コミカルおすすめアニメランキング 198

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのコミカル成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月02日の時点で一番のコミカルおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.3 1 コミカルアニメランキング1位
東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)

2003年11月8日
★★★★☆ 4.0 (670)
3463人が棚に入れました
自称・元競輪選手のギンちゃん、元ドラァグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキ、三人は新宿の公園でホームレス生活を送っていた。クリスマスの晩、ハナちゃんの提案でゴミ捨て場にクリスマス・プレゼントを探しに出かけた三人は、赤ちゃんを拾ってしまう。赤ちゃんに「清子」と名付け、自分で育てると言い張るハナちゃんを説得し、三人は清子の実の親探しに出かけるが、行く先々で騒動が巻き起こる。

声優・キャラクター
江守徹、梅垣義明、岡本綾、飯塚昭三、加藤精三、石丸博也、槐柳二、屋良有作、寺瀬今日子、大塚明夫、小山力也、こおろぎさとみ、柴田理恵、矢原加奈子、犬山イヌコ、山寺宏一
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

さて第九でも聞きますか

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。90分のハートフルコメディ。
 今敏監督作品は、千年女優→パプリカ→パーフェクトブルーに続く4作目になります。
 今敏監督の特徴である厚いシナリオそのままに、笑いあり涙ありの正統派ハートフルコメディに仕上がっていました。シナリオ面に関しては今敏監督作品の中で最も良かったのではないでしょうか。

 今敏監督作品は、映像表現を使って主題を隠すのが非常にうまいという印象を持っていたのですが、この作品では映像表現ではなく、セリフとコメディを使っていたようです。重要なセリフでは、「誰かが誰かに」の「誰かに」の部分が別の人であるのが基本となっていますし、主題となる部分はシリアスにならないように、その後のコメディシーンであっという間に打ち消されたりしますからね。「パーフェクトブルー」も「千年女優」も「パプリカ」も、テーマは前向きなものだと思うのですが、描き方は斜に構えたものでした。クサいことを正面切って言えない監督の照れみたいなものが、この作品ではセリフとコメディに出ていたんだと思います。
 ホームレスを主人公に置いているのに、悲壮感みたいなものがあまりなく、むしろ力強さを感じたりもしますから、あえて言うならそこが映像表現として隠された部分なのかもしれません。

 シナリオの良さ、つまりフラグ回収の巧みさは見れば分かるものですので、細かい部分は省略して、私が注目した部分を少しだけ述べておきます。


オープニングと奇跡:{netabare}
 シナリオの一つの特徴として、徹底したご都合主義があると思います。いわゆる「奇跡」の連続でストーリーが進んでいくのですが、これを許容させる基礎はオープニングにありました。
 オープニングでは劇中劇を使って、奇跡を起こすことが宣言されています。視聴者は、監督が用意した舞台に上がってくることをある意味強要されるわけです。こういう監督側からの主張というのは、個人的には結構好きです。そもそもパーフェクトブルーも千年女優も、劇中劇からスタートしていますし、パプリカは夢の世界からスタートしています。一つのステップを用意してから実際のストーリーに入っていくという「視聴者に対する段階的な意識付け」は、監督自身が狙っているところなのかもしれません。

 こういうオープニングの作り方は、ファンタジーやSFに近いと思います。
 ファンタジー等では、架空設定を視聴者に説明する必要があります。例えば、ラピュタでは「石が浮く」ことをオープニングで説明しているから「城が浮く」ことを受け入れられるわけです。
 一方、時代劇や現代劇などリアルを前提とした作品は、架空設定の説明が不要なため、オープニングでは時代や舞台、キャラクターの紹介が中心となることが多いです。風立ちぬみたいな作品ですね。
 これらに対して現代ファンタジーは、現実の中にファンタジー要素を押し込めるのが基本です。日常の描写の中に魔法の存在を描いている魔女の宅急便などがこれに当たります。

 この作品は、現代劇であるにも関わらず、劇中劇から入っています。つまり、作り方としては、現代劇よりもファンタジーに寄っていて、現代ファンタジーの枠内に入るものだと思います。オープニングを見逃したり、現代劇への先入観が強すぎたりすると、ご都合主義が鼻につくかもしれませんが、オープニングの作り方からすれば、キキが「空を飛ぶ」のと同じ感覚で、「奇跡が起こる」ことを許容出来るようになっていたと思います。あくまでもオープニングの作り方の問題で、この作品がファンタジーだと言っているわけではないですよ。
{/netabare}

ハナと家族観:{netabare}
 ストーリー展開上の重要キャラクターは、間違いなくオカマのハナだったと思います。母親役である彼女(?)がなぜオカマでなければならなかったのかという理由については、消極よりも積極のが多いように感じました。

 まずは、コメディ要因として。オカマというキャラクター自体が非常にコメディ要素が強く、失礼な話かもしれませんが、「いるだけで笑える」という部分は少なからずありました。前2作と異なり、コメディを追及する上でオカマの特異性に白羽の矢が立ったのだと思います。

 次に、ステレオタイプ化です。男性の女性化というのは、大きく分けて二つの方向性があるように思えます。一つ目が、現実の女性に近づく方向で、いわゆるニューハーフのような「綺麗な」タイプです。二つ目が、ステレオタイプ化された女性に近づく方向で、いわゆるオカマのような「汚い(←失礼)」タイプです。この作品では二つ目が採用されていました。
 オカマというのは、誰が見ても女性を目指していることを認識するわけですが、現実の女性にこのようなタイプの人を見たことはないはずです。つまり、オカマというのは、女性を目指していて、かつ女性をイメージしているにも関わらず、現実の女性からは乖離していった存在なのだと思います。ある意味ステレオタイプ化された有り得ない女性像を持っているわけです。
 この作品では、家族というのが、ハナ・ギン・ミユキというキャラクターによって偽装されたものとして登場します。彼らを見ると誰もが家族だと認識するにもかかわらず、実際には家族たり得ないという構造を持っていました。これも家族のステレオタイプの活用であり、ハナの概念と一致します。ハナというステレオタイプ化された存在によって、ステレオタイプ化された家族を演出するという二重構造を作り出したのではないでしょうか。

 最後に、ギンとの関係です。ハナはギンへの恋愛感情を否定しています。実際にどういう感情を持っていたかは分かりませんが、作中では偽装化された家族でなければならなかったというしがらみが確かにあったはずです。つまり、男と女が並んだ際に、恋愛要素が前面に出てきてしまっては、不都合があったはずです。恋人ではなく、あくまでも偽装された家族であり続けるために、現実の家族ではありえない夫(男)と妻(男)という構図が必要だったのだと思われます。

 実際に監督がどういう意図をもってこのキャラクターを採用したのかは分かりませんが、私は好意的に受け止めました。近敏監督のキャラクターは現実感が強すぎるために、突出したキャラクターは存在していなかったように思います。没個性に基づく現実感と言い換えてもいいかもしれません。この作品で初めて突出したキャラクターであるハナが登場したわけですし、描けるキャラクターの幅の広さは確かに感じました。
{/netabare}

ただいまとエンディング①家族関係の成立:{netabare}
 「ただいま」という挨拶は、家族ものにおいては重要なキーワードだと思います。「おはよう」のように誰に対してでも使えるものではなく、家などの「自分の帰る場所」に帰った時のみに使える、家族を象徴する挨拶であると考えられます。
 そんなわけで結構注目していたのですが、この作品で「ただいま」が使われるシーンは、二か所しかありませんでした。一つ目は中盤で、赤ん坊(キヨコ)の自宅である「べき」場所に全員で到着した「廃墟への到着シーン」です。そして二つ目は終盤で、「偽の」母であるサチコの手にキヨコが戻った「疑似母子成立シーン」です。
 いずれにも言えることは、超重要シーンだったということです。どちらのシーンも、「本来であればエンディング」という節目のシーンです。一つ目は廃墟になっていたため、二つ目は、偽の母であったために、念願叶わずでしたが、仮のエンディングという役割を持っていました。

 で、どちらのシーンがより重要かと聞かれれば、迷うことなく一つ目だと答えます。後述しますが、どちらも仮のエンディングであって、重要なのは変わりません。ただし、一つ目のシーンだけは、もう一つの意味を持っていたと思われます。それは4人の「家族関係の成立」です。
 家族関係の成立が描かれたシーンは、この前にもありました。ミユキの夢です。この夢のシーンの前では、言葉の通じない女性を前に、父親を刺したというミユキの告白が入ります。女性はやさしい母親像を持っていますから、母親への懺悔に等しいのものです。ミユキは言葉が通じないからこそ本音を言える環境にいました。このときミユキが見た夢が4人の家庭ですから、ミユキの深層心理上は確かに家族関係が成立していたのだと思います。しかし、あくまでもこれはミユキ個人のものですし、現実における家族としての儀式が不成立であり、片手落ちという状況でした。

 廃墟への到着シーンを整理してみます。4人で廃墟に到着し、ギンだけが家を出て、改めて鍵を使って家に入り、「ただいま」という流れです。ドアが壊れるコメディシーンでぼかされていますが、父親が家に帰ってきて「ただいま」ですから、この時点で、実質的な家族関係の成立を見るべきだと思います。ホームレスが家を獲得しているというメタファーもあります。
 夢のシーンでは、ミユキの心理上の家族関係の成立に過ぎなかったものが、廃墟の到着シーンによって、実質的な家族関係へと昇華されたのだと思います。この後には、ミユキが自宅に電話するシーンが待っており、これは疑似家族からの離脱フラグの訪れです。つまり、このタイミング以外に家族関係の成立を描けるシーンはありませんでした。

 ここで、ミユキの重要性を述べておきます。ストーリー上の重要キャラクターはハナだと思いますが、テーマ上の重要キャラクターはミユキです。
 ギンとハナは、やや短期的にフラグ回収がされていきますが、ミユキのフラグ管理は長期的です。なかなかストーリーが進まない割に、進む時にはかなり前進するのが特徴です。また、帰宅のフラグ成立が最も早いのもミユキです。エンディングもミユキのためのものですし、間違いなくテーマを背負ったキャラクターです。東京ゴッドファーザーズというタイトルからも察することが出来ます。主要キャラクターにも関わらず、ファーザー要素が皆無なミユキは、意味を持ったキャラクターであったはずです。

 で、先に述べた廃墟への到着シーンというのは、ミユキのストーリーが大きく前進する手前、つまり、フラグ的には最も拡散した段階にありました。それゆえに、この時点で家族関係が成立し、あとは徐々に疑似家族が解消していくという流れになるわけです。
{/netabare}

ただいまとエンディング②ミユキのエンディング:{netabare}
 ここで、前述の二つのシーンで「ただいま」を言っているキャラクターに注目してみます。
 「廃墟への到着シーン」はギンです。妻と娘の元に戻りたいギンが、ハナとミユキ(とキヨコ)という妻と娘に対して言っています。
 「疑似母子成立シーン」はハナです。出生(母子)を知らないハナが、キヨコとサチコという母子の間に立って言っています。
 ギンとハナは、この「ただいま」のシーンを通じて、ある意味本懐を遂げていることが分かります。だからこそ、この二つの「ただいま」のシーンが仮のエンディングだと言えるのです。実際、ギンは娘に、ハナはバーのママに再会出来ています。
 唯一言っていないし、再会出来ていないのはミユキだけです。帰宅のフラグが一番早く、受入先が確実にあるミユキだけが「ただいま」を温存したまま、エンディングを迎えてしまいます。
 そして、エンディングで描かれるのは、ミユキと父の再会です。あの後にミユキがどんなセリフを言うのか、描かれていないとしても想像に難くありません。

 ちなみにですが、ミユキの帰宅が確定するのはエンディングではありません。その前の、ビルの階段を駆け上がるシーンです。
 このシーンでは、手すりにコートをひっかけたミユキがそのコートを脱ぎ捨てています。その後は帽子を自分で投げ捨てています。これは、急いでいるという描写でもあるのですが、それより重要なのは、「偶然にホームレスの衣がはがれ」その後「自らの意志でホームレスの衣を捨てた」ことにあります。
 ミユキは常に受動的でした。ハナに引きずられ、事件に巻き込まれ、父親との電車での再会も偶然の産物です。能動的に起こした行動は電話くらいのものですが、予定通りに実行できませんでした。
 このミユキが、階段のシーンでは、受動態から能動態へと一瞬で変貌し、その後母子を救うまでに行動力を見せています。
 つまり、この階段のシーンでは、ミユキの問題が既に解決されていることが再度遡及され、自ら解決のために行動を起こせることが明示されているのです。エンディングにおいてミユキは偶然父に再会していますが、自分からあのセリフを言うだろう、という予測が、階段のシーンから成り立つのです。
{/netabare}


 この作品は、フラグが次々に立ち、次々に回収されるという性質上、他の今敏監督作品に比較すると、エンディングにおけるカタルシスというのは、非常に弱くなっています。最後のミユキのセリフはあった方が良かったんじゃないかなぁとは思うんですが、やはり説明しすぎるのを好まない監督なのかもしれません。とはいえ、そんな私の感想などどうでもいいくらい完成度の高い作品だと思います。
 特に次々に回収されるフラグの中で、回収されないフラグのみでエンディングを作る構成力は、他のどの作品に比べても特筆すべきものだと思います。

 最後に。過去作品とのオープニングの類似性を前述しましたけど、エンディングも前2作と同じ病院エンドですからね。なんかあるんですかね?たまたまだとは思うんですけど。ちょっと驚きましたw


対象年齢等;
 家族ものですし、10代からでいいと思います。奇跡をご都合主義よりはやや柔軟に受け止められる姿勢があれば、確実に楽しめると思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ドブネズミは美しかっただろうか?

劇場版オリジナル


それは年の暮れのこの物語と同様に全くの偶然でした。
・・・ともったいぶる必要はなく、年末に録り溜めてたものを観忘れていたのを思い出してついぞ最近観ましたというやつです。

私にとっての初“今敏”監督作品になります。
タイトルだけは記憶にあって、とはいえ氏の作品とは知らずにOPクレジットを見て気づいたくらい。
その氏についても早世したアニメ監督らしい、程度のニワカ全開、先入観なし状態で鑑賞突入です。

絵は独特。このタッチはけっこう好き。
ん?劇伴がたまに邪魔してセリフが聞き取りづらい。
声は職業声優さんではないのね。劇場版あるあるなのでそのへんはスルーしよう。


≪クリスマスの奇跡≫タイプの作品、と使い古されたモチーフながら、主人公がホームレスの三人という面白い組み合わせ。
ひょんなことから捨てられてた赤ん坊を拾った三人が、赤ん坊の親を探しにいく道中で、ハプニングが起こりすったもんだしながら、自身の過去にも向き合い、最後は≪クリスマスの奇跡≫タイプらしい、ちょっと心温まる終幕を迎えた良作でした。

おそらく監督も狙ってたのかもしれません。
多少のご都合主義は“クリスマスだしね”で私の場合納得しました。基本、ちょろいんです。
それで手に入れたのがテンポの良さ。92分あっという間です。すったもんだは一つや二つではありませんでしたが、ありえない都合の良さで見事に収束していきます。エンタメはこれくらいでいい。


そしてテンポの良さと相性がいいであろうドタバタコメディやアクションムービーといった方向にあまり舵を切らなかったのがこの監督のすごいところなのかもしれません。
ホームレス三人の主役たち。ギン(CV江守徹)、ハナ(CV梅垣義明)、ミユキ(CV岡本綾)の過去を掘り下げます。赤ん坊という家族の幸せの象徴みたいな存在を媒介にして、宿無しに身をやつした経緯とそれぞれの家族への思いが明かされていく中盤以降がなんとも心に沁みるのです。
本作とそれほど変わらない時期に公開されてる実写映画『ホテルビーナス』とも共鳴するような

{netabare}“社会の底辺から愛を叫ぶ”{/netabare}

心の繋がりを描いた物語でした。社会の繋がりの最小単位である“家族っていいよね”が根っこにあるので、クリスマス映画としての評価が高いのも頷けます。

{netabare}それぞれ三人に帰ることのできる場所を用意してあげたのもクリスマスらしくて良いですね。{/netabare}

なによりそれぞれの家族がいるのと同じいやそれ以上に、このギン、ハナ、ミユキの三人もひとつの家族でした。っていう家族愛をちょっと斜めから捉えた視点もけっこうお気に入り。

社会の最底辺から社会の最小単位を見つめた本作。
監督の他の作品にも興味をそそられますし、テーマや絵柄、そして先述のテンポの良さとクリスマスムービー的な立ち位置を鑑みると、非ヲタ一般人の敷居も低そうな作品です。



■この声あてなら不問
・その1 ハナちゃん
 梅ちゃんの起用は卑怯。そのまんまですやん。
 {netabare}「ろくでなし」熱唱。いつ鼻からピーナッツ飛ばすかワクワクしてたぞ!{/netabare}

・その2 ミユキ
 岡本綾さんがキャスト名に出てきてビックリ。
 当時めっちゃ好きでした。活動期間短かったのも「あの時期の人!」って感じがして懐かしさを誘う。


■日本のホームレス
諸外国と比較し恵まれてます。残飯にはありつけるしダンボールハウスを敷設できる材料や場所に事欠かず、共○党に頼めば党にほぼピンハネされますが生活保護にもありつけます。
ガチで底辺ではあるものの日本社会は優しいし、働けとは思いますが、それはそれでいいと思ってます。海外はそうはいきません。まぁ悲惨の一言です。
また、そういう環境からなのか文化の土壌の違いからなのか、私は後者の影響が強いと思うのですが、日本のホームレスは“良心”が残ってるほうでしょう。

この物語はホームレスが人として大事なものを失ってないよね、が土台となってる話になるので、そもそもその設定を受け入れられる背景がなければ成立しなかったんじゃないかなあ、と感じます。



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2019.08.03追記

視聴時期:2019年2月初頭
その後、今監督の作品を3作立て続けに観てどれも面白かったです。
そんな素敵な出会いのきっかけを与えてくれたのが本作でした。
ご都合主義なところはクリスマスが免罪符ってことで良いと思います。
今度は12月に観ることにしようかしら(^^)



2019.02.10 初稿
2019.08.03 追記

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

リアリティと奇跡

今敏監督ってこんな大衆的な作品も作られていたんですね

クリスマス、三人のホームレスがゴミ捨て場で赤ちゃんを拾ってから
正月、親元に戻すまでの壮絶な1週間がコミカルに描かれます。

日本の12月25日~1月1日と言う期間は、ホームレスにとっては厳しい寒さに堪える季節、一般の人も家族や親戚に会いに行こうかなと考える時期ですね。

人々の流れ、人々の動き、音楽の節々に日ごとの変化が読み取れ
ただの詰め込み過ぎとは違う濃厚な作品になっていたなと感じました。

どこをとってもホント最高の出来でどうにか表現できないかと思ったのですが、どんな言葉も薄っぺらいなと思ったので、

ざっくばらんにリアリティと奇跡という言葉を置いておきますね。

リアリティ(英訳reality)
説明するまでもありませんが、現実性、真実性、実在という意味ですね。
アニメですからもちろん演出として現実から離れた表現も行いますが、風景、背景、音楽、出来事どれをとっても現実的でありそうな範疇でありながらそれを突き詰めているのがこの作品のおもしろポイントです。
要はあるあるネタです。
あるあるネタは知っていた方が当然面白いですよ。
大衆的でありながら視聴者を試しているなんて挑戦的ですよね。

奇跡(英訳miracle / marvel / wonder)
この作品のテーマです。
ですが、この作品でホントにあり得ないことはちょっとした偶然が重なり続けたことと、最終局面{netabare}のビルから落ちて助かったこと{/netabare}だけなんじゃないかと思います。

起こったイベントを時系列でまとめてみました
{netabare}
25日
協会の配給を手に入れる
ゴミ捨て場にて赤ちゃんを拾う
ビルの屋上から落ちてきたペンキを回避する
交差点にて交通事故を回避する
赤ちゃんを清子と命名する

26日
母親を探す旅に出る。
母親が働いていたと思われるクラブの名詞と母親と思われる写真をを入手する
ミユキ、電車内で立ち往生中に別の電車に乗っていた父と遭遇し、逃げたところでミルクを落とす
墓場にてミルクとオムツを入手する
道で車に押しつぶされていたやくざのオッサンに出会う
母親と思われる写真の女性の名前が幸子と判明する
オッサンに連れてきてもらった結婚式場で発砲事件が発生、ミユキと清子が犯人に人質として連れ去られる
ハナとギンが喧嘩
発砲事件の犯人の奥さんが清子に母乳を与えてくれる
ギンが路上に倒れていたホームレスを介抱し手がかりを入手する
ギンがホームレス狩りに合う

27日
ハナがミユキを発見する
ギンが天使に助けられる
ハナが昔働いていた店でギンと再会する

28日
ファミレスで一夜を明かす

29日
泊まった空家が幸子の家の写真と一致する
現住所の手がかりが手に入る

30日
コンビニで酔っ払いのサラリーマンともめる
店を出たところで救急車が店に突っ込む
ハナが倒れる
運ばれた病院でギンと娘のキヨコが再開する

31日
幸子と清子が再開する
清子は幸子に連れ去られた子だと判明する

1日
初詣にてギンとハナ、ミユキが再開する
幸子の乗ったトラックが横転もけが人なし
幸子が清子を連れてビルの屋上から飛び降りようとする
落ちた清子を助けようとしたハナと、清子は風によってゆっくり降りてくる
ミユキが病院で父と再会する

クリスマス・大晦日・正月はちゃんとした描写があるので間違いないのですが、27日から30日は日が立つのが早かったのでもしかしたらずれがあるかも。

いかがでしょうか、銃撃と最後のトラック横転で死傷者が出なかったことと、ビルの屋上から落ちてハナさんが無傷だったことは、ちょっと盛りすぎたなと思いましたが、単体ならどれもあり得そうだとではありませんか。
{/netabare}


印象に残ったシーンは
{netabare}最初のミユキとギンのバトルロワイヤルシーン、連れ去られたミユキを取り戻すためにギンとハナが式場をかけるシーンです。{/netabare}地味なシーンなのに動きが良かったのでなおさら印象に残りました。
節々でも手を抜かない監督の力量を感じました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 18

87.1 2 コミカルアニメランキング2位
リコリス・リコイル(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (1032)
2900人が棚に入れました
東京の下町にある和カフェ「リコリコ」 。 カフェが受ける注文は、おいしいコーヒーにあま~いスイーツ……だけじゃない!? ちょっとそこまでのお届け物から心細い夜道の送り迎え、ゾンビ退治から巨大怪獣…!? なんでもお悩み、相談ください! お客さまの「困った」をなんでも解決しちゃいます! 皆さまをお待ちするのは、いつもスマイル看板娘と、クールで真面目なド新人。働きたくないちびっ子に、結婚を焦るアラサー女子? そして店長は、日本かぶれのナイスガァイ!! どんなご注文(オーダー)も、おまかせあれ♪
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

楽しくも、切なく哀しい『Recoil(反動)』の物語

あなたの学校に、ものっそい美人、
しかもスタイルも性格も良くて、誰とでも気軽に接し、
おまけにスポーツや勉強まで充分以上にできる女子がいたとします。
そういう女の子って、
だいたい一割ぐらいの生徒から陰でディスられたりするんですよね。

 ・なんでもできますヅラが気に食わない、カンに障る。
 ・八方美人で、いい子ちゃんぶってヤな感じ。
 ・別世界の住民みたいで親しみがもてない。もっと庶民派の方が好き。

まあ、言いたくなる気持ちはわからなくもないですが、
そういうのって客観的に見ると『やっかみ』以外のなにものでもなく。
人間、素直がイチバン、などと思う拙なのであります。


本作『リコリス・リコイル』は、
そういう『学校イチの完璧美人』みたく考えていただければよろしいかと。
それが鼻につく方には鼻につくでしょうが、
僕ごときの浅学な身ではうまくイチャモンがつけられない、
全方位型のアクション・エンターテインメントなのであります。

ジブリや新海誠監督作品ぐらいしかアニメに接点がない方々にも、
ぜひに、とおススメしたい逸品であり、
2022年度のジャパニメーションを代表する一作ではあるまいかと。

ちなみに、物語の設定は明るくも楽しくもありません。

  政府の秘密治安維持部隊であるDA(Direct Attack)。
  そこは、犯罪者どころか『準備犯』までもを暗殺し続けることで、
  表面上の平和を維持する超法規部隊だった。

  DAは孤児を養成して殺人技術を身につけさせており、
  暗殺者として育成された女子たちは『リコリス』と呼ばれていた。

  そうした異様な治安維持に不審を抱いたテロリスト・真島は、
  その正体を暴いて白日のもとへ晒すべく、
  リコリスの抹殺、そしてさらに大きなテロを計画していく。

  そのリコリスのNo.1、『殺しの天才』と呼ばれる錦木千束(ちさと)は、
  ある事情から『不殺』を自らの信条とし、
  DAの支部扱いとなっている喫茶店『リコリコ』に身を置いて、
  暗殺ではなく『人助け』をして過ごしていた。

  その『リコリコ』に、井ノ上たきなというリコリスが、
  某事件の責任をかぶされた形で左遷されてくる。
  あくまでも『不殺』を貫き、明るく振舞う千束に反発を覚えるたきな。
  しかし、千束の事情や生きざまに接するうち、
  自分にも『人を殺す以外の生き方』があるのではと思い始める。

  しかし、そんな二人もリコリスと真島の抗争に巻き込まれていく。
  そしてついに大規模なテロが発生し、凄惨な現場に駆けつける二人。
  そこで千束に突きつけられる、生命の『選択』。

  そのとき、二人のとった行動とは……!?

とまあ、ハ-ドボイルド感満載な設定であり、
一つ間違うと『鬱アニメ』になっちゃってもおかしくないような、
あんまり『心暖まらない』ストーリーであるわけです。

ところが実際に作品を見てみると、
鬱になるどころか、爽快で、小気味よく、
わくわくしながら視聴し続けられる第一級のエンタメに仕上がっています。

これは、すでに見た方ならカンタンにわかると思うんですが、
単純に以下の三つの要素が作品を押し上げているからなんですよね。

  ① ビジュアルがめっちゃきれい。
    女の子が可愛く、活き活きしているし、
    アクションシーンもかっこよくて目が惹き付けられる。

  ② 演出・シリーズ構成が秀逸。
    パンツ回や喫茶リコリコのわちゃわちゃした日常など、
    楽しく見られるプロットが随所にあって悲壮さを引きずらない。

  ③ キャラ・役者の芝居がめちゃくちゃ楽しい。
    ヒロインである千束(Cv.安済知佳さん)を筆頭に、
    喫茶リコリコで働いている中原ミズキ(Cv.小清水亜美さん)
    同じくクルミ(Cv.久野美咲さん)たちの、
    カラッと陽気なお芝居が物語全体を明るくしている。
{netabare}
  第四話のパンツ回なんか、
  多数のリコリスが銃撃戦のうえ、無惨にも瓦礫の下敷きになって死亡。
  なのに、すぐ後のリコリコ店内のパンツ騒ぎで帳消しに。

  続く五話でも、リコリスが殺意をもった真島に車で轢かれ、
  そのあと、テロリストに囲まれハチの巣にされたのに、
  たきなが千束の心音を聴く『ちょい百合演出』で、これも帳消し。

  こういう『痛ましさを引きずらせない演出』が随所にあるんですよね。
{/netabare}
要するに、ハ-ドボイルド的な『苦味』のあるストーリーに、
美少女だのわちゃわちゃだのという『甘味成分』を大量トッピングし、
誰の口にも合うようマイルドに仕上げた作品なのであります。


ただし、単純にそれだけであれば、いわゆる
  絵がきれいで女の子がかわいいハ-ドボイルドアニメ
にしかなりません(そんなの、掃いて捨てるほどありますよね)。

  ハ-ドボイルド単体として見れば
   『政府が運営する秘密暗殺部隊』というのはやや古臭いし、
  その部隊が暗躍する理由が
   『外面上の治安の良さを維持するため』
  というのは、いささか無理筋な感じがしないでもなく。

僕が本作品を高く評価しているのは、
ハ-ドボイルド層+美少女層に加えてもう一つ、
第三の層とでも呼ぶべき重要なファクターが存在するからであります、

その三つ層のが分離不能なほど溶け合い、
融合して一つの世界を織りなしているからこそ、本作は『素晴らしい』、
近年まれに見る良作であると拙なりに愚考するわけです。

この層は作品タイトル『リコリス・リコイル』の意味に密着しているのですが、
未視聴の方は正直イミフになっちゃいますので、
まるっとネタバレで隠しておきますね。
{netabare}

本作のタイトル『Lycoris Recoil』は、
直訳すると『彼岸花の反動』で、
そのまんまだと、まるっきり意味がわかりません。

ですが、彼岸花の花言葉を調べていくと、その輪郭がはっきり見えてきます。

彼岸花は色によって花言葉が違うのですが、
千束に繰り返しかぶせて描かれている彼岸花の色は『赤』です。
そして、赤い彼岸花の花言葉というのは

  『情熱』『独立』『再会』『あきらめ』『悲しい思い出』
  『また会う日を楽しみに』『想うはあなた一人』

このうち、本作で千束に関係してくるのは、
通奏的なのが暗殺組織DAからの『独立』と、不殺の『情熱』の二つかと。
 (物語前半は吉さん(吉松)への『また会う日を楽しみに』、
  中盤以降は同じく吉さんとの『再会』という意味も兼ねています)

  ちなみにアイキャッチでクルミが来ているパーカ-の彼岸花は『黄色』で、
  花言葉は『深い思いやりの心・陽気・元気』。
  こちらも最終話近くの心臓探しあたりと密接につながっております。
  (いやあ、このあたり芸が細かい)

千束はアラン機関の吉松(吉さん)から人工心臓の提供を受け、
深く感謝すると同時に自分も他人の救世主になりたいと『情熱』をもち、
DAからの実質的な『独立』をはたします。
そして、憧れだった吉さんとの『再会』をすることに。
ここまでが、タイトルのうち『リコリス(彼岸花)』にかかっている部分ですね。

そして、千束の『情熱・独立』は、深刻な『反動』をもたらします。
ここからが『リコイル』の部分。

千束は『殺しの天才』としてアラン機関の援助を受けたわけですから、
いつまでも不殺を貫いているのは、その目的に反します。
そこで、エ-ジェントである吉松は、
その才能を発揮させる(人を殺させる)べく、
薬物中毒者を依頼人に仕立てて、千束と殺し屋と対決させます。

ですが、それでも千束は「私は人の命は奪いたくない」と言い切り、
その理由を「わたしを助けてくれた人みたいになりたいから」だと説明します。
それをニセ依頼者を操りながら聞いていた吉松は、
  「千束……それではアラン機関は君を……その命を……」
という言葉とともに、絶句し、交信を切ってしまいます。

  このセリフこそが、これ以降の物語の『トリガー』なんですね。

物語後半であきらかになりますが、
この段階で吉松はすでに、
千束を助けられる新しい人工心臓の存在を知っていました。
(それを手にしたのが延空木テロの一年前ですしね)
しかし、千束が期待された才能を発揮しない限り、
アラン機関の追加支援としてその心臓を提供することはできません。

  つまり、殺しをしない限り、千束の余命はあと数年が限界だ、
  ということがわかっていたわけです。

  だからこそ『リコリコ』に足を運んでミカの状況を確認し、
  進んで殺しをさせる意思がないと見るや、
  職権濫用で殺し屋を差し向けたりもしたわけで。

しかもこのときの会話で千束が殺しをしないのは、
人殺しはイケナイ、みたいな安っぽい人道的な理由ではなく
(千束はリコリスが人を殺すことを否定していません)
吉松を『人を助ける救世主』と思い、同じ道を歩みたいと願っていること、
つまり自分が誤解させてしまったことが原因だと知るわけです。

すぐに吉松は、バックグラウンドで走らせていた作戦、
アラン機関が千束とは関係なく『別枠』で支援していた真島を、
千束にぶつける作戦へ舵を切ります。

さらに、千束を時間的に追い詰めるため、
千束の体内にある人工心臓に細工をして余命を二か月にまで縮めます。

それは、表面的にはアラン機関の忠実なエ-ジェントとして、
千束の才能を世界に届けるためのものでした。
しかし、内心は違います。
吉松は、ただ『千束に生きていて欲しかった』こそ、
職権を最大限に濫用して、千束に『殺し』をさせたかったのです。

  そもそも、ミカに仕事ではなく『約束』として千束を託したのは吉松です。
  その際、吉松は「もう私たちの娘じゃないか」と言っており、
  その段階で『人殺しのための道具』だとはこれっぽちも思っていません。

  子どもを作ることができないゲイカップルの吉松にとっては、
  自分が生命を与えた千束は、
  ほんとうに自分の娘であるように思えたのかも知れません。
  (手術にも、本当の親のように、ミカと二人で立ち会っていますしね)

最後の仕上げとして吉松は自らの身体に細工をし、
自分が真島にわざと捕まるよう仕向けて、旧電波塔で千束を待ちます。
(クルミですら痕跡を追えなかった吉松が、
 ロボ太や真島に簡単に捕捉されるとは考えにくく、
 ここは『わざと』捕まったと思うのが自然です)

そして、真島を捕縛して対峙した千束に対し、
あらん限りの(心にもない)罵倒と挑発を繰り返して、
自分に抱く偶像を破壊し、罪悪感なく自分を殺せるように仕向けます。

  自分は憎まれても殺されてもいい、
  千束が夢破れて『人殺し』になってもいい、
  どんな代償を支払ってでも、千束には生きていて欲しいんだ。

  それは生物学的な親子を超えた、
  本物の親子愛と呼ぶべきものではないかと僕は愚考します。
  (もちろんそこには『ミカとの子ども』という付加要素も存在します)

かたや、ミカの方も心から千束のことを愛しています。

吉松に押しつけられた『親子ごっこ』は本物の親子愛に昇華し、
成人まで生きられないと言われている千束のために、
おそらく袖を通すことができないであろう晴れ着まで準備しているんです。
そのうえで、吉松を慕う思いを尊重して、
残り少ない人生を思うままに生きさせてやりたいと願っています。

  どんな形であったとしても生きていて欲しい、と願う吉松。
  死期を早めることになっても思うままに生きて欲しい、と願うミカ。
  そこに正誤だの優劣だのはありません。
  そこには、
  娘を心から愛する二人の父親がいるだけです。

最終話、傷ついた吉松とミカの会話が、二人の深い情愛を物語っています。
  ミカ「すべては千束のためだ……。そうだろう、シンジ」
  吉松「わたしは……わかってもらえなかったよ……」
    (中略)
  吉松「……狂わされたな。おまえも……あの子に」
  ミカ「……そうだな」
そこには、深い悲しみはあっても、後悔は一片も存在していません。
最後まで千束に真意を伝えられなかった吉松を、
(それを伝えたら千束は絶対に吉松を撃てなくなりますから)
ただ一人、理解して涙を流すミカ。
互いを愛し、そして娘を愛した二人の男の切なすぎる幕引きです。


つまるところ本作タイトル『リコリス・リコイル』は、
リコリスである千束の『情熱』『独立』、
つまりは『不殺』に対する『Recoil(反動)』の物語であるわけです。

もちろん、千束を中心に起こる全てのできごとがその範疇に入りますが、
とりわけ、愛する娘の『情熱・独立』によって人生を狂わされ、
それでもそれを甘んじて受け止める、二人の父親の物語が大きな要素となっています。

この二人の父親の深い愛情、
慈しみ抱擁するようなミカと、狂気じみた発露を見せる吉松の愛情が、
折り重なり合って物語のバックグラウンドを形成する構造こそが、
僕の言う『第三層』なのであります。

  わちゃわちゃと楽しい美少女たちの光景と、
  カッコいい、胸のすくようなハ-ドボイルド・ガンアクション。
  それらを下支えする切なく哀しいヒューマンドラマ。

  これらが密接に絡み合い、完璧に融合していることが、
  本作にものっそい深みとコクを生み出している、
  と、拙は拙なりに愚考している次第なのであります。
{/netabare}

僕的な評価は、ダントツのSランク。
おおよそ、エンタメに期待される要素をほぼ完全に網羅しております。
ハ-ドボイルドとしての世界観は若干『ぬるい』のですが、
それを補って余りあるアクション品質と、
ドラマ性のある濃密な『動機付け』が実によき。

同系統の作品は今後も出てくると思いますが、
それで本作を超えるのはちょっと難しいんじゃないかなあ、
と思わされるぐらいの完成度です。


唯一の欠点は、脚本がちょっと『わかりにくい』ことかと。
とりわけアニメ慣れしている方ほど、
その傾向が強くなるんじゃないかと危惧してしまう次第です。

  というのも、最近のアニメの傾向って、
  心情とか真意をセリフで語りすぎちゃっているんですよね。
  言葉と心情が乖離してるのって、
  わかりやすいツンデレ演出ぐらいのものでしかなく。

  その点、本作は心情解説的なセリフがほとんどないんですよね。
  映像や言葉の断片からそれを『推し量る』という、
  国語キョーイクみたいなスキルが視聴者に求められるわけであります。
  {netabare}
    最終話の日本リコリコ店内なんか、
    チビ千束の描いた『二人のお父さん』の絵がこれ見よがしに飾ってあって、
    いかにもメッセージを読み取って欲しそうにしていたり。
    その上からミズキが別の絵をかけて隠しちゃうところなんか、
    本作の作品構造をあらわすメタファーになってたりもするわけで。
  {/netabare}
  そういうのって正統的な映像作品の作り方っちゃ作り方なんですが、
  イマドキのアニメとは、正直、かなり違うわけでありまして。

  いわゆる『萌えアニメ』的な感覚で、
  オモテに出てくるセリフだけを追っかけていると、
    なんだコイツ、わけわっかんね~
  みたいなことになっちゃいそうなので、ご注意を。
  {netabare}(いやほんと、吉さんかわいそう) {/netabare}


作画は、ほんと言うことなし。ためらうことなく5点です。

かわいらしいカットはかわいらしく、
シリアスなカットは魂込めてシリアスに、
一枚絵として充分通用するレベルで繊細に描き分けられています。

  アクションシーンも、ガチでかっこいいですしね。
  他の方も指摘されてましたが、
  千束の独特な銃の構え方、きゅんです。
  {netabare}
  最終展開、ク-ルなたきなが感情むき出しにする作画は鳥肌もの。
  「心臓が逃げるっ!」と叫んだとき、
  ちょっとだけ楳図かずおが入っちゃったのはご愛嬌。
  {/netabare}
  あと、これはアニプレ系列作品の特徴でもあるんですが、
  女の子が『おしゃれ』。
  乃木坂46のデザイナーに依頼したというリコリスの制服もそうですが、
  千束とたきなをはじめとする女性陣の私服がステキ。
  ここんとこは、他の制作会社もぜひぜひ見習ってほしいところかと。


大評判になっている役者さんのお芝居も、文句なしの5点満点。

千束役の安済知佳さん、こんなはじけたお芝居ができたんですね。
いやすごい、楽しい、ほんとカワイイ。
さらに、これまでの役どころで培ってきた『気だるげ』なお芝居も健在で、
その温度差が千束のキャラをより際立たせています。
(個人的には最終話、真島との『中休み』グダグダ会話がイチバン好きかも)

  若山さん、小清水さん、久野さんも会心の一撃かと。
  とりわけ『感覚派』の天才児、小清水さんが、
  アドリブでめっちゃいい味だしていて、よきです。いンぬ。
  (久野さんも引っ張られて、新境地開眼ですね♪)

  ただ、女性陣ばっかに目がいって、
  youtubeはじめネット上もその声ばっかなんですが、
  男性陣(松岡禎丞さん、上田燿司さん、さかき孝輔さん)が、
  すごく渋くて味のあるお芝居をしているからこそ、
  女性陣がぐぐっと引き立っているのはわかってあげて欲しいかも。


音楽は、OP・EDともに、世界観と見事にシンクロしています。
劇伴もかなりいい出来なんだけど、
クライマックス、台詞に日本語のOP曲かぶせちゃったので満点ならず。

  OPにクラリスさん、EDにさユりさんと、
  さすがSME系列のアニプレ、持ち玉が豊富ですよね。
  ときどきヘンな外し方しますが、今作はきっちりと。

  OPの映像が、またよくできてるんだこれが。
  拙的には、サードリコリスが無言で歩いているカットが大好きです。
  (最初は通常、途中でスローにして爆炎をかぶせる演出がヤバい)
  最後をおしりの蹴り合いで楽しく締める演出も、
  まさに本作の制作コンセプトそのものですよね。まいった、降参。


監督は、これが初監督となる足立慎吾さん。
1996年に『機動戦艦ナデシコ』の動画マンとしてデビューして以来
作画・作画監督・キャラデで25年以上のキャリアのベテランさんですね。
SAOやWORKING!!のキャラデ・総作監として有名な方。

  これまで『画』は描けても『物語』には関われず、
  イマドキの流行りアニメに対して、
  かなりの想いを募らせてこられたのだろうと愚考いたします。

  アサウラさんの作成してきたプロットを『原案』にするまで修正、
  映像面の中間チェックを副監督にほぼ丸投げし、
  自身はシナリオと演出に集中するという力の入れよう。

  残念というか何というか、
  画と役者さんのお芝居が良すぎて視聴者の目と耳を奪ってしまい、
  シナリオの本質が十全に伝わっているとは言い難い状況かと思いますが、
  アニメの楽しみ方は人それぞれ。
  そこに良し悪しだの優劣だのつけるのはヤボというものですね。

     ただ、僕は好きです、こういうモノづくりの方向性。

  板がバカ売れしているとの由、必ず『次』がありますから、
  妥協して『わかりやすい安直アニメ』に寄せず、
  いまの信念を最後まで貫いて欲しいと心から願う次第であります。

  
とにもかくにも、実に緻密に織り上げられた物語です。

エラそうにこんなこと書いてる僕も、
一周目では、ばくっした全体像しか把握できず、
二周目で構造をようやく理解でき、
三週目でその緻密さに舌をまいた、というていたらくでありまして。

ほんと、見返すたびに新しい『発見』のある、素晴らしい作品です。
(僕がアタマ悪い、ぼんやり見てるだけかも知れませんが)

  未視聴の方はもちろんのこと、
  既に視聴を終えられた方にもヒマなときぜひ見返していただきたい、
  そんなふうに思ってしまう、

      エンタメアニメのハイエンドモデルなのでありますよ。


**************************************************************


ちなみに、最終話の読み方と、二期があったらの展開につきまして、
僕なりに書きたいことがあるのですが、
あくまでも個人的な推測に過ぎないわけですし、
そもそも、ここまででも充分に『長い』レビュ-になっちゃってるわけで、
まるっとネタバレで隠しておきます。

未視聴の方はまったく意味わからないので読むだけムダかと。
視聴済みの方で、おヒマであり、
なおかつ「ふん、読んでやらんこともない」というご奇特な方だけ、どうぞ。
{netabare}

まず吉さんの生死についてなのですが、
正直言って、いまの段階では『まるっきりわかりません』が正解かと。

人工心臓を自分の中にいれちゃうっていうの、
このヒトなら本当にやりかねないヤバさは確かにあるわけです。
ただ、そういうことになると
  ① いったん他人に移植した人工心臓を再利用できるのか
  ② 千束にネタバラシした後も、スーツケースを持って逃げたのはなぜか
という、ごくあたりまえの疑問が頭をもたげてくるわけで。 

それは千束の立場においても、まったく同じなわけです。
病院で目覚めたとき、自分が手術されていたことを知ったわけですが、
  それが『吉さんの体の中にあったモノ』なのか、
  それとも『ケースの中にあったモノ』なのか、
確信をもって判断できる材料はなにひとつないわけなのであります。

ケ-スの中にあったのなら全く問題ないのですが、
もしもそうじゃない場合には、

  誰かが吉松を殺し、奪った心臓を千束に移植した。

ということになるわけです。

もしも事実が後者だった場合、千束的に耐えられる話ではありません。
だから、仲間に会って真実を伝えられる前に、
誰にも見つからないところを求めて逃げ出した、というのがホントのところかと。

  少なくとも、千束が口に出したウソ、
    勝手に手術されていて『死ぬな』と思い、
    湿っぽくなるのがイヤで逃げ出した。
  なんてものよりは、よっぽど筋がとおる解釈ですよね。そもそも千束は
    古い心臓が修復不能で手術しても意味がない、
  ということを知っていたわけですから、自分が何をされたかは自明の理なわけで。

そして、たきなに見つかり、腹を括って話を聞くことにした。
たきなの口から伝えられたのは『前者』。
もちろん、それが真実かどうかなんて千束に知るすべはありません。

  ただ、冷静に考えてみれば、
  真実がどちらであったとしても
  たきなは『前者だ』としか言うはずがなく。

  そして、同じように、真実がどちらであったとしても、
  千束が『吉さんから再び生命を与えられた』という事実に変わりはなく、
  それを精一杯生きなきゃいけない、ということに気づくわけです。

  だもんで、真実は玉虫色のまま、ワイハへGO!!

という、まさに『どっちにでも転がせる』最終回だったわけですね。
本編にも吉さんが『死んだ』という映像はどこにもなく、
今後どんな展開になるのか、ちょっと想像がつかない感じであります。


あと、僕的に今後の展開で気になるのは
ずばり『ミカに対するアラン機関の扱い』です。

  だって、結局のところ千束は人殺しをしていないわけでありまして。
  つまり千束はアラン機関の追加支援を受けられない、
  そういう立場であったわけです。

  その千束を助けるために
    アラン機関のエ-ジェントである吉松を抹殺し、
    同じくアラン機関の成果物である人工心臓を強奪、
  ということであれば、ちょっと『ごめん』じゃすまないだろうなと。

  吉松が生きている場合でも、
    二人で共謀して心臓をだまし取った
  ということになりますから、やっぱ『ごめん』で済ますのはムリ。

  そしてその心臓を移植され、
  義務をはたさないまま生きている千束もまた、
  やっぱ『知らんかった』ではすまされないだろうなあ、と思われ。


というわけで、もし二期があるとすれば、
まだまだ『リコイル(反動)』の波が続いていくものと予想しています。

まるで正体の見えないアラン機関も姿を見せるだろうし、
リコリスの抹殺に使われようとした格上の『リリベル』も出るだろうし、
したっぱテロリストなんかより規模のデカい、
そして対人殺傷能力に長けた『敵』がおしよせてくるわけで。

  そんななか、千束が『不殺』を貫いて仲間を守り切れるのか、
  みたいなストーリー展開になったら、けっこうドキハラできるかも。


まあ、そういうのは『拙がライターならこう書く』という話で、
信頼性もなんも、あったもんじゃありません。
いきなり『萌えアニメ』になる可能性だってゼロじゃないわけで。

  常にスケジュールがパンパンのA-1 Picturesですから、
  いかに板が売れようとも、
  すぐに二期の制作にとりかかるのはキビしいかと思われます。

  朗報が届くのを首を長くして待つ間、
    自分ならこう書くなあ
  なんて想像するのも、アニメの楽しみ方の一つなんじゃないでしょうか。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アニメファンの感性を残酷なまでに問われる惨い作品

日本国の治安を守る秘密組織機関に属するエージェント=「リコリス」と呼ばれる少女たち
「千束と たきな」 2人のバディを描いた物語。

銃撃戦もありますが、最大の見せ場は何と言っても
千束と たきな のバディの関係性の描写にございます。

人気実力を兼ねそろえた完成度が非常に高い超話題作。

エンタメ性も高くキャラも魅力的で評判は上々、一見の価値ありと
自信を持ってより多くの方々にお奨めできるタイプの作品であります。

お気楽吞気で全身脱力系の 千束 と
生真面目で融通が利かない たきな の凸凹コンビが繰り広げる
化学反応の超展開(けつキック合戦の模様を含め)どうぞご期待ください。

●メサイヤ×スクランブル~最終話視聴後の総合評価~
{netabare}総合的に考えると相棒系の物語としてはかなり上質の完成度であったと評価できますが
最終話で、 たきな の活躍が期待していた程ではなかったこと、そして
「心臓」の件は個人的には千束もしくは たきな の決断により解決してほしかったのですが
二人の父親同士の決闘の末、先生の独断?(あるいはすべてを見越した吉松氏の計略?)により
あっさり解決されてしまったのが少しだけ残念でありました。

「彼岸花」が暗示する「死亡フラグ」も吉松氏が全部引き受けることで
一番危うい立ち位置にあった千束、仲間思いの念が強すぎて見境なくなる
という意味で何かやらかしそうだった たきな も事なきを得たようです。

千束の二人の父親、先生と吉松氏のBL関係のごり押しは{netabare}あまりに露骨で悪趣味なものを
感じたので減点の要素としました。

実はエリートと呼ばれる人たちにBL系の人が多いというのは事実であり、ある意味アラン機関の
吉松氏が同様であるのもリアリティがあると言えばその通りですが、主人公の父親がともに
BL系というのはかなり微妙過ぎるものがあるように感じました。{/netabare}

人気・評判・実力の総合評価では今期最高水準であることを証明したような本作でありますので
続編が期待されるのは当然の成り行きでありますし、だからこそ千束や たきな の手によって
命の問題を解決させようとする結末を描かなかったのには理解はできるところもあります。
というのも、原理上、命の代償は命であるのが必然だからであります。

12話の展開の過熱感は限界突破をするほどの熱を帯びているように思えましたが
最終話ではピークアウトを迎え少しだけトーンダウンしたような印象も受けました。

ただ続編への繋ぎということならば、若干ぬるめのハッピーエンドみたいな締めでも
ファンにとっては好印象であったのかもしれませんし
まだまだ物語が続くなら、それを待たずして激辛評価というのも早計でありかつ
期待が持てる終わり方というのも印象は悪くなかったように感じました。
結論は、概ね着地成功という話にございます。{/netabare}

ざっくりレビュー{netabare}
1話 たきな は待機の命令違反を犯しリコリスの仲間を救出
この命令違反を理由に本部から左遷されますが、救世主に憧れる千束には好印象
たきな は仲間思いの「熱い」性格であることが判明します。

2話 千束のマトリクスディフェンス炸裂
カラシニコフは反動が大きいのでかわし易いということなのでしょう。
異常に目がいい千束は射撃手の腕の筋肉の動きから弾丸の起動が読めるというチートであります。

3話 健康診断受診前に飴を食べようとする千束に たきな が注意勧告
甘いものは血糖値を上げるからと正論を放つも実は思いやりがあるというのが たきな であります。
模擬戦煽り合戦で千束吠える!千束も たきな のこととなると熱くなります。名コンビ覚醒回であります。

4話 たきな 用下着の買い出しシーン。ショップで二人の禅問答が始まり
千束の一人乗り突っ込みが冴えわたる。所詮は百合サービスデート回だろうと油断していたら
二人の会話は盛り上がり、思い出話の暴露から信頼関係が強化されていく様子が描かれます。

5話 千束の秘密が明らかになる重要回。
手作りの「旅のしおり」は千束の観光ガイドの依頼に対する本気度が窺えます。
アラン機関によりもたらされた人工心臓、そして千束の使命とは?物語は動き出します。

6話 リコリス襲撃犯テロリストとの対決。千束の弱点、目潰し攻撃で追い込まれるも
たきな のバックアップで難を逃れます。

7話 アラン機関に選ばれた千束と運命の人との再会。
しかし両者のそれぞれの思いにはズレがあるようであります。

8話 たきな 渾身のオリジナルパフェを考案。
絵の才能に加え たきな は決定的にセンスがないことが判明。
旧電波塔事件に関与していた男、真島の正体はアランチルドレンであり
千束との運命的再会は彼にとってはリベンジマッチ千載一遇のチャンスとなるのであります。

9話 人工心臓に細工され千束の余命は数か月に。
先天的心疾患の千束を救った救世主=吉松氏は憧れの人。
千束の生存につながる情報の手がかりを求め本部復帰を決意する たきな。
思い出作りのため たきな エスコートで千束とお出かけ。
たきな らしい生真面目過ぎるデートプランであるも、千束は大満足。
二人の別れのシーンで待望の雪が降るという演出がとても印象的な感動回でありました。

10話 自分のために人生を棒に振ってほしくない千束は喫茶店の閉店を決意。
そしてテロリスト真島覚醒!その本領を発揮します。 {/netabare}

以下長文レビュー{netabare}
●「メサイヤ・コンプレックス」~テロリスト真島について~
{netabare}真島というキャラが魅力的に見えるのは、本人が言うように真島が弱い者の味方であり
現状の腐った政治が蔓延する日本という社会においては過激な改革こそが庶民にとっては
正義であり救いであるというのが真実であるからであります。

テロリストというのはある意味「メサイヤ・コンプレックス」という精神病理に憑りつかれている
ような存在でありますが、この狂った世界に生きていれば誰しもが病みを抱え鬱積した感情の
どろどろのマグマがやがて臨界点を迎えるのも致し方ないことのように思われるわけであります。

本作に登場する都知事が(ノンフィクション作家の著作)「女帝」というタイトルの暴露本で
学歴詐称並び公職選挙法違反の疑念を抱かれる対象の某都知事と瓜二つなのは、偶然ではなく
必然であると考えられますが、その問題の某都知事はジョージ・ソロスという世界的大富豪の
お知り合いという話でございます。

都職員による実績評価は過去最悪級の某都知事でありますが、どういうわけか?選挙にはやたら強く
某独裁与党に所属していた時から大臣などの重要ポストを当たり前のように手に入れてきたという
経歴を持つというなんとも「狐」につままれたような奇妙な話でありますが、政治の世界、
いえ、この世のすべては人脈やコネこそが肝心要であり、
実力やら誠実さやら信頼などは二の次三の次のことなのでしょう。

某与党で重要ポストを得てきた女議員とは、よく見りゃみんなよく似てる
「女狐」であるという笑えないオチであります。

だからこそ真島というキャラの思想性に自分の憧れや理想を重ねてしまうわけですが
テロを起こそうが起こすまいが、ガチガチの完全性で固められている現世界システムは
強固なる鉄壁性を示すのみでありましょう。

ただし、その鉄壁性という性質は我々庶民に対してのものであり
もしも権限ある強者たちが世界を変えると決めた時は、逆に多くの庶民が抵抗したところで
いともあっけなく劇的に変わってしまうというのは何とも皮肉な話であります。{/netabare}

●すり替えのトリック
{netabare}「プリンセスプリンシパル」と「探偵はもう死んでいる」から導き出される
「心臓のすり替え」には、トリックが仕組まれていたことが最終話で判明します。

千束の「代替心臓」は実はケースの中にあったというのが真相ですが、
では吉松氏が人工心臓を自らに埋め込んだという話はただのブラフだったのでしょうか?
個人的推測では、計算高い吉松氏のことですから実際に装着して性能テストをする必要性を感じ
ただろうということと、ただのハッタリでは千束が信じないかもしれないという判断から、
自身に人工心臓を埋め込んだのは真実であると判断いたします。

目的のためには手段を択ばない狡猾なトップエリートであるのが吉松氏の本性でありますが
そんな彼でも、千束には父親としてなんとかして生きて欲しいという願いを抱いて
いたという話であります。

愛娘のような千束を欺き、親友のミカを欺いてでも自分の思いを貫く純粋なる狂信者吉松氏と、
片やそのような一方的で残酷な解決法を望まない千束とは、考え方が真っ向から対立しますが
誰かのために生き、誰かの命を救うために生きることとは、千束にとっては理想的な生き方で
ありそれこそが彼女にとっての「救世主」であったというわけです。

千束としては、吉松氏の一方的なプレゼントとメッセージについてはひどく受け入れ難いものの
ため「これ」を海に投げ捨てますが、そのシーンで彼女が断ち切ったもの、断ち切りたかった
ものとは過去であり、ある意味吉松氏によって与えられた未来には真っ向から向き合って生きて
行く決意を表したような意味合いが、そこには込められていたようにも思えます。

今の千束には救世主に対する憧れはもうありません。
等身大の自分が生きる道、未来につながる道をひたすら歩んで行くだけです。

例え与えられた命でも生きる権利があるのは本人であり、
どう生きるかも本人の専権事項であります。

親がなければ子は生まれませんが、親はなくとも子は育ち、やがて巣立ちます。
未来とは親のためではなく子どものためにあるものです。
そして親とは子どものために、子どもを思い生きる存在であります。
自分の理想を一方的に押し付けるようなことは本来親がやるべきことではなく
もしも吉松氏が本当に千束を自分の子と思い、自分は父親と自覚していたなら
それが間違いであることに当然気づくでしょう。

吉松氏はどちらだったでしょうか?{/netabare}

テロリストの真島もなかなかいいキャラでありますが、いかにもエリートらしい吉松氏の{netabare}
目的のためには手段を択ばない純粋なる狂気っぷり加減もなかなかによい塩梅であります。
自分の信念を純粋無垢に貫いてブレない千束との対比効果が鮮明で個人的には
かなり燃える因縁の対決シーンでありました。

そして仲間思い千束思いの たきな の鬼の形相、必死すぎる表情も上手いこと描かれており
熱量が凄いことになっておりました。

組織挙げてのオペレーションの失敗の責任をすべて部下に押し付けて何事もなかったかのように
トップの地位にのうのうと居座り始末書の処理だけは優秀な楠木司令
この世界で出世し勝ち残り優秀と言われるのはお役所仕事をそつなくこなす方なんですが、
しかしながら要するに、そういう人は無能で信頼もできないし
自己保身が最優先事項なので実は全く使えないというのが真相でしょう。

ハッカーや真島に何度もしてやられて自分の面子や上司からの評価がガタ落ちの状況を
何とか打開しようと功を焦り、真島検挙の手柄を独り占めしようと目論み
自ら現場にしゃしゃり出てきたDA司令官でしたが…取らぬ狸の皮算用の狸が逆に化かされて
失態の上に失態を重ねて、上司激ギレの結果、切り札の千束を使えという鶴の一声のオチであります。

組織人ならば組織の命令や上司の命令に従うのはある意味当然ですが、
しかし上司が無能で組織自体も形骸化しており機能不全起こしてるならば
訓練された無能力集団の命令に従うことほど間抜けなオチはないと言えましょう。

真島やハッカーはそれについて十分熟知しているので
某都知事含めてコケにされているという展開であります。

優秀なる官僚主義である楠木司令も最後の最後で上層部に一矢報い名誉挽回できたようです。
最後の切り札=千束を政治力を駆使して温存していたこともありますが
それ以上に最後の最後でものをいうのは人脈であるということなのかもしれません。{/netabare}

「えんくうぼく」という名の電波塔とは5Gが普及する近未来を端的に示しており、
劇的な変化を遂げ生まれる新世界秩序の誕生を示唆しているようにも思えます。{netabare}

新世界秩序を作り出すための重要な鍵となるプレイヤーは中国とも言われており、
中国が推し進める一帯一路構想と5G建設計画には密接な関係性があるようです。
世界秩序の劇的な変化の反動、反発としてテロが引き起こされるのは
必然であると言えるのはないでしょうか。

第1話における東京で「桜開花の情報」のテロップが「東京」ではなく「関東」に差し替えられていた問題に関して考えられる仮説の一つとして挙げられるのは
情報操作=「情報のすり替え」の暗示があったのだと推測いします。

東京は関東に属しますが、仮に東京の桜が開花したとしても
関東全体が桜の開花したというのは確かに論理の飛躍が惨過ぎますよね。

そういうことがちゃんとわかっている賢明な?視聴者の方々は当然テロップの違いに
突っ込んでますが、本作における東京及び関東に属するような愚民風情の我がニッポン国民とは、
そんな明らかな論理の飛躍=あからさまな情報のすり替えや情報改ざんの類にはまるで気が付かない
間抜けでお人好しな、救う余地がまるでないような程に絶望感が惨過ぎるからこそ、
例えテロリストになってでも真実を伝えようとするような真島の真摯的な
態度には共感以外に言葉はなく、
一方であまりに哀れ過ぎる我がニッポン国民の愚民性をこのような対比でまざまざと見せつけられたら
笑って誤魔化すしか手立てがないとかいうのは、とても皮肉な話であります。

1話に登場した電波塔とは(改ざん可能な)高度情報化社会を象徴するシンボルであった
可能性が濃厚だと感じました。{/netabare}

1話において某作戦の失敗の原因は{netabare} 某リコリスのスタンドプレーによるものとして
組織内部では処理されていますが、要するにただの責任転嫁のしっぽ切りのために
たきな は左遷されたという話であります。
情報操作と虚飾にまみれた組織とそれによって守られた治安のいい?国家=我がニッポン、
そこに住まう意識が高い?国民性を持つ小奇麗な我が家畜たちの間抜けな幻想、
そういうもの一切合切を痛烈に皮肉ってるようなメッセージが胸に突き刺さります。

某「緑の」都知事には思わず苦笑w皮肉が凄いですw{/netabare}

●個人的に気になった用語
{netabare}・リリベル
リリーベルとは和製英語で鈴蘭の花を意味するらしいですが、
より多くの人に頭に焼き付けて欲しいのは「リリベル」という言葉自体
表記自体に重要な意義があるという話です。

・延空木
天空に延びる木なので、世界樹=ユグドラシル(ゼロ活のクジラ回にもあった)のことを
指しているようにも思えますが
「伸びる」ではなく「延びる」の方は時間空間的なものを指して使われるということです。
電波塔は塔ですから「バベルの塔」みたいなものとも解釈できますが、
「バベル」には「混乱」という意味合いがあるらしいです。
「混乱」という言葉には情報(の錯誤)というものが含まれ
結局のところ「延空木」とは情報網の枝が次元に延長されていった結果
構築される世界樹のようにスケールが大きい巨大情報網のことを指すようです。

5Gが実現する世界こそがまさにその状況を示すのだということになりますが、
最も肝心なことは高度情報化社会は既に進行しており、その社会に暮らす一般庶民とは
絶えず押し寄せる情報の海に溺れ漂流し続ける儚い存在でしかないという真実です。
ハッカーによる情報操作に翻弄され無様に踊らされるという本作に登場する愚民たちとは
結局のところ我々無力な庶民の事を示しており、現時点で真実が何であるのか見えているのは
限りなく無に等しいという…非常に残念なお話でございます。{/netabare}{/netabare}

●アニメファンが知らない秘密結社【フリーメイ@ン】
{netabare}感のいい方のお察しの通り本作ではとある「秘密機関」が描写されています。

一つは 【烏】。一つは【梟】。
「SPY家族」の「オペレーション【ストリスク】」、「惑星のさみだれ」の「【梟】の騎士」
そして「後宮の烏」には「【烏】妃」と【梟】が登場します。
これはほんの一例に過ぎず、特に【梟】が(意味深に)登場する作品を探し出したら
きりがないくらいに【梟】は至る所に存在するのであります。

世界の基軸通貨「ドル」の1$札にはさり気なく【梟】がプリントされていますが
恐らくこれはFRB(連邦準備制度理事会)の株主、つまり世界標準として
ドル基軸通貨体制を構築した「陰の実力者」の所属を示す【刻印】
のようなものであると個人的には理解しております。

【梟】が暗示する【メイソン】の情報をネットで調べたらそれこそ腐る程出てまいりますが
所謂「都市伝説系」の人達が積極的に情報発信しているこの手のものは特にフェイクが多く
当方も迂闊にこれに食いついて騙された口でありますが、得られた情報の点と線を地道に
つなぎ合わせるという地味な作業を長年にわたって継続した結果、パズルのピースはかなり
揃ってきたと実感する位までには到達できたように思います。

【メイソン】の話は某アニメ評論家の岡田斗司夫氏もtubeで披露しており
【メイソン】と【錬金術】の関係性を見事に暴露しているのは、核心をついていて
十分評価すべきでありますが、その一方で【ローマカトリック教会】の理解も含め
【メイソン】の本質には今一つ届いていないように思いました。

【メイソン】に関する話が厄介なことになる原因は今の組織が2重構造、ないしは3重構造
になっているからだと個人的には理解していますが、岡田斗司夫氏ご指摘の通り
「近代メイソン」はただの社交クラブ化しているというのは、ある意味
正しい解釈であると思います。

近代になり立ち上がった【フリーメイソン】は「自由・平等・友愛」を掲げる
ただの「社交クラブ」であることは多くの証言からしても事実であると考えられます。
しかしそれは組織の8割9割の部分でしかなく、「ロッジ」によっては【33階級】まである
とのことですが、例えば【33階級】の頂点を極めた重鎮が一般会員と同じように
社交クラブごっこを目的に活動してるのかと言えば、
そんなわけがあり得ないという結論に至るわけでございます。

【メイソン】とは【石工職人】であります。
この【石工職人】は【錬金術】の系譜の末裔であるというのは岡田斗司夫氏ご指摘の通りであり
【石工職人】の影響力が薄れた近代メイソンが社交クラブ化したのも
ある意味事実であるようにも思えます。

「【海賊】王女」で描写された【オーパーツ】的な「不思議な石」はある種の
パワーストーンでありますが、それを鑑定した【石工職人】とは恐らく
【メイソン】を暗示するものだったのでありましょう。

石工職人の系譜と関連深いのは【古代メイソン】であります。
それに対してその影響力が薄れ近代化したメイソンが今の【フリーメイソン】であります。

【古代メイソン】を近代化したのは誰だったのでしょうか?

一説によればその改革者は【イルミナティ】という輩であるとのことであります。

彼らは近代合理主義の洗礼を受け、「自由・平等・友愛」のスローガンを掲げ
革命の旋風を巻き起こした【陰の実力者】であります。

フランス革命を引き起こし、あるいは裏で煽動していた秘密結社が存在していた
という説がありますが、ある説によればそれは【フリーメイソン】であると言われ
またある説では【イルミナティ】であると言われています。

「自由・平等・友愛」とはフランス革命のスローガンでありますが、そもそも
それを掲げたのは【フリーメイソン】の中に暗躍していた【イルミナティ】という勢力
であったというオチであります。

世界史の授業で習いました近代合理主義における「【啓蒙】思想」という聞きなれない
「ワード」、【啓蒙】とは「闇を【光】で照らす」的な意味合いがあります。

【イルミナティ】とは「【光】に照らされたもの」「【光】の洗礼を受けたもの」であります。

早い話が「【啓蒙】思想」というワードの語源は【イルミナティ】であり
「近代【合理主義】」を世に拡散したのも【イルミナティ】であります。

近代革命の旋風に乗って現れた「フランス人権宣言」や「【理性】の崇拝」という奇妙な宗教、
【ギロチン】という悪趣味な処刑装置、すべては彼らの思想と連動しておるわけでございます。

1$札の裏面には【ピラミッド】とその頂点に【光る眼】が描かれていますが
ピラミッドは【石工職人】=【古代メイソン】の仕事であり
頂点に輝く【光る眼】は【イルミナティ】を象徴しております。

【フリーメイソン】や【イルミナティ】と言えば都市伝説扱いの話とされていますが
フランス人権宣言や1$札だけでなくありとあらゆるところにその形跡が
確認出来てしまいます。

アニメの元ネタが「フリーメイソン」という事例も挙げればきりがないほどありますが
さて、アニメ制作者の方々は皆【オカルト】マニアとでもいうことでありましょうか?

