ufotableでコミカルなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのufotableでコミカルな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番のufotableでコミカルなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

94.9 1 ufotableでコミカルなアニメランキング1位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1684)
7049人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

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2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2024/12/21
♥ : 105

takato さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

申し訳ありません…。何の成果も得られませんでした!。

 タイトル通りな気分で見終わりました…。仮に私には合わなくても、ヒットの要因の一つくらい切れっ端でも掴んで帰ってやる!と思って挑みましたが…。


私には「最低3話まで見て盛り上がらない作品はそっから盛り返すことはない」というジンクスがありまして、当初そこまで騒ぎになってない頃に数話見たがピンとこなかったので保留状態だったのですが、やはり避けては通れないタイトルですし、宙ぶらりん状態はモヤモヤするので挑戦しました。(物凄い長期作品はジンクス外ですが。)


本作は多くの要素を揃えているが、みんなそこそこという印象でした…。とにかく見辛くなるような要素が少なくてビジュアルも小綺麗にまとまっている。しかし、面白さとはマイナスが少ないことではなく、いかに強烈なプラスの要素や個性を打ち出せるか?ではないでしょうか?。


本作の問題点としてまず感じたのはキャラである。バトルものにおいては、敵役が非常に重要なのは今更言うまでもないだろうが、敵役にまで及ぶキャラ愛、キャラ造形の妙技を感じられない。中ボスは本当にかませか、能力だけが先行している駒という印象。


キャラづけのために過去回想でこんな悲しい事情が…な展開をやるのはあまり上手な手とは言えないが、決して全否定はしない。ただ、その内容が「別に…」で思わず沢尻エリカ状態になってしまう。


櫻井さん演じる薬売りさん初登場の「妖ayakashi」の一篇「化猫」や、私の大好きな「マルドゥック・ヴェロシティ」のボイルドみたいに壮絶すぎる悲劇や業を巧みにかつドラマティックに描けてこそ初めて悪堕ちの物語は胸を打ち共感に達する。


味方の人気キャラ?な善逸や亥之助もだけど、キャラを出落ち的にだけでなく奥行ある生きた存在にする技が弱いように感じられた。


それでは成功例を示せ!と言われれば、私は「ジョジョ」シリーズを挙げざるを得ない。かの作品では、中ボスどころか、モブですら名セリフを吐き、忘れ難い印象を強烈に残してくれる。能力バトルの面白さも雲泥の差。


というか、善逸たちはあんなに人気キャラなんだからもう大活躍で、炭治郎と硬い絆を築くのかと思ったら、本格的に出てくるのは11話以降とかで、戦闘も2回くらいしかない…(最初は顔見せ的なやつだし)。


つーか、二人とも出落ち的なインパクト勝負という印象だし、流石にウザ絡みとしかいいようながないテンションの連続はねぇ…。片方は引き算が効いたキャラにすれば良かったのに。


そもそも問題だが、主人公が何の欠点もない、クラスの良い子な感じの炭治郎なのはどうかと…。少年漫画の主人公ってアウトサイダーか、最低でもクラスの外にいるようなキャラだからこそオタクでも共感できる気がするのだが。あと、欠点が個性になるだろうに。


あと、2クールもやった割にはあまり話が進んでいないのが第2の問題だろう。2クールあれば、グレンラガンは穴底から宇宙へ、攻殻機動隊ならサブの話をやりつつ巧みに「笑い男」の物語を纏められるレベルである。


原作があるとはいえ、本作の大きな山って実質はvs累だけじゃね?という気が…。その累も打倒に血道をあげてきたわけでもなく、事件の影に常にいたわけでもなく、急に出てきたキャラだし…。あと、ラストの切りどころもなんか微妙。


そして個人的に一番の問題は、善逸の件で多少触れましたが「笑い」である。私が本作を視聴していて一番の強敵だったのはやたらコミカルシーンになるんだけど…そのたびに寒〜い気持ちになって虚しくなることが多いことでした。


映画評論家の町山さんの邦画についてのコメントを援用するなら「コミカルな場面でテンションとノリだけで持っていこうとしても笑えません。かえって寒くなるんです」。この言葉を本作に贈りたい。特に善逸(ちなみに下野さんは大好きですからあしからず)。


近年だと、軽妙にコミカルとシリアスのバランスを極めていた「よりもい」、宮野さんの怪演を中心に破壊的なギャグを打ち込んでいた「ゾンビランドサガ」という傑作が出てきてる中で、このテンション一辺倒なのは笑えない。


