ミステリアスアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのミステリアス成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番のミステリアスアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

66.2 1 ミステリアスアニメランキング1位
Another OVA 『The Other -因果-』(OVA)

2012年5月24日
★★★★☆ 3.7 (457)
2092人が棚に入れました
TVアニメ『Another』のOVA。アニメ本編では描かれなかった見崎鳴のこれまでを、完全新作のオリジナルアニメーションで綴るファン必携のアイテム。
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り

わたしの、「Another0『The Other -因果-』」の楽しみ方

「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」

わたしの、総評です。

見崎鳴、藤岡未咲の2人の姉妹のおはなしです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの『つながり』を描いています。

Anotherはこのおはなしを含めて、全13話だと思っています。
そして、中でも、この0話がいちばん好きです。
そのくらい大切で、明るくて、哀しくて、つらくなるおはなし。

本編に含めて放映してほしかったって気持ちはあります。
ミスリードが成立しなくなるので、難しかったのはわかりますけど・・。

そのため、「Another」本編を見た後に、見ることをおすすめします。

さらに、0話を見た後に本編を見返してみると、
鳴ちゃんに対して、物語全体に対しての印象が、だいぶ変わります。
それまでとは、また違う視点で楽しめると思いますよ^^


「明るく、穏やかな日常に忍び寄る現象」
{netabare}
前半は、仲良し姉妹の日常を描いた、明るい内容になっています。

この「見崎鳴の明るい日常」って、
本編では描かれることがなかった場面なのですよね。

現象によって、未咲ちゃんを失わなければ、
鳴ちゃんも、本来の、明るくて、よく笑う普通の女の子でいられたのに。

現象さえ起らなければ、他の3年3組のクラスメイト達だって、
中学校生活を満喫する普通の男の子や女の子でいられたはずなのに。

「普通の日常」を描くことで、現象の理不尽さがより際立ちます。

後半は明るい日常から一転して、現象の恐怖に突き落とされます。

大切な人を理不尽に奪われることへの怒り、哀しみ。
日常から、死の恐怖に常に怯える毎日に突き落とされる落差。

日常と現象を同時に描いていることは、
この物語の中で重要な意味を持ってきます
{/netabare}

「鳴、未咲姉妹の『つながり』」
{netabare}
この0話はAnother全体から見てもとても密度が濃いです。
鳴ちゃんと未咲ちゃんの気持ちや想いが詰まっています。
双子の姉妹のつながりを描いたおはなしです。


見崎鳴
{netabare}
姉妹としても、親友としても、
本当に、未咲ちゃんのことを大切に想っていたのでしょうね。
だからこそ、未咲ちゃんのことを何としても守りたかった。

未咲ちゃんがいたからこそ、本当のお母さんともつながっていられた。
未咲ちゃんを失ったことで、お母さんとのつながりも断たれてしまった。

ひとりぼっちになってしまった。

それがもう見ていて、本当につらかった・・。
{/netabare}

藤岡未咲
{netabare}
好きな人もいて、やりたい夢もあって、
おしゃれにも興味があって、家族を思いやる優しさもあって、
本当にかわいらしい女の子。

なんで未咲ちゃんなの!?って、
見ていて本当につらかった、哀しかった・・。
やっぱり、こんなのひどい・・理不尽だよ・・。
{/netabare}
{/netabare}

「大切な人を理不尽に奪われるくやしさ、無力感、そして、怒り」
{netabare}
たった1人の双子の姉妹であった未咲ちゃんが、
現象によって、「4月の死者」となってしまった。

未咲ちゃんのことを何があっても守るって思っていた、
鳴ちゃんはその時、ものすごい葛藤をして苦しんだと思います。

3年3組に入りさえしなければ、死なずに済んだのかもしれない。
死の色が見えていたのに、何もできなかった。助けられなかった。
でも、なんで未咲が、死ななくちゃならないの!?、って。

未咲ちゃんが亡くなったあと、
鳴ちゃんが眼帯を外し、鏡の前で怒りをぶつけるシーンがあります。

私にとって、このシーンはアニメ版Anotherでいちばん好きなシーンです。

鳴ちゃんのくやしさ、無力感、そして、怒りが一気に流れ込んできて、
涙がぼろぼろと溢れてきました。Another本編ではいちども泣かなかったのに。

この出来事のあと、物語はAnother本編へと入っていきます。

{netabare}
でも、未咲ちゃんを救うことができず、お母さんとのつながりも断たれ、
学校ではいないものにされて、哀しみに毎日を過ごすしかなくなって、
鳴ちゃんは心を閉ざすしかなかったんじゃないかな・・。

