2013年度に放送されたアニメ映画一覧 86

あにこれの全ユーザーが2013年度に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月04日の時点で一番の2013年度に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
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年代別アニメ一覧

89.0 1 2013年度アニメランキング1位
劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ(アニメ映画)

2013年4月20日
★★★★★ 4.1 (2597)
13579人が棚に入れました
「狂気のマッドサイエンティスト」を自称し、いまだ厨二病をひきずる大学生・岡部倫太郎。秋葉原の片隅、「未来ガジェット研究所」で偶然、過去へと送信できるメール「Dメール」を発明してしまったことから、彼とその仲間たちは世界規模の大事件に巻き込まれることになる。

「シュタインズ・ゲート」は、タイムパラドックスにより引き起こされる悲劇と、それに立ち向かう仲間たちの絆を描く物語である。

声優・キャラクター
宮野真守、花澤香菜、関智一、今井麻美、後藤沙緒里、小林ゆう、桃井はるこ、田村ゆかり
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大事な人がいなくなった世界。その世界を受け入れるのか、抗うのか。

STEINS;GATE劇場版。

6年ぐらい前に視聴してレビューも投稿していたのですが、STEINS;GATEのテレビシリーズを見直したのに合わせて、こちらの劇場版も久しぶりに視聴。

自分が過去に書いたレビューとだいぶ違った感想を抱いたので、こちらのレビューも書き直すことにしました。

テレビシリーズ第1作を見てからの視聴をおすすめします。

設定や登場人物たちがどのような道のりを経て、
現在に至っているかを知っている方が、
より楽しめると思います。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
あの夏から1年後。

牧瀬紅莉栖(まきせ くりす)は、久しぶりに日本に帰ってきて、岡部倫太郎(おかべ りんたろう)達と再会した。

ラボでにぎやかに過ごし、
普段と変わらないと思っていた日常。

その中で岡部は様々な世界線の記憶の混濁に苦しんでいた。

そして、 {netabare} 世界と皆の記憶の中から岡部の存在 {/netabare}が、消えた。

何かが世界に足りないと感じた紅莉栖は、
過去へタイムリープすることを決意する。


最初の30分ほどは、ラボメンとの再会や、
おかりんの相変わらずの中二病っぷりを味わうw

こういう時間はおかりんがずっと欲しいと頑張ってきた成果だから、当たり前に思ってはいけませんね。

そしておかりんに起こる異変。
異変を感じ取り、行動する紅莉栖。

本編ではおかりん目線で物語が進行しましたが、
今回は紅莉栖目線の物語でした。

紅莉栖のおかりんへの想いとか、
ラボメンにとってのおかりんの存在とか、

いつもは中二病を冷たくあしらわれているけれど、
みんなに愛されているんだな~と感じられてよかったです。

おかりん優しくていいやつだからね。
みんなの輪の中心にいるのが似合っていると感じました^^

時間は90分でちょうどよかったです。
無駄もなく、かけ足にもならず。

本編ほどわくわくドキドキはしませんでしたが、
十分面白いと思いました^^


でも過去へ戻った紅莉栖の行動がいまいち解せない。
{netabare} なぜキスをする必要があったのか? {/netabare}

確かに強いインパクトではあるけれど、
あれ、事件でしょ?笑

映画公開時はどうだったかはわかりませんが、
現代だと大問題ですよww

下手したら悪い意味でのトラウマになってしまってもおかしくない…。
まあ、美人な女子大生が相手なら、誰にとってもご褒美になるのかしら?w


≪ デジャヴ ≫

作中で語られるデジャヴについての可能性。
別の世界線での記憶ではないかと。

でも私、これ本気で思うんですよね。

というのも、自分がよくデジャヴを感じるから。
デジャヴというか、予知夢に近い感じかな。

悪い夢を見て、
それと同じ場面が現実に起こるの。

「ああ、この後夢だとこうなるんだよね。」とその場では淡々とその場面を受け入れつつ、夢と同じことが起こらないようにただ祈る。

今まで夢の通りになったことはなく、
すべて悪いことは回避されています。

それこそ、別の未来を歩み出したみたいに。

これって、本当にただの記憶のバグなのかしら。それとも偶然?
どうも納得いかないんだよなー。

皆さんにもこんなことありませんか?

誰かとそんな話したことないけど、
私だけが感じていることじゃないと思うのよね。


● キャラクター
キャラがいいですね。

再会シーンや、みんなでにぎやかに過ごす様子を見ていて、改めて思いました^^

ツンデレ紅莉栖の可愛さや、
ロリおかりんの可愛さにやられてました(*´Д`)

ロリおかりんがイケメンでびっくりしたw
なぜ道を誤った…もったいない…。笑


● 音楽
【 主題歌「あなたの選んだこの時を」/ いとうかなこ 】

1期のOPもよかったですが、
こちらもかっこいい♪

1期のOPとは違う曲なのにシュタゲらしいと言うか、
よく合っています。お気に入り^^


【 ED「いつもこの場所で」/ 彩音 】

この曲もよかったな~。

最後に流れる曲として、余韻もばっちり^^


● まとめ
たぶん世界のどこかでタイムマシンの研究は行われていると思いますが、果たして本当に必要なものなのか。

それを考えるきっかけにもなりました。

過去はやり直せないからこそ、
人は前を向いて歩いていける。

でももし過去をやり直せるとしたら…難しいテーマです。

1期と比べるとドキドキ感は物足りなかったですが、
十分満足できる面白さでした。

ラブラブ感は増してましたね(・∀・)ニヤニヤ

ただいちゃちゃするだけじゃなくて、
いいパートナーだというのを感じさせてくれたのがよかったです^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40

かおーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

劇場版の前に小説読んだのは不運か幸運か

---視聴前---
原作ゲームもやってません。普段アニメみない自分が、室内で自転車こぎながらハァハァ(心拍的に)しながらみてアニメにはまったのがこの本編。面白すぎたこの作品の続編なら見なくては!と思ってるのですが。

子育て忙しく映画館に行けないので、12月3日のDVD発売を待とうと思ったんですが、楽天ポイントが余ってたのでkoboで小説上下巻を買ってみました。

アニメ25話(未放送?)から小説はスタートします。映画は、25話は含まれないようです。ので、25話を見てから映画を観たほうがよいでしょう。

えと、小説の内容のほうはひどいです。クドい。わかりにくい時系列を説明しようとしてなのか、、、またその解説かよ、お前は進撃の巨人のオープニングか?みたいなループを感じます。そして、文章が致命的に下手。文体にキレもなければ明瞭さもないので感情も緊迫感も、登場人物の愛らしさもなにも伝わらないという駄作。

本編では映像だけで楽しめた、あのブラウン管工房、ドクペの群れ、夏のうだつような暑さのなかに回る扇風機、妙に美味そうな牛丼、きらびやかなメイドカフェに輝くコス。
こういったものが、文章でまるで再現出来てない。というより風景描写や心理描写等の基本的な技術が抜けてる。

メイドカフェ2号店はどんな感じなのよ?
助手のタイムリープ、どんな顔してんの?それは好奇心?それとも意地?
岡部の苦しみを理解して、自分も苦しむ描写が薄いくて解らなくね?
科学者の意地と、女である自分。その表現ってもうすこし掘り下げないとじゃね?

この作者はもうすこし他人の文章を読んだ方が良いですね。

このおかげで、本編で上げられまくったハードルがガッツリ下がったので、DVDがより楽しめそうです。そういう意味で、小説から入るには意味があるかも。

「私は小説を読んだが、読んでいなかったと観測させろ。あのとき読んだ、あの本は、設定本なのだ。自分を騙せ。世界を、騙せ!」
と努力中。

映像視聴後に再度編集予定

---視聴後---
いや、まじで。小説版を先に読まない方がいいです。2ch開いてたらネタバレみちまったよチクショウ的な感じが・・・。
小説版を読んでいないと自分を思い込ませ、内容忘れた世界線に移動したつもりだったんですが、リーディングシュタイナーが邪魔をしてくれる・・・。

が、それでも楽しめました。
さすが劇場版、作画は最高です。キレイな映像で楽しめます。
この作品と、「はたらく魔王さま!」が並行作業だったとは・・・恐れ入ります、WhiteFox。

声優さんもスバラシイ。小説版ではイマイチ(いや、まったく)伝わらないクリスの感情がビシビシ来ます。アニメ制作側に愛された作品ですね!
TV版22話、勝利宣言前のタイムリープ、クリスが部屋に駆け込んでくるところに重ねてるんですねー。こういうところが小説だとまったくわからんw

今回の主役はオカリンではなく、クリスです。
岡部の追い求めたシュタインズゲート世界線を尊重し、過去改変は行わないと決める、科学者としてのクリス。岡部と共に生きていきたい乙女としてのクリス、その葛藤。そして彼女が選ぶ「選択」とは。

小説のほうが、未来でオバサンになったクリスと、バイト戦士の関係がどうだったのか、クリスオバサン騙して、命がけでタイムマシン使って、乙女クリスの願いを叶えようとした鈴羽の思いとかが書かれています。

小説版では、タイムリープ前に鈴羽が来たことの理由として、ずっと先の未来、クリスもダルも40歳だっけか?そのくらいになって、急にオカリンのことを思い出した、それでタイムマシンを作った。と説明されています。クリスはその年になって急に思い出した岡部を、やはり大切な人、なぜ忘れていたのかと思い悩み、タイムマシンを作り、封印する。それを見てられなかった鈴羽は、、、。


シュタインズゲートは最高傑作ですね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いくつもの世界線を越えてきた彼らの物語は、ついに劇場へと収束する…

この物語は、本編トゥルーエンドの"その後"に起こる事件が描かれています。
まゆしーが死なず、紅莉栖が生きているこの世界…
たった一つの答えに辿り着くまで、岡部は幾度となくタイムリープを繰り返してきました。
タイムリープする度に精神的負荷が身体を蝕み、心がボロボロに引き裂かれながらも正解への歩みを止めなかった狂気のマッドサイエンティスト…

未来に起こるであろう最悪を回避し、みんな一同に集える世界線…
岡部が願ってやまなかった幸せな時間が過ぎている…
あの事件から1年後の世界が今回の物語の舞台です。

そんな中、アメリカの研究所から紅莉栖が1年振りに戻ってくるところから物語が始まります。
久々の再開…岡部も紅莉栖も嬉しくない筈がありません。
それなのに顔を見るなり言い合いが始まるんです。
全く…お互い素直じゃないところは相変わらずですね。

そんな中、突如、過去の記憶がフラッシュバックする「変調」が訪れます。
でも、最初は変調だと気付きませんでした。
何故なら、その様な光景は本編でも度々見かけたからです。
だからその変調は、これまでと一緒で暫くすれば元通りになると思っていました。
ですが、事の重大さを知るまでに多くの時間は必要ありませんでした。

次の瞬間、広がっていたのは違和感だらけの世界…
いつもと変わらない日常…ただし、大切なモノがごっそり抜け落ちていることに誰一人気付かず、元から何も無かったことになってしまった世界…
手に入れるために必死に足掻いた結果が代償と烙印を押された世界…
今回そんないびつな世界で一人奮闘するのは、牧瀬紅莉栖です。

元々の存在を無かったことにする…
世界線が移動したのなら可能性がゼロではないのかもしれません。
でも人の記憶って不思議…
ひょんなことから、これまで欠落していた記憶を呼び起こすことだってあるんです。
紅莉栖の場合は、マイフォークでしたけれど…

そんな世界でも強く生きる…
意志を強くもって紅莉栖は日々を過ごしてきました。
でも、川の流れのように流されて今に行き着いた訳ではありません。
固く禁じられていた過去改変まで行って現状を打破しようと懸命に足掻きました。
それでも、事態を収束できないばかりか、過去改変による精神的負荷が半端ないことを身をもって思い知らされるんです。

自分の大切を守りたくて…取り戻したいから過去に行くのに、目の前で起こるのは自分が一番見たくない惨劇の光景…
自分の無力さを思い知らされて…心がポッキリ折れない筈がありません。

それでも一歩踏み出す…
そのきっかけをくれたのは、ラボメンのデジャヴという名の優しさでした。
だって、あれだけずっと一緒だったんです。
元から無かったことになんて絶対できないんです。

紅莉栖は本懐を遂げることができるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

元々嫌いじゃありませんでしたが、この劇場版で紅莉栖に対する株は右肩上がりです。
天才と言われるだけあって、普段はあまり取り乱したりしない彼女…
唯一表情を変えるとすると、彼女の琴線に触れた時に発動するツンデレ成分くらい…
でもこの劇場版ではこれまで見てきたどの作品より人間らしさ…彼女の本気を感じることができます。
そして最後の台詞の「やだ。」はトドメの一撃…
これで彼女に色々持っていかれた気がします。

主題歌は、いとうかなこさんの「あなたの選んだこの時を」
エンディングテーマは、彩音さんの「いつもこの場所で」
どちらもメチャクチャ格好良い楽曲です。
志倉千代丸さんの作る曲は私好み…ということが最近分かってきました。

上映時間89分ですが、時間を感じさせない濃密な内容に作品に仕上がっていると思います。
私にとってゼロの視聴に弾みを付けてくれた作品であると共に、視聴して良かった…と本気で思えた作品でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

86.6 2 2013年度アニメランキング2位
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(アニメ映画)

2013年10月26日
★★★★★ 4.2 (1954)
9922人が棚に入れました
人気アニメーション「魔法少女まどか☆マギカ」の新作劇場版。TVシリーズを再構成した「前編 始まりの物語」「後編 永遠の物語」に続く新たな物語が描かれる。

声優・キャラクター
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨、野中藍、加藤英美里、阿澄佳奈

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2016年春視聴。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編] 叛逆の物語
魔法少女は絶望から救われたのか――
“円環の理”に導かれて、少女たちの新たな物語がはじまる

鹿目まどか。かつて、幸せな日々をおくっていた平凡な一人の少女が、
その身を賭してすべての魔法少女たちを残酷な運命の連鎖から解き放った。
まどかへの想いを果たせぬままに取り残された魔法少女・暁美ほむらは、
彼女の残した世界でひとり戦い続ける。
「懐かしいあの笑顔と再びめぐり合うことを夢見て―-」

テレビシリーズをベースに製作された
『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編/後編]』を経て、
満を持して送り出される『[新編] 叛逆の物語』。
総監督・新房昭之、脚本・虚淵玄(ニトロプラス)、
キャラクター原案・蒼樹うめ、アニメーション制作スタジオ・シャフト。
そして彼らを中心に多くのメインスタッフが再集結。
脚本・作画、全てが完全新作。

鹿目まどかは世界を変えた。
その後の世界で、魔法少女が見るのは、希望か、絶望か

オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、喜多村英梨、水橋かおり、野中藍、加藤英美里
※悠木、斎藤→悠木、斎藤、水橋→悠木、斎藤、水橋、野中→喜多村→悠木、斎藤、加藤の順でリレー形式で進行する。

主題歌
オープニングテーマ「カラフル」
エンディングテーマ「君の銀の庭」
挿入歌「misterioso」

「本編 HOMURA 1st take version.」
終盤部のほむらの音声をリテイク前の物に差し替えたもの。

『劇場版公開記念 2時間でわかる! 大ヒットアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」』
テレビ東京で2013年11月4日に公開記念番組『2時間でわかる! 魔法少女まどか☆マギカ』として前後編を再編集したダイジェスト版が放送された。
新編に至る内容を紹介したほか、公開を迎えた劇場からのリポートや新編の冒頭3分の映像テレビ初放送が行われた。
ナレーションはほむら役の斎藤千和が担当。


【アニメキャラの魅力】ひたむきなゆるふわ天然魔法少女「鹿目まどか」の魅力とは?
夢を叶えた代償として、魔法少女という過酷な運命を背負わされる、希望と絶望が織り成すSF作品『魔法少女まどか☆マギカ』。その主人公が今回ご紹介する「鹿目まどか(かなめまどか)」です。とことん天然で、同じ時間軸を何度とやり直され、その度に一味違う彼女を垣間見る事ができます。さぁ、このキャラクターの魅力に触れて行きましょう。

■天然少女
数あるアニメでも、このキャラクターは誰よりも「天然少女」を上手く表現したキャラクターだと思われます。ふわふわしたビジュアル、雰囲気、素直で優しい性格。そして、魔法少女としての願いが「魔法少女になって誰かの役に立つこと」というふわふわ加減・・・。

何とも子供らしい浅はかさを見せる彼女ですが、「誰かの役に立てたらそれはとっても嬉しいなって」を聞いてしまうと、有無を言わせず納得させられるのがこの少女のなんとも言えない魅力ではないでしょうか。

■ドジだけどひたむきです
4度にも渡って同じ時間軸をやり直し、幾度となく暁美ほむらの保護を受けたにも関わらず、結局騙されて魔法少女として契約し魔女化してしまうあたり、とことんドジで騙されやすいキャラクターであることがわかります。ほむらから、魔法少女がどういった運命を辿るのかを忠告され契約を思い留まるも、結局追い詰められた仲間の為に自ら契約し、不幸な運命を避けられないのが彼女。その浅はかなひたむきさに視聴者もつい涙してしまうのでしょう。

■カップリングの万能さ、いじられキャラ
作中の時間軸の中心人物であるため、カップリングで描かれる際にはどのキャラともマッチします。二次創作の間でも非常に人気の高いキャラクターなのです。また中の人の印象も強いためか、そのいじられ具合もかなりのものです。

■「強者」ではなく「救世主」として
「何の取り得も無い」がコンプレックスであり、そこから「誰かの役に立ちたい」を軸に、時間軸毎に違った願いで魔法少女になる彼女。数ある時間軸の中で苦悩するも、ドジで天然、ひたむきで優しい、筋の通った主人公らしい魅力を存分に発揮してくれます。彼女の持つポテンシャルとそのスケールの大きさ、そして成長。可愛らしいルックスも含め、その全てが「鹿目まどか」の魅力と言えるのではないでしょうか。


【アニメキャラの魅力】パーフェクトで美しい魔法少女「暁美ほむら」の魅力とは!?
今回ご紹介する「暁美ほむら」は、主人公「鹿目まどか」と同じ見滝原中学校に通う魔法少女です。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧な黒髪美少女で、性格はクールで発言も謎が多いのですが、まどかのことを誰よりも愛しています。

■壊滅的なコミュニケーション能力
ほむらは人間関係の構築が苦手のようで、態度や発言にはトゲがあります。その容姿からもかなりツンツンしているように映りますが、実際はまどかを心配したり気にしたり、佐倉杏子と共闘をしようとしたりと、本当は優しくて気を遣えてみんなのことを思いやる、ただ勘違いされやすいだけのいい子なんです!ツンデレですね!最高です!

まどかには仲良くなりたいと思われているようですが、上記のように勘違いされやすい場面が多く、美樹さやかとはとても不仲です。特にCharlotteという強敵との戦いでは、巴マミの信用を得られなかったために拘束されていたのですが、マミの死の直後に現れ、グリーフシードを持ち去ったこともあり、かなり彼女にかなり疑われています。元々キュゥべえを襲撃していたところを見られていることや、まどかを見ているのをにらんでいるように思われて、さやかからはネガティブな印象を持たれているため、余計そう思われてしまったのでしょう。そして、唯一本当のことを知っているまどかも、ついにほむらの真相を言うことがなかったので、さやかからは“グリーフシード目当ての悪い魔法少女”と認識されています。かわいそうですけどそんなほむらも可愛いですね。

■未来を知っている
キュゥべえとは、キュゥべえ曰く「契約したともいえるし、そうでないともいえる関係」です。また、ほむらはキュゥべえにとって「イレギュラーな存在」であり、まどかに対してもほむらに関する警告をしており、ほむらの言動を気にしているようです。

この「契約したともいえるし、そうでないともいえる関係」というのが、未来のことをある程度知っていることにつながります。実は、ほむらとまどかは以前既に出会っているのです。2人が初めて出会った時間軸のまどかは既に魔法少女でした。ワルプルギスの夜にまどかの死に直面し、学校でできた初めての友達であるまどかを誰よりも大切に思うほむらは、キュゥべえと「彼女を守る私になりたい」と契約を交わしたのです。これによりほむらは、契約直前から病院を退院する日の朝まで時間を戻す力を手に入れました。

■まどかとの関係
前述のように、まどかはほむらにとってとても大切な存在であり、守りたい存在です。まどかもほむらとは仲良くなりたいと思っています。故に、ほむらの行動はまどかのための行動が多く、広く物事を見られていない気がします。更に勘違いされやすいため、他の魔法少女からは疑われたり、うまくコミュニケーションを取れない事が多いです。

全てまどかが魔法少女になった結果を知っているからこその行動なのですが、とにかくまどかのことが好きで好きでたまらないのでしょう。こっちが彼女を守りたくなります。最新劇場版ではまどかのことを唯一覚えている存在で、まどかの意志を継いで魔法少女として戦っていました。その健気さがとても勇敢で、そして愛らしいのです。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』でも活躍していたほむらですが、続編があるのであればとても楽しみです。期待して待っています!


【アニメキャラの魅力】まどマギ界の悲劇のヒロイン「美樹さやか」の魅力とは?
魔法少女まどか☆マギカにおいて、これほどまでに報われなかった魔法少女がかつていたのだろうか。

そう思わざるを得ないような彼女の生き様を、綴っていこうと思う。

■彼女が魔法少女になったわけ
さやかは幼馴染の上条恭介に片想いをしていた。

その上条にはバイオリン奏者になるという夢があるのだが、治療しても回復が不可能な怪我をしてしまい、バイオリンを弾くことが出来なくなってしまった。

そんな彼を救うため、魔法少女になる際に一つだけ叶えられる願いを、上条の腕を治すことと引き換えに使ったのだった。

■悲しみのなれの果て
契約する際に巴マミから、「他人のために自分の願いを使うこと」は自身の身を滅ぼすことだと忠告されていたにも関わらず上条のために使ってしまったため、のちにそのことで彼女は苦しむことになる。

腕が治り退院することとなった上条は学校にも通い始め、志筑仁美と一緒にいることが多くなったのが見受けられた頃、仁美から上条のことが好きだと言われ、さやかはその三角関係に惑う。

魔法少女になったこと、それは人間ではなくなってしまったことと同義であり、そんな自分は上条と付き合う資格などないと思い悩む。
上条の腕を治しても結局上条とうまくいくことが出来なくなったさやかは、まどかや杏子に強く当たってしまう。
そんな自分にも嫌気がさし、自暴自棄となってしまったさやかは無謀な戦闘を繰り返した果てにソウルジェムが穢れきってしまい魔女化してしまった。

■「あたしって、ほんとバカ」
さやかは、女性が共感しやすいキャラクターだと言われている。
好きな人のために尽くす姿や、自分のことが嫌い、自分なんてどうでもいいといったネガティブな感情で自滅していくからである。
同時に「悲劇のヒロイン」ともなってしまった彼女だが、その報われない様も、まどかという友達に救われたことも、全て他のキャラクターでは見られないリアリティ性があり、最も「女性らしい」キャラクターだと言えるだろう。

まどかやほむらに目がいきがちだが、ぜひさやかにも注目して見ていただきたいと思う。


【アニメキャラの魅力】魅力溢れる優雅なお姉さん「巴マミ」の魅力とは?
『魔法少女まどか☆マギカ』は、とある地方都市で魔女と戦いを繰り広げる魔法少女達を描いた作品です。魔法少女を題材としているためか、キャラクター全員が中学生という幼いメンバーの中、「巴マミ」は先輩魔法少女として、後輩である主人公達を大人の魅力(と言っても中学生3年生ですが・・・(笑))でまとめる素敵な女性です。

■戦闘時の華麗な立ち振る舞い
マミさんの愛称でファンから親しまれる彼女がどんな人物かといいますと、物腰の柔らかい優しく頼りになるお姉さん的な立場であり、ナイスバディで金髪縦ロールをツインテールにしているお嬢様のようなルックスです(脚本担当の虚淵氏曰く、キャラクターのモデルは「ひだまりスケッチ」のヒロさん)。

そんな容姿に違わず、魔女との戦闘時の戦い方も優雅そのものです。拘束や切断が可能なリボンを主軸に戦い、相手をリボンで拘束した後、リボンを変形させたマスケット銃で撃ちぬく戦闘スタイル。マスケット銃が単発であるため、複数のマスケット銃を踊るように持ち替えながら戦うその姿はまさに「舞っている」という表現が適切なものです。

また、戦闘終了後に紅茶を飲むという描写も、彼女が優雅なキャラと言われる理由と言えます。作中のBGMも相まってか笑顔で戦いながら(笑顔で魔女を倒していると考えると少し怖いですが(笑))魔女を倒すその姿は、正に大人の魅力溢れる素敵な女性です。また、彼女だけが必殺技に技名を付けており、ウインクしながら大砲をぶっ放すという姿も、頼れる大人の余裕を感じさせる要因の一つといえるでしょう。

■マミさんの反響
アニメ本編では第3話という非常に早い段階で敗北し、悲惨な最後を遂げたマミさんは、あまりにもインパクトの強すぎる死に方から、ネット上で「マミる」というネットスラングが出来るほど。その他にも、アニメ最萌トーナメント2011で優勝を果たすという快挙を成し遂げています。登場頻度の少なさに見合わず、少ない登場の中でも彼女の魅力が存分に凝縮されていますね。

そんな彼女の人気からか、スピンオフコミックである『魔法少女まどか☆マギカ~The different stoty~』では、マミさんを主役として彼女中心の物語が展開されます。アニメ本編からのIFストーリーではありますが、本編では語られることのなかった過去や内面の心理描写は勿論の事、人間関係の擦れ違い等、魔法少女達にとってマミさんがどれほどの存在であったかということが描かれている作品です。マミさんを愛する方にはぜひとも読んで欲しい作品です。


【アニメキャラの魅力】情熱トゲトゲ魔法少女「佐倉杏子」の魅力とは?
夢を叶えた代償として魔法少女という過酷な運命を背負わされる、希望と絶望が織り成すSF作品『魔法少女まどか☆マギカ』。そこに途中参戦する魔法少女こそ「佐倉杏子(さくらきょうこ)」です。

唯一、途中参戦のキャラクターなので影が薄いイメージがありましたが、『魔法少女まどか☆マギカ』において、このキャラクターの存在は欠かせないといっても過言ではありません!その理由をご紹介します。

■ツンツントゲトゲ
純粋で優しい、ほんわかなキャラクターばかりのこの作品において、初登場から美樹さやかに対して罵声を浴びせ叩きのめした、唯一のトゲトゲとしたキャラクターです。行動原理もとことん利己的で、他の魔法少女を否定し襲い掛かる、多くの視聴者がぞっとしたであろう恐るべき少女なのです!怖い女の子に度肝を抜かれたい、とことんトゲトゲした少女がタイプであれば、まさに彼女無くては語れないでしょう。

■最強の戦闘力
様々な武術を操る魔法少女の中でも、この少女は特に優雅で華麗な戦いを披露してくれます。多節棍である槍を操り、あらゆる変則的な攻撃や、槍に仕込んだ鎖を防壁のように張り巡らせたり、退路を断って魔女を倒したりと、目を釘付けにするような戦闘シーンを魅せつけてくれます。本作品である「魔法少女まどか☆マギカ」においては封印されている能力が多いのですが、他の派生作品等では更に多くの戦闘シーンが拝める事でしょう!

■性格の裏にある真っ直ぐな心
この少女の真の魅力は何処にあるのか。それはずばり、そのトゲトゲとした態度の先にある、他の魔法少女の不幸を止めるという真っ直ぐな思いが他のどの魔法少女よりも強かった所でしょう。

魔法少女の過酷な運命を食い止めるべく、暁美ほむらに手を貸したり、魔女化したさやかを救うべく生身で救出に向かう鹿目まどかに手を貸す姿を見ていくにつれ、彼女の真っ直ぐな心にどんどん惹かれていってしまいます。特に最後の、ライバルである美樹さやかを想い、心の救いとなるべく自分の身を捧げるシーンに、視聴者は心を打たれた事でしょう。ありきたりなツンデレとは違う、魅力にあふれた少女なのです。

■暗い過去の経験から他の魔法少女を救うひたむきさ
唯一の利己的な立ち振る舞いをする少女ですが、この少女も幼少期から他者の父親の為に魔法少女になったという、他人思いの少女なのです。

教会の神父である父を支えようと、杏子自ら魔法少女となり父の願いを叶えるのですが、それが原因で父は狂い不幸な出来事に襲われてしまいます。そういった悲しい過去の経験から、他者の願望を他者が特殊な力で叶えても誰も幸せにならない事を知っている彼女は、他者の願望を叶える為に魔法少女になった美樹さやかを命掛けで救おうとします。

考えが対立するさやかに、傷付きながらも必死で彼女の名前を叫ぶその姿とひたむきさには、思わず涙ぐんでしまいます。

なお、最もベテランであるこの少女は、他の派生作品にも多く登場します。彼女と作品に惹かれた方は、是非とも他の作品も見てみましょう!


【アニメキャラの魅力】可愛いマスコット?邪悪の概念を超えた恐怖「キュウべぇ」の魅力
ことごとく「魔女っ子モノ」の方程式をひっくり返してくれた名作『魔法少女まどか☆マギカ』。その最たるものが「キュウべぇ」ではないでしょうか。魔女っ子モノでは“平凡な”少女が不思議な力を持つ為には、その力をもたらす存在が必要です。それは通常主人公の肩に乗るくらいの愛らしい生き物。今回ご紹介する「キュウべぇ」も、やはりこの類だと誰もが思います。しかし、口を動かさずに喋るこのキャラの不気味さや恐怖に、「キュウべぇ」がどんな存在か判明してから、遡って気付く事になるのです。

■明かされる真相
最初は魔法少女たちに助言をし、友好的に振る舞っていた「キュウべぇ」ですが、「美樹さやか」が魔法少女となり、そのソウルジェムを巡る話あたりから、その怪しさに魔法少女たちも気付き始めます。それに対して「キュウべぇ」は、まったく悪びれる事もなく真相を話すのです。魔法少女達が「敵」として戦っている「魔女」は、実は魔法少女の絶望した成れの果ての姿であり、魔女に堕ちる際に放出される莫大なエネルギーを集める事が「キュウべぇ」たちの目的。つまり、魔法少女はエネルギーを生み出すための牧場で飼われている牛のような存在だったのです・・・。

■キュウべぇに学ぶ詐欺の手口?
このような取り返しのつかない「契約」をさせられてしまった少女たちですが、「キュウべぇ」の勧誘には、いわゆる“詐欺師”との共通点が見受けられます。重要事項を言わず、「聞きもしなかったじゃないか」という言い逃れ、相手が考える事が難しい状況(ほむらの危機を目の当たりにしたさやか、まどかとさやかが「お菓子の魔女」の前で危機に陥った時など)の中で、「僕と契約して、魔法少女になってよ!」と迫る、「君たちの意志は最大限尊重しているつもりだけど・・・」と相手への譲歩を装うなど、騙されたとは心外だと言わんばかりです(実際「心外だなあ」と言ってましたが)。

■悪意のない恐怖
ある人が言いました。「悪には限りがあるが、善には限りがない」と。「悪役」は悪意がある分、まだ救いがあります。「キュウべぇ」は条件を提示して平和的に同意を得たのだから、家畜に対する人間の態度よりもよほど紳士的であると信じています。むしろ、人類に文明等を提供してきた分、人類もその恩恵に浴しており、「一部の」犠牲は全体の発展に比べれば取るに足らないと言い切ります。しかし、その人類の末路などにはまったくの無関心・・・。とある並行世界で、まどかが世界を滅ぼす存在となった時には、「あとは君たち人類の問題だ」と言い放ちます・・・。無理解・無関心が邪悪よりも恐ろしい一例でしょう・・・。

悪意なき邪悪「キュウべぇ」。人によっては魅力と感じる一面も、ある人にとっては嫌悪しか感じないかもしれません。その愛らしい外見を可愛いと感じる人もいれば、ドライな内面とのギャップに恐怖を覚える人もいるでしょう。しかし、その全てが「キュウべぇ」の魅力と言えるのではないでしょうか?まだ観ていないという方は、是非ご自身の目でその不思議な魅力をお確かめ下さい。


『MADOGATARI展』大阪会場は、東京会場初日を超える動員数! 「まどか☆マギカ」新作短編映像は別バージョンを上映!?
「魔法少女まどか☆マギカ」や「〈物語〉シリーズ」など、数々のアニメーションの制作に携わってきた「シャフト」。その40周年を記念して開催されている「~シャフト40周年記念~MADOGATARI展」の大阪開催(会場:ハービスHALL)が、本日12月22日(火)より開幕しました!

11/27~12/2まで開催された東京会場では、15,000人を動員し「MADOGATARI展」ですが、大阪会場では東京会場の初日動員を上回る1,700人(東京:約1,300人 ※前売券販売実績)を記録し、好調なスタートを切りました。今回、会場の様子を記した公式レポートが到着したので、ここに公開しましょう♪

◆大阪会場の様子を大紹介!

★会場限定で公開されているのは、「魔法少女まどか☆マギカ」の新作へとつながるコンセプトムービーの上映や、劇団イヌカレープロデュースによる立体造形、「〈物語〉シリーズ」の西尾維新書き下ろし短編小説を元に制作した映像展示やプロジェクター3台を使用した特別映像上映、「魔法少女まどか☆マギカ」と「〈物語〉シリーズ」のキャラクターがコラボした会場限定オリジナルマナー映像、シャフト40年の歩みを体感できる原画や制作資料の展示、会場限定のイベントオリジナルグッズ販売などなど。「魔法少女まどか☆マギカ」ファン・「〈物語〉シリーズ」ファンはじめ、アニメファンを中心に多くの方の好評を得ています。

★大阪会場では「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」「〈物語〉シリーズ」より新たに100枚を超える生原画が追加され、本編でも未公開の原画も多数含まれています。

◆「魔法少女まどか☆マギカ」新作短編映像は“コンセプトムービー Type-B”を上映!
★また、「魔法少女まどか☆マギカ」ゾーンで上映する新作短編映像は、イメージボード部分を差し替えた、東京会場とは異なるバージョンの“コンセプトムービー Type-B”を上映!

主演キャストによる新録ボイスも収録! 『魔法少女まどか☆マギカ』新作コンセプトムービーの制作スタッフ&キャストが判明
この度、2015 年11 月27 日(金)~12 月2 日(火)、東京・アーツ千代田 3331 にて開催された『~シャフト40周年記念~MADOGATARI 展』内にて、「魔法少女まどか☆マギカ」の新作へとつながるコンセプトムービーが公開されました。

このコンセプトムービーは、総監督・新房昭之さんが自ら絵コンテを描き、劇場版の監督・宮本幸裕さんが演出を務め、異空間設計を担当した劇団イヌカレーや総作画監督・谷口淳一郎さんら作品のメインスタッフが制作に参加しております。加えてTVシリーズ・劇場版でも音楽を担当した梶浦由記さんが新たな楽曲を制作し、主演キャストによる新録ボイスも収録した約4 分の映像となっています。

『~シャフト40周年記念~MADOGATARI 展』東京会場は、入場時間指定制での開催となりましたが、入場券は前売販売で完売となり、開催期間が6 日間ながらも総来場者数が15000人を超える結果となりました。場内には、この展覧会が初公開となる『魔法少女まどか☆マギカ』のコンセプトムービーの上映のほか、劇団イヌカレープロデュースによる立体造形“アニメーションの魔女”の展示のほか、『魔法少女まどか☆マギカ』と『〈物語〉シリーズ』のキャラクターがコラボした会場限定オリジナルマナー映像の上映、原画や制作資料の展示、会場限定のイベントオリジナルグッズの販売など、『魔法少女まどか☆マギカ』ファンをはじめ、アニメファンを中心に多くの方に好評となっています。

<コンセプトムービー 制作STAFF&CAST>
【STAFF】
原作:Magica Quartet
総監督・絵コンテ:新房昭之
演出:宮本幸裕
異空間設計:劇団イヌカレー
作画監督:谷口淳一郎
音響監督:鶴岡陽太
音響制作:楽音舎
音楽:梶浦由記
アニメーション制作:シャフト

【CAST】
鹿目まどか:悠木碧
暁美ほむら:斎藤千和
巴マミ:水橋かおり
美樹さやか:喜多村英梨
佐倉杏子:野中藍
キュゥべえ:加藤英美里
百江なぎさ:阿澄佳奈

「まどマギ新作?」――新たな物語へのヒントとなるコンセプトムービー「MADOGATARI展」で公開
11月27日から開催されている「~シャフト40周年記念~MADOGATARI展」で見られます。

11月27日よりアーツ千代田3331(東京都千代田区)で始まった「~シャフト40周年記念~MADOGATARI展」にて、「魔法少女まどか☆マギカ」の新たな物語へとつながる“コンセプトムービー”が上映されている。

コンセプトムービーは3分50秒ほどで、来場者は全員見ることができる。「魔法少女まどか☆マギカ」の新作へのヒントであって、これがそのまま新作というわけではない。主催者側に確認したが「新作発表ではなく、あくまでも(新作を作るとしたらという)コンセプトムービーです」とのこと。

新たな物語につながる映像が公開
人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の新たな物語につながるという“コンセプトムービー”が27日、「アーツ千代田 3331」(東京都千代田区)で開幕した企画展「~シャフト 40周年記念~MADOGATARI展」で公開された。「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」が2013年10月に公開された後、新房昭之監督や脚本の虚淵玄さん、キャラクター原案の蒼樹うめさん、アニメ制作会社「シャフト」は新作に向けて打ち合わせを続けてきたといい、コンセプトムービーは新作の基となる映像として制作され、新房監督が絵コンテを描いている。

公開されたコンセプトムービーは、劇場版を手がけた宮本幸裕監督が演出を担当し、“異空間”の設計を担当したデザイナーユニット「劇団イヌカレー」、総作画監督の谷口淳一郎さんら同作のメインスタッフが参加。梶浦由紀さんが新たに音楽を制作し、声優陣によるボイスも新たに収録されている。

「魔法少女まどか☆マギカ」は、過酷な運命を背負う魔法少女らの姿を描いた作品で、11年にテレビアニメが放送され、ほのぼのとしたタッチのキャラクターとは裏腹に、重厚な世界設定や、悲壮でドラマチックな展開が人気を集めた。

●悠木碧さんが、劇場版で演じていていちばん悲しかったのは……?
Q:『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』の中で、演じていていちばん熱くなったシーンは?
A:みんなと一緒に変身するシーンはすごく心躍りました。マミさんとほむらちゃんの銃撃シーンはカッコ良かったなあと思います。

Q:演じていていちばん楽しかったシーンは?
A:ほむらちゃんと訥々としゃべっているシーンはとてもまどからしさがあって楽しかったと思います。ほむらちゃんの解けちゃった髪を三つ編みに戻していくシーンは、ほむらちゃんにとっての理想のまどかが出ているシーンだとおもうのですが、演じていてとても感慨深かったです。

Q:演じていていちばん悲しかったシーンは?
A:ほむらちゃんが悪魔になってしまった後にまどかがアルティメット化しかけたときに、引き戻してきて「あなたはなにも考えなくていいのよ」と言われた後に、ほむらちゃんに対してまどかがつめたい表情をするのが印象的で……(笑)。まどかはとてもいい子で正義に敏感なんだけど、けっこう冷静に物事を見ているので、ほむらちゃんの実直さが変わってしまうと、まどかの反応が変わるのは当たり前なんだなと気付かされました。それまでの関係性が崩れていくのがとっても切ないなあと思いました。

Q:魔法少女になる前に叶えて欲しい願いは?
A:割と聞かれる質問なんですけど……そうだな……叶えてもらわないですね(笑)。魔法少女にはならない!(笑)。そのほうが賢明な気がします。まどかほどの大きな力があるわけではないと思うので、中途半端になるぐらいなら他の誰かに譲ります(笑)。

魔法少女5人をイメージしたかわいい長財布が限定販売!
大人気『魔法少女まどか☆マギカ』×SuperGroupiesとのコラボアイテムに長財布が堂々登場。2015年10月7日(水)~10月25日(日)までの期間限定で予約を受け付けています! コラボアイテムの長財布は全5種類で、鹿目まどか・暁美ほむら・巴マミ・美樹さやか・佐倉杏子の5人の魔法少女をイメージしたオシャレなデザイン! 価格は、各7,800円(税抜)となっています。

それぞれのキャラクターのイメージカラーのアッパーに変身後のソウルジェムのチャーム付きで、引き手にはソウルジェムをモチーフにしたチャームをさりげなくオン! バッグから取り出した瞬間に心が華やぐ、可愛らしいお財布です。

『ファントム オブ キル』×『魔法少女まどか☆マギカ』スペシャルコラボステージついに配信開始!
スマートフォン向けゲームアプリ『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)において、ゲームの可能性をさらに広げるべく『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語』(以下『まどか☆マギカ』)とのスペシャルコラボレーションで実現したオリジナルステージの配信がついに8月28日(金)よりスタートしました!

また、オリジナルボイスと迫力ある描き下ろしムービーでお送りする新CMを全国7地区(関東・関西・中京・福岡・北海道・宮城・広島)にて9月13日までオンエア、新CMのウェブ限定版も同時公開いたします。

■いよいよ配信スタート!『ファントム オブ キル』×『魔法少女まどか☆マギカ』スペシャルコラボレーションステージ
本コラボでは、“戦い続ける運命”を背負った少女たちという『ファントム オブ キル』と『まどか☆マギカ』に共通するヒロイン達を軸に、3つの世界が複雑に絡み合う完全オリジナルストーリーを展開。『ファンキル』の高いゲーム性はそのままに、『まどか☆マギカ』のキャラクター達の新カットと録りおろしのフルボイスでさらにゲームを楽しめる、『ファンキル』ファン、『まどか☆マギカ』ファン必見のステージとなっています♪

■『まどか☆マギカ』の人気キャラも登場する新CMもオンエア開始!
「ファントム オブ キル×魔法少女まどか☆マギカ」のスペシャルコラボレーションステージの配信開始と同時に、新CM「鹿目まどか篇」も全国7地区にてオンエア、さらにウェブ限定CM「暁美ほむら篇」「キュゥべえ篇」も公開スタート!『ファントム オブ キル』の美しい天上世界を覆う絶望の暗い影の正体は…そして立ちつくすキル姫達の前に現れる魔法少女たちという、オリジナルストーリーを少しだけお見せする内容で、『まどか☆マギカ』でも特に人気の高いあのキャラが画面上を暴れまわります!

「絶対にほむらちゃんを笑顔にしてみせます」大人気アプリ『ファントム オブ キル』×『魔法少女まどか☆マギカ』スペシャルコラボレーションプロジェクト
株式会社Fuji&gumi Gamesは、同社が開発・運営を手掛けるスマートフォン向けゲームアプリ『ファントム オブ キル』(以下『ファンキル』)と、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語』(以下『まどか☆マギカ』)とのスペシャルコラボレーションプロジェクトにおいて、『まどか☆マギカ』のファンとして知られる芸人NON STYLE井上裕介さんと、パンサー菅良太郎さんが出演するスペシャル動画を特設サイトにて公開いたしました。

■『魔法少女まどか☆マギカ』ファンのNON STYLE井上裕介さん、パンサー 菅良太郎さん他、著名人出演の動画が公開!
特設サイトのスペシャルコラボコンテンツでは、コラボ制作秘話が詰まった「ファントム オブ キル×魔法少女まどか☆マギカ 新章バイブル本」を読んでオリジナルのストーリーやキャラクターに驚く『まどか☆マギカ』のファン各界著名人からのメッセージを公開中!新たにアップされたのはNON STYLE井上裕介さん、パンサー菅良太郎さんからのメッセージ。『まどか☆マギカ』とのコラボーレーションステージを実際に体験して、今までのまどか☆マギカでは見たことがないコラボレーションの内容に、「おっ、すげー!」「興奮しすぎて汗が止まらない」「自分が『ファントム オブ  キル』『まどか☆マギカ』の世界に入れるというのが楽しみな部分ではありますね」など、その魅力を語ってくれる井上さんと菅さんの様子に、ゲームへの期待が更に高まる楽しい動画となっています。

■『ファントム オブ キル』×『魔法少女まどか☆マギカ』スペシャルコラボレーションプロジェクトとは
ユーザー数200万人(2015年6月17日時点)突破の本格シミュレーションRPG『ファントム オブ キル』が、ゲームの可能性をさらに広げるべく、海外でも高い評価を得るシャフト制作のオリジナルアニメーション『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語/[後編] 永遠の物語』とのスペシャルコラボレーションを行い、『ファンキル』ファンのみならず、『まどか☆マギカ』ファンも楽しめるステージを限定配信。

『家電少女』にて『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』とのコラボイベント開催が決定!
株式会社番町製作所は、スマートフォン向けアプリ『家電少女』にて『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』とのコラボイベントを開催することをお知らせ致します。

■開催期間
2015年6月30日(火)~7月23日(木)にて開催されます。

■コラボ内容
今回のコラボでは,「鹿目まどか」「暁美ほむら」「巴マミ」「美樹さやか」「佐倉杏子」「百江なぎさ」などの魔法少女が家電少女となって登場。

◆キャラクター紹介

■鹿目まどか 【ドラム式洗濯機】 CV: 悠木碧

洗濯機の家電少女となった鹿目まどか。魔法少女の姿に洗濯の機能が付加されている。基本的には縦型の洗濯機で、洗いから乾燥まで全部できる。家電少女になってしまったことに戸惑いつつも、身の回りの人達の役に立つことが出来るようになって、嬉しい気持もある。優しく洗い過ぎて、しっかり汚れが落ちない事もある。

■暁美ほむら 【デジタル一眼レフカメラ】 CV: 斎藤千和

デジタル一眼レフカメラの家電少女となった暁美ほむら。魔法少女の姿に撮影の機能が付加されている。写真は高画質で、夜の撮影も綺麗におさめることが出来る。特に時を止めて撮影する写真は、肉眼ではとらえる事の出来ない活き活きとした様子を見事に切り取ることが出来る。盾の中にズームや魚眼など取り換え用レンズを入れている。

■巴マミ 【掃除機】 CV: 水橋かおり

キャニスター掃除機の家電少女となった巴マミ。魔法少女の姿に掃除機の機能が付加されている。頼りがいのある性格は変わらず、黄色いリボンを操り家具をどかしたりしながらゴミを吸う。その機能性はズバ抜けており、絶好調のときであれば、どんなに汚い部屋であっても一瞬でチリ一つ残さず綺麗に掃除してしまう。

■美樹さやか 【液晶テレビ】 CV: 喜多村英梨

液晶テレビの家電少女となった美樹さやか。魔法少女の姿に液晶テレビの機能が付加されている。大型のディスプレイながらもLEDのバックライトで画素数が高く、かなりの高画質を誇る。明るくあっけらかんとした様子で映像を映し出すが、時折ディスプレイの画面に自分の闇の部分の姿が映し出され、暗い言葉を発する。

■佐倉杏子 【スチームアイロン】 CV: 野中藍
スチームアイロンの家電少女となった佐倉杏子。魔法少女の姿にスチームアイロンの機能が付加されている。突然家電少女になってしまった状況に苛立ちを感じつつも、そのシワ取りの能力は抜群。槍の様なアイロンを自由自在に操り、どんなに硬い折り目も一発で直し、ニットも柔らかく仕上げてしまう。仕上げのスピードもピカイチ。

■百江なぎさ 【ミキサー】 CV: 阿澄佳奈

ミキサーの家電少女となった百江なぎさ。魔法少女の姿にミキサーの機能が付加されている。チーズが好きで、高速回転のスクリューで色んなものとチーズを混ぜてスムージーを作ろうとする。特にお菓子と一緒に混ぜるのが好き。飛ばして遊んでいるシャボン玉が中に入ってしまい、爆発して真っ黒になってしまう事がたまにある。

世界的奏者が出演するアニメ音楽のフルオーケストラ演奏会 ~「進撃の巨人」「魔法少女まどか☆マギカ」などのオリジナルサウンドトラック収録楽曲を演奏~
2015年7月20日(月・祝)にBunkamura オーチャードホールで開催する第一回 アニメ音楽のフルオーケストラ演奏会「Anime Symphonia」が開催される!

■「Anime Symphonia」について
本公演は、「Anime Symphonia」と銘打ち、「ドラマティック / オペラティック / 交響叙事的」なイメージを音楽構成におけるコンセプトに据え、「進撃の巨人」「魔法少女まどか☆マギカ」「新世紀エヴァンゲリオン」といったアニメのオリジナルサウンドトラック収録作品をメインプログラムにアニメ音楽の名曲をフルオーケストラで演奏する本格的な音楽会です。若手からベテランまで異世代の奏者が一堂に会し、日本を代表するエンターテインメントとしてアニメの名曲群をアートとしての芸術音楽であるフルオーケストラで演奏する音楽会です。

「ぽっちゃり可愛い」アニメの女の子キャラクターランキング
柔らかいフォルムが癒されるぽっちゃりキャラ。現実でもぽっちゃりで人気を博している方は多いですが、アニメの世界にもぽっちゃりだからこそ愛されているキャラクターが多数存在します。中にはぽっちゃり系にはまっている人もいますよね。1位には、あの人気アニメのキャラクターがランク・インしました!

多くの人から可愛いと思われている「ぽっちゃり可愛い」キャラクターの1位になったのは《巴マミ/魔法少女まどか☆マギカ》でした!中学校3年生の魔法少女という《巴マミ/魔法少女まどか☆マギカ》は、金髪ヘアーに綺麗に巻いた巻き髪が印象的なキャラクター。中学3年生にも関わらず、ぽっちゃりの域を超えたグラマラスな体型も人気の秘訣なのかもしれません。

札幌雪まつりに“まどマギ”の「キュゥべえ」が雪像になって登場!
テレビ・映画と大ヒットしたアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語」が、2月5日より開催される「札幌雪まつり」に登場し、キャラクターの「キュゥべえ」が雪像で現れる。

札幌雪まつりで同じく行われる、人気ボーカロイド「初音ミク」のイベント、「SNOW MIKU 2015」と『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』がコラボレーションしたシャフト描き下ろしイラスト(原画・谷口淳一郎)もこのほど公開された。

また、1月30日から2月11日に札幌パルコ7階にて出展する「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ ショップ もう一度あなたに逢いたい…」や、2月10、11日に札幌市教育文化会館で開催の「『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』オーケストラ・コンサート」もあり、札幌は“まどマギ”に染まりそうだ。

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』オーケストラ・コンサート
[総集編]コンサート 2015年2月10日(火) 開場17:00 / 開演18:00 / 終演予定20:30
司会・野中藍(佐倉杏子役)
[新編]コンサート 2015年2月11日(水・祝) 開場11:30 / 開演12:30 / 終演予定14:45
司会・水橋かおり(巴マミ役)

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ ショップ もう一度あなたに逢いたい…』
開催日程:2015年1月30日(金)~2月11日(水・祝)
◆展示…「なぎさのスケールフィギュア」が登場
◆物販…イベント会場でしか買えない“イベント記念商品”をはじめ、「魔法少女まどか☆マギカ」の人気商品を取り揃える。

2015年公開、国内劇場アニメは昨年を上回る勢い
■ 劇場アニメも競争激化へ
上映本数の増加は、アニメの興行が好調とされることが大きな理由だ。
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ」「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の成功は、深夜アニメ発の劇場アニメの流れを加速化させた。

蒼樹うめ描く悪魔ほむら、きららマギカ付録に
「魔法少女まどか☆マギカ」のアンソロジー作品を収録した隔月刊誌・まんがタイムきらら☆マギカのVol.16(芳文社)が、10月10日に発売された。表紙はキャラクター原案を務めた蒼樹うめによる描き下ろしイラストが飾っている。

表紙イラストに描かれたのは「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語」に登場した“悪魔ほむら”。今号のきらら☆マギカにはこのイラストを用いた、B5サイズのクリアファイルも付属している。妖艶かつ狂気じみた笑顔を浮かべるほむらを、自分のものにしたいファンは要チェックだ。

そのほか今号のきらら☆マギカにはゲストとして、「リメインズ・JC」のクマノイと、「箱庭ひなたぼっこ」のちろりが「まどか☆マギカ」を題材とした作品を執筆している。

虚淵玄、まどマギの続編に言及 米国AnimeExpo2014のトークイベントで
米国・ロサンゼルスのアニメエキスポ2014にて、7月4日、ニトロプラスとクリエイター虚淵玄さんのパネルイベントが行われた。
ニトロプラスからは虚淵玄さん、代表取締役の小坂崇氣さんが登壇した。さらにグッドスマイカンパニー代表取締役の安藝貴範さんもトークに参加した。

三人は現地ファンの熱烈な歓声とともに登場。まずは簡単な自己紹から始まった。その後に、ニトロプラスがどういった会社なのか小坂さんが説明した。
最初に「3分でわかるニトロプラス」と題されたムービーが流され、これまで同社が手がけた作品が矢継ぎ早に映しだされた。『魔法少女まどか☆マギカ』、『PSYCHO-PASS サイコパス』、『Fate/Zero』、『デモンベイン』、『咎狗の血』、『沙耶の唄』など人気作のビジュアルが登場する度に会場からは悲鳴にも近い歓声が上がった。ニトロプラスの作品が、西海岸のファンの心をがっちりと掴んでいる事がうかがえた。
ムービーの後はスライドを使用しニトロプラス社内の様子が投影された。「会議室は畳の部屋などを用意して快適な環境を作っています。『まどか☆マギカ』と『STEINS;GATE』の印税で会社が綺麗になりました(笑)」と小坂さんが話すと会場からは大きな笑いと拍手が起こっていた。

その後、小坂さんから虚淵さんに会社説明がバトンタッチされた。虚淵さんがこれまで担当した作品についての話に。
なかでも会場からは大きなざわめきが生まれたのは、『魔法少女まどか☆マギカ』だ。「勢いで作ったアニメだったんですけど、こんなに世界中で色々なお客さんに受けるとは思いもしませんでした。続きをどうしようかって悩んでいます。」と。続報に期待したいところだ。

9月1日放送の『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)では、「漫画・アニメに規制は必要か? 徹底討論スペシャル」と題し、規制賛成派と反対派が激論を交わしたが、その内容がネットで大荒れしている。

暁美ほむらが自身の頭を拳銃で打ち抜くシーンを放送。

新千歳空港でアニメ映画祭 「まどマギ」オールナイト上映
新千歳空港ターミナルビルで10月31日~11月3日、「新千歳空港国際アニメーション映画祭2014」が開催される。
同空港は国内初の常設映画館を有する。映画祭では国際コンペティションをはじめ、国内外の話題作を公開する招待作品の上映、海外のアニメ映画祭と連携したプログラム、ゲストを招いてのイベントなどを予定している。
劇場版「魔法少女まどか☆マギカ」3作のオールナイト上映会(11月1日午後10時から)が決定している。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 65
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう?

 朗報です!私に朗報です。やっと、やっと入手いたしましたBD再生機器!拝受の儀以来2か月ぶりに完全生産限定盤BDを開封し、例によって厳かなる視聴の儀を執り行ったのち、初視聴と相成りました。
 いつでも好きなときにこれを視聴することができるのかと思うと、自分自身の身に余る幸福に戦慄すら覚えてしまいます。
 また、一部変更・加筆してます。私の戯言にお付き合いいただける寛大な方は是非お立ち寄りください。かなり、いや、完全に、ほむらに特化した内容ですので予めご了承ください。
 一回目(10/28)は来場者特典は品切れ、物語シリーズとのコラボマナー喚起は忍野扇(少し残念)。二回目(11/18)はフィルムゲット!しかも半月の下に佇むほむら!!神様ありがとう!!!しかもマナー喚起は戦場ヶ原ひたぎ!私的2大ヒロインそろい踏み!斉藤千和ありがとう!!!