秘密結社に関する謎は深まるばかりでございます。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

これは本当に楽しめた作品

オリジナルアニメーション作品です。
オリジナルアニメーションといえば面白い作品が多く、リコリスリコイルもその作品の1つ。

1話の段階で面白さが解るレベルの面白さですね。
Twitterでもフォロワー20万越えの人気だしアニコレでも人気は高かった様に記憶しています。

普通にキャラも可愛いし、千束もタキナもしっかりキャラが立っていて内容も解りやすくアクションもスタイリッシュですね。
たまに作画がおかしいシーンもありますが余り気にならないレベルですね。

後は細かいやり取りも面白く日常シーンも楽しく描かれて居ます。
退屈しないで飽きない物語展開は何度みても面白いですw


悪人を消しさり平和な東京を維持する為の武装組織に所属するリコリス。
そんな少女達の物語。

作戦違反をした少女タキナは転属命令が下される。
彼女は東京で1番のリコリスである、千束の元で学べと言われたのですが……

【千束】

千束は賑やかな女の子です。
タキナが来た事に凄く喜んでいて、多分同年代の女の子で相棒が出来たのが嬉しかったのでしょうねw
少し悪ふざけが過ぎるのですが、実は私も普段から悪ふざけしてる人なので、その点は共感持てますw

2人の初仕事はボディーガードなんですが、千束が目を離した隙に{netabare} 人質を囮に犯人組織を誘き出すタキナw
悪人を潰す為には使える物は護衛対象を囮にする女タキナw {/netabare}

この辺り、タキナが千束の元にで学べと言われた理由のヒントになっています。

千束は、「命を大事に」と言います。
彼女は、平和と称して悪人を処刑して存在を消し去る組織ADのやり方に{netabare} 疑問 {/netabare}を持っています。
悪人を殺す事を許可されたリコリス……
{netabare} チサトが使う銃はゴム弾です。
人を殺さない為の武器であり、敵が負傷してもその場で治療をしたりします。 {/netabare}

それは悪人だからと言って命を奪っていい理由にならないって点と、彼女は、人の命は奪いたくない、誰かを助ける事をしたい。
{netabare}そして、彼女自身が命を救われたからです。 {/netabare}

実は、千束の身体は{netabare} 人工心臓 {/netabare}です。
それは命を引き換えに世界への使命を与えられた事を意味します。

彼女は人を捜していました。
理由は、自分を救ってくれたある人にお礼を言う為。
そのお礼を言いたい人と意外な場所で再開する事になる。
でも、上手くお礼を伝えられなかった。

彼女の恩人{netabare} ヨシさん。{/netabare}

彼女は{netabare} 健康診断中にある注射を打たれます。
それは彼女に埋められた人工心臓を充電不可にする為の彼女を死に近づけさせる注射。{/netabare}

そうして、彼女の余命は約2ヶ月
千束は元々{netabare} 余命は長くなかったからと明るく受け入れてしまう……何故、その運命を受け入れられたのか…………何故笑顔でいられたのか……1番不安だったのは彼女のハズです。{/netabare}
それでも、悲しい顔も涙も見せないで……

それは、彼女が今も奇跡の中にいるからです。

これはある漫画のセリフなんですが、「人にとって1番難しいのは健康に生きていく事」なんですよね。

昔の彼女は身体を動かしたら倒れてしまう。
{netabare} 病弱で、もう長くは生きられない……
でも、ヨシさんが救ってくれた。
先生が育ててくれた。

だから、今の自分があり、その救われた時間を過ごせただけでも彼女の中では今日までの時間が奇跡のような時間だった。 {/netabare}
健康に生きてこられた。

だって、そうではありませんか?
普通にしてたら死んでしまっていた時間……
{netabare} でも、寿命を引き伸ばして貰えて、その新たに得られた時間に沢山の楽しみや出会いがあって奇跡の様な時間だって思います。{/netabare}

それが短くなった。
きっと、辛かったし悲しかったと思う
でも、元々無かった時間を体験できて、それが短くなった。
それだけだったんだと、きっと割り切った。

{netabare} せっかく、ヨシさんがくれた時間だから悲しむ時間が勿体ない……だから悲しむより普通に楽しく残りの時間を生きようと……その気持ちが彼女の心を支えていたのかな?と思いました。 {/netabare}


それからも千束は普通に日常を過ごしてました。
でも、1番凄いと思ったのは自分の事より、リコリコの仲間のこれからを気にしていた事です。

リコリコは{netabare} 閉店{/netabare}
{netabare} 元々、リコリコは千束が居るから成立した支部でした。
だから、彼女が居なくなった後に突然彼女達が行き場を失わないようにとの配慮だったのかな?と思います。{/netabare}

それが1番凄いなぁ〜って、余命なんて宣告されたら多分、自分の事で手一杯だと思うのですが、それでもタキナをDAに帰れるようにしようとか、ミズキやクルミが何処に行くかとか気にしていて、多分見届けたかったんだろうなぁ〜

そんな中、千束は先生から全てを聞かされる。
ヨシさんが彼女を助けた本当の理由……
先生の謝罪…………

それを聞いても千束は笑顔だった。
感謝の気持ちは変わらないと。

そうだよね。
理由や真相はどうでありヨシさんは自分を救ってくれたし、先生が与えてくれたものって本物なんですよね。
裏はどうであり、その行為があるからこそ今の自分がある訳ですもんね。

そうして、{netabare} ヨシさんが捕まった事を知った千束は彼を救い出す為に {/netabare}戦場へ踏み出す。


【タキナ】

DAではタキナは仲間殺しとか追い出されたとか噂されています。
それでも、タキナはDAに戻りたいのですが、中々戻して貰えず……

{netabare} 千束はタキナの気持ちを優先してタキナをDAに戻してあげたいと交渉します。
それでも、DAはタキナを拒否する。{/netabare}
正直、こんな場所に私なら戻りたいとは思えません。

それでも、タキナは自分の居場所はここにないと思い込んでました。
その場所にしか居場所がないから戻るしかない……

千束は言います。

千束{netabare} 「それでも、自分の居場所はあるって」 {/netabare}

うん、居場所って簡単には見つからない物です。
それでも自分の居場所ってこの広い世界の何処かには必ずある。
だから、1つの場所に拘らなくていいのだと思います。
1つの場所に居たら他の居場所がないと思い込んでしまうけど……


千束{netabare} 「失う事で得られる事もある。」 {/netabare}

これは誰でも経験あると思います。
人は生きていると失う事が多いです。
失った時は消失感で涙があふれてくる。
それでも頑張って生きていく中で失ったから得られた出会いや失ったから獲られた物や、失ったから開けた道は必ずあったと思う。


千束{netabare} 「誰かの期待に答えるために悲しくなるなんて詰まらない。」{/netabare}

うん。
誰かの期待に答えられたら嬉しい!評価してもらえる!ご褒美を貰える!喜んで貰える!
誰かの期待に答える事は間違えじゃないよ。

でもさ、頑張って期待に答えても見向きして貰えなかったり、評価されないのに、誰かの期待に答えても悲しくなります。
それだと、疲れてしまう……自分が壊れちゃう……だから、見向きして貰えない人の期待に答えようとしなくていいんです。

自分を認めて評価してくれる人の期待に答えるのが1番いいのです。


千束{netabare} 「居場所はある。お店の皆との時間を試してみない?それでも此処が良ければ戻ってくればいい。」{/netabare}

うん、見ただけで自分が居て心地いい場所なんて解らないよね。
でも、新しい居場所は試さないと解らないものです。
自分の居場所なんて何個でも試せばいいのです。
皆、そうやって居場所を探していくものです。


それを聞いたタキナは、何を感じたのか。

最初は、DAに帰る事しか考えなかったタキナはそれ以降は、お店に打ち解けようとしたり、千束に興味を持ったり積極的になっていったように思います。


タキナにとって千束は……

作中では相棒とされています。
しかし、私には千束は理解者に見えます。

千束はタキナに出会えて嬉しいと言います。
それは本心です!
だから、タキナとの時間を大切にしたいし一緒にこれからも居たいと思う。

タキナがDAに帰るのはその時間を失う事を意味します。
{netabare} それでも、彼女はタキナがDAに帰れるように尽力してくれる!
それはタキナが本心でDAに帰りたいと思っていたからです。 {/netabare}

だから、優先される気持ちは……報われるべき気持ちは……タキナであるべきだからです。
他人の気持ちに向き合い全力で優先して考えてあげられる。

それでも、報われないのなら…… {netabare} 居場所になってあげられるかもしれない事を提案してくれる。 {/netabare}
それは、他人の気持ちに寄り添える理解者です。
千束が居たらタキナも安心かな?

千束の余命宣告後にタキナはDAから{netabare}復帰通知 {/netabare}を貰います。
彼女は{netabare} 断ろう {/netabare}としていたらしいです。
でも、千束が生きていられる{netabare}可能性があるならと可能性を探しにDAに戻る。 {/netabare}

そうして、{netabare} 帰る日に最後に2人はデートをします。
彼女はリコリコを去ります。
自分の為じゃなく、大切な人と大切な場所を守るために…… {/netabare}

そして2人は各々の理由を手に戦場に赴く事になります。
そして、千束の{netabare} 心臓のスペア{/netabare}を発見する!

【最後の戦い】

そんな中、タキナは{netabare} DAの任務を放棄 {/netabare}して千束の元へ向かう……
二度と{netabare} DAには戻れないと{/netabare}言われてもここでは、彼女は{netabare} と 千束を救えないからと任務 {/netabare}を抜け出します。

千束はヨシさんを{netabare} 救い{/netabare}に行きます。
真島って結構強かったんですね。
一応、小細工ありで千束対策もしてるけど意外と強くてビックリしました。

でも、途中で{netabare} 乱入してきたタキナ {/netabare}は何か安心感ありますね。
{netabare} 2人に {/netabare}なると安心感と安定感が増します。

そして、千束は最悪の敵と対峙する。
{netabare}ヨシさん…… {/netabare}
千束は最後まで信じようとするけど……

{netabare} ヨシさんは千束に殺しをさせようとする。
あらゆり手段で殺させようと……タキナをピンチに追い込んだり……自分に心臓のスペアを埋め込んだのも…… 千束に自分を殺させようと…… 千束の心臓を壊したのはこの為。 {/netabare}

タキナの{netabare} 「心臓が逃げる」{/netabare}って銃を打ちながら追いかけるシーンがありました。
タキナからすれば……やっぱり{netabare} 生きて欲しい {/netabare}と思いますよね。

例え、千束の{netabare} 恩人を殺してでも生きて欲しい!{/netabare}
{netabare} そもそもヨシさんは最低の人てす!
そんな人よりも千束に生きて欲しい。{/netabare}
そう考えたのかもしれません。


千束{netabare} 「ヨシさんを殺して生きても!それはもう私じゃない」 {/netabare}

誰かを殺して生きる……
そう、タキナは解ってる。
彼女が人を殺さない理由を…… {netabare} 殺して手に入れたとしても彼女はその心臓は使わないと言う事も…… {/netabare}

殺すと言う行為は……彼女の生き様を否定する事になる……それをさせちゃいけないのも解ってる……だから、自分がやらなきゃ……大好きな千束に生きて貰いたいから!

でも、このセリフを聞いたタキナは止まる事しか出来なかった。
それを言われたら……心臓を手にしたとしても……

そして、千束は真嶋がとの決着をつける。

【千束VS真嶋】

この2人ってなんか……会話のシーンを見て思ったのは……出会い方や立場が違えば友達になれてたような気がしてしまったんですよね。
お互いがお互いに守るべきもの為に戦っている。

千束の世界は素敵なものですね。
真島は小さいと言うけど、その中には世界なんかに収まらない大きな気持ちが詰まっている気がしました。

最後の千束の連射は……真島をタワーから落とすけど……
多分、彼女は解っていた。
{netabare} タワーから落ちても生きてる確信があったから躊躇わなかった。{/netabare}
現に彼は……

タキナは{netabare} いいタイミングで駆けつけてくれましたねw
彼女の判断が千束を救った。{/netabare}


【先生VSヨシさん】

先生は千束を娘の様に思ってました。
先生は凄く怒ってたなぁ……
でも、それは当然です。
もしも、自分の子供に辛い思いをさせる人や命を奪おうとする人を許せないって思う。
親とはそう言うものであって欲しいし、あるべき者であって欲しい。

ヨシさんもまた、娘を想ってたんだろなぁ。
やり方は最低だし親としては失格だと思う……
間違えた愛情だったけど、多分気持ちは……
{netabare}あんな手紙を残して…… {/netabare}先生があれを破棄したのは千束には見せられない……
だってあの{netabare} 手紙 {/netabare}を見たら彼女はきっと……


【千束のその後……】

{netabare} 彼女は生きていた。
ってターゲットは千束かいww
声を掛ける訓練してないからって銃を乱射してくるパートナー怖いよw

千束は気を失っていた時に人口心臓を移植されていました。
彼女は、ヨシさんを殺してまでは生きたいと考えてなかった。

しかし、目覚めたときには……
この意味は……世界の指名を果たす為に与えられた心臓は彼女の中には今はなくて……
今、彼女の左胸で刻んでる心音は、先生が千束に「自由に生きて欲しい」って思いで与えてくれたものなんだと思う。
なんの使命も据もない。{/netabare}

命を大事にしている千束は……
その命を否定はしない。
何故から、命の大切さを知っているから。
{netabare} 彼女は2つ目の命をきっと大切にしながら生きていくのだと思う。 {/netabare}

皆、平等に必ずくる別れの日……その時まできっと。

【見終わって】

今期の中で個人的には1番好きな作品です。
千束の生き方って素敵だと思うんですよね。
彼女は毎日を楽しく笑って生きています。
出会いを1つ1つ大切に……

現実問題、彼女の様に生きていくのは難しいです。
しかし、彼女もきっと辛い事や悲しい事も沢山経験しているそれでも楽しそうに生きている。
悩みながらも苦労しながらでも楽しく頑張って生きていく。

{netabare} 「私を必要としてくれる人に出来る事をしてあげたい」{/netabare}
この志しは素敵だなぁ〜って思いまました。

彼女の生き様ってなんか凄く理想的で素敵な生き様だと感じました。
難しいけど出来ない訳じゃなくて尊敬しちゃいますね(*^^*)


【最後に】

OPで千束がタキナのお尻を軽く蹴り、それにムキになったタキナが千束お尻に全力全開の蹴りを炸裂するシーン。

ジョークの通じない友達とのやり取りのようなこのシーンは凄く学生らしいやり取りで、彼女達がリコリスではなく普通の学生ならこんな日常だったのかな?と思わされた印象的なシーンでした。

後、EDが神ってた!
EDに入るBGMも作品にあってたし、曲もかなりいい!
このED凄く好きです!

そして次回からはワイハー編がスタートします!
楽しみですね!

え?最終回なんですか?
いゃいゃ、Twitterとか公式サイトや番組表では最終回の文字が出てますが、アレはアレだよ!ほら!

数ヶ月遅れのエイプリルフールネタですよ。
次回からはワイハー編ですよ!ワイハー編!

えぇ……最終回なんですか?(*꒪꒫꒪)
そうですか……最終回らしいです。
マジらしいです(´・ω・`)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 40

85.4 3 コミカルアニメランキング3位
かげきしょうじょ!!(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (511)
1501人が棚に入れました
未来のスターを目指し、輝く舞台へ情熱をそそぐ歌劇少女たちの〈青春スポ根ストーリー〉!!大正時代に創設され、未婚の女性だけで作り上げる美しく華やかな舞台で世代を超えて人々の心を魅了する「紅華歌劇団」。その人材を育成する「紅華歌劇音楽学校」に、高い倍率をくぐり抜け入学してきた第100期生たち。“オスカル様"に憧れる、178cmの長身を持った天真爛漫な少女、渡辺さらさ。夢も友達も、すべてに無関心な元・国民的アイドル、奈良田 愛。何もかもがバラバラな彼女たちの、希望と葛藤に満ちた音楽学校生活が今、幕を開ける──!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青春群像劇への上乗せ

原作未読

『過激少女』と脳内誤変換して華麗にスルー。ほらゲーム原作萌えバトルみたいなの想像するじゃん。

リアル“宝塚音楽学校”を模した“紅華歌劇音楽学校”に通う学生たちのお話です。あらすじやヅカ(宝塚)の説明は割愛。メインのストーリーを追いかけつつも、各キャラクターを掘り下げる群像劇アニメの良作でした。あにこれ高評価をそのまま受け取って良いかと思います。
女の園で可愛い娘さんがわちゃわちゃする作品とは棲み分けができております。さらに良き青春群像劇だけに留まらない+αが作品評価を底上げしました。分水嶺はいたってシンプル

 ヅカっぽいかどうか?

ヅカと似て非なるなにかではなくそのままトレースした感のある作りです。音楽学校のカリキュラムやその後のキャリアプランなどなど。ファンも納得、そうでない人も「なるほどこうなのね」が無理なく伝わってくる親切設計。100年以上続くエンタメにはそれなりの魅力が備わっているのです。
ただそんな風に外形整えても『仏造って魂入れず』となれば台無しですがそうはなってない。男役トップがなぜヒエラルキーの頂点にいるのか?ファン層が圧倒的に女性で占められているのはなぜか?

 女性視点だからこそ女性が追い求める男性像を演じ切ってることが魅力的
 女性視点だからこそ女性が憧れる娘像を演じ切ってることが魅力的

そんなヅカヲタの琴線に触れるポイントを押さえていたと思われます。家内含め身近に元ヅカヲタ多いのでここは断言できちゃう。面白いことに女性キャラだらけで男性視聴者ウケしそうなのに実はターゲット層は女性!とユニークさがありますね。外(設定)も中(ストーリーやキャラ)もヅカっぽいことがしっかり背骨となってます。


背骨があれば残りは枝葉。背骨が気に入らなければ相性ということで撤退して良いかと思います。
なおきちんと男性層も取り込めてるのは周知のとおりです。男ウケしないアウトプット(歌劇)ではなく男女ともに支持される音楽学校での生活を通じてプロセス(成長や葛藤)描くことに軸足置いてますから。

繰り返します。メインを追いつつ各キャラを掘り下げる群像劇でした。
その大事な掴みで“ヅカっぽさ”真っ先に我々の五感に訴えてきたのはエンディングの楽曲でした。
ヅカがどういった場所かは講師や先輩を追っているうちに我々も学ぶことができます。表現者がどういったものか一定のヒントが示され全13話が終了。キャラ掘り下げ部分はなかなか面白かったのでそこはネタバレで後述するとして、ご新規さんは

 良き青春群像劇 + 普段覗けぬ世界

この掛け算を楽しめるんじゃないかと思います。片方なら露知らず両方ハイレベルで楽しめる作品はなかなかお目にかかれません。
そしてヅカヅカ言ってすみませんでした。もちろん正確には紅華(こうか)だよと念押しときます。



※ネタバレ所感

■軽くボヤキ

 円盤爆死は『荒ぶる季節の乙女どもよ。』のデジャブ。やや痛みのあるストーリーものは複数回視聴に合わず、主たるコレクター層の需要ともズレる。コンテンツビジネスの難しいところだよなぁ。


■キャラを掘り下げる群像劇

 どんな壁に直面していたか各自違っていて観てる側もどこかしらで共感しやすいかも。
 主役二人とも芸能血筋で芸の神様にも見初められてる感ある。そんで芸事に恋焦がれて気持ち先行のさらさと嫌よ嫌よも身体が求めちゃってるならっちの対比バランスが良い。

・渡辺さらさ(CV千本木彩花)
 {netabare}“性別”。どうにもできない理由で歌舞伎の世界から弾かれる。“模倣”。歌舞伎流芝居の覚え方(土台)を覆される。根っこを二度否定されてなお前に進めるか?な無理ゲーに挑む主人公らしい主人公。{/netabare}

・奈良田愛(CV花守ゆみり)
 {netabare}作品屈指のトラウマ持ち。そのトラウマの中身がひどく彼女の難ありな性格もしゃーないと思わせしめるものすごい説得力。そんな彼女が結果として母親と同じ道に進んでいるジレンマが味わい深い。{/netabare}


 先行二人を囲む少女らも主人公とはまた別のベクトルで壁にぶち当たっている。 

・山田彩子(CV佐々木李子)
 {netabare}「ならっちは私と違うんだから(第4話)」が最終的にジュリエット役を射止めるわけで…。突出した一芸に気づくまで遠回りし、その一芸に胡坐をかかずにお芝居でももがく泥臭さもってるのになんだかんだ周りを明るくするのよね。現実でもエトワールやったしょうこおねえさんのイメージ。バラエティのべしゃりが拙いとか絵心がどうとか気にしだしたらあかん人です。それでも歌一発で場をかっさらう。自身の代表曲はないと嘯いても彼女とゆうぞう兄の『ぼよよん行進曲』は沁みる。{/netabare}
 {netabare}横道に逸れるが、すんげー歌声の持ち主役とは中の人幼少期にアニーやってたとはいえプレッシャーとてつもなかったでしょう。劇中劇での説得力は作品評価に直結するところ負けてなかったです。{/netabare}

・星野薫(CV大地葉)
 {netabare}有名人一族を歯牙にもかけていない愛とは対照的に押しつぶされそうな娘さん。目標決めて退路を断ってやり抜いた経験って確実に財産になるのよね。あの時のストイックなワシの巻き添えくらった方々ごめんよ。「だから今のうちにスカートたくさん穿いておくんだ(第8話)」出会ってなければ“合格”も“甲子園”も無かったのだからひと夏の経験は無駄ではなかったよ。{/netabare}
 {netabare}横道に逸れるが、大地さんの演技『プリンセスプリンシパル』のドロシー回も秀逸だった記憶が。メンタルの弱さを殻作って普段は守ってるんだけど、ふとしたことで諦めたはずの幸せが手に入りそうになる。そんで手にしそうなそばから零れ落ちていくのに動揺を押し殺してまた殻を作っていくような展開。「好きでした、、、って言ってあげてもいい」これがバシッと決まる演者さんはそう多くない。{/netabare}

・沢田千夏(CV松田利冴) 沢田千秋(CV松田颯水)
 {netabare}「きっともう全てが同じではいられない。私たちは思っていたよりも早く分かれ道に辿り着いたんだ(第9話)」に至るまでの物語。寄って立つところの否定という意味ではさらさにとっての“芸事(歌舞伎・芝居の覚え方)”と沢田姉妹の“二人一緒の関係性”は同じ。ユニゾンで始まるサビはハモリへと別れていきながら調和する未来を夢見たいところです。{/netabare}
 {netabare}横道に反れるが、双子役をリアルな双子に演じさせるのってプレッシャーとてつもなかったでしょう。たぶんオーディションではなく指名ですよね。これ「もう逃げられないんだからね。最後まで責任もって遂行しなさい(第10話)」運動会パイセンの叱咤を地でいくような現場だったのではないかと邪推してます。{/netabare}

・杉本紗和(CV上坂すみれ)
 {netabare}やっときたきた優等生の苦悩。モーツアルトとサリエリを例にさらさとの比較対象だった彼女ですが、実際比較されてたのは同級生全員とではなかったでしょうか。これまで挙げたさらさ・愛・薫・彩子・沢田姉妹はどこかしら欠損してる。だからこそそこをテコにハングリーになれるのに委員長にはそれがない。一個上のパイセンとのエピソードを最後に持ってきたのはファインプレーだと思います。{/netabare}


主要キャストのみならず講師・専科のパイセンら大人も良かったですね。きっと彼ら彼女らが通ってきた道。甘やかすでも突き放すでもなく成長を促すようそっと寄り添います。

ヅカっぽい観点でひとつこれは現実ネタですが、
大地真央さんが男役トップの時に本科卒業して間もない黒木瞳さんをパートナーの娘役に抜擢します。それからだいぶ年月経ってますけど「 黒木瞳さんが相手役で良かった。」と事あるごとに黒木さんを全肯定してる大地さんがほんと素敵。抜擢するほうもされるほうも両者にかかるプレッシャー。飛び級に寄せられたであろう嫉妬。信頼を置くスターと応えようとする新人。そこに愛はあるんよ。劇中でも彷彿させるネタをどこかに見つけられると思います。


■劇中劇の説得力

 “伝説の○○”がしょぼければ興ざめでしたが踏ん張りましたね。ほんとこれ重要なんです。



※閑話休題

■箸休めクイズ
Q:私が「こいつは許さん」と思ったのは誰?

A:{netabare}キモヲタさん{/netabare}
{netabare}なんかいい話で落ち着いてたり、コミカルで適度に気持ち悪く処理されてもいたり、とスルーしてよい小噺なんだけど少し冷静になってみる。彼はワンチャンあるとも思ってないし、ただ謝りたかったの一心でした。これ完全にNGで相手が怖がってる時点でノーチャンスだから視界から消えたほうがいい。あくまで本人の思い込みだけです。相手の気持ちを考えてる体で欠片ほども考えてない。相手見えないから二度三度接触を試みることができるのです。「そんなつもりはなかったのに」「これだけできれば良かっただけなのに」全てあなたのエゴです。拒否されて一転変なスイッチが入り逆上する殿方が世の中に一定数いるんですよ。美人ってこのへんの遭遇確率それなりにあるしダメージコントロールの術も心得てるんだけど全部は防げない。それをケアする身にもなってみろや!とわりと本気で思います。
バス停に張り紙一枚で身を引ける高校球児と対照的でした。

ちなみにならっち母の愛人男はシンプルに畜生ですね。わかりやすい愛人男より、ややもすると美談に仕立てそうなキモヲタさんに「勘違いすんなよ」とモノ申したいのでした。{/netabare}


Q:私が「やべ、かわいい」と思ったのは誰?

A:{netabare}里美星(CV七海ひろき)さま{/netabare}
{netabare}音楽学校時代の講師でもあり憧れていたファントム諏訪部に「私のときも優しくして欲しかったなぁ」と少しばかり甘えたところ。男役といっても女性なんだなってのと、ここだけ二人の時限定の声のトーンだろうなってのと、そして期待と諦めがせめぎ合ってるモヤっとした感情をやや持て余してるところ。ファントムも押せばイケそうなのにそうはしないのが良いね。{/netabare}



視聴時期:2022年5月   

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2022.05.09 初稿

投稿 : 2025/02/01
♥ : 49
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

のだめ+ランウェイで笑って=めっちゃ爽やかで前向きな群像劇!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
宝塚音楽学校を舞台にした、青春群像劇。

少女漫画ですが、連載開始はジャンプ改。そんな経歴くらも分かるように、男女どちらにもウケる王道作品かなと思います。

まあ、とにかく絶賛です。私は年に1、2作品しか☆5をつけないことが多いのですが、これは自信をもって☆5をつけられますね。

OPは作風と合った、真っ直ぐで爽やかで前向きな、THE青春って感じで、剣道部的ベストアニソン2021夏(非公式)受賞です♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、悪いところが見当たらない。

①宝塚音楽学校という、あまり知らない世界を見られる興味深さ。

②サラサという強キャラの魅力。

③奈良っちのデレた可愛さ。

④それぞれに魅力あるサブキャラ達。

⑤ドロドロがあったとしても、総じて爽やかで前向きな空気感。

⑥OPを筆頭に、作品にマッチした楽曲。

⑦声だして笑う程のギャグのクオリティ。

色々な要素のレベルが高く、かなり万人受けするタイプの名作だと思います。今のところ、今年1のクオリティかと。

思い出したアニメとしては、「のだめカンタービレ(多分サラサのせいw)」「ランウェイで笑って(全体の前向きなエネルギー)」「昭和元禄落語心中(閉じられた世界で真剣に芸事に向き合う様子)」。

特に、②が素晴らしい。サラサ、ただの天然能天気キャラじゃなく、弱さとひたむきさ、覚悟や劣等感など様々な感情を内包した、稀有なキャラクター。他のサブキャラ達も、単独で主役になれる力があると思うけれど、別格の魅力がある。マジで、のだめ並の強キャラだと思う。

もしこれを、少女漫画原作扱いとするなら、そのカテゴリーのアニメでは過去1かも知れん。これは、原作買っちゃうな(原作マンガとしてはのだめが1位ですが)。

絶賛、絶賛。もし2期もこのクオリティ、もしくは上げてくるようなら、お気に入り棚も見えてくるレベルでしたね。(私は、酷評は長いのに、絶賛は短いのですw)。

さて、最後に、声優さんについて。

私は声優さん個人のファンになることがほとんどないので、レビューでも声優さんに触れることはあまりないのですが、本作は特別に感動しました。

主人公渡辺さらさ役の千本木彩花さんです。

千本木さんを初めて知ったのは、「ガーリッシュナンバー」。私のお気に入り棚です。当時仕事で色々あったこともあり、仕事に悩むちー様が自分と重なって。また、「帰宅部活動記録」(という、噂のダメ声優アニメ)でデビューした千本木さんの経歴も重なって、自分の中では「ちー様=千本木さん」というイメージが固定化されました。

以降、(声が好きとか演技が好きという次元を超えて)なんとなく、千本木さんの活動を応援する自分がいたので、本作のさらさ役のハマりっぷりが凄く嬉しくて。

ていうか、かなり上手くなりましたよね、千本木さん。さらさは、能天気なようで深みもある、なかなか難しいキャラクターだと思いますが、きちんと演じ分けられていました。宝塚っぽく演じるところも上手いし、歌は勿論上手い。

自分が特別にファンと思う声優さんは、坂本真綾さん、堀江由衣さん、そして千本木彩花さんなので、これからも活躍を期待しています!
{/netabare}

【余談~「激レアさんを連れてきた。」から、オジサン役一筋のタカラジェンヌ~】
{netabare}
「天真みちる」さんという方です。

宝塚養成所時代、周りのレベルの高さ(お人形さんばっかりの世界)に心折れ、(唯一の楽しみだった)寮で美味しいご飯を作る研究に勤しむ。毎日ご飯3号食べる生活。普通なら先輩にガチ怒られするが、天真爛漫な性格で、「食べてるところが可愛い」との理由で、先輩からも許される。

「ぽっちゃりタカラジェンヌ」に進化(笑)

卒業後、役をもらえず、地方公演メンバーに選ばれないために、長期休みに。普通はその悔しさから、自腹で自主練習(レッスン)に励むのだが、天真さんは友達と海外旅行に行き、暴飲暴食(アルコール大好き)。

宝塚に居場所を見つけられない天真さんは、端役や裏方などをこなしながら、ついに自分の居場所を見つける。

それが、「公演終了後の打ち上げでの余興」w 全力で振り切ったタンバリン芸が、全タカラジェンヌの爆笑をかっさらう。

ただの「ぽっちゃりタカラジェンヌ」から、「やたら動けて笑えるぽっちゃりタカラジェンヌ」に進化(笑)

そして、「オジサン役」に出会う。

普通、宝塚の「オジサン役」は、皆が避け、ベテランの方がやるのだが、天真さんは、「これでトップスターに(役柄上、主役の父親とかが多いので)物理的にw近づける」という不純な動機によって、オーディションに参加。これが、ぴったりとハマる。

ぽっちゃり体型、酒好き、コミカルな動き。

天真さんが、「普通のタカラジェンヌならしないこと」を(好き放題)やり続けてきたことが、意図せず、全て「オジサン」の役作りに繋がってきたという、見事な伏線回収(笑) 

その後、天真さんは10年以上オジサン役をやり続け、宝塚に欠かせない役者さんになったそうです。

、、、なんかこう、「このアニメに出てきそう」な人ですよね(笑)

「激レアさん」自体好きでよく観るのですが、この回は特に爆笑でした。事実は小説より奇なり、ですね(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
宝塚アニメ? OP、なんか似合ってるな。多分、スポ根系になるのかな? なかなか面白い。御大(笑) ひどいセクハラですね(笑)

2話目 ☆4
大号泣(笑) オスカルより背の高いアンドレ。

3話目 ☆3
アイのトラウマ。タイチ、行動がイケメンだな。サラサは、さらにイケメン(笑) 

4話目 ☆4
ヲタ芸習ってる(笑) サボり方がわからない(笑) 北斗(笑) ギャグとシリアスの緩急が素晴らしい。

5話目 ☆5
千本木さん、頑張ってるよな~。アイちゃん、デレる(笑) 過食嘔吐か、しんどいよな。男の理想より、女の理想は厳しい。太陽に近いから紫外線(笑) ショービジネスはメンタル強くないと。ここで、JPXの体験と、反論。お姉ちゃんの察する感じが、素敵。心は乙女だからセーフ(笑) 熱いな~。なるほど、入試同組だからこその、あの態度か。

6話目 ☆4
アイ、デレデレやないかい(笑) 下手くそか(笑) 道端では練習できないプロ意識。漢字読めない、、、不登校をちゃんとキャラに生かしてる。脅迫か(笑) のだめだよな~、この辺。憑依型。

7話目 ☆3
さらさの過去。アキヤ、なかなか良いキャラだな。堅実だ。気を使えた(笑)

8話目 ☆5
星野さん回。過去回。互いに共通する境遇と、全く異なる道。色々と揺れる心。そこでキレるとは、カッケーな、星野さん。ブロック(苦笑) 辻くん、ホームラン。自分は野球が好きか、自問したんだろうな、あれから。

9話目 ☆4
双子回。まあ、お互いの嫉妬はあるやな。てか、このアニメ、声優さんも、一世代、二世代上の人をキャラに合わせて上手く配役してるよな、意図的に宝塚を意識して。

10話目 ☆4
さらさ、意外と意外に乙女だよな。ATフィード(笑) 選ばれたら反感を買う。降りても反感を買う。日常から演じる。理想のEカップ(笑) 確かにあれが最善だよな。

11話目 ☆5
裸の付き合い。さらさ、頭爆発(笑) ティボルトか。白目(笑) 演じ分け、千本木さん頑張ってるな。ならっち、ブーメランで自問自答(笑) まあ、さらさにベタ惚れだからな(笑) 

12話目 ☆5
山田さん、意外とリア充してたんだな。付き合えよな、押せばなんとかなるって。人を殺したことない、確かに。説得力あるな。流石、首席。んで、そこの会話聞いた上でサラサからの逆告白って、すげぇな、サラサ、大人だ(笑)

13話目☆5
サラサ、顔(笑) カオル、格好良いな。サラサの顔芸(笑) めっっちゃ素敵な先輩だな。なる程、萌え(笑)  
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 48
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

絵も声も華やかで宝塚していました。面白かったです。

 本作の最終シーンを見ておもったのは、絵がやはりいいですね。ちゃんと宝塚の華やかさが画面全体から感じられました。この雰囲気は日本のアニメの誇るべき技術だと思います。この作品全体にいえますが大変心地よく見る事ができました。人物の作画が丁寧なのが良かったです。特に渡辺さらさは一切乱れを感じなかったし、画面映えもしていました。
 最終回の雪の演出もこの水準のアニメを作れるなら、もっとリアルな降らせかたもできたでしょうが、変な言い方ですがちゃんと少女マンガっぽい雪でした。

 声優さんも演劇をやっている娘的な発声を意識したのでしょうか。渡辺さらさは幼さと演劇の経験、少女マンガの主人公といういろんな要素が的確に拾えていて、ぴったりの声でした。声優さんたちの演技は、非常に雰囲気が出ていてすばらしかったと思います。
 
 過激と歌劇を合わせたダブルミーニングだと思っていましたが、あまり過激ではありませんでした。

 12話までで少し文句もいいましたが、最終回良かったですね。{netabare} 最後渡辺さらさがオーディションに受かったこと、歌舞伎の経験を活かしていたこと、そして彼女のティボルトがとても華やかでカッコ良かったので、良かったと思います。
 変に12話の告白のシーンを引き摺ってなかったのでほっとしました。というか本筋にもならない感じでしょうか。

 あと、山田彩子ちゃんに対する揶揄を薫が庇ったのにはちょっと泣いてしまいました。これは別に友情とか云々ではなく、薫のプライドなのでしょう。自分で負けた意味をちゃんと消化したということでもあるでしょう。いい場面でした。

 今回の結論で疑問が残ったのは、杉本と先生のサリエリを語るシーンですが、サリエリの悲劇は秀才だったことではありません。天才を誰よりも理解できて、決して自分が天才になれない秀才であることを知っていて、天才に嫉妬する惨めさ悲しさの象徴がサリエリという人物です。
 杉本のトップスターになれる華やかさを渡辺さらさに見たという悩みに対して、先生の努力型の秀才も必要だという解答はお前はトップスターになれないと言っているようなものです。これは何だったんでしょうか?
 むしろ萌えだ、という解説の方がよほど説得力がありました。{/netabare}

 最後の方のあの白目はガラカメオマージュですね。ガラカメにならないように、という感想を書こうと思ったら、やっぱりクリエータたちは意識していましたね。演劇マンガ・アニメでガラカメというのは非常に大きな存在です。是非本作らしい個性を出していって欲しいところ。今のところ渡辺さらさは北島マヤにはなっていないと思います。

 高レベルの作品で人気もあったみたいです。原作ももっと進んでるんですよね。2期がこないのはあり得ないでしょう。(追記 さっき2期来てると書きましたがすみませんガセでした。まだ発表ありません。調べたら円盤もあんまりみたいですね…)

 できれば今後は宝塚音楽学校の意味と歌舞伎の家で育った意味を、渡辺さらさの身長や性格、過去を活かした個性を通じて華やかに描いて欲しいです。

 今期のアニメはちょっと地味でしたが、その中で輝いていたと思います。


以下 12話までのレビューです

{netabare}  12話で終わりかと思ってみたら最終話が残っていました。2クールじゃないですよね?
 面白いとは思いますし、アニメの出来、特に雰囲気が良いと思います。ただ、もし1クールだとすると面白いだけで「何も描けていない」という印象が強いです。

 本作の最大の柱となる設定は、歌舞伎と宝塚という男の世界と女の世界の対比だと思います。その中で伝統芸能=芸としての形の話と、舞台女優としての演技=個性の話の対比がちゃんと問題提示されていたのに、その話に行かないのが最大の不満点でした。

 また、学校のルールの厳しさが描かれていますが、その厳しさの中にどんな理由があって、何を100年の歴史の中で学んできたのかという部分が不足している気がします。まあ、実際の学校は虐待に近いという理由でルールが緩和されているという話もありますが、単なる個人の性格や考え方にストーリーを依存しないで、学校の意義のようなものがもっと欲しい感じです。

 構成として初めにあのアイドルの女の子のパーソナルな話を持って来たせいで、主題となるヒロイン178センチの女の子渡辺さらさに視点が向くまでに時間がかかります。また、アイドルの子もせっかく吹っ切れたのに渡辺さらさの傍観者になってしまっている気がします。
 178センチ設定の苦労も得なところも演劇の中のエピソードとして活かしきれていいませんし。
 渡辺さらさの助六になれないというところから、学校に入学するまでの動機もエピソードももっともっと見たかったです。
 他の子のパーソナルな過去エピソードも時間的余裕があればいいですが、1クールでやるなら余計です(拒食症の子の話は芸能学校の厳しさという意味でいいんですけど、あんな簡単に問題が解決するでしょうか)。

 運動会はちょっと学校の歴史とか階層の意味みたいなところもあって、余計だとは感じなかったです。

 マンガ版は未読なのでわかりませんが、これらはマンガ準拠だから良いというものではなく、13話1クールなら一つの話として完結させるべきで、構成を工夫して何か読み取れる結論をつけるべきだと思います。
 また、なかなか良かった初期設定から方向性がずれている気がします。連載漫画の宿命でしょうか。

 ということで、たぶん最終話待ちということになります。単にこのオーディションの結果だけで終わるのは正直不満ですが、せめて是非今までの流れを活かした渡辺さらさ覚醒で終わって欲しいと思います。

 そうそうさらさの恋愛も、告白がどういう意味を持つのか。あれが普通の幼馴染ラブだったら全然意味がありません。人の気持ちがわかる=彼の弱さに対する慈悲のような気もします(それにそもそも気持ちを盗み聞きしたんだから本当はわかってないじゃないかというのもあります)。そして彼もそれを分かっている?まさか、彼との告白を思い出して演技する…じゃないですよね?

追記 まだ12話までですが、ひょっとして2人は異祖母のイトコ同士?あの白鷗という人がおばあちゃんの葬式に来ていたということは…で、さらにさらさの両親についての情報ってどっかにありましたっけ?{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 26

82.0 4 コミカルアニメランキング4位
これはゾンビですか? OF THE DEAD(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1884)
11418人が棚に入れました
銀髪の不思議な少女・ユーと出会ったことで殺人事件に巻き込まれゾンビとして蘇った主人公、相川歩の巻き込まれ型ゾンビ生活を描く。2期のキャッチコピーは「LOVE250%増量! 今度は学園だ!!」。「妄想ユー」の起用は継続されており、今作ではCパートでの「妄想ユー劇場」で妄想ユー達とユー本人による掛け合いが展開される。

声優・キャラクター
間島淳司、野水伊織、月宮みどり、日笠陽子、金元寿子、吉野裕行、清水愛、下屋則子、山口理恵、美名、喜多丘千陽、生天目仁美

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

科学って本当に正しいの?

シュールさが武器のこの作品は多分原作または一期を視聴していない限り理解できないと思います。
物語自体は全然難しくないのですが、所々出てくる本編の内容が分からないと面白みが半減しますので、やはり原作を読むOR一期を視聴して貰いたいです。

☆物語
物語は殆ど内容がありませんでしたが、キャラそれぞれの特色を使って展開する物語はどのアニメにも無い独創性を醸し出していました。この作品で一番に評価するべきはその「独創性」です。
やっぱり斬新な作品って良いですよね、特にアニメを沢山見てきた人には。

☆キャラクター
キャラは魔装少女、冥界の住人、吸血忍者の家系、ゾンビなどランダムです。
まぁツッコムところは沢山ありますが、そこを気にしては元も子も無いのでスルーして頂きたい。口調やセリフ、また外見なども特徴的で覚えやすいし、物語の流れも分かりやすくしています。

☆声優
各キャラクターの特色を生かす、まさに適材適所といったところでしょうか。
この作品が面白く感じる一つの理由としてこの声優という要素は欠かせそうにありませんね。
ちなみに、ユウの声優が豪華すぎて、笑うしかありませんねw

☆作画&音楽
一期と同じくハチャメチャなところはそれらしい、また真面目なところはその雰囲気に適した音楽と作画を展開してくれていたと思います。



この物語は一見非常にシュールで「ありえね~だろ~!」と思うかもしれませんが、実際この様な現状がこの世の中にあるかもしれないという可能性を我々は否定することはできません。

そう考えると、この秩序や規則というものを真っ向から無視した物語にもある種のメッセージや視聴者の考え方によっては意味あるアニメになるのではないでしょうか。


まず、この物語、実はちゃんとした設定があるんだよ~ってところから話を始めましょうか。
メガロだったり魔装少女だったりと色々な生物が登場してますが、これらは一つの起源に帰します。

冥界とヴィリエの戦争です。

セブンスアビスというグループが存在した時代から冥界とヴィリエの戦争は続いています。冥界側のセブンスアビス(ユー、夜の王、ネビロス、etc.)とヴィリエ側の魔装少女達が争っていた時に色々問題が起き、冥界側が新しい戦力として開発したのがメガロ。
吸血忍者はと言うと、その長がヴィリエと非常に濃い関係にあって話の辻褄があっているということです。

この作品のこういったバックグラウンドは色んなところからも発見できます。いい例が魔装少女の変身呪文「ノモブヨ、ヲシ、ハシタワ、ドケダ、グンミーチャ、デーリブラ」です。
逆から読むと「ラブリーでチャーミングだけど私は死を呼ぶ者」となり、ユーのことを示すことになります。
このことは冥界とヴィリエの深い関係を示します。

ということで、一応のレベルですが、ちょっとした設定はあります。不思議な世界観にはその世界観なりのルールがあるということです。


で、先ほど述べたように、この摩訶不思議な世界を我々は完全に現実世界の中でも否定することができません。
むしろ、肯定的な立場を取る方が良いと私は思います。

私は何人か自分が宇宙人だと信じて疑わない友達や知り合いが何人かいます。
彼らを安直に「痛痛しい」「馬鹿げてる」と否定することは簡単です。しかし、彼らと実際に話してみるととても面白い価値観や視点を持っていて勉強になります。

私たちは「科学」という固定概念に縛られていると言っても過言ではありませんよね。
科学は常に正しいからっと思ってるそこのあなた!誰がそんなことをいつ言いましたか?

人間は数値化された、目に見えるものを信用する傾向があります。

しかし、「新しい多神論」の著者であるデイヴィッド・ミラーは序章でこのように説いています。

「科学技術の出現と新しい黄金時代の到来とともに、新しい、そして人を窒息させる一神論という大きな危険が存在しています。科学技術は西洋の一神論というゆりかごの中で生まれました。そしてそれは、発達するにつれてどんどん階層的構造をとるようになり、複雑な問題を解決する際に、唯一の答えを求めるようとするのです。キリスト教の一神論的な神と、現代社会のおけるコンピューターの一神論とは密接に結びついています。黄金時代に終わりがくることと関連した恐れや不安に伴って、人々は、今やこの新しい、息詰まるような一方向的志向の形式に、とりわけやられてしまいやすくなっているのです」

重要なのは「キリスト教の一神論的な神と、現代社会のおけるコンピューターの一神論とは密接に結びついています。」というセンテンスです。
現代人は一つの科学的回答だけが答えだと思っている傾向があります。

しかし、科学だって万能ではありません。科学でも証明できないことは沢山あります。例えば「神は存在するか?」という議題。
科学的に神の存在を否定するにはまず、その存在を一度肯定しなければいけません。
神はこういう理由で存在することが出来るけど、こういった理由で存在できない、という風に。
存在が肯定できないのに、否定はできません。
で、肝心の神の存在を科学的根拠の基づいて証明できるかというと、これが不可能。だから神の存在の有無については科学では表せない。

こういった曖昧だが、大きな議題というものはそこらじゅうにあります。哲学的内容は特にそうですね。

一度本編に戻って考えてみると、この世界観というのは魔力で人間の記憶を改竄する、というものでした。
あ~そんなのムリムリ、なんて全否定しないで一度考えてみたらどうでしょうか。

もし、人々の記憶を改竄できて、周りの被害も魔法という未知の力で修復できるとしたら、一応我々がそんな世界が存在しても気付かないという辻褄が合いますね。

まぁ勿論この作品は色々ツッコムところがあるので(ゾンビとか)現実的に有り得ないのは分かります。
しかし、この物語自体を科学的でないから、という理由から否定するのは少し間違っていると思います。
人間はもっと「右肩上がりの経済成長」などという一方向思考に縛られず、宗教を信仰している信者達の様にスピリチュアルなものを感じ取る必要があるのかもしれません。

そういう思考を持つと、この作品が我々が認識する現実というものの不安定さを表現しているとも言えます。
仏教的に言えば、現実とは我々自我が集結して作り上げた一種の空想的世界だそうです。これは「自我の存在」を「認識」によって肯定するからであるのですが、こういった別の視点から世界を見ると如何に己が固定概念に縛られているかが分かります。

ということで、このシュールが伝える独創性に満ちた物語はある種の固定概念の打破に繫がるのではないでしょうか。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「しゃー無しだ!」

この作品は、「これはゾンビですか?」の2期に相当する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

両親が世界各地を転々と旅行している事から、主人公の歩は一人暮らし・・・でも両親のいない間に歩がゾンビになってユーが同居を始め、魔装少女になってハルナが居座り、吸血忍者の一族のゴタゴタからセラが居候となる・・・1期ではやや外乱もありましたが、個々のキャラが歩の家に定着するまでが丁寧に描かれていました。

それでも2期ともなると、様々な伏線がどの様に回収されるかが気になるところです。
ユーにとって唯一無二の居場所となるのか・・・
ハルナの魔力は回復するのか・・・
セラは任務を遂行する事ができるのか・・・
個人的に頑張って欲しい友紀(とものり)の立ち位置は前進するのか・・・

シリアス一辺倒でもなければお笑い一直線でもないそれぞれが越妙なバランスのうえで成立しているこの物語・・・
完走して振り返ってみると・・・個人的に気になる伏線はほぼ回収されなかったように思います。
いえ・・・むしろ登場人物が増えて話が複雑化した・・・と言った方が正しいかもしれません。

唯一進展が感じられたのは、歩の家に固まる4人の結束がこれまで以上に深まったこと・・・くらいでしょうか。

ハルナ・・・感情が全身から溢れている彼女は歩の一挙手一投足に全力で一喜一憂・・・
ツンデレ設定ですが、あまりにも多種多様なデレ方をするので、ツンの方の威力は1期よりは確実に弱まっているように思います・・・でも、それが彼女の魅力なんだと思います。
もともと「助けたい」とか「親身になりたい」といった純粋な動機で動いている彼女・・・今期の中で一推しのキャラでした^^

ユー・・・筆談でのやり取りは相変わらず・・・でも1期より感情がだいぶ表に出るようになった上、自らの意志で歩の家におけるみんなの関係を守ろうとするところなんかは、この場所を本当に大切だと思っている気持ちの表れなんだと思います。
言葉数が少ないですが、表情と行動から本心が伝わってくるキャラ・・・可愛らしさで言ったらこの作品の中でも群を抜いていると思います。

セラ・・・は相変わらずですが、その不変が彼女らしさなのだと思います。1期では歩の事を「クソ虫」と罵倒し続け・・・その基本的姿勢は2期も変わりませんが、言葉の持つトゲはだいぶ減ったんじゃないかと思います。
それに歩の挙動不審な態度には確実にツッコミを入れるし・・・セラの中における歩の存在が着実に大きくなっているんだろうなぁ・・・と思います。

歩家の同居メンバーはこんな感じですが、1期同様この2期でも気になるヒロインが存在しました。
1期では友紀(トモノリ)でしたが、2期はサラスが気になる存在でした。
主人公のお尻に惚れて「マイダーリン」呼ばわり・・・そして悔しいですが彼女の仕草・・・これが抜群に可愛らしいんです(//∇//)
黒髪ロングの美少女キャラ・・・鉄板ですが気持ちはクラクラです(//∇//)

2期で一気に株を上げたキャラ・・・賛否あると思いますが、私の中では京子ちゃんでした。
1期では身勝手な考えと立ち振る舞いにイラッとしましたが・・・2期でやっと本音を伝えられた場面・・・
状況とシチュエーションは恐らく最悪・・・でもこうする事でしか本当の思いを伝えられない事を彼女は知っていたから・・・この先彼女の前に広がる果てしない闇・・・その闇に足を踏み入れる前に勇気を出す事が出来て本当に良かったと思います。

オープニングテーマは、野水いおりさんの「*** パショナート」
エンディングテーマは、山口理恵さんの「恋のビギナーなんです (T_T)」
1期の時も思いましたが、オープニングの野水さんの曲が格好良すぎです^^

1クール10話の作品でした。2期を完走して一番不思議な事・・・それは、物語が中途半端なところで終わっている事です。
原作のストックが無いから・・・?
それとも大人の事情・・・?
今たくさんのアニメが放送されていますが、この作品の3期だったら間違いなく人気出そうなのに・・・^^;
ここは大人しく続編の情報を待ちますか・・・^^;

投稿 : 2025/02/01
♥ : 25
ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは賛美ですか? いいえ、普通のレビューです

これゾン1期目で 夜の王 を退けて、一応、平和になった後の物語。

1期目での主要人物である 相川歩、ユークリウッド・ヘルサイズ、ハルナ、セラフィム の他に
1期目ではサブキャラの様な扱いを受けていた 織戸闘莉王(おりと とぅーりお)、平松妙子(ひらまつ たえこ)、三原かなみ(みはら かなみ)、アンダーソン等の相川と同じクラスの人物、
サラスバティ、メイル・シュトローム(=トモノリ)等の吸血忍者、
アリエル(=大先生)、京子(きょうこ)等のハルナと同じ魔装少女の世界の人物、
2期目から登場した 相川曰く「妖精さん」ことクリス、クリスに対抗できる強い力を持つネグレリア・ネビロスなど表に出る登場人物が増えて、益々、混沌……ではなく面白い状態になります。

どのキャラも個性が強いです。
人物が増えると目立たなくなるキャラもいるのですが、本作品だったら心配いらないかな。

1期目ではシリアスなバトルシーンとラブコメの場面が混在していました。
本作品でも同じように混在していますが、ラブコメのコメディー要素が多くなった気がします。

サラスの歌のバックで踊るトモノリとハルナの呪いの踊り、ユーの治療のために様々な事を試した相川の行為、メイド喫茶での戦い(?)、相川が変身した魔装少女のコスチュームの記憶が消せなくなる事など 笑いの要素がふんだんに出てきます。
……やはり、コメディー要素は増えています^^

次回予告の妄想ユーが複数人になりパワーアップ。
ユーがデレるシーンが多いので、ユーが好きな人には満足できると思います。
心の弱い相川の精神力は……{netabare}変態さんですねw{/netabare}

『これゾン』に対して何を楽しみにするのかは人によって違うと思います。
バカバカしい笑いが苦手な人には敬遠されると思いますが、自分はラブコメ作品が好きなので本作品を楽しめました。

最後に登場した謎の人物の他にも解決しない事が多くあるので、本作品(2期目)が10話で終わってしまった事に関しては残念でなりません。
物好きだと思われるかもしれませんが、いづれ時期が来たら続編があると期待しています。
期待するのは”しゃーなしだ!”という事です。
とりあえず、がんもなどの おでん を突きながら気長に待ってみます。

いい加減、席替えをしないと相川の体がカサカサになりすぎて もたないと心配してしまいます。
ネタの1つだと分かっているのですが、毎度、直射日光を浴びていますから^^
お笑いでいうところの”天丼”というやつですね。

1期目を観ていないとゾンビや魔装少女などの設定が分かりませんが、設定が分からなくてもバカバカしい……ではなく面白い作品です。


OP曲
「***パッショナート」
歌 野水いおり

ED曲
「恋のビギナーなんです(T_T)」
歌 山口理恵

両方ともロック調の曲。
ボーカルがメインなのでしょうが、曲の構成がバランスいいので、聴いていて心地いい曲です。
OPではギターのリフ(※1)、ドラムのドコドコドコというような叩き方、キンキンとした音を使ったキーボード、要所で出てくるコーラスなどが印象に残ります。
EDではOPの良い要素の他にもチョッパーベース(※2)を使っています。
自分の中では両曲とも好きな部類に入ります。

※1…リフレインの事。同じ旋律を繰り返す事によって生まれる音。簡単に言うとザクザクというようなギターの音色。

※2…ベースの弦を親指の腹で叩くような演奏法。ベンベーンというような独特の音がでます。


ちなみにアルコールランプに使われているメチルアルコールを飲むと失明する危険があるので、良い子のみなさんはマネをしないで下さい。
未成年はお酒が飲めない事になっているので、心配は無いと思いますが^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 25

76.6 5 コミカルアニメランキング5位
異能バトルは日常系のなかで(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (1352)
8395人が棚に入れました
俺を含めた文芸部の五人は半年前、とてつもない能力に目覚めた。 そして壮大なる学園異能バトルの世界へ足を踏み入れ――なかった! ? 「なんも起きねえのかよ! 」 異能に覚醒してみたものの、日常は完全無欠に平和だ。 世界を滅ぼす秘密機関などない! 異能戦争もない! 勇者も魔王もいやしないっ! だから俺たちはこの超級異能を、「黒炎の龍にヒゲ生やせたーっ! ! 」 気軽に無駄遣いすることに決めた。 だが異能バトルに憧れ続けた俺だけは、真なる戦いの刻が近づきつつあることを確信していた――。
神スキルとたわむれる何気ない日常。 だが、それだけじゃ終わらない新・異能バトル&ラブコメ、開幕! !

声優・キャラクター
岡本信彦、山崎はるか、早見沙織、種田梨沙、山下七海、寺島拓篤、福原香織、細谷佳正、名塚佳織、加藤英美里、諸星すみれ、浅野真澄、藤村歩、井口祐一、芹澤優、竹内良太、高木美佑、村川梨衣、原紗友里
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

厨二病の説明書 ~名シーンをもつアニメ~

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
厨二的な要素をネタにした、日常系ラブコメ。バトルもするので、盛りだくさんというか、中途半端というか。

私はこの作品に出会うまで、正直、「厨二病」という言葉を、分かったような分からないような感覚で使っていました。私らオッサンが中学生の時にはなかった言葉なんで(汗) でもこの作品を観て、「なるほど~、厨二病ってこういう人達のことを言うのか~」と正式に学んだので、こんなレビュータイトルにしましたw

このアニメ、作品自体のクオリティはそこまで高くなく、個人的には評価3なんだけど、とある名シーンがあり、そのシーンだけで評価を+1査定しています。ある意味伝説的なシーンなんで、アニメ好きで未視聴の方は、今後(色々な)アニメを語る上でも、ぜひネタバレなしで視聴して欲しいっすね♪


【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作品全体でいくと、前半は、おバカラブコメ要素が強く、後半はシリアスバトル要素が強い。個人的には、前半のノリが好きだった。

基本的にはハーレムものなので、どのヒロインも可愛らしく描かれ、活躍の場もそれなりにあるが、中でも幼馴染の鳩子は別格だった。

本作の主人公は、厨二病を全面に押し出した、ウザくてイタイ人物だが(なのになぜモテるのかは置いといて)、そんな主人公を正面から受け止め、なんとか理解しようとしているいじらしさは、幼馴染ならではの萌えポイント。と思わせ、実は我慢して付き合っていたというのは、なかなか無い設定だと思う。

7話もかけて、そういう「我慢」の伏線を張り、一気に爆発させた、厨二病に関しての本音。この台詞そのものが、このアニメに対するスタンスを良く表している(厨二を無条件に受け入れるわけではないという)。これは、アニメ史なんてものがあったら、確実に残る名台詞だと思う。シンプルに、一気に話す台詞としては知っている限りでは断トツで一番長いし。しかも、もの凄い正論で、「よくぞ言ってくれた!」って思った。

また、この台詞をきっかけに、これまで、「鳩子だけは無条件に自分のことを理解し、認めてくれている」と、安心しきってた、甘えていた主人公が、鳩子の本当の気持ちに気づき、動揺し、自分を振り返り、鳩子を一人の異性として捉えていくようになる過程には説得力があり、とても良かったと思う。

では、その名台詞を全文載せておきたいと思う(長いからたたみます)。これを一気に言い切った、早見さんに、拍手! (あ~、この文を教科書に載せて、現役の中学生二年生にも見せてやりたいw)

{netabare}
「分かんない…分っかんないよ、寿くんの言ってる事は一つも分かんないよ!寿くんがいいって言ってるもの何がいいのか分かんないよ!分かんない、私には分かんないの!ブラッティって何がカッコいいの?血なんてイヤだよ痛いだけだよ!黒のどこがカッコいいの?クレイジーのどこがいいのか分かんない!罪深いってなんなの?罪があるのの何がいいの?犯罪者がカッコいいの?そもそも混沌てなに?カオスだからなんなの?闇ってなに?砕ければいいの?正義と悪だとなんで悪がいいの?何で悪いほうがいいの?悪いから悪じゃない!右腕がうずくと何でカッコいいの?自分の力が制御できない感じがたまらないって、何それただの間抜けな人じゃん!ちゃんと制御できるほうがカッコいいよ!立派だよ!普段は力を隠していると何が凄いの?そんなのタダの手抜きだよ!隠したりせず全力で取り組む人の方がカッコいいよ!どうして二つ名とか異名とかいろいろをつけるの?いっぱい呼び名があったて分かりにくいだけじゃん!英語でも何でもカタカナつけないでよ!覚えられないんだよ!鎮魂歌と書いてレクイエムって呼ばないでよ!禁忌って書いてタブーって読まないでよ!聖戦って書いてジハード読まないでよ!ギリシャ神話だとか聖書とか北欧神話とか日本神話とかちょっと調べたくらいでそういう話しないでよ!内容もちゃんと教えてくれなきゃ意味がわかんないよ!教えるならちゃんと教えてよ!神話に出てくる武器の説明されても楽しくないよ!グングニルもロンギヌスもエクスカリバーもデュランダルも天叢雲剣も意味不明だよ!何がカッコいいのか全然分かんない、他の用語も謎なんだよ!原罪とか十戒とか創世記とか黙示録とかアルマゲドンとか名前がいいだろってどういうこと?雰囲気で感じろとか言われても無理だよ!相対性理論とかシュレディンガーの猫とかバイオリン族とかちょっとネットで調べただけで知ったかぶらないでよ!中途半端に説明されてもちっとも分からないんだよ!ニーチェとかゲーテの言葉引用しないでよ!知らない人の言葉使われても何が言いたいのか全然わかんないんだよ!自分の言葉で語ってよ!お願いだから私に分かる事話してよ!厨二ってなんなの?厨二ってどういうことなの?分かんない分かんない分かんない分かんない分かんなーい!!寿くんの言う事は昔から何一つこれっぽちも分かんないんだよ!!!」
{/netabare}
……これって、厨二病を全否定しているように見えて、それでも理解したかったっていう、鳩子の愛情と優しさと悲しみが土台にあるからこそ、我慢して努力してきた時間が長いからこそ、生きている台詞なんだよね。多分、これと同じ台詞を、1話でいきなり言われたり、村人A的なモブに言われたって、ちっとも良い台詞じゃないんだろう。久しぶりに全文読んでみて、改めて、良いわ~、使い方上手いわ~と思った。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

異能バトルより日常系に軸足を置いた作品・・・という事ではないと思うんですけれど^^;

この作品の原作は未読ですが、キャスト発表ではやみんと種田さんが出演されると知った時から視聴を楽しみにしていた作品でした^^

物語ですが、泉光高校の文芸部に所属する5人が、ある日突然異能の力に目覚めてしまうのです。
果たして人が異能に突如目覚めるとどうなるのか・・・と切り込みたいところですが、異能を使わなければ皆んな普通の高校生・・・いつも通りの毎日なんですよね^^;
こうして異能の力を得たところから物語が動いていきます。

物語が動くといっても日常色が強く、どちらかというとキャラ重視の設定になっています。
そのため、文芸部に所属するキャラは個性派揃いです^^

まず、主人公でもある安藤 寿来(あんどう じゅらい)
wikiには「重度の厨二病を患っている」と書かれていましたが、まさにその通りだと思います^^;
でも、妙なところで1本筋が通っていて優しい性格の持ち主です・・・
物語の展開がハーレム系になるのも分かる気がしますし、それはそれで有りだと思うのですが・・・個人的には私の敵です(爆)
何故敵なのかは後述します。

二人目は神崎 灯代(かんざき ともよ)
自分が厨二病だった事を一生懸命隠しているのですが、安藤との対話を聞いていると、とても厨二病が過去系とは思えないほど知識が豊富なんですよね^^
安藤との何気ない対話でも、私には厨二病同士がのお互い知識を駆使して議論するとこうなるんだぁ・・・的に聞こえていました^^;
彼女は自分なりの目標を持ってその目標に向かって一生懸命に努力する姿勢を垣間見せてくれます。
だから嬉しい時にはしっかり喜ぶし、しっかり悔しがりもする・・・その姿はとても好印象でした。

三人目は櫛川 鳩子(くしかわ はとこ)
安藤の幼馴染ですが、厨二病は感染らなかったようです^^
ふんわりとした柔らかいイメージの彼女・・・この作品の中で私の一推しがこの鳩子ちゃんでした(//∇//)
なんといってもCVがはやみんというのが大きかったですね^^
はやみん演じる鳩子ちゃんが好きなのか・・・鳩子ちゃんを演じるはやみんが好きなのか・・・??
途中から完全に区別できなくなっていました(//∇//)
そんな鳩子ちゃんですが、一度だけ安藤に対してキレてしまうのです・・・
その前の二人のやり取りを見ていたらどう考えても安藤が無神経過ぎ・・・
でも鳩子ちゃん・・・キレながら泣いちゃうんです(;_;)
この鳩子ちゃんの涙に胸は痛むし・・・涙腺は全く抵抗できませんでした^^;
こんな良い娘・・・絶対泣かせちゃ駄目でしょ!
という事で、鳩子ちゃんを泣かせる安藤は私の敵です(//∇//)

四人目は高梨 彩弓(たかなし さゆみ)
文芸部の部長さんです。文武両道で常に冷静な彼女ですが、全体的に少し出番が少なかったような気が・・・^^;
CVが種田さんだっただけに期待していたのですが少し残念です^^;
もう少し彼女の気持ちの移り変わりを丁寧に描いて欲しかったですね^^

最後に姫木 千冬(ひめき ちふゆ)
小学生なのですが、放課後はいつも文芸部に入り浸っている彼女・・・
高校生の中に小学生がいるので、見た感じギャップがあるのですが、そのギャップがあるが故に彼女のキャラが際立っていたように思います^^
大切な思いに少しずつ気付いていく・・・小学生ならではの良さがあったと思います^^

この文芸部の5人は全員異能の持ち主・・・そして異能の持ち主は他にもいるようなのですが、全容は明らかになっていません。
原作が連載中だからだと思うのですが、バリバリの異能バトルが堪能できる・・・という訳ではありません。でも異能とバトルを直結させないこの作品の流れ・・・これはこれで有りなんだと思います

それと、アニメーション制作はTRIGGERさんです・・・最近の作品では「キルラキル」が記憶に新しいですけれど、そのキルラキルに登場していた満艦飾 マコちゃんが10話でチラッと登場してくれます^^
こういうちょっとしたサプライズって嬉しいですよね^^

1クール12話の作品でしたが、物語的には序章といったところなのdと思います。伏線が殆ど回収されていないので、続編の制作を期待しています♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 38
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ヒロイン達がいい子達過ぎる

主人公は、よく中二病ごっこをやってますが、周りからは理解されません。そんなある日、突如、異能の力に目覚める。
という事から、物語が進みます。

原作見てないですが、アニメだけだとバトルシーンはほぼありません。異能の力もあまり使いません。
基本、文芸部にいる5人(小学生1名含む)を中心とした日常的な物語です。
ハーレムものと言ってもいいです。
主人公の良き理解者、幼馴染、先輩、後輩(小学生)と、視聴者の好みに合わせたヒロインが揃っています。

しかもみんな可愛いし、魅力的。
{netabare}
・神崎灯代
能力は時間を操る事で、止めたり遅くしたり早くしたりと、他の作品ならラスボスクラスの能力。
元厨二病で、現在は小説を書いていたりもする。元厨二病という事もあり、主人公の良き理解者であり、主人公に対して相談を持ち掛ける事もある。

・櫛川鳩子
能力は火、水、風、土、光(闇は無いよ)の属性を操る事が可能。外見とは裏腹に凄まじい火力の能力だっ!!
主人公の幼馴染で、途中のちょっとした回想シーンと会話から、主人公が助けられた的な事を言ってるけど詳細は不明。
ただ、厨二病の事を全く理解出来ず苦しんでいたり、主人公もそれが分かっているせいか、厨二病の話になると鳩子は蚊帳の外。

・高梨彩弓
能力は、本来あるべき姿に戻すという、小難しいもの。壊れた物を元に戻したり、人体の傷や怪我も元通り。
柔道と空手は黒帯で、勉強も出来るという、文武両道。
真面目な性格から、主人公との距離がヒロインの中では一番離れているが、他ヒロインが主人公との距離が近すぎるという感じもする。

・姫木千冬
貴重な小学生(ロリ枠)。
能力は何でも創り出せる。その為、部室内を別世界とも思えるような空間(広さも自在)に創り出したり、どこでもドアのようなものまで創り出せる。これまた他の作品ならラスボス級の能力。
小学生なので当然、文芸部の部員ではないが、良く(毎日?)文芸部に来る。時々謎めいた発言をするのも個性の1つ。
{/netabare}

で、こんな魅力的なヒロイン達から好意を寄せられてる主人公。

{netabare}
途中から、全く異能関係なく、恋愛パートに入るんだけど、見ていて思ったのが
「くそっ!こんな男のどこがいいんだよっ!」
これですっ!!

自己中な厨二病で周りを振り回し、女心にも気づかず、デリカシーの無い数々の発言。

特に7話。
主人公宅の親が不在の為、
姉から鳩子に飯を作って貰おう→主人公頼んでみるか→鳩子あっさりOK。
そして、料理をしてる最中に灯代から小説(厨二病設定)の相談のやり取りをやっていたが、鳩子が気になって聞いて来るが、
主人公「どうせお前にはわかんねぇーだろ」
鳩子「…(ぶちぎれ)わかんないよっ!!わかんないよっ!!右手が疼くと何でかっこいいの?普段は力を隠していると何が凄いの?どうして二つ名とか異名とか――」(やめてー)
あーあ、鳩子ちゃん泣いて走って行っちゃったよ。
挙句、部員を巻き込んで探すが、ここで主人公が今更弱音を吐いて、灯代からビンタを頂いて(ありがとうございますっ!)
灯代「このヘタレ野郎!」
と説教される。

「そうだそうだー!!こんなヘタレ野郎なんてどうでもいいから、女の子同士でキャッキャウフフしようぜぇ~!!」
って思いました。
{/netabare}

全体的には、普通に面白い内容でした。
キャラ評価だけなら4.5なんですが、主人公の酷さをマイナスした結果、4.0にしました。
一風変わった日常系、一風変わった異能系といった感じです。
ストーリーは中途半端な感じに終わってるので、良く分かりません。
日常系+ラブコメ、という感じだと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

95.0 6 コミカルアニメランキング6位
鬼滅の刃(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1694)
7080人が棚に入れました
血風剣戟冒険譚、開幕。舞台は、大正日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎の日常は、家族を鬼に皆殺しにされたことで一変した。 唯一生き残ったが凶暴な鬼に変異した妹・禰豆子を元に戻す為、また家族を殺した鬼を討つ為、2人は旅立つ。鬼才が贈る、血風剣戟冒険譚!

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、櫻井孝宏、大塚芳忠、梶裕貴、加隈亜衣、岡本信彦、森川智之、悠木碧、井澤詩織、浪川大輔、山崎たくみ、緑川光、子安武人、坂本真綾、山下大輝、早見沙織、千葉繁、上田麗奈、日野聡、小西克幸、花澤香菜、河西健吾、杉田智和、鈴村健一、関智一、関俊彦、木村良平、福山潤、小松未可子、諏訪部順一、内山昂輝、小清水亜美、森久保祥太郎、白石涼子、稲田徹

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

流行にのってみた

流行にのって視聴。見終えてだいぶ時間が経過して今更のレビュー。

鬼に家族を殺され、妹を鬼にされた竈門炭治郎が妹を人間に戻して敵討ちをするために奮闘する物語。

設定は割とシンプルで見やすいとは思う。
話の分かりやすさと日常的に使いやすい全集中とか~柱(そんなに使いやすくもない?)とかも人気が出た要因の一つかなと思った。
あとはみんな大好き必殺技というか技の名前。
少年マンガにつきものの主人公の成長もあって、やっぱり成長見るの好き。

素直に面白いと思った。流行しただけはあるのでは?
見ていた人多かったから、初対面の人と話すときの話題に困ったときにもしかしたら使えるかもしれない。

何も考えずにボーっと見るのにも良い。

キャラクター達も個性的な設定にしてある。
上半身裸で猪の顔を被った伊之助なんか衝撃的。ご本人の顔とのギャップ。


OP
紅蓮華 LiSA
ED
from the edge FictionJunction feat. LiSA
挿入歌
竈門炭治郎のうた 椎名豪 featuring 中川奈美
紅蓮華やっぱし良いですね。紅白に出るだけのことはある。ずっと聴いていたい。そして、EDの溢れる梶浦由記感。
竈門炭治郎のうたも注目すべき楽曲のようだ。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
時は大正、日本。炭を売る心優しき少年・炭治郎は、ある日鬼に家族を皆殺しにされてしまう。さらに唯一生き残った妹の襧豆子は鬼に変貌してしまった。絶望的な現実に打ちのめされる炭治郎だったが、妹を人間に戻し、家族を殺した鬼を討つため、“鬼狩り”の道を進む決意をする。人と鬼とが織りなす哀しき兄妹の物語が、今、始まる--!