そんな、鳴ちゃんが本当にかわいそうで、痛々しくて、見ていられなかった。
{/netabare}

この0話を見た後だと、Another全編を通して、
鳴ちゃんの印象はとても大きく変わります。
そして、未咲ちゃんが「4月の死者」であることが、
本編で重要な伏線となっていきます。

0話を見て、改めて思います。

鳴ちゃんが経験した、くやしさ、無力感、怒りって、
実は、3年3組の生徒全員に言えることなのかなって。
{/netabare}

わたしなら、こんな方に「Another 0『The Other -因果-』」をおすすめ!!

「Another 本編をすべて見たことがある方」(←これが前提条件です)
「Anotherの物語をより深く知りたいと思う方」
「本編では描かれなかった鳴、未咲姉妹の伏線を知りたい方」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

もうひとつの因果

本編である『Another』の1話の前の話、0話となる25分のOVA。
本編でのヒロイン見崎鳴(みさき めい)の双子の姉妹で
実の親のほうと暮らしている藤岡未咲がメインのオリジナルエピソード。

1話で鳴が持っていた人形の意味や、鳴の現在の家庭事情、
15歳を目前にした双子の姉妹である未咲との仲の良さなどが
短い時間の中、丁寧に描かれていく。

観る人によっては百合っぽく感じてしまいそうなほど
仲の良い2人を見ていると、とても微笑ましい。

未咲が「かわいい」って指差したものを、
鳴は「未咲のかわいい、は変わってるね」と言っていたけれど、
女の子って本当によく「かわいい」って言葉を使うし
時々その「かわいい」に対して「どこがだよ」って思うことも多々あるので
鳴の言葉にはなんだか笑ってしまった。

外見がそっくり同士で、どれほど仲が良い姉妹でも、
やっぱり価値観はそれぞれなんだよな。

そんなほのぼのしたシーンから一転、あることから緊張感が
ハンパなく漂い始め、画面に意識を集中してしまうものだから
耳も敏感になって、些細な物音でもビクっとくる演出は秀逸。
言ってしまえばホラーの基本だったりするわけだけれど、
この『Another』ほど音楽や効果音が優れていると思ったアニメ作品は
今まであまり観ていない。
アリプロの唄うOPも雰囲気ぴったりだし、穏やかなEDもやっぱり好きだし。
作画はめちゃ好みだし、もう大満足(笑)

タイトルどおり、因果な出来事が起きるわけだが
それは未咲に起きたことだけでなく、鳴の養子入りの段階からして
すでに因果は始まっていたのだよね。

人間の幸せはその人の感じ方、つまり価値観次第。
でもその人ごとに起きていること、防がれていることは
時期こそ違えど、案外等しいものなのかもしれない。

それにしても、また鳴ちゃんの家が見れて嬉しかった!
僕もいつか、あんな工房を持ちたいなぁ・・

この作品は本編を観てからのほうが断然、良いので
未視聴の方はぜひ、本編を先にどうぞ。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 34
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「Another」本編を見終わってから見ましょう。

原作未読。

ホラーアニメ「Another」のOVAです。
Another本編では描かれていなかった、鳴の過去が明かされます。

Another本編のレビュー→ http://www.anikore.jp/review/444765/

本編同様、綺麗なグラフィック、特に錆びや水の表現はとてもリアルでいいですね。
また、影を落としていない、鳴の明るい顔や笑い声を聴くことができます。
ファッションもとてもかわいらしいです。

本編の{netabare}「理不尽な呪い」の正体{/netabare}は分からないですが、本編で鳴がとった行動の意味が分かってきます。
{netabare}
1.美咲の変わった趣味
本編で、鳴がなぜあんな不気味な人形を持っていたのかという理由付け。

2.「鏡」「姉妹(きょうだい)って二親等なんだよね」
双子という鏡のような存在なのに、価値観も生き方も異なる。
そんな状況を表現。

3.繋がっている人形
繋がっていることで、見たくないものまで見えてしまう。
そんな状況になりたくなかったという、鳴の気持ちの表れ。
本編での鳴のセリフ、
「おだやかな顔をしてる。繋がってるのにこんなに安心していられるなんて、とても不思議」
という言葉に繋がってきますね。