唯一笑ったのは、善逸と出会ってすぐの炭治郎の無表情のシーン。ちゃんと引き算のギャグになってるし、善逸のツッコミもちゃんとはまっていた。


まぁ、笑いのツボは人それぞれって言っちゃえば話は終わっちゃうのですが、それを言っちゃあアニメの評価も好きずきであって同じことだと思います。これが笑える人がいても否定なんてしませんが、少なくても私は全く笑えませんでした。


私としては、本作も近年見かけがちなバブル的に一時騒がれるけど、しばらくすればあれは何だったんだろうなぁ〜な作品の極端な一例に過ぎないと思われました。


本作がかつてのような伝説作品のようになって、長い間アニメ界に影響を与え続け、アニメ史上においてエポックな作品として絶対語られるようになる未来は全く私には見えません。


物凄く悪い作品とも、頭にくる作品とも言いませんが、なんか薄い作品だった…の一言で締めたいと思います。


(追記)

 劇場版もそうですが、本作のヒットは思わぬ要素、コロナと幼児にまでウケた点が大きいと思われる。とにかく主要キャラが総じて幼い感じで、そんな子達がワチャワチャしてて、クールやニヒル要素があまりない。そして、親御さんとして見せても安心な良い子感(それが私は物足りない)。そういった偶発的な要素が大きかったのではなかろうか?。後でもっと盛り上がってるところ映画化しても今回のような成功は二度とないでしょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 76
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

家族の肖像(※女性漫画家と新しい波の兆し)

アニメーション制作:ufotable
監督:外崎春雄、脚本:ufotable
キャラクターデザイン:松島晃、
音楽:梶浦由記、椎名豪、原作:吾峠呼世晴

最近の週刊少年ジャンプは、
ダーク系が主流なのだろうか。
『HUNTER×HUNTER』しか読んでないので
分からないが、『約束のネバーランド』も
同じ系統だし、読者層の年齢が上がって、
売れ筋も変化しているのかと想像している。

とはいえ、この作品が重視しているのは、
ジャンプの王道を踏襲した作風。
努力、成長、友情、純粋さ、家族愛など、
ジャンプに必要なものは、
全て揃えているように思える。

大正時代のある場所。
優しくて家族思いの竈門炭治郎(かまどたんじろう)は、
兄弟の世話をして長男としての務めを
果たしながら、毎日を懸命に生きていた。
家族の結束が固く、より大切にされていた時代。
ある日、町に炭を売りに出かけていた炭治郎は、
帰りが遅くなったため、知り合いの家に
泊めてもらうことになる。
夜になると鬼が出ると言われていたからだ。
{netabare}翌日、家に戻ってみると、母と兄弟たちが
惨殺されているのを発見する。
炭治郎はそのなかから僅かに息のある
妹の禰豆子(ねずこ)を抱えて助けを求めるために
雪山のなかを飛び出していくのだった。{/netabare}

{netabare}鬼に対抗して禰豆子を人間に戻す方法を探すために{/netabare}
炭治郎は、冨岡義勇の紹介で鱗滝左近次の元で
修行に励み、鬼殺隊に入隊。
禰豆子とともに鬼に対抗していく。

ここまでの物語はジャンプの王道展開そのもの。
修行して戦い、敵のボスと遭遇し、目的を確かにする。
大きな特徴といえるのは、相手側の鬼は
元々が人間で、昔の家族との記憶を
全員が朧気ながら持っていること。
その時の想いに沿った攻撃を仕掛けることもあり、
死に際には、家族の思い出とともに消滅する。
敵が人外であっても心を持った者であり、
そこを重視する作りになっているのは、
最近の少年漫画の流行りなのかもしれない。
この設定は『HUNTER×HUNTER』の蟻編を想起させる。

浮世絵を意識した水の表現法をはじめ、
作画面のこだわりは素晴らしい。
動きもスムーズで乱れるところがない。
制作陣の相当な意気込みが感じられる。
家族とのつながりを重視したのも、
関係性が希薄になりつつある今の時代に合っている。

ただ個人的にはストーリーに惹かれるものがなく、
第1話を除いた前半から中盤に関しては凡庸な印象。
よくある設定が想像通りに進んでいき、
敵との戦いにも新鮮さは感じられない。
絵の良さはあるが、戦いのシーンが長い割には、
刀で戦うという制約があるため、バリエーションが少ない。
また、炭治郎と禰豆子以外の味方のふたりが騒がしくて、
コメディにも辟易としてしまう。
ジャンプ作品なので仕方ないとは思うが、
お約束に縛られ過ぎていると感じた。
しかし、多くの人の心を奪ったであろう
19話の展開や魅せ方で一気に物語へ引き込む。

