誘拐でファンタジーなおすすめアニメランキング 15

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの誘拐でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月02日の時点で一番の誘拐でファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.6 1 誘拐でファンタジーなアニメランキング1位
ロクでなし魔術講師と禁忌教典(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (932)
5075人が棚に入れました
魔術と科学が共に発展した世界――ルヴァフォース。
魔導大国・アルザーノ帝国の南部に位置する「アルザーノ帝国魔術学院」はこの世界で最先端の魔術を学べる最高峰の学び舎である。
およそ四百年の歴史を有するこの学院は魔術の道を志す全ての者の憧れであり、学院の講師や学生たちも自信がその輩であることに誇りを抱いている。

この由緒正しき学院に突如として赴任してきた非常勤講師、グレン=レーダス。
「お前らに、本当の魔術ってもんを教えてやるよ」
《ロクでなし》と呼ばれるこのオトコの破天荒な授業が、今はじまる。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、藤田茜、宮本侑芽、小澤亜李、高橋広樹、喜多村英梨
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ワルブレ難民救…ならず

2話までの感想
{netabare}学校の制服が可哀想すぎて辛い、これ年頃の女子には拷問じゃなかろうか、ってのが第一印象。
主人公は教師を辞めたくて仕方ないので無気力なのはさもありなん。
それでいて褒められると悪い気分じゃないってのもさもありなん。
ってことで自分は不思議とイヤミを感じませんでした、ロクでなしと謳ってるのに。
ここら辺は気を使ってるのかねー?
まぁそんなことよりも、ですよ。
学園にテロリストですよ、奥さん。
もう笑いが止まらん…これ、結構面白いかも知れない。{/netabare}

8話までの感想
{netabare}学園にテロリストの次は競技大会!
ここまでテンプレで迫るとホント潔いっていうか…他の方も書かれてるけど、伝統芸能だか無形文化財だかで“やり続けることに意味がある”って作品なんじゃなかろうか。
やんごとなきお方がクラスメイトってのもテンプレよなー。
「なんで処刑するために木に縛り付けるの?」や「正体隠すためにお土産屋に扮してたのに店そのままに立ち去っていいの?」など、突っ込みドコロを入れてるのもワザとなのかも知れない。
でもってお次のテンプレ展開は…リィエル登場で、あ、コレ強化人間ネタか。
戦闘力は高いけど精神が未熟ってヤツ、なにかに依存しててそれ以外の価値観に揺さぶられるってヤツ。
いやぁよくここまでテンプレネタ引っ張ってくるもんだなぁと感心。
更には人口呼吸、笑い殺す気か!
ってかそのネタ入れるなら海水浴も兼ねた社会見学だったんだから普通にそこで溺れたにすればいいのに、この無理やり感はやっぱりワザとだと思う、ギャグとして。
もうグレンは剣刺さったまんまピンピンして動き回らせた方が良かったんじゃないかな?ブラヴォみたいに。{/netabare}

9話までの感想
{netabare}↑の感想で強化人間ネタと書いたが、自分が思い描いてた以上にプルツーしててビビった。
雑誌や公式の予告や原作のネタバレとか一切見てませんぞ?ホウトウデス。
スゲーよまじで、ここまでテンプレに徹するか。
あれ?でも前回人口呼吸がどうこうってのは引っ張ることなくアッサリスルー…今後そのことに触れるのかな?
というより、原作未読でありながらアニメは物凄く急ぎ足だと感じる。
強化人間ネタも本当はもっと時間をかけて心のうつろい様を描くべきだろうに…急展開過ぎて唐突感が否めない。
クローン姉妹を倒すシーンだって凄惨なBGM流してお涙頂戴な方向に持ってくこともできたハズ。
恐らくクライマックスには世界の存亡に関わる大事件を持ってくると思うので、そこまで話を進めなくてはならないとアニメは急いでるんじゃないかなー、と思ったり。
まぁそこら辺も「展開はえーw」「傷治るのはえーw」「あんな血まみれの部屋見て信じて待ちましょうってww」とギャグとして解釈できる逃げ道を用意してあるのはスタッフの手腕かと。
ここまでテンプレ全開で来ると次どんなテンプレが来るのか楽しみではあるのだけど、ちゃんと伏線を回収するのであれば生徒達が一丸となってグレンのピンチを救うってネタが来るハズだが、果たして…。{/netabare}

12話までの感想
{netabare}↑でも書いたように、最後は「世界の存亡に関わる大事件を解決」&「生徒一丸となってグレンのピンチを救う」を予想してましたが、最終回手前の11話でクラス対決を済ませてしまったのでそっち方向にはならないと悟りました。
おや?じゃあ最終回はどんなテンプレネタを突っ込んで来るんだろ?と思いつつ(テンプレネタ入れてくるのは確定扱い)12話を見たら…。

卒業ネタキター!!!!

くっそw思いつかなかった、終末~でヒント出てたのに。
婚約者ネタが出た時点で気付くべきだったか?まさか結婚式挙げるとは思わなかったよ。
それ以上に、その…今の時代「使い古されてそのネタをやるのは勇気が居る」系だと思います、卒業ネタって…ドラクエ8以降なんかあったっけ?
それをやる勇気、すっごいなぁこの作品…。
白猫の両親はどうしたとか突っ込み所を残してあるのはやっぱりワザとか。
というか、もしレオスが本物のままであるなら最大目標は名家?との結婚なので、参列者には国のご歴々を呼ぶハズ→実際はそうじゃなかったので式は急遽行われたもので、レオスも本物じゃないかも?
と匂わすシーンだと思うのだが、なんかアッサリ流しちゃって勿体ないような…尺のせいか?
他にも、グレンは対レオス用に隠し玉(有刺鉄線や菜箸)を準備しといたけど天使の塵中毒者を相手するため(予定外の出来事)に手の内を明かしてしまった!、ってのももうちょっと強調して描いた方が良かったかも?
前回からの“引き”に係わる部分だし、作中描写じゃグレンは勝機ナシで挑んだかのように見えちゃいそう…やっぱり尺なのか?

そんな「どうしてこんなに急ぎ足なのだろう?」という疑問も最終話で解決。
ああ、ワールドブレイク…じゃなくてアカシックレコードっでワードが出るところまで進めたかったのねー。
原作有りのアニメで出来の悪いのがあった場合、犯人は「原作」「アニメスタッフ」「アニメ化しようと決めたヤツ」のどれかに絞られるものだけど、これは…誰も悪くないね。
これを2クール枠でやるってのはまず無理だもんねぇ…やられてもこっちも困るし。
まぁでもラスボス逃走エンドってのは最悪のオチだったかな?ISUCA見てるのかと思った。
ここはアニオリ展開にしてでもスカっと一区切りできる終わり方にして欲しかった。{/netabare}

総評
{netabare}「次はどんなテンプレ展開が来るのだろう?」と予想したり「そのネタやっちゃう?」と驚いたりしながら見るのが楽しい作品でした。
使われたテンプレもラノベのあるあるネタから始まり、ラストは創作物全般にまたがるあるあるネタ(卒業)を突っ込み、原作からしてそうなのかアニメスタッフによるものなのかは不明だけど思い切りの良さは評価したい。
とはいえ、こういう作りって既存作品の知識に胡坐をかいて斜に構えたもの、というのも忘れてはならない…かと。
悪く言ってしまえば寄せ集めのパロディ作品だし、人によっては既存作品を揶揄ってると捉えかねない。
当然作ってる側もそれは承知してて、そこはギャグ寄りってことで「笑って許して」が適用されるようにしてるのは流石というべきか。
(シリアスぶったパロ作品は辛くて適わん)

ラノベテンプレを順手にとったギャグ作品としては“聖剣使いの禁呪詠唱(通称ワルブレ)”が思いつき(このすばは逆手※)、この作品はそれ系統かな?と思ったけど微妙に違いました。
ワルブレはテンプレもさることながら「思い出した→処刑用BGM」で勝利確定という天丼ネタを構築したのに対し、こっちは作品独自の天丼ネタは無し。
毎回ヒロインが攫われるってのを天丼にするのかな?と期待もしたのだけど…。
また、ワルブレはクライマックス用に「原作者も知らない竜」をアニオリで用意したのに対し、こっちはラスボス逃走というガッカリな幕引き。
面白さで言うとワルブレのほうに軍配が上がってしまいますね、あくまでアニメだけで評価した場合ね。
結論としては「惜しい」かと。
あ、それと女生徒の制服は最後まで慣れることができませんでした。
そうさなぁ、10話でルミアが攫われて電流?だか流されるシーン、あそこ電流じゃなくて紐をひたすらペチペチする拷問だったら良かったかも?


※順手と逆手
展開予想に対し「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「ハイその通りです」ってのが順手。
「そう来ると思った?そう来ると思った?」→「違うんだなぁ」というのが逆手、かと。
お約束を守るのが順手、破る(皮肉る)のが逆手…って解釈してます。
あくまで個人的なものだし、どこまでを展開予想とするかも曖昧なのでこの場だけでの使い分けです。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11

こうへい さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ろくでなし無免許講師です。テンポもオチも毎回良いです!テンプレ具合も満点です(笑)

あらすじ
アルザーノ帝国魔術学院に赴任した非常勤講師であるグレンは授業もせず居眠りばかりのロクでなし。
優等生のシスティーナはそんな彼に耐えきれず「まともな教鞭」を求めて決闘を申し込むことに・・・。


いやー、待ってたよ!久しぶりのコテコテのテンプレアニメ!
深夜アニメ黎明期のあかほりさとる先生の作品を彷彿とさせるなつかしい雰囲気です。
第1話から女子更衣室で百合展開や期待通りのお約束展開があったりと・・・。しかし言及してくるとは、ちょっぴり新しいですねww
ニートになれなかったので、しぶしぶ講師に就職を決意しました。(どっかのラノベタイトルみたいですね(笑))
非常勤講師になるまでの彼のかわいそうな過程も必見ですよ!
はたして2話はまともな講義が始まるのか?テンプレお約束でなぜかヒロインが主人公に落ちてたりするのでしょうか?
どこかの素晴らしい世界のクズマさんとも違うタイプのクズっぷり(笑)
主人公がショボイ!大事なところもしっかり押さえられていて丁寧なつくり!これは面白いです!!

何気に一番キャラが立ってる眼鏡君は毎回出てくるのでしょうか?そちらも期待したいです(笑)


第2話を視聴して、本を釘で打ち付けるところから開始です。
さすがはロクでなし講師ですねw今回もまじめに講義をするつもりはないようですww
魔術に対して良く思っていないグレン先生。彼は過去に魔術で故郷でも滅ぼされたのでしょうか?今のところ彼の過去について語られていないので、これから語られることを期待しましょう!

そして、第2話でもあの眼鏡君にセリフがありましたよwwいやぁ、彼には毎回出てきてほしいですねww
やっとPV詐欺をしていた箇所に今回でつながりました。三節の呪文が四節になるとどうなるか?A:右に曲がる
今回の呪文詠唱改変のくだりは、TVゲームの「ルドラの秘宝」を思い出しました。あのゲームでは自分で魔法を作ることができて魔法に名前を付けることで効果が異なるというものでした。
さて、話が横に反れましたが戻しましょう。
グレン先生曰く、魔術は深層意識の自己暗示とのこと。なんと適当な呪文でも魔術が発動するというものでした。しかし、威力は通常よりだいぶ劣る模様です。

第2話にしてロクでなしがロクでなしでなくなってる!?
なんか最近CMでよく見るリスニングの力が向上するCMを見ているかのような講義でしたw
グレン先生、本気を出すとちゃんと講義できるんですね。学生時代にこんな先生に出会いたかったですね。

そんな中、暗躍する影が・・・。
さあ、みんなお待ちかねのズドンさんの登場です!見た目はザコそのものなのですが、魔術使いとしてはある程度実力があるようです。なにせズドンなんていう適当な呪文にもかかわらずそれなりの威力を誇っていましたので。
そして、メインヒロインの今日付けている下着の色を教えてくれるだなんて、なんて良い人なんだww
そんなメインヒロインはズドンさんに落ちました。あれ?お約束で主人公に落ちるものと思っていたらそっち?ww
そうこうしている間にさっそうと登場するグレン先生。やっぱりチート持ちのようです。
ズドンさん、ありがとうございました。最大級の感謝を(`・ω・´)ゞ
なお、ズドンさんについては原作での立ち絵はなく、マンガ版の絵がそのままアニメに引き継がれたそうです。

ノリノリで講義したり、終盤のバトルもスカッとしてよかったですね。グレン先生のことをクズだと思っていましたが今回で人間くさいところも見れて好感度が上がりました。



「ズボンがドーン!」第3話はこれに収束されます(嘘です笑)
意外な人物が今回の騒動の黒幕でした。しかし、今回の騒動は一旦は解決したものの、あとに引きそうですね。
そして、OPが初解禁です!OPカッコよかったです!


第4話にて、「魔術競技祭」が始まることに。学園ものではおなじみのお祭り会ですね。
今週の解説であるメガネくんやるきないぞー(´・ω・`)それでもメガネくん好きです(笑)

金欠で給料の前借って、やっぱりロクでなしですね(笑)
でもグレン先生はそんなにお金を使うようなイメージがないのですけど何に使ってるんでしょうか?

「自業自得だ。自分の力でなんとかしろ」
「学院長聞きました!?セリカのやつこれだから困るんすよ!」
「なんで私が悪いことになってるんだ?」
「頭潰れる~!助けて~!ママ~!」

富士見ファンタジア文庫でママというと例の全体攻撃を2回攻撃してきそうなママ(CV:茅野愛衣)が思い出されます(笑)
このネタどれだけの人がわかるだろうかww

システィの未来が不安です。グレン先生とのやりとりにおいて勘違いが・・・w

それにしても、ルミアちゃんの過去に何があったのでしょうか?
今回、途中で回想がありましたが・・・。ここまでの流れでなんとなくあの人が関わってることはわかるのですが・・・。
しかし、グレン先生、必殺の固有魔術ムーンサルトジャンピング土下座で・・・ってwあなた毎回土下座ネタを入れないと気が済まないのかww

そして、前シーズンのタイトルとは裏腹に高いレベルの変態指数を叩きだした主人公がいましたが、本作品でもいましたよ!あれとは違うレベルの高さを持った変態がwwww
舌の動きが変態紳士過ぎますwww舌でレロレロしてる様がキモすぎますwww
学園長、グレン先生より彼のほうをクビにしたほうがよいのでは?
漢ジャイルくんもいいキャラでしたね。彼も今後再登場してもらいたいですね。彼はどっかの学戦都市のレスラーさんに似た雰囲気を感じました。

第4話にして、初めてEDが流れました。PVでは少し聞いていたものの、やっぱりかわいい曲ですね♪
そして、OPには登場している気になるあの子も初登場!彼女がグレン先生にどう関わっていくのか楽しみですね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

あれ…そういえば禁忌経典って…?

この作品の原作は未読ですが、早くから視聴を決めていました。
藤田茜さんや小澤亜李さんといったお気に入りの声優さんが出演されるのも決め手の一つでしたが、ラノベ原作で実は大いなる力を宿しているとは思えない一見普通っぽい主人公が複数のヒロインに囲まれて、というお約束の設定が好きだからなんだと思います。
似たような設定の作品…これまでたくさん視聴してきましたが、飽きもせず毎回結構楽しんで視聴しているのが何より「好き」の証拠だと思います。

この物語の主人公は、グレン=レーダス…アルザーノ帝国魔術学院2年2組の担当講師になる前は、ずっと引きこもりのニート生活を送ってきた人物です。
引きこもりのニート生活が一変して学校の先生…そのギャップは大きく直ぐに順応できないのは理解できますが、正直着任早々のグレンの生成としての態度は教師としてあるまじき振る舞いでしかありませんでした。
だから生徒の中でも本気で勉強したい人に先生の態度は耐えられなかったと思います。

物語の進展に合わせていい加減だったグレンの態度の理由も明らかになっていきますが、隙あらば引きこもりのニート生活に戻りたい…という欲求は本物だったと思います。

でも世の中ってそんな簡単に楽ができないような仕組みになっているのでしょうか…
結果的に面倒くさい出来事に巻き込まれ始めて…この作品の面白さが加速していくのですが、同時に輝きを増していくのが3人のヒロイン達です。

システィーナ=フィーベル(CV:藤田茜さん)
この作品のメインヒロインに位置する彼女は、グレンの受け持つ2年2組の生徒…
真面目な性格の持ち主で、一生懸命勉学に励んでいるのはどうしても叶えたい夢があるから…
だから中途半端を許さない彼女の振る舞いは、個人的にグッとくるモノがありました。
でもグレンとの事になると途端に色々と面倒な女の子に早変わり…
そこが彼女の魅力でもあるんですけどね…
CVの藤田茜さんは今期大活躍ですね。

ルミア=ティンジェル(CV:宮本侑芽さん)
システィの家に同居している彼女はシスティのクラスメイトであり良き友人です。
何をするにもシスティと一緒…
優しさで出来ている様な彼女ですが、ここぞという時の彼女の芯の強さは折り紙付きです。
そして…システィが持っていないものをルミアは持っている事から時折嫉妬されるのはお約束…
でも完走して振り返ってみるとルミアが物語のキーパーソンだった…と言っても過言ではないと思います。
もちろん自分がキーパーソンである事を彼女が望んでいた訳ではありません。
それで人一倍苦しい思いを積み重ねてきたのですから…
そんな彼女は私にとって目の離せない存在でした。

リィエル=レイフォード(CV:小澤亜李さん)
リィエルもグレンの教え子でしたが、彼女だけ引きこもる前のグレンを知っている存在…
だから彼女だけ他の二人とはちょっと経歴が異なっています。
彼女も辛い十字架を背負って生きてきた一人でした。
一人で背負うのは重過ぎる十字架…グレンや他の二人ならリィエルの背中を支えてあげた事でしょう…
けれど、真っ先に彼女に手を伸ばしたのはグレン達とは真逆の考えの持ち主で、それらは彼女の心の折り方もちゃんと心得ていました…
一番見ていて心の痛んだ存在でした。

この作品のタイトルは「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」
「ろくでなし魔術講師」については、それなりに回収できていたと思いますが、「禁忌教典」については、殆ど触れていないのではないでしょうか。
だから作品としては結構楽しみながら視聴できましたが、タイトルがしっかり回収されなかったところに少々物足りなさを感じてしまいました。

オープニングテーマは、鈴木このみさんの「Blow out」
エンディングテーマは、ヒロイン3人組が歌う「Precious You☆」
どちらも通勤途中に聞いている曲です。
個人的には勢いのあるオープニングの方が好み…
可愛らしいエンディングも捨て難いんですけどね…

1クール12話の物語でした。
現在オリジナル版は8巻まで発刊されているうち、5巻までを使ってアニメ化されたようです。
続編はもう少し原作のストックが貯まらないと難しいかもですが、続編の可能性はどうなんでしょう…
これで終わってしまったら販促作品…でもそうなるのが勿体ない作品だと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 24

68.5 2 誘拐でファンタジーなアニメランキング2位
精霊幻想記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (297)
956人が棚に入れました
前世と現世が交錯――二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。階級社会の最底辺から這い上がるリオは、出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。

声優・キャラクター
松岡禎丞、諏訪彩花、藤田茜、桑原由気、楠木ともり、原田彩楓、鈴代紗弓、本渡楓、金子彩花、浜田賢二、田丸篤志、遊佐浩二、東山奈央、新田ひより、首藤志奈、西明日香
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ハルトリオの紡ぐ縁

(2021.4.24初投稿, 2021.9.21更新)

◎ 1クール全12話

 2021年夏クールのアニメは、個人的にお気に入りのラノベ原作のファンタジー作品は、本作以外、「現国」「ツキミチ」「はめふら2期」「転スラ2期第2部」と盛りだくさんで非常に楽しみだった。

 中でも本作はかなり期待。それで放送前からオール4.5から評価スタート。以下ご覧のように長文レビューに。しかし、残念ながら徐々に評価は下がる結果になってしまった。もし原作ファンでなければ途中で視聴中断したかもしれない。

 不満の理由等は以下の各話レビューに書いたので、お時間とご興味があればご一読下さい。

以下、放送前投稿 (2021.9.21改訂)
{netabare}
❬原作について❭
{netabare}
 原作は、2014年2月より『小説家になろう』に連載されていたが、2020年10月に取り下げられ削除された。

 筆者の北山結莉(ゆうり)氏は男性。本作の主人公は女性の多くが憧れる、ヒロインを救う白馬の王子成分が強く、作品に少女漫画のテイストが感じられるのと、ペンネームを「ゆり」と読み間違えられることもあり、女性と誤解されることが多々あるようだ。

 書籍14巻末の筆者あとがきによると、筆者は物語の結末まで既に構想済みで、14巻末で、構想した物語の中盤にようやく片足を踏み込んだ状態。つまり順調に続けば、完結まで30巻超えもあり得る長編構想らしい。

 私はアニメ化発表を機に作品の存在を知り、2020年11月末より書籍で読み始めた。なろう版は作品の存在を知った時点で既に削除済みだったので未読。

 異世界転生&召喚(アニメで召喚者が出てくるのは後半)もので、主人公モテモテのハーレム系の厨二病のネタになりそうな英雄譚。よくある王道の物語故に原作者とのセンスが合う合わないで評価は真っ二つかもしれない。

 私にとっては、主人公とその取り巻くキャラクター達の好感度が高く感情移入出来るケースが非常に多い。またし敵役と悪役がいい感じに配置されて効果的にドラマを盛り上げてくれるので時間を忘れて没入出来るほどに嵌まった。
{/netabare}
❬主人公について❭
{netabare}
 主人公のリオは王道のイケメンのバトル最強系。

 リオは当初、不幸な境遇から這い上がることに必死でささくれ立った尖った性格だった。しかし恩師でもあるヒロインの一人との出逢いとその後の物語が秀逸。誠実で思慮深く優しい人柄へと成長する様が心地よい。

 リオは両親の復讐という明確な目標があり内に秘めたダークサイドが時折顔を覗かせる陰キャラ。はしゃぐことはまず無い。ゆえにシリアス寄りな作風で全体的にコメディ成分もほぼ皆無。しかし、それが逆に最近の単なる俺TUEEE異世界ファンタジーとは一味違い物語に深みを与えてくれると思う。

 主人公が出逢うヒロインたちを救い当然の如く彼女たちの多くに惚れられ徐々に深い絆を築く。それを読んでいて納得出来るのは、主人公が天より与えられた異能の才に胡座をかかず、日々の鍛練欠かさず実力磨く秀才タイプだから。

 彼は「はめふら」の主人公同様に転生時は前世の記憶は全く無く、ある年齢で前世の記憶がいきなり覚醒する。そこから前世と今生の生き様の葛藤などもあるのも興味深い。

 またこの異世界には彼以外も現代日本からの転生者や召喚者がいる。中には勇者になる者もいる。彼に縁ある者もいる。その出逢いはいいことばかりではなくトラブルの元になることも多いが、それらは物語にさらなる深みを与えてくれて面白い。

 またこの作品独自な異世界設定として精霊術の存在がある。それは折に触れ周りの常識を打ち破る快感を与えてくれる。
{/netabare}
❬アニメについて❭
{netabare}
 本作は、2020年11月27日に発表されたティザーPVで本作のアニメ化が主要キャストと共に告知。次に2021年4月16日発表のPV第1弾で、2021年夏クールの放送決定を告知。

 5月25日からは、HJ文庫のYouTubeチャンネルで、2分弱のミニアニメ企画『精霊幻想記』セリア先生のわくわくまじかる教室が毎週配信されるようになった。番宣の予算が潤沢なようで何より。

 続く6月11日発表のPV第2弾では、7月5日の深夜2時から放送のテレビ東京を皮切りに放送スタートと明示された。

 原作ファンなので期待を込めて本作のアニメ評価を放送前でもオール4.5にした。実際の放送後の満足度で必要があれば調整する。

https://ln-news.com/articles/66751
 以上、2017年12月29日公開、原作者の小説最新9巻&コミックス第1巻発売記念インタビューによると、

「ライトノベルの構成としてはかなり珍しい作りになっていると思っていて、第1巻から第3巻が『精霊幻想記』という物語のプロローグにあたり、第4巻から第5巻にかけて物語は大きく動き出すことになります。そこからどんどん盛り上がっていく作品だと思っているので、まずはぜひ第5巻まで読んでいただきたいです!」とのこと。

 本作のアニメの尺は2021年6月時点では不明。出来れば原作者の意を汲んで原作の良さを壊さないよう5巻末迄描くために2クール欲しい。さらに理想を言えば二期三期と続いて物語の長期に渡る一大テーマが完結する15巻迄は丁寧に描いてもらいたい。

 業界歴40年以上のベテランのヤマサキオサム氏による監督&シリーズ構成、主要キャストはキャリア豊富な人気の実力者揃い、と非常に期待している。

 7月アニメ放送開始後、本作は1クール全12話と判明した。構成と脚本上で原作からの下手な省略が無いことは祈りたい。
{/netabare}
{/netabare}

❰原作既読視点の各話レビュー❱
{netabare}       (2021年 テレビ東京 初放送日時)
第1章 (ラノベ第1巻「偽りの王国」より)
✴️第1話「前世の記憶」(7月6日 2:00 - 2:30)
{netabare}
〈あらすじ〉

 日本の現代。20歳の天川春人はバス通学で大学に通う学生。ある日、春人の乗るバスは突然暴走し、遮断中の踏切に突入、電車との激突で大破。その日のバスの乗客は春人以外は、小学生女児1名、高校生女子1名。全員命を落とした。

 異世界、ベルトラム王国 王都ベルトラント 神聖暦991年。孤児の7歳のリオは、スラムで犯罪者達の下働きで辛うじて生きていた。ある日、リオは高熱で生死の境をさ迷っていた時、目を覚ますと、突然自分の中に天川春人の記憶が流入。二人の記憶が同時に存在するようになった。その後、間もなくリオには新たな出逢いが。それは誘拐された王族を探索中の王侯貴族たちだった。

 運命は予想外の方向で動き出す。リオの中の春人の因果と共に大きな変化が突然に。

〈日本バイバイ、異世界ハラハラ〉

 堅実でとてもいい出だし。特に物語の始まりの、セリアとの重要な出逢いを申し分なく描けていた。この作品の主人公は陰が強いが白馬の王子様成分が強く、多くの女性ファン獲得が成功の大きな鍵を握ると考える。そのために主人公リオとセリアを筆頭とするヒロインたちとの人間ドラマを如何に魅力的に描けるかが重要に思う。その視点から、原作をアニメに落とし込む上で内容を巧く整理出来た印象。1話の短い時間で大まかでも主人公の因果、これからの主人公リオとキャラ達の人間関係の行く末が伝わったと思えた。

〈今期、現在リアルタイム視聴中のアニメでは個人的にトップクラス〉

 放送前のミニアニメ製作による番宣の力の入れようから察していたが、たまたま同期放送の「現国」と比べてしまうとこちらの方が予算が潤沢でアニメとしての質も上に感じた。

 特に作画。光と影の描写、色彩色調のぼかしが美しい。厳しい現実も夢の中のようで、精霊幻想記というタイトルと世界観にピッタリ。人物キャラも作品に相応しく、どこか幻想的な優しいフォルム。動画の動きも申し分ない。このままのクオリティ維持なら最終話で作画評価は5.0にする積もりだ(ったが、3話からそれは作品タイトル通りの幻想に終わった)。

 OPにはキャラの転生上のネタバレあったが、ストーリー上あえて隠す必要もないと思うのでむしろ親切と思った。
{/netabare}
✴️第2話「王立学院」(7月13日 2:00- 2:30)
{netabare}
〈あらすじ〉

 リオは第二王女フローラを誘拐犯から救った恩賞として、ベルトラム王立学院初等科に学費免除の特待生として1年次に編入、その間の衣食住も国が全面援助の学院の寮生活が始まった。

 そして5年が経ちリオは12歳になった。初等科6年生となったリオは、卒業まであと1年足らず。リオと5歳年上のセリアはこの間、生徒と教師として親密かつ良好な関係で、二人は固い信頼で結ばれていた。そしてセリアは、聡明のみならず優しいリオを、異性として意識し始めていた。一方リオはセリアを恋愛対象としてではなく、スラムから救ってくれた一生の恩人として大切に思っていた。

 リオは、王侯貴族に対する嫌悪感でセリア以外は誰とも心を開かず、寡黙で常に周りと距離を置く。彼は5年前から変わらず春人の記憶と共にあった。勤勉で真面目な彼は、入学以来の不断の努力、日本の春人の大学レベルの教養と、古武術の師範の祖父から学んだ剣術のセンス、さらには覚醒した精霊術の才能により、めきめき学院で文武両道で頭角を表す。そして周りからは、憧れと嫉妬の対象にされていた。

〈リオはキラキラ、セリアメロメロ〉

 今回はセリアの可愛さを愛でる回。セリアの優しさと過ごす5年間の学院生活で、沈着冷静で思慮深い性格となったリオが主人公オーラ出まくり。本作の出来は原作ファンの自分には今のところ申し分なく、原作からのカット部分も気にならず、1話と2話で平均95点の満足度。このまま最終話まで駆け抜けていただきたい。
{/netabare}
✴️第3話「偽りの王国」(7月20日 2:10 - 2:40) 作画4.5→4.0
{netabare}
 今回でラノベ第1巻 (漫画第3巻収録の第12話)迄の内容が終了。

 第1章(第1-3話)の平均総合満足度は85点。今回、作画レベルが明らかに落ちた。バトルが今までで一番多く粗が見えやすい、ということもあるが残念だ。

〈あらすじ〉

 学院でリオは相変わらずセリア以外には面従腹背で、事なかれ主義を基本としていた。そんなある日、初等科5年生と6年生合同の野外演習があり、そこに初めてリオと授業を共にするフローラ王女もいた。そこで魔物の襲撃から派生したトラブルからフローラを再び救うリオ。だがフローラの危機を作り出した責任もリオに押し付けられてしまう。

 リオは冤罪により拘束されぬよう不本意ながらも卒業を待たず学院から出奔する。セリアだけに別れを告げた後、彼のルーツとなるヤグモ地方を目指し旅立った。

〈話サクサク、変化イロイロ〉

 テンポよく話は進み今回で学院編終了。原作の該当部位には無駄な贅肉はあまり無いと思うが、それでも贅肉を無理に削ぎ落としガリガリに痩せ過ぎる一歩手前のダイエットをした感じ。限られた尺に原作を落とし込む脚本家の苦労が偲ばれる。

 その結果としてリオとセリアの別れは原作より湿っぽくならなくなったが、個人的にはもう少しエモさが欲しい。原作の二人の会話のフルバージョンが好きだ。アニメでごっそりカットされたフローラの非力だが健気にリオを守ろうとする件も捨てがたい。ただEDにそのエモさを補うための多少の工夫があったのは救い。

 EDは今回特殊。前回迄のリオとセリアの絡みシーンで二人にとって一番大切なひとときを強調した。それは第一章終了の宣告であると同時に二人の別れの情感を補う意図があると思われる。二人の絆は作品にとても重要だから。

 リオとセリアの絡みは本編では今回で一旦終了したが、ミニアニメではまだしばらく続きそう。火曜日更新のYouTubeが楽しみ。

 黒幕として暗躍するレイスだがリオの実力把握のために強力なミノタウルスをけしかけた。そしてリオは魔術でなく世間ではマイナーな存在の精霊術で魔力を発動していること、リオの風貌から王国に住む者には未知のはずのヤグモ地方の血筋であることを看破した。この悪役は知識が豊富で観察眼も優秀で侮れなく、その余裕に底知れぬ実力を感じる。
{/netabare}

第2章 (ラノベ第2巻「精霊の祝福」より)
✴️第4話「暗殺者の少女」(7月27日 2:10 - 2:40) 作画4.0→3.5
{netabare}
 今回の総合満足度75点。作画が強烈に足を引っ張ったのが残念。人物の表情や仕草の作画は比較的こだわりが感じられてまだいい。しかしそれ以外、特に激しい動きあるシーンがギクシャクして安っぽいのは前回と変わらなかった。

 ただし、原作から色々改変と省略あったが、アニメの話としてはすっきりまとまって脚本上はわりと好印象。そのため物語評価のみなら90点の満足度だった。 

 今回、リオが学院から逃走し王国から出る前の件、原作ではアマンドで一泊したがその宿屋での件、ラティーファと一緒になってからの道中で亜竜たちとの遭遇戦の件(静止画1カットのみはあった)などは丸々カット。またアニメだと説明がないのでわからないが、今回の最初と最後では2カ月半ほど時が経っている。テンポ良すぎで少し寂しいが尺の制限で仕方ないだろう。

〈あらすじ〉

 神聖暦996年の夏 リオ12歳

 リオは魔力で身体強化した徒歩移動で逃亡後僅か3日で隣国のガルアーク王国のクレティア公爵領内の交易都市アマンドにたどり着いた。そこに自身の指名手配がまだ無いことを確認後、偶然目にしたスープパスタを街の露店で味わう。名実共なパスタ、懐かしい味、この異世界には自分と同じ転生者が他にもいるのではないかと推測するリオ。

 パスタを気に入ったリオは、その乾麺を旅の保存食として購入するためリッカ商会に赴く。その時店舗には公爵家の令嬢リーゼロッテが従業員を装いお忍びで店舗を視察していた。彼女はアマンドの代官であり商会の会頭でもあり、さらにはパスタを開発した才女でもあった。

 奇遇にもリーゼロッテがリオの接客係となる。リオはその正体を知らないままパスタ以外も旅で当面必要なもの一式を商会で購入した。そして商会にセリアへの手紙を預けた。

 その後、街を早々に出立したリオにユグノー公爵家から差し向けられた一人の暗殺者が襲う。刺客は獣人の少女で、無力化して拘束するとラティーファと名乗る。

 ラティーファには隷属の首輪が嵌められていた。その首輪を外し隷属の呪縛を解除、戦意消滅を確認して彼女を解放するリオ。だがまだ幼い彼女にとって自由にはなったが行く当ても無く途方に暮れるしかない。彼女はリオを頼りに旅を共にする以外の選択肢はなかった。

〈会頭キレキレ、獣人モフモフ〉

 今回、物語の表舞台にヒロイン二名追加。一方は日本からの転生疑惑濃厚の貴族リーゼロッテ。もう一方は、日本人、遠藤涼音の記憶を持つと明示された奴隷のラティーファ。

 ラティーファ可愛い。アニメらしいあざとい台詞がよく嵌まり、リオが父性本能で彼女を保護する流れが自然。戦闘で勝って天然に負ける。"お兄ちゃん"ある意味必殺のキーワードでリオを懐柔。初対面は物騒でも最後はリオの優しさ全開。平和で実に微笑ましい。

 学院から離れ自由になったリオはのびのびと己が道を切り開く。原作も物語はこれからが本番。新たな出逢いがもたらす物語の行く末、アニメでも非常に楽しみだ。

 ところでリオの旅はフローラ誘拐からの奪還時の恩賞金が資金源。(ラノベ原作によると金貨100枚) アニメでそこらの経緯をカットするのはいいが、短いリオの独白でもいいから説明ないと学院を離れてもお金に全く不自由しないリオに引っ掛かりを覚える視聴者もいそう。今回そこだけは脚本に不満を感じた。

 アニメ前回、セリアとリオの別れの会話から原作にあるお金の心配するセリアとそれに答えるリオの台詞をカットしたのでなおさら。
{/netabare}
✴️第5話「精霊の森」(8月3日 2:10 - 2:40) 物語4.5→4.0
{netabare}
 今回の総合満足度68点。話の端折り具合が原作より必要以上に情緒を欠く結果になってる感。原作未読なら主人公周りの環境が変化に富む点などは面白いかもしれない。原作の販促としては平均レベルの出来か。

 特に今回なぜそう感じたか。思うに第1章はセリア、前回はラティーファがアニメでも魅力的なキャラとして注目に値した。ところが今回はヒロイン枠に入り得る新キャラが一気に4人増えた。そのために今回はそこにラティーファは埋没。

 人数増えた分だけキャラの描写もそれなりに増やすべきだが尺は短い。また長老達やドリュアスなどもリオにとって大切な存在になる故に、扱いを軽んじるべきではないと思うがそうなるとさらに尺が足りない。

 ゆえにアニメの原作ダイジェスト感の増大と共に、情緒欠く印象も濃くなった。

〈あらすじ〉

 リオとラティーファがたどり着いた場所は精霊の民の里。エルフ、ドワーフ、獣人が共生する社会。住民全員は何らかの精霊と契約し精霊術が当たり前に使える。また強固な結界に守られた彼らは、人間族と全く交流することなくひっそりと暮らしていた。

 そこで里の世界樹に宿る人型精霊のドリュアスから、リオは規格外のマナ(魔力)を持つこと、体内には高位の人型精霊が眠っていることを知らされた。精霊術の潜在能力が人間としてあり得ないリオ。里の長老たちに聖人認定される。そしてリオの人柄と、同胞であるラティーファ救出の功績もあり、大歓迎で里に受け入れられることになった。

 リオとラティーファは一軒家を与えられることに。そこでリオは里に腰を落ち着けて師の下、精霊術の修行を始める。ヤグモ地方への旅は一時中断。しばしの休息のような穏やかで平和な日々が訪れた。

〈新居ワクワク、リオはモテモテ〉

 アニメでのリオの家は漫画でのデザインよりいい。解放感あって見晴らしも良さそうで住むに快適そう。そこで4人ものヒロインと同居とは、うらやましいような、かなり気を使いそうで面倒くさいような。

 情緒安定して思慮深く真面目なリオは、聖人扱いでモテモテになっても色ボケ展開が無い所がいい。
{/netabare}
✴️第6話「祭りの夜」(8月10日 2:00 - 2:30) 物語4.0→3.5 作画3.5→3.0
{netabare}
 第2章(第4-6話)の平均総合満足度は68点。今回も原作未読ならもっと楽しめたかもしれない。まとめ方はなかなか上手い。

 かなり薄味の塩ラーメンと言った感。汁の透明度が高く水っぽいが、意外にも出汁は効いてて食べられないほど不味くはない。麺の茹で具合もいい。が、刺激を求め後入れ調味料を沢山入れたくなってしまう。ただ、レイスと見習い傭兵の件は、風味落とさず添加物カットに成功した感。これはこれでいい。さらにセリアをCパートで僅かでも登場させたのもいい。思いがけないサービスでラーメンに味付き玉子のトッピングが加わった感じ。淡白な味にいい感じのアクセントが付いた。(劇中のワイバーンの卵だといただけないが)

