リメイクおすすめアニメランキング 79

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのリメイク成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月11日の時点で一番のリメイクおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

67.2 1 リメイクアニメランキング1位
狼と香辛料 merchant meets the wise wolf(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (57)
402人が棚に入れました
若き行商人クラフト・ロレンスは、荷馬車を引く一頭の馬を相棒に、街から街へと商品を売り歩く日々を送っていた。 ある日、黄金色の麦畑が広がる小さな村を訪れた彼は、耳と尻尾を有する美しい少女と出会う。 「わっちの名前はホロ」 自身を“賢狼”と呼ぶホロは、豊穣を司る狼の化身だった――。 彼女の「遠く北にあるはずの故郷・ヨイツの森へ帰りたい」という望みを聞き、ロレンスとホロは北を目指す商売の旅の道連れとなる。 だが行商人の旅には思いがけない波乱がつきもので……。孤独だった行商人と、孤独だった狼の化身を乗せた馬車が、今、騒がしく走り始める。

68.3 2 リメイクアニメランキング2位
機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 (アニメ映画)

2022年6月3日
★★★★☆ 3.6 (61)
194人が棚に入れました
ジャブローでの防衛戦を耐えきった地球連邦軍は勢いのままにジオン地球進攻軍本拠地のオデッサを攻略すべく大反抗作戦に打って出た。アムロ達の乗るホワイトベースは作戦前の最後の補給を受ける為にベルファストへ向け航行。そんな中ホワイトベースにある任務が言い渡される。無人島、通称「帰らずの島」の残敵掃討任務。残置諜者の捜索に乗り出すアムロ達であったが、そこで見たのは、いるはずのない子供たちと一機のザクであった。戦闘の中でガンダムを失ったアムロは、ククルス・ドアンと名乗る男と出会う。島の秘密を暴き、アムロは再びガンダムを見つけて無事脱出できるのか…?

ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大戦の片隅で

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
映画館で観てきました。一応、TV版も見直したのですが、これはもう別物ですね(笑)

作画はとても良いです。映画館で観るべきアニメだと思います。

ストーリーには賛否あるでしょうね。私は、わりと好感をもって観ました。まあ、富野ガンダムを期待すると、大分期待はずれでしょうね。

本作は、安彦ガンダムらしい、古くさくて、人間くさくて、心あたたまる、これはこれで素敵なガンダムでした。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「戦争は上層部が起こし、最前線が戦い、民間人が傷つく」

そんな事実が、妙に「今、この瞬間」と重なった。ヒトラーをなぞらえて語ったマ・クベ。民間人の犠牲を全く気にしないゴップ。2人が引き起こそうとした「核戦争」を、1兵士(ククルス・ドアン)が止めようとするのである。

あのシーンなんて、本当に「今」、、、いや、もしかしたらやってくるかもしれない「ごく近い最悪の未来」を見ているようだった。

もちろん、安彦監督は、今のこの状況を想定して作ったわけではなくて、人間が持つ、普遍的な部分を描いたら、妙に時勢とマッチしてしまったのだろう(というかそれは、富野監督が描いた原作からであるが)。

本作の主人公はククルス・ドアンなのかもしれないが、やはり、私自身はアムロ・レイを主人公として観た。

TVシリーズの流れの中では、ガルマを倒して、アムロが母と再開した後であり、ランバ・ラルが死ぬ前に位置するのが、この「ククルス・ドアンの島」である。

TV版は正直、「箸休め」的な部分が大きく、安彦監督も「ファーストガンダム最大の心残り」としたエピソードであるが、その焼き直しには完全に成功していたと思う。

アムロの成長を考えていくとき、最初は「成り行き」で戦ったアムロだが、徐々に「ヒロイズム」に囚われていき、それを、ランバ・ラルに叩き直されるという大きな流れがある。

優しく、虫も殺せないような「少年」だったアムロは、戦争の中で、否応なく「兵士」になっていく。戦争の中では、「大人」になる前に、「兵士」に成らざるを得ないのだ(2話前の、母との再会話から)。

そんな悲しい現実の中、アムロが「少年」から「兵士」に生まれ変わっていく途中に、「人としても少しずつ成長している」ことを、安彦監督はこの「ククルス・ドアンの島」を通して描きたかったのかなと思った。

本作のアムロは、かなりポンコツに描かれている。

モビルスーツの操縦は上手いだけで、畑仕事も満足に出来ない15歳の普通の少年。はじめ、アムロは何にも出来ないので周りからも認められない。

彼が認められたのは、「水道修理」と「電気修理」。水道修理で高所からロープで降りていったのは、間違いなく、アムロが兵士として身に付けたスキルと根性だろう。「電気修理」で生きた機械いじりは、ガンダムに乗る前からのアムロの特技である。

つまりこの2つによって周囲から認められ、受け入れられたのは、「ガンダムに乗る前のアムロの人生の肯定」と、「ガンダムに乗った後のアムロの人生の肯定」ではないだろうか。

アムロはガンダムに乗らなければ多分、父親のような技術者になったのだろう。もしくは、機械いじりが好きなだけのオタクか。

そんな人生と、「連邦のエースパイロット」としての人生の、どちらが幸せなのかは分からないし、それを考えることにも意味はない。

それを望むかどうかは別にして、時間は確実に流れ、その時間の中で得た経験は全てが自分の中に蓄積されている。兵士として得た人殺しの技術も、使い方を変えれば人を救ったり守ったりできる。

本作の中で、アムロがガンダムで生身の敵兵を踏み潰して殺すシーンがある。前後の流れからしても、アムロの性格からしても、違和感のあるシーンだったが、あの優しい安彦監督が満を持して作った本作である。きっと何かの意味はあるのだろう。

TVシリーズで本作の1話前にあたる「時間よ、とまれ」で、アムロは生身の敵兵を殺すことは出来なかった。それがなぜできたか?

「時間よ、とまれ」との最大の違いは、「守るべき者が居たか」ではないだろうか。「時間よ、とまれ」ではガンダムが単独で動いていたが、本作には、カーラやマルコスといった、「守るべき者」がいる。彼らを守るためには鬼にでもなれるというのは、ククルス・ドアンから学んだことではないだろうか。

思えばアムロが初めてガンダムに乗った動機は、「生き残るため」であり、「身近な人を助けるため」であった。そういう初心を思い出した、とするのは、やや恣意的な解釈だろうか。

本作で敵を踏みつけたのは、近くにマルコスがいたからだろう。下手に兵器を使えば、跳弾や崩落などでマルコスを巻き込む可能性がある。直前に、ビームサーベルでコックピットだけを貫いたことからも、マルコスを守るために戦っていることが分かる。

少年だったアムロは、ドアン達との日常の中で人間として成長し、また、兵士としても成長していた。

では、その先に見つめるものは何か。

最終的には、「武器を捨てること」だろう。

ククルス・ドアンは、完全に地に足がついた「大人」として、アムロの前に現れる。ドアンは一流の兵士であり、多くの人を殺したが、その先でも、「素敵な大人」になれた。

今はまだ銃を置くべき時ではない。でも、その時が来たら武器を捨て、穏やかに暮らすこと。

ククルス・ドアンは、アムロにとっての目標となる大人であり、散々人を殺してきた自分もそうなれるという希望だったのかもしれない。その象徴が、最後の「染み付いた戦いの臭いを捨てる」という、「とても良いこと」なのだ。

ちょっとだけ残念だったのは、もう少しロボアクションが観たかった(特に、サザンクロス隊との決戦)ことと、ラストでアムロがガンダムを使って畑を作るシーンくらいは欲しかったかなというところ。数秒でも良いし、なんなら、ホワイトベースから見下ろした背景として、(人力で作った円の畑の中に)ガンダムの指で引っ掻いたような直線的な畑がある、くらいさりげなくても良いからさ。それは、本作の作風にもテーマにも合った、素敵なシーンになったと思うんだけどな。

まあ、本作は、とにかく「ガンダムらしく」はない。ただ、ハッピーエンド好きな私としては、こういう素敵なラストは嫌いじゃない。

賛否両論あるだろうが、私含め、オッサンのガンダムファンは、批判はしても離反はしない。負け続けても応援し続ける阪神ファンみたいなもんである。多分、一生ガンダムファンなのだ。

大事なことは、こういう、新しい、綺麗なガンダムを、若い世代がどう受け止めるかだと思う。是非、若手の意見を聞いてみたい。

余談だが、今日、映画館で私の隣に座っていたのは、可愛らしい女子中学生の2人組だった。個人的には、今回の映画鑑賞でそれが一番嬉しかったりした(いや、JCの隣に座ったことじゃなくてね(汗)。そういう若い女性ファンがこんなコアな作品を観てくれている、ガンダムを好きでいてくれることがね、嬉しかっただけですよ。アセアセ)w
{/netabare}

【余談~舞台挨拶中継から素敵なシーンを~】
{netabare}
ライブビューイングで見られたので、いくつか素敵なシーンを。

①視聴前に司会の方が、「カメラでの撮影はお控え下さい。もし見つけた場合には、高濃度のミノフスキー粒子が散布されます」と、洒落た注意をしたこと。

②森口博子さんの挨拶中にお客さんのスマホが鳴ってしまったのに、すかさず、「大丈夫ですよ。本番前で良かったですね」と、笑顔でフォローしたこと。

③本作でセイラさん役をした潘めぐみさんが、お母さんの潘恵子さん(ララァ)のスカーフを巻いて登壇していたこと。

④マルコス役の内田雄馬さんが、司会の方から「内田裕也さんです」と紹介されたが、笑いながら「大丈夫ですよ。名前だけでも覚えて帰って下さい」と、笑いに変えていたこと。

⑤もうこれでガンダムは最後、とする安彦監督に、古谷さんが何度も「僕はまだ15歳のアムロをやりたいです」「作画に悔いがあるなら、それは次回作で」と、何度も次回作を勧め、安彦さんも困りながらも何だか嬉しそうで、最後には「もう先のことを考えられる年ではないのですが、実は、この中で私が一番年上ではないんですよね(古川登志夫の方が一歳年上)」と、少し前向きになっていたこと。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ニュータイプという言葉も出てこない地に足のついた素朴なガンダム

『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」(視聴済)を素材に
正味18分程度→100分超にリブートした長編作品。

【物語 4.0点】
一貫して戦時下の人間の業を描いていく『ガンダム』ですが、
ククルス・ドアンの頃はまだアムロも民間人から戦争に深入りする途上。
スレッガーさんなどの“潤滑油”も健在。
悲劇も積み重なって、オールドタイプじゃもう地球はもたない。
人類はニュータイプに進化すべき云々と理想が語られるのも、もう1クール程あとの話。

誰も戦争を望んでいないのに、巨大な組織の一員として戦争に巻き込まれる惨状を自嘲しつつも、
敵味方の立場を越えて、良心に従い、自然を顧みたりすれば、まだ人類はやり直せる。
一筋の光明にすがれる佳作エピソードが詰まっているのがファーストガンダム前半部。


こうした要素に光を当てるため、本劇場版は拡大した尺の多くを島での生活描写に注ぎ込む。
あとは地球圏をたらい回しにされるホワイトベースの立場の解像度アップを企画した政治的背景の詳述などがメイン。
もちろんバトルにも見どころはあるものの二の次といった印象。

長い人生、戦時など一瞬。地に足をつけて、動植物や子供を育む人間活動こそ重要。
ドアンの達観に価値を見いだせるかで明暗は分かれそう。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・サンライズ

決して美女イケメンばかりでない顔立ちが並ぶのも相変わらず。
が、その心情描写は深く、人間観察する価値が大いにある。

特にブライト艦長の円な瞳に中間管理職の悲哀が滲んでいるのがジワジワ来ます。

レビル将軍ら上層部によるホワイトベースへの命令も政治力学上の合理性あってのこと。
が、直下の中間管理職らからすればそれは無茶振り。
そんな事情を胸にしまって部下に当たれば不機嫌だの何だの陰口を叩かれる。
さらにブライトさんも少し前に{netabare}親父にもぶたれたことない少年に手を上げた{/netabare}後ろめたさも引きずっていて……。
戦時の人間組織を解析する脚本の意図を、
ブライトさんの顔立ちがしっかり拾っているのがもう可笑しくてw
そんな彼が心情を吐露できるのはミライさんだけ。
これはもう結婚するしかありませんねw

絵コンテがいぶし銀のいい仕事していると感じます。


古くからのSFには、当時のSF設定が時代遅れになるという課題がつきまとうもの。
だからといって、アナログっぽい計器や分厚いモニターといったオリジナルのコックピットに、
急に空中ディスプレイが乱舞するのも興ざめ。
本作はその辺りのバランスも考慮してオールドファンに訴求。
ブライトさんもカステラみたいな有線受話器に口角泡を飛ばしますw

ベルファストの連邦軍描写からは、
大艦巨砲主義を引きずった旧態依然が、持て余し宙に浮いたホワイトベースの苦難を示唆。

ドアンのザクによるスラスターをフル活用した格闘戦。
ザクの白兵武器は“ヒート”ホークであることを納得させられる加熱描写。
など詰めるところは渋く詰めて来る。


【キャラ 4.5点】
主人公アムロ・レイ。
ガンダムでの激闘、両親との軋轢と、ここに至るまでに既に大きな負荷がかかっていることが、回想で示唆される。
が、この段階ならまだ、島で人間活動をする描写を通じて、土と心を耕せば、
まだ普通の人間の少年として再生できる可能性も示される。

ドアンの島の子供たちもモブではなく
一人ひとり、より明確な人格を持ったキャラとして再構築され、
各々が一年戦争の縮図を体現。
さらにドアン家の“母親役”の少女カーラや、
アムロと同年代の少年マルコス辺りは、
アムロに世話を焼き、突っかかることで、
人間アムロの要素を掘り起こす引き立て役としても機能。


サブがメインを引き立てるという意味では、
元ネタでは顔が出なかったザク強襲部隊。
本作では“サザンクロス隊”としてキャラが確立。
戦場でしか生きられない戦闘狂をドアンにぶつけたりすることで、
ドアンの生き様を際立たせる。


ガンダムがまだ“白いやつ”呼ばわりで留まっているのも前半部ムード。
この島で“白い悪魔”と呼ぶべきは、気まぐれな挙動で人間たちを翻弄するヤギのブランカでしょうかw

ただ真に喰えないのは、狐のマ・クベと狸のゴップの化かし合い。


【声優 4.0点】
『ガンダム』も後継声優が馴染んでいく中、
オリジナルから残っているホワイトベース隊はアムロ・レイ役の古谷 徹さんや、
カイ・シデン役の古川 登志夫さんくらいに……。
このお二人も、本作が最後のガンダムと公言する安彦 良和監督と同様、いつまで見られるのか……。

一方、島の子供たちの役には新人の抜擢も目立つ。
特にカーラ役の廣原 ふうさんは錚々たる顔ぶれの中でも、
ドアンに対する複雑な感情などを表現する堂々たる演技。

ドアンは声優界にも種を蒔いています。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は『THE ORIGIN』以来の服部 隆之氏。
昭和を彷彿とさせる金管をアレンジし、
「ガンダム大地に立つ」など往年のBGMリバイバルの土台を整える。

ED主題歌は森口 博子さん「Ubugoe」
『Z』後期OP「水の星へ愛をこめて」の頃からは、流石に声質が変わってはいますが、
齢50を越えて尚、純度の高いボーカルを維持する辺りはお見事。


【感想】
本作もIMAXだの4DXだの様々な規格に対応して興行。
ですが私はこの映画に迫力やアトラクション性などを求めるのは何か違うと思い、
平日夜の閑散とした小規模スクリーンで静かに見届けました。

だから劇場で是非とは敢えて言いません。
BDは既に販売リリースされてますし、各人の目的に応じた方法で、島に潜入すればよいかと。

ニュータイプだけが『ガンダム』じゃないと再認識させられた。
渋い余韻が残った劇場鑑賞でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

不愉快なガンダム演出。とにかく奥行がないです。

 ガンダムのスピンオフというよりガンダムジオリジンのスピンオフという感じの映画でした。

 一言で言って、過剰なガンダム演技と演出で、ノスタルジー狙いにしか見えません。特にマ・クベの言動というか演出は、あまりにカリカチュアライズされすぎて、何か思い出を汚されたような不快さすらありました。キャラ設定、声優さんの演技、すべてが鼻につきます。

 もともとオリジンにはそういうところがあります。そこがククルスドアンという訳の分からない回のリメイクというこで、逆張りを狙って、その意図が恥ずかしいくらい外している感じです。

 あるいはメタ的に、未だに「機動戦士ガンダム」という作品に「意思を持って」取り残された古い世代のガラパゴスに引導を渡したかったという意味があるのかもしれませんけど。
 つまりはシンエヴァなんですけど、その作成者が富野監督ではなく安彦良和氏なのが、滑稽な感じもあります。

 安彦氏は驚異的な絵の力をお持ちだと思いますが、正直コミックを何シリーズか読んでいますが、面白くないです。それがそのまま出てしまっています。
 なんというか40年前に機動戦士ガンダムで戦争のリアルや、戦いの虚しさは十分頂戴しました。ZやZZでおかしくなってしまいましたが、機動戦士ガンダム単体でみるなら、完結した作品です。

 それを正直言えば富野氏ほどの主義主張もないままに、戦争の虚しさ、人間のリアル的な演出と脚本で仕上げていますが、効果を上げているとはいえずリアルさも悲惨さもなく、演出も陳腐で古臭いです。
 ミハルやランバラルに肉薄できる感情が揺さぶられる何かがまったくありません。

 これをやりたいなら、オリジナル作品として作成すべきだと思います。「機動戦士ガンダム」の名を借りていてコレでは、厳しく見ざるを得ないし、考察するにもひっかかりもないし、記憶に残らない作品になってしまいました。

 ガンダムの名を冠する意味があるとすれば「ガンダム」という作品に対する批判でしょうけど、それなら勝手にクリエータサイドでやってくれという話です。あるいはガンダムの名を追いかけている「ガンダム」厨に対するメッセージなら、シンエヴァほど伝わるものが無いです。

 映画作品として、私はまったく評価できませんでした。ガンダムなら見ざるを得ないというオタク世代を狙った露骨なマーケティングの意図は別にしても、あまりに内容がないです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

84.7 3 リメイクアニメランキング3位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (989)
3983人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

このシンウルトラマンがすごい

TRIGGER×円谷プロ制作。
特撮「電光超人グリッドマン」リメイク。

予想通り制作チーム抜群に相性が良い。
キャラクターもポップで女の子がかわいい。
敵役の子も味があって素晴らしいです。

旧型のパソコンから声がする、
ハイパーエージェントグリッドマン。
地球を怪獣の侵攻から救えと、
記憶喪失の主人公は、
グリッドマンに導かれるまま彼と融合する。

シンゴジラ第二形態の進撃、
迫力ある市街地戦、スペシウム光線炸裂。
記憶喪失の謎、世界の謎。
日常風景も多く青春しています。
世代なんて関係なく楽しいですね。
青春ヒーローものとしても秀逸でしょう。

最終話視聴追記。
優れたデザイン性もアクションも心が躍った。
{netabare}実写での幕切れは予想を超えましたが、
現実世界にバトンを繋いだように思う。
自閉世界からの解放とでも言おうか、
これからが日常との戦いなのだろう。{/netabare}

どこか爽快で希望の萌芽を感じる幕切れだ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 96
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

特撮好きでないマン in N.Y

2018.12.28記


「電光超人グリッドマン」未視聴


レビュータイトルはSTING往年の名曲から。

前評判が高く、放送中も事前の好評価そのままに走りきった感のある良作です。が、なんかしっくりこない。
1993~1994年に放送された「電光超人グリッドマン」という特撮ヒーローものを母体とした新作アニメで、“円谷プロ”“TRIGGER"“音楽:鷺巣詩郎”そしてあの“グリッドマン”か!のワードが期待を寄せる根拠となってました。
主人公響裕太がクラスメイト宝多六花の家の前で倒れて、目覚めたら記憶を失っていた、という冒頭。六花の家が営むジャンクショップに置いてある古いPCから「自分の使命を思いだせ」と呼びかける声。声の主はハイパーエージェント『グリッドマン』。ほどなくして、街に怪獣が現れて破壊の限りを尽くす。どうする?どうする?裕太くん、という導入でした。

そしてこの私。電光超人を未視聴もさることながら、そもそもウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ものをわくわくしながら観た記憶がありません。宇宙刑事シリーズも観てました。嫌いなわけではなく、ただ“わくわくした記憶がない”だけです。
おそらくこのわくわくした経験の有無が本作を捉える上でのスタート位置の差となって表れちゃったんじゃないかという感覚があります。もちろんスタート位置が後ろでも追いつき追いぬいた方もいると思います。特撮好きマンはすーっと本作に入り込みやすかったでしょう。
ちょっと煮え切らない感じですが、これは、前評判に裏切られながらも、自分なりの結論を探し続ける男の取るに足らぬ感想、と思って以下読んでいただければ幸いです。


なお結論は、“とはいえおもしろい”です。
理由は明確、日常パートが魅力的だから。
Aパート、Bパートのくくりが正しいかは微妙ですが、だいたい1話のなかで前半の日常パートと後半の戦闘パートに別れており、この系統の作品の流儀を守ってますね。

作品評価に与える分岐点は2つあると思ってます。
1.特撮作品との相性
2.主に日常パートで展開される物語の解釈

1.特撮作品との相性
アニメなのに特撮? アニメ作品ながら特撮作品の演出技法が散見されます。この、アニメなのに?がポイントで、良く出来た作画と合わせて見どころになります。さらに、グリッドマンのみならず旧作名作のあれやこれやを彷彿させるシーンがさり気なく描かれているため、これもわかる人には胸アツでしょう。
スタッフの特撮作品に対する愛情を感じることができることは好感ですが、{netabare}物語の展開上、闘う目的があるようなないような{/netabare}戦闘シーンの連続は、私にとっての付加価値にはなりませんでした。

2.主に日常パートで展開される物語の解釈
良し悪し以前に、例えば戦隊ヒーローもので展開される日常パートはほぼ蛇足です。ウルトラセブン等の例外を除いては、特撮ヒーローものの前半にしょぼい印象しか持ってない私ですが、本作にはそのしょぼさがない。
裕太、六花、内海将の3人組に新条アカネら人間たちと、グリッドマンと4人のアシストウェポン(新世紀中学生)、そしてアンチくん、アレクシスの人外さんらが絡む物語は濃厚です。全体的に暗いというか“不穏”な雰囲気を醸し出しながら進行する展開は私好み。
ただ演出の妙が冴える考察好きにはたまらん展開のため、シンプルに観てると、なんだかよくわからんなぁ、になりそうな感じでした。

これ1.と2.の相乗効果で天井知らずになったかもわからんです。そういった意味では残念でしたね。私は1.が欠落してます。
日常シーンと戦闘シーンそれぞれ高いレベルにありつつも有機的に絡み合っているかは微妙。1個で2度美味しいになるか、水と油だなとなるか、私は後者です。
{netabare}・アカネにスイッチ入って怪獣作ってドーン!の前後に繋がりがあるようでない。
・必殺技や合体技はあくまで戦闘特化というか説明がないためこちらも繋がりが・・・
・となると作画と特撮オマージュを堪能するしかなさそう{/netabare}


OPはTHEヒーローものと呼べるワクワクする曲ですこぶる良いです。EDだって負けてない。イントロのギターリフが好きですね。
「これ、お前の母校が何回も破壊されるアニメだで」と、都立井草高校出身の知人へネタふりも可能(実話)。
充分満足する一品でしたが、周囲の熱狂とはちょっと引いた場所にいるかなーっていう良作でした。



■良く出来た物語
※視聴済みの方向け

{netabare}第一話アバン、新条アカネのカットで始まり、ラストは見ての通り。一貫してアカネの物語でした。その視点での二周目(特に9話)はやばいですね。
SSSS.ってなんの略? スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド(Superhuman Samurai Syber Squad)と聞いて、超平和バ○ターズばりのネーミングセンスだな、おいと思ってましたが、案の定“フリ”でしたね。
グリッドマンへのアクセスコード『Special Signature to Save a Soul』。そしてフィクサービーム!見事なタイトル回収でした。{/netabare}

{netabare}「私の先代が君にお世話になった」と少女怪獣さん(6話)
こういったところは元ネタ知ってたら楽しかったんだろうなーと思います。{/netabare}

{netabare}アカネのバランスが崩れ始める第7話は隠れた良回。
裕太と中華料理屋の中で「(ここの娘を)あたしが殺したの」と言うアカネ。遡ることAパート。アンチくんとの一悶着の際、スペシャルドッグを踏んでたアカネ。このへんの自己矛盾描写は秀逸。{/netabare}


それと物語がいま一つと感じた人が二周目行くことはないと思うものの、二周目が面白い作品でもあります。


■(オマケ)けっきょく設計主義って
ルールを設計してその通りにすれば万事OK!・・・って少しでも考えれば無理難題。人間には自我というものがあります。
無理してこれをやろうとしたのが、{netabare}新条アカネであり、{/netabare}大失敗に終わった20世紀の社会実験であるのでしょう。

{netabare}本作は、不完全なるもの(アンチくんやグリッドマン同盟のみんな)が不安定な神様を救う物語でもありました。{/netabare}
{netabare}子供じみた設計主義はとっとと捨てて、早く大人になりなさい。てゆーか外に出なさい。人を知りなさい。{/netabare}

完全とは理論や対物には求めてもいいとは思いますが、対人間、社会に求めたり、統治の仕組みとして取り入れるのは無理がある、を再確認した次第です。



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2019.06.12追記
《配点を修正》


その後、『電光超人グリッドマン』も飛び飛びながら視聴。地上波で再放送をやっていたのです。

SSSSのほうはロボ好き特撮好きでなくても日常パートが良いし、六花とアカネのWヒロインも魅力的で、私のような“特撮好きでないマン”でも楽しめましたが、たしかに原題の電光超人おさえてるとニヤっとできる場面多数。

本作SSSSを気に入ったのならこっちに手を出して良いと思います。


追伸
『色づく世界の明日から』のOPとED同様、こちらのOPとEDは秋から冬にかけてヘビーローテーションで聴いてました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 80

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『電光超人グリッドマン』は1993年当時には新しすぎた(笑)! (第12話: まごころを君に(笑))

※↓以下を書いた時点でアニメ作品は始まってもいないので、未見でした。視聴終了後追記あり。

「あらすじ」にある通り、『電光超人グリッドマン』という円谷プロ製作の特撮作品(以下、「原作」)がありまして、当時の情報科学・コンピュータ関連の研究者や業界人の間では有名な作品でした。

原作では敵であるカーンデジファーがコンピュータワールドに「怪獣」を送り込み、その怪獣の破壊行為が実行プログラムの破壊、不具合として顕現するというお話になっています。

そしてカーンデジファーを追ってきたハイパーエージェントが、少年少女たちがパーツから組み上げた自作コンピュータとそこで実行されるプログラムと一体化することによって「グリッドマン」として怪獣と戦うことで地球の平和が守られるというストーリーになっています。

そしてカーンデジファー側にも協力者の少年がいて、「悪意あるクラッカーと戦うハッカー」という構図が怪獣特撮物としてビジュアライズされているという異色の作品でした。

根っこの着想は映画『ウォー・ゲーム(WarGames)』(←こっちは背景に冷戦がある実世界でのお話でストーリー自体は全く違う)あたりから得たような気もしますけど、こんなん当時子供にウケると思って企画したやつアホやろ。(← 褒めている)

また「怪獣やグリッドマンは通信回線を通していろいろなコンピュータに入り込める」とか、「怪獣とグリッドマンの戦闘は手元のコンピュータでモニタ出来る」とか、「グリッドマンの支援メカ(?: プログラムというかデータなのですが…)も通信回線を通して送り込める」とかいった設定があって、当時の若めのコンピュータ関係者の心を(もしかしたら本来の視聴対象のはずの子供たちよりも)掴んだのでした。

また15年ほど前でしょうか、安価なコンピュータを多数高速ネットワークで接続して高速計算させる「グリッド・コンピューティング」という技術が業界トピックとなり、「グリッド」という言葉が本作を想起させることでリバイバル・ブーム的なものもありました。

なので今50~60代くらいのコンピュータ関係者の間では『電光超人グリッドマン』はそこそこの知名度があると思います。

というところで個人的にはこのアニメがどんな作品になるか期待大ではあるのですが、現代に需要があるのかとか何でいまさらグリッドマンなのかとかはさっぱりわかりません(笑)。

2018.10.7追記:
第1話、観ました! ジャンクやグリッドマンのデザインは旧作準拠。ジャンクへの過負荷時の演出なんかはアニメっぽいです。いきなり謎を残しての引きで、期待を持たせる1話目でした!

2018.10.14追記:
第2話を視聴終了。視聴を続けるかどうかを判断するで必要そうな世界観の説明は2話でだいたい片付きました。シリーズ構成、有能…。

2018.10.28追記:
第4話、「Arcadia」のグループとメンバー4人の名前が玩具メーカー由来で笑ってしまいました。

2018.11.12追記:
第6話を視聴終了。旧作を観ていた人にはわかる「先代」とイヤホンで聞かされていた旧作楽曲「夢のヒーロー」のアレンジバージョンの旧作ネタがありました。ということは、一応旧作『電光超人グリッドマン』とのつながりもあるってことなのかな?

2018.11.18追記:
第7話目まで視聴終了。「不安定な神様」(笑)。

UFOが糸で吊られていたのって、あれもしかして特撮メタネタ(昔は空中戦の撮影時には糸で模型を吊っていた)なの?

2018.12.23追記:
第12話(最終話)視聴終了。いや、TRIGGERがGAINAXの末裔だとして、何もあんな形で示さなくても…(笑)。

あれがアカネだなどとは絶対に認めん、だがという視聴者もわりといそうだが、案外あれは円谷プロサイドにはウケているかもしれない…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76

80.1 4 リメイクアニメランキング4位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (529)
2175人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

生ける屍の死

時は室町から戦国、
領主である醍醐景光は天下泰平より、
己の野心に忠実に領土の繁栄を願い、
{netabare}我が子を12体の鬼神に生贄とし差し出す。{/netabare}
名誉欲に溺れた為政者である。

時代劇×妖怪×冒険。
MAPPA制作は抜群の相性を誇ります。
古風な寺、蝋燭の火、豪風雨の集落、
陰鬱な描写が素晴らしい世界観を伝える。

飢饉と流行り病に痩せ衰えた民と大地。
死を待つばかりの国の行く末。
死屍累々の荒野を旅する百鬼丸とどろろ。
襲い来る化物と己の「生」を見据え、
百鬼丸は身体を取り戻す戦いに明け暮れる。

鬼か人か、
生ける屍は何を語ると言うのだろう。

5・6話視聴追記。
感覚を取り戻す衝撃、世界は音の洪水だ。
{netabare}激しい「生」の苦しみと「生」の逞しさ。
慈愛に満ちた魂の色は透明である。
正義の到来を切に願おう。{/netabare}
哀悼のメランコリーである。

最終話視聴追記。
響くはずだった産声は呪われ、
因果の旅路の果てにあったものを想像する。
手塚作品は物語の上下運動は少ないのです。
中盤以降やや停滞するものの、
粛々と人の叡智と愚かさが描かれていく。
{netabare}彼は生きる力の中に「菩薩」を見る。{/netabare}
やはり語り継がれるべき作品でしょう。

手塚流曼陀羅、素晴らしいアニメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 67

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

魔物は12体に減りましたが、思った以上に『どろろ』でした。

== [第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
「今夜(1/7)から放送開始だと思うんですが、あにこれのアニメ番組表に載ってません…。」と1/7当日に書いた手前もあり、さっそくの第1話視聴です。

大雑把にいうと、魔物に身体の一部を少しずつ奪われている百鬼丸が魔物を倒して自分の身体を取り戻していくお話であります。そして身体を奪われた原因は実の父親にあるので、これが「実の父親が仇」

手塚治虫による原作漫画は約50年ほど前の作品で、一度目の連載で途中終了、二度目の連載で打ち切りをくらい百鬼丸が身体をすべて取り戻せたかどうかは不明です。

旧作アニメでは、一応「最終回らしい最終回」を迎えています。リメイク版である本作はおそらくちゃんとシリーズ構成されているでしょうから「最終回らしい最終回」が期待されます。ちなみに原作および旧作アニメ設定では、魔物の数は48体でした。

キャラクターデザインについては漫画原作やそれに準拠した旧作とは大きく変更されていますが、それらしい面影は残っています。

作画に関しては、ツインエンジンが参加しているのでCGなども駆使してきっとそれなりにうまくやるでしょう。第1話の戦闘シーンの動きはなかなか良かったと思います。義手・義足の作り物感もわりと出ていましたね。

ストーリーや設定については、魔物の数以外は概ね原作準拠といった感じでした。

特に「原作・旧作は知らん」という方には、わりとお薦めできる感じだと思います。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.2.12追記:
第6話まで視聴終了。原作が『どろろ』だからと言ってしまえばそれまでですけど、この未央(みお)が出てくる5話/6話の前後編はなかなかに辛い話でしたね…。

2019.5.21追記:
第19話まで視聴終了。まさにサブタイトル通りの「天邪鬼(あまのじゃく)」でした。旧作『どろろ』には良くあったコミカルな感じのお話でした。

オムカエデゴンスとかヒョウタンツギが最近のアニメ作品では珍しく、本編中に出てきて懐かしかったですね。

2019.6.27追記:
最終話まで観終わりました。

百鬼丸の両親である醍醐景光や縫の方の扱いは原作よりも良かったんじゃないでしょうか。ただ、本作オリジナルの妖怪が出たりとかいろいろと改変されているようでいて意外と本筋は原作を踏襲していて、かなり良いアニメ化だったと思います。

「そういう作品だから」といってしまえばそれまでですけど、血が出たり人が死んだりはけっこうしていましたね…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 61
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原本のエキスを感じられるリメイク

原作は読んでないんだなあこれが…


原作者は説明不要の漫画の神様。1969年(昭和44年)アニメのリメイクです。
制作会社に旧虫プロの流れをくむ(といったらほぼみんなだけど)MAPPA。そして手塚プロ。手塚治虫から始まったアニメーションの歴史の一つの結実みたいで生き証人になった気分です。
昭和44年といえば安田講堂陥落のあった年。節目は節目でこういった世相も作品には反映はされてますね。

時代は応仁の乱近辺で、みんな大好き戦国時代へ向かう過渡期。国は乱れ各地方を治める領主の治下もジリ貧の状態。
荒れた土地そして苦しむ領民。領主醍醐景光は鬼神と取引をし、領地の繁栄と引き換えに自身の子を人身御供に捧げます。はたして産まれてきた子は体のあらゆる部分が欠損していて、ちょっくら一悶着した後に小舟に乗せて川へと流される。
その流された子が主人公百鬼丸。道中出会ったどろろと共に失われた体を取り戻しにいくというお話です。

あらすじ読んでも暗めな雰囲気は伝わってきます。敬遠される向きもあるかもしれませんが、単なる暗い話ではありませんでしたよ。
50年前の原作も前作アニメも知らずフラットに鑑賞できた上でどうだったかというと、これは当たりでした。
新しい古いは正直なところよくわかりません。しかしながら普段観てる作品とは違った描かれ方をしてるなーという部分が自分には心地よかったです。具体的には2点ほど。


■3ステップ構造

基本設定を動かせば収拾がつかなくなるもの。だいたいは“勧善懲悪”だけ。または“二つの正義”だけとどちらかに固めて動かすものではありません。最初に前者と見せて徐々に後半を見せる手法は名作ではまま見受けられます。
ここを段階つけて両方見せてきます。さらにキャラ変“同じ人でも揺れる”が入ってくる仕掛け。それでいて物語がきちんと成り立っているのでした。