4.遊園地の観覧車
本編で遊園地の観覧車に乗りたがらなかった理由。
過去を思い出したくないという思いと、ぐるぐると同じことを繰り返したくないという比喩。
{/netabare}

また、少ない人数に焦点を当てているため、心情描写が丁寧で、キャラクターが引き立っていました。
少し百合展開がありますが、「仲睦まじい」の言葉で表現できる程度のものです。

なお、使用されている曲は本編と同じもの。
違うのは内容だけですね。

本編で曖昧だった内容を補完する意味でも、本編視聴後に観ることをオススメします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 27

75.1 2 ミステリアスアニメランキング2位
ブラックジャック OVA版(OVA)

1993年12月21日
★★★★★ 4.1 (107)
655人が棚に入れました
原作のストーリーを元にして展開されるオリジナルストーリー(カルテII、カルテVIは完全なオリジナル)。原作とはひと味違った作画と演出ではあるが、原作よりも少しピリッとした大人向けの内容となっている。当初は13巻まで製作する予定だったが途中で終ってしまったため、10巻で完結している。終了の告知はなく、製作終了に関し公式な理由は発表されていない。また1~7話までは日本コロムビアだったが8話~10話からは発売元をバンダイビジュアルに変更するという異例の事態となった。
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ハードボイルドや

ピノコが舌足らずなしゃべり方でないという驚き。

ちょくちょくオリジナルエピソード。原作を基にした作品もそういった要素はおおいにある。演出が渋い。

大人向けって言っていいんだろう。
それにしてもビターエンドが多いっすね。
比較的ハッピーに近い感じで終わったのは2作品くらい。

原作はそんなにビターだったかなあと思いつつ、こういうテイストもありだなという感想。


OP
Just Before The Sunrise 歌 RHODES
-記憶の君へ- 歌 ANOTHER MOON
MOON SHADOW 歌・演奏 THE ORANGE VOX, MANABU MIYAHARA, ERIC-ZAY, ALI MORIZUMI 歌 工藤栄子
rebirth
ED
I'll Be Back Again〜月の光 歌 RHODES
この想いつたえられると… 歌 ANOTHER MOON
BLACK JACK 歌・演奏 THE ORANGE VOX, MANABU MIYAHARA, ERIC-ZAY, ALI MORIZUMI
HOPE〜負けない、泣かない、くじけないこと 歌 工藤栄子
平成始めくらいのロックて感じの楽曲たち
工藤栄子さんの歌良いな。ずっと聞いていられる


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじと感想備忘録。
{netabare}
ブラック・ジャック<OVA> カルテ1 流氷、キマイラの男
原作は『ハリケーン』というタイトルで、孤島に暮らす瀕死の老富豪を看病する若い妻とその秘書が、遺書を書きかえるまで老富豪を延命させてほしいとブラック・ジャックに依頼してくる内容だが、このアニメ版ではその老富豪がキマイラ病という謎の風土病に冒されていて、治療法不明のその奇病にブラック・ジャックが立ち向かうというストーリーになっている。謎の風土病に冒されるというエピソードは原作の『99.9パーセントの水』からの引用。
謎の奇病、「キマイラ」に体を蝕まれる大企業の会長、クロスワード。彼は小さな島に屋敷を建てて住んでいた。彼の病気は発作を起こせばたちまち極度の脱水症状へと陥り、大量の水を欲するものの飲めば体の至る所からそれをすべて出してしまうといった恐ろしい奇病である。最終的には口から青い光を出して死に至る。ブラックジャックを呼び寄せ、治療を行うものの原因は全くつかめず。島にいた唯一の診療医も兄がその病に冒され、やがて死に至った。島の人間達は、次第にキマイラが大量発生したのは奴のせいだと、クロスワードに対する不信感を表し、各々が武器を片手に屋敷へと歩き出すのであった。

