2021年夏(7月~9月)に放送されたアニメ映画一覧 28

あにこれの全ユーザーが2021年夏(7月~9月)に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月18日の時点で一番の2021年夏(7月~9月)に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

75.1 1 2021年夏(7月~9月)アニメランキング1位
劇場編集版 かくしごと ひめごとはなんですか(アニメ映画)

2021年7月9日
★★★★☆ 3.9 (82)
349人が棚に入れました
久米田康治氏の人気漫画が原作のテレビアニメ「かくしごと」の劇場編集版が製作されることがわかった。2020年12月12日に行われた「スペシャルイベント ~こんなイベントやって姫にバレたらどーする!~」で明らかになった。

KANO さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

dアニメで配信中

TVシリーズを編集されて、少し新しいカットとエピソードが追加されています。

7月9日劇場公開に際して、劇場上映数14箇所…
2日目に行った際には、パンフレット、BDは完売状態。
良い作品だと感じる故に、勿体無く思えるのが
正直な感想ですが

編集内容としては、十分初見でもいける内容に
編集されてます。結構泣かれてた方は多く感じました。

BDも10月29日に全国発売も決まり
dアニメでは8月7日より配信も始まっていますので
視聴可能な方は是非ご鑑賞下さい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 23

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

MASTERPIECE

映画は見に行けなかったが有料アニメ動画配信アプリで配信されていたので視聴。

※本編未視聴でも十分楽しめますが、本編の総集編的な性質もあるので、視聴するなら、本編見てから推奨。

テレビアニメ版の総集編+アルファと言った感じで、結構いい感じにコンパクトに編集されてます。
単なるプラスアルファではなく、本編で語られなかったエピソードもいくつか追加されており、当時を振り返りつつ視聴できた。

追加エピソードの入れ方も良く、映画版らしく最後の締め方も綺麗だった。

心の温まる良い話でした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 14
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

釈明に失敗、残念。。。

テレビ放送版「かくしごと」、すごく楽しめました。

いちこ先生の「石原さとみとか?」とか、
「伊豆のバジリコ」とかいったこまかいギャグがすごく面白くて。

でも残念。
劇場版では、こういう楽しいギャグが、全部省かれてしまっています。

そして、決定的に残念なのが、{netabare}
テレビ版のときにも気にはなっていたけれど、
敢えて深掘りすることもないでしょってスルーしていた、
しかし、作品の根幹に関わる問題点。

すなわち、
○○才箱の存在・・・・

これ、テレビ版観ていたときにもチラリと気にはなっていました。

でも作品のノリが軽いギャグだし、
突っ込むところでも無いだろうって思ってはいたんですけどね・・・

制作陣は、きっと、気になっていたんでしょう。
だって、死ぬ予定じゃなければ、
我が子の先々10数年分の誕生日プレゼントを、
でっかい箱に詰めて、しまって置くって、考え難いですよね。
不治の病で死ぬという定めでもなければ!

たぶん視聴者は、みんな分かってて、スルーしてきたと思います。

そこを、必要もないのに辻褄合わせようとして。

お母さんが、色覚を失う。
ひょっとしたら、のちのち視覚自体を失う、
という設定に?

それであの箱?

かえって不自然さがクローズアップされています。

海にクルーザーで乗り出したのが、
まるで覚悟の自死だったみたいになってしまっていて、
不自然きわまりないです。

同じことが、カクシパパの用意した、姫ちゃん向けの誕生日箱にも言えてしまって。

だって、倉庫作業中の事故で意識障害に陥るだけなら、
誕生日箱なんて作らないで、
毎年、祝ってあげればいい訳で。

・・・・・・・・・・・

この作品は、細かいギャグの積み重ねこそが魅力だったのだから、
そこを省いて欲しくなかったし、
みんな温かい眼差しで気にしないで済ませていた「誕生日箱」問題を、
こんな中途半端な形でさらして欲しくはなかったです。{/netabare}

未視聴の方には、
こちらの劇場版ではなく、
テレビ放送版の鑑賞を、
強くお勧めしたいと、思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 12

74.5 2 2021年夏(7月~9月)アニメランキング2位
映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 3.9 (29)
103人が棚に入れました
しんのすけたちは風間くんの誘いで全寮制の超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」、通称・天カス学園に 1 週間体験入学することに。夢と希望に満ち溢れた学園生活に胸を躍らせるしんのすけたちカスカベ防衛隊。体験入学で良い成績を収めればこのエリート校に正式に入学できる、と聞いた風間くんは皆で一緒に入学することを夢見ていた……。しかしその矢先に、怪事件発生!!おシリに奇妙な噛み跡をつけられて倒れている風間くん……カスカベ防衛隊一のエリートだったはずが、目を覚ますとおバカになっちゃった!?不可解な怪事件を解決すべく、天カス学園の落ちこぼれ生徒会長・阿月チシオ(あつきちしお)とともにしんのすけたちはカスカベ防衛隊、もといカスカベ探偵倶楽部をケッ成!!学園内に残されたダイイングメッセージと目撃者の証言、そして8人の容疑者たち。しかも容疑者の一人はマサオくん!?映像の後半には、しんのすけに対して「お前とはもう絶交だ!」と掴みかかる風間くん……一体しんのすけと風間くんの間に何があったのか?そして永遠の愛されいじられキャラ・マサオくんはなぜか改造ストライダーを飛ばしてツッパリヤンキーに!? 果たしてしんのすけたちカスカベ探偵倶楽部は学園で多発する怪事件をブリっとお解ケツできるのか!?シリーズ初の本格(風)学園ミステリー、ここに誕生!

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やはりプログラムピクチャーの雄はしんちゃんか…。広橋さんがゲストな時点で100点!。

 初期から戦国大合戦くらいの傑作にしんちゃん映画が世代だった私としては、大きくなったし作品の出来もアレなことが増えてきて離れてしまいました。「ロボとーちゃん」のような間欠的な評判作が出ることはあってもあまり続く流れになってないようでまた見る機会がなかったが、近年は評判が良いのが続いてるし(一番近作のCG版は除く)ゲストが広橋さんさんなんて見る目あるぅ〜なので鑑賞。


 評判通りのプログラムピクチャーとして短い時間の中でエンタメしつつ、ちゃんと現実と繋がるテーマを巧妙に入れてくるという、しんちゃん映画の凄さを久々に見ました。あと、風間くんの魅力が横溢してる回ですね。それしても、ヒロシはやはり森川さんじゃないような…(森川さんは大好きだけど、こういうタイプが持ち味な方じゃないかなぁ…)。


 本作はテーマはエリート主義というより、中国のようにテックによる評価経済がメインで、他者の評価でなはく自己承認へ…という現代的な問題を上手く物語のエモーションと合わせて描いてる。


 中国ではもう実際に導入されていたりするポイント制。誰もが「いい子」になって秩序も保たれて問題がないなら良いじゃんという考えは、やたらお上を伺ってばかりの現代日本にも通じるマインドだろう。しかし、その「いい子」は誰にとっていい子なの?。


 人の目を気にしてビクビクして必死で「いい子で」あろうとし、その枠から少しでも外れる人間をむきになって批判して自分を正当化しよう人間は「いい子」なの?それってビッグブラザーなディストピアと何が違うの?。本作はそういう真っ当な人間性と批判精神がエンタメと共に機能している。



 そして、しんちゃん作品の大切な要素がゲストキャラ!。本作の広橋さんの活かし方も見事としか言いようがない。クライマックスの感動的なシーンも単に綺麗綺麗に描かないバランス感覚が上手い。


 頑張ることは、まっとうであろうとすることは格好悪くなんてない!。誰とも知らない「みんな」の承認より、少数でも心通わせた信頼できる人の承認を、そして自分自身の承認へ…。


 権威や数に合わせるんじゃなく、自分自身の真っ当と思える道に沿って生きる。自分勝手や開き直りのスキュラにも、権威主義や全体主義のカリュブディスにも陥らず、バランス感覚をもってご機嫌に生きる。それこそしんちゃん映画のようにありたい。


「血潮ちゃんは変顔じゃない!。頑張ってる顔だぞ。」からの「そうこれが私。しんちゃん達と走る私。今の私大好き!」の件で号泣。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

真実は、いつもお尻にある?!

 風間くんの紹介で、天カス学園に体験入学したのはらしんのすけ達の巻き起こす騒動のお話だったです。

 風間くんの思いとしんのすけ達のすれ違いが、吸ケツ鬼事件によって、悲劇?が持たられるです。ガキンちょ化した風間くんを救うため、カスカベ探偵団が設立され事件の真相に迫るです。

 事件の核心をつき新たな試練が、待ち受けるです。明かされた風間くんの願いを知ったしんのすけ達は、どんな行動をするのか?風間くんを元に戻せるのか?です。
 しんのすけらしさ世界観をそのままに、何かを訴えるような、少し感動するかもしれない展開は、なんか良かったです。

 OPの粘土アニメーション、みさえを始めしんのすけを思う野原一家も良かったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あっさり目の大人向けしんちゃん

お涙頂戴系にも、ギャグにも、ホラーにも、アクションにも、SFにも振らずに、それらの要素をほどほどに持った、しんちゃんらしくて新鮮な映画だった。
去年は全然しんちゃんぽくなかったからふり幅がでかい。

特に印象に残っている絵がある訳じゃなくて、うまく表現できないけど
映画としての完成度が高いのは間違いない。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

73.9 3 2021年夏(7月~9月)アニメランキング3位
白蛇:縁起(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 4.0 (12)
45人が棚に入れました
唐の時代、国師は民に蛇狩りを強要し、それに対し蛇の妖怪「白」は国師を刺殺しようとしたが失敗。白は逃亡のすえ記憶をなくし、蛇狩りの少年「許宣」に救われた。大きな試練が与えられた二人の未来は一体…

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

欧米作品をも凌駕す亜州3DCG

英題:White Snake
年度:2019年
製作:中国
監督:Ji Zhao / Amp Wong
時間:99:00

物語は鉄板、
アクションファンタジーロードムービー、
と見せかけての
切なきファンタジックラブロマンスストーリー

2021年7月30日
日本語吹替え版公開ももうすぐ、
主役はSnow Man 佐久間大介くん、
(だからか特典付ムビチケは既に完売だそうで、)
迎え打つ女性声優陣は三森すずこ、佐倉綾音、悠木碧さんらと大物揃い、
楽しみですね( ^ω^)



2019/10/15 中国語音声/日本語字幕版視聴----------

作画はピクサー3DCGにパペットの表現力を加味したかの様、
際立つ質感、
情景美術はフルカラーなのに淡い水墨画の如き、

美しく妖艶なキャラ、
甘く淫靡な百合模様に胸熱く成り、

音楽も素晴らしい、

いやはやここまでとは、
参った凄すぎ、
悪い所が見当たらない、、

粗を探すなら字幕がグーグル翻訳並みのちょっと面白翻訳だった位w

素晴らしいアニメーション作品です。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 12
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

何が起きても動じない愛のなせる業

 何やら修行??だかをしている美人のお姉さんが、500年前を振り返った妖怪と人間、種族を超えた愛のお話だったです。何千年前のような、中国の時代背景で、中国語の声優さんで字幕だったです。

 敵の幹部だかの暗殺依頼を受けたお姉さんが、人間離れした体術、仙術と活躍するです。失敗して目覚めた先が、婆さんの住む小屋だったです。婆さんの案内で、村を見学し自分を助けた宣殿(センドノ??何と読むのかわからない)という青年と、運命の出会いをするのです。

 お姉さんは、宣殿と語り合い付き合い、蛇妖怪や人間の何やら刺客と戦ううちに、記憶を取り戻し、名前が白(シロと読むのかわからない)だとわかるです。どんどん進むと事の真相だとか、自分が何者なのか?、持っているかんざしが何なのか?どこか壮大な感じの展開になっていくのです。敵が、よくわからなくなったりもしたです。

 アナ雪、ディズニーアニメに匹敵するフルCGで、背景が特にリアリティーにあふれていたです。
 お話も大スペクタクルロマンというべきなのか?展開が、凝縮されていた感じだったです。
{netabare} 白も記憶を取り戻し、妹とこの時点で100年も生きているということなので、宣殿と少なくとも80歳前後は年が離れているので、種族以前に年の差をも超えていると思ったです。{/netabare}
 人間の感情や、妖怪の感情も伝わり、互いをどのように見ているのかが、激しさを特に、妹の青から嫉妬を感じたです。

 宣殿が、白の正体を知っても、思いを貫く信念が、自らをどうするのかにも注目です。愛犬のハラマキも巻き込まれるです。
 バトルシーンが、人知を超えた妖怪バトルで凄いです。蛇だけでなく、ドラクエに出てくるような3つ首のモンスターも出てくるです。仙術を駆使した戦いが、目を見張るです。

 白が、アイシャドウをし人形を越した魔性の美人みたいな外見で、身体能力、天女のような白い服が印象的です。{netabare}この美人が、本来の姿になったりするところも面白いし、巨大化が凄いです。
 武器屋の狐二面お姉さんも煙管を吸って、足を出して見せつけて魅惑的だったです。
 白と宣殿の思いが初めて通じた瞬間、白が大胆な行動をとるので、2、3分ほどのNHKならあり得ないシーンあるです。{/netabare}

 このお話の結末と現在に戻るとき、白は何を思うのか?宣殿はどうなっているのか?非常に興味深くなると思うです。あの意味ありげなシーンは、ご想像になるけど、「これで、いいのだ!」と思ったです。EDの中国の歌が、美しく聞こえるです。

 これ、一部のミニシアターだけでなく、日本の声優さんつかって吹替えし、全国公開したら反響を呼ぶと思ったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大陸のアニメが本気になると、とにかくスケールのデカさにおったまげる(@д@)舞台挨拶レポート付き

『ナタ転生』を手掛けた中国の追光動画が2019年1月にワーナーブラザーズとの共同制作で発表した3DCG映画
中国ではポピュラーな民話の1つである「白蛇伝」をベースにしながら、その白蛇の前世を描くという中国アニメ史上最大スケールのアクションと切ないラブストーリーが織り成す99分


実は2019年秋に『羅小黒戦記』の初期字幕版が池袋で単館上映され密かな話題になっていた頃、同作の配給を手掛けたチームJOYによってひっそりと限定上映されました
その時はスケジュールが合わずに観ることが出来ませんでしたが、今回新たにブシロードとチームJOYが日本語吹替え版を制作し、待望の全国公開と相成ったわけです


ヒロイン、白の吹き替えには三森すずこ
その脇を固めるのが佐倉綾音、杉田智和、悠木碧、石川界人、本田貴子、柴田秀勝といった豪華声優陣
さらに白と種族を超えた恋に堕ちキーパーソンとなる人間の青年、宣の吹き替えをジャニーズ屈指のアニヲタにしてSnow Manのメンバーである佐久間大介が務め、彼の所属するSnow Manが日本語版主題歌に起用されるなど黒ちゃんの時と違ってアニヲタ以外にも訴求する様な展開が為されています


初日初回、三森すずこ、佐久間大介、佐倉綾音、杉田智和の登壇した舞台挨拶をライブビューイングで観覧してきたのでその模様を中心にレポートします


























まず司会が森嶋秀太で既にブシロードあるあるで笑ってしまいましたw


佐久間、七色に反射する素材のジャケットで登場
「今日はキラッキラに光ってます!(プレスに対して)シャッターチャンスですよ!」


はらまき(宣の愛犬)役の杉田が挨拶
「バウアウ!あ、この回ネタバレokだった?普通に喋ります」


作品について
杉田「アフレコが終わると良い意味で作品が自分の中から抜けていくんですけど、『白蛇』はずっと自分の中に不思議と残っていて、テレビでキレッキレに踊る佐久間君を観ては、あ!そうだ!『白蛇』舞台挨拶あるんだよな、と思い出してました」


アフレコの感想について
佐久間「すずこ姉さんに引っ張ってもらえたのでそつなくこなせました」
森嶋「すずこ姉さんって呼んでるんだw」
佐久間「ずっとお世話になりっぱなしだったので姉さんと呼ばせてもらってます!」


杉田「佐久間君とはアニメの話で意気投合しました。佐久間君、アニメとか好きなんだって?今期なに観てる?」
佐倉「ヲタク?ヲタクの会話ですか?w普通のヲタクの会話ですよね?w」
佐久間「この舞台挨拶の直前まで外でずっとデカイ声でアニメの話してましたw」
杉田「何のアニメの話をしていたか?ここではタイトルは言えません!」


杉田「一緒に取材受ける時なんかも「凄い!声優グランプリだ!」ってガチで喜んでる人初めて見たよ」
佐久間「いやぁ、だってずっとアニメ雑誌とか声優雑誌とか読んできましたから、自分が取材を受ける立場になるなんて感無量で」


杉田「彼、今もこうして誠実な人柄なんだけど、僕らと話してる時はこうやって人前に出るとき以上に、凄くこう誠実で、この姿を俺らで独占しちゃって、世にお届けできないのがなんか申し訳ないなぁ、と思いましたね」


佐倉「メインキャストはみんな一緒に録ったのに私だけ、私だけ!別録りでした…三森さんとはよく共演してるし、杉田さんとは(『恋愛ラボ』とか『シンカリオン』で)親族になった事もあるけどw佐久間さんは今日が初めましてですね」
佐久間「僕は一方的に作品は拝見させていただいてますw」


アフレコで佐久間が泣いたという件について
佐久間「クライマックスで、すずこ姉さんは所謂抜き録りをされていて、それをバックブースで観ていて感極まって泣いてしまいました。本当に凄いお芝居だなぁ、と」


自分の役の好きなところ
杉田「はらまきを演じるに当たって芝犬を飼っていた事を思い出しながら演じました。吹き替えなんで声に集中しなきゃいけないんですけど、はらまきの場合表情が凄く豊かなんで、声以上に画面のはらまきがどんな顔してるのかを注視してアフレコに挑みました。あーこんな顔、ウチの犬もしてたっけなとか、こんな顔はしなかったな、とか。(杉田家の犬)脱走すると飼い主をおちょくる様に一定の距離を保って逃げるんですよ。泳げないから河原に追い込むように追い詰めるんですけど。まあとかく犬って良いよね」


