リメイクで恋愛なおすすめアニメランキング 15

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのリメイクで恋愛な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番のリメイクで恋愛なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.0 1 リメイクで恋愛なアニメランキング1位
フルーツバスケット The Final(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (139)
560人が棚に入れました
母親を亡くした透はテントで一人暮らしをしていたが、その場所が由緒正しい『草摩家』の敷地だったことが縁で草摩由希、草摩夾と一緒に住むことに。ところが、草摩家は何百年も前から忌まわしき『呪い』に縛られていた。由希、夾、そして草摩家の皆と交流を深める透は呪いを解こうと奔走するも、解決の糸口は全くつかめない。それどころか、草摩家の当主である草摩慊人が女性だったという最大の秘密を知り言葉を失くしてしまう。『神』の慊人と『十二支』の皆をつなぐ“絆”、それは儚く脆い悲しみの螺旋……。しかし、終わらない宴はない――誰もが忘れた最初の記憶、最初の約束。その向こうで由希を、夾を、そして透を待っているものとは……。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

手のひら返して途中脱落者の帰還は可能です

原作未読


唯一無二の価値…
昨今の諸般事情を鑑みて、昔の少女漫画しかも一度アニメ化もした作品のリメイクにあらかじめ完結までの5クール分もらえた事は奇跡としか言いようがなし。

中身内容の論評以前に作り手の情熱に頭を垂れたい逸品です。
冒頭あえてそんな話をしたかというと理由があって…

 フルーツバスケット1期(25話) 3.6点
 フルーツバスケット2期(25話) 3.4点

普通orつまらないの境界を3.5点にしてる私にとってFinalに至るまでの評価は決して高くありません。
完走してみたらこれまでの負債をFinalでがっつり返して少しお釣りができたな、が正直な評価です。名作の誉れ高い作品の完結部分に該当するFinalはお世辞抜きで良かったです。

 原作未読で楽しめた方どれだけいらっしゃったでしょうか?

ドタバタしていた立ち上がりから徐々にトラウマを小出ししてきた1期。
そのトラウマが主成分となって陰鬱なテイストが続く2期。

原作未読で結末を知らない私の場合、鬱状態キャラの数多さとなによりその理由がイマイチ見えてこないまま進行する物語がつらかったです。持ち返すFinalまでの我慢比べは必要かもしれません。つまり

 キャラたちのトラウマ(“呪い”込み)どうなりましたか?

待たされた分否が応でも高まる期待値に対する回答っぷりは極めて良かった。

{netabare}アキト含みで十二支の呪いが生じた背景の説明やその後の顛末はもちろんのこと
 1.透くんのお母さんをきっちり拾う
 2.物語のきっかけ由希の透くんへの想いにもきっちりケリをつける{/netabare}

物語のぶっとい本筋からして捨てちゃっても文句言われなさそうなところに焦点を当て、しかも本筋をさらに豊かにする挿話。

総括するとこんな感じ ↓
・結末知っとかないと途中きついかもしれない
・長編を楽しむ心の余裕が必要
・お釣りはくる!俺を信じろ!?


戻りますけど、全部やると決めての63話が唯一無二の価値です。スポンサーのご意向を伺い刻んで刻んでの結果として4期5期じゃないですからね。それだけで良いんじゃないかしら。
最後に盛り返す展開は鉄板。作中の高校生活3年間と同じように放送期間もたっぷり2年強かけながら、山あり谷ありマンネリありの高校生活を疑似体験できたかのような貴重な経験でした。



※閑話休題

{netabare}だからこそ最終話。高校卒業後での新居アパートのシーンがまぶしくそして寂しく見えるのよ。{/netabare}

それとOPアニメーションは綺麗でしたね。これだけ美しい日本家屋を初めて見たかもしれません。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.20 初稿
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「原作アニメ化」への期待を裏切らずに完走したアニメ

とりあえずこのレビューではあんまり中身の話はしてないです、ごめんなさい。


漫画やライトノベル原作のアニメ化の報を聞くとき、原作を知る人はまず考えると思います。「いったい原作のどこまでがアニメ化されるんだろう?」と。

そして多くの場合、アニメ化が企画されるときにはまだ原作は完結していません。そして昔のようにゴールデンタイムの放送で約50話(1年間)くらいの尺が与えられることも珍しくなかった時代ならいざ知らず、近頃のアニメ化では1クール12、3話が当たり前で長くても2クールしか与えられず、その先のアニメ化は不透明なことが多いです。

この『フルーツバスケット』も最初にアニメ化された際には原作は完結しておらず、2クールでアニメオリジナルの最終話によるアニメ化でした。

しかしアニメ化と聞いて人は夢見るのです。原作の結末までがアニメ化されることを…。


聞くところによると本作の制作陣は原作漫画や旧作アニメの熱心なファンであり、企画時より「原作の最後までをアニメ化する」という決意を以って制作にあたったらしいです。

実際、1期目放送決定時から「今回は原作の最後までがアニメ化される」というニュースはありました。

そして安定した制作体制の維持のためもあってか分割でという形ではありましたが足掛け3年、この「The Final」13話を含む全63話を以って志は果たされたのです。

多くの作品が夢想して果たせない結果を残した制作陣そしてキャストの皆様ありがとう、そしてお疲れさまでした。


以下、余談。

その1:
神様とそれを取り囲む十二支の絆、そして変身というオカルト感満載の設定がある本作ですが、そんな草摩家の面々をもものともしない異能を持つ存在が花ちゃん(花島 咲)です。

草摩の問題が目立つ中で密かにこの人の苦悩も相当なものじゃないかと思います。ちなみに本作で「推しキャラ」というものを挙げるとすれば彼女です。

その2:
ED主題歌の入りで透くんと今日子さんが写った写真が入った写真立てと十二支のマスコットみたいな奴が並べて飾られているカットがあるのですが、本編に合わせてこの様子が微妙に変わっていくのが、芸が細かかったです。

表装ガラスが割れてる写真立てとか、なかなかに痛々しかったですね。

その3:
旧作から間が開きすぎたので、新作でのキャスト変更は妥当な判断だったと私は思っています。

その4:
「原作カットが残念」とかいうのは、完結までのアニメ化を果たせなかった多くの作品から見れば贅沢な悩みです。いや、確かに残念だけど(笑)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

この作品に出会えて良かった

原作未読 全13話

1st seasonが全25話、2nd seasonが全25話、そして今回のThe Final 全13話でトータルで63話、長いようで短いような時間でした。

お話はいよいよ核心に迫ります。
{netabare}
由希も最後言っていましたが、大きく深く暖かく包み込むような、十二支の呪いで荒んだ心を溶かしてくれる透はみんなのお母さんみたいな存在でしたね。

慊人と透のシーンは壮絶でしたね。私なら2〜3発殴るかもしれないw傷つけた慊人も例外ではなく、包み込んで透の優しさが溢れていました。
{/netabare}
とても良い終わり方でした。みなさんとても良い顔をしていましたね。
{netabare}
惹かれあったそれぞれ2人が歩み出していましたね。夾&透、由希&真知、紫呉&慊人、潑春&依鈴、綾女&倉前、燈路&杞紗、はとり&繭子、紅野&魚谷と沢山のカップルが誕生しましたね。一番驚いたのが花島と藉真のカップル?、想像できませんでしたw

それぞれのその後のこともちょっと観たかったのですが、尺の問題もあり仕方がありませんね。想像に任せましょう。

夾と透がいきなりお爺ちゃん、お婆ちゃんになっていたのは飛びすぎ!と一人突っ込んでしまいましたw 毎話変わるフォトフレームのシーン、最後は賑やかになっていましたね。
{/netabare}

OPはWARPs UPさん、GENICさんが歌っています。

最後に、現在YouTubeで放送終了記念サンクスムービー(6分ほど)が公開されています。キャストの声優さんたちのコメントが観ているとまたウルウルしてしまいます。その中で大きな発表がありました。{netabare}何と透の両親のお話が2022年に制作決定!、また舞台になるそうです。まだまだ続くみたいですね。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

68.6 2 リメイクで恋愛なアニメランキング2位
うる星やつら(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (196)
593人が棚に入れました
「でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。」地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。二人の出会いからすべてが始まった…!今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年放送予定)監督は『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、シリーズ構成に『はたらく細胞』の柿原優子、キャラクターデザインに『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』の浅野直之、アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『炎炎ノ消防隊』のdavid productionが担当。そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を神谷浩史と上坂すみれが演じる。大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

否定も肯定もできなかった・・・。

とりあえず、一通りは視聴しました。
「あーこんな話あったなー」っていう感想でした。

どちらかと言えばフラットな感想、それと自分が高橋留美子派閥では無かった事を思い出しましたw。

もちろん、うる星やつらのアニメ放送時にいわゆる多感な時代を過ごしていた私としては、当時はラムちゃんを可愛らしいと思ってはいましたし、嫌いでは無かったんです。
(最初は、あんまり可愛くなかったですよねぇwww釣り目、猫目がちで、それがだんだんきれいに、グラマラスになっていったのを覚えています)
それに、あれだけ長期間放送し、映画も複数作られていましたしね、こちらも一通りは見ているクチになりますので、やっぱり嫌いでは無かったと思います。

でもなぁ、かなりどーでもいい話回もいっぱいありましたし、好き勝手つくってんじゃねぇかって話回もありました。
その中からユニークなクリエイターが輩出されてきたって言うのも事実だと思うのですが・・・。

そう言う意味では、スッキリと有名なエピソードばかりを見れるって言うのは悪くはないと思っていたのですが、実際観てみると思惑が外れた感じでしたね。

多少は懐かしいという思いもあったのですが、いまこのリメイク作品を観ても面白かったとは言えないなぁ、って感じです。
今作でも、やっぱりラムちゃの可愛い要素は感じたのですが、それも限定的なものでした。
自身が年食ったのもあると思いますし、ちょっとやはり時代的な差分もあるんでしょうかねぇ、今の時代には合ってはいないと思ったかなぁ。


ただ、今の時代の若い視聴者が見るとどんな風に思うのかな、って気にはなりました。

そもそも、このタイミングでのリメイクは、当時を知る人がある程度のポジションになって、もう一度ラムちゃんに会いたくなったのかな、って思ったりもしています。
ま、個人の妄想ですが。


作品自体は、物語はものすごくでっかいところではあると思いますが、基本考える必要は無いですよね。その都度のキャラクターのドタバタを楽しむっていう感じですから。
固定されたキャラクタが活躍する際には、まぁ、物語性も少し強くはなるかなって感じです。
声優さんは、先代作品からの声優さんをリスペクトしたのかな、きっちり話題性も含めて配置し、主要キャラもイメージを先代どおり引き継いだ感じでした。
がらっと変えてみても良かったっと思うけど・・・。
最近、ちょっと今風の作品を観たのを思い出して、そんな風に思いました。(リコリスの事です。)
何なら「~だっちゃ」さえ変えてみても良かったくらい位に思いました。
もう少し軽いノリにしても良かったのかなと・・・。

音楽は、いい感じに作ってあったとは思いますが、私の好みでは無かったです。これは好みの問題ですね。

キャラは、長らくお目にかかってはいませんでしたが、どのキャラも見知ったキャラでした。ここに文句を言うレベルなら観ていないでしょうw。
ああ、ちょっと声優さんの方で変化した感じも見たかったって書いてましたねw文句というより、そう言うのも見てみたかったという興味と捉えていただけれ幸いです。


いろいろ書きましたけど、結局、思い出補正もありますし、作品自体がビッグネームだというのもあります。
また、この作品をガッツリあれこれ言うのはアニメ史の一刻にケンカを売るようなものなので・・・と言う思いの中で、今作、べた褒めもダメ出しもできませんでした!

なので・・・評価はフラットにオール3です。


あーあえて言うなら、今作のマンガチックな演出はあまり好みでは無かったかなぁ。
それと、ポイントポイントで出るレインボーの演出。
そちら系のジャンキーに刺さるのかな?
それともパチンコとかパチスロ案件狙ってんのかなーなんてwww。
ま、既にいくつも出ていますけどねー。

と、数年前にそちら系は完全に引退した私の感想です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

♪あんまりソワソワしないで あなたはいつでもキョロキョロ よそ見をするのはやめてよ 私が誰よりいちばん♫

この作品の原作は未読…では無いと思いますが、きっと完走はしていないと思います。
原作の連載時期がだいぶ昔なので、視聴した当時の記憶が相当曖昧になっています。

それはアニメについても然り…
当然第1話の鬼ごっこについては視聴した記憶が鮮明に残っています。
ですが、それ以外は特に印象に残っていなかったり…というか、実は殆ど見たことないんですよね^^;

レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、こう書かれていました。
その内容の斬新さと魅力的なキャラクターは1980年代のみならず以降の漫画界とアニメ界に衝撃を与え、当時の若者たちの圧倒的支持を受けて一大ブームを引き起こし、若者文化にも影響を与えた。

…だそうです。
少なくても私はその当時の恩恵には微塵もあやかることはできませんでした。
従って、今回がほぼ初見になります。

こうしてリメイクされなければ、きっとずっと視聴する機会は無かったと思うので、その機会をくれた作り手の皆さまには感謝です。


でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。

地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。
二人の出会いからすべてが始まった…!

今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。
小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年10月放送予定)

監督は「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、
シリーズ構成に「はたらく細胞」の柿原優子、
キャラクターデザインに「おそ松さん」「映像研には手を出すな!」の浅野直之、
アニメーション制作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、「炎炎ノ消防隊」のdavid productionが担当。

そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を
神谷浩史と上坂すみれが演じる。

大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…
あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、
銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。

目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。
ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回色々と改めて知ることができました。
1980年代に放送されたアニメは、約4年半に渡る超大作だったそうです。
それに加えて6作の劇場版と12作のOVAも制作されたんだとか。

個人的にはどちらかと言うと高橋留美子先生の「めぞん一刻」の方が好きで、単行本を全巻持っていた上、当時のテレビ放送を全話録画して持っていました。
あの頃はVHSビデオで録画していたので、今となっては再生方法も謎ですが、そもそも現在進行形で行方不明なので、きっともう二度と出会うことはないんだと思っています。
因みに、「めぞん一刻」は約2年間全96話が放送されたそうです。

こうしてみると、昔の作品って長寿ですよね。
今ほど対象となる作品が無かったからなのか、アニメーション制作スタジオそのものが少なかったのかは分からないですけれど…^^;

一方、物語の方は日常系の作品ですが、ちょいちょいSFチックな要素が散りばめられている感じで、宇宙人が出てこようがUFOが出てこようがあまり皆さん驚かず、色んなものが壊れたとしても、次の物語の時にはすっかり元通りになっていたりなど、いささかご都合主義的な一面はありますが、当時はそれも含めてご愛敬なのでしょう。

現に、現在の作品でも次の瞬間には元通りなんて作品はいくらでもありますからね。
そういう意味で行くと、この作品はコメディ設定の先駆けなのかもしれませんね。

それと個人的には声優さんの配役が素晴らしいと思いました。
諸星あたる:神谷浩史さん
ラム:すみぺ
面堂 終太郎:宮野真守さん
三宅 しのぶ:まややん
サクラ:みゆきち
テン:あおちゃん
ラン:香菜ちゃん

この中でも特に面堂役を演じた宮野さんと、ランを演じた香菜ちゃんには大絶賛を送りたいと思います。
コロコロ変わるキャラを見事演じられていました。
特に狂暴になったランをここまで豹変させられるのは最早香菜ちゃんの天性の才能と言っても過言ではないでしょう。
ランにはこれまであたるとの接点は微塵もない、サブキャラとうい立ち位置でしたが、個人的には一推しだったかも…

1980年代の作品に触れることはできませんが、今視聴しても十分面白と思えました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、美波さんによる「アイウエ feat. 美波, SAKURAmoti」と、asmiさんによる「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」
エンディングテーマは、花譜さんによる「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」と、yamaさんによる「アイタリナイ feat. yama, ニト。」
元々、「ラムのラブソング」は今思うと中毒性のある楽曲だったと思いますが、今回の主題歌の中毒性も
中々のモノだったのではないでしょうか。

2クール全23話の物語でした。
元々、全4クールの前提で制作されていたので既定路線ですね。
第2期は2024年に放送されるそうです。
昔の記憶が殆ど無いので、この物語の顛末を楽しみにしています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

納得のリメイク版

昭和を代表するドタバタラブコメのリメイク版です。
十分知られている作品なので、物語に関してはノーコメントです。

一番気になったのが、ラムちゃんの髪の色。
緑がパステルチックなエメラルドグリーンに変更されています。
最初は違和感だったけど、その鮮やかさに今やお気に入りです。
そして、ラムちゃんのスタイルが良いこと。
究極の女性美ですね。

声優さんは豪華絢爛です。
それぞれのキャラの魅力を存分に引き出しています。
なかでも、テンちゃん役の悠木碧さんの声が意外でした。
七色の声音といってもよいでしょう。

うる星やつらの主題歌と言えば、「ラムのラブソング」です。
ラストに流れた時には、「やっぱりこれこれ」と思いました。
ただ、リメイク版もあなどれません。
OP、EDの4曲とも、センスを感じる今風なポップな楽曲です。
難しい歌ですが、ヘビロテするほど中毒性があります。

後半クールは2024年とのこと。
個人的な注目は結末です。
ドタバタか感動か。
興味津々です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

84.9 3 リメイクで恋愛なアニメランキング3位
Kanon カノン[京都アニメーション版](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1832)
10348人が棚に入れました
静かに雪の降り積もる北の街。高校2年生の相沢祐一は、両親の都合で、7年前によく訪れていた北の街に住む叔母の家に居候する事になった。従姉妹の名雪とも7年ぶりの再会になる。名雪に街の案内をしてもらっていた祐一は、月宮あゆという少女と出会う。そして偶然知り合ったにも関わらず、追われているという彼女と一緒に逃げる羽目になってしまい…。