STEP1 勧善懲悪
安心安全かつ分かりやすい反面深みを期待してはいけないのが勧善懲悪もの。鬼神VS百鬼丸と外面はその体裁を保ってるのが本作。
当然それだけでは終わらないわけですが、共感しやすい土台がまず敷かれることになります。
{netabare}物語は早々にSTEP2の装いを呈します。が、巡り巡ってラストは人間の善なる部分への期待へと戻ってまいります。{/netabare}

STEP2 二つの正義
互いの正義のぶつかりを上手く消化すると良作が生まれます。ところどころで表出しつつ、代表では百鬼丸と多宝丸にて描かれた本作です。
簡単に言えばよくある良作なわけなんですが、とはいっても単純な勧善懲悪よりも構造が複雑になります。ここに至るまでに収拾のつかなくなった作品なんて山ほどありますよね。

STEP3 同じ人でも・・・
“人”か“そうでない”かという指標が出てきます。「人の皮を被った○○」「畜生道に堕ちる」という文脈での二択。闇落ちという表現が妥当かもしれません。これは主要人物のみならず取り巻きや通りすがりの面々もです。
キャラ変みたいなもので同一人物でも光と闇を行ったり来たりとより複雑化。
{netabare}しまいにはお馬さんまで行ったり来たり。これ「畜生にすら…」を強烈に印象づけました。{/netabare}


{netabare}・簡略するとこんな感じかしら
-STEP1 Aは善 Bは悪
-STEP2 Aなりの正義 Bなりの正義
-STEP3 Aは善であり悪 Bは悪であり善{/netabare}


昭和一桁世代は10代で世の中の価値観が大転換しちゃったのでその影響も・・・
とまことしやかに高説をぶることも可能ですが、いややりかけましたが、シンプルに面白いのです。カオスになりそうなところを纏める手腕は原作の良さもさることながらアニメスタッフも良い仕事をされたと思います。


■分をわきまえた人たち

現代風にいえば、自由には責任が伴うですとか権利を謳うには義務を果たさなければならないですとか、そういった当たり前の感覚を身につけている人たちしか登場しません。
似たようなのに、「ほんとうの悪人が出てこない」がありますがちょっと違います。

 分をわきまえている

のです。派手なキャラ、尖ったキャラ、突出したキャラはいません。そこが良い。
それでいてキャラが誰が誰だかわからんということもなく、じわじわとくるのです。地味なの嫌いでなければたぶん大丈夫ですよ。

{netabare}・例えばこんな人たちかしら
1.お須志(第4話)
再会を心待ちにしてた兄を斬られたわけですが百鬼丸に恨み言一つぶつけないんですよね。兄を想う気持ちと兄の起こした所業とを天秤にかけるような描写すらありません。ただただ受け止めます。兄がやらかしたことを重々承知しているからです。
涙を流しながら「どうして?」と百鬼丸にすがる演出よりも彼女の悲しみがより伝わってきました。

2.ミオ(第5話~第6話)
どろろに仕事の内容がばれた時に、言い訳するでも口止めするでもありません。賤業であることを自覚しそれでもなお希望を失わず。
恥ずかしさに取り乱すなり開き直るなりの描写ではないため、より彼女の諦めの深さが伝わってきます。人としての誇りを失ってないこともわかります。どろろの返しもまたいいんですよね。

海軍大将で日露戦争の勝利に貢献しのちに総理大臣も務めた山本権兵衛。渡辺崋山や高野長英などを弟子に持つ松崎慊堂。いずれも奥さんは元遊女です。
職業に貴賤はありません。そして職業や身分よりも、その人物が、人として尊敬できるかどうかや、人としての矜持を失わずに生きているかどうか、そういうことを大切にしてきたのが日本人です。ミオはそんな人でした。{/netabare}



“3ステップ構造”そして“分をわきまえた人たち”
このへんを「アニメでは珍しいな~」と感じながらの視聴でした。地味ながら見応えのあるお薦めの良作です。


最後にどろろ…
本業声優ではない14歳の子役の方が演じられてますが、めちゃくちゃ巧かったと思います。
アニメ声が出るとかいう話ではなく、子供の喜怒哀楽がストレートに伝わってくる名演。演者は鈴木梨央さん。ハマリ役でした。
全体通しての展開や役回りからタイトルが“どろろ”であることに違和感がない全24話。難しい役どころだったと思います。お疲れ様でした。



※余談
其の一
『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』そして『どろろ』と、シリーズ構成を小林靖子さんが手がける作品にお世話になりっぱなしです。

其の二
足利義教がけっこう好き ※作中には出てきません

其の三
自分の親父が借りてきた『忍風カムイ外伝』を少年期に観てた私にとってはややダーク感は薄いと感じる



----
視聴時期:2019年1月~6月



2019.07.14 初稿
2019.07.22 修正
2020.01.28 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 60

68.6 5 リメイクアニメランキング5位
うる星やつら(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (196)
593人が棚に入れました
「でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。」地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。二人の出会いからすべてが始まった…!今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年放送予定)監督は『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、シリーズ構成に『はたらく細胞』の柿原優子、キャラクターデザインに『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』の浅野直之、アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『炎炎ノ消防隊』のdavid productionが担当。そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を神谷浩史と上坂すみれが演じる。大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

否定も肯定もできなかった・・・。

とりあえず、一通りは視聴しました。
「あーこんな話あったなー」っていう感想でした。

どちらかと言えばフラットな感想、それと自分が高橋留美子派閥では無かった事を思い出しましたw。

もちろん、うる星やつらのアニメ放送時にいわゆる多感な時代を過ごしていた私としては、当時はラムちゃんを可愛らしいと思ってはいましたし、嫌いでは無かったんです。
(最初は、あんまり可愛くなかったですよねぇwww釣り目、猫目がちで、それがだんだんきれいに、グラマラスになっていったのを覚えています)
それに、あれだけ長期間放送し、映画も複数作られていましたしね、こちらも一通りは見ているクチになりますので、やっぱり嫌いでは無かったと思います。

でもなぁ、かなりどーでもいい話回もいっぱいありましたし、好き勝手つくってんじゃねぇかって話回もありました。
その中からユニークなクリエイターが輩出されてきたって言うのも事実だと思うのですが・・・。

そう言う意味では、スッキリと有名なエピソードばかりを見れるって言うのは悪くはないと思っていたのですが、実際観てみると思惑が外れた感じでしたね。

多少は懐かしいという思いもあったのですが、いまこのリメイク作品を観ても面白かったとは言えないなぁ、って感じです。
今作でも、やっぱりラムちゃの可愛い要素は感じたのですが、それも限定的なものでした。
自身が年食ったのもあると思いますし、ちょっとやはり時代的な差分もあるんでしょうかねぇ、今の時代には合ってはいないと思ったかなぁ。


ただ、今の時代の若い視聴者が見るとどんな風に思うのかな、って気にはなりました。

そもそも、このタイミングでのリメイクは、当時を知る人がある程度のポジションになって、もう一度ラムちゃんに会いたくなったのかな、って思ったりもしています。
ま、個人の妄想ですが。


作品自体は、物語はものすごくでっかいところではあると思いますが、基本考える必要は無いですよね。その都度のキャラクターのドタバタを楽しむっていう感じですから。
固定されたキャラクタが活躍する際には、まぁ、物語性も少し強くはなるかなって感じです。
声優さんは、先代作品からの声優さんをリスペクトしたのかな、きっちり話題性も含めて配置し、主要キャラもイメージを先代どおり引き継いだ感じでした。
がらっと変えてみても良かったっと思うけど・・・。
最近、ちょっと今風の作品を観たのを思い出して、そんな風に思いました。(リコリスの事です。)
何なら「~だっちゃ」さえ変えてみても良かったくらい位に思いました。
もう少し軽いノリにしても良かったのかなと・・・。

音楽は、いい感じに作ってあったとは思いますが、私の好みでは無かったです。これは好みの問題ですね。

キャラは、長らくお目にかかってはいませんでしたが、どのキャラも見知ったキャラでした。ここに文句を言うレベルなら観ていないでしょうw。
ああ、ちょっと声優さんの方で変化した感じも見たかったって書いてましたねw文句というより、そう言うのも見てみたかったという興味と捉えていただけれ幸いです。


いろいろ書きましたけど、結局、思い出補正もありますし、作品自体がビッグネームだというのもあります。
また、この作品をガッツリあれこれ言うのはアニメ史の一刻にケンカを売るようなものなので・・・と言う思いの中で、今作、べた褒めもダメ出しもできませんでした!

なので・・・評価はフラットにオール3です。


あーあえて言うなら、今作のマンガチックな演出はあまり好みでは無かったかなぁ。
それと、ポイントポイントで出るレインボーの演出。
そちら系のジャンキーに刺さるのかな?
それともパチンコとかパチスロ案件狙ってんのかなーなんてwww。
ま、既にいくつも出ていますけどねー。

と、数年前にそちら系は完全に引退した私の感想です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

♪あんまりソワソワしないで あなたはいつでもキョロキョロ よそ見をするのはやめてよ 私が誰よりいちばん♫

この作品の原作は未読…では無いと思いますが、きっと完走はしていないと思います。
原作の連載時期がだいぶ昔なので、視聴した当時の記憶が相当曖昧になっています。

それはアニメについても然り…
当然第1話の鬼ごっこについては視聴した記憶が鮮明に残っています。
ですが、それ以外は特に印象に残っていなかったり…というか、実は殆ど見たことないんですよね^^;

レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、こう書かれていました。
その内容の斬新さと魅力的なキャラクターは1980年代のみならず以降の漫画界とアニメ界に衝撃を与え、当時の若者たちの圧倒的支持を受けて一大ブームを引き起こし、若者文化にも影響を与えた。

…だそうです。
少なくても私はその当時の恩恵には微塵もあやかることはできませんでした。
従って、今回がほぼ初見になります。

こうしてリメイクされなければ、きっとずっと視聴する機会は無かったと思うので、その機会をくれた作り手の皆さまには感謝です。


でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。

地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。
二人の出会いからすべてが始まった…!

今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。
小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年10月放送予定)

監督は「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、
シリーズ構成に「はたらく細胞」の柿原優子、
キャラクターデザインに「おそ松さん」「映像研には手を出すな!」の浅野直之、
アニメーション制作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、「炎炎ノ消防隊」のdavid productionが担当。

そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を
神谷浩史と上坂すみれが演じる。

大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…
あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、
銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。

目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。
ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回色々と改めて知ることができました。
1980年代に放送されたアニメは、約4年半に渡る超大作だったそうです。
それに加えて6作の劇場版と12作のOVAも制作されたんだとか。

個人的にはどちらかと言うと高橋留美子先生の「めぞん一刻」の方が好きで、単行本を全巻持っていた上、当時のテレビ放送を全話録画して持っていました。
あの頃はVHSビデオで録画していたので、今となっては再生方法も謎ですが、そもそも現在進行形で行方不明なので、きっともう二度と出会うことはないんだと思っています。
因みに、「めぞん一刻」は約2年間全96話が放送されたそうです。

こうしてみると、昔の作品って長寿ですよね。
今ほど対象となる作品が無かったからなのか、アニメーション制作スタジオそのものが少なかったのかは分からないですけれど…^^;

一方、物語の方は日常系の作品ですが、ちょいちょいSFチックな要素が散りばめられている感じで、宇宙人が出てこようがUFOが出てこようがあまり皆さん驚かず、色んなものが壊れたとしても、次の物語の時にはすっかり元通りになっていたりなど、いささかご都合主義的な一面はありますが、当時はそれも含めてご愛敬なのでしょう。

現に、現在の作品でも次の瞬間には元通りなんて作品はいくらでもありますからね。
そういう意味で行くと、この作品はコメディ設定の先駆けなのかもしれませんね。

それと個人的には声優さんの配役が素晴らしいと思いました。
諸星あたる:神谷浩史さん
ラム:すみぺ
面堂 終太郎:宮野真守さん
三宅 しのぶ:まややん
サクラ:みゆきち
テン:あおちゃん
ラン:香菜ちゃん

この中でも特に面堂役を演じた宮野さんと、ランを演じた香菜ちゃんには大絶賛を送りたいと思います。
コロコロ変わるキャラを見事演じられていました。
特に狂暴になったランをここまで豹変させられるのは最早香菜ちゃんの天性の才能と言っても過言ではないでしょう。
ランにはこれまであたるとの接点は微塵もない、サブキャラとうい立ち位置でしたが、個人的には一推しだったかも…

1980年代の作品に触れることはできませんが、今視聴しても十分面白と思えました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、美波さんによる「アイウエ feat. 美波, SAKURAmoti」と、asmiさんによる「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」
エンディングテーマは、花譜さんによる「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」と、yamaさんによる「アイタリナイ feat. yama, ニト。」
元々、「ラムのラブソング」は今思うと中毒性のある楽曲だったと思いますが、今回の主題歌の中毒性も
中々のモノだったのではないでしょうか。

2クール全23話の物語でした。
元々、全4クールの前提で制作されていたので既定路線ですね。
第2期は2024年に放送されるそうです。
昔の記憶が殆ど無いので、この物語の顛末を楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

納得のリメイク版

昭和を代表するドタバタラブコメのリメイク版です。
十分知られている作品なので、物語に関してはノーコメントです。

一番気になったのが、ラムちゃんの髪の色。
緑がパステルチックなエメラルドグリーンに変更されています。
最初は違和感だったけど、その鮮やかさに今やお気に入りです。
そして、ラムちゃんのスタイルが良いこと。
究極の女性美ですね。

声優さんは豪華絢爛です。
それぞれのキャラの魅力を存分に引き出しています。
なかでも、テンちゃん役の悠木碧さんの声が意外でした。
七色の声音といってもよいでしょう。

うる星やつらの主題歌と言えば、「ラムのラブソング」です。
ラストに流れた時には、「やっぱりこれこれ」と思いました。
ただ、リメイク版もあなどれません。
OP、EDの4曲とも、センスを感じる今風なポップな楽曲です。
難しい歌ですが、ヘビロテするほど中毒性があります。

後半クールは2024年とのこと。
個人的な注目は結末です。
ドタバタか感動か。
興味津々です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

74.0 6 リメイクアニメランキング6位
フルーツバスケット The Final(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (139)
560人が棚に入れました
母親を亡くした透はテントで一人暮らしをしていたが、その場所が由緒正しい『草摩家』の敷地だったことが縁で草摩由希、草摩夾と一緒に住むことに。ところが、草摩家は何百年も前から忌まわしき『呪い』に縛られていた。由希、夾、そして草摩家の皆と交流を深める透は呪いを解こうと奔走するも、解決の糸口は全くつかめない。それどころか、草摩家の当主である草摩慊人が女性だったという最大の秘密を知り言葉を失くしてしまう。『神』の慊人と『十二支』の皆をつなぐ“絆”、それは儚く脆い悲しみの螺旋……。しかし、終わらない宴はない――誰もが忘れた最初の記憶、最初の約束。その向こうで由希を、夾を、そして透を待っているものとは……。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

手のひら返して途中脱落者の帰還は可能です

原作未読


唯一無二の価値…
昨今の諸般事情を鑑みて、昔の少女漫画しかも一度アニメ化もした作品のリメイクにあらかじめ完結までの5クール分もらえた事は奇跡としか言いようがなし。

中身内容の論評以前に作り手の情熱に頭を垂れたい逸品です。
冒頭あえてそんな話をしたかというと理由があって…

 フルーツバスケット1期(25話) 3.6点
 フルーツバスケット2期(25話) 3.4点

普通orつまらないの境界を3.5点にしてる私にとってFinalに至るまでの評価は決して高くありません。
完走してみたらこれまでの負債をFinalでがっつり返して少しお釣りができたな、が正直な評価です。名作の誉れ高い作品の完結部分に該当するFinalはお世辞抜きで良かったです。

 原作未読で楽しめた方どれだけいらっしゃったでしょうか?

ドタバタしていた立ち上がりから徐々にトラウマを小出ししてきた1期。
そのトラウマが主成分となって陰鬱なテイストが続く2期。

原作未読で結末を知らない私の場合、鬱状態キャラの数多さとなによりその理由がイマイチ見えてこないまま進行する物語がつらかったです。持ち返すFinalまでの我慢比べは必要かもしれません。つまり

 キャラたちのトラウマ(“呪い”込み)どうなりましたか?

待たされた分否が応でも高まる期待値に対する回答っぷりは極めて良かった。

{netabare}アキト含みで十二支の呪いが生じた背景の説明やその後の顛末はもちろんのこと
 1.透くんのお母さんをきっちり拾う
 2.物語のきっかけ由希の透くんへの想いにもきっちりケリをつける{/netabare}

物語のぶっとい本筋からして捨てちゃっても文句言われなさそうなところに焦点を当て、しかも本筋をさらに豊かにする挿話。

総括するとこんな感じ ↓
・結末知っとかないと途中きついかもしれない
・長編を楽しむ心の余裕が必要
・お釣りはくる!俺を信じろ!?


戻りますけど、全部やると決めての63話が唯一無二の価値です。スポンサーのご意向を伺い刻んで刻んでの結果として4期5期じゃないですからね。それだけで良いんじゃないかしら。
最後に盛り返す展開は鉄板。作中の高校生活3年間と同じように放送期間もたっぷり2年強かけながら、山あり谷ありマンネリありの高校生活を疑似体験できたかのような貴重な経験でした。



※閑話休題

{netabare}だからこそ最終話。高校卒業後での新居アパートのシーンがまぶしくそして寂しく見えるのよ。{/netabare}

それとOPアニメーションは綺麗でしたね。これだけ美しい日本家屋を初めて見たかもしれません。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

-----

2021.07.20 初稿
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「原作アニメ化」への期待を裏切らずに完走したアニメ

とりあえずこのレビューではあんまり中身の話はしてないです、ごめんなさい。


漫画やライトノベル原作のアニメ化の報を聞くとき、原作を知る人はまず考えると思います。「いったい原作のどこまでがアニメ化されるんだろう?」と。

そして多くの場合、アニメ化が企画されるときにはまだ原作は完結していません。そして昔のようにゴールデンタイムの放送で約50話(1年間)くらいの尺が与えられることも珍しくなかった時代ならいざ知らず、近頃のアニメ化では1クール12、3話が当たり前で長くても2クールしか与えられず、その先のアニメ化は不透明なことが多いです。

この『フルーツバスケット』も最初にアニメ化された際には原作は完結しておらず、2クールでアニメオリジナルの最終話によるアニメ化でした。

しかしアニメ化と聞いて人は夢見るのです。原作の結末までがアニメ化されることを…。


聞くところによると本作の制作陣は原作漫画や旧作アニメの熱心なファンであり、企画時より「原作の最後までをアニメ化する」という決意を以って制作にあたったらしいです。

実際、1期目放送決定時から「今回は原作の最後までがアニメ化される」というニュースはありました。

そして安定した制作体制の維持のためもあってか分割でという形ではありましたが足掛け3年、この「The Final」13話を含む全63話を以って志は果たされたのです。

多くの作品が夢想して果たせない結果を残した制作陣そしてキャストの皆様ありがとう、そしてお疲れさまでした。


以下、余談。

その1:
神様とそれを取り囲む十二支の絆、そして変身というオカルト感満載の設定がある本作ですが、そんな草摩家の面々をもものともしない異能を持つ存在が花ちゃん(花島 咲)です。

草摩の問題が目立つ中で密かにこの人の苦悩も相当なものじゃないかと思います。ちなみに本作で「推しキャラ」というものを挙げるとすれば彼女です。

その2:
ED主題歌の入りで透くんと今日子さんが写った写真が入った写真立てと十二支のマスコットみたいな奴が並べて飾られているカットがあるのですが、本編に合わせてこの様子が微妙に変わっていくのが、芸が細かかったです。

表装ガラスが割れてる写真立てとか、なかなかに痛々しかったですね。

その3:
旧作から間が開きすぎたので、新作でのキャスト変更は妥当な判断だったと私は思っています。

その4:
「原作カットが残念」とかいうのは、完結までのアニメ化を果たせなかった多くの作品から見れば贅沢な悩みです。いや、確かに残念だけど(笑)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

この作品に出会えて良かった

原作未読 全13話

1st seasonが全25話、2nd seasonが全25話、そして今回のThe Final 全13話でトータルで63話、長いようで短いような時間でした。

お話はいよいよ核心に迫ります。
{netabare}
由希も最後言っていましたが、大きく深く暖かく包み込むような、十二支の呪いで荒んだ心を溶かしてくれる透はみんなのお母さんみたいな存在でしたね。

慊人と透のシーンは壮絶でしたね。私なら2〜3発殴るかもしれないw傷つけた慊人も例外ではなく、包み込んで透の優しさが溢れていました。
{/netabare}
とても良い終わり方でした。みなさんとても良い顔をしていましたね。
{netabare}
惹かれあったそれぞれ2人が歩み出していましたね。夾&透、由希&真知、紫呉&慊人、潑春&依鈴、綾女&倉前、燈路&杞紗、はとり&繭子、紅野&魚谷と沢山のカップルが誕生しましたね。一番驚いたのが花島と藉真のカップル?、想像できませんでしたw

それぞれのその後のこともちょっと観たかったのですが、尺の問題もあり仕方がありませんね。想像に任せましょう。

夾と透がいきなりお爺ちゃん、お婆ちゃんになっていたのは飛びすぎ!と一人突っ込んでしまいましたw 毎話変わるフォトフレームのシーン、最後は賑やかになっていましたね。
{/netabare}

OPはWARPs UPさん、GENICさんが歌っています。

最後に、現在YouTubeで放送終了記念サンクスムービー(6分ほど)が公開されています。キャストの声優さんたちのコメントが観ているとまたウルウルしてしまいます。その中で大きな発表がありました。{netabare}何と透の両親のお話が2022年に制作決定!、また舞台になるそうです。まだまだ続くみたいですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

67.8 7 リメイクアニメランキング7位
ゲゲゲの鬼太郎 [第6作-2018](TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (90)
324人が棚に入れました
アニメ化50周年を記念して制作される。

21世紀も20年近くが経ち人々が妖怪の存在を忘れた現代。
科学では解明が出来ない現象が頻発、流言飛語が飛び交い大人たちは右往左往するばかり。
そんな状況をなんとかしようと妖怪ポストに手紙を書いた13歳の少女・まなの前に
カランコロンと下駄の音を響かせてゲゲゲの鬼太郎がやってきた…。

声優・キャラクター
沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

東京ゲゲゲイのYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」もオススメ

<2020/5/2 追記>
全話見終わりました。
丸②年!全97話!
かなり面白かったですよ。
勧善懲悪だったり、
人間社会へのアイロニーだったり、
愛だの恋だの平和だのだったり、
純粋に妖怪楽しむ話もあったり
飽きさせませんでした。
本シリーズは鬼太郎、目玉おやじ初めて声優を一新してましたが良い感じにハマってて気にならなかったし。
やはり鬼太郎は永遠。

ところで話は変わりますが、
ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」のYouTube動画「ゲゲゲイの鬼太郎」というものがありまして。
鬼太郎好きの方には是非一度ご覧いただきたい。

そしてもしこの動画にハマったら椎名林檎「公然の秘密」PVもおすすめします。
後ろのダンサー二人が凄いです!
向かって右側が東京ゲゲゲイのリーダーなのですが、左側の女性ダンサーともどもごっついカッコイイです。

<2019/12/7 追記>
第84話「外国人労働者チンさん」
この南方妖怪チンさんがマッパで、本名が放送禁止用語?
ということで馬鹿馬鹿しいシモネタ回でした。
一応外国人労働者問題をチクリとはしてますが基本はシモネタ。

秀逸なのはこの「チンさん」の声優。
杉田智和!
まさかというかやっぱりというか笑
アフレコでチンさんの本名を連呼する杉田智和

<2019/9/29 追記>
第73話 ヤマタノオロチ回
子供の頃、この話がめちゃくちゃ怖かったんですが、その恐怖の根源の部分が6期バージョンではかなり軽くなってます。
これなら子供が見ても怖くない。
自分にとっては物足りないですが。

第74、75話 玉藻前≡九尾

白面の者というかナルトの中のアレです。
白面に比べると可愛らしいですけど。
白面先輩が怖すぎるだけかも。

お話はすっきりうまくまとまってました。
古谷徹を宿し旅に出る神谷浩史とかシュールだな、と思ったり。

これで長かった四大妖怪編も終わり、次回からはついにあの「知らんうちに人ん家に上がり込んで気がついたら一緒に飯食ってる『冴えない彼女の育て方の加藤恵』のような図々しさがウリのアイツがやってくるそうですよ。
多分、孫じゃない方だと思います。

<2019/9/8 追記>
第72話 妖怪いやみ

確かこの妖怪って原作や昔のアニメでも出てましたね。
鬼太郎の「じゅて〜む」はなんとなく覚えてます。

インパクト強いんですけど、今回はめちゃくちゃ面白かった。
6期の鬼太郎の中でも指折りじゃないでしょうか。

一年以上見ていて美形猫娘にも慣れたこともあり、猫娘がカッコ良いです。
心象風景の描写も◎。

鬼太郎に興味あって6期観てない方はこの話だけでもお勧めしますよ。

そして次回予告。
「ヤマタノオロチ」回ですか。
小さい頃、多分二期かな。
これ観てものすごく怖かったこと覚えてます。

<2019/6/8追記>
3週前の56話は吸血鬼エリート
先週の58話は半魚人とカマボコ

前者のエリート、私はアニメで見たのは初めてですが、原作で読んだ記憶があって、水木しげるキャラの中でもかなり個性的。
シティボーイズのきたろうさんにちょっと似てて本当にこういう人いそうな感じ。

本作でもこのエリートさん、ギター弾くんですけど弾いてる絵面も曲も妙に頭に残ってクセになる。
お話はよく覚えてませんでしたが、アニメのストーリーはオリジナル要素が強いような気がします。
でも面白かったですよ。
中尾隆聖さんの声がぴったりハマってる。
さすがはフリーザ様。

後者のカマボコは、子供の頃、おそらくアニメ版第2期で見た記憶があります。
こちらはストーリーは大体覚えていて、6期のアニメも概ね同じかな。
あらすじが、
{netabare} 鬼太郎は半魚人に大王イカに変えられ、木っ端微塵に爆破され、大量のカマボコにされ、売り飛ばされます。目玉おやじたちはそのカマボコを買い集め鬼太郎を蘇生。{/netabare}
とシュール。
なぜこうなる?という超展開です。
ただ昔見たとき、なんか怖かったんですよね。
自分が幼かったからでしょうけど。
その怖がった自分を思い出しながら懐かしく楽しみました。

<2019/3/25追記>
48話観ました。
予想外にハード

レビュータイトルは嘘です。
いや、まんざら嘘でもないか。
これまでは爽やかだったり心あったまったりする話も多かったし。

ところがですよ。
最初の頃からネタ振りされ続けてきた「カオナシ」じゃなくて「名無し」さんが先週ぐらいから話の中心になってきてます。

で、これが重い。

あれ?今は深夜かな?
と錯覚するくらいには。

どう話が転がっていくのか来週が楽しみです。


なんだかんだでほぼ1年観てきました。
総論としては意外と面白い。
最初↓のレビューでも同じこと書いてましたね 笑

でも本当に面白いと思ってます。
だってなんだかんだで1年間毎週見てたもの。
録画だけど。

嫌味にならないくらいの、ちょっとしたスパイスという感じでダークさが振りかけられてます。

いろんな面で良い塩梅。

6期でこの面白さ。
やっぱ鬼太郎って永遠だな。

<2018/4/1初投稿>
※視聴中なので評価はデフォルトの3です

6作目なんですね。
ここ何作かはほとんど観てなくて興味もなかったのですが、たまたま今作の1話を見るともなしに見てしまいました。

意外と面白い。
日曜朝、ONE PIECEの前の時間なので純粋に子供向けかと思ったら案外そうでもない。

スマホが普及してたりユーチューバーが出てきたりの現代が舞台。

お話は昔の鬼太郎に寄せてる感じ。
もちろん墓場鬼太郎までは行かないけど、それでも少しだけダークな雰囲気が漂ってます。

絵は綺麗ながらも少し影があります。
キャラクターの造形も然り。

鬼太郎はヒーロー的に闘いますが、熱量は少なくクール。
目玉おやじが解説担当なのはいつものこととして。
ヒロインの女の子は必要なんかな?とか思いましたが、いないとたぶんこれからのお話に深みがなくなっちゃうんでしょうね、という感じ。

今回の鬼太郎の世界では人間には妖怪が見えない。
妖怪の存在を信じ始めると見えてくる。

鬼太郎に夏目友人帳や地獄少女とか少しまぶしたような印象を受けました。

これからネズミ男や猫娘、子泣き爺や砂かけ婆などの常連が出てきてどういう感じになるか、2話目以降が少し楽しみです。

最後にちょっとびっくりポイント
○目玉おやじが野沢雅子。感慨深いですね
○鬼太郎が霊ガンみたいのぶっ放してました

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ギャグ回から感動的な話まで緩急含めて楽しめる、ゲゲゲの鬼太郎アニメシリーズ第6作

原作漫画未読。アニメ初視聴。
アニメシリーズ第6作。全97話

劇場版ゲゲゲの謎にハマったことをきっかけに見始めましたが、想像よりもかなり楽しめました。昔からある作品ですが、舞台が現代になっておりSNSの普及やYouTubeの流行り、現代人の抱える問題や、人間社会の闇などを含めた、学びのある作品となっていました。

基本一話完結なのでサクサク見れるし、ギャグ回から感動的な話、欲深い人間の愚かさを表す回やゾッとするような話もあり、97話とかなり長編だけど緩急があって飽きがこない内容だったのがとても良かったです。
特に好きな回は、6話、20話、40話、72話。
すねこすりと妖花、さら小僧といやみの話は記憶に残ってます。

戦争を経験された原作者水木先生の、戦争に対する思いが含まれており、争うことに対するメッセージ性が強いのも特徴的。怖すぎずふざけすぎず、学習にもなるので、家族で見るのにオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

37111 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

新しくても新しくないし、こんなもん?的な。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:往年の名作にもIT化の波が(以下略
絵柄もだいぶ現代的になってきた。俺はこっちの方が好き。水木色が強いのはどうも気持ち悪くて。。。
期待度:★★★

きたろうってこんなに弱いの?なんかすぐやられるんだけど。。。
そのくせ偉そうだし。猫娘の方が強いんじゃね?
歴代のきたろうと作画キャラデザ比較するけどそういうのは別に気になりません。その時代時代に合ったものでいいと思います。
御年80のでぇべてらんが目玉。きたろうがみゆきち。時代ですよね。

結論としては話がやっぱりつまらないから。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

84.9 8 リメイクアニメランキング8位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1832)
10348人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私は「奇跡」を信じたいです!!

■Kanonの魅力って
ご存知の方も多いのですが、Kanon・AIR・CLANNADは同じkey作品としてよく比較されますよね♪
「key作品らしさ」とよく耳にしますが、「らしさ」ってどんな所だろう・・・(*'ω'*)うぐぅ~?
作画!? キャラクター!? 演出!? そうですね!!
視覚・聴覚で「似ている」って感じる部分は少なからずともあると思います!!
では、観ている人に伝わるメッセージ的な点で考えた場合はどうでしょう・・・(^・ω・^)あぅ~?
友情や家族愛といった人と人との繋がり「絆」だと思うのです♪
そういう、「らしさ」にもうひとつのメッセージを練りこむことによって別々の「らしさ」が現れて
三者三様に魅力的な作品となっているのだと思います。たとえば・・・
AIR →「運命」、CLANNAD →「人生」
では、Kanonはといいますと、ずばり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「奇跡」・・・・・っだよ!!
奇跡って想いがあれば誰もが起こせる可能性はあるのですよ♪
信じる気持ちがなければ、それは奇跡ではなくただの偶然なのですね♪
まだ、観ていない人は是非「Kanon」の感動のストーリーを体験していただきたいです。
 
■物語のポイント
物語の前半は、(〟-_・)ン?って思うシーンが沢山でて来るのです♪
最初のうちはちょっと不完全燃焼って感じなのですが、これが後々なるほど!!となるので
記憶力の良い方は沢山覚えておいてください。
特に主人公の祐一を筆頭に7年前から失くしてしまっている、記憶とはどんな記憶なのか注目です♪
 
物語の中盤以降からは、ちょっと悲しいストーリーが多いかもしれません。
そして、主人公の祐一と真琴・舞・栞の3人の女の子とのストーリーが動きだしていきます。
思い出す記憶の欠片と共に涙を流さずにはいられないシーンが出てきまよq(T▽Tq)
しかし、まだ完全にすべての謎が解けぬまま、物語の後半へ・・・
 
いよいよ物語は盛り上がって行きます。
祐一・あゆ・名雪・秋子 それぞれの記憶欠片がすべて揃う時・・・・・・・・・
ぜひ感動して涙してください♪
最終話はちょっと急ぎ足になってしまいましたねw
終わり方はとっても好きな終わり方ですが、もうちょっと余韻を楽しめるように構成して
欲しかったかなってちょっとだけ思っちゃいました♪
 
●総評
「Kanon」に出てくるキャラクターって誰ですか?というよりも、どのストーリーが良かったですか?
と聞いたほうが良いかもしれませんね♪
大きな物語の流れの中に、うまくショートストーリーを組み込んだような感じがしたのです!!w(゚o゚*)w
しかも、真琴中心のストーリーのイメージを次のストーリーにどうしても引きずってしまって、ひょ
っとしたらこの子も・・・って思っちゃうと先のストーリー展開が読みにくくて逆にそれが良かった様な
気もしましたよ♪
Kanonでも案の定たくさん涙を流しちゃいましたwやっぱり名作ですね♪
 
▽お・ま・け
1話でメインキャラクターがすべて登場していたのですが、皆さんは気付きましたでしょうか(゚ロ゚;)エェッ!?
真琴に関してはキ○○ですがw2回目観てみようと思われた方はちょっと注目してみてくださいね♪
 
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



-----
視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55

66.9 9 リメイクアニメランキング9位
ローゼンメイデン (スタジオディーン版)(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (643)
3704人が棚に入れました
ひきこもりの中学生・桜田ジュンの元に届いた一通のダイレクトメール。

まきますか まきませんか

その選択により世界は枝分かれした。
「まきます」を選んだジュンは真紅と出会い、
「まきません」を選んだジュンは真紅と出会わないまま、やがて大学生になっていた。
決して交わるはずのない世界。
だが、ふたつの世界は繋がってしまった…!!
ひきこもりを克服して外に出たものの、自分の居場所を見つけられない「まか
なかった」ジュン。
「ローゼンメイデン」が存在するはずのない世界にやって来た真紅。
その出会いがもたらすものは…!?

声優・キャラクター
逢坂良太、沢城みゆき、千葉千恵巳、田中理恵、桑谷夏子、森永理科、志村由美、野川さくら、真田アサミ、倉田雅世
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドールのマスターになりたくなる (*´ー`)

原作  漫画  未読

全13話

ジャンル:アンティークドールバトルファンタジー

ローゼンメイデン(第1期)
ローゼンメイデン トロイメント(第2期)
ローゼンメイデン オーベルテューレ(特別編)
      ↓
上記に続く ローゼンメイデン 新作 (3期になるのかな?)

