サーカスTVアニメ動画ランキング 15

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のサーカス成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月04日の時点で一番のサーカスTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.5 1 サーカスアニメランキング1位
カレイドスター(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★★ 4.1 (1551)
8235人が棚に入れました
アメリカに、サーカスとミュージカル、マジックを組み合わせたようなエンターテイメントを提供する集団があった。その名を「カレイドステージ」という。
幼い頃に見たカレイドステージに憧れ、単身日本からやってきた苗木野そら(なえぎのそら)は、選ばれたものにしか見えないステージの精霊であるフールが見えるが、新体操しかやったことが無く、演技については完全な素人。しかもオーディションに遅刻して来た上にカロスが特別扱いする為、レイラから完全に敵視されることに…。
しかし、さまざまな試練に遭遇しながらも、持ち前の前向きさと身体能力、そして根性でそれらを乗り越え、やがてカレイドステージの花形、カレイドスターへと変身していく…。

声優・キャラクター
広橋涼、大原さやか、西村ちなみ、渡辺明乃、水橋かおり、櫻井孝宏、中原麻衣、折笠富美子、小桜エツコ、子安武人、下野紘、藤原啓治、久川綾、大森玲子、あびる優
ネタバレ

フーカム さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スポ魂のようでスポ魂でない傑作!

スポ魂が好きな人にオススメです←タイトルに反するけど許してw見ればわかると思います

幼い頃に家族と見たステージに憧れカレイドステージ(サーカス団)に入団した少女の成長を描いた物語

作品が古いことや全51話ととても長いことからなかなか視聴するのにためらっていたのですが見てよかったと思いました
また、作画も思ったほど古臭さは感じませんでしたし、何より全ての話がまんべんなく面白いためあっという間に見終わってしまいました

彼女のまっすぐさとひたむきな努力に心が動かされ応援したくなり感動させられてしまいました(>_<)
よく見る誰かが死んだり出会えたり別れたりといったものでは無い本当の感動ってこんな感じなのかなって思いました

またOVAも作品のメッセージが伝わるもので物語の補完も出来ていて凄く良かったのでぜひ見てほしい

自分なりの考察感想
{netabare}
この作品のメッセージは前半と後半に1つずつあると感じました
その2つを終番でうまくまとめてくれたように感じます

1つ目は     【夢は信じる者の前に現れる】

これはフール(英語で愚か者の意)を用いてうまく演出している

ここに相当する話が前半では

・マーメイドの主役のチャンスを得た空がリハーサルに失敗し、そのトラウマから飛べなくなってしまいフールも見えなくなってしまった話

・幻の大技に挑む話

であり、空は自分がミスしたことにより、「やって出来ないことはない!」と自信家だったのが死の恐怖から自分を信じられなくなってしまいフールが見えなくなる

そして幻の大技は「死を恐れない」と答えるのではなく「絶対に死なない」と答えたことからフールに資格を認められた
この回答の前者と後者の違いは
前者では死の可能性を認めそれが怖くないと考えているのに対し
後者では死の可能性は絶対にないと自信を持っているのである

またレイラさんに空が質問した内容からも


「もし昨日フールが私たちの資格を認めてくれなかったらどうしようと思ってたんですか?」

レイラ
「考えてなかったわ。当然フールに認められるものとばかり、でも確かに普通は考えるわよね?空は?」


「実は私も…(二人で笑い合う)」

ここからも二人の自信が伺える

そして "フール"とは"幻"であり"夢"そのものの象徴
また "資格"とは"資質","才能","可能性"といった夢を阻むものの象徴でありそれらを信じ切れるかというものであったと考えられる

つまりステージの精であるフールはステージに上がる者の中で有り得ない幻のような夢でも自分を信じ抜ける愚か者にしか見えないのだと思う

最終話では


「レイラさんは正しい。
 争うことがない世の中なんてありえないって私も本当はそう思ってる。
 でもせめてステージの上くらい争いがなくてもいいのにともまだちょっと思ってる」

フール
「挑戦者、冒険者、開拓者。そういった名で呼ばれる者たちは全て愚か者だ。
            誰も目指さぬ夢を追った愚か者を待つのは嘲りか喝采か。」

という流れからも

"絶対に無理だ、危険すぎる、有り得ないなどといった幻のような夢を信じて追う者の前にこそ夢は実現されるのだ"

ということを言いたいんじゃないかな?とおもいました

レイラさんにフールが見えなくなったのは真のカレイドスターの誕生という夢が叶ったからじゃないかなぁ
最後の二人の会話


「私はこれからもレイラさんの夢って思っていていいですか?」

レイラ
「いいえ、あなたはもう私の夢じゃないわ。あなたは私の誇りよ。」

そしてロゼッタにフールが見えるようになりましたが、このとき空にはもうフールがみえなくなったんじゃないかなぁ
↓更新 
カレイドスター 新たなる翼EXTRA STAGE「笑わない すごい お姫様」OVAネタバレ
{netabare}
OVA見てみたらその後も空にはフールが見えていましたね
でも最終話でユーリが「これが夢のゴールか」
それに対してカロスが「夢の始まりだ」といっていることから
空の夢はまだ続いているためフールは見えるという解釈でもいいかなとおもいました、いやむしろ見えていて欲しかった
夢が叶ったら終わりじゃさびしいもんね
だからレイラさんもまた新しい夢を追っているんでしょう

また主役に自信を失ったロゼッタにフールが見えなくなったことからも私の思ってるフールの存在の象徴は合っているのかなぁと感じました
{/netabare}

結局カレイドスター(カロス=美しい、エイドス=形)とは一体何だったのかというと私は

         "誰もが探している夢"

のことなんだと思います
スター(夢)は空やレイラさんのように誰かから受け取り、自らがスターとなり(夢を叶え)ロゼッタやケンのようにまた他の誰かに宿していく。そしてそのロゼッタやケンも誰かにとってのスターになるのだと思いました



二つ目は    【物事(特に争い)の二面性】

これは天使と悪魔、愛と憎しみ、、盲導犬、争いなどを使ってうまく表現している

 まず一番分かりやすい提示として利用された盲導犬の話から

ドナーウォーカー
「この子(盲導犬)たちにとっては相手を喜ばすことが最高に嬉しいことなの
まわりを幸せにするただそのことだけを願っている存在、それがこのこたちを天使だと思う理由
あの頃の私にはみんなの嫌な面しか見えなかったけど、この子たちに会ってから
あーそうじゃなかったんだぁって思うようになったの
ステージに立つものならお客さんを楽しませたい!みんなを幸せにしたいっていう天使の心は
誰もがもっているはずだもの。ただ自分方がもっとうまくやれるという想いが天使の心を憎しみに変える
きっと空はステージを見ながらみんなの天使の心を受け取ったのね。その時の私には見えなかったものだけど」


「そっかぁフェスティバルのときは私にも見えていなかったんだ
ミュートさんたちが仲間たちと夢を語っていたその目に嘘は無かった
他の人たちにはみんな夢があってお客さんを楽しませたいっていう天使の心は皆がもっていて
憎しみも争いもその裏返し…憎しみも愛ってそうゆうこと?それなら!!
天使の技は天使になるための技じゃなくて、みんなの中の天使の心を呼び覚ますための技なのかもしれない
ううん、きっとそうだ!
私は私の中の天使を信じる!皆の中の天使を信じる!天使の技を信じる!」

ここで初めて水上丸太の練習がうまくいく

 続いて天使と悪魔、愛と憎しみについて
これは人物を用いて巧みに表現されていました

・ユーリは危険のないステージを作るという愛が強すぎて他者を蹴落とす悪魔として
・レオンはソフィーへの愛からパートナーを潰す悪魔として

最終話のユーリとレオンの会話
ユーリ
「天使の技は基本的には1人でも演じられる技だ、俺たちはまさにおまけだな。
彼女たちは強い。1人でどこまでも走っていける。
ただ、ときどきほんの少しだけ寄りかかりたくなるときがある。
俺たちはそのときだけ支えてやればいい。それが俺たちの役目だ。」

悪魔とは天使を支える存在ということ

・メイは悪魔から天使になろうとするオディールとして

メイ
「オデットを憎むことでしか愛を表現できないオディール。
ならオデットを滅ぼしたら愛を表現することができなくなるわけよね。
空がステージを降りたせいで気合いが入らなくなった私みたい…
オディールは私…オディールにとっての王子とは私にとってのステージ
オデットに勝とうとする限り王子の愛は得られないオディール…
オディールとオデットの違い…」

ミア
「それはですね、オディールは自分の愛が最も大切なのに対し、
オデットは自分自身よりも王子を大切に思ってるってとこです」

メイ
「自分自身よりステージを大切に思っている空。空に勝とうとする限り私は勝てない」

メイが天使の技習得に苦戦する空を見て

メイ
「自分よりもステージか…もしかして!空あんた…」

ここでメイは空が幻の大技を成功させたときを思い浮かべたのであろうと予想される
そのとき空にとっての王子はレイラさんであり自身よりもレイラさんのことを考えていた
そしてレイラさんの力を借りて導いてもらっていたのだと気が付いたと考えられる

ロゼッタの元へいき共演の提案を持ちかけるメイ

メイ
「あたしクライマックスの技をね、二人技にしようと思うのよ。
何ぼーっとしてるのよ!分かったら練習練習!」

ロゼッタ
「あーちょっと、私出ないっていってるでしょ?」

メイ
「あんたほんとにそれでいいの?空の覚悟は半端ないわ。
例えこの講演を最後に二度とステージに上がれないようなことになったとしてもやり抜くでしょうね。
あたしがカレイドステージに入った時にはもうレイラさんは居なかった…どんなに悔しかったか。
私が今考えている技は1人じゃできない!だからあんたに声掛けてんのよ!
あんたが断れば別の人を探すけど…どうする?」

ロゼッタが承諾し練習に入る

メイ
「あんたの役はオディールを憎しみの迷いの道から導き出す妖精なのよ。
私が表現しなくちゃならないのわ憎しみじゃない…
自分の憎しみに勝とうとするオディール…強い力で導く、誰かの力を借りてでもね…」

ここでメイが思い出したのはレイラさんという王子への愛を
空に勝とうとすることでしか表現できない自分であったと思われる
そんな自分にも導いてもらう力が必要だと考えた
そこで自分の境遇と同じ道を辿るかもしれないロゼッタを共演役に選び
ロゼッタのことを想うと共に力を借りて導いてもらおうと考えたのではないだろうか?


「幻の大技の時も苦しくて苦しくて逃げ出したくなった…
あのとき私が頑張れたのはレイラさんが引っ張ってくれたおかげ!
だけどレイラさんは自分だけの力で頑張り抜いたんだ!誰の力も借りずに!」

ここで初めて空が天使の技を成功させる、つまり自立できた(本物の天使になれた)ことを意味するのだと思う

・レイラさんは天使と悪魔を両方宿す中立のものとして
↓更新
カレイドスター Legend of phoenix 〜レイラ・ハミルトン物語〜 OVA ネタバレ
{netabare}
ここでは新たに "誰かを頼ること" の二面性について描かれていました

【 悪魔 ← 甘え、弱い = 頼る = 信頼、助け合い → 天使 】

このOVAを見てちょっと勘違いしていたことに気づきました
レイラは天使と悪魔を両方宿す中立な者として描きたかったのでは無くて悪魔を一切受け付けようとせず天使であろうとするレイラが悪魔を認めていくというメイとは反対方向の者を描こうとしていたんですね
{/netabare}

空が自分を追い抜くことを望む天使の心と
空を討ち負かし勝ちたいと望む悪魔の心を持ち空と争う

しかしこれらの悪魔は最終的に空という天使によって天使の心を呼び覚まさせられるのだ

そして争うこととは悪い面と良い面の二つの顔がある

【 悪魔 ← 蹴落とす、討ち負かす = 争う = 高みを目指す、守る → 天使 】

争いを象徴するものと言えば戦争だ
だから上記した空の争いのないステージへの最終的な想いや願いは

 "戦争無くして平和は無いのかもしれない
     でも現実では有り得ない幻のようなことだとしても
   せめて夢の中だけではと信じ続ければ
       そんな世界が訪れるのかもしれない"

ってことを言いたいのかなぁと思いました
{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 34
ネタバレ

watawata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

カレイドスターを楽しむにあたって・・・・ (注)カレイドスターの再レビューです。

皆さんご存知『ARIA』を手掛けた佐藤順一監督によるオリジナル作品、出世作の一つでもあります。私事ですが、当然の如くサトジュン作品であるが故、期待値を高めに設定をしてしまい、これが面白く無いはずは無いっ‼︎と意気込んで最初に視聴したのが、はや2年前・・・・。述懐すると様々な要因で一度挫折しているのです。正確に言うと1クール手前で中断したまま2年間放置・・・・記憶の彼方から消え去りそうな時、(おい、お前、あの恥ずかしい思いをしてまでレンタルした作品をこのままにして良いのか?完走せねば報われないぞ)との心の声が脳裏に響き渡り、再度1話から視聴を決断した訳です。

え〜さて、本題に入ります。
舞台はサーカス、今まであまり取り上げられた事があまり無いちょいと毛色が一風変わったアニメ、ヒロインが様々な苦労、困難を乗り越えてスターへの階段を駆け上がる際の【成長】と【自立】を描く、王道中の王道のサクセスストーリー。放映されていた時間帯が朝9時台及び夕方17時台と低年齢層を対象にしている為、基本1話から2話完結で起承転結が明解です。

①試練が課される。問題発生。(トラブルオキュアー)
②試行錯誤する。(トラブルシュート)
③特訓実施。問題解決の行動実施。(エンフォース) (極端な訓練、行動に突っ込みを入れる事が出来ます)
④試練を乗り越える。問題解決。(ハッピーエンド)

変則回も多少有りますが、延々と上記の繰り返しです。そこそこボリュームのある内容(テーマ)を無理矢理、単話完結に詰め込んでいる為、単調になり強引な展開が否めません、又弊害として、止め絵及び同じシーンを多用せざるを得ないのも構成上理解は出来るのですが、最初に視聴した際は辟易としてしまい一旦断念・・・。
そして2年経過・・・完走を決意し視聴再開、すると不思議なもので、同じ所にズドンズドンと重いパンチを打ち続けられると、此方も次第に弱り倒れてしまう訳で・・・もうこの展開結末でしか納得出来なくなる、言わば・・・

『ええ~い、控えぃ控えおろう!この紋所が目に入らぬか!先の副将軍水戸光圀様なるぞ!頭が高い、頭が高いぃぃ。』
『はっ、あの三つ葉葵の印籠は・・・へへぇ〜参りました。許して下さいませ〜』

っとまあ、一種の水戸黄門状態に陥るのです。勿論、物語の骨格がガッチリしている事が大前提ですがね。後は製作者側の思惑どうり、作品にのめり込んで行くしかないのです。(自分は1クール必要でしたが・・・^^;)

物語は2部構成、
1部はヒロインが{netabare} 幻の大技 {/netabare} をサブヒロインと共に{netabare}修得し成功し『成長』する迄の過程{/netabare} のお話。どうでも良い事なのですが {netabare} 幻の大技、幻の大技 {/netabare} と連呼し煽るだけ煽るのですが、最後まで 何故か技名は不明でした。w 意図的な作為をひしひしと感じましたが・・・残念ながら大真面目に言っているのか、笑いを狙ったものなのかは、汲み取ることが出来ませんでした。
っと、話が脱線しました。
ここでは仕事に対する基本的な姿勢と成長が描かれています、新入社員レベルですが・・・、言わんとすることは至極当然な事ばかりです。(あくまで理想像です、現実の社会ではあまり通用しません)青臭いセリフが延々と並べ立てられますが、視線を落とすとストンと胸に入り、ヒロインの愚直な、前向き前のめりの姿勢を己に重ね、仕事に疲れ、嫌気が差し初心を振り返る際は、共感出来るかと思います。

そして2部、{netabare} 天使の技 {/netabare} を演じる事を通して、{netabare} サブヒロインへの精神的依存からの脱却、自分の進む道(理想像)を{/netabare} 見い出す『自立』までが描かれています、まあ管理職手前レベル手前迄です。
ヒロインの抱く理想像{netabare} 競争競技では無く、観客視点であくまでも楽しめるサーカス{/netabare} に対してヒール、ライバル達がアンチテーゼ{netabare} (先ずは個人の演技、満足ありき、その為には競争競技としてサーカスを肯定する認識、観客視点の優先順位は低い){/netabare} を唱えて来ます。以下自分の意見の押し付けです。何方とも正論です、間違ってはいません。仕事を始めて2〜3年目に誰もが通過する課題でもあり、悩むポイントです。但し長期間それなりのクォリティを維持するには、後者が自分には受け入れ易い正論ですね。先ずは自分有りきで仕事のクォリティを高め、継続維持の結果成果が付いて来るのかなっと、この点は作品のメッセージは言わば絵に描いた餅、安直であると考えます。あくまで個人的価値観ですので・・・。

人物の相関関係は明確で、キャラクターデザインを一目見るだけで理解出来ます。
但しこの作品でのポイントは極端なヒールが存在せず、ヒールに対しても行動に対し、納得出来る裏付けが描かれており、尚且つ嫌な役回りを、ちょい役に分散し、ギスギスとした雰囲気を避け、作品全体の暖かい雰囲気を醸し出す工夫もなされています。そして、メインマスコットキャラが語り部、コミカル部、クライマックスでの盛り上げと、何役もこなしており、作品の鍵となります、ただ可愛く無いのでサブマスコットキャラ(オットセイ)が多分後付けで追加動員されたと思いますがw

個人的に重要に感じたのですが、解り易い物語を、さらに解り易くする為に、メインマスコットキャラが、解説及びタロットカード(1部)星座占い(2部)による今後の内容示唆をしてくれます。(タロットカードから星座占いへの変更はやはり、前者が馴染みにくかったのかな?)オマケにアイキャッチでヒロインがサーカスの演技をし、その成功の是非がストーリーにそのまま直結する丁寧さには、作り手のターゲット層(低年齢層)に対する配慮なんでしょうね、細かい点ですが好感が持てます。

総括です。4クールと非常に長いのですが、あらゆる箇所が丁寧に練り込まれれおり(そうでない箇所もありますが)作り手の愛を感じます。ヒロインに自分を重複させて見るのも良し、逆にヒール及びライバルに共感するのも良し、物語の根本を斜め下から穿った見方をするのも良し、純粋に明るく暖かい雰囲気を楽しむのも良し、と骨格がしっかりし、その上に肉付けがなされている作品であるからこそ可能なのだと思います。そして、各部のクライマックスシーンは長い道程を乗り越えた者だけに与えられる、【何か】(人それぞれ)があります、これから視聴予定のみなさん、完走をお祈りしております。


最後に
みんな〜カレイドスターが始まるよ〜。
カレイドスターを見る時には以下の事に注意すると、より楽しめるよ〜。

さてさてさて、

①時々、作画が崩れるけれど10年以上前の作品だから仕方が無い、無い、無い!
暖かく心の眼で綺麗に脳内修正してね。

②絵がよく止まってしまうけれど、大人の事情なので許して欲しい、かな、かな、
かな! これも暖かく心の眼でヌルヌルと脳内で動かしてね。

③同じシーンを何度も使っちゃうけれど、大切な事をみんなに知って欲しいからなん、だな、だな、だな!
決して手抜きじゃないから理解して下さいね。

④強引にお話が進んじゃうけれどもこれは、みんなにいっぱい、いろんなメッセージを伝えたいからなんだ よね、よね、よね!
少し我慢すると慣れるから最低1クールは頑張って見てよね。
・・・・それでも頑張って見ることが出来ないこともある、よね、よね、よね!
そんな時は続けて見ないで、1日おきで見ると、強引なお話の粗が想像で補完されて見やすくなるよ。

⑤やたら画面が眩しく見にくい時があるけれども、サーカスの光の演出上どうしても譲れないことなん、だな、だな、だな!
本当に部屋を明るくして見てね。守らないとポケモンショック(光線過敏発作)が発症しちゃうよ。

⑥カレイドスターは小さいお友達の為に作られたお話なんだ、よね、よね、よね!
大きいお友達が見る時には視線を思いっきり下げて見ると楽しめるよ。

でわでわ


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以下、前レビューになります。こんなレビューですがサンキューして頂いた方々もおられますので、消してしまうのは失礼かと思い、一応貼り付けておきますね。

2012.03.14 03:41 watawataの評価 | 今観てる | 101人が閲覧 | [編集] [削除]
3.7 評価対象: カレイドスター(テレビアニメ)
物語 : 4.0  作画 : 3.5  声優 : 3.5  音楽 : 3.5  キャラ : 4.0

久々に借りるのに勇気のいる作品でした^^
皆さんのレビューが高いので思いきって視聴することに…

いざレンタルしようとGEO(名前を出さないほうがいいのかな?)に行くも見つからず…なくなく店員に所在を聞いた所キッズ少女向けコーナーに陳列しているのを発見…
えっ(少女向けコーナー??!!)

これは……勇気がいる…

今までたいていのタイトルはノンストレスで借りることができたのですが少女向けコーナーとは…
それも、いい歳のおっさんがこのコーナーに向かい立ち止まるにはさすがに抵抗がある。
以前友達に、クラナドを勧めた時にも同じような返答がありました「おいお前、これを見るには少し無理があるぞ、このパッケージものを借りるのなら、エロビデをを借りたほうがましだ。」・・・・・ちなみに友達も勿論結構なおっさんです。

そんなに言わなくてもいいのにと、思っていたのですが少し気持ちがわかるような気がしてきました。
これぞ【ジェネレーションギャップ】とてつもなくおおきな壁でした。(笑)

それでも自分は少し犯罪者なのか?と、訳の解らない自問自答をしながら勇気を出して借りることに…3巻だけですが。

さて10話までの感想です。監督はARIAでおなじみの
佐藤順一監督。キャラクターの練りこみ方は秀逸です。
が、ここまで視聴した感想はどのお話もワンパターンで少し残念な評価です。
ストーリー構成としては1話完結で

①主人公に問題が発生

②問題を克服しようと努力する(その間同僚から執拗な嫌がらせにあう)

③完全なハッピーエンドとはいかないとしてもそれなりの成果をあげて一段落の繰り返し(同僚もそらの努力をそれなりに認める。)
以上の繰り返してす。
これは少女ものの、王道なのかな?
非常に丁寧に作らせているのですが1話完結なので話の展開が早すぎる。
感情移入がしづらい。
2話で前後編位が良かったのでは?
まだ10話も見ていないので、ここまで書いてはいけないと思いますが、現時点の感想です。


また最終話を見終えたら追記しますね^^
でわでわ

投稿 : 2025/01/04
♥ : 29
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

真のスターの輝き、そして、競うことの意味、を問う作品

10年以上前の作品ですが、あにこれでも熱いファンの多い名作アニメ。
全51話と長かったけれど、第39話まで頑張って視聴した結果、見て良かったと思える作品になりました。
特にラスト手前の第50話でかなりの感動を経験。

《内容》
{netabare}
(1)主人公の少女(そら)がカレイドスターになる夢に向かって懸命に努力して羽ばたいていく話(ただし彼女の「真の夢」とは何か、が一歩踏み込んで問われることになる)、であると同時に、

(2)彼女の憧れであるもう一人の主人公(レイラ)が自身のカレイドスターとしてのキャリアを完全燃焼し、後輩の少女(そら)にバトンを託す話でもある。
{/netabare}

放送期間 2003年4月3日 - 9月25日(第1期) 
     2003年10月4日 - 2004年3月27日(第2期)

話数 全51話(但し総集編が2話あるので実質49話) + OVA全3話
(第1期:全26話、第2期:全25話)

表向きの主人公 苗木野そら(16歳)
裏の主人公   レイラ・ハミルトン     

原作 佐藤順一
監督 佐藤順一(第1期) 
   平池芳正(第2期)
シリーズ構成 吉田玲子

※以下は各回の評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×が付いている話は脚本に大きな疑問を感じた回
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カレイドスター(第1期)
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{netabare}
1 初めての! すごい! ステージ ★ カレード・ステージに出演・合格する話
2 孤独な すごい チャレンジ ★ ゴールデン・フェニックの特訓をする話
3 遠い すごい ステージ ★ ステージを脇から支えるクラウンになる話
4 がんばれば すごい チャンス ☆ 3人娘でシンデレラ公演の魔女を演技する話
5 いつも すごい 遠い家族 ☆ そらの父親が公演を見に来る話
6 小さくて すごい オットセイ ☆
7 笑わない すごい 少女 ☆ ディアボロの天才ロゼッタ登場回
8 つらくても すごい スター ☆ 公演のスター・レイラの誕生日と父親の話
9 主役への すごい 挑戦 × 人魚姫のオーディション。そらが怪我に怯える話
10 主役への すごい 壁 ☆ レイラとは違う人魚姫を演じる話。初めて主役を務める苦しみ。
11 アンナの すごくない お父さん ☆ アンナのサイド・ストーリー
12 熱い すごい 新作 ★★ レイラと新作の競演をするための試練
13 嵐を呼ぶ すごい 競演 ★ パイレーツをレイラと競演する話
---------------- OP/ED 変更 -----------------------------
14 怪しい すごい サーカス ☆ 他劇団での経験。ケンの決意
15 歌姫の すごい 愛 ☆ サラ&カロス回
16 黒い すごい 噂 ☆ 親友まなみ登場。引き抜きによる劇団の危機
17 燃えろ! すごい ミア ☆ ユーリの復讐
18 ユーリの すごい 罠 ☆ 最後の公演。フールが見えなくなる。
19 家族の すごい 絆 ☆ そらの両親の訪米。妹が誕生する話
20 ゼロからの すごい スタート ☆
21 謎の すごい 仮面スター ★ 仮面スターとの競演
22 仮面の下の すごい 覚悟 ★★ 演技コンテスト。急展開。フールが見える
23 幻の すごい 大技 ☆ レイラとの競演が決定。グランド・キャニオンで特訓
24 まだ続く すごい 特訓 ☆
25 ふたりの すごい 絆 ☆
26 傷だらけの すごい 復活 ★ 「幻の大技」。「貴方は私の夢」。第1期完結{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)6、☆(並回)17、×(疑問回)1 ※個人評価 ☆ 3.8

《幸福な西海岸~掴みはさすがに上手い》

第1話の初めに、{netabare}カレイドステージの入団テストを受けるためにアメリカに到着した主人公そらの様子が描かれますが{/netabare}、いかにも陽気で明るい南カリフォルニアの雰囲気がよく描かれていて、すんなりストーリーに入り込めました。
第2話・第3話も、ドラマチックな展開を織り込みつつ上手に話しをまとめていて納得の出来栄えでした。

《面白いけど違和感も強かった第1期》

その後ストーリーは紆余曲折を経ながらも、主人公そらと彼女の憧れのスター・レイラさんが{netabare}様々な妨害や困難を乗り越えて、「幻の大技」の競演に向けて厳しい特訓を繰り返し、ついにこれを完成させる{/netabare}というスポ根的な王道展開を見せます。
確かに面白かったのだけれど、上の各話評価のとおり、この第1期は★★(星2つ)が僅か2回という、個人的には余り納得できない出来と感じてしまいました。
しかし名作という評判を信じて、我慢して第2期へ。

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カレイドスター 新たなる翼(第2期)
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{netabare}
---------------- OP/ED 変更 -----------------------------
27 スターへの すごい プロローグ(前編) (前半総集編1)☆
28 スターへの すごい プロローグ(後編) (前半総集編2)☆