声優・キャラクター
杉田智和、堀江由衣、國府田マリ子、田村ゆかり、佐藤朱、飯塚雅弓
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Key作品の始まり 雪を見ると思い出す・・・

あらすじ

家庭の事情により北国「雪の街」の
叔母の家に居候することになった相沢祐一。
7年前には結構遊んでいたりして
友達と過ごしていたはずにも関わらず、
彼には当時のことが思い出せずにいた。
そんな中、彼はそこで出会った5人の少女達と交流を深め、
幼い頃の大切な記憶を取り戻していき
そして様々な問題と向き合うことになる・・・


※wiki引用


感想


東映版のkanonもありますが
そちらは見てないです

それと僕は原作やってますから
展開は知ってたんですが
それでもまた泣かされましたね


映像に関してはさすが京アニ
文句の付けようがありませんね
ほんと描写が細かくて圧倒されます

内容は、主人公が以前よく訪れていた
雪の降る町に7年ぶりに帰ってくる
そこで少女達と出会いその少女達との
不思議な物語を描くストーリー
全体的に綺麗で悲しい話がメイン。

シリアスな展開が多い中にも
コメディ要素でところどころにボケとツッコミがあり
それが結構笑えて良い


ただ色々なkey作品を見た後にこのアニメを見ると
少々インパクトに欠けるかもしれません。
しかし、1つ1つの話がとてもしんみりした気持ちになり、
心にグッとくるものがあります

何といっても、真琴ルートとあゆのラストが
切なくてめちゃくちゃ感動しました…

特に真琴は最初ウザい感じのキャラだと思っていただけに
ラストとの落差が凄く衝撃を受けた
あまのじゃくな性格も後半の感動に拍車をかけていた

本当は祐一ともっと色んなことを
したかったはずなのに
その性格のせいで出来なかった真琴と
ラストで、逆に素直になる真琴が
本当は最初からこうしたかったのだろうかと思い
切なくなりました…


それに原作をやってる方としては上手く
原作の全ルートをまとめてるなと思った


やっぱりKey作品の特徴として
作画というかキャラデザの好みはわかれるでしょう
それに他のKey作品でも書いたが
結末としてご都合展開とも思える
奇跡がやっぱり好き嫌いわかれるでしょうね

ですが、Key作品だけあって
やっぱりBGMやOPなどの音楽が非常に良く
切ない曲で冬の雰囲気に合っていて
Key作品の中で一番好きかもしれない


感動もできたし
充分楽しめたので良かった
東映版もいずれ見てみたいと思う



ここからは、いつも通り
解説・考察を書いておくので
見たい人だけ見てください
{netabare} ~

と、いってもKanonは他のKey作品に比べてそこまで
難しく無いと思うので
そんなに書くこと無いです


真琴の話ですが、
真琴はなぜ死にそうになったのか?

真琴は元々祐一が世話をした子狐で
再び出会うために人間に化けていました
そして化ける際に狐は寿命を
削っている様でその為に死んだそうです


また、ピロは真琴のお母さん、若しくは仲間だと思います
真琴がピロが財布を持ってきてくれた気がすると発言したり、
また、真琴が異変を起こす途中からピロがいなくなり
美汐が妖狐がたくさん集まると奇跡が起こるのかもしれない
そう言ってることから

ピロは真琴を救うため
仲間を説得していたのだと考察出来ます
そして、最後ピロと真琴が丘で
横たわっていることから
奇跡が起きて真琴は人間になれたのでは無いかと思います

希望的観測過ぎますかね?
でも、祐一の理想だとしたら
ここで、ピロがいるのは少し違和感を感じるので
私はこっちの解釈だと思っています

この奇跡は、あゆによるものか、妖狐によるものか
判断に困りますが個人的には妖狐のおかげだと
思っています



舞について、
この話が1番難しいかもですね

舞には、生命力を回復させる力があり
それで死にそうだったお母さんを救ったのですが
マスコミなどのメディアで紹介されてインチキや偽物と言われ
名雪達のいる町に逃げてきたんですね。


舞と祐一は10年前に既に出会っており、
祐一を引き止めたい一心で「魔物が来るから一緒に戦って欲しい」と嘘をつく。
まぁ、正確には魔物=建設会社だった訳ですね

さらに、祐一が自分から離れていったのは自身の「力」を
疎ましく思ったからだという舞の誤解が「力」を拒んだ結果、
「力」は舞から分離し、魔物として本当に舞に襲いかかる。
また、舞より祐一を狙うのも拒絶された原因が祐一だからでしょう

こうして、舞は自分の分身と10年間同じ場所(かつては麦畑で今は校舎)で戦い続けることになる。

魔物(=力)は自分の分身であるため、
魔物を倒すことは舞自身を傷つけることになる。
舞は魔物の正体は主人公に聞かされるまでわからなかった様だが、
最後の一体を倒したら自分も死ぬというのは経験的に理解していたため、
主人公の前ではあえて止めをささず、牛丼を買いに行かせることで主人公を遠ざけた後、相打ちする気だったと思う。

もう一人の「まい」(=力)である。それによって主人公は昔の記憶を思い出し、事の顛末を舞より早く理解し、その後止めをささんと教室に入った舞を制止する。
そして、舞に全てを思い出させ、誤解を解くべく説得する。それでもあくまで「力」を拒否する舞に対し、「力」を含めた舞の全てを受け入れると語りかけ、佐祐理と三人でもう一度やりなおそうと提案する。

自殺を図った舞ですが、
これは2人に迷惑をかけるくらいならという思いがあったためだと思います。
また、舞は力を受け入れることで、傷は塞がり治りましたね。

そして、最終回ですが佐祐理と舞が退院してましたが
佐祐理さんの回復はあゆの奇跡の恩恵なんでしょうね

{/netabare}

どのキャラも大概最後は
あゆの『奇跡』で救われる
Kanonはまさしく奇跡の物語であったと思う

投稿 : 2024/05/11
♥ : 91

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私は「奇跡」を信じたいです!!

■Kanonの魅力って
ご存知の方も多いのですが、Kanon・AIR・CLANNADは同じkey作品としてよく比較されますよね♪
「key作品らしさ」とよく耳にしますが、「らしさ」ってどんな所だろう・・・(*'ω'*)うぐぅ~?
作画!? キャラクター!? 演出!? そうですね!!
視覚・聴覚で「似ている」って感じる部分は少なからずともあると思います!!
では、観ている人に伝わるメッセージ的な点で考えた場合はどうでしょう・・・(^・ω・^)あぅ~?
友情や家族愛といった人と人との繋がり「絆」だと思うのです♪
そういう、「らしさ」にもうひとつのメッセージを練りこむことによって別々の「らしさ」が現れて
三者三様に魅力的な作品となっているのだと思います。たとえば・・・
AIR →「運命」、CLANNAD →「人生」
では、Kanonはといいますと、ずばり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「奇跡」・・・・・っだよ!!
奇跡って想いがあれば誰もが起こせる可能性はあるのですよ♪
信じる気持ちがなければ、それは奇跡ではなくただの偶然なのですね♪
まだ、観ていない人は是非「Kanon」の感動のストーリーを体験していただきたいです。
 
■物語のポイント
物語の前半は、(〟-_・)ン?って思うシーンが沢山でて来るのです♪
最初のうちはちょっと不完全燃焼って感じなのですが、これが後々なるほど!!となるので
記憶力の良い方は沢山覚えておいてください。
特に主人公の祐一を筆頭に7年前から失くしてしまっている、記憶とはどんな記憶なのか注目です♪
 
物語の中盤以降からは、ちょっと悲しいストーリーが多いかもしれません。
そして、主人公の祐一と真琴・舞・栞の3人の女の子とのストーリーが動きだしていきます。
思い出す記憶の欠片と共に涙を流さずにはいられないシーンが出てきまよq(T▽Tq)
しかし、まだ完全にすべての謎が解けぬまま、物語の後半へ・・・
 
いよいよ物語は盛り上がって行きます。
祐一・あゆ・名雪・秋子 それぞれの記憶欠片がすべて揃う時・・・・・・・・・
ぜひ感動して涙してください♪
最終話はちょっと急ぎ足になってしまいましたねw
終わり方はとっても好きな終わり方ですが、もうちょっと余韻を楽しめるように構成して
欲しかったかなってちょっとだけ思っちゃいました♪
 
●総評
「Kanon」に出てくるキャラクターって誰ですか?というよりも、どのストーリーが良かったですか?
と聞いたほうが良いかもしれませんね♪
大きな物語の流れの中に、うまくショートストーリーを組み込んだような感じがしたのです!!w(゚o゚*)w
しかも、真琴中心のストーリーのイメージを次のストーリーにどうしても引きずってしまって、ひょ
っとしたらこの子も・・・って思っちゃうと先のストーリー展開が読みにくくて逆にそれが良かった様な
気もしましたよ♪
Kanonでも案の定たくさん涙を流しちゃいましたwやっぱり名作ですね♪
 
▽お・ま・け
1話でメインキャラクターがすべて登場していたのですが、皆さんは気付きましたでしょうか(゚ロ゚;)エェッ!?
真琴に関してはキ○○ですがw2回目観てみようと思われた方はちょっと注目してみてくださいね♪
 
 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 56
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「麻枝+いたる絵」三作品連続で観てみた

それは君のせいではなく自分のせいです。

一通りKeyの泣きゲー系列は踏破した感じ?
『CLANNAD』『AIR』ときて、締めはこちら『KANON』となります。

今回はあまり内容に触れません。


で、似てるんですよね。キャラデザ/音楽/シナリオ作る人一緒だし、こうして一通り観た後だと比較しながら総括したくなるところです。

一連の作品群は、

1.キャラデザインを不問にする
 ⇒俗称“いたる絵”。頭身低くして野球帽被せたらパワプロで使えそうな勢いです。
2.電波な女子を不問にする
 ⇒メインもサブもだいたいキツイです(当社比)。
3.リアリティには目を瞑る
 ⇒奇跡という名のご都合主義

こちらは少なくとも私の場合は、視聴する上で最低限のお作法でした。
そこまでして観る必要がないと判断すれば放置するか、どれか一つを手に取ってみて相性をはかってみる、が吉でしょう。
私はこれで3本目になりますので、そもそものところでは気に入ってはいるのです。


それで本作『KANON』です。
女の子につける名前ランキング2018年/30位。放送当時2006年/26位。となかなかの人気です。東映アニメーション版の2002年はデータがありません(明治安田生命版)。音の響きが素敵でリアル周囲での“かのん”ちゃん率けっこう高めです。え!?違う?
アニメの『KANON』は元ネタが“パッヘルベルのカノン”がモチーフということらしく、こちらは誰もが聴いたことある音の響きが素敵な楽曲だったり。
正式名称は「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジークニ長調」の第1曲。カノン自体は、輪唱のように複数の同じメロディーをずらして演奏する技法、またはその様式の曲のことです。身近なところでいえば“カエルの歌”。

{netabare}作中では佐祐理曰く
「同じ旋律を何度も繰り返しながら少しずつ豊かに美しく和音が響きあうようになっていくんです。」
「そんな風に、一見違いのない毎日を送りながら、でも少しずつ変わっていけたらいいですよね。」
だそうです。(第14話){/netabare}

複数のメロディーを構成する人達は以下の通り。けっこう多いんですよね。

相沢祐一(CV杉田智和) 主役
月宮あゆ(CV堀江由衣) うぐぅ たいやき 
水瀬名雪(CV国府田マリ子) 祐一のいとこ 
川澄舞(CV田村ゆかり) 魔物討伐
美坂栞(CV小西寛子) 病弱
沢渡真琴(CV飯塚雅弓) あうーっ 肉まん 
倉田佐祐理(CV川上とも子) 舞の親友。料理上手
水瀬秋子(CV皆口裕子) 名雪母
美坂香里(CV川澄綾子) 名雪親友
北川潤(CV関智一) ムードメイカー
天野美汐(CV坂本真綾) 不愛想

ギャルゲの宿命のようなもので、主人公祐一が女の子たちを単体撃破していくような体裁をとってます。標的はあゆ、舞、栞、真琴がコア。すでに3つのヴァイオリンの数を超えております。コアに準ずるサブとしては名雪が頭一つ出てますが、残りの女の子たちにも相応のエピソードを用意し全方向です。

欲張り過ぎちゃった気がしております。

尺は充分なので掘り下げが足りないことはなく、それこそ繰り返すメロディーが次第に美しい和音となって響いたかを注視してた私にとっては微妙でした。“名実ともにタイトル回収できたん?”についてイマイチだったということです。{netabare}例えば美汐は、真琴のエピソードが終ればお役御免でその後出てきません。{/netabare}
戦線拡げ過ぎちゃってにっちもさっちもいかなくなった大日本帝国のような印象を受けました。例えがアレですがね。


とはいえ泣きゲーの元祖とも言われた名作ゲームが元ネタです。やはり面白い部分は面白いのです。
季節は冬で舞台は北海道。『CLANNAD』が春、『AIR』が夏、と季節感を上手く取り入れたシナリオとそれを視覚に訴える作画で応えてくれた京アニの作画班。『KANON』においても同様です。
繰り返しですが、レビュー冒頭でのお作法をクリアすればヒット率は上がるでしょう。複数あるサブストーリー(個別エピソード)は良いお話がほとんどです。
ラストもハッピーエンドと言えるオチのつけ方をしてきましたし、サブストーリーのネタを集約しようと試みている節も確かにありました。このへんスタッフサイドの纏める苦労がしのばれるところです。


そうです。努力が垣間見えるのでした。
ゲームまで遡ればおよそ20年前の作品です。アニメとしては2002年の東映アニメーション版と先例のある歴史の古い作品です。
エヴァンゲリオンやハルヒなどその後の流れを作った名作同様、泣きゲーアニメ展開の始祖とされたのが本作。0から1を産み出そうとしたものです。その後、1から100を目指す作品が産まれその多くを目にしてきたな、というのが今なのです。
となると、それはクラシックカーを愛でる感覚に近い。スペックやユーザビリティは劣っていても当時の技術の粋を集めたものに憧憬を覚えるような感覚をこの作品からは受けました。後続の手垢のついた手法を考えなしになぞったようなものとは違うなにか。
よって自分はこの独自性を買い、評点に下駄を履かせときます。
戦線拡げたと文句を言うのは簡単ですが、同時にアメリカ、イギリス、ソ連、そして中華王朝に喧嘩を売るなんて芸当は到底できないことです(結局それかっ!?)。

個別展開が集約されてくるであろうリアル“カノン”な物語は他の作品で触れることにいたします。


■ちょい反省
“マンガ日本昔ばなし”のように捉えとけば良かったかも。
ガッツリファンタジーだけども示唆や教訓に富む各ルートの集合体。各々ばらけてても気にならなかったことでしょう。

■オマケ
パーティでの楽曲“ワルツ”はいい感じ。
別の作品で登場した{netabare}(『四月は君の嘘』で公生と凪が連弾した){/netabare}曲。聞き惚れてしまいました。



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視聴時期:2019年5月 



2019.05.26 初稿
2019.11.27 追記

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55

71.1 4 リメイクで恋愛なアニメランキング4位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (413)
1732人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

語り得ないものについての試論

マッドハウス制作。

存在の違和感に翻弄されていた、
言葉では形容しがたい違和感である。
それは同じ場所に少しづつずれて重なり、
2人が同時に立っているような、
埴谷雄高が「虚体」と呼んだ思弁的なそれに近い。

世の中には精巧な人形と、
婚姻届けを出した男の逸話があるという。
彼はそこに意識のある主体としての分身を見たのか?
{netabare}世界の危機に反応する自動的存在、
それが不気味な泡、ブギーポップ。{/netabare}

語り得ぬものについての物語である。
しかし沈黙をしてはならない、
不死なるものを前に踏みとどまらねば。

10話~13話視聴追記。
夜明けのブギーポップ、とびきりの妄想狂である。
{netabare}死神と凪の初の邂逅、浮かぶ統和機構の存在、
MPLSの起源が語られ始める。{/netabare}

最終話視聴追記。
全ては歪んでどこか捻じ曲がっている。
{netabare}それはこの世界も人である現存在も同じなのだ。
どこにでもある存在の悲劇性、
つまりは隠蔽された主体の危機、それが歪曲王。{/netabare}

時代性を考慮すると不安も多々あります。
絵は意図してなのか古く感じ造形も似ている。
しかし普遍的な物語がここにはあるのでしょう。

ニヒリズムの超克が主題であるのでしょうか、
大胆にもそう伝えて締めたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 54

75.8 5 リメイクで恋愛なアニメランキング5位
フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (342)
1406人が棚に入れました
高校生の本田 透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった!草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、そして由希を敵視する草摩 夾と一緒に住むことに。しかし、透はまだ知らない。『草摩家』が何百年も前から忌まわしき呪いに縛られていることを……。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、坂本真綾、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

全63話お付き合いする所存です

2019.08.11記 ※1~18話までの途中感想


{netabare}原作未読 前のアニメも未視聴


視聴動機は話題作に食いついてみましたってところです。それとアラサー+-10歳くらいの女性との雑談ネタになるかもねくらいで。

事前情報はこれくらい。
1.原作の少女漫画はイケてるらしい
2.2001年アニメもイケてたらしい
3.全63話予定。今回放送分は25話を予定しているらしい

超人気漫画。前回アニメでは連載途中だったこともあり途中までだったのをスタッフ・キャスト一新して最後までやることになりました。
1.2.に関しては私の場合比較する対象がないですし、原作者の高屋奈月先生が下記のように仰られてもおりますしフラットな姿勢で。


「すべて新しいメンバーで作ってください。です。すべて。すべてをです。閉じた幕をもう一度開けたいというのならば、新しく、新しいすべてで世界を再構築してくださいと」
「前作へのリスペクトを忘れる事なく、その上で、一人でも多くの方に新たな思い入れを抱いてもらえるような作品を構築していってくださることを願っております」


3.に関してがポイントでして、長編確定している作品への視聴態度。5クール目安で第一弾は2クールであり、その後間をあけて3クール。その3クールも分割する可能性が高いでしょう。
冗長さや話に動きがない時間帯も出てくることを織り込んでいく必要があります。
普段の1クール2クールとは勝手が違うこととはつまり、具体的に1クールものでラスト3話で話が動きだすとした場合に、極端に言えば今回は40話くらいまで起伏がないかもしれないのを受け入れることと同義になります。

切り取りと違って原作丸々アニメ化するプレッシャーで製作陣が下手なことできないだろうよ、という意味での期待はあります。それに、

 だって原作面白いんでしょ?

