恋愛でオリジナルアニメーションなアニメ映画ランキング 17

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の恋愛でオリジナルアニメーションな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の恋愛でオリジナルアニメーションなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.1 1 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング1位
サイダーのように言葉が湧き上がる(アニメ映画)

2021年7月22日
★★★★☆ 3.7 (74)
271人が棚に入れました
17回目の夏、地方都市⸺。コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。人気動画主の彼女は、“カワイイ"を見つけては動画を配信していた。俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。

声優・キャラクター
市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一、井上喜久子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

眩しい泡沫

SIGNAL-MD制作。

郊外のショッピングモールを舞台に、
コミュニケーションが苦手な少年と、
コンプレックスをマスクで隠す少女が、
織りなす、ひと夏の青春グラフィティ。

田園風景とショッピングモール、
俳句とSNS、団地とネット空間、
現代のものと、ひと昔前からあるもの、
時代の移り変わりを題材にしながら、
かつてあったポップカルチャーのように、
前向きな物語設定として構成されている。

過去は乗り越えていくだけのものではなく、
そこに素敵な想い出が溢れていることでしょう。

色鮮やかな風景と老人の記憶、
{netabare}探しもののレコードをきっかけに、
少年と少女は次第に心を通わせていく。
どうやら初々しい恋心は見つけたようだ。{/netabare}

眩しい泡沫、なんか良い感じ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

言葉にすることで

俳句少年と歯矯正少女の出会いの物語。
舞台はショッピングモール、季節は盛夏。
眩いばかりの風景と色とりどりの構造物。
サイダーのように甘くて爽やかな作品です。

出会いは、突発的。
スマホが吹っ飛ぶ、
口元から矯正器がキラリン。
コミカルな衝撃です。

少年はチェリー、少女はスマイル。
チェリーは静、スマイルは動。
俳句とネット配信と興味は対照的。
NとSが引き合うようなものなのでしょう。

レコードに隠された過去。
50年前のフジヤマさんの思い出がシンクロ。
ヤマザクラにそんな意味があるなんて。
「葉」と「歯」かあ、考えたものです。

終盤に向かって、ちょっとした事件により行き違います。
しかし、「ヤマザクラ」の奇跡に再び二人の気持ちは・・・
まるで、サイダーを振ったかのように・・・
青春期の衝動的な恋心が、夢のように気恥ずかしいです。

全く前情報なしに観た作品です。
テンポが良く、目が離せませんでした。
それに、素直な気持ちを読み込んだ俳句が要所を締めています。
俳句ってホントいいものですね。

夕暮れの フライングめく 夏ともし
「めく」が可愛い。
私も瞬時に思いました。
言葉には不思議な表情があるのです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

サイダーの 泡ひかる夏 17歳

ひととき "夏の涼" を楽しむなら、本作はぴったりだと思います。

物語は、俳句少年とSNS少女の "ナチュラルな恋バナ" です。

女の子は、スマイル(星野さん)。
男の子は、チェリー(佐倉くん)。

ふたりとも、生来の性質が、性格にちょっぴり影を落としています。
それが土台になって、趣味の志向性は全然好みが違うわけなんです。

ところが、ほんの偶然のことで、お互いの間を詰めあっていくようになっていきます。
そして、必然の帰結のように、お互いに別れを受け入れていくのですが・・・。

そこには一つのエピソードが盛り込まれてあって、誠実に向き合うふたりに、甘酸っぱさをキュッと強めていくんです。

徒労感や失態を共有しながらも、まるでレモンスカッシュのビタミンCが効いたような爽快さで事が運んでいくのです。

う~ん、これはもう二人の相性が良すぎるのか、それとも周りのサブキャラたちの絶妙な手合いなのか、ちょっと分からないです(笑)。

なので、ここで一推ししておきますね。
キャラ映えさせるグラフィックデザインのワークセンスが、ほんとうに卓抜しています。

あ、音楽もまちがいなく素晴らしいです。
今どきの青春も、昔日の青春も、どちらも美味しく、快く感じさせてくれると思います。


観終わったあとに、ちょっと奮発してパンフレットを購入しました。
それが、店頭に表示されているものとは違うものなんです。

「あれれ?・・・え、そうきたか!これはやられた~。」

なんとも言えない可笑しさ、微笑ましさに、心が "シュワ~" ってなりました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

87.0 2 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング2位
秒速5センチメートル(アニメ映画)

2007年3月3日
★★★★☆ 3.9 (3988)
18435人が棚に入れました
東京の小学生・遠野貴樹と篠原明里はお互いに対する「他人には分らない特別な想い」を抱えていた。しかし小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことが無くなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに、文通を重ねるようになる2人。しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない…」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。

声優・キャラクター
水橋研二、近藤好美、尾上綾華、花村怜美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

季節は移ろい、心だけが取り残される

新海誠監督作品。

子供時代の淡い思い出が蘇る、
厳しい冬の寒さ、雪景色、そして再生の桜、
それは切ない失恋物語である。
新海誠の恋愛は喪失感を描く時がもっとも美しい。
いつも同じ場所に留まっているようだ、
そこに喪失感が常に存在している。

切ない感情が未だ一人の女性に向けられている。
{netabare}成就することが出来なかった恋心だ。
そして季節は移ろい心だけが取り残される。
それはほんとに哀しい体験なのだろうか。{/netabare}
彼が大切に守ろうとしたものに共感する。

遅くてもいい、確実に前へ。
これは再生と癒しの物語である。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 122
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

秒速5センチメートルでも5キロメートルでも

オリジナルアニメーション。約1時間。


非常にきれいな映像で描かれる、懐かしく甘酸っぱく切なくもある恋愛物語です。
山崎まさよしが歌う「One more time, One more chance」や、そのアレンジBGMが印象的です。

3つの短編から構成されています。

・「桜花抄(おうかしょう)」
・「コスモナウト」
・「秒速5センチメートル」

登場人物はかぶっていますが、時間も場所も異なります。


このアニメでは、季節が何度も巡ります。
しかし、ひとつとして同じ季節はありません。
{netabare}
桜花抄でのふたりのやりとりはくすぐったくなりますね。
携帯電話がない時代だからこその文通。

そして、3月4日、夜7時の約束。
雪に何度も邪魔をされながらも、ふたりが出会えたのはうれしかったです。
冷たさの中にも暖かさがありました。


しかし、線路を隔てて離れてしまったときから、すれ違いは始まっていたのかもしれません。

「彼女を守れるだけの力が欲しいと強く思った。それだけを考えながら、僕はいつまでも窓の外の景色を見続けていた」
時がたち、やりとりしていた手紙が来なくなっても、その言葉からわき出る力が貴樹を突き動かします。

「それは、本当に想像を絶するくらい、孤独な旅であるはずだ。本当の暗闇の中をただひたむきに。一つの水素原子にさえ、めったに出会うことなく。ただただ深淵(しんえん)にあるはずと信じる、世界の秘密に近づきたい一心で」
いつまでも過去の幻影に捕らわれ、まっすぐ進み続ける貴樹。

「そしてある朝、かつてあれほどまでに真剣で切実だったあの想いが、きれいに失われていることに僕は気づき……」
彼は行き止まりにぶつかってしまいます。


どれだけの速度で進んでも追いつけない。
足りないのは速度ではなく方向なんですね。

一方、明里は、その記憶をしまい込み、自分の人生を歩んでいました。


最後のシーン。
踏切で出会った貴樹と明里。
奇跡的な瞬間でしたが……踏切の電光掲示板には、




相手のいた方向へひたすらまっすぐに進んだところで、相手はすでにその場所にはいません。
相手のいる方向へ向かわないと。
{/netabare}

リアルで、恋愛の切なさを突きつけられるような話です。
「コスモナウト」が、この作品に、「時の流れ」という現実の残酷さを与えていますね。
この話は、感情移入する人物によって、評価が左右されると思います。
自分の恋愛観や、そのときの気分からも強く影響を受けます。
{netabare}
貴樹に感情移入をすれば、離れていく心の苦しさが伝わってきます。
澄田に感情移入をすれば、貴樹の行動に納得がいかないどころか、腹が立ちます。
明里に感情移入をすれば、合理的な選択に見えます。
そして、客観的に見れば、どこにでもあるいくつもの失恋です。
{/netabare}

それでも、作画の丁寧さ、そして、言葉と間の取り方による細かな心理描写にはひきつけられます。
おかげで見始めたら止まらなくなる作品です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 106
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

神様に祈るようなせつなさ

秒速5センチメートル。{netabare} 桜花抄で明里が言った言葉です。
この題名が何を意味するのでしょう。これは第3部の題名にもなります。
私はこのように思いました。
桜花抄で、二人の距離はとても近かった。
でも時間がたつにつれ、お互いの心の距離は秒速5センチメートルでじわじわと離れていく。それは明里だけが進んで行き、貴樹が止まっているから。

「秒速5センチメートル」第3部で心の距離は、明里が結婚するまでになっていて、でも貴樹は明里の事が忘れられない。貴樹は一つの恋が忘れられない。

まるで、貴樹だけが一人ぼっちでいるような感覚。誰にも明かせないおわったはずの初恋の気持ちを持っている感覚。自分が青春時代に多くの時間を考えて好きな人の事を思ったこと。好きだった人の事が、数年たった後でも、心の孤独の中に不意に湧き出る感覚。それが、忘れられなくて、目の前にある恋愛に対しても、積極的になれない。なんだろう、すごくわかってしまう。

明里のような人とすれ違いお互いが振り返る。そのとき間に電車が走り、電車が過ぎ去った後、明里がいなかった。そして貴樹は笑う。
多分、明里の心からは、もう見えない距離(つまり、忘れ去られた)に自分がいること(そこまで離れてしまったこと)を貴樹は悟り、「ああ、そうなのか」と笑ったのかなと思いました。
彼女は振り返ろうとしましたが、電車が来た。明里は「どこかで見た顔だったけど、きのせいよね」程度で電車が過ぎ去ることを待つことなく歩いていく。そんな、「過去の恋愛にとらわれていない」明里をみて、貴樹は、ようやく、過去にあきらめ(けじめ?)がついたのかなと思えました。

山崎まさよしさんの歌う主題歌「One more time,One more chance」が脳裏に焼きついて離れません。
好きな女の子の事を忘れられない男が、何年たってもその女の子を思い続けます。
神様に奇跡を祈るようにありえない再開を待ち、喪失感を覚えながら、思い出を振り返っては停滞しています。
今なら「好き」という告白をいえるという、もうやり場のない感情、彼女に伝えられない感情をつづっています。せつないですよね。


2016年 追記(蛇足です) {netabare}
このレビューに関して、結構感想を頂きました。「秒速5センチメートルが二人の離れていく速度とは思いませんでした」と何度か同じ感想を頂いて、
「ちょっと考えすぎかなあ」なんて思い、ちょっと再視聴してみました。
やっぱり二人の心の距離は桜花抄で一番近かったなあ。最初は子供らしい友達みたいな付き合いから、お互いを思いあい、好きになって。離ればなれで、会えなくてもどかしい。貴樹が電車を乗り継いで明里と会いに行く過程に、電車を待つシーンも、電車が止まってひたすら耐えるシーンも、なぜか自分の見てきた何気ない風景を思い起こさせて、息苦しさを感じました。あせり、不安、葛藤、焦燥、孤独。色んな物が混ざって電車の椅子に座り寒さに耐えるように縮こまる姿が、私の中の孤独感に共鳴を起こさせて、苦しくなりました。

「秒速5センチメートル」では貴樹は仕事にやる気をなくしている疲れた状態になります。心がからっぽの時は何気ない風景に、感傷的に昔のことを思い出すものです。中学時代の盲目的な初恋は男子にとって特別なものです。たとえ何年経っても不意に思い出してしまう。多分、貴樹は初恋の明里の事を思い出して、踏み切りの向こう側の女性が明里なら、振り向いてくれたなら、あの頃に戻れたら。そんなことを「期待」してしまう。心の穴を埋めてくれる存在にうえていたからこそ、電車が過ぎるのを待っていたんだろうなと、今はわかります。
「そんな事あるわけないよな、なに考えてるんだろ」で普通は終わります。ここで貴樹が女性がいないことを見て笑ったのは、よくわからないけど、切なさと、少しだけ暖かさを感じる笑顔でした。だから、貴樹は少しだけ暖かい気持ちになれたんじゃないかなと思います。


【視聴者が感じているこの感情はなんだろう?】

完全にまた再考なので読まなくてもいいです。

私のレビューの根っこに関わることなんですが、「切ない」ってなんでしょう?この作品を人が人に説明する時に、「切ない」という言葉をよく聞きます。端的に感情を伝えるならばそれだけでもいいですが、私はこの作品が好きなので、人に勧めるなら「切ない」だけでは物足りないのです。

なので少しだけこの作品の「切ない」とはなんなのか、多くの人が「切ない」という言葉にどんな意味を持ってこの作品に当てるのか、どんなん感情を感じて「切ない」と思ったのか、少しだけ、考えてみませんか。

桜花抄で私達が感じた切なさ、遠距離恋愛で遠くにすんでいる明里に会いに行く貴樹、その時の切なさ。それは、心が震えるような孤独感や動かない電車を待つ焦燥感、冬の寒さを思わせる雪、明里がまだいるだろうかという不安。貴樹の感じていることが見ている側にも伝わってきて、息苦しくなる、それが合わさって、切ない、なのではないでしょうか。

コスモナウトでは、もう会える距離ではない二人、物理的にも、精神的にも。貴樹はまだ忘れられない
明里の事を思い、近い場所の異性の好意に気づけない。時間によってなすすべなく離れていく貴樹と明里の関係も、どんなに近くにいても、心の距離が埋まらない、貴樹への片思いも、無力感ややるせなさ、それに対する悲しさ。どことなく思いを伝えられない少年少女に後悔を思い出す人はいるのでは。

秒速5センチメートルでの感情は、まずは打ち込めないことへの空虚感。無気力感。
そして幸せな明里に感じる、貴樹との関係の断絶。あんなに頑張って電車にのり会いに行ったのにという、悲しさ、やるせなさ。交差点ですれ違って振り向いた時の、期体感。そして明里はいないという別れの確定に対して、視聴者は悲しさを覚えたり、後悔を覚えたりするかもしれません。ここは人それぞれでしょう。

曲も後悔や未練を言葉に乗せたような歌ですから、余計に「あのときこうしていれば」という感情や心のなかに不意に出た「もしも奇跡が」という些細な感情に揺り動かされてしまう、そんな状態になってしまってる心を意識して、「心にくる」という言葉がでてしまうのかもしれません。
{/netabare}

{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 102

84.0 3 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング3位
天気の子(アニメ映画)

2019年7月19日
★★★★☆ 3.9 (704)
3043人が棚に入れました
「あの光の中に、行ってみたかった」高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高は一人の少女に出会う。ある事情を抱え、弟とふたりで明るくたくましく暮らす少女・陽菜。彼女には、不思議な能力があった。「ねぇ、今から晴れるよ」少しずつ雨が止み、美しく光り出す街並み。それは祈るだけで、空を晴れに出来る力だった――

声優・キャラクター
醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子、小栗旬
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

空の青み

新海誠監督作品。

雨の降りしきる東京のとある病室から、
憂鬱に外を眺める少女。
不意に射し込んだ光に誘われ、
少女は不思議な力を手に入れる。
同じ頃、家族と離れ東京に降り立つ少年がいた。

日常への機敏な眼差しは健在で、
映像は満点でしょう。劇伴も素晴らしい。
置き時計、蛇口、錆びた三輪車、雨粒、
きっと配置にまで意味があるに違いない。
…と、思わせる描写の力に感嘆です。
鳥居は現世と幽界を繋ぐ門なのでしょう。

母なる海の物語を壮大に描く「海獣の子供」、
広大で青く美しい透明な空を描く「天気の子」、
重力が躍るその上下運動の美しさに圧倒される。

セカイ系2.0と呼ぼう。
新時代の映像作家として自らを更新していく。
私なりに主題を簡潔に伝えればこうだ。
{netabare}希望的観測に従えば「個の回復」であり、
そして「個々人が繋がる強さ」でしょう。
例え不調和な世界でもいい、君と寄り添う。
歪んだ世界を歪んだまま共に歩こうと。{/netabare}

物語は結末に向け悲劇性は増していく。
ここに於いて、監督たる所以である、
{netabare}強烈なナルシシズムと世界が衝突を始める。
端的にこの衝突には参った。{/netabare}
物語の力は率直に後退だと感じるが、
しかしこれこそ監督らしい感性なのだろう。

なんて不思議な作品なのでしょう、
フィクションが歪んだまま愛を知るなんて。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 72
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人の命は何事にも代えられない尊いものであると言い切った映画

この映画を一言で言い表すのは、とても難しいです。
しいていうならば、人の命は何事にも代えられない尊いものであると言いきった映画だと感じました。
ここまで言い切る新海監督は凄いです。尊敬しました。

物語は、
あるきっかけで、雨天を晴れに変える能力を身につけた少女、陽菜(ひな)。
離島から飛び出し、都会へとやって来た少年、帆高(ほだか)。
この二人が、都会で雨の日に出会います。
そして、帆高と陽菜は、雨天を晴天に変えるための仕事を始めます。

世の中には晴天を望む人が沢山いることを、二人は知ります。
そして、晴天を望む理由も、人それぞれで違うことを知ります。
その理由は、それぞれの依頼人にとって、とても大切なことなのです。
だから、空が晴れ渡ると、依頼人の顔が皆、笑顔になる。
二人は、依頼人の笑顔を見るのが好きでした。

仕事は一見、順調に進みますが、無理をして天気を変えると、それなりの『みかえり』があります。
そのみかえりとは・・・


作画はこの上なく美しい。
但し雨のシーンが多いので、美しさを感じる場面が少ないですが、だからこそ、晴れたときの青空は格別に綺麗に見えます。
音楽も大変すばらしい。
そして、帆高が陽菜をとても大切にしているのがわかるので、思わず応援したくなります。

ぜひ、映画館で鑑賞してください。良い思い出となります。

{netabare}
ところで、
陽菜(ひな)は、子供なのに、弟と二人で暮らしています。
都会で、子供だけで生きるのは、とてもつらいことです。
帆高も、都会で暮らし始めて、子供が一人で生きることの厳しさを知りました。

皆さんは、毎日三食を食べていると思います。
でも、子供が都会で一人で生活をすると、仕事にありつけず、食事もまともに食べられません。

おそらく、皆さんの中には、将来都会で暮らすことを計画されている人がいると思います。
都会は、お金を持っている人であれば、快適な生活が送れます。
但し、都会でお金を稼ぐためには、とても厳しい現実があることも、覚えておいてください。
そして、安易にお金を稼げる悪の道に入ることが無いように、切に願います。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 69
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

作品<商品の視点はそれなりに重要

オリジナルアニメ劇場版 114分


興収250億円。日本歴代4位の記録を打ち立てた『君の名は。』から3年。新海誠監督2019年の新作。
良くも悪くも『君の名は。』以前と以後で語られてしまうのはしかたないでしょう。
立ち位置もこの大作を起点にして、

 1.変わらず好き
 2.以前よりもっと好き
 3.昔のほうが良かった
 4.これを機に新海誠を知った
 5.一貫してネガティブ評価

ニワカな私は4.です。『君の名は。』で知って、『秒速…』や『言の葉…』に流れていった人。
余計なお世話は承知の上で放言しますけど、3.のスタンスの方、ヲタ村から一歩出た実社会では注意が必要です。メガヒット作品だと普段アニメを観ない一般国民の関心が低くありません。しかも好意的に作品を捉えたケースが当然ながら多い。それを事情を聞かずぶった切ってる方の多いこと多いこと。私はドトールで実際に遭遇しました。本人の狙いはともかく地下アイドル好きのキモオタ扱いされ撃沈するのが関の山です。5.も似たようなもんですが「一貫してるのね」と傷は少ない。
『けもフレ』の前と後がどうだ!とか、○○(制作会社)の新作があーだこーだとかは一般人にはどうでもいいことなんで彼らも他人事として聞いてられるのですがこのテの作品はその一般人のテリトリーに入ってることを十分意識しておきましょう。

声優を例にすると分かりやすいかもしれません。先日、民放ゴールデンタイムでの『聾の形』放送に際し、知り合いの非ヲタ一般人に出演声優を説明するにあたってはこうでした。

 主役→『千と千尋』のアシタカ役
 永束→ハリーポッターの中の人
 妹→『君の名は。』のさやちん役

彼らがイメージ湧くのはここまで。ヒロイン役の早見さんは残念ながら「誰?知らん」です。興行収入の多さと一般認知度は比例します。ハリポタは違いますが基本的にはディズニーかジブリ強し!という勢力図の中に割って入ってきた新海さんは凄いと思いますよ。

一般人と共有できるアニメ作品は貴重であると思うので、いつも以上に盛大に脱線しました。
作品単品での評価も気になりますが、マーケティング視点も少しばかり導入しつつ興収含めた一般社会での受け入れられ方も気になるそんな作品という前提で以下。

メガヒットの次に何をもってくるか?

