2020年秋(10月~12月)に放送されたアニメ映画一覧 22

あにこれの全ユーザーが2020年秋(10月~12月)に放送されたアニメ映画を評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月30日の時点で一番の2020年秋(10月~12月)に放送されたアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

×

絞り込み

年代別アニメ一覧

85.2 1 2020年秋(10月~12月)アニメランキング1位
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(アニメ映画)

2020年10月16日
★★★★★ 4.1 (586)
2522人が棚に入れました
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちは、次なる任務の地、《無限列車》に到着する。そこでは、短期間のうちに四十人以上もの人が行方不明になっているという。禰豆子を連れた炭治郎と善逸、伊之助の一行は、鬼殺隊最強の剣士である《柱》のひとり、炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を往く《無限列車》の中で、鬼と立ち向かうのだった。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

列車と流行は乗るものです

長いものには自ら巻かれにいきます。プライドはありません。


全23巻で完結するだろう原作漫画の7巻ぐらいまでを2クール26話でアニメ化。この劇場版は8巻の内容に相当、TV本編からの続編を意味します。

2期やるならゴールデンタイム放送も荒唐無稽な話ではなく。
しっかりバンダイさんが日輪刀を発売してますし、物販で円盤以外の武器があることは強み。原作が完結しているとはいえ暫く商売にはなりそうです。
そしてこの劇場版。老若男女巻き込んで記録的ヒット中なわけですがなんか様子がおかしい。初見の方が楽しんでるのです。「続編だからTV版観といてね」というわけでもなさそう。整理します。

1.原作を読んでいる。読んでない。
2.アニメを観ている。観てない。
3.観た人はリアタイの頃?それとも最近?

一見さんお断りというわけではないのでそれぞれ立ち位置だけ確認。
自分は原作未読でアニメ視聴済み。かつ公開直前の部分一挙放送でおさらい済み。もしも準備したいなら第21話以降最後までをおさえておくとよいかもしれません。
{netabare}※劇場版メインキャラ:煉獄杏寿郎(CV日野聡)と魘夢(CV平川大輔)が顔出しするのと、無限列車編に向けた先出し情報がけっこう含まれてます。{/netabare}


【社会現象】
様々な角度から分析されてるでしょうから細かくやらんけど、もたらされた興収で一服つけた映画館が数多くあったと聞きます。上映作品の弾数少なくスクリーンに空きができたコロナ禍の特殊事情なんてのを数年後に思い返すことでしょうね。流行り病を鬼の仕業とみなす伝承になぞらえ、経済循環の一翼を担うことで現実世界でも鬼退治してるようなもんに思えました。


そして本編。
冒頭の1カット。え!?実写ですか?というところから始まります。TV版の第1話は、え!?劇場版ですか?という入りだったのでなんとなく既視感みたいなのを感じますね。
美術はTV放映での神回と呼ばれる第19話の気合が最初から最後まで続くと思っていただいてよし。
117分の上映時間のうち一部を除いて列車の中での出来事です。殺陣や空間を使った演出など狭い列車空間ではスケールダウンするかもという不安は杞憂となってます。梶浦由記さんの劇伴も物語を盛り上げ、作画/音楽の良さは太鼓判を押せましょう。まさに劇場で鑑賞すべき作品ですね。

ストーリーはいかんせん途上なのでなんとも言えじ。全体でどうこうはひとまず置いといて1エピソードとしてみるなら申し分なしではないでしょうか。家族愛との結びつきで“強くなれる理由”を知った本編なら、その強さを何のために使うのか志(こころざし)の領域、メインキャラ煉獄さんを通して“闘う理由”が劇場版でははっきりしてきます。感動するとしたらここ。個人的にはむしろ家族愛に囚われちゃうと見落としかねないとすら思ってます。

キャラはもちろん炎柱の煉獄さんがごっそり持ってくんですけどTV本編からの進展もある。炭治郎の同期、特に伊之助との絡みにそれは顕著でした。TV本編では兄と妹の絆に焦点あてていて友情プレイは控えめ。「努力」「友情」「勝利」の「友情」部分が希薄だったと言えましょう。そのため「友情」の中核たる善逸や伊之助についてキャラ立ちの良さを認めつつも別角度から見れば三人いることの相乗効果は感じられず、またギャグテイストな二人は一歩間違うとガヤ扱いでうるさい。炭治郎の“やさしさ”で繋ぎとめている関係に見えなくもなく、このへんが子供向けと断じてしまう要因だったように思えます。それが劇場版では幾分緩和されてました。段階が一段上がったとも言えるかも。
そして余力あるか2回目でもいいですけど“煉獄さん”“炭治郎”“善逸”“伊之助”“禰豆子”誰が欠けてもラストステージには届かないという細い糸を手繰り寄せるような作業を各々がしていたことを見逃さないでほしいです。

公開中なら映画館の迫力映像&音響を楽しめるのはもちろんのこと、例え機を逸して自宅鑑賞となったとしても、ストーリーやキャラの関係性がTV本編に上乗せされてるので見応えはあります。
それに事ここに至ってはなんだかんだ鑑賞のきっかけをはかるレビューの意義をあまり感じないのが本音。これだけメディアの露出がある作品ですのでお祭りに参加する感覚でよろしいのでは? 