1. 第一話 残酷
時は大正。竈門炭治郎は、家族とともに山でつつましくも幸せな日々をおくっていた。ある日、町で炭を売りに出かけた炭治郎が山に戻ると、家族は鬼に襲われ血だまりの中で絶命していた。唯一、一命をとりとめていた妹・襧豆子を救うべく、降りしきる雪の中背中に背負い必死に雪山を下りる炭治郎。その途中、襧豆子は突然唸り声を上げ、炭治郎に襲いかかる。

2. 第二話 育手・鱗滝左近次
炭治郎は冨岡義勇の導きにより、鬼になってしまった妹・禰豆子とともに狭霧山を目指す。夜の道中、炭治郎はお堂から血の匂いを嗅ぎつける。誰かが怪我をしているのかもしれないと駆け寄ると、なんとそこにいたのは、人を喰らう鬼。突如、鬼に襲われた炭治郎は、斧でなんとか応戦するが、鬼の圧倒的な力に、たちまち鬼に組み伏せられてしまう。鬼がとどめを刺そうとしたとき、助けに入ったのは--。

3. 第三話 錆兎と真菰
鬼殺隊--古より存在し、鬼を狩る組織。入隊のための試験「最終選別」に向けて、鱗滝左近次による炭治郎の訓練が始まった。様々な罠が張り巡らされた山下り、刀の素振り、滝修行、そして呼吸法……。狭霧山に来て一年、鱗滝は「もう教えることはない」と炭治郎へ言い放ち、巨大な岩の前で、最終選別へ行くための条件を突きつける-。

4. 第四話 最終選別
最終選別の合格条件は、鬼殺の剣士が捕らえた鬼たちが閉じ込められている藤襲山で七日間生き延びるということ。若き剣士と鬼の生き残りをかけた戦いが始まる。炭治郎は、鱗滝左近次のもとで身につけた呼吸法と型で着実に鬼を斬っていく。二年にわたる鍛錬は無駄ではなかった。しかし、そんな炭治郎の前に、藤襲山にはいるはずのない異形の鬼が現れる-。

5. 第五話 己の鋼
朝日が昇り、七日間の戦いの果てに生き残った剣士たちはたったの四名だった。生き抜いた炭治郎たちを出迎えた案内役からは、鬼殺隊についての説明が行われる。それぞれに鬼殺隊の隊服、伝令役となる鎹鴉が支給され、最後に、自身の日輪刀を造る玉鋼を選んだ。そして、鱗滝の家へと帰宅した炭治郎を待っていたのは-。

6. 第六話 鬼を連れた剣士
鬼殺隊の隊服に身を包んだ炭治郎。腰に日輪刀を携え、禰豆子が入った鱗滝特製の木箱を背負い、鬼殺隊の初任務として毎夜少女が失踪しているという北西の町に向かう。そこで炭治郎は、恋人をさらわれ、憔悴しきっている和巳と出会う。たしかに、近くに鬼の匂いを感じるが、鬼の姿はどこにも見えない。不穏な事件に鬼の影を疑う炭治郎は-。

7. 第七話 鬼舞辻無慘
三人に分裂した鬼が炭治郎を追い詰める。そのとき禰豆子が鬼に襲い掛かった。鬼になってしまった妹は守らなければいけないほど弱い存在ではない--。意を決した炭治郎は、分裂した鬼のひとりを追い、地面に広がる沼へ飛び込む。沼の中で待ち受けていたものは。

8. 第八話 幻惑の血の香り
次なる任務の舞台は東京・浅草の町。大正の華やかな都会の街並みに戸惑う炭治郎だったが、そこで鬼の匂いを嗅ぎつける。匂いを追った先で出逢ったのは鬼舞辻無惨だった。鬼舞辻を斬ろうとする炭治郎。だが、鬼舞辻は行きかう人間を鬼に変え、町を混乱に陥れる。必死に事態を収拾しようとする炭治郎の前に、 とある人物が姿を現す-。

9. 第九話 手毬鬼と矢印鬼
炭治郎を助けた者は、珠世と愈史郎という鬼だった。珠世は炭治郎たちを、”目隠し”の術を施した屋敷へといざなう。そこで炭治郎は、珠世との会話から、鬼を人に戻す方法についての活路を見出すのだった。そのとき--炭治郎を追うふたりの鬼が屋敷の場所をつきとめ、猛烈な攻撃を繰り出す-。

10. 第十話 ずっと一緒にいる
炭治郎の苦境は続く。矢琶羽が最期に繰り出した血鬼術”紅潔の矢”を、炭治郎は水の呼吸の型を駆使し、なんとかしのいでいた。一方で禰豆子と朱紗丸の戦いは続いており、状況を危惧した珠世は、自身の血鬼術を使い-。

11. 第十一話 鼓の屋敷
鎹鴉から告げられた次なる鬼退治の地は南南東--。その途上で炭治郎は、最終選別で生き残った同期の剣士・我妻善逸と出会う。炭治郎は、善逸の消極的な態度に手を焼きつつも山の奥地へ向かうと、屋敷の前で兄を連れ去られたふたりの子どもたちに出会う。そこで、善逸はどこからか鳴り響く鼓の音を聴くのだった……。

12. 第十二話 猪は牙を剥き 善逸は眠る
鼓を打つ度に、部屋が回転する不思議な屋敷の中で、炭治郎は善逸と離ればなれになってしまう。炭治郎と別れてしまった善逸は正一を連れ、恐怖に絶望していた。その頃、炭治郎は、屋敷の主である鼓を打つ鬼と、猪の頭をかぶった奇妙な姿の男に出会う。

13. 第十三話 命より大事なもの
屋敷の主・響凱が鼓を打つたびに部屋が回転し、炭治郎は苦戦を強いられる。前の戦いで骨折している炭治郎は弱気になる自身を鼓舞して、必死に立ち向かう。響凱が使う血鬼術による攻撃にも圧倒される炭治郎。果たして、無事に響凱の頸を討ち取ることができるのかー。

14. 第十四話 藤の花の家紋の家
死闘の末、響凱との戦いに勝った炭治郎。屋敷の外へ出ると、先に脱出していた善逸と出会う。だが、禰豆子の入った木箱を抱えボロボロになった善逸、そして二刃の日輪刀を抜いた猪頭を被った男が立ちはだかる異様な状況を目の前にする-。

15. 第十五話 那田蜘蛛山
次なる目的地は北北東。炭治郎と禰豆子は、善逸や伊之助とともに那田蜘蛛山へ向かう。その山は蜘蛛の巣が張りめぐらされ、無数の蜘蛛が蠢く山だった--。怯える善逸を残し、山に入った炭治郎と伊之助は、蜘蛛の糸に絡み取られた鬼殺隊員に遭遇する。

16. 第十六話 自分ではない誰かを前へ
蜘蛛の糸に囚われた鬼殺隊員と戦う炭治郎と伊之助。糸を斬り、蜘蛛の巣を破り、ふたりは山の奥へ。森を進むにつれ、蜘蛛の糸がだんだん太くなり、操られている者たちも人間には不可能な動きをしはじめる。操られた隊士たちを、傷つけずに動きを止める方法も困難になる中、炭治郎がとった行動とは--。

17. 第十七話 ひとつのことを極め抜け
ここには鬼舞辻無惨直属の配下・十二鬼月がいる--。那田蜘蛛山の母鬼を倒した炭治郎は、妹の禰豆子を人間に戻す手掛かりになる鬼が、この森にいることを知る。傷だらけの伊之助とともに、ふたりはさらに森の奥へ。一方、ひとり寂しく森を進む善逸の前に、人面蜘蛛が現れる。

18. 第十八話 偽物の絆
那田蜘蛛山の父鬼と対峙する炭治郎と伊之助。応戦する炭治郎だったが、父鬼の怪力に吹き飛ばされてしまう。川の近くに落下した炭治郎は、姉鬼を痛めつける鬼の少年・累と出会う。恐怖と憎悪で結ばれた関係を「家族の絆」と呼ぶ累に、炭治郎は激怒する。累と炭治郎の戦いが始まる。

19. 第十九話 ヒノカミ
鬼殺隊最強の剣士である柱が那田蜘蛛山に到着した。父鬼を一太刀で切り伏せる水柱・冨岡義勇。 その太刀筋を見た伊之助は己との格の違いに興奮し、戦いを申し込む。一方、全身に毒が回り、瀕死に陥っていた善逸の前にも、蟲柱・胡蝶しのぶの姿が--。

20. 第二十話 寄せ集めの家族
累より放たれた血鬼術により死を覚悟した炭治郎。走馬燈の中で亡き父が舞っていた神楽を思い出し、水の呼吸とは異なる新たな技を放つ。”ヒノカミ神楽・円舞”--、相打ち覚悟で繰り出したその技で、ついに累の頸を斬り落とす。満身創痍の中、傷つき倒れる禰豆子のもとに向かおうとする炭治郎の前に現れたのは--。

21. 第二十一話 隊律違反
倒れながらも禰豆子を庇おうとする炭治郎を見て、累の中で過去の記憶がよみがえる。かつて病弱だった彼は、鬼舞辻無惨に出会い、血を分けてもらうことで鬼になった。だが、鬼になった自分を、父と母は殺そうとする。そのときから彼は家族を探し続けてきた。どうしても手に入らない絆を求めて--。

22. 第二十二話 お館様
戦いを終えた炭治郎は、禰豆子とともに鬼殺隊本部へ連行される。そこでは鬼殺隊の当主・産屋敷と最強の剣士・柱たちによる「柱合会議」が行われることになっていた。鬼を庇うという鬼殺隊にあるまじき隊律違反をした炭治郎を、柱たちは糾弾する。そして風柱・不死川実弥は、禰豆子に刀を向けた--。

23. 第二十三話 柱合会議
鬼殺隊の当主・産屋敷が、ついに炭治郎の前に現れた。彼は、炭治郎と禰豆子の入隊を容認するという。だが、柱たちはその判断をすぐには飲み込めなかった。風柱の不死川実弥は自らの腕を傷つけ、禰豆子の前に血を晒して、鬼の本性を引き出そうとする。

24. 第二十四話 機能回復訓練
傷ついた炭治郎と善逸、伊之助は蟲柱・胡蝶しのぶの屋敷で治療を受けることになった。二週間後--炭治郎と伊之助は機能回復訓練を始める。だが、その訓練は過酷であり、炭治郎たちの心はへし折られてしまう。その厳しさも知らず、遅れて訓練に参加した善逸は、女の子を前にしてひと際やる気を見せるが--。

25. 第二十五話 継子・栗花落カナヲ
蝶屋敷で機能回復訓練中の炭治郎は、全集中の呼吸を一日中続けられるように修行に励む。最初は全く敵わなかった同期の剣士・カナヲとの訓練も少しずつ効果を上げるようになってきた。毎日修行を休まぬ炭治郎を見て、善逸と伊之助も訓練に復帰するが…

26. 第二十六話 新たなる任務
炭治郎たちが機能回復訓練に勤しむその裏で、鬼の絶対的支配者・鬼舞辻無惨により、十二鬼月の下弦が集められ、鬼側もあらたに動き出そうとしていた。訓練も終盤をむかえ、カナヲとの訓練も互角の勝負ができるようにまで成長した炭治郎のもとに、鎹鴉より新たな任務が伝えられるのだった。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヒット作を語らう時の心の姿勢

2020.04.12 追記

思うところがあっての大幅加筆。
視聴後に書いた作品レビューは後段に残しときます。
 ※ごく一部のアニヲタ批判も含んでるので気分害されちゃったらごめんね


作品の良し悪しについて各々語るのがレビューサイトの目的の一つですが、この作品は久々に普段アニメを観ない層を巻き込んで社会現象を起こしたということもあって、その観点で一言申し上げたく候。基本雑談です。


{netabare}とあるコーヒー屋にて見かけた風景。
「こんないいものなのになかなか理解されない」

自身が愛好しているものを理解してほしい。誤解を解きたい。なんなら広めたい。趣味人なら自然と沸き上がりそうな感覚です。少なくとも目の前で熱弁をふるってるこの人はそんなタイプの人。そしてその対象はアニメでした。
一緒にいる相手はそれほど興味のない層。よくありそうなシチュエーションです。
時は2016年。大ヒット中の映画『君の名は。』を映画館に出向き鑑賞し感動したと伝える非ヲタさん。話を合わせただけかもしれませんが、そんな会話のきっかけを全力で折りにいくアニヲタさんがいました。曰く、

「あーあれ話の辻褄全然合ってないんだよね」
「話が頭に入ってこないから全く泣けなかったわー」
「それよりも新海監督の前作がなんちゃらかんちゃら…」
「それよりも同時期の『聾の○』『この世界の何某に』のほうが凄かったけどね」
等々

前段でなかなか理解されないというやりとりを耳にしてたからなおさらかもしれません。

 「そりゃあんた理解しろというのが無理だわ」

単に巻き込みに失敗しただけでなく、むしろ遠ざける逆の効果を発揮するコミュニケーションでした。あほらし…
別にあにこれで同種のレビューを投稿するのは一向にかまわないと思います。同じヲタ同士で一定の土台を共有してますし、節度を保って思うところぶちまけてもらったほうがよいしそういう場です。
そのため「『君の名は。』つまんねーのにそう言っちゃだめなのかよ!」とか「思ってもいないこと(面白くないのに面白いと)言うほうが不誠実だと思うが?」という話では全くないので悪しからず。

せっかく興味のなかった人が興味を示してくれたのに。当のヲタさんだって仲間になりたそうにこちらを見ているのに。…全力でへし折りにいってませんか?です。

 「どこらへん面白かったの?」
 「アニメってどんなの想像してた?」

せめてこれくらいのワンクッション置いてから持論を展開してほしかったところ。
非ヲタさんはアニメを観にいちいち映画館に足を運ぶなんて滅多にないでしょうに。ここらへんの想像力がこのコーヒー屋で出会ったアニヲタさんには決定的に欠けてます。
もうなんというかオタクどうこうよりも単なるコミュニケーション下手かどうかの話のような気もしますが、やらかしがちなので自戒も含めて気を付けましょう。


というわけで何を言いたいかはもうお分かりですね。
4年ぶりに似たような局面がきてるわけですよ。クリスマスや誕生日のプレゼントに単行本をせがまれてみたり、芸能人がファンであることを公言して、なかには椿鬼奴さんみたいに番組内でネタにしてたりもする。LiSAさんが紅白に出場してたりもしましたね。

とはいっても、制作会社「ufotable」。声優「花江夏樹」「鬼頭明里」。一般人はまず知らない単語です。紅白出場したからといってアーティスト「LiSA」さん知らない人だって多いでしょう。今回で興味を持って動画を漁ったとしても客席サイリウムが乱舞してる光景を見たらそっ閉じしたくなるのが人情です。
余計なお世話でしょうが、同好の士を増やしたい私としましては非ヲタさんとのやりとりは「お手柔らかに」と願うところであります。

『鬼滅の刃』気に入ったのならこんなのもあるよ(^^)
そんな展開を夢見て以下、


■映像凄かったっす

作画に触れて制作会社「ufotable」を話の枕に『fate』『空の境界』をご紹介。劇伴も同じ梶浦由記さんだったりします。


■声優さん繋がりも

ベテラン・若手・中堅問わず実力のあるCVさんが多く起用されていた本作です。要は年間通して登板回数の多い人たち。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準です。

 「その○○役やってた人だったら、今ちょうど△△ってアニメに出ているよ」

リアタイものだと「じゃあ明後日チェックしてみよう」と敷居が下がったりするものです。

それに各々代表作を持ってそうですから、そちらへの誘導もありですね。
花江夏樹さんなら『四月は君の嘘』。早見沙織さんなら『あのはな』。あたりは非ヲタ向け鉄板でしょう。「いやそれより『俺ガイル』が鉄板だ!」そのへんはどうぞご自由に(笑)

我妻善逸(CV下野紘)からの『ACCA』ジーン・オータス役。
嘴平伊之助(CV松岡禎丞)からの『SAO』キリト役。
本作での役どころとは違う顔を見せている作品も驚きがあっていいですよね。


自分もそうでしたが、声優さん、制作会社、劇伴担当、キャラデザインあたりの繋がりから広がっていったと思います。

まあそんな感じの世迷い言です。お付き合いいただきありがとうございました。
ちなみに私はこの作品を手放しで褒めておりません。{/netabare}




↓以前投稿した作品についての感想
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2019.10.04記
旧件名:良いほうの『少年JUMP』

{netabare}
艶やかな街の灯り
静謐な山間の雪景色

とにかく綺麗な作品です。
色使いが独特といいますか鮮やかな色の組み合わせが印象に残ります。
主人公炭治郎の羽織(緑と黒)はサムネでも確認できる組み合わせ。

その一方で、毎話冒頭サブタイトルコールの墨色を用いた水彩風の演出にも味わいがある。全体の色味が和風なんですよね。

そしてこれがぐねぐね動くのを目の当たりにすることになります。
バトルシーン。抜刀時の緊張感。連続した体動作の流麗な運び。対立する“鬼対人”の果てなき抗争の物語のためバトルシーンは多くあり、手を替え品を替えての演出に都度唸ることでしょう。


制作会社『ufotable』は、『劇場版 空の境界』でアニメビギナーだった私の心が鷲掴みにされたこともあって、本作『鬼滅の刃』は事前から楽しみにしていた作品でした。

『空の境界』は、和装のヒロインの殺陣がとにかく流れるようだったのとそれを活かすコマ割りで、これまでバトルを“迫力”という概念でしか見れてなかった自分に”美しさ”というものを教えてくれた忘れられない作品です。



さて『鬼滅の刃』に戻ります。
冒頭作画に触れたのは、この一点だけでも「買い」だと思ったから。なお原作は未読です。
週刊少年ジャンプは『ONE PIECE』が連載される前に卒業した私ですが、いかにもジャンプらしい作品と言えるのではないでしょうか。たしか

 “ 努力 友情 勝利 ”

でしたっけ?
その王道を行くかのような竈門炭治郎(CV花江夏樹)が主役の物語。鬼に親兄弟を惨殺され唯一生き残った妹も鬼と化してしまう。その妹竈門禰豆子(CV鬼頭明里)を人間に戻す手段を探るべく、人外なる鬼を討伐する組織へと身を投じていく流れとなってます。

良いですね。
炭治郎が素直で努力家で妹思いで諦めない強い意志を感じさせるいい奴なんです。私としてはこの主人公と冒頭述べた作画の2点推しです。
・・・以上なんですけど一応5項目整理しておきます。


▼物語

あらすじ読むと暗そうな話ですが、実際展開されたのはシビアな場面とギャグパートとのほどよい緩急。すっと肩の力を抜けるポイントが用意されてそこそこ笑えます。
それにインフレし過ぎない敵キャラ。鬼舞辻無惨(CV 関俊彦)を最終目標と定めてのブレない展開も好感。
炭治郎の鍛錬シーンに尺を取り強くなっていく過程を丁寧に描いたことは戦闘の重みや背負うものの大きさなどに説得力を持たせる効果がありました。また、鬼を一方的な悪として描かないこともお家芸とはいえ好きな設定。


▼声優

弱っちいけど芯のある人物を演じるには花江さんの選択は良かったかと。2018年初頭『グランクレスト戦記』『ラーメン大好き小泉さん』でその名を認知したのち、視聴作品が被ってなかった鬼頭明里さんのフルボイスを久々聞けたのは個人的に◎。
敵方の “ 十二鬼月 ” そして鬼殺隊エリートの “ 柱 ” 両陣営にも豪華声優陣を配置。 一部しか登場してないので今後の発展性の面でも楽しみが残ります。

{netabare}禰豆子を人間に戻すためのキーマン珠世を坂本真綾さんが演じられているのも耳に心地よい。もっと珠世を出しておくれ!{/netabare}


▼キャラ

我妻善逸(CV下野紘) 嘴平伊之助(CV 松岡禎丞)の位置づけが絶妙でした。
濃いっすね。途中からお笑い担当みたいになってましたが…
{netabare}協力プレイで敵を撃破!という印象がないのです。
意図したものなのか、兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめでした。今後の伸びしろを感じるところです。{/netabare}


▼作画

既述。
追加で、室内戦闘の描写もすさまじかったですね。
{netabare}ジャミロクワイの名曲『Virtual Insanity』のPVイメージで、そこの灯りを暗くして動きをめちゃくちゃ激しくしたような響凱(CV諏訪部順一)との戦闘も目を奪われました。鼓を打つ鬼とのバトルですね。{/netabare}


▼音楽

安定の梶浦案件。
地味に評価したいのが2クールの前後半通してOPEDが変更されなかったことでしょうか。昨今のお作法からみても異例な気もしますが不自然さは感じません。
{netabare}後半で曲を一新して、最終話クライマックスで前半OPどーん!演出って分かっていてもアガるんです。でもそれをしない勇気といいますか、作品の一貫性考えると変えないほうがいい気がします。{/netabare}




整理してみると、個別項目でのマイナスはあまりなかったです。
続きは劇場版でということでしょうが、まだ開けてない引き出しも豊富なので不安はないでしょう。

ただし、2クール後半でやたらキャラ増やしてお披露目パートみたいになってたのをどう見るか?
ちょっとイマイチでした。単に私が消化しきれなかっただけで、これも続きありきということなら仕方のないことなのかもしれません。

それに少年漫画らしいシンプルな面白さを追求した感があって、エンタメとして申し分ないわけですが、天井をぶち抜くような破壊力まではありませんでした。あくまで感覚的なものです。

きっと作画表現に度肝を抜かれたこともあって同等かそれ以上のレベル感で「深み(絶望)のある物語」を期待してしまったのではないかと思われます。


いや充分面白いんですよ。今期(2019年9月終了もの)TOP3に入るのは間違いありません。全方位でおすすめです。{/netabare}



視聴時期:2019年4月~9月 リアタイ視聴

-------


2019.10.04 初稿
2020.04.12 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2025/02/01
♥ : 105
ネタバレ

いしゆう さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

♪強くなれる理由を知った♪~観終わった後の充実感ヤバです!

あらすじはあにこれを参照ください。

放送時間:2019年4月~

◎物語
冒頭から救いのない展開です

大正時代を舞台に家族を鬼に殺され 
唯一の生き残りの妹(禰豆子)も鬼にされ絶望の"炭治郎"が
"冨岡義勇"という剣士に出会い 物語は始まります。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇鬼殺隊入隊 1話~5話{netabare}
家族が殺され途方に暮れている"炭治郎"に対して"富岡義勇"が放つ一言

”生殺与奪の権を他人に握らせるな!

みじめったらしく蹲るのはやめろ 
そんなことが通用するならお前の家族は殺されていない!

奪うか奪われるかの時に主導権を握れない弱者が妹を治す?
仇を見つける?笑止千万!!

弱者には何の権利も選択肢もない 
ことごとく力で強者にねじ伏せられるのみ”

厳しいですが真っ直ぐな正論 しかし心の中では

”泣くな 絶望するな そんなのは今することじゃない

怒れ! 許せないという強く純粋な怒りは
手足を動かすための、揺るぎない原動力になる

脆弱な覚悟では 妹を守ることも治すことも
家族の仇を討つことも、出来ない!”

厳しいけど心に沁みるセリフです○o。. 

彼の人柄が見えると同時に 
厳しい世界観を考えさせられる場面でした。 

そして”判断がおそい”
厳しさの中に優しさや思いやりがある
"鱗滝さん"のもとで修業が始まるのですが渋くて格好良いです。

選別試験で現れた手鬼
"錆兎"と"真菰"たちを殺した憎い鬼も最初は人だったんですよね
少し複雑な思いです。

”よく生きて戻った”
"鱗滝さん"が二人を抱きしめるシーンは胸が熱くなりました。
{/netabare}
☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇鬼舞辻との邂逅 6話~10話{netabare}
”鬼舞辻無惨”の近い鬼から血を採取する!
医者の”珠世さんと”珠世さんラブが深すぎる"愈史郎"の登場で
”禰豆子”を治す方向性が明確になります。

最初に現れたのは 
16歳以上の女は醜いと食べてしまうアホな”沼鬼” 
しかも3体に分身するし歯ぎしりがすごい耳障りでウザ過ぎでした。

さっさと処理して次の目的地東京浅草へ 
薄々感じていましたが
やはり世間では鬼は認知されていなかったんですね

平和な日常を守るため 鬼を狩る鬼殺隊 まるで歴史の闇のようです

そして本来は蹴鞠が好きな小さい子供だったのに
呪いで死んだ"朱紗丸" 残酷だなって思うと同時に 

その人の意思関係なく勝手に鬼にして
蜜をやり操っていると思っていたら
都合が悪くなると殺してしまう ”鬼舞辻”ヤバすぎ許せないよ!

最後に"珠世さん"と"愈史郎"を人と思い守った”禰豆子”に
涙する"珠世さん"に思わず感動 心に響きました。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇仲間との出会い 11話~14話{netabare}
同じ鬼殺隊の”我妻善逸”と”嘴平伊之助”との出会い
そして元十二鬼月の”響凱”との戦いを描いています。

頼りなくて剣士らしくない”善逸”と
猪突猛進でナイスにデレるチョロ男子”伊之助”

10話まで結構シリアスだったからお笑い回かなって思っていたら
良い意味で裏切られました。

”善逸”の気を失ってからの本気! 度肝を抜かれました。
( 剣士らしくないとかいってごめんなさい )

そして骨折してる”炭治郎”が心の中で
”折れてる”炭治郎”もすごいんだというのを見せてやる!”
根性は凄いと認めますが 最近心の声が多くなってませんか?

14話 お笑い回ですね 和みました○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

那多蜘蛛山に住む鬼の一家の討伐 15話~21話{netabare}
"炭治郎"と"善逸"そして"伊之助"が向かった先には十二鬼月がいた。
鬼殺隊の柱 "冨岡義勇"と"胡蝶しのぶ"も交えての乱戦が始まる。

そしてついに”累”と対峙する"炭治郎"と”禰豆子”
爆血からヒノカミ神楽への流れの場面から挿入歌エンディングの流れ
すごい!すごい!すごい! ここ何度も観返しました○o。.

その後"冨岡義勇"の凪 
ヒノカミ神楽が動とすればこちらは靜のようです 

美しい!と同時に美味しいところ全部持っていきましたね
嫌でも好感度上がるやつじゃん!

もう一人の柱”しのぶ”登場
黒目大きくて口調も軽やかで可愛いのに
”正しく罰を受けて生まれ変わるのです”
聖女の様な会話がいつのまにか気付けば他人を煽っている
やっぱり柱 一筋縄じゃないようです○o。.。{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇柱合裁判 22話~23話{netabare}
"冨岡”や”しのぶ”を観ていて何となく感じてました
彼等人の話あんまり聞かないですよね・・・

期待したほかの柱も自由過ぎでしょ
この中だと”富岡”や”しのぶ”がまともに見えるから不思議
{/netabare}

☆゚・*:.。.☆゚・*:.。.☆☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆☆.。.:*・゚☆

〇蝶屋敷の機能回復訓練 23話~26話{netabare}
弱くてゴメンね あの元気な"伊之助"が弱って
女子との訓練にこわれる"善逸"(平常運転?)

選別試験以来同期の”カナヲ”や”玄弥”との再会 

"胡蝶しのぶ"と”カナヲ”の過去 
過去を知るまでは何か達観してるような感じにみえた
"胡蝶"と”カナヲ”でしたが 今は180度考え変わりました

最初嫌な奴かなって思わせて 実は・・・
鬼滅の刃ってこのパターン多くないですか?
毎回騙されてる気がする○o。.。
{/netabare}

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇キャラ
暗い内容に主人公たちの重い過去
それでも暗くならないのは個性的な彼らのおかげでしょう

幼いのになぜかお父さん目線の炭治郎や
女子大好きな善逸 そして単純な伊之助

そして普段のふわふわしてる態度からは想像できない戦いの顔
このギャップにやられます♪

◎作画
時代背景は大正時代
人物が太く描かれていてかつ背景が落ち着いた配色
凄く丁寧で特に自然現象の表現は綺麗って感じる作画です。

あと この作品で一番好きなのは
夜の闇の背景に華やかで色彩豊かな戦闘シーン!
まるで夜空に浮かぶ花火の様な迫力がある描写はとても優雅です♪

これまでもこういう関係の評価の高かった制作会社ufo
今作は表現に加えて人物の表情が豊かになって凄いと感じました。

〇音楽
OP曲 紅蓮華
ED曲 from the edge 共に歌うのはLiSA安定してますよね
”強くなれる 理由を知った”思わず口ずさみたくなるフレーズです。
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

泥だらけの走馬灯に酔う こわばる心
震える手は掴みたいものがある それだけさ
夜の匂いに空睨んでも
変わっていけるのは自分自身だけ それだけさ

強くなれる理由を知った 僕を連れて進め

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして

イナビカリの雑音が耳を刺す 戸惑う心
優しいだけじゃ守れないものがある? わかってるけど
水面下で絡まる善悪 透けて見える偽善に天罰
逸材の花より 挑み続け咲いた一輪が美しい

乱暴に敷き詰められた トゲだらけの道も
本気の僕だけに現れるから 乗り越えてみせるよ
簡単に片付けられた 守れなかった夢も
紅蓮の心臓に根を生やし この血に宿ってる

人知れず儚い 散りゆく結末
無情に破れた 悲鳴の風吹く
誰かの笑う影 誰かの泣き声
誰もが幸せを願ってる

どうしたって!
消せない夢も 止まれない今も
誰かのために強くなれるなら
ありがとう 悲しみよ
世界に打ちのめされて負ける意味を知った
紅蓮の華よ咲き誇れ! 運命を照らして
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
挿入歌は中川奈美が歌う”竈門炭治郎のうた”
思わず鳥肌立ちました 何度も見直す場面です。
しかし題名のインパクト凄いですよね 何歌ってるか気になりますよね
{netabare}
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
我に課す 一択を
運命と覚悟する
泥を舐め 足掻いても
目に見えぬ細い糸

泣きたくなるような優しい音
どんなに悔しくても
前へ 前へ 向かえ
絶望を断ち

傷ついても 傷ついても
立ち上がるしかない
どんなに打ちのめされても
守るものがある
守るものがある
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
{/netabare}
映像ばかりに気を取られていたのですが
うん 結構男の子らしい歌詞なんですね○o。.。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

〇観終わって
”禰豆子”を元に戻すために鬼殺隊に入隊し鬼と戦う!
物語の目的しては非常にシンプルで◎

そして鬼との戦いも頭脳戦とか基本無く
力と技のせめぎ合いでこちらもシンプルでわたしは嬉しい。

映像も綺麗ですし流れるような表現の数々には思わず見入ちゃいました
その中でも お勧めしたいのは鬼との戦闘シーン○o。.

鬼殺隊の武器の刀を使った
様々な”呼吸法”による技の表現はまばたき忘れるくらい綺麗!

激しくて荒々しいのもあれば 華やかな中に清々しさがあったりして
背景の黒(鬼は夜しか活動しないので)に広がる鮮やかな色彩は最高!

そして戦闘シーンと日常風景のギャップ

戦いで鬼と対峙して必死に戦ってる彼らも
なんだかんだ言ってもまだ少年 
彼らの会話の掛け合いとても和みます○o。.

まだまだ書きたいことはありますが

映像以外でも声や音などアニメの特色を生かした演出
これらを上手に化学反応させたすばらしい作品だと感じます
どんな変化なのかはその目でお確かめください♪○o。.

原作がマンガで斬新さはあまり無いですが 
それよりも非常に丁寧な作りで観終わった後のこの充実感ヤバです!


そして続きは劇場版 今から楽しみに待っています♪

以上 最後までお読み下さりありがとうございます。












  











 





 






 



 

投稿 : 2025/02/01
♥ : 34

80.3 7 コミカルアニメランキング7位
3月のライオン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (986)
4895人が棚に入れました
主人公は、東京の下町に1人で暮らす17歳の将棋のプロ棋士・桐山零。深い孤独を抱える彼が、あかり・ひなた・モモの川本3姉妹と過ごす時間や、さまざまな棋士との対戦を経て、失ったものを少しずつ取り戻していく様が描かれる。

声優・キャラクター
河西健吾、茅野愛衣、花澤香菜、久野美咲、岡本信彦、井上麻里奈、細谷佳正、三木眞一郎、杉田智和、木村昴、千葉繁、大川透、櫻井孝宏

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

原作者の思いに見事に応えた、新房監督&シャフトの本領が発揮された渾身の力作

NHKで2クールにわたって放送された、第1シーズン。

☆物語☆

中学生で将棋のプロ棋士となった主人公桐山零が、
棋士として、人間として、周囲の人との出会いと関わりを通じて成長していく過程が描かれる。

1話の中で複数のエピソードを区切って消化していくスタイルながら、
尺的に足りないと感じることはなく、どのエピソードも上手く纏められている。
NHKの枠なので途中にCMを挟まず自由に区切れ、25分間使えるというのも制作側には好都合だったでしょう。

さすがにNHKで放送されるだけあって、内容的には王道路線で、
シリアスな場面が多いものの、反対にコミカルな面や萌え要素までバランス良く取り入れて重すぎないので、
アニメファン以外の幅広い一般層に受け入れられる作品なんじゃないだろうか。
将棋のルールなんかが分からない人向けにも、作品内で解りやすく絡ませてあり、この辺りは親切。

作風や主人公がどうしても似ている、と感じてしまうのはノイタミナで以前放送された「四月は君の嘘」。
これは観た人みんな思ってるでしょうね。
タイトルに「月」が入っているのは単なる偶然なのか。。

正直物語自体はそこまで斬新なものでもないし、スローペースで進むので、
昨今の尺的にゆとりのない目まぐるしい展開が多い作品と比べると、退屈さを感じる人も居るだろうが、
自分としては、この作品で特に感じた魅力はキャラクター達の人間模様や日常、
心情描写の細やかさと、台詞の重みや間の取り方など、数々の優れた演出にあると思っているので、
じっくりと丁寧にやってくれたのは(原作通りなのかは知らないが)本当に有り難い。

作品内での零の語り、零と関わっていくキャラ達の台詞には、時には非常に残酷であったり、
とても温かみがあったり、また思わず自分にも改めて気付きを与えてくれるような、
そんな深みがあったりと、毎話感慨深く大きな余韻を与えてくれた。
台詞の一つ一つを噛みしめる事ができる感受性、間を想像力で補える能力は人によって異なるとは思うが、
この作品におけるキャラ描写とそれを引き立たせる演出が素晴らしいことに疑いの余地はない。

第2シーズンになれば嫌でもストーリーは進んでいくだろうし、今後の展開にも大いに期待したいところだが、
これまでどおり、焦らずじっくりと進めて欲しい。

☆声優☆

さすがにNHK作品の配役に関しては、
デビューして日の浅い新人などを主要なキャラに配したりはせず、
実力、人気共に安定している声優とベテランで構成されていて隙がない。

中でも3姉妹に関しては見事の一言だが、
主人公零に関しても、とても良く考えて選ばれていると実感する。
通常の台詞以外に公園のグラウンドでの叫びなど、感情を顕にする場面などは、
イケボでなく、ちょっとヘタれな感じが性格に凄く合っているなと。

☆キャラ☆

先にも書いた通り、この作品の一番の魅力と感じる部分は優れたキャラ描写&演出にある。

キャラクターの心情がポエム的な独白、
ナレーションによってたびたび観るものに訴えかけるのだが、これが深く心に響いてくる。
これはキャラに共感できなければ、やり過ぎると返って逆効果で退屈さと冗長な点として捉えられる事もあるものの、
(同様にポエム的な「あまんちゅ!」で気になった点)
各キャラそれぞれが抱えている思いが、台詞の良さも相まってとても巧く表現されていた。
各キャラに共感、もしくは同情してしまう「要素」がしっかりと解りやすく提示されているので説得力がある。

時間を掛けて丁寧に描かれていることもあって、
主人公とその周りの主要なキャラに関しては、とても興味深く魅力的に映った。
中でも3姉妹は本当に癒され和む存在だったので、後半に出番が減ったのは少し寂しく思えたが、
逆に言えば前半のエピソードが特に良かったということかもしれない。

また、打って変わって香子のような存在は、女性作家ならではの描写力で、
女の嫌らしさやねちっこさなど、非常に生々しく描かれていて、こちらも同様に素晴らしかった。

☆作画☆

NHK作品はさすがに予算も掛かっているせいか、派手さはなくとも安定感があって全く不満はない。
背景美術に関しては、水彩画のような非常に淡くノスタルジックな雰囲気を醸しだしており、
また、それに合わせるキャラも違和感なく淡い質感で背景に馴染ませていて、とても温かみを感じる。

最大の見所としては、やはりシャフトならではの映像演出。
キャラの心象風景を、独自の解釈で映像化された場面は観ごたえと相性の良さを実感した。
観る人によって、または原作を読んでいる人には多少クドいと思われるかも知れないが、
自分はよりキャラの心情を理解する上で、良い方向に作用したと好意的に受け取っている。
原作者がシャフトでの制作を熱望したというのも納得。

OPやEDのアニメーションは、特に制作会社の個性が出る部分だと思うが、
零の息苦しさ、閉塞感や孤独感、葛藤、もがき苦しみながらも前へ進もうとしている様が、
抜群のセンスで表現されていたと思う。

☆音楽☆

1クール目のOP、EDで起用されたBUMP OF CHICKENの曲、
歌詞、アニメーション共に最高の出来だった。
もともとBUMPが原作のファンで以前にMVでコラボしたりしているので、
そりゃこの作品のために書き下ろした曲が、相性が良いのは言わずもがな。
できれば2クール目も変えないで欲しかったくらいだが、
2クール目のOP,EDも曲自体は悪くないし、最終話で戻してくれたのは心憎い。

作中BGMもやはりキャラの語り、ナレーション場面で使われているものが印象的だったが、
コミカルな場面もなかなか良いチョイスがされていて、曲のバラエティ自体も豊富で申し分無かった。
台詞間に挿入されるBGMが良いからこそ、その間が大きな余韻となる。
音響含めた音楽面での演出も、映像に負けず劣らずこの作品では大きく貢献していたと実感しますね。


こうして改めて一つ一つの要素を振り返ってみてみると、褒める所ばかりで殆ど点数を差し引く部分が無いように思える。
王道ながらもシャフトによる優れた芸術性が加味され、とても高いレベルで纏まっている。
本当につくづく続編が楽しみだ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

才能の残酷さを描くことで、人の内面の弱さを表現しています。

 ハチミツとクローバーで恋愛ドラマの仮面をかぶって、才能の残酷さを見せてくれた羽海野チカ。さすがですね。人の愛憎や執着、孤独や過去などのヒューマンドラマの中に、しっかりと才能というものの恐ろしさを見せつけてくれます。
 ただ、ハチクロよりも進化したと思うのが、義姉ですね。あの義姉のキャラがあるから人の内面描写に深みが出て、才能の残酷さは他人にも劣等感という形でつきつけますが、己を傷つけ孤独にする部分も描かれていました。

 才能があるからこそ、居場所が出来た半面、人の居場所を奪ってしまった。周囲の人を巻き込み歪ませる。義姉の態度のコンプレックスの表現は女性作家ならではの迫真のストーリーですね。おしいことにコミック版ほどの禍々しさの中に見える圧倒的な劣等感の表現には至っていませんが、この義姉がいるからこそ、主人公の居場所の無さが浮き彫りになるし、3姉妹との交流に意味が出てきます。

 一方で将棋という特殊な世界にのめり込む男達の心の交流もありました。島田の研究会もそうだし、何よりあの二海堂くんですね。どう考えても村山聖ですよね。聖の青春という小説にもなった羽生善治の少年時代からのライバルです。ちょっと身体の事も村山をなぞっているので、いろいろ心配してしまいますが、詳しくは小説かWIKIで。
 彼がいたからこそ、将棋に向き合うことができたような気がします。良くいる真っ直ぐなおバカキャラに見えて誰よりも将棋に真摯で、主人公のこと…というより主人公の将棋の才能を純粋に愛していたような気がします。(それから学校の先生もですね)

 なお、羽生善治はタイトル99期、史上初の7冠棋士、永世7冠という圧倒的な将棋の天才でので、二海堂=村山だとしたら、主人公が羽生なのかなあと思ったら違いましたね。宗谷でした。宗谷が目指すべきラスボスっぽかったですね。

 その前に後藤ですか。彼の性格の意味は現段階ではちょっとわかりませんね。素の性格なのか、やっぱり宗谷に対比した時にコンプレックスがあるのか。
 ただ、この後藤の態度を見せることで、初めは憎たらしいだけの義姉に対する気持ちが和らぐから不思議です。うまいですよね。結果的に才能の世界の周辺に生きている人たちの惨めさを上手く表現しています。

 そう、義姉が重箱のお稲荷さんを食べるだけで、このキャラに対する見方が全然変わっていました。ここが少女マンガの凄さですね。直前の3姉妹の敵のように見せていて、胃袋で篭絡されてしまう。これで義姉の人間的な内面が表現されて憎めなくなります。ちょっと男の作家には描けないでしょう。ここが一番本作のすごいところだったのかもしれません。

 そしてこの3姉妹ですね。どうも傷があるようです。母性の塊のような長女の内面が見えてこないことが不気味です。この作者が単なる良いおねえさんキャラを出すとも思えませんが…どうなんでしょう。菩薩…で終わるのか違うのか。以前原作10巻まで読んでますが…無かった気がします。

 で、主人公ですね。この構造って、やっぱり主人公がラスボスと対決するために周囲を顧みず…みたいな話になるのでしょうか。ハチクロを見るとそんな気もしますし、3姉妹との交流でそうにはならないのかもしれません。

 将棋の世界の話だけに限定すると、ストーリー展開はちょっとヒカルの碁っぽい感じがありますが、似たような世界ですからね。

 とにかくきれいごとではない人間の内面、特に劣等感を描かせると、羽海野チカは最高ですね。決して「いい話」ではありませんが、特殊な世界をデフォルメすることでヒューマンドラマとして、人間の本質を見せてくれています。この辺りはハチクロのやり方を踏襲している気がします。


 3月のライオンはどちらかと言えばコミック版の方がコマ割りとかモノローグとか少女マンガらしいテイストが話にあっていました。アニメはその点がちょっと表現できていませんでしたね。



 追記 少女マンガ的表現ができていない、といっても、演出で内面描写、モノローグの時は少女マンガらしいエフェクトをいれて頑張っていました。ただ、少女マンガの文法はやっぱりあの独特のコマ割り=時間の使い方と客観主観のシームレスな切り替え、エフェクト=心の動きじゃないと。ここは媒体の特性もあるのでやむを得ないでしょう。

 追記2 水というモチーフは浮かんでいれば羊水のような心地よさがあります。が、泳いだ時のねばりつく水の抵抗は前にすすむ困難、もぐったときの息苦しさは思考が暴走している感じ、音が無くなるような感覚は棋士の集中力ですね。ハチワンダイバーとかにも通じます。

 それと川ですね。川は流れ、広がりなどで原風景のような心落ち着く光景になります。滔々と流れる広い川は、人の営みのアナロジーでもあるでしょう。それを岸から眺めるという意味ですね。また、街の移り変わりを映すことで表情を変えてゆきます。あるいは自分自身の人生そのものでもあるかもしれません。
 また、川岸ですね。これが不思議な効果をだしていました。漠然とした東京の下町の表現というより、俗世界から切り離された特別な場所として機能していました。
 これが演出というだけではなく、内面の重層的な表現に効果的に機能していいたと思います。ただ、とにかく象徴的・抽象的なので何を表現していたかを考察するのではなく、画面から感じるのが作法だと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 18
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いた作品、作者と制作会社とTV局が一体となった良作

これほど原作が読みたくなった作品は久しぶりのような気がします。終わるまでまとうか、読んでしまおうか、葛藤中です。

シャフトっぽさを消しているようで、ところどころやっぱりシャフトだと思わせるような描写がチョコチョコ見られるのが良いです。特に場面転換で不要じゃね?と思わせるようなカットを入れてきて、それがまた綺麗だったり、インパクトがあったりとするところなんか、シャフトだなと感じてしまいます。ただ、「シャフ度」と言われる首の角度が抑え気味なのはやっぱり寂しいかも(?)

NHKが、しかも総合で流すのですから、力入れているのはよく分かります。まだ前半も途中ですが、引き込まれっぱなしになっています。主人公である零の歩んできた人生の重さ、その重さを少しずつ解放する三姉妹と二海堂との掛け合いの面白い事。

二海堂のモデルは将棋好きの人なら知らない人はいないくらい有名な村山聖なんでしょうね。となると、太っているのは病気のせいであり、あかりが「むっちり」で喜んでいるのはどう解釈したらよいか戸惑いました。このあと二海堂は病気が重くなっていく展開になるんだろうけど、つらいな…

三姉妹は本当にキャラがいい。声も完璧だし、流石としか言いようがありません。話の展開も良く、たぶん、最後まで面白く見ていくことができる作品だろうと思います。すでにお気に入りに入れてもいいように思っています。

【前半を終えて】
結局終わるまで待てず、原作を読んでしまいました…。面白い、何故にこれまでスルーしていたのだろうと思います。前半は零の置かれた状況を表現していた感じです。零が何故に将棋をしているのか、零がどうして三姉妹と関わりを持ったのか、二海堂と零のライバル関係、零と香子の関係等々をシャフト独特の表現でうまく繋いでいた感じです。
とあるコラムニストがシャフトっぽくないのが良いと書いていたのですが、どこを見ているのかと。零の気持ちを表現するときや香子とのシーンはシャフトそのものでしょう。シャフト特有のズルいイメージ(個人的な感想)ふんだんに盛り込んでます。原作のイメージがそのままシャフトっぽいですし、シャフトなら良いと言ったらしい作者の感覚がすばらしいと思います。
三姉妹は癒しそのもの。に対して香子の危うさと言ったら…。香子の声も良いです。老倉育を見て井上さんに決めたらしいのですが、本当にぴったり。

後半はもっと将棋に突っ込んでいくのではないかと思います。また、三姉妹の関わり、零を囲む周りの人々の動きなど、楽しみです。

【後半の中盤】
後半に入り、零の気持ちがどんどん重くなっていきました。そこを救うのが三姉妹であり、先生であり、二海堂であり、島田八段であり…とにかく零は人に恵まれました。回を追うごとにその事が分かります。
将棋に関する話も濃くなってきたのも後半の面白いところです。鍵となる島田八段は飄々としているのに、プロの厳しさを零に伝えてくれます。そしてとうとう出てきた宗谷名人。まさに怪物に相応しい佇まい。アニメになると、その事がいっそう強調された感じです。
零と香子の微妙な関係も相変わらず。が、三姉妹と香子の絡みとか、実は可愛らしい一面もあるところとか見れて良いです。
それから、今の季節に合わせたような進行具合も非常に良いです。これからラストに向けて零がどう成長していくのか楽しみです。

【一期終了】
零のちょっとずつだけど、成長していく感じが見てとれました。
「11年もボッチだったんだ」いう台詞の重みから解放されていく過程を描いたのが一期だったと思います。ゆえに、展開は重く、零の台詞もなにかぱっとしません。耐えられない人はそれでこのアニメはお仕舞です。
零は周りに恵まれました。それは零が成長するための起点になっていきます。二海堂であり、三姉妹であり、林田先生であり、島田八段であり、科学部の面々であり、そういった人々と交わることによって、重く押しかかっていた零の心が開かれて、次のステップへと進んでいきました。見直すと、中盤までの零とは明らかに違う人間になっているのがよくわかります。

この作者は人と人とのつながり、心の葛藤や解放へ向かうまでの描き方が上手だと思います。重くなり過ぎそうなときはわざとデフォルメさせたり、ちゃちゃを入れるような場面を入れてほぐします。これが嫌味に感じないところがまた良いのです。せっかくなので、ハチクロも見てみたのですが、作品は違っても、描き方は同じでした。
それと、ハチクロを見て思ったのが、シャフトで良かったということです。ハチクロも悪いわけではないのですが、ライオンを見た後だと何か足りません。零や香子みたいな人物が多く出演する、心の葛藤を中心とするような作品を作らせたらシャフトは上手です。ちょうど同じ時間帯にAT-Xではefを放送しており、ライオン始まるまでの10分間は視聴していましたが、シャフトの右に出るものはないなとさえ思いました。

二期が決定したので万歳です。二期は{netabare}宗谷とひなが大きくかかわってくる話になると思いますが、この話がどう描かれるのか{/netabare}楽しみでしょうがありません。

少年棋士の心の葛藤と心の成長を描いたこの作品、2クールゆっくりと描かれているので、ドラマ性を求めている人にお勧めです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 53

81.3 8 コミカルアニメランキング8位
カードキャプターさくら さくらカード編(TVアニメ動画)

1999年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (725)
4446人が棚に入れました
木之本桜は友枝小学校5年生の元気だけが取り柄の女の子。そして魔術師クロウ・リードが創ったクロウカードの主である。今日から2学期、さくらのクラスに転校生の少年・エリオルが紹介された。さくらは彼になんとなく懐かしいような印象をもつ。「初めて会った気がしないなぁ」そうつぶやいたとき、「僕もですよ」と言いながらエリオルが現れた。それをイライラしながら見ている小狼と、楽しそうにビデオ撮影している知世。クロウカードが集まって平穏な日常が戻ったかに見えたが・・・。 ある日、友枝町に不思議な雨が降った。さくらはクロウカードでこの雨を静めようとしたが、なぜか封印の鍵が杖に変わらない!
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

ぜったい大丈夫だよ、の魔法

ここのところしばらく、少女マンガ原作の長編「変身(魔法)少女」アニメのレビューばかり集中的に上げていましたが、その打ち止めとして、2018年1月から新章-クリアカード編-の放送が始まった本作のレビューを更新しておきます。

・・・って、好きすぎてレビュー書けないな、これ。
仕方ないので、以前書いた「クロウカード編」のレビューを手直しして、各話評価部分だけ更新します。

この機会に、一人でも多くの方が、本作を見始められることを願って。
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◆魔法少女のフォーマットを借りた古典的な初恋ストーリー

プラチナ(第3期OP)を聴くだけで泣けてくる伝説の名作アニメ。
超絶可愛い主人公「木之本桜」の活躍を描くだけではなく、むしろ、さくらとクロウカードを集めるライバルだったはずの「李小狼」君が次第にさくらに惹かれていく過程を細かく描き出している点が、隠れた鑑賞ポイントです。
全3期70話+映画2本(但し李君の実家のある香港に行く映画はストーリーの本筋には関係なし)


◆制作情報
{netabare}
原作マンガ       CLAMP(『なかよし』1996年6月-2000年8月連載)
監督           浅香守生
シリーズ構成      大川七瀬(CLAMP)
キャラクターデザイン CLAMP(原案)、高橋久美子
音楽           根岸貴幸
アニメーション制作  マッドハウス{/netabare}


◆作品別評価

(1) 第1期(クロウカード編Ⅰ) ★★ 4.6 (全35話) 1998年4-12月     
(2) 第2期(クロウカード編Ⅱ) ★★ 4.6 (全11話) 1999年4-6月      
(3) 劇場版(無印)         ★  4.2        1999年8月
(4) 第3期(さくらカード編)   ★★ 4.8 (全24話)  1999年9月-2000年3月
(5) 劇場版(封印されたカード) ★  4.3        2000年7月
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総合                ★★ 4.7 (全70話)+(劇場版2本)

※なお、原作マンガ       ★ 4.4


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回
※各話の右端は登場するカード(「*小狼」表記は小狼がGETしたもの)

※なお、アニメに登場するクロウカード(のち、さくらカード)の総数は、トランプと同じ53枚(劇場版第2作に登場する「NOTHING(無)」のカードも含めて)。但し、WAVE(波)・THROUGH(抜)・LIBRA(秤)の3つは名前が呼ばれるだけで実際に使われるシーンはない。

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  ※小学4年の1学期~2学期の出来事

===== カードキャプターさくら(第1期) クロウカード編Ⅰ (1998年4-12月) =====
{netabare}
第1話 さくらと不思議な魔法の本 ★ 桜の季節、カードキャプター誕生 WINDY(風),FLY(翔)
第2話 さくらのすてきなお友達 ★ 一番の親友(知世) SHADOW(影)
第3話 さくらのドキドキ初デート ★  兄の親友・さくらの憧れの人(雪兎) WATERY(水)
第4話 さくらのくたくた日曜日 ☆ お留守番 WOOD(樹),RAIN(雨)
第5話 さくらとパンダとかわいいお店 ☆ 縫い包み店ツインベル JUMP(跳) ※挿入歌「夜の歌」
第6話 さくらとお母さんの思い出 ★ 母の幻と兄・桃矢の秘密 ILLUSION(幻)
第7話 さくらの怪盗初挑戦!? ☆ 美術館、ラストで小狼初登場 SILENT(黙)
第8話 さくらのライバル登場! ★ 香港からの転校生、李家の魔法 THUNDER(雷) 
第9話 さくらとふしぎなブローチ ★★ 大人っぽい同級生(利佳) SWORD(剣)  ※相手の気持ちを察する描写が◎
第10話 さくらと花の運動会 ★★ 知世の母(園美)とさくらの両親(撫子・藤隆)の縁 FLOWER(花)
第11話 さくらと知世の大きな家 ★ 知世の困り事、さくらのブーケ SHIELD(盾) 
第12話 さくらの終わらない一日 ★ ※珍しいループ回 TIME(時)*小狼 
第13話 さくらとゾウの力比べ ★ 動物園見学 ※小狼の意外な一面が描かれる回 POWER(力)
第14話 さくらと桃矢とシンデレラ ★ 星條高校学園祭 ※同上 MIST(霧)
第15話 さくらとケロの大げんか ★ STORM(嵐)*小狼、FLOAT(浮)
第16話 さくらと思い出の虹 ★★★ 夏休み、高原の別荘地での老人との出遭い ※第1期で一番印象的な回
第17話 さくらのこわーいきもだめし ★ 臨海学校 ERASE(消)
第18話 さくらと雪兎と夏祭り ★ 予知夢、月峰神社の蛍 GLOW(灯)
第19話 さくらと夏休みの宿題 ☆ 図書館、小狼宅へ、ラストに苺鈴登場 MOVE(移)
第20話 さくらと闘う転校生 ★ 2学期開始、苺鈴転入 FIGHT(闘)
第21話 さくらのながーいマラソン大会 ★ ※さくら・小狼・苺鈴が友情を深める回 LOOP(輪)
第22話 さくらとやさしいお父さん ★ 父(藤隆)の大学訪問 SLEEP(眠)
第23話 さくらと知世とすてきな歌 ★ 音楽室の謎の歌声 SONG(歌) ※挿入歌「夜の歌」
第24話 さくらの小さな大冒険 ☆ 『アリス』モチーフ回 LITTLE(小)
第25話 さくらともう一人のさくら ★★ カードの災い、ラスト観月先生登場 MIRROR(鏡)
第26話 さくらと不思議な先生 ☆ 観月先生転任 MAZE(迷)
第27話 さくらと思い出の神社 ★ 桃矢と観月の過去 RETURN(戻)*小狼
第28話 さくらとおまじないカード ★ 危険な攻撃カード SHOT(撃)
第29話 さくらのあまーいクッキング ★ 学校でケーキ作り SWEET(甘)
第30話 さくらとケガをしたカード ★★ 6年生の陸上少女、チアリーディング DASH(駆)*小狼
第31話 さくらと名前のない本 ☆ さくらvs.怪獣 BIG(大)、CREATE(創)
第32話 さくらとケロと小狼と ★ 小狼とケロちゃん入替り回 CHANGE(替)
第33話 さくらのさむーいアイススケート ★ FREEZE(凍)*小狼
第34話 さくらと雪兎と昼の月 ★ 友枝町クイズラリー、満月の夜の災い ※挿入歌「ヒトリジメ」
第35話 さくらのすてきなクリスマス ★★ 遊園地デート FIRERY(火){/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)5、★(良回)22、☆(並回)7、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.6

OP 「Catch You Catch Me」
ED 「Groovy!」


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  ※小学5年の1学期の出来事

===== カードキャプターさくら(第2期) クロウカード編Ⅱ (1999年4-6月) ======
{netabare}
第36話 さくらと雪の新学期 ☆ 進級、新担任(観月先生) SNOW(雪)
第37話 さくらと消えた知世の声 ★★ コーラス部発表会 VOICE(声) ※挿入歌「友へ」「しあわせの魔法」「やさしさの種子」
第38話 さくらの楽しいいちご狩り ★ 遠足回 LOCK(錠) ※挿入歌「プリズム」
第39話 さくらのふらふら熱曜日 ★★ さくらの風邪 ※ミラー再登場回 CLOUD(雲)
第40話 さくらと夢の中のさくら ★★★ 4人の休日デート、東京タワーと予知夢 DREAM(夢)*小狼 ※挿入歌「ヒトリジメ」
第41話 さくらと小狼と砂の海 ★ 学芸会稽古 SAND(砂)*小狼
第42話 さくらのまっくら学芸会 ★★ 学芸会当日、さくらの心の中にいたカード DARK(闇)、LIGHT(光)
第43話 さくらのさよなら苺鈴 ★ 苺鈴と小狼の過去、苺鈴香港帰国 TWIN(双)
第44話 さくらとケロと不思議な先生 ☆ 弓道大会、もう一人の守護者(ユエ)、この世の災い? EARTHY(地)
第45話 さくらと最後のクロウカード ★ 最後のカード封印、選定者ケルベロス&審判者ユエ、最後の審判
第46話 さくらと最後の審判 ★ 続き、この世の災い、月の鈴、星の杖、クロウ・リード ※脚本・演出の古さは残念{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)3、★(良回)5、☆(並回)2、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.6

OP 「扉をあけて」
ED 「Honey」


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  ※小学4年の冬休み(第1期と第2期の間)の出来事

============ 劇場版カードキャプターさくら (1999年8月) =========

全1話 ★ 4.2 {netabare}香港渡航編 ARROW(矢){/netabare} ※1時間22分

主題歌「遠いこの街で」


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  ※小学5年の2学期~3学期の出来事

=== カードキャプターさくら(第3期) さくらカード編 (1999年9月-2000年3月) ===
{netabare}
第47話 さくらとふしぎな転校生 ★ エリオル君転入、カードの異変
第48話 さくらとめざめた星の鍵 ☆ 続き、星の力、さくらカード FIRERY(火)
第49話 さくらとキケンなピアノ ★ さくらのお見舞い SONG(歌) ※挿入歌「やさしさの種子」
第50話 さくらと小狼とみえない糸 ☆ 縫いぐるみキット購入、エリオルと仲間達 SWORD(剣)
第51話 さくらと大きなぬいぐるみ ★ 手作りくまさんの渡し先 JUNP(跳)、FLY(翔)
第52話 さくらのひつじ注意報?! ★ 知世の新携帯とアドバイス ERASE(消)、POWER(力)
第53話 さくらとパニック自転車 ★ さくらとカードの絆 DASH(駆)他9枚
第54話 さくらと思い出のカレンダー ★ 母の花のプレゼント、父と曽祖父の和解 FLOWER(花)
第55話 さくらと不思議の国のさくら ★ 『アリス』モチーフ回2 BIG(大)、LITTLE(小)
第56話 さくらとケロのお菓子な出会い?? ☆ 友枝小バザー騒動 SLEEP(眠)
第57話 さくらと小狼とエレベーター ★★ テディ・ベア展(4人デート回) FLOAT(浮) ※挿入歌「気になるアイツ」
第58話 さくらと二人の大ピンチ ☆ 仮の姿に戻れない守護者達 BUBBLE(泡)、SHIELD(盾)
第59話 さくらと知世とボールの罠 ★★ エリオル&知世のアドバイス SHADOW(影) ※挿入歌「夜の歌」
第60話 さくらと大切なお友達 ★★ 小狼と苺鈴の約束 FREEZE(凍)
第61話 さくらとカードとプレゼント ★★ カード達への感謝 ※ミラー再々登場回 MIRROR(鏡)、MIST(霧)他4枚
第62話 さくらと不思議なおみくじ ★ 月峰神社(初詣、予知夢) DREAM(夢)
第63話 さくらとプールと大きな波 ☆ 室内プール騒動 WATERY(水)
第64話 さくらと吹雪のスキー教室 ★★ 雪山合宿、エリオル君の苦手なもの TIME(時)
第65話 さくらと雪兎と消えゆく力 ★ 映画撮影、桃矢の献身(ユエ回復)、さくらの決心
第66話 さくらの一番好きな人 ★★★ 星條高校文化祭、さくらの一番の人 MAZE(迷)、ILLUSION(幻)
第67話 さくらと小狼と月峰神社 ★★ 手作りマフラー、月峰神社の夜祭 WOOD(樹)、THUNDER(雷)、GLOW(灯)
第68話 さくらと過去とクロウ・リード ★ 桜の神木(過去遡行)、クロウとの会話、エリオルの正体 SNOW(雪)、RETURN(戻) ※挿入歌「見えない地図」
第69話 さくらと現れたクロウ・リード ★★ 最後の試練、告白 CLOUD(雲)他7枚
第70話 さくらと本当の想い ★★★ エリオルの意図と予想外の出来事、名前のないカード、空港での別れ{/netabare}
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★★★(神回)2、★★(優秀回)7、★(良回)10、☆(並回)5、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.8

OP 「プラチナ」
ED 「FRUITS CANDY」


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  ※小学6年の夏休みの出来事

=== 劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード (2000年7月) ===

全1話 ★ 4.3 {netabare}友枝町なでしこ祭、さくらの返事 NOTHING(無)のカード+名前のないカード=HOPE(希望){/netabare} ※1時間22分

主題歌「明日へのメロディー」

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

突如現れた謎の転校生…めざめた星の鍵…再びさくらがカードキャプターとして出動する!