29 新しい すごい ライバル × レオン&メイ登場回。展開がかなり強引
30 もう一人の すごい 新人 ☆ ロゼッタ回
31 情熱の すごい ライバル ★ 「レイラさんに謝れ!」回
32 氷の上の すごい 対決  ★★ メイとドラキュラ公演のヒロインを争う話。そらの弱点とは?
33 汗と涙の すごい ロゼッタ ☆ ロゼッタの特訓を手伝う話
34 やっぱり すごい レイラさん ☆ レイラを追いかけるのではなく、そら自身の夢を持つ必要を指摘される
35 マリオンの すごい デビュー ☆ キッズ・ステージを作る話。マリオンのデビュー
36 レオンとの すごい 特訓 × サーカス・フェスティバルの特訓。レオンの行動が異常
37 二人の すごい 悪魔 ★ メイの本気が見られる回。「デーモン・スパイラル」
38 天使の すごい 反撃 ★ そらの本気が見られる回。「天使の技」初出
39 惨酷な すごい 祭典 ★★★ フェスティバルの意外な結末
40 絶望の すごい 帰国 ★★ そらの夢がようやく固まる
41 再出発の すごい 決意 ★★ かなり意外な展開。ソフィーとは誰?
42 屈辱の すごい 共演 ★★ 意外な展開の続き
43 ポリスの すごい プロポーズ ★★ そらの演技がもたらすもの
44 笑顔の すごい 発進! ★★ メイの目から見たそら。笑顔の重み
45 レオンの すごい 過去 ☆ 「天使の技」の秘密1
46 宿命の すごい 決斗 × 「天使の技」の秘密2。ソフィーとの約束
47 舞い降りた すごい 天使 ★ みんなの天使の心を呼び覚ます技
48 傷ついた すごい 白鳥 ☆ 争いのないステージ
49 ひとりひとりの すごい 未来(あした) ☆ 最後の試練
50 避けられない ものすごい 一騎討ち ★★★ 競うことの意味
51 約束の すごい 場所へ ★ 最高の喝采。「貴方は私の誇り」。第2期完結{/netabare}
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★★★(神回)2、★★(優秀回)6、★(良回)5、☆(並回)9、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.4


《第1期の違和感の原因がはっきりした第39話以降の展開》

ネタバラシはしませんが、頑張って視聴し続けて良かったと感じた第39話(★★★(3つ星評価))
そして、続く第40話から第44話まで、この作品の本当のテーマ(のひとつ)が次第に明らかにされていきます。

《裏の主人公レイラの望み》

ラスト手前の第50話(★★★(3つ星評価))ではこの作品のもうひとつのテーマが明かされます。
ここが本当の圧巻(クライマックス)。
最終話の第51話が霞んでしまうくらいの出来でした。
素直にこの作品を視聴できて良かったと思いました。

※以下、ファンサービスの後日談等(OVA)

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カレイドスター 新たなる翼 -EXTRA STAGE-『笑わない すごい お姫様』
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{netabare}
52 次のスター候補ロゼッタと妖精フールの話 ☆
{/netabare}

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カレイドスター Legend of phoenix 〜レイラ・ハミルトン物語〜
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{netabare}
53 - 2話分(約51分)。後日談+レイラ視点での物語 ☆
{/netabare}

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カレイドスター ぐっどだよ! ぐぅーっど!
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{netabare}
54 - 2話(約24分×2回)。 (本編のパロディ) ☆
{/netabare}

《総評》

2003~4年制作の作品なので、作画・演出のレベルはどうしても低く、脚本も色々と粗(あら)が目に付いてしまうので、他作品との兼ね合いでそれ程高い点数は付けられませんでしたが、実際に視聴すれば、点数以上の感動がある作品だと思います。
また、作品テーマという面でも、近年の人気アニメ(かつ名作アニメ)である

①アイドルマスター (スターの輝き、リーダーシップとは何か)
②ガールズ&パンツァー (競うことの意味、その最良の結末)

に、それぞれつながるものがある(※なお吉田玲子氏は②ガルパンのシナリオ構成も担当)と個人的には考えており、その点でも experience としての視聴価値の高い名作アニメであると思います。

《後記》  ※(2015.3.10追記)

上記の①アイドルマスター(2011年)、②ガールズ&パンツァー(2012年)は、カレイドスターで描かれた作品テーマが、それぞれより深化し洗練された形で描かれた作品といえると思います(※なお、両作品にはそれぞれ固有のテーマもあります)。

カレイドスターが、

(1)全4クール51話という冗長な部分も多い大作であり、
(2)作画・演出とも現代の目から見ると古臭さが否めないこと

を考慮すると、もしこれから、こうしたテーマの作品を視聴したいと考える方がおられれば、視聴の優先順位としては、①アイマス、②ガルパン、を先とした方がより効率的かも知れません。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 55

71.8 2 サーカスアニメランキング2位
からくりサーカス(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (264)
1103人が棚に入れました
小学5年生の才賀勝は父親の事故死によって莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。そんな折、青年 加藤鳴海は偶然にも勝と出会い、手を差し伸べることを決意する。しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく高い戦闘能力を持つ人形使い達であった。窮地に陥った二人は突如姿を現した懸糸傀儡マリオネットを操る銀髪の少女しろがねに助けられる。こうして、日本で出会ったこの3人は数奇な運命の歯車に巻き込まれていく──

声優・キャラクター
植田千尋、小山力也、林原めぐみ、櫻井孝宏、佐々木望、黒沢ともよ、井上麻里奈、江川央生、岩崎諒太、石川界人

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

待ち受けるは、世界の”からくり! 立ち向かうは、”しろがね”の意志

この作品の原作は未読ですが、「うしおととら」の作者である藤田和日郎先生の作品ということで、視聴を楽しみにしていました。

以前の私なら敬遠していたこの手の作画ですが、「この様な手法でしか表現しえない世界がある」ことを知ってからはアニメに対する視聴の幅を広げられた気がします。

実際、「うしおととら」では相当感動させて貰いましたから…
うしおの「つんのめるほど前向きな姿勢」が大好きでした。
そしてこの作品に登場する小学5年生の「才賀勝」もそのDNAをしっかり引き継いだ主人公だったと思います。


小学5年生の才賀勝は父親の事故死によって
莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。
そんな折、青年加藤鳴海は偶然にも勝と出会い、
手を差し伸べることを決意する。

しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく
高い戦闘能力を持つ人形使い達であった。
窮地に陥った二人は突如姿を現した
懸糸傀儡(マリオネット)を操る銀髪の少女しろがねに助けられる。

こうして、日本で出会ったこの3人は
数奇な運命の歯車に巻き込まれていく…


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

個人的にこの作品の素晴らしい点は3点あると思っています。
まず、第1に登場するキャラの「目」に色々と持っていかれてしまいました。
勝の…しろがねの真っ直ぐ前を向いた視線は、見るたびに鳥肌モノ…

そして2点目は楽曲です。
特にロザリーナさんの「Over me」がヤバいくらいに格好良いんです。

第1印象で衝撃を受けて…それから毎週2度はオープニングを見ていたと思います。
勿論、楽曲も発売後に即買いです。

ロザリーナさんがこの曲に込めた思いがネットの記事になっていました。
まず、この楽曲はこの作品のために書き下ろした賛歌なんだそうです。
歌詞が…胸に深く染み入ります。
勝のための…しろがめのための…そして鳴海のための曲だったと思います。
この作品のクライマックスに相応しい楽曲だったのではないでしょうか。

そして3点目は声優さんの起用についてです。
特に小山力也さんと、林原めぐみさんの起用が抜群だと思いました。
これは「うしおととら」を視聴した時にも感じていましたが、今回この作品を視聴したことで確信に変わりました。
「うしおととら」では、小山さんが「とら」で林原さんは「白面の者」という重要な役どころを演じていました。
そして本作では、小山さんが鳴海で林原さんがしろがね…

お二人と藤田和日郎先生の作品とは、きっと相性が良いのでしょう。
鳴海としろがねを演じたのがこの二人だったから、きっとここまで感動できる作品になったんだと思っています。

勝、しろがね、鳴海を取り巻く状況は、「数奇な運命」という言葉が陳腐に見えるほど過酷でした。
心が折れたのだって、一度や二度じゃありません。
運命から逃れられないから、大切なモノを守るために必死で戦ってきました。
苦しい時、何度も頭をよぎった姿が励ましてくれたから頑張れた…
どれだけの人に助けて貰ったんだろう…
手が届かなくって…悔しくて大粒の涙を流してきました。
思えば思うほど苦しくて…そんな痛みにずっと耐えてきました。
そんな苦しみの先で、みんなが選択した本当の一番…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、BUMP OF CHICKENさんの「月虹」、KANA-BOONさんの「ハグルマ」、ロザリーナさんの「Over me」
エンディングテーマは、ロザリーナさんの「マリオネット」、眩暈SIRENさんの「夕立ち」、BUMP OF CHICKENさんの「月虹」
珍しいのが、1期オープニングの「月虹」が3期のエンディングに起用されていることです。
BUMP OF CHICKENさんの楽曲も好きですが、ロザリーナさんの楽曲が抜群過ぎ…
アニソンBEST10でどこまで上位に食い込むか楽しみです。

3クール全36話の物語でした。
完結した原作のアニメ化は、最後まで描いて貰えるので視聴者としては嬉しい限りです。
しっかり感動・堪能させて貰いました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観てるぜメモ

放送途中のただの備忘録、たぶんそのうち消す(なのでサンキューもいらないです、読んでくださった方ありがとうございます)。
推敲もなにもしてないから誤字脱字ご容赦を。

今5話まで観てます。
序章が終わり、これから話のスケールがぶわっと広がる転換点。
ワクワクしつつリアルタイムです。

そもそも原作ファンとしては、懸糸傀儡(からくり)の戦闘が見られるだけで眼福なんです。
セルルックCGとか3D技術の発展がほんとありがたい。
ともすれば絵が荒々しすぎて見づらくなる原作を、うまく動きで補完してくれているのではと。
これからも個性的な人形がたくさん登場し、サーカスの舞台を彩ります。
ひょうきんながらも禍々しい、そんなデザインを楽しんで頂ければ嬉しいですね。

声優陣の熱演、聴くほど鳥肌なOP・EDも見事。
鳴海(小山さん)は少し渋いなw、阿紫花(櫻井さん)はイケボすぎるwとは思いますが、まあ一読者の脳内アフレコとの差異なので。
しろがね林原さんは作者のアテ書きだし、勝役の新人・植田さんは驚くほどぴったり。
OPとEDはぜひ歌詞にも注目していただきたいですね。
特にOPの歌詞は原作読者にとってはニクいです…そう持ってくるか…
かといってネタバレには絶対にならない良い塩梅でして、改めてBUMPすげーな。

で、本題のストーリー面。
原作信者だけど、現状最大限エッセンスを抽出してくれてる気はする。
43巻、膨大な登場人物の群像劇として、それぞれの結末を描いた原作。
それに対して、アニメは36話という尺しかない。
厳しい制約の中で、どんなドラマをピックアップしていくのか。
4話までは物語のイントロダクションとして、細部を削ぎ落しつつ原作をなぞってきた。
それに対し、5話から本格的に再構成に入ったな、という衝撃がありました。
諸々考えると、勝・鳴海・しろがねがスポットライトをより多く浴びるアニメ化になるのではと妄想します。
個人的に、『からくりサーカス』は様々な愛の気づきと、それへの決別の物語にも読めると思っていて。
主演の三人はそれを最も純粋に表しているキャラクターなので、そこさえ強固に押さえてくれれば、大きく軸がブレることはないのではと信じています。
ぶっちゃけ、原作も寄り道や中だるみ多いしねw

正直、期待はしてなかったんですよ。
同じ作者の『うしおととら』は、原作のダイジェストなのに詰め込みすぎという微妙な出来(個人の感想です)になっちゃってた……
ので、やっぱり不安と期待をないまぜにしつつ。
(↓完っ全に原作のネタバレありで「不安」(と予想、最後のだけ完全な不満)を書いとくと
{netabare}・鳴海生存をめっちゃ早く見せてる、次回はイリノイ?
 鳴海の怒りとしろがねへの態度、困惑されないかな。
 理屈は大丈夫なんだけど、感情が追い付くといいなと。
・ドラムvsビーストやらないならリーゼさんの存在価値が…
 そのための黒沢ともよさんキャスティングじゃないの?
 まあ順番入れ替え可能なので、期待だけ…
 ヴィルマさんの扱いもどうなるか。
・黒賀村とローエンシュタインたぶんあかん。
・ミンシアとファティマさんの声、逆のイメージだった。
・冒頭のVolnの社名ロゴ映像だけは本気で削ってほしい。
 その10数秒でフィルムの価値変わるでしょ。
 単純計算、36話で10分超えるので…){/netabare}

それでも、アニメになってくれてうれしいです。
はじめて本作に触れる方、久しぶりに思い返す方、そんな方と一緒に新しい演目、アニメならではの『からくりサーカス』を一から楽しめるなら、とても素敵なことだと思っております。
そのうえで、お暇があれば原作も手に取ってもらえるともっと世界が広がるかなと。
みなさま、鷹揚の御見物を願います。
(2018.11.11)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11
ネタバレ

木村天祐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

マリオネットを操る長編ダークストーリー漫画原作アニメ

原作知ってる勢です。原作の内容飛ばしすぎですね。飛ばしまくりでも結構面白いのは流石かな。同じ原作者でアニメ化したうしおととらよりも飛ばしまくりでひどいです。本来4、5クールでやるべきだと思います(本気で再現やったら6、7クールくらいになるはず)。

超金持ちの子供が遺産のために誘拐されそうになっているところをゴリラみたいな兄ちゃんが助けるところから物語が始まります。子供が頼りにしたのが、祖父さんの恩をうけたサーカス団の美人の姉ちゃん。そのハーフの姉ちゃんが操る特徴的なマリオネットはこの物語の看板です。遺産を巡る戦いから、世界で蔓延する奇病 ゾナハ病を引き起こすオートマタとの世界を時代をまたにかける戦いに発展していきます。

声優も作画も音楽も良い。原作飛ばしまくりなこと以外は欠点特にないんですよね。かといって原作完全再現すると話が長すぎてテンポが悪くなるでしょうし、難しいところです。

仲町サーカス編とか勝のヒロインたちが出てくる所すべからくカットでしたね。ほとんどヒロイン出てこなかったんですが、{netabare}かろうじて出ても下手に活躍してアンタ誰ってなっちゃってましたね(リーゼさん...)。
もともと鳴海は記憶なくなってから別キャラみたいな変貌ぶりでしたが、フランシーヌ人形に似ているしろがねと再会した時めっちゃ怒りまくってたことに違和感ありましたね。アニメの場合話がダイジェストすぎて、私の感情がついていけないんですよ。アニメ見ている側としては、さっきチョイチョイっとオートマタと戦っただけの鳴海が、鳴海のことを愛してるしろがねを殺したいほど憎んでるっていう描写を見せつけられます。といってもなんでしろがねが鳴海を愛してるかも話飛ばされてよくわかんないんですよね。{/netabare}
後半になるにつれて、ダイジェストじゃなくなって、スピードがちょうどよくなるのは笑っちゃいました。{netabare}勝誘拐編からフェイスレス戦編までの間がダイジェストって感じですかね。{/netabare}
全体の中抜きをしてる感じといえばわかるでしょうか。
まあ、長編漫画作品のアニメ化の難しさってやつなのかなぁ。悲しいなぁ。

このアニメの最高の楽しみ方は、「じじいの過去編から見る」ですかね。17話くらいから最後までかな。アニメ全36話中、丁度真ん中ぐらい。{netabare}「始めも中盤もわかんないけど、なんかあったんだろう。」と想像に任せて、見てないからわかんないと片付ければ違和感ないはず。漫画だと断然一番燃えるのがしろがね軍団vs真夜中のサーカス決戦ですけど、決戦の前も後ろも、さらに中身も中抜きされてるんで見ない方がいいかも。 {/netabare}

それなりに楽しめる仕様に仕上がってるアニメだと思うのでオススメはしますが、{netabare}どっちかっていうと漫画の方がオススメってのが俺の感想ですかね。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

66.4 3 サーカスアニメランキング3位
カーニヴァル(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (587)
3249人が棚に入れました
とある腕輪を頼りに「嘉禄(カロク)」という人物を探す主人公の无(ナイ)は、旅の途中でミネという女の屋敷に捕えられる。その際、屋敷に窃盗に入っていた少年、花礫(ガレキ)に助けられた无は、「嘉禄の腕輪」を譲ることを条件に、花礫と行動を共にすることになる。ミネが言うところによると、その腕輪は、国家防衛機関「輪(サーカス)」の身分証であるらしい。嘉禄が輪の人間であると踏んだ花礫は、无を連れ、輪の本部を目指す旅に出る。

声優・キャラクター
下野紘、神谷浩史、宮野真守、遠藤綾、小野大輔、中村悠一、遊佐浩二、平川大輔、喜多村英梨、本名陽子、五十嵐裕美、佐藤聡美、保志総一朗、諏訪部順一、広瀬正志、小林沙苗

弦之介様 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

クロスまつ毛 、so cu-----te!!

◇御巫桃也(ミカナギ トウヤ)原作、「カーニヴァル」全13話◇
ドラマCDを経て、アニメ化された作品(両者未経験です)

初めて観たときは、序盤でのミネの変身っぷりが気持ち悪くて、断念してしまった作品ですが、そこを通り過ぎて以後大丈夫でした。

■内容
国家防衛最高機関「輪(サーカス)」が、化け物「能力者(ヴァルガ)」を作り出す悪い団体(ガルド社)を追い、成敗するというお話。
その中で、偶然出会った主人公:ナイとガレキの関わり合いの変化や成長が描かています。
わたし的には、この作品は画のきれいさやキャラクターにひかれがちですが、所々でジーンとする場面が盛り込まれています。

☆この作品の好きなところ☆
キャラクターがと----ってもイケメン&かわゆい。
そして、画が色彩豊かでとってもきれい。
そしてそして、声優陣が豪華!(女子ウケよさそうな感じで(^_-)-☆)

■キャラクターと画
瞳孔が、みんな色調は違えどオーロラみたいに輝いてて、女子達のまつ毛が長~くてクロスしてます。すごくキュートだなと思いました。
キャラクターの服装なども個性的でありながら、バリエーション豊富だしこの作品の世界観にあっていてよい感じです。

画は、通して"きれいめ"ですが、所々コミカルな場面が盛り込まれていますが、すんごく笑えます。(特に、ナイ…コメンタリーで共演者達が大笑いしていました(^_^;))

すべてに共通して色彩にあまりにごりがなく、明るくきれい。キャラクターも背景画もとてもきれいで、OPやEDの画も凝っててよかったです。

ただ、キャラクターの顔立ちがどれもよく似ていて、表情はあまり豊かではなかった印象…キャラクターの繊細な表情をみせるような物語の内容でないからかな…ですが、戦いのシーンなど動きはとてもよくて、かっこよかったです。 ⇒1話での動画枚数1万枚!ってすごいと、コメンタリーで言われてました(通常は5千枚未満らしいです)

あと、色彩豊かはよいけれど、アカリ先生の髪の毛・眉毛・瞳孔がピンクっていうのは…う---ん…でも、それが"あり"になってしまうのがカーニヴァルの世界観かも。

■女子ウケしそうな、豪華な声優陣(敬称省略)
(尚、名前は漢字変換がかなり大変なのでカタカナにて):
・主役:ナイ(cv.下野紘)、ガレキ(cv.神谷浩史)
・国家防衛最高機関「輪」:ヒラト(cv.小野大輔)、ヨギ(cv.宮野真守)、ツクモ(cv.遠藤綾)、ツキタチ(cv.遊佐浩二)、ジキ(cv.中村悠一)他
・ガルド社:ウロ(cv.諏訪部順一)
・カロク(cv.保志総一朗)  など。

各々すごくはまり役と思います。
特に、ヨギがよかったです。ヨギを宮野さんが演じているというより、宮野さんがヨギというキャラクターを作り上げてしまったって感じです(^^)!

わたし的には…カロク=とっても謎めいた人物=石田彰さんというイメージでした。

■場面場面に合っていた音楽もよかったです。特に、ちょっとコミカルなシーンの音楽がおもしろかったです。
浜口史郎氏が担当されています。この方を初めて知りましたが、た---くさんのアニメ音楽を手掛けてらっしゃいますね。ファイナルファンタジーやモンハンなどのゲーム音楽も手掛けているようです。

OP:「偏愛の輪舞曲」GRANRODEO(←谷山紀章+飯塚昌明)
ED:「REASON」KAmiYU(←神谷浩史+入野自由)
この作品には、合ってました。

もともと女性向け雑誌の連載作品ですし、アニメは女子向けな印象です。
この作品は、ヴァルガの気持ち悪さだけ除けば、ミーハーな気持ちで楽しみながら観ました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャラデザ・・・抜群でした^^;

この作品は、女性をターゲットとした雑誌で連載されていて、2013年4月段階で11巻発刊されているそうです(wikiより)。

本作品の主人公は、出生に関わる事柄が一切不明な无(ナイ)。彼は「嘉禄」(カロク)という人物を探していたのですが、手掛かりが腕輪一つしかありませんでした。でも、旅の途中でもう一人の主人公である花礫(ガレキ)を始めとする様々人に出会い、「嘉禄」を探しながら2人の主人公の成長を描いていく作品・・・だったのだろうと思います^^;

原作が女性をターゲットとした雑誌で連載されている作品だけあって、登場してくる男性は、みんな惚れ惚れするほど格好良い人ばかりですし、作画も緻密だったと思います。

でも、私にとっては難しい作品だったように思います^^;
もう一人の主人公である花礫・・・自分を必要としてくれる人がいる・・・でも、自分が「ここまでやりたい」と思う事と、実際の自分の実力との乖離に葛藤しつつ更なる飛躍のための目標を定めていく・・・彼の思いは比較的理解しやすいと感じました。

一方、本作の主人公である无(ナイ)・・・こちらは、どこに向かえば幸せになれるのか、どこに向かうべきなのかが・・・もともと「嘉禄」を探す旅をしていましたが、探す事が最終目標では無く、当然次に繋がる何かがあるのだろうとは思いましたが、今回の作品からは読み取れませんでした。もう少し物語が進むと、色々解明されてくるのかもですが・・・^^;

少し難しい作品だと思いながらも、ちゃんと毎週視聴し続けていました。その理由は、川村敏江さんの描くキャラデザが私の好みだったからです^^
この方は「ましろ色シンフォニー」のキャラデザも担当された方です。ましろ色を視聴していた時、可愛らしい女の子がたくさん登場するなぁ・・・と思っていましたが、カーニヴァルで登場する女の子も負けず劣らず可愛い子揃いです^^
特に「ツクモ」ちゃんの可愛らしさ、仕事に対する誇りと態度は私の中で好印象でした(//∇//)

今、ここで切ってしまったら勿体無い作品になるように思います。続きの視聴できる機会を楽しみにしていたいと思います(もし続く場合、キャラデザは一緒でお願いします・・・)♪

投稿 : 2025/01/04
♥ : 22
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

きらびやか。

原作は月刊コミックZERO-SUMにて連載中、未読です。

【物語】
自分の名前と“嘉禄(カロク)”のことしか覚えていないという謎の少年・无(ナイ)と
无が旅の途中で助けられて知り合った花礫(ガレキ)との友情が、
様々な人とのかかわりあいのなかで芽生えていく様子が描かれています。

特に国家防衛機関『輪(サーカス)』たちのアクションシーンがかっこよかったです!
ただ、話が分かりづらいところがあったので、もう少し本編で説明があればさらに楽しめる作品になったのではないかと。
私の場合は用語や組織の名前があまり頭に入って来ず、公式サイトをチェックしなくてはならないハメに^^;
活字体だと理解できるのに、アニメになるとよく分からないのはこのせいなんだろうと思います。
最近そんな作品をよく見かけるけどとても惜しい…!

【キャラクター/声優】

无-下野紘
花礫-神谷浩史
與儀(ヨギ)-宮野真守
ツクモ-遠藤綾
平門(ヒラト)-小野大輔
喰(ジキ)-中村悠一
朔(ツキタチ)-遊佐浩二
燭(アカリ)-平川大輔
キイチ-喜多村英梨
嘉禄-保志総一朗
黒白(ウロ)-諏訪部順一

下野さんのハイトーンボイスは初めてで新鮮でした(´∀`)无くん可愛い。
そして花礫!口が悪くて強がりなところも、神谷さんの声も素敵です。
ただ{netabare}泣くシーンは要らなかったかな...
男泣きならまだしも、子供みたいにダイレクトに泣くとちょっとイメージダウンです(笑){/netabare}
『輪』のシステムである羊と兎も可愛かった!
ニャンペローナも面白かったですw

【作画】
キャラデザはあまり私は好きではないんですが、
背景なんかは色鮮やかで「カーニヴァル」らしかったと思います。

【主題歌】
OP-偏愛の輪舞曲(ロンド)/GRANRODEO
ED-REASON/KAmiYU

個人的にEDが大好きです。
KAmiYUのお二人が爽やかに歌い上げてくれています♪

【全体を通して】
なんだかとても眩しかった...(笑)
豪華声優陣ですし独特な世界観も良かったですが、1クールというのがまとまりが悪かったような気もします。
原作から読めばまた違うのかもしれませんね!

