2024年度に放送されたおすすめアニメ一覧 388

あにこれの全ユーザーが2024年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月22日の時点で一番の2024年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
貼りまわれ!こいぬ 第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (6)
16人が棚に入れました
「貼りまわれ!こいぬ」は“ステッカーを貼りまわる”という仕事に励むことになったこいぬを軸に、犬たちの日常を描くショートアニメ。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
劇場版BanG Dream! It’s MyGO!!!!!後編「うたう、僕らになれるうた&FILM LIVE」(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★★ 4.3 (4)
16人が棚に入れました
人気アニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の劇場版長編アニメ第二弾。キャラクターとライブがリンクする次世代ガールズバンドプロジェクトBanG Dream!5組目のバンド『MyGO!!!!!』の結成秘話を描いた2023年放映のTVアニメ『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』を再編集した総集編の後編。
名前のないバンドの初ライブは大成功を収めたと思いきや、メンバーのひとり、そよがライブ後から音信不通になっていた。メンバーそれぞれが異なった思惑を抱え……。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間になりたい燈の足跡がより強調された総集編

【物語 4.0点】
TVアニメ8話~12話の内容などを再編集した総集編が100分程度。
本編後、残りの20分程度でミニフィルムライブという構成。

前編鑑賞時、私は、前のバンド・CRYCHIC解散の経緯などが語られなかったのは、初見振るい落とし?と捉えましたが、
TVアニメ3話にて、燈(ともり)一人称視点で展開された、CRYCHICの始まりと終わりのエピソードは、
今回の後編序盤に回されました。

幼少期より、世間とのズレから“人間になれない”との苦悩を抱えた燈。
かつてバンドを壊したのは、自分が人間になれなかったからでは?との罪悪感。
葛藤の心理描写が、TVアニメ序盤から、終盤の現行バンドの大破と再生のストーリーの至近距離に再配置されることで、
ドン底の絶望感及び、そこから這い上がるカタルシスが倍化される構成となっています。

{netabare} TVアニメ版10話にて、再び独りになった燈が、朗読ライブを始める件{/netabare} からスタートする本総集編。
燈が人間になっていく過程をより鮮明に捉えられる構成で、再び浴びる10話のあのライブ。
分かっていても涙腺に来るものがありました。


【作画 4.5点】
アニメーションはサンジゲンによるCGがメイン。

今回、劇場の大きなスクリーンで再見して感じたのは、
観衆の描写のこだわり。

むき出しの燈の言葉が、観客の脳天に突き刺さって、グラリと心が動かされる。
それが、微かに揺らぐ観客の身体の動き何かに細かく表現されていて。
燈の詩が、回を重ねる度にライブ会場に波紋となって広がる様が、
感極まる観客などの追加カットも交えて、こちらにも押し寄せて来る映像構成に、
私も目頭が熱くなりました。


【キャラ 4.0点】
前編レビューにて「“野良猫”はなんで春日影やったのか?」とタイトル掲げながら、
投げっぱなしのレビュタイ詐欺状態wになっているのが心残りなので、
ここではMyGO!!!!!のギター・要楽奈について掘り下げてみたいと思います。

{netabare} 前後編、新規カットも含めて楽奈視点を共有する中で、
場所に囚われない“居場所”としてのバンドとか。
実際には内心で凄く葛藤して歌を吐き出していた燈が、
楽奈には、つまらないしがらみに囚われず、一生とか言っちゃう、“おもしれー女”に映った。
この辺りは想定内。

が、気まぐれに練習来たり来なかったりする楽奈が、
あれでバンドに参加したつもりになって、祖母らにも嬉しそうにメンバーは5人などと話していたのは、
価値観の違いに驚かされましたし。

何より意外だったのは、ライブハウス「RiNG」で幾度も披露したギターソロから、
ハードロック趣味と思われた楽奈が、
アコースティックな穏やかなメロディを嗜好するという件。

「春日影」やったのは楽奈がやっと居場所を見つけた歓喜とか、おもしれーから以前に、
単純にこういう曲が好みだったという部分もあったというのは、個人的に意表を突かれました。

思えば楽奈は、春の陽気に誘われて、気ままに猫と戯れにいくような、穏やかな少女。
「春日影」がむしろ楽奈の素に近かったという事なのかもしれません。{/netabare}

前後編通じて楽奈の生態研究も捗った有意義な総集編でした。
後編でも相変わらず食ってばかりでしたがw
飲食物をリード代わりにして“餌付け”して繋いでおかないと、何処にでも行ってしまう。
まったく世話の焼ける“野良猫”ですw


【声優 3.0点】
後編にも新規カットはあり、
フィルムライブでも高松燈師による{netabare} 雨と匂い{/netabare} に関する有り難い講話もあったりしますが、
前編ほどの新規収録量はないので、基準点に据え置き。


先日、雑誌『声優グランプリ』での高松 燈役の羊宮 妃那さんのインタビューにて、
燈のボーカルを作り上げるために、よりボイスに地声を入れるなど、
一度、自らの声を“捨てて”再構築したというお話を見かけて衝撃を受けました。

正直、燈の声と歌については、個人的にパンチ力は今ひとつとの印象でした。
が、キャストは柔らかい声質でも、バンドサウンドに埋もれないように、
相当、試行錯誤して、あの声を作り上げて来たと知り。

今後は、そういう裏の努力も踏まえた上で、彼女の声と歌を受け止めようと思いました。


【音楽 4.5点】
ミッドランドスクエアシネマのサウンドシステム“鼓動”採用スクリーンにて鑑賞。

{netabare} 愛音(あのん)の挑発を受けて叩きつけられる、{/netabare} そよさんの紅茶カップの音まで良く拾うw繊細さはドラマパートでも重宝しますが。
同サウンドシステムの真骨頂は3チャンネルに強烈な重低音を送り込むことによる、音楽シーンの臨場感の最大化。

