師匠でファンタジーなおすすめアニメランキング 39

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの師匠でファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月10日の時点で一番の師匠でファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.3 1 師匠でファンタジーなアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (507)
1633人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界の見え方

マッドハウス制作。

魔王を倒した勇者一行のその後、
冒険の終わりから始まるファンタジー。

長寿のエルフである魔法使いフリーレンは、
仲間の死をきっかけに人の心をより知ろうと、
勇者との冒険の痕跡を辿る旅に出る。

人の寿命はエルフに比べあまりにも短い、
それゆえに人は思い出を美しいものと大切にする。
それはフリーレンにもあるはずのものだが、
共に冒険に於いて経験したものの価値が、
人とエルフではやはり違うのである。

時間の経過がもたらすものが、
きっと物語の鍵になるのでしょう。

主要キャラが落ち着いた声と演技で、
この主題なら良く世界観に合っています。

最終話視聴追記。
最後まで見せ場があり集中力が途切れない、
数多の演出が冒険を魅力的なものにさせている。
魔法はイメージの世界であり多種多様である、
微笑ましい日常と迫力ある戦闘時の対比が楽しい。

{netabare}人の時代、魔術の時代を生き、
やがて来る長い人生の終わりに、
フリーレンはどう人生を振り返るのでしょう。
生き方が変われば世界の見え方も変わる、
在りし日の思い出が尊いものでありますように。{/netabare}

ところでフェルンはフリーレンに、
勝るとも劣らない優れたキャラクターだと思う。

最後まで面白くて、とても楽しめました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 56
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 48
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

平和な時代の魔法使い

魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


【物語 5.0点】
表層は取り残された長命種の心情や短命種との価値観の相違、
忘却にさらされる勇者の冒険譚の悲哀の再生産など。
ですが、またそのネタか?と踏み込んでみると勇者の魔王討伐をも丸呑みするスケール感、
幾重にも練られた歴史、世界観設定から提供される思索の種に唸らされる逸品でした。


例えば魔法設定一つ取っても奥行きが異次元レベル。
三話で描かれた人間の魔法発展スピードの凄まじさ。
{netabare} “人を殺す魔法”ゾルトラークで人間たちに暴虐の限りを尽くした魔族クヴァールが、
80年後復活したらゾルトラークは“一般攻撃魔法”として陳腐化、対策済みで、通用せず。
(それでも誇り高く散華するクヴァールも見事でしたが){/netabare}

かと思えば近年の人間魔法界は自然物を利用した物理攻撃による防御突破などがトレンドの野戦特化。
活用物に乏しい閉鎖空間である、古の迷宮探索には不向き。
ここは古い魔法を知る冒険者フリーレン様の出番さ。
(そしてミミックに頭から突っ込むw)

魔法発展も絶対的な物ではなく、時代に合わせて何かに特化すれば何かが欠ける相対的な物。
魔法以外の要素も一つひとつが多面的で、
消化し終えたと思ったエピソードでも、
後になって新たな側面を想起させられる。

フリーレンが人の心を知る旅路の中で、ヒンメルたちとの思い出を再解釈する回想描写の如く、
あの時のセリフはそういうことだったのか?と視聴者も溢れ出す感情が止まらなくなるシナリオの豊潤さに圧倒されます。


ヘンテコな魔法ばかり収集するフリーレンさん。
{netabare} 服が透ける{/netabare} しょーもない魔法だのw
最初はただの酔狂だと笑って見ていましたがw
終盤では、魔法は夢のある楽しい物と満喫するフリーレン及びフランメと、
魔法は闘争と野心の道具として高みを目指すゼーリエとの対立軸が鮮明に。

この魔法はどうあるべきかという論点は、
魔王とは何者だったのか?魔王討伐を成す物とは?とのテーマとも密接にリンク。

魔法で最強を目指し闘争を求める限り魔王との戦いは終わらない。
むしろ闘争を求める心理の象徴こそが魔王なのか?
フリーレンみたいに魔法をくだらないことに浪費し、平和な時代を体現してこそ魔王の時代は終わりを迎える。
{netabare} 花畑を出す魔法こそがフリーレンとヒンメルの旅路の本当の始まりという{/netabare} 件には感動しました。
根を詰めすぎずに冒険をエンジョイするヒンメル勇者一行だけが魔王を倒せた理由。
今後の深堀りが楽しみです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・マッドハウス

例えば{netabare} フェルンVSリュグナー&シュタルクVSリーニエ戦{/netabare} や、
{netabare} フリーレン&フェルンVSフリーレン複製体バトル{/netabare} などでは、
ド派手な魔法エフェクトだけでなく、背景にも作画を入れ、
回り込んでキャラを捉えるカメラワークも縦横無尽。
ファンタジーバトルアニメとして上々の映像を提供。

一方で案外、私の印象に残ったのは、背景美術の青空。
一面真っ青の空にポツンと人物を配する簡素な画面構成。
細密な雲の描写だの、光源処理だのをゴチャゴチャと施されるよりも、
シンプルな方がむしろ悠久の時の中の登場人物という趣を感じられ、
人の心を知りたいというフリーレンの決意も心に染みてくるから不思議です。

作画カロリーリッチな力押しだけでなく、
抜くところは抜いて逆に効果的な演出を仕掛ける。
こうした芸当をやらせたら、このスタジオは本当に上手いです。

フリーレン、フェルンの師弟コンビの人物作画もまた普段は無表情。
だからこそフリーレンが本気の一端を見せた時の強面にゾクゾクさせられますし、
フェルンのむくれ面に振り回されるフリーレンやシュタルクがいたたまれなくなりますw


【キャラ 5.0点】
1000年以上の歴史の中に各種族を位置付ける。
その強固な土台の上に骨太なキャラクターを形作る。
丹念なキャラ設定構築から来る諸要素に唸らされます。

エルフは長命種故に繁殖に興味が生じず、他者への関心自体も薄い。
フリーレンが300年ぶりの同じエルフとの遭遇だった{netabare} クラフトさん{/netabare} とか。
緩やかに減少、衰亡傾向にある。

魔族は言葉を用いるがあくまでを誑(たぶら)かす手段に過ぎない。
グラナト領の人々の気持ちも汲んでいるように見えるリュグナーたちにしても、
そこに心はなく、冷徹に人間を狩るのみ。

これらの種族に囲まれて来た人間は長らく弱小だったが、
彼らは想像力と好奇心が旺盛で、他人同士の関わりも深く、
恐ろしく早く増殖し、変化し、発展する。

想像したものが魔法になると言うのであれば、
多様で大人数な人間こそが、最も多彩な魔法を操るようになる。
後半の一級魔法使い試験編の人間たちは個性的で、
やがて来ると言う人間の時代を示唆していました。

切れると思った物は大体何でも切っちゃうユーベルとか、
仲良く喧嘩して、カンネに絞め技決めてる?ラヴィーネとかw
濃いキャラが色々いましたが、私は宮廷魔法使いのデンケンさんかなと。
歳を重ねても尚、{netabare} 殴り合ってでも{/netabare} 手に入れたい執念。
私も痛いのは嫌ですがwスピリッツだけは見習いたいものです。


【声優 4.5点】
フリーレン役の種崎 敦美さん。フェルン役の市ノ瀬 加那さん。
作画同様、比較的淡々としたボイスの中に心情を込める繊細な演技。
{netabare} 夜中にジュース飲んでました{/netabare} などと、おふくろさんみたいなフェルンに弁解するシュタルク役の小林 千晃さんのリアクション芸も引き立ちますw

かつての勇者たち。ヒンメル役の岡本 信彦さんらが率いる一行は、
数十年後の老いや死も包括する好対応。
特に僧侶ハイター役の東地 宏樹さん。
冒険中の生臭坊主から、老いてフェルンを温かく育てる好好爺への変貌。
酒に溺れていた破戒僧が、それを言うのかと突っ込みつつw
人間を味わうことができる好演でした。


【音楽 5.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
初回3話一挙SP~4話まではフィルムスコアリングで制作。
ケルト風アレンジも交えたオーケストラでファンタジー世界の旅情を表現しつつ、
心情曲から戦闘曲「Zoltraak」まで70曲超を量産。

特に「Journey of a Lifetime~Frieren Main Theme」は
喜怒哀楽を内包した構成で、
聴く者にも、人の心を知った時の高揚感が伝わり、自然とこみ上げて来る。
氏のキャリアの中でも傑出した名曲ではないでしょうか。


OP主題歌は前期がYOASOBI「勇者」、後期がヨルシカ「晴る」
ED主題歌はmilet「Anytime Anywhere」が前後期でアレンジと1番と2番を入れ替えながら2クール完走。

錚々たるアーティスト名からもフラアニ枠を成功させたいという日テレの意気込みが伝わって来ますが、
名前だけじゃなく、作品を捉えた歌詞世界が嬉しい好タイアップ。
特にOP「勇者」で問いかけられた涙の意味を、
ED「Anytime Anywhere」の解答で噛みしめて聴くのが私は好きです。

エバン・コール氏はmiletにED「Anytime Anywhere」の編曲、
特殊ED&挿入歌「bliss」の作曲も提供。
同じマッドハウスとのタッグとなった劇場アニメ版『金の国 水の国』での劇伴ソング挑戦から、
一層の進化で魅せる。



【初回2時間SP感想】早くも心に残る上質な勇者後ファンタジー

{netabare}
魔王討伐を成し遂げた勇者パーティー。
1000年生きるエルフの魔法使いフリーレンが、
自分より寿命の短い仲間たちの老い先などと寄り添う中で、
人を知ろうとして来なかったことを悔恨し、
心を知る旅を続ける同名連載コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品。


例えば戦後の帰還兵がどうのといったシナリオは、
傷痕の描写等を通じて豊潤な心情劇が得られる個人的に好きな部類のはず。

ですが魔王を倒した後に勇者がどうの、魔王倒すの飽きたからどうの。
こうした筋書きに関しては、私も目の付け所が悪いのか、近年こうした企画が安易に乱立している感を抱いていまして。
作者、スタッフには申し訳ないですが、王道ファンタジーを描くパワーがないからって、魔王討伐から逃げてませんか?
そういうのもういいから普通に魔王倒しに行って下さい。
って感じで、一周回って『ダイの大冒険(2020)』をお気に入り棚に放り込む位こじらせてましてw

よって今の私にとって勇者たちのその後を描くアニメは観るのもハードルが高いですし、
求める水準も傑作王道勇者物に匹敵するだけの価値を欲する苛烈な物になります。
本原作コミックも興味はありつつも食指は伸ばしてきませんでした。


そんな天邪鬼な私が視聴に引きずり込まれた理由は三点。

一点目。本作放送に関して日本テレビが超本気だということ。
23時台にアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」(フラアニ)を新設し、
初回はフラアニ前の同社の金看板「金曜ロードショー」にて2時間SPで放送するという破格の待遇。

背景には最近、日本国が二周回遅れでようやく取り組んでいる、世界市場に向けたコンテンツ輸出。
近頃は、経済団体幹部などもジャパン・コンテンツで20兆円産業をなどとぶち上げている。

その流れの中で旧来の放送広告料収入がメインの視聴率ビジネスが頭打ちになっている日本テレビが、
「コンテンツ中心主義」のビジョンを掲げ、イベント、海外展開などの放送外収入も見込んで挑む象徴となるのが本作(※1)

かつて視聴率ビジネスの権化だったあの日テレがコンテンツの価値を語るなど、
“生臭坊主”ハイターが酒をやめるぐらい考えられなかった事態。
それ以上に一放送局がここまで押してくる作品は是非一見してみたいと、
私が重たい腰を上げるのに十二分。


二点目。興味を持ってみると、キャスト、特に主人公フリーレン役の種崎 敦美さんに目が行きまして。
種崎さんと言えば上記『ダイ大』で奇しくも勇者ダイを熱演。
『ダイ大』は、勇者ダイが、冒険の中で短い人生の中で輝きを放つ人間の力を知る。
数千年生きるが故に、余興と称して人間を見下し、弄ぶ大魔王に対して、
激闘を通じてダイが人間の価値を思い知らせていくお話でもありました。

こうした役柄などもこなして来た種崎さんが、今度は逆に1000年生きるエルフとして人の心を知る様をどう演じて来るのだろう。
最高に唆(そそ)るキャスティングでしたし、初回観てみて、1000年ズボラなフリーレンさんの生態も含めてw
経験値を積んだ種崎さんの引き出しが遺憾なく引き出されていたと好感しました。


三点目。音楽がエバン・コール氏だということ。
初回SPはフィルムスコアリングで制作。
バグパイプ、ティン・ホイッスルなどケルト音楽の楽器をアレンジして、
ファンタジー世界の風情も醸しつつ、心情に合わせて量産した劇伴は70曲超。

金曜ロードショーとエバン・コール氏と言えば、昨年、TVアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』総集編と劇場版を2週連続で放送した件も思い出されます。
視聴率面では惨敗に終わったあの企画は、当時は酔狂だとも感じましたが、
今にして思えば、視聴率よりネット、SNS上の同時アニメ視聴祭りで賑わいを創出できるTV局の可能性を再発見する、
これも視聴率ビジネス依存脱却の伏線だったのかなと。

初回では、特殊EDとなったmilet「Anytime Anywhere」の編曲も行った同氏。
本作は、エバン・コール氏の作品シンクロ率が一段と高まる重要作になる期待があります。


以上を踏まえて、初回、私は敢えて金ローを録画して視聴しました。

{netabare} 「人生ってのは衰えてからのほうが案外長いもんさ」{/netabare} などのセリフが私の心の傷に染み渡るw
初回から既に、エルフとそれ以外の仲間らとの寿命の長さ、価値観の相違を生かした、
人生の深い掘り起こしによる収穫が大豊作。
終盤には1000年前のフリーレンと{netabare} 大魔法使いフランメとの師弟関係{/netabare} から旅の大目標が明示。

決してパワーがないから安直に魔王倒した後の残り滓を描くのではない。
むしろ過去と未来にまたがる壮大な視点から、勇者伝説を丸ごと内包していくスケール感の片鱗を見せる。
捻くれた私の高いハードルを乗り越えて、歴代の私の心に残るアニメの上位に食い込みそうな抜群の手応え。

初回2時間SPという挑戦も没入感を高める意味では有効でした。
しかし金ローも昔は、何が何でもCM見せて広告料収入を獲得しようと、スポンサーの方ばかり向いて、
数字取れそうな定番人気映画を雑にカットして、クライマックスは数分置きにぶつ切りしてマシンガンCMw
不完全燃焼の視聴者が多数発生するためか、週末はTSUTAYAの棚から金ロー放送作のレンタルビデオが消えるといった残念な流れがありましたが。
今回はCM飛ばさず見ても、それほど集中力が阻害されない淀みのない編集で、時代は変わったんだな~と感じ入りました。
コンテンツ中心主義。小難しいビジネスの話はさておき、テレビと視聴者との関係改善の面では良い流れなのではと思いました。


【参考文献】※1 @DIME「「葬送のフリーレン」が金曜ロードショーで異例の初回2時間スペシャル!新アニメ枠で世界に挑む日テレの新コンテンツ戦略」{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 48

71.6 2 師匠でファンタジーなアニメランキング2位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (251)
815人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

いつでもそばに

ただフランが可愛いってだけの普通の異世界なろう系だけど、チートだけど無敵って感じはなくて結構戦闘で苦戦するし、戦闘の動きがいいので面白かったです

美少女が無駄にいっぱいでてくるとか、主人公を引き立てるためにわざとらしい展開にするとかそういう余計なところがなくてスマート

無駄にいっぱい美少女はべらせなくても、一人いれば十分ってことがよくわかります
バランスが良くて出来のいい異世界転生アニメ

まるで娘の成長をそばで見守る父親みたいで、フランとししょーのコンビが素敵でした

最初から2期制作が決まっているみたいなのも変な終わり方しないので良いですね

投稿 : 2024/06/08
♥ : 35

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

GWだものテンプレ作品も観ておかないとねぇ。

本日は2024.5.5なり。

地獄の繁忙期を乗り越えやっとのことでGWにたどり着いたぜ。
もろもろ、いろいろなお付き合いもしつつ、いつもの某アベマなTVで一気見シリーズを物色。
これは後で見ようかな、というものは除外し、本作が目につきました。
隙間時間では、既に視聴済みの作品も飛び飛び視聴で記憶を喚起しつつ、本作の一気見を敢行。

う~ん、フランかわええっすねw。

物語は、まぁ、この手のファンタジーものに準じている感じですが、フランの可愛らしさほぼ全振りで視聴していればいいでしょう。
いや、さすがにそこまでは言い過ぎですが、テンプレ的作品を観続けようという大きな求心力になり得たのは間違いないでしょう。
逆に、この幼女的キャラが合わないとなれば、視聴しづらいという方もおられるかもしれませんね。

全体的にフランとスーパーすごい剣師匠との掛け合いを眺めつつ、折々にある障害をフランたちが乗り越えていくカタルシスも楽しみの一つでしょう。
また、バディを「剣」にしたと言うのは、この作品のキーとなる設定でしょうが、話すとはいえヒト型ではなく、無機物と言うところで、より一層フランを引き立てているのかもしれません。


別の視点としては、フランの成長していく様子を眺めるという楽しみもあるかもしれません。
仲間を増やすという意味でも成長しているのかもしれません。
後半で登場してきてPTを組むメンツなどは、どう見てもmob系のキャラなのですが、ミッションをこなしていく中で、なんとなく良い関係が構築されていっているようにも見受けられます。

まぁ、フランも次第に愛されキャラ的な立ち位置に移行していくのですが、フランと師匠、一部の女子キャラ以外は作画的な意味であまり力が入っていないような印象ですね。
声優さんも、少し未熟な方もおられたような気がしています。


アマンダいやママンダでしょうかw。
このキャラが出てきてから、少し賑やかになって楽しくなりましたね。


そして、最後にフランとアマンダの関係性が明らかになりました。
この辺も、匂わせていたものがはっきりと形になっていい終わり方のように思いました。

・・・はて、ここで旅立ちEND・・・。

・・・これなんてエウレカ?ってなシーンもありましたが、ここで終わりって・・・。


と思い、HPを確認に行きますと・・・2期が決定との報が。
へー、なら、この終わり方もいいのかな、と。

個人的には、もう少しクオリティアップしてほしいところもあるのですが、続きがあったら観てみたいと思うほどのフランの魅力がありましたし、師匠との掛け合いも観てみたいものです。


「たぶんすごい黒猫族の子供」と「スーパーすごい剣師匠」の
またの冒険を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 27

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

減点は少なくキャラが加点要素で総じて高評価ななろう原作アニメ

本作の作品タイトルは『転生したら剣でした』であり、つまり転生の主体は異世界転生した「師匠」なんですが、物語としての主人公要素はむしろ黒猫族の獣人少女フランの方にあると言えるのではないでしょうか。

ちなみに「師匠」というのは転生者である「剣」に対してフランが呼びかけにつかっていて、「剣に意志がある」とわかった人たちの間ではそのまま名前として認知されている呼び名です。

魔物を討伐して得た魔石を吸収して「師匠」は魔物のスキルを吸収することができます。そして「師匠」の装備者であるフランは自身のスキルに加えて「師匠」が得たスキルを共有することができます。

当初は「師匠」のスキルに頼りきりのフランですが徐々に自身も強くなってゆくという順当な成長ストーリーですし、フランは「師匠」とはぐれることで危機を演出することもできて、「圧倒的に主人公が強い」というストーリー的な単調さから逃れることができるようになっています。

フランの冒険の旅は適度な爽快感と危機の発生によって、主人公補正による安心感もありつつ楽しめる物になっているように思われます。

終始作画的には安定していましたし、フラン自身がキャラクターデザイン的にかなり可愛く、また周囲を固める人物たちの個性もあいまって特に目立った減点要素はありません。

平凡なストーリーと言ってしまえばそれまでですが、「なろう原作のアニメで手始めに観るなら何が良い?」と訊かれたら本作は充分にその候補たりえる良作だと考えます。

なお、この1期目が終了して早々に2期目の制作決定がアナウンスされました。そのうち続編が観られるだろうという点においても安心してお勧めできます。

余談:「師匠」の転生者としての要素はそれほど目立っていない本作ですが、こと料理という分野においては転生者としての知識が如何なく発揮されており、「師匠」のカレーやハンバーグはフランを虜にしています。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25

79.6 3 師匠でファンタジーなアニメランキング3位
転生したらスライムだった件(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (551)
2692人が棚に入れました
「転生したらスライムだった件」は、伏瀬さんによって小説投稿サイト「小説家になろう」に掲載されたWeb小説を原作としたTVアニメ。異世界で一匹のスライムに転生した主人公が身につけたスキルを駆使し、知恵と度胸で仲間を増やしていく異世界転生エンターテインメントだ。2018年10月から第1期が2クールで放送され、第2期は2021年1月から放送となることが決定している。

声優・キャラクター
岡咲美保、豊口めぐみ、前野智昭、古川慎、千本木彩花、M・A・O、江口拓也、大塚芳忠、山本兼平、泊明日菜、小林親弘、山口太郎、福島潤、田中理恵、日高里菜、春野杏、櫻井孝宏
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第2期もサクサク視聴できる、良く練られた物語①

原作未読。最終話まで視聴。

【第1期に引き続いて優しい物語】
{netabare}第1期に引き続き、主人公が攻められる側という所が面白いです。
主人公一行が、周囲の国々に攻め込むことはない。
主人公一行は、いつも降りかかる火の粉を払うだけ。
その結果として、仲間を増やし、レベルアップしていく。

こんな優しい物語なので、サクサクと視聴できます。{/netabare}

【賛否の分かれる戦場での大虐殺】
{netabare}仲間たちを蘇生させるためとはいえ、人間を1万人も大虐殺しちゃうのは賛否分かれちゃいそうですね。
オーバーロードでも”大虐殺”は賛否分かれましたからね。
この作品の場合、ここに至る過程で、人間のクソっぷりが強調されていたので、個人的には、全く不快感なく視聴出来ました。
このあたりの物語もしっかり練られていて、好感度高いです。{/netabare}

第2期後半も、とても楽しみにしています!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やっぱ好き。。転生スライムと愉快な仲間たちの、爽快な成長物語

 
2期も安定して面白いといいな・・と心配しながら視聴開始。

 原作:KADOKAWAなろう系
 制作:エイトビット
  ヤマノススメ(祝4期決定!)、東京レイブンズ、Rewrite、推し武道・・
 放送:
  第1期 2018年10月~2019年3月
  第2期第1部 2021年1~3月(第24.9~36話の全13話)
  第2期第2部 2021年7月~予定
 視聴:2021年4月dアニメ(注:この時点でネトフリには閑話ナシ)

■エピソード
 説明台詞が入るので、1期を観なおさずともすんなり観られる親切設計。
 1期終了時は、これ以上強くなれるん?と思いましたが・・
 相変わらずの心躍る展開、爽快な戦闘シーン、心温まる言葉・・
~{netabare}
 危機感持てるピンチやそれを解決していく様はやぱり爽快感がありますね。まあホントにシュナが死ぬとは思えませんでしたが、そういう方法とはw
{/netabare}~

 心配は無用でしたw 安定どころか、やっぱ面白いw
 個人的に好きな要素が盛りだくさん。
 新キャラも良かったし初めから最後までワクワク感持てました。


■キャラ/キャスト(ほぼ自分用)
キャラがめちゃくちゃ多いので、少し復習・・
~{netabare}
・リムル/岡咲美保
 岡崎さんも日ナレ出身か。はめふら(メアリ)とかも。
・シュナ/千本木彩花
 大鬼族の桃色髪、二本角の姫。千本木さんかわええ・・甲鉄城のカバネリ(無名)、ガーリッシュナンバー(烏丸千歳)とか・・って、ニジガクもやってるんだ!
・シズ/花守ゆみり
 出て来なかったか。そういえば花守さんでした・・外伝でもいいので出演求ム。
・トレイニー/田中理恵
 樹妖精。田中さんは・・ストウィ(ミーナ)、無職転生(エリナリーゼ・ドラゴンロード)など。
・クロエ/田所あずさ
 不完全召喚されたおとなしい子。田所さん・・ウマ娘(シンボリルドルフ)など。
・アリス/白石晴香
 不完全召喚された最年少のお転婆な9歳。白石さん・・山賊の娘ローニャ(ローニャ)など。
・ソーカ/大久保瑠美
 リザードマン・ガビルの妹。大久保さんもかわええ・・無能なナナ(柊ナナ)、俺だけ入れる隠しダンジョン(ローラ)など。
・フレイ/大原さやか
 天空女王(スカイクイーン)の異名を取る魔王。大原さん・・何といってもARIAのアリシアさん。ありがたや(-_-)
・ミリム/日高里菜
 『破壊の暴君(デストロイ)』のふたつ名を持つ竜魔人(ドラゴノイド)。ツインテ少女だが。最古の魔王のひとり。
・ミュウラン/種﨑敦美
 清楚スリム・・イイw種崎さんは・・ユーフォ(鎧塚みぞれ)、魔法使いの嫁(チセ)、えんどろ〜!(女戦士)、宝石の国(ネプチュナイト)、青ブタ(双葉)などなど。
・ヒナタ/沼倉愛美
 聖騎士団長。つ、つおい( ̄□ ̄;)!!沼倉さん・・SB69(レトリー)、進撃の巨人(車力の巨人/ピーク)など。
{/netabare}~

 声優のギャラはセリフの多さとは関係なく、その人のランクだって話を聞いた事がありますが、としたらこの作品の制作費は大変なことになっていそう。。

 いくつかの女性キャラが日笠さんの声に聞こえてしょうがないw
 

投稿 : 2024/06/08
♥ : 32

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

魔王の定義

この物語では魔物を中心に描かれています。
人間の醜い心が前面に表現されており、人間の欲望により、平和に暮らしていた魔物たちが被害にあいます。

国民の命を守るために、主人公のリムルは魔王になりますが、
リムルの定義する魔王は、私たちのイメージする魔王と大きく違っています。

リムルの定義する魔王とは…、
魔王国の国民の命を守り、国民を幸せにする責任者。
そして国民同士が傷つけ合うことの無いように目を光らせ、お互いに助け合うように日々指導します。
さらに国民が他国の兵隊や勇者から傷つけられたり殺されたりした場合は、容赦なく敵を叩き潰す実行力をもった者。
のようです。

でも、よく考えると、これが正しい姿なのではないでしょうか?

ロールプレイングゲームで、勇者は魔物と戦いますが、それは勇者が魔物たちのテリトリーを侵害してきたから戦うことになったのではないでしょうか?

確かに人間の欲望は、限りなく続きます。
それに引き換え、魔物の欲望は、空腹を満たされれば無くなります。
正義は人間側にあるのでなく魔物側にあるようですね。

そしてリムルは、皆から信頼される立派な魔王です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

89.8 4 師匠でファンタジーなアニメランキング4位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1057)
4366人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックにひかれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた! ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていくことを誓うー!ルーデウスを待ち受けるのは、ロリっ子魔術師、エルフ耳のボクっ子幼なじみ、凶暴ツンデレお嬢さま、そのほかのさまざまな人間との出会い。そして過酷な冒険と戦い。新しい人生が動き出す!