 いろんな意味で裏切ってくれちゃってます!
 このラストは読み切れなかった!
 ますますほむほむへの愛が深まった!
 BDを買うことはもう決定した。
 泣けるんじゃないかと勝手に想像してハンカチを手にしていたのだが、ずっと握り締めていた。泣けるところもある・・・と思うのだが、私は泣けなかった。泣いている場合じゃなかった。泣くには衝撃が大き過ぎた。
 視聴からまる4日ぐらい脳のほてりがとれなかった。
 気が付くと反芻し考察していた。
 強烈な作品にぶつかったとき特有の何とも言えない虚無感・無力感に苛まれていた。

 ネタバレしないとこれ以上の感想書けないので、以降はネタバレ満載で行きます。
  {netabare} 本作は3つの部分に分けることができる。
 第一部 オープニングからほむらが秘密に気づくまで
 第二部 秘密に気づいてから円環の理に導かれるまで
 第三部 堕天し円環の理を改変し、そして・・・ {/netabare}
 オープニングから残酷である。 {netabare}TVシリーズのオープニングをほぼなぞらえたものであり、時間軸としてはTVシリーズのスタートよりも少し進んだところといった感じである。これだけで、この物語が誰かの妄想・願望・夢想であることを予感させる。 {/netabare}それでも、第一部は幸福感がある。予告編でも明かされていた新たな敵ナイトメアとの戦いでは、魔法少女5人(最初は4人)が共闘するシーンがあり、見所のひとつである。みんなが仲良くしているところを見られただけで幸せな気持ちになれる。 {netabare}正直に言って第一部は展開が遅めであり、なんともいえない違和感とヌルイ感覚があった。これも後半への大きな伏線であるのであろうが。 {/netabare}第一部後半では、これまた予告されていたほむらとマミのガチバトルが見られる。これも見所ですね。かっこよかったです!このあたりから物語が加速度的にその展開を早めていく。
  {netabare} この世界(見滝原市)が自らが作り出した結界であり、自身が魔女化しつつあることを知るほむら。その状態を厳重に管理し、円環の理の秘密を暴こうと観察を続けるインキュベーターの野郎ども!円環の理(まどか)を守るために、円環の理による救済を拒み、自ら魔女化を促進し、ついには完全に魔女となるほむら。そのほむらに円環の理による救済を与えるために戦うかつて魔女であった魔法少女「さやか」と「なぎさ」。ここでは初めての「魔女」対「魔女」の戦いが見られる。その戦いの果てに、ついにたどり着いた円環の理による救済、まどかとの再会。ほむらの魂にも真の安らぎ、真の救済が訪れる・・・ {/netabare}
 このシーンには心底驚いた!!落としどころをどこに持ってくるのか予測不能に陥っていたので。 でも、一晩考えてなんか納得した。むしろ当然の帰結と言えるかもしれない。うんうん、ほむらちゃん、君は間違っていないよ。それは人として当然の気持ちだ。そのせいで世界がどうなろうと、それは仕方がないことじゃないかな。
  {netabare} インキュベーターの想定を超えた存在となったほむら。希望よりも絶望よりもはるかに強い「愛」によって堕天したほむら。その力で円環の理となった「まどか」の一部を人に戻したほむら。その力によって「神」を人へと貶めた(少なくとも一部を)ほむら。新たに再構築されたこの世界はどうなっていくのか?ほむら自身が予言したように、まどかと敵対する時がくるのか? {/netabare}
 しかし、今は、まどかとの時間を、まどかのいる世界を楽しんでほしい。ほむら、君にはその資格がある。

 二回目の視聴を終えて
 {netabare}オープニングテーマのカラフルが心に突き刺さる。全てを知っている者には聴くに堪えない美しい歌詞、涙がこぼれる。これでもかと描かれる幸せな世界、ほむらが、みんながこうありたいと望んだ世界。完全な茶番、茶番の中の茶番。観るに堪えない。イライラが募り、むしろ怒りさえ湧いてくる。わかっている、わかっている、これは後半へ向けての伏線なのだ。マミとの戦闘までは苦痛であった。もはや苦行であった。こんな幻想はいらない!
 ここからは早かった。結末へ向けての伏線を確認しつつ、ストーリーに、ほむらの心に気持ちを合わせて突き進む。決断を下した後のほむらの美しさ!妖しさ!魅了される。私みたいな「ほむらバカ」にとっては、前半はなくていい。ナイトメアとの戦いなんていらない。マミも杏子もさやかもなぎさもいらない。ほむらとまどかだけでいい。
 ほむらに堕天を決意させたまどかの告白、あれは紛うことなき本心であろう。素のまどかの人としての正直な気持ち。それを真正面から受け止めてしまったほむら。やはり、彼女たちは少女なのである。私なら、大人である私なら、受け流せるかもしれない。あの時の、まどかの祈りもまた本心である、と理解できるから。まどかの祈りは、無理をしているかもしれないが、間違いなく心から出た真の願いである。彼女たちがもう少し大人であれば、違う結末を迎えることもできたのかもしない。とはいえ、大人だったらそもそも魔法少女にならないか。くそっ、インキュベーターの目の付け所には恐れ入る。こんな危うい年頃の少女を標的にするなんて!
 新たに改変された世界、ここは本当に君が望んだ世界なのかい?この世界の君はあまりに美しく、妖しく、そして痛々しい。君を救うにはどうすればいい、ほむら?私はこれからその答えを探すよ。 {/netabare}
 

 『劇場版公開記念 2時間でわかる!大ヒットアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」』について(6/5)
  {netabare} 完全生産限定盤特典BDに収録。
 なんと、劇場版2作品「前編と後編」を再編集して2時間に圧縮した映像である。
 さすがに2時間では説明不足は否めず、これを補うために斉藤千和によるナレーションが適宜挿入されている。
 濃厚すぎる2時間である。
 エッセンスがぎっしり。常にクライマックス。
 TVシリーズ及び劇場版2作品を既に観た人間であれば楽しめる。
 省略されたシーンも脳内補正しながら観れてしまうのでつながりに違和感も感じない。
 そういう意味で既に2ループ程度済ました人であれば、時間が無い時のおさらいとして利用することが可能であろう。
 だが、初めて観る人には全くお勧めできない。
 むしろ、これを観ることを断固阻止しなければならない。
 ストーリーだけわかってキャラや世界観への想い入れが生まれないこと請け合いである。
 「魔法少女まどか☆マギカ」に初めて触れようという人には、出来ればTVシリーズから、それが叶わないのなら劇場版2作品を視聴することを強く勧める。
 間違ってもこの2時間圧縮バージョンから入ったりしてはいけない。
 ダメ!ゼッタイ! {/netabare}

 
 「カラフル」について(2/15微調整)
 {netabare}・・・これは、かつて魔法少女であったモノの夢の名残なのか?
 
 世間では「君の銀の庭」の評判が高いようである。確かに「君の銀の庭」は素晴らしい。聴く者の心を優しく包み込み内側から狂気で蝕むKalafinaの歌声と音楽は名曲と言っていい領域にまで達している。それは否定しない。それでも私は、「カラフル」を押したい。
 リスアニ!のインタビューで読んだのだが、「君の銀の庭」はシナリオに目を通したうえでの作品なのだが、「カラフル」はシナリオに目を通さないで作られた作品ということである。「コネクト」「ルミナス」と同様に、この条件下で奇跡のコラボレーションを期待された作品であった。
 果たして、「ルミナス」はもちろん「コネクト」すら凌駕する、まさに奇跡のコラボレーションとなったのが「カラフル」である。必ずフルコーラスで聴いて欲しい。劇中のオープニングバージョンでは魅力の半分しか伝わらない。
 
 これまでに過ごしてきたすべての時間軸において選択した行動とその結末。これまでに過ごしてきたすべての時間軸で選択しえたかもしれない行動とその結末。繰り返される時間軸の中で数えきれないほどした後悔。もはや、どの記憶が本当にあったことで、どの記憶が後悔の産物なのかさえ分からない。すべての可能性が存在し、かつ、なんの可能性も無いかもしれない世界。それでも、僅かな可能性を信じ、信じるふりをして、絶望の淵で彷徨いながら旅を続けた、そんな魔法少女が最後の瞬間に見た夢、走馬灯のように流れ去った儚い夢。ソウルジェムがカラフルに輝いた刹那にそんなことがあったのではないか・・・魔法少女としての一生を終えるその時に、彼女の脳裏をよぎったのではないか・・・それが、「カラフル」なのではないか、そう思えるのである。 {/netabare}
 
 まどかへの手紙
{netabare} あれは何回目の時間軸だったか、ワルプルギスを倒し力尽きた二人。グリーフシードもなく、このまま魔女になるのをなすすべなく待つ二人。このまま二人で魔女になって世界を滅茶苦茶にしちゃおうかという私のソウルジェムを浄化したあなた。ほむらちゃんにしかできないことをして欲しい、バカな私を救って欲しいと。それからどれだけの時間軸を超えてきたのか。あなたを救う、それだけを目的に旅を続けた。でも、出来なかった。救えなかった。私を救うため、過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うために「円環の理=神」となったあなた。私の記憶以外の全てから抹消され、誰にも会うこともできない。それでもいいの?でも、それがあなたの望みというなら受け入れるわ。いつか必ずあなたに会えるというのなら。

 ・・・あなたがいない世界は私には辛すぎる。私の中にしかいないあなた。まどか、あなたは本当に存在したの?私にはもう耐えられない。もう戦えない。あなたはどこにいるの?

 ・・・それは、あなたの本当の望みではなかったの?誰にも会えなくなることは、耐えられないことだったの?そうだったの。あなたは救われてなかったのね。私はあの時の約束を守らなければ!そう、私にはまだやらねばならないことが残っていた。だから、あなたに救われるわけにはいかない。私があなたを救わなければならないのだから。 {/netabare}

 叛逆について①
{netabare}過去・現在・未来の全ての魔法少女を救うことを願ってなされた祈り、これはまさに「神の愛」、博愛といってもいいだろう。
 まどかを救うことを願ってのみなされた祈り、これは「人の愛」、あえて言うのなら偏愛ということになるのか?いや、これはもはや祈りですらない、願望、いや、欲望というべきなのか。
 欲望によって神の威光を傷つけること、これは、神への「叛逆」としか言いようがないのでは?しかし、神ならぬ私としては、この欲望のほうにこそ共感できるのである。
 愛とはかくも業深きものなり。 {/netabare}

 叛逆について②
{netabare}円環の理に支配される世界においては、魔法少女いう存在は神に従属する立場、神の御手先、すなわち「天使」ではないだろうか。そして、あまた存在する魔法少女の中にあって、神の正体を知る唯一の存在であるほむらは、かつての大天使長ルシファーに比類する存在ではないか。この観点からも「叛逆」の意味が解釈できると考える。 {/netabare}
 
 叛逆について③(11/30追加)
  {netabare}もう少し視野を広げて考えてみる。
 神の御業である「円環の理」の秘密を暴こうとするインキュベーターの行動、これも叛逆である。
 また、これまでのほむらの生き方そのものも、叛逆ととらえることが可能かもしれない。魔法少女となった動機そのものからして「まどかとの出会いをやり直したい」であり、その後の時間軸を超えた旅の全てが「まどかの運命を変えたい」であった。本作での堕天シーンも含めて、ほむらは一貫して運命を受け入れることを拒否している。この生き方そのものが、宇宙の摂理、若しくは、神とでも呼ぶべき存在への叛逆行為と言えるのではないだろうか。ほむらには「悪魔」というよりも「運命に抗うもの」という称号の方が相応しいのかもしれない。 {/netabare}

 円環の理について(11/30小幅追記あり、これで完成)
{netabare} TVシリーズ、劇場版前編・後編視聴時における私の理解では、絶望により魔女と化す魔法少女を魔女になる前に救済すること、つまり、魔法少女は魔女にならないというのが、「円環の理=まどかによる救済」であった。しかし、どうだろう?叛逆の物語で判明した事実に照らし合わせると、少し異なるようである。
 一つは美樹さやかと百江なぎさの存在である。彼女らは、暁美ほむら魔女化中の時点で既に「まどかによる救済=円環の理」を受けた身である。そして、彼女らは、まどかの存在を認識しており、実際、ほむらに「まどかによる救済=円環の理」を受けさせるために奔走している。しかも、魔女としても能力を有している!そのうえその力を正気を失うことなしに使いこなしているのである。
 二つ目は暁美ほむらの魔女化の過程である。インキュベーターによる厳重な監視のもとという特殊な環境にある影響もあるのであろうし、あくまで心の内面での出来事という事情もあるので現実世界との時間進行が全く異なるという可能性もある(ほむらの仮想世界の中での1日は現実世界の1秒よりも短いのかもしれない)が、それにしても、絶望してから「まどかによる救済=円環の理」に至るまでにある程度の時間がかかるようである。このタイムラグの間に仮想世界(絶望した魔法少女の心の内側)において魔女化が進行するようである。
 この二つの事実から、次の事が推測される。
魔法少女の魔女化のプロセス、
①絶望し内面において魔女化が始まる。
       ↓
②内面において完全に魔女となる。
       ↓
③魔女として現実世界に具現化する。
そして、「まどかによる救済=円環の理」は②と③の間において行われる。つまり、魔法少女はいったんは完全に魔女となって、そののち救済される。この救済によって絶望から解き放たれ、希望ある魔法少女としてこの世から消滅する。この際には
、魔女としての能力・今までの記憶も失わないようである。だから、美樹さやかと百江なぎさは魔法少女としての記憶も能力も有したままほむらの仮想世界に入り込めたのであろうし、魔女としての能力を使うこともできたのであろう。
 ー2回目視聴後の補足ー
 上記の仮説は本編において真っ向から否定されている。結界の内部において完全に魔女化してしまうと、「まどかによる救済=円環の理」を受けることができない、と。ただ、ほむらのケースが特殊であるがゆえの特例なのか、一般的に当てはまるものなのかは、判然としない。私自身としては、自身の仮説の方がより説得力があると考えるが。  
 ー3回目視聴後の補足ー
 はやり、ほむらのケースが特殊であることを確認。上記の「結界」とは、「インキュベーターによる結界」であることが判明したため。
 
 さらにもう一つ、実は、「まどかによる救済=円環の理」は絶望した魔法少女の側に選択権があるのではないか?絶望しきった魂への救済の要否を問う問いかけ、本来であれば形式的な、問われる前から答えの決まっている問いかけ、「汝、救われたいか?」の問いに唯一「否」と答えたのが暁美ほむらではあるまいか。
 この仮説はほぼ間違いないと意を強くした。インキュベーターが「円環の理に救いを求めよ」とほむらに促す場面を確認できた。 {/netabare}

 ほむらによる改変後の世界(1/3追記)
  {netabare} ほむらによる改変後の世界について語る前に、まず、まどかによる世界改変について確認しておきたい。
 まどかによる世界改変は、「改変」というよりもむしろ「書き換え」又は「上書き」という表現が相応しい。まどかは、インキューベーターが作り上げた魔法少女システム(希望から絶望への相転移からエネルギーを得る)をそもそもの最初から無かったことにした。よって、世界が書き換えられてしまったことを知っているのは、まどかのみである(唯一の例外がほむら)。あえて言い及んでおけば、まどかによる改変前の世界と改変後の世界は断絶している。
 ほむらによる改変後の世界をどう位置づけるか、類型を3つ提示してみる。
①まどかによる改変時と同様に、以前の世界を完全に書き換えたもの。
②まどかによる改変後の世界と同時に存在する平行世界(パラレルワールド)。
③まどかによる改変後の世界の内部に設けられたある種の閉鎖空間的な世界。
 そもそも、ほむらによる世界改変とはいったい何を改変したものなのか?もっとも重要かつ最大の改変は、言うまでもなく、切り取られた「まどか」が存在する世界への改変である。円環の理による救済を受け世界から消えたはずの「さやか」と「なぎさ」が存在していること、烏っぽい禍々しい生き物が存在していること、ほむらが強大な力を持っている(と思われる)こと、等も改変の産物であろう。逆に改変されなかったこととしては、インキュベーターの存在、魔獣の存在がある。まどかによる改変時との相違点としては、改変の事実を認識しているものが存在していること(インキュベーター・さやか)が挙げられる。
 以上の事実から推測するに類型③が最も有力ではないかと考える。①だと仮定すると、まどかの存在が怪しくなる。人としての部分を引き剥がした結果として存在する「まどか」は、引き剥がされる前の本体が存在しないと成り立たない。引き剥がされる前の本体が存在するということは、「円環の理」が有効に存在していることを意味し、これは、すなわち、まどかによる改変後の世界が、ほむらによる改変後にも存在していることに他ならない。つまり、①だと「まどか」が存在していることと矛盾が生じてしまう。
 ②ならどうか。平行世界であれば、まどかの存在に矛盾は生じない。しかし、平行世界間の干渉という側面から考えると、少し無理があるように思う。ほむらによる時間軸の旅は、まさしく、数多の平行世界を渡り歩くものであった。それぞれの平行世界においては、ほむら以外の人物は違う平行世界についての知識も認識もなく(インキュベーターでさえ!)、相互干渉は皆無であった。ほむらによる改変においては、インキュベーターとさやか(時間の経過とともに忘れていくようだ)が改変を認識しており、まどかは「円環の理」の力(少なくとも一部)を保持しているようである。異なる平行世界の間で、ここまで干渉があるというのは、無理があるのではないだろうか?
よって、③が最も有力となる。③であれば、上記で述べたことが全て矛盾なく成立する。{/netabare}
 
 ほむらの幸せのありか(12/1かなり加筆)
  {netabare}そもそもまどかと出会わなければ・・・という議論は未来永劫封印。
 魔法少女にならなければ・・・というのも、まどかと出会ってしまった以上、必然ととらえる以外あるまい。
 そうなると、私が考えるターニングポイントは三つ。
 一つは、まどかと二人でワルプルギスの夜を倒した後である。ほむらは、この時、まどかと一緒に魔女になってもよかった、または、死んでしまってもよかった。二人で一体の魔女になったりなんかしたら、それこそ本望だったんではないだろうか。なのに、まどかはほむらに過酷な運命を強いる。自分が魔法少女にならない未来をつくれ、しかも、魔女になるのは嫌だから殺せ、と。こうやって考えると、「まどか、我儘だぞ!お前のせいでほむらは何回時間軸を超えたと思っとるんじゃ!」と恨み言の一つでも言いたくなる。
 二つ目は、もちろん、本編のあのシーンである。おそらく、まどかがあの泣き言(本人は泣き言を言っているつもりはないだろうが)を言わなければ、ほむらは「まどかによる救済=円環の理」を素直に受け入れていたであろう。それは、本来ほむらが望んでいたことなのだから。
 もう一つある。それは、まどかによる宇宙再構築時である。あのとき、まどかはほむらを一緒に連れて行くべきであった。「こんな場所にまでついてきてくれた」ほむらの気持ち、「私のために頑張ってくれた」ほむらの気持ち、その真意を理解することができたのならば、ほむらを一人残していくべきではなかった。まどかの一部、若しくは、眷属として「円環の理」に取り込まれることを、ほむらが拒むであろうか?いや、これこそ、ほむらの至福であったろう。
 いずれにせよ、既に過ぎ去ったことである。では、この新たな世界における「ほむらの幸せ」とは?
 つまるところ、ほむらの幸せとは「まどかと共にあること」。生死も問わない、ただ共にあること。
 翻って、まどかの幸せとは?まどかは何を望むのか?少なくとも「ほむらと共にあること」ではないことは明らかであろう。
 この二人の愛情の間には大きな隔たりがある。まどかのほむらに対する愛情は、いうなれば「仲のいいお友達の一人」。どんなに好意的に解釈しても「お友達の中で一番仲のいい子」程度であろう。それは、まどかによる宇宙再構築時のおいて、神となったまどかが言い放った「あなたは最高の友達だったんだね。」に集約されている。全ての時間軸のおける全てのほむらの戦いを理解してなお、これである。万感の思いが込められているにしても、ほむらの行為に対する労いとして充分とは言えない。それに対して、ほむらのまどかに対する愛情は、自身の言葉にあった通り「この世でたった一人の私の友達」に対するもの。しかも、この気持ちは膨らむ一方である。超えた時間軸の数だけ、踏み越えたまどかの屍の数だけ大きくなる。いつしか「私の存在の全てをかけた愛」の対象へと昇華されていた。
 この隔たりはどこからくるのか。なぜ、ほむらはここまで「まどか」に執着するのか?なぜ、ほむらの心は孤独なのか?その秘密は、未だ謎のベールに包まれた「ほむらの過去」にあるのではないだろうか。「心臓の病気で長く入院していた」「どうも一人暮しをしているようだ」この二つのみが現時点で提示されていることである。
 ここで一度まどかへと視点を移してみよう。まどかは優しいパパと頼れるママに愛情をたっぷりと注がれて育った。タツヤの年齢からすると10歳ごろまでは一人っ子として育っている。また、鹿目家の朝の様子から、出勤前の「パパにちゅ、タツヤにちゅ、まどかとハイタッチ」は日課であろう。つまり、まどかは愛に慣れている。愛情を受け取ることにも、愛情を表現することにも慣れている。
 ほむらはどうか?ほむらは愛への耐性がないのではないか。愛情を受け取ることにすら躊躇を覚え、ましてや愛情を表現するなんてどうしていいやら皆目見当がつかぬ・・・。病院での長期入院、どうやらいないらしい両親・兄弟姉妹、そんなほむらにとって、まどかは初めてできた友達であった。その友達と過ごしたあまりに濃密は1カ月、そして、死という衝撃的は別れ。全てが、ほむらにとってまどかを唯一無二な存在にならしめている。
 つまり、まどかは普通の友達にするようにほむらに接しただけなのに、ほむらの方ではまどかのことを唯一無二の大親友と思っていた。この認識の違いは小さくない。
 さて、どうすればほむらは幸せになれる?
 魔法少女でなくなってしまった以上、円環の理による救済はもうありえない。神となったまどかの腕に抱かれる幸せはもう望めない。
 一緒に死ぬ?かたや神、かたや悪魔、その二人が心中?よしんば、悪魔の方でそれを望んだとしても、神の方では良しとはすまい。だったら、無理心中?あなたを殺して私も死ぬわ!もしかしたら、それはあるかもしれない。でも、そんな結末は見たくない。
 やはり、現状維持なのか。籠の中の鳥として「まどか」を飼いつづけることが幸せなのだろうか?もはや人ではない「ほむら」と「まどか」であれば永遠の時を過ごすことも不可能ではないであろう。これは、確かに一つの幸せの形なのかもしれない。ほむらにとっては理想郷ですらあるかもしれない。まどかを偽り続けることに耐えられるのであれば・・・
 ほむら、君の幸せはどこにあるんだろう。



 ・・・・・・・・・・・・・普通の、ただの少女として出会い、退屈とも言えるようなありふれた日常を過ごし、当たり前に年を取り、いつしか大人へと成長する二人、穏やかな、それでいて、親密な、変わらない友情で結ばれた二人、そんなありふれた光景こそが、君たちにはふさわしい。ほむら、君に、まどかとのこんな未来を贈りたい。
 さあ、インキュベーターよ、今こそ我に問え!
 「その魂を対価にして、何を願う?」
{/netabare}

インキュベーターのお仕事(2/23)
  {netabare}1.地球における効率的なエネルギーの回収
 2.前号に付随する一切の業務
 インキュベーターの目的はただ一つ「エネルギーの効率的な回収」のみである。この目的のために構築されたのが「魔法少女システム」といえよう。念のため、ここで魔法少女システムをおさらい。
 ①少女
   ↓
 ②願いを叶える
   ↓
 ③魔法少女
   ↓
 ④絶望する
   ↓
 ⑤魔女
 普通の少女(①)の願いを一つ叶える(②)ことによって魔法少女へと変換(③)そののち絶望(④)により魔女となる(⑤)。
 インキュベーターは②で何らかのエネルギーを投下することにより少女を魔法少女へと変え、④の際に放出されるエネルギー(主たる成分は感情)を何らかの方法で回収している。
 インキュベーターの言うところの「エントロピーを凌駕した」の真意は何とも掴み難いが、ここでは、「魔法少女を作るために必要なエネルギー < 「魔女化により回収されるエネルギー」ということと考えておく。つまり、②で投下されたエネルギーを超えるエネルギーを④で回収できるということを意味する。②で1のエネルギーを消費したとすると④で少なくとも1.1以上のエネルギーを回収できる見込みがあるということである。だが、単純に②<④でいいのかというとそうでもない。魔法少女が魔女になるまでのサポートにもエネルギーを消費するし、何よりも「ロス」が生じる可能性があることが大きい。
 魔法少女システムにおける「ロス」とは、魔法少女が魔女にならないで消滅することである。このロスは意外と多く発生しているのではないだろうか?我々が知るだけでも、マミ・杏子がこのロスに該当している。よって、インキュベーターはこのロスも込みでエネルギー回収効率を計算しているはずで、④で回収されるエネルギーは②の少なくとも数倍にはなるであろう。
 インキュベーターは予めその少女から回収できるエネルギーを推定することができる。あたかも石油の埋蔵量を推し量るように。現に暁美ほむらを魔法少女へと変換する際に、エントロピーを凌駕したので君の願いは聞き届けられました、という趣旨の発言をしている。つまり、ほむらの願いを叶えるために消費されるエネルギーを、ほむらが魔女になる際に回収されるであろうエネルギーが超えるということを、その時点で把握しているということである。
 しかし、そうだとすると、鹿目まどかのケースをどう考えればよいのだろうか?まどかの願いは、魔法少女システムを根底から覆すものであった。にもかかわらず願いが叶えられてしまうというのは、どういうことであろうか?単純に、願いを叶えるために消費するエネルギーを推定回収エネルギーが上回ったから機械的に発動してしまったのだろうか?これは、もう少し考察を進める必要がありそうである。
 魔法少女が魔女になるまでに要する期間の統計的な資料が手元にないので何とも言い難いが、「さやか」の例から推測するにおおむね1カ月以内というのが相場ではなかろうか。マミや杏子の例は異例なのではないかと思う。「さやか」のような例がバンバン発生するのだとしたら、魔法少女システムは効率的なシステムと言ってよいであろう。
 さて、有史以来(もしかしたら以前)人間(地球)を観察していたインキュベーターとて、「魔法少女システム」を構築するまでに紆余曲折があったことは間違いあるまい。おそらく、人間以外の生物、男性、女性、大人、老人、それこそ老若男女問わずいろいろ実験を重ね、その末に行きついたのが少女を標的とする「魔法少女システム」なのであろう。そして、我々が知るあの姿、何とも愛らしい愛玩動物のような外観をしているのも、少女を標的にするが故であろう。
 だが、奴らが人類に仕掛けた罠は「魔法少女システム」だけであろうか?感情をエネルギーに変換できる奴らにとって、効率的にエネルギーを回収しうる機会はたくさんある。
我々のまだ知らないそんな罠がこの世にはあるのかもしれない。
 それにしても、インキュベーターは何故にエネルギーの回収をしているのか?それは、宇宙の崩壊を一秒でも遅らせる為である。では、そのような使命を担っているのは何故なのか?そもそもインキュベーターとは何者なのか?この点については、機会を改めて論じてみたい。 {/netabare}
 
 史上初の魔法少女の末路(3/2)
 {netabare} 歴史上初の魔法少女が誰であったのかについての記録は既に失われている。しかし、歴史上初の魔法少女が歴史上初の魔女となったことは99.99%間違いのない事実である。
 魔法少女が魔女にならないということは、魔法少女が魔法少女として死ぬことを意味する。魔法少女として死ぬということはどういうことであろうか。魔法少女は「ソウルジェム」を破壊されることによって死を迎える。逆にいうと「ソウルジェム」を破壊されない限り死を迎えることは無い。歴史上初の魔法少女には戦うべき敵である魔女はいない。ということは、よほどのアクシデントでもない限りソウルジェムを破壊されることはありえない。
 ソウルジェムを破壊されることなく存在する魔法少女は必ず魔女になる。なぜなら、ソウルジェムの穢れを浄化する「グリーフシード」が存在しないからである。
 魔法少女はソウルジェムが穢れを規定量を超えてため込んだ時に魔女となる。では、「穢れ」とはなんなのか。
 「穢れ」は以下の理由によって蓄積されていく。
 ①魔力の消費
 ②希望の喪失
 ①については、魔法少女が魔法少女として存在しているだけで魔力を消費することになるので、日々確実に蓄積されることになる。②については、個々の魔法少女の心のありようであるので個体差が大きいが、これによる穢れの蓄積はかなり急速に進む傾向がある。
 いずれにせよ「グリーフシード」による浄化をしない限り「穢れ」を減少させることは不可能であるため、最初の魔法少女は間違いなく魔女になったはずである。{/netabare}

 「魔法少女は魔女になる」を考える(4/18)
  {netabare}3人の魔法少女を例に考えてみよう。
 ①美樹さやか
 まずは、美樹さやかの魔女化の過程を振り返ってみたい。
 グリーフシードの使用を拒否したこと、これがさやかの魔女化の決定的な要因である。グリーフシードを使用しないことには「穢れ」を浄化することが不可能である以上、至極当然の話である。では、さやかの急速な魔女化の要因はなんであろうか。一つは、魔力を浪費する戦い方の選択である。半ば自暴自棄になったさやかは肉体へのダメージを顧みない戦い方を自らに課す。感覚の遮断、ダメージの回復、いずれにも魔力を消費する。もう一つは、希望の喪失である。恭介と結ばれる希望・人間として生きる希望・友達と共に歩む希望、次々と潰えてゆく希望。最後に残された希望、善良な人々を守るために戦っているという希望(幻想)が打ち砕かれたとき、さやかは魔女となった。
 ②巴マミ
 巴マミは魔女になっていない。マミはどん底で契約を交わしている。自身の生死の間際で生きるために契約を交わした。おそらく、その際に親・兄弟を失ったのではないだろうか。人生のどん底から魔法少女としてのスタートを切っているのである。簡単に絶望なんてするわけがない。ただ、自身も魔女になるという受け入れがたい事実への嫌悪、強烈な拒否反応から希望を喪失するという可能性はある(実際にパニックから杏子を殺している)が、マミの場合自死を選ぶであろう。ソウルジェムが濁りきる前に自身で破壊することを選択するはずである。
 ③佐倉杏子
 佐倉杏子も魔女になっていない。が、これは俄かには信じ難いことである。佐倉杏子が自ら語った物語を思い出してほしい。杏子は父が多くの信者に慕われることを願って魔法少女となった。その願いはカラクリが父に露呈することによって崩壊する。この崩壊は家庭の崩壊をも導く。父は杏子を残し一家無理心中を遂げてしまう。世界に一人取り残された杏子。これで絶望しないとしたら、何で絶望するというのだ!これだけの経験をして、どうして魔法少女のままでいられるというのか!たとえ、グリーフシードを百個持っていたとしても追いつかない速度でソウルジェムは濁るのではないだろうか。杏子はどうやってこれを乗り切ったのであろう?私にはちょっと想像がつかない。
 魔法少女は絶望によって魔女になる。本当にそうなのだろうか?暁美ほむらの例に先立って、実はこんな特殊な先例が存在しているのである。インキュベーターの想定外の事例は思ったよりもあるのかもしれない。{/netabare}

 ホントの戯言(2/15)
  {netabare} ほむらが複数のインキュベーターによって監視されているシーンを観ていたら思い出した小説の一節があります。ダン・シモンズの傑作SFハイぺリオンシリーズの最終巻「エンディミオンの覚醒」におけるシーンです。
 磔刑に処され、ある行動をとることを期待されつつテクノコアに厳重な監視を受けているアイネイアー。このシーンとシュチュエーション似ているのです。もしかしたら、虚淵さんも意識していたのかもしれないな、と思ってみたり。{/netabare}

 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 103
ネタバレ

カリューム さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

そう、まさにこれがまどかマギカ(○続編ってどうなると思います?を20160517書き始めました)

まだ観ていない人向け
{netabare}まどかマギカの新編が制作されることが決定した時に真っ先に思ったのは、
『あんなにきっちり終わらせたのに、続編なんて企画して大丈夫?』
でした
なにせ、どう考えてもこのあとの物語が想像できなかったのです
さやかちゃんは?まどかはどうするの?
絶対続編作る体で本編作ってなかったでしょ
新しい話を作るにしたって、登場人物は?新キャラ増やさないとキャラ足りなくない?
それで果たしてまどかマギカとして面白くまとまった作品になるのか?別物になってしまうのでは?
あんなに感動して何度も見て、何度も楽しんだ作品が余計な蛇足的な、しかも映画となるとお金もとるし、フィルムで何回も見る人を出したりして、利益優先の雑な作品作りと批判されたりすれば、いくら好きな作品の続編といえど、今後、「まどマギが好きです!」なんて言えなくなってしまいます!


・・・・・・・・・・・・・・と、いう舐めた口を聞いていた私を、マジで殴り飛ばしたいと、観たあとに思いました(^_^;)
「まぁ台風もきてるっぽいし、通り過ぎてから観に行けばいいや」
と、チャリで15分で観に行けるのに自宅待機した自分を呪い殺したいです(台風なので安全なとこで動かないのが当然なんですがね)

いやはや、おみそれしました。ハハー_○/|_
まさかあんなに面白くまとまった作品になるとは( ̄◇ ̄)
感服いたしました、Magica Quartet様

いやーまさにまどかマギカ本編を観たときのようでしたよ!
しかも、本編とまたこれがいろいろと対比できたりして、すげー面白い
観たあとに何を喋ってもネタバレになってしまうような、伏線や構成、数々の仕込みにこの作品に対する並々ならぬ熱意を感じました

正直ネタバレタグなしで語ろうとしても、どうしてもネタバレになってしまいそうなので、ここらへんからは、ネタバレタグに隠そうと思います
個人的にここまでならネタバレにならないかな?って思うところもあるのですが、念の為に
もし「事前の情報は一切欲しくない!」って人はここからは見ないでください{/netabare}

多分ネタバレではない範囲
{netabare}やはり犬カレーさん、虚淵さん、梶浦さん、シャフトさんのそれぞれの個性が絶妙に絡み合ってますね
作画、音楽、構成とどれもこれもが作品を面白くしてくれる
シャフトさんは演出が独特という印象を持っていましたが、戦闘シーンもしっかりしていましたね
スクリーンゆえ戦闘シーンと音楽はすごくいい仕事してました
ついでにまどマギ本編同様いろいろと・・・これはネタバレに繋がりそうですね(^_^;)
やっぱり私の文章力(構成力?)ではネタバレなしで紹介は難しそうです
ここまでにしておきます!
ともかく最初から最後まで目を皿にして、耳を澄まして、脳味噌ふる回転させながらみると面白いです
特に二回目は
・・・となると一回目はさらっと流す感じの方がいいのか?
(´ヘ`;)ウーム
まぁ個人的には二回目が一番面白いと感じましたね
そんな感じでした
{/netabare}


ここからはネタバレ込み込み
{netabare}・さやかちゃん関係
{netabare}さやかちゃんはマジでnewヒーロー的な活躍ぶりでしたね
本編では悲劇のヒロイン的立ち位置で魔法少女の絶望を見事に教えてくださいましたが、今回はほむほむを導き、助けるまど神の使い・・・
そう!さやかちゃんマジ天使!
なのです(`・ω・´)
しかもラストではほむほむと対峙し、ほむほむを問いただす
果たしてほむらのやり方は正しいと言えるのか?
視聴者に投げかけるような重要なセリフです
しかし、最後は記憶を書き換えられて・・・

一つ気になったのですが、仁美と恭介を観たときに、さやかちゃんが泣いていたじゃないですか?
あれって、言葉どうり「二人に挨拶できるのが嬉しいから=人間に戻れて嬉しいから」だと思います?
自分は最初に見たとき、この涙は「恭介の隣にいるのは自分じゃないことが悲しい」からだと思ったのです
というのもさやかちゃんは本編でも恭介に仁美が寄り添う姿を観て泣いていたじゃないですか?
今回の新編でもさやかちゃんは新しく書き変わった世界で二人が寄り添う姿を見る
本編の繰り返しになっていませんかね?
これはもうすごく悲しいのでは?
その悲しさを紛らわすような、空元気的発言が「二人に挨拶できるのが嬉しい」だったのでは・・・?
・・・
・・・
・・・(´;ω;`)
まぁほむほむが悪魔になってムード的に暗いからそう捉えてしまったのかもしれません
深読みしすぎですかね
ほむ魔女結界中で恭介なんて~、とか言っていたし、本編の最後でもこれでいいんだって行っていたものね
恭介関係では既に吹っ切れていて、単純に人間に戻れたおとに感動していたと捉えるべきですかね


噂では続編があればさやかちゃんが主人公か?という声も聞きますね
記憶を持っているのはまどか、さやか、なぎさの円環組ですが、おそらくほむほむはまどかを徹底的に幸せにするため、死力を尽くすでしょうから、記憶戻らないでしょう
さやかかなぎさが起点になりそうですね


それとさやかちゃんは消化器を武器だと思っているようですねw
まぁ人魚の魔女だし、水→火を消す物→消化器という感じで親近感を感じている・・・訳ないよね(*´∀`*)
ちなみに消化器には泡消化器というのもあるのですが、人魚の魔女と関連して・・・いる訳ないよね(*´∀`*)
偶然なんでしょうが、面白いです
{/netabare}


・ほむほむ関係
{netabare}もうね・・・『愛』だからね
正直ほむほむのこれまでを思えば、この結論に口を挟むのは心苦しい
しかし、それでもやっぱりこの結末はまだ飲み込めない・・・
まぁ本編の時もそうですが、まどかが願いを叶えると、ほむらは願いが叶わない
しかし、だからといってまどかの願いは魔法少女を救うものであって、彼女の願いはまさに救済と呼ぶにふさわしい
でも悪魔ほむ世界は割と救われてる人が多いんですよねぇ・・・
なにせほむほむが自分の望んだ世界を創造したわけだし
むむむむむ・・・あ、いやここはほむむむむですね(^▽^)

本編はまどかの願いが叶う
新編はほむらの願いが叶う
個人的にはまどかの願いはほむほむの為ではなかったように感じました
まぁほむほむの今までを無駄になんかしないとは言っていましたが
それに対してほむほむの願いは、まさにまどかのため
そもそもほむほむは魔法少女としての願いが叶っていなかった
希望を抱いて魔法少女になったはずが、結局その希望は叶わなかった
それは多分「誰かのために祈ったから」なのでしょうね
さやかちゃんしかり、杏子ちゃんしかり・・・
誰かの為の祈りが自分を追い詰め、絶望させる
そうして魔女になる
でもほむらちゃんはどうやらその絶望も受け入れたようです
まどかの為に祈って、たとえそれがまどかの望みとは異なってもいいと思ったのでしょうか?
果たしてそれはただしいの?
ほむむぅ・・・

とまぁ考えすぎると暗くなってしまうのできっぱりこう考えましょう!!
まどかが可愛すぎるのがいけないのですよ(^▽^)
ま~どべ~で、さえずってぇ~♪♪どこにもいかないで♪♪

梶浦さんが言ってましたが、少女(または少年)の時期というのは視野や世界観が狭い
それ故に深く、一途な思いを描く
そういった部分を音楽に取り入れた
と、語っていましたが、なるほど
確かにほむほむはまどかしか見えていなくて、それ故に深く一途な思いを持ち続けることが出来たんでしょうな
そうなるとなんだかまどかは大人になって、ほむほむは子供のままみたいに見えてきました
面白いですなぁ

新編のほむらちゃんはやりすぎたと感じてしまうことについてさやかちゃんを例えに出してみました
『恭介に思いを告げられず、恭介と仁美は付き合い、自分は魔女化する』
まどかの場合
『恭介に思いを告げられず、恭介と仁美は付き合い、自分は円環に導かれる』
ほむほむの場合
『恭介に思いを告げられず、恭介と仁美は付き合い、自分はそれを割り切っている』

こういってはなんですが、さやかちゃんは恭介と仁美が付き合うことで絶望するからこそさやかちゃんだと思うのです
自分で言っててひどいと思いますが・・・
まぁ杏子が存在することでさやかちゃんは踏みとどまれたということだと思うので、これはこれでとも思うのですがね・・・

{/netabare}

・杏子ちゃん
{netabare}見ていて微笑ましさMAX、幸せ感MAXな姿を見れて良かったです(´;ω;`)
最後にはその姿のまま過ごせるようになって凄く嬉しいのですが・・・
しかし、彼女は家族とはどうなったのでしょうか?
ほむほむが書き換えた?
そしてさやかの家に居候ということでしょうか?
むむむ・・・
ここで「それで幸せになれていいじゃん」と思えればいいのですが・・・
そんな風に好き勝手変えてしまっていいんでしょうか?とさやかちゃんのように思ってしまうのでした
{/netabare}

・マミさん関係
{netabare}マミさんはまさに絶好調(^▽^)
一人ぼっちじゃないマミさんにすきはない(`・ω・´)

改変後もなぎさちゃんとも友達になれたようで、いろいろ充実してますね
基本的にまどかの良き先輩といった感じの立ち位置なので、続編ではマスケット銃で援護射撃という感じでしょうか?
{/netabare}

・女神・・・あ、間違えた。まどか関係
{netabare}個人的に本編まどマギはまどかが子供から大人に成長する話だと解釈しているのです
(もちろん本編にはいろんな要素が絡み合っているので、単純にまどかの成長譚と言い切るのは難しいですが)
彼女は子供であり、年相応に悩んだり、迷ったり、勇み足を踏んだり、逃げだしたり、それでもやっぱり向き合わずにはいられなかったり・・・TARITARI
彼女はそんななかで、自分なりに行動し、誰かに助けを求め、解決方法を模索していました
ほぼ全てほむほむによってすんでのところで助かっていましたが、彼女のそういった守られる子供としての部分は本編の最後で覆ります
彼女は決断し、その結果をちゃんと受け止めました
その結果絶望せず、希望を持ち続けることができた
諦めず、希望を持ち続け、絶望を受け止めることができるというのは立派な(立派すぎるw)大人と言えるでしょう
そういった側面から新編を捉えると、ほむほむは自暴自棄になってしまった感が強い気がします
特にまどかを「救えればいい」という思いだけで動いてしまっているのではないでしょうか
それは魔法少女の時と変わらない
まどかを救えるなら、この世界がめちゃめちゃになってもいいと思っている
まぁ、まどかも魔法少女を救えるなら世界がめちゃめちゃになってもいい、みたいな風にも捉えられますけどね

う~む説明が難しい
単純にまどかとほむほむは救う範囲が違うだけとも捉えられるんですよね~
範囲が広いのが大人というのは強引な解釈ですし・・・

まぁ、つまりはまどかは成長して、変化したように見えたけど、ほむほむは嘆いて、絶望して、成長してるようには見えなかったし、変化もしてないように見えたので、なんだか大人と子供のように見えたのかな?

でも、結局今の世界を受け入れられずに、拒否してしまったという点では、二人共子供っぽいのか?
うむむむむ・・・大人と子供の哲学的な解釈みたいな感じになってきてしまった
頭痛いです(^_^;)
なんだか最終的によくわからない文章になってしまったので、もっとわかりやすく言える部分について書こうと思います

まどかのパジャマが新しくなってました(`・ω・´)
可愛いです
あと本編とは違いとても頼もしく、笑顔いっぱいで、あと可愛いです
本編10話でちらっと出てきたほむほむが惚れた優しすぎて強すぎるまどかですね
しかも可愛いなんて無敵ですね
その上新編では女神ですからね
可愛いですね
あと可愛いですね
(可愛いですね)

ふう・・・こんな感じに書いたほうがすっきりして読みやすいのかもしれませんねw
{/netabare}



OP「カラフル」
{netabare}カラフルの歌詞はまんま新編ほむほむを連想させまくりですよね
もともとまどマギのOP、EDはほむほむの曲だと解釈できるので、いつも通りとも言えます

「いつもモノクロだった瞳の奥の景色捨てたら夢見つけた」
多分「まどかがいなくなってモノクロに見える景色を捨てて、結界の中で夢を観た」みたいな感じでしょうか?
「裏返した日常でまた走っていく先に君はいた」
これはまんま「まどかキタ――(゚∀゚)――!!」でしょう

「めぐる時の中笑って様々な想い持ってはじめようまた一から」
「たどり着いた儚い奇跡壊れないように手を伸ばし繋げばほら君はそばでいつまでも」
なんか曲調も合わさってここらへんでちょっと泣きそうになってしまうんです(´;ω;`)
ここからの
「まだ透明な私たちはどんな色にでも染まることが出来るから夢叶えよう」
がまた泣ける(´;ω;`)
ただ、「透明な私たち」という表現は少しわからなかったかな?
曲が全てまどマギ本編を表現しているわけではないだろうから、なんでも当てはめすぎですかね
EDの「君の銀の庭」とも合わせて「少女」のままでいる彼女たちを「透明」と表現しているのかもしれませんね

曲ラストの
「君と誓ったあの日の記憶今超えて過去からまだ誰も知らない明日へと」
はまさにほむほむの想いそのものって感じしますね

曲を聴くたびに本編を思い出せる曲というのは個人的に最高のアニメOPの形だと思っているので、つまり大好きです(`・ω・´)

{/netabare}

BGM
{netabare}基本的に「まだダメよ(ほむ魔女BGM)」のアレンジで構成されてましたね
個人的にはアコーディオンの音が好きなのと、その曲調が新編にバッチリあっていたので大好きです(`・ω・´)

{/netabare}



全編総括すると
{netabare}本編と新編を総括すると
『ほむほむがまどかに出会い、彼女を助けるために奮闘し最後にはその願いが叶う。』
ということか?
最初と最後だけでまとめるとまさにハッピーエンドっぽく見えるけれど、「彼女を助けるために奮闘し」、の部分でいろいろありすぎるな
しかも最終的な終着点で、ほむほむが幸せになれたのか・・・客観的には判断しづらいです
ほむほむの願いはまどかを救える自分になりたい、だったのでまぁ確かになれたわけだから、幸せなのかもしれないけど・・・

本編だとまどかは自分の願いを叶えて、ほむほむ以外の人間と分かれる感じになったわけです
それに比べるとほむほむはまどかとさえ分かれてしまっていて・・・
まどかにひとりぼっちにならないで、と言われていたにもかかわらず、一人になってしまったし・・・

まどかは魔法少女を救い、まどかが犠牲に
ほむほむはまどかだけを救い、ほむほむが犠牲に

さやかちゃん等、何人かは救われたように見えますが、個人的には強引すぎだと思う
さやかちゃんに関して言えば、「人間に戻れたことを素直に喜べ」と言っていますが、さやかちゃんは結局魔法少女なんですよ?
円環時代の記憶は無いわけだし、人生をやり直すことなんてそんな簡単にできるのでしょうか?
(杏子ちゃんがいるから案外大丈夫かもしれないけど)


個人的に新編の一番悲しいなと思うことは、ほむほむが世界を歪めてしまったように見えることです

{netabare}本編のまどかの願いは導かれる彼女たちの人、魔法少女、魔女の「魔女」の部分を切り取ってしまうことでした
彼女たちが持つ、人としていき、魔法少女として輝き、最終的に魔女として絶望を撒き散らすという悲しい定めを変えること
それも彼女たちの人生そのものには干渉しない範囲で変えること
そんなやりすぎない範囲で、かつ救いをもたらす終わり方が本編で一番良かったなと思う部分だったのです

SF作品ではありますが、「何でもかんでもできますよ」というのは「それでいいの?」と思ってしまうのです
ただ、ここで新編を非難する気持ちになれないのは、ほむほむの強い気持ちが作中でしっかり伝わったからです
ほむほむが「何でもかんでもできますよ」状態になってもほむほむのこれまでと、新編での思いを見てきた私は「そのぐらいできそう」と思うわけです
そして、「そのぐらいできるようにしてあげて」という気持ちもあるわけです
だからこそ大いなる葛藤が胸を渦巻く(´;ω;`)
ほむほむがどうすればよかったのか?
まどかはどうすればよかったのか?
新編はそういった作品全てをもう一度見直し、考え直させるような、そんな物語だったのです{/netabare}
{/netabare}

バットエンド的解釈
{netabare}ふと思い当たってしまった悲しい新編の解釈をご紹介
ほむほむはまどかを人間にした世界で彼女とともに生きることができるよう世界を変えたわけです
しかし、まどかは永遠に生きるわけではない。
ほむほむはおそらくですが悪魔ですので永遠に生きていくと思われます
そうなるとほむほむはまどかと共に生きることができる時間はせいぜい80年ぐらい?
いや、そもそもほむほむは年をとるのか?もし年を取らないとすると、中学高校ぐらいしか共にいられないのでは?
体の年齢を操作することができるなら別ですが、ともかくほむほむはまどかとともにいる時間よりも、一人でいる時間の方が断然多くなります

そう考えると劇中のEDの後、半分にかけた月と半分にかけたルミナス大地(劇場前後編OPのワンシーンでのまどかの部分)は、まどかが死んでしまったことを表しているのではないでしょうか?
椅子に座り、なくなってしまった隣に頭を寄せるほむほむ・・・
きっとまどかのことを思い出していたのでしょう
そんな彼女のもとにキュゥべえがくる・・・そりゃあボコボコにして憂さ晴らしもしたくなるでしょうね
そして彼女は踊りだします
自ら作り出したソウルジェム(悪魔製)をくるくる回しながら
そして最後に彼女は半分の月をバックにしてソウルジェムを眺めます
この時背景の月がほむほむと重なり、ソウルジェムは半分にかけて無くなった月の部分と重なります
思い出してみると、悪魔ジェムはピンクの糸から作り出されていました
終始ピンクの糸はなんなのか気になっていたのですが、考えてみればまどかはピンクですね
ピンクの糸は因果の糸とかの比喩なのでしょう
つまりはまどかとの因果
悪魔ジェムはまどかへの因果=『愛よ』
ということですかね?

