くんだ(でもそこじゃない)

 
お師さんに頼まれておつかいに行くマルルク。

そこにはちょっとした出逢いが・・

果たしてマルルクは・・

~{netabare}
女性か否か・・
定番のラッキーイベント発生もナゾは継続のままでしたねw
でも自分としてはこのエピソードでわかったような。
でもそれは敢えて言いますまい。

影から覗くオーゼンにほっこりw
{/netabare}~

てか、みじかっww
実質5分程度?

でも、微笑ましい回でしたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

メイドインアビススピンオフ②

全4話 1話3分程のショートアニメ

たまたまAmazonPrimeで見かけたので観てみました。

メイドインアビスのスピンオフ作品

深界二層に白笛のオーゼンともに暮らすマルルクの日常を描いた作品です。

地上に出てきたオーゼン一行、オーゼンに頼まれて一人おつかいを頼まれたマルルク、以前見慣れたキャラが登場してマルルクを助けてくれます。

避暑地に行く貴族の令嬢ような格好でしたねw

最後に、オーゼン、心配して後ついていたのですねw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

69.5 35 2020年度アニメランキング35位
おジャ魔女どれみ20周年記念作品 魔女見習いをさがして(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.6 (47)
185人が棚に入れました
帰国子女で会社員のミレ(27)、教員志望の大学生のソラ(22)、フリーターのレイカ(20)年齢も住む場所も悩みも…なにもかもが違う三人を引き合わせたのは―――魔法玉!?不思議な巡り合わせで一緒に旅に出ることになったまっすぐで、ちょっぴり不器用な彼女たちのニュー・マジカル・ストーリーが いま 始まる!

声優・キャラクター
森川葵、松井玲奈、百田夏菜子、三浦翔平、石田彰、浜野謙太

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い意味でも悪い意味でもファンムービーに留まらず。

 おジャ魔女ファンとしては当然見てきました。「思い出コンテンツ」として商売だけの匂いしかないような志の低いことがない辺りは「デジモン last evolution」と同じ。流石は関pが関わっている作品だけのことはある。


 おジャ魔女たちは殆ど出ないが、明らかに本作はおジャ魔女の面白さと本質であるテーマを受け継いでいる。こういう継承ならええねぇ。


 とにかく、楽しくて親しみのあるキャラ達の物語がスーっとテンポよく心に入ってくる。彼らがすぐに好きになるし、だからこそ彼等の地に足がついた苦しみも心に響く。


 今回の主役の三人は声優じゃない方がやってるが、ほんまにキャラとの相性がピッタリである。特にももクロの方がやってたレイカちゃんは、おジャ魔女というよりキラプリのひまりん感がある良い方言キャラでした!。


 とにかくテンポがよく物語がスイスイと進むが、軽くて甘過ぎなお菓子のようにならないバランス感覚がちゃんと働いているのも見事!。


 全体的にかなり満足な作品だったが、「last evolution」のような傑作とは言い難いかな。どれみの面白さは、物語がどうこう以上に時間をかけてキャラ愛を育てていくのと、子供向けとは思えない「痛み」があるところだった。


 それに対して、2時間もない映画では少々サクサク過ぎる。しかも、本作は大人たちが主役だけにあまりにサクサクだと軽くなってしまっているところがある。もっと溜めが必要だったかも。1クールのアニメのが良かったかなぁ〜。


 そして、これはファンとしてのワガママだが、やはりもっとどれみ達が見たかった。過去の話を上手く利用するのでもいいから、もっとサービスがあっても良かった。


 鬼滅でも話題の石田さんも出てるのだが、どうせならドッカ〜ンの「離さないで、繋いだ手と手」の幽霊の少年のデザインに似せた感じにするとか、ファンならニヤリな描写があっても良かった。それが目的化したらアカンが。


 本作を見て改めてサトジュンさんはアニメ界の木ノ下恵介だということを改めて思った。本作に限らずサトジュンさんの作品は子供向けタイプに限らず甘さと優しさが基調にある。しかし、それは誤魔化しや騙しの甘さでも、建前や綺麗事の甘さではない。


 世界に辛い現実があるのは知ってるし、建前の裏でズルや嘘が横行してるなんてもちろん知っている。だからといって「世の中なんて嘘ばっかじゃん!。真面目にやって馬鹿見るくらいなら、私も抜け駆けするしかない」なんてニヒリズムや敗北主義に本当に強い人は陥らない。


 それでも…、人には譲れない大切な物がある、それでも…人は良くなりうると信じる。理想に向けて、祈りや願いを胸に人は少しずつでも努力し続けることができれば…。このオプティミズムは現実無視ではなく、現実を知ってもそれを乗り越えていく強さがある。


 子供たちに向けて作品を作ってきたサトジュンさんには、背中で敗北主義と狡さを教えるような格好が悪い大人ではない。たとえ時勢に逆らう形でも、人が持つ誠実さと心の力を信じ、百万言よりも心に響く物語という形でそれを示してくれる。リアリスト気取りな「ぶっちゃけ」という名のみっともない人間が溢れる中で、子供向けを多く手掛けた職人タイプの監督の方が一周回ってロックじゃん!。


 本作のサトジュンスピリット。心のチカラこそ本当の魔法というメッセージ、幻想こそ現実に強く生きる原動力になるというテーマはプリキュアにも引き継がれている。優しさという魔法を私は信じ続けていきたい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どれみ聖地巡礼、3人の仲間達というのでは⁈

 『おジャ魔女どれみ』を見ていた女子三人が、その聖地「MAHO堂」のモデルとなった建物で知り合って仲良くなり、どれみや身の上話をしながら進む展開な感じだったです。
 『おジャ魔女どれみ』は聞いたことはあるけど、見たことないです。

 よくわからないけど、魔法玉というのも存在感あったです。この聖地って、鎌倉、飛騨高山、京都、奈良と広範囲だなぁです。

 三人それぞれに、仕事や生活における悩みを抱える姿が印象的だったです。聖地巡礼で友達ができるって、何か良いもんだなぁと思ったです。
 三人に降りかかるというのか?様々な出来事を互いに励ましあう姿を見るとそう思うです。

 現在の自分を見つめなおすとき、ここれは非現実的でしかない、魔法というものの必要性について考えさせられるかもしれないです。

 三人が見つけた生き方は、どうなるのか?お楽しみです。タイトルの意味が分かりづらかったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ずいぶん酷評されてますけどもね、全然そんなことないですよ。

少なくともボクはめちゃくちゃ感動して始まって5分でウルウルしだして、最後までうるうるしっぱなしでしたよう。

まあ、ビービー泣くようなことはなかったですが、なんかまあよかったですわ。
でもあんまりどれみちゃん関係ないかなとは思いましたけども。

プリキュアの前ですよね。これね。

まあおジャ魔女放送時はボクはもうとっくにおっさんになってましたし、その頃おジャ魔女の版権商売の仕事もからんでたってこともあって毎週見てましたしですね、おジャ魔女自体に特別な思い入れはありませんでしたので、純粋に女の子の自分探しの旅系の話だとしてフツーに見れました。


ハナシはちょっと横にそれますけども。

インターネットが普及し始めたころ、その頃趣味で一生懸命音楽やってたんですよね。そんで好きなアーティストのファンサイトのBBSなんかで意気投合した仲間なんかとバンド作って。それから自分らのサイト作って、そしたら日本中のあっちこっちと音楽でつながった仲間とかできて。ライブ活動も地元大阪以外にも東京や名古屋にも行ったなぁ。

要するにインターネットのおかげでひとつの趣味を通して世代も仕事も異なる、接点のない人とつながることができるようになったと。

インターネットで人がつながる感動物語って『電車男』とかに代表されるようにその頃わりとアツかったんじゃないかなと。


そんで魔女見習の話に戻りますけども。

インターネットではないですが、一つの趣味ってゆうかまあ好きなおジャ魔女を通して知り合った接点のない3人がそれぞれの生きざまの中で成長していくとゆう話の流れが、そのボクが一生懸命バンドとかやってた頃とものすごいリンクしてしまって、なんかまあ他人事として見れんかったですよ。


最後みんなで{netabare}カフェ{/netabare}やるんとゆう話で終わるんですが、まあ3人ともそれぞれの個性を生かした{netabare}カフェ{/netabare}になっててそれはそうかもなんですが、ボクはやっぱり3人とも一人一人それぞれの道を別々に歩んでいくって話に落としてほしかったかな。


まま、おジャ魔女ファンがみたらがっかりするみたいで、まあそらそうだろうなぁと。
おジャ魔女好きの女の子3人の話なんだから。


酷評はどうもそこんところみたいなんですが、ボクにとってはそおゆうアレでなんか懐かしいとゆうか、軽く胸を熱くするお話でした。


なんか昔これハマったよなー。あの頃のみんなどうしてるかなー。
みたいなちょっと優しい気持ちになれる作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

68.8 36 2020年度アニメランキング36位
どうにかなる日々(アニメ映画)

2020年10月23日
★★★★☆ 3.5 (43)
204人が棚に入れました
誰かを想う日常は、ときに甘くて、ときに痛い。そんな、なるようにしかならない日々も、きっと、いつか。青春群像劇の名手・志村貴子(「放浪息子」「青い花」)による、様々な恋模様を淡く繊細に描いたオムニバス漫画「どうにかなる日々」を、詩的な映像・音楽演出に定評のある佐藤卓哉監督(「あさがおと加瀬さん。」)がアニメ化。元恋人の結婚式、男子校の先生と生徒、心と身体の変化を迎える思春期の幼馴染。誰が相手でも、どんな形でも、全ての恋と生き方には同等の価値がある。そして、不器用に誰かを想った日々は、きっといつか愛しい思い出になる。そんな“誰かの恋"を優しく見守り、温かく描くオムニバスショートストーリー集。

声優・キャラクター
花澤香菜、小松未可子、櫻井孝宏、山下誠一郎、木戸衣吹、石原夏織、ファイルーズあい、早見沙織、島﨑信長、田村睦心、天﨑滉平、白石涼子
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