佐倉「青は勝気な性格なのでドスの効いた声が出ちゃうことが多々あったのですが、勝気な性格と妹な部分のバランスが大事なんだ、とよくリテイクをもらってましたね」
佐久間「ドスの効いた声ってw」
佐倉「普段結構過酷な場面を演じてるのでどうしても声が張っちゃうんですよwやれ戦乱に巻き込まれたりとか、やれ敵と戦ったりだとかwそんな勝気な性格と妹な部分のギャップとバランスが好きなところです。ただはらまきを蹴飛ばしたところだけは許せない!」
杉田「あそこは生々しくならないように気を付けましたよ、ヤラレ声って結構大事で深刻そうにも聞かせることも出来るし、面白おかしくする事も出来ますからね」
佐倉「杉田さんのお芝居に助けられたと思います」
佐久間、この声優あるあるトークに目を輝かせながら聞き入る


佐倉「佐久間さんの様にタレントの方がゲストでアフレコに挑戦される時はプロが仮アフレコを先録りするんですけど、他の皆さんは2日ぐらい掛けて録られました?」
三森「3日に分けたよ」
佐倉「私、ちょうどその間に録ったと思うんですけど、声の入ってるパートと入っていないパートがあって、その宣の声がバチクソ上手くて、え?え!?誰???ってなったんです。今日も入りの時に佐久間さんの挨拶の声の張りが声優さんの、声を生業としている人の声の出し方で、話し声とか聴いていて、あ…この人がやっぱり宣なんだ…と凄く実感が湧いてきました」
杉田「僕、普段は人の事あんまり褒めないんですけど、佐久間君は本当に立派だと思います、ここにいる彼は、佐久間君はゲストじゃないです、共演者です」


登壇しなかった悠木碧からのメッセージを森嶋が読み上げましたが最後の一文が
「あ~そうそう、宝青坊に御用の際はいつでもお越し下さいませ」
の一言で締めてたので杉田から
「100点!」
と賛辞が寄せられましたw


以上がざっくりとですがまとめになります
誤解を恐れずに本編についてお話しすると、『ナタ転生』もそうですが画面の動きが早過ぎてあまり観易い映像ではないというのが本音ですが、日本語吹き替えになったことでお話への没入感はよりし易くなったと思います
エンドロールと日本語版エンディングの後には既に本国では公開された『白蛇2』の予告編もありますのでお観逃し無く

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

73.7 4 2021年夏(7月~9月)アニメランキング4位
劇場版 Free!–the Final Stroke– 前編(アニメ映画)

2021年9月17日
★★★★☆ 4.0 (28)
126人が棚に入れました
詳細不明
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

行こう,栄光の舞台へ――

「Free!」のシリーズは最も好きなアニメのうちの1つでテレビシリーズも劇場版も全て観たし原作も読みました。
なのですが,好きすぎて1stシーズンしかレビューできていませんでした。
しかも,当時はあまりピンときていなかったので「Eternal Summer」と併せてのレビューという暴挙(?)に出ていまして…。
いずれ近いうちに書き直し,他のシリーズとこちらの劇場版のレビューをしたいと思っていたのですが,こちらがあまりに素晴らしかったので,一時的なやつと割り切って先にレビューしてみようと思います♪

―というわけで,観ました!!Free!最終章!!
満足度でフル★5は「鬼滅の刃 無限列車編」でつけて以来もうしばらくないだろうなと思っていたのですが…!!
これまでFree!の映画ってテレビシリーズの焼き増しって感じだったのですが,今回はテレビシリーズでは描かれていない新規のお話です。
まず演出が素晴らしいです。カメラワークとかBGMとか。
そして,なんと言っても作画!!
これまでも素晴らしかったというか,もう京都アニメーションっていう時点でそこはもう安心と信頼の京アニって感じではあるのですが!!
最後のシリーズというのもありますし,京都アニメーションは色々あったので,なんというかスタッフさんの“遺志を継ぐ”じゃないですけど,「良いものを作ってやるぜ」的な気合い,心意気みたいなものを勝手ながら感じてしまいそれもあってか最初から最後まで終始うるうる涙を滲ませながら観ていました。
水の表現とか試合会場の臨場感とかキャラクターの動きとか諸々もう神がかってますね!!
{netabare}個人的には(細かいんですけど)泳ぐ前の凛と郁弥が話してるシーンで郁弥が振り返る動きと帰省の電車から下りた凛ちゃんの目線がみんなから宗介に移るとこがリアルで良いなって思いました。
そして,ハルが泳ぐところは映像がかっこよすぎて泣きそうにな…ってか泣いてました(笑)。
物語で泣くことはあってもアニメーション自体がかっこよすぎて泣くとかオタクすぎますね(^-^;
そうかと思ったら凛ちゃんの番で「見てるか?親父」からの
郁弥「気になる?」
ハル「あいつの競泳への想いを知っているからな」
でポロポロと心の汗が流れてしまいました。゚(゚இωஇ゚)゚。ドバァ
ハルちゃんのこれまでの性格だと「別に」とか言いそうなのに…。
郁弥が,ハルの泳ぎを観ている凛ちゃんを後ろから見ていて,その回想シーンだけで凛ちゃんのハルに対する想いと,郁弥が2人の関係を気にしている感じの2つが伝わってきてグッとくると同時に切ない気持ちにもなりました。
あと,みんなで電車で帰省するとこ!!
画もきれいだし,「そういえばみんな地元同じなのか!!」ってはっとしました。
特に郁弥と旭!!佐野より板東の方が岩鳶に近いのねって。
板東は岩鳶中だけど,佐野は佐野中があったもんね確か。
原作に合わせて旭がちゃんと板東で下りてたとこは地味に嬉しかったです。
そういえば劇場版「ハイ☆スピード」でも一緒に帰ってたな!!
電車では郁弥が驚いた表情をしてたけど,あの時誰を見てたんだろう??
やっぱハルと凛を見てたのかな。。

物語の内容で1番わたしが思ったのは,「ハルって凛とか郁弥のことどう思ってるんだろう??」ってことです。
凛も郁弥もハルに憧れてライバルだと思ってると思うのだけど,ハルって2人のことそう思ってなさそうだなって今回思いました。
ハルが見ているのはアルベルトだけで,凛のことも郁弥のことも眼中になさそう。
厄介なのが,それでありながら仲間とは思ってるってとこなんだよな。
凛に対しては終盤の小学校のシーンで思いました。
「アルベルトに勝ちたい」じゃなくて「お前に勝ちたい」って言ってやれよ!!―って思った。
何度凛ちゃんに勝ったところで次の試合,そのまた次の試合ってずっと勝ち続けられるかどうか分かんない相手だよ!?
郁弥はもっと気の毒で…
彼はDFの時からずっとハルと凛の関係を意識している描写があって,特に今回は3人でシドニーに行ったものだからなんだか可哀相になりました。
行きのバスでもハルは凛と座ってましたね。
ハルとのライバル関係とか友達関係において凛には叶わないとか思っちゃってないといいけど…。
凛が泳いだあと,郁弥を置いて凛の元に走っていっちゃって…。
凛には会えずじまいだし,郁弥は金城たちに難癖つけられるし…ハル,何やってんだよ。。
あたしは郁弥推しなので,郁弥がこれから泳ぐのに凛のとこにいっちゃったハルにちょっとムッとしちゃいました。
それと,ハルが階段から落ちそうになったとき郁弥がキャッチしてくれたのに,郁弥のこと目に入ってないって感じだった。
ハルは凛や郁弥のことろくに見てないくせに,精神的に頼ろうとするなんてムシが良すぎる。
それにしても,郁弥は意外と凛と2人のシーンが多くて驚きました。
序盤の学園祭の郁弥は可愛すぎましたね。
「白黒つける!?」の言い方好き(*^▽^*)
凛と郁弥は大分打ち解けたのかと思ったけど
「君と過ごしてみたけどさ,変わった奴だよね,凛て」ていう郁弥のセリフに距離感を感じました。郁弥は一歩引いて見ているのかな??
2人の間接ライバルの感じ好きなんだけどな~。
そして,ハルと郁弥はあんまり2人で話せていない気がする。
2人は個人メドレーでしか勝負できてないのだからちゃんとフリーで勝負してほしい。
あと,細かいのだけど,鮫柄の寮で凛ちゃんと宗介が御子柴先輩が現れた途端後輩という立場にすぐさま切り替えて挨拶するのが,体育会系のノリでめっちゃ良いなって思いました。

そして,言っておきたいのは声優さんの演技ですね。
元々,凛ちゃんの中の人の演技はESから一目置いていて今回も凄く良かったのですが,今回はハル!!
元々そういうポテンシャルを持った声優さんなのか,それともタイトなディレクションをされたのかは(声優さんに詳しくないので)分からないのですが,今回の映画は凄く生っぽいというか,アニメの声優というよりは役者って感じの演技で驚きました。
郁弥は夏也に電話した時の第一声「あ…アニキ…」が片言っていうくらいぎこちなさが出てて好きです。
それだけじゃなくて,カメラワークもそうだし,脚本もそうなのか作品自体の雰囲気も実写のドラマっぽさがあって,好き嫌いはあるのかもだけどわたしが高評価をしたのはそれも一因です。
それでいて,マコちゃんが見た線香花火から金魚みたいな不思議なビジョンの演出とかはアニメっていう強みが活きてる感じがしました。
EDは急遽変更になったのかな??
最後のエンドロールを見ながら「We could be free最高じゃん♪むしろこっちのが終わりの雰囲気と合ってて良かった」って思いました。
BGMはどれも素晴らしいけど,個人的にはサウンドトラックの中で「Tidbit」が特に好きです°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

もうどこをどうとっても素晴らしい映画でしたが,後編はどうなるんだろう??っていう気になる終わり方でもやもやが残ります。
―というか,惨敗の2人にプロの話が来るってちょっとおかしくないか??
凛ちゃんはオーストラリアだからまた事情が違うのかもだけど,郁弥は日本だしメダルも取れてないのに変だよね。
郁弥推しのわたしとしてはハルと2人で話すシーンが欲しい。。
郁弥は凛とか旭とかとばっかシーンがあってさ…。{/netabare}
戦いに関しては,郁弥推しではあるわたしだけどやっぱハルに勝ってほしいです。
応援しているのは,宗介と夏也先輩だな。
やっぱ“アニキ”にはかっこよくいて欲しいしね☆
続きがとても気になりますが,キャラクターが大勢いるので後編で全て大団円といくのかな??
後編,早く観たい気持ちはあるけど,観たらもう終わっちゃうと思うと観たくない気持ちも強いです。。
みんなの頑張りが報われますように――って思います★

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

二十歳を過ぎたらただの人?!

 TV放送の「-Dive to the Future-」というより「劇場版 Free! -Rosd to the World-夢」の続きです。遥達楽しい日常と世界との差を痛感した遥、金城楓、力を十分に出せなかった凛、郁弥の心の葛藤を描いたお話だったです。

 お馴染みのキャラ達全員登場で楽しい話題ありつつも、真面目な話を織り交ぜている構成にやや私は戸惑うようにも思えたけど、今まで以上に人間らしさを感じたFree!だったです。

 シドニーの世界大会でアルベルトの超人的な泳ぎに飲み込まれてしまう遥の葛藤がかつてなく、東を始め凛にまで当たってしまうところが、今までにないものだったです。アルベルトの意外な行動もこの先につながるような感じだったです。

 世界大会以外で、大学や岩鳶での日常は楽しく独特のいつもの空気が相変わらずだったです。

 今までにない壁に当たったとき、特に遥、凛、郁弥の将来における決断とこれからを選んだとき、どうなっていくのかが後半につながるようだったです。
 TV放送の高校生だった頃も印象的だったけど、大人に近づく遥達も違う良さがあったようにも思えたです。
{netabare}  よく言っていた遥のつぶやきも、ギクシャクした終わり方も、2022年4月22日上映予定の後半どうなるのか?「私、気になります!」だったです。{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

にら さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

腐女子向けと思ってるそこの君

Free! の数少ない男性ファンだが、今回も面白かった。

この作品は女性ファンが多いため勘違いされがちだけど、断じて腐女子向けに作られた作品ではない。
水泳選手が努力する過程に正面から向き合ったスポーツものであると同時に、青年たちの葛藤と成長を細やかに描いた青春ストーリーなので、男女問わず誰でも楽しめるのがいい。

加えて本作はキャラクターがちゃんと年を重ねる作品である。
小→中→高→大学→大学生として世界選手権出場、と成長する中で立場や環境も変わり、抱える苦悩も水泳や仲間に対する考えも徐々に移り変わっていく。そういう積み重ねを以って彼らが大人へと近づく過程を見ると、この作品はただのスポーツ作品じゃないんだと毎度思わされる。


Free!シリーズは出た順番で

①Free!(1期)
②Free!-Eternal Summer-(2期)
③ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-(映画, 中学時代を描く過去編)
④Free!-Take Your Marks-(特別編, 2期〜3期の間の話)
⑤Free!-Dive to the Future-(3期)
⑥Free!-the Final Stroke-前後編 (映画, 完結作)

と数が多いためめんどいって人も多いと思うが、それでもやっぱり素晴らしい作品だからたくさんの人に見てほしい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

72.8 5 2021年夏(7月~9月)アニメランキング5位
劇場版 きんいろモザイクThank you!!(アニメ映画)

2021年8月20日
★★★★☆ 3.9 (61)
266人が棚に入れました
「きんいろモザイク」の新作劇場版

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

遠いようで近い場所

安定のキララ作品の劇場版なので安心して見られました。
原作は未読ですが、この劇場版がアニメ作品の完結作であり原作は終了してる様です。

さて、彼女達の過ごした高校最後の時間が詰め込まれています。
修学旅行は京都と奈良が舞台でした。
安定のチョイスですね。

大抵アニメの修学旅行は京都や奈良や沖縄辺りが多いけど、修学旅行の定番って感じでいいですよね。
私も小学校の頃の修学旅行は京都と奈良でした。

そして、京都と奈良は数年前に友達と旅をした場所でもあるし、私達が行った奈良公園やら春日大社やら金閣寺や清水寺などもシノ達が回る場所を見ながら、何だか色々思い出しながら楽しく見えましたꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

さて、作中では卒業がテーマかな?
受験勉強も大変ですね。
でも、皆で勉強をするのも青春だなぁ〜って思うし、友達から貰ったプレゼントを受験の御守りにして試験に挑もうとするのも凄く可愛くていいと思いますw

シノの髪飾りを付けて、奮闘する綾は頑張りましたねw
あんな金髪邪念の塊の中のプレッシャーでよく立ち向かえたかとw

ホッコリエピソードとしては、シノの母が進路が決まらないまま悩んでいるシノの気持ちに気付いてあげていた点が凄くホッコリしました(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)

後は、カレンの進路の悩みも印象的でした。
彼女はアリスについて回ってばかりだったけど、日本で沢山の楽しい事を知って日本が好きになって、日本で楽しい日々をまだまだ送ってみたい。

でも、アリスは卒業後にイギリスに帰ってしまう……
そうなると2人はバラバラになる……だからカレンは悩む。

人間大抵の事は慣れたりする。
でも、慣れない事もある。
何百回経験しても慣れないもの「別れ」これだけは何度経験しても寂しいし悲しい。
卒業後の未来はワクワクするけど、それ以上にやっぱり寂しさが勝ってしまうかなって。

だから、カレンも悩む。
その悩みに答えを出したのはアリスでした。
アリスの言葉は迷うカレンの背中を力強く押してあげられる優しい言葉でした。

そうして、シノとアリスは彼女達の母が通っていたイギリスの大学へ

カレン、綾、陽子、穂乃果は日本の女子大へ行く事になります。

作中でも言って居ましたが、イギリスと日本って遠いようで近くですよね。
外国は遠く感じるかもしれませんが、同じ地球の同じ空の下にあり海を跨いだその先の地なんて会いに行こうと思えば、会えるのですよね。
その事をアリスとカレンのお陰で知れたって綾のセリフは凄く良かったです。

卒業式では、シノは笑って居ました。
それは、きっと寂しさよりも楽しかった思い出が勝っていたのでしょう。

アリスは泣いてしまいました。
それはきっと、彼女にとっての3年間は本当に幸せなもので、それが大きければ大きい程、掛け替えなければ掛け替えのない程に、涙も出てくるのです。

そうそう、久世橋先生も泣いてましたね。
受験生の1人1人の為に破産覚悟で1万円を投げ入れようとしたりw
多分、ここはギャグなんだろうけど、私は素敵な先生だなぁ〜って思ってしまいました。
卒業式でも泣いてくれたし本当に生徒を大切に思ってるのだなぁ〜ってw
流石に、願掛けぬいぐるみは重いけどw

後、合格祈願の舞もありましたねw
受験生の間で流行るかもしれませんね……ん……??……流行らない?

卒業後にシノ達とイギリスで再開します。
やっぱりこの5人がいると安心しますね。
個人的には、金髪同盟の穂乃果も居て欲しかったです。
彼女は、劇場版をみているとメインキャラみたいな描写がいくつかあるのに、たまに居なかったりするのが、少し不思議に思いましたw


さて、ED後に画面に4分割にされた映像が流れるのですが、その内容は過去のアニメ放送の記録です。
彼女達の思い出の青春エピソードが4画面それぞれに流れて、全てのシーンを見るのに目玉で円を描く様に見たのですが、目玉が疲れて来る罠が仕掛けられてます。
あれ?そんな見方するの私だけ?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そわそわダンスと合格の舞、さくらコスチューム

 きんモザ集大成とも言うべきお話だったです。卒業後のアリスとしのの思い出から始まる修学旅行と楽しい日々、それぞれの進路への思いと受験、その後を少し描いていたです。

 しの、アリス、綾、陽子、カレン、穂乃花、香奈それぞれの学校生活、しのの金髪愛が更に増していたです。綾、陽子、カレンも相変わらずで、カレンに気にしてほしい穂乃花もらしかったです。楽しらを満喫するみんなが、きんモザらしかったです。

 アリスが卒業後の未来を悩む姿、寄り添うしの、カレンもいまのままでいたい悩みありと高校3年生らしさが、良かったです。めだちやすいダンボール箱が、面白かったです。

 そんな彼女たちを見守り心配する久世橋先生、烏丸先生の姿も最後まで健気だったです。合格の願掛けが、怪しかったです。
 受験当日、その後もありここでうまく行かなければ話にならないのです。アリスの衣装は、その象徴だったです。

 卒業後もどんな場所にいても、常に思い出を積み重ねていくしの、アリスたちの姿が、絵になっていたようです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5
ネタバレ

郷音 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

私達の毎日は、きらきらしたきんいろです!これからもずっと。

2021年劇場公開アニメ。

3年生になった忍たちの修学旅行、受験、そして卒業までを描く。

上映時間90分に収めるのがもったいないくらいのテンポで進んでいきます

俺は原作読んでないけどそれでも飛ばしたシーン多いんだろうな…と感じちゃうくらいです

ただちゃんと笑いあり萌えあり感動ありと見ごたえある作品です

種田梨沙さんの喉の調子があまりよろしくないのか少し心配になります

綾と香奈の班長コンビが好き。もっと出番くれよ!