ちょっと強引ですがこう考えるとほむほむはまどかがいなくなってからも彼女を思ってひとり世界で踊っている
・・・というふうに考えるとこれはハッピーエンドじゃねぇ、と思うのです
さらに推測を重ねれば、ほむほむは時間をまき戻してしまうのでは?
まどかが死んだらまた時間をまき戻してまどかとの時間をやり直す
世界は一生それを繰り返す
悪魔ほむらさんならやりかねないのでは・・・

まさに自分の魔女空間で世界を包み込んだようなほむほむ・・・恐ろしい子!!
{/netabare}


順序ごと(場面メモ)※とばすの推奨
{netabare}・モノローグ。ほむらとまどかのセリフが二重で流れる。
・町並み→ナイトメア出現→くまさんミサイル→魔法少女の影がくるくる回る→まどかが混じってる
・ナイトメアは操り人形のように動き、ナイトメアの上には人形師の手のようなものが浮いている。青白く、丸い文様がいくつも浮かんでいて、左手の中指にはガーゼのようなものがかぶさっている。
・まどかが弓矢発射→杏子、さやか登場→窓に誘導。
・窓をくぐると扉がいくつもある→部屋に到着→ナイトメアが椅子に座り、机の上にはお菓子。
・まどかが戸を開き(歌:まだだめよが始まる)、お菓子を投げ杏子、さやかもお菓子を投げる。
・最後にマミさんが来て、べべとともに金ピカ空間に。まみさんからリボンが伸びてる。
・まどか、目が覚める→キュゥべえなでなで→パパおはよう(パジャマ違う)→ママおきろー。
・洗面所で会話。(まどかは髪を下ろしてる)
・朝食→登校。キュゥべえがなく→カラフル
・【カラフルについて】砂漠から始まり、誰かのて(まどか?ほむら?)が砂漠を緑あふれる場所に→まどかが水面を走り出す→まどかベンチ(不安顔)→杏子とさやかがコーヒーカップくるくる→ほむほむも遊園地。しかし、暗く誰もいない→マミさん、まどか、さやか、杏子が遊園地でイチャイチャ→ほむほむと合流→ほむほむが白いワンピースで膝を抱える(裏返した~♪あたり)歯車のフレームで囲われている→?→時計が0時を指す→ほむほむの影が悪魔に覚醒(見た目的に羽化)→遊園地でうずくまるほむほむと周りで踊る四人→まどかから青空に→水辺でボートに乗るさやかマミが写り、杏子、最後にまどかがいる→まどかがほむほむに手を差し伸べる→砂になるまどか→景色が砂漠に戻りほむほむうずくまる→ほむほむ涙→足元にはイヤリング(リングではないな。ピアス?)
・学校への登校。杏子さやかと合流。魔法少女指輪映る。
・キュゥべえがまどかの頭を撫でる。(誰か撃ち殺して)
・和子先生ご乱心。中沢くん愛されてるなぁ~。
・メガ三つ編みほむ登場。杏子さやか眉間にしわ(ここに深い意味はないと思う。さやかちゃん演技派ですね!)。
・ほむほむあざとく指輪見せる。
・マミさんと屋上でほむほむを紹介。まどかに手を取られ一瞬ほむ顔アップ。
・一ヶ月経過。まどかとほむらが庭園で話している。BGMが「まだダメよ」アレンジ(1)
・仁美ちゃんが上条くんと会話。枕に八つ当たりからの毛糸モジャモジャ。ナイトメアが月に映る。
・マミさん風呂上り。べべが謎言語でしゃべりだす。
・さやか杏子が仁美ナイトメアの前に到着。上条くん吹っ切った発言。・・・ホントに?
・仁美ナイトメアはビルの上にいて、ビルには魔法少女の影(まどか似)が二人組でミット打ちしてる。この時のBGMは「まだダメよ」アレンジ(2)。ほむ魔女のやつに近い。
・さやかと杏子に仁美ナイトメア攻撃。避けて電車の上に着地。マミさんがふたりを注意。まどほむ合流から、変身シーンへ。べべがキュゥべえに威嚇。
・左胸にソウルジェムをあててから右手を前にだし手のひらの上にソウルジェムが乗った状態になる。コレを奥から順番に連続してやる。
・変身開始
・マミ
・スケートのリンクで踊るような感じ。すごい開脚。くるくる回って、雷に打たれたようなエフェクトの後影の中から魔法少女姿で現れる。
・黄色い花形の光が散りばめられていたような?丸型かな?
・背景は黒いクロスの網目状
・杏子
・ソウルジェムを口にくわえ、リズムをとり、タップダンス(?)みたいな感じでステップを踏んで、からの千手観音。もう一度今度は上を向き上に手をのばすようなダンス。黒い線で荒々しく杏子の顔がアップになり、その顔を破るようにして魔法少女姿で現れる。
・背景は杏子の結界の模様だったかな?
・さやか
・魔女文字が一瞬入り込む。さやかちゃんが魔女であることを表していた。
・ブレイクダンスから、白いシルエットの魔法少女姿のさやかが手を挙げて立っており、制服さやかちゃんはソウルジェムをその影に投げ、クラウチングスタートし、ぶつかる直前でつまずき、まぁそのままぶつかり、白と青が混ざり合う。
・十字に腕をフリ、十字の黄色い光がさやかちゃんの周りに散りばめられる。
・背景はちょっと忘れちゃいました
・ほむら
・多分体操でボールを持つような感じでソウルジェムを持って最後に上へ投げようとしてカメラが一時停止。・・・ちょっと忘れたけど、マミさんのように影から魔法少女姿で現れ、ひらひら地面に一度崩れ落ちるような感じで踊ったあと、ポーズ。
・それと度々魔女文字が入り込む。
・最後の背景は歯車。
・まどか
・超絶かわいい。
・超絶プリティ。
・・・・まず最初にソウルジェムを両手で持ってハート型を作る。あと可愛い。それを左右につき出す動作の後、頭にソウルジェムを載せて右にゆらり左にゆらり。あと可愛い。人差し指で各方向を指差したあと、手を広げてジャンプ。あと可愛い。フィルムが流れるように画面が変わり、ピンクシルエットのチビきゃわいいまどかが手をつないで横一線。可愛いにも程がある。まどかが魔法少女姿で横顔だけ移り、そのあと本物の超絶プリティ女神可愛い魔法少女姿のまどかが出現。あと可愛い。
・背景は空に丸い虹。それに周りにピンクハートが散りばめられる。
・最後にみんな揃って武器を出し、ピュエラ・マギ・ホーリー・クインテット。
・それぞれの変身シーンでBGM違う。

・・・途中までですが、またやる気出たら書きます(^_^;)
{/netabare}


ちょっと引っかかった部分(注:じゃっかん批判的)
{netabare}本編の時もそうでしたが、疑問点は割と多く出てきてますね
脳内補完やら、妄想解釈するしかない部分もあると、観た人によって印象が変わりやすくなってしまいます
まぁ個人的にはそれは「面白い」要素なのですがね(^▽^)
こういった解釈が分かれる作品は、解釈に個性がはっきり出たりして、いろんな刺激があり楽しいです

まぁそれはいいとして、疑問点が多い話に戻ります
そういった点を鑑みて、パンフレットを読むと今回は制作陣の足並みが若干崩れているような印象を受けました。
「あれ?この人とこの人で作品に対する解釈ちがくね?」みたいな
そういった解釈の違いが、綻びとなって「ここってどういうことなの?」と疑問点になってしまったのだと思います
こういった面をさらけ出しちゃうと、見てるこっちはなんだかモヤモヤしてしまいます・・・

そういった部分を差し引いてもすごく面白かったし、まどかマギカの世界観を広げてくれたので、感謝感激ではあるのですが・・・
まぁ、なんやかやでアニメ等は「お仕事」としての役割と、作り手側の「こだわり」と、ファンの「盛り上がり」が混ざり合うので、こういった不協和音もあるでしょうから、あまり気にしないことにしています
ともかく面白かったので大満足!
そしてファンとしては続編期待!
もう重圧をかけてやるもんね!
虚淵さんどうにかひねり出して!
{/netabare}


ほむらとまどかは同じ原理?(2/28)
{netabare}思えば、まどかは魔女を生まれる前に消し去りたいと願い、その願いに絶望することなく概念となった
この時途中で自らの魔女を消滅させていた(単に分かりやすく演出しただけとも思いますが)
少女→魔法少女→魔女(消滅)→概念
この流れはほむほむも同じでした
まどかを救いたい、その願いだけは忘れなかった
自らの願いを忘れずにいた少女の強さが世界を変えたんですかねぇ

{/netabare}

20160517の追記
○続編ってどうなると思います?
{netabare}新しいテレビを買って何を見ようかと悩んでいたところ、「BD買ったのに見てねぇ!!」と気づいたので見ました。
BD買って満足しちゃうタイプなんです。劇場で何回も観たし、後回しにしてしまいました。
いけませんね
まどがたり展の映像によると続編製作が進んでいるかもしれないので、ちょっとここらで続編を予想してみようかと思います。

そもそも続編に関しては、賛否両論あると思います。
私は何を隠そう、続編が見たい派バリバリです。
「新編で綺麗にまとまったじゃないか!」という人もいるとは思います
確かに新編はいろんなことを解決できたとは思います

でも私は新編終了後、なんかモヤモヤしたんですよねぇー。
「これで終わりでいいわけない」
そう思ったのです。
おそらくなぜ終わりじゃダメなのか!
このモヤモヤを突き詰めれば、続編の物語が見えてくる!
見たくなってくる!、と思うのです
(まぁ上に大体書いてあるけど)ちょっと書き進めてみます


{/netabare}

{/netabare}


それにしても、語り尽くせばまた日が昇るとはまさにこのこと・・・

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

85.8 3 2013年度アニメランキング3位
言の葉の庭(アニメ映画)

2013年5月31日
★★★★★ 4.1 (1994)
9502人が棚に入れました
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた­…。

声優・キャラクター
入野自由、花澤香菜

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ふたりの号泣は"魔法"なのだ。

 この世界には文字という考えができる前、話し言葉という概念があった。文字を持たなかった時代の日本語は「大和言葉」とも呼ばれ、万葉の時代に日本人は、大陸から渡った漢字を自分達の言葉である大和言葉の発音に当てはめていった。例えば「春」は「波流」と綴り「菫」は「須美礼」としていた。「雨」は「阿米」で、「心」は「許己呂」としていた。現在の「春」「菫」「雨」「心」と文字が固定される以前は、活き活きとした絵画性とも言える情景がその表記に宿っていたのだ。  そして万葉期に「恋愛」という概念は存在しなかった。先の時代に西洋から輸入された言葉である為であり、曾ての日本人は「恋愛」と呼べるほどの相手を愛する自由はなく、相手を想う悲しさを強調したものであった。そこにあるものは「恋」ともつかず、唯「孤悲」であり、孤独な悲しさ、孤独に誰かを”希求”するしかない感情が、遠い祖先の時代に存在したのだ。
 時に、丁寧に大切な言葉を遣うそのとき、私は一本の樹木になった気分になる。枝葉がのびて空の領域を狭め、葉の靄が立ち込め、太陽は遠く葉っぱの縁を煌めかせ、風に唆されて、言葉が舞い降り、心のどこかに落ちる。それがやがて堆積してゆき、時にあふれ、時にこぼれ、時になだれ、時にしゃくられ、時にまかれて、時につたったり、時にうおうさおうしたりして、時に積もったまま下の方から記憶に枯れる。言葉が旅をする。思えば、言葉は「言の葉」と書く。その庭では、匿名のひととひととが交互に木ノ葉を交換している。互いに何かを打ち明けて、後にその何かは互いの”希求”していたものとなる。その何かが、透明な手を差し出して片方の歩く手伝いをしてくれる。そんな「言の葉」のゆき交う「庭」。
 それが新海誠監督のアニメーション映画「言の葉の庭」の惹句、「”愛”よりも昔、”孤悲”の物語」という言葉から思ったことだった。

 六月。「子どもの頃、空はもっと、ずっと近かった。だから空の匂いを連れてきてくれる雨は好きで、雨の朝はよく、地下鉄には乗り換えずに改札を出る」雨音が跳ねる朝。そんな日には午前中だけ高校の授業を休み、秋月孝雄は雨雲の下に身を置いて、都内の自然公園に靴のスケッチを書きに行く。雨の日の公園は人影はなく、一人になるには丁度よかった。その日、いつもそこでスケッチを書く日本庭園のある東屋へ行くと、そこで一人の女性・ユキノと出逢う。彼女の手には文庫本が、傍らにはビールとチョコレートが置いてある。ジャンルが掴めない。孝雄はそう思う。「(朝からビールって)・・」 しかし孝雄はそのどことなく神秘的なユキノの顔に見覚えがあった。「あの、どこかで逢いました?」問うと彼女は一度、いいえと言葉を返して、その後”何か”に気づいて、逢ってるかもと言い、そのままの別れ際に、一篇の短歌を孝雄につぶやいて去っていった。 やがて、ふたりは約束もないまま雨の日の朝の東屋で逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作ろうと願う孝雄。 六月の梅雨空のように物憂げに、揺れうごく互いの想いをよそに梅雨は明けようとしている。

 「天気が悪い」と私たちは雨雲に言葉を投掛ける。しかし秋月孝雄は、或いは雪野由香里はそう想わない。夜、眠る前、朝、瞼を開く瞬間、気がつけば雨を祈っている。外気を隔てたガラス戸の向こうで雨音が聞こえると、「雨だ」と言葉と微笑を零して布団を剥いだ。ふたりは降下する雨雲の下に身を任せるのだ。
 芸術作品である。上映開始とともに、私は客席から身を乗り出してしまった。「デジタル時代の映像文学」とはよく謳ったものだ。どこかで私にアニメの一種の真価というものを定義させたのだ。
 繊細のタッチの細密画がスクリーンから客席へと溢れんばかりに、瞬間的な映像で流れ続けている感覚。鮮烈なビジュアル表現と、独自の感性と選ばれた言葉たちによってあたかも小説を読んでいるような物語に、むきだした心が雨に打たれた。高音のピアニズムが背景にとけこんでゆく。何にしてもスクリーンで絵画が動いているのだから。そしてその絵画の額縁の中には、寂しさや切なさも歓喜の瞬間までもが抽出されている。湿度まで感じるかのような雨は背景と化さずに、地雨、霧雨、夕立、土砂降り、通り雨、と曾てから言い表しも表情も変わってきたそれらが、エピソードとして物語り、例えばふたりを東屋に閉じ込める。煙のように立ちこめる新緑の色彩までもが、人物の陰影を映している。梅雨の色彩が景情や心情を匂い立たせる。その峻烈な光の描写は観る者を取り込んで迷わせる魅力があった。その光を映画館でもう一度、叶うかも分からない小明な夢を言わせる。
 身近にあるものほど、時折、その美しさに人は感嘆する。売店で購入したパンフレットはもはや美しい画集だった。思えば劇中、どの場面を一時停止をしても、それは全て技巧を凝らした絵となっていた。「自然は豊かにして複雑なもので、だからこそ魅力的で美しい」と新海誠は語る。人は誰でも自然観を魅力的に捉える瞳を持っているが、彼の目は一段飛ばして感受の力に満ちている。 ”詩で唄うバラの美しさは、本物のバラの美しさに劣る”そんな言葉がある。風景画家はその風景を美しいと思うから絵を描くのだ。そして描かれた絵は、実際の風景の美しさに劣る。詩ではバラの香りは感じれなく、重さを計ることも、唇の先に置く事もできず、文字の上のバラは私に何かを説くだけである。絵も、実際にその時の風や音や光を身に刻むことはできず、限りなく似せて私に空想をもたらすだけである。「言の葉の庭」は新海監督の目に映る世界を、最新の映像技術の技巧的な表現によって捉えることができる。しかも視聴者からすれば、アニメが美しいのか現実が美しいのか曖昧になって一瞬分らなくなる。
 だからか、作中の品物が異様に欲しくなったりする。鉛筆、マグカップ、トンカチ、アイロン、スプーン、蛇口、ドアノブと鍵、そんな数え切れない些細な品物が欲しくてたまらなくなる。しかし、ホームセンターにそんな美しい蛇口なんて売ってない。「もっと輝くはずだ・・」そう言って自宅の蛇口を磨いてみたりしたが、どうやら蛇口には限度があるらしい。パンフレットで同じことを言っていた加藤新太が語るように、それは理想郷の蛇口なのだ。額縁の中にしか発見できない蛇口なのだ。加えて「言の葉の庭」というタイトルの本を書店で見かけたならば、棚から抜き出して読み始めていただろう。蛇口にもタイトルにもそれだけ惹かれる魅力がある。

 絵画性に富んだ映像に対して、言葉も丁寧に彩られている。梅雨に買った一冊の小説から、翼の骨格のように空想され、翼の羽毛のように連想されたかの物語は、あたかも抒情詩を唄っているかのようで、限りなく美しみを憶える。言葉が物語を展開するなど当たり前だが、その当たり前に深い表現をうみだしている。過去の同監督作「秒速5センチメートル」も同じく抒情的な美しいモノローグであり、タカキがアカリを、アカリがタカキを、強く理解していたからこそ、心の場所を知り、ふたりは事情から距離を置いて別れ、やがて喪失へ向かう――相手の心を知り、それからの――物語だが、「言の葉の庭」の場合、出逢ってから続く、それからの――相手の心を知るまでの時間の――物語なのだ。孝雄には「まるで世界の秘密そのものみたいに見える」どことなく神秘的な雪野がいる。どれだけ近くにいてもその人の世界は、相手に踏み込まないことには――互いに向き合いその関わった時間の中でしか、知ることができない。そんなふたりが、雨の庭という限定された場所で言葉を交えて、孝雄は「世界の秘密」を知らなくてはならなく(雪野は自分のことを話さずに、傘の下で自分の世界を孝雄に隠している)、雪野は一途に靴職人を目指す孝雄を知り、負のサイクルから外れて、歩きだす選択をしなくてはいけない。
 梅雨の雨の朝。晴れの日を囲むふたりの何かが雨によって遮られ、雨の庭にふたりの逢瀬は重なり、同時に言葉も折り重なる。やがてふたりは、「夜、眠る前、朝、瞼を開ける瞬間。気づけば雨を願っている」

~未試聴の方は以下の文がネタバレとなるのでご注意ください~

 雪野由香里が秋月孝雄と出逢った時に呟く短歌。万葉集。飛鳥時代の歌集の二篇。
「雷神の 少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
稲妻が空気を引き裂き、遠い雷鳴に、地面を揺らし、黒く重い雲が垂れ篭め、雨も降りなさい。あなたがうちに泊めるように。 最後の一句まで自然表現で畳み掛けられて、最後に種を明かし、恋歌だという事がわかり、そこまでの情念の迫力に圧倒される。雷神は鳴神と呼称し、元訳では「少し響みて…」は「光とよみて…雨さ降れや…君は留らむ」であった。「とよみて」は「響く」という意味であり、ここで「光が響く」とし、遠い雷鳴と稲妻が想起される。教師と生徒というふたりの立場に雪野が気づき、自分が古典の教師だと感づかせる為の、遊び心が籠る咄嗟の短歌の謎掛けに雪野の知性が垣間見える。恋心の想いを詠い合う相聞歌の短歌なのだが、時間が経つにつれ意味が浸透していくことになる。
 雪野が呟く遠景で、短歌と同じように光が大気を切り裂いて、遠い雷鳴が谺する。孝雄には神秘的に見える。
やがて梅雨の空模様は表情を見せなくなり、雨の庭のふたりの逢瀬はなくなった。”孤悲”が現れる。孝雄は梅雨が明けてから、バイトに忙しくして心を通わせていた場所に行けない。孤独にモノローグに抒情的に相手を希求する想いが、交えない。そんなある時、孝雄は雪野からの謎掛けの短歌の意味を教科書で発見する。恋心を謡い合う相聞歌。雪野が呟いた短歌から生まれる物語には続きがある。それはふたりの続きを示唆する。
「雷神の 少し響みて 降らずとも われは留らむ 妹し留めば」
稲妻が空気を引き裂き、遠い雷鳴に、地面を揺らし、雨が降らなくても、貴女が引き留めるなら、私はここに留まろう。 女性の短歌に対するこの男性の返し歌は、中途まで同じく続け、例え雨が降らなく私が去って行けても、あなたが言えば私は傍にいよう、と綺麗に言葉を返している。 雨でなくとも彼女はそこにいる。モノローグがダイアローグへと移り変わる――。

 秋月孝雄は一五歳にして人間性が大人びて見えるのは何故か。彼は幼い頃に家庭から父親が離れ、兄と共に母子家庭で育った。母親は仕事やら恋人やらで家を留守にすることが多く、いい加減な人なので、彼は家事をこなし年上の女性から可愛がられる性格となった。そして彼は靴職人を目指している。靴を家族団欒の思い出がインサートされていたことから、彼にとって「靴」とは「家族の幸せ」の象徴であるが故、靴職人を目標にする節があった。人は夢を持つと、見えなかった自分の道順が明瞭となってまた一段成長が早くなる。靴職人のバイトを(料理ができるから中華料理店なのか)始めて、大人と会話を交える事で、口調が大人びる。  様々な人生を知ることで、人間性が鋭くなっていく。 こんな所だろうか。ありえる話だ。加えて言うと、人の年齢で大人か子どもかなど判断はできない。社会人でも学生気分で身勝手に混乱を招く人もいるし、小3で既に中学生の勉強を始め哲学的な本に関心を得ている人もいるのですから。「一五歳でこんな奴いない」そう言う人はいるでしょう。恐らく殆どの人が男性と推測(笑)人は経験で成長します。秋月孝雄は経験を早く積んだからこその精神年齢の高さ(恋愛経験除く)だと思います。例えば、overな話で、戦時下の苦労を伴う環境に育った子どもの成長は精神的に早く成長するという。それは脳を発達させないといけない状況下に存在する為で、生物における潜在的な対応意識の本能と言える。戦時中でなくとも、人の成長は状況や経験によって案外簡単に変わるのです。
 脱線して、なぜ恐らく殆どの人を男性と推測したか。例えて、一本道を映しただけの写真集があるとする。霧の獣道、熱帯雨林の途切れた道、砂漠の轍、地平線まで一直線の舗装路。男性は評価する。「このアングルが良い」「この光の差し込む感じが良い」女性は人生と繋ぐ。「この道、私の人生みたいだわ」「こんな道に憧れる」 も一つ例えて、悲しい意味深な終幕の西洋映画がある。男性は関心する。「なるほど、そんなオチか」「納得。良作だ」女性は涙を伝える。男性は物事を思い、考えて、受け取る。女性は物事を思い、そのまま、受け取る。男性は考えて”しまう”節がある。「靴職人を志す一五歳?現実味がない」「ありえない」女性は受け入れる節がある。「・・・」。男性はとある幸福を前に、一度で肯定しちゃったりする節がある。女性はとある幸福を前に、幾度もその幸福を確かめようとする節がある。味のないガムのような日々を、呑み込んで終わりか、吐き出して始めからか。 まあ例外も多数。女みたいな男もいるし、男みたいな女もいる。しかしそれでも、根本的なところでそんな何かが違うのだ。
「バカ野郎、あんな一五歳みたことないぜ。それに雪野が孝雄の高校の教師だったって展開も」「いいじゃないそれぐらい」そんな会話が聞こえてくる・・(笑)  はい脱線終了ぉー。殆ど推敲せずに思った事そのまま書いてるんですみませんね。あっちなみにどうでもいいかもしれないけど俺、男なんではいぃ(笑)
 (アニメーションの見方が変わる作品の一つだ。現代アニメを知らない人は感覚が変わるだろう。「アニメはジブリ」「アニメはヲタク」「アニメは子ども」「いまさら大人がみるもんじゃない」アニメ好きの私達からすれば、それは偏見だぁ!!・・そんな人へどうでしょう(笑) 偏見が固っ苦しい人は、まあ川にでも流しておいてですね^^;)

 秋月孝雄は雨の日、午前1限目の授業を休み学校へ遅刻する。「おまえ何時だと思ってんだよ」遅れて席に着いた途端、馬鹿にした口調でクラスの同級生が孝雄の肩を叩く。「呼び出された理由は分かってるな」職員質で伊藤が生徒の規律を守る目的で告げる。その同級生は孝雄を理解不能と断定する。”何を思って学校を休むのか” ”学校への通学は普通だろ” “高校生活をなめすぎなんだよ”或いはそうとう嫌悪な奴なら”学校を休む奴は社会のクズだ”と、でも思っている(笑)。靴職人は高校でなれません。「晴れの日は酷く子ども地味た場所にいる気がして、ただ焦る」孝雄が、社会人で自立した雪野へ少しでも早く近づこうと、「自分がただの一五のガキであるということ」を認識しつつ、そこから抜け出したい焦る気持ちが分かる。彼は自分が向きたい方角に向いているだけなのだ。高校に求めるものが少ないのである。


 断片的に叙述すれば、この物語は、「秒速5センチメートル」の出逢いから始まり、惹かれ合い、孤独に悲しみ、喜び、歪み、なだれる言葉に号泣して、未完結する。
・・――思わぬ再会を経て、返し歌の短歌を告げて、心で歓喜し、「今が一番幸せかもしれない」とふたりのモノローグが交わって、ふたりは物語の主人公になる。しかし、雪野は、「俺、ユキノさんのことが好きみたいです」と言った十二歳年下の孝雄を、大人として突き放さなくてはならない。同じ言葉を潜めていたであろう彼女。単純に彼の人生を願って。「あの東屋で、ひとりで歩く練習をしていたの。靴がなくても」突き放す言葉には十分だった。「あれから私、嘘ばっかり」ここでまた彼女は嘘をつく。孝雄に自分のことを黙ってはいたけれど、嘘を吐くのは初めてなのか。雪野は来週、四国へ仕事場を移す。孝雄が一生去っていく。自分の言葉に歪む。 結局、嘘は突き通せなかった。
  “この世に魔法があるなら、それはきっと、誰かを理解し、何かを共有しようとする努力の中にある”「ビフォア・サンライズ」という会話劇を思わせる恋愛映画にそんな言葉がある。ラストシーンのふたりの涙は”魔法”なのだ。ふたりの孤独な抒情詩はその人生の大切な断片として物語を彩る。
 そして未完結する。人生の断片の彩りを描写して、続きはハッピーエンドもバットエンドも描かれない。人の空想の思うままに漂わせる。四国に行った雪野と孝雄は文通を交え、途絶えるかもしれない。物理的な距離は心の距離を遠ざけ、電話を途切れさせ手紙がポストに入らなくなるというのは、人間関係に付き物だ。雪野は「梅雨が終わってほしくなかった」「幸せかもしれない」「救われていた」と言っているが、今後、孝雄にはっきり「好き」と言うかはわからない。「もっと遠くまで歩けるようになったら、会いに行こう」と孝雄は言うが、それも分らない。恋人とはならないかも知れない。逆もあるかもしれない。ハッピー&バットなんて存在しない結末を辿ることもある。魔法も薄れやがてカボチャになるように、喪失するならそれでいいのだ。人生に彩りを与える思い出として心に残しておいてもかまわないだろう。ふたりはそれぞれの人生を生きる。そして何かの偶然で出会ったなら、話し始めればいい。どちらかが幸せを持っているなら、「秒速5センチメートル」になるだけだ。言葉は、時に積もったまま下の方から記憶に枯れるが、ふたりが約束のない雨の庭で交わした言葉は記憶に根付いて生涯を共にするはずだ。美しい記憶は人生を温める。それも結果的には美しいのだ。

 4.11に発売される「小説・言の葉の庭」。想像に任せていた話しが楽しみなところもあり、文章化せず不明瞭のままでもよかったのにと思うところもあります。それでも孝雄と同年の私は、経験薄からか、物語の行方に一縷の望みがあってしまうのです。そしてまた同年であるからこそ、主観的ながら、手が届くかもわからない彼の想いに惹かれ、共感を経て、評価が高ぶったことは否めないのです。


第一段落、公式ホームページ参考、加筆。
あらすじ、空白後 公式のあらすじ文、引用。
2013.8.4「デジタル時代の映像文学って本当共感」レビュー投稿。
2014.3.4「ふたりの号泣は”魔法”なのだ。」レビュー更新。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【新海監督の新作予告を観たら、行きたくなってしまいました…聖地訪問の日記追加】

雨が降る日には、空を眺めながら....
ふと、思い出すことがあるの....
二人は逢えているのかな?
なんてね...
それくらい強くわたしの心に残る作品だったということなのでしょうか...

雨の日の庭園での二人の男女のしのび逢い。輝かしい青春のひととき...

まだ何も知らない
仕事も歳も抱えた悩みも
名前さえも....
それなのに、どうしようもなく惹かれてしまう・・

そんな経験、私にもあるかもしれません

都会の喧騒から少しだけ離れ、穏やかに流れる時間を肌で感じられる自然にあふれた場所

こんな青々とした緑の中で深呼吸したらどんなに気持良いことでしょう!!試してみたくはなりませんか?
ここは、二人の秘密の場所 ...

雨降る午前。約束を交わさずともこの場所で逢い、心を通わせていく。

限りある時を惜しむかのよう
いけないと分かっていてもそれに心惹かれてしまう

二人の間にそんな少し危険な大人の恋、そんな香りを感じて

言葉のどんな力であっても、とても語りきれない部分で結びつく
人と人は、どうしてそれほどまでに惹かれ合うのでしょう...

いつのまにか想っていて
理由というのはいつも事後の話、人間だからこそ湧き出るこの気持ちは言葉では表現できません。

記憶に焼き付いた「雨」
1つ1つの描写が繊細に描かれています。
雨に濡れた新緑がしっとりした景観を生み出し、雨雫も相まってこの緑が美しい。
雨音はもちろん
葉に落ちる雨の音がとても心地良い
その全てが画面の中で調和して様々な趣きを醸し出しています。
「言の葉の庭」
恋愛や人生を感じさせ感動が胸に押し寄せる50分でした。

※ネタバレは一切ありませんが聖地訪問のため閉じます。
【2015年6月14日(日) 新宿御苑】
{netabare}
こだわりを感じる映像美に誘われ舞台を訪れました。
この日は雨ではなく曇り時々晴れ

新宿門を潜り木々に囲まれた園内の道を歩く
木漏れ日を浴びながらの散策。
そこはまさに映像で見た言の葉の庭が広がる...

二人がいた場所から水のある庭を望む。
まぶしいくらいの緑。床にも緑色が映っているくらいに。
アニメーションで見た景色が現実と重なった瞬間の高揚感がわたしを包む...感動です♡

そして世界観を演出するあのピアノが聴こえてきそうな...
揺れる二人の心模様を表現する素敵な音がね♪

園内で特に目を引いたのは華やかな紫陽花(あじさい)早朝に少しだけ降った雨に濡れた花がとてもきれい。

もし雨が降っていたのなら緑がめぐみの雨を喜んでいるかのようにもっとキラキラと輝いて見えたのかなぁ?

沢山歩いた後の食事は新宿門を出てすぐにある『礼華(らいか)』。(予約していました)
テラス席は笹のグリーンカーテン
心地よい風を感じながら美味しい食事に楽しい会話をして・・・私、こういう過ごし方が大好きです♡

今度は雨が降った時かな。。季節によって様々な顔を見せてくれる新宿御苑。また訪れたいです。{/netabare}

【2016年3月2日(水) 新宿御苑】
{netabare}
あたたかく、やわらかな春の包み込むような陽射しがとても心地よい午後…
うららかな春の陽気に誘われて

仕事の空き時間を利用してなのですが
言の葉の庭の聖地 新宿御苑にお散歩へ来ちゃいました♪

新宿門を潜り、入園券をかざし「ピッ」という音とともにゲートが開き、 言の葉の庭へと足を踏み入れました。
こんな気持ちよい天気だと、考えることは皆さん同じ…でしょ?
園内は沢山のヒトが訪れていました。

春の訪れを告げるように 白、やさしいピンク、濃いピンクなど さまざまな色のウメが咲き、はっとするようなキレイな春色に胸が弾みます。

そして嬉しいサプライズも・・
寒桜という種類のサクラが1~2分咲き程度ですが咲いていたのです。
やっぱりサクラって特別なんです♡

作品の中にも出てくる橋を渡っていると、キラキラ輝く水面を気持ちよさそうにスーッと泳ぐ鴨、鯉も口をパクパク(かわいい~♪)
こんな、心ほぐれる水辺の風景に出会います。

ほどなくして二人がいた秘密のあのベンチの場所に到着。
ベンチから後ろを振り返ると大木があり「染井吉野」の札が付いていました。
もう少しすると、この場所は満開の桜で彩られるのでしょうか…
季節を変えて訪れるたび違った魅力に気づける言の葉の庭は素敵な場所です。

散歩の最中に思わず寄り道したくなる
「サクラクレープ季節限定」の看板
サクラの誘惑には、、勝てませんでした*^^*♪
皆に、桜クーヘンとサクラこんぺいとうも買って…
春のスイーツをおすそわけです♡

季節の花を眺めながらお散歩すると 心があたたかく満たされます。写真におさめたくなる春もいっぱい**
散歩したからこそ感じられた この幸せ…
つい、みなさんに春色との出会いを報告したくなってしまいました

最後に…
ここまで読んでくれたヒト…いつもでっかいありがとうです…♡

・・END
{/netabare}

【2016年4月7日(木) 新宿御苑】
{netabare}
雨の日が舞台となった「新宿御苑」

都心とは思えない広大な庭園、豊かな緑と花を眺めながら清々しい空気を目一杯浴びることが出来る場所

そしてあの二人の笑いや、涙、そんな想いを心で感じることが出来てしまうような…
私は言の葉の庭と呼んでいます。

前回訪問から約1ヶ月がたちました。
映像美に誘われ舞台を訪れるのは3度目となります。
そして雨の日に足を踏み入れるのは今回が初めて…
「どんな景色に出会えるのかな?」と少しだけ心が高鳴ります。

お気に入りの傘とともに散策はスタート♪

お花見もラストシーズンのせい?…なのでしょうか
雨がシトシトと降る中でも傘を差しながら多くの人が訪れていました。

入り口でいただいた園内マップがカラフルで思わず友達が見ているのを覗きこんでしまいました・・・

「マップがね…春色なんです♪」

前回のものとは異なる春バージョン。春を彩るお花の紹介の写真がホントにとっても鮮やかで心が踊ります。
それに夢中になっておしゃべり、ふと気が付くと
目の前にはピンク色に包まれた庭園が広がっていたのです。
枝一杯に咲き誇る花に目を奪われてしまいました…

あの橋からの眺めはまるで絵画を見ているみたいで
春の色彩が水辺を華やかに彩っていました。

そしてようやくたどり着いた秘密のベンチのあの場所
そこには嬉しいビックリが・・

木々の緑の中で、たった一本だけの可憐なピンクの染井吉野
まるで目印のように「ここだよ~♪」と言わんばかりです♡

この場所を覆い しなるように咲いている様…それはまるで桜のカーテン**

桜のカーテン越しに見た言の葉の庭
吹きぬける風に、桜が香ります
花びらが乱れ散り、水面がいっぱいになって揺れていました…
幻想的で神々しく
ため息がこぼれてしまうような美しさ

雨の日の言の葉の庭
木々の隙間からこぼれ落ちてくるしずくさえもなんだか嬉しく思えてしまって…
雨に濡れた緑の美しさ、しずくを沢山に含んだ植物はいつもより彩り鮮やかにそしてきらきらと輝いて心を癒すのです。

「来年は晴れた日に来たいよね…?」

桜の下の芝生で、お弁当を広げたら楽しそうーー♪
売店のお弁当を見ながらそんな会話をしました。

美しく咲き誇る桜のトンネルを歩きながら帰り道へと向かいます

出口の向かいの入り口では警備員さんの手荷物検査

ふと下に目をやると、透明なコンテナに没収されたアルコールの瓶や缶が(あの銘柄かな?)!!…
もしかして言の葉の庭のファンなのかな?
ここは、アルコール類の持ち込みは禁止なのでご注意下さい♪

春の雨を心地よく感じられた、美しい言の葉の庭の中での休日でした♪
覗いてくれた方…ありがとうでした♡
{/netabare}

【新宿御苑がピカチュウの森に…聖地訪問の日記追加】
{netabare}
本日より東京は梅雨明けしましたね!
本格的な夏の到来です。

約4ヶ月ぶりに訪れた新宿御苑の言の葉の庭

私が訪れた時はまだ梅雨明けしていませんでした。

お昼前から少し雨がポツリポツリと降りだしていて

『空の匂いを連れてきてくれる雨は好きだ』
そんな劇中のタカオの言葉をピアノの音と共に思い出していました

新宿門を潜り抜け 言の葉の庭へと足を踏み入れました!

って、それにしても平日なのに この異常な人の多さは..?
実は御苑に訪れていた皆さんの多くのお目当てはポケモンGO。
どうやらここが「ピカチュウの森」 になっている様なのです。
(私はゲーム分からないヒトです)

たまに、ヒトの携帯画面をチラ~見

園内を散策しながら「ピカチュウゲットだぜ~♡?」をしていました♪

雨でも楽しい観光をしたい欲張りさんにはこのスポットオススメですね!

言の葉の庭の聖地を巡れて、おまけにピカチュウまで手に入れることが出来ちゃうのですから…♪

春色から(前回来場)夏バージョンへと変わった園内マップを手にして

緑豊かな園内を気持ちの赴くままに散策

春に訪れたときよりも木々が生い茂り

並木の緑のトンネルが気持ちいいー

「あれ?」
どうやら傘をささなくても ここにいるときは雨粒は落ちてこないみたい♪

都会の真ん中なのに あたりに人工的な音は全くなくて

セミが鳴く声と木々のさざめきに包まれて心地よいのです。

そうですね、
別の世界に迷いこんだ…みたい

そこへ、人懐こいスズメさんが、、
「チュン チュン…」近いーー

どうやらスズメさんの夫婦みたい?
見ているとホントに仲が良さそうで
微笑ましいのです♡
(隠し撮りして…ごめんね)

そして池の前には劇中で何度か映しだされた緑のモミジを発見!

これまでは紅葉したモミジにしか目がいかなかったのですが

雨の雫をいっぱいに含んだ青々としたモミジをこの庭園で見つけた時はそれは嬉しくて
・・心が踊りました


そして到着。
二人の秘密の場所は
相変わらず人気スポットで

常に誰かが あのベンチを狙っているようなので
着席することは諦めました。

ベンチの場所から水面に雨が描き出す輪
ぶつかり合う波紋
「あっ、こんな映像あったなぁ…」なんて思い出していました。

爽やかな風を感じながら散策
その途中にまた気になったのは
「内藤とうがらしクレープ」の看板
売店にて270円(中身はアイス)

春に訪れた時は「桜クレープ」でした

ここでしか味わえない限定にはつい惹かれてしまいます。
最近あにこれのポロムちゃんと変わったアイスのお話で盛り上がっていたので
とうがらし だなんて私、気になります(笑)

迷わず購入!
座れる場所を探して歩いていると
庭園の中央にある3本の巨木に惹かれます。
「ユリノキ」と札がありました。
この庭園でひときわ目を引く存在感。
生命力溢れるその姿は神秘的でパワーをもらえちゃいます。
この木の下のベンチに座って

友人と半分ずつ。
私「んっ、ちょいピリリ…甘~♪」
友人「癖になるかも?」

雨でひんやりとした庭園
涼やかな景色がそこかしこに広がります。

食べたり、休んだり、散歩したりそんな心ほぐれる散策

ゆっくりとした時間の流れで癒してくれます。

いつもと違った時間を過ごせて
何度来ても
また来たくなる場所でした。

~大切な思い出を刻む写真も沢山撮れましたよ~

楽しい1日♪

今回も、覗いてくれた方…
いつもありがとうです…♡
{/netabare}

新【2019年6月22日(土)新宿御苑】
{netabare}
新海監督の新作『天気の子』予告観ました!
美しく繊細な色彩で描かれた空、雲、雨
彩り鮮やかにそしてきらきらと輝く新海ワールド

それを見たら思わず行きたくなってしまったんです…

私が向かったのは、この作品の舞台にもなった新宿御苑。
作中の季節と同じ初夏です。
朝から降り注いだ雨は特有の霞がかったような
空気を作っていました。

雨に濡れた新緑はさらに緑が映えて幻想的
色に深みがました瑞々しい緑の葉
雫をいっぱいに含んだ緑はやっぱり美しい。

ふと目の前の巨木に触れてみた、
森と木の息づかいを肌に感じながら
木と自分の呼吸を合わせる。

心が穏やかになるように感じるの


今日の東京は突然強いザーっと雨が降りましたね。
あちこちに大きな水たまりができてしまうし、
横殴りの雨に行く手を阻まれながらあの場所に
向かうのが本当に大変でした。

そう、そこは二人の秘密の場所、東屋。

言の葉の庭の一番メインの場所なので、
いつも沢山の人で賑わっているのですが、
今日は誰もいないのです。

この特別な空間を独り占めするのは初めてなんです。

主人公たちと同じベンチに座ってみると
特別な気持ちになって心がワクワクしてしまいました♪


その後、園内のあちこちを散策していたら、
水色、紫色、桃色など色とりどりの
かわいらしい紫陽花に出会いました。

咲き始めなのかな…やさしい水色の初々しい花びら。
雨粒の雫がついていてとっても綺麗なんです。

途中にカフェスペースがある
中央休憩所に立ち寄りました。

併設している売店に自然の竹で作ったしおりが並んでいて、
その中に東屋が挿絵になっているしおりを発見しちゃいました
これがなんと『言の葉』のしおりと
名付けられていてとっても嬉しくなりました!

『どうしよう、ちょと欲しいなあ…』なんて


ここのテラスは緑に囲まれた癒しの空間

やさしいママさんの挽きたてのコーヒーが
とても美味しくてホッとあたたまりました♪

季節ならではの花々を楽しめたし、
時々足を運んでしまう理由がいっぱい!
また訪れようと思います。

見て触れて楽しんだ1日の日記ですが
読んでくれた方…ありがとう♡

最後になりますが新海監督の描く新作『天気の子』
息をのむほどに美しい映像に期待が膨らむばかりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 183
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

あちらを立てれば、こちらが立たず

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。45分ほどのショートフィルムです。
 新海監督作品は、秒速・星を追う子ども・ほしのこえに続く4作目になります。
 相変わらず背景はきれいなのですが、私の採点基準では、背景は物語評価に影響を与えないので、とりあえず、横に置いておきます。
 結論から言うと、良いところと悪いところが混濁してました。採点してみたら視聴後の印象以上に減点箇所が多い。短編ゆえに、悪いところも目立ってしまいました。

<総論編>

エンディングその後:{netabare}
 エンディングは、やや期待を込めて描かれていましたが、二つの観点からこの恋は実らないのではないのかなぁと思っています。

 一つ目は、未熟さ。
 まずはタカオの未熟さ。高校生という以前に、とても未熟な人物として描かれていたように思います。未熟だからダメということはもちろんないのですが、タカオではこの恋を実らせることが出来ないように思えました。やや感覚的ですかね。人物像は後述にて補完します。
 ユキノの未熟さっていうのも原因に挙がるんですが、こちらも後述。
 未熟な二人だから失恋確定、と言い切るのも少し乱暴ですかね。個人的には結構大きなウエイトを占めているんですけど。まぁ私の感想ということで。

 二つ目は、「行人」。ユキノが読んでいた本ですね。上はおまけでこっちが本命です。ユキノが本をプレゼントするシーンもありますし、、わけもなくこの本を写したと考える方が異常ですので、ちょっとだけその意図を読み取ってみます。で、行人からどのシーンを選ぶかというと、やっぱり雨の描写があるところだと思います。実際に読んでいたシーンは分かりませんけどね。
 「行人」では、主人公のお兄さんが自分のお嫁さんと弟(主人公)の不倫を疑っているわけです。弟は反発しますが、お兄さんはこの二人を、お嫁さんの本音を探るための日帰り旅行に行かせます。その旅行中に突然「嵐」が起こってしまい、仕方なく二人は一泊して帰ることにしました。その後の話は皆さんにお任せします。
 旅行の日に注目すると、「雨」が降って「雨宿り」、そしてそこで起こる「一夜のドラマ」があるわけです。弟と義理のお姉さんの間で恋愛感情はなかったはずですが、義理のお姉さんが心情を吐露するその夜の描写は、悩ましげだったように記憶しています。
 「言の葉の庭」に投影してみると、弟と義理のお姉さんの関係は、タカオとユキノの年齢差や生徒と教師という関係に転換できるように思えるのです。一夜ではなく、ワンシーズンでしたけどね。大雨の日だけをピックアップするなら、「雨宿り」としてユキノの家に行きますし、結構重なります。「行人」と同じように心情を吐露するのだけれど、やっぱり恋愛には至らないのかな、と思いました。

 アイテムを使ったエンディングの示唆というのは、良かったと思います。もう1冊本が出てくるのですが、こちらは確認できずでした。何かあるのかもしれませんが、確認できないレベルなので重要度は下がると思います。{/netabare}

タカオ:{netabare}
 母親が家に居着いていないせいか、母親に執着しているんですよね。靴職人の夢も母親が発端ですし、少年期から引きずっているというのはなかなか際どい感じがあります。母親に関するセリフからは親離れしてそうですが、行動は執着している、と言動に不一致が見られるわけです。そしてそれが無自覚だというのもなかなか…。

 この執着が恋愛に形を変えて母親からユキノに移るわけですが、タカオはユキノに神秘性を見ていたと思うのですよ。謎めいた女性、ミステリアスなどと言ってもいいです。それに輪をかけているのが万葉の歌ですね。分からないものを知りたくなる感覚は、お兄さんとの会話からも窺えます

 バイトや靴作りを通して夢に打ち込む姿も描かれていますが、これは母親とユキノに執着した上での現実逃避に見えました。成績が悪かったり、ケンカしたり。短歌のことをお兄さんには聞けるけど、学校の先生には聞けなかったり。夢に打ち込みたいなら学校を辞めれば済むだけなのに、無駄と言いながら通い続ける。

 マザコンとまで言い切るつもりもないですけど、十分な社会性や行動力はないですね。高校生っぽいと言えばそうなんですが、年上の社会人女性を捕まえられるほどのバイタリティは感じられません。未熟な人だと思います。お兄さんに靴をあげていたら印象も少しは変わったんですけどね。{/netabare}

ユキノ:{netabare}
 未熟な夢追い人タカオに対して、こちらは現実的な未熟な人といった感じです。なんだか良い人に描かれているようにも見えるのですが、描写を拾っていくと必ずしもそうとも思えませんよね。

 ユキノが元彼に電話をしていたタイミングは夜でした。元彼でも同僚なら、緊急でない業務連絡は普通昼間に入れると思うんですよ。それなのにユキノは夜に電話している。別の女性の存在を知らなかったとしても、わざわざ夜に業務連絡をしている時点で、精神的な甘えがあったと思います。つまり、他人への依存度が高い人というイメージ。高校生のタカオにも依存が見えます。

 ユキノに起こった学校でのトラブルっていうのは、虚言によるものなので、確かに非はないんですけどね。教員間の恋愛発覚が騒がれていたなら、つまり、自分が直接的な当事者だったら、非がなくとも被害者面はしていられなかったと思います。彼女の逃避はいくつか描かれていますが、社会性としては薄氷を踏むものだと感じました。精神的なショックを受けるなというのも酷な話なので、そうは言いませんが、一般的な社会人と比べるに、彼女は十分に未熟だと思います。そもそも彼女に十分な社会性が備わっていたら、自分の学校の生徒に思わせぶりな態度を取ることなく、恋愛には発展しなかったわけですし。というわけで、ユキノはタカオよりは社会に生きているけど、まだまだ未熟な人だなと思いました。未熟だからこそかわいく見えるのかもしれませんけどね。

 ちょっと話は変わりますが、食事はユキノの心理状態を表すアイテムとして上手く機能していたと思います。タカオが家を出る前のシーンでは、コーヒーを飲んで伏し目になっていました。。他の映画なら「一息ついて」と形容したくなるところですが、味覚障害を踏まえると「味がしなくて」ということなのでしょうね。{/netabare}


<各論編>
 良かったところも悪かったところも適当に書いていきます。

タカオとユキノの出会い:{netabare}
 出会いのシーンは良かったです。二人とも動きが止まるんですが、動き出しのタイミングがほぼ一致していました。この二人の親和性が、これからドラマが始まるな、という期待感を増してくれました。ほんとはピッタリ一致してると良かったんですけどね。でも、わざとずらしたのかもしれないとも思っています。バッドエンドの布石としてですね。{/netabare}

ユキノの元彼の部屋にいた人:{netabare}
 最有力は、元彼の部屋にいた人が結婚相手で、ユキノが不倫していたというパターン。こちらは結構妥当性があります。飲酒禁止の看板が出てきますが、ユキノはビールを飲んでいます。これはルールの枠の外にいる人物という表現で、不倫と一致するんですね。
 次点で、結婚相手ではなく新恋人のパターン。現実的には自然ですし、行人を踏まえても不倫はなかったと考えることが出来ます。ただ、こちらだと飲酒禁止の看板が何の意味があったか分からなくなりますよね。味覚障害はそもそもビールとチョコレートの組み合わせが必須というわけではないですし、禁止されているところでビールを飲んでいる理由にはなりません。つまり、飲酒禁止とビールという二つのアイテムが浮いてしまうんです。

 いずれにしろ、前者か後者かで描写力への評価が180度変わります。前者なら良いで後者は悪い。
 看板が出てくるのは、オープニングと、ケンカの後のオープニングをなぞったシーンです。つまり、物語の節目となる重要なシーンで2回です。この看板がユキノの人物描写に影響しないとなると、ただあったからそのまま描いただけとなってしまい、描写力としては疑問が残ります。元彼はともかく、その相手というのは、テーマにも世界観にも大した影響を与えませんから、含みを持たせる意味なんて皆無です。味覚障害に関連するビールの方がよほど重要ですよね。元彼に結婚指輪の有無を描いておけば解決する程度の問題なのに、それを描かなかった。
 解釈に幅を持たせたというよりは、描き忘れたような印象を持ってしまいました。結論は分かりませんが、不満だけが残りました。{/netabare}

違和感のある描写:{netabare}
 気持ち悪い描写がいくつかありますよね。
 一つ目は、靴を脱いで素足をさらすところ。夏の?雨の日に?靴を脱いで?他人に触らせる???まったく意味が分かりませんね。触らせる方も触る方も気持ち悪いです。この作品における性的な表現ですからなおさら気を使って欲しかったです。

 二つ目は、ユキノの家のシーン。制服が濡れてしまったタカオは私服を着てますよね。誰の?他人の?まさか元彼の???意味不明です。着る方も着せる方もどうかしてます。
 それとも、ユキノの服のサイズがたまたま合った?ズボンも?あの雨でシャツだけ濡れてズボンは濡れていなかった?好きな人の服を着れて幸せ…?もう何が何やら。

 三つ目は、気持ち悪いのじゃなくて謎の描写。料理ができないユキノが、難易度の高い男性用シャツのアイロンがけをしていました。家事に対する一貫性のない描写がリサーチ不足を感じました。アイロンかけたけど下手でしたって描写も欲しかったかな。乾いてないはこれの表現じゃないしね。
 ストーリーに直接影響はしないかもしれませんが、観察力には欠けていましたね。{/netabare}

<総評>

 独白から始まって、主体が移っていったタイミングで、「まさか秒速と同じ構成?」と不安になりましたが、結果論から言えばその心配は不要でした。きちんと構成はアレンジしてきています。ただ、細部の描写力に不満が残るのは相変わらずでした。テーマも歩き始める人を描くのに靴職人ですからね。正直安易すぎて驚きを隠せません。

 全体的には分かるんだけど、細部に不満という意味では、ほしのこえと同じです。でも、ほしのこえとは大きく違うところがあります。ほしのこえは、ごっそりそぎ落とされたメッセージがあって、それが物語に厚みを加えていました。言の葉では、結構説明しているためにその辺の厚みはなくなったように思います。つまり、全体観が弱まっている。万葉の歌とか行人とか、一部のアイテムは機能していますが、機能していないアイテムや謎の描写も結構多い。雨の技術力は上昇していたと思いましたが、表現力としては減退していたように思えました。

 独白にも困りました。独白で解説するのではなく、映像で表現してほしいですね。このレビューでは人物像に触れていますが、セリフではなく、描写から拾っても十分解釈できるレベルにあると思います。新海監督の人物描写は以前より良くなっていました。でも、そこに過去の作品と同じ独白が入るから蛇足っぽく見えるんですね。人物描写の精度が上がってきているのならば、独白は捨ててもいいのではないでしょうか。心情を描く作品で、独白による心情垂れ流しというのはあまり評価できません。

 ただ、独白を機能させる方向性というのも確かにあるんです。タカオの独白、つまりタカオが見るユキノ像と現実のユキノのギャップを見せている可能性ですね。かわいいユキノに反して、ユキノの部屋は汚かったですしね。ただ、この作品はユキノの説明は厚いんです。汚い部屋もユキノの人物像そのものではなく、精神疾患につながります。消したメッセージを探すための対比の片割れが見えてこない。そのせいで独白の機能が中途半端になって、ちぐはぐ感が出ていました。

 山場はちょっと笑ってしまいました。私の好きな描き方ではないですが、好みに合わないというだけで表現として否定するものではないですね。減点はしていません。

 星を追う子どものレビューで、他の監督作品をオマージュするほどの力量はないというようなことを書いたと思います。この作品では、人物描写は向上してましたが、一つの作品の完成度としてみるとまだまだだったかなと思います。そもそも短編にもかかわらず、突っ込みどころのあるシーンが多すぎました。

対象年齢等:
 思春期以上ですかね。心情部分で気に入る人は多いかもしれません。感情で作品が見れる人は楽しめると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 24

80.8 4 2013年度アニメランキング4位
花咲くいろは HOME SWEET HOME(アニメ映画)

2013年3月30日
★★★★★ 4.1 (1281)
7233人が棚に入れました
美しい北陸の四季を背景に、祖母の経営する温泉旅館に住み込みで働くことになった東京生まれの女子高生の成長を描いたTVアニメ「花咲くいろは」(2011年4~9月放送)の劇場版。温泉旅館「喜翆荘(きっすいそう)」での住み込み生活にも慣れた松前緒花は、次第に変化していく自分に気づきはじめていた。そんなある日、緒花のクラスメイトでライバル旅館「福屋」のひとり娘・和倉結名が、女将修行のため喜翆荘にやってくる。自由奔放な結名に振り回されながらも、面倒をみていた緒花だったが、物置の中であるものを見つけて……。監督の安藤真裕、脚本の岡田麿里、アニメーション制作を担うP.A.WORKSほか、TVシリーズのスタッフが再結集。

声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

おはなのオハナのおはなし

テレビ版を視聴してから観ました


{netabare}先ず最初に
「劇場版」というより
テレビ版を含めて
この「花咲くいろは」という作品の
私の主観的な感想を述べさせていただきます

この作品を観た
{netabare}ほとんどの石川県民が・・・{/netabare}

いいえ
{netabare}石川県出身の女性の多くが・・・{/netabare}

っていうか
{netabare}石川県出身の"ある年齢層"の女性の大半が・・・{/netabare}

もとい
{netabare}石川県出身のある年齢層の"独身女性"の一部が・・・{/netabare}

じゃなくて
{netabare}ごく一部の女性が・・・{/netabare}

もしかしたら
{netabare}私だけが?・・・{/netabare}

{netabare}「輪島巴」(わじまともえ)という人物に
極めて強い共感を覚えたのではないでしょうか{/netabare}

{netabare}輪島巴ちゃん・・・


喜翆荘の仲居頭
28歳
独身・・・

(以下Wikiの巴データ){/netabare}

{netabare}キャラクターカラーはピンク
部屋着は黒いタンクトップだったりと大人の女でもある
左眼の下に泣きぼくろ

さらには・・・{/netabare}

{netabare}噂好きかつ覗き見好きなのが玉に瑕・・・云々
学生時代の友人が次々に結婚してゆく・・・云々
多忙ゆえに・・・云々
三十路を前に・・・云々
嫉妬心を隠せない・・・云々

・・・云々かんぬん{/netabare}

{netabare}なんか笑いながら涙出てきた~(ToT{/netabare}


{netabare}そして
なんといっても
その声の主{/netabare}

そう
あの・・・

{netabare}「能登麻美子」さんです!!! キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}石川県金沢市出身ですよ~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}どうでもいいけど私と同じ石川県出身なんですよ~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}金沢弁がとてもハマってて迫真の演技~ キャ{netabare}・・・あ

実は私
出身が金沢市じゃないからよく分かりませんでした~^^!
(金沢以外の"地方"はビミョーに違う){/netabare}{/netabare}

{netabare}っていうか・・・
「バカタレどもが~」って迫真のアドリブ・・・("ぼんぼり祭り"での本人コメント)

これ
金沢弁じゃないよね・・・(冷{/netabare}

{netabare}おうちが金沢なのに
なんで名前が「能登」?・・・(冷{/netabare}

{netabare}まあ
とりあえず・・・{/netabare}

{netabare}麻美子ちゃん最高だよ~ キャァァ~!!!{/netabare} 

{netabare}能登かわいいよ能登~ キャァァ~!!!{/netabare}

{netabare}キャァァ~!!!・・ゲホッゲホッ・・オエェェェ~

叫びすぎた^^{/netabare}











気を取り直して^^{/netabare}
    ↑
(どうしようもないことなので興味のない方スルーしてね)

この作品
個人的に
とても印象に残っているのは
たまに出てくる金沢の風景です(ほんと・・・たまにですよ)

あえて
城下町金沢をイメージさせる観光名所など
いかにも"不自然な"描写を控えめにして

普通の街中や田舎の風景が多いのは
地元の人間にとって
とても興味のあるところです

でも
観ていると
いつも思うんです

なんか違う・・・
って


「湯涌温泉」(作中では湯乃鷺温泉)に
「のと鉄道」乗り入れ?
あの"3セク赤字企業"が事業拡張?(失礼^^

便利になったもんだ~^^
のと鉄道さん太っ腹~^^

っていうか
そもそも
湯涌に鉄道敷けるほどの広くて平らな地面あったかな?

多分
実際に電車を走らせるとなると
箱○登山鉄道みたいになっちゃいますね

金沢市街の建物などの位置関係もなんか変・・・

なこちゃんの妹のまなちゃんを
おはなちゃんとなこちゃんが探すシーンでは

(多分)金沢駅から
(多分)安江町の商店街を抜けて
いきなり
(多分)香林坊ってどういうこと!?

しかも
二人が来たのは
駅と反対の方向から^^
(あきらかに香林坊アトリオに向かって片町方面の"横に変な走るオブジェがあるミスド"の方向から来ている)

どー考えてもおかしい・・・
こりゃいったいどこなの?

・・・超ローカルな話題で申し訳ございません!

気になる方は
一度
金沢に遊びにきまっし~^^
実際の町並みと比べてみるのも面白いかも


さて
お話は
テレビ版での「ぼんぼり祭り」の少し前のお話だそうで

「喜翆荘」と
おはなちゃんたち仲良し女の子4人のエピソード
さらに
おはなちゃんのお母さん
「松前皐月」(まつまえさつき)さんのお話

キャッチコピーの「私、もっと輝きたいんです……!」のとおり
みんな輝いてました!
みんなぼんぼってました!
ホビロン・・・叫んでました!

そして
おはなちゃんはというと
いつものごとく
元気に走りまくってました!

いつでも
走る!走る!走る!

どこでも
走る!走る!走る!

廊下の雑巾がけで
走る!走る!走る!

さつきさんも
走る!走る!走る!