『CROSS ROAD』でミリオン達成。シーンに認知されたMr.Childrenは次に年間チャート1位となる『innocent world』、その次にバンド史上最も売れた『Tomorrow never knows』をリリースしました。答えは簡単。名曲を出し続ければ良いという結論です。もちろんおいそれと真似は出来ません。
次にやらかしがちなパターン、特にここ最近顕著なのがヒットしたものをそのままなぞらえた模倣品を作ること。短期間に消費されること前提であり飽きられるのも早いのでクリエイターには不評。こればかりは会社だったりプロデュース側の方針に依ります。
というわけで最後。目先を変えてくパターン。すなわち王道な売り方。成功事例だとX JAPANが分かりやすい。『紅』でシーンに躍り出てからの次回作が『Endless rain』。前曲の激しい曲から一転してピアノのイントロが美しいバラードです。振り幅で勝負!人気を定着させました。
なお現在の音楽シーンはメディアミックスが複雑すぎて音楽単体評価が難しく該当事例ナシです。


そしてやっとこ作品そのものについての言及になるわけですが、
本作はだいぶ模倣品リリースに傾いてたと思われます。パッと見た感じは「模倣品」。中身は「異物」なんですけどおおむねパッと見た感じで判断しますもんね。別に「俺たちの新海戻っておいで」でもいいのですがせっかくドがつくほどのメジャーに踊り出たんでしばらくは居座っていて欲しいです。、
私は『秒速…』以降しか知りませんが、少なくとも全てボーイミーツガールです。お家芸となってる過去作品のキャラ登壇は本作に限らず伝統芸能といって差し支えないでしょう。実写より美しいともされる作画やモノローグを多用する心情描写は作家の色なので模倣品とまで言うのは酷ですが既視感あることは致し方なし。RADWIMPSの再起用はやり過ぎな感もあり。といったところでしょうか。

『ナウシカ』『ラビュタ』と連発。『未来少年コナン』以降の監督の得意分野である冒険活劇あるいはファンタジーを2本続けてから第3弾では2本立てにトライ。『火垂るの墓』で原作有り&別監督と目先を変えてきたジブリを無条件に賛美する意図はありませんが、早くチームか会社設立しちゃったほうが良い気がします。需要に対しての供給力が足りてないというか今のままでは監督への負担が大きいのではないかと思われます。
ボーイミーツガールの完成系を目指して試行錯誤しているクリエイター!? 技術的には積み重ねを感じる。例えば『言の葉の庭』で培った雨の表現をトレースしてたり違うものを見せたりと。そんな持ち味を楽しみにしているファンも大勢いるためガラッと変えるのは実際難しいところなんでしょうね。


して映画の肝心の中身は?

良いです。ボーイミーツガールは好物だしこの監督の演出する男女の営みも自分には合います。
特にツボにハマったのが新宿の繁華街の裏通りの雰囲気。終電逃してさあこれからって空気や、朝を迎えた時点での気だるさを感じさせるあの雰囲気がよく出ています。

これが家出少年の目にはどう映ったか?

宿無しの不安とおそらく束縛からの解放がないまぜになった心理状態。そんな者すら受け入れる街。“ここではないどこかへ”来た感がこれでもかと出ております。
ウチの中学生の倅が劇場で鑑賞し「面白かった」と感想を言ってましたが、メインストーリーとは別にこのちょっとした淫靡な空気に吸い寄せられたのかもしれないなぁ、と実際の作品を観て思いました。朝オープンしたてのカフェに昨晩オールした若もんがぐったりしてるでしょう?そういうところです。

そして不穏な街には不穏な物語が良く似合う。
当人たちの問題がそのまま世界の危機に直結する“セカイ系”に分類されそうな物語でした。


 “ボーイミーツガール”

 “怪しい街新宿”

 “セカイの危機”


難点はキャラの行動原理がわかりづらいところ。その点はけっこう狙っていたらしく、例えば主人公穂高の家出理由はわざとぼかしているとのこと。自分はあまり好きではないです。
総じて“良い”と感じてますが、行動原理に納得感がないからか主人公らがやや低年齢だったからかは定かではありませんが、結局キュンキュンしなかったので評価爆上がりには至らずでした。

マーケ視点としては合格。メガヒットの次という超絶難易度をクリアしてます。「あー結局アノ作品だけの監督だったんじゃん?」という声がない。充分でしょう。
これで次回作も一般人巻き込んでみんなで楽しめますね。ぜひデートの誘いに新海映画を!
ボーイミーツガールは不滅です。



※閑話休題

■人身御供

ちょいちょい日本文化のわりとコアな部分を突っついてくる作風は今回も。
本質的には巫女さんの役割のお話なんだと思います。

{netabare}現代版の卑弥呼{/netabare}

僕らの血肉に息づいてる感覚をモチーフにしているので賛否はともかくイメージはしやすい。
{netabare}※自然の怒りを収めるための人身御供という概念のことです。
相方が人身御供となることを良しとするか否とするか?本作での結論は観ての通りでしたがあの結論はアリだと思います。{/netabare}

↓ネタバレ
{netabare}今のこの時代に社会正義を捨ててヒロインを取ったる!とやったのは痛快でした。
公の精神は大切です。ただしポリコレ棒をぶん回しての昨今コロナ禍での自粛警察みたいなのとは似て非なるもの。{/netabare}



■東京

{netabare}「街の風景を自分の手で・・・」
「東京だっていつ消えてしまうかわからないと思うんです」{/netabare}

建設会社希望の某就活生の志望動機をふと思い出しました。
もしやこの伏線回収か!?と思いきやところがどっこい消えずにたくましく東京の人達は生きている。
むしろ「埋め立てる前はもともと海だったしね」のセリフにお台場はもちろん江東区あたりもイメージしてそりゃそうだと膝を打ちました。

{netabare}「東京だっていつ新しいものが生まれてくるかわからないと思うんです」にバージョンアップ{/netabare}

自然災害を無視できない風土。だからこそ生まれた“もののあはれ”なる概念。そんな諦観だけに留まらず対となる進取の気性との両輪でここまで続いてきた国なのにどうやら後者の気概が最近弱まっている模様。もう一度取り戻して前を向いて歩いてく。
なんだかんだそんな前向きさを感じるのはエンタメの良い部分が出てるのかもしれません。



視聴時期:2020年7月

-----

2020.08.22 初稿
2020.10.25 タイトル修正
2021.05.30 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 64

77.6 4 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング4位
甲鉄城のカバネリ 海門決戦(アニメ映画)

2019年5月10日
★★★★☆ 3.9 (310)
1645人が棚に入れました
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。鋼鉄の皮膜に覆われた心臓を撃ち抜かれない限り滅びず、それに噛まれた者も一度死んだ後に蘇り人を襲うという。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは爆発的に増殖し、全世界を覆い尽くしていった。 極東の島国である日ノ本で、カバネの脅威に立ち向かい、前線をくぐり抜けている分厚い装甲に覆われた蒸気機関車(通称、駿城)の一つ甲鉄城で生き残った生駒たちは、カバネと人の攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」で玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てていた。そんな中、生駒は、海門の地のカバネたちは統制され、集団行動をとる特徴を持っていることに気づく。そのことを連合軍へ報告を行う生駒だったが、相手にされず、逆にカバネリであることから連合軍から虐げられてしまう。怒りに身を焦がし冷静さを失った生駒は単身で敵地へ乗り込むことを決意する。一方無名は、これまで自分を支えてくれた生駒に対してこれまでとは違う感情が芽生え始めていた。しかし、そこへ生駒が単身で敵地に乗り込むつもりであるという知らせが飛び込んでくるーー。新たなカバネとの戦い、そして、無名と生駒の運命はー!?

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、マックスウェル・パワーズ、三木眞一郎
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

WIT STUDIO制作。

金剛郭の崩壊から半年、天鳥幕府は要を失い、
日ノ本は複数の勢力圏に分割し、
各地でカバネとの戦いを強いられている。
旅を続ける甲鉄城は北陸の要塞「海門」にいた。

近世から近代へ移り変わろうとした時、
突如として不死の怪物が現れた。
カバネと呼ばれるリビングデッドだ。

城下町の風情は雑多ながら書き込みが美しく、
死と隣合わせで生きるものたちの営みがある。
カバネの進攻に国土の大半を奪われた人々は、
北陸の要衝は死守したいところでしょう。
生駒も無名も懸命に生きているのだ。

劇場版の尺の方が良いのかも知れません。
{netabare}少しある恋愛模様も見所の1つですが、
やはり幾多の戦闘シーンには熱が籠っています。
蒸気を上げ暗闇を疾走する甲鉄城にも迫力がある。
物語もきっちり締めてくれました。{/netabare}

ゾンビの歴史とは「奴隷」の歴史だ。
それはアフリカ源流の人類史の汚点である。
物語の鍵はヴードゥー教が握るのでしょうか。
{netabare}この「海門」にもまた隠された悲劇があるのです。{/netabare}

生きる為に必要なものを探す旅、
夜道を照らす松明はきっとどこかにある。

期待して、続報を待ちたい。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 40

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

その旅路の先に、新たな運命。

本作は、2016年の春アニメでTV放送された「甲鉄城のカバネリ」の続編となります。
TVアニメ放送後に総集編の前後編が上映されましたが、そちらは未視聴です。

劇場では2019年5月10日から2週間限定で上映されるようですが、私はNetflixで視聴しました。
劇場での上映と配信が同時に行われることってあるんですね。
最近、Netflixに入っていて良かったな…と思えることがちょくちょくあります。

一番嬉しいのはNetflixオリジナル作品のバリエーションが増えてきたことです。
それと最新のTVアニメも放送されているので、万が一、録画に失敗したとしても追いかけ視聴ができるのもメリットの一つだと思います。

カバネリ…といって真っ先に頭の中に浮かび上がるのが無名の存在です。
TV本編では色々と大変だった彼女でしたが、甲鉄城の旅はまだ終わっていなかったのです。
生まれ故郷を目指す一行が辿り着いたのは、日本海に面する「海門(うなと)」という廃坑駅でした。
ここでは海門を奪取すべく、人間とカバネの激しい抗争が繰り広げられていたんです。

ここを通らなきゃ故郷に帰れない…
甲鉄城に乗った菖蒲らは、カバネを撃退する連合軍に参戦することとなり…物語が動いていきます。

アニメーション制作が「WIT STUDIO」で監督が荒木哲郎さんといえば「進撃の巨人」と一緒ですよね。
カバネが人間を襲う様を見ていると、お互いの作品の共通点に成り得ると思いました。
そしてこの作品でも見惚れてしまうほど圧倒的なのが、戦闘シーンにおけるキャラの躍動感です。
本作品は劇場版で特に気合いが入っていたからでしょうか…
無名の…生駒の戦闘シーンの迫力は半端ありません。

きっと、何もかもがTV版の延長だったら、レビューで書けるのはきっとこのくらい…
でも、TV版とは大きく違っている点がこの劇場版にはしっかり用意されていたのです。

それは、ベタですが無名と生駒の関係です。
これまではお互い信頼関係にあって、カバネとの戦いにおいて背中を預けられる間柄でした。
でも、この劇場版ではもう数歩気持ちの面が進んでいるんです。

特に作中における無名と、炊事や子守りに精を出している鰍との会話シーンがあるのですが、見方によってはコイバナに見えちゃったり…
無名…戦闘スキルの高さとカバネに対する残忍さは相変わらずですが、こと生駒の話になると態度が急変するところも、彼女の可愛らしさに拍車をかけています。

そりゃそうだと思います…
あれだけの激戦と苦しい状況を切り抜けてきたのですから…
そんな気持ちの変化が戦闘や普段の言動にどの様な影響を及ぼすのか…
この作品の見どころの一つだと思います。

それと根っこの部分の共通点は忘れられません。
正直カバネリになって良いことなんてあったでしょうか…?
強くなったかもしれない…
でも所詮はどっちつかずの中途半端な存在である上、いつカバネ化するか分からないリスクだって孕んでいます。
それでも、無名と生駒の二人がカバネリだったから乗り越えられた局面だってありましたし、二人にしか感じられない世界を共有することだってできるんですから…

でも、そのくらいの恩恵はあって然るべきなのかも…
甲鉄城に乗っている時間が長くて忘れていましたが、カバネリって人から虐げられる存在だったんですよね。
様々なリスクを想定して進言してもまともに取り合って貰えないし、挙句の果てには諸悪の根源みたいな存在を受ける始末…
心が折れても仕方無い場面だってゼロではありませんでした。

ですが、軍人や民衆が二人をどの様に評価しても、これまで一緒に苦難を乗り越えてきた甲鉄城の仲間は、二人に対する疑念など一点の曇りもありません。
最初は彼らだって違ったのに…甲鉄城で過ごした時間と揺ぎ無い実績が、絶対的信頼に値することを彼らは知っていますから…

海門での決戦の行方…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
個人的には、その後の…無名の行動の方がよっぽど気になりましたけどね…^^
あんな真っ赤な顔の無名…きっとそうお目にかかれるモノではないと思いました。

主題歌は、EGOISTの「咲かせや咲かせ」
個人的に、この楽曲は結構感慨深かったです。
何故なら、この楽曲の背景で流れているのは、甲鉄城の乗組員…無名、菖蒲、鰍に生駒ら男性陣も加えたヨサコイなんです。
彼らの旅が終わったかどうか…私には分かりません。
ラストの風景に、それらしさも感じられましたが、日ノ本の殆どを覆い尽くしているカバネの影響はそう易々とは無くならない事でしょう…
それでも、笑顔でヨサコイが踊れるのは少なくても今は平和だから…にほかなりません。
束の間かもしれない…これからどんな試練が待っているかも分からない…
何せ伏線が回収しきれていませんから…
けれど、ここで見せて貰った笑顔は本物だったと思いました。

願わくば、みんなのその笑顔が少しでも長続きすることを…
みんながこれから手にするのは人殺しの道具ではなく、鳴子のような人々を笑顔にする道具でありますように・・・

投稿 : 2024/06/08
♥ : 27
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まあ。。もう少しインパクトは欲しいけどヒロインが好きなら

 
2期かと思ったら劇場版なんですね。
ノイタミナ枠のTVシリーズは視聴済み。
(レビュー書いてないけど・・)

導入部で説明があって背景が分かり易い。
TVシリーズを観てからの方がいいけど、
観てなくてもワケわからんくはないかな。

てか『日の本』の状況、そうだったんだw

さて、ゾンビ系は好きなジャンルですが果たして・・

■ストーリー
~{netabare}
日常シーンから入るのは好感。
カバネの異質性やキケン性がわかる。
少しは観る人に恐怖心を持ってもらわないとね。

出し惜しみなく無名参上。
ほどなく生駒も登場。

やっぱ無名カワイイw
女子の描き方がわかってらっしゃる。
表情とか、身体の丸みとか・・
(この絵で『みるタイツ』とか作って欲しいなあw)

日常の無名、編み物してる姿もカワイイ。
すれ違い・・王道ですなーw

しかし人間どもはなぜにこうもお決まりでカバネリを疎むのか。。
異質なものを排除したくなる心理はわからないでもないけど。。
でもこれってコロナ禍の世の中に似てなくもないか。

さて、特に刺さったシーンは・・

 無名:喋らなくていいよ
 生駒:ずっとそばにいろ。俺から離れるな
 無名:もう一回、言って・・

うぐぅ・・w
定番かも知れんけど胸に響くw

最後のキスシーン、控えめだけどそこがイイ・・
真っ赤っかな無名もレア感ありw

でも・・
{/netabare}~

劇場版なら、もうちょっとインパクトがあってもいいかなーw

■作画
背景は綺麗だし、異形もイタい絵じゃないし、バトルも見応えあり。
トリッキーな動きは殺陣師でもいるのかな。
そんな動きに絵もちゃんとついて行ってる。
普通かも知れないけど、その普通がいかに大変なことか、色んな作品を観ると感じてしまうw

■キャスト
ほぼ自分用メモなので畳んどきます。
~{netabare}
生駒(いこま):畠中祐
 ちょっとハスキーだけど
 若くて危うい青年にドンピシャな
 感じは適役で好演。

無名(むめい):千本木彩花
 千本木さん、声好き。
 ガーリッシュナンバー(烏丸千歳)
  初主演。よかったですw
 転スラ(シュナ)
 空挺ドラゴンズ(ナナミ)
 などなど・・
 共演した内田真礼が絶賛?へー。
 同じ日ナレ出身だけにw

菖蒲(あやめ):内田真礼
 もう一人のヒロインですなw

侑那(ゆきな): 伊瀬茉莉也
 惡の華(仲村佐和)
 フォトカノ(前田果音)
 宝石の国(アンタークチサイト)
 約束のネバーランド(レイ)
 そして・・
 スクスト(天音)
 メイドインアビス(レグ)
 呪術廻戦(佐々木先輩)
 けっこうお世話になってました。
{/netabare}~


 原作:オリジナル
  にしては珍しく面白い。
  やはり色々なテイストは感じますが。
 制作:WIT STUDIO
  新劇の巨人、終わりのセラフ、
  魔法使いの嫁、恋は雨上がりのように、
  GREAT PRETENDER、など
 公開:2019年5月
 視聴:2020年11月アマプラ/dアニメ

EDは歌とかキャラとか踊りとかボーっと観ていたら、なんか・・・ジワっと来てしまった。
 ~{netabare}
 いや尿漏れじゃなくてw
 
 目頭ですからw
 {/netabare}~
 

投稿 : 2024/06/08
♥ : 22

85.8 5 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング5位
言の葉の庭(アニメ映画)

2013年5月31日
★★★★★ 4.1 (1995)
9509人が棚に入れました
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は学校をさぼり、日本庭園で靴のスケッチを描いている。そこで出会った、謎めいた年上の女性・ユキノ。やがて二人は約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、心を通わせていくが、梅雨は明けようとしていた­…。

声優・キャラクター
入野自由、花澤香菜
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【新海監督の新作予告を観たら、行きたくなってしまいました…聖地訪問の日記追加】

雨が降る日には、空を眺めながら....
ふと、思い出すことがあるの....
二人は逢えているのかな?
なんてね...
それくらい強くわたしの心に残る作品だったということなのでしょうか...