〈あらすじ〉

 リオとラティーファが里に腰を落ち着けて1年が経った祭りの夜。盟友として里の民と強固な信頼関係を築いたリオは、ヤグモ地方への旅立ちの意志を固めていた。

 しかしその夜、レイスの悪巧みが原因のワイバーン急襲で里は危機的状況に追い込まれ祭りは中止に。ワイバーンは里の戦力では全く歯が立たなく危機的状況に陥るものの、精霊術を完璧にマスターしたリオにはワイバーンごときは災禍とならず。ただ一人、驚くべき戦闘力でワイバーンを屠るリオは一躍里の英雄となった。

 そしてラティーファの理解も得て、多くの名残惜しい別れの後リオは精霊術による飛行術で一人ヤグモの地を目指した。

〈里はほどほど、旅にそろそろ〉

 第2章のまとめ具合で制作委員会はこのアニメを長期シリーズにする気はないと宣言された気がした。同じなろう系でも大河ドラマとして成立させようと意欲漲る『無職転生』と対照的で非常に残念。

 ここまで一貫してラノベ1巻分をアニメ3話でまとめる構成。

 第1章は人間関係にマイナス多い。リオは虐げられ視てて嫌な展開も多かったから3話でまとめるのはまだ許容できる。

 第2章は人間関係にプラス多い。リオの盟友がたくさん増える物語をたかが3話に収めるのはいかがなものか。

 シリアスな物語においては物語を簡略した分を特定のキャラ萌え(今のところはセリア、ラティーファ)で補おうとしてもいずれ限界がくるだろう。緩い日常系とは訳が違う。

 ここまで視て本作はキャラ間の関係構築の積み重ねがセリア以外はあまりに乏しい。

 エピソード(思い出)不足=情緒不足。

 結果、1年間生活を共にしたキャラたちの別れの名残惜しさが感じにくい。私は原作からのエピソードの脳内補完がないと感情移入出来ない事態に陥った。

 せめてあと1話あったら、今回はリオが颯爽と現れる直前のハラハラドキドキの引きで終わって次回の"英雄誕生の瞬間"は盛り上がり、"ラティーファとリオのより強固になる絆"を過不足なく演出できたものを。ラティーファとリオの別れ前の会話も情緒マシマシで原作に劣らない味わいが生まれたと思う。

 長老アースラとラティーファが祖母と孫という設定もアニメで表に出せかも。ラティーファの同世代の友達となる銀狼獣人サラの妹ベラと獅子獣人のアルスランもアニメで登場出来たかも。訓練で培われるリオと4名のヒロインとの関係性の深化も描けたかもしれない。

 ああっ、タラレバがどんどん増えゆく。そんなもの今後も増え続けるのは勘弁して欲しい。が、この流れの感じでは無理とみた。

 第3章(巻)は今まで以上に情緒豊かな物語。それもアニメ3話程度でまとめる可能性は高くかなり不安。今回、物語評価を下げるが第3章を4話でまとめてくれるなら評価はまた上げたい。

〈作画について〉

 今回のワイバーンとリオの戦闘が製作会社の作画の試金石と思っていた。リオが初めてヒーローとして周りから認識され、以降は出逢う人々の多くから恩人として尊敬され続けるようになる重要なターニングポイント。だからこのシーンの作画はスタッフの総力戦で取り組むと予想した。

 結果、また作画評価を下げた。頑張りは感じられるものの贔屓目でまあまあのレベル。相変わらず人物の動作は直線的でロボット的でぎこちない。行動の予備動作も足りない。しなやかでなめらかな迫力ある動きは苦手。おそらくこれ以上のクオリティは望んでも無理。楽しみは減りゆくのみか。
{/netabare}

第3章 (ラノベ第3巻「決別の鎮魂歌」第4巻「悠久の君」より)
✴️第7話「約束の地」(8月17日 2:00 - 2:30)
{netabare}
 総合満足度75点。いきなり異文化の別世界に転移したかの展開。穏やかに稲穂たなびく和の世界観はとても落ち着く。夢の中のようなふわっとした背景美術がいい。

〈あらすじ〉

 神聖暦998年の秋 リオ14歳

 リオはヤグモの方々を巡り両親の手がかりを探しカラスキ王国にたどり着く。安土桃山時代の日本のような国。そこは魔法ではなく精霊術が普及していた。

 リオはその国内のとある村に到着。そこの巷で最も顔が広いと評判の村長の家を訪ねるリオ。だがなんと驚いたことにその村長ユバはリオの父方の祖母だった。

 ユバ曰く、リオの両親は訳あって内密に国を出たという。その時、帰れる見込みは無く事情を知る一部の者で建てた二人の墓があるそう。しかし二人が国を出た理由は自分からは教えられないという。

 ユバは孫のリオを大歓迎。結果としてリオは村で働き、ユバと一つ屋根の下で生活することになった。他にも家族はもう一人でその名はルリ。彼女はリオの父の兄の娘にあたる従姉で一つ年上の15歳だった。

 リオは昼間は猟師業、午後からは農作業の手伝いをするようになる。仕事は優秀で村の生活向上のために非常に協力的。料理も得意。リオは高度な精霊術で風呂小屋や石鹸を作ったりなど村の生活改善に大きく貢献する。そしてリオはユバたちからとても頼りにされるようになった。

 そんなある日、乱暴者として嫌われる隣村の村長の息子ゴンが交易途中で村に立ち寄る。さっそくルリの親友サヨの兄シンと諍いを起こし村中に警戒されるゴン。

 その夜、ゴンとその取り巻きはユバ宅に侵入しルリの部屋に夜這いに押し入る。そこには泊まりに来ていた親友のサヨも寝ていた。二人とも手篭めにしようとするゴンたち。が、リオの防犯のための結界が反応。リオの介入により未然に犯罪を防ぐことができた。

 ゴンに母の仇敵の面影を重ねるリオ。心の封印が解かれたかのようにどす黒い怒りで我を忘れゴンを半殺しにする。

 リオは今までは天川春人の人格に引きずられ甘かった己を恥じる。そして母の敵への復讐こそ本来の自分に相応しいと気付く。

 リオは弱い自分と決別して復讐の鬼となる覚悟を固めた。

〈ゴンにイライラ、怒りでボコボコ〉

 相変わらずのダイジェスト感丸出しがマイナス。今章も急ぎ足で淡々と話が進むのか。今回はゴンたちがユバ宅に忍び込む直前で次回に引くのが王道で理想的なのだが...。この感じではやはり3話以内で今章も終りそうで残念。

 原作小説によると、精霊の民の里からヤグモ地方の端迄、飛行術なら一週間足らずだが身体強化の徒歩で数ヶ月かかる遠方。しかもヤグモは大小三十以上もの国々が存在する広さ。あてもないリオは都市や村を順番にひとつずつしらみ潰しの地道な聞き込み調査の日々。数ヶ月が経過してようやくたどり着いたのが今回登場のカラスキ王国のとある村という状況。

 アニメではリオは冒頭にいきなり村に現れ、以上の苦労は一言説明で済ませた。これではユバにたどり着くまでの苦労がアニメではいまいち伝わらない。リオが長旅で和食にすっかり馴染みきってるのも時間経過が伝わらないから唐突な印象でしっくりこない。

 たた今回は、その落ち着きに風格も感じられる村長ユバ、粗忽だが好奇心旺盛で性格明るい社交的なルリ、ルリの親友で乙女の奥ゆかしさが輝く内気なサヨ、リオを妬むが妹サヨを大切に思う根の優しい兄シン。

 以上の4名の新キャラの演技演出がとても良い。人物作画も好感度高い。特にサヨは地味だが個人的に大好きなキャラなので次回もどう描かれるか楽しみだ。
{/netabare}
✴️第8話「王家の系譜」(8月24日 2:05 - 2:35)
{netabare}
 総合満足度65点。今回のダイジェスト感は前回以上。バトルの作画が相変わらずショボいのも痛い。ゆえにアニメ評価は相変わらず厳しい。

〈あらすじ〉

 リオは護衛として村の年貢の運搬兼交易隊に同行し、数日後初めてカラスキ王国の王都を訪れた。そしてサヨと二人きりになっての必要な買い出しの最中、身分の高そうな一人の少女の誘拐事件に遭遇する。リオは即座に犯人を無力化し少女を救うが、面倒事は勘弁と事後を少女の護衛役に託し、名も告げず立ち去った。

 その夕方、宿屋に戻るリオとサヨ。すると村の担当役人ハヤテとその両親で王国随一の臣下サガ·ゴウキとその妻カヨコがリオの前に現れる。そして彼らから両親の秘密を聞かされる。リオの母アヤメは王族だった。そして父ゼンは母の元護衛役だった。

 リオは翌日、祖父母である王と王妃に謁見して母の死の事実を祖父母に告げる。そして仇敵である冒険者ルシウスを討ち取る意志を伝える。

 王はその意志を尊重しゴウキの下での修行をリオに勧め、その手始めにゴウキとリオの手合わせが関係者に見守られながら行われた。しかし王国随一の武人ゴウキに難なく勝利するリオ。リオの実力は認められ、いつでも旅立てる状況になった。

 村に戻るとリオは両親の墓前で誓う。敵討ちという醜い自分を受け入れ、逃げずに前向きに生きると。

〈イベントぎゅうぎゅう、展開バタバタ〉

 簪のプレゼントといったサヨのリオへの想い深まるエピソードを忠実に再現したのはよかった。漫画になかったリオの初カムタン(異世界ラーメン)シーンも新鮮でよかった。武士道精神溢れるカラスキ王国の再現度は高い。サヨやコモモは可愛い。人物の表情作画や声優達の演技も感情豊かで申し分ない。

 とは言うものの尺が短か過ぎる。犯罪者ゴンの処遇、リオとサヨの王都デート、コモモ救出、リオとゴウキとの出会い、リオの両親の謎の解明、リオの母アヤメの死の真実と仇敵情報、リオ仇討ちの決意表明、リオとゴウキとの手合わせ。まとめ方は絶妙だが、これだけ盛りだくさんの内容をアニメで1話に収めるのはどうかと思う。

 アニメディア2021年7月号に掲載された監督インタビューによると、原作サイドからアニメは今期内でセリアとリオのドラマにひと区切りつけて欲しいという要望があったそう。そのため監督はアニメ構成には相当苦労されたらしい。急ぎ足の現状はその弊害。ただ、物語を圧縮しても原作の持ち味を大切に残そうというシリーズ構成も担う監督の努力は感じられる。その点は素晴らしい。今回も原作未読ならそれほど気にならなかったかもしれない。

 原作では、王族との繋がりなど何も知らないままリオは一度村に戻っている。そこにユバからの手紙を読んだゴウキとその妻カヨコが村を訪れ、リオと面談してリオの人柄を見極める。そして王との謁見のためリオはゴウキ達と共に再度王都に、という流れ。ゴウキの娘コモモ救出の恩人がリオと判明するのもその時。

 以上の原作のプロットと比べ、アニメのプロットはあらすじに書いた通りで大幅な改変あり。おかげで時間短縮に成功して効率的ではある。しかし初対面同士の信頼は段階踏んで深めることも大切で、王との謁見まで時間を掛ける原作の流れの方が自然だろう。

 ラノベ第3巻は、堪え忍ぶ心、忠義の心、惻隠の情など、原作の中でも日本的情緒の豊かさで心の琴線に触れること多く原作がより好きになった。

 原作ファンとしては現状とても残念に思う。今回の流れで次回で第3巻相当の3章が終わるのは間違いない。第3巻に対しては少なくともアニメ4話分の尺が欲しい。もっと原作の持つ情感ゆたかで緩やかな流れを味わいたかった。
{/netabare}
✴️第9話「それぞれの決意」(8月31日 2:05 - 2:35) 物語3.5→3.0
{netabare}
 総合満足度60点。今期中のセリア再登場のため、急ぎ足は止まらないどころか加速中。今回の後半三分の一からラノベ第4巻の内容に突入。話が大味でさらにつまらなくなった。尺相応に原作からの改変あったが、特にCパートはかなり大胆だった。こうなることは監督インタビューからある程度予想出来ていて驚きはない。もはや諦観の境地。物語評価は今回で下げ止まりにする。

〈あらすじ〉

 ユバとリオはルリに、リオが王族でルリとは従姉弟だと伝えた。そしてリオは二人に来年の秋の収穫祭後に村から去ると伝える。リオの素性は村では三人だけの秘密。そして翌日からはいつもと変わらない村の日常に戻っていった。

 翌年の田植えの時期、リオはサヨに年内に村を去ることを伝えた。サヨはリオに心底惚れていてそれに衝撃を受ける。そしてリオに付いて行けるようにと必死に残された期間に体を鍛え精霊術のレベルを上げようとする。半年後、サヨはリオに想いを伝えリオとの同行を切望した。リオのこれから進む道は仇討ちという人殺しの道。リオはサヨの想いには応えられないと同行をはっきり断った。

 神聖暦999年の晩秋。15歳になったリオは村から旅立ち精霊の民の里に帰郷する。久しぶりに旧交を暖めるリオとラティーファたち。そんなある朝、リオは目覚めると全裸の美女が隣で寝ていた。

〈サヨはさめざめ、心しくしく〉

 サヨの告白が今回の山場。リオに付いて行きたい一心で精霊術の修行に打ち込むサヨが健気でいじらしい。不憫な妹のためリオに土下座してでもサヨの同行を頼み込む、不器用だが優しい兄シン。切ないが大好きなシーン。ここをアニメで取り上げてくれたことは感謝。

 しかし、ゴウキとカヨコ率いる家臣団がリオの仇討ちを共に果たそうと随行しようとする件はアニメではカット。コモモの村に滞在の件も画だけで表現。コモモはラティーファとは違うタイプの可愛いいキャラゆえ、アニメでろくに描かなかったのは実にもったいない。原作3巻後半で村でリオを取り巻く二人のヒロイン。コモモは陽でサヨは陰となり彩り豊かな話だったがアニメでは片手落ちになった。

 また、原作でリオの中で眠っていた精霊が目覚めるのはリオが里を旅立った後のこと。Cパート、ここは今回一番原作から改変された部分と言えそう。原作で精霊と初めて遭遇するキャラはラティーファたちではない。次回からは原作からかなりアレンジされるのは間違いないだろう。

 原作と比べアニメは回を追う毎に不満蓄積中だが、どういう形で最終話を迎えるかは興味ある。しっかり最後まで見届けようと思う。
{/netabare}

第4章 (ラノベ第4巻、第5巻「白銀の花嫁」より)
✴️第10話「精霊の目覚め」(9月7日 2:05 - 2:35)
{netabare}
 今回の満足度70点。今回から最終話迄、描くポイントが明確なのは悪くない。次回への引きもいい。

 アニメは第4巻全部と第5巻の第2章迄の内容から必要最低限だけピックアップ。そして後半の残り6分程から第5巻の第3章の内容へ。つまり今回で第5巻の前半分迄の描写終了。

 この流れで予想すると、今期は第5巻の最後まで描くのだろう。前回と今回のカットされた所の大半は、物語上必要不可欠。ゆえにもしアニメに二期があるなら、その時に形を変えてでもある程度復活すると思われる。

〈あらすじ〉

 リオの隣りで眠っていた美女は、彼の契約精霊が実体化した姿だった。リオは彼女をアイシアと名付け、里の長老たちや里の大樹に宿る精霊ドリュアスに引き合わせる。そこでアイシアは常識外の実力を持つことが判明。リオの力の凄さは彼女の守護が原因だった。

 その後リオは、里から旅立つ前にラティーファと二人きりでじっくり話す機会があり、そこで初めて前世の天川春人と彼女は同じバスの乗客だったと知る。

 神聖暦1,000年、リオはセリアに再会するために、アイシアを伴い4年ぶりにベルトラント王国の王都に戻る。しかしその夜、セリアの研究室を訪ねるとそこはもぬけの殻だった。

〈アイシアふわふわ、セリアぎりぎり〉

 いつもふわふわして神出鬼没を特技の一つとするアイシアはリオの最高の相棒で頼もしい。セリアも21歳で適齢期とは言え、よりによって婚約者がリオを嘗て拷問した貴族。運命は意地悪で残酷だ。だが今のリオにはだれにも負けない力がある。

 ここからの展開は王道中の王道。ヒロインの尊厳に関わる最大のピンチを救う白馬の王子様の物語で原作で非常に盛り上がる所。ゆえにアニメに対して、原作者がここを確実に描かせたい気持ちは非常に解る。

 だが2クール目にこの部分を持って来るべきだった。本作がアニメ企画段階で1クールしか約束されてなかったなら、アニメ化は焦らないで見送るべき、と今回改めてそう思った。

 もし2期があって続きがあるとしても、原作ファンの多くにとっては、今期のスカスカさは許し難いと思う。

 演出上で滲み出る手腕から、シリーズ構成も兼ねるヤマサキオサム監督は非常に優秀と思う。原作側の拘り抜きで、構成をすべて監督にお任せだったらどんな出来だったろう。返す返すも残念だ。
{/netabare}
✴️第11話「白銀の花嫁」(9月14日 2:00 - 2:30)
{netabare}
 ほぼ会話劇で終始してアクションシーンが無かったのが幸いして、今回の満足度80点。今回は脚本と演出、声優演技のバランスが絶妙。作画は、動作はいまいちだがキャラの表情は秀逸。

 特にセリア、細やかに心情を伝えてくれて深く感情移入出来た。結果として、今回でセリアは本作のメインヒロインとしての座を不動とした感があった。

〈あらすじ〉

 リオはアイシアの協力で現状を認識する。セリアは政略結婚の危機真っ只中。婚約者はよりによって、嘗て己が手柄のため、リオを拷問して王女フローラの誘拐犯人に仕立てようとした男、侯爵家のシャルル・アルボーだった。

 そしてセリアとの再会は、アイシアが見つけた彼女の滞在先に侵入することで人知れず成功した。しかし、まだセリアの結婚に対する真意を十分に掴めないリオは思い切った事は何も出来ない。そこには、リオには親の仇討ちという最大の目標があることも大きい。

 リオとの再会後、依然精神的に追い詰められたままのセリア。作り笑顔で己の義務に忠実であろうとする。果たしてセリアのピンチを食い止めることがリオに出来るのだろうか。

〈リオはこそこそ、セリアぼろぼろ〉

 リオとアイシアのコンビは天下無敵。アイシアの諜報の活躍無くして、こんな短期でリオが必要な情報も得られることはないだろう。

 一方、貴族としての本分をわきまえ、意に沿わぬ結婚も自分を殺してでも受け入れようとするセリア。リオが訪れて嬉しい状況でも、悲しい現実の渦中の彼女。必死に笑顔を保とうとする彼女が不憫で切ない。誰が視てもセリアは不幸のヒロイン。次回、救われないと視聴者も浮かばれないだろう。

 次回の最終話は、王道のヒロイン救出劇になるのは誰でも予想出来ると思う。ただ脚本と声優演技はともかく、アクション作画が弱点の作品ゆえ、過剰な期待はしない方がいいかもしれない。
{/netabare}
✴️第12話 (終)「運命の再会」(9月21日 2:00 - 2:30)
{netabare}
 最終話は、ラノベ第5巻第5章と第6章を描いて終了後(第5巻のエピローグは除く)、ED直前とCパートで第4巻第2章から第3章を基にアニメオリジナル構成で描かれた。

〈あらすじ〉

 リオは、シャルルとセリアの結婚パレードの途上でその馬車に突入。シャルルを踏みつけ、セリアと念話で合意の上で彼女を掻っ攫った。逃亡の途中、セリアはアイシアに託し、自らを囮として追手を引き付けるリオ。数百単位のベルトラム王国軍の大部隊を振り払い、近衛騎士団団長にして王国最強と名高い『王の剣』アルフレッド=エマールの攻撃をかわす。そして王都からの脱出に成功した。

 王都郊外にたどり着き、アイシアとセリアに合流したリオ。しかしその時、東西南北のあらゆる方角で、六本の様々な色の眩い光柱が舞い上がった。その先に待つもの、それはリオと言うより、天川春人にとっての運命の再会だった。

〈セリアにこにこ、続きあるある?〉

 今回の満足度70点。最終話は脚本のまとめ方と声優の演技はそつなく、セリアがヒロインとして非常に魅力的だったのは救い。アクションシーンの作画は、一部を除き思った通りのチープさで残念。

 ここで終わると実に中途半端。これで2期が無かったら大ブーイングだ。

 本作の最終話終了時点では、円盤の予約はパッとしないようだが、原作の売り上げの伸び(累計発行部数200万部突破間近)と国内外のアニメ配信状況は好調のようだから、2期実現の可能性はかなり高いだろう。

 仮にアニメに2期があればまた視聴するつもりだ。ただ今期、ここまで原作を簡略化した以上、2期を楽しみに待つことはないだろう。
{/netabare}

❰全話視聴後の感想❱
{netabare}
 全話の個人的評価は65点。ヒロインが多く、主要舞台も3箇所あったゆえに、人間関係の構築を丁寧に描きれない点に不満が多い。セリアだけがヒロインとしての魅力が必要十分に描かれたものの、アイーシャ他精霊の民のヒロインたち、サヨ、コモモ等、描写に割く尺が圧倒的に足りない。

 リオの人間としての魅力アップには、出逢うキャラとじっくり交流して人柄を滲み出す時間が必要。そのために原作の描く範囲をもっと狭めるべき。また、バトルの作画がチープなのも、リオの強さも安っぽくなり、彼の魅力がいまいち伝わらなくなった。

 書籍第4巻と第5巻の話の順番を入れ換えた工夫は悪くない。だだ簡略化せず、腰を落ち着けて第1期は全12話を各巻を最低4話で3巻迄丁寧に、話の切りのいいところ迄描いた方が、視聴者にとって続きが気になり、アニメ2期の期待が高まり、原作抜きでも人気タイトルになり得た気がする。

 2021年4月で書籍既刊19巻とコミカライズ既刊6巻で、シリーズ累計発行部数130万部達成。アニメ放送直前の2021年6月時点では160万部突破。さらにアニメが終わる9月には、書籍第20巻とコミカライズ第7巻も刊行されており、累計発売も190万部に到達した。

 以上から、アニメは原作販促での効果はあったかもしれない。だが、一般的に軽薄なろうテンプレとみなされがちな作品になってしまった印象は拭えない。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 11
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

4話までの感想{netabare}
原作未読、なんか色々と不思議。
最初制作はMAHO-FILMかと思ったw
絵の雰囲気が“うちの娘のためならは~”や“神達に拾われた~”っぽく感じだので。
作画はそこまで悪くないのだけどどことなくぎこちなく、そんな中ヒロインの顔だけは意地でもクオリティを死守してる様が、柳瀬雄之が血ヘド吐きながら手直し頑張ってるのかなー?と予感させる。
が、実際は全然MAHOとは関係なくトムスだった模様、いや実質はトムスじゃなくてワオワールド(“アニメガタリズ”やったとこみたい)ちゃう?
てっきりキャラデザは出口花穂だと思い込んでたよ、違いがワカランw
というか1話は凄い頑張ってたんだ、1話は。
正直本編よりOPの方がヘボくて「そんなことある?」と驚いたが、3話にして力尽きたかOP相応のクオリティになってひと安心と言って良いやら悪いやら…。

絵についてはそんな感じで内容の方、といいつつまたOPの話になっちゃうけど…これが心証悪い。
OP最後女性キャラがドドドと出てくるのが「うわぁ」と声を出さずにいられない。
転生モノとしては最近めっきり数の減った「元の世界に未練がある」タイプで(“聖女の魔力は~”のアイラとか居るので全く無い訳ではないが)ほんのちょっとは感心した…いや、したいところなんだけどOPが邪魔をする。
あれだ、スラム時代に一緒にパンを盗んだ同世代の男友人とか居ないのが残念なのかも、そういうのが居ればOPも「女の子まみれ」みたいなことになならなかったんじゃない?
元の世界に未練はあってもスラム時代には未練が無いのは、結局バーターにかけられたみたいであんまり深みを感じない。

ってところでの4話、刺客として襲ってきた新キャラのラティーファがよく分からん。
転生したの、いつ?
主人公と同じ時期なら──毒針使ったりそれなりの戦闘を繰り広げてたし、首輪つけられてずっと戦闘訓練させられてた…と思うのだけど、それにしちゃあメンタルが弱い・幼い。
見た目に関しては獣人の成長速度を知らんのでナントモ。
訓練だけでなく実際にコロコロしたことあんの?
よっぽどの手練れでなきゃ単身で追跡なんて…クライアントは結構貧乏?
ってかリオは生死不明じゃないんだ。
死体が見つかってないとはいえモンスターがうろつく世界でしょ?生存を確信したのは何でだろう。
指令としては「もし生きてたら殺せ」であって、帰還しないのは生存を明らかにすることになってヤバいと思ったのだが…最初から生存を確信されてるならいいの…か?
いやそうであるならセリアも疑われない?セリア宛の手紙なんて検閲対象でしょー。

今後その件に触れるならいいけど、現状な~んか雑さを感じる。
王女誘拐事件も5年間進展無いのん?{/netabare}

5話感想{netabare}
最初誤解を元に襲われて「またかよ!」と思ったが、いや、ひょっとしてこれは誤解が解けた後で人間と亜人とで素直に謝れる/謝れないの違いを描いた…のか?
その国や地域のトップに貸しを作るには体の良い展開だなぁと思わなくもないが…。
負けることで「そこらのなろうのチート系とは違うんだZE」アピールだとしたらちょっと志が低い。
ま、まぁ、いつもこんな感じで誤解されて襲われるのなら、ラティーファが転生者と思ってもおいそれと尋ねたりしない慎重さへの説得力にはなる、か?
というか身の上は尋ねられないの?
ラティーファが帰って来ないことで第二第三の刺客が放たれるんじゃないか?と思ってた私としては、リオがのほほんと逗留生活をしてるシーンが気が気でならなかった。
せめて追跡は断ち切ったとか、人間の手先ならここには来れないだろうとか語って欲しかった。
欲を言えば「私が居るとどんな災いをもたらすか分からない」と、それが叶わないとしても滞在を断る素振りをして欲しかった。
後で村が襲われて「お前が来なければ平和でいられたのに」と責められそうで…無いとは思うけどね、丁重にもてなされればされるほどそう予感してしまい安心して見れない。
なんかリオが「今自分の置かれてる立場」を気にしなさすぎというか、他のなろうでよくある自発的でない感じ、こっちから何かしようと思わなくても周囲がお膳立てしてくれる感じ。{/netabare}

6話感想{netabare}
まてい、ちゃんと前回の最後の方覚えてる?
ワイバーンの巣から卵奪ったらワイバーンが追ってきた、ってところで終わったんよ?
それを踏まえての6話冒頭、「リオ殿が里に来て1年──」とか言い出したので、ワイバーンの巣を襲った出来事からも1年経ったんだと思っちゃったよw
コイツら卵抱えて1年間逃げ続けてた?ってね。
よく見りゃ5話の祭の段階で1年経ってると分かるけど、だったら5話中に「リオ殿が里に来て1年──」と言えよと、何故6話に引っ張った?
もしくは卵を奪うシーンを「リオ殿が里に来て1年──」と言わせた後にするべきだったんじゃないかなー?
「リオ達が里で平和に暮らしてる裏で不穏な動きが起きている」というのを見せたくて卵を奪うシーンを5話に入れたんだろう、それは分かる。
が、紛らわしくすることで何か演出的な効果があるでもなく、単に気が利いてないだけな気が…。
細かいことかも知れないけど、こういう部分までちゃんと気を配ってるかどうかが脚本の良し悪しに繋がるんじゃないかなー、と思ったり。

なにより、ラティーファを刺客に送ったのに戻ってこないことでスティアードは次にどんな手に出る?を期待してた自分としては、何事も無く1年経っちゃったのが肩透かしでして…。
今後暗躍っぷりが描かれるのかも知れないが、前回の感想でも書いたけどそもそもそっちに気を向けないリオ達が不思議でならない。
いつかスティアードと対峙する──ケリを付けてくれないとスッキリしないので──とは思うのだけど、大丈夫かね?

視聴者の興味の向かせ方がズレてるというか…私の方がズレてるのか?
ボケっと見てても「何か大事なことを忘れてる気がする」って感じるんじゃないかなー?
王女誘拐の件も6年間遅々として進んでないということだろうか。
冤罪だろうが犯人をデッチ上げて処罰しなけりゃ威信に係わるって話じゃなかったのか?{/netabare}

8話までの感想{netabare}
ほげええええ、顔面ヘッドスライディングした気分。
主人公が王家の血筋って…あれぇ?何故だ?何故かすっごくガッカリ。
それが悪いってことじゃないハズなのに、何で私はこんなにもガッカリに感じるんだろう。
とにかく直感で「そりゃないよー」という気持ちが湧き上がった。

今までそんなこと匂わす伏線らしきものが無かったからか?
王家を示す短刀を親の形見として持ってるとか、一族だけに遺伝するアザがあるとか、なんかあったっけ?
パスタ屋のロッテとか、回収がずーっと先と思われる伏線なんて張ってる場合じゃないだろー。
天涯孤独の身から人情とチート能力で仲間を増やしてのし上がってく話だと思ったら、本人の努力とは関係無しにデカい後ろ盾が突如生えたような…。
転生者で女神だか精霊の加護を受けてるだけでもアレなのに、突然ドエラい設定が降って湧いた様に感じて…この唐突感がガッカリの原因かなぁ?
ついでに母親の仇も唐突だし、両親が駆け落ちする原因となったロクレン王国とやらの蟠(わだかま)りはどうなった?これから?

なによりブラックワイバーン製の衣装がヤグモ背景と合ってなくてキモい。
人攫いを倒した後「面倒ごとは避けたい」とその場を去るとか、目立たない様にする努力を一切してないヤツが言うことか?
交易が盛んで色んな人種や民族衣装が町に溢れてるならまだしも、作中見る限りそうじゃないし、キモいって。
小説じゃ気にならなかったのかも知れないが、アニメでやるとヘンテコこの上ないのでもうちょっと考えてくれよー。
そろそろ切ろうかと思ってるんだけど、早くこの地を去ってくれないかな。{/netabare}

9話感想{netabare}
前回王族の血統と聞いてガッカリした話の続きになるけど、「果たしてその設定によってリオにデメリットはあるの?」に対し「いいえメリットしかありません」がアカンのだろう。
逆に、もしデメリット──本人は一切関与してないのに一族を恨んでるヤツが居てそいつから命を狙われるとか──があるならまだ見れるかなぁと思いつつ9話に臨んだら…。
どうやら無いっぽい。
いやいや、血筋絡みでの面倒ごと起きんのかーい!
ロクレン王国(両親が駆け落ちすることになった原因)は本気でスルー?もう過去の話?
ルシウス(親父の冒険仲間、母親の仇)が変貌したのはそこからの差し金って可能性を…疑わないの?
というか、前回の人攫い未遂の話はどうなったん?背後に陰謀が絡んでる…とかじゃないの?
何事も無く安穏と1年過ごしちゃったよ…ゴンは出所したん?

1話の王女誘拐が一番印象強いけど、それ以外だってトラブルに対して表面的な対処はするけど根本はなにも解決してないエピソードばかりが続く。
他の方が書いてらっしゃる「全てが中途半端のつまみ食い」、正にその通り。
最後に全ての事件が巨大な黒幕に集約するって展開なのだろうか?
そうでないと困るんだけど、それにしたって中途半端が過ぎて忘れ物が溜まる一方。
深く掘り下げることなく次の出来事へ移ってしまうため、関心を維持しづらい。


話もそうだけど、絵もちょっと…。
1年逗留したカスラギから旅立つってシーンで…なンだその軽装は!?
ああああ!!!!
結構許せない、“チート薬師”より、“D-CIDE”の龍平よりイラっと来たかも。
お土産どっさり持たされるんじゃないの?実は嫌われてた?
折角日本風の地域を出したんだから三度笠と道中合羽くらい羽織ったっていいじゃない!ってかそうしろよ!!
数ヶ月海外旅行して帰ってきたら向こうの服着てたりしない?カスラギに行った形跡を残したくないのか?浮気相手の家感覚?
ちょっと近くのコンビニに買い物行く感じにしか見えなくて、もう当分戻ってくることのない決意や雰囲気なんてあったもんじゃない。
この絵ヅラでサヨとの別れをしおらしく描いたところで嘘臭くてうすら寒いだけだって。

と思ったら次の場面でビュンと空を飛んであっという間に精霊の民の里へ到着。
あっ、ホントに近所だったんだ、徒歩10分飛行30秒って感じ?(嫌味)
旅情も哀愁もへったくれも無いな、両方の村を毎日行き来すりゃいいじゃん。
それでいて持ち運べる家をリクエストって…だからさぁ「そういうのがあったらいいな」と必要性を感じる出来事を見せてないので多くを望む業突張りにしか感じないって。
雷雨の中飛び続けるとか、寒さに丸まりながら野宿するとか、長旅感をあらわす時間経過のシーンをなぜ入れなかった?
旅の装備を考えたくなかったのかなぁ…前回町中で目立たない衣装を描かなかった件といい、作画は結構一杯一杯なんだろうか?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

大失速

なろうのテンプレアニメ。
前半はめっちゃ好きだったんだが、4話以降ぐらいからだんだんと興味を失っていき...

{netabare}
なんというか、酷いって感想よりもなんでこうなるかなぁって感じがして少し悲しい。
前半のセリア先生パートあたりは面白かっただけに。
個人的に今期No.1ヒロインはセリア先生でした。
2,3話の主人公とのやり取りは本当に良かったし、最初は先生がリオを気に掛けるという構図からだんだんと逆になっていくのも見ていて良かった。
3話でセリア先生を退場させたのが完全な間違い。

4話から10話ぐらいにかけては本当に酷い。
行く先々でヒロインが出てきて、キャラデザはかわいいんだが、掘り下げがなさ過ぎて全く何も感じない。
年数もすぐ経過して、すぐに別の場所に行くしキャラ、場所に何の感情もわかない。
そもそもヒロインは普通に先生だけでいいはずなのに、なんでこうハーレムにしちゃうかなぁという感想。
旅をしては現地妻を作って別のところに行っての繰り返し。
絶対にセリア先生との二人旅アニメにした方が面白かったと思う。

10~11話で少し取り返したんだが、最終回も酷すぎる。
ニセコイとやっていることが同じ。
あそこでセリア先生を攫ってセリア先生と結婚して終わりだったらたぶん評価あと星1ぐらいは上げてた。
まあ中途半端な終わり方をしたから結局どうなったかはわからないけど、何の前触れもなかったのでハーレム要因に加えるだけなんだろうなと。
それならあの金髪と変わらないじゃんと思った。
あの金髪、先生が攫われそうなとき結構心配してくれてたし。
最終回になって主人公が嫌いになってしまった。

まあ、最終回でサイコパス感が出てしまったと言え、そこまでの話での主人公の印象は良かったかな。
ぼくリメ、東リベ、転スラみたいに中身大人なのに子供のように見えるアニメが多い中で、このアニメは転生前(とは言っても高校生?)の年齢相応に見えた。

キャラ以外で言うと、ストーリーも前半はいかにもなろうという感じだったんだが、正直言うほど嫌いではないからまあまあ良かった。
テンプレだけど、キャラ魅力があったから普通に楽しめたといった感じ。
ただ、中盤はわけのわからないキャラが急に現れた敵と戦う展開が多くてあんまり楽しめなかったかな。
ラティーファの前世の掘り下げも薄くて、これなら前世要素いる?ってなってしまった。

それと、ルリの声がすごく耳が痛くなるような声だったんだが、声優が下手なのか?

ほんとに作りようによってはもっと面白くなったであろう惜しい作品。
OPとEDも両方良かったです。

↓一話毎感想
{netabare}
1話 3/10
おさまけか?
いつもの始まり方。なろうタウン。
OPの剣振る所ダサすぎて笑った。
前世の記憶と今の記憶どっちが正しいか葛藤してるところは良い。
ヒロインはめっちゃ可愛い全員。
特にあの銀髪の子は今期で一番かわいいかもしれない。
いや特に何も情報渡してないのになんであんなに銀貨もらえるんだよw
なんかご都合的に魔力の使い方を教えてもらえるw
久々の王道ゴミなろうって感じで一週回って面白かった。
ほんとヒロインめっちゃかわいい。
いや助けたなら今ちゃんと話せよ
なんで混乱させそうなことを言ってわざわざ連行されるんだよ。
普通に現場で転がってる誘拐犯を見せればいいじゃん。
バカしかいない。ほんとのこと話せよw
この王女たち自分がやばそうな奴に突き出しといてなんで被害者面...。いきなり王と謁見ww
ヒロインほんと可愛いし不快感はない。
もうこういうなろう系は一週回って楽しめるようになってしまった。
ED結構いい

2話 10/10
ほんとヒロインかわいい。
なんで差別される可能性あるのに学校に入れるんだよw
行かせる意味もないし。
キャラは全員可愛い。ほんとに。
12歳とか最高か?
まあ知識あってもイキらないのはいい。
このアニメ作画結構いいという。背景やたら頑張ってるし。
こういう系の作品主人公が都合よくみんな転生前に剣道やってるのなんなの?w
思ったより悪くないなこのアニメ。
ヒロイン補正大きいかもしれないけど。
転生前設定も結構生きてるのもいい。
ロリかわ。主人公がちゃんと中身大学生って感じがするのもいい。
年数経過しちゃった。17歳か。 
大人は結構差別しないのね。
戦闘あっさり 恋愛要素もあるのかな。
 
3話 10/10
一切ありません(大嘘) 強い魔物がいないとかいう分かりやすいフラグ。
魔法使えるじゃんw
さすおに系アニメか。フローラもかわいい。
ええ 先生もうでないの?
ついていってほしかった。
 
4話 5/10
なろうタウン
なんでスープパスタあるんだよw
ああ、他にもいるのか転生者。
親がどっちの親を言ってるのか分かりにくい。
主人公そこまで最強じゃない?
女の子に厳しい。都合がいい能力。
この子転生者なのか
謎リョナ 転生者なのに何でこんなカタコト
イキリ演出きつい。主人公ちょろw
このアニメの目的が分からん。
先生ちょっと出てくれるの嬉しい。
寝言で気づくって展開は書き方が下手。
東京言ってるんだから追及しろや 

5話 6/10
異世界語の下り痛いからいらない。
安定の頭の悪いMOB。
意外と主人公弱いのか?
当然のようなハーレム。
ほんとキャラめっちゃいい。なんだこのおっさん!?