朗読劇も含めて、ライブシーンが多い部分の総集編+フィルムライブ。
せっかくなので音響にこだわった映画館での鑑賞をオススメします。


ED主題歌はMyGO!!!!の新曲「歩拾道」
漸次前進していくミドルテンポの良曲。
スローなアコースティックナンバーか、ハイスピードなパンクロックかで二極化される傾向にある同バンドの楽曲群の中で、
中間を取って、淀みのないセットリストの流れを作る曲として、
ライブでも案外、重宝する一曲になるかもしれません。

因みに曲名は{netabare} 「スピード」{/netabare} と呼ぶそうで。
読めるわけがないw


エンドロール後のフィルムライブ。
尺はおまけ程度の“ミニ開催”。曲も{netabare} 3曲{/netabare} だけですし。
が、個人的に満足度は、とても高かったです。
特に初手で{netabare} 「処救生」{/netabare} のイントロが流れた時は、本編含めて一番興奮しました。

ファンが、フィルムライブ目当てで劇場に足を運ぶ価値は十分あると思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
劇場用再編集版『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』(アニメ映画)

2024年5月10日
★★★★★ 4.2 (2)
16人が棚に入れました
2023年から配信された全4話で構成される同名アニメに新たなシーンを追加した劇場再編集版

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season 第1章(アニメ映画)

2024年7月5日
★★★☆☆ 2.9 (8)
15人が棚に入れました
ゲームを原作とした、新人アイドルグループがそれぞれの夢を目指すアニメーション。2024年秋から放送の第2シーズンに先駆け劇場で先行上映

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
餓狼伝: The Way of the Lone Wolf(Webアニメ)

2024年5月23日
★★★★☆ 3.2 (5)
15人が棚に入れました
やむなき事情により、地下格闘技大会に参加することになった逃亡中の指名手配犯、藤巻十三。死と隣り合わせの危険な試合で、さまざまな武術の達人と激しい戦いを繰り広げる。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
SHIBUYA♡HACHI[シブヤラブハチ](TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (3)
15人が棚に入れました
渋谷駅前のシンボル“忠犬ハチ公像“として、まちを見守り続けて来た“HACHI”(ハチ)が現代の渋谷で動き出す! 渋谷に集まる愉快な仲間たちと繰り広げるユル〜く楽しい日常。 “HACHI”の小さな冒険が、いま始まる!

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
映画 ギヴン 海へ(アニメ映画)

2024年9月20日
★★★★☆ 3.8 (2)
15人が棚に入れました
バンド「ギヴン」は、フェス出場をかけたコンテストに落ちたもののメジャーデビューへの誘いがかかり、メンバーは前向きな姿勢を見せるが、真冬は答えを出せずにいた。バンド「syh〈シー〉」の一時的にサポートギターを務める立夏は、柊からある曲を託されていた。ある日、真冬から“会いたい”と連絡を受け駆けつけた立夏は、真冬の音楽を拒んでいると気付く。様々な感情に戸惑う真冬に、世界的に活躍するヴァイオリニストの村田雨月が声をかける。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
i☆Ris the Movie - Full Energy!! -(アニメ映画)

2024年5月17日
★★★★★ 4.1 (3)
14人が棚に入れました
声優とアイドルを両立するハイブリッドユニット“i ☆ Ris”10 周年プロジェクトの集大成となるアニメーション。i☆Ris たちは、言葉を話す白いリスと出会い、なりたいものになれる世界・リスリスランドへ。だが、そこには“歌”がなく…

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
時空の隙(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★☆☆☆ 1.6 (3)
14人が棚に入れました
銘山市の少年・林一帆の夢は、有名な漫画家、そして世界を救う偉大な英雄になること。その昔、魔物が世界を苦しめたとき、英雄が玄黄無極陣で魔物を封じ、二頭の神獣にそれを守護させていた…という伝説があった。林一帆はこの伝説をもとに漫画を制作していたが、ある日、手違いで時空の隙間に入り込み、たまたま怪物を退治。その後、玄黄無極陣の守護獣・ジリジリと出会うなど、昔は見えなかったものが見えるようになり、多くの災難に巻き込まれることになった。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
「漫画家・荒川」前・後篇(その他)

2023年12月20日
★★★☆☆ 2.6 (2)
14人が棚に入れました
◆あらすじ
TVアニメで放送される全12話+未放送2話を収録のDVD付き特装版が通常版と同時発売!  荒川弘は農業とマンガをいかに両立させたのか!? デビューするまでの笑撃(!?)エピソード「漫画家・荒川」前・後篇の未放送2話をDVD限定収録!!

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
アサティール2 未来の昔ばなし(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (1)
14人が棚に入れました
そう遠くない未来の話です。未来のリヤドに住んでいるマハと、弟のライアンとスルタンは姉弟仲良く楽しい日々を送っています。しかし革新的な未来とはいえ、姉弟は様々な困難に直面します。そんな彼女たちが頼りにしているのは、彼女たちのお婆さん。お婆さんはアラビア半島の昔話を語りながらいつも彼女たちを導いてくれるのでした。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
リンダはチキンがたべたい!(アニメ映画)

2024年4月12日
★★★★★ 4.2 (5)
13人が棚に入れました
フランスのとある団地を舞台に、チキン料理を食べたい少女と料理が苦手な母を描いたコメディ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

パプリカみたいに色とりどりな社会の縮図を炙り出した絶品フレンチ団地コメディ

フランス・パリの社会住宅(政府が整備した低所得者向けの団地)
夫を亡くして以来、現代社会への適応も上手くハマらず、
生活、子育て全般に折り合いを欠くシングルマザー・ポレットが、
一人娘リンダに亡きパパが得意だったパプリカチキンが食べたいとせがまれ、
ストライキが続くパリで何とかチキンを手に入れて料理しようと、
挙げ句、{netabare} 生きた鶏を奪取してシメようとして、{/netabare} 周囲を巻き込み騒動を巻き起こす社会派コメディ映画。


【物語 4.5点】
現代社会の病理を炙り出しつつ笑いも取る傑作。

社会や時代についていかないと取り残されるけど、ついていけない、生き辛い……。
近年、私もこの種のストレスが強くなっていますが、これは決して歳のせいばかりではない。