雨の日の庭園での二人の男女のしのび逢い。輝かしい青春のひととき...

まだ何も知らない
仕事も歳も抱えた悩みも
名前さえも....
それなのに、どうしようもなく惹かれてしまう・・

そんな経験、私にもあるかもしれません

都会の喧騒から少しだけ離れ、穏やかに流れる時間を肌で感じられる自然にあふれた場所

こんな青々とした緑の中で深呼吸したらどんなに気持良いことでしょう!!試してみたくはなりませんか?
ここは、二人の秘密の場所 ...

雨降る午前。約束を交わさずともこの場所で逢い、心を通わせていく。

限りある時を惜しむかのよう
いけないと分かっていてもそれに心惹かれてしまう

二人の間にそんな少し危険な大人の恋、そんな香りを感じて

言葉のどんな力であっても、とても語りきれない部分で結びつく
人と人は、どうしてそれほどまでに惹かれ合うのでしょう...

いつのまにか想っていて
理由というのはいつも事後の話、人間だからこそ湧き出るこの気持ちは言葉では表現できません。

記憶に焼き付いた「雨」
1つ1つの描写が繊細に描かれています。
雨に濡れた新緑がしっとりした景観を生み出し、雨雫も相まってこの緑が美しい。
雨音はもちろん
葉に落ちる雨の音がとても心地良い
その全てが画面の中で調和して様々な趣きを醸し出しています。
「言の葉の庭」
恋愛や人生を感じさせ感動が胸に押し寄せる50分でした。

※ネタバレは一切ありませんが聖地訪問のため閉じます。
【2015年6月14日(日) 新宿御苑】
{netabare}
こだわりを感じる映像美に誘われ舞台を訪れました。
この日は雨ではなく曇り時々晴れ

新宿門を潜り木々に囲まれた園内の道を歩く
木漏れ日を浴びながらの散策。
そこはまさに映像で見た言の葉の庭が広がる...

二人がいた場所から水のある庭を望む。
まぶしいくらいの緑。床にも緑色が映っているくらいに。
アニメーションで見た景色が現実と重なった瞬間の高揚感がわたしを包む...感動です♡

そして世界観を演出するあのピアノが聴こえてきそうな...
揺れる二人の心模様を表現する素敵な音がね♪

園内で特に目を引いたのは華やかな紫陽花(あじさい)早朝に少しだけ降った雨に濡れた花がとてもきれい。

もし雨が降っていたのなら緑がめぐみの雨を喜んでいるかのようにもっとキラキラと輝いて見えたのかなぁ?

沢山歩いた後の食事は新宿門を出てすぐにある『礼華(らいか)』。(予約していました)
テラス席は笹のグリーンカーテン
心地よい風を感じながら美味しい食事に楽しい会話をして・・・私、こういう過ごし方が大好きです♡

今度は雨が降った時かな。。季節によって様々な顔を見せてくれる新宿御苑。また訪れたいです。{/netabare}

【2016年3月2日(水) 新宿御苑】
{netabare}
あたたかく、やわらかな春の包み込むような陽射しがとても心地よい午後…
うららかな春の陽気に誘われて

仕事の空き時間を利用してなのですが
言の葉の庭の聖地 新宿御苑にお散歩へ来ちゃいました♪

新宿門を潜り、入園券をかざし「ピッ」という音とともにゲートが開き、 言の葉の庭へと足を踏み入れました。
こんな気持ちよい天気だと、考えることは皆さん同じ…でしょ?
園内は沢山のヒトが訪れていました。

春の訪れを告げるように 白、やさしいピンク、濃いピンクなど さまざまな色のウメが咲き、はっとするようなキレイな春色に胸が弾みます。

そして嬉しいサプライズも・・
寒桜という種類のサクラが1~2分咲き程度ですが咲いていたのです。
やっぱりサクラって特別なんです♡

作品の中にも出てくる橋を渡っていると、キラキラ輝く水面を気持ちよさそうにスーッと泳ぐ鴨、鯉も口をパクパク(かわいい~♪)
こんな、心ほぐれる水辺の風景に出会います。

ほどなくして二人がいた秘密のあのベンチの場所に到着。
ベンチから後ろを振り返ると大木があり「染井吉野」の札が付いていました。
もう少しすると、この場所は満開の桜で彩られるのでしょうか…
季節を変えて訪れるたび違った魅力に気づける言の葉の庭は素敵な場所です。

散歩の最中に思わず寄り道したくなる
「サクラクレープ季節限定」の看板
サクラの誘惑には、、勝てませんでした*^^*♪
皆に、桜クーヘンとサクラこんぺいとうも買って…
春のスイーツをおすそわけです♡

季節の花を眺めながらお散歩すると 心があたたかく満たされます。写真におさめたくなる春もいっぱい**
散歩したからこそ感じられた この幸せ…
つい、みなさんに春色との出会いを報告したくなってしまいました

最後に…
ここまで読んでくれたヒト…いつもでっかいありがとうです…♡

・・END
{/netabare}

【2016年4月7日(木) 新宿御苑】
{netabare}
雨の日が舞台となった「新宿御苑」

都心とは思えない広大な庭園、豊かな緑と花を眺めながら清々しい空気を目一杯浴びることが出来る場所

そしてあの二人の笑いや、涙、そんな想いを心で感じることが出来てしまうような…
私は言の葉の庭と呼んでいます。

前回訪問から約1ヶ月がたちました。
映像美に誘われ舞台を訪れるのは3度目となります。
そして雨の日に足を踏み入れるのは今回が初めて…
「どんな景色に出会えるのかな?」と少しだけ心が高鳴ります。

お気に入りの傘とともに散策はスタート♪

お花見もラストシーズンのせい?…なのでしょうか
雨がシトシトと降る中でも傘を差しながら多くの人が訪れていました。

入り口でいただいた園内マップがカラフルで思わず友達が見ているのを覗きこんでしまいました・・・

「マップがね…春色なんです♪」

前回のものとは異なる春バージョン。春を彩るお花の紹介の写真がホントにとっても鮮やかで心が踊ります。
それに夢中になっておしゃべり、ふと気が付くと
目の前にはピンク色に包まれた庭園が広がっていたのです。
枝一杯に咲き誇る花に目を奪われてしまいました…

あの橋からの眺めはまるで絵画を見ているみたいで
春の色彩が水辺を華やかに彩っていました。

そしてようやくたどり着いた秘密のベンチのあの場所
そこには嬉しいビックリが・・

木々の緑の中で、たった一本だけの可憐なピンクの染井吉野
まるで目印のように「ここだよ~♪」と言わんばかりです♡

この場所を覆い しなるように咲いている様…それはまるで桜のカーテン**

桜のカーテン越しに見た言の葉の庭
吹きぬける風に、桜が香ります
花びらが乱れ散り、水面がいっぱいになって揺れていました…
幻想的で神々しく
ため息がこぼれてしまうような美しさ

雨の日の言の葉の庭
木々の隙間からこぼれ落ちてくるしずくさえもなんだか嬉しく思えてしまって…
雨に濡れた緑の美しさ、しずくを沢山に含んだ植物はいつもより彩り鮮やかにそしてきらきらと輝いて心を癒すのです。

「来年は晴れた日に来たいよね…?」

桜の下の芝生で、お弁当を広げたら楽しそうーー♪
売店のお弁当を見ながらそんな会話をしました。

美しく咲き誇る桜のトンネルを歩きながら帰り道へと向かいます

出口の向かいの入り口では警備員さんの手荷物検査

ふと下に目をやると、透明なコンテナに没収されたアルコールの瓶や缶が(あの銘柄かな?)!!…
もしかして言の葉の庭のファンなのかな?
ここは、アルコール類の持ち込みは禁止なのでご注意下さい♪

春の雨を心地よく感じられた、美しい言の葉の庭の中での休日でした♪
覗いてくれた方…ありがとうでした♡
{/netabare}

【新宿御苑がピカチュウの森に…聖地訪問の日記追加】
{netabare}
本日より東京は梅雨明けしましたね!
本格的な夏の到来です。

約4ヶ月ぶりに訪れた新宿御苑の言の葉の庭

私が訪れた時はまだ梅雨明けしていませんでした。

お昼前から少し雨がポツリポツリと降りだしていて

『空の匂いを連れてきてくれる雨は好きだ』
そんな劇中のタカオの言葉をピアノの音と共に思い出していました

新宿門を潜り抜け 言の葉の庭へと足を踏み入れました!

って、それにしても平日なのに この異常な人の多さは..?
実は御苑に訪れていた皆さんの多くのお目当てはポケモンGO。
どうやらここが「ピカチュウの森」 になっている様なのです。
(私はゲーム分からないヒトです)

たまに、ヒトの携帯画面をチラ~見

園内を散策しながら「ピカチュウゲットだぜ~♡?」をしていました♪

雨でも楽しい観光をしたい欲張りさんにはこのスポットオススメですね!

言の葉の庭の聖地を巡れて、おまけにピカチュウまで手に入れることが出来ちゃうのですから…♪

春色から(前回来場)夏バージョンへと変わった園内マップを手にして

緑豊かな園内を気持ちの赴くままに散策

春に訪れたときよりも木々が生い茂り

並木の緑のトンネルが気持ちいいー

「あれ?」
どうやら傘をささなくても ここにいるときは雨粒は落ちてこないみたい♪

都会の真ん中なのに あたりに人工的な音は全くなくて

セミが鳴く声と木々のさざめきに包まれて心地よいのです。

そうですね、
別の世界に迷いこんだ…みたい

そこへ、人懐こいスズメさんが、、
「チュン チュン…」近いーー

どうやらスズメさんの夫婦みたい?
見ているとホントに仲が良さそうで
微笑ましいのです♡
(隠し撮りして…ごめんね)

そして池の前には劇中で何度か映しだされた緑のモミジを発見!

これまでは紅葉したモミジにしか目がいかなかったのですが

雨の雫をいっぱいに含んだ青々としたモミジをこの庭園で見つけた時はそれは嬉しくて
・・心が踊りました


そして到着。
二人の秘密の場所は
相変わらず人気スポットで

常に誰かが あのベンチを狙っているようなので
着席することは諦めました。

ベンチの場所から水面に雨が描き出す輪
ぶつかり合う波紋
「あっ、こんな映像あったなぁ…」なんて思い出していました。

爽やかな風を感じながら散策
その途中にまた気になったのは
「内藤とうがらしクレープ」の看板
売店にて270円(中身はアイス)

春に訪れた時は「桜クレープ」でした

ここでしか味わえない限定にはつい惹かれてしまいます。
最近あにこれのポロムちゃんと変わったアイスのお話で盛り上がっていたので
とうがらし だなんて私、気になります(笑)

迷わず購入!
座れる場所を探して歩いていると
庭園の中央にある3本の巨木に惹かれます。
「ユリノキ」と札がありました。
この庭園でひときわ目を引く存在感。
生命力溢れるその姿は神秘的でパワーをもらえちゃいます。
この木の下のベンチに座って

友人と半分ずつ。
私「んっ、ちょいピリリ…甘~♪」
友人「癖になるかも?」

雨でひんやりとした庭園
涼やかな景色がそこかしこに広がります。

食べたり、休んだり、散歩したりそんな心ほぐれる散策

ゆっくりとした時間の流れで癒してくれます。

いつもと違った時間を過ごせて
何度来ても
また来たくなる場所でした。

~大切な思い出を刻む写真も沢山撮れましたよ~

楽しい1日♪

今回も、覗いてくれた方…
いつもありがとうです…♡
{/netabare}

新【2019年6月22日(土)新宿御苑】
{netabare}
新海監督の新作『天気の子』予告観ました!
美しく繊細な色彩で描かれた空、雲、雨
彩り鮮やかにそしてきらきらと輝く新海ワールド

それを見たら思わず行きたくなってしまったんです…

私が向かったのは、この作品の舞台にもなった新宿御苑。
作中の季節と同じ初夏です。
朝から降り注いだ雨は特有の霞がかったような
空気を作っていました。

雨に濡れた新緑はさらに緑が映えて幻想的
色に深みがました瑞々しい緑の葉
雫をいっぱいに含んだ緑はやっぱり美しい。

ふと目の前の巨木に触れてみた、
森と木の息づかいを肌に感じながら
木と自分の呼吸を合わせる。

心が穏やかになるように感じるの


今日の東京は突然強いザーっと雨が降りましたね。
あちこちに大きな水たまりができてしまうし、
横殴りの雨に行く手を阻まれながらあの場所に
向かうのが本当に大変でした。

そう、そこは二人の秘密の場所、東屋。

言の葉の庭の一番メインの場所なので、
いつも沢山の人で賑わっているのですが、
今日は誰もいないのです。

この特別な空間を独り占めするのは初めてなんです。

主人公たちと同じベンチに座ってみると
特別な気持ちになって心がワクワクしてしまいました♪


その後、園内のあちこちを散策していたら、
水色、紫色、桃色など色とりどりの
かわいらしい紫陽花に出会いました。

咲き始めなのかな…やさしい水色の初々しい花びら。
雨粒の雫がついていてとっても綺麗なんです。

途中にカフェスペースがある
中央休憩所に立ち寄りました。

併設している売店に自然の竹で作ったしおりが並んでいて、
その中に東屋が挿絵になっているしおりを発見しちゃいました
これがなんと『言の葉』のしおりと
名付けられていてとっても嬉しくなりました!

『どうしよう、ちょと欲しいなあ…』なんて


ここのテラスは緑に囲まれた癒しの空間

やさしいママさんの挽きたてのコーヒーが
とても美味しくてホッとあたたまりました♪

季節ならではの花々を楽しめたし、
時々足を運んでしまう理由がいっぱい!
また訪れようと思います。

見て触れて楽しんだ1日の日記ですが
読んでくれた方…ありがとう♡

最後になりますが新海監督の描く新作『天気の子』
息をのむほどに美しい映像に期待が膨らむばかりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 183
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

雨は空の匂いを連れてくる。音、色、匂い、全て感じられる作品です。追記:9/23新宿御苑を訪れて。

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。

監督・脚本・原作・絵コンテ・演出・撮影監督・
色彩設計・編集 - 新海誠
作画監督・キャラクターデザイン - 土屋堅一
美術監督 - 滝口比呂志
音楽 - KASHIWA Daisuke(柏大輔)
プロデューサー - 川口典孝
制作プロデューサー - 伊藤耕一郎、酒井雄一
制作・著作 - 新海クリエイティブ、コミックス・ウェーブ・
フィルム
アニメーション制作協力 - アンサー・スタジオ
公開 2013年5月31日
上映時間 46分

(以上Wikipediaより引用)

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。


雨の日だからこそ出会った、出会うべくして出会った
2人のちょっと切ない恋物語。

夢を追いかける一人の男子高校生。
人間関係の縺れからある障害に悩む一人の女性。
立場や年齢は違えどそれぞれに抱える不安や悩み。

雨という透明なカーテンに遮られた独特の空間の演出が
相まって、どちらが求めるでもなく自然に2人が歩み寄る
関係性と優しい時間の経過がとても素敵でした。

雨の日限定のささやかな逢瀬。
次第に幸せと思える時間に変化していく互いの気持ち。
そして少年と女性の意外な接点。
募る想いと立場上相手の気持ちを受け止められない葛藤。
少年は気持ちの全てを女性にぶつけ、女性も最後は
心の叫びとも思える言葉で応えます。

長くて短い梅雨が明け、それぞれの道を歩き始めた2人。
この場所から立ち上がり上手く歩いていく為には靴が必要
というのが2人の揺れ動く心情描写と共に凄く繊細に表現
されていたと思います。
それも彼女にピッタリの靴が。
いつかまた大人になった少年が彼女に素敵な靴を届けに
行ける日が来るといいなぁ。
そんな思いでした。

それにしても雨って不思議ですね。
嫌だなぁって思う日もあれば、朝起きた時の雨の音が妙に
心地よい時もあります。
2度寝しちゃうくらい…
色んな思いや悩みを洗い流してリセットしてくれる。
生命が生きる力を与えてくれる。
雨が降るからこそ晴れた日にはさぁ頑張るぞって気持ち
にもさせてくれます。

新海誠監督の作品は今作品が初めての視聴でしたけれど
最初のシーンから思わず「うわっ…」って声が出ちゃい
ました。
傘や木の葉を伝い落ちる雨の雫、広がる波紋。
濡れた駅のホームに写る人影。
降り注ぐ雨を上空からの描写。
黒板に書く時のこぼれ落ちるチョークの粉。
一つ一つのシーンに本当に魅入ってしまいます。
ため息が出るくらいの映像美です。
雨の日独特の色、音、そして感じるはずのない匂いまで
私の脳内では再生されました。

そしてヒロインを演じる花澤香菜さんの演技。
前から思ってたんですけれど、あの微妙に震える様な声。
(そう感じるのは私だけかな?)
意識して出せる様な声じゃない花澤さんのあの独特の声が
大好きです。
最後のシーンでは胸がぎゅっと熱くなり思わず…
本当に素敵な演技でした。

音楽も素敵です。
特に最後の曲の入り方は背中がゾクゾクするくらい素敵
でした。
秦基博さんの歌声が本当に切なくて、心地よくて。
映像と共にこの作品の世界観を美しく表現してくれてます。

雨の日だからこそ傘をさしてお散歩。
雨を眺めながらビール片手に物想いに耽る。
そんな1日があってもいいなって思える素敵な作品です。
(あっでもビールはヤバい女って思われるからお家で…)

雨の日がちょっと楽しみになる素敵な46分間でした。


【主要登場人物・出演者】

秋月 孝雄【タカオ】 - (CV:入野自由 )
雪野 百香里【ユキノ】 - (CV:花澤香菜)
タカオの母 - (CV:平野文)
秋月 翔太 - (CV:前田剛)
寺本 梨花 - (CV:寺崎裕香)
松本 - (CV:井上優)
佐藤 - (CV:潘めぐみ)
相沢 - (CV:小松未可子)
伊藤 宗一郎 - (CV:星野貴紀)


エンディングテーマ
「Rain」
作詞・作曲:大江千里 / 編曲:皆川真人 / 歌:秦基博

BGM
「Swan Song」
作曲・編曲:KASHIWA Daisuke



【mio's café】

新宿御苑を訪れて
{netabare}

お仕事が早めに終わりせっかく東京まで来たんだからと
思い向かった先は新宿御苑。
千駄ケ谷駅を降りて歩く道程。
晴れ渡る空が気持ちいい、作中の様に雨では無いけれど
知らない街を歩くのはなんだかドキドキ。