6話 2/10
1年経過したw
旅立つ必要あるの?
ってか、ラティーファの伏線回収はなし
里で暮らしてるシーンが少なすぎて感情が置いてけぼり。
どうでもいいキャラの戦闘ばかり見せられてもなぁ。
主人公いつの間にこんなに強く。
ハーレムしだしたのがマイナスになってきてるのかなぁ。
ええ...実際の兄だと認識せずにこの子の話一端終わるの?
出た、四次元ポケットw 笑うわ。
序盤大好きだったけどさすがに酷くなってきた。
キャラに魅力がそんななかったのが2~3話との違いかな?
2~3話は先生とのやり取りが多かったのが良かった。
20秒ぐらいのCパートが一番面白い。

7話 3/10
ヒロインが出てきすぎだなぁ。
最初は先生だけだったから面白かったのに。
このださい服なんなんだ。旅アニメかな?
声優下手だな。
あーいつもの展開。
これ声優下手って言うか声入れてるマイクおかしいんじゃないのか?
即落ち2コマ。いややりすぎだろw 笑ったわ。
会ったばかりのヒロインが襲われたぐらいで殺そうとすんなや。
復讐とは。ほんとにつまらなくなってきた。

8話 2/10
ダメだ、ヒロインに魅力がなさすぎる。
キャラデザは好みなのに。
これが先生だったならかなり評価してたんだけど。
日本文化要素いらんなぁ。
なんで主人公は殺されなかったの??
これ前世要素いるか?
この世界の記憶だけでいいじゃん。

9話 4/10
ルリの声ほんと耳が痛い。
もう出ていくのか、展開が早すぎるしこれといった展開もないせいで何も思い入れがない。
何で連れてかないんだ?
ハーレムものじゃないのかこれ?
先生一筋ってこと? 本拠地はこの村なんか。
最後きついわw 

10話 7/10
精霊の子かわいい。
何で一緒に風呂入るんだよw
きついなあ。ラティーファ赤の他人なのかよ。
出た、なろう便利アイテム。これ何年経過してるんだ。
結婚式阻止するのはいいけど、主人公がちゃんと結婚するんだよね?
ニセコイはやめてほしい。

11話 9/10
髪型変わったか?
ほんと先生が出ると面白いの草
主人公普通に先生と旅しろよ。Cパート良かった。

12話 3/10
えぇ...。何の確証があってこの展開なんだよ。
主人公が急にきつくなった。
せめて普通に話し合いぐらいしてやれよ。
意思を確認したいだけでここまでやる必要あったか?
もうほぼ阻止してるようなもんだろw 
主人公をもっと先生への執着心の強い人間っぽくしてくれたらこの展開でもよかったんだが。
駄目だ、ギャグアニメだわこれ。
なんで「あんたの結婚相手を公衆の面前で攫う!」って言って攫うんだよw 
金髪なんかちょっと不憫だわ。
こいつ変態と思ってたけどふつうに先生愛してそうじゃんw
何でこんなキャラにした。作画が。
いや、マジで主人公サイコパスだろ。
正常な行動をしてる善人らが主人公に蹂躙される展開。
意外と作画頑張ってる。
こいつも前世関係あるの?
日本語演出だけのための異世界語下りいらないって。
は?これ結局セリア先生、金髪の元にいてもこいつの元にいても待遇変わらないじゃん。
てか2期ないのかよw スマホ太郎を思い出す終わり方だ。
{/netabare}

曲20段階評価
OP「New story」8.0/10
ED「Elder Flower」9.0/10
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

75.8 3 誘拐でファンタジーなアニメランキング3位
赤髪の白雪姫 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (640)
3500人が棚に入れました
分割2クールの後半クールにあたる。

赤い髪を持つ少女・白雪は、タンバルン王国のラジ王子に見初められ、愛妾にされかかり、国を出る。たどり着いた森で、隣国の第二王子・ゼンに助けられた白雪は、彼の国・クラリネス王国の宮廷薬剤師として働き始める。やがて想いを通い合わせていく白雪とゼン。王子と薬剤師という二人だが、たくさんの出会いや出来事を経て更に絆を深め、二人を認める人物は少しずつ増えていく。

声優・キャラクター
早見沙織、逢坂良太、梅原裕一郎、名塚佳織、岡本信彦、三瓶由布子、甲斐田裕子、福山潤、小西克幸、豊永利行、國立幸、浅沼晋太郎、水瀬いのり、小松未可子、石田彰

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これは自分の行く道。自分の物語。進む道の先に思い描くのは…。

赤髪の白雪姫・2期。

分割2クールの後半なので、
まずは1期から視聴してください♪

今回もときめき胸キュンうわあああな叫びが止まりませんでした(*´Д`)

全12話です。


● ストーリー
林檎のような赤い髪を持つ娘・白雪(しらゆき)。

彼女はクラリネス王国第二王子・ゼンと親しくなることをきっかけに、
宮廷薬剤師見習いとして働いていた。

そんなある日、
白雪を狙っているという美少年・巳早(みはや)の噂が届く。

警戒するゼン。
さらに白雪の祖国・タンバルンのラジ王子から白雪へ招待状が届く。

巳早のことが見つからない不安な中、
白雪はオビと共にタンバルンへ向かう。


1期は全体的にほのぼのしていましたが、
2期の前半は白雪の身の危険という緊張感が続きます。

胸キュン要素は合間合間にちゃんと入れてくるので
ときめき成分を求めている方はご安心を(*´Д`)


≪ 恋をすると… ≫

自分の進む道を自分で見据えるゼンと白雪。

それは2人が出会う前も、出会った後も変わらない。

だけど互いに恋をした2人は少しずつ変わってきている。


白雪は、
ゼンのことを好きだと思う気持ちが強くなればなるほど、弱くなった。

長い時間傍にいないことに
どうしようもない不安を感じ、涙を流してしまうほどに。


ゼンは、
白雪のことを好きだと思う気持ちが強くなればなるほど、強くなった。

自分の手で守ると決めたから。
自分の隣にいてほしいのは彼女だと心に決めているから。


恋ってそういうものなのかしら。

普段は強く自分の心を持っている白雪が、
弱くなってしまう。でもそんな時には心の底から寄りかかれる相手。

そしてそんな白雪を強く優しく包み込むゼン。

ああもうお腹いっぱいです(*´Д`)満足じゃー


● キャラクター
好きなキャラがたくさんでねー。
1期以上にみんな好きになったよー^^

◇白雪(cv.早見沙織)
自分で選んだ道をひたと見据えて、
自分の足で歩んでいく女の子。

この強さには憧れます♪

困難に巻き込まれることもあるけれど、
決して悲劇のヒロインぶらないところがいいヒロイン。

ぶりっこしない自然体も好感。
そしてやるときはやる!かっこよさもかっこいい!

さすがの白雪も、ゼンに対してだけは
照れたり、あわあわしたりするところがまた可愛い♪


◇ゼン(cv.逢坂良太)
1期同様かっこよすぎて…(*´Д`)

強くてかっこよくて、
ゼンの王子っぷりが留まるところを知らない。笑

≪ゼンの魅力≫
・自分の心に偽りやごまかしをしない。
・やりたいことをやる。
・告げたい気持ちを告げる。
・普段は強気なのに、からかわれて赤面したりすねたりする。
 そんなところがまたかわいい魅力ww

総括すると、
優しすぎるよ包み込まれるよかっこいいよなんだよ少女漫画あかん!(壊)
でした。笑

赤面だよ赤面(/ω\)

白雪とのラブシーンは一時停止して、
存分に悶えて心を落ち着かせなければ続きが観れませんでしたww

何この王子。どこの国に行けば会えるのですか?(切実)
この悶えた気持ちを何にぶつければいいのですか?
だから少女漫画は苦手なんだよ!←八つ当たり


そして今回もゼンとオビ(♂)のいちゃいちゃがよかった(*´Д`)

というか入浴シーンとか!ゼンの裸とか!オビの裸とか!
どうもごちそうさまでした(*´Д`)ハァハァ


◇ラジ王子(cv.福山潤)
そしてなんといっても今回のメインサブキャラは、
アホ王子…失礼(笑)、ラジ王子でしょう!!

白雪やゼンと関わる中で少しずつ変わっていくラジ王子。

本質的なアホさは治らないでしょうが(笑)、
まさかかっこよく見える日が来るなんて!!

1期では想像もつきませんでした(笑)

「自分のところに留まる白雪殿なんて…つまらん。」←しびれたぜ!

実は彼の成長が今後の1番の楽しみかも♪


● 音楽

【 OP「その声が地図になる」/ 早見沙織(作中では白雪役) 】

1期と比べると、
ちょっと雰囲気が重くなった感じがしました。

なので最初は
「1期のOPの方が好きだったなー。」と思っていました。

しかしその重みが前半の緊張感とも合う良い仕事をしていたので、
そこから印象が変わりました^^

白雪とゼン。そして周りの人たち。
みんなの歩く一歩の重みが感じられて、今では好きな曲です♪

そして作詞・作曲には早見沙織さんの名前が!

歌が上手なだけじゃなくて、
作る方にも活躍の場を広げるなんて、すごいなー。


【 ED「ページ~君と綴る物語~」/ eyelis 】

今回もこの作品の持つ爽やかさとすごくマッチしている♪


OPもEDも、曲もいいんだけど、
アニメーションもとてもいい仕事をしていて。
曲の雰囲気をよく引き出しています♪

OPのサビのラジ王子のワンカットが妙に好きなのですwww


● まとめ
白雪は人との縁を積み重ねている。

たくさんを求めるのではなく、
自然に。その時その時の出会いを大切にしている。

そうしてつながった縁の太さと優しさに
ふとした瞬間に気づくんだね。

ちゃんと白雪とゼンの関係にも
気持ちよく区切りがついたところで終わったので満足です。

でも願うなら、もっともっと彼女たちの物語を見届けたいな♪

素敵な王子様にきゅんきゅんしたい方はぜひどうぞ^^

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

願うならこの道の先も自分で描けるよう・・・願うならこの物語を彩るのは運命の色であるよう・・・

大好きなはやみんが主演する赤髪の白雪・・・思い返すと1期では色んな事がありました。
幼い頃から薬学を学んでいた彼女は薬剤師の道を進むのですが、タンバルン王国のラジ王子に目を付けられて国を飛び出し・・・森の中でクラリネス王国のゼン王子と出会いました。
まだあどけなさの残る笑顔が印象的なゼンですが、王宮の中では笑ってばかりもいられない立場である事・・・書かれたカルテを見た白雪が大粒の涙をポロポロ流していたのが印象的です。
そのカルテを見た以降、白雪はゼンの客人として王宮に居るのではなく、自分の居場所を作るため宮廷薬剤師になる事を決意・・・難しい試験を見事突破しました。

ゼンと親しくする白雪を見て快く思わない一部からの嫌がらせもありましたが、意思を貫き通す心の強さ・・・大切な人の尊厳を守ろうとする態度・・・強大な力に彼女全部で立ち向かう勇気を持つ白雪です。
例え相手が誰であっても筋の通らない事には凛とした態度で立ち向かうところは、彼女の大きな魅力だと思います。
そしてゼンとの仲もしっかり深まったところで1期は終幕しました。

こうして思い返してみると、1期は「成長」というキーワードがしっくりくるように思います。
1期が成長なら2期のキーワードは植物で例えると「根付く」の様に感じました。
2期では1期よりスケールの大きな出来事が次々と襲いかかる中、白雪とゼンは例え別々になってしまったとしてもお互いを信じ合うんです。
大きな信頼って難しいです・・・でもそれが出来るという事は、今まで以上に相手の心に色濃く住まう事ができている証だと思うんです。
お互いの距離が離れれば離れるほど・・・そして危険度が上がれば上がるほどパニックになるのではなく相手を信頼する・・・これってなかなかできる事じゃ無いと思います。

これまで白雪とゼンに焦点を当ててレビューを書いてきましたが、2期ではいつも二人を気遣っている側近の株も相当上がったのではないでしょうか。

キキ・・・普段は物静かな女性ですが、彼女の勇猛果敢な行動には感動しました。
爵位も持った綺麗な人なのに・・・大切な人のためなら顔色一つ変えず何事も顧みない行動を平然としてのける彼女・・・その言動には迷いも躊躇いもありません。
この人も目的のためなら厭わないんだ・・・そう思うと彼女の魅力が倍増した気がしました^^;

でもキキ以上に私の中で株を上げたのがオビでした・・・
彼の心中が複雑なのは分かります。でも与えられた任務は確実にこなすので、ゼンからも高い信頼を得ていた彼は白雪の護衛を務めることに・・・
ゼンから護衛を任された時・・・すごく嬉しかったと思います。
だから任務にも相当気合が入っていたようにも見受けられました・・・
物事に集中している時に想定外の事態が起きたり、強制的に異なる情報が流れ込んでくると咄嗟の判断はどうしても鈍ってしまいます。
人間として普通の摂理だと思います。
そしてそれはオビも同じ・・・
決して油断していた訳じゃありませんが、彼は仕事上でミスを犯してしまうのです。
オビを案じる周囲には変わらぬ態度と言動・・・
でも腹わたは煮えくり返っていたと思います。
相手にも・・・そして自分にも・・・
動き出したオビの眼光はどこまでも鋭く、見ていて恐怖すら感じるほどです。
でもそれはオビが必死である事の表れ・・・
ミスを自分で何とかしようとする姿勢は頼もしく思いました。

波乱万丈の2期・・・気になる方は本編でご確認下さい。
紆余曲折ありますが、白雪とゼンの仲はこれまで以上に深まったと思います。
二人のシーンなんて・・・もうキュンキュンしっ放しでした^^
そしてこれがはやみんボイスというのが堪らないご褒美・・・
はやみんファンは必見の作品・・・なのではないでしょうか^^

オープニングテーマは、はやみんの「その声が地図になる」
エンディングテーマは、eyelisさんの「ページ〜君と綴る物語〜」
1期,2期共に歌い手さんは一緒でしたね^^
印象的なのがオープニングです。初めて曲の情報を知った時、はやみんが作詞と作曲も担当されている事にちょっとビックリしました。
後から知ったのですが「その声が地図になる」の曲は、これまではやみんの
頭の中にあったメロディを曲にしたんだそうです。
はやみんがずっと温めてきた曲と思うと、ファン冥利に尽きる・・・という気持ちです^^

分割2クール作品の後半で第13話から第24話までの計12話の作品でした。
物語がホント綺麗に纏まっていたと思いますし、主演のはやみんも抜群にハマッていたと思います。
こういうキュンキュンする作品・・・大好きです。
ラストまでしっかり堪能させて貰きありがとうございましたm(_ _)m

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

かさい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理想的な表現

安藤監督とボンズの少女漫画原作アニメ。
少女漫画原作アニメは、デザインが少し趣向に偏っていたり、演出がキラキラし過ぎていたりくどかったりと、癖が強いアニメが多い。
セリフも少し恥ずかしげで、男性にはあまりはまらないタイプになってしまうパターンも少なくはない。
そんな問題点と課題を見事にクリアしているのがこの作品。
始終とにかく映像として美しく、丁寧な作りをしていた。

【総合】
4.72/5

【物語】4.7
【構成】4.75
分割2クール構成、全24話。
最後は綺麗にまとまっているし、1話構成も見事。
ヒロイン中心の物語ではあるものの、サブキャラなどのエピソードやメイン以外のエピソードも凄く良い。
ヒロインのキャラもあり、シナリオもストレスなく進んでいく。

【作画】4.7
・始終安定したクオリティ
総作画監督には斎藤さんや藤田さんなどが参加。
派手なアクションがそこまで多いわけでもないし、殺陣があるわけでもなかったが、この作品が一番大切にしている事最後までしっかりやり遂げた、そんな印象。

・見せる表情
とにかく表情がいい。総作監や作監修正もしっかり入っている印象。
アップで表情が映った時の絶妙な加減具合。感情が見るだけでしっかり伝わる。キャラも最後まで整っていたし、ハイライトや影付けも素晴らしかった。

・戦闘作画
カメラが常に見方を捉えており、見方中心に見せるアクションになっている。
また、動きも大きく大胆。出血表現は控えめ。

【美術】4.7
今後注目の美術監督、岡崎さん担当。
舞台は半分以上が城。見せる背景としても、舞台としても凄く魅力的。
また、画面から溢れ出る美しさにも、しっかり貢献している。
自然などの描写も細かく、花や美しい景色なども多数あった。

【声優】4.7
早見さん。可愛くさ凛々しさも兼ね備えた見事な演技でした。
その他のキャラにもしっかり愛情を感じる。

【音楽】4.75
大島さん担当。個人的にはドンピシャな印象。
優雅で壮大なスケール感。お洒落でとても美しい。
盛り上げるシーンではしっかり盛り上げる。
非常に効いていた印象。

【演出】4.75
・細かい芝居、感じる目線と表情
一つ一つの所作がなかなか丁寧。そのあたりの作りはボンズらしさがあるのかもしれない。
作画面で表情を評価したが、演出面でも評価する点は幾つか。
表情の映し方、カメラの距離感、意味のある目線が細かかった。
どの場面でもしっかりキャラに表情がついていたし、その表情の拾い方も毎度絶妙。アップや引き、横構図などで見せる表情も場面にハマっていて見事だった。

・画面に更に加えられる美しさ
とにかく綺麗だった画面は、丁寧な作画や美麗な美術背景にあったが、その上で、撮影処理で空気感や光の調整などを加える事によって更に画面の見栄えが増していた印象。
演出的な意図も常に感じることが出来た。


【op&ed】4.7
安藤監督のopも素晴らしいが、出合さんのedも雰囲気があって実に魅力的。
色彩や花も美しく、この作品のイメージに合わせてきている。

【キャラ】4.75
・主人公兼ヒロイン
魅力的なヒロインでもあり、真っ直ぐで行動力がある主人公でもあり、時には可愛く美しい見事なキャラクター。
強いのに弱い。女性らしい魅力が沢山詰め込まれている。デザインも可愛く、作中でも始終可愛く描かれている。

・本物の王子様
王子様系ではない。本物の王子様。性格も声もビジュアルも。文句の付けようがない王子様。ときめいてしまう。

・安定感のあるサブキャラ達と徹底された悪者
ヒロイン周辺はとにかく良いキャラが多い。勿論性格もだが、アニメ的にも非常に魅力的でまた、個性と感情を兼ね備えている。
この作品の悪者はとにかく悪い。悪者と良い人の差別化が凄くはっきりしてるから、味方キャラの活躍がより一層際立つようになっている。

・恥ずかしいセリフ
沢山あります。苦手な人は少なくないかも。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

63.0 4 誘拐でファンタジーなアニメランキング4位
彼女が公爵邸に行った理由(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (105)
312人が棚に入れました
6ヶ月だけ婚約者のふりをしてください! 謎の死から目覚めた「凛子」は、マクミラン家の娘「レリアナ」として転生!? 突然、謎の死を迎えた「凛子」は、小説の中の富豪の娘「レリアナ」として転生する。 しかし、レリアナは脇役であり、近いうちに命を落とす運命だった。 レリアナを殺害するのは、婚約者である「ブルックス」である。そのことを小説のストーリーで知っている「レリアナ/凛子」は、彼との婚約破棄を目論む。 そこで彼女は王国の実力者である王位継承序列1位の公爵「ノア」に近づき、ある取引を申し込む。 それは「6ヶ月の間だけ婚約者のふりをしてほしい」というものだった。 果たして2人の取引で、彼女は死の運命から逃れることはできるのか!?
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

韓国版悪役令嬢系...?

{netabare}
日本でアニメ化された韓国のWEB小説。
舞台や名前は日本風に替えられていて、日本人が見ても違和感は全くない。
ただ、面白いかと言われるとどちらとも言えない。

日本の色んな転生モノ、令嬢ものと同じく、死の運命にある小説の中のキャラに転生するところから始まり。
言ってしまえばこの設定の時点でもうおなか一杯なのだけど、この作品の一番致命的な点は悪役令嬢モノの数少ない面白い要素も削ぎ落したような内容なこと。
婚約者であるブルックスに暗殺される運命にあるから、ノアと婚約を結んでいるように見せかけました、で諸問題がすべて解決。
他の悪役令嬢モノのように次々とバッドエンドフラグが現れてくるなんてこともなく、ノアと婚約者のフリをするという内容で一貫。
偽の婚約者だとばれそうになるなんてこともなく、あとは普通の恋愛物同様に婚約者のふりなんて話は忘れてイチャイチャしてるだけ。
恋愛アニメとしては一切特徴もないありふれた話。

主人公と関わってこようとする騎士や神官などが現れたりもするけど、サブキャラクターの話は特に面白くない。
サブキャラとの何かしらの関係があるわけでもなく、ただ適当にどうでもいい話をして終わりな上、その話も全く面白くない。

メインのストーリーは、なろう的なノリが始まってしまうとつまらないけど、ノアとレリアナの絡み、恋愛部分の描写は悪くない。
最初は無感情そうなノアが段々とレリアナを意識していく過程は丁寧だったと思う。
特に花火見ながらの船上での告白はロマンティックで良かった。
てっきりレリアナの方がノアに積極的にアプローチするのかと思ったけど、アニメの範囲だとノアからの一方的な愛で、レリアナは引き気味に終わってしまった。
本当にノアのことが好きだからこそ、ノアのことを考えて本来の嫁であるベアトリスに自分の座を託そうとしているのは素敵ではある。
ただ、現在のノアはレリアナを求めるのだろうけど...。

OPだけど、efやら色んな作品からツギハギしたような映像、全く迫力の無い銃の構えは何ですか...。
曲自体はOP、ED、特殊ED共全部素晴らしかった。

私的評価:46点
私的ベスト回:6話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
これ転生モノかよ。何このefみたいな映像。OPいいなw 作画大丈夫か。
まーた悪役令嬢かよ。なんだこいつ。
その本にワインをかけろとか書いてたんか?w
性格良さそうだったのにお前が変なことして化けの皮剥がしたんやろw
ブルックスと付き合ってたら殺されるって断定出来るのはなぜ。可哀想。
NTR 急に無かったことにって…。
まあ落ち着いた雰囲気なので好みではあるかな。

2話 ☆7
まるで悪役令嬢。良い親だ。時限爆弾通じるのか?

3話 ☆7
お前から持ちかけた取引なのに皮肉言うなw 堕ちてて草。は?

4話 ☆5
お前が頼んだ側やろ。でかい。煽り厨。この話いるか? あほくさ。
警備ガバガバで草。人の作画が雑すぎる。

5話 ☆5
この時代に森中で大声出したところでw 主人公やんけ。
魔物とかおる世界観なのかよ。ナイスキャッチ。銃持った瞬間イキるなや。
ミツハ化するな。

6話 ☆7
普段もこの格好でお願いします。テイラー卿好き。
今更だがこれ韓国原作かよ。韓国でも転生モノ流行っちゃってるのか…。
変態だ…。怖気すぎでは。誰やねん。これスパイ教室じゃん。
大胆な告白。特殊ED? いい最終回だった。

7話 ☆6
イチャイチャアニメになってて草。こいつも戦うんか。
ノアにも渡してあげて。効いてて草。この展開飽きた。

8話 ☆5
赤イライラで草。でも、狩ってきたのドラゴンじゃないw
もうマクミランとズブズブだな。性格が悪い。石田声あってなくない?
これ面白くない展開になりそうw

9話 ☆5
けど死んでるじゃん。神官と思われてんのかw 都合のいい魔法があるんだな。
母国語出てますよ。てか逆再生やめーや。セイカちょっと可愛い。

10話 ☆5
よくわからん方向に行ってるやん。セイカの立ち位置謎だな。
話ても問題ないやろ…。お前が頭冷やせやw 早見沙織

11話 ☆5
前回出てた人か。怖い。結局さっきの怖いやつ何だったんだよw
大半のラブコメに対する挑戦。アダムの影薄くなりすぎじゃない?
ベアトリス探してどうするねん。

12話 ☆6
ベアトリスじゃなくて草。またイケメンが。
変えてしまったというか帰る気満々だったよな
マクミラン死んでるキャラなのか。
なんでそんなにベアトリスと会いたいのかw
こいつそんな優しい性格だったんだ。
ノアからの一方的な愛で終わった。何も解決してないじゃんw
こいつクズすぎるやろw

曲評価(好み)
OP「SURVIVE」☆8
ED「Always and Flower」☆8.5
6話ED「fireworks」☆8.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

目覚めたのは、小説の世界。死の運命から逃れるためにレリアナがとった方法は悪魔よりも凶悪な顔を隠した王国の侯爵との取引

この作品の原作は未読です。
最近、女性の異世界転生や転生後の世界における悪役令嬢というキーワードをよく目にします。
このジャンルは最近の流行なのでしょうか。

異世界転生の中でも既にカテゴライズされているような気がしているのは、きっと私だけじゃ無いと思います。


6ヶ月だけ婚約者のふりをしてください!
謎の死から目覚めた「凛子」は、
マクミラン家の娘「レリアナ」として転生!?

突然、謎の死を迎えた「凛子」は、小説の中の富豪の娘「レリアナ」として転生する。
しかし、レリアナは脇役であり、近いうちに命を落とす運命だった。
レリアナを殺害するのは、婚約者である「ブルックス」である。

そのことを小説のストーリーで知っている「レリアナ/凛子」は、彼との婚約破棄を目論む。
そこで彼女は王国の実力者である王位継承序列1位の公爵「ノア」に近づき、
ある取引を申し込む。

それは「6ヶ月の間だけ婚約者のふりをしてほしい」
というものだった。

果たして2人の取引で、
彼女は死の運命から逃れることはできるのか!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

異世界転生モノでしたが、悪役令嬢の設定ではありませんでしたね。
…というより、物語が普通に面白かったと思います。

転生した世界は自分がよく見知った物語の世界で、その後の展開を知っているので、自分の身に降りかかろうとする厄災を全力で阻止しようとする…

この設定だけみるとありきたりなのですが、物語の展開そのものがとても面白い…
自分が物語の流れを変えてしまった結果、展開が予測できなくなる点や、例え展開を知っていたとしても常に身の危険に晒されている点など、息つく暇すら無い怒涛の展開ラッシュ物語が動いていくので見応えが十二分にある作品です。

ヒロインは宮本侑芽さん、そのヒロインが取引を持ち掛けた現国王の弟で第一王位継承者であるノアを演じるのは梅原裕一郎さん…
しかし、梅原さんもメッチャ色んな作品に出演されていますよね。
「ゴブリンスレイヤー」とか「慎重勇者〜この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる〜」など…
どちらも主役を演じているのですが、飄々且つ淡々とした演技の中に熱いモノを感じることのできる役者さんだと思っており、安心感と安定感が高いレベルで推移している方だと思います。

そして、もう一つ…
この作品は韓国の作品なんですよね。
最近、韓国発の作品の中で結構面白いと思える作品をちょいちょい見かけます。
現在放送されている「外科医エリーゼ」や「俺だけレベルアップな件」なども韓国発の作品となっています。
日本のアニメ業界も頑張って欲しいですけれど、適性な労働時間と賃金により優秀な人材をしっかり確保・育成できれば、日本のアニメはまだまだ伸びると個人的には思っています。
また、そうなることを強く願っています。

アニメ制作に携わる作り手の皆さまは、日本のみならずその道のプロです。
一朝一夕で成せる業の持ち主ではありませんので、大切にされて欲しいです。
もう誰一人として凄惨な事故などに誰も巻き込まれないことを切に願っています。

オープニンブテーマは、MindaRynさんによる「SURVIVE」
エンディングテーマは、SERRAさんによる「Always and Forever」

1クール全12話の物語でした。
面白く見応えがあっただけに、物語が途中で終わってしまったのが残念で仕方ありません。
原作も完結しているようなので、続編が制作されることを期待しています。
ここでおわっちゃったら勿体ないです!
是非宜しくお願いします。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

公爵が彼女に甘々な理由

最近増えてきた女性作者の異世界転生恋愛アニメ
ノアやキースやアダムがカッコ良かったしレリアナも可愛くてすごく面白かったです!
女性向けのシナリオだけど、BLじゃないし逆ハーレムでもないノーマルなラブロマンスなので男性でも楽しめると思います、謎や駆け引きも面白いけどそっちはメインじゃないと思う

最初は恋愛アニメってわかってなかったから、レリアナに都合良すぎない?そんなんでうまくいくわけないでしょって思ったけど
恋愛ドラマは細かい事を気にしちゃいけないんですよ、だって愛に理屈なんてないのですから
{netabare}
たぶんノア様は最初からレリアナの脅しはどうとでもできたけど、レリアナのことが気に入ったから契約に乗ってくれたんですよ、
私の勘違いで、実はそれも演技かもしれませんけど、はっきりノアの心情を描写せずにミステリアスな雰囲気で「ノアはどこまで本気なの?!」と想像させるところが上手いと思う

どっちにしろ、なんか全部ノアのてのひらのうえって感じでレリアナがぽんこつに見えてきました!

レリアナは契約上の関係とドライに見ているけど、ノアは無自覚なんだと思うけど、レリアナに少しずつ惹かれていってる
たぶん最初はちょっと面白いご令嬢だなくらいしか思ってないと思うけど、常にレリアナよりもノアの想いのほうが強そうに見えるんですよね

自分が罠を仕掛けたと思っていたのに、罠にかかっていたのはレリアナのほう
そう、ノアがレリアナに甘すぎるように見えるのは、転がり込んできた美しい令嬢をどうやって可愛がってやろうか?っていう勝者の余裕でした
レリアナは自分の容姿が美しいことは自覚しつつも、男性からの好意に鈍感すぎるんですよね、だから相手が自分に好意を向けている可能性を考えずに深読みしすぎちゃう
ぽんこつすぎてホントかわいい

ただの契約と言い聞かせながらもノアのてのひらうのえで、少しずつ公爵様に惹かれていくレリアナが可愛くて、でも進展しそうでなかなか進展しなくて
これ、話終わるの? 中途半端なところで終わりそう・・・って思ってたら最終回で酔って寝ているところにキスするノアが見れてとても素敵でした!
本当はちゃんと起きてる時にして欲しかったけど、それはまた2期のお楽しみってことですね
{/netabare}
2期、期待していいですか?

キースやアダムもとても良かったけど
とにかくノアがカッコ良くて、ミステリアスで何考えているかわからない思慮深さが最高でした!
イケメンで腹黒くて、主人公や王族・貴族との腹の読みあいが面白い
はめふらも好きだけど、やっぱりハーレムよりも一人、圧倒的に魅力的な人と結ばれるラブコメが好き(結末知らないのでこれからどうなるかわからないけど)

まだまだ陰謀の全容が見えてない感じだし、小説の主人公とか転生前の謎とかいろいろ気になることありますね
なによりもレリアナとノアが結ばれるところが見たいので2期期待したいけど、厳しいかなー?


【貴族社会がゆるいのが残念】
舞台は中世風なのに、18世紀くらいの王権が衰退したとか、産業革命?とか、19世紀末の石油産業とか出てきていつの時代なの?
それと貴族社会の爵位の差とか貴族と平民の身分の差とかがゆるいし、貴族らしさに欠ける人も多くて、世界観にこだわりは感じられません
細かいところだけどどうせ「こうなったらいいのになー」をカタチにするならそういうところもちゃんと妄想してこだわって欲しかった

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

77.6 5 誘拐でファンタジーなアニメランキング5位
魔王城でおやすみ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (426)
1714人が棚に入れました
かつて、人と魔が交わり、共に存在した時代。魔王は人間の姫をさらい、自らの城に幽閉した──。囚われのスヤリス姫は、檻の中でつぶやく。「…寝る以外…することがない」牢をこっそり抜け出して、よりよい安眠を求め魔王城を…探索!?自由気ままな人質姫が魔物たちを巻き込んで好き勝手!! 新感覚、睡眠ファンタジーコメディ!

声優・キャラクター
水瀬いのり、松岡禎丞、石川界人、小林親弘、下野紘、小山力也、高橋伸也、山根雅史、相馬康一、大原さやか、黒田崇矢、大塚剛央、大橋彩香、諏訪部順一、佐倉綾音
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3ヶ月、これを観た後にスヤ~習慣w

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
魔王城に囚われた人間のお姫様が、自らの安眠のために魔王城で暴れまくるドタバタコメディ。

基本的に悪い人がいなくて、平和で優しく可愛らしい物語。日々の疲れを癒されたい人にはオススメかも。

評価は☆4に近い☆3とします。レビューでは、好きな話を具体的に紹介。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
序盤は癒し系でもあり、独特のコメディで笑えた。ただ、

①姫が困る。②寝具を探して大暴れ。③魔物が困る。④姫がスヤ~。

の展開が続き、中盤はややマンネリ化した。シチュエーション・コメディをアニメする難しさですね。中盤は☆2もいくつかつけた。

ただ、後半はかなり良く、☆4もちらほらと。(だから総合は☆3に)。

9話は、魔王側へのクエストがどんどん空回る様子が可愛く、姫の優秀な、というかちゃんと姫様としての側面がちゃんと出ていて、キャラ立ちもした良回。

また、10話の人間界に行く話も、平和で良かった。犬可愛いw そう思っていたら、魔属と人間のシリアスな話もあり、仲良くなる兆しもあり。

12話も、なんだか素敵な話。魔族と人間の架け橋に期待。

という具合に、むしろネタ切れ、、、ではなく、睡眠縛りが薄れた後半の方が面白くなっ、、た、い、、n、、sh、、、スヤ~( ̄q ̄)zzz
{/netabare}

【余談~皆さんには、寝具のこだわりあります?~】
{netabare}
寝具が自分に合うって、めっちゃ大事だと思うんですよね。

私は高校の頃から、マットレスはずっと低反発ですね~。初めて使った時、「これが熟睡か」と思った。テンピュールの良いやつは、実際、寝心地が全く違う。

腰痛持ちなので、一度、高反発試してみたけどダメだった。腰はともかく、肩が痛くなった。

布団は、基本はニトリとかにある、温度調整掛け布団が良い。オールシーズンいける。私、夏は冷房ガンガン効かせて、布団かぶって寝るのが、露天風呂みたいで好きなんですよ(笑)

枕も、基本は低反発。1度、セブンスピローも試してみたけど、変に力入って、自分には合わなかった。夏だけは、ニトリの3Dメッシュ枕がマジでオススメ。熱こもらなくて良い。

抱き枕は、なんだか恥ずかしくて使えない(笑) 流石に、オッサンに抱き枕はキツイ(笑)

ちなみに、冬は極寒なので毛布使いますが、毛布の正しい使い方は、掛け布団の上に掛けるって知ってました? でも私は、毛布の肌触り好きなんで、掛け布団の中に入れちゃいますけど(笑)

寝具にこだわる姫、なんだか感情移入してしまいました(笑) 人生のうち、30年近くは寝ているわけですし、そこを快適にするのは人生を楽しむコツ!
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
呼ばれてやってくる熊のぬいぐるみが可愛いかったな。

2話目 ☆3
蚊帳、大事だな~。日本の蚊帳は性能良いから、アフリカとかでかなりマラリアを防いでいるらしいね。

3話目 ☆2


4話目 ☆2


5話目 ☆4
ハーピィ見つけて、それかい(笑) 兄(笑) タッチパロって、オッサンにしか伝わらないだろ。

6話目 ☆2
う~ん、ワンパターンなんだよな、やっぱり。

7話目 ☆3


8話目 ☆3


9話目 ☆5
この話は面白かった。魔王側へのクエストがどんどん空回る様子が可愛く、姫の優秀な、というかちゃんと姫様としての側面がちゃんと出ていて、キャラ立ちもした良回だと思う。

10話目 ☆4
人間界。犬、可愛いw 魔族側に立ったちょっとシリアスな話も、良かった。

11話目 ☆3
悪い意味で太陽のような人(笑) 勇者、怖い(笑)

12話目 ☆4
姫も、恥ずかしいとかあるんだね。クリスマスは、放送日合わせ? 金積まれて(笑) 良い演説。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

わたしは囚われの姫。。。?