都市は子供が無邪気に遊び回れないように設計。オフィス街でまともに子供が出歩いている姿などほぼ見かけない。
疎外された子供たちが夢想を花開かせるのは、部屋での寝静まれない夜だけ。
羽を伸ばせない大人たちも不満や鬱憤(うっぷん)が溜まっている。
そりゃパリ市民もストを起こしたくもなるというもの。

個人に大した調理スキルがなくても食材や料理にありつける現代社会。
これをストで麻痺させることで時代に適応しようと足掻いてきた現代人が、
パプリカチキン騒動を通じて、原材料から料理一つ満足に作れなくなる程に“生きる力”が劣化してしまっている様を浮き彫りにされるプロットも苦くて妙味。

人間が人間のため作った文明に合わせるため、人間が失われているという皮肉。
その世界観ベースにコメディをスパイスして、箍(たが)を外していき、
最後は人間解放感の中で、高い共感度を伴った独特の笑いと感動を味わうことができる。
脚本レシピも練り込まれた、各国際賞レース連勝も納得の逸品です。


【作画 4.5点】
大胆かつ独特。だが決して手抜きではなく、計算に基づいた映像が構成されている。

各キャラクター、各物体ひとつごとにワンカラー配色し、
人種の坩堝でもある団地の多様性もカバー。
絵の具をぶちまけたようなベタ塗りが、閉じない輪郭線からはみ出したりする。
まるで子供のお絵描きみたいな奔放な絵面が、
現代社会に圧殺されている諸々と、そこから弾け出すエネルギーを体現。

さらに強烈なのが夜の描写。
撮影で暗さを演出するのではなく、各人、各物と輪郭線のカラーを反転させた、
ブラックボードアートのような配色で闇を表現。
リアル以上に漆黒な画面が、
暗闇の記憶の深淵に、幼少のリンダが封じて来た父との思い出も効果的に示唆。

作画カロリーは軽量ですが、フットワークの軽さを活かして、
プレスコ(収録の後に作画)も実現。
実際に子供に遊ばせた音を拾って、それに合わせて作画することで、
ガキんちょは何をしでかすか分からない、子育てアルアルのリアリティ再現にも成功。

何よりシンプルかつカラフルな画面により状況把握もしやすい。
なくした指輪とか、固有カラーで光ってくれたら、失せ物探しに重宝するのにと、私もちょっと羨ましかったりw
鑑賞者に読み取らせる負荷をかけない、スムーズな心情伝達が、
アニメなんだけど妙にリアルという感想につながっているのだと思います。


【キャラ 4.5点】
主人公リンダの母として奮闘するポレット。
ひとり親というだけでなく、現代社会が要求する様々な適応能力に関して弱者であり、格差社会の貧困層を体現。

諸々の対処法が分からないポレットは、
{netabare} 生きた鶏捕獲{/netabare} というとんでもない手段を取ったり、
姉その他色んな人に相談を無茶振りし、迷惑をかけてしまう。
このポレットが象徴する関わりたくない社会的弱者だが、
厄介だからと言って見捨てると、ますます孤立して社会的コストになりそうな感じ。
イタいほどリアルなのですが、私が彼女を見放せないと感じるのは、
次の時代が核心的と強いたスキルやシステムに順応できなければ、
明日は我が身、リンダママとの焦燥感を私も抱いているからだと思います。

そのポレットに厄介事をふっかけられる姉・アストリッド。
ヨガ・インストラクターの“できる女”として活躍する一応の社会的強者。
振り回されても妹その他を見捨てられずストレスを溜めていく彼女を見ていて、
ふと、私が以前行った整体院にて先生に聞いた、心身を整える達人であるはずのヨガ講師が、意外と整体の常連という小ネタを思い出し笑いしてしまいました。
社会的役割をクソ真面目に演じるばかりでは擦り減ってしまいます。
ストレス解消のため禁断のスイーツに現実逃避するアストリッドが、
最後{netabare} テキトー極まりない警官・セルジュ{/netabare} と昵懇(じっこん)になったのは、
中々のラブコメだったと思います。

総じて見ていれば誰か共感を覚える人物が見出だせる。
キャラも妙にリアルな群像です。


【声優 4.0点】
※日本語吹替版を劇場鑑賞。

俳優タレントがメインを担当した吹替キャスト陣。

主人公リンダ役は層の厚い子役界から落井 実結子さんとあって、
さほど心配しておらず実際安定。

一方で母・ポレット役の安藤 サクラさんは、
アニメ声優初挑戦となった前作レビューにて私が酷評コメント書いていることもあって、
結構心配でしたが、オロオロしながら騒動の起点となるキャラクターを、
まずまずの吹替で再現されており杞憂に。

最近、私は俳優タレントの収録に関しては、日本アニメより外国アニメ吹替の方が、
安心して聞いていられるという感想を述べることが増えています。
洋画吹替界隈の、リップシンクには頼れないので、ちゃんと声を張って伝えるという収録傾向が、
濃厚キャラボイスを過剰摂取する私の深夜アニメ脳に馴染むのかもしれません。

どうも私が俳優タレントのキャストにアレルギー反応を示す要因は、
“ちゃんとした声優”かどうかより、ボソボソ喋ってセリフや心情の起伏を捉えづらい、
邦画の悪習にあるような気がしてきました。


【音楽 4.5点】
音楽担当はクレモン・デュコル氏。
方々を巻き込みながら転換する場面に、
管弦楽をベースに、柔軟なメロディ変化で好対応する上々のコメディBGM。

挿入歌のスパイスも効果的で、男声テナーのクッキングソングも楽しげでした。
日本語吹替用に翻訳もされた「Dormir,dormir」は夜に遊び足りていない子供たちの想いがうごめく眠れない人向けの子守唄。

ED主題歌はフランスのシンガーソングライター・ジュリエット・アルマネットさんの「Un souvenir ou deux」
最後はラブコメ、愛だねで幕を引く本作。
在りし日の愛の思い出を静かに語るバラード曲は程よく甘い食後のデザート。


【付記】
4月の封切りから上映している映画館は流石にもう上映終了してきていますが、
5月GW後に少ないながらも上映開始する館もあるようです。
前衛的な作画で堪能するフレンチ・コメディ。
ご賞味されてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久しぶりのフランス映画