投稿 : 2025/01/04
♥ : 20

78.5 4 サーカスアニメランキング4位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (583)
3145人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ようやく見るに至る

再放送されていたのを見たことはあったが、追っていたわけではなく、話の内容はほとんど知らないも同然だった。
しかし、アマゾンプライムビデオにいつの間にかあったので、見ることができた。

何かと葛藤が多いし、割と人がばんばん死ぬんやなあ。思っていた以上にシリアス。潜水艦離脱からの中だるみしたのか無人島漂流。いつの間にかグランディス、サンソン、ハンソンが良い奴になってるし。キャラソン一挙放送みたいな謎回もあるし。ツッコミどころありすぎ。
さらに気づいたら、最終話に向けて一気にシリアス展開。僕の大好物である後日談も交えて、最終的にはしばらくロスに至る自分史に残る作品だと感じた。本当にずるいよ。庵野秀明。最後の脱出とか、あれだけで泣けてしまうよ。
{netabare}エレクトラがひっそりとネモとの間に子供まで作っているのはたまげた。サンソンはグランディスだと思っていたのに、まさかのマリーと結婚しているのもびっくりだわ。{/netabare}
褐色露出多めヒロインも当時も現在でも斬新でありですね。NHKも共同制作に入っているわりにはやりたい放題やっていたみたいね。なんにせよジャンとナディアがハッピーエンドを迎えられたのは良かった。

鷹森淑乃の声も良かったし、貞本義之のキャラクターたちみんな良かった。

人を殺すくらいなら殺されたほうがまし。とは言うけど、人殺しに自分だけで済むならまだしも、自分の大切な人が殺されても平気でいられるのだろうか?殺人は駄目なのは当たり前だけど、正当防衛というものがある。

23話には驚かされた。あれが例の嫉妬に狂った女エレクトラなのか!背筋がぞくぞくした。まじでとんでもないな。
{netabare}ナディアがネモの実の娘でそっちに愛を注がれるのは嫌だから殺そうとするなんて。清純で冷静沈着なお姉さんだと思ってたのに。挙句、自殺未遂ですよ。これじゃあ、単なるメンヘラですやん。ネモの圧倒的な漢気で全部解決。
嫉妬描写が多いグランディスのほうがやりそうなのに。あ、でも、グランディスのほうが気持ちいいほど分かりやすい性格しているから大丈夫やな。お嬢様育ちとは思えない。料理上手だしね。結婚詐欺の被害に会って、財産も勿論だが、ほぼ全てを失うという悲しい境遇を乗り越えているから強い。{/netabare}

ナディアが肉食を嫌う。科学、文明を嫌う。菜食主義って文明社会でないと達成できないよなあ。なのに、無人島に漂流したとき、自然と共に自分は生きていくだなんて矛盾を抱えている。食糧を盗むことでしか生活できないなら、自然と共生しているとはとても言えない。人間は自然の中では生活しきれないからこそ、文明を作りあげてきた。この便利さからは逃れられない。

子鹿を殺したことを責めるが、ライオンとかは子供を狙うじゃん。動物を殺すのは駄目でも植物は許されるのか?肉食動物が肉を食べることを知らないし、卵が動物の生まれる前の段階なのにそれは食べることができる。一見ヴィーガンのようだが、違う。そもそも僕はヴィーガンの思想自体理解しきれない。菜食主義でも肉を無理矢理食べると感動して菜食主義を辞めたくなるらしい。肉食には抗えない。人間も動物だからね。自分のポリシーとして貫くぶんには構わなくても、人に押し付けてはダメ。おいおい蚊は殺してもええんかーい!!過去のトラウマはそう拭えないもんだね。後日談でも断固として食べてないし。

ナディアは思春期特有かもしれないけれど、非常に面倒くさい。自分の過去を振り返ってもそう思う。なんでこんな面倒くさい思考回路してたんだろう?恥ずかしい。だからこそ、ナディアを見るとイライラしてしまうんだなあ。上手に描いているもんだ。腐った物を食べてお腹を壊したところを助けようとしたジャンに感動してしおらしくなったなあ。

ジャンもデリカシーがないなあ。女性の気持ちに鈍感。女性にキスを誰としたとか訊いたらまずいやろ。かくいう僕も女性の気持ち、ましてや人間の気持ちなんて分からない。努力はしているつもり。男子校生活は終わったはずなのに未だにおかわりしてるもんだから、なんだかんだジャンに共感できる。
キングがなんか可哀想。

そして、潜水艦から切り離されたあたりからシリアスからはほど遠いほのぼのとした生活。無人島とか部族とか。ナディアが浮気してしまえるほどの緩さ。いくらなんでもジャンが報われない。

マリーの声を聴くと水谷優子が忍ばれるなあ。

OP
ブルーウォーター 歌 森川美穂
ED
Yes, I will... 歌 森川美穂
この作品が放映されたとき僕は生まれていなかったけれども、曲は聞いたことがあって好きだった。どちらもいつまでもリピートできる気がする良曲。特にED。メッセージ性も強くて好きだな。
他にも大量のキャラソンやら挿入歌やらあるけど、見ている途中で僕もたるんできたので、あんまり印象に残ってない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は、1889年。発明好きの少年・ジャンは、万国博覧会の会場で謎の少女・ナディアに出会う。ナディアに一目ぼれしたジャンは、ひょんなことからナディアとともに冒険へと旅立つことに―。


1. エッフェル塔の少女
パリの万国博覧会にやってきた発明好きの少年ジャンは、セーヌ川の岸辺で見かけた少女・ナディアに一目ぼれ。そこへ、ナディアの持つ宝石"ブルーウォーター"をねらう三人組があらわれる。

2. 小さな逃亡者
ジャンの活躍で三人組から逃れることができたナディアは、ル・アーブルにある彼の家で夜を明かす。ところが翌朝、三人組が万能戦車グラタンでふたたび襲ってきた。ナディアとジャンは、空を飛んで逃げることに。

3. 謎の大海獣
ジャンとナディアの乗った飛行機が故障し海に不時着。偶然パトロール中のアメリカの戦艦に発見され助けられた二人。しかしほっとしたのも束の間、今度は謎の大海獣が現れ、戦艦と激しい戦闘を始めてしまう。

4. 万能潜水艦ノーチラス号
謎の大海獣と戦艦の戦闘中に、海に投げ出され取り残されてしまったジャンとナディア。すると二人の前に最新の装備を持つ潜水艦が現れる。二人はエレクトラと名乗る女性から親切なもてなしを受ける。

5. マリーの島
ノーチラス号に別れを告げたジャンとナディアは、改良してもらった飛行機でフランスに向かう。ところが、突然攻撃を受け飛行機は近くの島に墜落、しかもその島は謎の侵略者たちによって占領されていた。

6. 孤島の要塞
侵略者にマリーが捕らえられてしまった。ジャンとナディアはマリーを救い出すため、島の中心にある秘密基地へ潜入する。二人はそこで、ノーチラス号と闘っていた潜水艦を目にする。

7. バベルの塔
ジャンをかばって囚われの身となったナディア。ネオ・アトランティスの首領ガーゴイルは、ナディアをなぜかプリンセスと呼び、マリーとキングを人質にして組織への協力を迫る。彼の狙いはいったい何なのか?

8. ナディア救出作戦
グランディスたち悪党三人組と再会したジャンは、ナディアを助け出すため力を合わせることに。ジャンと対面したガーゴイルは、ナディアたちの命と引き換えに、ブルー・ウォーターの在り処を聞き出そうとするが。

9. ネモの秘密
ネオ・アトランティスの基地が崩壊、グラタンで海へと逃げ出したジャンたちは、ノーチラス号に助けを求め、ネモの判断で救出されることに。そこで、初めてナディアに会ったネモは驚く。

10. グラタンの活躍
ネモの命令で部屋を分けられケンカをしてしまったジャンとナディア。一方、ノーチラス号はガーゴイルの飛行船カルカロドンを追撃するのだが、逆に地下水道で新型の浮遊機雷に囲まれてしまう。

11. ノーチラス号の新入生
ノーチラス号の窮地を救ったグラタンの活躍が認められ、グランディスたちは見習い乗組員として採用されることに。客員となったナディアも何か役に立とうと、船内の調理場でグランディスを手伝うのだが失敗ばかり。

12. グランディスの初恋
魚料理にあきて不満をもらすハンソンたちを見かねたネモは「狩りの日」をもうけ、ノーチラス号は無人島に上陸。次々島に繰り出す船員たち。その夜、無人島の浜辺でグランディスはナディアに自分の過去を語る。

13. 走れ!マリー
小鹿を狩ったことに激怒するナディアはジャンとケンカ、ほかの船員たちもみんな仕事が忙しく、かまってもらえないマリーはキングと島の探検に出かける。古い線路を見つけたマリーたちだが、迷子になってしまい。

14. ディニクチスの谷
ガーフィッシュを追い、再び海に出るノーチラス号。そんな時、マリーが灼熱病にかかってしまう。そしてナディアまでもが倒れてしまい、二人ともあと2日の命と診断される。病気を治すには特別な薬草が必要だった。

15. ノーチラス最大の危機
ノーチラス号の科学の力にますます感動するジャン、逆に反発するナディア。そんな折ノーチラス号は、ガーフィッシュとの戦闘の最中に損害を受けてしまった。修理をするため海上へ浮上すると、そこには。

16. 消えた大陸の秘密
全ての争いの元となっているブルーウォーターを持つ自らの運命に悩み苦しむナディア。一方、船体修理中に機関部で漏れた有毒ガスにより犠牲となったフェイトたちを埋葬するため、ノーチラス号は海底遺跡へ向かう。

17. ジャンの新発明
父の死を知りその敵を討つためノーチラス号の正式な乗組員を志願したジャンだったが、ネモに断られてしまう。すっかり落ち込むジャンに、ナディアは「またジャンの飛行機で飛んでみたいな」と、彼を元気付ける。

18. ノーチラス対ノーチラス号
度重なる戦闘補修によって資材が不足したノーチラス号は、補給のため南極にある秘密基地へ向かう。その途中、謎の物体に捕えられてしまう。それは何億年も前に生きていたとされる巨大なオーム貝・ノーチラスだった。

19. ネモの親友
南極大陸の地下に広がる秘密基地に到着したノーチラス号。ネモはジャンとナディアをつれてある場所へと向かう。その途中には遥か太古に絶滅した様々な生物たちが、氷で保存された氷の博物館があった。

20. ジャンの失敗
ガーゴイルは空中戦艦を建造し、ネモを倒すため再び動き始めていた。一方、ますます発明に没頭するジャンは、小型ジェット機を造り上げるが、実験に失敗し、その爆発によってガーフィッシュに見つかってしまう。

21. さよなら...ノーチラス号
ガーフィッシュの集中攻撃を受けたノーチラス号だが、逆にガーフィッシュを撃沈。ところが、空中戦艦からガーゴイルの新兵器・スーパーキャッチ光線が発射され、ノーチラス号は空中に引き揚げられてしまう。

22. 裏切りのエレクトラ
海底へと沈んでいくノーチラス号。ネモ船長は乗組員をメインブロックに集め、戦闘ブロックを切り離した。自爆した戦闘ブロックがガーフィッシュを全滅。ネモ船長は、船長室にナディアたちを呼び出し。

23. 小さな漂流者
ナディアたちを乗せた船長室は、ゆっくりと海中を進み、とある砂浜に漂着。しかし島はもう誰も住んでいない無人島。ナディアは、誰も、悪人もいない、この島で生きていこうと決心する。

24. リンカーン島
一夜明け、ナディアは島を"リンカーン島"、漂着した入江を"キャプテン湾"、砂浜を"ナマジャキビーチ"などと命名。科学文明と縁を切って生きていくと、森の中へと行ってしまった。

25. はじめてのキス
ジャンとナディアは、肉を食べるか食べないかで激しく言い争う。肉を食べない!と一方的に宣言し、意地を張るナディアはジャンに対して怒ってばかり。そして、腐ったホウレンソウの缶詰を食べ、寝込んでしまう。

26. ひとりぼっちのキング
人はひとりで生きていられないと感じ、ジャンにあらためて感謝し優しくなったナディア。その様子を見たキングは、激しく傷つき動揺。そして、仲良く寄り添いあうジャンとナディアを目撃し、ついに家出をしてしまう。

27. 魔女のいる島
リンカーン島を激しい台風が襲う。ジャンがせっかく作った小屋は吹き飛ばされ、発明した数々の装置も崩壊し、キングは強風に吹き飛ばされ行方が判らなくなる。台風が去った夜、見慣れない島が流されてきて。

28. 流され島
エアトンがおびえる「恐怖の大王」から逃げるナディアたち。重力異常でいつもより速く走り、高くジャンプすることが出来るのだが、やりすぎて島を一周してしまう。「恐怖の大王」の正体、それは。

29. キング対キング
新しい島での生活をはじめたジャンとナディアだが相変わらず言い争いが絶えず、グランディスはネモへの思いがつのるばかり。そんな中サンソンとハンソンはふとしたことから意見が対立、ケンカになってしまう。

30. 地底の迷路
グラタンの修理が完了する日が近づいていた。目指す場所はアフリカ東海岸だ。ところが蚊が大量発生し作業どころではなくなってしまう。一方ジャンとナディアは不思議な穴を発見する。その穴の中で目にしたものは?

31. さらば、レッドノア
地下にある遺跡で突然壁に吸い込まれたナディアは、島の中の大空洞に浮かんでいた。そこは衛星都市レッドノア――。そしてナディアの前に謎の巨人が現れ、アトランティス人の歴史を語り始める。

32. ナディアの初恋?
潜水をはじめた島からグラタンで避難したジャンやグランディスたち。だが途中でガーゴイルの空中戦艦に攻撃を受け、アフリカにある村に不時着する。ナディアはそこで出会った少年・ハマハマに一目ぼれする。

33. キング救助作戦
キングを捕らえて宝を要求してきたのは、グランディスの初恋の相手で、彼女から全財産を奪った男、ゴンザレスだった。その上、キングを助けに向かったグランディスとナディアまでもが捕われてしまう。

34. いとしのナディア(はーと)
ジャンはサンソンから、歌を作るようアドバイスされ、自分のすべての科学技術を投入して新しい発明に取り掛かる。ところが、発明に熱中しかまってくれないジャンにナディアは苛立ってしまう。

35. ブルーウォーターの秘密
グラタンが到着したナディアの故郷・タルテソス。何かに導かれるように大きな火山湖の中を進んでいくナディア。すると湖水が割れ、謎の地下遺跡が現れる。そこは古代アトランティス人の遺産「ブルーノア」だった。

36. 万能戦艦Ν(にゅー)-ノーチラス号
突如現れたネオ・アトランティスの空中戦艦。攻撃からジャンたちを守るため、ナディアは捕らわれの身となる。だがガーゴイルは約束を破り攻撃を開始する。ジャンたちは、間一髪のところを謎の小型艇に助けられ。

37. ネオ皇帝
ネオ・アトランティスの攻撃により消滅したと思われたN-ノーチラス号は、アフリカ大陸の地下トンネルを使って空中戦艦の攻撃を回避していた。一方、ネオ皇帝の力によりブルーウォーターが発動し。

38. 宇宙(そら)へ
パリ上空で、N-ノーチラス号とレッドノアの戦いの火蓋が切って落とされた。レッドノアの周囲には1億ボルトの電磁バリアが張られていて、内部に突入することができず苦戦を強いられる。

39. 星を継ぐ者
奇跡的に自らの意識を取り戻したネオは、命をかけてナディアを洗脳から解放する。ガーゴイルは見せしめに、エレクトラ、ジャンを次々手にかけ、悲しみに沈むナディアは、ここで最後の決断を迫られる。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

1度しかない人生、パーッと生きろ!! 良質な愛とJewelの冒険譚をあなたに…

最近、巷では特撮映画『シン・ゴジラ』が大変なブームとなっています。
ゴジラシリーズとしては通算29作目、2004年の『ゴジラ FINAL WARS』から実に12年ぶりに日本純正で作られた映画だそうで、新作を心待ちにしてた特撮ファンの間では久しぶりのゴジラに歓喜の声が多数
また、ここまで一気に知名度が上がった主な理由の1つとしては、スタッフの豪華さが挙げられている事でしょう。
総監督および脚本を務めるのは『新世紀エヴァンゲリオン』で一世を風靡した、トップクラスの人気を誇る庵野秀明氏
特技監督には庵野氏と親交の深い樋口真嗣氏、音楽は鷺巣詩郎氏が担当し、他にも摩砂雪氏、鶴巻和哉氏など庵野作品ではお馴染みの顔である人達の作品を久しぶりに拝見出来るというのも、従来のアニメファンを取り込んだ相乗効果として人気に繋がっているようです。
残念ながら私は特撮については全くと言っていい程、知識が無く、その為スタッフの偉大さについてもイマイチピンときません。
そういった方面には些か疎いので、名前を出されても「聞いた事がある」「○○に関わっている」位の印象でしかなく、「何が凄いのか」「どういったディテールに凝っているのか」など、あまり詳しい説明は偉そうに語れない身なのですが…
しかし、そんな私でも彼らが作り上げた作品の中で1番心に残っている物があります。
それこそ、今日ご紹介するアニメ『ふしぎの海のナディア』です。
こうして私がレビューを書いているという事は、期待していた通りの素晴らしい出来だったという証明と言えるのは間違いありません。
と言う訳で今回は『シン・ゴジラ』放映記念と称しまして、愛と夢の詰まった冒険譚をじっくり語って、盛大に褒めまくっていきます!!
まずは簡単なあらすじから…

汝は冒険者か?
危険と言う名の滝を潜り抜け、その奥に伝説の正体を求める者か?
ならば、我を求めよ……

時に西暦1889年
世界中の海では謎の船舶遭難事故が相次いで起こっていた。
人々は古来より海にすむ怪獣の仕業だと噂し、各国首脳は新兵器による攻撃だと互いに非難し合い、緊張が高まりつつあったその頃…
産業革命以来の急速な産業と科学の発達の中で列強各国は、アジアやアフリカの植民地をめぐって対立し、衝突を繰り返していた。
19世紀末、心ある人々は、迫りくる世界大戦の翳に脅えていたのである……

そんな科学万能主義が世間に良い意味でも悪い意味でも影響を与えていた繁栄期のフランス
そこでは、その「怪獣」とやらが起こした被害によって父親が消息不明になってしまったジャン・ロック・ラルティーグ少年が日々を発明に費やしていた。
彼はめげずに「人生をパーッと生きる」と言う叔父の言葉を胸に、父の生存を信じて今日も健やかに生きている。
さて、ジャンは発明の成果を試す絶好の機会である飛行機コンテストに参加する為、辺境の町ル・アーヴルから大都市パリで開かれている万国博覧会にやってきた。
しかし、コンテストに向けて機体を整備していた折に、彼は自転車でセーヌ川のほとりを滑走する褐色の少女に一目惚れしてしまう。
その少女…ナディアとの出会いこそ、ジャンが大空に、地底に、海中に、そして宇宙へと旅立つ大冒険の始まりだった!!
彼は彼女の持つ宝石…ブルーウォーターを胸に秘め、大切な仲間達と共に壮大な世界の第一歩を踏み出していく…
どんな困難が待ち受けようと、ナディアの手をしっかりと握りながら……


ではここからレビューに入っていきたいと思います。
今作には基になった小説が存在しておりまして、原案はジュール・ヴェルヌ作『海底二万マイル』『神秘の島』と言う有名作品です。
恐らく幼少期に読んだ事がある方も多いのではないでしょうか?
そう、ジュール・ヴェルヌと言えば、子供の頃に読書好きだった方にとっては1度は読んだ事があるであろう作品を数多く手がけた有名人、私のようなSFファンにとっては元祖、始原、神様の如き存在なんです(笑)
なぜなら、彼がいなければSFが生まれる事もなく、空想科学なんて代物が実を結ぶこともあり得なかったかもしれないから…
1つのジャンルの興隆に大いに貢献したとして、SFを語る上では外せないとてもとてもありがたいお方なのです。
しかし、その有名なヴェルヌ先生の名前とその作品名をお借りしておいて大変言いにくい話なのですが、このアニメ、ストーリー展開だけ見るならまるで別物です。
所々、小説に出てきた登場人物がアニメの中で名前として登場して活躍する位であり、キャラ設定や物語はまるで別物
これは狂信的なSFファンからしたら違う箇所のオンパレードで発狂してしまいそうな程の代物ですね(笑)
まあ、「原作」ではないので間違ってないから無問題(日本語って難しい…)
しかし、個人的に作中の織り成す全体的な雰囲気は原案の小説を読んだ時と概ね似ている感じが致しました。
『海底二万マイル』は近代科学、『神秘の島』は自然科学を根底に置いたSF冒険小説であって、どちらも科学技術啓蒙小説である事には変わりません。
読む前の期待感、読んでいる時のワクワク感、読み終わった時の爽快感は計り知れない物であり、したがって登場人物が一部以外違えど、その雰囲気は『ふしぎの海のナディア』でも充分に通じるかと思います。

さて、この物語の概要は既にあらすじで述べた通り、発明好きの少年ジャンがサーカスの少女ナディアと出会う事によって始まるボーイミーツガールストーリーです。
しかし、一般的なこの手のジャンルと一線を画している所がこの『ふしぎの海のナディア』と言う作品にはあります。
それは出会い、仲良くなり、困難に陥り、喧嘩し、仲直りし、また困難に陥り、喧嘩し、ずっと喧嘩し…と、とにかく主人公とヒロインの仲違いがやたらと多い所(主に悪いのはナディア)
私はボーイミーツガールと言うジャンルが堪らなく大好きで、その手の類の作品は良く拝見しているのですが、恐らくいがみ合いの数に関してはこのアニメが1番です。
そして、この作品を観てとにかく感じるのはジャンが凄く良い奴だという事ですかね…
私が彼と同じ立場だったなら、アフリカ編(32話、33話での出来事の総称)でこのヒロインは見限ります(笑)
いやあ、ジャン君、あそこまでやられて大した聖人ですよ、君は……
とまあ、私の反応からも分かる通り、余程の人格者か聖人か、逆に人間の底を知った性格破綻者か狂人でない限り、ましてや一般人なら絶対に彼女の事を性格が悪いと感じるでしょう(勿論、それ=嫌いという訳ではありませんよ!)
しかし、その性格の悪さが上手い方向に作用したのは幸か不幸か、ヒロイン以外のキャラクターも軒並み魅力的に映ってるのがこの作品の大きな特徴です。
主人公のジャンは基より、誰よりも精神年齢の高い幼女マリーや誰よりも人間らしいライオンのキング、グランディス一味のリーダーで恋多き女のグランディス姐御、力持ちの熱血漢で名言宝庫のサンソン兄貴に機械工学の天才でジャンと気の合うハンソン兄貴と、その他にも揃いも揃ってかっこいい、可愛い、美しい、楽しい、面白い登場人物ばかり
また、当の本人であるナディアも島編(23話~31話での出来事の総称。細かく言えばさらに分けられるがここでは割愛)まではおかしくなる事もあれど、気がちょっとばかし強すぎて、多彩な我儘態度を持っていて、少しばかり意地っ張りだけれども、根は寂しがり屋(笑)の女の子と感じられたので、そこまで不快感を感じずに笑いながら観る事が出来ました。
まあ、冗談はともかく、皆を助ける為、自ら囮になったり、死んだ人に向けた墓を命掛けで作ったりと本質は悪い娘ではありません。
なので、だからこそ、アフリカ編が堪らなく惜しく感じるというジレンマ
もしかしたら初見はあの話を観ない方が良いのではないかと個人的には感じてしまいます。(事実、後のストーリーには全く関係ないんです)
まあ、観ても後悔、観なくても後悔の八方塞がりのような物なので、これはもう各々の自己判断で宜しくお願いします。
「一体ナディアは、何を考えて生きているのでしょうか…」
全くもって同感です(笑)

さて、本作は「生と死」「様々な形の愛」「運命のあり方」「異種間同士に交流は成立するか?」など私達に伝えている事が数多くあるアニメです。
そして今作の根幹を成す最大のテーマとしては「科学至上主義は平和を導くか?」という近代から続く科学万能思想に警鐘を鳴らした物
こういった問題について思いを巡らせると、常々、私が最初にレビューした『鋼の錬金術師』と言うアニメを思い出してしまうのです。
あのアニメで軸となっていたテーマも「錬金術という科学が作り上げた魔法のまかり通る世界で、紡がれる科学的探究は果たして幸福へと繋がるのか?」という『ふしぎの海のナディア』と同様の類の産物
科学者の持つ、いや、人間全体が持っている知識の探究の果てにある業を上手くテーマに組み込み、後々にはSF設定と絡めて救われない現実、報われない感情、そしてその「罪」に値する「罰」について赤裸々に、臆することなく、見事に表現したのが『鋼の錬金術師』でした。
それに対して、この『ふしぎの海のナディア』は『鋼の錬金術師』よりも幾分、希望、救いを含めたアニメとなっています。
倫理と科学がいつもぶつかる理由は正に両方が相容れない物
人間が良い心と悪い心を両方持っている以上、科学にも善と悪とができてしまう。
それ自体が世界を跪かせる神の光となるか、世界を滅ぼす悪魔の光となるかは未来を知る者にしかわからない…
しかし、科学を扱っている者は悪魔でも、ましてや神でもない、ただの人間なのだ。
ちっぽけな存在で、間違いを犯す存在で、狂おしいまでに、病的なまでに何も出来ない無力な存在
しかし、だからこそ、科学だけじゃなくそれを創り出した人間自体を信じたい、信じる事しか出来ない…
このアニメは絶望的過程が待っていても「もう少し信じてみてもいいんじゃないか?」と使う人間其の者を「信頼」する勇気を与え、ある観点において、『鋼の錬金術師』とは逆の意味で前向きに捉える事の出来た物だったと思います。

では、存分に語った所で総括を…
私は「スチームパンク」というジャンルをこよなく愛しており、実はそれ関連の物語だと言う噂を聞いて観始めたのが今作へと至るきっかけでした。
しかし、全話観終わった結果、これは「スチームパンク」に収まる話ではないなと断言できてしまいます。
19世紀~20世紀の時代、産業革命以降のヨーロッパが舞台と背景的にはばったり合致
蒸気機関は全く出てきませんが、その代わりに超科学兵器や古代秘密兵器が目白押しに登場してきて、最終的には現代科学も凌駕する発明品ばかりが登場するオンパレード
ライト兄弟が開発する数年前に飛行機を作り上げたり、南極到達を一歩先に登場人物達が行っていたりと歴史改変要素も数多くあります。
だから、どちらかと言うと、このアニメはヴィクトリア朝時代の感覚で見たレトロフューチャーSF作品と捉えた方が上手く実像を捉えてると言えるでしょう。
SF冒険活劇としてはとてもワクワクする、まさしくこれぞ「ジャパニメーション」と呼ぶにふさわしい作品
これが25,26年前、現在から数えて四半世紀前に作られた物だと考えると、いやはや、驚嘆の色しか出てきません。

ただ、これはレビューを書こうと思ったきっかけとはなりません。
なぜなら、それはあくまで「面白い」という範疇に留まる作品であり、私の書く条件となる「心に訴えかけてくる」作品とは少し違うからです。
上記で語ったテーマなども確かに書く理由とはなりましたが、中盤の展開などもあってか、後一歩、後もう少しなのに…という印象がずっとまとわり続けていたのを覚えています。
しかし、最終回になってようやく…
私はこのアニメのレビューを書こうと決めるに値するきっかけを見つけられました。
詳細はネタバレになるので省きますが、要するに、このアニメ、最終回の破壊力が凄まじいのです。
今まで観てきた人なら絶対に損させない、最高のエンディングがあなたを待っています。
製作者の方達は最後、ああいう風に締める事を想定していたんでしょう…
いや、もう、最終回でようやく分かるあの演出の真意は一言でいえばもう、「ズルい」領域です(笑)
私の書いている文章の意味は最後まで見た方なら必ず分かる物
未視聴組の方々にとっては、恐らく喪失感が物凄い事になるかと思うので、観る際には注意してください…

さて、この作品を観ていた最中、私は毎週決まった時間、テレビに噛り付くように観ていた幼少期を自然と想起してしまいました。
誰にでもあった、何かに夢中になっていた時代
ただ、ひたむきに好きな物を追い続けていたあの頃
当時は「追い続ける」事に対して全員が胸を張って応えていたような気がします。
まあ、自分は精神が未だに餓鬼なので、あの頃と全く、何も変わってないような気がするのですが(笑)
しかし、最近は子供でさえ、そういった事に正直でいられない時勢のようにも感じてしまいます。
他人に流され、世間に流され、未来に流され、自らの気持ちに素直でいられない…
ただひたむきに前だけを見つめていた時代とは、少し情勢も変わってしまったのかもしれません……
しかし、だからこそ、こういった昔の情景を思い出させてくれる、とても有意義に楽しめる時間を与えてくれる作品と言うのは貴重であると私は思うのです。
これを観て「好き」を追い続ける事に感化されるも良し!
元には戻れない、過ぎ去りし過去に思いを馳せるも良し!!
ただ、純粋に物語を楽しんで視聴を終えるのも良いでしょう!!!
『ふしぎの海のナディア』を観て楽しんでくれるならば、それで充分。
そして、このように様々な意味の籠っているこの作品は現代だからこそ、是非とも未視聴組の方々にはお勧めしたい作品なのです。

1度しかない人生、純粋な「好き」をこのアニメで追い求めてみませんか?
ここまで読んで下さってありがとうございました。

PS.
この作品ですが、調べてみると実に色々な内部事情に溢れています。
これをレビュー内で書いてしまうのは則さないかな…と悩んだりもしたのですが、他サイトで詳しく説明している記事を見つけたので、URLだけここに記載しておきます。
興味のある方はどうぞご覧になって見て下さい。
もう1つの制作陣が考えていた最終回や、制作現場の裏事情話が垣間見れるので、これを見れば『ふしぎの海のナディア』の見方も変わるかも…!?
http://blog.freeex.jp/archives/51334289.html
http://blog.livedoor.jp/thx_2005/archives/51803823.html

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

褐色の肌をもつナディアが、どうみてもベンガリ顔な件

ここのところ熱いレビューが何本も挙げられて気になっていた本作、取り敢えず完走したのでレビューを挙げておきます。

◆総評

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』『トップをねらえ!』が割と好きなので、本作もどちらかというと贔屓目に評価したいのですが・・・1990-91年の制作アニメということもあって、流石にこの作画とシナリオでは、放送当時の評判はともかく、今見ても十分に面白いか?感動できるか?というフラットな評点を付けることにしている私の評価方針では、どうしても低めの評点となってしまいます。

もっとも、本作と同じくNHK製作・放送アニメで、本作よりもさらに古い1978年の作品『未来少年コナン』(宮崎駿監督)に私は ★ 4.1 というかなり高い評点をつけているので、本作に関して、まずそちらとの比較をしてみます。

(1) 作品内容としては、両作とも典型的な“ボーイ・ミーツ・ガール”型のストーリーであり、
{netabare}
 ①割と平凡そうな少年が、ある日偶然出遭った謎の少女に惹かれて、
 ②彼女に振り回されながらも、何者かに追われている彼女を懸命に守ろうと奮闘し、
 ③やがて彼女の信頼を獲得するとともに、周囲に次第に仲間が増えていき、彼女の素性・秘密も明らかになっていく{/netabare}

・・・という展開を取る点も共通しています。

(2) 但し、両作の視聴後の感想として、一番違うのは、

 <1> 『未来少年コナン』には第8話(※{netabare}少女が少年を救うために初めて身を挺する回{/netabare})という圧倒的な ★★★回(=神回)があり、それを境に作品世界にグッと惹き込まれてしまったのに比べると、
 <2> 『ナディア』には(※あくまで私個人の評価ですが)神回どころか、★★回(=優秀回)すら一度もなく、結局シナリオに思わず引きずり込まれる、ということがなかった点です。

はっきりいえば、私は宮崎駿監督の特に後期の劇場作品は、幾ら世間的には名声が確立していようとも、個人的には実は余り高く評価していないのですが、その私であっても、『未来少年コナン』の第8話の思いがけない展開には感嘆せざるを得ませんでした。
それで、本作に関しても、放送当時あれだけ評判が良く、現在でもファンが多い有名作品ということで、きっと『コナン』のような凄い展開があるのではないか?と期待していた部分はあるのですが、結局全39話を完走してもそういった展開には出遭えませんでした。


◆それでも、ナディアはやっぱり青春のヒロインなのかも?

