ヘンゼル さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
Twitterは簡単なドラマの漫画が描かれがち
かねてより見ようと思っていたのでやっと見れてニッコリ。
さて、まあ何と言いますか。
五十嵐ちゃんの可愛さに救われていますね。というよりもそれがそもそもこの作品を作るきっかけですよね、多分。
たしか、2017年頃かそのくらいにTwitterで白黒の初出をいいね&RTした記憶があります。
そう、Twitter。
この作品、Twitterが発祥なんですよね。4pくらいの本当に短編というかドラマのワンシーンのみで構成されているのが記念すべきこの作品の初投稿だったかなと。
Twitterの良い所は不特定多数に作品を見られるのが容易である事。
悪い所は不特定多数に作品を見られる事ですね。
即ち、ファンでもない限りシリーズ物を遡って見る事が無い。
そのためシリーズ物になるには最初のインパクトと分かりやすさが必須なんですよ。そこで大量の読者を得ようとします。
だから、キャラは一目見て分かりやすいものになります。
身体がデカく腕っぷしも強い、面倒見の良い先輩。
身体が小さく子供っぽい一面もあるが、先輩を慕う後輩。
こういった対称的で分かりやすいキャラというのは読者にとってノイズとなる設定が無いので、読みやすいし取っつきやすい。
しかし、分かりやすさを優先させた反面、欠点もあります。
それは、何をやらせても「先が読めてしまう・キャラの心情が分かってしまう」安いドラマになってしまうという事です。
ツンデレキャラ、面倒見の良い人格者、無口だが気遣いができる男、モテモテの美人だがそれにうんざりした過去を持つ女性。
こういう極力までカテゴライズ化されたキャラというのは、そのキャラクター性に縛られ、何をやっても大味な展開になってしまう。
その大味な展開は定番のものが多く、つまり先が読めてしまい、カテゴライズ化されたキャラの心情を読み解く事も、正直簡単です。
例えば本作品なら、先輩を意識しているツンデレの後輩が、バレンタインのチョコを渡すためにドギマギする。
その時の本人の心情を述べよ、という問題が出されたとします。
答えはきっとこうでしょう。
「いきなり渡されて変に思われないか、意識してると思われないか。でも喜んで欲しいな」
と、非常に簡単で分かりやすいです。
では劇場版のまどマギのほむらがまどかに抱いている心情を述べよ、という問題が出されたとします。
ネタバレなので言いませんが、難しいの確かです。
こういった簡単なドラマと、難しいドラマ。
先が分かってしまうドラマと、全く分からないドラマ。
恋愛コメディ作品に難しいドラマを強要するのは酷な話ですが、同じジャンルの五等分の花嫁はどちらかというと、難しいドラマなのかなと個人的には思います。
こういった簡単なドラマ、安いドラマはTwitterで多々見受けられます。
本作品は作画も綺麗でキャラも可愛く、コメディとしては面白かったのですが、しかし、こと恋愛になるとやはりつまらない。
先が読めてしまう恋愛は、どうしても自分には魅力を感じないのです。
つらつらと長く書いてしまいましたが、TwitterにはTwitterの良い所があり、そういった分かりやすい作品を読むのはむしろ好きな方だと思います。
ですが、30分アニメにするとキャラクリエイトの浅さが浮き彫りになる。
なのでTwitterはやはりジャンクなコンテンツの巣窟だと実感しました。
この作品も例外では無かったです。
頭を空っぽにして見られる作品は大抵そういう「分かりやすい」ものなので、決して悪いものではないという事は、ご理解いただければな、と。