そして
{netabare}泳ぐ!泳ぐ!泳ぐ!・・・{/netabare}

{netabare}泳ぐ???{/netabare}

そう
冒頭の{netabare}「クソババァ」(失礼^^){/netabare}のシーン

これ
どこかの{netabare}競泳BLアニメ{/netabare}を
パクったんじゃね?
って思うくらいの
{netabare}みごとな
夜間の飛び込みシーンでした^^
(※製作はこっちのほうが先です){/netabare}



最後に
もう一つ
とても気になったのは
おはなちゃんのお父さんのお話です

さつきさんとお父さんの出会いから
おはなちゃんの誕生(ここで"オハナ"の秘密が明らかに・・・)
そして
お父さんが・・・

ここでもまた涙が・・・(ToT

って
あれ・・・
よく考えたら
おはなちゃんって
{netabare}病弱なジャズシンガーのお母さんと
港にやってきた米兵さんの間に生まれたんじゃなかったっけ?(テレビ版第1話より){/netabare}


とにかく
いっぺん石川に遊びに来てみんけ~^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「私、もっと輝きたいんです……!」

2011年に放送されたこの作品のTVアニメ版は「P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品」として制作されました。
P.A.WORKSにとって、単独製作した初の完全オリジナル作品であり、P.A.WORKSの「お仕事シリーズ」の第一弾に相当する作品です。

あにこれでの評価も高く、TVアニメ版は2020年11月時点で総合得点90.1点、感想・評価6058件、棚に入れた25866人という驚異的な数字を叩き出しているにも関わらず、ランキングは50位なんですよね。
トップクラスの層の厚さを物語っている証拠だと思います。

一方、この劇場版のあにこれでの評価は、総合得点79.3点、感想・評価1212件、棚に入れた6887人でランキングは399位と、TVアニメ版の1/4~1/5人しかこの作品に触れていないようです。
かくいう私もその一人でしたけれど…
ですが、この劇場版はTVアニメ版を視聴したなら見ないのは勿体ない、と思える作品でした。

私がTVアニメ版を視聴したのは2013年の5月なので、もう7年以上前になりますが、私にとって「お気に入りの棚序列51位」の作品は、今でも色褪せることなく輝いています。
その劇場版なんです…思わず視聴にも気合が入りましたよ。


祖母の経営する温泉旅館"喜翠荘"(きっすいそう)での住み込み生活にもすっかり慣れた
東京生まれの女子高生・松前緒花は、
板前見習いの鶴来民子や、仲居見習いの押水菜子らと過ごす毎日の中で、
少しずつ変わっていく自分に気が付きはじめていた。

秋も深まってきたある日、クラスメイトでライバル旅館"福屋"の一人娘である和倉結名が、
喜翠荘に女将修行にやってくる。

奔放な結名に翻弄されながらも面倒を見ていた緒花は、掃除をしていた物置の中で、あるものを見つける。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

改めて視聴して気付いたこと…
作画が緻密で綺麗だと言うのは認識していましたが、声優陣がこんなにも凄かったのは気付いていませんでした。

喜翠荘で働く女子高生3人組がコチラ↓
松前 緒花(CV:伊藤かな恵さん)
鶴来 民子(CV:小見川千明さん)
押水 菜子(CV:あきちゃん)

喜翆荘の仲居頭がコチラ↓
輪島 巴(CV:能登麻美子さん)

喜翆荘のライバル旅館である福屋の一人娘がコチラ↓
和倉 結名(CV:ハルカス)

これだけの面子が揃っているんですもん…
当時この作品にハマった自分の行動原理にも納得です。
それに「P.A.WORKS 10周年記念アニメーション作品」と銘打っているだけあって、作り手の気概がヒシヒシと伝わってきますから…

私が感じたこの作品のテーマは「家族の在り方」です。
例え働いている場所が一緒でも、たとえ境遇が似通っていたとしても、一つとして同じ在り方はありません。
だから、きっと正解は無いんだと思います。

夢を叶えるために目標を定め、最短コースを全力で走り抜ける…
夢は十人十色でコースの長さや起伏も人それぞれ…
だけど、時には家族のために立ち止まったり振り返る余裕は残しておきたいと思いました。

何も言われないからって、それで良い訳じゃない。
周りには言いたいことを必死で堪えている人だって居るんだ。
だから臨界点を突破して破裂しちゃう前に気付きたい、そう思えました。
それが家族なら猶更ですよね…

それとこの劇場版で明らかになるのは、緒花の名前の由来です。
緒花はハワイ語で「家族」を意味する「ohana」から取ったそうです。
この命名の方法は今まで発想にありませんでした。

命名するとき、「その子が将来どんな風になって欲しい」という子供を主体とした発想だったり親の気持ちだったり…
各家庭のしきたり、という場合も考えられると思います。
そう考えると「家族」を意味する名前って、奥が深いと思いました。

上映時間66分の作品でした。
いやぁ、しっかり満喫させて貰えましたし、しっかり涙で前が見えなくなる展開も用意されていて大満足でした。
ここ最近、TVアニメ版は視聴済ですが劇場版を視聴していないという作品が
結構あることに気付きました。
少しずつ記憶を辿りながら、昔の作品にも思いを馳せていけたらなぁ…と思っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さっぱりとした良作です

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。65分くらい。
 テレビシリーズはチラッと見たことがある程度で、内容はすっかり忘れていました。ストーリーもキャラの名前すらもあやふやな状態での視聴となってしまいました。
 ただ、見始めてすぐにキャラクターの名前や性格、抱えているエピソードなどが伝わってきました。ここまでしっかりとキャラクターが描かれいるのならば、テレビシリーズもきっと良作なんでしょうね。

 で、この映画版なんですけど、記憶があいまいだったせいもあって、楽しめないかもなと覚悟していました。ただ、そんな心配は無用なもので、想像以上に面白かったです。一番の見どころは生き生きとした登場人物たちですかね。モブもきちんと演技をしてましたし、作画関連に突っ込みどころは感じませんでした。

 軽くストーリーで描かれていた要素をまとめてみます。


客観視:{netabare}
 物語の大半は「客観視」をすることに費やされていました。
 「自分が見ている自分」「自分が見ている親」「自分が見ている家族」というのを、「第三者の視点」を通すことで理解しよう、というのがストーリーの中心です。

 例えば、学生時代のオハナママが見ている「自分が見ている自分」というのは、「写真に写った自分」を介して再評価がされることになります。
 同じように「オハナが見ているオハナママ」は「豆じいの業務日誌」を介して、「オハナが見ているオハナファミリー」は「ナコのファミリー」を介して、客観視されていきます。

 これは他の登場人物にも表れていました。例えば、ミンコは宿泊客の視点で、板長のレンジですらトモエの視点で、それぞれの思惑に対しての再評価がなされていました。
 描かれているのは「客観視」というたった一つの要素なんですけど、マンネリにならないように非常に上手くストーリーが組まれていました。一貫して描き続けよう姿勢というはすごく伝わってきましたね。
{/netabare}

オハナとオハナママ:{netabare}
 一番面白かったのは、オハナとオハナママのエピソードの書き分けですね。

 まずはオハナから。
 「オハナが見ているオハナ」を第三者の視点から見るエピソードはありません。思春期における自己の客観視は、オハナママのエピソードで足りているからかもしれませんし、テレビシリーズの話なのかもしれません。
 で、オハナは、「オハナママ」と「自分のファミリー」の両段階を、他人の目に頼っています。上で述べた「豆じいの業務日誌」と「ナコのファミリー」のことです。

 一方でオハナママ。
 学生時代の自分を客観視するためには「写真」に頼っているんですが、「オハナママの親(女将のスイ)」と「自分のファミリー」を客観視するためには、他人の目を必要としていないんですね。いずれも子供のオハナを抱えた状態で、自分の目で客観的に見れています。

 この構造的な違いというのは、そのまま年代や境遇の違いになるんだと思います。学生という未熟な視点と、子を持つ親の成熟した視点ということなのでしょう。このオハナとオハナママの似ているようで全く違う描き方が絡み合いながら、エンディングを迎えます。

 「私、輝きたいんです!」の源泉は、自分をきちんと見つめることにある。そして、親や家族に対してもその視点を適用することで、映画版のサブタイトルである「HOME SWEET HOME」につながる。これがテーマでした。
{/netabare}

対象年齢等:
 予備知識はそこそこあれば問題ないと思います。もちろん、あった方が楽しめるのは否定しませんけどね。私程度の予備知識でも楽しめましたから、コアなファン向けってわけではないと思います。
 家族ものですから、思春期以上なら視聴年齢は特に気にしなくても大丈夫です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

79.5 5 2013年度アニメランキング5位
劇場版 とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟(アニメ映画)

2013年2月23日
★★★★☆ 3.8 (1473)
8720人が棚に入れました
学園都市製宇宙エレベータ『エンデュミオン』。
その完成を目前に控えたある日、上条とインデックスは無能力者(レベル0)の少女・鳴護アリサと出会う。
路上ライブで素晴らしい歌声を披露していた彼女と意気投合し、放課後を楽しんでいたところ、
アリサにオーディション合格の知らせが舞い込む。
エンデュミオン開通キャンペーンのイメージソングに、彼女の曲が大抜擢されたのだ。
そんな幸せもつかの間、魔術師を引き連れたステイルが突如襲いかかってくる。
ターゲットは、アリサ。なぜ科学サイドの人間である彼女が魔術サイドに狙われるのか?
魔術サイドの強襲を受け、学園都市側は女リーダー・シャットアウラ率いる秩序維持部隊『黒鴉部隊』を展開する。
上条とインデックス、そしてアリサを取り巻く状況が混迷を極める中、ステイルは、こう言った。
「そこの彼女は、魔術サイドと科学サイドの間で戦争を引き起こしかねない」と――。

科学と魔術、そして、歌と奇蹟が交差するとき、『エンデュミオン』を舞台に物語がはじまる――!

声優・キャラクター
阿部敦、井口裕香、佐藤利奈、三澤紗千香、日笠陽子、佐倉綾音、新井里美、豊崎愛生、伊藤かな恵、伊藤静、谷山紀章、能登麻美子、勝杏里、岡本信彦、ささきのぞみ、川原慶久、こやまきみこ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ファン的には85点くらいあげたいけどー…

2013年2月23日公開 上映時間90分
アスキー・メディアワークス創立20周年記念作品

とある~シリーズ初の劇場作品であり原作者、鎌池和馬原案のオリジナルストーリー
また、電撃文庫に関わっているイラストレーター(いとうのいぢ、凪良、ゆーげん)が衣装デザインをしていたり
漫画家の星野リリィが一部キャラクターデザインをしていたりと劇場版ならではのコラボも

時系列はとある魔術の禁書目録II(2期)の第7話と第8話の間なんだけど
視聴の際は最低限、とある魔術の禁書目録の1期だけ見てればOK
ついでにとある科学の超電磁砲の1期を知っていればなお良しな感じで
長いシリーズだけどそんなに敷居は高くないよってことは言っておきたいです


加えて劇場用に用意された新キャラクターの主要3人

・鳴護 アリサ(めいご ありさ)
・シャットアウラ=セクウェンツィア
・レディリー=タングルロード

この3人を覚えておけば後は流れでなんとなく見れちゃうよって作品です


鳴護アリサ(CV:三澤紗千香)
本作のヒロイン。レベル0の無能力者であるが歌でみんなを幸せにしたいという夢を持つ
日々、路上ライブやネットでの楽曲配信をしながら夢を追いかける普通の女の子
しかしその歌声には「奇蹟」にも似た不思議な力を発しており
その力のせいで様々な事件に巻き込まれていく…
鳴る=歌うに護ると書いて鳴護と「神のご加護を」という意味のMay God be with youを掛けた
シャレオツな名前をしており、キャラデザもシリーズ1、2を争うほど可愛い(と個人的に思ってる)
パンチラ・お風呂シーンなんかのサービスもあるよ!!


シャットアウラ=セクウェンツィア(CV:日笠陽子)
「黒鴉部隊」という組織の隊長。レベル4の能力者。
光学迷彩を備えたタチコマのような多脚兵器に搭乗し部隊を指揮する少女
物語冒頭のある事件に深く関わっている人物
エロいピチピチスーツを身にまといやたらとケツを強調しているカメラワークが多いよ!!


レディリー=タングルロード(CV:佐倉綾音)
宇宙エレベーターのエンデュミオンを建設した「オービット・ポータル社」の社長
年齢は10歳とされておりゴスロリファッションに身を包んでいる
しかしその正体は魔術サイドの人物で不老不死の体を持ち1000年以上生きている
エンデュミオンを使って何か悪さをしようとしてる
貴重なロリババア枠だよ!!


今回の映画の特徴として作画や背景がとても美麗
失礼を承知で言っちゃうと本当にあのJ.C.STAFFか!?って感じ
J.C.STAFFの劇場作品といったら灼眼のシャナ以来?
あれは総集編的な内容だったし、それ以上遡ったらウテナとかスレイヤーズの90年台の作品になってしまう
とにかくJ.C.STAFF作品では間違いなく一番いい作画になってます
見所としてはシャットアウラ率いる黒鴉部隊とステイルと弟子たちのカーチェイスシーンかな
イギリス清教ってけっこうシブい車乗るのね


あと音楽面
鳴護アリサはヒロインであると同時に歌姫でもあるので
彼女のために書き下ろされた楽曲が5、6曲あり
そのどれもが結構良かった
BGM担当の井内舞子も作曲に関わっていてI'veサウンド特有の電子的な曲もありつつ
爽やかな4つ打ち系のピアノハウスな曲もあったりで全体的に好印象
劇中歌を収録したミニアルバム「ポラリス」はとあるシリーズ好きや声優さん好きはもちろんだけど
こういう電子音楽好きにも"聴き"な一枚でした


【総評】
たしかな映像美に効果的な演出と音楽を乗せて
劇場版の名を冠するにふさわしい出来栄え
お祭り的にいろんなキャラを出したことでそれぞれの描写が薄味になったことは否めないけど
やっぱりファン心理としては映画という晴れ舞台に出れて嬉しい
(佐天さんやっと魔術に出れたね!やったぜ。)

しかし物語はというと少し小奇麗にまとまりすぎた印象
もともと突っ込みどころ満載なのはシリーズ共通だからいいんだけど
ぶっ飛んだ思考や歪んだ正義を上条さんの説教とそげぶでぶっ飛ばす痛快さが売りだったのに
それが薄かった感じ
宇宙まで広げたスケールの大きい話をしたわりには
敵側の描写不足でイマイチ話を広げられなかったなぁ
最後はとりあえずハッピーエンドで悪い余韻を残す感じじゃなかったけど
ちょっと含みのある終わり方をしていました
じゃあ考察でもしてみるか!っていう感じでもないし
もっと王道な話でもよかったかもしれないです

アクション・アイドル・お色気など受ける要素をふんだんに盛り込みつつ
キャラオールスター出演で確かなとある魔術の映画だったので
ファン満足度はすげー高い作品になってます
鳴護アリサは映画で使い捨てるには惜しいキャラだったなー


ちなみにガチで宇宙エレベーターを作るには
18年の年月と170兆円の予算が必要だそうですよ

宇宙エレベーター協会に聞いてきた
劇場版とある魔術の禁書目録の舞台・エンデュミオンとは
http://ascii.jp/elem/000/000/770/770258/

投稿 : 2024/05/04
♥ : 34
ネタバレ

ほむほむ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

奇蹟も魔術もあるんだよ

とても楽しみですね^^

鎌池さんによるオリジナルストーリーみたいですが、気になるストーリーはと言うと、
{netabare}
学園都市製宇宙エレベーター『エンデュミオン』。その完成を目前に控えたある日、上条とインデックスは『無能力者(レベル0)』の少女、鳴護アリサ(三澤紗千香)と出会う。インデックスとアリサが『旺盛な食欲』という謎の繋がりで意気投合し、三人で放課後を楽しんでいた時、魔術師を引き連れたステイルが突如襲いかかってくる。魔術サイドの強襲を受け、学園都市側は女リーダー・シャットアウラ(日笠陽子)率いる秩序維持部隊『黒鴉部隊』で対抗する。上条とインデックス、アリサを取り巻く状況が混迷を極める中、ステイルはアリサを指し、魔術サイドと科学サイドの間で戦争を引き起こしかねないと告げる。魔術サイド、科学サイドから狙われるアリサの秘密とは……?


PVを見る限りで、作中での時期を適当に予想すると。
黒子が怪我をして車いすに乗っていて、美琴と初春が普通に制服姿なので、9月15日~9月18日(残骸編翌日~大覇星祭前日)ではないでしょうか。
それ以降も考えましたが、大覇星祭初日から上条さんも、美琴もそれぞれ事件に巻き込まれているのでまずないかと思います。
まぁ、そんなことどうでもいいんですけどね(笑
{/netabare}


公式ページに映画関連の情報が来ていますね。

◆劇場来場者特典として「電撃劇場文庫」を10万3000人に無料配布!
『とある魔術の禁書目録 ―ロード トゥ エンデュミオン―』
著/鎌池和馬 イラスト/はいむらきよたか
ページ数:224ページ
発行部数:10万3000 部

すごく欲しいですね!10万3000人とかすぐに無くなちゃいそうだ…


◆劇場版のコミカライズが決定。
2013年3月号(2月12日発売)より連載開始。
原案: 鎌池和馬
原作: PROJECT-INDEX
構成: 西野リュウ
作画: 朝倉亮介
キャラクター原案:はいむらきよたか

流石に全部は無理だろうけど、さわりくらいの予習はできそうですね^^


◆『劇場版 とある魔術の禁書目録 ―エンデュミオンの奇蹟―』の前日譚を描くPSP®用ゲーム「とある魔術と科学の群奏活劇」発売決定!

発売時期:2013年2月21日

映画の前日譚ってことは、映画の2日前に買ってやっておけとそういうことですか!

<gameストーリー>
{netabare}
超能力を研究する、学園都市。230万人の学生が生活を営むこの都市で、今、複数の事件が同時多発の動きを見せようとしていた…。
「学園都市SNS ロンドネット」で開催される、「金星探査プロジェクトレース」。この参加型企画に一喜一憂する上条当麻とそのかたわらのインデックス、御坂美琴。
その頃、「ロンドネット」のクーポンを利用し、街中のスイーツ店を訪れる白井黒子、初春飾利、『佐天涙子』の3人。一方で、秘密裏に行動を開始するステイル、神裂、そして、土御門。
───そしてまだ見ぬ新勢力が、この学園都市の片隅で静かに動き出す。

佐天さんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
映画では出番あるかどうか不安だけど、ゲームでは登場するみたいですよ!
{/netabare}

◆劇場版エンディングテーマ、楽曲タイトル決定!
楽曲タイトルは「FIXED STAR」で歌うのは川田まみ。
2月20日発売

映画を観る前に是非聞いておきたいですね^^


そのほか、詳しい情報は公式ページにて、
http://www.project-index.net/

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オールスターズファンムービー★そして神裂さん最強ヒャッフゥーd(゜∀゜)b

ジャッジメントですの!
かまちーの協力の下、完全オリジナルストーリーでの映画化となった『と禁』の最新作ですの


学園都市を象徴するシンボルとして、劇中の背景内でも鎮座している姿が度々確認出来ていながら特に深く語られることのなかった「宇宙エレベーター エンデュミオン」
この宇宙エレベーターを舞台にし、劇場版らしいビックスケールの物語が展開されるのが目を引く作品となっていますのよ


物語は宇宙エレベーター建造のキッカケとなる過去のスペースプレーン墜落事故から始まり、この事故に浅からぬ因縁を持つレベル0のストリートミュージシャン「鳴護アリサ」
なぜかアリサをつけ狙う「シャットアウラ=セクウェンツィア」
そしてシャットアウラの背後に立つ「レディリー=タングルロード」
と、いったオリジナルキャラクター達を軸にして動いていきますの


とにかく見所はバトルシーンであるのですが、わずか90分の作品にも関わらず片っ端から出て来る『とあるシリーズ』の名キャラクターのオンパレード!


上条さんが!
御琴が!
ステイルが!
神裂さんが!
土御門が!
黄泉川先生が!
初春が!
佐天さんが!
そして黒子が!(というか新井里美さんがw)
ホントもうよく揃えましたわねこのキャストw
よくもまあ出しましたわよこんだけのキャラw


神裂さんの強さはなんかよくわからない┐(´_`)┌オテアゲ{netabare}あの人、成層圏外でも戦えるのですね・・・原作通りらしいですけど;{/netabare}
まさか一方さんまで出すのは無理だろぉ流石に・・・とか残念に思っていたらばラストぉぉぉぉ!!!???


悲しいことに前半のギャグが寒いとかツッコミたいこともイッパイあるのですけどねw


歌がキーポイントになるお話なのにアリサってシンガーソングライター出身にも関わらずライブでは思いっきりアイドルポップ調なのが萎えますわ
地下駐車場で血塗れになった上条さんの頭部が次のカットでは完治?
シャットアウラの乗ってる多脚戦車あれタチコマに似てね?
ステイルの弟子達(?)が出てきますけど「霧雨魔理沙」に似てるぅ(星野リリィ先生の仕業?)・・・とか、まぁ別の一人が言ったステイルのタバコに関するくだりが面白かったのでその辺はチャラってことでw
あと『009』から引き継いだであろうコマ抜きしたキャラCG、アレ単純にショボく見えましたわ(爆


ラストのオチに関しては悪くないと思うのですが、タイミングの悪いことに先週わたくし『スタードライバー』を観てしまいましたの・・・アレに比べたら説得力も演出力も悪いですわよね
もうちょっとキャラデザとかキャスティングを近くしてあげた方が・・・;


レディリーに関しても原作や今後の展開に繋がるのか否か、原作未読者のわたくしには曖昧にされた印象を受けましたわ


まあこまけぇことは無粋かもしれません、とにかく『とあるファン』必視ですわ!


ちなみに背景描写が丁寧になった反面、聖地「立川」のシネマツーで観ると劇場を出た際に強烈なデジャブを感じますわよw
わたくし、アリサの背後のミスド(劇中ではマイクロドーナツ)でさっきまでコーヒー飲んでましたわ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

79.3 6 2013年度アニメランキング6位
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(アニメ映画)

2013年8月31日
★★★★☆ 4.0 (1565)
9346人が棚に入れました
ある日、彼女は突然現れた。

いつも一緒にいた仲良し6人組。
あの頃の僕らは、何でもできると思っていた。
怖いものなんて無いって思っていた。

でも、それは起こってしまった。
何気なく言った言葉。
傷つけるつもりなんて無かった。
明日謝ればいい。そう思ってた。

でも…
その<明日>は永遠に来なかった……。

そして、時は流れ、ある夏の日。
奇跡が起こった。

子供時代の事故をきっかけに心を閉ざし離れてしまった仲良し6人組。
夏のある日、事故で死んでしまった彼女が彼らの前に現れる。
しかし、彼女は戻ってきた理由を覚えていなかった。

彼らはその<理由>を探すためにもう一度集まり、
止まっていた時間が少しずつ動き始める。
彼女は何故戻ってきたのか?

それは彼女が願った、ひと夏の奇跡―――

前を向けば、きっと会える。


声優・キャラクター
入野自由、茅野愛衣、戸松遥、櫻井孝宏、早見沙織、近藤孝行
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

深化した夏

劇場版「あの花」は、作品としての正当な評価を受けずに来たように思う。
確かに、TV版の総集編として企画されたことは事実であり、
後日談やオリジナルエピソードなども追加されてはいるものの、それも
補足説明ないしおまけの趣向くらいにしか認知されていないのも無理はない。

抉るように尖鋭な心理ドラマが展開された本編とは対照的に、
嵐が過ぎた後の凪のような穏やかな印象で、本作は淡々と進行する。
めんまと再会した翌年の夏のある日、超平和バスターズの面々が
それぞれがめんまに宛てた手紙を持ち寄って秘密基地に集合する。
この手紙という媒体による構成がすでに婉曲なうえに、視点が各人に分散し、
そこに回想や近況報告が絡むことで、一層ダイジェスト感が強まるようだ。

だが、TV版を基準にしたこうした見方とは別の位置づけも可能だろう。
すでに「ここさけ」と「空青」について一渉り考えた経験を踏まえると、
秩父三部作を一貫する通有的なテーマを措定することによって
劇場版の自立したオリジナリティをさかのぼって捉えることができるように思う。
そのように見た場合、本作がもつTV版に対する補完的な面はむしろ、
十分な表出に至らなかった主題の深化を目指した「修正」なのではないか?
その中に新たな物語への発展の可能性が内包されているとすれば、本作の、
三部作の起点としての本質がそこに見出されるのではないだろうか?


Ⅰ ほんとうの願い
{netabare}
TV版の問題点は最終話に集約される。要するに物語の核心であるはずの
めんまの願いから逸脱し、めんまが「のけもん」にされていることだ。
感情の昂るまま、めんまの成仏を妨げたものは自分たちのエゴだと決めつけ、
全員が自らのトラウマやコンプレックスを吐き出す集団懺悔は見せ場には違いないが、
情動を煽ろうとする余りの空回り感が激しく、むしろ興ざめしてしまう。
着実なストーリー展開を捨て、強引な勢いで押し切った背景には
全11話という話数の制約を演出によって補う意図があったのかも知れない。
その結果、「泣ける」アニメの代表格という定評は得たものの、
露骨過ぎる演出に違和感を抱く視聴者は、自分も含め少なくはないようである。

劇場版はまず、この難点の克服に向かう。
仔細に観くらべない限り見過ごされてしまうだろうが、実は
劇場版に挿入された再編集部分には、重要な未放送シーンが含まれている。
メンバーたちとの和解を成し遂げたじんたんがめんまを迎えに戻り、
すでに力尽きているめんまから、本当の「お願い」の内容が明かされる流れで、
彼が駆けこんでくる直前に、めんまの独白シーンが加えられている。
横たわっためんまが仏壇の方を向き、じんたんの母の写真に語りかける。

「おばさん、ありがとう。めんま、またみんなに逢えてすごくうれしかったの。
 最後にちゃんとバイバイしたかったけど・・・。」

憶測だが、これは元々TV版にあったシーンがカットされたものではないだろうか。
改めてTV版を観ると、ここが構成上の大きな欠落のように感じられるのだ。
めんまと母が交わした約束が明かされる場面への布石として必要なばかりでなく、
ラストにかけて秘密基地で展開されるクライマックスの前提となるからだ。
秘密基地では、メンバーたちが見えなくなっためんまを探し回っている間、
めんまがただ一人、仲間たちへの手紙を書き続ける。この行為がずっと望んできた
大切な仲間たちとの「お別れ」の実現であることが表明されているのである。

「まだ、まだだよ・・・まだ・・・ちゃんとお別れしなきゃ・・・」

劇場版には、ペンをとって手紙を書き始める場面も追加されている。

「まだ・・・みんな、ちゃんと待っててくれたから・・・
 めんま・・・ちゃんと・・・」

そして、手紙が書きあげられると、

「間に合った・・・今度はちゃんとお別れできたよ・・・もう・・・」

「今度は」、つまり、「あの日」に果たせなかった別れが叶ったいま、
ようやく「もういいよ」が言えるタイミングになったところで、
訣別を前にした悲しみがこみ上げて最後まで言えなくなっているのだ。

めんまのセリフの中に織り込まれた「まだだよ」と「もう(いいよ)」は
ちゃんとお別れができるまでは消えたくない、という切実な願いが
これらの文句となってずっと、めんまの心の中で繰り返されていたものだ。
従ってラストのかくれんぼごっこは、このめんまの心の願いから理解されるべきで、
芝居じみた演出のようになってしまったのは、この心情が曖昧にされたためである。
仲間との告別に向かうめんまの内面をもっと濃やかにたどってゆけば、
彼女が一人一人に宛てて手紙を書くことも、ラストのかくれんぼごっこも、
すべてが内的に連関し、自然な高揚を伴いながら「めんま、見つけた」の瞬間で
頂点に達し、無上のカタルシスがもたらされたことだろう。

感情には感情の論理がある。本物の感動を呼び起こすものは
合理的なプロセスによって自然に喚起される、説得力あるリアリティーである。
劇場版にはおそらくこの反省に立ち、逸脱した部分を作品本来の形に復そうとする
リベンジとも言うべき方向性が認められるように思われる。すなわち、
TV版では後景に退いてしまった、めんまの願いをふたたび「前景化」し、
更新されためんま自身の願いによる、物語の本当の結末を提示すること。

めんまが秘密基地に書き残していった言葉、
「超平和バスターズはずっとなかよし」。
ここに物語の着地点が置かれることは、TV版のラストシーンでもじんたんの
「そうだ、俺たちはいつまでも、あの花の願いをかなえつづけてく。」
というセリフとともに映し出される点から明白なのだが、
劇場版ではかくれんぼの最中にじんたんがこの言葉を眺めながら呟く、

「きっと、これなんだよな。俺の母ちゃんの頼みじゃなくて、
 めんまだけの、めんまのお願いってさ・・・」

着地点は同じだが、更新されためんまの願いがはっきりと明示される意味は大きい。
この願いに収斂するプロセスにいわば上書きをするように全体の印象を操作し、
TV版が踏み外した軌道を微修正しようとする意図が感じられるからだ。
すなわち、物語の帰結となる超平和バスターズの和解が決して、
メンバーたちの個人的、一方的な自己批判や悔い改めによるものではなく、
めんまの願いを中心に全員の想いが一つに融合した結果、実現したものであること。
彼らの心の救済がめんまとともに過ごした時間から生まれた奇跡であること。
こうした方向に作品の本質をさらに深めて提示しようとする狙いが
ここに読み取られるような気がするのだ。
{/netabare}


Ⅱ 共にある季節へ
{netabare}
「超平和バスターズはずっとなかよし」。
これが本当の、「めんまだけの、めんまのお願い」だとすると、
物語の軸となる「お願い」の内容はいつしか更新されていたことになる。
再臨しためんまが経過した時間は、このひそやかな更新の過程であり、
そこにはめんま自身の再び生きられた時間が刻まれているのだ。
そのように見た時、特に山場のない散漫な劇場版の構成において
核心をなす部分は、めんまの内面が開示される秘密基地の場面だと言えるだろう。

別れの手紙を書きながら去来する回想が、メンバーたち一人一人との
再会の経験によって占められている点に注意したい。そこには
この願いが生まれ、強められてゆく過程がめんまの視点からたどられている。
さらにそれが、心の痛みに裏打ちされていることも劇場版は伝えようとしている。
めんまの死による喪失が周囲に引き起こした苦悩。家族の分裂。
そして立ち止まってしまった仲間たちを目の当たりにした時の驚きと悲しみ。

「めんまがいるとね、みんな、悲しい気分になっちゃうんじゃないか、って・・・。
 みんなが、めんまのことで悲しいのは、もう絶対にいやだって思ったの。」

この言葉には「あの日」突然、自分がいなくなって仲間たちを悲しませたことが
めんまの無垢な心に大きな痛みとなっていた事実がさりげなく語られている。
これらは補足というよりも多分、独自のコンセプトに即した掘り下げなのだ。
だから、このように言ってよいのではないか―、
劇場版が独自に追求するもの、それはめんまが生きた時間、
その再臨の夏の「深化」である、と。

あるいは劇場版それ自体が、めんまの「再臨」なのだとは言えないだろうか?
じんたんに背負われて秘密基地に向かうプロローグにはじまり、
導入部のパートはめんまのモノローグによって進行してゆく。
さらにエンディングの先にも、生まれ変わりを夢見るめんまが再登場する。
TV版には希薄だっためんまの視点が全編を包み込むように設定されることで
手紙の形で表明されていくメンバー一人一人の内面との間に
対話のような空気感が生まれる。この対話性、あるいは双方向性とも呼べるもの、
これこそが劇場版が獲得した新たな地平ではないだろうか。

そしてそれは、「かくれんぼ」をとおして物語のテーマの深化へと向かう。
劇場版は夏の日のかくれんぼにまつわるめんまの思い出にはじまり、
和解したメンバーたちがめんまを想い、また繰り返すかくれんぼで締め括られる。
冒頭ではめんまの視点から、最後は仲間たちの視点から、
今もそれがもつ深い意味、むしろ更新された意味を交互に語り交わすかのようだ。

めんまにとってそれは、じんたんへの想いと仲間たちへの信頼を象徴するもの。
一方、メンバーたちが再び興じるかくれんぼの意味はおそらく、
本編最終話のあの「お別れ」にさかのぼって、その中に求められるだろう。
一年前の夏、奇跡のように実現しためんまとの「お別れ」は、「あの日」、
止まってしまった時間が再び流れ出す決定的な契機となったのだった。
その時かくれんぼは、「あの日」に失われてしまった無垢で幸福な日々を
再現する作用によって、心の傷の治癒のプロセスを具現化する、
いわば「回帰」と「反復」による、再生の装置に他ならないのだ。

あるいはかくれんぼとは、見失われた自分を見つけ出そうとする、
内面的な営為の象徴でもあるだろう。その意味ではあのTV版の
集団カウンセリング風な自己批判にも一応の根拠は認められる。
ただし、ここが本質的な点なのだが、劇場版の軌道修正が目指す最終的な地点は
双方向性への転回によってこの自閉性を克服し、救済の位相を更新すること、
つまりテーマそのものにまで及ぶ深化を作品に遂げさせることだったと自分は考える。

秩父三部作を構成する作品群をトータルに見た場合、いずれもが自己の殻を破り、
他者との関係へと踏み出してゆく物語として総括できるものだとすれば、
劇場版で試みられた軌道修正にはこのベクトルが予見されているのではないだろうか。
めんまの願いに収斂させる方向性には、一つの想いを他者と共有することによって
実現する、関係性の深まりによる問題解決が表現されているようだ。
本作に続く第二作「ここさけ」は、この延長線上でテーマを顕在化させている。
原点=始まりへの回帰による救済という形で主人公二人の「再生」を描き、
さらにその中に萌している「共生」へのベクトルはミュージカルに具現され、
「再生」から「共生」へという、物語のテーマ的な深化が達成されるのである。
「あの花」のTV版から劇場版への深化は正しく、このプロセスを先取りするものだ。

「そしてめんまは俺を、夏の陽射しの下に強引に連れ出したんだ・・・」

再臨しためんまとともに甦った季節は、遠い夏の記憶と交錯しつつ、
めんま自身の「生きられた時間」を軸に、彼らの再生の日々が織り成されてゆく。
そして、じんたんが語る以下の言葉は、新たな季節とともに開かれた共生の地平に立ち、
そこに立ち現れてくる世界のすがたを見事に言い表している。

「おまえがもう隣にいなくても、ここにお前がいたって思うだけで、
 なんか、今までの景色が違って見えるんだ。
 ちょっとしたことが大切に思える。絶対に失えないものだって思える。いや・・・」

そして、しばらく間をおいて、この言葉が続く、

「失ったものなんて、何一つない。」

「あの花」の核心にあるモチーフは言うまでもなく「死」である。
そこで描かれた喪失としての「死」とは、不在でありながら
むしろそれ故に巨大な影を現実の上に投げかけるもう一つの現実だと言っていい。
そのような不在の実在を描こうとする、独特のオントロジーへの志向は
最終作の「空青」における「過去」の位相とも類比関係で結ぶことができそうだ。
その中で明確に提示されている思想は、喪失は錯覚に過ぎず、過去は取り返せる、
従って、生きられた時間にはすべて意味があるという、大胆な表明である。
この結論を先取りするように、秩父三部作を貫く力強い肯定が本作には宣言されている。
たとえ死であろうとも、共生の可能性をすべて奪うことはできない。
そのような「死とともに生きる」ことを肯定する「共生」の物語として
「あの花」は脱皮を遂げたのではないだろうか?

それは超平和バスターズの面々がめんまに宛てたそれぞれの手紙に
めんまとともに生きた時間を言葉に紡いでいく、劇場版の構成に端的に表れている。
さらにそこには、後続作品に結実してゆく本質的なモチーフがすでに予告されている。
「ここさけ」の「言葉」。「空青」の「時間」。
秩父三部作という集成はおそらく、このように定義できるのではないか―、
人間の生存にとって最も根源的な事象を中核的なモチーフとした心理劇、そして
それを通じて他者との関係性を追求し、肯定する作品群である、と。
その意味でもこの劇場版は、三部作の序章としての明確な個性を顕した作品なのである。
{/netabare}


「死があたかも一つの季節を開いたかのようだった。・・・」
「あの花」で特権的に描かれた夏に触れて、ある小説の有名な導入が想起される。
同時にまた、死と季節をめぐる取り止めのない想念が沸き起こってくる…。

劇場版の枠組みとなる、めんまへの手紙を焚き上げるという着想には、
我々にも親しい夏という季節感を喚び覚まし、さらに印象を深める作用があるようだ。
魂に刷り込まれ、季節と響き合う日本古来の死者との共生のかたち、すなわち
親しい死者に仲介されながら、死というものに向き合ってきた死生観がそこにある。
あるいは「かくれんぼ」もまた、意識下で「かくりよ(幽世)」と結び合い、
往来の通路となるからなのだろうか、

「そうだ、かくれんぼしたら、見えるような・・・
 そこにいたのに私たちにはずっと見えなかっためんま・・・
 超平和バスターズのみんな一人一人に、
 そして、この場所にもう一度、めんまが帰ってくるような・・・」

・・・そんな気がするのだろうか。
日本人にとり、幽世と現世(うつしよ)の隔たりはさほど大きなものではなかった。
三部作の舞台となる秩父の風土にはきっと、民族感情の古層が今も息づいているのだろう。
これらの作品が湛えている懐かしさと安らかさの源は、ここにあるのかも知れない。


(初投稿 : 2021/12/12)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

なにかすごく引き付けられる、小さい頃を思い出す作品(*´▽`*)  (軽く舞台挨拶のレビュー付)

興行収入結果(全64スクリーンにて公開)

初週末興行収入3位、動員16万1225人
初週末興収 1億9817万7700円
初週間興収 約3億4000万円
初週末1スクリーンあたりの興収 309万6527円
(週間1位)
深夜アニメ映画初動興収、歴代2位達成(2013.8当時のもの)
ぴあ満足度ランキング 第1位達成

2週目 週末興行収入 4位
2週目週末1スクリーンあたりの興収 168万6188円
(2週連続1位)
公開12日目 9月11日地点での
動員数 38万4329人
興収  5億497万3100円

3週目 週末興行収入 5位
3週目週末1スクリーンあたりの興収 114万4655円
(2位)
公開19日目での
動員数 49万8002人
興収 6億6056万8300円

4週目 週末興行収入 7位
動員数 57万3176人
興収 7億6459万4000円

5週目 週末興行収入 9位
累計動員数 63万348人
興収 8億4401万8600円

6週目 週末興行収入 9位
累計動員数 67万9153人
興収 9億821万600円

7週目 週末興行収入 9位
累計動員数 72万933人
興収 9億6455万9500円

8週目 週末興行収入 12位
興収 約9億8000万円

公開56日目(10月25日) 祝興収10億突破!!

9週目 週末興行収入 15位
累計動員数 75万4341人
興収 10億929万700円

最終興行収入(11月17日まで)
総動員数 77万2703人
総興収 10億3346万400円
2013年年間映画興行収入 第52位(全1117本中)
第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品
最終的に47都道府県126スクリーンにて公開
参考URL http://akiba-souken.com/article/anime/17572/ 
http://www.eiren.org/toukei/img/eiren_kosyu/data_2013.pdfなど

BDランキング
劇場版あの花 完全生産限定版BD 週間オリコン 総合首位
劇場版あの花 初回生産限定版BD 週間オリコン 総合17位
劇場版あの花 通常版BD 週間オリコン 総合28位

DVDランキング
劇場版あの花 完全生産限定版DVD 週間オリコン 総合5位 アニメ部門2位
劇場版あの花 通常版DVD 週間オリコン 総合16位

3月17日付 オリコンランキングより(3月2日〜3月9日の集計)



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文句のつけようがありません。
さすがです。もう、映画館で号泣必至ですww
何人も何人も泣いている人がいましたし、自分も泣いてしまいました。
映画が終わった後には、拍手喝采でした。
しっかりとアニメ版をベースにしながらの盛り上げ方、最高です。よく、続編をやりにくいあの花でこのような素晴らしいものを作ったなと思います。

下はストーリーです。かなり物語のネタバレが入っているので、くれぐれも注意してください。
{netabare} アニメではあまり深く描かれなかった幼少期の頃が描かれています。小説の方にはあった、めんまが小学生のころ外人でいじめられていたというストーリーなども映像になっています。
また、今回の物語の核となってすすむのは、めんまが成仏した1年後に手紙を書いて、届けようというものです。そこに、各キャラの1年分の変化とアニメ版では語られなかった心の中の思い、そして最終回のめんまが消えるところのめんまの思いが加わったストーリーがこの映画です。
でも、テレビ版の最終回の部分にめんまの思いが加わってさらに泣けるものとなっています。あと、そこでのsecret baseは、すごく良すぎてやっぱりあの花っていいなとおもわせるものでした。
ただ、1つだけ。
花火をあげるところのシーンが過去と現在の区別をつけるのがわかりずらかったかと…
でも、そこだけです。{/netabare}

音楽も文句なしの満点です。自分は8月24日に秩父に行ったときにガリレオさんの生声をはじめて聞きましたが、ほとんどCDとちがいなく歌っていて、とてもうまいなと感じました。ただ、その秩父のイベントライブで小学校でやるのはどうかとおもいましたが…

【舞台挨拶】
お台場の1回目のに行ってきました。超平和バスターズ6人の声優とスペシャルゲストとしてキャラデザの田中さんが来ました。その、田中さんのお話からですが、長井監督と田中さん、脚本の岡田さんがあの花映画化を知ったのは、2012年の超平和バスターズのお楽しみ会での発表のときだそうで… 世の中こわいですね。
えっと、舞台挨拶ですが、30分ほどキャストのみなさんにあの花が映画化決まった時どうだったかとか、映画の感想は?などの3、4つの質問を聞いて答えるものでした。
なかなか面白い解答もありました。
BDの発売のときの特典映像になってくれることを期待しましょう(*´▽`*)


長々と長文失礼いたしました。
でも、自分の中ではいままで見たアニメ映画で1、2を争う出来でした。
ぜひおすすめしたいです( ^)o(^ )

【追記】
この映画は何度か見ることによってより感情移入がしやすくなると思います。自分は、1度目より、2度目の方が泣いてしまいました。
あと、週末興行収入3位おめでとう(*´▽`*)

【さらに追記】
2014年3月5日にBD&DVDが発売決定!!
OPEDのCDやイベントのBD、劇場版パンフなどたくさんついています!
ホントにこれが最後らしく、めちゃくちゃ特典もとてもとても豪華です(;O;)

【おそらく最後の追記】
完全生産限定版BD買ってしまいました(≧∇≦)
もうやばいです!!!
めちゃくちゃいいです!!!♪───O(≧∇≦)O────♪
文句のつけようもございません!
イベントのBDがなんと4時間以上も入っているなんて…
イベントに行けなかった人たちにも臨場感を味合わせてくれるものとなってます!
まさしくこれがファンのためにつくられたものなんでしょうね( ^ω^ )
たいへん素晴らしい内容ですo(^▽^)o
この映画を作ってくれたすべてのスタッフの方々、支えてくださったファンの方々に感謝を込めて…
超平和バスターズは永遠だっ!!!
ありがとうございましたm(_ _)m




円盤売上表
○劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
巻数    初動       2週計      累計     発売日
   BD(DVD)     BD(DVD)    BD(DVD)
完限 24,546(*4,977) 26,700(*5,814) 28,580(*6,115) 14.03.05 ※合計 34,695枚
初限 *2,386(**,***) *2,778(**,***)  **,***(**,***)  14.03.05
通常 *1,353(*2,508) *1,669(*3,293)  **,***(*3,737)  14.03.05 ※合計 *5,406枚



【3年越しの追記】
2017年11月現在、深夜アニメ発の興行収入ランキングではまどマギ新編、ラブライブ、ガルパン、SAO、Fateに抜かれ7位となっています。とはいえ、半分総集編が10億超えてる時点で凄いことなんですけどねw
13年頃から深夜アニメの映画が段々と結果を出すことになったのはひとえに嬉しいことですし、これからもどんどん人気作が出ていってほしいと思う反面、ちょっと前にはこんな作品もあったんだなということを少しでも覚えていてほしいという想いもあります。

「いつだって、いつまでだって仲良しなんだ」
これはあの花のBDBOXが発売された時についてた帯の言葉です。きっと超平和バスターズのみんなは今でもたまに秘密基地で会ったり元気にしていることでしょう。それをふと思い出したときにあったかくなれるあの花という作品に感謝を。

(できたら放送10周年企画してなにかやってほしいなぁ…)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 98

さんちゃ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

劇場版みたけどまだ棚に送ってないので普通に「あの花」みた感想

もう語りつくされた作品かと思いますが
最近劇場版のBlu-rayが出てたんで買ってみました。

超平和バスターズと名乗る仲良し6人組が織りなす恋と友情アニメ。
じんたん、めんま、あなる、ゆきあつ、つるこ、ぽっぽ、の6人が登場人物です。
幼少期、めんまの事故死が原因で、仲良しグループはバラバラになってしまった。
そんな中、死んだはずのめんまが、主人公じんたんの目の前に現れて
さて、どうなるのか…というもの。

1話見たら分かると思いますが、このアニメ、あまりに魂胆が見え見え。
ED曲のZONEの「secret base ~君がくれたもの~」のカバーを持ってくる辺り、
釣られてたまるかって感じですね。
視聴者を完全に泣かせにかかってます。
幼稚で、捻りのない、在り来たりなやり口で…
そんなんで泣くかー!

でも…あ、やばい。ラスト付近で…
堪え切れませんでした。EDのイントロ入った瞬間目頭が熱くなってしまった。
これ誘い泣きって言うんですかね。
これでもかってぐらいキャラもボロボロ泣いて若干引き気味、演出もベタベタ、
だけど気が付くと…?あれ?
目をゴシゴシしてる自分がいる。

ヒロインが幽霊設定は見飽きてるし、しかもその幽霊が物に触れたり、
生きてる人間かのごとく普通にじんたんに話しかけてたり色々おかしくて
陳腐だなぁとは思うんですが、それが思いの外気にならない不思議が
このアニメにはありました。
めんまが見えない周りの反応はまるで出来の悪いミュージカルって言った所で
ツッコミどころ満載なんですけど…。

あまりに狙い澄ました感動演出だと高い確率で苦笑いしながら適当に流し見を
決め込む私が幼稚な設定自体忘れて、純真な心を取り戻したかのように
泣かされてしまった。
一体なぜだろう。
視聴後スタッフロールに流れる文字を霞んだ瞳を通して観ながら的外れかも
しれないけど一生懸命考えてみた。

まず注目したのが綺麗な絵です。
空気のおいしさが伝わって来そうなほどの清々しくも綺麗な景色。
だが実際これが直接的な感動に伝わったとは考えにくい。
絵が綺麗なだけで、中身がない作品なんてこれだけアニメが量産された時代だし
いくらでもある。また、そうしたアニメでシリアスな感動展開になって立派な台詞を
言っても涙に結び付かない事の方が多い気さえする。
寧ろあの花に関して言えば、稚拙なやり取りだったからこそ感動に結び付いたという
印象の方が強く残った気がするのだ。
…その正体はいったい何だろう。
もう少しぐらい余韻に浸ろうか、と映像を巻き戻している過程で私はある事に気付いた。

それは感動シーンの要所要所に映し出される主人公の"文字入りTシャツ"です。
稚拙なやり取りが気にならない要因はここにあるのではないだろうか??
感動を誘う大事なシーンで踊るこの巫山戯たTシャツの文字。
ワザと狙って見せているとしか思えない。
高い確率で変なタイミングで変な文字が映り込んでいます。

例をひとつ挙げるなら、じんたんが皆に唆されて、めんまの事を好きか嫌いかを
言わされるシーン。
ちなみにじんたんは、過去も同じシチュエーションに立たされた事があり、
カクカクシカジカあってこの半強制的な皆の後押しにトラウマを持っています。
そんなじんたんの事を知りつつも、めんまにあの時伝えられなかったじんたんの
本当の気持ちを何とか引き出そうとするその他メンバー。
ゆきあつの思惑でやや強引に再現された「あの日」。
裏にある意図を汲み取ったあなるが発した言葉が時間を巻き戻す始まりの合図でした。

「じ、じんたんってさ、めんまのこと、好きなんでしょ?」

そのあなるの問いを耳にして、目を丸くするめんまと静まりかえる空気。
皆は戸惑うじんたんが次に口にする言葉を待っています。
このままだと駄目だ、このままウヤムヤに終わらせてはいけない。
広がった波紋をさらに大きいものに変えるため、お経のようなぽっぽの呟きが続きます。

「いーえ・・・言ーえ・・・言ーえ・・・言ーえっ!!」   ?

ここで全体を映すため必然的にじんたんTシャツの文字が画面に映るのですが
その時書かれた文字はなんと「白ネギ」でした。

見た瞬間おかしいな?とは思ったのですが、この時は私、その正体には気付けませんでした。
多分、これは意図的に注意を逸らされたんだと思います。
本来ならぽっぽの掛け声の所で、なんぞこれはー!と苦笑いして興味を失ってしまう所なのですが、
この文字をみた瞬間、私の頭は確かに真っ白になってしまった。

振り返れば「おかしいところは分かってやってるから、泣ける部分だけ自分の頭の中で抽出して
上手い事泣いてね!」と無意識にリードされた気さえする。

※ちなみにレビューと関係ないですが、私は以前観光目的と思われる外国人が「痔」と
書かれた服をきて歩いているのをリアルで見たことがある。

人間、本来そこに相応しくないものが映像として現れると、瞬間的に頭の中が
クリアになって意外と純真になれるのかもしれませんね。

最後の「もーいーかーい!」の所でもじんたんは「真心」と書かれたTシャツを着ていました。

これが単にオシャレ無精でダサい主人公を演出するためだけに着せた服だとは私には
どうしても思えないんです。
やや恥ずかしくて口にするのは憚られますが、サブヒロインのあなるって名前だってきっと
そうですよね。

陳腐なのは分かってるけど、それで泣けるのもアリなんじゃない?
なにも全部が全部真剣にやらなくたって泣こうと思えば泣けるんだよ。

このような軽さこそこのアニメのカラクリであり、また、味わい深さであったようにも思います。

----------
劇場版のレビューとしては、中身は6割ぐらいはTV放送版の使いまわしって所でした。
(私が内容ちょっとだけ忘れていたので、割合としてはもっと高いかも)
初見じゃないので構成は良かったし十分内容には満足でしたが、
もし劇場版から入った人にこのアニメの魅力が伝わるかといえば、
ちょっとだけ微妙な気がする。TV放送版から見た方が良さそうです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

78.4 7 2013年度アニメランキング7位
劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ(アニメ映画)

2013年7月6日
★★★★★ 4.2 (739)
4752人が棚に入れました
「週刊少年ジャンプ」連載の空知英秋による人気コミックで、架空の江戸を舞台に万事屋(何でも屋)を営む銀時と仲間たちの活躍を描いた「銀魂」の劇場版アニメ第2作。ある力により、自分がいない未来の世界に飛ばされてしまった銀時は、崩壊した江戸の町並みを目の当たりにする。荒れ果てた町をさまよう銀時は、成長した新八と神楽に出会い、やがて衝撃の事実に直面することになる。原作者の空知が考案したオリジナルストーリーが展開。
ネタバレ

ひな@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

俺をやれるのは俺しかいねーだろ

テレビで深夜に放送してくれていたのを録画して視聴しました♪

最初にカミングアウトします!

銀魂最初は好きになれませんでした。
というか大嫌いなアニメでしたっ

理由としてはひどい下ネタが結構多いからです。
下ネタなくても充分魅力的な作品だと思うんですけど
こればっかりは作者さんのカラーなんでなんにも言えないです…w

そんなアンチのあたしが銀魂を好きになったのは
なんといっても主人公である銀さんの人間的魅力に尽きます♪

1.基本的に捻くれ者で偽悪的に振舞う
2.自己犠牲的で自分より他人を最優先しがち
3.客観的には評価されてないけど一部には絶大に信頼されている
4.勘が鋭くて頭の回転が早い

下品な回もあるけどそれ以上に感動する良い話も多いし
キャラの会話とテンポだけで笑わせてくれる話もある。

それに加えて銀さんをはじめとしたキャラクターの魅力がプラスして
独自の銀魂ワールドが長年の展開で既に完成されちゃってるから
その安定した楽しさにハマるカンジで…気づいたら好きになっていました♪

その銀魂ワールドの世界観を全部ひっくりかえしてみました!
というテーマで作られたのが<完結編>と銘打たれたこの作品です。

今回の話は雰囲気が今までの銀魂ではなくなっています。

え?これがあたし達の知っている銀魂だっけ???
登場人物の中で主役の銀さんだけが疑問を感じているのもミソです。

自分が今まで当たり前だと思っていた世界や人や価値観
それが急に変わった時の銀さんの戸惑いを中心にして
時にはシリアスに時には面白可笑しくして話が進んでいきます。

戻らない<当たり前の日常>の幸せを噛み締めて、失った物を痛感して
マジかよめんどくせー事に巻き込まれたなと愚痴たらたらでいいつつも
銀さんはそれでも前に進む事を止めません。

銀さんらしいなと思う所はそんな極限の状況下でも
他人に自分の悩みを話さないで心の中にしまっていて
逆に他人の悩みを受け止めて銀さん節でポジティブに返す所ですね。

銀さん自分の悩みとか他人に元々話さない性格ですもんね。
格好悪いからとか他人に話してどーなるめんどくせーと考える
生来の捻くれ者だからかもしれません。

巻き込まれた側だとしても運のない事故だったとしても
関わってしまた事件は知らんプリを決め込まないで
他人に弱音を吐かずに自分の力で解決するという心意気

これまでの銀魂で見せてくれた坂田銀時という男の生き様が
完結編らしく非常に強調されているんじゃないかなって思いました♪

{netabare} 予告編の最後に流れていた印象深い台詞があるんですけど

「俺をやれるのは俺しかいねーだろ」

これにはすごく深い理由があって真相を知った時は
ああ…そういう意味だったんだと驚いちゃいました。
タイムパラドックスを逆手に取った伏線でこの表現は素敵でした{/netabare}

大雑把なトコもあるけれど話の作りとしては基本丁寧なんですよね。
シリアスな銀魂は好みじゃないという人もいると聞きますけど
あたしは無駄な事は言わない説明しないという意味に解釈していて
なんか銀さんの性格をそのまま反映しているようで好きなんだけどなー。

{netabare}銀魂らしくないと書いたけど
でもでも最後はやっぱり銀魂!
終盤の怒涛の展開はファンにはたまらない内容となってます♪{/netabare}

完結編に相応しいなーと思ったけど
よく考えたら今年の春にまたアニメやるんですよねw
なんか銀魂らしいなーと思いました。
公開当時は本当に完結させるつもりだったのかもしれないですけどっ。

とりあえず銀魂好きな人ならぜひぜひ見て欲しいアニメです。
最初はちょっとグダってるけどー基本的に銀魂はテンポが良いので
観終わった後はあれもうこんな時間??ってそんな気分になるかもです。

まさに時間泥棒ですねっw

ちょっとどうでもいい話ー

{netabare}「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」というアニメがあるんですけどそのヒッキーと銀さんって全部じゃないけど似ているかなって思います。ヒッキーもあたしは好きなキャラなんでこういう性格の人が好きなのかもしれません。まーリアルで実際にいたら付き合いづらいかもですけど…w{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

涙なしには見られないとはこのことです。

アニメ銀魂の完結編。
脚本を空知さんが血尿垂れながらたくさん書いたらしいけど
大幅カット、変更でほとんどダメになったって単行本に書いていた覚えがありますw


お話はタイムスリップもの。
映画館で観たときは何の予備知識も無しに観たものだからすごくびっくりしました。
でもまあなんというかあんまり銀魂らしくはないかな、というのが個人的な感想です。
もちろん、仲間を思いやるシーンでは銀魂色全開で何度も泣かされましたがw ええ、何度もですw
それに客観的に見れば映画としての構成もいまいちです。
例えば、冒頭のぐだぐだ感なんかはとても良いのだけれども、本編に入ってからも本題までがえらく長いです。
映画内で起こっていることの説明に時間が取られたせいか、また未来に行った銀さんの新鮮な反応に力を入れ過ぎたせいなのか。
時間を無駄に長く使っていたように思えました。
ギャグパートや色んな紹介もしなくちゃならなかっただろうけど本当に必要だったのかな、と思うところが何か所かありました。
また銀さん以外のキャラはほとんど出オチで終わってしまっているところも少し寂しいです。
いずれにしてももう少しシャープで濃密なギュッと絞ったものを作って欲しかったです。

まあそんなこと言いつつも好きなものは好きなわけで、連載当初から読んでいるからか愛が深く心広く見てしまいます。
いつも通りギャグパートはすこぶる快調で面白いです!めっちゃ笑いました。
TVアニメの時のような軽快さは失われてしまっているのだけれどネタは悪くないです。
そして銀さんがタイムスリップして行く未来のみんなの姿にもご注目。出オチとは言えども未来の姿はやはり気になります。
実際には沖田やエリザベスみたいにホントふざけた奴もいれば、
土方や神楽ちゃんのように容姿の魅力が格段に上がっている人もいてなかなか良かったです。
土方かっこよかったです。ありゃ惚れますわw
でもなんといっても神楽ちゃん!これが本当に可愛い!断然こっちです!