1期、2期、特別編は、中学生の主人公 桜田ジュンが、ドールのネジを【巻いた世界】のお話ですが、
この新作では 、大学生に成長してた桜田ジュンの【巻かなかった世界】のお話です。

話は終始シリアスです。

【巻いた世界】と【巻かなかった世界】が交わります。

大学生で一人暮らしジュンは、生活する為に仕方なくバイトには行くが、大学には行かない半引きこもり・・・
そこへ真紅と出会い、成長していく感じです。

映像は1期2期と比べ、凄く綺麗になってます。
キャラデザは、この新作の方が好みでした。


最後まで視聴した感想
{netabare}
1期2期では、バトルは勿論、ドール達との日常も結構あって楽しめたんですが、
今回は、彼女達 ドールとの日常が殆どありません。
可愛い雛苺に至っては、今回再現シーンでしか出てこない始末。><

ドール達との日常は、賑やかながらも楽しい時間で、皆が動き回る姿を見ているだけで癒されたんですが・・・今回はホントに残念です。
(ノω・、)

そのかわりと言っては、なんですが・・・
今回、ジュンのバイト先の 斉藤さん(可愛い女性)との絡みが多くなってて、何だか二人いい雰囲気でしたね!
見てて この先どうなるの~ って感じでした。
(*´∀`*) 

終盤では、真紅達ドールとのお別れがあり、自分も寂しかったです。
この世界のジュンも、真紅と出合って少し成長できてたのには良かったですね~。

ラストは、まだ何かありそうな感じで終わってしまったので、凄く気になります!
絶対 新作の2期も製作して欲しいです。
{/netabare}


自分は、ドールの中では やっぱり 翠星石がお気に入り。
雛苺も、水銀燈、真紅、金糸雀、蒼星石だって みんな好きですけどね! 
(●´ω`●)ゞ
できることなら、誰かのマスターになりたいです。

まぁ、それは不可能なので・・・
自分は、フィギュアには興味はないんですが
彼女たちの小さなフィギュアなら部屋に飾りたいですね~。
絶対 見てるだけで癒される自信あります! (`・ω・´)キリ  


作品的にはドール達が可愛くて、彼女達見たさに毎週楽しみでした。
良かったです!(*´ー`)


また見たいので新作2期 期待してます!



OP:「私の薔薇を喰みなさい」歌 - ALI PROJECT

ED:「Alternative」歌 - Annabel

投稿 : 2024/05/11
♥ : 62
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

沢城さんキタ――(゚∀゚)――出るか乳酸菌

1期を見ていないので、第1話から
壮大な置いてけぼりを食らってしまいましたが、
第2話から引き込まれています^^


今は1期のローゼンメイデンから
観ている最中です。


沢城さんのセリフが多いのが一番の
ポイントですね☆

■第1期・2期
{netabare}
ローゼンメイデンの第1期・2期見ました。
(新)からローゼンメイデンは入っていったので
だいぶ雰囲気が違うんですね。

沢城さんボイスだけで2期分見れてしまいました^^
が!水銀燈もお気に入りです^^

乳酸菌摂ってるぅ~?

{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ムード満点な新シリーズ

原作未読。

1期や2期の続編ではありません。
新シリーズです。

ところが、説明を思いっきり省いています。
知らない人が見たら「なんじゃこりゃ?」です。
世界観を知るためには1期と2期を見たほうがいいでしょう。
内容がつながっていないアニメを先に見ておくべきという、妙な作品です。


さて、肝心のストーリー。

「まきますか」「まきませんか」

「まきます」を選んだ中学生のジュン。
「まきません」を選んだ大学生のジュン。
彼らが主人公の物語です。
とは言っても、ほとんど大学生側の視点です。

ドールたちの戦いを通じ、ネクラなジュンならぬ桜田ジュンがどうやって世間になじんでいくか。
そこに焦点が当てられています。

しかし、せっかくの主題が台無しになるシーンが最終回に……。
{netabare}
自力で友人を作り、大学にもしっかり通う過程をすっとばしています。
コミュ障からいきなりリア充です。
そして、2期を意識した「おれたちの戦いはこれからだぜ!」的な終わり方。

これじゃテーマを放りだしているに近いんですよね。
斉藤ちゃんと店長だけじゃ足りません。
大学生活をしっかり描いてくれないと。
{/netabare}
残念無念です。


そのほかは雰囲気アニメ。

美しいアンティークドールは見物です。
細い線で描かれ、線を閉じきっていません。
おかげで、とても柔らかい絵柄に仕上がっています。
{netabare}
さすがに最後の首だけ真紅には吹きましたがw
{/netabare}

音楽も雰囲気に貢献しています。
特にEDテーマの静けさや懐かしさ。
それらが、視聴者をローゼンメイデンの世界に連れていってくれます。
敵キャラの不気味さともよく合っています。
ムードはほぼ満足です。


全体としては、起伏があまりありません。
一般ウケはしないと思います。

しかし、雰囲気は満点。
私は最終回を除き、十分に楽しめました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

78.8 10 リメイクアニメランキング10位
キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (750)
3290人が棚に入れました
主人公の人間キノと言葉を話す二輪車エルメスは、目的もなく、世界をあちこち旅している。世界のあちこちには個性豊かな国があり、人々は自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、キノとエルメスはそんな国々を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、また次の国へと旅立っていくのだ。そんなキノとエルメスの旅の話は、時に優しく、時に哀しく、時に滑稽で、時に胸に突き刺さる。そして、珠玉の物語たちは、一言では言い表せない鮮烈な光景を読者に見せてくれるのだ。“美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい"世界を。

声優・キャラクター
悠木碧、斉藤壮馬、梅原裕一郎、松田健一郎、佐倉綾音、Lynn、興津和幸
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

モーターサイクルダイアリーズ

時雨沢恵一原作、電撃文庫人気シリーズ。

物語は寓意に満ち溢れた童話短編集、
キノとモトラドのエルメスによる諸国放浪記。

原作の表紙にずっと惹かれていたのですが、
イメージとは違い凄惨な話が続きますね。
キノが銃を握りしめて眠るのが印象的でした。

ここには様々な都市国家が存在していて、
原始的なものから、近代的なものまで、
文化の成熟度まで違います。
様々な人と交流しながら、
街を散策し、人と世界を理解する、
キノを徹底して、傍観者にすることで、
視聴者を舞台に上げることに成功しています。

評価は上がったり下がったりなのですが、
作品を正しく理解するには、
ここで描かれていない、余白にこそ、
真実があるのでは、ないでしょうか。

最終話視聴追記。
最後は不思議な物語で締めましたが、
{netabare}人の身勝手さに皮肉と言った所でしょうか。
11話「大人の国」が良かったですね。
願わくば好きなことをして生きる、
キノの過去が描かれ興味深いものとなりました。{/netabare}
動き出したものだけに世界は開かれるのです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三日限りの掟

……は、違うアニメ(『戦闘メカ ザブングル』)ですけれども(笑)。

話ができるモトラドのエルメス(要は「喋るバイク」)に乗って旅をするキノのお話です。キノはいろいろな国を巡りますが、ひとつの国には三日間しか滞在しません。

それぞれの国に特徴があって、そこでのエピソードが寓話っぽい感じになっています。

電撃文庫刊のライトノベル『キノの旅』が原作のアニメです。TVアニメ化自体は2回目ですが、別に「前作が1期目で今作が2期目」とかいうわけではなくて、リメイクというか再アニメ化というか、そんな感じです。

事前にPVのチェックとかせずにぶっつけですが、とりあえず第1話『人を殺すことができる国』を観ました。

今回のキノ役は悠木碧さんですが、第1話を観た感じでは「少年っぽい」キノのイメージに合っていたと思います。というか、ああいう声の演技もできるんですね。

エルメスの声についても「前作のイメージとは違う」というだけで、原作の記述からすると特におかしなところはないように思います。今作が初見なら「そんなもの」と思うのではないでしょうか。

今回はエルメスなどはCGモデリングを使うことにしたようですが、まあわりとうまくハマっているのではないでしょうか。

キャラクターデザインも1巻目の頃の原作イラストからはかけ離れていますが、新たにアニメ化ということで最近の原作イラストに寄せたものと思われます。最近の原作イラストのイメージには近くて、それほど違和感はないですね。

基本的には1話完結方式で進むと思われます。今回アニメ化されるエピソードは「電撃オンライン」というサイトで既に発表されていますので、気になる方はそちらもどうぞ。ただし、掲載されているのは放送エピソード順ではないそうです。

予告によると、第2話は「コロシアム」ということで、シズが出ますね。1クールで話数も少ないですし、主要な登場人物は早めに出していく感じになるんでしょうか。

元々、各エピソードの独立性は高いので放送順序は原作順でなくても問題はない気がします。

ということで、たぶん観終わった時点でレビュー更新になると思います。評価もそのときに改めて。

2017.12.24追記:
最終話を視聴完了。「アニメ版あとがき」などの謎なチャレンジもありましたが、基本的には無難にまとまっていたと思います。

たぶん「原作のイメージをそこなわないアニメ化」という点で、成果を出しているのではないでしょうか。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 59
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

キノとエルメスがちょっと風変わりな国々を旅する話

原作未読。今作は最終話まで視聴。前作は未視聴。

少し風変わりな国を、かなり風変わりなバイクと旅する話。

中学生の頃、やたらとハマっていた「星新一」や「小松左京」を思い出した。
SF+ショートショート。ブラックユーモアが溢れる作品。

この作品の最大の面白さは、主人公が決して善人では無いところだと思う。
小柄で華奢{netabare}な少女{/netabare}なのに、やっていることは、決して、単なる善人では無い。
{netabare}殺人{/netabare}をはじめ、身を守るためなら何でもする。

最終話に至っては、『こんなシーンを放送してもいいのか?』を疑問を投げかけたくなるほど酷いことをする主人公。
動物愛護云々言うつもりはないけど、一気に後味の悪い作品になってしまった。

11話までなら、そこそこ高評価だったのに・・・。
少し残念な最終話でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 57

72.2 11 リメイクアニメランキング11位
GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0-ゴーストインザシェル(アニメ映画)

2008年7月12日
★★★★★ 4.1 (340)
3115人が棚に入れました
時代は21世紀、第三次核大戦と第四次非核大戦を経て、世界秩序は大きく変化し、科学技術は飛躍的に高度化した。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。その結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性の公安警察組織「公安9課」通称「攻殻機動隊」の活躍を描いた物語。

声優・キャラクター
田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、仲野裕、大木民夫、玄田哲章、榊原良子、家弓家正

AKIRA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

2.0ということでてっきり続編かと思っていたら

続編ではなくてリメイクだったのですね。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊>TV一期>TV2期>イノセンス>GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0(イマココ)

初めて攻殻を観たのがリメイクされる前の作品でした。
それからTV版を含めそれなりに作品を見てきたので。大分世界観などは理解できるようになりました。

そういった意味でリメイク以上に新鮮に見ることが出来ました。(最初は続編かと思いドキドキしてみていたら、どこかで見たシーンが…ってなりましたがw)

映像美を除けば個人的には初期の方が好きでした。なんかこう…不気味な感じというか暗い感じが好きだったので。

ただTV版などを見た上での視聴となった近作は会話の中にでてくるTV版を想起させる台詞が散りばめれれていてなかなか楽しめましたね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

殻の中の自我

≪GHOST IN THE SHELL(劇場版)視聴済≫

自我を発展させる為には殻に閉じこもったままでいるか、それとも殻に閉じこもらず(電脳化)によって自我を発展させるかという問いに私は電脳化によって自我を発展させる方を選ぶと思う。 なぜなら、自分自身の「世界」を広げる為にも情報は必要不可欠だからだ。

その自我の発展に関しては人間だけが持ちうる特権なのか? 自我(学習能力や感情)と置き換えた場合、動物にだってそれは存在する。またその自我は動物だけに与えられたものなのか?電脳化が進んだ未来にも人の形をした人形にだって自我を持ちうるのではないか。
そうでないとするのならそれこそ「殻」に閉じこもったままの自我ではないか。

最後に{netabare}~「自分が自分自身であり続ける為には自分をある限界に制約し続ける」という素子の言葉{/netabare}は今の自分に満足せず、もっと世界を認識して視野を広げろというメッセージのように私は思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10
ネタバレ

テロメア さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【簡単解説】プロジェクト2501に関するレポート

そうしろと囁くのよ、私のゴーストが。

攻殻機動隊その映画第一作品のリメイクで、独特の世界観、宗教観、哲学が秘められています。戦闘シーンが最高にクール!


簡単に簡潔にストーリーを説明します。
{netabare}少佐率いる公安9課はゴーストハック(一般人の人体を奪い操作すること)をしている謎のハッカー(人形使い)をとらえようと動いている。そしてついに捕えるもなぜか6課が干渉してきて‐-。{/netabare}

ここで各組織のねらいを整理します。
{netabare}公安9課はゴーストハック事件の真相解明。
人形使いは生存するために9課に接触。
6課はプロジェクト2501の隠匿。
ガベル共和国はODA資金援助の交渉に。
旧ガベル共和国の旧指導者は日本に滞在中で外交的カードの一つになっています。
プロジェクト2501は後に{netabare}人形使いである{/netabare}とわかります。
{/netabare}

という感じです。これだけ分かれば概ねOKかと思います。詳しい考察は他の方の感想をどうぞ。


なんといっても見どころは
{netabare}少佐VS多脚戦車!作中の山場になっています。筋肉の動きや戦車の動き、武器の操作などの数々の演出が鳥肌物でたまりません!
ほかの戦闘シーンですが光学迷彩を駆使し格闘するシーンはかっこよすぎました。どこか奇妙でシュールな様がよかったです。{/netabare}

素晴らしく作りこまれた作品で何度見ても新しい発見があり飽きません。
動きも意味が分からないほど良いですし映像美でたまらないです。


良くも悪くも考えさせられる一作。
知的な気分で感慨にふけってみては。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

73.9 12 リメイクアニメランキング12位
魔法少女リリカルなのはThe MOVIE 1st(アニメ映画)

2010年1月23日
★★★★★ 4.2 (471)
2802人が棚に入れました
自称・平凡な小学3年生高町なのはは言葉を話すフェレットが負傷し倒れているところを発見、保護する。フェレットの正体は異世界ミッドチルダからやってきた少年ユーノ・スクライアだった。\n 彼がこの世界に来た理由。それは彼が発掘したロストロギア(異世界に存在した高度な魔法技術の遺産)「ジュエルシード」が散らばってしまったためであった。成り行きから事情を知ったなのはは、ユーノと共にジュエルシードを集め、封印することを決意した。

声優・キャラクター
田村ゆかり、水樹奈々、水橋かおり、桑谷夏子、高橋美佳子、五十嵐麗、浅野真澄、松岡由貴、久川綾

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

このアニメ、私、おススメします。

魔法少女リリカルなのは1期の劇場版。
新装オープン、コンパクト版総集編です。

TV版に比べ、以下の点が勝っています。
・作画が美しい。
・戦闘シーンがド迫力
・TV版の中だるみをざっくりと削除
・面白密度が濃い
・フェイトさんの過去話が充実
と言うことで、TV版は見なくても問題ないです。

温かい家族の中で何不自由なく育ったなのは。
悲しい生い立ちのため心を閉ざしたフェイトさん。
一方的にフェイトさんが仕掛けた戦いの中で、なのはの執拗な思いやり攻撃による二人の関係の変化は、このアニメの最大の見せ場かつ感動ポイントです。

この作品は、人に視聴を薦めない私が、珍しくおススメする熱血友情アニメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「名前を呼んで」

制作はセブン・アークスで原作はゲームです。
ジャンルは魔法少女ファンタジーです。


普通の小学三年生、高町なのは。
一匹のフェレット、ユーノを拾ったことで、彼女の運命が変わり始める。
彼女は魔法少女となり、ユーノが探している「ジュエルシード」を集めることに協力していく。


2時間ちょいのほぼ総集編映画。
いやー、個人的にはいい映画だったw

まず私は一期を最初に見ているわけです。
一期でも結構感動しちゃったのですが、今作はそれの強化版といったところでしょうか。
日常のシーンをバッサリカットし、なのはとフェイトに焦点を置いた構成です。
話の大筋は一緒ですがところどころ違う点もあります。
戦闘場所や戦闘シーンもほぼ一新といってよいでしょう。

元々私が一期を評価している点は二人の描き方が上手だったからです。
直線的な正義vs悪ではなく、どちらも正義であり、それぞれの事情がある。
事情の描き方が上手かったから評価している節があります。
本作では短い時間ながらもそれが色濃く描かれていました。
普通にTVシリーズを見るよりも感情移入しやすいのではないでしょうか。


総括して、なのはシリーズを見ていても見ていなくても楽しめる内容だと思います。
現代人は時間がないので、興味があればサクッと見てみるのも良いかもしれません。
どうでもいいですが、安かったので中古BDをポチってしまったw

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

流石!!の一言に尽きる。

評価としては、タイトル通り「流石!!」の一言に尽きます。
原作から名作として呼び声の高い、この作品を素晴らしい映画にしてくれました!!

今作は、「魔法少女リリカルなのは」をベースにした完全新作のアニメ映画。
とは言え、基本的にテレビアニメ版に忠実な構造。
相違点は、なのはとフェイトのコスチュームが、テレビアニメ版とは若干違うこと。
テレビアニメ版には登場しなかった新キャラ、リニスが登場することが挙げられる。

アニメーションのクオリティは格段にアップ!!
そして、1クール分のアニメを上手く集約しつつ、リンディ・ハラオウンの過去について詳しく触れている点は評価できます!!

そして音楽の良さは圧巻!!
個人的にはinnocent starterは好きでしたが、今回もそれに匹敵する名曲ばかり!!
水樹奈々の歌うPHANTOM MINDSは流石ですね~♪
やはり、なのは作品には水樹の歌は必須!!なのはと言えば、水樹!!そんなことを思わせる名曲でした☆★
また、戦闘シーンの挿入歌Don't be longはアニメーションとマッチしていて素晴らしい!!これも評価できます!!

声優陣は言うまでも無いでしょう。そう、無敵です!!
田村ゆかり、水樹奈々の2トップは鉄板!!そこに、豪華声優陣を揃えていますからホントに無敵ですよww

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

63.9 13 リメイクアニメランキング13位
うしおととら(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (448)
2410人が棚に入れました
中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。

ある日、彼は自宅にある蔵の地下室でとんでもないものと出会ってしまう。

それははるか昔、凶悪なバケモノとして民に恐れられ、「獣の槍」によって五百年間も封じ込められていた大妖怪であった!

槍を引き抜いてしまった潮はあわや妖怪に食われかかるが、同時に眠りから目覚めた「獣の槍」の力によって変身し、妖気に群がってきた他の妖怪たちをあっという間に撃破する。

槍の威力を恐れて思わず協力してしまった大妖怪は、潮に「とら」と名付けられ、行動を共にすることに。

かくして「獣の槍」の伝承者となってしまった少年と、いつか彼を食ってやろうとつけ狙う大妖怪の“うしとら”コンビが誕生したのだった。

そして襲いくる妖怪どもを次々と蹴散らしていく彼らは世界の存亡をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく……。

声優・キャラクター
畠中祐、小山力也、小松未可子、安野希世乃、藤原啓治、牧野由依、浪川大輔、中村悠一、豊崎愛生、てらそままさき、清水理沙、三木眞一郎、梶裕貴、南里侑香、茅野愛衣、折笠富美子、坂本真綾、水樹奈々、細谷佳正、逢坂良太、高垣彩陽、永澤菜教、花澤香菜、宮野真守、潘めぐみ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

連載終了から19年の歳月を経てアニメ化された作品

この作品の原作は未読ですが、タイトルや大まかな内容は知っていました。
週刊少年サンデーに連載されたのが、1990年〜1996年なので、正に19年という長い歳月を経てアニメ化された作品です。

本格的にアニメを視聴する前は、時間に結構余裕があったのでよく本を読んでいました。
この作品の原作にも触れる機会はあったのですが、当時は繊細なタッチの作品が好きでそういう感じの作品ばかり見ていて・・・この作品の作画タッチは真逆だったこともあり敬遠していました^^
でも今回この作品を視聴して当時の私の考えが間違っていた事に気付きました。

こういう熱い作画タッチでなければ描けない作品がある・・・という事です。
そしてこんなに面白いなら原作を読んでおけば良かったと少し後悔しています^^;
でも今は時間が取れないので原作は殆ど見ていませんが・・・^^;

この物語の主人公は、獣の槍を持つ蒼月潮・・・彼は自宅の地下で獣の槍で500年間封印されていた妖怪を開放してしまうtころから物語が始まります。
開放した妖怪はとても強い妖怪で、アヤカシにとって天敵と言われる獣の槍でなければ封印できないほどの妖怪だったんです。

こうして「いつか潮を食ってやる」と思いを巡らすトラと、「食われてたまるか」と獣の槍で応戦するのが日常となり・・・お互いの関係が少しずつ深まりながら物語が動いていきます。

物語の序盤は静か・・・潮らの身の回りで起こるアヤカシとの小競り合いが中心なのですが、潮が「母親の真実を知りたい」と東北・・・そして北海道に旅を始めた頃から、物語とアヤカシのスケールが少しずつ大きくなっていきます。

この作品・・・見た目は3枚目ですが、やっぱり潮が格好いです^^
曲がったことや嘘が大嫌い・・・実直で正義感の塊みたいなんです。
彼の「助けたい」と思う対象は、人もアヤカシも関係ありません。
そして一旦助けると決めたら、それに向けて全力投球・・・自分の事なんて何も考えないんです。
だからどんなに自分が危険に晒されても一度伸ばした手を絶対離さない・・・そんな少年なんです。

潮は母の手掛かりを探すための始めた旅先で、色んな人と出会いその人達が抱えてきたアヤカシによる苦しみを断ち切っていきます。
でも彼はそれだけじゃないんです。
次の一歩のために背中をそっと押してあげるんです・・・
そしてそれが優しくて・・・温かいんです・・・

物語の中盤で潮が絶体絶命のピンチに陥ります。
そんなピンチにこれまで潮が手を伸ばした人達が助けるために駆けつけてくれるんです・・・
潮が絶体絶命のピンチを救い出す・・・これは自分にも身の危険があるという事は火を見るより明らか・・・
それでも身を引く人は誰ひとりいないんです。
「全力で助けてもらったんだから全力でお返ししなきゃ・・・」
こうして果敢に飛び込んでいく姿・・・もう涙無しには見れませんでした^^;
私の一番大好きなシーンです^^

オープニングテーマは、筋肉少女帯の「混ぜるな危険」
エンディングテーマは、Sonar Pocketさんの「HERO」と、若旦那さんの「負けるな小さきものよ」

2クール全26話の作品でした。
この作品は3クールと聞いていました。連続で2クール目が放送されたので、てっきり連続して放送するのかと思っていましたが、最後の1クール分のみ2016年春アニメに分割されるようです。
強大な敵を前に物語は着実に面白味を増しています。
今後の展開が楽しみで仕方ありません^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

不安は少し残ったものの、第二期も注目していきたい

2015年夏アニメ。3クールアニメの前半2クール、26話。
本当は最終回まで見てから書こうと思っていたのですが、ちょっと書きたくなったので簡単に。

藤田和日朗原作の名作長編漫画のアニメ化です。
もちろん私も原作は読了。色んな事情で3クールなので、ちょっと短いですね。

原作者の要望で白面との決着までアニメ化するため、一部エピソードはカット。カットするエピも原作者が選んでいます。

とにかく原作に対するアニメスタッフの愛と情熱を感じるアニメになっていて、細かなセリフなどのカットにも一貫性があると思います。主にサブキャラのセリフを抑え目にし、メインキャラのキャラクター性を残す方向になっています。

…ちなみに私が一番好きなのは、 {netabare}麻子を助けるために潮が炉に飛び込む一連のエピ{/netabare}(こちらは確実に描かれる)と、キジムンとカニマムジンのお月様の話なんですけど(こちらはもう本当に地味な話でカットは必然)原作者が選んだと言うなら何も文句は無いです。
むしろどこをピックアップするかで何を大切にしてアニメ化するかはっきりしますから、個人的には注目どころ。

全体的に駆け足で余韻や間を楽しむ事はできませんが、雰囲気を壊さず、ギャグもテンポが上手なので生き生きしています。
作画は原作絵に近くかなり細かいのですが、崩れることもなく、本当に凝っていて頭が下がります。(藤田先生髪の毛萌えなんだもん…作画さん大変すぎる;)

BGMはいまいち好みではないです。ホラー要素のある本作であれば、BGMの使い方自体ももう少し控えめにして、メリハリを付けたほうがいい気がします。

キャスティングはほぼ文句なしです。
何よりうれしかったのが潮役の畠中さんがすごく合ってたことです。
イメージと違うキャラクターもいましたが、進むにつれこなれてきた感じ。

全体的に評価できるところの多いアニメ化になってると思います。


【11月18日現在、20話まで視聴済しての感想】
19話と20話が凄く良い感じでした。
{netabare}
19話はいわずもがな、白面の威容が良く表現されていた事ですね。前半の一家の団欒を極力縮めて、Bパート全て白面のために使っています。
原作では火を吐き城門の中の人々を大量虐殺するシーンが印象強く描かれていますが、アニメでは潮に対する脅威である事のほうをより強く印象付けた演出になっています。こういう変更でアニメの方向性がわかってくるので面白い。

20話Aパートではジエメイが炉に飛び込み、ギリョウが槍を打ちます。原作だとジエメイの死ぬシーンの方がギリョウのシーンよりインパクトが強いのですが、アニメでは逆で、ギリョウの描写に重点を置いています。
これは個人的には英断だったと思います。なぜって、全編通して霊体のジエメイとは交流があるので彼女の内面はそれなりにわかるのですが、ギリョウの人格や苦悩がわかるのって本当にここしかないからです。

尺が限られた中で泣く泣く削るところも多いでしょうし、アニメのスタッフが表現したいものを明確にしてブラッシュアップし、それを最終回まで一貫してくれれば、それが一番私としては楽しいですね。

…あ、でも白面がなんで高い声でマッチョなのかはよくわからないw
声はともかく、白面は筋肉で体動かしてるイメージは無かったんですよね。妖力で動いたり戦ってるとてっきり思ってたので。まあそこのイメージの食い違いは仕方ないですね。
{/netabare}


【12月30日追記】

2クール見終わりました。
劇中の音楽の使い方がだんだん良くなってきたと感じました。新録のBGMもあったんですかね?
斗和子のチェロのシーンは原作にもありますが、実際音楽になると良い演出でした。

21話以降も全体的に良かったのですが、このエピソードを採用したのにその部分抜いてしまって良いの?と思う所がちらほら。
単純な不満というより、今後の展開でどうしていくつもりなのかがちょっとわからない、という感じで…。矛盾を生まないように改変するのならそれでもかまわないです。
{netabare}

気になったのがキリオ編での真由子とのファーストコンタクトを抜いてしまったこと、TATARIの一言も出ないのにサブタイトルをそのままTATARI BREAKERにしてしまったこと、あたりでしょうか。

キリオ編は潮と白面にスポットが当たっていた印象で、個人的にはもう少しキリオを深く描写してくれたほうが良いなと思いました。

もうひとつ欲を言えば、ハマー編では麻子にもう少し分かりやすい女性的な描写が欲しかったかも。
真由子は性格的にもストーリー的にも全体的にヒロインなので(「愚か者は宴に集う」の回があったばかりだし)、ボーイッシュで常に気丈な麻子は少し霞みがちな印象でした。
{/netabare}

第3クールの最終章への布石を打った形なので、それまでにくらべカタルシスは弱くなった部分があったかな。個々のエピソードは悪くないです。
20話時点の評価から少し下げましたが、次のクールに注目という所。
全体的にクオリティを保って駆け抜けた印象で、スタッフの皆さんにお疲れさまでした、と言いたいです。(2015.12.31)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

第2期も見るよ!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 第1期26話、第2期13話。第2期は今年の春からですね。
 原作は既読です。比較的読み返している作品なので、内容はほとんど頭に入っています。というか、アニメを見ながら読み返しました。右肩上がりで面白くなっていく作品ですので、第2期の方も完走するつもりではいます。序盤のいまひとつなストーリー展開で切ってしまった人も多いかもしれませんが、過去編まで頑張れた人はその後は結構楽しめたんじゃないのかな、と思います。第2期はこの右肩上がりを維持したまま駆け抜けるでしょうから、第1期を見終えた人は安心してその後も継続していいと思います。

 で、ストーリーうんぬんよりも、気になったのは作画の方ですね。近年の作品にしては動かないような気がします。一昔前か二昔前の作品を見ているような感じですね。バトルも多い作品なのに、バトルに力が入っていないっていうのは、あまりいただけません。インパクトのある一枚絵は何度かありましたが、一枚絵を評価できるのはアニメというよりはマンガの領分のような気がします。

 他にも気になったことがあって、カットのつなぎがあまり良くないです。引っ掛かるというか、突っかかるというか、スムーズにつながっていない箇所が散見されて、ちょっと気持ちが乗り切れない感じがしました。以下のレビューでは、このカットのつなぎ方で感じた違和感の正体を探っていきます。


カットのつなぎ:{netabare}
 アニメ版のうしおととらでは、カットを省略していると思われる個所が散見されるのですが、そのつなぎがあまりよくありません。このことを説明するために、簡単な例を用意しました。「AさんとBさんが向かい合わせで立って話をしていて、その後Aさんが反対側を向いて走り去る」というシーンです。アニメとマンガの違いという視点で見ていきます。

(1)3カット/コマ構成:{netabare}
 例示したシーンをシンプルに描くなら、次のような3カットの構成になると思います。
①AとBが向かい合わせで立って話しているところ<A→←B>
②Aが振り向くところ<←A B>
③Aが走り去るところ<←←A  B>
 このシーンは、①の静止しているところと②のその場で反転するところ、そして、③の走っているところ、という3つの動きで構成されていますから、これらの動きに合わせてそれぞれのカットを分割するのが自然だと思います。カメラ位置を変えながら、①は二人を横から、②はBの背中側から、③はAだけをアップにして横から、みたいな感じで撮っているのは多いですよね。

 ここからカットを増やすのは簡単です。①では二人の顔のアップをそれぞれ入れたり、②では踏み込む足を入れたりすればいいだけです。いくらでも増やせますから、4カット以上の構成はあまり考慮しなくていいと思います。基本はこの3カット構成で、マンガなら3コマでの構成ですね。アニメでもマンガでも、どちらでもできるのがこの構成です。
{/netabare}

(2)1カット/コマ構成:{netabare}
 アニメとマンガの差が露骨に出てしまうのが、この1カット構成ですね。
 1カット構成では、「話しているところ」「振り向くところ」「走り去るところ」という三つの動きを、カットを切らずに表現することになります。尺が長くなれば、映画でいうところの長回しという手法になります。これを特長として持つ映画監督も結構いますよね。長回しはアニメでももちろんできますが、マンガではまずできません。マンガは静止画ですから、複数の動きを入れることは基本的にはできなくて、動きの過程を入れるのが精いっぱいだからです。

 手を振る動作の「(・ω・)ノシ」という顔文字が良い例ですよね。振り上げた手の「ノ」と振り下ろしの手の「ノ」の間に、動きの過程を示す「〃」を入れることで、手を振る動きを表現しています。この「〃」は、モーションブラーという言われるもので、静止画で動きを表現するのに良く使われています。マンガで武器を振るシーンなんかでは、「(・ω・) ノ」と描くと振り上げたのか振り下ろしたのか分かりませんから、モーションブラーを入れて「(・ω・) シ」とすることで、振り下ろしたことが分かるようにするのです。

 アニメでもモーションブラーは使われていますが、モーションブラーを使わなくても動きを表現できるアニメと、モーションブラーを使わなければ動きを表現できないマンガの差は大きいと思います。動きの表現の差が顕著に出てしまうのが、この1カット構成ですね。
{/netabare}

(3)2カット/コマ構成{netabare}
 やっと本題に到達です。3カット構成はアニメでもマンガでもできて、1カット構成はアニメにしかできない、という話を今まで述べてきました。今度の2カット構成は、結論から言えば、どちらでもできます。でも、カットのつなぎ方自体は違うんだって話をしていきます。アニメ版のうしおととらで引っ掛かりを感じるのが、この2カット構成です。

 3カット構成のところで、次のようなカット割りを例示しました。
①AとBが向かい合わせで立って話しているところ<A→←B>
②Aが振り向くところ<←A B>
③Aが走り去るところ<←←A  B>
 このシーンを2カット構成にすると、どこかを省略しなければなりません。このシーンで絶対に必要なのは①と③ですから、必然的に②のカットを省略することになります。ですが、①の「話しているところ」から直接に③の「走り去るところ」につなげてしまうと、その経緯が分からなくなってしまいますよね。そのため、2カット構成にするには、単純に①と③をつなげるのではなくて、②をどちらかに入れ込むことになります。

 アニメなら、②を①に押し込んで「話しているところから振り向くところまで」を1カット、③の「走り去るところ」で1カットとすれば、2カットの構成になります。または、②を③に押し込んで、①の「話しているところ」と②③の「振り向いてから走り去るところ」という2カット構成にもできます。
 つまり、動きを表現できるアニメの方は、②の動きを①か③に担わせればいいのです。

 で、マンガの方はというと、アニメと同じつなぎ方は出来ません。②を①に押し込もうとしても、①にモーションブラーを入れてしまうと「振り向きながら話している」になってしまって、違和感が残ります。また、②を③に押し込もむのは、「振り向く」と「走り去る」の二つの動きが必要ですから、1コマで表現するのは不可能です。マンガはアニメと違い、動きを使ってカットを省略することができないのです。

 では、どうすればいいのかというと、②を担うセリフを①に入れ込むしかありません。①の吹き出しの最後に「そろそろ行くわ」程度のセリフを入れて、①を「話しているところから離れることの意思表示まで」とし、その上で③につなげるのです。こうすることで、「ここで振り向いているだろう」と読者にコマとコマの間を補完させるのです。
 なお、このセリフは、③に入れることはできません。「走り去っている」という絵が描いてあるところに、「じゃあ行くわ」というセリフを重ねられないからです。このセリフは走り去る前に発せられるべきものです。
{/netabare}{/netabare}

うしおととらのカットのつなぎ:{netabare}
 うしおととらの原作マンガは33巻ありますが、これに対しアニメ版は全39話しか用意されていません。圧倒的に尺が足りていないんですね。省略されてしまったエピソードが多いのは残念ですが、そればかりは仕方がないと思います。ですが、それでも尺が足りないのか、アニメ版ではカットの省略もされていて、その省略の仕方が非常に悪いんです。前掲の例のように、本来3カット以上のものを2カットで構成しているところが多いんですが、その内容が①から直接に③につなげるようなものばかりなんです。そのため、カットとカットの間が飛んでいるように見えて、見ているこっちがちょいちょいつまずいてしまうような感覚に陥ります。

 で、見ている最中は、マンガの2コマ構成をアニメの2コマ構成にそのまま使っているためにんじゃなかろうかと、すなわち、原作マンガを絵コンテとして流用しているんじゃなかろうかと思い、それが違和感の正体かもしれないなと思っていました。アニメとマンガの差が出ているんじゃないかってことですね。ですが、どうやらそうではなさそうなんです。
 違和感のあったいくつかのシーンを原作で確認してみましたが、原作の方では3カットか、4カット以上の構成にしているところしか見当たりませんでした。カットの省略自体がされていなかったのです。つまり、アニメ版だけが独自にカットを省略し、その省略の仕方をミスっているようなんです。

 マンガで2コマ構成にするときは、前述したように、コマとコマの間を読者に補完させればいいだけです。①の「話しているところ」と③の「走っているところ」がコマとしてはつながっていても、その間で「振り向いているだろう」と想像させれば違和感は残りません。これは、進行の主体が読者側にあるマンガだけができる手法です。コマを読み進めるスピードやページをめくるスピードが読者に委ねられているために、想像さえさせてしまえば、行間を埋めるための時間は読者の方が勝手に用意し、勝手に納得してくれるのです。