丹念な描写で風変わりな想いを日常に息づかせるオムニバス映画

単純な男女間とは限らない、ちょっぴり変わった人間関係やキモチを描いた
同名ショートストーリー集コミック(未読)の映画化作品。

【物語 3.5点】
構成はオムニバス形式。

{netabare}大人女性×大人女性(共通の"彼女”あり)

男性教師×男子高校生

小学生男子×小学生女子+AV出演歴がある男子の従姉
→中学生男子×中学生女子に成長した二人のその後

の三本立て(或いは三本目を二本と捉えれば実質四本立て){/netabare}

題材自体は禁断だが、刺激的な要素を強調するより、
日常の何気ないやり取りに多くの尺を割くことで、
そこにある関係や想いが鑑賞者と同一地平線上にあると伝え、
緩やかに共感を醸し出していく構成。

PG12指定要因はセクシャル表現であると思われるが、
そこも非日常感より普通の社会生活との連続性を重視し、
奇異に衆目を集めるより、繊細な心情に着目させる。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム京都スタジオ

佐藤 卓哉監督がジブリ出身の演出担当・有冨 興二氏と目指したのは、
高畑 勲監督の『おもひでぽろぽろ』

ややイラスト風味の背景美術、キャラデザ&人物作画共に、
温かいタッチの色彩で主張しすぎず、自然体の生活空間を彩る。

想いがフンワリと盛り上がるシーンでは、
背景もさらにほんのりと淡く、幻想的にホワイトアウトしたりして、
心情描写を下支え。


終始、浸りたくなる心地良い空間でした。


【キャラ 4.0点】
どの登場人物も、映画的な決め台詞より凡庸な日常会話をこぼし、
我々と同じ日常世界に確固たる存在感をゆる~く示す。

例えば、この部屋散らかってるなーとか、今の声でっけーなーとか、
華やかな映画の中のヒーローは気にも留めない瑣末事だけど、
鑑賞者は心の中で思ってしまいがちなしょーもない感想を、
登場人物が先回りして言ってしまう痒い所に手が届く感w


私の推し?は{netabare}小学生→中学生男子のしんちゃん。
従姉のAVという妙な角度からエロを受容してしまい、
変容していく幼馴染みとの関係に困惑してしまう心の動揺が、
不器用なパンツ手洗い(笑)に滲み出た共感度の高い思春期少年でしたw{/netabare}


あとは某生徒の影響で、
首筋の綺麗さを観察するフェチズムが目覚めつつありますw


【声優 4.0点】
一週目・花澤 香菜さん×小松 未可子さん
二週目・櫻井 孝宏さん×山下 誠一郎さん
三週目・木戸 衣吹さん×石原 夏織さん×ファイルーズあいさん

本編前にキャスト対談が上映されるのが貴重な本作(私は一週目を鑑賞)

ナチュラルな演技に注力する方針表明は、
日常重視の作品世界没入の一助にもなる好企画で、
鑑賞者との齟齬を防ぐためにも、秘かに広まって欲しいと思いました。


ただ、如何に日常がメインと言えども、
上記のキャストのあんな性癖やこんな気恥ずかしいセリフには、
やはり、そそられる物がありますw
{netabare}みかこしが「はい。バンザーイ♪」と、ざーさんを脱がしに絡んでいく痴態。
ゆる~くてプレミアムですw{/netabare}


【音楽 4.0点】
冒頭。街の環境音と人々の会話が交錯して始まり、
同様に雑踏の音で終わる本作の音響。
これから語る人間関係を何としても日常に固着させるとの
意志を強く感じる音響方針。

劇伴担当はクリープハイプ。
人気バンドの起用となれば、バンドを前面に押し出して、
シーンMV化で集客を!……とプロデュースしがちな昨今ですが、
クリープパイプの尾崎 世界観氏は上記の繊細な日常空間の演出方針を汲んで、
切れ端みたいな短尺の素材作成も厭わない献身ぶりで、
あくまでもバックグラウンドで作品を好アシスト。

ミュージシャンとして語りたいことは、
ED主題歌のクリープパイプ「モノマネ」だけで語る。

この姿勢。私はとても好きです。


【感想】
前年、劇場鑑賞した同じ佐藤 卓哉監督のOVA作品『フラグタイム』の次作
ということ以外は、ほぼ情報をシャットアウトし、
鑑賞前、原作が志村 貴子氏で、『マンガ・エロティックス・エフ』連載コミック
であることすら知らないまま、無謀にも劇場に突撃した私w

マニアックなエロスの提供に、みかちゃんの如く、
固まってしまった場面もありましたがw
想いを大切にする優しい日常空間という救済措置により?
無事、生還することができました。


『フラグタイム』原作は7年前のコミック。
本作の原作に至っては実に15年前のコミックの再発掘。

性的マイノリティがまだセンセーショナルだった頃に
世間一般から色物と敬遠された作品群の中には、
繊細な心情描写が光る、今の時代なら一般にも冷静に受け止めてもらえる。
そんな好素材がまだまだ埋まっているのかもしれません。

佐藤監督が次にどんな金鉱脈を掘り当てるのか。
今後も成果発表に注目して行きたいと思いました♪


尚、冒頭10分がYouTubeで公開されているので、
私みたいに固まりたくない方は、
作品空間との相性を確認してから挑むのも良いかもしれません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

一品料理というよりお香々。謎のキャスト対談つき。

 短編集の映画化で60分ほどしかない作品なので、一品料理としたボリュームとかは全然ないです。志村貴子さんらしく劇的な事とか、捻った展開とかもなく淡々とした内容で、いわゆる日常系というより英語で言うところのスライスオブライフ、人生を一部切り取った感じのサッパリしたもんです。


 しかし、志村貴子さんの作品の味である、世間の表舞台には絶対上がらないような、物凄く劇的でも世間ウケもしなそうな愛を描いた作品という点では一貫している。


 一話15分くらいの作品が4本という構成なので、色んなことはとてもやってられないので風景とキャラたちが織りなす雰囲気の味わいを楽しむ感じで、同時に同性愛やセックスについても大袈裟なことではなくサラッと描くところにらしさがある。


 本作の一番の謎だったのが、冒頭にキャスト対談が付いている点。そんなDVDの特典みたいなの付けるにしてもケツに付けたほうが良かったような…。


 正直一品で満足できるような濃さはないですけど、上品なお香々を料理の間に食べたような清々しさがあって良し!。あくまで小品なので、みんなにとは言いませんが志村貴子さんファンの方にはオススメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

匠の演出

楽天的なアニメタイトル。
ちょっと惹かれる。
実際そうなんだよね。
未来が見えなくてもなんとかなっちゃう。

淡々と日常を描く短編三編。
どれもこれも、屈折してるけどね。
でも、それも一つの愛の形では。
視聴後は得も言われぬほどの満足感。

感情って描くのが難しい。
それを穏やかなカットで表現って。
それも皆まで言わずに。
お見事。

豪華な声優陣の演技はさすが。
引き込まれてしまう。
最後に一言。
{netabare}早見さんの使い方が贅沢。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

68.7 37 2020年度アニメランキング37位
マルルクちゃんの日常 第三話「おそうじ」(アニメ映画)

2020年1月31日
★★★★☆ 3.6 (39)
141人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

メイドインアビススピンオフ③

全4話 1話3分程のショートアニメ

たまたまAmazonPrimeで見かけたので観てみました。

メイドインアビスのスピンオフ作品

深界二層に白笛のオーゼンともに暮らすマルルクの日常を描いた作品です。

地上に出てきたオーゼン一行、オーゼンに頼まれて一人おつかいを頼まれたマルルク、以前見慣れたキャラが登場してマルルクを助けてくれます。

避暑地に行く貴族の令嬢ような格好でしたw

{netabare}最後に、オーゼン、心配して後ついていたのですかねw{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

68.2 38 2020年度アニメランキング38位
2分の1の魔法(アニメ映画)

2020年8月21日
★★★★☆ 3.5 (11)
44人が棚に入れました
妖精たちが暮らす不思議な世界――。美しい大自然を背景に、ユニコーンのような角を持つ美しい白馬のペガサスが空を飛び、色とりどりの尾びれを持つマーメイドたちは自由を謳歌し、神秘的な魔法が満ち溢れている・・・がそれは、はるか昔の話。科学や技術が進化するにつれ、小人や妖精たちも便利な世界に慣れ、この世から魔法は消えてしまった―。いまや空を飛ぶのはジャンボジェット機。美しい白馬のペガサスは“野良ペガサス"となり、街の地べたでゴミを漁る迷惑な存在に―。主人公は魔法が消えかけた世界に暮らす魔法を使えない内気な少年イアン。イアンは自分が生まれる前に亡くなった父に一目会うために、好奇心旺盛な兄のバーリーと共に、魔法を取り戻す冒険に出る。かつては魔法があふれていたが、技術が進歩し魔法が消えかけてしまったら?ピクサーの描くワクワクの世界が登場!