声優・キャラクター
内山夕実、小原好美、加隈亜衣、茅野愛衣、森川智之、金元寿子、Lynn、浪川大輔
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

テンプレートの潮流

スタジオバインド制作。

無職引き籠りの中年ニートが、
自動車事故により異世界に転生する。
そこは剣と魔法のファンタジー世界。
さてさて壮大な冒険となるのだろうか!?

なろう小説のパイオニアとのことで、
たしかにかなり古くから書店で見かける。
まさか、まさかの楽しさで参った。
そして色々と描写が生易しくはない。
主人公は端的に言って気持ち悪いが、
{netabare}前世の記憶や後悔がきっと糧になるのだろう、
そんな試練に直面しながら彼は行動していく。{/netabare}
エロ描写も露骨ではあるが想像の範疇ではある。

杉田氏のナレーションが抜群で、
絵の素晴らしさからも熱量を感じる。
今後、魅力的なキャラが参加すれば、
大河だけに長く楽しめそうではあります。

8話視聴追記。
下衆い演出は健在ですが進行は丁寧だ。
ルーデウスがボレアス家を訪れ3年が経ち、
{netabare}ここで大きな転機となる事件が発生する。{/netabare}

最終話視聴追記。
{netabare}光の渦に巻き込まれ魔大陸へ。
ヒトガミの助言に従い新しい旅が始まる。{/netabare}
主人公の成長とともに物語が安定してくる。
そこを個人的には寂しくも感じるが、
パイオニアとしての実力は疑いないでしょう。

分割クール後半、熱い展開に期待しています。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 66

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

全てにおいて、地に足のついた高品質

<2021/4/18 追記>
「無職転生」のネーミングのネタ元ってやっぱ「無想転生」なんですかね?
北斗神拳の究極奥義のアレ。
ふと疑問に思ったので。

<2021/3/24 初投稿>
原作未読。

なんでも「なろう異世界もの」の元祖なんだとか。
この作品が世に出て人気を博した為に
「自分も書けるのでは?」と続々と異世界転生・転送をプロットとしたなろう系作品が生まれたのだとか。
そう聞くと罪深い作品だなぁと思ったり 笑。

でも実はそんな予備知識なしに本作見始めました。
「また異世界なろうか。まあ、とりあえず1話見てみるけれども」
なんて緩み傾いだ心構えで見始めたら、おや?
作画、キャラ造形、演出、音楽、背景、そして物語全ての質がお高い!
それもしっかり地に足のついた感じ。

なにこれ?
と思って調べたら元祖だったということで納得・・・できない。
よくあるなろう系と比べてレベル高過ぎでしょ 笑。
後発組は流石に恥ずかしくないのかな?
と思ってしまうぐらい。

特に物語がしっかりしてるところが好みですね。
もし仮に、本当に死んで異世界に転生したら。
どのように感じ、
どのように反応し、
どのように順応し、
どのように楽しみ、
どのように苦しみ、
どのように変化し、
そしてどのように成長していくのか
そうした一つ一つがしっかり、現実感を持って描かれています。
その分、派手さは薄まってしまってますが、それが味なんだと。

声優は杉田智和のキョンのようなモノローグ。
これが妙にマッチしている。
もうこの人しかいないというくらいのベストマッチ。

OPEDの曲も好みですし、物語のアバンから繋がる毎話異なるOP映像も秀逸。
ARIAと同じ手法ですね。

キャラクターはいわゆる一般的にキャラ萌え(この娘が可愛いとか、このキャラが強烈に好きとかの意)しそうな人は見当たらないようです。
でもキャラは一人一人十分立っている。
「生きた」キャラって感じ。

なろう系異世界ものの中では「ログ・ホライズン」「本好きの下剋上」と並ぶ好きな作品になりそうです。
2期次第では。

セクハラ表現がそこかしこにあるのでそういうのがNGな女性にはおすすめできません。
つまり男子向け。

男子には無条件でお勧めできる作品です。

あ、でも。
2期以降どうなるかわからないけど、ハーレム・ラブコメ的な匂いはあまりしないので、そういうの求めてる方にはお勧め致しかねます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 61

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人は、「年齢を重ねれば勝手に大人になる」わけではない。(7月開始予定の2クール目にも期待してます!)

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

Web小説投稿サイト「小説家になろう」における、いわゆる「異世界」物の草分け的な存在だそうです。ということでアニメとしては後発ではあっても、物語として世に出たのは他のアニメ化作品よりは早いようですね。ただし私が原作を読んだのはつい最近の話ではありますが。

本作の主人公は転生時の年齢が34歳、他の似たような年齢の転生者たちの幾人かのようにブラックではあっても職を持っているということではなくニートです。

また十代の学生時代に異世界に転移したり転生したりしているわけでもありません。それだけ立場的に「やり直せるならやり直したい」という思いは真摯であろうと考えられますね。

ルーデウスが「子供の割には物をよく知っていたり理解力が高かったりする」一方で精神年齢的には必ずしも(現代日本の34歳に期待されるほどには)大人でなかったり、現実世界でそうであるようにパウロたちも子育てを通じて成長したり、またルディも自身の経験によってメンタル面も転生前よりも成長していきます。

そういったあたりの「メンタル面のリアリティ」という点では、本作は「なろう異世界」物の一言で済ませるにはちょっともったいない良い作品だと思います。

アニメ化範囲外ではあるでしょうが、終盤は駆け足気味ではあるものの遂には原作本編で一生を終えるというのも「なろう異世界」物としては珍しいんじゃないでしょうか。

作中の出来事のいくつかについては倫理的な忌避感を覚えたりいわゆる「サービスシーン」的な解釈で特に女性視聴者には嫌われる面もあるかとは思いますが、それでも私は「原作のストーリーは面白い」と思いますし、アニメ化のクオリティも高めだと思うのであえて本作はお薦めはしておきたいですね。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.2.22追記:
ストーリーの話ではないんですが…。

作画のクオリティが維持されていることがしばしば話題になる本作ですけど、本作の場合はそれだけじゃなくてプロップデザインがかなりちゃんとしていると思うんですよ。

特に6話、7話でのロア市街の描写とかエリスに勉強を教えているシーンとかそうですよね。自製フィギュアを売り払ったときに受け取った金貨が歪んていたりとか、本が高価なのも紙やインクが高いせいもあると思うんですが勉強のシーンなどで後に残さない計算練習や書き取りには書字板っぽいものが使われていたりとか。
(この世界にマインはいなかったけど、書字板は独自に作られたようです(笑))。

それにシリーズ構成的にも、各話の中にきちんと起承転結的なことが考えられていたり、一方で視聴者に疑問として残りそうな描写が後の話で回収されていたりとか良くできていると思います。

ストーリーについてはもちろん原作がある程度ちゃんとしているからなんですけど、ちゃんと物を考えられる人が作っている感じがしてとても好印象です。

2021.3.22追記:
1クール目最終話である第11話まで視聴終了。あにこれの通例に従うと分割2クールの場合は1クール目と2クール目は別登録になるはずなので、「観終わった」ということにしておきます。

プロップデザインの良さは魔大陸に入ってからも健在でしたし、ルディたちが常用していた「人間語」とは別言語である「魔神語」の設定や、その会話シーンで字幕を使用する演出も「人間語とは別の言語」という雰囲気や、魔神語がわからないことによる当惑や疎外感をうまく伝えていてとても良かったと思います。

タイトルで敬遠されがちなのかもしれませんが、アニメや漫画ばかり見ている層だけでなく、小説や映画を見る層にも親和性は高い作品なのかもしれません。

2クール目は7月開始予定らしいんですが、これだけのものを見せられたらもう期待しかありません。とても楽しみです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 60

70.9 5 師匠でファンタジーなアニメランキング5位
この素晴らしい世界に爆焔を!(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (310)
1059人が棚に入れました
紅魔の里――そこは、生まれつき魔力と知力が非常に高く、魔法使いとしての高い適性を持つ、紅い瞳をした紅魔族がすまう土地。 そんな紅魔の里には教訓がある。 「上級魔法を習得してこそ一人前。爆裂魔法はネタ魔法」 けれど、“魔法学園レッドプリズン”で学ぶ同級生たちが上級魔法の習得を心待ちにするなか、紅魔族の少女・めぐみんは、ただひとり爆裂魔法の習得のため勉学に励んでいた。 幼い頃に見た、あの光景に、あの人に、追いつくために―― これは、最強の魔法にあこがれた、一人の少女の物語。

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

やっぱりバランスって大事なんだなぁ~。

「この素晴らしい世界に祝福を!」シリーズでおなじみの“めぐみん”が主役のスピンオフ作品。

このすばシリーズはご存じの方が多いはず、いや、あにこれ見ている方は知らない方がおかしいくらいかもしれませんよね。
私が良く視聴しているアベマなTVでは、もう腐るほど回されている作品ですしw。

確かに、めぐみんはキャラとして立っていますし、かわいらしさもありますし、人気もあるんでしょう、ゆんゆんというオマケも否応なしに絡んできますし、華はありますからね。

ただ、この作品については、あれば楽しんで観ますが(いやwあるので観るんですけどw)、必須かというと・・・別にそうでもないような・・・。
本体エピソードでもいろいろとありますし、映画もありましたしね。
それだけ、人気だという事なんでしょうね。


私がこの作品を観て思ったのは、面白かったけど、やっぱりバランスって重要なんだなぁ・・・でした。

なにを隠そう、一昔前の私の座右の銘は「一番大切なモノはバランス、そしてバランス感覚だ」だったんですが、これはいろいろと社会にもまれる中で、自身のバランス感覚が正義ではない、中央にいると思ってもバイアスがかかったり、軸がずれたり、相手の事も考えて・・・などと「成長」をしていく中で、「絶対」のものではなくなってきているのですが、重要であるという事は変わりないという派閥に属しておりますw。

で、この作品単体でみると、悪くはなく、それなりだとは思うのですが、本体シリーズを知っている者としては、ボリューム不足というか、勢い不足というか、パワーダウンを感じてしまいます。
そして、個人的にはかわいさ加減では「ゆんゆん>>>めぐみん」でしたw今作では。
ストーリー回しでも、めぐみんは頑張っている感をすごく感じましたが、やっぱり、周囲のフォローが不足した感がありました。

本体シリーズのバランスの良さを再確認してしまいましたね。
な~んて、ハードルを上げると・・・来たる3シーズン目が大変そうですがw。


ダメじゃない、だめじゃないんです。
おもしろくない訳じゃない。
かわいくないわけじゃない。
裏のエピソードを知りたくない訳じゃない。

だけど・・・、本体シリーズってどんなだったけー、次作にどんなエピソード来るんだろーという思いを持ってしまう感じでしたw。
ああ、これってスピンオフとしては成功なのかもw

って感じでした。

決して、面白くなかったわけではないですよ、誤解だけはしないでくださいませ。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

めぐみんの作り方

このすばの人気キャラクター・めぐみんがカズマ達とパーティ組む前の話
作画がたまに気になるのと、めぐみん好きだけどやっぱりカズマ欲しいなー
ツッコミ役って大事ですね

めぐみんが爆裂魔法に憧れて、紅魔族の女の子が通う学校で学びながら爆裂魔法の習得に励みます

どうやらめぐみんの中二病でぽんこつなところは紅魔族の特性みたいで、友達も中二病なら先生も親も妹も中二病
戦闘で一番大事なのは「カッコ良さ!!」

つまりみんなボケです(ゆんゆん除く)

ツッコミ不在のままみんなでボケ続けるので
一人おどおどするゆんゆんがかわいい

わたしはお腹がいっぱいだからって嘘ついてこめっこに食べさせたり、体調が悪いって言って困っていたゆんゆんに自分のペアの子を譲ったり、なんやかんやで困ってる人を放っておけないめぐみんが良いですね

このすばファン以外にはオススメできないけど、めぐみんとゆんゆんが好きな人なら十分楽しめるスピンオフアニメ
楽しかったです!

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

めぐみんとゆんゆんの2人芝居

原作未読 全12話 「この素晴らしい世界に祝福を!」1期・2期視聴済

「この素晴らしい世界に祝福を!」のスピンオフ作品です。めぐみんの故郷である紅魔族の里からカズマとアクアに出会うまでのお話しです。

カズマ・アクア・ダグネスのパーティメンバーは殆ど出てきません。

そのかわりにめぐみんの親友であるゆんゆんとめぐみんの妹であるこめっこを含む紅魔族の人たち、そしてなぜかアクシズ教団の関係者たちが出て来ますw

カズマやアクアたちのパーティではツッコミ役のめぐみん、もっともなことを言っているようでちょっとズレていますよねw

ゆんゆんが結構フォローしていましたが、悪態をつく始末、そしてゆんゆんがツッコミするのですが、ちょっと弱いですw

「このすば」なので真剣なシーンはほとんどありせん。お気楽に観れますね。

ただ、本編と違い作画は崩れることなく綺麗に描かれています。爆裂魔法が綺麗でした。

本編3期の制作も決定しているので、箸休めに観るような感じいいのではないでしょうか。

OPは本編と同様、machikoさん、EDはめぐみんとゆんゆんの役の高橋李依さん、豊崎愛生さんが歌っています。

最後に、紅魔族みなさんは個性的な名前が多いですね。めぐみん、ゆんゆん、こめっこ、ふにふら、どどんこ、ねりまきなど、一発で紅魔族って分かりますよねw

投稿 : 2024/06/08
♥ : 24

65.9 6 師匠でファンタジーなアニメランキング6位
ラディアン(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (105)
471人が棚に入れました
トニー・バレントさんのマンガが原作で、魔法使い見習いの少年が、世界を救うまでの活躍を描いた冒険ファンタジー。友情や努力、絆、出会いと別れなどを通して少年が成長する姿や強敵とのバトルが描かれる。

声優・キャラクター
花守ゆみり、悠木碧、大畑伸太郎、朴璐美、小市眞琴、遊佐浩二、子安武人、山口勝平、吉野裕行、東山奈央、三宅健太、寺島拓篤、早見沙織、佐倉綾音、緒方賢一、木村良平、稲田徹、速水奨

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

NHK王道冒険ファンタジーの遺伝子は?

地上波夕方ヒロアカの後は逆転裁判…
えぇまたこれかと思ってたら

裏番組のEテレで放送

監督:岸誠二(瀬戸の花嫁、月がきれい、あそびあそばせ)

声優
主人公セト:花守ゆみり
ヒロイン:悠木碧
他、豪華声優人多数…

異世界魔法ファンタジーかな?王道アニメに期待です!


4話まで視聴
思った以上にゆっくりした展開、ようやくヒロイン登場&冒険スタートって所かな?
ヒロイン役に悠木碧さんだった理由が分かる回でした。
さすが何種類も声出せる悠木碧さんにピッタリのヒロイン設定。

私的にNHK冒険ファンタジーアニメで思い出されるのが未来少年コナン、ふしぎの海のナディア
NHK名作冒険ファンタジーアニメの遺伝子は引き継がれてるのかな?

視聴完了
最近では珍しい2クール近い話数なのに安定した面白さは流石、NHKでした。
意外と政治的な主張があったり、モダンファンタジーアニメだった。
ファンタジーの割りに若干ワクワク感が足りないのがマイナスかな…
それは今期残した謎を解決してくれる2期に期待。

主人公セトを演じた花守ゆみりさん、少年役に違和感なくって最大の発見かも。
色々声出せて多くのキャラ演じれるのは悠木碧さんと思ってたけど、花守ゆみりさんもこれから少年役増えそう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 21

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ユーロ・マンガ

フランス語圏の漫画の名称を「バンドデシネ」と言う。

英語圏は「コミックス」であり、日本語は「漫画」である。

フランスでは漫画は芸術として幅広く受け入れられ、アメコミはもちろんのこと日本の漫画もかなり読まれている。

中でも、フランスやアメリカで人気なのはアニメ調のデフォルメされたキャラクターが活躍する超能力モノであり、昨今はアメコミ映画ブームやアニメブームも相まって全世界的に人気である。

この「ラディアン」はそんなフランスのオタク(元々はバンドデシネ作家だった)トニー・ヴァレントが日本のアニメや漫画に影響を受けた形で制作された「ユーロ・マンガ」という新しいジャンルである。

内容は「ドラゴンボール」はもちろんのこと少年ジャンプ系の超能力や萌え要素などを取り入れてかなり最近のマンガに近い作りである。

ヒーローアカデミアなどのアメコミ系漫画作品やマーベルの人気により、さらに拍車のかかる世界的オタク化の流れが顕著になっている。

日本の声優が増えたことや、ハリウッド一流俳優や監督がこぞってアニメや漫画原作の映画を撮るあたりに、世界的な流行の最先端としてあるのかもしれない。

1、2話視聴:岸誠二監督作品だそうで、「あそびあそばせ」から考えるとスムーズな王道少年漫画への移行だといえる。ギャグ作品をいくつか受け持つことで少年漫画における児童向けの「ギャグセンス」を大の大人が描くにはあまりにも拍子抜けしてしまうところを補おうとしたんだろう。
原作はそこまでギャグマンガしていない(やはりそこは欧米人だからかもしれないが)ので、ほどよく子供向けにさじ加減している。ただ、原作が好きだという人にはかなり悪態を突く可能性はあるかもしれない。

13話まで視聴:後半でヨーロッパで今実際にある魔女狩り、移民排斥運動、ポピュリズム政治に対しての批判を盛り込んでいるのでタイムリーな作品になっているところも良いと思います。

21話視聴:NHKは本当に良い仕事してると思う。ちゃんと第2シリーズ制作は決定していて、打ち切ることなく、アニメ会社にとっても非常に良心的で波に乗る形にしてくれている。さすがに民放とは違って視聴率で左右されないのは作り手として安心感があるだろう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

その手でつかみ取るのは未来!

この作品の原作は未読です。
オープニングの最初に「原作:トニー・ヴァレント」とテロップが出るので、どんな方かと思っていたら、フランスの漫画家さんみたいです。
作風に西洋産のイメージが感じられなかったので、てっきりメイドインジャパンかと思っていました。

アニメーション制作は、「機巧少女は傷つかない」「クズの本懐」「あそびあそばせ」などを手掛けたLercheさんで制作はNHK…
安心感が感じられる組み合わせだと思います。
そして極めつけは監督が岸誠二さんだということ…

岸誠二監督とLercheさんって、ここ5年間くらいに結構繋がりがあるんですよね。
「ダンガンロンパ」「ハマトラ」「暗殺教室」「乱歩奇譚」「あそびあそばせ」
これだけ一緒に作品を作り続けている間柄だから安心感が感じられるのかもしれません。

「災いをもたらす怪物、ネメシス…この危険な敵に立ち向かえるのは魔法使いだけ。しかし、魔法使いもまた人々に「穢れたモノ」と恐れられていた…」
この決まり文句で始まるこの作品の主人公は、セトという一人前の魔法使いを目指し女魔法使いアルマの下で見習い修行をしている少年です。

彼は行く先々で問題を起こすトラブルメーカーなので、周りから厄介者扱いされてきました。
そんな彼がある日、偶然空から降ってきたネメシスの卵を割って目覚めさせてしまったんです。
ネメシスを倒せるのは魔法使いだけ…
ですが、ネメシスの想像を絶する強さにセトは全く歯が立たなかったのです。

魔法使いと普通の人間は分かり合えないのは世の常…
ですが、全ての魔法使いを悪者にさせないため、伝説の地ラディアンに赴き、元凶であるネメシスの巣を掃討することを決意するのでした。

セトはこれまで、アルマに育てられてきました。
けれど、自分で行くと決めた道は自分で切り開かなきゃいけない…
だから、セトが冒険に旅立つという事は、もうアルマに甘えられないということ…
そしてそれはアルマも一緒です。
あちこちで問題ばかり起こすセト…
でもそれは必ずしもセトが悪いからだけじゃない…
魔法使いであることを理由に迫害を受けた結果でもあるんです。
だから、アルマはセトを育てると同時に守っていたんです。
突然やってくる親離れと子離れ…
身体と心の反応が異なるのは、お互いが大切でかけがえのない存在だったから…
こうして誰もが一度は通る道をセトとアルマが駆け抜けて、彼らの壮大な冒険物語が動いていきます。

物語はバタバタとした冒険活劇なのですが、常に見え隠れしているのが普通の人間による魔法使いへの迫害です。
確かに人間は異端分子に対して恐怖を感じます。
でも、少なくても命の恩人だったり仲間だったらその風当たりが無くなるのが常識だと思っていました。

でも時に、この物語ではそんな常識は一切通用しなくなるんです。
昨日まで仲が良かったのに…腫れ物に触ったからといって掌を返すかのような態度が平然と行われているんです。
魔法使いが迫害されるのは異端だから…と思っていましたが、もしかするともっと違う理由があるのかもしれませんね。

性格的に合う、合わないや好き嫌いがあるのは仕方の無いこと…
でも、ヒトとしての限度や節度を守るのも必要な事だと思うんですよね。
だから視聴していて痛みを全く感じない作品ではありません。

それでも視聴を続けるのが苦じゃない理由は、主人公のセト、ヒロインのメリが常に気丈だから…だと思います。
途方もないくらい…想像もできないくらいの迫害を受けて、普通の人間には恨みしか持ちえない魔法使いにだって、セトの真っ直ぐな声は届くんですから…
きっと迫害を受けていない魔法使いなんて、ただの一人もいないのでしょう。
けれど真っ直ぐなセトの声は魔法使いの凍った心を甘やかに溶かしていくんです…
その流れは受け止めるべき結末をも変えるほどの勢いになって押し寄せてくるんですけどね。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、04 Limited Sazabysさんの「Utopia」
エンディングテーマは、ポルカドットスティングレイ「ラディアン」
俄然格好良いのがオープニングです。
でも個人的に心に響いたのは、ハーメリーヌ(内山夕実さん)の挿入歌「君の未来」でした。

2クール全21話の物語でした。
起用された声優さんについて一人だけ…
主人公である少年セトを演じたのは花守ゆみりさん…
少年役を演じるのは初めてだったのではないでしょうか。
花守ゆみりさんといえば、真っ先に頭に浮かぶのが「ゆゆゆ:三ノ輪銀」「ゆるキャン△:各務原なでしこ」と現在2019年冬アニメで放送中の「エガオノダイカ:ユウキ・ソレイユ」ですが、セトを含め、全くイメージの異なるキャラばかり…
本当に演技の幅の広い声優さんだと思います。

物語はこれから新天地へ…というところで終わりますが、既に続編の放送が今年の秋アニメで放送されることが発表されています。
首を長くして秋を待つだけですね♪

投稿 : 2024/06/08
♥ : 13

69.7 7 師匠でファンタジーなアニメランキング7位
RDG レッドデータガール(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (1098)
5480人が棚に入れました
「普通」になりたい少女の願いが、未来を変える――
善も悪もない、新たな学園ファンタジー!
世界遺産に認定される熊野古道、そこにひっそりとたつ玉倉神社。
鈴原泉水子は、神社の宮司である祖父に育てられ、外の世界をほとんど知らない。
長いお下げ髪、めがね、引っ込み思案。
泉水子がさわるとパソコンも携帯もなぜかフリーズしてしまう。
「もっと、普通の女の子になりたい」
周りと違う自分に悩んでいた、そんなある日、
幼なじみの相楽深行が玉倉神社に現れて、泉水子の通う中学校に転校してくることに……
泉水子自身もまだ知らない大きな運命が、静かに動き始める!

声優・キャラクター
早見沙織、内山昂輝、米澤円、石川界人、木村良平、福山潤、釘宮理恵、野島裕史、ブリドカットセーラ恵美、石田彰、朴璐美、井上和彦
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

事件は唐突に……

原作未読。
「花咲くいろは」と同じ、岸田メルがキャラ原案、P.A.WORKSが制作ということで話題を呼んだ作品。
期待通り、絵は非常に綺麗でした。

不思議な力を持った、主人公の内気な少女、鈴原泉水子(すずはらいずみこ)の成長物語。
陰陽道、修験道、忍法といった、日本古来の術式と、現代技術を組み合わせた和風ファンタジーです。


正直に申し上げますと、唐突過ぎます……。
世界観は広そうですし、伏線らしきものも大量に巻いていますが、まるで回収する気配がない。
投げっぱなしで、どんどん先へ進んでいきます。
{netabare}
あれだけ隠れていたゆかりこさんは突然現れるし、真澄はいきなり泉水子のことが好きになるし。
姫神も結局のところ、どれだけの力を持っていたのか分からないし……「やばいやばい」とだけ連呼されてもいまいちピンときません。
かろうじて、何度も人類滅亡という歴史を経験し、その未来を変えたいという願いを持っていることが分かったくらいです。
{/netabare}

また、設定がややこしいこともあって、内容を追うのが精一杯。
さらに、短い話数に内容を詰め込んだせいか、かなりの廃ペース。
(こころなしか会話も高速だったような……)
おかげで、キャラクターに感情移入している暇がありません。

主人公の泉水子は、自分の力や、周囲のことを何も分かっていません。
そこから脱却すべく成長していくのですが、ごめんなさい、私は成長できませんでした。

そしてそのまま迎える最終回。
「え? これで終わり???」
というのが率直な感想。
最後の最後まで唐突です。

しかし、よく考えれば各話にヒントがあったんですよね。
そして、テーマでもある。
{netabare}
「はじめての○○」というタイトル。

つまり、この物語は「始まりに至る過程」を描いたもの。
世界観が明かされたり、伏線をきっちり回収するのはコンセプトに反しています。
だから、何も明かされないのは、正しい終わり方なんです。
{/netabare}
でもね、さすがにあのラストはもやもやしますよ。
キャラクターに共感する暇もなかったですし、ただ単に綺麗な映像作品を見ていた気分です。

こういうアニメだと分かっていたなら、最初から泉水子の感情だけに集中して視聴したのに……。
必死に世界観を理解しようとしていたのが徒となってしまいました。

言ってしまえば、ファンタジー部分はおまけみたいなもんですね。
これから視聴予定の方は、主人公の成長物語と考えて、行動や感情に焦点を当てたほうがいいと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

何という適当シナリオ・・・だが、嫌いではない巫女ヒロイン怪奇もの

ラブコメ作品につきものの巫女さん少女ですが、多くはサブ・キャラで、本作のようにメイン・ヒロインを務める作品は珍しいと思います。

P.A.WORKS制作で、シナリオ構成が横手美智子さん、ということで割と期待して見始めた本作ですが、全体を見終わって、ストーリー自体は・・・かなり微妙でした。

ただ、{netabare}怪奇シーンが色々出て来ても、シリアスになり過ぎず程々のところで切り上げる脚本{/netabare}は、迫力不足とも言えますが、軽く流し見するにはちょうど良い塩梅だった気もします。

最初は{netabare}パッとしなかった超内気なヒロインと、彼女にイラついてばかりのイケメン君の二人が、終盤は互いにちょっとばかり成長して、仲も進展した{/netabare}のは、結構微笑ましくて良かったかも。


◆まとめ

P.A.WORKSのつくり出す、どこかしら透明で不思議な雰囲気が好きな方ならば、そこそこ楽しめる作品ではないでしょうか。


=========== RDG レッドデータガール (2013年4-6月) ============

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

{netabare}第1話 はじめての転校生 ☆ 外津川中学3年の春、幼馴染の転校生
第2話 はじめての手のひら ★ 東京への修学旅行、姫神の憑依
第3話 はじめてのお使い ★ 山の神霊、泉水子の舞い、鳳城学園へ
第4話 はじめてのルームメイト ★ 鳳城学園入学、式神使い
第5話 はじめてのお化粧 ★ 神霊と式神の差、姫神再び憑依、滅びの警告
第6話 はじめてのお泊まり × 夏の戸隠旅行(戸隠神社、宗田家)、真響の苛立ち
第7話 はじめての迷子 ☆ 続き、第6-7話はストーリーが明らかに説明不足
第8話 はじめてのお願い ★ 泉水子の舞い、九頭竜大神、紫子(ゆかりこ)登場
第9話 はじめてのお披露目 × 八王子城、姫神の自分語り 
第10話 はじめての学園祭 × 泉水子の心霊体験、高柳の仕掛け
第11話 はじめての拒絶 ★★ 泉水子覚醒 
第12話 世界遺産の少女 ★{/netabare} 


オープニングテーマ「スモルワールドロップ」Annabel
エンディングテーマ「予感」伊藤真澄

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

何もかもがはじめての出来事のお話

原作未読。全12話

赤い眼鏡掛けおさげをした可愛い主人公 鈴原 泉水子は特別で不思議な力を持っている女の子、無愛想な相楽 深行と出会い、そして色々な出来事が起こる学園ファンタジー作品

P.A.WORKS制作&岸田メルさんキャラ原案ということで思い出すのは「花咲くいろは」ですね。

作画や雰囲気はは文句なく素敵です。

始まりの章って感じでしたね。色々と分からない事が多い作品です。

OP/EDともにふんわりした不思議な感覚の曲でした。

角川文庫創刊65周年記念作品というのであれば、せめて2クール放送してほしかったですね。

「続きは角川文庫で!」ということのないように続編をお願いします^^

投稿 : 2024/06/08
♥ : 40

75.6 8 師匠でファンタジーなアニメランキング8位
新 HUNTER×HUNTER(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (960)
4664人が棚に入れました
くじら島で暮らす少年・ゴンの夢は、幼い頃に別れた父と同じ「ハンター」になること。世界中に散らばる、財宝、秘宝、珍品、珍獣……「未知」への挑戦に命を賭けるプロハンターになる決意を胸に旅立つゴンは、同じハンター試験合格を目指す受験生のクラピカ、レオリオ、キルアと出会う。超難関で知られるハンター試験を見事突破し、「世界一のハンター」になれるのか!? ゴンの奇想天外、壮大苛烈な冒険の旅が、今始まる!!