アニメ化範囲は原作コミック既読。ごく最近の既刊は買っていません。毎週末、自宅近所の本屋さんでコミック物色しては購入、をしていた頃に偶然出会った作品でした。その本屋さん、お店たたんじゃったんですよね。結構残念。

既に物語を何らかの形で受け取った作品には手を出さない性質なので、本作も観るつもりはなかった・・・のだが。
うっかり1話を観てしまい、それ以降はわふわふしながら完走しちゃいました。

「物語」といえるほどの物語がなく(皆無ではない、というかマクロにはある)ショートコメディー基調であること、キャスト陣の好演、絵的な楽しさが僕を屈服させたのだと思う。いやほんと、良かった楽しかった。

良質なコメディーアニメとして、文句ない一作だと思います。

物語:
{netabare}魔族と人類が対立しているファンタジー世界。魔王は、人類のどこかの国の王女様(スヤリス姫)を拐かしてしまった・・・から始まる物語。快眠・安眠をもとめる姫の悪戦苦闘我が儘放題とそれに振り回される魔王城の面々で展開される秀逸なコメディー。

姫を拐かしたのなら、他にいろいろやりようもあろうけど、そんなこたぁどうでも良いのです。

原作に比べて勇者の出番がかなり多くなっています。ですが、特に変な引き延ばし感は感じませんでした。コミックのエピソードも適宜統廃合され、全体として上手く構成されていたと思います。原作の面白さを、アニメ化によってさらに引き立てた好例になると思います。
{/netabare}

作画:
{netabare}静止画として上、動画として中の上~上の下、といった印象。ぬるぬる動く作画がそこまで必要な作品ではないので、これで十二分だと思います。

キャラデザは原作の雰囲気を残しつつも、極めて上手にアニメ用に変換したのだと思う。原作の一巻を手にしたとき、正直「汚いな」と思ったのですが最近はどんな感じなのかな。ちょっと気になりました。{/netabare}

声優:
{netabare}本作の良さは、本に落とした段階できっちり計算されたであろうテンポの良さと、キャスト陣の好演に尽きると思います。

スヤリス姫と魔王タソガレはさすがの一言です。脇を固める面々、いずれも良かったと思います。正直、演技・ナレーション含めて何も思わない(とても良い意味で)。{/netabare}

音楽:
{netabare}OP曲の破壊力は、多くの皆様が言われるとおり。まさかこんなところで蝋人形オマージュが出てくるとは思ってませんでした。最初聴いたときは笑いすぎで咳き込みました。個人的には、[わたしは囚われの姫♪]~姫が牢の中で踊り~ふて寝するあたりが凄く好き(曲としても、絵としても)。もうちょっと絵を音に嵌めてくれたらなお良かったと思う。クラッピングを活かして欲しかったなぁ。OP映像に関しては、上記の踊るシーンと、冒頭の飛び出る絵本のシーンが印象的。

ED曲も悪くないとおもう。笑い転げてふわふわした心を、ちょうど良く落ち着けてくれた気がします。でも、ED後の次回予告の語りがたまに面白く、落ち着き台無しでした。{/netabare}

キャラ:
{netabare}どこまでも「いいやつ」しかいない世界。むしろ魔王城内で最も「悪」なのは姫本人だと思う。そして全員ほどよく間抜け(勇者のみ、だいぶ間抜け)。原作の力に他なりませんが、実に上手い設定だと思います。

ただ、魔王の対勇者戦略(ゲームバランス最重視)や悪魔修道士(見た目に反してかなりの高齢)の設定はもう少ししっかり、明示的に示した方が良かったかなとおもいます。
{/netabare}

[2021/01/18 v1]

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ハチャメチャな姫と不憫な魔族のドタバタコメディ

魔族が人間に振り回されているという王道の逆パターン。
声優はかなり豪華。
ギャグも面白かった。
ボーッとみるのに丁度いい良作。


↓↓各話の感想↓↓
{netabare}
1話の感想 ★★★☆ 3.5
攫われた姫
{netabare}
お姫様を攫うってのはよくあるシチュエーションだけど、今回の目的はなんだろう。
結婚したいとか、生け贄に捧げるのとかいろいろあるけど、今回はそのどれにも当てはまらない気がする。
邪魔なだけな姫をなんで誘拐したんだろう。{/netabare}

2話の感想 ★★★☆ 3.5
よりよい寝心地を求めて
{netabare}
幽閉みたいに全方位囲まれるのも辛いけど、こうスキスキなのも嫌だな。
布団が硬いはまだ我慢できるけど、うるさいや虫が飛んでるは我慢できないだろうな。
姫の気持ちも分からんこともない。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
魔導書と神器
{netabare}
魔王城に入れば最強装備を手に入れれそうだな。
魔王たちも姫様の脱走になれてきた。
ここまで来たら、魔王城も快適そうだな。
{/netabare}

4話の感想 ★★★★ 4.0
お風呂を作ろう
{netabare}
寝具関係は一通り揃ったから、次は眠るまでの過程を改善しよう。
髭もじゃ狼も2話で出てきたよりも軟らかくなった?
あれぐらいの小言なら我慢できそう。
季節が変わってたけど、姫が攫われてどれぐらいの期間が過ぎたんだろうか。
{/netabare}

5話の感想 ★★★★ 4.0
ハーピー
{netabare}
このハーピーの子、かわいい。
魔王軍の人たちも姫には申し訳ない気持ちがあるんだな。
でも、人間と魔族とは暮らし方が違うから。
これがもし他国とかならここまで暴走していないんだろう。
……いや、してそう。
{/netabare}

6話の感想 ★★★☆ 3.5
勇者は迷子
{netabare}
魔王軍は優しいな。
勇者を殺そうとはせず、姫にも罰を与えたとしてもジュース抜き。
なんて優しい世界なんだろうか。
魔王を寝かしつける話もあったけど、そこまで新しいことは起きなかった。
でも、次は新キャラが出そうな感じ。{/netabare}

7話の感想 ★★★★ 4.0
姫が誘拐される
{netabare}
ちょっといつもと違った展開に。
新たなキャラが出てきたけど、割とすぐに完結したな。
戦闘シーンにいってくれてもよかったけど、まぁそうはならないよね。
今回はいつもより面白かった。{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
勇者と姫との関係
{netabare}
勇者って姫の婚約者だったのか。
そりゃ、勇者も必死よね。
でも、姫さん名前すら覚えてなかったな。
勇者、乙!!{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
魔王のクエスト
{netabare}
初めて魔王側にクエストが発生した。
やっぱり、ほのぼの系のアニメにも変化が必要だよな。
そして、この作品の本質っぽいところに触れていた。
どうしてこんな優しい魔族と人間は争っているんだろうか。
まぁ、どうせしょうもない勘違いとかなんだろうな。{/netabare}

10話の感想 ★★★★ 4.0
人間界へ買い物
{netabare}
魔王視点で見ると、完全に人間が悪者だな。
ただ、人間視点からすれば普通に暮らしていたところにいきなり魔族が出てきたようにうつるんだよな。
姫さんが間に入ってくれたら、うまく終わりそうだな。
それが最後のサインと関係があるとみた。{/netabare}

11話の感想 ★★★★ 4.0
悪夢の正体
{netabare}
さっきゅん、かわいい。
ハーピーと同じくらい好き。
勇者の脳天気さは恐ろしいまである。
自分勝手じゃないだけマシか。
11話でこの感じだと、最終的に人間と魔族が仲良くなるまでは描かないっぽい。
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

68.7 6 誘拐でファンタジーなアニメランキング6位
今、そこにいる僕(TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (283)
1451人が棚に入れました
 50億年後の未来の戦争に巻き込まれてしまった平凡な少年のサバイバルを描く、少年冒険SF。「おじゃる丸」「こどものおもちゃ」の大地丙太郎が監督、助監督は宮崎なぎさ、則座誠。松谷修造(通称:シュウ)は、ある日、ララ・ルゥという水色の瞳を持つ少女と出会う。彼女は、地球の未来を左右する力を秘めたペンダントを持っており、それを狙うハムドという50億年後の未来の独裁者から逃れるため、現代にタイムトリップしてきていた。だが、すぐに追っ手に見つかり、ララ・ルゥと共にシュウも未来に連れ去られてしまう。そこは、海が干上がり、地表も9割が砂漠と化している、まさに死に瀕した地球だった。そのうえ、その少ない水と星の覇権をめぐって起こった戦争によって、殺戮と略奪が日常化していた。否応なく戦争に巻き込まれてしまったシュウは、同じくこの時代に連れてこられたサラとなんとか生き残る道を探るが…。

声優・キャラクター
岡村明美、名塚佳織、仲尾あづさ、今井由香、小西寛子、陶山章央、石井康嗣、安原麗子

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今、そこにいる僕…今、ここにいるあなた…そして今、そこにある危機

前回、とあるレビューで私はこんなことを口にしていました。
「とりあえず、今度は鬱アニメ探訪でもしてみるか…」
※Q.鬱アニメとは?
 A.世間一般におけるアニメの中でも、特にハッピーエンドで終わらない、とことん暗く重い作品を主軸、もしくは一部の展開とした作品の総称

勿論、これを書いた事は決して忘れてなどいません!
何を観ようか悩み、観てみたは良いものの、ストーリー展開の余韻に悩み、どう言葉にまとめればいいかで悩んだ事等、語る必要もありません。
という訳で、私の中で新たな可能性の扉が開いてしまった成果を今こそ、皆さんにお見せするとしましょう。
さて、今日ご紹介する作品は先日、どこぞの動画サイトで鬱アニメランキング1位を獲得していた物です。
昨今流行りの異世界転生モノの流れを見事になぞっておきながら、その残酷で無慈悲な展開は、現代の地上波で放送するには到底不可能な内容
○○○が暗喩的に描写されたシーンや主人公や他の子供達に対して行われる○○の横行には当時でも目を覆った人、見てられないと投げ出した人も多かった事でありましょう。
これをその時のテレビジョンではゴールデンタイムに放送していた事を考えると、改めて時代の寛容性、そして時代の移り変わりと言う時の流れの深刻性を肌身に感じてしまいます(これがたとえ、WOWOWのノンスクランブル放送(無料)であったとしても驚きです)
しかし、こういった情景が夢幻でないと断言出来てしまう情報化社会の今だからこそ、私達は最後までこの作品を語り継いで、教訓として生かしていかなければなりません。
そういった点において、今作は第1回目の紹介として最も相応しい作品と言える事でしょう。
『今、そこにいる僕』
今回はこの作品について存分に語っていくと致します。


まずはあらすじを簡単に説明しましょう。
ごく普通の中学生、松谷修造(通称、シュウ)
彼は自信を持っていた剣道の試合に負け、尚且つ相手のいけ好かない真面目イケメン君に好きな娘を奪われてと、意気消沈
しかし、何事にも前向きなのが彼の良い所
気を取り直して明日からまた頑張ろうと思っていた矢先、いつも自分の秘密基地として利用している煙突の上に見知らぬ少女が座っているのを発見する。
夕日を見ながら黄昏る彼女、同じように黄昏るシュウ
無口な少女と少し話してみて分かった事と言えば、名前をララ・ルゥと言う、ただ、それだけ…
ララ・ルゥに興味を抱いたシュウ
もっと彼女について詳しく知りたいと思った彼
再度話しかけようとしたその時、突然見知らぬ機械と人間が姿を現し、彼女を何処かへ連れ去ろうとする。
必死に助けようとした彼はその戦闘の最中、彼女と共に何処かへ飛ばされてしまう。
たどり着いた先は、未来の地球にある領域の1つ、「ヘリウッド」
シュウはそこで、ララ・ルゥを巡る過酷な戦争とその世界での圧倒的な現実を目の当たりにする事となる……

ここからは私の個人的感想に移っていきたいと思います。
さて、こういった暗い作品を観るにあたって、私は1つの取り決めを自分自身に課しておりました。
それは、このような暗い作品は必ず、毎日深夜に拝見していく事
鬱アニメは静かな、誰しもが寝静まった夜に観てこそ、最適な効果がもたらされると思っているのが私の持論です(笑)
今作もそのご多分に漏れず、1番影響力の強いであろう、その時間帯に視聴した次第
しかし、幸か不幸か…
私が全13話を観て思った事は、衝撃的な展開が多くあって驚いたものの、それによって私が鬱屈した感情に見舞われると言うのは終ぞ無かったな…と言う事です。
いや、この表現はあまり正しくないですね…訂正します。
実は、この『今、そこにいる僕』と言うアニメは1話毎に生じる「余韻」と呼ばれる感傷が実に凄まじい作品です。
普通のアニメだったら最終回を観終わった直後に、何とも言えない余韻が精神を侵して、何も手につかなくなると言う事がままあります。
このアニメはそんな、普通のアニメであったら最終回限定で起こるだろう「余韻」が毎話毎に生じてしまう…と言えば分かりやすいでしょうか?
暗い気持ちになる事は無かった物の、毎回、1話ずつ観る毎に「今日はもう、良いかな…」といった倦怠感、疲労感、達成感を感じさせる作品
しかし、それが決してつまらないと言う訳ではありません。
寧ろ、先の展開は気になってしょうがない類のアニメです。
これは終始、絶望的なストーリー運びのオンパレードで観ているだけでも暗い展開が次々と起こって来る事
しかし、それでも先が気になってしまうと言う引きの良さ
この2点に集中して依る事によって起こった事態と言えるでしょう。
そういった「余韻」と呼称された感傷的な気持ちを多くの方々が「鬱」と解釈しているのなら、これは文句なしの鬱アニメNO.1です(現時点)
はっきり言って凄まじい…
アニメの展開にハラハラしてどうなるのかと見入っていた所に、EDの子守歌
あれでどれだけ自分の心が落ち着いた事か…
これを観て、その歌を聴いた後はもう、早々と眠りにつきたくなります。
それはもう、嫌な事を眠って忘れる赤子の如く……
そういった訳で、1話1話の詰まった内容、そして、最後に訪れるEDで、この作品は唯一無二の不思議な空間を作り上げたと言えるでしょう。

-----------------------------------------
私達は踏み慣れた生活の軌道から放り出されると、もうダメだ…と思います。
しかし、実際はそこに、ようやく新しい良い物が始まるのです。
生命のある間は幸福があります。
レフ・トルストイ
-----------------------------------------
今作の主人公、松谷修造
良く言えば楽天的な熱血少年、悪く言えば後先を考えない馬鹿
このアニメを観た方なら彼に対しての印象は人によっては実に正反対で、2つの概念に分かれてしまうかと思います。
ここのサイトも見てみると、彼については評価が見事に二分していました。
その点を踏まえた上で、次にシュウに対して私が感じた個人的印象を書き連ねるとしましょう。
私はどちらかと言うと、好評、すなわち、楽天的熱血少年としてシュウを高く評価しています。
しかし、それ以上にこれが他の希望的作品であったなら、彼の様な主人公では駄目だったとも思っています。
それはこの物語におけるシュウの無力さ、無邪気さ、無謀さが及ぼした影響にこそ、今作の全てが委ねられていたからです。

詳しく説明するとしましょう。
そもそも、こういった「物語」と言う概念において「主人公」とは、その作品の写し鏡である事が多いです。
私達は主人公の眼から見た世界で物語を自然と認識し、知覚しています。
例えそれが感情移入できる代物でないとしても、自然に私達は彼の行動、働き等から架空世界を視認し、判断していくのです。
それは、感情の問題でなく、感性と悟性の共同作業
この絶望的なまでの世界観を表現するには、主人公自体が無力でないと話が成立しないのは最早、明白
この世界観で主人公が何でも解決してしまったら、他の数多ある異世界転生モノとの明白な隔離が出来ず、したがって製作者側の真意が視聴者に上手く伝わる事は無いでしょう。

上記を踏まえた上で改めて、この作品のテーマは一体なんだろうかと考えてみた時、私が感じたのは
「圧倒的な現実における人間の無力さ」「人間の真の強さは馬鹿にある」
と言う事でした。
「戦争」
それはちっぽけな「人間」と言う生物には到底背負う事の出来ない概念存在
こういったあまりにも大きすぎる物事に対して、それぞれの人々がどう向かっていったか、今作には全てが描かれています。
巨大な理解不能を受け入れる人々、受け入れずに抗う人々、扇動して利用する人々、受け入れる受け入れないの前によく分からない人々、全てが終わった一歩先の未来を見ている人々
この全13話において、そういった人物全てが巧みに描写され、最後の帰結まで見事に行われている…
これを終わりまできちんと描いた事については、もう、「よくやってくれた」と言う物です。
さて、その中でシュウと言う人間は徹底的なまでに抵抗し、そして、無常的なまでに何もできません。
しかし、ここで忘れてはいけないのが、彼が立ち向かう事を決して止めないと言う過程
普通の良識ある一般人ならもう無理だと諦めたり、自分が生きる為に媚び諂ったりするのに対し、彼はそんな事はしません。
何回も立ち向かって、その度に酷い目に遭います。
この行為自体にこそ、アニメスタッフの伝えたい意図、テーマがあったのだと私は感じます。
それこそ最初に言った
「圧倒的な現実における人間の無力さ」「人間の真の強さは馬鹿にある」
見事に体現していると言えるでしょう。
「愚直」とは「愚」かな位、「直」ぐと言う事
そんな馬鹿だからこそ見えている、見えてくる景色がきっと或る。
それこそ、『イワンの馬鹿』を書いたロシアの文豪、レフ・トルストイのように…
シュウもまた、抵抗する事によって、そこに全てが終わった一歩先の未来を感じ取っていたのかもしれません……
-----------------------------------------
社会には、人のうねりには勝てないのだと。
世の中には、どうあがいても覆せない理性があるのだと。

社会のちっぽけな詐術など、人の真の強さの前では無力に過ぎる。
『車輪の国、向日葵の少女』より
-----------------------------------------


今作を観終えた後で、私はある1つの短編について思い出しました。
そのタイトルは『さあ、きちがいになりなさい』
書いたのは、著名なアメリカの作家、フレドリック・ブラウン
交通事故で過去の記憶を失った新聞記者のジョージ・ヴァインが、自分自身をナポレオン・ポナパルトだと思いこんでいる偏執病患者のふりをして、精神病院に潜入すると言う物語です。
その話の中で、彼は、自分がジョージ・ヴァインなのか、ナポレオン・ポナパルトなのか分からなくなります。
しかし、人間と言うのは、そもそも彼のように弱い存在なのでしょう。
人間における「正常」という観念は、社会や共同体に固執した人達によって理性化された産物
自分がいかに能力がある人間かと言う妄想を語るハムド
自分の事を何の疑いもなく正常だと思い、やっている事がおかしいとまるで感じていないタブール
利己的行為の為ならば、反乱とはいえ手段を択ばないエランバ
私達はそういった害悪存在をこそ、きちがいなのではないかと解釈します。
しかし、そう思う心も安全圏にいる私達だからこそ、普通に認識出来る事
『今、そこにいる僕』の様な崩壊した世界で、自分は気が狂っていないという保証が一体何処にあると言えるのか?
そういった問いを私は自然と感じてしまったような気がします。
もしかすると我々の世界も、視点を変えれば「ヘリウッド」と同じ…
私達は少なからず狂気の中に生きていて、それを「信念」等と言う、聞こえの良い言葉に言い換えている…
そんな気味の悪い想像が浮かんでしまったのは、恐らく私だけでしょう……

シュウはあの後、どうなったのだろうと今になって私は考えます。
自分が世界を救ったと吹聴して回っていくのでしょうか?
自分の胸の内に閉まって、限りある大切な人生を生きていくのでしょうか?
彼がジョージ・ヴァインの運命を辿らず、ララ・ルゥの想いを胸に生きている事を願っています。
シュウと、このレビューを読んでいる方、そして今、ここに生きている事の幸せを偏に感じたくなる…
そんな冬の一時なのでした……

投稿 : 2024/06/01
♥ : 6
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

夕日が目に染みる...この作品を観て考えるべきことは多い

いわゆる「鬱アニメ」というジャンルで語られる事が多い1999年の作品。

物語の展開自体は確かに鬱で悲劇的だが、ただ単なる露悪主義的なものではなく、
内容にはしっかりとしたテーマとメッセージ(問題提起)を内包しており、
作品のラストも一筋の希望が見いだせるように描かれている。

決して観て楽しいという類のものではなく、非常にシリアスで重い(あくまでアニメとして)が、
目を背けずにしっかりと向き合って考え、観るべき価値のあるアニメだと思う。
(グロシーンなどそこまで直接的にキツい描写はありません)


☆物語☆

現代の中学生シュウが、ある日剣道の練習帰りに偶然出会った謎の少女、
ララ・ルゥを守ろうとすることがきっかけで、未来の地球?へと時空を移動してしまう。
その世界は水資源が枯渇し荒涼とした砂漠、不毛な大地が広がっているが、
人間は戦争を繰り返す日常を送っている。

(本編では具体的に語られないが、何かで見たんだけど、
どうやら50億年後の地球という設定らしく、太陽が肥大化し寿命が近いことが映像を見ても判る。
戦争によって荒廃な大地と化したのか、太陽の肥大化による乾燥なのか、その両方か、はハッキリとは判らない)

狂王ハムドが治めるヘリウッドで、捕らえられたシュウは周りと同様に強制的に兵隊にされてしまう。
その後シュウはララ・ルゥを助け出し何とかヘリウッドから脱出するが...

詳細な世界観や背景、人間関係など多くの部分が作中では語られることはなく、視聴者の想像に任されている。
オリジナルの1クールアニメでは、色々と詰め込んでしまって失敗するケースが多く見受けられるが、
(尺の足りなさや何を観せたいのかがボヤけているものなど)
本作は敢えて具体的な説明を省いて、伝えたいものだけを表現していると感じる。

鬱展開に関して具体的には、{netabare}拷問、拉致監禁、洗脳、強姦、殺人、死、{/netabare}といった場面が描かれており、
確かに今のアニメ事情を考えると、本作のような内容のものを作ることも、放送することも難しいし、
普段気楽に観れるような作品ばかり観ている人にとっては、なかなか衝撃的なものだろう。。

しかしながら、戦争という重いテーマを扱うにあたっては、中途半端なものを作っても意味が無い。
描かれている内容はフィクションではあるものの非常に生々しいリアリティを備えており、
現在の世界で起きている戦争(イラクやシリアなど)を見ても、
作品中と全く同じこと、それ以上に酷い現実があるのだから、
戦争がもたらすものはいつの時代も同じであり、
本作の表現の数々とメッセージが普遍性を持ったものであるという事は、観れば容易に理解できると思う。

EDが優れていることもあるが、毎回観終わった後の余韻をしみじみと感じる味わいがある。
最終話のラストシーンは非常によく出来ていて、夕日のシーンが感動的だが、
実際には殆ど主要なキャラに救いはない。

自分の考えでは、{netabare} ララ・ルゥは11話でシスに対して、
「世界がもうすぐ終わるのに何故子供を育てるのか?」と言っていて、
これは戦争によるものではなく先に書いた通り、
太陽の寿命が近いことを察していると解釈できる=あらゆる地球上の生命の絶滅。

そう考えると、ラストはララ・ルゥの行動により、未来に一筋の希望があるようにも思えるが、
戦争しようが止めようが、人類に残された時間は後わずかであり、
本当の意味での未来が無いことを表していると言えると思う。
だからこそ、命の尊さや有り方も、より一層重みを持って観る者に訴えかけるのではないだろうか{/netabare}


☆声優☆

今ではベテランの域に入っている名塚佳織さんだが、
台詞はあまり無いものの、本作がデビュー作?で、ヒロインのララ・ルウを演じている。
当然声も今とはだいぶ違う笑

アベリア演じる安原 麗子さんは、元アイドル少女隊のメンバーで声優としては本作がデビュー作?のようで、
若干演技が棒っぽい違和感は感じる。。

狂王ハムドのイカれた演技が特に良い味を出しているが、声優さんが好きに演じていい、と任された結果らしい。。
その他子役は実際の子供が多く出演していて生々しさがあり、
素人臭さはさほど無くしっかりと演じられていると思う。


☆キャラ☆

主人公のシュウは冒頭の剣道のシーンを見ても判るように、
場当たり的な言動を終始繰り返すアホキャラ。
不死身さ、ありえない身体能力など突っ込みどころは多い。。

どこまでもポジティブで正義感が強く、
正直感情移入や共感出来るようなタイプではなく、
今で言う、とことんKYな性格だが、他人の気持ちを理解せず、深く考えずに発するその言葉は、
絶望的な状況の中で周りに与えた影響を考えると、実は非常に核心をついたものでもあり、
物語上では欠かせない重要な役割を果たしている。

観ていて良い気はしないが、敢えてバカに描くことで、
共感は得られなくとも視聴者に考えさせようとしているのが、制作側の狙いだろう。
シュウの言葉をそのまま何も考えずに制作側のメッセージと受け取ってしまって、
「おかしい」「駄作だ」というのは非常に浅い観方ではないだろうか。

自殺や中絶、戦争が罪であることは一般的な倫理観として当然のことで、
シュウやシスが言うことはごく当たり前のことなのだが、
本作を観れば、あのような状況に実際に置かれた場合、果たしてそう言えるのだろうか?
どちらか一方が正しいとは決して簡単には言えないだろう、だからこそ深く考えさせられる。。
これは本編9話のラストなどを観ても同様で、
シュウの {netabare}「あいつも正しい気がする、でも同じくらい間違っている気がして...」{/netabare}
という台詞は本作を象徴するものの一つだろう。

ヒロイン的な役回りのララ・ルゥは口数が極端に少なく台詞量はかなり少ないが、
シュウに自身のペンダントに関して語った言葉やシスに対して何故子供を育てるのか?
といった問いかけなど、語った言葉殆どすべてが重い。
主人公シュウの軽さとは正反対にある描かれ方をしていて、
彼女の心中を察すると、想像を絶する悲しみや絶望しかないということがよく解る。

主要な登場人物の多くが苦境にあえぐこととなり、救われないが、
一人一人の存在、命の重さや尊さは、観ている側に充分伝わってくる。
また、狂王ハムドのクレイジーさも実に巧く描かれていてインパクトが有る。


☆作画☆

時代的にセル画アニメの晩年期にあたるが、
人物の描き方はさすがに今のアニメよりは劣るものの、当時を考えるとよく出来ている方だと思う。
荒涼とした大地や夕暮れに染まる街並み、要塞ヘリウッドなどの背景は非常にアナログの良さ、
手描きの温かみを感じるもので、作品の世界観を考えると非常によく合っていて味わいがある。

長濱博史監督など今では著名なアニメーターの方々が制作に参加しているというのも興味深い。


☆音楽☆

OPはラテンチックでありながら、哀愁を感じるメロディーが心地よい。
EDの夕暮れに染まる街と歌詞は、毎話見終わるたびに感慨に浸ることが出来る良曲。

特筆すべきは岩崎 琢氏が制作した作中音楽の数々。
改めてサントラをチェックしてみても、やはり素晴らしい出来。
(アニメのサントラの中でもかなりの完成度だと思う、オススメの一枚)

どうしようもなく絶望的で鬱な世界の中で、悲しみだけではない、
温かみや安らぎ、希望も備えている楽曲(standing in the sunset glow)は
作中で何度も流れる、涙無しに聴けない名曲。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10
ネタバレ

sekimayori さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Anywhere but here. 【64点】

戦争下の異世界(未来の地球?)に放り出された少年少女の運命を描くシリアスファンタジー。
鬱アニメ、という単語を軽々しく使いたくありませんが、これほど視聴が辛かった作品は他にありません。
何度、視聴を止めてここではないどこかへ逃れたいと思ったことか。
ストーリーや設定に粗は多く、決してお薦めはしないけれど、観た人の心には長く、重くのしかかるかもしれない作品。
{netabare}

本作では、子供向けアニメのような柔らかいデザインの登場人物たちが、理不尽で冷酷な世界に翻弄されていきます。
狂気に塗れた独裁、過酷な少年兵の生、連鎖する憎しみの環、流され続ける血。
粛清、略奪、強姦、復讐。
戦争という極限状態下での人間の獣性、残酷さを、露悪趣味かと疑うまでに真正面から描いている。

でも、最も辛かったのは、主人公シュウを通して、人の無力さをむざむざと見せつけられたことです。
無力さの第一は、極限の環境や血の連鎖に対する個人の無力さ。
そこだけは子供向けアニメに倣ったかのようなシュウの頑健さを以てしても、狂王ハムドは止められない。
「生きていればいいことがある」を連呼し、近代的な価値観を少年兵たちに押し付けたところで、その苦境から脱する手助けにはならない。
ザリバースの民の復讐計画を思いとどまらせることすらできない。
理不尽に対する無力感、やるせなさを、視聴者に(様々な意味での)夢を供給してきたアニメという媒体でこれ以上ないほど描いているのが皮肉と言うか何と言うか。

第二は、傷つけられた他人に対する無力さ。
これはシュウとサラの関係性において顕著でした。
人違いで拉致された挙句、強姦され望まぬ妊娠をし、中絶未遂にまで至ったサラに対してシュウがかける言葉は、ここでも「生きていればいいことがある」。
はっきり言って視聴中は虫唾が走りました。
サラの苦しみを理解もせず、無責任な楽観論で痛みを更に抉るのか、と。
でも、もし自分がサラの横に居たら何ができるのか、どんな言葉をかけられるのかを考えたとき、答えは何も浮かばないのです。
時が痛みを解決してくれるだろうと、そっとしておく?
本作の世界では、明日の夕陽を眺めることすらできないかもしれないのに。
辛かったね、と寄り添う?
その辛さを理解できようはずもないのに。
では、マッチョイズムを発揮して抱き寄せ、人の温かさを伝えてあげる?
その熱を持ち頑強な肉体が、彼女を弄び苛んだのに。
たとえ真に理解できなくても、苦しみを取り除けなくても寄り添うことが人と人との関わり方だと信じたいけれど、残酷な世界ではその小さな理想さえもあまりに儚く思えます。
(ただそれにしても、シスまでサラにあんな言葉を投げかけたのは理解ができない。女性が観たらどう思うのでしょうか?)

物語ラスト、現実世界に戻ったシュウの目は、赤い夕陽の向こうに何を見ていたのか。
不覚にも、「生きていればいいことがある」という無垢な願いがまだ彼の中に残っていることを祈らずにはいられませんでした。


以上のように陰鬱さの質量では他に類を見ない本作ですが、ただ、その重さが視聴者全てに響くかというと、そうは言えないように思えます。
ストーリー展開や設定の整合性についてはお粗末でしょう。
現代から水持ってくればララルゥ要らないし。
シュウがララルゥに拘る理由もわからない。
ハムドが権力を把持し続けられる理由や、アベリアの盲信の根拠も明かされない。
私は本作の無力さの描写に圧倒され途中から粗に目を向ける余裕すら失ったけれど、冷静な目で再視聴すると、露悪的な描写が鼻につく、という感想を抱く可能性も否めないかと。
テーマの重さを支えるには、もっと設定や物語の堅牢さが欲しくはあります。

その他、なけなしの温かみを感じさせる音楽面や、基本は実直かつ魅せる部分は魅せる演出は、丁寧に作られていたと感じました。
特にサラ関連で、花の散り落ちるシーンと断髪のシーンは、久しく忘れ得ぬだろうと確信するほど印象的でした。
残酷で悲劇的な場面(落花については言うに及ばず、断髪も幼い自分と決別せざるを得ない理不尽な旅立ちのシーンだと思う)が最も美しいことが、この作品を象徴しているようにも思えます。

あ、よく鬱アニメとして名前が挙がるリヴァイアスですが、あれ希望の物語ですよ。{/netabare}


【個人的指標】 64点

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

72.7 7 誘拐でファンタジーなアニメランキング7位
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (368)
1362人が棚に入れました
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう...そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?勘違い? 人たらしラブコメディの幕が再び上がる。

声優・キャラクター
内田真礼、蒼井翔太、柿原徹也、鈴木達央、松岡禎丞、岡咲美保、水瀬いのり、早見沙織、増田俊樹、和氣あず未、子安武人、上坂すみれ、白井悠介、小倉唯

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

なんだか物足りないような

続編は破滅フラグがもはや立てようがなくてひと段落しているのかドラマチックさに欠けている感じなのかなあ。
畑仕事に精を出して恋愛なんか興味ないという風だったけれども、意識させるような出来事ありで周囲の感情もはや駄々洩れ。
内容としてはそんな感じ。

うーんなんだか物足りないなあ。というわけで流し見してしまった。
声優は相変わらず良いんだけどね。

OP
アンダンテに恋をして! angela
ED
give me ♡ me 蒼井翔太
挿入歌
あなたがくれたヒカリ angela


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
公爵令嬢、カタリナ・クラエスは、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで殺されてしまう...そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!!そして無事、破滅フラグを回避したカタリナに新たな危機が!?勘違い? 人たらしラブコメディの幕が再び上がる。

第1話 破滅フラグを回避したので文化祭で浮かれてしまった…
公爵令嬢カタリナ・クラエスは、自らに降りかかる「破滅フラグ」を見事回避して、学園生活を満喫していた。そんなある日、学園祭が開催されることを知ったカタリナは気合充分。準備に追われるジオルドたち生徒会と別れ、どんな物を食べようかと考えるのだった。

第2話 悪役になってしまった…
生徒会が主催する演劇で、役者の一人が怪我をしてしまい、急遽代役を探すことになってしまう。開演までの時間が刻一刻と迫る中、ソフィアたっての希望で代役を引き受けることになったカタリナ。どこかで聞いたことがあるような内容の台本を受け取り、彼女は舞台に上がるのだった。

第3話 囚われの身になってしまった…
舞踏会に向かう途中、何者かに誘拐されてしまったカタリナ。自分が誘拐されたことに実感が沸かず状況を飲み込めていない彼女は、部屋を訪れた犯人に自分が誘拐された理由を聞くも、はぐらかされてしまう。一方、犯人からの脅迫文を受け取ったジオルドは、カタリナを救出すべく調査を開始するのだった。

第4話 色っぽい執事と仲良くお茶をしてしまった…
カタリナ・クラエス誘拐事件の裏で暗躍していたのは、思いも寄らない人物だった。真犯人から聞かされる事件の真相に驚くカタリナ。しかし、彼女の明るさに心を揺り動かされた犯人は、次第に自分のことについて語り始める。そんな中、カタリナは犯人にある提案をするのだった。

第5話 弟たちへの愛が溢れてしまった…
カタリナ・クラエス誘拐事件の解決から一夜明け、王宮では第一王子ジェフリー・スティアートが、婚約者であるスザンナ・ランドールに自分の弟たちの素晴らしさについて熱弁していた。時を同じくして生徒会室で仕事に追われるジオルドとアランは、兄と過ごした幼いころをしみじみと思い返すのだった。

第6話 ひと夏の冒険をしてしまった…
ジオルドの熱烈なアプローチにたじたじのカタリナ。前世でも恋愛経験のなかった彼女は、どうしたらいいかわからずにいた。そんな中、王家の別荘への招待状を受け取ったカタリナは、気持ちの整理がつかないまま、別荘を訪れることに。しかしそこには、「幽霊が出る」という曰く付きの森があるのだった。

第7話 願いが叶ってしまった…
魔法省で働くラファエル・ウォルトは、見学に訪れたカタリナたちと再会する。一同はラーナ主導の元、古物商から手に入れたという魔法道具の実験を行うことに。『夢が叶うドールハウス』と名付けられたボロボロのドールハウスを前にカタリナは、固く閉ざされていた玄関の扉を開けてしまうのだった。

第8話 お見合いしてしまった…
ニコルは、かねてより相談されていたお見合いを受けることを決める。応募者たちとお見合いを進めていくニコルだったが、カタリナのことを思い浮かべてしまい、縁談は中々まとまらずにいた。そんなある日、妹のソフィアから気分転換にとロマンス小説を勧められるのだった。

第9話 キースがいなくなってしまった…(前編)
ジオルドの事を意識してしまい、戸惑うカタリナ。次の日、実家に戻った彼女は気分転換のため農作業に勤しんでいた。作業を終えたカタリナは立派になった農園を見せようとキースの部屋を訪れる。しかしキースは、部屋に居らず、残されていた手紙には「家を出ます」と記されていたのだった。

第10話 キースがいなくなってしまった…(中編)
キースを探すため、ラーナの協力を得て旅に出たカタリナたち。キースが失踪したのが自分せいだと思っているカタリナは、訪れた街でキースの手がかりを必死に探すも、有力な情報は得られずにいた。そんな中、囚われてしまったキースは、残してきた姉の身を案じるのだった。

第11話 キースがいなくなってしまった…(後編)
キースが誘拐されたと知らされたカタリナは、キースを助け出すため、アレクサンダーが指し示す屋敷へと向かう。マリアが強い闇の魔力を感知する中、屋敷内へ入り込んだ一同。厳重な警備を掻い潜り隠し部屋へとたどり着いたカタリナは、手足を縛られ横たわるキースの姿を見つけるのだった。

第12話 卒業式がやって来てしまった…
ついに今日、カタリナ・クラエスは魔法学園を卒業する。2年間の学園生活を振り返りながら、大切な仲間たちとの会話に花を咲かせるカタリナは、式後に王宮で開かれるパーティーへと参加する。そこでジオルドを始めとしたカタリナに想いを寄せるメンバーからの思い思いの告白を受けるのだった。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

破滅フラグは何処へ…

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
最近、まややん主演の作品が少ないので、この作品の視聴は絶対に外せませんでした。
それに、はやみんやいのりちゃんも出演されていますしね…

物語の方は、カタリナたちが満喫している魔法学園での出来事が中心に描かれています。
この作品のタイトルは、「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」ですが、悪役令嬢のお姿は一体どこへやら…といった感じです。

時折、カタリナ脳内会議なる催しが幾度も開催されますが、彼女自身の立ち位置を決定付けているのは、熟考したときではなく無意識や咄嗟の言動が殆ど…
じゃぁ、あの脳内会議に何の意味が…!?
という点には触れないでおきましょう。

さて、今回はタイトルにもなっている、カタリナを貶める「破滅フラグ」は、すっかり影を潜めていました。
寧ろ、逆ハーレム要素だけが半端無く強くなった印象を受けたのは私だけでしょうか…

でも、カタリナの場合、逆ハーレムとは少し違うんですよね。
一般的に複数の異性を侍らせるのがハーレムの定義だとすると、カタリナの場合には同性からも異性同様の人気がありますから、見ていて特有のいやらしさを感じないんですよね。
まぁ、急に色恋沙汰に対して訳が分からなるなどの「あざとさ」が感じられないのも好印象…

そういえば、この作品がwikiで紹介されていましたが、ジャンルは「異世界ファンタジー、喜劇」だそうです。
異世界ファンタジーは理解できますが、喜劇…!?

カタリナが国外追放や死亡という結末を回避するため奮闘を繰り返していましたが、それを「喜劇」とバッサリと切り捨てて良いのでしょうか…
まぁ、カタリナがフラグを回避するため「奮闘」していたと言うのは、少し言い過ぎかもですけれど^^;

しかし、カタリンは同性異性の分け隔てなく誰からも好かれる理由は一体何なんでしょうね。
彼女の何がそんなに周りの人間を魅了するのか…
誰にでも分け隔てなく接する点は彼女の魅力の一つだと思いますが、これは決して特別なことではありません。
農作業に命燃やしている点は貴族としては珍しいと思いますが、これだって特別枠に括れる行動ではありません。
もしかすると、そういうオーラを身に纏っているとか…?

公式サイトのキャラ紹介欄には「無自覚に人をたらしこむ天性の人たらし。」と記載されていましたが、これが本当なら一番質の悪いヤツかもしれません。
時には無自覚も罪…ということをカタリナに是非教えて差し上げたいですよ。

と、カタリナの魅力の本質はさっぱり分かりませんでしたが、1期同様しっかり堪能させて貰いました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、angelaさんによる「アンダンテに恋をして!」
エンディングテーマは、蒼井翔太さんによる「give me ♡ me」

1クール全12話の物語でした。
そう言えば、映画化が決定したみたいですね。
最終話に、伏線が含まれていたのでもしや…と思っていましたが、想像以上に早めに発表されたのは嬉しいサプライズでした。

カタリナの破滅フラグ回避に向けた雄姿をしっかり見届けようと思います。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

せっかく綺麗に終わった「はめふら」なのに、

どうして、人気があったからって、
無理やり2期制作なんてしちゃうんですか?!
って、正直言って、思っていました。

どうせ1期で勢揃いした攻略目標キャラたちと、
カタリナとの間でちょっとした揉め事や行き違いが起こって、
派手派手にハート飛び交う賑やかな逆ハーレムでしょって。

あるいは、ひょっとしたら、
乙女ゲーム「フォーチュンラバー」の続編が、
元の世界で発売されていて、
カタリナには新たな破滅フラグが林立するの?
なんていうことも想像していたりして、
どっちにしても、
自分が生き残ることに全精力を傾けているうちに、
悪役顔+農業スキル持ちの真っ直ぐな女の子になってしまって、
みんなを虜にしちゃうカタリナが可愛いから、
やっぱり観てしまったわけですね~(笑)

そうしたら、私の予想は、{netabare}だいたいは当たっていて、
破滅フラグ回避に成功したカタリナと、
ゲームでの主要キャラだったカタリナを取り巻く子たちの、
楽しくてキャッキャウフフで、
でもカタリナが誘拐されたりキースが行方不明になってしまったりして、
それなりに、ゲームのあとの人生、
賑やかで充実してて、
トゥルーエンドじゃなくて、
友情エンドで、みんな、かえってハッピーでよかったね!
なんていう感じではあったんですけど、
同時にストーリーの中に、魔法省での不穏なフラグをいっぱい立てる準備も、せっせと進められていて、
ああこれで、3期か、劇場版に繋げるわけなんだって、
けっこうあからさまに展開していたのは、
まあいいかもね。
私の予想も全然ハズレってことでもないしね~
なんて感じではあったし、実際、最終回のあとに、
新しい破滅フラグとつづきは劇場版で!
という終わり方。

それだけなら、やっぱり続編ってこんなものだねーって思うんだけど。

予想もしていなかったけど、
第8話に凄く、魅了されてしまいました!
たぶん、劇場版で活躍することになる新キャラ「フレイ」と、
お馴染みキャラ・伯爵家の「ニコル」の、お見合い。
お互いに婚約する気はないままに会って、
でも隠すことなく本音をさらけ出して。

この第8話こそが、はめふらXの真骨頂なんじゃないか!って強くつよーく思います!!!