ちなみに泣こう泣こうと思ってもそうはならないと思います。感動したーのインタビュー映像は一切無視。期待値のコントロールは各自しっかりして、無駄にハードルを上げ過ぎないようにしましょう。





※ネタバレ所感

■これはデカい!共通言語を獲得

「それにしても素人使うのはちょっと…」
劇場版が公開される度につぶやかれてきた常套句ですね。プロモ兼ねて世間認知度の高い俳優さんを起用するいつものアレ。ふとしたことで気づきます。このメガヒット作にその不満が一切ないことを。
このことはアニメファンにとって二重の意味で幸せなことだと思います。一つは文字通り棒演技を我慢することからの開放。二つめは共通言語の獲得。

 普段アニメを観ない人と声優さんの話ができる!{netabare}…かもしれない{/netabare}

「あー○○さんね。鬼滅で△△の役やってた人だよ」というテンプレがこの度誕生した衝撃はもの凄いものがあります。

「あー○○さんね。××で△△の役やってた人だよ」の××の選択肢がほぼジブリ/ディズニー/他夕方ご長寿アニメ独占状態だったところに近年『君の名は。』がやっと追加された今日この頃。
鬼滅はキャストが脇役含めて深夜アニメオールスターと言ってよく、TV本編を視聴してる層も一定数いることも考慮すると△△に入る人たちがめっちゃ多い。
竈門家だけでも父:三木眞一郎、母:桑島法子、子供たち:大地葉、本渡楓、古賀葵、小原好美とかいう水準。皆なにかしら代表作持ってる方々なのに一般の人からみれば誰も知られてない。
それが此度の一件で「鬼滅の煉獄さん役の人が主役はってるオーバーロードってのが…」みたいな発展が容易にできちゃう世界になってしまいました。
応用パターンも。スラダン世代だったら鱗瀧さん役の芳忠さんは仙道やってて、炭治郎が初めて遭遇するお堂の鬼役緑川光さんは流川楓だぜー!みたいなツカミもできるわけです。


実力のある制作会社。本職がもたらす声の演技の凄み。作品に寄り添って製作された主題歌の余韻。
よくよく考えると深夜アニメ王道を行くタイプの作品としてこれだけのメガヒットは史上初では?
訓練されたアニオタには常識でも一般人には未知なるフロンティア。今回初めて“深夜アニメ”に触れた多くの方々が泣いたり笑ったり楽しんでいるこの状況が喜ばしいのです。
あらためて思います。日本のアニメは素晴らしい。


■「家族愛」と言うけれど…

“覚悟”と“責任”のお話ですね。だから人々の琴線に触れるのだと思います。
“家族愛”があまりにもプッシュされてるんですけど少しばかり疑義が有る。行動や考え方の根っこに家族の存在は根付いてるけれども登場人物たちはその想いを大切にしながらそれより先。志を持ち責任を全うする覚悟を携えている。いわば未来を見据えております。むしろ鬼側の諸事情が家族止まりという対比にもなってますね。
愛郷心とでも言うべきでしょうか。家族より広範囲な+αの共同体を守らんとする物語となってます。

{netabare}TVの第2話で鱗瀧さんが炭治郎に覚悟を迫り禰豆子が人を襲った時に自害すると即答できなかったことを詰問するところから始まり、柱門会議の御前において禰豆子が人を襲えば腹を斬る主旨の書面をしたためていた鱗瀧さんと富岡義勇の凄みがまさにそれかと。三人とも実際の家族ではないのです。{/netabare}

{netabare}煉獄さんが守ったのは200名の乗客の生命。それと己の生き様でした。

劇中で炭治郎が叫んだ「勝利」の定義を受け入れられるかどうかは作品の評価に直結します。
野暮と承知しつつ、引き換えにしたものと天秤にかけて敢えて損得勘定したとしても、後進(炭治郎、善逸、伊之助)の心に炎を灯したことでお釣りが充分とれたよねと私は思ってます。
これが唯物論的に捉えるとまったく景色が変わってくると思います。物理的な勝利ではなく「え!?これでなんで感動するの?犬死じゃん」となっちゃうかも。{/netabare}








※マジで無駄話…しかも長くてゴメン

■つまりこういうことね

鑑賞済みの方向け。そのわりには全く踏み込んでないただの妄想のため閉じとく。

{netabare}国際関係に少しばかり踏み込むネタなため不快にさせちゃうかもしれません。たいした話ではありませんが念のための注意喚起。ブラウザバック推奨です。
ちなみに弊社は彼の当該国に事業所があり取引先も存在し、同僚もそこそこ多国籍でわりと喧々諤々楽しくやってます。そのため実地をそれなりに把握してると自負しつつ放言しますのでご容赦を。{/netabare}

{netabare}鬼 「鬼にならんか?14億の市場で儲けさせてやる!」
人 「一度鬼になれば利益の再投資は鬼界に限定され人間界には戻ってこれない」
鬼 「人口減少や低水準待遇の人間界に未来はない。鬼はいいぞ!バスに乗り遅れるな!」
人 「弱い鬼たちを浄化してふんぞり返るなんて俺とは考え方が違うということだ。断る!」

という既視感。{/netabare}

{netabare}代々蓄積されてきた肌感覚なんですよ。
菅原道真公がなんで大宰府に流されたかって遣唐使廃止で利権をごっそり潰したことへの報復でしょう。左遷先の大宰府で客死しそのあと都で人死にが続く。祟り扱いされたのは飛ばした連中に後ろめたさがあったからでしょうね。

となるとそんなリスク背負ってまで遣唐使廃止する必要なかったのになんで?となるのが普通の感覚です。そこで出てくるのがマルコ・ポーロの『東方見聞録』、玄奘三蔵の『大唐西域記』と並ぶ世界三大旅行記とされながら現代日本人にとってはドがつくマイナー書『入唐求法巡礼行記』(円仁)。刊行年は遣唐使廃止の50年くらい前。大陸の人肉食習慣その他悪習がこれでもかと書かれていて国内の東洋史学会ではウケない内容っすね。なお書店で販売されてるのは肝心な唐での体験部分がごっそり抜けたもの。

そもそも遣唐使は行って戻ればアホみたいに儲かる。交易あらば交流あり。文化は良し悪し関係なく流入してくるのは当たり前ですよね。巷では悪習が入り込んですこぶる庶民には評判が悪かったという土台があって、それを唐が滅亡する13年前に鎖国を断行。悪習の流入阻止ばかりではなく大国滅亡の混乱に巻き込まれることをも防ぐファインプレー。

そんなこんなで道真公は神社of神社ともいえる『天満宮』の御祭神であらせられますからね。亰で頻発する祟りを鎮めるために大宰府の庶民が詣でますかって話です。神童でならし出世が早かったなんて人は他にもたくさんいるでしょう。