リンダが食べたいのはパプリカチキン。
ネットを検索すると、ハンガリー料理として紹介されているので、彼女のお父さんはハンガリー系の出身だったのかな。

お話はリンダとお母さんの小さな誤解から始まる諍(いさか)いと、それを解くための大切な約束が「チキンがたべたい!」につながる流れです。
そのあとは、まるでドタバタなベタ風といえばその通りな展開でした。

そのなかでひとつ思ったのは、フランスのとある下町の集合団地が積み重ねてきた人情というか、風情というか。
その描き方がとても心地良いものでした。

フランスの政治=暮らしは、デモクラシー抜きには語れない側面がありますので、いわゆる民衆の力の底の厚さや、大衆的なベクトルといったファクターみたいなものが、あちらこちらで拾えそうな印象です。

このあたりは日本の作品にはなかなか見られないところです。
例えばジュブナイル系作品を見渡すと、セカイ系や転生ものの趣向が強く顕れているのが、いかにも日本的というのが特徴の一つです。

その点、本作の場合は、子どもの主体性に重きが置かれていて(それはフランスでは当たり前なのかもしれませんが)、無邪気さと同時に、図々しさもふんだんに(しかも極めてリアルに)描かれています。

リンダはもちろん、多くの子どもたちがまるで民衆の一員として位置づけられ、世間への態度がいっぱしの大人ぶりとして描かれているところが、フランス的風味というか、ちょっと面白いところかなと感じました。

いよいよ鶏が調理に供される直前、リンダが鶏にそっと語りかけ、涙をすうっと流すシーンがあります。
そのフレーズは、とても子どもらしいあどけない発想で、大切な家族を思う重要なステップに感じました。

私が鑑賞したのは字幕版でしたので、声優さんの演技はそのまま受け止めましたが、吹き替え版にも興味を持ちました。
日本の声優さんが字幕の台詞をどんな演技をされたのか、リンダの気持ちがどんなふうに表出されたのか、機会があればと思っています。

はっきり言って子ども向けの作品だと思いますが、ほど良いエスプリ(精神性)と、茶目っ気たっぷりのカリカチュア(風刺戯画)が効いていますので、大人の方の視聴にも十分応えられるのではないかと思います。

あとキャラデザですが、キービジュアルそのままです。
けれど、意外なことに、それがアニメーションになれば、一瞬も目が離せない、味のある表情を見せてくれます。
そんなリンダたちに、観終わったあとは、なんとも心地の良い豊かな気分になれたのも不思議と言えば不思議。

少し気分を変えたい時などに、軽い気持ちで視聴なさってみるのもいい作品。
そうお伝えしておきますね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 7

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
ヤマトよ永遠に REBEL3199 第一章 黒の侵略(アニメ映画)

2024年7月19日
★★★★☆ 3.8 (3)
13人が棚に入れました
西暦2207年。ガミラス本星とイスカンダル星が消滅した事件から二年後。突如、太陽系に謎の巨大物体“グランドリバース”が出現する。地球防衛軍の善戦虚しく、幾重もの防衛網を易々と突破したグランドリバースは、悠然と地球の新首都へと降下。音も無く出現する降下兵の群れや上陸する多脚戦車により、瞬く間に首都は制圧されてゆく。もはや地球には抗う術はないのか……。そのとき、旧ヤマト艦隊クルーに“ヤマトへ集結せよ”と極秘指令が下る。人類の命運を賭け、未踏の時空へと宇宙戦艦ヤマトの航海が始まる。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
映画『化け猫あんずちゃん』(アニメ映画)

2024年7月19日
★★★★☆ 4.0 (3)
13人が棚に入れました
雷の鳴る豪雨の中。お寺の和尚さんは段ボールの中で鳴いている子猫をみつける。その子猫は「あんず」と名付けられ、それは大切に育てられた。
時は流れ、おかしなことにあんずちゃんはいつしか人間の言葉を話し、人間のように暮らす「化け猫」になっていた。
移動手段は原付。お仕事は按摩のアルバイト。現在37歳。そんなあんずちゃんの元へ、親子ゲンカの末ずっと行方知れずだった和尚さんの息子・哲也が11歳の娘「かりん」を連れて帰ってくる。しかしまた和尚さんとケンカし、彼女を置いて去ってしまう。
大人の前ではいつもとっても“いい子”のかりんだが、お世話を頼まれたあんずちゃんは、猫かぶりだと知り、次第にめんどくさくなっていく。
かりんは哲也が別れ際に言った「母さんの命日に戻ってくるから」という言葉を信じて待ち続けるも、一向に帰ってこない。母親のお墓に手を合わせたいというささやかな望みさえ叶わないかりんは、あんずにお願いをする。「母さんに会わせて」
たった一つの願いから、地獄をも巻き込んだ土俵際の逃走劇が始まるんだニャ。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

俳優キャストの芝居を生かす同録ロトスコープの人情劇

同名原作コミックは未読。
だらしがない父に借金を何とかする間だけと、祖父の寺に置いていかれた少女・かりん。
そこで出会った中年飲んだくれ“化け猫”あんずちゃんらとの、ひと夏の交流を描いた日仏合作劇場アニメ作品(95分)


【物語 4.5点】
内容自体は変哲もない人情ドラマ。
不遇な家庭環境などで、心の澱(おり)を抱えた1人の少女が、
夏の不思議体験を経て、ひと皮向ける。

立ちションに屁こきと化け猫あんずちゃんの奔放な言動も、
昭和のドラマでよく見かけた親父の生態といった感じで懐かしい風味。
温かいなと思いつつも、これ実写だったらイマドキ流行らないと誰も見向きもせず企画通らなかったかもなと穿ってみたりw

実際、本作は冒頭で、かりん父と祖父のありがちな親子喧嘩の余韻に、またこういうパターンか……となっている所に、
猫が当たり前に原付に乗ってやってくる衝撃カットで一気に興味を引く。

化け猫、妖怪の類が街を闊歩していても住民は誰も驚かない。
フィクションとして最初に堂々と大嘘を付くことで、
その後の地獄探訪などのファンタジー要素の配合もスムーズになったと好感します。