千駄ヶ谷門から入ろうとすると、何やら注意書きの看板。
「アルコールの持ち込み禁止」
あれっ、確かユキノさん金麦…

まぁ細かい事は置いといて案内図を頼りに日本庭園の方へ
確かこっち…
あった…

タカオとユキノの思い出の場所。
木々の隙間からの木漏れ日の中にひっそりと佇む東屋。
「うわっ」
思わず声が出ちゃいました。

辺りの景色を楽しみながらゆっくり近づくと、
先客がいらしたみたい。
1組の優しそうな白髪の老夫婦。

「こんにちは」
思わず声をかけられ私も
「こんにちは」
「お隣よろしいでしょうか?」
優しく頷きどこかで見た様なワンシーンと思いながらも
老夫婦はアルバムらしきものを見ながら楽しそうにお喋り。

さすがに休日、人出が多い。
私が池の方を眺めていると
「よろしかったら、いかがですか?」
漂う香ばしい香り。
…ほうじ茶だ。
「あっ、すみません。有難う御座います」

美味しい。落ち着く。

その後は老夫婦と何気無い会話。
「孫なんですよ。」
嬉しそうに私に写真を見せてくれました。
見ていたアルバムは地方で暮らすお孫さんの写真みたい。

都会で暮らす人々に安らぎを与えてくれるこの場所。
優しい会話と優しい時間。

「有難う御座いました。今日は楽しかったです。」
お礼を言うと
「あなたもお元気でね。」
嬉しい一言でした。

言の葉の庭での素敵な1時間。

いつまでもお元気で…。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 118
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

気象現象と心情がリンク。感動的な短編です。<追記;新宿御苑訪問記>

何と言っても、気象現象にかかわる映像表現がリアル。
とくに雨の表現はアニメーションの域を超え、もはや芸術です。
そして、雨・豪雨・豪雨時の強風・天気雨・陽の光等が心情とリンクしています。

物語は単純明快。
質素なストーリーですが、心理描写と演出が優れています。
とくにクライマックスが素晴らしい。
{netabare}雨の後、陽光が差し込むシーンは鳥肌ものです。{/netabare}

46分と短いながらも、感動的な作品でした。

<2015.10.31新宿御苑訪問記>
{netabare}事前に都庁展望台から周辺を見下ろす。
新宿の南~南東は、明治神宮等意外と緑が多い印象。
新宿の喧騒の脇に歩を進めると、御苑が出現。
紅葉シーズンにはまだ早く、苑内は緑が多い。
葉の先がやや色ずく有様は、紅葉時のあでやかさを思わせてくれる。
アニメと同様、ビルと緑のコントラストが美しい。
でも、東屋は意外と古びており、アニメの瑞々しい空間はない。
新宿御苑の印象は、ごくありふれた庭園。
地方出身者にとっては、真新しいものはない。
しかし、都会に包まれた自然の楽園。
人々の憩いのオアシスとなっていることでしょう。

訪問日の朝に「言の葉の庭」を再視聴。
雨を効果的に使った御苑の緑が美しい。
新海監督の偉大さを再認識した訪問となりました。{/netabare}

<2016.7.20新宿御苑訪問記>
{netabare}出張の空き時間に再訪しました。
友人よりパンフゲットの指令。
夏バージョンを手に取りました。
緑々したパンフが夏を告げます。

真夏なのに東風が涼しい。
平日なので人が少なく快適な散策です。
曇りだから陽光のコントラストはないものの、緑が美しい。
蝉が控え目に鳴いています。

時間がないので東屋へ直行。
大男が座っています。
隣に座るのも不自然なので、近くのベンチで時間をつぶすことに。
「あっ、そうだ友人にメールメール」
しばらくすると人懐っこい雀が私の脇を通り過ぎました。
「手乗り雀になるなぁ」と思いつつ。
またしばらくすると、池からボーボーと牛蛙の鳴き声。
こんな都会に牛蛙がいるんだねぇ。
さあそろそろ帰るかと思って振り返るとまだ大男。
あきらめました。

自然豊かな夏の御苑を堪能。
田舎とは違う洗練された緑の美しさが目に沁みました。{/netabare}

<2017.4.18新宿御苑訪問記>
{netabare}雨上がりの朝、出張のため上京。
午後からの打合せまで間があるので、言の葉の聖地に赴きました。

今回は千駄ヶ谷方面からアタック。
この駅は、君の名は。や3月のライオンで登場します。
でも工事中のためか、その面影はありません。

ガード下を抜けて御苑沿いの路地を歩くと眼前にエンパイアチックなドコモビルが屹立。
ホント、目立ちます。
御苑内でもこのビルを背景に写真をパチリパチリです。

それはともかく千駄ヶ谷門に到着。
この周辺だけも巨木があって威圧感抜群です。
門をくぐるとそこは春の国。
桜咲く桃源郷です。
ソメイヨシノはほぼ散っていますが、別の種類の桜が満開で目を楽しませてくれます。

しばらく進むとゆりの木が登場。
ある意味御苑の象徴かな。
緑瑞々しい高木。
桃色に染まった御苑の中でも存在感抜群です。

最後、とりに聖地東屋へ。
私の中では聖地過ぎて近寄ることあたわず。
池越しからの遠望です。
ほぼ散りかけたソメイヨシノが優しく包む東屋。
暗く佇むその姿はやはり神々しいです。

四方からの街の雑音。
天高く聞こえる鳥の鳴き声。
桜舞う日本庭園。
外国と見まがうほどの観光客。
様々な競演が見られる新宿御苑。
不思議空間でのしばしの散策でした。{/netabare}

<2019.1.4新宿御苑訪問記>
{netabare}春夏秋冬コンプリート!

今回は正月早々の東京旅行です。
前日、新宿側よりアプローチするもお正月休み。
この日は、鬼の形相(嘘)でリベンジです。

一昨年の春と同様、千駄ヶ谷駅で下車。
ガードを超えると右手に緑。
やや元気のない常緑広葉樹がお出迎えです。

苑内は閑散。
観光客も非常に少ない。
東京の人混みとは全く違う景色が広がっていました。

今回もやっぱり東屋に直行。
3年前の夏と同様、西洋人の大男が座っていました。
それに東洋人の小男も写真を撮っていたりして。
人見知りの私は近づくことさえできません。
その代わり遠くから写真をパシャ。
東屋とドコモビル、それに凍った池面。
なかなか冬らしいひなびた写真が取れました。

苑の東側には、広大な冬枯れ芝があります。
西日に輝く寒々しい場所。
三々五々、人々は寝っ転がったり座ったり。
写真を撮ったり、歓声を上げたり。
私にとっては居心地のいい空間でした。

「言の葉の庭」で観た雪の積もった御苑ではなかったけれど、
忙しい都会の中での清涼な散策でした。

次、訪問できるのはいつなのかなあ。
東京オリンピックの後なのか。
今度こそ都会の友人と散策したいものです。
「言の葉の庭」を語り合いながら。{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 114

82.9 6 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング6位
たまこラブストーリー(アニメ映画)

2014年4月26日
★★★★★ 4.1 (1242)
6590人が棚に入れました
少女は、知らなかった。

将来、当たり前のように家業をついて、ずっとこの場所で
このままでいられるんじゃないかって、無意識のうちに感じていた。
そうであればいいと、願っていた。

けれど、幼なじみも友達も、少しずつ変わって行く。
少しずつ大人になっていく。
家族がいて、商店街の人たちがいて、変わらないものと変わっていくもの。

高校3年生の春。
そんなことを思い始めた少女は恋をする。

北白川たまこは、知らなかった。
それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。

そして少女は、一歩を踏み出す。

たまこ、むけました。

声優・キャラクター
洲崎綾、田丸篤志、金子有希、長妻樹里、山下百合恵、日高里菜、藤原啓治、日笠陽子、西村知道、立木文彦、ゆきのさつき、小野大輔、辻谷耕史、津久井教生、岩男潤子、渡辺久美子、家中宏、成田剣、川原慶久、山下大輝、野坂尚也
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

想いを伝える細い糸…

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚

企画・原作・アニメーション制作 - 京都アニメーション
監督 - 山田尚子
脚本 - 吉田玲子
キャラクターデザイン・総作画監督 - 堀口悠紀子
絵コンテ - 山田尚子
演出 - 山田尚子、小川太一、河浪栄作、山村卓也
作画監督 - 堀口悠紀子、丸木宣明、引山佳代
美術監督 - 田峰育子
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 山本倫
設定 - 秋竹斉一
音響監督 - 鶴岡陽太
音楽 - 片岡知子、マニュアル・オブ・エラーズ
音楽プロデューサー - 中村伸一、山口優
編集 - 重村建吾
製作 - うさぎ山商店街
公開 - 2014年4月26日
上映時間 - 83分

(以上Wikipediaより引用)

。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚♡★♡゚・*:.。 。.:*・゚


〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

もうタイトルから想像するだけで、心がキュンとなる
くらいの響きです。

前作「たまこまーけっと」をご存知の方ならあの純真無垢
なたまちゃんにラブがついちゃう。
なんだか嬉しいような寂しいような…
相手は誰?
と思いつつも思い浮かぶのは1人だけ…

1人の少女が恋する事への驚きと葛藤、そして喜びを
感じながら、1人の女性へと成長していく一歩手前の
過程を描いた、とても優しい愛おしさと切なさが感じ
られる作品でした。
そして思春期ならではの性への関心や友情が繊細な心情描写と
ともに優しいタッチで描かれています。

掛け値なしの純愛物語。
京都アニメーションが贈る83分間。
青春の輝きをどうぞ感じて下さい。


【mio's café】
視聴済みの方限定ですよぉ♪
美味しいお餅ありますΩ~ 

{netabare}
作品冒頭から登場する1つの林檎。

もち蔵が何気にコロコロしてて、最後にカウンターから
ぽろりと落ちる林檎。

何だか意味深な物語の始まり方でしたね。

今回は、お喋りなMr.鳥さん「デラちゃん」の登場は
ほとんど無く(最後の方でワンカットだけ、
あっ!デラちゃん!って思ったら消えちゃった…)、
たまこともち蔵を中心にお話が進みます。

そしてたまこともち蔵の恋のお話に絡めて、周りの人々も
成長していくお話しでもあったと思います。

物語序盤の方から、かんなちゃんの登場も多くて
相変わらずのシュールさに、ここは私的に嬉しい演出
でした。
いつの間にかバトン部員に「部長」って呼ばれているし…
実際部長では無いんですが、凄いですね、あの説得力。

「お餅だけを丸めて青春を終える気ですか、
たまちゃん‼」

「お餅は一生丸められますが、我々バトン部の青春は
今だけなんですよーー!たまちゃん‼」

やっぱりかんなちゃん、謎のカリスマ性あります。

みどりちゃんはいつも通り、たまこが大切な存在。
少しだけもち蔵に意地悪な事を言ったりするけれど、
私的には大事なたまこにもち蔵がどれだ本気でたまこの
事を好きなのか、あるいは自分から見て相応しい存在
なのか、彼女なりに試しているようにも見えました。
ただ、邪魔するだけでは無くて。

私はかんなちゃんとみどりちゃん、この2人の存在が
たまこラブストーリーでの大きなキーマンの1つ
だったとも思います。
そして物語の終盤ではこの2人にも大きな変化と絆が
生まれます。

そんなこんなで、お話しは進みますがやっぱり私的にも
最大の関心事は、

「もち蔵、いつ告るん?」

ていう事でした。興味津々。
でも、ドキドキ…

中々踏ん切りのつかないもち蔵。
うなされる様な毎日。寝ても覚めても

たまこ…たまこ…たまこ…

流石にたまこまーけっとよりも好きのグレードが
ワンランクアップしてますね。

わかるよ!もち蔵の気持ち。ましてや幼馴染み。
いつもの生活の中にたまこが普通にいるんだもん。
どうしたらいいのか分からなくなるよね。

そんなもち蔵にみどりちゃんがちょいアシスト。
ここもちょっと、みどりちゃん的にはもち蔵を
試している感じみたいだったけど、結果的にもち蔵に
告白するきっかけを与えた形になりました。

夕暮れの河原にたたずむたまこともち蔵。

作画的にもとても素敵なシーンです。
黄昏時の空にキラキラ輝く水面。
背景の美しさはもちろんですけど、やっぱり
堀口悠紀子さんデザインの横顔は大好きです。

幼い頃2人でよく遊んだ飛び石の上でたまこが
おもちを大好きな理由を語ります。

「あのさ、おもちってさ、ちっこいのに色んな人を
幸せに するんだよね。」

「柔らかくてさ、白くって、優しくって、
いい匂いがしてさぁ、あったかいんだもんなぁ。」

たまこにとっておもちはお母さんのイメージだったん
です。だから大好きで大好きでたまらないんです。
商店街と同じでかけがえの無いものなんですね。

川に落ちそうになるたまこの手首を握りしめるもち蔵。
たまこに東京の大学に行くと告げます。
たまこの潤んだ瞳の横顔、凄いです、いいですね。

そして、

「俺、たまこが好きだ!
めちゃくちゃ好きだ!だから…」

言っちゃた…

もち蔵には早く告白して欲しかったけれど、
実際、この一線を越えた言葉を聞いたら私まで
何かが壊れた、何か大きな物を失った様な気が
しちゃいました。

「ドーン!」って感じ?

「かたじけねぇ…かたじけねぇ…」

たまこのこのセリフ。私までビックリです。
そこまで、動揺するとは思ってなかったので…

でもいつもたまこの生活の中にいたもち蔵。
普通に家族の様に思っていたもち蔵。
そんなもち蔵からの「好きだ。」の言葉。
しかも、「めちゃくちゃ好きだ。」なんだもん。
たまこには今までの世界が見えなくなるのも
当然だったかもしれません。

「あっし、先に失礼するでござんす。」

これは重症ですね。

それからというものは、たまこまでもち蔵を意識して
しまう毎日。
お家のお手伝いも、バトンの練習もままならない毎日。

ここで、このお話のキーワードの1つは「キャッチ」
って言葉なんだなぁって思いました。

かんなちゃんがバトンをキャッチ出来ないたまこに言った

「磁石入りグローブを作るのです。バトンにも磁石を
くっ付ける。あら不思議、引き付け合うS極とN極。」

「どうしようもなく引き付け合うのです。」

多分、かんなちゃん的には深い意味は無かったと
思うんですけど(いや、彼女の事ならあり得るのかな?)
その話を聞いていた、たまことみどりちゃんの
(特にみどりちゃん)の表情が凄く意味深でした。

そして度々、出てきます林檎。
林檎と言えばニュートンの万有引力の法則。
引き付け合うんですね。どうしようもなく。

ここで私がちょっと思い出したお話がアダムとイブの
食べた禁断の果実「林檎」でした。
(あれは林檎では無かったと言う説もありますが、
ここは一応、林檎ということで。)

かなりうろ覚えなのですが、蛇にそそのかされて
林檎を食べてしまったアダムとイブが楽園を追放され、
それまで無かった恥じらいという感情を覚えて、
イチヂクの葉っぱでそれぞれの性器を隠してしまう
というお話しです。

そしてアダムの食べた林檎は喉仏に、イブの食べた林檎
は乳房になったと。

成長期、男性は喉仏がふくらみ、女性は乳房がふくらみ
ます。そして恥じらいを覚えます。

このお話の序盤でもたまこが急にお尻やおっぱい
のおもちを作ると言い出して、みどりやかんなのお尻を
触ったり、うさ湯でボインの女性と自分の胸を見比べて
もの哀しげな顔になったりしています。
そしてもち蔵に対しても恥じらいを見せる様になりました。

この辺り、たまこには無縁だと思われていた女性としての
性的な成長過程も柔らかいニュアンスで表現してるの
かなぁとも思ったりしました。

だから1つの林檎が登場する事で色んな事が想像出来ます。

英語のことわざで
「You are the apple of my eye」
という言葉があります。

日本語で言えば「目の中に入れても痛くないくらい
可愛い」という言葉に該当するのかな。

もち蔵にとってたまこは色んな意味で林檎だったの
かもしれません。
だからお話の冒頭で林檎をコロコロしてたのかなぁって。

そしてもう1つ私が感じたのは、たまこともち蔵の
ラブストーリーを通して周りのみんなも一緒に
成長した事でした。

中でも終盤のかんなちゃんとみどりちゃんのやりとりには
心を打たれました。

嘘をついてまでたまこをもち蔵の元へ送り出した
みどりちゃん。
1人残った教室にやって来ましたかんなちゃん。

このあとの2人の会話がとても素敵でした。

かんな「策士ですな。でも、そういうの好きですよ。」

「今ちょっといい顔してますよ。」

みどり「サンキュっ!かんなっ!」

かんな「ねぇみどちゃん。私も高いとこ登って
みますかね。」

もう、何とも言えないくらい2人の間の言葉以上の物が
伝わってきて、つい涙が出ました。

大好きなたまこの幸せを願って送り出したみどりちゃん。
1歩成長しました。
そんなみどりちゃんを見て、自分も前に進むもうと思った
かんなちゃん。
木に登った時のかんなちゃんの顔がとても素敵でした。
登った時の景色、今まで見たこと無い景色だったのかも
しれません。

この作品を見て私が感じたのは人を好きになるという
事は当たり前かもしれないけれど、とても切ない事
なんだって事。
好きになる方も、好きになられる方も。

何処かに私が置き忘れてきた思い出かもしれません。

そして「ちはやふる」を見て出会った私の好きな
一つの和歌が思い出されました。

しのぶれど 色に出でにけり わが恋(こひ)は
     ものや思ふと 人の問ふまで

歌意:
私の恋心は誰にも知られない様にと心に決めて
耐え忍んできたのに、とうとうこらえきれず
顔に出てしまっているみたいです。
何か物思いでもあるのですかと人が尋ねてくるほどに。

という隠せば隠すほど表情に表れてしまう悩ましい恋心
を表現した歌です。

たまこともち蔵を見ていたら、凄くこの歌が心に
染みてきました。

最後の駅のホームでのシーンはもうなんと言ったら
いいのか分からないくらい、純愛の美しさが表現
された演出だったと思います。

今まで何度もキャッチ出来なかった糸電話。
その糸電話を見事キャッチしてからの、

「もち蔵、大好き!どうぞ!」

たまこらしい最後の言葉でした。

このあと、私にはたまこの

「やっと…やっとね…キャッチ出来たよ。
糸電話ともち蔵の気持ち‼︎」

という言葉も聞こえた様な気がしました。
いえ、確実に聞こえました。

それにしても、もち蔵泣き過ぎ…
でも、そういうもち蔵、私も好きです。
嬉しすぎるもんね!私まで…涙出ちゃうよ…

子供が大人になっていくのは嬉しいけれど寂しい気も
します。
それは作品を通して、豆大さんや吾平さん夫妻から
凄く感じました。
お互いの両親はわかっていたけれど、黙って見守って
くれてました。
でも、みんな色んな事があって今、ここにいるんです。
これから、たまこともち蔵も色んな経験をしていきます。

これから先の2人を見てみたい気もするけれど、

それは、やぶ蛇でしょうか…

〜Tamako Love Story〜
「たまこラブストーリー」

本当に出会えて良かった作品でした。
2人の幸せを祈って…



【主要登場人物・出演者】

北白川たまこ - (CV:洲崎綾)
大路もち蔵 - (CV:田丸篤志)
常盤みどり - (CV:金子有希)
牧野かんな - (CV:長妻樹里)
朝霧史織 - (CV:山下百合恵)


【主題歌】

主題歌「プリンシプル」
作詞 - 愛鈴 ⁄ 作曲 - 藤本功一 ⁄ 編曲 - 谷口尚久
歌 - 洲崎綾

オープニング曲「KOI NO UTA」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川豆大

エンディング曲「こいのうた」
作詞 - 北白川豆大 ⁄ 作曲 - ダイナマイトビーンズ
歌 - 北白川たまこ


【劇中曲】

「恋の歌」
作詞 - 北白川豆大 / 作曲・歌 - ダイナマイトビーンズ
「Excerpts from "The Return Of The Drowing
Witch"(Part1 - Part9)」
作曲・編曲・演奏 - Hogweed

「qum Daiwtiigyam」
作詞 - Gunung Bangep / 作曲 - Ro ga-nang / 歌 Daniels

「豆大さんへ」
作詞・作曲・歌 - ひなこ

「上を向いて歩こう」
作曲 - 中村八大 / 編曲 - 片岡知子
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 96
ネタバレ

Yulily さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

たまこの大人の女性への一歩、恋です。

青春ラブストーリーです。

たまこまーけっとの続編となる劇場作品です。たまこまーけっとは
小さな心の揺れを描いたお話でしたが、たまこラブストーリーは
たまこともち蔵の「恋」を描いています。


たまこともち蔵は幼なじみ。

幼なじみって何も考えず、自然にありのままの自分を見せられる最初の人
なのかなと思います。そしてその関係を絶対に壊したくない尊い存在です


特別な想いを伝えてしまえば、今までの関係も壊れてしまうのではと
恐れる気持ちは当然でしょう痛いほどですね


近くて遠い、幼なじみの恋ですね...