それとあとは銀さんですね。
独りで業を全部背負い込んで行ってしまう彼の後ろ姿が寂しいです。
でもまあ彼の周りの人たちがそんなことはさせないわけで、その汗隠しながらいつの間にか駆けつけて、
みんな1人ずつ悪態のひとつでもついてやろうってな馬鹿な見栄の張りっぷりにじーんときてしまいました。
本当に、馬鹿ですわ。

戦闘シーンの作画や展開はなかなかのものです。
でも曲がかかる場面、前作で言えば『バクチダンサー』のかかる一番の盛り上がりでの音楽が弱かったです。
だからここは紅桜の方が上かな、と個人的には思います。


これでアニメ銀魂は完結しました。
正直ずーっとやっていてほしいくらい面白い作品だったので残念です。
でもわりと良い締め括りができたので良かったのではないでしょうか。
EDに1st OPの『Pray』を流してくれるなんて粋な計らいもしてくれたわけですし。
いつかまた復活を祈って。

あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

fatin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

劇場版 銀魂 万事屋よ永遠なれ / 復活希望

大好きなアニメ「銀魂」の完結篇ということで、見たいような、見たくないような・・・そんな気持ちと、土日は人が多いし、かと言って平日も夏休みで子供が多いし・・・いつ行こうかなぁ~などと、うだうだしつつ観に行った、とある日曜日。先日に予約して良かった~。やっぱり凄い人でした。

私の中で、今、アニメは「進撃の巨人」がセンターにいるのだけど、世間には本当に沢山の「銀魂」ファンがいるんだと実感。凄いね、銀魂。っていうか、もう銀魂キャラはアニメファンの国民的アイドルと言っても過言ではないと思う。特に銀さんは。主役だから当たり前だという意見もあるでしょうが、違うんだよね~。好き、とかそういうレベルの感じじゃない。みんな、神楽や新八になって銀さんの側に居たいと思ってるレベルじゃないかって感じ。いたらいいよね、銀さんみたいな人。銀さんじゃなくてもいいから・・・。

さて、映画はさすが「銀魂」さすが「空知」と言ったところ。笑えて泣けて、最後は、おぉ~!!となる。多分、どんなに「銀魂」を深く愛している人でも、この展開は考えられなかったんじゃないかと思う。これは、最初から空知先生の頭の中にあったストーリーなのだろうか?多分違うような気がする。だって、漫画は続いていくわけだし。多分、どこかでスイッチが入って、一気にこういう流れを作り出したんだろうな。あっぱれでした。

ただ、アニメのクオリティとしては「紅桜篇」の方が良かったかな。先ず作画が良かったし(作画って私は気になる方)、最初から映画にしようと思ってたのかどうかは知らないけど、スクリーン映えするシーンが多かった(これ、非常に大事)。制作チームの、スクリーンで華々しく幕引きを!!という意気込みを別にすると、映画じゃなくても、TVの2時間スペシャルとかでもOKだったかも・・・と正直思った。でも、映画を娯楽のひとつとして考えて、「銀魂」をわざわざ映画館に観に行く、というのはとても楽しいことだと思うので、これはこれでいいんだと思う。

思い出せば印象的なシーンはいっぱいあったけど、でも、私が特に上げたいのは、最後の「攘夷」メンバーの存在感。一瞬だけど、ハンパなかった。やっぱり「攘夷篇」やって欲しいよなぁ。そして、高杉の色気は・・・何なんでしょう?アニメなのにあのフェロモンは?出番が少なくても、人気なのはこういうことか?

そして、私のご贔屓、土方さん。かっこいいです、やっぱり。久しぶりに声を聴いたけど(中井さんの声)素敵。下腹にきました。日本のアニメの何が凄いって、声も含めてのキャラなんだけど、もう一体化してしまうってところ。声優さんたち、素晴らしいし。

アニメ「銀魂」、是非、復活して。女性になった銀さんや新撰組、男性になった九ちゃん、つっきー、さっちゃん、を待ってます!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

72.9 8 2013年度アニメランキング8位
空の境界 未来福音(アニメ映画)

2013年9月28日
★★★★★ 4.1 (483)
3508人が棚に入れました
未来視の少女・瀬尾静音と出会った黒桐幹也と、同じく未来視の連続爆弾魔・倉密メルカと出会った両儀式。
ふたつの“未来”が重なり合う結末の行方は――!?
これぞ未来と過去を繋ぐ空白(ボーナストラック)にして未来への福音(原点回帰)!

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、井口裕香、石田彰、金元寿子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

~今も僕の青春には“らっきょ”という作品が共にあること、そしてこれからも続いていくこと~

何度かぼやいたことがあるんですが『らっきょ』というシリーズは今のオイラのアニヲタ人生の中でも中核をなしているとても思い出深い作品です


それこそ当時、長編小説のアニメ化という難題に対して1本1時間前後の作品を全七章連続で制作し、1年以上の時間を掛けて連続公開
なにより単館あるいは小規模劇場でのみの配給展開というフォーマット
これは今日まで続くアニプレ系映画、及びアニメ業界全体に影響を与えた一つの歴史だと思ってます


そして、今でこそブルーレイ媒体等で誰しもが気軽に全七章を制覇することが可能になりましたが公開当時の“興奮”は完全にオイラの人生の一部となってクッキリと足跡を残しています


新しい章の公開に胸ときめかせた期待
公開延期の知らせが流れるたび感じた不安
次章公開の合間に謎を語り合った仲間との時間
狭くて古びれたテアトルの椅子が深夜に満席になっていた熱気
エンドロールとKalafina歌声に合わせて押し寄せる高揚感
そして「次章予告」にまた心躍らせる日々が始まる・・・


そんな『らっきょ』の新作が七章の公開から数えて4年が経つ今日に再降臨しました
原作は発表からの10年を機に再登場した未来福音という同人誌
今作はシリーズの「ミッシングリンク」を埋めるカタチとなる小説を本編に据え、同時に漫画として発表された3つの短編を同時上映の『未来福音 extra chorus』にまとめることで群像劇風の作風に仕上がっております
時系列を組み立て直す楽しみはこのシリーズ独特のものなので、あえて作中のどの章の間なのかは秘密にしておきますね


本編では未来を視ることが出来る「未来視」を持った二人の能力者
職業的爆弾魔の「倉密メルカ」と礼園女学院の生徒「瀬尾静音」を軸に進行していきます


サブタイトルにもある通り、キーワードになるのは「未来」、そして「福音」
これまでのシリーズには無い、物語全体を包む「ハッピーエンドへ向おうとする強い力」に支えられた不思議な魅力の作品でして
旧作のサスペンス性やスペクタクル性とはまた少し違った味わいがある作品だと思います


そしてこの倉密メルカ、そして終盤に登場する「マナ」と呼ばれる少女
この二人の登場によって物語は壮大な結末『未来福音・序 Möbius link』へと繋がっていきます
これは『空の境界』というシリーズが“未来永劫に不滅である”ということを意味するエピローグとなっておりまして、これにはもう力一杯の拍手を送りたいです
また思い出のページが増えてしまいそうですね(笑)
もはやこれ無しではらっきょ語れません

投稿 : 2024/05/04
♥ : 25

フェイルン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

タイトルなし

映画の公開初日2013年9月28日にテアトル新宿に朝から並んで観に行ったのだが、書くタイミングを逃し3年以上も経った今、Blu-rayを観ながら思い出しつつ書いている。

まずこの作品へ至る流れについて。

空の境界という同人誌が元となり、その後講談社から同名の書籍で発売された。その後、劇場アニメ化プロジェクトとして7章形式で公開され。更に終章を含め8章を公開。これで話は完結するのだが、その後日談や補完を含めた話である未来福音が同人誌で頒布。同人サークル「竹箒」が2008年8月16日にコミックマーケット74で頒布した同人誌だ。星海社文庫からも、2011年11月11日に発売。
2012年7月7日、「TYPE-MOON Fes.」にて「映画化」が発表され、現実のものとなった。実際に自分は「TYPE-MOON Fes.」に参加していたのだが、発表された際の盛り上がりは半端では無かった。

……とまぁ、前置きが少し長くなったが、話自体はTYPE-MOONの空の境界の世界で1998年8月頃とその未来の話だ。

物語★★★★★
先に書いたとおり、既存の8章がベースになった話なので、基本的にそれらを読むなり観るなりなどの予備知識が無いと十二分には楽しめない。ファンであれば楽しめるし、そうで無ければ十二分に楽しめないだろう。ファン作品的な位置付けで一件蛇足的な話ではあるがきちんとした内容で、より空の境界の世界観を重厚にしつつ補完している。
そもそもこの作品が出来たのはファンの熱い要望あっての事であり、TYPE-MOONや空の境界のファンならばこの作品が出来るまでの経緯だけでも過剰評価してしまうほどに感慨深いものだ。

作画★★★★★
制作会社のufotableはこの作品で大幅にクオリティかつ知名度が上がった。
空の境界やFate/Zeroと共に大幅に成長し、本作へ至りました。

声優★★★★★
両儀式役の坂本真綾さんと黒桐幹也役の鈴村健一さんもご結婚されて、運命的なものを感じます。

音楽★★★★★
梶浦由記さんの音楽やKalafinaの曲がとてもマッチしています。
ミステリアスだったり伝奇っぽい雰囲気だったりと、各場面に合った曲でより雰囲気を作り出しています。

キャラ★★★★★
この作品のみというよりは、今までの劇場版空の境界の総評になります。空の境界各章を通して、両儀式や黒桐幹也といったレギュラーメンバーは深みを増し、作中での月日も流れ、成長もしました。
サブキャラに関しても、各々の個性が良く出ていてます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

シン風 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

空の境界は本当に凄いんだ!見てみれば分かるって……自分の想像してたものが空になるから

見ていなければ見ることをオススメしたい作品の一つ……
映画ならではの凄さもあるんだけど……
やっぱり映画館の方が良かったねこれは……
あっ…すいません…自分の世界に入ってしまいました…あうち

ごほん、話を返して…
空の境界の良さは物語の奥行きに、画像の良さですね…本当に画像に関しては綺麗にできている。
また、曲の素晴らしさは文句の付けようがない…
大抵この曲を歌っているグループのアニメは最強クラスだけど…
やっぱりその中でもこの空の境界の歌は特に好きです。
きっと落ち込むあなたを慰めてくれますよ。

そしてストーリー性ですが、これに関しては素晴らしいの一言です。
ちゃんと辻褄を合わせていて内容は複雑ですけど、奥は深い…
主人公の式を通して良く出来てますね。
人の感性、思惑に、表裏に……凄く複雑だ。

まあ、騙されたと思って見てみればいい経験になるかもしれないよ。
私が考えるアニメが影響を与える内の、価値観が変わるのに当たる作品の一つですからね。
貴重ですよこの作品は…

私はアニメには幾つか種類があると思っています。
まあ、ここでも色々言うと日がくれるので、一つだけ説明します。
それはこの作品の通り、見ることで価値観が変わるもの……私はこれを修羅と呼ぶことにしました。
修羅は人間の負の部分…隠の感情である苦しみとか、悲しみとか…そういう次元じゃなくて、人を刺した時とか、嘘を初めて付いたとか……初めてした時に静電気がバリバリって来るみたいに感じるあれ……それを感じる事で今までの自分に何かしらの変化が出てくるものですね。
まあ、こんなのどうでもいいし、宗教じみたものみたいに聞こえるので辞めます…
私は洗脳が仕事でもないし、したくもないですからね。
自由が一番^_^
この話はこれぐらいにしておきます。
この先の事が聞きたいと思って、私にメッセージしてもしませんのでご了承を…

最後に一言

生きる意味に死ぬ意味…
そして世界の理に世界の秩序
この世界は様々なものを通して
成り立っている
そしてこの少年も少女もまた
それに巻き込まれまた巻き込んでいく
そういう空の境界になるのだった

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

71.7 9 2013年度アニメランキング9位
風立ちぬ(アニメ映画)

2013年7月20日
★★★★☆ 3.8 (811)
4277人が棚に入れました
かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く──。堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて。生きねば。

声優・キャラクター
庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

賛否両論は仕方ない。。。(補足追記)

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 二度目の視聴後のレビューになります。
 この作品は、良質な文学作品のように非常に緻密に構成されています。表面的なストーリーを追うよりは、各シーンから二郎と菜穂子の人物像を読み解いていく作業に集中すると、より楽しめると思います。
 なお、過去のジブリ作品における経験をこの作品に持ち込むと、大抵の場合は期待外れになるような気がします。期待外れがプラスに働くかマイナスに働くかは見る人次第ですが、物語を感情的に捉える人にはマイナスに、構造的に捉える人にはプラスに働くのではないでしょうか。
 もちろんこれは視聴方法の好みであって、優劣の問題ではありませんけどね。今作のように構造に寄った作品は今までの宮崎駿作品にはなかったように思います。私は、宮崎駿作品に限らず、他の全ての作品と一線を画す傑作に仕上がっていると思っています。(追記しました)


テーマ・ジャンル:
 テーマやジャンルを特定するのは難しいですが、いわゆる私小説的な作品ですね。二郎の幼少期から菜穂子との別離までを描いたものです。幻想の世界というファンタジー要素も含んでいますが、震災や戦争はテーマではありません。時代が人に影響を与えることは避けられませんので、時代背景としては不可欠なものですが、殊更構えて見るべきではないと思います。

人物像:
 二郎と菜穂子の人物像を語ることで物語の考察の大半が終了します。端的に述べますと、二郎は「夢見るくそったれ」で、菜穂子は「したたかでかわいい女性」となるでしょう。上手い表現が見つからずに心苦しいのですが、遠からずといった表現にはなっていると思います。過去の宮崎作品の主人公像を、絶対に持ち込んではいけません。
 以下ではその裏付けとなるエピソードについて記述していきます。

1.二郎
①初恋{netabare}
 二郎が最初に恋をしたのは、菜穂子ではなくお絹です。菜穂子に恋をするのが当然と思い視聴してしまうのですが、震災時の描写で最初の違和感が現れます。
 避難先の境内において、二郎が水を運んでくる描写があるのですが、菜穂子ではなくお絹に水を飲ませています。菜穂子はおこぼれに預かるのみで、顔を拭うことしか出来ませんでした。怪我人に気を使うのは当然として、小さな体で荷物を持ってくれた菜穂子にも当然気遣うべきところです。しかし、二郎にそんなそぶりは全くありません。
 確信するのは後日荷物を届けてもらうシーンです。頭に浮かぶのはお絹の姿だけです。菜穂子ではなく、菜穂子とお絹でもありませんでした。
{/netabare}

②女性{netabare}
 二郎はいわゆる女好きではありませんが、かなり女性に興味を持っています。
 初出勤時、上司となる黒川に案内され廊下を歩くシーンでは、二郎の視線が左右に振れています。目線の先には女性・女性・飛行機(※)です。また、夢の中ではまるでアイドルかのように女性から黄色い声を向けられています。全て若い女性です。二郎にとっては飛行機・サバの骨に並列する美しいものとして若い女性があるのは間違いありません。菜穂子に目が向くようになるのはさらに先の話です。
{/netabare}
★追記内容は、ここの(※)の補足です★


③菜穂子{netabare}
 二郎は菜穂子に2通の手紙を送っています。どちらの手紙も2行目までは菜穂子を気遣っているのですが、3行目からは仕事の話しか書いていないようです。つまり、二郎にとっての美しいものとは、飛行機・サバの骨・若い女性なのですが、「目の前にある」という限定が付くのです。目の前にいない菜穂子は、二郎にとって興味の対象にはなり得ませんでした。結局、菜穂子は山を下りるしかありませんでした。
 会っている最中、二郎が菜穂子を褒めるのは「きれい」な部分だけでした。ひたすら「きれい」を繰り返し、その優しさなどの内面には最後まで言及することはありません。二郎が菜穂子を理解しようとすらしない中で、菜穂子は二郎のことをよく理解していました。この描写は菜穂子が二郎の眼鏡を外すシーンに表れています。菜穂子は二郎の眼鏡を外し、素顔(内面)を確認します。二郎は寝ていたため、最後まで裸眼で菜穂子に接することは出来ませんでした。
 そして、美しさを維持できず、二郎の興味を引けないと悟った菜穂子は山に帰ります。「美しいところだけ」を見てもらったという黒川夫人のセリフは、とても残酷な響きを持っています。実際は見せなかったのではなく、二郎がきれいな部分だけしか評価をしなかったために、見せられないだけでした。おそらく二人で年を取っていくことは夢物語です。老いた菜穂子を二郎を見ないでしょう。病気の有無によらず、二人に「時間がない」ことは必然だったと思われます。
{/netabare}

④加代{netabare}
 加代も二郎の素顔を見たことのある理解者です。2度二郎を訪問してきますが、2度とも二郎に待たされています。加代はあの時代で女医になるのですから、相当優秀なのでしょう。しかし、二郎にとっての美しいものではないからか、二郎は彼女に興味を向けません。2度目の来訪時には視線すら合わせずに休んでしまします。加代は、視聴者と菜穂子の思いを代弁して、二郎が「薄情」であると繰り返します。
{/netabare}

⑤ピラミッド{netabare}
 カプローニとの会話の中で、「ピラミッド」という単語が出てきます。イタリア人と日本人の設計士がエジプトのピラミッドについて語り合う、というのはおかしいので、何らかのメッセージが込められているとみていいでしょう。
 ピラミッドから想像されるのは、「造形美」と「ピラミッド構造」だと思います。ピラミッドの造形美とは、職人が一人で作る作品とは異なり、多大な労力を費やさねば成立し得ないものです。ピラミッド構造とは、上位の者が下位の者を支配する構造です。二郎は飛行機を作るためにピラミッドのある世界を肯定します。つまり、美しいものを追及するためには、他の犠牲は厭わないと宣言しているのです。
 二郎は当時のエリートに該当します。人々が取り付け騒ぎで混乱しようとも、車中から他人事のように眺めています。電車や車を日常的に使っているために、人々が歩いている理由すら分かりません。弱者である子供(しかも複数)を前に、施しすらしようとするのです。しかも自分が置かれている恵まれた環境を、本庄に批判されるまで気付かないのです。施しは「やさしさ」ではなく、「エゴイズム」から来たものでした。
 同じような境遇にいながらも、その業を理解している本庄の方がよっぽど人間的な感性を持ち合わせています。
{/netabare}

⑥二郎の人物像{netabare}
 以上を鑑みると、二郎は一般的な「いい人」とはかけ離れた存在と言えるでしょう。人並みの心がある人物ではありません。「やさしい人」など以ての外です。したがって、心情表現なるものは不要なのです。プロの声優や役者を充てなかったのではなく、充てられなかったというべきだと思います。二郎は、美しいものだけに興味を向け、夢を叶えるために全てを犠牲にする覚悟を持っている、そういう人物です。
{/netabare}

2.菜穂子
①再会時{netabare}
 菜穂子は二郎に気付きますが、二郎は菜穂子に気付きません。菜穂子が二郎に気付いてもらおうとする仕掛けが幼少期の出会いのシーンと対比されて表現されています。
 出会いのシーンでは、二郎の帽子が飛ばされ、掴んだ菜穂子が「セーフ」、二郎の「ナイスプレイ」と続きます。再会時は、菜穂子のパラソルが飛ばされ、掴んだ二郎に菜穂子が「ナイスキャッチ」と言いますが、二郎から菜穂子宛ての発言はありませんでした。初対面時と同じ英語・野球の表現で思い出してもらおうとしますが、残念ながら二郎から野球と絡めた返答を得られず、叶いませんでした。
{/netabare}

②森の小道{netabare}
 菜穂子は新たな仕掛けを用意します。
 絵はかなり描き進んでいますので、再会時と同じ絵の続きを描いているはずです。にもかかわらず、丘の上から木陰へと移動しています。絵の続きを描いているのに移動する理由はありませんから、二郎を袋小路へと誘い込むためのものであると思われます。菜穂子が袋小路の先にいることに気付いてもらうために、わざとパラソルを目立つように開いた上で寝かせてあるのです。結果、二郎は袋小路に足を踏み入れ、再会時と異なり通過することも出来ずに、足を止めます。そして、菜穂子は女の武器「涙」を見せるのです。
{/netabare}

③雨{netabare}
 第三の仕掛けがあります。
 二郎が袋小路に誘い込まれたのち、雨が降ったことで二人は同じパラソルに入ることになります。二郎は逃げ場を完全に失います。その上で菜穂子は、二郎の初恋の人のお絹が、荷物を届けた二日後に結婚したことを伝えます。二郎は話をそらそうとしますが、畳み掛けるように先日二人目の子供を産んだと伝えます。二郎は、心理的にも袋小路に追い込まれ、その後の菜穂子への興味へと移っていくことになります。菜穂子の仕掛けが成就すると図ったかのように雨が止みます。もちろん菜穂子の意図ではなく、監督の意図です。
{/netabare}

④二郎との生活
 二郎の項目の③菜穂子を参照してください。

⑤菜穂子の人物像{netabare}
 以上から、菜穂子は、自分の思いを遂げるためには、手段を尽くす女性であることが窺えます。この点に限定すれば、二郎の価値観と酷似するのです。では、なぜ視聴者は菜穂子にだけは好感を持ってしまうのでしょうか。それは犠牲の範囲が異なるからです。菜穂子にとっての犠牲は、自分の身体のみです。自身の寿命を削ることはあっても、誰かを不幸にすることはありません。だからこそ、したたかで賢いにもかかわらず、「献身的でかわいい」と思えるのです。
{/netabare}

3.エンディング{netabare}
 エンディングは、菜穂子から二郎への「許容(許し)」が描かれています。気を付けなければいけないのは、幻想の世界であることです(現実世界では、菜穂子は初夜のシーンで既に二郎を受け入れていますが、最後の別れの前に二郎への許しは表現されませんでした)。幻想の世界は、常に二郎を肯定するために存在する世界です。つまり、菜穂子が二郎を許すのは、当然の帰着のように思います。解釈が分かれるところかもしれませんが、私は二郎が「自己弁明」をしているようにも見えました。宮崎駿監督の自己弁明とも言えます。
{/netabare}


総評:
 「好きか嫌いか」と「良い作品か悪い作品か」というのは別のベクトルです。この作品の良さを認めつつも、嫌いと評価することを否定はしません。私は二郎というキャラクターは嫌いです。しかし、この作品は好きです。風の表現など、ここでは述べなかった見どころはまだまだあります。ですが、人の生き様を描いた作品ですので、人物から目をそらしては欲しくないというのが本音です。
 物作り・スポーツ・勉強・仕事、何かに打ち込んでいる人は、二郎を理解してしまうところはあるでしょう。ですが、過剰に共感してはいけないようにも思えます。私は少し反省しました。。

対象年齢:
 大人を推奨します。細かな描写まで拾える力が必要となりますので、高校生くらいだと厳しいかもしれません。
 一度見ておいて、面白くなかったら「将来の宿題にしておこう」程度に気軽に捉えてみてはどうでしょうか。子供には見せないほうが良いかもしれません。この作品の良さを知る前に嫌いになる可能性があります。


★★追記ここから★★
(※)初出勤時のシーンについての補足{netabare}
 「二郎の人物像が最も描かれたシーンはどこか?」と聞かれたら、私はこの初出勤時のシーンを挙げると思います。取付騒ぎのあと、時間でいうと30分過ぎくらいのところです。ストーリー上の重要シーンではありませんし、非常に短い時間ですが、こと二郎の人物像に関してはエッセンスの詰め込まれたシーンだと思います。
 このシーンでは、表面の描写と裏面の描写、その双方で二郎の人物像を描いていました。

 二郎は、黒川に「初出勤の日にちが遅い」と叱責されながら、廊下を通って仕事場へ向かっています。
 表面的には、怒られているのにケロッとしている二郎が描かれています。普通なら肩をすくめてもおかしくないところですから、二郎の「飛行機作り以外は気にしない人」というのが分かりやすく伝わってきます。

 ただ、二郎の視線からは別の側面が見えてきます。注目すべきは視線のみで表現された裏面の描写です。
 このシーンにおいて、二郎の進行方向に対して何が出てくるかを確認してみます。①左に女性、②右に女性、③左に「男性」、④右に飛行機、です。
 このときの二郎の視線は、①を見て、②を見て、③を「見ず」に、④を見る、です。
 左右から出てくる人に対して、左・右と視線を振って挨拶しているわけですから、その後に左から人が来れば視線が左に振れるはずだ、と予想すると思います。ですが、二郎は左の男性を無視して、右の飛行機に視線を移します。

 この場面で一番大事な登場(人)物は③の男性です。③が無かったら、二郎は、出てきたもの全てに視線を送る人物、となります。出てくるもの全てに興味を向けるわけですから、「好奇心が旺盛な人」という描写になります。視線を向けたときに行っているのは挨拶ですから、「礼儀正しい人」にも映ります。
 仮に、このときの首の振り方がせわしない動きをしていたのならば「落ち着きのない人」とも描けるでしょう。

 わざわざ③の男性を描いているのに、あえてそれを見ないように表現しているから、二郎は「好奇心が旺盛な人」ではなく、「選んで見ている人」「好きなものだけ見る人」だと分かります。
 一般的な人ならば、挨拶をしてから好きなものを見ると思います。自分の「興味」よりも他者への「礼儀」を重視するはずです。少なくとも私はそうです。ですが、二郎は他人への「礼儀」よりも自分の「興味」を優先しているのだと表現されているのです。

 このシーンから二郎の好きの度合いも分かります。二郎は女性をチラッと見ます。飛行機は首をひねるほどにジーッと見ます。飛行機>>>>>女性ですね。男性はもちろん論外、となります。

 怒られているシーンでどうに対応するか、というのがこのシーンの中心です。ですが、その裏面では二郎の別の部分を掘り下げていたわけです。主題である「飛行機好き」に、既に描いている「女性も美しいものの範疇であること」を絡ませることで、それぞれの好きの度合いを表現していました。そして、新たに男性を絡ませることで、好奇心が狭小であることと一般的な価値観とは乖離していることを表現していました。
 この作品では、このような「細かい表現」が結構多いです。漫然と見ずに、「なぜそのような描写になっているのか」「何を表現したいのか」の解明していくことで、二郎を含む登場人物の人物像により近づけていくのだと思います。

 宮崎駿監督に対して、「人物描写が上手い」「描写が丁寧」などと指摘しているレビューや評論を見かけることって、結構多いですよね。ただ、その理由まではあまり説明してくれません。ですが、この指摘は「私にとっては」正しいものだと思っています。
 上記のような表と裏を使った密度の高い描写が多いから、宮崎駿監督は「人物描写が上手い」んです。
 また、「目(視線)を見ろ」という指示も「女性好き」も、「飛行機好き」と同くオープニングで描かれてます。説明に厚いから「描写が丁寧」なんだとも思えるのです。{/netabare}
★★追記ここまで★★

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

動いていた、時代が。 動かそう、夢を。

映画館で視聴しました。

ジブリ作品の魅力は様々ですが、この作品もなかなかいいと思います。

いろいろな評価もあって、というか、いろいろな評価を引き出すことが目的のような作品です。
宮崎監督からの問いかけのように思えます。
私は、そこが一番面白く感じます。

宮崎氏、「もう引退するよ」って宣言していましたが、今後、映画つくりができなくなってしまうと評価も評判も生まれてこなくなりますよね。
それは、淋しいですよ。
なんで、あれだけの数の作品を世に生み出し、供給し続けてきた人が、この作品で打ち止めにできますかね。

およそ、モノづくりに携わる人(特にクリエイターといわれる人たち)は、自分の作品が、まずは自分に納得ができるかという関心があります。
 では、納得ができたら、それで次の作品を手掛けようかって思わないかといえば、それは素人でもわかることです。きっと思わないです。

自分のやりたいことがあって、それがやれてきていて、それなりに(というかハイレベルな)足跡を残せて、これからもやれる環境や条件があって、まだ、体力も残っている・・。
となれば、あとは、宮崎氏の創作意欲だけです。
きっと、またぞろよろしく宮崎氏の無限の宝庫から、新しい作品のエッセンスが湧き出してくるはずです。(現にそうなっていますが)

映像技術がどんどん進化・拡大し、それを引き継ぐ若い技術者集団も育ってきている。視聴者側の目も肥えてきている。
インターネットという技術によって、世界はどんどん狭くなり、文化は国境を越えやすくなってきている。
クリエイターが、自分自身を発露できる機会も場所も増えてきている。

現に、昨年大ヒットをはたした新海誠氏の初期作品「ほしのこえ」のような個人製作作品が、このタイミングで世に出てきたことも、その証明になっていると思います。


さて・・前振りはこの程度にして、この作品について述べてみたいと思います。

まず、多くの方が指摘されているように、私も、宮崎氏のクリエイターとしての長年の生きざまがこの作品に込められていると思います。ですから、当然、この作品は、宮崎氏のフィクションです。
宮崎氏の生きざまを、「堀越二郎という人となり」にかぶせて表現するのが、宮崎氏の感性に一番近かった。そう思います。

堀越二郎は、たまたま、あの時代の人だった。
でも、宮崎氏は、反戦の立場も持っていらっしゃるので、その立場をアピールするにも都合よかったのではないかと思います。

宮崎氏のメッセージは、

1、好きなこと(自分を活かす道)を見つけること。
2、好きなことを後押ししてくれるのは「夢」。
3、それが、手に届くと信じて、すべてに優先して、突き進むことが最上。
4、その価値は、生きる喜びを与え、分かち合うことにある。

そう、感じます。

そういう視点で、この作品を観ると面白いんじゃないかな。

ただ、さすがに最後の作品ということで、入れ込みようは半端ないと思います。今までのどの作品の水準の「上の上」を狙っています。
特に、絵コンテの書き込みようが圧巻です。もちろんトータルに凄いです。
何度でも、微に入り細に入り、観てほしいです。

そうですね、例えて言えば・・。

鍼灸師さんの技っていうのかな。
熟練した鍼灸師さんは、鍼を身体に打つ時に、物理的には1ミリなんですが、そのたった1ミリを1000ミリに引き伸ばして、患者さんに一番効果のあがるポイントに止めることができるといいます。(神技ですね。)

この作品にもそんな感じで、ちょっと深めに観て、感じて、受け止めてもらえると、とっても面白く観られると思います。

そういうわけで、観る側の人に、そういった審美眼が必要です。知覚力って言ってもいいし、観賞眼っていってもいいしね。
それくらい、映像美が練り込まれている作品だと思います。本当に作画が半端ないです。


さて、堀越が追及してやまないのは、「彼の眼に能う飛行機」です。
たまたま時代が求めたのは「戦闘機」でしたが、その戦闘機の中にも、堀越は「美しさ」を求めました。
堀越にとって「美しさ」は、「速さ」であり、「軽さ」であり、「強さ」であり、「丈夫さ」であり、何よりも、「理屈にかなった最上の造形美」であったと思います。

堀越の技術者魂は、すべてが「美しさ」に昇華し、結実されなければならなかったはずです。
堀越の夢は、それを具体化するアイディア、アイディアを具現化する設計と製造技術、そしてパイロットの腕がそろって叶います。

堀越は、「美と技術」の結晶が、その目的が戦闘に使われ、そして、人の生き死にに直接関与するだろうことがわかっていたとしても、その領域に触れることは、堀越の「夢の範疇の外」だったと思います。
スクリーンからは、彼の悲しみは伝わってはこないのですが、その感情を押し殺していたのではないかと想像できます。
堀越は、自分のやるべきことを、ただひたすらに追い求めた。そうすることしかできなかった。そう思います。

また、菜穂子も、そのことを十分に理解したうえで、みずからの美しさを精一杯堀越に示していました。
自分の命の限りが近づいていることは、わかっていたはずです。
だから、今できることのすべてが菜穂子の生き方だったと思います。
それは、スクリーンで確かめることができます。

先に旅立つうえで、最も美しい自分を堀越に見せることは、菜穂子の儚くとも最大限の乙女心なのでしょう。
また、堀越の愛を一身に受け止めたいと思う心情も、きっと、堀越の「美の領域」のスキマにも入れないであろうことも覚悟したうえでの思いであったと思います。

菜穂子の最後の言葉は、 {netabare}「生きて。」 {/netabare}でした。

世の中も、自分自身も、「死」に向かう世相の中で、堀越の夢である美しい飛行機作りが、やがては「生」きることの喜びを産み出してほしいという彼女の願望と、やがてはたくさんの人々の幸せにつなげていきたいという堀越の夢を知っていたからでしょう。

そうはいっても、菜穂子の存在と生き様が、堀越の夢の下支えになっている背景があることが表現されていることで、彼の人物像に様々な評価が与えられることは、避けることはできないことでしょう。(とくに、女性目線からですが。)


ただ、私が感じるのは、もしも、堀越があの時代に生きていなければ、そして、まったく別の世界に生まれていれば、と考える時、「美と技術」のすべてを打ち込み作り上げた作品の一つに「メーヴェ」があったと思うのです。

叶うなことなら、戦争という時代の必然から生み出される飛行機ではなく、平和な世界で、ひとびとの幸せに寄与していく飛行機を作ることができていれば、もしそうであれば、彼の生きざまはもっと違うものになっていたかもしれません。


宮崎氏が、反戦を基としていながら、しかし、戦争に加担するかの如くの立場の堀越を用いる作品に、自分の生きざまを投影するのは、一見、矛盾しているかのようにも見えます。
でも、宮崎氏の示すこの矛盾こそが、この作品の狙いであると思います。
そういう矛盾のある世界は、宮崎氏の作品の通奏低音でもあるからです。

多くのジブリ作品が、幼児、女児、少女、そして大人の女性から老女(失礼!)、異形の者まで登場させてきたのは、彼らが、さまざまな社会と歴史の中で、その身において、最も多くの矛盾を抱えさせられてきているからだと思います。
そして、今なお現在においても、弱者を巡る環境はそれほど変わってはいません。
ただ、彼らの周りには、お父さん、お母さんがいました。お婆ちゃん、お爺ちゃんがいました。友人、知人、近所のおじさん、おばさんがいました。
彼らは孤独ではありませんでした。そこに安心と救いがありました。

ところが、この作品は、菜穂子は途中で退席、加代はあまり関与しません。
そこは、新しいアプローチのように感じます。
しかし、宮崎氏にとって、切るに切れない存在、この世で最も美しいに値するのは、女性であることは間違いようのないことなのです。
でも、この作品の主人公が堀越である以上、美への追及は、宮崎氏のこだわる女性で進めることはできません。そこで、「美しい飛行機づくり」というモチーフに置き換えられたのだと思います。

男は、せいぜい、美しくある造形物を呻吟しながら作り出すしか能がないのです。
どんなに頑張っても、命というこの世に唯一無二のものは産み出せないのです。(医療技術で、少しお手伝いできるところまでは来ましたが。)


そこで、一つ考えてみました。
男性、女性という枠を外した時、そこに見出だされるのは、ただの人間です。
 人間、おおかたの運命は避けられません。受け入れるしかないことも多々あります。
 女であり男であること、日本人であること、この親の子どもであること、この子どもの親であること、この年齢であること、この身長であること、
まぁ、8割がたは変えようはないですね。

でも、あと2割ほどは変えられます。

住む場所、仕事先、生活様式、体重・・・はぁ、あんまりなさそうですねぇ。

しかし、この作品から感じ取るべき「変えられるエッセンス」は、そういった外見ではなくて、内面を変えることです。

「こころざし=志」です。

志は、自由に変えることができます。 
夢、と言い換えてもいいかもしれません。
目標、といってもあながちはずれてはいないでしょう。

なんなん、そんなこと? 何言ってるのぉこのヒト、阿保?って思われても仕方ありません。汗。

ただ、宮崎氏が堀越の生き方に重ねてアピールしているのは、人生は一度きりで、何をおいても、その命を、時間を、お金を、労力を、好きなことにとことんかけてみることはどうですか?っていうことだと思うのです。



私は、個人的に思うことは、好きなことにチャレンジするとき、けっこう障壁になるのが、親の考え方だと思います。

親は、親の思考の範囲でしか判断できませんから、子が好きなことに進むときに、最初に不安が立つのが自然です。

子どもは、普通は親よりは世間を知りません。ここがミソです。親よりはってこと。
でも、親よりも知識があり、実績があって、人脈があって、影響力のある社会人もまた、世の中にはゴマンといます。
そういった人たちとつながるためには、親の影響力から脱すべきタイミングは考えておくことも大事なんじゃないかなって思います。

それは、直接は、家から出ることだと思ってもらってもいいです。
が、根本的には、親から知らず知らずに受け継いできた「概念」からの脱却です。もちろん、全部捨てる必要はありません。温故知新ですね。

言い方を変えれば、「因縁」からの脱却ともいえるかもしれません。良い因縁も、悪い因縁も、一旦はひっくるめて横において、自分の生き方とその選択、そして覚悟をとことん見つめることだと思います。

宮崎氏も、堀越も、言ってみれば「超然」とした存在です。換言すれば「本物」です。
その宮崎氏が、堀越という人物を通じて「私はこういう生き方をしてきました。こういう生き方はどうですか?この作品を通じてあなたは何を感じ、どう思いましたか?」と問うているのが、私は、正しい受け止め方だと思っています。


「千里の馬も伯楽に逢わず」という故事があります。

意味はつぎのようです。

一日に千里を走るような名馬はたくさんいるが、その才能を見抜き充分に能力を発揮させる伯楽のような人は、いつもいるとは限らないこと。

転じて、
いつの時代にも有能な人はいるものだが、その才能を見抜き、発揮させてくれる人と出会えることは滅多にないということのたとえになります。

「伯楽」とは、今の中国の春秋時代の名馬を見分ける鑑定名人。
(故事ことわざ辞典より抜粋しました。)

この作品では、伯楽は、宮崎氏と堀越二郎になります。

夢は持つもの。叶えるもの。

日本には、それを実践してきた伯楽がいる。それを今、実践している伯楽があまたいる国です。

そういう時代にいる私たち。
さぁ、手を伸ばそう。チャレンジしない手はないだろう?

そう、語りかけてくる作品のような気がします。



長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品が、皆に愛されますように。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この映画には大正ロマンがある、昭和モダンがある、美しいメカがあって、薄幸の美少女がいて、正義と恋と挑戦と、挫折と人情と幸せに満ちている。そして宮さんは僕の期待を裏切らない

まずネタバレを気にしている方はこのレビューどころか【予告編を観てはいけない】
あれはほとんど全部を端的に晒してしまっていますからね(笑)










そもそもの出発点は宮さんが模型誌に連載させた【妄想爆発気味】の漫画
零戦の設計者として著名な天才設計士、堀越二郎を主人公のモデルとし
さらに薄幸の美少女との恋物語を描いた堀辰雄の同名小説に着想を得ている【完全なフィクション】


だから間違ってはいけないポイントなのがほとんどの部分が宮さんの妄想であり、そもそも里見菜穂子なるヒロインの存在やイタリアのカプローニが堀越二郎に影響を与えたというのも宮さんの壮大な妄想に過ぎません
だからプロジェクトXどころではなく、かわぐちかいじ辺りを読んでるつもりで心して掛からないとついつい「堀越二郎はこーゆー人なんや」と伝記や再現ドラマでも観ているかのような誤解に引き込まれてしまうわけっす
これには気をつけたい


それと具体的な恋愛描写や航空機技術を延々と語るシークエンスがあるため、子供やメカニックトークに全く興味のない人には【残念ながらオススメすることが出来ません】
予めご了承ください


物語は真面目で正義感が強い秀才として育った青年の堀越二郎が、夢の中で出会ったイタリアのカプローニと飛行機設計士になる夢を語らいながら上京、就職し
その後の様々な困難や挫折を経ても一切挫けず、ひた向きに夢へと前進していく半生を映し出します


大学在学中に関東大震災に見舞われ、偶然にも良家のお嬢様を助けたことが縁となってその後に再会した彼女と結ばれる
しかし彼女の体は結核に蝕まれており、周囲の反対を押しのけての婚約や激務に追われながらの新婚生活では宮さん作品らしからぬ濃厚なラブシーンが描かれます
【深窓の令嬢萌え】を描きたがる72歳、それが宮さん


舞台となる1920年代は震災、世界恐慌、貧困、そして戦争という現代の話題と重なる部分も多々見られながらも兎にも角にも生きるのに苦しい時代であると示唆
宮さんなりに「生きろ」や「生きねば」の問い掛けに答えを出しているのかと思いつつ
その一方で主人公の周辺人物達はその時代では一部の富裕層だけに許されていた贅沢を堪能しており、辛い時代とかキャッチコピーを打った割には矛盾している
しかしこの大正ロマンや昭和初期のレトロモダンといった当時で言うところの華やかなで優雅な暮らしが現代のオイラ達のノスタルジーと憧れを奮い起こします
この辺は時代背景こそ異なるものの『コクリコ坂から』の魅力にも通じるものがある


さらに堀越二郎を取り囲む人々の人情味あふれるキャラクター的魅力も忘れてはいけない
特に同期生(であるとされていますが実在人物は無関係)の本庄くんとのライバル関係とも取れる互いを切磋琢磨しあう近過ぎず遠過ぎない距離感の友情
この辺りはバディもの好きな、特にインテリ系男子に殺されがちな方にはヨダレものでしょう(いやw真面目にw)


そして何より堀越の才能をいち早く見抜き、あえて千尋の谷に落とすかのような難題を突き付けつつも、公私に跨って堀越をフォローし続けた堅物の上司、黒川
菜穂子の健気さに心打たれ、愛する二人の仲人となる役を買って出る黒川夫人
この二人を演じる西村雅彦と大竹しのぶの芝居はもはやアカデミー賞ものの味わい
ホントいい人、理想の上司と理想の妻の姿がここにあります


そして宮さんが渾身を込めて送り出す最終兵器【妹キャラ】、堀越加代
「にぃにぃさんはいつもこんなに遅いのですか?」
これはもうオイラの中で流行語大賞
よくやりましたわ、宮さん
そしてあ~、どっかで聞いた覚えのある声やと思い出せんかったがエンドロールで志田未来ちゃんだと気付くと全て納得であります
そぉよ皆々様方、「アリエッティですよ!」
ジブリ作品へのご帰還、オカエリナサイませですよ


メカヲタ、ミリヲタにとっては劇中でgdgdと語られる航空機技術は興奮モノ
たぶん普通の人にとっては今作の最もツマラン部分になることは必至です(笑)
興味深いのが劇中でも「創造的人生は10年」言われている通り、堀越が戦前に試作した七試艦上戦闘機
そしてインバーターガルウイングが美しい九試単座戦闘機のエピソードのみがピックアップされています
だから肝心要の『ゼロ』を初めとする戦中、戦後のエピソードは一切なし
兵器を描いても戦争は描かないってのは『紅の豚』と一緒で、ミリヲタの癖に戦争反対を訴えている宮さんらしいポインツ
実在の堀越氏が兵器としての飛行機に興味が無かったのかは定かでは無い


本来ならばけたたましい轟音を発する航空機エンジンの騒音も、例の人間が口から発する音だけで作ったという効果音のお蔭でだいぶデフォルメ(というかこの場合は美化)されているのもそんなところからなのか


ちなみに劇中に出て来る枕頭鋲(ちんとうびょう)ってのはリベットのこと
あとインバーターガルウイングは見た目がカッコイイからやるんでなくてプロペラを大きくしたり主脚を短くしたりする工夫です
実名企業の三菱が出ていることや当時の三菱のヘボいエンジンを辞めて中島製エンジンを使用するよう打診した実際の堀越氏のエピソードは語られないため、戦前の三菱の技術力(日本のものづくり力)を賛美するかのようなうさん臭いお話っぽくなってしまっていますが、何度も言うように【宮さんの妄想】なので気にしたら負け


しかしまあw結婚式のくだりの辺りからオイラはニヤニヤがまるでとまらんかったw
72歳の偏屈なおじいさんが作った映画の主演を、53歳のこれまた偏屈なおじさんがやって
その映画のラブシーンで2828してしまう26歳のオイラ
さぞ隣の席のお客に迷惑を掛けたことでしょうw
こりゃ「妻には見られたくない」とアンノが言うわけです
2013年夏、【一番萌えられる映画は間違いなくコレ】


個人的には今までのジブリの中で一番好きな作品になるやもしれません
レトロモダンハァハァ的にも、メカヲタ的観点からも
『コクリコ坂から』のレビューにも同じようなことを書いてしまった気がしますがw


唯一悲しい偶然かな、今年のアカデミー賞で短編アニメーション部門を受賞したジョン・カース監督のディズニー作品『紙ひこうき』(シュガーラッシュと併映)と今作の馴れ初めが“丸被り”しているのには笑いましたがねw
興味ある方はこっちも是非チェックしてもらいたい


最後になりましたが劇中に出てくる『シベリア』なる謎のお菓子は羊羹をカステラで挟んだものですね
(発祥、創作者、名称由来など全てが謎でそもそも洋菓子なのか和菓子なのかすら怪しい)
映画の人気で一時的に復刻したお店もいくつか出ましたが・・・日常的に食べたいのでもっと作ってくれ(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39

69.9 10 2013年度アニメランキング10位
サカサマのパテマ(アニメ映画)

2013年11月9日
★★★★☆ 3.8 (661)
3137人が棚に入れました
どこまでも、どこまでも坑道が続く地下世界。狭く暗い空間であっても、人々は防護服を身にまとい、慎ましくも明るく楽しい日々を送っている。地下集落のお姫様であるパテマは、まだ見ぬ世界の先に想いを馳せて、今日も坑道を探検する。お気に入りの場所は、集落の「掟」で立ち入りが禁止されている『危険区域』。これまでに見たこともない広大な空間には、幻想的な光景が広がる。世話役のジィに怒られながらも、好奇心は抑えられない。いつものように『危険区域』に向かったパテマは、そこで、予期せぬ出来事に遭遇する。何が『危険』であるのか、誰も彼女に教えてはくれなかったから。隠された“秘密”に触れる時、物語は動き出す――

声優・キャラクター
藤井ゆきよ、岡本信彦、大畑伸太郎、ふくまつ進紗、加藤将之、安元洋貴、内田真礼、土師孝也
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

良いふわふわ感

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。100分くらいのSFファンタジー。

 演出のメインである重力感は、かなり上手く描けていたと思います。高所に立った時のぞくぞくする感じは、画面を通して見ている私にも感じられました。視聴後のスッキリ感も良く、結構面白い作品だったとは思います。
 ただ、作品の出来としては、まぁまぁくらいですかね。


世界の構造(ネタバレ注意):{netabare}
 オチが読みやすい分、分かりにくくはないと思うので簡単に。
 ボールの中にボールが入っている構造です。私たちが認識している地球が外側のボールだとすると、その中に内側のボールが入っていることになります。

 図解するとこんな感じです。外側ボールを”外)”、内側ボールを”内)”で表現します。
 < ←地球のコア  内)←偽物の空 ←アイガ|パテマ→ 外)私たち→ 本物の空→ >

 外側ボールの表面に、外側に向けて立っているのが私たちです。作中には一切出てきませんので、もし居たとしたらという話ですけどね。そして、私たちの足元の地下世界に、同じ向きで生活しているのがパテマたちです。
 外側ボールの裏面に、内側に向けて立っているのがアイガの人たち。この人たちが逆さまです。文字通り「ガイア」の逆ってことなんだと思います。

 内側ボールというのは、パテマたちの祖先が、アイガの人たちのために作った偽物の空です。光源でもあり熱源でもある人工物です。雲の描き方から察するに、雲の生産も行っているのだと思われます。地下深くに上空と同じ雲が再現できるとは思えませんから、雲状のガスというのが正しいのかもしれませんけどね。

 パテマが本物の空を目指さずに、偽物の空を目指していたのは、自分たちが逆さまだと思っていたからです。偽物の空だけを知っているため、本物の空の方を地下深くだと認識していました。
{/netabare}

吉浦康裕監督のこと:{netabare}
 吉浦作品は、「イヴの時間」と「アルモニ」を視聴済みです。今回で三作目ですね。
 特徴としては、かっちりとした作品を作る監督だと思います。世界観や設定を練り上げて、さらにフラグ管理も徹底することで、破綻のないストーリーを作る。世界観については、オリジナルというよりは、どこかで見たことのあるものが多いですから、独創性よりはアレンジャー気質を感じる監督です。

 「イヴの時間」では、このかっちり感がやや裏目に出てしまったような気がします。裏面のストーリーはもちろん、表面のストーリーでも、フラグが回収できてないことが分かってしまう。平たく言えば、未完であることがバレバレであるってことですね。もちろんこれは、完結ものとして評価しづらいだけで、作品として悪いという意味ではありません。

 かっちり感が良い方に転がったのが「アルモニ」です。二つの異なる世界を使って、かっちりしているのにわざと見せない部分を用意するという作りになっていました。これにより、答えを用意しながらも、その後どのように展開するのかを視聴者の想像に委ねることができていました。
 かっちりした作品というのは、破綻のない分、想像の余地や余韻が失われてしまうことが多いです。ですが、わざと穴をあけることで、破綻のなさと想像の余地を両立するかなりいい作品に仕上がっていました。


 時系列的には、「イヴの時間」と「アルモニ」の間に作らえたのが「サカサマのパテマ」です。作品の性質もこの二つの作品の中間に該当します。「イヴの時間」にあったフラグ未回収で中途半端な感じは消えているものの、「アルモニ」のような想像の余地は得られない。未完のせいで評価しづらい「イヴの時間」とも、かなりいい作品に仕上がっていた「アルモニ」とも違う、まぁまぁな作品。これが「サカサマのパテマ」です。
 そして、「サカサマのパテマ」のかっちり感がどこから来たかというと、「天空の城ラピュタ」です。
{/netabare}

サカサマのパテマのプロット:{netabare}
 サカサマのパテマの基本プロットは、「天空の城ラピュタ」と全く同じでした。
 女の子が落ちてきて、男の子と出会う。女の子がさらわれて助ける。上昇や下降の末に、新たなフィールドが用意されている。足場が崩れてエンディングに至る。お父さん役は同じ夢を追って死んでしまっている。敵はムスカのような分かりやすい悪役。

 「ラピュタ」を作りたかったのは理解しますが、さすがにここまで同じだと厳しいものがあると思います。パクリなのかオマージュなのかという話ではなくて、宮崎駿監督に正面から挑むとかラピュタ越えする作品を作るとかいうのが無理がある。ここまで同じプロットだとこちらも比較せざるを得ません。

 ラピュタというのは、冒険譚としての圧倒的な面白さに加え、宮崎駿監督の思想が出ているから傑作になっているんだと思います。面白さとメッセージ性が両立された稀有な作品です。
 ですが、この作品は表面をなぞるだけで終わってしまっています。人物像はどこかで見たものばかりで、掘り下げられてはいない。描かれている思想もありきたりな管理社会批判だけ。エンディング後に世界がどうなっていくのかの示唆も感じられない。
 重力感の描き方以外は、どれもこれも今一つなものばかりです。

 ラピュタのような名作と同じプロットで作品を作れば、失敗しないのは当たり前だと思います。ですが、ラピュタ越えする作品を作るというのは、宮崎駿監督本人にとっても非常に難しいと思います。
 結局、二番煎じにもかかわらず、新しい要素はほとんど見せられなかった。そんな意味でもこの作品は、「まぁまぁな作品」だと思います。
{/netabare}

演出関係:{netabare}
 静止後に画面をぐるっとひっくり返す演出が、複数回使われていました。個人的にはここまで露骨なのは最初の一回だけにして、あとはアレンジした演出を見せて欲しかったです。
 分かりにくくなるのを恐れたんだとは思いますが、分かりにくいことを分かりやすく表現することこそが演出力として必要なことなんだと思います。

 反面、パテマとエイジの人間関係の描き方は非常に良かったです。
 手と手でつながっていたものが、身体と身体でつながるようになる。反対を向いているという相容れない存在同士が、キスシーンのときだけ同じ向きを向いている。
 この辺の人間関係の進展の描き方は、この作品の設定と非常にマッチしていました。
{/netabare}

おわりに:{netabare}
 吉浦監督がどのような方向に行きたいのかはよく分かりませんが、いずれの作品も社会風刺の要素がありますから、今後もその傾向を持つんだと思います。ただ、かっちりな大枠を用意して作品をまとめ上げることを優先しすぎているせいか、そのメッセージ性自体は全く面白くありません。おまけで入れているようにすら感じます。そもそも風刺の内容に新しい視点があるわけではなく、既に語られてきたやや古いものばかりです。
 作品のプロットも、思想の中身も、二番煎じばかりという今の状況はなんとかした方が良いと思います。


 批判的に書いていますが、私個人としては、吉浦監督には結構期待しています。
 前述したとおり、「イヴ」「パテマ」「アルモニ」と、作品を追うごとにクオリティはどんどん上がってきています。しかも、ただ単にクオリティを上げているだけではなく、悪かったところは重点的に修正されています。

 特に、人間関係の描き方や掘り下げ方は、「イヴの時間」や「サカサマのパテマ」ではお世辞にも良い作品とは言えませんでしたが、「アルモニ」ではかなり上手くなっていました。
 また、作品の設定そのものにも改善が見られます。室内劇であったためにスケールが小さかった「イヴの時間」、大空を舞台としたスケールの大きい「サカサマのパテマ」、と来て、室内劇とファンタジーを組み合わせた折衷的な「アルモニ」が作られた。

 新しいことにチャレンジしながらハイペースで成長している監督ですから、個人的には今後が期待できる監督としてはかなり注目しています。

 今後は、プロットを引用しないオリジナルの長編に、ぜひチャレンジしてほしいと思います。「アルモニ」は短編でしたからね。もし次の作品で大失敗しても、切り捨てるようなことはしないと思います。
{/netabare}

対象年齢等:
 子供は十分に楽しめると思います。
 大人向けというのは厳しい気がしますが、大人が見ても損することはないと思います。「風に乗る」とか「風を切る」とかとは違う「ふわふわ感」を体験できるのは、この作品の特筆すべき特徴です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

ヲリノコトリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「物質に働く重力の向きが2種類ある」傑作SF

【あらすじ】
 「咎人は空に落ちる」。重力が反転した人々は地下に隠れ住んだ。そして月日は流れ、何も知らない少年と少女が出会う。その果てに待ち受ける真実も知らず……。

【成分表】
笑い★☆☆☆☆ ゆる★☆☆☆☆
恋愛★★★☆☆ 熱血★★☆☆☆
頭脳★★★★☆ 感動★★☆☆☆

【ジャンル】
SF、恋愛

【こういう人におすすめ】
SF好きな人。しっかり考えながら見るタイプの人。

【あにこれ評価(おおよそ)】
68.3点。いまいち。

【個人的評価】
舐めてたけど予想を超えてきた。スタジオ六花の可能性を感じた良作。

【他なんか書きたかったこと】
 地中に重力が逆向きの人々が住んでいて、ひょんなことから重力が逆の少年と少女が出会う。なんと少女は手を繋いでいないと空に落ちて行ってしまうのだ!そして始まる『天空の城ラピュタ』的な二人の冒険劇……。
 分かる。言いたいことは分かりますよ。一つのアイデアでゴリ押しする感じのありがちなストーリーに思えますよね。要するにご都合いちゃいちゃアニメじゃんハイハイご苦労さんって思ってるでしょう?
 少なくとも私はレンタル屋でパッケージを見たときにはそう思いました。
{netabare}
 でもこれ実はすごいですよ!「物質に働く重力の向きが2種類ある世界」というSFとして見ると、物理学的に全然間違ったところが無いです!
 そして、隠された謎も面白い!最後まで明言されない謎なので、ながら見するとストーリー構成の妙に取り残されますよ!

 むしろ頭を使ってアニメを見るタイプの人、緻密なストーリー構成が好きな人にこそおすすめしたいアニメ映画です。「重力が逆向きの二人のボーイミーツガール」というアイデアだけでも十分アニメ映画は作れたでしょうが、そこからさらに一歩テーマを突き詰めた良作SFです。
 映像的にも天地反転のカメラワークが面白くて「おー」ってなります。

↓以下、「一度みたけど何がすごかったん?まあラストあんま意味わかんなかったけど」という人だけ開いてください。これから観る人は絶対開けちゃダメ! 
{netabare}
 物語の始まりでは女の子サイドは地底人。男の子サイドは地上人として登場します。地上の都市の名前は「あいが」。この時点ではなんのことか分かりませんが、ちょっとスルーできない雰囲気を持つ都市名です。

 で、ボーイミーツガール。ここはまあ楽しんでください。
 でもこのあたりでの「都市の外のタブー」地域があとで効いてきます。

 で、女の子捕獲→救出。ここもまあ楽しんでください。
 しかしここで、「あいが」サイドが地底人に対してなんか無駄に敵対心があることが読み取れます。「罪人」という言葉も無駄に出てきます。これは単にジブリの悪役のマネしたいわけじゃなく、ちゃんと裏設定があるのです。”遥か昔”は、地底と地上で交流があったことも示唆されています。

 で、二人で空に落ちる!
 この展開、結構面白くないですか?本来は女の子のほうが軽かったので下向きの力の方が強くて地面にいたのですが、この時は女の子が足かせをしていたのでその重さの分だけ上向きの力が勝って空に落ちてしまったのです。なんか物理かじってるとこういうの楽しいです(笑)
 そして空へ浮いて浮いて行き着いた先が、都市!?
 ここまでちゃんと見てた人は大パニックになります。これはむかし空に飛んで行った人たちの都市なのか?いやいや、そうなると空の上にもう一つ地平があることになります。まさか地球をぐるっと囲むようにもう一つの地面の膜が作ってあるのか?
 NOです。
 最後までみると分かりますが、ここには人は住んでません。これは「気象発生+照明装置」です。……はい?って思いました?さあ先に行きましょう!
 