脚本もネタやコメディやらが一見、方方にとっ散らかっているように見えて、
{netabare} 自分と違って幸せそうな家族連れを見て自転車を蹴り倒す{/netabare} などグレる萌芽が出始めている主人公少女に、
君たちはどう生きるかを優しく語りかける。
終わってみれば、一本筋の通ったシナリオとしてよくまとまっていたと思います。

ラストシーンは(※核心的ネタバレ){netabare} 当初構想していた、かりんが借金返済に目処を付けた親父について行き、池照町から東京に帰っていく幕引きから、
親父と袂を分かち、あんずちゃんの寺に残る{/netabare} 結末に変更したとのこと。
ですが、逆立ちなど小ネタと思われた要素も後々に回収するなど、
伏線管理も丁寧だったこともあり、
私は唐突感より納得感の方が上回りました。

その観点から意外と好きなのが、かりんが、東京のカフェでボーイフレンドの秀一と語らうシーン。
{netabare} かりんが、このまま都会で猫かぶって、受験戦争の権化みたいな秀一との恋仲を目指すのか。
そもそも都会で勉学ばかりやる生活だけが正解なのか。
今のかりんは、秀一と釣り合う女なのか。{/netabare}
ラストとの対比で脳裏に焼き付いているカットです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・シンエイ動画(日)✕Miyu Production(仏)

Miyuはフランスから世界を巡り、面白そうなんだけど資金不足等で実現が難航しそうなプロジェクトを発見しては、
助太刀して作品完成を目指す活動に取り組んでおり、
今回の日仏合作も国際映画祭での日本側とのスタッフとの交流から。

結果、イマドキ古風でマニアックな人情アニメを鑑賞でき嬉しさ半分、
海外から救済されねば好企画が成立しない本邦の映画界という寂しさ半分……。


役割分担としては、シンエイが実際の役者の芝居映像から人物作画等を起こすロトスコープ制作。
Miyuが背景美術を担当。

舞台となった池照町のモデルとなった静岡県沼津市戸田の港町。
Miyuはフランスの画家・ピエール・ボナールの作風も意識して、
大胆に塗りを重ねるなど、
夏と海のカラッとした南国風の田舎町を好表現。

配色も東京のカットでは冷たさを意識した寒色系、
地獄のシーンでは赤系を入れたりと、一工夫、色を加えることで空気感を醸成。


【キャラ 4.0点】
化け猫あんずちゃん。
寺で大切に飼われていたら長寿の末、二足歩行し人の言葉をしゃべるようになってしまった化け物。37歳。
マッサージ屋などとして地域社会に溶け込んでおり、住民からはほぼ人間扱い。
{netabare} 猫なのに原付無免許で切符きられるシーン{/netabare} は笑いましたw

酒飲みで、パチンカスで、{netabare} かりんちゃんから“預かった”バイト代を溶かす{/netabare} など、自堕落なのも人間味が溢れて?いますw
そんな、あんずちゃんの罪の告白もまた、真っ直ぐ生きるか否かテーマを問う要素として機能しており、
ここもコメディを散らかしているようで筋を通して来ます。


もう一人の主人公少女のかりんちゃん。
その父・哲也は、すぐにお金作るからと嘘を重ねる、
こちらも、あんずちゃんに負けず劣らず、清々しいくらい自堕落な親父。
グレ気味な娘から哲也と呼び捨てられるのも無理ありませんw

が、かりんもまた小5にして演技力を駆使して、
東京から来たデキる美少女を演出し、
田舎の不良小5少年の井上と林を籠絡し手駒にするなど、
早くも誑(たら)し込みの技術相伝の片鱗がw

所詮、蛙の子は蛙ということなのでしょうか。
あっ、自称“大妖怪”カエルちゃんも良かったです。
穴掘りキャラ設定は、展開を動かす上でも重宝しました。
{netabare} 妖怪や小5少女の洞穴温泉入浴シーン実現して頂き、どうもありがとうございました。{/netabare}


あとは地獄の鬼軍団がまんまヤ◯ザで、こちらも懐古な任侠映画風味。
地獄に落ちた人間に残虐行為を働く鬼たちの憩いの場が意外とホテルだったり、
冷めた口調で鬼の“組員”を顎で動かす閻魔大王が、静かなるドンって感じで可笑しかったです。


【声優 4.0点】
近年、ナチュラルな演技が欲しかったなどと、劇場アニメにタレント・俳優がキャスティングされる度、
ナチュラルな演技くらい今のアニメ声優でもできる。
そんな言い訳するくらいだったら、最初から企画成功のため俳優の知名度が欲しかったと言ってくれた方がまだ潔い。
などと方方に毒を撒き散らしている私ですが。

本作は実際の芝居を撮影して制作するロトスコープ。
しかも音声収録もアフレコではなく、撮影現場で収録する同録。

俳優キャストがアフレコに挑む度、声だけで演技する難しさを語られ、
だったら最初からアニメ声優でいいじゃんとささくれる私ですが。
同録ロトスコープならば俳優でも文句はない。
むしろ俳優の方が適任まであります。

あんずちゃん役の森山 未來さんも暑い中、
猫耳を付けて毛づくろいするなど人間味のある化け猫を熱演。

かりん役も当然、子役から。
演じた五藤 希愛(のあ)さんは芝居も上々でしたが、
スタッフは撮影当時かりんちゃんと同年代の11歳だったという点も重視。

実年齢とタイミングが合わねば成立し辛い。
この辺りも声一つで世代を飛び越えるアニメ声優の収録現場とは一線を画す。

拡大を続けるアニメと実写の中間領域を描く企画のあり方に一石を投じる制作手法だったと思います。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は鈴木 慶一氏。
とぼけた縦笛のコメディBGMから、のどかな田舎町の心情曲まで引き出しの多さでファンタジー要素も絡む人間ドラマをカバー。

因みに鈴木氏は、かりんの祖父の寺のおしょーさん役としても出演。
ロトスコープ素材映像用に芝居もした上で、楽曲制作に取り組む。
作品内世界の一員でもある作曲者ならではの解像度の高さで魅せる。