{netabare} 綾陽子カレンの受験は映像化されたけど忍アリスの受験はさらっと終わっちゃったなぁ。結局忍が英語しゃべるシーンなかったよね。合格祈願ダンスだっけ?あれはもっと流行るべき。 {/netabare}

今まで見てきたファンは絶対劇場で見るべきです!

原作の特別編Best wishes.が残ってるから最後にOVAでお願いします…!

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

72.0 6 2021年夏(7月~9月)アニメランキング6位
僕のヒーローアカデミア THE MOVIE3 ワールド ヒーローズ ミッション(アニメ映画)

2021年8月6日
★★★★☆ 3.8 (63)
379人が棚に入れました
世代を経るごとに深く混ざりあった“個性”が人類史を終焉に導くとする思想≪個性終末論≫を掲げ、“個性”を「病」と称しながら、世界中の“個性”保持者の殲滅を目論む謎の集団・ヒューマライズ。彼らが世界各国に仕掛けた、“個性”を強制的に暴走させ崩壊に導く爆弾<個性因子誘発爆弾(イディオトリガーボム)>から人々を救うため、全世界のプロヒーローと、その下でインターン中だった雄英高校ヒーロー科が招集され、世界選抜ヒーローチームが結成。各地で爆弾の回収任務にあたっていた。エンデヴァー事務所でインターン中だった出久・爆豪・轟の3人も、日本から遠く離れた国<オセオン>で作戦行動中、とある事件に巻き込まれた出久が、なんと全国指名手配されてしまう。そんな中、ヒューマライズからの犯行声明が全世界に届く―「タイムリミットは今から2時間」ヒロアカ史上最大の危機を前に、世界の、そしてヒーロー達の未来が、“彼ら”に託された―

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

劇場版ヒロアカ第3段!いつもと違う視点から描くロードムービー的作品

原作未読。アニメシリーズ全て視聴済み。
ヒロアカ劇場版3作目。オリジナルストーリー作品。時系列には、アニメ5期クラス対抗戦後、インターン中のお話。

〜あらすじ〜
世界中の個性保持者を殲滅しようとする謎の組織"ヒューマライズ"に立ち向かうため、世界各国へ選抜されたプロヒーロー達が派遣されることとなった。
エンデヴァー事務所でインターン中のデクたちは、日本から遠く離れた国"オセオン"へと向かう。
デクは、オセオンで出会った少年"ロディ"と共に大きな陰謀へと巻き込まれていく事になる。

今までの劇場版とはまた違った別角度からの視点で描かれていて、とても面白かったです。

今作は、劇場版の新キャラであるロディが、主人公としてストーリーが進んでいきますが、ロディが良いキャラ過ぎました。
一見大人びててひねくれてる感じだけど、とても家族思いの優しいキャラクターで好感持てました。特別強い訳じゃ無い所もとても良い。

中盤戦までは交戦シーンが少なく、逃げの一手なので割と穏やかにロードムービーのように物語は進んでいきます。
後半のラストスパートの戦闘シーンは、相変わらず作画がとても良かったです。カメラワークが素晴しく、迫力と勢いが凄まじかった。ヒロアカの戦闘シーンは、同じ技でもワンパターンにならず新しい演出で戦闘を描いていて、とても楽しいです。力入ってるなといつも思う。かっちゃんの飛びながらの戦闘シーンは特に好き。浮遊感ありました。

主題歌、劇中歌のアジカンの歌は、気だるげな歌い方が、大人びてしまった少年ロディの雰囲気と重なって聞こえてとても染みました。

敵のボスの個性に少し疑問が残った点や、デク・かっちゃん・轟くんの3人以外の雄英の生徒の活躍が少ないのは、ちょっと寂しかったです。

ロディの個性が可愛くて、愛しくて、この秘密を知ったらきっと見た人みんなロディ好きになると思います。
アニメシリーズ見てなくても、すんなり見れる今作品。ヒロアカ初心者にもオススメです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5
ネタバレ

usami99 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

説明が粗い所を除けば。ロディめっちゃカッケー映画!

原作数冊のみ既読、アニメは全て試聴済みです。
まず今作の主役は確実に「ロディ」というオリキャラだと思います。
彼の存在が好きになれるかどうかで評価はだいぶ分かれそう。
ロディはあまり毒のないキャラなので嫌いな人は少なそうですが、
それでも過去作に比べ、オリキャラのロディが
元からの人気キャラであるかっちゃんや轟くんよりも出演してしまっているので、
それを残念に思うファンも居そう。
せっかくなら大きなスクリーンで好きなキャラを沢山見たいでしょうし…。
また、さらに言えばお茶子や他のクラスメートはエンデヴァーよりも多分出演してません。
あくまでロディ+緑(爆轟)の活躍する映画です。
私はオールマイトが好きなので某レビューで「{netabare} オールマイトがヒロイン {/netabare} 」
という言葉を目にしていたおかげでそれが頭を過ぎってたまに出てくる彼に笑っちゃいましたがw

作画、特に街を駆け回るパルクールシーンやバトルシーンはすごく爽快でいいです。さすがボンズさん。
線が太くなって影がなくなると「あっ…これはぬるぬる作画シーンスタートかな?」となります。
ロディが一番かっこよく映っていたのもここかなと思います。



それと、ふに落ちなかった点(ストーリーの粗のような箇所)がいくつかあり、
そこがどうしても気になり、お話の点数は低くなってしまいました。

{netabare}
まず1つ目にオリジナル敵キャラの弓矢のお姉さん。
彼女のデザインはとても綺麗で、第一印象から好みでした。
---なのですが、彼女の最後のシーンはヘリから意を決した自●のようなダイブとヘリの爆発。
緑爆轟の「ハッ…!」という意味深描写があったのにその後何事もなかったかのような見殺し状態でした。
(この三人にとっては悪人なら死んでもいいってことなの…?^^;)
ダイブ後の彼女もしくはヘリの操縦者らしき人物がパラシュートで飛び出していましたが、
あまりに小さい描写で、最後の犯人連行シーンでも特に出てこずなので、
映画のみにしか出ないキャラだろうに、生死不明なのがすごく気になりました。

2つ目にケースを警察に受け渡そうとしたロディのシーン。
今作のラストで、ペットのピノがロディにとってどんな存在なのかが分かりますが、
そうなるとここでデクを起こそうとしたり、ケースが無くなっていることを教えるのは
どうしても「うーん」となります。
本音では止めて欲しかったとか、そういうことでしょうか。
それだったらロディに付いていってずっとダメだよと言い続けそうな…?

3つ目はラスボス戦。
ボスの能力は反射系でしたが、デクは一度殴りに行って弾かれて、
攻撃が通じないとわかっているのに殴り続けていました。
勘がよく働き、割と冷静に戦いをするデクらしくないというか。。
たまたま限界があると分かり対応できましたが、
対応できなかったらただダメージ喰らっていくだけですよね^^;
あと技の描写はオールマイトの技に似たものを出したっていう胸熱展開なんですが、
なんっかちょっとゴリ押しだしギャグっぽくて…w
カッコ良さで言ったら、かっちゃんや轟くんのバトルの方がカッコ良かったかなって思いますw
余談ですが、たまたま前日に
「デクの能力が能力無効化だったら?」というスレを読んでいて
「それなんて上条当麻?」とか思っていたので、
ラスボスが能力説明してるときフフってなってなりましたw(外では一方通行さんが戦っているしw)
デクが対処できなかったら上条さんか木原くんをデリバリーするしかなかったですねw

4つ目はスタッフロール中のカットです。
ロディ兄弟が周りの子に差別されなくなったようなんですが、「なぜ…?」と少し思いました。
もちろん食い止めたのはロディでしたが、お父さんがあの爆弾解除キーを作ったというのは
みんな知らないはずですから、元凶である危ない爆弾開発者の息子達というレッテルは貼られたままなのでは…?
お金がなく、ロディが真っ当でない仕事をしていたから差別されていたんでしょうか。
また、ロディと仲が良かったのはデクのみで、妹弟とは接点なしだったかと思うんですが、
ラストカットで子供達が描かれたと思われる緑爆轟の絵が出てきて…???
ちょっとここは描写不足かなぁと…。
妹弟の絵を入れるぐらいなら、遊びにきた3人のカット1枚は挟むべきだったかと思いました。
{/netabare}

総評としては、ストーリーでの気になった説明不足や無駄な描写に目をつぶれば
ロディは声優さんも上手でしたし格好いいキャラで、雰囲気の良い映画だと思いました。
ヒロアカでスラム街って珍しいんじゃないでしょうか。
テンポも悪くないし、アクションシーンも見ていて楽しいので、飽きない映画だと思いました。

でもラストで{netabare} ロディのお父さんは実は生きてた、 {/netabare} とかにして欲しかったなぁ…。。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

hidehide さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

やや、無理矢理感

やはり、

ヒロアカ = 個性ありき となっている以上、

個性 = 奪う、消す、乗っ取る、を起点に
物語が作られるのは必然なのでしょうかね。

それらを狙う集団(敵)さえ作れば、映画はできる、
そんな感じで、
無理矢理作られたっぽい感はありました。
ゆえに、目新しさがないのが残念

とは言え、

…弟妹想いの兄と、
戦闘の迫力は劇場版ならでは、ですね。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 1

71.5 7 2021年夏(7月~9月)アニメランキング7位
Fate/Grand Order -終局特異点 冠位時間神殿ソロモン-(アニメ映画)

2021年7月30日
★★★★☆ 3.8 (35)
229人が棚に入れました
七つの特異点の平定により、遂にソロモンの玉座へと続く道が開かれた。
それは同時に、ソロモンにカルデアの座標を把握されたことも意味する。カルデアごと特異点へと引き寄せられる中、ロマンは施設そのものを敵の領域へ接触させる作戦を立案。
ソロモンと対峙するために敵領域を破壊し、そして魔術王を打倒。
然る後、崩壊する領域を自力で脱出しなければ、カルデアに真の勝利は訪れない。

無限に誕生し立ちふさがる魔神柱。駆けつけるは数多の時代で縁結びし流星たち。
最後のグランドオーダーにて聖夜の奇跡が、運命の扉を今再び開け放つ。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

丸々、最終回です展開

 TV放送された「Fate/Grand Order 絶対戦線バビロニア」の続きのお話しです。序盤から終わりまで、正に最終回ですという展開だったです。
 作画は、円卓領域キャメロットよりバビロニアに近く良くなってたです。

 カルデアの最終目的、魔術王ソロモンを倒し焼却された人類史を残す戦いを全体的に描いていたです。
 序盤から出てくる強力な敵と戦いが、いきなり話を盛り上げたです。ウルトラマンや昔の仮面ライダー映画みたいな展開は、お話を終盤まで象徴してたです。

 マシュの運命、対峙したソロモンの正体、終盤に明かされた誰かさんの真実が描かれたです。
 スケールは大きいようだけれども、いかにも最終回ですという感じが強く示しているようだったです。

 まぁ、HAPPY ENDじゃなかったら、話にならないですよねです。印象的だったのは、やはりマシュです。本当に、運命になるのか?見てのお楽しみでしす。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

思えばこれは、敗北から始まる戦いだった

スマホゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」のアニメ化作品。
人類が絶滅するという研究結果に抗うべく人類史修復のため、観測不能領域"特異点"に霊視転移(レイシフト)行い、サーヴァントの力を借りて聖杯探索(グランドオーダー)を行ってきたカルデア一行の最後の特異点に関するストーリーです。

舞台は旧約聖書の舞台、古代イスラエルのソロモン、ではなく、魔術王ソロモンが鎮座する歴史上存在しない特異点となっています。
過去のグランドオーダーとは異なり、歴史上の変異を特定して対応するのではなく、ただ人理焼却を企むソロモン王を倒すという目的が最初から判明している展開となります。

ソロモンといえばダビデ王の後を継いでイスラエルの王となり、神より知恵を授かった魔術師ですね。
作中も偽典にあるミカエルより受け取ったソロモンの指輪が登場しますが、そのエピソードや、ミカエルやガブリエルなどがサーヴァントとして登場することもなく、内容はほぼバトルという印象があります。
正直なところ、過去の特異点での出来事もある程度伝承に沿った描かれ方をしているので、それに準じてソロモンを旅すると、どうしても解釈が生じてしまうので難しかったのかなと思いました。
ヤハウェだのユダヤだのを女体化してしまうとさすがにまずいだろうという忖度が働いたのではないかと思います。
72柱の悪魔はアニメ/マンガ/ゲームではおなじみの存在ですが、アモンやオセやアスモダイなどの悪魔は、サーヴァント化するにはあまりにもファンタジーすぎる気がしますしね。

ソロモン王は言うまでもなく悪魔を使役しエルサレムに大神殿を気づいた大魔術師で、その力は強大です。
そんな敵を相手にして藤丸立香の徒手空拳で渡り合えるはずもなく、本作でも多数のサーヴァントが登場します。
本作で新規のサーヴァントが登場するのではなく、過去に共に旅してきたサーヴァントが登場して総力戦を仕掛ける展開となるのですが、正直なところ、ゲーム未プレイ、アニメのみの私では登場したサーヴァントの半分もわかりませんでした。
アニメ化済みの第六、第七特異点のサーヴァントと、ApocryphaやLast Encoreに登場したサーヴァントはわかるのですが、藤丸とどんな出会いと別れをしてきたのかは知らず、悲しいことにそれほど入り込めなかったです。
多分、ゲームをプレイしてきた方にはすごく嬉しい展開だと思うんですが、知らないキャラが登場して見せ場を持って消えていくのを眺めるだけという状態となり、アニメFGOを追いかけてきましたがここに来て置いていかれることになりました。
後追いでも構わないので、第1から第5特異点もアニメ化を希望します。

まさかの悲しいことにはなりましたが、ストーリーは王道展開でわかりやすく、楽しい作品でした。
FGOゲームはやると長くなるし、他にやってるのがないがしろになりそうなんですよね。
せめてノベライズされていたら嬉しいのですが、出ないものでしょうか。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ようこそ諸君。早速だが死に給え

第7特異点の続き。第一章の幕を閉じる「終局特異点」
ついにアニメ化されましたね。いやぁ長かった。
第7特異点が来た時は「ワンチャンあるのでは?」と思っていましたが、やはり思うのは自由ですね

結果を言いますと。まぁなんでしょ。
またしても私の厄介オタク妄想が選考しすぎたというか。
{netabare}あの色々出てくるじゃないですか英霊が。ゲームではいちいちその場面で登場し、キャラが最低一言は喋る胸アツ展開だったわけですが、なんと本作。キャラがぜんっぜん喋りません。なんか笑顔でこっちを見て頷いたり、戦闘シーンがあったりしますが、ぜんっぜんです。登場キャラに対して参加した声優さんが少なすぎた…あ、駄洒落じゃないですからね{/netabare}
原作ストーリーを知っている方は是非見てください。戦闘シーンはやはり凄く特に{netabare}スカサハさんチートすぎます。あとナイチンゲール。医師の動きじゃないでしょあれ{/netabare}
ともかく推しが出てるなら喜んでみてください。原作の最終章には出ていない英霊や逆に本作に登場しなかった英霊も数多く存在するのでぜひ比較してください

原作知らない人はまずゲームを始めるか
https://youtube.com/playlist?list=PLDBPSxmslhiSHpUeGps_4sB7cOsgMnNQu
から始めましょう

{netabare}個人的にはゲーティアが人間の肉体を有した後で主人公と殴りあう場面、かなり好きです。良いですよねアレ。原作にない良さがあります。{/netabare}


「ソロモンを愛したのは誰だったか」ということで

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

71.3 8 2021年夏(7月~9月)アニメランキング8位
サイダーのように言葉が湧き上がる(アニメ映画)

2021年7月22日
★★★★☆ 3.7 (78)
283人が棚に入れました
17回目の夏、地方都市⸺。コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。矯正中の大きな前歯を隠すため、いつもマスクをしている少女・スマイル。人気動画主の彼女は、“カワイイ"を見つけては動画を配信していた。俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。ある日ふたりは、バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。物語のクライマックス、チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。

声優・キャラクター
市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一、井上喜久子
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

眩しい泡沫

SIGNAL-MD制作。

郊外のショッピングモールを舞台に、
コミュニケーションが苦手な少年と、
コンプレックスをマスクで隠す少女が、
織りなす、ひと夏の青春グラフィティ。

田園風景とショッピングモール、
俳句とSNS、団地とネット空間、
現代のものと、ひと昔前からあるもの、
時代の移り変わりを題材にしながら、
かつてあったポップカルチャーのように、
前向きな物語設定として構成されている。

過去は乗り越えていくだけのものではなく、
そこに素敵な想い出が溢れていることでしょう。

色鮮やかな風景と老人の記憶、
{netabare}探しもののレコードをきっかけに、
少年と少女は次第に心を通わせていく。
どうやら初々しい恋心は見つけたようだ。{/netabare}

眩しい泡沫、なんか良い感じ。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 31

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

言葉にすることで

俳句少年と歯矯正少女の出会いの物語。
舞台はショッピングモール、季節は盛夏。
眩いばかりの風景と色とりどりの構造物。
サイダーのように甘くて爽やかな作品です。

出会いは、突発的。
スマホが吹っ飛ぶ、
口元から矯正器がキラリン。
コミカルな衝撃です。

少年はチェリー、少女はスマイル。
チェリーは静、スマイルは動。
俳句とネット配信と興味は対照的。
NとSが引き合うようなものなのでしょう。

レコードに隠された過去。
50年前のフジヤマさんの思い出がシンクロ。
ヤマザクラにそんな意味があるなんて。
「葉」と「歯」かあ、考えたものです。

終盤に向かって、ちょっとした事件により行き違います。
しかし、「ヤマザクラ」の奇跡に再び二人の気持ちは・・・
まるで、サイダーを振ったかのように・・・
青春期の衝動的な恋心が、夢のように気恥ずかしいです。