鬼の家族ともいえる集団が住む森に炭治郎たちは向かう。
十二鬼月のひとりである累を筆頭とした
蜘蛛の糸を操る鬼たち。
家族を大切にするという記憶だけに
取りつかれていた累は、恐怖による支配で
鬼の家族を形成していた。

蜘蛛の糸に捕らえられ、月光のなかで浮かぶ禰豆子。
炭治郎は死を覚悟して累へと突っ込む。
この回は動きだけでなく、止め絵の美しさも
しっかり考慮されているのが感じられる。

家族との思い出。
幼いころに見た神楽の記憶が炭治郎に力を与え、
父の舞が自身の動きと重なっていく。
一方、禰豆子の脳裏には母が現れる。
妹は兄を助けるために残った力を絞り出す。

誰にでも大切なものがある。
心と体が弱っているときに、
家族や大切な人が自分のことを
愛してくれているということを思い出すだけで、
大きな助けになることがあるのだ。
そんな普遍的なことを物語と映像で
ドラマチックに表現した手腕は見事だった。

鬼殺隊のトップである9名の柱。
十二鬼月の新たな追手。
鬼舞辻無残の血を得て、
より強力になった下弦の鬼が
炭治郎たちのいる列車に乗り込む。
続きは映画の無限列車編で。

家族の物語はどこに向かうのだろうか。
(2019年10月12日初投稿)

女性漫画家と新しい波の兆し
(2020年5月23日追記)

先日、週刊少年ジャンプで
最終回を迎えたというニュースが流れた。
ひとつの作品として、これは異例のことだ。
恥ずかしながら、リアルタイムでアニメを観ていたときは
社会現象になるほどの大ヒット作になるとは、
全く予想していなかった。
2020年5月の時点で、累計発行部数は、
6000万部を超える見通しだという。
2019年度の集計では、10年間連続1位を
獲得していた『ONE PIECE』を抜いた。
現在でもコミックスの品薄状態が続き、
映画公開も控えていることから、
さらに数字を伸ばすことが予想されている。
現在、たった20巻までしか刊行されていないことを
考えると驚異的といえる。
この数字は、過去の全ての漫画と比較しても
30位以内に入るという。
私の周りでも普段アニメや漫画にそれほど
親しんでいない人が夢中になっているのを
よく耳にするので、それだけ一般層にも深く
浸透しているということだ。

作品の特徴としては、やはり女性作者が少年漫画誌に
少年漫画のロジックで描いたことだろう。
上記でも触れたが、少年ジャンプに必要とされるものは、
全て揃えているように感じる。
ただ、そこに女性作者特有の視点が付加されている。
それが、多くの人々の琴線に触れたのだろうか。

家族愛がこの作品のテーマのひとつであることは
間違いないだろう。原作は未読だが、
アニメで観たところ、敵味方関係なく、
家族について多くの時間をかけて描写しているのは、
大きな特徴となっている。
しかも、時代は大正時代をわざわざ選んでいる。
そのことに頭を巡らせたとき、
昔、友人の女性と話していたときのことを思い出した。

「もっと昔の時代に生まれたかった」
と彼女は言った。
「今の時代はあまり合わないのよ」と。
いまひとつ意味を理解しかねて、
色々と話を聞いてみると、自分の祖父や祖母たちと
過ごした時間のなかで感じたり、書物のなかでの
知識によって、人と人との関係性や
家族の形、男女の役割など、全てが心地良かったようなのだ。
当時の私は、それを聞いて、よくある懐古主義なのかと感じた。
例えば、雑誌『サライ』を好きだと言うように。
昔の時代だと、不自由なことも多く、
楽しいことも今よりは少ないような気がすると私が口にすると、
彼女は、それでもいいと言った。
規律や狭い常識に縛られていても、
それが自分にとっては、合っている気がすると。
結局、私は彼女が感じたことをよく理解できなかった。

今になって思うのは、人生においてたくさんの
選択肢があったとしても、必ずしもそれが幸せに
つながるわけではないということを
彼女は感じていたのかもしれないということだ。
決められた自分の役割のなかで、
何かをひとつずつ選び取っていくほうが、
自分の性には、合っていると考えていたのだろう。
彼女は、とても頭の良い女性だったが、
地図を読めないことをよく嘆いていた。
彼女にとって、人生に対する考え方は、
もっとシンプルな形をしていた気がする。
それは、昔の日本文化のなかに確実に存在していた
「潔さ」や「温かさ」とでもいうべきものだったように思う。