Nagi* さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

完結!全話制覇~っ\(^o^)/

前作のHUNTER×HUNTERに作画力を加えたこの作品。

完走するまで長かったー!!
たまーに話が進まないことがあったり
一気にキャラ増えたりと、大変だったけど
やっぱりオモシロイですよね。

ゴンのひたすら真っ直ぐな心と
一緒に成長していくキルアのコンビが
魅力的だからこその面白さだと思いました。


▶音楽
子供でも楽しめるようになっているせいか
BGMに幼稚っぽさを感じることもあったなあ。
でも、OPやEDはいつもアニメに合ったもので高評価!

▶物語
キメラアント編を加えるだけでなく
所々、ストーリーの修正が入ってたので
2度美味しいっ(^o^)的な、ね(笑)
最後まで見てよかったなと思えるラストでした。
旧作の方が好きだという声も多いですが
キメラアント編を楽しめる点では新作の方がオススメ◎
これまでにない激しいバトルやグロさが加わり
子供が楽しむHUNTER×HUNTERから
シリアスで大人向けのHUNTER×HUNTERへ…

▶キャラ
キメラアント編での新キャラ追加で
更に物語に深みが増しました。
ゴンが父親に会えるかどうか旧作で描かれてなかったので
そこに至るまでの過程が見られてよかった。
最後まで見た人にはちょっとした種明かしがありましたね!
キルアの執事が…www

▶声優
旧作と新作ではキャストに変更がありました。
が、これについては個人の好みなので
どちらが優れているということはないと思います


1話から見るのはちょっと…という方は
旧作を見ているのであればキメラアント編だけでも
見る価値があると思います♩

投稿 : 2024/06/08
♥ : 30
ネタバレ

plm さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「心」

 ふと気になって蟻編を観ていたら、これがなかなか素晴らしかった。
朝アニメから深夜枠に移動したことが大きいようで、ハンターらしい緊迫感のある演出が叶っていた。

この新アニメは、蟻編を続けて観ることができるというだけでとても価値のあるものに思えてきた。
原作は蟻編の頃に休載が相次いでいて、1つのシーンから数ヶ月単位で続きが読めないことも多々あり、
そんなに時間が空くと、話の前後関係も記憶に曖昧になってしまっていた。

今回蟻編を続けて観ることができて、本当に話がよく練られていたんだということを思い知らされた。
正直、蟻編はアニメとしても万人に勧められる出来だと思う。名場面だらけで息をつく暇もない。

■ツウカイ×ナ×タタカイ
 敵との力量差、能力の見せ方、戦闘の駆け引きをここまで上手く描ける作者はそうはいないだろう。
ユニークな能力や、個性豊かなキャラクター、印象に残る語感のいい技名、そういったものも見せ所。
けれど、それらを駆使した上で最後に行き着くのは心情描写。心の内を明かしてゆく。

蟻編は、キメラアント(虫)討伐を題目にしているが、それは単なる化け物退治に納まらず、
巧妙に"人の感情"というものを絡めてくる。意思の介在しない動物の殴り合いでは物語として面白くない。
物語が最も面白みを持つのは、やはり「心」が絡むときなのだろう。

■核はあかんでしょ
{netabare} キルアvsイカルゴ戦であっても、ナックルvsユピー戦であっても、
パームとキルアの衝突のときも、そして王とコムギの対局の中でも、
この蟻編で描かれていたのは人情、キメラアントという種族の枠を越えた「人の情」であったと思う。

絶対に相容れない立場であると思いつつも、自身の力をぶつけ合った相手ならどこかで理解し合える。
そんな敵対と共存の両方をちらつかせ、蟻と人との境で揺れ動くキメラアントたちは、表裏一体!

けれどそうして、ユピーが仁義的境地に至ったりナックルが人情道を繰り広げる中、
ネテロ会長(人類側)が下した結末は、化学兵器を使い毒に至らしめ殺戮すること……。

核はあかんでしょ……。
殊のほか少年漫画で、いや少年漫画だからこそ、これを感じさせられる。
王とネテロの境遇や研鑽し積み上げてきたものの力と力のぶつかり合い、どんな結末を迎えるんだ!?
そんな少年漫画的熱い展開をぶち壊しにする、この別種の道具。
無慈悲で無価値で無感動で 結果を残すためだけのもの。そこにはなんの人間性もない。
大量殺戮兵器の「それを使ってしまってはお終いだ」という非道さが嫌になるほど際立つ。

いつも何かといい回答を出してくれるゴンも今回ばかりは「もうこれで終わってもいい」との決意のもと、
負の感情に呑み込まれてThis way.. FIRST COMES ROCK.. ボという苦い結末を迎えることに。

蟻の中にある人間性と、人間の中にある悪意が対比されるような構造になっていたために、
後半では蟻側にどうしても心情が寄ってしまって、うるうるきてしまったね。
異なる種との対決は、どちらが淘汰されるか争いなしでは語れない難しい問題だった。{/netabare}

あ、ピトにゃん可愛かったです。


▼You can't smile!
 ~52話で途中断念した辺りまでの感想 不満点が多い。
{netabare}これを見始めたころ比較しようと思って旧作の方をみたら、やっぱり旧作の方が忠実だし雰囲気でていた。
新版は全体的に描写が甘口になっていて、ハンターの殺伐とした世界を表現するには残念。
でも作画は綺麗だし、久しぶりにやっぱりハンター面白いなーと見るには良いもの。
どこまでやるのかな、ゴンさんでるのかな、と楽しみ。

----------------------47~ クラピカ編一区切りついて----------------------------
比較動画みたりなんかしたのでちょっと追記。
新は"分かりやすさ"を意識して作られているようで、戦闘描写にせよセリフにせよ、凄く丁寧。
でもその反面、細かい描写や連続した動作のリズムが損なわれてしまっていて、大ゴマざっくりな感じ。

一方、旧は"物語の雰囲気"、"キャラの個性"を重視して作られているように思う。
雰囲気の醸し方、戦闘の緊迫感は圧倒的で、演出は複雑な心境を見る側に想像させる。
その分セリフが早口だったり、どんな技なのかが分かりにくかったりする。

アニメの見易さ 新>旧
物語の演出とかキャラの表現 新<旧
て印象、でももはや旧より新の方がちゃんと見てるので、しっかり比べられてないけど。

新のOPEDが嫌いとかでないんだけど、(OPはずっと聴いてたら好きになった)
使い回しBGMをどんな場面にも入れてくるので、急展開でも普段通りな感覚になってしまう残念さ。

----------------------52 クロロvsゼノ・シルバ----------------------------
この回はハンターの中でも屈指の強キャラ対決で、戦闘描写にしても緊迫感にしても名シーンなわけだが、
うわーん残念だった。まず舞台明るいし!緊迫感のないぐだぐだ戦闘、相変わらず空気読まないBGM
そしてあの切り方はない……あそこを引きにしても意味ないよおお。
物語の流れとか意識してない、パターン化と話の消化ばかりの完全に子供向け作品になっちゃってた。
もはや惰性で見続けてるなぁコレ……。

(中途断念)

久しぶりにちらっと見るとOPが未だに変わってなかった いつまでYou can smile!してるのかwww
最後まで(OP変えることを)あきらめないつもりなのか・・
やり続けることに・・必ず意味が・・ある・・のか・・

ハンターは編ごとにテーマや目的を一新して物語を転換して常に新鮮味を与えてくれるのに、
新ハンターはOPすらずっと同じままで子供向け化させられているのは残念だなぁ・・
映像はキメラアントの禍々しいオーラでてるのにあのOP合わなすぎだろう {/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 20

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キメラアント編以降はよく頑張った方

あとは見てません(笑)

まあ、ハンターハンターのファンだったらキメラアント編のアニメ化が見たくて見ていたものでしょう。

リメイク、リブートしたアニメって考えてみたら、これと「鋼の錬金術師」ぐらいですね。(あとベルセルクか。。)

今、また連載再開されましたがベルセルク並みの遅さはあれだけの構成を考えるのは一人じゃ到底無理で、普通「約束のネバーランド」みたいに作画と原作分けます(笑)

尋常じゃないことをやっていると思ったほうが良いでしょう。

普通の漫画家は、「キャラクター」を立てるために「物語」を作りますが、「ハンターハンター」や「鋼の錬金術師」は、「物語」のために「キャラクター」を配置しているんですね。そこが一番の要です。実社会においても、「人間」個人が主体で社会を形成しているのではなく、「社会」に「人間」がいるわけで、人間の主体の「擦れ」「や「溝」を描いているところがほかの漫画家より数段クールな訳です。家族だろうが、恋人だろうがみな他人でしかないってなわけですね(笑)

文学とは、それを読むことによって自分自身を見つめ直す装置なのです。人間、無謬だと思ってる人も多いわけですから。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19

80.8 9 師匠でファンタジーなアニメランキング9位
魔法使いの嫁(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (969)
4360人が棚に入れました
羽鳥チセは15歳の少女。
彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。
ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。

そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、
異形の魔法使い・エリアス。
自然と寄り添い、悠久の時を生きる魔法使いの暮しの中で、
チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく…。

これは、世界の美しさを識る為の物語。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

夜の愛し仔

WIT STUDIO制作。

身寄りもなく生きる希望も術もない、
15歳の無口な少女、羽鳥チセ。
彼女を闇の競売会で買ったのは、
人為らざる魔法使いエリアスエインズワース。
魔法使いの弟子として、将来の花嫁として、
彼女の英国での生活が始まる。

前日譚である、OVA「星待つひと」では、
エリアスのキャラ造形に適度な緩さがなく、
堅物であまり好きになれませんでしたが、
こちらではコメディ演出もあり好感が持てそう。

魔法使いとして大きな資質を持つチセ、
{netabare}それゆえに迫害を受け無気力になる。
自然と寄り添い、幻想世界の住人と交流することで、
彼女が生きる活力を取り戻した時、
世界は美しく見えるのかも知れません。{/netabare}

魔法が日常の中にそっとある、
幻想世界が私たちの世界のすぐそばにある。
このアプローチがほんとに素敵です。

最終話視聴追記。
{netabare}中盤あまり動きがなく停滞した印象ですが、
静かな世界観を壊すことなく、
過去と向き合い、それを乗り越え、
人生を、自然の摂理を教わるのです。
最後は前向きに終わり良かったと思います。{/netabare}

よくある魔法使いものとは違い、
どこか文学的な香りがする作品です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 103

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まあ、エリアスったらウッカリさん(笑)!→ 気に入りました。でも世間でウケるかどうかは知りません…。原作コミック第10巻(「学院編」開始)発売中!

……エリアスの「ウッカリ」がシャレにならないレベルでチセの危険が危ない!

もうちょっと、何とかならんのかいとツッコみたくなるレベルの序盤4話なのですガ・ガ・ガ…。

ちなみに同タイトルのマンガが原作です。アニメ化前から書店店頭で見かけていて気にはなっていたのですが、未読のままアニメ視聴開始。

「この世のもの」ならざるものまで見えてしまう少女羽鳥チセと魔法使いエリアスとの出会い、それは人身売買オークションであった…。

なかなかショッキングな導入で始まる本作品ですが、世界観は素晴らしいです。というわけで、レビュータイトルの「ウッカリさん」だけにはツッコまざるを得ませんが、とても楽しみに毎回観ています。

また、詳しいレビューは(たぶん)視聴終了後に。

2018.3.26追記:
3/23の時点でMXで最終話の先行放送があり、そちらで視聴完了でした。

結果的には原作漫画を全巻読むことになり今後も最新巻を追おうという気持ちになるくらいまで気に入った作品です。原作が女性作者ということもあるのでしょうが、絵柄的には少女漫画寄りでアニメのキャラクターデザインもそちらに準拠したものでした。私的には大変好みの絵柄です。

物語の構造的には『夏目友人帳』などとも類似点はあるんじゃないでしょうか。「見える人」と「人外」の交流という意味でも、「見える人」に対する理解がある人(本作品では魔術関係者)がいるという意味でも。

結局最後まで「チセの危険が危ない!」(笑)展開は変わることがなかったのですが、その中で毎話微妙に変わっていくチセとエリアスのお互いの相手に対する心情みたいなものが本作のウリだと思います。

なので、おそらく「少女漫画的素養」を持っていないと本作を楽しむのは難しいでしょう。なので、爆発的な人気になったりはしないと思うのですが、原作の方は「学院編」などの新展開を予定しているみたいなので、地味に長く続いていきそうな気はします。

2018.3.27追記:
ふと思ったのですが、チセとエリアスの距離感って恋愛結婚よりはお見合い結婚の夫婦の感じに近いのかも…?

共に暮らすことで生まれる愛もある。

2018.11.29追記:
今更ですが、9/10にコミック第10巻(学院編: アニメの続き)が発売されています。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 72
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

イングランドで魔法という安心感

<2018/5/13追記>
先日よーやく観終えました。

後半の感想を一言で言うと
「腕がゴッドハンド洋一」

全般的には良かったです。
{netabare}ダメ人間(ダメ骨頭?) {/netabare}のエリアスを
結局気がついたらチセが{netabare}尻に敷いてる{/netabare}というか。

大団円なんだろうか?
よくわからないけどあの{netabare}花嫁姿{/netabare}は少し泣けました。
これは{netabare}娘の嫁入りを見守る父{/netabare}の気分か?

個人的には前半最後の{netabare}火の鳥{/netabare}になって帰って来るとこが1番!!!

良作だと思います。

<2017/10/15初レビュー>
原作未読。
今期期待の作品の一つでしたが今のところ期待どおり。
魔法が魔法っぽいところが良いですね。
ヨーロッパの御伽噺な感じのところは好みです。

{netabare}オークションに出品された{/netabare}日本人の少女チセが犬の頭骨みたいな頭の魔法使いエリアスに{netabare}500万ユーロで競り落と{/netabare}されるところから物語は始まります。
エリアスがチセを{netabare}落札{/netabare}したのは{netabare}弟子兼嫁{/netabare}にするため。

これから面白くなりそうな雰囲気が満載です。

ところでなんとなくですが赤髪の白雪姫を思い出しました。
他の方も書いてますが、チセは白雪をとことんネガティヴにした雰囲気。
髪が赤いというのもありますが、物語全般に漂う「お姫様と王子様」感が・・・。
これからの展開次第なのでしょうが1話を観た印象は「魔法使いの白雪姫」でした。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
魔法が黴臭く感じるところ、好きです。
お話もお姫様的なものだけではなく、成長を描いているような。
そういうところも好きです。
何よりやはり雰囲気が好み。
今期は豊作です♪

<2018/1/2追記>
2クールの折り返し地点ということで追記です。

次回予告気になりましたね。
チセがエリアスの手の届かないところに行ってしまうかのような前フリがなされてました。
感覚的には「会社の後輩の女の子の面倒をたくさん見ていろいろあって{netabare}その子と社内結婚したはいいけど気がついたら俺より出世{/netabare}してるやんΣ(゚д゚lll)」という感じのせつなさでしょうか?(異論は認めます)

まあ、あのままだと{netabare}恋愛{/netabare}というより唯の{netabare}共依存{/netabare}という感じもしますし、ここら辺で大転回は望むところです。
年明けから期待大です。

ところで予告のチセの手。
モンスターエンジンのゴッドハンド洋一みたいになってましたけど大丈夫なんでしょうか?笑
まさかチセがこないだおじいちゃんの蔵でブレスレットを見つけたわけではないと思いますが。
なんか重いことあったんでしょうね。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 60

88.6 10 師匠でファンタジーなアニメランキング10位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (730)
3138人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓う。フィットア領転移事件で魔大陸に転移後、冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。ルーデウスは「魔界大帝キリシカ」と出会い新たな力を手に入れる。魔力災害に巻き込まれた家族や仲間の行方はー。「人生やり直し」ファンタジー、再始動!

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

真摯な異世界転生

<2021/11/17 初投稿>
原作未読。
前期同様リアタイで視聴してます。

相変わらずアニメーションのレベル高いっすねぇ
それだけで見る価値あろうというものですが。
もちろんそれだけではない。

というわけで今回改めて思ったことを少し書いてみます。

なろう系異世界転生モノの原点であり原典というべき本作。
ここまで視てコンセプトがはっきりしてるように感じられてきました。

それは
「前世で生き方をしくじった主人公が、
しくじりと真正面から向き合い、
異世界で授かった新しい生で同じ轍を踏まないよう
真摯に生きる」
というもの

そのしくじりは普通なら直視できないようなあまりに痛々しい、情けない自分。

「◯◯は死んでも治らない」とは言いますが、
「死んで生まれ変わったらやり直せた!」
と最後言えるような物語なのではと。

人生に絶望した人が本当に人生をやり直そうとしたらこうなるのか、と思えるような。
そうしたテーマに真摯に取り組んで生まれた作品なのかもですね。

<2021/11/30 追記>
20話爆笑しました。
せっかく16〜18話で感動したのに
俺の感動返せ 笑

そして今日のYahoo!ニュースに
「<無職転生>ロキシーのフィギュアがフィギュア化」
って記事が!
「フィギュアがフィギュア化」ってこれまたメタなw
やはり腕は3本あるんだろうか?w

<2021/12/21 追記>
最終回まで見終えました。
良いラストでしたね。
3期が見たくなる。

物語の楽しみ方には大きく三つあると思います。
一つは登場人物に感情移入していく
二つ目は俯瞰的に見る
三つ目は感情移入と俯瞰をなんとなく使い分けながら見る

でも結局俯瞰だけ、ということは少なく、大なり小なり誰かに気持ちを入れ込んで見ていくことが多いと思います。
全く誰にも感情移入しないのは難しい。
つまり一か三。

本作の場合、やはりルーデンスになったつもりで見ていくのが王道。
そこで問題は前世の男。
ルーデンスになった気持ちで見ていくと突然この男が現れる。
まるで自分の嫌な過去を見せられたような気分になる人もいるのではないでしょうか。
そう思わせてしまうってことは、それだけ上手く作品を創り上げてるってことなんですが。
でも、自分の嫌なとこ見せられたような錯覚を覚え、これに我慢できない人はこの作品を生理的に受け付けられなくなるかも。

なんてことを考えてしまいました。

ざっくり言えば、嫌なことに正面切って向き合ってますよね。
私は本作のそういうとこ好きなんですけど。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 68
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三十四にして立つ

原作未読


第1クールめ11話から続く第2クール全12話。#12~#23とありまだまだ続くようです。
一区切りつけてはおります。ものすごく盛り上がっての手仕舞いではなく“to be continued”感薄め。おそらく次が約束されてるからかもしれません。正々堂々とぶつ切りしておりました。
例によって先発でもクローザーでもない目立たない中継ぎポジション。ゲームを壊さずに繋げられるかどうかであれば合格。1クール目のMY評価は『3.9点』にしてますが2クール目はそれよりも高めにつけてることでお察しくださいませ。

 ① ヒキコニート / 勤め人or通学してる学生
 ② 無条件で強い / 強いのに理由があるor弱い 
 ③ 女に囲まれる / それなりにいる
 ⓸ 難儀しない  / それなりに苦労する
 ⑤ 元世界を黙殺 / 元世界との繋がりを意識 

こちらは1クール目のレビューにも載せた“異世界転生もの”評価軸です。①左側ヒキコニート以外の②③⓸⑤は全て右側であることのもの珍しさと丁寧な仕上げを好感したわけでして、今回もしっかり踏襲。

 ①{netabare}出オチネタで話数を重ねるごとに薄れてくかと思いきやところがどっこい{/netabare}
 ②{netabare}前半で魔術等の個人の成長過程を今回後半ではチームマネジメントを試行錯誤{/netabare}
 ③{netabare}シルフィエット(CV茅野愛衣)・ロキシー(CV小原好美)・エリス(CV加隈亜衣)と駒揃ってるけどハーレムと思わないのでは?{/netabare}
 ⓸{netabare}死にかけるしやらかすしとにかく失敗する。こっそり似たような間違いも繰り返している{/netabare}
 ⑤{netabare}むしろ今回の後半で濃度増してるのでは?{/netabare}

野球でいうところの6回か7回かはたまた8回かは原作読んでないので現在位置掴めてはおりません。しかしながら終盤に向けたゲームプラン通りに進んでいる安心感があります。
ここでやっと中身の話。魔力災害起因の転移事件により魔大陸に飛ばされてエリスとルイジェルド(CV浪川大輔)とパーティ組んで冒険始めてからの続きが今回の2クール目なんですけど下心あったら、飛ばされ前後に1クール目のピークをもっていきそのへんでちょうど11話使いきる気がします。
そんなことせず3人パーティがそれなりに機能している状態から2クール目はスタートしておりその3人パーティが一区切りつけるまででトータル2クール使いました。多く言わんでも次やる気です。
及第点でしょう。続編に期待。




※ネタバレ所感

■次に向けての備忘録

{netabare}・実はルーデウス諸悪の根源説
 魔力災害直前に刺客みたいなの現れてケモミミとやりあってたり、ツダケンさんに殺されかけましたし、そんでもってその刺客とツダケンと並列のショットで抜かれたのが魔眼持ちのキシリカ(CV井口裕香)だったので今はロキシーと道中共にしてるけどルーデウスと対峙するのかも。さらにルーデウス起因だとしてそれを知った時のパパンの反応も好ましくなることはきっとないのよね。{/netabare}

{netabare}・おかんが不穏
 そのキシリスの魔眼で覗き込んだらよくわからんが生きてるとのこと。しかも闇深い不穏なイメージ。由緒正しい家柄の娘さんだったと思うし、その血筋を触媒にして魔に取り込まれ乗っ取られラスボスとして登場とかしたら悲しすぎる。{/netabare}

{netabare}・導かれし者たち
 最終話にシルフィ出てきてた。エリスがルーデウスへの恋心を自覚した。{/netabare}



※よもやま話

■始祖にして至高 または 原点にして頂点

連載開始2013年で34歳無職の設定だから2021年だと42歳前後になるんでしょうか。ガチの就職氷河期世代ですね。日韓ワールドカップ近辺で新卒を迎えた方々。妙にリアルでございます。
聞けば“異世界転生もの”の初っ端(しょっぱな)にしてサイトのトップを数年間堅持したタイトルらしい高い評価をアニメでも得ております。

{netabare}あくまで個人的な感想。その後続く私含めて毛嫌いする方多数のいわゆる“異世界転生もの”でこのタイトルに正面切って喧嘩を売った作品は皆無じゃなかろうか。冒頭“異世界転生もの”評価軸⑤を例に二つの世界の整合性を保ったままエンタメするに足る筆力は高いものが求められるのもあるし、真面目に書くと“無職転生”のパクリとなるわけでパロディに走らざるをえないような気がします。あとは6年もトップを保ったジャンルの派生形として二匹目のどじょう狙いすさまじき!ってところでしょうか。{/netabare}
{netabare}たぶん私古い人間で『ロードス島戦記』『アルスラーン戦記』のハイファンタジーで育っており、時代のニーズがどうこうよりも{netabare}“異世界に転生する意味や意義”{/netabare}が描かれなくて何が楽しいの?と思うわけであります。本作にはそれがある。仮に作画へろへろだったとしても楽しんでそう。{/netabare}


■無想転生

{netabare}メイビーこの作者は北斗の拳世代もしくはリスペクト系なんだろうと思います。
愛と哀しみの究極奥義をネタ元にして薄っぺらなもん作れまいと決意したと思われる。{/netabare}



■タイトル回収!?(注:それなりに重いネタバレ)

{netabare}異世界行ったら本気出してたじゃーん{/netabare}
{netabare}最終話。玄関を境に踏みとどまりうつむく34歳と一歩踏み出すルーデウスを同じフレームに収めて比較するカットが良かったです。「本気出す」の定義はいろいろありましょうが一つの証左と受け取りました。それがはっきりと表れたかたちです。
家の外に出て修業するのを怖がってた彼が踏み出したり(背中を押したのがロキシー)
トラウマとなったであろう人を助ける自身の正義感を諦めなかったり(シルフィに手を差し伸べた)
そしておかんゼニスを探すため玄関を出て一歩踏み出す あれ!?エリスなんかあったっけ?{/netabare}



差し伸べてくれる掌を払いのけていれば人は去っていきます。…と作中でも杉田が述べております。
そんなおっさんが生き直す物語は山あり谷あり、むしろ谷が多めでちょうどよいのです。



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2021.12.29 初稿

投稿 : 2024/06/08
♥ : 60
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

絆を紡ぎ、手繰り寄せる物語

【紹介】
質の高い異世界なろう系アニメの分割2クール目。
異世界転生系アニメの手本になるようなよくできた名作。
相変わらず笑えるシーン、感動的なシーン、ワクワクするシーンの連続で飽きないですね。

【作画】
安定していて素晴らしい作画で、戦闘の動きがとても良い。
魔法の演出とかも良い感じでファンタジー世界の魅力を十分に伝えてくれています。

【キャラクター】
相変わらず魅力的なキャラクター達。
私はロキシーが好きですが、みんな可愛いですね。

ザノバがとても面白いキャラだった。
こんなぶっ飛んだキャラが出てきても不思議じゃないけど、今までなかったパターンなので不意打ちでした。
こういう程よく滅茶苦茶なキャラクターいいな。

【シナリオ】
1クール目はキャラ紹介がメインだったけど2クール目は物語が大きく動いてきてシナリオ的な面白さが増した。
前世での失敗、転生後の失敗、どちらもちゃんと反省して向き合って、今度は失敗しないように努力する。
仲間や大切な人のためなら、どんな困難にでも立ち向かう主人公が男らしくて最高にカッコいい。

抜群にシナリオが良くて先が気になって仕方がない。
相変わらず各話の区切り方、余韻の残し方、次の話へのつなげ方で興味の引き方がうまい。
主人公だからいつも行いが正しいわけじゃないし、主人公だからいつも善行を積むわけでもないし、仲間だからいつも都合よく動くわけでもない。
人間だから、間違うこともある。
だからキャラクターそれぞれが生きてるって感じがする。

{netabare}
16話親子喧嘩は、パウロの言い分がかなり理不尽では?って思ったけど、ちゃんと理不尽だってことをギースが指摘してて良かった。
人に諭すときに、正攻法でこれがこうでこうだからこうしたほうがいいって優しく諭すことってあまりなくて、ちょっと荒療治だけどちゃんと相手に響く言葉を選んで諭すところが、信頼関係があるように思う。
そういった人間らしさがとても魅力的に思った。
{/netabare}

ちょいちょいエッチなシーンや変態行為が出てくるのも相変わらずで、正直かなり気持ち悪い行為も多くて、顔をしかめながら見ていたけど
シナリオの中にうまく溶け込んでいて、短く話の邪魔にならないように入っているのは良かった。

【総評】
細かいことが気になるところもあったけど、そんなことはどうでもいい。
とにかく面白かった。それで充分じゃないでしょうか?