全く前情報なしに観た作品です。
テンポが良く、目が離せませんでした。
それに、素直な気持ちを読み込んだ俳句が要所を締めています。
俳句ってホントいいものですね。

夕暮れの フライングめく 夏ともし
「めく」が可愛い。
私も瞬時に思いました。
言葉には不思議な表情があるのです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 19

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

サイダーの 泡ひかる夏 17歳

ひととき "夏の涼" を楽しむなら、本作はぴったりだと思います。

物語は、俳句少年とSNS少女の "ナチュラルな恋バナ" です。

女の子は、スマイル(星野さん)。
男の子は、チェリー(佐倉くん)。

ふたりとも、生来の性質が、性格にちょっぴり影を落としています。
それが土台になって、趣味の志向性は全然好みが違うわけなんです。

ところが、ほんの偶然のことで、お互いの間を詰めあっていくようになっていきます。
そして、必然の帰結のように、お互いに別れを受け入れていくのですが・・・。

そこには一つのエピソードが盛り込まれてあって、誠実に向き合うふたりに、甘酸っぱさをキュッと強めていくんです。

徒労感や失態を共有しながらも、まるでレモンスカッシュのビタミンCが効いたような爽快さで事が運んでいくのです。

う~ん、これはもう二人の相性が良すぎるのか、それとも周りのサブキャラたちの絶妙な手合いなのか、ちょっと分からないです(笑)。

なので、ここで一推ししておきますね。
キャラ映えさせるグラフィックデザインのワークセンスが、ほんとうに卓抜しています。

あ、音楽もまちがいなく素晴らしいです。
今どきの青春も、昔日の青春も、どちらも美味しく、快く感じさせてくれると思います。


観終わったあとに、ちょっと奮発してパンフレットを購入しました。
それが、店頭に表示されているものとは違うものなんです。

「あれれ?・・・え、そうきたか!これはやられた~。」

なんとも言えない可笑しさ、微笑ましさに、心が "シュワ~" ってなりました。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 16

71.2 9 2021年夏(7月~9月)アニメランキング9位
劇場版 クドわふたー(アニメ映画)

2021年7月16日
★★★★☆ 3.8 (34)
235人が棚に入れました
それは“if"の物語。能美クドリャフカと直枝理樹は恋人同士。リトルバスターズの面々と楽しい毎日を送っていた。そんな矢先、 男子寮で水道事故が起こり、部屋が使えなくなってしまう。「ルームメイトさん、今も募集中、なの、です……」クドの申し出に応じて、女子寮で一緒に生活することに。そして迎えた夏休み、 みんなで一緒にペットボトルロケットを作ることになり………『ロケットキング』の称号をかけて、ミッションスタート!?

声優・キャラクター
若林直美、堀江由衣、たみやすともえ、緑川光、神奈延年、織田優成、やなせなつみ、田中涼子、すずきけいこ、河原木志穂、平井理子、みくみくみ、仲野七恵
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

良い夢見れたかい?!夏ですね~、飛んでいくペットボトルロケット

 主人公クドの幸せな日常は、何だったか?なお話だったです。その光景の実は何だったか?です。クドをはじめ声優さんの声が、業とらしくEDもぶりっ子声です。

 最初の展開は、何なのか?です。全寮制の高校で思わぬ事態からクドが、思いを寄せる理樹に急接近です。理樹は、とても少年の声に聞こえなかったです。仲間達との楽しい触れ合いが、描かれていたです。
 ある日の夜、怪しいおまじないと称した儀式があるです。その先で雰囲気に流されるところは、一体何を意味しているのだろう?です。

{netabare} 突然の寂しい展開、今までのことは何だったのだろう?です。明かされる真相と現実、クドがどうやって切り抜けるのかが、見所です。
 この局面は、どこからが妄想であって、現実は今までどこからだったのか?分かりづらくなるです。恐らく私は、最初からだったのかなぁ?と思ったです。
 終わりは「これで、いいのだ!」だったかもしれないけど、殆どが虚構で現実はこうでした、復活してめでたし、目指す物から逃げないというのは、面白いというより、騙された気分にもなりかねないです。
 何で幸せから唐突に沈み、復活というのは不自然過ぎるようにも見えたです。{/netabare}

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

70.8 10 2021年夏(7月~9月)アニメランキング10位
映画 リョーマ!The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様(アニメ映画)

2021年9月3日
★★★★☆ 3.9 (15)
51人が棚に入れました
詳細不明全国大会決勝の死闘を制した3日後、越前リョーマは、さらなる強さを求め、単身アメリカへ武者修行の旅に出た。到着早々、リョーマは偶然、家族旅行でアメリカを訪れていた同級生・竜崎桜乃がギャングにからまれている場面に遭遇する。桜乃を助けるためにリョーマが放ったボールと、車いすの謎の人物が放ったボールが直撃した瞬間、時空がゆがみ始める・・・。なんと、ふたりが行きついたのは、かつて‘サムライ’と呼ばれ、世界のトッププレイヤーを震撼させた、若き越前南次郎が活躍している時代だった。

声優・キャラクター
皆川純子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

テニプリとテニミュの頭の悪い部分を凝縮したような超過劇なドラッグムービー!!!

『テニスの王子様』と『新テニスの王子様』の間に位置する空白の出来事を新解釈で完全オリジナル新作として構築した長篇映画
シリーズ初のフル3DCG、かつミュージカル構成となっております


冒頭、『テニスの王子様』のクライマックスである全国大会決勝戦
越前リョーマvs幸村精市の試合の最中から始まるのですが、試合中にも関わらず“突然歌い出します”
リョーマ様や青学のメンバーはもちろん、観戦に来ていたかつてのライバル達や観客もひっくるめて一糸乱れぬダンスをしながら群集が歌う姿は既に既存の『テニプリ』アニメとは一線を画し、まさに『テニミュ』の光景そのものであると突きつけられます
それらが滑らかなCGアニメとなって早々と観客の目と耳を襲うのです


その後、アメリカに単身の武者修行に旅立ったリョーマ様
彼を偶然にも旅行中に見つけた竜崎桜乃はリョーマ様の後を追うのですが、なんとテニスで賭け事を強いるB系の男達“テニスギャング”に絡まれてしまいます


すんでのところでリョーマ様に救われる桜乃
テニスギャングは得意気にラップを披露しながらリョーマにテニス勝負を仕掛けます
このテニスギャングを演じているのが杉田智和、武内駿輔、竹内良太なんです
まあ「Wタケウチ」はともかく、杉田がちゃんとキャラソンを歌っているのは個人的には初めて聴きました
『ハルヒ』のキョンとか『犬僕』の蜻蛉とか『ひらがな男子』の「ぬ」とか『K』の室長とか、歌じゃない!語りだ!ってのばっかだったので杉田にちゃんと歌を歌わせたのには感心です


そして謎の車椅子テニスプレーヤーが放ったボールとリョーマ様のボールがぶつかると“まさかのタイムスリップが起こります”
10年前のアメリカ、リョーマ様の父親にして師匠、越前南次郎が現役引退に追い込まれた試合の直前
記憶や記録には残っていない、南次郎の引退試合を間近に観るために無謀にもリョーマ様と桜乃は越前家に直撃する


あっさり南次郎達には受け入れてもらう事が出来きたものの、南次郎に八百長試合を強いようとする何者かの手によって南次郎の子供と勘違いされた桜乃が誘拐されてしまう


何故か“露骨な手掛かりを残していったマヌケな誘拐犯”のお陰で桜乃の救出には成功するリョーマ様
南次郎の試合の邪魔をしてはなるまいと桜乃と逃亡生活をする事を決意します


逃亡中に公衆電話で南次郎に無事を報告しようとするリョーマ様ですが“何故か現代に電話が繋がり青学やかつてのライバル達が電話に出ます”
この映画は「Decide」と「Glory」という2バージョンの上映形態があるのですが、この電話に出る相手、それと本編終了後に始まる『シアター☆テニフェスpetit!』というキャラソンメドレーと原作名場面で構築した音楽パートがそれぞれのバージョンでは異なります
「Decide」では幸村と手塚が「Glory」では白石と金太郎と跡部が電話の相手に登場するのでお気に入りのキャラが登場する方を選ぶといいでしょう
【どっちにしろ笑いますから】


ここまであらすじを書いただけですが神志那弘志監督はクスリでもキメて作ったんじゃないか?と思うほどのクレイジーっぷりです(褒めてる)
まさに原作者、許斐剛先生の世界観が良くも悪くも全開で危険なドラッグムービーと言えるでしょう
極めつけは最終的にリョーマ様達が過去に行ってしまった事で僅かながら歴史の改変が起こってしまうのですが・・・ソレが果たして本当に改変してしまって良かったのか?が微妙だという事です・・・
2回観たら何処が改変されたのかがよくわかりました・・・


『テニプリ』『テニミュ』ファンはモチロンですが全く『テニプリ』を知らなくても少し刺激的な(馬鹿)映画をお探しの方にオススメします

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ミュージカル まだまだだね 陰謀阻止するリョーマ

 Decideで見てきたデス。ロサンゼルスに武者修行しにきたリョーマを見かけた竜崎が、チンピラに絡まれるです。それを助けているとき怪異現象が、起こるです。父 南次郎が、引退に追い込まれた全米オープンの数日前だと気づき、リョーマが以前の実家に竜崎と行ったことから、事件に巻き込まれる話だったです。

 何やら面白い展開になっていき、リョーマが誘拐犯に立ち向かい、誘拐犯の親玉とテニスでわかり合うとき事件は解決していくのです。
 本当に悪い奴を追い詰め、全米オープンの決勝で南次郎が本気を出せて良かったです。

 上映の殆どで、OPからミュージカルなので、派手な歌と踊りが目立つです。大阪なおみ顔負けの超人的なテニスで、リョーマが悪い奴らを撃退、足止めするアクションは面白いです。南次郎はさらに上を行く感じです。

 3DCGにしても、リョーマや他のキャラたちの外見が人形みたいだったです。歌、ミュ=ーじかると言っても悪くはないけど、青年団みたいな歌唱みたいに思えたです。
 南次郎が引退した本当の理由は、見に行ってのお楽しみです。ラストは、帰れなければ話にならなかったけど、「これで、いいのだ!」だったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

70.3 11 2021年夏(7月~9月)アニメランキング11位
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Licht 名前の無い少女(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.7 (31)
182人が棚に入れました
エインズワースとの激闘からひと時の休息。美遊を救出したイリヤたちは、平行世界の衛宮士郎から美遊の過去、この世界で起きた聖杯戦争のことを知らされる。それは美遊の悲しい運命であり、美遊のために兄・士郎が命を賭して歩んだ壮絶な戦いの物語だった。人類の救済のために美遊を犠牲にするエインズワース。美遊のために世界の敵となると決めた士郎。相容れない2つの正義に、すべてを守ると誓うイリヤ。「助けるよ。私はみんなが助かる道を探すって決めたから!」大切な人たちと笑いあえる明日を作るために―。魔法少女たちの戦いが、再びはじまる……!

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

現実的で賢い諦めることに慣れた人と、理想を目指してあがき続ける人

この物語は全編シリアスタッチで描かれています。
テレビシリーズの最初の頃からは信じられないほどの迫力ある展開ですが、イリヤの魅力がたっぷりと味わえます。
イリヤは小学5年生とは思えないほどの慈愛の心が豊かな少女です。


「Licht」 それは「不死の魔法使い」を意味しています。
何千年もの間、何度も何度も名前を変えてエインズワース家の一員として暮らしてきた少女。
本人は元の名前も思い出せないほどの長い長い年月を生き続けてきたのですが、決して死ぬことができません。その少女の唯一の望みは、死ぬことでした。
この映画は、その少女を救うための物語。

そしてその少女を救うために何度も何度も挑戦しては失敗したエインズワース家のジュリアン。
ジュリアンは賢い青年です。理想と現実とが違うことを知っています。
そのため、彼の心には絶望しか残っていませんでした。

でも、イリヤは違います。
彼女はいつも希望を持ち続けています。どんなに困難な状況でも、わずかな可能性を信じて前向きに行動します。
理想的で甘い考え方ですが、彼女は常に明るい未来を目指しています。
そしてイリヤの友達の美遊やクロ。彼女たちはいつでもイリヤの味方です。
だからイリヤはいつでも全力を出し切ることができます。そして、自分の実力以上の力を発揮します。


確かに大人になると誰もが理想的で甘い選択はしなくなり、現実的な賢い選択をするようになります。自分の理想を諦めるようになります。
でも、諦めることに慣れた人生は、面白みがありません。生きることに意味を見いだせません。
それに、諦めることを選択すれば、努力をする必要はなくなります。楽にやり過ごせます。

それよりも未来に希望を持ちながら生きる。そうすることで笑顔になり、生きる意味も見いだせます。
確かに希望を持ち続けるためには、懸命な日々の努力が必要です。あがいて、あがいて、あがき続けなければいけません。それでも希望がかなえられる保証はありません。

でも、希望を持ちながら生きている人は魅力的です。
イリヤの笑顔が素敵なのは、彼女が常に明るい未来を持ち続けているからなのでしょうね。

現実的で賢い諦めることに慣れた人と、理想を常に持ちあがき続ける人、貴方はどちらが好きですか?

投稿 : 2024/12/14
♥ : 10
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

名前のない少女は、どこにいたの?私にはわからなかった。

 Feteの違う次元のお話みたいで、イリアが魔法少女という設定で、戦いをするお話だったです。美遊、クロエという仲間{netabare} や、お馴染みの衛宮士郎、遠坂凜{/netabare}も出て来る{netabare}けど、stay nightとは別人のようです。間桐桜が、仮面をつけた悪役で出てきた {/netabare}です。

 話の展開以上に、バトルシーンが大きな割合を占め、いろいろ語り合っていたです。いろいろ訳アリだということは、感じられたです。
 戦いは大きく三回あって、それぞれに何やら悲しみや、狂ったような感情が見うけられたです。
 派手なバトルの連続で、人知を超えた激しい攻防だったです。

 終わり{netabare}方も、さらに続くみたいで、衝撃的みたいなやや納得しにくいものだったです。いつになるやらの続きでこの状況が、逆転できるかどうか?{/netabare}わからないです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

運命に抗う、光

この作品は「Fate/stay night」のスピンオフ作品なのですが、気が付けばTVアニメ全4期分と劇場版「雪下の誓い」が制作され、しっかり大作になりましたね。
これまで「Fate/kaleid liner Prisma☆Illya プリズマ☆ファンタズム」を含めてこのシリーズは全作視聴済です。

現在進行形で私がプレイしているアサルトリリィのソシャゲでは、なんとこの作品とのコラボイベントが開催されているんです。
今日からは「プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!」とのコラボイベントも始まりましたけれど…
イベントでプレイする前に視聴しておくべきと思い、今に至っています。


エインズワースとの激闘からひと時の休息。

美遊を救出したイリヤたちは、平行世界の衛宮士郎から美遊の過去、
この世界で起きた聖杯戦争のことを知らされる。
それは美遊の悲しい運命であり、
美遊のために兄・士郎が命を賭して歩んだ壮絶な戦いの物語だった。

人類の救済のために美遊を犠牲にするエインズワース。
美遊のために世界の敵となると決めた士郎。
相容れない2つの正義に、すべてを守ると誓うイリヤ。

「助けるよ。私はみんなが助かる道を探すって決めたから!」

大切な人たちと笑いあえる明日を作るために―。
魔法少女たちの戦いが、再びはじまる……!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回の物語は、劇場版「雪下の誓い」の続きとなっています。
物語が完結していないので当然と言えばそうなのですが、時折TVアニメシリーズが懐かしくなったりします。

このエインズワースとの戦いの物語は全般的にシリアスでバトルシーンも半端無いくらい激しく、よくもこんなにヌルヌルとキャラを動かせるなぁと感心しながら視聴しています。

イリヤも美遊も夢幻召喚して頑張っていますよ。
イリヤは最も過酷で手を伸ばすのが難しい未来を選択したのですからその頑張りが必要不可欠であるのも理解できます。

それでも、イリヤたちは未だ小学生ですよ。
小学生の女の子が背負う業では無いと思うんです。
この物語を終わらせるために必要な痛みが伴うのも理解できます。

こんなにも過酷だからこそ、TVアニメ編の小学校の同級生とのキャッキャウフフが懐かしく思えるのかもしれません。
まぁ、あれはあれで小学生っぽくはありませんでしたけれど。

そんな事を考えながら視聴していましたが、ラストのシーンには思わず目を疑ってしまいました。
まさか、こんなシーンで終わるなんて予想だにしていなかったので、ビックリした瞬間、呆気に取られてしまいました。

続編の制作が発表になったから良かったものの、もし何の音沙汰もなかったら間違いなく悲鳴が上がると思います。
「一体これから何を見せられるの」とまで思いましたから…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌は栗林みな実さんの「Just the truth」

上映時間94分の作品でした。
未だ続編を視聴するまで何とも言えませんが、イリヤの本懐が叶うことを願ってやみません。
続編の情報を楽しみに待っています。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 3

69.7 12 2021年夏(7月~9月)アニメランキング12位
竜とそばかすの姫(アニメ映画)

2021年7月10日
★★★★☆ 3.5 (221)
644人が棚に入れました
高知の自然豊かな村に住む17歳の女子高生・すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と二人暮らし。母と一緒に歌うことが何よりも大好きだったすずはその死をきっかけに歌うことができなくなっていた。いつの間にか父との関係にも溝が生まれ現実の世界に心を閉ざすようになっていく。曲を作ることだけが生きる糧となっていたある日偶然にも、全世界で50億人以上が集う超巨大インターネット空間の仮想世界<U>に「ベル」というキャラクターで参加することになる。もうひとりの自分。もうひとつの現実。もう、世界はひとりひとつじゃない。<U>では自然と歌うことができたすず(ベル)は自ら作った歌を披露し続けていく内にあっという間に世界中の人気者になっていく。そんな驚きも束の間突如轟音とともにベルの前に現れたのは竜の姿をした謎の存在だった―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

内にある迷いと弱さ

細田守監督作品。

50億人がすれ違う仮想世界「U」、
ベルの歌声は、孤独な誰かに届くのか!?