 きっぱり関係を絶ったからです

そして別にこの時も後の江戸時代だって彼の国と敵対してたわけじゃないんですよ。付く時期と離れる時期の見極めは歴史に学んで良いと思います。隣り近所なんてそんなもんなんですから。
そもそも人食ってるところに利益ぶら下げられたからってホイホイついていくか?ってのが問われているのです。ズブズブになって「生殺与奪の権を他人に握らせる」前に道真公は撤退したのですよ。おそらく自分の身にふりかかる災難を見越した上でです。
そんな菅原道真公を祀って顕彰し続け御社に足を運ぶ1000年前の日本人の感覚と“煉獄さん拝みに劇場に足を運ぶ”僕らの感覚とでそんなには変わらんのだろうよと勝手に妄想している私です。大ヒット神社と大ヒット映画!うーん…このへんで止めとかないと罰が当たりそうなのでお終い。

{netabare}そういえばいつのまにか聖地化してた竈門神社も大宰府でしたね…{/netabare}


作品に戻って“正しく生きること”を考えさせられます。煉獄さんの母はこう言いました。

 「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」

これはお侍さんの基本的な考え方だったかと思います。
思えば伊之助が乗客省みず猪突猛進しかけた時も乗客の安全を確保してからだったし、
火の呼吸は知らんので話はお仕舞だとぶった切ったと思いきや、煉獄家のヒントを指し示したり、
後輩の話を聞き流してんじゃなくて留めて心を砕いてくれてたんだなということがわかります。

そして正しいことをやるためには強くならないとね。子供に見せたいという声があるのも分かる気がします。子供に見せる名目で大人が見るのももちろんご随意に(笑)

{netabare}大事小事関係なく、私たちは常に「鬼にならないか」と誘われる日々を過ごしているといえます。人と鬼双方に事情があることは作中で示されており巷でも作品の魅力によく挙げられてますよね。そんなんで鬼にも同情すべき点があるなぁと呑気に構えていたら、この劇場版で煉獄さんに「鬼の倫理」と「人の倫理」は明確に違うことを突きつけられたわけです。{/netabare}

映像と音楽が突出して良くて、あとは良くも悪くも少年JUMP的作品。これはTV本編の私の評価です。その基本的な考えは変わってないのだけれどもちょっとだけTV本編よりも評価高めどす。{/netabare}



視聴時期:2020年10月 劇場にて 

-------
2020.11.15 追記

別に予言でもなかったのだがさっそくの教訓。

「お前も鬼にならないか?」 ⇒ 「はあいよろこんで~」

を地でいくNEWSが飛び込んできた。炭治郎の耳飾りのデザインを変更して某半島で配給するとのこと。長くなるので止めとく。



2020.11.01 初稿
2020.11.15 追記
2021.08.11 修正

投稿 : 2025/01/25
♥ : 65

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

煉獄さんの信念、勇気、責任感に感動!

この映画には良い意味で騙されました。

宣伝では、睡魔を武器とする鬼と闘う炭治郎の姿がしっかりと描かれていましたので、炭治郎が大活躍するのだろうと思っていました。

確かに炭治郎は大活躍しました。
でもそれ以上に、柱の煉獄さんが大きな大きな力を見せてくれました。
大きな大きな感動を与えてくれました。
煉獄さんの信念に感激です。

彼は汽車の乗客や仲間たちを誰一人死なせることなく、守り通しました。
体を張って守り抜きました。

確かに煉獄さんは柱の一人であり、炭治郎たちよりも強いのですが、強さだけであの行動はできません。
彼の信念、彼の勇気、彼の責任感があそこまでさせたのでしょう。


物語は、行方不明者が30人以上も発生している夜行汽車に鬼殺隊の煉獄、炭治郎、善逸、伊之助が乗り込みます。そして、彼らは睡魔に襲われます。

睡魔に襲われた際に見る夢は、とても懐かしく、とても暖かく、心地良い。二度と帰ってこない時代の夢でした。

私個人としては、あんなに暖かい夢を見せてくれる鬼がいたならば、その鬼を大好きになると思います。
あの下弦の鬼は、能力の使い方を誤らなければ、誰からも尊敬され、そして親しまれたでしょう。



ところで、この物語の途中で主要メンバーの心の景色が表現されます。
炭治郎の心の景色は、やはり思った通り澄んだ青空でした。
ウユニ塩湖のように美しい風景でした。

こんなに澄んだ心を持った炭治郎は、鬼を殺す仕事には向いていません。
それは炭治郎自身もわかっていることでしょう。


エンディングは、Lisa の『炎』 素晴らしい歌でした。
Lisaさんは作詞も手掛けます。今回は梶原由紀さんとの共同作詞ですが、
自分で作った歌詞なので、あれだけ感情がこもった歌声が表現できるのだと思います。そして、心がこもった歌声だからこそ、多くの人が感動するのでしょうね。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 57
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

一つ期待したいのです

<2020/11/3 初投稿>
昨日ようやく観に行けました。
原作未読。
テレビ版全26話は視聴済みです。

凄いですね。
ついこないだまで、今年日本で1番話題になった映像コンテンツは半沢直樹だろうなと思ってたのですが、あっさり上書きする勢い。

興行収入も3週目で既に150億円超え。
千と千尋の神隠しの300億円超えも現実味を帯び、どこまで行くかもうわからん感じです。

なぜこんなに売れたのか?
は自分にはよくわかりませんが良い作品であることは間違いないと思います。

ただ一つ期待したいな、と思ってることがありまして。
それは本作の爆発的なヒットでアニオタと非アニオタの垣根がなくなる、まではいかなくともかなり下がるのでは?という期待。

この20年くらいで、例えば「けいおん」ブームなどを経て垣根はかなり下がってきました。
それでもその垣根はまだまだ高さを保っています。
その証拠が深夜アニメ。
お子様向け作品を除くと今のアニメはほぼ100%ド深夜の放送です。

結局「アニメを好きな層は深夜でも見る視聴欲求が極端に強いマイノリティ」とテレビ局は認識してるのだと思います。

ところが本作の文字通り「空前」の大ブーム!
元々はどちらかというとアニオタ向けの深夜アニメ。
そんな本作が、老若男女小さなお子様/アニオタ・非アニオタ全ての層に受け入れられたという奇蹟。
この世の空気感まで変わってくれると嬉しいのですが。