上に、本作は作画/シナリオとも今の水準からみると出来が不十分で、思わず惹き込まれる凄い展開も見当たらない・・・と書きましたが、それでも褐色の肌を持つヒロイン(ナディア)には他のアニメ作品に余り類例のない不思議な魅力がある気がしたのも確かです。
というより、私のナディアの第一印象って「あ、これベンガリの女の子だ!」というものでした。

※ベンガリ(Bengali)←インド東部の西ベンガル州&ビハール州等とバングラデシュ国(旧東ベンガル州)の主要部族(ベンガル族)の人。

本作でも最初のうちは主人公のジャン少年はナディアのことを「インド人の少女」と勘違いしていたのですが、そのうちに彼女の素性が判明して・・・。
←って、ここ、シナリオにケチを付けるのは野暮とは思いますが、アフリカ系とか大西洋・カリブ海系だと、同じ褐色の肌でも、ナディアみたいな顔立ちにはなかなかならないんだよなあ・・・やっぱりどうみても彼女はベンガリ顔ですよ(断言)、何で「{netabare}古代アトランティスの末裔{/netabare}」とか変な設定にするのかなぁ(意味不明)。

・・・ということで、本作に関しては個人的に残念感が強く、余り高い評点にはなりませんでしたが、ナディアは'90年代初期のアニメヒロインとしては例外的にかなり記憶に残る素敵なヒロインである、という点には大いに納得しました。

シナリオの散漫さは・・・制作年代を考えれば仕方ないです。
これから初めて本作を見る方は、ヒロインを見て楽しむ作品と思って諦めましょう。


◆制作情報
{netabare}
原案          ジュール・ヴェルヌ 『海底二万マイル』(海底二万里)
総監督         庵野秀明
監督          樋口真嗣(第23話 - 第39話)
シリーズ構成     大川久男
脚本           大川久男、梅野かおる
キャラクターデザイン 貞本義行
音楽           鷺巣詩郎
アニメーション制作  東宝・KORAD{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============== ふしぎの海のナディア (1990年4月-1991年4月) ==========
{netabare}
第1話 エッフェル塔の少女 ★ 19世紀末のパリ、ジャンとナディアの出遭い、グランディス一味からのナディア救出
第2話 小さな逃亡者 ☆ ル・アーブルのジャン宅へ、ジャン自作飛行機発進・不時着
第3話 謎の大海獣 ☆ アメリカ軍艦エイブラハム号の2人と1匹救助、海獣捜しとナディアの猛反対、交戦・エイブラハム号大破、2人と1匹の再漂流
第4話 万能潜水艦ノーチラス号 ☆ 潜水艦の救助、水中の交戦、離艦(飛行再開)
第5話 マリーの島 ☆ 島への不時着、島への侵略者(ネオアトランティス(NA)仮面部隊)、マリーの父母の死・埋葬 
第6話 孤島の要塞 ☆ 仮面部隊のマリー誘拐、NA秘密基地潜入、ブルー・ウォーターの不意の反応、ナディア投降
第7話 バベルの塔 ☆ NA首領ガーゴイルの野望、殺人兵器「バベルの塔」発射実験
第8話 ナディア救出作戦 ☆ ジャンとグランディス一味の協力、潜水艦ノーチラス来援、ナディア救出・NA秘密基地壊滅
第9話 ネモの秘密 ☆ ノーチラス(NC)号船長ネモとの対面、二つのブルー・ウォーター(ナディア&ネモ)
第10話 グラタンの活躍 ☆ ノーチラス号への機雷攻撃、ガーゴイルからの入電、万能戦車グラタンの機雷排除成功  
第11話 ノーチラス号の新入生 ★ ノーチラス号のオーバーテクノロジー
第12話 グランディスの初恋 ☆ ノーチラス号の目的(NA討滅)、グランディスの過去話 ※空気読めないナディアが微妙・・・・
第13話 走れ!マリー ☆ ナディアとジャンの喧嘩、マリーのNA兵遭遇、ネモ船長のNA兵射殺 ※同上
第14話 ディニクチスの谷 ☆ マリー灼熱病発症、ナディア発症、進路反転(深海洞窟リーフ64へ、薬草採取)、発症者回復
第15話 ノーチラス最大の危機 ★ NA大型潜水艦ガーフィッシュとの海中戦、アメリカ連合艦隊&バラクーダ号の対潜攻撃、機関員フェイトの犠牲
第16話 消えた大陸の秘密 ☆ 海底のアトランティス廃墟、犠牲者の埋葬
第17話 ジャンの新発明 ★ 早く大人になりたいジャン、ヘリコプター開発成功、ナディアへの約束
第18話 ノーチラス対ノーチラス号 ☆ 南極大陸近海の海底の墓場、オウム貝撃退、巨大水中トンネル通過
第19話 ネモの親友 ★ 南極大陸地下大空洞へ、2万年前のアトラン人の超科学遺産、長寿クジラとナディアの対話(父・兄との再会の予言)
第20話 ジャンの失敗 ☆ ジャンとナディアの微妙な心模様、エレクトラへのやっかみ(ナディア)、エレクトラの復讐心
第21話 さよなら…ノーチラス号 ★ ガーゴイルの本格攻勢、エレクトラ副長の自爆具申・ネモ船長の躊躇、ノーチラス号轟沈の危機
第22話 裏切りのエレクトラ ★ 戦闘ブロック切り離し・爆破、ネオ皇帝登場 ※13年前の惨事と船長・副長・ナデイアの素性が明かされる注目回だが脚本・演出は年代相応に稚拙×
第23話 小さな漂流者 ☆ ナディア・ジャン・マリー・キングの孤島漂着
第24話 リンカーン島 ☆ 
第25話 はじめてのキス ☆ ※毒キノコにあてられたナディア
第26話 ひとりぼっちのキング ☆ 
第27話 魔女のいる島 ☆ 台風、エアトン伯爵との再会
第28話 流され島 ☆ グラディス一味との再会、ナディアの手料理
第29話 キング対キング ☆ 
第30話 地底の迷路 ☆ 万能戦車グラタン二号、孤島地下の秘密基地へ、ナディアの異変
第31話 さらば、レッドノア ★ M78星雲から来たアトランティス王家の血を継ぐ者(ナディア姫)、神聖大要塞レッドノア機動、ナディアの運命拒絶、タルテソスへの招待、流され島からの脱出
第32話 ナディアの初恋…? ☆ アフリカ大陸へ、ナディアの一目惚れ(村長の息子ハマハマ)、囚われたキング
第33話 キング救助作戦 ☆ グランディスの仇(悪党ゴンザレス)、ハルハルの許嫁(ナディア失恋)
第34話 いとしのナディア♥ ☆ ※これまでのナディア&ジャンの心情推移のまとめ
第35話 ブルー・ウォーターの秘密 ☆ ナディアの故郷(タルティソス)へ、ノアの箱舟、ナディアの真の力と自己嫌悪、ジャンと仲間たちの励まし
第36話 万能戦艦N-ノーチラス号 ☆ ガーゴイルへのナディア投降、エレクトラ副長・ネム船長との再会、N-ノーチラス号発進
第37話 ネオ皇帝 ☆ ネオ皇帝とナディアの対面、地球人の創造主、ネオの地球人への服従勧告、最終決戦へ
第38話 宇宙(そら)へ… ☆ パリ上空~宇宙空間の戦(レッドノアvs.N-ノーチラス号、グラタン号活躍、レッドノア突入、神前裁判の茶番劇)
第39話 星を継ぐ者… ☆ 続き(ネオの意識回復・犠牲、ナディアの意識回復、ジャン死亡・甦生、ブルーウォーターの力喪失、地球帰還とネモ船長の犠牲)、後日譚(12年後){/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)8、☆(並回)31、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.5

OP 「ブルーウォーター」
ED 「Yes, I will...」
挿入歌 「マーメイド・メモリー」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18

68.7 5 サーカスアニメランキング5位
黒執事 Book of Circus(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (492)
2803人が棚に入れました
街を賑わすサーカス団。しかし、彼らの移動とリンクするように街では子どもたちが消えていた。調査のためサーカス団に団員として潜入した、セバスチャンとシエル。そこで思いがけない人物…に遭遇する。サーカス団の隠された目的とは!?

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、宮野真守、高垣彩陽、甲斐田裕子、岡本信彦、寺島拓篤、泰勇気、新谷真弓、小柳良寛、三上哲、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、藤村俊二、杉山紀彰、KENN、福山潤、立花慎之介、安元洋貴、田村ゆかり、遊佐浩二、矢作紗友里、諏訪部順一、菅沼久義、木村良平、前野智昭

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

3期キターーーけど。。ラストの後味の悪さがハンパない;

ウキウキ、ウッキウキ観始めたのだけど。。ラストの後味の悪さったら;
苦い砂を飲まされるようなクライマックスは九話から(八話からかも)。

(第九話)
え、シエル?
どーしちゃったの??
そんなア〇イスみたいな惰弱で残酷なシエル、おばちゃん観たくないよ。。

(第10話)
いきなり終わっちゃった。。後味の悪さを残したまま。
見た目からそそられる、甘くて美味しいケーキの中に、苦い砂のような異物が混入されていたかのようなラストです。
じゃりじゃりと、ハートにサンドペーパーをかけられた様な感じ。。

てな感じで、終わり悪ければ全てがと、残念に締めくくって良かとでしょうか?

八話まではシエル萌え天国でした、アーメン。
興味ある方、以下ご参照に。

**********************************

女子のための不動の名作、黒執事TVシリーズ3期来ましたね!!
シエルの可愛らしさがパワーUPして、どんどんショタへ走りそう。。
TVシリーズ2期で完結しているから、当然の成り行きでしょうが、物語の時期的には、1期の途中にあった事件がらみのエピソードみたい。
つまり、マダムレッドがあーなった後で、女王様があーなる前ですね。
詳しくは1期をごらんください♪

中間期エピソードで、OVA的な内容になるのかなぁと思いきや、シエルの、ファントムハイブ家の、あの惨劇に繋がるよーです。
つまり、物語の核心に迫るワケですね=33
そーいや2期でキレイに完結してたけど、シエルとセバスチャンの詳しいなれそめとか、サワリの部分がぼかされていたよーな。

EDラストのセバスチャン、文字通り、食べちゃいたいくらいシエルが愛おしそうな仕草がたまりません~3

以下、萌えどころを中心に感想。

(第一話)
ファントムハイブ家らしい日常、定番デス☆
シエルのおみ足にソックスを履かせるセバスチャン(今期、このシーン多くて好き♪♪)、どっちもうらやまスィ~;

(第二話)
女王様、まだご健在でなにより。。
危険なニャンコにからむセバスチャンにびっくり☆
シエルがネコアレルギーって、私も、私もだよっ、シエル~(#^.^#)♪

(第三話)
事件はサーカスがらみ?
でもイイコ達に思えるけどなぁ。。
庶民なシエルも可愛いです~~

(第四話)
なんと、あの人も潜入中とはっ!
例のあの人じゃなくて、まさかのあの人の方だよ!!
。。何しに来たのかしら?例の人より萌えるっスけど♪

(第五話)
熱にうなされるシエル。。くぅ、かわゆい~ぎゅううぅぅ~~
吸い飲みでお水を飲むシーンなんて、愛らしさの極致デス☆☆
ああもうっ!こんなん、誰だってショタになっちまうぜっ!!

(第六話)
まぁ、なんてイケナイ悪魔でしょう、セバスチャンは。。
王子様方が久しぶりに大騒ぎで大活躍、ナマステ~
ひよわな坊ちゃんは寝かされてしまいマス。Good night, baby☆

(第七話)
いよいよ敵地へ踏み込むゾ=33
病んだ男のヘンタイぶりにヘドが出ます、ぺっ!!
でもそのヘンタイを目覚めさせたのはシエルの愛らしさ。。うん、分かるぅ;

(第八話)
惨劇のトラウマがフィードバックするシエル。
シエルパパったら、セバスチャンにそっくり??おいしそーな美形っス;
ヘンタイ男は天誅でとーぜんだけど、サーカスの子たちは、ねぇ。。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ドラクエⅦの1エピソードのような話

2014年7月~ MBSアニメイズム枠にて放送
全10話

私は原作未読、1期は全話完走、2期は途中で断念という状態で視聴しました。

【1話で設定と世界観の説明を上手くまとめていた】
おそらく初見さんに配慮した話だと思いますが私のような所謂「視聴復帰組」にとっても1話で端的にわかりやすくまとめられていると色々思い出せて物語にすんなり入り込めました。普通3期まで続いているシリーズは途中で断念してしまうと中々また見るということも無いので非常に良い導入でした。


【OPの映像に魅せられて視聴継続を決意】
1話の最後にOPが流れたのですが映像がすごく格好良くて一気に視聴意欲が湧きました。
事前知識でどうやら「サーカス」が深く関わっていることしか知らなかったのですがその「サーカス」色を全面に出しつつオシャレでスタイリッシュな映像に仕上げていました、
そういえばサーカスって子供のころに木下大サーカスを1回見たきりですが何だか薄暗くてちょっと不気味だったなぁとこのOPを見て思い出してました。


【物語】
2話以降から「サーカス編」の開始
序盤はギャグを交えながら明るい雰囲気で進行していくも徐々に明らかになっていく闇とサーカスの真実。物語の緩急の付け方が非常に上手いと感じました。
あいだあいだで前作までのキャラが登場しますが初見向けの説明をはさみつつ基本ギャグで処理されて本筋にはあまり絡まなかったので全員を把握してなくても特に問題はありませんでした。
後半、ケルヴィン男爵が出てからは怒涛の展開、丁寧な伏線回収で見入りました。
ケルヴィン男爵役の茶風林さんの怪演がすごかった。
そして最終回、{netabare}サーカス団の面々は全員死亡、守っていると思っていたワークハウスの弟たちも既に・・・
本当に誰も救われない展開。
醜悪で残酷な人間の性をまざまざと見せつけられ良くも悪くも心にズシンと突き刺さる展開でした。{/netabare}
徹頭徹尾ピエロだったということですな。サーカスだけに


【総評】
全10話と1クールでも短めの話数でしたが急ぎすぎということも無く非常に丁寧に物語を進行していて最後はバッドエンドながらも説得力があり不思議とモヤモヤの残る印象はありませんでした。
ハッピーエンド至上主義なところがある私があまり悪いイメージをもたなかった珍しい作品となりました。
人体に欠損のある人の描写や拷問シーンは規制が少なく、細かいところで妥協の無い映像作りをしているなぁという印象。
1期、2期ともアニメオリジナル要素を入れながら一定の評価をされたシリーズが今回初めて完全な原作再現を果たし、個人的には今回1番面白い黒執事を見せていただいたので是非続編も見てみたいと思いました。(OVAでは出るみたいですがやっぱりTVシリーズがいいよね!)

【レビュータイトルについて】
{netabare}完全に余談
ドラクエⅦはシリーズ屈指の鬱エピソードが多いことで有名です。
最終話で荒廃したワークハウスの悲しくも美しいシーンを見たら妙にドラクエⅦを思い出してしまいました。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 18
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「美しき残酷な世界」とはまさにこれだ!(・∀・)

タイトル、分かる方に何となく分かって頂ければそれで良いです(笑)

原作既読(アニメ1,2期視聴→原作→本作視聴です)。
1期は途中から原作と話が変わり、2期もアニメオリジナルということで
次は期待できないかと思っていたんですが何と来た!!
漫画ではモノクロだったサーカスが、アニメになることでカラフルな世界に変わり、今までの私の印象もガラッと変わりました。
とても嬉しいことだ!

【物語】
所々笑えるところはあるものの、全体的に暗いお話。
血が大量だったり、とにかく色々不純でした...(笑)
それでも何故か、黒執事の世界は美しいと思ってしまうんですよね!
不思議です。

原作で読んでいたので展開に驚いたり、というのはなかったですが
本作は結構原作に忠実だったので楽しめました。
そしてシエルとセバスチャン&ファントムハイヴ家の使用人たちの主従関係もよく表れていました!
他の方もレビューに書かれているように、{netabare}サーカスVS使用人のシーンはかなりかっこよかったし、意外に感動があります。{/netabare}


【キャラ/声優】
今までの豪華声優陣に加え、サーカスの面々も豪華過ぎです。

(敬称略)
セバスチャン・ミカエリス-小野大輔
シエル・ファントムハイヴ-坂本真綾

ジョーカー-宮野真守
ドール-高垣彩陽
ビースト-甲斐田裕子
ダガー-岡本信彦
スネイク-寺島拓篤
ピーター-秦勇気
ウェンディ-新谷真弓
ケルヴィン男爵-茶風林

セバスチャンとシエルの声は、6年経っても変わらなかった...!
2人共、凄く良い声で大好きです。
あと、スネイクの寺島さんは素晴らしいですよ~。
きちんと「蛇の使い分け」をしてました!!
{netabare}しかも5話の次回予告では15役全部に挑戦!
面白かったので是非耳を澄まして聞いてみてください。
スネイクは黒執事の中で多分一番好きなキャラです!{/netabare}
ジョーカーは、活字体だとあの似非関西弁も気にならないんですが
声になるとウザさがあったかな(ちょっと悪い意味でw)。
見た目が子供のまま成長しないブランコ乗りのピーターとウェンディ、
ケルヴィン男爵の声はイメージと違ったので残念でした。

【作画】
今までと変わらず、美麗でアクションシーンも素晴らしい絵でした。
(私は原作の方が好きなので減点してしまいましたが^^;)
OPが良かったです。

【音楽】
黒執事の主題歌は、曲自体はあまり好きではないんですが
絵とマッチして世界観が上手く表現されているところが良いです。

OP-ENAMEL/シド
ED-蒼き月満ちて/AKIRA

【全体を通して】
1期、2期、本作の3期、そして映画化...
と、さらにアニメ黒執事の世界は広がっていきますね。
流石の人気です!
個人的には原作を続けて読むのがおすすめなので、アニメを観て気になった方は是非そちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 23

74.8 6 サーカスアニメランキング6位
カレイドスター 新たなる翼(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (162)
945人が棚に入れました
2003年10月4日から2004年3月27日まで、土曜日の朝(9時30分 - 10時00分)に放送時間を変更し、25回放送された。

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

人生観に大きな大きな影響を与えてくれました。

新章は前の幻の大技の後の話です。

レイラさんは引退して代わりに新しいキャラが入ってきて、カレイドステージも新しくなっていきます。
この新しいキャラ達に歯車を狂わされていくそらや他のメンバー達。
加えてそらは自分自身が本当はどのようなステージを創りたいのかなどいろいろと葛藤していきます!

レイラさんの居ない今、カレイドスターは一人しかいません。『そら 苗木野 』の真価が問われます。


『自分の夢』というものをこの作品は何回も訴えてきます!人から間違ってると言われても、こうと決めたらこう!そんなそらがとても輝いて見えます^ ^

1クールまるまる主人公が不振に陥るなんて今のアニメ界じゃできないことだと思います...
すごいです(^^)

最初の頃からのそらを思い出しながら、最終回でそらの目指したものを観たときは流石に感動を抑えきれませんでした...
最終話でこれほど鳥肌がたった作品はありません!

この作品視聴後は忘れていた何かを思い出したり、これからの自分を見つめたりと人生に大きな影響を与えてくれます。


特に力を入れて観ていたわけでもないのになぜが観終わった後の終った後の虚無感はとてつもないです。それだけ私が知らず知らずのうちにカレイドスターに惹かれていったのだと気付かされました^ ^
GONZOの奇跡は伊達じゃない!笑

過大評価じゃありません。観たらわかります。てか観ないとホントに損です。


結局耐えきれずにすぐ、OVAに手を出しました(^^
これからはおすすめアニメはこれを答えることが多々あると思います。

『約束の場所へ』米倉千尋
......これを聞いた瞬間にジーンです。


全て観終えてからも何回も最終回を観ている今日この頃です!

これからもみんなの名作であることは疑いの余地がありません^ ^

投稿 : 2025/01/04
♥ : 43

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

燃え尽きぬ主人公。想いは決して絶えることなし。

カレイドスター第二期である。


本作は、最初の1クールはソラがどん底まで落ちて、夢を諦めるか?な所まで追い詰められる展開なので見てて辛い。


しかし、後半は落ちたところ飛翔して前回以上のクライマックスに上がるので最高である。


この構成自体が、古典的な映画のそれにちかいものになっていて、流石は王道のサトジュン監督である。


前回で登りつめた感のあるソラをどう更に成長させるか?という難しい課題を上手く処理している。


前回では、ソラの夢はレイラさんだったと言っても過言ではなかった。しかし、彼女がいなくなった時、自分で夢を突き詰めなければならなくなると…って展開は納得できる。


今回登場のライバルキャラのメイも、最初は嫌なやつだけど~なキャラ描写が見事。


自分が決してソラやレイラさんのような天才じゃないって、わかってる凡人の悲しさと、それに負けない根性がある。ロゼッタとコンビになる展開はグッドだよグッド!。


クライマックス、ソラは「幻の大技」を超える真のカレイドスターの境地に至る。それはもはや技を超えた世界。


ステージは、彼女に出会った多くの人々が参加する奇跡が起こる場所へ…。それぞれの夢が結実し、未来と続いてくのが示される。人間と、人間の遺志の力を信じる者にしか描けぬ感動のラスト。


そして、最後はレイラさんが締める!。やはりこの人の魂の名言なくしては終われない。


最後に、藤原啓次さんをはじめ本作に関わった方で亡くならてしまった人が多いのが実に悲しい。


私としては作品を通して彼等に接し続けて、彼等のことを忘れないようにするだけがせめてもの供養と考え、ずっと大切にし続けたいと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 14

dbman さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

やっぱり すごい おもしろい

オリジナルアニメ/放送期間:2003年10月-2004年3月(第2期)/全25話/アニメーション制作:GONZO DIGIMATION

第一期では、レイラさんに追いつくためにがむしゃらだったそら。第二期では、目標や夢を見失い葛藤するそらが描かれており、こちらも見どころバッチリの物語となっていました。

新たにライバルとして登場したメイ・ウォンはちょっと報われない立ち位置だったけれども言い方は悪いけれどそらを成長させてくれた当て馬としては申し分ない役割として存在感を発揮していたし、メイ自身の葛藤、そして成長物語も楽しませてもらいました。

そのほか、レオン、レイラ、ユーリ、マリオン、ロゼッタ、さらにはポリスのおっちゃんなどなどのエピソードも丁寧に描写されていたりと、登場したキャラクターすべてが感慨深いものばかり。どれもが印象深いエピソードなのでとてもすべてを綴ることは出来ません。深夜アニメでは決して観ることのできない素敵な作品として至福の時間を過ごさせていただきました。

みんな愛すべきキャラクターだらけで選ぶことが難しいけれど、マリオン&ジョナサンの癒しコンビとサラの能天気おばかキャラにはどれだけ癒しと笑いをもらったかw ちなみにオープニングでマリオンが水の中でブクブクいっているシーンが可愛すぎて、一度もOPを飛ばすことができなかったw

投稿 : 2025/01/04
♥ : 28

68.1 7 サーカスアニメランキング7位
死神坊ちゃんと黒メイド 第2期(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (89)
292人が棚に入れました
「触れたもの全てを死なせてしまう」 ......そんな呪いを魔女にかけられた、貴族の「坊ちゃん」。 呪いによって周囲から拒絶されてばかりだったが、決して孤独ではなかった。 いつも彼の側で仕えるメイドのアリス。幼いころから彼の面倒を見てきた執事のロブ。 最近では魔女の友達もできて、家族との距離も少しだけ縮まった。 それでも最愛の人に触れない呪いは解けないまま......。 そんな中、坊ちゃんの呪いを解くための手掛かりが見つかり始め、坊ちゃんとアリスの運命が大きく動き出す。 触りたいけど触れない、二人の物語が再び幕を開ける!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

それぞれの恋が運命が動き出す――

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
2024年4月から第3期が放送されていますので、それまでに視聴は済んでいたのですが、レビューを書くのがすっかり後回しになってしまいました^^;


「触れたもの全てを死なせてしまう」

……そんな呪いを魔女にかけられた、貴族の「坊ちゃん」。
呪いによって周囲から拒絶されてばかりだったが、決して孤独ではなかった。

いつも彼の側で仕えるメイドのアリス。幼いころから彼の面倒を見てきた執事のロブ。
最近では魔女の友達もできて、家族との距離も少しだけ縮まった。

それでも最愛の人に触れない呪いは解けないまま……。

そんな中、坊ちゃんの呪いを解くための手掛かりが見つかり始め、坊ちゃんとアリスの運命が大きく動き出す。
触りたいけど触れない、二人の物語が再び幕を開ける!