私は『鬼滅の刃』が幅広い人々の
支持を受ける理由のひとつに
そういうものがあるのではないかと感じる。
主人公の竈門炭治郎は大家族の長男として、
毎日、懸命に働きながら、
たくさんの兄妹の面倒を見ていた。
彼は定められた自分の役割を全うすることで、
満ち足りた幸せを感じていた。
やがて鬼によって家族が惨殺され、
僅かに息のあった禰豆子を助けるために、
さまざまな困難に立ち向かっていく。
そして、禰豆子のために生きていくことを決意する。
決断に全く迷いはなかった。
そんな状況にありながらも炭治郎が大切にすることは、
他人の気持ちに寄り添うことだった。
たとえ、相手が鬼だとしても、その哀しみを受け止める。
多くの人々の哀しみを全て抱えながら、
敵に向かっていくのだ。
全てを背負う度量があって、ストイックで真っ直ぐだ。
こういうほぼ絶滅してしまったと思える男性像に
女性読者は惹かれるのだろう。
この層は「歴女」と呼ばれる人たちとも被る気がする。
また、善逸や伊之助も抱えている背景がしっかり描かれ、
その事情や彼らの強さの理由が分かるのもいい。
彼らは、自分のできることに向かっていく。

もうひとつ女性作者に特有だと思えるのが、
作品をズルズルと引き延ばしたりしないことだ。
最近の売れる漫画は、ほとんど終わることができない。
物語が終焉に向かったら、きちんと終わらせることも
作者の仕事ではないかと個人的には思う。
出版社側の立場だと「必ず売れるコンテンツ」は、
ずっと手放したくないのは理解できる。
ただ、そんな状況にあっても
幸せな作品の閉じ方を決断できるのは、
女性作者のほうが多いのではないかと感じる。
女性作者は基本的にラブストーリーを
描くことが多いため、
長く引っ張れないという事情も大きい。
それを考慮しても、女性漫画家のほうが
綺麗に終わらせるイメージがある。

指摘されているように、
妹がマスコット化されたことも
女性人気に火をつけた理由だろう。
喋らないヒロインが固定されることで、
主軸が男キャラばかりになり、
女性が好みそうな構図になっている。
これは少年漫画としては、異例ともいえるアプローチで、
読者には新鮮に映る。
ただ、爆発的なブームの理由が、
この部分だけと言われると、それは、無理がある。
あくまでも、ひとつの要素だろう。

いずれにせよ、この作品の大成功で、
ますます少年漫画誌における
女性漫画家の進出が加速する気がする。
同じ少年漫画のロジックに基づいても、
違うタイプの作品ができあがることを証明したからだ。
それは、少年漫画誌における新たな波となって、
今後の業界を大きく変えていきそうだ。
もちろん、アニメ化が大ヒットの大きな要因。
制作を担ったのがufotableで、
その技術力の高さや見せ方の工夫は卓越していた。
今後、残りの原作がアニメ化されるのを楽しみに待ちたい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 91

63.3 2 ufotableでコミカルなアニメランキング2位
フタコイ オルタナティブ(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (152)
1037人が棚に入れました
都心から電車で15分の小都市=二子魂川市。そこで小さな探偵事務所を営む『双葉恋太郎』と、その押しかけ助手である『白鐘姉妹』。とある秋の季節、彼らが送った平凡で、そして平凡だからこそほんのりとしあわせだった毎日。
双葉恋太郎は桜月組に拉致されていた。組長の大切なインコをあずかっていた恋太郎はインコをネコに食べられてしまうという失態を犯してしまったからだ。その頃、双樹は夕飯の買出しをし、沙羅は助けを求めて事務所にやって来た金を連れてマフィアから逃げ回っていた。責任を取るべく賭けボクシングの試合に無理やり出場させられてしまう恋太郎だが、予想を裏切り相手をノックアウトしてしまう。怒った桜月親分は、恋太郎拳銃で撃とうとするが・・・

声優・キャラクター
水橋かおり、門脇舞以、関智一、堀江由衣、小清水亜美、伊月ゆい、綱掛裕美、長谷川静香、長谷優里奈、吉住梢、桑谷夏子、たかはし智秋、三五美奈子
ネタバレ

lEFUg59761 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『読書家』にお勧めしたい、愛のある哲学作品