自然豊かな田舎に住む平凡な女子高生鈴は、
とある事故がきっかけで歌うことが出来ない。
ある時、友人から紹介されたUへの招待から、
{netabare}現実では厳しくとも、Uでなら歌えると、
まだ可能性が残されている仮想世界で、
彼女は後に話題となる、歌姫ベルとなり、{/netabare}
自己再生の物語を始めようとしている。

美女と野獣をオマージュした演出と、
サマーウォーズを想起させる仮想空間、
娯楽性に富んだ世界観ではありますが、
ネット文化に対する啓発的な印象を受け、
物語は思いの外、娯楽性一辺倒ではない。
その点をどう感じるかで印象も変わる。

{netabare}家族との絆、臆病な私、竜の存在意義、{/netabare}
あまり多くを語るのも難しいものですね。
それぞれが薄くなった印象を受けます。

物語の文脈を読み解くことそれ以上に、
歌と映像美をただ体験することに於いては、
満足度の高い作品ではないでしょうか。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 35
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

いのちの歌

日常の中に浸透した仮想空間を物語の中心に設定する点で、本作はまず
2009年のヒット作『サマーウォーズ』への顕著な回帰が認められる。
ただし今回は、リアルとヴァーチャルとの関係性が明瞭に主題化されており、
構成とテーマの双方で、「二重性」がキー・コンセプトとなっている。
細田監督いわく、「インターネットというものは現実と虚構の部分を併せ持つ
二重性があり、『美女と野獣』もまた二重性を持った作品である」。

この着想に基づいた固有の問題意識が観客に向けて提示されるわけだが、
不幸にもそれが伝わらずに、共感の回路が閉じられていた場合、
本作のストーリーはきわめてつまらないものに感じられるだろう。
臆病な少女がネットで少年と知り合い、勇気を出して彼の窮地を救う。
煎じ詰めればこれだけの話である。陳腐な美談に月並な社会批評を足し加えた
大衆迎合型の商業映画、などといった酷評もやむを得ないところだ。

しかしながら、問題共有の回路は確かに開かれているのである。
本作の秘密は、二重性の下にもう一つの二重性が潜んでいることにある。
ヒロインの日常と仮想世界が連続する、平面的・並列的な二重性とともに、
竜とベルのストーリーに託されて、すずの心の再生のプロセスが進行する
内在的・重層的なもう一つの二重性が構造として認められるのだ。
いわば、表層面と深層面にそれぞれの二重性が存在しているのである。

例えば、仮想空間〈U〉をそっくり、すずの深層心理の世界と捉えてみると、
作品全体の構造がシンプルに一本化されて見通せるようになる。
作品への共感の回路が開かれる場所はまさにそこなのであって、
すずの物語が私たちの時代の問題と重なり合う、本作の核心部なのである。
匿名性の限界を突破する行動と、自らのトラウマを乗り越える勇気。
重層するストーリーから透視的に浮かび上がる一点に照準を合わせて見ていきたい。


Ⅰ 竜とベルの物語
{netabare}
リアルでは不可能な願望を実現できる "もう一つの現実"― 仮想空間〈U〉。
母の死以来、歌えなくなっていたすずはそこで、ふたたび歌えるようになる。
ついに歌姫の座にまで上り詰めた彼女は、竜と出会い、彼のあとを追い始める。
その動機について、作中では十分な説明がなされていないようだ。
なぜベルは、危険を冒してまで竜に接近し、彼と関わろうとするのか?

竜の正体をめぐって無数の人々が声を上げる、― 竜は何者? 彼は誰?
匿名性の空間が内包する地熱のような好奇心は際限なく広がってゆくが、
単に欲望を満たすためだけに情報が求められ、真実はただ消費されて終わる
バーチャル空間の空虚で危うい本質が、この人々の竜探しに露呈している。
その中にあってベルは異質な、孤独な存在である。

薄雪草さんが本作に書かれたレビューから、一節をここに引用させて頂く。

 本作は、すずの心情を捉えることが重要です。
 特に、次のふたつの言葉の動機や背景の掘り下げが、かなり大事です。

「あなたは、誰?」
「あなたに、逢いたい。」

 どうぞ、すずに寄り添うベルのように、思いを深く巡らせてみてください。

あなたは、誰? あなたに、逢いたい。―
ベルの発する問いは、興味本位の詮索とは全く異なる、切実なものだ。
その言葉には、一個の人格と関わろうとする真剣な意志がこめられている。
彼女の心の真実に少しでも近づくために、補助線を引いてみる感覚で自分は
〈U〉の世界をすずの深層心理と捉える解釈を踏まえて、こんな推論をしてみたい。
竜を探し求めるプロセスは、彼女の深層に潜む願望の顕れなのではないか、と。

「〈U〉のボディシェアリング技術は
 その人の隠された能力を無理やり引っ張り出す。」

つまり〈U〉にはその人のポテンシャル、いわば内部現実が投影されている。
さらに、抑圧された状況が能力を強化した結果が、ベルの歌であり、竜の強さだった。
ならばもし、その抑圧がさらにもう一つの能力をすずから引きだしたのだとすれば?
歌姫ベルを賞賛する何億もの人々の前で自らをアンベイルし、素顔を曝すシーン。
この自殺行為にも等しい行動を促したものは一体何だったのだろうか?
それこそが、すずの本質に秘められた能力の発現だったのではないか?

薄雪草さんが以前、使っておられて強く印象に残った言葉がある。
「当事者性」。― この言葉で、自分はすずのその能力を言い表せると考える。
恣意的な解釈にならぬよう注意しながら、このキーワードに即して
すずの行動の軌跡をたどり、彼女の内面への接近を試みたい。

まずそれは、他者の痛みへの共感として具体的に現れる。
幾度も拒絶されながら、ベルは竜に近づこうとする。
「來るな!」「見るな!」―竜がベルに言い放つ拒絶の言葉に注意が必要だ。
竜の正体である恵、彼を傷つけたものは父親の暴力だけではなかった。
世間の大人たちの無理解と見せかけの善意。そして何よりも、好奇の視線。
― あんたも人の秘密を覗き見して笑いたい人?

一方で、すずには彼の拒絶の意味を理解することができるのだ。
すず自身がかつて、母の行為をめぐって匿名の人々が無責任に投げつける
心ない非難によって、深く傷つけられた経験を持っているからだ。
だからベルは竜に語りかける、― 本当に傷ついてるのは、ここ、ね?
つまり、ベルが決断したアンベイルの本当の目的とは
痛みをともに分かち合う決意を相手に対して示すことだったのではないか?

彼の傷ついた心に近づくためには、自分もまた致命傷を負う覚悟で
今度は「当事者」として、不特定多数の人々の前に自分を曝さなくてはならない。
・・・「素顔をかくしたままで何が伝わるってゆうの?」
忍のこの言葉には本作のテーマの一つが要約されている。
匿名の安全地帯で傍観したまま、好き放題を言うことは卑怯であるばかりか、
そこには他者の現実に関わるアクションは一切、生まれることはないのだ。

あなたに、逢いたい。―このただ一つの願いを伝えるためには
絶対にベルではなく、素顔のままのすずが歌わなくてはならなかった。
そして彼女は叫ぶ、「光を放て! わたしにその光を放て!」
突き付けられた「おまえ、誰だ?」という問いに対して応えるため、
本当の関わりを求めている「当事者」であることを証しするために―。

  逢いたい もう一度 胸の奥 ふるえてる
  ここにいるよ 届いて はなればなれの 君へ

アンベイル、それは現実が仮想現実を内部から食い破る瞬間である。
そこに生じたすずの "変容" には、やはり二重の意味合いが認められる。
単に表層の "現実" が表れたのみならず、内部に隠れた "真実" が顕在化したのだ。
それは、理想化された自分から元のみすぼらしい自分に戻ることではなく、
虚像に縋る自分の弱さを、真実の自分へと乗り越えていく決定的な変化を意味している。
すなわち、彼女の本質である当事者性が顕現した瞬間なのである。


・・・本稿の推論の出発点はこういう仮定だった、
ベルが竜を探し求めるプロセスは、すずの深層に潜む願望の顕れなのではないか、と。
そして彼女は求めていた真実の自分に出会う。それが「ベルと竜の物語」の帰結である。
だがおそらく、そのさらなる深部にはもう一つの、さらに痛切な願いがあった。

歌い終えたすずは、地平線から昇りはじめる三日月を凝視している。
その横顔に驚きの表情があらわれ、次第に大きなものになってゆく。
不意にすずは、自分がいま当事者として行動していることをはっきり意識したのだ。
そして、自分がいま立っているこの場所が、あの日母が立っていた同じ場所であることを。
理解できずに苦しみぬいた母の心を知る、決定的な"気づき"の瞬間である。

それこそがすずの心の奥に秘められていた、最大の願いだったのではないか。
自分を探し求める「ベルと竜の物語」の水面下で、彼女は無自覚に母を探していた。
本作の真の二重性は、アンベイルの場面に集約的に予示されているが、
その全容は、急転回の先にあるもう一つのクライマックスによって開示される。
すずの再生のストーリー、「すずと母の物語」がそこで完結するのである。
{/netabare}


Ⅱ すずと母の物語
{netabare}
仮想世界〈U〉で展開される「竜とベルの物語」は、
すずの当事者性の発現をとおして母の心に到達するプロセスとして、
深層部分で進行する「すずと母の物語」に最終的に統合される。
それは、母の死によるトラウマを克服し、世界とのつながりを回復する
ヒロインすずの"再生"の物語であり、そこに本作の核心がある。


すずのトラウマは、歌おうとして嘔吐してしまう痛ましいシーンに集約されている。
母との幸せな思い出につながる「歌」は、喪失の苦痛を再帰させるために拒絶される。
だが、拒絶されているものは本当に歌だけなのだろうか?
あるいはそこには、母に対するすずの心情もまた内包されているのではないか?
母を求めながら同時に、受け容れることを拒んでいるアンビバレンツな心理が
彼女の心の奥底にわだかまっているように思われるのだ。

すずの内面を丁寧に説き明かされた、薄雪草さんの一節を引用させて頂く。

「すずの心的世界は、10年以上にわたって、
 ひとつの思いに憑りつかれ、縛られ、閉ざされています。
「お母さんは、なぜ赤の他人の女の子を選んだのか。
 どうして私は独りぼっちなのか。」
 お父さん、幼馴染の忍くんやヒロちゃん。誰にも明かせない深い胸の疼きです。
 すずにとって「独り」とはそういう意味なのです。」

母に「独り」にされたすず。決して答えの見つからない「なぜ?」の呪縛。
ここでふたたび補助線を引いて、孤立するすずの心にさらに接近を試みたい。
おそらく、すずを苛んでいたはずの、もう一つの「なぜ?」があるはずだ。
その心の中にはこんな想いが潜んでいたのではないか―

― お母さんは死んでしまった。もういない。それなのに、
なぜ今も、その女の子だけが生きているのか。・・・なぜ?

すずの孤立の根底にはいわば"いのち"への不信感があったのではないだろうか。
母が救った赤の他人のいのちと、代わりに失われた母のいのちと。
この二つの命の重さがすずにとって、果たして同等であり得るだろうか?
いのちの重さはすべて等しいとする建前論は、当事者にとっては不条理でしかない。
これは、"いのち"の価値をめぐる根源的なアポリアである。
同時に、こうした感情を自分が抱くことに優しいすずは罪悪感を覚えずにいないはずだ。
この心理が無自覚に、彼女を世界から遠ざけていたのではないだろうか?

母の行動は常識的な理解の及ばない、"いのち"の絶対的な地平にある。
その場所に立たない限り、母の行動をすずは永遠に理解できない。
だが、それは現実には不可能であり、彼女の心もまた受け容れることを拒んでいる。
「なぜ?」という問いは深淵のように、母とすずとを隔てつづけるだろう。
現実でも、さらには内面においても、すずは二重に母を喪失しているのである。


この絶望的な断絶を乗り越えて、すずが再び母に出会うためのプロセス。
それが〈U〉のストーリーの本質だと言ってよいだろう。
したがって、アンベイルの意味をこの文脈でもう一度、捉える必要がある。

地平線上に昇りはじめる三日月を凝視したまま、立ち尽くしているすず。
その瞬間、彼女にはいったい何が見えていたのだろうか?
おそらくその時、すずは"いのち"の意味を感得したのではないだろうか?
濁流に飛び込んでいったあの時の母と同じ衝動がいま、自分を突き動かしている。
自分自身が当事者となって、危機に瀕した"いのち"と向き合っているこの瞬間、
すずはあの日、母が立っていた絶対的な"いのち"の領域へと踏み入ったのだ。

「何度も自問し、何度も反駁しただろう先に、ひとつの気づきを得るのが、
 視線の先に輝いている三日月なのです。」

自分本位の感情に囚われていたすずが、母の心を経験的に理解する。
それは、母の立っていた"いのち"の地平への「転回」と言ってもよい。
そのとき、すずを苦しめてきた不条理はもはや存在しない。
いま彼女は、救われたその子が生きている現実を受け容れることができる。
なぜならそれこそが、母が命に代えて願ったことの成就に他ならないからだ。
それはそのまま、母の想いが今も現前し、生き続けていることを意味する。
そこに示された母の"いのち"の在り方をすずは受け容れ、自分の中に定着する。
そして、すずの中で再び母が生きはじめる。・・・

アンベイルとはこのような、すずの"再生"の瞬間だったといえる。
自らの行動によって母の行動を理解し、肯定し、受け容れることで
「独り」であることの果てしない苦悶から彼女はようやく解放されたのだ。

「"三日月" は、ネットの海に漂い浮かぶ "救いの舟" 。」

本当の"気づき"だけが、救いをもたらす。三日月はこの救済の象徴となる。
あるいはそれはまた、不断に再生する"いのち"の象徴なのかも知れない。


クライマックスに達した物語はその直後、予期せぬ急展開に突入する。
虐待を受けている兄弟のもとに単身で駆けつけたすずが彼らと対面し、
二人を庇って父親と対決する、もう一つのクライマックスとも言うべきシーン。
リアリティーも含め、とりわけ批判にさらされているのが、この唐突過ぎる超展開なのだが、
仮想空間と現実世界を貫く"いのち"の物語の最終的な帰結と捉えることによって、
充分な整合性と必然性が認められると自分は考える。

まず、DVの問題をストーリーに絡めた点については、
脈絡の欠如から、社会派を気取ろうと無理に取ってつけたようにも言われるが、
物語の一貫したベクトルに即してみれば、必ずしも不自然なものとは思われない。
なぜなら、「暴力」とは原理的に「いのち」の対極にある事象だからだ。
そのシェマティックな対立の構図をとおして"いのち"の輝きを示すために、
ヴァーチャル空間のベルも、現実世界のすずも、全力でそれと対決する。

さらにすずの行動が、感情に任せた衝動にしか見えない点。
確かに、彼女の動機の説明となる自然な流れが欠落しているようにも感じられる。
だがここで、〈U〉のパートにさかのぼって想起したいのは、
竜の城にベルが再び潜入するくだりで描かれている、弟が育てた「秘密のバラ」を
竜とベルが分かち合う象徴的な儀式についてだ。

この「バラ」のシンボリズムは明快である。
城の広間に飾られた、顔の部分を損傷した女性の肖像画。彼女が誰なのかは
同じ画像がケイのひび割れたスマホに保存されていることからも明らかだ。
すずが使い続けている欠けたマグカップとも呼応しながら、
彼らの傷ついた心と、"喪われた母"へのひそやかな思慕がほのめかされる。
反復されるイメージをアナロジーによって連結するこのメタファーの技法で
三人の絆を示しつつ、その中で母親としての存在がすずに託される。
それを暗示するのが、肖像画の母と同じ、胸元に飾られるバラの花であり、
最終盤のシーンを予示する、"秘密の"布石となっていると解釈できる。

つまり、たった一人で兄弟のいる場所に向かおうとする、すずの無謀な行動は
一般常識ではなく、作品に内在する非言語的なロジックに裏打ちされているのだ。
母が自分に指し示してくれた"いのち"へ向かうベクトルをひたすら辿ること、
すずの心の中にはそれ以外のどんな顧慮も介在していない。

すずの"再生"の本質はおそらくここに読み取ることができる。
身を挺して彼らを守り、そして、恐れる彼らを優しく抱擁する、
その姿には"いのち"を慈しむ「母なるもの」の原像が鮮やかに結像している。
それは、十年にもわたって抑圧されてきた、母への渇望の極みについに成就した、
母との合一、一体化による、トラウマの超克だった。

怒り狂う相手を無言で見つめるすずの顔には恐れも怒りもない。
その静謐な表情には、ただ一つの揺るぎない信念だけが認められるようだ、
一人の少女の心の極限が定着されたこのシーンに自分は圧倒され、息を呑んだ。
細田守が渾身の力を込めたこのカットを言葉で言い表す必要はないかも知れない。
だが、ここまで掘り起こしてきた文脈に即して、敢えて言いたい思いにも駆られる。
そこに具現しているもの、それはおそらく、"いのちの尊厳"といわれるもの、
そして、"いのち"の価値への無限の信頼なのではないだろうか。・・・
{/netabare}



細田守作品は一貫して、人と人との関係の在り方を問い続けている。
Ⅰ章で「当事者性」、Ⅱ章では「いのち」というモチーフを仮設的に措定し、
複層的な構造に対応するアクチュアルなテーマ性と普遍的なそれとを並置してみた。
最終的にはそれらを「関係性」という固有の枠組みの中に落とし込むことで、
本作のテーマとメッセージは完全に開示されるように思われる。

一言でいえば、それは"人格的なもの"への固有の志向性である。
喩えるなら、ベルが竜に向けた"あなた"という呼びかけの中に響いていたもの。
また、他者の"いのち"に向かう姿勢にはその契機が必然的に内在している。
愛情にもとづく関係は、生物的な自然に根差すがゆえに歪められるがちだが、
それを人格的なものに高める努力によって、関係は真実なものになる。
すずの再生には一面、こうした心の成長が重ねられていると見ることもできる。

Ⅰ章を5月に投稿してから、今回の投稿までに実に3ヶ月を要した。
それにも拘らず、作品内部の脈絡を掘り返す迂遠な作業にのみ終始して
やっとテーマの入口に辿り着いたところで切り上げるのは、何とも間抜けな話だが、
本作を語るべき最適任者が他におられるがゆえの、これは戦略的撤退なのである。
その方は拙稿への引用を快諾して下さった上に、作品の真の理解にまで導いて下さった。
末筆となってしまったが、衷心よりの感謝をここに記すことをお許し願いたい。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 22
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

内容はあまり評価できないが、すず=ベルだけは歌を含め最高。

 24年6月再レビュー。なぜか毎年見てしまう作品の1つになりそうです。

 まずこの作品の嫌いなところです。演出がディズニーすぎます。「美女と野獣」はもちろんですが、作画も雰囲気もエフェクトも全部ディズニーなので、オリジナリティというか表現者としてのアート感覚に疑問は持ちます。

 それと、ジャスティンが余計です。自己顕示欲とか権力とかいろんな象徴かもしれませんがテーマにとってはノイズでした。竜は強いものの象徴ですから、引きこもりと重なりません。醜いもの?なんでしょうね?

