ミステリアスおすすめアニメランキング 38

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのミステリアス成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月25日の時点で一番のミステリアスおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.1 1 ミステリアスアニメランキング1位
AIR エアー(TVアニメ動画)

2005年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3360)
16557人が棚に入れました
国崎往人は旅を続ける人形使い。「法術」と呼ばれる不思議な力を用いて、道行く人々に芸を見せることで生きてきた。特にあてがある旅でもないが、彼は密かに探しているものがあった。
幼い頃、母が繰り返し語ってくれた「今も空にいるという翼を持った少女」。ある夏の日、偶然立ち寄ることになった海沿いの街で、彼は1人の少女と出会う。それが全ての始まりだった…。

声優・キャラクター
小野大輔、川上とも子、岡本麻見、柚木涼香、久川綾、冬馬由美、田村ゆかり、今野宏美、西村ちなみ、神奈延年、井上喜久子
ネタバレ

はにょ~♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ハニョー♪

主人公であるさすらいの人形遣いの青年(国崎往人)が、海辺の田舎町で偶然出会った少女達と紡ぐひと夏の物語が描かれる

最初に過去編からの解説
{netabare}昔々、現人神のような存在である「翼人」の娘(神奈備命)と、その付き人である女官(裏葉)と警備隊長(柳也)がいた。

神奈は翼人であるが故、山奥の屋敷に軟禁されていた状態で、寂しい暮らしをしていたが、裏葉と柳也のおかげで家族のような温かさを知ることができた。

神奈の「母親に会いたい」という願いにより、三人は屋敷を脱出し、旅に出る。幾多の困難を乗り越えながら母親の幽閉先である紀州の霊山へ到着し、母親と対面、一緒に逃げ出そうとするが、朝廷の思惑(現人神は天皇のみとする)により、軍勢に攻められ、母親が死に、神奈も空中で矢を射掛けられた上、高野山の僧侶達の呪詛にかけられ、空に封じ込められてしまう。

残された柳也と裏葉は、神奈を救うための術を身に付け、それを子孫達に伝えていくこととなる。{/netabare}

物語の現代
{netabare}時は変わって1000年後である現代、主人公の国崎往人は裏葉が子孫へ伝えた術の継承者であり、人形を操る法術で路銀を稼ぎながら「空にいる少女」を探して旅していた。

とある田舎町で往人は不思議な少女、観鈴と出会う。観鈴は「人と仲良くなると癇癪を起こす」という性質のため、友達がいない少女であり、不思議な「過去を遡る夢」を見ていた。

この観鈴は実は神奈の生まれ変わりで、翼人の記憶を受け継ぐ存在だった。
翼人(神奈)の記憶を受け継ぐ人間は、
① 翼人と人間の容量の違いから、記憶を全て受け継ぎきれずに力尽き、死んでしまう
② 神奈の母の代までの翼人の業(人を殺めた業)により、近づく者に害を与えてしまう(神奈の母が「近づくな」といったのはこのせいです)
③ 高野山の僧達の呪詛により、空に封じられ、(実際には存在しない)翼に痛みを感じ続けている
という性質を持ちながら、輪廻転生し続けていた。

観鈴の癇癪癖は②のせいであり、過去を遡る夢は①の表れ、終盤で苦しむのは①と③のせいと考えられています。

観鈴を救うためには、①を達成させるための体力を何とか与えることと、幸せな記憶を持って空を飛ばせることで、②と③の業や呪詛を払うことが必要なわけです。

結末として、①を達成させたのは、往人の母親の言葉「どうしても少女を救いたいと思ったら、人形に念を込めなさい」を実行したことで、観鈴に夢を見続ける体力を与えました。

②と③を達成させたのは、観鈴の育ての親である晴子でした。AIR編にて家族とともに暮らす楽しい記憶を持って、観鈴は「ゴール」し、往人の転生体であるカラスの「そら」が、空に封じ込められている神奈にその記憶を届けることで、とらわれた神奈を解放した。{/netabare}。

最終場面で登場する少年と少女は
{netabare}往人と観鈴の転生したもの?
往人とがカラスの「そら」が転生したような感じかな?{/netabare}

最終話で美凪がみちると電車に乗ってるシーン  
{netabare}自分が住む町…もう一人の『みちる』と過ごした場所を、こちらの『みちる』にも紹介したいからとかいう気持ちからかな?{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

あきにゃん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

涙腺崩壊+放心状態には逆らえない運命の物語

とてもとても昔からの逆らえない運命
こんな人生なら最初から歩みたくなくなるような運命
その儚い人生を理解しながらも一生懸命に生き、家族愛や多くの感動を与えてくれた素直で純粋無垢な観鈴がとても愛しく、同時に放心状態にまで陥るほどの切なさと歯がゆさを与えてくれた作品


さすがはkey作品といったところでしょうか
お涙頂戴というより、完全に涙腺崩壊、精神破壊を狙ったとしか思えないようなストーリー
1クールという短い期間だからか、少し飛ばし気味のとこもあり、ちょっとわけわからなくなったりするところもありますが・・・
でもまぁ、そんなの全然気にしなくても(理解できないままでも)最後まで問題なく観れるかと
ていうか、私は観れました
ちゃんと感動できていたのでしっかりと理解出来なくても大丈夫だったのかと勝手に思ってます(爆

最初のほう(3話くらい?)は特に面白いとも思えずにただただ暇つぶしで観てたくらいですが、気がつけばすっかりAIRの中に引き込まれてました
この作品のイメージは風や鳥のような、とにかく幻想的で儚く神秘的な印象です
たった14話ですし、思いっきり泣きたいときに一気に観てしまうというのも良いかもしれませんね

ただし、ファンタジーや、現実味のない夢物語等が嫌いな方は絶対見ないことをお勧めします
この作品はどんな設定でも受け入れられる自信のある方にぜひ観てほしいですね

投稿 : 2024/11/23
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

痛みすら運命すら肯定する大いなる愛

Key三部作、いや京アニ作品の中では「声の形」を除いて最高傑作。それは本当の痛みがあり、それをなかったことにせず、その意味を肯定し、先に進む物語になっているから。恋愛より深い愛がここにある。


京アニ作品の作画は、こっから先も進化し続けたが、この作品終盤における作画、音楽、物語が合わさって奏でた神韻を含んだ響きに到達したことはそうなかった。



夢は終わらなければいけない


その心からの痛み


しかし、その意味はきっとある


翔びたつためには翼が必要なように


痛みすら運命すら肯定する大いなる愛

投稿 : 2024/11/23
♥ : 38

79.4 2 ミステリアスアニメランキング2位
灰羽連盟(TVアニメ動画)

2002年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1551)
7755人が棚に入れました
高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは、天使のような輪を頭の上に掲げ、背中に飛べない灰色の羽を持つ「灰羽」と呼ばれる少女達。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女はラッカと名づけられ、灰羽を名乗る少女たちから同じような輪を授けられるとともに背中に羽を得る。円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる…。

声優・キャラクター
広橋涼、野田順子、宮島依里、矢島晶子、折笠富美子、村井かずさ、久川綾、鈴木千尋、水野愛日、比嘉久美子、半場友恵、青山穣、大木民夫
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

聖階梯頌

「灰色の」を意味する仏語形容詞 gris(グリ)。
灰羽たちの棲む街はそのような名で呼ばれる。
白でもなく黒でもない中間、あるいは両者の混合でもある色。
聖と俗が融合する、両義性の物語の象徴的な核心。

この作品は三つのフェーズから成り立っている。
物語の表層と深層、そして根幹にある思想。

表層部は、罪と救済をめぐる一種の心理劇である。
クウの巣立ちによって、ラッカの試練が始まる。
罪憑きになったラッカを、鳥が禁忌の森へ導く。
黄昏の空は古い宗教画のような金地の背景。
同じ金色に染まる古井戸。その中に聖遺物のような、鳥の白骨。

散りばめられた暗示が仄めかす、神秘と禁忌。
濃厚に感じられる宗教性は、単にモチーフが多用されるからではなく
表面には現れない物語の深層部が本質的に宗教的だからである。
そこには秘められた聖性の源がある。

作品が内包する思想。それは、
罪と赦しと、魂の救いに関する、きわめて独創的な思惟である。
順序が逆のようだが、まずはそこから出発し、深層から表層へと
アプローチを試みていきたい。


Ⅰ 灰羽について
{netabare}
この作品のユニークな特徴は、
キリスト教的な救済観と、異教的な死生観が共存している点だろう。

灰羽に関する自分の結論は、選ばれた死者たち、というものだ。
何らかの意思によって選定された死者が灰羽として転生し、
浄化・聖別され、祝福された魂となって壁の向こうに巣立ってゆく。

先祖の霊が神となり、霊魂が転生・循環する、
死者崇拝に根差した日本古来の死生観が底流にあるようだ。
作中にも転生に関するかすかな暗示があり
現世と彼岸との隔たりは、さほど大きいものではない。

「世界のはじまり」(第五話)で暗示されていたように
人間に先立って灰羽を創造したとされる神が、かつて存在していた。
西の森の古い遺跡は、おそらくその神殿の廃墟だろう。
神はすでに失われたが、救済の摂理のみは受け継がれて存続している。

厳密にいえば、絶対的、究極的な他者である神のみが
罪を赦す権能を有し、人間の魂を救済し得る。
ならば神のいない世界で、救済はどこに求められるか。
それは人間に委ねられる他はない。
この世界の身近な他者。そして、そこには死者も含まれる。

神不在の、人間的次元における霊魂の救済。
これが作品の中核にある思想だと仮定すると
救済の回路が神から人間に移行する、その中継点に灰羽は
いわばモデルケースのように構想されたのだろうか。

「灰羽は天の祝福を受けたもの」と、グリの街の人は言う。
聖性獲得のプロセスを経過する場所であるグリの街は
カトリック教理の煉獄に似ているようだが、本質は異なる。
(自分の印象ではリルケ文学の、死と生の融合した世界空間に近い。
天使の形象も含め、本作のイメージにはリルケ風のものが多いようだ。)

街を囲んでいる壁の内部に、歴代の灰羽たちの名が記憶されている。
彼らはこの世界の聖性の根源として、外部との境界を守護する任を負う。
過越しの夜、壁は「この一年受けとめてきたすべての人の想いを空に返す」。
光箔の輝きが外に溢れだし、聖なる光で街を浄化する。
紛れもなく、俗世と聖性を媒介する回路なのである。

灰羽は正式な場では「同志」と呼ばれている。
灰羽連盟は、この摂理の継承を共通の目的とする宗教的な結社であり、
彼らの小さなコミュニティーは、互いの「聖化」、すなわち巣立ちを
助け合うための聖なる共同体であると考えられる。

その意味で、巣立ちの日にクウが残した言葉は
摂理の継承を無心に表現したものと捉えてよいだろう。
「今日、あたしのコップがいっぱいになったような、そんな気がしたんだ。
 ラッカもあたしにしずくをくれたんだよ。だから、ありがとう。」

クウの巣立ちは、ラッカの試練の触媒となり
その先に待っているレキの救済への道を備える。
{/netabare}

Ⅱ ラッカとレキ
{netabare}
春から夏へと、緩やかに紡がれてきた灰羽たちの日常は
冬の訪れを前に、急激な転調を遂げる。クウの突然の巣立ち。
それを合図にラッカとレキ、二人の試練をめぐる心理劇が開始される。
そこに、深層の摂理が徐々に顕在化してゆく過程を通して
本作の思想劇としての本質が露わになる。

「灰羽連盟」が思想劇である理由は、少なくとも自分には明白である。
深層ではたらく摂理は、物語の表層においては不条理として現れる。
その不条理が登場人物、つまりラッカとレキの内面に葛藤を生み
それがストーリー展開の軸となるからである。

灰羽になりたてのラッカはレキに問いかける、
私たちは人間なの? 答え、―私たちが何者なのかは誰にもわからない。
なぜ自分なの? 答え、―どうしてだろう、理由は誰も憶えていない・・・
つまり、自分の存在そのものが不条理の下に置かれているという事実。
クウが消えてしまったことで、心の奥に潜んでいた不安が表面化し
背中の羽には、罪憑きの印の黒い染みが現れる。

「何も思い出せないままここに来て、何もできないまま
 いつか消えてしまうんだとしたら私に何の意味があるの?」
 ・・・レキは答える、
「意味はきっとあるよ。それを見つけられたら、きっと。」

ラッカの試練は、その「意味」の開示に他ならない。
不条理にも必ず意味はある。なぜなら、それは摂理による導きだからだ。
これが物語を貫く根本的なイデーとなる。

自分を見失ったラッカは鳥に誘われるまま、黄昏の森に入り込む。
この場面の極度に凝縮された、濃密な展開を注視したい。

古井戸に転落した瞬間、オーバーラップする心の声と水音、扉の軋む音。
以前の世界でのラッカの最期が再現されているのだろう。
次いで、繭の中で見た夢が回帰するが、その夢の続きが井戸の底に直結する。
つまり、ラッカがこの世界に来た真の意味がここにあったのだ。
他者に赦されるために、自分の罪を知り償うために、彼女は灰羽となった。
失われた記憶の欠片は犯した罪のことではなく、大切な他者の存在だった。

「ラッカには鳥という助力者がいた。
 鳥が赦しを与え、ゆえに罪憑きではなくなった。」

古来、鳥は他界からの使者と考えられてきた。
あるいは、転生した死者の霊魂とも言われる。
そうした象徴体系を多義的に反響させながら、本作の鳥は
罪の赦しを与える他者という独創的なイメージに結像する。
そこに、かつての神に類する宗教的他者と、
私たちの身近な、いわば共生的他者とが重なり合い、融合する。
それは、本作の根幹をなす思想としてすでに指摘した
人間的地平における魂の救済を具現する表象なのではないだろうか。


「罪」とは、そもそも何なのだろう。

「罪を知る者に罪は無い。では汝に問う、汝は罪びとなりや。」

話師が投げかけるこの謎は、いかにも禅の公案風だ。
気づかれた方もあるだろうが、これは論理学で扱われる
「自己言及のパラドックス」を、罪の意識に応用したものである。だから、

「罪のありかを求めて同じ輪の中を回り続け、いつか出口を見失う。」

この「罪憑き」の状態の、禅をベースにした解決法は多分こうなる。
まず、この問題設定自体が言語の論理に囚われたものであることに気づき、
その無効化をさらに問いの主体にまで及ぼして、内部から自意識を解体する。
自意識に囚われた自閉から脱却し、他者に心を開く。
それが真の自己を回復する道につながる。

「私、いつも一人ぼっちで、
 自分がいなくても誰も悲しんだりしないって思ってた。
 だから消えてしまいたいって思った。
 でも、あなたはそばにいてくれた。鳥になって、壁を越えて、
 私が一人じゃなかったんだって、伝えようとしてくれたんだね。
 私、…」

実際に犯された罪よりも、いま罪の状態にあることがより問題とされる。
前者の最大のものは、自分を決定的に棄て去り、消し去ることだ。
ただし、自殺であっても償いにより赦される点、キリスト教ほど厳格ではない。
後者はおそらく、他者に対して心を閉ざすことだろう。
灰羽の教義では、不信は全般的に罪と見なされるようだ。
ラッカの一時的な罪憑きは、クウの巣立ちを受け容れなかったことで生じた
摂理への不信が原因だったように思われる。

「私、消えたくない。ここにいたいの。
 私どこにも行きたくない。ここにいていいよね。」

自分を取り戻すこと、それは自分のいるべき場所を知ることだ。
この言葉を口にした時、ラッカの羽からは罪の穢れが消え去っていた。


レキには決して鳥は訪れない。
代わりに少女の姿をしたレキの分身が現れる。
このことが、彼女が閉じこもる孤独を痛ましいまでに表現している。
「引き裂かれた者」とは多分、レキの内面をも意味している。
助けを渇望しつつ、裏切られることを恐れて他者を忌避する自己閉塞。
彼女をむしばむ罪の根源は、この不信だった。

レキははじめから罪憑きとして生まれた、呪われた灰羽だった。

存在自体の不条理に、呪われた存在である不条理が重なる。
従って、自分の存在の意味を見出すためには、
なぜ呪われた灰羽が生まれるのかという根源的な問い、
即ち摂理に関わる形而上の疑問と向き合わなければならない。
いわば「罪の輪」の中で、必然的に罪が先鋭化する条件に置かれている。

夢の記憶が欠落していて、自分が呪われている理由がわからない。
クラモリの慈愛を奪った灰羽の摂理を決して認めることができない。
他者への不信に、さらに摂理への不信まで加わった状態は端的に罪である。
彼女の孤独の深さには話師の導きも及ばず、ラッカすら最後は拒絶される。
罪の行き着く果ては、一切の拒絶と自棄、そして虚無への逃避だった。
レキが救われるとすれば、最早それは奇跡以外にない。

だからこの時、はじめて摂理が物語の表層に介入する。
深層に潜む力が顕現し、レキの救済に向けた働きかけを敢行する。
その場面に注目したい。

レキに激しく拒絶され、打ちのめされたラッカは隣室に退いている。
その時、開いていた窓から吹き込んだ風が、イーゼルの覆いを取り払う。

現れたのはクラモリの肖像画だ。
誘われるようにラッカはそちらに向かい
指し示されるように、レキの日記を見つけ、それを手にとる。
そこにはレキの日々の想いや願いが記されていた。そして、
繭の中の自分にレキが語りかけてくれた言葉を思い出す。
自分がはじめからレキに守られていたこと。
自分がレキの最後の希望を託されていたこと。
壊れかけていた信頼は、揺るぎない決意に変わる。
部屋に戻る前にもう一度、ラッカはクラモリの方を振り返るが、
それは、彼女から委託されたレキの救済の、無言の受託を意味している。

「レキ、私はレキを救う、鳥になるんだ。」


 もしも鳥がおまえに救いをもたらしたら
 轢という名は消え 石くれの礫が真の名となるであろう
 そうなることを信じ あらかじめ礫という名の新たな物語を記す

レキの救済に秘められていた摂理がいま漸く、明らかにされる。
この上もなく過酷なレキの試練は、なぜ必要だったのか、
その答えがここに記される。つまりレキは、選ばれた灰羽だったのだ。

 その者は険しき道を選び弱者を労る事で呪いをそそいだ
 その神聖は救いを得んがための仮初めのものであったが
 今やその者の本質となった
 灰羽が巣立つとき踏み石となる古い階段がある
 礫とはその踏み石であり 弱者の導き手となるものである

真の名とは、灰羽としての存在の本質であり、果たすべき使命でもある。
話師が予言した物語は、摂理によって定められていた彼女の本当の仕事だった。
その身に負った罪が大きく、贖罪の苦しみが深いほど潜在的な聖性は高い。
彼女が試練に打ち克って救われたことには比類なく大きな意味があった。
その救いの物語が後に続く灰羽たちに伝承されることによって
レキは摂理の新たな担い手となる。

ラッカもまた、選ばれた灰羽である。
おそらく彼女は、いつか話師の後を継ぐのだろう。その暗示は幾つもある。
鳥と交信する力。太古の神聖な文字を理解し、話師の言語を習得したこと。
そうした越境的とでも言うべき能力の根底にあるものは
井戸の底で鳥の白骨に語りかける場面に凝縮されていたような
不死なる霊魂に感応する、シャーマンを想わせる原初的な資質である。

選ばれた死者たちの中でも、特に卓越した二人の灰羽が
試練に打ち克って、それぞれの居場所をこの世界の中に見出すという結末。
レキの巣立ちを見送ったしばらく後、冬の終わりにラッカは
オールドホームの一隅に新しい二つの芽生えを見つける。
それは、未来に続く二人の物語の始まりのようだ。

「私はレキのことを忘れない。」


ここで、一つの疑問が生じる。

救済が他者との関係の中で実現するのであれば
宗教よりもむしろ、一般的な倫理の問題に還元されるべきではないのか。
勿論それでも構わない。が、それは結果的にこの作品の世界を
ありきたりな、平板なものにしてしまうおそれがある。
宗教的な次元で主題を提示しつつ、それを私たちが生きる現実に帰着させる、
聖と俗を包括した、超越性と日常性を架橋する両面性こそが
この作品の本質だからだ。

例えば、この物語で「摂理」として提示されているものを
私たちに親しい「運命」という言葉に置き換えてみることもできる。
私たちがなぜこの世界にいて、そのことにどんな意味があるのか。
自分が知らされていないだけで、意味は必ずや存在している。
これが運命についての能動的な思考であり、多分私たちは無自覚に
この信念に即して人生を歩んでいる。

あるいは、「私たちが何者なのかは誰にもわからない」というレキの言葉。
存在の不条理は、私たち自身にも当てはまる普遍的な真理である。
もしこの作品全体から漠然とした、不安な印象が感じ取られるとすれば
この真理が寓意によって増幅され、より切実に迫ってくるためかも知れない。
それがイマジネーションによって創造された作品のもつ力である。

宗教的な次元で問題にされる魂の救済とは
私たちの現実の地平では、魂の再生と呼ばれるものに対応するだろう。
この世界に生きる私たちは絶えざる危機に直面している。
傷ついた魂に再生の力をもたらすものが、彼方から訪れる鳥の姿をした
身近な他者であるとすれば、それは大きな励ましとなるだろう。

だからこの物語は、私たち自身に向けられた、再生への祈りの物語でもある。
{/netabare}


(初投稿 : 2020/11/22)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 24
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

他のどんなアニメとも似ていない真に隠れた名作中の名作

<2022/9/10 追記>
「灰羽連盟20周年 安倍吉俊のアニメ世界」と銘打ち
10/2にATXで全13話一挙放送だそうです。

<2022/9/2 追記>
「そばにいるから・・・わたしが、そばにいるから」

この作品の本質はこれだと思うのです

<2020/6/27 追記>
Yahooニュースに「灰羽連盟」を隠れた名作アニメとして紹介する記事が上がってました。
画像付き。
意外なところで意外なご褒美をもらったような気分になりました。
これでまた少しでも見る方が増えるとファンとしては嬉しいですね。

<2019/5/3 追記>
GW10連休ということで観れてない長編見ようと思ったのに結局「灰羽連盟」観てしまいました。

こういうの観ちゃうと会社行きたくなくなるなー。
GW明けるのが怖いです(´・_・`)


<2017年9月上旬に初投稿>
<2017/10/29修正しました>
<2018/8/4さらに大幅に加筆修正しました>

初めての投稿なので、過去に観た中で特別好きだった作品について書いてみます。

初めて見かけたのは2002年本放送時。
当時はアニメを観る習慣がなく、酔って深夜に帰宅したある日、たまたまテレビをつけたら第1話冒頭の「落下」シーンでした。

セピア調の落ち着いた色彩と柔らかく澄んだ音楽、自然な演出とわからないことだらけの世界観に魅了され。
自分の居る場所が何なのかすらわからないラッカの不安に感情移入していき。
気がついたら1話が終了。

「最近のアニメは凄い!」
「映画でもなかなかこんなのない!」
と衝撃を受けたことを覚えています。

楽しみな気持ちで翌週の同じ時間を迎え、チャンネルをフジに合わせたのですが・・・なぜかやっておらず(※)
「あれは変な夢だったんだろうか?酔ってたし」とか思ってそのまま忘れてしまいました。

そしてしばらくしたある日、TSUTAYAでおすすめ棚に置かれた灰羽連盟を発見!
びっくりしましたね。

夢じゃなかった!という喜び(?)とともにまとめ借りし、はまってしまい、更にはDVD全て買い揃えて現在に至る。

(※)後に知ったのですがめちゃくちゃな放送スケジュールの変更などがあったのだそうです。なので本放送で全部観ることができた人は極めて少ないのだとか

と前置きはここまで。
ここからは中身のお話。

舞台はどこにあるとも知れない、四周を高い壁に囲まれ決して外に出ることのできない「グリの街」。

背中に灰色の羽と頭上に天使(※)のような光輪を持つ「灰羽」と呼ばれる人たちのグリの街での暮らしを描いた物語です。

{netabare} (※)羽や光輪を持つその姿形はどう見ても天使ですが、作中「天使」という言葉は一度も出てきません。このグリの街のある世界では天使という概念が存在しないのかもしれません。{/netabare}

物語前半では灰羽たちの日常が綴られますが、中盤からは主人公のラッカ、そしてレキの迷いと葛藤に焦点が移っていきます。

本作はその世界観も独特で魅力的なのですが、加えて主人公二人のこの「迷いと葛藤」が普通のアニメではなかなか見られない性質のものでした。

一見なんの変哲も無いプロットなのですが「彼女たちが一体何に対して悩んでいるのか」の部分。
これ共感できない人も多いようで。
年齢が若い方だったり、元々の性格や幸運から例えば「自分の居場所についての不安感」のような曖昧なことで悩んだりした経験の全くない方にはピンとこないんじゃないでしょうか。
本作の評価が「深い名作」と「不思議な日常雰囲気アニメ」と極端に真っ二つの理由はここに由来している気がしてます。



本作の好きなところ。

セピア調の、カラーコンテで丁寧に描かれたような絵柄が印象的です。
とにかく暖かい。

音楽も柔らかく、暖かく、時には鋭く、刺さるように冷たく。

キャラクターの表情も好きですね。
生きた表情って言うんでしょうか。
声優さんの演技も相まって、その時々の感情が生々しく伝わってきます。
特に、最終回のレキの長ゼリフは凄かった。迫力に圧倒されてしまいました。

設定は、観た人に考えさせるタイプ。
いろんな方がいろんな考察してますが、簡単な用語説明と自分なりの解釈を以下にまとめました。
(重いネタバレはタグで二重に囲ってます)

▪️灰羽とは?
{netabare} グリの街で繭から数歳〜十数歳の姿形で生まれてくる人間。
繭から生まれてくる前にどこか別の世界で暮らしていたというぼんやりしたイメージを持っているが、具体的な記憶は失っている。
(ちなみにグリの街には灰羽以外に羽も光輪も持たない普通の人間も暮らしてます。つか寧ろ多数派){/netabare}

□灰羽について私の勝手な解釈
{netabare} ・別の世界で亡くなった人が灰羽としてグリの街で繭から生まれてくる。
・その別の世界での死因を「自殺」「不慮の事故」と限定する意見もあるようですが、私はよくわかんないです。
自殺限定ではないんだろな、とかは思いますけど。
ただ若くして亡くなってしまった人ではあるかも。
・灰羽はなぜグリの街にうまれてくるか?
→わからないです。{/netabare}

□グリの街について私の勝手な解釈
{netabare} どんな役割持ってる?とか、どんな世界にあるのか?とか・・・わからんです。
ただそこに在るとしか。
まぁそれでいいじゃないですか。{/netabare}

▪️巣立ちとは?
{netabare} 作中で灰羽はグリの街からある日突然いなくなります。
これが「巣立ち」と呼ばれています。
それがいつかは誰もわからず、巣立ちの数日前に本人だけが「知って」しまいます。{/netabare}

□巣立ちについて私の勝手な解釈
{netabare} これはいろんな考え方ありますね。成仏とか現世への転生とか。
作中では「どこに行くかは誰も知らない。もう二度と会えない卒業」みたいな感じでした。
なので私も深く考えず、単に「どこか別の世界に行ってしまうこと」と捉えてます。
ま、それでいっかと。{/netabare}

▪️罪憑きとは?
{netabare} 作中、主人公のラッカは「罪憑き」という病に罹ってしまいます。
それは背中の灰色の羽が少しずつ黒ずんで行く。
そして何より心の病。{/netabare}
本作で一番重要なワードです。

□罪憑きについて私の勝手な解釈
{netabare} {netabare} 自分の居場所や存在意義を見失い、
自分一人で勝手に悩んでしまい、
自らは誰に助けを求めることもできず、
まるで自家中毒を起こしたかのように自分の心が腐っていってしまう。{/netabare} {/netabare}
これが「罪憑き」なのだと思ってます。

作中、罪の輪の謎かけなるものが出てきます。
「罪を知るものに罪はない。では汝に問う。汝は罪人なりや?」というもの。

{netabare} {netabare} 罪憑きから解放されるためには、腐っていく自分の心を自ら認めて、人に心を開いていくこと。
それに「自分で気がつく」ことができるかどうか。 {/netabare} {/netabare}

そういうことなんじゃないかな。


長々と書き連ねてきましたが、
この作品は、観る人の人生経験の量や種類でその評価が大きく変わる類の作品だと思います。
(この作品を唯の雰囲気アニメと思える人は幸せな人生を歩んできたのだな、と羨ましい気持ちになります)

私の中ではBest3に入る名作中の名作です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 99

もちすい さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

泣いちゃう

1クールという尺で、テーマやキャラクター、異世界という設定をここまでバランスよく描けているアニメを他に知りません。

そして、この魅力的な世界観が売りなだけでなく、テーマを描く上での舞台装置として、うまく機能していること。

ただ、キリスト教における罪や救いなど、宗教思想がテーマのひとつとして色濃く描かれていて、その思想にあまりにも理解がなかったりすると、ピンとこないかもしれませんが、個人的には、非の打ち所が無いぐらいの完成度の作品だと思います。

設定や世界観を考察するのも楽しさのひとつだとは思いますが、確かな答えなんてわからないし、なんとなく漠然と把握していれば充分です。
あまりそこばかり気にせず、この世界で描かれている人の心というものを素直に感じればいいと思います。

ぜひ多くの人に、この作品のもつ優しさや温かさに触れてほしいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 35

78.0 3 ミステリアスアニメランキング3位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6615人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾

yosshi____ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最近見た中で1番鳥肌が立った作品。

ずっと見よう見ようと思ってたのですが、今更ながら視聴しました。
まず初めに6話までは頑張って見て下さい。

この作品は映画のマトリックスの世界と同じと言ってしまえば簡単ですが、そうではなく、もっと深く濃い内容となってます。

かなりスピリチュアルな話になりますが、ふとたまに、そもそも自分というのは、体という実態のことなのか、脳という意識のことなのかと考えたことがあります。自分の体に他人の意識が入って、他人の体に自分の意識が入った時、果たしてどっちが本当の自分なのかと。
誰でも一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。

ゼーガペインで伝えたいことはここにあると私は感じました。

意識さえあれば、実態などなくとも生きている。と考えるもの(ガルズオルム)と、実態がなければ生きているとはいえない。と考えるもの。(セレブレム)

これはその両者の戦いであり、26話を通して描かれました。

見終わって、説明不足なところは多々ありましたし、ラストのところも複雑にしすぎた感じはありましたが、それでも今まで見てきたアニメの中でもかなり素晴らしい作品だったと思います。
特にEDの入りは今まで見てきたどの作品よりも素晴らしかったです。

難しい内容が好きな方、考察しながら楽しみたい方におすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

YOSIMIX さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

放映時代の技術では真新しい世界観が楽しめる!

12'09.28 再度鑑賞 記載

最近、全て観てきたアニメを再度鑑賞した上で改めて記載
し直しているレビュー作品の一つです。

ロボットものという点からアニメに入っていきましたが、
それ以上に物語の設定が非常に良くできていて、単に
アクション性だけでなく、学園的要素、ヒューマニズム、
悲しい世界観、熱い思いと現実の壁、展開の意外性など、
色々な楽しみ方ができる作品です。

個人的な事ですが…マシーンがアーマード・コアという
ゲームに出てくる期待に似ている気がして、そんな所から
もなんとなく魅かれていった作品でした^^

量子化された物体の転送、反映、映像化や本作の中に存在
する「AIキャラ」たちの行動や反応など、まさに新しい
AI思想と具現化を打ち出した代物と言えるのではないで
しょうか。

本作品が放映された時期には、未来的思想やタイムマシーン
等のような時間時期や時空間を彷徨う思想のアニメや映画は
多々存在しますが、それらとは別に同じ時間帯のループを
元に未来を切り開く選択をするという、新しいジャンルとも
言える設定はなかなか魅力ある作品でした。

さらに、作品の内容に特化した映像技術と美的感覚はなかな
か良く、作画の良さを感じさせる表現にさらに好評価へと
つながる要因でもありました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「痛み」を受け止める強さ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはSFロボット・恋愛です。
人によっては鬱と感じるかもしれないシリアス展開なので苦手ならば若干注意です。


高校生のソゴル・キョウは水泳部立て直しのために尽力していた。
ある日突然、彼はミサキ・シズノというミステリアスな女性に連れられてロボットに乗り、敵と戦う。
彼にとってその戦いは「仮想現実のゲーム」だと思っていた…。


斬新な世界観・恋愛を主軸に置いた人間ドラマ・水泳と映画を用いた青春劇・ロボットバトル・「生」についての哲学・シリアス(鬱)展開。
盛り込まれたそれぞれの要素が絡み合って奥行きのあるストーリーになっています。
どれもぼやけておらず、納得のできるストーリー展開になっています。

その中でも前者三つの要素が秀逸。
ロボットアニメ、というか他のアニメでここまで複合ジャンルをまとめたのはあまり見たことないですね。
その要素のどれもが「痛み」を伴っています。


1話見たときにこんなシリアスな話だとは思っていませんでしたw
普通に過ごしていた日常がこうも簡単に崩れ去る恐怖。
「生きていること」とはどういうことかと問う。
主人公に降りかかる数多くの試練。
私はこういう設定の作品は見たことがなかったので、世界の真実が分かったときは結構驚きました。

主人公に起こった試練のまとめ。
{netabare}・一度記憶を消去されている
・この世界が幻だと知る
・自分たちは幻体という存在と知る
・サーバーがリセットされてループする
・リョーコが消滅する
こんなところでしょうか?{/netabare}

とってもシリアスなことが起こっているのですが、主人公の性格でそこまで重く見えない不思議。
主人公が直球野郎で見ていて気持ちがいいのが本作の救いになっています。
加えて彼は意外と物知りであったりするので馬鹿ではないのが良い。


その他のヒューマンドラマについて。
恋愛に関しては主人公とヒロイン二人の三角関係が基本なのでこれまた重め。
設定が設定なだけに、どっちも気持ちは分かるんですよねえ…。
また、ルーシェン、シマ、クリスといったサブキャラの話も結構しっかりしています。
特にクリスの回は感動しちゃいました。

青春劇に関してはこれまた設定のために主人公には非常につらい仕様になっていますw
部活動再建のためにかつての仲間と友情を取り戻していくキョウ。
普通に青春アニメとしても見ることが出来るのが凄い。
正直、細かいSF設定が分からなくなってもヒューマンドラマで楽しめます(私です)。


本作の難点は序盤の訳の分からなさ。
加えて、ロボットアニメですが戦闘シーンがイマイチ面白くないところ。
ロボットアニメと思って視聴すると肩透かしを食らうかもしれません。
加えてよく分からない所があるので、詳しい人に教えてほしいくらいですw

難点かどうかは微妙ですが、結構声優が棒読みです。
気になったのは数人でその他は上手だったのですけどね。
率直に言えば、気になったのは浅沼さんと花澤さんw
浅沼さんは割と前半で慣れましたが、花澤さんはずっと気になりましたw
これが良いって仰る花澤さんファンも意外と多いので、見てみるのもアリかな?
正直、私はにわかだから今の彼女の演技の方が良いと思うんだけどねw


総括して、取っ付きづらさはかなりありますが、前半を乗り切れたら作品にぐいぐい引き込まれるかと思います。
ロボットアニメは後半にならないとイマイチ面白さが分からないので、前半で切らないであげてくださいw
見ごたえのある作品でした。

どうでもいいですが、キャスト紹介で主要キャラが四人ですよね?
キョウ・リョーコ・シズノ・ルーシェン。
何でルーシェンがずっと入っているのとか個人的に思っていたのですが、24話で分かりました。
彼は{netabare}キョウに憧れていたヒロインの一人だった{/netabare}ってことですねえ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 54

71.8 4 ミステリアスアニメランキング4位
神さまのいない日曜日(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (1075)
5695人が棚に入れました
15年前を境に、人々が生まれなくなると同時に死者が生前と変わらず動き回るようになった世界。そこでアイは墓守──死者へ安らぎを与える職業──として村人たちの尊敬を集めていたが、ある日やって来た「人食い玩具」と名乗る者によって真相を知ることとなる。村人たちは全て死者であり、アイが彼らによって信じ込まされていた両親についてのことも、実は嘘だった。村人たちを弔った後、アイは破綻している世界を救おうと決心し、同じく墓守である傷持ちや人喰い玩具を追ってきたユリーとともに旅へ出る。

声優・キャラクター
豊崎愛生、浪川大輔、佐藤利奈、能登麻美子、藤原啓治、柿原徹也、小松未可子、内山昂輝、喜多村英梨、野島裕史、渡辺明乃、丸山詠二、吉野裕行、今井麻美、原紗友里、加隈亜衣、高橋未奈美
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

泣いた(;_;) (最終話まで

○関連URL
アニメ公式
http://kami-nai.com/
富士見書房
http://www.fujimishobo.co.jp/sp/201210kamisama/
webラジオ
http://hibiki-radio.jp/description/kami-nai
神ないラジオ~紗友里と亜衣の日曜日~
http://kami-nai.com/special/navigate.html


あらすじ

15年前に人々が生まれなくなると共に死者が生前と変わることなく動き回る世界。その世界でアイは墓守──死者へと安らぎを与える職業──として村人の尊敬を集めていたが、ある日やって来た人喰い玩具と名乗る者によって事の真相を知ることとなる。住んでいた村の住民は全て死者であり、彼女が信じ込まされていた両親についてのことも実は嘘だった。彼らを弔った後に、彼女は破綻している世界を救おうと決心し、同じ墓守の傷持ちや人喰い玩具を追ってきたユリーと旅に出る。


各話感想
{netabare}1話
いやぁ会場3分後に行ったらすでに満員で見れないorz
がしかーし、ニコニコは裏技があるのです。
携帯から放送へ行くとなーんと見れちゃうんですね。
恐らく携帯は席が別で用意されているからだと思われます。
くっそーでかい画面で見たかった><

最初からシリアスエンジンバリバリでこれはとても面白そうな予感。
もう最初から謎だらけで次回が気になります。
墓守がなんなのか?なんで街中の人殺しちゃったの?
ハンプティーハンバーグさんは何者なの?何がどうなってるの?
携帯画面でしかもちょいちょい画面が飛んでしまったので見逃し部分も多々あったので次週復習しようと思います。
早く次回が見たいけどこれ次回は2週間後なんだろうか…
待ち遠しい。

一旦復習
殺すのは墓守の仕事で墓守だけが安らかな眠りを与える事が出来る。
神様がいなくなって人は死ななくなった。
あいちゃんは墓守?
ハンプニーも墓守?