TOKYO MX公式サイトのストーリーを引用させて頂きました。

いやぁ…今回も真野あゆみさんの演技が最高でしたね!
最初に真野さんの演技が気になったのは、やはり「デート・ア・ライブ」の時崎狂三でした。
最初はそれほどで意識する訳でもありませんでしたが、それは単に狂三の出番が少なかったから…

個人的には第3期頃から徐々に狂三の出番が増え始め、第4期からアニメーション制作会社がJ.C.STAFFからGEEKTOYSに代わったのが起点になっています。

アニメーション制作会社の変更に対する意見は賛否両論あったようですが、個人的にはキャラデザがより綺麗になったと思うので結果オーライです。
だから現在放送されている第5期も第4期から継続して貰えているのが嬉しいです。

この作品には、いのりちゃんや日笠さんが出演されているので、作品全体が底上げされているのは認識しています。
それでも、真野さんの演技が輝いていたと思っています。
アリスと狂三ではキャラのイメージが大分異なりますが、しっかり演じ分けされていたのではないでしょうか。

それとこの作品は作画が特徴的です。
それは、トゥーンレンダリングを駆使した3DCGで描かれているのが理由だそうです(wikiより)。

トゥーンレンダリングは、写実的(フォト・リアリスティック)な映像表現を求める3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)とは若干異なり、3DCGの技術を使いながらも従来のアニメの印象に近い(手描きに似せた)表現を実現する手法なんだとか。

本作品以外にもトゥーンレンダリングの手法を用いた作品は結構あるみたいです。
・蒼き鋼のアルペジオ
・亜人
・シドニアの騎士
・ブブキ・ブランキ 等々。
こう見るとサンジゲンさんや、ポリゴン・ピクチュアズさんのお得意分野みたいですね。
本作品のアニメーション制作会社は、J.C.STAFFさんですけれど。

さて、本作品のレビューから思いきり脱線してしまいました^^;
脱線してしまいましたが、現在進行形で放送されている第3期を視聴するのが一番だと思うと、頭がさっぱり回転してくれません(涙)。

坊ちゃんとアリスの立ち位置と、ヴィオラのロブ好きは相変わらず。
カフとザインとの距離感は少し縮まったかな。
そしてビックリするくらい変わったのは、日笠さん演じるダレスで決まりでしょう。
気になる方は是非本編でご確認頂き、引き続き第3期を視聴頂ければ、きっと真相に辿り着けると思います。

オープニンブテーマは、坊ちゃん(花江夏樹さん)&アリス(真野あゆみさん)による「君とレヴュー」
エンディングテーマは、なすお☆さんによる「星屑レクイエム」

1クール全12話の物語でした。
しっかり堪能させて頂きましたが、心は既に現在放送中の第3期に傾いています。
レビューを書くタイミングが悪かったんでしょうね^^;
もう既に第3期の視聴に入っているので引き続き視聴を進めたいと思います。
本作品もしっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

タイトルからは想像つかないほどの優しさに包まれた物語

この物語は、触れたものをすべて死に至らしめる呪いの魔法をかけられた主人公 坊ちゃんの物語。

好きな人の指一本触れることができず、母親からは疎まれ、友人からは化物と恐れられ、見知らぬものからは死神だと言われ続けてきた坊ちゃん。
だけど、彼は決して孤独ではありません。

彼のことを愛してくれる女性アリス。彼のことが大好きで毎日二時間かけてやってくる妹、そして彼のことを慕ってやって来る魔女たち。
みんな、坊ちゃんの優しさが好きなのです。
坊ちゃんと手と手を触れ合うことはできなくとも、心は通じ合っているのです。


この二期では、一期よりも物語が進展します。
呪いの魔法をかけたシャーデーについての調査が進みます。
シャーデーは、坊ちゃん以外の人たちにも、呪いをかけていたことがわかりました。
アリスの母親シャロンには、決して目覚めることの無い呪いを、
シャーデーの妹ダレスには、決して治せない顔の傷を、
魔術師のニコには、不老不死の呪いを、かけていたのです。

なぜシャーデーが、これらの呪いをかけたのかの解明は、第三期へとなります。


調査の途中で、坊ちゃんにかけられた呪いがランプの魔人によりなくなるのですが…、
ランプの魔人によれば、呪いが強力で解くことができなかったため、他人にその呪いを移したとのこと。
それを聞いた坊ちゃんは、{netabare}その呪いを再び自分のもとへ戻すようにと、ランプの魔人に頼みます。 {/netabare}
きっと坊ちゃんは、呪いが移された人が不幸になることにいたたまれなかったのでしょうね。
それだけでも坊ちゃんの優しさが十分に伝わってきます。

そして坊ちゃんを日々気遣うアリス。彼女の一挙一動にも優しさが感じられます。


また、第二期では坊ちゃんとアリスとの恋だけでなく、魔女であるザインとカフザインとカフの恋、坊ちゃんの弟ウォルターとダレスとの恋に関しても、優しい色で進展します。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

えっ!?3期や、やるんですかい…

いやまあしかし正月ならではですな。
YouTubeで1期2期の24話全話公式で配信されてましたなぁ。

1期は飛ばし飛ばし見とったんで見逃した話も結構あったゆーこともあってですなこれを機に見直してみるかと。

2023年の話題作で見逃してしまったものも多かったんですが年末年始に再配信が目白押しでして、この正月はそらもうええっちゅうくらいテレビ見ましたわ~。

まだ配信途中ですけど『VIVANT』とか。
『天国大魔境』も8話まで配信されてたんで見ましたわ(しかし8話までってくそ~~~ディズニーめ~~~~)。


とゆうわけで1期よりもさらに和気あいあいとした愉快なテンションで話が進み、1期では悪役的な立ち位置の人も実はええ人やったり、むにゃむにゃしていた関係の2人がいい感じになったり、はたまたサーカス団といったような新しいコミュニティとの接点も増えたり、なんかまあ盛りだくさんで坊ちゃんが死神化しているとゆー大変深刻な状況を忘れてませんか!みなさん!と問いかけたくなるほどまあまあ能天気な話で終わった2期でございましたな。


原作読んでないんでアレなんですが見とってですよ、おーいもう22話だけど全然坊ちゃんの呪い解決しなさそーやんけー。と見続けてたら全然終わる気配無くてですよ。。。


えっ!?3期や、やるんですかい…


まーそれはそれでまたかわいいアリスとロリッ娘ヴィオラ、あほのカフと会えるのかと思うとそこはまあムフフなのではありますが、話はいったん2期で解決してほしかったかなぁ。

ま!とにかく3期やるってんだから楽しみに待とうではないか。
そして坊ちゃんとアリスが触れ合ってダンスしたりチューしたりああんなことやこおおんなことをやる話を1話丸々やって最終回としていただきたいですな!

とゆーことでそんな感じで3期はお願いいたします。

よろしくっす。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

65.9 8 サーカスアニメランキング8位
空中ブランコ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (270)
1412人が棚に入れました
不眠症を患うサーカスの空中ブランコ乗り・山下公平は、着ぐるみを着た謎の精神科医、伊良部(いらぶ)一郎の診察を受けた。
それからというもの往診と称し公平につきまとう伊良部だが、公平のもとを訪れるヘッピリ腰の区役所職員やスキーゴーグル着用のヤクザといった、ちょっと変な人々をおもしろがってばかりいた…。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、朴璐美、杉本有美、森川智之、三木眞一郎、浪川大輔、平田広明、入野自由、高橋広樹、岩田光央、羽多野渉、置鮎龍太郎、古谷徹

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

伊良部先生…なんか変に格好良すぎない?(求めてない)

 簡単に言うと、精神科医伊良部の元に、たくさんの精神的な問題を抱えた患者たちが現れ、回復していく短編集。
 なかなかポジティブな気持ちになれる良い作品です。
 
 原作は奥田英朗の「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「町長選挙」の伊良部シリーズの既刊三作(2016春現在)から。
 私は奥田ファンでもあるので、すべて読んでいて、特に「空中ブランコ」は直木賞を立派に受賞している名作。「イン・ザ・プール」はギャグ色ばかりが強く、「町長選挙」は正直つまらない。「空中ブランコ」はギャグと一種の感動も詰まっている名作なので、読むならこれだと思う。(時間があるならイン・ザ・プールから読むべきですし、普通にオススメしときます。)

 このアニメ「空中ブランコ」についてですが、独特な作画・演出に独特な内容…変わったアニメが観たい方はチェックしとくべき作品です。
 いい感じにスッキリEDに入る話が多くて、気分のいい作品だと思います。
 電気グルーブのOP・EDは凄く癖になるいい曲です。


以下やや批判的な長めの駄文

このアニメの好き嫌いが分かれそうな演出
・患者の男たちを演じる声優が豪華なんですが、たびたびキャラの顔が演じられている声優さんのものになる
・福井謙二アナウンサーがたびたび解説を加える
・エロい感じのナースが実写である
・色合いが過剰にカラフル
・主人公「伊良部」への原作イメージが崩れないよう伊良部は3パターンある

 個人的に声優の顔になる演出は、慣れたので大丈夫でした。
 アナの解説は、正直いらないです。ただ、トンデモ医学って感じの原作に比べ、アニメ伊良部は割としっかり医学してるみたいなので、解説はあっていいのかも…
 ナース実写も、色合いも正直好きじゃないです。伊良部は変わった人間ですが、あんな芸術的な部屋で診療してるイメージは全くありません。

 そして伊良部に3パターンの演出ですが…正直意味が分からないです。伊良部は「色白のデブ」で「マザコン」で「小学生並みの思考」で「常識が一切通じない」タイプだったはずでは?
 アニメの伊良部は基本的に知的であり、ふざけてるシーンも計算で、決めるところはクールに決める、まるでイケメンな感じの精神科医。
 一方原作伊良部は、適当な解説を加えつつも、基本的に考えずに行動して患者を振り回し、患者さんはあきれる中でヒントをもらい、勝手に回復に向かっていく…。まさに「愛すべき馬鹿医者」
 テイストが全くもって異なっていて、イメージを壊さないための演出だとするなら、感性が全くもってずれている気がする。
 むしろ原作との乖離を際立たせる演出だと思います。

 最後に物語ですが、一話「空中ブランコ」を観た全国の原作ファンは「違う、そうじゃない!」と感じたでしょう。クスッと笑える良いラストシーンなのに…何故変えた!伊良部の阿呆さ加減を変更しているのだから仕方ない気もしますが、勿体ない!話もなんかフワフワしていて、分かりづらく、これだと1話で離れてしまう方が多い気が…。

 あと3話の「恋愛小説家」は原作では「女流作家」なのですが、患者の友人のキャラが個人的に大好きなのに、一介のモブに格下げされていて、目茶苦茶がっかりしました。本当に格好いいキャラだと思うんですが…是非原作「空中ブランコ」をチェック!

 アニオリについては、10話と最終回の11話は、アニメオリジナルだと思うのですが、10話の「オーナー」は演出を含め、凄く良かったです。逆に、最終回の「カナリア」はなんか嫌でした。無理矢理最終回っぽくしたって感じですかね…

 なんか長くいらないこと書いた感じですが、すごく特徴的なアニメで、合う人には合うアニメです。アニメ好きならチャレンジしてみてはいかが?

投稿 : 2025/01/04
♥ : 10
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

この滅茶苦茶な作品は「完璧なものは存在しない」と身を以て示している

色々な意味でぶっとんだ作品。作画には実写が混じり、主人公は三体に分裂し、色彩は眩しいほど派手やかで、扱う内容はデリケートな「心の病」という、一癖も二癖もあるアニメ。お勧め出来る作品とは決して言えないものの、心の病という日の当たらないテーマを扱ったことだけでも意義があり一見に値する。精神科が舞台とはいえ内容は重くなく(寧ろ軽い)、症状も身近なものを扱っている。話は一話完結型であるが、すべての話が繋がっており一つの作品としてしっかりと完成されている。

主人公である精神科医・伊良部一郎はとにかく破天荒だ。そんな主人公の元に様々な症状を患った人々が訪れるのだが、訪れた患者は「とりあえず」ビタミン注射を打たれてしまう。主人公と患者、「どちらが症状を患っているのか?」、そんなことすら思うほど主人公(クマ)の破天荒ぶりは凄絶だ。それをイラッと感じるか、クスッとするかは人によるだろうが、精神疾患という微妙な題材故に好みや評価は極端に分かれるかもしれない。それに加えてこのアニメは「ふざけること」に主眼を置いているようにも思える。

{netabare}このアニメの最後は「No one is perfect!(完璧な人間なんて存在しない)」という言葉で締めくくられる。みんなどこか欠けているから人間は人間であるのだと感じさせる言葉だ。全知全能の神さまじゃない人間は(当たり前だけど)欠点を持つ。辞書には「欠点、欠ける」について「短所、劣っていること、あって当然なことがないこと」と説明してあるが、(辞書の意味を否定するつもりはないけど)それはあくまで考え方の問題であり、必ずしも「悪い意味」に直結しないと私は思う。何故なら繰り返しになるが人は根本的に完璧ではないし、そもそも「欠けていること」は善悪の問題なのかに疑念を抱くからだ。

話は逸れたが、この作品が示唆するであろうことの一つは、もし何か「欠点」で悩みを抱えていることがあるのなら、それは本当に精神を病むほどまで悩む問題であるのかを一度熟慮する必要がある、ということである。詰まる所、作画・色彩・主人公に至るまで「何故か」滅茶苦茶なこの作品は、「自分のことをオカシイと思っているアナタより、この作品の方がよっぽどぶっとんでるよ(笑)」と、身を以て示しているように私には思えるからだ。殊に「医者」の言動・風貌が来訪した「患者」より「狂っている」ように思えたのだが、それは以上のような理由からだろう。デリケートなテーマの中でのそんな型破りの主人公に私は笑ってしまった。些細な悩みが一瞬だけぶっ飛んだような気がした。とはいえ、「狂っている」と上記したが、主人公の治療法は(専門家ではないので分からないが)あながちアリかなとも思える。

最後に、最終話での「カナリア」についての(真面目な)話は示唆に富む描写だった。心の病を患った「カナリア」は、我々が気付かないだけで身近に存在するし、我々自身無意識にカナリアになっているのかもしれない。殊に「カナリアは周りがおかしいことを知らせてくれる英雄」という言葉には考えさせられた。カナリアは「周り(自分も含む!)がおかしいから」カナリアになったのかもしれない。
まず、カナリアの声に気付くこと。
そして、問題の根源はカナリアだけではないということ。
カナリアになるには、理由がある。それは必ずしも先天的なものとは限らない。自らの言動を自己省察すれば「“おまえは”おかしい」という言葉は自ずと使わなくなるのではないか。そしてきっと「カナリア」も減少するのではないかと思う。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5
ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「精神科」を題材にしているという時点で、既に賞賛に値する

かなり視聴者の間で賛否の分かれたという、斬新なテーマ性と演出が際立つ本作だが、私は大いに「賛」の方に一票入れたい。

今でこそようやく日本でも「メンタルヘルス」などという言葉が聞かれるようになり、精神疾患に対する認識も広がっては来ていると思うが、まだまだ偏見や誤解は多い。

この手の病に関わったことのない人がこのアニメを見ると、主人公の精神科医・伊良部を「心を病んだ患者に破天荒な荒療治を施すアホ医者」と評するかもしれない。

逆だ。確かにアニメとして・娯楽作品のエッセンスとして、現実離れしたぶっ飛んだ行動を伊良部は取っているが、本質的には実際の治療で用いられる「行動療法」を、人を食ったような態度を取りつつも、その実、一人一人の患者の症状に合わせて、向き合い・実践している。

これができる医者は現実には少ない。伊良部はそういった意味では十分過ぎる程に、名医なのである。

演出に関しては、ビビッドな色使い、3変化する伊良部、実写のナース、通行人などのモブキャラは段ボールに絵を描いたようなペラペラ姿…というだけで、他に類を見ない演出だというのに、加えて…

各話の主人公となる患者の声優の顔が、アニメにコラージュされて、時々(顔だけ)実写になるという点には驚いた。新しすぎる。

しかし、作り手側にとって本アニメの最も挑戦的だったであろうこの「声優の顔コラージュ」に関しては、関連項目の★を下げさせてもらった。

なぜならば、重要なシーンでの患者の表情がアップになる場面や、そのエピソードに於いては最もキーとなる台詞が語られる場面で、急に患者の顔がアニメから実写になると…

「金歯…」「わ!この人、女の子みたいに眉剃ってる!」「ここで、その表情はないわー…」

…と内容に集中できず、気が散ってしまうのだ。
何気ないシーンにだけ、実写顔を使っていたら、「面白い!新しい!」と思えたのだろうけれど…

逆に、作中最も雑な扱いを受けているのが、段ボールタッチで描かれているモブキャラ達である。

仮に「モブキャラ=健常人・社会全般」と捉えると、この描き方に私はある種の爽快感を感じたが、実はこれ考えようによっては非常に残酷な現実を表している。

要はこういう「薄っぺらな社会」や「他人の気持ちを顧みない人々」が、不器用でも真面目に生きようと懸命にもがいたり、繊細な心を持つ人々を「病」に追いやっているのだ。

最終話で伊良部が放つ{netabare}「普通の人が一番厄介」「あなたは気付かなきゃいけないね。周りにいるすべてのカナリア(精神疾患を持つ人あるいはその予備軍、と私は捉える)の声に。」という言葉{/netabare} は、実に「その通り!」と私は声を大にして言いたい。

一見ギャグタッチで描かれ、現実離れしているように見える本作だが、内容そのものは決してオーバーではない。
特に患者の言動や症状は、どれもある種テンプレート的な典型例だ。

あらゆる人に、是非お勧めしたい作品。

そして、これを見て身近に似たような状態の人が思い当たるようなら、できる範囲で手を差し伸べてあげてほしい。

ただ、伊良部のようなアプローチ方法は、超高等技術なので絶対に真似してはいけない!(笑)

投稿 : 2025/01/04
♥ : 13

71.9 9 サーカスアニメランキング9位
BanG Dream!(バンドリ!) 2nd Season(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (223)
832人が棚に入れました
高校2年生になった香澄たちPoppin'Partyは、生徒会や家の手伝い、塾やバイトで大忙し。5人で一緒に居られる時間が少なくなり、拠点である蔵にもなかなか集まれない。そんな彼女たちのもとへ、1人の少女が現れて――。新たな出会い。変わらぬキズナ。Afterglow、Pastel*Palettes、Roselia、ハロー、ハッピーワールド!も登場し、個性豊かなバンドメンバー達がキラキラドキドキなステージを魅せる!「また、みんなでライブしたい」音楽が今、走りだす!

声優・キャラクター
愛美、大塚紗英、西本りみ、大橋彩香、伊藤彩沙、佐倉綾音、前島亜美、相羽あいな、伊藤美来
ネタバレ

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

もっと評価されるべき傑作

いやはや、マジでホントに最高でした。
悪夢の出来だったアニメ1期で負の印象が付けてしまったバンドリですが、コンテンツのポテンシャル自体には大きな可能性を感じ、その後「ガールズバンドパーティ」の配信と同時にこの2年間バンドリコンテンツの虜になってしまった私。
あとは2期の出来さえ良ければ言うことなかったわけですが、期待をはるかに超えた最高のアニメでした。
ブシロードさん、サンジゲンさん、最高の作品をありがとうございました!

のはずなのに、あんまり評価が上がらないのはなんでだー!w
ガルパプレイ組とそうでない人の差がありすぎるぞ!?
このサイトにおいては総合得点が1期より下とか正気とは思えない。
たしかにガルパのキャラやストーリーを知ってること前提な部分もあったけど、それにしたってこの出来栄えで叩くのは本当にちゃんと見てるのか疑わしいものだが。
未だ残る1期の呪い「バンドリ=叩くべきもの」というイメージが根付いた負のスパイラル…
それでもちゃんと感想書いてくれる人はゲーム未プレイ組でも評価してくれてる人増えてきたし、ちょっぴり安心です。
みんな~、もっとバンドリを見てくれ!少し時間があったらガルパもやってくれ!

以下、評価項目についてそれぞれ長々と個別に書いていきます。

キャラクターに関してはファンなので★5です。
視聴前にやや疑問だったのは2期からはポピパの5人だけでなく、ガルパの登場キャラ25人が全員出てくるということで、果たしてこれだけのキャラ数を30分アニメにまとめるのが可能かということ。
そんな多少の不安も1話冒頭に大好きなパステルパレットが登場した時点で吹っ飛んでしまいましたが。
基本的にはポピパメインのシナリオでしたが要所要所で他バンドのキャラが活躍するのでファン的には感謝感激。動く彩ちゃん最高でした。
また、セカンドシーズンで初出となるRASの面々ですがここまでアニメで推されるのは予想外でした。
特に六花に関しては2期の裏主人公と言っても過言ではなく、結局最終回になってもRAS加入に至りませんでしたが、おそらく続編の3期は彼女メインの話が展開されていくことになるんでしょうかね。
ガルパの方でも今後RASが登場するはずなのでそっちも楽しみです。

作画というか3DCGに関しても★5です。
まさにアニメーションの歴史を塗り替える出来栄えで、お金さえかければCG作品でも作画以上の感動を味わえることが証明されました。
放送前に色々言われてたけど自分はCGに対する不安はありませんでした。
制作するサンジゲンさんは過去作をみても安定したCG技術を誇っていたし、何よりガルパに昨年実装されたMV機能におけるライブアニメーションを見ていたので。
ソシャゲのCGでこのレベルなら、テレビアニメーションにしたらどんだけだよっていうワクワク感しかありませんでしたよ、ほんとに。
美少女アニメにCGは合わないという従来のオタの妄言を根本から覆し、むしろCGアニメ全盛を感じさせる最高のアニメーションでした。
これ見ると本当に1期のクソ作画が恨めしくさえ感じてきます…

声優に関しては言わずもがな★5です。
ポピパ、ロゼリアの声優さんはライブで実際に楽器を演奏。バンドリ専属声優だろうがそれだけで賞賛に値します。
彼女たちにとっては「歌って踊れる声優」って言葉すら過去のものとしてしまいそう。
特に沙綾役の大橋さんは声優業も多忙のはずなのに本格的にドラムを叩いていて、その才能に驚くばかりです。
リアルバンド展開はしていない3バンドもそれぞれキャラにピッタリな声優陣を揃えており文句無し。
あやねるの歌唱力はバンドリが育てた。

音楽に関しては当然★5。
「バンドリはカバーだけでオリジナルは弱い」未プレイ組がよく言ってることですが、実際はそんなことはなく全曲最高レベル。
実績のあるElements Gardenさんが楽曲を担当してるんだから当然と言えば当然ですが。
既存の名曲たちがハイクオリティなCGアニメーションで映像化されてまさにファン感無量のアニメとなりました。
終盤においてアニメ初出の曲も出てきましたが、それぞれ良曲だったのではないでしょうか。
オープニングのキズナミュージックは名曲が多いポピパの中でも一~二を争う曲になったかもしれません。

物語に関してはやっぱり★5で!!
各話詳細は放送中に書いたのをネタバレ枠で。
1話感想
{netabare} 冒頭でいきなりパスパレきたああああああああ!!!!
彩ァァァァァァァ!!!
セカンドシーズン第一話は5バンド全てにライブパートを差し込むという、強烈なボリュームだった。
CGも文句なしに素晴らしく、既存ファンとしては感涙できる内容だった。

少し残念だった部分は明らかにファン向けな初回で、ゲーム未プレイ組の人を置いてけぼりにしたところか。
たた、ゲーム以降のストーリーを描くとなると、いまさらポピパ以外のバンドを一からやってくってのも無理があるし、どうしてもこの形しかないのかなと感じてしまう。
たぶん、監督も色々迷った末の一話だったのではないかと思う。
既存ファンを盛り上げた点では100点、新たなファンを増やすという点では60点といった具合かな。{/netabare}

2話感想
{netabare} 2期も結局ポピパメインのストーリーに格上存在のロゼリアを絡ませていく感じ?
と、なると他3バンドの出番はゲスト扱いになりそう?
ブラックシャウトの演奏シーンは、三次元ライブ展開中の声優さんの動きとシンクロさせるという再現度。
こんなんファン感涙不可避でしょう。
今後も人気曲のライブシーンを片っ端からやってくれそうで楽しみでならない。
既存ファン目線で視聴するならば2話時点で神アニメである。 {/netabare}

4話感想
{netabare} ハロハピきた~~~!
やべっぇ!神回じゃねーか!
この狂気にみちたキャラ力よ!
けど、これじゃポピパが完全にモブに。
やっぱ混ぜるな危険じゃないけど、ハロハピはハロハピで別アニメとして見たかったけどねー。 {/netabare}

5話感想
{netabare} か、神回すぎて息が・・・・
まさにパスパレファン大歓喜という内容でした。
ゲーム内で取り上げられなかった"ゆらゆら"に関するドラマをアニメでピックアップしてくれて最高。
彩&千聖メインの話だったけど意外にイヴちゃんが目立ってて良かったです。
「拙者これにてドロン!ニンニン!ニンニン!」←可愛すぎやろ。

千聖がメンバーに隠れて個人練習をしていた描写も素晴らしい。
あんだけ多忙でどこで練習してんだよってずっと思ってたからね。
プロ意識が高いから、メンバーにも中途半端な状態の自分も見られたくないし、努力してる姿も見られたくないんすわ、この子は。
それを日菜と麻耶は察してるのがまたイイ~!
察せない彩ちゃんが自分のせいだと思って落ち込むのも彩ちゃんらしい。
すごくいつものパスパレらしいシナリオだったと思います。

ただ、ゲーム未プレイ組にとっては千聖らの性格が分からないでしょうし、意味不明だったかもしれないですね。
むしろ突然出てきたアイドルが本筋と関係ない話を勝手に進めてポカーン状態だったかも。
ところんファン向け特化アニメっすね、バンドリ2期は。
まぁ、25人キャラ全員を取り扱う以上、ファン向けアニメになるのは予想できたことだけどね。
個人的にはパスパレはパスパレで単体で30分アニメ化してほしかったと思います。
もうずっとパスパレを見ていたいけれど、2期におけるメイン回はこれで終わりでしょうなー。
もちろん他のバンドも好きだけど、なんとももどかしい気持ちです。 {/netabare}

6話感想
{netabare} アフロ回にしてはアフロが目立ってない?
ハロハピ、パスパレは完全に個別回が用意されていたのにあんまりだー!w
ただ、これ以上ポピパをないがしろにするのもどうかと思うので、このシナリオも有りちゃ有り。
むしろ4~5話は完全にファン向けだったのでそっちが異端だったかも。{/netabare}

7話感想
{netabare} RASのストーリーが本格的に始動!
なるほど、おたえを絡ませる展開できたかぁ。
レイヤ役のRaychellさんの演技力がとても声優初挑戦とは思えない素晴らしさ。
一方マスキングさんは・・・・
いやいや、役者でもない国内トップクラスのドラマーさんに声優やらしてんだから当然じゃない! {/netabare}

8話感想
{netabare} おたえの開口一番「別のバンドに行きたい」にはギクッとしてしまった。
ポピパを辞めたいって意味じゃないにしても、もっと言い方あるだろう。さすがコミュ障。
「どういう…こと」一瞬にして曇る沙綾の表情がまたグッとくる。
自分が一度別のバンドから脱退した過去があって思うところがあったんだろう。
予告見る限り、来週はRASを優先してしまってポピパの学祭ライブに間に合わない的な話になるのだろうが、沙綾がガチギレしそうでドキドキしちゃうなー。

彩ちゃん率いるバイト応援バンドも最高だった。
本筋と関係ないようで「ひとりじゃないんだから」という曲タイトルはポピパの現状にもかかってたんだよね。
送り出したメンバーを見守る各バンドの面々が面白い。
つぐモカを取られて一人膨れっ面の蘭ちゃんに草w
あと、彩ちゃんと花音ちゃんをネットリと保護者的な表情で見つめる千聖さんw
そして、薫さんたちに気づいてニッコリする花音ちゃんは可愛すぎた。
その他、ガルパの4コマネタを差し込んできたり、おたえがRASのサポートメンバーになるというのも、現実の3次バンドとリンクさせてるし、ファンならピンとくるネタを随所に散りばめる制作スタッフのバンドリ愛が本当に素晴らしい作品だと思います。 {/netabare}

9話感想
{netabare}おたえアウトー!
なんだかんだで間に合うと思いきや・・・
予想以上の鬱展開。
ポピパに厳しすぎるアニメ。
友希那さんの失望感極まる視線も辛い~。 {/netabare}

10話感想
{netabare} RIOTキター!
カッコよすぎるだろう。
このライブをやるために、おたえ脱退ネタを引きづってる印象。
六花のRAS加入はよ。
先週、唯一出番がゼロだった麻耶ちゃんがめっちゃ喋ってて草。{/netabare}

11話感想
{netabare} おたえ脱退騒動、引っ張りすぎに思えてきた。
この話にここまで重きを置くならよほどのドラマチックなシナリオが求められるはずだけど、ぶっちゃけどうせ脱退しないことは既定路線なんでそこまでハラハラドキドキもせず…
う~ん、ここまで完璧なシナリオに思えたセカンドシーズンも少しダレてきたか。
てか、彩ちゃんたちの霊圧が完全に消えちまったんだが…
どうせポピパのストーリーにほとんどを費やすなら、本筋から脱線した4~5話のハロハピ回パスパレ回はいらなかったかもしれない。
ガルパファン的には嬉しかったけど、新規さんはあそこで切っちゃった人も多いみたいなんで。
んー、9話あたりまでは本当に文句の付けようのない(ファンにとっては)アニメな気がしていたんだが、なかなか完璧なアニメに仕上がるのって難しいなぁ。 {/netabare}

12話感想
{netabare} 今週はメチャ出来の良い回で息を吹き返したかな。
ポピパのストーリーを軸にしつつ、ガルパのキャラも程良く出してくれて配分も満足。
テンポもよく無駄なシーンがまったくないので非常に濃密な30分を視聴することができた。
そして、リターンズ…めっちゃ良い歌…
また一つ名曲が生まれてしまったか。
何気にポピパは名曲が多い。
なのに、アニメ2期の劇中では「STAR BEAT!」など初期の曲しかやってないんだよね。
ポピパの曲では中堅どころの「Happy Happy Party!」がやたら推されてるし。
時系列的には「二重の虹」もあるはずなんだが、一向に出てくる気配なし。
一応、バンド技術はまだまだ未熟って設定があるから、名曲は出し惜しみしなければならない事情があるのかもしれない。
いずれにしても今回のリターンズという曲は、ポピパを代表する良曲の一つになったように思う。{/netabare}

13話感想
{netabare} バンドリ最高。ポピパ最高。
ハロハピ最高、パスパレ最高、アフロ最高。
ロゼリア最高・・・・はぁ~、やりきったわ。 {/netabare}

終わりに総括するとシリーズファン的には最高のアニメでした。
今までついてきて良かったなぁと。
あんまりこういうこと言いたくないけど、すべての美少女アニメを過去の物にしてしまったかと、あくまで贔屓目に見てる個人的な意見なんですみません。
3期は来年に延期されてしまいましたがバンドリコンテンツを長く楽しめるという風に前向きに受け止めます。
また、劇場版を挟むとのことで、フィルムライブとあるがストーリーがあるのか、ミュージックビデオを永遠にやるのか、今のところは不透明。いずれにしろ絶対見に行きますが。

バンドリコンテンツの今後の発展を願いつつ長々と書いてしまったレビューを終えたいと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7
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pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ブシロードPARK2019?