原作は双子のヒロインばかりがでてくるギャルゲー「双恋」。
主人公が学校生活を送る中、双子のヒロイン達と出会い愛を深めると言う、いかにもな作品です。
そんな単なるギャルゲーが何を思ったのか、ヒロインの「容姿と声」だけをそのままに設定を一新したのが、この「フタコイ オルタナティブ」です。
主人公はオリジナル、ヒロイン達の性格は崩壊、というか設定そのものが別物、
物語の舞台も、ただの駄洒落で決めたであろう「二子玉川("ふたこ"たまがわ)」。
発表された当時はバッシングの嵐だったのを良く覚えています。
放送終了後もぶっとんだ脚本に批判が集中し、あまり良作扱いをされておりません。
ですが、個人的には名だたる作品にも引けを取らない、不朽の名作であると思います。
以下、その理由を項目ごとに解説していきます。

■物語……5.0
この作品が「駄作」と言われている最大の理由、それが物語の脚本がぶっとんでいる、という点です。
ネタバレをしないよう何かに例えるならば、
「ドラえもんの世界に突然プレデターが出現し、それを静香ちゃんの応援によって超常的な力に覚醒したのび太が、ワンパンマンのごとく一撃で打ち倒す」
というストーリーです。意味が分からないですね。
ですが、実はこの荒唐無稽なストーリーからは深いテーマが読みとれ、それに気付けるかどうかが肝になってきます。
先ほどの例えで言うならば、プレデターは「のび太のコンプレックス」を、静香ちゃんの応援は「価値観を共にしてくれる存在」を、超常的な力は「社会からの解放」を意味しています。
{netabare}
見終わった方向けに説明すると、こんな感じです。
突然現れたイカ=一般社会の常識や価値観の象徴
2人を選んだ結末=エロス(性愛)を超える真の愛
巨大なイカ=社会から外れる者を修正する最後の砦である世間の目
アクロバット=世間から解放された身軽さ
探偵キック=自己の価値観を肯定する強い力
{/netabare}
つまりは、「自己を開放して価値観を共有することの大切さ」を描いたストーリーと言えるのです。
大事なのは、それを制作側が意図しているかどうかではありません。
その思考に至れるだけの素材であるということが、大切なのです。
深読みであることは百も承知ですが、哲学するに値する脚本であることは確かであり、それは間違いなく名作の物であると言えるでしょう。

■作画……4.0
作画を担当しているのは、今やFateシリーズでお馴染みのufotable。
当時はまだテイルズ作品等でしか見かけない名前で、無名のスタジオでした。
しかし、この時からその美麗さはすでに存在しており、止め絵も崩し絵も視聴意欲をグングン煽ってくれます。
ufotableとしては初めてシナリオから携わった半オリジナル作品とも言え、当時のスタッフがかける情熱が直接伝わってくる作画です。

■声優……4.5
コミカルなシーンが多い本作ですが実力派の声優さんが揃っており、テンポ感を一切損ねない演技は素晴らしいです。
特に、主演の関智一さんの演技は、それはもう尋常ではありません。
陽気でお調子者でコンプレックス持ちの面倒くさい青年を、見事に快演しています。
特に、主人公が困難の末に出した結論をモノクロで独白するシーンは、スッと心の中に入ってくるかのようなネイティブさがあります。
私は、この作品の『双葉恋太郎』というキャラクターは、数多くのキャラを演じている関智一さんの中でも、最高峰の演技が見られるキャラクターだと思います。

■音楽……4.5
テーマ音楽が本当に秀逸です。
暖かく、幸せで、どこか切ないメロディー。
それはこの作品全体の雰囲気を大きく作り出す重要な要素で、様々な場面でいい仕事をしてくれます。
他にも、音楽の演出がテレビ的というよりは映画的な使われ方をしているのも珍しい部分でしょう。
演出家や作曲者のこだわりが見られる、いいサウンドトラックだと思います。

■キャラ……3.5
元々がギャルゲーなので、味付けは濃い部類です。つまりは萌え萌えしてます。
そこが受け入れられるかどうかで、評価も変わってくるでしょう。
キャラクター像自体はありふれたものですが、分かりやすいのはいい事です。
ただし、主役級である3人だけが、難解で奥深いキャラ設定をなされており、その温度差が理解しにくい一面を作ってしまっているのは否めません。
バランスの難しい作品であることが、キャラクターからも伺えます。

台詞回しや動作の間、音響効果の使い方や明暗の切り替わりまで、至る所に細工が施されている本作。
基本はノスタルジックに、時にコミカル、時にシリアス、色々な一面を見せてくれるこの作品は、見ていて飽きを感じさせません。
個人的には、様々な作品の価値観やテーマを知っている『読書家』タイプの人なら、凝り固まらずに受け止められるのではと思います。
表面だけを見るのではなく、そこをかき分けて中身をじっくりと観察する。
その大切さを教えてくれるアニメです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

奈悠 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

設定演出がむちゃくちゃだよ?!だがそれがいい!!