見切るとしてもタイミングはかなり後方にずらす前提で視聴することにしました。



内容です。あらすじは省略。

こ、これは…継続して良いんじゃないでしょうか。
悪いとこ先に言っとくと、ヒロイン本田透(CV石見舞菜香)の無自覚な善意の押し売りがどうにも受けつけません。はい。苦手なタイプのキャラ設定です。
周囲が性善説で動く人間ばかりでないと成り立たない(生きていけない)キャラには現実感がないのです。

言ってしまえばそれくらい。あ、あとたまに挟むギャグが笑えない。
物語と割り切ってしまえば透くんが存在し得る社会は優しさに包まれたユートピアであるともとれて、現実に無いからこそ没入できる側面もあるんだと思います。
それに現実感のないことには作中でしっかり触れてあり良い意味で作為的なキャラ設定なのだと思います(たぶん)。
 {netabare}※草摩紅葉(CV潘めぐみ)が優しすぎて最後は死んじゃう子の逸話を披露してました(第11話)。単にウケるからではなくてストーリーに透くんの性格を組み込んでいるんだろうと察することができます。{/netabare}


そして案の定、少なくとも自分にとっては起伏に乏しい展開が続いております。はじめに全63話と聞いてたから耐えてる感あり。拠りどころとしてるのは


・淡い印象のOPから一転、第14話からのアップテンポなOPへ。長丁場だからこそこういった目先の変え方は好感。大塚愛のチョイスも2000年代前半を想起させ良いと思う。
・核である十二支全部揃ってないが着実に増やし、ゆっくりとキャラ掘り下げをしている。
・十二支外の透の親友も掘り下げを行っている{netabare}(第16~17話のうおちゃん回とか・・・ついでに透おかんもです)。{/netabare}。
 ※魚谷ありさ(CV種崎敦美)と花島咲(CV佐藤聡美)の声優さんのお名前も今しがた(注:2019年8月)感慨深いのもありますね。
・垣間見える草摩(そうま)家の闇。
  {netabare}第7話:草摩はとり(CV興津和幸)の悲恋話。第14話:紅葉の出生話。{/netabare}
 ※草摩あきと(CV坂本真綾)の黒幕感が今のところ凄い。


今後もどこかで草摩家(最低でも13名)、親友2名、透とおかんで2名にスポットは当たるわけでして、そんな多人数での相関に変化を加えてきた時の気持ちよさは期待できそうです。

 だって原作面白いんでしょ?


今のところ18話まで観終わっており、クールが終わる頃にまたまとめたいと思います。それでは!{/netabare}



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2019.09.24 視聴後追記


{netabare}残り7話で正直微妙だったところをぐーっと底上げして前半終了しました。
透くんがなんかすごそうな人に見えてきたのです。これは、花島咲エピソードと草摩夾エピソードによるところが大きいです。

断念理由にも成り得た本田透くん♀の性格がまんざらでもないかも…と思える好展開で前半ハーフタイムに突入できるのはありがたいことです。
見切りのタイミングをだいぶ後ろずらしにした判断がおそらく間違ってなかったのだろうと確信に近いものを得られました。

そうなると後半も引き続き、迷いなく視聴継続です。


もし、序盤で躓きそうになって、私と同じ透くん起因の理由でしたら少しこのことを気に留めて貰えるとよろしいかもしれません。
全63話です。原作も前作も未体験で結末は知る由もありませんが、たぶん大丈夫だろうと思えたのが25話終了時点と普段と比較したら異例ではありますがそうなんです。

長編は面白いもんですね。そんなことも楽しみながら後半を待ちたいと思います。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.08.11 初稿
2019.09.24 完走後追記
2020.04.10 修正
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 51

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「いいのですよ」テーマが主軸

原作既読&前作のアニメも視聴済みです。

お話のざっくり概要
メインヒロインである本田透はお母さんを事故で失って一人暮らし
か~ら~の~ イケメンばかりの草摩家に居候!
草摩家はある呪いに縛られた一族だった… (な、なんだってー!)

そんな感じ?(だいぶ違う気がするけど、うまく説明できませぬw)

原作は90年代後半から連載開始されてめちゃくちゃ売れたヒット作
自分も当時読んでいて、少女漫画では新しいなと感じました。
(さすがに20年経った今だと古く感じてしまいますけど…)

他の少女漫画はメインヒロインかメインイケメンの掘り下げが主軸ですが、
フルーツバスケットは根底にあるテーマ自体が「赦し」だと思います。

人間、多かれ少なかれ誰しも抱えている後悔や苦悩。
それが赦されていく世界観を描いています。

あんまり細かい事かいちゃうとネタバレになっちゃうので書けないですが、
後悔との向き合い方や、自分の弱さの受け入れ方を細かく描写していて
「あぁ、自分も自分を許していいんだ。許されてもいいんだ」
と思えるエピソードが多いです。

当時、自分はまだ働き始め数年目で、先輩から怒られたり、
どうしてうまくいかないんだろうと思っていた最中に、
フルーツバスケットに出会い
思い描いてた自分と違う今の自分を自然に受け入れられました。
だいぶおっさんになってしまった今では色々な事を
簡単に諦めたり割り切ったりしてしまいますが
当時はとても新鮮に映りました。自分にとって大事な作品です。

どうか一人でも多くの方がフルーツバスケットを楽しめますように。

2019.10.06 見終わっての感想追記
花ちゃんエピソードはやっぱりいいなぁ
そこ単体でも十分楽しめます。

原作知ってると、どこまで書いていいのか微妙に悩む…
こっから先少し重くなるので
期待と怖さが入り混じりながら2期を気長に待ってます~

投稿 : 2024/05/11
♥ : 37

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

本田 透に心が救われていく人たちの物語

この物語は原作が少女漫画ですが、恋愛ものではないようです。
どちらかというと、心に大きな傷を抱えている人たちが、主人公である本田 透(ほんだ とおる)の優しさに癒され、救われていく物語。

透は母親を失くした女子高校生。
一人でアルバイトをしながらテント暮らしをするのですが、苦労しているところを草摩家の人たちに助けられ、草摩家で暮らすことになります。

草摩家の人たちの容姿は、他の人から見ると、うらやましくなるほどの美しさです。
しかし、草摩家の人たちは、親族全てが心に大きな傷を抱えています。
彼ら彼女らは、その全員が、生まれたときから常に大きな傷を背負いながら生き続けなければなりません。
きっと、亡くなるときまで、その心の傷は癒えることは無いのでしょうね。

「隣の芝生は青く見える」と言うけれど、まさにその通りです。
だから彼ら彼女らは、ごく自然に人との交わりを拒む生活をしていました。

でも、草摩家の人たちは、透の優しさや、どんな困難にも決してめげない前向きな性格に少しずつ心が癒されます。
そして皆が透のことを大好きになっていくのです。

草摩家以外の人たち、透の親友の魚谷 ありさ(うおたに ありさ)や花島 咲(はなじま さき)も、透に出会うまでは苦しい人生を送っていました。
そして彼女らも、透のひたむきな優しさで心が救われました。


私達は、誰でも、多かれ少なかれ、人に言えないような苦労や心の傷を抱えているのではないでしょうか?
そんな時に、透のような人が傍にいてくれたら、とても幸せだと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32

71.0 6 リメイクで恋愛なアニメランキング6位
魔法陣グルグル (2017)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (248)
1001人が棚に入れました
1992年に月刊少年ガンガンで連載を開始、
1994年、2000年に続き、連載25周年を記念して3度目のテレビアニメ化!


魔王を倒す勇者を募るというお触れを見た勇者マニアの
父と母によって、半ば強制的に旅に出されたジミナ村の少年ニケ。
村のしきたりに従って、村外れに住む魔法オババの元を訪ねたニケは、
そこで不思議な魔法グルグルを使う少女ククリを託される。
オババの話によれば、彼女はミグミグ族というグルグルを
使うことのできる一族の最後の末裔で、
いずれ現れる勇者を待ち続けていたのだという。

お調子者の小さな勇者と天真爛漫な魔法使いの少女が繰り広げる、
「思いっきり笑えて、ちょっぴり泣ける」
王道冒険ファンタジーが今、幕を開ける!

声優・キャラクター
石上静香、小原好美、小西克幸、大地葉、藤井ゆきよ、櫻井孝宏、大西沙織、岡本信彦、石田彰
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

世界中の大好きを集めても 君に届けたい思いに足りない

原作未読。最終話まで視聴。

【初めによもやま話を少々・・・】

1995年頃だったと思う。

夜勤明けの帰宅中に車のラジオで聞いていた、奥井亜紀さんがDJをしていた『まんたんMUJIC』という深夜ラジオ番組。
その番組中に流れていた、奥井亜紀さんの『晴れてハレルヤ』という曲・・・。

曲調と歌詞が凄く気に入って、翌日、CDを買いに行ったことを今でも覚えています。
(もちろん,CDは今でも大切に持っています)

という訳で、『魔法陣グルグル』というアニメの存在は、昔から知っていました。

ただ、当時は今ほどアニメに興味が無かったのでアニメ本編は未視聴。
というか、私の記憶では、私の地元ではアニメ本編を放送していなかったような気がする・・・。

だから、今回、凄く楽しみにしていたんです!
20数年の時を経ての視聴です。

【物語】
内容は正直、子供向けアニメかと・・・。
だけど、大人が見ても、十分楽しめる作品でした。

ギャグアニメかと思いきや、しっかり冒険アニメ・・・。だけど、根本的にはギャグアニメ。
下ネタも上品(!?)で悪くなかったと思います。

『ククリちゃんを愛でる作品』だと思っていれば、間違いないと思います(笑)。

【作画・声優・音楽】
いずれも、とても良かったと思います。
作品のイメージにピッタリ。

【キャラ】
ククリちゃん → とても可愛い!
ジュジュ → 可愛い!
ニケ → ナイスツッコミ!
ギップル → 少しウザい!
キタキタおやじ → かなりウザい!だけど、{netabare}たまたま偶然に活躍することもある、{/netabare}憎めないキャラ。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 55
ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

過去作よりテンポが良く、キッチリ完結する。 綺麗にまとめましたね! 

月刊少年ガンガンで連載されていたギャグファンタジー漫画のアニメ化。

これまでに、

「魔法陣グルグル」 (1994年版、初代) 全45話。
「劇場版 魔法陣グルグル」(1996年、劇場作品)
「ドキドキ♡伝説 魔法陣グルグル」(2000年版、2代目) 全38話。


放送局を変えアニメ化されている。

この(2017年版)が違うのは、全24話で原作のラストまで描くこと。

現在、続編の「魔法陣グルグル2」を連載してるので、終わっていないまま進行していた今までのシリーズと違い、最終目標を定めてアニメが進行していた部分が良かったのでしょうね。今作はキッチリ完結するのでとても見易いと思われます。

全編通して多少急ぎ足ではありましたが、※初めの頃の問題(※STAFFがTwitter上で不平不満を言って問題になった)も解決し、かなりスムーズに良い出来なアニメとして駆け抜けて行きましたね。問題解決してからの出来がほんと良くて、アレなんだったんだと思うくらい。朝アニメとしてやって欲しかったですねw全年齢対象の誰が見ても良い、素敵なアニメでした。

テンポが良くて、ギャグの間合いもバッチリ。特に声優が上手かった。過去に何度もアニメ化されているシリーズなのにほとんど違和感がありません。ニケ役の石上静香さんは完全に自分のものにしてましたね。

グルグル世代だけど過去作が好きだから観てないって人も、観たこと無いって人にもオススメです^^


【↓最終回:感想(ネタバレ)】
{netabare}
今まで出てきたキャラクター大集合のアニメオリジナルは原作愛を感じますね。『Wind Climbing ~風にあそばれて~』が流れた時テレビの前で、小さく「おおっ」と言ってる自分がいました。目頭が熱くなるぜ。シリアスやった後に、ニケの「うんこがしたい・・・うんこがしたくてたまらない!!!」で台無しにされて泣き笑いです。グルグルだなあ~・・ヽ(=´▽`=)ノ大魔王ギリまでギャグキャラになるのが最高ですね。

ラストが続編の「魔方陣グルグル2」に続く引き。アニメスタッフありがとう。
{/netabare}
間違いなく今までで一番のアニメ化でした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 41

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それぞれの時代に、それぞれの冒険を

思っていたよりも丁寧に作られていて好感触です。
声など多少違和感もありますが、個人的には全然アリだと思います。
ただまあ、OPとEDだけは奥井亜紀さんのあの曲にして欲しかったかな。
(とか言って2クール目で変わるという演出だったら、大分涙腺やられそうですが)

とてもふざけた作品ですが、要所要所で心の鐘を鳴らしてくる憎いやつでもあります。(イメージ的にはクレヨンしんちゃんに似てるかも)
ちょっと寒いと思うところもあるかもしれませんが、最後まで見届けるとそれも味だと感じるようになるかもしれません。
時間があるなら是非ご視聴を。

皆さんの愛がグルグルを生むのですぞ~。ピ~ヒャラ~ラ~♪
--------------------------------------
【視聴後】
『Wind Climbing ~風にあそばれて~』を流してくれましたね。
色々やろうとしてごちゃごちゃした感は否めませんが、個人的には満足です。ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

56.5 7 リメイクで恋愛なアニメランキング7位
美少女戦士セーラームーン Crystal(クリスタル)(Webアニメ)

2014年7月1日
★★★★☆ 3.1 (173)
831人が棚に入れました
原作:武内直子、監督:境宗久、シリーズ構成:小林雄次、、ももいろクローバーZ

文葉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

テンポよくあっさりしたリメイク。

名作の「美少女戦士セーラームーン」を
ギュッと濃縮して26話であっさり観られる。

テンポが良くて話もスムーズ。
1部:ダーク・キングダム編と
2部;ブラックムーン編が味わえます。
視聴中「話が進まない!」等のストレスは皆無。

作画は比較的綺麗な気がする。
セーラー戦士のお顔がシャープで鋭い(刺されたら痛そう)AGO(顎)と
小顔×大きな瞳で女の子の憧れと象徴そのもので「コレジャナイ感」が出てるけど気にしない(適当)

私が生まれた頃のアニメなので、セーラームーンのアニメ自体そこそこ観ていましたが全部は見ていなくて一部分のみだったので話自体よく知りませんでした。

母と兄がファンだったらしく、家を探すとレア?なセーラームーンの着せ替えのお人形(危うく、おままごとよりゲームや外遊びが好きだった小さい頃の私の悪戯の餌食になるところだった)やコミックスが出てきます。

深く観たいならリメイク前のを。
あっさり大まかでも良いから観たい方や
懐かしいものを新しくリメイクしたものが観たい方はオススメです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「愛と正義のセーラー服美少女戦士、セーラームーン!月に代わって、お仕置きよ!」

1992年から少女漫画雑誌「なかよし」で連載されていた
人気漫画のアニメがリメイクされて登場!

自分もギリギリのセーラームーン世代で、
当時は漫画もアニメも見ていた覚えがあります^^
(内容は全く覚えていませんでしたがw)

本当はリメイク前のアニメを観たいと思っていたんだけど、
残念ながらレンタルショップには置いてなかったのでこちらを視聴。

1期「ダーク・キングダム編」
2期「ブラック・ムーン編」
全26話です。


● ストーリー
月野うさぎ(つきの うさぎ)はドジで泣き虫な中学生の女の子。

額に三日月の模様を持つしゃべる猫・ルナと出会ったことをきっかけに、

セーラー戦士として街の平和を守りながら
「幻の銀水晶」と「月のプリンセス」を探す指令を受ける。


設定は時代に合わせて変えられているところもあれば、
(携帯電話を使うところなど)

普通に考えるとツッコミどころ満載な設定がそのまま残っているところも。
(意図的なギャグよりもこっちの方が笑えますww)

ストーリーは少しダイジェストで駆け足な印象は受けましたが、
設定が凝っていて面白かったです^^
十分見ごたえがありました♪


仕事の先輩にものすごく髪の長い人がいまして。

本人から直接聞いたわけではないですが、
のばしている理由は「セーラームーンになりたいから。」らしいのです。
(50代のおばちゃんなのですけどね。)

そういや確かに時々ツインテールにしてるわ…と
衝撃を受けた覚えがあります。笑

そんなふうに、いまだに世の女性を虜にし続けるセーラームーン。
やはりそれだけの存在感には理由があるわけです。


≪ すべての乙女に捧げる、愛の戦士の物語 ≫

かわいい衣装に変身し、
強い心を持って悪と戦い、

信頼できる大好きな仲間が傍にいて、

ピンチの時にはヒーローが登場してかっこよく助けてくれて、
その正体はちょっと口は悪いけどイケメンの気になるあいつで、

{netabare} お姫様の生まれ変わりで、
愛する人と再び出会って恋に落ち、 {/netabare}

弟は小生意気なかわいい小学生。

……ツボを押さえすぎ!!!(興奮)

さすが少女漫画といいますか、
乙女の憧れや夢がふんだんに盛り込まれています。

これは憧れちゃうよね。
私も憧れます。

女の子の永遠の憧れ、それがセーラームーンなのです。


● キャラクター&声優
主人公のうさぎ以外は新しいキャストです。

昔を覚えていないので違和感は全然ありませんでした。
(アルテミスのおじさん声だけはなかなか慣れませんでしたがww)

声優さんも聞いたことある人ばかりで豪華ですし^^

昔は亜美ちゃんと美奈子ちゃんがかわいいと思っていて、
まこちゃんとレイちゃんのかわいさが全然わかりませんでしたが、

今では全員のかわいさがわかるようになりました^^


さて、今回特別に触れたいのは本作のヒーロー、
タキシード仮面こと地場衛(ちば まもる)です。

うさぎが女の子にとって永遠の憧れならば、
まもちゃんは女の子にとって理想の男性像です。

かっこよくて、頭が良くて、優しくて、ピンチの時には必ず守ってくれる。

うさぎがメロメロになるのも当然ですね。
私も昔はメロメロでしたww

今回何が驚いたって、まもちゃんって高校生だったのですね。
あの色気で高校生って…(;゚Д゚)

上半身裸で目覚めたり、
高層マンションに1人暮らしだったり、
妙に大きいベッドだったり、
いやもう高校生って設定やめようよwwと何度も言いたくなりましたww


● 音楽

【 OP「MOON PRIDE」 / ももいろクローバーZ 】

「ムーンライト伝説」に勝るものは
期待できないだろうと思っていました。

しかし、そんな私の考えを
良い意味で裏切ってくれたのがこのOP!!