声優・キャラクター
トム・ホランド、クリス・プラット 【日本語吹替版】志尊淳、城田優
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

信じる心がイアンの魔法

 ようやく上映、『2分の1の魔法』だったです。吹替版、字幕版見てきたです。今回も、Disney・PIXARらしいワクワク面白いお話です。

 亜人の暮らす世界において、魔法が忘れられた現在で、16歳になったイアンが、兄バーデーと共に不死鳥の石を求めて、冒険に出たお話だったです。

 死んだ父さんウェルデンの形見となる、魔法の杖を母さんローレルより受け取った、イアンと兄さんバーデー。一日だけ、死者を蘇らせる魔法を発動させようとするも、バーデーにできなかったです
 。一人になったイアンが、ふと手紙をつぶやくと魔法発動、でも父さんの足だけです。24時間以内に魔法を完成させないと、二度と父さんに会えなくなることによって、バーデーの導きにより一緒に冒険の世界へです。このを知って追う母さんも活躍するので、お楽しみです。

 バーデーの思い付きのような道案内で、なぜか?うまく進んでしまうところが、不思議なところだったです。
 バーデーとイアンのやりとりが、絆を大きくしていく過程は、終盤で気持ちが一時離れることがあっても、互いにとってとても大切な道のりであったことを気づかされることになるです。
 冒険をクリアできたと思った先で、行き詰ったように見え、心が離れそうになっても、イアンが振り返って思いだすこと、バーデーが希望を捨てないことが、父さんとの感動の再会へと繋がっていくのです。

{netabare} 面白い展開としては、妖精が数十人でバイクを操り、イアン、バーデーに絡む展開が印象的だったです。
 あと、呪いが発動したときの展開で、母さんとイアンの活躍が光ったところです。
 それらを通して、全体的なCGによる川などの自然の背景なども、良かったです。気になるところとしては、吹替版で書かれる文字が、日本語というところだったです。わかりやすくするためというのはわかるのですが・・・・です。個人的には、字幕版がしっくり着たです。
 EDは、テーマソングの「全力少年」が吹替版のみだったです。{/netabare}

 感動の再会の場面で、想像と違う展開になると思うです。それが、何なのか?二分の一の魔法というタイトルを示すシーンだったかもしれないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

67.7 39 2020年度アニメランキング39位
デート・ア・バレット 後編 ナイトメア・オア・クイーン(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.5 (44)
195人が棚に入れました
テレビアニメ版も人気を誇る橘公司のライトノベル「デート・ア・ライブ」のスピンオフ小説「デート・ア・バレット」をアニメ化した前後編の後編。シリーズの中でも異色の存在感を放つ精霊・時崎狂三を主人公に描く。隣界より顕現し、現実世界に厄災をもたらす「精霊」の少女たち。「ナイトメア」のコードネームを持つ第3の精霊・時崎狂三は、時間を操る強大な天使「刻々帝(ザフキエル)」を行使し、その行動や思想、そして目的に至るまで多くの謎に包まれていた。ある日突然、隣界の片隅に舞い降りた彼女は、精霊たちが姿を消し準精霊たちの戦場となったその世界で、自らの願いをかなえるべく死闘を繰り広げる。
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

狂三を引き寄せる謎の猫は?

 『デート・ア・バレット ナイトメア・オア・クイーン』を見たです。前回から始まったとある世界のバトルロイヤル、時崎狂三(くるみ)の戦いはこれで終焉?、となるあっという間みたいな感じだったです。今回もバンバン銃を撃ちまくるガンアクションと剣も交わる展開だったです。

 時崎狂三の過去と、黒幕クイーンとの対峙を描いていたです。出てきた他の女子達、何だかんだ狂三の相手にならないです。

 時崎狂三の過去に出てきた親友が、お話の要になるです。過去を見ると狂三は、女子高生にしか見えなかったです、

 クイーンの登場が、突然の急展開のような気がしたです。狂三とクイーンが戦うわけだけれど、前作の始まりを思い出すです。二人とも狂っているように見えるです。
 愛情の裏返しみたいな印象だったです。クイーンから明かされる真実はいかに!です。

 取りあえず、終止符が打たれるこの先どうなるのか?わからない感じだったです。
{netabare} 狂三が飛ばされた世界いるままいみたいだけれど、{/netabare}取りあえず一件落着なのかなぁ?です。

 にしても、くるみの漢字が、ひらがなとか、久留美でなく、狂う三というのも見た事も考えもつかないです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

pikotan さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

デートもデレもありません

前編デッド・オア・バレットと後編ナイトメア・オア・クイーン、両方まとめての感想です。

完全に狂三ファンのための作品に思えました。
予備知識なしでいきなり本作を観る人はいないと思いますが、デアラを知らない人が観たら意味不明な作りです。
時崎狂三はお気に入りキャラの一人なので私はそこそこ楽しめましたが、デアラ本編に比べるとデレやギャグが無い分、面白さはないですね。
十香や折紙など、狂三以外の本編キャラも一切登場しませんので、その辺も物足りないです。
尺の都合から原作小説に比べて、薄いストーリーになっているようです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さあ、わたくしたちの戦争(デート)を始めましょう(後編)

《第一〇領域(マルクト)》で唐突に始まった殺し合い——
ひとり、またひとりと消えゆく準精霊たち。
生き残った者たちも、最後のひとりとなるまで飽くなき戦闘を繰り返す。

そして動き出した白の女王……
強者のみが生き残る血の凶宴は、佳境を迎えようとしていた——

緋衣響という協力者を得て、混沌とした戦場を軽やかに渡り歩く狂三。
そんな狂三の目に映ったのは、隣界に辿り着いた際にも邂逅した一匹の猫。
いるはずのない猫を追い、辿り着いた先にあったものは
知り得るはずもなかった真実……

果てなき「殺し合い(バトルロイヤル)」の末、巡り逢う『最悪(くるみ)』と『最凶(クイーン)』。
時崎狂三の《戦争(デート)》、その先にあるものとは——


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。


公式サイトでは、前編と後編を合わせたINTRODUCTIONが掲載されていたので、
そちらも紹介させていただきます。


<最悪の精霊> 時崎狂三 顕界——

この世界とは異なる隣界より顕現し、地上に厄災をもたらす精霊と呼ばれる少女たち——
或る者は無垢であり、或る者は救いを求め、そして或る少女は己の目的のため、自らの心を殺し続けた——
第3の精霊、コードネーム<ナイトメア>。

時間を操る規格外に強大な天使<刻々帝>ザフキエルを行使し、
その行動、思想、そして目的に至るまで
数多の謎を抱えた最悪の精霊・時崎狂三——

彼女が舞い降りたのは、人間も、精霊すらも存在しない隣界の片隅だった……

全世界シリーズ累計発行部数600万部の大人気ライトノベル『デート・ア・ライブ』。
その中でも異色の存在感を誇る時崎狂三のスピンオフ作品が新作アニメ化!
彼女の左眼に刻まれる狂三だけの「戦争(デート)」の幕が今、切って落とされる——

わたくしは一度死にましたわ。
死んで堕ちてきたのです、この世界に——


こちらが公式HPのINTRODUCTIONになります。

完走して振り返って思うこと…
狂三が人気ある理由が分かった気がします。

何だかんだ言って彼女の根っこには優しさが溢れている気がします。
天邪鬼的な態度ばかりなので、多くの人には誤解されそうですけど…
というか、私も多いに誤解していた一人ですけど…

時崎狂三だからこそ成し得たスピンオフと言っても過言ではありません。

もう、あまりに狂三が魅力的だから…思わずフィギュアをポチってしまったではありませんか(*ノωノ)
9月2日に発売が予定されているようなので暫く待ちですね^^
グッドスマイルカンパニーの商品なんですけど、公式サイトでは予約販売が終了していたので、手に入らないかとおもいましたがラッキーでした。

そういえば、私が現在進行形でドはまりしている「アサルトリリィ Last Bullet」でもデートアライブとのコラボイベントが開催されたんです。
このイベントでは、時崎狂三、夜刀神十香、五河琴里の3名がプレイアブル化されたんですけど、時崎狂三だけ少し特別扱いっぽいんです。

レギオン9人全員で行う「ノインヴェルト戦術」のFinish Shotを時崎狂三が打つ時だけ、背景に《刻々帝(ザフキエル)》が現れるんですけど、これがメッチャ格好良きなんです。
ラスバレで登場するメインキャラにだって、専用の背景が無いと言うのに…

狂三…TVアニメ第4期を先行して視聴しているのも相まって、彼女の魅力に色々持っていかれてしまったようです^^;

オープニングテーマは、前編に引き続き坂部剛さんによる「IInfermata」
エンディングテーマは、RinamooNさんによる「Only wish」

1話約24分程度の物語でした。
視聴後に思ったこと…
これ、TVアニメ第4期を視聴する前に視聴するべき作品だと思いました。

ここで、あれがこうなるから、TVアニメ第4期ではあんな展開になったのか…という感じです。
TVアニメ第4期を視聴したばかりで本当に良かった…
って、本当は前に視聴したかったんですけど、目一杯堪能させて貰ったので結果オーライということで。
これより、第4期のレビューを書きたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

66.8 40 2020年度アニメランキング40位
デート・ア・バレット 前編 デッド・オア・バレット(アニメ映画)

2020年8月14日
★★★★☆ 3.5 (48)
184人が棚に入れました
〈最悪の精霊〉時崎狂三 顕界——この世界とは異なる隣界より顕現し、地上に厄災をもたらす精霊と呼ばれる少女たち——或る者は無垢であり、或る者は救いを求め、そして或る少女は己の目的のため、自らの心を殺し続けた——第3の精霊、コードネーム<ナイトメア>。時間を操る規格外に強大な天使<刻々帝(ザフキエル)>を行使し、その行動、思想、そして目的に至るまで数多の謎を抱えた最悪の精霊・時崎狂三——彼女が舞い降りたのは、人間も、精霊すらも存在しない隣界の片隅だった……

声優・キャラクター
真田アサミ、大西沙織、本渡楓、伊瀬茉莉也、日高里菜、瀬戸麻沙美、藤原夏海

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

時崎狂三 精霊 ゴスロリ

 『デート・ア・バレット デッド・オア・バレッド』見てきたです。深夜アニメのCMやっていたので見に行ったけど、上映劇場が限られすぎてたです。

 ゴスロリファッションの女の子、時崎狂三(くるみ)が、殺されてどっかの世界に飛ばされ、他の女の子と殺し合いバトルロイヤルすることになったお話だったです。

 精霊だか準精霊だか、精霊には見えない女の子たちだったです。

 時計絡みの能力を開放させたところが、目立っていたです。願いだかよくわからないうちに、終わってしまったです。あっという間な感じで、短い印象だったです。そのことにびっくりしましたです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと何やってるか分からないスピンオフ

忘れた頃にやって来るアニメ「デート・ア・ライブ」のスピンオフ。
謎の精霊、時崎狂三が主人公です。
本編で最も気になる精霊だけに、興味深々に視聴しました。

どうやら未来が舞台らしい。
精霊が死に絶え、準精霊だけの異空間に狂三が出現。
間髪入れずにバトります。

{netabare}バトルより狂三の過去回想が印象的でした。
あんなに人間的だったとは。
意外な一面をみた思いです。

激しいバトルの中に、お茶目な準精霊響が。
ちょっとアットホームな雰囲気になごみます。
この後、狂三を慕ってついていく?