セリフも同録ならば、音響も同録なのも本作の特色。
池照町こと沼津市戸田のやかましい蝉の声も、夏のムード演出に効果的でした。


ED主題歌は、化け猫だけに?佐藤 千亜妃さんの「またたび」
透明感のあるボーカルとギターで彩る、ひと夏のバラードで、ほっと一息。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
刀剣乱舞 廻 -々伝 近し侍らうものら-(アニメ映画)

2024年8月16日
★★★★☆ 3.5 (3)
13人が棚に入れました
刀剣育成シミュレーションゲーム「刀剣乱舞ONLINE」を原案に、完全新作オリジナルストーリーで描かれる、アニメ「刀剣乱舞 廻 -虚伝 燃ゆる本能寺-」の前日譚。
自身が率いる部隊を全滅させかけてしまった山姥切国広は、近侍を辞めると自ら申し出る。新たな近侍として審神者より任命されたのは、へし切長谷部。しかし、へし切長谷部はこのことに未だ納得できずにいた。

※読み仮名が分かりませんが、よろしくお願いします。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK(アニメ映画)

2024年11月8日
★★★★★ 4.9 (1)
13人が棚に入れました
2023年にテレビ放送された「進撃の巨人 The Final Season 完結編」をブラッシュアップした劇場版。
無数の巨人を率いて、この世界の生きとし生けるものすべてを踏み潰す「地鳴らし」。
ミカサやアルミンをはじめとした残された者たちは世界を滅ぼそうとするエレンを止めるべく、最後の戦いに挑む。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season 第3章(アニメ映画)

2024年9月20日
★★★★☆ 3.1 (6)
12人が棚に入れました
2024年秋から放送の第2シーズン劇場先行上映版第3章。
透・円香・小糸・雛菜の4人は幼馴染。そして今、4人はアイドルユニット『ノクチル』としてデビューを控えていた。小糸はダンスの練習に一生懸命。それを見守る円香。そこに飛び込んでくる元気な雛菜。透は少し眠そうに空を見ている。自分たちはどこに向かうのか。レッスンの日々を経て、ついにノクチルのデビュー当日がやってくる。そして、個人の仕事が多忙を極めるアンティーカ、オーディションに挑戦する甘奈を応援するアルストロメリアのメンバー…動き出す、それぞれの物語。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
闇芝居 十三期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.4 (4)
12人が棚に入れました
都市伝説、怪談、そして人々の心の闇...「闇芝居」第十三期が、再び私たちの恐怖心を刺激する。
今期も、日常に潜む不気味な出来事や、見えない恐怖との遭遇を描く短編ホラー集。各話完結型で、現代社会の不安や人間の弱さをモチーフにした物語が次々と展開される。
紙芝居スタイルの独特な演出と、最小限の動きで最大限の恐怖を引き出す演出は健在。身近な場所や状況から突如として現れる「何か」が、視聴者の想像力を掻き立て、背筋を凍らせる。
果たして今回、どんな恐怖が私たちを待ち受けているのか? 各話4分という短い時間で、濃縮された恐怖体験をお届けする。就寝前の視聴は、自己責任で。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
大槌超神楽ダイハンマー(Webアニメ)

2024年5月7日
★★★☆☆ 2.8 (2)
12人が棚に入れました
岩手県大槌町が制作した東日本大震災から復興した町を舞台にしたオリジナルアニメ。町観光交流協会の公式ユーチューブチャンネルで日本語の他、英語とフランス語の字幕付きで配信します。
役場の観光課に勤める「大槌みとら」が同僚と震災から復興した町を巡っている最中に「鬼獣」に襲われ、大槌からネーミングしたロボット「ダイハンマー」と共に立ち向かうストーリー。

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

取り組みは素晴らしいです。震災と老齢化は入れるべきでした。

 ユーチューブのお勧めで出てきて視聴。23分1話の町おこしアニメです。

 大槌町というのは、東日本大震災で大きな被害を受けたところですが、なんとか復興をがんばっているんですね。面白い取り組みだと思います。この町はどこかで聞いたことがあると思ったら、井上ひさし氏「吉里吉里人」の舞台となった町だそうです。

 小説そのものは長くてどうも読む気にならず手に取ってませんが「吉里吉里人」の中の架空の独立国家「吉里吉里国」を街おこしとして本当に作ってしまったので有名だったそうです。むかしからエンタメを積極的に取り入れたのか、この「吉里吉里人」がきっかけでエンタメに何かを見出したのか、でしょう。

 なお、ウィキでこの町を調べたら2005年の人口分布ですらかなり極端になっていました。若者が流出し子供が生まれない現状がはっきりわかります。その中でまだこの作品を作る気力が残っているのは素晴らしいと思います。


 で、作品そのものはロボットアニメですが、話的には神の使いとしてのロボットです。「大魔神」や風神雷神や不動明王の様に昔から神仏とバトルは親和性があるのでしょう。スーパーロボットの原点は宗教的なものの気もしてきます。操縦者が必要なのは「レイアース」なんかもそうでした。

 この設定は隣に遠野市という民話のふるさとがある同町の題材としてはなかなか適切なのではないでしょうか。

 話は面白くはないですが、アニメのレベルはなかなかです。見て損したとは思いませんでした。
 町人も一部活躍するのですが、やっぱり登場人物のほとんどは萌え美少女です。ここはどうなんでしょう?ヒロインとして萌え美少女が活躍するのはいいのですが、老人パワーや現地の特産品パワー、それと町の史跡とかそういうのがもっと見えてくるとご当地町おこしアニメとして、わかりやすくなったのでは?と思います。

 それと町で体験した東日本大震災と津波ですね。これは次世代に何かを渡したいと思うなら、ぜひメインストーリーのプロットに入れてほしかった。もちろんまだ13年ですから当事者も多く無理というのもわかりますが、逆に13年たちました。そこをちゃんと総括して意志を示すことも大事だったのでは?