「紅蓮の弓矢」などを手掛けたRevoが作詞・作曲を担当。

元祖の名曲に負けない魅力をこの曲も持っていると思います。
非常に気に入りました^^

歌詞がかっこいい♪

これで歌唱力が良ければもっとよかったのだろうけど…(ごにょごにょ)


【 ED「月虹」 / ももいろクローバーZ 】

EDはしっとり系の曲。
これはこれで好きです。

過去にもセーラームーンの曲(「タキシード・ミラージュ」など)を
書いていた小坂明子さんが作曲。

そして作詞は原作者の武内直子先生なのです!

「白薔薇 sumire」という名義だったので、
調べてみて初めて知りました。


● まとめ
懐かしくもあり、
大人になって観ることによる新しい受け止め方もあり、

全体的に楽しんで視聴することができました^^
ああ、でもやっぱり昔のアニメも観たいなあ。

3期「デス・バスターズ編」も2016年春から放送が決まっており、
こちらも楽しみです♪

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ドラマチック&ロマンチックを具現化した、望外の「原作準拠」リメイク良作

お待たせしました。
みんな大好き“美少女戦士”アニメの紹介レビューです。

といっても、旧作の方は全5期200話もある大長編で、制作時期の古さ(1992年3月~1997年2月)から来る作画・演出の陳腐化に加えて、当作が空前の大人気作となってしまったことから来る追加に次ぐ追加エピソードの嵐で、まるで「過食症でブヨブヨに太ってしまった(もと)美少女(※ただし素材は抜群に良い)・・・」みたいな様相を呈してしまっていて、当作の名高さに惹き寄せられて、「さぁ、これから『セーラームーン』とやらを視聴してみようか・・・」と意気込む熱意溢れる方々に、旧作を素の状態で紹介するのは、いたたまれない気持ちになってしまいます。

・・・と、そう思っていたら、「需要あるところに供給あり」なのか、既に2014年から2016年にかけて、本シリーズの最初から、その“肝(きも)”である第3期(デス・バスターズ編)までが、確りと現代のアニメ技術でリメイク(再制作)されているではありませんか!

いやぁ本当に日本(このくに)に生まれて良かった・・・。

ここでわざわざ、レビュー・タイトルに「原作準拠」と表記しているのは理由があって、旧作アニメの方は、必ずしも「原作マンガ」に忠実な作品ではない(かといって原作からかけ離れた作品という訳でもない)・・・という、ちょっと微妙な関係にあり、もう少し詳しく書くと・・・

(1) 原作マンガの雑誌連載期間は、1992年2月-1997年3月
(2) 旧作アニメのTV放送期間は、1992年3月-1997年2月
(3) ということで、原作マンガと旧作アニメとが、ほぼ同時進行しており、アニメの方は原作者(武内直子氏)から事前に提供されていた原作マンガの設定(世界観や人物設定など)やプロット(具体的に作品として描かれる以前の粗いシナリオ原案)をなるべく尊重しつつも、独自の追加設定や追加エピソード、さらには改変設定・改変エピソードまでをアニメ化に際して大量に導入している。
(4) 中には、原作マンガの設定やプロットが固まる迄の繋ぎとして、完全アニメ・オリジナルで企画・制作されたパート(第2期(セーラームーンR)序盤の「魔界樹編」と第5期(セーラースターズ)序盤の「ネヘレニア復活編」)まである。
(5) その結果、旧作アニメは、原作マンガの世界観やシナリオを大筋ではちゃんと受け継いでいるものの、余りにも当時のアニメ制作者やスポンサーの商業上の打算に都合よく利用されて、現代の目から見て、既に陳腐化してしまい改めて観るだけの作品価値を毀損してしまっているパートが多くなり過ぎている。

※具体的にいうと、
<1> 第1期の場合、原作に準拠した新作ならば14話で収まるところを、旧作アニメでは延々46話にわたって制作・放送されていた。
<2> 第2期の場合、同じく新作では12話で収まるところを、旧作アニメでは延々43話にわたって制作・放送されていた。
<3> 第3期の場合、同じく新作では13話で収まるところを、旧作アニメでは延々38話にわたって制作・放送されていた。

・・・ということで、新作の方は、旧作アニメの最大の問題点である「シナリオの本筋に全然関係ない膨大な水増しエピソード」をゴッソリ削り落とし、なおかつ旧作にあった原作マンガからの改変設定・改変エピソードも綺麗さっぱりリセットして、その結果、旧作では第1-3期併せて127話もあったところを、原作に忠実なスリムでリーンなシナリオの作品に仕上げることで、第1-3期併せて39話の作品へと比較的視聴負荷のかからないものに生まれ変わりました(※ 39/127=約30% にサイズダウン)。

いやぁ本当に良かった。

・・・そう思って、本サイトでのこの新作アニメの評判をチラっと確認してみたら、あれれ???散々な評判ではありませんか。なぜこうなった???

この新作、何が評判悪かったのか?というと、一言でいってCGで制作されたらしいヒロイン(月野うさぎ)の変身後の決めポーズの「コレジャナイ」感が強すぎたのです。
旧作の決めポーズの「可愛い格好いい」感が全然でていない、というか、いかにもCGっぽい不気味で無機質な表情でビシッと決められてもなぁ・・・。
※この大失策には制作側も遅ればせながら気付いたようで、シーズンⅢからは、ナチュラルな手書き?っぽい決めポーズに改められています。

それ以外の、この新作への悪評については、もともとのファンの度を超えた旧作贔屓の産物と思って無視すれば十分です。(※そういう人に限って、過度の思い出補正により、旧作の方には4点以上の高評価をつけ、新作の方には3点台の低評価をつけていますが、そういう人は、もともと好きだった旧作の方をこれからもずっと楽しんでもらえればいいのです。)

・・・ということで、これからこの新作アニメの視聴を開始しようと思っている方に、一言だけアドバイス。

CGによる変身パートについては「諦めて下さい」。

あらかじめ、そこだけ諦めておけば、視聴を始めてから失望してしまうことは余りありません。
なんせ、世界観やキャラ設定は、今後このジャンルでは二度と出てこないと思われるほど優秀(※一例として、「セーラー戦士(Sailor Guardian)」が、そのまま「太陽系の守護者(Solar Guardian)」に音便変化しており、それぞれの守護星に応じた能力を確り保持していること等)、かつ、シナリオも飽きる暇がないほどドラマチックな展開の連続で最後まで一気に突き進んでしまいますから。

ももいろクローバーZが歌うOP「MOON PRIDE」も、聴き慣れてくると旧作OP「ムーンライト伝説」に勝るとも劣らない名曲に思えてくるから不思議です。
因みに、この「MOON PRIDE(※直訳すると「月の誇り」)」という印象的なフレーズは、第1期(ダーク・キングダム編)終盤の山場で{netabare}ヒロインが決意を固める流れ{/netabare}に深く関わってくるので、アニメ本編の視聴を始める前に、このOPのミュージック・クリップを何度か視聴して、本作のノリとテーマ(※それから、おまけとして問題のCGの出来具合)に、あらかじめ見当をつけておくのがお薦めです。

ゴメンね、素直じゃなくて。

※以下、期別の内容紹介。


◆第1期(ダーク・キングダム編)

 ⇒ ドラマチック&ロマンチックな堂々の王道展開を楽しもう!

旧作アニメだと、屋上の月型のマークがデカ過ぎて気付きにくかったのですが、新作では、少女たちがセーラー戦士に目覚める時に、その瞳に一瞬映る白銀色に輝く王宮(ムーン・キャッスル)の姿が、フランスの首都パリに実在する「サクレ・クール(聖なる心)寺院」(※パリのモンマルトルの丘に立つネオ・ビザンティン様式のカトリック寺院)の姿を模したもの、とハッキリわかります。
※因みに、シルバー・ミレニアム(銀色の千年王国)の首都の全体像は、同じフランスにある複合修道院施設島「モン・サン・ミッシェル」を模した形に描かれています。

太古の時代の{netabare}月のプリンセスと地球のプリンスの許されざる恋が招いた悲劇と転生の物語、プリンセスの守護戦士とプリンスの守護騎士たちの因縁、そして繰り返される悲劇{/netabare}・・・まるで、西洋の《古典悲劇》の型を踏襲したかのような見事な構成に魅せられる!
よく見ると本作は、各話が、ACT.~ つまり「第~幕」と表記されており、本作が「演劇」を模した(=つまり劇的 dramatic な=波乱に富んだ)シリーズ構成を意識的に行っていること、が明示されています(※原作マンガ(完全版)の各話構成とも完全に一致)

でも、本作が重苦しい作品なのか、というと全然そうではなくて、ヒロイン(月野うさぎ)が「アホの子」だけに抜群の見易さ!

そして終盤の第12話のラストシーンで、本作の視聴開始直後からずっと気になっていた、OP 「MOON PRIDE」の最初の小節{netabare}「MOON PRIDE 貴方の、力になりたい・・・」という言葉が見事に回収{/netabare}される!
これで本作への好感度がさらに上がってしまい、様式美溢れるこの第1期への個人評価は ★★ 4.5 とかなり高くなりました。


◆第2期(ブラック・ムーン編)

 ⇒ 途中から明かされるトンデモ設定を逆に楽しもう!

第2期は第1期に比較すると、さまざまな点で設定矛盾が目立って、どうしても個人評価は ☆ 3.8 と低くなってしまいますが、それでも途中から明かされる稀に見るトンデモ設定に思わず笑ってしまいました。

それにしても、ちびうさを small lady (背の低いレディ)と呼んでいるのは何か変・・・そこは petite lady (幼いレディ)だろ普通、と思っていたら、{netabare}彼女の実年齢が900歳以上{/netabare}って・・・それじゃ small lady で仕方ないのかな?


◆第3期(デス・バスターズ編)

 ⇒ 本作唯一の《神回》を含む超展開!迫りくる世界の終焉に戦慄すべし!

SeasonⅢ(第3期)は、思い切ってキャラクター・デザインが今風に変更され(※キャラデザ担当の高橋晃氏は、スイプリ&ドキプリのキャラデザを本作以前に担当)、第1-2期ではCGの違和感の大きかった変身シーンが滑らかな手書きに改められています。
なお、音楽は何故か1-2期に比べてインパクトがない印象ですが、それでも聴き続けると次第に耳に馴染んでくる良曲だと思いました。

「セーラームーン」シリーズの中でも白眉といえるこの期の個人評価は、★ 4.3 とやはり高くなりました。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ       武内直子(『なかよし』1992年2月-1997年3月連載)
シリーズディレクター 境宗久(第1-2期)、今千秋(第3期)
シリーズ構成      小林雄次
キャラクターデザイン 佐光幸恵(第1-2期)、高橋晃(第3期)
音楽           高梨康治
アニメーション制作  東映アニメーション{/netabare}


◆期別評価

(1) 第1期(ダーク・キングダム編) (14話) ★★ 4.5
(2) 第2期(ブラック・ムーン編)   (12話) ☆   3.8
(3) 第3期(デス・バスターズ編)  (13話) ★   4.3
------------------------------------------------------
  総合評価            (計39話) ★   4.3


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

== 美少女戦士セーラームーンCrystal (第1-2期) (2014年4月-2015年6月) ==

 ------------- ダーク・キングダム編 -------------
{netabare}
Act.1 うさぎ -SAILOR MOON- ★ 宝石店事件 ※CGパートは微妙だが展開の速さは◎
Act.2 亜美 -SAILOR MERCURY- ★ 天才少女、クリスタルゼミナール事件
Act.3 レイ -SAILOR MARS- ★ 火川神社の巫女、魔の6時のバス事件
Act.4 Masquerade -仮面舞踏会- ★★ D国大使館騒動
Act.5 まこと -SAILOR JUPITER- ★ 怪力失恋転校生、ブライダルショップ事件
Act.6 タキシード仮面 -TUXEDO MASK- ★ 幻の銀水晶捜し強制事件、セーラーVの影、うさぎ&衛双方身バレ
Act.7 地場衛 -TUXEDO MASK- ★ 衛の過去と目的、洗脳DVD事件、セーラーV見参
Act.8 美奈子 -SAILOR V- ★ 月のプリンセス?、美奈子おびき出し、東京タワーの戦い、衛被弾
Act.9 セレニティ -PRINCESS- ★★ 続き、前世の記憶回復、封印解除(幻の銀水晶出現)、衛奪わる
Act.10 MOON -月- ★ シルバーミレニアムの廃墟と聖剣、クイン・セレニティのメッセージ、四天王とセーラー戦士たちの前世
Act.11 再会 -ENDYMION- ★ 黒エンディミオン(遠藤君)接近、地下指令室の戦い
Act.12 敵 -QUEEN METARIA- ★★ 続き、クイン・ベリルの最期、北極圏へ、プリンセスの誇りと自信
Act.13 決戦 -REINCARNATION- ☆ クイン・メタリア強大化、二つの奇跡、幻の銀水晶の力解放
Act.14 終結そして始まり -PETITE ÉTRANGÉRE- ★ クイン・メタリア撃滅、月の王宮再生、ちびうさ登場 ※ラスト新展開{/netabare}

 -------------- ブラック・ムーン編 ---------------
{netabare}
Act.15 侵入 -SAILOR MARS- ★ 新たな敵、妖の四姉妹来襲(コーアン)、レイ囚わる(紅のルベウス)
Act.16 誘拐 -SAILOR MERCURY- ☆ 邪黒水晶とブラック・ムーン、亜美vs.ベルチェ、亜美囚わる
Act.17 秘密 -SAILOR JUPITER- ☆ まことvs.ペッツ、まこと囚わる
Act.18 侵略 -SAILOR VENUS- ☆ 美奈子vs.カラベラス、過去と未来の幻の銀水晶、ちびうさの願い
Act.19 タイム・ワープ -SAILOR PLUTO- ★ 30世紀へ、時空の番人(セーラープルート)、クリスタル・パレス到着
Act.20 クリスタル・トーキョー -KING ENDYMION- ★ 続き ※結構なトンデモ設定で笑
Act.21 錯綜 -NEMESIS- ★ 暗黒惑星に囚われたうさぎ、プリンス・デマンドの望み、ちびうさ闇堕ち
Act.22 思惑 -NEMESIS- ★ 幻の銀水晶のパワー解放、ブラックムーン城崩壊・脱出 ※面白いのだがシナリオの整合性のなさが鼻につく点は×
Act.23 暗躍 -WISEMAN- ★ 暗黒城の主、暗黒の女王来襲 ※同上×
Act.24 攻撃 -BLACK LADY- ☆ 黒エンディミオン再び、ラスボス来襲、プリンス・デマンド暴走 ※面白いけど展開が色々と雑な点は×
Act.25 対決 -DEATH PHANTOM- ★ 時間停止(プルート禁忌違反)、ちびうさ復活・セーラー戦士化、プリンス・デマンド死亡、デス・ファントムの怨念
Act.26 再生 -NEVER ENDING- ★ ネオクイン・セレニティの目覚め、ちびうさとの共闘(ラスボス殲滅)、未来の自分との別れ、ちびうさ再来訪{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)3、★(良回)18、☆(並回)5、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

OP 「MOON PRIDE」
ED 「月虹」


=== 美少女戦士セーラームーンCrystal SeasonⅢ (第3期) (2016年4-6月) ===

 -------------- デス・バスターズ編 --------------
{netabare}
  ^^^^^^^^^^^ OP「ニュームーンに恋して」、ED「eternal eternity」 ^^^^^^^^^^

Act.27 無限1 予感・前編 ★ 天才レーサー&天才ヴァイオリニスト接近、無限学園生徒の先祖返り ※様式美を感じる変身シーンは◎
 ”   無限1 予感・後編 ★ 無限学園潜入、ウィッチーズ5来襲、土萌研究所の少女、謎のセーラー戦士たち
Act.28 無限2 波紋 ☆ 学園の怪集会、ユージアル撃破、謎のセーラー戦士の警告
Act.29 無限3 2人 NEW SOLDIERS ★ ちびうさ&ほたるの友情、学園の怪コンサート、ミメット撃破、ネプチューン&ウラヌス名乗り