 ここでちょっといい話挿入。でもこれ、都市から気を逸らせるための罠です。にくいことしますね(笑)

 そして地下→ラスト。地下の一番底が抜けて、空が!
 わかりましたね。
 つまり地底人は男の子サイドのほうだったのです。女の子サイドは地下に住むだけの地上人。地底に「あいが」という巨大な空間があり、そのさらに最下層に無人の都市(に見える気象装置)があったのです。
 「あいが」=「さかさまのガイア(大地)」だったんですね。ま、これはチープっちゃチープですがさらっと面白いことしやがる。
 女の子サイドは「サカサマ事件」を起こした実験に関与していた人たちの末裔で地下都市アイガを監視する役目。男の子サイドは地下に追いやられたサカサマ人。アイガの人が地底人を恨んでいるのは当然ですね。しかしお互い長い年月の末、そのことを知るものがいなくなったようです。
 アイガの外のタブー地域はつまり、空間の終わり。つまり地下空間の壁がある場所なのです。
{/netabare}

↓「SFとして面白いこと!ちょっと間違ってること!」これも観てない人は開けちゃダメ!
{netabare} ・まず、アイガの男性陣は結構パテマを軽々片手で持ってますが、これはちょっと握力強すぎ。女の子が片手で懸垂してるのと同じ力が必要です。

・最初に二人で大ジャンプして追手をかわそうとしたシーン。あれはジャンプの瞬間にパテマ側も男の子を押すようにして二人の腕が曲がらないようにしないと成功しません。全体的にこいつら筋肉質だなあ。

・二人がアイガの塔から空に落ちるシーン。ちょっと初速が速すぎますね。もうちょっと風船くらいの速度で行かないと、無人の都市にぶち当たってヒキガエルですよ!

・しかし、無人の都市にぶち当たって死ぬことがない。これは空気抵抗で説明できます。二人の重力の差がごくわずかであればすぐに空気抵抗によって加速しなくなるので、「ゆっくり着地」はあり得ます。まあそうなるとゆっくり離陸するはずですけどね(笑)

・親が昔作った重力反転気球みたいなやつ。動力0で浮遊できる!ちょっとリスキーだけど魅力的な乗り物です!重りの落とし方ミスったら宇宙の果てですね。

・最後本当の地面が抜けた時、アイガ側におちる破片と、本当の空に落ちる破片の2種類がありましたね。芸が細かい!

・これ言ったらSFってジャンルはオシマイですが、地下につくられた空間デカすぎですね。地平線で見えなくなるところまで、認識できないほど地下深く掘られています。
{/netabare}

 さかさまな二人から子供生まれたらどうなるの?とか、ご飯食べたら浮くの?みたいな面白い考察をするレビューがありました。まさしく!そこらへん面白いです!分子レベル、量子レベルで重力が反転していると考えるのが自然なので、理論上「どっちの分子でできているか」によってどっち向きか決まると思います。
 ということはサカサマ人は地上の食べ物を食べ続けて正しい重力方向の炭素を摂り続けたら、地上で暮らせるようになるかも!反転する瞬間が怖いですが。あと、反転するまでは、排泄したう○こが上にすっ飛んで行きますね。
 ……やめとくかこの作戦は。
 あ、炭素など取らずとも数日正しい重力方向の「水」を飲めば重力反転は可能ですね!熱中症とかになって脱水症状がでたら宇宙まで飛んでいくかもですが。
 「生まれてきた子供」はほぼ母体の炭素から構成されるはずなので、パテマ側の重力になること間違いなしです。

↓私発案!正しい重力の戻し方!
{netabare}
1、地下の一室に閉じこもり、天井に磔にします
2、この状態で水だけを正しい重力方向のものと代えて、数日過ごします。その間、おしっこは浮くかもしれません。
3、何日かすると重力が反転します。
4、次にご飯も正しい重力のものに代えて数か月過ごします。この時期には頃合いを見て地上に出ることも可能です。
5、完成!もうサカサマ人じゃないよ!サイヤ人だよ!(髪の毛は逆立ちます)
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

秀逸なワンアイディアによって展開する劇的なアニメである一方、そのアイディアに引っ張られ過ぎた感もある

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞。王道のボーイミーツガールであり、冒険活劇。メッセージ性、芸術性、娯楽性、いずれの質も高い。大変出来の良いアニメ映画です。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
やはり、「重力が逆」「空に落ちる」というアイディアが秀逸。また、その効果により、カメラアングルがぐるっと上下逆転する映像は新しく、見処のひとつであり、パテマとエイジが手を取り合い空を(月面のように)駆ける様には緊張感と爽快感があった。

絵で魅せる、絵で伝える、というアニメの基本であり王道であり、奥義でもある魅力を堪能できるアニメ。カメラがグルグルと回り、天地が引っくり返ると同時に、自分の価値観や、これまで信じてきた事実の根底をグラグラと揺さぶられる妙な快感を味わえることでしょう。

それから、ヒロインのパテマがとても可愛らしかった。いかにも、宮崎駿さんが好きそうな女の子です(笑) 基本的には勝ち気だけど、少女らしい弱さもあって。映画という尺の中でも十分に魅力を表現できていたと思う。

ここまでは、絶賛w

ここからは、カライ評価。

(アニメをたくさん観てきた方なら)「実はパテマ達が通常の人類で、エイジ達が大罪人(逆さま人)だった」というオチは、正直早いうちから見当はついただろう(そうじゃないと、物語に決着がつかないしね。悪役が語る伝承は嘘であることが定番w)。

この作品は、監督に表現したいことが多過ぎたから、一生懸命にムダを削り、それでも尺からはみ出てしまい、泣く泣く描きたいシーンを削ってできた作品のように思う。監督にとってはツラい作業であったろうし、個人的には、そのぐらい思いの詰まった重い作品は、愛しく感じる。

とはいえ、やはり中途半端な感じは否めない。

この作品の致命的にマズイところは、ボーイミーツガールものなのに、主人公(エイジ)とヒロイン(パテマ)の心の交流、絆の深まりをじっくりと描ききれなかったことだと思う。

例えば、エイジとパテマが管理塔から空に落ち、エイイチの気球(的な乗り物)を見つけた場面。ハッキリとは描かれてないけど、エイジとパテマのキスシーンがあった。あれは感動的で良いシーンに成り得るんだけど、私は観ていて「いつの間にそんなことになったの?」と思ってしまった(出会ってからトータルで、2日も一緒にいないよね?)。なんか、「つり橋効果?」とか「ラゴスの死を知った後に優しくされたからほだされたのか?」とか、考えてしまった。言い方悪いが、パテマが尻軽に感じた。だから、最終的にフラレるポルタが可哀想で可哀想で。幼馴染みより、たった2日しか過ごしてない相手を選ぶってどうなのよ?

パテマとエイジが出会った後、治安警察に捕まるまでの間に、少し(2,3日程度)で良いから日常パートを差し込み、2人に「重力が違うからこそ成り立つラブコメ」をさせておけば、だいぶ違ったと思う(まあ、尺の関係で削ったのだろうけど)。

そこが、最大に残念なところかな。

あと、「折角考えた秀逸な設定を紹介したい」熱が凄すぎて(汗)

最もそれを感じたのは、やはり上記の「エイイチの気球を見付けた」場面。あの場所はおそらく、アイガ国民にとっての太陽なのだろう。大災害を経て地下に逃れた人類(逆さま人、後世のアイガ国民)は、自らの科学技術により、地価の大空間に空と星と太陽を作りあげた。それが、あの施設。その設定、世界観の作り込みは秀逸で、確かに紹介したい。気持ちは分かる。でも、あの少ないシーンでそこまで気付ける視聴者って多くない気がする(それに、エネルギー源とか、だれかコントロールしている人間がいるのかなど、不明な点もある。きっと裏設定はあるのだろうけど、視聴者には伝わらない)。

それよりも、例えば、アイガを「空中都市」にしちゃえば、話が早かったのでは?(ラピュタへ逆さまに立っている感じ)。それだと、父親の手帳を見つけるシーンと最後の本当の地球に辿り着くシーンが(ラストの)1発でいけるから、中盤にラブコメを入れられたと思う。

もちろん、2回にわたり世界を引っくり返すことで、世界観はより深まるから、あれはあれで価値は高いんだけど、何よりもパテマとエイジの心の交流を描くことが優先される、というのが私の意見だ(この作品がボーイミーツガールである以上)。

しかも、更に他にも、この作品には「異なる価値観を認める」というテーマも含まれている。

ベルトコンベアーのような道路で運ばれ、偏った思想教育を植え付けられ、(例えば空を飛ぶなど)おもいきった夢を持つことを禁じられた、無表情な学生達。まるで、大量生産される商品のようだった。それは多分、今の日本の教育や社会に対する(かなり大袈裟な)警告なのだろう。

「自分の価値観(世界)だけが正しいのか」「異なる価値観(逆さま人)とも手を繋ごう」というメッセージは、作中かなりたくさんあった。でも、結果が出てない。せいぜい、パテマとエイジが空の上から帰ってきた時に、学生達が明るい表情で空を見上げたことくらいだろうか。イザムラが死んだ後の世界で、彼らはどう生きるのだろうか? 本来ならCパートで、「その後」を見せるべき構成だろう。エイジの学校で学ぶパテマや、パテマの家で遊ぶカホ(エイジの同級生)とかね。まあ、これも尺の問題で無理だったのだろう。

と、色々と難癖はつけているが、確実にレベルの高い作品であったことは間違いない。記憶に残る一作になるだろう。実際、この映画にムダな部分はない。でも、足りない。つまり、アイディアと構想が良すぎただけだ。時には、思いきって「大衆化」する勇気も必要なのだと感じた作品だった。

イメージ的には、「鰻牛(うなぎゅう)ツユダクで生卵トッピング、あ、あと、カレーとチーズもかけて下さい」byすき家 って感じのアニメでしたねw どれもこれも美味いんだけど、バラバラでじっくり食べたかったな、と。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「重力が逆」「空に落ちる」というアイディアが秀逸。絵で魅せる、絵で伝える、というアニメの基本であり王道であり、奥義でもある魅力を堪能できるアニメ。

ただ、主人公とヒロインの心の交流、絆の深まりをじっくりと描ききれなかったことがマイナス。また、監督が自らのアイディアを全部詰め込もうとして、やや空回っている感じもした。勿体ない作品だった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 40

69.7 11 2013年度アニメランキング11位
シュガー・ラッシュ(アニメ映画)

2013年3月23日
★★★★★ 4.1 (129)
845人が棚に入れました
アクション・ゲームの悪役キャラクターのラルフの願いは、みんなに愛されるヒーロー・キャラになること。ある日、ついにラルフは我慢ができなくなり、自分のゲームを飛び出してしまう。迷い込んだのは、お菓子の国のレース・ゲーム“シュガー・ラッシュ”。そこでラルフが出会ったのは、不良プログラムであるためにレースに出場できない少女ヴァネロペだった。嫌われ者のラルフと、仲間はずれのヴァネロペ──孤独な2人は次第に友情の絆で結ばれていく。だが、ラルフの脱走はゲームの掟に反し、このままではゲームの世界全体に災いをもたらすことになってしまうのだ。ゲーム・キャラクターたちがパニック状態に陥る中、ラルフは“シュガー・ラッシュ”とヴァネロペに隠された恐るべき秘密を知ってしまう。はたしてラルフはヴァネロペを救い、ゲーム界の運命を変えることができるのだろうか? そして彼は、“本当のヒーロー”になることができるのだろうか…?

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ヒーローになりたい悪役のラルフが壊したいものってなに?

80年代のアーケードゲーム「※1Fix-It Felix」の悪役ラルフと映画オリジナルゲーム「※2シュガーラッシュ」の仲間外れの女の子キャラ"ヴァネロペ"が主人公の映画。

古きよき80年代ゲームから近年発表されたゲームのキャラに至るまで、多数の※3ゲストキャラが端役で登場します。

久し振りにディズニーアニメを見ましたが、特徴的と思った点をあれこれ。

第一に挙げられるのは、子供と対等な立場の大人が登場するという所。これはアメリカのホームドラマとかでもそうですが、大人が子供に合わせて"あげている"のではなく、あくまでも自然に、友達に話しかける様に子供と同じ目線になって会話するのです。日本のアニメでもこの様な光景をたまに見かける事が出来ますが、ジャンルが限定されていて、ギャグアニメに集中している傾向がある様です。この場合、大人は往々にして子供よりも劣った存在として描かれます。シリアスなドラマにおいては尚の事そうですが、日本のアニメでは大人と子供の役割に明確な線引きを設けている事に気付きました。

もう一つは子供を決して素直な良い子に描かない点が挙げられます。子供は子供らしく、ちょっとワガママに描かれているのです。何かと大人と競争したがって勝って喜んだり、説教染みた事を言われると鸚鵡返しをして反撃したり、無視したり、命令したり‥。作中でラルフの被った様な愉快?な災難は子供と係わった事のある人なら多分一通りお馴染みのもので、あるある話として納得する事が出来るのではないでしょうか? 威圧感の無い大人を前にした時の子供の尊大な態度(子供にもよると思いますが)をよ~く表現出来ていると思いました。国は違えど子供の行動って似てるんですね~(笑)

日本のアニメでも以上の2点を概ねクリアーしているものはありますが、このアニメを見た後だと、何となく子供の描写がきれい過ぎて、理想化されている傾向がある様に思い返されます。もっともキャラ表現が現実のものと近ければ近いほど良いとは言い切れないので、どちらが正解という話には出来ませんが、子供の感情表現の精密さについては目を見張るものがありました。

それとCGについて、一昔前の不自然な光沢感のあるキャラ表現とは一線を画しており(わざと古い表現を採用しているキャラもいますが)まるで実写のクレイアニメを見ている様で、柔らかで落ち着いた色彩、造形には親しみを覚えました。現在放映中の日本のアニメ「にゃんぼー」を見た時にもびっくりさせられましたが、こういった技術は日々目まぐるしく改良され、長足の進歩を遂げている様ですね。"CGアニメ"と一括りに出来ない時代がやって来ていると感じました。

全体的に見ると、子供でも容易に理解出来る内容の物語でありながら、伏線の張り方や演出に隙が無く、非常に細やかな作りのアニメという印象でした。表層は単純そのものですが中身は高性能。持てる物をさらけ出すのではなく封じ込める作風、こういうのをcoolという言葉で表現するのでしょうね。‥多分(笑)

子供ならヴァネロペを通して共感を、ラルフを通して大人の不器用な優しさを、大人ならラルフを通して自分の立ち位置を、ヴァネロペを通して子供時代に置き去りにしてきた純粋さを見つめ、自分の中に欠けているものに気付かされるのではないでしょうか? この映画を通して子供も大人もほんのちょっとでも成長出来て、優しい気持ちになれたらいいですね。


人は大人になるに従って自分にとって必要な知識を取捨選択して、思考すべき事の優先順位を決めてしまう事があります。その序列の下へ下へと追いやられていく知識は知らず知らずの内に印象をおぼろげにし、いずれ忘却の彼方へと隠れてしまいます。そうしていかめしい大人が一丁出来上がりという訳です(汗)

でも子供にとって、えばっているだけの大人というのは怖くてつまらなく見えるもの、そこには対等な関係は生まれません。わたしとしては、なるだけ子供と同じ目線で考え、喜びも悲しみも共有出来るラルフみたいな大人でいたいものです。大人の威厳? まぁ二の次ですね‥そういうのは(笑)

ゲームというテーマは大好きですが、CGがあまり好きじゃなかったし、ディズニー映画からも長らく離れていたので、視聴前、今のわたしに楽しめるのかな?とかちょっとばかりの不安はありましたが、杞憂でした。‥でもまさか泣かされてしまうとは!!

ところでこの「シュガーラッシュ」原題が「Wreck-It Ralph」となっており、邦題とまるっきり違うんですが、スラングのWreckは"破壊する"延いては"ぶち壊す"というちょっと乱暴な意味があり、悪役である自分の立場に不満を抱いているラルフが、煮え切らずうじうじしている自分自身をぶち壊すというニュアンスも込められている様に私には感ぜられました。

古典的ゲームというのは大体の場合、勧善懲悪ストーリーを活劇を通して面白おかしく擬似体験するものが多いわけですが、当然の事ですが、ゲーム内ではヒーローもヒール(悪役)も等価値で、いずれも欠けてはならない存在です。むしろプレイヤーの分身たるヒーローはただの器に過ぎないので、没個性キャラでも何ら問題はなく、悪役にこそ確固とした魅力のあるキャラクター性が必要だったりします。

正義役とか悪役とか現実の世界では存在しませんが、人の個性は多種多様、どっちが上だとか下だとか、良いものとか悪いものとかで人を分けず、それぞれが何かを担っているという事、個々の持つ掛け替えの無さを見据える目は大切ですね。ヒーローになりたい悪役のラルフがどうやって変え難く替え難い自分の立場と向かい合ったか、羨望にしがみついていては到底行き着けないヒーロー像がそこにはありました。是非ご自身の目でご確認下され。ディズニーアニメを食べず嫌いしている人にこそお勧めの映画です。

山寺宏一さん、諸星すみれさんなどが熱演する日本語吹替え版もイイ!

親しみ深いゲームキャラが画面内で喋っている風景は結構楽しいもので、芋づる式に「ピクセル」も観てしまいました(笑)


※1:この映画を見るまで、このゲームの事知らなかったのですが、日本のゲームで言うと画面を見る限りでは「クレイジークライマー(1980年)」+「ドンキーコング(1981年)」+「レッキングクルー(1984年)」という趣のゲーム。(レゲー好きでないと全部知っている人あまりいないと思うけど)作中の説明に従えば1982年に稼動が開始された「Fix-It Felix」は、先に挙げた3つのゲームの発表のちょうど真ん中くらいの時期に当たります。当時の日本とアメリカのゲーム業界がお互いに強く刺激し合っていた事が伺える面白い発見でした。因みにこの映画の原題はゲーム内のラルフの台詞"I'm Gonna Wreck It!"から一部引用した「Wreck-It Ralph」であり「Fix-It Felix(直せフェリックス)」と対になっていたりもします。芸が細かい‥。

※2:映画オリジナルゲーム「シュガーラッシュ」の元ネタは多分「マリオカート」。赤コウラみたいなアイテムとか、レインボーロードとかもあって、かなりまんまな印象でした。でもフィールドもカートも全てお菓子で出来ています(笑)カート工場でマイカートを作るシーンとか、実際のゲームにあっても面白そうだな~とか思いながら見てました。他ゲームネタもちょこっと入っていて、上上下下‥とかいい所ついてくれます。

※3:「ストⅡ」ネタでは、ベガはともかく何故かザンギエフまで悪役に‥。ぐぐってみたらネットでも話題になっていました。スタッフ間でもザンギエフを悪役扱いするかどうかは意見が分かれていたそうですが、全体的に観るとザンギ擁護の声が圧倒的に多い様です。

確かにザンギエフは悪人ではないですが、初期のシリーズでは「ロシアの大地をお前の血で染めてやろうか!?」とか「腕をへし折ってやるぜ!?」とかヒドイ台詞言ってるし、噛み付き攻撃とかもするので冤罪とは言えない気はします。エンディングではゴルビーと一緒に楽しそうにコサックダンスに興じてましたが(笑)実写映画で悪漢として登場していたのも影響したのかも‥。

日本語吹替え版の「君は悪役かもしれないけど、悪い奴じゃないでしょ?」とラルフに問いかけるザンギの台詞は自問の様にも聴こえ哀愁が漂っていました。(英語版では実際に「ザンギエフ、お前は悪役だが、悪い奴という意味ではない」と自答した事になっている)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

今年観た作品で一番でした。

結論を先に言っちゃいます
…めちゃくちゃ好みでした♡
うん。約2年ぶりにお気に入りの棚に収納しようと思える1作に出会えたので、この思いの丈を書き綴っておきたくてレビューを書きました。

※ストーリーには触れていますがネタバレしないように書いている紹介&感想レビューになります。

舞台はとあるゲームセンター 私たちの知らない裏側 感情があるゲームキャラクターたちの世界。
実はゲーム内のキャラクターは人間を楽しませるために自分の役を演じるというお仕事をしていたのです。

誰だって一度は憧れのヒーローやヒロインになりたいと思った時があるかと思います。

悪役だって皆に感謝されたいし!
悪役だって皆に愛されたいのです!!

ゲーム世界でずっと嫌われ者の悪役を演じてきた男が
『自分だって皆に愛されるヒーローになりたい!!』
という夢を叶えるために他のゲームへと冒険に旅立ちます。そんな男の運命…は?
また悪役がいなくなってしまったゲームに待っている運命…は?

ディズニーらしい愛と夢にあふれたファンタジーの中に現代に通じる悩みを抱えたキャラクター達がおりなすストーリー。
深みがあるシナリオは私の心に届きました。

カラフル、ゴージャス、ファンタジック等の言葉で表現されるディズニー映画の世界を象徴するような映像と多彩なキャラクターに思わず笑顔になるほど
色とりどりの世界 どこを見てもワクワクがいっぱいなんです。
とくにシュガーラッシュという お菓子の国のレースゲームでは「うわぁ♡」と嬉しい声をあげたくなるような驚きの甘くてかわいい(?)セカイが広がっていました。
ここで開催されるレースゲームがまるで任天堂のゲーム マリオカートみたいなんです。
カートのパーツがお菓子だなんてどうカスタマイズしたら速いカートになれるのかな?

私だったらクッキーのフレームにオレオのハンドル、オレンジを輪切りにしてチョコをディップしたタイヤを装備して、仕上げにはポップでカラフルなカラーのシュガーをたっぷり振りかけておめかし
はい、これで私のオリジナルカートの完成!
そしてシートクッションにはふわふわマシュマロを使いたいんだけど…美味しそうなカート。速いかな?♬*

ゲームキャラクターも可愛くて可愛くて、現実のゲーム世界のキャラクターに、そこらじゅうで出会えます
(お気に入りはスーパーマリオのクッパさん)
観ているうちにあの重要なマル秘キャラ{netabare}(アクションゲームの美人な大佐){/netabare}にゲームでお会いしたくなってしまいました。

音楽とセットになっている挿入歌も頭の中でずっと流れています
『Shut Up And Drive』はリアーナさんの中で好きな曲の一つだったのですがここで使われていたのですね。

冒険の中での心の苦しみや葛藤がとても丁寧に描かれていました。
言葉以上に物語るキャラの表情がとっても繊細で、ついついつられて画面の前で私も同じような表情になってしまっていたかも…
{netabare}
主人公を初めて見た時は好きになれそうもないゴリラさんみたいなキャラクター?(ゴメンナサイ!)と思っていたのですが
観終わった今は筋骨隆々な体型もビルを壊すためのショベルカーみたいな大きな手も、そして笑顔も本当に可愛くて仕方ないのです。

私の胸に響いた一番 大好きなセリフがあります。
『ヒーローになるのにメダルはいらなかった、あの子が俺を好きでいてくれるなら悪役も悪くない!』

大切な女の子のたった一人のヒーローになったことで悪役の居場所に戻っても今の自分を受け入れ毎日の時間を心豊かに過ごす様子には本当に心が温かくなりました。
気がついたらゲームをこえて皆を惹きつける存在になっているんですもの!
{/netabare}
こんなにも優しい気持ちになれる作品 なかなか出会えないかも…
お気に入りの棚へと収納しました。

12月になりどんどん寒くなってきましたが
是非シュガーラッシュを観て
…心を温めてください*❁*⋆ฺ。*

投稿 : 2024/05/04
♥ : 65

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

悪役だからなんだってんだ!

公開当時映画館で観ました。結末にちょっと不満があって、そのせいでアナ雪も観るまでに躊躇ってしまったけど、
もう一度観てみたら解釈も変わり良い映画だったなあと思いました。
でもまあ不満があったとはいえ、2回目を観ようと思ったのだからそんなにイメージは悪くなかったんです。

この映画は、レトロゲームの世界で悪役を演じる、ヒールであるラルフを主人公としたお話です。
ヒーローは初めから決まっていて、みんなから好かれるのも、尊敬されるのも、ゴールドメダルを貰えるのもヒーローだけで、
悪役はのけ者扱いです。役でやっているのにも関わらず、優しくしてくれる人はおらず、ずっと孤独でした。
30年。ラルフは悪役をつとめてきました。
でもほんとうは自分だって友達が欲しいし、みんなと一緒に踊りたい!
ラルフはついに決心し、自分を証明するためにゲームから飛び出して行きます。
何やかんやあり、辿り着いたのがSugar Rushというレースゲームの中。そこでヴァネロペと運命の出逢いを果たします。
ラルフとヴァネロぺの笑いと涙にあふれた友情とキャラクターとしての権利を取り戻す物語です。

作品の世界観が独特であり、ゲームの中という利点を最大限に使っていて常に目が離せませんでした。
アニメーションの質も高いので、とにかく迫力があるし、レースカーの疾走感もあり、Sugar Rushのお菓子の世界もとてもステキでした。

ストーリーも全体的にも細かい部分も良くできています。これは実際に観ると良く分かる。当たり前だけど 笑

ラルフとヴァネロペと心理描写は絶妙で巧妙です。引くとき、押すときが上手い。
互いに孤独によって心を傷つけられ、少しばかり捻くれてしまい、不器用な言い方しかできない彼らの友情には涙を我慢できませんでした。
ヴァネロペが手作りメダルを渡すときと、ラルフが自分の命を顧みずに飛び込んでいったシーンはドバドバ泣きましたw
名誉や英雄の称号なんかより、もっともっと大切なものを見つけたラルフが、悪役の心得を言葉にしながら
落ちていくところはもうダメでした。涙腺が切られましたwここは脚本も上手いです。
悪役の心得はゲームのために役を生きる自分たちを慰める言葉のはずなのに、ラルフが口にした心得は同じ言葉なのに違う意味で自分に言い聞かせています。ああ、すごいなあなんて感心しながら涙ボロボロですw


君がいるから頑張れる。僕の生きる意味になる。
この結末が僕は最初受け入れることができませんでした。結局人に依存しているじゃないか、と。
人がいなきゃなにもできない。自分という1人の人間の中で答えは出ないのかと。
理解が浅かったです。依存ではないです。自分1人の中で答えも出ています。
彼女はきっかけに過ぎず、どんなに良くても彼の一番の親友でしかありません。ちゃんと答えは見つかりました。
孤独を強いられ、その強烈な毒に侵されたあの環境では見つかりませんでしたが、
人との関わりを通し、理解し理解され、自分のことを受け入れてくれる存在の温かさを知って、今のラルフになれました。
なにが不満なんでしょうね、良い映画じゃないですか。ほんとバカだったなあ 笑
そんなこと言いつつも、当時サウンドトラックをすぐにツタヤで借りましたがw

何度も見返したいステキな映画です。アナ雪にだって負けませんよ!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

68.5 12 2013年度アニメランキング12位
コードギアス 亡国のアキト 第2章「引き裂かれし翼竜」(アニメ映画)

2013年9月14日
★★★★☆ 3.8 (508)
3675人が棚に入れました
皇歴2017 年(革命暦228 年)、ユーロ・ブリタニアとユーロピア共和国連合(E.U.)の戦争は続いていた。劣勢のE.U.軍は、イレヴン――ブリタニアに占領された亡国の日本人――を集めた特殊部隊、wZERO 隊を設立した。そして、wZERO 隊に新たな指令が下る。それは陽動のため敵中降下を命じる過酷な内容だった。wZERO 隊のパイロットは、隊長のレイラ以下、先の戦闘での唯一の生き残り日向アキト、イレヴンのゲットーを逃げ出し闇社会で生きてきたリョウ、ユキヤ、アヤノのみ。それぞれがさまざまな思惑を抱えたまま、作戦は発動する。一方、ユーロ・ブリタニアでは恩人を謎の力“ギアス”で自死させたシンが、聖ミカエル騎士団の総帥に任命される。自らの野心のために着々とあゆみを進めるシンと、配下のアシュラ隊に出動命令が下る。闘う為に生きる者と、生きる為に闘う者。凄惨極まる戦場のさなか、恐るべき真の力を発揮したアキトと、シンがついに相まみえる!

声優・キャラクター
入野自由、坂本真綾、日野聡、松岡禎丞、日笠陽子、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、茅野愛衣、石塚運昇、森久保祥太郎、小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、早見沙織、高森奈津美、松風雅也、伊瀬茉莉也、寺島拓篤、島﨑信長、花江夏樹、井口祐一、小野友樹、石川界人、逢坂良太、室元気、菅生隆之、子安武人、武虎、宮田光、立木文彦、石原夏織、能登麻美子、櫻井孝宏
ネタバレ

カリューム さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

下積みも終わり、いよいよ本格始動ですね

第一章は正直ハテナだらけ
新キャラ、伏線、いろいろあるのはいいのですが、まだどういった展開になるのかすらわからない状態でした
戦闘がルルーシュと違ってフルCGだったのと、予告の引きが気になる感じだったぐらいしか印象がありませんでした

第二章も正直ハテナだらけなのですが、第一章の延長線上で描かれるので、ある程度謎が整理されて、いよいよ続きの展開を予想できるレベルまで来ました
背景や、思惑みたいなのも絡んできて、いよいよギアスっぽくなってきましたね
それとキャラを覚えてきたのでようやく中の人にも気が回るようになってきたのですが、かなり豪華で驚きです(*´∀`*)
さすがサンライズさんです

おそらく第三章からはルルーシュ見てた人にとっては胸熱な展開になると思います
まさに「まさか!!そんな!!」って感じですね
なので、もしコードギアス熱がまだ残っているなら、見てみるといいでしょう!

個人的に、フルCG戦闘にも慣れてきたので結構楽しめそうでワクワクしてます(´∀`)


そんなこんなで、また見てギアス!



ネタバレ感想
{netabare}無印とR2の間を描く=ルルーシュは出てこない、というふうに固定観念にとらわれてしまっていて、この展開は予想できなかった(^▽^)
出てきてもC.C.、スザクだろうとタカをくくっていたら、足元すくわれましたね(^^)
アキトと兄貴の話にどんなふうに関わってくるのか気になります!

次回予告ではついにランスロットの旦那が出撃するシーンが出ていましたがCGじゃありませんでしたね
どうするんですかね?
サザーランドやグラスゴーみたいにCG作るのでしょうか?
なんか印象変わっちゃいそうだな(^_^;)
ランスロットはグラスゴーやサザーランドに比べて、やけに立体的にヌルヌル動くのがカッコいいのと恐ろしかった感じだったのですが、今回のCGだとグラスゴーさんもヌルヌルなんですよね・・・
なんだか性能差とか、そういうのがはっきり伝わってこないように感じるのは、ルルーシュの価値観が抜けてないからですかね(^_^;)

しかし、新型ナイトメアフレームはなんだかはっちゃけた作りになってますね
ケンタウロスとか(^^)
そんなのアリ?と思ってしまいましたが、かっこいいです(*´∀`*)
ホームページとか宣伝に使われていた一枚絵にケンタウロスさんがいるんですが、剣持ってなかったよね(^_^;)
斧振り回してたよね(^_^;)
ついでにアレキサンダーも首チョンパしなかったし、早い段階であの一枚絵を作っちゃって、後から作った内容と違ってしまったんでしょうか?
些細なことですが、気になってしまうのが性分です

それと映画最後まで見て思ったのは、「C.C.どこにいた?」
でしたね
入場特典の漫画には出てたし、その回想シーンでレイラらしき子供が映ってるので一様存在は匂わせてますが・・・
結局は回想オンリーの出演かもしれませんね

今後はルルーシュとスザクの最強コンビが戦場に降り立つわけで、果たしてアキトはその存在感を保ち続けることができるのか?
死ね死ねいって最後はメッタ斬りだったから敗戦ムードか・・・
まぁラストで怖い笑顔でゾクッとしましたが、親友が仇のゼロだと知って荒ぶるスザクさんに勝てる気がしない・・・
頑張れアキト!
そしてレイラさんカワイイ(・∀・)!!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

イレヴンを集めた特殊部隊、wZERO隊に新たな指令が下った。それは陽動のため敵中降下を命じる過酷な内容だった。wZERO隊のパイロットは、隊長のレイラ以下、先の戦闘での唯一の生き残り日向アキト、イレヴンのゲットーを逃げ出し闇社会で生きてきたリョウ、ユキヤ、アヤノのみ。それぞれがさまざまな思惑を抱えたまま、作戦は発動する。一方、ユーロ・ブリタニアでは恩人を謎の力“ギアス”で自死させたシンが、聖ミカエル騎士団の総帥に任命される。自らの野心のために着々とあゆみを進めるシンと、配下のアシュラ隊に出動命令が下る。凄惨極まる戦場の中、恐るべき真の力を発揮したアキトと、シンがついに相まみえる!というあらすじ。

スザクが出ますねえ


{netabare}
マンフレディの「自害」から1か月後、ユーロ・ブリタニアではシンが聖ミカエル騎士団の総帥へ選出される。一方、「wZERO」はリョウ、ユキヤ、アヤノにアキトを加えた4人による戦闘部隊「ワイヴァン隊」を結成するも、リョウ達の不信感は拭えないままであった。実際、「wZERO」には大気圏離脱式超長距離輸送機・アポロンの馬車で成層圏からブリタニア軍背後に回り込み、E.U.のワルシャワ駐屯軍本隊を援護するという、またも無謀な作戦が強要されていた。

その頃、リョウ達は脱走を試みるもレイラが自身も危険な戦場に立つことを宣言し、一旦は収束する。そしてアポロンの馬車が発射され、「ワイヴァン隊」4機、レイラ機、レイラが展開する無人機15機による部隊は、目的地であるスロニムへの着陸に成功する。しかし、リョウ達の再度の反乱や聖ミカエル騎士団のアシュレイ・アシュラ率いるアシュラ隊の急襲により、アキトらは敵地で窮地に陥る。そんな中、アキトが「ブレインレイド」を発動させ、アシュラ隊を単機で翻弄すると共に、「ワイヴァン隊」の3人を彼らに埋め込まれたニューロデバイスを通して精神的に従属させ、3人を操りながら戦況を優位に進めていく。

しかし、アシュレイをあと一歩のところまで追い詰めたとき、シンの気配を感じ取ったアキトは動きを止めてしまう。同じくアキトの気配を感じ取ったシンはアキトのもとへ赴き、マンフレディが受領するはずだったヴェルキンゲトリクスでアキトの乗るアレクサンダの動きを四肢を切断することで無効化。それにより、ブレインレイドから解放されたリョウ達はその切り替えに対応できず、乗機を次々と撃破されてしまう。脱出したリョウや一人無事だったレイラはアキトとシンが邂逅している場面に遭遇し、彼らが幼少時に袂を分かった実の兄弟であることを知る。

シンはアキトを自分の陣営に組み込もうとするが、レイラやリョウの妨害により失敗し、撤退していく。アキト達の働きにより、「ワイヴァン隊」はレイラの決意通りに死者を出さず任務を達成するが、その後に敵軍の反抗に遭い、奪ったはずの領地は取り戻されてしまった。その頃、ユーロ・ブリタニアにはブリタニア本国から護衛の枢木スザクと共に軍師のジュリアス・キングスレイが派遣されていた。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

コードギアス~動き出したもう一人の主人公の物語~

コードギアス反逆のルルーシュ1期、2期のR2視聴済み
コードギアス亡国のアキト第1章、2章視聴済み


「コードギアス反逆のルルーシュ」の世界観を共有する作品
スピンオフ作品で全4章で描くその2章が本作です。


舞台をヨーロッパに移し主人公の日向アキトが神聖ブリタニア帝国に戦いを挑む!


冒頭に1~2分の回想シーンはありますが、これはここまで視聴済みの方の
復習程度で1章からの視聴は必然でしょう。


1章はプロローグでほぼ終わってしまいましたが、2章は少しずつ謎だった真実が
解き明かされ物語が動き出します。


物語の中心としてアキト、レイラはもちろんのこと、新たに登場した個性
あるキャラ、過去作からの面々が登場し物語を盛り上げます。



引き続きユーロブリタニアとユーロピア共和国の戦争は続いています。
劣勢におかれているユーロピア共和国の作戦はアキトやレイラを含む部隊を
ロケットで敵の陣地の後方へ送り込むというもの。
極めて無謀に近い戦いと皆の運命を壮大なスケールで描いています。



1章に引き続き高いクオリティで描かれたナイトメアフレームのフルCGの映像
動きもスピードも抜群に良く見応えのあるシーン満載です。


{netabare} そして今回一番謎であり、続きを熱望することになった場面
ブリタニア本国からE.Uとの戦いのために列車で来た「軍師」の護衛の男
がいた。なんとアニメシリーズでお馴染みの「枢木スザク」だ。
更に驚くべきはその「軍師」というのがアニメシリーズの主人公の
「ルルーシュ」と顔も声も瓜二つの男だということだ。
しかし名前は「ジュリアス・キングスレイ」という。



ギアスが使えないように左目を塞がれているし、やはりこの男は
ルルーシュなのでしょうか?ルルーシュと名乗らない理由も興味をそそられる。


このルルーシュ(似)がどのように物語に絡んでくるかは3章最大の見所
になるのは間違いないでしょう。


レイラが指揮を執るEU軍とジュリアスが指揮を執るブリタニア軍との対決
ギアスシリーズファンなら絶対見逃せない。


今回見送られたC.C.も3章に登場予定となっていて益々期待を持てる。{/netabare}


4章の内の残り2章になり、ここに来て広げ過ぎとも思いますが、やはり
ギアスシリーズですから伏線回収をやってのけるははずだろうと期待を
持ちたいと思います。

2015年5月公開予定
第3章「輝くもの天より堕つ」意味深なタイトルですが今から待ち遠しい!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

68.3 13 2013年度アニメランキング13位
しわ(アニメ映画)

2013年6月22日
★★★★☆ 4.0 (20)
265人が棚に入れました
かつて銀行に勤めていたエミリオは、認知症の症状が見られるようになり、養護老人施設へと預けられる。同室のミゲルは、お金にうるさく抜け目がない。食事の時のテーブルには、面会に来る孫のためにバターや紅茶を貯めている女性アントニアや、アルツハイマーの夫モデストの世話を焼く妻ドローレスらがいる。施設には様々な行動をとり、様々な思い出を持つ老人達が、日々の暮らしを送っている。そして重症の老人は2階の部屋へと入れられることがわかる。エミリオはある日、モデストと薬を間違えられたことで、自分もアルツハイマーであることに気づいてしまう。ショックで症状が進行したエミリオは2階へ送られる日も遠くない。そんなエミリオのことを思い、ついにミゲルはある行動に出るのだった...
ネタバレ

大滝政人 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Arrugas

いやぁ、おそれいりました。
お見事としか言い様がありません。
観よう観ようと思いつつも、
ずっと後回しにしていた私のアホウ。

私の様に若者と呼ぶには苦しい年齢の人は、
いずれ観ておきたい作品ですね。

自分の親や自分自身が体験するかもしれません。

とは言え本作から老後の対策指南を…
という感じではないです。

登場人物の一人が老人ホームの事を、
悪く言ったりもしていて、
あながち間違いではないのだろうが、
施設側の人に悪意はない訳でして、
施設に入居した者ゆえの考えなのでしょう。
ただ、何かしらの娯楽は持ち込んだ方が良さそうです。

私も老後は人に迷惑をかけない為に~
なんてカッコつけて施設に入りますが、
本作の様な二階には行きたくないと思うだろう。

これまでの人生で強く残る記憶の断片が、
重度の症状が来た時の糧として、
吉とも凶とも出るのかもしれません。
それをどちらか決定づけるものは、
やはり人の支えと支えられる心の有無かと。

本作の様な老後は重くのしかかりますが、
重いと言ってもクドすぎずアッサリしすぎずの、
絶妙な加減の作品なので比較的、観やすいでしょう。

BD版だけの特典とかは、なさそうなので、
購入の際はDVDでも問題ないとは思います。

色々と書きましたが一番、重要なのはココ。
耳が遠いジジイは最高である…コレだぁ!
このジジイが本作の全てなの!
他のオマケ要素はネタバレにでも追い払っておきますね。

{netabare}
本作を観ていくと考えるであろう窃盗の件ですが、
靴下ごときが盗まれたと騒ぎ出すのには、やられます。
靴下の中にブツが入ってますけど、
時計を隠す時には財布を発見しているはず。
エミリオは病魔に蝕まれ、そして結果的に、
人は思いたい様に思う悲しい生き物なのか…

靴下ってところがサンタクロースを強調してる様で、
ミゲルの身になると、なんとも切ない。
エミリオが口にしていた「落第」って言葉が頭をよぎる。

一応、言っておきますけど、この靴下…
前にミゲルの靴下がタンスから出てきますが、
これだけでは彼の物だったと判断できないですし、
エミリオは水泳の時しばし靴下を履いています。
はっきりと見れるのはミゲルの靴下の方で、
ベッド下の靴下とはデザインが違います。
黒い靴下なんて言われても他にも持ってるかもしれませんが、
ミゲルの靴下であるという伏線は張られてないと思うので、
エミリオの靴下である可能性の方が高いです。

ちなみにエミリオはミゲルの事を、
マヌエルと呼ぶ時がありますが、
この件についてはブックレットに書いてあります。

あと本作の音声はスペイン語のみなので、
字幕について書いてみよう。
日本語以外さぱーりな私にも分かりやすく、
適切な翻訳をしているのだろうと感じました。
しかし「長いお別れ」と「インチキね」は少々気になります。
より適切な言葉が日本語にはあると思いますが、
あえて、そのまま翻訳したのかもしれませんね。
各々の脳内で変換する事としましょう。

それにしても表現の自由とは言え、
フェリックスのチェーンソーの様なイビキとやらが、
実際に回想シーンとして、ない…だと!? 残念だ。

----追記----

やっぱり書いときますね。
靴下についてです。

財布と時計を隠す理由はミゲルに盗られない為。
エミリオは隠した事を忘れている。
ミゲルが発見した黒い靴下はエミリオの物。

そして盗まれたとエミリオが騒ぐ順番は…

財布がない。
 ↓
時計がない。
 ↓
靴下がない。

です。これらを踏まえた上で…

エミリオは最初に財布を隠す時から、
靴下を使用して隠していたと考えてみます。

財布がない、と騒いでから時計を隠すまで、
それなりの日数が経過します。

つまり何が言いたいかと申しますと、
時計を隠す前に靴下がない、と騒いでしまうのでは?
という問題が出てくるからです。

経過する日数の数がエミリオが所持している、
靴下の数より少なければ問題なかったりします。

財布を隠した次の日に財布がない、と騒ぐ。
 ↓
財布がない、と騒いだこの日に時計を隠す。
または数日、経過後に時計を隠す。
 ↓
時計を隠した次の日がクリスマス。
 ↓
クリスマスの日に時計がない、と騒ぐ。
 ↓
その後、所持している靴下を履く事が1サイクルし、
黒い靴下がない事に気づき靴下がない、と騒ぐ。
 ↓
問題なさげ。

数日と書きましたが、たとえ1~2日ほどの経過でも、
毎日、靴下を履き替える事まで考慮しますと、
エミリオの靴下の所持数は多いと考える事になります。

実際はミゲルの伸びた髭が決定打となり、
かなりの日数が経過している事が分かります。
その結果、この説のままでは問題を回避できません。

そんな訳で深く病魔を吟味して解釈します。
アルツハイマーの説明は省きますが…
エミリオは同じ靴下を何度も履いたりして、
隠すのに使用した靴下を履こうとするまでに、
なかなか辿り着けなかったという事です。
靴下のサイクルが正常にできていない。
したがって最後に黒い靴下がない、
と騒ぐ事になるのは特に問題ありません。
(以下この説を「サイクルの説」と書きます)

大滝のアホウは、いったい何を言ってるんだ?
とか思われそうですが、その通りである。
フハハハハハ! 自爆してやったぜ!?
とかノってもみましたが、まぁ最後まで読んで下さい。

エミリオは少し前の事すらも忘れたりしてます。
忘れる事柄を選ぶ事もできはしないのです。
たとえエミリオ自身が靴下を洗濯していたとしても。
この病魔は日に日に悪化していきますが、
そもそも本作が開始した時から、
すでに軽い症状とは言えない状態です。
エミリオは老人ホームに入居してからも、
銀行の支店長を演じている事でしょう。
あの手この手で本作はエミリオの病魔を描きます。
単にテンポが良い作品ではないのです。

補足しますと…

財布と時計を隠す時に1組の靴下の、
片方づつを使用した場合は問題が出ます。
財布を隠した時点で、もう片方が残ってしまいます。
時計を隠す時に片方だけ残った靴下を使用する為には、
分かるところに避けておく必要があります。
なぜなら忘れてしまうのに使用するからです。
その後、財布を隠した事を忘れたエミリオは、
この片方だけの靴下の存在に気づいたが、
時計を隠す前に靴下がない、と騒がないどころか、
不思議に思いながらも片方だけの靴下を使用して、
時計を隠そうとする…という行為(思考)は、
いくらなんでも不可解です。

この奇妙な問題を回避する解釈は…
エミリオはブツを隠した事は憶えているが、
それをどこに隠したかは忘れてしまった、
という内容に変化させるしかありません。
しかしこれだとミゲルとのケンカの件を、
行き場のない自分への怒りをミゲルにぶつけてしまったと、
やや強引に説明ができても、この説明のせいで、
ミゲルの持ち物を調べる事までは、
説明できなくなって詰んでしまいます。

よってエミリオは1組の靴下を使用して財布を隠し、
他の1組の靴下を使用して時計を隠そうとした時に、
財布と1組の靴下を発見したので、
(この時、自分で財布を隠したであろう事を、
理解しますが時計を隠した後ほどなく忘れる)
1組の黒い靴下の方に財布と時計を入れ、
もう1組の黒い靴下じゃない方(どんな靴下かは知らんが)は、
回収した事になります。

それと単純にブツを隠した次の日にはブツがない、
と騒ぐはずなのに少なくとも時計を隠す前に靴下がない、
と騒がないのは、おかしい…とは考えない事とします。
隠すのに使用した靴下は履こうとするまで気づかないかと。

そう…履こうとするまで気づかない…
時計を隠す前にエミリオが突然、
「あの靴下でキメるぜ?」とか思ってしまったら、
この「サイクルの説」も崩壊します。

レアケースとは言え、これすらも回避したい場合、
または靴下を履くサイクルを何週もさせたい場合は、
エミリオのボールの件を主張する事です。
隠すのに使用した靴下の存在そのものを忘れた後に、
その靴下を都合よく最後に思い出して靴下がない、
と騒いだという、ただの運に頼った回避になりますが。
(以下この説を「ボールの説」と書きます)

「サイクルの説」に「ボールの説」…
どちらもスッキリしないので、
「靴下を隠す説」に移行します。

財布を隠す(単品)
 ↓
時計を隠す(財布と一緒)
 ↓
靴下を隠す(さらに財布と時計を靴下に入れる)

これなら全ての問題を回避可能です。
ただ、サンタ要素は薄まります。
靴下を使用するのがクリスマスすぎちゃってますから。
まぁイベントがあったからこそ、
隠す物がなくなったエミリオは、
靴下ごときに目が留まる訳ですけど。
エミリオの衣類は、それなりに高価な物でしょうが、
その中で、あえて靴下が選ばれる。

靴下を隠す理由はミゲルに盗られない為ではなく、
エミリオ自身のテスト(トレーニング)となります。

ついでに言っておきますと、
黒い靴下はミゲルの物であると解釈する場合。
ミゲルの持ち物を調べるのは、
時計がない、の後であり、
靴下を盗むのは靴下を隠す当日です。
(隠す直前が望ましい)
ブツを単品で隠したのではなく、
エミリオの靴下内にあったとした場合は、
結局は「サイクルの説」か「ボールの説」と、
ミックスする事になります。
ミゲルの靴下を隠す時にエミリオの靴下を、
回収するという事です。

エミリオがミゲルの靴下を盗む理由は、
盗まない時(要は隠す理由)と変わりませんが、
盗んだ方が意味あいは強くなります。
誠実なエミリオにとって窃盗なんて行為は、
脳裏に強く刻まれる事と理解しているからです。

では、そろそろ屁理屈はやめて、
真面目な説を書きますね。
ここまでくれば私の答えは出てるも同然です。

財布だけを単品で隠した次の日に財布がない、と騒ぐ。
 ↓
かなりの日数が経過した後に時計を隠す。
この時に発見した財布もエミリオの黒い靴下に入れる。
靴下を使用する事を思いつく理由は、
次の日がクリスマスであり、
隠すべきブツが2つになったからです。
 ↓
時計を隠した次の日がクリスマス。
 ↓
クリスマスの日に時計がない、と騒ぐ。
 ↓
その後、所持している靴下を履く事が1サイクルし、
またはエミリオ自身が靴下を洗濯しようとし、
もしくは黒い靴下でキメたくなり、
黒い靴下がない事に気づき靴下がない、と騒ぐ。
 ↓
問題なし。

これが私の本当の解釈である。
前置きが長くて、すみません。
先に他の説の分析を書いた方が、
納得してもらえるかなと思い書きました。

エミリオが水泳をするエピソードは、
監督さんの手腕によるオリジナルのものですが、
履いていた靴下は水中だから詳細に描きはしない…
という事で同じデザイン(同じ黒い靴下)とは決定できません。
まったく違う靴下を見せても仕方ないですし。
なんとも憎らしい演出ではないか。

なんにせよ時に人は同じ行動を繰り返し、
その結果も同じ事になりえるのです。悲しいですが。

なんだか靴下ごときで熱く語ってしまいましたが、
もちろん私は靴下フェチではありません。

以上です。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

【人生が】この物語から目を背けてはいけない【オーバーラップするとき】

物語の主人公、老人エミリオは認知症の症状悪化を理由に息子夫婦の元から養護老人ホームへ送られてしまう
自分にとって唯一無二の真実だと思っていることを語っても、虚言と思われたり若かりし頃の記憶と区別が付いていなのだと周りから相手にされない
かろうじて正気を保っているエミリオは、厄介者の目で見られることに苛立ちを感じつつも、他人に迷惑を掛けたいわけではないのに・・・と寂しさも感じていた


仕方なしに現実を受け入れようとするエミリオだが、老人ホームの実態は・・・

人の話をひたすらオウム返しするだけで会話の出来ないひと

家族に「自分は完治したから迎えに来てくれ」と電話するために1日中電話を探して彷徨うひと

火星人に怯えるひと

部屋の窓をオリエント急行の車窓だと思い込んでいるひと

そして、重度のアルツハイマー(あえて作中の言葉を用いるのであれば、それはもう人ではなく「物体」)


娯楽など皆無
老人達の家族にまるでホテルの様だと装うためだけで一度も使われたことのない「お飾りのプール」が鎮座する施設は、むしろ刑務所のようでした
まともな会話やゲームの相手も出来ない老人達に囲まれて、不安になっていくエミリオだったがルームメイトのミゲルとは友人になる
金にはガメツイが面倒見はいいミゲル
ミゲル曰く、病状の重い人は施設の「2階」へ送られるのだという
徐々に悪化する病状に、自分はアルツハイマーなんだと自覚したエミリオは「2階行き」に怯える日々を過ごす
そんなエミリオを見兼ねたミゲルは、エミリオを連れて施設からの脱走を図るのだったが・・・・










老い、とは誰にも避けられるものではありません
そしていつかもしかしたら、オイラもアナタも認知症やアルツハイマーに人としての生きる力や大切な思い出を蝕まれてしまうかもしれない
そういった意味で今作は全世界、全人類にとって共通のテーマを描いていると言えます
人生とは?老いていくとは?
この、出来ることなら目を逸らして通りたい難しいテーマを、今作は実に堂々と正面から描いているのが凄いところです
ですからこの作品に少しでも興味が湧いた方は絶対に目を背けてはいけない、是非最後まで観ていただきたいです


原作はスペインのコミック
この映画版も原作と同じくヨーロッパ圏のアニメ独特の柔らかいタッチのキャラデザ、それとアースカラーが主体の配色で一見すると『ぞうのババール』みたいな子供向け作品を髣髴とさせます


その優しい絵柄で、シリアスな話を淡々とやっていくのだからシビれますね
さらにアニメならではの演出と言いますか、『今敏作品』等にも通じる“妄想と思い出と現実”が一緒くたに同時展開されるシーンが見所ですね
認知症患者の“曖昧な現実感”を表現すべく、現実の風景と時空を超えた風景がオーバーラップしていく様はちょっと怖さもありますが、ミステリアスな魅力やファンタジックな興奮も同時に掻き立てられるところであります


特にアルツハイマーの症状がかなり進行しているはずのモデスト、彼が時々微笑む理由を妻ドローレスが語る回想シークエンスを挟んでくる部分は涙モノです


シークエンスによってはセリフも少ないため、そんな場面で生きてくるラテンの劇伴も大変素晴らしいです










今作は観た人に元気やパワーを与えるような作品ではありません
ですが悲観や絶望に満ちた作品というわけでもないのです
最後にもう一度、「この物語から目を背けてはいけない」


ちなみにラストシーンに関しては「Anotherなら死んでたw」と言わざるを得ないショッキングなもので、そこだけは凍りつきましたw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

camuson さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

印象度:75

原作漫画は未読です。

アルツハイマーを患った元銀行員のお爺さんが主人公。
銀行員らしく堅物で、顧客に対して融資を断るシーンから始まりますが、
これが、実はお爺さんの頭の中の在りし日の幻影。
ハッとさせられました。つかみはOKです。

その後、息子夫婦は、主人公を老人介護施設に預けることを選択し、
主人公と老人介護施設の住人たちとの、
いかにもありそうな日常生活が描かれていきます。

老人施設を否定しているわけではなく、
誰かを批判しているわけではなく、
老いの現実を描くことで、老いを考えさせるという作品ですね。

テーマが前に出すぎない、静かに染み渡る感じがいいです。
しばしば老人たちの過去の思い出が映像化され、
人一人の人生、時の流れにしんみり、じんわりとします。
特に、完全にボケてしまった爺さんと、
その付き添いで施設に入ったお婆さんとの馴れ初めのエピソードが好きです。


キャラクターデザインは少し昔のアメリカのカートゥーンを思わせる、
日本アニメ的ではないデフォルメ手法です。
(原作漫画のデザインをなるべく生かしているようです。)
背景は丁寧で、全体的に明るいトーンで、
ややもすると暗くなりがちなテーマに対して、
上手くバランスを取っていると思います。


特典映像の監督インタビューも良かったです。
スペイン人というといい加減なイメージがありましたが、
すべての質問に真面目に誠実に答えていて、目が光っているんですよね。



追伸
ふと、鉄拳のパラパラマンガ「振り子」を思い出しました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

67.2 14 2013年度アニメランキング14位
リトルウィッチアカデミア(アニメ映画)

2013年3月2日
★★★★☆ 3.9 (285)
1444人が棚に入れました
幼い頃に見た魔法ショーで魔法の魅力に取り憑かれ、ヨーロッパの魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。大きな期待とは裏腹に日々の授業は意外と退屈。保守的な魔法界の雰囲気を打ち破り、魔法に夢を取り戻そうと張り切るアッコだが、周囲の目は冷ややかで授業でも空回りの連続。唯一の味方はルームメイトで親友のロッテとスーシィの2人だけ。 そんなある日、学校でとんでもないハプニングが発生。思いがけず事件解決の鍵を握ってしまったアッコは、ロッテ、スーシィ達と共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子
ネタバレ

ぽよぞー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

天才アニメーター吉成曜 初監督作品

『リトルウィッチアカデミア』は文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』2013年度の参加作品の1つ。
製作は、ガイナックスで天元突破グレンラガン、Panty & Stocking with Garterbeltなどを製作していたスタッフが結集し、独立した会社『トリガー』によるものだ。

かわいい魔女、ド派手なモンスター、心躍るストーリー、動きまくるアニメーション、作り込まれた設定。
どれを取っても高いレベルでまとまっており、約25分の短編アニメとは思えないほどのクオリティ!!