この物語は「カードキャプターさくら」の2期に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

クロウカード編では、カード収集の長い道のりと最後の試練を乗り越えて、ようやくカードの主として認められるようになりました。

これまで身の回りで様々な超常現象が起こっていたのはクロウカードが世に放たれてしまっていたから…
だから、カードを全て回収した今、もう身の回りで不思議な事が起こる要因は排除された筈でした。
ところが、超常現象は全て収まっていた訳では無かったんです。
きっかけは友枝町に降り続いた長雨…
隣町では星が見える夜空であるにも関わらず、友枝町だけに雨雲が停滞して雨がやむ気配は一向にありません。
そう、この雨はとある人物によって仕組まれたことだったのです。

桜は、クロウカード収集時と同じようにカードで雨雲を晴らそうとしたのですが、クロウカードは桜に反応しなかったのです。
それはクロウ・リードが作り出したクロウカードだったから…
そう、正式なカードの主となった桜はクロウカードを使い続ける事ができなくなっていたのです。

クロウカード収集時の最後の試練で現れた桜の属性は星…
従って、クロウカードを自分の属性に合致させる必要があったのです。

「クロウの作りしカードよ 古き姿を捨て生まれ変われ 新たな主 さくらの名のもとに」

こうしてクロウカードをサクラカードに変えていく「サクラカード編」の物語が動いていきます。

このサクラカード編を視聴すると、最初に妙な違和感を感じると思います。
別に桜やリ・シャオランが手を抜いている訳ではありませんし、桜の周りの人もこれまで通り一生懸命桜を支えています。

それでも払拭できない違和感…一言でいうと、桜たちが対峙しているのは「理不尽」なんです。
クロウカードをサクラカードに変える…
言うのは簡単ですが、遂行し続けるのはとても難しいことです。
なぜなら、カードを変換するには自身の魔力を注入しなければいけなかったから…

小学校5年に進級したとはいえ、桜はまだまだ子供…
生成できる魔力、蓄積できる魔力は、例えばどんなに素質があったとしても限界があります。
更に悪循環の根源になっているのは、桜自身が自分の限界を知らないこと…

クロウカード編を視聴した人なら、きっとこれだけでピンとくると思います。
桜は頑張り屋さんなんです。
どんなに苦しくても人に笑顔を見せる女の子なんです。
だから誰かの為に自分を追い込むのは、彼女にとって造作もないこと…
誰かがセーブしなかったら、きっと自分の全てを投げ打つのも厭わない女の子なんです。
でもそんなの誰も望んでなんかいません。
だからこそ、もどかしさを感じるんですけどね…

クロウカードをサクラカードに変える…
桜は自分の魔力を代償に、少しずつ使えるカードが増えていくのは目標でもありますし、彼女にとってきっと良いこと…
ですがカードの性質そのものを変えることの代償…これを当事者が見抜くのはとても難しかったと思います。
何故なら、変化が目に見えないから…

AがBになる、或いは大きさが半分になる…
こうして見た目が大きく変わってしまったら絶対に気付いたと思います。
でも世の中の変化って、目に見えるものばかりではありません。

きっと最初に異変に気付いたのは本人…
でも何の確証も無いので、いたずらに人を心配させたくないから口をつぐむ…
そのうち異変に確証が持てても一度つぐんだ口が開くことはありません。
だって、自分の大切な人に自分の事で心配かけたくないじゃありませんか…

敏感な人ならここで異変に気付く人がいてもおかしくありません。
桜の周りに敏感な人が居なかった訳でもありません。
あともう一歩踏み込めば繋がるラインを徹底的に第3者から踏みにじられ続けましたから…
やっぱりここで感じるのも「理不尽」なんですよね。

でもこのサクラカード編はたくさんの理不尽でモヤモヤするだけの作品ではありません。
時間を積み重ねにより、これまで見えなかったモノが見えるようになって…
これまで気付けなかったことに気付けて…
自分の気持ちに嘘をつかず、ありのままを伝える事の大切さと勇気を知って…
この僅かな時間の中で、みんなの心の成長は著しかったのではないでしょうか。

これまでこの作品は圧倒的なまでに「桜推し」で視聴していました。
でも、このサクラーカード編を視聴して、私の中で桜の次点はリ・メイリンになりました。
彼女の真っ直ぐさはとても気持ちが良いです。
彼女が真っ直ぐでいられるのは自信があるから…
そしてその自信を持つための鍛錬を決して怠らないから…
何に対しても絶対に逃げない彼女…
自分の信念と信条と笑顔を貫き通して…それ故に溢れた涙が止められなかった知世の家での1シーンは私も思わず貰い泣きでした。

失ったモノはゼロではありません。
以前のカード収集時より崖っぷちに立たされた桜たち…
どんなに傷付いても、どれだけ痛みを伴っても…所期の目的を完遂させようと必死にもがく桜たち…
彼女たちの雄姿が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

2クール全24話の物語でした。
1期より物語自体はコンパクトになりましたが、全般的にとても丁寧に制作されていたと思います。
桜は1期以上に魅力を感じましたし、リ・シャオランだって随分格好良くなったと思います。
クリアカード編に突入する前に劇場版2作を視聴したいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

さくらと魔法と大切な人たち。

「カードキャプターさくら」は、
1期と2期にあたるのが「クロウカード編」、
3期にあたるのがこの「さくらカード編」になるようです。

なので「さくらカード編」を見る前に
「クロウカード編」の視聴は必須です。

子どもの頃に原作も「さくらカード編」までは読んでいました。
大好きな作品。

久しぶりにアニメで見返してみて、
作品としての完成度の高さに感服です。

少女漫画の名作だから全人類観て。笑

「さくらカード編」は全24話です。

※以下、「クロウカード編」のネタバレが少し含まれているので注意です。


● ストーリー
魔術師クロウ・リードが作った魔法のカードである“クロウ・カード”。

封印が解かれたことでバラバラになってしまったクロウ・カードもすべて集まり、新たな主として認められた小学生の木之本桜(きのもと さくら)。

平和な日常が続く中、
転校生・柊沢エリオル(ひいらぎざわ エリオル)がやってくる。

それと同時にさくらの周りで再び不思議なことが起こり始める。
しかし、なぜかクロウ・カードが使えない。

自分の魔力を使って新たな“さくらカード”に変えることでカードが使えるようになり、次々と起こる不思議な出来事を解決していく。


「クロウカード編」はクロウ・カードを集めることが目的でした。

そして「さくらカード編」は、クロウ・カードをさくらカードに変えながら不思議な出来事に立ち向かっていくお話となっています。

全体に大きな伏線や謎が張られていて、1話完結型のストーリーの中で伏線を回収していくストーリーの描き方がお見事。

カードを使う魔法少女。
とにかく今回もさくらの可愛さ爆発です。

「さくらカード編」の特徴のひとつとして、
恋のお話が動き出すところが見どころですかね。

さくらも、カード集めのときにはライバルだった李小狼(り しゃおらん)も、高校生の月城雪兎(つきしろ ゆきと)に恋していました。

さくらは変わらず雪兎に恋していて、
でも小狼は自分の雪兎への気持ちは恋とは違うと気づき、
そして気持ちはさくらへ…

という胸キュン爆発展開。笑

アニメオリジナルキャラの苺鈴(メイリン)は、
「クロウ・カード編」ではいまひとつ好きになれなかったのですが、

今回はものすごく好きなキャラになりました。
本当に小狼のことが大好きで、一途な気持ちに涙(´;ω;`)


最終話の展開は原作と少し違うなと感じたのですが、
どうも原作よりアニメの方が早く最終回を迎えてしまったためのようですね。

原作のラスト、大好きな名シーンだっただけに少し残念。


● キャラクター
ストーリーも面白いのですが、
やはりこの作品はキャラが完璧だなと思います。

主人公のさくらは、
いろんな影響を与えた文句なしの完璧主人公キャラ。

友だちも家族もカードたちも大好きな素直で優しい女の子、
めげそうになるけれど、周りに励まされてピンチを乗り越えていく心の強さ、
そして天才的な可愛さ。

もうひとつの特徴として、
さくらの衣装へのこだわりが挙げられます。

不思議な出来事に立ち向かう時には、
親友の知世(ともよ)ちゃん作成の衣装を着るのですが、
毎回デザインが違うんですよね。

しかも全部可愛いし、
どれもめちゃくちゃ似合ってる。

私服も毎回違っていて、
それもどれも可愛い。

何でも似合うさくらの可愛さは本当に天才的。

ふりふり衣装でもなんでも可愛く着こなせるのは、
小学生という設定の強みでもあると思います。


李小狼。

カード集めでも恋でもライバルであり、
時には助けてくれる心強い友だちでした。

「さくらカード編」ではさくらへの恋心を自覚し、
なんでもお見通しの知世ちゃんに背中を押されながら、
告白しようと頑張る小狼が可愛い(*´Д`)

さくらがピンチの時にはいつも支えて、
本気で心配してくれ、優しくてかっこよくてヒーローです。

一番好きなキャラを聞かれると、
私は小狼と答えるかなあ。


今回いろんな事件を引き起こす張本人であるエリオルも、
別に悪い人というわけではないし、

とにかくキャラ配置が完璧なのよね。
どのキャラも魅力的すぎる。


● 音楽
【 OP「プラチナ」/ 坂本真綾 】

名曲です。大好きです。

それ以上に言うことがありません。笑


【 ED「FRUITS CANDY」/ こじまめぐみ 】

曲も可愛くて好きなのですが、
何よりも映像が可愛くてセンスのかたまりすぎて大好き。


● まとめ
放送は1999年からなのでおよそ25年前の作品なのですが、
今見てもものすごく面白かったし、

キャラの言動が完璧で、少女漫画としての完成度も高くて、
あらゆる場面で原作者のCLAMPの天才っぷりを感じずにはいられませんでした。

何度も言うよ、本当に名作です。

私の中では「カードキャプターさくら」はここで完結なんだけど、
今は続編である「クリアカード編」があるんですよね。

さくらが中学生…うーん、小学生だからこその可愛さだと思ってしまっているところがあるから、そんな自分に受け入れられるかどうか…。

でも気になっているので、
そのうち続編も見てみたいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14

82.8 9 コミカルアニメランキング9位
トップをねらえ!(OVA)

1988年10月7日
★★★★☆ 4.0 (785)
3433人が棚に入れました
人類が宇宙に進出するようになった時代、地球は宇宙生物群(通称・宇宙怪獣 (STMC))による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球はマシーン兵器の後継機であるバスターマシン「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員の一人であるタカヤ・ノリコの双肩に人類の未来がかかる。

声優・キャラクター
日髙のり子、佐久間レイ、川村万梨阿、若本規夫、渕崎ゆり子
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

軽いかと思ったら重かった!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 初見でした。全六話のSFロボットもの。
 ワクワクさせてくれる非常に面白い作品でした。熱血ロボットものに見えるのですが、主題自体は熱血とはかけ離れたところにあるようです。物語の展開の仕方自体が特殊なので、王道とも言い切れないように思います。第一話は、「エースをねらえ」を基礎としたスポ根ものとして始まるのですが、後半になるとガラッと様相を変えてきていました。
 最終話を見てから、第一話を思い返すと、「こんな話だったっけ?」というような違和感みたいなものを感じてしまうでしょう。一言で言えば、話を徐々にスライドさせていく構成力の上手さなんですが、時間の概念を使っているところにこの作品の特殊性があるのだと思います。

 一気に見ても面白いのですが、個人的には各話ごとに何が描かれていたのかを丁寧に整理したほうが良いように思えます。各話でどんな要素が発生し、何が消されていったのかを見ていくと、この作品の方向性が熱血ものとは違うところにあることが実感できると思います。
 少しずつ変化していくSFの部分と、変わらないアナログ的な部分も非常に面白いので、注目してみてください。

 ロボットやSFの部分を説明できるほどの知識はないので、以下のレビューでは構成と人物に関することだけ書いていきます。


風呂敷の広げ方と畳み方:{netabare}
 この作品は、風呂敷の広げ方とその畳み方が異常に上手いです。
 第一話は、カズミの天才性を否定した上で、ノリコが努力の末に必殺技を会得し、それをもってライバルを倒す、というように綺麗にまとまっています。これは、「努力の大切さ」を軸としたスポ根ものの構造です。
 当初の「努力の大切さ」は、校庭50周や鉄下駄での階段のぼりという肉体的かつ精神的な根性を含んだものとして描かれています。これは、「人間における努力」です。しかし、第一話の後半では、「ロボットにおける努力」へとすり替えられています。ロボットがボクサーさながらに砂浜をトレーニングする姿などがそれです。このすり替えのフラグ自体は、冒頭から描かれている「ロボットの擬人化」にあります。つまり、「人間が努力すればロボットが強くなる」わけですが、「ロボットが擬人化されている」ために、「ロボットが努力すれば良い」となるわけです。ロボットが強くなる様を描いておけば、その裏にある人間の努力を描く必要がない、ということです。スポ根ものとして始まったものをロボ根ものにシフトさせているわけです。

 第二話では、必殺技を使ってくる天才型のライバル、ユングが登場します。スポ根ものを軸としてこの作品を描くのであれば、ノリコ達は、新たな必殺技を努力により会得し、ユングを撃破しなければいけません。ですが、ユングとの決着がつかないばかりか、ユングのライバル属性すら早々に消されます。さらには、第一話で否定した「天才」ゆえの強さを許容してしまっています。
 つまり、第一話では、スポ根ものを意図的にロボ根ものに仕立てておきながら、第二話ではそのロボ根ものを続けること自体を否定しているわけです。風呂敷のたたみ方が非常に速い。
 第三話ではさらに速くなります。オープニングで「男と女のラブゲーム」というカラオケが始まり、実際にノリコとスミスの恋愛が描かれますが、第四話を待たずにこの方向性も否定されます。つまり、恋愛ものへの展開が否定されているわけです。

 第一話で広げた風呂敷を、第二話で早々に畳み、第三話では新たな風呂敷を広げてかつ畳んでいるのが分かります。この流れで第四話に描かれているのは、第一話のやり直しです。

 第四話の冒頭では、仲間から陰口を叩かれるノリコ、ノリコの努力、ライバル(ユング)との戦いまでが短時間に描かれています。この流れは、第一話の流れを圧縮したものです。第一話も第四話も、ノリコが精神的に未熟なところからスタートしていることすら共通しています。ロボットの擬人化のシーンが再度描かれているのも特徴的です。作中内リメイクのようなものです。
 異なるのは、ライバルと戦えなかったことです。戦えなかった理由は、直接的にはノリコのトラウマなのですが、物語の構造上は、ユングがノリコのライバルではなかったからだと思います。カズミはユングに「ノリコをどうしたいの?」と問い詰め、ユングはそれに対して「別に」と答えています。これはライバルでないユングを乗り越えたところで、ノリコの成長は望めないという意味が込められているのでしょう。ノリコの望みは、パイロットになることから乖離し、父やスミスの仇である敵を倒し、カズミに並べるような存在になることへとシフトが完了しています。

 そして、ノリコはガンバスターに乗って、敵を倒しました。最強と称されるガンバスターは強さの象徴ですから、これを手に入れたノリコは、努力とは無縁の存在となります。第一話で提示されたロジックが逆方向から用いられ、「ガンバスターは強い」から「ノリコは強い」と言い換えられるわけです。強くなるためには努力が必要ですが、強くなってしまうと努力の必要性がなくなってしまうのです。これ以後、ノリコが努力をするシーンは出てこなくなります。

 以降で描かれるのは、第一話から第四話までの話とは全く違う話です。第四話は、第一話をリメイクする形で目的の全てを達成していますから、一般的な作品であれば最終回と同等のポジションに位置しています。一方で、第五話と最終話では、ノリコのポジションは強いものとして固定されています。この概念にカズミが到達するまでの物語となります。
{/netabare}

ノリコとカズミ:{netabare}
 ノリコの対比先はカズミです。ノリコとカズミの精神的な強さの差が、二人の時間の乖離の中で表現されています。

 ノリコは、先輩であるカズミを「お姉さま」と読んでいます。ノリコとカズミは、第二話で他の乗組員と6ヶ月のズレが生じますが、ノリコとカズミの間にズレは生じていません。このノリコがカズミを「お姉さま」と見る関係性は、ノリコが第四話で敵を倒すまで継続されます。

 第五話の冒頭で、地球との10年の乖離が語られます。ここでも二人は同時にズレていますから、「お姉さま」であることは変わらないはずでした。しかし、ここで描かれているのは年齢差があるはずの二人に同時に訪れた「卒業式」です。二人が同時に卒業を迎えることで、トラウマを克服し戦えるようになったノリコが、カズミと同等の位置まで到達しているということが表現されています。正確に言うならば、ガンバスターを手に入れたノリコは、カズミの上位概念へと到達しています。ある意味ノリコにとっては、カズミからの卒業式でもあるわけです。
 このあとで語られるのは、カズミの弱さです。後輩であるノリコに対して弱さを見せてこなかったカズミが、自分の上位の存在であるノリコに対しては弱さを見せるようになりました。ノリコとカズミの関係が逆転しているわけです。

 ここでもう一人対比される人物が登場します。子供を持ったキミコです。キミコは、自分の子供であるタカミに「未来を見せたい」とノリコに言っています。
 繰り返しますが、ノリコはガンバスターのパイロットとして、努力の果てにある「強さの象徴」へと到達しています。この象徴化の弊害として、努力と成長から隔離された「永遠の少女」にも固定されてしまっているということを忘れてはいけません。
 キミコの「未来を見せたい」という願望は、「強さにすがる弱きもの」であると同時に「成長できる弱きもの」という二面性を有しているのです。弱きものの象徴である子供のタカミは、未来を見ることができるのです。ノリコは「強きもの」になってしまったがゆえに「成長」から取り残され、未来を見れなくなってしまいました。この置き去り現象は最後まで変わりません。

 最終話では、15年が経過した後になります。この15年は、ノリコは固定されたままに、カズミが年をとった15年です。
 カズミは生徒たちからコーチと慕われています。大きくなったタカミからも慕われています。これが意味するところは、象徴として固定化されていなければ、自身が成長し、かつ他者の成長を見守ることができるということです。未来に向かって歩く側にいれるのです。
 ノリコとユングはガンバスターのパイロットとして到達「点」に固定化されています。ここに固定されているために、これらの「経過」を見れなくなってしまっています。
 ノリコはタカミからのメッセージを受け取って泣いています。この涙は懐かしさだけではありません。ノリコ自身の時間の経過を踏まえたとしても、タカミはノリコと同世代になってしまっているのでしょう。ノリコの涙は、四ヶ月しか高校生活を経験していないままに高校を卒業し、六ヶ月しか経っていないのに友人の子供が自分と同世代になってしまったという、、取り残された涙だと思います。このシーンの前では、艦長が人類の進歩に驚いたセリフがありますが、こちらも置き去りにされた側の発言で、ノリコの実情を補強するものです。

 このタカミのメッセージというのは、おそらく写真というべきものでしょう。このタイプの写真は二回出てきます。一回目は、ノリコが父に送ったもので、二回目はタカミ(キミコ)がノリコに送ったものです。これらに違いは作中で非常に効いていました。
 一点目は、人類の進歩の表現としてです。一回目は動画、二回目は立体動画になっています。艦長と同じように、ノリコも人類の進歩をおそらく感じたことでしょう。
 二点目は、子供から親へのメッセージです。一回目は言わずもがなですが、二回目は、タカミから自分の母の同級生であるノリコおばちゃんに宛てたものです。地球時間上では、親になっていてもおかしくない年月が経っているのに、受け取っているのは少女のままのノリコでした。
 いずれも置いて行かれたノリコを表現しています。

 ノリコはカズミのことを「お姉さま」と呼ぶことに戸惑っています。これは、相手が「お姉さまと呼ぶには相応しくないくらいに年を取っている」というよりは、「自分よりも下位の存在をお姉さまと呼べない」ということのほうが正しいと思います。カズミが「今まで通りでいい」というのは、ノリコと同じポジションに立つためにこの計画に志願したためです。

 カズミとユングはパイロットを交代しました。これにより、ユングは未来を作っていく側に回帰し、カズミは固定化される側になりました。結果、ノリコとカズミは一万二千年後という「経過」を飛ばした「点」に到達するしかなくなりました。この一万二千年後は二つの事柄を指します。
 一つ目は、カズミとノリコの時間差の圧縮です。カズミは、地上で15年を過ごすことで、結婚生活を送り、自身がコーチとして成長し、また生徒たちの成長を見守ることができましたが、象徴化されるまでには至っていませんでした。ガンバスターのパイロットになることで、象徴化へと至るわけですが、ノリコに先んじた15年という時間を消すことはできません。ですが、一万二千年という膨大な時間を二人にスキップさせることで、この15年という差が相対的に縮小化されています。つまり、20歳手前のノリコも、30歳過ぎのカズミも、一万二千年という時間の前では、大差がないということです。
 二つ目は、ノリコとカズミの孤立化です。「オカエリナサイ」というメッセージが地表に浮かんでいますが、このうち「イ」の部分が反転しています。これは、単純ミスの類ではなく、カタカナすら再現できない時代になっている、つまり、日本語自体が古典になるほど時間が経過していることを意味しているのだと思われます。「沖縄が確認できない」というセリフから、日本自体がなくなっている可能性すら考えられます。つまり、英雄として帰還する二人を迎えてくれるのは、見知った人も土地もないという極めて孤独な場所なのです。

 この時間差の圧縮と孤立化により、ノリコとカズミは同じ概念を共有しすることとなり、カズミはノリコに追いつくことができた、というわけです。
{/netabare}

 この作品は、物語の序盤では努力の大切さを謳っておきながら、終盤に至ると努力の到達点における孤独が描かれるなど、一般的な作品とは異なる視点を持っていました。エンディングはかなり泣けるのですが、冷静に見てみると非常に残酷な物語であったと思います。この残酷さは、宇宙を舞台にした作品でありながら、軸足は地球から離さなかったことによる、この作品自体の意図的な歪みからもたらされたものだと言えます。序盤の熱血もののような雰囲気から見ると、非常に落差の大きい作品でした。


対象年齢等:
 高校生以上の男性ですかね?テーマ的には性別を選ぶとは思えないのですが、無駄なサービスシーンが結構多いので、女性は倦厭するかもしれません。気にさえしなければ楽しめると思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

普段の日常生活とは全くかけ離れたデカいスケールの「ものさし」。(7年ぶりに追記あり)

タイトルは明らかに「エースをねらえ!」のパロですよね。
実際、1話ではいろいろ遊び心たっぷりな明るくかつシュールな話になっていますが、
1度最終話(6話)まで見終えてから見ると、1話冒頭でもいきなり涙あふれてしまいます。

さっきひさびさにレビュー書き直そうと思って2話まで見返してたのですが、
2話まで見た時点で、もう既に涙ボロボロになってしまいました・・(TдT) 。

もし、パロディっぽい感?がイヤで敬遠して見ていない方がいるならば
だまされたと思って1度ぜひ視聴してみてください。
話数も6話と短いので、時間のない方でもサクッと見れて、なおかつ感動できるハズです!!。
自分はDVDBOX持っているのに、BDBOXも買ってしまった者です。

ロボットもののくくり?として、今自分が人に最も自信を持ってすすめられるアニメです。
自分は実際はロボットが出てようが出てまいが全く関係なくて、
ストーリーや登場キャラに共感して感動できればどんなジャンルの作品でもいいんです^^。
今作品は、あえてジャンルは?と聞かれたら、SF・友情・感動ものといったところかな?。


普段の日常生活とは全くかけ離れたデカいスケールの「ものさし」で、
今の自分ってどうなの??って思わせてくれるアニメです。

よく空を見上げたり、すごく高いところから景色を見下ろして
「自分ってなんて小さい存在で、世界はどれだけ大きいことか」と思うことがありますが、
今作品では、そのスケールがさらに無限の宇宙の広さだったり、
失ってしまったら永遠に取り戻せない程大きな時間の壁だったりします。

失ってしまう恐怖、不安、悲しみ。
取り返せない時間、人とのつながり。


やっぱり最終話のことを思い返してしまうだけで涙がどんどんどんどんx∞出てきてしまいます。

自分にとって庵野監督の作品といえば、まちがいなく今作品です。
あと酒井さんの歌も今作品に合っていて、何気にかなり好きなんですよね♪。


「トップをねらえ!」単品作品でも十分楽しめますが、
「トップをねらえ!2」も最後まで見ていただけると、さらなるでっかい満足が待っていることと思います!!。


1人でも多くの方に知って味わってほしい作品ですね(∩.∩)/。


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7年ぶり?にレビュー追記です^^。

このコロナ禍で世の中の先行きが不安な中
まさかの本作劇場公開のお知らせ!!!!!。
これにはホンっト勇気付けられますね~。激・胸アツです!!。


それだけにとどまらず、さらにさらに!

岡田斗司夫ゼミで本作について語られるなんて!!!(驚愕っ)

1,3,5話は無料コンテンツですが
2,4,6話は会員限定(有料)コンテンツなのですね。

こんな機会がまさか令和になって訪れてしまうのであれば
もう当然、これ見たさだけに会員限定有料コンテンツ登録しちゃいましたw!!。
 (SHIROBAKO解説も継続中で、こちらも最高!!!。必見です!!)

たしかに現在のゼミ生の方々の大半は本作未見なのかもしれませんが
それでも本作の影響の大きさ・偉大さを考えれば

1話10分程度・・ってのは短すぎじゃないかなあ・・・・。
個人的には1話につき1時間以上かけてほしかったです!!!。

でも、それでもやはり製作の中心で携わっておられた方の裏話が聞けるというだけで
やっぱ結果的には大大満足させられてしまいました!!!。
感謝感謝ですね。

岡田さんが心底楽しそうに話しておられた姿が、やはり一番の収穫でした。
(こちらも笑顔にさせていただきました^^)


2点だけ、個人的に言わせてほしいことがありますw。


それは、例の合体シーンで使用された「♪fly high」。
まさか、そんな経緯の曲とはwww。

でも、自分にとってあれほど響いた楽曲は、他にはなかなか見つかりません。

岡田さんは「へにゃへにゃの~(以下略)」と語っておられましたが
たしかに立場が逆だったのかもしれませんが
それは表裏一体のものであり
その時点でどっちがどっちかなんて関係ないんです!!。
あっちが基本形なので、視聴者的にはあれでいいんです!!!。


それと、5話ラストのノリコのセリフが変だという指摘ですが

たしかにノリコが目の前の人物に対して発した言葉であるのならば
それはたしかに頭お〇しいのかもしれませんが
あれはその場にいない、もしくはもうこの世にすらいない大切な人々に対して
ノリコがココロの中で報告した場面なので
何の違和感も問題もなく
見事に成立してる名セリフなのだと思います!!。
日高さんの感情込め方が素晴らしく
本当に本当に胸をうたれたセリフでした^^。


ああ~、全然書ききれないけど
とりあえず取り急ぎ、これだけは書いておきたかったw。

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さらに追記。

レビュー追記ついでに、5話・6話を再視聴したのですが
もうずっと泣きっぱなしでした。。

やっぱキミ子とユングの描かれ方が素晴らしすぎます!!!!!。

キャラデザの美樹本晴彦様も素晴らしすぎます!!!!!。
とにかくキャラの瞳が多くを語っていて最高!!!。


岡田さんも、これほどの作品を作り終えたのであれば
その達成感はとてつもなかったことでしょう。


今、この時代になってもなお時空を超え続ける本作品に
めぐりあえて本当に幸せでした♪。

もし未見の方が多くいらっしゃるのであれば
ぜひとも何らかの形で本作を視聴されることを、切に切におすすめしたいです^^。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 33

kororin さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『イナーシャルキャンセラー全開・・・よーし、やってみる!!』「死ぬ気?!」「うっ!」「やめてぇぇぇ!」  『パパ、スミス・・・私を守って。』

光速を突破したした宇宙船を作り出した人類は星々を食いつくす宇宙怪獣群体と遭遇。地球人類の存亡をかけて「時」を越える戦いが始まった・・・・


発表(発売)当時、1巻2話収録のOVA3巻全6話作品。
今更どうこういうモノでもない高評価作品ですが、「ロボットオタク(スパロボ系)」なら『一度』は見ておかなければならない『聖典』です。(大層かな?)

本作は色々と逸話のある代物。
・発表された時分は「世間」では全然騒がれてなかったけど、オタクの内々では注目株だった「庵野秀明」氏の初監督ということで期待があったということ。(今じゃもう・・・ネェ)
・その仕事ぶりは当時のチープワンパターンな他作品と比べて「どこか一味違う・こだわりが面白い」というもので(オタクの内々では)定評がありました。
・当時の宣伝コピーは「『トッ〇ガン(ト〇・ク〇ーズの出世作)』と『エースをねらえ!』が一つになった!」というふれこみでしたが、
庵野監督は「エースをねらえ!」は見ていても「トッ〇ガン」は一度も見たことがなかったそうで、本作を見て判るように「エースをねらえ!」の特色が濃厚に出ていますね。
・主題歌は「酒井法子(ノリピー)」、主人公は「タカヤ・ノリコ」、中の人は「日高のり子」と、何かと『ノリコ』づくしなアニメ。
・「トップ」を狙うつもりはなかったのに、口コミ定評でOVAビデオ(VHS)の売上(アニメ部門)も「トップ」になったとか、ならなかったとか・・・etc、etc
・キャラ設定は「超時空要塞マクロス」でお馴染み、「目」が特徴的なキャラの「美樹本晴彦」氏。

SF考証も世界観も、古典SFの引用・1960年代の人間が創造したような未来。1988年に発表された当時から見て所謂「レトロフューチャー」な世界。
・宇宙空間も「真空」ではなく「エーテル」で満たされいるという設定。小難しい物理用語が多数出てきますが、これで宇宙物理学や古典SFに興味を持った人も少なからず多かったのでは? 私?私はサラっと流しましたヨ(笑)ウラシマ・エフェクトは多少判りましたが・・・
(後の太陽フレアが原因で発生したプラズマ雲「ゲドゥルトの海」に覆われた宇宙空間を漂流するハメになった少年少女の葛藤物語『無限のリヴァイアス』なんかを思い出します)
・敵対する「宇宙怪獣」も今まで我々が認識する動物の様な形態概念ではなく知性は無い様で生体本能のみで活動する「デッカイ珊瑚」のようなモノ(最小でも数十メートルの多足昆虫型のモノもある)。そんなモノが数えきれない群体で(体当たりで)襲ってきたらもう・・・ヤッパリ怖い!
・対する人類は「マシーン兵器」と呼ばれる「8m程のロボット」で対抗準備。日々特訓の続くノリコ達。しかしこのマシーン兵器(RXシリーズ)、恐ろしく視界が悪い上にアナログな計器類を読み取ってと勘と予測で動かす効率の悪い兵器。最大の立役者「ガンバスター」が出るまでの「かませ犬」みたいな存在でした(笑)

ドラマの方は主人公・ノリコの(戦いと)成長の物語。
憧れの先輩お姉さま「アマノ・カズミ」、トップ部隊に選抜し冷徹な猛特訓を強いるが信頼厚い「(オオタ)コーチ」、ライバル「ユング・フロイト」、地球に残した親友「ヒグチ・キミコ(名前の由来は周知の通り)」、華と散った初恋の相手「スミス・トーレン(ヤぁってやるぜ!)」、
様々な人と出会い、別れ、時間のズレた世界で再会したりして、ノリコは人類の運命を背負う覚悟を決める!
所々に庵野監督が気いった邦画の演出(「パクリ」じゃないよ「引用」だよ)が使われてたり、庵野監督が好きそうなオマージュがあったりと、思わずニヤリとしてしまったらあなたは間違いなく『オタク』です。

初めて見る方はチョット地味目なストーリーが淡々と続いて飽きるかもしれませんが、とにかく4話「発進!! 未完の最終兵器!」迄は我慢して、我慢して、我慢して~~見て欲しいものです。一気に目が覚めると思いますから。
それで本作を見直す(チョイと気に入った)気になれば後は怒涛の第5・6話に引き込まれることでしょう。

特に第5話「お願い!! 愛に時間を!」は・・・緊迫するドラマと早い展開もさることながら、スパロボ好きには鳥肌が起つ演出!今までの地味目な伏線を吹っ飛ばすような勢いです。(テーマ曲が流れる「アノ」シーンの虜になった人は多いハズ!)
そして第6話「果てし無き、流れのはてに…」は・・・スペクタクル大河ドラマの雰囲気を醸し出した構成。ワザと画面を「アレ」にして最後に・・・・もう涙と鼻水無しにはいられない締め方です。

とにかく「面白く見せる(エンターテイメント)」という意味で「伝説」、又は「教典(大袈裟?)」的な作品だと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

66.9 10 コミカルアニメランキング10位
アナと雪の女王(アニメ映画)

2014年3月14日
★★★★☆ 3.9 (401)
2280人が棚に入れました
運命に引き裂かれた王家の美しい姉妹、エルサとアナ──触れるものを凍らせる“秘密の力"を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を凍てつく冬の世界に変えてしまう。妹のアナは、逃亡した姉と王国を救うため、山男のクリストフとその相棒のトナカイのスヴェン、“夏に憧れる雪だるま"のオラフと共に雪山の奥深くへと旅に出る。アナの思いは凍った世界を溶かすことができるのか? すべての鍵を握るのは、“真実の愛"…。

声優・キャラクター
イディナ・メンゼル、クリステン・ベル、ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、ジョナサン・グロフ
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

人気が出たから好きなわけではないです。低評価の人にありがちな誤解。

2016.12.23加筆

好き嫌いは人それぞれなので個人の評価をどうこう言うつもりはないですが、アナ雪は単純なストーリーなのに意外と理解されていないと思うことがあります。
批評するなら最低限以下のことは理解しておいて欲しいです。(伝わらないから駄目と言うのも評価のうちですが)

1.姉妹愛の物語
2.主人公はアナ
3.エルサの魔法を解いたのもアナ

{netabare}レリゴーがヒットし過ぎたせいか、そこに社会的な意義を見出そうとする人が多く、女性の自立だとか、マイノリティーからの脱却とかさらにはレズビアンまでorz。考察するのは自由ですが、間違った視点に拘っていると、メインのテーマが見えなくなってしまいます。この映画は最初から最後まで『姉妹愛』がテーマです。男女の恋愛でもなく姉妹愛。単純なテーマのようで、とても深い話だと思います。ディズニーで『真実の愛』とか言っちゃうと「王子様からのキスね!」と安易に考えてしまいがちですが、この作品は既成観念を覆しました。それは姉妹だからということではなくて、愛は求めるものではなく与えるものであるというメッセージを物語中に込めたのてす。
物語の前半では、愛情に飢えたアナがそれを求め、でも大好きな姉には受け入れて貰えず(舞踏会のシーン)、代わりに会ったばかりのハンスに愛情を求めます。自分が幸せになりたかったから。(自己愛)でも、終盤のエルサが殺されそうになるシーンでは、自らの命を投げ打って彼女を助けます。(無償の愛)例え姉が自分を見てくれなくても、自分の命や幸せよりも姉を守りたかった。見返りを求めず、エルサを守ったその姿こそ真実の愛でした。魔法を解いたのは、エルサではなくアナ自身です。
あえて男女の恋愛を選ばなかったのは、普遍的なものとして愛を描くためだと思います。(恋愛と愛は似ているようで大きく異なるので、男女だとこの違いが見えにくい気はします。)
{/netabare}

4.ハンスは心を映す鏡(説)
5.オラフは姉妹の幼い頃の思い出

{netabare}アナ雪はスタッフが皆でアイデアを出し合って、そこから不要なものを削ぎ落とし出来上がった作品だそうです。物語に深みがない?私は細部までよく練られた作品だと思っています。
意味のない描写がほとんどないのです。大半の描写は姉妹の関係に繋がります。

ハンスとの恋愛も姉妹の関係に繋がる話です。アナはエルサと仲良くしたいのにそれが叶わず愛情に飢えていた。エルサの代わりに自分を愛してくれる存在を求めたのです。だからハンスとは最初から本当の愛ではなかった。
ハンスとのやり取りは一見ただのラブコメに見えますが、ハンスが鏡の役割だと考えると、アナの孤独や積年の思いが見えてきます。

オラフは姉妹の幼い頃の思い出です。そして、それを作ったエルサの思いがオラフに宿っていると考えると、オラフがアナを大好きなのも、夏に憧れているのも納得がいきます。
オラフは言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」その台詞はまさにこの物語のテーマであり、彼がただの愛玩キャラクターでないことが分かります。

トロールの歌も、一見アナとクリストフの歌に見えますが、実際はアナとエルサの関係を示唆する歌になっています。(アナの表情を見ていると、トロールの言葉に真剣に聞き入っているのが分かります)

ラブコメがないわけではないですが、メインテーマではないので。ラブコメを期待していた層(若年層が多い?)は姉妹愛の結末にガッカリしたようです。
一応ラストはディズニーらしいラブコメハッピーエンドでしたが、アナ自身はまだ恋愛のことよく分かっていなさそうです。クリストフのことは好きだと思いますが、これからかな。まあ、彼が誠実な人なので、アナを大事にしてくれるでしょう。

男キャラが活躍してないと不満に思う人もいるようです。
キスしてお姫様を助けた方が格好良かったでしょうか?見せ場がないからつまらない?

でも、アナのために吹雪の中駆け付けたクリストフは勇敢だったし、抱き合う姉妹をそっと見守り心から喜んでいた姿はとても誠実に見えました。
{/netabare}



以下は2016.06.19のレビュー内容

アナ雪は人気が出過ぎた反動か、過度に拒絶反応を示す人も多く、従来のディズニーアニメではありえないほど叩かれていたと思います。
否定派の人は、歌が良いだけでストーリーがスカスカだとか、ブームに乗せられてるだけだとか、言いたい放題で自分の考えが全てみたいな論調ですが、それこそブームに踊らされてニュートラルな見方が出来なくなっているのではないでしょうか?

好みは人それぞれなので、この作品が肌に合わないと言うなら納得しますが、こんなに持ち上げられているのはおかしい、○○の方が面白いのに!という論点でのレビューは意味がないと思います。

私は、アナ雪はブームになる前にCMでエルサが歌うシーンを見て、このシーンが観たい!という思いで劇場に足を運びました。実際、そのシーンだけでも観に行く価値はあると思っています。なので、歌が大きな魅力であることは否定しませんが、それだけではありません。ストーリー含めて予想以上に良かったので、生まれて初めてリピートしてしまいました。近くの劇場で3D上映がなかったことだけが悔やまれます。

というわけで、今更のアナ雪レビューです。
書きたいことが沢山ありすぎて、上手くまとめられそうにないので箇条書きで。
尚、今更ネタバレ気にすることもない気がしますが、長いので所々ネタバレタグを付けました。



1.主人公はアナかエルサか?

レリゴーのイメージが強いのと、序盤は自分の力に苦悩するエルサに共感しやすいので勘違いされがちですが、『アナと雪の女王』なんですよね。主人公はアナの方です。

{netabare}エルサだけに感情移入してアナを見ると、何も知らないくせに!と腹が立つでしょうし、ただの自分本位な尻軽女にしか見えないかもしれません。
主人公はこうあるべき!みたいな理想が強い人ほどアナというキャラクターを受け付けないのかもしれませんが、アナの心情を理解しないと物語の真意は汲み取れないと思います。

私はわりと駄目な子の行動を追うのが好きなのですが、何故彼女が間違ってしまったのか?を考えながら物語を眺めると色々なことが見えてきたりします。すごくリアルなんですよね。(ファンタジーなのにリアルはおかしいと言われるかもしれませんが)心の動きにリアリティを感じました。もちろん、私自身同じ経験をしたわけではないので、実際にそうなのかはわかりません。でも、十二分に心に響くものがありました。

アナ雪はアナに共感出来るかどうかで評価が変わってくると思います。ストーリー自体は単純な作りなので(むしろいらないものを省けるだけ省いて重要な要素だけ残した)、入り組んだ難解なストーリーを好む人には物足りないかもしれません。
あと、歌もストーリーの一部であり、キャラクターの心情や物語の真意が隠されていたりするので、そこを見逃してしまうと肝心なものが見えなくなってしまうと思います。(日本語訳は若干誤解されやすい表現になっています)
この作品はキャラクターの心情の掘り下げと演出が素晴らしいので、物語の表面だけでなくキャラクターの心情をしっかり追って見て欲しいと思います。
{/netabare}


2.『ありのままで』の意味するところ

日本語版の歌詞がポジティブで希望に満ちたイメージを持っているせいか、マイノリティの自立とか抑圧からの解放みたいなニュアンスで解釈する人が多い気がします。確かに、あの時のエルサにはそういう思いもあると思うので決して間違いではないでしょうし、私自身もエルサの悲しみ苦しみには共感しました。
でも、

{netabare}原語の方はもっと投げ遣りな歌詞で、最後の扉の演出が示唆するように、引き篭もってしまっただけなんですよね。エルサ自身はありのままに生きる!と思っていても、結局は現実(社会)から逃げているだけ。(あくまでも物語の意図として)本当の幸せはそこにはない。エルサ自身が乗り越えていかなければならない壁なんです。
{/netabare}


3.何故アナは間違ってしまったのか

アナはディズニー主人公らしく明るく元気な性格なので、心に抱える闇の部分が分かりにくいかもしれません。

{netabare}仲の良かった姉に突然避けられ、閉ざされた城の中で13年間。両親は姉に掛かりっきりだったでしょうし、話し相手もいなかったように思います。リアルに考えたら、もっと暗く歪んだ性格になってもおかしくありません。流石にそこまで鬱々した物語にはしませんでしたが。
アナはエルサが何故自分を避けているかも知らないんです。でも、幼い頃優しかった姉のことをずっと思っていました。(この心の闇は相当深いはずです。)

そんなある日両親が不慮の事故で亡くなり(この辺はかなり端折られています)、姉と二人きり。でも、相変わらず姉は引き篭もっていて…

戴冠式の日、久しぶりに城の門が開き、アナは希望に胸を躍らせます。恋に恋する乙女にも見えますし、エルサの苦悩を知らない能天気な妹に見えるかもしれません。
この映画では所々で扉の演出が効果的に使われています。エルサが心を閉ざす演出だったり、鬱屈した日々の終わりを告げる演出だったり。そこにも注目して欲しいところ。

この時は、アナは一人ぼっちの日々が終わると信じていたんですよね。また姉と一緒に暮らせると。でも、久しぶりに姉と交わした会話で彼女の期待は打ち砕かれました。(ここも日本語訳は若干伝わりにくいです)
エルサはアナの結婚を反対しました。当然です。でも、アナから見れば、姉には避けられるし結婚には反対される、自分が孤独から抜け出す道も閉ざされてしまう。挙句の果てに出て行けと言われる。アナにはエルサが自分を拒絶する本当の理由も分かりません。アナは姉に受け入れて貰えない悲しみと失意のまま広間を飛び出します。本当は姉と一緒にいたいだけなのに。

そこに現れたのがハンスです。ハンスとのデュエットシーンや後の台詞でも分かりますが、アナは愛情に飢えていました。姉と仲良くしたいのに受け入れてもらえない。そして、戴冠式が終わればまた一人ぼっちになってしまう。そんなのは嫌だと。だからハンスに愛情を求めたのだと思います。ハンスもアナと似たような境遇の持ち主でした。互いに傷を舐め合う相手として意気投合したのだと思います。(実際はこの時点でハンスには腹積りがあったようです)

アナの選択は浅はかですが、彼女の心情を思うと同情せずにはいられません。ハンスとの結婚については作中でも散々否定的に描かれていました。(それでも期待していた人は多いようですが)
{/netabare}


4.ハンスの役割と心変わり

以前どこかのサイトで、ハンスは心を映し出す鏡としての役割があるという考察を読みました。

{netabare}デュエットシーンはまさにそれですよね。姉と仲良くしたいのに自分を見てくれない。誰かに愛されたい。寂しい二つの心は瓜二つ。ハンスの存在はアナの寂しい心そのものを映し出していました。

一方では一人のキャラクターとしてのハンスの心情が分かり辛かったというのはあります。本人の台詞から察すると、最初から王位に就きたくてアナに近付いたようです。具体策はないものの、いつかエルサから王位継承権を奪おうと機を伺うつもりだったのだと思います。
エルサが城を出た後、アナの代わりに城を守っていました。この時の彼はアナの伴侶として国を守るつもりでいたと思います。(彼にとっても利害一致しているので)人々を守ろうとする彼の姿は誠実で、家臣達も信頼のおける人物だと思ったことでしょう。
でも、エルサを確保し、凍り付きかけたアナが戻って来た時に転機が訪れました。家臣に「もしもアナ王女に何かあったらあなただけが頼りだ」と言われ、ハンスの心に悪魔が宿ります。
ハンスが王位を得るためにアナはそこまで邪魔ではなかったと思いますが、エルサがいる限りハンスの思惑通りに事を進めるのは難しそうです。エルサを殺すにしても、アナにその事実を知られるわけにはいきません。姉妹のどちらか一人を殺すよりも、二人とも死んでもらう方が確実ですし、アナが死に掛けているこの機を逃すまいと思ったのでしょう。
{/netabare}


5.オラフは良キャラか?

否定派の中でもオラフだけは良キャラだと言う人がいます。マスコット的な場を和ますためのキャラと言うこと?でも、私はもっと重要な意味を持つキャラクターだと思っています。

{netabare}オラフは幼い頃の仲良し姉妹の象徴であり、エルサの心そのものだと思います。「ぎゅっと抱き締めて!」と言ったのも、夏に憧れているのも、アナが大好きなのも、エルサ自身が作ったものだからと思うと見方が変わってきませんか?
{/netabare}


6.愛か恋か

以前、別件で考察したことがあるのですが、恋愛は自己愛に近いものだと思います。相手への欲求(相手から愛されたい)を満たすことが最大の目的になっている。それに対して、愛は与えるもの。(無償の愛)

{netabare}オラフが言うように、「愛とは自分より相手のためを思うこと。」簡単なようでいて難しいことです。
恋愛も美しいのですが、より尊いのが愛だと思っています。そして、愛というのは性別や年齢関係なく誰にでも向けられるものです。

物語の前半アナはずっと姉の愛情が欲しくて、でもそれが叶わず寂しさを埋めるためにハンスに愛情を求めます。(自己愛)でも、やっぱり城を飛び出した姉が放っておけなくて追い掛けます。山を登りながら、「言ってくれれば良かったのに。本当嫌になっちゃう。」と苦笑いします。愚痴のような台詞ですが、自分の行為が姉を追い詰めてしまったこと、そして一人でずっと苦しんでいた姉の辛さを知り、もっと早く教えてくれれば一緒に問題を解決出来たかもしれないのにという後悔の念を感じました。
人々はエルサの力を怖れますが、アナだけは違いました。怖れるものは何もない。だって姉なのだから。エルサの力になりたい、また一緒に仲良く暮らしたいという思いに突き動かされて彼女の後を追います。
でも、アナが思っていた以上に事態は深刻で、エルサの力を止めることは出来ませんでした。

傷付き城に戻ったアナはハンスにまで裏切られ、自分の考えが甘かったことを思い知らされます。彼の愛は真実の愛などではなかった。
「愛が何なのかもわからないのに。」とつぶやくアナにオラフが言います。「愛とは自分より相手のためを思うこと。」それは溶けても良いからアナのそばにいたいと言うオラフの行動であり、アナの望みを優先してハンスのところに行かせたクリストフの選択でした。
仮に、ハンスとキスしたとしてもアナは助からなかったでしょう。アナ自身の中にハンスへの愛がないのだから。

アナは死の瀬戸際で姉の危機を知り、自分の命と姉を天秤にかけます。それまで自己愛でしかなかったアナがエルサのために自分の身を捧げた、その行為こそが真実の愛であり、自らを救う結果となりました。(勘違いしている人もいるようですが、エルサの魔法を解いたのはアナ自身の行動です。)
たとえエルサが振り向いてくれなくても彼女を守りたい。エルサのことが大好きだから。その思いはとても尊く見えました。
{/netabare}


7.王子役不在

ここまでの考察で分かると思いますが、この作品は姉妹愛がテーマになっています。男女の恋愛ではありません。(ましてや同性愛とか論外)

{netabare}一応恋の話もありますが、ハンスとの恋は姉への欲求が歪んだものでした。
この作品ではアナが従来の王子のような役回りをしています。白馬に跨りエルサのところに向かうアナはまるで王子のように勇敢でした。
{/netabare}


8.クリストフは損な役回りなのか

{netabare}終盤の城のシーン、クリストフはアナのために危険を顧みず駆け付けたのに、美味しい場面は姉妹に持っていかれてしまいました。従来のディズニーアニメならここは二人のキスでハッピーエンドの場面かもしれません。でも、この物語はそれでは駄目なのでしょう。アナ自身の愛の変化(自己愛→無償の愛)がキーになっていますから。

クリストフは抱き合う姉妹を見て一瞬困ったように笑みを向けます。でも、アナのことを思うからこそ心から喜んでいたと思います。美味しいところで活躍出来なくても、彼の誠実さはしっかり描かれていますし、キャラクターの格好良さは華々しいシーンがあったかどうかだけで決まるものではないと思います。クリストフはとても勇敢で格好良かったと思います。

ラストのキスは彼にとってはご褒美でしょうか。いつものディズニーっぽさの演出(大団円)だと思います。
でも、アナはまだ恋愛についてはよく分かっていないんじゃないかと思ったりもします。好意は持っていると思いますが。ても、クリストフが誠実な人なので上手くリードしてくれることでしょう。
{/netabare}


9.トロールの歌

トロールの歌もクリストフとアナではなくて、物語的にはアナとエルサに掛かっていました。

{netabare}孤独に暮らしているのは愛されたいから、とか、怯えていると道見失う、でも愛さえあれば最高の道選べる。誰もが完璧じゃない。それを補うために必要なのが真実の愛だと。アナの表情をよく見ていると、この歌の持つ意味が分かります。
{/netabare}


10.余談

一時期のテレビでの持ち上げっぷりには流石に私もうんざりしていました。それこそ人気作に便乗して視聴率を取りたいだけ。面白くもない芸人のネタもうんざり。作品に対するリスペクトなんて一切感じられませんでした。

それはともかく、アナ雪は良くも悪くも色々な方面に影響を与えました。アニメにもアナ雪の影響は波及しています。実は私の一押しアニメの『レディジュエルペット』がアナ雪精神を踏襲しています。演出も似た部分があり(おそらく意図的)、私自身最初は嫌悪感を抱いたのですが、いつの間にかのめり込んでいました。アナ雪の愛の考え方を踏まえつつその遥か先へ行ってしまった印象です。アナ雪ではあまり描かれなかった男女の愛はもちろん、様々な形の愛がこれでもかと描かれていたので、アナ雪絶賛する自分がはまるのは当然の結果かも。是非こちらも観て欲しいです。(ステマ失礼しました)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

True Love is ...

2D字幕版で観ました。
予想外に良かったです!素晴らしい!すっごい泣いてしまったよ!
いや、泣いたっていってもアレだよ?涙がぼろぼろこぼれただけだから!!!

宣伝などでもお分かりになる通り本作ではキャラクターがよく動き、よく歌います。
走ったり、跳んだり!顔の表情だけを観ていても目が追いつきません。
非常に立体的な映像です。奥行きがあり、遠近感がはっきりと表れています。
まるで実際にアニメーションの世界の中にカメラを持っていって撮ってきたもののように思えます。

映像美で言えば短編映画を3Dで観たら声が出るくらい感動したんじゃないかなと思います。
もちろん本編も良かったのだけれどこっちもこっちで虚を突かれます。

歌はとにかくすごい!実際にミュージカルを観ているような気さえしてきます。
台詞からちょっとずつ歌に入っていく感じが上手で、台詞を言うように歌を歌い、歌うように高らかに台詞を言う。
そんな演技の良さが全面にスクリーンいっぱいに広がっています。
どうしてもこればかりは素晴らしいの一言に尽きてしまうのが歯がゆい!実際に観てほしい!

ストーリーの方もよく考えられています。骨組みがしっかりしていて文句の付けどころがありません。
安易でなく、逃げもなく、堂々たる出来でした。ラストに向かえば向かうほどそれがより実感できます。

この作品は歌がたくさん挿入されているせいか、僕は観ていて時間感覚を失いましたw
今ストーリーのどの辺だろうとか、あとどんくらいだろうなど思いつかないほどにこの世界に夢中でした。
でも決して時間が早く経つわけでもないのです。たった100分なのにすごおく引き伸ばされた時間の瓶の中にいたようでした。
それが僕は不思議でした(笑)

{netabare}

物語はとても良い出来でした。それは映像にもはっきりと見てとれました。
雪山に入ったアナとクリストフ、スヴェン、オラフの息が白くありませんでした。
町の人間たちは息が白いのです。彼らは雪山に登っても白いままです。

姉妹の決別を視覚的に、または比喩的にも示したのはエルサが川を渡ったところでした。
これが今回の物語の、非現実への「入り口」となりました。
アリスは穴へ落ちて薬を飲みました。千尋はトンネルを抜けました。漫画でのナウシカは心の中の風景をそれとしました。
今回の「入り口」は地を隔てる川でした。そこを越えると山は言わば、エルサの心の中なのです。
ここはエルサの思い通りになる世界です。
空中に階段を作ることも、雪だるまが動くことも、雪の巨人が人を襲うことが起こっても不思議ではありません。
そして正式な招待を受けることができたのは、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフの4人です。
エルサにコミットできるのは初めからこの4人だけだったのです。
他の人たちの息が白く、彼らの息が白くなかったのはそこをはっきりとさせるためにあったと思います。

では「出口」は?
出口の無い物語ほど悲惨なものはありません。救いがないし、無意味だ。
あえて言うならば「True Love」です。

エルサがアナと別れ、山に城を築く際に求めたのは
"No right, no wrong, no rules for me, I'm free!"
「善悪なんて私にとっては意味を持たない。私は自由なんだから。」意訳ですがこういうことでした。
こどもの頃はそれをアナと遊びにも使っていた魔法がそのときでさえその制御することのできませんでした。
その力は守りたいものまで意志にそぐわず傷つけてしまいました。
そういった自責の念はなぜか城の内部から内側に向かって生えるつららにも見られました。
こうした経緯から、また「王女」でありながら民衆に恐れられ挙句の果てに「モンスター」と罵られたエルサは
自分の力が、また同時に自分の存在すらそれらに板挟みにされ分からなくなってしまいました。
しかし、それを救ったのが「True Love」でした。
ひとりの人から愛し愛され、そして支配できるようになった魔法の力は人々に笑顔を与えました。
善悪なんて関係ない?違うわよ、エルサ。あなただってみんなと同じように愛される権利を持っているの。
だからもう大丈夫。あなたは大丈夫よ。

素晴らしい愛の形です。True Loveなんて良い響きでしょう(笑)
そしてひとつの物語としても丁寧に作り上げた本作は評価に値します。


このお話はアンデルセンの『雪の女王~七つのお話からできている物語~』をモデルにしたものらしいですね。
タイトルに少し注目したいです。
本場アメリカでは『Frozen』。こちらはマクロな視点で付けられたのではないかと思います。
大地のことも言えるし、エルサにも関わっているし、包括的です。
日本では『アナと雪の女王』でした。
これはただ単に”雪の女王”という言葉を入れたかったのでしょうか。
僕はアナの1人主人公として分かりやすくはっきりとアナとエルサを対比させ、分けていたように思えます。
物語の一部の構成から、そしてタイトルに名前を出すことから
ブロンドのエルサより、赤毛でそばかすのついた活発なアナに感情移入させることが狙いでしょう。
しかし実際映画を観てみると、どちらのキャラも非常によく立っていましたし、それぞれに物語がありました。
僕はこの映画の二人の主人公で同時進行していく面白さを評価したいです。
決してアナがエルサを助けにいくという一元的で平面な構造ではなかったと僕は思います。

{/netabare}

アニメなんてのはそのほとんどが泡のようなものだと僕は思っています。
自分の体の中で何処と言うには探れなければ、元を辿ることもできないような場所から生まれては消えていく。
僕は自分の視聴形態をその連続に例えることができます。
しかし、湧き出てくる泡の中に、稀に、ほんの一部だけが形を崩さずに自分の中に残ります。
それは靴の中に入った石ころのように気持ちを落ち着かせないこともあれば、
急になにかを思い出したかのようにせわしなく僕のドアを叩くこともあります。
僕はそんなふうにして残った泡を長い時間をかけてゆっくりと眺めます。
近くから見たり、遠くから見たり、いろんな角度からも見てみる。座って見ることもあれば、立って見ることもあります。
急な呼び出しにも雑な返答はせずに落ち着いて応えます。
そうしているとだんだんと見えてくるものがあります。
不確かではあるけれど鍵を手にしたという実感が生まれます。すると泡から薄っすらと白く光る糸が見えるようになります。
僕はそれを繭から糸を引くのと似た要領で優しく優しく引いていきます。切れないように、決してほどき過ぎないように。
そうやって僕はたくさんの物語と関わっているつもりです。まだ完全にほどかれたものはないけれど。

それとは逆に本作のような巨人が山に大槍を突き刺すようなインパクトを持ち、
ファンタジーの可能性を限りないものにしてくれる、極めて単純な感動と希望のようなものを与えてくれる作品です。
音、映像など感覚的なものに結び付き焼きついた記憶は生きるための熱源の一部となり、
自分がすり減ってしまった際には少しの元気とわずかばかりの勇気を与えてくれます。

「俗的かい?酔狂かい?いいや、違うね。これはひとつの作品との極個人的な尊い繋がりなのさ。」

本作は本当に素晴らしい作品でありました。ぜひ一度観てほしいです!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 28

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

歴代史上最大ヒットするわけだ、全世界がコレを待っていた~そして古典の中に織り込む『Wヒロイン&Wヴィラン』という新たな挑戦の意欲作でもある

生まれつき雪や氷を作り出す事が出来る魔法を身に着けていたアレンデール王国の王女エルサ
しかし上手く魔法をコントロール出来なかった彼女を不憫に思った両親は彼女を人目から隠すように育ててきた
一方、好奇心旺盛で破天荒な妹のアナは幼い頃から閉ざされきっていた城の門や自分と顔も合わせようとしない姉との生活に退屈し、外の世界へ憧れを抱いていた
やがてエルサは成人し、女王となるための戴冠式の日を迎えたがアナの軽はずみな行動から言い争いになった矢先、力を抑えきれずに魔法を暴発させてしまう
秘密だった魔法を知られてパニックに陥ったエルサは王国を捨てノースマウンテンに作り上げた氷の城に引き篭もるのだが、エルサの魔法の影響で夏季であったはずのアレンデール王国全体が極寒の世界となってしまった
エルサを追い詰める原因を作ったアナは責任を感じ、姉との“仲直り”を望み独り身で旅立つ・・・


まず昨今のディズニー映画・・・というかディズニー作品とピクサー作品で作風が2極化してるようにオイラは感じてます
インパクトあるキャラクターを重視して物語自体は比較的子供向け、寓話的な構成が目立ち奥底に抱える「アニメタ魂を隠し切れないピクサー」
(あくまでオイラの主観です、『トイ・ストーリー』のようにシリーズ化してよりキャラを掘り下げに入る場合もあります)
主人公に強過ぎる個性を求めず、感応的、情緒的、ロマンティシズムある物語を重視する「あくまで映画屋なディズニー」
『ニモ』にしろ『カーズ』にしろ、キャラは立ってるけど話しはダルいんですわ、正直
今作はディズニー制作ということで例の通り後者、キャラよりお話が先に立った作品だと感じてます


アンデルセンの童話『雪の女王』をベースとしながらもカイやゲルダが主人公ではありません
独自のキャラクター、全く新しい解釈、21世紀の今日らしいストーリーの中に力強いメッセージの作品に仕上がっており、やはりディズニーというチームはこういった元ネタをアレンジしていくのが上手いんだな!と再確認


実際視聴してみるとエルサが氷の城に引き篭もった事で大寒波に襲われるアレンデール王国の様はなんか「天岩戸伝説」っぽい
ハンスに初めて会った時のアナのたどたどしい喋りと後退りは隠し事をする「トイ・ストーリーのウッディ」に見えなくもない
アナとハンスがパーティーの夜に語り合う中、船のマストの向こうに見える二人の影はどことなく「ミッシェル・オスロ監督作品」に思えたのはオイラだけ?
クライマックスはどう見ても『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』ですね!わかります!


いえいえ;
この作品をコケにしたいわけでなく、いい意味で既視感のあるお話と映像だったな、と
よくもまあこれらと『雪の女王』を結合したと、オイラはその辺り心の底から拍手を送りたいのです


歴代作品と比較すると毒々しさはかなり薄めで、そういった部分は昨年の『シュガーラッシュ』の方が風刺が効いていましたね
ディズニー作品に悪役の醸し出すオドロオドロしさや狂気染みた冒険のスリルを求める方には少しパンチが弱めな作品と言えます
伊集院光が毒舌で批評したように、ハッキリと好みは分かれます
ちなみにオイラは泣きませんでした


今作やはり一番讃えたいのは音楽、そして歌
もうホント、なんで今の今まで歌わなかったのか!?
ディズニーといえばやはりミュージカルなのです
2013年夏に主題歌が公開された時点から今作がミュージカル映画になると察していたオイラにとっては日本公開までの間そのハードルは上がる一方・・・
しかし、本編を見終えてみてオイラの想定を遥かに超越した圧倒的ネ申曲達のラッシュ!
途切れない!!歌が途切れないんですよ!!!
音楽に5.0評価あげてますが気持ち的には7.0ぐらいあげてやりたいんです!
「Let it go」だと?
今作の最大の見どころはどう考えても
「Na~na~na~heyana♪
Hahiyaha naha~♪
Naheya heya na~yanuwa~♪
Hanahe yunuwana~♪」
だろーがぁ(@д@


お話重視でキャラ立ってないというわけでもなく、今作でキャラクター性成分を補っているのがエルサに命を与えられた雪だるま、オラフ
彼の今作への貢献度は大き過ぎます
彼の存在で適度にコミカルな場面展開が計られ、鑑賞者(特に子供)を飽きさせない工夫がなされています


各所で話題になっているのが「原語で観るべきか?」「吹き替えで観るべきか?」
これに関しては甲乙付け難い、つまりどっちでもいいと思います
特に既に監督自身が賞賛している様にアナの吹き替えを担当した神田沙也加が素晴らしい
が、オイラとしては何よりも褒め称えたいのが前述したオラフを担当したピエール瀧でしょう、面白いw面白すぎるw
松たか子ももちろん悪くない
が、演技は別として歌声となるとやはり本家ブロードウェイミュージカルで活躍していたイディナ・メンゼルの足元には遠く及ばない
ってことで歌を楽しむつもりなら原語で、そこに拘らなければ吹き替えで、という選択をオススメしたいです
(まあMay.Jの“アレ”はいらんかったと思うが・・・)
ああそれと、「雪だるま作ぅろ~♪」は諸星すみれちゃんですねb
【すみれちゃんマジ天使】


ちなみに公開当初「2D吹き替え」「2D字幕」「3D字幕」という3つの選択肢しか無くなぜか「3D吹き替え」だけが後出しで約1ヶ月半ほど遅れて公開されました
よくわからんがこれが新しい商法?らしい
上映館数や1日の上映本数が東京ですら1/3になるというかなりレアな限定公開です、観れたアナタはラッキー
「3Dで観る価値は?」と聞かれたら「同時上映の『ミッキーのミニー救出大作戦』の面白さが全然違うよ」と真顔で答えます


昔ながらの“ミュージカル”に回帰しつつも、ディズニー史上初の“Wヒロイン”という新たな試みに挑んだ今作
流石、アナもエルサも両方魅力的ですb
しかし今作、これもディズニー初じゃないかと思われる“Wヴィラン”作品でもあったんですよね
そう、今作には悪役が2人おるんです
問題はこれ、試みとしては面白かったんですが正直一切何の含みも持たせていない所謂「超展開」でして・・・
昨今のディズニーは如何にもソレっぽい悪役を配することをせず、黒幕をサプライズ的に隠す傾向にあるんですが、、、やっぱ超展開は映画としてやっちゃダメよね・・・;

投稿 : 2025/02/01
♥ : 50

68.3 11 コミカルアニメランキング11位
藍より青し(TVアニメ動画)

2002年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (378)
2231人が棚に入れました
『藍より青し』は文月晃原作の漫画作品。またこれをもとにした、テレビアニメ、小説、ゲームなども指す。略称は藍青。
【ストーリー】明立大学に籍を置く平凡な大学生・花菱薫は、花菱財閥総裁・花菱優二を父に持つ、花菱財閥次期当主となる人間だった。幼少の頃から花菱家当主になるために、限りなく虐待に近い「帝王教育」を施されるようになったために、薫はそんな花菱を嫌い大学入学を機に花菱との縁を切り花菱家を出て行った。
そんなある日の学校の帰り道、和服の少女・桜庭葵に出会う。彼女は、幼い頃から想い続けている許婚を探しており…。

声優・キャラクター
川澄綾子、保志総一朗、平松晶子、ゆきのさつき、水橋かおり、成田紗矢香、桃井はるこ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

想う。信じる。それが理想の夫婦へとつながる道程。

純愛ストーリーという印象があったこの作品。

確かに純愛ストーリーだったけれど、
それに加えていろんな温かさがあって、終始いい雰囲気でした^^

「純愛いいな~微笑ましいな~。」と思う人と、
「きーっ、幸せいっぱいでうらやましい!」「リア充め!」と思う人とで、

評価が変わりそうですねww

私は前者の立場で観ていましたが、
結婚についていろいろ考えて切なくなっちゃった(´・ω・`)笑

全24話です。


● ストーリー
桜庭葵(さくらば あおい)は幼少の頃に出会った
許嫁・花菱薫(はなびし かおる)を想い続けていた。

久しぶりに再会した薫は、普通の大学生活を送る男の子に成長していた。

昔と変わらず優しい薫に惹かれる葵。

心の傷を癒してくれる葵に惹かれる薫。

困難を抱えながらも、共に道を歩み始める。


≪え…そういう話なの?≫
最初の数話を観て抱いた感想が、これです。笑

純愛ものとは聞いていたけれど、序盤はエッチなシーンも多く、
葵ちゃんも清純そうに見えてなかなか大胆で。笑

純愛ものは好きだけれど、大人なラブストーリーは照れちゃうので、
「観る作品の選択を誤ったかしら…^^;」と戸惑っておりました(笑)

2人の気持ちが燃え上がるのはいいのですが、
現実味がなくて、なんだかなー…^^;と期待外れに思っていました。

この展開がずっと続かなくてほっとしたよ。笑


≪夫婦≫
これがこの作品の主軸。

一緒にいて安らげる人…。そんな人と心穏やかに日々を過ごしたい。

そんな願いがこのアニメを観ていると膨らんでしまいます。

結婚って自分の時間がなくなってしまうようで嫌だったけど、

葵と薫を見ていて、
こんな時間が手に入るなら夫婦もいいな…と思い始めたよ。

アニメの影響を受けやすい私ですww

あーあ、どこかに薫のような旦那さん、おっこちてないかしらww


そうそう、結婚するときにあにこれを引退するってことは決めてるから、

ようすが消えたら心の中で祝ってやってください♪笑
(いつまでも消えなかったら憐れんでやってください…。泣)


≪乙女の恋心≫
いろんなキャラが登場します。

薫のハーレム状態なので女の子ばかりなのですが。笑

葵と薫がラブラブなのは「ごちそうさま。」なんですけれど、
私は周りの女の子の恋心にうずうずしておりました。

元気いっぱいの博多弁アメリカ人のティナの恋する乙女な一面や、

好きな人への気持ちを前向きなパワーに変える妙ちゃんなど…。

恋する乙女大好きな私にはたまらなかったです(*´ω`*)


≪感想≫
最初は少し戸惑う展開からのスタートでしたが、
大きな事件や嫌な展開もなく、安心して観ていられる作品でした。

12話まで観た時「あと12話も必要か…?」とも思ったのですが、
なんだかんだ、あっという間に最終回まできてしまいました。

2人の恋愛話だけだと飽きてしまったかもしれないけれど、
他のキャラたちによる”家族愛”ストーリーが温かくてよかったです^^


● キャラクター
葵ちゃん。

幼少のころから薫を一途に慕い、想い続けてきた少女。

家事は完璧、優しくて美人な葵ちゃんはまさに理想の妻ですね。

愛する人にあれだけ尽くすことができるのは、すごい。

こんなふうに尽くしてくれる女の子が傍にいたら、
男の人はそりゃうれしいだろうなあ。


薫くん。

とても優しくていい男です。こちらは理想の旦那さんですね。

欠点といえば、モテすぎてしまうところかしらww

「~~だよ、葵ちゃん。」とすべての言葉に「葵ちゃん」がつくのは、
くどく感じました(笑)

まあ、それだけ葵ちゃんのことが好きだってことにしておこう。笑


● 音楽
【 OP「永遠の花」/石田燿子 】

前半は1番の歌詞、途中から2番の歌詞が使用されていました。

話数の多いアニメは途中で曲を変えることが多いですが、

歌詞だけを変えるのはその曲の味がより出ていいなあと思いました。

優しい雰囲気の曲で、石田さんの歌声がしみます。


● まとめ
2人の純愛+にぎやかなキャラたちによる家族愛。

いろんな温かな愛に包まれた作品でした^^

1期でストーリーはきれいに完結しています。

2期はどんな展開なのかな?楽しみです♪

投稿 : 2025/02/01
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

青は藍より出でて藍より青し

この作品の原作は未読です。
あにこれ入会初期に視聴して放置しっ放しだった作品の一つです。
dアニメで視聴できることに気付き、再度視聴しました。


大学生・花菱薫は、和服姿の少女・桜庭葵と出会う。

その少女・葵は18年間想い続けてきた男性に会いにきたという。

一見して都会に不慣れな葵を放っておけず人探しを手伝う薫は、
彼女の想い人が自分だということに気付く。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

兎にも角にも和服の似合うヒロインである葵ちゃんの一途さを全集中で愛でる作品です。
と、今更私がそんなこと言わなくても周知の事実かと思っていましたが、2021年1月時点で、あにこれの総合得点67.8点、感想・評価357件、棚に入れた2121人、ランキング1687位と以外に低い数値にビックリ…

2002年に放送された作品なので、もっと評価されているとばかり思っていました。

ヒロインの葵ちゃんは、主人公で元許婚の花菱薫のことを幼いころからずっと想い続けてきました。
彼を心底愛しており、彼女が花嫁修業の研鑽を積み重ねるのも少しでも彼に相応しい妻になりたいから…
この想いと言動には微塵のブレもありませんでした。
葵ちゃんの一途さには清々しさを感じるくらいです。

そんな葵ちゃんのお相手である花菱薫は、花菱財閥の次期当主として育てられていた幼い頃に葵ちゃんに出会い、家同士が決めた婚約相手となりましたが、花菱家内での紆余曲折を経て薫は家を飛び出し勘当され、縁談も白紙になってしまったのでした。

形の上では縁談が破談になってしまったので、薫が葵ちゃんとの約束を違えたことになります。
でも、そう選択せざるを得ない理由があったのも事実です。
彼自身、流されやすく断れず押し切られる面も多々ありましたが、基本的に優しいんですよね。
それに寂しさを知っているから、相手にそれを感じさせないよう自然に振る舞うんです。
これがモテない訳ありませんよね。
だから、みんなで一緒に過ごす桜庭館は、半分薫のハーレム状態でしたから…

それと、あにこれ入会初期に視聴した時には気付きませんでしたが、キャストが素晴らしいんです。
ヒロインの桜庭葵ちゃんのCVは川澄綾子さん、元気いっぱいのティナ・フォスターのCVは、「フルメタル・パニック!」の千鳥かなめを演じた雪乃五月さん、桜庭館にハウスキーパーとして住み込んで暮らしている水無月妙子のCVは水橋かおりさんなんです。
いやぁ、2度目の視聴となる今回は耳が幸せで仕方ありませんでしたよ。

今の作品と比べると若干古さは感じられますし、画面も16:9ではありませんが、葵ちゃんの一途さには今でも十分キュンキュンできる作品でした。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、石田燿子さんの「永遠の花」
エンディングテーマは、the Indigoさんの「名も知れぬ花」
私の中で「石田=ストパン」の図式が出来上がっていましたが、この作品の楽曲も歌われていたんですね。

2クール全24話の物語でした。
久々に視聴しましたが、内容を忘れている部分が多く、新たな発見がいくつもありました。
引き続き、第2期〜縁〜を視聴したいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 14

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

葵と薫の魅力 B+

この作品は何をおいてもまずヒロインです。
ヒロインは桜庭葵。
着物が似合い、おしとやか、多少世間知らずだけど家事万能、そして一途に一人の人を想い続けるひたむきな心。
世の男としては、こういう娘をお嫁さんにしたいと思わせるようなヒロインです。
私も今の嫁と別れて・・・いやいやとんでもないです!