  ^^^^^^^^^^^^^^^^^^ OP(変わらず)、ED「乙女のススメ」 ^^^^^^^^^^^^^^^^^^

Act.30 無限4 SAILOR URANUS 天王はるか SAILOR NEPTUNE 海王みちる ★ 破滅の神の夢、亜美の体験入学、ビリユイ撃破
Act.31 無限5 SAILOR PLUTO 冥王せつな ★ 土萌研究所訪問、植物園の罠、プルート転生、テルル撃破
Act.32 無限6 3戦士 ★ 外部惑星3戦士の使命と目的、タウ星系からの侵入者、ほたるの体の秘密、シプリン来襲
Act.33 無限7 変身 SUPER SAILOR MOON ★★ 聖杯の力解放(スーパーセーラームーン覚醒)、シプリン姉妹撃破、滅びの戦士(セーラーサターン)覚醒の悪夢、ミストレス9覚醒

  ^^^^^^^^^^^^^ OP(変わらず)、ED「永遠だけが二人を架ける」 ^^^^^^^^^^^

Act.34 無限8 「無限迷宮」1 ☆ ちびうさ心停止、無限学園突入と罠、マグス・カオリナイト撃破
Act.35 無限9 「無限迷宮」2 ★ 師(マスター)ファラオ90の野望、ダイモン化実験、土萌教授撃破、ミストレス9再出現
Act.36 無限10 無限大―上空 ★ ほたるの戦い・魂消滅、ちびうさ甦生、スーパーセーラーチビムーン覚醒
Act.37 無限11 無限大―審判 ★★★ ミストレス9撃破、師ファラオ90実体化・タウ星系接近、セーラームーン単騎突撃、サーラーサターン覚醒
Act.38 無限12 無限大―旅立ち ★ 沈黙の大鉈(世界の終焉の危機)、うさぎ一瞬メシア化、ほたる転生、後日譚(高校進学、ラスト新展開へ) ※ED「eternal eternity」{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)1、★(良回)9、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


◆(※参考)続編情報

昨年6/30に、第4期(デッド・ムーン編)が、劇場版(前・後編)として制作されることが公式サイトで発表されています。
シリーズディレクター(監督)は第3期と同じ今千秋氏。公開時期は未定。

(2018.12.14)旧作レビューをUP

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

71.9 8 リメイクで恋愛なアニメランキング8位
フルーツバスケット 2nd season(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (180)
752人が棚に入れました
親を亡くした女子高生の本田透が、縁あってクラスメイトの草摩由希やその親戚のたちと暮らすことに。しかし、"十二支の物の怪憑き"である草摩家には、「異性に抱き着かれると、憑かれた物の怪に変身してしまう」という秘密があった。その秘密ゆえの、家族からの極度な愛情や拒絶、学校でのいじめなど、草摩家の人々を、透は目の当たりにすることになる――。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、上田麗奈、大地葉、河西健吾、豊崎愛生、坂本真綾、森川智之、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき、江口拓也、加隈亜衣
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

今のところ眠れる獅子です

相変わらず原作は未読


全63話予定。現在位置は↓

 1st season 25話
 2nd season 25話←今ここ
 Final (仮) 13話

踊り場の2nd seasonなので軽めにいきます。

正直しんどい。
まず2つの道があると思うんです。リアタイ追うのと終わってからまとめてドン。一応ここは前者の意見ということであらかじめご承知おきをば。言うても2nd最後まで観たところで結論には至らない。立ち上がりだった1stはうろ覚え。そして共に2クール分とボリューミー。まとめての視聴をお奨めします。

しんどい理由はそれだけではない。
いわゆる“障害”と思しきものが特殊過ぎるのです。現時点で“障害”とは“草摩の家に生まれついた宿命によって縛られてる何か”しか分かってません。なにを根っこに苦しんでいるのか掴めないのでキャラの感情を拾えないのです。よもや表層なぞってあははうふふしてるだけじゃ名作とは言われまいて。なにかしら“障害”を乗り越えるなり打ち克つのだろうと想像できるのですが現時点では私が絶賛迷子中。きっと終盤にネタ明かしがあるのでしょう。

{netabare}草摩家当主の慊人(あきと)が嫌キャラとして描かれてはいるが絶対事情あるよね?{/netabare}
{netabare}なんで高校卒業したら夾(きょう)は幽閉されるのか他の道いくらでもありそうなのに?{/netabare}
{netabare}親に愛されてない子が多いね。変身しちゃうだけが理由だったらひどくない?{/netabare}

目の前でめっちゃ苦悩してるんですけど、十二支を苦しめてるものの正体がうっすらとしか分からず、なんか良く分かんない理由でイラついたり絶望したりする物の怪憑きの皆さんに菩薩モード全開で寄り添うヒロインという構図。


 理由の如何によらず苦悩している人にただ寄り添えるか?


みたいなところを感じて下さい、といった雰囲気はあります。こういうのってキャラには知らせずとも視聴者にはわかるようにするもんですけどね。面白い試みですがエンタメ感は薄いかなぁ。
置かれた境遇の厳しさに理解と同情の念はあります。だからこそ背景と理由を下さいってことですね。
そういうのが無ければ別の切り口。呪いというだけで縛られるしかないというあくまで思い込みとか。これだと理由はいらないんだけどそれはなんかやだなぁ。

1期は当初苦手だった透くんのキャラが終盤になって素敵に見えた後半追い上げ型。
2期は十二支の呪いに翻弄される皆さんを追いかけながら苦悩に寄り添う現状維持型。

全部終わってからあの時この時こうだったが見えてくるのだと思います。
もしくは原作既読で顛末をすでに知ってるファンが答え合わせをする場所。

いざ完走して全貌が明らかになった時、これが1クール2クールだったら覚えてるんでしょうが、差し詰め5クール分となるとよっぽど強烈な印象を残したとこじゃないと覚えてない確固たる自信があります。
全般的にもやっとしており初見でここまで50話は正直つらい気がします。


いいところもあるよ。OPEDが軒並み作品の世界観に合っていて良かった。そこだけは胸張って言える中継ぎの2nd seasonでした。
ここまで来たら付き合うけどね。頼むぜ名作!


※メモ
{netabare}あきとが女!?そして紅野は呪いが解けてました…と。
この淋しかりやの神様に救いは訪れるのか?十二支連中も救われてほしいね。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~9月 リアタイ

-------

2020.09.22 初稿
2021.07.23 修正
2022.06.04 修正

投稿 : 2024/05/11
♥ : 40
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

イロイロナコイノカタチ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
1期は、各キャラクターの紹介&透を起点にした主要キャラクターとの交流を描き、美しく哲学的な話になっていた。

2期は、透との関係性というより、各キャラクター同士の関係性を深めたり、それぞれの背景にある謎に迫っていく流れ。

レビュータイトルを「イロイロナコイノカタチ」にしたのは、この作品に出てくる皆の恋愛が、本当に一筋縄ではいかないものばかりで、それぞれにそれぞれの「好き」や「愛」の形があるんだな~と感じたから。そしてそれが、非常に繊細で脆く眩しいガラス細工のような印象なので、カタカナ表記にした。

正直言って、1期に比べるとスローテンポでやや退屈な展開だと思った。丁寧な描写に努めたとも言えるけど。

全体として「繋ぎの2期」という印象なので、完結編を観ての評価ということになりそうかな。


《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
サブキャラ達の恋愛で良いな~と思ったのは、白木繭子と草摩はとり。草摩紫呉のちょっかいも最高だし、あそこでワンワン泣き出す白木繭子は素敵だな~と思った。

あとはまあ、草摩由希の成長が素敵だった。色々なことを決められ、与えられてきた由希が、初めて(2回目)自分の力で作れた仲間。個人的に深いな~と思ったのは、17話だったかで、由希が喧嘩した真鍋翔に、「罰として絶交」と言ったところ。絶交が罰になると思うのは、自分が好かれている自覚がある証拠だからね。ああいうセリフをサッと言わせて、行間で登場人物の心情の変化を見せるのは、この作者の最も優れているところだと思う。

意外だったのは、ラストギリギリまで透と夾と由希の三角関係を維持する(透の心の揺らぎを描くの)かと思っていたけど、こんなに早々と透ー夾のルートで固定し、
由希ー倉伎真知のフラグを出していくとはね。

それはつまり、作者がこの作品を、この作品の登場人物を愛しているからなのかな?と思った。

つまり、「刺激的な展開で読者を楽しませる」よりも、「各キャラクターみんなに幸せになってほしい」という思いを優先させたということ。

あるいは、「刺激的な展開」はある種の「ストレス」であり、本作の読者は、「平和な展開」=「癒し」を求めていると判断したのかもしれない。まあ、草摩慊人の件でストレスは充分だしね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
世間に認定されている休みとは違う、確かに。思いっきりの嫉妬。ここまで真っ直ぐな嫉妬だと、逆に不快にならないというね。

2話目 ☆4
透は、なんだろう、これが天然なら男はやられる(笑) 師匠、格好良いな~。当然、透にも弱さはあるわけで。時雨(笑) んで、イケメンだな(笑) 

3話目 ☆


4話目 ☆


5話目 ☆
修学旅行。透、最初に気にするのそれか(笑)

6話目 ☆


7話目 ☆3
ドタバタからのホラーやな、アキト。

8話目 ☆3
ユキ、強くなったな。トオル、小学生かな?(笑) 海には勝てないし、トオルにも勝てない(笑)

9話目 ☆3
アキト、どこまでの力があるのか。まどろっこしいな。口だけでどこまでいく? ここに至っては、言葉は無力だと思うけどな。

10話目 ☆4
少し痛いやも、は、可愛い(笑) かぐや、切ないよな~。つじつま合わせの恋が、本物に。

11話目 ☆4
ガン泣き。この二人、付き合えよ。時雨(笑) 行くけども(笑) 羽鳥も、良いよな。

12話目 ☆3
冒頭チョップ(笑) あれが恋をする女の背中、なにか痛々しい(笑) ゆんゆん、定着(笑) ユキ、ネガティブだからな。なにしくさってるんですか(笑)

13話目☆3
おじいちゃん、久しぶり、好き(笑) 腹の底から嫌そうな顔をするマユを観たいシグレ(笑) 俺、もう死んだって良いよ、からの強引なキス。いや~、少女漫画(笑) 

14話目☆4
楽しそうだな、おい(笑) 菖蒲、良いよな。一番好きかも。人の為になら本気で怒れる。「お金や地位が好きという、一風変わった感性の持ち主」って、スゴい好きなワードだな。

15話目☆3
トオル、嘘、下手(笑)

17話目☆3
猫の嫉妬(笑) 絶交が、罰になると思うのは、好かれている自覚がある証拠。

18話目☆3

19話目☆3

21話目☆3

22話目☆4
僕は、嫌なんだ。シンプルで良いね。ユキが自分だけの人間関係を作っていく。好きな娘に意地悪する小学生(笑) 幸せになってほしい。幸せにしたい。完全にフラグが。

第23話目☆4
コントだな(笑) さらっと「親には見られたくない」って言うところ良いね。じっちゃんはいつも1人、は笑った(笑) そこで姫(笑)

24話目☆3

25話目☆3
女か~。なるほど~。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シンデレラっぽいもの!

リメイク版2期、全体の2/3が経過しました。

淡々と流れる日常。
未だ春は遠いけど、少しづつ真相が明かされる。
悲しみの中にも温もりが。
運命に翻弄される人々に一筋の光明が。
それはすべて、透の慈しみがなせる技でしょう。

2nd seasonも進行が遅いです。
じっくりまったりって感じ。
ちょっと眠くなる回もあったり。
油断しているとピリッとした回もあったり。

そんな中でも、ありさと咲が登場すると楽しくなります。
とくに、文化祭での咲は最高。
どれほど笑わせてくれるのやら。
それに、透に力を与えてくれる二人。
本当に頼もしいかぎりです。

次は来年です。
The Finalでは、呪縛を断ち切って大輪の花を咲かせることでしょう。
この美しい作品の結末に思いを馳せながら待つことにします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

72.3 9 リメイクで恋愛なアニメランキング9位
ドラゴンクエスト ダイの大冒険(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (171)
548人が棚に入れました
かつて、魔王ハドラーにより苦しめられていた世界は、「勇者」と呼ばれた一人の剣士とその仲間たちの手により平和を取り戻した―― 時は流れ…。魔王から解放されたモンスターたちが暮らす南海の孤島・デルムリン島。島唯一の人間であり、勇者に憧れる少年「ダイ」は、モンスターたちと平和に暮らしていた。だが、その暮らしも、魔王ハドラーの復活により一変する。師との約束、仲間との出会い、逃れられぬ宿命…再び危機が訪れた世界を救うため、勇者を目指す少年・ダイの冒険が始まるー!

声優・キャラクター
種﨑敦美、豊永利行、小松未可子、早見沙織、櫻井孝宏、梶裕貴、緒方賢一、降幡愛、関智一、前野智昭、奈良徹、子安武人、岩田光央、速水奨、土師孝也
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

🏅全100話。勇者伝説の金字塔、堂々完結。

原作漫画は旧作アニメ版視聴後、完結までのアニメ化はないと諦めて購読。

【物語 5.0点】
あらすじは、勇者が大魔王を倒す。以上。

陳腐と思われる方もいるでしょうが、私はむしろ逆。
世の中、魔王は倒したけれど云々、魔王倒すの飽きたから云々……。
傍流シナリオばかりでウンザリしていた所へ始まったこの企画は待望。
あの『ダイの大冒険』が誰も歩まなくなった王道を再び驀進してくれる。
放送前キービジュアルで石碑に刺さった剣のビジュアルからは、
旧作アニメではなし得なかった完結を本気で決意してくれている。

私は放送前から終了まで興奮しっぱなし。
2年間、楽しい週末を過ごさせて頂き、本当に感謝しかありません。


全体構成はほぼ息継ぎなく大魔王軍との連戦が続く(作中時間でわずか数ヶ月)
特に全100話の内、3分の1はラストダンジョンでの最終決戦(作中時間で最後の1日)
最後の1クール超は大魔王バーン戦という極端なバトル偏重。

では、バトルばかりで内容がないのか?といえばそんなことは全く無く、
人間は勇者が守るに値するのか?人間の愛は奇跡を起こすのか?
バトルで突っ走りつつ、作品愛溢れるスタッフが、
原作全体を俯瞰する中で、重要な伏線となるシーンは演出を強化して王道テーマを補強していく。
数十話かけて積み重ねてきた主題がぶつけられるファイナルバトルは物語としても圧巻でした。

王道を語るには、相応の長尺と熱量が必須。納得の全100話でした。


中盤、ダイが竜騎士として覚醒後は、空中肉弾戦も増え、
『ドラクエ』というより『ドラゴンボール』かよ(笑)って感じでしたが、
終盤、多段階に変身するラスボスとの長時間の連戦、
ラスボスあるあるな、同一ターン複数回行動を体現した{netabare}“天地魔闘の構え”{/netabare}
バロメーターを補強する(※核心的ネタバレ){netabare}LUC値上昇レアアイテムとしてのゴメちゃん{/netabare}
など、終わってみれば割りとRPGだったなとの余韻も残りました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

往年の同スタジオのジャンプ原作バトルアニメと言えば、
戦闘で手描き作画が完全燃焼→後は野となれ山となれ。大乱調が定番でしたがw
キャラの高速移動や、崩落或いは攻撃してくるダンジョン、巨大ボスなど、
適宜CGで下支えすることで2年100話のマラソンを完走。
そりゃ手描きで表現してくれるに越したことはありませんが、
人物が原型を留めなくなる位だったら、平凡でもCGの方がマシです。

近年は作品間のCGソース、環境共有も進んでいるのでしょうか?
作品の安定のためには良い傾向だと思います。
だからこそ放送延期をもたらしたランサムウェア等、ウイルス対策は厳重にお願い致します。
(勇者の快進撃を止めたのは大魔王ではなくハッカーだったとかシャレになりません)


表現自粛ムードがはびこる昨今のトレンドにもれず、
本作もまた原作からのエロ、リョナ自主規制もありました。
ただ私は原作コミック読んでいる際、テーマの核心部分に踏み込むタイミングで、
エロにかき消される面も感じていてw
例えば、上記でも述べた終盤の(※核心的ネタバレ){netabare}ゴメちゃんの正体についても、
あの奇跡も“神の涙”によるものだったのか!との感動より、レオナ姫の乳首ばかりが気になってw{/netabare}
適度にエロを隠すことにより、テーマに集中できたという面では良かったと思います。

それでもマァムの生脚を黒タイツで隠すなんて邪道との異論があることは認めますw
ただ、私は、10年後、このアニメで黒タイツフェチに目覚めました
と思い出を語る元・青少年たちが多数出現することを予言しておきますw


【キャラ 5.0点】
漫画編集者から戦力外通告される程の“凡人”→勇者の名コンビに大化けしたポップ。
脇が甘い&セコい元・魔王→熱い魂を持った漢の中の漢に覚醒したハドラー。
両鼻垂れキャラの急成長という『ダイ大』の核心を表現し切った時点で高得点。

死んだはずのアイツが復活!もバトル物の典型ですが、扱いを誤れば茶番に転落する諸刃の剣。
そこを勇者に出逢った人々は皆その熱に押されて、勇敢な仲間になるという熱量で押し切る。

ダイとレオナ姫のボーイミーツガールだけでなく、
ポップ、マァム、ヒュンケルの三角関係を軸にした恋愛模様も愛の奇跡を彩る良いスパイス。
私は{netabare}先の魔王戦から続くフローラ姫とアバン{/netabare}かな。
勇者は目を離すと何処でも行ってしまうので、もう離さないように。


【声優 4.5点】
脇に至るまで高ランクなキャストを配する声優業界総力戦。

噛ませ犬ポジションで北の勇者・ノヴァ役の岡本 信彦さんを一話で消費する豪華さ。
(但しノヴァは終盤カッコいいところを見せてくれましたが)
ハドラー親衛騎団も、ヒム役・三木 眞一郎さん、アルビナス役・田村ゆかりさんなど、
断じてチェスの捨て駒じゃない力の入ったキャスティングで勇者たちと対峙。
{netabare}ブロック役の川島 得愛さん{/netabare}に至っては本当に一言しかセリフがありませんでしたw