ホント、意味がよくわからない話です。
本編でその存在意義が明らかにされるのか?
そんなことより、響は再登場させて欲しいものです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さあ、わたくしたちの戦争(デート)を始めましょう(前編)

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第4期と「劇場版デート・ア・ライブ 万由里ジャッジメント」は視聴済です。

そうなんです…実は第4期を完走してレビューを書こうとwikiをチラ見するまで、この作品の存在を完全に忘れていました^^;


隣界——かつて災厄と呼ぶほどの力を持った精霊たちが存在したとされる世界。
しかし、既に精霊たちは隣界から姿を消しており、
そこは《準精霊》と呼ばれる少女たちの戦場となっていた——

《第一〇領域》(マルクト)と呼ばれる隣界の一部。
精霊・時崎狂三はそこで目を覚ました……
何故ここにいるのか、どうやって来たのか……
なにより、ここは何なのか。
知識の及ばぬ世界へと迷い込んでしまった狂三の耳朶に響いた声——

心おきなく余生をお楽しみください
生き残るのはただ一人 どうか存分に殺し合ってください
突如開始される殺し合い(バトルロイヤル)。

数多の獲物が交錯し、血飛沫が舞い踊る。
狂三を取り巻く《戦争》(デート)の引鉄は唐突に引かれた——


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

この作品…時崎狂三のスピンオフだったんですね!
これまで唯一、五河士道がデレさせることのできなかった精霊である時崎狂三の立ち位置は、異色としか言い様がありません。

TVアニメ第4期で、違う側面が見れなかった訳ではありません。
ですが、並みの精霊とは一味も二味も違う個性的な存在で、彼女のお陰でこの作品の面白さが引き立っていると言っても過言ではありません。

もしかすると、ヒロインの中で一番人気があるのでは…!?
「デートアライブ」+「フィギュア」でググってみると、圧倒的に狂三のフィギュアのラインナップが充実しているんです。
しかし…狂三さん、良きではありませんか…
思わずポチりたくなるクオリティのフィギュアを見つけてしまいましたよ。
ヤバい…

話が脱線しそうになりました^^;

アニメーション制作は、ギークトイズさん。
これまで、「変好き」や「プランダラ」を制作された会社です。
TVアニメ第4期もギークトイズさんでしたね。
視聴していて思ったのが、兎に角キャラデザの描き方がとても丁寧で綺麗なんです。

これまでアニメーション制作は、毎期異なる会社となっていましたが、できるならTVアニメ第5期もギークトイズさんだったら良いなーなんて思っています。

オープニングテーマは、坂部剛さんによる「IInfermata」
主題歌なんだそうです。
エンディングテーマは、Luizaさんによる「Only wish」

1話約24分程度の物語でした。
もう、あっという間に完走した感じです。
さあ、面白くなってきましたよ。
わたくしたちの戦争(デート)を始めてくださいまし――

引き続き後編を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

66.5 41 2020年度アニメランキング41位
劇場版 Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット 前編Wandering; Agateram(アニメ映画)

2020年12月5日
★★★★☆ 3.5 (50)
281人が棚に入れました
長く。長く、旅をしてきた―。遍歴の騎士に与えられた旅の終わり。西暦1273年エルサレム。かつての友と刃を交えようとも、遠き日の過ちと向き合うこととなっても、最後の忠節を果たすべく、ベディヴィエールは烈風吹き荒ぶ砂の大地を歩みだす。これは、ひとりの騎士の物語。

声優・キャラクター
宮野真守、島﨑信長、高橋李依、坂本真綾、川澄綾子、水島大宙、沢城みゆき、置鮎龍太郎、内山昂輝、安元洋貴、子安武人、田中美海、小松未可子、鶴岡聡、稲田徹、千本木彩花、鈴村健一

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゲーム知らないので難解→修正版があり?

テレビのバビロニアしか知らないので、見ていて退屈でしたし、冗長に感じました。ただ、イスラエル周辺の砂漠地帯のロードムービーとしては、現地の有様がリアルにアニメで描かれていて、そこは嘘が少なかったと思います。しかし設定が聖都というファンタジーものにあるような基地を、十字軍のアーサー王と円卓の騎士が作っているという話で、史実にはありえませんし、もうゲームがそういうものだからといって納得させられるしかありませんでした。

そういう無理やりな感じが画面全体にあって、作画は落ちてはいませんが、とても力が入っているというものではなかったです。シナリオや絵コンテのテンポが悪く、長々と砂漠を歩いている場面が続くので、作画としてもやりようがなかったのではと思います。ただ戦闘場面はいつものFateらしく、そこはよかったと思いました。エフェクトなどは綺麗でした。特に最後のトリスタン戦はよかったと思います。

しかしとにかく話が獅子王のアーサー王を、その最後の側近であったベルヴィエールが倒しに行くという話で、もうわかるように沈鬱な話であります。アーサー王はたぶんFateシリーズのセイバーだと思うのですが、獅子王である人物の声優さんはいつものセイバーの人ではないみたいで、なんか見ていてよくわからなかったです。しかしベルヴィエールの回想場面ではセイバーだったですからねぇ。マシュと立香もいることはいますが、バビロニアみたいに大活躍という感じではなくて、物語を先導する役回りだけです。脇キャラも地味だし、恋愛模様もまったくありません。いやベルヴィエールのセイバーへの思いがあるのですかね?しかしシナリオではまったくそれは読み取ることは私にはできませんでした。後編はもう少しそのあたり改善されるのでしょうか。円卓の騎士の敵たちも、まったく感情移入できないキャラたちばかりで、敵ながらあっぱれとかそういうものがほとんどありませんでした。とにかくFateのHeaven's feelやZeroのノリを期待したらだめです。

けれど見ていてよかったと思ったのは、特殊効果で、ベルヴィエールの回想場面で、昔の童話の挿絵みたいなタッチで人物が動いていたことです。そこは昔絵本でこういう絵を見たな、ということで懐かしかったですよ。円卓の騎士の話もありましたかね。そこだけは、作画点として加算させていただきます。

追記・2021/12/28

Youtubeでこの劇場版キャメロットのコマ切れ動画がたくさん昨日から出ていて、気になったので某所でこの前編の動画を見てみました。同じ動画かと思いきや、明らかに修正版です。話のシナリオの方もだいぶ変更されていると思います。ヴェルビエールとセイバーの回想場面が変更になっています。その他、数えきれないぐらい変更点がありました。某所についてはここで明言する事は避けますが、あるという事だけ書いておきます。

作画も全編にわたり修正が入っています。こうした例は以前フルメタルパニック3でも見た事がありましたが、本作でもやり直しをしたようです。修正版は本当に素晴らしく、私が以前指摘した問題の部分はすべて改善されていました。惜しむらくは、おそらくこの動画は劇場公開時には間に合わなかっただろうという事で、きっと製作が大変だったのでしょう。しかしこうしてファンの元へ、また改善版を届けることをしたスタッフの方々は、非常に良心的だと思います。

従いまして、点数の方も大幅にアップしておきました。後編はまたそのうち見られればいいと思います。この作品も他のFateシリーズのように、名作になればいいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

トリスタン良い

視聴前 確か

視聴後 えええ

この話は第4特異点の話
本作はFGOを原作とするアニメなんですが、おそらくゲームやらないとわかりません。最低でも一章は見とかないとマシュの関係やカルデアの関係はわかりません。私は原作のストーリーを知っているのですが、なんだかんだ覚えておらず、思い出す形で本作を視聴していました。

まず思ったのが「新規殺しだなぁ」といものです。本作を気にFGOを始めようという方は本作を見ないほうが良いです。分かってなければ鬼ほど面白くありません。

まず物語構成としても微妙です。尺が足りないのか、だいぶ急ぎ足の展開となっています。FGO原作を知ってる側からすると何回もめんどくさい戦闘と会話が無いせいで、すぐに移動が終わってしまい違和感がありますし、知らない人は何がなんだかわからないでしょう。果たして本作の需要はあるのか。

そして一番の問題はキャラです。本作の魅了は(おそらく)キャラの魅力なのにも関わらず一キャラに対する尺が短すぎる。これではモブと同じ扱いです。せっかくのFGOの良さを本作は全てダメにしています。

極めて残念です。しかしやはり原作を知っている人からすると「動いている」という事実だけでもちょっとうれしいですから多少の需要は満たされたということですね。私はハサンとトリスタンがキャラ的に大好きなのですが、本作のトリスタンが良いものでした
もはやトリスタンしか見てないまでありますけど、とりあえず内山昂輝さんとトリスタンあいすぎでしょ。
サハンも良かったですね。静謐のサハンが可愛かったですい、呪腕も良かったですね。

どう転ぶのかは分かってはいますけど、わからないので今後の楽しみ、ということです。あまり期待せずに

監督は末澤慧さん。単独監督は初だそうですね
脚本は小太刀右京さん。ロード・エルメロイII世のシリーズ構成をされた方ですね
キャラデザは細居美恵子さんと黄瀬和哉さんと温泉中也さん。やはり多いですね
劇伴は芳賀敬太さんと深澤秀行さん。
アニメ制作はプロダクションIGさん。攻殻機動隊やPSYCHO-PASSを制作したところですね

作画は良かったです。戦闘シーンも作り込まれいました。
主題歌はおなじみ坂本真綾さん作詞歌唱、内澤崇仁さん作編曲の「独白」
声優さんは良かったです。特に内山昂輝さんが。

総合評価 トリスタンすきぃ

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして、この旅の終わりを知る

この作品の原作ゲームは未プレイですが、2016年から2018年まで大晦日に放送された特番や、2019年に放送された「絶対魔獣戦線バビロニア」は視聴済です。

そしてビックリなのは、dアニメストアで5/1~5/15までの期間限定で配信されたことです。
きっと後編の劇場公開がコロナ禍の影響で5/15に延期になったこともこの配信に関係があるのかもしれませんね。

