「リンカイ!(TVアニメ動画)」

総合得点
57.4
感想・評価
48
棚に入れた
105
ランキング
6988
★★★☆☆ 2.8 (48)
物語
2.7
作画
2.5
声優
3.1
音楽
3.0
キャラ
2.8

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ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 2.0 作画 : 2.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 2.5 状態:今観てる

もはや紙芝居にすらなっていない。これをアニメと呼ぶのは憚られる。

 第1話と第2話視聴しました。
 {netabare} 僅か15年で幕を閉じた昭和期の女子競輪が廃止されてから数十年後、「RINKAI LEAGUE(リンカイリーグ)」として復活を遂げた女子競輪を舞台に、女子競輪選手たちの活躍を描く。

 と銘打って始まった本作品、第1話冒頭時点から早速漂う地雷臭とネタ臭に個人的にワクワクが止まりません。


 第1話と第2話を視聴して感じたことは2つです。

 まず1つ目、女子競輪という競技にどういう印象を持たせたいのかわからん。

 確かに競輪選手になるというのは、他のプロスポーツと比べて間口が広く、男女共に異色の経歴持ちの選手が一定数いることは事実です。

 しかし、だからといって話の主軸になりそうな5人組全員が初心者からスタートはなかなかはしゃぎ過ぎな気がします。
 1年間トレーニングはするそうですが、別に個々人の努力をしっかり描写するわけでもないもんなぁ。

 一応、現実的な厳しさについての補足は度々入りますけど、しかしそうなると今度はレース描写の貧弱さが気になってきます。

 主人公たちは冒頭のレースで「これが…競輪…!」と感動していましたが、見ている側としては「これが…競輪…?」と首を捻らざるをえません。

 正直、レースに感動したから選手を目指す5人!というよりも、実際見て初心者でもなれそうだから挑戦してみる5人! という印象の方が強いです。

 今のところ、女子競輪を盛り上げるどころか舐められる一因になりそうです。


 続いて2つ目、主人公をどういう扱いにしたいのかわからん。

 競輪選手を目指すことに葛藤を持たせたい というその心意気は買いますが、結果は芳しくありません。
 ノリと勢いに流されずしっかり悩むものの、最後は人任せにしようとし、発破かけられた後でも結局自分で何か答えを出すことはありませんでした。

 第2話のタイトルは「踏み出す勇気」でしたが、あれだけ散々ケツを蹴られておいて踏み出すもくそもないような気がします。

 そもそも、本当に自転車競技やスポーツそのものに縁がなかった子がこういう風に悩むならまだしも、キャラ的に地元に競輪場があって、自転車に乗るのが好きで、自転車競技の選手に憧れてて、レースに感動して、自分以上に初心者ながら競輪選手を目指す同好の友がいて、家族や近所のおばあちゃんから励まされてようやく目指す って…そこまで手厚くサポートしてやんなきゃいけないのか?

 そんで半年間ウダウダ悩んだ割に、伝説の選手が面倒みてくれいざやってみたらやっぱり才能がありましたって言われてもなあ…。

 結果論かもしれませんが、最初からストレートに競輪選手を目指してくれていた方が幾分心象が良かったように思います。
 
 
 最後に

 何故、MIXIが女子競輪をプロパガンダしているのか疑問でしたが、チャリ・ロトをグループ会社に迎えたからなんですね。
 競輪を宣伝するのに各競輪場に1人その競輪場名を冠したご当地キャラをおくというなかなかチャレンジングな企画なんですね。
 キャラ名とともに都道府県も出ていたのはそういうことでしたか。
 
 競輪に興味をもってもらい、その中で女子競輪にも注目して欲しくて、さらに地方競輪場にも興味をもって貰いたいという一石で何鳥も狙おうとする強かさがありますね。良くも悪くも。

 現状のアニメの出来ではもうすでに何ともならなそうですが大丈夫でしょうか。
 次回に期待です。
         {/netabare}

 第3話視聴しました。
 {netabare} こ…これはさすがに確定か…。

 第2話まではまだギリギリ普通のクオリティの低いアニメ という印象でしたが、今話によって ネタアニメ 大爆死ルートへの確定演出がなされたように思います。
 非常に楽しみになってきました。