ラスボス役には私の期待&予想通り{netabare}ミストバーン役の子安 武人さんを、真・大魔王バーン役にスライドさせて来ました。
魔界一と称される実力と長寿故の傲慢なテラ子安ぶり。これもまた伝説です。{/netabare}


勇者ダイ役を演じた2年間、他作品での充実ぶりも著しい種崎 敦美さん。
その他、ポップ役の豊永 利行さんらは、
放送前から、他の現場に行くと、周りの声優さんから、
『ダイの大冒険』やるのか?といった感じで激励されたのだとか。
声優業界にとっても本作は待望であり、
悲願成就のために選ばれたキャスト陣が熱演したことが伝わるエピソードです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当の林 ゆうき氏。
明快なシンフォニック・ロックで伝説を盛り上げる。
「竜の騎士」と「勇者たちの力」の両バトルBGMがメインフレーズの双璧を成しましたが、
私が評価したいのは全99回を完投した「次回予告」
アバン役の櫻井 孝宏さんを起用した分かっているナレーションと合わせて冒険心を持続させた。
これもまた100話マラソン完走の原動力でした。

若手男性アーティストフェスの様相を呈した主題歌群。
ここも安直なタイアップではなく、
監督オーダーにより、放送部分のテーマを汲んだ歌詞世界が展開。

劣等感を振り払い立ち上がるXIIX(テントゥエンティ)の2ndED「アカシ」
ラストバトル前に花開いた恋愛要素を斟酌したハンブレッダーズの3rdED「名前」
達観した勇者の境地に寄り添い作品を締めくくったミテイノハナシの4thED「飛ぶ鳥は」
など歌もまた愛をもって作品に寄り添い続けてくれました。




【32話迄の評価・感想】抜群の手応え♪このまま勇者と人間を問い続けて突き抜けて欲しいです。

{netabare}
節目のバラン戦を終えて。

【物語 4.5点】
物語最終盤のテーマ完遂を視野に、熱の籠もったシナリオを展開。

数千年生きる大魔王や魔族に比して人間は矮小な生き物。
心の弱さから悪事を働いたり、卑屈に長い物に巻かれたりもする。
そんな人間など果たして助ける価値があるのか?
いや、それでも人間の心には奇跡を起こす可能性が秘められている。
俺は人間を信じる。

作品愛溢れるスタッフたちが、
原作連載を通じて完成されていった人間と勇者に関するテーマを咀嚼した上で、
物語を再構成しているという手応えが、序盤から場面ごとにヒシヒシと感じられる。


既に完結済コミックの再アニメ化とあって、原作ストックを気にせず、
テンポは旧作比約1.5倍とペースアップ。

そのため序盤のコミカルシーン等を中心に飛ばされた描写もあるが、
それ以上に原作を理解してくれているという感謝の方が大きいです。

{netabare}一部に例えばマトリフ師匠のセクハラがマイルドになった等の批判もあるそうですが、
私はマァムへのおさわりを自重したことを悔恨するより、
かつて世界を救ってくれた勇者たちを掌返して冷遇する
人間への恨み言を押えてくれた事を評価したいです。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

魔法や必殺技のエフェクト、一部人物作画だけでなく背景等にもCGを交え、
決してソースが無尽蔵ではない手描き部分を下支えし、
長期放送マラソンでも底割れしない安定度を確保。

もっと手描き感が欲しいとの要望は残るが、
CGならではの高速カメラワークを生かした、
フィールドを広く使ったバトル動画の熱量の方が上回る。

バラン戦など『ドラゴンクエスト』というより、むしろ『ドラゴンボール』かw
って位の超絶空中肉弾戦だが、
吹き飛ぶ大地も含めて、東映アニメが追求して来た
バトルシーンにおける手描きとCG融合の一つの到達点。


【キャラ 4.5点】
「男子三日会わざれば刮目して見よ」

大魔王戦まで{netabare}僅か3ヶ月余り{/netabare}の超短期間で劇的な成長を遂げていく勇者たち。

勇者ダイも出自に関する過酷な現実等を知りつつも、人間を守る信念を貫く、
驚異的な成長曲線を見せる。

そして、やはりポップの敵前逃亡するヘタレぶり→命懸けで仲間を守る。
底入れからの上昇カーブは期待通りの熱さ。


{netabare}クロコダイン、ヒュンケル{/netabare}と、
ダイを台風の目に、悪ですら改心して仲間が増える王道パターンも良好♪

魔王こと魔軍司令ハドラーもここまでは、
アバンに虚を突かれ、大魔王バーン様にドヤされるハナ垂れ三流魔王ぶりですがw
ポンコツからの上昇という意味ではポップと双璧を成すカッコいいキャラなので、
今後の再現に期待したいです♪


それにしてもバーン様が本格始動しない段階で既にこの熱さ。
ヤバいな……。


【声優 4.5点】
主人公ダイ役の種﨑 敦美さん。
私にとっては熱血少年ボイスの印象は少なかった方でしたが、
「主人公役はその作品をいちばん愛していないといけない」
との作品愛高めのスタッフ・キャスト陣の中でも、
さらに突出した信念で勇者を熱演♪

マァム役の小松 未可子さん。男勝り⇔母性愛
レオナ姫役の早見 沙織さん。オテンバ姫⇔カリスマ性
ポップ役の豊永 利行さんと合わせて、
主要キャストも振れ幅が大きい役柄を好演。

あまり間を取らない脚本で、キャストの感情表現に寄る場面も多々あるが、
作品理解に基づいた、切り替えもお見事。


対する魔王軍もクロコダイン役の前野 智昭さん、ヒュンケル役の梶 裕貴さん、
フレイザード役の奈良 徹さん、バラン役の速水 奨さん……。
と幹部を一役一役、錚々たるキャストが演じる重厚さ。

特に前野さんのクロコダインは発声原理不明な唸り声が獣王の生き様にマッチ。
先日の{netabare}「ギガブレイクでこい……!!」{/netabare}もシビれました♪


その他、バラン配下の陸戦騎ラーハルト役に石田 彰さん。
占い師少女メルル役に小原 好美さん。
と脇に至るまで一線級を起用する業界総力戦の様相。


今後、面白そうなのはミストバーン役に子安 武人さんが配されていること。
滅多に喋らない設定の魔王軍幹部に子安さんとか、
後々、テラ子安で独演させる気満々でしょwって感じでソワソワします。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林 ゆうき氏。
テンポ重視の流れで作品を熱くするには、
BGMも前面に出張って感情を揺さぶる瞬発力が求められるが、
オーケストラに、軽快なドラムを融合させた音楽は攻撃力抜群♪
特に作曲者自身もお気に入りだと言う「竜の騎士」は、
私も反撃の狼煙を上げる際にチョイスする逸品♪


OP主題歌がマカロニえんぴつ「生きるをする」
同バンドは1stEDの「mother」も担当。
2ndEDはXIIX(テントゥエンティ)「アカシ」
いずれも歌詞に散りばめられた挫折と成長の要素が、
冒険が進むに連れ、徐々に染み込んで、温まってくる佳作。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 28

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ありがとう。再び見れただけで感激です

このアニメは約30年ぶりのリメイクです。
この物語を再び見ることができ、感謝します。

原作は少年ジャンプ。当時は凄い人気でした。
そして以前に作成されたアニメと違い、今回は原作を忠実に再現しています。


物語は、主人公のダイが、仲間と共に幾多の苦難を乗り越えて魔王を倒す物語です。
でも、私が大好きだったのは、ダイの相棒ポップの成長。

ポップは最初の頃は、とても情けない魔法使いでした。
強い敵に出会ったら真っ先に逃げてしまうのに、みんなの前では強がりばかり言ったりして…
でも、物語が進むにつれて、ポップは信じられないほどに成長します。

この物語は、ダイの成長物語であるとともに、ポップの成長物語でもあるのです。
どうしようもない落ちこぼれのポップが、頑張って頑張って頑張りぬいて…
最後はみんなから命を預けられて厚い信頼を得るほどまでに成長するのです。

ちなみに、少年ジャンプでの連載初期では、編集部から「ポップは不要なので、早く殺すように」と、指示されたそうです。
そのとき、原作者の三条陸さんは、「ポップは、これから結構頑張るんです。だから殺すなんて言わないでほしい」とポップを庇い、編集部を必死に説得されたそうです。
当時の三条さんは若手の漫画家で、編集部に逆うと干される可能性がある弱い存在でした。
それでも編集部の意見に従わなかったのは、きっと三条さんは自分自身をポップに置き換えていたのかもしれません。

ポップを見ていると、「自分も成長できる、頑張れる」と、前向きになれます。


ちなみに私は、主人公のダイも大好きです。
特にダイが戦いの中で必殺技のアバンストラッシュを会得するところは、何度も何度も原作を読み返しました。

大地を切り、海を切り、空を切る。
そして、いま…すべてを切る。

物語終盤にポップの決死のサポートでダイが放ったアバンストラッシュ。
あれには皆の希望が込められていました。


このアニメをつくられた皆様方、多くの感動を甦らせていただき、ありがとうございました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

勇気のありか

【紹介】
全100話の大作アニメ
旧作も原作も見たことも聞いたこともなくて、最初はリメイクってことも知らずに見てました
90年代アニメのリメイクだそうですが、旧作は話が途中で終わっていたみたいなので完結まで描くのは初ということでしょうか?

【感想】
最高に面白かったです!
長いけど最初から最後まで高クオリティで無駄なシーンとかなくて、デザインは古いのに戦闘シーンや名言名場面の演出がいちいちすごくカッコよくて
原作旧作知らなくても製作スタッフの「最高の作品を作るぞ」っていう熱い気持ちが伝わってきました
素晴らしい作品をありがとうございました!!

旅先で出会う町の人々も敵の幹部もいらないキャラクターなんていなくて、みんなが勇者の物語に必要なキャラクターでした
魔王と戦う力がない人でもそれぞれが自分にできることをやろうとする姿が単純だけどいいなと思って
仲間がどれだけ多くなっても結局一人で戦ってるイメージが強いバトルアニメが多いなか、一人じゃなくてみんなが同じ方向を向いて戦ってる感じが好き

長くて見るのたいへんですが前向きな熱い気持ちにさせてくれる良いアニメです

【作画と声優】 {netabare}
戦闘シーンも日常シーンも全体的にクオリティ高かったけど、特にバラン戦の気合の入った作画が凄かったですし
特に敵役の豪華声優陣の名演も光りました
{/netabare}
【シナリオ】 {netabare}
強大な魔王軍にたった一人で立ち向かう伝説の勇者の物語じゃなくて
大事な仲間達や冒険の途中でお世話になった人たちなど人々の力をすべて結集させて魔王軍と人類の総力戦をしていく展開が熱い

ダイとポップの友情や宿敵との共闘、使命を果たすために命がけで困難に立ち向かうダイの姿と、
ぽんこつ魔法使い見習いから世界を救う大魔導士に成長していくポップという二人の主人公の物語がとても良かった
{/netabare}
【ぽんこつ魔法使いポップの冒険】 {netabare}
ポップはずっと賢者に憧れていて、賢者と呼ばれることが彼の目標だったけど修行はさぼるし怖いことや困難なことから逃げ出すぽんこつ魔法使いでした
でも師匠マトリフは賢者っていう響きが偉そうで好きじゃないので大魔導士と名乗っていて、他の賢者とは違って大魔導士という呼称にこだわっていました

それが味方のピンチの場面で普通の魔法使いには使えない回復呪文を使います
攻撃呪文と回復呪文の両方を使える者を「賢者」と呼ぶそうで、回復呪文を使う姿を見た敵が
「君はまさか、賢者?!」と驚くと
「俺は賢者じゃない! 俺を呼ぶなら大魔導士とでも呼んでくれ」と否定したポップ

師匠の技(呪文)だけでなくその意思を受け継ぐっていう強い意志が表れていてポップの成長を象徴する言葉でとても感動しました
もう手を伸ばしても届かない「憧れ」じゃなくて自分の中に根付いた「使命」
それを自覚したからこその覚醒で、回復呪文を使えるようになった

賢者は他にもいるけど、大魔導士はこの世で2人しかいない
師匠マトリフと、その弟子ポップ・・・
勇者ダイを全力で支えるというこの世で自分にしかできない使命を果たすと強く決意したからこその「大魔導士」なのだと思います

とてもいいエピソードでした
{/netabare}
【名言】 {netabare}
何度も絶望しては仲間の力強い言葉に励まされることが多いので印象に残る力強い言葉がいっぱいでてきます
ちょっとくどくて説教臭くて暑苦しいとこあるけど、こういう熱いノリ好きです
好きな言葉多いですが特に好きな言葉はダイでもポップでもなく、一般人代表のまぞっほの言葉でした

「勇者とは勇気ある者!そして真の勇気とは打算なきもの!!
相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは本当の勇気じゃない!!
早く行け、胸に勇気のかけらが一粒でも残っているうちに!!」

最終回か!!?

こんなの、最終決戦前にライバルが瀕死の重傷負いながら主人公の背中押すために言うセリフじゃない?

ぽんこつ魔法使いのくせにずるい

でも挫折を味わった弱い人だからこそ、その言葉に重みがあって共感できるのかも
強い人間には、弱い人間の気持ちなんてわからないですから
まぞっほがいなければ、ポップはそのまま逃げてしまって世界は救えなかったかもしれません
{/netabare}
【モンスターがいっぱいでてきてかわいい】 {netabare}
モンスターが大集結しているシーンの絵すごく好き
こんなにモンスターがバリエーション豊かなアニメ初めて見たかも

スライムや動物系モンスターの可愛さは癒し!
凶悪なモンスターでもどこか親しみがわくデザインで、さすが鳥山先生って思いました
{/netabare}
【キャラクター】 {netabare}
特に好きなキャラクターはダイ、ポップ、レオナ、ヒュンケル、クロコダイン、アバン先生

ポップはダイやマァムから勇気もらってだんだん良い男になっていく第二の主人公
ちょっと騒々しいけど、恐れを知らないダイより人間味があって好き

一番好きなのはヒュンケル、最初からカッコいいキャラクターだったけどどんどん好きになりました
ダイの大冒険の説教臭くて熱いセリフが一番語っててカッコいいと思うのはヒュンケルでした
冷酷な感じだったのに、ダイ達に感化されて熱いセリフを語るようになると、やっと分かり合えた感じがして嬉しかった
直接話してるときは冷たいんだけど、本人が聞いてないときに恥ずかしくなるようなセリフ言ってて見事なツンデレっぷりにやられました!

レオナは普通の女の子らしい感覚にダイの役に立ちたくて陰で努力するところ、民を信じ民を守りたいと願う王族らしい誇り高さ、物怖じせずに言いたいことをストレートに言える強さが魅力的!
頑張るお姫様がけなげでずっと応援していました

最初は頼りないところも多かったダイや仲間達が頼もしくなっていきました
ダイの心の強さが際立っているけど、彼は一人では戦えなくて、ダイが色々な人に助けてもらうたびに胸が熱くなる
苦楽を共にした仲間の言葉、かつて死闘を繰り広げたライバルの背中が心強くて、仲間の言葉に背中を押されて命がけで戦うダイが勇者って感じでとてもよかった
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

59.8 10 リメイクで恋愛なアニメランキング10位
魔術士オーフェンはぐれ旅(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (121)
488人が棚に入れました
「見ないで、お願い・・・」「彼女は必ず俺が守る!」義姉のように慕い《天魔の魔女》と呼ばれるアザリーや仲間と共に、魔術士養成機関《牙の塔》で修行をするキリランシェロ―。ある日、彼は見た。異形の姿に変容するアザリーを。そして、運命を変えるという一本の剣を奪い失踪した彼女を救う為に、キリランシェロはオーフェンと名を変え、《牙の塔》を出奔し旅に出る。それから五年……、ついにオーフェンはアザリーとの再会を果たす―。一方、かつての師であり、大陸最強と謳うたわれる黒魔術士チャイルドマンとかつての仲間、ハーティア、コミクロン達は姿を変えたアザリー討伐に向かっていた―。様々な思惑が交差する中、おしかけお嬢様クリーオウ、弟子の少年マジクとの旅の中でオーフェンは一体何を想うのか。

声優・キャラクター
森久保祥太郎、大久保瑠美、小林裕介、水野麻里絵、渕上舞、浪川大輔、日笠陽子、伊藤静、坂泰斗、安田陸矢、前野智昭、津田健次郎、吉野裕行、岡本信彦

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

時代を感じさせる作品

原作未読。最終話まで視聴。

主人公の服装か?
主人公の口調か?
ヒロイン(?)クリーオウのファッションか?
ボルカン&ドーチンのキャラせいか?
90年代を彷彿とさせると思っていたら、原作がその頃の作品なんですね。
道理で・・・(笑)。

物語は、うん、まあ普通(笑)。
つまらなくはない。

面白い・つまらないというより、古臭い作品(笑)。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

シリーズ累計発行部数は1,200万部超えのラノベが原作

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
原作未読。でも、タイトルぐらいは聞いたことがあるよなっていう有名な作品。

1994年に連載開始、2003年に完結。ちょうと自分が一番ラノベにハマってた時期ですね。

実に、「当時らしい」作品。アニメとしての面白さは保証しかねます(☆2なんです)が、懐かしさを味わいたいだけなら、視聴しても、、、いや、やっぱりオススメは出来ませんね(笑)


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
なんでこんなにダサいんだろう?

歌、ギャグ、バトル、服装、キャラの名前。

全部ダサいんですよね~。

なんであの(中学生くらいの)時は、こういう作品をめっちゃ格好良いと思っていたんだろう?