{netabare}

たまこに片想いのもち蔵。空回りし続けてきた想い

けれど伝えなければ、進まなければきっとずっと近所の仲良しの幼なじみの
ままです。恋に気づいた時から、そんな風にはいられないのです。

好きな気持ちを伝えなければ後悔しか残らないと

胸が苦しいほど想う、伝えたい、好き!という気持ちが心から溢れ出す


~もち蔵の告白シーン~

夕焼けに照らされ、川に西日が反射して金色に輝く。川の飛び石で
もち蔵とたまこが、ふたりになるシーン

もち蔵の「俺、たまこが好きだ!」もち蔵の想いに胸が熱くなりました。
たまこは、その気持ちを知り、もち蔵をはじめて意識した瞬間でしたね。


きちんと受け止められないたまこ。変わってしまったことだけは
理解出来ていましたね。
でも皆、悩んで踏み出すんだよ、一歩を踏み出す勇気を教えてくれた人が
幼さなじみのもち蔵だなんて、幸せだよね!


映画のテーマである大人になることを示唆するレコード屋のマスター

「若さとは急ぐこと スプーン一杯の砂糖が溶けるのも待てないくらい
後悔の苦さは何かをした証 一つ一つ味わいになる」


マスターの言葉、経験談からでしょう深いですね。一つ一つの言葉に
重みがありました。


もち蔵が気持ちを伝え、変わった日常。その変化をもたらしたもち蔵に
マスターは後悔も大事なことであると伝えてくれました。

自分から動かないと、変化は訪れません。そのために後悔をすることも
人生においては仕方のないことです。そうして大人になるのですから...


ラストシーン、糸電話。たまこがもち蔵に告げる一言
糸電話で気持ちが伝わりました。

変化にとまどっていた、たまこの自らの行動でした
キャッチコピーの「たまこ むけました」ですね。

{/netabare}

私自身の初恋を思い出しました。

この作品のふたりを観ていたら、過ぎ去った少し遠い日のピュアな気持ちを
思い出しましたね。

初恋は中学1年生です。1つ上の先輩。初めての彼氏でもあります。
告白のワンシーンって鮮明に心に残っているんですよね。
夕方、帰り道、公園の前、自転車、彼の顔、当時流行っていた曲

初恋。まだ何も知らない故、純真で眩しい、時々切なかったり
あの時だけの気持ちを思い返して優しい気持ちになれました。

ここのサイトに参加してからレビューを読ませてもらい参考にした
おかげで素敵な作品との出会いが沢山あります。
私は更に貪欲に思うのです!心揺さぶられる素敵な作品に出会いたい!
感動で心を満たしたいと!

たまこラブストーリー素敵な作品をありがとうございました!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 74
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ずっと観たかった。やっと観れた・・!焦れったくて初恋を思い出すようなストーリー

Amazonビデオで幸運にも見つけて視聴しました。

たまこまーけっと観てからスグ映画を観たかったのですが、
公開当時私の近くの地域では上映していなかったので半ば諦めモードでした。
アニメを観てからだいぶ時間が経ってしまったので殆ど頭から内容が抜けてましたが・・
{netabare}OPが第9話で判明したダイナマイトビーンズの「恋の歌」だったことが思い出すキッカケとなり、鳥肌。{/netabare}

アニメ本編ではデラちゃんが居たからコメディ色強くて賑やかだったのが
居ないとこんなに変わるものなんだなと実感。
恋愛色が強くなり、キャラ一人一人が苦手を克服したり成長が見られました。

{netabare}
幼馴染の二人の観てるこっちが気恥ずかしくなるような
焦れったいようなもどかしさに内心ハラハラしました。
たまこのおじいちゃんが救急車に運ばれてたまこが涙目の時に迷わずさっとフォローに入れるもち蔵は格好良いですね。
そして作中でたまこが商店街の皆や周りからどれだけ愛されているのかがよくわかりました。

そして、前作から何気に気になっていたのが、みどりちゃん。
今回彼女は凄く良い仕事していました。
私のちょっとした考えですが、
みどりちゃんはたまこに対して友情の気持ちと
友情以上の気持ち、両方持っていると思うんですよね。

だから大好きなたまこをもち蔵に取られたくなくて
幸せになって欲しい気持ちもあるけれど、嫉妬したり悩んだと思います。
前作の2年生の臨海学校でもち蔵がたまこに告白しようとしていた時に邪魔したりとか、
思わず表情に出ちゃったりしたと思います。

最後に鎌をかけてたまこに「もち蔵が転校しちゃう!」と行って
たまこを行かせた彼女を見ると、相当思い切ったことをしたなと思う反面、
その後スッキリしたようなみどりちゃんの顔を見て安心しました。

新幹線のホームでたまこが告白の返事と気持ちを伝えるところで終わりましたが
これで・・もち蔵も安心して東京に行けそうですね。
その後も2人が、けして離れないように結ばれることを切実に願います。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 70

73.9 7 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング7位
東のエデン-The King of Eden-ザ・キングオブエデン(アニメ映画)

2009年11月28日
★★★★☆ 3.8 (1116)
6297人が棚に入れました
ノブレス携帯のジュイス(玉川紗己子)に「この国の王様になる」ことを依頼したセレソンNo.9の滝沢朗(木村良平)は60発のミサイルを迎撃すると,忽然と姿を消した.江田一彦(丸山詠二)は責任をとって引責辞任.一方,森美咲(早見沙織)は事情聴取後に姉の森美朝子(松谷彼哉)の元へと戻り,平澤一臣(川原元幸)が新たに起業した「東のエデン」で,おネエ(斉藤貴美子),大杉智(江口拓也),葛原みくる(齋藤彩夏),春日晴男(田谷隼)らと共に働きながら,ワシントンD.C.を中心に滝沢朗の行方を捜していた.そして「東のエデン」に板津豊(檜山修之)も参戦する.一方,60発のミサイルを発射したセレソンNo.10の結城亮(森田成一)を切り捨てた,セレソンNo.1の物部大樹(宮内敦士)は播磨脳科学研究所の責任者として動き,No.2の辻仁太郎(遊佐浩二)と再接触を図る.またセレソンNo.11の白鳥・D・黒羽(五十嵐麗)も独自に動いていた.

声優・キャラクター
木村良平、早見沙織、江口拓也、川原元幸、齋藤彩夏、斉藤貴美子、田谷隼、白熊寛嗣、五十嵐麗、小川真司、玉川砂記子

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

安定感抜群の繋ぎ役(●´∀`●)b

TVアニメの続編を描いた劇場版1作目。
劇場版の前編という位置付け、82分作品。

2万人ニート失踪事件や迂闊な月曜日等から半年。
失踪中の滝沢 朗を探し求める森美 咲はニューヨークに降り立つ。
この物語冒頭からセレソンの策略が網を張っている展開は
さすが『東のエデン』。スリル満点のスタートです(*´∀`*)

ストーリーや世界観は変わらずでTVアニメ同様のサスペンス感。
登場人物もそれぞれのポジションで存在感を示し魅力的でした。
お気に入りのJUIZも色々と活躍を見せてくれますw

完結編となる劇場版2作目に繋がる大切なパートを
安定感抜群にまとめてくれています。
続編となっているのでTVアニメの視聴は必須ですが
視聴して損のない作品ですので「まだ見てないよ」という方は
チャレンジして頂けたらと思います(´ー`)

ちなみにJUIZ役の玉川紗己子さんの旦那さんは
ガンダムのシャア・アズナブル役で有名な池田秀一さんです。



《キャスト》

滝沢 朗(CV.木村良平)
森美 咲(CV.早見沙織)
大杉 智(CV.江口拓也)
平澤 一臣(CV.川原元幸)
葛原 みくる(CV.齋藤彩夏)
おネエ(CV.斉藤貴美子)
春日 晴男(CV.田谷隼)
板津 豊(CV.檜山修之)
Mr.OUTSIDE(CV.有川 博)
JUIZ(CV.玉川 紗己子)


《主題歌》

OP
『Invisible』/LEAH
ED
『light prayer』/school food punishment


【2014 08/28 レビュー投稿】
【2017 05/04 レビュー加筆】

投稿 : 2024/06/08
♥ : 50
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「東のエデン」映画1作目

制作はProduction I.Gのオリジナルアニメ映画です。
ジャンルはSFサスペンス・セカイ系です。


テレビシリーズの半年後を描く。
滝沢は英雄として有名になり、再び姿を消す。
「東のエデン」のメンバーは彼を探し始める。


それぞれのセレソンがいろいろ暗躍しています。
が、あまり派手さはないため割と退屈かもね。
登場の意味がイマイチ分からない人物もいました。

面白かったのはそれぞれのセレソンに対するジュイスの反応。
あそこまで差があると面白いですw

どうにもこれだけ見ると、ヒロインがアメリカ観光しているだけに見えてしまうw
そんなことはないけれど、本作特有の緊迫感とじわじわ来る笑いがあまり体感できませんでした。


それでも終盤の{netabare}物部によるミサイル攻撃{/netabare}は震えましたね。
なかなかやってくれるなあと。


総括して、これは正直あんまり好みではなかったですねw
ですが続編は良い感じにまとめていると思いますよ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 36
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

設定と人物関係をつかめるかどうかが勝負!

東のエデン劇場版第一弾。

TV版の続きとなります。
TV版のレビューはこちら→http://www.anikore.jp/review/407277

さすが劇場版だけあって、映像が綺麗です。
特に夜景の美しさは一見の価値あり。
飛行機の窓についた露など、非常にこまかいところにもこだわりが見られます。


上映時間の制限がありますので、TV版で光ったシュールなギャグは控えめ。
それでも、{netabare}NEETがNEET論を語りながら、本気で働いてる場面は、実にシュール{/netabare}
そして、何よりの見所は、{netabare}各セレソンに対するジュイスの当たり方。

・No1に対しては、ハキハキと「最強の救世主たらんことを」
・No2に対しては、フレンドリーに「聞きたいわ」「ええ、分かるわ」「カッティングエッジな救世主たらんことを」
・No6に対しては、説教したあげく「もう少し口の利き方をわきまえた救世主たらんことをブチッ」
・No9に対しては、すごく嬉しそうに「お久しぶりですぅ!!」「今後もあなたが素敵な王子様…いえ…救世主たらんことを…」
・No11に対しては、部下っぽく「あ、あの…わたくし、何か不手際でも…?」。そしてジョニーの話題…。「私の素敵な救世主たらんことを」

この格差には笑わせてもらいました、No6に対しての扱いがとにかくひどいw

ちなみにジュイスのスペルは"JUIZ"。
ポルトガル語で「裁判官」を表します。
{/netabare}


ストーリーは、かなり密度が濃いです。
しかし、テーマ性は維持しつつ、伏線の張り方や回収も相変わらず上手い。

TV版終了時に予想していた展開も、見事に裏切られました。
ミスリード万歳ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ


問題は登場人物。

かなり多数の人物が物語に関わっている上、番号で呼ばれたりニックネームで呼ばれたりフルネームで呼ばれたりで、誰が誰だか分からなくなります。
一応説明はされているのですが、初見で全員の行動を把握するのはかなり難しいかと。

この映画とTV版だけで分かる情報は以下の通りです。
{netabare}
【東のエデン】
エデンシステム(画像認識つきツイッターみたいなもの)を作ったサークルの名前。
会社として企業する。
咲は滝沢朗を探すため、NYで単独行動中。
パンツ君のアップデートによりエデンシステムの強化。
そしてメンバー全員で、咲を誘導しつつも、各セレソンの行方を探索。
その後、盗聴、及び、ジュイスにエデンシステムを利用されていることに気づき、エデンシステムをシャットダウンさせて元いた大学へ戻る。
No11のバックアップを受け、咲と滝沢朗の2人は日本への帰路に立つ。

【セレソン】
・No1 物部大樹。ネクタイのおっさん。東のエデンの内偵を依頼。各セレソンのジュイスシステムに向けてミサイル発射。最後に男と通話。60発のミサイルを防いだことになっている。「ぎゃふん!必要ならまたやるよ」から、江田元首相と会話しているらしいことが推測される。いわゆる黒幕的発言。
・No2 辻仁太郎。VIPな帽子の人。滝沢朗にAIR KINGのTシャツを着せ、総理の息子、飯沼朗として日本に呼び寄せようとしている。日本が軍国主義になるのではと不安をあおる計画。ミサイル攻撃を受け、ジュイスシステムが破壊された描写あり。ただし、Tシャツを着せるという申請までは通っている。
・No3 北林とし子。夏バテで入院中とのこと。
・No4 近藤勇誠。ギャンブル狂の刑事。TV版で妻にさされ、死亡の描写あり。
・No5 火浦元。医者。死亡していたと思われていたが生存確認。記憶を無くした描写がある。
・No6 直元大志(エンドクレジットより)。カメラマンで、なぜかジュイスに嫌われてる男。冒頭で咲の荷物に銃器を仕込んだ人物。ビデオを撮っている。ビデオを撮りたいだけにしか見えない。最後に黒服に取り押さえられ、その後の状態は不明。
・No7 正体不明。
・No8 立原憲男。元サッカー選手とのこと。出番はなし。
・No9 滝沢朗(AIR KING、ビンテージ、飯沼朗)。記憶消去。飯沼朗として生活。NYでの記憶を取り戻す。エデンシステム内で有名人→エデンシステムを停止。NYから日本へ向かう。
・No10 結城亮。裏でひたすら滝沢朗を殺害する申請をして却下されている。いつの間にか死亡したと思われていたが、自分から携帯を破壊していたことが判明。
・No11 白鳥・ダイアナ・黒羽。イリュージョンの人。「王様になったあなたを見てみたい」と、滝沢をフォローしている。No6の行動を追跡し続け、滝沢と咲をデートに誘うように仕向けたのも彼女。結城亮を守るためか、トラックの位置を誘導して、自らミサイル攻撃を受け自爆した描写あり。黒いストールと白いワンピースで名前そのままの格好で去っていった。
・No12 Mr.アウトサイド&サポーターらしき誰かと思われてきた人物。ミサイル攻撃を受けジュイスシステムが破壊された描写あり。

ただし、各人のジュイスシステムが本当に破壊されたかどうかは、トラックの番号が確認しにくい&結城亮の件もあるので疑わしい。
{/netabare}


ちなみに途中で出てくる{netabare}「太陽を盗んだ男」という言葉。
Wikipediaによれば、
>「原爆を作って政府を脅迫する」という奇想天外なアイデアの日本映画。大掛かりなカーアクション、国会議事堂や皇居前を始めとしたゲリラ的な大ロケーション、シリアスで重い内容と、ポップでエネルギッシュな活劇要素が渾然となった作品。原子爆弾製造や皇居前バスジャックなど、当時としてもかなりきわどい内容である。
{/netabare}
…だそうです。
要するに、滝沢朗が自分をそういう人物だと認識したってことですね。

終了間際は、ついていけないほどの急展開ですが、核心にせまりそうな発言とともに終わります。
このあとどうなるのか実に気になる引き際でした!

次は「東のエデン-Paradise Lost-」で!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

78.3 8 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング8位
心が叫びたがってるんだ。(アニメ映画)

2015年9月19日
★★★★☆ 4.0 (1198)
6266人が棚に入れました
監督 長井龍雪
脚本 岡田麿里
キャラクターデザイン 田中将賀
制作 A-1 Pictures
青春群像劇 第2弾 劇場版完全新作オリジナルアニメーション 

幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。

声優・キャラクター
水瀬いのり、内山昂輝、雨宮天、細谷佳正、藤原啓治、吉田羊
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

心を開いて

とてもおしゃべりで、
夢見がちな女の子がいた。
成瀬順、おしゃべりが大好きなかわいい子。

幼い頃、何でも言葉にする、
{netabare}彼女のせいで事件が起き、両親は離婚。
深く傷ついては、自分のせいだと塞ぎ込み、
その事が原因で、彼女は言葉を封印する。
静かな生活を送り、周囲からは浮いた存在となる。{/netabare}
色んな気持ちを心に閉じ込めて生きいている。
そんな経験を持つ彼女を中心とした青春群像劇。

人を傷つける言葉がある。
でも人を救う言葉もある。

想いを声(言葉)にすることの、
大切さと難しさがここでは語られている。
話し言葉でもいい、歌でもいい。
きちんと伝えることが大事なんですよね。

勇気を持って心を開けば、
きっと素敵な物語が始まるのです。

大きく心は動きませんでしたが、
晴れ晴れとした気持ちになれました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 88
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

若く明るい歌声で雪崩は消えるのかもー

劇場版オリジナルアニメ


監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀。そして制作はA-1 Picturesさん。
と『あのはな』メンバーが再結集し、秩父を舞台に青春群像劇を作りましたとの前情報が視聴動機になりますよね?自分もそうです。

きっかけは岡田麿里さん。『あのはな』地上波再放送中。2019年夏期『荒ぶる季節の乙女どもよ。』でシリーズ構成担当中。新作映画『空の青さを知る人よ』も控えてる。氏の作品の露出が多くなってる最中で手を出してみました。


『あのはな』よりは演出控えめで『あのはな』より秩父のスポットが出ていたんじゃないか、な作品。
聖地巡礼ならこっちのほうが捗りそうな気がします。
共通するのは高校生の青春群像劇。味付けは彼らのトラウマであります。
主要キャストは2019年現在も一線で活躍されているこの方々↓

成瀬順(CV水瀬いのり)、坂上拓実(CV内山昴輝)、仁藤菜月(CV雨宮天)、田崎 大樹(CV細谷佳正)

劇場版ならではの作画と安心できる声優さんで占められており手堅さのようなものを感じます。客寄せ用の本業俳優(女優)さんは主要な役どころながらセリフ少なめの安心配置という配慮も見受けられます。
大筋の脚本や演出も飛び道具が出てくるわけでもなく全体としては以下の通り手堅い組み立てでした。手堅いのは良いことです。

 1.主役のトラウマ提示
 2.克服のためのあれやこれや
 3.実はみんなも何かしら抱えてるからの
 4.カタルシス的なもの

もちろん目を引く演出{netabare}(冒頭とミュージカル){/netabare}はあります。が、シンプルに “ ほろ苦い青春もの ” が好みであれば手を出して損はないでしょう。
・・・と、私がごちゃごちゃ言うよりも制作陣のメンツ買いでよろしいんじゃないでしょうか?