2話
主人公の女の子はアホの子なのかな?
えっハンプニーが撃たれた。味方か!?敵なのか。
親友だったのか… 娘も死んだのか。
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
どうして女の子を盾にしたし。わけわかんねぇw
決闘はトンズラかよ。
結局主人公は墓守なのか墓守じゃないのか。
だからなんで着いて行くんだw墓守になるために着いて行くのかな?
おんぶで恥ずかしがっちゃって可愛いw
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
何故飛び降りたしw
ってかいつの間に仲良くなってんだw
神様いなくなっちゃんだから確かにわけなくてもいいんじゃね。
12歳だったのかーい!小学生じゃないか!
32.3のおっさんだったのか。
神は馬鹿だったのか。
日光に弱いとか吸血鬼かよw
はんし熱で2億のゾンビこええ。
EDの入りがいいなぁ。こういう特殊ED好きだなぁ。


3話
あいちゃんのお母さんなのかな?お母さんだったか。
OPこんなんだったっけ。
ハンプニーさん何かに似てると思ってたけどやっとわかった。
デビルメイクライっぽい。
キタエリって太いのか細いのかよくわからん。
まぁライブやってる位だし細いのか。
何処へ向かってるのやら…
死ぬ方法だと!?村の連中殺してなかったっけ?
人類最後の一人!?どうしたんだ急に…
ファンタジーものは先読みしたくないから考えたくない。
ちょw突き落とすなw 本当なら川浅くて死ぬだろw
あれまたこいつ。追いついてきたのか。
自殺攻撃ってなんじゃそりゃ。
えっやっぱお父さんだったのか!!
暴徒鎮圧用のゴム弾。パンツびちょびちょww青の縞ぱんですよねやっぱ。
レースとかまったく興味が持てないです。
なんか仲良くなっとる。墓守も現れた。
拷問でもされてんのかな?
極度の疲労で記憶がなくなる?
幸せに死にたいのか。なんでやっやめろなんだ?
幸せに生きて幸せに死ぬのか。
わけがわからん敵だな。
墓守いいとこで登場!
思い出したか…お母さんはアルファって名前なのか。
墓守どんな力してんだよw
なんだお母さん勝手に消えて子供生んだのかよ。精子が欲しかっただけか。
アスティン。え?ハンプニー死んじゃうの?え?
工エエェェ(´д`)ェェエエ工 鳥肌立った。
あっ死者として復活したのか。
と思ったら墓守としてお父さん見送るのか。
泣ける。泣いた。いい最終回だった(´;ω;`)ブワッ
もっとお父さんと楽しくやっていた所を書いても良かったんじゃないの?
なんでそんな詰め込んじゃったんだ…
本当にいい最終回だった。
ってこれから先墓守として成長していく所を書いていくのかな?
この回が一番の盛り上がりになってしまわないよう願う。


Q.なんでハンプニーは死んだのか?
墓守だけが死を与える事が出来るから。

この解釈であってるよね?原作既読の人教えて下さい。
ハンプニーの願いがかなったから死んだわけじゃないんでしょ?


4話

5話
子供は出来ない。魔女がいたのか。
5人の体から必要なパーツを引きぬいて作られた…
まさかの人造人間。6人のラップスター。
ぽっくすさん組み合わせが違うって何がどうなってんのw
死者の体にも健康があるんですね。
まさかの想像妊娠!子供が欲しいと思っていないのに妊娠。
スカーの声が関係している。
お城のお姫様ェ…ミイラ姫じゃないか。やっぱ姫も死者なのかな?
謎の黒ローブ集団。
生者がオルタスに住む方法。死ねばおkとな。つまりそれは死者じゃないか…生者が住む方法ではないよね。
黒ローブ集団は死にに来たのか。
死者の皆さんに幸せな最後を迎えて欲しいアイちゃん。
ウッラは生者だったのか?なんかややこしくなってきた。
毎度毎度EDの入りがいいなぁ。しかし一枚絵ってのはホントに安上がりで頂けないな。


6話
コロシオハケ?死の姫だったのか?
そして死者として復活するわけか。
オルタスの闇。見られたり声をかけられたり触れられると死ぬのか。
ウッラはコロシオハケ。まるで死神だな。
OPかっこいい。
子供は15歳で選ぶのか。生者なら出て行く。残るなら死者になる。
ウッラは知らなかったのか…
愛ちゃんもそうだったもんな。
全員死んだらっておい。そりゃウッラにとってはいいかもしれないが…
あらら話しちゃうのか…
あぁやっぱ知ってたのか。
死ぬ事の意味が無くなった世界で死者と生者に何の意味があるのだろうか?
何かメリットデメリットみたいなものがあればわかりやすいんだけど比較しようがない。
キリコを通して抱きしめるとな。その発想は無かった。( ;∀;) イイハナシダナー
ウッラの母。恨みの塊だったのか。
セリカは時間を止めて何かを待っていると。
え?双子じゃないんか。スカーの子?どういうこっちゃ。
しかしまぁ毎度毎度特殊EDがいいね。
赤髪誰だ…


7話
学園?早速きたか赤髪。アリスカラー。
アイちゃんも制服着てる。一体何が始まるんです?
キタエリデビュー曲。歌手に転向でもするのか。
子供が生まれなくなったから学校も無くなっていくのか。
言ってるそばから誘拐かよ。
スパルタ学園なのかな?
強制収容所ww 年少者強制学習所。
おい色々おかしいぞwお迎えの車やらごく平凡な授業とかww
売られたww
マギータ先生やべぇ。
レールガンごっこしとるw
はいはいサービス回。そういや何歳だっけ12歳だっけ?
周りは皆高校生位なのかな?
異能者の学園だったのか。なんかアニメの方向性変わってない?w
強く願ったらこうなっちゃったのか。
レールガン?(難聴
ちょwアリスカラーさん大胆な覗きだなおいw
今回完全にギャグ日常回だな。説教の前に服着ろ服w
なる程大脱走計画してたわけか。
補助金目当てで生徒増やしてんのかよ。ってか政府なんてあんのかよ。
キタエリは幽霊Dなのか。ボクっ娘。
Dエンジーストラトミットス?名前なげーよ。
西方の魔女。ウィスパ。なんか凄い能力だな。
オルタスにいる時から監視してたのか。
アイとアリスとウィスパの出会いは運命?どういうこっちゃ。
珍しく普通のEDだな。まぁ本編の作画がいいからEDこれでもいいのかなw
しかし今回出会った学園の子達は生者なのだろうか?
死者なのだろうか?願いが聞き届けられたから生者なのかな?


8話
ゴーラ学園Ⅱ
大脱出会議ってなんだよw
あいちゃん委員長みたいだなw
出ても行くところが無いんだろうな。やっぱりか。
どうせ売られたり捨てられたりで行く場所無いんだろうね皆。
私にはあなたが無理?どういう事?
キタエリスカートで浮いてるけどパンツ丸見えじゃないのかw
夢を持てるのは居場所があるから。まぁそうだよな。
生まれた時から目が見えなかったのか…
盲目生活なんて考えられないな。
両親には黙って来ちゃったのかよ…
アイが眩しすぎるのか。
脱出は明日の午前3時。
世界を救うとか夢が壮大だな。
世界を壊すことで救う?世界が2つ?あるがまま?
・観察者がいない世界。誰もいなくても成立する世界。
・観察者がいる世界。人が見てる世界。主観。
何を壊すんだろう。人なのだろうか夢なのだろうか。
ターニャは来なかったか…
残る…だと?アイちゃん頑固だな。ターニャ来たか。
先生にバレてた…
弾丸を弾丸で相殺だと!?
ブーザービーター狙っと物を狙った所に飛ばす力。
特殊EDか今回も。
スカー育児放棄だと!?何があったんだよ。
今回は2話で完結なのかな?


9話
小さな共同体を壊すことで世界を救う。
アイちゃんその方法で世界を救うことに異論は無いのか?手伝っちゃうの?
アイちゃんは本来死んでいる人間を墓守として埋めて本来あるべき世界へ戻すことで世界を救うんじゃなかったの?
死者の街とか行ったりしてしまって考え方変わっちゃったのかな?まぁ学園の時も悩んで葛藤してはいたが…
「墓守が生まれる場所」
タイトルが凄く気になるな。スカーやっぱどっかいっちまったのか。
ターニャ両親の元へ戻れたのか。だいぶ端折ったな。
まぁ原作見てないからよくわからんけどまぁペースはいい感じで見やすい。
ウィスパとアリスは付いて来るんだね。
子供はセリカって名前だったんだっけ。
スカー一体どうしちゃったんだよ。何をそんなに躁鬱になっていたんだ…
なんだなんだどうしたんだよウィスパ。誕生日かーい!今回も日常回だな。ってしかも昨日かよw
年に一度のお祭りねぇ…誕生日が待ち遠しいのは二十歳になる位までだな。それ以降年取りたくねーしか思わない。
アリス16歳だったのか。そういや学校行ってたもんなw
あぁウィスパが車で叫んだのはケーキの看板見て思い出したのか。
人は日々刻々と変わっていくものだよ。
変わらない人のほうが珍しいんじゃないかな?
変わらない思いや考えもあるだろうけど。
見事な霧じゃなく嫌な感じだと?幽霊とか出るのかな?
クリスタルが生えてたり穴が開いてたりと道路として成り立ってないな。
音が消えた…嵐の前フリか。いきなりの雷。
墓守だと?ちっちゃい光の玉が?ブラックホールじゃんまるで。
え?分身?何人いるの?3人か?ぎゃーうじゃうじゃいた。
ストーリーサークル。墓守が生まれる場所…
何百人。何千人。同一の個体が生まれるのか。
一度しか確認されない墓守もいると。
スカーは自分が生まれた場所に戻りたかったのか?
おいおいこの先やばそうだな…ウィスパ帰っちゃうのかよ。
キタエリも短い出番だったな。
墓守集団怖い…ってか神様がいなくなっちゃったからその反動だか代償だかで墓守が生まれてるのかな?
ハンプニー…お母さんも…精神世界か?夢の世界か?
覚えておけ。
「お前を動かすただひとつの言葉は生きたいだ」
スカー…何を悩んでいるんだ…
墓守としての自分か母親としての自分かを悩んでいたのか。雷はなんだ?何か祈りが叶ってしまったのか?
ユリーさんプロポーズとかマジかっこいいじゃん。結婚してやんよを思い出した。
なんかちょこっとうるっとしたよ(´Д⊂ヽ
オースティア?3-4組は閉じ込められている?どういう事?
このアニメ安定して面白いなぁ。
しかし原作も終わってないからきっと中途半端に終わってしまうのではないかと思ってしまう。
スカーの回収したし新しい話がまた始まるのかな?
毎度毎度うまく話をまとめられている印象で凄いなぁこのアニメの構成。


10話
え?全てが初期設定に戻る町?人間も?
いきなり虐殺始まった…うわー怖い何この町。
最後の舞台はこの変な町が舞台なのか。
3年4組Ⅰ
荒れ果てた町になったけどあれ?
さっきのとこどうなったの?
アイちゃん麦わら帽子みたいなのかぶってたっけ?
なんかヒマワリみたいだなw
3年4組に何があるんだ?
部外者は一度中に入ると戻れない。全てを解決しない限りは…
アリスの救いたい世界があるのか。
イチャコラしやがってw
特定のルートと特定の穴からじゃないと来れないのな。
アリスの故郷だったのか。
リーさん?あれだれだっけ。あぁお化けのキタエリかw
なんで実態あるんだろうな。
14年前で冬で雪が降っている。まずは感想を言えとな。雪が綺麗って以外に何も無い。
ディー?あれ名前なんだっけ忘れちゃった。
キタエリよくわからんがお化けになっちゃったのか。
アイちゃん何処行っても人気だな。
スカー達はこの町で暮らすのか。
調理部ってアイちゃん料理出来るのか?
引っ越してきたばかり?え?どっから?なんも持たないで旅してなかったっけ?
ずーっといたくなるだと?迷いの森みたいな感じか?
3年4組が望んで作られた隔離された世界なのか。
1年ずつのループ。中の人間はリセット。
1年に少し足りないループでカレンダーがずれてるのか。
檻そのもの。
アリスとキタエリ以外知らないのか。中の人間は作った事すらわからないと。
死者はコクメイを通れない。生者ばかり。
3万人も入れたのかよ。
なる程それで冒頭に戻るわけか。
アリスの敵。キタエリが敵だと!?なんで?
カーテン外そうとして死んじゃったのか…
うーむ毎度毎度特殊EDがいいなぁ。
しっかしまぁややこしい設定だ。


11話 3年4組
ループを繰り返す発端になった文化祭前日のことをアイちゃんは調べる。
アリスが手がかりを外から持ち込んでいるのか。
キタエリが燃やしてんのかよ。
やがてひと月が過ぎてっておい!一気に飛んだなwアイちゃん13歳か。
随分ゆっくりしてんだなこの町で。スコップ忘れかけてたのか?
墓守って事も忘れそうにっておいおい世界に溶けこんで来ちゃってるじゃないか。
願いってのは叶っちゃいけない?叶わないからいいのか。
まぁそれはあるけど目標を新しく見つけろよ。
単なる通過点か。
ディーさんが敵…
3年4組は閉ざされた世界にいた方が良いとな。ひきこもりか!
もってかれそうになるのか。ループに取り込まれるとかヤバイじゃないか。
ん?何が起こった?10?
なる程いつもなら9対9で揉めてたのか。変革を起こしたのか。
アリスが置いてディーが回収、アイちゃん見つけられないと。
お?スルーしたか。アイちゃん何かを感じ取ったか。
あっディーにバレた。おいおいすんなりに取られるなよw
自分が死んだ事を思い出したか。3年4組のループを消しちゃったらディーも消えるんだなきっと…
やっぱりか。
だからウィスパになった。ささやき続ける。壊せ壊れろ壊し続けろ。
アリスはバスケ好きなんだな。そしてディーはアリスが好きなんだな。可愛いw
んな都合の良い話があるわけないだろ!いや神様に願えばありそうだな。
アリスに好きってバレちゃうからだめなのか?
ディーが消える事知ってるだろ。アリスに嫌われたくないのか。切ないな。
アリスの血で濡れているだと?うわー殺してリセットしたのかよ。ヤンデレってレベルを超えてる…
今日のアリスには僕が必要だ…そう思っていたのにアイちゃん…何…これ…
これはヤバイ。嫉妬に狂いそう…
3年4組が開放される為なら構わないのかよ…聞いちゃったよ…
おまえ…消えるのか…?切ない。


12話
ディーは何か怪しいこと企んでそう。
あらアリスがいてディーが来ないのか?
またリセットコースかよ…クラスメイトに思い出させて何かが変わるのか?
そうだよな生き返って下さいって願っていれば…
うわーリセットコースか。なる程思いの強さで改変強化が行われるのか。
えっディーもリセット?14年分消えちゃうのかよ…
おいおい皆で落っこちる気かよ。
世界の大元はアリスだったのかよ…
まさか死んだのもアリスだったのか。あれ?じゃあディーはなんで幽霊なんだ?
このアリスのいる世界から出たくない思いが幽体化したのかな?
無かった事に…してはいけない。アリス…(´;ω;`)ブワッ
え?そこでアイちゃん切れるの?
なる程墓守に埋められちゃったらしょうがないな。
ディー実体化してる。
え?アリス生きてるの?あれ?Fin?最終回だったのか?
全13話じゃなかったっけ。まぁどっちにしてもイイ最終回だった。

ちなみに最後なんでアリス生きてるの?と思った方はこちらを見るといいでしょう。公式で説明されています。
http://kami-nai.com/special/navigate.html

恐らくアイちゃんが神様だったていうオチになりそうな予感がする。2期やって欲しいなぁ~><
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 55
ネタバレ

オッス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画と音楽が良かったが、終わり方が・・

考えないで観る分には泣けた。アイが人として出来すぎてる?やアイの行動のおかしさなどを考えなければ楽しめた。
最終話の終わり方がやや投げやりに見えた。
原作を買ってくださいという言葉が見え見えである。
あの終わり方を避ける構成にして欲しかったなあ。
余談だが、ハンプニーを主人公にした方が万人受けしそうかなと思った。
町などの作画かなりいい。今期アニメあまり観てはないが、トップクラスの作画である。
あとOPがいいね。今期の中では進撃OPの自由の翼と同じぐらい好きだ。
1話 {netabare}
第一印象はほのぼの系アニメだと思ったが、思ったより内容がシリアスだった。
ハンプニーが全員惨殺をしたシーンが印象に残った。
なぜ、ハンプニーが村人を全員惨殺をしたのか気になるし、ハンプニーがカッコいいから次が観たいと思った。
{/netabare}
2話 {netabare}
アイの発言が面白いw
外の世界が残酷ならばハンプニーに銃に撃ったられて死んだ方が幸せだったかもしれない。故にハンプニーは殴ってまでも止めようとしたのだろう。まあ幼女を殴るのは頂けないがw
ハンプニーが惨殺の理由と設定が語られましたね。
それでハンプニー不老不死なのか。最近のインデックスの映画のキャラを思い出しますね、死にたいけど死ねない人なのか。。ハンプニーがどうなるから気になる。
{/netabare}
3話 {netabare}
ハンプニーは不老不死であるが故の死にたい理由を語られた。
世界の中での真の孤独死は辛い。ハンプニーの演技も上手かったこともあり、この時点で私は少し泣けた。
ハンプニーの理不尽な暴力の意味を語られた。前の話にも触れたが、やはりハンプニーなりの理屈がありアイを救うための暴力である。
ハンプニーはただ死にたいのではなく、本当は幸せに生きて家族に惜しまれて幸せに死をしたいのであると盗賊に告げる。
要するに自分の死に意味を見い出したかったのであろう。
盗賊たちによってハンプニーは殺された。しかし、ハンプニーが死ぬ間際にハンプニーとアイは¨アイの父親はハンプニーでありハンプニーの娘はアイでもある¨ことが発覚し、ハンプニーは彼の死を惜しんで泣くアイを見て言いたい事を言い残せず死んでしまう。これは本当の意味の死ではないが、ハンプニーの星の数ある死の中で唯一家族に惜しまれる死でありハンプニー願ってる死である。
このハンプニーの独白で思わず涙が。。。
思い出を作れば幸せのまま死ねるのでもはやハンプニーには未練がないから墓守に埋めて貰う事を頼み、ハンプニーは安らかに眠った。即ち、本当の意味の死である。。

最終話的なお話が3話で終わらせた事に驚かされた。
最近アニメにしては珍しいのではなかろうか。
そういう意味では次が気になる。
{/netabare}
4話 {netabare}
ハンプニーの死は引きずらず、あっさり忘れるアイ。。そこらへんは考えないでしよう。
アイの相変わらず面白いアホキャラであるw
なんで3人旅してるのか?多分世界を救う為かな。
墓守は少数精鋭だと思ったら多くの墓守が死んでいた事には驚いた。
オルタスの町の作画が素晴らしい。じっくり観て欲しい。
ベッドのスカーさん可愛いすぎる。この作品の好きなキャラはスカーさんになりそうだ。
個人的には3話が良かったので正直次が不安だったが、面白かった。
{/netabare}
5話 {netabare}
キリコさんは死者だったか。
いつの間にかユリーがアイの父さんになっている感がある。流石、声がヒロシだけあるw
いつも通りアイちゃんなかなか空気が読めないキャラである。
変な複合人間が何故出来たのかがこの話で説明された。生まれが違う5人が居て、彼ら彼女らは子供を作りたくて魔女に訪ねた。魔女は別の方法で子供を作れるらしい。魔女に従い、子供(キリコ)は生まれた。しかし代償として魔女によって彼女ら彼らは複合されてしまう。5人の内4人は2人間として複合されてると思うが、あと一人はどうなったのか?あと4人の半分はどうなったのか?
スカーさんが想像妊娠だと・・ OPのスカーの子供っぽい方が生まれるですかね。何故妊娠したのでしょうか?ウッラは何故あんな格好なのか?
次が楽しみで仕方がない。


{/netabare}
6話{netabare}
相変わらず作画は力が入ってる。背景が綺麗だ。
なるほど、ウッラは見た触れた声をかけられた生者を殺す能力を持っている。15才で死者にならければならないルールがオルタスにある。15才未満を生者を死者させてしまうためウッラはあんな格好か。
アイは過去の経験からウッラが自分と同じ境遇にあると悟る。
キリコは今ウッラとアイ同じ境遇であるが、アイはいずれ永遠が破綻するのが約束されてることに対してウッラは全員死者になられば永遠であり破綻はしないと言う。ハンプニーが出てくる描写がいい。泣きそうになりました。
アイはウッラに真実を伝えに行く。キリコに反対をされるが実行する。ウッラは半分は気づいてたようだ。どうやらキリコを説得でき友達になれたようだ。
スカー「この子は私の子です。」
アイとヒロシ「えっ!?」
俺「えっ!?えええおい、スカーさんいつの間にやっ・・・というより父親誰ですか・・!?」
最後がよく分からなかったが、面白かった。

{/netabare}
7話 {netabare}
アイが捕まってゴーラ学園に閉じ込められたらしい。
そこからまさかの学園物となる。この作品は章ごとに舞台変わりますね。前期のはたらく魔王さまは舞台があまり変わらないので少しだけマンネリを感じた分を考えればまあいい(はたらく魔王さまはオリジナルが多い上原作2巻しか消化してないので仕方がないが・・)
お風呂のシーンはまさにサービス回って感じか。
スカーさんの子供どうなった?
ゴーラ学園の紫髪の小さい子がスカーさんの子供だと思ったんだけどな・・
勘違いか・・
{/netabare}
8話{netabare}
アリスのフリースローうめええしかも全部綺麗に入るw
アイが純粋すぎるなー
アイがいくら正しくてもピンク髪の彼女は気にいらないと思うからゴーラ学園に出るのを拒むのだろう。
それだけ彼女の過去の闇は深いのだ
しかしアイの必死の説得によって彼女を出るのを同意させる。あっさり変わり過ぎな気がする。尺の都合で心理描写カットしてるのかなー
ゴーラ学園脱出直前に先生と鉢合わせるアイ達。
先生が最終警告してもアイは逆らうから銃弾を放つ
狙った物を必ず当てるアリスのスキルを駆使して先生の銃弾を相殺して先生を諦めて撤退させた。
なるほど最初の冒頭のスーパープレイはスキルを使ったのね。誰か死ぬと思ってドキドキして観てたけどアイ達は誰も死なせず無事脱出した。
そしてまさかのスカーさんが育児放棄ww
神ないはEDの入り方が上手いな 次が気になりますw

{/netabare}
9話 {netabare}
アリスの誕生日祝うアイ。
うむ、俺もアリスみたいな考えだ。
アイは誕生日においてアピールが重要と言う。
なるほどね、私が次の誕生日の時に友達にアピールするか(笑)
うーん
とりあえず、スカーは墓守を捨て(泣いた=墓守を捨てる)赤ちゃんを選んで結婚という流れか。
原作既読者によると、すばらしい塔のシーン丸々全部カットという話が・・ 見たかったなあ
{/netabare}
10話 {netabare}
いきなりアリスが町を焼いて3年4組の皆殺し・・
1話の最初のハンプニーのシーンを思い出す。
銃の音に迫力があり、緊張感が出て良い。
生者によって作られた世界(ループしてます)に居るから年を取れないアリスは「17歳になりたい」という。
なるほど、前のアリスの誕生日はただ単なる物で意味があったのか。
しかしアイとディーの会話から察するにディーはこの世界にずっと居たいと思っているようだ。
アリスは相反するディーを敵と告げて話は終わる。
どんな展開になるのだろうか・・
{/netabare}
11話{netabare}

どうやら3年4組のループの原因はディーのようだ。
過去にディーは死んでしまった。ディーの死を認めない3年4組達がこの世界のループを作ったとアイは知る。
しかし、アリスはディーが死んでしまった事を知らない。
過去にアリスはループの矛盾を作って世界のループを解決しようとして、ディーによって証拠を消して辻褄を合わせられ失敗する。
ディーの行動はアリスの居る世界に存在したいが故の行動だ。
ループを解決するために3年4組の人を殺した時に、
アリス「人としての一線を超えてしまった」
と言ったシーンが、ちょっと涙が出そうになりました。
1話前のアリスは生き返るかもしれないと分かっていても殺したくはなかったのですね・・
ディーの真実を知ってしまったアイはアリスに対して「何かを犠牲にしてまで3年4組を救いたいですか?」
と問う
アリスは、どんな犠牲を払ってまで3年4組を救うと誓う。
それはディーを犠牲しても救うと示してる。
この話を聞いてしまったディーは・・・
で終わりですね、EDの入り形が毎回上手いなあ
演出が上手い、ファンタジー感と緊迫感があって面白い。
ループ解決しても元死んでいるディーは消える運命なのか・・
ディーが可哀想ですね。。
{/netabare}
12話{netabare}
実はディーが死者ではなく、アリスが死者のようだ。
ディーが普通の世界で透明だった理由は
ループ世界の生者が普通の世界に出ると透明になるからか。アリスは死者だから透明にならかったという事か。
アリスがディーを助けたあとに
アリスが3年4組で過ごした日々を無駄にしたくないのセリフで泣けたけど
ループ世界を破壊した後に何故かアリスが生き返ったシーン(fin)を見たら
俺「はっ!?ここで終わらせる!?」
ここで終わるならせめてアリス死んで良かったと思う。
泣けたシーンがちょっと台無しだ
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 29
ネタバレ

ゅず さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

こうゆうのは苦手だけど見る価値あり

一話目から話が重たかったけれど、なんか物語が進むにつれ面白くなりそうな気がする。

そして二話目でびびっときた!
不老不死の設定。墓守の存在。町の秘密。
謎があるとやっぱろ面白いよね!

そして、この男ヒロイン絶対いい人だ!
そして後半はきっと神シナリオパターンだ!
だから見ておいたほうが絶対いい!
二話目で期待度がだいぶあがりました!

三話目
いい最終回だった。
挫折しそうな人はここできりあげたらいいんじゃないかな

四話目
また話が再出発したから、また6話目が最終回になるのかなw

五話目
また話がすごい、ひどくて面白い展開

あいの世界や人を知らない、疑わない、自分の身の危険を感じないところはこの世界をよく知っている人間からみたら
うざい。
なんて幼くて儚くて。そのあどけなさが愛おしくて
むかつく
って感じ

ところでライオンなんだけど{netabare}ハンプニーだったりしないかな?

この世界の人間は死んでも死ねない
から死んだ人も生活している

墓守に埋葬されないと正式に死ねない

ところがハンプニーは死ねない人間
みんなだれもがそうなのに?と疑問になる
↑の意味が
もし墓守に埋葬されても死ねないという意味になったら

どこかで生まれ変わるとはまたちがうけれど
現れるんではないかな?
{/netabare}
ってなったらまたすごい展開だよね

6話目
ライオン仮面は予想を外したが6話目でまた最終回並のいい話!からの超展開!

飛ばしまして最終話
{netabare}まさか、アリスだったとはね。でもアリスも生きて世界に残れた

②アリスがフィーを助けないことによって
フィーが死んで外に出た時実体がない=アリスが生きてる世界

①でも本当の現実はフィーをたすけてアリスが死んだ

③でもアイがフィーもアリスも助け犠牲を出さなかったことでアリスは現実世界に生きて戻ることができた

と世界軸を3つにしたらわかりやすい。
でもあの墓はアリスのだった

①でアリスは自分が死んだ世界軸を変え、外に出ることに成功したがもともと死ぬのはフィーだったのでフィーが死んだことになり、実体を保てなくなったそれが②の世界になり

③アイ(学校に入れる年齢の希少な子ども)が学園にはいったことによって今までなかった歪みができる
そして
アリスもフィーも助けるこれで死ぬ人間はだれもいなくなる

フィーが
12年間が消えるとか言っていたけれど
本当はその倍の24年なんだよ
その証拠に黒板の数字が倍になるのよ
アリスとフィーの分

{/netabare}

この作品今までには見たことない超展開すぎて
人類には少し早すぎたんじゃないかしら

私は面白いと思うし、結構楽しんでいるんだけれど

これ、終わってから噂になるタイプのアニメ
途中で切った人の気持ちもわからなくもないけれど
私は今期の新規の中で一番良かったと思う


EDの曲、切なくていい。
でもなぜか私には幸せの音も一緒に聞こえるんだよね
胸にきゅっとくる音


絶対2期あります
これで終わっていいことないです

この作品はアイが無知だから
人を疑うことを知らないから
人を救うことができる
色々な人間を
平等に救いたいと思えるか


エンディングが見えてきたなぁ

投稿 : 2024/11/23
♥ : 44

92.7 5 ミステリアスアニメランキング5位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1129)
5458人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

原作既読組にとって、この手の作品は・・・?