 ですが、アニメではこうは行きません。アニメは進行主体が視聴者ではなく製作者の方にあります。一時停止しない限りは、製作者の用意した時間の流れに乗るしかないのです。視聴者には想像して行間を埋めるだけの時間的な余裕がないわけですから、①の「話しているところ」と③の「走っているところ」が②の振り向きの動作がなくつながっていると、視聴者側は「飛んだ!」とビックリしてしまうのです。
 これを避けるには、走り去る前に暗転を入れるとか、走り去るシーンを遠景から入る(パンフォーカスを用いる)とか、想像させるための間を取れば良いってことになります。こういうのを演出として組み込んでいる作品も結構あります。
 ですが、この手法は、尺を省略するときには機能しませんよね。暗転や遠景に尺を使うのなら、そもそも3カット構成にしておくことでも解決するわけですからね。尺の無い状況で2カット構成にするならば、②の動き自体を①の終わりか③の頭に入れることは避けられないように思えます。

 アニメ版のうしおととらでは、カットを省略するのみならず、一部の動きすら省略してしまったために、カットとカットのつなぎが上手くいっていないんだと思います。①のカットの最後に肩をちょっと動かすだけで良いはずなのに、それが含まれていないんですね。原画が悪いのか絵コンテが悪いのか監督が悪いのか、という犯人探しをするつもりはないんですけど、ちょっとお粗末だなと思いました。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 私はもともとマンガ勢なんですけど、うしおととらを読み返した辺りから、ちょっとだけマンガ熱が戻ってきたように感じます。レビューにもその傾向が出てしまっていて、最近書いたレビューは、アニメのレビューというよりもほぼマンガのレビューになっているような気がして、いくつかお蔵入りになってしまいました。

 このレビューでは、カットのつなぎが悪いってことを散々書いてしまいましたが、本当のところは殊更批判するつもりはないんです。うしおととらに限らず、変なカットのつなぎがされている作品はままありますからね。ストーリーを追うだけならあまり気にする必要もないと思います。

 私は、ベタベタな少年マンガが好きなんですけど、うしおととらってやっぱり面白いですよね。少年マンガのベスト10には入れてもいい気がします。アニメ版は出来がそんなに良くないし、エピソードも随分削られていますから、復習にはちょうどいいかなってくらいですかね。アニメでうしおととらに興味を持たれた方には、ぜひとも原作マンガの方に手を出して欲しいかな、なんて思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

71.1 14 リメイクアニメランキング14位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (413)
1732人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

語り得ないものについての試論

マッドハウス制作。

存在の違和感に翻弄されていた、
言葉では形容しがたい違和感である。
それは同じ場所に少しづつずれて重なり、
2人が同時に立っているような、
埴谷雄高が「虚体」と呼んだ思弁的なそれに近い。

世の中には精巧な人形と、
婚姻届けを出した男の逸話があるという。
彼はそこに意識のある主体としての分身を見たのか?
{netabare}世界の危機に反応する自動的存在、
それが不気味な泡、ブギーポップ。{/netabare}

語り得ぬものについての物語である。
しかし沈黙をしてはならない、
不死なるものを前に踏みとどまらねば。

10話~13話視聴追記。
夜明けのブギーポップ、とびきりの妄想狂である。
{netabare}死神と凪の初の邂逅、浮かぶ統和機構の存在、
MPLSの起源が語られ始める。{/netabare}

最終話視聴追記。
全ては歪んでどこか捻じ曲がっている。
{netabare}それはこの世界も人である現存在も同じなのだ。
どこにでもある存在の悲劇性、
つまりは隠蔽された主体の危機、それが歪曲王。{/netabare}

時代性を考慮すると不安も多々あります。
絵は意図してなのか古く感じ造形も似ている。
しかし普遍的な物語がここにはあるのでしょう。

ニヒリズムの超克が主題であるのでしょうか、
大胆にもそう伝えて締めたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

75.8 15 リメイクアニメランキング15位
フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (342)
1406人が棚に入れました
高校生の本田 透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった!草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、そして由希を敵視する草摩 夾と一緒に住むことに。しかし、透はまだ知らない。『草摩家』が何百年も前から忌まわしき呪いに縛られていることを……。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、坂本真綾、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

全63話お付き合いする所存です

2019.08.11記 ※1~18話までの途中感想


{netabare}原作未読 前のアニメも未視聴


視聴動機は話題作に食いついてみましたってところです。それとアラサー+-10歳くらいの女性との雑談ネタになるかもねくらいで。

事前情報はこれくらい。
1.原作の少女漫画はイケてるらしい
2.2001年アニメもイケてたらしい
3.全63話予定。今回放送分は25話を予定しているらしい

超人気漫画。前回アニメでは連載途中だったこともあり途中までだったのをスタッフ・キャスト一新して最後までやることになりました。
1.2.に関しては私の場合比較する対象がないですし、原作者の高屋奈月先生が下記のように仰られてもおりますしフラットな姿勢で。


「すべて新しいメンバーで作ってください。です。すべて。すべてをです。閉じた幕をもう一度開けたいというのならば、新しく、新しいすべてで世界を再構築してくださいと」
「前作へのリスペクトを忘れる事なく、その上で、一人でも多くの方に新たな思い入れを抱いてもらえるような作品を構築していってくださることを願っております」


3.に関してがポイントでして、長編確定している作品への視聴態度。5クール目安で第一弾は2クールであり、その後間をあけて3クール。その3クールも分割する可能性が高いでしょう。
冗長さや話に動きがない時間帯も出てくることを織り込んでいく必要があります。
普段の1クール2クールとは勝手が違うこととはつまり、具体的に1クールものでラスト3話で話が動きだすとした場合に、極端に言えば今回は40話くらいまで起伏がないかもしれないのを受け入れることと同義になります。

切り取りと違って原作丸々アニメ化するプレッシャーで製作陣が下手なことできないだろうよ、という意味での期待はあります。それに、

 だって原作面白いんでしょ?

見切るとしてもタイミングはかなり後方にずらす前提で視聴することにしました。



内容です。あらすじは省略。

こ、これは…継続して良いんじゃないでしょうか。
悪いとこ先に言っとくと、ヒロイン本田透(CV石見舞菜香)の無自覚な善意の押し売りがどうにも受けつけません。はい。苦手なタイプのキャラ設定です。
周囲が性善説で動く人間ばかりでないと成り立たない(生きていけない)キャラには現実感がないのです。

言ってしまえばそれくらい。あ、あとたまに挟むギャグが笑えない。
物語と割り切ってしまえば透くんが存在し得る社会は優しさに包まれたユートピアであるともとれて、現実に無いからこそ没入できる側面もあるんだと思います。
それに現実感のないことには作中でしっかり触れてあり良い意味で作為的なキャラ設定なのだと思います(たぶん)。
 {netabare}※草摩紅葉(CV潘めぐみ)が優しすぎて最後は死んじゃう子の逸話を披露してました(第11話)。単にウケるからではなくてストーリーに透くんの性格を組み込んでいるんだろうと察することができます。{/netabare}


そして案の定、少なくとも自分にとっては起伏に乏しい展開が続いております。はじめに全63話と聞いてたから耐えてる感あり。拠りどころとしてるのは


・淡い印象のOPから一転、第14話からのアップテンポなOPへ。長丁場だからこそこういった目先の変え方は好感。大塚愛のチョイスも2000年代前半を想起させ良いと思う。
・核である十二支全部揃ってないが着実に増やし、ゆっくりとキャラ掘り下げをしている。
・十二支外の透の親友も掘り下げを行っている{netabare}(第16~17話のうおちゃん回とか・・・ついでに透おかんもです)。{/netabare}。
 ※魚谷ありさ(CV種崎敦美)と花島咲(CV佐藤聡美)の声優さんのお名前も今しがた(注:2019年8月)感慨深いのもありますね。
・垣間見える草摩(そうま)家の闇。
  {netabare}第7話:草摩はとり(CV興津和幸)の悲恋話。第14話:紅葉の出生話。{/netabare}
 ※草摩あきと(CV坂本真綾)の黒幕感が今のところ凄い。


今後もどこかで草摩家(最低でも13名)、親友2名、透とおかんで2名にスポットは当たるわけでして、そんな多人数での相関に変化を加えてきた時の気持ちよさは期待できそうです。

 だって原作面白いんでしょ?


今のところ18話まで観終わっており、クールが終わる頃にまたまとめたいと思います。それでは!{/netabare}



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2019.09.24 視聴後追記


{netabare}残り7話で正直微妙だったところをぐーっと底上げして前半終了しました。
透くんがなんかすごそうな人に見えてきたのです。これは、花島咲エピソードと草摩夾エピソードによるところが大きいです。

断念理由にも成り得た本田透くん♀の性格がまんざらでもないかも…と思える好展開で前半ハーフタイムに突入できるのはありがたいことです。
見切りのタイミングをだいぶ後ろずらしにした判断がおそらく間違ってなかったのだろうと確信に近いものを得られました。

そうなると後半も引き続き、迷いなく視聴継続です。


もし、序盤で躓きそうになって、私と同じ透くん起因の理由でしたら少しこのことを気に留めて貰えるとよろしいかもしれません。
全63話です。原作も前作も未体験で結末は知る由もありませんが、たぶん大丈夫だろうと思えたのが25話終了時点と普段と比較したら異例ではありますがそうなんです。

長編は面白いもんですね。そんなことも楽しみながら後半を待ちたいと思います。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.08.11 初稿
2019.09.24 完走後追記
2020.04.10 修正
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「いいのですよ」テーマが主軸

原作既読&前作のアニメも視聴済みです。

お話のざっくり概要
メインヒロインである本田透はお母さんを事故で失って一人暮らし
か~ら~の~ イケメンばかりの草摩家に居候!
草摩家はある呪いに縛られた一族だった… (な、なんだってー!)

そんな感じ?(だいぶ違う気がするけど、うまく説明できませぬw)

原作は90年代後半から連載開始されてめちゃくちゃ売れたヒット作
自分も当時読んでいて、少女漫画では新しいなと感じました。
(さすがに20年経った今だと古く感じてしまいますけど…)

他の少女漫画はメインヒロインかメインイケメンの掘り下げが主軸ですが、
フルーツバスケットは根底にあるテーマ自体が「赦し」だと思います。

人間、多かれ少なかれ誰しも抱えている後悔や苦悩。
それが赦されていく世界観を描いています。

あんまり細かい事かいちゃうとネタバレになっちゃうので書けないですが、
後悔との向き合い方や、自分の弱さの受け入れ方を細かく描写していて
「あぁ、自分も自分を許していいんだ。許されてもいいんだ」
と思えるエピソードが多いです。

当時、自分はまだ働き始め数年目で、先輩から怒られたり、
どうしてうまくいかないんだろうと思っていた最中に、
フルーツバスケットに出会い
思い描いてた自分と違う今の自分を自然に受け入れられました。
だいぶおっさんになってしまった今では色々な事を
簡単に諦めたり割り切ったりしてしまいますが
当時はとても新鮮に映りました。自分にとって大事な作品です。

どうか一人でも多くの方がフルーツバスケットを楽しめますように。

2019.10.06 見終わっての感想追記
花ちゃんエピソードはやっぱりいいなぁ
そこ単体でも十分楽しめます。

原作知ってると、どこまで書いていいのか微妙に悩む…
こっから先少し重くなるので
期待と怖さが入り混じりながら2期を気長に待ってます~

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本田 透に心が救われていく人たちの物語

この物語は原作が少女漫画ですが、恋愛ものではないようです。
どちらかというと、心に大きな傷を抱えている人たちが、主人公である本田 透(ほんだ とおる)の優しさに癒され、救われていく物語。

透は母親を失くした女子高校生。
一人でアルバイトをしながらテント暮らしをするのですが、苦労しているところを草摩家の人たちに助けられ、草摩家で暮らすことになります。

草摩家の人たちの容姿は、他の人から見ると、うらやましくなるほどの美しさです。
しかし、草摩家の人たちは、親族全てが心に大きな傷を抱えています。
彼ら彼女らは、その全員が、生まれたときから常に大きな傷を背負いながら生き続けなければなりません。
きっと、亡くなるときまで、その心の傷は癒えることは無いのでしょうね。

「隣の芝生は青く見える」と言うけれど、まさにその通りです。
だから彼ら彼女らは、ごく自然に人との交わりを拒む生活をしていました。

でも、草摩家の人たちは、透の優しさや、どんな困難にも決してめげない前向きな性格に少しずつ心が癒されます。
そして皆が透のことを大好きになっていくのです。

草摩家以外の人たち、透の親友の魚谷 ありさ(うおたに ありさ)や花島 咲(はなじま さき)も、透に出会うまでは苦しい人生を送っていました。
そして彼女らも、透のひたむきな優しさで心が救われました。


私達は、誰でも、多かれ少なかれ、人に言えないような苦労や心の傷を抱えているのではないでしょうか?
そんな時に、透のような人が傍にいてくれたら、とても幸せだと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

67.1 16 リメイクアニメランキング16位
うしおととら 第2期(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (269)
1338人が棚に入れました
白面の者との最終決戦が近づいていることに焦りや不安を感じる蒼月潮。毎日ある学校に自分を喰おうとする大妖怪・とらとの攻防、そして密かに想いを寄せる中村麻子とのケンカ──いつも通りの日常がいつまでも続く筈が無い。潮は自分の気持ちに正直になろうと麻子へのアプローチを試みる。しかし、その決意は一歩遅かった。一陣の風と共に潮の日常は唐突に終わりを迎える。
「……誰、あなた?」
麻子からの拒絶にも等しい一言を皮切りに、不可解な出来事が潮に襲い始める。もう人も妖怪も皆、潮ととらのことを覚えてはいない──。

声優・キャラクター
畠中祐、小山力也、小松未可子、安野希世乃、藤原啓治、牧野由依、浪川大輔、中村悠一、豊崎愛生、てらそままさき、清水理沙、三木眞一郎、梶裕貴、南里侑香、茅野愛衣、折笠富美子、坂本真綾、水樹奈々、細谷佳正、逢坂良太、高垣彩陽、永澤菜教、花澤香菜、宮野真守、潘めぐみ、飯塚昭三、江川央生、古川登志夫、諏訪部順一、林原めぐみ
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

見所はしっかりおさえていたと思う

2016年春アニメ。全3クールの3クール目13話分(27話~39話)。
まずはスタッフさんお疲れさまでした。
特に絵が細かい上にキャラクター数も多く動く作品ですから、作画スタッフには頭が下がりました。
全体的に見所はきちんとおさえていたと思いますが、描写に不足が出てしまった印象。展開に説得力を持たせるためには改変やフォローはもう少し必要だったと思います。

やっぱり潮役の畠中さんは最後まで素晴らしかったです!この声で本当に良かったと思います。
{netabare}
須磨子の真綾さんの演技とても好きでした。知らぬ間に若い設定とはいえお母さん役を違和感なくこなすようになってしまったんだなあ…w
うしとらの母親キャラは皆印象的ですね。斗和子といい須磨子といいかおりの母といい、素晴らしかったと思います。
特にかおりの母は朴さんで、とても魅力的な配役で驚きました。朴さんの大人の女性役とても好きです。鏢さんを看取るシーン本当に良かった。
それ以外のゲストキャラクターの配役も好きですね。

内容としてはカット部分はしかたないとして、、良くも悪くも原作準拠で不足部分を補うような改変がほとんどなく、展開に説得力が欠けていると感じる部分が出てしまったのは残念でした。
前半のラストで心配したキリオと麻子の件も、最後まで解消されず個人的には引っ掛かる部分ではありました。二人のエピソードをカットした分それ以外の部分でもう少し描写を増やして欲しかったですね。

ただ一点だけ、沖縄の海上で白面に追いすがる西と東の妖怪たちは改変されていました。
突撃しようとする西の長と止めようとする東の長は原作では逆です。西の妖怪たちと潮の初対面のエピソードがカットされていることが理由で、自然な展開にするという意味でここはとても良かったと思います。

最初から潮ととらの関係、潮と白面の因縁をしっかり拾って行く方向性でしたが、そこは最後まで一貫していて良かったと思います。
その意味で最終クールを全て対白面に使ったのは良かったですが、少し長すぎるようにも感じました。
ただ、しっかり尺を取ったことで白面の恐ろしさがとても伝わって来ましたし、絶望的な状況からの逆転劇も盛り上がりました。最初は違和感のあった白面の声も、倒される瞬間の独白まで見て女性声優で良かったと思えました。

須磨子と潮の再会や流や鏢さんの死に際は、演出、作画、演技も素晴らしかったです。人の業を見せるシーンにはとても力が入っていて、それは原作でも力を入れている部分を汲んでいたと思います。
{/netabare}

うしとらは実は心理描写が女性的…というか情緒を大切にする作品で、どのキャラクターにも悲哀を感じる部分があり、その部分はもう少し見たかった気はします。まあカットしたエピソードにそういうのがかなりあるので仕方ないかなあ。

レビュー書いていて思いましたが、既読組である自分の目が厳しくなりすぎていて冷静な評価ができてないかも知れないですね。
前期から評価は少し下げますが、良い所もたくさんありましたし、原作への入り口としては十分だと思います。(2016.07.13)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

全てを賭けて白面の者と対峙する「うしお」と「とら」・・・

この物語は前期2クールと今回1クールの計3クールの作品です。前期2クールと物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

最強最悪の大妖怪である「白面の者」は、自身の復活に向け着々と準備を進めてきました。
3クール目に相当する今期は、いきなり「白面の者」が世に放った悪災から物語が始まっていきます。

義理と書いて「うしお」と読む・・・と言っても過言では無いくらい、主人公である蒼月潮は義理堅く、実直な少年でした。彼にとって人間と妖怪の隔たりは小さい事・・・むしろ困っているのか、いないのかが彼の原動力の全てとなっていました。

そして常に全力で向かい絶対手を抜かない・・・
獣の槍を片手に先頭を突っ走るうしおの背中を人間と妖怪が目線を合わせてこれまでの困難に立ち向かい・・・勝利してきました。

蒼月潮と獣の槍とトラの存在・・・何より彼らを取り巻く人間と妖怪は、白面の者にとって邪魔者以外の何物でもありませんでした。
これまでも何度か白面の者は手を出してきましたが、ここに来てその攻撃が本格化するのです。

その攻撃・・・正直精神的ダメージが計り知れない内容でした。
妖怪も人間も・・・どちらも悪くありません。諸悪の根源は白面の者でそれも変わっていません。
ですが、うしおを戦いに駆り立てる幾つかあるうちの一つは、完全に壊されてしまったでしょう・・・
それでも一度動き出した歩みは、うしおにだって止められません・・・

私にとって、この3クール目は泣き処が満載でした。

そのぬくもりは・・・体が覚えています
一緒の時間・・・共に笑い、そして涙したこと・・・
ほら・・・目の前にあいつの顔が・・・
これは自分にしかできない事なんだ・・・
あの人だってきっと頑張っている・・・

人を思う気持ちが自分を・・・そして周りを巻き込む原動力になる・・・
誰が頼んだ訳でもありません・・・
もっと深い部分で繋がってる・・・そしてそこは何人たりとも侵す事のできない不可侵領域・・・
だから自然と同じ思いを持つ者同士が集まり、最後の望みに向けかって行動する・・・

自分の信じて進んだ道が呪縛を解き放つ鍵・・・
諦めなければ必ず取り返せる・・・

紆余曲折を経てうしおととらは、白面の者と対峙する事になります。
これまでの中で一番激しい戦いだったのではないでしょうか・・・?
獣の槍も・・・うしおもとらもボロボロです・・・
でも戦っているのはうしお達だけではありません・・・
皆んなが全力を賭して白面の者に挑んでるんです。

壮絶な戦いはやがて終焉を迎えます・・・
でも支払った代償はあまりに大き過ぎました。
あまりの展開に視聴が終わってもしばし呆然・・・
はぁ・・・最後の闘争は半端ありませんでした。

オープニングテーマは、筋肉少女帯さんの「週替わりの奇跡の神話」
エンディングテーマは、LUNKHEADさんの「決戦前夜」
どちらも迫力一杯の楽曲だったと思います。

1クール全13話の作品でした。全3クールを使ってうしおととらの出会いからラストまで、中だるみする事なく一気に駆け抜けた作品だったと思います。
この作品の様に物語のラストまでしっかりと描いてくれる作品は大好きです。
今後も中途半端な販促作品では無く、ラストまで主眼において制作される作品が増えると嬉しく思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

腹いっぱいになりました。ん~少年漫画してますね~。

妖怪大戦争も3クール目に入って佳境になってきましたよ!
1期は細部の粗い所にン~と感じたり、あまり安定していた感じではなかったのですが。
少年誌の名作という事もあって流石に終盤の盛り上げ方はすごく上手いと思いました。

34話まで見ました。
{netabare}ここに来て皆がうしおの事を思い出し、妖怪と人が手を取り合って白面に立ち向かうという構図は燃えますね~。
皆で力を合わせてラスボスと戦う~って言ってみればお馴染みのベタな流れですけどね。
敵の力が強大な上に、白面、槍、とら、その因縁深さも絡み合ってて燃えます。
ドラゴンボールのバーダック好きな私としては、サイヤ人達が結束してフリーザに立ち向かった場合のルートって感じにも見れてイイっすね~。{/netabare}
ここの感想の数が少ないので、追っかけられてる人があまりいなさそうなのは少し残念に思いますが。何にしても終盤、追い込み頑張って欲しいですね~。

最終話見ました。
{netabare}白面が獣の槍を探知できるのに槍が今まで狙われてなかったのは、とらに刺さってて探知できなかったからなんですね~。{/netabare}
色々と力技だなとは思うのですが、最終決戦になってから毎週毎週炸裂する藤田節にとことん楽しませていただきました。
ただ、他の方の感想や原作ファンの意見などを聞いてみるとカットされてるシーンがかなり多いみたいですね。
私は最終回でお腹いっぱいでしたが、カットされたところなども気になるので漫画版もいずれチェックしていきたいと思います。

からくりサーカスもアニメで見てみたいのですが、やっぱ厳しめですかね~。
映像化されたらうしとらよりハマりそうだけど、うしとら以上に長いしカットできるエピがかなり少ないですからね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

70.3 17 リメイクアニメランキング17位
ピアノの森(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
1109人が棚に入れました
 森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公の一ノ瀬海が かつて天才ピアニストと呼ばれた阿宇野壮介や 偉大なピアニストを父に持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき やがてショパン・コンクールに挑戦するまでを描く、感動のストーリー。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、諏訪部順一、花江夏樹、白石涼子、大地葉
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

音楽ものとしてはわりと底辺 残り12話に期待

2018.07.04記


原作未読 ※すごい良いらしい

全24話の触れ込みですが、いったん12話まで放映されたものを視聴。
原作者一色まことさんの作品はスピリッツを毎週読んでいた頃お世話になりました。この原作もすごい良いらしいです。

直前スペシャルで、期待値上がってました。
なんでもコンサートホールをキャプチャ取ってCGで再現し、ダイナミックな演出を可能にしたとか。実際ピアノを弾いてる人のキャプチャ取って演奏シーンに反映させたとか。キャラに合わせた演者を用意したとかとか。
ストーリーか演奏シーンかどちらかで魅せてもらえればOK!の心持ちで視聴開始です。


あらすじは天才肌の主人公一之瀬海とサラブレット努力型の雨宮修平という二人のピアノ少年が出会い成長し、という物語になります。
努力型は置いといて、森に捨てられたピアノを鳴らしているうちに音の感覚や人の心を揺さぶる演奏力を身に着けた主人公という設定は興味深いものでした。


結局、、、

『意欲作』といったところでしょうか。
{netabare}子犬のワルツ(ショパン)のインパクトがある種きっかけになって、ショパンコンクールでクライマックスを迎える流れは筋が通っていて好感ではあります。{/netabare}


物語が駆け足で、ここが盛り上がりどころなんだろうなという場面でもそれまでの人物の背景描写が薄くて感情移入しにくい。
声優さんは安定したいい演技をしている。
OPEDも物語に沿った良い内容。出演もされてますが、悠木碧さんの落ち着いたED曲なかなか良かったです。
途中で切るほどではないけど、おそらくいろいろ端折ったんでしょう。話が飛んでいるように見えることで、起伏が生じずやや平坦な印象を持ちました。


さらに演奏シーンの多用は諸刃の剣になってしまったとも思います。
 ※劇中の演出に触れてるのでいちおう伏せときます

{netabare}たしかに指や体の動きはなめらかでした。・・・だがCG・・・
手書き部分とCC部分が見た目違い過ぎて違和感がはんぱない。止め絵やモノローグを多用するよりは指の動きを見せたい、という製作側のサービス精神の発露と受け止めたいところですが全体のバランスでみるとどうだったんでしょうね。{/netabare}

それと演奏の描写について

美しい音色なんですが、残念ながら私には違いがよく分からない。
{netabare}特にコンクール入ってからはみんなうまい人たちばかりなので曲の解釈はどう演出されてるかにかかってたのですが、ほぼ聴衆の反応(セリフ)のみ。心象描写や背景演出そしてモノローグなど使ってても印象が薄い。曲数も演奏シーン自体が多いという作品の特色を考えれば、いかんせん単調になってしまいました。心象描写や背景演出で印象に残ったのは一ノ瀬海演奏時の森の風景が立ち現われたのとか、パンウェイの革命のエチュードのシーンなど。これは良かった。{/netabare}
もう少し、曲の背景や持つ意味だったり、その曲を何故選択したか?のストーリー性など絡めても良かったんじゃないかと思います。


残り12話待ちですね。今のところイマイチです。



■余談 ※本作と四月は○の嘘のネタバレ込み

【ショパン バラード第1番ト短調 作品23】

この曲名でピンと来た人はそれはそれですごいですよ。

{netabare}雨宮くんの声は花江夏樹さんが担当してます。
その花江さんが誰か一人を想ってこの曲弾いてます。
演奏中、モノローグががんがん流れます。

四月は君の○を視聴済の場合はこのシーンだけ切り取っての視聴をおすすめしたいかも。
聴衆は感動で涙を流してましたが、こちとら苦笑を禁じ得ない状態でした。{/netabare}



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2019.09.04追記


視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

2期と言うべきか後半と言うべきか残りも視聴完了。
期待の急浮上とはいかなかったもののやや盛り返した感あり。
ピアノの音色は文句なし。



2018.07.04 初稿
2019.09.04 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

セ カイ イチノ ピアニスト

(※ 2018.7.6の最終投稿の全文を、当時の文章は極力残す形で細部まで推敲しました)

<第1期(第1話から第12話)までの試聴後の総評>

同期の「ひなまつり」は、スタッフの原作愛がアニメを原作以上にしていたと感じたのとは対照的に、本作は、スタッフに原作愛がたりないと感じました。

特に人物の作画レベルが低いのと、内容の不用意なカットで原作キャラの魅力が半減している場面が多かった。

尺の制約の中で原作の構成を上手くアレンジして面白い所をより面白くしたり、簡略したとしても、本来の感動を損ねないような工夫が十分に足りていたとは思えなかった。

以上から結局、ダイジェスト感ばかりで12話以外は、ほとんど盛り上がれませんでした。

第1期全12話で、カイのショパンコンクールデビューまで描くには尺がどう考えても足りない。せめてもう半クールでもいいから話数を加えて、カイの修業時代と誉子のエピソードを丁寧に描いて欲しかったです。

<物語とキャラについて>
{netabare}
最終話視聴直後は一度物語1.5、キャラ評価2.0にしました。その後、映像抜きでオーディオドラマとして再度鑑賞して評価上げました。

物語評価は、原作を5.0とするなら最終的に3.0に修正。
脚本的には12話が一番良かった。

キャラ評価が2.5なのは以下の理由。

カット多いため誉子と阿字野、レイ、佐賀先生の魅力が描き足りない。特に誉子は、個人的に一番好きだったのでアニメでのキャラ評価は厳しい。

カイの恋人、サエの存在カットもかなりマイナス。サエは、やはり存在すべきキャラ。カイが17歳でも精神的に成熟してるように見えるのは、愛する女性がいるため。彼女がいれば、カイの精神年齢の高さに説得力を与え、人間的魅力もアップしたように思います。
{/netabare}
<作画について>
{netabare}
背景を除く作画が、話の没入まで妨げる珍しいケースと思った。映像ない方が、話が何倍も面白く感じる。

滅多に評価を1にすることない私ですが、本作の作画はあまりにも不快で、個人的な許容範囲を遥かに超えてました。粗が素人目にもはっきりわかる。CG部の作り込みも甘過ぎる。その結果、全体が調和していない。

人員が足りないのかもしれませんが、原画などを安易に外国人へ大量外注するのはどうかと。文化や感性、価値感の異なる近隣国のスタッフは、日本人の美徳の、融和の精神に欠け統制が取りづらいんだろうと思います。そのため監督さんは、納期との兼ね合いもあり、作画上の妥協点を低くせざるを得なかったかもしれません。

そんなことが完成されたアニメから滲み出ていると感じました。
{/netabare}
<その他>
{netabare}
音楽面は、番宣でアピールしてただけのことはある。とても素晴らしかった。そこは非常に救い。

オーディオドラマとして再度鑑賞して4.5→5.0に評価アップ。

声優キャストの皆さんは、全員素晴らしかった。しかし、デッサンが別人のように場面場面で目まぐるしく変わる滑稽な顔で、いい声でいいこと言われても閉口します。作画の酷さで、キャストの演技の魅力まで台無しになった。

2期(第13話から第24話)は半年間の準備期間を与えられた以上、今期の反省を踏まえ、作品の大いなる質の向上を望みます。

第9話で、この物語の肝になる部分に繋がる、原作第13巻の伏線エピソードがカットされましたが、2期では原作第21巻に描かれる別な伏線の丁寧な描写を外さず、一番感動したポイントを、的確に味わい深く演出して欲しいものです。
{/netabare}

以下は、視聴前&視聴中レビューですが、かなりの長文です。
{netabare}
主人公である「ピアニスト 一ノ瀬海」は、アナグラムで「世界一のピアニスト」になります。作者さんはネーミングセンスいいですね。

※ 以下は、放送前に投稿したもの。かなり長いのでタグで閉じます。お時間があり、気が向いたらどうぞ。
{netabare}
<はじめに>

2015年末に発売されたばかりの原作コミックの最終話を読み終えた時、感涙するほど大感動!!以来、テレビアニメ化を熱望していた作品です。

2年4ヶ月経ち、その想いもようやく実現。放送6日前に、全26巻の原作を読み返しましたが、読み始めたら止まらず一晩の一気読みとなりました。

原作の紹介は、2007年公開のアニメ映画版のレビューに投稿済みなのでここでは割愛します。

久しぶりに放送中での全話レビューをしたくなりました。

物語やキャラの評価を事前に満点としたのは、原作基準によるもの。作画と音楽だけは、実際観るまで評価できないのでデフォルトのまま。

過去に、TVアニメ全75話で単行本全20巻の「バクマン。」を描いたNHKが本作を制作。

既に、メインキャラのみならず、13巻以降登場のライバルキャラのキャストも公表済み。そのキャラの演奏担当の様々な国籍の新進気鋭のピアニストも個別に決定してるようで、音楽面でも予算を十分掛けてるようで期待は大きい。最後まで描く気満々と思われますが、本作の実尺が非常に気になります。

NHK総合の番組予定表には本作は全12話と記載。(ピアノの森のアニメ公式番組サイトには、現状話数の記述はなし)
これだけの情報では、全26巻分すべてをここに詰め込むか、
また別に2期を企画してるのかが不明。

放送倫理上問題あるところの改変や省略はある程度は仕方ないにしても、納得のいく構成になるかは未知数で、視聴中に物語評価はかなり変動するかもしれません。

以下は4月放送予定分のみのサブタイトル。

第1話「選ばれた手」
第2話「ショパンを弾くために」
第3話「モーツァルトの遺言」
第4話「一番のピアノ」

放送前の現時点では、公表済みの以上のサブタイトルの流れから、4話で少なくても5巻最後までは確実に消化の模様。6巻1話目までの映画版と同じ所まで進むかもしれません。

5話、もしくは6話までには小学生篇を終え、カイの成長期(高校生)篇に移ると個人的に予想してますが、どうなることか。

やはり、このペースと1クールで原作のすべての旨味を引き出すのは不可能と思われます。

小学生篇後は、ごっそりカットもしくは大改変の簡略化で、ショパン・コンクール篇突入とかは勘弁してほしいけど...。

NHKは、ショパン・コンクール篇の華やかさを売りにして、
演奏者や声優も決定して番宣してる半面、カイの恋人、冴(サエ)のキャスト発表がない。で、ポーランドに旅立つまでの日本でのドラマをなおざりにする可能性が大のような気がします。

仮に原作改変して冴のエピソード抜いたとしても、全体としての話は成り立つとは思います。しかし、カイが性格の明るい天才ピアニストという魅力だけでなくハイティーンの、清廉なだけでない等身大の人間としての魅力も大切で、そのために彼の成長過程を丁寧に描くことがとても重要です。冴の存在や日本での出来事を軽視すると、きれいごとだけの物足りない話で終わってしまう懸念があります。

ところで、発表された声優キャストの中では、特に諏訪部順一、坂本真綾、悠木碧、花江夏樹の起用に拍手を送りたい。

諏訪部さんの主人公のピアノの師匠役は、イメージドンピシャ過ぎ。坂本さんの、芯の強い包容力ある主人公の母役もきっと嵌ることでしょう。

個人的に本作で一番好きなキャラは丸山誉子。彼女には、人間の弱さと強さ、幼稚と成熟を幅広く演じ分けられる声優が必要不可欠。そんな誉子を、幼女から可愛い女性、強い女性となんでもこいの演技の幅が広い悠木さんが演じてくれる。

以上3名のキャストだけでも声優評価は満点です。

花江さんと言えば、名作「四月は君の嘘」でピアニストの主人公、有馬公生を演じました。本作では、「君嘘」で言えば主人公のライバル、相座武士にあたる雨宮修平(高校生)を演じます。

「君嘘」を2014年冬からのリアルタイム放映を視聴したとき、ピアノに熱く青春を捧げるキャラたちに共通点を見出し、この映画版をすぐに思い出したのも今では懐かしい。

修平のキャラデザは、優男風メガネ男子。見た目で既に公生と被って見えます。さらに性格上も似てるキャラと思いますので、高校生篇になると、花江ボイスに「君嘘」との類似性の話題が飛び交うかもしれません。

いずれにせよ、主役の一ノ瀬 海(高校生)役の斉藤壮馬さんや
後半登場のパン・ウェイ役の中村悠一さんも含めどのキャストも繊細で深い演技が期待出来そうで非常に楽しみです。
{/netabare}

全24話 (分割2クール。2クール目の13話以降は2019年1月より)
※ 放送前のNHK番組表には全12話とありましたが、第1話終了後、全12話表記は削除。そしてHP公式の紹介文が改訂され、そこに話数が盛り込まれました。その改定前と後の2つの全文を以下に転記します。
{netabare}
(改定前) 森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った一ノ瀬海。
過酷な境遇にも負けず、師との運命的な出会いを経て、ショパン・コンクールで世界に挑む姿を描く感動の物語。

(改定後) 森に捨てられたピアノをおもちゃ代りにして育った主人公の一ノ瀬海が、かつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき、やがてショパン・コンクールで世界に挑む姿を全24話で描く、感動のストーリー。
{/netabare}
本作の原作(漫画)は、2年以上前に全26巻で完結済なので、旬とは言えないタイミングのTVアニメ化。個人的には、アニメにしてもらえただけでも有り難い作品と言えます。

<アニメーション制作:ガイナックススタジオ>

wikiによると、エヴァンゲリオンなどで有名なGAINAXの関連会社として2014年に設立された福島ガイナックスの、2016年に東京都内に設立したアニメスタジオ名。しかしGAINAXとは、2015年から資本関係が無くなっており、企業的な協力関係は残るものの、今ではGAINAXとは別経営の別会社なので誤解なきよう。

連続テレビアニメ作品の制作は、この「ピアノの森」が初めてらしい。
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<「ピアノの森」の魅力>
{netabare}
アニメ映画版がきっかけで原作を読んで、ピアノに興味なく習ったこともない自分が、生まれて初めてピアノって素晴らしいなと思えた作品。

アニメ化された漫画原作、クラシック音楽のピアニストの主人公の音楽もので既に観たことのあるものは「ピアノの森」(映画版)以外では「四月は君の嘘」「のだめカンタービレ」が頭に浮かぶ。

音楽は時に、人の一生を180度変えることがある。

そんな音楽の素晴らしさと、音楽が与えてくれた奇跡をストレートに雑味なく描かれている「ピアノの森」が一番好き。

「ピアノの森」には、調味料として、悲劇は小さじ少々、恋愛はほんのひとつまみ程度含まれている。その隠し味が、絶妙な風味を醸し出す。

この物語を原作で最初から最後まで味わえば、音楽って素晴らしい、音楽は偉大だ、音楽は神様だ、音楽抜きの人生なんてあり得ない、音楽は人生を豊かにする...