と、ここまでは前置。
以下、本作鑑賞の感想です。

まず第一印象としては、テレビアニメ版見てるか、そこまでの原作を読んでないと十分楽しめない。
当たり前なことなのですが、人気が出過ぎて「いきなり観に行っても大丈夫じゃね?」と錯覚する人も出てきそうなので。
つまり予習は必要。

そして、映像美。
予想はしてましたが、それを超える美しさと迫力。
始まってすぐ、最初のシーンの映像で一気に飲み込まれてしまいました。
例えば「君の名は。」なども映像が至高レベルなのですが、それは「絵画」「フォト」としての美しさ、つまりそこだけ切り出して成立するような美しさなのではないでしょうか。
本作は「アニメ」としての美しさが際立っている。
それは動きの滑らかさや力強さ、迫力を伴った美しさだったり、背景であってもあくまでアニメの一部として調和した美しさだったり。
特に戦闘シーンは特筆もの・さぶいぼものです。

声優は実力と人気を兼ね備えたプロで固めてます。
特に今回は日野聡さんのよく響くテノールの力強さと突き抜け感が◎。
もちろんレギュラー三人組+禰豆子もさすが良い仕事をされている。
ややサプライズだったのは{netabare} 猗窩座の石田彰さん。{/netabare} やはりこの方はスペシャル・ワンですね。


そしてキャラクターと物語について、ですが
ここからはネタバレなので未視聴の方は開かないでください。

{netabare}
三人組+禰󠄀豆子、みんな活躍してました。

伊之助が存外とかっこよかった。
敢闘賞クラスの活躍
被り物が役に立ってよかったね。
女性ファンからしたら被り物脱いでほしいのかもしれないけど。

善逸は相変わらず煩いけど、笑えるしいざとなると強い。
いきなり霹靂一閃はびっくりしたけど、そっか。
こいつは寝てるから出せるのか 笑。
やはり結構好きなキャラ。

禰󠄀豆子は可愛らしさと面白さに磨きがかかった印象。
あと久しぶりに日本語喋ってた 笑。
善逸の夢の中だけど。
最後の朝日をバックに禰󠄀豆子を箱に詰めようと慌てる善逸ときょとんとする禰󠄀豆子には感動してる最中に笑かされました。
でもバトルでも頑張ってましたよね。
頭突きは笑ったけど。

主役の炭治郎。
無意識のイメージがまさかのウユニ塩湖!
ここでピアノでバライチを弾く炭治郎をつい思い浮かべたり。
花江さんはウユニ塩湖に縁があるんでしょうか。
と、それはさておき。
やはり本作の主役は炭治郎なんだな、とあらためて思いました。
その優しさや誠実さ、濁り一つない真っ直ぐさ。
当然、その強さも活躍ぶりも。
彼のキャラクターは本作の方向性の中心にあると思います。
どんなジャンルであれ良い作品というのは主役がそのキャラクターと行動で作品全体を支えてますよね。
その典型だと思います。

そして炎柱・煉獄杏寿郎さん。
本作では炭治郎超えましたねえ。
というか全部持っていきました。
強い、優しく、熱く、まさに燃えるようにかっこいい漢。
それでいて心のうちに葛藤も抱える。
最初の登場シーン、大量の駅弁を一口食べるごとに馬鹿でかい声で「美味い!」「美味い!」「美味い!」
「うみゃーうみゃー」言いながらキャットフード食べる仔猫動画を思い出しました 笑
声デカすぎてうるさかったけどw
普段、目がどこ見てるかわかんないし大丈夫かこの人?と思ってましたが、いざ鬼を前にするとカッコ良い。
加速装置みたいなものもついてるみたいだしw
猗窩座との一騎打ち痺れました。
ufotableの映像力が遺憾なく発揮されていたと思います。
煉獄パパのやさぐれてしまった理由が気になる。

猗窩座は出た瞬間「フリーザ様?」とか思ったけど、声が石田彰さんなもんだから「色っぽいフリーザ様」w
上弦の強さがよくわかりました。
彼は最後の炭治郎の叫びをどのように受け止めたのでしょうか?
たいして気にしてないのかな。

ストーリーは王道というかシンプルというかわかりやすいシナリオ。
元々が話をこねくり回して複雑にするタイプの作品ではないので、そこを期待してる方は残念な気持ちになったかも。{/netabare}
テレビアニメ版のレビューでも書きましたが「王道なストーリーを腕の良いクリエーターがしっかりと肉付け練り上げると素晴らしい作品になる」
それだと思います。


というわけで。
まだまだまだまだ勢いの止まらない本作。
本当に面白いし、未見で本作が気になってる方は、映画館に足を運んでみてはいかがでしょう。
あ、予習してから、ですよ。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 61

73.1 2 2020年秋(10月~12月)アニメランキング2位
羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来(アニメ映画)

2020年11月7日
★★★★☆ 3.9 (48)
203人が棚に入れました
人間たちの自然破壊により、多くの妖精たちが居場所を失っていた。森が開発され、居場所を失った黒猫の妖精シャオヘイ。そこに手を差し伸べたのは同じ妖精のフーシーだった。フーシーはシャオヘイを仲間に加え、住処である人里から遠く離れた島へと案内する。その島に、人間でありながら最強の執行人ムゲンが現れる。フーシーたちの不穏な動きを察知し、捕えにきたのだ。戦いの中、シャオヘイはムゲンに捕まってしまう。

声優・キャラクター
花澤香菜、宮野真守、櫻井孝宏
ネタバレ

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ぶっちぎり!噂通りのすんげぇ奴。ただ、昨今の作画アニメと同じ弱味が…。

 噂には聞いていたが、確かに作画はすんげぇぞ!こいつぁ。アクションのアニメショーンだけでなく、猫の動きの可愛さ一つ一つ、雰囲気まで伝わってくる背景美術、スッキリしつつも親しみ易いキャラデザ、全ての面でトンデモないレベルに至っている。


最後まで息切れせずにこのクオリティーで描ききっているだけで賛辞を贈りたくなるには充分である。ただ、それだけではアニメーションが凄いのであってアニメ作品として凄いわけではない。