ブラック・ジャック<OVA> カルテ2 葬列遊戯
ブラック・ジャックは北の町で四人の少女と出会う。その数ヵ月後、少女たちのひとりと再会したブラック・ジャックは四人の仲間のうち、二人が死に、さらにひとりが事故で植物人間状態にあると聞かされる。ブラック・ジャックはその友人を回復させるべく手術を申し出るのだが、病院長は頑なにそれを断る。何か少女たちの死と事故の裏には大きな陰謀があるらしいとブラック・ジャックは気づく--。今作はこのアニメシリーズだけのオリジナル・ストーリーとなっている。
偶然通りかかった町で出会った少女、里枝。4人の仲間とスケートで遊んでいた最中に怪我をした彼女を、BJは手早く治療しその場を後にした。数ヶ月経ち、飛行機に乗ったBJは以前から馴染みのあった高杉警部と出会うが、ある事件を追っているらしく、行き先もBJと同じであった。診療を終え、帰路についてみればそこは以前里枝達と出会った場所。偶然が重なり、再び里枝と再会する。だが周りに仲間の姿はなく、何故か必死にBJに助けを求める。訳を聞き、ある大病院へと駆けつけるとそこで出会ったのは植物状態でベッドに横たわる里枝の仲間の一人、井上弓子。BJの判断で簡単な検査を行い、その結果をカルテと照合してみると、ある面白い発見をする。直後に、院長兼弓子の担当医の梅谷時雄が駆けつける。手術をすると言い出すBJだが、梅谷は何故かそれを頑なに拒むが、BJの手によって半ば強制的に手術へと事を運び、なんとか事なきを得た。回復へと向かう弓子、しかし見舞いに来ていた里枝が突然姿を見せなくなった。気にかけたBJは、彼女のマンションへ。だが、そこには暗い部屋で妖しく微笑む里枝の姿が。それを目撃したBJは、里枝と弓子にある共通点があることに気づき、再び高杉と接触。梅谷院長と、その背後に見え隠れする巨大な黒い影、そしてそれによって明らかになる里枝達との因果関係とは…。
麻薬成分ありのサボテンと麻薬カルテルの陰謀あり

ブラック・ジャック<OVA> カルテ3 マリア達の勲章
原作マンガの『約束』というエピソードを元にしたストーリー。オルテガ共和国元首・クルーズ将軍が麻薬取引の容疑でユナイツ連邦に強制逮捕される。将軍奪還を目指すが、将軍の体は末期ガンに侵されていた。無実を信じる部下達は将軍を故国まで連れ帰るため、ブラック・ジャックにその延命を依頼する。ユナイツ連邦の特殊部隊との激しい銃撃戦の中ブラック・ジャックは将軍を末期癌から救うオペを敢行する…
南米オルテガ共和国将軍、クルーズが逮捕された。続けてユナイト連邦の軍隊によって爆撃を受けるオルテガ共和国。仕向けたのは同連邦A国の大統領、ケリーであった。ケリーの狙いはオルテガの石油の利権で、クルーズはそのために麻薬密売などの無実の罪を着せられたのだ。クルーズを救うべく動き出したオルテガの軍隊の中に、マリアという名の女性兵士がいた。戦いで負傷した体を引きずりながら、彼女はBJをとある場所へと案内する。辿り着いたそこはオルテガ軍の宿営地であり、収監先から助け出されたクルーズの姿もあった。BJはマリアの依頼により、末期ガンの彼に帰国までの延命治療を施すが、その場所にもケリーの魔の手が押し寄せる。脱出を余儀なくされたオルテガ軍は、最終的な集合場所を定め散開。戦いの幕は再び開き、そして次々と倒れていく兵士達。BJ、クルーズ、マリアを乗せて走るジープの背後にもケリーによって差し向けられた敵軍のヘリが迫りよる。
マリアは良い体してんねえ。というのはどうでもよくて生身でヘリコプターの機銃掃射に立ち向かいに無残に銃殺 せっかく手術で救命した父も祖国へ帰ることなく射殺
ブラックジャックの無念さが滲み出る

ブラック・ジャック<OVA> カルテ4 拒食、ふたりの黒い医者
原作の『ふたりの黒い医者』と『あるスターの死』にインスパイヤされたオリジナル・ストーリー。長い下積み時代を経てようやくスターの地位を手に入れたミシェルという女優が初主演映画の撮影中に倒れる。彼女は食べ物をいっさい受け付けない奇病に冒され、やせ細ってゆく。ブラック・ジャックでも治療できないと知り、絶望した彼女は安楽死も医療のひとつのあり方だと主張するドクター・キリコに出会い、そして…。
女優ミシェルは、原因不明の症状に悩まされていた。映画の撮影を中断し、療養のために休暇をもらうが、忽然と姿を消す。同時に、BJが治療しようとしていた患者が死んでいた。金を払えばすぐにあの世へと送ってくれる医師、ドクター・キリコ…もう1人の黒い医者の手によるものであった。その後、休暇中のBJに治療の依頼が入る。依頼主はミシェルであった。痩せ細った体でBJに助けを求める彼女。原因は拒食症を伴う奇病であった。しかし、どんなに時間を掛けた検査も治療も効果が無く、彼女自身もついには死にたいとまで考えるに至った。そんな折、事の成り行きを知ったキリコが現れ、BJに病気の原因を解くカギになるかもしれないと、ある場所を指した。後日BJが訪れたそこは、廃墟と化した軍の廃棄物処理施設であった。そこに隠された病魔の根源とミシェルの過去とは。
キリコって凄い良い奴だな 拒食の原因がポルノまがいの映画に出演させられたこともあるからストレスが原因なのかと思ったらまさかの寄生虫という 生物兵器の残骸に注意や しかも神経に擬態しているという恐ろしさ 最後は見事に復帰してハッピー