それが、若さゆえの過ちなのだろうか?

ちなみに、この作品が連載されていた当時、私は「角川スニーカー文庫」にどっぷりでした。

毎月「ザ・スニーカー」買ってたしw

No.1に好きなのは勿論、「ロードス島戦記」。双璧を為したのは、「ラグナロク」。

思い出は絶対に色褪せないから、この2作品は今でも愛せる自信があるけど、そういう色々を取っ払った時、もし本作を観たときのように、「ダサい」と思ってしまったら、そういう感性になっていたら、なんか、残念だな~。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
オーフェンって、まだ連載続いてたんだ。びっくり。

2話目 ☆2
回想など様々。

3話目 ☆2
なんか、ダサいな~。色々。ますますチャイルドマンが、オーフェンを連れてきた理由が分からんな。いや、チャイルドマンが、アザリーか。たぶんこれ、爆速テンポで原作消費してるな。

4話目 ☆2
その回想、いるか?

5話目 ☆


6話目 ☆


7話目 ☆3
評価消えてるな。ここで覗きの伏線回収は、なかなか良い。

8話目 ☆2
なんか、オーフェンの強さが、よく分からなくなってきたな。

9話目 ☆


10話目 ☆


11話目 ☆


12話目 ☆2
一応観た。中盤から流し見だったけど。おれたたエンド。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

ISSA さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

ガラスの十代

みなさんの感想同様…
物凄く~ダサイw

オーフェンが赤いバンダナ巻いてるので、どうも赤いバンダナ&Gジャン&ローラースケート
オーフェン、光GENJIのメンバーだったw?

森久保祥太郎さんの歌うOP曲も本編に負けず劣らず…
物凄く…ダサイw
一週回って癖になってしまって今期のアニメOPでは一番好きw
ちなみにED曲は異世界レビューアーズ…

話はつまんないのでお勧め出来ないけど、作画はムダに良いのでフォローしておきます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

66.0 11 リメイクで恋愛なアニメランキング11位
サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIER(TVアニメ動画)

2001年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (76)
478人が棚に入れました
1964年に『少年キング』で連載をスタートした石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)による人気漫画「サイボーグ009」は、1968年にはTVアニメ化され、バラエティーに富んだサイボーグ達の活躍で人気を博した。また、当時としては画期的な社会派作品としても注目を集めた。そして2001年、この名作が新作アニメとして復活。2001年10月からテレビ東京ほかにて放送され、最新技術を駆使したクオリティの高いアニメーション、小室哲哉の書き下ろしによる音楽、globeによるOP&EDなど豪華な内容で話題となった。
見覚えのない部屋で目を覚ました少年・島村ジョーに、突如謎の敵が襲い掛かってきた。しかし、ジョーは簡単に敵を倒してしまう。自分の能力に驚愕するジョーに、何者かがテレパシーで語りかけてきて…。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、植田佳奈、森久保祥太郎、ゆきのさつき、飛田展男、大塚明夫、茶風林、チョー、岩田光央、麦人

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

戦いだけでなくサイボーグ戦士たちの心を描いている

この物語はサイボーグ戦士たちが悪の組織ブラックゴーストと戦う物語ですが、一つ一つの戦いの中で、人間とは何かということを、結構深く考えさせられます。

原作は石ノ森章太郎さんです。1964年に漫画を描かれてから、もう60年近くになります。


主人公は島村ジョー。彼は崖から転落後に意識不明となったところをブラックゴーストに体を改造されてサイボーグ戦士009となるのですが、仲間のサイボーグ戦士たちと一緒にブラックゴーストから逃げ出します。

ブラックゴーストは戦争を生業(なりわい)とする悪の組織。決して裏切り者を許しません。
次々と刺客を送ってきて009たちを抹殺しようとします。

刺客の0010は、決して手と手を触れ合うことができないように改造された兄と弟。触れ合えば、お互いの電流がショートして二人とも死んでしまいます。

刺客の0011は脳以外は全て機械でできた体。彼は生身の体に戻してもらうことを条件に009たちの抹殺を引き受けます。彼の目的は、生身の体に戻り家族のもとへ帰ること。ただそれだけでした。

刺客の0013は発達障害だった少年。サイボーグとなり、障害のない優秀な頭脳になりますが、昔いつもジョーから助けられていたため、どうしても009を抹殺することができません。

それ以外に、全身を動物の体に改造されたサイボーグや、決して死ぬことができず数千年も孤独なままでいるサイボーグ(?)など、戦い以前に深く深く考えさせられてしまいます。

そして009の仲間のサイボーグ、001から008のみんなも、それぞれ悩みを抱えています。
でも彼らは、悩みながらも前向きに生きています。

全話は51話ですが、48話迄が本編であり、残りの3話はおまけと思った方が良いでしょう。

オープニングは小室哲哉さんが作曲した「What's the justice?」とても美しい曲です。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 18

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

体 が 溶け出 す この奇 跡を 待ってた――――――――――――

原作はご存知、オイラが日本の最強漫画家の一人と疑わない石ノ森章太郎先生のライフワークとも呼ぶべき代表作
それぞれが悲運を背負いながらも悪と戦う、9人のサイボーグが繰り広げる『SF異能力チームアクション』の元祖


コレはいわゆる第3期テレビアニメ版、或いは平成版といわれてるヤツでつ
全48話+非ソフト化の総集編1話+完結編2話+未放映話1話(サーセン;←コレはいまだに見たことがないんです)
もはや伝説の第2期(吹きすさぶ風が~♪)の方にはなんの思い入れもないので、ゆとり世代よろしくオイラはコチラを紹介させていただきます


関東では裏番組に日本最高視聴率を誇るのアニメ番組である『サザエさん』が控える日曜夕方6:30枠に構えるという妙に強気で挑んだ意欲作


視聴率こそ惨敗でしたが、再現度の高いキャラデザや過去作より当然のごとく進歩した技術力を用いての戦闘シーンの描写(特に加速装置がサイコーですね^^)が国内外の石ノ森ファンからの賛辞、ひいてはオイラのような新規ファンの獲得に至ったわけです


これで『スカルマン』ぐらい作画が良かったら本当に傑作だったんですけどねー
そこは水準が低めだったゼロ年代初期のアニメ界事情と安定感重視の通年モノの宿命でもありました;


スタッフ&キャストは当時の若手ばかりに一新
音楽はavexがスポンサーだった関係で「俺たちのTK」こと小室哲哉が、主題歌はglobeが担当でした
コレが昨今横行する無理繰りなタイアップと言うわけでもなく、今作に合わせたOPの演出や一部歌詞の変更など細けぇところにも拘るイイ仕事をしてくれましたT_Tナケルゼ!
OPのゼロゼロナンバーのカウントアップは実際の音源には無い演出なんです
くぅ~!>_<アツイっす!!!


お話の構成自体は原作に忠実、48話で彼らの宿敵ブラックゴーストを倒すところまでです
ただ当時で原作から35年余りの時を経ての映像化ということで激変した世界事情などを考慮し001~004までは過去の戦時下に作られ凍結されていた初期サイボーグという設定に切り替えられました


で!凄いのはやはり幻の完結編を最終回に持ってきたところ!
石ノ森先生自身が009をメタフィクション宣言してしまうところから始まるショッキングな内容です・・・実質これが先生の遺稿なので、アニメ化されただけでもファンには胸アツ!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

丁寧に作られていて良かった

2001年版アニメサイボーグ009です。
リアルタイムで一部見て楽しんでいて、今回改めて全話視聴しました。
原作は読んでいないのですが、このアニメだけでも楽しめました。

皆さん書かれてますが、OP私もすごく好きですね。
音源もよく考えて使われていて、絵コンテや演出も素晴らしいです。
序盤で使われていた第一話の編集版もシーン選択が良く、もともと作画も力が入っていてこちらも好きです。個人的には甲乙つけがたいですね。

ストーリーのフォーマットは勧善懲悪ですが、敵の設定がしっかりしていて背景を想像しやすく、かつ葛藤や苦悩も描かれます。逆に非道で残忍な敵もおり、その対比も作品のテーマによくはまっていたと思います。
00ナンバーたちの成長・変化に、仲間や普通の人々との交流だけでなく敵との出会いも影響していることもしっかり描かれていました。

{netabare}
また本筋ではない単品の回も良い話が多かったです。
原作にもとからあったエピソードも多いようですね。コミカルな回にも心暖まる要素があったり、重い話にも希望が感じられたり、多面的に楽しめました。
尺の調整や演出など、無理なくアニメに落とし込めていたのではないかと。
「張張湖飯店繁盛記」「青いけもの」「結晶時間」「星祭りの夜」が特に好きです。


キャラクターは、原作からよくできていることもあって、キャラかぶりすることもなく描写に(フランソワーズ意外は)ブレもなく、全体的に良かったと思います。
ただ、いくつか詰められていない部分があるとも感じました。

まず、ピュンマの掘り下げが足りないこと。
ピュンマのメイン回はあと2話くらいあっても良かったなあ。つらい過去を背負いながらも冷静で穏やかで、時に縁の下の力持ちのような役回り、珍しい中東のキャラクターなのですごく惜しいです。
レギュラーキャラでもゲストキャラでも、色んなキャラとの絡みが見たかったです。「なぞの無人島」や「凍る大地」のような珍しい組み合わせの話、ピュンマにもあればなあ、と。(あと、アドリブ少ない岩田さんてあまり見たことなかったし、もっと聞きたかったなあ…笑)
キャラはしっかり立ってますが、アニメオリジナルで一話くらい作っても良かったと思います。

それから、フランソワーズの描写です。
フランソワーズは序盤では、女性らしく繊細ながらも気の強さや意思の強さも感じられ、00ナンバーサイボーグらしいヒーロー性も見え隠れしていたと思います。
ですが、回によってはただのヒロインになってしまったり、ジョーへの恋心が良くない方に描写されてしまったり、すごくもったいなく感じました。
とくにミュートス編とヨミ編は良くなかった…(wikiの情報が正しければ、同じ脚本家の方ですね…)
ジョーのロマンス要素の多さがさらに良くなかったです。
ジョーもフランソワーズに惹かれている描写があるにも関わらず、わずか1エピソードのみのゲストキャラとの関係が簡単に恋愛に発展しているように見え、必然的にフランソワーズのヤキモチは増えてしまうのですよね…

脚本家全員がキャラクターを一貫して描くのはすごく大変なのでしょうが、紅一点でとても目立つだけに、もっと気を使って欲しかったです。


とはいえ、それ以外は好きな要素がたくさんあってなかなか楽しかったです。
そしてラストに完結編の序章を入れたことは、本当に思いきった選択だと思います。私はこういう思い切り、好きですね。
物語には終わりがあってこそだと常々思ってはいますが、原作を忠実に、となれば外せなかったというのは納得できますし、この作品ばかりは未完であることが、不思議と収まり良くも感じます。ヨミ編で終わるとジョーとジェットが行方不明になっちゃいますし。
{/netabare}

リアルタイムでも今回見直しても、やっぱり魅了された第一話ですが、監督の演出で作画にも力が入っていて、かつ掴みの良い素晴らしい回でした。
そこから一年という長丁場、視聴者に対してごまかしたり媚びたりすることなく、真摯に作られた作品だと感じています。
今秋イベント上映される新作アニメ、同じ川越淳監督ということで、今度もこういう真摯な作品であることを願いつつ、楽しみにしていたいと思います。(2016.3)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

69.6 12 リメイクで恋愛なアニメランキング12位
劇場版 はいからさんが通る 前編 ~紅緒、花の17歳~(アニメ映画)

2017年11月11日
★★★★☆ 3.7 (76)
294人が棚に入れました
大和和紀「はいからさんが通る」の40周年を記念した作品。

大正時代の東京を舞台に、活発でおてんばな“はいからさん“ こと花村紅緒と、許嫁である陸軍少尉・伊集院忍との波乱万丈な恋模様を描く。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

モダンガール

劇場版前編、日本アニメーション制作、
大和和紀原作、少女漫画不朽の名作。

時は大正七年、新たな文化が芽吹くも、
まだ女性が恋も仕事も自由に選べなかった時代。
少しずつ変わりゆく時代を懸命に生きる、
はいからさんこと女学生、花村紅緒の青春。
真っ直ぐで、ひたむきな恋の行方。

原作もアニメ版もほとんど記憶にありません。
アニメ版の表題曲とED曲だけはよく覚えていて、
どちらもどこか哀愁があり大好きです。

未来は自分で決める。
じゃじゃ馬で男勝りな紅緒は、
自分の意志で立ち上がり人生を歩み始める。
{netabare}愛のない結婚を阻止しようと奮闘しますが、
たくさんの人との出会いがあり、
やがて恋を知り、思いやりの尊さを学ぶ。{/netabare}
真っ直ぐなテーマとラブロマンスが、
百花繚乱の時代から激動の昭和へ、
歴史を紡いで来た人々の「生」を想うと、
心に響き胸を打つものがあります。

紅緒には笑顔が良く似合う。
素敵な恋が見つかるといいですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 31
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

爽やか はいからさん

最初、このアニメを見たとき、コメディアニメかと思いました。
それほど、このアニメは面白い。

主人公の花村紅緒(べにお)は、いつも当時の常識を逸脱した行動をとります。
その行動が面白く、つい笑ってしまいます。

ですが、紅緒のとる行動は、自分の心に素直な行動です。決して不真面目な行動ではありません。
だから彼女はいつも、爽やかです。

紅緒は親が決めた結婚相手である伊集院忍に反発します。
なぜならば、紅緒には信念があります。 
「自分の結婚相手は自分で見つける」

だが、伊集院忍はとても礼儀正しく、優しい男性。そして器の大きな人です。
いつしか紅緒は忍の魅力にひかれてゆきます。
忍も紅緒の魅力にひかれてゆきます。
{netabare}
伊集院家で家宝の10枚の皿の一枚をお手伝いの蘭丸が割ったとき、
当主のおじいさんから蘭丸は切られそうになりました。

そのとき紅緒は、いきなり残り9枚の皿を割ります。
そして当主であるおじいさんに言うのです。
「皿1枚が割れただけで一人を殺すのなら、残り9枚が割れたら9人が死ぬことになる。だから私が9人分の命の代わりになります」

このときの紅緒の行動は見事でした。
{/netabare}
だから、私の頭の中で、この物語はコメディーから正統派のストリーアニメへと変わっていきました。

でも、このアニメはもっとシリアスな物語だということを、今日初めて知ったのです。

詳しくは劇場で後編を見てください。
きっと紅緒の潔さに涙が流れると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

浪漫の香りに満ちたこの東京 時代を超えて進んでいく勇気を私にください

2017年公開の劇場版アニメ 「はいからさんが通る」前編 97分

原作 大和和紀 監督脚本 古橋一浩 キャラデザ 西位輝美 音楽 大島ミチル
制作 日本アニメーション

主題歌「夢の果てまで」竹内まりや 唄 早見沙織

1975年から「週刊少女フレンド」に連載された少女コミックが原作。
当時のコミックは人気のあるなしにかかわらず、初期設定のストーリーで終了する場合が多く、
この作品もその代表格ともいえる文学的コミックだったと思う。

「世界名作劇場」「未来少年コナン」「釣りキチ三平」などを制作し、
20世紀五大制作会社の一つと言われた日本アニメーションによって、
1978年にテレビアニメ化。
4クールの予定であったが、42話で打ち切りで原作のラストは描かれなかった。
その後、三田寛子主演のテレビドラマ版など作られたが、
今回初めて原作のストーリーが最後まで映像化されることになりました。
それも、経営悪化から立ち直った日本アニメーション制作と言うことで感激もひとしおです。

舞台は大正時代、花の都東京の跡無女学館(モデルが跡見学園なので神田かな?現在は大塚)
徳川家旗本の没落した家の娘「花村紅緒」CV早見沙織と、
伯爵伊集院家(名前からして薩摩)の御曹司「伊集院忍」CV宮野真守の恋の物語。

4クールアニメだったものを100分程度の前後編では酷い詰め込みが予想されましたが杞憂でした。
原作に癖がありまして、当時のサブカルチャーをネタにしたギャグが全編を覆っていて、
本筋である日本版「ドクトルジバゴ」とも言うべきラブストーリーの部分は、
この劇場版前後編と言う長さが調度良いと感じました。

もちろん、監督でもある古橋一浩の脚本の出来が素晴らしいのも要因です。

昭和版「はいからさんが通る」は視聴済みのため物語は知っているのですが、
非常に良い出来で、ほろりとする部分もあり大満足の一作でした。
女房はギャグ部分が削られたことに怒っていました。
「牛五郎さんが~」とか訳の分からないことを口走っていましたが、
そんな寒いキャラはどうでもいいのです。

もともと原作や昭和アニメ版に不満があった私としてはこちらのほうがずっといいです。
泥沼の戦争へと向かう日本、ロシアの世界を震わせることになる革命。
大正ロマンに浮かれる日本から始まる美しいラブストーリーの前編は満足のいく作品になりました。
 
後編は2018年公開、初めて映像化されるラストシーンに期待は膨らみます。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

58.9 13 リメイクで恋愛なアニメランキング13位
Cutie Honey Universe(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (65)
197人が棚に入れました
「キューティーハニー」は、美少女アンドロイド・如月ハニーと謎の犯罪結社・パンサークローの戦いをお色気描写たっぷりに描く物語。「Cutie Honey Universe」では“カッコかわいい”というコンセプトのもと、新生ハニーが大活躍を見せる。

声優・キャラクター
坂本真綾、内田真礼、黒沢ともよ、花澤香菜、田村ゆかり、三森すずこ、堀江由衣、浅沼晋太郎、田中敦子、釘宮理恵

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

原作のエッセンスを取り出して現代版として再構築を試みた?