あらすじは省略。
なにげない一言が取り返しのつかない事態を招き、それ以来心を閉ざす。言葉は相手を傷つけもするし救いもするという題材を上手く調理していることに異論はありません。
だがしかし、若干違和感も。

 {netabare}母親が離婚後に娘のフォローしとけば一発解決じゃない?
 少なくともこの子と二人で生きていくと決めたのならば。{/netabare}

違和感をあげつらって叩きたいわけではありません。時間はかかりましたが前向きな結末を用意しているため不問にしたいところ。
むしろ、{netabare}「そんなこと思ってないのに(順の母)」{/netabare}言葉というキーワードに視点を向けさせながらもう少し深みを持たせるための必要な設定だったと捉えてます。

・言わないで伝わらないこと
・言わなくても伝わること
・言っても伝わらないこと
・言ったから伝わること

想いを伝えることの難しさや素晴らしさを、そして人との関わりを諦めちゃあいかんよということを、若さゆえの青臭さを交えながら訴えてくるものがあるのであって、そのさじ加減が抜群に上手いです。
私からはそんな青臭さに良い意味で震えた印象的な箇所を何個かご紹介。


■青臭さ4コンボ ※ネタバレです

{netabare}◆田崎の変わり身

ついさっきまで真逆だったじゃん?の田崎くんであります。
考え変わったら即実行。謝ったらノーカン。大人であれば段階的措置を踏みそうなものをそうはしません。自分が根に持たないから相手もそうだろうと思ってる節があるところがむず痒く感じます。若さの表れですね。{/netabare}


{netabare}◆成瀬の逃亡

実際の私の話ですがバイトをばっくれたことがあります。責任の所在云々は非難もあるでしょう。
オーバーフローを起こしたがきんちょの行動なんて似たり寄ったりでは?と思いながら眺めてました。
他人との関係を自ら断ってコミュニケーション能力を磨く訓練を怠ってきた娘さんです。かつ幼い頃夢見た “ 王子様が迎えに来てお城に連れてってくれる ” が原点の娘さんでもあります。 それが儚くも砕け散った直後の行動。極めて狭い世界が全てだった高二の娘ならやりかねんと思った次第です。
しかも、前の晩の出来事もはっきりと言ってたわけではない。先走って落ち込むなんてこれまた若さの表れでしょう。{/netabare}


{netabare}◆普段スカしていざとなればアツい

地域ふれあい交流会(ふれ交)でミュージカルをやると決めた瞬間がよい。推進役はモブたちであります。
・係を押し付けといて言いたい放題言ってる罪悪感めいたものがちょっぴりある
 →後ろめたさがあるのでもっともらしい「やらない理由」を言いつらう
・あの成瀬順が表舞台に立つということに好奇心も見え隠れしている
 →提案に乗ることは善行なんじゃないかという潜在意識あり
そこを突破したモブくん(誰だっけ?)たちがエライ! 坂上たちだけだったら対立構図あるまま成し得なかったことをフォロワー役が背中を押すわけです。流れが出来てから一気に固まる勢いもこれまた若さの表れですわな。
予算をチラ見させて誘導する担任の“しまっちょ”城嶋 一基(CV 藤原啓治)も策士だなあと。大人はこういう役回りで良いのです。{/netabare}


{netabare}◆ついでに

順の告白も田崎の告白も菜月の告白(未遂)もタイプの違う勢い余って系告白でした。

・順:言わなきゃあたしダメになる、の視野狭窄な告白
・田崎:共有する時間が長かったからという理由での勘違い告白
・菜月:相手がフリーと安心しきってたのにからの焦りで告白(・・・めいたもの)

身にあたることばかりです(汗){/netabare}



ネームバリューで釣られ、その期待通りの手堅い面白さがあり、しかと描かれた若さに目を細める。清々しい余韻の残る素敵な119分でした。

乃木坂も悪くなかったんじゃないかなあ。。。



視聴時期:2019年9月

-----

2019.09.13 初稿
2020.03.18 タイトル修正
2021.08.14 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 81
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

この作品は、私の最高評価アニメ映画です。<地上波放送記念;少しだけ長めに修正>

すごい。
すごいとしかいいようがない。
話の途中から感動で涙がボロボロです。
その上ラストにさらに感動を。
さわやかな青春の鼓動に心を動かされまくりました。

{netabare}ヒロインは、幼少期のある言葉により傷つき言葉を失った順。
主人公拓実、元カノ菜月、野球部元エース大樹を含めた4人が地域交流会の委員へ。
彼らもまた、悩み傷ついた心を持っていたのです。
最初はギクシャクしますが、順の心からの行動によりうち解ける4人。
クラス全員を巻き込んでミュージカルの準備が進みます。
しかし、地域交流会前日のある事件により、順に変化が・・・{/netabare}

ホント言葉って怖い。
不用意に発した言葉は容易に人を傷つける。
でも、自分の溢れる気持ちを言葉に乗せれば、どんな心も溶かすことができる。
そして、奇跡だって・・・

一瞬も目を離せない119分間。
4人全員に感情移入して感動の嵐でした。
よって、私の最高評価の作品とさせていただきます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 63

75.0 9 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング9位
劇場版 マクロスF[フロンティア] 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~(アニメ映画)

2009年11月21日
★★★★★ 4.1 (747)
4450人が棚に入れました
西暦2059年、パイロットを目指す少年、早乙女アルトが、新天地に向かって進む銀河移民船団のマクロス・フロンティアにいた。ある日、銀河頂点の歌姫、シェリル・ノームのコンサートツアーが船団へやって来ることになり、アルトは彼女にあこがれるランカ・リーとともに会場に行くが、突如、重機甲生命体バジュラの奇襲を受ける。

声優・キャラクター
中村悠一、遠藤綾、中島愛、小西克幸、神谷浩史、福山潤、豊口めぐみ、保志総一朗、三宅健太、小林沙苗、井上喜久子、杉田智和

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

それでもこの愛止められない

この作品の特に印象的に残ったのが
「ユニバーサルバニー」という曲の
ライブシーンでしたヽ(*´∪`*)ノ"

可愛いシェリルのホワイトうさぎに
Sexyなシェリルのブラックうさぎ♪

衣装やセットがもうすごく素敵でランカ派な私ですが、
ユニバーサルバニーは
もしかしたら1番好きな楽曲かもしれないですd(・ω・●)

はたして・・アルトはどちらを選ぶのか!? が気になるとこですね。

イツワリノウタヒメまでみたらぜひサヨナラノツバサも観てほしいです。
きっと感想は大きく分かれるんじゃないかなーって思いますε=ε=ε=(●・д・ノ)ノ

読んでくださりありがとうございました★o(´▽`*)/♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

マクロスFの濃縮版(前編)

マクロスフロンティアの劇場版です。
ストーリーはテレビ版とは異質。
愛・おぼえていますかと同様、マクロス正史ではないかも。

劇場版だけあって、圧倒的な映像美と歌。
シェリルの迫力ある歌唱力が群を抜いていました。
戦闘と歌が並走する長シーンは圧巻です。
鳥肌が立ちました。

ストーリーは直情的。
伏線をバラマキまくりです。
サヨナラノツバサで謎解きかな。

シェリルかランカかと問われれば、私はやっぱりシェリルですね。
自由奔放、ややツンデレ入りなんて、超私好みです。
彼女、歌にかける情熱がほとばしっています。
プロフェッショナルですね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 30

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

新生マクロスF アニメverも好きな人はこの映画verもぜひ!!

2008年アニメで一斉を風靡したマクロスシリーズのマクロスフロンティアの劇場版版第1部

新たに再構築した新作で約120分の内容です。

ストーリーはほぼアニメverと同様。
ですが細かく見ているとテレビverと違うシーンが結構あります。
シェリルノームの作中での設定が少し変わっていたり作中の人物が少し大人びて?いたり、


新規作画7割、再撮影9割になっており見た感じでは
「ストーリー(流れ)はよく似ているけど何か違う」
という感じを受けると思います^^;


あと新規作画の件で1言付け加えると
ライブのシーンがかなりリアルさを増したものになっていると思います。
ライブ参加者が持つあの光る棒(名前出てこなくて……)が1本1本細かく描かれていたり、歓声、スタジアム雰囲気、演出etc..
どれもかれこも素晴らしくまるで実際にライブに来たかのような錯覚を受ける。
シェリルの舞台は独特でまるで未来のライブって感じを受けましたが良かったと思います♪

テレビverでお馴染みの
What`bout my star
Welcome To My Fan Club`sに加え
新曲Pink monsoonでしたかね(ライブ)


それと
この映画verではテレビverでは無かったランカちゃんのCMソングがたくさん流れます^^
テレビ版でもあったあのコンビニのシーンももちろんありますが今回はそれに加え
新しく何種類かのCMソングが流れてます
これに関しては特にいうことはないですね。


話は変わり
今回作画の方は7割新規ということで
特に日常シーンに新しい描写がたくさん入っていました。
夜のシーンが増えた印象ですね。
シリアスシーンとか静かなシーンが少し増えていたかなと、、

醍醐味の歌ではシェリルがランカより1歩抜きん出ていた印象です♪
最後の戦闘歌シーンはほぼ半分以上シェリルのステージです
第2部ではランカが輝き出すのでしょうね、、多分

あと戦闘シーンでは相変わらずカッコ良い機体と歌とのマッチには
さすがマクロス!!
となりとても満足でした☆

敵の攻撃から逃げるアルトのシーン(道路を滑る感じで逃げるあのシーン)が特に圧巻でしたね
こんなに進化するんだ~と思いました

このレビューを見てから見る方はぜひそこに注目していただきたいです(^_^;


こんな感じで今回は結構シーン説明をまじえてこの映画を紹介しましたが
この作品はテレビverマクロスFを未視聴の人でも十分楽しめる内容になっていると思います。
テレビverを見ているとなお楽しめますね

そんな1作でした(o^^o)

その他新曲↓
妖精(シェリル)
オベリスク(シェリル)
ユニバーサル・バニー(シェリル)

オベリスクは良かった曲だと思います
でもやっぱり1番好きなのは「ライオン」ですね~

ライオン~ランカver~とか最高でした☆☆



次の第2部サヨナラノツバサでは

娘々Final Attack フロンティアグレイテスト☆ヒッツ
が聴けるんですね~♪
楽しみにしてます♪


一作目イツワリノウタヒメ キャッチコピー
「歌で銀河が救えるわけないでしょ!」

投稿 : 2024/06/08
♥ : 26

75.5 10 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング10位
劇場版 マクロスF[フロンティア] 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜(アニメ映画)

2011年2月26日
★★★★★ 4.1 (765)
4446人が棚に入れました
人気SFアニメ「マクロス」シリーズで、2009年に公開されて大ヒットした『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』から続く完結編。軸となるテレビ版ストーリーを大幅に改変し、二人の少女の歌声に秘められた謎をめぐる死闘を描く。監督は、テレビシリーズ第1作目からスタッフに名を連ねる河森正治。「マクロス」史上かつて類を見ないハイクオリティー映像で繰り出される激しいメカアクションと、テレビ版とは異なる新たな結末は必見。

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

感じるアニメ(マクロスシリーズの集大成)

畳み掛ける音楽、爽やかな三角関係、躍動するバルキリー。
マクロスシリーズの基本的三大要素を最高の形で融合させた集大成とも言える作品である。

理屈じゃなくて感じるアニメ。
この圧倒的な映像美と音楽を目と耳で感じること。
それがこのアニメの正統的な楽しみ方と思う。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 34

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

\(^o^)/オープンランカ

2011年10月20日BD&DVD発売。見直しました。

劇場版2部作の2作目。

1作目はTV版の流れも含みつつ進んでいきましたが、こちらはほぼ新規ストーリー。

2作目はランカメインですね。可愛い歌がたくさん^^やはり管野よう子さんの曲はいい曲ばかりです^^

\(^o^)/オープンランカ!www

さすが劇場作品。ライブシーン・戦闘シーンなど物凄いですね♪

ストーリー展開は個人的には劇場版が好きですね。

過去作(初代・7・プラス・ゼロ)を観てる方には楽しめるネタも入ってたりして面白かったです。

TV版では曖昧に終わった三角関係もこちらではしっかり決着がつきます。

是非本作をご覧いただいて衝撃の結末を楽しんでいただきたいですw

もちろん見たことない方は上記過去4作(100話くらい?)を見てから・・・ を見なくても大丈夫な内容なのでこの劇場版2部作は見て欲しい作品です♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 20

★mana★ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

アルトの「女装」にご注意を!

前作「イツワリノウタヒメ」から続く
劇場版の後編。
私的な意見ですが、前作を観ていなくても
本編を観ていればこの作品だけでも理解出来ると思います。


いきなりスタートからシェリルのライブから始まりますが
映像が高画質過ぎる!(劇場で観たからそう思えただけ?w)
そのライブ途中にこの作品の鍵を握る出来事が起こります。


これも私的意見なのですが、この劇場版シリーズ、
何故かシェリルが可愛そうに思えて仕方が無かったです。
(基本本編に沿ってはいますが、内容は全く違います。そこがミソ)


中盤はちょっと眠たくなるような映像が流れますが、(若干イライラ含む)
そこは見逃さず!(艦長に注目!終盤に「あれか!」と思える場面がありますw)


本編でもでしたが、終盤の戦闘シーン+歌とのコラボレーションは鳥肌物です!この作品の題名「サヨナラノツバサ」という楽曲が使用されていますが
ただただ「最高」です。あれは劇場で観てほしかった・・・


最後重大発表があります!
「アルトついに・・・」


そして完結編の意味が分かります。


知りたい方は観てみて下さいね!!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

70.1 11 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング11位
ANEMONE / 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(アニメ映画)

2018年11月10日
★★★★☆ 3.7 (85)
423人が棚に入れました
まだ幼かったあの日。
父はアネモネを残して戦いに赴き、そして帰ってこなかった。
アネモネの小さな胸に深く残る後悔。彼女の心を支えたのは、ぬいぐるみのガリバーとAIコンシェルジュ・ドミニキッズ。
7年が経過し、アネモネは父が散った戦場――東京にいた。
アネモネは実験部隊アシッドが実行する作戦の要として、人類の敵「7番目のエウレカ=エウレカセブン」と戦わなくてはならないのだ。
エウレカセブンにより追い詰められた人類は、もはやアネモネに希望を託すしかなかった。
そしてアネモネは、エウレカセブンの内部へとダイブする――。

声優・キャラクター
小清水亜美、名塚佳織、三瓶由布子、山崎樹範、沢海陽子、山口由里子、銀河万丈、三木眞一郎、内田夕夜、辻谷耕史、玉野るな

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「世界か、愛する人か―ひとりぼっちの少女たちの、究極の選択」。

この作品は、交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション全3部作のうち、第2部に相当します。
本編では正直アネモネは決して幸せと言えるキャラでは無かったので、逆転の展開を期待しながら視聴を始めました。


まだ幼かったあの日。
父、ケン は幼いアネモネを残して戦いに赴き、そして帰ってこなかった。
ちゃんとお別れを言うことができなかったアネモネの小さな胸に深く残る後悔。

7年が経過した。アネモネは父が散った戦場――東京にいた。
人類の敵、7番目のエウレカ=エウレカセブンと戦うための組織・アシッドの一員として、
アネモネには人類の希望が託されていた。
そして、アネモネはエウレカセブンの中へとその精神を送り込む。

アネモネがエウレカセブンの中で出会ったのは、ドミニクという青年と、エウレカという青緑の髪をした少女。
この出会いは何を意味するのか。そして、見え隠れするレントンという名の少年の姿。

アシッドに囚われていた謎の男・デューイは予言する。
「お前たちが見ているエウレカセブンはエウレカセブンではない。
偽りの神が創っては破棄した無数の不要な世界。いわばゴミの山だ」

アネモネとエウレカが出会った時、全ての真実が明らかとなり、新たな世界の扉が開く――。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

視聴したらきっと皆さん気付くと思います。
もう過去作の設定云々を気にしている場合じゃなくなっていることを…

本作の主人公はアネモネ…
ですが、彼女にはもう一つの顔があるんです。
彼女は、石井風花という日本で暮らす女の子なんです。

東京に住む女の子がどうやってエウレカやレントンのいる世界に行くのか…
序盤からいきなり頭の中に?マークが浮かぶことになるのですが、視聴を進めるとちゃんとその謎も明らかになります。
エウレカの世界にアネモネが行く方法…結構画期的だと思いますよ^^

それと間違えてはいけないのが、この物語で万人に周知されている「エウレカ」は、私たちの知っている名塚佳織さん演じるエウレカでは無いということ…

この世界におけるエウレカは、世界各地で増殖し続けるスカブなんです。
そしてとうとう日本に7番目のスカブがやってきました。
7番目のスカブだから「エウレカセブン」と呼称されていましたけれど…

現実世界の「エウレカ」は物理攻撃の効かない存在…
そんなエウレカを撃退するため、アネモネも所属する国連の戦略部隊アシッドは、「ある特別な方法」を駆使しながら世界中のエウレカと対峙しているんです。

アネモネ…
いつも頭痛に悩まされ、大量の鎮静剤が欠かせなかった彼女…
エウレカと何かと比較され続け、激しい憎悪を剥き出しにしていた彼女…
ようやく自分の気持ちに気付いて大粒の涙をボロボロ流す彼女…
本編のアネモネに対する私の印象はこんなところです。

本作品での彼女は大量の鎮静剤が必要なわけでも、エウレカに憎悪を燃やすこともありません。
ですが、公式HPのSTORYに記載されている通り幼いころに最愛の父を亡くしていたので、寂し気な表情を見せていたり、一人でポツンと考え事をしていることが多い感じ…
決して自ら積極的に誰かと交友を深めようとすることはありませんでした。

物語が進み、やがてアネモネは究極の選択を迫られることになります。
もう周囲を顧みず、自分の事ばかり優先することなんてできません。
だって悲しみに沈む沢山の人の顔を見てきたから…
自分たちに向けられた視線に対する意味も分からない訳じゃないから…
これだけ色々周りが見えているにも関わらず選べない選択肢…
彼女がどう決断するのか…本作品の見どころだと思います。

この辺りまで視聴するとだいぶこの作品が面白く感じられると思います。
物語の内容も第1部との繋がりが見られるようになりますので…

そして終盤…
これで大団円でも良かったのでは…?
という展開が待ち受けていましたが、それは単なる通過点でしかありませんでした。
ここまで視聴すれば、何となくですが第3部の着地点は想像できると思います。
ですが、第3部の物語にアネモネがどう絡んでくるのかは気になるところです。

上映時間95分の物語でした。
第1部だけでこのシリーズを評価しなくて正解だったと思います。
第2部で格段に面白くなりましたし、アネモネとエウレカとの絡みは泣けるポイントが満載ですし、何より前作まで視聴を続けてきた人へのサービスカットも見れましたし…