 竜との出会いが唐突で、なぜ引き寄せられたかが不明です。これは天使(クリオネ)が一番初めの理解者だったことと関係があるかもしれませんけど。このジャスティンと竜の関係性が、のちに出てくる引きこもり設定や父親とうまく合わさってこないので、ノイズになったと思います。あるいは父親が権威主義ということなのかなあ?

 登場人物が多すぎて整理がついていないと思います。いたずらにキャラを増やしたのは、案件として声優の数を増やしたかったんだろうな、という気がします。
 しのぶとの恋愛云々が余計とか、ほかにいろいろありますが、大きくは、ディズニー、竜とジャスティン、引きこもりと竜のアンマッチ、しのぶ、キャラ多すぎなどが不満点でした。要するに余計な要素を入れすぎて全体にごちゃごちゃしてしまいました。

 一方で、なぜ毎年見たくなるかといえば、やはり歌のシーンです。ユーチューブで結構な頻度で歌だけ聞きますが、映画のシーンとしてみる感動を味わいたくなります。

 そして、なんといってもヒロインすず、ベルですね。この子のキャラは本当に良かった。コンプレックスと母親の件が、すずのキャラに深みを与えています。それゆえに、自分の素顔を公開するシーンが非常に胸を打ちます。母親の人を助けた意味を理解し、行動に移したのが素晴らしかったと思います。
 
 つまり、すず=ベルを見る、歌を聴くだけでも、この作品は再視聴する価値があると思っています。それ故にもったいない感も大きいですけどね。

 批判もあるラストのすずの単身の行動です。私は初見ではそれほど不自然でもなかったですが、2回目以降はやはり不自然に感じています。それは今回再視聴してもかわらないのですが、ただ、母親の行動と重ね合わせる必要があったので「無茶」をさせる必要があったんだろうな、と思います。

 ということで、やっぱりストーリーとしてはあまり評価できないし、作画はいいですけど演出のディズニー臭、キャラの案件臭さに金の匂いを感じてしまい、映画自体は好きだとは言えません。といいますか、時を超えて残る作品だと思えません。ずっと古い「サマーウォーズ」の方が鮮烈です。

 キャラはすずの評価で3.5→5にしたうえで、他のキャラの不自然さをマイナスして4.5にします。ストーリーはやっぱり3ではなく2.5ですね。作画を5からディズニー臭の分を引いて4.5にします。

 音楽映像としてなら、アニメ映画の中でNO1グループの1つでしょう。

 




23年7月レビューです。

 一番初め本作は若干盛り込みすぎという情報だけはありましたが、ほぼ前情報なしで見ました。
 通しは、多分3回目…いや4回目くらいです。ただ、音楽はユーチューブでかなりの回数聞いてます。

 1回目のレビューは映画見ながらその場で感想を打ち込んだんですけど、あまりに長くて文書も見苦しいのでカットしました。追記も多いので要約しています。で、今回23年7月にまとめました。悪口はかなりマイルドにしました。前回見た印象よりは良かった気がしたので。

 本作はまあ「ポンポさん」理論を実践していれば、というポテンシャルは感じました。
 最高に面白くするために90分に抑えろ。「必要な部分」を残すために倒れるまで編集しろ…そのまま言いたいですね。
 それとこれもポンポさんであったと思いますが、キャラの作り込みですね。その人の人生を全部考えるくらいキャラ造形を作りこめと言いたいです。ヒロイン以外が甘すぎます。
 美少女は…まあ、出してほしい気もしますが、本作はどうかなあ?そばかす姫を劣等感の表れとして…あの子…美少女の方が、最後のカタルシスにはなったのかも。


で、レビューです。

 1回目は結構面白く感じました。というのは、ヒロインすずのキャラ造形がとても良くて、母を失った音楽を愛する独りぼっちの少女という描写が出来ていたと思います。キャラデザがちゃんと普通っぽいそばかす少女なのも非常に良かったです。
 今回再視聴したら設定は、リアル「ぼっち・ざ・ろっく」という気がしなくもないです。

 冬の川辺で泣いてしまうシーンとか心情が良かったです。可哀想でしたけど。

{netabare}  もちろん歌とその映像は最高でした。幼馴染との関係もいいし、るかの恋愛話は最高でした、と結構中盤まではいいんですけど…

 やっぱり「美女と野獣」オマージュからは「ん?」となりましたし、モブたちが急にご都合主義の様に活躍しだすのは「え?ストーリ-になってる?」だし、結末も「何それ?」感はありました。
 が、すずは頑張ったということで、視聴後感はそんなに悪くなかったです。


 ただ、2回目見たとき、やっぱり恋愛っぽい幼馴染の話と、ケイの話が錯綜して、時間ばかり長い映画になってしまいました。幼馴染は「お母さんみたい」なら出番はそんなになくても良かったんじゃね?と思います。
 それとすずが音楽、歌に惹かれてゆくプロセスの描かれかたが不十分だったかなあ。

 むしろ、なぜ竜がコンサート会場に飛び込んできたのか?に歌ならケイに何かが届くという展開があってよかったのでは?竜を守る子たちがいるのかもよくわからないし。つまり、一番肝心の心を惹かれて行くシーンがほぼ無いも同然でした。孤独同士だから…というより竜が孤独だから一方的にすずが惹かれた?
 竜の強さは闇墜ちだから?孤独のダークエネルギーかな?あの独自警察の意味もちょっと…スポンサーがいっぱいいるから運営よりも強いってことかな?よくわかりませんでした。

 アイデンティティを隠す問題と、カミングアウト=勇気というのはいいと思うんですけど、竜とすずの心のつながりに説得力がないので、最後の救出にカタルシスがありませんでした。
 で、物理的に助けに行くのもいいんですけど、まあ、無理がありますよね。話的には。

 重要なことですが、おそらくここで母の死が生きてくるんでしょう。これも初回はよく考えたなあと感心した部分です。「知らない子を命がけで助ける」という部分です。母の様子を見ているとそういう孤独に苦しんだ性格じゃない風にも見えますけど。
 要するにそれを描きたいなら、そういう話にしてほしいです。すずの覚悟に重なってこない気がしました。
 母親のキャラの背景があいまい過ぎるでしょう。父は何のためにいるの?それを語らせる(かならずしも説明しなくていいけど背中で語って欲しい)必要があるでしょ?と思います。


{/netabare}


 要するにヒロインのキャラ造形は非常に良かったです。そばかす姫というキャラ設定にマッチしていました。まあ、これは上でもいいましたが、コンプレックスなら普通は美少女ですよね。なにかに配慮しちゃったのかなあ?

 しかし、竜に説得力がなかったです。そう、ほぼすべてと言っていいでしょう。
 それと、実社会における協力とか犯人捜しみたいなあの辺はもっと省略していいかなあ。

 Uを一番初めにもってきたのはどうかなあ、盛り上がりがないなあ…と思ったり、演出というかキャラの演技がディズニーそのままだし、全体的に構成・演出等々にまあ嫌いな言葉なんですけど「意識高い系」を感じました。

 そして、幼馴染は全く機能してなかったです。細田作品全体に言えますけど、代理店の要望か知りませんが俳優の声優を増やすための案件臭キャラが多すぎです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 22

68.0 13 2021年夏(7月~9月)アニメランキング13位
劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち(アニメ映画)

2021年7月2日
★★★★☆ 3.6 (12)
94人が棚に入れました
世の混沌を望む者により崩されていく日常。全種族を脅かす恐るべき陰謀が交錯する。光と闇の戦いの果てに待ち受ける未来は?! 呪われた世界は真の平和を手にすることができるのか。壊れゆく世界の運命は、〈七つの大罪〉に託された――。

声優・キャラクター
梶裕貴、雨宮天、久野美咲、悠木碧、鈴木達央、福山潤、高木裕平、坂本真綾、杉田智和

67.9 14 2021年夏(7月~9月)アニメランキング14位
岬のマヨイガ(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★★☆ 3.5 (40)
138人が棚に入れました
居場所を失った17歳の少女。彼女が辿り着いたのは、どこか懐かしさと共に温かみを感じさせる、海の見える古民家“マヨイガ"だった。それは、“訪れた人をもてなす家"という、岩手県に伝わるふしぎな伝説。血のつながりがない新しい家族たちとの、ふしぎだけどあたたかい共同生活が、新しい居場所“岬のマヨイガ"でいま始まる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

心がざわつく優れた映画だと思います。青少年へのメッセージかな?

 他人が集まることで家族となる疑似家族ものの一種ではあります。東日本大震災の後の復興の一面を切り取ったような話でもあります。さらに、あらすじ通りではない部分もあるので、ネタバレとしておきますが、{netabare} 妖怪大戦争もの{/netabare}でもあります。

 これらがご都合主義的に組み合わさって、比較的派手な絵もなく音楽の無い場面も多く淡々と話が進みますので、退屈する人はするでしょう。

 ですが、この2人の少女が不幸を背負った原因を考えたときに、果たしてそんな単純な話なのか?と気が付きます。震災という大きな大きな不幸と、家族に起こった世間から見たら個人的な不幸。そのどちらも人々にとっては逃げ出したい現実になります。

 その中で自分は誰といたい、どうしたいという気持ちと向き合いましょうと。そして、誰を守りたい、どこで暮らしたいと言えるようになると、不幸から脱するきっかけと新しい何かがみえてくるよ、という風に見えました。

 この3人を助けてくれるのはなんといっても {netabare} 土着の妖怪 {/netabare}たちです。つまり、土地であり共同体です。これは人間も一緒でした。人間は弱いので、辛いもう離れたいと思う気持ちが出てきます。それが地域を滅ぼすことになるという事だと思います。

 本作については、見て欲しい対象年齢を少し低めにしていると思います。それは不幸な現実とどう向き合うか、ということを分かりやすく伝えたいからなのかなあ、と思います。
 震災の不幸も初めは少々デオドランドして、見やすくしすぎでは?と思いました。が、震災の不幸をクローズアップしすぎないように、そしてそこの嫌悪感恐怖感で映画が伝えたい「不幸」の本質を見失わないようにするためかなあと思いました。
 そして、なぜそうしたのかを考えると、逃げる=自殺とか考えてしまう少年青年に対する何かなのかなあ、という気がしました。

 とはいえ、大の大人が見ても、見ている途中で心がざわめく映画ですし、視聴後感はハッピーエンドではありますがこれからもいろんな不幸が起きるけど、戻るべき場所、共同体があるから頑張れるんだ、という風に見えました。

 なお、初めの狛犬のシーンはここでは述べませんが2つの見方ができますね。
 そして、飼われるのが三毛猫です。必ずメスですからあの家には女性しかいません。つまり巫女という風にも取れましたね。

 アニメーションとしての技術的なところは、超一流ではないかもしれません。評価点が平凡なのもそのせいです。が、作品としては、脚本とメッセージ、演出などで良くここまで仕上げたなあという印象でした。青少年向けという前提でいえば、100点中88点くらいつけてもいいかもしれません。

 ということで、隠れた名作だと思います。1回しか見ていないので、もうちょっといろいろあるかもしれませんが、1回集中して見たのでかなり疲労感があります。つまり、出来が良いということです。
 刺激とキャラ萌えを期待すると退屈かもしれませんが、視聴中そして見終わったあと、心が動く映画です。いい映画でした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 8

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

古いけど色々と良い家じゃん

見に行くか、見逃すかを悩んだ作品です。
でも、せっかくなら見に行こう!と見て来ました。
最初は岬の上にある家が頭上から映し出されるシーンの私の感想は。

森と草ばっかり、景色めちゃ綺麗じゃん、絶壁じゃん落ちたら死ぬ、家の庭めちゃデカいじゃんでしたw

私はユイとひよりは姉妹かと思って居たら違うのですね。
元々は他人同士だった2人をお婆ちゃんが引き取りマヨイガで生活する事になります。

ひよりは両親を居眠り運転の車に衝突され失ってしまいます。
きっと、それが原因?で喋れないのだと思いますが、その辺の説明がなくて……多分。

ユイは両親が離婚して父と二人暮しです。
父は、母が出ていったのはユイのせいだと言います。
挙句の果てに、ユイが用意していたご飯を、いきなりキレだして机から弾き飛ばすし。
自分が辛く当たるのは、全てはお前の為だ!と言う始末……

明らかに、奥さんが出てったのは貴方のせいですよ。って思いました。

作中で私が良いシーンだと思ったのは、ラストのユイが偽物の父に無理やり連れていかれそうになるシーンです。
ユイは父が怖くて何も出来なくて何も言えなくて……ひよりも助けようとするけど何も出来なくて……

でも、ひよりにとって、お婆ちゃんとユイと3人は家族だから、新しい家族を二度と絶対失いたくないから、彼女は声を出す!
両親を失って無くした声だけど、姉を失わない為に出した声……血なんて繋がってなくても、出会って数日でも間違えなく家族で大切だから、守りたいって気持ちから出た声。


後は、お婆ちゃんのピンチに駆け着けた、ひよりが、お婆ちゃんの「自分に出来ることを」って言葉から考えて行動したシーンが凄く良かったです。

さて、作品としては面白いと思います。
原作はもしかしたら面白いかもしれません。
でも、映画で見たら……設定がイマイチ理解しにくかったり視聴者側が想像で補わないとならない点が多すぎる気がします。

キャラの心情のヒントが少なすぎて感情移入が出来にくく、最後まで見ても消化不良って感じが残ってしまいます。
うーん、面白くはなくはないですが……普通くらいかな……

声優さんも余り上手くはないかな?
なるほど、ゲスト声優さんですか……
私はアニメでは物語が1番楽しめるポイントで物語が良かったり、キャラに感情移入しやすければ、あまりも酷くない限りは言わないのですが、物語も中途半端と感じる部分もあり。
そちらが更に浮き彫りになって感じたりもしました。

声優さんで言うと、座敷わらし役で、ナナニジの藤間さくら役をしてる天城サリーさんが出てます。
私のアイコンもナナニジの佐藤麗華ですが、ナナニジのアニメはともかく、ナナニジの音楽も聞くし、計算中も見てて好きなので、その辺も楽しみにしてましたが、セリフ少なっ!w(*꒪꒫꒪)

作中には、座敷わらし以外にもカッパや雪女など妖が沢山出てきます。
実は、私は妖怪が割と好きです。
理由としては父が妖怪などが好きで小さい頃から、妖怪番組やら本やらを見て育ちました。

だから、その辺も気にしてましたが、あれだけ妖怪居て殆ど山火事を消す方に回って出番と言う出番もなくw

面白いのは面白いとは思うし作品のメッセージ性も伝わりはしましたが、オススメしますか?となれば話は変わってくるかな?とは思ってしまいます。
好きな人は好きになれそうな作品かな?と思います。

お婆ちゃんの昔話の語りは面白いしわかりやすかったと思います。
作風をガラリと変えてくるのもいいですねꉂ(ˊᗜˋ*)ヶラヶラ

あっ、冒頭の山道の作りもすごく良かったです。
私の母方の実家がド田舎なのですが、山道の再現が凄く良かったです。
後は、落ち葉や枯れ草の種類や葉の色や道の色もリアルで上手く再現してるなぁ〜って少し懐かしい気持ちになりました(ˊo̴̶̷̤ ̫ o̴̶̷̤ˋ)

投稿 : 2024/12/14
♥ : 7

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

夏休みの妖怪映画

妖怪ウォッチが下火になってきたはずが、まさかの妖怪映画バブルが到来しましたねえ。
震災後の岩手が舞台という事で、どんな闇の深い映画なんだろうと気構えていましたが、心配していたような事はなく、10歳未満でも安心して楽しめる物語になっていました。良かった。
だからそうだとは限らないのですが、緊迫感は薄めです。大人が見るにはやや退屈に感じる場面がありました。
じゃあ、面白く無いの?
いえ、そうではありません。流石のデイビッドと思えるだけの作画良さがありました。
(マヨイガのCGはもう一歩踏みこんで欲しかったですが)
作画で楽しめるオタクならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 6

66.1 15 2021年夏(7月~9月)アニメランキング15位
鹿の王 ユナと約束の旅(アニメ映画)

2021年9月10日
★★★★☆ 3.4 (39)
212人が棚に入れました
強大な帝国にのまれていく故郷を守るために戦う戦士団<独角>。その頭であったヴァンは、奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、ひと群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を助け、育てることに。一方、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。感染から生き残った男と、命を救うため奔走する医師。過酷な運命に立ち向かう人々の“絆"の物語。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

原作は大変素晴らしいのですが…時間が…

このアニメは、上橋菜穂子さんの小説『鹿の王』を原作にしています。
『鹿の王』は2015年に本屋大賞を受賞した素晴らしい小説で、上橋さんの世界観がにじみ出ています。

但し、その内容は、分厚い上下巻の二冊分。とても映画の2時間以内に圧縮できるものではありません。
例えるならば、同じ上橋菜穂子さん原作でNHKで放送された『獣の奏者エリン』50話分を2時間に収めるようなものです。
だから無理があります。どうしても原作どおりではなく、途中から時間配分を考慮したオリジナルストーリーにせざるを得なくなります。
おそらく監督さんは、そこに大変悩まれたことでしょう。