期待通りの2期で、つまらないシーンがほとんどなく順当に面白かった。
変わったものを作ろうとか、商業的な成功を目指そうとか、作者のメッセージを発信したいとか、そういう余計なことをせずに正攻法で楽しい作品を作ろうとする姿勢が素晴らしい。

続きがとても気になりますね、早く続きが見たい。こんなのは久しぶりだ。
原作を我慢できずに読んでしまいそう。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 58

79.0 11 師匠でファンタジーなアニメランキング11位
夏目友人帳 陸(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (515)
2735人が棚に入れました
小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志は、祖母レイコの遺産「友人帳」を受け継ぎ、自称用心棒のニャンコ先生と共に、そこに名を縛られた妖怪たちに名を返す日々を送る。
妖と、そこに関わる人との触れ合いを通して、自分の進むべき道を模索し始めた夏目は、想いを共有できる友人たちにも助けられながら、大切な日々を守るすべを見つけていこうとする。

心優しき友人たちとの、大切な日々──
美しく儚き、人と妖の物語。

待望の第六期が2017年4月より放送開始!

ある日、川沿いを歩いていた夏目は、何かがぶつかり合うような音を聞き、壷を被った妖怪が橋桁に頭を打ちつける姿を目にする。深入りしないように立ち去ろうとする夏目だったが、壷を外して欲しいと妖怪に頼まれつい手助けしてしまう。すると、助けてくれたお礼として、妖怪「つきひぐい」の力で夏目は子どもに戻ってしまう。どうやら記憶も失ってしまっているようで…

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、小林沙苗、石田彰、堀江一眞、木村良平、菅沼久義、沢城みゆき、佐藤利奈、伊藤美紀、伊藤栄次、諏訪部順一

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

安定の6期目

月刊『LaLa』掲載マンガ「夏目友人帳」を原作とするアニメ化作品です。
「陸」は「六」の意(いわゆる「大字」という奴)で、本作品は6期目となります。

あえて「連載」と書かないのは、掲載ペースが遅くて毎月載っているとは限らない気がするためです。

シリーズ「参」くらいからは下記の事情がわかっていればたぶん話が理解できると思います。これをネタバレと思う方はここまで読んだらお帰り下さい(笑)。
(逆に言えば、無印と「続」くらいまで見ていれば「参」以降はマンネリ…?)

1. 夏目貴志(なつめ たかし)は妖怪が見え、話ができる。
夏目は祖母の夏目レイコ譲りの強い霊力を持っており、幼少時から普通の人には見ることができない妖怪が見えたり、その妖怪と話をすることができます。

2. 夏目はレイコから「友人帳」を受け継いでいる。
レイコは多くの妖怪と勝負をし、レイコとの勝負に負けた妖怪の名前を友人帳に記載して名前を縛りました。名前を縛られた妖怪は友人帳の持ち主の支配下にあるということになってしまいます。

3. 夏目自身は祓い屋としては素人。
妖怪を退治したり封印したりする職能集団は作中で「祓い屋」と呼ばれますが、夏目自身は霊力が強いだけで祓い屋ではありません。

4. 現在は実子のいない藤原夫妻に引き取られている。
夏目は両親を亡くして身寄りがなく、妖怪が見えることによる言動で親族に気味悪がられたらい回しにされた果てに、夏目を快く引き取ってくれた藤原夫妻の下で暮らしています。藤原夫妻は夏目の霊力については何も知りません。

5. 現在は夏目の事情を知る友人がいる。
現在は多少の霊力を持つ田沼、妖怪が見えるようにする陣を使ったことがある多岐、祓い屋の名取などの友人がおり、そういった友人たちは夏目の霊力や妖怪を見ることができる能力について知っています。ただし友人帳について知っているのは妖怪だけで、人間には友人帳の秘密は明かしていない。

6. 夏目の霊力を狙う人間がいる。
祓い屋の的場など、友人ではないけれども夏目の霊力について知っている人間がおり、自分の陣営に取り込もうと画策したり能力を利用しようとしたりします。

初期のエピソードにより夏目の用心棒をすることになったニャンコ先生(正体は大妖怪: 斑(まだら))や夏目を慕う妖怪たち(通称:「犬の会」)、あるいは事情を知る友人たちの助けを借りながら時には妖怪からの襲撃に対応し、時には妖怪の悩みや問題を解決しながらの日常を送っています。

シリーズが進むことによるストーリーの進展は夏目自身の成長、藤原夫妻や友人たちのとの人間関係、レイコと妖怪たちとの思い出にまつわる話、夏目出生に関する謎、祓い屋たちとの関係などでしょうか。

2017.6.22追記:
全話視聴完了。最終エピソード<前後編>は、原作だと18巻収録の内容でした。これを今期の最終エピソードに持ってくるために、エピソード順の入れ替えがありましたね。

まあ、この最終エピソードで追加された「新たな謎」については原作でほとんど進展はない(最新巻は21巻)のでこのエピソード順変更は正解かも。

この終わり方は、「漆」を作る気満々とみました。連載完結したら全話アニメ化するつもりなんですかね?
(まあ、ファンにとってはその方がありがたいですけどね。)

そういえば最近、名前を返すエピソードがほとんどないですよね。昔はそれ用のバンクすら作られて使われていたのに。まあ、それはいいや…。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 44
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

悲しくも美しい物語・・・さがしものはすぐそばにある<追記;特別編>

もう第六シーズンを数えた夏目友人帳。
決して面白いとはいえないが、何故か心を締め付けられる。
山の緑、川のせせらぎ、田園のきらめき。
すべてに懐かしさを感じる。

陸のOP「フローリア」
シンプルなメロディーラインにノスタルジックが流れる。
動きの少ないポートレート調の絵の中にはレイコさんが躍動。
陽光をバックに風をはらむ髪、淡い輪郭のレイコさんが美しい。
この絵はいつまで眺めてても飽きないだろう。

第7話はレイコさん回。
レイコさんのやさしくお茶目な性格がしのばれる。
意思の強さを瞳に宿すレイコさん。
その活躍に笑顔をもらえる。

{netabare}最終回にほのめかされる夏目の祖父の存在。
レイコさんの夫とはどんな人だろう。
その内明かされるであろう出会いの物語。{/netabare}
さあ、夏目友人帳漆が楽しみだ。

<追記;特別編「鈴鳴るの切り株」>
{netabare}今わの際の銀杏の木。
事切れる前の妖怪が夏目に頼む。
思い残すことがあると。
それはある少女との約束。
しかし、20年も前にその少女は・・・

鈴鳴る最後の銀杏の木。
懸命に美しく。
思い出の向こうの二人に胸が締め付けられました。{/netabare}

<追記;特別編「夢幻のかけら」>
{netabare}梟の忘れ物。
指輪を返しに森に迷い込む少女。
にゃんこ先生に誘われて夏目に遭遇。
夏目と歩く不思議の国。
梟の正体は・・・

妖の理は厳格。
記憶を消され公園のベンチ。
指輪の欠片に梟の優しさを感じました。{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 35

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

思いっきり心が温かくなります

このアニメを見ると、いつも心が温かくなります。
人情とか優しさとか、人間特有のものではなく、妖怪にも優しさや温かさがあることに気づかせてくれる物語です。

今回、特に気に入った内容が第一話と第二話でした。

第一話 つきひぐい
妖怪つきひぐいが困っているのを助けた夏目が、お礼にと若返りさせられて小学生の年齢になる話です。

小学生の頃の夏目は、友達もおらず帰りたい場所も無く、いつも妖怪におびえた暮らしをしており、将来の希望が全くありませんでした。

でも若返って高校の頃の記憶を忘れた夏目に対して田沼や多岐が『自分たちは夏目の友達』と言ってくれたことや、『藤原夫妻が夏目のことを大切にしてくれている』と言ってくれたおかげで、若返った夏目は将来の不安が払拭されました。
人生はつらいことばかりではない、未来には希望があることを知るのです。
それは若返った夏目にとって最高に幸せな情報でした。

それにここでは、田沼や多岐やニャンコ先生の優しさを沢山感じることができますよ(^_^)


第二話 明日咲く
弟子の消息を捜すために石洗い様がやってきて、夏目たちの協力を得て弟子を探し出す話です。

石洗い様は汚れを清めることができ、誰からでも尊敬されている妖怪です。
ようやく探し出した弟子のアズマは、人間に封印されていたため、石洗いができない体へとなっていました。師匠の期待に応えられない体になったのです。
アズマは土下座をして師匠に詫びます。
それに対して石洗い様は、アズマが死んでおらず無事見つかったことに喜びを感じます。それだけではなく、『石洗いができない体になり故郷へ帰れないのならば、二人で旅に出よう』と言ってくれました。

石洗い様の心の優しさが身に染みて伝わってくる内容でした。


私たちはいつかは年老いて、仕事ができない体になります。身の回りの世話ができない体へと変わります。
そのときに、それでもかまわないので一緒にいようと言ってくれる人が果たして何人いるでしょうか?

石洗い様のような優しい心を多くの人間が持ってくれたならば、きっと幸せな世の中になると思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 32

79.4 12 師匠でファンタジーなアニメランキング12位
魔女の旅々(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (721)
2594人が棚に入れました
あるところに一人の旅人がいました。彼女の名はイレイナ。若くして魔法使いの最上位「魔女」となった才女です。幼いころに読んだ旅の物語に憧れて、流されるように気ままな長い旅を続けています。この広大な世界を自由に渡り歩き、わけのわからない可笑しな人や、誰かの美しい日常に触れながら、彼女は旅人として、これといった目的もなく、色々な国や人との出逢いを繰り返します。そして同じ数だけのーー「構わないでください。私、旅人なものですから。先を急がなければならないのです」そんな魔女イレイナが紡ぐ、出逢いと別れの物語…。

声優・キャラクター
本渡楓、花澤香菜、黒沢ともよ、日笠陽子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い記悪い記普通の記

原作未読

これいいやつ(笑) 旅行記の根っこを掴んでます。…と思いきやリリースしてたりやや私が混乱気味。

中世風&魔法の世界での“旅”をテーマとしてます。『旅々』の名に恥じぬ“旅×2”しっかりロードムービーしてるなーという仕上がりっぷりだったと好意的に受け止めております。
その髪の色から“灰色”…じゃなかった“灰の魔女”と呼ばれるイレイナ(CV本渡楓)が文字通り世界を回る物語。1話オムニバスタイプ全12話。

たしか1話終了時点でイレイナのデザインと作画がいい感じと注目株扱いでした。もちろん美麗なグラフィックも牽引役のひとつ。それに加えて序盤にブーストがかかり楽しみながら完走した感じです。

■ブーストについて
{netabare}第3話です。AパートBパートで別の話かつ両方とも鬱々としたやつ。=視聴継続決定!

{netabare}花に取り込まれそうなお兄ぃを傍観してたのがすこぶるいい。{/netabare}だって旅の途中ですからね。手遅れだったのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
{netabare}Bパートでの村長息子が無邪気な善意をふりまくのもよい。{/netabare}
“地獄への道は善意で舗装されている”を地でゆくエピソードでした。

実際、貧困国を巡っていると下手に施しをする残酷さについて実地で体感できます。こっちは去っていく者ですからね。ガンジス川で死体が浮いてても気にならなくなってくるのと似てます。
おにぃは手遅れだったろうし、仮にそうでなくて一命を取り留めても花の毒に誘われ同じことに。なにしろ妹に会いたがってましたからね。今後も監視し続けていくことは去る者には不可能なことです。

奴隷のニノちゃん初登場時に服はだけてましたしね。村長は小児性愛者だったのかもしれません。また彼女は親に売られたのを知っているのかもしれません。
そこに幸せな親子の映像を見せるとは傷口に塩を塗る以上の残酷な話。あの村長息子が父に刃向かう覚悟でもあればワンチャンあるかもしれませんが…ないでしょうね。{/netabare}


順風満帆なら思い出作りとして終了。それはそれで。。。
あのポスターでも有名なチェ・ゲバラは学生時代に南米縦断の旅で貧困を目の当たりにし革命家に転じたそうです。
イレイナのもなんかしらNEXTの行動を促すような良き旅をしてるように思えます。

作品そのものも道中のちょっと心温まるお話でオムニバスを作っても一定の支持を得られたことでしょう。グリム童話のような啓発的なものもちらほら投入されたところにロードムービーのリアルを感じる意欲作ってところでしょうか。



※ネタバレ所感

■ニケの冒険譚

ニケと聞いて真っ先に思い浮かぶのが“サモトラケのニケ”。教科書にも載ってるヘレニズム時代の有名な大理石像です。スポーツメーカーNIKEの語源と言ったほうが通じるかしら? 勝利(VICTORY)の女神ということでギリシャ語だったかではヴィクトリアと呼ばれてたはず。

{netabare}『星屑の魔女』フラン(CV花澤香菜)、『夜闇の魔女』シーラ(CV日笠陽子)のお師匠さんのお名前がヴィクトリカ(CV伊藤静)ということでなんか関係してくるんでしょうか?{/netabare}


■おかんの小言と冷酒は後で効く

前述の通り。加えて一点。

{netabare}「ただし三つ約束してほしいことがあるの。一つ。危険な目に遭いそうなときは逃げること」
「二つ。自分が特別な人間だとは思わないこと。他の人と同じだということを忘れないでね」
「三つめ。いつか必ず帰ってきて私達に元気な顔を見せること。守れる?」

旅の本質を意外とついてるのでは?{/netabare}

{netabare}おそらく第9話のイレイナの涙って、自分を特別な人間だと思いかけてる節があったタイミングで発生しています。母の戒めから離れて引き起こした事態への悔恨も表れてる涙なのではないかと思います。{/netabare}


■紀行モノでこれはちょっと…

{netabare}1クールで主人公(旅する主体)がほぼ登場しない回があるのは良し悪しよね。旅の先々での出会いやイレイナの心の動きだけ追ってほしかったところ。ご長寿シリーズなら回想やキャラ回もありでしょうが短尺でぶちこむのはNGではないかと思う私です。指摘した回は師匠の師匠に繋がる重要な話ではあるのですよ。これは完全に好みですね。{/netabare}

それと{netabare}本渡さんが15役だったか16役やったのは蛇足。というより奇策。一人○役の“ギネスに挑戦”みたいなもんかしら。「アフレコ大変そう」とか「演じ分け凄い」とか話題さらったのかもしれませんが、物語に必要だったかは微妙。その各々ネーミングセンスと合わせてEDクレジットに本渡さんの名前がずらっと並ぶのは面白かったんですけどね。{/netabare}


全体としては好み。完走してから第1話を観ると感慨深いアニメでもありました。
旅とはいつか終わるもの。{netabare}ニケさんの正体を気づいてて気づかないふりしてたりする理由も含めて、{/netabare}終わった時に何を彼女は得られているのか大変興味があります。

2期ありそうな雰囲気あるしやらないかしら? お待ちしてます。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2020.12.20 初稿
2021.09.22 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

スプリンター・リフトバック

原作GA文庫、C2C制作。

魔法が存在する中世世界を舞台とし、
その世界で旅する魔女イレイナが、
様々な場所や人を訪れるロードファンタジー。

お勧めし易い作品ではありますが、
気になるのはオムニバス形式となると、
情報量に制約があるアニメでは、
かなり上手くやらないと記憶に残りづらい。
私的には背景に大きな物語が欲しいです。

世界への冒険、探求、出会いと別れ、
多様な世界観を提示して欲しいと願います。

タイトルはゴダイゴの名曲から、
そよ風と光と希望に満ちた旅をしよう。

5話視聴追記。
寓意的な物語で現実を投影する。
冒険譚にはお手本のような設定ですが、
{netabare}主人公が物語の内にいるのか外にいるのか、
その距離感で印象が変わってくるのだ。
傍観者であることへの不満の声も多い。{/netabare}

最終話視聴追記。
期待していたほどではありませんが、
中盤以降の方が好印象を持ちました。
{netabare}イレイナの感情の動きがよくわかる。
これは旅の供がいると、
また違った感想が持てるかも知れません。{/netabare}
映像・音楽は最後まで美しいです。

寓意的な旅のアニメでしたら、
カイバやソマリも並べてお勧めします。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 60

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

絶世の美しい魔女とそうでない魔女と、あなたはどちらを選びますか?

綺麗で可愛いくて魔力がすごい魔女イレイナが、世界のいろんな場所を旅する物語です。

イレイナは確かに可愛くて美しい。そして強い魔力が魅力的です。
おそらく、多くの男性は、イレイナのような美女を恋人にしたいと願っているでしょう。…
でも、見終わった後、なぜか感動は残りません。
優しさも暖かさも残りませんでした。
それはイレイナが冷たいわけではないのですが、話の内容が…
それに、自分で自分のことを『美人』と呼ぶのはちょっと…避けたくなります。


同じ魔女でも、ふらいんぐうぃっちの木幡 真琴とは真逆の存在です。
木幡 真琴は綺麗でもなく、魔力はほとんど弱く、見ていて危なっかしい魔女です。
でも、真琴と一緒にいると、なぜだか心が安らぎます。
もし結婚するのならば、イレイナよりも木幡 真琴のほうが断然良いです。
ぜいたくな暮らしはできないけど、彼女とならば、お互いよぼよぼの爺さん婆さんになったとしても、いつも笑って幸せに過ごせると思います。


もし結婚するとしたら、あなたは、どちらの魔女を選びますか?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 53

70.6 13 師匠でファンタジーなアニメランキング13位
賢者の孫(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (603)
2567人が棚に入れました
ある青年が事故をきっかけに、異世界に赤ん坊として転生。そんな彼を稀代の魔術師・マーリンが拾い、シンと名付ける。シンはマーリンの孫として育てられ、魔術も学ぶ。だがマーリンは、常識を教えるのを忘れていた……。

声優・キャラクター
小林裕介、小松昌平、本泉莉奈、若井友希、屋良有作、高島雅羅、森川智之
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

他者の存在しない異世界

アニメーション製作:SILVER LINK.
監督:田村正文、シリーズ構成:高橋龍也
キャラクターデザイン:澤入祐樹、原作:吉岡剛

ラノベ業界では、異世界転生ものが大人気で
未だに次々と新しい作品が発表されている。
RPGをバックボーンにして、
様々なシチュエーションを考えれば、
それほど細かい設定を考えなくても
作品として成立するからだろう。
しかし、そのため物語について、
深く考えなくても、いわば一発芸のような発想で
ストーリーを生み出せるのではないかと感じてしまう。

私にとって、これらの作品は
好みがはっきり分かれてしまう。
RPGをバックボーンとした世界観は
作者の嗜好がダイレクトに反映されやすく、
根幹に漂う気持ちの悪い欲望を感じてしまうからだ。
RPGは、主人公のレベル上げが終わった後に
世界中を巡るのが、とても楽しい。
自分が世界最強で、何をやるのも思いのまま。
なろう系のなかには、そういう方向性で
ストーリーを考えているのではと思える作品がいくつもある。
そこでは他者に対しての視点が決定的に欠けており、
自分だけの都合でストーリーが進んでしまう。

異世界ものでは『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』が
個人的には似たような評価だが、
向こうは基本的にエロ描写がウリの作品で、
少しこの作品とは方向性が異なる。
『デスマーチからはじまる異世界狂騒曲』も
呆れるところは多々あるのだが、
この作品よりは、まだ観られたという印象。
ちなみに世間で低い評価を受けている
スマホは未視聴なので、比較できない。

私にとって異世界転生ものや魔法を使う物語において、
俺Tueeeeかどうかというのは全く問題ではない。
むしろ、そのジャンルにおいては、
ほとんどが主人公最強の物語といっていいだろう。
(『灰と幻想のグリムガル』も同様)
このタイプの作品においては、
一体何を目指して、物語ろうとするのかというのが
いちばん大切になると思う。
そして重視するのは、人間をどこまできちんと
描けているかということだ。

賢者の孫は、現代で死亡した主人公が、
異世界に子供として転生して賢者に拾われたことで、
最強の力を手に入れていくことになる物語。
作者が考えたなと思えるのは、
「賢者の孫として育てられた」という部分だけで、
そのほかは、他作品の劣化コピーといえる。
例えば、常識を超えた発想によって魔法の力を
増強させるという部分では、
『ロクでなし魔術講師と禁忌経典』のほうが、
よほど考えられていて面白いし、学園内で魔法で
無双するのは『魔法科高校の劣等生』の
超劣化版ともいえる。
新しい発想で考えられたと思える部分は、
皆無といって良いだろう。

しかも、この作品が良くないと思えるのは、
キャラクターの思考がとても浅く、
他者について、ほぼ何も考えていないと
思えるような展開になっていること。
{netabare}例えば、最初に魔人となった同級生を殺した事件において、
周りはシンを「凄い、凄い」というばかり。

この同級生の魔人を殺した件から後は、{/netabare}
シンを英雄だと持ち上げるだけで、
他校との訓練など同じような展開で物語は進み、
陳腐なシシリーとの恋愛話から、
魔人討伐へと旅立っていく。
一緒に戦う同級生は何人も登場するのだが、
きちんとキャラとして描かれているのは、
主人公のシンとアウグスト殿下だけ。
おそらく作者自身は、このふたりのキャラに
分かれて世界を形作っているのだろう。
ほかの人物は覚える必要もないし、
シンをもてはやすモブでしかない。
もはや他者の存在しない異世界だ。

{netabare}また1話を使ってオリバー=シュトロームが魔人になった
理由について回想されるわけだが、
この物語があまりにもひどすぎる。
中学生が考えたのかとも思える
お粗末さに呆れかえってしまった。
あれだけの城を持ちながら、
側近やまともな兵士は誰一人いない。
また城を長期間留守にするのに、
シュトロームは何も備えをしていない。
この展開をやるのはいいとしても、
もう少し中身を考えて欲しかった。{/netabare}

そして、シンがほとんどひとりで解決してしまうため、
{netabare}最終回でシシリーが奮闘しているシーンでさえ、{/netabare}
ただの茶番にしか見えないことを
原作者や制作陣は考えないのだろうか。
ここはシンが「俺スゴイ」とやるのではなく、
シシリーが自分のやり方で解決するか、
もしくはシンと共同でやり遂げて
成長を見せる場面だろう。

VTUBERの棒演技や物語と全く関係のないED、
このすばからの使いまわしの屋敷などもひどいものだが、
それすらも些細な問題と感じてしまうのが、
この作品の突き抜けたところ。
唯一の良い点といえるのは、アクションシーンの
動きということになるのだろうが、
作画の手抜きの目に付く点を考えても
相殺されるようにしか思えない。

シルバーリンクは近年たくさんの
作品を製作しているが、
「デスマ」や『サークレットプリンセス』など、
低評価の作品を連発していて、
作ればいいという流れになっている。
この作品で、また新たな悪いイメージを
重ねてしまったのではないだろうか。
(2019年7月7日初投稿)

投稿 : 2024/06/08
♥ : 76
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

良くも悪くも量産型の一つ

原作未読


リアタイ放送中作品のレビューを書くことも読むこともほぼしない私なのですが、、、
それでもこの『賢者の孫』については、アップされてるレビューのタイトルやら、「最近投稿されたレビュー」欄の低い配点やらを横目で見てても酷評花盛りであることは伝わってきました。

自分ですか?
恥ずかしながらけっこう楽しんでました。主人公については「お!強えーじゃん!」「イキってないしいい奴じゃん!」とまあこんな感じです。
例によって転生ものです。生まれ変わってイェイ!ないつものやつです。このテのニーズってどこから生じるんでしょう。そんなに現状不満な人が世の中には多いんでしょうか?欲張りすぎじゃないっすかね。


「ぶっ飛ばせ常識をー」このOPのわいわいきゃっきゃしてるのが自分は苦手です。
あからさまに嫌だったのがこれくらいで、あとは可もなく不可もない内容でした。あらすじは省略。


私からは意外と大丈夫でないかい?との立場で以下作品紹介のみ。

■チートの理由
名の知れた大賢者マーリン=ウォルフォード(CV屋良有作)とメリダ=ボーウェン(CV高島雅羅)を義理の祖父母として主人公シン=ウォルフォード(CV小林裕介)は英才教育を受けることになります。この時点で看板に偽りなし。
マーリンもメリダも人間国宝級の扱いということで王家とも親交が深く、剣術指南も一線級の師範がいてと師匠に不自由はしません。それに本人も努力してましたよ。
授かりスキルではないよね、って点で及第点です。

■ハーレムちゃう
わりと早い段階でシシリー=フォン=クロード(CV本泉莉奈)が正ヒロイン確定し、まわりは応援する立場にまわります。
女子も男子も恋慕の情というより能力に対する尊敬の念が強そうです。

賢者に育てられて強くなったわけだし、人里離れて暮らしてて常識知らずってのも、あっちこっち手を出さずに一途だってのも、まあまあよろしいんじゃないでしょうか。
{netabare}水着回で、お祖母ちゃんの水着が最もセクシーだったのが笑えます。周囲の耳目を集める有名人は、体型管理に余念がないということかもしれません。{/netabare}


そして可もありません。
2期あっても観るかどうかわかりませんが、たぶん続編のほうが面白くなりそうな気配がある作品です。
{netabare}シンくんが世間に知られるに従って、シンくんその人自身や国宝級の魔導具その他強大な力の政治利用という観点が入り込んできそうです。
アルティメットマジシャンズという同期の仲間が出来たということは裏を返せばその別れも描かれることになるでしょう。{/netabare}
お披露目の本作は正直なところドラマはぺらっぺらでしたが、そっちは期待したい。ただ2期はなさそうだなあ。。。

{netabare}俺たたENDも続きが無ければ単なる凡庸な作品の一つということで終わりそうです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~6月

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2020.01.30
《配点を修正》-0.1



2019.06.30 初稿
2019.07.23 修正
2020.01.30 配点修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 50
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

スマホやデスマよりは・・・(これって誉め言葉?)