ブラック・ジャック<OVA> カルテ5 サンメリーダの鶚
原作の『過ぎさりし一瞬』からインスパイヤされた物語。夢にうなされ幻覚に悩まされるイギリス人青年の体には、ブラック・ジャックをうならせるほどの芸術的な手術痕があった。青年が毎夜見る、同じ女性が殺される夢の正体はなんなのか、そしてその夢と見事なまでの手術の痕とはどういう糸でつながるのか。ブラック・ジャックを凌駕する外科手術の腕を持つものの正体とは?
英国軍人レスリーは発作的な悪夢に悩まされ、精神科に通い詰めの日々であった。見知らぬ子連れ女性とともに殺害に巻き込まれてしまう奇妙な夢。発作が起きればたちまち背中から大出血を起こしてしまう病的とも言うべき症状であった。旅の最中にもそれは起こり、偶然列車に居合わせたBJによって応急処置が施されるが、彼は目を疑った。レスリーの体には、手術の痕跡が残されていたが、それは己が今まで見たことのない、芸術とも言えるべき素晴らしい技術によるものだった。レスリーから事情を聞いたBJは、治療した医者の捜索に協力することを条件に、彼の根本治療に取り組むことにした。夢に現われる女性の歌を頼りに、やってきたのはエルガニア共和国サンメリーダ村。未だに戦争の痕を色濃く残すこの村では、食料ですら未だ配給制という状況であった。だが、未だ訪れたことのないこの村に着くやいなや、突然涙を流しながら懐かしむレスリー。
見ず知らずの子連れ女性は自分の子を失ったが、代わりに託された子供になんと授乳して落ち着かせる 母の神秘! そのまま亡くなるが、皮膚を子供に移植 梟自体は無残に射殺という悲劇

ブラック・ジャック<OVA> カルテ6 雪の夜ばなし、恋姫
原作の『雪の夜ばなし』とは直接関係のないオリジナル・ストーリー。ブラック・ジャックのもとに二年も前に投函された小包が届く。中には、明日をも知れぬ状態の妻の命を助けてほしいという内容の手紙と、大量のお札が入っていた。依頼人のもとに急ぎ向かうブラック・ジャックを待ちうけていたのは鎌倉時代の武将の亡霊だった。
ぼろぼろの紙幣がたくさん詰まった小包がBJの元へ届く。その荷物の発送は2年前。同封されていた手紙には、明日をも知れない命…と書かれており、すぐさまピノコを連れて車へと乗り込むBJ。行き先は夜叉ヶ岳郡大字中里。目的地にはほど近い場所で、車が雪にはまってしまいその場に立ち往生。焦っても仕方がない…シートを倒し、しばし眠りへと入るBJ。……目覚めたBJが外を見ると、古びた寺が立っていた。吹雪はやみ、辺りは静けさに満ち、冷たい風が吹きすさんでいた。寺の尼にピノコを預け、再び降り出した吹雪の中を徒歩で進むBJ。そして現れたのは依頼主、種田。だがその姿たるや、まるで戦国時代を思わせる馬にまたがった甲冑姿。そして次々と現れる武将達。それらを太刀で一閃し、案内された屋敷では、着物をまとい妖艶な美しさを放つ女が横たわっていた。男の名は種田三郎左衛門、そして患者は池端家の姫君であった。現代ではあり得ないような光景を次々と目の当たりにする。
美女と野獣で輪廻転生しているのかなあという話 前世で仕えた武者は現世では妻の治療費を稼ぐために働き、仕事中の事故で死亡
しかし、前世とは違って妻を助けることができたと
尼さんたちは現世では近所の優しい人たちで良かった