人により言葉は違えど、そんなポジティブな感想を持つのが自然じゃないだろうか。

音楽に限らず、きっと何かに打ち込みたくなるだろう。

このTVシリーズもそんな作品になって欲しい。
{/netabare}
<物語の主人公>
{netabare}
海(カイ)は、まっすぐで性格の明るい若き天才。男だが、色白で綺麗な容姿でよく美少女に間違われる。彼自身の成長と共に、作中で出会う多くの人に大きな影響を与え、最高のライバル、希望、目標、ヒーローのいずれかに当て嵌まる存在になっていく。

主人公は一人だけではない。

本作は、ピアニスト以外も含め、魅力あるキャラクターたちがいっぱい。登場するピアニストたちは、純粋でストイック。地獄に落とされるような挫折やどん底の幼少期を体験した者もいる。

中でもコンクールの優勝を目指す者は、一人一人が胸の内に
苦しみ、悲しみ、悩み、葛藤、焦燥、嫉妬など様々な想いを抱きながらも、夢や希望のために、ひたすら音楽に身を捧げる求道者ばかり。この作品に出てくる皆、他人の足を引っ張るような愚かなことはしない。自分自身とライバルとの真っ向勝負に命を燃やす。

そんなキャラクターたちがポーランドで邂逅。その群像劇は最高のスパイスとなり物語に彩りと深みを与える。
{/netabare}
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<各話レビュー>

小学生篇では、2007年の映画版(日本テレビ他制作 小島正幸監督作)との比較もしたいと思います。
(酷評あり。本作を素直に楽しめてる方は閲覧要注意)

以下、NHK総合にて月曜(日曜深夜)放送
0:10 - 0:35 近畿地方を除く日本全域
0:50 - 1:15 近畿広域圏

(以下、各話を~篇で分類したのは公式のものでなく、独自な解釈の便宜上のものです)
◎ 小学生篇
★ #01:「選ばれた手」(2018.4.9放送)
{netabare}
原作第1巻から第2巻半ば(第1話-第12話)までの内容。

<主人公カイと修平の出会いと、カイとピアノ師匠との繋がりの始まり>
今回の最後で使われた、サブタイトル関連の「この手は選ばれた手だ」という台詞は、映画版では28分/100分にも出てくるが、キャストの演技の個性が全く違うので聴き比べると面白い。

映画版の作画に馴染んでしまったせいで、TV版が見劣りしてしまいます。出来ることなら京アニか、CGのレベルが高いufotableあたりで制作してもらいたかったです。

製作予算を、メインイベントのショパンコンクールの音楽と演奏シーンなど、華麗なステージ再現に注ぎ、それ以外の小学校時代などは、エコノミーな作画でお茶を濁すつもりでしょうか。

背景は問題ないが、フル3DCGのピアノ演奏シーンと普段のキャラクターの作画のギャップが大きすぎる。

普段はのっぺりした子供向けアニメキャラっぽくCGになるとゲームのアバターのように見える。動きも、ぬるぬるとガクガクの違いが極端で気持ち悪い。

また最後の方、月明かりの下、夜の森でピアノを弾くシーン。
いかにもCGな作画に変わって、カイの指使いが映し出されると、カイの指が軟体の宇宙人の指に見えてしまった。

冒頭以外は、映画版より原作に近い形でのスタート。キャラクターデザインも原作準拠のもの。

初回で既に、掛け足でコンクール篇になってしまう予感。

<映画との違い その1>

映画では、今回の話に該当する部分は、色々とアレンジされており原作とは違うシーンが多い。冒頭は、修平が母親と共に車で引越し先へと向かうシーンから始まります。全体的に、阿字野先生と修平の内面をしっかりフォーカス。キャラデザも顔の輪郭がすっきりしており原作よりスマート。

また、原作に拘らない映画の方が、カイと修平の人間関係の親密度が増す様が自然に感じられます。カイは、映画の方がいじめには決して屈しない、メソメソしない人間的逞しさがあって好感度が高い。

音楽面では、特にピアノ演奏に関して、冒頭は素晴らしかったがそれ以外で、映画版のウラディーミル・アシュケナージ(20世紀後半を代表するピアニスト)が演奏した、ゆったりと余韻たっぷりな、幻想的な格調高さが染み付いてしまってるので物足りなさが残りました。TV版の方が原作に忠実。好みだけの問題です。

<1話総評>

色々と不満も書きましたが上を見ればきりがありません。今回は、原作ファンの自分としては100点満点なら70点の満足度でした。

映画版でもそうでしたが、さすがにTV版でも原作でキンピラが使った「淫売」という言葉は避け、カイの母親初登場時の、百聞は一見に如かず(何のことかは察して下さい)シーンは丸々カット。

原作は他にも、森の端がいかに酷い所か分かる、年齢制限付きOVAにでもしなければ描けないような場面があります。興味があったらぜひ読んでみてください。
{/netabare}
★ #02:「ショパンを弾くために」(2018.4.16放送)
{netabare}
原作第2巻半ばから第4巻半ば(第13話-第28話)までの内容。
映画版では経過時間28-60分のシーンに相当。

<カイ、ピアニストへの旅立ち>

カイは、ショパン『小犬のワルツ』との出会いがきっかけで全日本ピアノコンクール地区予選に不本意ながら出場することになってしまう。

課題曲は、モーツァルト『ピアノソナタ ヘ長調 K.280』

カイと修平はこの時点から完全なライバルとなった。

<映画との違い その2>

原作通りなら、カイと修平は一旦、友人関係が決裂、そしてライバル関係としての再構築の流れが、今回の話に盛り込まれます。TV版は、その点で非常に物足りません。

以下は、TV版ではカット。

映画では原作通り、キンピラとカイが再び喧嘩するシーンが描かれる。そこに「この手はもう、喧嘩なんかする手じゃないんだよ」と必死にカイの腕を掴み、喧嘩を止めようとする修平。余計なお世話と、ピアニストとして心配する修平の気持ちを全く汲み取れないカイ。そこで生まれた不協和音で修平は、カイを忘れようと必死に練習に打ち込む。

そんなドラマがあればこそ生きる最後の二人の真剣勝負の約束でしょう。このシーンは外してほしくなかったですね。

また、ピアノレッスンの見返りに関する阿字野とカイの取引は、映画の方が原作に近く丁寧。そのため、主導権をがっちり確保した、やり手の先生感が映画の方が良く出ています。

TV版では「森の端」の描写が、ごっそり消滅。森の端は、そこを牛耳る裏社会の人間達が、住人をそこに一生縛り付けようとする厄介な場所。カイと母親の会話から、それを伝える努力は認めますが、そんな森の端のエピソードが、あまりにもなさ過ぎて説得力が弱い。

原作を知らないと、TV版のカイは、ただの貧乏な境遇に見えてしまうかもしれません。

一方映画では、原作の持つ生々しさは最小限に抑え、短いながらもカイが手伝う店内の様子や、修平がカイを訪ねた時のトラブルを描いてくれた。そのおかげで、森の端という地域の問題点をある程度は伝えてくれました。

<手描き作画について>

唯一の救いは背景の綺麗さ。普段、全体での統一感さえ、ある程度維持していれば、多少の作画崩れはそんなに気にしません。しかし今回は1話以上に、キャラクターの作画に一貫性が無く統一感のないものでした。

その他のキャラはそんなに気にならないのですが、阿字野先生の顔つきの、別人のような変化が見苦しい。ナイスミドルになったり、冴えないおじさんになったり、時には左右の目の高さが変わったり、額が広く顔長になったり…

映像から露骨に滲み出てくる原画担当の個々の技量の差が気になって話に浸りきれません。

<蛇足>
(※ 以下は、あくまでも個人の邪推と偏見です。現場を見てきたわけではないので勝手な妄想の戯言と思って下さい)

今回で、本作の演奏シーンのCGと止め画のOP&EDは、アニメーターの実力不足をごまかすために採用された気がします。

手描きとCG双方が、相手を尊重して歩み寄る姿勢を感じられません。演奏シーンのCGの不自然さは1話と同様。カイがピアノを弾き始めCGに切り替わった途端、別次元の住人に変身。手のCG感も相変わらず。自然な手先に見せる加工も工夫もなく雑です。せめて髪の毛の質感だけでも何とかならないものでしょうか。

CGになると、カイの髪の毛が人間のものから鳥の羽の質感に変化するので違和感が非常に大きい。さらに演奏中も手描きとCGが切り替わり、手描き班とCG班の統制が全く取れていない映像に酔いそうになりました。

監督の中谷学氏は、アメリカでCGアニメの現場で叩き上げられた実力者であっても、ドリームワークスの劇場アニメでの、ライターとCGスーパーバイザーとしてのキャリアのみ。

様々な部署を統制しなければならない日本のTVアニメ監督は初体験なはず。手画きの多い日本のアニメの、過酷な制作現場で下から叩き上げられた方ではないよう。特にCGとは畑違いゆえ、手画きスタッフに対して、発言力が弱くなってるかもしれません。プロデューサーの無茶振り人事もいいところです。

また気になるのは、日本人以外の、自己主張の激しい国民性を持つ2か国のスタッフが大勢いること。

半島系(原画6名中4名、動画4名中2名、作画監督2名全員、美術5名全員)、大陸系(CG制作20名中8名、CG美術2名全員)とエンドロールで一目瞭然の参加比率。

手画きとCGで、2カ国真っ二つに分裂。これでは、手画きとCGが調和するのは絶対不可能な気がします。管理する日本人スタッフは、納期に間に合わせるため多くの問題に目を瞑らざるを得ないのかもしれません。監督と総作画監督の苦労が偲ばれます。

以上、完成映像から、制作現場での余計な人間ドラマを想像してしまいました。

モーションキャプチャでの見応えあるピアノ演奏に拘るなら
いっそのこと全作画を3DCGにして、キャラクターも、原作から離れたとしても、CGとの調和を優先したデザインがいいと思います。その点、かつての映画のキャラデザの方がよほどCGと調和しやすそうです。

<2話までの総評>

個人的には、2話単独の満足度は60点。大筋のまとめ方としては無難とは思います。原作未読者にとってはこれでも十分かもしれません。

2話まで観て、物語の評価は、5.0(原作基準)→4.0、作画を3.0→2.5に下げました。

原作にある以下のポイントが、映画版ほど十分に描けていないのがその理由です。

・カイの育った境遇の悲惨さ。
・学校でのいじめや大人からの虐待に、勇猛果敢に立ち向かう野生児カイの魅力。
・阿字野先生が、カイと出会うことで生まれた人生の迷いと葛藤。
・修平の、カイを知れば知るほど増幅する苦悩、葛藤、焦燥。

とは言え、次回からの原作上のエピソードが大好きで期待してます。一番好きなキャラも初登場しそうで楽しみです。
{/netabare}
★ #03:「モーツァルトの遺言」(2018.4.23放送)
{netabare}
原作第4巻半ばから第5巻途中(第28話-第35話序盤)までの内容。映画版ではおおよそ経過時間60-76分のシーンに相当。

<誉子、人生を変える出会いを体験する>

カイは阿字野に指導を乞い、修平との誓い通り、万全の準備でピアノコンクール地区予選に出場することなった。

予選当日、参加者の一人の丸山誉子は、会場の控室でカイと出会う。彼女は極度のあがり症で、いつも本番で実力を発揮しきれない。成り行きで、カイはそんな誉子を励ますことになった。修平は、コンクール本番のパーフェクトな演奏で確かな手応えを得る。果たして誉子は、そしてカイは…。

<映画との違い その3>

今回もTVは原作を尊重してるが、それが必ずしもいいとは限りない。

今回のエピソードは、映画では16分でまとめていた内容を、TVでは約22分でまとめていました。プラス6分の余裕で一層濃いものになりそうなものなのに、結果的には単なる原作のダイジェストになってる気がします。

それは脚本の問題で、キャラクターの心情と言動の描写に繊細さが欠落しており、すべてが上っ面な感じがする。それに加え、作画の拘りの不足がもたらした結果と思われます。

・TVでは、映画では登場しなかった修平の父、
雨宮洋一郎が原作通りコンクール会場に登場。

・TVでは、阿字野の模範演奏カセットテープ(原作準拠)をCD-Rに変更。

現代に沿うよう改変したかに見えて、作画の難易度を下げる意図が見え隠れ。映画では、テープを本体から引っ張り出し、カイに二度と聴かせないようにするシーンまであり、手間暇かけてたのに少々残念。

阿字野の調律シーンも、阿字野の手元を全く描かず。ピアノの内部構造も遠景で誤魔化し、チューニングハンマーも描かず清々しいほどエコノミー。

・モーツァルトの幻影の映画以上な大幅な簡略化。
今回の見どころだったモーツァルトの幻影を簡略すると
サブタイトル詐欺と言われても仕方ないような…。

エコノミー作画の影響をここでも感じる。オバケのモーツァルトが、おまけのモーツァルトになってました。

映画では、短いながらも最高のアレンジが加えられ、一人から日に日に増えて、大小男女合わせて11人で、カイの後ろをぞろぞろ付いてくシーンが可笑しかった。様々な声優で「楽譜を返して」と、カイに語りかけるのもまた愉快でした。

・TVでの、カイが服を汚され、それをガソリンスタンドで水洗いするシーンは原作にあったが映画には無かった。このシーンは、もっと丁寧に描かないと中途半端。原作通り、カイと母との仲睦まじい姿に感じ入る阿字野の心のモノローグを入れるべきです。そうすれば、このシーンは非常に生きたと思います。

<3話までの総評>

3話単独の評価は55点。

上記不満点に加え、誉子に振り回される、表情豊かなカイが描き切れてないのも不満です。声優、白石涼子さんの荒っぽい声質のせいもあり、カイが偉そうで可愛げがありません。映画では誉子に抱きつかれた時の、困ったような、照れたような
カイの表情と仕草に子供らしい可愛さがあって好きでした。

映画でのCVも、女優の上戸彩さんの繊細な演技が意外なほどに嵌っていた。そして、穏やかさと力強さを併せ持つカイの優しい人間性もよく出ていました。

TVでの小学生のカイを演じる白石さんは、プロらしい上手さがあるけど、子供向けアニメによく見られる、画一的で繊細さが足りないテンプレ演技でつまらない。これは彼女の演技力が問題というより、脚本と演出の問題だと思います。

以上、次回以降の描き方に期待して、物語の評価は保留にしますが、その代わり、声優の評価を5.0(事前発表のメインキャスト基準)→4.0に下げます。

また、作画は手抜きがさらに増量した感があり、今回で2.5→2.0に下げます。

作画班は、日本人スタッフが相変わらず少数派。作画の大雑把感が大きいのは、そこにも問題がありそう。ガイナックススタジオの少数派の日本人スタッフは多くのアジアの異人に囲まれ気苦労が絶えなさそうです。
{/netabare}
★ #04:「一番のピアノ」(2018.4.30放送)
{netabare}
原作第5巻途中から第5巻末(第35話続き-第40話)までの内容。
映画版では経過時間76-89分のシーンに相当。
(今回は、構成の違いのため今までのように単純に切り取れませんでした。89分とは単なる目安です)

<誉子、ピアニストとして脱皮する>
<カイ、多くの観衆の前でピアノを演奏する悦びを知る>

楽譜通り、模範演奏、という呪縛を解き放った二人のピアノは観衆に大きな感動を与えた。修平と誉子はコンクール予選に合格した。カイは減点方式の審査基準により予選落ち。しかし、心に深く響くカイの規格外な演奏に、修平は音楽上の大きな敗北感を味わう。

カイと修平、世界に向けてのそれぞれの第一歩が始まった。

<映画との違い その4(終)>

映画の89-96分(96-100分はエンドロール)に相当するシーンは
次回に入ると思われますが、今回で比較を終了します。

今回の内容も、原作に拘らない映画と原作準拠のTVは、大まかな流れは同じでも細かい所でかなり違います。

一番分かりやすいシーンだけあげると、審査員の選考会議シーン。TVは原作通り存在しましたが、映画では丸々カットされました。TVでの選考シーンは今後の伏線として重要なものでしょう。

映画は、今回のコンクール予選の顛末迄で話を終える必要がありました。そのためこのカットで、審査員の中で、今後のカイや誉子の関係者となる人物の存在感を無くしても問題ない。
尺としても、ラストに向けた予選後のシーンを優先したのでしょう。

原作第6巻第41話迄の内容で終了した映画。一つの区切りで終わっても非常に感動的でした。映画は、カイの住む町から車で去っていく修平のモノローグで終了。原作にはないシーンですが、その余韻はとてもいいものです。

<4話までの総評>

やはり本作の作画は自分にとって受け入れがたく、粗ばかり見えてしまいます。背景はとてもいいのに残念です。

一番の理由は、無意識に映画と比べてしまい要求水準が上がってるからでしょう。次回以降は、映画では存在しないエピソードに入っていきますので、なるべく大らかになりたいと思います。ただ、手描きとCGの整合性の無さだけは、ずっと気になりそうです。

ところで、今回の手描き班は、背景は別として日本人しかクレジットされてませんでした。スタッフの増員がされたわけではないので原画3人、動画2人に激減。個々の負担がヤバそうです。

手描きで今回特に印象に残ったのは、21分31秒あたりから数秒、誉子は予選突破に歓喜してる途中で口が閉じられましたが声は続いてます。台詞と作画があってません。

「誉子、君はいっこく堂か」、と…。

また23分05秒あたり、会場外に出て雨空を見上げるカイは、
キャラデザそのものが変わったかのようでした。

今回は、一度視聴した後でCDドラマのつもりで試しに音声のみで鑑賞してみました。そのほうが、普通に話に入っていけます。音声のみの方が、脚本が良く出来てると思えます。ピアノ演奏も一層楽しめます。劇伴の優秀さも実感できます。キャストで、前回気になった白石さんの声質も今回は全く気になりません。

以上、4話単独の満足度は、映像込みだと65点。映像抜きなら90点。

映像抜きで初めて本作の音楽の良さが伝わりました。
今回、音楽評価のみ修正して3.0→4.0にします。

なんとも皮肉な話ですが、少なくとも4話までは、自分にとって映像が邪魔なアニメだったと言えそうです。そのうち、もう一度1話から3話まで、音声のみで鑑賞してみたくなりました。物語の印象が全然変わりそうです。
{/netabare}
★ #05:「コンクールの神様」(2018.5.7放送)
{netabare}
原作第5巻末から第6巻半ば過ぎ(第40話続き-第47話)までの内容。

<カイ、阿字野との約束を果たして森のピアノに戻ろうとする>

阿字野はカイを世界に羽ばたかせようとカイと母レイを説得。森のピアノさえあればいいとカイはそれを辞退。しかし森のピアノは、まるでカイを拒絶してるかのように音が出なくなった。ピアノが弾けない欲求不満が日々溜まる。観衆の前で演奏する快感も忘れられない。

カイは、今なすべきことを見出せず一人悶々となった。

<修平、阿字野から貴重なアドバイスを貰う>

修平は、コンクール後まもなく東京に転校してカイから離れていった。カイと共に過ごしたのはわずか3か月間。

阿字野の別れ際の修平へのアドバイス。「君はもっと自分のピアノを好きになった方がいい。そうすればきっと解る。誰かと比べる必要なんてないんだ。」

それは、誉子はクリアできたテーマ。しかし修平にとってはそれをクリアするのはまだ先になりそうだった。

<誉子、迷いなく音楽家への道へ>

カイの演奏に恋した誉子。”便所姫”の称号をカイから授けられピアノ界の勇者の道を選ぶ。それは、コンクールの勝ち負けより、自身が納得できる、カイのような音楽性豊かなピアニストを目指すこと。そして、今回のコンクール本選で審査員特別奨励賞を受賞することで自信を得た。

<5話の感想>

ほぼ原作通りの話の進め方でした。

今回の一番の見せ場は、誉子のコンクール本選シーン。誉子役の悠木さんの演技がさすがです。ピアノ演奏もとても良かった。その点だけでも今回は80点の満足度。

カイの理解者で協力者でもある亜理沙が、今回ようやく登場。本来は2話から登場させて、原作のようにカイとの人間関係を丁寧に描いた方がいいと思います。アニメでは、「森の端」の存在を曖昧にさせる都合上、致し方ないのでしょう。

今回は、動画のぎこちなさもあまり気にならなく、前回よりは安定した作画のように感じました。原画スタッフを、日本人で統一して増員(前回+9人)させたためか、制作陣のゆとりが作画に滲み出ていたように感じられます。キャラが柔らかく、人間的温かみが増した気がしました。

また今迄と打って変わって、CGを極力排除していたのも好印象です。これからも違和感あるCG作画でピアノ演奏の滑らかな技巧描写よりも、多少誤魔化してでも全体の作画の調和を重視してもらいたい。

審査員の佐賀先生は、顔の作画に笑える所も若干ありましたが、話の上では、今回一番かっこいい役でしたね。
{/netabare}
★ #06:「森のピアノ」(2018.5.14放送)
{netabare}
原作第6巻半ば過ぎから第7巻末(第48話-第58話)までの内容。

<カイ、森のピアノから卒業する>

既にカイですら音が出なくった森のピアノは落雷で焼失した。
心の拠り所を無くし、自らの進退をどうするか決めあぐねていたカイ。そんなとき、偶然街中で出会えた楽器店のアクリル樹脂製の透明なピアノ。多くのギャラリーに囲まれた久しぶりの演奏で涙が止まらくなった。

そしてカイは悟る。「そうなんだ。ピアノは俺の生命(いのち)なんだ。」と。

カイはプロを目指し、阿字野に師事することになった。

<6話の感想>

今回の一番の見せ場は、透明なピアノでのカイの初めての他者との共演シーン。原作では味わえない実際の音楽はとても魅力的でした。

今回は原作のおおよそ1.2巻分を1話に詰め込みましたが、ポイントを外さない上手いまとめ方だったと思います。

しかし、作画が相変わらずチープなのは大きなマイナス要素。
原作既読で話は熟知しているので、作画と音楽の出来が作品の評価に大きく影響してしまいます。なるべく気にしないように心がけてもやはり気になる。

全体的に、作画は前回より不安定になった印象でした。特に気になったのは、透明のピアノ本体の作画は頑張ってたのと対照的に、ヴァイオリンなどの弦楽器の作画が雑過ぎ。ヘッドやネックは長いし、指板は広すぎるし、もう笑っちゃうレベル。

今回、カイの演奏時のCGは手先と上半身の一部のみ。頭部は手描きのみにしてましたが、このほうがまだいいですね。

以上で、今回は75点の満足度。

今回の原画チームは半島系外国人のみ。前回は日本人のみと、回毎のチーム分けが明確になってきた印象。日本人との混成は、出来るだけ避ける方向にしたのでしょうか。
{/netabare}
◎ 高校生(日本)篇
★ #07:「再会」(2018.5.21放送)
{netabare}
原作第8巻(第59話)から第9巻(第71話)までの内容。

<カイと修平、16歳>

カイは、日本の一流進学高校の特待生。母親から離れ一人暮らし。学業と、修業を兼ねたピアノ演奏のアルバイトの日常へ。

修平は、カイと別れてすぐに海外留学。5年後、スランプでピアノが弾けなくなる。そして、カイに再会するために一時帰国。それはカイの圧倒的な才能から逃げることを止めるためだった。

<7話の感想>

カイをライバル視する修平。彼は恵まれた境遇なのに真面目すぎ。凝り固まった性格で、ある意味不自由。

対して、修平をピアニストとして尊敬するカイ。彼は自活し、学業と生活で手一杯。しかし、経済的豊かさからはほど遠くても、よき師とよき理解者に恵まれ、伸びやかにピアノの道を歩み続け、ある意味自由。

お互い正反対ゆえ、5年経っても親友同士になりきれない二人。修平さえ変われば、ピアノで結ばれた親友以上の真友になれるのに...。

今の修平は、カイから与えられるばかり。カイに与えるものができるのはまだ先になりそう。カイは素直で年齢以上の人格者なので、これからの修平の成長物語に期待です。

修平が16歳になって、中の人が花江さんに代わり、君嘘の有馬公生14歳の2年後のようでした。

今回は、原作の話のまとめ方としては好印象なものの、作画について、カイの、リスト「ラ・カンパネラ」の演奏シーンで
カイの全身CGと手描きの修平が、一部同一フレームに収まってました。これは違和感ありまくりでドン引き。CGと手描きの融合の難しさを感じます。

音楽は、良く配慮されており今回も素晴らしい。特に今回は、「ヤツらに捧げるバラード」にメロディがついてうれしかった。

以上で、今回はトータル70点の満足度。今回で音楽評価を4.0→4.5に、作画評価を2.0→1.5に修正します。

次回は、原作の大幅な簡略化がありそうで不安です。
{/netabare}
★ #08:「挑戦状」(2018.5.28放送)
{netabare}
原作第10巻(第83話に87話を一部合成),第11巻(第89話)から第12巻(第100話)までの内容。
(※ 第9巻(第72話)-第10巻(第82話),第11巻(第84-88話)はカット)

<カイと誉子の再会。そしてマエストロとの出会い>

カイは、阿字野の指示通りアルバイトをすべて辞め、5年ぶりにコンクールに出場。それは遠方の九州大分での「JAPAN ソリストコンクール in 別府」だった。

誉子は師事するピアノの司馬先生に導かれるまま飛行機に搭乗。始めは訳も分からず、急遽会場に出向きそれを観覧することになった。5年間、逢いたくても逢えなかったカイと思いがけずそこで再会。

コンクールでソリスト賞を得たカイは、日本の一流オーケストラと共演。それは、阿字野の手配によるジャン・ジャック・セローという超一流のマエストロとの出会いの場でもあった。

ジャンのショパン・コンクールの推薦状を貰え、いよいよカイは世界に飛び出す時がきたようだ。

<8話の感想>
一気に3巻分を駆け抜けた今回は、原作ファンの多くに不評を買ったのではないでしょうか。

以下、原作のネタバレあり
{netabare}
カイの恋人の岸上 冴(キシガミ サエ)は、アニメではいないことにされました。それは、原作の第72-82話のエピソードをカットすることでキャラも自然消滅。事前のサエのキャスト発表もなかったので予想通りでしたが残念。

サエは母親と離れた孤独なカイの心を埋めてくれる存在。彼女の存在は、カイの心の支えの身近な家族として重要なキャラと思います。出来れば彼女も描いて欲しかった。

サエは才能豊かな18歳の彫物師。未成年でも自立した努力家。アパート一人暮らし。軽自動車も持ってます。気立ても良く、技術もセンスも評判高く刺青のオファーは絶えません。そんな忙しい彼女ですが、マリアのピアノの大ファン。どんなに忙しくても、クラブに日曜の夜の週一で通い続けるほど。

ある日のクラブ閉店後、サエはマリアが女装の男性カイと知らぬまま一緒に飲みに行き、酔っぱらったカイはサエのアパートに泊まることに。そして、酔った勢いのカイに押し倒され男女の仲になります。そんな二人が初めて結ばれるシーンは良かった。カイもごく普通の若者なんだと伝わる微笑ましいシーンでした。

当初、カイと恋愛関係になることにまんざらでもないサエ。その後、カイが2つも年下の高校生であったことを知ってショックを受けたり…。クラブの女の子たちの嫉妬から、遊び相手のつもりで抱いたと誤解させられたり…。

そんな紆余曲折を経て、最終的にはカイの真剣な愛の想いを受け止めカイの家で同棲するようになります。そして家族の一員として、阿字野やカイの理解者たち公認のかけがいのないパートナーになりました。

またそれは、誉子とカイは恋愛関係に決してしないという、原作者からの読者へのメッセージとも受け取れました。

NHKでなくても地上波のテレビアニメでは、未成年の同棲(しかも片方は高校生)と飲酒を描くのは、倫理上ハードルが高いと思われます。

サエは、あくまでカイのプライベートな存在でピアノとは無関係。この先のメインイベントのショパコンにおいて、存在しなくても問題ないキャラでしょう。

以上から、サエのエピソードの全カットは諦めがつきます。
しかし今回、一番納得できないのは以下です。

<誉子の5年間の想いの描き方が不十分>

誉子の腱鞘炎をめぐるエピソードまで全カットされました。
原作上、本作で個人的に誉子が一番好きなキャラ。そうなったのは、今回カットの原作第84-88話のエピソードがあればこそ。

アニメでは、大分に向かう機上の誉子の回想で、彼女の5年間の出来事のほんの僅かな部分は描かれます。しかし彼女のピアニスト人生の挫折に繋がりかねない試練は全く描かれず。

誉子は5年前の、たった5分だけのカイのピアノ演奏でピアノに対する価値観が180度変えられた。以来、完璧よりも感動優先。プレーヤーからアーティストへの脱皮。5年間、勝ち負けに拘らない個性豊かなピアニストであり続ける。

そして、カイのピアノに恋焦がれ再び彼と出逢うためだけにコンクール荒しを続けてきた。優勝が目的ではない彼女が得られたのは特別奨励賞の類ばかり。そして誉子は、人の何倍ものピアノへの努力が仇で腱鞘炎になりました。

コンクールが唯一のカイとの再会の場と信じ込んだ誉子。腱鞘炎が周りにバレてもなかなかコンクールへの執着から離れられない。

しかし彼女の執着は、カイの5年ぶりの演奏に逢えたことで一瞬で氷解。そして改めてカイのようなピアニストになるべく心機一転、ようやくコンクールから一時離れ、手の治療を最優先することに。

そんな彼女のエピソードは、カイと誉子のドラマにおいて最重要。尺の問題とは言え、そこを描かないシリーズ構成には失望です。そこを端折ると、今回の誉子の涙も安っぽく見えてしまう。原作では大感動でしたが、アニメでは全く感動できません。

また、誉子の5年間の想いを丁寧に描くことは、カイの才能に信憑性を与えてくれる意味においても重要でしょう。

<原作での隠れたヒーローは、アニメでは消えたヒーローへ>

また、佐賀先生絡みの描写の大幅カットも大きなマイナス。
原作にある佐賀先生の、有能さとユーモラスで人間味の豊かさが共存した魅力あるキャラ像が、今回の描き方では十分に構築できませんでした。佐賀先生も、誉子の手の故障を最初に発見する者として重要な役。実は、佐賀先生抜きでは語れぬ誉子の復活劇が原作ではあったのです。

ついでに書かせてもらうと、第9巻の71話と72話の間に位置する番外編もアニメで観たい。誉子留守中の彼女の家に、偶然カイが調律師として派遣され、誉子とは逢えずとも愛犬ウエンディと逢うエピソード。これは最高でした。
{/netabare}
今回はダイジェストとしても残念な点が多い。人間ドラマを軽んじている印象で、今迄で一番がっかりです。悩み多きが青春時代。きれいごとばかりではないのです。せめて、今回の内容は最低でも3回に分けて丁寧に描いてもらいたかった。その内1回は誉子に焦点を絞り、カイがほとんど出てこない内容で。

ゆえに今回はトータル30点の満足度。
音楽の素晴らしさを考慮すれば40点。

物語評価を4.0→2.5に、キャラの描くべき原作上のポイントを外してるためキャラ評価を5.0(原作基準)→3.0に大幅修正します。

非常に残念です。
{/netabare}
◎ ショパン・コンクール(ポーランド ワルシャワ)篇
★ #09:「ワルシャワの胎動」(2018.6.4放送)
{netabare}
原作第12巻(第102話)から第13巻(第111話)までの内容。
但し、第13巻(第107-110話)はカット。

<カイ、ポーランドへ。そして新たな友との出逢い>
阿字野はまだ日本にいて、カイ一人渡欧してワルシャワへ到着。話し相手もない孤独な状況のカイは、ショパン・コンクールの予備予選に参加した。

修平は、楽勝で予選通過。カイは思わぬプレッシャーでかろうじての予選通過。カイは修平との再会を喜び、素直に修平の技量を褒めたたえたが、敵愾心丸出しの修平は、カイを拒絶。カイの孤独感を煽る。

一方、同じ予選参加者の日本人、平田光生(こうせい)。
彼は、カイや修平と同学年。ワルシャワに5年留学中。

予選会場で出逢った初対面のカイに気軽に話しかける光生。
同年代のうざいけど気のいい彼。彼は予選には落選。その結果、カイとはライバルにはなり得ず。その代わり、気楽に話せる初めてのカイのピアノ仲間になった。現状のワルシャワでは、親しい友人がいないカイにとって貴重な存在になりそうな予感。

<重要な伏線を描かず。この物語は何を結末にするつもりなのか?>

原作の第107-110話は結末に向けての重要な描写。アニメではそれを省きました。これは大いに不安。このままでは、原作で一番感動したポイントが、とって付けたような感じで終わってしまうかも。もしくは、そのポイント自体省かれる可能性もあります。それは、この作品の魅力を半減するほどの省略となるでしょう。

今回の満足度は音楽込みで40点。最早この時点で、私にとってこのアニメは音楽だけを楽しむために観続けているようなものです。

それにしても光生ってキャラ名。「君嘘」の主人公、公生の名前と読みが一緒とは…。君嘘は、2011年から発表されました。
当時、ピアノの森の単行本は少なくても19巻まで出版済。連載前のリサーチで本作を参考にした可能性が非常に高いですね。

今回も相変わらずの作画のトータルバランスの悪さに閉口。
特に今回は、CGと手描きの不自然な融合に加え、背景の、歴史の重みが滲み出る欧州の格調高い街並みやホールの綺麗な画と人物の、原作準拠に拘った庶民漫画風の拙い画を強引にミックスした動画にものすごい不協和音を感じました。これはもはやギャグ。真面目な話には合いません。
{/netabare}
★ #10:「ショパン・コンクール」(2018.6.11放送)
{netabare}
原作第13巻の第112-117話、第14巻の第124話の内容。

<コンクール第一次審査スタート>

フランス人、ソフィ・オルメッソン
中国人、パン・ウェイ
ポーランド人、カロル・アダムスキ

次々と登場する様々な国のコンテスタントたち。予備予選をクリアした彼ら第一次予選参加者は一人45分の持ち時間の中でショパンの名曲を自由に選び演奏して競い合う。ソフィやパンの魂のこもった演奏を聴き様々な思いを抱くカイや修平だった。

<10話の感想>

今回の満足度は20点。今回で物語評価を2.5→2.0、作画は1.5→1.0に更新。

今回のカットは、第13巻の第118話と第14巻の第119-123話。

修平とカイの人間関係に関わる部分以外は、基本バッサリカット。特に、コンクール会場以外でのカイと地元の人々との交流を省略したのが今回の一番の不満点です。

具体的には、カイがポーランド滞在中のアルバイトでの出来事。とある酒場でのエピソードでした。マエストロのジャンもカイを支える者として魅力的に描かれます。これを描かないとカイの人望、魅力が十分に伝わってきません。さらに光生がピエロのように描かれる部分もあり、ちょっと和む話だったのに…。

このように、カイと彼の身近な人々を丁寧に描かない点が致命的。そのため、阿字野をはじめとする人々の存在感が希薄でつまらないです。

手描きとCGを無節操に混ぜ込んだピアノ演奏シーン。止め画とぬるぬるCGの不自然な融合。特に、ソフィ(手描き)とパン(CG)の演奏シーンに大きな格差を生みました。これは非常に不快。素直に音楽を楽しめません。

CGに拘るならフルCGが無理でも、せめてピアニスト全員の演奏はCGで描画すべき。

さらに人物の作画乱れも一層酷くなりました。おかげで話も音楽も素直に楽しめず、せっかくの予算潤沢?のピアニストたちのピアノ音源も台無し。

総じて、原作は音楽が従で人間が主だったのに対して、アニメでは、それが逆転しまった印象でした。

今回、唯一いいなと思えたのは、パン ウェイ役の中村悠一さんの声。クールな役は実に嵌ります。さすがお兄様な存在感でした。

さて次週は放送はお休みで、次回は再来週。そしてNHKは結局12話で一区切りして、残りの12話は仕切り直して放送する様子。

13話以降をいつ放送するのか不明。思った以上に期待外れだった本作の詳細なレビュー投稿は、13話以降は止めるでことにします。
{/netabare}
★ #11:「ポーランドの新星」(2018.6.25放送)
{netabare}
原作第14巻の第125-129話、第15巻の第132-134話の内容。
第130,131話はカット。
[レフとカイの初対面シーンは第118話,第129話よりアレンジして簡略化]

<修平、さらなる闇の世界へ>

カイにコンテストで勝つことが、自信を回復するための唯一の手段と信じる修平。一次予選の演奏は大成功と思えたものの、その凝り固まった考え方で神経過敏になってしまった。

一方、自分に勝つことを信条として、他者をライバル視することと無縁のカイ。他者の優れた演奏は、自分と比べることもなく素直に称賛する。そんなカイは、息抜きに訪れたワルシャワの広大な公園で自分と波長が合いそうなコンテスタントの一人と遭遇する。

<11話の感想>

今回の満足度は30点。
(話としては50点ですが、作画で-20点。)

もう1次審査最終日。原作未読者にとっては、全く気にならなく普通に面白いかもしれませんが、自分には今回も、なかなかのスカスカな展開でした。

<今回までの話の流れで、原作で出てきたコンテスタントたち>

韓国の双子は、台詞無しでちらりと登場してましたが、豪快な魅力があったアレグラ・グラナドス(アルゼンチン)は、全く出なかった。他にもアメリカのダニエル・ハントも未登場。

アレグラはピアニストというより、ワンダーウーマンのようなパワフル系の濃いキャラ。このキャラを省くのはもったいない。せめて彼女だけでも登場させて欲しかった気がします。

そしてアニメでも、重要なキャラとして今回初登場は、ポーランドのレフ・シマノフスキ。一見人当たりのよさげなレフ。しかし彼も修平のような闇がありそう。

修平もレフもCG作画で演奏をアピールしてました。今の所、CG作画を用意されてるピアニストは、カイ、修平、パン、レフのみ。少なくてもこの四人は、コンクール篇でのエピソード上、欠かせないキャラと言えそうです。
{/netabare}
★ #12:「fff(フォルティッシッシモ)」(2018.7.2放送)
{netabare}
原作第15巻の第135-138話、第16巻の第139-142話の内容。

<カイ、オンステージ>

1次審査最終日、レフの次の出番はカイだった。カイは、予備予選の時とは打って変わって萎縮することなく、自由に伸び伸びと自分のピアノの世界を観客に伝える。それは、師弟(阿字野&カイ)の、社会との戦いの歴史であり、カイを育んだ森と、森のピアノのドラマ…

森のピアノは物理的には焼失したが、カイの心の中に確かに存在し続けていた。

<12話の感想>

カイが全世界にその存在を知らしめるターニングポイントで一区切り。今回で第1シーズン終了。第2シーズンは半年後スタート。

今期の〆回ですので、作画は今までで一番力入ってた気がしました。まあ、割と丁寧にカイの演奏の魅力を表現できてたから、作画の粗を普段より感じずに済んだだけかもしれません。

しかしいつの間に阿字野はポーランドに来てたの?