本作はハッキリ言ってXメンです。これだけでわかる人なら、あ~そう言う話ねってわかったと思います(子細を書いちゃうとネタバレなのでお察しを)。


別によくある話なのが悪いとは言いません。語り口にキャラ同士の絆をいかに見せるか?、即ち演出の上手さは次第でいくらでも面白くなりえますから。


本作は沢山キャラが出ますが、正直重要キャラはシャオヘイ、ムゲン、フースーだけで他はイマイチ薄い。


シャオヘイとムゲンの旅も、ムゲンのクールキャラのせいでイマイチ心通わす感じや、ムゲンの立ち位置を掘り下げたりするのに弱い。


どうせなら、もう一人、二人の間を繋げるムゲンの弟子でシャオヘイより少し年上な人間の女の子キャラを出したほうが良かったかなぁ~という気もします。フースーとムゲンの繋がりも深めたほうがより必要だったかと。二人に繋がりがあるばこそ、よりバトルに重味がつきますし。


{netabare} 最後の別れのシーンも涙でお別れじゃ流石に泣かせ推しすぎてかえって泣けない感じでした。本作は正直ムゲンの話のように思えたし、実は一番救われるべきなキャラは彼だったと思います。{/netabare}


{netabare} 何も言わずに去ろうとするムゲンの元にシャオヘイが追っていって手を繋ぐ{/netabare}


{netabare}涙を見せまいとするムゲンとシャオヘイの笑顔{/netabare}


{netabare}二人の後ろ姿{/netabare}



{netabare}こちらに向かって手を振るシャオヘイ{/netabare}


{netabare}そこにタイトルがバーン{/netabare}



{netabare}そして白画面に「ぼくが選ぶ未来」{/netabare}って感じ締めた方がえがったかなぁ~なんて妄想しちゃいました。


本作に限らず昨今の作画やビジュアルがやたら誉められる作品は、一番肝心のキャラの感情やストーリーに乗せること、演出における引き算のセンスのよさ、といった目に見えないが必要不可欠な部分がイマイチ弱い傾向にがある気がします。


正味な話、そこさえ良ければ多少作画が貧弱でも問題ないんですよね、一番良いのは両方が揃ってることですが。私はあくまで、脚本や演出こそ物語を見る快楽だと思うので、そこが評価のポイントになってしまいます。


故に本作はなかなか良い作品だと感心しましたが、感動はしませんでした。あと、花澤さんは残念ながらショタはあまり向いていらっしゃらない…。これが悠木さんだったらより好きになれたかもです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 17

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

中国発、アクションファンタジーロードムービー

原題:罗小黑战记/luó xiǎo hēi zhàn ji
中読:ルオシャオヘイジャンジー
邦題:羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来
英題:The Legend of Hei
年度:2019年
製作:中国
監督:MTJJ (木頭)
時間:1:41:00


20210709 DVD / ブルーレイ発売決定!


20201114 MX4D にて鑑賞―――――――

チョー楽しい w

振動や上下動はもちろん突風から水しぶきまでw

もともと緩急素晴らしく作画と音響効果のタイミングばっちり!な作品、

なのでまるでジェットコースターでじっくり周回するが如き空間に酔いしれますね、

いやー面白かったw

MX4D での鑑賞ちょーおすすめします( ^ω^)




20201110 日本語吹替版鑑賞ーーーー

シャオヘイ超可愛い声、
ムゲンは粛々と低く置いていく発声意識す感、
私的脳内再生音声よりどのキャラも僅か一音高めの印象(花屋さんは逆に低め)かなぁ、
とはいえ流石名声優さん達、音響もガルパンなど手掛けた方の様子で良い仕上がり、
IMAX や4DX でも観たいですね( ^ω^)



以下、2019年原版鑑賞時評ーーーーー

追加上映が決まった際に公式より邦題の読みカナ「ロ・シャオヘイ・センキ」が発表されました。

主人公の名前が「小黒/シャオヘイ」です。

WEBアニメとして短編が数十話上がってますが粗別物、別次元の出来栄えとなってます。


2019年10月 ----------

「羅小黒戦記」二回目の鑑賞、

先月「白蛇:縁起」と一緒に観て衝撃を受け、短いスパンでの再鑑賞です。

物語、作画、音楽、全てにおいて緩急が素晴らしい!

物語は「平成たぬき合戦ぽんぽこ」風プロット、複雑ではないがしっかり熟考され隙無き構成と演出のロードムービー。

風背景は日本のTVアニメ名作劇場やジブリ初期の彩画を彷彿、場面構図も宮崎アニメのリスペクト鑑みました。

作画はシンプルで力強い線にベタ塗り、漫画チックですがおもいっきり動かすことで質感、体温感ずる描写に相成り、右から左から横長画面一杯を使い切って動き廻る動体に目が追い付かない程。

画面の真ん中だけ見てればキャラが勝手に寄って来て台詞でも説明してくれる日本のアニメとは一線を画すと今更乍ら認識。

モブがレゴブロックやドットゲームみたいだったのは愛嬌w

声優は皆気負わず抜けた感じがキャラ像にマッチ、小黒は可愛いく、無限カッコ良く、脇キャラもしっかり立ってます。

音楽は、喜怒哀楽軽重と入時機まで感情の起伏に的確成り。

全ての要素が高次元、シンプルなストーリーにライトでスピード感溢れる2D作画は日本のアニメファンにも充分受け入れられるでしょう。

粗となるなら「白蛇:縁起」同様に字幕がグーグル先生並みの面白翻訳だった位(結構気に入ってたりしますがw)


私的に、短いスパンで劇場に再度足を運んだ作品は平成以後では「幸福路上(幸福路のチー)」とこの「羅小黒戦記」のみ、
 

明るく、楽しく、熱く、泣けて、笑える、
素晴らしいアニメーション作品です。


-------------------

池袋では追加上映含め全席満席早めの完売御礼となった様でしたが、この度関西・京都出町座での上映が決まったそう(字幕も修正される様子)、他地域での上映も期待したいですね。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 10