この作品を手掛けるのは、世界でトップクラスのアニメーター「吉成曜」であり、今回待望の初監督となる。

「新世紀エヴァンゲリオン メカ作画監督」を初め、ゲームのキャラクターデザインから、
アニメのメカニックデザイン、コンセプトアートまで手掛けるなど、アニメーター・イラストレーターとして超一流の実力を誇っており、業界内でもスーパークリエーターとして認知されている。

そんなすごい人物が、監督として初めて手掛ける作品の評価は…

まさに傑作!!の一言。

本作品は、2週間の劇場公開で絶賛され、劇場公開終了後、公式でYoutubeに全編UPするなどして話題をさらい、日本国内だけでなく、海外でも絶大な反響を呼び、続編の制作も決定した。
続編では、クラウドファウンディングによる資金調達を行う手段としてKickstarterを利用し、
続編を期待するファン達から直接的に製作資金を集める等、新しいアニメビジネスとしても注目される。

『真のアニメファン』なら、今後最も注目しなければならないアニメの1つである。

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●あらすじ
小さい頃に見た魔法ショーで魔法の虜になってしまったアッコは、期待を胸にヨーロッパの魔法学校に入学するが、
魔法ショーのド派手でワクワクなイメージとは違い、実際は退屈で眠たい授業ばかり・・・
しかしそんなある日、学校で思わぬ大事件が発生してしまう。
思いがけず事件解決の鍵となってしまったアッコは、親友のロッテとスーシィと共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

●脚本
25分と短い制約はあるが、斜に構えず、王道に書き切っている。
昨今のアニメは、伏線を立てまくり、それっぽく回収した風に見せかけて投げっぱなし等の非王道な脚本が多い印象だが、そんな時代に敢えて、クラシックなスタイルで王道を貫き、傑作足らしめたのは見事。

●映像
『元ガイナックス』と言っただけで想像出来る人は多いと思われる。
いわゆる金田的な動きなど、キャラクターがケレン味たっぷりに動きまくる作画が特徴。
それに加えて、本作ではカートゥーン的な動きがブレンドされているので、日本のアニメしか知らない人にとっては新感覚を味わえるだろう。
しかし最も注目するべきは、監督、吉成曜さんによるレイアウトの凄さ!必見。

※動画枚数約17,000枚

●楽曲
大島ミチルによるフルオーケストラ。しかもフランスでオーケストラ生収録!
25分のアニメなのに気合入れすぎでドン引きするクオリティ。

●作品の属性(ピン!と来たら是非)
魔女
カートゥーン
{netabare}ダンジョン
ミノタウロス
ドラゴン
空中戦{/netabare}

●吉成曜さんの過去の代表的な仕事
新世紀エヴァンゲリオン (1995-1996) メカ作画監督
ヴァルキリープロファイル (PS/1999) キャラクターデザイン
天元突破グレンラガン (2007) メカニックデザイン
Panty & Stocking with Garterbelt (2010) コンセプトアート コンテ・演出・作画監督・設定協力

●アニメミライとは?
2010年度から始まった文化庁若手アニメーター育成プロジェクト。
国内のアニメ制作プロダクションからオリジナルアニメーションの企画を公募し、
選考の結果選ばれた4社が、未来を担うアニメーターを育てながら、約25分の短編アニメを生み出す。

※『若手アニメーター育成』の為に行う事業なので、営利目的でないという所が重要です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見習い魔女の魔法学校にて!

人々に魅せる魔法でショーを開くカリスマであるシャイニー・シャリオに憧れて魔法学校に入ったアッコ。
やる気と情熱は誰よりもある!だけど実力がついてきてはくれず、常に空回りしてしまいます。
私の憧れであるシャイニーもここでは「魔法の間違ったイメージを植え付ける」と忌み嫌われている。
でもアッコはめげません!頑張ってシャイニーに追いつくんだと彼女なりに精一杯取り組みます。彼女なりにね。
そんなある日、実習の最中に古代のドラゴンが蘇っちゃった!
さらに、たまたまアッコが拾った杖はなんとかつてシャイニーが使っていた杖だった!
二度と輝きが戻らないとされていたのにその杖は微かな光を灯していました。
と、なればドラゴンを倒せるのはもうアッコしかいません。がんばれアッコ!負けるなアッコ!

単純爽快な「選ばれし勇者」ストーリー。
数多の作品で使われてきたパッケージをごっそりと中身だけ変えてそのまま作ってきました。
おいおい、そんなもん何が面白いんだいと不思議に思われます。いやまあ大して面白くはないんですがw
魅力は、というか目立つ違いは、キャラクターと柔らかい作画ということになると思います。
主人公のアッコと大人しく控えめな友人ロッテ、ちょっとマッドなスゥシーの三人が基本の登場人物です。
そこでほんの少し異なった個性や人間関係を描くことで差別化があるような、ないような…
でも作画はすごく良いんですよ。動きが柔らかいし、キャラの表情もとても豊かです。
静止画はほとんどなくどの場面も細かいところまで動かし、リアルな動きを追及しています。
魔法の見せる魅力も過去どの作品と比べても落ち度はありません。
炎や魔法の矢を放つ瞬間やドラゴンの爆発シーン、箒で空を飛ぶ様子などかなりいい。
特にキャラクターはこの作品の目玉です。デフォルメもちょうど良く、線を太く濃くはっきりと描かれています。
僕はアッコのカエル顔が好きです。カエルに似てません?彼女は喜怒哀楽がはっきりしていてとても愛らしいです。
一番好きなキャラはスーシィです。スーシィとっても好きw全身のシルエットやあの独特なしゃべりがツボです。

好きなシーンはアッコがシャイニーの杖を持ってきて先生に見て見て!ってやってるとこ。
ここはちょーかわいいです!ホントかわいい!あとスーシィの毒殺シーンも好き。なかなかグロいけどw



でも、作品自体のレヴェルは僕は低いなあと思います。ほんとに面白くない。
単発的に映像にワクワクさせられることはあっても、話の流れの中に戻るとすごく味気ないです。
既視感もそうですし、いささか単純すぎるシナリオそうですし、話の流れそのものが単調であると感じます。
これはどう言ったら伝わるのかわかんないけど、場面が変わっても変わってもそこに落差がなく、
いつまでも同じものがずっと連なっている感じというか、そんな感じです(笑)
あと個人的にはアッコ役の藩さんの芝居があまり好きではありませんでした。声はアッコに合ってると思います。
ただ、ちょっとうるさいw 甲高い声自体好きではありませんし、ちょっとオーバーにやり過ぎで芝居臭いです。


表紙パケの花火をバックに立つシャイニーのかっこよさに惹かれて観てみたけれど、まあそれなりのものでした。

あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『魔法使い』でも『魔法少女』でもなく10割が『魔女っ子』で出来ています(キリッ 最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ

今年度のアニメミライはヲタ向けに振っていると散々言ってきましたが、今作はまさにそれの典型であり本当の意味でコアなヲタが狂喜乱舞しそうな内容の全く持って偏った作品であることを先にお詫びしておきましょうw
つまりオイラ向けです!w


最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ
これだけでも十分じゃないかなってくらい軽快な作品ですw


幼い頃に魔法ショーで見た魔法界のヒロイン『シャイニィ・シャリオ』
その魔女にそぐわぬ派手な外見と大袈裟な魔法の数々に「いつか自分もシャリオのように」と憧れた少女『アッコ』
やがて月日は経ち、理想と現実のギャップに四苦八苦し、劣等生とからかわれながらも仲間達との魔法学校での日々を一生懸命に過ごすアッコ
ある日のこと、ダンジョン探求の実地授業で危険なドラゴンが暴れ出す事件が起きる
ドラゴンの暴走から学校を守るべく、アッコと仲間達は奮闘する・・・


まずこまけぇことを言ってもしょうがない
ようつべで“公式に無料配信されてます”のでまずご自分の目でお確かめ下さい


https://www.youtube.com/watch?v=RBlqxEIJ_Cg


アニメミライ関連作品はほとんどの場合は限られたカタチでしか公開されないが、プロジェクト終了後に作品の権利は制作会社に返却されるはず
にも関わらず、これまでプロジェクトの作品はほんのわずかな数量しかソフト化されず現在では入手困難なものばかり;
今作のように無料配信されるのは大変に喜ばしいことです
今のうちに目に焼き付けておかねば、次はいつ観れるのかワカラン!w


さて、今作の監督についたのは天才アニメタ、吉成兄弟の弟である吉成曜
作ヲタならその名を知らぬであろう名アニメタでありまして、古くはテレビシリーズ『エヴァンゲリオン』の戦闘シーンの大半を
特に12話で陸上競技のように疾走する三機のエヴァは有名
近年だとやはり『グレンラガン』とか『パンスト』が記憶に残りますね
そんなスーパーアニメタの氏が遂に監督を務めることとなり、業界各所や作ヲタは歓喜に湧きました


『パンスト』でも氏が愛するカートゥーンアニメーションの要素が持ち込まれていましたが、今作は自身の監督ということで自らキャラクターをデザイン
やはりどこか70~80年代の海外アニメ作品の雰囲気を匂わせるモノで、ダークグレイッシュな色調、陰影のハッキリしたベタ塗りな色使い、大きな白目など
『フリクリ』や『トップ2』に似た要素ですよねw
これらは昨今の美少女系作品の傾向とは真逆のベクトルを向いてるのが面白いところです



そんな氏の可愛らしいキャラが、とにかく所狭しと動きまくる
細かい芝居はモチロン、魔法を使うってことで光や炎などエフェクト類もホンマ丁寧
魔法バトルの迫力はむしろスクリーンで観た方が痛感しますかな?
作画に関しちゃ言うこと無しの100点満点
メチャクチャすげぇっすよ!


個人的に推したいポイントは主人公の友人スーシィやライバル役となるダイアナさんといった濃ゅいサブキャラクターの可愛さが異常なところw
微グロな場面もあるので決して子供向けではないのですが、そこだけ割り切れば、、、というか前述の通り「ヲタ向け」に振り切ってる作品なのでご視聴の際は覚悟を決める必要アリです^q^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

67.0 15 2013年度アニメランキング15位
だれかのまなざし(アニメ映画)

2013年2月1日
★★★★☆ 3.9 (304)
1385人が棚に入れました
就職を機に一人暮らしを始めた社会人2年生の岡村アヤ、通称「あーちゃん」と、お父さん、お母さん、猫のミーさんが織りなすストーリー。野村不動産グループ「プラウドボックス感謝祭(2013年2月)」のオープニングフィルム。

声優・キャラクター
平野文、花村怜美、小川真司、遠藤璃菜、下崎紘史、石嶋久仁子、藤原由林
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

忘れてしまっていた気持ちを思い出させてくれる作品です。

私なりに考えてみた、「だれかのまなざし」を楽しむための見どころ

・「生活感を醸し出す、日常の場面描写の細やかさ、巧みさ」
・「成長するにしたがって離れていく娘と父」
・「忘れてしまっていた気持ちを思い出す」

総評としての感想です。

劇場公開された「言の葉の庭」と同時上映された、
新海誠監督が制作した、7分44秒の短編アニメです。

現在は、新海誠さんのHPで無料公開されています。
http://shinkaimakoto.jp/manazashi

私はどうやら新海誠監督の作品に弱いみたいです^^;
優しい映像と語りと音楽、そして思い出補正にやられて、
たった7分の映画なのに涙がぼろぼろ。

この作品は大人向けの作品という感じがします。
とくに、社会人として一人暮らしをしたことがある方向け。
それ以外の人が楽しめないということはないですけど、
一人暮らしの経験がある人とない人とでは、
こみ上げてくる思いの深さがやはり違うんじゃないかなと思います

父と娘の愛情を描いた、
とっても、やさしい作品です。大好きです。

{netabare}
・「生活感を醸し出す、日常の場面の描写の細やかさ、巧みさ」

新海誠監督の作品ということで、
日常の描写がほんとうに細やかで繊細です。

一人暮らしの部屋の場面では、
脱ぎ捨てられた服、干しっぱなしの洗濯物、
積み重ねられたダンボール、ぬいぐるみ、
一つ一つを丁寧に描いて、
見事に一人暮らしの女性の生活感を演出しています。

もう一つ、私が唸ったのは成長の見せ方。
幼少期を描く際に、周りにつみ木や絵本を描き、
思春期に成長した次のカットでは、
iPodやヘアスプレー、ファッション雑誌などを描くことで、
生活の変化と同時に成長をも実感させる描写がうまいです!

日常の描写の細やかさ、巧みさはやはり非凡です。


・「成長するにしたがって離れていく娘と父」

成長していく過程で、
あーちゃんはお父さんからじょじょに離れていき、
お父さんはあーちゃんが自分から離れていくこと自体が、、
娘の成長だと喜びつつも寂しさを感じている・・。

ミーさん(語り)
親友として、ときには、母親代わりとして、
あーちゃんの成長を見守り続けて、
あーちゃんが成長してからは、お父さんのそばにいて、
家族を見守り続けていてくれた存在なんですよね。
平野文さんの語りがとにかくやさしいです。

あーちゃん
本当はお父さんのことが大好きなのに、
素直になれずにつれない態度をとってしまったり。
本当にいつからなんだろう。
子供の頃は確かに「私がお父さんを守る」って思っていたのに、
いつしか距離を置くようになってしまうのは。
本当はお父さんのことが大好きなのにね。

お父さん
あーちゃんに絶え間ない愛情を注ぐお父さん。
でも、父親からすると、思春期を過ぎた娘と接する時って、
どこか気軽に入っていけない壁のようなものが見えて、
距離を感じてしまうものなのかな。
家族なのに、愛しているのに、心の距離を感じてしまった時、
やっぱり、ものすごい寂しさを感じてしまうんじゃないかな。
お父さんって、辛いよね・・。お父さん。


・「忘れてしまっていた気持ちを思い出す」

でも、そんな2人をずっと見守ってくれていた存在がいたんです。
ひっそりと。でも、しっかりと。

それがミーさんだったんですね。

ミーさんは最後に、離れてしまっていた娘と父の気持ちを、
近づけて繋いでくれたんじゃないかと思います。

お父さんのために料理を作っていたあの瞬間、
あーちゃんは確かに思い出していたんです。

以前、学生の頃にお父さんに料理を作ってあげた時のことを。
お父さんのことが本当は大好きだということを。

それを思い出すきっかけをくれたのは、
他の誰でもなく、ミーさんだったんですよね。
そのことに、あーちゃんもお父さんも気づいていたんですね。

私、もうこの場面で号泣です。泣きまくりです!
{/netabare}

この作品は「大人向け」と先ほど申しましたが、
「忘れてしまったもの」がある大人の方が見てこそ、
この作品は「思い出させてくれる」んじゃないかと思うんです。

だから、社会人の方に見て欲しいなって。
あと、今まさに一人暮らしをしている方、
あるいは、これからしようとしている方に見ていただけると、
感動できる、深い思いがこみ上げてくる作品じゃないかなって思います!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あなたを支える…まなざしがそこにある|д・)ジー

◆新海誠監督作品 映画「言の葉の庭」と同時上映公開された
上映時間約6分半のショートフィルム作品…〆⊱*•ω•*⊰


どこか近未来的な色合いを含んだ街並み…
その先に映る淡く儚げな夕映えのコントラスト

この街の灯り一つ一つにも…きっとどこかでまた
今日も人々の暖かい営み、そして優しい時間で溢れていることでしょう☆*―



よし! あらすじはこんなとこで(o´Д`)Фフゥw
毎度毎度w 全くあらすじになってなくてかたじけねぇ(*;ω人)ゴメンネ…

えー、まず今作も
”あにこれ”に登録したがゆえ出会うことのできた作品でして
ご紹介頂いたたくさんのあにこれユーザーの皆さまには
あらためてお礼の意を申させて頂きます(人´∀`)


本作はたった6分強の短いショートフィルム作品ですが、
人情溢れた暖かい想いがいっぱい詰まっている作品でして
何分この手の作風に弱い私ですが、物の見事に、物の数分で…
思わず涙の垂れ流し状態に…。゚(゚´Д`゚)゚。”ヾ(・ω・`)ハナミズフイテネw

それくらいあっという間ににスゥーーっと気づけばそこに映る人々の
心情、気持ちにすぐに感情移入してしまいました(´Д⊂


人って成長して大きくなって大人になっていく上で…
いいえ…大人になった今も尚
色んな”大切なこと”…たくさん忘れていってしまうものなんですネ…

“絶対守ると心に決めたあの約束”も、”必ず叶えてみせると誓ったあの願い”も…

移りゆく季節、日々の暮らしの中ですっかり忘れてきてしまうもの―
そんな”大切なこと”をあらためて思い出させてもらった作品でした♪

本作が近未来風な描写で描かれているのは、きっと…
現代の私たちにそんな大切な気持ちをいつまでも忘れないでいて欲しい
という想いが込められているからなのでしょうネ:*:・(*´ω`pq゛


時に、現代を生き抜く私たちって…
ついつい慌ただしい毎日に追われては
頑張らなきゃって(p`・ω・´q) そーやって一人自分を奮い立たせては
自分なりに精一杯の日々を過ごしてみたりするのだけれども…

でもそんなくたびれた時には
ちょっと目線を変えてみるのもいいかもです(´―`*)ウンウン

あなたが過ごしてきたその後ろ姿は
きっと喜びや悲しみや寂しさやたくさんの思いで溢れていて…

でもちょっと振り返ってみれば、きっと
気づくことができるでしょう!! そこにある…優しいまなざしに♡

あなたの頑張ってるその姿も、寂しさに堪えきれず思わず涙してしまったことも

全部私知ってますから(*´ω`) 大丈夫ですよヾ(・∀・`)

あなたを支える、…まなざしがきっとそこにはあるのですから―



ちょ、そこーーヾ(`Д´*)ノ!!!! w

これ”ストーカー”の話しじゃないんだからネッヾ(・ω・`) n[◎]コω<`)パシャ☆
書いてて何だか妙に感じてたんですけど…w
絶対違うんだからネฅ`・ω・´)っ=
今回は割と真面目なレビュver.のつもりなんですからッ(`・ω・´)キリッw

まー本作未視聴の方からすれば、
相変わらず今日もkazuyanラリってるなぁヽ(((`∀´≡`∀´≡`∀´))ノ✰ฺ。・゚・
と思われることと存じますが…w


とにかく私は本作を視聴しながら
私の膝の上でぬくぬくとくつろいでいる愛猫の温もりが
いつも以上に暖かく、そして何よりも愛おしく思えてきて
こんな時間をこれかも、もっともっと大切にしていきたいな~ッて
そんな風に思えた瞬間でした―

見る人の心が暖かくなれる♪
そんな暖かい気持ちで包まれた素敵なひと時でした(*˘︶˘*).。.:*♡


カプ麺食べ終える暇もないほどの時間で
あっという間に手軽に観れてしまう作品ですので、
まだ未視聴のそこのあなたもよろしければぜひ☆・゚:*(人´ω`*)


もしかしたらあなたの心にも忘れかけていた大切な何かを…
思い起こせてくれるかもしれませんネ꒰✩'ω`ૢ✩꒱

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

共感するということ

新海誠監督作品。ショートアニメ。
娘の自立と子離れを経験する父親を題材にした作品。

感動した!何度観ても泣いちゃう!っていう意見の多い作品です。
普段自分たちが表に出せない感情が生のままに表現されているところに共感するのでしょう。
誰もが通る道であり、普遍性を持ったテーマを扱った点においては新海さんの目の付け所は良かったのではないでしょうか。
でもね、まあ例によって僕は欠片も面白くなかったのです。ということで批判します。ごめんなさい。
でもまあ感情的に批判したりしないので大丈夫です。

上でも言ったように扱ったテーマはアニメの題材としてちょうど良いサイズのものだったと思います。
それが長編であれ、短編であれ。
じゃあ何がってその描き方に問題があると思いました。
一番の理由はそれに使われる言葉です。
この作品では、まったく肉の付いていない言葉の数々が鳴り響いているだけで、
それは一体誰の何を語っているのかまったく掴めませんでした。隣の家から漏れ聞こえてくるテレビの音のよう。
登場人物たちの言葉もそれは同じです。岡村綾って、岡村浩司って誰なんでしょう。顔も思い出せません。
そこにいるのは誰でも良いように、誰もがその主人公になれるように作ったのかもしれませんが、そんな当たり障りのない空っぽな作品は観る価値がありませんし、まず訴えかけてくるものもないから観ていても何も感じません。
テーマに関して共感はしてもそうだよなあと頷いてもその作品自体は死んでしまっています。なにも広がりはありません。

テーマ=作品ではないですね。テーマそれ自体は現実世界にごく普通に転がっているものです。
アニメーション作品ならば監督が、それをどう作品の中で、物語の中で扱うかということを最も考えなければならないと僕は思います。
ではそれを本作ではどのように見せたか?
テーマに関してはありきたりな世間一般が使う言葉で、逆に言えば誰にでも分かる言葉で、
変に作り手の顔を出さず仮面を被った言葉で終始語っていきます。
あとは新海監督持ち前の「綺麗な絵」と「だれかのまなざし」という題目で猫目線にするという、言ってしまえば小細工でそんな風に見せていただけなのです。
うーん。「これで感動して下さい、どうぞ」と差し出されても困ります。おもわず手で頭の後ろを掻いてしまうかも。

もうひとつは人を取り巻く環境です。
なんであんなにハイテクな時代で描いたのだろうと僕は不思議に思います。
中高生の若い視聴者の目を引くのかもしれないけれど。
電話や綾の乗る車なんかももっと僕らの身近にあるものを使ってこそ共感ってものがあるのではないでしょうか。
あの生活に実感がわかないから全然わかんないです。
いったい何のどこを描いているんだろうって不思議に思ってしまいます。
電話は携帯や子機、それか受話器にぐるぐるがついていて、車はトヨタのカローラで、
父のマンションも最近の「モダンな」均質化されたようなデザインではなく、
手垢の付いた、あるいはどこか住みにくそうなところがあってこそ実感があるんじゃないかなーって思うのですが。

こうした空疎な映像作品であるからこそ、誰もがそこに入っていけるからこそ新海作品の味なのでしょうか。
それともテーマを差し出して観た人がこれをきっかけにだったり、触発材としてここから想像させるのが目的なのでしょうか。

まあ僕がこんなところでねちねち何を言おうが一番惨めなのは僕ですからね。
支持があって人気があるのだから人によっては素晴らしいものなのでしょう。
それならそれで良いと思います。僕も誰もが嫌うものを好きであることは珍しくないから。
失礼があったらすみません。あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

66.7 16 2013年度アニメランキング16位
小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~(アニメ映画)

2013年9月14日
★★★★☆ 3.7 (645)
4028人が棚に入れました
結社でしばしの休息を取っていた「私」は「凸守」と「くみん」に促され、邪王真眼とダークフレイムマスターの邂逅の歴史を語る事になった。いいだろう--。私の代わりに最終決戦の地へと赴いているダークフレイムマスターが帰ってくるまでの間、絆の物語を語るのも悪くない…。だが、これは新たな戦いのプロローグでもあった…。

声優・キャラクター
内田真礼、福山潤、赤﨑千夏、浅倉杏美、上坂すみれ、保志総一朗、仙台エリ、井上喜久子、天野由梨、福原香織、設楽麻美
ネタバレ

westkage。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

あくまで1期の総集編として視聴する事をオススメします。新規映像もそれなりに楽しめました☆

今作は2013年9月に公開された「中二病でも恋がしたい!」劇場版作品です。
中二病でも恋がしたい1期と2期の間を繋ぐ物語が描かれていますが、1時間半ほどの上映時間のうち新規で書き起こされているカットは30分にも満たないので、ほとんどが1期の放映映像の総集編と考えて視聴する事をおススメします。

内容としては「劇場版本編」と「劇場版Lite」の2つに分かれています。

Liteは約5分40秒ほど(EDテーマも含んで)なのでオマケ要素として考えましょう。LiteのEDテーマは「深淵に舞う戦慄謝肉祭」で、2期のLiteと同じEDですね。内容は「わたしのお兄ちゃん2」で中学生時代の勇太を描いています。劇場版とだけあって中学生の勇太がより激しく中二病を発動させている感じがしますねw

本編は冒頭約10分と最後の約15分が新規映像です。
1期と2期をつなぐエピソードではありますが、特にこれを見ていないからといって物語が繋がらなくなるような状態にはなりませんのでご安心下さい。逆を言えば、コアなファン以外は楽しみにくい作品になってしまっている…とも言えます。

総評として・・・「劇場版として公開したのはハッキリ言って失敗だと思う。人気作に少し手を加えて劇場版・OVAで2重に利益を取りたい魂胆が見え見えだからである。しかし新規映像も手を抜いている訳ではないので、OVAのみで公開すれば消費者の反感は買わなかったはず」といった感じです。
決して新規映像分の出来が悪かったとか、そういうクレームを付けるわけではありません。むしろソコは凄く楽しめましたし文句は無いですね。ただほとんどが1期の映像の回想シーンとあっては、わざわざ劇場版として公開する意味合いも薄く感じてしまいます。「勇太と六花2人の馴れ初めを流す事で1期を見ていない視聴者にも興味を持ってもらうため」と言えば聞こえは良いのかもしれませんが、編集の仕方も「ダイジェスト」として物語をかいつまんで垂れ流しているだけなので、これを見て作品に興味を持ってくれるTV1期未視聴者がいるとはとても思えません。

これから視聴をされる方にとってはDVDレンタルのみとなるので、1期でかなりファンになった方であれば十分楽しめると思います。1期の復習を兼ねて視聴…と考えて差し支えないでしょう。ただしそこまで本作のファンでは無く、なんとなく視聴を続けている方は、今作を飛ばして速やかに2期の視聴に移りましょう。

*以下ネタバレレビューにて閲覧注意!
{netabare}本編の冒頭10分は「勇太と六花の結婚式」…という六花の夢w が描かれます。2人の結婚式に凸守が登場して結婚式を妨害するためバトルを仕掛ける描写が流れますが中々面白い感じでしたね☆ 後半15分は2期で同棲生活が始まるエピソードとなっているので、ファンの方には嬉しい作りになっているのではと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 38

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ちょっとびっくり・・・“京アニ史上最低”の駄作やもしれん・・・

既にテレビシリーズ第2期の制作が決定している『中二病でも恋がしたい!』において第1期シリーズ全12話を振り返りつつ第2期シリーズを予告させるエピローグを挟んだ総集編


まずwebではお馴染みだった中二病Liteの新作と新EDが始まり、その後に【立花と勇太の結婚式】が描かれる新作パートが始まります
正直この新作パートが一番の見所であり、その後に立花の口から語れる“立花視点”で振り返る総集編パートはかなり粗雑


そもそもに“立花視点”というのが間違えています
立花と勇太の間柄に直接関係の無い誠とくみん先輩を巡る第6話のエピソードは完全にカット
さらには最終回で勇太を再起させるために二代目邪王真眼となったくみん先輩や凸守のフォローが入るシークエンスは無く、当然ながらくみん先輩の口から語られる邪王真眼誕生の経緯もありません
ですので物語の根幹にある、立花の心の奥底にある影の部分が描かれていないわけです
これは初見殺しはおろか、ファンムービーとしてもマズイです


各キャラの紹介エピソードとなる1~4話はまあよし
夏休み編となる7~8話も適度な選別
オイラが作中も最も【傑作回】だと感じている9話が入ってくるのは当然
10話の学園祭当日は告白シークエンスを除いてざっくりカットしつつも、11話で泣きじゃくる凸守を抱きしめる丹生谷は挿入されるってのは悪くなかったです
うん、くみん先輩と凸守の扱いは雑で誠においてはセリフすらほとんどありませんが丹生谷だけはちゃんと描かれていたと思います


ただ立花と勇太の距離が一歩縮まる5話においてなぜ「冒頭のプール清掃」を挟んでしまったのか・・・
あれは十分削れたと思います;


ラスト、第2期へ橋渡しとなるエピローグでもなぜ勇太と十花が行動を起こしているのに立花自身は何もしていないのか・・・
あれでは立花が中二病に戻ったというだけで“成長出来ていない”のと同じなんじゃないでしょうか?


ことごとく声優さんの熱演シークエンスを削ってやがりましたがあえて評価を甘めにつけたのは立花の母(本名不明、CV:岩男潤子)から語られる「立花という命名の意味」が良かったからです


第1期の興奮も、第2期への期待も、あまりの中途半端感に正直萎えますたわ


この映画で一番のサプライズだったのはむしろ上映前予告で【たまこまーけっとの新作制作が発表された】ことですよ、ホンマ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

邪王真眼の使い手とダークフレイムマスターとの契約は永遠なり。

中二病とは

中二病とは主に中学二年生になった辺りから自分は特別な存在だと思い、己がかっこいいと思った世界を己の中に作り出し、特殊能力を持った人間と勘違いしその過ちを理解した時に死にたくなるほど恥ずかしくなる痛い病気です。

ストーリー

中二病を中学二年生患っていた主人公の富樫 勇太のアパートの上の部屋に新しく住み始めた邪王真眼の使い手の少女中二病小鳥遊六花に出会った後、六花の後輩の凸守 早苗と彼等は元魔術師モリサマーの丹生谷 森夏とただの勇太のクラスメイトの一色 誠と昼寝大好き五月七日 くみんで部活を作りました。
この物語はそんな中二病たちの痛いけど楽しい日常を描いた物語です。

私の感想。

映画が始まってテンションがかなり上がり目をキラキラさせて楽しんでいましたらこの作品のある重要な所に気がつきました。それはこの作品は {netabare}1期の総集編でかなり大掛かりな2期の前触れでしたの{/netabare}です。その事実を知った私自らが映画を見ている時に気がついた時はかなりがっかりしたようなすごいような複雑な気持ちになりましたが、 {netabare} 二期になる前にかなり良いおさらいになりました。{/netabare}この作品のおかげでまた1期をはじめから最後まできちんと見直したくないました。

しかし、はじめの {netabare}結婚式の戦闘のシーンはかなり手の込んでいるアフェクトなど入れていて本気で鳥肌が立つほどかっこいい先頭だと思いま{/netabare}した。とくに {netabare}竜の動き方やその攻撃の仕方が本物を見た事がありませんが、リアルに感じられました。多分本物の竜がいればそれはあんな感じに動くのか、可愛い女の子の姿なのでしょう。{/netabare}そう私は心の中から信じています。

このレビューを読んでいる皆さんも是非アニメ2期も見る前のこの作品を見て下さい。

オープニング

「-Across the line-」
かなりかっこいい曲であまり感動はしませんでしたが、鳥肌が立ちました。実に劇場ですよ感が漂っていてアニメでは感じられいかっこよさが感じれました。

エンディング

「Secret Survivor」

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

66.7 16 2013年度アニメランキング16位
劇場版 薄桜鬼 第一章 京都乱舞(アニメ映画)

2013年8月24日
★★★★☆ 4.0 (109)
719人が棚に入れました
監督はテレビアニメ版、OVA版も手がけたヤマサキオサムが担当。脚本の藤澤経清、キャラクターデザイン・総作画監督の中嶋敦子も、同じくテレビ版、OVA版から続投する。アニメーション制作はスタジオディーン。キャストも同様に、千鶴役の桑島法子を筆頭に、三木眞一郎(土方歳三)、森久保祥太郎(沖田総司)、鳥海浩輔(斎藤一)、吉野裕行(藤堂平助)、遊佐浩二(原田左之助)、津田健次郎(風間千景)ら、ファンにはおなじみの顔ぶれが並んでいる。

声優・キャラクター
桑島法子、三木眞一郎、森久保祥太郎、鳥海浩輔、吉野裕行、遊佐浩二、津田健次郎

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ラストでの「土方推し」に基本構造の無理が残るものの映画としての再構築の成功に賞賛を

乙女ゲー原作史上、稀に見る豪華スタッフに支えられた傑作シリーズを改めて劇場版としてリブートさせた第1章


テレビアニメシリーズで言うところの第1期シリーズ全12話に当たる部分をよくある“総集編”というカタチではなく完全な新作として作り直しております
設定も原作やテレビシリーズとは多少異なっております


○元治元年三月、雪村千鶴が新撰組と初めて会った時点で既に山南さんが左腕を負傷している
○池田屋事件では四国屋にいる土方へと伝令に走った千鶴でしたが今作では直接池田屋に向かっている
○原田と不知火が初めて戦うのが公家御門ではなく池田屋
○千姫さまが未登場(当然ながら君菊さんも)
○平助が御陵一派から新撰組へと復帰する油小路事件を一部カット
○雪村綱道が早くも登場、変若水と羅刹の真相をあらわにする
○南雲薫に唆されて変若水を飲むことになる沖田ですが今作では自らの意思で羅刹となることを選択する


とまあ、ざっと目に付いたところでは以上の点がテレビ版とは異なります
全12話、劇中の時間にしておよそ4年弱
千鶴と新撰組の出会い~鳥羽・伏見の戦いに至るまでの膨大なエピソードを見事90分強という尺にまとめあげたことは大変素晴らしいと思います
『なのは』や『スタドラ』は少しこーゆー作品を見習うべきです


完全新規の映像もまた、テレビシリーズの特に第1期で顕著だった不安定な作画やぬるい色彩を改めました
特に「鬼の視点から視た世界」なる灰色掛かった背景描写、羅刹や鬼がその本性を発揮する際のオーラのエフェクト等はクオリティが高く、世界観を美しく彩っています


それにしても劇中での藤堂平助の扱い
これは恐らく最も賛否の分かれる所かもしれません
千鶴と歳が近いこともありトモダチ感覚で「千鶴」、「平助くん」と呼び合う仲の二人は恐らく今作で最も近しい距離感です
油小路事件など、視聴者のカタルシスを揺さぶり易いエピソードもある平助はどうも監督もお気に入りのようで、かくいうオイラも『平助ルートでいいんじゃね?』とすら思うこともありました
ですがそれだと後半で新撰組の責任を一手に背負ってしまうことになる土方の立つ瀬が無い
今作でもやっぱり最後にオイシイところを持っていくのは土方
メインキャラ(この場合パッケージキャラとも)の魅力がサブキャラに負け気味というのはどうもいただけません
こればっかりは薄桜鬼というシリーズの基本構造上どうしても脱却できないジレンマみたいなものだと思います


いやまあしかし、薄桜鬼シリーズに限らず新撰組を題材にした作品群の本質ってのは【イケメン達が敗北し続ける】哀愁感と【散り散りになりつつも仲間を信じ続ける】絆の強さにあるとオイラは思ってます
第2章は来春とのこと、率直に楽しみであります


EDテーマはシリーズではお馴染みの吉岡亜衣加
今作も素晴らしい新曲を携えてスクリーンに歌声を響かせていますよ

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

koaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

総集編ではないです。

ストーリー的にはTV版1期と流れは大筋で同じですが
12話を映画の時間枠に収めたのはあっぱれでしょう。
総集編という作り方ではなく、新しいシーンを入れて
うまく折り合いをつけているのは見事です。
何より映像がきれい。
そして好きな人には申し訳ないのだけど
TV版の千鶴にイラっとしてたんですよ。
でも不要なシーンをカットしすることによって
千鶴の苦悩が濃く表現されていたのがよかったです。

鬼の能力を見せる場面とか、戦闘シーンもカッチョイイ。
新選組達の和むシーンがバッサリ切られてたのは
ちょっと寂しい気もしますが、それはしょうがないですよね。

個人的には、風間VS土方。不知火VS原田。天霧VS斉藤の
敵なのに好敵手を見つけたって感じで向かい合うところが
好きだったんだけど、ほとんどなかったのは寂しい。
そしてお気に入りの山崎烝の出番がほとんどない(ノ◇≦。)
でもTV版のような最後だけは勘弁してほしかったので
それがなかっただけでも救いなのかなぁ~

TV版を観た人でも十分に楽しめます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

にゃろろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

一味違う薄桜鬼(*´ω`*)

TVアニメのリメイク版という感じです。
ストーリーの流れは、まるまる1期と同じでした(*^^*)

映画の尺に上手くまとまってはいましたが
その分シリアスさが増したかなと思います。
TVアニメの1期は、新選組の和気あいあいとしたシーンも見所だったので
それが全くと言っていいほど無くなったのは、ちょっと残念です(;_;)

しかし、新しいシーンが多々あったり
それでいてTVアニメの名シーンなんかはそのまま残っていたりして
それなりの見応えはあったと思います(*´∀`)♪

なにより戦闘シーンが格段とカッコよくなってます!
躍動感があり凄い迫力を感じます!
千鶴の腕試しをしたときの斎藤一とか
最後の風間千景と土方歳三の戦いとか
めっちゃカッコよかったです(*´ω`*)

薄桜鬼ファンなら見ても損はないと思いますよ!

映画館で見るともっと感動できたんだろうなぁ。
第二章も楽しみです(^^)/

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

66.4 18 2013年度アニメランキング18位
ベルセルク 黄金時代篇III 降臨(アニメ映画)

2013年2月1日
★★★★☆ 3.9 (156)
813人が棚に入れました
戦乱の時代、孤高の剣士ガッツは、長年共に戦ってきたグリフィス率いる傭兵(ようへい)軍「鷹の団」と一度はたもとを分かつことを決意する。
だが、その後、グリフィスが反逆罪で投獄されたと知ったガッツはかつての仲間たちと共に彼を牢(ろう)から救い出すことに。
ところが舌を抜かれ、両手足の腱を切られてひどい状態のグリフィスは、生きる気力を失っており……。

声優・キャラクター
岩永洋昭、櫻井孝宏、行成とあ、梶裕貴、寿美菜子、藤原貴弘、松本ヨシロウ、矢尾一樹、豊崎愛生、小山力也、三宅健太、中村悠一、竹達彩奈、大塚明夫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャッチコピーは「すべては、因果の流れの中に──」

3部作のラストを飾る作品です。第2作目がPG12指定でしたが、この3作目はR15+指定となっています。
それだけ表現が過激になっているか・・・というと、ほぼ第2作目と変わらないと思います。

物語の内容については、分かりやすかった前2作とは異なり混沌が前面に押し出されていて、世界観を把握するのが少し難解です。
台詞は少なめ・・・映像と音響で状況や展開を理解する必要がありましたから・・・
きっとこの辺りは原作機読者や2クールのTVアニメ版を視聴済の方の中でも好みが分かれそうな作品だったと思います。

それだけでR15+指定の作品になる筈がありません。
混沌を描いた作品・・・或いは理解を要する作品はこれまで山ほど制作されており、それらはなんの規制も無く放送されていますから・・・

個人的私見ですが、3作目になって規制範囲が広がった最大の理由は、物語の展開上、決して避けては通れない「痛み」を感じるからだと思います。

視覚、聴覚を通して流れてくる情報・・・台詞だったり、時には息遣いだったりする訳ですが、それら全部が痛みを背負っているんです。

そしてこの「痛み」は、主眼を誰において視聴するかで「痛み方」の変わる作品だったと思います。

私も一巡目ではガッツに引っ張られて素直に激情しました・・・
何もかもが突然変わってしまって・・・世界はどうなっちゃったの?
え、なんでこうなっちゃうの・・・?
目の前で繰り広げられるのは、この世で最も見たくなかったモノ・・・
その無表情な眼差しは何処を見つめているの・・・?
そもそも何で受け入れたの・・・?
頭の中は???で一杯でしたが、胸の抉られるような痛みを伴う展開は留まることを知りません。
記憶に残る鮮烈なシーンだったと思います。

視聴後に物凄く胸がもやもやしたので、続けて2巡目を視聴した時に、ようやく「痛み方」の違いに気が付きました。

生きていたら誰かに寄りかかりたくなる時があるのは当然です。
緊張の糸だってずっと張り詰めたままじゃ切れてしまいます。
きっと切れる事で精神的なバランスが取れるのだと思います。

これまでは何もかもが上手くいっていた・・・
でもそれは一瞬にして崩れ去り・・・全ては過去の栄光に成り下がってしまった・・・
もう全ては変わってしまっている事を知っている筈なのに・・・
瞬間見えた幻が原因である事も分かっているのに・・・
でも・・・ずっと憧れだったんです。
ずっと手を伸ばしても届かなかったんです・・・
出来たのは嘆願だけ・・・
勿論、これが何を意味するのかは、支払った代償の大きさが教えてくれます。

もしかすると一番楽な選択をしたのかもしれません。
でもそう考えると自分の心に浅ましさを感じるので、額面通りの解釈をしておこうと思います。

でも、ここまでの事態を引き起こした張本人・・・絶対許されないでしょう。
その仮面の奥底はどんな顔をしているの・・・?
何を考えているの・・・?
本当の望みは何なの・・・?
その選択と言動に至る経緯が正直全く理解できませんでした。
いえ・・・理解したくなかったのかもしれません。

そして・・・再び立ち上がるところで物語は終幕を迎えます。

3部作の完結編・・・との事でしたが、物語的には全然完結していません。
2016年夏アニメの「新作」でこの続きが描かれる事になるんだと勝手に思い、勝手に楽しみにしていますが、このままじゃ終われないでしょう・・・
ガッツが目的を成就させない限り、この物語を終わらせられないでしょう・・・

劇場版3作の視聴を終えましたが・・・TV放送版「剣風伝奇ベルセルク」が気になってきました。
劇場版3作目の内容がどう考えても駆け足だったと思えたからです。
もう少し色々説明して欲しかった・・・様な気がします。
ただ、心の中がグチャグチャな状況でどこまで頭に入るかは疑問ですけれど・・・。

物語の世界観は好みでしたので一気見してしまいましたが、完走して思うのはこのモヤモヤを新作でしっかりガッツに解消して欲しいという事です。
今度はガッツが本懐を遂げられるように願っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「原作通りの映像化」の言葉に嘘偽りなし!エログロアニメはココに極まる!で、次回作のご予定は・・・?&sigma;(^^;)

ユーアー蝕っであります(爆
今思えば『剣風伝奇』は悪い作品じゃなかったわけですが(むしろもっと評価されるべきなのだが)あん時にあーしてほしいこーしてほしいってのが今作では遂に実現したんだと思います・・・


さて、三部作として予定されていた「ベルセルク・サーガ プロジェクト」遂に完結編
前作はシャルロット姫姦通の容疑でグリフィスが捕らえられるトコロまで
今回も特に前作を振り返るダイジェストのようなものはありませんのでご注意下さい


ガッツと鷹の団との合流~鷹の団再結成に向けてのグリフィス救出~そして蝕の発動
というベルセルクという作品の知名度を一気に押し上げたであろう名場面が描かれております


特に鷹の団を追い詰める暗殺者シラットとの戦闘や、グリフィス救出の際の脱出劇はCGアニメらしいスピーディーなカメラの回り込み等あって見どころでしょう


そしてなんといっても「蝕」です
思わず目を覆いたくなるような奇怪な世界観、おぞましい怪物、残酷で惨たらしい光景、、、前2作を耐え切った方なればとは思いますが改めて言っておきますが「グロ注意」です;
(ちなみにゴッドハンドが一人、ユービックだけは恐らくシリーズ中唯一キャストが剣風伝奇から変更されてない茶風林さんだったり)


オイラが前2作から注目していたCGに手書き作画を被せていくハイブリットアニメーションも今作でいよいよ完成形の域に迫り、特に鬼気迫ったガッツの怒りの表情など圧巻ですね


しかしまあ映倫は今まで何をしてきたのかw
第1作目のレーティングはG、過激な描写が多かった2作目はPG12ときて、ようやく今作で名誉(不名誉?)の【R18指定】を授かりました(笑)
特にエロ描写に関しては流石の映倫も目を瞑れなかったようです^^;
では前2作を観てきた若年ファンは今作を観れないのか?
ご安心下さい、制作側はその辺りを配慮し【R15指定】のバージョンを編集で作成し、ほとんどの劇場での公開はそちらの方がメインになっています
たぶん公開がズレ込んだのはコレを作っていたせい(笑)


【R18+】
・一部劇場の夜間のみの公開
・当初作成されたオリジナルバージョン
・エンドロール、エピローグの後には特に何もなし


【R15+】
・ほとんどの劇場ではコチラのみの公開
・内容やセリフの変更は一切なし
・カット数も全く同じで差し替えや足し引きもない
・一部過激なエロ描写のカットの明るさやコントラストを調整することでのみ対応
・一部BGMの変更(たぶん『クチュ音』がマズかったんだと思われw)
・エンドロール、エピローグの後に川畑要によるエンディングテーマに合わせて3部作のダイジェストが流れるテレビアニメのエンディング風の映像が挿入されるオマケ付き


最後のエンディングテーマに関してはほんとオマケなんであっても無くてもどーでもwって感じですが、R15+への対応を求められ画面の明るさを再調整した件については両方チェックしたオイラの目には「プラスになった」と映りました
と、言うのも全体がやや薄暗くなったことで世界観そのものに漂う暗い雰囲気を助長する演出効果、さらにはCGと手描き作画の境目を調和して&ldquo;より物語に入り込み易い仕様&rdquo;になっていると感じたからです
ですので劇場の都合やR18版への期待に関わらず『まずはR15版からご覧になっていただくこと』を強くオススメします


無事3部作とも完結することが出来たこのシリーズ
唯一に残念なのは普通に次回作のアナウンスがされるのかと思いきや未だ今後の展開の音沙汰は無しってこと;
いやいやwこれって結局ベルセルクって作品のプロローグ部分だけっすからねw
『剣風伝奇』の頃にもやられましたが思わずポカーンですよw
でもタダでは終わりません、今回の映画にはオイラのイチオシ『髑髏の騎士』が登場してます!
もうホントカッケーっすwあれだけ胸アツっすよw
原作ファンの方も是非チェックして下さいませ(`・&omega;・&acute;)b

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

爆発する運命への抗いの物語★

■評価
テーマ性   :★★★   3.0
殺陣度    :★★★★  4.0
エログロ度  :★★★★  4.0
初心者むけ度 :★☆    1.5
ファン向け度 :★★★★  4.0
おススメ度  :★★★☆  3.3

■ストーリー
幼少期から生きるために傭兵をしながら生きてきたガッツは
自分の剣術を凌ぐグリフィス率いる鷹の団に入る事となる。
ガッツとグリフィスは互いの力に惹かれあい、野望の達成は
確実に思われたが、過酷な運命の歯車が容赦なく動き始める…。ダークファンタジー巨編:ベルセルクの前章譚とも言える『黄金時代編』の劇場版になります。

■感想
私は原作漫画はすべて既読済みです。
個人的には思い入れの強い作品であり、ガッツがいたからこそ私も色々な厳しい目にあっても負けるモナカと頑張って生きてこれた!!っと言っても過言ではないです。

色々とドロドロしているのでテーマを見つけるのが難しい作品ですが、本作のテーマは『運命への抗い』になり、その原点となる物語を描いた作品です。

感想から言うと、原作既読者にとっては楽しめる内容になっています。黄金時代編という長大なストーリが良くまとめ上げられており、原作既読者であればガッツたちと一緒に過去を回想している様なストーリー展開になっています。特筆すべきポイントは『合戦・殺陣シーン』での効果的な血しぶきの演出や、様々なアングルでの戦闘シーンの演出の巧妙さになると思います。あたかも視聴者自身が血しぶきをかぶりながら、目の前でガッツが戦っている姿を目撃している様な臨場感があり、あまり目にしない演出なので世の映画監督さんにパクる事をおススメしたいです。(音楽や音響も素晴らしいです)

ただし、悪い点は『ベルセルク初めての方に対して、容赦なく不親切な構成』になっているのが非常に不満です。私にとってのベルセルクという作品の最大の魅力はガッツの強烈な個性と人格であり、それは彼の持つ『闘争心』と『反骨精神』だと思ってます。この2つの要素を作中で爆発させる事で、憎しみや怒りを自身の生きがいに変換し『運命への抗い』の糧とするというテーマ性が強く胸に刻まれると個人的には感じています。劇場版では、このガッツの個性や人格の裏づけとなる描写がおざなりで、彼の魅力が半減している様な気がします。せめて以下の点は何とかしてほしかった。
{netabare}
※ガッツの声優さんはカッコよいが、爆発した感情表現が
 必要なシーンでの声量が足りない。
※ガッツ幼少期の体験(ガンビーノのくだり)が、なぜか
 映像や音声をぼやかして表現している。
※エロシーンのみが原作に忠実に描かれている。
※ラストシーンでガッツが何のために旅に出ようと
 しているのか明確な表現がされて終わっていない。
{/netabare}
全体的に原作漫画を読んでいれば分かるでしょっ!?という表現になっておりこれではベルセルク未読の友人達にどれだけ本作が面白いのか語れないし、紹介できないorz

個人的には続編製作への期待もあるので、新たなファンの獲得は非常に重要だと思うのですが強大な敵に戦いを挑む世界観が似ている『進撃の巨人』と『本作』で、もしどっちが新たなファンを獲得できるか比較するならば、明らかに『進撃の巨人』のほうに軍配が上がるとおもいます。

ウダウダと書いてしまいましたが、総じて原作ファンの私は非常に楽しめる作品でした。初めての方は、TVシリーズを見てから本作を見ると魅力が倍増すると思います。

ご拝読有り難うございました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

66.1 19 2013年度アニメランキング19位
ルパン三世 vs 名探偵コナン THE MOVIE(アニメ映画)

2013年12月7日
★★★★☆ 3.8 (201)
1315人が棚に入れました
ある夜、秘宝・チェリーサファイアを頂くという予告状が警察の元に届く。その差出人は、怪盗キッドではなく、なんとルパン三世だった。ICPOの銭形警部は、警視庁の目暮警部らとタッグを組み、ルパン逮捕へと乗り出す。だがルパンの盗みの裏にはアラン・スミシーと名乗る謎の男の姿があり、彼の傍には峰不二子の姿もあった。時を同じくして、海外の超人気アイドル・エミリオがライブのため来日。テレビ中継を見て、エミリオの来日とその傍らの美人マネージャー・クラウディアに釘付けの少年探偵団たち。そんな3人とは別に、コナンは別の人物に目を見張る。エミリオのボディーガードを担当していたのは、なんと次元大介だった。ルパン一味が何かを企んでいることに気付くコナン。だがその直後、事件が新たな展開を見せるのであった。

声優・キャラクター
栗田貫一、小林清志、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ、山口勝平、内野聖陽、夏菜

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

相性抜群♪

コナンとルパンのコラボ作品♪

この2作品とキャラ達もすごく相性がいいなって思いました!
だからコナンとルパンの合作作ったのナイスだなヽ(*´∪`*)ノ"

コナン側は蘭に似た王女様がでてきます。

ルパン側はルパンがまたお宝狙います。
このお宝が王女様の宮殿にあるという・・

簡単にですがこの2点が大きく重なりお話が進展していきます!

たくさん笑えるシーンがありますので
結構笑って観れましたd(>ω<*)☆
似た者同士キャラとか笑えます!

ルパン作品系は観てないけどーとか
コナン作品観てないけどーとかありますよね。

私の場合はルパンはなんとなくしか知りません。
どちらかと言えばコナンのが詳しいかな。
こんな風にどちらかしか知らなーいとかでも、
全然問題ないです♪
楽しめる作品だと思いますヽ(´∀`*)ノ

うまく作られている作品で拍手だな〜!
たまにはこのような作品もいいものですね♪

おもしろかったですd(>ω<*)☆
不二子ちゃん美しい〜〜♡

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27

のか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは・・・う~ん・・・^^;

言わずと知れたルパンとコナン^^

どちらも名作アニメ!!

感想はと言うと・・・正直、詰め込んだな~って感じですかね(苦笑

前作(TVスペシャル版コラボ)の続編なんで見てないと意味がわかりません。
もう1つ。コナンをそれなりに見てないと意味不明な所も^^

私は両作品とも見ていますので、問題なかったですけど、知らない人はちょっと厳しいかも。

知っている人にはたまらない作品ですが、知らない人には(なんだこれ?)って作品になりかねません。

これから視聴する人はコナンの登場人物の設定(FBI)とか灰原の過去を知っておくこと、そしてTVスペシャルコラボを見ておくこと。
これは必須ですね(笑)

完全にコアファン~それなりファン狙いの作品ですので、興味が無い人は見なくても全然問題ないですね(失笑)


個人的にはたまらない作品でした!
次元とコナンの掛け合い+不二子と灰原の掛け合い。
面白かった!!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

AKIRA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

『ルパン三世』連載45周年 『名探偵コナン』連載20周年

日本テレビ開局60周年
読売テレビ開局55周年
トムス・エンタテインメントアニメ制作50周年
『ルパン三世』連載45周年
『名探偵コナン』連載20周年

色々周年記念な作品。

テレビスペシャル『ルパン三世VS名探偵コナン』からの設定も活きているのでできれば見ておくといい。
見てなくても大丈夫です、終盤の伏線回収のあたりだけ??ってなりますが。

TVスペシャルとは違って殺人はおきずルパンメインなイメージ。結構アクションがあったりコメディが随所にはさまれたり…
個人的には次元とコナンのかけあいがよかったです。TVスペシャルの設定も引き継いでいましたね。

コメディとしては結構おもしろく見させてもらったのですが。ストーリーが結構複雑だったのでわかりづらいかもしれません。
序盤の背景モブがものすごく気になってしまってストーリーに集中できなかったのもありますがw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

66.0 20 2013年度アニメランキング20位
モンスターズ・ユニバーシティ(アニメ映画)

2013年7月6日
★★★★☆ 3.9 (110)
820人が棚に入れました
明るくていつも前向きなマイクの唯一の悩みは、同級生よりも体が小さくて "カワイイ"こと。なぜなら、誰よりも恐ろしい"怖がらせ屋"になることが、彼の子供?の頃からの夢だったからです。その夢を叶えるため、ついにマイクはあこがれの大学"モ?ンスターズ・ユニバーシティ"に入学します。だけど、そこにはサリーをはじめ、彼より?も大きくて才能あふれる未来の"怖がらせ屋"たちが大勢いました...。

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

マイクとサリーは、こうして出会った。2人の物語の前日譚♪

2001年に公開されたモンスターズ・インクの続編。

この「ユニバーシティ」は2013年公開なので、
10年以上経過しての続編なのですね。

「モンスターズ・インク」はとても好きだったので、
こちらも期待していました♪

期待を裏切らない、楽しい作品でした^^

100分ほどの作品です。


● ストーリー
マイク・ワゾウスキは、
小さな体のモンスター。

小学生の頃に訪れた“モンスターズ・インク”で
“怖がらせ屋”の仕事を見て、憧れるようになる。

夢を叶えるため、
マイクはモンスターズ・ユニバーシティの“怖がらせ学部”に入学した。


「モンスターズ・インク」の主人公、
マイク&サリーの過去の話になっています。

時系列的にはこちらが先ですが、
前作を見ているからこそ楽しめる内容となっているので、

先に前作を見ることをおすすめします^^
もちろん、この作品単体でも十分楽しめるのですけどね。


こちらの予想を軽々と超えていくストーリー展開なので、
観ていて飽きることがありませんでした。

よく考えられています。
脚本に力が入れられているのがよくわかる。

モンスターという設定を上手に活かしていて、楽しいし♪

前作もよかったけれど、
こちらもよかったです^^

シリーズとして、
より深みが出たように思います。


● 同時上映「ブルー・アンブレラ」
同時上映される短編映画を私は毎回絶賛している気がします。笑
今回も絶賛します。笑

「これもアニメなのか。」と奥深さにうならずにはいられない。

実写のようだけど、実写ではない世界。

街のものを顔に見立てるって、
子どもの頃は特によくやったと思うけれど、

アニメとして手を加えると、
本当に生き物みたい。

さらに、
表情の違いがそのまま個性という名の味になっていて。

もうね、すごい。
すごすぎて、言葉にならない。笑


台詞はありません。
代わりに音楽が、場面の心情をすべて表しているといってもいいぐらい。

場面の心情と音楽の盛り上がりや静かさとの合わさり方が、
怖いぐらいに絶妙なの。笑


いやー、ディズニーの短編映画集ほしいわー。笑


● 音楽
前作同様、ランディ・ニューマンが担当。

場面にふさわしい音楽ばかりで、
ついついBGMに耳を傾けてしまいます♪

まるでディズニーランドにいるみたい。
アトラクションを体験しているみたい。

ブラスが心地よい重厚な音楽。

これぞディズニーの音楽だ♪


● まとめ
息ぴったりなコンビ、マイク&サリーが
どのように出会い、どのように絆を深めていったのか。

それがよく伝わってくる、
いい続編だったと思います^^

モンスターズ・インクシリーズは、
私のお気に入り決定です♪

望んだ才能がなくても、
自分だけの才能を自信と努力によって育てたマイクはすごいなあ。

何も気にせず突っ走るマイク、
そんなマイクを後ろからそっと支えるサリー。

うん、いいコンビ^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

( ´﹀` ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

面白かったああ

昨日見てきたよ(*'ω'*)☆!!