カットが多いせいで、阿字野の扱いが雑な点はマイナス。しかし、ピアノ音源が素晴らしかったので今回の満足度は70点。

1期は12話で原作15.5巻分を消化。残りは10.5巻分。2期は1期ほど駆け足にはならないと思われますがどうなることか。
{/netabare} {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ぬるぬる動く指。敢えてサクサク進めないストーリー。

放送日程は違うけど、3月のライオンの引継ぎタイトルという位置づけのようなポジションかと、邪推しつつ初回鑑賞。

冒頭{netabare}いきなり、ショパンコンクールのファイナルらしきシーンからスタート!おお、これはラストまでやるゾ!という意思表明と見ていいんだね?!でもそうなると、尺が全然足りないが?これは3月のライオンと同じ、分割式ロングクール採用ですか?もうここで気持ちは、いきなり盛り上がったw{/netabare}

で、カイの小学校時代からお話はあらためてスタート。
森のピアノ、修平との出会い、阿字野先生ツンデレ。
みんなそうあるように、あってくれる。
劇場版で危うかったCVが、安心して聞いていられるだけで大満足。

まだストーリーはサワリのみだけど、
すすむ方向はしっかり見えているので、いい。
敢えてゆっくり丁寧に、進めすぎず、端折り過ぎず。
うん。いいね。
これは間違いなく、ロングタームを意識してる。
せっかくエンドマーク打たれた作品だし、しっかりと腰すえて、作ってください。


で。気になった指。
のだめの頃とは隔世だ。
坂道のアポロンでも雰囲気一発、運指はおまけ程度だったし、
君嘘では心象的作画に走って、運指は少ししか見せてくれなかったが。
今回は、打鍵と音がしっかり合っている。
ユニゾンしてる!
こういうのってやはりコンピューター万歳なんだろう。
これからは、より自然なアニメーション画像を目指すだろうし、
この作品の中でも、日々進化する表現を楽しませていただこうと思います。



予想完視聴確率:99%
クール内BEST10到達予測:80%
予想涙腺刺激度数:4%
平均エロチックメーター指数:6.5%

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

66.8 18 リメイクアニメランキング18位
ベルセルク 黄金時代篇Ⅰ 覇王の卵(アニメ映画)

2012年2月4日
★★★★☆ 3.9 (228)
1075人が棚に入れました
孤独な剣士ガッツは、百年戦争に揺れる地を傭兵として渡り歩いていた。身の丈を超える長大な剣を自在に操り、強大な敵をいとも簡単に倒すガッツ。そんな彼に目をつけたのが、傭兵集団“鷹の団”を率いるグリフィス。美しい姿からは想像もつかない統率力を持ち、大いなる野望を秘めたグリフィスは、自らの夢を叶えるためにガッツを決闘で制し、鷹の団に引き入れる。数々の激戦を共にくぐり抜けるうちに、信頼で結ばれていく仲間たち。なかでもガッツとグリフィスの絆は、今や特別なものになっていた。やがて鷹の団はミッドランド王国の正規軍にのし上がるが、それはグリフィスの目指す頂点へのはじめの一歩に過ぎなかった。一方ガッツは、グリフィスの夢に取り込まれ剣を振り回すだけの人生に疑問を抱き始める……。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

合掌、すべては因果の流れの中に

原作三浦健太郎、STUDIO4℃制作。

己の才覚のみで戦場を渡り歩く傭兵ガッツ。
グリフィス率いる鷹の団、法王庁の貴族、
魔女の弟子、時には人外のものにも導かれ、
因果に贖い、彼の復讐の旅路は続いていく。

偉大なる作家の死を偲ぶ。

学生の頃、友人の勧めで原作を知った。
当時はまだ表現の自由も今ほど規制はなく、
世界の住人たちが鬱々しい展開の中、
領土と信仰を巡り、争いを続けている。
己の信念や正義に剣を持ち立ち上がり、
盲目的な信仰には徹底的に懐疑であり、
善なる者が必ずしも報われるとは限らない、
その世界観と物語の強さに夢中になった。

黄金時代篇ではガッツの生い立ちから、
{netabare}鷹の団での青春、そして蝕までが描かれる。
蝕とはベルセルクを象徴とする地獄絵図である。{/netabare}
原作では驚くほどの筆致で闇が描かれている。

髑髏の騎士と賢者ボイドとの因縁、
栄華を極めたミッドランドは、
神の御業により一夜にして壊滅したが、
誰がその時、蝕を誘発させたのか!?
{netabare}先代ゴッドハンドの登場と妖精王の真意、{/netabare}
…知りたいことがまだまだあった。

合掌、すべては因果の流れの中に。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ダークファンタジーの歴史は塗り替えられる たった今、この映画のもとに―――!!!

ベルセルクという漫画の作者であられる三浦建太郎先生は、オイラがヨチヨチ歩きの赤ん坊だった頃から漫画家をやっているらしい
だけど連載開始から20年以上経った今もこのベルセルクしか代表作が無い上に、未だに完結の兆しが見えてこないw
三浦健太郎という一人の男がその半生を掛けて描くという実に壮大な大河ダークファンタジー、それがベルセルクですw


さて今作はその一大ベルセルクサーガの礎となった【黄金時代篇】という部分をピックアップ
すでにテレビアニメになってましたがあっちとはスタッフもキャストも総入れ替え、あっちも良く出来てましたけどコッチは規制とかカンケーnothingなので、よりヤリタイ放題に(笑)


唯一に同じなのはタイトルバックに使われているテーマ曲がちゃんと平沢唯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃ、なかったw平沢進さんだって事ぐらいw
いまびん監督といい、なんやかんやでアニメに引っ張りダコですよね、あのお方は


今回の黄金時代篇の3部作が上手くいった暁にはその後のシリーズも映画化するよぉたぶん~?とのことw
いやw日本人がスルーしても世界がほっとかないので安心しますよwええまあwww


んで、結論を言うと【めちゃくちゃ面白いですよ!】
いやなんかもう当たり前に面白すぎてw
血生臭いのとかマッパの女体とかに免疫の無い方以外は是非に見てやってください
満足感も次章への引き具合も素晴らしい限り


画面的にはもうなんかアップのカット以外は片っ端からCGなんですけど逆にそれがいいのよw
割り切った感じがね
でもでもー、細かく見ると鎧姿の体はCGなのに表情を作る顔だけは2D作画だったりして芸が細かい!


昨今横行する3DCGの映画たちとは一線を画す、日本のアニメタよってに培われてきた2D作画の魅力を融合させた【ハイブリットアニメーション】がしゅごい!(@∀@)
トゥーンシェードもここまでキタか!遂に!!


西洋剣術の師範代がモーションキャプチャーの指導を行うなど、戦闘シーンの剣さばきも漫画では絶対に味わえない映画ならではの迫力!


来週辺りドラゴンエイジとか見に行くつもりでしたけど、もうコレ見ちゃうとこの上は無いだろう?って気分になっちゃいやした^q^


説明不足?はてさて、続きや詳細が見たけりゃ次の章も、またその次の章も見て、ベルセルクサーガ盛り上げにゃか!


個人的に「一部例外を除けばアニメでファンタジーはハズレる」って勝手なジンクスがあるんですがw
もうその心配とか全然無いのね~
次章も楽しみです!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャッチコピーは「俺たちの絆は、誰にも斬れない。」

今年の夏アニメで本アニメの新作の放送が決定しました。新作が続編かは分かりませんが、過去作を視聴していた方がより新作を楽しめるのでは・・・と思い、今回の視聴に至りました。

この作品は、3本の劇場版として描かれた黄金時代編の第1作目となりますが、この作品の前身として1997年秋〜1998年冬にかけて「剣風伝奇ベルセルク」が放送されており、こちらは黄金時代編にオリジナルエピソードを加えた作品が制作・放送されたそうです。
2クールもの大作なので、時間が許せばこちらも視聴してみたいと思います。

この物語の舞台は中世のヨーロッパ・・・国同士の争いが絶えない中、主人公のガッツは傭兵として戦乱に身を投じ生きるための生活費を稼いでいました。
これまで決して群れをなさず一匹狼として傭兵生活を送ってきたガッツですが、乱世の中で誰にも寄りかからず一人で生き抜いてきただけあって、傭兵としての彼のセンスは目を見張るモノがありました。
ガッツは身の丈ほどもある剣を軽々と扱う怪力の持ち主である上、相手がどんな敵でも決して臆さず突っ込んでいくんです。
その姿はまるで鬼神のよう・・・

そんなガッツを味方に付けたいと思う輩は大勢いるものの、誰もガッツから相手にされない中、「鷹の団」の団長であるグリフィスが腕ずくでもガッツを我が物にしたいと名乗りを上げ・・・物語が動いていきます。

ガッツが豪快一直線の様な気質とすると、対するグリフィスはガッツとはまるで正反対・・・
パッと見女性の様な顔立ちと銀色の長髪と純白のマントを纏ったグリフィスですが、見た目によらず中々の強者・・・流石「鷹の団」の長に相応しい人柄の持ち主です。

もう一人忘れてはならないキャラはキャスカ・・・鷹の団の千人長の女性剣士で、副長的存在の彼女・・・気が強く口が悪いので、ガッツとは何度もぶつかり合いますが、根は素直で優しい女の子です。
そんなキャスカはグリフィスに淡い恋心を抱いているのですが、グリフィスのガッツへの入れ込み様に嫉妬したり・・・色々と忙しい彼女ですが、物語の中では紅一点らしい活躍を見せてくれます。

この第1作目は、戦いを重ねるごとに成長していく「鷹の団」を追っていく事となります。
もともと「鷹の団」は傭兵の集まりでしたが、連戦連勝を続けることで国王の信頼を少しずつ得ていき・・・グリフィスは王女からも慕われる存在へと成長していくのです。

物語は割と単調なのですが、作画はキャラデザ、背景とも綺麗で緻密・・・特に圧巻なのは戦闘において全体が広く見渡せるシーンが多用されているのですが、その中で動き回るキャラの緻密さは半端ありません・・・まるで実写の映画を見ているような感覚に陥りそうになるくらい動いているんです。

そしてメインキャラの戦いにおいては躍動感と臨場感が「これでもかっ!」と言わんばかりに押し寄せてくる感じがして・・・とにかく見ていて気持ちの熱くなる場面がたくさんありました。

でもここで注目したいのはキャラの心情です。
様々な思いが交錯しています・・・そう確かに交わりを感じます。その交わりには温かさが感じられます。
戦争の真っ只中、人の心も殺伐としている中におけるヒトの温かさはやっぱり大切に思えます。

グリフィスは何を目指しているのか・・・
ガッツは何を考えて行動しているのか・・・

この辺りが見どころだと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければ・・・と思います。

3部作のうちのまだ1作目を視聴したばかり・・・今後の展開に期待しつつ、第2作目を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

75.9 19 リメイクアニメランキング19位
DEVILMAN crybaby[デビルマン クライベイビー](Webアニメ)

2018年1月5日
★★★★☆ 3.9 (328)
1047人が棚に入れました
永井豪さん漫画家デビュー50周年を記念し、2018年に新作アニメとして蘇る『デビルマン』。タイトルを『DEVILMAN crybaby』とする本作は、「Netflix」にて全世界190カ国に、日本語のほか9ヶ国語の吹き替え版と、25ヶ国語の字幕版で配信される予定です。

声優・キャラクター
内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、津田健次郎、木村昴、KEN THE 390、YOUNG DAIS、般若、AFRA

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

悪魔を憐れむ歌

永井豪、画業50周年記念。
湯浅政明監督、制作サイエンスSARU。

ギュスターブドレの挿絵に感動した青年が、
若さと才能で一気呵成に書き上げた魔王ダンテ。
少年向け雑誌が大きな変革期の時代、
連載誌の休刊により、未完に終わるも、
確実に地力をつけ、感性を磨き、
次なるステップへと歩み出していく。
神と悪魔の対立構造が、
逆説的に「人間性とは何か」を問い直し、
見事にブラッシュアップされ結実することになる。
20世紀の黙示録デビルマンである。

湯浅デビルマン、打ち震えました。
よりポップに、より淫靡に、より華やかに、
カートゥーン的演出とフラッシュアニメ技法が、
難攻不落の世界観にこれほど刺激を与えるとは。
このアプローチは驚愕と感動を覚えます。
評価すべきは安直な焼き回しを回避したこと。
そして絶妙にエロいです。

弱い者は死ぬ、弱い者から死ぬ、
人の歴史はまさに「力」の歴史であろう。
SF的なドラマツルギーとヴィジュアル性、
デビルマンは愛を知り愛に泣き、
人であり続ける、今日もどこかで。

これは天才が勝利した「夜」である。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 80

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人間ならば、恥を知るべきだ。

この素晴らしい作品に、感謝と賛美を!


一切の無駄のない『繊細な線』で描かれた人物、背景、そして鮮やかな色彩で、

淫靡で非情な世界を見事に表現。

私の5感、6感、総てを刺激され、すっかり酔ってしまった。


ちっぽけな『私観』でこの作品の感想を。


神は
『ビンの中で蟻を飼い、それを見ている子供だ』
(私の好きな映画での言葉です。)


悪魔は
人間に、甘い言葉をささやく。

それに流される人間、耳を貸さない人間…
そこで『人』は分岐するのではないでしょうか?

あと
悪魔は「約束(契約)」を守ります。
善も悪も 同等なのです(なんか 良い)

私は、悪魔は『人間に一番近い存在』と考えています。


そして、天使。
一番の『悪』ではないでしょうか?

天使は決して人間を助けません。
意志を持たない存在なのです。
(神の命(めい)のみで存在するともいわれています。)


この作品で
『天使=傍観者』と、私は考えました。

メディアに流され、まわりに流され、意志をもたず…
『悪魔狩り』をする、醜い存在。
(滑稽な現代人への皮肉か、否か?)


神、悪魔、天使、人間、そして『デビルマン』


明君は、子供の頃から、人の為に泣く事ができる、優しく哀しく強い人です。

『デビルマン』になってもそれは変わらず、悲しみを背負いながら、

悪魔と傍観者(天使)と、
涙を流し闘うのです。人間として。


涙には、色々な『涙』があります。

悲しい涙、後悔の涙、悔しい涙…そして
『嬉し涙』



明君は
人にたくさんの『嬉し涙』を流させましたね。


了君の涙も、悲しい、寂しい、そして嬉し涙であって欲しい。



嬉し涙ほど、苦しい涙はないのです。



私も叫びたい、
私を泣かせてばかりの君に


私は実在する人間だということ
いつか君に、温かい涙の意味を、苦しみを、教えたいんだ



明君と了君に
よく頑張ったね、と。。




あー!

電気グルーヴ、光岡自動車、感激でした(泣)



乱文失礼。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 53

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

半世紀の時を超え蘇った半人半魔のデビルマン ついにアーマゲドンが映像化

2018年 Netflixで配信されたアニメーション

原作 永井豪 監督 湯浅政明 脚本 大河内一楼 音楽 牛尾憲輔
制作 サイエンスSARU

漫画 1972年~1973年 53話
テレビアニメ 1972年~1873年 39話
OVA デビルマン誕生編 1987年 妖鳥シレーヌ編 1990年 AMON デビルマン黙示録 2000年

多分すべて観たんですが記憶が混乱しています。
永井豪は学生運動から影響を受けたと思われるガクエン退屈男で混乱と崩壊のラストを描き、
少年マガジンに連載したデビルマンでは、テレビアニメと連動する形で、
異形のヒーローデビルマンと悪魔族の戦いを描くはずでした。
実際問題として、テレビアニメは多人数制作、漫画は一人でネームを考えると言う創作法の違いから、
同タイトルで全くの別作品が出来たのは、妥協を許さない永井氏の執念と言えるでしょう。

バイオレンスジャックやマジンガーシリーズでも世界の終末や崩壊を描いた永井氏ですが、
デビルマンは短い作品でありながら別格の評価を受けています。
少年漫画で滅亡ストーリーが初だったのかは分かりませんが、自分が読んだ中では最も古い作品です。
永井豪ファンクラブの会長だった筒井康隆は人類滅亡作を書くぞと宣言しつつ、
1969年に「霊長類南へ」という長編を書いているので、サークル内では盛り上がっていたテーマかも知れません。

50年代から60年代にかけて英米では大量の人類滅亡小説が発表されましたが、
デビルマンもその系譜であることは間違いありません。
これほどの名作がぽっと出であるはずがないのです。
例えばブッダとブラフマーの滅亡戦争を描いたロジャーゼラズニーの光の王など。

永井豪のデビルマンはテレビ版のキャラデザ担当からのスタートであるので、
キャラ造形がキャッチーで分かりやすいことが親しまれた理由だと思います。
デビルマンや妖鳥シレーヌやカイム、ジンメン、魔王ゼノンなど、
非常に優れているとはいえ、テレビアニメの怪物の範囲内です。
しかし、テレビアニメが迷走を始めた頃から漫画版は異常な展開を迎えます。
悪魔が人間に乗り移ると言う古~い発想を現代の若者に身をもって味合わせたシーン。
漫画版では女子高生の制服の下に溶解液を発する化物が見える回。
ここから始まる物語はヒーローものを大きく逸脱した地獄の黙示録です。

なので、前半のヒーローものから後半の種としての運命の切り替えをどう描くかが注目でした。
はっきり言って前半はいらないとも思いましたが、
編集部に却下されたデビルマンとシレーヌのSEXシーンはいれるべきと言う圧力もあったんでしょう。

半世紀近く前の原作を現代の設定でよみがえらせた作品ですから、
いろいろ噛み合わない部分も散見されましたが、ラストまで突っ走る潔さがこの作品の価値です。
ついに魔王サタンの美しいお姿がアニメーション化され、
デビルマンとの因縁も納得できる形(つまり原作通り)で決着がついた決定版。

パタリロに似てるとか変なところに突っ込まず、まずは全身全霊で味わって観るべき奇跡のリメイク。
あっなんかサターニャにも似てるような・・・・

気に入らない部分も多々ありましたが、ファーストインプレッションとしては盛大な拍手を送りたいと思いました。

どっちかと言うと怪作扱いですが。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

71.0 20 リメイクアニメランキング20位
魔法陣グルグル (2017)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (248)
1001人が棚に入れました
1992年に月刊少年ガンガンで連載を開始、
1994年、2000年に続き、連載25周年を記念して3度目のテレビアニメ化!


魔王を倒す勇者を募るというお触れを見た勇者マニアの
父と母によって、半ば強制的に旅に出されたジミナ村の少年ニケ。
村のしきたりに従って、村外れに住む魔法オババの元を訪ねたニケは、
そこで不思議な魔法グルグルを使う少女ククリを託される。
オババの話によれば、彼女はミグミグ族というグルグルを
使うことのできる一族の最後の末裔で、
いずれ現れる勇者を待ち続けていたのだという。

お調子者の小さな勇者と天真爛漫な魔法使いの少女が繰り広げる、
「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」
王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

声優・キャラクター
石上静香、小原好美、小西克幸、大地葉、藤井ゆきよ、櫻井孝宏、大西沙織、岡本信彦、石田彰
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

世界中の大好きを集めても 君に届けたい思いに足りない

原作未読。最終話まで視聴。

【初めによもやま話を少々・・・】

1995年頃だったと思う。

夜勤明けの帰宅中に車のラジオで聞いていた、奥井亜紀さんがDJをしていた『まんたんMUJIC』という深夜ラジオ番組。
その番組中に流れていた、奥井亜紀さんの『晴れてハレルヤ』という曲・・・。

曲調と歌詞が凄く気に入って、翌日、CDを買いに行ったことを今でも覚えています。
(もちろん,CDは今でも大切に持っています)

という訳で、『魔法陣グルグル』というアニメの存在は、昔から知っていました。

ただ、当時は今ほどアニメに興味が無かったのでアニメ本編は未視聴。
というか、私の記憶では、私の地元ではアニメ本編を放送していなかったような気がする・・・。

だから、今回、凄く楽しみにしていたんです!
20数年の時を経ての視聴です。

【物語】
内容は正直、子供向けアニメかと・・・。
だけど、大人が見ても、十分楽しめる作品でした。

ギャグアニメかと思いきや、しっかり冒険アニメ・・・。だけど、根本的にはギャグアニメ。
下ネタも上品(!?)で悪くなかったと思います。

『ククリちゃんを愛でる作品』だと思っていれば、間違いないと思います(笑)。

【作画・声優・音楽】
いずれも、とても良かったと思います。
作品のイメージにピッタリ。

【キャラ】
ククリちゃん → とても可愛い!
ジュジュ → 可愛い!
ニケ → ナイスツッコミ!
ギップル → 少しウザい!
キタキタおやじ → かなりウザい!だけど、{netabare}たまたま偶然に活躍することもある、{/netabare}憎めないキャラ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

過去作よりテンポが良く、キッチリ完結する。 綺麗にまとめましたね! 

月刊少年ガンガンで連載されていたギャグファンタジー漫画のアニメ化。

これまでに、

「魔法陣グルグル」 (1994年版、初代) 全45話。
「劇場版 魔法陣グルグル」(1996年、劇場作品)
「ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル」(2000年版、2代目) 全38話。


放送局を変えアニメ化されている。

この(2017年版)が違うのは、全24話で原作のラストまで描くこと。

現在、続編の「魔法陣グルグル2」を連載してるので、終わっていないまま進行していた今までのシリーズと違い、最終目標を定めてアニメが進行していた部分が良かったのでしょうね。今作はキッチリ完結するのでとても見易いと思われます。

全編通して多少急ぎ足ではありましたが、※初めの頃の問題(※STAFFがTwitter上で不平不満を言って問題になった)も解決し、かなりスムーズに良い出来なアニメとして駆け抜けて行きましたね。問題解決してからの出来がほんと良くて、アレなんだったんだと思うくらい。朝アニメとしてやって欲しかったですねw全年齢対象の誰が見ても良い、素敵なアニメでした。

テンポが良くて、ギャグの間合いもバッチリ。特に声優が上手かった。過去に何度もアニメ化されているシリーズなのにほとんど違和感がありません。ニケ役の石上静香さんは完全に自分のものにしてましたね。

グルグル世代だけど過去作が好きだから観てないって人も、観たこと無いって人にもオススメです^^


【↓最終回:感想(ネタバレ)】
{netabare}
今まで出てきたキャラクター大集合のアニメオリジナルは原作愛を感じますね。『Wind Climbing ~風にあそばれて~』が流れた時テレビの前で、小さく「おおっ」と言ってる自分がいました。目頭が熱くなるぜ。シリアスやった後に、ニケの「うんこがしたい・・・うんこがしたくてたまらない!!!」で台無しにされて泣き笑いです。グルグルだなあ~・・ヽ(=´▽`=)ノ大魔王ギリまでギャグキャラになるのが最高ですね。

ラストが続編の「魔方陣グルグル2」に続く引き。アニメスタッフありがとう。
{/netabare}
間違いなく今までで一番のアニメ化でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それぞれの時代に、それぞれの冒険を

思っていたよりも丁寧に作られていて好感触です。
声など多少違和感もありますが、個人的には全然アリだと思います。
ただまあ、OPとEDだけは奥井亜紀さんのあの曲にして欲しかったかな。
(とか言って2クール目で変わるという演出だったら、大分涙腺やられそうですが)

とてもふざけた作品ですが、要所要所で心の鐘を鳴らしてくる憎いやつでもあります。(イメージ的にはクレヨンしんちゃんに似てるかも)
ちょっと寒いと思うところもあるかもしれませんが、最後まで見届けるとそれも味だと感じるようになるかもしれません。
時間があるなら是非ご視聴を。

皆さんの愛がグルグルを生むのですぞ~。ピ~ヒャラ~ラ~♪
--------------------------------------
【視聴後】
『Wind Climbing ~風にあそばれて~』を流してくれましたね。
色々やろうとしてごちゃごちゃした感は否めませんが、個人的には満足です。ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

64.3 21 リメイクアニメランキング21位
ドラゴンボール改[DRAGON BALL KAI](TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (162)
969人が棚に入れました
原作者の鳥山明自らが監修に携わり、アフレコは新規に行われた。既に故人となっている声優については、別の声優を起用し、それ以外でも敵キャラクターを中心に声優の変更がある。「スピーディーな展開」という観点から、原作に基づいて『ドラゴンボールZ』におけるオリジナル描写等を大幅に省略し、短めに構成されている。また、戦闘シーンなどにおける一部映像が『Z』当時より早送りしている部分もある(フリーザが身体を切断されるシーンなど)。

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

劇場版公開記念! フリーザ編視聴完了。7月からは、完全新作となるTVシリーズ「ドラゴンボール超(スーパー)」が始動。

ドラゴンボールZ 復活の「F」、公開19日間で興行収入31億円を突破! 前作の最終興収(29.9億円)を超えるヒットに
4月18日に公開となったアニメ映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』だが、公開19日間で興行収入31億円を突破したことがわかった。

4月18日より東映史上最大規模の653スクリーン(2D×325/3D×300/4DX×10/IMAX3D×18)で公開された本作だが、公開19日間で動員236.5万人を記録し、興行収入は31億円を突破したことが明らかに。これで、興行収入としては前作「ドラゴンボールZ 神と神」の最終興行収入(29.9億円)を超えたこととなる。

さらに、大ヒット御礼として、5月9日に「悟空の日」として舞台挨拶イベントを実施することが決定。当日は声優の野沢雅子さんが登場し、ファンと一緒に喜びを分かち合うとのこと。

なお、7月からは、完全新作となるTVシリーズ「ドラゴンボール超(スーパー)」が放送される。

ドラゴンボールZ 復活の「F」、公開7日目で動員100万人を突破! 2015公開作品では最速、興行収入13億円に
4月18日に公開となったアニメ映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』だが、公開7日目で動員100万人を突破することが確実となった。

4月18日より東映史上最大規模の653スクリーン(2D×325/3D×300/4DX×10/IMAX3D×18)で公開された本作だが、公開6日目である4月23日までに動員95万人を超え、公開7日目に動員100万人の大台を突破することが確実となった。もちろん、2015年に公開された作品としては最速での100万人突破で、公開6日目までの興行収入は約13億円を記録している。休日は旧作ファンの30~40代や現在放送中の「ドラゴンボール改」を視聴している親子が、平日は10代~20代の男性が友人同士で劇場に足を運んでいるのが特徴的で、前作「神と神」に比べて未就学児童から中学生までの層が大幅に増加。大型連休に突入することで、ファミリー層の観客動員拡大も見込まれる。

なお、このヒットを受け、配給の東映は4月28日に大ヒット御礼舞台挨拶を行うことを決定。詳細は公式サイトで発表される。

ドラゴンボールZ 復活の「F」、初週2日間で興行収入10億円に迫る! 前作対比140%、最終興収50億円も射程圏内
4月18日に公開となったアニメ映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』だが、初週2日間で興行収入9.6億円超という絶好のスタートを切ったことがわかった。

2013年3月に17年ぶりの劇場版として公開された「ドラゴンボールZ 神と神」に続き、19作目の劇場版ドラゴンボールとなる本作。前作「神と神」の続編で、原作者・鳥山明さん自らが脚本を担当することでも注目を集めている。監督は、長きに渡ってシリーズの作画監督を務め、前作では総作画監督として参加した山室直儀さん。キャストは野沢雅子さん、中尾隆聖さん、山寺宏一さん、森田成一さん、堀川りょうさん、佐藤正治さん、鶴ひろみさん、田中真弓さん、古川登志夫さん、草尾毅さん、緑川光さん、皆口裕子さん。主題歌を歌うのはアイドルユニット「ももいろクローバーZ」。

4月18日より東映史上最大規模の653スクリーン(2D×325/3D×300/4DX×10/IMAX3D×18)で公開された本作だが、初週2日間で約71.6万人を動員し、9.6億円を超える興行収入を記録したことが判明。週末ランキングでは動員数・興行収入ともに1位で、30億円近くの最終興行収入を叩き出した前作(2013年「ドラゴンボールZ 神と神」)と比べても、動員127.4%・興収140.3%と絶好の成績となっている。

なお、この数字は今週末のみならず2015年に入ってから公開された全作品の中でもNo.1。最終興収50億円の大台も見えている。

ドラゴンボールZ 復活の「F」、お台場・フジテレビ球体展望室で4月11日より展示イベントを開催! 「F」の復活祭
天下一武道会の壮絶な闘いから5年。世界は、平和を手に入れ、孫悟空も最愛の妻・チチとの間に息子・悟飯が誕生し、平穏な日々を過ごしていた。しかし、ある日突然、強靭な尻尾を持つ謎の男・ラディッツの出現によって、平和はもろくも崩れ去る。その想像を絶するパワーは、悟空や弟弟子のクリリンさえも一撃で倒してしまうほど強力。このラディッツこそ、惑星ベジータが全滅した時、奇跡的に生き残った悟空の兄だったのだ。ラディッツは卑怯にも悟飯を人質に取り、自分たちの仲間に加わることを悟空に強制する。兄たちの狙いは、地球に住む人々を絶滅させて、地球を我がものとすること。一大危機に見舞われた悟空は、宿命のライバル・ピッコロ大魔王と手を組み、兄ラディッツと対決するが…。

サイヤ人編
第1話闘いの幕開け! 帰ってきたぞ孫悟空
かつて、幾度となく地球の危機を救った戦士・孫悟空は、妻のチチや息子の悟飯とともに平和に暮らしていた。そんなある日、悟空は悟飯を連れて師匠の亀仙人のもとを訪れる。

第2話敵は悟空の兄!? 最強戦士サイヤ人の秘密
悟空の前に突如現れた男は、自らを兄・ラディッツだと名乗った! 任務のために、仲間になるよう強要するが、悟空は拒否! 怒りのラディッツに悟飯を連れ去られてしまう!

第3話命をかけた闘い! 悟空とピッコロ捨て身の猛攻
悟飯救出のため、悟空はライバルのピッコロと共闘し、ラディッツに攻撃を仕掛けるが、圧倒的な攻撃を前にまったく太刀打ちができない! 万事休すかと思われたそのとき…。

第4話あの世で走れ孫悟空! 100万キロの蛇の道
ラディッツ戦で天国へ行った悟空は、界王さまのもとで修行を積むため、閻魔大王のもとから蛇の道を走り出す! 一方、ピッコロはサイヤ人襲来に備え、悟飯を育てる特訓を開始する。

第5話荒野のサバイバル! 月夜が悟飯を呼び覚ます
ピッコロが悟飯に課した最初の修行は、6ヶ月間を生き延びること。荒野での厳しい生活に弱音を吐く悟飯だったが、夜中に満月を目撃して、凶暴な大猿へと変身してしまう!

第6話辿り着いた終点! 界王様のおちゃめな試練
蛇の道を走り抜けて界王星にたどり着いた悟空は、界王様をギャグで笑わせるテストに合格! まずは重力が地球の10倍もある界王の星の環境を克服する修行をスタートする。

第7話10倍重力と闘え! 悟空よ修行はかけっこだ
悟飯たちが修行に励んでいる頃、悟空はついにバブルス君を捕まえる課題に成功! 二つ目の課題も見事クリアして、いよいよ界王様から直接修行をつけてもらうことになった。

第8話いでよ神龍! サイヤ人ついに地球到着
孫悟空がついに復活! 界王の星で修行を終え、元気玉をも完成させた悟空はドラゴンボールで生き返り、下界へ急ぐ。だが悟空よりも先にサイヤ人たちのポッドが地球に迫る!