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
連載開始当初から、緊張感満載のこの作品はお気に入りの作品でした。
お気に入りの作品のアニメ化なので、本作も、とても注目していました。

【原作既読組にとって、この手の作品は?】
原作既読組は、当然、先々の展開を把握しています。
そんな状況の中で、この作品の一番の魅力である『緊張感』を楽しめるかどうか?
そこが、この作品の評価の分かれ目だと思います。
{netabare}
言うまでもなく、私も先々の展開を把握しています。
それでもハラハラドキドキが止まりません。

力のこもった作画。
巧みな演出。
映画のようなカメラワーク。
声優さんの熱演。

全てが上手くかみ合った本作は、『名作』に分類されるべき作品だと思います。{/netabare}

【正直、原作と比べるとかなり話が省略されているんだけどね・・・】
{netabare}全ては、大感動の11話~12話へ繋げるため。
ここから逆算して、必要最低限の物語を紡いでいったという印象です。

エピソードはもっとたくさんあるんだけど、あえて必要最小限のエピソードに絞った。
第2期に回せるエピソードは第2期に回す。

そんな制作陣の苦渋の選択が伝わってきます。{/netabare}

【食用児・・・って、凄い単語ですよね】
{netabare}この単語だけで、この物語の世界観が凝縮されている気がする。
エマをはじめ、子供たちの必死さが伝わってくる。
何かが狂った世の中であることが、ひしひしと伝わってくる。{/netabare}

【ところで、各話のタイトルの意味って分かりました?】
{netabare}各話のタイトル、例えば第1話なら『121045』。
これの意味って分かりました?
{netabare}あれって、『日・月・年』なんですよね。
『121045』=『2045年10月12日』という意味。{/netabare}
要するに、1話から9話までは20日余りしか時間が経過していませんが、9話と10話の間だけでも2か月以上に時間が流れていることが分かります。

この間、エマたちはママだけではなくレイの目も欺き続けたことに・・・。
だから、11~12話にかけて、レイは驚きっぱなしだったんですね。{/netabare}


第2期も期待しています。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 78
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ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

-----
2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 83
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

幸せな一生

アニメーション製作:CloverWorks、監督:神戸守、
シリーズ構成・脚本:大野敏哉、
キャラクターデザイン、総作画監督:嶋田和晃
原作:白井カイウ、出水ぽすか

森の中に佇む、グレイス=フィールドハウスという孤児院。
そこでは12歳までの子供たちが楽しく暮らしていた。
周りとは隔絶された世界。
外部とつながっている場所には鉄製の大きな門。
そのほかは深い森に囲まれている。
優しいママのいるハウスは子供たちの楽園。
里親が見つかった子供たちは、
定期的にハウスから去っていくのだった。

タイトル名はよく考えられており、
ふたつの言葉を合わせたものだろう。
旧約聖書の創世記12章に記されている、
イスラエルの民に神が示した土地である「約束の地」。
そして『ピーターパン』で、
森林の奥地に住み、親のいない
年をとらなくなった子供のいる国「ネバーランド」。
物語のストーリーをイメージしやすくなっている。
「ネバーランド」というと、
マイケル・ジャクソンの邸宅も思い浮かび、
その内実を思うと、さらに印象深い。

主人公のエマ、ノーマン、レイの3人がいい。
ストーリーはもちろんだが、このキャラクターたちが
物語のなかにどんどん引き込んでくれる。
真っ直ぐな性格で頭が良く、運動神経に優れるエマ。
ずば抜けた頭脳を持ち、正しいことを知るノーマン。
冷静な判断力と鋭い観察眼、卓越した記憶力を持つレイ。
彼らの動きや考え方を見ているだけでも楽しい。
いわば、小学生のときのクラスにいた、
何かするたびに驚かされ、私たち凡人を
いつもワクワクさせてくれる同級生たちを想起させる。

3人が互いに想いをぶつけ合い、理解し、
不可能なことをやり遂げようとする。
そして、それぞれに対する複雑な感情を抱えたまま
自らが信じた道を選び取ろうとする。
この関係性の妙が、作品の最も優れている部分だ。

1話からの構成力も見事。
原作の良さはあるのだろうが、
アニメスタッフの力も大きいことが分かる。
大きな流れを1話目で理解させ、
そこから各話ごとに盛り上げていく展開力は出色だ。

良質なハリウッド映画を観ているような感覚。
時代を象徴するような物語も含め、完成度が高い。

幸せな一生とは、どのような人生なのか。
子供たちやママの一生を考えさせられる。

{netabare}最終回でのイザベラの描写が秀逸で、
この時点で物語は完結している。
後のことを描くことが蛇足にならないかのほうが不安だ。{/netabare}
ここまでで実写映画を作っても十分に成立するだろう。

※EDのCö shu Nie 「絶体絶命」がお気に入り。
ピアノの打ち込みとベースが抜群にカッコ良い。
(2019年4月19日初投稿)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 97

75.3 6 ミステリアスアニメランキング6位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (390)
1351人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

退屈と自由

「退屈」。――パスカルやキルケゴールが、
人間存在の根源的な条件として執拗に凝視したこの事象が、
すこぶる哲学的なテーマであることは論を俟たない。

それはさて措き、本作のキーワードは「退屈」である。
古来悪魔は、退屈につけこんで人間を誘惑する。本作では、
退屈した吸血鬼が退屈した中学生を夜の世界へ誘う。どこか古風な筋書だ。
そこに相手との恋を成立させるための、"恋愛ゲーム"の要素も絡んでくる。

「夜」の非日常性が浸透したかのような、
微妙にデフォルメされ、非現実感の漂う物語空間。
吸血鬼が都会のビルの一室で、人間相手に添い寝屋を営んでいたり…。

幻想的な夜空の下の解放感。吸血美少女との深夜の逢瀬。
そんな夜の魅惑と高揚が少年の中で、吸血鬼という存在への憧れと結びつく。
二人が共有する夜の領分にはすでに、地熱のような、火照りのような、
隠微な恋情の兆しも確実にあったはずだ。


コウとナズナ。この二人の恋愛不全には通底するメンタリティーがある。
それはおそらく、「作為」の忌避だろう。

吸血鬼たちは眷族を得るための手段として恋愛を作為する。
純情なナズナが他の吸血鬼たちと距離を置こうとする背景でもある。
だが、「吸血鬼は"生きること"以外に何もしない」ゆえに、
それは「作為」でありながら同時に種族固有の「自然」でもあるだろう。
そして、作為的な自然、 あるいは自然化された作為とは取りも直さず、
我々人間、あるいは吸血鬼たちにとっての「社会」という存在に他ならない。

だから、そこに馴染めずに脱落したコウもまた、ナズナの同類なのだ。
象徴的なのは、子供のころの彼が野球の"ルール"を知らず、
背を向けてアリの群れの行動を観察しているシーン。現在の彼も
「好きでやってる」か「人にやらされてる」の二択で考えると言っており、
つまりは自然と作為とを区別する習性が生来備わっているということだ。
コウにとって恋愛は、ただ面倒な作為とだけ感じられるはずで、
そうした面倒な関係性の集積である学校そのものが、結局どうでもよくなった。

要するに、二人には解放されるべき現実の束縛があり、
「夜」が象徴する「自由」への渇望は、純粋で切実なものだったのである。


さて第11夜。物語は急転直下の展開を見せる。
突如、暴力的に闌入した朝の光によって、コウの「夜」は灰のように消え去る。
そのとき萌した吸血鬼への恐怖が、昼の世界、作為の日常への回帰を促す。
このドラスティックなフェーズの転換が意味するもの、それは、
二人の「退屈」をめぐる長いプロローグがここで終了し、
新たに「自由」をめぐるターンが開始されたということである。


{netabare}なぜ自分は吸血鬼になりたいのか―。
コウはその理由を自問し、自由な夜が好きだから、と自答する。
だが、周囲にもたらす結果まで考えざるを得なくなったとき、
自分の未熟な憧れが思い描いていた「自由」の限界に直面したのである。

悩んでいるコウに、ナズナが謝罪する。

「吸血鬼なんて退屈なだけだよ。ごめんね、嘘ついてて。」

一方、ようやく答えにたどり着いたコウは、それをシンプルにこう表現した。

「・・・覚悟なんてないよ。ただ…
 俺はナズナちゃんに退屈してほしくない…んだと思う。」

ここで控えめに表明されているものは、一つの意志である。
たとえ「自由」が幻想に過ぎず、「退屈」の方が現実であったとしても、
それを自分の責任において選択し、変更していこうとする意志。
いわば「自由」に伴う"責任"を自ら引き受けようとする、成熟した意志である。

そして、不当に奪われた二人の「自由で楽しい夜」を奪還することを宣言する。

「俺はナズナちゃんを好きになる! 退屈なんてさせない。俺といよう!」{/netabare}


・・・そうして、彼らの「夜」が更新される。
最終話のラスト、物語の次なる局面を予告するかのように、
ナズナのピュアでナイーブな内面を象徴する「なずな」のカットが挿入される。

恋愛とは本来利己的なものである。しかし同時に、
自己中心の世界から他者のいる世界へと移行する契機を含んでいる。
それは内面的な成熟の指標ともなり、コウの宣言には明らかにそれが認められた。
一見耽美で背徳的なパッケージに包まれたこの作品の本質は、
一人の少年の出会いと成長を描いた、超本格ジュブナイルなのである。

・・・"だがしかし"(笑)、この結論に自分はかすかな戸惑いを覚える。
おそらく本作の魅力は、意識化される以前の未分化の世界を描いた前半部にある。
序盤に登場した鮮烈きわまる「夜」のインパクトは、我々の思春期の
過渡的なあわいにあった感覚が束の間捉えていた、あの"遥かさ"を思い出させるのだ…。

アニメ第2期制作決定がすでに告知されている。
ポップな外観にやや抵抗を覚えた自分のように、 視聴を迷う向きもあろうが、
ストーリーのロジカルな展開も、イマジネーションの冴えも本物だと思える。
ドラマの構築力についてはもう少し先を観てからの判断になるにしろ、
個人的には必見と言っていい作品ではないかと思う。


2024. 5. 7

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

{netabare}  情報が無くても分かる「だがしかし」の作者の絵柄です。ということは、この作者の最大の特徴は「女性の内面は描けない」ということです。「だがしかし」でほたるはしゃべるだけしゃべりますが、結局内面を見せません。あのグルグルの目は、ほたるの時からおもっていましたが、内面がない非人間性なんだと思います。

 セックスの話は顔を赤らめないで、恋愛の話は恥ずかしい。14歳なのに女性がわからない、性に興味がない。非常に現代的ですね。これは痛い人には痛いと思います。世代が近い人からは共感を得るんでしょうか。
 ノイタミナ枠ですから、この辺りにテーマ性は見出せそうですね。夜の世界とはすなわち「大人の世界」のアナロジーです。新橋的な酔っ払いも出ていましたね。あのシーンがつまり自分たちは大人とは違う側にいるということでしょう。

 つまり、大人の世界を少年が知る話なんでしょう。吸血姫は成長はしません。「だがしかし」の結末は知りませんが、ほたる同様少年の前を通り過ぎるだけでしょう。ちょっとフリクリのハルコの雰囲気もありました。

 それにしてもいい夜空、背景でした。少年が見る夜の世界は不思議な色がついています。それは現実でもあり現実ではない世界で未知の世界ということでしょうか。空を飛ぶというのは飛翔でもあり、また地に足がつかない不安でもあります。

 ナズナさん、肉体はエロかったです。だけど、内面がないのでエロく感じない。それはあの瞳のせいなのか、言動のせいなのか。

 本作の結論がどうなるにせよ、いいところに目を付けましたね。令和の14歳はエヴァのシンジと違い、性に興味がもてない。自己肯定感がないのではなく、自分自身が理解できない感じです。さてどういう話になるか楽しみです。実は成長を否定したりして。それはそれで面白そうです。 {/netabare}



2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

{netabare} まあ、セックスとか伏字にするようなものでもないですが、題名なので慎みました。

 あれ、化物語?という感じでスタートしました。ちょっとメタ的な虚構感を出したいんでしょうか。EDとか見るとそんな感じもあります。

 それは良いとして、なるほど吸血はセックスのアナロジーという感じなんですね。年上のビッチ女…というより食事のためなら「パパ活女」という感じでしょうか。いや、EDとかみるともっと直接ですね。風俗嬢的です。恋愛には照れてしまうという感情が非常に納得できます。

 私はどうも魅力的な売春婦キャラにメチャメチャ弱いので、ナズナさんが一気に気に入ってしまいました。照れると急にナズナさんがエロく見えるのが不思議です。

 EDはすごかったですね。ちょっと信じられないくらいのクオリティでした。美術面でもそうですけど、テーマ性がフルフルで込められている感じです。
 EDではナズナのエロをあえて強調しています。「泡」はソープ嬢的ともいえるし、直接そうでなくてもそういった場面を連想させます。ナズナの本来の生き方を表しているのでしょう。ペットボトルやグラスが溢れでていましたね。露骨なアナロジーですね。

 レモンは何でしょうね。甘酸っぱさの象徴でしょうか。レモンの花子言葉は「誠実な愛」らしいです。それがグルグル回っていたし、レモンから汁が溢れています。
 ナズナさんが、作り物の街を破壊する存在なのはわかりました。イスは普通は権力の象徴ですけど…どうでしょう。光が当たっているのでそういう意味はありそうですが、あまり権力的なイスにも見えません。この辺りが思いっきり何かを象徴していましたね。単純に見れば既存の社会、価値観の破壊者ですが、どうでしょうね。今後どうなるかちょっと楽しみです。


 で、売春婦との恋愛ドラマは悲恋が多いですよね。まあ、吸血姫は直接売春婦ではないですが、住む世界が違う…うーん。少年マンガだからどうでしょう。子供になって遊ぶというのも無邪気に見えて欠落や寂しさですからね。しかもその遊び道具がトランシーバー…おもちゃのコミュニケーションツール…まだまだ気持ちの伝え方が子供だ、ということでしょう。

 いずれ少年が成長すると、やっぱりフリクリみたいに目の前を通り過ぎて行くんでしょうか。他の女性キャラも出るみたいだからどうでしょうね?

 あおりと俯瞰の画面がある作品は作画技術に自信がある証拠でしょう。安心して見られます。
 で、新キャラでましたね。彼女と最後くっついてナズナとは…になるとまさにフリクリですがどうでしょうね?

 とにかく2話、素晴らしいストーリーと演出、EDには感動しました。視聴は決定ですね。 {/netabare}


3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

{netabare}  改めてOPじっくり見ると、OPのイチジクの葉ですけど、恥ずかしいものを隠すの意味があります。りんごは禁断の果実でもあり、誘惑でもあります。まあ、そういう話ですね。吸血で友達の前でそういうのやめてとか。いつもやってるの?とか。EDもそうでしたが、本作は全編にわたってアナロジーがちりばめられています。
3話の副題が「いっぱい出たね」ですし。

 アキラと再会した後の、ナズナとの布団のシーンもまさにその行為のアナロジーですし。女の友達と数回あうだけで、俺の事好きとか思春期過ぎるでしょう。なんでもラブ。セリフの通りですね。主人公はナズナを好きになるために一緒にいたのに、アキラにも期待する。主人公のマインドはやはり幼いです。

 で、友達とは何か、なぜ連絡を取らなかったのか、か。そして、学校の存在意義…か。やっぱり既存の社会に対する価値観もテーマなんでしょうか。吸血姫は異質な存在…すべて破壊するもの。夜とは反社会。セックスは隠すべきもの。

 なぜナズナが怒っているのか想像ができない。友達の定義。解答が言葉にならないと何も理解できない主人公。ゼロかイチかの解答を必要とする。現代的ですね。思春期の肉体と精神のモヤモヤに解答が欲しい。そして誰かとつながりたい。生々しすぎます。本作に本能的感情的に反発する人も出てくるのでは?

 これは難しい話ですね。テーマを深掘りするほど訳がわからなくなる沼にはまりそうです。どう展開しどう畳むのでしょうか。

 それにしてもアキラちゃん、ふくらはぎ…腓腹筋、ヒラメ筋が発達しすぎですね。3:42を見てください。ナズナが夜の女でなよっとしているのとは対照的です。スポーツやっている設定かな。この辺りの対比にテーマ性を集約して絵で見せたのだとすれば作画はものすごく優秀ですね。

追記 あれ?肩幅も広いし…アキラって名前って…ひょっとして男…にしては胸あるよね???ただ、髪型とか、顔の造形とか…んん?腰から下の骨格と子供のころの足が内股なのは女性的なんだけど…ただ、瞳と睫毛がなあ…

 幼馴染の性別は疑えの原則が発動?名前が中性的だし…うーん。ブルーピリオドの1話ではちょっと騙されたしなあと思ったら声優さんが??? {/netabare}



4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


{netabare} なんか「14歳すぎ」ですね。見ているのがすごく恥ずかしいです。思春期のモノローグ。キスがどうとか性行為とか好きとか嫌いとか。手が触れるだけで恥ずかしいとか。

 遊ぶとか寝るの意味をどうとるかとか。少年誌だから暗喩で終わるんでしょうけど、問題は内面にどこまで踏み込めるかです。ナズナさんは舞台装置なので、もちろんコウの内面です。アキラまで行ければなおいいですね。
 せっかく恋愛と性行為の対比をしているわけですけど、今のままだと寸止めドキドキで終わるんでしょうか。少年誌だから限界あるし、そのための吸血姫ですからね。
 
 とはいえ、朝井アキラちゃんを出すことで設定の理解は進んでいます。結局、朝井アキラちゃんは思いっきり巨乳少女そのままでしたね。男だったら面白かったのに…と思いつつも、アキラが求めているのは友情問題、孤独などはあるみたいですね。

 恋愛ゲームのシーン面白かったです。プレステだし。萌えをメタ的にギャグにしているし…

 視聴継続して、また新キャラが出てきたり方向性が分かってきた辺りでレビューすると思います。 {/netabare}


5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

{netabare} あるいは彼女が風〇嬢だったらどうしますか?それで生活していたんだけどなあ、と言われたら。

 いや最高でしたね。「楽しいのもストレス」というのも良かったし、なんかNTR…ではないですけど、彼女の昔の性体験を聞くようなドキドキ感。それが風俗勤めとか…

 男心と思春期の性欲。すごい話です。なんとなく思春期に引き戻されたような感覚がとてもいいです。

 あとナズナちゃんのエロさって肌の色?{/netabare}


6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

{netabare}  会社員の日常のしんどさ。会社の仕事が日常生活に精神的に喰いこんできます。さらに白河さんの場合深夜の呼び出しがありました。彼女に必要なのは非日常でした。

 その非日常の最たるものがナイトプールですね。プールというのは水が大量にある、というだけで不思議な場所です。そこに深夜、半裸の男女がいて、妖しい照明に、更にお酒も入って…さらに塩素の匂いなども相まって、普段の意識とは全く異なる世界です。これは催眠にかかっているようなものですね。

 そこでナンパをしていた男2人が思いのほかいい人というか普通の人というのも注目ポイントでしょう。解放によって性格が変わるんでしょう。また、解放することが苦手なコウ君がナイトプールで一人だけ日常から抜け出ていなかったのも描写として優れていました。

 そして、学校のプールに真夏に忍び込んで遊ぶ。これもまた、中学生くらいのときにやる非日常です。中学生のコウくんにとってナイトプールは場所が異質すぎて解放感よりも警戒感なんでしょうね。むしろ中学校のプールくらいのほうが、コウくんの非日常にとっては、リラックスできるのでしょう。ナズナちゃんと2人きりになれますし。

 思春期のコウくんと白河さん、そしてナイトプールの2人組。それぞれの日常と非日常。ストーリー展開も見せ方もとても素晴らしかったと思います。

 これを見ると本作のいう夜更かしは「変性意識状態」についてを描いているということがわかります。変性意識状態というのは、ググって貰えればわかります。(ウィキの説明はたいしたことがないので、変性意識-盆踊りとか変性意識-音楽、変性意識-登山とかでググってみてください。)

 意図してか図らずもなのかわかりませんが、非日常の中に身を置くと自己肯定感につながるそうです。その一方で宗教的なトランス状態に陥り、洗脳にかかったりもするみたいです。要するに薬物ですね。
 そういうところを掬い上げたこの6話は、非日常の大切さ、人間というものが非常に良く描けていました。

 レジャーや遊び、そして違う人と話すこと。これの有効性も表現できていたと思います。

 つらい現実もあり、NTR的なモヤモヤ、エロスもあって、何か人の心をざわざわさせる回でした。かなりの人の心に刺さるのではないでしょうか。生々しすぎて正視できない人がいても不思議ではないですね。

 なお、アキラちゃんはもう出てこないとなると、それぞれのキャラはゲストキャラ?となるとゲストで1テーマがあるんでしょうか。アキラちゃんの回では友情と男女…と短絡的に読み取っていましたが、描かれている内容はもう一度確認しておいた方がよさそうですね。


追記 「変性意識」ですが、ググり方は「変性意識-ハレとケ」…でもいいですね。ハレとケ…つまり共同体も祭りもなくなった現代人が生き残るためには?という、非日常という生存戦略をアニメという形で見せてくれている感じがあります。

 それとナズナちゃんの家がいわゆるミニマリスト的な感じなのも含意がありそうですね。モノを持つこと、持たないことの意味も考えたほうが良さそうです。 {/netabare}


7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

{netabare} 人間が増えて行く分にはよかったんですけど、吸血姫かあ…答えが全部ではないですけどセリフで語られてしまいましたね。せっかくの文学的なモヤモヤがあったのにちょっともったいないですね。
 吸血鬼同士の会話に女のテクニック的なものがありましたけど、やっぱり実際にコウくんを外で順番にナンパ(死語?)してほしかったなあ。

 ちょっと作者があきちゃったんですかね?それともこの退廃的な雰囲気が少年マンガでは受け入れられないので、分かりやすくしちゃった?
 最後の感じだと吸血鬼化にタイムリミットがあるんでしょうか。

 それにしても、不思議な街だなあとおもってましたけど、今回って海浜幕張?の幕張メッセ周辺?まあ、いろいろお世話になった場所なので何となく記憶にあります。
 あれって京葉線の高架っぽいですよね。で、ラウンジ的な場所の背景にあったのはメッセの国際展示場に見えました。あの最後にいた場所は近隣のホテルのラウンジかスイートルームの一部かなにか?
 ただ、初めの喫煙所ですけど、駅は海浜幕張ではないと思いますので、隣の新習志野辺りなんですかね?確認してませんけど。{/netabare}



8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

{netabare} 1年っていうのは、どうでしょう。受験までの日数のアナロジーでしょうか。中学生の大人になるまでの悩みですから、当然タイムリミットはあるでしょうね。となると、本作はやっぱりフリクリエンドな気がしてきました。

 ナズナちゃんが「好きになる」という気持ちがわかったらどうでしょうね。旧来の価値観だと目の前からいなくなるのが正解です。つまり、最後の事件としてあの吸血鬼との抗争の末、吸血鬼になれなくても命は助けるけどみんないなくなるとか記憶をなくすとか?
 期限がついたということは、ナズナちゃんは彼を眷属にしないし、彼の前から去ってゆくのが一番濃厚ですね。

 ナズナちゃんは、おいしい血をすう…つまり、メリットがあるから近くにいます。いっぽうでコウくんは現状から逃げたいのでナズナちゃんにすがります。この関係が崩れないと成長がないです。既存の価値観を崩すということで、工夫がある終わり方になると面白いのですが、どうなるんでしょうか?

 キャラ的には「だがしかし」の焼き直しになりそうな配置になってしまいました。原作者は多分女性の描写が苦手なんでしょうね。ホタルちゃんほどではないですけど、ナズナちゃんの内面も非常に単純だし、他の吸血鬼はステレオタイプのビッチあるいは婚活女子だし。
 となると「だがしかし」の最終回のがっかり感を再現するんでしょうか。少年向けだからしょうがないとはいえ、唐突というか無理やりすぎでしたね。

 全体的な構造が非常にわかりやすくなってしまいました。極めて思考的観念的になって行きつつあります。夜更かしの感情的感覚的情緒的な話から、どんどんわかりやすく思春期の悩みを見せてしまっています。特に7話以降で当初の幻想的な訳の分からない話の中のモヤモヤ感が急速に薄れつつあります。

 話展開させないで、最後突然ナズナちゃんがいなくなる、みたいな感じがよかったかなあという気もします。まあ好みの問題ですけど。{/netabare}



最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、{netabare} 添い寝マッサージ店で無届けの未成年就労してみたり、
ラブホに女を連れ込んで?{/netabare} みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
{netabare} 疲れ果てているのに上司の呼び出しに応じようとする白河さんを止めようとする件。
昔、辞めた会社で上司の無茶振り出社命令無視して、高速爆走した夜を思い出して、{/netabare} ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
{netabare} 吸血鬼になれる期限は一年{/netabare} など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、{netabare} 先っぽだけだからだの、ズッコンバッコンのできちゃった婚{/netabare} だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなると{netabare} 恋愛学一生赤点レベル{/netabare} のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。{netabare} 性別の壁を超える{/netabare} ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、{netabare} ナイトプールでナズナちゃんナンパしてましたw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 31

89.4 7 ミステリアスアニメランキング7位
ひぐらしのなく頃に解(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (2921)
13682人が棚に入れました
昭和58年の夏、都会から遠く離れた鹿骨(ししぼね)市にある寒村・雛見沢の夕暮れ時にはひぐらしの合唱が木霊していた。
圭一達いつもの部活メンバーは、他愛のない日常を過ごしていた。ただ、その平穏な日常を一変させるあの日が近づいて来ていた。
毎年6月に行われる祭「綿流し」。過去4年続く、祭りの日に繰り返される惨劇…。はたして、惨劇は今年も繰り返されるのだろうか?それとも…。

声優・キャラクター
保志総一朗、中原麻衣、ゆきのさつき、かないみか、田村ゆかり、堀江由衣、茶風林、大川透、伊藤美紀、関俊彦、折笠富美子

mymyW さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

泣けた。これはさいごまでみるとわかる

これは最後まで見るべきだと思った。最後まで行くとひぐらしのなくころにの時とまたちがう、感動が味わえた。     見はじめはくだらない、くだらないとおもっていたけど、何々編とかの後半グロくてびっくりしたけど、話しの最後になるとものすごく泣ける作品だと思った。
ちなみに観るときはくだらないっと思わないでまず最後まで見てください。
きっとあなたも感動して泣いてしまいますよ。
歌も最高です。イメージと合っていていいと思いました。
それと、姉に言われてみたんですが姉もこれはかんどうしたーーと絶賛しています。
あっでもある程度の年になってからみてくださいね。
結構りあるだからこわいのが苦手な人は注意してください。
また、新しいキャラクターも出てきます。
私としてはそのキャラクターはけっこう好きです。
また、話は変わるのですが、
皆さんもみたらレビューを書いたりしてはいかが?
見た人も見てない人も友達におすすめだよってすすめてはどうでしょうか。
こんなに怖くて、感動して泣けるアニメはなかなかないとおもいます。
これは、なかでも私が気にいってお勧めするさくひんの1つです。
みなさんもぜひみてください。







































































おすすめです!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 14
ネタバレ

ぶらっくもあ(^^U さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「私たちは運命を打ち破るっ!」

2007年2クール 原作 竜騎士07 / 07th Expansion  
監督 今千秋  制作 スタジオディーン 

原作未体験、パチンコ初見(←オイっ)
ひぐらしシリーズ二期にあたる本作、
二期という事は当然一期もあるのです~、
一期未視聴なよい子の皆さんはそちらを先に、
見やがれなのです~♪(梨花病)
一期観ないとダメなのかな~?かな?(←レナ病)

い、いや二期解単独でも面白いかもですが、、
例えばっ、
風呂上りの一杯のビール、美味いですよね、
渇いた身体に浸み込むからですね、
物語把握的意味合いのみならず、
謎解き勿論(私の場合渇き飢えそして怒りでしたが)
欲すれば欲するほど解は美味しいし、
感情移入もできるのです、
二パ~ヽ(^^)ノ

という事で、とにかく物語性質上一切のネタバレご法度な本作、
いつもならネタバレタグ貼りつつも、、
役にたって無いんじゃね?
的いいかげんな過去私レビュー反省してるうち、
論点訳わからない痛いレビューになってるやもですが(←イツモノ事ダ)
ご容赦<(_ _)>、

エロともかくグロには全く耐性ない私メでありますが、
かなり頑張って一期を一気観した訳であります、
結論から言うと、
物凄い飢餓感、精神的渇きに襲われました、
どの様な渇きかと申しますと、
「何でそ~なるのっ!?」(←コント55号調×シリアス調〇)
誰が悪いの!?何が悪いの!?諸悪の根源は!?
こうした謎そのものに対する渇飢餓感さることながら、
それよりもとにかく厄介だったのが、

怒りです、

こんな幼気(イタイケ)な少年少女が、
なんでこんな酷い目に遭わなきゃならねえんだ!
観てるうち萌えだのグロだのともすれば謎さえ、
もうどうでもよくなって、これは感情、怒りですね、

誰だろうが何だろうが許せん!
「オメ~ら○×じゃネー叩き切ってやるっ!」
この時既に私は破れ傘ならぬ、
精神的に{netabare}立派な雛見沢村住民状態、
レベル4~5くらいの {/netabare}
やばい状態だったのかも知れません、
このままじゃまずい何とかせねば、、、
渇きとか言ってたら喉も乾いてきた、
掻き毟りたい~バットないかバット、、
ヤバいっ!

{netabare} ワクチンとか無いし助けて女王梨花ちゃん~{/netabare}
という事で、
一期終了後即二期解に移行という有様でございます。

私のような本作遭遇アニメが初な方々というのも、
本作放送当時も多々おられた事でしょう、
一期観て私同様な飢餓感に襲われた方も少なくないはずで、
それ想うと即二期に行ける私など幸せな部類?
当時の皆様はどのように飢餓を克服しておられたのかな?かな?
等要らぬ心配(←好奇心)から当時の文献紐解くと(←wiki見ただけ)
ナント!
「ひぐらしのなく頃に解」が「諸般の事情?」で、
12話打ち切りな地方もあったとか、、、
酷いね~解12話ってそれじゃ~まるで、
私みたいな症状呈する人間にとっては生殺しだよ、
「諸般の事情」ってのは当時起きたとある事件らしいんだけど、
ストレス貯まってかえって逆効果じゃね?
アニメだけじゃなく原作原本含めこの物語きちんと検証すれば、
文字通り解の意味解る事だと想うし視聴者バカにした安易な手段、

まあしかし隠されれば尚更観たくなる!
というのが人の性(←サガって読んでね~AVのモザイクじゃないのです~ニパッ)
加えこれだけ飢餓感与える作品だし、
まあこういう事象も水面下口コミ侮るなかれ同様、
話題性含めこの作品の人気の起爆剤になったのかもしれないけど、

さてさてこの二期解だけど、解という文字から、
物語(ミステリー)の答え、解答?という意味で受け止められかねず、
それも間違えではありませんがあえて言います、
この二期解の根幹は、

運命に抗い未来切り開こうとする者たちの物語、
幾度繰り返し酷い目に遭い続けた運命の檻、
そこからの解脱がテーマです。
{netabare}
原作が同人ゲームという事で、当初アドベンチャー型、
(主人公なりが会話等選択枝選び望むエンディングに辿りつくみたいな)
なのかなとも想ったのですが、
そうでもなかったようで、
ただアニメ観ててそれに近い感覚はありました、
チクショウー悔しいークソクソ言いながら、
XBOで岡部になりきりヒロインなり救おうとしてた、
シュタインズゲートに近い感覚とでも言うのかな、
ネタバレになってないかな?かな?(←レナちゃん病)
気をつけやがれなのです~にぱ~っ♪(←梨花ちゃん病)
{/netabare}
そう、一期各章及び二期前半等で、

「何でこの子達がこんな目にあわにゃならんのかいな!?」

この私的怒りが、
運命に抗う主人公達に自然に感情移入を即し、
クライマックスに向け頑張れー頑張れー!
随分酷い目にあわせてくれたじゃネ~か、
只じゃおかね~こんちくしょ~!
キャラ感情移入半端なし(←根が単純)
って事でみんなで観よう二期解祭り囃子編♪

梨花「私たちは運命を打ち破る!」そうだっイテマエ~っ!

だがしかし、敵もさる者一筋縄ではいかない!
こっからのクライマックスも最後まで見事ですね~♪
{netabare}
退路詰まるピンチもあるけど、、
奇跡の起し方?!梨花さまカッケ~っ(ナンカ敬称二ナッテルシ)
葛西ワケ有用心棒も赤坂も永き脇役返上的大活躍いいね~♪
詩音ちゃん♪ここでか~そうだったんか~♪
最後の最後まで諸悪の根源もけっこうシブトイ、
{/netabare}
はたして主人公(達の)運命やいかに?
という事で、

観るのです~♪なのです~♪(←梨花進行型痛い病)
{netabare}
加え例えば児童虐待防止法等の矛盾点、
何か起きるまで動こうとしない、
起きても責任逃ればかりな旧態依然公務員体質等、
社会的問題提起も描かれ興味深いものでした、
或いはアニメ限らず映画やドラマの刑事ものでアリがちな、
腐れ上層部からの圧力やら政治介入等のおヤクソク的エピソード、
乗り込んできた腐れキャリア組一本背負いのたたき上げ老刑事の件は、
気持ちよかったな~♪
{/netabare}
一期ともども二期も音楽いいですね、
世界観シンクロ率抜群の歌詞と共にOP、ED曲もよかった、

加え「ふにゅ~」と「しやがれ~♪なのです~♪」の、
予告編ってより梨花&羽入コーナーもオモシロ楽しかった、

幼女梨花、妖女梨花、瞬時切り替えも見事な中人だった「田村ゆかり嬢」
声萌えでした。にぱ~っ♪


という事で梨花ちゃん羽入ちゃん及び主人公の皆々様方、
久々クライマックス&ラスト気持ちよく、
私{netabare}の病{/netabare} も貴方がたにめでたく?救われた、、、、
のかな~?かな?カナカナカナカナ、、(←ひぐらしの鳴き声)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

解は解決の解

原作未プレイ。
1期である「ひぐらしのなく頃に」の続編にあたります。

1期のレビューはこちら↓
http://www.anikore.jp/review/388764


1期と比べての印象は、

・絵がキレイになった
・猟奇的表現が控えめになった
・ミステリーっぽくなった

つまり、あまり怖くなくなりました。

さて、「解」とは「問題に対する解答」を表すのではありません。
「問題を解決するにはどうすればいいのか」という意味の「解」です。
「解答」ではなく「解決」の「解」なんですね。

物語を通してのテーマは「信頼」でしょう。
{netabare}
今まで起きてきた事件のすべては、人を「信頼」しきれなかったがゆえの惨劇。
惨劇を回避するチャンスが与えられ、何度繰り返しても、どこかでほころびが生じてしまう。

「どうしてそこで『最後のひと押し』ができないんだ!」

何度そう思ったことか……。
{/netabare}
だからこそ、すべてが解決した時は感動でした。

正直、最終エピソードは、それほど緊張感がありません。
単発で見ると、なんだこれは? という印象になると思います。
しかし、そこにたどり着くまでの50話があったこその感動。

設定とそれを生かしたストーリーは、文句なしに良いです。
だからこそ、1期での過剰な残酷表現がもったいないです。
2期を見る前に、ドロップアウトする方がいると思うので……。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 86

82.2 8 ミステリアスアニメランキング8位
残響のテロル(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2161)
11410人が棚に入れました
ある夏の日──突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。

声優・キャラクター
石川界人、斉藤壮馬、種﨑敦美、咲野俊介、潘めぐみ

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

希望

スカパーにて再放送してて2週目!

名前のない二人の少年がテロをおこすお話。
とある計画のために施設で育った少年たちは数字で呼ばれていた。
生き残った少年、ナインとツエルブ。

すごく頭がよくてとにかくすごいと思いました。
ナインとツエルブが爆弾作ったり設置したり
動画流したり
そんなシーンをもうちょっと観ていたかったですヾ(●´□`●)ノ

警察との戦い観てておもしろかった☆

途中もう1人の生き残ったハイヴの邪魔が入り
ハイヴvsナイン&ツエルブの戦いになって
もはや私は頭がついていかなかったです。
難しすぎる!!

そんな戦いも決着がつき
二人の最終計画もとげられる。
あの最終回のオーロラの様な光のシーンは本当に綺麗だった。

ヒロインのりさの存在は個人的にあんまり
好きにはなれなかったけどまぁ必要でしたね。

結末は悲しかったです(´;ω;`)
テロなんて問題なのは分かるけど悪魔でアニメの世界としての評価は
私は良かった作品だと思いました(*´ω`*)
OPはなんだか不思議で独特♪
有名な方がこの主題歌作られてますね。
作中使われるBGMも不思議な独特感でよかった!