1話感想{netabare}
へぇ、フルCGなんだ。
ストーリーはテキトーに、ステージシーン主体で話進んでくれたらいいなぁ…ムーンウォーカーみたいに。
…。
……。
ってか、ひょっとして最終回“モンソニ”的な展開になったりして?
https://www.youtube.com/watch?v=BnJ5h03kvaU
あっ間違えた、↑は最新の、「アニメと直接連動」ってことではその前の年のコレ↓
https://www.youtube.com/watch?v=M1vU2ZSi0bo
で、こんな感じの現実のステージと連動みたいなのするつもりだったりして。
超会議やマジカルミライはよく知らん(※)けど、ブシロードはちょくちょくイベント開いてるんだよね?
フルCGだったらやらない手は無い気が。
やろうと思えばいつでも出来る立場なだけにちょっと気になる…3月末にブシロ関係のイベントなんかあったりする?


若くて何でも吸収できる世代ならまだしも、オッサンな自分としてはいくらステージで歌ってようがそのキャラのバックボーンが分からないとどうにもノれない。
「ステージでとっくにそんなことはやってる」ってことではなく、窓口(入り口)としてアニメがあると非常に有難いんだけど、この作品はそれを狙ってってことは…ないかな?
ついでに言えば時祭イヴでこういうステージやってくれないの?と常々思ってる。{/netabare}

2話感想{netabare}
しまった重要なこと忘れてた。
この作品世界の観客は何故か女性ばかりって設定があったんだった。
ってことは、↑で期待した「リアルステージと平行」展開の線は薄い?
う~ん、折角のフルCGなのに勿体無いなぁって思っちゃうんだけど、声優オモテに出さないほうのが勿体無いのかな。

んで2話の感想
1話で「あれ?」って思ってたのがあって、それはメンバー紹介の時に担当楽器鳴らさなくて「そんなんだっけ?」と思いまして。
で、2話ではちゃんと紹介ごとに鳴らしてくれました。
自分主催(メイン)だとやるのか?ここら辺知らなくてなぁ…。
できれば紹介ごとに音数が増えていって最後に曲が始まるってのやって欲しいけど、アレンジ面倒くさい?{/netabare}

4話までの感想{netabare}
あっるぇ?バンドメンバーが自分でチケット売ったりバイトしたり、堅実というか等身大な部分がウリだと思ったんだが、金持ちの道楽になっちゃったなぁ。
採算度外視で膨大な予算ぶっ込めば笑顔になれるって…そりゃそうでしょー。
ロゼリアの主催ライブに圧倒されてショゲてたポピパを元気付けようって話のハズだが、そんな予算ウチには無いと余計に落ち込みそうな気が。
…いやでもまぁ、これ見させられて「じゃあポピパはどんなライブやるの?」って興味は沸く…のか?{/netabare}

8話までの感想{netabare}
5話、前回のぶっ飛んだ話は無かったかのように等身大?の女子高生の話。
ってか行く先々でたえがバイトしてて「たえは見てる」状態w
でもなー、前回のこと考えちゃうとなー、これでもかと言わんばかりの金持ちの道楽を見せ付けられてチマチマバイトなんてやってられるか?ってなことをど~しても考えてしまう。
6話は地元商店街のお祭りでライブやるって展開で、こりゃあ家がパン家の沙綾にとっちゃあホームみたいなもんじゃね?なんてことを思ったり。
地元の爺ちゃん婆ちゃんから「ほう、やまぶきパン家の娘さんじゃないか」と贔屓目に見てもらえるだろー、そこら辺の地域密着?な部分をもうちょい見せて欲しかった。
と、ちょっと沙綾に注目が向いたところで7話、まさかの1期ネタ。
文化祭でポピパ一周年ライブやろうって話になって沙綾が「今度は始めから参加したいなぁ」って…ああそっかそっか途中参加だったっけ、家のパン家がゴタゴタして。
一応続きモノではあるけど絵柄ガラっと変わったし、一期の話は引っ張らないと思ってたので驚いた、別に一期見てなくても通じる程度ではあるけど。
ってか一期の話を継続するのなら、あの畳んだ伝説のライブハウス(名前忘れた)のその後の話とかも触れて欲しいなぁ。

なーんてことを思いながらの8話、更に一期の件が炸裂。
いや炸裂してないかも知れないけど。
たえが助っ人で他のバンド掛け持ちするって話で、それを明かされた時に沙綾が表情を曇らせるんだけど、これは一期の内容引っ張ってる?または別の理由?
一期、確か沙綾は別のバンドのドラムやってて、だけど家のパン家が大変でバンド辞めて、そこを香澄に強引に引っ張られてポピパでドラム再開したって話だったハズ。
以前に組んでたバンドとはケンカ別れではなく円満脱退って形になってはいるけど、機会があればゲスト参加したいとか思っててもおかしくないワケで。
ってか沙綾のゴミ捨てを手伝って、その時「このままみんなすれ違っていきそうで怖いんだ」と悩みを聞かされてたのって前のバンドメンバーのナツキなんですけど…そこにそのキャラ配置するかー。
そのうちたえに向かって「ズルい」って言いそうでヒヤっとしてます、そういう方向に進むのか??
それ以前にたえが助っ人で参加したバンドが、何話だったかロゼリアを見返してやると息巻いてた自称プロデューサーが結成したもので、ここら辺の衝突も今後あるのかねぇ?

どこまで一期の話を継承するのか不明だけど、4話は無かった事として見れば現在結構楽しく見れてたり。{/netabare}

9話感想{netabare}
おや?やっぱ一期の話を継続させてるのかな?
一期ではりみのお姉ちゃんズバンドがライブの出番に間に合わない事があって、カスミ達がキラキラ星を歌って時間稼ぎをしたことがあったハズ。
その時助けた側が今度は助けられる側になって…って考えるとなかなか感慨深い。
ってか前回同様、その時の当事者をわざわざ登場させてる(今回の文化祭でもお姉ちゃんズが来てくれたってシーンがある)し、やっぱ一期の話と対比させてる意図はあるんじゃないかな?
さすがに今度ばかりは助力にも限界があって結局間に合わなかった展開ではあるけどね、そこは一期と違って小山菜美にドヤされて終わりとは行かないっぽい。
…って、え、ギスギスはダメなん?
個人的にはたえと沙綾のビンタ合戦とかあってもいい位なんだが…ポピパ内ではタッパのある(≒ウエイトのある)トップ2なので迫力あるだろう、なーんてことを期待しちゃうのは邪道なんかな?{/netabare}

11話までの感想{netabare}
まず10話、迷惑をかけた関係者各位への謝罪行脚、ひいぃ胃が痛くなりそう。
そこはヤマブキパンでもいいから菓子折りの一つでも持参して行って欲しかったが、さすがに高校生らしくないかな?
ってかね、こういう経験を若いうちにしとくのは良いことだ、とオッサンな自分は思ってしまったり。
そして11話、たえが引き抜きのお誘いを受けてどう対応するかの話。
そこで今までのポピパでの思い出を振り返るシーンが出てきて…うおお、一期の内容じゃーん。
一期見てなくても「なんかそんなことがあったんですね」と通じる描き方ではあるけど、一期知ってれば「ああ、あったあった」とより楽しめる内容。
こんな演出ベタだし当たり前のことなんだけど、同期に放送してる“デートアライブ3”がそれをやってくれなくて不満に思ってたので「やっぱこういうシーンって重要だよな」と再認識。
しかもその思い出巡りをした後に砂浜に歌詞を書き出して…。
あれ?これって…“覆面系ノイズ”じゃね?
バンドリ1期と同時期に放送して、しかも重要なシーンでキラキラ星を歌ってて、ちょいとバンドリと関連しがちな作品だったんだけどまさかのここでもネタ被り?
悪い意味じゃなくて、これにより自分は当時(バンドリ一期放送時)をより強く思い出すことに繋がってくれました…まさか狙ってやった?
でもって今後気になるのは、ポピパはラスとは喧嘩別れではなく円満な関係を保ったまま引き抜きを断れるかどうか。
ロゼリアの時はそこら辺上手くできなかったって話なハズなので、ポピパは違うってところを見せてくれることに期待。
というか、チュチュも自分の意に沿わぬ者はなんでもかんでも敵認定ってキャラじゃない…よね?
ちと最近そういうゴタゴタを目にしてて興味がそっちに傾きがちでして…。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
あれ?終わっちゃった??
たえ絡みでラスと溝ができでしまうのかどうか、ロゼリアとチュチュとの確執はどうなるのか…辺りの顛末を期待して見てたんだけど…。
なんか見てる途中でTV消されちゃった気分。
最終回のCパートからしてこれは続きを作る前提…なのか。
これがいわゆるクリフハンガーってやつ?

ま、まぁ、ひとまず最終回の「引き」は置いとくとして全体の感想。
まず前期の評価は物凄く低いです、我ながらよく最後まで見たなぁと感心するくらい。
が、今作の二期ではそれを反省したのか、悪くない、むしろ良い、4話は無かったこととして。
更には前作を知ってるとより楽しめるネタも投入してて、無理して前作を完走したのが報われた気分にもなれたり。
やってくれるねぇ、ちょっとした掘り出しモンです。
そもそも最初はCGに変わったので「ひょっとしたら最後はホンモノのステージ流すかも?」と気になって見始めただけで、結局その期待は的外れだったけど、CGに変わってなかったら見てなかったかも知れない。
ふぅ、こういうのがあるから途中切りや前作がダメだったからもう見ないってことが難しくなるんだよなぁ(その結果最後までグダグダ文句言いながら見続けることも増えるという…)。
というか二期をより楽しみたいなら前作も見て欲しいと思う反面、前作はつまらなくてお勧め出来ないんだよなぁという、なんとももどかしい気持ちにもなったり。

とはいえ、じゃあ何処が良かったのか書こうにも、その…4話が邪魔しててナンともう~ん。
4話を無視するなら、女子高生がバイトやったり地元の祭に参加したり、最後のライブにしたって武道館とかではなく地元のライブハウスと、地に足着いた活動と言えばいいのかな?
荒唐無稽な夢物語ではなく、リアルっぽさがあったのが好印象。
あ、4話だけじゃなくて観客が女性ばかりなのを無視すればね。
それとちょっと邪道な楽しみ方として「メインキャラ以外は手書き」というのがありまして。
↑でも書いたけどたえが他のバンドのヘルプで掛け持ちすることとなり、それを沙綾が不安がって愚痴をこぼすシーンで聞いてたのが「ポピパ以前に沙綾が組んでたバンドメンバー」のナツキ。
ひょっとしてこれは本編に関わってくるか?とも思ったけど、ナツキはCGではなく手書きなので「その線は無いな」とすぐに判断できたり。
りみのお姉ちゃんズバンドもそうでしたね、手書きだったのでこれはゲストだとすぐに分かった。
こんな方法でこのキャラは今後話に関わってくるかどうかを判断するってのは、まぁ~邪道ではあるけどちょっと楽しかった。
逆に商店街のお婆ちゃんズは手書きなのにちょくちょく出番多かったのう、婆ちゃん顔のモデリングはやりたくなかったのかな。

総評
見て損は無いけどより楽しみたいなら一期から見たほうが良い。
が、一期は結構アレなのでお勧めはしない。
4話は忘れよう。{/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゲームファンとアニメファンの二兎を追う

1期視聴済 そして相変わらずゲームはしてない


2018年始特番で1期の一挙放送と武道館Liveなどのコンテンツを合わせて鑑賞したのが始まり。
アニメは周囲が言うくらいこき下ろすほどでは無かったと思ってますし、声のお仕事しながら楽器もこなす声優さん達に感銘を受けてもいました。

“そこそこのアニメ”&“頑張れ声優さん”

私のバンドリへの評価はこの2つの要素で出来てます。そしてこれはおそらくレアケース。ゲームの要素が抜けてるのです。
ゲームはスマホ音ゲーのお化けコンテンツで、むしろこっちからのユーザーが流れてくるほうが多かろうもん。1期で匙投げた方が多かろうアニメのみメンバーズは絶滅危惧種じゃなかろうかと邪推してます。

この前フリで何が言いたいかというと、、、


「ゲームユーザー向けの作品にがらっとリニューアルしちゃって戸惑ってます」


■戸惑い1 いつの間にか綺麗になって・・・
この2年(1期の放送からの意)ですっかり綺麗になっての再会。めっちゃCGです。ポピパの誰かは髪の色でやっと判別できました。それと第1話で5人集めての尺を取ってくれたのでなんとか。
演奏シーンで止め絵がないのはCGさまのおかげと思えば、慣れればOKということなんでしょう。


■戸惑い2 人多すぎ
ゲームオリジナルキャラを投入!って知らんがな。ざっと5ピースバンド×4組なので一挙女子20名追加です。Roseliaは1期にも登場してますが覚えてません。とはいえ総勢25名の顔と髪型と髪の色と制服の組み合わせで判別可能ではありました。さすがゲーム原作なのかスタッフ頑張ってたと思います。
なお4組とは以下、しっかり第1話で全員集合してたりします。

 『Roselia』 (ロゼリア)
 『Pastel*Palettes』 (パスパレ)
 『ハロー、ハッピーワールド!』 (ハロハピ)
 『Afterglow』 (アフターグロウ)

{netabare}さらに1組『RAISE A SUILEN』。試験勉強並に覚えることが多いのです。{/netabare}


■戸惑い3 曲多すぎ
1話1曲+one more 次から次へと右から左へ。思い入れがないのでほぼスルーです。


軽い疎外感はありますね。ゲームユーザー向けコンテンツになれ果てたのか?と。
結局のところ序盤の構成は「ゲームユーザー向けのコンテンツ」の体裁を取りながら「アニメ作品」としての二兎を追っていて、バランスは悪くなかったと思います。

1兎.バンドと曲紹介
2兎.ポピパを軸にしながらの筋を通したストーリーライン

ざっくりAパート日常描写。Bパート後半に演奏シーンで新規4組を取り上げてました。
{netabare}2話ロゼリア回。ポピパと双璧のロゼリアをまずもってきたのは正解です。
4話ハロハピ回。ファンタジーですね。↑↑↓↓←→←→BAとは粋なことをしてくれます。
5話パスパレ回。雨降って地固まる。三軒茶屋駅と生田スタジオの再現性がハンパないです。リアルの三茶はミュージシャン多い。
6話アフロ回。夕日と青春との相性の良さよ。そしてこちらも雨降って地固まる。{/netabare}

バンド紹介と並行してるのは、{netabare}“目指せ!ポピパの単独ライブ開催”、と{/netabare}ポピパを軸にしながらのストーリーラインでそこは崩しません。
そして折り返しの後半戦、{netabare}第7話から{/netabare}アニメらしく物語が動き出します。やっとだよ。。。



と、ボヤキはここまで。ここからV字回復。本格的に二兎めを追いだしてからがすこぶる良かったのです。軽く1期を凌駕する出来でした。
これならゲーム組もアニメ組も双方幸せになれるひとときを過ごせたのではないかと思うほど。


想像するにアイドルもの(バンドだけど・・・)の定番。後半トラブル発生→解決→大団円の流儀を守るなどお作法順守という安心感と、トラブル内容の濃さとが両立してたんじゃないでしょうか。

{netabare}1期は紗彩の加入騒動と香澄の声が出ない騒動。そこそこエモい仕上がりでした。
2期のトラブルと比較すると、1期より関係者の数の多さ、規模が拡大しているのがわかります。いわゆるステークホルダーが多い状態。収拾するにも関係各先の調整なり思惑が複雑に交差し、1バンド内のゴタゴタとは桁違いのレベルで重さが変わってきます。
第9話以降の{/netabare}後半はそこそこエモいではなく“エモい”でした。

{netabare}10話11話OPはRoselia『BRAVE JEWEL』。唐突な感じがしますし、これだけ作中の楽曲が多いと流して聴いても不思議ではありません。

『自分を責めないで 抱きしめなさい
 弱さを知る者は 強さを宿す
 貴方は手にしてるから』

傷つき折れそうな心を奮い立たせるような歌詞。おたえとその先のポピパへのエールとしか思えません。またこれが友希那んとこのバンドというのがエモい。ユキナは曲と背中で語るのです。{netabare}ついでに文化祭で猫カフェをしたがるおちゃめな娘さんです。{/netabare}{/netabare}

いろんな人の思惑が交差します。そして誰も悪くない。引っ掻き回し役の“ルー大柴”風JKプロデューサーもしかりです。こんな時に試されるのがバンドの結束力ですね。展開はわかっちゃいるけど、掌の上で踊りたくなるのです。

※ほんとにネタバレ
{netabare}11話が秀逸。揺れに揺れてるポピパメンバーの中で香澄が壁を越えておたえの懐に飛び込みます。さすがきらきら星メンタル保持の主人公です。
「ポピパはポピパだよ。おたえはポピパ。ギター弾こう!おたえ」→そして『STAR BEAT!~ホシノコドウ~』へ。はぁ~1期観ていて良かった。

そしてポピパはやっぱりポピパ。
おたえ「私ポピパが好き」
ありさ「いつか武道館とか行くのも悪くねェなと」
さあや「おたえ、行かないで」
りみ「おたえちゃんがポピパ大好きなこと知ってるもん」「ポピパでいてくれてありがと」{/netabare}

そして名曲が生まれました。続きは本編で。


楽曲に支えられ、仲間に支えられ、「あー音楽っていいな」と思える良作でした。



■■アニソン雑感

巷で神曲と言われようが作品を視聴してないとそうは感じられない私です。
経験上、楽曲単体でハマることは稀有で、未視聴作品のCVさんが担当する曲に限ってはハマったのは後にも先にも『回レ!雪月花』のみ。それもネタの性格が強い。
一言で言えばタイアップ。
作中繰り返し流れる。キャラの心情が投影されてる。作品世界を表わしている。

巷で流行っている曲よりもアニソンのほうを覚えているくらいになった現在でも変わりません。
本作バンドリ2期の前半で大量投入された曲は一過性でピクリとも食指は動かず、作品世界とリンクした後半の「Returns」「BRAVE JEWEL」「キズナミュージック♪」には心が震えます。
本作で作品とのリンク有無が大事なのだと再認識しました。みんなそうなのかな?

好きなもん聴けばいーじゃん、という話ですが、「これ良い曲だよ」がなかなか非ヲタ一般人の方には通じません。映像(物語)と音楽がリンクしてこその良曲。私にとってのアニソンです。



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

-----

2019.04.01 初稿
2019.09.20 追記
2020.10.19 修正

投稿 : 2025/01/04
♥ : 34

65.7 10 サーカスアニメランキング10位
ポピーザぱフォーマー(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (85)
402人が棚に入れました
キャラクターや背景が全て3DCGで描かれている、キャラクターのセリフや字幕が一切無い短編アニメーション。瑞鷹とキッズステーションが製作。ヴォルフサーカス団の見習いクラウンで、ピンクのウサ耳付きの被り物に、赤白ストライプ、三本指手袋と尻尾付きの全身タイツの「ポピー」と、ポピーの助手である仮面を被りトランクス一丁の青い謎の動物「ケダモノ」らが、時には爆弾を炸裂させる、やたらと凶器を振り回す、銃を乱射するなど、シュールでブラックユーモア満載の作品。あまりに過激な内容だったため、放送局によっては、放送を自粛した回が存在する。
ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ケダモノの顔は

{netabare}お母さん似だったよ{/netabare}


<物語>
ふと深夜にこれを見てしまって、翌日友人らにこの奇妙なアニメの事を話しても理解を得られず、やはり見てはいけないものを見てしまったと小学生時分に悟らせる、都市伝説的な側面すら感じさせる作品でしたね。
"検索してはいけない言葉"としても有名ですかね、度を越えた残虐性には目を瞑りたくなる箇所も屡々。
しかしながら、原作者の増田龍治さんは自身のホームページでこんなことを仰ってます。

>争いと破壊。
>理想の自分をやたらと追いかけて、さらに他者との比較による競争心を持つことにより、人間は、いつも周りを巻き込んだ破壊を引き起こす。
>「誰よりも自分がトップでありたい」という思考が周囲を敵に見てしまい、意味のない争いを作り出して自滅する。
>そうした人間の内側にある狂気をユーモラスに表現して笑った作品。
>競争社会に翻弄されて自滅していく現代人の精神でもある。

当初は私もキチガイアニメとしか思っていなかったのですが、作者の意図を鑑みると、少しは違った景色が見えてきます。
これぞブラックユーモアの典型といったところでしょうか、コミカルに描き切られている内情はどこまでもシニカルで底が見えません。

<作画>
世に有名な「アルプスの少女ハイジ」を生み出した瑞鷹が製作しています。
これもまた騒然たる事実なんですが、こんなキッズステーションの低燃費CGアニメがDVD12万枚を売り上げて、コロムビアゴールドディスク大賞を受賞したらしいですね。
どこでそんなに流行っていたの?と俄かに信じ難いんですが、まぁ有り得るかもと思ってしまうのが本作の凄い所です。
さらに2話ほど過激すぎて放送休止になった回が存在するんですが、ぶっちゃけどの回もヤバいです。
該当するのが、11話の串刺しになる回と27話のカエルを刻む回ですか、逆に何故これが大丈夫なのと思う回は枚挙に遑がありません。

<声優>
サイレントコメディですので声優付きのキャラは居ない、かと思わせて実は一人(一匹?)だけ存在します。
しかも誰が声をあてているのか不明です。

<音楽>
青柳常夫さんが歌う「POPEE the クラウン」、何度か聞いてると脳から離れなくなる危険な曲です。
歌詞は全く意味が分からないんですけど、どうやらオリジナル版と日本語版の二つが存在するみたいですね。
日本語版の歌詞も見てみたんですけど、まぁこれの意味が分からなくたって今後生きていくことに支障はないでしょう。
その他にも"たーまごたーまごたーまご"って言ってる曲も頻繁に流れてましたよね、曲なんでしょうか。

<キャラ>
毎回ポピーの正気の沙汰とは思えない無茶振りを甘んじて受け入れるケダモノの構図が面白いですね。
後半の方はケダモノも知恵を働かせてポピーに逆転勝ちすることも多くて、さらにパピィも追随して制裁を加えてきますから、ポピーの立場が無くなってたのが笑えました。
それにしてもケダモノの表情がまた趣深くて好きですね、剥がれてから地面に着地した瞬間消えるのが謎ですけど。
どうやらケダモノの仮面が昔発売してたらしくて、デスクトップアクセサリーの付録みたいですね、機会があったら買いたいです。


本作以上の逸材って今後現れない気がしますね、「ウサビッチ」は良い線行ったのかな。
お勧めのCGアニメです。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 5

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

子供向けとは思えないほどに過激なサイレントアニメ

このアニメは、キッズステーションにて放送されていた
5分枠の短編アニメである。

大きな特徴は、これでもかと言わんばかりにブラックジョークや
残酷描写が満載な点だ。
チェーンソーや銃が出るのは日常茶飯事であり、
ほとんどの回で登場人物が死亡するのだ。
しかも、しまいには自殺をするような回も存在するなど
非常に刺激的な作風に仕上がっている。

そういった理由から、みんなのトラウマ、検索してはいけない言葉
の1つとして取り上げられる程有名な作品にもなっている。

最終話を除き、セリフは一切ないがキャラの心情、行動が
視聴者にすぐ伝わるように制作されているので
その面で心配することはないだろう。

最初の頃は、ポピーとケダモノの2人をメインに話が進んでいたのだが
途中で登場する主要人物、パピーが出てくるのを機に
不条理さに拍車をかける展開へと発展していく。
ポピーとケダモノも中々外道なことをするのだが、
パピーはそれの遥か上をいく。色んな意味で強烈な
キャラクター達である。

ちなみに、放送禁止回が存在する。(当たり前だが)
11話と27話だ。特にきついなと感じたのは11話だろうか。
27話も結構来るものがあるが、11話よりは
まだ見れたような気がする。(?)

どれも好きな話だが、あえて一つに絞るなら
「HYPNOTISM」(催眠術)だろうか。
最初は、パピーがケダモノ達に催眠術を仕掛けるだけだったが
途中からパピーとポピーの催眠術合戦へと発展していくのだ。
作中の中でも相当強い(?)2人なのでとても見ごたえがある。
催眠術にかかっても、とっさの判断力で催眠術を解こうとする
のは流石といったところか。最後の落ちもすごく好きだ。誠に感服した。

OPは非常に癖が強いが、中毒性が高いので一風変わった曲
をお探しの方には一度聞いてみることをお勧めする。
恐らくはまるはずだ。

好き嫌いがはっきりしているアニメなので、上級者向けの
作品であることに間違いないだろう。お勧めする際は、気を付けよう。
私はとても大好きな作品だ。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11

負け猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

麻薬ザぱフォーマー

ポピーってケシの花で麻薬の事なんだよねー^^
確か制作スタッフの話でこの話してたわwww

ショート3Dアニメで内容はギャグでいいのか?

メイン登場人物は
ポピー (うさぎ)
ケダモノ(お面)
パピー (うさぎの父親 兼 太陽) などなど

いっさいセリフのないBGMとSEだけの限定サイレントコントを見るようなアニメ!!!