きっと原作ゲームをプレイ済の方にとっては堪らないご褒美的な作品なんだと思います。
私はアニメしか視聴していないので、そこまでご褒美的には受け止められませんでしたが、この作品の魅力の一つである「過去にアニメ化された作品」のキャラに再びお目見えできるのは個人的に嬉しかったり…


「私は今度こそ、この手で、我が王を殺すのだ――」

遍歴の騎士・ベディヴィエールとカルデア一行が足を踏み入れた特異点――
西暦1273年のエルサレム。
そこは民たちが住処を追われ、三つの勢力が対峙する不毛の地であった。

白亜の城を築き、民を殺戮する獅子王と「円卓の騎士」を討つべく、
ベディヴィエールらは「山の民」と協力し立ち向かう。
大切な仲間をも喪う死闘を終えた彼らは、
強大な力を持つ「太陽王・オジマンディアス」に同盟を持ち掛ける。
しかしオジマンディアスは獅子王の計画を明かし、
自らの民を守るためにその提案を一蹴する。

獅子王の真意を知り慄くベディヴィエールたちだったが、仲間たちとともに、その目的を阻止すべく、
聖都・キャメロットへの進撃を決意するのだった。

そしてついに、聖都決戦の日を迎える。

冷酷非道に成り果てた獅子王の真の狙いとは。
滅びの約束された世界で、人類を救済する方法とは。
赦されぬ罪を背負い続けたベディヴィエールの迎える結末とは。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

この作品で描かれているのは、「第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット」のシナリオが基になっているそうです。
2019年に放送された「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」は、第七特異点を基にしています。
第六特異点の方が、第七特異点より先行した物語であると考えるのが一般的だと思うのですが、今回この作品を視聴に伴い、一般的な解釈だとちょっと辻褄の合わない点があることに気付きました。

物語を視聴したのは前編のみです。
従って、後編も視聴すると辻褄が合ってくるのかもしれませんけれど…
この作品を視聴する上で結構重要なキャラに関する辻褄なので、引き続きフォローしたいと思います。

アニメーション制作は、Production I.Gさん…
これまでfateシリーズはufotableさんによってアニメ化された作品が多いですが、2019年にテレビ放送された「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」はCloverWorksさんが制作されているんですよね。
ufotableさんとは作風の違いを感じましたが、CloverWorks制作の作品とは、殆ど違和感がありませんでした。

この「Grand Order」を一つの括りだと考えると、結果的には良かったんだと思います。
もっとも、Production I.Gさんのクオリティに文句の付けどころなんて、そもそも無いんですけどね^^;

一方物語の方ですが、作品のタイトルに「円卓の騎士」とある通り、アーサー王とアーサー王に仕えたとされる騎士の物語が描かれています。
円卓に座ることを許されたランスロット卿、ガウェイン卿、トリスタン卿やモードレッド卿など、著名な人物が登場するので視聴意欲も俄然湧いてきます。

藤丸立香や、マシュ・キリエライトが円卓の騎士と、どの様に関わりを持っていくのか…
そもそも第六特異点における歪みの元凶は何なのか…
見どころも盛りだくさんですよ!

主題歌は、坂本真綾さんの「独白」

上映時間が約1時間半程度の物語でした。
ゲームをプレイしていないので、理解度は浅いと思いますが、浅いなりに楽しませて貰えた作品になりました。
後編も絶対視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

56.5 42 2020年度アニメランキング42位
劇場版 巨蟲列島(アニメ映画)

2020年1月10日
★★★☆☆ 2.7 (42)
147人が棚に入れました
私立鳳翔高等学園の生徒たちを乗せた旅客機が謎の事故によって墜落し、織部睦美たちはとある島へと流れ着く。浜辺で目を覚ました睦美たちは他の生存者と合流して救助を待つことにするも、その島は巨大な昆虫に支配された島だった……。

声優・キャラクター
M・A・O、立花理香、福圓美里、麻倉もも、たかはし智秋、久保ユリカ、江口拓也、駒田航、井上麻里奈
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

昆虫キモォォォォォーース!!

修学旅行中、飛行機事故により、巨大化した昆虫たちが蠢く島へ流れ着いた、
生徒らのサバイバルを描いた同名パニックホラーコミック(2巻まで無料試し読み)
のOAD化及び劇場公開作品。

【物語 1.5点】
B級全開。清々しいまでに低俗。

『巨蟲“列島”』とあるが本作で登場するのは孤島一島のみ。

原作連載元は無料コミック配信サイト。
この種のサイトには、毎週更新時にエロやグロをぶっ込んでテコ入れする。
PVも集めるけど、低評価も集める。
そういうポジションの“人気作”があるものだが、本作もこの類。

丁寧なシナリオによる感動より刹那的なグロの衝撃。
非常時ほどエロに走る。


そもそもスタッフたちもB級パニックホラー愛好家以外には訴求していない感。

昆虫が人体に{netabare} 寄生だの、産卵だの、快楽物質注入{/netabare}だの、
B級推進のための設定が次々に繰り出される。


【作画 2.0点】
低予算。限りあるソースを湯水の如くエログロに投入。

冒頭、不可解な遠近感や作画枚数不足を画面をやたらユラユラさせる
小手先の撮影で取り繕っている時点で察するべき。

こんな極限状況下でも表情描写よりビ〇チ女教師の巨乳の揺れ動きに注力する辺り、
制作陣の進む道に迷いはない。
一応、乳〇の見えるOVAではあるが、肉体の描き込みは平凡。

戦闘準備を進める主人公ヒロインが歩くだけの動画に尺を費やすなど、
構成バランスにも疑問符が付く。


但し、巨大昆虫のCGはインパクトあり。
とは言えCGレベル自体はPS2程度。


【キャラ 1.5点】
B級でパニックホラーなら、襲われる人間は馬鹿でなくてはなるまい。
そんな信念があるのでは?との疑念が生じるくらい登場人物がことごとく愚か。

各々、感情のままに、チームワークを無視して、身勝手な言動を繰り返し、
陥らなくてもいい窮地に転がり落ちて行く。

この人たち通常サイズのスズメバチの群れにすら勝てそうにありませんw


唯一、主人公ヒロインは虫博士と言っても良い知見の持ち主で、
昆虫漫画連載を重ねて来たという原作者の多彩なウンチクを代弁し、
巨大昆虫攻略の活路を見出し、シナリオを牽引するが、
虫愛好家過ぎて、倫理観が人間離れしているのが難点。


終盤……{netabare}人の死より、昆虫を殺してしまったことに涙する{/netabare}ヒロインの価値観……。
私には共感無理です。


【声優 3.5点】
こうなるとCV.久保 ユリカさんの悲鳴や、
CV.麻倉 ももさんのぶりっ子アイドル依存スキルや、
CV.たかはし 智秋さんのオトナの籠絡スキルなど、
各種エログロ対応の演技が残された僅かな期待。


そんな中、私のMVPはCV.金子 誠さんの怪演。
{netabare}虫に寄生された男子生徒の狂乱ぶりは、
眼球のグロ描写共々、{/netabare}トラウマです。


【音楽 3.5点】
劇伴はTeam-MAXの鈴木 暁也氏とJohannes Nilsson氏が担当。
チープながら作風にマッチした楽曲を提供。

ED主題歌は東城 陽奏さんの「Stella」
佳作バラードで色々な意味でようやく一息つける。


【感想】
私は、昔、ゲーム『地球防衛軍3』(Xbox360)で巨大宇宙船から飛来した巨大蟻らを相手に、
人類を守るEDF隊員やってましたw
レビュータイトルも、このゲームで巨大蟻に襲撃されたNPCモブ隊員による通信
「こっちに来ます!」の空耳から拝借致しましたw


評点酷評してしまいましたが、早くも動画配信された本作を見た時の私は
完成度の高い質アニメばかりでも疲れる。
俺だってたまにはジャンクフードにがっつきたい!
そんな魔が差した夜だったので、
得るものは得られた比較的満足度の高い視聴となりました。


本作もまたクラウドファンディングにより、
熱心な愛好家たちに支えられて実現したアニメ化企画。

B級が表世界を席巻したらアニメ作品全体のレベル低落というバイオハザードを招きますが、
隔離してファンが楽しむ分には害はないと思います。

最近では、さらに海外展開も見据え、Kickstarterで、
英語版制作のためのクラウドファンディングを実施しているという本作。

巨大生物と美女とエログロさえあれば歓喜する
本場のB級パニックホラーファン層にピンポイントで届いてくれたら、
そして、その先に、日本発のB級アニメ群の魔境が開けたら幸いです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

この続き「私、気になりません!」

 なんだか空港で登場人物たち勢揃いの場面から、いきなりどっかの島に主人公の少女が浜辺で倒れているところから始まったです。

 空港→どっかの島だったので、飛行機が墜落したとか?全く実感がなかったです。
 生き残りの登場人物たちとの合流より、いかにもこのタイトルのような展開になるのです。

{netabare} この主人公が昆虫通によって、ピンチをなんとか切り抜けていくけど、この状況でありがちなパニック、悪い奴による仲間割れがあるです。
 パニックにおいて、恐怖から来るのわからなくもなかったけど、自分だけ助かりたい、それによって主人公たちが迷惑、危機にさらされるところがこの馬鹿がと思わざる負えなかったです。

 あと、音楽のセンスがいいとはとても思えない音楽だったです。また服を取るシーンもあったけど、とてもお世辞にも見たいとも思えなかったです。{/netabare}

 なんだかんだ進んで、解決に至らないまま終わり、なにか意味ありげなラストという劇場化された意味が、わからなかったです。

 好感の持てない作画、音楽、逃げ周り戦っての連続、この島は何なのか?主人公たちがどうなるか?完結しない終わり方、今年最初に見なかったことが唯一の救いだったです。
 とても先が「私、気になりません!」です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