対する主人公花菱薫は一見したところは、何の変哲もないごく普通の大学生です。
ヒロインが想いを寄せる人なのですが、当初、なぜこの主人公がここまでヒロインに想われているのか理解できませんでした。
それがこのアニメだからといえば実も蓋もありませんがww、とても優しく、一方で非常に芯が強いという性格の持ち主です。
同姓の私から見ても、不思議と嫌味に感じるところが全くない主人公でした。

主人公のこの性格に呼び寄せられるかのように、周りには個性豊かな女性が集まってきます。

博多弁を話す外国人ティナは、豪快で明朗な性格である一方、とても怖がりやであるという一面を持っています。
巨乳で眼鏡っ子の妙子は、不器用でドジっ子、でも何事にも一生懸命に取り組む頑張り屋さんです。
良家の子女である繭は、薫に会いたい一心で猛勉強し、飛び級で薫の大学に入学する程の娘です。
中学生のちかは妙子の従妹で、妙子と薫の関係を進展させようと何かと気を揉んでおり、自身も薫を兄のように慕っています。

以上を見て、「何だ、ハーレムアニメかよ!」と思った方、ちょっと待ってください。
確かに、そうした一面がない訳ではありませんが、このアニメでは主人公薫はヒロイン葵への想いが第一で、浮気心を起こすような男ではありません。
多分見ていて、こんなにモテるのに勿体無いじゃないか!と思うほど非常に真面目な、極言すると面白みのない男(言い過ぎww)、それが花菱薫なのです。

ヒロイン以外の女性が活躍するエピソードも勿論ありますが、最終的には薫と葵の想いが強く結びついていることが分かるようなストーリー展開をします。
それだけに、全体的に起伏が少ないといえるかもしれませんが、安心して見ることができる作品でもあります。

今となっては珍しい一途な恋愛アニメ、一度はご覧になってはいかがでしょうか。


ちなみに、回想シーンで幼い頃の葵が照れたときの表情は、むちゃくちゃ可愛いです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17

72.7 12 コミカルアニメランキング12位
さらざんまい(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (317)
1241人が棚に入れました
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ"に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法"でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

声優・キャラクター
村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬、諏訪部順一、宮野真守、細谷佳正、釘宮理恵、津田健次郎、伊瀬茉莉也、帝子、加藤諒
ネタバレ

キャポックちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

社会の不寛容に目を向けながら…

【総合評価:☆☆☆】
 バンクシステムを使い倒した見事な作画、歯切れの良いカッティング、無類の可笑しさを醸し出す下手クソなミュージカルシーン--多くの見所がありながら、それでも、『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』という、テレビアニメ史上の頂点と言える傑作2本を作った幾原邦彦にしては、いささか物足りない。
 幾原の作品に共通して描かれるのは、表面から窺えない人間心理の不気味さと、こうした訳のわからないものを排除しようとする社会の不寛容である。このテーマは、『さらざんまい』でも取り上げられる。ただ、透徹した眼差しで現代日本の暗部を見つめた『ピングドラム』などに比べると、問題の取り上げ方が中途半端である。

【「排除の論理」の怖ろしさ】
 『さらざんまい』のメインプロットは、カズキ、エンタ、クジという3人の少年が、カッパ(らしき生き物)のケッピが与えるミッションを遂行し、クリアすれば報償として、どんな願いでも叶えられる希望の皿を受け取るというもの。これだけ見ると、少年向け冒険アニメの一パターンに思えるかもしれない。しかし、ミッションの内容と少年たちの状況を見比べると、そんなに生やさしい話ではないとわかる。
(以下、『さらざんまい』『少女革命ウテナ』の重大なネタバレがあります)
{netabare} ミッションは、異常な欲望に執着するゾンビ(カパゾンビ)の「尻子玉」を抜いて欲望を昇華させ、この世から消滅させるというもの。尻子玉とは、カッパが水に引き込んだ人間から抜き取って食うと言われる臓器で、抜き取られた人間は力を失い死んでしまう。本アニメの設定では、欲望の根源とされる(これって前立腺のことではないかしら。主要キャラはみんな男性だし、稲垣足穂のA感覚を連想させる)。
 ところが、カパゾンビの執着とは、概して単なる変態性欲であり、それほど悪辣な欲望ではない。例えば、ソバにこだわる男の欲望は、好きな女性が入った風呂の残り湯でソバを茹でて食べたいというもので、異常ではあっても反社会的というほどではない(私はリアルに想像してウゲッとなってしまったが)。にもかかわらず、尻子玉を抜かれたカパゾンビは、恥ずかしい一面を他者に知られたことを嘆きながら消滅する。それほどの罪だったのか?
 もっとも、現代日本でこのような性癖が暴かれた場合、その情報はSNSで拡散されて、「キモイ」と罵られ社会的地位を失うだろう。アニメのカパゾンビは、警官の(制服を着た)レオとマブに目をつけられ殺されたことが示唆されるが、これは、異常者を社会的に抹殺する「排除の論理」を象徴する。レオが拳銃を突きつけるとき、「欲望か愛か」と二者択一を迫るが、「清潔な愛なら容認するが、醜い欲望なので排除する」という強引な自己正当化に聞こえる(レオとマブは、欲望エネルギーの持ち主をゾンビにしてカワウソ帝国に送るエージェントなので、続くミュージカルシーンでは欲望を称揚する)。
 カパゾンビを消滅させた少年たちも、決して身ぎれいな訳ではない。カズキ、エンタ、クジは、それぞれ、「血縁の欠如を乗り越えた家族愛」「サッカーを通じて結ばれる友情」「家庭の窮状を救うための兄弟愛」で他者とつながっているように見えながら、その実、「ネット上でのなりすまし」「同性愛的な衝動」「殺傷事件への関与」という、人には知られたくない隠し事がある。これらは、カパゾンビが社会から排斥された要因と、それほど差があるわけではない。
 このように、断罪する者とされる者が、実は等しく罪人だというのは、幾原アニメでしばしば取り上げられる構図である。例えば、『少女革命ウテナ』。ウテナは、アンシーを薔薇の花嫁として非人間的に扱う生徒会メンバーに決闘を挑み、彼女を自分のものにする。しかし、物語終盤になると、ウテナ自身がアンシーの本心を理解していなかったことが示される。その意味で、ウテナと生徒会メンバーは大差なかったのである。
 ラストでウテナは闘いに敗れ、姿を消す。ウテナが去って平穏に戻った学園では、もはや彼女のことを思い出す人はいない。『さらざんまい』でも、カパゾンビが消滅すると人々の記憶からもスマホの待ち受け画面からも姿が消え、その存在は「なかったこと」にされる。社会にとって好ましくないものは、もともとなかったかのように扱われるのだ。『ウテナ』の場合、アンシーだけはウテナの消失を覚えており、社会に向かって一歩を踏み出すためのきっかけとする。しかし、カパゾンビを覚えている者は、誰もいない。{/netabare}

【社会問題の取り上げ方】
 幾原は、『美少女戦士セーラームーン』『少女革命ウテナ』と社会性の乏しい作品を発表した後、12年の期間をおいた『輪るピングドラム』で、社会問題を直視する姿勢を示した。この姿勢は、次の『ユリ熊嵐』にも受け継がれるが、『さらざんまい』になると、問題意識が形骸化しているように感じられる。
(以下、『輪るピングドラム』の重大なネタバレがあります)
{netabare} 『ピングドラム』では、無差別テロ首謀者の子供というだけで、「きっと何者にもなれない」と社会から排斥される3人の少年少女が描かれた。そこには、決して贖うことのできない「原罪」という重いテーマが垣間見える。彼らに絡む人々は、いずれもテロと深い関わりを持ち、テロによって人生が狂わされていた。
 また、『ユリ熊嵐』は、正当な社会規範の枠に収まらない性愛を取り上げ、規範を逸脱した者に対する制裁を問題視する。
 一方、『さらざんまい』は、これら2作と同じく、社会が異質なものを排除する怖ろしさに目を向けながらも、その描写はあまり徹底されていない。そのことは、排除のきっかけとなるものが何かを考えると、わかりやすい。
 『ユリ熊嵐』で描かれる性愛のシーンは、見ていて息を飲むほど生々しい。しかし、『さらざんまい』になると、カパゾンビの変態性欲は戯画化されて表現され、笑いを誘うだけ。エンタが好きな子の笛を舐めるのは、思春期の男子にありがちなこととして容認できる範囲であり、カズキの女装はむしろ可愛らしい。3人の少年の隠し事で明確に反社会的なのは、ヤクザとつながりを持つクジの行為しかない。しかし、ヤクザの描き方は類型的で平板であり、彼らがどれほど悪行を重ねようと、ヤクザと無縁である大多数の視聴者には心の痛みを感じさせない。『ピングドラム』における憎しみの連鎖や、『ユリ熊嵐』のヒリヒリするようないじめに比べると、他人事なのである。
 「つながりたい」という欲望をテーマにしているにもかかわらず、取り上げる社会問題が小粒すぎ、社会性が充分に描かれていないとも言える。このテーマに関わるものとしては、SNSで無視されたために衝動的な無差別殺人に走ったケースや、社会になじめず引きこもりになってゴミ部屋で孤独死したケース、親からDVを受けながらなお赦しを請うた子供のケースなど、マスコミに注目された現実の事件が少なからずある。しかし、『さらざんまい』では、敢えてこうした事件には目を向けない。もしかしたら、『ピングドラム』におけるテロ事件の取り上げ方が批判を招き、幾原の腰が引けたのかもしれない。{/netabare}

【アニメ表現の極北】
 社会問題の取り上げ方は煮え切らないものの、『さらざんまい』の作画は、アニメ表現の極北とも言える水準に到達している。特に、バンクシステムを活用した見せ場が素晴らしい。バンクシステムとは、すでに使われた画をストックして使い回すやり方だが、近年のアニメでは、必ずしも手抜きではなく、象徴的シーンの繰り返しによってエモーションを高める目的で使われる。『ピングドラム』でも、プリンセス・オブ・ザ・クリスタルが「生・存・戦・略~!!」と叫ぶシーンで効果を上げたが、『さらざんまい』のバンクもそれに匹敵する。
 レオとマブが「カワウソイヤァ」を歌い踊る場面(私も一緒に踊ろうとしたが、動きが速すぎてついて行けない)、あるいは、カパゾンビとの対決に向けて、カッパの姿をした3人の少年が危なっかしく繰り広げるミュージカルシーン(地面にヘチャッと叩きつけられて慌てて起き上がる仕草の可笑しさ)は、何度見ても楽しい。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

愛の鬼才が現代人の「繋がり」を問う

☆物語&感想☆

2015年に放送された「ユリ熊嵐」から4年余り…
思えばイクニ作品との出会いは「ユリ熊嵐」が初めてのことだったわけですが、
あの時受けたインパクトは本当に大きく衝撃的だった。
あれから色々作品を観てはいますが、純粋に感動できる素晴らしい作品は数あれど、
あの時受けたインパクト以上の作品とは出会えていない。
やはりイクニが作る作品はワン・アンド・オンリー、彼にしか作れないのだと、
本作を観た後でも思った次第。

さて、本作1話目を観て思ったのは…なんやねんこれ?と。
これはもちろん彼の作品に於いては良い意味で想定内。
1話観て大体の物語の道筋や、目的、方向性が分かるものが多いなか、
イクニ作品に於いては意味不明、予測不可能なのが特徴でもある。
(最後には感動的な結末がある事はファンなら知っている)

これは自分が思うに、ある意味イクニが視聴者を振るい落としに掛けているのだと思う。
1話から尻の中に突入する画はシュール過ぎ、正直観るものを当惑させるに充分なものだったし、
どうやら出てくるキャラが殆ど男ばっかりでBL的な要素があると察知した視聴者を、
早急に撤退させるに充分な要素が揃っている。
前作で言うなら「百合」でアレルギー反応を起こさせ観るものを振るいに掛けた訳だが、
このような、1話観て訳が分からなくて、BLとか百合要素くらいで切るくらいの視聴者には、
どうせ観ても作品の本質やメタファーの意味合いなどは理解できないだろうから、
観なくて結構と言うことなのだろうと思う。

彼の作品の特徴として、明確なテーマを掲げ幾つかのキーワードを繰り返し使用する点がある。
本作においてはテーマが「つながり」キーワードは「欲望」「愛」など、
これらの言葉が本作中何回も何回も繰り返された。
難解なイメージのあるイクニ作品だが、本作のキーワードであり彼の考える「欲望」は、
自己中心的なエゴイスティックなもの、
に対して「愛」が見返りを求めない無償のもの、と先に捉えておくと、
彼の作品のもう一つの特徴でもあるメタファーの意味が解らなくても、
(例えば頻繁に登場した㋐の意味なんかが解らなくても)
物語の内容自体は過去作品と比べれば比較的理解しやすかったのではないかと思う。

キャラクターが発する言葉の真意や、映像のメタファーの分析をしなければ、
彼の本当の考えや思いは窺い知ることが出来ないと思うけど、
{netabare}10話のサラとハルカの会話の中で、
「この世界は再び試されようとしている、繋がっているのか繋がっていないのか」
11話の「喪失の痛みを抱えてもなお、欲望を繋ぐものだけが未来を手にできる」
「大切な人がいるから悲しくなったり嬉しくなったりするんだね。そうやって僕らはつながってるんだね。」{/netabare}
という台詞は物語の前後の繋がりから考えると、
珍しくストレートに彼のメッセージが現れた部分として受け取れるのではないかと思う。
そこから考えるものは各自人それぞれだろうと思うけど、
何かしら観た人それぞれが実際の「つながり」を考えさせられるような、
本作に於けるイクニのメッセージは随所に見られたのではないだろうか。
恐らく本作では過去作よりもイクニは意図的に視聴者にメッセージを解りやすく伝えたかったのだろうと思う。

そうは言っても、やはり相変わらずメタファーを読み解くのは難しい。
解らなくてもいいけど解ると更に面白い。
個人的には何となくこういうことなんかな?何となく意味ありそう、位な軽い感じで、
ネットで分析されている記事なんかを見てなるほど、
とか答え探しをしたりするのが楽しいし、
そういうライトな楽しみ方もありなんじゃないかと思ったりしている。
その上でもう一度作品を観返してみると、なるほどと納得できてまた面白い。

そんな中、本作を検索してると{netabare}ラスト3人死亡説{/netabare}
みたいな驚きの解釈、考察も出てるじゃないですか。
根拠を見ていくとなるほど、そういう考え方もあるなと興味深かったし、
こういう楽しみ方が出来るのもイクニ作品ならではだなと思う。

☆声優☆

前作と比べると人気実力共に安定した声優の豪華な顔ぶれでキャスティングもドンズバ。
レオ&マブに宮野、細谷さんという起用は腐女子も納得だろうし、
宮野の演技は特に素晴らしかった。
個人的にはハルカ役に釘宮さんを起用してくれたのが嬉しい。
そういや前作でも起用されており役柄も少々似ているのは気のせいだろうか。
恐らく何らかの意図があるに違いない、と思ったりもするけど、
単にイクニが自分同様釘宮押しなのかも知れない笑

豪華な顔ぶれのなか、驚いたのはサラ役で起用された帝子という人。
聞きなれない人やなと調べてみると、
監督がプライベートで知り合ったインディーズバンドのヴォーカルらしい。
つまり女優でも声優でもない言わばド素人の起用と言うことになるが、
こんなことを広告代理店やスポンサーに影響を受けやすい、
ノイタミナ枠でやってのけるイクニはやっぱり凄いと思う。
イクニ曰く「振れ幅が欲しかった」とのことだが、
特徴的で不思議な印象の声は作品内で非常に良い効果が出ていたと思う。

☆キャラ☆

1クールオリジナルの場合、キャラが多くなると当然存在感が薄くなる事が多いが、
この辺りもイクニはしっかりと解っているなと思う笑
各キャラクターの過去~現在に至るドラマ、想いが全て丁寧に表現されていたと思う。
BLに興味のない自分にもレオ&マブの思いには思わず涙

☆作画☆

純粋に人物の造形、背景の美しさや浅草の再現性はかなり高く、
劇場版作品でも充分通用するレベルだったと思う。
キャラクターと全く繋がりのない通行人などの所謂モブに関しては、
記号のような扱いで描写されていたのも印象的だった。
またイクニ独自の奇抜な演出に合わせたCGや実写映像の挿入、
アニメでは珍しくEDには実写映像にVFXを組み合わせるなど、
やはり作画面に於いても並の監督にはない、個性やセンスが際立っていると感じる。

☆音楽☆

前作はイクニがEDの歌詞を書いたり、作品の世界観への拘りも非常に感じられたので、
所謂アニソン歌手が歌わないノイタミナ作品において一抹の不安もあったのだが、
この点に関しては杞憂に終わった。
OPは繋がりをテーマに、この作品のために書かれた曲で開放感がある良曲だったし、
EDはレオ&マブの関係なんかを想起させる歌詞だったり、曲としてよく出来ていた。
AパートからのOP、BパートからのEDへの繋ぎがとても良かったのも好印象。
最終話はEDの後にOPを持ってくるのも良い演出だった。
その他劇中曲の「さらざんまいのうた」や「カワウソイヤァ」は繰り返されたことで中毒性があり、
サラ役の帝子が歌う自身の楽曲「放課後カッパー」もインパクトが有った。

劇伴は「輪るピングドラム」「ユリ熊嵐」同様に橋本由香利さんが担当。
この人の最近の仕事では「3月のライオン」が本当に素晴らしかったけど、
本作でも劇中曲含め良い仕事だった。
この人はどんな作品にでも合わせられる柔軟性やセンスを持っていますね。


繋がりたいけど、繋がりは脆く壊れやすい。
現代におけるSNSやネットでの繋がりなどは、最たるものだろうし、
本作を観てもそれはイクニの言いたいことの一つとして受け取れる。
「あにこれ」での繋がりも、自分は度々放置してしまうし、正直いつ終わってもおかしくない。
他人に読んでもらいたい、認めてもらいたい、共感してもらいたい、
そんな欲望をどれだけ持ち続けられるだろうか。
記事を書くという行為はその労力に比べれば見返りは殆ど無い、それは愛だと言えるかも知れない。
自分はどれだけアニメを愛しているのだろうかと。。
イクニのメッセージが胸に突き刺さる。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

幾原節半端ない

河童になるときは尻から生まれるのね。1話から尋常じゃない衝撃。{netabare}女装して吾妻サラみたいになってる一稀、車上荒らししてる悠、盗んだ段ボールを裸で被るのが好きな奴。以降も色んな性癖もとい欲望を持つ人たちが登場。自分がボールになって蹴られたい奴の回は金玉蹴られてるAVを思い出して笑ってしまった。{/netabare}

パッと見で欲望に関する話題を扱ってそう。だけど、やっぱりサブタイトル通り繋がりを扱っている。人間は繋がっていないと自己を規定できないよね。だから死ぬ=縁の外かなと思った。
それと絡んで縁=円=丸い皿ということではないかと僕は勝手に思った。でもって人間は多くの縁で成り立つから皿三昧。それとも3人で皿三枚?
語尾もでぃっしゅで皿を強調しているのかな。
繋がりたいって気持ちは愛でもあるし、欲望でもあるからなんというか紙一重で、難しい。

怪物を生み出す敵がいて変身してそれと戦うヒーローみたいなとこもある。{netabare}勝利後はお互いに隠し事が何故か筒抜け。恥ずかしい。漏れるのは尻から。{/netabare}

パロディとかギャグ要素ありだけど、時折、シビアな展開。中々のメリハリ。

最終話は怒涛の展開。サブタイトルも凄く良い。{netabare}サブタイトルと絡めてあるかもしれない未来の話と過去。叫び声をバックに振り返る演出好きかも。悠は受刑者になるけど、繋がりは切れない。{/netabare}欲望を手放すな。そして、繋がりを取り戻したい。いつかは切れるけど、繋がりあってこそ人生が豊かなんだなあとしみじみ感じた。勝手にだけど。

演出がいかにも幾原監督作品らしい。輪るピングドラムみたい。時折、作中に描かれている言葉が面白い。前回監督した作品が百合だったからか今回はBL描写みたいなの多め。特に{netabare}燕太から一稀への熱い想い。妄想が凄い。後でバレるけど、こっそりキスしてるし、相撲して肌の触れ合いから興奮が高ぶってて笑える。{/netabare}
見終わってみれば結構面白かった。タイトルで油断してたけど、この作品は意外と推せる。{netabare}結局、ケッピとサラは河童なのか?よく分からない生命体だった。{/netabare}

一稀の弟春河役がくぎゅなのは嬉しい。くぎゅ~。

三匹が斬る!は世代じゃないので、よく分からない。


OP
まっさら 歌 KANA-BOON
失踪したなあ。びっくり。
ED
スタンドバイミー 歌 the peggies
浅草実写映像?なのかな。
劇中歌
さらざんまいのうた
歌 矢逆一稀(村瀬歩)、久慈悠(内山昴輝)、陣内燕太(堀江瞬)、ケッピ(諏訪部順一)
歌 新星玲央(宮野真守)、阿久津真武(細谷佳正)、ケッピ(諏訪部順一)
11話でまもがメインで歌うわけだが、11話は本当に切なかった。{netabare} 大切な人に愛を告げると死んでしまうし、大切な人なのに記憶から消えてしまうし。お互いの誤解が解けたのがせめてもの救い。{/netabare}
放課後カッパー 歌 吾妻サラ(帝子)
放課後カッパー_Salala Scat 歌 吾妻サラ(帝子)
カワウソイヤァ 歌 新星玲央(宮野真守)、阿久津真武(細谷佳正)
ソイヤァソイヤァつい言いたくなる。曲に合わせて踊るのもよい。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
つながっても、見失っても。手放すな、欲望は君の命だ。 舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

#1 つながりたいけど、偽りたい
東京・浅草。中学二年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の三人は、カッパ王国第一王位継承者を名乗る謎の生命体ケッピと遭遇し、「尻子玉」を抜かれてカッパにされてしまう。人間の姿に戻るため、三人がクリアしなければならないミッションとはー?

#2 つながりたいけど、奪いたい
「さらざんまい」にはおそろしい副作用があった。それでも一稀は、今日もラッキー自撮りアイテムを探して街をさまよう。ひょんなことから悠と鉢合わせ、二人は行動を共にすることに。一方、燕太は悠の重大な秘密を知ってしまいー?

#3 つながりたいけど、報われない
燕太はサッカーの「ゴールデンコンビ」復活を願いながらも、一稀への想いを募らせていく。そんな中、姉の音寧が一稀のためのミサンガを身につけたままゾンビに攫われてしまう。燕太の想いは一稀に届くのか-??

#4 つながりたいけど、そばにいない
兄と離れて居候している悠のもとへ燕太がやってくる。「希望の皿」を一稀に譲って欲しいと頼み込む燕太だったが、悠にも譲れない望みがあった。一方、吾妻サラの握手会が開催されることを知った一稀が、悠に持ちかけたある計画とは-?

#5 つながりたいけど、許されない
吾妻サラの握手会当日。一稀と悠は極秘計画を実行に移す。そうとは知らず、春河とともに握手会にやって来ていた燕太が見たものは・・・?一方、ゾンビを使って欲望を集めている謎の警官、玲央と真武の関係にも変化が現れていて-?

#6 つながりたいから、諦めない
カッパ姿のままでいることを余儀なくされた三人。カッパ一稀の様子が何やらおかしくて・・・?一稀を励まそうと試みる燕太と悠も喧嘩中。そんな中、一稀の帰りを待っていた春河が行方不明になってしまった-!

#7 つながりたいけど、裏切りたい
夏休みを前にして、一稀と燕太は悠をサッカー部に誘う。三人の夏が始まろうとしていた。そんな時、燕太が守ってきた思い出の練習場が何者かに荒らされる事件が起こる。何かを計略している玲央と真武。二人の過去が、今明かされる-

#8 つながりたいけど、もう会えない
仲違いしてしまった一稀と燕太。ふてくされた燕太が街で偶然出会ったのは、悠の兄・誓だった。指名手配がかけられた誓は、玲央と真武の包囲網から逃げ切れるのか-?それぞれの想いが交錯して明かされる、大切な記憶とは・・・?

#9 つながりたいけど、伝わらない
何も知らずに浅草を離れた悠。ひとり立ち尽くす一稀の背中を押してくれたのは・・・?一方で、カワウソに翻弄される玲央と真武の関係を決定づける出来事が起こる。その頃、兄と行動を共にしていた悠は、組織の抗争に巻き込まれてしまい-?

#10 つながりたいけど、つながれない
一稀はカワウソ帝国のアジトに再び潜入することを決意する。その直後、玲央によってケッピが拘束されてしまった。ケッピと玲央、そして真武の知られざる秘密とは・・・?一稀は皿を取り戻し、燕太を救うことができるのか-?

#11 つながりたいから、さらざんまい
兄に導かれ、縁の外側を目指す悠。あとを追う一稀と燕太は悠を取り戻せるのか・・・?ケッピとカワウソの戦いの行方は?愛も嘘も欲望も、すべての痛みを共有してきた三人は、今何を願うのか-?辿り着いた場所で、三人は何を見るのか-?

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

72.8 13 コミカルアニメランキング13位
BNA ビー・エヌ・エー(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (297)
1011人が棚に入れました
21世紀、それまで歴史の闇に隠れていた獣人達がその存在を明らかにし始めていた。普通の人間だった影森みちるは、ある日突然タヌキ獣人になってしまう。人間たちから逃れるために向かった獣人特区『アニマシティ』は、十年前に獣人が獣人らしく生きるために作られた獣人のための街。そこで人間嫌いのオオカミ獣人・大神士郎と出会ったみちるは、彼と行動を共にするなかで、人間の世界にいた頃には知らなかった『獣人たち』の悩みや生活、喜びを学んでいく。なぜ、みちるは獣人になってしまったのか。その謎を追ううちに、予想もしていなかった大きな出来事に巻き込まれていくのだった。

声優・キャラクター
諸星すみれ、細谷佳正、長縄まりあ、石川界人、高島雅羅、村瀬迪与
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

4話までの感想{netabare}
どうにも私はトリガーと相性が悪いみたい。
厄介なのが序盤「お、これ面白いじゃん」と思っても、中盤から「なんでそんな展開に…」となることが多い。
特に2クール作品の2クール目からそうなることが多いかな?
起承転結の転のつもりなんだと思うけど、それまでの展開とガラっと変え過ぎてついていけなくなる。
ってことでこの作品は全何話なのかが非常に気になるトコロ。
1クールなのかな?だったら「あれ?」となる前に突っ走ってくれるかも。

と、そんな感じで序盤の3話まではいつもの様に好印象。
みちるはタヌキの方が可愛くないか?ひょっとして人間姿はワザと不細工にデザインした?
…なんてこと思ってたら、あれ?4話ちょっと雑すぎじゃない?
言いたいことは分かる、教祖の立場無視して他者を攻撃しまくる信者はアニメ界でもよく見るw
信者ってより教祖を殴り棒にして正義ごっこしてるだけというか…まぁ、うん。
だけどそれを押し出すことに意識を奪われ過ぎたのか、他の部分がおざなりで、これ本当にトリガー?とさえ思えたり。

顕著なのは内地へ向かって海を渡ったシーンの省略。
例えばこれが“リトルウィッチアカデミア”だったら、ホウキで飛べる魔女に乗せてもらったら凄いスピードで「ぎょえー」と言いながら必死にしがみつくアッコ、なんての描いたんじゃない?
そういうコミカル表現でなくても…丁度いいのがあった、
https://www.youtube.com/watch?v=zKQsL_ilDYU&feature=
これの3:47からのシーンみたいなの、何故省いた?
ズブ濡れのみちるが見たかったワケじゃないよ、いや見たかった。
あとニナが水槽に入れられるまでの経緯も飛ばしすぎ。
喋ることはできるんだし昏睡でもしてなければあんなことにはならないと思うのだが…。
って、あ!これって海外ドラマでたまに見る、ドラッグが横行しててニナはそんなの初めてで効きすぎちゃった(昏睡した)ってことか?
少しずつ吸引しないといけない「小麦粉」を、差し出された分一気に吸い込んじゃったとか?

あはは、そりゃカットされても仕方ないw

…。
そうなのか?
我ながらかなり強引な好意的解釈だと思うのだが…。
でもって最後は、正義ごっこするだけで殴り棒のことを理解する気のない連中を見て、憤慨しようにも自分もそうだったと気づいたみちるは獣人のことを理解すべく島へ戻るのでした、と。
筋書きは悪くないんだよなぁ、演出がヘンだったてことか?
今後巻き返すのに期待したいトコロ。

ところで4話までで半田修平の名前出てないと思うのだけど、見逃してるだけ?そのうち担当回来るのかな?
“まぎレコ”の方で「沼田誠也担当回あったら見るわ」と思ってたらずっと後半で、ちょっとそこまで耐えられないってことがあったり無かったり。{/netabare}

5話感想{netabare}
おっ、野球回じゃーん!
ってことでお約束の巨人の星…ではなく、ドカベン(野球狂も入ってる?)とあしたのジョーをミックスさせてそこにアストロ…よりも個人的にはコブラのラグボールを添加した感じ。
うん昭和だね。
そして実況役が水島裕で、演技的に広川太一郎だったらなぁと思ったら「外野ーっ!」って叫んで(水島裕が主役を務める“六神合体ゴッドマーズ”の決め台詞が「ガイヤー」)…このためのキャスティングかwww
めっちゃ昭和じゃーん!!
と思ったら、いや待った。
丹下段平ポジションのキャラがヤクザとつるんで八百長って…あれ?それって“メガロボクス”?
市民カード持ってるかどうかで酷い格差があるというのも、こっちの獣人と人間との格差と被る。
しかも大神(字面が六神に見えてきた)の声はメガロボクスのジョーの人なんだけど?
ってことでこの件が一番笑ったw、細谷佳正はどんな気持ちだったんだ?って感じで。
ひょっとしてスタッフはスタッフなりに気を利かせて、昭和アニメ知らない人にも分かるパロを入れたってことは…無いかな?

こんな感じで全話突っ走ってくれたら最高なんだけどなー、どうなるんかなー。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
11話が謎い。
まずナズナが、アランに「ストレスを和らげるために必要だ」と言われた(そのシーンは無い)だけでコンサート最後で自分が獣人だと明かそうとして「?」。
当然それは罠で、ミチルに言われて考えを変えたこと自体はいいとしても、そこまでの心の流れが雑かな?
もうちっと「アランの言うことだったら本当なんだろうハハン」と、例え深く考えてない・軽い気持ちであっても視聴者に「ナズナはそう信じてしまった」と見せるシーンは必要だったような?
そして観客がボリスの暴露を鵜呑み、これもどうなんだろう?
その直後シルバスタ製薬のメカが現れて、それに襲われて凶暴化…は分かるんだけど、その前の演説段階で既に涙してるんだよね、なんか変。
そして大神は暴走化した獣人達を目の前に、1000年前の皆殺しの時のことを思い出して暴走化。

何が起きてるのかは分かるけど、こっちの感情がキャラの感情に追い付かない。
この感覚は…ああ、4話の時と同じだ。
設定上の理屈どうこうではなく、視聴者の感情をもっと上手く誘導する描写はできなかったのか。
と、そんな感じで「なんかついていけない」、画面で起きてることをボーっと眺めるだけになってしまった。

最終回、ラスボスのアランが純血を維持してたというのも、あっそうって感じで全く重みが無い。
それこそ純潔維持のために先祖は好きでもない相手と子作りして来たとか、シブやバッククロスが当たり前に行われてたとか、なんか歴史的な重みを背負ってる造詣にはできなかったのか。
人種問題を扱った作品だと思ったら結局個人が相手だったっていう…「純血種」の一族郎党出すべきじゃなかったのかなぁ?
この作品は狼男だったので流されそうになるけど、もし吸血鬼だったらシモベが居て然るべきだと気付くハズ。
大神の中の人は十二の眷獣を従える第四真祖の役やってたり(“ストライクザブラッド”)、ボリスは…子安でバンパイヤ役というと“マスターモスキートン”まで遡っちゃって私自身がよく分からないや。
石川界人は…どうなんだろう?バンパイヤ役やったことない?
とにかく中の人はこれやってる間どんな気持ちだったのだろう。

そして市長の最後の言葉「根気強くやる(中略)幸い私には時間がある」、その後大神「お互いにな」って、これハダカデバネズミが長寿であること知らんと分からなくね?
って、アニヲタだったら知ってて当然なのかな。
タヌキとキツネは変身して人を化かす(変身能力がある)というのも日本独自の価値観な気が…これってネトフリ配信だそうで、敢えて日本の文化推しをした気がするのだけど、ターゲットがよく分からん。
5話のネタなんて外人分かるのかね?重度のアニヲタなら分かるのか?{/netabare}

総評{netabare}
淡々と物語のあらすじを見せられてる様で、何が起きてるのかは分かっても感情が乗れなかった。
画面では派手なアクションしてるハズなのに印象としては地味。
キャラ達がわちゃわちゃしてるのを「へーそう、大変だね」と他人事のように冷めた目で見てるだけだった、特に後半。
誰にも必死さを感じられなかった…せいかなぁ?
特にラスボスの目的が不明瞭、雑種を消し去りたかったのか?
人類に貸しを作ろうとした?セコくね?
セリフで「ボクたち純血種こそが~」と言うが、出てくるのが一人だけなので印象として受ける規模は小ぢんまり。
だったら「雑種のクセに自分と同じ能力を持ってる大神が憎い」や「我の能力を存分に振るえる相手を探していた」とか、もっと個人的な動機で良かったんじゃないかな。
ヘタに人種問題っぽいことに手を出したせいで扱い切れなかった予感。
また、人間を裏で支配し~とも言うが、これも「だからなに?」って感じ。
同じように人種問題を扱い、人ならざるラスボスが人間社会を裏で支配してたものとして“BEM”があるが、あっちは人間にウンザリしてた描写もあってこっちより踏み込んでた…気がする。
(最近“新サクラ大戦”の方の感想でもBEMを挙げて、まるで支持してるように思われるかもだけど、たまたまです。あれもそんなに面白くは…)

話が安っぽく、複雑にしようとしてキャラの思考回路だか行動原理が不明瞭になり、仕方ないから「なんか偉い人」を出してやっつけて閉めた、そんな印象。
絵も一見派手に見えるかもしれないけど地味、手を抜いてた気がする。
なにかの実験作なのか、“プロメア”をやって次のなにかをするまでの間の場繋ぎとしてテキトーに作ったのかな?{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

複雑な世界を単純化して問題を提起したことに、一定の価値はあったとは思うが。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
ジャンル分けは、難しい。

獣人だけが暮らす街、アニマシティでの生活を通し、世界を見つめていくという話。

アニオリ作品。テーマとしては小難しいのですが、そこはTRIGGERというふりかけをかけていますから、わりと勢いでも観られます。

小難しいことを考えて観るも良し。ノリと勢いで楽しんで観るも良し。中途半端とするかハイブリッドとするかは、貴方次第(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
基本的に、映像表現のセンスが良く、TRIGGERらしい迫力や勢いもある、クオリティ高いアニメだと思う。

このアニメは、獣人を描いているようで、人間社会を描いている。

「差別」「宗教」「ボーダレス」。内包するテーマは、とてもアニメ1クールで解決できるような軽々しいものではないので、いずれも問題提起で終わったような印象だったが、かえってそれが、「難しくなりすぎない」絶妙なラインだったのかなとも思う。

ただ、本作で一番惜しかったのは、「人間社会」を断片的にしか描いていないところだ。

獣人が人間から差別されるというのは、獣人が個体として人間より強いことと、人間が圧倒的に多数派だから。数の暴力。それはまあわかるとして、

「獣人は人間の恩恵を受けていないのだろうか?」

という疑問があった。アニマシティは獣人だけが住む街なのだが、アニマシティを作るための資材は? 重機は? インフラの維持は? 食料や水は? 経済は?

全て獣人達は「自給自足」できているのだろうか? 人間を嫌う歴史的な背景や、彼らが迫害されてこの街に来たという経緯、つまり、「過去」はしっかり示されている。納得もできる。

でもじゃあ、「現在」は? アニマシティ以外に住む獣人達の意思や思想は?

アニマシティは、ある意味「偏った社会」だ。ここに住むのは、人間社会からはじかれた、或いはそこに染まることを良しとしなかった獣人達であり、彼らの意見が人間社会にとって厳しいものになるのは当たり前。

だからこそ、その「一部」の意見を「全部」のように見せるのは、ちょっと危うさを感じた。

「差別」という繊細なものを扱うのであれば、「アニマシティで暮らさないことを選択した獣人の意見」や、「アニマシティを排除しようとする人間の意見」「アニマシティを好意的に捉える人間の意見」、「人間社会と積極的に関わろうとするアニマシティの獣人の意見」など、様々な立場からの意見を中立的に見せ、視聴者に考えさせるべきだろう。

そういう意味で面白かったのは、第4話(人間社会に憧れるマフィアの娘が、人間社会に向かう話)。あれは最後に人間が完全に悪に描かれたけど、ああいう単話のエピソードを色々繋ぎながら、オムニバスっぽくまとめてくれたら、もっと評価は出来たなと思った。

私は基本的に、社会的に弱い立場の人間に感情移入してしまうが、それは心情的なものであり、社会システムとして何が正しいのかというと、そんなにシンプルに物事は決められないのかなと思う。

例えば、私たちの暮らす日本(東京)は、シンガポールに次いで「清潔な都市」とされていて、それは日本人のモラルの高さも大きいから誇って良いと思うけど、一方で日本は、世界屈指のゴミ輸出国であり、大量のゴミを海外に捨てている。それは恥ずべきことだが、ただ、日本のゴミを受け入れることで収入を得て、生活している人々もいるから、安易に否定もできない。

このように、世界は複雑に絡み合っているものだ。でも、このBNAの世界は、何か「二元的でシンプルな世界」に思え、そこが、物足りなさを感じた原因だった。

ポイント、ポイントでは「凄い」と思う要素はあった。例えば2話。風俗街のママの話。獣人の社会の原則は弱肉強食だから、メスの立場が限りなく低いという設定。本作では「正義」の側に描かれるアニマシティを、単なるユートピアにしないためには大切なエピソードだと思った。貧民街の野球チームも然り。

例えば7話。渡り鳥の兄ちゃんの話。渡り鳥獣人にもしっかり人権を与えられたが、渡り鳥獣人にとってはそれがいい迷惑で、人権に縛られることを嫌う獣人の話。「人権」は「人が生まれながらに持つ、人らしく生きる権利」だが、それはあくまで人間目線で、(それが好意や善意からのものであっても)価値の押し付けにしか過ぎないという指摘には、1本取られた。なんか、欧米を揶揄してるのかな?とも思ったけど、相手の文化や風習をしっかりリスペクトした上で、互いが生きやすいように妥協点を探るってのは大事だなと思った。

10話の、心の拠り所を、偶像(アイドル)に頼るというのは、無神論者からすればバカバカしいが、宗教にも社会の中で果たすべき役割はあるという、非常にフラットな視点も良かったな(私自身も、何の神様も信じていないが、神様を信じる人を否定する気はない)。同時に、ボーダレス社会のムリも描いていたし。

こういう良い話が散見されながら、うまく繋ぎきれなかったところが、本当に惜しい。シローを主軸に置いたバトル展開よりも、タヌキ娘が色んな考え方に触れ、自らの生き方を決める話が良かった。シローを脇役の1キャラで使い捨てるくらいの覚悟があれば、違ったな~と。

とはいえ、アニオリ1クールで、ここまでちゃんとまとめているアニメは少ないから、基本的に、良いアニメではありますがね。

あと、「そろそろ黒幕じゃない製薬会社」が観てみたいです(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
映像のセンスの良さは、流石TRIGGER。決してユートピアではない。獣を描くことで人間を描くのね。

2話目 ☆4
ふ~ん、獣人も人間の姿で過ごすんか。弱肉強食の獣人の世界で、メスの地位は低い。これ、獣人の先史を知りたいな。

3話目 ☆4
製薬会社は、大抵、黒幕(笑) 不満げな、分かりました(笑)

4話目 ☆4
おお、ここでちゃんと、歴史を抑えるのね。痒いところに手が届く。当然、こういう世代も出てくるし、人間社会に憧れをもったりもする。逆に、人間の若い世代では、獣人をもの珍しがったり、ファッション感覚で肯定的に捉える人もいる。

5話目 ☆4
TRIGGERらしいというか、熱い展開だった。ミチルに仲間ができた。

6話目 ☆3
銀狼。食い物もらわないと助けない奴が神様なわけない。うちら、何にだってなれる。なずな、なかなか裏がある。というか、普通の子なんだろうね。

7話目 ☆4
なるほど、人権があることが必ずしも良いことではない。人間の視点だもんな。カッケェやりとりだな。政治的な複雑さが増してきた。

8話目 ☆3
罪人と二人きりで会えるシステムなのがな。犬のお巡りさん(笑) まあ、シロー銀狼は分かりやすいけど。

9話目 ☆3
とにかく、ウソくせぇな(笑) キモいから(笑)

10話目 ☆5
ニルヴァジール症候群。本当か? ただ、筋は通っている。人間が獣人を差別し、獣人は人間を憎む。宗教、アイドル、心の拠り所。市長のやり方が一番りにかなってるよな。ミニアニマタウン計画。ボーダレスによる弊害。これ、アイドルとして注目を集めさせ、銀狼(偽者)をライブ中に殺害。全ての獣人にストレスを与え、暴走を促す。その上で、薬を大量に売る。そんな流れかな?

11話目 ☆4
1話の涙は、感涙か。なるほど、人間が獣人になる恐怖と、獣人が人間になる恐怖は、等価か。

12話目 ☆3
ラストは力業で大団円。まあ、それも良し。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 32

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

私は変わる、世界を変える。

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
TRIGGERらしさ溢れるタッチの作品だったのではないでしょうか。


“人類”と“獣人”が共存する社会。

獣化遺伝子・獣因子を持つ獣人たちは、近現代の自然の消失により住処を追われ、人類の前に姿を現した。
各国が共存のための対応に追われるなか、日本では獣人が獣人らしく生きるための獣人特区
『アニマシティ』が設置される。

それから10年の月日が経ち、『アニマシティ』に17歳のタヌキ獣人・影森みちるがやってくる。
普通の人間だったが、ある日突然タヌキ獣人になった彼女は「ここなら自由に生きられる!」と喜ぶが、
ひょんなことからオオカミ獣人・大神士郎と出会い、
『アニマシティ』にもこの街にしかない危険がたくさん潜んでいることを知る。

頑固な性格で過剰に人間を嫌う士郎とは衝突を繰り返しながら、みちるは怪しい女のマリーや、
市長のロゼ、獣人生活協同組合のジェムとメリッサなど、たくさんの人々に出会い、
それまで知らなかった“獣人”たちの生き様を学んでいく。

そして、タヌキの少女とオオカミ男に生まれた絆は、やがて世界を変える鍵になる。
なぜ、みちるは獣人になってしまったのか。その謎を追ううちに、
予想もしていなかった大きな出来事に巻き込まれていくのだった。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

すみれちゃんと長縄さんが出演されると知り、視聴に気合の入った作品です。
すみれちゃんの役どころは概ねイメージ通り…明朗快活な女の子役がすみれちゃんにはピッタリだと思っています。

少し以外だったのが長縄さんの役どころ…
長縄さんといえば、「小林さんちのメイドラゴン」のカンナカムイ、「スロウスタート」の千石冠、「はたらく細胞」の血小板、「女子高生の無駄遣い」のロリ、「アズールレーン」のラフィーなど、舌足らずっぽい(決して舌足らずではありません)役どころが多かったので、すっかりそのイメージが私の中で定着していたからです。

今回長縄さんが演じるのはすみれちゃん演じる主人公「影森みちる」の親友である「日渡なずな」という、アイドルを目指す女の子です。
これも長縄さんの新境地…というヤツなんでしょうか。
とても新鮮で、でも違和感を感じさせないのは、やはりプロだからなんでしょうね。

一方、物語の方は獣人特区である「アニマシティ」を舞台として物語が進んでいきます。
1点だけ気になったのは、公式HPのトップページに記載されているタイトルです。
「BRAND NEW ANIMAL」と記載されているんです。
直訳すると、「真新しい動物」となりますが、公式HPのINTRODUCTIONに記載されている通り獣人の歴史は長く、意味が当てはまりません。

…と思っていましたが、物語を完走したら腑に落ちた気がしました。
そう、起点の置き方ひとつで如何様にも解釈できるからです。
自分たちが自分たちの望み通りの生き方が選択できる…
そこには不安要素が微塵も無い世界が到来するなら、十分意味合いが通じますよね。

レビューのタイトルである「私は変わる、世界を変える。」公式HPのトップページから引用させて貰いましたが、改めてこの言葉の重みを感じます。
ここで指している「私」はみちるだと思いますが、彼女一人の功績ではありません。
みんなが正しい方向を向いて一人ひとりの役割をきっちり果たした結果だと思っています。
だから、たった一人じゃ世界は変えられないかもしれない…
だけど、みんな一緒ならどんな困難だって乗り越えていけることを示唆しているのではないでしょうか。
最初から最後までトリガーさんらしさで埋め尽くされた作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、影森みちる(すみれちゃん)による「Ready to」
エンディングテーマは、Shin Sakiura feat. AAAMYYYさんによる「NIGHT RUNNING」

1クール全12話の物語でした。
「キルラキル」や「ダリフラ」同様、トリガーさんの作風に慣れ親しんできた方ならきっと楽しめると思います。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 28

63.7 14 コミカルアニメランキング14位
南鎌倉高校女子自転車部(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (207)
753人が棚に入れました
高校入学をきっかけに長崎から鎌倉へ引っ越してきた女の子、毎春ひろみ。
新しい土地に新しい学校、そして新しい友だち。
そんなわくわくする日常との出会いではいつも自転車といっしょ!
鎌倉を舞台に女子高生たちの自転車に想いを込めた青春が始まる―――!

声優・キャラクター
上田麗奈、広瀬ゆうき、藤原夏海、高森奈津美、渡部紗弓、竹内恵美子、久保ユリカ、福緒唯
ネタバレ

涼宮ハルカスキー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

アレとは違うのだよ、アレとは!

※2017/03/25第12話ネタバレ追加、物語評価ダウン、総括を追加
※2017/03/18第11話ネタバレ追加、作画評価ダウン
※2017/03/11第10話ネタバレ追加
※2017/03/04第09話ネタバレ追加
※2017/02/25第08話ネタバレ追加
※2017/02/18評価変更、第07話ネタバレ追記
※2017/02/11本文および第06話ネタバレ追記
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本作品が一見地味とか昔のアニメっぽいと言われる所以ですが、自分はそれは登場人物の『髪』にあると思います。

南鎌倉高校の校則かもしれませんが、彼女達は髪の毛、染めてませんよね。髪型もごく普通のスタイル。
昨今のアニメにはあり得ない設定で、ここが落ち着くポイントなのだと思います。
※意図的か無意識か分かりませんが、彼女達のキャラデザインはアイドルマスター(765プロ)に似てますね。

ただ、そんな地味な彼女達ですが、みんなスタイルは非常に良いんです。
このようなメリハリのある設定が好きです。
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2017年冬アニメで一番気になっているのが『南鎌倉高校女子自転車部』。

あー、またか。女子が自転車に乗るって奴…
  ↑
って思った人は誰ですか!?
もしかして「アレ」と一緒にしてませんか?
あの前代未聞の話題作の「アレ」と?

ちが~う、「アレ」とはぜんぜん違う!つうかこれが本命!

まず、ヒロインが自転車に乗れないところから始める!このド素人感が良い!そして自転車に徐々に目覚める過程を描くところが良い!

次にストーリーですが、「アレ」はいつも同じパターンだったでしょ?
でも、『南鎌倉高校女子自転車部』のストーリーはふつうに面白い!(少なくとも原作では!)だから期待する!

ね、ねっ!なんか気になるでしょ!そういう人は公式のPVを見て下さいよ~
  ↓
https://www.youtube.com/watch?v=wLTo7InIp7o
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各話の内容を以下に記します!
{netabare}
■第01話
原作では主人公のママがちょっとボケてて、ひろみが自転車に乗れないことを忘れていたのだが、アニメでは主人公ひろみがボケていたというようにストーリーが変わっています。ヒロインの性格を第1話で固定したいと思ったスタッフの気持ちが分かります。
あと、入学式のモブの中に今後活躍するであろう仲間達をセリフ無しとはいえ、しっかり描いていたのが好感です。
■第02話
入学式で出会った巴と一緒に鎌倉市内を自転車で散策です。ここでのポイントは迷子になったヒロインを自転車オタク達が探すシーンなのですが、より現実に合わせて重要なポジションにある3名だけを登場させています。こういう切り捨ての考え方いいですね。
ラストCパートで巴の祖母・妹が集まり、人間関係が明らかになるシナリオもグッドです!
■第03話
いよいよここで本作品のタイトルである自転車部を創る話になります。
今回の話で重要なのは、自転車をテーマにしたアニメなのに今回主人公達は全く自転車に乗っていないのですよ。よっぽど自信がない限り、こういう大胆なシナリオは出来ません。
アニメスタッフのやる気に完敗です!
■第04話
さて、女子が自転車に乗る…と言えば皆さん「ろんぐらいだぁす!」を思い出すはずですが、本作品が「ろんぐ~」と違うところは自転車バトルがあるところです。
本作品の聖地である鎌倉は坂道が多いということで有名ですが、今回、この坂道を使ってバトルとなります。
さて、ひろみは勝てるでしょうか?
勝敗に関係なく、いい話です!
■第05話
今まで、順調に進んできた自転車部の話ですが、ここで成果が出せなければ廃部になるという危機に見舞われます。
と言っても成果って…
「サイクリングして、行った先でご当地グルメを堪能してじゃ… ダメよね…orz」
っていうのは、まさに「ロングライドして美味いもの食って、あー幸せ~」と言い続けていたアレに対するアテツケですかね(笑)
{/netabare}
■第06話
{netabare}前回の続きで、いよいよナイタークリテリウムに挑戦の主人公達。
ナイタークリテリウムは、本作品のOP中に出ていますので、おそらくこのイベントが本作品のクライマックスになるのではないかと推測します。

※ストーリーのクライマックスシーンをOPに入れるというスタイルとして記憶にあるのは、2008年の『セキレイ』ですね。あの作品は第一期ラストの鉄橋での戦いを最初からOPに盛り込んでいました。

原作と比べて気付く点は2つあります。

1つは、ストーリー展開をどんどん前倒ししていること。もっと後のエピソードも出し惜しみせず今回に盛り込んでいます。1クール内になんとしても完成形に持ってきたいというスタッフの意図が感じられます。
2つ目は、キャラクターの性格を原作よりも明確にしていること。今回も主人公ひろみが「この子、本当に天然なんだな」と分かり思わずほっこりします。

今回もよくできたいい話です。
{/netabare}
■第07話
{netabare}ナイタークリテリウム中盤です。
原作と比べると、冗長なところを省いてテンポの早い展開となっています。そのためストーリーが分かりやすく、またレース中ということもあり観ていてこちらもテンション上がります。

今までは自転車が好きな仲良しグループが一緒に走るというスタイルでしたが、今回から「勝ちたい!」という意志が出てきました。更に勝つためにはどうすれば良いかをそれぞれが考えていく過程に、主人公達の成長の姿が感じられ、共感度upです!
{/netabare}
■第08話
{netabare}いよいよ、ナイタークリテリウムの終盤となります。
※自分のポリシーと反してしまい、原作との比較になってしまうのですが…

今回はかなり原作に沿ったシナリオになります。

これが良いのか悪いのか… 既に原作を読んでしまった私には判断することはできません。

皆さん、本アニメをご視聴の上、忌憚のないご意見をお願いします。
評価していただきたいポイントは「妄想」の部分です。

ちなみに自分はこの原作のストーリーは嫌いだったりします。
つうか、現時点においてもまだクマさんの中の人が…
『????』
というのはなんとかした方がいいと思います。

ただ、そこまでけなしながらも、この作品を気に入っているポイントとしては…

『姉妹愛』が充実しているところです。

従来のアニメでは「兄⇔妹」というテーマで作られた作品は多かったと思いますが、純粋に「姉⇔妹」というものは珍しいような…?????

※反論待ってます!
{/netabare}
■第09話
{netabare}先週までの熱いレースとは打って変わって、今回はのんびりモードのお話。

というか今回は鎌倉の聖地巡礼のバイブルとなりそうなストーリーでした。そろそろ気温も暖かくなってきたこともあり、いよいよ自分も巡礼の旅に出ようかな…という感じです。

そしてついにクマさんの正体が明らかになります。
※というか、OP/EDを見てれば誰でも分かっていたけどね。
正体が分かった瞬間、主人公ひろみは「あ、金髪」と驚きますが、この前提となるのが本作品では登場人物は皆、髪を染めていないだろうという設定。これがここで生きてくるワケですよ。最近のアニメでは出来ない演出ですね。

ところで本作品が12話までとすると、残すところあと3話しかない…
これで木崎湖に行けるのか非常に心配。

というか、最終話が「木崎湖に到着して終了」という『あの夏で待ってる』的な終わり方を希望します!
{/netabare}
■第10話
{netabare}今回は輪行の話。

本作品の良いところは「保護者たる大人が子供の成長をサポートしている」姿がしっかり描かれている点です。今回もバッチリです。

しかも、決して付きっきりではなく、ある程度は切り離して子供の自立心を養おうという姿勢も見られ、大人と子供の良い関係が築かれていることが分かります。

気になる今後のストーリー予想は原作にならうと、
第11話…輪行の続き→ゴールへ到着がAパート
    湘南台かもめ高校の話がBパート
    ※ヒルクライムはカット?
第12話…木崎湖に到着で終了!

原作では木崎湖エピソードから仮想現実の世界になってしまい、本来の自転車話とだいぶ離れてしまいます。ですので、VRになる前でアニメを終わらせるのがいいんじゃないかな…と個人的には思っています。
{/netabare}
■第11話
{netabare}前回の続き。

今回もJKを見守る大人たちの下心のないアドバイスに感動します。
というか、実際こんな娘達が自転車で走ってたら、ナンパされまくるんだろうなぁ…と。
そういう意味で本アニメは近年まれにみる健全な作品です。

本作品では自転車の作画にCGを使っていますが、今回、自転車に乗っている「主人公達」も合わせてCG描画しているシーンがありました。これって村田製作所の自転車ロボットみたいでちょっと戴けないなぁ… 上半身を全く動かさないで脚だけ動かしているのがマズイのだと思います。

原作にあった湘南台かもめ高校の話がなくなったということは、この期に及んでもう新メンバーは出てこないということなので、気になるのは次回(最終回)は綺麗にまとめるパターンでしょう。

アニメオリジナルエピソードを追加して「木崎湖に着いて終了」という終わり方に期待します。
{/netabare}
■第12話
{netabare}まさかここに来て、アニメオリジナルのエピソードです。

勝手にこっちが期待を押し付けてしまうのはいけないことだと十分承知しています。
しかし、自転車乗り及びアニメオタクの聖地である「木崎湖」のエピソードを何故外したのでしょう?せっかく原作にも出てきたのに…

確かに原作では木崎湖から話がおかしくなってしまい、純粋な自転車コミックとは言えなくなってしまうので、ここを外すというのは考えられますが…
もしかして「ろんぐらいだぁす!」とは違うことをアピールしたくて新しいエピソードを作ったとしたら、とても残念なことです。
{/netabare}

■総括
色々文句を言わせてもらいましたが、アニメ単体としては綺麗にまとまった良い作品だったと思います。変に媚びているところもないし、JKだからというあざといところもないし…
また、JK部活動アニメにありがちなゆるふわなところもなく、一生懸命前向きに頑張っている姿には素直に好感が持てました。

原作はまだ続いていますが、内容が変わってしまうので続編はムリだと思います。
※もしもやるんだったら、SAOみたいな話になるでしょう
ですが、もしも出来るのだったら、木崎湖を純粋にサイクリングするOVAが観たいですね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

南鎌倉高校女子自転車「競技」部じゃないところが作風を決定付けている

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
自転車×女子高生 という組み合わせ。日常系をベースにしている毒のない作風ですから、観ていて不愉快になる方は少ないと思います。

自転車導入としては、正直イマイチ。前期(2016秋)の、「ろんぐらいだぁす」の方が上に感じました。つか、エンディング後の「A応P初めての自転車部」の方が、自転車導入としては優秀だったかもw

もっとも、「自転車部を舞台にしたキャラものアニメ」という点では、本作に軍配が上がると思います。また、鎌倉の美しい景色を眺めたり、有名観光地を擬似的に巡れるのも本作の魅力のひとつだと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
自転車部であって、自転車競技部じゃないのが、このアニメをよく表す特徴だと思います。サイクリングから始まり、レース、ロングライドと、「自転車」であればなんでもござれ。そのなんでもござれ感が独特のユルさを醸し出しています。

放送時期もあり、当然「ろんぐらいだぁす」と比べられると思うけど、作画以外は「ろんぐらいだぁす」の方が好きかな(僅差だけど)。

「南鎌倉高校自転車部」は、自転車の辛さや大変さを意図的に廃していて、「自転車最高!」って感じだけど、悪さもあっての魅力だと思うので。

「ろんぐらいだぁす」の面々が自転車のことを悪く言うときは、「それでも好き」「手のかかる子ほど可愛い」って感じが出ていました。深読みすれば、「酸いも甘いも知り尽くした大人な女子大生」と、「まだ恋に恋する女子高生」の違い、とも言えるかな(考えすぎw)。

自転車アニメを女子高生にやらせるとこうなるのか、なるほどと思ったのが、経済的負担を描か(け)ないということです。

ロードバイクなんて金食い虫、高校生の小遣いじゃムリだし。それを救うために、部費(&身内かつ理解ある学園長)、知り合いの自転車屋、理解がありポケットマネーを出してくれる顧問、金持ちの仲間、優しい他人の寄付と、かなりご都合主義的な好条件をそろえましたねw

まあそれが、独特の優しさやユルさを生み出しているので、一概に短所とは言えませんが。あまり、世知辛い女子高生なんて見たくないしねw

しっかし、主役の声が上田麗奈さんですか。キャラもかぶってるし、演技も「ばくおん」の「佐倉羽音」まんまでしたね。「ばくおん」であれだけロードをディスッていた一員が、これだけ自転車を楽しんでいる、というのも……ねぇ(苦笑) なぜ、こんなキャスティングにしたんだろうか、偶然ってことはないだろうけど(汗)
{/netabare}

【追記 特別編 感想】
{netabare}
第13話として、南鎌倉高校自転車部の面々が台湾に行く話。修学旅行の下見を授業期間中に(校長の身内の)生徒に行かせ、予算も学校持ち、出席扱いなんて、マスコミに叩かれそうなネタですねw

いや、修学旅行の下見のわりに、ご飯を食べる店が小さく、あそこに学年の生徒が全員入ると思えないな。いや、修学旅行で夜市に生徒を出すなんて、有り得ないかと。いや、臭豆腐、あれはキツいよ(汗) まあ、揚げたやつなら食べられなくもないけど。いや、唯一の引率教師が海外で夜に女子高生ほっぽり出してマッサージとか、処分の対象だから。いや、報告書は顧問が書かずに生徒に書かすんかい。

とにかく「修学旅行の下見」という設定に無理があったと思います。別に「商店街の福引き」とかで良かった気がします。

ただ、台湾を取り上げたのは自転車アニメならではで良かったと思います。きっと、ロケハンも楽しんだのでしょうね(邪推)w
{/netabare}

【余談 ~ 行かずに死ねるか ~】
{netabare}
自転車で世界一周した、石田ゆうすけさんの書いたエッセイ「行かずに死ねるか ~世界95,000㎞一人旅~」を、つい先日読んだ。かなり良いエッセイで、オススメ。旅に出たくなる。

実はこの本の後書きを、椎名誠さんが書いていた。その文章も秀逸。

椎名さんは、「自分も石田さんが観た景色はほとんど全て見ているが、自分は、仕事で車(他力)。自転車(自力)で観た石田さんとこうも感じ方、見える景色が違うのに驚いた」という主旨のことを言っていた。

この「南鎌倉高校自転車部」でも、「自力」の良さはたくさん描かれていた。

自転車に興味がある方、旅に興味がある方、このエッセイは絶賛オススメですよ♪

ちなみに、余談の余談で、上記の本が楽しかったので、「とまらない好奇心! ~次の旅を夢見て~:会社員 自転車で世界を走る」っていう、大島義史さんの本を読んでみたんですが、これがつまらないツマラナイ(笑) 内容じゃなくて、文体がね、鼻につく鼻につく。リアルな話なのにリアリティがない。比べて読むと、内容は近いのに、こんなに魅力が違うのかと驚きましたね(苦笑)
{/netabare}

【余談2 ~ 原作者は多分、赤松健ファンw ~】
{netabare}
本作には、「サンディ・マクドゥガル」という人物が出ますが、この名前、赤松健先生の「A・Iが止まらない!」に出てくる「シンシア(シンディ)・マクドゥガル」からとっているものと思います。「ラブひな」には、「サラ・マクドゥガル」も出てるから、合わせたのかな?

赤松作品のファンとしては、ちょっと嬉しかったです♪ もっとも、シンディ自体は「惣流・アスカ・ラングレー」をモチーフにしてるんで、キャラ(性格)は全然違うけどね。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
主人公のひろみ、びっくりするくらい「ばくおん!」の「佐倉羽音」なんだが(笑) ワザとか? 演技の幅が狭いのか? あれだけ「自転車よりオートバイ」って言ってたのにね(笑) キャラデザはなんか古くさいね。景色は普通に綺麗だけど。エンドカードが、妙にエロいw

2話目
なんかこう、インパクトに欠けるアニメですな。キャラは分かりやすく描き分けられているので、大丈夫そうですが。

3話目
良い回だ。自転車の魅力を、お年寄り(校長&祖母&大先輩)の目線から語られるのは良かった。歴史を踏まえての語りには説得力があるし、それを孫が復活させるのも胸熱。

4話目
勝負する意味が分からない。どうせなら、「水泳部入るって口約束してた」くらいで良かったのでは? つか、膝を故障してたのに、チャリの座りこぎで登り坂は自殺行為では? ヒロコ先輩、メッチャ男前w

5話目
やはり、ロードか。このまま、ママチャリのアニメも観てみたかったがw 大切な物を買うときほど、最後は一目惚れって、大事だと思う。

6話目
スカートでロードに乗るという、違和感w まあ、確かに女子高生なら体のラインは気になるよね。そこは「ろんぐらいだぁす」には無かったところだね。足がはまらなかったって、ムリにドラマを作らなくてもw それは良いんだが、早くスタート切ろうよ(苦笑)

7話目
初心者であり、今日初めて「トレイン」を習った巴と冬音が、「最後まで夏海さんに引いてもらうわけにはいかない」って? 「引く」という専門用語が出てくるのに違和感を感じた。完全に自転車競技。エースと準エースを勝たせるとか、マジで弱虫ペダル。

8話目
どう考えても一番凄いのは、熊さんw (ロード)バイクが話すとか、マジで「ばくおん!」w

9話目
鎌倉PR回。鶴岡八幡宮も銭洗弁財天も行ったことあるけど、良いとこだよね。自転車は本来競うものではない、ってこと? 学校行事とはいえ、制服で走る違和感。サンディ・マクドゥガル……原作者は「AIが止まらない(赤松健)」ファンだなw

10話目
なるほど、女子大生ではなく、女子高生になら、高いロードバイクもプレゼントされるわけか(苦笑) 先生、部活なんですし初心者なのに、大事故あったらどうすんの?

11話目
急に自転車レクチャー始まったけどw ハンガーノック→甘すぎ!→パンク って、「ろんぐらいだぁす」まんまやんw そして、観光案内も忘れないw え~のし~ま、どーーん!(釣り球)

12話目
校長の話、深いようで浅い気がするw てか、充分に楽しんでたやん(苦笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 34

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

♪このまま道が真っ直ぐなら誰にも追いつけない 自転車は街を駆け出す♪

この作品の原作は未読ですが、主人公を上田麗奈さんが演じる自転車モノと知り、「ばくおん!!」の自転車版みたいなイメージを持って視聴に臨みました。

それにしても、最近は自転車ブームなんでしょうか…?
アニメでも縦続けに自転車モノが放送されています。

ガチでロードレースに挑む「弱虫ペダル」
仲間と同じ目標を掲げ、それに向かって自分を高めていった「ろんぐらいだぁす!」
これらと同じ感じでこの作品を表現すると、「自転車の楽しみと走る喜びを全部を使って描いた作品」
という事になるのでしょうか…
視点が作品ごとに異なるので、同じ自転車モノと言いながら作品から受ける印象も違います。
でも共通して言えるのは「頑張ってペダルを回す勇姿」は視聴者の気持ちを熱くしてくれる…という事だと思います。

この物語の主人公は舞春ひろみ…高校入学に合わせて長崎から鎌倉に引っ越してきた女の子です。
入学式当日…家から最寄りの駅までは自転車通学…颯爽と自転車に乗り漕ぎ出す彼女でしたが…
実は彼女は小さい頃の補助付き自転車しか乗ったことがない…というオチが待ち受けていたんです。

そういえば、長崎も鎌倉も土地の高低差が大きいので小さな女の子が自転車でスイスイ走るのは、難しかったのかもしれません。
だから自転車に乗らずに育ってきた…こんな人はきっとたくさんいるんだと思います。
歩いたらそれなりに時間がかかる距離も自転車ならあっという間…
自転車から受ける恩恵は年齢を重ねるたびだんだん大きくなっていきます。
だから長崎と同じような土地柄でも自転車を選択するのはごく自然な発想…

でも正直思ったのが「ここから…?」でした。
これまでの作品は自転車に関する知識は無くても自転車に乗れない人はいませんでした。
でもこの作品は補助輪無しの自転車に乗れるようになるところから物語が始まるんです。
そんな一抹の不安を抱えながらひろみちゃんの自転車ライフが動いていきます。

類は友を呼ぶ…
自転車は人を繋ぐ乗り物で、ひろみちゃんの周りにはひとり…そしてまたひとりと仲間が増えていきます。
あっという間に仲間の輪は4人にまで膨れ上がるのですが、ロードバイクを持っていたのはその中のたった一人だけ…
だから自転車を選ぶところから始まるのですが、この辺りでようやく気付きました。

この作品はロードバイクの導入編に位置しているという事…
自転車に興味を持って挑戦してみようかな…と思い立った時の指南書的存在…
だから展開はゆっくりですが、優しさと温かさを感じます。

確かに全力全開のレースは視聴者を惹きつける魅力に溢れていると思います。
でも、自分でも自転車に乗ってみようかな…と思ってもいきなり同じ様に乗る事はできませんし、何よりどんな自転車を選べば良いのか…初心者はここから躓くんです。

でもここで躓くのは当たり前だと思います。
同じ様な形の自転車が並んでいたとしても、どれが自分に合っているのかが分かりません。
そして適当に選べない価格帯…本当に一般的に普及している軽快車よりゼロが一つ多いんです。

そんな時は是非この作品を参考にして欲しいと思います。
自転車をどうやって選べば良いのか、懇切丁寧に教えてくれる作品です。

でもどれだけ教えて貰っても自分の1st inspirationにマッチするか…というとそれは個人差があると思います。
スタイルが気に入ったから…
自転車に妥協したくないから…
決め手は人それぞれ…それ故に選べない、という選択肢だってあると思います。
自分にとっての唯一無二の相棒になる訳ですから…

でも、みんなが選んだから…という安易な理由で妥協することなく、自分が心から「これだ!」と思える自転車に巡り合えるまで待っていてくれるのもこの作品ならではの優しさだったのではないでしょうか。

みんなの目標は南鎌倉高校に女子自転車部を創立すること…
部を立ち上げる…所定の部員数を集め顧問の先生を決める…
普通はこれだけで部が出来そうなものですが…この学校の部活はそれだけじゃ不足でした。
自転車を通じて仲間との絆を高め、時に非情がみんなのためになる事を学んできました。
彼女たちは目標に手を伸ばすことができるのでしょうか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、A応Pさんの「自転車に花は舞う」
エンディングテーマは、いかさんの「にじゆめロード」
どちらも恰好良い曲ですが、聞いた瞬間に電気が流れたのはオープニングのイントロからサビのところでした。
これまでも良い曲をたくさん聞いてきました。
それでも、身体が痺れる様な曲を作り出せる人間の発想力ってやっぱり凄いと思います。

1クール12話の作品でした。
ペダルを回せばどこまでだって行ける…
それはプロ、初心者に関わらず自転車に乗る人に与えられた公平な権利…
そんな自転車の魅力と楽しさを全部で表現した作品だったと思います。

実は最近通勤方法が変わって自転車を使うようになったんです。
昔乗っていた自転車は破棄されていたので…思わずロードバイクを買っちゃいました。
といってもゼロが一つ多くない価格帯のですけど…
きっと本格的にロードをやっている人が見たら、私の買ったロードはおもちゃ同然なのかもしれません。
でも…やっぱり嬉しいです。
物語の中でロードバイクの乗り方についてレクチャーしてくれていましたが、教えて貰った通りにしてみると気持ちよく走れた…気がします。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

54.6 15 コミカルアニメランキング15位
魔法少女大戦(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (131)
750人が棚に入れました
原作:松井健/伊藤桃香/GAINAX、監督:大野木彩乃、キャラクターデザイン:川元まりこ、プロデューサー:アサオヨシノリ、脚本:兵頭一歩、音響:小泉紀介、キャスティング:藤崎淳/中村賢一、荒川美穂、山寺宏一、新谷良子、竹内良太、村川梨衣、新井里美、南條愛乃、岩田光央、小松未可子、千葉繁、小岩井ことり、西口杏里沙、寺崎裕香、山口勝平、、、

声優・キャラクター
荒川美穂、山寺宏一、新谷良子、竹内良太、村川梨衣、新井里美、南條愛乃、岩田光央、小松未可子、千葉繁、小岩井ことり、西口杏里沙、寺崎裕香、山口勝平
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

音楽がヒロシワタナベと聞いて

ニコ生でタイムシフト消化に励んでいましたところ、
村川梨衣さん出演の番組、『魔法少女大戦』応援番組まほテレなる番組を発見、
それを契機にHDレコーダーの録りだめをチェックしてみることにしました。
なお、そのまほテレの方はいつものりえしょんですので、お好きな方はどうぞ
http://live.nicovideo.jp/watch/lv176909772 次回は5/14(水)21:30~


これはご当地を”地味”に守る魔法少女たちの物語
―なるコピーが冠された5分枠のショートギャグアニメ。
1~3話が宮城県のキャラで、4話~が静岡県のキャラ、と
各地のキャラで展開していくらしい。

制作はGAINAX。
庵野秀明、摩砂雪、鶴巻和哉らのスタジオカラーと
今石洋之、すしおらのトリガーとに分裂し、
昨2013年の中でも鮮烈な印象を残した
『ステラ女学院高等科C3部』を制作した”あの”GAINAXです。
既にいやな予感しかしない(ノ∀`)

果たして、まあダメダメな印象。
一部除くモブキャラをも別けることなく埋めこまれた背景はチープ極まりなく、
メインキャラはある程度動くものの、背景から浮いて見えてしまっています。
例えば、変身シーンの途中では不自然な止め絵が織り込まれたりと、
全然キマらず、気持ちよくない。
途中で予算が切れちゃったかな?みたいな。

お巡りさんに主人公が警察署に連行されるオチの1話は、
理由が魔法少女の使い魔が余計な口を挟んだからであることが判りづらいし、
使い魔が悪びれるわけでもなく、開き直るでもなく、面白さに繋がってないと思いました。
お巡りさんの顔が一瞬デューク東郷になるギャグも全然笑えず。

視聴理由だった音楽も、特に良くはなかったです。ありがたみ0でした。

宮城県主人公の使い魔スズメ役が山寺宏一さんだったり、
静岡県主人公役は南條愛乃さんだったりと、
予算配分間違ってる気が激しくしますよ。


◆ヒロシワタナベについて(本編に無関係なので伏せ字にしときます)
{netabare}
Hiroshi Watanabe、QUADRA、KAITO、TREADらの名義を用いて
Kompakt、KLIK RECORDS、Frogman Records他、多数のレーベルから
エレクトリックなディ-プハウス、テックハウス、ダウンテンポ、テクノ等
をリリースしてきたトラックメイカー。キャリアは恐らく20年以上。
私はプレイしたことありませんが、ビートマニアシリーズへの曲提供でも知られています。
これまた未見ですが、エウレカセブンにも1曲提供しているとのこと。
ストーリー構成の佐藤大とのツテによるものなんでしょうね。

ヒロシワタナベと言えば憂いを帯びた曲調、と思います。
http://www.youtube.com/watch?v=tvKjTYXhJGE
http://www.youtube.com/watch?v=Vvz4ubyNiss
http://www.youtube.com/watch?v=OwM8RlBRxs8
江戸アケミに言わせれば、日本人てクライねってことになってしまうんですが、
これが馴染むんだからしょうがない(´・ω・`)
夜明け前とか秋の夜長に聴くと一層グッときます。
{/netabare}
とりあえず、なんでこの人を起用したのか理由を知りたい(ノ∀`)


OP曲の好き度:3/5(livetune adding やのあんな / オール・オーヴァー)
・作詞・作編曲はkz。正直、1分のTV ver.だと短すぎてよくわからん。

作品の好き度:2/7(4話まで視聴の暫定 14/5/6初up)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

来週も、かしこみかしこみもーす、ですっ^^

この作品は、各都道府県に散らばっているご当地魔法少女が「マガツヒ」と呼ばれる闇の存在と戦うゲームが基になっているようです。
テレビアニメ版では、さすがに47都道府県分の放送は難しい、という判断があったのでしょう・・・
47都道府県を代表して宮城県、静岡県、東京都、石川県、三重県、熊本県、京都府、島根県のご当地魔法少女の「マガツヒ」との戦いが描かれています。

私は自分と縁やゆかりのある場所しか良く分かりませんでしたが、ご当地魔法少女というだけあって、ご当地を上手く表現したコスチュームなど設定が細かいです。
私が知っているのは宮城県・・・伊達政宗が築城した「青葉城」と「鳴子こけし」が組み合わされて「青葉鳴子」ちゃん・・・
コスチュームは仙台の夏のお祭りである七夕がイメージされていたようです^^
2014年の秋アニメで某作品を視聴しているせいか、鳴子ちゃんの大変ご立派なツインテールは確実に入部条件を満たしてるよね・・・などと一度脳裏に浮かぶと、もう気になって仕方がありませんでした・・・というのは蛇足ですね(//∇//)

この作品のこだわりは、それだけではありません・・・
魔法少女と魔法少女が飼っているペットの声は、原則として声優さんの出身地となっているそうです・・・すごいこだわりですよね^^

一方、物語の方ですが・・・
自分が魔法少女である事を既に受け入れている少女、気づいたらいつの間にか魔法少女になっていた少女など、経緯は皆んなバラバラです^^;
そのため「マガツヒ」との戦いを好む者と、そうではない者が出るのはある意味当たり前だと思います。
でも、魔法少女は一歩前に踏み出すんです・・・

バリエーションが47もあるので、全てが当てはまるわけではありませんが、
守りたいモノがあるから・・・
自分の生まれ育ったその場所が大好きだから・・・

魔法少女・・・私達人間も一緒だと思いますが、突き動かされる衝動ってそんな特別なモノじゃなく、ごく身近にあるモノを大切にしたい・・・
という思いの強さの表れなのかもしれませんね^^

それと、物語の中の台詞でたびたび登場した「かしこみかしこみもうす・・・」
神主さんの祝詞奏上で良く耳にする台詞ですが・・・
ナレーションの最後の「かしこみかしこみもーす、ですっ」がとても耳に残っています。
ただ「ですっ」が付いただけなのに、何でこんなにも可愛らしく聞こえるのだろう・・・と思いながら毎回楽しみにしていました(//∇//)

2クール26話のショート作品です^^
時画面右上のゲームの宣伝のテロップが無ければ・・・と思う事もありましたが、私は総じて楽しむことができた作品でした^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

とにもかくにも「かしこみかしこみも~す!」

これを最後まで見た視聴者は果たして何人いるのでしょうか・・・?