ブラック・ジャック<OVA> カルテ7 白い正義
原作の『白い正義』を元にしたストーリー。中東で内戦が勃発し、その難民キャンプに逃げ込んだ自分の患者を追って、ブラック・ジャックもまた難民たちの中へと危険を覚悟で乗り込んで行った。患者の名はカレン。ブラック・ジャックは劣悪な環境の中でカレンを救うために緊急オペを決断する。
中東、アデンタール。砂漠に位置するこの村では、戦争によって受けたひどい貧困とキャンプによる生活を強いられていた。患者であるカレンを探し求め、砂漠を歩き続けるBJ。そこで一人の女と出会う。女の名はキャサリン、ボランティアで村へ向かう途中であった。数時間が経ち、村人の中で病人が発生したためにすぐに手術をするBJ。その患者こそ、BJが探し求めていた患者、カレンであった。だが、病気による患者はカレン一人だけではなく、その難民の多くが病気にかかっていた。それらを放っておけるはずが無く、カレンをスタンフィールド教授の下へと預け、BJは難民の治療を続ける。BJの見事な手技を目の当たりにしたスタンフィールドは役員会を開き、BJへの医師免許の発行に同意を求めた。集まった者達は皆賛成の意見を述べていたが、ひとり反対する者の姿が……。白拍子泰彦、東西大学病院の医師であり、キャサリンの婚約者であった。医療とは白衣に身をまとった正当な「医者」が行うことで、流れ者の「無免許医」が行なう事ではない…と頑なに異議を唱える。白と黒、相対する者同士は対立し、BJへの医師免許の発行が危ぶまれる。
勝手にブラックジャック欲している病院関係者たちと勝手に憤りを感じている医者
安定の凄技で誰もが医師免許発行に納得するけど、やっぱりいらないよな

ブラック・ジャック<OVA> カルテ8 緑の想い
原作の『木の芽』『老人と木』を元にしたストーリー。英国の学校で寮生活を送るアンドリューは弟のロレンスの体を見て驚愕した。ロレンスのからだは体内から植物の芽をふき、体中が徐々に植物化しはじめていたのだ。弟の奇病に驚いた兄のアンドリューは、どんな病気でも奇跡の腕で治療する、と評判のブラック・ジャックに診察を依頼する。
地方の学校で寮生活を送るアンドリュー、ロレンス兄弟。アンドリューはロレンスの体を見て驚愕した。なんと、彼の体からは沢山の木の芽が吹き出していたのだ。奇妙な症状を目の当たりにしたアンドリューはBJに治療を依頼するが、その原因は全く分からずにいた。同時に、兄弟の両親が住む村では、村の開発のために一本の大木が切り倒されようとしていた。それを頑なに阻止する一人の老人。この老人と木の関係とは…?そして、木に呼び寄せられるかのごとくロレンスとピノコが突然の失踪。アンドリューの両親の協力の下、必死の捜索の末に居場所をつかみ、すぐさまロレンスをオペ室へと運び入れた。術着をまとい、準備を進めるBJにピノコが涙を流しながらぽつんと語りかける。私にも木の芽が生えたの。
樹木の意志を感じる作品 環境破壊に対するアンチテーゼみたいな作品
命を救ってくれた樹木との約束を果たして歌を聴かせるの良いね

ブラック・ジャック<OVA> カルテ9 人面瘡
原作の『人面瘡』を元にしたストーリー。世界でも有数の財閥、都築グループ当主の座を30代の若さで引き継いだ男・都築耕一郎。彼は幼い頃から、腹部にできた腫瘍によって悩まされていた。その腫瘍の特異な形状は、誰の目にも「人間の顔」にしか見えない、つまり人面瘡なのだ。治療依頼を受けたブラック・ジャックは、ピノコを連れて都築家を訪れ、「人面瘡」を切り取るのだが…。
銀行、車、エレクトロニクスなどを取り扱う総合商社、都築財閥。患者は現社長である都築耕一郎。幼い頃から悩まされ続け、苦しんできた病。この病気をすがる思いでBJに打ち明けた。患者の腹部には巨大な「顔のようなできもの」が出来ており、名を『人面瘡(じんめんそう)』と呼ばれる病気であった。幼い頃に小さなできものから始まり、やがて顔のような形となり、ついには己に声で語りかけてくる始末。用意されていた設備をフルに活用し、研究に没頭するBJ。だが、深夜に都築が突然の失踪。執事の種田とピノコを連れて捜索へと向かうが、足取りは一向につかめなかった。その頃、街ではある事件が警察を騒がせていた。同じ手口、同じ凶器で犯行を繰り返す殺人事件であるが、同一犯の犯行とは思えないただ一つの奇妙な謎が存在した。捜査にはBJとも親交の深い高杉警部もあたっていた。奇妙な事件と奇妙な病気。高杉とBJは共に頭を悩ませていた。失踪した都築のことを執事の種田から聞いたBJは、精神的なものが作用していると悟った。雨の中一人で捜索を始めるBJ。家出少女のマリコと出会い、案内されてみるとダンボールハウスの中には一人の赤い髪の女が掌から血を流して座っていた。治療を開始しようと彼女の掌を開いた瞬間、あったのは「顔のようなできもの」であった…。驚愕するBJの手を振り解き、逃亡を試みる女。「解離性同一性障害(かいりせいどういつせいしょうがい)」、疑いつつもBJの頭によぎる。すぐさま引き返し、都築邸へと向かう。施錠された耕一郎の寝室、そして中にいたのは赤い髪の女であった。「人面瘡」と「解離性同一性障害」、そして耕一郎に秘められた過去とは。
多大なストレスから逃れようとするために多重人格になってしまったという。
明らかに体型も性別も異なる人格となり、許せない人間を殺している
最後は包囲されるも悲劇だ