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

僕の選ぶ未来、君の選んだ未来

視聴前 そういうば去年なんかあったような

視聴後 うんすごい

この話は住処である森林を伐採されてしまったとある「猫」の話
ジャンルはバトル・超能力・友情
もともとは中国漫画原作だそうで、Webアニメとして現在28話まであるそうです。本作はその4年前を描いたものであり、2019年に日本語字幕としてごく短期間にごく限られた場所のみで放映されていました。
時期も場所も合わなかった私には諦めていましたが、ケモナーと呼ばれる友達が言うには「最高」だったらしいのでTUTAYAで安くなってきたら借りよっかなと思っていたんですが、本作(日本語吹き替え)の公開が決定したのでずっと待ちわびてました。

まず事前情報としては声優の豪華さです。花澤さん、宮野さん、櫻井さん、松岡さん、杉田さん。
もう名だたる名優ばかりですよ。この時点でお金かかってるなぁと思っていましたが、見始めてびっくり。作画がすごい。
日常シーンでの細かさや、風景の丁寧さ、バトルシーンも手が込んであり、迫力と臨場感にあふれた素晴らしい作画でした。
中国だから、というわけではないのですが、どうしても偏見が多少なりとも入ってしまい、どこか期待と疑心が入り混じった状態で望んだ視聴でしたが、そんな疑心もどこかに行くような素晴らしい作品でした。

内容も素晴らしかったですね
視聴前の偏見もあり、序盤の動きでラストを予想していましたが、序破急のしっかりした脚本で普通に見応えがありました。
序盤の引き込み具合というかはイマイチですが、アニメ映画というのもあり途中で切るのが難しいのでそのまま見るでしょう。イマイチといっても単にほのぼのと急なシリアスで戸惑うというだけなのでつまらなくはないのですが。
中盤ではコメディ多めのほのぼの(?)が続きます。ほのぼのとした展開で非常に心が癒やされますし、コメディ部分も面白かったです。
中盤と終盤の間くらいからシリアスが始まります。このシリアスが結構本格的なシリアスなのでちょっとついていけないかもしれませんが、ここで序盤のちょいシリアスが役にたち、割と自然に物語を理解出来ます。単純にほのぼのとシリアスの繋ぎが上手いというのもありますが、構成にもこだわっているようでとても好印象です。
終盤は素晴らしいものでした。迫力の戦闘シーンも相まって、非常に見ごたえのあるものでした。シリアスが結構本格的で皮肉の効いたシリアスだったので終わり方というか結論の付け方まで手は抜かれてませんでした。
個人的にはあのラストには少しばかり不満があるのですが、本作が原作の四年前の後付作品らしいので仕方ないのでしょう

総合的に見ても非常に満足できる作品でした。(お気に入りではありませんが、結構好きな話であることを一応伝えたかった)
是非視聴することを強くおすすめします。

監督はMTJJさん。
脚本はMTJJさんと彭可欣さんと風息神涙さん。
劇伴は孫玉鏡さん。
制作は北京寒木春華動画技術有限公司さん。

作画は非常に良かったです。特にバトルは素晴らしかったです
主題歌はLMYKさん作詞歌唱、LMYKさんとJohnJacksonさん作曲、Jimmy JamさんとTerry LewisさんとJohn Jacksonさん編曲の「Unity」
声優さんは非常に良かったです。

総合評価 見るべき両作品

投稿 : 2025/01/25
♥ : 5

73.1 2 2020年秋(10月~12月)アニメランキング2位
ウルフウォーカー(アニメ映画)

2020年10月30日
★★★★★ 4.2 (12)
52人が棚に入れました
1650年、アイルランドの町キルニー。
イングランドからオオカミ退治の為にやってきたハンターを父に持つ少女ロビン。ある日、森で偶然友だちになったのは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴだった。
メーヴは彼女の母がオオカミの姿で森を出ていったきり、戻らず心配でたまらないことをロビンにうちあける。母親のいない寂しさをよく知るロビンは、母親探しを手伝うことを約束する。翌日、森に行くことを禁じられ、父に連れていかれた調理場で、掃除の手伝いをしていたロビンは、メーヴの母らしきオオカミが檻に囚われていることを知る。
森は日々小さくなり、オオカミたちに残された時間はわずかだ。ロビンはなんとしてもメーヴの母を救い出し、オオカミ退治を止めなければならない。それはハンターである父ビルとの対立を意味していた。それでもロビンは自分の信じることをやり遂げようと決心する。そしてオオカミと人間との闘いが始まろうとしていた。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

冒険ファンタジーに心躍らせてみればガールミーツガールの尊さにひれ伏しつつ涙に目を腫らした!ケルト3部作完結篇にして最高傑作!

2009年の『ブレンダンとケルズの秘密』https://www.anikore.jp/review/1691613/


2014年の『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』https://www.anikore.jp/review/1529708/


前2作品に続くアイルランドのアニメスタジオ、カートゥーン・サルーンとトム・ムーア監督によるケルト3部作の最後の1作が今作、2020年の『ウルフウォーカー』になります
3部作と言いましたがアイルランドのケルト人に伝わる伝説をモチーフとしたファンタジー、という共通点以外は繋がりがありません
なのでどの作品から観てもOKです


制作はアイルランドのCartoon Saloon、ルクセンブルグのMelusine Productionsの共同
監督はいまや巨匠のトム・ムーアに加え、『ブレンダンとケルズの秘密』で美術監督だったロス・スチュアートも新たに共同監督を務めています




舞台は17世紀アイルランドのキルケニー
ハンターの父親と2人でイングランドからやってきた少女、ロビン
彼女は父と同じ様に狼を狩るハンターに憧れていた
町を治める護国卿に腕を買われていた父親だが町ではよそ者扱いで肩身が狭く、護国卿の命令に従うほか2人が暮らしていける術は無かった
好奇心旺盛なロビンは父や護国卿の教えに背き、町の外の森へ繰り出す
そんな時に狼の群れが森を伐採する木こりや羊飼いを襲った
勇ましくボウガンを構えたロビンだったが焦りのあまり唯一無二の相棒である隼のマーリンの翼を打ち抜いてしまう
己の失敗に絶望するロビン
それを悔やむ間も無くマーリンは狼を従える赤毛の少女、メーヴに一瞬で連れ去られてしまった
父と護国卿にきつく叱責され、町へ戻ることになったロビン
町へ戻れば護国卿の屋敷のメイドの仕事に付かされる、マーリンを助けに戻るチャンスも無くなる
だが、以前にもメーヴを見たという木こりから彼女の正体を知らされる
彼女は狼と話し、さらには魔法をも操る人と魔女と狼の混血
ウルフウォーカーだと…