本編はぶっちゃけて言えば完全にゲームの催促で、見応えあるものではありませんでした。

魔法少女というのが古来より日本各地を守る守護者のような存在、ご当地魔法少女。そんな設定は面白いと思いましたが。
一地方につき2話、かなりハイペースで話が進んでいくのでキャラのバッググラウンドを楽しむ余裕はありません。

少女たちが、自分の街を守るため‘マガツヒ’と戦う。
その中で自分の中の不安や孤独と葛藤する。
無事葛藤に打ち勝ち、マガツヒを撃破しハッピーエンド。
というのが基本的なストーリーです。


とにかく登場する魔法少女が多かったです。もう全員は覚えていないくらい(笑)

今も覚えているのは、南條愛乃さんが演じた浅間まつりちゃん。
静岡県出身で実家が神社ということで、清楚な雰囲気が良かったと思います。
雰囲気の割には元気いっぱいやんちゃなロリっ子というのも可愛い。


各地方の特色あふれるデザインは面白かったと思います。ちょっと動きにくそうな子もいましたけど。
この設定で行くならやっぱり京都の近衛めぶきちゃんが一番良かったですね。和風だし。


まあでもキャラを楽しむならアニメを見るよりゲームをやった方がいいかもしれませんねー。
アニメのレビューでこれは言っちゃおしまいですけども。


アニメで凄かったのは次回予告です!これはたまげました。

今までにも早口の次回予告を採用しているアニメはけっこうあった気がしますが、今作はノンストップで30秒程、一気に喋ってました。勢いが違います。
ナレーションは秦佐和子さん。
最近声優デビューしたばかりなのに凄い!今後に期待です。

このアニメは次回予告が楽しみで見ていたといっても過言ではありません。
「かしこみかしこみも~す!ですっ!!」
うーん可愛い。



アニメの方はいかにも低予算で、作画的にも演出的にもあまり期待できないので、声優目当ての方以外はお断りな感じです・・・・。

でも次回予告は面白いので一度聴いてみてほしいですね!かしこみかしこみも~す!!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 12

69.8 16 コミカルアニメランキング16位
アラジン(アニメ映画)

1993年8月7日
★★★★☆ 3.9 (85)
628人が棚に入れました
街で城から抜け出してきたジャスミン姫と出逢った貧しい青年アラジンは、ジャスミンの結婚相手に相応しい富を得るため、猿のアブーと共に魔法の洞窟に入る。煮えたぎる溶岩にまさに落ちんとする時、魔法のじゅうたんに救われる。アラジンが手に入れたランプからは魔人ジーニーが現れ、三つの願いを叶えるという。『アラビアン・ナイト』を下敷きにした、93年度、興収第一位の42億円に輝くラヴ・アドヴェンチャー。CGを多用しスピード感にあふれるアクションや魔人ジーニーの動きが魅力。作品の核を握る、お調子者の魔人ジーニーの声はロビン・ウィリアムズが熱演。アラジンとジャスミンの魔法のじゅうたんでのランデヴーに流れる『ア・ホール・ニュー・ワールド』(レジーナ・ベル&ピーボ・ブライソン)は、前年の「美女と野獣」に続きアカデミー主題歌賞に輝いた。続篇「Aladdin/ジャファーの逆襲」は(本国でも)ビデオ発売のみ。

さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

タイトルなし

ギャグコメディ・ラブロマンス・アクションアドベンチャーこの三つがめっちゃ良い配分でてんこ盛りなのに物語が破たんしてないってのが凄いです。

これほどの普及の名作、今更レビューなんて野暮でしょ。
にわかを晒すだけ…
じゃあなぜ書いたかって
久しぶりに観たらとっっっても面白かったからです!

しかし、そんな面白い作品だって、1年も経てばまた内容が思い出せなくなってしまうでしょう。そうならないために、思い出せるようのリンク集です。

◆キャラクター・声優(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3_(%E6%98%A0%E7%94%BB)#%E7%99%BB%E5%A0%B4%E4%BA%BA%E7%89%A9

なんと三木さんは2代目のアラジン。
初代は羽賀研二。
これは驚きました。変わる前も観たことあるはずなんですが、改めて聞き比べたら全然違いますね。羽賀版は声質が若者っぽいのがキャラに合っている一方で、喋り方がちょっとくさいです。そして三木さんはやっぱりカッコいいです。


◆物語・小ネタ(NEVER)
https://matome.naver.jp/odai/2142332053920575401?&page=1

パロディ系は知らないとやっぱり面白くないですよ。
半分も分からなかった…もっと勉強しないとね。


◆音楽(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3-%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B8%E3%83%8A%E3%83%AB%EF%BD%A5%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E7%89%88-%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%88/dp/B013K420UK

<アラビアン・ナイト>
アーラヴィアナァーーァァイッ アラヴィアナァーーァァイ
駄目だ、癖になってくる。

<フレンド・ライク・ミー>
TDLでよく聞く曲でした。
ジャズかと思えばクラシックのようなテイストもあるのに、ポップに仕上がっている曲がワクワクします。

<ホール・ニュー・ワールド>
アラジンどころかディズニーを代表する曲ですね。
ディズニーの三大デュエット曲なら
「美女と野獣」「輝く未来」「ホール・ニュー・ワールド」を推します。


◆その後…ジャファーの逆襲(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3_%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2
実質アラジンとジャファーのバトルの決着編です。
ジャファーのお母さんってどんな人なんでしょうね。


◆完結編(wikipedia)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%83%B3%E5%AE%8C%E7%B5%90%E7%B7%A8_%E7%9B%97%E8%B3%8A%E7%8E%8B%E3%81%AE%E4%BC%9D%E8%AA%AC

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

叶えたい最後のひとつのお願いは......

ディズニーが1992年に制作したアニメーション映画です。
意外と最近の作品だったんですね。ちょっと驚き。
お話は、盗みをしながら非常に貧しい生活をするアラジンと
宮殿から一度も出ることが叶わず、父から愛のない結婚を迫られるジャスミンの恋の物語。
2人は偶然の出会いから共通点もありお互いに惹かれあいました。
豪華絢爛で食べ物に不自由しない宮殿での生活にあこがれるアラジン。
一方で、自由が欲しかったジャスミン。彼らの悩みは違うようで本質はまったく同じ。「今の生活から抜け出したい」
互いを羨んだり、嫉妬することなくその気持ちを十二分に分かち合うことができました。
でもそこからが波乱の幕開けでした。
結婚は王族同士でないとできなかったり、国務大臣である魔法使いのジェファーに邪魔されたりといくつもの壁がありました。
アラジンはランプの魔神ジーニーと協力しながら奮闘します。
最後の結末はまさにHAPPY END!!とても良い物語の結びでした。

本作の目玉はやはりジーニーです。
ランプの魔神と聞いて浮かぶ僕のイメージは、
主人に呼ばれると煙と共ににゅるにゅると出てきて「ご主人様お呼びでしょうか?」なんて陰気くさい感じだったのですが、
ジーニーはランプの魔神と呼ばれながら、お呼びがかかるとびゅーんと出てきて、まるでパーティーの主催者みたいにガンガン喋ります。
気さくでとても人懐っこい性格で、喋り出したらしばらく止まりませんw
加えてジーニーはいろんな変身をしながら軽快にしゃべり続けます。とても愉快です。
彼は単に面白いだけでなく、アラジンと築いたその友情はとても輝いたものでした。
これは本作を観て頂ければお分かりになるかと思います。最も感動させられました。

{netabare}

アラジンがジャスミンを取るのではなく、ジーニーを取ったときの衝撃はすごかった。
そりゃあ見捨てるわけはないと思ったけれどジャスミンを蹴ることもできないだろうと思ってたからなあ。
「君がいてくれなきゃ寂しいよ。」と言って抱き合うシーンは涙ぼろぼろでしたw
でもジャスミンとの結婚が決まった後、すぐに旅行に行っちゃったのはなんでだろうw まあ笑えたけど。

ジェファーから魔法のランプを奪う際に、作戦とはいえジャスミンのキスはこっちも心をえぐられるような気持ちになりました。
あれは痛かった。すごく痛かった。
けれどアラジンとジャスミンが結ばれて本当に良かった。良い物語でした。

{/netabare}

本作はラストに向けての盛り上がりも非常に上手く、十分に楽しめる作品です。
もしまだ観たことがなかったらぜひ一度時間があるときに。きっと面白いですよ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

.:*゚..:。:ご主人様 さあ願いをどうぞ.:*゚..:。:.

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

旦那ってば

まだご自分の手に入れた物の価値を
ご存知でない

そこでごゆっくり お聞き下さい これがどういうことか

説明しましょう

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*

アグラバーの街で貧乏暮しをする青年『アラジン』と相棒である猿のアブーは盗んだパンで生計を立てる程の極貧ぶり。
市場で出会ったジャスミン王女に身分違いの想いを抱くが王女誘拐の嫌疑をかけられ投獄されてしまう。

『アラビアンナイト(千夜一夜物語)』の『アラジンと魔法のランプ』を元にしたディズニー制作のアニメ映画。

この作品で語られるのは二人の声優。アラジンの声優を務めた、羽賀研二の若々しくミュージカルを意識した演技と
ランプの精『ジーニー』の声優、山寺宏一が『Friend Like Me』ミュージカルシーンで“ロビン・ウィリアムズ”の
完璧な吹き替えをやってのけたこと。逸話としてミス無し一発撮りだったとの噂も。(アラジンの声優は後に変更)

作中で出てくる数々のミュージカルシーンは勿論、3Dでなく2Dのディズニーアニメーションは圧巻の表現力。
宮殿から抜け出し魔法の絨毯で空を駆け巡るシーンで、アラジンとジャスミンが歌う『A Whole New World』は
アカデミー歌曲賞他、数々の賞を獲得しました。


アラジンで一番すきなシーンはどこ、と問われるなら

自分の中では“冒頭”の一幕。露天商が月夜の砂漠をラクダに乗りながら語り部として登場し、物語がはじまるのです。

千夜一夜物語の通り、歌われる曲は『Arabian Nights』。

曲と映像の雰囲気がアラビアンナイトの世界観に引きこんでくれます。実は露天商には、ある“秘密”が。
この露天商、指が四本しかありません。作中で指が四本の人物といえば・・・ 続きは是非、砂漠の夜の、夢の中で。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

54.0 17 コミカルアニメランキング17位
ドリフェス!!!!!!(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★☆☆ 2.9 (43)
145人が棚に入れました
ある日突然、レジェンドアイドル三神遙人によってスカウトされた高校2年生の主人公・天宮奏。
同じ事務所のアイドルたちの熱い想いを目の当たりにし、負けじとアイドル活動に夢中になっていく。
そして、元子役でミステリアスな及川慎、誰よりもストイックな佐々木純哉、優しくも内に情熱を秘めた片桐いつき、天然で天才肌の沢村千弦と共に、「ドリフェス!」に出場し、CDデビューを勝ち取ることを目指す!
ファンが応援〈エール〉を込めて贈る「ドリフェス!カード=ドリカ」を受け止め、奏たちは最高を越えるステージを届けることができるのか…!?

声優・キャラクター
石原壮馬、溝口琢矢、富田健太郎、太田将熙、正木郁、戸谷公人、株元英彰、森川智之

きりん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

元々は2.5次元コンテンツ

最初に言っておくと、声優の演技は基本棒です。プロの声優じゃないので。

と、いうのもドリフェス自体元々2.5次元コンテンツ。2次元の部分のドリフェスの声優も、なんと三次元のリアルのキャストさんが務めていらっしゃるので、演技が下手なのも仕方ないのです。
ただ、やはり感想をみてみると、演技が棒すぎて断念した、という方もちらほら見かけます。
正直2次元であるアプリ、アニメはもっとプロの有名声優さんを使えばもっと儲かったんじゃないか、と思いますがその一方で実際に三次元の方のキャストさんを使った事で、見事に2.5次元が再現されているので、この判断(有名声優を起用しなかった)は悪いとも言えますし良いとも言えます。


前置きが長くなりました。さっそく感想です。
私自身もドリフェスはアプリの名自体は知っていたのですが、プレイしたこともなかったので、うたプリ見るついでに「ふーん」という感じで見てました。
まず最初に思った事、それは......演 技 が ひ ど い !
さっき散々言っててなんだよ、って思うかもしれませんが私も最初演技が棒すぎて視聴を断念するか迷った一人です笑

そんな感じで2話まで見て、特に面白いわけでもなくほぼほぼついているから見る、な感じだったのですが.....3話を見て、あれ?面白いぞ?となり、結局最終回まで見終わってしまいました笑

声優の演技に関しては、見ていくうちに慣れていくので大丈夫です。作画も安定していましたし、物語に関しては王道ではありますがとても面白かったです。

基本的に3話から盛り上がるのでそれまではつまらなくても我慢して見てほしいです。3話見ても微妙なら、諦めても問題ないかと。

さてさて、物語に関してです。このドリフェスのすごいところは、アイドルコンテンツの最大の軸でもある「見ている人を笑顔にさせる」という事をちゃんとクリアしているところ。物語が重すぎず軽すぎず、ちゃんとアイドルの成長物語を上手く描いているのでアイドル好きならぜひ見てほしい作品の一つです。「キンプリ」好きならハマるんじゃないかなー、などと思います。
私も最初は疑い半分で、そこまで真面目に見るつもりでもありませんでした。が、きっとあなたも最終回が見終わる頃には二期が待ちきれなくなっているはず。気づけば毎週毎週の元気の源となっていましたし、何より一人一人のキャラクターがキラキラと輝いていく過程はとても見ていて面白かったです。11話は涙が止まらなく、1話1話でちゃんと「起承転結」が成り立っています。特にいつき君の回は見るべき。それと、3話のあの演出は今でも忘れられません。
ちゃんとそれぞれのキャラクターの掘り下げもされていて、まさにどのキャラも推せる、といいますか。基本的には重くないので若干女児アニメ感があるようなないような。ただだからこそ物語が終わった後にどよんとした気持ちにならず、来週も頑張ろう!となります。疲れている人にはぜひ見てほしい作品です。

ただ、だからこそ声優の面で損しているというか.....!豪華声優陣を起用すれば、もっと有名な作品になったんじゃないかなーと。その辺りが惜しい。
2.5次元コンテンツと知ったうえで見れば、3次元のキャストと2次元の声優まで一致させてるのはさすが!となるのですが....ただやはり初めて見る方には厳しいかなーと。
ちょっと前に放送していた、「ツキウタ」こそ声優は豪華なのですが物語が既にアイドルになってからを描いているので、どちらかというときらら系列などの日常アニメ感が否めなくシナリオがとても微妙だったのですが....対するドリフェスは物語こそ王道アイドルで素晴らしいのに声優面で損している感じ。
作画に関してはずば抜けてすごい!というわけでもありませんが、1話から最終回までずっと安定しているので、安心して見れるかなーと。

ただそれでも見ていくうちに慣れていき、あっこのキャラ他より上手くね!?となったりと面白いので、二次元の男性アイドルコンテンツが好きならばぜひ見てほしい作品の一つ。内容が笑えなくても声優の演技で時々笑えたりするので、つい笑顔になっちゃうのもドリフェスのいいところ。
ちなみにアプリだともっとひどかったり....笑よく頑張ったな、と思います。CGも演技も。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

jujube さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.6

導入は悪くないんだが…[完走後追記]

構成は意外とまともで分かりやすく、全メンバーキャラが顔見せだけでそこまで話に絡ま無かったから整理しやすかった。

ただし、新人男性声優であそこまで酷いの出してくるのは見たこと無い。下手さが大分テンポを悪くしてるのが残念。
「いけるっしょ」てセリフが毎回一本調子で、畳み掛けることで笑いに繋がりそうな部分なのに、下手すぎてこれ以上聴いてられないってなったし。

あと、可愛いキャラで声が全然可愛くないのも居て、声優決めが先ならもっと寄せたキャラデザにすれば良かったし、キャラが先なら中の人の顔面偏差値だけじゃなくて合う声優他にも居るだろって感じで。

声ヲタじゃない自分が酷いっちゅーくらいだから、ガチな人にはどうなの?
声優ユニット活動してるみたいだから、顔だけでいいのかな?

新人ばかりってのなら、少年ハリウッドはその点バランス取れてたよ。
他の男アイドル物では比較的新人でも売り出し中声優入れてたから演技はそこそこだったし。
今作の出来にはさすがにビックリだったわ。

まあ、内容自体で言うと、謎のカードでお着替えしてるし、どこかの女児アイドルアニメ?
すんげーキラキラにしてるからCG使うのも分かるが、技術的にツキウタ以下かな。
3人しかいないライブだからキャラは手書きにしろよとは思ったけど。

まあ、近年の男アイドル物は、均等にキャラの出番作らなきゃってので、全体的にストーリーがとっ散らかったのが多いけど、今作は主人公を中心にメンバーになる仲間が集まってく風で、多少当番回があったとしても、主人公は終始一貫してそうなのが取っ付きやすい。
今後の売りは、キャラ萌えよりストーリーで勝負できれば良くなるかも。

ーーーー上記数話迄、下記完走後ーーーー

やはり上記の第一印象で指摘したキャラ達は、声優の声も相まってますますウザくなってくばかりだった。
むしろ応援できるのがライバルユニットのKUROFUNEしか居ない(以下、黒船)ってもうストーリーも駄目だったね。
破綻はしないけど、無難過ぎて何も面白くないアニメだったよ。

逆に黒船回は1話しかなかったけど、主役ユニットを食って上回ったね。
まあ声優が下手なのはこっちも余り変わらないが。
この2人組キャラの掘り下げは良く出来てた。アイドルってより、芸能人になることの芯があった感じ。
逆に主役ユニットらは、いつまでもフワフワして頭軽い感じ。何の苦労も無さそうな。まあアイドルらしいのかもだけど(笑)
本当は話の途中のとあるキャラのアメリカ留学…どっかで見た話…行って欲しかったわ。
俺が最高を超えた物を持ち帰ってやる!待たなくていいから、1年後楽しみにしてろ!って感じで。たかが1年なんだし。
1人居なくてもイベント出来るっしょ!(都合悪いのは3次元だけ)
レアチャンスも掴めない甘ちゃん達だから駄目なんだよ、こいつら。芸能界でやってく覚悟無いし、ストーリーがご都合主義にもなるよねって。

あと、最終回の黒船の歌と振付ひどかったね。最初はまだしも途中からザ・アイドルって感じでおまえらこんなキャラじゃなかっただろと。
レベルも数段落とされて、主役上げの道具にされたイメージ。
確かに主役キャラの歌はオープニングで馴染みがあったし、全話通してもキャッチーな歌だと思うよ。(というか、全話の歌のレベルが低かったんだが)
1番驚いたのは、その振付ならびにダンス。かなり出来が良い。とにかくキレッキレだしノリがイイ。こんなんこいつら優勝に決まってるやん、つまらん!
締めはおっさんユニットに翼が生えた!いい歳して翼生やすなよw

で、このようなアニメで2期やるんだと。
他からの資金があるようだね。
まあ自分はここでさよならだ!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

プロの声優さんの凄さが分かるアニメⅡ

ちなみにⅠは、「電波教師」です(笑)でも、「電波教師」は1人でしたが、「ドリフェス」は5人なんで、5倍の破壊力(笑) ネタアニメとしては一見の価値あり、というか、見ないと損!

何が凄いかっていうと、「ガーリッシュナンバー」。今期は、作画崩壊乱発(原作破壊)&アイドルを作りたい為がアニメ(本作)と、なんだ、予言かい(笑)?

5人の中では、及川慎役の方は多少演技できてたし、沢村千弦役の方は声質に特徴アリで、まだなんとかいけるっしょw でも、天宮奏役の方は一番ひどくて、主人公は無理っしょw 聞いてて何故か照れる。そして、声が気になり過ぎてストーリーなんて全く頭に入らない。何より、森川さんの凄さが際立つ! 流石、明智警部w

まあ、「電波教師」の彼女も、最後には多少成長がみられたという噂なんで、彼らにも期待したいっすね♪ そこ観たいんで、最終話だけまた観ます(笑)

【視聴終了】
最終話のみ、視聴。声優の成長は、うん、「ちょっっっと」は上手くなったかな~?という印象。{netabare}このクオリティ、評価なのに2期決定{/netabare}って、ホントにガーリッシュナンバーのクースレみたいな話ですね(笑) まあ、クースレも{netabare}2期になってガラッと良くなった{/netabare}って設定なんで、キタイシテイイッショ!(棒読み)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 13

90.2 18 コミカルアニメランキング18位
天元突破グレンラガン(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★★ 4.1 (4264)
20013人が棚に入れました
これは、まだ自分の運命に気づかぬ一人の男の物語。遥か未来。人間は何百年もの間、地中に穴を掘って生活していた。ジーハ村の少年シモンは、いつものように得意な穴掘りをしていると、光る小さなドリルと巨大な顔を見つける。兄貴分と慕うカミナに、その顔を見せようとしたその時、突如として村の天井が崩れ、巨大なロボットとライフルを持った少女・ヨーコが落ちてきた。

声優・キャラクター
柿原徹也、小西克幸、井上麻里奈、小野坂昌也、檜山修之、伊藤静、中村大樹、谷山紀章、佐藤利奈、植田佳奈、阿澄佳奈、斎賀みつき、本田貴子、福井裕佳梨、梁田清之、根谷美智子、陶山章央、川久保潔、池田成志
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

とにかく熱さ尋常ではない

日朝にやるとは思えない圧倒的熱さ。この熱さに魅かれる。今でも、作画とこの熱さはTRIGGERの軸になってる。
{netabare}カミナとヨーコが良い雰囲気だったのに、カミナが死んじゃったのは凄く切なかった。{/netabare}
物語の前半と後半で異なるバトル。後半、大人になった主人公たちにそれぞれ生活がありつつも戦っていくのは好きだった。
戦いも{netabare}メカが肥大化してからとどめを刺すときは逆に小さくなってコアになるシーンは熱い。{/netabare}
最終話が切ないし、最後の戦いから時間経過した後がお前誰だよって感じになってるのは好き。ここからさらに主人公たちの生活を描いてほしいとも思う。

OP
空色デイズ 歌 中川翔子
ED
UNDERGROUND 歌 HIGH VOLTAGE
みんなのピース 歌 アフロマニア
挿入歌
happily ever after 歌 中川翔子
空色デイズはさすがの名曲。何度聴いても良い。個人的にみんなのピースもなんか好き。


1. お前のドリルで天を突け!
遥かな未来。人々は地中で時折起きる地震と落盤に怯えながら何百年も息を潜めるように暮らしてきた。村を広げるための穴掘りをしていた少年・シモンは、偶然、不思議に光る小さなドリルを見つける。そして、シモンの兄貴分であるカミナ。彼は地上があることを信じ、外へ出ようと目論んでいた。ある日、地震と共に村の天井が崩れ巨大なメカが落ちてくる! 暴れるメカに無謀にも立ち向かおうとするカミナ。その彼の前にライフルを手にメカ=ガンメンを追ってきた少女・ヨーコが現れる。しかし彼女のライフルでは、足止めをするのが精一杯。そんな中、シモンは地中から掘り出したモノをカミナとヨーコに見せる。それは顔だけの謎のメカだった…。

2. 俺が乗るって言ってんだ!!
ジーハ村を襲ったガンメンを撃破し地上に出たカミナとシモン。そこは更なるガンメンが待ち受ける世界だった。ヨーコの住むリットナー村をたずねる二人。そこには毎日のようにガンメンと戦っている村人たちがいた。村人の一人であるリーロンはシモンの乗っている「ラガン」に興味を持ち、何も知らない二人に「ガンメン」のことや地上のことを教える。翌日、夜明けと共に3体のガンメンが襲来する。驚く二人にヨーコは平然と「いつものこと」と答える。村人が応戦に向かう中、臆病風に吹かれ身動きの取れないシモン。村に危機が迫る中、戦いに加わっていたカミナは隊長機らしいガンメンに目をつける。「決めた!あのガンメン、俺がいただく!」

3. 顔が2つたぁナマイキな!!
シモンとの共同作戦(?)で見事ガンメンを奪取し、敵を撃破したカミナ。奪ったガンメンを「グレン」と名づけて得意げなカミナはヨーコに誘われ、狩りに出かける。その狩場でヴィラルと名乗る獣人と交戦。ヴィラルのガンメン「エンキ」の強さにラガンとグレンは敗退。なんとか命からがら逃げ出したものの、翌日にはリットナー村が襲われるのは明白だった。逃げようと提案するシモン。提案を一蹴し、ヴィラルとの再戦を挑むカミナだったが、やはり歯が立たない。ボロボロになっていくグレンの姿に、思わず顔を伏せるシモンに対し、ヨーコはカミナがシモンが必ず来ることを信じて戦っているのだと話す。「で、あんたはどうなの?」

4. 顔が多けりゃ偉いのか?
激しい戦いのなか、ラガンとグレンが奇蹟の合体を果たし、グレンラガンとなってヴィラルを打ち破ったカミナたち。勢いに乗って敵の本拠地に乗り込もうと旅を始めた矢先、突如合体の特訓を始めると言い出すカミナ。前回の合体はあまりにもブサイクすぎて「男の合体」ではなかったというのだ。最初は笑って取り合わなかったシモンだったが、特訓と称してグレンで大岩を投げつけられて逃げ回る羽目に。だが持ってきた食料を食べつくしてしまい空腹で力が入らない。特訓の最中、突然黒ずくめの4人組がグレンに襲い掛かってくる。彼らは獣人ハンター「黒の兄弟」と名乗り、グレンがシモンを襲っているのだと勘違いして助けに来たのだという。

5. 俺にはさっぱりわからねえ!
キタンたちと和解を果たし、さらに旅を続けるカミナ一行。とある場所までたどり着いた途端、突然地面が崩れガンメンごと地下に落下してしまう。落ちた先は古びたガンメンを「顔神様」と崇める奇妙な村だった。ガンメンから出てきたカミナたちは「顔神様の使い」として歓待されるが、その態度に不審なものを感じる。その後、村人たちはある儀式を行うが、それは貧しさゆえの過酷なものだった。儀式を「村が生きていくために不可欠なもの」と説く司祭に対し納得できないカミナ。そんな彼に反発を覚える村の少年ロシウ。一触即発になりかけたそのとき、新たなガンメンが天井から落下してきた! グレンラガンで応戦するカミナとシモンだったが…。

6. 見てえものは見てえんだ!!
仲間にロシウとギミー&ダリーを加え、敵本拠地への旅は続く。彼らの前に突如立ち塞がるガンメン軍団。これまでの戦いで成長しているカミナたちはあっけなく倒してしまうが、1体だけ逃してしまう。それを追えば敵の本拠に辿り着けると確信し、追跡するグレンラガン。だがいつの間にか立ち込めた霧のために見失ってしまう。霧中をさまよう中、1人の老人に出会う。老人は一行を奇妙な屋敷に案内するが…そこは温泉旅館?!女将と美女ぞろいのバニーガールに出迎えられ、下にもおかぬもてなしに浮かれっぱなしのカミナたち。そこにキヨウたちも合流し宴はさらに盛り上がる。ただ一人冷静なロシウは彼らの態度に疑いを抱き、屋敷内の探索を始める。

7. それはお前がやるんだよ!
オオカミ獣人の罠を打ち破った(?)カミナたち一行。その前に現れた獣人・ヴィラル。前回の戦いに敗れ、武士の誇りである兜をグレンラガンに奪われた雪辱を果たさんと再戦を挑みにきたのだ。そのまま激しい戦いを展開するグレンラガンとエンキドゥ。戦いの趨勢が優位に傾きかけたとき、突如彼方から砲弾が飛来し吹き飛ばされる。激しい砲撃と共に現れたのは……山のような巨大なガンメン!圧倒的な戦力の前に撤退を呼びかけるヨーコたちだが、カミナは一歩も退こうとはせず無謀にも戦いを続けるがまるで歯が立たない。集中砲火にさらされ、窮地に立たされるカミナたち。そんな彼らの前に新たなガンメンが現れる。彼らの正体は?!

8. あばよ、ダチ公
要塞型ガンメン・ダイガンザンとの戦いの最中、グレンラガンのピンチを救ったのはリットナー村のダヤッカや「黒の兄弟」キタンたちだった。彼らはカミナ同様、獣人のガンメンを奪取し自分のものにしてきたのだ。「大グレン団」の旗の下、各地で抵抗を続けてきた仲間たちが続々と集結する。カミナは彼らと共にダイガンザンの乗っ取りを決意する。作戦を前に盛り上がる大グレン団の面々とは裏腹に、カミナの無謀な行動に一抹の危惧を抱くヨーコ。決戦の朝、シモンはカミナとヨーコのキスシーンを目撃してしまい、激しく動揺する。そんな彼の心中をよそに、激しい戦いの幕は切って落とされる。果たして作戦は成功するのか?!

9. ヒトっていったい何ですか?
都に届けられた四天王チミルフ戦死の報。それは新たなる戦いの幕開けに過ぎなかった…。激しい戦いの末、ダイガンザンを手に入れた大グレン団。だが得たものの代償はあまりにも大きかった。カミナという精神的支柱を失い、目標を見失いかける大グレン団の面々。そしてアニキの死を「自分のせい」と半ば自暴自棄と化すシモン。仲間たちからも孤立する中、ガンメンとの戦いの最中にラガンが暴走し、グレンと分離し飛び出してしまう。コントロールのきかないラガンはそのまま、コンテナが散乱する奇妙な谷に不時着する。谷をさまようシモンの前に、新たなコンテナが落下してくる。その扉を開けると中には一人の女の子が眠っていた…。

10. アニキっていったい誰ですか?
シモンが連れてきた少女・ニアの正体を知り、動揺を隠せない大グレン団の一行。敵の情報を聞き出そうと尋問を試みるがうまくいかず、厄介払いでシモンに押し付ける。カミナを失った事実から立ち直れないシモンだったが、ニアに問われるまま、カミナとの絆を語るのだった。一方、ニア姫にためらい、戦いをやめてしまった四天王・アディーネ。都で螺旋王にそのことを責められたアディーネは単身ダイグレンを倒すことを誓い出撃する。ダイグレンの前に再び現れるガンメン・セイルーン。アディーネに対し、ニアは単身甲板に飛び出し、ことの真意を父王にただすべく、自分を都に連れて行くよう命じるのだが…

11. シモン、手をどけて
アディーネを退けた大グレン団。だが未だ立ち直れないシモンは部屋に引きこもってしまう。皆が見放していく中、一人ニアだけが彼を気遣うのだった。都を目指すダイグレンに入る緊急通信。あからさまに怪しい通信内容にリーロンたちは罠だと疑うが、キタンはそれをきかずに救助に向かってしまう。だがそれは四天王・グアームの狡猾な罠だった。ほとんど何の抵抗もできずに牢に放り込まれるシモンたち。脱出するべく穴を掘ろうとするキタン達だったが、全く歯が立たず、一人、また一人とあきらめていく。そんな中、一人黙々と掘り続けるシモン。そのうしろ姿を見て、ヨーコはかつてカミナが言っていたある一言を思い出すのだった…。

12. ヨーコさん、お願いがあります
グアームの卑劣な罠を打ち破り、己を取り戻したシモン。カミナの志を受け継ぎ大グレン団の新リーダーとして王都・テッペリンを目指す!そんな彼らの目前に海が広がる。地上専用のダイグレンでは海は航行できないのだが、こんなこともあろうかとリーロンは水上装備を用意していた。装備を換装する間、海水浴を楽しむ一行。その中に仲間として溶け込んだニアもいた。

13. みなさん、た~んと召し上がれ
四天王の一人、流麗のアディーネとの海戦に勝利したシモンたち大グレン団。その余韻にひたる間もなくテッペリンを目指すなか、突然「働きたい」と申し出るニア。メンバー全員が働いているというのに、自分だけ何もしないのはいやだというのだ。

14. 皆さん、ごきげんよう
ついに王都・テッペリン目前までたどりついた大グレン団。息つく間もなくテッペリン攻略戦の幕が切って落とされる。大グレン団の前に立ちふさがる四天王の旗艦ダイガンド&ダイガンテン。地上で、空中で互いのガンメンがぶつかり激しい火花を散らす。2隻の戦艦ガンメン相手にダイグレンは苦戦を強いられる。

15. 私は明日へ向かいます
シモンたちの前で、崩壊を始めるテッペリン。その正体は都市そのものが巨大なガンメンだった! 大グレン団の面々が呆然とする中、引き寄せられるように天空へ向かうグレンラガン。雲海を越えるほどの上空にしつらえられた玉座に座る一人の男。ついに螺旋王ロージェノムと相対する!

16. 総集片
これは、まだ運命に気づかぬ一人の男の物語。シモンとカミナ、二人の男が地下の村から地上へ突き抜けて始まった、遥かなる旅。見知らぬ世界、新たな仲間たち、そして別れ。絶望の淵で見つけた出会い。物語の欠片を紡いで語る「総集片」が今、ここに始まる。

17. あなたは何もわかっていない
テッペリンの決戦から7年後…。地上に解放された人々は、螺旋王の残したテクノロジーをもとに瞬く間に文明を構築していく。そんな中であるものは結婚して子供をもうけ、またあるものは新天地を目指し旅立っていった。新政府の総司令の座に着いたシモンは公務に忙殺される日々をぬって、ニアにプロポーズする。

18. 聞かせてもらうぞこの世界の謎を
螺旋王ロージェノムの予言通り、地上の人間の数が100万人になった瞬間に現れた正体不明の兵器。そして人類に宣戦布告したのはシモンたちにとって全く予想のできない人物だった。かろうじて敵を撃退したシモンは真相をただすべく、その姿を求めてカミナシティをさまよう。

19. 生き残るんだどんな手段を使っても
敵を撃退し帰還したシモンはロシウによって逮捕され、そのまま独房に監禁される。カミナシティで暴動を起こした民衆を鎮めるにはこの方法しかないと言うロシウに対し、キタンやダヤッカらグレン団のメンバーはいきり立つものの何も言い返せない。

20. 神はどこまで僕らをためす
カミナシティに帰還したシモンは監獄に収監される。そこにはかつてのライバル・ヴィラルも投獄されていた…。人間の避難を急がせるロシウ。ロシウの行動に不審を抱くキタンだが、行動の裏に隠された真の意味を知り驚愕する。

21. あなたは生き残るべき人だ
地下から出てきた人間たちが暮らすコレハナ島の小学校に、一人の新任教師が赴任してくる。その女教師は瞬く間に島の生活にとけこみ、生徒たちに慕われる。彼女の生徒の一人・ナキムは父親をなくしてこの島に移り住んだものの、島の生活になじめず、同級生ともうまく付き合うことができないでいた。

22. それが僕の最後の義務だ
宇宙へ脱出したアークグレンを、軌道上で襲うムガンの大編隊。ギミーたちグラパール隊の奮戦もむなしく、アークグレンの損害は増大していく。アークグレンのクルーが絶望のふちに立たされたそのとき、ブリッジに響くシモンの声!「あきらめるな!ロシウ!」

23. 行くぞ 最後の戦いだ
圧倒的なアンチスパイラルの猛攻を防ぎきり、逆転勝利を収めた大グレン団。その勝利の余韻も覚めやらぬまま、アンチスパイラルの本拠地探索を開始する。そのころ、ロシウは一人、生まれ故郷であるアダイ村に現れていた。

24. 忘れるものか この一分一秒を
人類の未来と愛するニアを救うため、次元の狭間にあるというアンチスパイラルの母星を目指すシモンと大グレン団。その行く手を阻むようにあらわれるアンチスパイラルの艦隊。その数、無量大数!シモンの螺旋力に全てを託し、大グレン団が絶望的な戦場で命を賭ける!

25. お前の遺志は受け取った!
アンチスパイラルの新たなる攻撃にさらされる超銀河ダイグレン。宇宙が高密度の海と化し、超銀河ダイグレンを沈めていく。罠を打ち破るため、シモンたちは一見無謀にすら思える捨て身の作戦に出る。

26. 行くぜ ダチ公
アンチスパイラルの罠を突き破り、ついに変形を完成させ大銀河に立ち上がる超銀河グレンラガン!その圧倒的な力は眼前に立ちふさがる敵艦隊をみるみるうちに駆逐していく。だが、アンチスパイラルの仕掛けた新たなる罠に大グレン団の面々はなすすべなく囚われる。それはシモンですら例外ではなかった。

27. 天の光はすべて星
これは自分の運命を知らなかった一人の男の人生の物語。今、男は自分の運命を知り、愛する女と、友と、まだ見ぬ明日のための最後の戦いが今、始まる!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8
ネタバレ

arias さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

日曜8時30分からこんな熱いの観てたら午後にはダウンしてるよ

2014年1月2日、3日のニコニコ一挙生放送にて(総集編16話を除く全27話)
ロボット(メカ)/熱血/成長/合体/SFファンタジー/オリジナル作品/2クール

1~15話  少年時代
16話    総集編
17話~27話 青年時代


ガイナックスによる熱血メカアニメ。なお主要スタッフである監督の今石洋之、副監督の大塚雅彦、原画のすしおらはTriggerを設立し移籍したため現在はガイナックスに所属はしていない。

アニメグレンラガンにはロボットとドリルを題材にした作品だ。今石らしいスピード感とコミカルな魅せ方と脚本による中島かずきによる友情(愛情)、熱血。これらがグルングルンとうまく合わさり回り素晴らしい作品になった。

1シーン見ただけで今石アニメだ!って思うほどの演出する監督だけれどもこれでもセーブしていた(ソースはアニメスタイル)とのこと。6話の温泉回が一番解放した回で徐々に落ち着いていき終わりに近づくにつれ大人しくなっていったかな、という印象を抱いた。最後はお話も真剣になっていくしね。
[追記:って6話は板垣伸が絡んで若干暴走気味だったのかな……?ソースは板垣伸のいきあたりバッタリ!第十八回]

さてロボットアニメなのでロボットについての話を。正直造形なんてわからないのでこうとしか言えないがかっこいい。合体シーンやドリル出現シーンなどは盛り上がる。
どうして動かせるのか、出力は何なのかなどの疑問の答えは「気合」。それでいいのかと思うけど熱血とスピード感でカバーしてる。
また主人公の機体は敵のロボットを略奪できるので性能の限界を感じることも飽きることもなかった。

熱血要素もこのアニメを語る上では欠かすことのできない。強大な敵にも諦めずに戦う姿やここぞという場面で「お前のドリルで天を突け」「オレを誰だと思ってやがる!」等の決め台詞もとても痺れちゃいますね。
毎話必ずおおっというシーンがあるし悲しい出来事や暗いエピソードなどで緩急もつけている。

岩崎琢による劇中音楽もまたいい味を出している。25話に流れたソプラノコーラス+ヒップホップ(ラップ)の楽曲がお気に入りです。
中川翔子によるOP&11話などの挿入歌も良かった。

不満だったのは4話かな。あの回は作画が酷かった。合体シーンだけ綺麗な作画になってて呆れてしまった。とはいえこれがパンティアンドストッキングの逆崩壊作画が誕生秘話だったのかもしれないが……。
9話も物語では重要な回だったがあれっ?と感じてしまうところがあった。
{netabare}後はブータが変身することの必要性が感じられなかったかな。結局合流する頃には元に戻るし。ケモナーホイホイだったのかもしくは何かのパロディだったのかね{/netabare}

天元突破グレンラガン……とても熱くかっこ良くいい作品だった。しかしこんな燃え上がる作品を日曜8時30分から地上波で放送してたなんて。その頃観ていたら午後にはテンション保てずダウンしてそうですね。



以下各話感想メモ。全力でネタバレしてます
{netabare}

★★★★★第一話~第三話★★★★★
熱血。熱い
カミナは頼りになるなぁ。
シモンは弱っちそうなだけに成長成分期待できそう

ところどころギャグが入ってる
第三話の初合体シーンは笑った
★★★★★第四話★★★★★
作画……頑張れよ
顔が潰れてるぞ
合体シーンだけ作画良くなってるな。ホント別人

洞窟暮らしが長いからか食物には火を通さないんだな
生肉とは恐るべし
★★★★★第五話★★★★★
あれっ普通に合体したな
あれだけ状況に拘ってたのに

全編通してフィルターかかってた
うまい演出だけど若干見づらかったな

これで仲間が3人増えた、のかな?
★★★★★第六話★★★★★
温泉回、ギャグ回。今石イズムだなぁ面白い
★★★★★第八話★★★★★
次回予告でネタバレしてたしAパートから死亡フラグ立ちまくってた
けど本当に死ぬとは。死んだんだよねこれ。どうするんだろ
9話予告で新キャラ登場。ナレーションもやってたからキーなんでしょうね
★★★★★第九話★★★★★
OP映像微妙に変わってる
カミナがOPから消えてら……
螺旋王人間なんじゃね?
→Bパートニアのセリフにより可能性大

箱からニアが出てきたのは箱入り娘ってことか

作画残念なとこあるなぁ。重要な回っぽいのに
★★★★★第十話★★★★★
ヴィラルはカミナ死んだこと知らないのか?
アイツいいやつになりそうだなぁ
★★★★★第十一話★★★★★
シモン復活。かっけー。しょこたんの挿入歌も盛り上がってよかった
十二話の次回予告。水着回かな?
★★★★★第十二話★★★★★
ヨーコも復活、でいいのかな
話の流れでニアの髪型変更。短いほうが描くの楽だからね
★★★★★第十三話★★★★★
OP、ニアの髪は長いままだった
やっぱりヴィラルはカミナが死んでいたことを知らなかった
良心も見せたけど螺旋王に改造されてダークサイドの道辿りそうだな

14話の次回予告「みなさんごきげんよう」って不穏だなぁ
★★★★★第十四話★★★★★
らきすたの店長がいるwww
突っ込んで死んだwwwww

ニアお別れじゃなかった
★★★★★第十五話★★★★★
螺旋王つええええwww生身のほうがつええんじゃねぇかこれ
意味深なセリフ残して消えたけど16話からは月偏なのかな
ひとまず1~15話、地球編おしまいってことで

作画監督すしおか。今更だけど音楽は岩崎琢
★★★★★十七話★★★★★
OPの歌詞が二番になってる
映像も変化……ってみんな大人になってるな
EDは歌詞も映像も変化

7年後の世界か。ロシウイケメンすぎる
性格変わったのもいればそのままのやつもいるね

ニアとケコーン……ならず

新章だけあってガラッとアニメの雰囲気変わったね
★★★★★十八話★★★★★
アンチスパイラルの存在なんかが明らかにされました
螺旋王も元は良い奴だった……?

シモンが暴走キャラに
ロシウが目的のためには手段を選ばないキャラに
★★★★★十九話★★★★★
ロシウ悪党すぎワロタ

ここでヴィラルと再会か
シモン反政府軍入り待ったなし
そしてここまで出番のないヨーコは何処へ
★★★★★二十話★★★★★
貴重なシャワーシーン(♂)

キタン回かってくらい出番あったな
死ぬのかと思った

最後の最後にヨーコきたあああああああ
★★★★★二十一話★★★★★
ヨマコ先生(ヨーコ)のおっぱい見つめるショタっ子
おねがい☆ティーチャーが始まりました

シモン「俺を誰だと思っている」
頂きました

シモンとヴィラルのコンビか。かっこ良すぎるぜ
シモン&ヴィラル「俺を誰だと思ってやがる!!」
うひょーーーーーーー!!!!
★★★★★二十ニ話★★★★★
怒涛合体アークグレンラガンかっけえええ

月もガンメンか

話の途中でぶっさしちゃったけど大丈夫かよ
大丈夫だったけど音楽も途中だったしビビったよ

次回からアンチスパイラルの全力軍隊との闘い編なのかな
これにて月偏終わりってことで
★★★★★二十三話★★★★★
ロシウ回

超銀河ダイグレン団結束!
ロシウもキノンとシモンによって復活したしいよいよって感じだな
★★★★★二十四話★★★★★
もう完全に戦艦のマスコットだな首だけ螺旋王さん

時間を稼ぐためみんな見せ場を作って死んでいく……
やっと合体かと思ったら罠にかかる……
★★★★★二十五話★★★★★
うわあああキタンも螺旋の力に目覚めてからやられてしまった……
お前もヨーコと死亡フラグ作ってから死んでいったな……
ヨーコのメンタルもやられそう

しかしついに超銀河グレンラガンの出番だ
最後のキタン→超銀河グレンラガンの流れにかかった音楽良かった
ソプラノオペラ+ヒップホップ風
★★★★★二十六話★★★★★
おぉIf...なBパート盛り上がる。カミナも出てきたし
Aパート後半の絶望感が緩急つけて良かったね

それにしてもブータは人になる必要あったのかな

26話のサブタイ『行くぜダチ公』と8話サブタイ『あばよ、ダチ公』。涙腺来ますね
★★★★★二十七話★★★★★
おおおおおおおおおおおお
グレン団全員騎乗による天元突破グレンラガン!
マスコットもいるwwww

ニア、消えてしまったんか……
結婚式でキスして消滅するなんて悲しすぎる

ところでブータさんは……
あっ数十年後を描いたCパートに出てきた。ちゃんと元の獣型でした

{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【視聴検討中!】ドラマのアオイホノオを観たり、キルラキルの関連作品として気になってます。

全27話 +DS版特典番外編1話

タイトル、絵柄からして、男の子向けと思ったので、視聴は初めから考えてなかった作品です。
なので、深夜の再放送でも完全ノーマークでした。

キルラキルも初めの数話で断念してしまったので、再トライしてみようと思っていますが、
よく一緒に名前が挙がるこの作品が気になり始め、視聴候補として検討中。

ただ、どちらを先に観た方がいいのか迷ってます。
もうちょっとレビューを読んでみたりしようかな。急ぐこともないかな。

しょこたんのOPテーマは、CMなどでも耳にしたので知ってました。
この作品のだとは知らなかったですが。


===================================
【参考情報】視聴検討するための予備知識など(公式サイト、Wikiなどより)
{netabare}
■概要
ジャンル:SFファンタジーロボット アニメ
16:9比率ハイビジョンサイズで制作されており、アナログ放送でもレターボックス16:9比率で放送されている。本作はGAINAXが単独でアニメーション制作をした初のTVアニメ作品である。

{netabare}作品名の「天元」とは、万物生育の根源という意味があり、また囲碁の用語では碁盤の中央(中心)を指す。劇中のキーワードにも螺旋、ドリル、回転等、中央・中心に関連するものが多く見られ、中央突破、王道路線を念頭に置いた作品名といえる。監督である今石洋之の「ドリル」を念頭に置いた原案、基本設定と構成から、脚本の中島かずきが「進化と宇宙での象徴である螺旋」というテーマに乗せ、一人の男の成長劇と、生命と宇宙の進化を描いた巨大ロボット作品となっている。

本作品に登場するロボットは全編通して「ガンメン」と称され(由来は顔面)、「顔を中心に手足が付属する」という比較的マイナー部類のデザイン系統を採用している。
物語は前編(1部・2部)と後編(3部・4部)の2部2編で構成され、主題歌『空色デイズ』の歌詞は1コーラス目と2コーラス目で、それぞれの世界観のテーマに対応している。{/netabare}

過去の特撮・アニメをモチーフないしパロディとしたメカデザインやシーン描写が多数存在する。

2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、東京国際アニメフェア2008・第7回東京アニメアワードテレビ部門優秀賞・個人賞(キャラクターデザイン)受賞作品。

{netabare}劇場版映画として『天元突破グレンラガン 紅蓮篇』が2008年9月6日に、
続編『天元突破グレンラガン 螺巌篇』が2009年4月25日に公開された。
劇場版の展開に合わせ、テレビシリーズの地上波再放送がテレビ東京系列深夜枠にて度々行われた。
2007年10月 - 2008年4月(16話の総集編を除いた全26話を毎週1話ずつ放送。ローカルセールス枠)
『2008〜2009年年またぎ 大グレン団祭』 2008年12月28 - 30日、2009年1月1日 - 4日(1話 - 15話、17話の全16話を年末年始に全7夜で集中放送)
『2009大グレン団祭"春"』 2009年4月9日 - 6月11日(18話以降の再放送){/netabare}

■ストーリー
{netabare}遥かな未来。
人々は地中に穴を掘って家を造り家畜を飼い、
時折起きる地震と落盤に怯えながら何百年も息を潜めるように暮らしてきた。
そんな村の一つ・ジーハ。 村を広げるための穴掘りをしていた少年・シモンは、
ある日、掘り進んだ先で偶然、不思議に光る小さなドリルを見つける。
そして、シモンの兄貴分である青年・カミナ。
彼は、村の上には「地上」があることを信じ、
グレン団というチンピラグループを率いて天井を突き破って外へ出ようと目論んでいた。
そんなある日、地震と共に村の天井が崩れ巨大なロボットが落ちてくる!
カミナは確信する「やっぱり地上はあった!」
そして、無謀にも村で暴れるロボットに立ち向かおうとする。
その時、更に地上から何かがやって来た。
それは、巨大なライフルを持った少女・ヨーコだった。
彼女は、ロボットを地上から追って来たのだ。
しかし、ライフルの威力では、倒すどころか足止めをするのが精一杯。
そんなピンチの中、シモンは、以前、地中から掘り出したモノをカミナとヨーコに見せる。
それは、顔だけの謎のロボットだった…。
(天元突破グレンラガン公式サイトより){/netabare}

■放送情報
2007年4月1日 - 9月30日  テレビ東京系列
毎週日曜8時30分から9時00分に放送。

■各話リスト
{netabare}第1部 カミナとの離別まで(第1 - 8話)
1話 「お前のドリルで天を突け!」
2話「俺が乗るって言ってんだ!!」
3話「顔が2つたぁ生意気な!!」
4話「顔が多けりゃ偉いのか?」
5話「俺にはさっぱりわからねえ!」
6話「てめえら全員湯あたりしやがれ!!」
7話「それはお前がやるんだよ!」
8話「あばよ、ダチ公」
------------------------------------
第2部 ニア初登場からテッペリン陥落まで(第9 - 15話)
9話 「ヒトっていったい何ですか?」
10話「アニキっていったい誰ですか?」
11話「シモン、手をどけて」
12話「ヨーコさん、お願いがあります」
13話「みなさん、た~んと召し上がれ」
14話「皆さん、ごきげんよう」
15話「私は明日へ向かいます」
16話「総集片」”第1部””第2部”の総集編
------------------------------------
第3部 7年後の新政府設立から月直撃を食い止めたところまで(第17話 - 第22話)
17話「あなたは何もわかっていない」
18話「聞かせてもらうぞこの世界の謎を」
19話「生き残るんだどんな手段を使っても」
20話「神はどこまで僕らを試す」
21話「あなたは生き残るべき人だ」
22話「それが僕の最後の義務だ」
23話「行くぞ 最後の戦いだ」
24話「忘れるものか この一分一秒を」
25話「お前の遺志は受け取った!」
26話「行くぜ ダチ公」
27話「天の光は全て星」(最終話)
------------------------------------
{/netabare}

OP「空色デイズ」歌:中川翔子(しょこたん)
挿入歌「happily ever after」歌:中川翔子(しょこたん)

<STAFF>
{netabare}企画:夏目公一朗、山賀博之、工藤陽二郎
監督:今石洋之
副監督:大塚雅彦
シリーズ構成:中島かずき
キャラクターデザイン:錦織敦史
音楽:岩崎琢
音楽制作:アニプレックス
アニメーション制作:GAINAX
製作:テレビ東京、電通、アニプレックス{/netabare}

<CAST>
{netabare}シモン:柿原徹也
カミナ:小西克幸
ヨーコ:井上麻里奈
リーロン:小野坂昌也
ヴィラル:檜山修之
ブータ/ダリー:伊藤静
ダヤッカ:中村大樹
キタン:谷山紀章
キヨウ:佐藤利奈
キノン:植田佳奈
キヤル:阿澄佳奈
ロシウ:斎賀みつき
ギミー:本田貴子{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

86.9 19 コミカルアニメランキング19位
涼宮ハルヒの憂鬱 第2期(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (3796)
19204人が棚に入れました
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
入学式後の自己紹介で、このぶっ飛んだ発言をした県立北高校の1年生「涼宮ハルヒ」。成績も運動神経も容姿も優れているのに、傲岸不遜な態度と中学以来の奇人ぶりから、クラスで浮きまくる。その上、普通のクラスメイトをつまらないと拒絶し、ますます孤立していた。
そこで、ハルヒの前の席に座るクラスメートの「キョン」が話しかけたことをきっかけに、SOS団(世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団)に加入させられてしまうのだった…。

声優・キャラクター
平野綾、杉田智和、後藤邑子、小野大輔、茅原実里、松岡由貴、桑谷夏子、白石稔、松元惠、あおきさやか
ネタバレ

ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

意図とした悪の行為も無意識での悪の行為も悪にしかならないわけでその悪質性と価値に違いはない

【満足度再評価】2019/7/28
【初投稿】2018/9/16

トライ&トライで賛否両論、何を是とし何を否とするか、アニメファン(だけ)が盛り上がった。な物語。



原作小説がバカ売れし(多分)、ラノベ業界やアニメ業界を多いに賑わせたレジェンドな作品。奇抜な構成やセリフ回しなど多くの「匂わせ」や「含み」を持たせ考察マニアにはたまらん作品でもあり京アニの丁寧な描写が更に売れるきっかけとなった(多分)。

私はハルヒは嫌いだが長門の儚さや朝比奈の柔らかさは何とも表現しがたい尊さで絵も音楽も声優さんたちのハマり具合もとても良い。
本当は考察サイトをググりまくって色々知った上で2周目の周回をすべきなのだが攻略サイトを見ながら完全クリアしたりしてもクリアが必然となって面白さを感じれない、クリアしても達成感を微塵も感じない私は知識量ゼロなので当たり前に未だ謎だらけ。
「杉田さん」の名前を覚え初めて男性声優の名前を覚えれた周回にもなってとても満足!

んでもちょいちょい居眠りしちゃう「氷菓」のような文学的展開はもう少し脚色しちゃっていい気がする。まぁ、好みの問題だけど。


と、毒にも薬にもならんク◯レビューはこのぐらいにして、この視聴で2周目の完走なのだが作品の評価は他のレビューアさんたちが素晴らしいレビューしてるのでそちらを参照いただきたい。
今回は非オタな連れにアニメを無理矢理完走させてみたのでそれについて主に書いていく。連れは初見、1期は二人とも未視聴、消失は私だけ視聴済みであります。


連れ概要
深夜アニメはほぼ見ない、ディズニー&リラックマ大好き、オタクに嫌悪するのに本当はマンガと映画が大好きな四捨五入したら30歳の女の子。視聴済み深夜アニメは坂道のアポロンと猫物語(黒)序盤まで。


まずはヒロインに対する総評。
「連れ」
序盤でヒロイン(ハルヒ)が明らかに悪役で絵は可愛いけど人として可愛くない。可愛くないというのは傍若無人、言葉も行為も甚だ暴力的で意図的に悪い奴に描かれているようにしか見えなくのめり込めない。本当に人気のキャラクターなの?ウケの良い、多くの人に受け入れられるヒロインの要素がまるで無い。良いこと言ったり気遣いしてても普段がマイナス要素に振り切れててプラスに戻らないからマイナスな女の子以外に当てはまらない、最終話になっても。だそうだ。
「私」
似たようなものだが恐怖で支配された世界は北朝鮮にしか感じず意図的にク◯女に描写されているのは1周目で感じたし消失を見ても分からなかった。ただ消失の中身忘れてますけどね。
1期で放送順と作中の時系列順をバラバラにしたのはそれを緩和させるためだったのかも知れない(多分)。

クソ回と名高いエンドレスエイト
「連れ」
何これ?こんなに引っ張って普通に終わるってただ長いって思わせたかっただけ?長さの表現なんて半分以下でも良いやん。退屈過ぎて寝ちゃったし。(他の回でもちょいちょいうたた寝してます)
「私」
単に毎回違う服装や微妙に変わるセリフに裏があるのかもと思い必死で見てた。が、分からないしググってもないから考察もしてないから意図が全く分からん。ただ、長門が長く先の見えない世界でループし続けるカオスを描いてそれをひたすら観察し続ける長門に対する評価が欲しかったのかなぁ(妄想)。

この作品は作中に発声されたセリフと脳内セリフが巧みで口を開いてないのに何故かハルヒにセリフが伝わってたり杉田さんの声の巧みさも見所だと思うのだがそれを伝えても以下の結論に達してしまった。

「連れ」
深夜アニメの深く考察しなきゃ分かりにくい物語や設定は何回も見ないといけない、1回の視聴で多くを理解できない作品なんて多くの視聴者がファンで無いとするならば一過性であるはずの「消費」に対して何の意味もないしエンターテイメントとして「面白かった」となりにくい。反対にそれが深夜アニメで良しとするならばその世界がその範囲で満足してるんだから別に良いんじゃない?売れたいっていうより見たい、見せたい程度で良いなら。


もちろん非オタ、アニメに触れない人みんなが同じ感想、同じ意見じゃないけど他のカワイイダケ深夜アニメを見せたらどんな反応だったのだろうかと思うと正直恐ろしい。クズの本懐を見せたときは1話で「スマホでマンガ見てるみたい」と飽きてたくせに坂道のアポロンは原作マンガ既読だったせいか律ちゃんにキャッキャ喜びながら見てたしワンピースは面白いと言いながら月1回見るか見ないかの散発視聴するような奴が言うことなのでニュートラルな視点とは言い難いのだが。
別日に消失を見せた上で作品の話を聞きたかったのだがこんなのまだ見るの?ともう見たくないと言わんばかりのセリフ。確か消失は面白かったはずだからせめて作品の全体像を掴んでほしかったのだが。


私はアニメ全般好きだ。連れよりアニメを見ているからこそ色々許容しながら、ボカシを入れながら、自分の理想を押し付けながら作品を見ているので連れに言わせたら私も「オタク」の分類らしい。それだと似非オタクと表現すべきなのだが。

昨今はいとも簡単に「プロ」と名乗れる。プロのパチスロ&パチンコライター、プロのYouTuber、プロの絵師、プロの歌い手、プロのゲーマー。SNSのお陰で簡単にスポンサーが付いたり金を稼いだりできるようになった。職人=プロフェッショナルじゃなく簡単に得られる他人の知識でさも自分の努力のたまものと思い込んでいる幼稚なスキルと未熟な社会性を駆使し、子供の小遣い稼ぎのようなものもプロを名乗る時代は色々な言葉が曲解され本来もつ言葉の価値がデフレ傾向であろう。本物のオタクもプロも溢れかえった「エセ」のせいでその陰を潜めてしまい私が知ることはできないのかもしれない。

この業界が広く周知され多くの消費と金を生産し、その金が更に多くの作品を生み出すためのものとなることを望んでいたのだが、問題は本来もっと別のところにあるのかもしれない。




付録
平野綾炎上とアニメファンについて。この作品でググってたらこんなのが引っ掛かって記事を見せてみた。
多少過激なので伏せておこう。
{netabare}
「連れ」
声優さんやアイドルって死ぬまで処女なの?人として色々経験することで演技が深まることもあるだろうし職業はあくまでもオプションだよね。人として豊かになるためのオプションを是としないファンってファンじゃなくて人との距離感が分からない、執着をコントロールできない痛い人じゃん。ジャニーズファンもファンと言うよりオタクだし度を超えた妄想を押し付けてキモいけどオタクって言われる人達って応援していることやパトロンみたいな存在であることを忘れてるんじゃないかな。金を対価に理想を押し付けるけど作品でその対価をもらってるはずなのに更に人間像を要求って狂ってるとしか言いようがない。そんな要求って声優さんたちが不利な非等価でそもそも誰がどう見ても過大な要求は成立してないことを理解してないんじゃないかな。そんなの口約束でもサインのある念書があっても法的に成立しないような契約を押し付けるなんて怖すぎる。
しかもこの人(平野綾)って結局この作品で(非オタに)人気にならなかったからわざわざ流出させて炎上商法したんだろうけど好感度無くて不快感の多いタレントが売れるのってあんまないっしょ。昔からある売れる要素が無い残念な人がやる手法じゃん。叩くほどもなくほっとけば消えるから好きなキャラクターだけ意識して応援すれば良いじゃん。叩く方も必死すぎてウケる(笑)
キャラクターが人気なのと声優さん自体に人気があることは「=」じゃないしさ、多分キャラクターの半分もその人(声優さん)のファンっていないよね?キャラクター自身じゃないんだし。
そもそも声優さんが芸能界で人気になることって結局無理じゃない?だってかわいらしい絵で演技して商売することと見た目や身体を使って演技して商売することとは全く違うじゃん。商売相手が違えば需要がないことは火を見るより明らかだよ。


こんな事を言ってたが誰が書いてる記事を複数見せただけで当時のTwitterのやり取りが転載されてたわけでもないのであくまでも一個人の限られた情報下での感想として見ていただきたい。
ただ、アニメ業界とファンのあり方については一考の価値ありと思い記載しました。{/netabare}



最後にこの物語はハルヒが望んだ世界のようでキョンが無意識のうちに変化を望んだ物語なのかもと妄想を張り巡らせたたが結論は原作見ないし知ることはできないんだろうな・・・。
等とつらつら書いたが最後にふと思った。この作品のハルヒ単体の人気(支持)ってあるのだろうか?


杉田さん知ることできたし銀魂見たいんだけど・・・長っ!
レビューは無理だな(笑)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 21
ネタバレ

keylove さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いろんな意味で問題作ですね。God knows..はアニメ界屈指の神曲

この作品の存在を知らないアニメファンはいないと思います。

観たか観てないかは別として、そして完走したかそうでないかも別として。


日常に潜む異世界。

これがこの作品のメインテーマですね。


このハルヒの世界は本当にスケールがでかいです。

いやもう、ご都合主義だとかなんとか言わせないほどに、ひたすら強引にでかいですね。

観た人じゃないとわからない、意味不明のスペクタクルがここにはあるんですよね。


メインヒロイン(主人公?)の涼宮ハルヒの超わがままで自己中心的で気分屋な性格が、周りのキャラや出来事を作っていくんだけど、これがまた突拍子もなくすごいです。

一つだけ言葉を引用すれば

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のところに来なさい。以上。」

これですよね。

こういうことを涼宮ハルヒは本気で望んでるんですよね。
そしてそうじゃない現実世界に退屈している。

その退屈がどういう事態を招くのか。
それがわかった時には、こりゃやばいアニメだよって感じるんだと思います。

もうぶっ飛んでるこの日常を描いたのは素晴らしいですね。


そしてこの作品のもっと良いところは、主人公が語りべとなって物語を巧妙に進めていくところでしょう。

ハルヒが語るんじゃないです。
ハルヒとたまたま同じクラスになった同級生のキョンという高校生が語るんです。

この語りがまた上手い!

ナレーションっていう役回りがありますけど、そういうんじゃないですね。
キョンが物語を進める口調は本当に独特で、あたかも落語のテンポで個人的な主観を聞かされるんだから、これは面白いです。

そういう意味では、一話から完全に引き込まれます。

後々、こういう語りをどこかで聞いたことがある気がするんですけどね、思い出せませんが。

さて、そういうことでこの作品のテーマは壮大です。

出てくるキャラたちもまた唯一無二の魅力があって、その壮大なテーマを持つ物語を彩っています。


この作品の世界観はずばり。

{netabare}

涼宮ハルヒが自覚なしに巻き起こす、宇宙レベルの危機。
そして周りにいるキャラ。
ただのハルヒの気分、まさに憂鬱が、宇宙そのものの根源を揺るがす。

今いるこの世界が無くなってしまうかもしれない。

ぶっ飛んでますよね。

そしてその周りにいるのは
宇宙人(情報統合思念体によって造られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース)
やら、超能力者やら、未来人やら、ごく普通の冴えない男子やら。

このとんでもない人種たちの行動がまた面白くて笑える要素になってます。

{/netabare}

こういうものですよね。


ただ、これは賛否両論あると思いますし、実際にいろんな事態になってしまった作品でもありました。


それはこの二期で放送された、「エンドレスエイト」
というエピソード。

これは他にはまずあり得ない演出でしたね。

個人的には、さすがに参りました。

ここまでやられると精神的にちょっときます。

どういうものかというと。
これは完全にネタばれですからご注意。

{netabare}
タイムリープとかタイムパラドックスとかいろいろとアニメで描かれることは多いですけど、この作品で描かれた、同じ時間をループする。

というエピソードが「エンドレスエイト」なんですが。

この作品においては、そのループした時間を
繰り返し何度も何度も(実に八話に渡って)放送されたんですね。

概ね二ヶ月間、同じことを繰り返したわけです。

さすがに観る側も混乱したでしょうし、それを通り超えてイライラしたと思います。

シュタインズ・ゲートやひぐらしの鳴く頃に、なんかでもそういうちょっとしたイライラが表現されますけど、
ここまでループに執着した作品はまずないと思います。

これは本当に問題だったようで、元スタッフからの謝罪に近いものや心境暴露なんてのも出回ったほどです。


僕も最初は観る回を間違えたのかな?
なんて思いました。

でもよくよく見ると、作画やシーンの切り替えが少しずつ違うんですよね。
これは手が込んでると思いましたけど、アフレコもそうらしいです。

同じ台詞を八話に分けて、一話ずつ収録していたらしいですね。

声優さんたちもさぞかし疲れたと思います。


唯一つ良かったところは、本当に作画担当が違うので、キャラデザまで違っていて、回によって好きだったりそうでなかったりがわかることです。

これが間があいて観たのなら変化に気づかないかも知れませんが、本当に繰り返すだけなので、そういう細かいところに気づいてしまうんです。

着ている服や小物も毎回変わってますけどね。


{/netabare}

こんな感じで、このエピソードをクリアできたら完走できるみたいなハードルがあったのは事実だと思います。


あと、やっぱり特筆すべきは文化祭のシーン。

これはネタばれじゃないと認識して書きます。

作中に文化祭のシーンが描かれるんですが、その時に演奏された
「God knows」という曲。

これは本当にすごいです。

どれだけの動画が公開されたのか知りませんけど、軽く見積もっても
数千万回は視聴されている、モンスター動画です。

僕はバンドをずっとやってまして、洋楽からなにから聴いたり弾いたりしてますけど、この曲のクオリティーはハンパありません。

ギターをコピーしてみましたが、なんともセンスが良く、とてもアニメだけにとどまるのはもったいないほどのロックだと感じました。


聴いたことがなければぜひチェックしてみてください。
有料ダウンロードもできると思います。


この作品は登場人物を紹介してしまうだけで概ねネタばれになるので
今回はやめておきます。


28話ですが、それ以上に長く感じる気もしますが
やっぱり名作という呼び声高い作品なので、断念してしまうかどうかは別として、挑戦してもいいんじゃないかと思います。


読んでくださってありがとうございました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 31
ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい

谷川流さんのライトノベル原作の作品です。私にしては珍しく原作既読です。SFタイムトラベルものなので、私の趣味にぴったりの作品。

世界を創るほどの能力を持った涼宮ハルヒが、SOS団なる奇妙な部活を立ち上げ、未来人、宇宙人、超能力者を集めて部員にする。しかし、当のハルヒにはその認識がない。SOS団に集まった未来人、宇宙人、超能力者は、それぞれ異なった立場で異なった世界観を持ち、それぞれ異なった目的をもってハルヒに関心をもち、見守る。そんな設定です。

SFの三大巨塔である未来人、宇宙人、超能力者が一同にあつまる、というお話なら「さぞや非日常的作品なのだろう」と思いきや、ごく一般的な公立高校一年生のべたべたの日常に、有り得ないほど濃いSF的非日常が、仲良く混ざり合っている、緊張と弛緩のベストミックス的な独特の雰囲気をもった作品です。

この作品の雰囲気を決めているもうひとつの要素は、主人公のキョン(声:杉田智和さん)の目線から見た「語り」がベースとなっている点。原作のラノベの地の文を、ほぼそのまま杉田さんが語ります。この語りがとっても味があってGoodです。少なくとも私は好きです。京都アニメーションは原作に忠実という定評があります(最近はちょっと違う場合もあるようですが)が、原作の地の文まで忠実に再現してくるとは・・・。

この作品において、1期と2期の関係はちょっと変わっています。他の一般的なアニメ作品と違っているので注意が必要かもしれません。1期は、原作のいくつかのエピソードを、時系列を無視してシャッフルし再構成したような構成になっています。それに対して2期は、1期のお話の間を埋めるエピソードを追加した上で、全体を時系列に並べなおしています。なので、初めて見る場合は2期だけ見れば1期も見たことになります。ただ、1期の時系列シャッフルの構成は実験的であり、これはこれで面白いので、興味があれば1期の順序で見るのもいいかもしれませんね。

劇場版「涼宮ハルヒの消失」は2期の続きに見るとちょうどよいです。「消失」は、テレビ版視聴済みが絶対的前提となっていますが、1話~6話の「涼宮ハルヒの憂鬱」と8話の「笹の葉ラプソディ」だけ視聴でもなんとかなります。

この作品は、京都アニメーションの代表的な作品ですが、この頃の京アニはアニメ作品でいろんな実験をしています。前述のハルヒ1期の時系列シャッフルもそうですし、もうひとつ有名なのは「エンドレスエイト」のエンドレス。この作品は、原作では短編で、アニメとしては1話分のお話です。それを、題名どおりエンドレスで8回放送したのです。
{netabare}
夏休み後半を延々と1万5千回程度繰り返す、というお話です。アニメでは、その繰り返しのうち、8回分を抜粋しています。1話目は繰り返しに気がつかなかったパターン。2話目~7話目までは繰り返しに気付くが、ループから脱出できなかったパターン。8話目は、繰り返しに気付いてループからの脱出に成功したパターン。(原作は8話目相当のみです。)なにこれ、手抜きじゃん?と思われるかもしれませんが、これがまた全然手を抜いていない。8話すべて、絵や音の使いまわしは一切なし。登場人物の服装(夏休みなので私服です。ゆかたもあります)が毎回変わるので、それを楽しむのも一興かもしれません。バックの風景とかも毎回違いますし、声の収録も毎回べつべつに行われたようです。キョン役の杉田さんとか、回を重ねるごとに飛び出すアドリブの熟練度が増していくのがおもしろいです。
{/netabare}
これについては、放映当時から「手抜き」だとか「視聴者をばかにしている」だとか「消失を劇場版でやりたいための時間稼ぎ」だとか、大ブーイングが起こりました。(そのころ書かれた2chのスレとかを読むとおもしろいですよ。)たしかに同じお話を8回も放送するのはどうかとは思いますが、1期の時系列シャッフルと同様、エンドレス8回も京アニの実験の一つだったのだろうと思っています。まあ、あれだけ非難が上がった(それに対して肯定的な声はほとんどなかった)のだから、実験としては失敗だったと言わざるを得ないでしょう。でも、今までにないコトをやってやろう、という京アニの挑戦的姿勢は評価されるべきだと思いますね。

20話~24話の「涼宮ハルヒの溜息」もちょっと変わっています。
{netabare}
SOS団で学園祭向けの映画を製作する、というお話です。それだけ聞けば、なんかホンワカして楽しそうな印象ですが、実際はまったく逆です。ハルヒが無意識のうちに映画と現実の混同を起こすことにより、現実世界に深刻な影響を与える、というな、ホンワカは残しつつも、かなりハードな内容です。
話の内容はさておき、5話構成のこのシリーズの特徴は、次回へのつなぎの部分です。話と話のつなぎがブチっと切れます。会話の最中であろうが移動の最中であろうが、突然ブチっと切れてED開始。次の回の冒頭は直後から始まる、といった感じです。これも賛否両論があるでしょうが、独特の味を出しているのは確かです。
{/netabare}
現在の京アニとは絵の味が若干異なりますが、これはこれでいい。さすが京アニですね。OPやEDは1期のものは1期そのままとなっていますので、2期を見れば両方視聴することができちゃいます。曲はどっちかというと2期より1期のほうが好きです。

ラノベでは「消失」の後にも面白いエピソードがいっぱいあるので、個人的には3期以降を期待しているのですが、京アニにはやる気がないようで残念です。「驚愕」とか、アニメ化すると絵的におもしろいと思うのですが・・・。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

87.5 20 コミカルアニメランキング20位
TIGER&BUNNY [タイガーアンドバニー](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (3368)
17322人が棚に入れました
都市シュテルンビルトは、様々な人種・民族・『NEXT』と呼ばれる特殊能力者が共存し、その能力を使って街の平和を守る『ヒーロー』が存在する街。会社に所属するヒーロー達は、日夜会社の為にスポンサーを背負って、ポイントが入る事件解決や人命救助に奔走している。その活躍の模様は人気番組『HERO TV』で中継されており、各々キング・オブ・ヒーローを目指し、年間ランキングを争っている。そんなサラリーマンヒーローの一人、ワイルドタイガー(鏑木・T・虎徹)は、能力発動の5分間はハンドレッドパワーを使える能力者。人気のピークは過ぎているが、ベテランなりに土地勘、経験値を最大限に生かしたパフォーマンスを見せる。会社の命令には従わなければならないのだが、現場判断で目の前の市民の為には器物破損も厭わない、我が道を突き進んでしまうワイルドタイガーは『正義の壊し屋』という不本意な煽り文句が付けられている。そんな虎徹を雇っていた寛大な会社が、突如吸収合併されることに。ヒーロー業一筋の虎徹、このままだと失業に・・・?