ブラック・ジャック<OVA> カルテ10 しずむ女
原作の『しずむ女』を元にしたストーリー。三ヶ月病。それは三ヶ月湾で捕れた魚を食べる近隣の住民たちの体にさまざまな症状が現れる公害病だった。原因は満月川の中流域に工場群が誘致され、その工場廃液が川から海へと流れ込んだのが原因だ。国は三ヶ月病救済委員会を設立する。救済委員会医師グループのフォックスは、ブラック・ジャックに特別ブレーンとして参加を求めた。
豊かな漁場として知られる、三ヶ月湾。その湾へと流れ込む満月川に誘致された工場群から、不適切に管理された廃液が流れ出し、湾が汚染された。汚染されたことを知らずに人々はその湾で捕れた魚を食べ続け、そして蔓延した公害病、「三ヶ月病」。手足の関節にさまざまな異常が起き、変形あるいは変質を起こす症状だ。政府によって医師団が結成され、リーダーのフォックス医師によってBJにもオファーがかかる。三ヶ月市―その街はある伝説で知られていた。そして市から人里離れた山にある民宿・満月館。そこで魚を売り歩く不思議な少女、月子と出会うが、彼女もまた足を「三ヶ月病」に侵されていた。彼女を気にかけるBJ、彼に何らかの感情を抱いてしまう月子。やがて、月子とBJとの関係は深くなり、治療を試みようとするが、戸籍のない彼女には市からの救済措置がとれないことを知る。どうにかして月子を助けたいBJ。だが彼が奔走する最中にも、月子の体は「三ヶ月病」の魔の手に蝕まれていく。そして、伝説の顛末を知り驚愕するBJ。
水俣病やイタイイタイ病を参考にしたような作品
月子は発達障害のせいなのか公害のせいなのか今一つ会話が成立しないし、戸籍ないから助けようと考える人もいたのに救えない現実
嵐の中海に潜って真珠を探しに行って死んでしまう
辛い
ブラックジャックは最初真珠いらないと言っていたが思い直して持ち帰る
彼女の思いが詰まっているからね
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 1

che さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画の神様、アニメの父、手塚治虫。

かなり昔に見たアニメだから正直細かいことは覚えてないんですよねw
でも僕、手塚先生好きだし、BJ(ブラックジャック)は手塚作品の中では割と読みやすい部類ってのもあって大好きなんです。
原作を知っていてなお、楽しめた僕の中で数少ないアニメ作品です。
というか、下手な物を作れなかったんでしょうねw
アニメに携わる人なら特に強く入れ込んだんじゃないでしょうか?
なんせ、日本で初めてTVアニメを作った日本アニメの父とも呼べる人の代表作ですからねw

簡単に内容を説明すると、
顔面に大きな傷跡があるBJ(ブラックジャック)と言うモグリ(医師免許が無い)の天才外科医の物語。
彼は天才的な外科手術の腕を持ち、国家試験もパスしているのですが、
患者に法外な報酬を請求することから医師免許を剥奪された、知る人ぞ知るモグリ医師として辺鄙な岬にピノコと言う子供とひっそりと開業しています。
しかし、法外な報酬にもかかわらず、世間の医師にさじを投げ出された、手遅れの怪我、重病、奇病、病院には行けない訳ありの患者達が彼に救いを求めてやってきます、
気まぐれな彼は、ある患者にはに何十億もの報酬を求め、ある時は一杯のラーメンでそのメスを振い、こう言います「命の値段は人それぞれさ」と、
天使でもなければ、悪魔でもない、医師免許と一緒に医者の良心まで捨てた様な、気まぐれで、性悪で、天才で、それ故に孤高で寂しい天才外科医BJの織りなす一級品のヒューマンドラマです。