まず今作のとにかく凄いところは、これまでのカートゥーン・サルーン作品とは比べ物にならないくらい複雑な作画を積極的にしている事です
町にひしめく人々、大群で押し寄せる狼、それらが画面に所狭しと蠢くカットは、往年のジブリや作画時代のディズニーにすら匹敵するハイレベルなものです
四足歩行の作画の継承者はいまの日本のアニメ業界では絶滅寸前とまで言われてますが、カートゥーン・サルーンにはその心配をする必要は当分無さそうです
さらに中盤の夜の森を駆け回るパートは背景動画や背景美術のテクスチャ化によるCG合成等を駆使して、これまで徹底して画面を平面的にレイアウトしてきたカートゥーン・サルーン作品には無かった、より立体的で躍動感や疾走感のあるカットが次々映し出されます


もちろん遠景の町並みがパース皆無の一枚の板の様に描かれたり、狼の住処が俯瞰で描かれた平面的な真円である様子など、これまでのトム・ムーア作品の特徴をそのまま引き継いでもいます
ですが同時に新しい事に、しかも飛び切り難しい事に挑戦するという姿勢は監督達が今作に掛ける熱量が特段にアツイことの表れでしょう




そして画面もさることながらストーリーもまた美しい
前2作ではアシュリン、シアーシャといった魅力的なヒロインとは別に、物語を牽引する勇敢な男の子が主人公でした
ですが今作ではロビンとメーヴというダブルヒロインが主人公になっています
彼女達の友情が物語の中心となるのですが、物語の中の男共がビビりばっかりなのに対し、この2人はお話が進むにつれてどんどん勇猛果敢に成長していきます
そもそもロビンは序盤は実に未熟な女の子でありながらも大人達の目を盗んで森に出て行くという、積極的かつ能動的に動く“これぞ主人公”といったヒロインです
メーヴはどちらかといえば『ブレンダン』のアシュリンの様な、森の神秘を象徴する存在ですが、ロビンのひた向きな姿勢はケルト3部作とは別に2017年の『ブレットウィナー』の主人公、パヴァーナを昇華させた存在だと感じました
内容はタリバン政権下のアフガニスタンで無実の罪で投獄された父と再会する為に男装する少女のお話でかなりドギツイのですが…今作の能動的なヒロイン像、に通ずるものがあると感じたのでご興味ある方はぜひチェックを


ロビンが街を出なければ関わり合うことのなかったロビンとメーヴの2人はやがて惹かれあい、友情を育んでいく様、これはもう俗的に言えば百合です
『ブレンダン』ではボーイミーツガールを描いたわけですが、今作ではガールミーツガールってわけです、最高か
そりゃもう尊い、の一言に尽きるというわけです
可愛いの前には服従、全面降伏なんです




そんな2人の中を、大きく見れば町と森の架け橋を、考えの凝り固まった大人が破壊しようとするのが後半です
前2作もそうですが、いつも子供の冒険の邪魔をするのは頭の固い大人なんですよね…
俺は途中何度泣かされなことか
そして今作最大のヒールである護国卿は、言わばアイルランドを支配せんとする大英帝国の象徴です
人間による自然破壊を狼狩りに比喩した今作ですが、狼狩りが武力によって他民族を弾圧する現代社会の暗部のメタファーの様だとも感じました


そしてそんな護国卿はイングランド王朝を革命で滅ぼしたオリバー・クロムウェルがモデルの様で、とても信心深いプロテスタントのキリスト教徒、所謂ピューリタンとして描かれています
キリスト教では狼は単なる害獣にあらず、羊飼いであるキリストの羊(信者)を襲う悪しき存在とされています
ですので劇中で護国卿に支配されてるキルケニーでは狼狩りが声高に叫ばれているのです
ちなみにアイルランドの狼は18世紀頃に絶滅しています…


そしてこの護国卿、信仰に浸りきってるが故、自身の行いは絶対の正義であり、自身が民衆を導くのだと信じきっている辺りが恐ろしいですね
護国卿は最後の最後まで信仰を貫き通しているので、ある意味幸せ者であった、とも受け取れます
これは信仰が人の心を救う、と描いた『ブレンダン』との共通点でもあったのですが、一方でそんなトム・ムーア監督が今作で描いたのが信仰に溺れてる男ってのが面白いです
それと個人的には“信仰で奇跡が起きた!”って話が大嫌いなので、トム・ムーア監督は一貫して“信仰で救われるのは心、奇跡なんて起きない”としてるのも好感的です




さてケルト3部作にある意味最も重要なのはケルト音楽です
どこかのアメリカ映画と違ってしれっとエピックが流れたりしません
いや、ケルト音楽とエピックを使い分けるのか、と、ケルト音楽とエピックをミックスした劇伴なのか、は似て非なるものだと思うのは俺だけじゃないはずです


前2作に引き続き、作曲家ブリュノ・クレと民族音楽バンドKiLaが劇伴を担当しているのですが、さらに今作だけのビックゲストとしてノルウェーのシンガーAURORAがテーマソングに参加しているんです
『アナ雪2』を観た方ならお分かり頂けると思いますが、エルザを導いたあの“声”の主がAURORAというわけです
なんでもトム・ムーア監督のランニング中のお気に入りソングだった「Running With The Wolves」を仮のBGMに選んだところスタッフ間の評判が良く、AURORAは若者にも人気だから客ウケも良いだろう、とダメ元でオファーしてみたらわざわざ映画バージョンに歌い直してくれる事になったんだとか
先日、今作に参加してるとは全く知らずにタワレコの視聴機で聴いて気に入り、衝動的にアルバムを買いましたw
買った後に今作にも参加してると知った時は驚きましたね
俺はやっぱりこの手の音楽が好きなんだな、と