全13話。最初からなんだこれは!?ってのが最初の印象。

しかし、しっかりとしたストーリーがその過剰な設定などでも十分生きてます。
何も考えずに本編楽しめばいいよ。いや本気で。

中盤あたりでどうしてこんな生活を送っているか回想シーン含め見応えあります。
沙羅&双樹との出会いのきっかけ。「私達を探してください」

終盤も本気だったのかこの設定って・・・。
だがそれがいい!!って本気で言えるような内容でした。

演出は細かな心理描写も含めかなり見応えがあります。
男らしく成長していく恋太郎もいいですね。

ドタバタラブコメっぽい始まりだったけど、ちょっと変わった3人のお話。
愛の物語を感じてください。

私的に“もっと評価されるべき”と思える作品です。


こんなお話
“――3人でいたい――”

原作はメディアワークス電撃G's magazineにて連載中の双恋。
双恋のプロジェクトとして同じ原作を2つの制作会社が全く違ったアプローチで作るとどうなるか?
という「双恋」ならではの企画で進んでいた作品です。2004年10月よりテレビ東京系にてO.Aしていた老舗の制作会社テレコム・アニメーションフィルムの「双恋」に対し、「フタコイ オルタナティブ」は新進気鋭の制作会社ユーフォーテーブル(ufotable)が担当!
「主人公と双子の3人が一緒にいることが、主人公視点による“嬉しい”じゃなく、視聴者視点で、それが彼等3人にとっていちばんの幸せであるように観てもらうためにはどうすればいいのか?と、ひたすら考え抜いて作っています。」
銭湯へ行ったとか、帰り道に肩を並べて歩いたとか。本当に日常の些細な幸せ・・・
フタコイが描くのはそんな幸せです。
(公式より引用)


OP「New World」 ベ・ユミ(1st Single)
ED「ぼくらの時間」 eufonius(上記Singleのc/w)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

通りすがりの評論家 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

一人より二人、二人より三人!

ー 人一人が幸せにできる人数など、ごく少数 ー
           ー 誰もが幸せになることなどない ー

自分ができることってこんだけなんだなって思わされる作品
鬱要素はないが、8話あたりから若干の絶望感有
まあ何にせよ見てみなけりゃわかんないから視聴をオヌヌメする

作画/音楽.共に最近の作品に負けず劣らず侮りがたしufotable
前作の「双恋」を見てなくてもおk\(^o^)/
余談だが私の押しは沙羅ちゃん(cv.ミズハス)である

私的総合評価 -great-
・OP.ED 最良(OP/EDともに良し)
・作画  良(個人的には好み)
・声優  最良(声がドンピシャにハマってたので)
・構成  良(もう少し話数を縮めれば...)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

65.0 3 ufotableでコミカルなアニメランキング3位
魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(アニメ映画)

2013年12月28日
★★★★☆ 3.8 (117)
741人が棚に入れました
その時代その国には、魔法や呪いをかけたり解いたりすることを生業とする 人々がいました。その時代の魔の国。樹老長さんの森で、のろい屋を営む魔女の姉妹がいました。のろい屋では、姉のヨヨさんと妹のネネちゃんが、魔法や呪いに関する人々の悩みの依頼を日々解決していました。そんなある日、森に突然異形の大樹が生えてきました。よく見ると、大樹は見たこともない建物に絡みついています。それは、22 人が住む魔の国にはないはずの、現代的な高層マンションだったのです!さっそく調査にあたるヨヨさん。建物内で見慣れない人影を見つけて追いかけると、今度は足元に謎の魔法陣が浮かび上がり、不思議な光に包まれて……。ヨヨさんが飛ばされた先は、見知らぬ異世界。そこでヨヨさんは、孝洋と亜紀という二人の子供に出会います。孝洋たちは突然目の前に現れたヨヨさんに戸惑い、自宅へ逃げ帰りますが、孝洋の自宅で待っていたのは……何と“化物”になってしまった両親の姿でした!目の前の出来事が信じられない孝洋たち。そんな様子を見てヨヨさんは呟きます。「これは……呪い!!」異世界に迷い込んでしまったヨヨさんは、まずは孝洋たちの両親を化物に変えた魔力の元をたどることにしました。一方、魔の国に残されたネネちゃんは、魔の国と異世界で起こっていることには何か関連があるのではと考え始めました。魔の国と異世界に一体何が起こったのでしょうか!!かくして、2つの世界をまたいだヨヨさんとネネちゃんの不思議な冒険が始まるのです!!!!