結果悲しかったけど、おもしろかったです!
ツエルブが好きになりました。
あんな風に助けられたら好きになっちゃいます笑

彼等の最後のセリフと
VONの意味を知った時
彼等の生きてきた道が走馬灯のように頭に流れてきました。

忘れないよ。って言ってあげたいです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 88
ネタバレ

ツミツミン さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「それは、とても暑い夏の…太陽のような笑顔と、氷のような瞳。」

(今回は、いきなりキャスト紹介から!あらすじは感想コーナーにほとんど入ってるのでw)

★キャスト★
ナイン / 九重 新ー 石川界人
ツエルブ / 久見 冬二ー 斉藤壮馬
三島 リサー 種﨑敦美
柴崎 健次郎ー 咲野俊介
倉橋ー 手塚秀彰
羽村ー 逢笠恵祐
六笠ー かぬか光明
ハイヴー 潘めぐみ

★主題歌★
オープニングテーマ:「Trigger」
by Yuuki Ozaki (from Galileo Galilei)

エンディングテーマ:「誰か、海を。」
by Aimer

★感想★
監督は渡辺信一郎、音楽は菅野よう子が手掛ける、完全オリジナルストーリー。本当に、最高に面白かった!><。雰囲気はなんとなく、デスノートに似た、ちょっとダーク系です。

キャッチコピーは、「この世界に、引き金をひけ。」監督によると、「世界のあちこちでテロが起きているけれど、それがもし日本で起こったら自分たちはどう対処するか。」というのが話の軸になっているそうです。

とても静かに始まって、静かに終わるような物語でした。ギリシャ神話のオイディプス王の話や、色々難しい内容が入っていて、ストーリーを理解するのは難しかったけど、だからとても深く、重く、考えさせられるアニメでした。

最初はリサの学校でのいじめや、家族のことで胸がすごく締め付けられました。ああいういじめ、私も実際にやられたことがあるので、リサの気持ちがすごくよく分かりました。でもあのお母さんはちょっと…なにかの病気なんでしょうか。お父さんがいなくなるだけであんな風になるのはどうかと思います。それにリサのお母さんに対する冷静さといったら!本当にすごいと思います。私だったら絶対にいろいろ言い返してるだろうな…汗。

さて、お次はナインとツエルブの話。その前にアテネ計画の話を少し。

{netabare}アテネ計画とは5歳以下の知能指数の高い孤児に新薬を投与し、人工的に優秀な人材を育成しようという計画。新進平和塾によって極秘裏に進められ、26人の孤児が被験体となった。しかし、新薬に耐え切れなくなった多くの被験体が死亡しアメリカの介入によって7年前に中止された{/netabare}…まったく、ひどい話ですよね。

{netabare}その26人の中で生き残ったのはナイン、ツエルブとハイヴだけ。ただ、三人も新薬のせいで長くは生きられないと自覚をしています。だから「時間がない」と言っていたんでしょう。

ナインとツエルブはあの恐ろしい計画を忘れかけている日本に復讐しようと、自分たちをスピンクス1号(ナイン)、2号(ツエルブ)と名乗り、警察に自分たちが仕掛けた爆弾を解除するようにネットからなぞなぞ動画を配信します。それにしても、スピンクス1号とナインの変わりようがすごいです。ナインはかっこいいキャラなのに、スピンクス1号の時はちょっとチャラチャラしてる悪人っぽい雰囲気を出しています。さすが石川さん。それと動画の中のなぞなぞが難しすぎっ!一問だけ解けたのはあの「朝に4本、昼に2本、夜に3本」です。解けたっていっても爆弾のありかまでは無理ですね。「人間」っていうことだけは知ってました笑。それにこのなぞなぞに「オイディプス自身」っていう答えもあったなんて!ギリシャ神話は面白い!って思う私はやっぱりどこかおかしいのかな…汗。

なんか話がずれているような…とまあそんなこんなでハイヴが出てくるわけです。ハイヴは顔からして髪型からして性格からして、すごく嫌いなタイプです。一番ハラハラドキドキしたのはやっぱりあの空港での勝負!この回は柴崎さんが初めてナインとツエルブに協力して、ハイヴを負かします。ハイヴが負けた!みたいな顔した時は本当にスカッとしました笑。でも柴崎さんがナインたちと会えなかったのはちょっと残念。泣 {/netabare}

ハイヴ嫌いだったけど、ハイヴが{netabare}自殺{/netabare}する時は何故か悲しかった…{netabare}「私の分まで生きて」{/netabare}って。ハイヴってナインのこと、 {netabare}好き{/netabare}だったんだね…てっきり、ただ勝負に負けて悔しかったからあんなに追い掛け回してるのかなと思っていました。汗

最終話。すべてのことが終わるこの回。{netabare}空中で原子爆弾が爆発し、綺麗なオーロラ(?)が出てきて…原子爆弾って悪いものなのに、なんかよかったーって思えました。そのあとはちょっとだけ、ほのぼのシーン。ナイン、ツエルブ、リサの三人が、アテネ計画が行われた所でボール遊びをします。「ああ、終わったんだ…」って安心してた頃に柴崎さんが。「お前らを逮捕しに来た」って…それでナインたちの真の目的がはっきりしました。「誰にも握り潰す事が出来ない状況を作り出すことであり、もう一つの目的として、その事を突き止めて、捕まえに来る人間を必要としていた」。その役割が柴崎さん。そして柴崎さんがオイディプス…だからナインたちはスピンクスって名乗ったのかーっと納得。してる間にクライマックス的な方向に。ツエルブが銃で殺されて、ナインが新薬のせいで死んじゃって…ナインが最後に言い残した言葉。「俺たちを、覚えていてくれ、俺たちが生きていた事を」。ここでもう悲しくて、苦しくて、切なすぎて、私、すぐに泣く事すらできなかったです。状況がよく飲み込めなかったのかな…さっきまであんなに元気よく遊んでたのに、もうあの二人は起きない…あの太陽のような笑顔と氷のような瞳を見る事はできないんだって思った瞬間、号泣しました。 {/netabare}

そして最後に明かされる「VON」の意味。{netabare}アイスランド語で、「希望」 {/netabare}…

他の人が忘れても覚えていよう、彼らのことを…あの暑い、夏の日の出来事を、ずっと、ずっと…

★動物★
・くるりん:あれ?これ動物じゃないな...笑笑。第1話で出てくるツエルブが大好きなマスコットです。ツエルブ曰く、あのアリみたいな頭についてるやつが可愛いらしいです笑笑。そういう風に考えるツエルブも、可愛い♡(実はテロルの中で一番お気に入りのキャラ)。実はこのマスコット「くるりん」のモデルは都営バスのマスコット「みんくる」だそうです。すごく似てますwあと斉藤さんのくるりんの声がすごいです。

長いレビュー読んでくださって、ありがとうございました<(_ _*)>

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

アムールトラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

戦慄のアニメ

こんなに自分の奥底から震えがきたのは本当に久しぶりです。

こういうのを、人生を変える作品っていうんじゃないかと思いました。
少なくとも、私の人生はほんの少し変わりました。

レビューを書くのもおこがましいくらいに思う作品でした。

でもあえて書くなら、今までに見た作品で最も「人間」を描いた作品だったと思います。
新たな境地に出会った気分でした。

この作品、見ている時もそうですが、後からも心に来ます。深いアニメだと思います。

作品を混同している上に変な感想かも知れませんが、邪道だなあと感じました。
変な例えになってしまいますが、亜城木夢叶(バクマン。)がかきそうな作品だと思いました

投稿 : 2024/11/23
♥ : 19

72.7 9 ミステリアスアニメランキング9位
CANAAN カナン(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (972)
6061人が棚に入れました
渋谷で起こった大規模テロから2年。少女・カナンは、上海で対テロリスト組織の依頼により、武装集団「蛇」に対抗する日々を送っていた。渋谷テロの実行犯と目される「蛇」の首領・アルファルドは、かつてカナンと共に戦った仲間でありながら、現在は袂を分かち、南アジアで潜伏を続けている。
一方、フリーライターの御法川は、日本の三流雑誌社「ヘブン出版」の取材で、カメラマンで助手のマリアと共に上海へ向かっていた。マリアはそこで、中東で知り合った少女・カナンの気配を感じる。
華やかさと猥雑さが交じり合う"魔都"上海。かつて渋谷を震撼させた"ウーアウイルス"の脅威の影で、それぞれの運命が再び交錯を始める…。
ネタバレ

フーカム さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

見えないものを見ようとしてカメラのレンズ覗きこんだ(誤解を招く表現になっていたので少し最後の方のタイトルの解釈を修正)

同じような境遇を持ち兵士として育てられた二人の生き様を描いた物語
共感覚という新ジャンルを用いたこの作品は決してガンアクションがメインではない
どちらかというと視聴者側にゆだねられる心理描写が中心にある
ぜひ、その目で見てその耳で聞いて感じてもらいたい

自分なりにいろいろと考察してみましたが難しい(>_<)


1話「洪色魔都~こうしょくまと~」
{netabare}
タイトルは洪水のように色んな人の気持ち(色)があふれている異様な上海と好色的(こうしょくまと)でカナンが人形には色が無くて好きだといって射的の景品の人形撃ったのと掛けてるんだろうな

*冒頭のシャムのセリフ
戦争によって過去を奪われた犠牲者 = カナン
権力闘争により過去を失った敗北者 = アルファルド


 破壊によって生まれた兵士は憎しみを武器とする
 兵士としての起点は同じでも有り方は異なっている
 憎しみには憎しみで対抗してはならない
 その力で相手を消したとしても憎しみに囚われた
 自分がいる限り憎悪の数は減りはしない
 カナンお前は俺たちとは違う
                        」

これはアルファルドとシャム自身が憎しみを武器としていたってことなんだろうか?いきなり良く分からない(汗


マリアの写真への思い

 この世界には誰もが見えてないものがいっぱいあると思うんです
 ううん…見ようと思えば本当は見えないものなんて無いのに
 わざと目を閉ざしている
 この目でそれを見てしまうのは痛すぎるし辛すぎるから…
 だから閉ざしている
 写真は誰かの目を借りることができると思うんです
 自分の目を閉ざしたままでも誰かの目を借りて…
                               」

これはなんかわかる気がするなぁ
写真という客観的な立場で見るとはっきり認識できるけれど自分がいざ当事者となると見なかったことにしたくなるようなことがある…自分に降りかかる痛みや辛さが嫌だし怖いから
{/netabare}
2話「邪気乱遊戯~じゃけらゆうぎ~」
{netabare}
タイトルはあやとりと命をとったカナンのあやとりのような行為をかけてるのかな?あと邪と蛇を掛けてるんでしょうね

「もし目的でなく個人としての欲望をもったのならアルファルドお前は無敵だ」
シャムがアルファルドに向けたこの言葉の目的と個人としての欲望ってどう違うのだろう?よく分からない
最初はシャムの求める理想通りに強くなることが目的だったけどカナンが現れたことでシャムの視線がカナンに移ってしまったことからまた自分に戻したい(超人になりたい)という欲望ってことなのかな
{/netabare}
3話「阿断事~あだごと~」
{netabare}
タイトルは
阿=自分の意志を曲げて人に従う。
弟が蛇に従うのを断るってことと兄の仇(あだ)を掛けてる?

弟の仇討ちはなんで戦おうとしないでむしろ死ににきたような態度なのかと最初は疑問に思ったけど弟のセリフをよくよく考えれば
「だからこの化物(カナン)を作りだそうなんて無駄なんだって」
つまり初めから勝つつもりはなくて自分たちを操る蛇に対しての仇でありもうこんなことは無駄だから止めろと言いたかったんだろうな

この事件をきっかけにマリアはカナンを拒絶してしまった
これはマリアがカナンには共感覚があることを知っていたし
カナンが弟に敵意がないことは分かるはずなので
「普通の女の子」「強く輝く」カナンが「殺人」をするはずがないと思いこんでいたから
しかしマリアに仕掛けられた爆弾のようなものの色は見えないからカナンは倒さざるを得なかった
{/netabare}
4話「呉れ泥む~くれなずむ~」
{netabare}
タイトルは「呉れ」や「泥む」は古語で
呉れには人からものをもらう
泥むには執着する、とどこおる、慣れ親しむ、悩み苦しむなどの意味がある
・アルファルドはシャムからもらった名前に執着
・日が暮れそうでなかなか暮れない(日=マリア への執着)
・刺青(いれずみ)は親しみを込めて刻んでもらった
・カナンはアルファルドへの憎しみから泥にまみれて悩み苦しむ
ぴったりなタイトルですね
しかも前回のタイトルの阿吽に合わせてか古語を使ってるあたりもうまい

シャムの「目を逸らすべきものは逸らしてもいい」って言葉がマリアのカメラへの思いと対比してていいですね

あとシャムに俺は何色かと尋ねられてカナンが
「薄茶色、1週間シャワーを浴びていない色」
と答え、それに対してシャムが
「見たまんま言っただけだろ」
と言いカナンが笑い出すシーンは最初見たまんま冗談で答えたのかと思ってましたがどうやら本当のことをいってたっぽいですね
そしてシャムが信じていないから笑いだしたという感じでしょうか


 お前はまだ復讐を考えているな、覚えておけ
 憎しみに憎しみであたっても意味がない
 憎しみには義務で当たらなければ救われない
 憎しみは何も生み出さない        
                     」

この解釈も難しい
任務とか命令で当たれってことでは無い気がする
かといって他にいい言葉が見当たらないけど命令や義務は引き受けることで行うから"憎しみを受け入れて"当たるということなのかな

カナンは憎しみで当たってはいけないと分かってはいても
「誰のせいで(シャムを)失った…誰のせいで(マリアを)」
アルファルドのせいで失うのだと思い復讐に向かう

またマリアも謝りたい思いからカナンを探しに夜の街に飛び出す
そして遊びまわった場所を探すものの見つけることは出来ない
そこで怖そうなお兄さんが集まっている路地をみて回想するシーン

 カナンは私が危険にさらされると助けにきた…もしかして今度も
 私がカメラを持つようになった理由…それはカナンに出会ったから
 わからないこと、目を背けたくなる出来事を見つめたかったから、
 カナンを分かりたかったから。なんて甘えていたんだろう、
 あの子を撃ったのは私を守るためだった…
 なのに私は罪の意識から逃れたくてどこかでカナンを責めていた
                               」
ここで自分が目を逸らしていたことに気づく、そして怖そうなお兄さんに絡まれるが、

 私は平気なんだから!
 自分の目で見て自分の気持ちで判断する
 すべての本当から目を逸らさない!
 逃げない…大沢マリアはカナンの友達なんだから!
                        」
と逃げずに立ち向かうマリアを助けに来たのはユンユンでありそして

 大沢マリア!、、、
 私の名前!あなたも教えて!お話したいの!あなたと!
 あなたのこと、カナンのこと…いろんなこと知りたいの!
                           」
なぜいきなり友達になろうとしたかというと
これは目の前の「怖いお兄さんに絡まれる少女」という目を逸らしたくなる状況にカナンと同じように飛び込んできたユンユンだからなのだと思う

一方カナンはアルファルドを倒しに向かうが返り討ちにされる
そのときの回想のシャムの言葉
「恐怖を知っているものは憎しみでは動かない。カナンは俺やお前とは違う。」
恐怖って何を表してるんだろう?またシャムやアルファルドとカナンは違うって一体どうゆうことなんだ
そういえば12話のファクトリーから帰ってきたカナンは恐怖やいろんな感情をもつようになり震えていたけどそれと何か関係あるのかな?

アルファルドのセリフに
「ありがたい、私と同じとこまで落ちてくださった」
とあるため、シャムをカナンに奪われたことに憎しみを感じていたのは間違い無さそうだけどそのあとに

 どうだ?憎しみから戦う気分は
 泥のようだろう?
 あがけばあがくほど引きづりこまれる底なしの闇
 その屈辱に私は耐えてそして這い上がった
                       」
と言っていることから今はカナンに対して憎しみではない何かを抱いているのだろうか?それとも憎しみを飼いならしたということなのだろうけど
その証拠としてカナンを撃たずに逃がすが
「まだ殺さないまだ楽しめる」
と言っていることから今はまだ殺さないけれどいつかは殺す気なんだろう
{/netabare}
5話「灯ダチ~ともだち~」
{netabare}
タイトルは友達の関係を火を用いてうまくあらわしていますね
カナンは消さないように灯すことが友達だと思ってたけれど
マリアは共に照らし合うことが友達だと考えているようですね

なんだかユンユンとハッコウは知り合いみたいだったけどどういう関係なんだろう?

マリアが悲しむからユンユンを殺さなかったけれど共に灯すというタイトルに込められた意味は実現できてない印象
マリアの一方的な欲望に対してカナンが無理に応えて危ないといった風前の灯し火って感じですね
{/netabare}
6話「LOVE&PIECE~ラブアンドピース~」
{netabare}
タイトルは愛と平和(PEACE)という謳い文句とパズルのピース(PIECE)をかけてるんでしょう
欠けたピースとはなんなんでしょう?色々考えたんですけどよくわかりませんでした
愛だけではダメで何かが必要というメッセージだとは思うのですが

蛇の動きがあるということで対テロ国際会議について調べるカナン
そんな依頼をしたわけでもないのに仕事熱心なカナンを見て夏目は
「先手を討つ。全てはお友達のためね」
それに対してカナンの返答
カナン「違う、マリアを失わないためにってそう思ってた…でもなんか違う」
夏目「やっと思春期に突入ね」
ここでカナンに友達に対する考えが変わり始めているのかな?
でも友達って一体なんなんだろう?
{/netabare}
7話「慕漂~ぼひょう~」
{netabare}
タイトルは慕い漂うと書いて慕う心が漂うというのと死体が漂っている墓標を掛けたのでしょう

アルファルドがマリアに対して
「お前のように欺瞞に満ちた女があいつにとってのカナンだというのか」
といっているがアルファルドは何が欺瞞だと思ったのだろうか?
出会ってから話した内容はほとんどないはずである
このことから考えられるのは記憶喪失であること
つまり過去を忘れていることに対して欺瞞に満ちていると言ったと考えられる
過去に執着し過去と戦っているアルファルドにとって過去から逃げたマリアは欺瞞に満ちているように見えたのだろう
{/netabare}
8話「乞~こえ~」
{netabare}
タイトルは乞が「こ」と「え」に似ているからっていうのとハッコウの出せない声をかけてるのかな?
そして乞にはものをねだるという意味があるのでハッコウが声をマリアがカナンをねだっていることもかけてるのかな

夜空の月を見上げながらマリアとカナンが会話するシーン
マリア

 自分のいいところも悪いところも良く分からなかった
 だからいろんなところに旅をしていろんなものを見て
 いろんな人に出会って自分のこと見つめてみたいって思った
 そしたらね空っぽだったいいところも、
 悪いところも無くてただ空っぽだった
 カナンと出会ってね驚いたの、
 すっごい辛いことがあったのにね、輝いてた
 月ってね太陽の光に照らされて輝いてるんだって
 私思った、カナンのそばにいれば
 いつか私も輝けるんじゃないかって
 ごめんね、もうカナンに頼っちゃってた、
 その上守ってもらったりしたら
 むずむずしちゃうよ申し訳なさ過ぎて
 カナンはただそこにいてくれればいい、
 そこにいてくれるだけで私はすっごいすっごい助けられてる
 私もいつか自分で輝けるようになりたい、
 だからずっとそばにいて、わたしのそばにいて
                            」
カナン

 目覚めてすぐにはいつもと感じが違うことには気づかなかった
 マリアと触れてもわからなかった…
 それは色が見えなくてもマリアの優しさは伝わってくるから                                   」

マリアは月、カナンを太陽に例えてるんでしょうね
空っぽのマリアが光るためにはカナンの強い太陽のような光が必要だと
逆に共感覚がなくなって暗闇の中にいるカナンには
共感覚がなくても見えるマリアの優しさの光は月のように見えているのでしょう
{/netabare}
9話「過去花~かこばな~」
{netabare}
過去のウーア(スワヒリ語で花や死を意味する)ウィルスの事件などの話(花死)ってことかな

アンブルームに襲われてカナンが倒そうとするときにハッコウが殺さないでと叫んでいました
このことから前回のハッコウのカナンに対する行動は自分たちと同じような境遇にある仲間(アンブルームやボナー)がカナンに殺されたのが憎かったといったところでしょうか?もしくは上海での弟のようにウーアウィルスの実験がカナン製造のため行われてきたことを知っていたからカナンが憎かったのどちらかでしょうね

そしてアンブルームの死体を撮影しろとミノさんに言われるも一度拒否するマリアはカナンの「普通の女の子」「強く輝く」といった良い面しか見ようとしない癖はまだとりきれていないようですね

またリャンを殺そうとするアルファルドを止めようとするカミングスを見てアルファルドは
「自らの命を彼岸に追いやってまで求め焦がれるものその正体に興味が湧いた」
とあるがこれはアルファルドがシャムを殺したときの回想を見てもわかるようにシャムはまるで抵抗する気が無いように見える
つまりアルファルドはこのときのシャムの気持ちを知りたかった
だからそれと似た行動をとる「愛」とやらに興味を持ったのではないだろうか?

ここで重要となってくるのがシャムと同じ薄茶色をしているアルファルドがカナンに対してどんな感情を抱いているのかである
諸説では「絶望」が有力視されていますがどうなんでしょうか?
これについてはまたあとで述べよう
{/netabare}
10話「想執~そうしつ~」
{netabare}
タイトルは想いに執着することで喪失するサンタナとハッコウを表現してるのかな
サンタナはハッコウの愛(死)の囁きを聴くことに執着しハッコウはサンタナの亡骸に愛(死)を囁きつづけることに囚われ命を落とす
そういった意味では11話のリャンもそうなのだろう

ここでアルファルドから薄茶色のヒントとなるような発言がある
「あいつを見ているとヘドが出そうになる」
「ある男を見ていても同じ気分を抱いた、この気分に名前を付けるとしたら…」
私は最初この言葉からアルファルドが抱いたこの感情は「失望」ではないかと思いました
前回もカナンに対して
「いつになったら本気を見せる」
「私はお前にはいつもがっかりさせられてばかりだ」
など言っていることからもそうなのではないでしょうか?

カナンが夏目に対して言ったこのセリフも面白いですよね
「面白いよねあなたは、私の能力が分かっていてそれでも贖罪なんて口にするの?」
つまり共感覚を持つカナンには夏目が贖罪なんてする気がないことはまるわかりだということですね(笑)
夏目はカナンのこと嫌いだといっていたのは夏目は口で相手を騙し繕うのが得意な人間なのでどんなに取り繕ってもバレてしまう、そしてバレたところで動じず何を考えているか分からないところが苦手なんでしょう
カナンの言うとおり夏目の目的はボナーの研究データの回収でありそれを兵器として売りさばくことや政府の消えた村の隠蔽を揺することですからね(笑)

そしてこの回ではまた薄茶色のヒントが出てきます
それはサンタナの死の恐怖で怯え狂うハッコウを救いに向かうミノさんの色です
最初銃を乱射するハッコウに恐怖し緑色をしていましたがサンタナの
「もし俺に何かあった時には頼む、ハッコウをこの夢から目覚めさせてやってくれ」
という言葉を思い出して救いに向かうミノさんの色が緑からだんだん薄茶色に変化していきます
ここから先ほどアルファルドはカナンに「失望」を抱いていたのではといいましたが、ここでのミノさんは「失望」していたのでしょうか?
私はサンタナとの最後の約束を守るための唯一の「希望」という感情を抱いていたのではないかと思います
そしてアルファルドはシャムやカナンに「希望」を抱いているからこそ「失望」させられているであると
{/netabare}
11話「彼女添~シーソー~」
{netabare}
タイトルはサンタナとハッコウ、リャンとカミングス、マリアとカナンがそれぞれ寄り添うこととシーソーを掛けてるんでしょう
特にシーソーはこの話のテーマの1つなんじゃないかなぁ

           命/愛(絆)

OPの「絆を自ら引き裂いた as judgement 吊り上げて」
もここからきてて愛と命で揺らぐシーソーの天秤を表現してるのかな?

アルファルドがカナンそっくりのボナーを見て言ったセリフ

 別に姿を似せたわけではない。
 共感覚の因子を持ちあわせた人間がウーアによって体質を変化させた
 際には髪の色が抜ける、それだけのこと。
 私が求めていたのはビジネスになるボナーという名の生物兵器。
                                」
その後も
「そう、たまたま似てしまっただけ…」
そして焼払い
「たまたまだ」
と繰り返している
このセリフから受ける印象は”カナンを作りたかったわけじゃない”と思い込みたいといったものだ
これまでの流れから推測するにアルファルドの欲するものはカナンやそれ以上の超人を作り、戦い勝利することで得られる超人という称号であろう
しかし、その結果皮肉にもカナンに似たものができてしまうというカナンの呪縛のようなものを感じたんだと思う
シャムの亡霊同様にカナンの亡霊にまで取り憑かれてしまった…
そんな気分の悪さを拭い去りたかったのだろう

意識を取り戻したミノさんにカナンが尋ねる
「あの人(ハッコウ)はミノさんの希望なのか?
 そうまでして守りたい存在なのか?     」
と聞いていることからも薄茶色はやはり「希望」の色だったのではないでしょうか

戻ってきたカナンを撮りたいというマリア
アンブルームのときはまだ目を背けていたマリアだがここで
親しい人の死を通して様々な感情を持ち"弱く震える"カナン
つまりマリアが見たくはないカナンを真っすぐ見ようとし、決心が実行に移るようになってきたのであろう
{/netabare}
12話「忌殺劣者~きせつれっしゃ~」
{netabare}
タイトルは
   「忌殺」と「季節」
   「劣者」と「列車」
を掛けているのでしょう
「忌殺」はケガレ(感情)を殺すこと
「季節」は四季など "移り変わり" や "様々な表情" を見せるといった意味で使ってるんでしょうね
「劣者」は劣っている者=アルファルドかな?
アルファルドは過去に執着し時間が止まっていたのとあらゆる愛だの憎しみだのといった感情を「厄介なものだ」、「滑稽だ」、「飼いならした」と殺してきた

ファクトリーから帰ってきてからのカナンの様子がおかしいことに気が付いているマリアはカナンを心配し見に行く
そこにはマリアに何かを求めるカナンが居たがマリアは何と声をかければいいのか分からない
カナンは
「マリアが一緒なら(輝ける)…」と思っているが
一方マリアは
「カナンが一緒なら?(輝ける)…」と何か考え始めたようだ

カナンは列車の中でシャムを失ったあの日を重ねる
古びた列車、銃声、血の香り、それらに感覚が刺激されて見えないはずのもの幻がみえるようになってしまう
そこで見たものは死んだはずのシャムだった
 シャム「ここで俺は死んだ」
 カナン「アルファルドに殺された」
 シャム「どうだろうな」
振り返ると亡くなった人たちの姿
 シャム「俺たちは誰に殺されたんだろうな」
ここでカナンは全てアルファルドのせいにしてきた自分を認めたくなかった
持ち合わせの奇異の感覚に頼り切ってシンプルな真実
自分がアルファルドからシャムを奪った事実
アルファルドがしたことは自分がしたことと同じという事実
憎しみに憎しみで当たっているという事実
から目を逸らしてきたのだ

アルファルドはマリアの役目はただ一つでありカナンの本当の力を目覚めさせる起爆材となることだという
ではなぜ今までは生きることが役目と言っていたのに今回は銃で撃つといった矛盾したことをしたのか
それは機が熟したからだ
その答えはアルファルドとマリアの会話の中にある
アルファルド

 カナンは守るべき光がある状態が最も強く、そして恐ろしい
 自分の全てを理解し愛してくれるものの存在があって
 初めてアイツは真の力を発揮する
                             」
マリア

 全てを理解し、愛して?
"カナンのあの顔、あたしの知らない顔だった
 迷いも憎しみも怯えも苦痛も懺悔も全て持ち合わせた"
 普通の女の子だった。親しくなった人の死に怯えて
 体に傷が…いえ心に傷が付けばちゃんと痛くて
 あたしはあんなカナンを…(認められるだろうか)
                          」
この言葉を聞いて起爆材になると判断したのではないだろうか

そしてマリアは気づいた

"守ってもらったりしたらムズムズしちゃうよ"
 その気持ちに嘘は無いはずだった
"カナンはただそこにいてくれればいい"
 私は結局カナンに求め続けたんだ
 強く凛々しく私の見えないものを見つめ続ける
 私を照らし続けてくれるカナンを求めてた
                      」
マリアがカナンに傍にいて欲しいという気持ちは結局欺瞞だったのだ
そしてカナンの光の前に自分はカナンを照らすことはできないと絶望してしまった
そこでマリアは判断し、ユンユンに依頼したのは列車の連結(絆)を切り離すことである
マリアはカナンから離れることでカナンに求め続ける自分と決別したんだと思う

アルファルドがシャムを殺した理由は語られていないが
説としてシャムがカナンに絶望したからアルファルドが殺したというものがあるが私はこう思う
アルファルドが出した偽の手紙
あれはリャンと同じようなことをシャムに対してしたのではないだろうか?
シャムに振り向いてもらいたいがゆえに呼び出して自分の力を見せつけるつもりだったのではないかと
しかしシャムは全く応戦してはくれなかった
その理由がアルファルドがカナンの言葉に対して言っていたセリフ
カナン「シャムは言った復讐からは何も生まれない、憎しみから生まれた兵士はただの敗北者だと」
アルファルド「お前にそれを言わされた時点でシャムの死は決まっていた、少なくともお前が現れなければシャムはあの場で死ぬことはなかった」
シャムはアルファルドの憎しみを受け止めた(義務を実行した)のである
だからシャムはアルファルドが来ることも分かっていた上でカナンに憎しみには憎しみで対抗してはいけないと諭していたのではないかと
不完全燃焼で終わったアルファルドはシャムの亡霊に取りつかれる
そこから解放されるための唯一の希望がシャムに絶望とまで言わしめた真の力を発揮したカナンを倒すことだったのではないか
アルファルドの
「私が殺したいのはお前じゃない、お前を、絶望を殺してシャムの亡霊を撃ち抜く」
というこのセリフにはそれを意味するんじゃないでしょうか
{/netabare}
13話「キボウノチ」
{netabare}
タイトルはCANAANの意味である「希望の地」
カタカナになっているあたり何かありそうな気もするけどよくわからない
冒頭のマリアのセリフ
「あなたに照らされることで心の片隅に生まれてしまう影」
希望後絶望(キボウノチゼツボウ)とかなのかな?

爆発音と共にマリアを失ったとうなだれるカナンだが鼓動の音の描写が入る
このときマリアの命を感じとったということなのかな?
これによってマリアを失う焦燥感が無くなってアルファルドをありのまま見つめられるようになったことで強くなった?
ここでカナンが急に強くなった理由がいまいちわかりません

↓↓更新↓↓

このときマリアの生死は関係なかったのだと思う
カナンは共感覚をもつために他の人より色んなものが見え過ぎてしまう
そしてそんなカナンにとってマリアは優しくキレイに輝く特別な "光" であり一般的な私たちで言えばダイヤモンドのような物だったのであろう
そして爆発音とともにそれを失ったと思いうなだれた…しかし心の中でマリアは生きていることを感じた
ここで初めてありのままを見ることがができるようになったのではないだろうか?

そしてマリアは "光" でなく "友達" だというカナン
今まで光だといってたのになぜここでは否定したのかもよくわかりません

↓↓更新↓↓

ここで光であることを否定した理由も上のことからマリアはダイヤモンドではなく "友達" だからで
この逆でいうとマリアはカナンをダイヤモンドだと思っており
そんなダイヤモンドが光らなくなってしまったら大切にすることができないと感じてしまっていたからだとおもう
カナンが以前に「マリアを守るためそう思ってた…でもなんか違う」というのはマリアというダイヤモンドの光を失わないためではなくマリアという友達のことを想い戦う=気持ちを寄り添わせるために戦っているということなのかな

ここにきて初めてアルファルドの名のもつ意味が明かされます
シャム

 アルファルドお前は無敵だ。だが、もし目的でなく個人としての欲望を持ったのなら、
 そのときには訪れるであろう、お前の名がもつ本当の意味”孤独”が


以前の「もし目的でなく個人としての欲望をもったのならアルファルドお前は無敵だ」という台詞の
 "無敵"="最強" ではなく "敵がいない"="孤独" ということだったのでしょう


列車から落ちそうなアルファルドをカナンが掴むシーンではハッコーの言った台詞と同じ言葉をカナンが発します

    「決定権は生きている者にある」

ここのシーンにおける選択権はカナンだけにありました
しかし銃が落ちることで状況は一変します
ここで権利はアルファルドにも与えられたのです

アルファルドが自分の刺青(絆)を撃ち引き裂くという行為は生きている者として過去との決別とともにカナンに好敵手として生きてほしいと思い選択したのでしょう
ここのシーンも作品のテーマである
 命/愛(絆) のシーソーの1つといえます
ここで大事なことは "気持ちだけ" 寄り添うことなのです
愛ゆえに体まで寄り添わせてしまったのがハッコウのケースでしょう
その逆がリャンチーを失ったものの僧侶として想い続けるカミングス
そして体(絆)を切り離すことで共に生き残ったのがマリアとアルファルドと言えるでしょう

マリアとカナンは境遇が違い過ぎる
だからお互いに危険が及ばないように気持ちだけ寄り添うという形をとることにしたのでしょう(つい最近でいうと(作品名のネタバレ→){netabare}寄生獣のミギーとシンイチ{/netabare}の関係もこれに近い気がする)
OPの
「大事な世界触れぬように mind as judgement Give up!You know!Give up!」
マリアとカナンが判断した結果を確かめ合ってるかのように感じます


またあやとりも冒頭ではお互いを繋ぎとめるものや拘束し命とりになるものの象徴としてありましたが、最後には解けたあやとりでもう元には戻せないと二人を拘束していたものも解けたことをうまく表現していると思いました

そしてタイトルのCANAANですが
2つの説があるみたいですね


 マリアとカナンは境遇を超えて寄り添うことができたので隣り合っているという説

  C          
  A=アルファルド   
  N=境遇       
  A=マリア(もしくはカナン)      
  A=カナン(もしくはマリア)      
  N=境遇


 マリアはアルファルドやカナンとは境遇が違うので隣りあっていないという説
      
  C
  A=マリア
  N=境遇
  A=カナン(もしくはアルファルド)
  A=アルファルド(もしくはカナン)
  N=境遇


あなたはどちらだとおもいますか?






私は後者でこのようになっていると思います


  C
  A=マリア
  N=境遇
  A=アルファルド
  A=カナン
  N=境遇



それは物語的にもそうではあるのですが最後の写真展覧会の描写
アルファルドとカナンの写真の間に立つマリア
そしてその下にある写真のタイトル「CANAAN」を物憂げに触れるマリア

 カナンは生きてる
 その命は激しく輝いて
 この目で直接見るには眩し過ぎて
 でも、目が潰れそうになっても
 私は見つめることができた(CAN)と思う
 それはきっと…普通の女の子の物語
                    」
と呟きながら写真タイトル「CANAAN」にかざす手が

NAAを   「CA●●●N」
NAを隠し  「CA●●AN」
AANを隠し 「CAN●●●」
となっているからである

       CAN~できる~

境遇が違っていても気持ちだけは境遇を超えて寄り添うことができるということを表しているんじゃないかと思います


 また、あるいは人との関わりから大切な人が周りにいるという境遇にいるカナンとマリアを孤独であったアルファルドがカナンを好敵手としてみることができるようになった

  C
  A=アルファルド
  N=境遇
  A=マリア
  A=カナン
  N=境遇

というもうひとつの見方もできそうですね

{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26

チュウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

完成度のなかなか高い作品!

個人的にはTYPE-MOON関連の中では、【Fate/stay night】や【空の境界】よりも好きな作品です!
カナンはもちろん、マリアのキャラの良さがこの作品を盛り立てていたと思います!

そして何より、よく動く!銃撃戦でこれだけの動きの再現は素晴らしく、迫力満載!
また、声優陣もカナン役の【沢城みゆき】アルファルド役の【坂本真綾】に、リャン・チー役の【田中理恵】の3人に関しては迫真の演技でした!!