声優・キャラクター
平田広明、森田成一、寿美菜子、楠大典、伊瀬茉莉也、津田健次郎、井上剛、岡本信彦、甲斐田裕子、福田信昭、横島亘、宝亀克寿、日高里菜
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

おじさん&バニーちゃん(88点)

全25話。
アニメオリジナル作品。

個人的満足点:88点
アニメ系統:熱いヒーローバトル

製作サンライズ。
キャラクター原案・ヒーローデザインを桂正和氏がつとめた。

ウイングマンから始まり、ビデオガール、DNA2、I'sと
美少女キャラがすばらしい作品が多い桂氏とおっさん世代には胸熱なわけだが、
どうも作品の雰囲気がアメリカンコミック風な感じで
ぱっと見X-MANか?というような設定・世界観を思わせ
どうにも受け付けないそんな第一印象であった本作だが
実際に1話視聴するとそんな考えは吹っ飛んだ。

まずはその斬新な設定。
ヒーロー物に違いはないのだが、そのヒーローが会社に雇われていて
事件を解決する場面をテレビで放送するのだ。

そんなわけでスポンサー企業もありヒーローたちの
着用するスーツにスポンサーロゴがバンバン入っている。

この作品はそのロゴに実際のアニメのスポンサーを
入れるという新しい試みをやってのけている。
このスポンサーがまたいい味になっている。

各キャラに愛着を持たせるのに一役かっている。
ペプシちゃん、牛角さんは特にスポンサーが光っている。

とそんな真新しい部分ばかりに目が行きがちではあるが
この作品の面白さはそんなところではない。
まずは、主人公の2人が非常にいいのである。

タイガー、通称おっさん、おじさん。
このおっさんが昭和を感じさせる、まさにおっさんなのである。
昔のヒーローみたいに人情味があり熱いのだがドジなのである。

バーナビー、通称バニー。
若くてクールで合理主義。
若くしてヒーローとしての才能を見せ付ける。
おっさんとは正反対の性格と立ち位置。

こんな凸凹な2人がコンビ組むことになり事件を解決していくのだが
その過程での2人の掛け合い、気持ちの動きが絶妙。

反発しながらも引き付けあう。
ベタな作りといえばそうなのだが、そこがまたなんともいいのである。
まさに王道の凸凹コンビなのである。

また、ストーリー構成も非常に良かった。
全25話だが、13話までで一区切りがあるためまったく飽きさせない。
ストーリーも単純で分かりやすく、まさに王道の展開を見せながらも
最後の盛り上がり、締め方もよく、清清しい。

そして、このアニメを見るときに注意していただきたいのは
ED曲が終わっても終わりでは無いので見逃さないで欲しい。
ED曲の後少し話しがつづく。
さらには次回予告でのおっさんとバニーの語りが面白い。
是非そこまで味わっていただきたい。

OP曲ED曲もかなりかっこいい。
個人的には前半OPの「オリオンをなぞる」がかなり好きである。
「ミッシングリンク」「星のすみか」「マインドゲーム」
もいい。
まあ全部いいってことでw

少々気になることといえば、謎を残した物が少しあるってこと。
何か2期を匂わせる感じなのだが。
劇場版製作が決定したので、そこに続くのか?
それとも、別に2期でもやるのか?
これからもまだまだタイバニから目が離せない。

個人的春アニメランキングで1話から不動の1位。
タイバニお勧めなので是非見てみてほしい。


と、まあ色々熱く書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

製作関係者の皆様、いいアニメを
「ありがとう!そして、ありがとう\(^O^)/」


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以下、ここまでの各話毎の感想。
ネタバレを含んでいるので、未視聴の方は
スルーを推奨。

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{netabare}
1話視聴。
正直、期待していなかったのだが、見てみたら意外に面白い。
X-Men風(アメコミ風)の作画で主人公は熱いキャラぽい。
アメコミ苦手な人は敬遠するかもしれないが(自分もアメコミは苦手だが)次回も見たいと思わせてくれる内容。
今後に期待したい。

2話視聴。
TIGERの回。
サラリーマンヒーローの会社での立場、
家族とのやり取り等いい感じ。
作画も気にならなくなってきた。
次回はBUNNY回ぽい。
ここから本筋に入っていくのか?
来週も期待。

3話視聴。
お互い気が合わないが
実は最高のコンビといった感じになっていきそう。
なかなか熱い。
(おっさんはマヨラーかよ(笑))

4話視聴。
熱い、熱い、熱い。
おっさんいいよ。
ペプシちゃんもいいね。
歌えるヒーロー。
ファイヤーエンブレムが経営者でおねえには笑った。
キャラがたっていていい。
他のキャラの話にも期待。
(おっさんお風呂で歯を磨く派なんですね)

5話視聴。
ありきたりな展開だったがいい味出してた。
三文芝居に本物がからんで決着後のプレゼント(笑)
完全に先が読める展開だったが唯一
最後の牛角さんが読めなかった(笑)
(バニーは好きな物は最後に食べるのか(俺もだわ))

7話視聴。
バニーの過去が少しわかった。
6話から敵?が強くなってきた。
ネクストどうしの戦いもなかなかよかった。
なによりタイガー大活躍じゃないですか。
かっこよかった。
おっさんいいよ、おっさん。
(バニー同じメガネ5つもってるのかw)

8話視聴。
折紙回。
そんな能力だったのか。
どうやって戦うのだろうか?
おっさんが最近かっこいい。
こういう熱いおっさん大好きだわ。
(間接照明ってw)

9話視聴。
ベタな中国語表現久しぶりに聴いたアルヨwwww
カンフーキッド大活躍&なかなかかわいいね。
おっさんかわいそすぎるwww
バニーにちょっと異変、何かを思い出したようだ。
さてさてどうなるのやら。
(ジュースの氷は食べるって俺もだwww)

10話視聴。
おっさん、あんたの気持ちはよく分かる。
1人娘とか目に入れても痛くないレヴェル。
カエデちゃん、もう少しパパに優しくしてやってくれ。

今回もおっさんにしびれた。
バニーの登場もベタだが、だがそれがいい。
敵さんもいよいよ本格的に出てきて
盛り上がってまいりました。
(ワインはロゼ派なバニーでしたw)

11話視聴。
おっさん、もうかっこよすぎるだろ。
ベタな熱い男にしびれる。
ジェイクいかれすぎてる。
オリガミやばい。
やばすぎる。
どうなる来週。
ワクワクがとまらない。
(ハンバーガーつぶして食べるのかwおっさん)

12話視聴。
おっさーーん
ジェイクやばすぎる。
ジェイクの能力は恐らくあれだね。
バニーはおっさんの戦いから
気づけたのだろうか?
バニー頼む、何とかしてくれ。
しかし牛角のあつかい可哀想w
(俺もティッシュ2枚重ねて使うよ、バニー)

13話視聴。
やっぱりジェイクの能力はあれだったw
ベタな能力だが、だがそこがいい。
我々おっさんにはたまらない。
そして劇中のおっさん、またもかっこいい。
おっさんのかっこよさは視聴者だけが分かればいいのだよw
おっさんかっこいいよおっさん。
いや虎徹さんw
(おっさん深爪wwwwww)

14話視聴。
新章突入だね。
OP曲ED曲ともに一新。
個人的には今までの曲の方が好きだけど。
OP曲ではファイヤーエンブレムの肩の
メイトがキターって感じw

で、本編だが、ウロボロスから8ヶ月たってた。
今回はおっさんのかっこ悪さがw
B.T.Bユニット結成でダンス爆笑www
ペプシちゃんは今回可愛かった。
ツンデレ恋する乙女だった。

そしてついに牛角さんが!!!!!
いいところ持って行きました。
たまには牛角さんにも活躍してもらわないとね。
(バニー寝る前に牛乳飲むのかw)

15話視聴。
スカイハイ回。
前半笑いが止まらないwww
恋愛について盛り上がる
アネサン、キッド、ペプシちゃん
特にアネサンワロスwwww
後半はシリアスモードオン。
スカイハイ・・・・
切ない。そして、切ない。

おっさん・・・
何となく想像はしていたが、
その通りの展開でくるとは。。。
このままでは終わらないだろうが
どうする、おっさん。
(おっさん、靴下は左からか、俺は右からだw)

16話視聴。
ルナティック!
こいつの存在を忘れてたw
しかも今回はルナティックの正体が!
そしてレジェンド!
おっさんどうする。
今回の話はかなり重要なのではないだろうか。
後半の核となりそうだ。
今後が楽しみだ。
(バニー月2回の美容室って行きすぎじゃねえのw)

17話視聴。
おっさんとかえでの話。
分かるぜ、おっさん。
おっさんの気持ちはよくわかる。
そして、おっさんかっこよかった。
おっさんは俺のヒーローでもあるんだぜw
今回はぐっときた。
親子っていいよ。
1人娘は大事にしないとね、おっさん。
(バニー首から洗うとか、俺は手からだわw)

18話視聴。
クリームから新たな衝撃の真実を告げられた。
ここにきて最後の盛り上げが来たか。
そして、ペプシちゃんのツンデレがちょっと可愛いw
おっさんはいつの間にか皆のヒーローになっていた。
この先どうなるんだろう?
おっさんどうするのか?
まだまだ楽しませてくれそう。
(おっさん、夢に出てきた女優好きになるって分かる気がするw)

19話視聴。
黒幕、予想通りの展開だったw
そうこなくては!
すごく盛り上がってきたよ。
バニーピンチ。
おっさんバニーを助けてやってくれ。
やはりおっさんだけが頼りだ。
(電動ハブラシって何か磨いた気がしなくないか?バニー)

20話視聴。
やべえええええ
おっさーーーん
黒幕のやり方がえげつねえ。
どうやってこの窮地を脱出するのか目が離せない。
ルナティックもからんでくるのか?
(ファンレターちゃんと読むおっさん偉い)

21話視聴。
ルナティックの正義から言えばおっさん側になるのは分かる。
ベンさん、あんたがいた。
ちょっとほっとした。
おっさんにも希望は残っていそうだな。
そしてカエデが切り札になる気がしてきた。
ああ、来週が待ち遠しい。
(おっさん、新聞は広告から。分かりますw)

22話視聴。
楓が切り札と予想通りだった。
ペプシちゃんだけはおっさんのこと信じてくれようと
してたのが、嬉しいぜ。
が、ハンサムなぜ肝心なところで。
そして、斉藤さんイカスwwww
後3話で終わりなんて信じられねえ。
バニー回とマーベリック回とルナティック回と数えても
1回ずつしかねえ。
全部終わらそうと思うと尺足りねえ気がしてきた。
綺麗に畳んでくれる事を願わずにはいられない。

23話視聴。
バニーーーーーー。
よかった、ほんとよかった。
ここに来て斉藤さん大活躍wwww
メガホンには吹いたwwwww
そして、マーベリックのクソさに何かムカついた。
まだまだピンチは終わらないが、どう切り抜けるのか。
あと2話で終わりなんて・・・・
(35度7分って平熱低いだろバニーw)

24話視聴。
うわああああああああああああああああああああああああ
おっさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
次週最終回・・・・・・


25話視聴。
バニー早とちりwwwwwww
まあ、そんなベタなことやらかすんじゃないかとは思っていたがw
最後の僕っ子なんか可愛かった。
牛角さんとアネサンwwww
ペプシちゃんなんて本読んでんのw
ハンサムがなんか哀愁ただようわw
ああ、もう皆とお別れなんて寂しすぎる。

一応マーベリックとの決着をつけ綺麗に終わったようには見えるが
最後意味ありげな終わり方しやがった。
ルナティックにウロボロス。
これは、もしかして2期あるんじゃね?
ちょー楽しみなんですが。
2期の製作、是非お願いしたい。

最後EDに「オリオンをなぞる」を流してくる粋な演出よかった。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 85
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

英雄なのにK○DIではないの?

オリジナルアニメ あにこれでの評価も高い


桂正和がキャラ原案なんて『ダグ&キリル』みたいだね
『東京喰種』のニコみたいにおねえ役のツダケンさんハマってるなあ
野原ひろしとしんちゃんの共演は『コトブキ飛行隊』以来だね ひまわりもおるし
『ウマ娘』以降の女人化もついにブルース・リーをネタにするまでになったか
JKが平田のおっさんに惚れるなんて『恋は雨上がりのように』のパクリやん


もちろん話は真逆です。私と同じように最近この業界に参入した者にとっては“あるある”な逆転現象。
既視感の多さは後続への影響が多大だったことをはからずも裏返しで証明しているようなものです。
ごくごく個人的なところで、私『ソードアートオンライン』クライン役が声優平田広明さんを意識した初の作品でした。馬鹿耳なのか当初、平田さんと藤原啓治さん一緒の方だと思ってた時期があり、そんな経緯もあって本作での共演は感慨深いものがありました。飄々としたなかに色気のある声を放つおっさん繋がりということだったんでしょう。


平成23年度(第15回)文化庁メディア芸術祭でアニメーション部門審査委員会推薦作品に選出(wiki)

…これに限らず評判は上々。自分はアメコミ的なノリが苦手でサムネとあらすじ見ても食指はそれほど動かず放置してた作品でした。2期やるみたいで、その番宣的な再放送での視聴での以下感想。


スカイハイの圧倒的な小者感が大好きです。

登場するキャラの一人なんですけどね。
“ヒーロー”たちが町の平和を守っているぞ!な世界ではアクの強い個性的なキャラが映えます。

■ヒーローたち ※注)ヒーロー名
 ワイルドタイガー (CV平田広明)
 バーナビー・ブルックスJr (CV森田成一)
 ブルーローズ (CV寿美菜子)
 ロックバイソン (CV楠大典)
 スカイハイ (CV井上剛)
 ドラゴンキッド (CV伊瀬茉莉也)
 折紙サイクロン (CV岡本信彦)
 ファイヤーエンブレム (CV津田健次郎)


タイガー(虎徹)とバニー(バーナビー)のバディ関係が軸の物語。さらに周囲を固める面々が作品の魅力を底上げしてます。キャラに心地よく引っ張られながら、時おりハマる演出にも心奪われましたね。
スタート直後にデカデカと『softbank』の文字が画面に映ってて度胆抜かれましたもん。ネーミングライツ的ななにかですが詳細は本編を!

 {netabare}HERO(英雄)なのに同業のあちらさんはコンペ負けたんかな?

{netabare}そこらへん孫○義には空気読んでもらいたかったですね。たぶんウケただろうに…{/netabare}{/netabare}


全25話。
ヒーローものらしく対峙すべき悪がきちんと悪役してました。
{netabare}※第1話~13話と第14話~25話。これを大きなブロックと見ての二部仕立て。{/netabare}

もともとキャラには脇役含めて独特の強みがある。構成の妙もあって飽きさせない。
脚本もそつなく自分には好みの結末。おそらくそんな贔屓めを抜きにしても含みを持たせつつもしっかり終わらせた脚本はぶん投げENDとは対極にあるもの。評価の高さに納得できるものがありました。
分類はアメコミの範疇ではあるんでしょうが、終始『HAHAHA』『YEAH!』『BANG』『WOW!』の羅列みたいな底抜けに明るく単純で典型的なものじゃなくて良かったです。少しアメコミ的なものをななめから見て笑いに変えてる面もあったり、苦手な人にも推薦できる良品だと思います。

ただし一点だけ不満ポイントがあって、そこがわりと深刻で評価爆上がりとはいきませんでした。



※ネタバレ所感

■良かったところ

{netabare}ワイルドタイガー・ワンミニッツ

だって続けるんですよ。最高にかっこ悪くて最高にかっこいいじゃないすか。仕事への誇りも人生の哲学もいろんなものをぶっこんだ背中を見ることになる楓(CV日高里菜)はそりゃいい子に育ちますよ。{/netabare}


■ダメだったところ

牛角の文字が躍るとシリアスなシーンが台無し…というとこではありません。
悪役がダメです。これってこのテの作風だと致命傷になりかねないんですけど?

{netabare}なお前半の悪役。元いじめられっ子クリーム(CV根谷美智子)の手で釈放されたジェイク(CV藤原啓治)ではありませんよ。イカれ具合もキャラに焦点当てたサブストーリーも良かった。なにより圧倒的実力差を見せつけた。それでも不屈の闘志で立ち上がる虎徹というアツい展開をしっかり引き立ててました。

{netabare}なにげにこの声優さんの組み合わせ某エウレカのホランド×タルホじゃないですか。第12話はいい感じで夫婦漫才やってて感慨深かったです。{/netabare}{/netabare}


{netabare}というわけで癌はアルバート・マーベリック(CV福田信昭)のこと。これメディア王ルパート・マードックがモデルなんでしょうか。この黒幕の小者感がハンパなくて逆の意味で本人に怒られんか心配です。

犯行動機が弱いです。そしてやってること無茶苦茶です。どういうことか?の疑問5点は以下↓

1.そこ範囲広げます?
20年間バーニー1人の記憶操作だけと細心の注意を払ってきたはずなのに虎徹のみならず一気に対象範囲を広げちゃうのが不自然。これまでの周到さとは真逆の行動ですよね。

2.それに順番違うよね
バーニーはしょうがないとしても、事情を知りかけてる当事者の虎徹を飛び越えて、残りヒーロー6名+スタッフ数名の記憶操作とは斬新すぎ。優先順位が違うよね。

3.時効ではないん?
当初、動機が21年前の殺人事件の隠蔽目的に見えました。バーニーには知られたくない、と。ただこれ時効成立とかでは?新たな殺人のリスク負うほどでないかは不透明。たとえそうでなくとも動機が混沌としてました。“バーニーに知られたくない”が発端だったのにいつのまにかバーニーひっくるめてヒーロー殺す話になってるし、そうでなくてまたみんなの記憶変えればいいじゃんと思うし、一回りしてそもそも戦線拡大したあんたのミスだよねとやはり混沌としてきます。

4.用意した舞台装置が悪趣味
1~3は犯行動機よくわからんというか頭悪くね?って話なんですがこちらはさらに深刻かもしれん。
だってこれ『ヒーローTV』視聴者にとっては殺人犯がワイルドタイガーの名を語ってる図に見えるだけで“脱走殺人犯の捕縛”いつも通りのコンテンツと大差ありません。リスクのわりに合わないのではないかしら。“虎徹の絶望”と“何も知らずに踊るヒーローたち”を観察するのに悦楽を感じるという極めて私的な性癖の発露と理解に努めましたがリスキーすぎる。

5.アンドロイド!?
二重の意味でイミフ。ヒーローからアンドロイドにリプレイスって簡単に言いますけど、ヒーロー個人へついてる固定のファンはもちろんのこと衰えを見せない人気コンテンツを簡単に潰す? 商売人として失格だと思うのだが・・・
で相方の科学者は“NEXT差別主義者”ということになっててアルバート自身はその主義主張よりも技術革新に興味があったというのはわかるんだけど、相方はともかくアルバートにとってヒーローを強制退場させる強烈な動機づけってなかったように思える。ヒーローからアンドロイドへの移行期間があって困ることあったかなぁ。ないよなぁ。


悪役ないしラスボスは憎らしいほど強敵であってほしいです。特にこういう作品ならなおさら。
どうもアルバートが間抜けに見えてしまって興が削がれましたね。{/netabare}


これ以外はホント文句はないのよ。ただこれ単品でデカい不満になっちゃってんのよ。


※余談

■Albert macht frei

なんとなく思い出したドイツ語。原典は『ARBEIT MACHT FREI』訳すと「働けば自由になる」

アルバートみたいなどんでもないのが使役する側だとされる側も悲惨でしょうね。

{netabare}アウシュヴィッツ収容所入口に掲げられてる文字です。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~9月 地上波再放送

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2020.09.04 初稿
2021.06.06 タイトル修正

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

靴下は左から履く方、虎徹です!φ( ̄∇ ̄o)メモメモ

■「TIGER&BUNNY」ってこんなアニメです!!
いつしか『NEXT』という特殊能力を持った人間が生まれてくる、そんな近未来の姿を描いたストーリー。
特殊能力『NEXT』は羨望の対象である反面、嫉妬心をあおる対象でもあったのです!
そんな中、一部の『NEXT』能力者がヒーローとなり、街の平和を守るため日夜活動することで、『NEXT』能力者と一般の人が平和に共存していける世界を目指したのでした。
そんなヒーロー達をドキュメンタリー映像でお届けしちゃう専門チャンネル、その名を「HERO TV」!!
キングオブヒーローの座を争うヒーロー達の活躍の一部始終を是非お見逃しなくd(゚ー゚*)ネッ!


■総評
これほどまでに前評判を大きく覆した作品はそうなかったと思います。
わたしも放送前は正直この作品を見くびってました(*_ _)人ゴメンナサイ
初めて作品のタイトルを見た時なんか「TOM&JERRY」みたいなタイトルだねーなんて言ってみちゃったりしてw…ヾ( ̄o ̄;)トシバレルヨ…
そんでもって内容をチラッとリサーチしてみると、「アメコミ風の作画&ヒーロー物」って事だったので
(〃 ̄ω ̄〃ゞウーン…途中で…切るかも…って思いながら観ることにしたんですよね(^▽^;)
なーんにも期待せずに視聴開始…見事に良い意味で期待を裏切ってくれました(ノ´▽`)ノオオオオッ♪
なんか観ればみるほど、(・・∂) アレ?ヾ(゚0゚*)ノアレアレー?って。。。いつの間にか「TIGER&BUNNY」の魅力にハマっていったんですよねー(゚∇^*) ♪
でもまぁ放送途中で録画失敗(≧◇≦)エーーー! それで約一年ぶりに再視聴となったわけなのですw

まず最初に興味を惹かれたのは、ヒーローを職業としている設定です。
しかもヒーロー達のコスチュームにスポンサー様のロゴが実名で入ってるではありませんか!!
オオーw(゚o゚*)w
スポンサー企業とタイアップしてCMまでつくっちゃってるなんて、「(ノ´▽`)ノオオオオッ♪これは新しい!」って思っちゃいましたね♪
「もしスポンサー会社が放送中倒産しちゃったらどうなるんだろうね」って、あにこれのお友達と馬鹿話してたのを思い出しちゃいましたw
こういった奇抜な設定がいままでのヒーロー物とは違ってとっても身近に感じさせてくれたような気がします。

ただ、この作品は奇抜な設定だけで人気が出たわけではないと思うのです!
ストーリー自体は王道のアクションヒーロー作品で、さすがサンライズって感じの安定感あるストーリーとなってました☆彡
そこに「おもしろくな~れ~♪・:*:・'★.。・:*:・'☆(● ̄ρ ̄●)*・:*:・'★.。・:*:・'☆」 って魔法が掛けられてたんです♪
どんな魔法かっていうと『親近感』という魔法がこの作品には掛けられていたような気がします! 
ナカマッ(*^ー^)人(゚.゚*)ダレダッケ?
この作品のヒーロー達はみんな人間クチャイ(*´y`*)σ ⌒ ξ~人達ばかりなんですよねw
しかもヒーロー毎に人間味あふれるハートフルなストーリーが用意されているので、みんな愛着が湧いてきちゃうんです(⌒^⌒)b
格好良いヒーローとしての強い部分と一人の人間としての弱い部分をひとつのストーリーとして見事に描いているのが最大の見所ではないのかなぁって思います♪
最初は「冴えないおっさん」だった虎徹おじさんも、ストーリーが進むにつれてだんだん「素敵なオジサマ」格上げされて最終的に…虎徹LOVE★⌒ヾ(^-'*)ブルーローズが虎徹に惚れちゃう気持ちが痛いほどわかりますね♪
劇場版「TIGER&BUNNY」で、またダーリ…いや虎鉄おじさまとその仲間たちに会える日が待ち遠しいです♪

とにかく「TIGER&BUNNY」は年配から若い人まで幅広く楽しめる作品となってますので、是非たくさんの人に楽しんでもらいたい作品ですね♪


■MUSIC♫
OP曲『オリオンをなぞる』(第1話 - 第13話)
 【歌】UNISON SQUARE GARDEN
 折紙サイクロンに負けず劣らずの見切りベーシストを要するスリーピースバンド♪
 ボーカルの透明感ある高音ボイスが印象的なキャッチーで明るいロックナンバーです(*^^)v

OP曲『ミッシングリンク』(第14話 - 第25話)
 【歌】NOVELS
 流麗なメロディラインにトリッキーなベースが効いているかなりお気に入りのナンバーです♪

ED曲『星のすみか』(第1話 - 第13話)
 【作詞】佐々木健太【歌】 藍坊主
 ボーカルのhozzyこと佐々木健太さんのストレートで心に響く歌詞と歌声が特徴ですね♪
 ブルーハーツの影響がちらほら見え隠れするパンクロックなナンバーです(^O^)

ED曲『マインドゲーム』(第14話 - 第25話)
 【歌】珠妃 Tamaki
 彼女のファーストシングル。どうやら今年高校1年生みたいですね♪
 幻想的かつどこか演歌っぽいノスタルジックな曲ですね!


2012.05.16・第一の手記

投稿 : 2025/02/01
♥ : 47

88.3 21 コミカルアニメランキング21位
刀語-かたながたり(TVアニメ動画)

2010年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (3068)
16308人が棚に入れました
刀を使わない剣術「虚刀流」の七代目当主である鑢七花は、姉の七実とともに不承島で暮らしていた。
しかし、奇策士とがめの言葉により、伝説の刀鍛冶「四季崎記紀」の作った刀、完成形変体刀十二本を集めるため旅に出ることになる。

声優・キャラクター
細谷佳正、田村ゆかり、中原麻衣、鈴木千尋、宮本充、池田昌子
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

西尾維新らしい言葉遊びが光る、12本の刀狩り物語

2010年1月より、月1回放送。
1時間の全12話。
後に2013年4月から、ノイタミナほかにて2枠を使い1クール一挙放送も行われました。


【前置き】

大勢の方が仰るように、当初は絵が受け付けなくて敬遠していた作品でした。

ただ、大好きな「物語シリーズ」を書いた西尾維新さん原作の作品。
加えて、上記の通りの1ヶ月毎に1話1時間の計12話という、1年単位の異例の特別放送スタイル。
(当時の原作の発行スタイルに合わせたそうですね。)

ここまでの待遇は、やはり名作であるがゆえに成せることなのでしょう…と思っていました。


さて、視聴後の感想としては……。
見始めは1話1時間ということで重圧があったものの、すぐに作品の虜になってしまい時間が経つのが早いこと早いこと。

「人様に推しても決して損はさせない」とさえ思わせる名作だと感じました。



【あらすじ】

「刀狩り」が行われていた時代。
刀を使わない剣術である虚刀流を使う『鑢七花(やすりしちか)』と、『奇策師とがめ』の2人を軸にして、「完成形変体刀」と呼ばれる12本の特殊な刀を、日本全国を巡り集めるという話。

1話1本、全12話で12本の刀が登場します。



【論じてみる】
{netabare}
あらすじだけ見ると、かなりのバトル展開を想像される方もいらっしゃるかと思いますが、そこは西尾維新さん原作。
戦いに至るまでの過程に繰り広げられる、「物語シリーズ」を彷彿させる言葉遊びが随所で光っておりました。

刀を持ち合わせた一人一人も皆、刀に合った良い味を出しており、

「次はどんな刀なのかな?」

「その刀を操るのは、どんな人なのかな?」

と、想像を掻き立ててくれるのです。
加えて、刀が集まっていくことで着実に話の終わりが近づいているのも分かるので、最後への期待も含めてワクワクさせてくれますしね。


作中での戦いや窮地においての機転を利かした「奇策士とがめ」の奇策の数々は、時には「そんな馬鹿な!」と思わせるものもありますが、シナリオに大きな破綻を生むようなものはないので
「終わりよければそれで良し」「面白ければそれで良し」
といった考えで見るのが一番ですね。
総じて、真面目一本筋のような作品では決して無いので。


ただ、その内容は人の死を数多く描かれたものとなっており、実際に七花も多くの剣客を死においやっていきます。
作中序盤より挟まれる、七花の(強引に決められた)決めゼリフ

「ただしその頃には、アンタは八つ裂きになっているだろうけどな!」

これが、七花の中で後々どういう心持ちで発するようになるのかも、作品の注目すべきところだと思いますね。


視聴前には重荷に感じていたキャラクターデザインも、そのシンプルさを逆に利用して作画枚数を増やしヌルヌルと動かしてくれるので、バトルシーンが映えて非常に見応えがありました。
作中、ある壮大な騙しのために異様に枚数を消費したシーンもあったりして、製作者の愛ある遊び心も魅力的でした。


楽曲も、オープニング2曲に加えてエンディングは毎話違い全12曲、どれも名曲揃いです。
オープニングは、癖が強くもクセになるALI PROJECTさんが歌う「刀と鞘」、エンディングでは「Refulgence」「からくり眠り談」「亡霊達よ野望の果てに眠れ」辺りが好きです。

ノイタミナ版オープニング曲として新たに制作されたsupercellさんの「拍手喝采歌合」も、まさに刀語を意識して作られた作風に合った名曲で、エンディング全12曲と戦うイメージで作り上げられたとか。
ここでもまたクリエイターの、作品への愛が感じられ気持ちが良いですね。



結果的に、私は3話ぐらいから作品の虜になり、続きがもぅ気になって仕方ありませんでした。

当初はノイタミナ枠で視聴し始めた私でしたが、我慢出来なくなってしまい最初に放送された方のDVDを探し、ものの数日で全話見てしまうほどに…。
(このノイタミナ枠版は、時間の都合で話が少し削られている為、尚良かったです。)

ただ、最後は、「最高のハッピーエンド!!」とは決して言えない内容なので、そこは人を選ぶかもしれないですね。

ですが、だからこそ作品の余韻に浸るのに十分な印象値を与えてくれるので、私は今も記憶に残り続ける大好きな作品となっております。
{/netabare}


【奇策士とがめ】
{netabare}
私としては、『奇策師とがめ』が作品の中で一番好きでした。

この、とがめというキャラクター。
刀集めの報告書を書く立場にある為、言動もどこか客観視された物言いになるのは分かるのですが、まるで作者の気持ちを表したかのように、序盤から

「そろそろ口癖を考えなければな。」

「そなたは個性が弱い。」

「気遣いで『読者』を虜にするような報告書が書けるか!」

「退屈で、途中で読むのをやめられたらどうするのだ!」

等と言い出す始末。
私達観る側からすると、必至に作品を盛り上げようとしてくれているみたいて、なんだか感謝の気持でいっぱいになりました。


その言動や行動も中盤からは癖になり…非常に可愛く思えてしまってからは、もう始末に負えません。
特に要所要所で挟まれる

「チェスト!!」ならぬ「チェリオ!!」

に、毎回悶えてしまい、個人的にはとても大変な目にあいました。

声を担当された田村ゆかりさんの威力は、かねてより知っていたつもりでした。
しかし、本作の威力はまた格別でした。
可愛いだけではなく、シーンによっては真面目で説得力のある声色をこなせるのがまた好きなのです。

とがめ役が田村ゆかりさんでなかったら、私は本作「刀語」に対し、ここまでの高評価に繋がっていなかったと断言出来ます。

後、どうでもいいですが、とがめの髪型は幼く見えるショートの方が好きですね。
大好き……いえ、愛してると言っても良い。

あぁ…、最終話は泣いちゃいました…。
もう嗚咽を抑えるのに必至でしたよ……。。。。
{/netabare}


【鑢 七実】
{netabare}
あと、もう一人。
作中で恐らく最強の、鑢七実(やすりななみ)も、大好きなキャラクターとして挙げたいですね。

このキャラクターの、病弱ながら人のレベルを超越した例外的な強さは、作中でも圧倒的な存在感でした。

「一回見れば大抵のことは覚えられます…、二回見れば盤石……。

 ありがとうございます…、見せてくれて…。」

この、人の技を自在に扱う「見稽古」の力もさることながら、それすら反動を恐れて本来の自分の力を出さない為の手段でしかありません。
加えて、中原麻衣さんの心地良くも優しい声で

「これから貴方を拷問しようと思っています……。

 せっかくだから選んでいただけないでしょうか…。

 黙って死ぬか…、喋って死ぬか…。」

等と冷徹な台詞を吐くものですから、格好良いというよりは血の気が引いてしまうようなインパクトが生まれるのです。

鑢七実が活躍する、それまでの伏線や予告からの壮大な騙し?展開の4話と、その本領が発揮される7話は、作中でも最終話に次いで大好きな回です。

圧倒的な強さを持つキャラクターというものは、それがバトルものであろうとなかろうと、やっぱり絶大な印象を与えてきますね。
{/netabare}



【総評】

最終話では、全話追ってきたからこそ最高に熱い展開が待っており、

「これまで作品を見てきて良かった!!」

と思わせてくれた点でも、気持ちの良い作品でした。
ただ、上記でも述べましたが…、後味は人それぞれかもなぁと思います。


なんにしても、「まどか☆マギカ」と同様に、絵で判断してはいけないという教訓を改めて胸に刻もうと思わせてくれた作品でした。

当初とはうってかわり私は、今ではこのキャラクターデザインに愛着すら湧いています。
我ながら手のひら返しにも節操がありませんが、少なくともそれで見識は広がりましたね。


自分の中で、間違い無く『名作』に位置付けられている作品です。
本作に出会えて、本当に良かった。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『奇策士とがめ』声 - 田村ゆかりさん


◇一番可愛いキャラクター◇
『奇策士とがめ(ショートカット時)』声 - 田村ゆかりさん


…………以降は、視聴済みの方なら誰もが共感する内容ですが、駄文なので〆ます。
{netabare}

私は夜眠れない際は、とがめの「チェリオ!!」をエンドレス再生しながら、

「チェリオ!!」が1発……、

「チェリオ!!」が2発……、

と、脳内再生をして眠りについています。


時には、私から「チェリオ!!」して、イチャつく妄想でもしてみようかしら……。。。。

うへへ…こりゃ眠れませんなぁ、ぐへっへへへへ……(;´Д`)ハァハァ


『ただしその頃には、オレは八つ裂きになっているだろうけどな!!』



…………お付き合いいただき、ありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 35
ネタバレ

ともゆき! さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人と人の出会い

人を知らぬ男と心をなくした女。お互い、感情を知り、心をしり、目的のため一生懸命生き、そして死んでいった。生きるって、一生懸命生きるって凄い素晴らしいことだな。
 一生懸命生きられないナナミ、歴史をついだけの将軍などなど。
 今の世の中一生懸命生きなくてもなんだかんだで生きられし、なんだかんだで楽しい。でも其の程度。
 一生懸命生きるって素敵なことだし、素晴らしいこと。歴史に残らなくたって素晴らしい。
 左右田 右衛門左衛門(そうだ えもんざえもん)の「お前はなんと言って死んでいくのかな」が凄い胸に突き刺さった。最後の言葉。俺はなんて死んでいくのだろう。貫いて死にたいな。
 生き様のお話でした。一生懸命生きよう!

第1話 絶刀・鉋
{netabare}人を知らぬ男と心をなくした女。お互い何かに引かれ、誓を交わした。
 ボーイ・ミーツ・ガール。王道だよな。 {/netabare}

第2話 斬刀・鈍
{netabare}個性、人は個性がある、やることが有る。宇練 銀閣(うねり ぎんかく)には守るものがあった。やることがあった。それしかなかった。あった。
 七花は自分のやることを身にるのだろうか。
守るもの、やるもの。あるって大切だよね。{/netabare}

第3話 千刀・鎩
  {netabare}人の過去。過去は切っても切れない。そして捨てたくない。それが自分だから、過去が自分を作ってるから。
 敦賀 迷彩(つるが めいさい)は過去を恨み、過去を壊したくて、無くしたくて、山賊に入り、そして前の敦賀 迷彩(つるが めいさい)にあい。山賊の過去を捨てたくて山賊を捨てた。
 捨てたくても、捨てたくて、捨てられない、捨てたくないそんな過去。そして最後に、自分の守りたい神社、そして過去。その過去のお陰で刀に選ばれ、神社にも選ばれ死んでいった。 
 俺も過去が辛くて、捨てたくて。でもなくて、俺って何のために、俺ってなんで生きてるんだろ、なにが楽しんだろうなにをしたいんだろと悩み続けている。
 最近好きなことが出来た。好きな子が出来た。まあ想いはかなわなかったんだけど。
 でもそれを見つけられたから最近楽しい。生きるってちょっと楽しいなと思えた。
 俺の力を誰かの役に、そして誰か守りたいものを見つけたいな。{/netabare}

 第4話 薄刀・針
{netabare}努力出来るって素晴らしい?なんでもできたらどんなに素晴らしいか。とよく考えてしまう。
 しかし努力、時間を使ったからこそ、その結果に価値が生まれる。
 だから努力することって素晴らしいことなんだ。努力って自分にとって大切なのかもしれないな。 {/netabare}

 第5話 賊刀・鎧
{netabare}校倉 必(あぜくら かなら)という恋敵。その現れによって、七花は人間、感情をだんだんと手に入れていく。
 感情って大事だよね。感情があるから楽しい、感情があるから毎日が楽しい。 {/netabare}
 
 第6話 双刀・鎚
{netabare}心か。だんだんお互いに人を知り、心を知り。お互いに必要される。人との巡り合いっていいね。自分がだんだん変わっつてく。{/netabare}

 第7話 悪刀・鐚
  {netabare}普通で居たかった。鑢 七実(やすり ななみ)
人は人の喜び。親、兄弟、友達。普通って幸せなことなんだよね。最後に普通になれた。特別になりたいと思うけど普通でもいたい。人間ってなんか不思議だね。{/netabare}
 
 第8話 微刀・釵
  {netabare}合う人、合わない人。七花ととがめ。お互い足りない所を補ってて見ていて微笑ましい。これからどうなるんだろうか? {/netabare}

 第9話 王刀・鋸
  {netabare}汽口 慚愧(きぐち ざんき)。毒気を抜く刀のお話。毒気を抜くとは人らしくないということ?よくわからん話だったけど、この回で色々な進展、謎が出てきたね。とがめが俺の昔好きな人に似てるから困る。{/netabare}

 第10話 誠刀・銓
  {netabare}彼我木 輪廻(ひがき りんね)、誠実さとは。人は人を通して経験し、新しいことをし、視野が広がっていく。自分が知っていることしか知らないし分からない。自分から目を背けたら色々なことがわからなくなっていく。
 自分を見つめなおすことって大切だよね。以外と棚から牡丹餅があったりする。俺も最近過去を思い出して元気出たことあったし。過去って大切だよね。 {/netabare}

第11話 毒刀・鍍
{netabare}完成が完了へか。完成は、主に物が完全に出来上がったこと。 完了は、主に行動(作業)が終わったこと。
 歴史の改ざんが四季崎記紀の目的だった。なにがしたいんだろう? {/netabare}

 第12話 最終話 炎刀・銃
  {netabare}歴史の改ざん、外国に勝てる日本を作るための目的だった。
 歴史は過去の人が生きた証であるのと同時に歴史=人ではない。歴史なんてどうてもいい、ただ生きれば、自分らしく生きればいんだって話だった。 {/netabare}

 
 人を知らぬ男と心をなくした女。お互い、感情を知り、心をしり、目的のため一生懸命生き、そして死んでいった。生きるって、一生懸命生きるって凄い素晴らしいことだな。
 一生懸命生きられないナナミ、歴史をついだけの将軍などなど。
 今の世の中一生懸命生きなくてもなんだかんだで生きられし、なんだかんだで楽しい。でも其の程度。
 一生懸命生きるって素敵なことだし、素晴らしいこと。歴史に残らなくたって素晴らしい。
 左右田 右衛門左衛門(そうだ えもんざえもん)の「お前はなんと言って死んでいくのかな」が凄い胸に突き刺さった。最後の言葉。俺はなんて死んでいくのだろう。貫いて死にたいな。
 生き様のお話でした。一生懸命生きよう!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4
ネタバレ

oneandonly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

神曲とともに、人生の儚さと寂びを感じる作品

世界観:6
ストーリー:7
リアリティ:5
キャラクター:7
情感:6
合計:31

<あらすじ>
刀を使わない剣術・虚刀流の七代目当主・鑢七花と、その姉・鑢七実は、地図にも載らない無人島・不承島で平和に暮らしていた。
そこへ、奇策士を自称する、とがめという女性が訪ねてくる。
幕府の役職者であるという彼女の目的は、伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が、その人生をかけて完成させたという十二本の完成形変体刀の蒐集を、虚刀流の当主に依頼する事だった。
長い間来訪者の無かった島への突然の来客と意外な依頼に戸惑う七花と七実。
そして、そんな彼らに、暗殺専門の忍者集団「真庭忍軍」十二頭領の一人・真庭蝙蝠の影が忍び寄る…。
(公式サイトより)

知人の紹介による視聴。全12話だが、1話46分といったパッケージのため、実質2クール作品と考えてよいでしょう(実際には1月1話の1年作品)。

あらすじのとおり、奇策士のとがめが、七花と出会い刀を集めていくストーリーで、毎回、1話で1本の刀を集めていきます。集める過程においては、七花が刀保有者と戦って奪っていくのが基本であり、真庭忍軍の服装がいかにもザコキャラ風味で、序盤4話くらいまででは、単純な主人公最強に飽きが来ていました。

しかし、{netabare}6~7話あたりで、七花よりも強い彼の姉さん(七実)が立ちはだかる動きをしてから不思議な魅力が出てきて(その時点でも、評価値的にはまだそれほど高くはありませんでした)、終盤にかけてはとがめが実にあっさりと舞台から姿を消して、七花が時の将軍までを滅ぼしていくという、最強キャラである七花が暴走して相手を蹴散らしていく展開であり、それを面白いと思ったのか自分でもよくわからないのですが、満足感は得られました。

本作視聴時は、魔法科高校の劣等生を同時並行で視聴していたのですが、5話(実質2クールで言えば9話以降)からはこちらを視聴したい気持ちが強くなっていました(評価値的には向こうの作品のほうが若干上だったにもかかわらず)。{/netabare}

本作の最大の魅力にはOPの楽曲があるでしょう。supercellの「拍手喝采歌合」(はくしゅかっさいうたあわせ、と読みます)です。和風でありながら、現代的な激しさを含むメロディーと歌詞の世界観が、作品にもマッチしています。
フルでも4分に満たない楽曲ですが、冒頭の
「十二(とおあまりふたつ) 今日超えて 果ては夢か幻か さあさ 今宵お聞かせ給うのは 修羅と散る物語」
から、疾走感のあるメロディーそしてサビ
「十二 酔いもせず 見るは夢か幻か さあさ 誰も彼もが手を叩く あなうつくし 仇桜 夜明けに散るとも知れず」
が流れ、祭りの後の静穏のように、
「浅き夢見し うたた寝の中で 人の定めはかくも果敢無きもの」
を繰り返してしっとりと歌いあげます。

{netabare}人間の、人生の激動と儚さが凝縮されていて、物語的にもとがめがあんなにもあっさりと死んでしまい、やり場のない怒りややるせなさを七花が見せる最終回の戦闘シーンは、OPとのシナジーが最大になったと思います。

もうひとつの魅力としては、西尾維新作品ということで、語りでしょうか。とがめの明るい喋りと七花の自然体な口調は楽しく聞いていられました。
七花の自然体な会話はグリムガルのパルピロを思い出してしまいましたが、歴史通り刀語から見ているアニメファンはグリムガルのほうで抵抗があったかも。

それと、物語はとがめと七花を中心に描かれていますが、ナレーションが入ることで主人公たちに必要以上に近づかない客観的な視点を維持したところも独特でした。昔話として受け取りやすく、七花はその後も生きたけれど、詳細は不明ですと、鮮やかな終幕だったと思います。{/netabare}

ツッコミどころ。{netabare}真庭忍軍の服装とか、真庭ちょうちょの目がどうなっているのかとか、賊刀鎧をどうやって着るのかとか、ちょくちょくアンテナには触れましたが、4話冒頭で(ほとんど?)裸のとがめに対し、鎖骨(性感帯)を七花がいじりながら、二人が大人の関係に至らないところは子供向けと思いました(とがめのほうが自身に魅力がないのか悩むべき場面)。

また、とがめが七花を殺すつもりだったので、「私は死んで幸せだ」と言うくだりがありますが、本心は違うと信じたいですね。七花を納得させるための方便であり、本当は一緒に旅をし、暮らしたかったのだと。でなければ、最期の言葉はありえないと思っています。
「わたしは自分勝手で自己中心的で、復讐の事以外は何も考えることができず死ななければ治らないような馬鹿で、そなたをさんざん道具扱いした、酷い、何の救いもないような、死んで当然の女だけれど。それでも。わたしはそなたに、惚れてもいいか?」{/netabare}


評価が悩ましいのですが、和風でわびさびが感じられる作品でした。化物語は駄目な自分も問題なかったですし、OPを聴くだけのためでも視聴する価値があると思います。

と、あまり考えずに「わびさび」と書いたところ、意味を調べると、わびはちょっと想像したものと違ったので、表題のようにまとめてみました。
「侘び」…「貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識」
「寂び」…「閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」

(参考評価:3話3.3→4話3.2→6話3.4→7話3.6→11話3.7→12話3.8)
(視聴2019.2)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 15

84.5 22 コミカルアニメランキング22位
これはゾンビですか?(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (3086)
16026人が棚に入れました
なぜかゾンビとなってしまった主人公・相川歩のもとにはアホ毛がトレードマークの元気な《魔装少女》ハルナ、常にプレートアーマーとガントレットを身に着けている銀髪の無口少女《ネクロマンサー》ユー、ナイスバディのポニーテール少女《吸血忍者》セラといった、個性派美少女たちが集まってくる。そして、次々と襲い来る謎のモンスター《メガロ》。そして、歩が追う謎の連続殺人犯とは?

声優・キャラクター
間島淳司、野水伊織、月宮みどり、日笠陽子、金元寿子、吉野裕行、清水愛、下屋則子、山口理恵、美名、喜多丘千陽

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

1点集中異業種交流系はもはやテンプレの一画を築いたのではないでしょうか^^;?

この作品は2011年の冬アニメとして放送された作品です。
あにこれのユーザーでこの作品のサムネを使っている方をお見かけしていたので、気になっていましたが本編を視聴する機会が中々ありませんでした。

今回ようやく視聴する事が出来たのですが、あにこれの評価が現時点('16.3月)で総合得点83.7点、ランキング134位である事が十分納得できる内容だったと思います。

まずタイトルですが・・・正直今でも謎です^^;
「これはゾンビですか?」の「これ」は、「―はペンです。」や「―を片付けよう」など話し手から見た指示代名詞としての使い方が一般的です。
そして、「話し手が差す自分自身」というもう一つの使い方もあります。
物語が始まると直ぐに分かるのですが、この作品の語り手は主人公の相川 歩です。
そうすると、「これ」はもう一つの使い方が自然だと思うのですが・・・自分の事なのに最後が疑問形なのが、どうしても違和感を感じるんですよね^^;?
今後の登場人物の動向が気になるところです^^;

主人公の両親は世界各地を旅行中で家には歩ただ一人・・・という設定の中、ユークリウッド・ヘルサイズ(以下、ユウ)と一緒に暮らしているところから物語は始まります。
ユウは、銀髪碧瞳を持つ美少女系なのですが、冥界から来たネクロマンサーで一度死亡してしまった歩をこの物語が始まる以前にゾンビとして蘇らせていたんです。

この物語に登場するゾンビ・・・というか歩は、ユウの蘇らせ方によるのか、或いはこの作品の設定かは分かりませんでしたが不死身なんです。
ですが、ゾンビとしての特性やユウとの関係がキッカケとなり、元々一人暮らしだった歩の家には魔装少女のハルナ、吸血忍者のセラフィムも同居する事となり・・・物語が動いていきます。

この作品は、登場人物の立ち位置で物語に味付けをしています。
主人公である歩を幹に、物語の構成を司るユウ・・・ラブコメ担当のハルナ、そして、歩の蔑み担当のセラフィムとそれぞれのキャラの役割が明確に位置付けられています。
ユウは謎の多いキャラです・・・彼女はいつも無口・無表情で他人との対話も筆談のみと徹底しています。
それが何故なのか・・・物語の進展に伴って明らかになっていくのですが、その片鱗が見えたときの彼女の本音には胸を熱くする事しかできませんでした。

それにしても、ユウを演じた月宮みどりさん・・・演技が相当大変だったのではと思います。
言葉は気持ちや思いを乗せて相手に届ける事ができますが、「息とお茶を飲む音」ばかりでは気持ちを相手に届ける術がないじゃありませんか。
無口・無表情であるから思いが無いって事じゃないのに・・・と思っていましたが、結果的にはそんな事はありませんでした。
何があっても居間で聞こえる彼女の「息とお茶を飲む音」は・・・変わらないんです。
この「変わらない」は、無口・無表情である事と相まって彼女なりの最大限の優しさと温かさなんだと思います。

ユウが静ならそれぞれ担当を受け持つハルナとセラフィムは動・・・二人とも序盤から随所で良い味を出してくれています。
特にラブコメ担当のハルナ・・・物語の展開的に決して陽のあたる場所ばかり歩ける訳ではありません。
それでも持ち前の明るさと「しゃー無しだ!」の口癖を武器に奮闘する彼女・・・決して嫌いじゃありませんでした。
そんな彼女だからかな・・・時折見せる寂しげな表情が堪りませんでした^^;
それと、彼女の「ミストルティンキック・・・それキックじゃねー!!!」にはしっかり笑わせて貰いました。

個人的にもう一人頑張って欲しいキャラがいます。
吉田 友紀・・・「ユキ」と書いて「トモノリ」と読む・・・の彼女です。
純粋で一途・・・そして何より頑張り屋さんなところがとても好印象です。
物語は未だ続いています。今後の彼女の活躍に期待しています^^

オープニングテーマは、野水いおりさんの「魔・カ・セ・テ Tonight」
エンディングテーマは、山口理恵 with manzoさんの「気づいてゾンビさま、私はクラスメイトです」
個人的には勢いと迫力のあるオープニングがお気に入りになりました^^
機会があったら覚えてみたいと思います。

気になった挿入歌は12話のラストで流れたユークリウッド・ヘルサイズ(月宮みどりさん)の「素顔」です。
月宮さんってとっても綺麗な声なんですね^^

1クール全12話の作品です。若干ハーレム系ですが、この異業種交流系って個人的には全般的に好みです。
この作品以外にも同じ屋根の下に集う同系列の作品が制作されている事からも、もうこのジャンルはテンプレの一画を成しているのではないでしょうか・・・^^;?
引き続き2期を視聴したいと思います^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24

ぽぽたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

面白いハーレムアニメはあるかって?しゃーなしだな!

萌え、エロ、ハーレム、バトル、コメディー、オカルトと様々な要素を
詰め込んでいながら、どの要素も平均値以上の安定度があって
かつハーモニーを奏でる始末。
レビュー読まないでいいですからアニメ見てもらった方が早いです。
お時間がある方だけおつきあいください


・ハーレムアニメに大切なこと
ヒロインの個性より主人公の人間性が大切だと思います
パターンとして2つに大別します。
①2枚目系:誰からみてもカッコイイ
※コメディー、ギャグには不向き
②3枚目系:普通の男子でありながらモテるという設定
※ここぞってときに頼りになる。強引なストーリー展開


シリアス作品でハーレム見てもつまらないですから
主人公は②のパターンの方が安心してみれます。
しかし、なんでコイツがモテるのかわからないってことが多いですよね
都合が良すぎる。。だからハーレムアニメはつまらないよって
普通の男子じゃ、つまらないなら
面白い奴が主人公なら面白いアニメになって当然です。
このアニメの主人公は芸達者な面白い奴です



・ハーレムアニメの楽しみ
女性が恋をしたときに見せる表情ってかわいいですよね
照れだったり、嫉妬だったり、ときめいた瞬間だったり
この表情がたくさん見れるのがハーレムの魅力だと思います。
突き詰めると百合最高ってなるんですが。。
以下本題です。



・このアニメの設定について
主人公歩は、ゾンビの高校生
不老不死とゾンビの再生力、パワーがあります。
この設定をうまく活かしましたね
ゾンビという再生力だのみのバトルは
肉を切らせて骨を絶つ作戦ですからとにかく
バトルは派手にできますし(やられっぷりも)
命がけでヒロインを庇うことに造作もない(死なないんで)



・主人公の魅力
先にヒロインよりも主人公の個性が大切と書きましたが
ハーレムアニメとして理想的な主人公です
ゾンビでありながらもポジティブで面倒見がよい好青年
他人を思いやる心が強いです
女の子だから守るのではなく、仲間だから守るって意志が感じられます
女性をエロ目線でみない点もよいですね
ヒロイン一人だけは、妄想で妹設定にして楽しんだりしますが
妄想どまりな健全さです。
カオスな魅力として魔装少女に変身して戦いますが
誰得なんでしょう?
かわいい子かと思った?ざんねん!俺でした~的な悪戯心でしょうか



・キャラの魅力
歩と同居していくヒロインたちは
ツンデレ、無口クール、毒舌とツボを押さえた配置
わかりやすい魅力です。
エロ成分が抑え目で、だいたいサービス担当は
ツンデレのハルナがやらされます。
1周目の視聴だと、ヒロインたちが同居している理由が
理解できません。。
ストーリーを忘れて、かわいいヒロインを追う事だけに神経を
集中してしまう萌えの魔力。
萌え以外の要素が配合されていて本当に良かった。


・ストーリーについて
主人公歩がゾンビとして生きことになる事件の解明や
異世界間でおこる勢力あらそい等、ストーリーに展開はありますが
ハラハラドキドキするものではなく、ヒロインたちのバックボーンを
説明するために進行するようなものです。
話数がすすむごとに、ヒロイン達の魅力がより増していきます。
女性陣の親密度があがっていきますので日常劇もより楽しいです
恋愛話に傾いたりする心配は一切なく、ギャグ路線で安定します。
ハーレムアニメとして、ストーリー進行がキャラ掘り下げになるわけ
ですから、理想的ですよね。


・さいごに
魔法が作中出てきますが、よく理解できません。
強大な魔力を持つ人物は言葉を発しただけで危ない
そういうことは理解できますが、魔法がかかってるチェエーンソーとか
どんな魔力なのかサッパリです。
吸血忍者という設定も、どうして吸血設定が必要なのかサッパリです。

ただ確実にわかることはかわいいは正義ってことと
面白くて2期まで見たあとに3期を永遠まつ日々があること
このふたつだけでしょうか

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

どれも薄い

先行映像の

放送コード、ギリギリ!今、一番アブない≪ド変態ライトノベル≫を、
やらかす気満々の、アニメ界デンジャラス・ドリームチームが映像化!

っての見てちょっと期待してたんだけど、
「低年齢層用の微インパクト+萌えアニメ」って結論
サービスシーンたまにあるけど、あの程度見慣れてるだろうし。

真面目な話をするにしては色々設定がメチャクチャ過ぎるし、
ネタアニメとして楽しむにしてはインパクトが無くネタの質も悪い。
元ネタが分かったところでそんなに面白くも無いし、何より話の
展開が遅過ぎる。女キャラも最初の一発ネタの後は個性が目立たず
キャラが薄く、シュールなネタと話を進める為の台詞を喋る機械
あと、最初面白くても使いまわすとつまらなくなるネタを使い過ぎ


横で流してて半分位は画面見てたけど、味気の無さと話の遅さに
垂れ流してる事すら寂しくなって、こんな話がどうなろうと続きも
気にならないので、格好勝負の女が泣き出したところで終了・・
しようと油断していたところに、変身シーンが入り不覚にも笑い出し、
それが一番のヒットだった。お陰で6話までは見れた。

声優の無駄遣いもしてるし、作画も良さげだからキャラ用品として
はそこそこかも。自分は単にヒットするキャラがいなかったってだけ。
コメ部はあれ原作とアニメ製作側のどっちが悪いのか分からないけど、
あまり質が良いものじゃない。見慣れてると笑えないと思う。弱い
ただ色々パクっただけで笑わせれると思うなよ?な内容
笑いには結構甘い方だけど、それでもちょっと足りない。

最初の方のネタは、ああいうので笑うのは遥か昔何度もやったから、
もうどうでも良いですな感じ。耐性無い10代だと楽しめるのかも。
・・これよりずっと過激な内容の作品が少年漫画として出てたんだよ。
この作品の10000倍くらい汚い絵で、トラウマになりそうな内容で。


■ニコの1話無料のコメント見てきた
予想通り相当若い人が多い。元ネタが~とかより、初見のショッキングさ
に純粋に笑ってる感じ・・コメしてる人達の笑いの沸点が低すぎて、自分の
心がとても寒くなったよ。
これ貴女方は笑ってるけどさ、そういう意味のネタじゃないんだよって・・
それはもう寒いツッコミを入れたくなった。

製作側が意図したユーザーってどっちなんだろうな。ネタが分かるクラスの
人だとやっぱり寄り付かないのか・・とコメ見て思った。
意図してたユーザーが元ネタ知ってる人間だったとしたら、製作側の心も俺
と同じように凍えそうになって「う、売れれば良いよね・・」になってるな。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11

85.8 23 コミカルアニメランキング23位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2775)
15455人が棚に入れました
広大な地下迷宮、通称「ダンジョン」を中心に栄える迷宮都市オラリオ。

英雄譚にあるような「異性との運命の出会い」にあこがれ、駆け出しの冒険者となった少年ベル・クラネルは、ある日ダンジョンで場違いな強さを持つモンスター「ミノタウロス」に襲われる。

あまりのレベル差になすすべもなく追いつめられたベルは、間一髪のところでトップクラスの冒険者アイズ・ヴァレンシュタインに助けられる。

その瞬間、アイズに一目惚れしてしまったベルは、いつかアイズに釣り合う冒険者になろうと行動を開始する。

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、大西沙織、内田真礼、戸松遥、石上静香、日笠陽子、久保ユリカ、岡本信彦、早見沙織

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

それなりの面白さ

ヘスティアの紐が話題になった作品。
ベルはいつ気付くのだろうか。ヘスティアからの想い。この辺りは非常にもどかしいと思いつつ見ていた。

平凡と見せかけて稀有な才能を見せつける主人公ベルがダンジョン攻略していく物語。しっかり神の寵愛を受けているし、タイトル通り、色々な人と出会っている。出会いを求めて冒険しているわけじゃないだろうが。

これからの主人公の成長と恋模様が気になる作品。
にしても、アイズさん強いなあ。こんな強い女性惚れるけど、リアルじゃ中々相手してもらえないよなあ。そこは主人公補正かな。


OP
Hey World 歌 井口裕香
ED
RIGHT LIGHT RISE 歌 分島花音
挿入歌
REALIZE 〜始まりのとき〜 歌 リリルカ・アーデ(内田真礼)
Hey Worldいいよね。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ! 」「はいっ! 僕は強くなります! 」どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。これは、少年が歩み、女神が記す、── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──


1. 冒険者(ベル・クラネル)
迷宮都市オラリオ。その都市の象徴ともいうべき『ダンジョン』にこだまする魔獣の咆哮--新米冒険者・ベル・クラネルは、まさに絶体絶命の危機を迎えていた。少々残念な神・ヘスティアの唯一の眷族となり、はや半月。眼前には、5階層で遭遇するはずのない高レベルモンスター。すくむ足、震える身体……恐怖と絶望に支配されたベルの前に、一人の剣士が舞い降りる……。剣、魔法、魔物、そして神々。オラリオの零細ファミリア所属、ベル・クラネルの冒険譚は、ここから始まった--。

2. 怪物祭(モンスターフィリア)
「僕、強くなりたいです」憧れの『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインのように--純粋なる思いがベルに与えた能力(アビリティ)【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】。それは、懸想(おもい)が続く限り、懸想の丈に従い、少年に著しい成長をもたらすものだった。その能力を、ベルの憧れの対象を知ってしまった神・ヘスティア。彼女は複雑な思いを抱えたまま、神々の宴へと足を運ぶ。たとえ憧れの対象が自分ではなかったとしても、それでもベルの、彼女のたったひとりの眷族の力になりたい、そう決めたから--。

3. 神様の刃(ヘスティア・ナイフ)
「僕はもう、家族を失いたくないです」モンスター・フィリアの喧騒の中、突如、脱走したシルバーバックからの急襲を受けたベルとヘスティア。唯一の家族を護るため、ベルは、たったひとりで格上の魔物と対峙することに--しかし、奮闘むなしく徐々に追い詰められていくベル。一方、不本意な形でベルに逃がされたヘスティアもまた走り続けていた。再びベルに合流するため、彼女にとって唯一の眷族--家族を護るために。

4. 弱者(サポーター)
「突然ですが、サポーターを探していませんか?」急速な成長に伴い、ダンジョンの7階層にまで到達していたベル。装備品も新調し、次なる冒険への準備をしているところにシアンスロープの少女、リリルカ・アーデに声をかけられる。冒険者について回る雑事を一手に引き受けることを生業とするサポーターの彼女と、より冒険に集中し、ダンジョンの更なる深淵を目指すため、ベルは初めてのパーティを結成することになるのだが…。

5. 魔道書(グリモア)
リリの助力を得て、ベルの冒険は、これまでにないほど順風満帆な様相を呈していた。戦闘に専念することで収入も増え、ファミリアの女神ヘスティアにも、ささやかながら恩返しができるほどに。だが、そんな幸運をもたらしてくれたはずの、リリの周囲に漂う不穏な空気。「なにが冒険者様……ですか」 独りつぶやき、薄暗い路地裏で虚空を見つめるサポーターの瞳--そこに映るのは絶望、憎しみ……それとも……。

6. 理由(リリルカ・アーデ)
ひょんなことから手元に舞い込んだ魔導書(グリモア)から、遂に魔法の力を手にするに至ったベル。着々と力をつけていくさなか、明らかになっていくソーマ・ファミリアの実態。それは、奇跡の美酒に呑まれた狂信者たちの悲劇。リリルカ・アーデもまた、そんな狂気の渦に巻き込まれたひとりであった。冒険者を謀ろうと画策するもの、利を掠め取らんとするもの、同胞を護ろうとするもの……そして、愚直なまでに仲間を信じ、その手を取ろうとするもの--その誰しもが足を向ける、暗く深い迷宮(ダンジョン)の深奥へと。

7. 剣姫(アイズ・ヴァレンシュタイン)
ダンジョンでの出来事を経て、晴れてリリルカ・アーデとのパーティを結成したベル。神ヘスティアの承認も受け、山積された難題は全て取りさらわれたかに見えた……。「やっぱり闘おうか」 目の前にはベルが追い求め、未だやむことのない憧れを抱き続ける『剣姫』の姿。神々にすら惜しみなき賛辞を送られる、その華麗で鋭い剣閃がベルに襲いかかる。吐息さえも感じられる、アイズ・ヴァレンシュタインとの夢の様な距離、その間で舞い散る剣戟の火花。延々と放たれ続ける輝きの中、ベル・クラネルは何を感じ、何を得るのか--。

8. 英雄願望(アルゴノゥト)
「あなたは冒険者だ--」冒険者が、その高みを目指すとき、更なる次元に足を踏み入れようとするとき……必要となるものは文字通り『冒険』。かつて冒険者であった先駆者は、そう口にした。アイズ・ヴァレンシュタインとの特訓の日々を通じ、アイズも驚愕するほどの速度で力をつけてきたベル。そのベルが、次第にランクアップに興味を示すようになるのは当然の帰結であった。いつもと同じダンジョン。いつもと同じ冒険者としての日々。だが、静かに、そして確実に近づいていた--ベル・クラネルにとっての本当の『冒険』の刻(とき)が--。

9. 鍛冶師(ヴェルフ・クロッゾ)
史上最速でのランクアップを遂げた世界最速兎(レコードホルダー)--ミノタウロスとの激闘を制し、ベルの名は『リトル・ルーキー』のふたつ名と共にオラリオ中に轟くこととなった。ダンジョン探索も、中層という更なる境地を視野に捉え、ひとつの節目を迎える。これまで以上に苛烈さを増すであろう冒険を前に、着々と準備を進めていくなか、「俺をお前のパーティに入れてくれ」 ヘファイストス・ファミリア所属、ヴェルフ・クロッゾとの新たな出会い。この出会いが次なる冒険の扉を押し開ける--。

10. 怪物進呈(パス・パレード)
ダンジョン中層--浅層とは比較にならぬほどの難所、13層へと足を踏み入れたベルたち。そこは冒険者を困惑、混乱させ、死に至らしめることに長けた、死地と呼ぶに相応しい場所だった。悪意すら感じられる迷宮構造、圧倒されるほどのモンスターの数と質。更に少しの不運、期せず到来する人の悪意……少しずつ、気づかれぬよう密かに、ベルたちは真綿で首を絞められるかの如く追い詰められていく。冒険者という獲物を狩るに十分すぎる状況が整ったとき、迷宮(ダンジョン)は、その研ぎ澄まされた牙を露わにする--。

11. 迷宮の楽園(アンダーリゾート)
ダンジョンで消息を絶ったベルたちを捜索するため、有志の冒険者を伴いダンジョンへと潜ったヘスティア。だが、彼女たちが中層に至ったとき、既にベルの姿はなく、一行は、ベルたちが更に奥へ進んだことを知る。ほんの僅かな希望の光を求め、更なる深奥へ--。それは、ベルたちに残された最後の、限りなく困難かつ無謀とも呼べる選択肢だった。より強大になるモンスター、複雑さを増す迷宮、物資は枯渇し、仲間たちもやがて……そして姿を現す階層王(モンスター・レックス)--生命を賭した冒険は終わらない……。

12. 悪意(ショー)
モンスターが産まれない18階層『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』。命からがら、安全地帯(セーフティ・ポイント)へたどり着いたベルたちは、そこでアイズを始めとするロキ・ファミリアの面々に迎え入れられることに。無事、ヘスティア、リューたちとの再会も果たすことができ、慌ただしくも安息と平安の時間に身を浸し、傷と疲れを癒やすベルたち。しかし彼らは知らずにいた--最短期間で『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』までたどり着いたことが、オラリオ最大級のロキ・ファミリアに厚遇されるということが……どれほど冒険者たちの羨望や嫉妬--そして悪意を呼びこむのかを。

13. 眷族の物語(ファミリア・ミィス)
ヘスティアの力により、冒険者たちとのトラブルは収束したものの、安全地帯(セーフティ・ポイント)であるはずの階層に突如姿を現した階層王(モンスター・レックス)・ゴライアス。その風体、そして強さは、多くの冒険者が知る常識をはるかに凌駕していた。剣を抜き、弓を引き、魔法の詠唱がこだまする--つい先刻までいがみ合っていた冒険者たちもベルに続くように、死力を尽くして階層王に立ち向かう。だが、階層王の力は、彼らの団結をも嘲笑うかのごとく強大であった--。少年が歩み、女神が記す【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】--少年は今、英雄への道を歩み始める。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 13
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

暇を持て余した神々の遊び

原作未読 ただし珍しく原作に興味が湧く


{netabare}「神様…僕…強くなりたいです」{/netabare}
神様ヘスティアが安西先生に見えた初回で期待に胸膨らんだ。大きく外すことなく全13話完走です。
タイトルは知っていて地上波再放送を機に手を取った『ダンまち』。タイトルと見た目で視聴優先順位を下げていた過去の自分よ、なんておバカさん。

至極真っ当にRPGしている作品でした。ノリでいえばそこはかとなく『Dungeons & Dragons』や『ウィザードリィ』古典の香りがする佇まい。

ダンジョン潜入

クエストの達成やモンスター戦闘による経験値稼ぎ

ギルドでのクエスト成功報酬受取りや宿に泊まるとステータスやLVアップ
 {netabare}※注 本作ではファミリア元締めの神にナニされるとステータスアップ{/netabare}

{netabare}ダンジョンの存在意義といった根っこの説明は無いです。{/netabare}世界の一部としてダンジョンが存在し、上記ルーティンをこなしていく冒険者の一人、ベル・クラネル(CV松岡禎丞)が本作の主人公です。
転じて、神々の世界。暇を持て余した神々が人間と接触を図り“ファミリア”と呼ばれるパーティを形成するのは本作の特長です。原作は知りませんが、神々の代理戦争といった殺伐した感は無く、神々の特色にあった性格を持つファミリアが複数存在し日夜ダンジョン攻略に励んでおります。
神々のモチーフは各国の神話からの抜粋。ギリシャ・北欧・ヒンズー・そして日本とバラエティに富んでおり、そのうちのギリシャ神話からもじったヘスティア(CV水瀬いのり)がメインヒロイン。ベルくんとヘスティアを中心に神と人間(人外種族も当然おる)けっこうなキャラが登場し物語を構成しております。

そんなややこしそうな設定は観ていればすんなり理解できる親切設計なので物語理解のわかりづらさとは無縁です。そう!分かり易い。
観終わっての感想はいたってシンプル


{netabare}「ベルくん。もうヘスティアでいいじゃないか」{/netabare}


ほら あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるのよ、と思わずにはいられません。
タイトルから色恋沙汰を想像し、蓋を開ければ抑えめで真っ当なRPGをし、いざ終わってみるとやはり看板に偽りは無いんじゃなかろうか、と思える良作です。


1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
ベルくんを軸にしっかり“物語”があるのです。
{netabare}・ヘタレ優男が徐々に地力を付けていった序盤。惚れた弱みだから?眷属だから?駆け出し冒険者のためにヘパイストスに頭を下げるヘスティアの覚悟に感動しました。
・第6話。父母との別離の後、初めて触れたであろう他人からの信頼で救われたリリルカにこれまた感動しました。リリはベルの生命を獲ろうとする程の追い込まれた状況下にいたのです。そしてベルは甘いと思えるやり方を貫き通します。こちらもそういう話なんだと観方を固めました。
・転機となる第8話。第1話と同じケースに直面し…乗り越えました。これがまたベルくんいい顔してるのです。第7話が下地として活きてました。残り5話!
・その後、味方側にいわく有りげな男キャラを配置。最大のピンチ到来。と展開が速くなります。“詰め込み過ぎ”か“怒涛のラストスパート”か受け取り手に任せていて、私は後者寄り。{/netabare}


2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
RPGのステータス成長のみに非ず。主人公が殻を破る内面の葛藤も描いた成長物語です。


3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
ハーレム:ベルくんはモテる要素を潤沢に保持してますので総取りも納得です。なんでコイツが?というキャラのハーレムとは一味違うと一線を引きました。

俺TUEEE:やや力技でした。{netabare}最初から「しあわせのくつ」持ちですしね。ただ、もしかすると死ぬかもしれん、という緊迫感はあったので良しとしてます。{/netabare}


4.緩急つけた魅力的なキャラたち
陰キャ陽キャそれぞれ特徴があったのはもとより、例えばヘスティアにしてもベルくんにデレる(ストレートな愛情表現が◎)ところと、意外と立派に神様してるところなど二面性や緩急をつけてきてました。
{netabare}「罪悪感なんて結局、自分が自分を許せるか許せないかでしかないんだ。君が心を入れ替えたっていうんなら、行動で証明してみせろ。」
※厳しくも温かい。そしてベルくんへの信頼があるからこそ出る言葉でしょう。{/netabare}


主演松岡さんで早々に戸松さんと絡んでるし、階層攻略のゲームっぽいし、モンスターにやられたらきっちり死ぬし、本人は一途ながら出合う女性軒並み好意持たれてるし、と某SAOと類似する点はそれほど気になりませんでした。松岡さんの声のトーンがいつもより高めだったからかもしれません。
既視感はあっても、丁寧に処理されたアニメです。神々と紐づくファミリアの設定は独特で世界観を構成する要素としてきちんと消化できてますし、別個のものとして捉えてます。


気にする気にしないのどっちに転ぶか、どこが刺さるかを言語化できたらラクなんですけどね。上に挙げた4点は魅力というより「マイナス先入観はこうしてプラスに転じました」的な内容。
もう少し掘り下げると、前述4.に絡んで“キャラへの愛着があった”が上乗せされて評価に影響しました。


■祖父の薫陶
人の好いベルくんに脈打つ祖父のDNA。これでだいたい説明がつきます。
{netabare}チートスキル「英雄願望」。ベルくんのモチベというか強さの源泉。女のために体を張る、そして女のために頑張る理由は幼いころ受けた祖父からの薫陶でしょう。{/netabare}
{netabare}「ベル。冒険者ならダンジョンに出会いを求めなくちゃっな」1話
「醜悪な怪物から、か弱い女冒険者を助け、感謝され、いい仲になる」同じく1話
「これぞ冒険の醍醐味ってやつだ!」これまた1話
「ゆけーいベルよ 男なら寝込みを襲え!接吻じゃー」7話
「覗きは男のロマンだぜ!」12話{/netabare}

■ヘスティアの献身
ベルくんは無自覚ですが、ヘスティアのベルくんへの信頼の厚さを端々に感じます。疑いの目を向けられてもヘスティアは動じません。二人の絆の強さを表わす描写に嫌味がなくそこにシビれます。
{netabare}昭和、いや明治の女の凄みを感じます。会ったことないけど。。。旦那を支える覚悟と信じ続けることのできる肝の据わりっぷり。THE内助の功。{/netabare}
{netabare}ヘスティアナイフの時もそうですが、エイナにリリを警戒するよう忠告を受けた時も、生還した後リリを諭す時も、パス・パレード(怪物進呈)を食らったベルくんの捜索隊を出そうとする時も、とむしろベルくんが目の前にいない時の振る舞いに惚れる。{/netabare}
{netabare}“例の紐”も良いですが圧倒的にここが私のツボです。{/netabare}

■長老役リューさん
古くはナウ○カのユパさま。強いです。そして淡々と飄々とさらっと大事なことを主人公に伝える役回り。本作で誰かヒロインを選べと言われたらこのワケあり美女を選びます。
{netabare}一緒の皿洗いでの一言が8話でミノタウルスに対峙するベルくんの背中を押しました。ベルくんをクラネルさんと呼び一歩センを引いている姿勢にも好感です。{/netabare}
リューの雇い主ミア母さんも粋ですね。ラ○ュタのドーラ婆さんと魔女の宅○便のオソノさんを足したような快活おかみさんもいいこと言うんですよ。
{netabare}「冒険者なんて格好つけるだけ無駄な職業さ。最初のうちは、生きることに必死になっていればいい。惨めだろうが笑われようが、生きて帰ってきたやつが勝ち組なのさ。」{/netabare}



難点挙げるならベルくんとヴェルフの名前の音が被ってしまうのはいかんとも。

恐らく原作では言及されていてアニメでは説明不足と感じる部分、アニメ観ただけでは理解しようがない箇所もあったり、未回収は残ります。
続きは外伝(ソード・オラトリア)、そして公開中(2019年3月現在)の劇場版を楽しみましょうか。
さらに2期制作のお知らせが公式サイトより発表されました。


とても見やすいファンタジーの良作。原作まで手を伸ばすかと久々に思える良い作品に出会えました。



視聴時期:2019年1月~3月再放送

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2019.08.11追記

この1期視聴から日をあけてオラトリアを視聴。できれば1期とオラトリアはセットで観たほうが良いかなあ、と体験談。結局オラトリア観てすぐこっちを観返すハメに。
これで2期の予習はバッチリということですな(^^)



2019.03.25 初稿
2019.08.11 追記
2020.03.22 修正
2021.10/10 修正

投稿 : 2025/02/01
♥ : 81
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

フレイヤ様の視点=視聴者の視点。ベルに感動せざるを得ない秀逸な構造でした。

「ダンまち」と「とある」「SAO」「魔法科」とアニメとして数期の続編が作られた超ビッグタイトルを並べてみると、震災後の数年に台頭してきたファンタジー要素が強いラノベが非常に多いですね。これ以外ですと「青春ラブコメ」が例外的に恋愛もので、これも長く続きました。
(追記 アニメの人気シリーズとして「化物語」も同時期ですね。私はラノベだとは思っていませんけど)

 多分ですが、作品としての幹の部分、キャラ、設定、テーマなどがしっかりと作りこまれているんでしょうね。数年…10年近くたってもシリーズが継続できる力強さがあります。
 これらの作品の特徴として、女性キャラに萌えることが視聴の理由ではない気がします。作品を見る理由がストーリーの面白さであり、または男性主人公の活躍です(レールガンの御坂は女性ですが同じ理由)。もちろん魅力的な女性キャラがいるので萌えることもありますが、それが視聴理由ではありません。

 古きよき少年マンガやジュブナイルからの系譜で男性の主人公の活躍が面白い作品ですね。話の結末を今はやりの「設定」により解決するのではなく「展開」による解決だということです。つまり俺TUEEEの「設定」で「えいっ」と解決するわけではなく、俺TUEEEを使いながら「ストーリー展開」で解決するということです。
(最近の転生ものが数値化とスキルに頼っている理由であり、無職転生が面白い理由もこの部分でしょう。進撃の巨人は、前半はストーリーが面白かったのに、後半でこの設定での解決に堕したといえばお分かりいただけますかね?)