 ということで、ご当地アニメを大震災の大きな被害を受けた町、老人ばかりで過疎化が進んでいるであろう町で作ろう、という意欲は素晴らしいと思います。ですが、町の特徴がないばかりか、衰退の現状と震災の総括がないので、かえって他の街でもいいじゃん、というアニメになっています。そこが物足りないかな、と感じました。

 評価はしません。大変でしょうけど、率先してがんばってください。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 4

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
トランスフォーマー/ONE(アニメ映画)

2024年9月20日
★★★★★ 4.2 (1)
12人が棚に入れました
トランスフォーマーシリーズ史上最初にして最大の激戦となったサイバトロン星の戦いを描く3DCGアニメーション映画で、若き日のオプティマスプライムとメガトロンの姿を描く。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
がんばっていきまっしょい(アニメ映画)

2024年10月25日
★★★★☆ 3.9 (9)
11人が棚に入れました
敷村良子氏による同名私小説を題材にした劇場アニメ化作品となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

頑張るってなんですか?(CV.雨宮 天アンニュイモード)

愛媛県松山市。高校の女子ボート部5人+男子部員1人らの青春を描いた、
敷村 良子氏の同名原作小説(未読)の劇場アニメ化作品(95分)
実写映画、テレビドラマ版も未見。

【物語 3.5点】
淡々とした青春作品の佳作。

特に“泣ける”とか、カタルシスなどは狙わず、
後から振り返った時、心に大切な何かを残す志向の作品。
いわゆる“つまらない邦画”の良い部分が滲み出た渋い一本。

主人公“悦ネエ”は小学校の頃は発育で先行し、何でもトップ取れる、クラスのリーダー格として活躍。
が、中学以降は周囲に追いつき追い抜かれ、凡才化。
以後、何事に対しても諦め癖が付き、怠惰な高校生活を送っている。

そこへ埼玉から転校してきた同級生女子が立ち上げたボート部に、
巻き込まれるように入部し、ボートに打ち込む内に、
徐々に負けた時の悔しさとか、頑張る意義を思い出したり。
ちょっとした思い込みから、ボタンの掛け違いが生じて、仲間とのリズムが合わなくなったりして、
やっぱり自分はダメなんだと思い悩んだり。

主人公の葛藤がドラマチックというより等身大。
ヒロインの心情を我が事として糧にできる。
五人の心を一つにできなければボートが前に進まない「一艇ありて一人なし」の精神が好表現されている。
この辺りが、本原作及びメディアミックスが30年近く語り継がれている由縁なのだろうなとは思いました。

最初、伊予の青空や海を全面に強調したビジュアルから、
何で夏公開にしなかったのだろうと不思議に思いましたが、
結局、本作は感動の夏!というより、
じっくりと青春を味わう読書の秋といった風情の文芸作品なのだと感じました。


構成は1時間半の中に、復活したボート部女子5人+元々活動していた男子部員1人の約1年間を粛々と押し込む。
とは言え、序盤、{netabare} “ダッコ”と“イモッチ”が前触れもなく教室に押しかけて来て、{/netabare} 秒で部員集結イベが終了しちゃった時は、
えらいハイテンポだなと、吹き出してしまいましたw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・萌&レイルズ共作による3DCG作品。

複雑な水の表現はCGならでは。
水面に映る艇と人物の揺らめき、艇のオールの動きに合わせた波紋の動きなどにリアリティがありました。

後は、伊予の海岸の夕暮れは綺麗でしたね。
“海の見える駅”梅津寺駅の踏切は絵になります。
ただ終盤の重要局面で、松山市駅の観覧車にまで乗っちゃうのは、
ちょっと聖地巡礼狙い過ぎな感もありましたがw

それ以上に私が評価したいのが人物の表情描写による心情の掘り下げ。
ボートに打ち込むに連れ、瞳の輝きのレベルから、
吹っ切れた良い表情になっていく悦ネエはベタですが心地良かったです。
私はライバル校のエース・寺尾 梅子の、こっちを気にしている感じの表情が好きでした。
で、やっぱり{netabare} 主人公が挫折した時、キッカケとなる忠言をもたらしてくれました。{/netabare}

最初はバラバラだったオールの動きが、どんどん一体になっていくなど、
映像から言葉以上に、ボート部員たちの成長の手応えを感じられる。
こういうアニメーションには、つい加点したくなってしまいます。


【キャラ 3.5点】
原作から“悦ネエ”などのニックネームは継承するものの、
姓名は一新しているという劇場アニメ版。

原作でも“悦ネエ”以外は掘り下げも少なく、
実写映画、テレビドラマ共に他のボート部員など
主人公以外は比較的自由に改変されて来たという本コンテンツ。

地元の有力企業の令嬢として設定された、兵頭 妙子こと“ダッコ”と井本 真優美こと“イモッチ”は、
仲良く喧嘩する、財力をバックに夏休みは合宿場所を提供するなど、
深夜アニメでもよく出没するカップリング造形。

顧問のじっちゃんにしても、ずっと黙ってボート部員の練習を見守り続けて、
終盤に決定的なアドバイスをする。で、{netabare} かつて国体チーム指導経験のあるスゲー奴だった。{/netabare}
という如何にもスポーツアニメ物でありがちなコーチキャラ。

そして美少女5人に囲まれる爆発必至なポジションにも関わらず、
ボート一筋で鈍感力全開な男子部員・二宮くんw

主人公こそ悩みを口に出して相談しない、
真意についても、表情から推し量る必要があるなど、
文芸作品ならではの繊細な乙女心を体現しますが。

キャラクター全体で見ると、部活アニメ物の一式揃ってますって感じで、
意外と私のような深夜アニメ脳でも付いていけました。

だからと言って、エロいシーンとか期待しちゃダメですw
本作は水着回も温泉回もない真面目な部活物ですから。

とは言え、『ラブライブ!』などの西田 亜沙子さんがデザインしたJKは、
やっぱり艶めかしいです。


【声優 4.5点】
三津東高校ボート部員
艇の先頭から順に、

コックス・佐伯姫“ヒメ”……伊藤 美来
ストローク・村上悦子“悦ネエ”……雨宮 天
3番・高橋梨衣奈“リー” ……高橋 李依
2番・兵頭 妙子“ダッコ” ……鬼頭 明里
バウ・井本 真優美“イモッチ”……長谷川 育美
(以上敬称略)