原作未読。最終話まで視聴。

【まず褒めよう!】
主人公が強いので、安心して視聴できる。
主人公が強いので、サクサク物語が進む。
主人公が強いのに、ハーレムじゃない。
主人公が・・・、・・・。ああっ!もう思いつかない!

要するに、ハーレムじゃないってことだけでも、スマホやデスマよりは数段マシだと思います。

【まずは軽めにツッコもう】
せっかく主人公を社会人出身にしたのに、「常識が無い」とはこれ如何に?
これでは、主人公を社会人出身にした意味が無い。

強いて言えば、『魔法詠唱が恥ずかしい』ってところは大人っぽいかな?
せいぜいこの程度。
異世界スマホの「スマホ」と同じくらい、後々お荷物になっちゃう初期設定。

【最後は強めにツッコんでおこう】
{netabare}この作品を視聴していて一番感じたこと。
それは「この作品の原作者は、本当に大人なのか?」ってこと。

物語が稚拙過ぎる。
どこかで見聞きしたエピソードがテンプレ通りに延々と続く。
どこかで見聞きしたくだりの詰め合わせという印象。

恋愛表現が稚拙すぎる。
第8話。「まあ、そんな訳でシシリーと恋人同士になりました」
野次馬の多さはコメディだとしても、このセリフはないでしょう。
こんな斬新な報告、聞いたことが無い。

『原作者は中学生』って言われると、妙に納得のいくレベル。{/netabare}

{netabare}なんか、酷い声優さんがいるなぁって思っていたら、素人のVTuberさんでしたか。
意味不明なEDと共に、この作品の評価を大きく下げちゃいましたねぇ。

別に、VTuberさんを否定するつもりはないんですよ。
ちゃんと演技が出来るのならば・・・ね。
プロの声優さんの中に、演技が出来ない人が1人混じるから、滑稽なことになっちゃう。
しかも、作品とは全く関係のないED。
アニメファンを敵に回すつもりなら、大成功だったんじゃないかな{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 50

78.8 14 師匠でファンタジーなアニメランキング14位
魔王学院の不適合者(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (648)
2564人が棚に入れました
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院"に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」

声優・キャラクター
鈴木達央、楠木ともり、夏吉ゆうこ、松本忍、豊崎愛生、小清水亜美
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

坂の上のKoUMOn

原作未読 全13話


概要は作品タイトルと公式あらすじでほぼ説明可能範囲。
主人公名をもじり「さすがアノスさま」が連呼される清々しいまでの異世界主人公最強系です。
どんな感じか簡単に差別化しとくと、


 司馬史観 + 水戸黄門


司馬遼太郎の歴史の捉え方を土台に往年の時代劇のお作法を乗っけた感じでした。どこかしら親近感が湧きそうな仕様だからなのか完走するのにそれほど抵抗はありません。
{netabare}※尚同じ“しば”でも「さすがお兄さま」でお馴染みの司波達也様とは一切関係御座いません…たぶん{/netabare}


1.司波…じゃなかった司馬史観

『坂の上の雲』『竜馬がゆく』でおなじみの小説家司馬遼太郎の歴史の捉え方とみなされてるもの。触りだけ説明すると、明治までの日本人は立派だったけど昭和にかけてどんどん劣化していって無謀な戦争に突っ込んでいった、みたいなやつ。

【司馬遼】
列強支配の世界情勢に危機感を覚え明治維新を興し日清・日露戦争でピークに。以降は藩閥政治の悪弊や官僚主義に陥って硬直した組織は弱体化。

【不適合者】
絶えぬ争いに業を煮やした魔王アノス・ヴォルディゴードが一念発起し種族間を4つの壁で区切り平和が到来。以降は直参部下の系譜“皇族”とその他とで扱いが変わる身分制度が硬直化し魔の軍勢は弱体化。

2000年後に転生(復活?)した魔王さまの「我が末裔どもよ。弱っちくなって情けねーな」が基本スタンスです。良かれと思って頑張ってみたもののいつの間にか変なことになってるぞ、が物語起点であり、あたかも幕末志士らが近衛文麿内閣を見てため息つくようなものに近いかと思われます。個人的には“司馬史観どうかと思う”みたいなところあるのですが関係ないので置いときます。まあこんな感じ。


2.水戸黄門

えらい人が身分隠して庶民の中に紛れ込み、悪いやつを泳がして、いい感じの場面で身分を明かしお灸をすえる定番時代劇です。

こちらの魔王アノスさまはわりとオープンにしてます。そもそも“暴虐の魔王”と認知されてないところがあってフリーハンドで動き回れるのが往年の時代劇との違いでしょうか。
黄門様も大岡越前も遠山の金さんに共通するのはピンチに陥ることがほぼないこと。ご老公が悪人の手にかかって膝をついたり、越前守がお白洲で斬りつけられたり、桜吹雪が舞う前に力尽きたりすることは許されないのです。
主人公最強系ってみんなそーじゃんってところはありますが、実力だけでなく地位・身分もやんごとなき設定なので本作はより強めな印象ですね。


もともと最強だった人物が違う時代に転生してというわけですから、最弱ニートが異世界に転生して強くなっちゃった系とは違うんでしょう。
“暴虐の魔王”と認知されてないのは何故?が一種の謎解き要素にもなってることも興味を持続させる要素になってます。
終盤は…うーんノーコメント。もの凄い良いということは全くない。よくわかりませんでした。


親近感芽生えそうな世界観とちょっとした謎解き要素が魅力となる異世界主人公最強ものの佳作になるかと思います。



視聴時期:2020年7月~9月 リアタイ

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2020.10.03 初稿
2021.06.19 タイトル修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 56

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

魔王の役割

最初は中二病っぽさが引っかかったけど、気づけばカッコいいって思っていて、とても面白かったです!

主人公は桁違いの力を見せつける場面と、力ではなく絡め手で倒そうと迫る敵に苦戦する場面とのバランスが良く、適度な緊張感があって面白い
キャラクターも魅力的でクオリティも高く、いいアニメでした

主人公は自信過剰、自意識過剰でちょっとイタイ発言や行動が魔王学院にいる時には多かったけど、その自信は決して過剰じゃなくてむしろ謙虚すぎるのではないかってだんだん思うようになりました
主人公は罵倒されても、差別されても怒ることはないし、動揺することもない
でも、自分の大事なものを傷つけられることは絶対に許さない
傷つける者には死ぬよりも恐ろしい絶望を与える
この作品は可愛いヒロインよりも、主人公の圧倒的なカリスマ性によって支えられているとおもいました

魔王様は世界を滅ぼす?世界を救う?
小さい小さい。そんな些細なことにこだわる小さな器じゃないのです!!
魔王はただ、己の野望のために進むだけ
誰も及びもしない崇高にして唯一無二の野望のために!

始祖の魔王様は偉大でした

投稿 : 2024/06/08
♥ : 44

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

清々しいほどの主人公最強

== [下記は第5話目まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで視聴終了した時点でこのレビューを書いています。元々は「小説家になろう」に掲載されていた原作ライトノベルがあるのは知っていますが、読んではいません。

じゃあ楽しめていないのかというとそんなことはなくて、アニメは毎回、次回はけっこう楽しみにしています。どちらかというと少なくともアニメ放送中は原作を読まない方が楽しめそうという判断はあります。

大雑把にいうと、「暴虐の魔王」と呼ばれたアノス・ヴォルディゴードが魔族の安寧と引き換えに身を滅ぼし、2000年後に転生した世の中でのお話となります。

この作品の良さとして感じるのは、魔王の転生者であるアノスのメンタルがきちんと「王様」っぽいところです。転生に至る経緯もそうですが、それを実行する実力が伴ってのこととはいえ自身にとっての「民」にあたる魔族や自身の末裔たちへの対応が、一見ハチャメチャなようでも意外と王様としてのそれかなあと考えさせられることがけっこうあります。

結果、2000年前の魔王ジョークがスベったりはしますがそこはご愛敬。

アニメ化の範囲では歴史が歪められて暴虐の魔王に関する伝承が正しく伝わっていない辺りの話がどこまで解明されるのかわかりませんが、他の魔王学院の生徒はもちろん、先生や七魔皇老にしてみたところで最終的にアノスに敵わないというのがむしろ物語的な安定感につながっていると思います。

ミーシャ・ネクロン、サーシャ・ネクロンという双子のダブルヒロインがいますが、お話をここまで観た限りではそれほど強くハーレム風味は感じないしいわゆる「ラッキースケベ」的な描写もないので、そこが気になる人でもわりと見るのに抵抗はないような気もしますが、それはひとそれぞれというところでしょうか。

とりあえず、あんまり頭を使って観る感じのアニメではないです。
== [第5話目まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.10.3追記:
最終話放送当日に観終わっていたのですが、更新が遅れていました。

何だかんだいってSAOやRe:ゼロを差し置いて2020年夏クールで話題を最も集めたのは本作品ではなかったでしょうか。

主人公アノス様の性格が良かったことが、とてもストレスレスな本作の視聴につながったと思います。

後の出来事の伏線も意外と丁寧に明示されていて、見返してみると「確かにそんなこともあったな」と納得できるシナリオ的にもなかなか面白かった作品でした。

面白かったので、結局原作も読んでいますしね。楽しいアニメを、どうもありがとうございました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 44

75.6 15 師匠でファンタジーなアニメランキング15位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (457)
2100人が棚に入れました
冒険者たちが未知へと挑み、神々が興奮に沸き返る、世界で最も熱き街――迷宮都市オラリオ。その中心に鎮座するは、都市に限りなき富と栄華をもたらし、数多の混沌が潜む大穴――『ダンジョン』。その深淵にて、生まれ落ちた一体の怪物。「……ここ……どこ……?」人語を話す竜の少女をめぐり、都市はかつてない 異常事態に巻き込まれていく。人と怪物。漫然と存在する価値観、常識は破壊され、冒険者ベル・クラネルと、女神ヘスティアに、決断の時が―― これは、少年が歩み、女神が記す、ダンジョンの謎に迫る【眷族の物語】――

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、内田真礼、細谷佳正、赤﨑千夏、千菅春香、早見沙織、大西沙織、日高里菜、水中雅章、高田憂希、稲田徹、福島潤、浪川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

それでも暇を持て余した神々は遊び宣う

リリース順で一通り視聴してから楽しまれることを推奨

①『ダンまち1期』⇒②『ダンまち外伝』⇒③『オリオンの矢』⇒④『ダンまち2期』

①④は必須。②も準必須。スピンオフ③は劇場版82分尺だからさくっとGO!って感じでしょうか。①と②は同じ時間軸の並行した物語ですので可能なら日を空けないほうがよいです。

そして此度の3期を迎えます。一気に視聴してあっという間に感じる満足っぷりでした。

 {netabare}帰ってきたダンまち or ダンまちリターンズ{/netabare} 

ヘスティアが胸の大写しで登場するのはご愛嬌。いつも通りの風景に安堵しつつ、それ以上に冒頭ダンジョン潜入から始まるのがよろしい。ついでに潜入したダンジョンで“出会って”いるのも原点回帰の感があります。
②外伝ではロキ・ファミリアといったヘスティア・ファミリア外に焦点を当てたことでファミリア一つ一つに諸般の事情があることを意識づけさせました。だから“ヘルメス”や“ガネーシャ”のファミリアにも固有の事情があるんだろうとも想像できますし、ロキ・ファミリアが大きく取り扱われる本編の後半には感慨深さすら覚えます。
④2期ではヘスティア・ファミリアに集う眷属たちに焦点を当てたことで「リリ」「ヴェルフ」「命」「春姫」各々への思い入れを強くさせました。奴隷同然だった“リリ助”や生贄前提の“春姫”と同業者やエルフから向けられる嫉妬や怨嗟を身に受けてた日陰者の“ヴェルフ”。そんな彼らだからこそ世界を敵に回すようなベルくんの選択を支持できるのです。

このように3期でしっかり②も④も機能してはいることを評価しつつ、いかんせんエンタメ的な面白さは控えめでした。なにせほぼ潜ってない。
来たるべきダンジョン潜入に向けた地固めを経ての3期とは言い過ぎでしょうか。ダンジョン場面の大幅増加もさることながらダンジョンに住まう者が中心のお話です。

良くも悪くも1期がシリーズの印象を決定づけます。
紐神の見ためやハーレム展開。主役が松岡さんなのでしょうがない(それでいいのか!?)あれやこれや。そんなのに隠れて古き良きダンジョンRPGそれこそ『ウィザードリィ』的ななにかに魅かれた私であります。紐神様もベルくんの旗色が悪い時こそ迷いなく彼の側に立つ振る舞いに感動すら覚えます。

 {netabare}なんかそれを久々に目の当たりにしました{/netabare}

【ヘスティア・ファミリアの面々】
 ヘスティア(CV水瀬いのり)
 ベル・クラネル(CV松岡禎丞)
 リリルカ・アーデ(CV内田真礼)
 ヴェルフ・クロッゾ(CV細谷佳正)
 ヤマト・命(CV赤﨑千夏)
 サンジョウノ・春姫(CV千菅春香)

メンバーは増え賑やかになりました。それでいて原点回帰の面白さ。これからダンジョンの深淵に手を届かせんとするのでしょうか?
小説も既刊で本編16巻、外伝12巻とボリューミー。スマホゲームアプリ『ダンメモ』も好調のようですし続けてほしいですね。“やっときた”感ある良作です。



※ネタバレ所感

■そして輝く11話!ヘィッ!

“漢”を“おとこ”と呼ぶようになって久しい。
第11話のサブタイトルは「決戦」。これでウルトラソウルと読むらしいです。

余計な説明を省いて、B'zの曲を脳内再生しながら11話を観るとベルくんの心境にぴったりで笑えます。


■モンスターって?

「ウィーネって10回言ってみて」からの「盾の勇者の成り上がりのロリ声ペットは?」でフィーネって答えそう。語感も似てて声優も一緒だし同じ想像したのは私だけではあるまい。
日高里菜さんの声だとかわいらしさを強調してしまってそっちに目がいきがちなんですけど…

{netabare}モンスターかわいいじゃん…とは決してならないわけです。“許されざる存在”の世界観と“モンスターにも事情が”と思う視聴者とでギャップがありそう。
たしか神様たちが地上に降りてくる前の時代、地上に開いた大穴からモンスターが溢れ出して人間を絶滅させかけてたかと。神様から恩恵も授かっていない生身の人間では太刀打ちできなかったというのがモンスターと人間の歴史。太古の昔から忌むべき存在。
だから、普通に考えて意思疎通可能な知性あるモンスターを見つけたら共存より恐怖が先行しそうです。例えば人間より強い羆が本能でなくトラップを仕掛けて知恵比べしてきそうとか、新型コロナが知性を持って人間を先回りして進化してきそうとか、まじめに想像すると恐怖でしかありません。
生理的にってことならコオロギ食べるとかゴキブリ飼うような感覚に近いかもしれませんね。異端児(ゼノス)の皆さんがいくら太陽の見える青空を目指してるからといって
 
 生まれたところや皮膚や目の色で 一体この僕の何が分かるというのだろう

みたいなピースフルな段階には一段も二段も足りてないとこで物語は繰り広げられているわけでして。
街の人が悪者なのではなくベルくんが超のつく異端である、と腑に落ちてるとわかりみがいいです。{/netabare}


■そして輝く11話!2ツー! ※余談

その“モンスター=人非人”みたいな構図って大なり小なり世の中にはあるわけでして。

この回のベルくんの筋の通し方って…
{netabare}同盟国ドイツの苛烈なツッコミに耐えながらユダヤ人を満州経由でアメリカへ逃がす実務指揮をとった樋口季一郎中将と被るのよね。もちろん独りの男気だけでなんとかなるわけでもなく公のバックアップも欠かせなかったわけですよ。
前段として、日本国政府は板垣征四郎陸相草案の「ユダヤ人保護」を閣僚決定し、満州に接するオトポール駅にひしめいていた2~3万人の難民を、「助けてやれ」と指示したのが関東軍参謀長東條英機であり、特別列車を仕立てて助けたのが満鉄総裁の松岡洋右でした。近現代史に造詣ある方ならこの三名がどういう方々かピンとくるでしょう。

歴史もそうであるように人物の見方も光100%と闇100%はありえません。ここではなんかのかけ違いでヘスティア様やファミリアメンバー、そしてベルくんたちが歴史の大罪人となるリスクを負いながら大事を為したものと素直に称賛をしたいところです。{/netabare}



■暇を持て余した神々の遊び

意味合いと語感の良さで1期からこのフレーズをレビュタイに引用しとります。やや懐かしい響き。
翻って“神々の暇つぶし”なる設定はどこまでいっても変わらず、とブレはありません。

{netabare}ソーマ(CV内山昂輝)なんて分かり易くて秘酒づくり以外興味が無い神。彼みたいに没頭するものがあれば人間に興味を持つことなんてないし、興味の対象が人間でないからこそリリ助に酒を飲まして試すようなこともできたりするわけでした。呑んでも心狂わなければ抜け忍していいよってやつでしたよね。

 神は自分で責任を取りません

今期のお騒がせ神イケロス(CV福島潤)も根っこは暇つぶしです。ディックス(CV:浪川大輔)には何かやらかすことを期待しているわけです。2期のアポロンなんかもそうでしたが、様々な退屈しのぎの方法がある中での彼らの選択がオラリオの秩序を乱すものだから処分されたわけで、あくまで他の神々たちの暇つぶしネタを奪っちゃいかんよってのが基準であり罰則の対象となってたわけです。
味方に見えるヘルメスやウラノスもクズマ…じゃなかった追放された神々と大差ありません。特にベルくんへの態度なんかそうですけど自分が責任取るような行動は絶対しない。眷属でないからってのもありましょうが、前に出てくることはない神々です。
ただね、、、本気で遊んでるのは分かります。ベルくんは想定外を引き起こす存在ですからね。フレイヤを筆頭に神々たちが興味津々な理由も

 退屈しないから

というのは押さえておきたいポイントです。
リトルルーキーだ英雄願望だと煽てられてても神々の暇つぶし道具の範疇を出ないという哀しみ。どこまでいっても鉄砲玉。振り返るといつもヤバい橋を渡らされてるベルくん。{/netabare}

よって

{netabare}そんな神々と眷属との関係を一線越えてそうなヘスティアとベルくんの今後が気になるのです。
具体的にはどういうお別れをするのか? だいぶ先でしょうけど避けがたいことですからね。{/netabare}


いろいろご都合が鼻につくのはつくのです。
{netabare}・娼館で囲われてたのに乙女だった春姫さんとか(2期)
・なんでウィーネさくっと生き返るの?とか(第8話) そもそも死なせる必要あった?{/netabare}

それでも神の掌の上で踊らされている人間といいますか眷属たちの行く末が気になるので今後も継続して観るつもりです。続編あるならですよ。

そういえばヘスティア様…
{netabare}ヴァレン何某さんのことをきちんと呼べてましたね w{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ視聴

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2020.12.21 初稿
2021.10.15 タイトル修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 46
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

英雄にあこがれて

制作J.C.STAFF。

女神ヘスティアと冒険者ベルクラネル。
彼らのファミリアは急速に成長の途を辿り、
オラリオに於いても存在感を増し続けている。
その折、偶然救出した少女は怪物であった。
言葉を解する怪物、これは異端を巡る物語。

ダンジョンで今、何が起きているのか!?

面白さは人それぞれでありますが、
格段に物語の骨子は追いやすくなっている。
{netabare}理知を備える怪物たちはどこへ向かうのか。
人と怪物、異端との共生の物語である。{/netabare}
英雄としての資質が試されているのでしょう。

声優陣はさすが、ヘスティアは当たり役だ。

最終話視聴追記。
古い価値観と新たな価値観、
現実にも通じる主題であったのでしょう。
多様な生を認めるのは難しい。
{netabare}いっそ愚者であるのはどうだろうか。
愚者こそが掛け替えのないものに、
届く可能性を秘めているのかも知れない。{/netabare}

ベルクラネルとは愚者の生き様である。
英雄への道程はまだ遥か先にありそうです。

まずまず楽しめました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久々に~、ベル・クラネルが~、ダンジョンで~、「間違い」と~、出会った~。(ウルルン滞在記風w)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ダンまち、1期、2期の視聴は必須です。好きなシリーズなのでまずたず楽しめました(☆4は高評価です)が、、、好きな順に、1期→3期→2期かな?

レビューでは、私が本シリーズに期待していることと、本作の中で自分の理解が及ばなかった点について書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私はほぼどんな作品でも、1番はストーリーを楽しみにアニメを観るんですが、本シリーズに関しては、もっとシンプルに楽しい、ダンジョンRPGをやってほしいんですよね。良い意味でラノベっぽい作品の、最上級を。

だから、6→7話とか、11→12話とかが特に楽しかった。ラスト12話のバトル作画を頑ったのは流石、「分かってるな~」という感じでした。

細かなところでも良いシーンはいくつもあって、フィーネ復活の際、フェルズの「800年の苦労が報われた」という台詞。ベル君を守るために、自らの羽をむしるフィーネ。ベル君、また女の子(笑) やっぱり、楽しいアニメであったことは間違いない。

さらに、本作の「知恵や感情を持つモンスターとの共存」は興味深いテーマだったし、それはそれの魅力はありました。

が、ぶっちゃけ言うと、「外伝や劇場版で良い話」だと思います。結局、ベル君はまたレベルアップしないし(苦笑) もっとレベルアップしたり、深い階層に進んだり、仲間が増えたり、装備を充実させてくれたり、そういうのが見たいんだよな~。

本作のテーマ(ゼノス)に関しては、余談で触れます。

これは私に読解力がないだけかもしれませんが、最終話での展開は、やや疑問に思っています。

最後、ヘルメスの企みは理解できます(ちょっとヘルメスの底が見えて嫌だったけど)。そこでのグロスの男気や、しかしグロスを討たないベル君らしさも、よく分かります。そこに、フレイヤがアステリオスをぶつけるのも、ベル君を鍛えて英雄にしたいフレイヤの狙い的に分かる。

が、分からないのは、「なぜベル君はアステリオスと戦うことを選択したか」です。しかも、あっさり。

アステリオスが、戦いを望んだから? 殺らないと殺られるから? あのミノタウロスの生まれ変わりだから? ライバルだから勝ちたい? 初対面だ(情が移ってない)から?

もはやゼノス(異端児)とは戦わないことを決意しているベル君。魔界村のレッドウォーリアを彷彿とさせるグロスの攻撃に対しては胸を開き不戦の意思を表明したのに、同じゼノスなのに、この差は? 

周りの手のひら返し(ベル君を英雄視)も、疑問。アステリオスの異常ともいえる強さ(人間に対する大きな脅威)や、ベル君の「ガチな戦い」を見たから、ベル君を信じたってことだけど、?。奇跡の生還って、ミノタウロスを倒せず、倒され、しかし生きて帰ってくるって、逆に怪しくないか? 「結局グルじゃん」と思う人も多いんじゃないかと思います。

なんか、最後があまりにも綺麗に、ベル君にとって都合が良すぎる、優しい形に落ち着いてしまったのが、肩透かし気味でした。

まあ、でも、なんやかんや見ますよ、4期だろうが5期だろうが、続編が出る限りは。惚れたもん負けですよ(笑)
{/netabare}

【余談 ~欧米的共生、日本的共生、新しい時代の共生~】
{netabare}
※「刀使ノ巫女一隅の光」のレビューと途中まで被ります。
 
「ダンまち3のモンスター」「鬼滅の刃の鬼」「刀使ノ巫女一隅の光の荒魂」には、共通点があると思う。

人にとっては厄災であり、しかし、相手にも意志があること。

先日のテレビ番組で、ある社会学者が「鬼滅の刃」というタイトルに違和感を感じる、というか、現代の「鬼観」だな~と言っていた。

曰く、「鬼」というのは元来「災い」と近く、「滅する」のではなく、「祓う」ものだった。節分などが分かりやすいが、「鬼は外」と祓う(追い払う)ものの、毎年、鬼はやってくる。「鬼は不滅」というのが、古来の日本人の考え方だった。

「祓う(払う)」とはつまり、「距離をとる」「住み分ける」ということ。元々、日本人は、厄災にすら「神」を感じ、自身の被害を防いだ上で、その存在を認めてきた。つまり、見にかかる火の粉は防ぐが、それ以上の追い討ちはしない。自分に害を及ぼさず、離れた場所に暮らしているなら、とりたててこちらから関係はもたない。

これ、良くも悪くもトラブルが起きた時の日本人的思考に繋がっていると思う。良く言えば「寛容」、悪く言えば「無関心」。

それが、日本人的な「共生」だった。

しかし、欧米の価値観の中では、厄災というのは、制圧するものであり、滅するものだった。一方に「服従」を強いるのが「共生」の形であった時代は長かった(と言ったら、怒られるかもしれないが)。

「鬼滅」というタイトルには、知ってか知らずか、そういう欧米的、現代的な思想が含まれている。そんな指摘だった(いや多分、鬼を文化的なものとして扱っているわけではないので、そんなに深みなくつけたタイトルなのだろうけど)。

さて、本作では、三者がそれぞれの「共生」を目指した。

まず、ロキファミリアをはじめ、多くの人間達が目指したのは、「欧米的共生」だ。モンスターの住み処(ダンジョン)に積極的に介入し、潜在的恐怖まで取り除くため、他者を蹂躙する。そこには、自身の利益のみを追求する強かさがあり、ある意味、純粋な生物とも言える。

一方、ゼノスやフェルズ、ヘスティアファミリアが落としどころとして決着させた、本作での結論は「日本的共生」だ。モンスターのように直接の脅威になる者は滅するが、ゼノスは(潜在的恐怖は認めつつも)自分たち人間に害を及ぼす可能性は低いため、完全に住む世界を分け、それぞれが自分達の生き方を全うする方法。ゼノスが人間を襲わない限り、人間もゼノスを襲わないという不可侵条約。これはゼノスの存在は肯定しても、受け入れはしないという玉虫色の結末だ。

しかし、本来ベル君が目指したのは、これらとは違う、いわば「新しい時代の共生」だった。それは、相手と自分との違いは大前提として受け入れ、その違いによる軋轢などを乗り越えて、文字通り「共に生きる」ことを目指した「共生」。「ボーダーレス」「ジェンダーレス」など、現在は様々な「レス」があるが、その延長線上にある視点だ。

それは、実現するならばとても素晴らしい世界なのかもしれない。しかし、現実には茨の道だ。ベル君の頭の中は、やはりお花畑である。だって、我々人類は未だ、肌の色や宗教の違いすら乗り越えていないのに、いきなり種族を乗り越えようというのだ。

さらに、昨今のコロナ事情や、野性動物による食害などを見ると、安易に種族の垣根を越えるのも危険に思う。だからこそ、我々生命体は多様性を確保し、様々な環境に適応しているという側面もある。

ただ、ダンまちの世界では、エルフやドワーフも共に生きているのだから、我々よりは進んだ未来なのかもしれない。そうであるならば、モンスターを受け入れ共に暮らす未来も、可能性は0ではないと感じる。

アニメは、空想の世界だ。何もそこでまで、世知辛くなる必要もない。ベル君にはぜひ頑張って頂き、我々人類が成し遂げられていない可能性を、示してほしいと思っている。女の子に助けられながら(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
ベル君は優し過ぎるからな~。理知あるモンスターは、色々やっかいだよな。初見の視聴者を意識しない、落ち着いたスタート。

2話目 ☆4
女の戦い(笑) モンスターとしては、かなり強い部類に入るんだよな。神々の思惑だよな。

3話目 ☆4
知能と心をもったモンスター。ゼノス。

4話目 ☆4
人とモンスターの定義、存在意義。輪廻転生。ダンジョンは、地獄みたいなものなのかな?