友達に誘われ見に行ったが、実はあまり興味はなく 映画代…涙 とか思いながらみてみた。
結果、普通に面白かった(*`ω´)!!
どれくらい面白かったって、テレビでやってたらつい最後までみてしまうレベルで面白かった(笑
あるよね、見る気ないのに気づいたら結局最後までみてるやつw

普段からアニメをみているせいか、映像やべえええーー(・∀・)とか、演出が… とか考えている自分にわろた(笑
でも、改めて見ると(てか改めなくても)ディズニーとかって映像すごいよね。(°ωº*)

ストーリーについて、てきとうに。
マイク(緑のちっちゃいやつ)とサリー(青のでかいやつ)が大学生だった頃の話…ってタイトルみたらわかるけどw
マイクがなぜ怖がらせ屋になろうと思ったのか、二人の出会いはどうであったのか、などといった感じ
友達曰く、ちっちゃい頃のマイク可愛い!!つかみたくなる!!!笑

家族とでも、友達とでも、恋人とでも、映画みたいけどみるものないよ(>_<)といったときには是非みてください
ちなみに私は、モンスターズインクの内容ほとんど覚えてないけど楽しめました。緑と青のやつが子どもを怖がらせるんだろ? 程度のことを知っておけば大丈夫です(*'ω'*) 笑

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

かおーん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

すばらしい。

インクへの入社前、大学での話?とタイトルで取れる。
プレストーリーって駄作フラグじゃない?って全く期待してなかった。

が、やっぱり凄い、Pixerすげぇ。最初の5分でガッツリ掴みます。

PIXERの凄いところ、キャラがみんな生きているのは本作品でも。トイストーリーでもそうですが、全てのキャラのフィギュア揃えたくなるような、かわいらしさがあります。

映像も凄い。ホントにキレイですねー。モンスターの表皮や毛の質感など、ため息が出るレベル。ブルーレイで見ましたが、ビットレートすごいですね、地デジが汚く見える。

難点は声優かな。モンスターズインクは海外で視聴してたので、日本語版の声優は受け付けられない。ダメ。たぶん、インクから日本語で慣れてれば問題ないのでしょうが・・・。ジョンとビリーのほうが臨場感あります。音声を英語にしてみることもオススメします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

65.7 21 2013年度アニメランキング21位
寫眞館(アニメ映画)

2013年11月9日
★★★★☆ 3.8 (32)
162人が棚に入れました
時は戦前。丘の上で写真館を営む主人の元には、色々な人々が訪れる。ある日訪れたのは一組の夫婦。婦人は恥ずかしそうに下を向くばかりだったが、写真館の主人はあの手この手で婦人の笑顔を写真におさめた。だが翌年、その夫婦と共にやってきたのは、ムスッとした彼等の愛娘だった。主人は必死に笑顔を引き出そうとするが―。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

明治、大正、そして昭和へ

『パルムの樹』、『ファンタジックチルドレン』の「なかむらたかし」による実に8年半ぶりの監督作品


タイトルの読みは「しゃしんかん」


丘の上に佇む写真館を営む主人の元を訪れた一組の夫婦、しかし婦人は恥ずかしがって俯いてばかり
主人はあの手この手を用いてやっとの思いで婦人の笑顔を一枚の写真に収めた
やがて婦人は夫婦の間に出来た一人の娘を連れて写真館を訪ねてきた
しかし娘は何やら不機嫌なようで全く笑顔を見せてくれない
そして時は移り変わり明治から大正へ、そして昭和へ・・・


全編セリフなし、限定された登場人物、舞台となるのは丘の上の写真館の一点のみ、と絞り込んだ条件でただただ移り変わっていく時代と共に生きる人の様子を描く短編


監督としてはもちろんながら、なかむらたかしの真骨頂はやはり【作画】だと思います
今作では全編の原画をなかむら一人で担当しております
明治~昭和が舞台ということでレトロモダンでお洒落な雰囲気を醸し出す背景美術、静けさの中に響く市川淳のクラシックピアノソロ
そんな中でなかむらが描写するのは登場人物達の細かな表情、その奥に見えてくる心模様です
しっとりとした、けど心温まる作品はココですよー?
わずか18分、少しお時間がある時、是非ご覧になっていただきたい一作です

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とても濃密な16分の良作です

丘の上にある写真屋さん。

一生懸命お客さんの笑顔を撮ろうとがんばります。

物語は母から子へ。
明治から昭和まで続きます。

セリフは一切ありません。
でもしぐさや表情などで丁寧に物語を描いていきます。

音楽はしっとりとしたピアノの曲。

16分ほどの小品なのですが、とても濃密で見終わった後、いい作品を観た時の満足感をとても感じました。

地味な作品なので、知っている人が少ないと思いますが、こういうのを隠れた名作っていうのかな、と思いました。

2020.7.31

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

いさ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

サイレント映画

写真館の主人を狂言回しとして戦前から戦後までの時の移り変わり
を描いた作品
やりたいことはわかるんだが、あまりよさはわかんなかった
それより娘も最後けっこう年取ってると思うんだが、
まだ仕事してる主人ていくつで写真館はじめたんだ?
もしかして妖怪??
それと機嫌を取るための人形をせっかくもらった、というかとったのに
写真館をでてすぐ水たまりに落としたら、拾いもせず
そのまま捨てていったのは娘も上品そうな母親も
相当に性格悪いとおもた

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

65.0 22 2013年度アニメランキング22位
かぐや姫の物語(アニメ映画)

2013年10月1日
★★★★☆ 3.8 (289)
1187人が棚に入れました
原作:「竹取物語」、原案:高畑勲 監督:高畑勲 製作:氏家齊一郎、脚本:高畑勲/坂口理子、音楽:池辺晋一郎

声優・キャラクター
朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、中村七之助、橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢、三宅裕司

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私訳・竹取物語

姫の犯した罪と罰 。

いささか仰々しいキャッチコピーですが、原典に従えば、地球の男たちを愚弄したことの罪、彼女がしでかした所業への罰。
そんな評定ができようものと思います。

本作品を、原典のトレース、ストーリーの焼き直しと見るなら、底の浅い二番煎じと受け取られても仕方ないでしょう。
でも、高畑氏がそのように銘打ったからには、別の意図が付され、新しい解釈ができるかも知れません。

原作者と高畑氏との間には、どのような共通点と相違点があるのだろう。
かぐや姫と私たちを対比させながら、時代マターに通底する罪と罰を俯瞰してみたいと思います。





1000年も前の物語が伝承されているのは、誰にとっても普遍的な価値が見いだせるからで、体裁としては、私はシンプルに "転生もの+なろう系" と評価しています。

私のアプローチは、次の二つの視点です。
「なぜ天上に住む高貴な女性が、わざわざ地球に下り、ひなびた古老の家を選んだのか。」
「いったい彼女は、どんな暮らしを願い、そして彼女はそれをやりきったのか。」

彼女は、地位や名声、財宝や権威には一切関心を示さず、おもねることもなかった。男たちの求婚には目もくれず、育ての老親への孝行も念頭になかった。
およそ人の幸せに類するものへの無関心なさまは、あらゆる世俗を諸行無常と達観する "解脱者" のようです。

そんな彼女に、高畑氏は、幼馴染への恋ごころを濃密にトッピングし、妻帯者に対して彼女に心火を燃やさせ激情を逸らせました。
解脱と陶酔。このアンバランスさに私は混乱し、一つの疑念をいだくに至りました。

もしかしたら、高畑氏はかぐや姫のイメージを、根底から覆そうとしているのではないかと。





私は、本作(原典)を、転生願望をテーマにした日本文学のフォーマット、なろう願望の裏表を詳らかにしたテンプレートと思っています。

月は精神を、地球は肉体を象徴しています。
ひと気のない宮居から、真っ暗な宇宙空間に浮かぶ地球に思いふける彼女は、おぼろな霊体としての存在でしょう。

転生&なろうの文脈に落とすなら、地球に憧れる=肉体を得ることが彼女の最初の願望。
ですが、肉体を得た彼女の振る舞いは、1000年も語り継がれる稀代の剛愎ぶりでした。

だから私のかぐや姫の第一印象は、我儘と傲慢を併せ持った桁外れのエゴイストです。
お母さんの子宮ではなく、竹から生まれること自体が、そもそも大きな矛盾(罪と罰の素因)を孕んでいることを暗喩しているのですね。





そこで仮説を立てたのが、一つには、月の世界は、男をかぐわせる魔性の女を閉じ込める "牢獄" 。地球は、己が重罪に気づかせるための "保護観察付きの仮釈放" というシュールです。
そんな切り取りはなんとも悲しすぎますが、転生&なろうの彼女の動機は、牢獄という罰からの逃避とも、そこに収監された罪への慚愧の念から、とも取れそうです。

ですが、もう一つの仮説もあります。
それは、月の世界は、女性の社会的自立を抑制する "ガラスの天井" で、地球は女性性の "解放区" という真逆のシチュエーションです。
その観点でかぐや姫の心情に触れるなら、人恋しさを満喫し自由奔放な恋をエンジョイしたかっただけ、あるいは男を伸(の)してでも女性のジェンダーを周知向上したかったからとも感じ取れます。

平安時代の貴族女性は、親の一存や政略として定められた人生を選択する(押しつけられる)のが "普通" でした。
月の女性はかぐや姫の前世霊でもあるわけですから、それじゃない何か、どうしても選びたかった何かを果たしたかったのではないかと思えるのです。

そう考えると、かぐや姫の振る舞いや生きざまは、表層的な評価にはとどまらない、多重的、多角的、多面的な解釈ができそうです。
言うなら "いかなる因果律にも縛られない超法規的措置" 、"正夢にもすがりたい虚妄、逆夢さえねじ返したい本願" です。
そしてそれは "誰にとっても地平続きである感覚" に驚かされます。

わたし的には、この気づきが、この物語に秘められたアレゴリー(寓意)であり、アイロニー(皮肉)なのかもと思います。
1000年前の彼女の人となりは、今の人間と少しも違わない。
彼女の罪を咎めることも、罰を嗤ったりすることもできない。
そう胸に問い返し、「ではどうすればよかったのか?」を自問自答させるのです。





高畑氏の作風は、エンタメに笑いを見せながら、毒針を暗喩としてチクリと含ませたり、世相を皮肉で捩(もじ)ったりする一面があります。
原典も本作も、そんな矜持を一人の若者(かぐや姫)の境遇に盛り込んでいます。

自分らしく生きることの難しさ、社会が変わらないことの悔しさ。
そこには、男と女の性的格差(ジェンダーとセクシャリティー)。自由奔放とルール社会との衝突。貧富、能力、容姿などの超えがたい相差が見て取れます。

これらのコントラストは、バイアスによる誹謗中傷、それぞれの正義感の押し付け合い、不合理や不条理の支配構造を生み出しています。
そんなバトルが目の前の現実であり、人間に生まれることの由縁と必然です。

だからこそ、安直な転生&流行りのなろう系とは全く異質のシナリオが、1000年変わらぬ土台なのです。
おとぎ話に心を遊ばせても、その主人公を自分のリアルに当てはめるな、と。
現実の世界で懸命に足掻き、その主人公として今生の自分を確立させよ、と。

どんなにかぐわしい人生であっても、どれほど生臭い境遇であっても、いつ知れずお迎えの時期は来るのだと。





私は、高畑氏が描く月の女性は、魂の輪廻のなかに存在していると捉えています。
これは "転生同魂" 的な演出で、昨今の転生&なろう系作品とほぼ同じ構造です。
ですが、原典には、記憶の継続性は少しも設定されていません。

作中、かぐや姫が、わらべ歌に不思議を感じる演出があります。
これは、転生&なろう系のアニメ作品に親しむファンへの歩み寄りでもありますが、同時にアンチテーゼを匂わせているように感じます。

前世、今世、来世に貫通する想いは、地球と月とを行き来したくなるほどの強い焦燥です。
それはおそらく、叶わなかったことの悔恨、叶えられなかったことへの呵責です。
仏教ではそこに輪廻転生を説法し、SFではここでタイムリープを起動させます。
あたかも今の自分の意識と肉体が、一旦は別の次元界に行き、追ってこの世に戻ってくるかのように錯覚させるのです。

しかし、実際は、前世の記憶=自我を保ったままで生まれないことは誰にも分ることです。
また、一つの身体に複数の記憶を持つとか、心と体を時間跳躍させることもあり得ないと分かりきっています。
それが現実なのに、宗教的に "転生同魂" に期待したり、文化的に "転生&なろうアニメ" に親しんだりするのは、言うなら一時的な魂の救済であるのかも知れないし、25分程度の現実への慰めと癒しなのかも知れません。

ただ、それではかぐや姫と同じ穴の狢(むじな)です。
前世と同じ生き方を選択するのなら、俺TUEEE!と変わりません。
今世にノーチャレンジなら、アニメのキャラに何を投影するでしょう。
魂の歓喜と責任を来世にスルーするなら、それはチートすぎるでしょう。

内心を誤魔化すことはとても簡単ですけれど、魂のレベルでは輪廻転生するプロセスに、罪にも罰にもと刻みつけられるのが、この世のしきたりなのですね。





誰にとっても地球にいられる時間は有限で、月に帰ることが予め決められているなら、せっかくの命を何に使うのか、魂をどんなふうに活かしきるのかという問いかけが、本作品への寄り添い方なんだと思います。

そんな当たり前のことが、あまりにも当たり前すぎて、気がつかない、気にも留めないのが、かぐや姫の役回りであり、同時に人間のさがというわけなのでしょう。

最終のシーンで屈強な武士らが描かれますが、これもちょっとしたアレゴリーでしょう。
どんなに虎の威を借りようとも、時間の審判には抗うことなどできないとクギを刺す作者のメンタリティーなんですね。

月の住人の立場なら、地球への転生は、言わば「ショートバケーション&ワーカーズビザ」の付与。
あるいは、自分磨きのための「星間留学体験」なんて解釈も面白そうです。
くれぐれも元の木阿弥(前世の焼き直し)にはならぬようにとの注釈付きですけれど。

ただ、その警句は、当人には分かりようもないし、教科書にも説かれていません。
何もやりきっていない私だから、誰でもいいから若竹でつくった警覚策励でシバキ挙げてくれないかしら。
いえ、それも自分から求めないといけないのでしょうね。





月の女性は、"自らの意志" で地球に転生しています。

であるなら、どうして彼女は、自身の顔を可愛らしく、美しいままに転生したのか。
どうして彼女は、平凡な顔立ちを良しとしなかったのか。

無意識、無自覚なその自我は、彼女の罪とは言えまいか。


いいえ、もしかしたら、彼女は譲れなかった、譲らなかったのかもとも疑います。
転生だけでも十分な特赦なのに、そこまで依怙地を通すなら、罰を受けざるを得ない人生になっても仕方ないかなぁとため息がでます。

ですが、神仏が "敢えて許した" と致すなら、話はがらりと変わってきます。


美人薄命。
それは罪をつくるから? それとも罰を負っているから?
なんとも、どうにも難しいものです。





「竹取」は、長けを取ること。
それは、自分の長所に胡坐をかいてばかりではいけないことを示唆しています。

あるいは、長けを獲ること。
それは、自分を竹のように伸ばし、節を乗り越え、節を味方につけて、高みを目指すとも解釈できます。

さらには、丈を取る、でしょうか。
丈は、物の長さを測る単位ですが、支えること、支えあうことの意味もあります。

日本は言霊の国ですから、「竹取」の二文字にそういう精神性を秘め、長く言い伝えようとしてきたとも言えそうです。


仏教では、人は誰でもが、前世の劫を携えて生まれてくると語られます。
そして今世でも、知って犯す罪、知らずに積む業があるとも言われます。
それでも人は良かれと信じて徳を積み、意を尽くして天命を受け容れるしかないのかもしれません。

だから、かぐや姫は、彼女なりの生をやりきったのだと思います。
それなら、次のかぐや姫の役は、あなたです。

原典と高畑氏の作品は、それを後世に伝えていく役割なのだろうと思います。
それはまた、私訳・竹取物語でお伝えしたいことなのです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かぐや姫の物語に想いを寄せた一人の翁

学校で習ったことはありますが、大昔のことなのでぼんやり。
大方のあらすじを覚えてる程度、詳しくは把握してません。
まぁ、でも大丈夫な作りになっているでしょー。一応、ジブリだしw
てな感じで見に行きました。

けど、十分楽しめました。それで良かったということなのかな?

冒頭、竹取物語お馴染みのフレーズから始まるのが、とても懐かしい気持ちにさせてくれます。
全体的に忠実に再現されていて、見ていく内に原作の内容が頭の中に蘇っていきました。

原作をベースにした刺激的なアレンジなどを期待するような内容ではありませんでしたが、かぐや姫やその周囲の人々の心情を細やかに描くという+αの要素は加わっています。
人々の交流の温かみを、幻想的に心豊かに表現するのが高畑作品の魅力だと思います。
心を解きほぐすかのような墨画テイストの柔らかい絵はそんな雰囲気を出すのにピッタリでした。
でも、斬新さを求めると拍子抜けだし、退屈な部分も多いので万人受けとは言えない気がします。


いきなりですが、高畑勲という人物像に思いを馳せたことはありますか?
高畑作品って苦手な人も多そうなので、どこに魅力を感じているのか自分なりに紹介したいと思います。


割とストレートなメッセージ性を込めて作品を作ってきた人。
という、イメージでしょうか。

説明的な表現が作中に多くあり、宮崎駿作品と比べるとそれが露骨に伝わってくる。
自然を、家族を、心のゆとりを慈しみなさい。そんな言葉が。どの作品にも共通して。
別に意識して尖った見方をしなくても、向こうが意識させてくる。
それを言いたいがためだけに題材選んでるでしょ!そーでしょ!w なんて、言いたくなるような。
言ってることが間違ってるわけじゃないけれど…上澄みだけで底の泥には触れてないような。
少し一方通行な胡散臭さが拭いきれないもんだから、余計鼻についてしまう。
一生懸命そんな考えを振り払おうとするのですがw

けれど、そんな不満を抱えつつも、結局いつも見てしまう。
それはやっぱり映像面・演出面で、良いものを見せられたとき「面白いっ!」
って感じる気持ちの方が強いからなんだろうなぁ、と思う。
もちろん説明的で退屈な部分や、掘り下げたりない部分、ツッコミどころも多い。
でも、ここが見せ場だ!ってなるときの極上の映像にはそんな不満が些細なことのように思えてしまう。
頭の中でごちゃごちゃ考えていたことがすべて吹き飛んで、物語に一気に引き込んでくれる!
それが高畑作品を見る上で快感でもあります。キターッ!ってなるわけですw
(こういうことを書くと、通ぶったヤローだと思われてしまい抵抗があるのですが・・・
気持ちに嘘は付けないから仕方がない!w)


でも、これまでの作品からすると今作の表現は相当控えめだったように感じます。
悪くはなかったはずですが、印象的なシーンが見当たらない。
「うわぁ、すごい良いなぁ」が、けっこう連発するはずなんですが・・・。
もっと挑戦的なものを期待していた分、正直、ちょっとがっかりしました。
高畑監督の年齢を考慮するとだいぶ挑戦的ではあるんですがw

そんな期待はずれな映像に・・・
この作品を、どんな意図があってこのタイミングで映像化したのか?
なんて、心の片隅あった想いが案の定、暴れだしてしまいましたw

「この人がこんな忠実にかぐや姫を映像化するわけないっ!」
「マジかよー、これなら観るの映画館じゃなくても良かったかな?」
「評判良かったから友達も誘ったのに・・・。寝てないかなー?」
「50億もどんな使い方したんだろう・・・。言い訳くせぇ墨画だなぁ」
「これなら…パフィーも出るゾ!ひまわりのかぐや姫だぞ。の方が面白いわっ」
「原作としっかり見比べてみようかなぁー」
・・・
なんて心の声が次第に増えてきて、集中が続かなくなっていくのが分かりました。
高畑作品にこんな感想を抱いてしまったことに自分で驚いてしまいました。

いや、多分いつものことだったんです。
この作品も例外ではありませんでした。

ラスト20分あたりからでしょうか。

{netabare}かぐや姫が、幼い頃に育った故郷を訪ね、そこで捨丸と再会する。
このとき、彼女の思いがグッと溢れ、彼を抱きしめるわけです。
そしてそのまま、二人は宙へと舞い上がり、つかの間の愛を確かめ合う。

この幻想的な映像に、あっという間に引き込まれてしまったのです。
その瞬間・・・
「あ、そうか。これはやっぱり彼女の物語なんだな」
って思わず、ハッとなった。

彼らが宙へと舞い上がったのは、かぐや姫の持つ不思議な力のおかげなんかじゃ決してない。
あれは彼女の強い想いが生んだ幻想だったのだ。
(だから、厳密に言うと捨丸は浮気していないハズw)
実は何度か、そういったシーンが見られる。
彼女が「かぐや姫」という名前を頂いた際に催された宴の席。
そこでも彼女は、現状に不満を募らせ、古里に向かって屋敷を飛び出す。
凄まじい形相で無我夢中に走る彼女。
けれど、馴染みの仲間たちの姿はなく・・・。
「また春が来るよ」その言葉が彼女を安心させた。
目が覚めると、結局屋敷の中。

そう、彼女は決して自分勝手に屋敷を飛び出したりはしていなかった。
今まで、ただの一度も。

特別な力など、本当はなにも持っていなかったのだ。

父の言うことをよく聞く、母の言うことをよく聞く、器量の良い、とても良い子。
当時の時代背景もあって、自分の想いを押し殺して生きていた。
そうすればそうするほど自由を願う想いが強くなっていった。
けれど、想うだけで結局何も叶わなかったのだ。

月よりの使者が自分を迎えに来てくれて、きっと自由にしてくれる。
ついにはそう考え、助けを求めるようになった。この世は罰なんだと。
冥土の闇に輝く月が、限りなく眩しく見えたに違いない。
そして身を絶ってしまった。

最後のシーンで、使者が菩薩の姿をしていたのは、そういうことなんだと思う。
悲しい別れにも関わらず、使者たちはそれを気にかける様子もなく楽しげに音楽を鳴り響かせる。
それは、決して待ってはくれないあの世への旅立ちを無情に鳴り響かせているようにも見えた。
かぐや姫の両親が眠りから覚め起き上がり、宙に浮きあがってまで彼女を追いかける姿。
未練を断ち切れずにこの世を去ってしまった彼女の、最期に見た幻想だったのかと思うと悲しすぎて泣けてくる。

つまり、最初から最後まで彼女の精神世界を描いた。「かぐや姫の物語」だったのだ。

しなやかな竹から生まれ、山や野を愛し、身分にとらわれず、一人の男性を想い続けた。
そんな女性像に憧れを抱き、月に想いを寄せた、か弱き少女の描いた儚く悲しい物語。{/netabare}

・・・原作者が不明なのをいい事に色々と想像しまくりなのですがw
大昔に、その想いをこのような美しい作品に仕上げた人がいたのかと思うと感慨深い。
そういった意味で、今作によってこの物語への理解をより一層深められた気がする。

これを映像として完成させた高畑勲はやっぱりすごいなぁーとしみじみとていたら、抱えていた不満もいつの間にか綺麗サッパリなくなっているのでした。
これだよ、これ!なんてw

そんなわけで今回の作品も期待に十分応えてくれているので、
この監督の作品が好きな方にはオススメできるんじゃないかと。
退屈な部分もありましたが、無駄なシーンは無かったように思います。
基本的に、映画館に行くと「時間とお金を無駄にしたくない!」などの思いから、
映画を最大限楽しもうと努力するので、良く見すぎていて客観的じゃない部分もあると思います。
なので、この文章が参考になっている自信はかけらもありませんw

別に上から物言ってるわけではないけれど、高畑作品ってそんなもんだよなぁー、という
心構え?みたいなものを持っておくと怪我せずに済むような気もします。
どっか抜けていて、手放しで絶賛できるようなものではないけれど、魅せるときは魅せる!
そんな振り幅がクセになってしまっているのかもしれません。
ホントは全シーンにわたって、そうあって欲しいのですがw

ただひとつ・・・
{netabare} 「姫の犯した罪と罰」というキャッチコピーには疑問を感じますね。

劇中そこまでそれについて掘り下げられなかったし、強調されていません。
視聴後にこのキャッチコピーを目にしたので、違和感しか感じませんでした。
周囲の情報にとらわれるよりも、素直に受けとって見れた方がより集中できて良いかもしれません。
現に、一緒に見に行った友達は、高畑勲はおろか原作に関しても全然知りませんでした。
けど、期待していたよりも良かった。感動して泣いたと言っていました。

あー、だったら我慢せず自分も泣いときゃ良かったなぁ・・・。チクショウ!w{/netabare}

ここまでお付き合い頂き本当にありがとうございました!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見方間違ったかな…

とりあえず2ch見にいったら賛なレス目立つのが少し驚きでした。

新しい解釈に期待したせいなのか、
「姫の犯した罪と罰」なるコピーに煽られて真に受けすぎたせいなのか。
正直、肩透かしを食った感じ。

まんま『竹取物語』だし、罪と罰に関しては
{netabare}かぐや姫が地上で生活したいと願ったことが罪で、罰として地球に降ろされた、{/netabare}って別になあ…。

{netabare}かぐや姫にとっては罪で罰にあたるにも関わらず、求めてやまない、
喜怒哀楽に身を焦がして、愛別離苦の情に振り回され、生老病死に苦しめられながらも、
この世界で生きることは尊いのだと言いたいらしいのだけど…。
いや、そりゃ無味乾燥な月世界で生きたいなんて思わないよ。でも…

この世は生きるに値する、ってテーマがどうも。
そのテーマけっこう見る気がするし、うーん…。
そもそも、みんなそんなに生きる価値ないと思ってんの?
或いは作り手は生きる価値ないと感じてる人が多いと思ってるんだろうか?
ピンと来ないおれがズレてるだけなんだろうか。

この手の話に触れるにつけ、もし自分がお話作る立場だったら、
生きる価値云々てより、お前ら夢ばっか見て高望みしすぎじゃね?、
今の現状をありのまま受け入れて楽しみを見出だせよ、
もし気に食わないんだったら努力せいよ、って話にするなあといつも思うんですよね。
とりあえずぼくアニメ観るの楽しいですぅ(゜▽゜)叛逆の物語観に行くの毎回楽しいですぅ{/netabare}


登場人物は生き生きと描かれてたと思います。
すごく良く動いてたし、翁も媼も楽しそうに見えました。
子供がいる方なら楽しく見られるのかもです。
子供を得ることによる喜びの部分で共感できそう。


しかし私的にあまり好ましく映らなかったキャラがいたのもまた事実で。
かぐや姫、ただのわがまま娘じゃないですかね。

予告編に着物脱ぎ捨てながら猛疾走する場面ありましたが、
そんな理由で鬼の形相でダッシュしたんかとツッコミ不可避ですわw

それ以上にアカンと思ったのが捨丸。
{netabare}劇中2回盗みを働くわけですが、肯定的とも取られかねない描写、どうなの。
露見して捕まってもボコボコに殴られただけ。
時代背景、状況がまるで違うことを百も承知で書きますが、
人のモノ奪ったり傷つけたりして、損害を負わせる行為を
自慢する輩が現れて問題になる現状的に、いかがなものかと。

で、突然再開した幼なじみのタケノコ=かぐや姫と愛の逃避行。
妻子をほったらかしにして、ですよ?
いない設定にすれば全く問題ないのに。
空を一緒に飛び回っていったいナニをしてるんですかねえ。{/netabare}


もし竹取物語知らない人なら楽しめる可能性は高まるだろうし、
竹取物語の映像としては決定版と言って良さそうな気がしました。
画は凄いですよね。演技も良いと思いました。
故ちいさんも熱演。「ひーめ、おーいで!」「ひめー!!!」
て実際見たら微笑ましいと同時にうざいだろうけどw
電車で孫と一緒になってアイス持ってはしゃぐ爺さんのエピソードがある町田康の小説思い出した。


映画館で鑑賞して良かったと思えたか:3/5
設定・世界観の好悪:2/5
OP曲の好悪:2/5
ED曲の好悪:2/5(二階堂和美 / いのちの記憶)
(2013/11/25初up)



直接の関係はないのでタグ使って『夢と狂気の王国』の感想
{netabare}
ジブリを題材にした実写ドキュメンタリー映画。
『風立ちぬ』のネタバレがある、と言うか鑑賞してないと
いまいち解らないのはまず注意。


期待値めっちゃ低かったんですが、意外や楽しめました。
だって最速上映イベ行ったら宮崎駿のそっくりさん芸人いるんですよ。色物だったのかよと。
そのイベのチケット取れたのも、自分が開催に気づいた時点で
チケット発売日から丸二日経ってたけど普通に席空いてたからだし。
ニコ生でも配信されたトークセッションでは即完売ムード醸してたけど、半ば嘘ですw

で、その意外や楽しめた本編、
まず、時折差し込まれる風景など映像が綺麗だし、音楽(高木正勝!)が良い。
ドキュメンタリー作品全般あまり観たことないんですが、
表層部分だけでこんなに楽しめるとは、ドキュメントなんて退屈だろ的先入観を壊してくれました。

猫の牛子がドアの向こうで半身を見せて覗き込んでいるように見せる描写を
挟み込むユーモア、ほっこり感も良くて、いや、実際この猫、人の話聞いてるらしいのですけど。
押しつけがましさがあまり無くて、スタジオジブリの空気感を捉えることに
注力してるのも好印象でした。

スタジオジブリってヘンみたいです。
一見普通のおじさんおばさんなスタッフが沢山出てくるけど、少なくとも精神年齢はみな年齢不詳。
パンフ掲載の高木正勝によれば学校、ってことになるけど、
それだけじゃなくて。
例えこの映画の中だけの作りごとだとしても、すげえなと思いました。


文字通りジブリの夢と狂気を描いているわけですが、狂気成分は少なめ。
例えば宮崎吾朗のシ-ンが狂気だったらしいけど、取って付けた感ありありだし。
前触れもなく唐突に出てきてプロデューサーにキレて狂気でござい、ってそれはうーん。
詳細解らなくてもどんな話してるかはまあ判るけども別になくていいような。
もっと金の話すればよかったのに。鈴木Pが暗躍するドロドロのマネートーク。
宮崎駿が語るところの創る自由には金が必要なんだし。

しかし同時に金の話はこの映画には必要ないとも思うんですよね。
上映前、鈴木Pが0時予定時刻を押してまで語るところに、
この映画に真実はない、とのことだけど、まあキレイゴトが多すぎではありながら、
それで良いと思えてしまいました。
少なくとも宮崎駿が自分のために映画を作ってるのではない、人のために作っているのだ
と信じていることには真実味を感じました。

興味深いネタも色々ありました。
↓『夢と狂気の王国』以外に『風立ちぬ』のネタバレもありm(_ _)m
{netabare}
『風立ちぬ』は宮崎駿自身の自叙伝でもあった、とこの映画では描いてる。
「生きて」は反戦派でありながら兵器を愛してやまず、
呪われた仕事とした映画作りに従事するなど様々な矛盾を抱えながら
「生きねば」で、鑑賞会で自身観て泣くのかとも思うわけですがw

一方、鈴木Pと庵野秀明との車中での会話では、
庵野自身にとってもっと生きて、もっと良い作品を作らなければ、
とのエールとして受け取ったと思しきやりとりもありました。

最初思いついたラストと真逆のラストにしたってエピソードには驚き。
当初は菜穂子にこちらに来て、と言われて天国に導かれる結末だったらしい。


高畑勲は謎。
私が知らないだけとは言え宮崎駿が良くも悪くもよく話題にする。
もの凄く影響を与えた人物として語られる割に
結局、本人登場は実際の唐突な出現時を捉えたシーンのみって言う。

あと駿、身内映像ぽい中宴会かなんかで浪々と歌い上げてたけど、
やっぱサービス精神あるんだなあとか。

つうか、引退会見の直前、ホテルの窓から外を眺めて、
建物の屋上を渡ってあるく空想から作品創りに繋がるような話をするとか
ホント引退する気あるんか?って感じ。
{/netabare}

映画館で鑑賞して良かったと思えたか:3/5
設定・世界観の好悪:3/5
OP・ED曲の好悪:記憶に薄く判断出来ず
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

64.9 23 2013年度アニメランキング23位
攻殻機動隊ARISE GHOST IN THE SHELL 「border:1 Ghost Pain」(アニメ映画)

2013年6月22日
★★★★☆ 3.6 (334)
2025人が棚に入れました
『公安9課』が最優先ラインの攻性部隊とはなり得ていない、A.D.2027。公安捜査の権謀術数に限界を覚える荒巻の前に現れたひとりの女─ 陸軍『501機関』所属・草薙素子三佐。 最高度のフィジカルと電脳戦スキルを備える一方、向こうみずで世慣れぬ未熟さをあわせ持つ草薙は、荒巻と不即不離の関係をたもちつつ、次々と発生する犯罪へと対処する。だがそれは、ゆりかごたる501機関との関係を問い直すことでもあった。上司であり保護者でもある野心の女・クルツ中佐との間に生じる軋轢。さらに、謎のウィルス『ファイア・スターター』の出現。困難な事件に立ち向かう中、『眠らない目を持つ元レンジャー』『所帯持ちの特捜刑事』ら、個性的な人的資源と気脈を通じる草薙。荒巻といつしか共有していた目的─『犯罪に対し常に攻性の精鋭実力部隊』創設へ向け、草薙は彼らを糾合してゆくこととなる。『攻殻機動隊ARISE』─これは草薙が少佐と呼ばれる前夜の物語である。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、檀臣幸、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき、浅野まゆみ、星野貴紀、野島健児、宮内敦士
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

攻殻機動隊S.A.C.の前日譚だが、可もなく不可もなく(印象薄い)

※「攻殻機動隊ARISE」全作品の一括レビューです。

『蒼穹のファフナー』のシナリオを書いた冲方丁氏がシリーズ構成・脚本を務め、2013年から2015年にかけて、1時間弱のOVA4本が次々と劇場公開された攻殻機動隊の新シリーズ。
※なお、TV放送時の追加作「PYROPHORIC CULT」のみ藤咲淳一氏脚本。

◆総評

・陸軍501機関所属の全身義体サイボーグ・草薙素子三佐が、陸軍に×愛想を尽かして(◎陰謀に巻き込まれて)離脱し、荒巻大輔率いる公安9課入りするまでを描き出す『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の前日譚的な内容。
・新しい作品だけに作画は流石に良いが、シナリオの分かり辛さには閉口。
・旧作にあった変な学生運動臭/反米臭はないので、その点では見易いともいえるが、シナリオ/作画/演出とも凝ってる割に個人的には余り印象に残らない作品となってしまいました。


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ      士郎正宗(『攻殻機動隊』)
監督         黄瀬和哉(総監督)、むらた雅彦(border:1)、竹内敦志(border:2)、黄瀬和哉(border:3)、工藤進(border:4)、野村和也(新劇場版)
シリーズ構成     冲方丁
脚本         冲方丁(border:1-4、新劇場版)、藤咲淳一(PYROPHORIC CULT)
キャラクターデザイン 黄瀬和哉
音楽         コーネリアス
制作         Production I.G{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= 攻殻機動隊ARISE (2013年6月-2015年8月) ==============

border:1 Ghost Stands Alone ☆ {netabare}草薙三佐と公安9課々長(荒巻)の出遭い(棺トラップ)、マムロ中佐不審死事件、記憶操作ウィルス、素子の陸軍501機関離脱{/netabare} ※約58分
border:2 Ghost Pain ★ {netabare}元カルディスタン派遣部隊々長(ソガ・カズヤ大佐)造反事件、公安9課独立構成部隊員スカウト(素子)、政府機密システム・パンドラ攻防戦、米国防省AI暴走{/netabare} ※約57分
border:3 Ghost Whispers ★ {netabare}素子の義体メンテ医師兼“恋人”アキラ、戦士の英雄(スクラサス)の正体、トグサ刑事スカウト{/netabare} ※約58分
border:4 Ghost Tears ★ {netabare}ハリマダラ社サイバーテロ、二重ゴースト保持者(スケアクロウ)、9課独立混成部隊正式発足{/netabare} ※約59分
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)1、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「あなたを保つもの」
ED 「じぶんがいない」(border:1)
  「外は戦場だよ」(border:2)
  「Heart Grenade」(border:3)
  「Split Spirit」(border:4)


===== 攻殻機動隊ARISE ALTERNATIVE ARCHITECTURE (2015年4-6月) =====

第1話 Ghost Stands Alone 前編 ※border:4を分割
第2話 Ghost Stands Alone 後編
第3話 Ghost Pain 前編 ※border:1を分割
第4話 Ghost Pain 後編
第5話 Ghost Whispers 前編 ※border:2を分割
第6話 Ghost Whispers 後編
第7話 Ghost Tears 前編 ※border:3を分割
第8話 Ghost Tears 後編
第9話 PYROPHORIC CULT 前編 ☆ ※TV版での追加話であり新劇場版につながる展開
第10話 PYROPHORIC CULT 後編 ☆ {netabare}ファイアスターター・オリジナル捜し{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「あなたを保つもの」
ED ※第1-8話はOVAと同じ
  ※第9-10話 「GHOST IN THE SHELL ARISE」


================ 攻殻機動隊 新劇場版 (2015年6月) ===================

全1話 ★ 4.0 {netabare}藤本首相爆殺事件{/netabare} ※約1時間40分

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

押井じゃない!神山もいない!キャストも音楽も違う!だけど冲方丁が来たよ!つまりオイラが知る限り最高の攻殻だよ!

後に攻殻機動隊と呼ばれる『公安9課』のメンバーが一同に会するまでを、新たに書き換えた設定の元に描くという攻殻シリーズの【エピソード0】と呼ぶべき全4部作の第1話
今作では草薙素子、荒巻、バトー、トグサ、パズの5人が登場
各々のファーストコンタクトと、そして素子の旧所属である『陸軍特科501機関』が題材となっています










まずたったの全国20館の上映にも関わらず、あにこれ内でもまずまずの前評判
これには流石長寿作品ということで脱帽です
一方で、ネガティブな評価の多さに個人的には残念でしょうがないっす
【たぶん今年一番のアツイ作品になりそう!】というのがオイラの率直な意見だからです


既にGIS、SACといったアニメ化を経て原作者の手元を離れたと言ってもいいであろう『攻殻』という作品
そして今作は【第4の攻殻】と呼ぶべき新シリーズとなり、監督や脚本はおろか、キャストの総変更という大冒険に出ています


これは単純に好みなのかもしれませんが、このキャスト変更に関しては前向きに受け取ってます
特に主演のまーやはコドモトコも演じてるシリーズの常連
アップルシードのキャスト変更のときもそうでしたが、まーやを使うこと自体には特にデメリットを感じません
むしろ大正解、実に俺得(お
初めて攻殻に触れる人にもオヌヌメ


そして最もたる特徴なのが脚本の冲方丁の存在でしょう
攻殻シリーズらしい今作の事件のトリック{netabare}(電脳の記憶改竄、視覚操作){/netabare}、これを氏が得意とするサイコサスペンス調で描く様はこれまでのどのシリーズよりも手に汗握るスリルと興奮を誘います
(っていうかまんま『マルドゥック・スクランブル』なんですけどw)


犯罪心理やゴーストの在り処といった複雑で哲学的内容だった以前のシリーズと違い、映画らしいシンプルなドキドキを感じさせてくれるお話作りの今作
オイラは上映後にスタンディングオベーションを送りたかったくらいです



それと音楽
川井?菅野?いえいえ、それもええけど今作の劇伴はなんとコーネリアス
コーネリアスですよ!?小山田圭吾でしゅお!?
オイラの記憶によればエクスマキナ以来ですか
これがすげーんです、カッケーんすよ
エスニックな民謡でもブラックなファンクでもない、けどシンプルなエレクトロがこんなにも攻殻の世界観とマッチするとは・・・
灯台下暗しとはこのこと;


これに絡めてゆらゆら帝国の坂本慎太郎が作詞、小山田圭吾のサウンドプロデュースでsalyuが歌い上げる幻想的でアンビエントな主題歌もエンドロールでの心地良い余韻を生んでいます


こういった部分から攻殻を知らない人にこそ観ていただきたい作品だと言えます
サイバーパンクが流行らない昨今でこれだけの大作に出会えたことは感涙ですね


イイとこばっか語っていてもなんなのでツッコミどころをば・・・
なんと今作、完全義体であるはずの素子がシャワーを浴びるシーンがあります(笑)
これにはちょいと驚き
義体の取り扱い方が依然の作品の設定と違うのか、光学迷彩を装備していない点を見るとそもそも完全義体とは名ばかりで厳密には生身の部分が残っているのか
その辺は定かではない
ようはアレです、サービスカットってやつですか


あとマイクロソフトのタブレット型PCとコラボしたアニメCMが上映前に流れ、以前のシリーズを汚しかねないヘボいオマージュが多くて思わず吹き出しましたw
いくらなんでもあれはないw


ええでもまあ、タチコマの旧型と思しき新ガジェット(新キャラクター)の『ロジコマ』(CV:沢城みゆき)かわいいよぉ、かわいいよぉ


それに相変わらず日産車に乗ってますたね


キャラデザがどうのこうの言ってもそりゃ好みの差
黄瀬和哉、西尾鉄也、沖浦啓之・・・ってどうみてもいつもの攻殻です
1.5巻辺りの原作にも近いし、本当にありがとうございました!


今はとにかく次回作が楽しみでなりませんねー
(半年後らしいですけどねw)
次回以降の盛り上がり次第では今年のベストジャパニメーション!?
要注目ですぜb

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

がぶりえる さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

SACの前日譚ではない!

書き直しです。+評価下げました。

もう一度言う。SACの前日譚ではない。「攻殻機動隊」と言うものの前日譚。

制作発表から期待度MAX。みんなの攻殻オワタなんて気にしないでwktkで待ってましたがこの出来。実に勿体無い。

まずは、以下、話題に上がってた問題点。

・声優について
SACシリーズでも、声優を変更しようとする流れがあったみたいなので、ここでの変更は自然な流れなんじゃないかと。SACシリーズでは演技にユーモアもありましたが、今回は、ちょいクールめ。でも押井映画みたいに渋くはない。違和感無し。

・キャラデザについて。
文句があるならマンガ1.5巻を買いなさい。士郎氏のキャラデザそのまんまです。素子以外。

・バックグラウンド、設定について。
SACとは別物。大事なことなのでもう一度言うSACとは別物。なのでSACの設定とは無関係です。無関係です。
それにSACだって人形使いが現れず素子が9課に残っているという設定の第3の攻殻ですし。第4の攻殻であるARISEでの新しい脚本は新鮮味があります。
それに士郎氏(原作者)本人も原作やSACなどの過去作の設定には飽きているらしいし、常に新しい物を創りだそうとしてる心意気スゴイは凄いですが…
海外ドラマCSIシリーズを見ましたが、確実にその影響を受けている。むりくりサスペンス仕立てに仕上げてる感が否めない。

音楽について
サントラ買いましたが、サントラだけ聞いてるととても良いんですが、正直この作品には物足りない。サスペンス意識しすぎ。

んで、感想
『劇場での衝撃』
先行プレミア上映で見たときは正直「おわった…」と思いました。上映が終わった後、一人放心状態でしたよ。作画は角ばっていて動きにスムーズ感がない。特に歩き方に違和感アリように覚えています(見ていくうちに小慣れて行きましたが)。。。背景と動画が合ってないじゃないか!(怒)

声優・キャラデザ・設定について特に違和感や不信感なく期待度MAXで見に行っただけに、まさか一番信頼を置いていた作画でのミスでつまづいてしまったのは手痛い。本当に力入れて作ったのか疑問が残る。

まぁSACシリーズも作画崩れてたので大体想像はつきましたけど…作画の描き込み量は劇場で流すほどのクオリティでは無かったですね。PSYCHO-PASSの作画クオリティに近い。

しかしVSライゾーとのアクションシーンだけは上出来。ぬるぬる過ぎてヤバイ。(2話ではアクション要素多めらしいので期待。)特にvsバトー戦の演出には鳥肌が立った。

ストーリーは問題の作画シーンのせいで初回ではあまりのめり込めず不完全燃焼。
でもでも。なんかじわじわ来て10回以上見ちゃいましたが、しかし見過ぎるとさすがに飽きますねこのストーリー。改めて見ると不満点はやっぱり残り正直「つまらない」と言わざるを得なくなりました。SACは押井映画のライト版だとするならばこれはスーパーライト版。

まあ出だしだしこんなもんなのか?
作画がんばれよ。(てっつん様がもう少し時間欲しかったとか言ってたようなー)

ロ…ロジコマだと…フチコマちゃんは恵まれない子。わすれないであげて。原作では猫口がかわいいんだから。

こういうのを作るなら素直にSACの3期やればよかったと思うし、原作準拠のオリジンを作るべきだったと思う。

押井映画やSACは何度見ても面白い。けどこれだけは何回も見るほど辛いことはない。

僕は攻殻機動隊が好きだ。だからこそ辛口レビューにならざるを得ない。
I.Gには少し失望した。2014/06/16日現在もうすぐボーダー3が公開です。もちろん見に行きますが、期待しないで観に行こうと思います。

初めて攻殻機動隊を見る方には受け入れやすいと思うがSACのほうがやっぱりオススメ。

以上 長文失礼しました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

64.8 24 2013年度アニメランキング24位
「空の境界」 未来福音 extra chorus(アニメ映画)

2013年9月28日
★★★★☆ 3.9 (87)
529人が棚に入れました
本作は、『「空の境界」 未来福音』の同時上映作品となっている。

1998年8月。両儀式は黒桐幹也に頼まれ、一定の期間、黒い猫を預かることになり……。

声優・キャラクター
坂本真綾、鈴村健一、本田貴子、井口裕香、石田彰、金元寿子

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ダークヒーローっぽくてかっこいい浅上藤乃を堪能する作品

"未来福音"は、空の境界・劇場版の第4章公開時に執筆が始まった、いわば「空の境界 番外編」なのですが、本作はその未来福音の更におまけマンガ「1998年」が原作です。

短編3作のオムニバス形式です。
実質2作目の浅上藤乃のストーリーがメインで、スチルでは主役でございみたいな顔して写ってる黒猫は最初の話でちょっと出てきただけで、本作を通しての主役というわけではないです。
まあ空の境界の最後の作品 (上演はextra chorusより未来福音の方が後ですが) なのに、浅上藤乃がでかでかと描かれても「ラストで浅上かよ!」となるのかも知れませんが。

過去の「空の境界」と異なり、小難しい話は無し、またバトルシーンも無いです。
1作目は幹也が式に黒猫を預ける話、3作目は幹也と式が初詣に行く話で、いわゆる日常回となります。
2作目が実質メインの浅上藤乃回で、巫淨霧絵の騒動で友人に先立たれてしまい、自殺を仄めかしている女子生徒「宮月 理々栖」に、過去の事件から盲てしまった浅上藤乃が近づくストーリーです。
正直、本作はダークヒーローっぽくてかっこいい浅上藤乃を堪能する作品だと思います。
長さもオムニバス3話で30分強程度で、内容も肩肘張ったものでは無いので流し見るくらいでちょうどいいと思いました。

本作で"空の境界"は全作品視聴完了ですね。
全体的にハイクオリティで、原作の雰囲気を壊さず、型月信者も納得のできだったんじゃないかと思います。
ただ、個人的には、本作についてはアニメは原作を分かりやすく噛み砕いたものという印象を持ちました。
アニメで興味が出たら、原作小説を読んでみるのもおすすめします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

フロー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全てを肯定するのなら、傷はつかない。全てを否定するのなら、傷つくしかない。

本作は短編三部作
1998年8月、痛覚残留の直後になります
殺人考察(前)→伽藍の洞→痛覚残留→extra chorus
→未来福音→俯瞰風景→矛盾螺旋→extra chorus
          →extra chorus?
→忘却録音→殺人考察(後)→『空の境界』

幹也が連れて来た猫を式が暫く
預かるという空の境界には珍しい日常パートです
俯瞰風景で描かれた義手についても
触れられています

1998年10月、矛盾螺旋と同時進行?
俯瞰風景で自殺してしまった
少女の親友、宮月は親友の自殺に
ある事情で責任を感じていた
そんな彼女の前に痛覚残留では敵ポジであった
浅上藤乃が現れる

浅上藤乃の考え方や人生感が見る事の出来る
貴重なお話です

1998年12月
式と幹也の3年振りの初詣
8月の猫の話題も出て来たり
終始微笑ましい光景がスクリーンに映し出されていました

空の境界も本作にてピリオド興味を持った方は
是非ご覧下さい
ほぼ周回前提のようなモノがあるので
二度、三度と見返しても新たな発見があるかもしれません

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

Takaさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

おまけ映像的なモノ?

3つのエピソードで約30分でまとめられている。
式と幹也の日常てきなモノなのでなんで映像化されたのか…

1998年8月 01_feline -August, 1998-
式が幹也から子猫を一時的に託される話。

1998年10月 02_daylight -October, 1998-
少女集団飛び降り自殺事件関連の話。
礼園女学院の生徒・宮月と浅上藤乃が登場。

1998年12月 03_say grace -December, 1998-
式と幹也が初詣に行く話。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

64.6 25 2013年度アニメランキング25位
映画ドキドキ! プリキュア マナ結婚!!? 未来につなぐ希望のドレス(アニメ映画)

2013年10月26日
★★★★☆ 4.0 (26)
132人が棚に入れました
人々の心に生じる黒い気持ちから生まれる怪物“ジコチュー”から世界を守るため、キュアハート、キュアソード、キュアロゼッタ、キュアダイヤモンドの4人が力を合わせて奇跡を起こす!

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『まどか』を3回観る時間があるならこの映画を観た方がいい 「こんなのズルいよぉ」 シリーズ史上最も残酷なストーリー、心して掛かるべし

2013年秋、魔法少女アニメにおける世紀の直接対決の火蓋が劇場で切って落とされました(笑)
正直『まどか』に流すはずだった涙はこの作品で枯れ果てましたw
『鏡の国』『花の都』『オールスターズDX3』『絵本の世界』『オールスターズNS2』に続く傑作映画の誕生にオイラまじ歓喜です










とある夜、思い出の国の王「マシュウ」と名乗る男が捨てられた道具の中に眠る思い出を操り大貝町を混乱させる
マシュウに立ちはだかったプリキュア達だったがその圧倒的な力に敗北してしまう
さらに追い討ちを掛けるが如く、プリキュアと町中の人々は思い出の世界に閉じ込められてしまう
思い出の世界に閉じ込められつつも、元の世界へと戻ろうとするマナだったがかつての愛犬「マロ」とマナのおばあちゃんと共に過ごした幼い日の思い出に捕らわれてしまい出口を見失う・・・
過去に縛られ、未来を奪われたプリキュア達は思い出の世界から脱出できるのか!?
そしてマシュウの本当の目的とは・・・










かつて幼い日の思い出を題材にしたプリキュア映画には『おもちゃの国』と『絵本の世界』がありましたが、この手の題材は万人にとって普遍的であり、何度観ても心打たれるものがあります
今作も涙を誘う素晴らしい出来に仕上がっておりました


ただ今作がこれまでのプリキュア映画と違うのはとにかく【残酷な現実を突きつけてる】ということ
正直子供向け映画ではタブーと呼べる「人の死」を扱ったり、戦闘シーンで「流血」したりとその描写に揺るぎがありません


テレビシーズをご覧の方はご承知の通り、主人公の相田マナは全シリーズ中でも最強の“鋼のメンタル”を持つキャラクター
どんな逆境に立たされてもポジティブに振舞える逞しさを持っています


しかし今作、そんなマナの心が折られるというのですからそれはもうどんなショッキングな内容なのか!?と覚悟して鑑賞したものの、幼い日の思い出という「ズルイ」敵の罠に嵌るマナを誰しも咎められるものではないでしょう


個人的には“既に滅んでいる故郷の思い出を見せられる”まこぴーのエピソードも悲し過ぎます;;
これはもう子供向け映画ではない、怖過ぎる
オイラも号泣


奇しくも今年はタイムスリップを題材にした映画が『シュタゲ』『銀魂』と続きましたが、題材を上手く使えたかどうかだけで判断すると
銀魂≧ドキプリ>シュタゲ
というのがオイラの気持ち


毎度物議を醸し出す「プリキュアへの応援を呼びかける」シークエンスに関しても、冒頭から映画館を舞台にすることで「この物語は映画である」というメタファーを提示して、「みんな」に呼びかけるのではなく「映画を観ているみんな」に呼びかけるというのが素晴らしかったです


ファンムービーとしての側面にスポットを当てた『まどマギ』に対し、純粋に映画としての完成度を追い求めたのが『ドキプリ』であった言えます


何が悪かったというか、こっちの方が面白かったのですよ


尺を絞り込むため(それでもプリキュア史上最長の72分ですが一般的なアニメ映画としては順当)本編でも未だ素性がハッキリしないキュアエースとアイちゃんを助っ人キャラクターと割り切ったのは正しい判断


唯一に惜しいのが“アイちゃんを喋らせてしまった”ことでしょうかw
この点はテレビシリーズのスタッフともっとよく協議してほしかったですよ;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

moqmoq さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

改めて見てもやっぱり面白かった

子供にせがまれ映画館で予備知識なしで鑑賞。
おっさん、不覚にも最後でウルッとしました。

その後、TV版も欠かさず見るようになり、「プリキュアシリーズ」にドハマリしました。
さかのぼって、プリキュアシリーズの映画を全部見ましたが、そこまで響くものはなく「子供向け」という感じがしました。
たまたま見た、この作品だけ大人向けに作られている気がします。

最近、DVDを借りてみたのですが、やっぱり良い話で面白いと思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

う~ん、外れの法則が見えてきちゃったかな?

前作と合わせて外れの法則がなんとなく見えてきちゃったかな。ツカミの戦闘がない、作画微妙、悪役が駄目。

それにしても、ドキドキプリキュアってなんか目立たないよなぁ~。釘宮さんがキュアババア、もといキュアエースに変身するってことくらいしか印象にないなぁ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8
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