なんの事件も、派手なアクシデントも起きないのに、
麗花爛漫のお花畑と花びらいっぱい。
美しく抜けたような空。
夕日に映える雲。

二人の心情と相まって、すごく、凄く。
美しい!

この第8話の背景美術だけが、まるで別の作品のように素敵で。

ああ、制作の方たちは、この話のため、美術のために、
この第2期を作りたかったんだー
そう思ったら、なんか涙が・・・

それで、けっきょく。
このお話は、はめふらの続編ではあるけれど、
独立した「はめふらX」という作品なのだ。
と、納得してしまったのです。

私がチョロいだけなのかも知れないけど、
実際に劇場版制作は告知されて半分予想は当たりなのかも知れないけど、
どうせ1期のキャラでドタバタ+ラブコメやるだけでしょ?っていう予測は
{/netabare}見事に斜め上にハズされて、
すごく、
良かったなあって、
そう思っています♪

投稿 : 2024/06/01
♥ : 44

77.7 8 誘拐でファンタジーなアニメランキング8位
薬屋のひとりごと(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (360)
1247人が棚に入れました
大陸の中央に位置するとある大国。その国の帝の妃たちが住む後宮に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが、現在は後宮で下働き中である。 ある日、帝の御子たちが皆短命であることを知る。 今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。 人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。 きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

期待した方向では無かったですが、キャラが面白かったです。

 2クールを初めから企画して、構成した作品というのはレベルが高くていいですね。その点は高く評価したいです。

 面白く見られたと思います。その要因はキャラ萌えです。薬と毒大好きという極端なキャラ付けがいい方向にエピソードに落とし込めていました。全体としては猫猫と壬氏のラブコメまで行かないドタバタ劇でした。

 この作品が文章で売れたというのが良くわかりません。猫猫のコミカルな動き、演出、声優さんの演技などがアニメ版の面白さの大きな要素になっているからです。マンガ版ならまだわかりますけど。つまり、動きがあるアニメだからこその猫猫の面白さが良くでていました。

 それとあでやかな宮中や娼館の女性たちと、1話完結のピッコママンガ的なダークサイド部分の描写で、最近はやりの病んだ女性の面白さがでていたかなと思います。軍師を含めて、ヒューマンドラマはキャラにクローズアップした分、エピソードとして面白い話になっていたと思います。

 裏に深い設定があるようで、思ったより…というガッカリ感はありますが、壬氏の素性とか新しい妃の話とかまだまだいろいろありそうなので、EDのコメントの通り、始まったばかりなのかもしれません。

 推理要素もありましたが、異世界中華で考証不可能な世界ですし、それを逆手にとった工夫もないので推理としては成立しておりません。キャラ設定として機能したかなと思います。

 韓流的で設定にこだわらないのと、思ったよりも深くない、感情的な感動が随所にある、という分かりやすさで、女性中心に人気が出るのも分かる気がします。伏線的なものもありカタルシスを用意した点はストーリーとして工夫した部分だと思います。

 エンタメとしては女性向け作品でそれを男も見られるチューニングにした結果、成功したという感じでしょうか。

 作画については、いろいろ評判があったようですが、全体として高めのクオリティだったと思います。初めの3話くらいまで「このレベル?」という勿体なさを感じましたが4話の出来が素晴らしく、見直して以降は気にならなくなりました。

 全体として、面白いのは事実です。が、見返してみるほどか、と言われるとそこまでのモチベーションは現状ではない、という水準かな、と思います。作画とキャラ、声優さんは評価高くていいでしょう。ストーリーは期待外れではありますが、アニメの水準としてはしっかりした脚本で悪くない出来だと思います。音楽はOPEDは毎回聞ける水準で良かったと思います。ユーチューブで曲だけ聴くというレベルではないですけどね。


1クール目総括。キャラは良いですが話全体でみるとどうなんでしょう?

{netabare}  1クール目総括。かなり面白い作品だと思いますが、どうも物足りない作品です。さすがに26話じゃないですよね?話的にも24話の半分で折り返しなのでしょう。毎週日曜日の朝の楽しみにするくらいに出来が良かったと思います。

 キャラとしての猫猫が壬氏込みで面白い話かと思います。推理については実は初めからあまり期待していなかったのでそこは逆にまあまあ雰囲気を作っていたのではないでしょうか?
 残念なのは後宮や花街という場所での政治やヒューマンドラマがもっとドロドロした一貫性のある事件があるのかと思っていたので、そこが物足りなかったです。
 下手をすると学園の派閥ものみたいなちょっと緊張感がないストーリーになっちゃったかも。そこが肩ひじ張らずに楽しめた点でもあるんでしょうけど。

 本作で同じ原作でもスタッフで面白さがこんなに変わるのか、という気付きがありました。脚本なのか絵コンテなのか演出なのか、それが全部なのかわかりませんが。4話が出色の出来で次いで10話です。この2話は本当にアニメとしての出来が良かった。
 逆に11話12話の気が抜けてたかなあ…12話の横顔の作画も安っぽかったし。宴会のシーンと最後の方は良かったですけど。

 中間として評価すると、実は難しいです。キャラはいいと思います。人物の背景が見えてこないので満点はつけ辛いですが4.5。ですが話ですね。
 設定とエピソードは悪くないですが、一貫性があるストーリーが物足りない気がします。その点では4でも過大評価でしょう。3.5でいいですが、エピソードの出来で話は4…かな。ここが迷いどころです。一気に見たときの印象は今より悪い気もします。

 作画は、安定性にかけると言うべきか個性が出たと言うべきか…背景は悪くなかったですが、うーん、分からないので4にしておきます。

 音楽はOPの雰囲気が余りにストーリーに合ってなくてかえって面白かったです。猫猫が花になるのかな?と思ったらそんな気配もないですが、今後どうなるんでしょう?暫定で3.5。声優さんは猫猫良かったですので4。

 これって2クール目レビュー別建てになるのかな?わからないので「今観てる」ままにしておきます。 {/netabare}



以下 1クール目の視聴時レビューです。

3話 なぜこのビッグタイトルの作画がこのレベル?

{netabare} 疑問なのですが、本作のラノベ原作売り上げは1200万部で無職転生やオバロ、リゼロより上です。そして、コミカライズは2種類あって、700万部と500万部でやはり1200万部で、すべての合計2400万部です。

 そのアニメ化なのになぜこの水準のアニメ?3話一挙同時をやるレベルじゃないでしょう。もっとお金かけていいんじゃない?という作画レベルでした。これは本当に残念です。

 また、本作は2つ同時のコミカライズで、両方売れているという珍しい作品です。アニメ版は小説準拠なのかもしれませんが、展開や演出を見る限りスクエアエニックス版のねこクラゲ氏に近い印象です。そして私は興味があって両方ある程度読みましたが、ねこクラゲ氏の方が出来が良く面白いと思いましたので良いと思います。
 ただ、2話の部隊の食事で毒云々はどちらのマンガにも出てません。小説版は未読なのでそちらの話かもしれません。

 内容です。この作品、なんちゃって中華もので時代は判然としませんし、人間関係がフランクすぎて後宮内がちゃんと描かれているとも思えません。「後宮の烏」と同じと考えればいいと思います。

 世界観が判然としない、キャラ・エピソードありきなのは少女マンガ的で原作の日向夏氏の性別はWIKIに載ってませんが女性作家で間違いないと思います。

 ただ、エピソードとキャラありきではありますが、ぼんやりとストーリー性はある感じです。その行く末は気になる作品でです。
 ですが、出来でいえばストーリーよりもキャラで特にヒロインに注目すると面白いと思います。あの、長髪の男とのやり取りが面白いですが、胸キュン的なものはあまり感じない気がします。

 まあ、やはり言いたいのは、なぜこのビッグタイトルの作画がこのレベルなの?という疑問です。本当にアニメ業界の分からないところです。{/netabare}


4話 冒頭の毒見のシーンとか表情の変化とかの作画良かったです。

{netabare} 作画は過小評価だったかもしれません。前半の毒見のシーンの作画は良かったです。毒見ってそういう動きになるのかという説得力がありながらコミカルな感じがよかったです。
 として見ると何かに気が付いた時の表情とか瞬きとかが結構丁寧に作画されていました。食事のシーンを初め手の動きはとても素晴らしかったです。近年見たアニメではトップクラスの食事シーンでした。止め画が減ってよく動いていた気もしました。カメラワークもちょっと不思議なためがあるというか、動きがなんとも言えませんでした。

 ビッグコンテンツなので「無職転生」とか「鬼滅の刃」と並ぶ動きを期待していたのですが、考えてみれば話の内容からいってある程度止め画でも成り立ちます。

 それとヒロインの服の作画の複雑さ(線の数とか陰影)がイマイチ安っぽいなあと思ってましたが、皇帝とか妃はある程度の水準なので、猫猫のクルクルと表情を変えるところとかコミカルな動きのために単純化したのなら、キャラ萌えの作品なので、それはそれでいいかなあと思いました。

 話それ自体にテーマ的な深みはないけど、エピソードとキャラが面白い話です。1話完結のようでいて、つながりがある結構秀逸な作品だと思います。アニメのレベルが4話の水準なら、いい作品になる予感がします。


 なお、気になって作画の人調べたら「もああん」さんと言う方で「着せ替え人形」の8話の人でした。江ノ島の砂浜の独特な作画のシーンの有った回ですよね?なるほどなあ、と思いました。参加作品調べたらすごい作品ばかりでした。
 さすがだなあ、と思います。この人の作画なら納得です。


追記 演出と動きが素晴らしいです。それがシリアスさとコミカルさを両立しています。面白過ぎて何度でも見たくなります。4話だけ3回目見てしまいました。

 毒見のシーンとか食事のシーンも素晴らしいですが、手がちゃんと演技しているところとか、ビンタのシーンの迫力とかとにかく素晴らしい。テンポやカットもいい。これが今風のアニメの最高峰でしょう。

 やっぱりアニメはCGのモデリングではなくて、演出と動きです。それでこそ原作の良さが楽しめるというものです。本当に素晴らしいアニメの出来でした。{/netabare}



5話 アラを含めて広い心で見れば、かなり面白いので視聴継続ですね。

{netabare} 4話の出来が良く、本作全体を感情的に受け入れましたので、もう多少の欠点はOKになりました。となって本作を見ると、レベルは高いほうなのかなあという気がしてきました。背景の凝り方と料理などはいいですね。
 それと作業が多いせいか手の作画は1~5話通して良い気がします。ということで話は面白く見られるようになってきました。

 ついでなので、少々アラを指摘しておきます。まず、シューマイにグリンピースをのっけたのは横浜の崎陽軒が始まりです。それに松茸を喜んで食べる文化は日本以外にありませんし、そもそも大陸の松茸は土瓶蒸しで喜びが感じられるような品質ではないです。土瓶蒸しも日本起原でかなり近代に近づいてからです。多分細かく見て行けばいろいろあるのでしょう。

 ただし、です。これこそが本作は「なんちゃって中華」ものであり、考証をするのが無粋ということでもあるのでしょう。

 言葉がそもそも滅茶苦茶なのはもう完全に開き直っていますよね。本作は、大まかに時代的には明の前半、14世紀のイメージかなと思いますがそこを考えすぎるのはやめています。

 で、更に深読みすると、シューマイとか松茸のアラってワザとやってる?言葉はワザとですよね?それも考証ギャグなのかな?…うーん考えすぎかな?バズるのを狙ってなら、面白いですけどね。有名な食品に関する「あるある」なので…中華のテーブルが回るのもタンタンメンも日本が発祥というのと同じ感じ?

 ということで、視聴継続ということで、4話のようなサプライズが無い限り、レビューはこれくらいにします。
 本作は「アラ」も含めて猫猫のキャラと壬氏とのやり取り、妃のエロ綺麗なのを楽しめばいいのでしょう。


 そうそう猫猫といえば今週の声優さんの演技が前半完全にターニャでしたね。そんな感じでしたっけ?{/netabare}


6話 作画は止め画が多いお休み回ですね。内容も続き物の前半っぽい感じ。クレしん笑いが猫猫のキャラに合っているかも。

{netabare} 今週はアニメ作画的には止め画オンパレードの動かない回でした。良くはないですがシリーズ通じた予算もあるでしょう。続き物の話みたいなので来週力が入ってのことならいいのですが。

 それにしても猫猫の「クレヨンしんちゃん」笑い…いいですね。あれの発明すごいなあ、と思います。目を見せないで笑うという、クレしんの中では厳格に守られているルールです。
 ダーク(というよりブラック?)な感情を表すのにこんなにすごい表現って、ちょっと他に類例がないですよね。そしてこのクレしん笑い、猫猫のキャラに合っているかも。

 6話ということで、中間?でそろそろ分析的なレビューもと思ってさっきググったら2クールものらしいですね。ちょっと本筋的なものが見えないので文句を書こうかと思ったら2クールの構成なら良いと思います。別に尺伸ばしというわけでなくテンポは悪くないですので。

 なお、食物アレルギーの歴史とか、サバやフグの食の歴史も興味が出て調べました。面倒なので書きませんが。{/netabare}


7話 前半と後半で面白さが全然違った気がします。1クールの半分ということでちょっと総括です。

{netabare} まず、この7話ですが前半の説明臭いちょっと退屈な進行に比較して、後半の方が面白いし展開にメリハリがあった気がします。

 それはいいとして、7話ということで中間での総括です。結論から言って面白いです。
 猫猫のキャラと周囲の掛け合いが「コメディ」という点でなかなかのレベルです。そして、シリアスパートの各種陰謀も後宮という場のそれぞれの女性の立場が上手く機能して興味深い話になっていると思います。「毒」という猫猫の特異体質と頭の良さがそれを補完しています。

 で、作品全体をほんのりと貫いている「猫猫とはどういうキャラか」という謎ですね。これが今週動きそうな感じで終わりました。この引きも良かったですね。

 こうしてみると、コメディ、後宮(女性たちの悲喜こもごも)と陰謀、そして猫猫のキャラと謎が上手く絡み合って、見ごたえのある作品世界を作り上げています。
 ただ要素が沢山ある分、若干薄まっている点があるので、今後どこまで深くなって行くか、がポイントでしょう。
 もう未読の部分になっていますので今後が楽しみです。1、2話完結のエピソードでの進行でも面白いとはおもいますが、全体を貫く何かは残しておいてほしいなあ。

 それと、4話の演出と作画。もう1,2本やって貰えませんかね?あれは衝撃でした。そういえば、各話に結構、絵コンテ・演出とか作画のクセがそのままのこってる気がします。それも楽しみになっています。(ヤマノススメの4期はそれが見辛かったのですが、本作は毎話の楽しみになっています) {/netabare}


8話 美少女の入浴シーンなのにエロも色気を感じないのはキャラ造形の妙でしょう。

{netabare} シリアスとコメディの混ざり具合が絶妙なのと、猫猫の俺TUEEE的な博学と後宮のルール的なものに対する無知のギャップに萌える。そこに絡むラブコメ要素という面白さが、上手く出た回でした。
 美少女設定なのに入浴シーンがこれほどエロくもないし色気がない、ということは猫猫のキャラの作り方がかなりレベルが高いということだとも言えます。

 キャラのそれぞれの内面というか言動はやっぱりなろう的なテンプレ感からは逃れてないです。推理も時代考証もガバガバです。

 が、確かに面白いとはっきりと言える作品でしょう。いろんな要素の組み合わせの妙なので、どこが?と問われると困りますが、見て素直に面白いという作品なのは間違いないと思います。{/netabare}


9話 不思議な美術演出とMVの回。10話の予告の映像が良かったです。

{netabare}  面白さで言えば4話がピークかな?全体としてキャラ芸で面白さは保っていますが、冷静に考えると面白い回はあったものの、そう高いレベルのアニメ作品としては評価できないと思います…今のところは。
 猫猫のキャラと生い立ちにどれだけ深さがあるかが気になっているのに、そっちが進みません。

 で、8話に続いて9話も前半は少々退屈でした。で、後半の不思議なMVというか心象風景です。あの赤い小さな実が成っている木のCGは面白いですが、なんでしょうね?流れ的には毒があるんでしょうか。楽しめたかと言えば、アニメとしては変わった映像演出だなという興味くらいです。
 ただ、引っ掛かりはあったので、映像に何か気付きがあれば評価は変わるでしょう。もう1回、2回は見たい回でした。

 合わせて水に沈んでゆく女性は随分丁寧な描写でした。9話は話とか作画と言うより美術とエフェクトに妙に変な力が入った回でした。


 で、今回見るべきは10話の予告ですね。気のせいかもしれませんが作画がなかなか良くて演出も面白そうで、力が入っているのではないでしょうか。
 本作はこれ以降の話で、あと1、2回でも4話並みの演出とかその他面白い回があれば、秀作に入るかもしれません。10話はなんとなくそういう回になるのでは?と楽しみです。{/netabare}


10話 女子が美しい作画でした。演出もいいし面白かった。

{netabare} 予告編で楽しみにしてましたが、やっぱり面白かったです。いい演出なのが大きいと思いますが、作画が良かった。動きないですが、女性の作画滅茶苦茶美人だったと思います。顔の線がシャープでした?手の動きや液体を躊躇なく画面に入れていて、本作のアニメのレベルの高さを味わえました。

 本作のEDですが、キャスト声優の前に「脚本、演出、絵コンテ」の話・演出の主要3人がクレジットされます。たまにありますが、本作は明らかに「違いを楽しんでください」という意図が見て取れます。昔のオタク的な楽しみ方ができる非常に良いコンセプトではないかと思います。加えて、作画・美術も個性を重視している感じがします。

 「ヤマノススメ」4期でも似たようなコンセプトでしたが、キャラの同一性や一定の水準の演出を保ちながらやっている本作のレベルの高さがうかがえます。

 今年は「おにまい」の作画が際立って良かったですが「僕ヤバ」「インソムニア」「グイグイ」などラブコメを中心に作画レベルが急に上がった気がします。
 コロナが終わったからか、CGの使い方がこなれてきたからか、海外のアニメータの習熟度が上がったからかわかりません。が、アニメなので画面が進化するのはとてもいいですね。
 本作は話も面白いですが、演出と作画技術の違いを1話1話見比べると面白いと思います。


 なお、本の虫干しで直射日光に当てるのはいかがなものかと思います。なんちゃって中華であるというのは皆分かっていますので、歴史考証は必要ありませんが、さすがにそこは猫猫も出来るという侍女頭も間抜けに見えるので気を付けてほしいなあ。 {/netabare}


11話 脚本、演出、作画…あんまりよくない回でした。

{netabare}  今週は紙芝居みたいな止め絵ばっかりでした。演出も凡庸だし、面白みに欠ける回でした。それと、結末で「母の様だった」で一瞬里樹妃が?と思いましたが、彼女は先帝の妃だったことを思い出せば「ああ、そうでした」とわかりますけど。ちょっと視聴者に不親切な感じはしました。

 あと9話後半で亡くなった下女ですけど纏足で自分で壁を登れないんじゃなかったでしたっけ?それと壁を登ろうとして爪が云々というのがありました。覚悟の…だったら、そういう前提と合わない気もします。あの大げさなCGの演出はなんだったんでしょう?

 ただ、2クールなんですよね?こういう回もたまにはあるとは思います。が、せっかく人気があるのでがんばってクオリティを上げる方向でお願いします。 {/netabare}


2クール

15話 第2クールになってゴチャゴチャした話が続くなあ

{netabare}  11話で壬氏がどうやら皇帝と阿多妃の子どもではないかという思わせがあり、13話冒頭で皇帝とサシで飲んでいました。また、身体ががっちりしているという表現もあったので壬氏は宦官でないこともわかります。

 また12話ではっきり壬氏の猫猫に対する執着が描かれましたので、第2クールは壬氏にまつわる話と皇帝になって猫猫を妃にする話とかかなと思っていました。また、モノグラスの男が絡んできましたので、その妨害か猫猫の出生の秘密を知っていて、壬氏との間に障害があるとかそういう話かなと思っていました。

 簡単な考察で外れていても驚きませんが、壬氏、猫猫、モノグラスの3人あるいは皇帝と新登場の楼蘭妃と緑青館をめぐる話で、1本筋が通った話になりそうだと思っていました。

 が、なぜか第2クールはとっ散らかった話が3話続きました。うーん、1話1話は面白いからいいんですけどね。特に15話は面白い演出でした。オロオロオロも良かったですし(毒が効かない体質なら、薬も効くはずはないんですけどそこはご都合主義ということで)。しかし、特に15話はゴチャゴチャした話でした。何がしたいのかわからない話でした。

 最後まで見るつもりなのでいいんですけどね。もうちょっと何か幹が欲しいなあ…まあ、あのモノグラスの男が絡むのは間違いなさそうですけど…{/netabare}


16話 見たことがあるトリックですが保留。細かい話が続きますが何かはありそう。

{netabare}「すべてがFになる」のシリーズ作品「封印再度」のトリックにそっくりですねえ。本作はトリックがメインじゃないし誰がオリジナルかわからないので何も言いませんけど。金魚鉢もありきたりだし、兄弟もののが仲良くなる様遺言で工夫するのは沢山ありそうです。推理系の話は既視感だらけで出来は良くなかったです。

 あの3男の手の作画に染みがありましたし、医者を紹介していたので父親と同じく鉛中毒なのはわかります。祭具云々とは何でしょう。モノグラスの男がらみで何かありそうですね。

 まあ細かい話が続くよなという印象は変わりませんが、しかし、何かが動いている感じはあるので様子見ですね。{/netabare}


19話 現状では後出しジャンケンで伏線になっていない。もう1段の深さを期待します。

{netabare}  やけにとっ散らかった話が進むのと、壬氏の素性についての思わせは、薬草畑の女性が伏線だったということですか。悪くない構想だと思います。

 ただ、今見えている話をつなぐだけだと、単なる壬氏暗殺計画です。祭具の関係者だとわかる種まきがその時のエピソードでありましたっけ?キセルの時に何か目撃証言とか。見返してないので、今の印象だと全部が繋がっていたとしても、トリック上の工夫を後出しジャンケンしただけですので、まっとうな推理上の伏線とは呼べません。

 それだけ?という気がしなくものないので、何か深みが欲しいところです。更に言えば、前半1話目からつながる何か1本筋が通った後付けではない仕込みに驚きがあればと期待します。
 後半だけならまあ工夫したね、というレベル止まりでしょうね。モノグラスの男がどう絡むのか、あるいは新しい妃の登場が回収されていないのでそこなのかな?{/netabare}


20話 十戒違反で推理の体裁は放棄?となると最後に残るのは猫猫の狂気?

{netabare} ノックスの十戒という推理小説におけるルールがあります。ただし広く周知されていますが、あくまで個人の意見です。10個のルールがあるわけですが、その4番目に「未発見の毒薬、難解な科学的説明を要する機械を犯行に用いてはならない。」と言うのがあります。
 あと8番目の「探偵は、読者に提示していない手がかりによって解決してはならない。」が2クール目のつながりに関しては感じるところです。見返してみると仕込みがあるかもしれませんが、どうなんでしょう。

 今週の薬もそうですが合金も同様ですね。あの熱で溶ける金属はねーよと思わなくはないですが、未知の金属として伏線で語っていますので、それほどアンフェアな感じはしない気もしますが…
 どうせなら、薬も以前のエピソードで実験の話を入れておけばよかったのにと思います。2クール目で死んだ人たちの祭祀祭具に関わる関連とかつながりがほのめかしでもあれば、ちゃんと推理になったのに…と思わなくはないです。

 それと壬氏の素性は伏線はずっとありました。モノグラムの男、新しい妃などは、それほど驚きはないですよね。話の本筋は宮廷の陰謀なのかもしれませんが、後付けで「実は…」と言われてもおも驚きはないのでどこに着目する作品なのでしょうか?

 キャラ萌えで終わってしまうのでしょうか。ですが、今週でキャラ萌えもちょっと放棄した感じです。最後に残るのは猫猫の狂気?{/netabare}


21話 突然のラブコメ回でした。

{netabare}  紙のところで出てきた妹とか宮廷御用達とかが伏線に回るのか?とちょっと期待していたら、突然のラブコメ回でした。あと数話なのにいいのか?と思わなくはないですが、まあ、いつものクリフハンガーでしたので、一応の何かはあるのだと思って見ています。

 さて、1クール目の途中から原作マンガ未読なので、興味が持続している感じです。裏を返せば次週が楽しみになる水準で面白くできているんでしょう。
 ただ、2回目を見て伏線の出来栄えの確認や考察までやる気が出ないので、そこそこかな、という気がします。もし、原作を読んでいたらそこまで感じたかは微妙かもしれません。

 ということで、今時の2クール目は長く感じますが、少なくとも毎週欠かさず見てこられました。2期はほぼ間違いないと思いますが、制作のOLMのスケジュールが結構詰まっているようですので、10月以降でしょうか?世間は飽きやすいので気を付けてください。{/netabare}


23話 なるほど、わからん

{netabare} なるほど、わからん。何がわからないと言って、何が描きたいんだろうか?あの壬氏と祭具の話はあれでお終いなんでしょうか?それともこの先つながるのかな?

 あるいはお互いの出生がわかった処で動きが?でも、あと1話?またはあっても2話ですよね?

 正直いうと前半に比べて面白さは半減ですね。謎は祭具のところは工夫したと思いますが、科学考証ができないなんちゃって中華ですから、それほど推理や伏線回収としての感動はありません。

 ヒューマンドラマにしてはいきなりあのモノグラムの男の素性がわかって、感動シーンを入れられても…今までの人格とのギャップに説得力が…

 作品の結末というか作品構成として、壬氏の何かがないと収拾が付かない気がするんですけど、何かあるんでしょうか?4話がピークだったかなあ…{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ザツになって

拙は好きに仕事を選べるほどエラくも才能があるわけでもありません。
ほんとたいしたニンゲンじゃないので、
やれと言われたらたいていのことはやるタイプなのですが、それでも
  『宦官』だけはカンベンして欲しい
と心より思うわけです。いやほんと、それだけはやめて、お願い。

後宮華やかなりしときは何万人もいて、
チョン切るのに麻酔すらしなかったというのは有名なハナシ。
それなのに自宮者と呼ばれる『志願してなった』若者も多かったそうですね。
なんと申し上げますか、
書きながらついつい内またになってしまうジブンがおりますです。


さて、本作は日向夏さんの『なろう発』ライトノベルが原作で、
人さらいによって後宮に下女として売られてしまった薬屋の女の子の、
推理ありいのサスペンスありいのといったエンタメ作品です。
(いつものごとく、原作未読)

後宮、といっても、中国が舞台ということではありませぬ。
中国に似た感じがする架空の国のおハナシ。
原作者の日向夏さんが
 「考証であれこれ言われるのがイヤ」
だったから、そういう設定になっているんだそうであります。

で、実際にそこまで考証がおかしいのか、
最近知り合った福建省出身の青年(日本在住)に、
いろいろと尋ねてみました。

 〇 猫猫(まおまお=『猫ちゃん』の意)という名前について
   → ジブンの常識の範囲ではありえないっス。
     ただ、中国は人口が多くていろんな部族・風習があるので、
     ワンチャンあるかも知れないっスね。
     それよりも、
     正一品4夫人の名前の方がありえないっス。

 〇 町並みや文化、服装について
   → 三つぐらいの時代がごちゃまぜになってるっスね。
     建物や室内は中国と日本のちゃんぽんっス。
     いちいち突っこんだら負け、みたいな感じじゃないっスか。

 〇 食文化について
   → マツタケはほとんど市場にないし、
     値段はけっこう高いんスけど、誰もアリガタがらないっスね。
     土瓶蒸しってのは聞いたことないっス。
     あのへんの時代の人がチョコ食ってたとか、
     菓子作りにバター使ってたってのは、笑っちゃうレベルっス。

 〇 中国人として、見ててイラっとしない?
   → いやいや、中国制作のドラマでも、
     考証がめんどくさくて適当な国でっちあげるの、あるんスよ。
     ましてやアニメだしエンタメだし、
     それでも気になる人は気になるんでしょうけど、
     ジブンは大丈夫っス。面白かったらいいんじゃないっスか。


みたいな感じでした。大人っス。

ちなみにwikiによると、
リアル宦官というのは声がほとんど女性、あるいは不自然な裏声みたいだったそうで、
そのへんも、リアリティは追及していないですね。

あと、作品にぜんっぜん関係ないチョイネタなんですが、
宦官になってもリビドーは残るらしく、
大量のヘンなものがちょくちょく押収されていたそうであります。
(だから切っちゃダメなんだってば)



というわけで、あくまでも本作はファンタジー。
舞台が中国風というだけで、
考証という意味ではザツの精緻を極めており、
中国の歴史とか文化とかを伝えるみたいな学術的価値はありもさん。
(そこに突っ込んだらアビス行きかと)

じゃあつまんないんですかと問われると、
面白いんだ、これがまた。
僕個人の主観まるだしランキングでは、
今期の新作アニメでは『フリ-レン』に次ぐ堂々第二位ですね。
(ちなみに三位は『アンダーニンジャ』です、ごめんなさい)

  同じファンタジーでも『パリピ孔明』みたいに原典をまったく理解せず、
  これが三顧の礼ダ-とか言って、
  他国の文化を間違って伝える・ウソを伝えるのはよくないと思うんですわたし。

  だけど『一騎当千』みたく、名前だけ借りて遊ぶのは拙的に全然アリ。

  ましてやこの作品は中国の『雰囲気』を借りてるだけですしね。
  異国情緒たっぷりをウリにしている日本の街で、
  ここんところが異国と違う、なんてアラ探しをするのは詮無きことかと。

  もちろん文化・芸術作品なら『いやでもね』なんですが、
  面白さを追求したエンタメ娯楽作品なんだから、
  そこんところはスルーするのが大人のたしなみかなあと愚考する次第です。


で、この作品のおもろしさはそういう『世界観』ではなく、
猫猫役の悠木碧さんを筆頭にしたお芝居と、
脚本・映像・演出の『バランス』にあると拙は思っております。

そもそも『世界観』なんてのはムカシの中国風というだけで、
OPで猫猫がダサいドレス着て踊ってたりして、
綿密に作り上げられた感というのはぜんぜん、まるっきりありませぬ。
ぶっちゃけ、
でたとこショウブでやってたらこうなりました、みたいな感じかと。

で、物語の舞台というか骨組みは、

  かどわかされ後宮の下女として売り飛ばされた花街の薬屋の女の子が、
  薬に関する知識を買われ『毒見役』に昇進し、
  身の回りで次々と起こるナゾや事件を解き明かしていく。

という、面白くも駄作にもなりそうなものであります。

これで『なろう系』だと聞くとイヤな予感する方いるかもですが、
猫猫は転生ものみたいな『チ-ト知識の保有者』ではないんですよね。
あくまでもその時代の薬屋さん。
ちょっとビョ-テキに薬の実験が好きだったりしますが、
その時代レベルでの毒・薬に関する知識が豊富な女の子にすぎません。

ですから、転生ものみたく、
  この薬はこういう化学反応で人体のココにこう作用してあ~だこ~だ、
みたいなウンチクは出てきません。
現代科学・化学・医学のセカイじゃないんです。
  これ、毒ですからこういう症状がでます。こうしたら治ります。
という、『なぜ』をぶっちぎった結果と対処療法のセカイ。
『おばあちゃんの知恵袋』のおくすり版、みたいな感じなんですよね。

  というわけで、言うことがずるくも鼻につくこともありませんし、
  なによりもわかりやすい。
  そいでもってムダなウンチクがない分、ドラマに尺が割けるんです。よき。


で、そのドラマ部分も、ほとんど1~2話完結。わかりやすくてよき。

中華風後宮ものと言えば
  権力・出世欲・愛憎ごちゃまぜのドロドロ系
のイメージですし、実際、その要素がけっこう含まれてたりいたします。
ただ、見ていて『しんどさ』を感じないんですよね。
猫猫のキャラクターが、そういうのを気持ちよく中和しているんです。

  そもそも猫猫って、かどわかされて後宮に売り飛ばされた身の上なのに、
  ぶつぶつモノローグでグチを言うだけ、
  復讐に心を燃やしたり我が身をアイゴ-と嘆いたりしないんです。

  ここ、花街の薬屋、という設定が利いてるんですよね。

  虚栄と色欲と権力とカネに彩られ、
  一歩裏をあるけば犯罪者や落伍者が闊歩する不条理のセカイ。
  そこで薬屋を営むとは、そういう連中とうまく付き合うということ。
  アルプスの少女みたくふわふわなんかしてられず、
  強く、たくましく、そしてしたたかでなければ生きていけませぬ。

  だもんで猫猫も、
  後宮に売り飛ばされた事態を冷静にうけとめ、
  粛々と仕事をこなし、年季が明けるのをじっと待っております。

  かと言って心が死んで感情をなくしているというわけではありません。
    他の下女を恫喝してみたり、
    コミカルな言動で道化回しに徹してみたり、
    乞われて名探偵役をしてみたり。
  ほんと、いい意味で『実践的にかしこい』女の子なんですよね。

  あと、これはまったくの主観なんですが、
  ぜんぜん媚びることのないボソボソした言動が、
  一周回ってすごくかわいいです。

そして、さすがファンタジー世界だけあって、刑罰がやさしいです。
これがリアル古代中国なら
{netabare}
  毒とわかっているおしろいを隠し持って、
  帝の子まで産んだ上級妃に使い続けていたなんて、ふつうにクビちょんぱ。
  (たぶん、一族みんなそうなります)
  兵士が毒で倒れたら、理由なんか調べず村人みんなクビちょんぱ。
  下女が皇帝の妃にいじわるなんかしたら、やっぱりみんなクビちょんぱ。
{/netabare}
そういうリフジンさがないぶん、
現代にもつうじるニンゲン模様的なドラマが成立してるんですよね。
ふつうのヒューマンサスペンスみたく、楽しく見れちゃうんです。

  それでもシリアス展開が続くときは続きます。
  そういうときはSD映像なんか使ってかわいらしくガス抜き。
  たまにある下ネタも、けっこう攻めててよきです。



拙の個人的なおすすめ度は、Aランク。ほとんどSに近いです。
 ・中国マニアで歴史考証絶対主義
 ・バトル・ロボ・アクションこそアニメの神髄
 ・アニメは美少女がキャンキャン声でなんぼ、きゃぴきゃぴしてなんぼ
という方々にはおすすめいたしかねますが、
(アクションなんか『ない』のもいっしょですし)
その他の方々は、楽しい時間が過ごせるのではと愚考いたします。

なろう系にありがちな
 『推理と呼べない推理みたいなもの』
 『局面によって人格がころころ変わるご都合テンカイ』
 『因果関係がはたんしているプロットつなぎ』
といった『作家のひとりよがり性』は、まったく見受けられません。

コミカルな演出でしっかり尺をつなぎながら、
人間ドラマやサスペンス要素がしっかりと描かれております。
しかも、もう終わった話かと思いきや、
次回や次々回でその断片がピタっとつながるなど綿密なプロット構成がすてき。
ストレスフリーなのにホネのあるエンタテインメントかと。


映像は、作監によるブレも少なく、高いレベルを維持しています。

キャラデや作画がちょっとジュニア寄りかなあとか、
演出がときおりムカシふうだなあとか、
そういうところをを感じなくもないんですが、
それはそれでちゃんと一つの『世界観』になってるんですよね。
ですから、あとは好き嫌いの領域かと。

  SDキャラ演出による枚数・尺稼ぎも、
  きちんとした演出として作品の楽しいアクセントになっており、
  うまいこと作ってると拙の目には映ります。

  けっこうタマシイ入った作画もちょくちょく見受けられ、
  剛柔あわせて『良作』と呼べるレベルなのではあるまいか、と。

  ただまあ、動きが少ないっちゃホントに少ないです。
  いやほんと、言いわけ聞き苦しいぞ、と思われるぐらい少ないんですが、
    止め画の連続をパンとセリフとSEでごまかす
  みたいな感じでない限り、僕、気にならないヒトなんですよね。
  口元を袖で隠す碇ゲンドウ式動画枚数節約も、演出として全然アリです。
  (背中向けてしゃべるカットも多いですね)


キャラとお芝居は、猫猫を演っている悠木碧さんが傑出しています。

この作品って、全国の萌えアニファンには大変申し訳ないのですが、
清楚カレンな美少女声でやったら、
すっごくあざとい物語になっちゃうと思うんですよね。

悠木さんって使える音域めっちゃ広い役者さんなんですが、
役柄を考えてトーンを中低音域に絞り、
リフジンな世の中をしたたかに生き抜く少女像を構築しておられます。

  ちなみに、同じ『したたかな女の子像』のお芝居であっても、
  背景にある社会性を考慮して、
  『サクラダリセット』とはまるっきり方向性を変えてるんですよね。
  あの作品で演じた相麻すみれも悠木さんの名演の一つであり、
  機会がございましたら、ぜひ、聴き比べておくんなまし。

そして本作における悠木さん、
喜怒哀楽それぞれで、お芝居のいや細かいこと細かいこと。
いわゆる「ただテンプレにあてて読んでいるだけ」という芝居が一つも、
ほんとうに一つもありません。
このへん、いわゆる『アイドル声優』さんたちにぜひ見習って欲しいかもです。

あと、けっこうスルーされているんですが、
玉葉(ぎょくよう)妃を『フリ-レン』の種﨑敦美さんが演ってるんですよね。
種﨑さん、こんな天然っぽいミセス声もだせるんだ。すごい。