声優・キャラクター
諸星すみれ、加隈亜衣、沢城みゆき、櫻井孝宏、佐々木りお、子安武人、中川翔子、長克巳、本田貴子、氷上恭子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高!最高!!最高!!!老若男女問わずして、この映画の魔法にかかって存分に癒されて下さい!\(^ω^)/ホイ!(^人^)

原作はイラストレーターの「ひらりん」がCOMICリュウに連載していた漫画『のろい屋しまい』
漫画自体は割りと殺伐とした絵柄と内容なのですが、この『のろい屋シリーズ』は連載終了後も派生作品が作り続けられ、【絵本や児童文学】といった非常に多岐に渡る展開を見せており、コアな漫画ファンのみぞが知るところならぬ多くの世代から支持される作品なのです










この物語の主人公は幼い姿をしながらも絵本級大魔法使いと謳われ、底なしの魔力を持ち、33歳で世界を征服するであろうといわれる“ヨヨさん”
そしてヨヨさんが好きで好きで堪らない努力家の最優秀お手本級魔法使いの“ネネちゃん”
二人は姉妹で「かけます ときます のろい屋」をキャッチコピーに魔法や呪いが現実に存在する『魔の国』で『のろい屋』と呼ばれる職業を営んでいます


ある日のこと、魔の国に突如として高層マンションを抱え込んだ大木が姿を現し、それを調査していたヨヨさんはエレベーターに閉じ込められ、そのまま現代社会の日本、横浜へと転移させられてしまいます
ヨヨさんが現代社会で最初に出会った少年“孝洋”と幼い女の子“亜紀”の家族に起こった呪いと思われる不思議な事件を解決すべく、ヨヨさんはのろい屋として仕事を引き受けます
一方のネネちゃんはなぜ魔の国に現代社会の建造物が現れたのか?ヨヨさんが元の世界に戻る方法はあるのか?、を魔の国の側から調べていきます
二つの世界に裂かれた姉妹の絆、やがて明かされていく事件の真相のスケール感
老若男女ヒトを選ばない魅力は“いま最もジブリに近い作品”と言えるでしょう
前半は笑いが、後半は涙が止まらない、そして最後は癒される、一大エンターティメント作となっています^^b










まず魅力的な原作をあえてスルーし、本当の意味で子供も大人も関係なく楽しめるように練りこまれたオリジナルストーリーが素晴らしい
特にサムネイルを拝見していただくとわかるよう、異世界に渡ってしまったヨヨさんの体を彼女の精神年齢を具現化したような中学生ぐらいに設定したことはナイスです


また、始めは異世界の出来事に興味を示さなかったヨヨさんの心境変化の描き方
クライマックスで絶体絶命の危機に立ち向かうヨヨさんのひた向きな姿勢もアツいみどころです


ヨヨさんを心配するネネちゃんとの姉妹の絆は涙を誘う場面でありますが、この辺りは原作を読んでいるとネネちゃんがヨヨさんを溺愛するワケなんかも解って感動倍増しますよ



監督には『矛盾螺旋』『ギョ。』『桜の温度』の平尾隆之
これまでの監督の作品は画面のほとんどが一色の色で統一されていました
矛盾螺旋では小川マンションの電灯の色で“オレンジ”
桜の温度では廃屋に振る月明かりで“ブルー”といった具合です
対して今作では森林の木々一つとってもピンクやライトブルーを豊かに織り交ぜた色彩で魔の国の姿を描いているのが興味深いところ
尚且つこれが“温かみのある色”で目にドぎつい感じにはなっていないのがイイ!