第9話ヤムチャ奮闘! おそるべし栽培マン
地球に降り立ったサイヤ人は、高い戦闘力を求めてピッコロのもとへ。そこへクリリンたちも現れ、栽培マンを相手に戦闘開始! 奮闘するヤムチャに栽培マンの意外な反撃が…。

第10話待ってろ餃子! 天津飯絶叫の気功砲
クリリンたちは修行の成果を発揮し、見事に栽培マンを全滅させた。しかし、次の敵ナッパには餃子の捨て身の攻撃も通用しない。怒った天津飯は、命がけで気功砲を放つ!

第11話間に合うか孫悟空!? 戦闘再開まで3時間
ベジータは悟空の存在が気になり、戦闘を3時間ほど中断。しかし戦闘再開の時が来ても悟空は現れない…。ピッコロたちは何とか持ちこたえようと、巧みな作戦で戦い続ける。

第12話ピッコロが流した涙…孫悟空怒りの大反撃!
予想外の苦戦に激怒したナッパが、悟飯に襲いかかる…! ピッコロは悟飯をかばうが力及ばず、悟飯もトドメをさされようかというその時、筋斗雲に乗った悟空がやって来た!

第13話これが界王拳だ!! 限界バトルの悟空vsベジータ
界王拳でナッパを仕留めた悟空は、場所を移してベジータとの一騎打ちに挑む! しかし、2倍界王拳でもベジータにはかなわず、界王拳を3倍へと引き上げることを決意する。

第14話激突かめはめ波! ベジータ執念の大変身
悟空は体の限界を超え界王拳を3倍から4倍へと強化し、ベジータのギャリック砲をかめはめ波で押し返した。だが、プライドを砕かれたベジータは大猿へと変身してしまう!

第15話絶体絶命の悟空! 元気玉に願いを託せ
ベジータの猛攻を受け、悟空は大ピンチ。そのとき大猿の尻尾を切り、ベジータの変身を解いたのはヤジロベーだった。悟空は最後の力を振り絞り、元気玉をクリリンに託す。

第16話打倒不死身のベジータ! 奇跡を起こせ孫悟飯
運命をかけた元気玉が直撃し勝利を喜ぶ悟空たち! だが、その喜びも束の間、ベジータはボロボロになりながらも命をとりとめていた。絶体絶命と思われたその時、悟飯が…!

フリーザ編
第17話激戦の夜明け…希望の星はピッコロの故郷
悟空たちは死闘の末、ベジータを撃退した。だが、ピッコロの死でドラゴンボールが消滅。二度と仲間を復活させられない。そんな中クリリンは、ある可能性を語り始める…。

第18話ユンザビットに眠る宇宙船! ナメック星へいざ発進
ドラゴンボールのあるナメック星に行くため、ユンザビット高地に宇宙船を探しに来たブルマとミスター・ポポ。そこで二人は、地球の神を運んできた宇宙船を発見する。

第19話新たなる強敵! 宇宙の帝王フリーザ
一ヶ月の旅を終え、ブルマたちは無事ナメック星に到着する。しかし、そこには宿敵・ベジータ、さらには宇宙を力で支配する組織の親玉・フリーザまでもやって来ていた!

第20話フリーザへの反逆! 野望に燃えるベジータ
フリーザは、ナメック星の村々から強引にドラゴンボールを奪い、願いを叶えようとしていた。一方ベジータは、フリーザの部下・キュイを粉砕。ボール集めに取りかかる!

第21話守れドラゴンボール! ナメック星人総攻撃
フリーザ一味は、ドラゴンボールを渡さないナメック星人をいたぶり、倒し、圧倒的な戦力差を見せつける。様子を見ていた悟飯とクリリンだが、一味の強さに手を出せず…。

第22話猛追ドドリアの恐怖! ベジータに明かす真実
ドラゴンボールを脅し取ったフリーザは、残った村人たちまで襲いはじめる! それを見ていた悟飯は、彼らの非道なやり口に逆上! 逃げ惑う子供を救うために飛び出すが…。

第23話暗躍のベジータ! ナメック星人を襲う悲劇
クリリンは、救出した子供・デンデの案内で、星を治める最長老のもとへ向かう。一方ベジータは、ナメック星人の村を強襲! 一つ目のドラゴンボールを手に入れてしまう。

第24話甦る仲間たち! 美戦士ザーボン悪魔の変身
サイヤ人との闘いで敗れたピッコロたちが、界王の星に到着。界王のもとで修行を開始する! 一方ナメック星では、ドラゴンボール探しをしていたザーボンにベジータが襲いかかる!

第25話パワーアップだクリリン! うごめくフリーザの予感
最長老の家に到着したクリリンは、最後のドラゴンボールを託される。一方、フリーザはベジータに隠されたドラゴンボールのありかを吐かせようと画策。ベジータの探索に乗り出す。

第26話砕け散れ陰謀! 逆襲のベジータvsザーボン
フリーザの宇宙船で治療を受けたベジータは、不意をついて、フリーザの持つドラゴンボールをすべて奪って逃走する! フリーザは激怒し、ザーボンを向かわせるのだが…。

第27話一触即発のピンチ! 悟飯よ四星球を守れ
ザーボンを倒したベジータは、ボールをすべて手に入れたと歓喜する。しかし、悟飯がベジータの隠したボールを発見。持ち帰ろうとしていたところ、ベジータと遭遇して…。

第28話迫る超決戦! ギニュー特戦隊只今参上ッ!
最長老のもとへと向かう悟飯とクリリンは、急ぐあまりベジータに居場所を発見されてしまう。一方、宇宙からはフリーザ直属のエリート部隊・ギニュー特戦隊が接近し…。

第29話特戦隊の一番手! グルドの呪縛を打ち崩せ
悟飯たちは、ナメック星に到着したギニュー特戦隊に、すべてのドラゴンボールを強奪されてしまう。強敵を前にベジータと共闘することを決意するクリリンだが…。

第30話地獄のリクーム! 楽しませろよベジータちゃん
不意を突いた攻撃でグルドを倒したベジータは、リクームとの戦いに挑む! 先制攻撃をしかけるベジータだったが、頑丈な体と超絶パワーを持つリクームには通用しない…!

第31話孫悟空ついに到着! 蹴散らせギニュー特戦隊
ついに悟空がナメック星に到着した! 悟飯たちに仙豆を与え、3人の命をつなぎとめた悟空は、特戦隊をひとりで片付けると豪語! 宣言通り、リクームを一撃で倒してしまう。

第32話真打ち登場!? ギニュー隊長vs孫悟空
悟空たちは、まだフリーザが願いを叶えていないと推察。ボール奪還への希望を見出す。一方、ジースの報告を受けたギニューは、悟空を倒すため闘いの場へと戻ることに!

第33話フルパワーだ孫悟空! おののくギニューに秘策あり!?
ギニューは自らの戦闘力を遙かに上回る悟空の力を前に、驚きを隠せない。一方、フリーザはついに最長老のもとへ到着! ドラゴンボールの使い方を聞き出そうとするが…。

第34話ビックリ! 悟空がギニューでギニューが悟空!?
ギニューのボディチェンジが炸裂し、悟空はギニューと体が入れ替わってしまう! 一方、悟飯たちはフリーザの隠したドラゴンボールを発見。願いを叶えようとするのだが…。

第35話悟空大逆転!? 今こそいでよ超神龍!
ギニューは悟空と体を入れ替えたが、精神と肉体が一致しないため、本来の力を引き出すことができない。窮地に陥ったギニューは、今度はベジータの体を奪おうとする。

第36話激昂フリーザが迫る! ポルンガよ…願いを叶えたまえ!
ついにナメック星の神龍が出現する。さっそく3つの願いを叶えようとする悟飯たちだが、1つの願いで生き返らせることが出来るのは1人だけ。迷う悟飯の心に、ピッコロが語りかける。

第37話悪夢の超変身! 戦闘力100万のフリーザ
甦ったピッコロは、悟飯たちのもとへ向かう途中、瀕死のネイルを発見! ネイルと同化してパワーアップを果たす。一方の悟飯たちは、フリーザの強大な気に圧倒されていた。

第38話牙をむくフリーザ! 超絶パワーが悟飯を襲う
フリーザの凶刃にクリリンが貫かれた…。その光景に怒りを爆発させた悟飯は、フリーザに猛攻をしかける。だが、攻撃は通用せず、さらにフリーザの怒りを買ってしまう!

第39話新生ピッコロあらわる! 激怒フリーザ第2の変身
ついに到着したピッコロがフリーザと対決! 悟飯たちは、フリーザと互角の闘いを繰り広げるピッコロの姿に希望を見出すが、フリーザは依然として余裕の態度を崩さない。

第40話フリーザ最後の超変身! 地獄以上の恐怖がはじまる
二度目の変身を遂げたフリーザが、ピッコロを窮地に追い込んでいく…。怒った悟飯が渾身の気功波を放つものの、フリーザには通用せず、簡単に跳ね返されてしまう!

第41話待ちに待ったぜこの瞬間! 孫悟空が復活だ
デンデの力で復活し、自分は超サイヤ人になったと確信したベジータは意気揚々とフリーザに闘いを挑む。だが、フリーザとの実力差に絶望。完全に戦意を喪失してしまう。

第42話フリーザを倒せ孫悟空! 誇り高きベジータの涙
フリーザがベジータに止めを刺そうとしたそのとき、傷を完治させた悟空がついに到着する。復活を喜ぶ仲間たちに、悟空はたったひとりでフリーザと闘うことを宣言する!

第43話孫悟空vsフリーザ! 超決戦の幕開けだ!
宇宙の命運を賭けた悟空とフリーザの最終決戦がついに始まった! 自分と互角の闘いをする悟空の実力を認めたフリーザは、金縛りを使って一気に勝負を決めようとする!

第44話限界突破の肉弾戦! 悟空とフリーザとギニュー再び!?
悟空との闘いに余裕の笑みを見せるフリーザは、手を使わずに闘うと宣言! 悟空は自らにハンデを課すフリーザに先制攻撃を仕掛ける。しかし、その攻撃はほとんど通用せず…。

第45話20倍界王拳だ! すべてを賭けたかめはめ波
悟空とフリーザ…互いに隠していた実力に差がありすぎた。悟空は、フルパワーの50%しか出していないフリーザに一気に劣勢へと追い詰められる。悟空に勝機はあるのか…?

第46話これが最後の切り札だ! 悟空の特大元気玉
絶体絶命の悟空は、最後の切り札として元気玉にすべてを賭ける! 悟空はフリーザの猛攻に耐え、決死の覚悟で元気を集めるのだが、完成直前でフリーザに気付かれてしまう。

第47話目覚めろ伝説の戦士…超サイヤ人、孫悟空!!
悟空の特大元気玉を食らってもなお、フリーザは生きていた! フリーザになすすべもなく倒されていく仲間たち…。その光景を目の当たりにし、悟空の怒りは限界を突破する!

第48話怒れる超サイヤ人! 名乗りを上げろ孫悟空!
悟空はついに伝説の戦士・超サイヤ人へと覚醒した! 悟飯にピッコロを連れて地球へ戻るように促すと、驚異の力でフリーザを圧倒する! だが、フリーザはその自信を崩さず…。

第49話仇を討て孫悟空! 惑星崩壊のカウントダウン
フリーザの放ったエネルギー弾は、ナメック星の中枢を破壊! ナメック星の爆発まで、残り5分となってしまう。悟空は残り時間でフリーザとの決着をつけるべく、最後の闘いに挑む!

第50話フリーザ決死のフルパワー! 願いを届けてくれ神龍
ナメック星の爆発が迫る中、フリーザと悟空の闘いは熾烈を極める! その頃、地球では、ヤムチャたちを生き返らせるため、ミスター・ポポがドラゴンボールを集めていた。

第51話悟空激怒の雄叫び! 間に合え…起死回生の願い!
フリーザの攻撃を受け、悟空の気が消えたことを察した悟飯は、ブルマの制止を振り切ってフリーザのもとへ向かう。悟飯は決死の覚悟で、フリーザに闘いを挑むのだが…。

第52話消えゆく星に残った2人! これが最終決戦だ
ポルンガへの願いが叶い、ナメック星には悟空とフリーザのみが残された。闘いはさらに激化していくかと思われたがフルパワーの反動でフリーザの気が徐々に減りはじめ…。

第53話孫悟空、最後の一撃…ナメック星宇宙に散る
自らの技で自滅し、瀕死となったフリーザは、悟空に命乞いをしてかろうじて命を繋ぎ止める。だが、フリーザは敗北を認めず、立ち去ろうとする悟空に最期の一撃を放つ。

第54話宇宙に消えた悟空…甦れ! 超戦士たち
悟空はナメック星の爆発とともに、宇宙へ散った…。界王からその事実を聞いたヤムチャは、悲しみをこらえながらも地球にいるブルマに、一連の出来事を伝えるのだが…。

劇場版公開前の視聴履歴
魔法少女まどか☆マギカ 2013年10月の経緯
2013年10月からは劇場版 [新編]の公開に合わせ、「魔法少女まどか☆マギカ」をBS11で視聴。(2013年10月時点で視聴回数7以上)
毎日放送で新編公開前日深夜(当日未明)に当たる2013年10月25日に、前後編の地上波初放送を記念した一挙放送特別番組『劇場版公開記念!「魔法少女まどか☆マギカ」朝まで4時間SP』を視聴。
『[新編] 叛逆の物語』は2013年10月26日に公開(初日の午前に視聴)。

ドラゴンボールZ 2015年4月の経緯
BSフジでドラゴンボールZ放送中で2015年4月現在「フリーザ編」視聴。
劇場版公開記念でドラゴンボール改を2015年3月に「サイヤ人編」視聴。
『ドラゴンボールZ 復活の「F」』は2015年4月18日に公開。

※「魔法少女まどか☆マギカ」と「ドラゴンボールZ」のみ視聴回数が10以上である。

ドラゴンボールZ 復活の「F」、お台場・フジテレビ球体展望室で4月11日より展示イベントを開催! 「F」の復活祭
4月18日に公開となるアニメ映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』だが、お台場・フジテレビ球体展望室「はちたま」で4月11日より展示イベントが開催される。

2013年3月に17年ぶりの劇場版として公開された「ドラゴンボールZ 神と神」に続き、19作目の劇場版ドラゴンボールとなる本作。前作「神と神」の続編で、原作者・鳥山明さん自らが脚本を担当することでも注目を集めている。監督は、長きに渡ってシリーズの作画監督を務め、前作では総作画監督として参加した山室直儀さん。キャストは野沢雅子さん、中尾隆聖さん、山寺宏一さん、森田成一さん、堀川りょうさん、佐藤正治さん、鶴ひろみさん、田中真弓さん、古川登志夫さん、草尾毅さん、緑川光さん、皆口裕子さん。主題歌を歌うのはアイドルユニット「ももいろクローバーZ」。

4月18日の劇場公開に向け、お台場・フジテレビ球体展望室「はちたま」で4月11日よりイベント『ドラゴンボールZ 「F」の復活祭』を開催することが決定。目の前で名言を発するというフリーザロボティクスが出現するほか、映画キャラクター設定画の展示、孫悟空役・野沢雅子さん×フリーザ役・中尾隆聖さんスペシャルインタビューや最新予告映像の上映、映画紹介パネルの展示などが行われる。また、フォトスポットコーナー、イベント限定アトラクション「タイミングゲーム筋斗雲にのろう!」※有料、ドラゴンボールグッズコーナー、プリクラやガチャガチャといったアミューズメントコーナーも設置される。

営業時間は10時~18時で、開催は5月31日まで(※5月10日以降は月曜休館)。入場は無料だが、球体展望室入場料(大人550円/小中学生300円)が別途必要。

1989年4月26日から1996年1月31日までフジテレビ系列で放送されたテレビアニメ『ドラゴンボールZ』(以下『Z』と表記)のうちサイヤ人編から人造人間・セル編までをデジタルリマスター再編集版として2009年4月5日から2011年3月27日まで同系列で放送された。テレビシリーズのレギュラー放送としては、『ドラゴンボールGT』が終了した1997年11月以来、11年4ヶ月ぶりとなる。

原作者の鳥山明自らが監修に携わり、音楽は新規のものに差し替えられ、音声も全て再録された。既に故人となっている声優を中心に、多くのキャラクターの配役が変更された。フリーザ編までは元々の担当声優が現役で活動している場合でも新たな声優を起用する事が多かった。『レイジングブラスト』以降のゲームや映画『神と神』でも本作のキャスティングが踏襲されている。

『Z』では放送内容が原作に追いつかないように、回想シーンを多く挿入したりアニメオリジナルエピソードを挿入するといった引き伸ばし措置が行われていたが、本作では原作が既に完結済みであるためスピーディーな展開が可能となりオリジナルエピソードなどを大幅に省略し、演出のテンポを早めることで『Z』の2話から数話分の展開を1話でこなしている。

2014年4月6日より、魔人ブウ編の放映開始が決定し、3年ぶりに放送再開する。

オープニングテーマ
「Dragon Soul」

エンディングテーマ
第1期前半 「Yeah! Break! Care! Break!(ヤブレカブレ)」
サイヤ人編・フリーザ編(1話 - 54話)で使用。
ドラゴンボールシリーズのエンディング曲としては初めて歌詞字幕が流れている。
第1期後半「心の羽根」
人造人間編(55話 - 98話)で使用。

ドラゴンボールの登場人物
ラディッツは宇宙最強の戦闘民族サイヤ人の戦士であり、孫悟空の実兄。実の甥である孫悟飯を人質に取って地球人100人を殺すよう要求したり、自身が窮地に陥ると命乞いや騙し討ちを試みるなど、冷酷にして卑劣な性格の持ち主。M字型の生え際と、膝あたりまで伸びている細かく尖った長い髪が特徴。エイジ737年の惑星ベジータ消滅の際は、他の星を侵略していたため命拾いし、ベジータ、ナッパ、カカロット(孫悟空)とともに数少ないサイヤ人の生き残りとなった。

戦闘力は息子・悟飯を助けるためとはいえ、本来フェアな勝負を好む悟空が、ライバルのピッコロと手を組んで2人がかりで奇襲を仕掛けるといった手段を選ばざるを得ず、さらには「今度ばかりはワクワクしない、恐ろしくてガタガタくる」と、強い相手との戦いを何よりも楽しむはずの悟空に弱音を吐かせる程の圧倒的な実力差を誇っていた。

後に明かされた戦闘力は1500。これは一人前のサイヤ人の実力としては最低レベルで、ラディッツは最下級戦士の生まれで、さらには強敵との戦闘経験が不足していると判明した。残りのサイヤ人であるナッパとベジータは、それぞれ4000、18000と、ラディッツを遥かに凌いでいる。また、その時に生き残ったサイヤ人4人の中では、弱点である尻尾を唯一鍛えておらず、ナッパに「よわむしラディッツ」と呼ばれるなど馬鹿にされていた。
ラディッツ名前の由来はハツカダイコンの英語ラディッシュから。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

よく今時朝から流せたね。

さすがDBZ。編集一応いれてあったけどけっこうグロいよね。

リアルタイム世代からすると驚くべき展開の速さ。
カイオウケンだけでどんだけ時間かけたか・・。
スーパーサイヤ人になるのに中断もいれて一ヶ月だったしなぁ・・・。

原作はちゃんと約3週で1ストーリーってリズムだったっけ。
ほんと面白いです。フリーザまでね・・。

本作『改』で残念なのは声優さんの変更。まぁ鬼籍結構いるしギャラとか年齢の問題とか整理したかったのかなぁ・・完全にゲームのための再キャスティングに見えた。BGMはたしか亡くなられているのでしかたない。再利用ってわけにもいかないだろうしね。

気に食わなかったのは画面のカットの仕方。上下切って拡大したのか、無理やりワイドにしたせいですごく汚いでしょ?
普通に銀魂みたいな4:3でよかったんじゃね・・・。

OPが影山さんじゃないのもおかしいな。
はごろもフーズとロートがCMしてないのがなんか不自然だった。ごはんですよ はナイスです。

セル編までしかやってません。売れればまたかってくるのかね・・・。




投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

みり仔 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

所詮二番煎じ

はっきり言うと改にしなくて昔放送していたDBZを放送すればよかったと思う。
特に曲がクソ。なんでA○Bとか使ってるんですか。
opも影山氏の曲のほうが何倍もよかった。
子供向けにしたかったんだろうけど、それでも昔のほうがよかった。
新作カット有り!っとか始まる前言ってたのに、数えるくらいしかないし、いくつか消されているとこもあり、原作やDBZファンとしてはショック。
これを見るより昔のDBZをみましょう

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

70.4 22 リメイクアニメランキング22位
銀河英雄伝説 Die Neue These 邂逅(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (280)
869人が棚に入れました
数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類は、銀河帝国と、自由惑星同盟という“専制政治”と“民主主義”という2つの異なる政治体制を持つ二国に分かれた。 この二国家の抗争は実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台に、絶えることなく戦闘を繰り返されてきた。長らく戦争を続ける両国家。銀河帝国は門閥貴族社会による腐敗が、自由惑星同盟では民主主義の弊害とも言える衆愚政治が両国家を蝕んでいた。そして、宇宙暦8世紀末、ふたりの天才の登場によって歴史は動く。「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。ふたりは帝国軍と同盟軍を率い、何度となく激突する。(銀河英雄伝説公式ポータルサイトより)

声優・キャラクター
宮野真守、鈴村健一、梅原裕一郎、梶裕貴、諏訪部順一、小野大輔、中村悠一、川島得愛、三木眞一郎、石塚運昇、水内清光、藤原貴弘、楠見尚己、竹内良太、ふくまつ進紗、目黒光祐、櫻井トオル、畠中祐、小野友樹、下山吉光
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファイエル!!

ProductionI.G制作、原作田中芳樹。
ファーストシーズン全12話、
セカンドシーズンは全3章劇場公開予定。

不朽のスペースオペラ。
短尺の制限の中で最大限のクオリティを維持し、
3DCGで描かれる宇宙での大迫力の攻防と権謀術数。
CGが上手に戦闘をナビゲートしてくれます。
美麗なブリュンヒルデ号に感激ですね。
主題歌は澤野弘之、荘厳なOPです。

西暦2801年。人類は広大な銀河に進出し、
アルデバラン系第二惑星テオリアに政治中枢を移す。
同年を宇宙歴元年とし、銀河連邦成立を宣言する。
やがて連邦は、強固な専制体制の独裁を生み、
貴族を中心とした銀河帝国軍と、
帝国の圧政に抵抗する自由同盟軍に分かれ衝突。
戦争は長きに渉り膠着するも、
2人の天才の登場で歴史は大きく動き始めます。

今ある技術で名作を観てみる。
熱狂的なファンの方は言いたいこともあるのでしょうが、
これで良いのではと思います。
新たな標準になってくれればと期待しています。

最終話視聴追記。
願わくば一気見を推奨します。
{netabare}シナリオもキャラクターも世界観も、
その方が容易に入ってくるでしょう。
同盟軍寄りの描写が多かった分、
私としてはそれなりに楽しめました。{/netabare}

長い尺で考える作品だろうなと感じます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 47

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

とある名作初体験者のつぶやき

2018.07.01記


原作未読 旧アニメ版未視聴

古典ですね。2018年春期は銀英伝はじめキャプテン翼、水野良原作グランクレスト戦記とおじさんホイホイなラインアップでした。銀英伝、現役当時は触れる機会がなかったので、せっかくだと思い視聴決定。

流麗なグラフィック、重厚な声優陣、軍事戦略と政治が絡むストーリー展開、1クールものとしてはそこそこ良かったと思います。
一方で1クールであった故の説明不足や、プロセスが端折られたと思われる場面も散見されるのでなんとも惜しい部分もありました。

総じて初見の私にとっては銀英伝の導入として楽しく鑑賞できる内容でした。


政治が軍事作戦に及ぼす影響の強さ
民衆心理の推移
戦地へ向かう者と残された者の物語
用兵術

ある程度納得感の得られる仕上がりになってます。
そして、どうして名作と呼ばれているかの匂いも感じとることができました。
なぜかと言うと、対立する両軍の将(参謀含めて)どちらも魅力的ですから。


これを機に原作や旧版に手を伸ばしてみようと思えるような佳作だったと思います。



-----
2018.12.01追記
《配点を修正》


銀英伝といえば小説版の印象が強い私(読んではいない)。「銀河英雄伝説」「グインサーガ」「アルスラーン戦記」のシリーズものが書店に並んでいましたが、手に取ることはありませんでした。当時中学生。だってどれも長いんだもん。

アニメもネット登場前の時代で地方在住となると、Newtypeやアニメージュで特集されてるタイトルのけっこうなものが「だって映んねーじゃん」、それが当たり前でした。

当時銀英伝が視聴可能な環境だったかどうかはとんと覚えてませんが、リメイクとはいえ若かりし頃に単語だけはインプットされて素通りしてしまったものにこうして触れられる期会があることは幸せですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37
ネタバレ

NEOたちばな さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

物足りないなぁー。これじゃプロージットできん!

祝!再アニメ化!

1番好きなアニメはもちろん銀河英雄伝説
1番好きなキャラはファーレンハイト
旧作に対する想いはいつまでたっても変わらない
再アニメ化でもっと色々な人に銀河英雄伝説を知ってもらえることが素直に嬉しい

-数話視聴してザックリ思ったこと-
単純に絵は綺麗、というか感動した
艦艇とか艦隊戦とかすごい!!!
物語も再アニメ化ということだから旧作と大きな差異はなさそうだし良かった
キャラデザは・・・
まぁ自分の持ってるキャラクター像とハマるかハマらないかだよね
旧作よりおじさんキャラ達がイケメン化されてるね、これはじわるw
声も問題なし!旧作で演じてた声優へのリスペクトを感じる

-各話感想-
1話-永遠の夜の中で-
{netabare}ファーレンハイトが無骨な武人って感じすぎるね、彼の華奢で優男風な容姿が好きだったから残念
声はファーレンハイト以外は意外と大丈夫かな、思ったよりしっくり来てる
特にキルヒアイスいいね、けどキャラデザはねぇー
キルヒアイスと言ったら赤毛の天パじゃないと笑
全体的にキャラデザは腐女子に寄せすぎか、黒子のバスケみたいだね
艦艇および艦隊戦のCGはめっちゃ綺麗、ブリュンヒルトの曲線は甘美そのもの
あと理屈倒れのシュターデンさん健在で安心した笑
そしてみんな大好き「ファイエル」が聞けたことに感動
{/netabare}
2話-アスターテ会戦-
{netabare}まず思ったのが、ヤンが想像以上にヤンだ!!!
パエッタ中将とかパストーレ中将(空気)が相変わらずの無能で逆に安心したw
幕僚のラオ少佐…旧作にもそんな人いたかな?
ブリッジ攻撃されたときのダメコン描写で「銀英伝が新しくなったんだなー」ってしみじみ
フィッシャーが微妙にイケメンになっててワロタw
全体的におじさんキャラがイケメン化してるよね笑
いつ反転迎撃からの轟沈でエルラッハ死ぬんだろうと思って楽しみ(不謹慎)にしてたんだけど死ななかったね!
こういう細々したシーンが楽しみだったりするんだけどね!
最後の最後にフリードリヒ4世が旧作より少し若返ってて笑った
※ガムンダさんよりラオ少佐の詳細を教えていただきました、ありがとうございます!
{/netabare}
3話-常勝の天才-
{netabare}今回はラインハルトとキルヒアイスの前日譚的な話ね
冒頭のナレーションが思ったよりいい感じだと改めて実感、下山さんいいよいいよ
フリードリヒ4世の声が軽すぎない?なんか若すぎるよー!個人的にはもっとヨボヨボでしゃがれた声が希望だね…
オーベルシュタインいいぃー!
レジェンド塩沢兼人さんを彷彿させるね諏訪部さん、ハマってるぅー!
そうだそうだ思い出した、これは「歪曲した」姉弟愛と「歪曲した」友情の物語だったね笑
血統主義なんてクソ食らえ!能力至上主義こそが絶対!ってのが銀英伝って感じするね
ただ、いざ自分のおかれてる状況にあてはめて考えてみると自分に能力があるかどうから甚だ疑わしい…かなしいなぁー
{/netabare}
4話-不敗の魔術師-
{netabare}今回はヤンの前日譚的な話ね
ジェシカのビジュアルが格段にアップしてる笑
模擬シュミレートのワイドボーン戦がめっちゃリアルで綺麗になってる!!!
旧作では座ってポチポチしてただけだったよね笑
たしかワイドボーンってラインハルトと戦って盛大に戦s…おっと失敬
きたきた、エルファシルの英雄!
えらいサクッとしてたね、こうゆうところで時短…!?
コーヒーより紅茶のシーンきたきた、将来のおよm…おっと失敬
{/netabare}
5話-第十三艦隊誕生-
{netabare}ユリアン…えらいイケメンなったなぁー。
トリューニヒト…お前は無駄にイケメンになったなぁー。あんたの如何にも胡散臭いペテン師っぽいツラが好きだったよ…
ふむふむ、順調に憂国騎士団が荒ぶってるねぇー。
でもさ、アスターテ会戦の慰霊祭ってこんな感じだっけ?
ヤンは慰霊祭に出席しなくて一人で荒ぶったジェシカをヤンとアッテンボローが助けに行って、そしてトリューニヒトとヤンが交渉するみたいな感じだったよね…?
ここの描写がないってことは後々にも結構な影響があるような気が・・・
あと、クリスチアン大佐が憂国騎士団でしかも慰霊祭にも登場するとはね…これは意外すぎる
旧作との意外な違いも楽しめますね!
{/netabare}
6話-イゼルローン攻略【前編】-
{netabare}もっさいユリアンをかえせー!
童貞感モロ出しのユリアンをかえせー!
で、なんやこのムライは!?!?!?
これがムライなのか…眼鏡やし髪の毛チリチリやしこれが「歩く小言」なのかよ
グリーンヒルはいかにもアニメキャラっぽくなってしまったのぉー、ムライよりグリーンヒルの方がコレジャナイ感が強いかな
シェーンコップは超絶イケメンやしビュッコクはめっちゃスリムやしアニメキャラって感じになっちゃった
密命を帯びた味方部隊って怪しさMAXやけど本当に味方だったら見殺しにすることになるし中々難しい判断だよね
{/netabare}
7話-イゼルローン攻略【後編】-
{netabare}イゼルローン要塞の液体金属の質感がすごいリアル!
帝国は刺青だめなんだ…危ない危ない
ボディーチェックのハイテク感よ、過剰なまでのハイテクぶりちゃう笑?
前作同様あっけなく司令室占拠しちゃったね
トールハンマーの発射描写めっちゃリアルで見応えあるぅー
ルビンスキーのモミアゲが思ったよりギザギザでワロタ
やっぱりオーベルシュタインはハマってる
{/netabare}
8話-カストロプ動乱-
{netabare}マクシミリアンさんすごい無能でボンボン感が漂う容姿してる…前作のカストロプ星系の人はほぼ裸だったよね笑?
おぉー、バルバロッサかっこいい!
ちゃんとビューローもベルゲングリューンもいる!
ちょっw
マクシミリアンさん部下ぶん殴りすぎやろw
前はアステミスの首飾りに頼ってたけど、今作は部下を掌握出来ずに反乱?みたくあっけなく終わったね
オーベルシュタインのピンチをチャンスにっていう考え方は好きよ
フリードリヒ4世は治世者としては暗愚だったかもしれないけど、結構大胆な考え持っちゃってるし物事を達観してるし中々の人物ですよね
{/netabare}
9話-それぞれの星-
{netabare}【悲報】ジョアン・レベロもホワン・ルイも完全に別人の件
うーん…トリューリヒトの没個性化がやっぱり残念
「戦争」というキラーフレーズに負けるのが政治屋だよね、どんな世界でも一緒だ
グリーンヒル大将「君が優等生のユリアン君か」→ユリアン「はい!はじめまして」って謙遜しろよユリアン!!!
ボルテックの謎の老化も気になるw
タイトルの「それぞれの星」…深いねぇーシミジミ
歴史は1人1人が創るもの
「history」はhis story=彼の物語
{/netabare}
10話-幕間狂言-
{netabare}「増長させておけばいいでしょう」なんと無責任な助言だ、それで納得する方も大概だがw
ロボス元帥の顔がいかにも昼寝しそうな顔になってる笑!
でたでたフォーク准将、なんかただのイケメン
そして迷言「高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に」
フォーク准将のマスタベーションはやっぱり(逆に)すごい
タイトルの「幕間狂言」が的確すぎてワロタ
負けると分かってて戦うのは嫌だね、それなら僕は負けると理解できない脳筋でありたい
{/netabare}
11話-死線【前編】-
{netabare}焦土作戦にまんまとハマった同盟軍
旧作にあった占領星の地主の娘と兵士との恋物語は丸々カットですかね?
きたきたプロージットからのグラスぱりーん、人生で1度はやってみたいことベスト3に入るね笑
ブリュンヒルトの出港シーンかっこいい!
躍動感が違うね、荘厳だぁー
{/netabare}
12話-死線【後編】-
{netabare}おぉー、ここにきて初の空中戦?というかドッグファイト
ビュッコックの的確な指示ステキヤン
疾風ウォルフきたー、相変わらずのそうr...おっと失敬
オイゲン久しぶりだなぁー、元気だった笑?
ウランフさんはミサイル全部発射できたかね…?
ロボスはなんちゅー顔で報告聞いとるんや{/netabare}

-見終わり後の総評-
{netabare}・物語:アムリッツァ星域会戦までのダイジェストみたいな感じで物足りなさを感じた
・作画:すごーい!めっちゃリアルやし、スピード感のある艦隊戦には感動した
・声優:いいんじゃないでしょうか(あんまり詳しくないし)
・キャラ:これはダメだ…
・音楽:いいんじゃない(適当){/netabare}

旧作を知ってる人は「こんなシーンあったねー」・「このキャラ懐かしいなー」って思いながら観れるから楽しいと思いますよ♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 34

56.5 23 リメイクアニメランキング23位
美少女戦士セーラームーン Crystal(クリスタル)(Webアニメ)

2014年7月1日
★★★★☆ 3.1 (173)
831人が棚に入れました
原作:武内直子、監督:境宗久、シリーズ構成:小林雄次、、ももいろクローバーZ

文葉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

テンポよくあっさりしたリメイク。

名作の「美少女戦士セーラームーン」を
ギュッと濃縮して26話であっさり観られる。

テンポが良くて話もスムーズ。
1部:ダーク・キングダム編と
2部;ブラックムーン編が味わえます。
視聴中「話が進まない!」等のストレスは皆無。

作画は比較的綺麗な気がする。
セーラー戦士のお顔がシャープで鋭い(刺されたら痛そう)AGO(顎)と
小顔×大きな瞳で女の子の憧れと象徴そのもので「コレジャナイ感」が出てるけど気にしない(適当)

私が生まれた頃のアニメなので、セーラームーンのアニメ自体そこそこ観ていましたが全部は見ていなくて一部分のみだったので話自体よく知りませんでした。

母と兄がファンだったらしく、家を探すとレア?なセーラームーンの着せ替えのお人形(危うく、おままごとよりゲームや外遊びが好きだった小さい頃の私の悪戯の餌食になるところだった)やコミックスが出てきます。

深く観たいならリメイク前のを。
あっさり大まかでも良いから観たい方や
懐かしいものを新しくリメイクしたものが観たい方はオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーン!月に代わって、お仕置きよ!」

1992年から少女漫画雑誌「なかよし」で連載されていた
人気漫画のアニメがリメイクされて登場!