 やはり まず印象に残ったのは、作画のスレスレ感です。
 いや、もう作画の崩壊はすでに始まっているといっても過言ではありません。

 それくらい血迷った意味不明なカット割りや間を持たす為の省エネなカット割りが散見しているからです。

 例えば、Aパート冒頭の射的シーンでやたら寄りのカットや手元だけのカット、小銭をいれているビンをわざわざ映すカットがあったり、かと思ったら奥の部屋までの道程を俯瞰で映してみたりと違和感しかないカットのオンパレードです。

 あと、細かいことかもしれませんが、主人公の自転車は別に 両親が買った で良くないか?
 50万円という金額は決して容易くはないですけど、金銭面で苦労しているみたいな描写はなかったですよね?
 泉も普通に大学行こうとしてたし…。

 さらに言うなら、昔 息子がデビューする時に近所の人からお祝いに貰ったことがあるからって言いますけど、かつての賞金女王の息子に素人から自転車をプレゼントするかなぁ?


 そしてあっという間に試験の日となりました。

 何故か、会場入口で横並びになり誰が来てて誰が来てないかを見守る主人公一行。
 いいからさっさっと中に入れよ、うるせぇな笑。

 そして、驚愕の試験内容は全カット。からの全員合格!
 もう笑うしかないwなんやってん今までの前フリww

 入所式にてすごい中途半端な所でタクシーから降りてるのも笑いましたし、急に競輪のうんちくをテロップだけで紹介するという斬新な手抜きに脱帽しました。

 あと、なんか不自然に顔を映さないようにしていた両親も結局顔を出しましたね。
 出したタイミングも出すことにした理由も、そもそも隠していた理由も意味不明すぎてもはや怖いです。

 これからレース描写も増えてきて、どんな仕上がりになって行くのかとても楽しみです。
 次回に期待です。

            {/netabare}

 第4話視聴しました。
 {netabare} 冒頭、フォント 色 サイズ 配置 出し方 何もかもがダサい「第一回記録会」の文字に開始0.1秒で吹きました。
 何が飛び出してくるかわからないこの感じ、ネタアニメの醍醐味ですね。

 今話は女子強化指定選手の特別セレクションとしてレースが行われました。
 ここまでの間で本作品の作画に対する耐性ができていたからか、思ったよりちゃんとレースをしているな と思いました。
 感覚がマヒしている と言われればその通りです笑。


 内容については、キャラクターそれぞれのモチベーションだったり、他キャラに対する感情のベクトルなどが示されていて好印象です。
 なんと言いますか、キャラクターの相関図を書いた際の矢印が増えた、みたいな。
 前回までと比べて、作画さえ良ければなあ と思えるくらいにまではなってきました。

 しかし、熊ちゃんはなかなかいいポジションを貰っていますが、他の仲良し組は活躍の場が与えられるのでしょうか。

 高松さんは周りと比べ年上であり社会人経験者なので、他キャラとの対比が生みやすかったり、独自のドラマが描けそうなんですが、弥彦さんと那古屋さんはなかなか厳しいような気がします。

 結局このまま空気で終わるような気がしますし、丸々1話個人の掘り下げに使ったとしても、競輪とは関係ない話になり じゃあ他のことに尺を使って欲しかったなとなりそうです。

 やはり、5人全員初心者から即合格!がこれからネックになってきそうです。

 次回に期待です。

      {/netabare}

 第5話視聴しました。
 {netabare} 今話は、頑張りすぎな熊ちゃんをみんなで一度は諭すものの やっぱり頑張り過ぎちゃった熊ちゃん 泉と平塚さんの和解を添えて となりました。

 話の持って行き方がめちゃくちゃ「昭和」な感じがして笑ってしまいました。

 時折、コケてしまった美少女アニメが「おっさんが作ったアニメ」などと揶揄されていることがありますが、この作品はその上を行く「おじいちゃんが作ったアニメ」となりそうですね。

 作画面に関しては、もうずっとキャラの顔のアップかバストショットでベラベラ喋っているだけなので、最早アニメというよりキャラの立ち絵とテキストで進行するソシャゲのメインストーリーみたいな感じです。