音楽には『ゴッドイーター』の以降の平尾作品の常連、椎名豪
今作では電子音、クルマのエンジン音、時計の音など効果音を楽曲の中に組み込む実験的な挑戦をしつつ
ディズニーよろしくミュージカル風に歌い出すヨヨさんが楽しげに歌う挿入歌から
そして物語後半を盛り上げる厚みのあるオーケストラやスピリチュアル風のコーラスまで
いや、盛り上げるというよりかヨヨさんの悲しみや憤りのスケール感を演出するのに一役買ってるんですよね、凄いんですよ
よく聞けば挿入歌こそが今作のメインテーマであり、BGMのほぼ全てのメロディラインが挿入歌に集約されてることに気付きます


キャストの熱演も素晴らしく、みゆきち、しょこたん、本田貴子さんは言うに及ばず、特にヨヨさん役の諸星すみれちゃんが目(耳)を引きます
この近年成長が著しい“天才”の起用は実にナイスセンスでしたb
2013年はシュガーラッシュといいコレといい、個人的にはすみれちゃんイヤーでしたわぁ・・・


兎にも角にもこの作品の全部を諸手を挙げて絶賛したいんです!\(^ω^)/
監督も大人向けに作ったつもりは無かったというものの、“アニメの面白さ”や“魔法への憧れ”といった原初的体験を思い起こさせる今作は、それらを忘れてしまったオトナの心にも響くんだと感じましたよ!
2013年における【ベスト映画】でした!間違いねー!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 41

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かけます!とけます!呪い屋姉妹

魔の国に住む呪い屋姉妹、ヨヨとネネ。
ある日大きな大樹が生えて来て
二人にとっては見た事もない
現代的な建物が絡み付いています。

ここから話は動き出します。

時間にして100分くらい。
これがね…とてもよくまとまっていて
世界観とか配色とかもいいし
大人にも子供にもオススメな一品。

まるで仕掛け絵本見てるみたいで
どんな状況になっても前向きにポジティブなんです。
なぜこんな現象に至ったかの過程で
二人の出会いから過去を目の当たりにすることで
話にぐっと深みが出てきます。
一つの家庭のお話から
最後に気がつく涙の意味まで。
非常に良く出来た作品ですね。
見終わった後の幸せ感が半端ないです。

幸せのありかについてちょっと考えてしまいます。
気になったのは、お兄さんの女の趣味の幅広さですかね。
よく動くし、眼が離せないような魅力をもってるので
小さな女の子でも目で追ってしまうんじゃないかな?

アニメミライ作品で
リトルウイッチアカデミアという作品がありますが
この作品が好みな方には特におすすめかも。

夢も希望も未来も…魔法だってあるんだよ!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 49

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

絵本級大魔法使いで6歳の姿のヨヨ ただし序盤で18歳に戻って魔法少女としては微妙かも

2013年公開のアニメ映画 100分

原作 ひらりん 監督 平尾隆之 制作 ufotable

原作の「のろい屋しまい」は魔の国を舞台にのろい屋という職業の姉妹の物語。

ヨヨ CV諸星すみれ 姉妹の姉 18歳 事故で氷漬けになって蘇生したため6歳の姿で止まった

ネネ CV加隅亜依 姉妹の妹 15歳

劇場版の本作は現代社会に召喚されたヨヨが18歳の姿に戻るところから始まる。
「かけます、ときます、のろい屋しまい」と言うことで現実世界に起こった呪いを解くということだが、
どうも上手くいかない様子が描かれています。
作画は非常に薄口でキャラも薄く、ジブリなどとは印象がだいぶ違いますね。

はっきり言って子供向けなので大人目線で酷評などは出来ない作品です。
物語は意外に分かりにくくちょっと目を離すと進んでいるような感じ。
子供と言うものは集中して観るので、意外に複雑な物語を好むのです。
でもそれは知能指数の高い子供に限られることも確かなので、
満足度ランキングは高くても不振に終わった原因ではないでしょうか。

ヨヨがミュージカル風に歌う部分や最後の魔法少女変身シーンなどは大人が観てもしびれます。
しかし、全体としてはありがちな画像、物語、キャラで特記すべきことは無い凡作に見えます。
とても楽しく最後まで見れたのに不思議ですね。
つまり、設定、キャラ、物語、は子供向け、アニメの構成は大人向けという、
バランスの悪さからくると思います。

それはジブリにも言えることですが、宣伝のパワーで押し切って、
大人も子供もなんだかわけのわからない状態で納得させてしまいます。

この作品は惜しいと言うべきでしょうか?
大人向けで作ったら名作になる可能性が高かったものを無理に子供向けに作り替えたような、
なんとも煮え切らない感覚でした。

子供向けでいいのですが、難しすぎないかと心配です。長いし。
大人の場合は、魔法少女ファンなら問題なく楽しめると思います。
薄口ですが。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19
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