原作と違えても、同じ世界観であれば良かったのですが…、私には上橋さんの世界観ではなく、風の谷のナウシカの世界観のような気がしました。
そして、なじみのない言葉が頻繁に使用されますが、その説明が時間の都合で一度しかない。または文字だけでの説明のために理解しずらく、結果として感情移入しにくい映画となってしまったようです。

原作だと主人公ヴァンと狩人サエの卓越した能力とお互いが魅かれ合う様子がしっかりと描かれていましたが、それもあまり描かれていません。
逆に人間では起こしえない妖怪(怪獣)のような原作には無い力が多く描かれていたのが残念でした。

原作では実は、主人公は二人います。ヴァンだけではなく、もう一人、天才医師のホッサルも主人公でした。
映画ではホッサルの熱意や努力、あくなき追求心は、原作と変わりなく描かれていました。
伝染病の対処方法をつきとめるべく努力する様子は見ごたえがあります。

最後に、ヒロインのユナですが、もう少し可愛く描かれていたならば、この映画はもっと魅力がでたと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 17
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

迷信もかき分けて真相に迫る医術

【あらすじ】
{netabare}アカファ人には罹らず、東乎瑠(ツオル)人には罹るという謎の病・黒狼熱(ミツツァル)が、
東乎瑠帝国の聖地への侵略を止めた歴史が残るアカファ王国。
帝国が再び侵攻する中、再び襲い来る病には、政治的な陰謀の匂いが。

病で壊滅した岩塩坑にて生き残ったアカファの奴隷で元・戦士団・独角(どっかく)のヴァン。
彼が守りたい、もう一人の病耐性者の幼女・ユナ。
病撲滅の鍵を握る二人には様々な勢力の思惑が入り乱れる。

帝国の天才医師・ホッサルは黒狼熱の治療法を探る中で、ヴァンたちと出会う。{/netabare}

上橋 菜穂子氏の小説(単行本版を購読済)の劇場アニメ化作品。


【物語 3.5点】
尺不足。

ストーリー自体はシンプルなので詰め込んでも破綻はしない。
ヴァンはユナを守る。ホッサルは病の真相を探る。それだけ。
だが、物語を彩る複雑な政治事情、
征服民と被征服民との間の割り切れない諸問題。
上・下巻1000頁超に広がった原作の豊潤な人間模様は取捨選択を余儀なくされる。

主題である病と人間の関係については、
被征服民には罹らない病は征服民への呪いという疑心暗鬼などのポイントは押さえて。
戦乱で傷ついた男・ヴァンを癒やす”家族愛”については、
幼女・ユナとの触れ合いに集約して、どうにかまとめ上げた感。


文明レベルは、気球が浮かぶなど、もう数歩で近代に手が届きそうな中央アジア風。
病は神の意志という宗教的迷信に対して、
医師・ホッサルは微生物の感染が病を引き起こす西洋医学的な仮説に迫る段階だが、
顕微鏡で一目瞭然とまでは行かないもどかしさ。
(ラストでは{netabare}ちゃんと顕微鏡開発されてましたが{/netabare})

医療ドラマとしての魅力も映像化されるが、背景を知らない原作未読組が、
予備知識なしで放り込まれて、理解できるかどうか……。

公式HP記載の人物相関図、"玉眼来訪"などの専門用語辺りは、
ネタバレではなく、作品理解の前提条件。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・Production I.G

精巧に再現された気候風土、生態系、文化、風俗。
文化人類学者でもある原作者による、民族の風習が核心に結び付く物語。
小物や衣装の設定一つ一つが作品の根幹であり手を抜いてはいけない。
同原作者の『精霊の守り人』TVアニメ化で勝手知ったる同スタジオが高いハードルをクリア。


圧巻なのが動物アクション。
元ジブリのスタッフも多数参加する本作の動物の躍動感は『もののけ姫』を想起。

スタッフは中央アジア風集落再現のためにモンゴルにロケハンを敢行。
下馬した人物が馬の首の下をくぐって前に出る何気ない動作に、
これは牧畜生活を相当研究したのでは?と私は背筋を伸ばされました。
暴れ飛鹿(ピュイカ)を馴致する一連の過程。
転倒した騎馬に巻き込まれた隣の騎手の連鎖的な落馬の動画。
動物の作画に関しては日本アニメ史上でも屈指の出来栄え。


セリフでさばき切れない膨大な情報量も、背景、作画が担う。
重要な伏線も作画で示唆されるため片時も目が離せない。
冒頭タイトルが出るまでの約10分、ほとんどセリフがないシーンが続きますが、
ここで作画から感じ取るピント調節ができねば、飛鹿からふり落とされるのは必定。
感性のギアを上げて喰らいつきましょう。


【キャラ 3.5点】
主人公ヴァンはゴツい中年男で妻子と死別→戦で破れ奴隷転落。
年齢と苦労を重ねた希少な主人公を堪能できるのも、この原作者アニメの醍醐味。

彼に「おちゃ~♪」と懐く幼女・ユナ。
傷心のヴァンや鑑賞者の癒しでもあり、対立を煽る政治劇への解答でもある。

もう一人の主人公の医師・ホッサル、ヴァンの抹殺を狙う暗殺者サエ。
メインについては不満もあるが、まずまずの再現度。


割を食ったのがアカファ王国の被征服民。
東乎瑠帝国の圧力を受け、面従腹背するアカファ国王。
支配を受け入れた東部アカファ人と、あくまで抵抗する西部アカファ人との温度差。
ヴァンとユナが身を寄せるアカファ集落は、
帝国により移住させられた歴史を持つが、映画では説明はあと付け。

原作では故郷を追われたアカファ人としての悲哀と、それでも今はこの移住先が自分たちの土地との諦観が入り混じった心情を詳述。
人間が呑み込んだ微生物が宿主を翻弄する≒帝国が併呑した被征服民が支配者を脅かすという構図の共鳴も相まってよい渋味を醸す。
さらには、映画ではなかったことにされた毒麦事件。
東乎瑠が持ち込んだ麦とアカファ麦との交配により生じた毒により生活が脅かされる。
西洋人が持ち込んだ病により絶滅の危機に瀕した米大陸原住民の如き悲哀。

この辺りも押さえた上なら、アカファ国王&腹心。
生き残るためなら同じアカファ人の刃も受ける悲壮が心に染みるのですが……。


【声優 3.5点】
メインキャストは俳優陣で声優経験は乏しい。

ですが私は、主人公ヴァン役に堤 真一さんと聞いた時は楽しみで仕方ありませんでした。
彼は登場人物に年輪を刻ませたら一級品の役者。
メインについては脚本の不備を声優スキルで補う無茶振りも少なく、
映画ではヴァンもさらに寡黙になったこともありw
ダメージ最小限で、堤さんの役者としての魅力を引き出せていたと思います。

ユナ役も子役・木村 日翠(ひすい)さんでまずまずの幼女ボイス。
サエ役も杏さんも凛とした声でそれなりに。

ただ医師ホッサル役の竹内 涼真さんはもっとベターな選択肢が……。
それ以前にホッサルさんってこんなにイケメンでしたっけw


サブは"ちゃんとしたベテラン声優陣”で固め、
ラスボス役の西村 知道さんらが掘り下げ不足のキャラをスキルでカバー。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は富貴 晴美氏。
大長編の原作を一本にまとめる無謀な企画でも、
要素を捉えて大河ドラマ感を付与する仕事で実績のある実力者。
本作でも雄大なオーケストラに各地の民謡もアレンジして押し切る。

ED主題歌はmilet「One Reason」
ヴァンとユナの絆を思わせる英語歌詞メインの壮大なバラードで大作感の余韻を残す。


【感想】
やっぱりこれ2クールアニメで観たかったですw

投稿 : 2024/12/14
♥ : 14

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

無題。

映画化のお話を耳にしてから、原作を読むのを控えていました。
ですから、これから読もうと思います。

そうでないとなんだか気持ちがふわふわして、収まりが少し良くありません。



劇場を後にした印象は・・・「思っていた以上に "硬派" だった。」です。

どちらかというと、もう少しエモーショナル寄りのワクワク感みたいな期待感があったんです。

でも、お話が進むにつれて、何度か見立ての違いが生じて、視点を切り替える作業に迫られました。

誰に寄せるといいのかな?
何を拾うのがいいのかな?

なんだろう・・・?

世界観設定が読み切れなかったのかな?

キャラの相関関係が整理できなかったのかな?

主人公たちが、内省に向かうキャラ設定だからかな?



クリエイターの意図に辿りつけなかった。

何かを気づけないままでいる。


というわけで、これから表紙を開いて、じっくりと浸ってみようと思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 9

60.9 16 2021年夏(7月~9月)アニメランキング16位
映画 アーヤと魔女(アニメ映画)

2021年8月27日
★★★☆☆ 3.0 (12)
55人が棚に入れました
孤児として育った10歳の少女・アーヤは、なんでも思い通りになる子どもの家で、何不自由なく暮らしていた。そんなアーヤの前にあらわれたのは、ベラ・ヤーガと名乗るド派手な女と、マンドレークという長身男の怪しげな二人組。アーヤは、彼らの家に引き取られることになる。「わたしは魔女だよ。あんたをつれてきたのは、手伝いが欲しかったからだ」「おばさんが私に魔法を教えてくれるなら、おばさんの助手になってあげる」魔法を教えてもらうことを条件に、ベラ・ヤーガの助手として働き始めるアーヤ。でもひとつも魔法を教えてもらえない。自分の思い通りにならないアーヤは、魔法の秘密を知る黒猫・トーマスの力を借り、反撃を始める……!。

声優・キャラクター
寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳、平澤宏々路

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

めげないアーヤ・ツールは、居場所もアヤツル?

 母親?に孤児院に置き去りにされた赤ちゃん、アヤツルが、アーヤ・ツールと名付けられ育てられるです。他での生活も考えたこともないアーヤが、怪しい太ったおばさんと、ヒョロ長のおじさんに引き取られることにです。アーヤが、引取先で巻き起こす変わったホームコメディだったです。

 家につくと態度を一変した魔女のおばさんにこき使われながらも、魔法を教えてもらう目的でくじけることないアーヤの図太さを見たです。
 影で魔法を一つ取得してイタズラ紛いに報復するところ、起こるおじさんも巻き込んでどうなることやらだったです。

 バンドが出てきたりして実は?、だったりとそんなこんなで、見ているうちにいつの間にか時間がたって、すんなりHAPPY ENDになってしまったところがあっけなかったです。
 もう少し、トラブルでアーヤが奮闘してほしかったと思ったです。映画というよりTVスペシャルみたいな印象だったです。
 結局、ほとんど家の中だけのドタバタだったです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

55.2 17 2021年夏(7月~9月)アニメランキング17位
100日間生きたワニ(アニメ映画)

2021年7月9日
★★★☆☆ 2.6 (18)
35人が棚に入れました
桜が満開の3月、みんなで約束したお花見の場に、ワニの姿はない。親友のネズミが心配してバイクで迎えに行く途中、満開の桜を撮影した写真を仲間たちに送るが、それを受け取ったワニのスマホは、画面が割れた状態で道に転がっていた。100日前―――入院中のネズミを見舞い、大好きな一発ギャグで笑わせるワニ。毎年みかんを送ってくれる母親との電話。バイト先のセンパイとの淡い恋。仲間と行くラーメン屋。大好きなゲーム、バスケ、映画…ワニの毎日は平凡でありふれたものだった。お花見から100日後――桜の木には緑が茂り、あの時舞い落ちていた花びらは雨に変わっていた。仲間たちはそれぞれワニとの思い出と向き合えず、お互いに連絡を取ることも減っていた。変わってしまった日常、続いていく毎日。これは、誰にでも起こりうる物語。

声優・キャラクター
神木隆之介、中村倫也、木村昴、新木優子
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

自然消滅??忘れられた?ワニ

 ヒヨコ?を救ったワニの100日前とその後を描くワニの交友関係なお話です。最初のシーンでこのワニは、この時どうなったのか?見ている人に明らかにわかる展開だったです。

 遡って、バイト先の先輩を好きになったり、ネズミと特に仲良しだったりです。モグラも混ざったりモグラはバイト先の犬を好きだったりと、ありがちな日常だったです。
 モグラがうまくいったり、ワニは思い込みからバイトから距離を置いたりとどうなるだろうです。
 そんなこんなワニとネズミの友情だったり、どこかか普通なようで微妙だったりもワニたちがうまく生活している光景だったです。

{netabare} 100日立つとみなワニのことを口に出さなくなり、何処か気まずいような感じだったです。代わりに街に越してバイトを探していたカエルが、彼らの前に出て来るです。皆に打ち解けようと、好感が持てないながらも皆に語り掛ける場に溶け込めないカエルの姿が、何か哀れにも見えたです。
 カエルがなれなれしいながらも、少し近寄ったネズミがいい奴だったです。このカエルは、ワニの代わりということはないけど、どこか皆の気まずさが前進したような役割を果たしていたと思ったです。

 なぜ、100日生きたワニだったのか?です。よくあるような良かったり、ぎこちなくなったりした人間模様をワニのいたころと消えた後で、微妙にじれったいような言葉にしにくいような、空回りしたとでもいうのか?まとまったのかを示していたように見えたです。{/netabare}現実にもあるほろ苦いと表すべきなのか?あの作画のキャラたちとは、想像できなかった意外性を見せた感じもしたです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前半は素晴らしい名作。全体でも炎上を忘れ無料なら秀作です。

 前提条件として、無料のアマプラで見ました。つまり映画館に足を運んで有料で見てないです。それであれば、悪くない話かなとは思いました。特に前半は名作「100日後に死ぬワニ」のダイジェストですから当たり前といえば当たり前です。

 サクラの花びらが象徴していますが、本当に人生はいつ終わるかもわかりません。100日後に死ぬという前提があって見るから、我々は主人公をもどかしくも愛情をもって見守りますが、しかし、それは我々でもあります。つまり禅ですね。

 悟る必要はないと思います。いつ死ぬかもわからないからやるだけの事をやろうとまず取れます。

 100日後に死ぬというネタバレから始まる、一人の青春を描いた4コマ漫画は本当に名作だったと思います。後悔とか前に進む、ユメをかなえる、就職する、もちろん恋愛もです。

 しかし、その一方で死ぬというのは誰にでも訪れることであって、友情をはぐくみ、恋愛になやんだ、彼の青春はいつ終わりが来ても生きた証です。死がそこにせまってたとしても、自分らしい日常を送ることもまた大切だということでもありそうです。

 石田三成の柿の逸話を思い出したりもします。死刑を前に身体に悪いからと好物の柿を遠慮する男の境地です。この覚悟とは表裏の関係にはなりますが、死と生き方を考えるきっかけとなるのは共通です。
(この話をひょっとしたら助かるかもしれないからという解釈がありますが、そういう浅いことではないではないのは明らかです)

 本作前半と四コマ原作はすばらしい話でした。

 としたところで、後半ですね。カエルです。ワニの存在をしらない彼が死を悼む仲間にはノイズになるわけです。ですが、彼もまたワニと違う人生を送っています。事情をしらない彼も一生懸命青春を送ろうとしています。
 それはつまりワニ君に捉われていた仲間・グループの復活のきっかけにもなりました。その点においては悪くないと思います。思いますが、どうでしょう?

 ワニ君の人生を見た後の広がりに、結論を付けられてしまった感じはあります。ワニ君そのものを描いているわけではないし、死の悲しみとは本人ではなくて、残されたものの想いだという意味においては良いと思いますが、余韻というかせっかくの問いかけが少し具体的になってしまいました。

 続編として4コマで見せられたら、まず反発はすると思います。映画館に足を運んでお金を払った人もなんだこれは?になると思います。
 繰り返しますが、私は無料サブスクです。ですので、純粋にアニメの出来だけで言えば、実は前半は90点、後半でも70点くらい。平均で80点くらいはつけて良いストーリーではないか、と思いました。

 やはりテーマ的な奥深さ、文学的な余韻、特に前半については評価せざるを得ないでしょう。映画の題名はちょっとおかしいですけどね。

 メタ的に電通案件というネット上の炎上が不幸な作品ですが、見る価値は十分あると思います。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 4

どんべえ さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

漫画でおわっとけば、、

漫画は面白かったが、これはひどい
集客して利益を出して満足といった印象が見受けられた
まあ、人全然いませんでしたけど、、

投稿 : 2024/12/14
♥ : 3

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
劇場版『Gのレコンギスタ III』「宇宙からの遺産」(アニメ映画)

2021年7月22日
★★★★☆ 4.0 (9)
55人が棚に入れました
突如、ザンクト・ポルトにいるアメリア軍の航宙艦が攻撃を受けた。スペースコロニー国家トワサンガが、地球への帰還を目指す「レコンギスタ」作戦を開始したためだった。ザンクト・ポルトには地球内外の4勢力が集結、それぞれが権利を主張して意見を戦わせる中、アイーダは真実を求め、ベルリや仲間とトワサンガを目指すことを決意する。そして月の裏側にあるトワサンガで、ベルリとアイーダに衝撃の事実が明かされる……。

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

放映時の知識があってもやっぱり分かりづらかった

Gのレコンギスタ劇場版第3部。
メガファウナとキャピタルの軍勢は、いよいよ戦局を宇宙に移します。

月からの脅威を感じていたアメリア軍は、それに対抗するため宇宙に上がる。
ただし、アメリアは軍勢を迎え撃つ目的のみではなく、その裏には考えがあり、それを見透かしていたマスクやアーミーもまた企みを持って宇宙へ。
メガファウナの海賊たちとアメリア、キャピタル・アーミー、キャピタル・ガード、この4つの組織間と個人個人間の関係、謀略が絡み合ってドロドロしているところに、トワサンガのドレット艦隊が参戦。
さらにラライヤの正体、アイーダとベルリがG-セルフを機動できた理由と二人の関係が明かされる回となっています。

放映時はだいたいこのあたりから本格的にわけがわからなくなったところで、ぶっちゃけたところ、劇場版もそれほどかわりなかったように思いました。
セリフ周りはわかりやすくなったようですが、それでも放映時の事前知識が無いと追いかけられていなかったと思います。
というか、放映時の知識があってもやっぱり分かりづらかったです。
なぜドレット艦隊が、アメリアや海賊部隊はまだしもキャピタルを攻撃するのかがわからない。
そもそもマスクが悪いというのはわかるのですが、そこからキャピタルとアメリアが手を組む流れになるのはもっとわからないです。
第1部、第2部の感想で、劇場版は放映版より格段にわかりやすいということを書きましたが、嘘でした。
第3部になっていつものGレコに戻るので、第3部でやっぱり挫折する方は挫折する気がします。

また、Gレコといえば、本編以上にエンディングの『Gの閃光』が評判でしたが、第2部、第3部ではエンディングが変わってしまったのも残念です。
本編では対立している登場キャラが一緒に腕を組んでいるエンディングムービーのファンは多かったですが、劇場版は没個性なエンディングになってしまっています。
4部では本編からの改変が多くなるという話を聞くので、どう変わるのか、楽しみであり不安でもあるような気がしますね。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 1

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
劇場版『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』(アニメ映画)

2021年8月20日
★★★★★ 4.3 (8)
45人が棚に入れました
バンドリ!劇場ライブアニメーション「BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage」開催決定!「Poppin’Party」「Afterglow」「Pastel*Palettes」「Roselia」「ハロー、ハッピーワールド!」のおなじみのバンドメンバーに加えて幻想的な世界を奏でる「Morfonica」最強を掲げるロックバンド「RAISE A SUILEN」も出演決定!7つのバンドが目指す、「2nd Stage(次のステージ)」は……?