第3部の上映は2021年とのことです。
今度はどんな物語が展開されるのか楽しみにしています。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 14

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

どんなにつらくとも生きて、生きて…

交響詩篇エウレカ7のテレビ版を見たことがない人がこの映画を見ると全く支離滅裂に感じられると思います。だから先にテレビ版を見ることをお勧めします。

それではテレビ版を見られた方がこの映画を理解できるかというと、おそらく理解はできないと思います。
でも、感じるはずです。きっと何かを…

そう、この映画は頭で理解しようとしてはいけません。
心でしっかりと感じ取ってください。アネモネの心を、そしてエウレカの心を。

内容はテレビ版とも異なります。でも、登場人物はほぼ同じ。
今回はアネモネが主人公。もちろん、どんなときでもアネモネを守り続けるドミニクも登場します。
やはり、アネモネとドミニクの二人は、世界がどんなに違っていても強い絆で結ばれているのですね。

そして、エウレカとレントンも…


人間はいつか亡くなるときが来ます。
親や恋人もしくは妻や夫に先立たれる人は多いはずです。

親しい人が亡くなると、悲しみに明け暮れます。
そして、その後は愛する人がいない世界で生きてゆきます。
どんなにつらくとも生きてゆく。それが私たちに課せられた定めです。

もし、愛する人が決して死なない世界があったら、あなたはどうでしょうか?
但し、その世界には決して未来がやってこない。そんな世界だったら…

未来がやってこない世界。それは、死んでいるのと等しい空虚な世界だと思います。

だから私たちは、どんなにつらくとも生きていかねば…
そう感じさせてくれる映画です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

こんなややしい話

こんなややしい話にしてエウレカをわざわざやらないでも…な一言。京田監督ほどの方でも新しい企画が通りづらいのかなぁ~なんて余計な心配をしてしまう。


エヴァ後に無数に作られたロボアニメで、謎の敵というパターンの作品は無数にあるが、エウレカもその系列だけど、最終的には謎とかどうでもええわ!な青春恋愛ロボ作品になったところが良かった。


 それをエヴァ的なややしい話、かつテレビじゃなく劇場版の短い尺でやられても、それこそ釈然としない。ちなみにエヴァ後な作品で傑作はファフナー1択。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 11

70.8 12 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング12位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (101)
381人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

彼女の素直な気持ちが伝わってきます

実写には表せないSF感はアニメの長所です。
そして、アニメに多い中学生、高校生ではなく、大学生と社会人(消防士)の恋愛にある意味新鮮さを感じてしまいました。
一緒に歌うおのろけソングはとても印象に残るシーンです。私的には羨ましく感じました。

幸せなシーン。悲しいシーンが随所にありますが、アニメとしての表現の仕方、アニメによって悲しいシーンも映像によってちょっとだけ優しい感じに。また逆も然りで表現できるのアニメの良さを充分に用いているように感じました。

結論としてはエンターテインメントとして非常に優れた作品です。
もっと宣伝しても良かったのではないでしょうか。

本日レンタルで久しぶり観ましたが、やはり楽しかったです。
パッケージは完全に夏ですが冬のシーンもあるので12月に観ても問題なしですよ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ポニーテールとシュシュ

湯浅政明監督、脚本吉田玲子。
制作サイエンスSARU。

大学入学を機に海辺の街へ越してきたひな子。
波乗りが大好きな天真爛漫な少女である。
{netabare}とある火事騒動をきっかけに、
ひな子は消防士の港と出会い、恋に落ちる。{/netabare}
季節を色鮮やかに綴る青春ラブストーリー。

疾走感・躍動感溢れる演出の数々、
ポップソングが軽快に流れ合唱は始まり、
色彩豊かな季節の風景に心まで踊り出す。
監督の真骨頂はここにあって、
いつもながらに美的感性を刺激されます。

物語は至ってシンプルな構造で、
恋愛を謳歌する2人の日常が描かれる。
リアルなデートは空気感まで伝わる。
と、ここまでは大成功でしょう。

僕としては中盤以降が少し気になる。
{netabare}まるでダイジェストを見ているようである。
監督特有の機敏な感情表現の妙技も、
あまり有効に機能していないのか、
悲劇的なものへの眼差しに疑問が浮かぶ。{/netabare}
声優さんの力量不足もあるのでしょうか。

波乗りも人生もバランスが重要だ。
どこに重心を置くのかで方向が決まる。
懸命にパドリングし逆境と向き合わねば、
きっと波には乗れないのでしょう。

波に乗るための、前向きな物語です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 39
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ひな子が波に乗れるまで

ターゲットは俺たちではない

だが良い!

オリジナルアニメ劇場版


試しに湯浅監督の他のを観て「あまり相性良くないかも」と感じてた頃にご紹介いただいた一本。
相性悪いと見切る前にいくつか観てはおきたいなと思ってみたり、公開当時の記憶で「そういえばラブストーリーだっけ」と愛を求めてみたりという理由での鑑賞です。

それにしてもですよ…

 {netabare}顔小っさ!!{/netabare}

そして…

 {netabare}井戸田連れてこ―い!!{/netabare}


実写映えしそうな8頭身モデル体型の若い男女が紡ぐとことん甘ーいラブストーリー。
自転車にサーフボードキャリアつけてジモティーのフリしながら女の子に声かけたる!私みたいなゲス野郎とはとことん対極にいる好印象波乗りさんのお話とも言えるでしょう。
この爽やかなお付き合いっぷりに嫉妬混じりの感情を抱かずにはいられません。

小さい頃過ごした海のある町に大学進学とともに戻ってきた女の子。
その町で消防士として生きてる男の子。

主要キャラの演者さんは本職の声優さんではありませんがご愛嬌。絶対嫌だという感じはしません。
サーフィンのシーンはエグいアングルの空撮ありました。ダイナミックで良いです。最新だとドローンでなんとかなりそうだなーと思ってみたり。


甘い甘いミルク&ハニーな96分。胸焼けするような甘さとは少し違う。幸せが溢れてきます。
海辺の街という舞台もポイント高め。夏真っ盛り。終わる夏の夕暮れ。冬の静けさ。全部入りでした。
ひとつ前の劇場版『夜明け告げるルーのうた』とは相性の良さを感じたりもしており、湯浅氏の“水”モノは続けて当たりを引いたような気分です。吉田玲子脚本との組み合わせも自分には合うのかも。


キャラクターもテンプレアニメキャラに寄せてないですね。ターゲットが普段アニメを観てない層なんでしょう。というより明確にカップル狙い。うっかり一人で劇場に向うと爆死しそうです。
実写寄りで甘めのラブストーリーに触れてみたい。そんな気分にはぴったりな佳作だと思います。




※ネタバレ所感

■「Brand New Story」

{netabare}二人で口ずさんでるのが仲睦まじくて良かったですね。
港が亡くなってからが本番のこの作品において、短時間で二人のラブラブで幸福なストーリーを凝縮させて見せる効果があったように思います。{/netabare}


■洋子ちゃんこそ向水

{netabare}向こう見ず。ヒロイン向水さんの比ではありません。さすがに通報せずに突っ込むのは違うと思うよ。{/netabare}



海から上がっての淹れ立てコーヒーは美味い!!
夏の海しか知らないとまずは出てこない発想です。これ作った人、海が好きそうだなと勝手に自分の中で好感度上がってました。



視聴時期:2020年3月

-----


2020.05.11 初稿
2020.08.10 修正
2020.12.06 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 36

66.1 13 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング13位
あした世界が終わるとしても(アニメ映画)

2019年1月25日
★★★★☆ 3.4 (87)
346人が棚に入れました
幼いころに母を亡くして以来、心を閉ざしがちな真。彼をずっと見守ってきた、幼なじみの琴莉。高校三年の今、ようやく一歩を踏み出そうとしたふたりの前に突然、もうひとつの日本から、もうひとりの「僕」が現れる――。

声優・キャラクター
梶裕貴、内田真礼、中島ヨシキ、千本木彩花、悠木碧、水瀬いのり

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

世界と中二病は終わらない

2019年1月公開のアニメ映画。
Huluで公開された『ソウタイセカイ』という作品を
ブラッシュアップして劇場アニメにしたもの。

本作はスマートCGアニメーションで制作されているのだけど、
要はフジ系列の+Ultra枠の「revisions」「INGRESS」とルックは同じ。
制作・監督は「INGRESS」と同じで
「revisions」を観ているとこの映画のCMが流れてくる。
3Dは動きの速いシーンは綺麗なんだけど、
そうではない場面ではフワついた動きが気になるんだよね。
まぁ発展中の技術ということで仕方ないのかな。

で、映画の内容ですが、公式サイトにはあまり説明はなく
2つの日本を舞台にしたアクション・ラブストーリーとしか書いてなくて
「こういう内容だとは思わなかった!」という意外性が楽しい作品だろうから
ちょっと書きづらいんだよな。

まぁ、はっきり言ってしまうとB級パニック映画の類です。
幼なじみの高校生男女の日常をニマニマ眺めるシーンから始まり、
微妙に不穏な空気を感じつつ、いい雰囲気の場面で超展開が起こり、
古谷徹のナレーションで「ここで解説しよう!」とばかりに
中二病全開の世界観説明が行われる。
この時点で多くの人が「この映画はヤべエ!」と感じるであろう。

そこからは、中学生の黒歴史ノートを
そのままCGアニメーションにしたような怒涛の展開となる。

特にラストは「THE適当」という感じで、ある意味面白い。
作品タイトルをど~んとスクリーンに大写しにして
スタッフロールが流れれば、
どう解決したのか全然説明がなくても終わりなのだから仕方ないな。
投げ槍な終わり方に反して
あいみょんの主題歌が普通にいい曲なのがジワジワくる。

と、ここまでディスっておいてなんだけど
B級映画は好物だからそれほど不満はないです。
終始半笑いで楽しく観させていただきました。
水瀬いのりさんが双子の妹キャラで好演していたので
彼女のファン(特にReゼロのレム好き)は観に行く価値があるかも。

でも感動の青春ストーリーなんかを期待していた方は
「俺はあいみょんの曲を聴くために、
1800円払って劇場に来たんじゃねえゾ!」
と怒りに肩を震わせて映画館を出ることになったかもしれない。

それにしても、
20年以上たってまだ新世紀エヴァンゲリオンのオマージュをやってる
アニメ業界は大丈夫かぁ?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25

ローズ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

人命は空気よりも軽い

幼い頃に母親を突然死で亡くした真。
幼馴染の琴莉とデートしている時に父親も突然死で亡くなったという連絡が来る。
戦時中に日本軍が開発した研究のため、時空に歪みが生じて2つの世界に分かれて、
片方の世界の人物が死ぬと、もう片方の人物が死んでしまう世界となってしまった。

物語自体はありきたり。
目新しさはありません。
SF作品で使われるパラレルワールドですね。
現世と異世界に同一人物が存在して、
片方が死ぬと もう片方も死ぬ、というのがオリジナル要素かなぁ。
私が知らないだけで、すでに同じような設定を使った作品があるかもしれません。

タイトルとサムネだけで、
「恋愛ものかなぁ? まぁ、ラブコメでもいいし」と軽く考えたのが間違いの始まり。
一番、問題なのは画ですね。
背景や戦闘シーンなどは一級品。
手書きだったら、相当困難な作業になるでしょう。
ただし、人物が……
『梶裕貴・内田真礼・中島ヨシキ・千本木彩花・悠木碧・水瀬いのり』などなど、
声優陣は力が入っています。
問題は顔。
特に感情を表す表情です。
さすがにレベルが高いのかなぁ。
声と表情が合いませんね。

とりあえず、CG使って原画作業。
魂は声優さんに吹き込んでもらいましょう、みたいな感じ。
あとは、バンバン人間が死んでいくので、見る人を選びますね。

CGの進化は画面から伝わってきます。
デジタルの進歩は日進月歩。
これからもCG作品が多くなってくるでしょう。
ただし、今は過渡期の段階。
温かい眼差しで見守りましょう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アラ探しはし無粋

ツタヤで先行レンタルされてたのでDVD借りて観ました。

ざっくり説明すると
第二次世界大戦に開発したなんたらの影響で次元に歪が生まれ、もう一つの地球が存在する現象が起きてしまう。
そこには同じ世界、日本があり、自分と相対する同じ人物が生存していて、どちらかの世界の人間が死ぬと、もう片方の世界の自分も突然死として死んでしまう設定で、もう一つの世界の日本では、荒れた世紀末のような世界で、「日本公民共和国」と名乗り、そこのヤバいTOPが主人公の幼馴染となる人物なので、そいつを殺すため、簡単に殺せるこっちの世界の幼馴染を殺すため、あっちの世界の主人公たる者がこちらへやってくるというSF映画のようなお話。

最初感じたのが、う~ん 中二病のなろう系かな?です。 ^^;
でも、この前やってたrevisions(リヴィジョンズ)にもなんとなく似てるかなぁ...でした。

映像はフル3Dで綺麗です。
数年前と比べれば、キャラの動きも大分スムーズだし、そんなに違和感はなかったです。(ちょっぴり感じますけど)

声優さんでは、
梶裕貴さん 内田真礼さん 千本木彩花さん 悠木碧さん 水瀬いのりさん
と、豪華なので安定の演技されてます。

話は、疑問に思うことや突っ込みたいことも多々ありましたが、それらに目を瞑れば概ね楽しめました。
どうしても言っておきたいのは、メインヒロインの扱いについて。
個人的には、恋愛も含まれた作品なのにあれはない。
最後も、う~んで、あまり納得いかなかったです。

全体的には、まぁ時間つぶしには十分良くって面白かったかな。
過度な期待は厳禁ですけどw 

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12

65.9 14 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング14位
劇場版 フリクリ プログレ(アニメ映画)

2018年9月28日
★★★★☆ 3.6 (54)
250人が棚に入れました
「すっごくさぁ。欲しいものがあるんだよ」 深紅の翼を追って〝女〟は空に消えた――。 時はめぐり、星々を盗み取るほどの力はいま、少女の夢のなかで目覚めようとしている。 「ベスパに乗った女に気をつけろ!」 アイロンの吐き出す煙たちこめる街――ヘッドフォンの少女・ヒドミが轢かれた夜、 クラスメイトの少年・井出の額から巨大ロボットが出現した! 〝特別なことなんてない日常〟が終わりを叫び、ついにあの女が帰ってくる!

声優・キャラクター
林原めぐみ、沢城みゆき、水瀬いのり、福山潤、村中知、中澤まさとも、黒沢ともよ、井上喜久子、大倉孝二、菅生隆之、浦山迅、鈴木れい子

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

大豆ラブストーリー

2000年に制作された『フリクリ』の正統派続編。
6人の監督たちが1話ずつを担当し、
自分たちの個性を押し出しながら
1本の映画としてまとめた画期的な作品。
6人それぞれが制作を同時進行させていたこともあるのか、
作画はかなりバラつきがあるが、
(もちろん、ワザとという部分もある)
それがこの作品の面白さでもあった。

猫耳ヘッドフォンを付けて、
外部をほぼシャットアウトする少女。
貧しさのなかに身を置きながら、
スクラップ工場で働く少年。
ふたりの少年少女が出会い、
ふたりの宇宙人が現れることで、物語は大きく動いていく。

アトムスクを追うラハル、それと止めようとするジンユ、
父の帰りを待つ雲雀弄(ひばじり)ヒナエとヒドミ、
ヒドミのことが気になる井出交とふたりの友人、
OVA登場のアマラオの息子マスラオ、その娘アイコなど、
それぞれの登場人物たちが、心に何かを抱えたまま
世界的な危機に翻弄されていく。

キャラの動きや豊かな表情、挑戦的な作風が
とても楽しいのは、OVA版に近いものがある。
特に4話の「ラリルレ」と5話の「フルプラ」の回の
はっちゃけぶりは、これぞフリクリだという
斬新で見ごたえのある映像を楽しませてくれた。
末澤慧監督が担当した5話は作画の表現も
かなり意表を突いたものだ。
漫画の誌面を表現した部分では、
『ホットロード』を意識しているという。
末澤慧監督は次回作があるなら観てみたい。
そして、主人公の林原めぐみ、水瀬いのりを中心とした
声優陣も存分に上手さを見せてくれていた。

ただ、今回の作品は6名のアニメーターたちが監督となって
できることをやったという形になっていたことが原因なのか、
ストーリーの落とし込みや全体のアイデアという部分では、
カタルシスを感じることができなかった。
最終的には4組の男女が織りなす
ラブストーリーになってしまっているというか、
まぁ、そもそもが東京ラブストーリーだと思えば、
それほど違和感もないのかもしれないが…
物語の根幹のようなものがもう少しはっきりしていれば、
OVA版を超えるだけのポテンシャルがあったと思う。

観る者の心に訴えかけてくる表現が
散りばめられている意欲作だとはいえるだろう。
(2018年11月2日初投稿)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 38
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

セカイはテキトーに

アニメーションをやりたいように、
やりたいだけフルスイングする。
クリエイターのおもちゃ箱なのだ。
これがフリクリの本来の良さだろう。
劇場版「オルタナ」は寂しい印象を残しましたが、
こちらは楽しいフリクリの待ちに待った帰還。

その日暮らしの説得力ゼロの少年たちと、
ネコ耳少女ヒドミの日常系ファンタジー。

ポップでキュートなデザインが素晴らしい。
スクラップした毎日を蹴り飛ばす、
the pillowsのオルタナロックも健在です。

物語はあってないようなものだ。
クリエイターが結集した6篇の連作ですが、
そもそも説明など不要かも知れない。

{netabare}10代の無感情な倦怠感、閉塞感、
いやここは「時代」のと呼ぶべきか、
やりたいことなんてない気怠い毎日を、
軽快に吹っ飛ばす、それがフリクリなのでしょう。{/netabare}

考えるよりも先に笑え、考えるよりも先に泣け。

人生が笑った数で決まるのなら、
がむしゃらに笑って日々を過ごせってことだろう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

猫耳ヘッドホン

 「フリクリ オルタナ」の数年後??の世界みたいだったです。

 主人公?ヒドミの滅ぶような光景から始まって、気が付くとな始まりだったです。母親のヒナエは、陽気なお母さんです。
 突然現れたジンユ、とんでもない登場だったです。ヒドミを気にする井出くんと、突然正体を現す、ラハルと唐突な展開の多い「フリクリ オルタナ」より、分かりにくかった展開だったです。さらにクラスメイト他2名や、後に登場するアイコも物語に絡み??ます。

 ヒドミと井出くん、ジンユとラハル、ヒナエとヒドミとジンユ、何がどう進んでいくのか?、どういう方向なのか?物語の意図が、私にはよくわかりづらかったです。
{netabare} ヒドミの性格が、急変したりもしたし、元に戻ったり。{/netabare}

 ジンユ、ラハルがハル子同様、ギターを武器に戦っていたのは印象的だったです。

 最後はめでたしという感じはしたです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 9

63.8 15 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング15位
劇場版 フリクリ オルタナ(アニメ映画)

2018年9月7日
★★★★☆ 3.4 (60)
230人が棚に入れました
モヤついている高校生・河本カナ。嵐のごとく登場するハル子。その時カナの額にお花が生えた! 煙を吐きがら街をぶっ潰すアイロン。毎日が、毎日毎日続いていくと思っていた・・・。力を手に入れたカナはアイロンをぶっ飛ばせるのか!?