  ちなみに、同じ役者さんが猫猫やってもサブキャラやっても、
  一話あたりのギャラは同じです。
  ギャラって役の軽重関係なく、ランクによって一枠なんぼなんですよね。

  それにしても
  玉葉妃ってドラマCDでは日笠陽子さんがやってた役なんですよね。
  ところが、アニメ化に際し、
    種﨑さん、収録ワク空いてるならぜひ
  ということで無情のキャラ変え(担当役者の交代)になったのかと。

  拙個人としては、正解のキャスティングだと思っています。
  玉葉妃の天然っぽさが物語をカラっとさせて、
  後宮を『大奥』みたいな生臭さから引き上げてる効果、大きいですもん。
  (申し訳ないけど、日笠さんが演ると女オンナしちゃうんですよね)


音楽は、OPが緑黄色社会さんの『花になって』。
MVはなんかちょっとアレな感じですが、楽曲自体はすっごくいいです。
EDはアイナ・ジ・エンドさんの『アイコトバ』。まあまあ。

  劇伴は、神前暁さん、ケビン・ペンキンさん、桶狭間ありささん。
  特に中国宮廷風とこだわっているわけでもなく、
  中華風の楽曲もあれば、現代風オケ、電子楽器もありもうす。
  (誰がどの曲やってるかはぜんぜんわかりませぬ)

  このへんも、考証ぶっちぎったことが良い目にでてる感じですね。
  特に不自然さ・違和感などはありませんし、
  むしろ、いろいろ変化があって楽しいかと。作品に合ってます。



いろいろ書いてまいりましたが、
まだまだ放送中の作品ですから、最終的な評価はできませぬ。
いやほんとできないんですが、
これまで(9話放送段階)のところ、とってもいい感じで回っています。
よっぽどのことがない限り、このままいくんじゃないかしら。

もうそろそろ作品のセカイ観に慣れてきたかな、と思いきや、
9話の猫猫のセリフで
 「ストイックな性格」とか「ストレスも原因になります」とか、
いやもうそれどの時代のどの国の言葉なん?
みたいな単語も飛び出し、
己の想像力の未熟さを痛感させられたりもしてますし。いや奥が深い。

考証ぶっちぎって自由奔放やりたい放題、天上天下猫猫独尊。
そのくせ人間模様やサスペンス要素はきっちりしっかり。
なんかもう、そのテイストが病みつきになりそうな、ならなさそうな。

  とにもかくにも、エンタメとしては一級品。
  見てソンをする作品ではありませんので、
  後宮テイストが苦手で未視聴の方、一度お試しになってくださいまし。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

毒にも薬にもなる表裏一体性が心地よい中華風宮廷ミステリー

原作小説、コミック2作とも未読。

【物語 4.5点】
架空の中華風な後宮等を舞台に1話~複数話完結の事件を、
毒と薬の知識が豊富で毒味に目が無いw主人公・猫猫(マオマオ)が、
やたら絡んで来るイケメン宦官・壬氏(ジンシ)の依頼に顔をしかめつつもw
謎解きしていく。

各々無関係に思えた事件が、やがて一つの大きな企てに結びつき、
親と子という全体テーマが浮上して来る。


振り返れば、大事なことは、結構、口で説明せず映像で表現する
飲み込み辛い作品でもあったはずです。
勿論、事件の謎解き等は解説しますが、猫猫や壬氏の生い立ちなど、
特に人間ドラマの肝心な部分については、心情はアニメーションで伝えるから、
後は察して下さいといった感じで割とハイレベル。

ですが例えば序盤から子を想う妃の愛など事件の背景に隠し味として仕込んだ要素が、
終盤の猫猫の親子関係という核心への道標となり、
ストレス少なめで難事件の真相と人物の深層へと誘導される。

それを行き当たりばったりではなく、全体構成から緻密に計算してやっている。
視聴後、この地味な凄さに舌を巻き、さらに加点したくなってしまう上質な構成・脚本だったと思います。


毒にもなる薬、生と死、陰と陽。
表裏一体な性質を掘り下げる中華思想がふんだんに活用されていたのも、
中華風ファンタジーとしてやった意義を感じられ良好。

ラスト(※核心的ネタバレ){netabare} 羅漢は、長年、人の顔が駒にしか見えず不幸を撒き散らして来たが、
最後の最後に“鳳仙花”のような想い人の美顔を誤認して幸福をつかむ。{/netabare}
不幸と幸福もまた表裏一体。余韻を感じる素敵な幕引きでした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TOHO animation STUDIO×OLM

コメディーからシリアス、猫顔までカバーした猫猫(マオマオ)の多彩な顔芸などを花開かせた人物作画。
夕焼けだけで10色のパターンを使い分けて心情表現をアシストしたという背景美術。
作画・背景もまた、視聴者の無意識領域に真相へナビゲートする標識を植え付けるだけのパワーを有する。

特に後半、壬氏とすれ違い様にサブリミナル気味に垣間見せた猫猫の鬼の形相。
前半、警告するように広がった真っ赤な夕暮れ。
ここから先は入るな危険と、口で説明する以上に効果的な警告サインに鳥肌が立ちました。


各話の中で作画が強烈だったのが第4話・もああん氏の作画監督回。
いつもとキャラデザが変わった?との違和感が、
冒頭、毒味の所作描写の細かさで払拭され、これは凄い!と背筋を伸ばされ、
そのまま最後まで魅了されまくった忘れ難い回。

正座のまま追い出されてバウンドする猫猫のコミカル描写バンクwによるリズミカルな演出から、
間違った知識で主を危機に陥れた“馬鹿に折檻する”猫猫の闇深な強面まで、
4話は私が猫猫のキャラクターに一気に引き込まれた回でもありました。

キャラデザの一貫性や安定感が評価されがちな昨今のアニメーション作品では、
あまりお目にかかれない個性的な作監のお仕事。
今後、もああん氏が絡んで来たアニメでは、私も鑑賞ギアを一段上げて挑みたいと思います。


【キャラ 4.0点】
“薬屋”猫猫(マオマオ)と美形宦官・壬氏(ジンシ)
共に周りから過度に担がれたり、警戒されたりしないよう猫やら美男子属性やらを被っている凸凹コンビ同士。
どんな女官をも虜にする壬氏のイケメンパワーが、猫猫には悪寒をもたらすだけで、まるで通じないw
でも毒草には猫化して涎を垂らす猫猫w

単に探偵&助手コンビのテンプレートというだけでなく、
人によって薬になったり毒になったりを、お約束のコミカル描写でも好表現するお二人の掛け合いは見ていて楽しかったです。

花街の出で、しばしば矛盾に満ちた社会の影を覗かせる猫猫に、
想いを巡らせる壬氏。完全に恋する美男子なのではw
国家の縮図としての宮中を体現する二人の一面もスパイスとして効いていました。


そんな強烈な個性二人の間で堅実に役割をこなす高順(ガオシュン)や、
筋肉担当?で花街に入れ込み、宮中と花街を橋渡した武官の李白が、
妃たちの駆け引きも渦巻く中で、ある意味、私にとっての癒し?となった男たちでした。


【声優 5.0点】
全体構成から逆算してテーマへと誘導する監督スタッフ方針により、
単純に事件の状況を表現するだけでなく、
後々明かすことになるテーマも織り込んだ多重的な演技を要求するなど、
繊細なディレクションに対応できる修正能力を有した声優を選りすぐったキャスト陣。

特に主演・猫猫(マオマオ)役の悠木 碧さんは、
毒に狂喜するコミカル演技から、「これは、毒です」のシリアス演技まで、
濁声を駆使して作品を制圧していました。

モノローグのオン、オフの切り替え。今のセリフは説明なのか会話なのか。
この演じ分けが当たり前にできるのもまた地味に凄いこと。(※1)
これができないと、例えば量産型2時間サスペンスにて、クライマックス、崖の上で激情と事件解説をゴチャ混ぜにしてぶつけるが如き茶番劇で、興が冷めてしまうわけで。

説明都合丸出しの演技で視聴者に違和感を覚えさせることもなく、
気持ち良く真相へと惹き付けた声優陣。
プロ中のプロの仕事に経緯を表して、私は声優5.0の満点評価を付けさせて頂きます。


【音楽 4.5点】
『<物語>シリーズ』など多彩なジャンルを横断したミニマル・ミュージックで会話劇を演出する神前 暁(こうさき さとる)氏。

『メイドインアビス』などオーケストラによるスケール感溢れるファンタジー音楽を提供する豪州人・ケビン・ペンキン氏。

『呪術廻戦』1期などでも魅せた和楽器対応で東洋成分アレンジに重宝する桶狭間 ありさ氏。

三者三様の劇伴担当による化学反応への期待が私の本作視聴の決め手に。
中でもノッていたのが神前氏。
次回予告でも使用された「薬屋」などの宮廷BGMだけでなく、
挿入歌も多数提供し、掛け合いが織り成す人間ドラマを盛り上げる。



OP主題歌は前期が緑黄色社会「花になって」、後期がUru「アンビバレント」
ED主題歌は前期がアイナ・ジ・エンド「アイコトバ」、後期がWacci「愛は薬」
いずれも事物の表裏一体性や多面性を追求した作品世界に触発された良曲。

前期OP「花になって」は最初は中華風に随分攻めたアレンジするなwと私は苦笑していましたが、
物語の理解が進むに連れて、奥深い歌詞世界が病み付きに。
1クール目放送で流れていた時より、使われなくなった2クール目、放送終了後と、後になるに連れ、私はドハマリしていきました。

「花になって」はOPアニメーションも出色の出来。
猫猫ってこんなに美女だっけ?との違和感も、
{netabare} むしろソバカス顔の方が花街で搾取される美人顔を隠すための化粧{/netabare}
として伏線回収され唸らされ。
華麗な猫猫の舞の方も、ラスト{netabare} 身請けされた妓女の餞に舞として再び披露され{/netabare}
曲もOPアニメもスッカリお気に入りとなりました。


【余談】
YouTubeにて、日本在住中国人による李姉妹chというのがありまして。
アニメ専門とかではない異文化・言語学発信系のチャンネルなのですが、
TVアニメ版『パリピ孔明』の中国での反響などのネタも貴重なのでしばしば覗いています。

『薬屋のひとりごと』の中国での評判についても、
猫猫(マオマオ)の発音は中国語にはない発音なので、あくまで中華風と割り切って見ているとか興味深い話が発信されています。

因みに華流ドラマ界でも宮廷物は定番で、放送中は『薬屋』が実写ドラマ化されたら、
壬氏役はどのイケメン華流俳優が演じるか勝手に予想して盛り上がっているのだとかw

もし調子に乗って実写化とか企んでいる方々がいるとしたら、
取り敢えず、猫猫に悪寒を走らせるwイケメン俳優起用は実写化の絶対条件だと釘を刺しときますw


【参考文献】(※1)animate Times「アニメ『薬屋のひとりごと』は無意識を刺激する計算された一作/長沼範裕監督インタビュー」

投稿 : 2024/06/01
♥ : 29

57.3 9 誘拐でファンタジーなアニメランキング9位
クイーンズブレイド リベリオン(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (197)
1071人が棚に入れました
逢魔の女王 アルドラはついに破れ、30回目のクイーンズブレイドは幕を閉じた。
優勝した美闘士は女王の座に就くことなく去り、代わりに最終戦前に優勝者に敗れた雷雲の将 クローデットが女王の座に就くことになったのだった。
誰からも尊敬される人格者であった彼女に対し、民衆は期待をもって受け入れた。そして、貴族制・重税の廃止・女王直轄軍による各地の紛争の鎮圧など、民衆の期待に応えるかのように成果を出していった。
しかしそれも束の間、一年後にはその善政の側面が露になってきた。その実態は前女王以上の軍事大国化であり、反対するものは力でねじ伏せる恐怖政治だったのだ。大陸には戦火が広まり、錬金術によって作られた魔導石が普及したことにより、弱肉強食の世界へと変わりつつあった。
そして遂に彼女は「自分こそが大陸を支配する永遠の女王である」と宣言。クイーンズブレイドも廃止され、もはや彼女に対抗するものは現れないかと思われた。
しかしそれに叛逆するものが現れた。彼女は叛乱の騎士姫 アンネロッテ、義姉妹の契りを結んだ仲間と共に<叛乱軍>を組織し立ち上がった。そして勢力を拡大した<叛乱軍>に対し、女王も軍勢を送り込んできた。
そして遂に、アンネロッテ率いる<叛乱軍>と雷雲の女王との戦いが始まるのだった。

声優・キャラクター
遠藤綾、小林ゆう、茅原実里、高口幸子、櫻井浩美、豊崎愛生、井上喜久子、戸松遥、真堂圭、三森すずこ、伊藤静、竹達彩奈、佐藤聡美、寿美菜子、水橋かおり、齋藤彩夏
ネタバレ

CC さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

『妹たちよ、この剣に誓おう。限界突破へ挑戦することを!』 byアンネロッテ

私個人の意見として、この作品は女性にはオススメできません。私は「純情ロマンチカ」などのBL作品や「うたの☆プリンスさまっ♪」などのイケメン作品などを視聴すると、吐き気、めまい、頭痛、痙攣、不眠症などといった『腐女子向けアニメアレルギー』って病に冒されます(笑)この作品を女性が見ると、私の『腐女子向けアニメアレルギー』と同じよな症状が起こる可能性があります。これから視聴される女性の方は気をつけてくださいね。
それと、レイティング指定されてないのかな…!?これも個人的な意見なのですが、R15指定くらいですかね。AVのタイトルや表紙を見て興奮しちゃうような人は、本気でオススメしない。悪影響にしかならないと思うよ。大規模な下ネタを見てるって気持ちで見ないと…ねw

ジャンルはポロリ・バトルアニメ
類似作品で『一騎当千』・『フリージング』最近では『ハイスクールDxD』辺りでしょうか!?衣類や鎧がエリエールでできちゃってるんじゃないか!?って種類のアニメですw
このシリーズはTVアニメ三作目なので、本作からクイーンズブレイドを視聴される方は、「エリエールタイプのアニメね^^」って頭に入れとくと良いと思います。

【】
なんか…OP、カッコ良くないか!?…気のせいかww
私はクイーンズブレイドのシナリオには、大して魅力を感じてません。先ほども言いましたが、大規模な下ネタを見ている感覚、つまりネタアニメとして視聴してます。
{netabare}ですが、気になる所が少しあります。それは前作との繋がりです。前作の最もイジられたキャラ(主人公)レイナは登場するのか!?とか、レイナの姉(雷雲の将 クローデット)が本作では女王。つまりラスボス!?!? そして、前作ラスボスのアルドラの本作での立ち位置は…??って所ですかね。…この辺はリベリオンの前のOVAでやってくれてるのかな!?見てないからわからない。 {/netabare}

癖の強い作品ですが、前作と比べると本作の方が取っ付き安い印象です。流し見でもシナリオには十分ついていけるので、類似作品が好きだった方は挑戦してみては?

投稿 : 2024/06/01
♥ :

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

聖なるポーズ"治癒"

本作は『クイーンズブレイド』の3期にあたります。
前2作の続編という名目ではありますが、
登場人物が一新され、懐かしいキャラも立場がかなり変わったり、
と、別物のように思えました。


感想。
・・正直、微妙でした。
2期で思ったより満足してしまったため、
少し期待値が上がってしまっていたのかもしれません。
世界観や服だけ破れ消える作風は前作と同じなので普通に面白いのですが、
・これまでのお気に入りキャラがほぼ出演なし
・ストーリーが薄く、盛り上がりに欠ける
などの理由から、少しガッカリしました。


主人公はアンネロッテに変更。
何だかんだでQBの主人公はレイナが良かったです。
アンネロッテもきちんと主人公やってましたけど。

それと、彼女の周りを取り巻くメンツがなぁ・・。
嫌いじゃないんですが、これといって魅力的に感じるキャラはいませんでした。


内容は一層バカになってます。
超振動クリスタル(鎧)とかおかしすぎw
聖なるポーズもパワーアップ!?
こちらは必見です。



OP「命のうたが聞こえる」 歌ー田村直美
ED「future is serious」 歌ー小林愛香

EDのインパクトが強かったです。
(2期のEDほどではないが・・)
歌っているのが、当時18歳の高校生という事実に驚きです。
力強い歌声でとても高校生シンガーには思えませんでした。


--------------------------


少しばかり否定的な意見を書いてしまった本レビューですが、
1つの作品としてはぜんぜん楽しめたほうです。
自分、このシリーズが好きなんだなぁ、と。

ただ、1,2期が良かっただけにちょっと勿体なかったな、
とはどうしても思ってしまいます。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

りぃたん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

対戦型ゲーム本原作、エロ警戒!!

・・・エロが見たい人以外、見てはいけません。
深夜帯のお色気枠を否定はしません。
映画やドラマでもあるのだから、
アニメもアニメらしい魅力的なお色気作品を作っていってほしいです。
しかしこのアニメ、ちょっとギリギリなくらい
何かとエロが前面に出ている気がします。
深夜帯とはいえ、TVでここまでやってしまっていいものなのか、
引いてしまう人多数でしょう。
OPに注意書きが必要かと思うくらいです。

初めて視聴したのですが、
対戦型ゲーム本原作のシリーズ物ということで、
話の骨子や展開は意外としっかりしていると思います。
個性あるキャラもいろいろいてかわいくなくもないし、
服装も凝って作られているような気がします。
前女王が敗退して新しい女王になって、
そこから軍事大国化、恐怖政治になってこの話に
続くらしいです。
今回は魔導石なるものがお話のポイントになるのかな。
騎士姫アンネロッテを助ける馬がかっこいいです。
街や山の舞台もファンタジーで悪くないです。
なのに、前作未視聴なのでわからないですが、
前作よりエロがひどいらしい。

ここまでしないで、
もうちょっとファンタジーに傾けてくれれば
ここまで下品な印象にならないはず。
戦ったらすぐ○○○○でちゃうとか、
神様に失礼なほどのエロ異端審問官は
いただけませんでした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 7

58.4 10 誘拐でファンタジーなアニメランキング10位
Dance with Devils(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (141)
727人が棚に入れました
人間の少女とアクマのドラマを描いたミュージカルアニメ。
四皇學園に通う高校2年生の立華リツカは皆の憧れである生徒会長・鉤貫レムから呼び出しを受け、生徒会の面々と不思議な出会いを果たす。

声優・キャラクター
茜屋日海夏、斉藤壮馬、羽多野渉、近藤隆、木村昴、平川大輔、松田利冴、山本和臣、鈴木裕斗、鈴木達央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これ、女性向けの作品だったんですね^^;

この作品はオリジナルアニメ作品です。10月より漫画の連載が始まっているようですが、今後ゲームソフトや舞台などに展開していくようです(wikiより)

この物語の主人公は高校2年生の立華リツカ・・・普通の真面目な女子高生です。
ですが、ある日校則違反の疑いで生徒会に呼び出せれた事を皮切りにし、リツカに突如目の前が真っ暗になるような出来事・・・母が何者かによって連れ去られてしまう事件が起こってしまうのです。
何故突然リツカの身の回りで不審な出来事が起こるのか・・・その謎に迫るように物語が動き出します。

そうでしたか・・・これは女性向け作品だったんですか^^;
視聴している時には個人的に別の課題があったので、そっちに気を取られていて気付きませんでした^^;
そう言われてみると、主人公以外の搭乗人物は殆どが男性でしかもイケメンばかりだったと思います。

主人公のリツカちゃん・・・見た目は繊細で折れてしまいそうなのですが、探求心と芯の強さを併せ持った女の子です。
彼女の身の回りで不審な出来事が起こる理由は本編で確認して頂きたいと思うのですが、どうやらリツカが持っている何かを狙っているよう・・・
でもそれはリツカ自身が身に覚えのない事だったんです^^;

そうなると・・・捕捉の対象は自然と本人へと移っていく事になるのですが、この物語の本番はここからでした^^;
次々とリツカの前に現れるイケメンである生徒会の執行部のみなさん・・・
執行部の皆さんはそれぞれの個性を活かしてリツカを自分のモノにしようと試みるのですが、その中に必ずミュージカルが出てくるんです。

私は、恥ずかしながらリアルでもミュージカルの良さが分からないです^^;
何故突然歌になるのか・・・歌いだすのかが理解できないんです。
そんな私がアニメのミュージカルを楽しむ事ができるのか・・・これが冒頭に書いた私の課題だったのですが・・・

結論から言うとこの作品も完走しているので問題はありませんでした。
でもこの作品のミュージカルは全体の1〜2割程度で、ミュージカルパート以外にも見どころがあったのから大丈夫だったのだと思います。
はじめから最後までフルにミュージカルあったら・・・正直未だ分からないです^^;

皆んなの狙いは・・・そして狙われたリツカは・・・気になる方は本編でご確認下さい^^

オープニングテーマは、羽多野渉さんの「覚醒のAir」
エンディングテーマは、PENTACLE★さんの「マドモ★アゼル」
物語の点ミュージカルが描かれていたので、ミュージカルに伴う挿入歌はたくさんありました^^;

1クール全12話の作品でした。女性が主人公ですしリツカ以外にも女性は出てくるので女性向けと言いながら華が無いわけではありません。
でも完走して振り返ってみると「男性でも視聴できる女性向け作品」という感じなんだと思います。
今アニメショップに行くと男性より女性の方が多いのでは・・・?
と思える位女性の姿を見かけます。そして彼女達は結構大量にグッズを購入していくんですよね^^
間違いなく貴重な支持層なんだと思いました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

おみや さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

急に歌うよぉ~~~

だってミュージカルですもの。w

この作品、完全に女子向けです。(と言いながら楽しめたおっさんが
ここにいる訳なんですけどね、、、。)

立華(たちばな)リツカは高校2年生。ある日校則違反で生徒会
から呼び出しを受けたのを皮切りにストーリーが展開していきます。

違反なんぞしてないわ!と、学園を出て自宅へ戻りますがなんと
そこにはあやしい輩が、、、。自宅内は荒らされ、ふと気付けば母親が
危険な状態に。母親と目が合い、こっち来ちゃダメのサイン。

リツカはイギリスに留学している兄のリンドに助けを求めます。
キーパーソンです。(後々何を学んでいたのかも、、、)
結局母親はどこかへ連れ去られてしまいます。

リツカも危ない目に逢いますが、生徒会長の鉤貫(かぎぬき)レム
に助けられます。彼もキーパーソンですね。

で、何でこんなことになったのか?なんですがその理由が、世界を
支配できる魔道書「禁断のグリモワール」の存在だったのです。

そしてこの魔道書にリツカが大きく関わっているという事を知ります。
しかしながら自分では何も知らない。どうしたらいいの?

とはいっても「禁断のグリモワール」争奪戦に否応なしに巻き込まれて
いくことになります。
彼女の運命やいかに!


あらすじ書くのも(ネタバレしないように)頭使うのねぇ、、
最近サボってばっかりだからかしら?w

まあ、魔道書なんてものが出てくる訳ですからおわかりでしょうが
この作品では悪魔、ヴァンパイア、エクソシストが出てきます。
(それと悪魔では無い〇〇、ヴァンパイアではない〇〇も、、)

ミュージカルと書きましたが、音楽パートの部分は少なめだった
と思います。楽曲はなかなか良くできていたと思います。1クール
作品であれだけ力が入っていたのは好感が持てますね。しいて言えば
登場人物が男ばっかりなのでもう少し女性の歌を聞きたかったかな。

あと、ストーリーの構成は自分にはとてもわかり易かったです。
そしてエンディングも、、、、ああそうですか。いかにも女性が
好みそうな終わり方なんでしょうね。

ちょっとオススメできるのが限られますが、女性向けミュージカル
というキーワードで気になった方は是非!







おまけ
なぜか生徒会室にあるガラスの将棋盤(普通ならチェスとかだろうに、、、)
これはレムのものなんですが、作品内でちょこちょこ出てきます。

終盤でパチン!と駒を置いて「詰みだ!」なんてセリフがあるん
ですが、、、
いやいや、それ詰んでませんから。w(多分。私、一応初段ですので)

一人ツッコミ、失礼しました。ぺこり。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 17

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

とてもエンターテイメント性の高い作品

手にした者は世界を支配できるという「禁断のグリモワール」、その在り処の鍵を握るヒロイン・立華リツカを巡って、悪魔やヴァンパイア、エクソシストなどによる争奪戦が繰り広げられる、といったストーリーのミュージカル風アニメ。
これは面白かったです。非常に楽しめました。
基本的に、美男子の悪魔やヴァンパイアたちがヒロインを手に入れようと争う逆ハーレムのような構成なので、女性向けの作品ではあります。ただ、ストーリーは意外としっかりしていますし、ヒロインもかわいいので、男性でも楽しめる人は結構いるのではないでしょうか。
リツカは、美男子キャラに迫られるとすぐ流されるような弱いキャラではなく、自らの意思で行動するのは良いのですが、危ないからどこにも行くなよと言われているのに、それを守らずに危険な目に合うパターンは、お約束ギャグのようで笑えます。
リツカを巡る美男子たちは、それぞれ確かにルックスはかっこいいのに、どのキャラもかなりクセが強く、どこか気持ち悪かったりして好感が持てます。筆頭格の生徒会長の鉤貫レムは、趣味?が将棋なのか、ガラスの将棋盤に駒を打ち込んで「これで詰みだ」みたいな決め台詞を言ったりするのが、かっこいいのかどうか微妙です。個人的には、棗坂シキという堕天使が、いい感じに気持ち悪くて好きでした。
音楽シーンは、ときにはシュールで笑えたり、ときには普通に感動的だったりして、全体的に楽しめました。特に、第三図書館四皇学園生徒会の歌(正式なタイトルはわかりませんが)は、とても耳に残って、つい口ずさみそうになって困ります。また、最終回の最後の歌も印象的でした。
声は、リツカ役の声優さんはプリパラのらぁら役の人で、その他の作品では見たことがなかったですが、歌も含めて悪くなかったと思います。
全体を通して、歌や笑い、謎やバトル、それに恋愛要素もあって、いろいろな面でそれぞれ楽しめる、とてもエンターテイメント性の高い作品だったと思います。かなりクセの強い作風なので全く受け付けないという人も多いでしょうが、今期の中ではトップクラスに楽しめた作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 16

58.2 11 誘拐でファンタジーなアニメランキング11位
DIABOLIK LOVERS MORE,BLOOD(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (123)
701人が棚に入れました
逆巻家に居候することになった小森ユイは、ヴァンパイアである逆巻六兄弟に血を奪われる日々をおくっていた。そんなある日――。彼らの前に、新たなヴァンパイア・無神四兄弟があらわれる。「イブ……迎えに来た」「おはよ、エム猫ちゃん」「逃げんなよ、雌豚!」「……君は痛いの……好き……?」彼らはユイのことを"イブ"と呼ぶが、その目的とは一体……?そして"アダム"とは……。今、新たな運命が動き始める――。

声優・キャラクター
末柄里恵、緑川光、梶裕貴、平川大輔、鳥海浩輔、小西克幸、近藤隆、櫻井孝宏、木村良平、鈴木達央、岸尾だいすけ、森川智之、森久保祥太郎

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私なりにこのアニメの楽しみ方を考えてみた。

ここでは、1期と2期(MORE,BLOOD)のレビューをまとめて書くことにする。

メンズはもれなくイケメン・イケボ揃いの吸血鬼、ヒロインはただただ彼らに血を求められる不憫な女の子。逆ハーレムなんてとんでもない。
このヒロイン、ざっと思いつくだけでも「乳ナシ」「ビッチ」「餌」「家畜」「M猫」「雌豚」などと、男たちから散々な渾名で呼ばれ、理不尽な扱いを受けた挙句に毎話ノルマのように誰かに吸血される、一体誰がこんなの見ていて楽しいのだろうかと思っていた、最初は…

15分アニメということもあり、ストーリーはあって無いようなものと思った方がいい。もうそこは制作側も意図して放棄しているようにすら感じる程に、ある種「振り切って」いる。
ならばどのようにして、この作品を楽しむのが一番良いのだろうか…
まずは、乙女ゲーム原作ということなので、その手の作品では王道的な楽しみ方であろう自分をヒロインに置き換え、イケメンに囲まれてイロイロされる状況にキュンキュン―

…できない。
男たちは総じてドS設定で、優しい言葉も甘い言葉もなく、ヒロインはひたすら蔑まれ・罵倒された挙句に、体中の様々な場所をガブリと噛まれ、血を吸われる。
本作品の「肝」と言っても過言ではない、この吸血シーン。様々な場所・シチュエーション・ポーズで、妙に色っぽい声を出しながら血を吸う男たちと、ちょっとそれに抗ってみるが結局流されてしまうヒロインの絡みが最大の見せ場であろう。
当初私はこれを「耽美的」と表現しようと思っていたが、このアニメはもうそれを通り越している。直球で言おう、普通にエロい。

ただ、とは言ってもこの状況に心から気持ち良くなれるのは、言葉攻めも物理的な痛みも甘受できるドMの女子だけだろう。
生憎私は、M属性ではない上に、リアルに貧血持ちなので、自分をヒロインに置き換えてこのアニメを見続けていたら、途中で卒倒していたかもしれない。

しかしこの作品、見続けていくうちに、次第に突っ込み所の多いシーンやら台詞がクセになってくる。
先にも触れたように、ストーリーは破綻しているようなものなので、この作品はいわば「シチュエーションアニメ」「雰囲気アニメ」、もっと言うなら「サディスティック吸血アニメ」「エロティック献血アニメ」だ。
ここまで振り切った作品になってくると、もはや一周回ってギャグアニメだ。コメディ要素は一つもないのに、笑いが起こるという奇跡のスタイルがここに完成している。

特に2期の10話は、生粋のギャグアニメを見ていても笑みが少々こぼれる程度の私が、久しぶりに声を出して笑ってしまった神回である。

つまり私の結論:この作品の楽しみ方 = スタイリッシュギャグアニメとして見る、だ。

余談ではあるが、男性キャラ達には幼少期の回想シーンがある。こんな可愛い子たちが、大きくなってどうして皆が皆ドSでハチャメチャな性格に仕上がってしまったのか、甚だ謎に思えてくる。
というわけで、ドMかつショタ好きな方には身悶えするほどに美味しい作品である、ということは言っておきたい。
そう考えると、ストライクゾーンが極めて狭いアニメである(笑)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

あれ、作品のジャンルが・・・^^;

この作品は、「DIABOLIK LOVERS」の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

1期を視聴した時に感じた痛み・・・正直衝撃的でした。
主人公である小森ユイちゃんが吸血鬼にひたすら翻弄され・・・血を吸われ続ける・・・
ほぼ無抵抗のままのユイちゃん・・・
抗うのを諦めたのか・・・機会を虎視眈々と狙っているのか・・・1期を最後まで完走して前者だと理解しましたが、とにかく血を吸われ続けるユイちゃんが痛々しくて・・・
もともとこの作品の原作のジャンルは「ドS吸血恋愛ADV」でしたが、今回2期を完走してwikiをチラ見するまで気付きませんでしたが、原作のジャンルが「恋愛、ダーク・ファンタジー」に変わっていました。

2期を完走して振り返ってみると、1期の時に感じた「痛み」は少なかったように思います。
私はてっきり吸血行動に「慣れてしまった」とばかり思っていましたが、ジャンルと共に内容も若干はソフトになっていたのでしょうか^^;?

1期では逆巻家のバンパイアに翻弄されたユイちゃん・・・
2期では無神家のバンパイアに翻弄されるユイちゃん・・・

物語の進行上、ディテールに違いはありますが、今期もほぼ無抵抗なユイちゃんに次々とバンパイアが群がってきて「カプッ・・・チュゥ・・・」という感じでした^^;

首筋に牙をたてられたらホント痛いと思います。
でも次から次へとチュゥチュゥされるユイちゃんを見ていると、生きていくのに必要な血液量が下回ってしまうのでは・・・とこちらの方が心配になってしまいました^^;

それにしても・・・ユイちゃん、なんでもっと抵抗しないんだろう・・・は疑問でした。
抵抗が少ないから、そんなに吸われちゃうんです・・・
しかもユイちゃんの血は特別らしいので、バンパイアの吸血意欲をより高めるのも後押しをしていて抵抗しずらいのかもしれませんが^^;

でも、2期の途中から「アダム」と「イブ」というキーワードの重要性が増して大きく物語が進展したと思います。

強く思うだけじゃ願いは叶わない・・・

途中からそうなんだろうなぁ・・・と思いながら視聴していましたが、やはりそこに落としてきましたね^^
とニンヤリしたのも束の間・・・ここで1期12話が終幕を迎えてしまいました^^;

こ、これから面白くなるんじゃ・・・
個人的には新妹魔王の契約者に引き続き、目の前で梯子を外された作品となってしまいました^^;
ここまで来たら、この作品ともトコトン付き合っていきたいと思います。
続編の情報・・・楽しみにしています^^
でも、続編があるなら視聴に伴う痛みは今期並でお願いできればと・・・^^;

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12

future☆ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

.。o○ ○o。.あらすじ.。o○ ○o。.

逆巻家に居候することになった小森ユイは、ヴァンパイアである逆巻六兄弟に血を奪われる日々をおくっていた。そんなある日――。彼らの前に、新たなヴァンパイア・無神四兄弟があらわれる。
「イブ……迎えに来た」「おはよ、エム猫ちゃん」「逃げんなよ、雌豚!」「……君は痛いの……好き……?」
彼らはユイのことを“イブ”と呼ぶが、その目的とは一体……?そして“アダム”とは……。今、新たな運命が動き始める――。


.。o○ ○o。.キャスト.。o○ ○o。.

小森ユイ:末柄里恵
逆巻アヤト:緑川 光
逆巻カナト:梶 裕貴
逆巻ライト:平川大輔
逆巻シュウ:鳥海浩輔
逆巻レイジ:小西克幸
逆巻スバル:近藤 隆
無神ルキ:櫻井孝宏
無神コウ:木村良平
無神ユーマ:鈴木達央
無神アズサ:岸尾だいすけ
月浪カルラ:森川智之
月浪シン:森久保祥太郎


.。o○ ○o。.放送日.。o○ ○o。.

AT-X 9/23(水) 24:30~
TOKYO MX 10/4(日) 22:00~
ニコニコ動画 10/4(日) 22:00~


.。o○ ○o。.OP、ED.。o○ ○o。.

OP「禁断の666」無神コウ(木村良平)&無神アズサ(岸尾だいすけ)
ED


.。o○ ○o。.お話.。o○ ○o。.

1話「Episode01」

2話「Episode02」

3話「Episode03」

4話「Episode04」

5話「Episode05」

6話「Episode06」

7話「Episode07」

8話「Episode08」

9話「Episode09」

10話「Episode10」

11話「Episode11」

12話「Episode12」(最終回)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 3

64.3 12 誘拐でファンタジーなアニメランキング12位
真夜中のオカルト公務員(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (202)
670人が棚に入れました
フツーの公務員になったはずの新宿区役所職員・宮古新が配属されたのは、東京23区すべての区役所に人知れず存在する「夜間地域交流課」だった。そのお仕事は、人ならざる者が関与するオカルト的事象の解決。先輩で課のリーダー榊京一、オカルトマニア姫塚セオに連れられて人の世の理を超越した存在と対峙しに、夜な夜な出勤する。

声優・キャラクター
福山潤、前野智昭、入野自由、遊佐浩二、櫻井孝宏、土岐隼一
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

レッツ!異種間コミュニケーション(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
妖怪、精霊、神々、などを「アナザー」と呼称し、彼らの起こすオカルトな事案を専門に処理する公務員達の物語。

男ばっかり出てきますが、特にBLってことはないし、安心安全の当たり障りのない作風。、、、だって、公務員ですから(笑)

これといって際立った良さはないのですが、なんとなく、普通に最後まで観られるアニメでしたね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
扱うテーマは、「価値観」。

それぞれの種族にはそれぞれの価値観があり、他種族(人間)には理解できないものだったりする。

そこで、アナザーと言語によるコミュニケーションをとることができる唯一の存在、宮古新 を中心に物語は動いていくのだが、、、

う~ん、飛び抜けた良さがない。

これはしょうがないけど、「アナザーならではの価値観や発想」も、所詮、「サイコパスではない普通に善良人間(作者)」が考えたものだから、視聴者にも納得できる枠内に収まってしまった。理想を言えば、「そんなん思い付きもしませんがな」という、予想のナナメ上をいくような「意味のわからなさ」が欲しかった(そういう意味では、宇宙人との交流を描いた冨樫さんのギャグ漫画「レベルE」は凄い)。

強いて、上記のような「異種間」ならでは軋轢がしっかり描けていたのは、7話のアザゼルに復活させられた少女の苦しみ、叫びくらいかな。あれは聞いてて胸が痛くなった(心に残った)。

キャラクターとしては、やはりウェウェコヨトルがよくできていただろうか。つかみどころのないフワフワしたキャラクターだが、だからこそ、一番の「異種」を感じさせてくれた。8話のお散歩回は、妙なコメディタッチながらも、美しく切ない話。なかなか素敵だった。

ラスト12話に、1話完結の「良い話」をもってくるのは、作品に対する制作の愛情を感じた。ヘタに2期に含みを持たせるよりも、よほどスッキリする。

あぁ、あと、東京各所の風景がわりとちゃんと描かれていたし、新国立競技場が使われたのは、なんだか感慨深かった。リアルタイムで良いなと思った。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
普通は、あのスプレーがヤバい薬品で、幻覚を視ていると思うよな(笑) いや、わりと面白い。新人、神の耳(笑) 超エースになれるじゃん。アナザーと言語コミュニケーションをとれる奴が一人いれば、文字を教えて、種族間のコミュニケーションがとれるだろ。

2話目 ☆3
なんかちゃんとストーリーアニメになってきたな。

3話目 ☆3
妖怪の怖さ。愉快犯。思い、、、出した(笑) 神様か。

4話目 ☆3
神様と酒盛り。ハイエナ、渋い。

5話目 ☆2
言語が理解できても、文化や思考を理解できるとは限らないしね。パンドーラーとは、これまたメジャーどころを。

6話目 ☆2
ストーリーに戻ったね。人間は、圧倒的弱者、なのかな?


7話目 ☆4
なんか、ありがちな動機に、がっかり。もっと、発想の外側の動機が良かったな。なんて迫力のない、逃走劇(苦笑)

ただ、復活を喜ばない、少女の、泣き叫び。あれは良かったな。人間として、何が幸せなのか、アナザーとの価値観の違いが出ていた。

ラストは、まあ平和だけど、目が見えないままにしておくというのも、展開としてはアリだったかな。

8話目 ☆4
後楽園から上野、そして、浅草、押上。歩いて歩けない距離じゃないけど、かなりキツいな(笑)

妙なコメディタッチながらも、美しく切ない話。なかなか素敵な回だった。

9話目 ☆3
踏み潰して、一閃。人間の方が、複雑怪奇。

10話目 ☆3
新国立競技場、ある設定なんだね。繭を作るアナザー。アナザーと神の境目は、格なのか?