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

実際にこんなライブがあったら楽し〜

 「ぽぴぱー ぴぽはー ぽぴぱぱぴぽぱー」から始まる凄い会場のライブだったです。この言葉も始めて聞いたときは、訳わからなかったけど、今では普通になっているです。

 Morfonica参戦で、PVとは違ったMorfonicaを見れて盛り上がりを見せたです。
 アニメ放送で聞いた曲も少しあったけど今回は前回と違うような雰囲気と盛り上がりが良かったです。

 驚きのステージ演出が、今回はかなり冴え渡っていてよかったです。
 やっぱりポピパなライブだったけど、どのバンドも良さが出ていたです。

 なんと行ってもアンコールが、今までになく新鮮な曲とさんバンドのクロスライブで良かったでした。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

映像史に残る最高のライブ体験映画!もうツッコませないし比較もさせない!!総勢7バンド35人3パターン上映のメガマックスフィルムライブ!!!

出演声優が実際にバンド活動したり、逆にバンドマンが声優になったりする事でお馴染みのメディアミックスシリーズ『バンドリ』の劇場版第4作
2019年にも『FILM LIVE』を名乗る劇場版がありましたがソレと同じく全篇84分がライブシークエンスとその間のMCのみで構成された仮想ライブ体験作品です
つまりストーリーと呼べるものがほぼ存在しないので全く予備知識を持たず、ロックバンドやアイドル声優のライブを2000円払って観に行く、ぐらいの気持ちで観て頂ければと思います


2019年版の時点では5バンド25人だったキャラも、テレビアニメ第3期とその後のゲーム等での展開を経て7バンド35人に増量しました
特に新規参戦となるトランスメタル系バンドの「RAISE A SUILEN」とメンバーにヴァイオリニストがいる「Morfonica」は本作が本格的なアニメ化のお披露目となります


まず前作の『FILM LIVE』がテレビアニメシリーズの合間を縫うようにブシロード木谷会長とサンジゲン松浦社長の間で【思い付き】的に交わされた突発企画だったので、さほど制作時間を掛けられず“実質3ヶ月”の制作期間で完成された完全新作映画だったわけです


そこから新たにたっぷりと時間を掛けて作られた本作
ただでさえリアル寄りだった『バンドリ』のライブシークエンスが遂に究極の域に到達したと感じます!


まずステージ上の小物の再現度が異常なまでに高いです
アンプやエフェクターはもちろんの事、よぉ~く観るとボーカルが歌詞をカンニングする為のモニターや曲間に飲む水を置くボックスまであります
ステージ奥の巨大液晶モニターに映し出される映像は、ステージ上で実際に演奏するキャラとほんの少しだけタイムラグがあったり、照明を際立たせる為にほんの少しだけ焚かれたスモークが薄っすらと宙を漂っている様子も細かく再現されているのです


そして前作ではほぼワンパターンな動きの繰り返しだった観客が振るペンライトの動きも「ライブ慣れしたサンジゲン社員」がモーションアクターとなって完璧に再現
いわゆる“よく統制されたヲタク”の中に鑑賞者を誘うわけです


その一方で、ライブ会場となっているのはサッカースタジアム級の奥行きと縦に伸ばしまくった幕張メッセの様な5階席まであるという高さが組み合わさった、現実には到底ありえないメガアリーナ
そこを埋める満員のバンドリーマーという現実ならばギネス記録にも挑めるクラスのその圧巻の映像だけでも十分観応えのある光景となっているのも面白い
彼女らはポール・マッカートニーか、はたまたU2なのか?
もはやここまでライブシークエンスにこだわったアニメは史上かつて無いと言っても過言ではない筈です


そして今作の目玉とされているのが一部楽曲が実際のライブで披露された音源を素材にして5.1chにミックスして劇中で使用されているという事です
前作ではあくまでレコーディングされたステレオ音源を5.1ch化したものでしたが、今回はまた少し味わいが違います
単純にライブ音源を素材として使う、といっても実際は雑音やら環境音やらサラウンド化には不要な音が混ざってしまっている
コレを精査する作業がめちゃくちゃ大変だったはずなので、音響の飯田里樹監督の苦労は人一倍だったはずです
また、実際のライブのPAではライブの序盤と終盤で音量を変える、という演出が入っているそうで、その様な実際のライブの演出も本作の中では再現しているそうです
しかしながらこの音に対するコダワリは鑑賞する劇場の設備や調整具合に左右されてしまう部分がとても大きいのもまた事実です
この機会に是非お近くで音響に定評のある映画館があるかお探しになってみては如何でしょうか


ちなみに先日、渋谷O-EASTで何故かライブハウスで本作を観る、という謎の誰得イベントがあったので参加してきましたが、アレはアレで貴重な体験になったと思っていますw


それとエンドロールが終わっても席を立つのは早計です
ライブといえばアンコール!なのですが本作は贅沢にも3パターンのアンコールが存在しており、それが週替わりに入れ替わるという仕様になっております
アンコールを事前確認する、というのもおかしな話ですが登壇するバンドメンバーも変わるのでやはり事前に確認しておくと良い思います
ちなみに、個人的なお気に入りは「競宴Red×Violet」ですw


さて前作のレビュを書いた時、特に取り上げて書きましたが本作もありがたい事に応援上映が実施されました
と、言っても昨今のファッキンコロナの事情を鑑みて“発声”は禁止されております
その為、ペンライトと拍手に集中する形での応援となります
応援上映を実際のライブのライブビューイングと同じと思っている方もまだまだいるらしいのでもう一度書きますが、応援上映とは【作品世界の人間になりきる】上映です
つまり観客に求められているのは“演技力”になります
応援上映を体験された事の無い方は是非一度、応援上映で作品世界のモブの一員に【なりきって】みて頂きたいと思います

投稿 : 2024/12/14
♥ : 2

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物(アニメ映画)

2021年6月25日
★★★★☆ 3.7 (8)
23人が棚に入れました
貿易都市メッカを目指す侵略者アブラハの軍隊に対し、当初は平和的な解決を望んでいたメッカの民だったが、アブラハの提示する非情な条件に怒り、戦うことを決意する。そんなメッカの民の志願兵のなかに、ひとりの青年アウスがいた。彼はかつて盗みに入った家で陶工のジュバイルと出会ったことで大きく運命が変わり、成長してジュバイルの娘ヒンドと結婚した。過去の罪を贖うため、そして家族との幸せな生活を守るため剣を取ったアウス。やがてメッカとアブラハの軍が激突する。
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

自然現象の巻き起こす、神のなせる業

 メッカの侵略を目論むアルバハ率いる悪人軍隊に対し、主人公アウスを中心に立ち向かったメッカの人達だったです。

 場面場面において、よく知られる聖書に出て来るみたいな話を神の奇跡として、アラビア風に語られるです。非常に、神の存在と教えを信じるメッカの人々を見れるです。

 {netabare}悪人軍隊の操るゾウの集団に凄みがあったです。{/netabare}

 絶体絶命の場面で、突如あり得ない展開が巻き起こったところは、とこか不自然で仕組まれた演出に見えたです。
 何でもかんでも、神の奇跡とされる所が、信じ込みの凄さとある意味、めでたい気がしたです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 3

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー(アニメ映画)

2021年7月22日
★★★★★ 4.3 (3)
19人が棚に入れました
2021年1月よりテレビ東京系「きんだーてれび」内にて放送を開始、SNSを中心に瞬く間に話題となった「PUI PUI モルカー」。モルモットが車になった世界を舞台に、癒し系の車<モルカー>が活躍するという斬新な世界観は子供から大人まで魅了しました。そしてこの夏、モルカーたちが初めて映画館にやってきます!映画では3D・MX4Dでアニメ全12話を一挙上映 (一部、2D上映)。入場者プレゼントは「ならせ!モルカーボール」!キャラクターがデザインされた音のなるボールで、映画を観ながら一緒に鳴らしてもOK!(入場者プレゼントは先着、数量限定)是非、モルカーの世界に入り込んで映画館ならではの体験をお楽しみください!

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

モルカーボールを鳴らしながらモルカー一気見

冬アニメで唯一リアタイしてたモルカー
サブスクでいつでも見られるけど、モルカーボールにつられて劇場へ。
何度も見たはずなのに、
劇場という場所で鳴らすには大きなpu-pi-が最初は遠慮がちに、だんだんと調子付いて何とも癖になる。
環境が変われば感じ方も異なる。
新作のような味わいであと何話あるんだろうとワクワクした。
最高の映画だった。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 3

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
ジュゼップ 戦場の画家(アニメ映画)

2021年8月13日
★★★★☆ 3.9 (5)
17人が棚に入れました
1939年2月、スペイン内戦の戦火を逃れた大勢の難民が隣国フランスに押し寄せた。しかしフランス政府によって強制的に収容所に閉じ込められた彼らは、劣悪な環境のもとで寒さ、飢え、病魔に苦しむはめに。難民のひとりである画家のジュゼップ・バルトリは、それが人間らしさを保つ唯一の手段であるかのように、建物の壁や地面に黙々と絵を描き続けていった。若きフランス人憲兵セルジュは、そんなジュゼップに鉛筆と紙を与え、ふたりは固い友情で結ばれていく。やがてジュゼップが消息不明の婚約者マリアとの再会を夢見ていることを知ったセルジュは、彼の切なる願いを叶えるためにマリアの捜索を行うのだが……。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

これは、収容所の画家

 寝たきりの爺さんが、孫に語るフランスの収容所に入れられたスペイン難民のお話で、ジュゼップという画家との出会いと交流を描いていたです。実話が、元のお話だそうです。

 若いころ憲兵だった爺さんが、砂地に絵を描くジュゼップに関心を抱き、こっそり紙と鉛筆を渡したりという展開だったです。当時他の憲兵による、酷い扱いなども描かれてもいたです。
 ジュゼップの描く絵の殆どが鉛筆がで、細かいタッチのよくできたものだったです。人間模様も描かれていて、子供が見るとやや退屈する進行だったかもしれないです。ヨーロッパのサッカー選手が話すみたいな言葉に聞こえるので、フランス制作であってもスペイン語だったようです。BS-1に出て来るスペインなど、街紹介に出て来る現地の人みたいな語り口調が、特に女性で印象的です。
 悲惨なこともあり、思いがけない出会いありと独特なペースで進む中で、最後のシーンはどうなったのか?どうなっているのか?見た人が想像してくださいというような感じが、ヨーロッパらしさを感じたです。

 今時にないヨーロッパ独特のキャラデザ、絵の具で描いたような絵画な背景画、何処か時代を感じさせる音楽、歌は見る人によっては悪くなかったです。
 キャラが動くというより、静止画が移動する感じで、言葉が加わったりでアニメとして成り立つところが、ある意味凄いかもしれないです。

投稿 : 2024/12/14
♥ : 6

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
DAHUFA 守護者と謎の豆人間(アニメ映画)

2021年7月23日
★★★★★ 4.2 (3)
12人が棚に入れました
王宮から失踪した皇太子を捜すため、奕衛(イーウェイ)国の守護者であるダフファーは国境を越え、とある謎の村に辿り着いた。
ここの住民は自らの意志を持たず、喋らず、見た目も皆そっくりで、村中には不気味な気配が漂っていた。
やがてダフファ―は、この村に隠された秘密へと徐々に近づいていく…。

本作は中国史上初の大人向けアニメ映画で、中国国産アニメにおける“前代未聞”の挑戦として知られている。ヒトと似て非なる奇妙な生き物たちの首が次々と切り飛ばされていく暴力的な描写がありながら、劇中に登場する支配者と村の関係は階級社会への皮肉として描かれ、非常に深みのある思想が垣間見える作品となっている。未だ映画へのレイティング制度がなく、かつアニメ作品は子供向けとされている中国本土において、制作側が「13歳未満の鑑賞はお控えください」と自主規制した事が話題を集めた。中国での公開では日本円で約13.5億円のスマッシュヒットとなり、中国アニメファンから高い評価を得ている。

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
深海のサバイバル!(アニメ映画)

2021年8月13日
★★★★★ 4.4 (3)
12人が棚に入れました
「科学漫画サバイバル」シリーズの映画化第2弾。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

知育要素とエンターテインメント性の融合

2021年8月13日公開のアニメ映画。
今年で3回目となる東映まんがまつりの一作です。
児童書「科学漫画サバイバル」シリーズの映画化第2作目。

深海での少年少女のサバイバルというファンタジックでスケールの大きな内容が良いですね。
知育アニメとしての内容とエンターテインメント性がしっかり噛み合っていて良く出来ていました。作画や演出、音響含め東映はとても良い子供向けを作ってくれます。

作画に度々CGを使っているのですが、波は通常の作画で描かれていたのは表現にこだわりがあったのかなと思います。
他にも手描きアニメの生き物の巨体感、CGでの群体のスケール感なども感じられるので、CGと手描きのどちらを選択するかもしっかり考えられていたんじゃないかなあ。
{netabare}
ジオとピピが良いコンビで、お互いに足りない所を補い合うのが微笑ましい。ケイは基本バックアップ要員なのかな?
船酔いや毒で○○ネタが繰り返されるのが面白かった(笑)

実写映画や実録映画ではなかなか難しいのが生き物の描写。どこかユーモラスで優しいのは手描きアニメの長所です。
アンモナイト号に連れてこられた小さなカニがなにせ可愛らしく、死を覚悟したコン博士を勇気づける。鑑賞する子供達を悲しくさせない優しいフォローでした。こういう気遣いがあるのが良い所。
名前はユノハナガニだそうです。パンフレットにも載ってた。調べてみたら名の由来が風流な上に英語の学名もyunohanaだって!かわいい。

今回の二作品はどちらも子供キャラクターの成長と勇気を、大人キャラクターの目線からもきちんと描いたのが共通の要素と感じます。映画館に足を運んで良かったです。
パンフレットも子供向けのイラスト沢山の可愛いやつで、お値段もお手頃でつい買ってしまった(笑){/netabare}
(2021.8.22)

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5

計測不能 18 2021年夏(7月~9月)アニメランキング18位
映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ(アニメ映画)

2021年8月13日
★★★★★ 4.4 (3)
12人が棚に入れました
かいとうUの予告状が、年中風が吹く島、スフーレ島に届いた。彼のねらいは島の宝「風のみちしるべ」。おしりたんていはワンコロけいさつと共に島を訪れ、空を自由自在に飛び回る少女ルルと出会う。ルルは島の外の世界を夢見ているが、島の人々の生活に欠かせない大灯台を守るという家のきまりにしばられていた。かいとうUが予告した満月の夜、おしりたんていたちはかいとうUから「風のみちしるべ」を守ろうとするが、かいとうUには“秘策”があった…。おしりたんていの名推理が光るとき、島にかくされた秘密が明らかになる!
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

安定と安心と信頼の子供向け映画

2021年8月13日公開のアニメ映画。
今年で3回目となる東映まんがまつりの一作です。

今回もとても楽しかった!高いクオリティは変わらず、子供向けとしてもとても良かったです。
作画は特に素晴らしかった。波の表現とヒロインが飛行するシーンは必見です。
{netabare}
今回はハートフルなお話ですごく良かったです。
伝統を守り継ぐことと外の世界へ飛び出すことが等価に描かれていて、実は補完し合う関係であることがラストで明かされるのが良い。
ルルの成長を見守る大人達もとても良かった。
今作はゲストヒロインの物語におしりたんていとかいとうUが関わり、彼女の運命が変わるという所がメイン。他のキャラクターはそこまでの活躍はありませんでしたが、一本の作品としてすっきり纏まっています。
ヒロインのルルはゲストらしい華やかさが少々異色かも。外の世界への憧れ
と故郷への愛情を持っている、優しくて真っ直ぐないい子でした。ゲスト声優の鈴木梨央さんもぴったり嵌っていてとても可愛らしい。

少し残念なのはクイズの出題が一つしかなかったことかなあ。「おしりをさがせ」一つしか出題されませんでしたからね。
第1作目の時にはむしろ多すぎて大変だったけど、私はそれが楽しくてDVD買う動機のひとつになったんですよね。この作品の大きな持ち味なので3つくらいは出題してくれても良い気がします。{/netabare}


【おまけ1】
映画の始まりと二作品の間に挿入される案内係の「りさいくるずー」が相変わらず可愛らしいです。個人的には最後にヤマオリタニオリのさよならパートもラストに欲しかったなあ。子供向けの映画でラストに何も無いのはちょっと味気ない気がしますね。
…りさいくるずーは是非TVアニメにして欲しいってもう3年前から言ってるじゃないですか!!

【おまけ2】
さて、おしりたんていは来年単独映画になるそうで喜ばしいことなんだけれど、東映まんがまつりは来年はやってくれるのでしょうか…。3年目で定着し始めたかなって頃なのでやめちゃうのは勿体ない気がしますね。
私はこの形式が好きなので、小品を二つとメインを一つくらいでこれからも続けて欲しいです。
(2021,8,22)

投稿 : 2024/12/14
♥ : 5
12
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