あげもっち さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

劇場版という選択肢しかなかったのか

アニメやらないかなーと思っていた作品ですが、劇場版が公開されていたとは知りませんでした。
過激な描写があるせいで、劇場版になってしまったのかな?とも思いましたが、エログロ描写としてはそこまでではないです。
この程度の表現に留めるなら、1クールアニメで物語を省略せずやってもらったほうが良かった。
物語の省略がされているのに、タイトルコール前の空港でのシーンや、クライマックス部分での引き延ばしなど無駄な描写もあり、更には低予算だったんだろうなと分かる作画で、残念です。
声優さん方には一切不満はありません。キャプテンの声で癒されてました。
原作読んでみよう!と思わせてくれる映画であったことは確かです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 0

52.1 43 2020年度アニメランキング43位
君は彼方(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★☆☆ 2.4 (18)
63人が棚に入れました
澪は幼馴染の新の事が気になっているが、気持ちを伝えられず微妙な関係を続けていた。ある日、些細な友人の言葉をきっかけに2人はケンカをしてしまう。澪は何とか仲直りをしようと雨の中を新の元へ向かう途中、交通事故に遭ってしまった。意識を取り戻した澪が目を開けると、そこには見たこともない不思議な世界が広がっていた。

声優・キャラクター
松本穂香、瀬戸利樹、早見沙織、小倉唯、山寺宏一、大谷育江、木本武宏、瀬名快伸、仙道敦子、竹中直人、夏木マリ
ネタバレ

みどりーぬ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

見るな絶対、金返せ。

時間と金を返せ!本当に!
最初の松竹の数秒後につまんないってわかる。友達と初めて悪い意味で顔を見合わせた作品。
作画 ベネッセ、脚本 カルト宗教、声優・主題歌 本物
さて、1番の被害者は誰かなぁ?
正解は{netabare}金払った俺じゃボケ{/netabare}
他の映画のいい部分を抜き取ったのはよいものの、その演出はその映画のストーリーや作画がマッチしたからこそウケたのであって、作画ベネッセじゃ単なる中国製品。
この映画の最大の見どころは、YouTubeにある監督のインタビューです。ぜひご覧ください。
こんなんならラーメン食えばよかったわ。ごみ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

いくら何でも酷評過ぎるでしょう…と思ってましたが…

 勉強頑張りましょう、好きなら告白しましょう…を約90分で教えてくれる感じです。
 テーマ性はあります。ルサンチマンの克服ですね。「いつ死ぬかわからない」からこそ「言い訳しないでやるべきことは頑張ろう」「好きな人がいるなら生きているうちにちゃんと告白しよう」ということは良いと思います。ただテーマはありますけど、それだけですね。国語の教科書の寓話か道徳の時間の動画でももう少し複雑だと思います。

 しかし、本作の最大の欠点は「面白くない」の一言に尽きます。エンターテイメントの部分として致命的です。死後の世界の冒険にもなっていないし、現世での彼氏の奮闘もないです。美しい背景もない、エロもバトルもほぼない。ライバルも中途半端だし…描きたい何かがあって作ったように見えません。 
 それぞれの展開が何かのアナロジーになっている訳でもなく、何が描きたいのか、視聴者をどうやって喜ばせようとか、そういうのが全く伝わってこず、自分勝手にヒロインを動かしているだけ、という感じに見えました。

 学生の気分として勉強イヤだというのは共感できるかもしれません。また、極端に堕落するとか、趣味に生きるわけでもなくダラダラと学生を続けているのは設定としてはわかります。告白できないというのも今風です。
 ですが、キャラに魅力が無さすぎです。というか設定の為の設定のキャラで生きている人間にも見えません。堕落しているにしても、青春時代の生々しさがほとんど感じられないというのでしょうか。そのくせ恋愛ばっかり頭がいって、色ボケという感じです。
 そう、この組み合わせは悪かったですね。勉強イヤで成績悪くて追試なのに、恋愛脳で遊び歩いているのが、単なるイヤな奴になってしまっています。

 今時の映画です。ひどいと言ってもある程度の水準はあるだろうと思って見ましたが…まあ、点数が示す通りです。

 作画とかも低予算でしたが、どうでもいいです。音楽も印象にないです。内容に全部持っていかれました。

 点数は意味ないです。「非推奨」それだけですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ド三流ドラマのなり損ない

視聴前 サムネから察するに青春系かな

視聴後 ...

この話は諦め癖が付いた少女の話
ジャンルは恋愛・学園・霊能力
まず全体的な印象としては「ド三流ドラマの脚本だったな」という印象です。

基本的に恋愛を描いているのですが、まぁよくわからない。
なんかキャラが出てきて、なんやかんやあって謎の力で解決的な?
正直見た後でも良く分かっていません。とりあえず恋の力というのは医大で強大だということですね。うん。そういうことにしとこう。

おそらく「とりあえず脚本は書いたもののドラマで下手なCGよりもアニメのほうが安くすみそう」という安直な考えのもと、できたような作品です。もしこれを最初からアニメで作ろうとしてたならプロデューサーだか監督だか脚本だかの面白さを疑いますね。え、全部同じ人?え、あぁ...

序盤の導入もつまらなく、説明が薄いまま進んでいき、この時点で結末を予想できます。中盤もわけわからず進んでいきますが、すべて予想通りだったり二番煎じだったり、と変化のない内容。終盤はハチャメチャ理論と主人公補正でなんやかんや解決とそれっぽいエンドロール。果たして何を伝えたかったのかまるでわかりません。

原作・監督・脚本は瀬名快伸さん。
劇伴は斎木達彦さん。
アニメ制作はデジタルネットワークアニメーションさん。初の元請けですね

作画は悪かったです。
主題歌はsajiさんの「瞬間ドラマチック」合っていない
声優さんは俳優女優さんばかりで下手丸出しでした。本職声優さんも使い方が雑で非常に残念です

総合評価 見ないで良い

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日(アニメ映画)

2020年10月31日
★★★★★ 4.1 (6)
36人が棚に入れました
ある土曜日、のどかがちゆ、ひなたと宿題を終わらせた後に花見に出かけようとすると、「明日」をつかさどる精霊ミラクルンが、「昨日」をつかさどる精霊リフレインに追われているのを見かける。のどかたちはプリキュアとなってミラクルンを助けようと戦い、HUGっと!プリキュア・スター☆トゥインクルプリキュアの協力もあって何とか危機を脱する。

しかし、「永遠に明日がこない世界」にしようともくろむリフレインの力によって、時間が巻き戻ってしまい、のどかたちは永遠に「明日」が来ない、「今日」を繰り返す世界に閉じ込められてしまう。のどかたちは協力し合ってミラクルンを守り、「明日」に進むため奮闘することになる。

声優・キャラクター
悠木碧、依田菜津、河野ひより、加隈亜衣、武田華、金田アキ、白石晴香、成瀬瑛美、小原好美、安野希世乃、小松未可子、上坂すみれ、木野日菜、吉野裕行、引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、多田このみ、野田順子、福島潤

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

正直申し上げまして微妙…。ただ、見所がないかと言うと….。

 本編に関してはタイトルの通りです。ハッキリ言って脚本があまりよろしくない!。短い時間の中でループ物という、時間がダブる部分があったりする大変な仕様なのにあんまり上手くスムーズに進めてない…。ツカミも微妙…。


 ループ物ならではの面白さや切なさもあんまりないし、ゲストのミラクルんも悪役のリフレインも1mmも脳に残らなかった…。作画も戦闘時はなかなかだが、平場は劇場レベルとは言い難いかな。先代プリキュアとの出会いや登場シーン、クロスオーバーなども工夫がそんなに見えなかったかな。


 こんなこと言うから見た甲斐がなかったかというと、そうでもありません。今回見てて一番上ったのはエンディングです!。以前のオールスターでもありましたが、エンディングは凄いゴージャス!。このクオリティーと贅沢さを本編でやって欲しかったような…。


 コロナのせいで色んな作品が大変なことになってしまったが、今年の匕ープリは正直不幸なことになってしまったかな。ああ、コロナ前はあんなり希望に溢れていたのに…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.7 (7)
33人が棚に入れました
2020年、日本を襲った突然の大地震。ごく普通の家族、武藤家の歩と剛の姉弟は一家4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく…

声優・キャラクター
上田麗奈、村中知、佐々木優子、てらそままさき、吉野裕行、森なな子、小野賢章、佐々木梅治
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

生きるのも地獄、死ぬのも地獄?と思えもするサバイバル!

 ネット配信は見たことないけど、見に行って見たです。
 阪神大震災、東日本大震災、熊本大震災とは、比較にならない壊滅的な国内の状況を不安、犠牲をともないながらも、ある情報を信じて前進していく武藤一家と仲間達のお話だったです。

 震災を知っているとこんなことが、起こるかもしれないと思えるようなリアルで生々しさを感じたです。乗り越えるためのサバイバル展開もなんか 凄いです。

 自分を大切にするあまりに冷静さを失い、逃げてしまったことを悔いるすがたは、誰にもありうるように思えたです。

 偶然にしてはできすぎた、まさかの悲劇の繰り返しには、傷まれない物があったです。
 この惨劇に命欲しさに自分のことしか考えられなくなっている人の様子、惨劇をよそに欲望に暴走する人、苦しみを逃れるため薬物に依存する人、怪しい団体の安住の地に安らぎを求めるけど、悲劇的な最期を遂げる人たち、助ける人を区別する人達など、生々しかったです。
 どこに行っても地獄のような反面に、協力してくれる人たちとも出会うこともできたです。

 武藤歩が最初の方で、わがままな面にイライラもしたです。愛する人たちを徐々に失っても、悲しむ余裕を持てなく進むしかなかった武藤一家たちの在り方は、やるせなさを感じたです。

{netabare} 最後の方で、仲間に見捨てられたようなシーンがあったけど、実はそうではなく命を張った行動には、驚かされたです。
 最後は、偶然なのか必然なのかで、うまくまとめられたようだったです。悲しみを乗り越えているのか?もしれないけど、家族の大切さを振り返り現在に至る姉弟だったです。一度でも{/netabare}日本が本当に沈んでしまったら、冗談どころでないで済まないと思ったです。 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
イエスかノーか半分か(アニメ映画)