ここからは、ちょっとキャラクターの話です、しかもマンガの話になりますwアニメとはあまり関係ない、、と言うかアニメのBJと漫画のBJの人物像は少し違うんですよね。
アニメのBJは声も性格もハードボイルドな感じですwだから以下のBJは漫画のBJの人物像です。
手塚先生の作品は有名どころは結構読んでるんですが、まあなんせ数が膨大な上、読むの疲れるんですよ正直w
漫画と言う手法ですが、文芸作品の様なものですから先生の漫画は、
まあそんな彼の著書の中でも比較的「俗」なキャラクターの方だと思うんですよねBJって。
僕は作品自体に思い入れを持つ事は、ままあるんですが、あんまりキャラクター自体に思い入れを持つ事ってあんまりないんです、でもBJというキャラクターはとても好きなんです。
何処が?って話なんですが、まあ簡単に言うとJBって凄っごく「人間臭い」んですよね~そこが大好きなんですw
僕は基本的に人間臭いキャラクターが好きなんですよね、ビバップのスパイクとか、エウレカのホランドとか、賞金稼ぎの豚とかねw
ダメな大人で、酒呑みで、好き勝手に生きて、決して正義なんかじゃなくて、「善人」ではないけど「良いヤツ」そんなキャラクターが好きなんですw
僕にとってのヒーロー像なんですねきっとwまあ僕は十分ダメな大人と言う事と、酒呑みである事だけはパスできていますけどね、、、orz
BJの話に戻すと、BJってちょっと捉えどころのない性格なんですが基本的に性格悪いんですよwでも性格の悪いキャラクターって別に珍しくも無いじゃないですか、
しかし、BJの性格がひねくれてるにはきちんと理由があり、その描写もしっかりされてるんですよね。
彼の性格にしろ、行動理念にしろ、しっかりと納得できるに足る動機があり、基本的なキャラクター像に矛盾がないんです、だから彼と言う人物にはリアリティーがあって好きなんです。
最近のアニメや漫画のキャラクターってリアリティーが無い人たちが多いんですよね、バックボーンが希薄というか薄っぺらいというか、そういうキャラクターが多い作品って僕は好きになれないんですよね~。
好みの問題か、諸費の時代の求めるニーズなのか、すこし寂しい物がある今日この頃のキャラクターへの感想でしたw

こんな人にオススメ

大人の人
手塚治虫の人
医療系ヒューマンドラマの人
アッチョンブリケの人

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ボンカレーはどう作ってもうまいのだ

原作既読。言わずと知れた手塚治虫原作の超有名作、そのOVA版(全12話)です。

ちょっと出崎色が強すぎるかな・・・これはこれで非常によくできているとは思います。
出崎監督の作品はこれの他に「あしたのジョー2」を再放送で観たぐらいですが、
劇画調の止め絵、画面分割、繰り返しショットなどお馴染みの演出は本作でも健在。
内容は各話約50分で、原作のエピソードを繋ぎ合わせたり膨らませたりしていますが
冗長になることなく、グイグイと物語に引き込まれます。

ただ、BJの人物像が原作とはだいぶかけ離れており、
穏やかで落ち着いた大人の雰囲気を常に醸し出してるわけですよ(笑)
それがそのまま作品全体のカラーにもなってしまってるのが不満といえば不満。
内容自体はバリエーション豊富なのに、どれも似たり寄ったりな印象を受けます。

ブラックジャックという作品は、BJが法外な治療費をふっかけるという設定が肝であって
ふっかけられた側は当然、戸惑ったり憤慨するわけですが
これは患者やその親族に対して、何としてでも「生きたい」「救いたい」という
覚悟や誠意があるかを試しているんですよね。無一文になっても必死に生き抜くという覚悟。
この設定がアニメ版ではあまり活かされてなかったのも、ちょっと残念。

結局最後まで違和感を拭い去ることはできませんでしたが、
原作と別物として見れば、どのエピソードも完成度は高く、見応え充分なのは間違いないです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ページの先頭へ