OPは飛欄の【mind as Judgment】
曲調はカッコ良く、アップテンポなところもこの作品にマッチしていて素晴らしいと思います!!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

atsushi さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さすがP.A.WORKS

原作は知らないが、P.A.WORKSの元請けアニメなのでTrue TearsやAngel Beatsや花咲くいろはと同様に原作はあって無いようなものと思われる。

バトルシーンの作画は素晴らしく、他ではTVアニメでこのレベルはまずない。
ストーリー的にはラストは意味があるものだったが、不思議と続きが気になるほど引き込まれる内容でもなく、なんだかなぁという感じ。
1クールの物としてはレベルは凄く高いのだが、絶対に見ておかないと後悔する、と言えるほど人に薦めたい内容でもなかった。

True Tearsで感動したっていう人なら一応見ておいた方がいいと思う。
自分はアレよりは良いと思った。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

73.1 10 ミステリアスアニメランキング10位
デス・パレード(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1027)
5249人が棚に入れました
「いらっしゃいませ クイーンデキムへようこそ」
何も知らない二人の客を迎えたのは、不思議なBAR『クイーンデキム』と白髪のバーテンダー『デキム』。「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」彼の口から語られるデスゲームへの誘い。やがて剥き出しになる客達の本性。
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム。
裁定者デキムが二人の客へ下す裁定とは…。


声優・キャラクター
前野智昭、瀬戸麻沙美、大久保瑠美、細谷佳正、内山昂輝、白石涼子、柚木涼香、玄田哲章
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

感情の果てには『愛』があったというお話

2015年1月~ 日本テレビ系列にて放送
全12話

突然、何も知らない二人の人物がたどり着いた不思議なBAR『クイーンデキム』
出迎えたのは白髪のバーテンダー『デキム』

「お二人にはこれより、命を懸けてゲームをしていただきます」

半ば強制的にデスゲームに参加させられ、二人はやがて人間の本性がむき出しになっていく
ゲームの果てに自らを『裁定者』と明かすデキム
人間の本性を暴いた先に下す『裁定』とはいったい…


まず物語の構成
2話完結のお話から始まり、1話完結の話もあれば
終盤に向けて含みを持たす繋ぎの回もあったり
展開の仕方が様々な作品です

また、あえて物語の結末や登場人物の行動原理
世界観の説明をぼやかすことで
物語の空白を作っているところが特徴です

一応、結論というのは導き出されますが
明確な答えを提示してくれることは無く
果たしてそれが正解なのか?
そんなことを考えてしまうような
文学的な趣きの強い作品でもあります


キャラクターデザインは決して流行りの絵柄では無いものの
洗練されていてカッコイイ絵柄
また全体的に作画がとても良く動きの激しいシーンや
細かい日常の仕草など細部にわたって作画レベルの高さが印象的
特に表情豊かな゛作画の芝居゛が声優さんの凄みのある演技と相まって
思わずおぉっ!唸ってしまう場面が多々ありました
特に9話のゲスト声優 藤原啓治さんの演技と11話のスケートシーンは
このアニメのベストシーンだと思います


そしてこのアニメには実に様々なテーマが内包された作品であると思っています

『既存の自動化された体制への反抗』であるとか
『見ている人の死生観に問いかける』ものであるとか
『正しい人生、より良き人生とは』みたいなものとか

しかしそのどれもがキャラクターや世界観と同じく
明確な回答を提示してくれる作品ではありません
視聴者がどれに重きを置いて見るのか
取捨選択が必要な作品だと感じました

それでも最終回の予告映像を見るとこの作品の主題が何となく感じとれると思います
最終回だけ2分程度のロングバージョンの予告が公開されていて
内容は劇場版の予告みたいな作りになっていて核心的なネタバレは無いので
この予告を見てから視聴すると印象が変わってくるかもしれません
もちろんフラットな状態で見たいという人は閲覧注意です


デス・パレードLast episode予告動画[Long ver.]

https://www.youtube.com/watch?v=40_pSjR_1OM


【総評】
一貫してダークな雰囲気で人間の黒い部分を暴いていく物語かと思いきや
ギャグに徹した回があったり素直に感動できる回があったり
作画・声優・演出が高いレベルで融合した物語の幅広さが印象的でした
それゆえにどっちつかずな展開が気になる人は多いかも
見終わった後、後味の悪いような感覚はありませんが
心によく分からない引っかかりが出来てそれが何なのか考えてしまうような
良くも悪くも簡単には消化できずに様々な感情を呼び起こす作品でした

あとOPがすごくファンクでキャッチーなノリの良い曲でお気に入りです
OPバンド BRADIOは他の曲もどれも素晴らしいです

多くの謎を残し、キャラクターがその後の展開を予感させる態度だったので
2期というものをどうしても考えてしまいますが
個人的には今回、原作・監督・脚本を務めた立川譲さんには
「俺の描きたい物はまだまだあるんだ」
という野心的な心意気を感じたので全く別の新しい作品を期待してます



以下、最終回を中心にネタバレ感想


感情の果てには『愛』があったというお話

{netabare}ずっと疑問だった『裁定者は感情を持たない』という設定
いや、あるじゃんっていう
怒ったり酒飲んで喜んでるのも感情ってやつじゃん
そんな疑問に自分なりの仮説を立てました

まず感情の分類をします
感情の分類は実に様々な人が行っておりいくつもの推論があります
この作品においては六情

喜 怒 哀 楽 愛(いとしみ) 悪(にくしみ)

の六つの感情で分類されると思っています
理由としてはまぁ一番メジャーじゃん?っていうのと
六情は六根とも呼ばれ仏教に由来した言葉であるということ
デス・パレードの劇中には仏教をモチーフにした描写が随所に見られました

喜怒哀楽は自分の内に秘める感情、愛と悪は自分の外 つまり他者に向ける感情であります
裁定者達には潜在的に喜怒哀楽と悪(悪意)の感情はあるけれど
愛、すなわち慈しむ心だけが無くそれを指して
『裁定者は感情を持たない』と定義しているんではないか?というものです

ノーナ以外の多くの裁定者は他者(人間)に対して無関心か悪意という感情しか向けてこなかった
ノーナ自身だって80数年の歳月を経てようやく裁定のシステムに疑問を持ち
裁定の在り方を変えるには人間の心に寄り添うべきではないか?と思うようになります

それだけにデキムの存在は非常にイレギュラーでした

「私は生を全うした人間を尊敬しています」

7話のクイーンとの裁定者の業務引き継ぎの場面で言ったデキムの発言はノーナにとって衝撃だったのです
尊敬という他者に向けた言葉、しかしデキムはその本質(感情)までは理解していませんでしたが
ノーナはそんなデキムに大きな可能性を感じ
『デキムを利用した裁定システム変革計画』が始まったのです

その変革計画を達成するためにはデキムに『愛』の感情を持たせる必要があった
そのためにわざと死の記憶を持たせた女(知幸)を送ったり人殺しの人間を送ったりと
裏で色々やってたわけです


結果、デキムは感情(愛)を手に入れることが出来ました

10話でノーナが「裁定者の記憶容量は気にしなくていい」と言って用意させた
普段の裁定ではありえないほどの膨大な知幸の記憶を元に
仮想空間を作ってまで極限状態を作りだそうとします
今までひたすら無感情に”ただ必要だから”という理由で極限状態を作りだしていたデキムが
初めて『悪意』をもって極限状態を作りだそうとしたのです
デキムはそんな知幸の感情の爆発を受けて心が痛みます
他の裁定者は標準で持ち合わせていた喜怒哀楽すら持っていなかったデキムにとって
知幸の膨大な記憶と感情が流れ込んだことにより『後悔』と『哀しみ』を覚え
慈しみを持って許されたことにより『愛』を覚えました

この一連の流れが演出と相まって素晴らしい最終回でした
特にデキムが笑顔で知幸を見送るシーン
知幸の笑った顔、泣いた顔、様々な表情をフラッシュバックさせた先に彼女に対する『愛』
それがデキムにあんなに良い笑顔をさせたのかと思うと涙が止まりませんでした

そして最後のOP

これから少なくともデキムの裁定は確実に変わっていきます
まだまだ不完全なシステム、不完全な裁定者ではあるけど
このFlyersの曲のように楽しい職場になっていくだろうと

「きっとなれるさ なりたい自分に」

これからのデキムを後押しするようなメッセージを残して
非常に前向きな気持ちいい余韻を残しながら終わったのも最高でした
詐欺OPではなく予知OPだったんですよ!!


ちなみにギンティも『愛』を少しだけ知ったのだろうと思いました
マユのコケシを残していたのもそうですが
黒猫のミーマインが消えていたこと

ミーマインが単純にアイマイミーマインのme,mineだとしたら
有田マユ=Mayu→My
I,my,me,mineのうちmy(マユ)とme mine(ミーマイン)が消えて

残ったのは I = 愛

ギンティにも『愛』の感情は芽生えていたんだよ!!

以上、言葉遊びにもならないこじつけでした


おわり
{/netabare}


11話までの各話感想
{netabare}
【1話までの感想】最後までリドル・ストーリーで行くのか!?
{netabare}リドル・ストーリー (riddle story) とは、物語の形式の1つ。物語中に示された謎に明確な答えを与えないまま終了することを主題としたストーリーである。 ※Wikiより

元々は「アニメミライ2013」の作品内の1つ「デス・ビリヤード」をもとにしたオリジナルアニメ。
原作・構成・監督を務める立川譲さんはTVアニメ初監督らしいですね。
このリドル・ストーリー、最後は視聴者のご想像にお任せしますよ方式は賛否両論ありそうですけど私は好きです。短いストーリー限定ですけど。引っ張りに引っ張って最後は視聴者の~ってやられた作品もありましたし…
この作品に関してはまだどっちに転ぶかわかりません。2話目で1話の答え合わせ的な話をするのかもしれませんし、まだ様子見といったところでしょう。

OPはノリノリな曲でしたね!クイーンデキムの従業員(レギュラーキャラ?)も沢山いるみたいだし日常回というか明るい話もあるんでしょうか。気になるところです(`‘ω‘´){/netabare}

【4話感想】中々見えない本筋に辟易しながらも、この世界観から抜け出せない
{netabare}3話ですっきりいい話で終わってたのに4話でまたモヤモヤが残る展開に。
黒髪の女に何度も突っ込まれる行動に『裁定に必要ですから』とデキムは返してましたが黒髪の女にも視聴者にも納得させるだけの描写が足りなかったので「このゲーム本当に必要なの?」という疑問が残りました。
最後のデキムの謎の包容力にちょっと笑いましたが死を受け止められない人にすべて吐き出させて死というものを改めて受け入れさせるのも裁定者の仕事なのかな。
どんな人生であったとしても最後に「お疲れ様でした」と言われるのはなんだか救われますね。{/netabare}

【6話感想】いったい何なんだこのアニメはぁ!?
{netabare}今回はデキムではなくギンティの所に死者が来るお話。
ゲームの内容はツイスターゲーム。アニメでツイスターゲームをするとエロ回かギャグ回にしかならないけど今作でも立派なギャグ回になってしまいました。
しかも裁定はせず終了!いったい何がしたかったんだ・・・
今回登場したギャル 有田マユは公式サイトのキャラ紹介にちゃっかりいたんですね。ということはレギュラーキャラってことでいいんでしょうか?

死んで悲しむのは残された人達で死んだ当人は案外楽しくやってるもんだよ!むしろ死後のほうが楽しいよ!!な回でした。
{/netabare}

【8話感想】本格サスペンスはじまた この引きは卑怯・・・
{netabare}久しぶりの前後編
人を殺めた人物が送られてくると聞いて自分には経験がないと心配するデキム
そういう人はやはり裁定の基準も変わってくるのだろうか
Cパートで二人とも殺人を犯していたと判明
黒髪の女にも二人の記憶が流れこんでいきそこで島田の妹が襲われている映像や犯人らしき金髪男の顔
辰巳のデスクには島田らしき人物の写真
二人の事件は明らかに繋がっています。では誰が誰を殺したのか…それは来週のお楽しみ
前提条件として裁定者のもとに来るのは「同時刻帯に亡くなった二人」
これを考えるとこのシリーズ史上最も胸くそ悪い展開もありえるかも
次回をドキドキしながら待ちたいと思います。{/netabare}

【9話感想】Q.面白かった?つまんなかった? A.すごかった
{netabare}凄まじい回だった
あれこれ考える間もなくこのドラマに胸ぐらつかまれて引きずられる感覚
声優さんの演技が鬼気迫る名演だったのも印象的でした。
今回でデキム自身にも大きな変化がおきそうです。
今一度裁定者とは何なのか見つめ直すきっかけの回でもあるかな
正直、故意に人の心の闇を暴くってのも相当むちゃくちゃだし辰巳にさらなる苦しみを与える場面は明らかに裁定者の領分を逸脱してる・・・
と思うんですけどねぇ
デキムにとって何が最適な裁定なのか見つけ出す物語なのかな
黒髪の女の件もあるし最後はどうなるんだぁあああぁ{/netabare}

【11話感想】最終話のサブタイは「自殺旅行」
{netabare}前回で名前が明らかになった黒髪の女「知幸」
今回でついに亡くなった原因が判明しました。
自殺…自分の全てを捧げ取り組んでいたスケートが奪われてしまって残ったものは何も無いと思ってしまって…
理解はできるけど心の中ではどこか納得できない部分があるのは私が命をかけて何かを成したことが無いからなのかもしれない
中盤4分くらいのスケートシーンは作画の凄さと相まってすごく綺麗で儚い
アニメでここまでのスケートシーンを見たのは初めてでした。
デキムは自分のすべきことが固まった様子
しかし爺さんが何やらきな臭い
マユが原田くんと共に虚無に落とされるシーンも切ない
しかし最後は原田くんと共にいられて良かったのかな
これがギンティによるせめてもの温情なのか
やはり人間とは理解できないものとしての行動なのかはわからなかったです。
最終話のサブタイトルはスーサイド・ツアー
穏やかじゃないタイトルだけどその真意は如何に!?
覚悟をもって見届けたいと思います{/netabare}

自分用に世界観と用語を整理

【トーテム】
大地から奈落の底へと伸びる巨大なタワー
タワーは無数の階層に分かれていて、それぞれに裁定者が存在する。
他にも裁定者に死者を振り分ける整理係、
死者たちの記憶を編集する情報部など様々な部署が存在する。

【クイーンデキム】
本作の主人公、デキムが管理しているBAR

【裁定者】
人間の魂を裁定し、「転生か虚無」に送り出す者
BARに訪れた客に死んでいることを気づかれないよう、ダーツやビリヤードなどの命をかけたゲームを強制し、その様子から裁定を下す。
{netabare}裁定の基準にゲームの勝敗は関係なく、ゲームの過程から人間の本心や心の闇を見て裁定を決める。そのため意図的にゲームを妨害するなどして「極限状態」を作り出すようにしている。 {/netabare}

【転生と虚無】
裁定を受けた者の魂が向かう場所。
死者の体は魂が送られた後、ただの人形と化す。
転生とは、 {netabare} その名の通りまた別の命となって現世に戻る。{/netabare}
虚無とは、{netabare}あらゆる負の感情と意識を抱いたまま何もない空間に永遠に落とされる。
※公式サイトでは転生と虚無の捉え方がこのようになっています。これを見るにデキムの言う「天国と地獄」は転生=天国、虚無=地獄ということになるでしょう。{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52
ネタバレ

Appleモンキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルなし

訳ありな死人が連れて行かれるBAR「クイーンデキム」
クイーンデキムでは死人同士でデスゲームをさせる。
デスゲームの中で、死人たちの本性があらわになる。

1話完結型のようです。
地獄少女的な?感じですね^^
こきみよく、テンポよくストーリーが展開していきます。

■第1話~第12話
{netabare}
予定調和な最終回でしたが、とてもよかったです^^
デキムは今後、どんな裁定するんでしょうか?

第1話:デス・セブンダーツ
第3話:ローリング・バラード
・・・あたりが面白かったと思います。
デス・パレードならではの展開でしたね^^
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 61

上杉達也 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

これやべすw

個人的に、絵があわね~な。。。っと思いつつも見始めましたが、
最近見た中では飛び抜けて面白かったです。

なぜにこんな低いの?と思いましたねw

1話見るまではネタバレあるとつまらんかもと、、、
大まかに生死取り扱う系でしょうかねw

音楽◎
久々に、oped共によかったかなと。特にedのがいいかなw

その他特になんの問題もなしw

最終話で涙腺が、、、


おすすめだと思います。

次回もやってほしいな~w

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

72.7 11 ミステリアスアニメランキング11位
黒執事Ⅱ(TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (807)
5011人が棚に入れました
19世紀後半、英国名門貴族トランシー家。若き当主アロイス・トランシーは生まれてまもなく攫われ行方不明となっていたが、漆黒の執事クロードとともに帰還した。クロードはアロイスに絶対的忠誠を誓っており、広大なトランシー邸の一切を切り盛りしていたが、名前以外はすべてが謎に包まれていた。

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ・・そして、OVAは最高だったのである・・

1期に引き続き~なんて思いきや、
1話を観てみると・・「シエル&セバスチャン」が出てこない(;゚Д゚)
いきなり始まる「謎の執事と、謎の少年」の話。
しかもグロ健在?むしろひどくなってない?
「謎の少年」がメイドを目潰し!(σ´∀`)σ(*□*;)ギャ
これは・・完走出来ないかもしれない・・
と思いきや、颯爽と登場セバスチャン♫
やはり主役は変わらない事に安心し視聴継続しちゃって下さい♪

そうなのです、2期からは新しく「トランシー家」が加わります!
なので1期の「裏家業」とは違い、
「トランシー家」との話が中心になります!
トランシー家の当主「アロイス」・(あくまで)執事「クロード」
は執拗に「シエル&セバスチャン」を狙います( >_[・]) ロックオン
それは何故か・・という所がみどころになって来るのではないかと・・
しかしっ、やはり私が一番に楽しみだったのは、
オカマ死神「グレル」とセバスチャンの掛け合いですかねw
いや~何度観ても飽きないわぁww
\(・д\)ソレハ(/д・)/オイトイテ(グレル再度登場しますので・・w)

そして、注目すべき所は普通なら見逃す「アイキャッチ」
それぞれのキャラがタロットカードを正位置と逆位置で持っているのが印象的でした☆
カードの意味=ストーリーになってるようで、
詳しい方はそこも注目してみたら面白いと思います!

そして次回予告が面白いですね(・∀・)ニヤニヤ
セバスチャンが甘ぁーい声で色々やってくれます!

今回の新キャラの声優、
アロイス役には「水樹奈々」サン。個人的には・・合ってなかった・・かな。
クロード役は「櫻井孝宏」サン。
「イエス ユア ハイネス」が某ギアスのスザクとかぶったのは私だけ?(´・ω`・)エッ?w

1期と違い12話完結で完全オリジナルストーリー
なるほど・・って感じでした。
何で作ったんだ?とまでは言いませんが、
無くても良かったとは言えます・・
3期があってもおかしくないような終わり方。
私はあの終わり方には満足行きませんでした!
「あくまで私の意見ですが、ね|ω・`)」

しかーし、ここで終わらないΣ(*´∀`*;)ドキッ!!
私はレンタルで視聴したのですが、
OVAが収録されていて、ある意味そっちの方が面白かったとも言えます♫

①「シエル イン ワンダーランド(前・後編)」
黒執事版「不思議の国のアリス」ですね~☆
アリス=シエル・衣装が可愛すぎるぅ~(*´ω`)
白ウサギ=セバスチャン・うさ耳(*´ω`)
チシャネコ=グレル・猫耳(*´ω`)
他キャラもたくさん登場!黒執事の注目どころ、衣装が可愛すぎる作品です♥

②「ファントムハイブ家へようこそ」
うぉーーーーーー(゚∀゚)これは自分がファントムハイブ家へ行った感覚になれます♪かわゆいエリザベスのお友達として☆
セバスチャンが手を取ってくれます、シエルが歓迎してくれます、
ソウマに「可愛い」と言われます・・しかし、私には「ある計画」があるんです・・・

③「MAKING OF KUROSHITSUJI2」
黒執事の裏側・・登場人物達が役者のように私服でインタビューをうけたり、NGシーンだったり、グレルが「スッピンを映さないで!」と怒ったり、TVショッピングだったり・・アニメなのに、アニメじゃない・・こういうの好きです(。◕‿◕。)

④「死神ウィルの物語」
事前情報あったので、ウキウキで視聴♪
ウィルとグレルが新人死神に死神派遣協会を案内しながら
2人の過去をご紹介☆
こんな初々しい時期があったのか(*´∀`)
そして、メガネ課?死神にはメガネが必須アイテムらしいです♫

⑤「蜘蛛の意図語」
・・トランシー家の人物紹介?
とりあえず、使用人の3つ子が笑えます( ゚∀゚)アハハッ

Ⅱに満足いかなくても、これを観ればきっと満足出来るはずですよー!黒執事ファンなら是非♥

投稿 : 2024/11/23
♥ : 26

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アロイス、そんなに嫌いじゃないけどな~

シエルにライバル登場、その名もアロイス・トランシー(本名はジム・マッケン)。。その初登場からまぁ、死ねだのゲイボーイだの、気の毒な位の憎まれっ子である。

美少年だけれど、ホモオヤジへの色仕掛け等の不潔な感じ、ちょっと攻撃されると泣いてビビっちゃうヘタレぶり、視聴者に嫌われるのもさもありなん;
しかしこの、ヨゴレ少年アロイス、不潔な欲まみれに見えて、その実、家族愛に近いピュアな情愛を求めており、脆弱そうなヘタレ(そうではあるけれど;)に見えて、最終局番では悪魔すら手玉に取る、したたかな頭脳の持ち主なのだ。
なかなかシエルのライバルにふさわしいと思うのは、私だけかなぁ?

嫌われっ子アロイスも理由の一つだろうが、完結編ともいえるⅡの評判はあまりよろしくないみたい;
結局、そうなるだろうな感はあるけれど、素敵なラストだと思うけれど。
終盤まで嫌われっぱなしのアロイスだけど、その哀しくも美しいラストエピソードには、思わず泣かされた視聴者も居たみたいです;この私もその一人;;

アロイスに加えて印象的だったのは、悪魔のメイド、ハンナ。
悪魔なのに、天使のよーな優しい心の女性である。
Ⅰでは悪魔のよーに残虐な天使(本当にヒドいヤツ;)が登場したので、その対比が面白かった。
何だかマゾっぽいメイドになるまでは、サディストの女王様みたいなレオタード姿だったのも、大変面白い部分。

自分的にはⅠに劣らず楽しめたけれど、アロイスの初登場から再登場までのストーリーがぐたぐたしていて、繋がりが悪く分かりづらかったため、物語の評価は0.5下げマス★

ところで、アロイス、ハンナを中心に語ってしまったけれど、シエルの愛らしさ&セバスチャンの色っぽさ、そして二人のからみはいよいよギリギリで艶めいていて、ため息をつくばかりです~3
食欲と○欲って、類似してるんでしょうか~~;;

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

好敵手の出現で1期より見応えがあった

レビューを書くにあたって少し前に1期、2期を通して再視聴したが、
実は僕の場合、「黒執事」を初めて観たのは2期を放送中だった頃の3話からだった。
そのせいもあってか、2期のほうから先に好きになった作品なので、
原作ファンの方とは、だいぶ観方や感想が違っているかもしれない。

というのもこの2期、原作でも1期でも主役であった執事セバスチャンと
その主、シエルの対抗相手として、原作には無関係の執事・クロードと
その主・アロイスが登場し、物語もオリジナルだったからだ。
で、1期を観た上で思うのは、2期のほうがメリハリあって個人的には楽しめた。
でも2クールかけた1期でのセバスチャンの有能さと、シエルとの信頼関係や
細かな設定、人物関係を観ていないと、1クールで終わってしまう2期に
感情移入しにくくなるので、当然1期を観ておくことはオススメ。

ちなみに1期、2期ともシリーズ構成は岡田麿里。
監督、美術、色彩設定のスタッフは変更になったため、違いは随所に見られた。
どちらが良いとか悪いとかは人それぞれ好みもあると思うけれど、
全体的に観て、1期は日常系的な要素のほうが強く、コミカルなシーンも多かったが
2期は笑える部分をかなり抑えてバトル色を濃厚にし、心理描写はさらに細かく深くなっていた。

個人的にキャラデザはクロード&アロイスのほうが好みだったりして、
オリジナルの新キャラであるクロードを、とことん冷ややかな策士にし、
アロイスの傲慢さとしたたかさ、その裏にある孤独や、絶望感と哀しみを
彼の過去とともに描くことで、1期では感じづらかったシエルの正統派お坊ちゃんの
高貴さが浮き彫りになったし、セバスチャンのちょっと人間味のある愛情や甘さも見えて
奥行きを感じ、特に後半は感情移入しやすかった。

OSTのほうは1期同様、ストラヴィンスキーやマーラー、ヴィヴァルディや
ショパンなどのクラシックをモチーフにしたような曲や、
エニグマのようなグレゴリオ聖歌をベースにした曲がいいタイミングで挿入され、
クールな外見に似合わないド派手なアクションや、
エキセントリックな内面を垣間見せるクロードの動きや、
アロイスの歪んだ人間性を哀しげに見せることに成功していたと感じる。

一方、セバスチャンとシエルのほうは、1期の最終回のその直後がどうなったのか
中盤で描かれており、あぁなるほどそういうことだったのかと納得はできた。
そしてセバスチャンがなぜシエルに固執するのか、その理由もよくわかる。
また、それをクロードやメイドのハンナが察知して企てる数々の
エグい展開はなかなか見応えあったし、これでこそ{netabare}悪魔{/netabare}
と満足できた。

特に9話以降は緊迫感で張りつめ、目が離せなくなる。
{netabare} あくまでも悪魔は悪魔ということか。{/netabare}
ラストに対しては賛否分かれそうだが、僕的には2人のひとつの道筋として
そして、実際あるかないかわからないけど3期を期待できる結び方だったかなと。

それにしても、契約を遂行する忠実さは良しとして、悪魔だろうが人間だろうが天使だろうが
やはり女性の持つ母性愛に適うものはないのかもなぁと、しみじみ感じる2期だった。

ちなみに、あにこれでは別作品として登録はされていないが、
この「黒執事」6話あるOVAがすごく面白いのでオススメ。
不思議の国のアリスをモチーフにした物語があったり、ファントムハイブ家を案内してもらう形で
屋敷内のさまざまな場所のことがわかったり、『黒執事』をハリウッド映画に仕立て上げ
オールキャラが俳優としてインタビューに答えたりするのも笑える。
死神たちの裏側のこともちゃんと描かれてたりして、それも楽しいのだが
一番心に残ったのは、アロイスを主人公にした6話の「蜘蛛の意図」
愛情を渇望する彼の痛い心が、2期を観終えた後だとなおさらせつなく。
そして悪魔に関しては、「悪魔としての悦びは悪魔としての苦しみの先にしかない」
って意味がよくわかる話だった。
もちろん、1期2期を観てないと設定や関係がつかめないので観終わってからが前提。

声の出演は以下の通り。

セバスチャン・ミカエリス : 小野大輔
シエル・ファントムハイヴ :坂本真綾
フィニアン : 梶裕貴
メイリン : 加藤英美里
バルドロイ : 東地宏樹
タナカ : 藤村俊二
エリザベス・ミッドフォード : 田村ゆかり
劉 : 遊佐浩二
藍猫 : 矢作紗友里
ドルイット子爵 : 鈴木達央
アバーライン : 菅沼久義
葬儀屋 : 諏訪部順一
グレル・サトクリフ : 福山潤
ウィリアム・T・スピアーズ : 杉山紀彰
アロイス・トランシー : 水樹奈々
クロード・フォースタス : 櫻井孝宏
ハンナ・アナフェローズ :平野綾

投稿 : 2024/11/23
♥ : 34

84.8 12 ミステリアスアニメランキング12位
終物語(「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」)(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (694)
4362人が棚に入れました
3月13日、大学受験の日の朝。臥煙伊豆湖の振るう怪異殺しに切り刻まれ、阿良々木暦は死んだ――
だが死んだはずの暦は、とある場所で目を覚ます。
そこにいたのは、成仏したはずの八九寺真宵だった。
不思議がる暦に、彼女はこう告げた。
「ここはですね――阿良々木さん。地獄です」
そして暦は自分が死んだ意味を知る。

阿良々木暦が「何」でできているかを知る物語にして、すべての「始まり」を知る物語は、ここに締めくくられる――
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

無茶な近道とありえない遠回り

原作未読 2時間枠で2日間 全7話 

1日目 過去の作品ダイジェスト(化物語中心)→ まよいヘル全2話 → ひだぎランテブー全2話

2日目 過去の作品ダイジェスト(セカンドシーズン中心)→ おうぎダーク全3話

どちらも最初に以前の作品ダイジェストがあったので思い出しながら本編を観たので観やすかったです。

暦物語の続きである「まよいヘル」ですが、これはもうタイトル通り八九寺 真宵ちゃんが中心のお話です。

相変わらず阿良々木くんの異常までの真宵ちゃん好きが発揮されていますねw

内容は、なるほど!といった感じでした。{netabare}(まさか吸血鬼と人間の部分を分断するために斬るとは){/netabare}

「ひだぎランテブー」は、阿良々木くんが戦場ヶ原 ひたぎさんとデートするお話です。

相変わらずツンデレひだぎさん、なかなか素直になれないひだぎさんが可愛かったですね。

「おうぎダーク」は、ミステリアスなキャラである忍野扇の謎に迫るお話でした。

扇ちゃんは苦手なキャラでしたが、このお話を観て好きになりましたね。
{netabare}
忍野メメ、登場の仕方もセリフもカッコ良すぎでしょうw 羽川さんお疲れ様でした。
{/netabare}
最後も阿良々木くんらしい決断でした。{netabare}キスショットとの最後の会話素敵でしたね。{/netabare}

傷物語に始まり終物語で終り、これにて阿良々木 暦くんの高校生活は終わりました。{netabare}最後のシーン、阿良々木 暦・戦場ヶ原ひだぎ・羽川 翼のスリーショットは何とも言えない感覚になりましたね。{/netabare}

最後はちょっと感慨深くなりましたね。私的には良い終わり方でした。

OPは、八九寺真宵・忍野扇、EDはClariSさんが歌っていました。

最後に、原作者西尾維新さんの作品CMがありましたが、最強シリーズが気になりました。是非アニメ化してほしいですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 32
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

物語シリーズの終わりの物語(阿良々木暦の高校生物語編)…物語シリーズは面白い

原作既読

待ちに待った物語シリーズの新作。上中巻から二年近く、間に傷を入れたのでようやくといった感じがします。今回放映された作品は円盤が6巻からになるので「終物語」の続きということです。いつか30分サイズで全話放映してほしいものです。

【まよいヘル、ひたぎランデブー】
前段として八九寺の話(化のまよいマイマイ、囮物語)、正弦の話(憑物語)、暦物語のダイジェストを差し込みました。これが本編で活きた感じがします。
暦物語で衝撃的だった{netabare}暦の切り刻みから地獄落ち、八九寺との再開、そして復活{/netabare}と流れる展開。アラギ…失礼、噛みまみ…暦と八九寺の絡みは本当に安定してます。言葉のやり取りはもちろんのこと、映像の作り方、これが見たかった感が満載でした。{netabare}まよいが甦ったことで繋ぐことはおうぎダークで{/netabare}
子安さんが正弦に、憑ではもったいないと感じますが、終物語のことを念頭に入れていれば大正解です。あの声があるからこそ、この回が重厚な感じを受けます。それとOP、まさか八九寺の新曲をもってくるとは思わなかったので嬉しいやらなんやらで。

ガハラさんこと戦場ヶ原ひたぎ…最強で最恐で最高のヒドイン…ではなくヒロイン。ツンドラにしてツンデレでヤンデレで何でも暦のことを読んでいて好きでいる、情が深くて美人でスタイル抜群。個人的にアニメ史上最も好きなヒロインです。なにが良いって、何でも良いのです。それは戦場ヶ原ひたぎだから。「デートしろ」そう言われたら従うしかないだろう、それが戦場ヶ原ひたぎだから。
それはさておき、ひたぎの話がメインなんて、化と恋くらい、だから終のこの話を待っていたわけです。とはいえ、かなりの部分で扇が出張ってくるんですけどね…。カラオケシーンで遊んでくるかな(二言目かよ、そこはステープルでしょうと思ってはいけないのだろうか、いや、歌ってよ)と思ったのですが残念。でも暦の「チョコレートインソムニア」は聞きたかった。
下の名前で…二人の関係は最高です。呼びあった瞬間、なぜか目頭が熱くなったのはナイショの話です。

【おうぎダーク】
ラスボスである忍野扇との決着編。これまでの伏線を一発で回収する何でも知っているお姉さんこと臥煙伊豆湖と暦の会話がメインです。これは文字で追うと楽しいのですが、映像だと正直、地味になるのではと思っていたのですが、さすがはシャフト。いろんな遊び(特に八九寺と余接)を入れてきて楽しめました。
そしてクライマックスの扇と暦の決着、見事な映像化だったと思います。{netabare}自ら消えようとする扇を救ってしまう暦、そこに表れる忍野メメと羽川翼。{/netabare}この場面は文字だけではなかなか伝わりにくい場面だったので、ゾクゾクしたのと、なぜか目頭に熱いものがこみ上げてきました。
最終回らしく(一応ね)、物語シリーズの主要人物大勢登場(貝木はこの時点で生死不明なので出ませんけど)。大団円感がたまりません。

【終わりに寄せて】
映像が本当にきれいでした。手抜き一切なしというのが伝わりましたし、やっぱりシャフトの作り方には中毒性があります。ひたぎのシャフ度もたっぷり見ることができましたし。やっぱりこの作品は言葉の使い方が絶妙。二回、三回見ても楽しめる会話のシーンはさすがは物語シリーズです。
それからこのシリーズの良いところはキャラと声が見事なほどマッチしている点。最後の最後まで引き付けてくれた大きな要因だったと思います。

これで物語シリーズのアニメは終わっても良いように思います。きれいな終わりでしたし、さすがにこれ以上は余談の余談にすぎません。好きな作品だからこそ、この形で絞締めるのが良いように思うのです。でも…続くんだろうな…。特に続終物語は。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 45

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

一生絶対服従って言ったわね・・・私もそんな感じできつく命令された経験があります。

2017年放送のテレビアニメ  終物語上中下の下巻

原作 西尾維新 総監督 新房昭之 監督 板村智幸 制作 シャフト

上巻 「おうぎフォーミュラ」「そだちリドル」「そだちロスト」
中巻 「しのぶメイル」
下巻 「まよいヘル」「ひたぎランデブー」「おうぎダーク」

終物語は化物語のアフターシーズン3部作のラストを飾る傑作である。
しかし、それぞれの物語がばらばらにつながっていて理解するのが大変。
でも、別にいいのである。
それぞれの物語が観ているその時点で楽しいのだから、
「そういえばそうだっけ」と思っているうちにつながってくるし、
見返した時の発見も楽しみだろう。
考えすぎずにまずは全部観てみようというのが、個人的お勧め。

「まよいヘル」45分
タイトル通り八九寺真宵との物語。
総集編っぽい流れで、物語の整理が行われるが、この地獄、恐ろしくモダンだ。

「ひたぎランデブー」45分
タイトル通り戦場ヶ原ひたぎとの濃厚(笑)なデートが描かれる。
幸せ過ぎるので戦場ヶ原さんは登場機会が減ったのだろうか?

「おうぎダーク」 66分
傷物語から続いた「良心を探す物語」ここに卒業。めでたしめでたし。
阿良々木暦「続きが気になる物語だった」 とか言ってますが・・・


阿良々木くんの決めセリフ「幼女が好きなだけさ」

投稿 : 2024/11/23
♥ : 30

70.1 13 ミステリアスアニメランキング13位
謎の彼女X(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (1017)
4311人が棚に入れました
普通の高校生・椿明(つばきあきら)は放課後に、クラスに転校してきた謎の美少女・卜部美琴(うらべみこと)が机に残した「よだれ」を舐めてしまう。翌日から原因不明の高熱を出し5日間寝込んでしまう椿。5日後に突然椿の部屋に見舞いに来た卜部が自分のよだれを舐めさせると、高熱が嘘のように下がってしまった。高熱の原因を訝しがる椿に、卜部は一言「恋の病」だと告げる・・・・。

声優・キャラクター
吉谷彩子、入野自由、広橋涼、梶裕貴、福圓美里

ドます さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ヨダレでヒいてもいい。だがこの純愛を見てくれ!