 
 あと細かい部分ではあるんですが、熊ちゃんを諭すシーンで那古屋さんが「1人で行かないでくださいっ!」と悲痛な面持ちでコメントしていましたが…
 いや、むしろ あんたと弥彦さんがもっと物語に入ってこい。

 次回に期待です。
             {/netabare}

 第7話視聴しました。
 {netabare} 今話は卒業記念レースが行われました。

 行われたわけなんですが…この作品は映像から得られる情報が本当に乏しい。

 時より、動きが少ない作画や予定調和な会話だけで進行する作品などが 「紙芝居みたいなアニメ」 と称されることがありますが、この作品は紙芝居にすらなっていない。

 顔のアップ、顔のアップ、バストショット、からの顔のアップ、と1話の内ほとんどがこんな感じです。
 ですので、卒業記念レースが行われた今話を視聴しても、卒業記念レースが行われたなぁ 以外の感想の持ちようがない。
 前話も 熊ちゃんが退所する というなかなかセンセーショナルな話のはずなのに、全く気持ちが乗らず 熊ちゃんが退所したなぁ 以外の感想を封殺されます。


 今話で無事L14期のメンバーは卒業しましたが、ぶっちゃけ彼女たちのこれからに何を期待すればいいんでしょうか。
 彼女たちは頑張っていますが、本当にただ頑張っているだけです。
 弥彦さんや那古屋さんなんかはその頑張りすらほとんど描写されずに卒業してしまいましたしね。


 作画の良さ とは単純な画面の派手さやぬるぬる動いているかどうか ではなく、表現に選択肢がもてることなんだと痛感する作品です。
           {/netabare}

 第10話まで視聴しました。
 {netabare} 養成所を卒業しプロになった第7話以降、ルーキーファイナルを目指した彼女たちの切磋琢磨する様子が描かれます。
 主要キャラクターでありながらほぼいる意味のなかった子たちにもスポットが当たって何よりです。
 
 ですが 正直、ルーキーファイナルに出たからなんなんだ という気持ちが拭えません。

 元々頑張っていた子がさらに頑張って、レーススタイルを見つけたり、勝ちたい気持ちや強くなりたい気持ちに気づいたりしましたが、所詮彼女たちは平塚VS泉の噛ませ犬でしかないのはなんとも虚しいです。

 やはりこういう王道で真っ直ぐなストーリーを支えるのは確かな作画力なんだと思います。
 
           {/netabare}

 第11話視聴しました。+インタビューを読んで。
 {netabare} あー…こりゃまた、これまでの話の中でも特に通常速度での視聴が苦行となる一話でしたね。

 女子競輪を盛り上げたいという気持ちは大いに結構ですが、作品の"狙い"の部分を全部台詞で説明してまって盛り上がっている風を装うのは、企画・プロデューサーの願望を垂れ流しているだけに過ぎません。

 そして、泉についても 彼女がすぐ悩んでしまう性格なのは知っていますが、その悩ませ方が 「今の子はすぐ"エゴサ"っていうものをしちゃうんだよ…ね…?」という非常におじさん臭い感じなのがキツいです。


 泉というキャラクター造形についてプロデューサーはインタビュー記事にてこう答えています。

 濃いキャラクターが多いなかで主人公の伊東については、きっと人気が出ないだろうなと思っていました。
 あくまでも今どきの等身大の女の子ということで、ウジウジと悩むところも描くので、視聴者のみなさまからは嫌われるタイプだろうなと。
 同年代の女の子が本作を見て競輪選手を目指すきっかけになるのなら、そういう主人公でなければと思ったのですが、一方でその不甲斐なさに近親憎悪のようなものも感じてしまいやすく、爽快な物語を楽しみたいというニーズには沿わないキャラクターにはなってしまうだろうなとも。
 無難な主人公にして、人気としては5番手くらいのキャラとして多くのキャラクターの中に埋没するくらいなら、等身大の女の子を貫いた方がいい。
 なので、伊東役の川村海乃さんには、あらかじめ「きっと人気が出ないと思います……」と謝っていました(苦笑)
 

