Witch さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これは令和版「『OLの教祖』岡村孝子」
【レビューNo.125】(初回登録:2024/5/26)
ラノベ原作(なろう発)で
・第1期:2021年作品。全12話。
・第2期:2023年作品。全12話。
最初はタイトル切りしていましたが、何かの拍子で視聴したら意外と面白く、
2期はリアタイで観ていましたね。
(ストーリー)
スランタニア王国では数世代に一度、国が瘴気に覆われ魔物が大量発生する
時代がやって来る。
今回もこの国難に対処すべく、魔を祓う力を持つ「聖女」を召喚すべく伝説
の儀式を行った。
そして召喚されたのが小鳥遊 聖(セイ)と御園 愛良(アイラ)の二人の日
本人であった。
しかし王国の第一王子カイルはアイラしか目に入らず、彼女だけを聖女とし
て扱ってしまう。
そして無視されたセイは行く当てもなく、「薬用植物研究所」にて研究員と
して、異世界ライフをスタートさせるのだった。
(評 価)
・これは令和版「『OLの教祖』岡村孝子」
一部のネット民からは
「BBAを召喚して何が面白いねん?!」
と酷い言われようでしたが、主人公セイは日々仕事に追われるOLで、
・異世界に召喚されてしまうも、持ち前の前向きなキャラで人の輪に囲ま
れなから、(現実世界から解放され)異世界ライフを満喫
・「聖女の力」でお約束の「また私なんかやっちゃいました?!」展開も
仕事は充実してやりがいあり
また魔物討伐でも活躍、「本物の聖女様」として国中から認められる
・当然周りはイケメン揃い、そして騎士団長ホーク様との恋模様
まあ”女性版なろう”要素テンコ盛りという感じですね。
個人的には昭和末期~平成にかけ、OLへの恋愛や応援ソングで人気を博し、
「OLの教祖」と崇められた”岡村孝子”が思い浮かびましたね。
「OLの教祖」の系譜は”今井美樹”や”古内東子”へと受け継がれるのです
が、今ではアニメが一般に認知されたので、その辺の役割は(歌より)
こういったアニメ作品が担っているのかなっと。
・やりがいがあり、ストレスフリーな優しい世界
本作から受ける印象ですが、原作者は自身の経験から
・仕事のやりがい
・人間関係のストレスフリー
を意識して執筆されたのかなっと。
・仕事のやりがい
セイは異世界でも仕事人間ですが、「男性版なろう」って割と
・「俺tueee」で自分がチヤホヤされたい
的な部分が目につきますが、本作は
・自分の”仕事ぶり”が他人に必要とされている
・本当に必要なことに注力して報われることにやりがいを感じる
という方向にベクトルが向いているのかなっと。
・人間関係のストレスフリー
本作の一番の特徴は、”嫌なキャラ”がほぼ出てこない点ですね。
・同僚や関係する騎士団、ゲストキャラはみな好意的
・上の者たちはセイを守るために奔走してくれる
・女性ならではのドロドロ感も希薄
・そして恋愛運も順調で視界良好
・唯一の不快キャラは、”聖女召喚”でセイを無視してその後も難癖を
つけてくる第一王子カイルだが
{netabare}→ 実は無理やり召喚したアイラを守るために道化を演じていた
と上手く処理されている{/netabare}
という感じで、寧ろ不自然なほど優しい世界が描かれています。
そもそものセイのキャラ造形が
「同じ職場で働きたい人」
というコンセプトらしく、やはり原作者のOL経験を踏まえ、思うところを
物語に落とし込み「理想の世界」を描いているように感じましたね。
(この辺りが癒し(?)的なエンタメとしてきちんと昇華されている点が
本作一番のウリですかね・・・知らんけどw)
上述のように狙いは非常に明確な作品ですね。そういう意味ではターゲット
層の支持を集め、アニメ化まで至ったのはまま納得ですね。
ただ個人的には
・主軸の物語しか描いていない感じで、厚み等の創り込みが弱い
・毒気のようなスパイス成分が足りていない
という感じで、2クールの尺で描いた割には少し物足りないという印象ですね。
しかし
・主人公セイは共感しやすいキャラ
・理想的で綺麗な世界観なのでストレスフリーで楽しめる
(また原作者の作品に込めた思いにも共感できる)
・ピュアラブストーリーも綺麗に完結させてくれる
なので、かなり視聴しやすい作品ではあります。
”異世界版少女漫画”的な要素も強いですが、男性でも結構楽しめるように
思います。
OPは結城アイラで
・第1期「Blessing」→聖女感あるよなあ
・第2期「Semisweet Afternoon」→溢れ出る恋心が隠せない
この方は存じなかったのですが「才能あるなあ」と共感。
(追 記)
レビューを書きながら「『OL』ってもう死語じゃね?!」って感じたので
一応調べてみたら
・世間的にも死語いう認識はある模様
・しかしその代わりの言葉が
・「女性会社員」 → まあそりゃそやなw
・「キャリアウーマン」→「バリキャリ」「ゆるキャリ」
→ たしかに聞いたことはあるが、日常的に使ってないよな?!
正直あまりピンときませんでしたね。
男女に拘らず「会社員」が一番無難なんですかね。
レビューの方は『OLの教祖』に合わせて『OL』表記にしておきますが。
まあセイについては「バリキャリ」という言葉がピタリとハマりそうなw