僕も正直、このアニメが「よだれを交換しあう」アニメだと聞いて、ないわ~・・・と思ってたクチです。
この時の僕をぶん殴りたいです。食わず嫌いはアカンと身を持って知りました。

1話で既にかーなーり人を選ぶと思います。わけわかんないんですよ、卜部美琴という女は。行動も不可解、孤高、ハサミが友達・・・。だけど時折見せる恥じらいや、慌てふためいたりする彼女を見ると、どんどん卜部というキャラクターに引き込まれていきます。2話3話と見続けていくうちに卜部が起こしていく椿くんへのアクションは、全男子が「うおおおおおおおおおおおおおお!!」となるはず。ぶっ飛んでるはずなのに、超危ないのに、「こんな彼女がいたらいいな」と思わせる魅力があります。

「ヨダレの交換」を通して、椿くんはそんな「よくわかんない」卜部美琴という女の素顔に近づいていきます。ポーカーフェイスな彼女にも、嫉妬や羞恥、喜びといった感情があることを知ります。言葉では表せない気持ちを通じ合わせるうちに、二人の絆はより強くなっていきます。無愛想な卜部だけど、よく考えるとその行動全てに椿くんへの愛があるんです。椿くんとの時間をゆっくり、それこそヨダレを舐めるが如く味わっていきたいんだなあと感じました。
ヨダレの交換を微笑ましく見れる映像なんて他にありません。
全話甘酸っぱいシーンが続きます。素敵すぎます。

そして謎の彼女X、卜部美琴の声優さんも今まで聞いたことのない声。つまりこれがデビュー作。この起用に賛否あったらしいですが、僕はこの人の声でなきゃ卜部は成り立たないと思う。普通に売れている声優なら、泣く演技・怒る演技・笑う演技も「あぁ、ああいう声でこういう演技をするだろうな」と検討がつきます。だけど卜部の声にはそれがない。全てが未知数なので、卜部が喋る一言一言が新鮮に思えて、次はどんなトーンでどんな言葉をしゃべってくれるんだろうかとワクワクするんです。声も含めて「謎」。OPEDの儚い歌声も相まって、僕はこの声が大好きになりました。

今のアニメはというとたくさんヒロインが出てくるラブコメハーレムが氾濫しているけど、こういう1ヒロイン特化型の恋愛アニメがもっと見たいなあと思いました。
久々にいいアニメに出会えました。2期が制作されることを願っています。
サイコーに面白かったです。余韻に浸る興奮のあまり、稚拙な感想文になってしまったことをお詫びします...

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

塚笹 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

妙につぼを押さえているw

よだれをなめ(ry など色々とちょっと普通のカップルにはない行動とかもおおいですがとても面白いと感じましたw
思春期の男子にとっての≪女子≫という存在の謎を大きく描いたものだと思います。
そして、女性(彼女)に対してどう接していいか、どこまでしていいかまたお互いの感情が通じ合った時、行き違ったときなどとても丁寧に描かれていると思いました^^
実際にあるあるネタが…(自分だけかな?ww)
よだれがちょっと駄目な方、絵が好みではない方も多いですが見て損はないかと思います。
最近、初カノのできた方とかいいんじゃないでしょうかw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

謎の彼女丘さん<追記;衝撃の11話>

よだれにより感情や思考を伝達することができるという奇抜な設定のラブコメです。
例の日課の生々しさ、淫夢のおどろおどろしさ等、独特な演出は個人的ツボでした。
また、展開が常に予想のはるか上方にあるので、意外性を楽しむことができました。

謎の彼女卜部が、超人的な洞察力を持つ丘さんとの交流により、{netabare}すこしづつまとも{/netabare}になります。
丘さんはこのアニメのスパイス、彼女こそが謎の彼女ですね。

それにしても卜部のアッカンベーは反則、かわいいです。
いまどきそんなやつはいないとおもうけど。

<追記;衝撃の11話>
{netabare}文化祭最中のひとけのない教室での出来事。
とんでも卜部の本領発揮、ライバルとの謎の全裸対決です。
これって何プレイ?

ここでも丘さんがナイスな大活躍。
コミカルな実況に心を奪われます。
「あのー、めかくし外れとるんだけど。」
このアニメ最大の山場です。

この作品、やっぱり斜め左上を飛んでいます。
あっそれと、OP曲は純愛を地で行くなかなかの名曲です。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 44

69.5 14 ミステリアスアニメランキング14位
PandoraHearts パンドラハーツ(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (598)
4100人が棚に入れました
『PandoraHearts』(パンドラハーツ)は望月淳による日本の漫画作品。『月刊Gファンタジー』(スクウェア・エニックス)にて2006年から連載。
【ストーリー】四大公爵家ベザリウス家の次期当主であるオズ=ベザリウスは、15歳の成人の儀の最中、身に覚えのない罪により闇の監獄・アヴィスに堕とされる。
オズはそこで血染めの黒ウサギ(ビーラビット)と呼ばれるチェイン『アリス』と出会い、彼女と契約を交わすことでアヴィスから脱出することに成功するが…。
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的メモ

しか書いてないよ

{netabare}あれ?

{netabare}見ちゃうの? 

{netabare}なにもないよ 
{netabare}
{netabare}
{netabare}{netabare}ホント何もないって
{netabare} 
{netabare}
{netabare}m9(゚д゚)っ 見ンナー!! 
{netabare} 
{netabare} 鶴 「絶対に開けないで下さい。」

はい →{netabare} 嘘つき {/netabare}   嫌だ →{netabare} (`×´)9m この人痴漢です 
{netabare} 
{netabare} 
{netabare} ウィルスにひっかる人でしょ( ̄⊿ ̄)o" 090408021706
{netabare} 
{netabare} 
{netabare} すごく良かった{/netabare}
{netabare} 大好きな作品です

      {netabare} お疲れっ!
{/netabare}{/netabare} {/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

peko さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

マッドハッターが際立つ!

1話の冒頭部を観た時、「なんだこりゃ?」
って思う人もいると思います。
ですが、1話後半からPandora Heartsの本領発揮です。個人的に作画が好きなのと、主人公のオズが子供らしかったり大人びたりで、号泣しまくりでした。
石田彰さんが演じるキャラクターが主人公並みにいいキャラ出してます。
漫画と同じ展開なのは20話くらいまでで、それ以降はアニメオリジナルの展開になってます。
私は1回観て、漫画全巻そろえて、漫画読みながらアニメを観るとかやってました。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

sakurama61 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

オルゴールきれい・・・♫

原作がすごくすきです(*´∀`)
それだけにアニメがびみょうな感じで終わってしまったのがちょっと残念でした(つд⊂)


主人公のオズという少年とヒロインのアリスという少女を中心として探しものを探しにいろいろな人と出会い、仲間として協力し合う感じのストーリーです!

ここでの探しものというのは
オズ~自分のしてしまった罪
アリス~自分のなくしてしまった記憶
です

これだけだと自分のことだけで何とも関係がなく思えますが
2人に共通しているのは『100年前の真実』です!(。-∀-)ニヒ♪
最初は訳が分からなかったですw

100年前ぇ~?みたいなw


アニメではびみょーなところで終わってしまったので原作読んじゃいました(о´∀`о)w
まんがって1回で理解できるようなわかりやすい感じじゃないとだめなんじゃないかなってわたし勝手に思ってるんですよ 勝手にです!

このパンドラハーツの場合わたしは1回じゃ全然わかんなかったです(*_*)
でもそれって何回も読めばだいたいわかりますよね
何回も読むうちにどんどんはまっていっちゃいましたww
それで、これは1回でわかっちゃいけないんだなぁ・・・って
たくさん読まなきゃっっ みたいなw



・・・意味わかんない感じでごめんなさい(ノω・、) ウゥ・・・
でもすごいおすすめですねー!
アニメ1話観て合わないなと思ったらきった方がいいですが。。
好き嫌いがある作品です
暇なとき1話観てみてください(*´∀`)


キャラがかわいくて伏線がやばすぎます!(*`・ω・)ゞ
引き込まれてく作品ですよー✩

投稿 : 2024/11/23
♥ : 36

62.8 15 ミステリアスアニメランキング15位
迷家-マヨイガ-(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (925)
3520人が棚に入れました
興味本位で参加した胡散臭いバスツアーで合流した若き30人の男女。
ツアーの目的地は納鳴村(ななきむら)と呼ばれる存在が定かではない幻の村。
『納鳴村』では現世でのシガラミに縛られないユートピアの様な暮らしができる……と都市伝説のように囁かれていた。
現実の世界に絶望している…退屈な日常を抜け出したい…人生をやり直したい…。
それぞれの思惑や心の傷を抱えた30人を乗せ、バスは山奥深くへと導かれてゆく……。
そして30人が行き着いたのは、朽ちつつも微かに生活の匂いが残る無人の集落だった。
30人につきつけられる『納鳴村』の真実とは?
1話たりとも見逃せない!
謎が謎を呼ぶスリリングな展開!
閉鎖された村での人間模様と主人公の心の葛藤を描く、前代未聞の群像アニメが幕を開ける!

公式サイト
http://mayoiga.tv/

公式twitter
https://twitter.com/mayoiga_project

声優・キャラクター
酒井広大、相坂優歌、八代拓、佐倉薫、鈴木達央、五十嵐裕美、清水彩香、加隈亜衣、多田このみ、長谷川芳明、三好晃祐

要 塞 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

生き迷う人々の群像劇

 最初は和風ミステリー+Jホラーという印象を受けました。
特にオープニングのインパクトが強かった。
なんかヤバそうな村が背景に映りこんでいて、
初見で、ホラーっぽい印象を持ったのは自分だけじゃないはずです。
もしホラーだとしたら・・・
下手すりゃ登場人物全滅?
だとしたら視聴後、ムナクソ悪くなるのではないか?
と、不安になりましたが、水島監督を信じて視聴しました。
その結果は・・・

 この作品には、
「自分」という存在に対する、問い、が含まれているように感じました。
総勢30人のツアー参加者+αの抱える心の闇。
地図に無い村の謎。
真実が明らかになったとき、
あなたがツアー参加者だとしたら・・・
どちらの結末を選択しますか?

 登場人物が多いので、どうかな、と視聴前は思っていたのですが、
案外、苦になりませんでした。
キャラ全員の名前が覚えられなくても、全然いけると思います。
主要人物は名前と特性が頻繁に描かれているので、
お気に入りのキャラを決めて応援するのも、楽しい見方かもしれません。
 社会に馴染めないと思っている方、
今の自分を変えたい、生まれ変わりたいと思っている方、
そして、自分が嫌いな方・・・
バスツアーに参加すると、
自分なりの答えが見つかるかもしれませんよ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 10
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

遠野物語 Another 犬鳴村 マッチ売りの少女。面白かったです。

「終末トレイン」が本作みたいになるのでは?というコメントをどこかでみて視聴しました。

 遠野物語の「迷い家」というか日本むかし話の「マヨヒガ」をモチーフにしたのでしょう。遠野物語の「迷い家」は、山中で出会う家でありその家から何かものを一つ持ち帰ると幸運がもらえる、というものです。
 伝説とPTSDの治療として過去の出来事と向き合うという心理学の話と結び付けたようです。

「Another」の雰囲気と「犬鳴村」の都市伝説を舞台設定にした作品です。中身は「マッチ売りの少女」かな。「Another」とキャラデザ(いとうのいぢ氏)が似ていますが、なんと「メイドインアビス」のつくしあきひと氏ということで少し驚きました。
 
 全体感としては、十分面白い部類に入ると思います。謎解きとかテーマ性を期待しますが、そこは保留してまず話を受け入れることができるかどうかでしょうね。

 1点引っ掛かりがあるとすれば、主人公は光宗という少年だと思いますが、彼の過去とか内面を深掘りし、解き明かし、それがカタルシスになっているか?というと疑問です。彼の惚れっぽさとかは心理学的には何かあるのかもしれませんが、そのおかげでラストにモヤモヤが残ります。まさきの救済と見るべきかどうかがものすごく気になりました。
 初期設定とか初期の結末とひょっとしたらズレたのではないか、という気がします。水島監督ですし、ありそうですよね。はじめはもっと内面に闇を抱えてそうな感じでしたし。その点で重要な光宗氏の描き方は失敗していると思います。

 ただ、それ以外については設定も雰囲気も展開もよかったと思います。怖さとか事件の衝撃度は少なかったものの、ストーリー性は十分楽しめます。
 結末もすべてきれいに収まるのではなく、人それぞれ感があるし、過去の傷も含めて自分ということ、そしてエンディングをどう見るかをゆだねられた感があって、なかなか悪くない終わり方だったと思います。
 一つ何かを持ち帰ると幸運になる、というオリジナルの「迷い家」の逆とみるかやはり救済とみるのかもポイントでしょう。

 丁寧に全部説明されて謎を解明してくれないと駄目なタイプの視聴者からの評価が悪くなるのは理解します。また「ガルパン」「SHIROBAKO」と並べたときに同じ人?という感じがあり、同じ雰囲気の作品を求めた人からも不評になるでしょう。

 作画もキレイだし、登場人物が多い割にはストレスなく見られて面白かったです。無理に考察しなくても、素直に物語を受け取れれば、それなりに余韻もありました。ただ、人数が多い分、個人の掘り下げが物足りないし {netabare} 心理学者と「こはるん」関連{/netabare}の伏線がもうちょっと物語としてほしかったかな。

「Another」と比較すると驚きという点では数段劣りますが、中身は本作の方がある気がします。秀作の一歩手前という感じの良作でした。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 6
ネタバレ

ポル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白いと思った

感想見るとみんな辛口というか評価低すぎのような気も。
ホラーで怖い部分もありましたし、普通に続き気になりました。
キャラ絵デザインも好きな感じでしたし。
謎もある程度解決?したような感じでしたし。今期のアニメではまだ見れる方だったんじゃないかと思いますよ。

シリーズ構成は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の岡田麿里とのことですが、「あの花」と比べないで見てあげてください。ジャンルは全然違いますしあまり期待しすぎるのもよくありません。

{netabare}
ただトラウマって誰もが好き好んで向かい合いたいものじゃないから気分を害する人もいるんじゃないかと。登場人物で自分のトラウマと似たような経験をされた方とかは気分良く見れなかったんじゃないかと思います。ナナキ村のトラウマの具現化がなぜあの場所だけ起こるのかや残った人たちのことは投げっぱなしで終わっちゃったな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

66.3 16 ミステリアスアニメランキング16位
ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(TVアニメ動画)

2010年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (491)
3173人が棚に入れました
高校生・鏑木アキラには、幼い頃に交わした約束がある。彼の正体は狼男であり、その約束とは夜の眷属の王・ヴァンパイアの女王に仕えるというもの。そしてアキラの前に今、昔と変わらぬ姿の少女が現れる。彼女こそヴァンパイアの女王・ミナ・ツェペッシュだった。
日本に現れた彼女の目的は、ヴァンパイア達の専用居住区、ヴァンパイアバンドを設立する事。戸惑う人間達、そして、彼女を快く思わないヴァンパイアの勢力はミナの命を狙う。アキラは幼い頃の約束を守り、人狼の騎士として彼女を守ることになる。

声優・キャラクター
悠木碧、中村悠一、斎藤千和、甲斐田裕子、伊藤静、小林ゆう、喜多村英梨、渡辺明乃、谷井あすか、中田譲治

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

選べ!いまここで妾と共に朽ち果てるか、妾を王と認め跪くか!

レビュータイトルは本作の主人公であるヴァンパイアの女王”ミナ姫”ことミナ・ツェペッシュ様のお言葉・・・。原作は漫画。少しエッチィ。化物語の新房昭之×シャフトがアニメ化担当と言う事で期待された。でも12話で終わった所を見ると、あんまり人気無かったのかしら??正直お話としては展開が強引かつ説明不足な感あり。第1話は原作には無いオリジナルストーリーで、個人的にはものすっごく違和感有り&余計。でも1話を乗り切ればお話自体は面白いと思います。外見は幼い少女(でも艶めかしい!)のミナ姫とアキラ君の恋の物語。ヴァンパイアの王として気丈に振るまうミナ姫。その影で1少女としての恋心を押し殺す・・・。とっても切ない恋物語。ミナ姫の喋り方がともかく格好良くて好感度。”妾は・・・”っと高貴な言い回しが印象に残ります。BD、DVD版はディレクターズカット版なのでお色気要素有り。でもいやらしくなくて、綺麗の一言。う~ん美しい・・・。OP音楽は往年の名曲”フレンズ”、EDは”爪痕”どちらも耳に残る名曲です。ちょっとエッチで綺麗な作品...そんな印象です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

Anna さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

愛と絆と運命の物語!

シャフト製作、新房昭之監督による、ヴァンパイアアクションストーリー。原作は環望による漫画で、1クール(全12話)作品!

シャフト作品として見ると、皆さん評価が分かれているようですが、個人的にはとても楽しめた作品です!
内容も1クールでしっかり詰め込まれていますし、キャラクターの心情や表情も良く描かれていました。
個性的な作画や演出で楽しめるのがシャフトの定番であり魅力でもありますが、このような少しシリアスでドラマ性のある作品も作れるのかと、感心しました!1話のクイズ番組を用いた演出も、とても引き込まれました。

舞台は東京。誰にも脅かされず、安心して暮らせるヴァンパイアの王国を設立するため、ルーマニアからやってきたヴァンパイアの女王"ミナ・ツェペッシュ"。彼女は、幼い体と気高く崇高な魂で、たった一人で立ちふさがる壁に立ち向かおうとしていた。
そんな彼女を唯一支えることを出来るのが、かつて、永遠にミナの側にいる事を約束した人狼の少年、"鏑木アキラ"だった。たとえ記憶を無くそうとも、人間としての人生を失おうとも、彼女と共に歩むと硬く決意したアキラは、ミナと手を取り合い、新しいヴァンパイアの世界の夜明けを目指して戦い続けるのだった!

前半が王国の設立まで、後半が設立後の対立と、2部構成になっています。
前半の、アキラがミナを十字架から守り、2人が共に歩むことを決めたシーンがとても感動的でした!
アキラの周りで詮索していた謎の少女"美刃"の、ミステリアスな雰囲気が良かったです!
ミナとゆきのアキラをめぐる三角関係も、はらはらして魅せられました。
OP曲の「フレンズ」も、印象的で作風にぴったりです!

固く結ばれた、愛の絆と運命の物語、とくとご覧あれ!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9

ゼルミナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

吸血鬼はこうじゃないとな!

2019観了。
原作大ファン…そのせいで遠ざかっていたが、リアタイで見ておけば良かったと後悔するという自分にありがちなパターン。

流石に10年近く前の作品という事があり、絵的に(3Dモデルとか…)古さを感じさせる部分はあるが、それを含めて「当時感」を感じられる良作。
金髪ツインテロリBBA吸血鬼、と聞いてピン!と来た同志は視聴して損はない…そして、原作を読むんだ!最高だぞ!

1クールだが、腰を据えて物語を作ろうという気概が感じられるのも好感。
腰の据わった1話には唸らされた。
(まぁ、今となっては判りにくい部分もあろうが…)
アニメオリジナル展開もあるが、原作者がコミットしているおかげもあり、原作ファンから見ても特に問題はない感じ。

特筆すべきはミナ役の悠木碧。
「魔法少女まどか☆マギカ」の1年前の作品だが、流石に光る演技をしている。斎藤千和との掛け合いは後世から見ると感慨深いものがあるなぁ(笑)
そして安定の喜多村英梨。

個人的には「いかにも」な新房昭之監督アニメに見えた。
前述した通り「まど☆マギ」の1年前の作品という所で比較してみる必要があるかもしれないな。

あ、個人的にはアルフォンスが中田譲治が良かったよー!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

61.7 17 ミステリアスアニメランキング17位
乱歩奇譚 Game of Laplace(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (664)
3150人が棚に入れました
「その日、初めて退屈じゃなくなったーー」

とある中学校で起こった教師のバラバラ殺人事件。この学校に通う少年・コバヤシは、事件の捜査に訪れた天才探偵・アケチと出会う。
異常犯罪ばかりを捜査するアケチに対して興味を持ったコバヤシは、友人のハシバの心配をよそに、自ら「助手」を志願する。
次々と起こる奇怪な事件の中で、コバヤシは退屈な日常を捨て置いていくのだった。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、高橋李依、山下大輝、小西克幸、チョー、日笠陽子、子安武人、藤田咲、山口勝平

うぐいす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういうのBLっていうのか

結構ベタなストーリーだと思うが、突飛な登場人物や演出によって特殊効果を出している。
声が高橋李依でこのキャラデザだと女の子にしか見えないし、ハシバ君の気持ちも分からんでもない。
とにかく小林君が可愛くて明智君がかっこよい。
小林君が単に明智君側の人であるという位置づけなのだろうが、もう少し小林君自身を掘り下げても面白かったのではないか。
小林君の価値観の元を知りたい。
闇落ちや多少のグロがある。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

うつし世はゆめ よるの夢こそまこと

2015年放送のテレビアニメ 全11話 ノイタミナ枠

原案 江戸川乱歩 監督 岸誠二 構成脚本 上江州誠 キャラデザ 森田和明
音楽 横山克 制作 Lerche

2015年に没後50年となった江戸川乱歩の作品群を原案としたオリジナルアニメ。
舞台は2016年東京。
秀逸なキャラデザで、現在の江戸川乱歩全集のカバー絵に選定されました。

主な登場人物

アケチ・コゴロウ CV櫻井孝宏 男子高校生 いわゆる明智小五郎 
コバヤシ CV高橋李依 男子中学生 一応小林少年 
カガミ・ケイスケ CV小西克幸 新宿警視庁捜査一課管理官
影男 CV子安武人 稀代の怪盗
黒蜥蜴 CV日笠陽子 美貌の女盗賊のはずだったけど・・・
ハシバ CV山下大輔 コバヤシの同級生 見事な脇役

作家江戸川乱歩は1923年「二銭銅貨」でデビュー、
25年には明智小五郎登場の「D坂の殺人事件」などで高い評価を得た推理小説作家。
その作風は「少年愛、少女愛、男装、女装、人形愛、サディズム、グロテスク、残虐」
と言ったもので、現代の作家に様々な影響を残している。
アダルト作家の代表であるが、1936年に「少年倶楽部」に「怪人二十面相」を掲載し、
生活のためなのか趣味なのか、少年探偵団シリーズは長期連載となる。

このアニメは江戸川乱歩の代表作を少年探偵団の体裁を借りつつ、
深夜アニメ帯でやや大人向け作品として現代を舞台に再構築した作品です。

少年探偵団シリーズとは、
怪盗「怪人二十面相」が予告状を送り付けたのは実業家の羽柴壮一。
その息子の羽柴壮二が同級生の小林芳雄らと後に少年探偵団を結成する。
二十面相の好敵手である探偵明智小五郎が実質主人公として推理を展開する小説。

これはラノベではなく小学生向け小説で、当時の小学生の知性の高さがうかがわれます。

原作でも小林少年が活躍するわけですが、得意技は女装であることが乱歩的です。
小学生なので花柄のミニスカートにぼんぼり付きのハイソックス、赤い靴、
おさげのカツラといった本格的女装で尾行やオトリ、果ては住み込みメイドまで。
後に花崎マユミという明知探偵事務所に住み込む17歳の女助手が居たのですが、
これが小林少年の成れの果てという説があるそうです。常時女装。
少年探偵団シリーズの後半は代筆ですので乱歩全集からは外されているようです。

長々と原作の紹介をしましたが、岸誠二、上江洲誠、森田和明によって、
アニメ化されたこの作品の正当性を示すためです。

この作品の登場人物のかっこよさはビジュアル的にも声優的にも成功していると思います。
コバヤシ役の高橋李依は初の主人公。
同時期にそれが声優の一ノ瀬双葉、がっこうぐらしの直樹美紀と初レギュラーが主役級です。
コバヤシはレベルの高い男の娘で良い役柄と言えそうです。
初レギュラーが主役なので生暖かく見守るのが大人の視聴者と言えます。

櫻井孝宏演じるアケチ・コゴロウは高校生の設定ながらスタイリッシュな男くささが魅力です。

みなみけおかわりを思い出させる脇役影絵ですが手抜きにしても丁寧な使い方で気になりません。
監督がベテランなので凡ミスは無いはずなんですが、
キャラの服装が同じとか、「3分間ショッキング」が滑ってるとか岸監督絶好調とは言えないですね。
乱歩の作品になじみがあってなおかつ「エンジェルビーツ」が好きだった人は楽しめそうです。

世相を反映したエピソードも多少はありますが、この手の奇想作品にはあまり効果は無いような気がします。
乱歩特有の変質的趣味こそ命の作品。

そこにしびれる、あこがれる、という人には嬉しい作品。
私は非常に楽しめました。

次は「安倍公房選集」なんてどうでしょうか?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 25
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

うん。悪くない。

まず見るべきポイントとなるのは演出方面ですね。
興味のない対象をシルエットなどとして描くとか、一部のキャラ{netabare}検死官{/netabare}の扱い方とか、ED曲とのリンクとか、上手いなあと感心する点が幾つかありました。
私的にはそこだけでも見た価値があったので、割と満足してます。

肝心の内容についても、悪くはないと思いますよ。
最大の問題点は『乱歩』や『ミステリー』という肩書と一致しないところでしょうかね。
そこに期待してみると肩透かしを喰らうのは確実(特に1話)。
加えて、所謂男の娘やそれに付随する恋愛的表現や、ファンタジーと現実の見分けがつかない表現方法、悪を否定しない姿勢などが用いられているので、万人受けはしないでしょうね。
まあ私としては、こういう闇を描いてくれる作品は嫌いじゃないかな。

補足というか私的解釈→
{netabare}数式殺人については因果律の修正と捉えています。(パソコンでターンは殺人方法ではなく比喩。と信じたいので)
例えば、明日とある場所で事故が起こることを知っていた場合。
対象となる人物をその場所に向かわせるように仕向けることが出来たら、その人物はその事故に巻き込まれて死ぬ可能性があります。
ではどうしたら向かわせることが出来るか。
それは直接的なことかもしれないし、今夜右を向いて寝るか、左を向いて寝るかというほんの些細なことかもしれません。
所謂バタフライエフェクトというやつですね。そういう描写もされていたので多分合ってるいるとは思います。
じゃあ事故察知はどうやってやるんだという話になりますが、そこはファンタジー要素として解釈するしかないかと。
この世の理を紐解いて、因果律を知ることができるようになった(正しくはつもりになっていた)天才。という設定ですね。
(影男や黒蜥蜴については完全ファンタジー、または誇張表現としておきましょう……)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

78.0 18 ミステリアスアニメランキング18位
PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)

1998年2月28日
★★★★☆ 3.9 (655)
3050人が棚に入れました
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エロくてグロくてつらくて。でも最後、スカッとします!

今敏監督、気にはなってたんですけど、
とうとう挑戦!視聴に及んでしまいました(*^▽^*)

結果は・・・・・・

面白かったです!凄く!!

お話自体はサイコホラーです。
怖いです。苦しくてつらいです。
リアルと虚構と悪夢と妄想が、
複雑に入れ子になっていて、
自分のいま見ている映像が、
誰のものでホントはどこにいるのか、
目眩のような混乱を感じて、
楽しいとか、ほのぼのとかとは正反対、
いつも何かに追い詰められているような、
そんな、安らぎとは無縁で、
ハードな展開が延々と続き、
見ているだけなのに精神を削り取って、
めちゃめちゃ暗い気分に追い込んでくれます。

エロチックは、もう全編エロいんで、
好きな人はそれだけを目当てに観賞するのもあり?
って思いましたが、
作品の根本的な「鬱感」が強すぎるので、
そんな短絡的な目論見は吹き飛ばしてくれる、
凄いパワーでした!



グロテスクがこの作品の真骨頂だと思いますが、
スプラッターではなくて、
心の闇とか病とかでの
精神攻撃がグングン迫って来ます!

ハイレベルなグロ、
凄く心に刺さります!

アイドルものって全然興味ないけど、
こういう
脱アイドルを目指したときの地獄!
めちゃめちゃドラマチックです!!!

投稿 : 2024/11/23
♥ : 28

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

閲覧要注意

何年かぶりに 観かえしました。

正直、今敏監督は苦手です。

が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)


お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。



まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。

きっと
普通の女の子の普通の部屋。

まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)

私は覗き魔になる。


そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。

レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。

デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。

私は未麻を犯す男優になる。



どんどん不安定になって行く未麻

『解離性障害』という病

『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)


それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。


私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。



この作品を、『グロ』と思って欲しくない。

先入観で敬遠して欲しくない。

心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。


『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。

『こうあって欲しい』という願いが高じて

人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり



今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない


一生
応えられないかもしれない

それでいいと 思ってる




今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。


人の中に潜む、複数の『私』


複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。




さて
今日の『私』はどの子とどの子?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 59

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あなた、誰なの?

サイコホラーのアニメ。始めてみました。
まさに衝撃。アニメでしか表現できない、というのは
まさにこれのこと言うのでしょう。

アイドル界が舞台のサイコホラー。
現実なのか、幻想なのか混乱させる二重人格の演出。新鮮ですが
このアニメだととても怖い。

あらすじを見ればわかりますが、なるべく一人でみるように…。

しかし、岩男潤子さんだと声がアイドルより過ぎる気がしましたね。
内容が内容なんでどうなんだろう。
内容とギャップがあって逆によかったのかな。


私はこのアニメを見て、影響されてしまい
今敏監督のパプリカ、千年女優などをみました。

監督の作った作品、一つも外れがありません。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

69.0 19 ミステリアスアニメランキング19位
ヴァンパイア騎士(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (441)
2666人が棚に入れました
全寮制の私立「黒主学園」には、一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)と、エリートで美形揃いの吸血鬼(ヴァンパイア)が通う夜間部(ナイト・クラス)が存在するが、普通科の生徒は夜間部全員が吸血鬼という事実を知らない。5歳以前の記憶を持たない主人公・黒主優姫は、麗しい吸血鬼で夜間部のクラス長を務める玖蘭枢に命の恩人として憧れつつも、錐生零と共に学園の秘密を守るため、風紀委員として守護係(ガーディアン)を務めている。人間と吸血鬼を共生させる学園、そして、吸血鬼を激しく憎む零には、それぞれにひた隠す秘密があった。

声優・キャラクター
堀江由衣、宮野真守、岸尾だいすけ、千葉進歩、福山潤、諏訪部順一、保志総一朗、皆川純子、喜多村英梨、水野理紗、郷田ほづみ

k-papa さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三角関係、イケメン吸血鬼、学園、少女漫画の美味しい所取り。

原作漫画。
原作既読。(よく覚えていない。)

少女漫画の世界って、登場人物の関係が複雑過ぎて、
途中で分からなくなります。
そのまさに典型的なこの作品、過去の関わりすぎる人が多すぎて、
脳みそが崩壊します。

この作品の怖いところは過去の出来事が謎過ぎて、
しかもわざと騙すように隠しているのでさっぱり分からん??

恐ろしいことにメインヒロインの素性が全く見えません。
しかも見た目と性格はとても良いので、モテます。
そんな彼女を取り争うイケメン野郎が二人だけじゃないような・・・。

全く謎のまま、この1クールが終わって、2クール目があるので、
次を見てねといったズルい終わり方です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 2

吉田くん^ ^ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ヴァンパイアと人間

この作品は2クールの内容を1クールずつ分けて放送された作品です。

物語の内容は
全寮制の私立「黒主学園」には、一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)と、エリートで美形揃いの吸血鬼(ヴァンパイア)が通う夜間部(ナイト・クラス)が存在していて普通科の生徒たちに夜間部の生徒がヴァンパイアとばれないようや問題を起こらないように学園の秘密を守るガーディアンがいた。それが主人公である黒主優姫と錐生零です。そして夜間部のヴァンパイアの長であるのが玖蘭枢です。これ以上説明すると長くなるので書きませんが主にこの3人が中心です。

ここからは感想ですがまず話の設定が好きでした。学園でヴァンパイアだったのでまさにヴァンパイアものが好きな自分にはこれははまりものでした。そして人間がヴァンパイアに噛まれるとヴァンパイアになってしまうというのもしっかりしていて良かった。純血種のヴァンパイアにだけだが。後、夜間部の長である玖蘭枢が主人公の優姫に特別な感情を抱いているところが良かった。出てくる男のキャラはほとんどイケメンばっかです。たぶんはなしを見てる人は玖蘭枢派か錐生零派で分かれる思いますが自分は玖蘭枢の方が好きでした。ちなみに藍堂も好きでした^ ^
声優も意外に有名な人達ばかり(堀江由衣さん、宮野真守さん、岸尾だいすけさん、福山潤さん、諏訪部順一さん、皆川純子さん、保志総一郎さん、喜多村英梨さん)などが出てて良かったです(≧∇≦)

ヴァンパイア、イケメン、学園ものが好きな人にオススメです。
興味があったら是非見てみてください^ ^

ちなみに個人的には2期目の方が謎が少し解決されていくので好きです(≧∇≦) ちなみに自分は男子だけど少女漫画が原作のこの作品を続きが気になり最終巻まで買ってしまった笑 買うの辛かったわ‥

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

にゃんちゃこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

えーなにこの終わり方〜!リアルで観てた人可哀想!