5話目 ☆4
さて、次はバトルかな。

6話目 ☆4
やはり、こういうシンプルに熱い展開の方が良いね。

7話目 ☆5
獲物を横取りするな、は、ギリギリのラインだな。フィーネとの悲しい別れ。からの、復活呪文。賢者の面目躍如。800年の苦労が報われたというのも良いね。愚者であれ。

8話目 ☆3
まだ解決してないの? まあ、嫉妬もあるよな。神様、珍しく見せ場。やったことの責任はとらないとな。死者が(多分)出てないのが、都合よすぎるが。

9話目 ☆3
作戦中。ベルくん、女たらし(笑)

10話目 ☆


11話目 ☆4
みんな私みたいにバカじゃない。こういう、シンプルで胸熱バトルが似合う作品。じゃあ人間にこんなことができるか、という自傷行為。

12話目 ☆4
最後のバトルは流石に作画も頑張り、面白かったは面白かったが、やや、疑問も残る決着か。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 36

75.8 16 師匠でファンタジーなアニメランキング16位
ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (408)
1705人が棚に入れました
「Fate/Zero」において、征服王イスカンダルとともに第四次聖杯戦争を駆け抜けた少年ウェイバー・ベルベット。時を経て少年はロード・エルメロイの名を受け継ぎ、「ロード・エルメロイII世」として、魔術師たちの総本山・時計塔で魔術と神秘に満ちた様々な事件に立ち向かう―――。

声優・キャラクター
浪川大輔、上田麗奈、小野大輔、水瀬いのり、松岡禎丞、山下誠一郎、小林裕介、平川大輔、伊藤静
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

バビロン捕囚

原作三田誠、制作TROYCA。

Fateシリーズからのスピンオフ。
ロードエルメロイの名を襲名した主人公が、
神秘集う魔術師たちの総本山ロンドン時計塔で、
謎に満ちた様々な事件に挑む魔術ミステリー。

第四次聖杯戦争から時が立ち、
シリーズに疎い僕としては心配でしたが、
美麗な映像と神話的な世界観、
厄介な相談者、謎に満ちた仕掛け等々、
これは圧巻の導入部ではないでしょうか。

英霊イスカンダルの復活、
魔眼蒐集列車へと至るオリジナルエピソード。

ロードとは魔術協会を支配する最高権威。
彼はその地位を守り抜けるのでしょうか。

2話視聴追記。
超常現象と対峙する探偵といった趣で、
陰影に富む荘厳な館が舞台の超常ミステリー。
{netabare}魔術師の夢「根源」を願った研究者の悲劇。
永遠に憑りつかれたものの運命。{/netabare}
助手の少女グレイが「知識」ではなく「力」で、
頼れるのが好印象を加速させている。

これは僕が最も好む世界観である。

最終話視聴追記。
{netabare}魔眼蒐集列車での事件も一段落が付き、{/netabare}
学舎では根源を目指すもの達の巣立ち、
静かなエピローグが余韻を誘いますね。
主題歌・劇中歌ともに完成度が高く、
荘厳で秘教的な魔術の世界を堪能しました。
万物の理に退隠する真理探究の世界だ。

ぜひ皆さんも楽しんで頂きたい。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 50

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

『Fate/Zero』を観てから観るが良い!(なにげに「やが君」と監督同じ(笑))

『Fate/Zero』でまるで主人公のように(笑)活躍していたウェイバー君のその後を描くFateシリーズのスピンオフ的な作品。原作小説があるらしいです、知らんけど…。

まあ、『Fate/Stay night』の一連の作品群が「本編」と考えれば『Fate/Zero』も前日譚とはいえスピンオフみたいな物ですが…。

本作では『Fate/Zero』でのエピソードの後、ウェイバー・ヴェルベットがある経緯からロード・エルメロイⅡ世を名乗り、時計塔で現代魔術科学部長をしている中で魔術が関わった事件について(お金のために(笑))依頼を受けて解決していくという感じのお話です。

私個人としては、ロード・エルメロイⅡ世となるにあたって義妹となったライネスとの会話や、荒事では頼りになる内弟子グレイなどを愛でるアニメと化しています。

加藤誠監督作品でありあおきえい氏も参加していることなどから、演出には『やがて君になる』と似たような香りを感じることもあります。

2019年夏作品の中では、まあまあ面白い方だと思います。

2019.10.1追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。6/29に放送された第0話を含めると全14話で、1クールでの放送としては話数は多い方となりましたね。

私はこの第0話が面白かったから第1話以降も観たのですが、観て良かったです。

魔術が絡むと犯罪の手段は超常的なので「How done it(ハウダニット)」を考察するのはあまり意味がなくまず「Why done it(ホワイダニット)を考えるべきだというのが本作の常套句でしたが、確かに犯行方法は「なんじゃそれ?」というものばかりでした。

余談:
その1)
EDで、トリムマウを変形させたと思われるかまくら的な物に入って雨宿りをしているライネスがカワイイです。

その2)
ロード・エルメロイⅡ世とライネスのやり取りを聞いてると「おまえら、本当に仲良しだな(笑)」と微笑ましくなります。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 38

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

やっぱり、スピンオフは予習が必要ですよね(苦笑)

予習無しで第1話を視聴して、冒頭から「???」となってしまったので・・・。

『Fate/stay night』
→『Fate/stay night:Unlimited Blade Works』
→『Fate/Zero』
の順で一気見視聴してから、再度、本作を視聴開始。


第1話冒頭から、感動で胸が熱くなる。
ウェイバーのイスカンダルへの想い。
最終話は涙無しには見られませんでした。
ここが物語の柱の一つになっていきます。
そのため、最低でも『Fate/Zero』は視聴してから、本作を視聴されることをお勧めします。

魔術絡みの事件を解決していく物語。
だけど、いわゆる「推理物」とは異なります。
なぜなら、魔術の何たるかを理解していない我々には、解決の糸口さえも掴めないからです。
そのため、「推理物」を期待していると、確実に裏切られることになると思います。

だけど、この作品に関しては、それでいいんだと思います。
この作品に関しては、楽しむべきポイントが別にあると思うからです。

圧倒的な背景の美しさ。
バトルシーンの美しさ。
豪華声優陣が紡ぐテンポの良い掛け合い。
本編の世界観とマッチしたOP/ED。

これらが作り出す雰囲気が非常に心地良い作品です。
続編を期待して待ちたい作品です。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

68.5 17 師匠でファンタジーなアニメランキング17位
GRANBLUE FANTASY The Animation(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (370)
1479人が棚に入れました
父親の手紙に記された星の島・イスタルシアを目指すため、故郷の島ザンクティンゼルを発つ決心をした主人公は、エルステ帝国から脱走してきた少女・ルリアと出会う。ルリアを帝国から庇い重傷を負った主人公だったが、ルリアが自らの命を主人公の命とリンクさせ、一命を取り留める。主人公はイスタルシアを目指すため、ルリアは帝国の追手から逃れるため、ザンクティンゼルを飛び立った。

声優・キャラクター
小野友樹、東山奈央、釘宮理恵、沢城みゆき、平田広明、田村ゆかり、山路和弘、田中理恵、加藤英美里、杉田智和、伊藤かな恵
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

良い意味で、ソシャゲRPG原作らしからぬ、真っ直ぐで爽やかなアニメ

【文量→中盛り 内容→感想系】

【総括】
2期、視聴開始っす♪

ソシャゲRPG原作らしい作画の良さとキャラデザの格好良さ、音楽の素晴らしさ(特にOP)がまず際立つ。その上、ソシャゲRPG原作らしからぬ、しっかりとした王道のボーイミーツガールのストーリー展開が好印象。キャラも増やしすぎず、きちんと感情移入できるものになっていました。

素晴らしく面白い! とまでは言えませんが、観ても損しない、なかなかに面白い作品でした。

《以下ネタバレ》


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
※個人的経験と感情により皮肉っぽくなっていますが、基本は、誉めてますよw

私は基本的にソシャゲ嫌い、ソシャゲRPGはアニメに向かない、という考え方です(詳細はチェインクロニクルのレビューに)。

でも、本品は良かったですね。ストーリーこそ目新しさはないものの安定していたし、それ以外はいずれも高いクオリティだったかと(音楽とかすげぇ良かった。OPは今期(2017春)1位かも)。

個人的に一番の高評価は、カタリナのポンコツっぷりでした。3話とか、かなり萌えましたw ラカムもFFにそのまんま出てきそうwで、格好良かったですね。

あと、8話目のダンジョン回好きでした。1話完結でも魅せ所をちゃんと作り(バトル)、普段と雰囲気を変えたラブコメの要素(ルリアのアホ毛レーダーとか笑えたし、砂山を滑ってきてグランに抱きつくかたちになり、照れてるところとか萌えた)。その中で新たな仲間に出会い、新たな武器を手にするという、正道のファンタジー要素も忘れない。かなり優秀な回で、これは脚本が良かったのかな?

私は原作未プレイなので自信はないけど、課金によって得られるのは主に「武器」と「召喚獣」なんですね。だとすれば、アニメにするには都合良いのでしょう(キャラを増やさずにいけるから)。

と、思ったら12話は怒濤の登場人物連続出場でしたねw まあ、ここまでご新規さん向けに作ってきたから、最後に原作ファンへのサービスがあっても良いのかもしれませんね。

そして、ある意味超展開の13話(笑) まさか、ここまであんなに丁寧に作ってきたのに、根底から覆すとわ(笑) まあ、明らかに賛否あるでしょうが、個人的には好きですよ。13話ですし、円盤特典のOVAをタダで観られたと思えばお得です。てか、あにこれならこっちの方が評価上がりそうだと思うのは、私だけでしょうか(笑)

こういうソシャゲ原作なら、今後も観たいですね♪
{/netabare}


【余談1 ~グラブルへの一方的な逆恨み(笑)~】
{netabare}
自分が唯一ハマったソシャゲの運営がグラブルと同じなのですが、グラブルが売れるのと反比例するように、ウチのイベが雑になり、ガチャやゲームシステムも「重課金者から搾れるだけ搾り取ろう」という方向性に。そして、サービス終了。だから、グラブルには恨みしかないんだよな~w そして、それがソシャゲの本質。愛がないっすよ(涙)

ただ、グラブルへの個人的な逆恨みは、本作への評価には関係しておりませんし、グラブル自体が嫌いなわけではないので、悪しからず(むしろ、好きな世界観で興味あるんだけど、サービス終了になった「我がゲーム」に義理を通し、喪に服すためにもプレイすることはないでしょうw){/netabare}


【余談2 ~番組間のCMに物申す(笑)~】
{netabare}
ルリア「ねえグラン! 私たちの冒険がゲームでも出来るって知ってた!?」

……いや、アニメを観ている層で、グラブルがソシャゲだと知らない人って、どのくらいいるのかな?(笑)
{/netabare}

【先行放送 ザンクティンゼル編(自分用メモ)】
{netabare}
王道のボーイミーツガール。

初対面の少女を助けるために、帝国の正規兵と躊躇なく戦うとかw なんかこう、展開が早いというか、キャラに感情移入できないまま、ストーリーが進んでいく。グランはなぜ、ルシアを正しい者だと断言できるのだろうか? 美少女だからか?(笑)

後編、少年時代のグラン……まんまラピュタですやん(笑)

美少女と離れられないだって……!? 御褒美ですやん(笑)

てか、今期(2016冬)、釘宮さんのマスコット役多すぎないかいw
{/netabare}


【本編 各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ん? 先行放送の「ザンクティンゼル編」のまんまかな?

2話目
同上。

3話目
カタリナ、ダメ可愛いw 渋いオッサンキャラは鉄板の格好良さですな。

4話目
なんか、普通のRPGのようにストーリーが流れていて、ここまでは好印象です。

5話目
艦隊戦っぽさもあり、面白かったです。なるほど、これで次のエリアにいけるわけですね(ソシャゲっぽい)w

6話目
シェロの動きは、清々しい程の力業で解決。まあ、開き直られると何も言えないw

7話目
なんか、ドラマをやってたな。悪くはないけど、普通に主人公パーティの話の方が好きだな。

8話目
なんか、ギャグ&日常回? ルリアさんのアホ毛、そんなことできるの(笑) あの剣は、ミッションクリア報酬かな(笑)

9話目
シリアス? ここからストーリーをまとめにいくのかな? オッサン同士の会話は、良いね~。

10話目
カタリナは、ルリアの親代わりなんですね。

11話目
安定してるな~♪

12話目
なんか、いっぱい出てきたぞ~。オッサンがパーティーに二人って、良いね!

13話目
まさかの女性主人公編(笑) まあ、良いんじゃないでしょうか。ファンサービスとして。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 48

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

グラブってる…?(CM三人衆出てきた!「ウェーイ!」)→ ifで締めるだと!(グラン編はファミ通文庫でノベライズ)

私はグラブってません(笑)。
まあ、このアニメは悪くない感じなのでしばらく観てみます。

2017.4.18追記:
ストーリーは、普通にRPGですね。そんなに悪くはないんだけど、パーティーのメンバーが揃うのにはもう数話かかりそうです。

ゲームでグラブっている人にはBD or DVDの特典が嬉しいのか、円盤の予約状況はわりと良いようです。

私は地上波でみられますけど、BSでしか観られない人は神撃のバハムートと放送時間かぶっちゃいますね。それでよいのか、Cygames…。

2017.5.29追記:
街中でイカ焼き売ってる露店の店員として、CMで「グラブってる?」、「ウェーイ!」ってやってる三人衆が出てきました。キャストもCMと同じっぽいです、ってただそれだけ…。

2027.6.25追記:
放送最終回の1話前が事実上の「最終回」でした。最終話は女性主人公のジータを選んだ場合のダイジェストストーリーでしたね。グラン版の映像を流用して、半分総集編みたいな最終話でした。

ただ、最終話を観て思ったのはジータはグランよりもかなり腕が立つように描かれてましたね。腕はSTAR WARSシリーズのジェダイマスター並みです。特殊能力なしでもカタリナより強そう(笑)!

EDもジータ版として背景アニメに若干の変更がありました。全体として、普通に冒険しててグラン版だった本編はけっこう面白かったです。

2017.8.29追記:
ジータ主人公の特別編はさておき、グラン主人公のストーリーはファミ通文庫でノベライズ(現在8巻:Ⅰ~Ⅷが刊行)されています。アニメのストーリーの続きを読もうと思うとⅣ以降になるみたいです。

続編がアニメ化されるかどうかは何とも言えませんが…。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

俺が欲しかったものはたった一つ…ルリアだ!!

2018.07.07記


ゲーム未プレイ

背景画がきれいで、ゲームもこんなきれいだったらいいよなーと思ってるうちにいつの間にか最終回。
RPGならではの仲間を集めていく過程とかイベント(クエスト)をクリアして進めていくところなどは王道といえば王道。いや、とても慣れ親しんだ世界です。

ただし、これ

「ゲームをやっていれば感情移入できるんだろうなぁ」

とはなっちゃいますな。

{netabare}これまで出てきてなかったキャラ達が勢ぞろいしちゃう12話とか、グランどこいっちゃんたの?の最終13話とかはアニメオンリーだと解釈難しいでしょうね。{/netabare}


私みたいな素人でもTHE販促アニメというのがわかってしまうほどの作品でしたが、不思議と嫌悪感のようなものは覚えませんでした。きっと露骨すぎて逆に微笑ましく思えたのでしょう。

なお、BUMPの主題歌はとても良い。


-----
2018.12.19追記


ルリアのスマホカバーしてる男の子を電車の中で2,3回見かけたことがあります。私は一時期パズドラやってたくらいなもので、ケータイゲームには本当に疎いです。きっとルリアちゃんもめっさ人気があるんだろうな。いい子だったもの。。。



-----
2019.11.03追記
《配点を修正》 ̟+0.1


※低評価は「そりゃないっしょ?」なオチだったから。
 いろんな作品観た今なら許せるかもしれませぬ。

2期始まりました!なんだかんだ観ます。だってきれいなんだもの…
そして2期の1話観てみたところいい感じで続編感が出てます。

この1期は最終話が別の意味で劇的ではありましたが、それ以外は1クール通して地道なRPGやってました。
無味無臭なのは否めないものの、クセもなく嫌味な感じはしない作品です。



視聴時期:2018年4月~6月 地上波再放送  

-------


2018.07.07 初稿
2018.12.19 追記
2019.11.06 追記/配点修正
2020.07.21 修正

投稿 : 2024/06/08
♥ : 38

77.5 18 師匠でファンタジーなアニメランキング18位
王様ランキング アニメ(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (461)
1460人が棚に入れました
国の豊かさ、抱えている強者どもの数、そして王様自身がいかに勇者のごとく強いか、それらを総合的にランキングしたもの、それが“王様ランキング"である。主人公のボッジは、王様ランキング7位のボッス王が統治する王国の第一王子として生まれた。ところがボッジは、生まれつき耳が聞こえず、まともに剣すら振れぬほど非力であり、家臣はもちろん民衆からも「とても王の器ではない」と蔑まれていた。そんなボッジにできた初めての友達、カゲ。カゲとの出会い、そして小さな勇気によって、ボッジの人生は大きく動きだす———— 。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小さな足跡

WIT STUDIO制作。

ボッス王国の第一王子ボッジは、
生まれつき耳が聞こえず、言葉を話せない。
周りからは、王の器にないと蔑まれている。
そんなある日、カゲと友達になったことが、
彼の人生を大きく前進させることとなる。

王様を順位付けする価値観が存在する世界で、
ハンデを背負い、非力なボッジが、
どのようにして世界を変えていくのでしょう。

ボッジの夢は立派な王様になること。

とても良質なアニメの予感、
絵本のような絵柄とキャラクター、
KING GNUの主題歌も素晴らしい。

11話視聴追記。
それぞれに当然ながら過去があり、
{netabare}鏡の魔女=ミランジョとして、
彼女の闇もまた深そうだ、そして王との因縁。
冥府の罪人が、王国を襲撃する、
修業を終えたボッジは間に合うのか!? {/netabare}

最終話視聴追記。
誰もが幸せになる権利を有している。
{netabare}生きていく上で、恨むことより、許すこと。
その難しさと尊さが描かれている。
王の剣はきっと、その国に暮らす、
人々の苦しみを断ち切るのでしょう。{/netabare}

どうやらまだ、冒険は続きそうだ。
不思議な魅力を持つ作品だと思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 47
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

お題の意味するものはなんでしょう?

原作未読

内容はひとまず置いといてリアタイ期にヘビロテしてたクセ強い宮野真守のCM

 アニぃメを見るなら プラ○ムヴィデオん↑

…の話題作品ラインナップちゃっかり入ってた印象が強いやつです。ノイタミナだし、萌え萌えに走っていないデザインなんかも興味を惹きます。それに

 王様のランキングって何だろう?

冷静になると理解不能っちゃ不能。どの尺度で順位付けするのか手段もわからなければ根本的なところでそれやる意味があるのか目的も不明です。裏を返せば何が出るのかお楽しみ。期待値は上がります。
主人公はボッス王国第一王子のボッジ(CV日向未南)。耳が聞こえないため言葉を発することができません。そしてとっても素直な子。なお、喋れないからか作画での感情表現頑張ってますね。表情豊か。

ボッジの弟第二王子ダイダ(CV梶裕貴)はボッジとは対照的な性格で序盤は王位継承争いやってるのでそのへんがランキング云々なのかなと思いましたがこれも違うようです。
{netabare}ダイダとボッジで“だいだらぼっち”日本の巨大妖怪を夢想してたら案の定巨人族が物語に登場。梶裕貴さんが巨人に絡むという伏線を見逃してた自分はまだまだ未熟です。{/netabare}


全23話。
『アルジャーノンに花束を』『フォレストガンプ』みたいに無垢な存在が周りに影響を及ぼしていく展開を期待しました。
おそらく賢王となるだろうホッジが帝王学を学んでいく過程みたいなのもあるかなとも思いました。
『王様ランキング』なんて順位付けある世界の秘密が明かされた時の驚きを楽しみにもしてました。

との事前期待がありました。結果は上から順に{netabare}“それなりに影響及ぼしてった”“それなりに帝王学会得してった”“ん!?ランキング意味あった?”{/netabare}です。
なんとなく良いお話で終わっているので結果オーライって感じですね。

■なんとなく…良い
きちんとお話の軸{netabare}、“先王とミランジョ(CV坂本真綾)の因縁”{/netabare}があって一本芯が通ってました。
ボッジとダイダだけではなく登場人物各々にある“光と影”を描きながら“難しい選択”を迫り決断させています。特に上に立つ者の心得/教訓めいたものはどこかの故事をなぞっているフシもありストンと腑に落ちるところがありました。

■なんとなく…悪い
一方で良き心得/教訓は寄せ集め感とでもいいますか首尾一貫したところがなく、数話前の同一キャラの行動原理と根の部分で違っていることもしばしばで全体感の把握を妨げました。
どういうことかというと、ABCの小ネタストックあるうちAはストーリー進行上正しいネタなのだけれど、そこのパート演者であるXがとる行動としては合わない!みたいなところに平気でぶっこんできているところ。こうなるとキャライメージが脳裏に定着しないんですよね。


光と影が交錯しながら最終的にはポジティブな幕の引き方をする。好意的に評価しつつも2クール費やしといて“ランキング”の意味するところ全く持って不明ってのは続編期待なのかもしれませんが不親切。総じて満足と物足りなさ半々といった佳作かと思います。



※雑感

■一言

・OPとED。前期も後期も良曲でした。
・坂本真綾さん。{netabare}近年、魔女役くらいでしかお会いしてない気がします。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~2022年3月 リアタイ

-----

2022.03.27 初稿

投稿 : 2024/06/08
♥ : 42
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

子ども向け絵本を長編にしたような話

【感想】
途中までは見た目が児童向け絵本っぽいからと言って視聴しないのはもったいないくらい面白かった。
常に先が気になってワクワクさせてくれる作り。単純に話が面白いですね。

でも見た目だけでなくシナリオも良くも悪くも絵本みたいな作品で、絵本って話がコンパクトにまとまってて無駄がないから面白いけど
それを長々引き延ばすと飽きてしまうということが良くわかる作品でした。
正直、バトルの無駄な引き延ばしが他の面白さを台無しにしていると思う。

2クール終わったところで {netabare} 「王様ランキング」部分がまだ本格的に始まってない?感じでしたし
これから面白くなるのかどうかもよくわからないですが、バトル以外は結構好きな話なので視聴は継続するつもりです。

2クール通じて同じような調子が続いて飽きてきてるので、今後面白くなるかは「変化」が鍵になってくるでしょう。 {/netabare}

【バトル】
これが一番ダメなポイントで、とにかく長く引き伸ばし過ぎでくどい。
動きがスピーディーなのに展開を引き延ばすことが多くてスピード感が台無しでいつまでやってるの?って思う。
{netabare}
特にオウケン戦のくどさはバトルアニメの悪い見本で、このアニメの戦闘は長いだけで面白くないっていう印象にさせた元凶。
退場させるタイミングを完全に誤ったと思う。
これだけぐだぐだ戦って、実はこんな人だったって話をされても「もうオウケンはいいから早く退場して」って気持ちしかないから興味なんてない。

このオウケン戦の無駄な長さで視聴者を飽きさせてしまっているのが、この作品全体の評価の暴落の最大の原因だと思います。
{/netabare}
【作画・音楽】
ファンタジーな世界観によく合う児童向け絵本のような見た目と世界観がとても個性的ですね。

主題歌はとても好きです、OPもEDもいい曲ですね。

【シナリオ】
だいぶ重い話です。かわいい見た目に油断していると結構ショックでかい。
{netabare} でもそれは途中までの印象で、「悪い人が実は良い人だった」「戦っても誰も死なない優しい世界」というコンセプトが見えてしまってそれがずっと続いていくとくどいし無理があるところも出てきましたが、もう少し変化さえあれば許容できる範囲かな。
変化とか驚きは長い物語を見るうえで大事なことなので、どうせ最後はこうなるんだろ?は回避しなきゃいけないと思います。

ただ、最初のほうは本当に面白くて良かったので、序盤だけの印象の感想も書きます。

王道ファンタジーのシナリオで、それぞれのキャラクターの背景が複雑で目が離せなかった。
信じていた人が実は酷い人だったり、嫌な人が実はいい人だったり、人間関係がとても複雑だけどわかりやすくて、
誰を信じたらいいかわからないけれど、疑心暗鬼になるんじゃなくて誰を信じたいかで動くボッチ。
信じた結果裏切られることになるかもしれなくても、それでも信じたいって思うのが人間だから。
いい人ばかりじゃないけど、まっすぐ前を向いて頑張るボッチの勇敢さと強さに何度も勇気づけられました。

見た目がこれだけ可愛らしいのに、結構えげつない出来事とか酷い境遇とかいっぱいあって
ボッチは何度も何度もつらい目に合うけど救われない話じゃなくて、ちゃんと支えになってくれる人がいるし
周りの助けだけでなんとかするんじゃなくて、ボッチ自身も一生懸命頑張って、周りの優しさを力に変えて困難に立ち向かうシナリオが熱い。
つい応援したくなっちゃう心温まる話ですね。

ボッチの味方をしてくれる人はもちろん、敵に回る人達にもちゃんとそれぞれの事情や生きてきた軌跡が描かれていて
なんでそんな意地悪なことをするのか、ただの嫌な人じゃないんです、
この人だって苦しんでいるんですっていうのがわかったりしていろんなキャラクターを好きになっていきますね。
ボッチに次々と困難が襲い掛かってくるので、もうダメだって思ったときの思いもよらない人からの助けが入ったりして
不意打ちですごいじーんときてしまう。 愛が深すぎる。
一生懸命生きているってこと、ちゃんとボッチのこと見てくれてる人がいて、ボッチの優しさがちゃんと相手に届いて
その優しさに優しさで答える人達。
お前はひとりじゃないよって言ってくれているようで良かった。

でも、それがずっと続くと話は変わってくる。
仲間がどれだけ傷つこうがピンチになろうが、敵が強大だろうがどうせ誰も死なない、どうせ改心するってのがわかってくると緊張感も興味も失っていきます。
結末を分かっている話を面白いと思うのは難しい。しかもそれが間延びしていたらなおさら。

最初に書いたけど、絵本って短くコンパクトに話がまとまってるから面白いんだと思う。
絵本のストーリーを引き延ばすとこうなるっていう悪い見本になってしまった。

ボッスとミランジョは私はそんなに嫌な印象はなかった。
もちろんやったことは許せないことだけど、何か事情があってやってるんだろうなってのは作品のコンセプトからわかっていたことなので。
ただ、ボッスのほうは嫌悪感はないけど共感はできなくて、しょうもないなあって思いましたけどね。

たぶんオウケン戦があんなにくどくなければ、せいぜい「ご都合主義だなあ」くらいで終わりだと思う。
{/netabare}
【キャラクター】
主人公がしゃべれないっていう設定は短い作品なら個性があって良かったけど、長くなってくるとデメリットが際立つようになってきますね。
しゃべらせないで視聴者の共感を集め続けるのって限界があると思う。

キャラクターの掘り下げを全然しないダメな作品は多いですが、これは逆で掘り下げをやり過ぎ。
登場人物や悪役一人一人を掘り下げる必要はないと思うんです。
{netabare} ただ悪意しかない邪悪なキャラクターだって、何も考えてないモブだって必要なキャラクターなので、全員を掘り下げていたら長くてくどいのは当たり前だと思う。

最初はキャラクターの印象はかなり良かった。
単純な話かと思ったら、それぞれのキャラクターの掘り下げが深くてついつい先が気になりました。
人の心の醜い部分、弱い部分、強い部分、優しい部分がバランスよく描かれていて
一人一人のキャラクターの生き方につい注目してしまいます。

ボッチがカッコいいのはもちろんのこと、わき役一人一人が本当に魅力的で素晴らしいと思っていた時もありました。
これも一緒で、母親のエピソードくらいで終わっていれば「面白かった」という評価で終わりだったんですが・・・。
なにごともほどほどが大事ですね。

続編があるのなら、こういうマンネリが変化することを期待します。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 32

61.4 19 師匠でファンタジーなアニメランキング19位
異世界チート魔術師(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★☆☆ 2.7 (387)
1417人が棚に入れました
どこにでもいる普通の高校生・西村太一と、運動神経抜群でモデル体型の美少女・吾妻凛。平和な高校生活を送っていた二人はある日突然、不思議な魔法陣の光に包まれ、見知らぬ土地へ迷い込んでしまう。そこは恐ろしい魔物が生息し、獣人やドワーフ、エルフといった多様な種族が存在する、まるでファンタジーのような世界。異世界へと導かれた太一と凛は、ここで生き抜くために「冒険者」になることを決意するが、その適性検査で、二人が“チート"な魔力を持っていることが判明して……。

声優・キャラクター
天﨑滉平、高橋李依、田中美海、大原さやか、久保ユリカ
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

【酷評注意】召喚されたのが凛ひとりだったら、もっと面白かったんじゃ?