声優・キャラクター
新谷真弓、美山加恋、吉田有里、飯田里穂、田村睦心、小西克幸、永塚拓馬、鈴木崚汰、伊藤美紀、真坂真帆、森功至、松谷彼哉、青山穣
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

17歳の叫び

アニメーション製作Production I.G×NUT×REVOROOT
監督:上村泰、副監督:鈴木清崇、脚本:岩井秀人
キャラクター原案:貞本義行、キャラクターデザイン:高橋裕一

何がフリクリなのか分からない。
2000年製作のOVAフリクリの監督である
鶴巻和哉から発せられた言葉だ。
それだけフリクリという作品には、
多様性があるということだろう。
音楽、作画、パロディ、ロボット、SF、青春などなど、
渾然一体となってさまざまな要素が盛り込まれていることが、
ひとつの特徴といえるかもしれない。

舞台は何の変哲もない田舎町。
ごく普通の女子高生、河本カナ(カナブン)は辺田友美(ペッツ)、
矢島聖(ヒジリー)、本山満(モッさん)という
3人の友達といつも一緒。
秘密基地「ハム館」を拠点に、楽しい学生生活を送っていた。
しかし、彼女たちの前にハルハラ ハル子が現れて、
日常は大きく変化していく。

街にできた大型ショッピングセンター、
カナブンのバイト先の蕎麦屋で
男がいつも同じ月見そばを注文することも
ひとつの象徴だろう。日本初の女性総理大臣は
国民に何かを隠して計画を進めている。
激動の予感を漂わせながら、カナブンの日常は過ぎていく。

女子高生たちは日々の暮らしを満喫している。
ヒジリーは大人ぶって年上の恋人と付き合っている。
モッさんは進路を決めて自分の力で夢に向かって邁進している。
カナブンはある男子が気になり始める。
ペッツは高村薫の『照柿』を読みながら、
幼馴染のカナブンを特別な存在として意識し、秘密を抱えている。

日本での公開はこちらが先だったが、
『フリクリ プログレ』の製作が決まったあとに
オルタナの製作が開始されたため、
プログレの内容とは、違う形でのやり方が求められていたという。
つまり、プログレのほうが正当派の続編であって、
こちらは、あくまで番外編。本編とは少し外れた内容になっている。

そして、違いをどこで出すかということで、
女子高生の日常を描いた青春ストーリーに
ハル子が絡んでくるという展開になっている。

正直なことを言うと、この話であったなら
『フリクリ』である必要性はほとんどない。
女子高生の青春ストーリーが中心にあって、
ハル子や世界観が重なってくる。
そのため、ハル子のポリシーというか哲学が
ずれているように感じてしまう。
監督がこの作品で重視したのは、
「女子高生のリアル」だとインタビューで語っている。

監督の上村泰はガイナックス時代に『トップをねらえ2!』の
設定制作補助を務めたところからキャリアをスタートさせ、
その後もいわば鶴巻和哉の下で仕事を覚えた人物。
鶴巻和哉のやり方をつぶさに見てきたため、
フリクリの監督としてはうってつけの人物だったのだ。
そして、脚本は舞台作家で演出家でもある岩井秀人を起用。
これは鶴巻和哉が昔のインタビューで語っていたことだが、
フリクリを考案していたときには、色々な舞台を頻繁に見に行っていて、
演出は舞台の手法にかなり影響されたそうだ。
アイロン型の工場やギターを武器のように
使用するというような小道具の使い方は確かに舞台っぽい。
そういう面も踏まえた抜擢だったことが想像できる。
上村泰監督はフリクリのファンだと語っており、
その結果、完成したのが、この『フリクリ オルタナ』なのだ。

ここで、冒頭の鶴巻和哉のコメントが浮かぶのだが、
どれだけ近くにいても何が正しいのかは、分からないのだろう。
特に、このフリクリという作品には、
当時の時代性やガイナックスの社風が色濃く反映されている。
そういう意味では、このフリクリも「アリ」なのだとは思った。

物語の核をなすのは、主人公カナブンとペッツの話となる。
彼女たちの関係性が、この世界の命運を決定づけるキーとなっていく。
{netabare} 女子高生の叫びが世界に関係していくというのは面白いが、 {/netabare}
この作品は良くも悪くもOVA版『フリクリ』を意識しすぎているのが
マイナス方面に働いてしまっている。
それと、この2人を話の中心にするなら、
もう少しそれぞれの想いを前面に出したほうが良かったと思う。
ほかの2人のエピソードを削ってでも、
こっちに持ってくるべきだったのではないかと感じてしまった。

個人的なフリクリという作品に対するイメージは、
「バットを振り切る」ことが重要で、
色々なことに縛られていない自由度が最大の魅力だと思っている。
しかし、この作品では女子高生のドラマを
丁寧に描いていくこと以外では、
ほぼ前作の方向性をなぞっただけという印象は拭えない。
プログレの方向性があったにせよ、
もう少し前作に縛られない部分もあったほうが良かった。

また、この監督は音楽に対して、
あまりにも無頓着すぎるのではないだろうか。
ピロウズの曲が流れているところで、
キャラクターが歌い出すシーンがあるのだ。
どうしてこういうことをやって良しとしたのかは理解できなかった。
理由はあるのだろうが、これは百パーセントあり得ない演出だろう。

それぞれのドラマはよく作りこんでいて、
完成度が高いだけに色々と惜しい作品だったと思う。
ピロウズの曲自体は相変わらず聴かせてくれる。
(2019年10月20日初投稿)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 41

銀兎の夢 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.7

フリクリではない

ハル子が全然関係ないアニメに出てる・・・そんな感じ。
これがフリクリ?実験的なアプローチも尖がった演出も超絶作画も何も無い・・・フリクリを好きな人ほどガッカリする駄作。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「オルタナ」は失敗作。次に「プログレ」に期待します。

アメリカではケーブルテレビ局で放送することが既に決まっており、実は全12話で放送し終わっているらしいですが、日本では劇場二部作で作ったみたいです。「オルタナ」の方ははっきり言ってそんなに面白くありません。昔のフリクリの方がまだキャラクターに個性を感じますが、今回はそういった個性はほとんど感じないどころか、キャラクターがいかにもガイナックステンションなのでついていける人がどれだけいるのか疑問です。

海外ではその奇抜さ故にカルトムービー化して、恐らくは海外資本で作られたのでしょうが、欧米でも設定等が受けるのか疑問が残ります。

うーん「プログレ」に期待。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

65.5 16 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング16位
トップをねらえ!(アニメ映画)

1989年6月10日
★★★★☆ 3.6 (36)
217人が棚に入れました
原作・脚本=岡田斗司夫、絵コンテ・設定=樋口真嗣・庵野秀明、キャラクター原案=美樹本晴彦という豪華な顔ぶれが制作した、青春ロボットアニメ。話は全6話に分かれており、前半部は他アニメ作品へのオマージュやパロディを中心に。後半部はぐっとシリアスに深みのある物語を展開する。最終話の第6話が全編モノクロ映像だったこともファンを驚かせた。舞台は、謎の巨大宇宙生物に侵略されつつある未来の地球。その脅威に対抗するため、軍部は人が乗るロボット型の兵器“ガンバスター"を開発し、パイロットの養成を行っていた。ノリコはそんな養成学校の1年生。何をやっても鈍くさい彼女は、パイロット訓練生の中でもやはり飛び抜けて下手な落ちこぼれだった。だが、ある日赴任してきたコーチに潜在的な才能を見いだされ、パイロットとして大抜擢される。異常に厳しい訓練やライバルたちの嫌がらせに耐え、恋の予感もちょっぴり感じたりしながら、ノリコはパイロットとして成長していく。だが、現実の戦闘は予想以上に過酷で…。果たして、ノリコを待ち受ける過酷な運命とは!?

MDO さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.1

21点。6話でさっくり見れるレトロアニメ

21点てとこですかね。
勧められたので見てみましたが、特に楽しめませんでした。

宇宙での半年という時間が
地球では15年という時間経過になるという、
時系列が全く謎の設定。

精神と時の部屋ですか?


人、ロボも特に魅力は無く話は進み、そして終わります。
若干の百合物?あと、乳首が出たりするのでお子様が興奮するのかな?


昔、見ていた人にはいいかもしれないけど、今からわざわざ見る価値は無いと思います。



監督みたら庵野じゃん。
しょせんエヴァとかの駄作しか作れない監督の作品だなぁと感じました。
ストーリーに重要な筋というか、柱が無いんだよね、この人。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 1

おーいん君 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

全体的にこっちのほうがイイw

まあ、ほぼ一緒なんだけど。

なんとなく。なんとなくなんですよ。

けれども、どっちかと聞かれたらこっちのほうがいいんですよね。

アニメを好きと言う男性なら、視聴しておいてほしい作品です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 1

62.3 17 恋愛でオリジナルアニメーションなアニメランキング17位
薄暮(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.1 (53)
161人が棚に入れました
福島の女子高生―ヴァイオリンだけが取り柄の、どこにでもいる少女。福島の男子高校生―絵を描くだけ、それで生きてきた。震災の影も彼に宿っているのだろう。とある田園風景の中で、そんな二人は出会った。ぎこちない邂逅、それがやがて「恋」へと発展する。それがどんな奇跡を生むかはわからない。儚く散るひとときの夢物語なのかもしれない。でも、彼らは出会った。この土地で、この場所で、世界の息吹を感じながら、彼らは人として生き、価値観を共有し、恋をする。

声優・キャラクター
桜田ひより、加藤清史郎、下野紘、島本須美、福原香織、雨宮天、佐倉綾音、花澤香菜

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

簡単には言い表せない福島の空模様と青春の心模様と

ショートアニメ『blossom』(岩手県 未見)
『Wake Up,Girls!』(宮城県仙台市 全作視聴済)
に続いて福島県いわき市を舞台した山本 寛監督・東北三部作の中編劇場アニメ。

形容し難い青春の諸々(幼少期の被災体験も含む)を抱えた
バイオリン少女と絵描き少年が夕暮れ時の福島の空の下、
互いの芸術表現も通じて曝した心を触れ合わせて交流を深めていく。


【物語 4.0点】
詩的で文芸的。かつ、こっぱずかしいくらい古風。
主人公少女のモノローグが主導するシンプルな構成。

同じ風景を共有した少女と少年の恋慕への発展など、
青春アニメはおろか、実写映画でも絶滅危惧種ではないかと思うほど、
失われた王道を驀進する。


被災地が舞台ではあるが、真実を暴いてやろう等という、ゴシップ趣味は希薄。
聖地巡礼効果も目論み、“明るい”福島を描いたという本作においては、
震災も少女と少年のトラウマも表面上は克服されたように見え、
被災者もこの世界に価値と居場所を再発見しようとする心の復興の段階。

帰還困難区域からの避難者であるという少年の過去についても
言葉でハッキリと説明されることはない。


バイオリンの音色や絵画、空模様に反映された心模様を読み解くことが求められる。
多分に感性に訴えかける内容。


【作画 4.0点】
人物作画はソースは潤沢じゃないけど、伝えたい心情を表情に込めることは出来ている。
けど、やっぱり十分な制作体制で作画安定度を高めた登場人物を見てみたかった……となる。
お馴染みの山本 寛監督&キャラクターデザイン・総作画監督・近岡 直氏のタッグ。

特筆すべきは美術監督に起用されたMerrill Macnaut氏。
仙台市出身の日本人でショートアニメ動画の自主制作経験もあり。
薄暮の空に色付いた“緑色の光線”まで描写した絵画的な背景美術は、
この世界にまだ残された価値を再認識させるのに十二分な説得力を持つ。


私はAmazonプライムで100円増しのHDレンタルで視聴しましたが、
それに見合うだけの物はありました。


【キャラ 4.0点】
ちゃんと生理も来る主人公のバイオリン少女。自身の置かれた青春の状況を、
かじった文学等も元にして自問自答するだけの感受性を持つ。

言葉じゃ吐き出せない諸々を少女は音楽で、少年は絵画で表現する。
こんな芸術的アウトプット回路を保有する高校一年生……。


記号化された萌えキャラやイケメンとは真逆のベクトルでの非実在感。
だが、だからこそ本作には現実では心に引っ掛かってなかなか出て来ない物を
具現化する夢があるのだと思います。


深夜アニメの形式美が恋しい方の拠り所として?
一応、主人公と同じ部活の女友達“ひいちゃん”(CV.佐藤 綾音さん)が、
非モテ・アイドルオタクの現実逃避等を放言してくれたりはしますw


【声優 3.5点】
ヒロイン役に桜田 ひよりさん。相手少年役に加藤 清史郎さん。
共に子役としてキャリアを積んできた俳優をメインに据え、
脇を“ちゃんとした声優”(しかもかなり豪華)で固める布陣。

メインの演技はたどたどしいが、確立された“ちゃんとした声優”の好演の中で、
初心な少年少女像を浮かび上がらせるという狙いは成就しており、
“ちゃんとした声優”以外のアニメは認めん
という風潮に対するカウンターにはなっている。

でも、やっぱりメインの演技は拙いけれども。


【音楽 4.5点】
バイオリン演奏が特徴の本作。
心が荒れ模様の時にはしっかり乱れる演奏シーンで青春の機微を好表現。
劇伴もバイオリンをふんだんに取り込み追随する。

ED主題歌はAZUMA HITOMIさんの「とおく」。ピアノベースの静謐なバラード。
“辛矢 凡"氏の歌詞世界で淋しさの中にも、しっかりと希望の花が咲く。


【感想】
夕焼け空をいつまでも眺めていたくなる……。
そんな、すっかり忘れ去ってしまっていた大切な気持ちを思い出させてくれる、
心地よい余韻が残る作品でした。

あとは心の損壊防止のためにも、
何でもいいから感性は磨いておいた方がよいとも思いました。

正気に戻りたい時に、心の片隅に確保して置きたい一作です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 23

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

普段見慣れた風景 でも、それは大切なもの

この物語は、福島県での放射能汚染により、普段見慣れた風景が二度と見れなくなった若者たちの物語です。
その体験をしたからこそ、当たり前だと思っている今のこの瞬間を大切にしたいと願う若者たちの心を描いています。


私達が日頃暮らしている場所の何気ない風景。
何度も何度も見慣れている当たり前の風景。山や川、田畑、空や海。
でも、それが見られなくなる時が来るかもしれません。

そのときになって、もう一度見たいと思っても、それは無理なことだと気づきます。

普段見慣れた風景には、自然だけでなく、人も含まれます。
仲の良い友人や恋人、家族など。

特に時間が経てば、人とは必ず離れ離れになるときが来ます。
当たり前だと思っていた風景は、もう無くなっていることに気づくのです。

だから、今のこの瞬間を大切にして、
写真または絵に残しておいた方が良いと思います。
この映画は、きっとそれを皆さんに願っています。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 13
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

薄暮は特別な景色だった。だけど、あなたがいる景色のほうがもっと特別になった。

福島県いわき市を舞台とした、
山本寛監督による「東北三部作」の最終章。

東日本大震災によって、
心に負うものがある二人の高校生が主要人物です。

といっても東日本大震災のことが深く描かれるわけではなく、
「体験した」と語る程度のものですが。

50分程度の作品です。


● ストーリー
小山佐智(こやま さち)は高校1年生になった。

高校では音楽部に入り、
小さなころから続けているヴァイオリンを続けることにした。

高校生活の楽しみは、帰り道。
一人で田舎道の夕暮れを味わうことだった。

ある日、いつも帰り道のバスで一緒になる少年から声をかけられる。
美しい夕焼けを描くのにいい場所を探しているのだという。

彼の名は雉子波祐介(きじなみ ゆうすけ)。

彼は震災で帰宅困難区域からいわきに避難してきており、
今生きてるこの場所を書き留めておくために絵を描きはじめたという。

そうして二人はバス停で待ち合せたりLINEをしたり、
距離を縮めていく。


物語に大きな起伏はなく、
薄暮の景色が好きな女子高生の、恋愛と青春を混ぜ合わせたお話。

こういう恋愛したかった、なストーリーでした。笑

なんとなく気になって、
ふとしたきっかけで話すようになって、
どんどん好きになって、
そして…

という展開。

すべてが順調だったわけではないけれど、
恋の一番楽しいところを切り取った感じです。

佐智が主人公なので佐智目線のお話ですが、
雉子波くんのほうが積極的にアプローチしているので、

彼の方に焦点を当てるとより恋愛色強めのストーリーになりそう。
たぶん相当悶えていたと思うよ、彼。笑


≪ 自然の風景 ≫

自然には不思議な力がある。

眺めて、包まれているだけで心を癒してくれる。

佐智は文化祭に向けて四重奏を練習するも、
先輩にできていないところを指摘されてばかりでうまくいかない。

そんなふうにもやもやしたときには、
このバス停の風景に癒されるのです。

私もまさに高校生の時に同じようなことをしていたなあ。

吹奏楽部で、演奏がうまくいかないことなんてよくあることで、
もやもやしたときには河原へ寄り道。

わざと川沿いに帰って遠回りして。
でもそうすると不思議と家に着くころにはすっきりしてるんですよね。

そうして何度心を救われたか。

だから佐智の気持ちはすごくわかる。
残念ながら胸キュンな出会いはなかったですけれど。笑

薄暮って意識して見たことがないけれど、
夕暮れにゆったり眺めてみると心癒されそう。


● キャラ&声優
佐智を演じるのは桜田ひよりさん、
雉子波くんを演じるのは加藤清史郎さん。

二人ともどちらかというと淡々とした話し方でした。

そういうキャラクターでもあるから、
合っていると言えば合っているのだけど、
どうもセリフがすっと心に残りませんでした。

周りのキャラは安定の声優さんたちだったため、
食われがちだったな…。笑

特に佐智の友だちのひいちゃん。

キャラが面白いのもあったけれど、
演じる佐倉綾音さんが力入ってて好きでしたw

演技としてもキャラとしても、
完全に持っていってたよ。笑


● 音楽
【 主題歌「とおく」/ AZUMA HITOMI 】

美しい曲と歌声でした。
「薄暮」というテーマにぴったり。

だけど良くも悪くも普通で、
こちらもあまり印象に残らなくて…。

なんだかもったいなかったです。


● まとめ
全体的に大きな起伏はなく。

がっつり本気に部活しているわけじゃないけれど、
目標に向かってまっすぐで、
本番を終えた達成感というのはいいものですね。

演奏が終わって、
立ち上がってふらつくのとかリアル。
(私もよくやった。笑)

恋愛に関しては、
振り返ってみると佐智は特に何も頑張ってないのよね。笑

{netabare}
気になった相手からアプローチ受けて、
相手に別に思っている人がいるんだと知ってショックを受けて、
でも最後にはあなたが好きだと告げてもらって嬉し泣き。
{/netabare}

恋愛慣れしていない感じの雉子波くん、
頑張りました。

目線が合わなかったり震えていたり、
そういう描写がわざとらしくも見えたけど、
初々しくてなんだか微笑ましくもありました。

障害もなく流れる恋愛ものが好きなら、
この作品は合うと思います。

逆に、困難を乗り越える描写が欲しい人には、
かなり物足りなく感じるでしょうね。
時間も短いですし。

私は嫌いじゃなかったです^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 12
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