しかし、セリフがないにも関わらず、ストーリーがわかってしまうのはなぜなんだろうwww

以外にハードなギャグの攻め方をしてくるので、展開やオチを予測するのは難しく
良い意味で期待を裏切るでしょうwww

私のお気に入りのキャラはケダモノ(お面つけてます)で
彼は自分の感情や言いたい事を
全てお面の表情で表現します。それがまたカワイイのなんのw

1話5分くらい?だったはずです。
なので試しに見ても良いのでは?
見たなら正しく中毒症状を引き起こすアニメですよー^^

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3

71.2 11 サーカスアニメランキング11位
地獄少女(TVアニメ動画)

2005年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (814)
5092人が棚に入れました
最近、巷に或る都市伝説めいた噂が流れていた…。
深夜0時にだけアクセスできる「地獄通信」に怨みを書き込めば、どこからともなく「地獄少女」が現れて、憎い相手を地獄に堕としてくれる。晴らせぬ怨みや世に不条理はつきもの。納得できない理由や状況に抗えぬままに悲惨な運命を辿る者は多い。
地獄少女=「閻魔あい」は彼らの悲痛な叫びを聞きとげ、依頼主に契約の証である藁人形を渡し、「地獄流し」へ至る方法を語る。ただし、「その代償として自分自身も死後は地獄で永遠に苦しむことになる」とも言う。
地獄少女は全てを見通すかの様な涼やかな瞳を相手に向け、ただ一言告げる。「あとは、あなたが決める事よ」と…。

声優・キャラクター
能登麻美子、松風雅也、本田貴子、菅生隆之
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人の世は諸行無常

本作はスタジオディーンが3期に亙って手掛けた「地獄送り」をテーマとした作品の1期目である。
序盤6話までは同じような話で進展が全く無いが、パターンアニメではないことを留意して欲しい。6話からは話が進展してゆく。


基本的なコンセプトは『必殺シリーズ』を元に「法で裁けぬ、晴らせぬ怨みを依頼者から引き受け成敗する」というものである。
依頼方法は『ゲゲゲの鬼太郎』を彷彿させるもので、ネット上に深夜0時に怨みを持ったもののみアクセス出来る「地獄通信」に依頼者がアクセスし、
怨んでいる相手の名前を入力すると、即座に地獄少女が現れ、首に赤い糸が結ばれた「藁人形」を渡し、地獄送りの手順を説明するというものである。
本作はただ怨みを晴らして(相手を地獄送りにして)お仕舞いという安易なものでなく、
「依頼人自身も命に匹敵する代償を支払う」という本作独自の設定がある。
そうした作風について、制作側は「“人を呪わば穴二つ”の言葉の様に、依頼者の人の命を奪うという願いには、それ相応のリスクが必要である」と語っている。地獄流しに出来る相手は1人のみで、一生に一回しか使えない。

地獄流しの手順

①怨みを持つ依頼人が地獄通信へアクセス、名前を入力
②地獄少女が現れ「首に赤い糸が結ばれた黒い藁人形」を渡す
③相手は即座に地獄送りにされるが、依頼者も死後地獄へ行く旨を依頼者に伝え、依頼者の判断に任せる
④依頼者が糸を引いた場合、場合により対象者は三藁にパラレルワールドで仕打ちを受け、罪を認めるように促す。
(認めても認めなくても地獄には流される)
⑤対象者は舟で三途の川を越え、地獄へ流される

本作は観ていて不快になる回が非常に多く、怨み(他からの仕打ちを不満に思い、憤り憎むこと)ではなく憎しみ(自分に不利益をもたらすものを嫌うこと)や僻み(歪んだ考えをすること)、妬み(他人が自分より優れた状態を羨み憎むこと)による依頼も進んで引き受けている。また特筆すべきは依頼人に18歳未満が多く(15/22)、判断力に乏しい中、刹那的感情から依頼したり、安易な気持ちで依頼するケースが多く、これは必要悪の限度を越えた由々しきシステムである。
他にも、三藁によるパラレルワールドでの仕打ちが大甘なのが非常に残念。もっと厳しくやって恐怖のどん底に叩き落して欲しい。水木しげるを好んで読む私としては例えば1話のしゃれこうべは眼球の垂れた生首くらいにして欲しい。
また、怨みを晴らされた側も現世で罪を償わせるべき。
こんな事ばかり言ってもそういう作品なので仕方が無いが。
只、8話から本格的に登場し始めた柴田親子により作品に対する考えが若干変わった。地獄少女は自分の正義により依頼を受けているわけでなく(依頼の拒否は出来る)、誰でも良いから地獄送りにしているようで、それに対し柴田親子が間違いを正すべく活躍するという話に傾倒していった。この点は非常に評価できる。

怨みは怨みの連鎖を呼び、留まることを知らない。人の世が続く限り怨みは消えない。只、人を怨むことは楽しいことではないので、進んで行うことはない。よって余程の事が無い限り人を怨むことは無いのだ。本作は遊び感覚で地獄通信にアクセスする描写があるがこれはとんでもないことだ。
例え怨みを晴らしたとしても、傷ついた心が癒えることや、無くなったものがかえってくることは無い。そのことが分かっていながらも溜飲を下げるために、遣る瀬無い気持ちを鎮めるために、人は人を怨むのである。

人を呪わば穴二つ
一つ目の穴は「自責の念」。人を殺したという強い認識は死ぬまで付きまとい身を蝕んでゆく。怨みの元と成った傷が癒えることがあっても、この認識が消えることはない。
二つ目の穴は「怨んだ者の周囲の念」。自分が怨んだ相手が、誰に対しても腐れ外道であることはほぼ無く、相手にも家族が居て、信頼している仲間がいるのだ。その人たちの怨みも消えることは無い。

因みに本当の語源は依頼者と対象者二人とも地獄(穴)行きという意味。

本作はしかも怨みを晴らすことを他人まかせにし、自分では一切手を出さないという汚い手で怨みを晴らす。代償として死後地獄に送られるが、これでは安いものだ。他力本願は時に罪なことである(私は浄土真宗(笑))。
特に本作の場合
①自ら怨む相手を殺害することにより殺人の実感を得る。
(他人に依頼する場合、金銭で埋め合わせが必要。)
②殺人の罪に問われるまでは、逮捕に怯えること、
捕まってからは罪刑法定主義に則った裁きを受ける(刑事面の裁き)
③殺人者の家族、親類は必ずと言って良いほど世間で差別・迫害され、縁者への迷惑など社会的責任を負う(民事面の裁き)
④殺人者は死後、極楽浄土(キリシタンの場合、天国)へ行けず、地獄へ落ちる。

これらの①~④の項目の内、地獄少女に依頼する事により、①~③から免れることが出来るのである。しかも、地獄少女への依頼は、「積年の怨み」のような重い怨嗟でなく、「気に入らない」「嫌い」「邪魔」などの軽い憎悪でも簡単に行うことが出来ることも安易な依頼へ拍車をかけている。


終盤の地獄少女の過去に纏わる話は面白かった。
中盤から柴田一家は完全に地獄少女に目を付けられ、終盤では酷いことになっている。柴田一とつぐみの親子の絆も感じられた。恐らく、柴田一家が登場しなければ視聴を中断していただろう。

・地獄少女の過去について
{netabare}
閻魔あいは安土桃山時代に村のためと称して「七つ送り」の人柱にされた少女、あいである。
家族の意志で密かに人柱を免れ、幼馴染の仙太郎の協力により、山の祠で生きながらえた。しかし、作物の不作を不審に思った村人達によりあいの生存が暴かれ、罰として両親共に地中へ埋められて人柱とされる。その際、仙太郎が村人に強要されてあいへ土を被せてしまったことから、自らは仙太郎と村人達への強い恨みを抱きながら一旦は力尽きるが、その後に蘇って故郷・六道郷(むつみごう)へ火を放って村民を虐殺するという大罪を犯す。この罪はあまりにも重すぎて地獄でも償いきれず、罰として地獄少女として働く責務を課せられる。

柴田一は仙太郎の家系の末裔で、そのことから、娘の柴田つぐみに地獄少女の精神がリンクした。
{/netabare}


本作は観ていて余りに不快だった為、各話毎に私の主観によるコメントと評価を付けた。
{netabare}
あくまで"主観"であるので、一切のクレームには応じない。
また、視聴後で無いと全く理解出来ないので悪しからず。

依頼人=被疑者=疑とする
対象人=被害者=害とする
得点は善:悪とする
話数の脇にある(18)は依頼人が18歳未満の意

1話(18)
疑:橋本真由美 害:黒田亜矢 40:60
金の管理はしっかりすべき。担任の教師や親に相談すべき。
2話(18)
疑:鷹村涼子 害:如月 100:0
この被害者は腐れ外道なのでOK。殺される寸前だったのでこうするより仕方ない。
3話(18)
疑:岩下大輔 害:花笠守 80:20
この被害者も腐れ外道だが、放っておいても警察に捕まった。無駄骨。
4話(18)
疑:菅野純子 害:本條義之 40:60
この被害者も腐れ外道だが、犬が処置が遅れて病死した程度で人を殺すのはいかがなものかと。その医者を選んだ責任もある。助手もわざわざ客にそんなことを教える必要は無い。墓場まで持っていくべき。
5話(18)
疑:田村美沙里 害:海部美穂 70:30
この被害者も腐れ外道だが、こんな簡単に企業経営出来るなら皆やってるよ。ストーリーが稚拙過ぎ。
6話(18)
疑:安田遥 害:戸高奈美子 80:20
この被害者も腐れ外道だが、子供が哀れ。
7話
疑:来島薫子 害:紅彩花 70:30
この被害者も腐れ外道。養子は選べということだ。被害者が哀れ。
8話
疑:田沼千恵 害:石津吾郎 50:50
よくあること。
9話(18)
疑:春日由香 害:森崎伸也 40:60
発表前の菓子をライバル店の店長に見せるな。信用しすぎ。
但し被害者がまたまた腐れ外道。
10話(18)
疑:渋谷みなみ 害:赤坂詩織 10:90
あの程度で人を怨むとは恐ろしい。逆恨み甚だしい。
最終的に怨みでもなんでも無かった。介入すべきでない。
11話
疑:片岡雅也 害:稲垣隆史 40:60
この被害者も腐れ外道。しかし親父の贈賄は事実なので逆恨み?
12話(18)
疑:沢井茜 害:深沢芳樹 0:100
意味が分からない。この程度で受理するのか?先生が哀れ。終盤は説明不足。先生も死にたければ自殺すれば良い。
13話
疑:福本 害:大河内 100:0
こういう完璧なのは良い。
14話(18)
疑:桐野沙樹 害:楠木亮造 10:90
逆恨みだが、町長も部下の管理が甘かった。
15話
疑:湊三奈 害:湊藤江 80:20
関与すべきでなかった。駆け落ちしろよ。
16話(18)
疑:マミ 害:マキ 90:10
これは父親が悪い。父親が虐待する前に精査すべきだった。監督不行き届き。
18話(18)
疑:上川美紀 害:下野芽衣子 90:10
この被害者も腐れ外道。しかし法で裁けた。犬の躾はしかっりしとけ。また判断が稚拙。調べたり相談したりしろよ。
19話(18)
疑:氏家祈里 害:氏家鏡月 90:10
バアさん暫くしたら死ぬのでは?警察に相談しろよ。
20話
疑:エスパー☆ワタナベ 害:ジル・ドゥ・ロンフェール 10:90
ジルは地獄少女に会いたかっただけだろ。
21話(18)
疑:村井優子 害:関根良介 60:40
これは警察に相談のコース。
22話
疑:末次吾郎 害:林紀子 20:80
女を見る目が無かっただけだろ。
23話
疑:男 害:桜木加奈子 0:100
心中したかった気持ちの悪い男。可愛そうに。

26話
関係無いけど七童寺の住職が地獄少女に焼殺された。哀れ。
{/netabare}

観ていると不快になること間違いなし。しかし何処か引き込まれている自分が居る。鬱アニメと言うが私は鬱要素は全然無いと考える。胸糞悪いだけ。良くも悪くも人間は元来業の深い生き物だということだ。複雑な思いが交錯し、綺麗事で終わっていないのが救いである。愛情と怨嗟は表裏一体。
四苦八苦の内、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦が象徴的に現れていた。
2期、3期もあるので是非観てみようと思う。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 27
ネタバレ

くあれ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

一度は聞いたことがあるあのセリフ…「いっぺん○んでみる?」でお馴染みのミステリーホラー作品

あらすじはあにこれを参照。

一話一話メインとなるキャラが変わるので自由な展開が出来ていて退屈しなかった。内容のほとんどは不条理で胸糞悪いと思った。作画や音楽に関しては普通。

【第一話 夕闇の彼方より】
{netabare} 大人気作ということで知ってる人も多いからなのか、いきなり各話のメインとなるキャラの話が始まって理解が追いつかなかった。地獄少女について少し説明が欲しかったかも。作画は普通で音楽は地獄少女と正式に契約した後の終盤のBGMが恐怖感というより騒々しく感じた。 {/netabare}
【第二話 魅入られた少女】
{netabare} 序盤の進め方を観た時に話の結末が分かってしまい、案の定その通りだった。真に迫るとストーカーが誰なのかが分かった。登場キャラも限定的だったなので余計に。 {/netabare}
【第三話 汚れたマウンド】
{netabare} まだ三話目だったけど、一番胸糞悪かった。人を殺してその罪を他人に押し付けて自首してと言われたら何故?と開き直る。コイツは地獄に落ちた方がいいと思った。地獄少女(あいちゃん)ナイス。 {/netabare}
【第四話 聞こえぬ叫び声】
{netabare} 私も犬を飼っていたので自分と話のメインとなる少女(純子)を重ねてしまい、気分が悪くなった。
少女の場合は、実の親子も失っているので、私よりも辛い境遇だと思い、今後は頑張って強く生きてほしいと思った。 {/netabare}
【第五話 高い塔の女】
{netabare} 何故社長にまで上り詰めたのか理解できない。客観的に観ていたらただ無能としか思えない。人の弱みを握って自分の手は汚さない。完璧な悪役の立ち位置。 {/netabare}
【第六話 昼下がりの窓】
{netabare} 奥様の中でもスクールカーストのようなものがあるとテレビで観たことがある。夫が一流企業に勤めている奥様から取り巻き奥様が出来て中小企業に勤めている夫の奥様が下に見られるみたいな。本当に胸糞悪い。夫を支えるのが妻と聞くけど、妻を支えるのは?すごく困っていて今にも病みそうな姿見ていたら頭痛くなってきた。 {/netabare}
【第七話 ひびわれた仮面】
{netabare} あまり響かなかった話だけど養母のやり方は気に入らない。二人の少女がメインで人形も二人が持つという新しいパターン。一人の少女が圧倒的に悪役っぽかったから地獄に落ちる方は予想しやすく、やはりその通りとなった。 {/netabare}
【第八話 静寂の交わり】
{netabare} この話が一期の終盤にも大きく関わっている気がする。二人の親子がね。地獄少女(あいちゃん)の洗礼してるシーンがあって興奮。毎話欲しいね。 {/netabare}
【第九話 甘い罠】
あんまり覚えてないので、機会があったら観直す。
【第十話 トモダチ】
{netabare} サブタイみて思った。「私たち友達だよね?」こういう作品にありがちなセリフだから絶対言うと思ったら本当に言ってたからシリアスなシーンなのに少し笑ってしまった。 {/netabare}
【第十一話 ちぎれた糸】
あんまり覚えてないので、機会があったら観直す。
【第十二話 零れたカケラ達】
{netabare} 担任の先生が心配して家に来るのって普通なのか?私も不登校の時期に先生が家に来てくれたことがあった。この作品の場合は少しやり過ぎ感あったけど、部屋の扉強く叩いて不登校の少女(茜)を呼び出してた。流石に母親も「もうやめてください」って言ってたし。 あんなことされたら余計出たくなくなるよね{/netabare}
【第十三話 煉獄少女】
{netabare} 地獄少女(あいちゃん)の仲間きたこれと思ったら、ただの古本屋の本の作品名だったよ。少し残念。まぁ私は地獄少女(あいちゃん)一筋だけどね。 {/netabare}
【第十四話 袋小路の向こう】
{netabare} メインのキャラの進行と同時に八話から関わっている柴田家が前回に続き登場。地獄少女(あいちゃん)を探していて、理由が地獄に送るのはよくないからやめさせるらしい。けど、それだけ?なにか内に秘めてそう {/netabare}
【第十五話 島の女】
{netabare} 禁断の恋というものだね。恋の力って凄いよね。境遇にもよるけど地獄少女(あいちゃん)を頼るほどだからね。終盤では序盤から絡んでた柴田家が人形の糸を解かないように促してたけど、あえなく失敗。ハッピーエンドいけそうだと思ったんだけどなぁ。 {/netabare}
【第十六話 旅芸人の夜】
{netabare} 観てる中で不自然な動きがあったから引っ掛かってたんだけど、分からなかったなぁ。二人いますパターンだったか。私が表で輝いて私が影で生きる的なの。 {/netabare}
【第十七話 硝子ノ風景】
{netabare} 霧の中の館ほど怖いものはない。
しかもそこに少女(ニナ)がいる。怖いわ。
結論から言うと少女はニナではなくて、ニナが大切にしていた人形だったっていう。なんかありがちな展開だけど、予想出来なかったな。地獄少女(あいちゃん)が「あなたはニナじゃない」って言った時驚いたし。 {/netabare}
【第十八話 縛られた少女】
{netabare} 犬が関わるとこの作品碌な生き方しないから嫌だな。予想通り犬死んじゃったし。少女(美紀)が親か警察に相談してれば丸く収まったと思う。犬が人質みたいに囚われてたけど、芽衣子っていうおばさんが遺産目当てで家族を殺したことを美紀に知られたと思ったみたい。 {/netabare}
【第十九話 花嫁人形】
{netabare} こいつ人間か?と人間性を疑うほどに酷いことしてて胸糞悪い。この話にも柴田家が関わってる。というかほとんどの話に今のところ絡んできてる {/netabare}
【第二十話 地獄少女 対 地獄少年】
{netabare} 後半が進むにつれて地獄少女(あいちゃん)の心情が少しずつ変化しているように思える。
地獄少年についてだけど、地獄少女(あいちゃん)のライバルになるのか?と思ったらあっけなく地獄に流されてた。地獄に行くの2回目みたいだけど、正直なんとも思わなかった {/netabare}
【第二十一話 優しい隣人】
{netabare} 柴田家が大きく絡んでくる話、隣人というのは柴田家の隣人という意味。まさかの人形使わず終わるという珍しい展開。さすがの地獄少女(あいちゃん)の仲間たちも、このままでは邪魔になると意識を改めたみたい。 {/netabare}
【第二十二話 懺根の雨】
{netabare} ようやくたどり着いた。柴田家が地獄少女に関わる理由。母(あゆみ)が他界していて命日なので御墓参りに行くという話。回想が多めの話だったけど、回想がとても胸に刺さる。一生後悔が残ると思えるような内容。でも終盤では救われた気がしなくもない。 {/netabare}
【第二十三話 病棟の光】
{netabare} 納得いかない。すごくいい人だったのにモブキャラっぽいのに地獄送りされて、地獄少女(あいちゃん)と契約した本人は自殺。終盤でまたも胸糞悪いのぶっ込んできたよ。三途の川渡る時に地獄少女(あいちゃん)が少し揺らいでた気がした。 {/netabare}
【第二十四話 夕暮れの里】
{netabare} 柴田親子と地獄少女(あいちゃん)が立ち並ぶのは初めてじゃないか?お互いの因縁も明かされてもう話も終わりそう。 {/netabare}
【第二十五話 地獄少女】
{netabare} 回想みて思ったことは他作品の【黄昏乙女アムネジア】の回想思い出したってこと。村人から生贄にされて怨み、憎しみが生まれるって展開が似てる。本当に悲しい。こういうのって支えてくれていた人が裏切った時がより一層辛くなる。 {/netabare}
【第二十六話 かりぬい】
{netabare} 柴田親子が離れ離れになって地獄少女(あいちゃん)は昔の感情が再び芽生え覚醒して激おこ。能力も惜しみなく発動してて完全に我を失ってると思った。二十二話での回想を引っ張り出してきたな。ここで柴田親子は吹っ切れたみたい。地獄少女(あいちゃん)も間近で柴田親子の様子を見てなにか感じ取って正気に戻ったみたい。柴田親子は救われたみたいだけど、地獄少女(あいちゃん)はどうなんだろう。契約なしで地獄に送ると自身も地獄に行くらしくて、一度そうなりかけたはずだけどね… {/netabare}

投稿 : 2025/01/04
♥ : 3
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

素直に名作と言える作品群です。

*別のところにも書いた文章ですが、なんだか、地獄少女を最近、四期の影響で見始めた人たちに「長い」とかいう批判が出てきたので反論と考察を長文でつらつらと書きます。

10年近く前のアニメたる地獄少女は三期までは一期につき「2クール×2=26話」が三期(計78話)続いたわけですが、それを今更、自分たちの基準で文句を言うのはどうかと思います。
この作品に限った事ではなく、最近のアニメ全体についてですが、「最近、アニメに対してせっかちな人が多すぎる」と思います。
最近のアニメは季節ごとの1クール作品主流ですが、たかだかそんな短い話しでも「展開が遅い」だの「中だるみする」だの文句を言う人が多すぎます。
そして2クール作品だと「長すぎる、1クールにまとめるべき」みたいな意見が出ます。
昔のアニメは基本的には4クール(一年)でしたし、ヒット作品や原作が長い作品だと二年以上(100話以上)やるなんてザラでした。
最近のアニメ視聴はたかだか一話や二話。たわいない話しや息抜き回があったくらいで騒ぎになり批判の嵐で「切る」とか言い出す人がいますよね?

なんだか、最近は「1クールアニメが基本」になってる人も多いようで、それを前提に批評している人も多すぎですね。
私は好きなキャラや作品が少しでも長く続くのは好きなので、長期アニメ肯定派です。
それに長期アニメなら多少、出来の駄作・凡作回、遊び回があっても、それはそれで「まあ、こんな回があっても良いか」と許容できる利点もありますしね。

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さて、作品の論評です。

個人的にはテレビシリーズのアニメとしては最高峰ともいえますし、
一部の作品は何度でも繰り返して見られます。
能登麻美子をはじめとした声優さんたちの怪演も良かったです。

強いて難を挙げると全ての回が傑作というわけではなく
「イマイチな回」が幾分あったというのが欠点ですか

まあ、それも2クール×3期という長丁場なので
イマイチ回があるのは仕方ないと言えない事もないです。

一期で個人的ベストは「硝子の風景」ですね。ただしいつもの地獄少女の構成を崩した異色回です。そういうのに良い話しがあるってのは実は結構よくある事だったりします。
他に「高い塔の女」「トモダチ」「袋小路の向こう」「縛られた少女」「病棟の光」なども好きです。
逆に一番、つまらないと思った話しは「優しい隣人」です。今更の盛り上がらない話しでしたね。

個人的には四期以降も作って欲しいですが、
それは難しいですね。と思ったら2017年7月から新シリーズが放映されるようです。

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特報です。
>「アニメ小冊子つき 地獄少女 傑作選 ~花鳥風月~
2017年7月より『地獄少女』新アニメシリーズが放送スタート!この新アニ>メの設定資料が入った小冊子を付け、『地獄少女』コミカライズシリーズの>人気ストーリーを集めたオムニバスを刊行。」

いやー、実に八年ぶりに新シリーズ実現とは・・・・
能登さんの声も大分変っただろうけど(悪く言えば劣化(?))、
幸い、閻魔あいはキャビキャピしたキャラではないので
能登さんが40になろうと50になろうと比較的。問題は少ないかもです

公式サイトでも発表されました。
http://www.jigokushoujo.com/

ただし、我々が期待していたようなものとはちょっと違っていて、
既成作の総集編六話+新作六話の一クールという事で、新作部分はわずか六話の短編ですね・・・
うーん、これでは早くも五期期待ですね。
とはいえ、これを応援しないと「本格的な地獄少女シリーズ」も始まらないので応援したいです。

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蛇足の考察
{netabare}「異色回ですが、そういうのに良い話しがある」について

全く関係ない知識披露ですが、
そうなんですよね。例えば推理小説などでシリーズ探偵が出てこない話しが代表作と言われるのはよくあるケースなんですよ(もしくは処女作=最高傑作になるケース)。
例えば探偵ポワロや老婦人探偵ミスマープルで有名なアガサ・クリスティですが、最高傑作はこの二人が出てこない「そして誰もいなかった」だったりします。
エラリ・クイーンも一番多く書いた「エラリー・クイーン探偵もの」ではなく四作しか出さなかったYの悲劇など悲劇シリーズが有名になってしまった。
ディクスン・カーもクロフツも同じ、シリーズ探偵ものが代表作とはならなかった。
名探偵シャーロック・ホームズで有名なコナン・ドイルは推理小説自体を「文学とも言えない低次の娯楽作品」とみなして、自分が「シャーロック・ホームズもので有名な推理小説家」と言われるのを非常に嫌ってた。
江戸川乱歩の場合、肝心の本格推理小説はあまり評価されず、子供向きに書いた「二十面相もの」が一番有名になってしまったという皮肉ぶり。
こういうケースって結構多いのです。
一生をかけた探求してきたものよりもちょっと目先を変えた番外的なものが評価されるのは作り手としてはさぞや不本意な気がします。
原因を考察すると「ノンシリーズものは構成に縛られず話しが自由に作れる」からかもしれません。{/netabare}

余談
普通、声優のキャスティングはオーディションで決めますが、閻魔あい役に関しては原案者のわたなべひろしさんが「この役は能登麻美子さん以外、考えられない」とオファーを出したそうです」

投稿 : 2025/01/04
♥ : 23

63.4 12 サーカスアニメランキング12位
伊藤潤二「コレクション」(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (140)
453人が棚に入れました
『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』を原作とする。
『伊藤潤二傑作集』は、『富江』『双一の勝手な呪い』『フランケンシュタイン』など、伊藤さんの人気作を全11巻に収録した作品集。
『魔の断片』は、「Nemuki+」に掲載された読み切り『解剖ちゃん』『黒い鳥』など、全8作品を収録。

声優・キャラクター
三ツ矢雄二、下野紘、名塚佳織、緑川光、小山茉美、末柄里恵

野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ありのまま起こったことを話すぜ ホラーアニメ見てると思ってたらいつの間にかギャグアニメを見ていた

なにを言ってるかわからねーと思うが俺にも分からねー。

世界の巨匠伊藤潤二氏のホラーコレクション集。

ホラーとは書いたが厳密に言えばホラーっぽい何かだと思う。
その何かが高度なギャグであることに気付くのに少々の時間を要するのだがそれはまた後ほど。

少なくともホラーと聞いて期待されるであろう恐怖感とかそういうのとは少しばかり縁遠い。

ただ雰囲気は妙におどろおどろしく悪く言えば気持ち悪い。
伊藤氏の絵柄は本来もっと気味が悪いと思うんだがこのアニメに関しては少しばかりそういうのが緩和されてる印象を受ける。
もっと忠実に気味悪く出来たはずである。

ともあれその抜群の気味の悪さ故にどうしてもホラー的ななにかを期待させてしまうんだがどういうわけかアニメで見ると絵柄 演技 見せ方 そのすべてが我々を恐怖より笑いに誘(いざな)ってしまうのだ。

シュールな笑いていうのかね こういうの。

怖いと思った回数より笑った回数のが間違いなく多いと思う。

そういう意味では下手な狙ったギャグアニメより笑えたぶん秀逸なギャグアニメであるとも言える。

笑わせようとする意図は無いのだと思うのだがそういうのに限って笑えてしまう。
そんな経験おそらく誰もがあることだろう。

繰り返すが雰囲気は実に素晴らしいのだ。
だからこそなんだかんだでラストが気になり見入ってしまう。

だが困ったことに物語のオチがよく分からん回もちらほら存在する。

例えばある不気味な存在がいたとしてソレがいったいなんであるのかとかいう説明が放棄されてるため不気味な話ではあったが結局なんだったんだ?て感じになってしまう回も少なくは無い。

知ってる人がどれだけいるかは知らないがホラー短編集「新耳袋」とかもそんな感じだった。
タイプ的には似たようなもんだろう。

そういう細かいとこを気にしたらダメなのかもしれないが気になるんだから仕方ない。
なんともすっきりしないこの気持ちをどうしろと言うのだろうか。

尚、オチの無い回の多い作品ではあるがたまに当たり回が紛れてるのがまた心憎い。

宝クジに当たるよりはるかに当たり回の確率は高いぶん随分良心的である。

不気味というだけでなくどこかシンミリとさせてくれるような秀逸な回も存在する。

個人的なお勧めだが「緩やかな別れ」と「案山子(かかし)」のラストは中々印象に残るものだった。

あんざんことか読んじゃうお茶目な人もいたらアレなんで念のため。

絵柄のせいなのかこれまた余り人気の無い作品のようだが回の出来自体は確かにピンキリではあるが惹き込まれるモノがあるのも確かであり間違いなく見て損はないであろう。

いや多分。

絵柄で敬遠するという行為はそれだけで人生の0.何%かは損していると言える。
絵柄が最優先されるのは薄い本だけで充分なのだと私は思う。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 19

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

スタッフの愛がこもっている"気持ち悪さ"特化のホラー作品!