原作未読。最終話まで視聴。

高校生が異世界召喚されて、最強でハーレム・・・。
初期設定から面白くなさそうな雰囲気が・・・。

主人公の少年の言動が常識外れで滑稽というか、不愉快に感じることもある。
普通の高校生が、異世界召喚され、チートな能力を与えられただけなのに、何故だか偉そうな言動。
これでは共感が得られない。
『おじいさんが常識を教えるのを忘れていた』初期設定が活かされている・・・、
いや、これは違う作品の初期設定か!!!(笑)

作画はとてもひどい。

物語としては、第6話まではそこそこ面白い。
本当はかなり面白いんだと思うけど、主人公の少年の言動が、ね・・・。
かなり足を引っ張っちゃう。
主人公なんだから、足を引っ張るなよ!!

第7話はヒドイ回だったな・・・。
かなり重要な回だったと思うんですけど、バトルのテンポが悪い。
無駄に多過ぎる会話!(特に太一の無駄口が多すぎる)
そして、意味不明の展開・・・。
{netabare}フードの男に何か言われて、フラフラと太一のところに行ってしまうアナスタシア。
太一の邪魔をするのかと思えば、太一の所に行っただけで、すぐに正気を取り戻す・・・。

双頭竜のブレス攻撃の際、アナスタシアに助けられる太一。
はぁ・・・。大したチートだわ・・・。

で、アナスタシアは双頭竜に殺されて・・・。
風の精霊エアリアルと契約を結んだ太一。
対するは、明らかに手抜きする双頭竜。
はぁ・・・。大したチートだわ・・・。

結果、太一は双頭竜を倒せない。
アナスタシアの仇である双頭竜を・・・だ。
はぁ・・・。全く、大したチートだわ・・・。

そして、地下から現れたはずの双頭竜は大空高く飛び立っていく・・・。
いやいや、せめて地下に戻れよ・・・。{/netabare}
原作がこうなのか、シナリオでこうなったのか知らないけど、これはひどすぎる。

これ以降、更にグダグダの展開が続く。
物語が佳境に入ると、見ているこちらは、だんだん盛り下がっていく・・・。
そんな不思議な作品。

主人公の少年の無駄口が多過ぎで、バトルのテンポが悪い。
バトル物としては、これは致命的。
{netabare}敵の大群(というほどでもないかな?)に取り囲まれているのに、太一は国王の弟と呑気に無駄口。
制作陣は『緊張感』という演出をどう考えているのでしょうか?

凛たちも敵に襲われる事も無く、無事に太一に合流。
『殺さず』の凛たちが、敵の大群を払い退けながら太一の元へ・・・。
ここが見どころの一つだと思うのに、ここは全く描かない。{/netabare}
ひたすらこんなことに繰り返し。
自分たちで盛り上げておいて、バッサリと切り捨てる。
原作がこうなのか、シナリオでこうなったのか知らないけど・・・。

ツッコミどころ満載で笑える『異世界スマホ』の方が、『笑える』だけマシだった?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

「チート」が言うほどチートでもないせいで、爽快感が得られない作品。

原作とは、テレビCMと書店店頭で売られているのを見かけた以外に特に接点がありません。そして全話観終わった今、特に原作を読もうという気持ちにもなっていません。

この作品で見るべきものといえば「主人公(男性)が異世界に転移する際に異性の幼馴染みを巻き込む」という点に若干のオリジナリティを感じるくらいだと思っています。

その巻き込まれた幼馴染みにしても主人公と知性的に同レベルなので、ほぼ全ての問題対処が力押しかつ思慮が浅いものになっています。まあ「高校生だからこんなものだ」と言ってしまえばそれまでですが、それにしてももう少し何とかなって欲しい気はします。

1クール観終わっても作中の「あの方」の思惑が「主人公を転向させたいのかな?」程度にしかわからなくてストーリーへの興味が続かないという構成上の問題もあるかもしれませんが、主人公の現地民に対するアドバンテージがせいぜい戦闘力くらいしかないという辺り、逆になろう作品をはじめとする近頃の異世界冒険物を好きな層からも注目されないことになりそうに思えてなりません。

数ある異世界物の中でも主人公が頭を使わないことにかけては最右翼ともいえる作品であり、だからといって戦闘場面の描写が優れているわけでもないし常に相手を圧倒して勝つというわけでもありません。
(例えばいせスマくらい常に相手を圧倒するなら、それはそれでアリな気がするわけなのですが…。)

ということで、お付き合いで完走はしましたが「物語の評価」は私の採点としてはかなり低いものになっています。途中で断念する方が多数いるのも理解できますし、無理に観なくても良いのではないでしょうか。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 30
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

なろう以下

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
どんなアニメかは、レビュー読まなくても、本作のタイトルで分かるでしょう。大量生産のお手軽異世界物語です。

てか、冗談抜きで、作者は中学生なんじゃ?

今までアニメで見てきた、他のなろう系作品は、(私も素人ですが)「素人の中では文章(構成)力ある」と思っていましたが、これが原作をちゃんと表現しているなら、マジで、(普通の人の中でも)中の下。正直、仕事やめて時間作れば、自分でも書けちゃう程度のクオリティに感じました。

あと、「なろう系」は大半がチートですが、それを開き直ってタイトルに入れてくる感じのセンスが、なんか嫌ですね、私は。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ちなみに私は、「小説家になろう」自体を、良いとも悪いとも思っていません。ただその中に、良い作品と悪い作品があるというだけです。

そして、「なろう」と言われるのは、「小説になろう原作アニメ」で、「低クオリティ」の作品です。

ただ、本作は(私の中の基準ですが)、「なろう系にすらなっていない駄作」です。

(ちなみに小説家になろうにログインしたこともないんですが)私の中で、「なろう系」の特徴だと思っているのは、

【既存の世界観+1アイディア】

です。「オバロ→ファンタジー+アンデッド」「このすば→ファンタジー+ギャグ」「異世界食堂→ファンタジー+料理」「ナイツマ→ファンタジー+ロボ」みたいな感じ。

そもそもが、「小説家になろう」とは、素人が気軽に小説を投稿し、気軽に読むことが出来るサイトなのだと思います。その中には有象無象の作品が数多あり、人気が出た一握りの作品だけが、文庫化やアニメ化までたどりつけるんでしょう。

でも、、、この作品も、その1つなの???

私は昔、「RPGツクール」というゲームにハマり、いくつかゲームを作っていました。自分の中では「オリジナルゲーム」だと思っていましたが、結局は「FF」「ドラクエ」「ロードス島戦記」など、自分が好きな創作物をごちゃ混ぜにしただけのものでした。

それと同じ様なこと(小中学生がする妄想遊び)を、大人になってもガチでやり続けているのが、「なろう」なんだろうと思っています。

既存の世界観を使うことは、パクりでもなんでもなく、「しょうがない」ことです。自分で世界を丸ごと創造できるような人なんて、ごく僅かでしょうし(まあ、そういう人をクリエイターやアーティストと呼ぶんでしょうけど、本当は)。

既存の世界観を使うメリットもあります。

最も大きいのが、「説明不要」だということ。例えば、「スライム」が出た瞬間、「ザコキャラ」だと認識したり、「冒険者」と一言書くだけで、「ギルドに属していて、依頼を受けて魔獣を討伐する等の行為で金銭を得る存在」だと分かるのは、読者(視聴者)の側に、同一の世界観(価値観)に触れてきた経験が豊富にあり、その部分に依存しているということです。

「既存の世界観」とは、作者と読者の共通言語みたいなもの。

表現する方からすれば、いちいち説明をしなくても済むし、新しいことを考えなくても良いから楽です。また、読む方からしても、自分の知識や価値観の枠内で物語が紡がれるので、大した読解力も求められないし、ストレスフリーで気楽に楽しめます。

でも、やはりそれだけでは、名作にはなり得ない。分かりやすいだけでは、超えられない壁がある。

そこで、なんとか目新しさ、オリジナリティを出そうとしたのが、(アニメ化された)過去の「なろう系」だと思っています(+ワンアイディアの部分)。

本作はなにか、「そのワンアイディアを考えることすら放棄している」ように感じられて、、、。

「やってできなかった」ならまだしも、「やろうとすらしていない」という感じを受け、このような厳しい評価にしました(まあ勿論、私がそう感じてしまったというだけではあるのですが)。

ある意味で希有だと思ったのは、「ただのパクリの集合体をなんの恥ずかしげもなく自分の作品だと堂々と発表できるメンタルの強さ、鈍感さ」です。

ていうか、開き直ってるのかな?むしろ。「異世界転生で、チートで、魔術師ですけど、なにか問題でも?」みたいな。

この作者の個性って、何なんだろう? スマホ太郎ですら、(あんまり使ってないけど)一応、スマホっていうワンアイディアを付け加えようという程度の工夫はあったのにさ。

これよりつまらない、低クオリティのアニメも、いっぱいあります。でも、「上手くいかなかったけど、やりたいことや頑張りは伝わった」って作品には、不快感はありません。が、本作は、なんか「作者が見えない」んですよね。「血が通ってない」ように感じてしまい、そこが☆1の最大の理由です。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆1
もうなんか、一工夫すらないんだね。なろう以下って感じだな。

2話目 ☆1
ガスを燃やす、、、それ、賢者の孫でも観たな。

3話目 ☆2
食パンとサンドイッチの食卓(笑)

4話目 ☆1
本来、めっちゃ凄くてレアな二属性同時魔法の凄さが、まっっったく伝わらない。このへん、NARUTOの血継限界とかは上手かった。どう考えても、スピード強化して、術師を一刀両断でしょ。体術かい。みんな大好き、粉塵爆発(笑) ダサい(笑)

5話目 ☆1
みんな知っているような知識を自慢気に出されても。なんならもう、核融合ぐらいしたら?

6話目 ☆1
この辺は、寝オチ。

7話目 ☆1
寝オチ2。

8話目 ☆1
お手軽チョロいん1名追加。

9話目 ☆1
雨を降らせて雷魔法で感電。スゲースゲー、斬新だわー。

10話目 ☆1
「そんなもの、理由になりませんよ。戦いは、常に手持ちの札でなんとかするもんです」って、キメ顔で言ってましたが、いや、ついさっき、「このままじゃ勝負にならないから、自分と同じ魔力量にして」って、タイチの魔力封じたの、お前やん。持っている魔力量も、そいつの手持ちの札じゃないんかい。ギャグなん(笑)?

11話目 ☆1
あなた、誰ですか? の、連打(苦笑)

12話目 ☆1
結局、俺たたエンドかい。ぶん投げだな。全話観たから、気兼ねなく1をつけられるな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 28

65.6 20 師匠でファンタジーなアニメランキング20位
たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (318)
1221人が棚に入れました
都会から遠く遠く離れた村で暮らす少年・ロイド。軍人になる夢を抱く彼は何を隠そう「村で一番弱い男」。そんな彼が軍人を目指すことに周囲の村人は大反対。けれどもロイドの決意は固く、王都へと旅立っていきました。しかし、彼を含む村の人々はある重大な事実を知らなかったのです。自分たちがかつて世界を救った英雄の末裔で、全員が人間離れした力を持っていること。そして「村で一番弱い」ロイドも一般的には常識外れに強いことを……。身体能力バツグン! 古代魔法も完璧! 挙句の果てには家事もおまかせ! 己の強さを勘違いした村人による無自覚最強ファンタジー、ここに開幕です!

声優・キャラクター
花守ゆみり、茅野愛衣、日岡なつみ、朝日奈丸佳、津田美波、伊藤美来、山下誠一郎、斉藤壮馬、日野聡、M・A・O

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

たとえばロールプレイングゲームの登場人物が学園祭でコントするような物語

面白いところはあったけど微妙な感じでした

主人公が強すぎて緊張感がないのでメリハリがなく、ダラダラした感じに
強すぎる上に世間知らずの天然聖人君子というキャラクターは人間味がなくて、主人公に愛着が持てません・・・

ヒロインたちはキャラデザがせっかく可愛いのにギャグ要員として使われています
せっかくの美少女が台無しだけどこのアニメの笑えたポイントは全部ヒロインの奇怪な行動だったので、ギャグアニメとしては正解なのかも

たとえばこのアニメはRPGの登場人物が学園祭でコントやるような物語。
学祭の演劇を全力でやっているようなアニメ

投稿 : 2024/06/08
♥ : 28

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

どの角度から視るかで面白くもなりつまらなくもなる作品

<2021/3/1 初投稿>
評点は最終話まで視てから付けようと思います。
原作未読。

感想はタイトルの通り、どの角度から視るかで面白くもなりつまらなくもなる作品という感じ。

なろう系異世界ハーレムものとか思ってみると、味が想定外すぎて受け付けないヤツです。
例えば「コーラだと思ってガッといったら醤油でした」のような

じゃあ何系なんだ?となると
ジャンルとしては「魔法陣ぐるぐる」や「ジャングルはいつもハレのちグゥ」の方でしょうか。

基本徹頭徹尾ギャグ。
それも腹抱えて笑うと言うより、「フフッ」となるぐらいの子供向けにも思えるような軽いギャグの連続。

そういうジャンルの作品のつもりで視ると楽しめますよ。
そもそも「ぐるぐる」や「ハレグゥ」みたいなのが苦手な人にはおすすめできませんが。

<2021/4/10 追記>
先々週ぐらいに見終えました。
決定打が足らない感じしますね。
もっと笑いに振り切ればよいのに。
「帯に短し、タスキに長し」
という諺が思い浮かびました。
ちょっと残念かな。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 25

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

見る人によって評価が大きく分かれるだろうなぁ、って作品

原作未読。最終話まで視聴。

『主人公最強系ハーレムラブコメ』
大まかにまとめるとこうなっちゃうんだろうけど、この作品はちょっと違う。

まず『主人公最強ではない』点。
主人公・ロイドはラストダンジョン前の村・コンロンでは最弱の少年(という設定)。
これでは、主人公最強とは言えない?

『ラブコメではない』点。
主人公・ロイドが純真無垢過ぎて、所謂、ラブコメとは異なる気がする。

『子供向け(?)コメディ』
子供向けだと思うと、かなり笑える作品。
私の評価は、これが一番近い気がする。
正直、かなり楽しめましたからねぇ。

出オチ感満載の本作ですが、最後までキッチリ楽しめました。
第2期こないかな?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 20

73.9 21 師匠でファンタジーなアニメランキング21位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (306)
1108人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

家族愛と友情を描いた半妖の子供たちの物語

この物語では登場する妖怪たちを怪物(けもの)と呼びます。
そしてこの物語に登場する怪物と人間との間に生まれた子供たちは、家族や友達をとても大切にしています。
もしかして、私たち人間よりも家族や友達を大切にしているようです。
だから、この物語を見ると、けっこう感動します。

主人公の夏羽(かばね)は人間と怪物との間に生まれた半妖の子供。
夏羽が13歳になったとき、村で家畜の変死体が相次いで発見されます。
犯人は別の怪物でしたが、この事件で村に居づらくなった夏羽は探偵の隠神(いぬがみ)に引き取られ、東京で暮らすことになります。
東京の探偵事務所には、夏羽と同じように半妖の男の子が二人いました。
一人は蜘蛛の母親をもつ織(しき)、もう一人は雪男の一族に生まれた晶(あきら)です。

夏羽は両親の顔を知りません。夏羽の望みは親を捜し出すことでした。
織は母親の消息が不明であり、母を見つけたいと願っていました。
晶は生き別れになった兄を捜しています。

この物語は、別の見方をすれば、家族を見つける物語でもあります。
だから、単なる妖怪アニメではありません。物語の内容が結構しっかりしていて要所要所で感動する話があります。

意外とお勧めできる内容です。


ところで、
この物語に登場する晶という男の子ですが、
晶は、この物語に登場するすべての女性よりも奇麗で可愛い。それに笑顔が眩しい。
晶の笑顔にとても癒されます。
私は男の趣味はないはずなのですが…。私の頭がおかしくなったのかなぁ?

投稿 : 2024/06/08
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31

55.4 22 師匠でファンタジーなアニメランキング22位
ディバインゲート(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (236)
1080人が棚に入れました
聖なる扉「ディバインゲート」が開かれたことにより、<常界><天界><魔界>3つの世界が交わり、欲望や争いの交錯する混沌が訪れた時代。秩序回復のために支配層は「世界評議会」を結成。統制されたかりそめの平穏のもとで、「ディバインゲート」は誰もその実体を知らぬ都市伝説と化した。そのなかで世界評議会のもとに集う「適合者」と呼ばれる少年少女たち。ディバンゲート「扉」に自らがたどり着くことを信じる者たちである。敬愛する父の死に疑いを持ち再会を信じるアカネ、凄惨な過去のため人と距離をおくアオト、過去と向き合い真実を知りたいミドリ。彼らは、それぞれが心に抱える傷と向き合いながら「扉」を目指す。ディバインゲートにたどり着いた者は、世界を「リメイク」しその望みをかなえることができるという。その扉の先には何があるのか。扉にたどり着いたとき、世界は変わるのか。変わるのは、自らの抱える過去なのか、それとも未来なのか。少年たちはすべてを知るために歩み出す――。

声優・キャラクター
柿原徹也、斉藤壮馬、伊藤かな恵、竹達彩奈、雨宮天、吉野裕行、中村悠一、小清水亜美、渕上舞、阿澄佳奈、吉田有里、鳥海浩輔、石田彰、遊佐浩二、KENN、田所あずさ、村瀬歩、笹本菜津枝、高岡瓶々、清都ありさ、一木千洋、白井悠介、末柄里恵、乃村健次、桑原由気、志村知幸、花江夏樹、悠木碧、櫻井孝宏、釘宮理恵、緒方恵美、ゆかな

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

少年と少女は歩き続ける・・・全ての願いが叶うディバインゲートのその先を目指して・・・

この作品の原作ゲームは未プレイです。レビューを書くためにwikiをチラ見して初めて原作がゲームだと知ったのですが、ゲームにするのは少々難しい内容の様に思いました。
ディバインゲートに向かって進んでいく・・・という点については、目標があるので分かり易いと思いますが、様々なキャラが色んな形で絡んでいくんですよね・・・ゲームではきっとアニメ化されていない物語も用意されているので、ゲームをプレイすれば全容が分かるかもですが、正直ゲームのイメージが沸かなかった・・・が本音です。

でも、キャラデザはどちらかというと好みな方・・・特にショートカットの女の子がストライクっぽい・・・
後にこの女の子を伊藤かな恵さんが演じると知り視聴を決定した作品です。

この物語では、ディバインゲートと呼ばれる門が大きな鍵になっています。
何でもこの門の先に辿り着くと何でも願いが叶うとか・・・
「大金持ちになりたい・・・」
「異性からモテたい・・・」
「世界を平和にしたい・・・」
人間の欲求は底無しなので、きっと叶えたい願いは次々に出てくると思います^^

アカネ(CV:柿原徹也さん):炎の属性持ちでイフリート(CV:小清水亜美さん)が守護。
ミドリ(CV:伊藤かな恵さん):風の属性持ちでシルフ(CV:あすみん)が守護。
アオト(CV:斉藤壮馬さん):水の属性持ちでウンディーネ(CV:渕上舞さん)が守護。

この3人の主人公はディバインゲートを目指して進んでいきます。
目指す彼らの動機は私が先述した願いなんかよりもっと純粋でしたけれど・・・
そしてゲートを目指すのは3人だけではありません・・・
アーサーを名乗る男もまたゲートを目指す事を決め・・・物語が動いていきます。

完走して振り返ってみると・・・少し難しい作品だった様に思います。
まず、1クールなのに登場人物が多すぎて名前がさっぱり覚えられませんでした^^;
名前もですが、皆さんが所属している組織・・・それぞれの関係も残念ながら^^;
主人公と守護精霊までは全く問題ありません。
伊藤さんやあすみんの演技が目一杯堪能できたと思います^^

でもここに特務機関ナイツ・オブ・ラウンドや世界評議会の面々が出てくる上、物語の展開上、場面と時系列があちこち飛ぶんですよね・・・^^;
こうなってくるともう駄目です・・・途端に訳が分からなくなってしまいました^^;

たくさんの登場人物を否定している訳ではありません。
皆さん入り乱れてのバトルシーンなんかは作画の大変さは伝わってきますし、釘宮さん、悠木さん、水瀬さんといった声優さんも大活躍してくれるので、今目の前で起こっている事の見応えは十分なんです。

登場するキャラに焦点が当たると記憶にも残りますが、それが無かったキャラの印象はどうしても薄くなってしまいます。
やっぱり1クールでは尺が短すぎたのかもしれません・・・^^;
こういう世界観の作品・・・嫌いじゃないだけに少し残念です。
でも、このレビューで名前を挙げた声優さんの演じたキャラは魅力的だったと思います。
悠木さんの演技とか・・・もう流石といしか言い様がありません^^
キャラに生命を吹き込む声優さん・・・その大切さを再認識しました。

オープニングテーマは、ヒトリエさんの「ワンミーツハー」
エンディングテーマは、vistlipさんの「CONTRAST」
オープニングを歌っているのは男性ですが、女性の視点で書かれた歌詞の歌で、もう格好良過ぎです^^
初めて聴いた時にビビっときて気に入ったので覚えてカラオケでチャレンジしてみましたが・・・キーも高いし歌うのが物凄く難しく玉砕してしまいました^^;
こういう曲がサラッと歌えるようになりたいのに・・・まだまだ修行が足りないようです^^;

1クール12話の作品でした。物語としては難解な部分もありましたが、ラストは綺麗に纏まっていたと思います。あまりにも綺麗に纏まっていたので、販促が目的・・・という印象はあまり受けなかったように思います。
もう少し尺が取れていれば、間違いなく評価の変わる作品だと思いました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 14
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

謎アニメ完走記念。ディバインゲートとはなんだったのか?!

まずは12話、完走おめでとうございます。
長い道のりでしたね!

最終回も謎展開すぎてつらかった~。
見てても早く停止ボタン押したくて、
ストーリーが頭にはいってこなかったw

物語はシンプルはシンプルなんですよね。
いろいろと不安定な世界と、その世界および異能者たちを
管理する世界評議会という謎の組織。

この世界には、どんな願いでも叶うという
伝説の門<ディバインゲート>があるらしく、
みなそれを目指している。

一応主人公クラスは男女3人、
それぞれ訳ありで、両親は不明か不在かってところ。

このキャラの自己紹介にはじめの数話を使った段階で、
え? もう行くの?! つながってんの???
みたいな驚きとともに劇的に進展します。

なのでこの先の話しはネタバレです。

{netabare}
たぶん、1話のアオトのエピソードはおもしろかったし、
雰囲気あるアニメになるのかなと思った人も多いでしょう。
ひどく陰鬱な主人公だけど、成長劇としては良さそうな。

なのになぜか、物語の設定を裏切り劇場、
神々の戯れ系にしてしまったのか、そこが謎ですね。

普通に神を倒す英雄譚みたいにするならアオト主人公でよかったけど、
そこに2人、3人、4人、5人と主人公級のキャラが増えていき、
だんだん話しがとっちらかってきました。

キャラ増える → 登場後10分持たず粛清 → 実は生きてた!
こーいうのやめましょうよw

結局、Fateの聖杯戦争になっちゃうんですよね。
意味なんてない。というオチに。

まぁ、そういう意味では・・・
この作品は、そこからさらにその上をいっていたとも言えます。

ゲート到着後の、お約束の開けるな説得~。
かーらーのー、開けるんだと思いきや、

ま さ か の 開 け ま せ ん 宣 言(笑)

うぉぉ~。
説得成功したアニメも珍しいですね!