11話目 ☆3
アナザーと人間の協力、は分かるし、アナザーの支援は嬉しいけど、アナザーの能力はほぼ使わず、人海戦術、か。

12話目 ☆3
ラストに、ちょっと平和な話をもってくるのは、作品に対する制作の愛情を感じる。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

妖怪、精霊、神々といった超常的存在との平穏を図りながら、都内でのオカルト事件に対応する夜間公務員の物語。

この作品の原作は未読です。
事前情報一切無しで視聴を始めて、気が付いてみたら完走していた…私にとってそんな作品でした。


フツーの公務員になったはずの
新宿区役所職員・宮古新が配属されたのは、
東京23区すべての区役所に人知れず存在する
「夜間地域交流課」だった。

そのお仕事は、
人ならざる者が関与するオカルト的事象の解決。

先輩で課のリーダー榊京一、
オカルトマニア姫塚セオに連れられて
人の世の理を超越した存在と対峙しに、
夜な夜な出勤する。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
公務員の中でもオカルト的な相手との接触を生業とするのは、普通に考えると物凄くリスキーです。
同じ給料しか貰えないのなら絶対配属されたくない部署だと思いますが、新が配属されたのはある意味必然でした。

それは、新たにしかない…かどうかは分かりませんが、少なくてもこれまで登場したキャラの中では新だけが「砂の耳」を持っていたから…
妖怪、精霊、神々、これら一般の人間には感知されない超常的存在を、この作品では「アナザー」と呼んでいるのですが、砂の耳の持ち主はアナザーと対話することができるんです。

アナザーが何を言っているかを理解することができ、アナザーにこちらの意思を伝達することができる…
確かに凄い特殊スキルだと思います。
でも、見方を変えて考えると、アナザーが何を言っているかが全く分からない状態で、これまで超常的存在と対峙してきたことの方が遥かに凄いと思います。
下手したら、相手を怒らせてしまうかもしれない…
そうなったら、相手がどんな手を打ってくるのやら…底が知れません。

何故、新が砂の耳を持っていたかは、彼の出生に秘密があるようなのですが、結局のところ、この件については真相に辿り着きませんでした。
そこは完走しても少しモヤっと感が残るかもしれません。

だから…なんでしょうね。
アナザーに近づきすぎるな…と新が先輩たちから警告を受ける場面を何度も見ました。
そりゃそうです…アナザーと呼ぶ位、人間とは在り方から異なっているのですから…

彼らと対話する以上、ある程度寄り添う必要があります。
それは先輩たちからすると、十分過ぎるくらい危険領域に踏み込んだ行為…
でも対話が、解決に向けた一番の近道ですから…

慎重さを無くして良い訳じゃありません。
新の加入をきっかけに、仕事の仕方が変わりました。
例えば人間とアナザーで酒盛りするとか…

お互いの意思疎通が図れなければ、絶対実現できないことです。
人間とアナザーは共生していかなければいけない間柄である以上、交流は欠かせません。

もちろん、新の仕事のやり方を否定する同業者も存在します。
誰もが砂の耳を持っている訳じゃない…
持たざる者には勝てない…?
特にエリートなら真っ向から否定するでしょう。
じゃないと、これまで積み上げてきた自信を、きっと失ってしまうから…

だれもが能力者ではないんです。
選ばれなかった者は、自らに努力を課すことしかできませんから…
私も選ばれなかった側なので、否定する人間の気持ちは良く分かります。
この作品がスルっと完走できたのは、そんな視聴者に寄り添う視点で物語が描かれているからかもしれません。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、福山潤さんの「dis-communicate」
エンディングテーマは、土岐隼一さんの「約束のOverture」

1クール全12話の物語でした。
物語は綺麗に纏まっていたのではないでしょうか。
作画も特に崩れや乱れは感じませんでした。
設定も良かったからでしょう…しっかり堪能させて貰った作品でした。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 18

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

『発想』は良かった。でもあまりにも『不完全で不十分で不器用』!

2019.07.01
主人公・宮古新(みやこ あらた)22歳。
東京都の公務員採用試験に受かり配属されたのは「新宿区役所夜間地域交流課」。ここは都内の闇に存在するアナザー(妖怪・心霊・神々などのオカルト案件)を監視・調査・被害が発生すれば対処する部署。人間とアナザー、お互いに深く干渉して(傷害)事件性を起こさないように対処するのが目的。
しかし会話や意思疎通が双方ともまったく出来ないので「行動」で推測するのがかなりの難点。そんな折、新人・新は「砂の耳」と言われるアナザーの「声や会話が聞こえる・理解できる」能力に開眼。こうして新は闇世界に関わっていくのだが・・・

【簡易感想と若干の指摘(?)】
●国家事業(?)としての灰色なオカルト対策部署という設定は面白いと思います。惜しむらくは、もっと組織ゆえの複雑すぎてダメなトコロが見たかった。

●人の都合とアナザーの都合。双方思惑が食い違うテーマはイイですね。実際、野猿や野生のシカ等がが里山の畑や民家に入って食い散らかす被害が出ても、人間様の社会生活事情なんて知った事じゃないから食料があれば本能的に漁るのが当たり前でしょうし・・・そこでどのように共存するかが悩みどころ。そういう着眼点は良かった。


しかし!

●アナザーのデザインは、やはり「(創造が)出来ない人」特有の「人間素体」が基準になっているようで『奇抜』さが無かったのが残念。 むしろ、それぞれの「縁や関係性重視」でストーリーを組み立てる主義なのかもしれませんね。

●宮古新が『(砂の耳を)持ってる』のに「ボンクラ」過ぎるのが見ていて腹立たしくもあり、不愉快でもありました。見事に「平和ボケ日本」で育った青年です。(笑)
公務員としての仕事はそつなくこなすものの、配属されたオカルト専門の部署にも関わらず、
・オカルトに関する「造詣・知識無し」。
・オカルトに関する「興味(あまり)無し」。
・なので、すすんでオカルト知識を学ぶ「意欲無」し。
・平和ボケしてるのでアナザーの危険性に対して悲しい程「無警戒(スキだらけ)」。
・「砂の耳」という常人がうらやむ能力が有りながらも「自覚無し」。(凄腕ネゴシエーター=交渉人になりうる素質がありながも凡庸すぎ)
『才能』があるにもかかわらず、まったく伸ばそうとしない「ボンクラ」ぶりに苛々苛々苛々苛々苛々苛々苛々・・・・・・・。
・安倍晴明と縁があると知っても、まったく「自覚無し」。(え?誰ソレ?偉い人?)
など、なんかポヤ~~ンとしすぎ。
良い面としては、
・基本優しい善人
・対話解決主義
なんだけど・・・・・アクティブさが無い分、なんか観ていて苛々させられました。(表情も固かったしネ)

●自由本舗なウェウェコヨトル=琥珀。性別は無いだろうけど、女性のようにしなやかな肢体で優男声。相手をまったく気遣わない自分主義。その結果周りを混乱・争乱させるトリックスター。う~~ん、何か気持ち悪かったです。(笑)


そんなわけで、「オカルト面」に関しては、何かと「ニワカ知識」で浅く、面白味がいまひとつ。
ストーリー・ドラマに関しては、もう3~5工夫すれば面白くなるように思えました。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 9

72.3 13 誘拐でファンタジーなアニメランキング13位
ドラゴンクエスト ダイの大冒険(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (171)
550人が棚に入れました
かつて、魔王ハドラーにより苦しめられていた世界は、「勇者」と呼ばれた一人の剣士とその仲間たちの手により平和を取り戻した―― 時は流れ…。魔王から解放されたモンスターたちが暮らす南海の孤島・デルムリン島。島唯一の人間であり、勇者に憧れる少年「ダイ」は、モンスターたちと平和に暮らしていた。だが、その暮らしも、魔王ハドラーの復活により一変する。師との約束、仲間との出会い、逃れられぬ宿命…再び危機が訪れた世界を救うため、勇者を目指す少年・ダイの冒険が始まるー!

声優・キャラクター
種﨑敦美、豊永利行、小松未可子、早見沙織、櫻井孝宏、梶裕貴、緒方賢一、降幡愛、関智一、前野智昭、奈良徹、子安武人、岩田光央、速水奨、土師孝也
ネタバレ

Takaさん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

リメイク作品

30年ぶりのリメイクとのことなので、
放送時間を鑑みて若年層をソシャゲのドラクエに取り込みたいのかな?

お金かけて丁寧に作っている印象。

97話~100話
{netabare}
ゴメちゃんの正体判明からのダイの超本気モードで決着。
主人公が最後に消息不明で終わるのも珍しい作品だった。

まぁ、アバン先生の中の人が最後の最後で交代しなくてよかったとも…
{/netabare}

96話
{netabare}
バーンと魔界を二分していたヴェルザー登場(声だけ)
中の人的にも、かなりの強キャラ感が。

キルは、ヴェルザーからの刺客だったことも判明。
ヴェルザー戦は無さそうだけど、あったら、あと1年続きそう。

地上が無事で、奮起するポップ、そして、ポップに触発されるダイ。
次回で決着付く?
{/netabare}

93話~95話
{netabare}
バーンとの最終決戦。

ダイとポップのコンビが熱い!
ポップ、もはや主人公では?と。

逆転の再一手が次回に出てくる?
{/netabare}

92話
{netabare}
ミストバーン戦、あっけない結末だった。
ヒュンケルの先読み勝ちではあるけど。

勝てる気がしないダイとの力量差だけど、
どうやって勝つのだろう?
{/netabare}

90話~91話
{netabare}
アバン vs キルバーンの戦いの結果は結構あっさり描いていたのは意外。

ミストバーンの正体は、身体は若い時のバーンで、
魔物ミストが借り受けている感じ。
次回、真バーンが登場するから、ミストバーン戦に決着付くのかな?
{/netabare}

89話
{netabare}
老師が作ったチャンスも、ミストバーンの前には・・・

次回のバーン関連の真相?のが気になるなー
{/netabare}

88話
{netabare}
ミストバーンが、バーンより強いとは・・・
バーン何かしらの契約関係がある?

老師の言っている事だと、ミストバーン死体ってこと?
次回に期待。
{/netabare}

87話
{netabare}
ミストバーン、ヒムにボコられる。
そして、バーンもダイに追い詰められ・・・

次回予告のミストバーンが不気味なのだけど、
バーンの分身体とかで、バーンと合体するとか?
{/netabare}

86話
{netabare}
ダイとバンは力的に拮抗しているとバーンが言う。

その頃、アバンとキルバーンの戦いにも変化が・・・
キルバーン、かなり姑息だなー
{/netabare}

84話~85話
{netabare}
ラーハルト、ポップ、マァム達の元にヒュンケル達が合流。

ダイは、父から受け継いだ紋章が覚醒し、最終決戦ギリギリで
パワーアップ?
{/netabare}

83話
{netabare}
ラーハルトが、バランの遺言に従いダイの配下に。

バーンの元へは、ダイ、ゴメチャン、レオナ

ミストバーンは、ラーハルト、ポップ、マァムで、
ポップから見ると、ヒュンケル系と共に戦うのは宿命なのかな?
{/netabare}

82話
{netabare}
ミストバーン vs ダイ達

ダイとレオナを先に行かせようとする
ポップとマァムだけど、ミストバーンに手も足も出ず、
絶体絶命のピンチにラーハルト登場。

次回、ミストバーン vs ポップ、マァム、ラーハルト?
{/netabare}

81話
{netabare}
キルバーン vs アバン

ヒュンケルは、死亡した演出にはなってなかったから、
また、生きている定期。
{/netabare}

80話
{netabare}
キング・・・玄田さんの無駄遣い
でも、ノリノリだったねw

ラーハルトは、バランの遺志を継ぎ、
ダイ(ディーノ)の配下になるのかな?
{/netabare}

78話~79話
{netabare}
まさかの復活のヒム。

ヒュンケル vs ヒム

ヒュンケルが勝ったけど、
今度は、キング率いるオリハルコン軍団が・・・
誰が助けに来るのかな?
{/netabare}

77話
{netabare}
ノヴァの覚悟を買い、ロンベルクが自分専用剣を召喚し、
ザボエラを倒すも、両腕が数百年回復しない状態に…

ロンベルクの考えやもどかしさに共感したノヴァが、
弟子入りする流れに。

ノヴァの精神的成長回だった。
{/netabare}

76話
{netabare}
ザボエラが、ミストバーンにポイ捨てされるのは分かる。

それより、アバンがレオナに託したアイテムと、
その覚悟の方が気になるかな。
キルバーンを倒しに行く感じ?
{/netabare}

75話
{netabare}
アバンとヒュンケルの阿吽の呼吸は、
流石、一番弟子ヒュンケルって感じでよかった!

アバンは破邪マスターになったってことだとすると、
勇者から術師にジョブチェンジした感じ?
{/netabare}

74話
{netabare}
アバンが生き延びれた理由は分かった!

ヒュンケルが言う「あんたは弱い」は、
身代わりアイテム使用したけど、レベル1に戻りました!
ってオチ?
{/netabare}

73話
{netabare}
ハドラー、最期に善人に変わる。

アバンの復活!!
あそこから、どうやって生き延びたの?
{/netabare}

71話~72話
{netabare}
ダイ vs ハドラー

決着は着いたけど、今度は、
隙を狙っていたキルバーンの策にハマり、
脱出できないダイ、ポップ。

ポップの探知能力は異常。
{/netabare}

68話~70話
{netabare}
マァム、ヒュンケル、ポップ vs ハドラー親衛騎団

マァム、ヒュンケルの戦いはさらりと流して、
ポップにフォーカスを当てるような作りになっている。

そして、ポップも無事に親衛騎団を倒し、
あらためてマァムに告白。
弟のような存在と言われた時点で、脈はなさそう…

ヒュンケルモテるなぁ。
{/netabare}

66話~67話
{netabare}
ポップの「アバンのしるし」は、やはり光らず、
そこに目を付けたザボエラが、攻撃をすると、
それを見ていたメルルが、ポップを助けに入り瀕死の重傷になる。

レオナが、メルルは、ポップの事が好きと言ってしまったのは、
「え、それ本人が言わないと!」と思ったけど、
そこで、ポップが「マァムが好きだー!」と言って、
「アバンのしるし」が光る。
賢者ポップ爆誕!もう、隠れ主人公。

ポップの「アバンのしるし」は、勇気とのレオナの見立てだけど、
ダイは、何になるんだろうね?

このポップ、マァム、メルルの三角関係はどうなるのだろう?
{/netabare}

65話
{netabare}
ヒュンケル、ミストバーンを利用してパワーアップに成功。
そして、「アバンのしるし」も光る。

ポップは、無色ってオチ???
{/netabare}

64話
{netabare}
ヒュンケル、クロコダイン救出前夜に、
ヒュンケルを巡る恋のバトルでしたー

ポップ、「アバンのしるし」、光るといいね。
{/netabare}

62話~63話
{netabare}
レオナ達は、魔法奪取の為、ダンジョンへ。

ダイは、ノヴァと修行。
ポップは、「アバンのしるし」が光らず、
苦悩しながら、自分を極限まで追い込む修行と、
それぞれの成長回。

魔法奪取、新必殺技完成の中、それぞれの中での葛藤が!
今度は精神的成長回?
{/netabare}

61話
{netabare}
アバン先生、学者の家系だったと判明。
しかも、強さをひた隠し、来る日に備えていたとか有能過ぎる。

フローラの若い頃がレオナなのは、まぁ仕方ないけど、
最期のシーンは、アバンとフローラ婚約確定演出でいいのかな?
{/netabare}

60話
{netabare}
成長したポップが、ダイと話し、再び戦う意志を取り戻させる回。

あとは、フローラから、レオナに、5人目のアバンの使徒になって欲しいと、
頼み、試練に向かうレオナだけど、次回は、アバンの過去回になりそうな予告だった。

ポップ、裏主人公としての成長著しいのは、なんか嬉しい。
{/netabare}

59話
{netabare}
55話で登場した謎の騎士の正体が分かった回。

アバンが住んでいた国の女王フローラだった。
ポップとマァムは、無事、レオナ達に救出されるも、
ダイはマザードラゴンに死亡したと告げられるも、
バランが登場し、死んだドラゴンの騎士は自分であり、
息子にチャンスを与えて欲しいと…

バラン、完全に父親モード。
その願いが叶い、ダイは生き返ることに…

ダイがバーン恐怖症みたいな次回絵が見えたけど、
助言者とか現れるのかな?
{/netabare}

57話~58話
{netabare}
バーンが、ダイを舐めすぎて反撃に遭い少し本気を出す。

圧倒されるダイ達。
ここでもうお終いか?と思ったら、
まさかのハドラー参戦で、ひとまず、ダイ達の命は助かった感じ。

次回から、ダイ&それぞれのメンバーの修行回?
{/netabare}

56話
{netabare}
バランの死。
そして、バーンとの決戦へ。

前回の謎の女騎士?というか、レオナ達は出てこなかったな…

ハドラーが消滅してしまったのかが気になる。
{/netabare}

55話
{netabare}
ミストバーンの正体が見れた回。
バーンの息子?若い時のクローンかなにか?

そして、後半、謎の女騎士?がレオナ達を助けに登場。

次回、バラン、ハドラーの生死とこの謎の女騎士?の正体が分かる
のだろうけど、謎の女騎士?が誰なのか気になるな。

アバンパーティーの元メンバー?
{/netabare}

54話
{netabare}
キルバーン、やはり生きていたのね…
上手くハドラーに気付かせず、更に焚きつけるとは。

バランは、ようやく人間ぽくなってきたけど、
死亡フラグ立てたっぽいので、ハドラー戦でリタイヤかな?
{/netabare}

53話
{netabare}
ハドラー vs ダイ&バラン

ハドラーに埋め込まれてる危険なモノを
起動させず、どうやって親子で倒すのだろう???
{/netabare}

52話
{netabare}
ダイよりも主人公すぎるヒュンケル。

エイミ→ヒュンケル←マァム←ポップ←メルル
な図。

油断したバランが次回どうなるのかなー
{/netabare}

51話
{netabare}
放送1年で、新OP/EDに変更。

ヒュンケル vs バランの一騎打ちに水を差したアルビナス。
ヒュンケルは、アルビナスの撃退を優先し、バランの一撃を喰らい、
2度と戦えない身体に…

ヒュンケルの心意気を真摯に受け取ったバランは、
クロコダインの意を汲み、ダイ立ちと共闘することに。

次回は胸熱回になりそうな予感。
{/netabare}

50話
{netabare}
案の定、1体が仲間をかばい生き残っていた。
ハドラー親衛騎団に、メドローアは使えなくなってしまった。

一方、チウは、功を焦って、魔大陸に先乗りしたけど、
フェンブレンに見つかり、攻撃を受けていた所に、
バランが登場して終わり。

バランが、どのように考え方が変わったのか次回期待。
{/netabare}

49話
{netabare}
ポップのやったぜがフラグの様な気がする…
ポーン達生きていそう。
{/netabare}

48話
{netabare}
北の勇者ノヴァの出番終了。

ヒュンケル、いつも美味しい所(主人公的登場)で登場し過ぎ!
ポップがやっかむのも分かる気がする。
{/netabare}

47話
{netabare}
キルバーン弱すぎる…それとも、奥の手でも隠しているのかな?

そして、北の勇者ノヴァという新キャラ登場。
中の人的に、まともなキャラではなさそうな予感…
{/netabare}

46話
{netabare}
修業回。
ポップは、やはり裏主人公だね。

バーンがキルバーンにバラン暗殺依頼を。
次回は、キルバーンvsバラン???
{/netabare}

42話~45話
{netabare}
vsミストバーン&キルバーンではなく、
ハドラーとダイの正々堂々の一騎打ちとなった。
ダイの方が消耗している状態だから不利だよね。

勝負は引き分けになったけど、ハドラーが魔王ではなく、
ダイの好敵手に変わった気がする。

ザボエラは・・・小物感丸出しだったね。
{/netabare}

38話~41話
{netabare}
世界会議が行われる中、世界最強の剣を求め、
ポップの生まれ育った村へ…

そこで、ちょっと変わった魔族の名工ロンベルクに
世界最強の剣を作ってもらう事になる。

途中から、ミストバーンの襲撃があり、ヒュンケル登場。
いつも、いいタイミングで出てくるなぁ・・・
ポップとの落差。

41話で、ダイ専用剣完成。
ミストバーンは、ヒュンケルの見知った元人間???
次回、キルバーンも参戦し、戦闘激化必須!?
{/netabare}

34話~37話
{netabare}
優勝賞品「破邪の剣」を求め武道大会へ…
エントリー時間に間に合わず、途方に暮れるダイとポップ。

そこに、本物マァム登場。
超魔生物ザムザと戦うも、苦戦し、
ダイの一撃でなんとか撃破。

次回予告が無かったど、ザボエラが完成形の超魔生物を
連れてくる?
{/netabare}

33話
{netabare}
ハドラーさん、もう雑魚キャラ化してしまう。

13話(約2ヶ月と1週)ぶりのマァム(偽)出演。
{/netabare}

32話
{netabare}
死んでいる状態のポップから奇跡の援護射撃が、
バランを襲い、その怯んだ瞬間にダイがフィニッシュし、
バラン戦終了。

人間の心を取り戻したバランが、ポップを生き返らせる。
次回から、ハドラー戦だけど、バランは中立になるのかな?
{/netabare}

31話
{netabare}
実況解説ヒュンケル。
丁寧な解説ありがとうございます。
壮大な親子喧嘩は、まだ終わらない模様。

レオナにより、ポップに復活の呪文が試されているから、
生き返る???
{/netabare}

30話
{netabare}
ポップ、決死の攻撃もバランには効かず…
しかし、ダイの記憶は戻り、父子の壮絶な戦いへと。

ポップは主要キャラだから、奇跡の復活になるのは、
テンプレ的なアレだろうけど、今回、バトルシーン力入っていたなぁ。
(次回も相当だろうけど)
{/netabare}

28話~29話
{netabare}
バランとソアラ(ダイの母)の話はよく見るような感じだったけど、
陸戦騎ラーハルト、まさかの忠臣だったとは…

バラン、竜の騎士を辞めて最終形態に変身。
誰も勝てない状況になったけど、ダイがキーになるんだよね?
{/netabare}

26話~27話
{netabare}
竜騎衆 vs ポップ

ポップの成長が凄く、サブ主人公ポジション獲るかと思ったら、
絶妙な所で、ヒュンケルが参戦。
美味しい所を持っていくなぁヒュンケル。

竜騎衆2体は、あっさりと、ポップとヒュンケルに倒されるも、
陸戦騎ラーハルトはヒュンケルを圧倒する。

中の人的に、もっと、ラスボスないし、超強キャラで出演するかと
思ったけど、陸戦騎ラーハルトは、今後も生き残るキャラなのかな?
{/netabare}

25話
{netabare}
バラン、自分の息子の記憶を奪い、
直属の部下達を召喚する。

ダイの記憶は戻るのか?
バランがダイを確保するのが先か気になるー
{/netabare}

24話
{netabare}
ハドラー、小物過ぎる…

バランにダイが息子だとバレないようにしていたとは…
ダイ母の回想絵が出たけど、どこかのお姫様か巫女みたいな感じだったね。

クロコダインも参戦してきたけど、バランに勝てる気がしない。
{/netabare}

22話~23話
{netabare}
ダイがモンスターを倒し、みんなを救ったのだけど、
あまりの強さに、子供に「怖い」と言われる。
周りにいた大人たちも同様に強さに恐怖している。

そこに、占い師の婆さんと孫が、祖国の伝承にある
ダイの紋章がドラゴンナイトでは?ということで、
自身の正体を知るべく、テラン王国へと向かう。

ドラゴンナイトしか入れない神殿で水晶に問いかけていると、
そこにバラン登場!
もう、バランさん、ダイの父親確定だね。

どうして生き別れになったかを早く見たいなぁ。
{/netabare}

21話
{netabare}
レオナとデパートへの買い物回

買い物途中に、ドラゴンの群れが現れ戦うことに。
占い師の婆さんと孫が、ダイの正体について次回語るらしい。
{/netabare}

20話
{netabare}
マァムの武闘家への転職修行へ旅立つ回
ポップ、チキンの為、告白出来ず…
転職完了まで、何話お休みなのだろう?

ハドラーに騙されたみたいなこといってたけど、
バランって、ダイの父親なのかな?
{/netabare}

19話
{netabare}
フレイザード、ハドラーに作られた魔物で、まだ1歳児だったw

ダイの空裂斬で敗れたと思いきや、次回、復活する模様。
{/netabare}

18話
{netabare}
ヒュンケルに助けられたクロコダインが、
借りを返して、ヒュンケルは死なずに済んだの説明からの
ヒュンケル vs ハドラー

仮にも元魔王が死んだふり作戦でヒュンケルを倒すとか、
どうなの?と思ったけど、闘気を使いハドラーを倒す。

次回から、フレイザードみたいだし、今度こそ倒したでOK?
{/netabare}

17話
{netabare}
ハドラー率いる魔王軍vsダイ達。
バランは、除け者にされていたから、ハドラーより強い?

窮地に陥ったダイ達に、クロコダインとヒュンケルが助太刀参戦!
これで、なんとか撃退できる?
{/netabare}

16話
{netabare}
マトリフオジサン、セクハラ爺さんだけど、
アバン一行メンバーだった100歳のいい人だった。

ポップに修行をつけ、ダイに指示を出し修行をさせて、
氷炎将軍フレイザードと戦う為のサポートをしてくれた。

ポップは大魔導士になるフラグが立った?
{/netabare}

14話~15話
{netabare}
vs 氷炎将軍フレイザード
魔法封じや相手の力を1/5に減らせる結界など、
力押し一辺倒ではないので強いし、
レオナを人質にとるのは地味に賢い。

全滅の危機を回避する為、暴走するダイを
背後から殴るマァム、ナイス判断。

逃げおおせた先で助けてくれたのは、マァムの知り合い?の
マトリフオジサンとは、アバン一行のメンバー?
{/netabare}

11話~13話
{netabare}
不死騎団長ヒュンケルとの2回戦目。

育ての父(モンスター)は、アバンではなく、
ハドラーに殺された真実が…

自力ではヒュンケルの方がまだ、ダイより強いのだろうけど、
ダイの特殊能力のお陰で勝てた印象。

ヒュンケルがマァムを「まるで聖母だ」(心の声)には、
持ち上げ過ぎかと。
{/netabare}

8話~10話
{netabare}
獣王クロコダインとの決戦。
臆病者ポップの活躍により勝利。

次の魔王軍からの刺客は、アバンの使徒長兄ヒュンケル。
勝てる気がしないのだけど…
{/netabare}

6話~7話
{netabare}
獣王クロコダインとの第一回戦。
マァムの参戦でなんとか撃退。

マァムの両親って、アバンと共に戦った戦士と僧侶って、
超良血統じゃない?
{/netabare}

1話~5話
{netabare}
主人公のダイが、勇者の家庭教師を自称する人物
勇者アバンとの出会いと別れ。

7日間で終了する修行過程の3日目で強制終了だから、
半人前勇者かな?
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

🏅全100話。勇者伝説の金字塔、堂々完結。

原作漫画は旧作アニメ版視聴後、完結までのアニメ化はないと諦めて購読。

【物語 5.0点】
あらすじは、勇者が大魔王を倒す。以上。

陳腐と思われる方もいるでしょうが、私はむしろ逆。
世の中、魔王は倒したけれど云々、魔王倒すの飽きたから云々……。
傍流シナリオばかりでウンザリしていた所へ始まったこの企画は待望。
あの『ダイの大冒険』が誰も歩まなくなった王道を再び驀進してくれる。
放送前キービジュアルで石碑に刺さった剣のビジュアルからは、
旧作アニメではなし得なかった完結を本気で決意してくれている。

私は放送前から終了まで興奮しっぱなし。
2年間、楽しい週末を過ごさせて頂き、本当に感謝しかありません。


全体構成はほぼ息継ぎなく大魔王軍との連戦が続く(作中時間でわずか数ヶ月)
特に全100話の内、3分の1はラストダンジョンでの最終決戦(作中時間で最後の1日)
最後の1クール超は大魔王バーン戦という極端なバトル偏重。

では、バトルばかりで内容がないのか?といえばそんなことは全く無く、
人間は勇者が守るに値するのか?人間の愛は奇跡を起こすのか?
バトルで突っ走りつつ、作品愛溢れるスタッフが、
原作全体を俯瞰する中で、重要な伏線となるシーンは演出を強化して王道テーマを補強していく。
数十話かけて積み重ねてきた主題がぶつけられるファイナルバトルは物語としても圧巻でした。

王道を語るには、相応の長尺と熱量が必須。納得の全100話でした。


中盤、ダイが竜騎士として覚醒後は、空中肉弾戦も増え、
『ドラクエ』というより『ドラゴンボール』かよ(笑)って感じでしたが、
終盤、多段階に変身するラスボスとの長時間の連戦、
ラスボスあるあるな、同一ターン複数回行動を体現した{netabare}“天地魔闘の構え”{/netabare}
バロメーターを補強する(※核心的ネタバレ){netabare}LUC値上昇レアアイテムとしてのゴメちゃん{/netabare}
など、終わってみれば割りとRPGだったなとの余韻も残りました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

往年の同スタジオのジャンプ原作バトルアニメと言えば、
戦闘で手描き作画が完全燃焼→後は野となれ山となれ。大乱調が定番でしたがw
キャラの高速移動や、崩落或いは攻撃してくるダンジョン、巨大ボスなど、
適宜CGで下支えすることで2年100話のマラソンを完走。
そりゃ手描きで表現してくれるに越したことはありませんが、
人物が原型を留めなくなる位だったら、平凡でもCGの方がマシです。

近年は作品間のCGソース、環境共有も進んでいるのでしょうか?
作品の安定のためには良い傾向だと思います。
だからこそ放送延期をもたらしたランサムウェア等、ウイルス対策は厳重にお願い致します。
(勇者の快進撃を止めたのは大魔王ではなくハッカーだったとかシャレになりません)


表現自粛ムードがはびこる昨今のトレンドにもれず、
本作もまた原作からのエロ、リョナ自主規制もありました。
ただ私は原作コミック読んでいる際、テーマの核心部分に踏み込むタイミングで、
エロにかき消される面も感じていてw
例えば、上記でも述べた終盤の(※核心的ネタバレ){netabare}ゴメちゃんの正体についても、
あの奇跡も“神の涙”によるものだったのか!との感動より、レオナ姫の乳首ばかりが気になってw{/netabare}
適度にエロを隠すことにより、テーマに集中できたという面では良かったと思います。

それでもマァムの生脚を黒タイツで隠すなんて邪道との異論があることは認めますw
ただ、私は、10年後、このアニメで黒タイツフェチに目覚めました
と思い出を語る元・青少年たちが多数出現することを予言しておきますw


【キャラ 5.0点】
漫画編集者から戦力外通告される程の“凡人”→勇者の名コンビに大化けしたポップ。
脇が甘い&セコい元・魔王→熱い魂を持った漢の中の漢に覚醒したハドラー。
両鼻垂れキャラの急成長という『ダイ大』の核心を表現し切った時点で高得点。

死んだはずのアイツが復活!もバトル物の典型ですが、扱いを誤れば茶番に転落する諸刃の剣。
そこを勇者に出逢った人々は皆その熱に押されて、勇敢な仲間になるという熱量で押し切る。

ダイとレオナ姫のボーイミーツガールだけでなく、
ポップ、マァム、ヒュンケルの三角関係を軸にした恋愛模様も愛の奇跡を彩る良いスパイス。
私は{netabare}先の魔王戦から続くフローラ姫とアバン{/netabare}かな。
勇者は目を離すと何処でも行ってしまうので、もう離さないように。


【声優 4.5点】
脇に至るまで高ランクなキャストを配する声優業界総力戦。

噛ませ犬ポジションで北の勇者・ノヴァ役の岡本 信彦さんを一話で消費する豪華さ。
(但しノヴァは終盤カッコいいところを見せてくれましたが)
ハドラー親衛騎団も、ヒム役・三木 眞一郎さん、アルビナス役・田村ゆかりさんなど、
断じてチェスの捨て駒じゃない力の入ったキャスティングで勇者たちと対峙。
{netabare}ブロック役の川島 得愛さん{/netabare}に至っては本当に一言しかセリフがありませんでしたw

ラスボス役には私の期待&予想通り{netabare}ミストバーン役の子安 武人さんを、真・大魔王バーン役にスライドさせて来ました。
魔界一と称される実力と長寿故の傲慢なテラ子安ぶり。これもまた伝説です。{/netabare}


勇者ダイ役を演じた2年間、他作品での充実ぶりも著しい種崎 敦美さん。
その他、ポップ役の豊永 利行さんらは、
放送前から、他の現場に行くと、周りの声優さんから、
『ダイの大冒険』やるのか?といった感じで激励されたのだとか。
声優業界にとっても本作は待望であり、
悲願成就のために選ばれたキャスト陣が熱演したことが伝わるエピソードです。


【音楽 4.5点】
劇伴担当の林 ゆうき氏。
明快なシンフォニック・ロックで伝説を盛り上げる。
「竜の騎士」と「勇者たちの力」の両バトルBGMがメインフレーズの双璧を成しましたが、
私が評価したいのは全99回を完投した「次回予告」
アバン役の櫻井 孝宏さんを起用した分かっているナレーションと合わせて冒険心を持続させた。
これもまた100話マラソン完走の原動力でした。

若手男性アーティストフェスの様相を呈した主題歌群。
ここも安直なタイアップではなく、
監督オーダーにより、放送部分のテーマを汲んだ歌詞世界が展開。

劣等感を振り払い立ち上がるXIIX(テントゥエンティ)の2ndED「アカシ」
ラストバトル前に花開いた恋愛要素を斟酌したハンブレッダーズの3rdED「名前」
達観した勇者の境地に寄り添い作品を締めくくったミテイノハナシの4thED「飛ぶ鳥は」
など歌もまた愛をもって作品に寄り添い続けてくれました。




【32話迄の評価・感想】抜群の手応え♪このまま勇者と人間を問い続けて突き抜けて欲しいです。

{netabare}
節目のバラン戦を終えて。

【物語 4.5点】
物語最終盤のテーマ完遂を視野に、熱の籠もったシナリオを展開。

数千年生きる大魔王や魔族に比して人間は矮小な生き物。
心の弱さから悪事を働いたり、卑屈に長い物に巻かれたりもする。
そんな人間など果たして助ける価値があるのか?
いや、それでも人間の心には奇跡を起こす可能性が秘められている。
俺は人間を信じる。

作品愛溢れるスタッフたちが、
原作連載を通じて完成されていった人間と勇者に関するテーマを咀嚼した上で、
物語を再構成しているという手応えが、序盤から場面ごとにヒシヒシと感じられる。


既に完結済コミックの再アニメ化とあって、原作ストックを気にせず、
テンポは旧作比約1.5倍とペースアップ。

そのため序盤のコミカルシーン等を中心に飛ばされた描写もあるが、
それ以上に原作を理解してくれているという感謝の方が大きいです。

{netabare}一部に例えばマトリフ師匠のセクハラがマイルドになった等の批判もあるそうですが、
私はマァムへのおさわりを自重したことを悔恨するより、
かつて世界を救ってくれた勇者たちを掌返して冷遇する
人間への恨み言を押えてくれた事を評価したいです。{/netabare}


【作画 4.0点】
アニメーション制作・東映アニメーション

魔法や必殺技のエフェクト、一部人物作画だけでなく背景等にもCGを交え、
決してソースが無尽蔵ではない手描き部分を下支えし、
長期放送マラソンでも底割れしない安定度を確保。

もっと手描き感が欲しいとの要望は残るが、
CGならではの高速カメラワークを生かした、
フィールドを広く使ったバトル動画の熱量の方が上回る。

バラン戦など『ドラゴンクエスト』というより、むしろ『ドラゴンボール』かw
って位の超絶空中肉弾戦だが、
吹き飛ぶ大地も含めて、東映アニメが追求して来た
バトルシーンにおける手描きとCG融合の一つの到達点。


【キャラ 4.5点】
「男子三日会わざれば刮目して見よ」

大魔王戦まで{netabare}僅か3ヶ月余り{/netabare}の超短期間で劇的な成長を遂げていく勇者たち。

勇者ダイも出自に関する過酷な現実等を知りつつも、人間を守る信念を貫く、
驚異的な成長曲線を見せる。

そして、やはりポップの敵前逃亡するヘタレぶり→命懸けで仲間を守る。
底入れからの上昇カーブは期待通りの熱さ。


{netabare}クロコダイン、ヒュンケル{/netabare}と、
ダイを台風の目に、悪ですら改心して仲間が増える王道パターンも良好♪

魔王こと魔軍司令ハドラーもここまでは、
アバンに虚を突かれ、大魔王バーン様にドヤされるハナ垂れ三流魔王ぶりですがw
ポンコツからの上昇という意味ではポップと双璧を成すカッコいいキャラなので、
今後の再現に期待したいです♪


それにしてもバーン様が本格始動しない段階で既にこの熱さ。
ヤバいな……。


【声優 4.5点】
主人公ダイ役の種﨑 敦美さん。
私にとっては熱血少年ボイスの印象は少なかった方でしたが、
「主人公役はその作品をいちばん愛していないといけない」
との作品愛高めのスタッフ・キャスト陣の中でも、
さらに突出した信念で勇者を熱演♪

マァム役の小松 未可子さん。男勝り⇔母性愛
レオナ姫役の早見 沙織さん。オテンバ姫⇔カリスマ性
ポップ役の豊永 利行さんと合わせて、
主要キャストも振れ幅が大きい役柄を好演。

あまり間を取らない脚本で、キャストの感情表現に寄る場面も多々あるが、
作品理解に基づいた、切り替えもお見事。


対する魔王軍もクロコダイン役の前野 智昭さん、ヒュンケル役の梶 裕貴さん、
フレイザード役の奈良 徹さん、バラン役の速水 奨さん……。
と幹部を一役一役、錚々たるキャストが演じる重厚さ。

特に前野さんのクロコダインは発声原理不明な唸り声が獣王の生き様にマッチ。
先日の{netabare}「ギガブレイクでこい……!!」{/netabare}もシビれました♪


その他、バラン配下の陸戦騎ラーハルト役に石田 彰さん。
占い師少女メルル役に小原 好美さん。
と脇に至るまで一線級を起用する業界総力戦の様相。


今後、面白そうなのはミストバーン役に子安 武人さんが配されていること。
滅多に喋らない設定の魔王軍幹部に子安さんとか、
後々、テラ子安で独演させる気満々でしょwって感じでソワソワします。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林 ゆうき氏。
テンポ重視の流れで作品を熱くするには、
BGMも前面に出張って感情を揺さぶる瞬発力が求められるが、
オーケストラに、軽快なドラムを融合させた音楽は攻撃力抜群♪
特に作曲者自身もお気に入りだと言う「竜の騎士」は、
私も反撃の狼煙を上げる際にチョイスする逸品♪


OP主題歌がマカロニえんぴつ「生きるをする」
同バンドは1stEDの「mother」も担当。
2ndEDはXIIX(テントゥエンティ)「アカシ」
いずれも歌詞に散りばめられた挫折と成長の要素が、
冒険が進むに連れ、徐々に染み込んで、温まってくる佳作。{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 28
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

勇気のありか

【紹介】
全100話の大作アニメ
旧作も原作も見たことも聞いたこともなくて、最初はリメイクってことも知らずに見てました
90年代アニメのリメイクだそうですが、旧作は話が途中で終わっていたみたいなので完結まで描くのは初ということでしょうか?