回を増すごとに真剣に見入ってしまいました。
これハマる人はハマりますね(^^)
主題歌もどう言う人が歌ってるのか気になってしまって〜。
日本の歌手は全く興味なかったのですが、このアニメで珍しく!そこで今更ながら調べました。
on/offと言う双子(一卵性)の歌手で割とイケメンだったんですね(^^)
劇中で、ヴァンパイアの族種とか、ちょっとわからない用語が時々出てくるので、それって何???だったので、調べながら観てました(苦笑)
自分の様にスルー出来ない方はWikipediaでヴァンパイア騎士の世界観、用語を事前に見ておくとスムーズに楽しめると思います。でもミステリアスなところもあるので、STORYを楽しみたい方は、あらすじと言う項目は見ないように、結構詳しく書かれてたので要注意です!
最終回も、始めから2期があることを知ってて観てたので、続きは2期だなって感じで観終えたけど、当時ハマってた方はさぞかし2期が待ち遠しかったかと思います。
絵が割と美形、イケメン系だからこんなにハマれたのだと思います。
実写のヴァンパイアって不気味なのが多いから(苦手)
さ〜て続きの2期観に行きま〜す(^-^)/

投稿 : 2024/11/23
♥ : 5

66.7 20 ミステリアスアニメランキング20位
CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (456)
2426人が棚に入れました
2015年、渋谷。

6年前に起きた大災害、渋谷地震から復興された街に新設された私立高校『碧朋学園』に通う青年宮代拓留は、自身が設立した新聞部の活動の一環として『ニュージェネレーションの狂気の再来』と称される連続殺人事件を追っていた。

情報強者を自称する拓留は持ち前の好奇心と行動力、そして周囲の手助けや偶然もあり、とうとう事件の第一発見者となる事が叶う。

真相の究明をする事で自身の有能さを知らしめる事ができると考えた拓留は、義理の姉を自称する来栖乃々の制止も聞かず、幼なじみの尾上世莉架や親友の伊藤真二と共に動く事となる。

やがてそれは、渋谷に生きる全ての人々を巻き込む狂気となって拓留に襲い掛かり、拓留もまた、自身の過去と向き合う事となって行く。

声優・キャラクター
松岡禎丞、上坂すみれ、ブリドカットセーラ恵美、三森すずこ、水瀬いのり、仲谷明香、真田アサミ、藤原祐規、阿部敦、原由実、菊池こころ、くじら、志村知幸、加藤将之
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

桃太郎のストーリーを140文字以内で述べよ

原作プレイ済み。

推理モノと妄想・超現実をかけ合わせた作品。
ショッキング・グロシーンが多いので、苦手な方は注意です。

CHAOS;HEAD(カオヘ、https://www.anikore.jp/anime/1267/)の続編にあたります。
続編と言っても、本編内で重要事項の解説があります。
カオヘは未視聴で問題なし。


問題なのはストーリーの密度の高さです。
シュタインズゲートの1.5倍という文量に対し、発表された話数は12話+α。
原作プレイヤーからは「尺が足りないだろう」と言われていました。


結果、尺が足りませんでした。

内容はほとんど原作通りであり、悪改変もありません。
しかし、尺が足りなすぎて、視聴者が単なる傍観者でしかなくなっています。

* 主人公の心理がわからない
* 日常がカットされているので、キャラに愛着がわかない
* 情報量が多く、眺めているだけでは置いていかれる
* 伏線設置が一瞬過ぎて記憶に残らない
* 演出が短いので感傷に浸れない

原作では、日常が壊れていく感じとか、疑心暗鬼になっていく感覚などの心理的効果が大きいです。
売りのひとつであるアフターエピソードも6月ですし、TV放送ではありません。
この時点で魅力は激減。


ただ、制作スタッフは頑張っていると思うんですよ。
限られたリソースを工夫して、ドラマチックに見せようとしているのが伝わってきます。
声優も美術も音楽も悪くないです。

正直言うとね、12話で泣きました。
気持ちを知っているし、気持ちがこもっているから。

でも、流し見してきた一見さんは12話でポカーンの可能性があります。


時間が足りないとどうなるか、名作「桃太郎」を例に出してみましょう。
Twitterの制限文字数で収めます。


「桃から生まれた桃太郎は犬、猿、雉を連れて鬼を倒し、財宝を持ち帰りました。」

ただの強盗殺人です。


「昔々の話。
桃から生まれた桃太郎は、鬼退治に向かうことにしました。
途中で犬、猿、雉をお供にし、鬼ヶ島へ到着しました。
鬼を退治した桃太郎は、財宝を手にしました。」

賞金稼ぎの桃。
こまけぇこたぁいいんだよ!!


「昔々、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
桃を割ると中から元気な赤ちゃんが生まれ、桃太郎と名付けられました。
成長した桃太郎は、きびだんごを手に、犬と猿と雉をお供にし、鬼ヶ島を目指しました。
鬼を退治した桃太郎は、金銀財宝を手に無事に家に帰りました。」

これで140文字です。


いやー、ストーリーを曲げず、なるべく多く語るのは難しいですね。
でも、肉付けは全然足りない。おじいさんいないし。。。


「情弱と情強の差」というのがストーリーに関わってくる本作。
骨組みは一緒でも、情報量によって大きく印象が変わる、というのをアニメ自ら実演してくれていますね。


原作を知っている人にとっては、「キャラが動いてる!」という感動はあります。
実際楽しめました。

知らない人にとっては、
「ショッキングだけど、結局なんだったの?」とか、
「なんとか理解したけど、気持ちがわからん」とか、
「何この{netabare}茶番{/netabare}」という感想が出そう。


販促としてはきつそうですし、ネタバレダイジェストをしている本作は、原作の驚きを低減させます。
ちょっと厳しい立ち位置にいるかもしれません。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 52
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ラストで好きになれた

2017年冬アニメ。全12話。
原作ゲーム未プレイです。さすがはニトロプラス、グロ注意ですね…;;

最初のスプラッタ描写がきつくて録り溜めたままなかなか手が付けられなかったのですが、3話目辺りからは引き込まれて一気に観てしまいました。
「妄想」というのがこのシリーズのキーワードなんですね。本作の中では「情報強者」「情報弱者」という言葉で端的に拓留の問題点を表しているのがわかりやすい。

音楽は全体的に雰囲気を壊さずに使われていてとても良かったです。特にいとうかなこさんのOPは素晴らしい。
作画・演出も安定しており、最後まで違和感なく見られました。
ホラー演出とストーリーの両方にある程度尺を必要とする悩ましい作品という印象でしたが、個人的にはその点では上手くバランスを取っていたように思います。
ストーリーはかなりのカットや短縮があるのは感じましたし「そういうもの」で流す所も多かったですが、ストーリーの流れは丁寧に見ていれば理解できる範囲に収まっていて面白かったです。

{netabare}
でもラストが少し難しかったのと、世莉架と佐久間に関してはもう少しわかりやすい伏線があればよかったと思います。(しっかり考えて作られているように感じるので、見返せばわかるかもしれないですね)
結衣ちゃんと伊藤君が可哀想過ぎてもう…;;


普通は拓留のような頭でっかちで他人を下に見るような子は普通に成長する中でそれをわかって行くものだと思うのですけど、特殊な環境と能力のために取り返しのつかない状況になってしまいましたね…。

拓留自身は身近な人たちが巻き込まれる事件の渦中にいたからこそ自分の本当に大切なものを理解していって、そのために最後に全ての罪を背負うという決断をしたのが皮肉めいていてやるせない。拓留だけが一概に悪いとも言えないけれど原因であったことは確かで、自分のいたらなさを自覚し自分の意志でけじめをつけたのは凄い勇気だと思いました。

拓留は成長し変化していくのに対して、世莉架はどうだったんでしょうか。世莉架自身が精神的に成長したり変化したりするのかはわからず仕舞いでしたが、拓留が彼女を生み出した時点でふたりは別の心を持った別の存在だったということなのでしょうね。倫理観やモラルを欠いたやり方がかえって拓留を追い詰めてしまった。

それでも拓留にとって世莉架が大切な幼馴染であることは変わらず、最後までその存在を否定しなかったのは本当に良かったと思います。
世莉架は「普通になる」と言ってたけれど、人間になったという事でいいのかな?
「普通になりたくない」「皆迷って悩んでる。それでも生きてるのが信じられない。なんで笑ったり出来るの?」というのは本当にその通りですね。世莉架にとっては突き放されたようなものかもしれないですが、拓留は世莉架を生み出した責任を彼なりに取ったと思います。
{/netabare}

本作は最初から面白いとは思っていたのですが、正直最終話のAパートまで好きになれるかどうか自信が無く、ラストで一気に気に入りました。
他の人に勧めにくい作品ではありますが、個人的には最後まで視聴して良かったと思います。(2017.5.18)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

レオノジョウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白いのに惜しすぎるアニメ

ゲーム版をプレイしてないうえでの感想と評価です。まずこの作品の説明です。このカオスチャイルドという作品は科学アドベンチャーシリーズというシリーズの4作品目にして1作目のカオスヘッドの正統続編です。科学アドンベンチャーシリーズには他にあにこれアニメランキング1位のシュタインズ・ゲートやノイタミナ枠で放送されたロボティクスノーツがあります。さてここからが本題ですこの作品なのですが、特に自分が言いたいことは、とても惜しいということです。現在9話まで放送されているのですが、もともとゲーム原作の作品で、そのゲームのシナリオがとても長いためか本来2クール近くの話数を必要とするところを無理やり1クールにしているため、かなりゲームのお話をはしょってはしょって制作されています。そのせいでゲームをプレイしていない人にとってはかなり話が難解になっており、よくわからなくなるところが多数見られます。ただ重要な部分を丸ごとカットしたりはしていないのでもう話が飛び過ぎてまったくわからなくなるということはないと思います。なので物語については、元のお話自体はすごく面白いらしいのですが、このアニメだけ見るとそこまで面白くは感じられない方が少しいるかもしれません。キャラクターの心情もゲームよりもはしょられているためにわかりずらく、ゲームでは共感できたところもアニメでは共感できないかもしれません。作画や音楽はとてもいいわけではありませんが毎話安定して楽しめるようなものを制作会社のシルバーリンクが制作してくれているので、そこは安心してみてもらって大丈夫だと自分は思います。そして声優さんの演技ですがやはりカオスチャイルドはココがすごいです!主演の松岡禎丞さんをはじめ、ほとんどの声優さんがノベルゲームだったゲーム版カオスチャイルドと同じ声優さんのため本当に声だけでカオスチャイルドの世界が見えてくるような素晴らしい演技をしてくださっています。正直中には気になる声の方もいますが、それでも声優さんに関しては安心したうえで視聴してくださって大丈夫だと自分は思っています。以上の点でカオスチャイルドに少しでも興味を持ってくださった方がいれば見てみてください。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 4

66.3 21 ミステリアスアニメランキング21位
Another OVA 『The Other -因果-』(OVA)

2012年5月24日
★★★★☆ 3.7 (459)
2099人が棚に入れました
TVアニメ『Another』のOVA。アニメ本編では描かれなかった見崎鳴のこれまでを、完全新作のオリジナルアニメーションで綴るファン必携のアイテム。

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

鳴と未咲の双子のお話

アナザー0話です。
アナザー本編のヒロイン見崎鳴と双子である藤岡未咲が亡くなるまでのお話。

親の問題で別々になってしまったけど、すごく仲良しの双子。
この時の鳴はとてもよく笑う子でしたヽ(´∀`*)ノ

0話では鳴の家にお泊りに行って、
次の日に遊園地に行く。
ところどころ親の話や、もしも逆だったらとか
過去の話や経緯を語っています!

鳴の目は4歳の頃腫瘍により失なった左眼に霧果さん(鳴をひきとったお母さん)の
つくった青い瞳の義眼をはめています。(wikiより一部抜粋)
その左眼では相手に死がせまると?死の色が見えるみたいで。
お泊まりの夜に美咲に死の色がっかってるのを鳴が見てしまいます。

どうやって美咲が亡くなるのか。。。
後半美咲が死ぬまで意外と展開が早かったです。
ネタバレ防止のため死因は一様ふせます。

アナザー0話双子の2人がとても可愛いです!!
アナザー本編見てからでも問題なしです♪

読んでくださりありがとうございましたヽ(*´∪`*)ノ"

投稿 : 2024/11/23
♥ : 36
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「Another」本編を見終わってから見ましょう。

原作未読。

ホラーアニメ「Another」のOVAです。
Another本編では描かれていなかった、鳴の過去が明かされます。

Another本編のレビュー→ http://www.anikore.jp/review/444765/

本編同様、綺麗なグラフィック、特に錆びや水の表現はとてもリアルでいいですね。
また、影を落としていない、鳴の明るい顔や笑い声を聴くことができます。
ファッションもとてもかわいらしいです。

本編の{netabare}「理不尽な呪い」の正体{/netabare}は分からないですが、本編で鳴がとった行動の意味が分かってきます。
{netabare}
1.美咲の変わった趣味
本編で、鳴がなぜあんな不気味な人形を持っていたのかという理由付け。

2.「鏡」「姉妹(きょうだい)って二親等なんだよね」
双子という鏡のような存在なのに、価値観も生き方も異なる。
そんな状況を表現。

3.繋がっている人形
繋がっていることで、見たくないものまで見えてしまう。
そんな状況になりたくなかったという、鳴の気持ちの表れ。
本編での鳴のセリフ、
「おだやかな顔をしてる。繋がってるのにこんなに安心していられるなんて、とても不思議」
という言葉に繋がってきますね。

4.遊園地の観覧車
本編で遊園地の観覧車に乗りたがらなかった理由。
過去を思い出したくないという思いと、ぐるぐると同じことを繰り返したくないという比喩。
{/netabare}

また、少ない人数に焦点を当てているため、心情描写が丁寧で、キャラクターが引き立っていました。
少し百合展開がありますが、「仲睦まじい」の言葉で表現できる程度のものです。

なお、使用されている曲は本編と同じもの。
違うのは内容だけですね。

本編で曖昧だった内容を補完する意味でも、本編視聴後に観ることをオススメします。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り

わたしの、「Another0『The Other -因果-』」の楽しみ方

「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」

わたしの、総評です。

見崎鳴、藤岡未咲の2人の姉妹のおはなしです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの『つながり』を描いています。

Anotherはこのおはなしを含めて、全13話だと思っています。
そして、中でも、この0話がいちばん好きです。
そのくらい大切で、明るくて、哀しくて、つらくなるおはなし。

本編に含めて放映してほしかったって気持ちはあります。
ミスリードが成立しなくなるので、難しかったのはわかりますけど・・。

そのため、「Another」本編を見た後に、見ることをおすすめします。

さらに、0話を見た後に本編を見返してみると、
鳴ちゃんに対して、物語全体に対しての印象が、だいぶ変わります。
それまでとは、また違う視点で楽しめると思いますよ^^


「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
{netabare}
前半は、仲良し姉妹の日常を描いた、明るい内容になっています。

この「見崎鳴の明るい日常」って、
本編では描かれることがなかった場面なのですよね。

現象によって、未咲ちゃんを失わなければ、
鳴ちゃんも、本来の、明るくて、よく笑う普通の女の子でいられたのに。

現象さえ起らなければ、他の3年3組のクラスメイト達だって、
中学校生活を満喫する普通の男の子や女の子でいられたはずなのに。

「普通の日常」を描くことで、現象の理不尽さがより際立ちます。

後半は明るい日常から一転して、現象の恐怖に突き落とされます。

大切な人を理不尽に奪われることへの怒り、哀しみ。
日常から、死の恐怖に常に怯える毎日に突き落とされる落差。

日常と現象を同時に描いていることは、
この物語の中で重要な意味を持ってきます
{/netabare}

「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
{netabare}
この0話はAnother全体から見てもとても密度が濃いです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの気持ちや想いが詰まっています。
双子の姉妹のつながりを描いたおはなしです。


見崎鳴
{netabare}
姉妹としても、親友としても、
本当に、未咲ちゃんのことを大切に想っていたのでしょうね。
だからこそ、未咲ちゃんのことを何としても守りたかった。

未咲ちゃんがいたからこそ、本当のお母さんともつながっていられた。
未咲ちゃんを失ったことで、お母さんとのつながりも断たれてしまった。

ひとりぼっちになってしまった。

それがもう見ていて、本当につらかった・・。
{/netabare}

藤岡未咲
{netabare}
好きな人もいて、やりたい夢もあって、
おしゃれにも興味があって、家族を思いやる優しさもあって、
本当にかわいらしい女の子。

なんで未咲ちゃんなの!?って、
見ていて本当につらかった、哀しかった・・。
やっぱり、こんなのひどい・・理不尽だよ・・。
{/netabare}
{/netabare}

「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」
{netabare}
たった1人の双子の姉妹であった未咲ちゃんが、
現象によって、「4月の死者」となってしまった。

未咲ちゃんのことを何があっても守るって思っていた、
鳴ちゃんはその時、ものすごい葛藤をして苦しんだと思います。

3年3組に入りさえしなければ、死なずに済んだのかもしれない。
死の色が見えていたのに、何もできなかった。助けられなかった。
でも、なんで未咲が、死ななくちゃならないの!?、って。

未咲ちゃんが亡くなったあと、
鳴ちゃんが眼帯を外し、鏡の前で怒りをぶつけるシーンがあります。

私にとって、このシーンはアニメ版Anotherでいちばん好きなシーンです。

鳴ちゃんのくやしさ、無力感、そして、怒りが一気に流れ込んできて、
涙がぼろぼろと溢れてきました。Another本編ではいちども泣かなかったのに。

この出来事のあと、物語はAnother本編へと入っていきます。

{netabare}
でも、未咲ちゃんを救うことができず、お母さんとのつながりも断たれ、
学校ではいないものにされて、哀しみに毎日を過ごすしかなくなって、
鳴ちゃんは心を閉ざすしかなかったんじゃないかな・・。

そんな、鳴ちゃんが本当にかわいそうで、痛々しくて、見ていられなかった。
{/netabare}

この0話を見た後だと、Another全編を通して、
鳴ちゃんの印象はとても大きく変わります。
そして、未咲ちゃんが「4月の死者」であることが、
本編で重要な伏線となっていきます。

0話を見て、改めて思います。

鳴ちゃんが経験した、くやしさ、無力感、怒りって、
実は、3年3組の生徒全員に言えることなのかなって。
{/netabare}

わたしなら、こんな方に「Another 0『The Other -因果-』」をおすすめ!!

「Another 本編をすべて見たことがある方」(←これが前提条件です)
「Anotherの物語をより深く知りたいと思う方」
「本編では描かれなかった鳴、未咲姉妹の伏線を知りたい方」

投稿 : 2024/11/23
♥ : 34

72.0 22 ミステリアスアニメランキング22位
ファンタジックチルドレン(TVアニメ動画)

2004年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (308)
1971人が棚に入れました
南の島で両親と暮らす11歳の少年・トーマは、ある日島の遺跡で一人の少女と出会う。少女の名前はヘルガ。無口で、どことも知れぬ場所の絵を描いては、そこに行きたいと言う不思議な少女。トーマは、ヘルガを慕う少年・チットと共に、ヘルガを“行きたい場所”へ連れていこうとする。
何十年かおきに現れる、謎の黒衣の子供たち。“ベフォールの子供たち”と呼ばれる彼らは、長い長い年月をかけて、ある一人の人物を追いかけ続けていた。繰り返される年月に疲弊し、また謎の少年・デュマの妨害によって仲間を減らしながらも、彼らはただ、ひたすらに“彼女”を追い求め続ける。
少年少女の連続失踪事件を追う刑事・クックスは、捜査の中で“ベフォールの子供たち”と呼ばれる存在に辿り着く。追い求めるほどに深まる子供たちの謎、不可解な現象、そして現れる謎の青年。一体、失踪した子供たちにどんな秘密が隠されているというのか。
平行する3つの物語は、やがて複雑に絡み合い、500年の時を超えた、ある惑星の悲劇へと収束していく。


声優・キャラクター
河原木志穂、皆川純子、花輪英司、小林希唯、浦田優、高口幸子、はらさわ晃綺、松本さち、矢口アサミ、坂本真綾、鈴木千尋、甲斐田ゆき、辻親八、住友優子、後藤哲、羽多野渉

屋根広し さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

作画で損しているアニメの代表

確実に作画から判断して観ない人が多いと思う。
物語がすばらしいので作画が気になりません。
もし作画が万人受けしそうなものだったらもっともっと上位にいっていること間違い無しです。

観終わった今ではこの作画でよかったと思っています。感情表現がわかりやすく、素直に感情移入ができたような気がします。

これから観る方へ
序盤は若干退屈かもしれません。中盤あたりでいろいろと明らかになり見入るようになると思います。
あと、終盤の挿入曲で涙すると思いますのでお楽しみをw

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

琴娘 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人を選ぶが、ハマるひとは本当にハマる!

本放送時から強い思い入れをもって見ていました。
終わってもなお大好きな作品のひとつです。
まず、誰もが最初に躊躇してしまいがちなこの独特な絵柄、なのですが、これに慣れて気にならなくなってからがこのアニメの本番!です。
さらに2クールある物語のほぼ半分を伏線をとことん張ることに注力しているこの作品を退屈だと思わないかどうか、
この作品を心から面白いと感じて楽しめるための条件は以上の2点を我慢できる(?)人のもとで初めてそろいます。
これがクリアできればもうこの作品を大好きになれること間違いなし!です。おそらく。
伏線が回収された瞬間の爽快感ったらありません…!
そうだったのか…! えっあの人が…!?
そんな瞬間がたくさんあります。
音楽も素晴らしく、心地良いメロディや音色は今でもわたしの心の癒しの源です。実は今も聴いています。

その人がアニメに何を求めているのかにもよりますが、SFの類が好きな人にとっては満足していただける作品だと思っていただいて間違いないのではないでしょうか。
最終回、終わり方の解釈もさまざまあります。
この解釈を自分なりに考察するのもまた一興、というところですね。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 12

いっき さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

壮大な恋物語

当時3話まで見て切ってしまったアニメ。切った理由絵がちょっと受けつかなくて話が難しくて週に一度のペースで見るのが苦になってしまったから。

しかしこのアニメは評価が高くいつか見たいと思って見てみました。

26話見終わって、なんて壮大な恋物語なんだろうと・・・物語がしっかりしてて見ごたえがありました。

話は難しいですが1話1話じっくり見ればこの恋物語の謎や答えが分かります。最後にはすべての謎が解けてスッキリした気分で完走できました。

自分もそうでしたが絵が苦手とか最初から話が難しくて「いみふ」と受け止めてしまうかもしれませんが物語り重視でちゃんと完結するアニメを見たいという人にはおすすめかもしれません。

物語重視な分、物語の進行が淡々と流れますのでしっかり見たほうが良いです。なんとなく見てしまう人は話がわからなくなり置いてかれます。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13

71.1 23 ミステリアスアニメランキング23位
ブギーポップは笑わない(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (415)
1744人が棚に入れました
竹田啓司は、同じ学校の後輩でもある恋人の宮下藤花を待っていた。しかし約束の時間が過ぎても彼女は現れず、連絡も通じない。日も暮れ始め、あきらめて帰ろうとした竹田の視界に涙を流しながらふらふらと歩く男の姿が映る。どう見ても普通ではない男の姿に、竹田自身も、そして周囲の人間たちも我関せずを決め込んだそのとき、不思議な人物が男に駆け寄ってくる。大きなマントに身を包み、奇妙な帽子を被った不思議な人物。ソレは竹田との待ち合わせをすっぽかした宮下藤花と同じ顔をしていて……。

声優・キャラクター
悠木碧、大西沙織、近藤玲奈、小林千晃、下地紫野、諏訪彩花、榎木淳弥、市川蒼、竹達彩奈、宮田幸季、八代拓、市ノ瀬加那、細谷佳正、長谷川芳明、阿澄佳奈、上田燿司、花澤香菜
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

どっからどう見てもポップ・・・ではないよね

『これは猟奇サスペンスであり青春群像劇であるんだよ』 

相反しそうな言葉を同一の意味合いのものとしてキャラに語らせる。するとあら不思議!深淵なる哲学的ななにかに聞こえてきます。

『猟奇サスペンスである一方青春群像劇』 並列は×
『猟奇サスペンスである以上に青春群像劇』 序列も×

いずれもパンチが弱いため、ここではあくまであたかも相反するものが一体となってるような表現に努めねばなりません。

・レトリックのみでくどく、キャラをイタく感じてしまうのが “梅”
・レトリックがハマリ、キャラに魅力を感じてしまうのが “竹
・レトリックとストーリーがマッチし、作品に魅力を感じてしまうのが “松”

本作『ブギーポップは笑わない』はまごうことなき松!
抽象的な「世界の危機」という大問題を巡って登場人物たちの極めて主観的な台詞回しで進行していくサスペンスタッチの青春群像劇のようなものと言ってよいでしょう。猟奇性を帯びたキャラクターも複数登場するため、グロ描写も所々出てまいります。


1クールなのに全18話のお得感。トリッキーな放送スタイルのおかげで何話か飛ばしましたがなんとか視聴を完了しました。配信やタイムシフトのある時代で良かったです。
そんな便利なサービスの欠片もなく、ラノベという単語も浸透してなかった1998年に刊行されたヒット小説のアニメ化です。
元ネタの刊行年度を考えれば古典といって良いでしょう。私としては珍しく原作既読の作品です。作品の意義だったり影響等についてはgoogle先生あたりをご参照くださいませ。

実際に視聴してみて巷で言われるような “古臭さ” というのが実はよく分かりませんでした。
だいぶ原作の記憶が薄れているためほぼ初見のような新鮮さで堪能できてます。全18話を通してキーになる人物(人格)がブギーポップ。いくつかに別れたエピソードはこちら、

(1) 第1話 - 第3話 ブギーポップは笑わない
(2) 第4話 - 第9話 VSイマジネーター
(3) 第10話 - 第13話 夜明けのブギーポップ
(4) 第14話 - 第18話 オーバードライブ 歪曲王

計4つのエピソード。時系列は前後してたりするのでながら見は禁物です。時系列の掴みづらさと同様に、キャラ相関が難解、そして台詞回しが難解です。私は後者をあきらめました。
ただキャラ相関は小難しそうに見えて意外とシンプルなのではなかろうかと思ってます。ここが掴めてくるとテーマらしきものも見えてくる作品でした。


◆相関その1 二つの二項対立
・《世界の敵》 と 《世界の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}《世界の敵の敵》はブギーポップ。前者はブギーポップに“自動的に殺される”人が目安でした。合成人間もいいセンいってますが、MPLSと呼ばれる元は普通の人間でふと異能に目覚めちゃったのが敵認定される場合が多かった気がします。{/netabare}

・《社会の敵》 と 《社会の敵の敵》 の二項対立。
{netabare}霧間お父さんの「社会の敵」というセリフに引っ掛かりを感じました。統和機構に殺されるのが《社会の敵》に見えます。ブギーポップは社会の敵は殺しません。{/netabare} 

《敵の敵》の主語は一つで《敵》はいろいろですが、《世界の敵》か《社会の敵》かに分けて整理するとスッキリします。《世界》と《社会》の違いはようわかりませんでした。
{netabare}強いて言えば
《世界の敵》はマジやばいやつ。世界を滅亡に陥れる者。
《社会の敵》はプチやばいやつ。世界を大混乱に陥れる者。{/netabare}

{netabare}ここでふと、《世界の敵》は超異能だけどスケールが小さいというか世界はさすが言い過ぎじゃね?と思ってみたり。
この作品でいう世界の規模感や質感が我々がイメージできるものならば、目立ってマークされてそのうち一個師団が出てきて壊滅させられる程度の異能ぶりです。おそらく煮詰まった上で殺される前といいますか勃興期のイケイケな時にブギーポップが登場するのかもしれません。だからこう噂されてるのかな。

{netabare}「その人が一番美しい時に、それ以上醜くなる前に殺す」{/netabare}{/netabare}


◆相関その2 宮下籐花はモブ
ブギーポップが主要人物であることはよいとして、肉体を間借り!?している籐花にも焦点をあてると混乱します。
先入観だと、ふつう主役はこの人だよって観る側に柱を作ってあげてから話を進めるとか、群像劇でもグループ(だいたい5名くらい)を作ってその囲いの中で話を進めるものだと思うのですが、それがありません。登場人物の母集団に大きな変動はないのにです。さらに4エピソードと分けてることでなおさらこんがらがります。
前のエピソードで主役を張ったかと思えば次のエピソードは台詞なしとか、ブギーポップに視点を置きたいけどなかなかもったいぶって出てこないとか。
{netabare}当初は、別人格に悩まされる少女(宮下籐花)と恋人竹田啓司との奮闘記を想像してしまったせいでとても混乱した私です。{/netabare}
{netabare}霧間凪も髪型変わってヴィジュアル判別が難しくなったりとかホント勘弁して~{/netabare}


対立の構図や人物相関が整理できたらあとは身を委ねて完走です。
こういった「世界の危機」といった抽象的な大問題をさも大事のように扱う作品って、外からだと馬鹿馬鹿しくつまらなく見えがちなのですが、中に入ってみるとけっこう陶酔できるものです。
作品が世に出た1998年あたりで例えれば、ヴィジュアル系バンドの歌詞世界とライブ模様みたいなものかと。「破滅」「追憶」「世界の果て」「彷徨」「闇」「孤独」「血」「薔薇」「憂鬱」「堕ちる」・・・とだんだん楽しくなってきちゃったのでこのへんで。あと「とりあえずフランス語」。

極めて私的で閉じた空間でのダークな物語。
きっと中学生や高校生くらいの思春期に出会ってたらドはまりしてたと思います。では思春期が遥か遠い大人の私はどうだったかというと、「とても楽しく鑑賞できました」になります。
毎度OPが楽しみだったのと、意外と大人がいい役回りをしてたことが理由としては大きいですね。語り部的な大人らしい大人もいれば、大人になりきれなくて身を滅ぼす大人と。
彼ら高校生が抱く未来への期待と不安を象徴するような大人ばかりでした。
子供ばかりだけだったら見られなかったような気がします。

思春期世代の抱える不穏さをファンタジーでふわりと包んだ良作です。

この作品に影響を受けた奈須きのこ氏の『空の境界』にドはまりした私にはとても相性の良い作風でした。



-----
2019.09.19追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.27 初稿
2019.09.19 追記

投稿 : 2024/11/23
♥ : 51
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

多様性から生まれる「金」の泡

アニメーション製作:マッドハウス、監督:夏目真悟、
シリーズ構成・脚本:鈴木智尋、音楽:牛尾憲輔
キャラクターデザイン、澤田英彦、原作:上遠野浩平

世界が危機に陥ったときに現れる
不気味な泡、ブギーポップという人格。
左右非対称の奇妙な表情をして
筒のような帽子とマントを身に着けている。
その存在は、ひとつの都市伝説のようなものだった。

1998年に発表された電撃小説大賞の大賞受賞作。
この作品に影響を受けたラノベ作家は多く、
西尾維新は作家を志望するきっかけになったと語り、
奈須きのこは『空の境界』の「矛盾螺旋」でのアイデアは、
この作品の『歪曲王』に登場する「ムーンテンプル」に
インスピレーションを得て考案したことを公言している。
ライトノベル作家に影響を与えたという意味では、
1984年から刊行された笹本祐一の『妖精作戦』シリーズに
匹敵する作品だろう。

原作については、アニメ化された作品は既読。
しかし、読んだのは10年以上前のことで、
アニメを観て、ようやく少しずつ思い出した。
ちなみに原作で好きだったのは、
『ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ』と
『歪曲王』だったのは記憶している。
パンドラのほうは、残念ながらアニメ化されなかった。

そして今回のアニメ化を観て、まず感じたのは、
普通に一度観ただけでは、まず理解できないだろうと
いうことだった。私自身もそうだった。
原因は、登場人物が多すぎて覚えきれないことがひとつ。
ふたつ目は世界観が少しずつ明かされていき、
構造が複雑なため、展開に追い付いていけないことだ。
だから、この作品を1度で理解しようとするなら、
ウェブサイトなどで、登場人物や世界観を頭に入れてからの
視聴をおすすめする。その場合は、物語のあらすじを
観る前から、ある程度知ってしまうことになるが、
知ったからといって、魅力が薄れてしまう
種類の作品ではないと思う。
それを避けたい人は、2度観る覚悟が必要かもしれない。

もう20年も前の作品だが、個人的にはそれほど
古さを感じなかった。
そして原作をとても上手く映像化している。
世界の敵、統和機構、合成人間、世界の危機を回避する者、
人類の進化形であるMPLS。
これらを中心に哲学的、思春期特有の思考が重なり、
物語が展開していく。

1~3話『ブギーポップは笑わない』
4~9話『VSイマジネーター』
10~13話『夜明けのブギーポップ』
14~18話『オーバードライブ 歪曲王』
という4つの作品で構成されており、
多くの登場人物が錯綜しながら、
さまざまな伏線が回収されていく。
小説では『VSイマジネーター』が2冊分、
ほかは全て1冊で完結している。
シリーズ通しての主人公は、
ブギーポップになるのだが、
その存在を目撃したり、相対する者が
真の主人公になるため、
視点をどこに定めれば良いのかが
分からなくなってしまうのが欠点だろう。
「正義」と「悪」という明確な概念がなく、
常に視聴者に哲学的な思考を強いるのも
観にくさにつながっている。

1~3話は登場人物や世界観の紹介と、
怪奇ミステリー的な要素が色濃く、
それほど特筆すべき点はないのだが、
4話からの展開は視聴者を引き込む。
時系列順に観たい人は、ブギーポップ誕生の
10~13話を先に観て、
そこから1話に戻るのも良いだろう。

四月に降る雪、落下する鳥、
扇動者のような存在であるイマジネーター、
心のなかにある薔薇、隠された心の歪み。
哲学的なイメージをエンターテインメントに
転化させる手法が鮮やかだ。
まるでポール・オースターの初期三部作を
初めて読んだときのような感覚。

物語の構成、音楽、声優は一級品。
悠木碧が上手いのは周知のことだろうが、
やはり抜群の仕事ぶり。
また『聲の形』や『リズと青い鳥』で知られる
牛尾憲輔の劇伴が世界観と完全にマッチしている。
作画も個人的には違和感がなかったし、
上手く描き分けている。

この作品を象徴しているのが
『オーバードライブ 歪曲王』編だ。
そもそも原作の上遠野浩平は、ここでシリーズを
終了させるつもりだったので、
これまでの要素が集約されている。
『VSイマジネーター』で表現された
心に薔薇があって、誰もが何かが欠けているという
表現とリンクしている部分もある。

{netabare}合成人間の天才建築家・寺月恭一郎が
統和機構に処分される前に多くのMPLS候補者を
一堂に集め、覚醒させるために建設したムーンテンプル。
その集まりに乗じて歪曲王が現れる。
歪曲王は、人間の心残りとして封じられた
多様性ともいえる願望を「金(きん)」に変えることが、
何かを突破するきっかけになると考え、実験を行う。
自身の問いに対して答えを探すための行動でもあった。
それは人にどのような効果をもたらすのか。

年を重ねるごとに私たちは、心の奥に何かを封じていく。
それは大人になるために必要なことだが、
人間の多様性を平坦にして
可能性を摘んでいくことにもつながっているのではないか。
まるで最近の企業が取り入れている
ダイバーシティを先取りしたような思考。{/netabare}

人類に未来や進化があるとするなら、
純粋な心の中に答えが示されているのかもしれない。
(2019年4月26日初投稿)

ブギーポップと時代性
(2019年4月27日追記)
{netabare}この小説が登場した90年代は、
ノストラダムスの大予言の影響から来る終末論や
バブル崩壊、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件が
起こったことで、暗いイメージが付きまとう。
しかし、個人的には何かを突破することが
求められた時代とも感じている。
発想の転換ともいえる宮崎学の『突破者』という本がヒット。
そして音楽でいえば、生音のロックから端境期を超え、
より電子音を重視したドラムンベース、
全くの新しい音楽であるHIP HOPなどの
既存のスタイルを突破したジャンルが一気に登場した。
アニメ業界に変革をもたらした
エヴァンゲリオンの放映も90年代。
終身雇用制という働き手のあり方も変化した。
それまでの常識が覆された時代だった。
そして、純文学かミステリー、時代物しかない
小説のあり方を大きく変えたきっかけが
まさにこのブギーポップシリーズだった。
世界に「危機」が迫ったときに自動的に現れる泡。
このシリーズはそういう時代の流れを
象徴した作品といえるのだろう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 70

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ブギーポップは半笑い」

<2019/4/23 追記>
ようやく見終えました。
バタバタしててなかなか消化できず。

歪曲王まで見てなんとなく思い出してきました。

感想としては「アニメにしづらい原作だなぁ」とあらためてしみじみ。

敵を倒すとか
感動を催すとか
圧倒的に怖いとか

そういう話じゃなくて。
作者の伝えたいことが抽象的且つ主観的な話なので。
そういった事柄を感覚的に受け入れられないとつらいと思います。

まぁでもそうした感覚は歳を経ると得られていく部分でもあるので、「よくわかんなくて面白くなかったー。地味ー。」という方は10年後にあらためて視聴することをお勧めします。

決してわけわかんない話ではないと思いますよ。
寧ろ青臭くわかりやすい。

と、細かい考察が苦手で、本作も理解が適当な私の適当な感想でした( ・∇・)

あとOP曲は好き。


<2019/3/3 追記>
みなさん、Happyひなまつり♪

それはさておき、ブギーポップ危なかったですねえ。

何がって、10〜13話をいつもと違う時間帯で一挙放送て。
たまたま9話をオンタイムで観てて、一挙放送のテロップで気がついたから良かったけど。

なにしてくれんの( ̄Д ̄)ノ

さてはコアなファン以外に見せる気ないな


<2019/1/25 追記>
第5話観ました。
イマジネーター読んだはずだけどいろいろ忘れてる。
霧間凪に弟いたっけ?
いたような気もするけど
あれ?こんなホモォ・・・なエピソードあったっけ?
スプーキーEってこんなつぶらな瞳なの?
中年太りなのは記憶通りだけど
とかとか。

カメラが追いかける人物がコロコロ変わるのは確かにそんな感じだった。
初見のような気分で見られるのはある意味お得なのかもしれないですね。

<2019/1/14 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。

原作はラノベ。
もう10年以上前になるのかな。
途中まで読みました。
なにせ既刊が多いので。
そしてかなりうろ覚え(´・_・`)

原作はラノベ界では有名な作品です。
ラノベをここまで流行らせたきっかけになった作品なんじゃないでしょうか(たぶん)

「ブギーポップは笑わない」
タイトルがキャッチーですね。

例えば「世界の中心で愛を叫ぶ」に通じるものを感じます。
これはエヴンゲリオン最終話「世界の中心でアイを叫んだケモノ」が元ネタで、
そのエヴァも大昔のSF小説「世界の中心で愛をさけんだけもの」が元ネタだったりしてますが、
要は意味はよくわかんないけどキャッチー

「ブギーポップは笑わない」もタイトル先行な気もしますが、書店の本棚に置いてあると目が行ってしまう、ついつい手に取ってしまいそうなナイスなタイトルだと思います。

ジャンルとしては「セカイ系」
1作目の発刊はエヴァのちょっと後ですし時代ですね。
つまりちょっと青臭い。
自分と世の中との関係性に悩む年頃に読むとピタッとハマる作品です。

主役のブギーポップさんは
「世界が危機にさらされると自動的に現れる」
そうです。
セカイ系だから、ね。
そういえば最近までグリッドマンさんもやたら
「裕太!世界の危機だ!」連呼してました。
親戚かな?