自分もギリギリのセーラームーン世代で、
当時は漫画もアニメも見ていた覚えがあります^^
(内容は全く覚えていませんでしたがw)

本当はリメイク前のアニメを観たいと思っていたんだけど、
残念ながらレンタルショップには置いてなかったのでこちらを視聴。

1期「ダーク・キングダム編」
2期「ブラック・ムーン編」
全26話です。


● ストーリー
月野うさぎ(つきの うさぎ)はドジで泣き虫な中学生の女の子。

額に三日月の模様を持つしゃべる猫・ルナと出会ったことをきっかけに、

セーラー戦士として街の平和を守りながら
「幻の銀水晶」と「月のプリンセス」を探す指令を受ける。


設定は時代に合わせて変えられているところもあれば、
(携帯電話を使うところなど)

普通に考えるとツッコミどころ満載な設定がそのまま残っているところも。
(意図的なギャグよりもこっちの方が笑えますww)

ストーリーは少しダイジェストで駆け足な印象は受けましたが、
設定が凝っていて面白かったです^^
十分見ごたえがありました♪


仕事の先輩にものすごく髪の長い人がいまして。

本人から直接聞いたわけではないですが、
のばしている理由は「セーラームーンになりたいから。」らしいのです。
(50代のおばちゃんなのですけどね。)

そういや確かに時々ツインテールにしてるわ…と
衝撃を受けた覚えがあります。笑

そんなふうに、いまだに世の女性を虜にし続けるセーラームーン。
やはりそれだけの存在感には理由があるわけです。


≪ すべての乙女に捧げる、愛の戦士の物語 ≫

かわいい衣装に変身し、
強い心を持って悪と戦い、

信頼できる大好きな仲間が傍にいて、

ピンチの時にはヒーローが登場してかっこよく助けてくれて、
その正体はちょっと口は悪いけどイケメンの気になるあいつで、

{netabare} お姫様の生まれ変わりで、
愛する人と再び出会って恋に落ち、 {/netabare}

弟は小生意気なかわいい小学生。

……ツボを押さえすぎ!!!(興奮)

さすが少女漫画といいますか、
乙女の憧れや夢がふんだんに盛り込まれています。

これは憧れちゃうよね。
私も憧れます。

女の子の永遠の憧れ、それがセーラームーンなのです。


● キャラクター&声優
主人公のうさぎ以外は新しいキャストです。

昔を覚えていないので違和感は全然ありませんでした。
(アルテミスのおじさん声だけはなかなか慣れませんでしたがww)

声優さんも聞いたことある人ばかりで豪華ですし^^

昔は亜美ちゃんと美奈子ちゃんがかわいいと思っていて、
まこちゃんとレイちゃんのかわいさが全然わかりませんでしたが、

今では全員のかわいさがわかるようになりました^^


さて、今回特別に触れたいのは本作のヒーロー、
タキシード仮面こと地場衛(ちば まもる)です。

うさぎが女の子にとって永遠の憧れならば、
まもちゃんは女の子にとって理想の男性像です。

かっこよくて、頭が良くて、優しくて、ピンチの時には必ず守ってくれる。

うさぎがメロメロになるのも当然ですね。
私も昔はメロメロでしたww

今回何が驚いたって、まもちゃんって高校生だったのですね。
あの色気で高校生って…(;゚Д゚)

上半身裸で目覚めたり、
高層マンションに1人暮らしだったり、
妙に大きいベッドだったり、
いやもう高校生って設定やめようよwwと何度も言いたくなりましたww


● 音楽

【 OP「MOON PRIDE」 / ももいろクローバーZ 】

「ムーンライト伝説」に勝るものは
期待できないだろうと思っていました。

しかし、そんな私の考えを
良い意味で裏切ってくれたのがこのOP!!

「紅蓮の弓矢」などを手掛けたRevoが作詞・作曲を担当。

元祖の名曲に負けない魅力をこの曲も持っていると思います。
非常に気に入りました^^

歌詞がかっこいい♪

これで歌唱力が良ければもっとよかったのだろうけど…(ごにょごにょ)


【 ED「月虹」 / ももいろクローバーZ 】

EDはしっとり系の曲。
これはこれで好きです。

過去にもセーラームーンの曲(「タキシード・ミラージュ」など)を
書いていた小坂明子さんが作曲。

そして作詞は原作者の武内直子先生なのです!

「白薔薇 sumire」という名義だったので、
調べてみて初めて知りました。


● まとめ
懐かしくもあり、
大人になって観ることによる新しい受け止め方もあり、

全体的に楽しんで視聴することができました^^
ああ、でもやっぱり昔のアニメも観たいなあ。

3期「デス・バスターズ編」も2016年春から放送が決まっており、
こちらも楽しみです♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドラマチック&ロマンチックを具現化した、望外の「原作準拠」リメイク良作

お待たせしました。
みんな大好き“美少女戦士”アニメの紹介レビューです。

といっても、旧作の方は全5期200話もある大長編で、制作時期の古さ(1992年3月~1997年2月)から来る作画・演出の陳腐化に加えて、当作が空前の大人気作となってしまったことから来る追加に次ぐ追加エピソードの嵐で、まるで「過食症でブヨブヨに太ってしまった(もと)美少女(※ただし素材は抜群に良い)・・・」みたいな様相を呈してしまっていて、当作の名高さに惹き寄せられて、「さぁ、これから『セーラームーン』とやらを視聴してみようか・・・」と意気込む熱意溢れる方々に、旧作を素の状態で紹介するのは、いたたまれない気持ちになってしまいます。

・・・と、そう思っていたら、「需要あるところに供給あり」なのか、既に2014年から2016年にかけて、本シリーズの最初から、その“肝(きも)”である第3期(デス・バスターズ編)までが、確りと現代のアニメ技術でリメイク(再制作)されているではありませんか!

いやぁ本当に日本(このくに)に生まれて良かった・・・。

ここでわざわざ、レビュー・タイトルに「原作準拠」と表記しているのは理由があって、旧作アニメの方は、必ずしも「原作マンガ」に忠実な作品ではない(かといって原作からかけ離れた作品という訳でもない)・・・という、ちょっと微妙な関係にあり、もう少し詳しく書くと・・・

(1) 原作マンガの雑誌連載期間は、1992年2月-1997年3月
(2) 旧作アニメのTV放送期間は、1992年3月-1997年2月
(3) ということで、原作マンガと旧作アニメとが、ほぼ同時進行しており、アニメの方は原作者(武内直子氏)から事前に提供されていた原作マンガの設定(世界観や人物設定など)やプロット(具体的に作品として描かれる以前の粗いシナリオ原案)をなるべく尊重しつつも、独自の追加設定や追加エピソード、さらには改変設定・改変エピソードまでをアニメ化に際して大量に導入している。
(4) 中には、原作マンガの設定やプロットが固まる迄の繋ぎとして、完全アニメ・オリジナルで企画・制作されたパート(第2期(セーラームーンR)序盤の「魔界樹編」と第5期(セーラースターズ)序盤の「ネヘレニア復活編」)まである。
(5) その結果、旧作アニメは、原作マンガの世界観やシナリオを大筋ではちゃんと受け継いでいるものの、余りにも当時のアニメ制作者やスポンサーの商業上の打算に都合よく利用されて、現代の目から見て、既に陳腐化してしまい改めて観るだけの作品価値を毀損してしまっているパートが多くなり過ぎている。

※具体的にいうと、
<1> 第1期の場合、原作に準拠した新作ならば14話で収まるところを、旧作アニメでは延々46話にわたって制作・放送されていた。
<2> 第2期の場合、同じく新作では12話で収まるところを、旧作アニメでは延々43話にわたって制作・放送されていた。
<3> 第3期の場合、同じく新作では13話で収まるところを、旧作アニメでは延々38話にわたって制作・放送されていた。

・・・ということで、新作の方は、旧作アニメの最大の問題点である「シナリオの本筋に全然関係ない膨大な水増しエピソード」をゴッソリ削り落とし、なおかつ旧作にあった原作マンガからの改変設定・改変エピソードも綺麗さっぱりリセットして、その結果、旧作では第1-3期併せて127話もあったところを、原作に忠実なスリムでリーンなシナリオの作品に仕上げることで、第1-3期併せて39話の作品へと比較的視聴負荷のかからないものに生まれ変わりました(※ 39/127=約30% にサイズダウン)。

いやぁ本当に良かった。

・・・そう思って、本サイトでのこの新作アニメの評判をチラっと確認してみたら、あれれ???散々な評判ではありませんか。なぜこうなった???

この新作、何が評判悪かったのか?というと、一言でいってCGで制作されたらしいヒロイン(月野うさぎ)の変身後の決めポーズの「コレジャナイ」感が強すぎたのです。
旧作の決めポーズの「可愛い格好いい」感が全然でていない、というか、いかにもCGっぽい不気味で無機質な表情でビシッと決められてもなぁ・・・。
※この大失策には制作側も遅ればせながら気付いたようで、シーズンⅢからは、ナチュラルな手書き?っぽい決めポーズに改められています。

それ以外の、この新作への悪評については、もともとのファンの度を超えた旧作贔屓の産物と思って無視すれば十分です。(※そういう人に限って、過度の思い出補正により、旧作の方には4点以上の高評価をつけ、新作の方には3点台の低評価をつけていますが、そういう人は、もともと好きだった旧作の方をこれからもずっと楽しんでもらえればいいのです。)

・・・ということで、これからこの新作アニメの視聴を開始しようと思っている方に、一言だけアドバイス。

CGによる変身パートについては「諦めて下さい」。

あらかじめ、そこだけ諦めておけば、視聴を始めてから失望してしまうことは余りありません。
なんせ、世界観やキャラ設定は、今後このジャンルでは二度と出てこないと思われるほど優秀(※一例として、「セーラー戦士(Sailor Guardian)」が、そのまま「太陽系の守護者(Solar Guardian)」に音便変化しており、それぞれの守護星に応じた能力を確り保持していること等)、かつ、シナリオも飽きる暇がないほどドラマチックな展開の連続で最後まで一気に突き進んでしまいますから。

ももいろクローバーZが歌うOP「MOON PRIDE」も、聴き慣れてくると旧作OP「ムーンライト伝説」に勝るとも劣らない名曲に思えてくるから不思議です。
因みに、この「MOON PRIDE(※直訳すると「月の誇り」)」という印象的なフレーズは、第1期(ダーク・キングダム編)終盤の山場で{netabare}ヒロインが決意を固める流れ{/netabare}に深く関わってくるので、アニメ本編の視聴を始める前に、このOPのミュージック・クリップを何度か視聴して、本作のノリとテーマ(※それから、おまけとして問題のCGの出来具合)に、あらかじめ見当をつけておくのがお薦めです。

ゴメンね、素直じゃなくて。

※以下、期別の内容紹介。


◆第1期(ダーク・キングダム編)

 ⇒ ドラマチック&ロマンチックな堂々の王道展開を楽しもう!

旧作アニメだと、屋上の月型のマークがデカ過ぎて気付きにくかったのですが、新作では、少女たちがセーラー戦士に目覚める時に、その瞳に一瞬映る白銀色に輝く王宮(ムーン・キャッスル)の姿が、フランスの首都パリに実在する「サクレ・クール(聖なる心)寺院」(※パリのモンマルトルの丘に立つネオ・ビザンティン様式のカトリック寺院)の姿を模したもの、とハッキリわかります。
※因みに、シルバー・ミレニアム(銀色の千年王国)の首都の全体像は、同じフランスにある複合修道院施設島「モン・サン・ミッシェル」を模した形に描かれています。

太古の時代の{netabare}月のプリンセスと地球のプリンスの許されざる恋が招いた悲劇と転生の物語、プリンセスの守護戦士とプリンスの守護騎士たちの因縁、そして繰り返される悲劇{/netabare}・・・まるで、西洋の《古典悲劇》の型を踏襲したかのような見事な構成に魅せられる!
よく見ると本作は、各話が、ACT.~ つまり「第~幕」と表記されており、本作が「演劇」を模した(=つまり劇的 dramatic な=波乱に富んだ)シリーズ構成を意識的に行っていること、が明示されています(※原作マンガ(完全版)の各話構成とも完全に一致)

でも、本作が重苦しい作品なのか、というと全然そうではなくて、ヒロイン(月野うさぎ)が「アホの子」だけに抜群の見易さ!

そして終盤の第12話のラストシーンで、本作の視聴開始直後からずっと気になっていた、OP 「MOON PRIDE」の最初の小節{netabare}「MOON PRIDE 貴方の、力になりたい・・・」という言葉が見事に回収{/netabare}される!
これで本作への好感度がさらに上がってしまい、様式美溢れるこの第1期への個人評価は ★★ 4.5 とかなり高くなりました。


◆第2期(ブラック・ムーン編)

 ⇒ 途中から明かされるトンデモ設定を逆に楽しもう!

第2期は第1期に比較すると、さまざまな点で設定矛盾が目立って、どうしても個人評価は ☆ 3.8 と低くなってしまいますが、それでも途中から明かされる稀に見るトンデモ設定に思わず笑ってしまいました。

それにしても、ちびうさを small lady (背の低いレディ)と呼んでいるのは何か変・・・そこは petite lady (幼いレディ)だろ普通、と思っていたら、{netabare}彼女の実年齢が900歳以上{/netabare}って・・・それじゃ small lady で仕方ないのかな?


◆第3期(デス・バスターズ編)

 ⇒ 本作唯一の《神回》を含む超展開!迫りくる世界の終焉に戦慄すべし!

SeasonⅢ(第3期)は、思い切ってキャラクター・デザインが今風に変更され(※キャラデザ担当の高橋晃氏は、スイプリ&ドキプリのキャラデザを本作以前に担当)、第1-2期ではCGの違和感の大きかった変身シーンが滑らかな手書きに改められています。
なお、音楽は何故か1-2期に比べてインパクトがない印象ですが、それでも聴き続けると次第に耳に馴染んでくる良曲だと思いました。

「セーラームーン」シリーズの中でも白眉といえるこの期の個人評価は、★ 4.3 とやはり高くなりました。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ       武内直子(『なかよし』1992年2月-1997年3月連載)
シリーズディレクター 境宗久(第1-2期)、今千秋(第3期)
シリーズ構成      小林雄次
キャラクターデザイン 佐光幸恵(第1-2期)、高橋晃(第3期)
音楽           高梨康治
アニメーション制作  東映アニメーション{/netabare}


◆期別評価

(1) 第1期(ダーク・キングダム編) (14話) ★★ 4.5
(2) 第2期(ブラック・ムーン編)   (12話) ☆   3.8
(3) 第3期(デス・バスターズ編)  (13話) ★   4.3
------------------------------------------------------
  総合評価            (計39話) ★   4.3


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

== 美少女戦士セーラームーンCrystal (第1-2期) (2014年4月-2015年6月) ==

 ------------- ダーク・キングダム編 -------------
{netabare}
Act.1 うさぎ -SAILOR MOON- ★ 宝石店事件 ※CGパートは微妙だが展開の速さは◎
Act.2 亜美 -SAILOR MERCURY- ★ 天才少女、クリスタルゼミナール事件
Act.3 レイ -SAILOR MARS- ★ 火川神社の巫女、魔の6時のバス事件
Act.4 Masquerade -仮面舞踏会- ★★ D国大使館騒動
Act.5 まこと -SAILOR JUPITER- ★ 怪力失恋転校生、ブライダルショップ事件
Act.6 タキシード仮面 -TUXEDO MASK- ★ 幻の銀水晶捜し強制事件、セーラーVの影、うさぎ&衛双方身バレ
Act.7 地場衛 -TUXEDO MASK- ★ 衛の過去と目的、洗脳DVD事件、セーラーV見参
Act.8 美奈子 -SAILOR V- ★ 月のプリンセス?、美奈子おびき出し、東京タワーの戦い、衛被弾
Act.9 セレニティ -PRINCESS- ★★ 続き、前世の記憶回復、封印解除(幻の銀水晶出現)、衛奪わる
Act.10 MOON -月- ★ シルバーミレニアムの廃墟と聖剣、クイン・セレニティのメッセージ、四天王とセーラー戦士たちの前世
Act.11 再会 -ENDYMION- ★ 黒エンディミオン(遠藤君)接近、地下指令室の戦い
Act.12 敵 -QUEEN METARIA- ★★ 続き、クイン・ベリルの最期、北極圏へ、プリンセスの誇りと自信
Act.13 決戦 -REINCARNATION- ☆ クイン・メタリア強大化、二つの奇跡、幻の銀水晶の力解放
Act.14 終結そして始まり -PETITE ÉTRANGÉRE- ★ クイン・メタリア撃滅、月の王宮再生、ちびうさ登場 ※ラスト新展開{/netabare}

 -------------- ブラック・ムーン編 ---------------
{netabare}
Act.15 侵入 -SAILOR MARS- ★ 新たな敵、妖の四姉妹来襲(コーアン)、レイ囚わる(紅のルベウス)
Act.16 誘拐 -SAILOR MERCURY- ☆ 邪黒水晶とブラック・ムーン、亜美vs.ベルチェ、亜美囚わる
Act.17 秘密 -SAILOR JUPITER- ☆ まことvs.ペッツ、まこと囚わる
Act.18 侵略 -SAILOR VENUS- ☆ 美奈子vs.カラベラス、過去と未来の幻の銀水晶、ちびうさの願い
Act.19 タイム・ワープ -SAILOR PLUTO- ★ 30世紀へ、時空の番人(セーラープルート)、クリスタル・パレス到着
Act.20 クリスタル・トーキョー -KING ENDYMION- ★ 続き ※結構なトンデモ設定で笑
Act.21 錯綜 -NEMESIS- ★ 暗黒惑星に囚われたうさぎ、プリンス・デマンドの望み、ちびうさ闇堕ち
Act.22 思惑 -NEMESIS- ★ 幻の銀水晶のパワー解放、ブラックムーン城崩壊・脱出 ※面白いのだがシナリオの整合性のなさが鼻につく点は×
Act.23 暗躍 -WISEMAN- ★ 暗黒城の主、暗黒の女王来襲 ※同上×
Act.24 攻撃 -BLACK LADY- ☆ 黒エンディミオン再び、ラスボス来襲、プリンス・デマンド暴走 ※面白いけど展開が色々と雑な点は×
Act.25 対決 -DEATH PHANTOM- ★ 時間停止(プルート禁忌違反)、ちびうさ復活・セーラー戦士化、プリンス・デマンド死亡、デス・ファントムの怨念
Act.26 再生 -NEVER ENDING- ★ ネオクイン・セレニティの目覚め、ちびうさとの共闘(ラスボス殲滅)、未来の自分との別れ、ちびうさ再来訪{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)18、☆(並回)5、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

OP 「MOON PRIDE」
ED 「月虹」


=== 美少女戦士セーラームーンCrystal SeasonⅢ (第3期) (2016年4-6月) ===

 -------------- デス・バスターズ編 --------------
{netabare}
  ^^^^^^^^^^^ OP「ニュームーンに恋して」、ED「eternal eternity」 ^^^^^^^^^^

Act.27 無限1 予感・前編 ★ 天才レーサー&天才ヴァイオリニスト接近、無限学園生徒の先祖返り ※様式美を感じる変身シーンは◎
 ”   無限1 予感・後編 ★ 無限学園潜入、ウィッチーズ5来襲、土萌研究所の少女、謎のセーラー戦士たち
Act.28 無限2 波紋 ☆ 学園の怪集会、ユージアル撃破、謎のセーラー戦士の警告
Act.29 無限3 2人 NEW SOLDIERS ★ ちびうさ&ほたるの友情、学園の怪コンサート、ミメット撃破、ネプチューン&ウラヌス名乗り

  ^^^^^^^^^^^^^^^^^^ OP(変わらず)、ED「乙女のススメ」 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Act.30 無限4 SAILOR URANUS 天王はるか SAILOR NEPTUNE 海王みちる ★ 破滅の神の夢、亜美の体験入学、ビリユイ撃破
Act.31 無限5 SAILOR PLUTO 冥王せつな ★ 土萌研究所訪問、植物園の罠、プルート転生、テルル撃破
Act.32 無限6 3戦士 ★ 外部惑星3戦士の使命と目的、タウ星系からの侵入者、ほたるの体の秘密、シプリン来襲
Act.33 無限7 変身 SUPER SAILOR MOON ★★ 聖杯の力解放(スーパーセーラームーン覚醒)、シプリン姉妹撃破、滅びの戦士(セーラーサターン)覚醒の悪夢、ミストレス9覚醒

  ^^^^^^^^^^^^^ OP(変わらず)、ED「永遠だけが二人を架ける」 ^^^^^^^^^^^

Act.34 無限8 「無限迷宮」1 ☆ ちびうさ心停止、無限学園突入と罠、マグス・カオリナイト撃破
Act.35 無限9 「無限迷宮」2 ★ 師(マスター)ファラオ90の野望、ダイモン化実験、土萌教授撃破、ミストレス9再出現
Act.36 無限10 無限大―上空 ★ ほたるの戦い・魂消滅、ちびうさ甦生、スーパーセーラーチビムーン覚醒
Act.37 無限11 無限大―審判 ★★★ ミストレス9撃破、師ファラオ90実体化・タウ星系接近、セーラームーン単騎突撃、サーラーサターン覚醒
Act.38 無限12 無限大―旅立ち ★ 沈黙の大鉈(世界の終焉の危機)、うさぎ一瞬メシア化、ほたる転生、後日譚(高校進学、ラスト新展開へ) ※ED「eternal eternity」{/netabare} 
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★★★(神回)1、★★(優秀回)1、★(良回)9、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


◆(※参考)続編情報

昨年6/30に、第4期(デッド・ムーン編)が、劇場版(前・後編)として制作されることが公式サイトで発表されています。
シリーズディレクター(監督)は第3期と同じ今千秋氏。公開時期は未定。

(2018.12.14)旧作レビューをUP

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

66.8 24 リメイクアニメランキング24位
UQ HOLDER! ~魔法先生ネギま!2~(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (173)
819人が棚に入れました
平穏で退屈な田舎に暮らしている少年・近衛刀太の夢は、都へ行って一旗揚げること。
刀太は都へ行くため、育ての親であり優れた魔法の使い手である雪姫に挑戦する日々を送っていた。だが、戦いながらも仲良く暮らしていた2人の前に現れた賞金稼ぎによって、田舎での平穏な日々は終わりを告げる。

これは、ろくでもないモノになってしまった者達の物語。

声優・キャラクター
高倉有加、松岡由貴、広瀬ゆうき、佐藤利奈、茅野愛衣、小倉唯、白鳥由里、桑谷夏子、神田朱未、渡辺明乃、堀江由衣、佐久間未帆、能登麻美子、皆川純子、石田彰、原田彩楓、鬼頭明里、柿原徹也、咲野俊介、梶裕貴、小山力也、小野大輔

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「育った」エヴァンジェリン登場(笑)!?(ハイペースの原作消費でした…。)

週刊少年マガジン連載の同タイトルのマンガが原作。
(今は別冊少年マガジンに掲載誌を変更。)

タイトルの「UQ(ユーキュー)」は「悠久」と掛けられていて、作中には前作『魔法先生ネギま!』でもおなじみの吸血鬼エヴァンジェリンをはじめとして、いろいろなタイプの「不死者」が登場します。

一応世界観は継続しているものの、「ネギま!」よりは相当に未来であることもありとりあえず「ネギま!」を観ていなくても特に序盤はそれなりにお話にはついていけると思います。

かなりの長期連載ですが、アニメ化でどこらへんのお話までやるのかは、謎…。
== [以上、視聴前レビュー] ==

…ということで、第1話を観ました。原作だと初期は『魔法先生ネギま!』との関係性を強く押し出さずに始まったのですが、最近の原作の現状を考えて最初からネギま!を匂わせる方向なのですね。

第1回放送の前の特番でも、「これまでのネギま!」まとめみたいなノリでしたし。OP/EDに出てたキャラも考えると、序盤の修行パートとかはけっこうハイペースで進むのかな…?

2017.12.20追記:
全話視聴終了。とにかく「ネギま!2も名乗ったことだし、どんどんネギま!キャラを出してやるぜ」とでも言わんばかりに旧作キャラが目白押し。

女性キャラも巻きでバシバシと登場させて、早期にハーレムアニメっぽい雰囲気を作ってましたね。

前作のネギま!よりは修行とか戦闘パートが目立つ原作でしたが、特に修行に関しては大幅に尺カットで一気に原作を消費しました。

ネギま!自体はずっと原作を読んでいたこともあり、もちろんつまらなくはなかったんですが今後あえて人に薦めるほど面白かったかというとそんなこともないかなといった無難な作品に収まってしまった感があります。

OPを『ハッピー☆マテリアル』(前作OP)のカバー曲にしてしまったのも、無難といえば無難でしたがそこはちょっと冒険して欲しかった気がしました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ハッピー☆マテリアル2

原作未読。最終話まで視聴。

早い段階で、{netabare}少々グロ目の{/netabare}バトル展開。
その後も、{netabare}少々グロ目の{/netabare}バトル展開が続き・・・。

不死者が主人公なので、どうしてもこういう展開にならざるを得ないのだろうが・・・。

コメディパートは面白かった。
特に第9話のドタバタ展開は最高だった。

終盤、前作にあたる「魔法先生ネギま!」のキャラが{netabare}次々と出てくるのは{/netabare}少し贅沢な感じがして良かった。
(直前に「予習」しておいて良かった~(笑))

作画が少々乱れる点と、{netabare}結局、何一つ問題解決していない{/netabare}物語は、評価が分かれるかもしれない。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

ISSA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

光る風を追い越したら♪君にきっと逢えるね♪新しい輝き♪HAPPY!LADY!GO!!

前作に当たる「魔法先生ネギま!」は数話見た程度
やたらハーレムで中身の無さそう、つまらなさそうで見なかった。
それでもこの曲はやたら耳に残る主題歌
「ハッピーマテリアル」

いかにも少年漫画らしいアクションファンタジー、ネギま よりハーレム押しがない分見易くなってる感じです。


視聴完了
ん~ありがちだったかな?
今期の作品は個性的なアニメ多いので、その中では古くささを感じてしまう。
美少女ハーレム&バトルだけだと…+α欲しかった。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

71.9 25 リメイクアニメランキング25位
フルーツバスケット 2nd season(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (180)
752人が棚に入れました
親を亡くした女子高生の本田透が、縁あってクラスメイトの草摩由希やその親戚のたちと暮らすことに。しかし、"十二支の物の怪憑き"である草摩家には、「異性に抱き着かれると、憑かれた物の怪に変身してしまう」という秘密があった。その秘密ゆえの、家族からの極度な愛情や拒絶、学校でのいじめなど、草摩家の人々を、透は目の当たりにすることになる――。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、上田麗奈、大地葉、河西健吾、豊崎愛生、坂本真綾、森川智之、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき、江口拓也、加隈亜衣
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

今のところ眠れる獅子です

相変わらず原作は未読


全63話予定。現在位置は↓

 1st season 25話
 2nd season 25話←今ここ
 Final (仮) 13話

踊り場の2nd seasonなので軽めにいきます。

正直しんどい。
まず2つの道があると思うんです。リアタイ追うのと終わってからまとめてドン。一応ここは前者の意見ということであらかじめご承知おきをば。言うても2nd最後まで観たところで結論には至らない。立ち上がりだった1stはうろ覚え。そして共に2クール分とボリューミー。まとめての視聴をお奨めします。

しんどい理由はそれだけではない。
いわゆる“障害”と思しきものが特殊過ぎるのです。現時点で“障害”とは“草摩の家に生まれついた宿命によって縛られてる何か”しか分かってません。なにを根っこに苦しんでいるのか掴めないのでキャラの感情を拾えないのです。よもや表層なぞってあははうふふしてるだけじゃ名作とは言われまいて。なにかしら“障害”を乗り越えるなり打ち克つのだろうと想像できるのですが現時点では私が絶賛迷子中。きっと終盤にネタ明かしがあるのでしょう。

{netabare}草摩家当主の慊人(あきと)が嫌キャラとして描かれてはいるが絶対事情あるよね?{/netabare}
{netabare}なんで高校卒業したら夾(きょう)は幽閉されるのか他の道いくらでもありそうなのに?{/netabare}
{netabare}親に愛されてない子が多いね。変身しちゃうだけが理由だったらひどくない?{/netabare}

目の前でめっちゃ苦悩してるんですけど、十二支を苦しめてるものの正体がうっすらとしか分からず、なんか良く分かんない理由でイラついたり絶望したりする物の怪憑きの皆さんに菩薩モード全開で寄り添うヒロインという構図。


 理由の如何によらず苦悩している人にただ寄り添えるか?


みたいなところを感じて下さい、といった雰囲気はあります。こういうのってキャラには知らせずとも視聴者にはわかるようにするもんですけどね。面白い試みですがエンタメ感は薄いかなぁ。
置かれた境遇の厳しさに理解と同情の念はあります。だからこそ背景と理由を下さいってことですね。
そういうのが無ければ別の切り口。呪いというだけで縛られるしかないというあくまで思い込みとか。これだと理由はいらないんだけどそれはなんかやだなぁ。

1期は当初苦手だった透くんのキャラが終盤になって素敵に見えた後半追い上げ型。
2期は十二支の呪いに翻弄される皆さんを追いかけながら苦悩に寄り添う現状維持型。

全部終わってからあの時この時こうだったが見えてくるのだと思います。
もしくは原作既読で顛末をすでに知ってるファンが答え合わせをする場所。

いざ完走して全貌が明らかになった時、これが1クール2クールだったら覚えてるんでしょうが、差し詰め5クール分となるとよっぽど強烈な印象を残したとこじゃないと覚えてない確固たる自信があります。
全般的にもやっとしており初見でここまで50話は正直つらい気がします。


いいところもあるよ。OPEDが軒並み作品の世界観に合っていて良かった。そこだけは胸張って言える中継ぎの2nd seasonでした。
ここまで来たら付き合うけどね。頼むぜ名作!


※メモ
{netabare}あきとが女!?そして紅野は呪いが解けてました…と。
この淋しかりやの神様に救いは訪れるのか?十二支連中も救われてほしいね。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~9月 リアタイ

-------

2020.09.22 初稿
2021.07.23 修正
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

イロイロナコイノカタチ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期は、各キャラクターの紹介&透を起点にした主要キャラクターとの交流を描き、美しく哲学的な話になっていた。

2期は、透との関係性というより、各キャラクター同士の関係性を深めたり、それぞれの背景にある謎に迫っていく流れ。

レビュータイトルを「イロイロナコイノカタチ」にしたのは、この作品に出てくる皆の恋愛が、本当に一筋縄ではいかないものばかりで、それぞれにそれぞれの「好き」や「愛」の形があるんだな~と感じたから。そしてそれが、非常に繊細で脆く眩しいガラス細工のような印象なので、カタカナ表記にした。

正直言って、1期に比べるとスローテンポでやや退屈な展開だと思った。丁寧な描写に努めたとも言えるけど。

全体として「繋ぎの2期」という印象なので、完結編を観ての評価ということになりそうかな。


《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
サブキャラ達の恋愛で良いな~と思ったのは、白木繭子と草摩はとり。草摩紫呉のちょっかいも最高だし、あそこでワンワン泣き出す白木繭子は素敵だな~と思った。

あとはまあ、草摩由希の成長が素敵だった。色々なことを決められ、与えられてきた由希が、初めて(2回目)自分の力で作れた仲間。個人的に深いな~と思ったのは、17話だったかで、由希が喧嘩した真鍋翔に、「罰として絶交」と言ったところ。絶交が罰になると思うのは、自分が好かれている自覚がある証拠だからね。ああいうセリフをサッと言わせて、行間で登場人物の心情の変化を見せるのは、この作者の最も優れているところだと思う。

意外だったのは、ラストギリギリまで透と夾と由希の三角関係を維持する(透の心の揺らぎを描くの)かと思っていたけど、こんなに早々と透ー夾のルートで固定し、
由希ー倉伎真知のフラグを出していくとはね。

それはつまり、作者がこの作品を、この作品の登場人物を愛しているからなのかな?と思った。

つまり、「刺激的な展開で読者を楽しませる」よりも、「各キャラクターみんなに幸せになってほしい」という思いを優先させたということ。

あるいは、「刺激的な展開」はある種の「ストレス」であり、本作の読者は、「平和な展開」=「癒し」を求めていると判断したのかもしれない。まあ、草摩慊人の件でストレスは充分だしね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
世間に認定されている休みとは違う、確かに。思いっきりの嫉妬。ここまで真っ直ぐな嫉妬だと、逆に不快にならないというね。

2話目 ☆4
透は、なんだろう、これが天然なら男はやられる(笑) 師匠、格好良いな~。当然、透にも弱さはあるわけで。時雨(笑) んで、イケメンだな(笑) 

3話目 ☆


4話目 ☆


5話目 ☆
修学旅行。透、最初に気にするのそれか(笑)

6話目 ☆


7話目 ☆3
ドタバタからのホラーやな、アキト。

8話目 ☆3
ユキ、強くなったな。トオル、小学生かな?(笑) 海には勝てないし、トオルにも勝てない(笑)

9話目 ☆3
アキト、どこまでの力があるのか。まどろっこしいな。口だけでどこまでいく? ここに至っては、言葉は無力だと思うけどな。

10話目 ☆4
少し痛いやも、は、可愛い(笑) かぐや、切ないよな~。つじつま合わせの恋が、本物に。

11話目 ☆4
ガン泣き。この二人、付き合えよ。時雨(笑) 行くけども(笑) 羽鳥も、良いよな。

12話目 ☆3
冒頭チョップ(笑) あれが恋をする女の背中、なにか痛々しい(笑) ゆんゆん、定着(笑) ユキ、ネガティブだからな。なにしくさってるんですか(笑)

13話目☆3
おじいちゃん、久しぶり、好き(笑) 腹の底から嫌そうな顔をするマユを観たいシグレ(笑) 俺、もう死んだって良いよ、からの強引なキス。いや~、少女漫画(笑) 

14話目☆4
楽しそうだな、おい(笑) 菖蒲、良いよな。一番好きかも。人の為になら本気で怒れる。「お金や地位が好きという、一風変わった感性の持ち主」って、スゴい好きなワードだな。

15話目☆3
トオル、嘘、下手(笑)

17話目☆3
猫の嫉妬(笑) 絶交が、罰になると思うのは、好かれている自覚がある証拠。

18話目☆3

19話目☆3

21話目☆3

22話目☆4
僕は、嫌なんだ。シンプルで良いね。ユキが自分だけの人間関係を作っていく。好きな娘に意地悪する小学生(笑) 幸せになってほしい。幸せにしたい。完全にフラグが。

第23話目☆4
コントだな(笑) さらっと「親には見られたくない」って言うところ良いね。じっちゃんはいつも1人、は笑った(笑) そこで姫(笑)

24話目☆3

25話目☆3
女か~。なるほど~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シンデレラっぽいもの!

リメイク版2期、全体の2/3が経過しました。

淡々と流れる日常。
未だ春は遠いけど、少しづつ真相が明かされる。
悲しみの中にも温もりが。
運命に翻弄される人々に一筋の光明が。
それはすべて、透の慈しみがなせる技でしょう。

2nd seasonも進行が遅いです。
じっくりまったりって感じ。
ちょっと眠くなる回もあったり。
油断しているとピリッとした回もあったり。

そんな中でも、ありさと咲が登場すると楽しくなります。
とくに、文化祭での咲は最高。
どれほど笑わせてくれるのやら。
それに、透に力を与えてくれる二人。
本当に頼もしいかぎりです。

次は来年です。
The Finalでは、呪縛を断ち切って大輪の花を咲かせることでしょう。
この美しい作品の結末に思いを馳せながら待つことにします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
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