【感想】
最高に面白かったです!
長いけど最初から最後まで高クオリティで無駄なシーンとかなくて、デザインは古いのに戦闘シーンや名言名場面の演出がいちいちすごくカッコよくて
原作旧作知らなくても製作スタッフの「最高の作品を作るぞ」っていう熱い気持ちが伝わってきました
素晴らしい作品をありがとうございました!!

旅先で出会う町の人々も敵の幹部もいらないキャラクターなんていなくて、みんなが勇者の物語に必要なキャラクターでした
魔王と戦う力がない人でもそれぞれが自分にできることをやろうとする姿が単純だけどいいなと思って
仲間がどれだけ多くなっても結局一人で戦ってるイメージが強いバトルアニメが多いなか、一人じゃなくてみんなが同じ方向を向いて戦ってる感じが好き

長くて見るのたいへんですが前向きな熱い気持ちにさせてくれる良いアニメです

【作画と声優】 {netabare}
戦闘シーンも日常シーンも全体的にクオリティ高かったけど、特にバラン戦の気合の入った作画が凄かったですし
特に敵役の豪華声優陣の名演も光りました
{/netabare}
【シナリオ】 {netabare}
強大な魔王軍にたった一人で立ち向かう伝説の勇者の物語じゃなくて
大事な仲間達や冒険の途中でお世話になった人たちなど人々の力をすべて結集させて魔王軍と人類の総力戦をしていく展開が熱い

ダイとポップの友情や宿敵との共闘、使命を果たすために命がけで困難に立ち向かうダイの姿と、
ぽんこつ魔法使い見習いから世界を救う大魔導士に成長していくポップという二人の主人公の物語がとても良かった
{/netabare}
【ぽんこつ魔法使いポップの冒険】 {netabare}
ポップはずっと賢者に憧れていて、賢者と呼ばれることが彼の目標だったけど修行はさぼるし怖いことや困難なことから逃げ出すぽんこつ魔法使いでした
でも師匠マトリフは賢者っていう響きが偉そうで好きじゃないので大魔導士と名乗っていて、他の賢者とは違って大魔導士という呼称にこだわっていました

それが味方のピンチの場面で普通の魔法使いには使えない回復呪文を使います
攻撃呪文と回復呪文の両方を使える者を「賢者」と呼ぶそうで、回復呪文を使う姿を見た敵が
「君はまさか、賢者?!」と驚くと
「俺は賢者じゃない! 俺を呼ぶなら大魔導士とでも呼んでくれ」と否定したポップ

師匠の技(呪文)だけでなくその意思を受け継ぐっていう強い意志が表れていてポップの成長を象徴する言葉でとても感動しました
もう手を伸ばしても届かない「憧れ」じゃなくて自分の中に根付いた「使命」
それを自覚したからこその覚醒で、回復呪文を使えるようになった

賢者は他にもいるけど、大魔導士はこの世で2人しかいない
師匠マトリフと、その弟子ポップ・・・
勇者ダイを全力で支えるというこの世で自分にしかできない使命を果たすと強く決意したからこその「大魔導士」なのだと思います

とてもいいエピソードでした
{/netabare}
【名言】 {netabare}
何度も絶望しては仲間の力強い言葉に励まされることが多いので印象に残る力強い言葉がいっぱいでてきます
ちょっとくどくて説教臭くて暑苦しいとこあるけど、こういう熱いノリ好きです
好きな言葉多いですが特に好きな言葉はダイでもポップでもなく、一般人代表のまぞっほの言葉でした

「勇者とは勇気ある者!そして真の勇気とは打算なきもの!!
相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは本当の勇気じゃない!!
早く行け、胸に勇気のかけらが一粒でも残っているうちに!!」

最終回か!!?

こんなの、最終決戦前にライバルが瀕死の重傷負いながら主人公の背中押すために言うセリフじゃない?

ぽんこつ魔法使いのくせにずるい

でも挫折を味わった弱い人だからこそ、その言葉に重みがあって共感できるのかも
強い人間には、弱い人間の気持ちなんてわからないですから
まぞっほがいなければ、ポップはそのまま逃げてしまって世界は救えなかったかもしれません
{/netabare}
【モンスターがいっぱいでてきてかわいい】 {netabare}
モンスターが大集結しているシーンの絵すごく好き
こんなにモンスターがバリエーション豊かなアニメ初めて見たかも

スライムや動物系モンスターの可愛さは癒し!
凶悪なモンスターでもどこか親しみがわくデザインで、さすが鳥山先生って思いました
{/netabare}
【キャラクター】 {netabare}
特に好きなキャラクターはダイ、ポップ、レオナ、ヒュンケル、クロコダイン、アバン先生

ポップはダイやマァムから勇気もらってだんだん良い男になっていく第二の主人公
ちょっと騒々しいけど、恐れを知らないダイより人間味があって好き

一番好きなのはヒュンケル、最初からカッコいいキャラクターだったけどどんどん好きになりました
ダイの大冒険の説教臭くて熱いセリフが一番語っててカッコいいと思うのはヒュンケルでした
冷酷な感じだったのに、ダイ達に感化されて熱いセリフを語るようになると、やっと分かり合えた感じがして嬉しかった
直接話してるときは冷たいんだけど、本人が聞いてないときに恥ずかしくなるようなセリフ言ってて見事なツンデレっぷりにやられました!

レオナは普通の女の子らしい感覚にダイの役に立ちたくて陰で努力するところ、民を信じ民を守りたいと願う王族らしい誇り高さ、物怖じせずに言いたいことをストレートに言える強さが魅力的!
頑張るお姫様がけなげでずっと応援していました

最初は頼りないところも多かったダイや仲間達が頼もしくなっていきました
ダイの心の強さが際立っているけど、彼は一人では戦えなくて、ダイが色々な人に助けてもらうたびに胸が熱くなる
苦楽を共にした仲間の言葉、かつて死闘を繰り広げたライバルの背中が心強くて、仲間の言葉に背中を押されて命がけで戦うダイが勇者って感じでとてもよかった
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 21

68.2 14 誘拐でファンタジーなアニメランキング14位
もののがたり(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (143)
423人が棚に入れました
歳を経た器物は、やがて“心”を宿し、付喪神となるーー 塞神より力を授かり付喪神と対話し、常世へ還す生業ーー”塞眼”。 塞眼御三家の一つ・岐家の次期当主、岐兵馬は大切なヒトを奪われ付喪神を憎悪する。 千年の都、京都で暮らす長月家の当主、長月ぼたんは”家族”として愛する六人の付喪神と共棲する。 過去に囚われ、力ずくで付喪神を封殺し続ける兵馬に、祖父造兵は「彼らの声を聞き、導くこと」を指し示す。 祖父が出す条件は今一度、付喪神を見極めるために居候として長月家で家族と共に過ごすこと。 付喪神へ正反対の想いを抱く兵馬とぼたん。二人は出逢い、一つ屋根の下で暮らすこととなる。 人と付喪神。縁を紡ぐ付喪ノ語り。
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

主人公は魅力的だったが、構成に少々疑問 →やっぱり2期ありきだったか・・・

【レビューNo.46】(初回登録:2023/3/28)
コミック原作の2023年作品。全12話

(ストーリー)
付喪神が存在し、その付喪神と対話し、常世へ還すことを生業する「塞眼」が存在する世界。
塞眼御三家の一つ・岐家の次期当主「岐兵馬」は兄・姉を付喪神に殺されたため、対話どころか
憎しみをもって力ずくで付喪神を封殺していた。それを見かねた祖父「造兵」は、京都で暮らす
長月家に兵馬を預けることを決意。当主・長月ぼたんは”家族”として愛する六人の付喪神と共棲
している稀有な存在。(その環境下で付喪神への偏見を改めさせることが目的)
しかし兵馬の考えがすぐに改まるわけもなく、初日から付喪神たちと衝突してしまう。

(評 価)
・主人公は魅力的に描かれていた
 正直よくある「妖バトルモノ」だろうと思い、即切りするつもりだったのですが、意外と兵馬
 という人物が面白かったので、継続視聴することに。
 この手の主人公にしてはかなり人間臭さが滲み出ていて、長所・短所を含め愛すべきキャラって
 感じですかね。
 ・正義感はとても強いが、一方的な思い込みが強く融通が利かない。
  (最初は付喪神への嫌悪感を隠すそぶりもなかった)
 ・愚直で生真面目すぎてお堅くやはり融通が利かない。
 ・悪気はないが(経験不足から)女性に対するデリカシーがない言動をしてしまう。
  それに恋愛に奥手というか、そもそも経験がないから、対処法を持ち合わせていない。
 (この辺りある意味どこかズレたところがあり、それが味となってギャグにもなっている)
 ・それでいて自分の誤りを素直に認める謙虚さ・潔さを持ち合わせている。
 ・理解を示した相手には礼を尽くし、相手のことを知ろうと努力する。
 ・自分の未熟さをわきまえており。常に鍛錬を怠らない。(かなりストイック)
 ・「塞眼」としての強さも強すぎず、弱すぎず丁度いい。(なので仲間との共闘も映える)
 およそ令和の時代に似つかわしくない、愚直で妙に肩に力が入った主人公が、この作品の味と
 なり上手く機能してるという印象ですね。

・やはり2期ありきの構成だった
 ・なので前半は面白いです。憎むべき付喪神と人間が共棲していることが理解できず、反目し
  たり、実際の彼らを観察し、自分に非があるのかも譲歩し始めたり、特に4話では
  {netabare}「実は兵馬は、ぼたんの『婿候補』として見極められていた!」{/netabare}
  という特大爆弾が投げ込まれ、「何や、このまさかの面白展開はwww」という感じで、今後
  に期待大でしたが・・・
 ・その後、京都塞眼「門守家」や(強力な力をもつ付喪神)「大具足・挂」の存在や長月家の秘密
  等「もののがたり」という作品の全体像は見えてくるのですが、終わってみると
  {netabare}・兵馬は兄・姉を殺した「唐傘の付喪神」を追っている
   → ほとんど情報なし
  ・4話での大技・ぼたんとの恋愛模様
   → 両人とも保留でほとんど進展なし
  ・兵馬の人間としての成長
   → 前半からの進展なし{/netabare}
  ってことで、作品紹介を観ている感が強く、アニメ作品として「爪痕が残らない」という印象
  なんですよね。六人の付喪神や主要人物はそれなりにキャラ立ちしており、大きなバトルシー
  ンもあり悪くはないのですが、物語に芯が通ってない感じで何か締まらないというか・・・
 ・強いて言えば、{netabare}過去のトラウマで人間不信となっているぼたんに、兵馬が
  「自分を信じてみてはどうか、自分はぼたんを守り通す」
  と誓いを立てて終わるラストは評価したいのですが、ただこれも「恋愛感0」って感じなんで、
  こちらが期待してるものとはちょっと違うかなっと(笑){/netabare}
 ・全体的に後半は尺の使い方やテンポ等「?」と感じるところが多く、「2期の予定があるのか?」
  と勘繰るレベルだったのですが・・・
  → やっぱり2期ありました!!7月予定だそうです。なので後半はある意味2期に向けての仕込み
    的な要素が強かったようですね。

個人的にはスッキリしました。ということで総合的な評価は2期に持ち越しですね。
コロナ禍以降、スケジュール確保等でこういう分割形式にせざるを得ない事情は理解できますが、これ
ってホントレビュア泣かせですよね。1期の正当な評価が難しいなっと。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

付喪神に奪われた少年。付喪神に救われた少女。三者交わる一つ屋根の下、縁を紡ぐ付喪ノ語り

この作品の原作は未読です。
付喪神を題材にした作品は、これまで面白い作品があったことから、視聴を楽しみにしていた作品です。
でも、あまり詳しいことは知らずに視聴を始めたところ、みゆきちが出演していてビックリしたのを覚えています。

最近、アニメの作品でみゆきちボイスを聴く機会が減っている気がします。
とは言え「報道ステーション」ではいつも聴いていますけれど^^


歳を経た器物は、やがて“心”を宿し、付喪神となる──
塞神より力を授かり付喪神と対話し、常世へ還す生業──“塞眼”。

塞眼御三家の一つ・岐家の次期当主、
岐兵馬は大切なヒトを奪われ付喪神を憎悪する。

千年の都、京都で暮らす
長月家の当主、長月ぼたんは”家族”として
愛する六人の付喪神と共棲する。

過去に囚われ、力ずくで付喪神を
封殺し続ける兵馬に、祖父造兵は
「彼らの声を聞き、導くこと」を指し示す。

祖父が出す条件は今一度、
付喪神を見極めるために
居候として長月家で家族と共に過ごすこと。

付喪神へ正反対の想いを抱く兵馬とぼたん。
二人は出逢い、一つ屋根の下で暮らすこととなる。

人と付喪神。縁を紡ぐ付喪ノ語り。


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

視聴を楽しみにしていたものの、主人公である岐兵馬の設定には少し思うところがありました。
あらすじにも記載されていますが、岐兵馬は大切な人を奪われ付喪神を憎んでいます。

付喪神が憎悪の対象であるのは理解できます。
ですが、全ての付喪神が対象になるのは、少々やり過ぎ感が否めませんでした。
何故なら、例えば人間だって様々です。
自分を傷付ける人に対して嫌悪感を抱くのは仕方ないと思いますが、これで人類全部を憎みますか…と問われたら、答えは「No」だと思うんです。
だって、その全部には自分の家族や恋人だって含まれるんですよ。

付喪神に対して行き過ぎで頑な気持ちがあったから、以降の物語が成り立っているのは分かりますが、最初、岐兵馬が物凄く凶器な人に見えて仕方ありませんでした。
誰かれ構わず噛みつくのはお門違いだと…

一方、本作のヒロインである付喪神に救われた長月ぼたんについては、正直分からない点が多く残されています。

そして、ぼたんと生活を共にする6人の付喪神はムッチャ個性的で表情豊かです。
この付喪神は6対で一つの道具なんです。
どの様な道具なのかは、是非本編のエンディングの映像を見て頂ければと思います。

これはきっといつしか訪れる未来…
そして6対の付喪神の本懐でもあると思うんです。
実際、こんな状況になったら、6対の付喪神はどの様な表情や言動があるんだろう…
思わず想像してしまいます。
みゆきちの優しい声がする、きっと涙無しには見れないシーンになりそうです^^;

最初、岐兵馬と長月ぼたんの立ち位置は真逆でした。
でも、一緒に生活する6人の付喪神のお陰なのでしょう…
最終話で信じられない台詞を聴くことになったのですから。

予兆はありました。
でもまさか、ここまで近づくとは思ってもいませんでした。
だから、その信じられない台詞が聴けてとっても嬉しく思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ARCANA PROJECTさんによる「恋衣」
エンディングテーマは、TRUEさんによる「rebind」
どちらもお気に入りの楽曲で通勤時のヘビロテしていました。

wikiをチラ見して気付いたのが、オープニングテーマの作詞をしたのが安藤紗々さんということです。
安藤さんは「アサルトリリィ BOUQUET」のED曲である「Edel Lilie」、そして「アサルトリリィ Lust Bullet」の2周年テーマ曲である「トウメイダイアリー」の作詞も手掛けられていらっしゃるんです。
ゲーム内で繰り返し流れるので沢山聴かせていただきましたが、歌詞がメッチャ良きなんですよ。

1クール全12話の物語でした。
ですが、早々に第2クールの放送が発表されましたね。
今年の夏アニメで続きが視聴できるそうです。
ということは、あと2ヶ月弱…余裕で待てるじゃありませんか。
しっかり堪能させて頂きました。
続きの視聴が楽しみです。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 15
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

いつものジャンプ...。

{netabare}
現世にやってきた異能の敵付喪神を仲間たちと共に打破していく話。
まあ、ジャンプの戦闘系作品の典型的な設定。
大した目的も目標もないから視聴のモチベーションが。
敵の設定が独特とか、戦闘形式が特殊とか、そういった個性も一切ない作品で、無難なものを作りました感しかない。
裏を返せば、良い要素もない代わりに悪い要素もこれといってないから低評価にする気はないけれど。

強いて言うなら、戦闘アニメのような設定にも関わらず、ラブコメ要素に力を入れているのはこの作品の強みかな。
後半からは戦闘と言うよりも恋愛要素中心。
ただ、自分としてはそこよりも話を面白くしてほしかった感は強い。
特に紆余曲折もなく、普通に近しい関係性になっていてちょっと拍子抜け。

キャラに関しては、ぼたんは幼いながら色々と覚悟を決めているのが好感持てて好きだった。
兵馬は付喪神に対してはかなりの過激派で見応えがあったけど、良い付喪神達にも喧嘩腰だったのは最初の数話だけで、ちょっとすごした後はすぐに考えを改めてしまってあっさり感を感じた。
でも、戦闘経験を積んだ事による、過去の出来事に対する考え方の変容は良かったかな。
兄と姉を殺されてしまったことで付喪神(やその関係者)を恨むのではなく、自分の実力不足を悔いるようになっていたのはかっこよかった。
その他のキャラ達、主に味方付喪神達の存在感はかなり薄かったかなぁ。
物語上における役割があまりなかったし、主人公のお供的なポジションで落ち着いてしまっている感がある。

作画は悪くないけど、主人公のキャラデザがエレンにしか見えなかった。
ED曲は名曲。
まさかの分割2クールだけど、夏には内容忘れてるだろうなぁ。
特にぼたん周りの細かな設定。

私的評価:46点
ベスト回:12話

↓1話毎メモ
{netabare}
1話 ☆5
呪術廻戦もどき? 付喪神別に悪い奴とは限らんのな。取り消せよ!
主人公の武器が独特なことしか目新しさがないw

2話 ☆7
偉そうな主人公。早速共闘か。戦闘あっさり。
いきなりギャグになるのやめろ。
主人公が好きになれないけど他はいいかも。

3話 ☆5
しょうもない少年漫画の流れに。俺もこの主人公嫌い。
人を襲わない付喪神(大嘘) 百合の波動を感じる。
結局狂人かよこいつ。

4話 ☆7
前回の話か? 全員の署名ってそういうw ざっこ。ラブコメか?

5話 ☆6
擬似家族での兵馬の感情の変化はこの作品のテーマでもあるのかな?
札効果ないじゃん。こいつら悪人ではないの?
人に危害を加えない付喪神とは。

6話 ☆7
あやかしトライアングルか?
稀人宿ってるのはわかったけど、それがなんで付喪神に必要とされてる理由に繋がるの?
付喪神って既に稀人持ってるだろうになんでまだ必要なの?
はよ付き合え。

7話 ☆5
前回のやつか。話せるなら最初から普通に聞けよ。
長月にやどる稀人は特異性があるのか。一瞬で考えま逆になってて草。
牡丹のおかげか? これが本土を生き抜いた人の実力ですかw

8話 ☆5
普通に勝ってて草。名前呼びテンプレ。

9話 ☆5
こいつ内通者か? 暴力団かな。このアニメ地味に主人公強いよな。

10話 ☆5
倍返しだ。このじじいやっぱ敵なんか?
まとめて半額ってそれ実質一個無料じゃん。めっちゃコメディ回だな。
付喪神も酔うんか。

11話 ☆5
自分でモデルやっとるんかw 付喪神製w 強そう。

12話 ☆8
茶番かよw
から傘に関わりのあるボタンを憎むのではなく自分の力不足を憎むのはかっこいいな。結局から傘はどうなんだ。実質的に振られて終わりかよ。
自分を信じるというのはそうかもな。

曲評価(好み)
OP「恋衣」☆7
ED「rebind」☆9.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 5

62.5 15 誘拐でファンタジーなアニメランキング15位
Phantom in the Twilight(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (81)
376人が棚に入れました
イギリス・ロンドンにある、夜しか営業していない謎めいた喫茶店「カフェ・フォービドゥン」。イケメン揃いのその店の従業員には、大きな秘密があった。紅茶を愛する吸血鬼、陽気な人狼の料理人、無口なキョンシーのウエイター。そう、彼らは人の社会に暮らす、人ならざるものだったのだ。その「カフェ・フォービドゥン」に、ある日、ひとりの少女が迷い込んでくる。彼女の名は、バイルー・トン。なんと、彼女の曾祖母は「カフェ・フォービドゥン」の初代オーナーで、伝説の術者だった! トンが巻き込まれたトラブルに「カフェ・フォービドゥン」の面々が関わる中、彼女とイケメン従業員たちとの間に様々な絆が生まれていき...... 。

声優・キャラクター
花澤香菜、櫻井孝宏、岡本信彦、杉田智和、山下大輝、諏訪部順一、小山力也、石見舞菜香、小野友樹、堀江由衣、鳥海浩輔、乃村健次
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

最近の『オトメイト』系アニメより、ずっとマシ!ほんとマシ!!

2018.07.19

[ラストピリオド-終わりなき螺旋の物語-]の記憶も新しい「Happy Elements」原作のオリジナルアニメ。中国展開も前提にしているので色々なところで『中華要素』が入ってます。

現代の英国(イギリス)。
固苦しかった本国(中国)を出て、親友のムー・シンヤオと共に曾祖母が移り住んでいた憧れの英国に留学生としてやってきた少女、バイルー・トン。
しかし英国に着くなり、イキナリひったくりに会ってしまう。しかもひったくり犯は「輪郭が見えても体が透明」という光学迷彩かプレデターみたいな奴。
トンの必死の追跡も空しく、ひったくり犯を見失い、日も暮れ、シンヤオにもはぐれて迷子になり、途方にくれるも曾祖母のおまじない(手持ちメモ帳にシンボルを描き、紙飛行機にして飛ばすと自分が望む解決の『道(ヒント)』を示す)を使い、辿り着いたのは三人の青年が運営する深夜営業のカフェ「フォービドゥン」。
そこは曾祖母と何かしら関りがあるらしく三人の青年(ブラッド、ルーク、トウリュー)はひったくり犯捜索に協力するという。身支度を整え察しがついたハイドパークに颯爽と向かうブラッドたち。
店で待機するように言われていたにもかかわらず、いてもたってもいられないトンは後追いでハイドパークにやって来た。
そこで彼女は、この世ならざるものを目撃してしまう・・・


{netabare}
アンブラ:作品世界における「影」に生きる人外全般の意。モンスター系の妖怪、妖精、悪霊以外にも「Fate」の英霊みたく童話(または強い想念?邪念?)から顕現したモノもいるようです。
そのアンブラで構成された秘密結社「トワイライト」。その理念は人間との「共生」。しかし人に仇なすアンブラに対しては出来るだけ説き伏せ、止む無きときは討伐するという『ゲゲゲの鬼太郎』のようなスタンス。

メンバーは、普段は深夜カフェ「フォービドゥン」の店員たち。
ヴラッド・ガーファンクル:紅茶マイスターで数百年(?)生きてる『吸血鬼』。トンの曾祖母、リージャンとの出会いにより吸血をしない誓いをたてる。民間伝承の通り様々な制約(弱点)あり。やや高慢。
リージャンとのいきさつも気になるところですが、トンをやたら突き放したがるのは影の世界に関わりをさせたくないからなのでしょう。
吸血鬼なのに功夫(カンフー)使い(主に「発勁」)というのは目新しくて面白いですね。

ルーク・ボーエン:調理担当。人当たりの良い気さくなお兄さんで『人狼』。堅物ヴラッドのツッコミ役。

トウリュウ:ホール・接客担当で、1世紀にわたり生きた『キョンシー』。(って死んでる奴やん!)主な武器は手持ちバルカン砲(M61?)。無数に飛び出る薬莢が気持ちイイ!他にも近代自動小銃があるようですね。かつての主人・リージャンに深い忠義をたてている。

ウェイン・キング:実体を持たず過去の記憶が無い『少年幽霊』。様々な「家電」に憑依可能で、今風にスマホ&PCに憑依して情報収集担当。普段は少年マネキンに憑依。

「フォービドゥン」の初代オーナーにしてトンの曾祖母、シャー・リージャン(現在は故人。恐らく手練れの『導士』なのでしょう)。
リージャンは『その筋』では伝説的になってるようですね。
様々なアンブラは、それぞれ固有の弱点しか有効打にならない(吸血鬼にはただの木の杭ではなく『白樺の杭』。人狼には鉛の弾より『銀の弾丸』など。)と思われてましたが、
リージャンは『全てのアンブラ』に対し有効な『秘術』を持っていたようです。
ヴラッドを拘束するのに結構手こずったようなのですが・・・1話観たあと、気になってweb comicを読んでみました。TV放映の前日譚になってまス。
{netabare}
リージャン「うーん…まさか本当にあなたが協力してくれるなんてね」

ヴラッド「お前から誘っておいてなんだその言い草は」

リージャン「結構すんなり了承してくれたわね。ひねくれてそうだけど案外お人よし?それとも意外と情に厚いのかしら?」

ヴラッド「フン!そんなわけがあるか」

リージャン「それにあの時だってあなたが本気出せば勝てたんじゃないのかしら? あ!」

ヴラッド「なんだ」

リージャン「もしかして、私に惚れた?」{/netabare}

なんてヤリトリもあり、本編でそんな回想が生かされるかちょっと期待。(ヴラッドの「守れなかった」というセリフも気になりマス)
{/netabare}

本作ヒロイン、バイルー・トン。「花より男子」の「牧野つくし」のごとく、真っ直ぐな正義感のある活発なアクティブ少女。
思いたったら即行動する姿勢は、物語をドンドン進めていくので見ていて面白いですね。

物語は様々な怪事件、アンブラ殲滅を目論む秘密結社「ミッドナイトサン」の暗躍など見どころ有りそうな気がします。



当初は「また逆ハーレムものかよ・・・」と見くびっていましたが、これなら一般視聴者でも良さげな印象です。

とにかく、
美形男子超過剰すぎる人数の『オトメイト』系アニメより、いい塩梅のキャスティング。
美形男子が浮ついたセリフを惜しみなく吐く『オトメイト』系アニメより、真面な男子キャラ。
ロマンス演出を無理くり入れる『オトメイト』系アニメより、丁寧で真面なストーリー。
女子受け狙いの傾いた不自然さのある『オトメイト』系アニメより、自然な雰囲気。

タイトルが英語で「phantom in the twilight」という表記で憶えにくいことや、制作がイマイチ信用が「?」なライデンフイルムなので、作中ギクシャクするトコロもありますが
本当に、ホント~に『オトメイト』系アニメより良い方向に進んで欲しいものです。(って、どんだけ『オトメイト』にアンチなんだか。

2018.09.25【視聴終わって】
予感はしてましたが終盤に近付くにつれ、粗くなってくる作画。色んなアンブラ事件と遭遇していくかと期待してたのですが、トンとシンヤオの「能力開花」にストーリーが重点視され、ややもたついた展開がチョット残念。謎のまま終わった、
・ロンドン塔の「あの人」
・もう一人の「トン」?
も説明なかったし・・・と、未消化気味。続ける伏線なのだろうか?
そんな感じで『不満』はあるものの、「主役イケメン5人未満」辺りがドラマとして一番安定しているのではないかと私は思います。(同時期のショタ系からミドルまで30人以上出てくる「アレ」や、毎話違うイケメンが過剰に出てくる「アレ」とかに比べて)

投稿 : 2024/06/01
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ちゃんリンシャンとは関係ない

2話までの感想{netabare}
あっれー?
2話まで見た限りスゲー面白いんだけどどういうこと??
1話冒頭では“鹿楓堂よついろ日和”系か?と思ったら全然違ってた、実際は妖怪奇譚っていうか。
先祖の行いが良いことであれ悪いことであれ子に報われるってのは中国臭いけど(“かくりよ”は祖父の借金踏み倒そうと思えば出来てた辺りで中国っぽさは無い。中華は逃れられぬお家のしがらみネタが多いんよ)、そこまで気にはならない、かな?
実は自分が今観てるアニメで一番面白いと思ってるのが“鬼太郎6期”で…あっれー?別に妖怪ネタが殊更好きってことではないハズなんだが。
しかも妖怪っていうと出自(なんでそんなオカルトが存在するのか)は曖昧にして誤魔化すのが多いと思うのだが、この作品は説明してくれて…そういう作品他に無いワケじゃゃないけど、へ~え。
更には未来予知アプリが、実は科学ではなくオカルト寄りな原理なのかも知れないけど“ビートレス”よりもずっと近未来的面白ガジェットしてて…HIEよりずっと不気味で。

ってか、なんでこんなにセンスが良いんだ?
2話冒頭、着替え中で上半身裸のヴラッドへ「大変だ大変だ」と飛び込んできたバイルーがタッチして。
けどそこで「キャー」とかいうのは無い。
「親友が誘拐されたことのほうが重要でそれどころではない」ってのがよく表れてて…っていうよりそういうシーンでいちいち「キャー」ってやるのいい加減見飽きてて、それを見透かしての演出じゃないかな?
ここら辺はイタチごっこになるんだろうけど、センスとしては「今」風なんじゃない?
会話の途中でウェイン(幽霊)が色々な機材使って割り込んで来る→ヴラッド怒りもせず淡々と中断、とか、長い会話シーンを退屈させないための工夫が光る。
「侵入を許可すれば自由に入っていける」って設定生かして、さながらスマホで召喚したかのような演出はカッコいいっす。
また、ウェインが乗り移ってマネキン動かせるようになっても強度は所詮マネキンのままってのも良い。
ヴラッドの正体は視聴者にはバレバレで、だけどバイルーへは勿体つけて…これって「黒騎士?一体何バニングスなんだ」ってノリでニヤニヤしてたら予告前のミニコーナーで突っ込まれてるしw
ってかドラュラは弱点多すぎだよね。

ロマンチストなドラキュラ+料理担当の狼男+怪力自慢のフランケン(キョンシー)、あっ、これって。
幽霊はなんにでも乗り移れて姿形を自由に変えられるとしたら怪物くんポジ?
この勢いがこのまま続くならかなり出来が良いんじゃないか?
は、果たしてどうだろう…。


余談
アニメ制作はライデンフィルムだそうで、ライデンフィルムといったら“モンソニ”と“LOSTSONG”でメタエンド(ロストソングはそう解釈していいのか疑問だが)を連発したので、まさかこれも?と身構えてしまったり。
ハピエレがスポンサーなのでてっきりソシャゲなどの原作が存在してるんだと思ったらオリジナルらしい。
でもってシリ構とストーリー(って役職が立てられてる。「原作」っていう権利的なものはハピエレで、それとの差異じゃないかな)は丸戸史明で“冴えカノ”の人らしい。
あくまで出資者が中華でスタッフは日本人で中国ウケを狙った作品って感じか?
海天雲龍をスポンサーとして中国ウケ狙ってるパンドーラ的な?{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
全体的に悪くはなかったのだけど、かといって盛り上がることもなく地味に終わってしまった。
いやぁ~悪くないハズなんだけどなんでじゃろー?と考えると、シンヤオが攫われたって話を引きずったのがイマイチだったのかな。
特に、これは大人の事情か“魔法使いの嫁”でも見たリャナンシーの話を差し込むタイミングが変。
「そんなことよりシンヤオ心配しろよ」と思ってしまって感動シーンも空回り…何故あのタイミングにしてしまったのだろう。

それでも中盤からアンブラハンターことミッドナイトサンの登場で、活動資金はそれまで作中意味ありげに出てた謎アプリ“魔法の鏡”の利益からって聞いて「お?」と再び興味を引くことに。
そりゃあリージャン派(穏健派)が居るなら過激派も居て然るべきだよなー。
それと前から「ウェインの失われた記憶ってもしかして魔法の鏡の開発・運営に利用されてるんじゃ?」って予想してたのでそれに迫ってくれたのは有難い、予想は外れたけど(※)。

後半は「実はシンヤオも特殊能力持ちでした」で、ヘイシン(諏訪部)とバックアップとで「トンとシンヤオどっちが覚醒させたら強いか」の競争合戦。
バックアップは最後までヘルシングによって改心することはなかった…のか、まぁいいけど。
んで、トンが勝つのは規定路線だけど、シンヤオの「特別な能力」をウェインに食わせてめでたしめでたし…は、う~ん、それだけかぁ。
あ、ウェイン=暴食の王ね、記憶が無いってのは封印してたってことらしい。
リージャンに封印されたのではなく、上手く言いくるめられたのか自ら封印してたっぽい。
※部分とも繋がるのだけど、予想が外れたのは別に構わんけど、魔法の鏡は掘り下げればSFにもオカルトにも発展できたネタだと思うので、何か作中の扱いだけでは勿体無かったような?
もうひと声、オチと絡めて欲しかった。
まぁもっと言っちゃえばシンヤオの誘拐は後に回して、前半はフォービドゥン一味による怪事件解決話(をしながら暗躍する黒幕を匂わす)を繰り返した方が良かった気がするが…。

一番最後に出た少女はリージャン、元々力を使い過ぎてアンブラ化したって設定だし。
クリスの復活が意味不明だったけど、ひょっとしてリージャンがなんかしたとか、そんなんかね?{/netabare}

投稿 : 2024/06/01
♥ : 8
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

豪華食材(声優)をヒネりなく調理しました

2018.09.25記


人間と化け物との交流の話。

その化け物の設定なんですが、人間の思念それも恐怖や不安といったものが実体化したものを指し『アンブラ』というくくりで言われてます。いわば影。
化け物はもともと人間が生み出したもの、という設定も使い古されてますが、味付け次第でまだまだ面白い展開がのぞめる設定でしょう。


軽くあらすじ的なものに触れると、
大学進学を機に故郷中国からロンドンへやってきたバイルー・トンとその友達シンヤオのJD2人がアンブラ騒ぎに巻き込まれるところからスタート。
シンヤオと離ればなれになったトンが行きついた先はイケメン3人が経営するカフェ「フォービドゥン」。だが実はこの3人、それぞれ吸血鬼・狼男・キョンシーというアンブラ達。ただし私たちが想像するような人間の敵の立ち位置ではなく人間とアンブラとの平和的共存を掲げている連中でした。そして、このカフェの創設者が実はトンのひいおばあちゃんリージャンさんだよん、という導入部分です。
なお、こういった平和的共存を掲げている組織が世界各地にあって、と公式には掲載されてますが尺の都合か作中にはこの人たち以外は出てきません。組織の名称は「トワイライツ」、おそらくロンドン支部か本部みたいなものがカフェなんでしょう。


そつなく観れます。

途中、敵対する組織が出てきたり、アンブラと人間との関わり方を問いかける回があったり{netabare}(ミュージシャンとの恋のやつ){/netabare}、黒幕が登場して謎が解き明かされてく過程を後半に持ってきたりと、あまり期待して無かった割には及第点をあげられる作品にはなってます。

イケメンかどうかは作画の好き好きにもよりますが、櫻井孝宏、杉田智和、岡本信彦とイケボお墨付きの面々が配置されてます。やや女性向けの配役かもしれませんが、それほど傾斜しているわけでもないので視聴者の性別は問わないと思います。
ヒロインは花澤香菜さんだったりと声優さんの演技に引っ張られた部分はあるにせよ、作画・劇半・物語の展開と致命的な崩壊はなくそれこそそつなく纏めましたよ、というのが本作の印象です。



さて、以下余談。

視聴中やたらとCMで制作会社の紹介が入ってました。
気になって調べてみるとこの「Happy Elements」社。中国資本でその日本法人が本作の制作にあたっているようです。
その観点で見れば、ヒロインがChineseだったり登場人物にキョンシー入れたりと大陸での展開を視野に入れたマーケティングだと納得できますし、脚本もある程度意識したものになっているのが垣間見え、たいへん興味深いところです。

それは黒幕の行動目的にさらっと表れていました。※ネタバレ注意
{netabare}
Q:なぜ黒幕ヘイシンは執拗にトンのアンブラ化を促そうとするのか?
A:自身の不老不死のためにトンをアンブラ化させて食らうため
{/netabare}
{netabare}古来より権力者は不老不死への憧憬が強く(始皇帝とか有名ですよね)、その実現手段を求めあれやこれや物語が作られてきた歴史があります。物語だけではなく行動に移した歴代皇帝は枚挙にいとまがありません。
また、グロではありますが食人へのハードルも低かったというのも大きいです。たぶん読まないでしょうし軽くしか触れませんが、最後の遣唐使である円仁の書『入唐求法巡礼行記』に詳しかったりします。そこから脈々と現代でもってやつです。{/netabare}

ちょっと例としてはよくなかったかもしれませんが、ここではdisる意図はなく、ジャパニメーションとしてのノウハウを蓄積しながら、ターゲットとする地域・国を意識した修正を戦略的に行っているものと感じられ、そこはなかなかやるなぁということを言いたいわけです。


もちろん全世界共通の普遍のテーマ的な題材もあるでしょう。そのような中で、

「きっとこうだからこの国では受け入れられやすいんだな」

という部分が垣間見えると、それはそれで面白い経験ができるかもしれません。
今後も外国資本のジャパニメーションはそんな側面もあるのかな?という視点を持ちながら鑑賞してみようかなと思った次第です。


-----
2019.03.08追記
《配点を修正》


櫻井孝宏氏にヴァンパイア役は良く似合う。
たまにはクセ球のイケメンヴァンパイアも見てみたい。例えば木村昴さんとか蒼井翔太さんとか。
資本が潤沢だと声優の配役だけはド安定、物語その他はちょっと…というのが多すぎますよね。

投稿 : 2024/06/01
♥ : 31
ページの先頭へ