ナチュラルな演技もできる声優を追求してオーディション選出した結果、
結構な豪華声優陣に。

主演の雨宮 天さんの、心のモヤモヤを言葉にできない感じなども伝わって来ました。
クドいようですが私は、“ナチュラルな演技”くらい、俳優やタレントじゃなくても、今のアニメ声優ならばできると思うんですよね。

アフレコ初心者がよく躓くという、飲む息の中に心情を込める芸当も、この布陣ならば容易い。
それでいて“イモッチ”役・長谷川さんの語尾「~ですわ」のセレブな言葉遣いなど、
濃い目のキャラ作りにも対応する。
何より、コックス・ヒメ役・みっくの「キャッチ、ロー」などの掛け声。
声を張り慣れたキャストの指示は、部員にも心にも良く響きます。

拡大を続けるアニメと実写の中間領域においても、
演技面におけるアニメ声優の優位性が着実に高まっていることを実感する作品でした。

ただ、初日初回の劇場内、私含めて観客3人だけでしたがw
有名タレント起用して宣伝してもコケる。人気声優で固めてもコケる。
アニメ映画興行はごく一部の大ヒット作以外は閑古鳥な難しい企画です(苦笑)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林イグネル小百合氏。
ベースとなる北欧音楽の優しい音色を軸に、
時に女性ボーカルバラードも交えつつ、伊予の風情を演出。
一方でボート競技シーンでは疾走感のあるストリングスで押して来る、
攻守にバランスの取れたBGM。

意外性は「野球拳」のフレーズが随所に挿入されたこと。
私も本作で聴いて調べて初めて知りましたが、
そもそも「野球拳」とは愛媛県松山市の伝統芸能が本元の踊り芸とのことで。
お馴染みのメロディが流れても誰も脱いだりしませんのでご安心?下さいw


主題歌は、僕が見たかった青空「空色の水しぶき」
個人的にプロデュースするアイドルのメンバーがピチピチ(死語w)の10代の内は、
作詞の筆も走る印象の秋元 康氏。
本曲も、オールや“がんばっていきまっしょい”を歌詞に入れて来るなど作品解像度もまずまず。
そんなに宇宙的に歌詞を捻らなくても、ベタな言葉で良い青春曲は書けるという感じの佳作。

秋元氏は、眩しいJKの青春劇に、さらに興が乗ったというわけでもないでしょうが、
同グループによる挿入歌「マイフレンズ」も作詞提供。


ところで脱線しますが、乃木坂の“公式ライバル”として昨年デビューしたという僕青。
乃木坂がAKBの公式ライバルという設定は一体どこへw(別に無くなったわけでもなくライバル設定は共存しているらしいですが)
私も、2.5次元ばかりに入り浸ってないで、3次元アイドルの方も、そろそろアップデートしとかないとと、ほんのり危機感を覚えましたw

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
ショコラカタブラ(その他)

2024年1月22日
★★★★☆ 3.4 (4)
11人が棚に入れました
ロッテ チョコレート60周年記念CMソングとして創られたAdo2024年第1弾シングル。
舞台は深夜のチョコレート工場。現実世界から工場に迷い込んだ少女が、魔法世界を生きる女の子と、科学世界で生きる女の子と出会い、美味しいチョコレートが生成されていく。チョコレートが美味しくなる魔法の呪文『ショコラカタブラ』がAdoによる魅力的な楽曲として劇中で歌われます。

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

蠱惑的な歌がいい。映像は面白いがメッセージが受け取りづらい。

 一目でわかるトリガー感。というよりリトルウィッチアカデミア感。なかなか面白い映像作品でした。赤(ミルク)、黒(ビター)、白(ホワイト)を意識した3つの色が鮮やかです。科学文明と魔法世界の狭間でロッテ製品が作られる映像も言葉はないですが世界観を作っていました。お菓子の踊りも面白かったです。
 最後の方でホウキでチョコを混ぜる映像があるのが、いいのか?と思わなくはなかったですが、揚げ足とりですね。(そして訂正。ホウキのように飛んでましたが、混ぜ棒みたいなものでした)

 それよりも本作の欠点を言えば、面白い映像ではあるんですけど、キャラ性がヒロインの女の子に足りなかったかな?最後の方もキャラが融合するようなイメージの部分のメッセージが受け取りづらいかな。つまり、キャラとストーリーはちょっと失敗な気がします。まあ、3点にしておきますけど。

 歌は、アドさんの歌い方がチョコという「アラブの媚薬」を意識したのかもしれませんが、非常に蠱惑的です。

 本作は気に入って1時結構リピートしていましたし、まだおすすめで出てくると思わず聞いてしまいます。ただ、企業の大きな企画の割には再生回数が思ったより伸びていませんけど。(24年6月14日で937万回)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
AURA BATTLER DUNBINE SIDE L(Webアニメ)

2024年5月8日
★★★★☆ 3.6 (4)
11人が棚に入れました
「AURA BATTLER DUNBINE SIDE L」は、1983年放送当時の「聖戦士ダンバイン」のオープニング・エンディング映像に、最新の演出と技術を用いて、作品そのものの“普遍性”を発信していくチャレンジ的な“実験動画”です。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
闇芝居 十二期(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 3.0 (3)
11人が棚に入れました
身の回りの怪奇な都市伝説をテーマに、現代では珍しくなった“紙芝居”をデジタル表現で見せる昭和テイスト満載の新感覚ホラーショートアニメシリーズ。

計測不能 248 2024年度アニメランキング248位
お買いものパンダ!(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (2)
11人が棚に入れました
スタンプでおなじみのあのキャラクター「お買いものパンダ」が、ついにアニメになって登場! いつも仲良しの「お買いものパンダ」、「小パンダ」、「ぷちょまる」、「むぎ」。みんなで過ごす毎日は楽しいことばかり! “お買い物”って、誰にとっても、いつでもワクワクが止まらない!......だけど、お買いものパンダたちの“お買い物”は、いつも一波乱!? 笑いが止まらないハプニングから、世界を揺るがす大事件まで、今日もなにかが起きる予感...! 監督:高松信司 × アニメーション制作:シンエイ動画が贈る、ドタバタお買い物コメディ!
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