たしかに最終回で残り時間もわずかで限られてたし、
開けたところで光に包まれて終わるよりよかったけど、、、

あと、ナイツオブラウンドのみんなが生き返った報告してたけど、
どうせならオズも若返らせてあげればよかったのに・・・
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 7

熊一郎 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

GATE 俺氏 TVの前にて、斯く戦えり

ゲームのキャラ紹介動画の長いヤツ、全12話。

いや~ひどかった。ゲーム原作はストーリーが後付けになることが多いので、地雷が多いことは分かってたんですが、それにしてもひどかった。

辿り着いた者の望みを何でも叶えるという「ディバインゲート」。
主要キャラが一通り出揃ったらもう出発です! え?そんな簡単に行けちゃうの?(笑)

声優陣は豪華で、作画もよかったと思いますが、内容は「キャラ紹介動画」をつなぎ合わせただけでした。
原作のゲームをプレイしていない方はスルーでよろしいかと。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 6

62.1 23 師匠でファンタジーなアニメランキング23位
魔法遣いに大切なこと(TVアニメ動画)

2003年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (136)
1014人が棚に入れました
『魔法遣いに大切なこと』(まほうつかいにたいせつなこと)は、日本の漫画、小説、およびアニメ、実写映画作品。
魔法が幻想でなく当たり前に存在し、一種の特殊技能として認知されている世界の現代日本。岩手県遠野に住む魔法遣い(魔法使いではない)の主人公が魔法遣い免許の研修を受けるため上京し、研修中に出会う人々と触れ合うことで成長する姿を描く。


声優・キャラクター
宮﨑あおい、諏訪部順一、飯田浩志、渡辺明乃、平松晶子、石毛佐和、中博史、清川元夢
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

コメディでもバトルでもなく、意外と繊細な《感情描写系》

2003年のJ.C.STAFF制作作品(VIEW WORKSと共同制作)。
魔法が使える田舎出身の高校2年生少女の、都会でのひと夏の魔法研修を描き出す。

→ということで「魔法もの」なのに、とても地味な作品です。
『ふらいんぐうぃっち』が好きな人には、とくにお勧めしたい気がしました。


◆視聴メモ
{netabare}
・主人公(菊池ユメ)の出身地(岩手県遠野市)は人口の二割が菊池姓(遠野菊池氏)で、熊本県菊池市と姉妹都市になっているそうです。
・第6-7話の視聴中に、話の単調さに眠気が差して居眠りしてしまったので、それらの回だけ再視聴する羽目になってしまいました。 
・全体的な印象として、ファンタジー世界の話ではなく極めて現代の日本に近い世界の話ということになっているのに、汎用性が高い魔法が現代の科学技術の成果とほとんど軋轢を起こさず共存している点が、チグハグ感を否めないので、その分評価点数をマイナスしています。
→それでも個人評価 ★ 4.1と、『ふらいんぐういっち』(※個人評価 ★ 4.0)より高くなりました。
・作品タイトルになっている「魔法遣いに大切なこと」が一体何なのか?は最終回を見ても明確には示されず、視聴者の感想に委ねられる形になっています。
・取り敢えず、私の解釈としては、最終話で、
「そもそも魔法は万能ではないし、それを使用することによって時には人を傷つけてしまうこともある・・・それでも「心をこめて」魔法を使用することで、相手の心も自分の心も救われることがあるとしたら、やっぱりそれは素晴らしいことだ、と自分で自分の魔法を認めてあげようと思う」
→ユメがそういう心境に到達できた(=「魔法遣いに大切なこと」を自分なりに掴んだ)から、認証試験に合格できた・・・と思っています(※多分、視聴者にそういうことを考えさせるのが、本作のほぼ唯一の長所であり見所だと思います)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
シナリオ原案・脚本  山田典枝
監督           下田正美
キャラクター原案   よしづきくみち
キャラクターデザイン 千葉道徳
音楽           羽毛田丈史
アニメーション制作  VIEW WORKS  J.C.STAFF{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に大きな疑問を感じた問題回


======= 魔法遣いに大切なこと -Someday's dreamers- (2003年1-3月) =====
{netabare}
第1話 夕焼けと鉄骨・前編 ★ 菊池ユメ(高2)上京、善之助・小山田先生との出遭い
第2話 夕焼けと鉄骨・後編 ★ 魔法士研修開始、アンジェラとの出遭い、ユメの魔法
第3話 最高のニュース ☆ 魔法行動の依頼(キャバクラ嬢)・失敗、小山田先生のフォロー
第4話 夏の夜と魔法遣い ☆ 休日、瑠奈との出遭い、ヤスユキ君の魔法(天体観測)
第5話 エプロンとシャンパン ☆ ギンプン魔法局局長、瑠奈&母親との交流
第6話 魔法遣いになりたい ★ 孤児だったケラさんの願い、魔法は遺伝?、魔法は万能ではない、奇跡(ユウタの回復) ※話が都合良過ぎる点は×
第7話 魔法遣いになれなかった魔法遣い ★ 商店街の修繕、井上君(研修生)との対話、ハグレの魔法遣い ※魔法遣いの設定の粗が目立ち始める
第8話 恋のバカヂカラ × アンジェラの恋心の暴走(東京タワーと電波障害)、局長の魔法力 ※脚本が安直
第9話 ユメと少女と夏の種 ★ 失踪者(古崎参事官の兄)の捜索、感謝の言葉
第10話 魔法の行方 ★ 高橋さん宅事件、生命・体組織への魔法行使の制限 ※魔法では根本的な解決にならないことを知り魔法への疑問が表面化
第11話 折れてしまった虹 ★ 小山田の過去の事件、ユメ家出
第12話 魔法遣いに大切なこと ★★ 善之助/高橋さん/ケラさん/ミリンダさんそれぞれの想い、認証試験、研修終了{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)7、☆(並回)3、×(疑問回)1 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「風の花」
ED 「UNDER THE BLUE SKY」

投稿 : 2024/06/08
♥ : 21

大和撫子 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

魔法使いではなく魔法遣いのお話

タイトルとあらすじに魅かれ視聴してみましたが、とっても良いお話ではありますが残念な内容でもあるという感じの作品でした。

◆この作品の内容は・・・
一部の人間が魔法を遣う事ができる現代にて、田舎から上京した魔法遣い見習いの女の子が、魔法の研修として都会の人々から依頼された事を魔法で解決していき、一人前の魔法遣いに成長していくお話。

◆この作品の世界観は・・・
一言でいうならば「魔女の宅急便」の現代版といったような感じですかね。
「魔女の宅急便」の時代から数十年と月日が経つと、この作品のような時代がくるのではないでしょうか?
しかし魔法が正式に存在している現代にて、その魔法の力は魔法局に厳しく管理されています。
魔法局の承認のもと、依頼された仕事にのみ魔法の使用を遣う事が許されます。
つまりは勝手に魔法を遣ってはいけないという事です。

◆この作品の見どころは・・・
主人公のユメは大きな魔法力を持つ魔法遣い見習いの女の子。
ユメは自分の魔法を人の為に役立てたいと思っています。
しかし、魔法を遣うという事はとても難しいもの。
良かれと思って遣った魔法が周囲の人にとっては悪く思われる事があったり、気軽に遣った魔法が社会に大きな影響を与えてしまう事もあります。
魔法という力を完全に管理されている現代社会にて、ユメが悩んだり考えたりして成長していく姿をみて頂きたい。

◆声優陣は・・・
主人公のユメに「女優の宮﨑あおい」がキャスティングされています。
「宮﨑あおい」にとってはこの作品が声優初挑戦という事らしいですね。
他、「夏目友人帳参の的場静司を演じた諏訪部順一」、「To LOVEるの結城リトを演じた渡辺明乃」など。

◆タイトルの意味は・・・
魔法遣いに大切な事ってなんでしょう?
ドラクエの魔法使いなら強力な魔法を覚えたりMPを節約したりと(笑)。
身近な魔法使い様にお聞きしたところでは「毎日を自由に過ごす事」という回答が得られました^^。
確かに魔法が使えたら毎日楽しく魔法を使って自由に過ごせますよね~。
さて、ここで注目して頂きたいのがこの作品でいう「魔法つかい」が「使い」ではなく「遣い」である事!
この作品をこれから視聴する方にはこの違いを考えながら見てもらえたらと思います。

◆総評・・・
こんな感じでレビューを書かせて頂きましたが、冒頭に書いた通り、すごく良い話ではあるのだけど残念でならない作品でもあります。
せっかくの魔法という設定なのに、この作品にはワクワク感が全くない。
笑いどころもなく、真面目なお話一直線です。
もう少し明るい内容の方が良かったのでは?と思いました。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 19
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

宮崎あおい、17歳です

ラララ下北以上♪って思い出しました。 あれあっちは上戸さんだっけ。
下北が舞台の日常アニメ。TVドラマにできるなとおもったら映画にしてあるってね・・。


魔法を日常に入れる試みとしてはわるくない。
この世界ではもって生まれた特殊能力、官庁にちゃんと魔法遣いであると届出をw勝手に使うと怒られる・・。

SFとしては『なのは』的な設定が・・・むしろ匂わせるだけの裏設定にしてなげっぱでよかったんじゃ・・。
人物が出入りするのは区役所関係だけでいい気がするwあの地味っぷりがいい。ちょっと雰囲気が台無しだなw

この作品、魔法がどうこうって話じゃないんですね。
普通のドラマをちょっと派手にするのに魔法があるだけで。
別になくてもお話が成立する。もしくは他の能力でも別にいいんです。
ですから誰にでも思い当たる節があると。
逆にそこで共感を呼ぶように製作してあるんだと思います。

どれみちゃんのオトナ版で、魔女の宅急便の現代版って感じでしょうか。厳密なジュブナイルではないですね。
魔法があったところで人の心は救えるのか?みたいな。まんま、どれみちゃんのテーマですね。ちょっと哲学的です。
しかしオトナ向けかといわれるとそうでもない。ちゃんと答えも用意済み。
こんなもん売れるのかってくらい、非常にシブい。
お話の運び方として安易に魔法とか特別な力に頼ろうってのがないのは好感。でもちゃんとお話の中で使うべきときにはちゃんと。
演出として使いどころをしっかりと分かっていると感じます。
{netabare}
東京タワーのシーンも世界観大なしだけど別にいいんじゃないかな。初恋の感情を表すってことならさ。
{/netabare}
最近こういう作品全然ないよなぁ。。。ってちょっと切なくなる。萌えすぎなんだよ・・。



劇伴が非常に印象的です。ピアノ、ギターの生音中心。
変に盛り上げるわけでもなく、しっとりとちょっと不思議な世界の日常を奏でます。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

68.2 24 師匠でファンタジーなアニメランキング24位
最強陰陽師の異世界転生記(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (207)
684人が棚に入れました
強いだけでは幸せになれない。たとえ、最強の陰陽師だとしても。 並ぶ者のいない天才と称された陰陽師・玖峨晴嘉は、朝廷からの裏切りにあい、命を落とそうとしていた。 次の生でこそ幸せになりたいと決意し、自ら生み出した秘術・転生の呪い(まじない)によって異世界に転生する。 そして、セイカという名と新しい人生を手に入れた。 「前世の自分に足りなかったものは狡猾さ、今世では上手に立ち回り幸せな生を手に入れる――――」 最強の陰陽術と強力な妖怪たちを従え、彼の進む先に待ち受けるのは、望んだ平穏か、それとも・・・。 いまだ誰も目にしたことのない、最強の陰陽師が挑む異世界ファンタジーが始まる。
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

陰の実力者になりたくなくて

私は結構好き

話は面白くないし、最初は主人公の人を見下した態度があまり印象良くないけど、物語が進むうちに主人公の印象も良くなってきて、見ていて退屈とか嫌な気持ちになる作品ではなかったです

【見どころと欠点】
{netabare} 主人公以外のキャラの魅力を描こうと頑張ってるけど、主人公が全部美味しいところ持っていくのでヒロイン達の見せ場が足りないところは残念かな?
特に勇者なんてこの設定だと話の軸になるはずなのに、全然目立ってなくてただのハーレム要員Aになっちゃってるので物語の軸が弱い

でも、人間の権力者と魔族側が争いの火種を消したいから勇者と魔王を邪魔に思っているということが終盤わかって、主人公が自分の強さに酔ってるだけのイメージから、親しい人を放っておけないイメージが強くなっていく物語の展開の仕方が良かったし、安っぽいシリアスシーンを使わずにそれを描けていたので、終わってみれば満足感のあるストーリーでした

{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 18

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

和風?(陰陽師ってことで和?でいいの?)の味は出ていたか。

なんか最近の視聴が「この手の作品」に偏っているのはなぜだろうw。
期間別ランキングを参考に観ているはずなのだけれど。

さてと、この作品も特に刺さる点は薄いのだけれども、何故か観れてしまった。
某アベマなTVで休日に一気をやっていたのが大きいだろうか。


正直を言いますと、この主人公のセイカは私のお好みではなく、どちらかというとあまり刺さらないタイプの主人公でした。
あと、作品内で奴隷というワードが何度か出てきて、そこが効果的に私のネガティブな感情に刺さりましてあまり得意では無かったです。
なので、どちらかというと、苦手な要素が多い作品だなぁ、と思いながらの視聴だったのです。


そんな中、視聴を継続できたのは、サブキャラの魅力でしょうかねぇ。
何故だかわからないし、それ程容姿やデザインが刺さった訳ではないのですが、何人かのサブキャラに行く末や、今後の行動を観ていたいというキャラが何名かおりまして。
そのサブキャラ達の魅力で視聴を継続できたという点が大きいです。


それ以外は、それほど「俺つえー」系のテンプレを脱してはいないのですが・・・。

それにしても、主人公のセイカには何となくですが「神達に~」のリョウマ的な要素も感じてはいたのですが・・・、どうしても好きになれないw。
なんでなんでしょうか。
本当に不思議でした。

あと、残念だったのは、最終盤ではそれほど築いてきた人間関係が発揮されませんでした。
仲間感は発揮されず「俺」でほぼ片付いていしまいました。


個人的にあえて言うならば、数名のサブキャラの魅力で観れた作品でしたw。
まぁ、そういう作品があってもいいかなとは思います。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

狡猾に 策を巡らす 怨霊の 掴みし幸は 花霞かな

原作小説『最強陰陽師の異世界転生記〜下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが〜』はweb版、ラノベ版共に未読。

【物語 3.5点】
シリーズ構成・脚本・待田 堂子氏。
私が好相性を感じている書き手の一人。
伏線の強調の仕方が、しつこ過ぎず、分かりにく過ぎず。
私にとって丁度いい塩梅なのが心地良いです。

終盤、主人公セイカ・ランプローグが(※核心的ネタバレ){netabare} 魔王{/netabare} でしたという件にしても、
道中セイカはチョットやばい奴だぞ?という布石が、
アンテナ張っていれば捉えられる程度に、さりげなく置かれていたので、
唐突感なく受け入れられました。

ラストの(※核心的ネタバレ){netabare} 勢力均衡を保つ人間界と魔界。
魔王を倒す勇者伝説など疎ましい。{/netabare}
この世界の大局提示も上々でした。


世界観・設定によるシナリオ明快化もまずまず。

主人公最強な転生者の陰陽道が、洋風ファンタジー世界にインパクトを与える構図。
和と洋。設定のコントラストで展開が捉えやすかったです。

転生者の主人公は前世で力を持ちすぎた陰陽師として忌避されハメられた反省を元に、
現世では狡猾に立ち回り幸福を掴むことを人生の目標に据えている。
けれど狡猾に掴んだ幸せなど虚しいものではないか?
元の優しいセイカのままでは幸せになれないのだろうか?
葛藤のテーマも明確。

ただ、テーマについては前世、狡猾以前にセイカが、力がなければ幸せになれないと悟ったいきさつ。
そもそも前世で謀殺された詳しい経緯。
過去の掘り下げは持ち越され、やや不完全燃焼。


私は脚本家や和洋折衷な世界観を始め、気になる要素が多数あったので美味しく頂けました。
ですが、お話自体は、量産型の異世界転生物。
結末も、やっと基本的な方向性が示された所で終わる俺たたENDの典型。
オススメ度となると、お暇でしたらどうぞ位の学園系の異世界転生アニメです。


【作画 3.0点】
アニメーション制作・スタジオブラン

凡庸。

洋風モンスターたちの描写。
いくら原作タイトルで弱過ぎると酷評しているとは言え、
この作画では、ちょっと倒しがいがない感じw
特に初回、巨大モンスター出現!と期待したら、
{netabare} ただのドでかいオオサンショウオ?{/netabare} だった件はズッコケそうにw

一方でセイカ配下の妖怪たちなど和風モンスターについては、
襖(ふすま)が開いて召喚される中々の演出で魅せる。


それにしても魔法学校の学生服デザイン。
スカートの丈が短くて実にけしからん(笑)

普通、魔法学校の制服と言えば『ハリポタ』ホグワーツのロングローブや『まほよめ』2期学院のハーフパンツにロングコート辺りが定番でしょう?
あんなミニスカじゃ下位の風魔法演習とかでパンツ見えちゃいますよw
と私はツッコミながらも、ついヒロインズの絶対領域に目がいっちゃうわけですがw


【キャラ 4.0点】
ヒロインズ。
セイカの奴隷だが精霊魔法使える金髪ロングのイーファ。
今世代の勇者でセイカとは冒険仲間意識が強い赤髪ショートのアミュ(八重歯、下ネタ付)。
色々隠し事が多そうなクール系な後輩赤髪ショートのメイベル・クレイン。
あとは予言系の聖皇女とか。

色恋沙汰には興味なさそうな前世陰陽師の少年の周りに、
恋人ポジションからは微妙にズラして美少女を配置する。
鈍感ハーレム人物相関のバリエーション。

ただ、どういう都合なの?との疑問や違和感には、答えを用意しているキャラ設定ではある。
何でイーファは奴隷なのに凄い魔法適正があるのか?
→{netabare} エルフの血筋でした。セイカから離れろ展開。{/netabare}
何でメイベルまで赤髪ショートなのか?アミュと被ってるじゃん。
→{netabare} 地毛は青髪。背負った宿命も背筋が凍る凄惨さ。苦手のお勉強で高飛車を崩される。ただし私は赤髪のメイベルの方が好きです。{/netabare}


もう一匹ヒロインズとも言えそうな狐妖怪ユキ。

前世からの縁で、セイカが転生者であることを知る数少ないキャラ。
現世では狡猾に生きると言うセイカに、目立ち過ぎでは?あの娘に肩入れし過ぎでは?などと進言したりする配下。
要所でセイカの葛藤を整理、言語化することで、主人公を拡張しテーマも深める献身ぶり。


【声優 4.0点】
主人公セイカ役には花守 ゆみりさんを指名オーディションで起用。
この手の転生者の役には、外は少年、中身はおっさん。狡猾に子供を使いラッキースケベをいなす。
といった難解さが付きまといますが花守さんは好演。

大人の中身が滲み出る主人公モノローグも、前世の陰陽師ボイス担当の梅原 裕一郎さんではなく花守さんが全対応。

さらに陰陽道独特の詠唱呪文もこなし、果ては月下で短歌を詠みながら敵を始末し、寒々しい和風ムードを演出する万能ぶり。
私も感心のあまり僭越ながらレビュタイで一首詠んじゃいましたw

花守さんの転生少年ボイス。もっと聞きたいです。


異母兄弟のセイカにつっかかるランプローグ家の次男・グライ役には上村 祐翔さん。
良く吠える噛ませ犬ボイスで主人公無双を引き立てる。
その後も続くグライの人生。価値観の変化もカバーする。
この手の波乱万丈の乗りこなし方はお手の物です。

その他、ヒロインズだけでなく、敵、モンスター、妖怪役にも実力者が配されキャスト陣は安定。


【音楽 3.5点】
劇伴担当は桶狭間 ありさ氏。
その名の通り古戦場出身で、和風と洋風の往復をカバーする守備範囲の広さが魅力。
今後も共作で参加が決まっているアニメ版『薬屋のひとりごと』など東洋風サウンドに期待したい劇伴作家です。

OP主題歌はangela「RECONNECTION」
デビュー20周年。32ndシングル。確立した音楽観を持つベテランユニット。
エレクトロ成分と和風サウンドを混在させても崩れない安定度で世界観を支える。

ED主題歌はヒロインズ3人による「リンク」
個別キャラ回のソロ歌唱にも対応したバラードソング。
EDアニメのセイカ+ヒロインズのパーティー編成で気ままに冒険する穏やかな日々。
本当の幸せはまだまだ遠そうです……。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 16

67.4 25 師匠でファンタジーなアニメランキング25位
処刑少女の生きる道 バージンロード(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (256)
682人が棚に入れました
かつて日本から訪れ世界に大災害をもたらした≪迷い人≫。彼らは過去に世界を滅ぼすほどの厄災をもたらしたことから「禁忌指定」となり、人知れず処刑する必要があった。≪迷い人≫の処刑を生業とする≪処刑人≫のメノウは、ある日、日本人の少女・アカリと出会う。いつものように任務を遂行しようとしたメノウだが、アカリの“とある能力"により失敗に終わってしまう。アカリを確実に処刑するため、彼女を連れて、いかなる異世界人をも討滅可能な儀式場があるというガルムの大聖堂を目指すメノウ。殺されるために旅をしているとは知らず純粋に楽しむアカリの姿に、メノウのなかで何かが変わり始めていた。――これは、彼女が彼女を殺すための物語。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

先制追加点ダメ…押せよ

原作未読


生きる道と書いてヴァージンロードと読む。『“処”刑少“女”』とおっさんの言葉遊びみたいなノリは大歓迎。もぎたての果実のいいところを拝めるのでしょうか。
耳目をひく物騒なタイトルそのままに物騒な第一話には予想外とも予想範囲内とも違って巷に溢れる異世界転生モノとはちょっと毛並みが違うことを感じるでしょう。細かいところ目を瞑ればけっこう楽しめた私です。

 彼女が彼女を殺すための物語

公式キャッチコピーがこちら。全12話終わって意味はきちんと見えてくるので良心的。…と褒めてからの俺たたEND。なんとも評価しづらいです。


なぜか転送(転生!?)されてくるのは日本人ばかりという異世界が舞台。このふざけた設定みればわりといつものやつらをおちょくってるのがわかります。アンチなろうの系譜。日本人は文字や文化を持ち込んだり強大な力をもって多大なる益を異世界にもたらす一方というか反動で災いをもたらすとも言われております。
そんな“災い”をリスク認定する至極当たり前の考えに則して転生者を闇に葬っていく主人公の“生きる道”とはなんぞや?ってお話でした。鎖国って言葉習ったと思いますがそりゃあ交易もメリットだけならわざわざそんなことしません。こいつら無理!って段階にきてシャットアウトする気持ちわかります。よって突拍子もない設定でもなかったと思われます。というかむしろ優れているかと。
全12話終えてみて第1話でぼんやり描いてた展開とは良い意味で違っているのもアリですね。くどいようですが細かいところに目を瞑ればって条件付きでです。

ネタバレ無しだとここまで。第1話の引きの強さに引っかからなければ撤退可。そこから2段階くらいの転機が1クールの中で起こりますのでそこは面白がれるんじゃないかと思われます。



※ネタバレ所感

■オマージュ系?
さわやか鬱系ってジャンルがあるのか知りませんが、暗いトーンで終始進む物語のわりには絶望感が足らないのは、へっぽこな作画だったり、キャラの違和感ある行動だったりで安っぽく見えることに起因してると思われます。シリアスになり切れてません。

{netabare}ただ能天気主人公アカリ(CV佳原萌枝)が実は何度も繰り返してますよ…な種明かしからの不穏な展開には好感。相方の処刑少女メノウ(CV佐伯伊織)も長らく信じてきた使命感に揺らぎが生じるのも良きです。
笑っちゃったのがメノウの後輩こちらも主要キャラのモモ(CV金元寿子)でしょうか。なんとなく不穏系タイムリープものという作品の全容が見えてきてから、ツインテのピンク髪、そして拡がるスカートに白い衣装な後輩モモちゃんが一世を風靡した某魔法少女みたいに見えちゃいました。あくまで見た目。{/netabare}


■備忘的な総評
続きあった時の備忘。

{netabare}たしかに転生者は災厄をもたらすらしい。よってメノウはアカリを殺めることに筋は通っている気もするが、果たして災厄の除去で万事OKなのかは不透明。
一方アカリはどうせ殺されるならメノウの手で!となってるが動機付け弱い。自身が災いもたらす決定的な未来図が見えてるわけでもないのにメノア師匠フレア(CV甲斐田裕子)の手にかかりたくないからメノアちゃんよろ!ってなるのかしら。
・大司教様が宣っていた触媒としてオンリーワン存在のメノウ
・サイコパスなマノン(CV石見舞菜香)が絡む元世界に戻れる可能性
・繰り返しルールを知ってそうなフレアの思惑とは?
このへんが明かされていい感じで絡んでくると良い作品に慣れそうが気がする。未知数です。{/netabare}


化けたらいいなぁ。アカリとメノウが結ばれてヴァージンロードを歩く斜め上展開でタイトル回収!みたいなのだけやめてくれたらいいです。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 31
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い具合の厨二病。そして・・・

<2022/4/28 初投稿>
3話まで見ました。
原作(ラノベ)は未読です。
見始めなので評価はデフォルトの3.0。

1話冒頭見た時は「またいつものなろうかぁ。さよならかな」とか思ってたけど。
進んでいくと意外な感じ。

3話までいくと
「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!(以下略)」
そう、ジョジョのあれです
あんな感じ(いや違うか笑)

まあでも「そうきたか!」という捻りだけなら物足りないところ。
本作はエピソード一つ一つがしっくり腑に落ちる。
もしかしたら演出ってやつが良いのかも。
セリフとかも存外に良いっす。

厨二病にはしっかり罹患してますが、良性の方のようだし。
風俗なんかも異世界と現世界の折衷なとこもあって、変ではあるけどいい味にもなってる。

ただ最近ありがちな可愛い無難なキャラデザで損してる気もする。
無理を言えば、例えば天野喜孝キャラのような重厚さで描かれてたら、この作品物凄いことになってたかも。
つっても天野キャラをアニメ化ってほぼ無理なんですけどね。
もしくは安彦良和キャラデザだったら、と妄想してみたり。

なんてバカなこと空想しながら
今期のダークホースかも、と期待してみます。

<2022/5/1 追記>
4、5話見ました。
そうなるのかぁ。
{netabare}「自分が若返りたいから仕組みました」って大司教オーウェルの予想外の動機にびっくり。このばあちゃん、最初から変な空気感出してはいたけどここまで自己中とは{/netabare}

あと4話の後半からアカリがメノウに百合な感じで甘えるのはなんだろう?
なんか、そこまで親愛の情を感じてしまう何かがあるのかな?

<2022/7/20 追記>
リアタイで最終回見ました。
物語は面白かった。
でもお話で見せるタイプなので途中で終わる感じなのはもったいない。
続編が出て初めて真価が発揮される作品だと思うんだけど2期あるのかなぁ。

あとキャラのデザイン。
今風の可愛らしい絵がストーリーの重さと合ってないというか
絵の見せ方も迫力がないというか。

最近の作品なら例えばシャドーハウスとか薔薇王の葬列のような重厚さがあるとかなり違うと思うんだけど

なんかもったいない

<2022/7/24 追記>
そういえばアンナミラーズの最後の一店舗、高輪店が今年8月末で閉店なのだそうです。
初めてアンミラ行ったのは十代の頃、ウェイトレスのお姉さんに目が釘付けになったのは良い思い出です笑。

このアンミラ閉店のニュース知って、本作のアカリ思い出しました。
アカリの服、どっかで見たことあるなーとは思ってましたが、アンミラのあの制服でした。
ほんと、なんであんな絞り出すようなデザインなんだろ?
われわれ男子には有難いことですが。

投稿 : 2024/06/08
♥ : 29
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

スタートダッシュと設定は良い

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
これ、ネタバレ無しだと書きにくいアニメですね(苦笑)

単なるなろう系アニメとは少し違います。ミステリー的な要素もあって、☆4と少し迷いますが、ギリ、☆3にします。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話目は良かった。なろうの逆張り作品。

また、ババアの裏切りとか、実はアカリが何度も時を巻き戻していた展開とか、ポイントポイントには面白い要素が散らばっていた。

が、繋ぎの部分というか、会話だったりバトルだったりが非常に物足りない。

それから、、、一番肝心なはずの、アカリとメノウの友情の深まりが、微妙。前世?的な繋がりとかあるのかもしれないけれど、これといって友情が深まるドラマがあるわけじゃなく、「なぜか互いに惹かれていく」みたいな感じ。

「殺すべき相手に友情を抱く」という本筋に、もう少し魅力があれば、☆4にしてましたね。惜しい。
{/netabare}

投稿 : 2024/06/08
♥ : 24
12
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