2020年12月11日
★★★★☆ 3.7 (6)
33人が棚に入れました
人気若手アナウンサーの国江田計は極端に裏表の激しい性格。王子と称される完璧な外面とはうらはらに「愚民め」が心の口癖の強烈すぎるもうひとつの顔を持っている。そんなある日、取材で知り合った映像作家の都築潮と再会するが、幸い都築はくたびれたジャージにマスクの男があのアナウンサーの国江田計とは気づかない。とっさに「オワリ」と名乗った計は、行きがかり上怪我をした都築の仕事をしばらく手伝うことに。いやいやながらはじまった協力関係だったが、計は唯一自分を偽らずにいられる潮との空間を好ましく感じ始める。一方で潮は取材で顔を合わせるアナウンサー・国江田計の立ち振る舞いに惹かれ……物語は計・オワリ・潮の奇妙な三角関係へと発展していく。

声優・キャラクター
阿部敦、川原慶久

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
Away(アニメ映画)

2020年12月11日
★★★★☆ 3.8 (7)
25人が棚に入れました
飛行機事故でたった一人生きのびた少年は、
森で地図を見つけ、
オートバイで島を駆け抜ける。
<黒い影>から逃れて、小鳥とともに。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バイク描写にツッコミ所満載な事を踏まえた上でバイク大好きけみかけさんがオススメするバイク旅の魅力を正しく伝えるインディ映画

ラトビアで個人制作のアニメを作り続けるクリエイター、ギンツ・ジルバロディス氏が2019年に発表した81分の長篇
当時25歳の氏が劇伴も含めたった1人で3年半の歳月を費やして制作しました
氏にとっては初の長篇作品となります


飛行機事故から奇跡的に生き残った少年が自分を追いかける正体不明の黒い影の様な巨人から逃げつつ、偶然見つけた地図に描かれた集落を目指し、バイクで冒険をしていくロードムービー
全篇はアウトラインと陰影を廃した所謂トゥーンシェードの3DCGで描かれ、主要人物は少年と少年が拾う飛べない小鳥のみで台詞は皆無
全篇は
Forbidden Oasis(禁断のオアシス)
Mirror Lake(鏡の湖)
Dream Well(眠りの井戸)
Cloud Harbor(霧の入り江)
の4つのチャプターに分割されていて、映画というよりかアクションゲームのステージ毎のデモムービーを観ているかの様な構成になっています


まず少年を追いかける黒い巨人がかなり怖い
声を上げるでもなく、動きも鈍重、足音1つも立てず近づく姿はこの世のものとは思えません
しかし確実に少年を追い詰め、彼を取り込もうと追い掛け回す
その意思の疎通が図れなさそうな、何を狙って行動しているかが計り知れない雰囲気は『ナウシカ』の巨神兵や『シン・ゴジラ』に似た恐怖を醸し出しています
ギンツ氏曰く『ワンダと巨像』や『人喰いの大鷲トリコ』といった上田文人作品にも影響を受けているとの事で、ヴィジュアルをご覧になるとすぐピンと来る人も多いはずです
冒険の途中の美しい自然描写とは裏腹に、迫り来る巨人の恐怖というダークな魅力が今作最大のアクセントになっていると感じます


さて、けみかけがこの映画を通して最も訴えたい事は、「この映画を観ると物凄くバイクに乗りたくなる!」というバイクの魅力を十二分に伝えている点、その一点に尽きます


正直、リアリティという面ではお世辞にも褒められたものでなく、ギンツ氏が全くバイクに詳しくないであろう事は容易に受け取れるのですが、『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『イージー・ライダー』がそうであったように、“映画的な嘘”の範疇でギンツ氏が“バイクで旅をするのは気持ち良さそうだ”というメッセージを伝えんとしていることは感じます


確かに、「ブレーキ操作を左手でしている」「転倒したのにエンストしてない」「平地を走っているのに変速を繰り返す効果音」「雪山を普通のバイクが登れるワケが無い」「そもそもチャプター2以降はなんでバイクのモデルが左右反転してんだ」等、1回観ただけでもバイクに詳しい人なら違和感を感じる場面は多々あります
それらを押してでも何も無い砂漠、荒涼とした峠道、鏡のような湖面の浅瀬、緑豊かな竹薮など、美しい自然の中をバイクで駆け抜けたら、どれだけ気持ち良い事なのだろうか
まさにバイク旅の魅力とは自然を肌で感じること
その魅力をそのままアニメーションに落とし込めている、という点は評価に値すべきだとけみかけは思います


その昔、バイクの魅力を語るのに御託を並べる変なアニメがあったのですが…この映画を持ってすればバイクの魅力を簡潔に伝えるのに言葉は不要、と感じざるを得ませんね
今後バイクの面白さをアニメで人に伝えたい時には『キノの旅』か『たまゆら~もあぐれっしぶ~』の最終回か『Away』をオススメすることにします
(『ばくおん!!』はギャグアニメですw)


ちなみに少年が手に入れるバイクですが恐らくロイヤルエンフィールドかトライアンフの2気筒モデルをスクランブラー仕様にしたものと推測できますが(氏のモデリングが大雑把すぎてw)完全に一致する車種は見つけられませんでした


バイクに乗りたくなる、バイクで旅をしたくなる美しい映画…しかも個人制作…
と、その素晴らしさの余韻に浸りたいところなのですが、日本での劇場公開版ではエンディングの後に何故かthe pillowsが流れます(爆)
コレ、pilloowsのミュージックビデオとしては申し分ないのですが、如何せん映画本編とは関係が無さ過ぎるので、余計なことをしやがって!とキングレコードを恨まずにはいられませんでしたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

少年のたどり着く先は?

 パラシュートで木に引っかかっていた少年が、黒透明巨人に食べられそうなったです。それを回避するところから始まる、少年の冒険を描いていたです。
 黒透明巨人が、最初は進撃の巨人のパクリにも見えたです。少年をのろのろ巨人が、必要にストーキングするです。

 声優さんの存在がないようで、動物の鳴き声などが声優さんによるものなのか?実際の動物の声の録音なのか?定かではなかったです。最初の走る少年の息遣いは、何なのかなぁと思ったです。

 少年のいる場所が、どっかの島であることは明らかになり、行く先々で何故か?都合よく落ちているオートバイ、リュックが少年を大きく手助けするです。

 キャラ作画自体は少年も含め、ペンキのようなセル画みたいなCGがある意味個性的だったです。それ以上に、背景などの作画が見事だった印象です。
 青空だったり、平原だったり、湖、行く先に出て来る湧きだかの噴水のウォーターショウなど神秘的に見えたです。
 小鳥、鳥の群れ、バンビ?、像、猫?、大きい亀、それぞれ存在感があったです。特にというと、少年と黒透明巨人ではあったです。

 少年の行動、進む先、自然、猛威を興味深く、見るものを引き付けるどことない進行は、日本アニメに見ない独特なもので良さが出ていたです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

camuson さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

印象度:75

3DCGの無声アニメ。

主人公が見知らぬ無人の土地に放り込まれ、冒険を始めるという話で、
まんまビデオゲームの冒険系のロールプレイングゲームを
映像に記録したような作品です。


リアル志向ではなく、
粗さの残るポリゴンに対して、陰影をつけずにベタ塗にすることで、
アニメチックなデフォルメ感を出しています。

ただし輪郭線はないので、例えば主人公の少年の場合、角度によって、
顔の肌色と首の肌色が一体化して顎のラインがなくなることがあります。
この割切りはちょっと新鮮だなと思いました。


主人公が一切台詞を発しないため、
受け手が主人公に同化するのが容易なのだと思います。
魅力的な箱庭世界に思わず見入って、堪能してしまいました。

冒険系のビデオゲームだと、探索中の主人公は基本無口だと思いますので、
なおさらゲームの感覚に近く感じますね。


最後は、何かあるのかなと期待してしまったので、
若干、肩透かし感が残りました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
アダムス・ファミリー(アニメ映画)

2020年9月25日
★★★★★ 4.2 (6)
22人が棚に入れました
 丘の上に立つ荒れ果てた屋敷に住んでいるアダムス・ファミリー。ゴメズ、妻のモーティシア、執事のラーチ、長女のウェンズデー、弟のパグズリー。
 平和な日々を送っていた一家は、屋敷に親戚たちを迎えて、パグズリーが一族に伝わる大切な儀式、「セイバー・マズルカ」を披露する日が近づいていた。
 そんなある日、ウェンズデーは丘の下に住宅地があり、そこに大勢の人間たちが住んでいることを知る。住宅地をプロデュースしたのは、テレビの人気司会者マーゴ・ニードラー。ゴシックなアダムス一家とは正反対のカラフルに彩られた街では何よりも「普通」を愛する人々が暮らしていた。
 マーゴの娘、パーカーと友達になったウェンズデーは、自分たち一家とは全然違う世界があることを知り興味津々。人間の中学校に通って普通の生活を試してみることに。しかし、住宅地にはある秘密が隠されていた。そして、アダムス・ファミリーに思いがけないピンチが訪れる!
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不気味で人間離れでも良い家族

 ゾンビや妖怪のように人間離れしていて、普通とはかなり違う価値観を持ったアダムス・ファミリーが、自宅屋敷ふもとの町の人たちと関わって、トラブル、コメディありな展開から、互いを分かり合うお話だったです。吹替版、見たです。

 一家そろって暮らす現在に行った経緯からはじまって、アダムス一家の普通とかけ離れた日常、街の人との関わりを持つきっかけへと話は進んでいったです。

 アダムス・ファミリーは、異能力、特異体質、過激なスキンシップ、それぞれがかなり変わっていて、個性的なキャラデザなど、ちょっと不気味ながらな日常が、面白い気がしたです。小さなお子さんのいる家族が、そろって見に行っても通用する出来だったです。