 色々と感想が出てきますが、まず 泉は嫌われてしまうタイプだろうなという懸念点について。

 正直、泉については好き嫌いとかの段階にすら上がれていないと思います。
 好きの反対は無関心 という定型句がそのまま当てはまっている感じです。
 うじうじと悩んだりするところが問題なのではなく、そういう風に悩んだりしたところで人物像に深みがでるわけでも、キャラの魅力に繋がっているわけでもないところが問題だと思います。
 

 次に、同年代の女の子が本作を見て競輪選手を目指すきっかけになるための 等身大の女の子 という主人公像について。
 
 どんなアニメ好きでも中高生の女の子がわざわざこんな作品見ねぇよ、という残酷な現実は一先ず置いておくとして。

 共感を得ようとするなら "等身大の女の子" じゃダメじゃないか?
 現実に合わせにいったキャラって実は一番感情移入しにくいと思うんですけど…。
 見ている方を主人公側の気持ちに引っ張りあげてから、悩みの根底は私たちと繋がっているとしてこそなんぼでしょうよ。

 それに、女子競輪というマイナーな世界を切り開きたいなら共感よりも憧れさせる方が重要じゃないか?


 そして最後に、一方でその不甲斐なさに近親憎悪のようなものも感じてしまいやすく、爽快な物語を楽しみたいというニーズには沿わないキャラクターにはなってしまうだろうなとも。という点。

 まるで 爽快な物語を楽しみたいというニーズ以外のニーズには応えているみたいな口調ですが、じゃあこの作品は現状どういうニーズに応えているというんでしょうね。

 まぁでも、キャラクター造形を作り込んだところで結局のところ作画がコレなんでどうしようもないって話ではあるんですけどね。

 次回に期待です。

           {/netabare}

 最終話視聴しました。
 {netabare} 前回の引きから120%想像上の不安で勝手に心が折れに折れている泉。

 ネットの悪口って嫌だよね というあまりにも今さら過ぎる切り口から、「励ましてくれる人に向き合い大事にしたら」という助言とスタンドにいた客から遠めの声援を貰い立ち直るというあまりにも平凡な着地を見せてくれました。


 制作はこういう風にうじうじ悩む様子が 等身大の女の子 だと思っているのでもうどうしようもないんですが、前回でも書いたようにこの設定は上手く効果を発揮していないと思います。

 前回から急に思い出したかのように悩み始めそして吹っ切れる、この子言うほど本気で悩んでんのか? と疑問に感じてしまいます。

 わざわざ、人気でないだろうな という割り切った主人公キャラにしたのに、こんな見せ方 こんな着地で人気もなけりゃ魅力もねぇって一体何がしたかったんでしょうか。

 あのスタッフ座談会でのコメントは、最初から人気出ると思って作ってねぇし というセルフハンディキャップでしかありませんでしたね。

 
 そして、いよいよレースです。

 キャラクターの心情メインで展開していくこと自体はいいんですが、やはりここにきてネックになるのはレースの描写 作画力で、スピード感 迫力不足は否めません。

 この作品はどこまでいっても、いまいちな作画 という部分からは逃れられません。
 先程書いた泉についても、作画力という名の表現力があればもう少し印象が変わったかもしれません。

 しかし、制作会社の文芸部長さんは座談会にて「競輪ならではの世界観を、アニメで表現できたかなという手応えがありました 」とコメントしていらっしゃいます。
 
 あぁ…そっすか…。

 レースの結果は平塚さんが勝ちましたが、まぁこれは別に誰が勝とうがどうということはありません。


 最後に

 この作品は第1話から「微妙」という雰囲気を纏い、序盤以降どんどんネタアニメとして大暴れしていくのかなと思いきや存外そんなことはなく、最後まで同じ雰囲気を纏って低空飛行で終わりました。
  
 競輪という公営競技を扱う上で、ただの青春スポーツ物にしたくないというその心意気は感じ取りましたが、まぁその…もっと根深い…企画とか予算っていう部分が問題だった作品でした。

         {/netabare}

投稿 : 2024/06/27
閲覧 : 488
サンキュー:

3

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