 最近の作品が好きな人にとっては、舞台や世界観の設定が過多だし、キャラ造形に内面を持たせているので鬱陶しいと感じるのだと思います。それがないとストーリーが展開しないですからね。それにスマホ画面で読んでいる人には伏線や展開ではなく、キャラの設定で解決するほうが分かりやすいのでしょう。
「小説」原作のアニメなのか「なろう」原作のアニメなのかの分水嶺は、この解決の手法だと思います。

 ですので、ここに並べた作品の特徴はアンチが多いことですが、アンチが多いというのはそれだけメジャーだということだし、それだけ人気がある証でしょう。出来が悪いだけの作品なら切られておしまいですからね。

 ダンまちはその中では最後発で、異世界感が非常に強くなっていますが転生ではありません。ファンタジーの舞台設定です。これ以降は「なろう」が台頭し現世→異世界転生になって行きます。


 さて、作品ですがまあ、主人公萌えですよね。ストーリーが面白い理由も同様です。ベルクラネルという無知で無垢な少年が努力と根性で強くなってゆく。
 そのピュアな精神性は一方で事件事故の原因になるわけで、損な立ち回りをしているように見えるけど、結果的にその純粋性を貫き事件を解決する。それが周囲の人間を感動させる。

 神々、特にフレイヤ様の視点ですよね。ベルクラネルの活躍が無感動になった美の女神の心を動かす。そのフレイヤ様の視点が読者の視点になります。その構造になっているのでベルというキャラクターに感動できます。

{netabare}  そう…本作の最大のテーマ、あるいは仕掛けは、物語の初めからフレイヤ=シルですよね。ラノベ版の登場人物紹介のシルのスペルを見るとSYR=FLOVERですから、loverという文字がありますし、SYR=FはフレイヤFREYAのアナグラムではありませんが似た語感になっています。彼女は何のために登場したのかがわかります。

 シルはベルを愛するためのキャラというのは原作の1巻を見ると謎でもなんでもなく、作者は結構大胆に暗示しています。明示と言ってもいいくらいです。アニメの祭りの周辺のカットや演出もキャラデザの髪の形や色もそうでした。(追記 魔導書のところを言い忘れました。あれは露骨にシル=フレイヤと言っていましたね。) {/netabare}

 つまり「ダンまち」とは、構造的にフレイヤ様の視点でベルを見守りながら彼の純粋性が生み出す感動を見守る話です…というのが明確に1巻目、あるいは1クール目からの組み立てになっています。
 だから、ミノタウルス戦が本作のクライマックスだったわけですね。

 ミノタウルス戦…燃えましたね。登場人物たちがベルに感動しますが、それがそのまま視聴者の視点になっていました。

 実はこの構造のせいでヘスティア様がちょっとノイズに…いや、まあ狂言回し、コメディーリリーフとして、あるいはベルの純粋性を表すために必要だったのでしょうけど…

 この様に計算されたストーリーと設定に成り立っているので、非常に面白いです。アニメの脚本も原作に忠実ながらわかりやすく手が入っているし、映像の出来もいいし。

 というわけでいろいろ書きましたが、非常に面白く繰り返し見られる秀作でした。


追記 他のレビュアーさんのご意見でなるほどと思いました。題名の「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」です。
 これは題名が間違ってますね。キャッチ―ですけど物語とズレてます。アイズに憧れる成長物語ですもんね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

87.7 24 コミカルアニメランキング24位
千と千尋の神隠し(アニメ映画)

2001年7月20日
★★★★☆ 4.0 (1806)
12255人が棚に入れました
10歳の少女、荻野千尋(おぎの ちひろ)はごく普通の女の子。夏のある日、両親と千尋は引越し先の町に向かう途中で森の中に迷い込み、そこで奇妙なトンネルを見つける。嫌な予感がした千尋は両親に「帰ろう」と縋るが、両親は好奇心からトンネルの中へと足を進めてしまう。仕方なく後を追いかける千尋。

出口の先に広がっていたのは、広大な草原の丘だった。地平線の向こうには冷たい青空が広がり、地面には古い家が埋まっていて瓦屋根が並んでいる。先へ進むと、誰もいないひっそりとした町があり、そこには食欲をそそる匂いが漂っていた。匂いをたどった両親は店を見つけ、断りもなしに勝手にそこに並ぶ見たこともない料理を食べ始めてしまう。それらの料理は神々の食物であったために両親は呪いを掛けられ、豚になってしまう。一人残された千尋はこの世界で出会った謎の少年ハクの助けで、両親を助けようと決心する。

声優・キャラクター
柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、上條恒彦、小野武彦、我修院達也、はやし・こば、神木隆之介、菅原文太、玉井夕海、大泉洋
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Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

【リバイバル上映】千と千尋の神隠し レビュー

レビュー、最近書いてないなあ…
なんて思いながら、Youtubeをずっと見てたり、有名な最新ゲームタイトルをプレイしてみたりで過ごしていました。

幸い私の住んでいる地区は外出自粛要請も出ていないため、四連休の思い出作りに入ったショッピングモールの映画館で、6月26日からジブリのリバイバル上映がたまたまやっている事を知り、30分ほど時間を潰して入場。ここ1クール程度のアニメ作品に関してまるでレビューを書いていなかったため、インパクトのある作品で意欲を高めようという気持ちがありました。

客層は20代後半から30代あたりが多いように見えましたね。カップル率も高く、最新の映画を見るよりは懐かしいハズレでないとわかる作品を見たかったのでしょうか?
最近映画館に足を運んでいなかったので知らなかったのですが、この状況下という事もあり、予約では席は一席ずつ間隔を開けて空席にしているような状況でした。そのため、両隣には人がいないため、かなり快適な視聴でしたね。

開始1分前にもなると、二時間弱の時間を使って別の事をしながら視聴もできない映画館での視聴にノリで入っちゃったけど、途中で飽きないかなあ…なんて思っていましたが。

全然そんなことありませんでした。めっちゃ面白かった。

過去の自分のレビューも思い出しながら視聴し、雰囲気が記憶に残るなんて書いちゃったけど、どこまで論理的に詰めているんだろうなあとちょっとハラハラしながら見ていたんですが、新たに新解釈を得るところもあったし、今作品の裏話的情報を得ていたためにすることのできた新しい目線での楽しみ方。そういった事もあり一度も眠気が来ることなく脳が7、8割回転する状態でラストまで見終えられました。

まず、事前に得ていた情報で、本作品に出てくる油屋(千尋が働く場所)に特定のモデルはないという事を知っていたのですが、本作では油屋がどれだけ日本的なのか?という所に視点がいきました。
登場する神々や油屋の従業員達の身なりは、実に日本的です。例外なのは湯婆婆であり、彼女は魔女という、非常に西洋的な要素を含んでおり、最上階の湯婆婆のフロアは、西洋的な造りになっています。
なぜ日本的な要素で油屋を統一せずに湯婆婆という西洋的要素とミックスさせたのか?は気になるところではありますね。
最上階について先に触れてしまいましたが、油屋の至る所にある西洋的要素について、見ていきます。
まず、エレベーター。あれだけの構造物を階段で登るのは無理ですよね。リンの口からも、エレベーターという言葉は出ています。
次に、電車。油屋の中を通っているわけではないですが、この神々の世界でも科学の発展はしているようです。ただ、利用者な少なく、行ったきり帰りの便がない電車らしいですが。いや、一方通行の電車ってどんな構造になっているんだろう。

こういった西洋化、もしくは機械化した要素を見るに、油屋が神々の世界の日常の風景というわけではなく、神々の世界の中でも日本的な要素を感じられる娯楽施設、テーマパーク的な場所であるように見えましたね。

さて、次の新しい視点は千尋というヒロインがキャバクラで働く女の子から着想を得たという情報からの視点。
この情報は、鈴木敏夫『仕事道楽 新版』等に綴られています。
油屋という厳しい仕事場に、人との付き合いが苦手な千尋が投げ込まれ、千尋が自ら変わっていく物語として見ていくと、千尋の変化を感じれるかと思います。
千尋の状態が大きく変わったのは、刑務所…ではなく豚小屋に入れられた親の姿を見た後、ハクからもらったまじないを掛けたおにぎりを食べた際ですね。
このシーンから先は、変った千尋の元気な姿を描いていきますね。

カオナシについても、今回新しい人物像が浮かび上がりました。
カオナシは千尋に油屋に入れてもらった礼をしようと、必要以上の薬湯の札であったり、砂金をあげたりします。
カオナシは、価値のあるものをあげれば喜んで貰えるという考えで千尋にプレゼントしますが、千尋は喜ぶどころか受け取ってもくれない。
これは、外面を繕い砂金をもらう油屋の従業員と違って、油屋に染まっていない千尋だからこそ、カオナシにとって必要な対話を行えたのだと思います。外面を繕った人との対話によって物をあげれば誰でも喜ぶんだというカオナシの間違った考え方を、千尋が意図せず正したという物語に見えましたね。極論、金で交換すればなんでも手に入るんだという考え方を批判する形に見えて、個人的にもすこし刺さるシーンでしたね。
千尋と対峙しカオナシは、千尋に生まれや出身の事を聞かれ、「ヤメロ」「寂しい」といったルーツに対する拒否感を示しています。
ここで気になったのは、カオナシの人物像です。「寂しい」という感情のセリフであったりとか、対話能力の低さから、孤独で人と話さず、喋るのはコンビニの店員くらいの存在なんだろうと思いました。油屋という繕った人達に騙される世界で、カオナシが狂ったように欲望を吐き出してしまう構図になっています。また、「私が欲しいものはあなた(カオナシ)にはだせない」という千の言葉から、カオナシという存在に千は個人を見出す純粋さを持ちながらも、カオナシの期待には応えないという純粋さゆえの個人の否定をしており、仮初の存在価値を否定されたカオナシは怒ってしまいます。
そんなカオナシに対して、銭婆の住む沼の底に行こうとする千尋は、センに対してこのような言葉を残しています「あの人はここ(油屋)にいないほうが良いんだよ」。
これは、カオナシという純粋で人との対話方法を知らない存在が、油屋の笑顔を繕った人々と対話して、金でなんでも手に入るという間違った対話方法を身に着けてしまうという事を千尋は感じているのかもしれないですね。


さて、ここからは終盤の物語について。銭婆婆の家での出来事。
ここで、物語として必要なのか大きな疑問が湧くイベントがあります。
なぜ銭婆は時間を割いてまで魔法を使わず髪留めを作ったか?
銭婆の作った髪留めには坊やカラス、カオナシが頑張って作った糸が編み込まれています。
銭婆は、魔法で作っても意味がないという言葉を残していますね。
これはみんなで頑張って作ったから思い入れのある物になる、という意味でしょうか?それは一面的には肯定で、カオナシにとっては、今まで人にプレゼントするものが、盗んだものであったりとかまがい物の砂金であったりとか、自身の背丈以上の物を贈ろうとしていました。しかし、今回に関しては時間に限りのある中、自身が労働し、そしてそれで作った物をプレゼントすることで、千からはありがとうという感謝の言葉を受けています。カオナシにとってのいい方向での成功体験であり、カオナシの物語としてはここで完結かなと考えました。
しかしこれでは、カオナシの為に作ったように聞こえます。手作業で作った理由としてもまだまだ弱い。

ここからは推測がかなり混じります。
{netabare}
髪留めを手作業で作った理由について。
魔法という物を考えたとき、髪留めは魔法で作ったら大変なことになっていた可能性があるかもしれないという疑念が思い浮かびました。
八百万の世界を抜けたら、魔法が解けるのではないか?
千尋がハクに別れを告げ、後ろを振り返らず、帰り道を辿る感動的なラストシーン。
決して振り返ってはいけないよ、とハクに念を押されていたため、千尋は振り返りませんでした。
でも待ってください、もし帰る途中で髪留めが切れてしまったら?振り返っちゃいますよね。
そんなタイミングで偶然髪留めが切れることないと思うでしょう。でも、魔法が現実の世界に戻る時に切れるとしたら?
では、油屋の世界の魔法が現実の世界に行くと切れるという証拠あるんでしょうか?
まず一つ目。序盤の千尋が透明化すること。現実の世界の物は、油屋のある世界(八百万の世界)では存在できないんですよね。
つまり、この現象から行くと逆の現象、八百万の世界から現実の世界に行く際には魔法などの現象が消えてしまうのではないでしょうか。
二つ目。湯婆婆の部屋でセンが契約したとき、散らかった部屋でテーブルライトスタンドの傾きだけ湯婆婆は魔法ではなく手で直しています。
これは、魔法が干渉できない物を暗示しているのではないでしょうか。その上で千尋が入ったトンネルが魔法が干渉できないものだとすると、そこで髪留めの魔法が切れてしまう恐れがあった。

三つ目。呪い(まじない)あるいは魔法について。本作品の呪いはなにか?
本作品で呪いをかけられている者たちは複数名います。千尋は名前を奪われて支配されるという呪いをかけられています。このまじないを解く方法はなにか。真実を見抜くことです。
豚の中から親を見つけるシーン。あれは親の呪いを解くのではなく、千尋の呪いを解くシーンです。事実、彼女が真実を見抜いたとき、千尋の契約書が破棄されます。
そしてこのシーンで湯婆婆の言った「この世界の理」は4つ目の理由によって明らかにされます。

4つ目。まじないは解かねば帰れない。これはハクの呪いから考えられます。ハクは、千尋が帰る前に私はそちら側(川の向こう)には行けない、だが湯婆婆と話をして弟子を辞めたらそちらに行くと言っています。つまり、まじないを解かねば帰れないというルールが八百万の神々の世界にはあった。ハクも、名前は取り戻したが、湯婆婆との子弟の契約が残っているから帰れないということだと考えられます。
とすると、提唱した説とは別の説で、魔法(まじない)がかかっていたら帰れないことを銭婆は知っていたため、髪留めを手作業で作ったことが考えられます。



何故髪留めをお守りとして送ったか…については、論理的理由ではなく、感情的な理由であってほしいですね。

この作品でいう名前の意味について。簡単に書きます。
名前を忘れると、帰り方を忘れる。つまり、自分が何者であるか忘れるという事です。自分が何者か忘れたのがハクです。
そして、真名をしっかりと覚えていた千尋は自分が何者か覚えていたため、自分のルーツである親が豚の中にいるか見破れたという説もあるかもしれません。


{/netabare}

さて、私は映像面についてもしっかり触れていきたいと思うのですが、すこし感性が枯れたせいか、少なめになりそうです。
まず、久しぶりにジブリをスクリーンで見た感想について。
自宅では用意できない様な大きな画面で見ると、やはり小さな仕掛けについても気付くことが出来ますね。千尋が木の階段が壊れて走り落ちる序盤のシーン、壊れた木の板の釘が抜けかかっている事に気付くことが出来ました。
一番大きいメリットは、やはり水彩画の背景における微妙な色合いの表現を、細かく観察できることですね。雨が降った後、油屋から見る海の風景は、日中から日没まで、美しさが変わっていきます。テレビでは味わえない風景を広さと色合いの繊細さを感じることが出来ると思います。


小ネタとしてどうしても言いたいシーンがあります。エレベーターで一緒になった大根の神様。かの御方は船で神々が油屋に到着するシーンから最後の豚を見分けるシーンまでいるのですが、この方、実はめっちゃ紳士ですよね。

エレベーターで千尋と一緒になった時、彼は目的の階に到着しても降りるのをやめて、一旦最上階まで千尋と一緒に上がってるんですね。
これはもし千尋が従業員等に見つかってしまいそうになった時に、自分を壁にして逃がしてあげようという配慮ではないでしょうか?
こういった心遣いを気付けるようになったのは、個人的にはちょっと嬉しかったですね。

さて、今回の視聴のまとめです。
感想としてはかなり物語を掘り下げる形になってしまったんですが、やはり映像の凄さがなければこれほど深く入り込めることはないと思います。かといって、美しさを追求しているのではなく、ジブリは五感を呼び起こす映像づくりが凄いと感じましたね。それは、風のうなりであったり、ガラス窓の振動であったり、風に吹かれる髪のうっとおしさであったりなど。よく言われるのは飯が美味しそうという事ですが、やはり、匂いや味を感じさせるような絵作りがうまいと感じます。
個人的に今回とびきり好きだったのは、海になった地上の夜景をセンと千尋が風を感じながら眺めるシーンですね。月明かりの暖かさ、遠い町への期待のようなものも感じられてとても良かったです。
リバイバル上映、いつまでやっているかはわかりませんが、ナウシカやトトロもやっているそうなので、近日また行きたいですね。


金曜ロードショーで視聴した際の感想はこちら↓

映画館で見たときは、一つ一つのシーンの雰囲気にのまれたんですが、どうも、テレビで見るとあれっ?あんまり入り込めないな、という感じでした。

今回の視聴では、初視聴時に感じた「雰囲気」に対する感情を思い出しながら、「懐かしいな」と思いながら視聴。
{netabare}
まず、親が飯を食べ出すシーンですが、千尋は親の言葉を聞かずに食べない。自分も、知らない土地や知らない店に親に連れられて行った時に、強い恐怖感や拒否感を感じました。子供特有の知らないものに対する拒否感は皆感じているのでしょうか。

次、夕暮れから町並みに明かりが灯り、河原まで走るシーン。豚姿の親の気持ち悪さで恐怖感や孤独感がましていき、影のような人に気味の悪い物を覚えます。あの川原でうずくまっているとき、恐ろしいけど明るい町と、そこから逃げるように来た静かな川原から、動きたくないような、帰りたいような、そんな気持ちにさせてくれます。

中盤についても少し。顔ナシの印象。最初はその笑顔のお面で佇む姿に気味の悪さを感じます。千尋に気に入られようと湯の札(札という面白い設定にも引き込まれます)を一杯持ってきたり、カエルをひと飲みするその姿にどんどん恐怖が募っていきます。最初は大人しそうなのに、どんどん凶暴になっていくその姿に、気味の悪さと恐ろしさを感じる、見ているひとを物語に引き込んでいく魅力を持っているキャラクターですね。

とまあ、好きなシーンやキャラクターは色々あるのですが、一番のシーンは、電車から見える風景のシーン。浅い海の遠くに見える街には何があるんだろうという期待感、海にポツンとあるあの家に何故か心惹かれる感覚、やがて夕暮れになって明かりのついた家々を遠くにみたときの心の騒ぎ。じっと電車の中で座っている千尋たちをよそに、影の人たちは荷物をおろし、電車を降りていく。あのときの取り残されたような孤独感と静寂がなにか心地いい。

最初と最後に出てくるトンネルの前のベンチがおいてあるあの建物の時が止まったような静けさが大好きです。
{/netabare}

【総評】
物語性よりも、圧倒的世界観、雰囲気を感じることで、この作品が凄いと思えるのではないでしょうか。
序盤は雰囲気による恐怖感に飲まれ、中盤は華やかさによる楽しさがあり、後半は喧騒の後の静寂が心地良い。

ストーリーはあまり気にならなかったのですが、圧倒的な雰囲気が記憶に残った作品でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 47
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

思い出の作品ではないけれど、思い入れのある作品

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 2時間くらい。3回か4回くらいは見ていると思います。

 先日トトロを視聴して、その流れでポニョも見て、で、ポニョのレビューを書こうと思っていたのですが、上手くまとまらなかったのでこちらに逃げてきました。千と千尋は有名な作品ですから、重箱の隅をつつくようなレビューを書くつもりはありません。むしろ書きたいのは重箱について、ですかね。

 千と千尋は少女の冒険譚ですから、魔女宅に近い作品と言えます。魔女宅は、魔女という異質な少女が普通の都会へ行く話。千と千尋は、普通の少女が異質な世界へ行く話。アプローチは逆で、テーマは同じというやつですね。


異世界のモチーフ:{netabare}
 千と千尋では異世界が描かれていますが、ここまで露骨に描かれているジブリ作品は珍しい気がします。

 千尋は「トンネル」を通って異世界に行き、「川」を渡って物語の舞台へと到達します。で、帰りも「トンネル」を通って帰ってくる。その帰り際に、ハクから「振り向いちゃいけないよ」と言われます。

 これと同じ構造の物語があります。ギリシャ神話のオルフェウスの話です。千と千尋とオルフェウスの類似性に関しては、あまり異論のないところだと思われます。
 オルフェウスは、亡くなってしまった妻を取り戻しに冥界へと赴きます。「洞窟」を通って、「三途の川」を渡り、冥王ハーデスの元へたどり着きます。そこでハーデスから妻を連れ帰ることを許されますが、その際に元の世界へ帰るまでは「振り返ってはいけない」と言われます。そしてまた、「洞窟」を通って元の世界を目指します。

 異世界の往路と復路に加え、禁止のルールまでが一緒です。経緯は違いますが、連れ帰るという目的も一緒。日本神話のイザナギの話も同じような流れを持っていますが、「川」の存在を踏まえるとギリシャ神話の方が近そうですね。トンネルを抜け川を越えた先は、冥界に等しいものだったと言えます。

 なお、宮崎駿作品でギリシャ神話の引用がされるのはこれが初めてではありません。漫画版ナウシカの第1巻で、「ナウシカは、ギリシヤの叙事詩オデュッセイアに登場するパイアキアの王女の名前である」と監督自身が述べています。ナウシカもギリシャ神話の出身でした。
{/netabare}

神隠し:{netabare}
 千尋は、冥界、実質的には死の世界に行っていたことになります。千尋は死んじゃったの?という問いについての回答がこのレビューの主題なんですが、それについては後々述べることとして、まずは死の世界と現世の距離感について確認しておきます。

 宗教的には、死生観を含めて、死を考えることが非常に重要な要素になります。そのため、死の世界を現世とは隔離されたものとみるのが一般的です。私たちが死の世界と言うときは、このような隔離された世界の感覚で話していることが多いのではないでしょうか。

 ただ、神話の世界においては、死の世界はもっと近くにあるものです。オルフェウスやイザナギのように、洞窟を通れば冥界や黄泉の国へ行けてしまう。さすがに「ちょっとそこまで」という気分で行けるものではないのでしょうが、隔離された世界ではなく、つながった世界なんです。死の世界なんて言うよりも「あっちの世界」くらいが丁度いい。

 すぐそこにある世界、でもこことは異なる世界。そんな微妙な距離感を持つ「あっちの世界」での冒険を、宮崎駿監督は「神隠し」と表現したんだと思います。
{/netabare}

特別ルール:{netabare}
 こんなに近い「あっちの世界」。「こっちの世界」と一体どこが違うのか。それが特別ルールですね。

 最も重要なのが禁忌(タブー)です。「振り返ってはならない」と言われたオルフェウス、「見てはいけない」と言われたイザナギ、浦島太郎を「あっちの世界」の話とするなら「開けてはならない」になります。千と千尋では、前述の通りに、唐突な「振り向いちゃいけないよ」がありました。理由の不要なルールなんです。

 千と千尋には、他にもたくさんのルールがありました。ハクやリン、カマジイ辺りはいろいろと千尋に教えてくれていました。千尋が両親と帰るためにも、ルールに従う必要がありましたし、こればかりはユバーバでもどうにもなりませんでした。ユバーバは「こんな誓いを立てるんじゃなかった」と言ってましたから、ユバーバが誓いを立てる先、上位の存在がいることも窺えます。
{/netabare}

食事①:{netabare}
 次に重要そうなのは食べ物に関するルールでしょうか。「あっちの世界」の食べ物を食べると「あっちの世界」の住人になってしまいます。ギリシャ神話ならザクロの実ですね。

 千尋が食事をするシーンは全部で3回あります。ハクからもらった赤い何かと、ハクからもらったおにぎりと、リンから分けられた大きな饅頭のようなものです。千尋は「あっちの世界」の住人になってしまったのか、という仔細を述べる前に、引用元のギリシャ神話を確認しておきます。
 
 ギリシャ神話でザクロの実を食べたのはペルセポネという女神様です。彼女は冥界に連れ去られてしまいました。そこで、ハーデスに差し出されたザクロの実の中身12粒のうち、4粒を食べてしまうんですね。そのせいで1年(12ヶ月)のうちの4ヶ月を冥界で過ごさなければならなくなってしまいました。残りの8ヶ月は「こっちの世界」に帰って来れていますけどね。

 ちなみに、これに激怒したのがペルセポネのお母さんであるデメテル。豊穣の女神様なんですけど、ペルセポネのいない4カ月の間は地上に実りをもたらすのを止めました。これが冬の起源。ペルセポネが帰ってくると春が始まるわけですから、ペルセポネは春の女神様です。冥王ハーデスの妻なのに春の女神様。私にはすごく違和感があるのですが、やはり神話においては「あっちの世界」は近いもののようです。
{/netabare}

食事②:{netabare}
 千尋は「あっちの世界」の食べ物を食べて、「あっちの世界」の住人になってしまったのでしょうか。帰って来るのはペルセポネと同様に問題なさそうですけどね。では、千尋が食べた3つの食べ物を確認してみます。

 まずは、ハクからもらった赤い何か。これがいきなりの大問題です。
 この赤い何かが何であるのかは明らかにされていませんが、おそらくザクロの実の中身を暗示したものだと思います。気になる方は作中の赤い何かとザクロの実の中身を比べて、その類似性を確認してみるといいかもしれません。すごく良く似ています。ハクは、千尋が消えかけているときにこれを食べさせています。千尋が消えてしまわないように、つまり、「あっちの世界」に馴染むために食べさせていますから、千尋は「あっちの世界」の食べ物を口にしてしまったのです。

 神話を前提にするなら、ザクロの実の中身を1粒食べた千尋は、毎年1ヶ月は「あっちの世界」ツアーに行かなければならなくなってしまいます。さすがにこれは大問題ですから、何かしらこれを解決する方法が採られていたはずです。
 おそらく、「12粒のうちの1粒」ではなく、「ただの1粒」だったから問題なかったのではないかと思われます。ここが神話と違うところですし、これなら毎年ではなく、1回だけ「あっちの世界」に1ヶ月間滞在すれば問題なし、という結論でも許されそうですね。
 千尋がどのくらいの期間「あっちの世界」に居たかは明らかにされていませんが、作中の月の満ち欠け(※)が一巡してそうなので、少なくとも1ヶ月はいたようです。もちろん「こっちの世界」の時間は別問題。

(※)千と千尋の月の描写
 月は作中で3回出てきます。①オクサレ様が帰る時の満月、②沼の底駅の上限の月、③ハクに乗って帰る時の大きめの上限の月。②から③は満月に向かっています。①のもう少し前から物語が始まるので、満月手前から満月を経由して満月手前までが滞在期間。これで1ヶ月ですね。

 次に、ハクから貰ったおにぎり。
 おにぎりは、事情を知っているハクが「まじないをかけた」ものだと言っています。「あっちの世界」の住人にならないためのまじないでしょうから、おそらく問題ないのでしょう。赤い何かにもまじないがかけられていたと考えたくもなるのですが、その可能性はないでしょうね。千尋が消えてしまいますから。

 最後に、リンから貰った大きな饅頭のようなもの。
 リンは事情をある程度は知っているものの、まじないの類は使えそうにないので際どい感じがあります。ただ、千尋は直前に苦団子を口に含んでいました。苦団子の効果は吐き出させるというものでしたから、実質的には食べていなかったといったところでしょう。こちらも問題はなさそうです。

 お父さんとお母さんの食事が原因でもありますし、千尋の食事のシーンにはかなり気を使っていたのが窺えます。
{/netabare}

死んだ??:{netabare}
 では、千尋は死んでいたのかについて。
 「あっちの世界」が描かれると、条件反射のように「死んだ!」と考えたくなってしまうのですが、もちろん死んでいません。以上で述べてきたように、日本っぽさのあふれる千と千尋の世界は、ギリシャ神話が大きく影響しているのが分かると思います。どちらも神様がたくさんいますから、その関連性の高さに目を付けたのかもしれません。で、千尋の生死もこれらの影響を受けていると見ていいはずです。

 オルフェウスは、生きたまま冥府に辿りつき、生きたまま帰ってきます。千尋も生きたまま行って、生きたまま帰ってきた。これで良いんだと思います。死の世界を描くことと、実際に死ぬことは、やっぱり違うんです。
{/netabare}

エンディング:{netabare}
 千尋が無事に生きていたことが分かったところで、この物語のトンネルを抜けた後について言及しておきます。

 オルフェウスは「振り返ってはいけない」と言われたのに振り返ってしまった。禁忌を犯した彼は、無事に「こっちの世界」に帰って来れたものの、妻を連れて帰ることは出来ませんでした。禁忌を犯すと何かを失ってしまうのです。

 千尋は成長できたのか、というと、残念ながら出来ませんでした。正確に言うのなら、「あっちの世界」では成長できたものの、「こっちの世界」への影響はなかったんです。行きと帰りの両方で描かれるお母さんにすがる様とお母さんの同じセリフは、千尋が成長できなかったことを描いていていました。
 ですが、千尋は無事に禁忌を犯すことなく、帰ってくることが出来ました。つまり、オルフェウスと違って何かを得ることが出来たのです。それが最後に光るゼニーバからもらった髪留め。

 ゼニーバは「一度あったことは忘れないものさ、思い出せないだけで」と言っていました。これはハクの名前を思い出せることを述べたものですが、それだけではなく、この千と千尋の世界全体に係る言葉、テーマを象徴する言葉だったんだと思います。千尋にも思い出せなくとも忘れない何かが残ったのでしょうね。
 子供は忘れてしまうかもしれないけど、思い出作りは大切だよってメッセージですかね。
{/netabare}

おまけ:{netabare}
 おまけその①。ハクに対して「八つ裂き」という言葉がぶつけられます。これもギリシャ神話がらみだと思います。オルフェウスの末路が八つ裂きですから。
 とはいえ、ハクの末路が八つ裂きだとは思いませんけどね。件のセリフは、覚悟を問うたものであるというのが理由の一つ。もう一つの理由は、千と千尋がオルフェウスのifストーリーだからです。千尋が神話を覆したのと同様に、ハクも覆す側だったという方がしっくり来ます。そもそもオルフェウス役は千尋ですしね。

 おまけその②。今度は風俗がらみの話。
 千尋の腹痛が描かれていますよね。これは生理を象徴したものだと思います。千尋は腹痛の後に、オクサレ様のお世話をしています。床掃除をしていた見習いの千尋が、腹痛を契機として一人前になったということです。
 「宮崎駿監督は、性を隠し過ぎる!」なんて指摘もありますよね。まぁ、おっしゃる通りで(笑)
{/netabare}

 神話の引用が多かったし、外観にしか触れなかったため、文章量の割には薄っぺらな内容になってしまいましたね。千と千尋のレビューでは全く違う内容を書こうと思っていたんですが、以前トトロのレビューで書いた「死を描くことと実際に死ぬことは違う」ってことの具体化で使ってしまった、というオチです。ご勘弁を。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19
ネタバレ

ぺし さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

トンネルの向こうは、不思議の街でした。

たぶん見たことない人の方が少ないと思うので、あらすじはあにこれのをご覧下さい♪

ジブリの中では3番目に好きな作品です。ただ好き嫌いを除いて評価すれば、手書きのアニメーションに置ける最高傑作だと思います。粗が見当たらない。日本興行収入第1位の作品というのも納得がいきます。


中途半端で物語に入り込めないという方も居ますが、そもそもジブリ作品というのはあまり説明をしないので、見る側に多分に解釈の余地が与えられています。
なので完全な答えを求める方には向かないかもしれません。あと、説教臭くてジブリアニメは嫌いだって人もいますね。(自分は好きですが…。)

ジブリ作品と言えば風刺って言う人も多いです。特にこの作品にはそれが顕著に表されてる気がします。そこで、個人的にここ風刺だなぁと思った所を書いていきたいと思います。

{netabare}
・千尋のお母さんの冷たさ
見ててこの人なんか千尋に冷たいなぁと思ったことありませんか? これは現代社会(2001年当時ではあるが…)の一種の母親像だと思う。共働きで独立心が強く、「子供だから」という理由で何でも許されるのを嫌い、子供にも自立心を求める。また、千尋のお母さんは、化粧や出で立ちが割りと派手。「母親」というよりも「女」というイメージが先行する。←これは母親になるという覚悟が足りないままに子供を産んだ結果、虐待や育児放棄をしてしまう事への風刺に見える。

・父親の自分勝手さ
これはたぶん見てれば分かるんですけど、家族の安全も考えずに興味本位で舗装されていない道を突き進む所なんかは凄く自分勝手ですよね(-_-;)
これも家族とはどうあるべきかっていう風刺に思えます。…だからこの2人ブタにされちゃいましたよね(゜ロ゜;

・湯婆婆の坊への接し方
周囲の事は全く意に介さず、自分の子供だけを特別に扱う。これでもかと甘やかして束縛する。←過保護や過干渉への風刺。これだけ大事にしているのに、湯婆婆は姿を変えられた坊に気づけませんでした。子供の何を見ていたのでしょうか? 「千尋と坊」「千尋の親と湯婆婆」そんな対比にも見えます。時には厳しく、時には優しく…厳しさと優しさのバランスを上手く取れると悲しい事件も減るのかも(*_*)

・オクサレ神
最初出てきた時は、カエルが気絶し、リンの持っていたご飯が一瞬で腐るほど、汚い神様として出てきました。ですがその正体は水の神様。←これは水質汚染への風刺だと思いました。
{/netabare}

見る人によって色んな解釈がある今作。ここからは私個人の解釈を書きたいと思います。
{netabare}
・千尋が湯婆婆に渡された契約書に名前を書くシーン
気付いている人も沢山いると思います。実はこの時千尋は自分の字を間違えて書くんです。「荻野千尋」の「荻」の 火を犬と書いてしまいます。←これは自分の名前を忘れると支配されるこの世界において既に初期症状が出ていたんじゃないかなぁと思います。

・千尋の靴
これはあんまり他に言う人がいないので、自分の勘違いかもしれません。釜爺の所に居るススワタリ(まっくろくろすけみたいなヤツ)が、千尋の靴に群がったり、靴を運んだりするシーン。←これは、千尋が川(ハクの現実世界の姿)に靴を落としたって話した時の伏線だったんじゃないかと思いました。何気無いシーンなのに意外と長く映っていた気がします。

・カオナシとは何か
これは良く言われているけど、人間のお金に対する欲望そのものという解釈。
その証拠にお金の欲望に負けた人間は皆カオナシに喰われてしまった。千尋にも砂金を渡そうとするけど断られる。←これは千尋を試したんじゃないかと思いました。

・列車
銭婆の家に向かう為に千尋達が乗った列車。死者をあの世へ送り届けるための乗り物だという説があります。それが理由なのかこの列車には行きしかありません。

また、途中にある駅に寂しそうに佇む少女の姿があります。これは死んだ兄の帰りを待つ節子なんではないか?と思いました。そう考えるとこの列車が死者を運んでいるという事に説得力が出てきますね。

さらに列車の中にいる人はほとんどが黒く透けていました。これは自殺してしまった人なんじゃないかなと思いました。明日への希望を見出だせず死んでしまったから黒く透けている。←こじつけかもしれないですけど(-_-;)
〈追記〉釜爺が「昔は帰りの電車もあったのじゃが…」的な事を言っていたらしいので、また違う解釈があるのかもしれません♪

・トンネルの色
行きは真っ赤な色をしていたのですが、帰りは普通のトンネルになっています。この時、車の回りの草木も行きの時と比べて不自然に生い茂っているように見えます。←これはたぶんですけど、帰りの景色が本来の姿だったんだと思います。最初にここに来た時点で向こうの世界に引き寄せられていたから、赤いトンネルに見えたのかなと。

・銭婆の一言
千尋達が銭婆の家に来た時。「私達は2人で1つなのにねぇ…どうにも気が合わなくて」みたいな事を言っています(記憶が曖昧ですが)。ここで自分が思った事は、湯婆婆と銭婆は元々1人だったんじゃないかと。←だってただの双子がそんなこと言うのかなぁと。そもそもこの2人の争点になっているのが、この世界のルールを決めるための印鑑です。

湯婆婆は本当は元の1人に戻りたい。その方がこの世界における自分の力が強くなるから。けどもし1人に戻った時、自分の自我が消えてしまうかもしれない。その為にあの印鑑を欲した。けれど、銭婆はせっかく2人に別れたのだから1人には戻りたくない。だから印鑑を渡したくなかった。

この解釈は自分の妄想に近いです(笑) 他の部分に比べて説得力も薄いので、深読みし過ぎな感じもします(--;)
{/netabare}


個人的に気になった点
{netabare}
千尋のいる部屋に龍の姿になったハクが逃げ込み、千尋が閉める戸に無数の式神が突き刺さるシーン。←これ、ハリーポッター賢者の石に出てくる鍵鳥が、無数に扉に突き刺さるシーンに凄く似ている。あまりにも似ているので、どちらかが影響を受けたんじゃないか?と勘ぐっちゃいました(笑)

あと、銭婆と湯婆婆の名前を合わせると、銭湯になります。やっぱ元は1人だったんじゃないかな(^-^;
{/netabare}


ここまで色々書いてきましたけど、あくまで推測、空想の域を出ないので、見る人によって感じ方は沢山あると思います。でも、製作側の意図した事を少しでも汲み取れたていたら良いなぁと感じています(*^^*)

レビューを書くに至って、色々調べたんですが、なるべく自分の言葉で書いたつもりです。ここ違うだろ、自分はこう思うなって、メッセージくれたりすると嬉しいですね(*^^*)

長文、乱文失礼しました\(__)
最後まで見てくれた方は本当にありがとうごさいました!!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 53

78.7 25 コミカルアニメランキング25位
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (1908)
11154人が棚に入れました
この作品は『とある事情でしばらく離れ離れになっていたものの、ゆえあって再び一つ屋根の下で暮らすようになったふたりの兄妹が、特に波乱もない平和な日常をのんべんだらりと送っていく様子を、これといった起承転結もなくつづっていくだけの単調な物語』のはずだったが…、主人公・姫小路秋人が6年ぶりに再会した双子の妹・姫小路秋子は極度のブラコンになっており、兄に対して恋愛感情を抱いてしまっていた。更に転校先の聖リリアナ学園では、生徒会長の二階堂嵐、生徒会副会長の那須原アナスタシア、秋人の友人で京都から追っかけてきた猿渡銀兵衛春臣と、一癖も二癖もあるメンバーも集まり、気付いたらみんな一つ屋根の下で暮らすことに…。秋人の望んでいた『平凡な日々』はあらぬ方向に進んで行ってしまうことになるのであった。

声優・キャラクター
木戸衣吹、逢坂良太、茅原実里、下田麻美、喜多村英梨
ネタバレ

助手さ~ん さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これが意外と面白いから困るw とりあえず声優さんにお疲れ様ですと言いたいw

極度のブラコンの秋子と妹思いの本当はシスコン?なあきとを中心としたラブコメです。通称「おにあい」

この作品の見所は意味深いギャグと声優さんの頑張りですかねww

【声優さんの紹介】
・姫小路 秋子 声 - 木戸衣吹
・那須原・C・アナスタシア 声 - 茅原実里
・猿渡 銀兵衛 声 - 下田麻美
・二階堂 嵐 声 - 喜多村英梨
・鷹ノ宮 ありさ 声 - 諸星すみれ

この作品のメインヒロイン、秋子の声優「木戸衣吹」さんの年齢は15歳、ありさ役の声優「諸星すみれ」さんは13歳と僕より年下の声優さんが頑張ってます!
この作品を乗り越えたならあとはどんな仕事が来ても大丈夫・・・なはずですw
木戸さんの演技はのびのびとしてて面白かったです^^
でも変な言葉は覚えちゃダメw
喜多村英梨さん、茅原実里さんの演技も流石でした。
茅原実里さんが演じた穴さんのしゃべり方は面白かったですね~

キャラ同士の会話が面白くギャグアニメとしては結構楽しんで観てました^^
会話が変な方向にいくのはいつもの事w

ラブコメとしてはう~んキャラがガツガツしすぎww
{netabare}すぐ夜這いとか言うしw{/netabare}
普段は見せないキャラの意外な顔がいいかな^^

何はともあれ声優さんにお疲れ様と言いたいw
タイトルがアレなんで期待せず楽しめて見れました。
2期があればまた見ます^^

【曲の紹介】
・「SELF PRODUCER」 歌 - 茅原実里
この作品のopです。
アニメ映像は際どすぎるww
でも曲は意外といいです。
opが始まるのは基本的にアニメが始まってから10分後を超えるんで気にしないでくださいw

・「Lifeる is LOVEる!!」  歌 - リリアナシスターズ[姫小路秋子(木戸衣吹)、那須原アナスタシア(茅原実里)、猿渡銀兵衛春臣(下田麻美)、二階堂嵐(喜多村英梨)]
この作品のedです。
この作品のヒロイン達が歌ってます!
映像がとても可愛い^^
会長さんと穴さんは流石の歌唱力。

     【ここから下は各話の感想です】

{netabare}
【1話感想】
{netabare}タイトルが凄いですが内容も凄かったです!
妹がちょっとあれですねw
妹の秋子さんは料理などの家事スキルが高そうでしたがそれ以上に妄想スキルが高すぎます!
秋子さんは勘違いも多くて話がすぐそれますww
兄を思う妹の気持ちが行き過ぎてますw
兄は誠実そうでいい人っぽかったけれどまわりのキャラはおかしな人ばかりですね^^
どうやらハーレムアニメになりそうな予感がしますw
(原作は読んでませんが)

2話も様子見で視聴しますw

生徒会副会長の金髪の子の声が
もろホライゾンで笑えましたwww
正確は化物語の戦場ヶ原さんに似てましたね^^ {/netabare}

【2話感想】
{netabare}2話からopができましたが映像があきらかに狙ってますww
(興味のある方は自分の目で確かめてください^^)
秋子さんの笑い方が凄すぎるw  ぐへへへwww
あの笑い方は面白すぎます。
妹が凄く心配になるアニメですw
台詞がちょっとあれなんで声優さん大丈夫かな?{/netabare}

【3話感想】
{netabare} 秋子(妹)の声優さん今回も頑張りすぎですw
14歳なのに・・・w
ぐへへ、ぐぬぬ、と言うセリフは個人的に好きです^^
今回は穴ちゃんのお話でした。
主人公とのやり取りが面白かったです!
主人公とヒロイン達のちょっと普通で無い会話も楽しんでください。
今回は秋子の動作が面白可愛いです!
秋子の声優さんのこれからの演技にも期待です^^{/netabare}

【4話感想】
{netabare} 銀ちゃんと穴さんのお話がメインでした。
今回も面白かったんですがネタがアウトすぎるww
バナナで遊んじゃダメでしょw
ぬいぐるみの間違った使い方はやめましょう^^
まさかの百合展開もありましたね~
穴さん押しがここ最近目立ちますねw
穴さんと主人公の会話は面白いですがレベルが高いので僕は分からないという事にしときますw
今回は妹があまり出ませんでした。
でもぐへへが聞けたので満足w
次回は出番がもう少しあるといいな~
銀ちゃんが一番まともな気がします^^
私服姿可愛かったですね^^{/netabare}

【5話感想】
{netabare} 今回は会長がメインの回でした。
秋子はやっぱり病気なのかな?ww
一線超えたいとか・・・
そんな発言はダメww
でも会長や穴さんに病気呼ばわりはされたくないなw
あの人達も普通じゃないww
秋子のむふふとハルマゲドンーとなんでーという台詞は面白かったです!w
主人公は何か怪しいな~(小説)
無意識のうちにそういう設定にしてるなら怖いなww
今回はちょっと露骨にアレなシーンが多いなw
もう少し何とかして欲しいですね^^
次回のタイトルがまよチキって・・・
いいのかな?ww {/netabare}

【6話感想】
{netabare}今回は妹が中心のお話で面白かったですw
秋子の表情や行動が可愛いですね~
ですが秋子はやはり重症です!w
抱き枕どうやって作ったんだろうか?(クオリティ高w)
Tシャツ自重してww
YesYes枕www
お兄ちゃんとネトネト(^^;
安定のぐへへw
あそこまで行くと清々しいけど将来が不安すぎるw
もう天性のブラコンとしかw
兄もシスコンかもしれないけどまだセーフw
今回は14歳の凄さを感じました。(秋子の声優さん)
次回は新キャラメインとなりそうです。
次回予告アウトーwwww{/netabare}

【7話感想】
{netabare} 今回は新キャラのありさと秋子がメインのお話です^^
相変わらずの秋子ワールドをお楽しみくださいw
あにマスクってなんですかww
兄しか見えないマスクってそれじゃ兄も見えないでしょw
明子は小姑ww
ブランコブラコン似てるけどねw(その発想は無かったw)
全国のブランコに謝罪!
明子の記憶力凄すぎw(もっと他の事に役立ててw)
秋子とありさの対決は結局何がしたかったのかなw
ありさの疑問で秋子に大ダメージww
子供の何気ない疑問は時として大ダメージを与えますね~
しかしめげない秋子は流石です(^^;
ありさと秋子の争い低レベルww
主人公は逃げるの上手いですねw
そして秋子とありさは同盟を組みました^^
あにしてるTシャツやめてww
次回はサービス回見たいです。
いつもの事のような気がするけどw {/netabare}

【8話感想】
{netabare}今回は水着回です。
毎度ネタがアレですが得にw
会長と穴さんは変態すぎます!
頭の中はピンク一色ですね^^
会長の水着はアレですよアレ・・・w(自重します)
ありさのきゅうは可愛いすぎw(ロリコンじゃないよ(^^;))
ありさちゃんは穴さんから逃げてww
穴さんの思考はヤバイですね。
今回は妹が一番水着として普通に可愛かったです^^
でも一線越えたいのは変わらずw
Tシャツのバリエーションが豊富ですね!(またかww)
ぶっ飛びすぎてて主人公が気の毒に思えてきた(^^;)
主人公のマネージャーの人なんだかんだノリノリじゃないですかw
主人公の書いてる本の題名クソワロタw
兄弟合体アキンゲリオンってなんですかね?ww
突っ込んだら負けなんですよね^^{/netabare}

【9話感想】
{netabare}今回はアキトが風邪にかかってみんなで看病しようというお話。
明らかに危険な匂いが・・・w(特に会長w)
しかし会長は思ったよりまともな事言ってる(^^;
これは裏がありそうだ。。
ありさちゃんは頑張りすぎですね。
あんなに食べれないww
穴さんはやっぱり看病したことないのかw
沈黙とツンデレが良かったね(^^;
秋子は珍しくまともでアレは嬉しいw
ギンギンも可愛かったね^^
個人的に風邪のときは静かにしてほしいかな。
次回は会長か・・・w{/netabare}

【10話感想】
{netabare}aパートはギンギンとアキトの過去のお話。
小学生時代の銀ちゃんとアキトは今と少し違うかな。
アキトは銀ちゃんの事を女の子とというより親友と思ってるんだね。
あの小学校個性的な子多すぎでしょw
アキトはストーカーみたいでした(^^;
不法侵入。。。(良い子は真似しないでねw)

bパートは前回の続き。
会長さんまともすぎw 優勝おめでとう^^
そして部屋に向かうアキト。。嫌な予感が(^^;
しかしそこに待っていたのは眼帯を外しおしとやかな会長さんが・・・w
まさか会長さんにあんな一面が。
声も変わってて可愛かったですね^^
流石キタエリさん!
会長さんも邪王真眼の使い手だったのか・・・w
使うたびに視力失うとかどこの万華鏡写輪眼ww
人の心操れるってギアス?w
ともあれギャップが凄かったです。
会長さんはこっちの方が好きですね^^
さてオチの編集者さんはほかっといて次回は穴さんの回になりそうですw
次回予告相変わらずだなw{/netabare}

【11話感想】
{netabare} 今回は穴さんが○○をはかないお話で合ってるよね・・・w
穴さんはやっぱり一人で掃除が出来ないみたい(^^;
下着なしで1日・・・ちょっとwww
そしてopがいつもより早いですね^^
いつもは開始してから10分後くらいなのにw
お化けに怖がる会長さんは可愛いですね^^
やっと存在感が出てきましたね~
穴さんはアホすぎるでしょwww
あの淡々としたしゃべり方がいいですね^^
銀ちゃんとありさは遭難したのに何をしてるのやらw
2人とも心配しなくても成長するは・・・w
明子と穴さんはどう見ても相性が良くなさそうw
会話がめんどくさいww
秋子が総理大臣になったらおしまいでしょw(日本)
小さい頃の秋子も可愛いね^^
そうかあ~この頃からもう病気だったのかw
アレ途中からみんな結婚し始めて子供まで(^^;
これはまさか・・・w
オチはまたあなたですかww
編集者さん暇ですね~w
そんな夢を見るとはあなたが一番変態かも?w
次回で最終回ですか~
意外と楽しませてもらったな^^
秋子のぐへへが聞けなくなるだと。。
最終回でまた更新します^^{/netabare}

【12話感想】
{netabare} 前回の続きからです。
穴さんとあきとが初めて出会った時のお話から。
穴さんはやっぱり会話しずらいな(^^;)
話が変な方向にずれて行くww
僕があきとの立場だったら逃げたいw
表情が全く変わらないのに言葉はスラスラ出てくるw
もしかしたら穴さんは秋子の事が好きだったのかな?
もちろんlikeじゃない意味だけどww
秋子のなんじゃそりゃー面白いw
このアニメ本当に声優さん頑張ったよね(^^;)
お疲れ様ですw
opは相変わらず遅いですね~
また編集者さんかw
人騒がせな人ですね~
あの緑の球は何ですかね(^^;)
問題のシーンはスルーしてあきとの小説は相変わらずww
秋子の着物姿似合うね^^
秋子とあきとの話は意外といい話でした。
最後台無しだったけどww
そして衝撃の事実!
秋子にもチャンスがあるじゃないか!w
頑張って^^
意外と面白かったアニメでしたw
2期はあるのか知らないけどあったら見ます~
もちろんオススメは出来ない類のアニメではあるw{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 51
ネタバレ

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ハーレムドタバタラブコメディ!【えちち要素強め】

■話数
全12話

■主人公を許せるかがこの作品の分かれ目
一つ屋根の下で学生たちが暮らすハーレムラブコメ。

物語はドタバタラブコメで普通に面白かった。
ラノベらしい作品でこれだけなら、ラブコメ好きにとてもおすすめできるんだが、問題は主人公のお兄ちゃん。
彼のことを許容できるがキーとなりそう。
彼は鈍感クールめの主人公。
それも極端に鈍感、クールなのではなくほどほど。
そこで好みが分かれそう。
生徒会の一存のキーくんみたいな裏で努力してますよ系、もしくはおバカ頭空っぽ系なら文句なしだったんだけどね。

■えろかわのキャラクターたち
物語全体としてはまぁまぁなんだが、この作品はキャラがいい!!
キャラ自体も適度なキャラ付けでぶっ飛びすぎてないし、なによりかわいい!
そう、かわいい!!!
もうこれにつきる。
体(特に胸)や肌感に魂を感じた。
えちちですわ~~
それに、エロのシーンに違和感がない。
無意味にパンツを見せたり、絶対にリアルで起きないだろうといったエロシーンもとくにない。
エロがちょっと過激すぎかな?とは思ったけど、まぁありだね!

■総評
OP、EDもどちらもいい曲!
この作品の変わってるところは、OPの入るタイミングが固定じゃないのが面白かった。
私の好きなタイプのラブコメだったので、エロが嫌いじゃなければ、ラブコメ好きにはおすすめできる。
エロが嫌いでもまだ耐えられるかな。

↓↓↓各話の感想↓↓↓
{netabare}
1話の感想 ★★★☆ 3.5
兄と妹、一緒に暮らし出す
{netabare}
1度見たことあったが、内容をさっぱり忘れていたので2度目を見る事にしたぜ。
んで、観た結果、やっぱりほとんど覚えていなかった。
こんなんだったっけ??
確かそこそこ楽しめた気がするんだけど、正直微妙だった。4、5年で感性が変わっちゃったのかな?{/netabare}

2話の感想 ★★★★ 4.0
クラスに馴染めない兄。原因は?
{netabare}
やっぱ、面白いじゃん。
うん、感性が変わってなくてよかった。
兄が小説家だったなんて!?
ってことはし実は妹をそういう目で見てなくても、そういう願望はある感じ??
それと、この作品はスカートは短いけどパンツは見えない系なんだね。健全でよろしい。{/netabare}

3話の感想 ★★★★ 4.0
アナスタシアがメインの話
{netabare}
アナスタシアの不器用な感じが凄く可愛い。
こういう感情があまり表に出ないキャラ好きだわー
OPはいい感じだね。ただ絵がエロいけど汗
前話の感想を訂正する。パンチはやたらめったらと見せては来ないけど、丁度いいぐらいのエロは挟んでくる。{/netabare}

4話の感想 ★★★☆ 3.5
銀兵衛がメインの話
{netabare}
主人公の性格が無理!!
難聴の癖に変なところで気を使うし、その上鈍感と私の最も嫌いな主人公だ。
そういえば、昔のアニメの主人公って基本コレだけど最近の主人公って割とガツガツしてるよね。
難聴系より好感がもてる。
あと、アナスタシアと絡んでいる時が1番イキイキしている気がする。そんでもって、一番面白い。
今話は割とエロい回だった。{/netabare}

5話の感想 ★★★★ 4.0
担当さんの決意
{netabare}
担当さんがなかなかにエロい!!
だが、それがいい!!
訳の分からんパンチラと無駄にボディーラインが出る服とかよりもこういう演出の方が100倍マシだ。
妹の絶叫は結構好き。{/netabare}

6話の感想 ★★★ 3.0
兄はシスコン??
{netabare}
なんやかんやと言いながらもシスコンだよね。
そして、ここに来ての新キャラ!
しかも、ちびっ子管理人!!{/netabare}

7話の感想 ★★★ 3.0
妹VS婚約者
{netabare}
アリサちゃんは可愛いね。
声がちょっとぶりぶりしてるけど…
あと、兄がどうしても好きになれない。{/netabare}

8話の感想 ★★★★ 4.0
夏に向けて水着購入
{netabare}
久々に観たが、掛け合いの部分がテンポよくて好き。
主人公は少々カッコつけの節が見られるが、ツッコミのセンスがピカイチだしイケメンだからギリ許容…
この作品って、乳首が見えたっけ??
ものすごくえちちでびっくりした。
テレビ番では光か何かで隠れてたのかな?
この作品自体面白いから無理にエロ要素を入れる必要もないと思うけど……
まぁ、スパイスということで納得しよう。
水着は担当さんが1番可愛くて好きです。
{/netabare}

9話の感想 ★★★★ 4.0
看病
{netabare}
会長さんは今回、何もしないんだな。
ぶっ飛んだことしそうと思ってたのに。
次は銀との過去話か。
綺麗な導入だった。{/netabare}

10話の感想 ★★★★ 4.0
銀との出会い
{netabare}
前話の続き。
銀兵衛の子供のときって、めちゃくちゃ腹立つ子だったんだな。
私は絶対仲良くなれんわ。
会長の看病は一番ぐっときた。
担当さん、可哀想に……{/netabare}

11話の感想 ★★★★ 4.0
ノーパンライフ
{netabare}
なぜそこでスカートを履いたんだ!
せめてズボンでしょ!!
スカートでよく森の中に入ったわ……
私なら絶対に嫌だわ{/netabare}

12(最終)話の感想 ★★★★ 4.0
アナスタシアの思い
{netabare}
実はこう思ってたんだよって話。
最後の血が繋がっていない、がインパクト強すぎたわ。
最後の最後でちょいだしとはやるな〜
乳首が見えるエロ回でもあった。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11
ネタバレ

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

私のかなりお勧め!! 今期で一番好きな作品です!! 妹系の作品とラブコメの作品がバランスよく、そして私好みに出ていました!!

ストーリー

この作品の主人公とメインヒロインは兄妹で、その二人の両親は二人が幼いころに航空機の事故で死んでしまいました。そのせいで、二人は離れ離れになってしまいました。

6年後、主人公の姫小路秋人は聖リリアナ学園の高等部2年A組に転入してきて、その学校の寮の管理人になりました。その学校には妹の姫小路秋子もいたので、6年ぶりに二人で暮らせる日が来ました。けれど、秋子には長い間兄の事を思っていたうえ、かなりのブラザーコンプレックスになっていて、よく秋人に夜這いなどの行為を申し受けていましたが、もちろん秋人は断っています。

(ブラザーコンプレックスとは、男兄弟に対して強い愛着・執着を持つ状態を言う。俗に「ブラコン」とも略され、この場合、男兄弟に対して強い愛着・執着を持つ兄弟姉妹自体に対しても使われる。)

そして、少し時間がたつとこの寮には新たに那須原・C・アナスタシア・美沙希、猿渡 銀兵衛 春臣、二階堂 嵐が加わり、どたばただけれど面白い日々が描かれています。

私の感想

大好きです。ブラコン作品は私の好みの作品の一つです。そして、ここまで極端にブラコンな作品は初めてです!!ヒロインの一人である秋子の豪快なアプローチを見事にスルーする秋人のスキル。面白すぎです!!そして、他の妹系の作品と違う所は主人公がかなりの常識人な所です。普通、主人公と言えば変体や少し他の人と違いおかしい所がありますが、この作品では常識人でかなり落ち着いて見れました。

この作品で一番気に入った所はこの作品には嫉妬っと言う要素があまり無かった所です。もちろん無いわけではないのですが、他の神作にはよくヤンデレみたいな暴力や、かなり強引的な所がありますが、この作品にはそういう強引さは無く、結構平等にヒロインたちが扱われてました。

そして、この作品に少しエロ要素を入れた所が良かったです。エロ要素っと言ってもブラックなジョークっと言う意味です。そういうギャグをしているキャラクターたちの日常が私の中では一番生き生きしています。

{netabare} この作品で私が一番好きなキャラクターは 鷹ノ宮 ありさ です。後半から出てきて、そしてメインヒロインではないですが、むっちゃかわいいです。ロリ体系で、性格はかなり穏やかで、人には優しい。なんて完璧なヒロインでしょ~ 
後半から、このキャラクターが出てきてもっとこの作品を盛り上げてくれてかなりうれしかったです。{/netabare}


{netabare} そんなかなり面白い作品ですが、気に入らなかった事が一つあります。それは神野 薫子っと言うキャラクターの存在です。彼女の行動にはかなり意味不明な所が多く、彼女は何をしたかったのかが、分かりません。本編では秋人のシツコンを治したいと言っていましたが、秋人はシツコンではありませんので・・・ そして、なぜ彼女は秋人の落とすキャラクターの一人となっているのだか・・・{/netabare}


私からかなりお勧めする作品です。このレビューを読んで是非見てください。後悔はさせませんよ!!

オープニング

「SELF PRODUCER」
大好きです。はじめはメインヒロインたちを出している所が良いです。ローアングルにしたのはサービスでしょう!!まあそういう所も好きです。そして、まずキャラクター説明です。

はじめは秋子。なぜ彼女は歯磨きをしているシーンなのは分かりませんが、結構個性が出ています。

そして、アナスタシアです。彼女は縦笛を弾いています。ってか何で縦笛!!

銀兵衛は普通に風船ガムをかんでいます。

会長は何でアイスなんか食べているのでしょう・・・

まあ、謎の多い始め方です。

その後は誤解しやすい光景を4連発。

最後はもっと・・・ 

まあ、いいや。

エンディング

「Lifeる is LOVEる!!」
たぶん今年のエンディングでかなり上位の作品です。

メインヒロイン4人が可愛くゆるきゃらのようになっておどるエンディングです。周りにそれぞれのキャラクターの個性あふれる表情を映した所がよいです。

ウィンクのシーンで秋子ができない所はけっこう萌えます。そして、メインヒロインだけではない所も最高です。たまに流れるキャラクター説明は最高です。

1話~9話 は踊りがワンパターンで飽きてしまいますが、 10話からはエンディングのヒロインの踊りがかなりユニークになり、もっと良いエンディングになります。そして、ありさが少しですが、足されます。だけどアナは踊りがずれてる所に萌えます。かわいい~

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20
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