原作未読。

ホラー漫画家"伊藤潤二"の著書『伊藤潤二傑作集』『魔の断片』に含まれる作品を原作とした、オムニバス形式のアニメ。1話に2作品が含まれます。

"怖い"というよりは、"不気味""気持ち悪い"に特化したような作品でした。グロ要素も多めです。
基本完結した短編集なので、話によって面白さ、怖さに差があります。
個人的な気持ち悪さNO.1は、10話の「グリセリド」。作品の空気感が音と映像から溢れてて、生理的に本当に無理と思う話でした。
2話の「ファッションモデル」6話の「隣の窓」は普通に怖かった。

物語に出てくる女性キャラは、全体的に色気が滲み出てるように感じました。作品自体が、しっとりした雰囲気が続くのでそう感じるのかもしれません。
化け物キャラは、気持ち悪いと感じる要素詰め込まれているので、怖いです。トラウマレベルです。

人気声優たちが各話ごとにメインキャラに声を当てていて、プロが演じるホラーを感じられます。
三ツ矢雄二さん、細谷さん、梶くん、良平さん、下野さん、吉野さん、名塚佳織さんなどなど、この方々の他にも超豪華なメンツが声を当てています。折笠富美子さんの絶叫は素晴らしかったです。

音楽も絶妙に怖さを増幅させてて素晴らしかった。効果音での気持ち悪さの演出がうますぎました。

EDは、各話ごとに映像が変わるので最後まで目が離せない構成になっています。

全体的にとても手が込んでいて、スタッフキャストの作品への愛を感じました。
様々なアニメ作品がある中でも、特殊な今作品。
大声でオススメはできないですが、あと引く面白さ魅力があります。トラウマ覚悟で見てみて欲しい作品です。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 9

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

気持ち悪いけれど、かなり笑えるホラー作品

ホラー漫画を原作として、毎回2つのエピソードで構成されるオムニバス形式の作品。全12話で計24のエピソードが描かれています。
内容的には、不気味だったり、不思議だったり、あるいはかなり気持ちの悪い物語が多く描かれていますが、どの話も発想が面白かったので、最後まで飽きることなく、とても楽しめました。ただ、ホラー作品として、観ていて怖かったかというと正直微妙なところ。作品の中で起きることがあまりにも現実離れしているためか、全体的にシュールな空気が漂っており、また、毎回の話のオチも、「え?これで終わり!?」みたいな唐突さがあって、なんだか笑ってしまうことが多かったです。
個人的に特に印象に残っているエピソードは、第2話Aパート「ファッションモデル」と第10話Aパート「グリセリド」で、前者のキャラはとんでもなく強烈でしたし、後者の内容の気持ち悪さは尋常ではなかったです。
声は、毎回なかなか豪華な声優を起用していて普通に良かったです。作画は、それほどリアルな系統の絵柄ではないので、グロいものが得意ではない自分でも意外と平気でした。全体的に独特な雰囲気や味があって悪くなかったと思います。また、EDの映像は、毎週その回の内容に合わせて変えていましたが、遊び心が感じられて楽しかったです。
最後まで観終わって振り返ると、24のエピソードの中で全く面白くないという話はなかったようで、どの回も平均して楽しめました。いちおうホラーというジャンルなので、意図したものかどうかはわかりませんが、笑ってしまうような場面も非常に多くあり、シュールコメディとして、とても出来の良い作品だったように思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 12

69.4 13 サーカスアニメランキング13位
美少女戦士セーラームーンSuperS[スーパーズ](TVアニメ動画)

1995年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (82)
672人が棚に入れました
平和な生活に戻った街。相変わらずドジで泣き虫のうさぎ。そしてレイ達や衛、ちびうさ達の日常。しかし、平和に見えるこの街に新たな戦いの序幕が近づいていた。
それは、数世紀ぶりの日本での皆既日食が起こる日のこと、月が太陽をさえぎり完全な闇につつまれる。しかし、この大自然のアトラクションに、レイや衛など霊感の鋭い者は、何か不吉な予兆を感じずにはいられなかった。
そのアトラクションが終焉の時、巨大なテントが出現していた。唐突に現れた謎のテントはサーカスの一団のテントだった。実はこのサーカス団こそ、セーラームーン達の新たなる敵となる「デッドムーン」のアジトであった・・・。
何故かペガサスを求め、世界征服を狙っている「デッドムーン」とセーラームーンたちの新たな戦いが始まろうとしていた。

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

夢をテーマにしている

アマゾンとアマゾネスが登場して夢がどうたらこうたら
アマゾンてオネエみたいな口調で喋ったり、女の子の恰好したがる奴もいたけど、しっかり男なんやな。乳首描かれているシーンあってびっくりした。
アマゾネスはロリっぽい娘たち

あとペガサスがどうたらこうたら
新たにダイアナという猫登場

前作までとは違って話のほとんどが一話完結のように思えた。シリアス要素よりもコミカルな感じが印象的。誰でも見られるようにマイルドにしたのかな?

さすがに終わりのほうは話繋がっていたな。楽曲は好きだけど、内容は少し薄いように感じてしまった。内ゲバぽいのもあったが、敵の悲しみ描写すくなめであっさり終わった。
確かに夢があるほうが若々しいよね。

亜美ちゃんの髪色って水色だったような気がするけど、いつから緑になったのかなあ?


以下あらすじ
皆既日食によって太陽が姿を隠し、日本中が暗闇に包まれた。ひとときの平穏な日々を送るセーラー戦士たちも、この世紀の天体ショーを心ゆくまで楽しんでいる…。世界に日の光が戻った時、十番街の中心に奇妙な巨大テントが姿を現していた。その正体が何なのか、セーラー戦士たちには知るよしもない。その頃、修行中のちびうさは、夢の中で不思議なペガサスと出会っていた。幼い心を騒がせるちびうさ。ペガサスの出現は、セーラー戦士たちを再び過酷な戦いへと導く運命の前触れなのだろうか? 美しい夢を持つ人々を襲い、世界征服を目論む謎のデッドムーンとの関係は? かつてない力を持った最強の敵との戦い。そして徐々に明らかになってゆくシリーズ最大の謎。さらなる進化を遂げたセーラー戦士たちの活躍が始まる!


OP
ムーンライト伝説 歌 ムーンリップス(桜っ子クラブさくら組(大山アンザ・森野文子
ED
私たちになりたくて 歌 藤谷美和子
“らしく”いきましょ 歌 Meu(梶谷美由紀)
挿入歌
同じ涙を分け合って 歌 久川綾
ルート・ヴィーナス 歌 深見梨加
セーラーチームのテーマ 歌 朝川ひろこ
私たちになりたくては秋元康さん作詞らしい。さすがやね。BGMも良いところで流れるので要注目。
“らしく”いきましょは名曲です。ずっと聴いていられる。
ルート・ヴィーナスも実は好き。美奈子ちゃんがまことちゃんに対抗してアイドルぽいことしようとしたときに少し流れた程度なのが残念。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

hanapoko30 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

トュウインクルエーーーーールッ!!

ちびうさちゃんメインのお話
ペガサスが美しい(^^)

このシリーズの敵はデッドムーンサーカス
私は断然アマゾントリオが大好きです!
おネエキャラ3人が毎回バーでターゲットを決めるところでいつも笑ってしまうww

タイガーズアイ←置鮎龍太郎さん
ホークスアイ←古川登志夫さん
フィッシュアイ←石田彰さん

良い声すぎる方たちが大真面目におネエ言葉なのがまた斬新でした。
しかもフィッシュアイの声の人、小さいときは女性声優さんだと思っていたので、大人になって石田さんだったことに気付き衝撃をうけました。だってぜんぜん違和感なく可愛かったんだもんww

全体的な話としてはちょーっと薄かったかなぁなんて思います。
ペガサスの正体も、原作ではまもちゃんに関係してきたりとかするんじゃなかったっけ?っと原作うる覚えなのですが、とくに設定掘り下げるわけでもなく終わり。
ネヘレニアとの戦いも最後ちょっとよくわからない終わり方でした(私が理解力ないだけかもしれませんが…)。
……まぁ、セーラースターズの序盤でネヘレニアの一件は解決するので、なあなあな終わり方でも問題ないっちゃあないけど。

うさぎちゃんとちびうさちゃん
変身シーンが2人一緒になりその作画がきれい!
あのちびうさちゃんの変身ブローチもってたなぁ
大事にとっておけば中野ブロードウェイとかで高く買い取ってもらえたかなぁと、大人になったいま考えてしまいますww

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2
ネタバレ

もちごめ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

愛すべき敵キャラ

SuperSは、セーラームーンの中でもいちばん好きなシリーズです。
このシリーズでは、ちびうさにスポットが当てられてます。
ペガサスとの淡い恋物語、うさぎとの親子愛。
ペガサスが出てきて天を舞うなんて、なんてメルヘンな世界なんだ…と思いました。

しかしこのシリーズ、いちばん魅力的なのは敵キャラだと言っても過言ではないぐらい、彼(彼女)らに首ったけになりました。

皆既日食とともに、突如街に怪しげなテントが現れます。
そこのサーカス一団の敵幹部、アマゾン・トリオ。
3人ともオネエ口調なんですが、漫才みたいな会話や、ときどき見られるポンコツ具合が憎めなくて愛おしいです。
{netabare}最後は切なかったけど、元々動物だった彼らが本当の人間になりたいという夢が叶って幸せになれたのかな。{/netabare}

アマゾネス・カルテットは中盤〜後半に出てくる敵幹部です。
みんな可愛いのですが、とってもワガママ。
上司にあたるジルコニアに「おばば」と呼んだり、口ごたえしたり。
でもやっぱり可愛い。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 2

62.7 14 サーカスアニメランキング14位
二十面相の娘(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (97)
629人が棚に入れました
義父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)家の令嬢・千津子(チコ)は、世紀の怪盗・二十面相にいざなわれて、未知の冒険の世界へと旅立つ。初めて触れる自由な空気、新しい仲間に囲まれ、自分の居場所を見つけたチコは、少しずつ変わっていく。
 “二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎をめぐって起こる、数々の奇怪な事件。それにまつわる人々の哀しい思惑。チコは、それでも前に進まなくてはならなかった。その先に、さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても…。

声優・キャラクター
平野綾、内田夕夜、松風雅也、佐藤利奈、新井里美、浜田賢二、竹田雅則
ネタバレ

しんばくん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

どこか影のある懐の深い男に助けられ…

物語:3.8 作画:2.9 声優:3.9 音楽:3.4 キャラ:4.0 【平均:3.6】                           (58.7)

ジャンル        :ミステリー
話数          :全22話
原作          :小原愼司(漫画)
アニメーション製作 :ボンズ、テレコム・アニメーションフィルム
監督          :富沢信雄
シリーズ構成     :土屋理敬
キャラデザイン    :堀川耕一
音楽          :三宅一徳
主人公声優      :平野綾
OP           :「霞」作詞 - 369、Ryoji / 作曲 - 369、tasuku / 編曲 - tasuku / 歌 - 369(ミロク)
ED           :「Unnamed world」作詞 - 畑亜貴 / 作曲 - 黒須克彦
              / 編曲 - nishi-ken、黒須克彦 / 歌 - 平野綾

参照元        :Wikipedia「二十面相の娘」

【あらすじ】
 日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。そんな折、二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。 Wikipedia「あらすじ」参照

【特徴】
①年頃の娘と憧れの人
②謎(推理はしない)
③戦後の日本(昭和39年以前の物語)
④アクション
⑤古めの演出

【長所】
①年頃の娘が二十面相に憧れを抱く様子が巧く描かれる
②二十面相に関する謎は多いが、小出しで明らかになる
③物語の山場が幾つかある
④格闘アクションがアクセント

【短所】
①ご都合主義の度が過ぎている
②違和感のある描写
③蛇足となる人物のエピソードがある
④雰囲気が突然変わる

【理由】
{netabare}[ 長所 ]
①11歳のチコは冷静沈着で大人びた性格ですが、恩師となる二十面相(おじさん)の事を敬愛する純心な女の子です。そんな年頃にありがちな甘酸っぱさが描かれており、見所となっています。 
②キーパーソンである二十面相は謎多き人物です。この謎が物語の引きを強めています。また、最後まで引っ張る謎もありますが、徐々に明らかになる為、途中で嫌気が差すことは無いと思います。
③短所④と被る部分もありますが、山場のおかげで飽きが来ません。
④格闘シーンもあります。基本的に二十面相の謎を追うストーリーですが、度々アクションシーンがあります。中々かっこよかったので毎度期待が持てました。

[ 短所 ]
①ツッコミを入れたくなるシーンが多いため、許容できる度量が必要となる。 
②例に挙げると、互いの距離がかなり離れているにもかかわらず声が聞こえたり、死角に居るにもかかわらず様子が分かったりなど、違和感を感じるシーンもある。
③上で挙げた通りです。尺の使い方に無駄を感じ、少々残念に思いました。
④飽きさせない為の工夫と考えられるが、人によっては雰囲気を壊してしまっていると感じるかもしれない。{/netabare}

【総括】
 二十面相(おじさん)が、恵まれない境遇にいるチコを二十面相の後継者として育てるところから始まり、二十面相の謎を追う物語。また、徐々に明らかになる謎と先の気になる展開によって最後まで飽きずに観る事が出来ます。尚、留意して欲しい事として、短所①のご都合シーンは高頻度になります。ですが、綺麗にしっかり締まるストーリーは観て良かったと思える作品でした。



【思った事・蛇足】

断りを入れると
Wikipediaに記載されたジャンルはミステリーですが
推理して事件を解決する作品という訳ではないです。


雰囲気はなんとなく世界名作劇場の作品に似ていて
その雰囲気にアクションが加わった感じです。


尺は22話で世界名作劇場作品より短めですが
序盤以外は良いテンポです。


そしてその他に観終えて感じた事は
序盤こそ中々動かない展開で不安でしたが
動き出した途端物凄く引き込まれました。
それで兎に角先が気になりました。


付いた点数こそ低めですが
点数以上に楽しめました。
なので選んで良かったと満足できました!



●演出
特徴⑤に挙げた古めの演出ですが
偏見かもしれないです。
短所に入れようか迷いましたが
時代設定に合わせた演出か分からなかったので
特徴に挙げる事にしました。


一応古いと感じた演出を挙げると
①OP曲に効果音が入っている
②背負い投げに使われた縦線の背景をぐるっと回す
などです。



●どんな人におすすめ?
これも偏見ですが
純粋にストーリーを楽しめる方。
又は
作画を気にしない方。


そして一般向けです。


内容は難しくないので
子供から大人まで楽しめると思います。
一部ギョッとする場面もあるかもしれませんが
子供が見ても許容の範囲だと思いますw



●グラフ[物語の転機が分かってしまう可能性あり※閲覧注意]
http://shinbakuns.blog.fc2.com/blog-entry-32.html

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

《怪盗二十面相》をめぐる少女の軌跡

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

江戸川乱歩の小説を人物名などに踏襲していて小説を知っているとニヤリと出来る場面や単語もあるが別作品。
次回への引きや伏線の貼り方が上手いので、はやく次の話が観たいと思わせてくれる好感度の高いアニメ。

印象は60年代から80年代あたりのファミリー向け作品を現代風に深夜アニメとして作り上げた、といった所。
作中で明言されませんが、何らかの大戦があった後の時代を描く。単なる怪盗・推理モノでは無い事が特徴で、
時代背景からは考えられない科学力が存在し、歴史上では明るみにされない戦争の遺物として再々登場する。
原作は漫画。コミックフラッパーで連載されていた。本編8巻の他に番外編2巻と後日談1巻をアニメでは、
時系列通りに並び替え再構成している。その為に、作中で何度か変化する雰囲気が視聴者を困惑させる。
しかし、一貫して“二十面相の娘”と呼ばれる主人公、“美甘千津子”_「チコ」が置かれた境遇からの脱出と
一人の女性として成長する過程が描かれ、男性社会における対等な女性像を体現し、時代背景にそぐわない
男女同権が爽快だった。チコだけが異質な事を強調する、女性たちの立場を表す対比は素直に感心した点。
チコは聡明で大人びた少女で、時たま見せる子供らしさのギャップや、男性顔負けのアクションにやられます。
女性の社会的地位は時代特有ですが、本作の女性はみんな強い。そこはかとないフェミニズムを感じる。

惜しむらくは22話の中で骨太なスタッフ陣の安定した構成とバランスの良い演出・作画を見せてくれる反面、
何度も残り時間を計算させられるほど「これで物語を畳むのは惜しい」と感じさせられる遊びのない尺だった。

22話でよくぞここまで濃い時間の流れや出来事をまとめたと感心もするが、長いスパンでやってほしく、
ゴールデンタイムの放送を出来たなら更に良かった。残酷描写もある為にこの時間帯だったのだろう。
主人公以外の人物を深掘りすることで更に面白くなったことは想像に難くないので、「もっと観たかった」のが本心。
ただ、余韻をもたせた幕引きを含めストーリーは綺麗に完結するので誤解の無いように。

ウケが悪いだろう箇所と視聴の際に引っかかるものも入れたが、わかりやすく悪く映る点を書き出すと、

>扱う時代とキャラクターデザインの古さ
>超越した科学を創作だと飲み込めない緩急
>しっかりとした構成だが欲を言えば倍は欲しい尺
>時系列を並べ替え正順にしたことで流れに乗って観られる反面、趣旨・ジャンルを最初に理解させづらい

こんなところだろうか? 私自身は、良い点悪い点すべてを踏まえた上でとても好きな作品であると言えます。

[余談]
リアルタイムでは無く少し後から視聴したのですが、きっかけは本作に参加するアニメーター「田中敦子」さん。
作画ファンなら誰もが知る方で、ルパン三世TV第二シリーズから原画として活躍し、「死の翼アルバトロス」や、
「名探偵ホームズ」「風魔一族の陰謀」や数々の劇場作品、ジブリ作品などに関わり、“大塚康生”氏に
「アニメを描くために生まれてきた」と言わしめた方。本作のアクション等に過去作への既視感を感じたら、
スタッフを見れば一目瞭然だと思います。何話かハズレだなと思う回があり、原因は予想通り脚本家でした。
集団で創り上げるアニメーションにおいて「人」は大事な作品の一部だと感じます。本作を観終わった時に
同じような感想を持った方は、高等技術のアクションシーンと、脚本担当回の答え合わせもしてみて下さい。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 11
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

レトロな作風から今のアニメには無い哀愁が

本作は小野愼司の「二十面相の娘」(コミックフラッパー)を原作に製作された。江戸川乱歩の「怪人二十面相」から着想を得ており、江戸川乱歩の孫の許可を得て書かれた。
世界観に合わせる為敢えて古臭くレトロに描かれている。
作品名から錯覚する方が多いだろうが、二十面相の娘が、二十面相の様に神出鬼没に登場し、鮮やかに盗みを働くと言った様な作品ではなく、二十面相に憧れるチコの環境や心情の変化にスポットが当てられた作品である。
明智小五郎と二十面相の力関係は逆転し、平気で拳銃を使用し人を殺害したり、ターゲットを中傷したりと紳士的で洒落の利いた少年探偵シリーズの二十面相の面影は無い。
平野綾演じる主人公チコがとても可愛らしい。
ファンによる非公式略称は「メンムス」。


あらすじ

{netabare}
日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。
{/netabare}

感想

全体的に、主人公チコの成長記としての側面が非常に強い作品だ。
インパクトに欠けるストーリーであるが、安定して視聴出来る良作である。
{netabare}
中盤から登場するオーバーテクノロジーや、終盤の柿島耕平の陰謀など、SFサスペンス的側面が序所に強くなってきて引き込まれるように観終わった。
ただ、ご都合主義感が否めず、チコが病気持ちの癖にとたんになんでも出来るようになる展開や、終盤のオーバーテクノロジーや陰謀などの暴走展開も「成長記」に必要とは思えず、
「ぐだぐだ」な展開へと収束した。中盤の衝撃的事件から作品がカオス化した印象だ。
世界観や背景、事件などに説得性がほぼ無く、極めて残念である。
序盤から柿島の陰謀の伏線を張ったり、チコの子供らしさを含んだキャラ設定、必要な描写の挿入、説得力のある世界観、綿密に練られたストーリーがあれば大変良い作品に仕上がったと思う。
{/netabare}

総評

世界観は独特だが考察には値しない滅茶苦茶な設定だった。
主人公の成長記としての側面も終盤は微妙である。
しかし、突っ込み所が満載な作品であることもまた、作品の魅力である。深いことは気にせずに楽しんで視聴することを勧める。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 16

65.4 15 サーカスアニメランキング15位
ミチコとハッチン(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (234)
1254人が棚に入れました
舞台は、太陽と原色に溢れる国。そこは貧困によって街は荒廃している上に、国を出た先は荒野が広がる危険な無法地帯。そんな中で、人々の心は欲望に満ち溢れていた。その国で暮らす少女ハナ・モレーノス(通称:ハッチン)は、養家の家族から酷い仕打ちを受けており、密かに家を出て自由に暮らす事を望むが、自ら行動を起こせず、ただ、いつか誰かが迎えに来てくれる事を祈るばかりであった。しかしある日、ハッチンの前に脱獄不可能と言われた監獄要塞を突破した謎の美女ミチコ・マランドロが、突如現れる。彼女はハッチンの母親を名乗り、ハッチンを誘拐して逃亡。訳も分からず、ミチコに着いていくハッチンは、彼女に翻弄されつつ、旅に同行する事になる。

声優・キャラクター
真木よう子、大後寿々花、坂井真紀、津田寛治
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと苦めでほろりとした余韻が残るクライムロードムービー

舞台は南米のとある場所。
身寄りがなく教会に預けられて酷い仕打ちを受けながら暮らしているハナ9歳。
そこに母親を名乗るミチコという女が現れて、一緒に父親を探す旅が始まります・・

・・正確には、逃亡犯で指名手配中のミチコが、元恋人のヒロシを探すためにヒロシの子供のハナをダシにしようと強引に連れ出したんですけどねw

南米の乾いた空気とスラムの無法な雰囲気がよく出てたと思います。
劇中音楽も南米っぽい様々な曲が使われてて、雰囲気に合っててすごいなーと思ったらキャロル&チューズデイの渡辺信一郎さんが音楽プロデューサーをなさってたみたいです。

ミチコのキャラが暴力的でとても行動的で自己中心的。だけどバイクで相手を蹴散らしていくところは面白い。
声は真木よう子さん。声質は合ってると思いましたが、本業じゃないためか、演技は・・でした。

ハナ(ハッチン)はジブリとかによく出てきそうな、真面目で芯が強くてしっかり者。
ハナが初恋をする15話がよかったです♡

ミチコは無茶なことでも強引にやりとおす感じで、最初の頃は真面目なハナと合わなくてケンカが絶えなくて。
でもヒロシを探して旅を続けていくうちに、少しずつ距離が近くなっていく二人。

後半になって二人で撮った最初で最後の写真がとても仲がよさそうな感じで、最終話を見終わってから思い出してじわっときたり。

見始めた頃は、この作品独特の苦味のある雰囲気、例えれば苦みのある原酒を強めの炭酸水で割って飲んだような感じにちょっと抵抗がありましたが、中盤くらいからほろりとした余韻が残るような話もあり、そしてミチコとハッチンの絆が深まるにつれ、どんどんお話に引き込まれていきました。

他のキャラで好きだったのは、孤児院でミチコにこき使われてたのを見返すために警部になり指名手配のミチコを追いかけるアツコ。
ミチコに対して複雑な感情を持っていて、友達とも敵とも言える間柄。
13話の少女とのやりとり、19話のミチコとの対話など、アツコの良さが出てました。

ラスト。(↓かなりネタばれあり注意)
{netabare}ついにヒロシを見つける(捕まえる)んですが、ミチコはヒロシとハッチンを見送り、自分は自首してしまいます。
あんなにヒロシに会いたがってたのに。でもそれはハッチンに幸せになった欲しくて選んだことなのでしょう。
それだけ、いつの間にかハッチンがとても大切な存在になってたということが分かるシーンで、別れのシーンはじわっときました・・
そして時は流れ・・大人になったハッチン。そして。見ててなぜかわからないけど泣きそうになっちゃいました。。{/netabare}

ちょっとくせのある作風だし、お話も苦めなのが多い(特に1話のいじめはダメな人いるかも)けど、見終わった後のほろりとする余韻はなかなかで、隠れた良作といっても良いのではと思います。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 8

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

これぞ大人の嗜み、もっと評価されて欲しいアニメNo.1

舞台は南米。
脱獄囚ミチコは、養家で虐待を受けていた娘ハッチンを救いだす(誘拐?w)
そのまま一緒に父親を捜すため逃走劇をくりひろげる。
全22話のアクション・ロードムービー風アニメである

スタイリッシュなOP、渋くてクールな作風から
「カウボーイビバップ」と比較されやすいが、ビバップとは全く違うものとして見た方がよい
ビパップはハードボイルドを突き詰めた作品で娯楽性も抜群だが
「ミチコとハッチン」は全然違った趣向の作品です
迫力と疾走感溢れる描写も結構あるので
単純な娯楽作品としても見れなくもないが、クールでかつ趣深い作品。

バイオレンスなシーンは多いが、爽快感が得られるアクションはむしろ少ない
そういったカタルシスを得るアニメではないということです
むしろ、ミチコとハッチンの二人を中心とした人間ドラマを描いた作品です
各エピソードは不意に終わったり、しみじみとした終わり方だったりする。
もちろん大筋のストーリーはあるが、繋がりの薄いところもあるので、ひとつひとつの物語を噛みしめて見るべき。

ミチコとハッチンは二人とも非常に人間味溢れる魅力的なキャラクター
世間の理不尽さをかっとばしながら、ぎこちなくも親子愛を育んでいく
そんな人間味溢れる二人を中心に人間を描き出す

愚かな大人と無垢な子供、どうしようもない世の中と二人の絆
これらを巧みに対比をして人間を描いたハートフルな物語である
しかし、必要以上に視聴者に感情移入は求めない。
暗い話しみじみとした話が多いが、しつこくもなく重く感じることもなく、むしろ心地良い。

声優に俳優を使っていることに否定的な意見が多いが、個人的はむしろ味があって良かった。
人間味溢れる独特なキャラクター性を作り上げていて、悪くない
もちろん拙い場面もあるが、徐々に上達していくので問題ないw

これだけ独自のスタイルを貫いたアニメは本当に珍しいし
あらゆる面において非常に完成度の高い作品で、
もっと評価されてほしい作品の筆頭ですが、あまり万人受けはしないかも。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 26

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

そんなヒロシに騙されて

「カウボーイビバップ」→「サムライチャンプルー」→今作→「LUPIN the Third -峰不二子という女-」と並べると、世界観や作風の流れが非常にスムーズにつながっているなと感じます。

特に前2作と、プロットは良い意味で"まんま"です。ビバップはジュリアを探すのが目的ではありませんでしたが、
フウの父を探す(「サムライチャンプルー」)=ヒロシを探す、ミチコ=フェイ、ハナ=エド(性格は違いますが、孤児院出身という設定などが特に)。後に峰不二子を描くことになるのも納得です。

大好きな渡辺信一郎監督の弟子筋にあたる(多分)山本沙代さんが監督を務め、
ナベシンさんも音楽プロデューサーとして弟子をサポート(?)しています。
彼女は、岡村天斎さんと並んでナベシンさんの作風の一端を継ぐ存在だと思い、注目しています。

今作最大の注目ポイントはキャスティングでしょう。真木よう子さんという方は、名前は良く見聞きしたことはあったのですが(主にスキャンダル・・・)、調べてみたところ出演作品は一つも見たことがりませんでした。
顔写真を検索してみても見覚えはありませんでした。
しかし、めちゃくちゃいい声ですね!もちろん、プロの声優ではないので絵との距離感や、
息の演技などはたまに聞いてて厳しいものがありました。それでも話数を重ねるごとに、
大後寿々花さんと並んで演技の上達が感じられたのも興味深かったです。

坂井真紀さんの声は、少し朴璐美さんを思わせる感じがあって非常に味がありました。

そして今作全体を通して、有色人種(特に黒人)が登場人物の多くを占めているというのは
いかにも「マングローブだな」って感じです(日本を舞台にした作品以外で)。
この空気感が大好きだったので、倒産してしまったことが非常に悔やまれます・・・。

渡辺信一郎さんのDNAは確実にアニメ界で息づいているな、と感じられて非常にうれしい作品でした。

投稿 : 2025/01/04
♥ : 7
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