とりあえず1話を観た限りでは、原作『キューティーハニー』(永井豪)のストーリーを冒頭からなぞろうとしているアニメ作品ではありません。

『キューティーハニー』という作品の高い知名度を生かしてということなのでしょうか、今更ハニーがアンドロイドとか空中元素固定装置を使って変身できるとか、そういう説明は一切すっ飛ばしてハニーがパンサークローと戦う様子が描かれた第1話でした。

設定的にもPCISというパンサークロー対策を担う国際組織があったり、早見青児(はやみ せいじ)が新聞記者ではなくてPCISの捜査員であったり、如月ハニーが公式にPCIS所属のエージェントだったり、パンサーゾラはいなくてシスタージルがパンサークローの首領だったりといった差異が存在します。

ですが、変身時の「ハニーフラッシュ!」の掛け声や変身時に全裸になったりする点、あるいは戦っている最中に敵の攻撃により衣服が破れたりしてはだけていく点などは原作あるいは旧作アニメと同様です。

ハニーが通う聖チャペル学園や、ポチ校長、アルフォンヌ先生といった教師陣、女子学生寮の寮長である常似ミハルや友人の夏子、そして青児の家族である団兵衛や順平などの主要キャラクターも引き継がれています。

本作は私たちの記憶に残っている「キューティーハニー」像を現代的な設定の下で作ることを試みたリメイク作品であると思いました。

なお、本作では「7変化」のうちの如月ハニー/キューティーハニー(CV: 内田真礼)以外の5形態は、形態毎に別キャストらしいです。つまりハニー役の声優さんが計6人いるということらしいのですが、面白い試みですね。

原作でも変身形態で体格自体が変わったりしていたような気がする(ハリケーンハニーがゴツかったりとかそんな感じ)ので、キャスティングとしてはある意味原作準拠かもしれないです。

パンサークローの目的が「ハニーを倒す」ことではなくて「空中元素固定装置の入手」であるというのは、本作ではわかりやすく描かれていると思いました。

なお、戦闘中は単なるイメージの問題なのか設定としてなのか良くわからないですが、異空間的な感じの場所で戦っています。技のエフェクトに(ちょっとチープっぽくも見える)CGを使っていたりとか、作画の手数をある程度減らす方向の演出が行われているようですね。

それと、キャラクターデザインがやや永井豪寄りというか今風じゃないところが多々あります。

果たして、今時のアニメとしてこれはウケるんでしょうか…?

2018.11.20追記:
すっかり忘れていましたが、今頃になっての更新です。如月博士によるハニー誕生時のエピソードは1話目ではなく2話目で出てきましたね。

キャラクターデザインは良くも悪くも原作に寄っていまして、シスター・ジルのみならず変身後のキューティーハニーの体形なども、ある意味では正しく無駄なリアリティというか、かなりガタイが良い感じになっています。

作画やキャラクターデザインの面ではより制作年代が古い筈の『キューティーハニーF(フラッシュ)』や『Re:キューティーハニー』の方がウケるのではないかという気もします。これらの作品の方がハニーはカワイイので…。

設定は現代寄りになっていますが、敵の偽装や敵からの寝返りキャラの存在、身近な人間の死などストーリー自体は思った以上に永井豪原作っぽさはありました。案外原作者はこの作品には特に不満がなかったりするかもしれないです。知らんけど。

ただ原作自体にストーリー的には『デビルマン』のようなテーマ的な強さがないと思うので、キャラクターデザインや作画で視聴者に離れられるとかなり厳しい作品であると思います。

このような絵柄で勝負するのであればストーリー的にはハニーが色々な物を失って精神的に追い詰められていく辺りを見せていかないといけないのだと思いますが、そこも充分に描けているとは言えません。

主題歌変更とA応Pの起用は何か政治的な事情もあるかもしれませんが、これも良い結果にはつながらなかった気がします。

ということで、結論を書くとわりと中途半端感の残る残念作品なのでした。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

童心には帰れず・・・声優さん目当てでした。

感想

1st、新、F、Re、Universeと続く5期目になるのかな?
子供の頃1stを観てた自分としては、懐かしさを感じれず
大人が観るものじゃないなぁってのが率直な感想。
話も単純で面白くないし、昔の流れそのままで敵もワンパターン。
よく言えば懐かしいかもだけど、やっぱ古臭い。
今日び、目の肥えた子供じゃ絶賛する子なんて少ないんじゃない?
それに、出てくるちっさいおっさんと子供がハニーにセクハラ爆発で観るに堪えないです。
てか怒りすら感じるレベル。女性ならもっとだと思う。
ちょっとセクシーなシーンがあるからか、深夜放送だったけど、内容自体は日曜朝枠の子供向け作品だと思います。

ハニーを演じる坂本真綾とは別に、五形態の声を、内田真礼、田村ゆかり、 黒沢ともよ、花澤香菜、三森すずこ の豪華声優が分散して演じているので、声優目当てに観るか、永井豪作品のファンは楽しめるのかも。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

"最強で最嬌な女の子❤"新生ハニーがリブート!!

本作品は、「DEVILMAN crybaby」「劇場版 マジンガーZ / INFINITY」と続いた、永井豪先生の50周年記念アニメの最後を飾る作品です。

私は、小さい頃初期のキューティーハニーは再放送かなにかで見た記憶がありますが、OVAや「キューティーハニーF」は未視聴です。
そう考えると、キューティーハニーを見るのは何十年振りになると思います。

この物語の主人公は、聖チャペル学園に通う如月ハニー…
そして今度の敵はシスター・ジル…

ここまでの設定は概ねこれまで通り…
この作品で最もぶっ飛んでいるのはキューティーハニーのキャストです。
キューティーハニーは「空中元素固定装置」を用いて7変化するのですが、それぞれのハニーごとにキャストが異なるんです。
つまり、通常時と戦闘時以外変身する5つの姿それぞれに声優さんが配役されているんです。

一人のキャラを6人の声優さんで演じる…
これまで一人が複数のキャラを演じる、という逆はたくさん見てきました。
でも今回のケースは私の知る限り初めてのような気がします。

それだけじゃありません。
ハニーに起用された声優さん…これが半端無いんです。
坂本真綾さん、まややん、ゆかりん、黒沢さん、花澤さん、みもりん…
改めて永井豪先生の紡いできた50年という時間の重さを感じずにはいられません。

物語の方ですが…永井豪先生の作品だけあって、やっぱり痛みはゼロではありません。
シスター・ジルは執拗に「空中元素固定装置」を狙ってきます。
そのやり方は狡猾…最初は直接ハニーを狙ってきましたが、次第に魔の手が周囲に広がっていきます。
そしてふと気がつくと、シスター・ジルの狙いは明らかに初期の頃とは違ってきているんです。

それはハニーが最も苦しむ手段であることを知っているから…
ハニーが心を痛めない訳がありません。
みんなと過ごす学園生活…
友達もたくさんできました。
特に、ほっしゃん演じる秋夏子とはルームメイトでもある大親友…

きっかけは自分自身かもしれない…
交わした約束は守らなきゃいけないのは分かってる…
けれど仲間を危険に晒すのは違う…絶対守るって誓ったのに…

懸命に手を伸ばしました…
きっとこれ以上ないくらいの全速力で走りました…

でも悲しい事ばかりではありません。
パンサークローのメンバーも一枚岩ではなかった、ということでしょうか。
気持ち…思い…願い…
言葉にすると軽く見えますが、人と人を繋ぐ大切な絆たりえるんだと思います。
この物語の示す先には何が待っているのか…?
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、A応Pさんの「愛がなくちゃ戦えない」
エンディングテーマは、luzさんの「SISTER」

1クール12話の物語でした。
久々にキューティーハニーを見ましたが、しっかり堪能させて貰いました。
機会があったら過去作も見てみたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

66.8 14 リメイクで恋愛なアニメランキング14位
劇場版 はいからさんが通る 後編ー花の東京大ロマンー(アニメ映画)

2018年10月19日
★★★★☆ 3.5 (48)
173人が棚に入れました
まだ女性が恋も仕事も自由に選べなかった時代。女学校に通っていた花村紅緒は、祖父母の時代から決められていた許婚、伊集院忍少尉と出会う。紅緒は、当初少尉に反発していたが、やがて2人は許婚という関係を超え、心の底から惹かれあっていく。しかし、少尉が戦地で消息不明に――。どこかで少尉が生きているのではと諦め切れないそんな彼女の目の前に、少尉と瓜二つの人物が現れる。ロシアからの亡命貴族、サーシャ・ミハイロフだ。ところが、少尉そっくりなサーシャは紅緒のことをまったく知らない様子。ショックを受けた紅緒を励ましてくれたのは、彼女が働く出版社の編集長、青江冬星だった。愛する人と同じ姿でありながら自分のことを知らない、サーシャ。一方、過去は忘れて新しい道を歩き始めるべきだと語る冬星。2人の間で紅緒の心は激しく揺れ動く――。そんな中次々と衝撃的な事実が明らかとなり、ついには歴史的大事件に巻き込まれることにも… 短くも激動の大正時代。その真っ只中を時には笑い、時には涙し、ひたむきにまっすぐ駆け抜ける「はいからさん」。彼女は、最後に何を選び、誰と結ばれるのか――。

声優・キャラクター
早見沙織、宮野真守、櫻井孝宏、中井和哉、梶裕貴、瀬戸麻沙美、石塚運昇、鈴木れい子、三宅健太、伊藤静
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大正時代の大災害

出だしから、満州の大草原。
大活劇の始まりだ。
なんて思ってたら、あっさり東京に戻った紅緒さん。
それもそのはずサブタイトルが花の東京大ロマン!

原作が少女漫画だから、ホントベタ。
{netabare}ラストまで一点の曇りもなく見え見えなのです。{/netabare}
その上、感情が超ストレート。
私はほぼノックアウト状態でした。

終盤は大正時代の大災害関東大震災です。
その描き方には、色々つっこみたい。
だけどそこはアニメ。
暖かい眼で見守りましょう。

以下、関東大震災について。
アニメと関係ないので閉じます。

{netabare}大正12年9月1日午前11時58分。
相模トラフを震源域とするM7.9のプレート境界型地震が発生した。
直後、南関東は激しい揺れに見舞われた。
その揺れに誘発された直下地震も加わり、帝都東京は数分間の激震が続いたと言われる。
このため、多数の木造家屋が倒壊。
折からの強風により発生した大火災により、一晩で東京は壊滅した。
死者行方不明者10万人強、日本史上最大の地震災害である。

私が震源域に近い南房総を訪れたのはもうずいぶん前。
神社に建立された石碑にはたくさんの被災者の名前が書かれていた。
こんな田舎でもこんなに被害が、と思ったのを覚えている。
また、海岸を歩いていた時に出会ったおばあさん。
津波がこんなところまでって。
多分、10m程度の津波が襲ったんだろう。

つい先日訪れた東京は美しい花の都だった。
六本木森ビルより見まわした風景は一面のビル群。
私にとって大切な人が暮らす東京。
この地に再び地震があると考えると背筋が寒くなった。

元禄関東地震からも約300年。
大正関東地震を上回る規模の相模トラフ連動地震も懸念されている。
首都直下地震を含め、様々な角度から南関東の防災計画を見直す必要性を感じている。
そして、庶民レベルでは防災意識の向上が必須であろう。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

こんな展開 冗談はよしこさ~ん

 これは、TV放送でも描かれなかった部分にも触れた前編のさらに先となるお話なので、かなり期待して見に行ったです。

 少尉の消息を知ることもかねて、前作で新聞記者になった紅緒が、手がかりをつかんで満州に!からのになる訳だったです。

 悲しい結末かと思いきや、こんなのありかの急展開。{netabare}UFOの襲来?紅緒も知っているそっくり??誰かさんの登場で、急展開連続のスタートの連続だったです。
 諦めきれない紅緒、果敢に迫るです。{/netabare}急展開が、多すぎる中で複雑な事情、かなり絡むです。
 {netabare}そっくり??誰かさんが、宿泊先を離れて散歩して、何故この場所を歩くのか?出来すぎていたです。{/netabare}この時、真相が明らかになっていくきっかけになるです。
 で分かったけど、後には引けなくなる状況で、紅緒もこの事実に区切りをつけるけど、忘れられないみたいなです。

 さらに続く出来すぎた複雑でかつ、無理やりにも見えあり得ない偶然みたいな急展開が、続くです。

 上映前劇場チラシにもあった画像にもある、紅緒の花嫁姿になるきっかけは、まさかの成り行きに。このままいくと思った{netabare}ら、日本の歴史上有名な災害発生。{/netabare}いくら何でもどうなっているのか?こんなのありか?なぁだったです。

 HAPPY ENDにならなきゃ話にならないけど、いくら何でも出来すぎた駆け足のような、諦めとあるべき結末には驚かされたです。

 今まで知らなかった、「はいからさんが通る」の結末を見れたのはい良かったです。しかし、劇場アニメにおいて限られた時間もあったかもしれないが、「これでいいのか?」なご都合主義に見えなくもない進行には疑問と、期待した知らない展開とかけ離れた進行に、ある意味拍子抜けもしたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

星ノ海酩夜 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

決して悪くは無いけど印象にあまり残らないかも

前編をアニメサイトで視聴し、後編を映画館で視聴。

なんかパンチ力に欠ける映画だったと思います。
主人公がどちらの男性キャラと結ばれるのか……?
というハラハラを期待していたのですが、無駄にグダグダなコメディを詰め込んでいるせいでテンポが若干早くて感情がついていけない。

前編で主人公と少尉が惹かれあった理由が描かれていなかったので、後編では描かれているのかと思ったのですが…………うーん。

前編でも述べたのですが主題歌は神ですね。竹内まりやさんの曲はこの映画の主題歌にピッタリだと思いました。

なんか惜しい作品だった気がします。嫌いではないです

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

67.4 15 リメイクで恋愛なアニメランキング15位
新エースをねらえ!(TVアニメ動画)

1978年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (31)
125人が棚に入れました
厳しくも暖かい宗方から鍛えられ、めきめき力をつけていくひろみ。しかし彼女は知らない。深い信頼を寄せた彼が病魔に冒されていることを。海外遠征に赴くひろみを想いながら宗方は病室でこう書き残す。“岡、エースをねらえ!”と…。

声優・キャラクター
高坂真琴、池田昌子、菅谷政子、野沢那智、森功至

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

名作には間違いない!(だがツッコミどころ多数)

原作は山本鈴美香原作の『エースをねらえ!』第1部。別にレビューした通り本作は一度アニメ化しており、前半部分はリメイクといえる。

旧作を知らない人もいるかも。

ただ、話数の関係で前作アニメ化された部分は前作よりも少ない話数となっているため本作の方がテンポは良い。

本作のサブタイトルは全話「◯◯と××と△△」という形式を守っている(理由は知らない)。

題材は硬式テニスで、いわゆるスポ根アニメ。

絵柄は少女マンガのそれであり、原作再現性はわりと高い。しばしば止め絵で原作風な作画が用いられたり、コートの両側にいるはずのプレイヤーをカットインで画面の左右から次々と写すなどの作画枚数が少なくて済むわりにダイナミックに見える演出を多用する。

この独特の演出のため「作画が悪い」という印象はあまり感じられない。

キャラに関しては主人公の岡ひろみが一番目立たないのではないかと思うくらい、脇役のキャラが濃い。

あと、今時の高校生からはピンとこないのではないかと思うくらい、メンタルが妙に大人っぽい。緑川蘭子とか、全く高校生らしくない。

ひろみと親友のマキ以外は年齢詐称っぽいキャラばかりである。

またお蝶夫人、藤堂、尾崎などは妙にセレブっぽい。というかセレブ。何故君たちとひろみが同じ学校に通っているのか…。

あと、ひろみの自宅で母親の声がすることはたまにあるが、ひろみの家族が画面に出ることは一切ない(まあ、これは今どきフツウか…)。

ツッコミ出すとキリがないので、努力と根性で乗り切ろう!

あ、あとひろみの飼ってる黒猫のゴエモンはめっちゃカワイイです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今度は出崎哲(兄)の新編 まだ決定版ではない

出崎統が「宝島」制作のため参加できず、兄の出崎哲などによって造られた「エースをねらえ!」のリメイクバージョン

作画は普通になっています 出崎統氏がいかにアグレッシブだったかがよく分かります
前作から4年半経過してのリメイクであり、24話⇒25話であるが、ひろみが海外に向かうシーンまで描かれます
あの名シーン
「岡!エースをねらえ」と言って宗方コーチがベッドで息絶えるのです

日進月歩のアニメ業界で4年半を経てリメイクなんて普通は考えられませんが、それだけ原作が時代を超えた名作だということです
コミックではコーチ死亡で「第一部終了」となっているので、どうしても合わせたかったのでしょう

前作がややマイナーな放送だったのに対し、こちらはゴールデンタイムに大々的に放送されています 巨人の星 あしたのジョー アタックno1
などと同等です 相当な評判となり中高生のテニスブームにさらに火が付いたのでした

ストーリーは前作とそう変わりはありませんが、各キャラの私生活などを良く描いて青春群像劇になっています

ここで一言言っておきます
エースをねらえ!第一部は3バージョンありますが、全部見てください

それだけの価値がある作品です

投稿 : 2024/05/11
♥ : 8

REI さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私が部活をやるときのテーマソングでした。

「新エースをねらえ!」は前回の「エースをねらえ!」の続きではなく、また最初から物語が始まります。新エースをねらえ!は原作の重要なところまで進むので観るのなら最後まで観てほしいです。

音楽は前回の「エースをねらえ!」の音楽も良かったのですが「新エースをねらえ!」の音楽も大好きです。部活をしている時によく一人で歌ってました。
(私は陸上部でしたが(笑))

スポーツアニメですが原作はあくまでも少女漫画ということ忘れないでくださいね。

全てのアニメに携わる方々に感謝を!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3
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