 普通の人たちとのかかわりも、個性的な反面かなりどこかずれているところも見所です。{netabare}子供を思うゴメズ、毒のある話し方をするモーティシアは、愛情表現において正反対に話すところが受けたりするです。
 娘のウェンズデーの生物蘇生術、樹木を操る能力も必見です。弟のパグずりーは、ゴメズを殺しにかかる行動をとるけど、互いの遊びの反中なところが、変わっています。終盤、大活躍あるので刮目せよです。
 ほかにも、執事のラーチの演奏、フェスターおじさん、おばあちゃん、ハンド、ペットたちも個性的です。{/netabare}

 ファミリーが巻き込まれる騒動、それを家族でどう乗り切るのか?見所になるのです。家族の在り方、自分たちとは違う個性を理解することを面白く描いていたです。

 アメリカのアニメなので、字幕版も「私、気になります!」です。上映劇場は、限られるけどです。{netabare}あと、続編もいつかあるようです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
劇場版 ごん - GON, THE LITTLE FOX -(アニメ映画)

2020年2月28日
★★★★☆ 4.0 (4)
22人が棚に入れました
いたずらばかりしている小ぎつねの、ごん。
ある日、兵十が川で獲ったウナギを、ごんはいたずら心で逃がしてしまう。
それは病気の母に食べさせるための大事なウナギだった。
母が亡くなり落ち込む兵十をみて、ごんは償いをするのだが……

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

誰もが知ってるあの昔話を本当に世界最高峰のストップモーションアニメ映画にしてしまった

『ごん狐』を原作に木彫りの人形によるストップモーションアニメで描かれた約30分の短篇映画
元々プラネタリウム用プログラムでしたが音響やスクリーンの環境がより整った劇場版として再公開されました


『ごん狐』といえば母ぎつねを亡くした子ぎつね、“ごん”が自分のイタズラが原因で母親を亡くした猟師の青年、“兵十”に償いを決意して、毎日こっそりと兵十に貢物を持ってくるが、貢物の贈り主がごんだと知らない兵十に誤って撃ち殺されてしまう・・・という悲しい結末でお馴染みの児童文学


あまりに有名なラストなのであえてネタバレ気味にあらすじを書きました
ですが今作はお話の顛末を一部始終理解していても十二分に楽しめる作りこみの傑作です


まずとにかく映像のクオリティが高い
木彫りの人形の如何にもな“人形感”は映像をデフォルメして観客の間口を広げており、尚且つ野原や家屋など細部まで作りこまれた古い時代の日本の世界観を霞んだ狐色で統一して背景と人形を調和させています
それにあたかも本当に野外で撮影してるかのような広大な奥行きを感じるのが兎にも角にも素晴らしい


イギリスのアードマンスタジオやアメリカのスタジオライカ等、世界的に著名なストップモーションアニメのスタジオが、昨今はVFXを駆使して「もうそこまでいったらCGアニメで良いのでは?」という映像を作り出しているのに対し(特にライカは…)、今作の八代健志監督は極力VFXやロトスコープを廃し、人形そのものの味わいを残して作品作りをしているのが好印象です
特に「どーゆーカットにすれば人形を支えている仕掛けを映さず済むのか?」という工夫に関しては古来よりの特撮の技法、ストップモーションアニメの伝統を確かに受け継いでるのが温故知新という観点から観ても評されるべきです
しかも完成した映像には全くもって古臭さが無いのでもう非の打ち所がありません


特に本当に【ヤバイ】と思うのが前半にある川面のシークエンス
初見、ずいぶんとリアルに水が描写されてるんだなぁ、凄いなぁぐらいにしか思いませんでした
が、実はこれ、本当にプールの中に人形を入れてるんだそうwww
つまり水は本物なんです!!!
本物の水を【水】として描写するストップモーションアニメなんぞ聞いたことがありません
しかも人形は【木彫り】ですよ?
どうかしていますw
もうこの時点で僕が知りうる限りで史上最高のストップモーショアニメといっても今作は過言ではありませんでした


極め付けは、母を亡くした本当は心優しい青年の兵十の声を、入野自由が演じることで滲み出る兵十の哀愁感
そしてクライマックス、ごんを母の敵だと思い込んでる兵十が猟銃を持って忍び足で迫る緊張感
この二つは例え結末を知っていても鳥肌モノの没入感を味あわせてくれます


また、兵十が観ている世界と、ごんが観ている世界が並行して別々に描かれている、というのが両者のすれ違いを暗喩しているのも面白いです


だいぶヲタク臭く書いてしまいましたが短篇ということで小さい子供と家族揃って観ていただくのが一番適した作品だと思います
僕が観に行った回は子供さん、ラストで泣いちゃってましたけどねw
老若男女誰でも観れて、考えさせられる内容って、映画としては最高だと思いませんか?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本スレ違い話

 日本人なら幼いころからでも、誰もが知っているお話であるのです。私が学校行っていたころにも、教材として使われたのをしっかり覚えているです。今でも義務教育で、使われているだろうか?です。

 ごんぎつねというと絵本、お話だけでなく昔NHKなど人形劇として、放送されていたのを見たことあったです。「ゴンゴンゴンゴンごんぎつね」だとかいって、子ぎつねのごんが出てきたのを思い出すです。動きが飛び跳ねているみたいだし、手などを針金だかで、ぎこちなく動かしていたようだったです。このお話だと、不自然な針金なども全く見えず、自然なような動作だったところも、比べ物にならない差だったです。

 生きているかのようなキャラというのか?木彫りの彫刻とも言えなくもない、木製人形たちだったです。カエル、トンボ、鰻の動きで、特に鰻が面白く見えたです。
 粘土や、ぬいぐるみなどのパペットとも違う、木製人形ならではの魅力があったです。

 動いている場面では、生きているかのようです。例えば、「こらー 盗人狐めー」と追いかけるシーンなどです。
 でもポスターやHPで、人形が止まっているのをわからないで見ると、不思議な感じが私にはしたです。とくに獣人化したごんの顔が、私には少し不気味な気がしないでもなかったです。
 狐状態のほうが、可愛く見えたです。

 背景画ならぬディオラマが、現実味帯びているです。家及び内部、道、道端、川、風景がこのアニメを作るためだけに手が込んででいるというのを通り越しているみたいです。
 どっかで見たことのある花、彼岸花がどことない赤く目立ちインパクトあったです。関係ないけど、地獄少女を思い出すです。OPの出だしや、閻魔あいの小屋近辺に目立つ光景を思い浮かべたです。

 音楽も違和感のない緩やかなような落ち着く感じで、曲が良かったです。

 あえて知られた話において、このお話を見て思うことは何だろう?です。

{netabare} ごんは、兵十(ひょうじゅう)の取った鰻を盗んだいたずらをするです。結果、兵十のおっかぁにウナギを食べさせることもできないまま先立たれてしまう。
 母親がいないという状況になったごんが、兵十を自分と重ねるです。兵十の家に栗、松茸などを毎日おいとくのです。
 神様のめぐみものだとか言われているのを聞いたごんが、「ばっかじゃないの、神様なんているわけないのに!」とつぶやくシーンはどこかゴンの寂しさを見たです。{/netabare}
 人を思いやる気持ちという点において、狐も人間も関係ない素直な心なんだろうです。

 気を取り直した兵十が、家でごんの姿を見て{netabare}「いたずら狐めー」だとか火縄銃で射殺するのです。その直後、栗が置かれていた先を見たとき、兵十は驚きと後悔をするわけです。死してごんは、やっと兵十に{/netabare}わかってもらえるわけですが・・・・です。

 この点で{netabare}この時代は、獣を見ると退治したがる傾向があるみたいに見えるです。現在に置き換えると、家に野良猫が入ってきたら射殺するのかというとそれは、ほとんどないではないだろうです。人だったら、過剰防衛か?殺人になるって?・・・です。そこを突っ込むと、話にならなくなるですが・・です。
 「いきなり殺さないで、よく見てから行動するべきだ!」という意見だってあるだろうです。「兵十は、馬鹿野郎だ!」、「お前は、間違えている」「今更、遅すぎる!」とです。この世界では、その認識自体が存在しないかも?なのかなぁです。ごんを捕まえるにしても、網や檻があろうとなかろうと、とっさに兵十には、使いこなせないだろう?です。{/netabare}

 どんどん考えても切りが無くなるです。このお話は、このお話であるのだからです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

計測不能 44 2020年度アニメランキング44位
モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け(アニメ映画)

2020年11月6日
★★★★★ 4.6 (3)
16人が棚に入れました
長編映画第三弾となる今回は、モンスターストライクに登場する多くの個性豊かな
キャラクターの中から、「ルシファー」「アーサー」「ソロモン」「ノア」「パンドラ」が
物語の中心となり、熱い戦いを繰り広げます。
"ケタハズレな冒険を。"をスローガンに、友だちや家族とワイワイ楽しめるコンテンツを
提供し続ける、XFLAGスタジオだからこそ出来る映画体験をお届けします。
STORY

声優・キャラクター
日笠陽子、水樹奈々、内田真礼、小倉唯、斉藤壮馬、福島潤、峯田茉優、堀江由衣、高山みなみ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

仲間というもの

 モンスト本編自体は美央たこともないです。CD作画、声優陣と良かったことはわかったです。
 最初見たとき、とある部屋から唐突な展開に見えた序盤だったです。モンストのキャラ自体を知らないと、初めからの展開をまた違ったように見えたかもしれないです。

 後半になって、何だか進行とお話の真実がかなり分かったです。

 なにも役に立たないような生物が、最後まで信じることを諦めない姿、ひたむきさを見せてくれたお話だったと思うです。

 出てくるキャラみな個性的で、よくできた作画背景、バトルシーン、緊迫感が凄いかなと思えたけど、事前にキャラの理解、モンストを知らないとなんだか、珍紛漢紛になるかもしれないです。

 信じられなくなったものが実はどうだったか?、思わぬ事態の発生に意外性があったです。

 世界はどうなるか?あの生物の存在が、大きなカギを握る見所になるのです。
 声優さんの演技が、目立つアニメだったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3
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