どんな危機かは見てのお楽しみです。

ただセカイ系というだけではなく、物語の展開や設定に工夫を懲らそうとチャレンジしている点は好感が持てます。

一見、敵と思える相手のことをブギーポップさんは実はそんなに相手にしておらず・・・とか。
ポイントをずらしてハッとさせる感じの作品。


アニメはまだ3話までしか見ていないですが、原作をうまく表現してます。
ただ原作読んでないと何が何やら(´・_・`)?という気も

雰囲気は一貫して暗いのでそういうの苦手な人にはさらに辛いかも。

あとブギーポップの表情。
原作では左右非対称の奇妙な表情とあります。
半分笑って、半分泣き顔でみたいな感じでしょうか。
それがアニメでは「半笑い」に見えてしまいました。
ここら辺を映像で表現するのは難しい。
文章なら一行なのに。

ものすごい好きかと言われると微妙だけど
懐かしさもあるのでたぶん最後まで見ます。


最後に

スポルディングのスポーツバッグ懐かしいなー
アニメではどうなってんだっけ?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 54

78.5 24 ミステリアスアニメランキング24位
シャドーハウス(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (491)
1671人が棚に入れました
この館には秘密がある──断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔"としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。ある日、“シャドー"一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形"が訪れ、“影"と“人形"の不思議な日常が始まる。

声優・キャラクター
鬼頭明里、篠原侑、酒井広大、佐倉綾音、川島零士、下地紫野、羽多野渉
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

13話 え、終わり?アニメ業界終わるんじゃね?

 最終話を見て。一応作中の事件の結末はありましたけどね。雰囲気的にそうかな、とは思ってましたどね。ここで終わりかい!?でしたね。

 まあ、シャドウという発生源はなんとなく説明がありましたが、ケイトとエミリコだけでなく、エドワードまで現状維持だと、何も進んでねー、っていう感じでしたね。
 ここまで本当に面白かったから、非常に残念です。85点の水準できてたのが、最終話のせいで60点くらいの満足度になったという感じですね。

 製作委員会制、アニメ会社乱立、人材不足、アニメ作りすぎ、原作が不足気味などでアニメのクオリティが昨今心配です。
 ネットオリジナルの作品もほとんど満足行くのがないですし、どうなっていくんでしょうか。
 まず、ちゃんと終わらせろ、話はそれからだ、と言いたいです。
 
 原作中途半端だけど、ためしに1クール作る、12、3話で取り敢えず終わらせる。ソロバンはじいて次を考える、人気あったら時間稼ぎしてスピンオフする、メディアミックスする、作画だけやたら良くて内容も意味もない映画を作る、みたいな作り方がアニメを殺している気がします。
 構成も、エピソードの取捨選択もベストな選択ができるわけありません。2期作っても作品の質は絶対に落ちます。この傾向がこの2,3年で急激に進んでませんか?

 こんな優良なコンテンツですらこれでは、誰もアニメ見なくなっちゃいます。

 ぜひ、視聴者に対する責任とクリエーターとしての矜持を忘れないでほしいと思います。
 商売だからソロバンはじくのは仕方ありません。ですが、ドラッガーの「マネジメント」を思い出してください。顧客満足を忘れた商売は結果的に淘汰されます。

 

以下 視聴中のレビューです。

{netabare}

原作読んでなくてよかった。

4話までの感想です。面白過ぎます。
ローゼンメイデンとかゴシックの今風という感じでとても雰囲気が出ています。

 黒いキャラクターに表情とか感情を感じるのは、すごいと思います。作画は本当に奇麗。画面が暗いのに見やすいので、相当計算してるんだと思います。

 謎の展開が素晴らしい。引き込まれます。早く知りたくて、原作をポチりたい衝動を抑えるのが大変です。やっぱりこれはアニメで最後まで見たいですね。ですので他の方のレビューも見たくないです。

 声優も良いのですが、最後のクレジットでエミリコ、ケイトの順番ではなく、ケイト、エミリコの順番なのがすごく気になります。やはり影が主題なので、2人が…と想像してしまいます。

 1話冒頭の汽車のシーンに絡んで石炭と影からでるススの類似性も気になるし、舞台の上でケイトとエミリコが並んでいる場面とか、エンディング最後の置物みたいな屋敷とか、ちょっと謎解きしたくなりますが、まあ、この話は舞台に引き込まれて、素直に驚くのが楽しそうです。

5話見ました。
 相変わらず美しい作画ですね。
 声優のクレジットの件は考えすぎだったみたいです。
  {netabare} お仕置きのシーン含めて、お影さま-生き人形の組み合わせにいろんな形があるのが分かる回でした。クレジットもこの組み合わせでした。
 あの審査している生き人形の動きがアニメ的に何か不自然なのと、優秀だと言っている組み合わせが優秀に見えないのが、残念ポイントでした。彼らのいる世界の作り物っぱさを意識した演出の可能性もありますが。{/netabare}

 そういった気になることろを補って余りある謎がまだ続いています。

6話見ました。
 少し謎のスケールが小さくなった感がありましたね。本質的にはなんの解決も提示されていないので謎は謎なんですが。解決編がこじつけにならないよう、期待します。

7話見ました。
 エミリコの無邪気最強、という方向性?館の謎は最後なんですかね。謎めいた雰囲気がちょっと薄れたので、視点を館とかシャドーに戻してほしいんですが、まあ、当然そっちにつながっていくんでしょう。1クール通じて最高のアニメってやぱり難しいですね。でもまだまだ面白いので楽しんでます。

8話みました。
 優秀な人間とは、奢らない、臨機応変である、先入観を持たない…エドワードは反対ですよね。
 うーん。エドワードですべての緊張感がなくなってしまったような。「3階」はそれを含めて楽しんでるというどんでん返し?エドワードが排除されるとか?やっぱりエミリコが天然パワーでがんばって、「3階」が「あの娘面白いわ」とか言って救われる?
 ここが帰路でしょね。名作か、凡作か。
 にしてもそろそろ迷路は決着してほしいですね。

9話みました。
おお、シャドウと生き人形って…なるほど…でも、あの蝶々的なのはなに?とかまだまだ秘密はありますね。

10話みました。
秘密が簡単に暴露されて、おや、となりましたが、なんか、意外な方向に話が進みだしましたね。意外性大歓迎です。ケイトが活躍するんでしょうか。

12話までみました。
ケイト様活躍ですね。話の方向が謎解きからサスペンス的な方向になってきました。これ1クールなんでしょうか。ラストが楽しみです。

一つ疑問が。確か大掃除のときに、お披露目が終わった生き人形はもっと意思があったし、目もあのホニョホニョじゃなかったですよね?時間が経つとまた意思が戻るってことでしょうか。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

メイキャップシャドー

原作未読


あやしげな色あいを忍ばせる世界で繰り広げられるなにかが今日はリアルでシュールなアニメ。

エミリコ(CV篠原侑)とケイト(CV鬼頭明里)が並んでいるキービジュアルでけっこう説明がききそう。
とあるお城に住まう顔のないシャドー一族とその一族面々対となる生き人形たちのサスペンス。
偉大なる“おじい様”への忠誠を示す出世レースがストーリーラインだと徐々にわかってきて、ペアとなる二人、片や真っ黒けっけなどうみても人外さんと、片や人形と呼ばれながらどうみても人間さんとの関係が気になる仕様。基本謎だらけです。

魅力的な素材が揃ってます。例えば“ゴシック風味”“人里離れた立地”“閉鎖空間の独自コミュニティ”など。不穏さしか感じられないのは私だけではないでしょう。

1.ゴシック風味
 ⇒エミリコのロリな見た目とメイド服でぱっと見はゴスロリになるかと。シャドー家のお屋敷がまんまお城だったり19世紀半ば産業革命前後の雰囲気があります。

2.人里離れた立地
 ⇒一般人立ち入り禁止。よく大雨で道が塞がれ陸の孤島になっちゃったとか、外部から閉ざされた山間の農村地帯ですとか、事件が起こるべくして起こる舞台が用意されてます。携帯・スマホいつでもどこでも外部と繋がると困る系。余談なっちゃいますけど、物理的に現代でのストーリー構築はしづらいでしょうね。21世紀以前の時代設定にしないと説得力持たせるのしんどくなってくるんだろうなぁ。

3.閉鎖空間の独自なコミュニティ
 ⇒カルトの定番/2.の発展形。現実世界とは異なるどんな価値観を作れるかは製作者の力次第。

1.2.3.共に一般論の範疇ではあります。どっかで思い当たる節があって惹かれるものがあれば拒む理由はないと思います。要はサムネとあらすじと1.2.3.要素に惹かれませんということでもない限りGO!世界観勝負な作品に見えました。
主題歌も雰囲気を壊さないどころかしっかりブーストかけてくれるOPとEDセットだったり、表情がないキャラに声で感情をもたせる声優さんの技量にも感心しきりだったり、屋台骨支える部分もしっかりしてて好感でした。

作品レビューらしきことも一言。“余計なことは考えないし考えてはいけない”閉鎖空間において

 余計なことしか考えないエミリコ/ケイトのコンビ

が巻き起こすなにかを堪能する1クール全13話。原作が連載中らしく根本的なことは何も解決していないわりには嫌な感じがしない良作です。



※ネタバレ所感

■来たるべき2期?に向けて

{netabare}・おじい様のラボですよね。意識を持ったすすの進化のために全てがある感じ
・その刺激誘発剤として有用だからエドワードは許されたとも見える
・もしくはシャドー家に踏み入れた者は何人たりとも外部へ脱出できぬホラー展開か?
・主役ペアだけ演者を分けてます。二人がシャドー家の異分子であることが際立つな
・最終話。「シャドー家のために」と宣うエミリコの目を映さず
・これが正気のままでの台詞なのか?洗脳先祖返りしての台詞なのか?で意味は変わってくるだろう{/netabare}


2期あれば必ず観ます。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

-----

2021.07.11 初稿
2022.05.29 修正

投稿 : 2024/11/23
♥ : 49
ネタバレ

sukasuka さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

色々とブラック

原作は知らないが、俺の中では勝手にホラー系として観てきた。
とはいえ、いつ視聴を断念してもおかしくはない程度の興味で。
5話目でようやく面白くなりそうな展開になった・・・・・気がする。
{netabare}つーかエドワードさん好きだわ(笑){/netabare}

■10話目
ここまで観てきた甲斐があったと思える回。
登場人物が多くてよく分かってない部分もあるのだが、まぁ今のところ
さしたる支障もないので放っておこう(笑)

■最終話まで
全ては謎のまま終わってしまった、言わば長尺なプロローグ。
原作漫画の販促として見るなら上出来だろう。
まぁ俺は・・・・・素直に正座してアニメ2期を待ってます(笑)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 11

65.0 25 ミステリアスアニメランキング25位
屍者の帝国(アニメ映画)

2015年10月2日
★★★★☆ 3.7 (301)
1620人が棚に入れました
19世紀末、かつてヴィクター・フランケンシュタイン博士が生み出した、死体に新たな生命を与えて「屍者」として動かす技術が世界に広まり、いまや屍者は労働力や兵力として世界を支えていた。
親友フライデーとの約束のため、自らの手で違法に屍者化を試みたロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、その技術と野心を見込まれ、政府の諜報組織「ウォルシンガム機関」にスカウトされる。
そこで極秘任務を与えられたワトソンは、フランケンシュタイン博士が残した、生者のように意思を持ち言葉を話す屍者=ザ・ワンを生み出す技術が記された「ヴィクターの手記」を求めて旅に出る。

声優・キャラクター
細谷佳正、村瀬歩、楠大典、三木眞一郎、山下大輝、花澤香菜、大塚明夫、菅生隆之

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【屍者(伊藤)の意思を追い続けるワトソン(円城とスタッフ)の旅】アニメーション史上最大のゾンビ映画!!!【そしてフライデー、とてもイイb】

伊藤計劃アニメ映画化三部作の第1弾
どうも過去を舞台にしたスチームパンクの今作を1作目に、近未来を舞台にした『虐殺器官』を次回作に、超未来を舞台にした『ハーモニー』で完結を迎えるつもりだったそうです
ただ例のマングローブ倒産で公開時期ズレ込んじゃいましたね、どうなるんでしょうか;


原作は伊藤さんが序文の草稿数十ページを書いた時点で死去された為に絶筆、盟友の円城塔が引き継ぐ形で2012年に完成を見ました
この映画自体、【原作とはほとんど別物】と呼べるほど改変されています
円城さんがそうであったように、今作のスタッフも伊藤さんが書き残した作品の世界観を、試行錯誤の繰り返しで“伊藤計劃作品”として完成させることに注力しています
(※ただし、「伊藤さんならこう書いた」という決め付けではありません)
この映画は屍者の意思を追う物語でありつつ、伊藤さんの意思を追う物語です


SFなので世界観だけ説明させて下さい


ヴィクター・フランケンシュタイン博士が屍者を復活させた事件から100年後の世界
その技術を兵力や労働力に用いることがアタリマエになった19世紀末
屍者技術の研究をしていたロンドン大学の医学生、ワトソン
彼は早慰した親友、フライデーを無断で違法な屍者として復活させる
ワトソンの腕を買ったイギリス政府の諜報機関は、彼にロシア軍を脱走した技術者、カラマーゾフを追うことを命ずる
カラマーゾフはアフガニスタン奥地に屍者の王国を築いたという
イギリス→インド→アフガニスタン→日本→アメリカ→イギリス
世界を股に駆けた旅の中で、ワトソンとフライデーは魂の秘密が記された“ヴィクターの手記”を巡る争いに混ざることとなる・・・


コナン・ドイル、メアリー・シェリー、ヴィリエ・ド・リラダン、イアン・フレミング、フョードル・ドストエフスキー、ジュール・ヴェルヌ、或いは19世紀末に実在した人物達・・・
著名な文学のキャラが次々と出て来るパスティーシュ小説が原作、ってかソレをさらに改変したから同人誌みたいな映画です
この手のは絶対的に苦手な方いらっしゃると思うので注意


物語の肝はやっぱりフライデー
原作と違い、ワトソンとフライデーが親友関係
フライデーが白髪アルビノで“イイ感じの美少年”
死んだ友を思わず復活させちゃった上に、だんだん生前の様子が垣間見えてきちゃったわけ
この辺のワトソンの葛藤が一番の見どころ
すごく丁寧に描かれていて改変としても、映画としても、これは大正解です


『ハル』のスタッフが再集結、主人公に細谷佳正を起用する辺り監督の拘りを感じます
ああ、脚本はフジを退社し自由の身となった山本Pでしたね・・・“Project Itoh”っておみゃーがコレやりたかっただけなのかよ、オイw


美麗な背景や煌びやかにCGで描かれる屍者技術の装置はスチームパンク好きには堪らないところでしょう
スチパン(狭義的にはエレクトリックパンク)アニメとしては『LAST EXEIL』や『スチームボーイ』を超え日本アニメ史上、最高に美しくカッコイイ世界観が描かれてます
記録媒体が挙ってパンチカードなのには笑いました


が、しかし!
オイラとして一番「スゲェな!」って思ったのが今作がたぶん【全世界中のアニメの歴史史上で最高の“ゾンビ映画”】であったことかな(爆)
特にゾンビなんてCGで描写すれば良いものを、ほとんどのカットでゾンビ独特の“歩き方”を作画しているというのにはアッケに取られましたw
いいぞ、もっとやれ


それにゾンビ美少年との友情の物語が重なる
全くいやらしさは感じさせずに、耽美な世界に魅入れる120分でもうお腹イッパイって感じで拍手です


でも、ここまでフライデーの存在が大きくなるとハダリー(花澤香菜)は結局のところ何なんだ、お話散らかりすぎだろ、って疑問もあります
(ワトソンがノンケだって示すためのキャラとか言うなよ!)
それこそ『ハル』を観て補完する必要があるんじゃ、とオイラは思うのです


なんだかんだで全く退屈しなかった素晴らしい映画です
伊藤計劃三部作とかカンケー無しにオススメしますb
唯一心の底からツッコミを入れたかったのは、楠大典さんが「バーナビー」を名乗っていたことでしょうか・・・
おまえはロックバイソンだろ!!!ってwww

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

娯楽作品としては原作よりよくまとまっています

-・-・-・-・-・-・-視聴前レビューー・-・-・-・-・-・-
本日公開の作品
私は来週けみかけさんと観てくる予定ですが
全くレビューが無かったので
誰か少しでも興味を持ってくれればと思い
筆を執ることにしました

この作品はノイタミナムービー第2段
Project Itoh3部作の一つとして
先陣を切る形になります

Project Itohというのは
2007年に彗星のごとくデビューし
2009年に世を去ったSF作家伊藤計劃の作品を
アニメ映画として公開するプロジェクトです

計劃が作家として活動できた期間は短く
世に送り出した長編作品は
虐殺器官
METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS
ハーモニー <harmony/>
の3本だけですが
その短い期間で書き上げられた作品は
閉塞していた国内SF界に
新たな潮流を巻き起こす契機となりました

PSYCHO-PASSが最初にアニメとして放映されていた時も
ネットでは計劃作品との共通点などが指摘されていましたが
こうやって同じノイタミナプロジェクトとして発表されると
やはりPSYCHO-PASSシリーズのルーツの一端は
伊藤計劃にあったんだなぁと改めて思います

既にお気づきの方もいると思いますが
前に述べた3作品の中に屍者の帝国は入っておりません
昔から文芸の神様というやつは
俊才を見つけるとすぐに手元に置きたがるようで
計劃もこの作品を数十ページ書いた時点で
神の御許へと召されていきました

後を引き継ぐ形で残りを円城塔が書き上げたものが
このアニメの原作となる屍者の帝国となります
円城氏はスペースダンディの豪華すぎる脚本家の1人だったので
小説はあまり読まない方でも
アニメに精通している方ならばご存知かもしれませんね

しかしまぁ
この作品は計劃自身がほとんど関与できていない上
他2作は近未来SFだったのに対し
この作品は19世紀を舞台にしたいわゆる伝奇ロマン
これをProject Itohトップバッターに持ってくるのは
かなりの冒険だと思います
Project Enjohの間違いじゃないのか?
とか突っ込みを入れたくなります
これがこけたら他の計劃作品に響くんじゃないか?
とか心配になります

しかしこの小説を計劃作品と認められるかどうかは別として
読み物として十分に面白かったのは確かですので
映画版の出来はどうなのかこの目で確かめてこようと思います

-・-・-・-・-・-・-視聴後レビューー・-・-・-・-・-・-

原作から比べると大分いろいろ弄ってありますが
概ねプラスに働いていたように思います

原作未読既読に関わらず楽しめる作品だと思います
原作を一切読まずに見た場合
ストーリーの細かい部分はよくわからないでしょう
しかし、そこを画面の中で細かく描写してテンポを損ねるよりも
アクションシーンで一気に押し切ってしまう方が
ずっとスクリーン映えするのは間違いありません
終盤の圧巻の映像美にはただただ絶句するばかりであります

そもそもの原作自体がハイパーテキスト性の高い小説です
文学におけるハイパーテキストすなわち超文脈とは
語句や人物、事件などの名前だけを作中に使い
その説明は作品の外に置いてあるものを指します。
もしもその言葉をしっかり理解したければ
Webのhtmlリンクをクリックして別のページに飛ぶように
別の小説や聖書、哲学書、理工書など開かなくてはいけません
場合によっては映画、漫画、アニメなどに行きつく場合もあります

この手法を使う事で限られた紙面の中に
無限の奥行きを出すことができますが
同時にベースとなるジャンルの知識に乏し人間には
その面白さがさっぱり理解されない危険性も孕みます

かつてエヴァンゲリオンが空前のブームを引き起こした背景に
この手法がありました
難解な言葉を断片的に並べ一切説明しない
その結果たくさんの解説本考察本が出版され
それらが飛ぶように売れたのは
作品の外にある科学・哲学・宗教を
ガジェットとして次々に使い捨てた結果
非常にたくさんのハイパーテキストリンクが張られていたからです

この屍者の帝国という作品でも鏤められた要素全てを理解するためには
SF・ミステリ・科学・哲学・宗教そして19世紀の歴史背景など
幅広いジャンルの造詣を要求されます
また原作ではハイパーリンクを張らずに
作中にて詳しく解説されている事柄も
映画では冗長すぎるため解説部分を丸々削除されていたりします

こんな風に書いていくと
まるでこの映画が極めて難解で一握りの人だけが楽しめる作品
というように見えがちですが
この作品の見事なところは
細かいところがわからなくても楽しめる点にあると思います
まっさらな状態でこの映画を見て細部まで理解するのは不可能ですが
スタッフもそんなことは承知の上で
全てを理解できなくても楽しめるように作ってあります
原作の魅力を言葉で説明するのではなく
直接感じてもらうというのがこの作品の切り口で
それは非常にうまくいっていたと思います

従って原作未読既読問わずオススメできる映画だと思います

以下原作と映画版の相違点について
{netabare}
かなりいろいろな点にアレンジが入っていますが
各国陣営のキャラ数の削減と果たす役割の変化が一番大きいと思います
物語の流れに沿って違いを確認していきましょう

英国

ジョン・H・ワトソン&フライデー

本作主人公にして最も大きく改変がされた人物
後にシャーロック・ホームズの右腕となる男
原作のワトソンは医学部の優秀な学生で
教授に推薦されウォルシンガムに所属することになります
そこで貸与された最新鋭の実験体が
Noble_Savage_007コードネーム:フライデー
つまりもともとワトソンの友人であったという設定自体が
映画版のオリジナルです
時折見せるフライデーの暴走も映画のみの設定
映画版のワトソンを突き動かす動機の大半はフライデーにあり
ワトソンとフライデーのエピソードは作品の中核の部分です
この部分がオリジナルなので作品としてはもはや別物に近い印象
先に映画を見てから原作本を読んだ人には
淡白すぎるワトソンがただ周りに流されて動いている様は
おそらくかなり物足りないのではないでしょうか?
このワトソン&フライデーの肉付けの巧さが
映画版を原作以上に魅力的な物語にしています

フレデリック・ギュスターヴ・バーナビー

ワトソンたちとは逆で原作でも映画版でも全く変わりませんw
実在の人物でアジアロシア境界を旅行し手記を発行しています
作品内ではその経験と胆力を買われ諜報員に選ばれたようです

エイブラハム・ヴァン・ヘルシング&M

ワトソンたちの上司にあたる人物たち
映画版では一人に役割をまとめています
原作ではMはほとんど出てきていませんが
弟が探偵をしているという発言から
マイクロフト・ホームズであると考えて良いでしょう
しかしマイクロフトはものぐさで人嫌いな性格なので
実際に表に出てきて指示を出したり対立したりする役割は
ブラム・ストーカーの作りだしたヴァンパイアハンター
エイブラハム・ヴァン・ヘルシング卿が担当しています
映画ラストにつなげるためにMの方の名前を残したのだと思いますが
クライマックスの立ち回りはMではなく
ヴァン・ヘルシングにやってほしかったところですね
なおトランシルヴァニアにおけるヘルシング卿の活躍も
作中ではザ・ワンと花嫁を巡って対決していたことになっています

ロシア

アレクセイ・フョードロヴィチ・カラマーゾフ&ニコライ・クラソートキン

どちらもカラマーゾフの兄弟の登場人物です
アレクセイとクラソートキンの設定は改変されていません
改変されてはいませんがいろいろと省略されています
そして結末もいじってあります

アレクセイの計画は自身を屍爆弾化し
「証拠品」として大物を吹き飛ばすという一種の自爆テロ
原作ではクラソートキンは屍者化しません
アレクセイを連れてぺテルスブルクに行き
アレクセイの計画を実行する役割がまだ残っているからです

映画の方ではインパクトを重視してか
アレクセイとクラソートキン両方とも屍者化してしまいました
これでは計画が実行できません
実行できない計画そのものの話が無かったことになり
アレクセイが一体何をしようとしていたのか
真相が明らかにされぬまま物語は進んでいきます

アメリカ

レット・バトラー

風と共に去りぬにおけるスカーレットの恋人です
原作ではピンカートンの一員でハダリーの上司
ハダリーの能力を使ってグラントを襲撃している張本人
本来なら主人公パーティの5人目だった男です
ハダリーが火炎放射器で屍者を一網打尽にするシーンは
元々は彼の登場シーンのはずでした

原作では大里化学の事件の後
日本編は続きがあり
会談するグラントと日本皇帝が襲撃されますが
首謀者が居なくなっている以上
エピソード丸々カットになっています

ハダリー・リリス

出典はSF小説未来のイヴ
映画版では発明王トーマス・エジソンが作ったことになっていますが
未来のイヴにでてくるのはそれをもじったエディソン博士
元に戻さずにエディソンで良かったような気もしますね

原作ではピンカートンの一員としてグラントに仕えていますが
実際の主はレット・バトラーで
彼の利益になること以外はやりません
屍者を操りグラントを襲撃していましたが
レット・バトラーが出てこなくなったことで
その設定もうやむやとなり
作中の彼女の存在意義自体がだいぶ薄くなっています

さらにはラストシーンでも出番を奪われています
原作では事件を終息に導いたワトソンは諜報機関に高く評価されます
しかし、その評価は身内だけではなく敵対者も含まれていました
レット・バトラーを人質に取られたハダリーが
暗殺者としてワトソンの前に現れます
ワトソンは事件の際に手に入れた屍者を作る菌株あるいは言語の結晶
それをハダリーの手で自らに注入し
諜報機関が容易に手出しの出来ない重要度の存在へと引き上げます
しかし、それによって元のワトソンの人格は失われてしまい
それが映画のラストシーンに繋がります

このシーンは介助者がハダリーからフライデーに変更され
そこに至るまでの経緯の描写もなくなっています
原作と同じような顛末なのかどうかも分かりません

日本

登場人物には特筆するものがありません

暗殺未遂事件の話は先ほど述べたとおり

ヴィクターの手記を見つけてからのシーンはほぼオリジナル
あそこも映画版ワトソンとフライデーの絆が確認できる良いシーンでした
ここに限らずフライデー絡みの改変はとにかく出来がいいですね

このあたりからロンドンに戻るまでは
ほとんど別物と言っていいくらいのオリジナル展開です

ザ・ワン

フランケンシュタインの怪物
チャールズ・ダーウィン
Noble_Savage_001
原作ではヴィクターによって造られたのではなく
ヴィクターが見つけ出し再起動させた古代文明の遺産のようです
その肋骨から生み出された彼の花嫁となる存在を
心変わりしたヴィクターが命を吹き込む直前に殺してしまったことが
メアリー・シェリーが脚色し記述した事の発端の物語という事になっています
映画版ではハダリーを花嫁に作り替えようとして失敗していますが
原作では虚空から花嫁を召還することに成功し
花嫁を連れて現場を去りそのまま行方知れずとなって終わります

おそらく原作を読んでいない人は
たいていの人がハダリーが花嫁になるシーンで
ワトソンたちが阻止して終わることをなんとなしに予測すると思いますが
ザ・ワンが花嫁を手に入れる原作の結末を先に知っていると
本当にどっちに転ぶかわからない手に汗握る展開でした

全体的に映画化における原作改変は成功だったと思います
やはりワトソンにフライデーという強い動機を与えたことが何よりも大きいでしょう
傍観者の代名詞でもあるワトソンを主役に据えたはいいものの
元来の傍観者としての性質と物語を動かしていく主人公の性質が
どちらも中途半端に発揮されてしまっているのが原作ワトソンです
よりアクティブなワトソンを用意して
傍観者となったのは事件後であると繋げた映画版のほうが
一味上手だった印象です{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 27

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

おかえり、フライデー。おかえり、ワトソン。そしておかえり、伊藤計劃。

2015年10月4日記載
多くのアニメを観ていると、中には観た人をおっ!? と驚かせるような作品が多く存在します。
心の中にぐいぐいと入り込んできて、次の展開はどうなるのか、キャラクター達がどのような運命をたどっていくのか気になってしまう。
そして一気に観終えた時、ああ、終わってしまった…という虚無感を与え、他の物事に手がつかなくなるほど影響力を与えてしまうような作品。
物語という物は人間の思考を大きくかき乱し、観てくれた人の何割かに何らかの感銘を与える。
それが人生を生きる上での指針として心の中で生き続けている人もいるほど強い力を持った媒体なのです。

それは小説でも同じことが言えます。
私にとって伊藤計劃とはそのような作品を生み出していた作家でした。
彼の作品は読者が予測すらできないほど引き込まれる力強いストーリー、誰も考えた事のない斬新な発想力、そして類稀なる構想と調査を重ねた魂の作品ばかりでした。
そんな彼も2作品目を生み出した後、3作品目のプロットを書いている途中で亡くなり、お蔵入りになったかと思われた3作品目も親友、円城塔氏によって完成したのも記憶に新しいです。
そして、昨年伊藤計劃3作品の映画が決まりました。生粋の伊藤計劃ファンとあっては観に行く行く他ない!! と堅く決意しており…


そしてついさっき『屍者の帝国』観終わりました。
もうね、圧巻の一言です…
原作とは変更点が数多くあれど、著者の伝えたかった事「意識・魂とは何か」というテーマを失わず、ただでさえ把握しにくい物語を2時間という限られた時間で理解しやすい形に持って行ったWIT STUDIOの方々に拍手を送りたいです。
しかも元々、この作品は伊藤計劃3作品の映画の中で最後に上映する予定だったとの事。
諸事情により『屍者の帝国』は前倒しになり、急ピッチで作られた作品であったにもかかわらず、ここまで凄まじい破壊力を持った作品を作れるとは、まさに感無量です。

そして内容について詳しくは伏せますが、キャラクターそれぞれが原作を読んでいる時よりとても魅力的に感じました。
主人公ワトソンが死んでしまった親友フライデーとの約束の為、仲間達と旅をしていく中で魂の本質、屍者が政治利用に使われている実態の真の意味を知っていく過程はもう見逃すことは出来ません!!

恐らく、今年のアニメ映画で一番と言える出来でしょう。
大大大、お勧めです!! 観に行くなら映画館で!!!
21グラムの魂は何処に存在するのか、ぜひ自らの眼で確かめてください。
そして、出来る事なら何度も見返してほしい。
これは観るたびに新しい発見、そしてラストシーンへの理解が深まる映画なので…
長文、ここまで読んで下さりありがとうございました!!

PS.
先の方も書いておりましたが、もし観に行くならメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』の概要は知っておいた方がいいかと…
最後らへんはその話が結構絡んでくるので…


2017年1月24日再追記
あの時の息迫る感動から早い物で、もう1年以上経っていたんですね…
今思うと、何とも感情に任せて書いた文章でいやはや、お恥ずかしい限りです(笑)
こうして過去を振り返ってみると、ここまで私が熱狂的になったのは時勢もかなり影響していたと感じます。
『屍者の帝国』が上映される前に分かった悲劇的事態
観ようと考えていた多くの方が不安、懼れ、戸惑い、衝戟に飲まれた事と思います。
しかし、皮肉な物か、そのおかげか、そのようなネガティブ要素が生じた事によって、今作は私にとっての「救済」と成り得たのです。
原作のストーリー、キャラをかなり改変しても満足できた衝撃の事実
あのスチームパンク的幻想世界、闇と暗黒に満ち溢れた希望もない世界を、巧みなまでに描写された事で得た満足感
そして何より、「伊藤計劃」の遺志を貫き通した親友、円城塔氏の彼に対する想いが、最大限尊重されて描かれていた2時間
これらを融合した事で生まれた映画『屍者の帝国』は、今でも「宝物」のように輝いています。
私にとって「希望」を生み出してくれた作品こそ『屍者の帝国』であり、伊藤計劃氏の伝えたかった事を昇華した答えが見事なまでに詰まっているといえるでしょう。

さて、今作から始まった長いプロジェクトは来月の「終わりの始まり」を上映する事によって、遂に終焉を迎えます。
ここまで至る道は1年以上に亘った大変長い物でしたが、何、なんて事ありません。
人間の魂に及んだ解答が1年と少しで解明されたんです、こんなに短い物は無いでしょう…
しかも、どうやら深夜に『屍者の帝国』と『ハーモ二ー』が放送されるそうですね、こんなに嬉しい事は無いでしょう…
私も深夜放送で「終わりの始まり」に至るまでの雄姿をもう1度拝見し、それから最後の戦場、ジョン・ポールとの戦いへ臨みたいと思います。
そして、「伊藤計劃」の全てが揃ったその時はもう1度全体を観るとしましょう、読みましょう!!
「物語…それは死してなお、この世界にあり続ける技術」

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さあ、行進しよう、とぼくは穏やかに呼びかけた。
のろまも、せっかちも、思い思いに。
足並みなんてばらばらでかまわない。
のっぽも、ちびも、僕らは歩く。
丘を下って。
人の営み、生活の匂い
それを運ぶ涼やかな風の上方へと。
伊藤計劃『The Indifference Engine』「The Indifference Engine」より
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投稿 : 2024/11/23
♥ : 20
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