ちなみにお約束のフィルムスコアリングでしたが、ファッキンコロナが猛威を奮ってロックダウン中だったらしく、ノルウェーからリモートでレコーディングしたそうです


あとエンドロールで気付いたんですが、今作DolbyATMOS対応作品ですね…
せっかくなので是非DolbyATMOS対応スクリーンで観たいんですが…




最後になりましたが前2作の結末はどちらかというと決別を描いてました
文明社会と自然の神秘、双方に程よい距離感を保つ事がお互いの為だという主張でしたね
でも今作ではアイルランドのウルフウォーカーの世界に、イングランドでやや文明に毒されたロビンが入っていく事で物語が膨らんでいきます
ケルト人、魔女、狼の血に、さらにイングランド人のロビンが加わっていく、というお話なわけです
これはつまり、今後世界は混濁によってバランス取られていく、というメッセージなんじゃないかと思いつつ、あえて3部作の最後にコレをやった事に大きな意義を感じざるを得ません
とにかく素晴らしい




ところでキルケニーってあのビールのキルケニーですよね?w

投稿 : 2025/01/25
♥ : 7
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

今夜、私は狼と共に森を駆ける

中世末期のアイルランドを舞台に
{netabare}眠ると魂が抜け出してオオカミになる{/netabare}“ウルフウォーカー”の伝説を描いた
ケルト三部作(前二作は未見……でしたが理解するのに特に問題は感じず)の最終作。

【物語 4.0点】
プロットは自然VS文明の典型。
立ち位置は著しく自然寄り。

この二項対立では大抵、文明側にも一定の大義があるものだが、
本作の場合は文明は嘘に塗れ、自然にこそ真実があるという思想が顕著。

ましてイギリスによる支配が進むアイルランドの町。
オオカミを退治して、自然を開拓し、住民に安全と文明の進歩をもたらすのが、
ピューリタンの使命云々など、
地元アイルランド人に拒絶されている護国卿による人気取りの茶番に過ぎない。
オオカミ狩りをけしかけられる部下たちも士気が上がらず……。
自然と戦う前から、文明の足下は揺らぐ。

さらには組織の歯車となって、大切な人への愛を見失うなど、
文明側の人間疎外状況も描写され、
もはや文明からの家族愛や人間性の奪還戦の様相。


【作画 5.0点】
アニメーション制作・カートゥーン・サルーン(愛)

背景美術は、街は木版画調で平面的、画一的。
文明の秩序、規則、管理、人間疎外。

森は水彩画風で、立体的、奥行きが深い、闇も深い、個性的。
自然の混沌、制御不能な恐怖、自由奔放、人間解放。

異なるタッチがせめぎ合い自然VS文明の構図を浮き彫りにする。


人物デザインもデフォルメが強烈。
ウルフウォーカーは髪量が体格を凌駕しているし、
主人公少女ロビンの掌など、父の小指ほどのサイズしかないw
子供が見上げる大人の世界が伝わって来ます。
人物に対する樹木の異様なデカさ等も露骨で、
実態より心象を重視。

人物作画の主線は、動きや感情が鎮まっている時はシンプルな一本線で、
荒ぶる時は、複数の線が乱舞し、怒りや躍動を活写。
(この辺りは高畑 勲監督の『かぐや姫の物語』から刺激を受けたとのこと)


オオカミ主観視点などのアクションでは3Dソフトによる動画で迫力を増強。
発達したオオカミの嗅覚を単色のオーラを絡めて表現するなど、
人間の五感で察知し得ない世界へのナビゲートも魅惑的で良好。

リアルから自由になれる絵の特権、
各々の画風が表現し得るテーマ性、芸術性を熟知した上で、方針を選択してくる。

フォトリアルとアニメーションがどう距離を取るべきか。
など世界のアニメーターたちが苦闘するのを余所に、
このスタジオは遙か先の前衛を驀進してる感。


【キャラ 4.0点】
ハンター志望の少女ロビンと、ウルフウォーカーの少女メーヴのダブルヒロイン。
純真な子供二人の友情が、色々こんがらがった大人の世界を問い質す人物相関図。

象徴的なのはロビンの父でウルフハンターのビル。
文明社会で虚栄にしがみつく護国卿からの司令と、
オオカミの世界に深入りしてしまった娘ロビンとの間で板挟みになる。
不器用な男の葛藤が、組織で空回りする歯車には刺さりますw
{netabare}ビルには新しい家族でどうか幸せになって欲しいです。{/netabare}


ツボは野外でギロチン拘束具に囚われてもアイルランド人の矜持を貫いたオッサンw


【声優 4.0点】
※日本語吹替え版を劇場鑑賞

ロビン役・新津 ちせさん&メーヴ役・池下 リリコさん。
共に子役のダブル主演。
世間的には「パプリカ」歌ってるFoorinのメンバーと言った方が伝わるでしょうか?
親や大人たちが蔑ろにするのは心が痛む純朴ボイスで情に訴えて来る。

ロビンの父ビル役・井浦 新さん。
上記の愛娘ボイスを、護国卿の仕打ちに疑問を感じつつも、
ルールに従うのが娘のためとなだめる。
など微妙なポジションも斟酌した流石の台本読解力。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はブリュノ・クレ氏(仏)
そこにバグパイプ等の民族楽器を駆使するKiLA(愛)の劇伴ソングも加わり、
ケルト音楽の世界を体現。

さらには制作中にスタッフが感銘を受けたという
オーロラ(ノルウェー)の「Running with the Wolves」が
本作仕様にアレンジ再録され幻想的なシーンに挿入。
(レビュータイトルは同曲の歌詞から拝借)


【感想】
自然を加工して文明を切り開けるのが人類。
その過信を疑問視し始めた前世紀。
そして、今や欧米の近代人はスッカリ自信喪失してしまった?
そんな一抹の不安もよぎりました。

ラストも、{netabare}近代前夜の火薬兵器が、森を焼き、
ウルフウォーカー拠点の喉元に迫るが、結果は返り討ち。
このシナリオパターンで、ここまでの自然劇勝からの、
共存や痛み分けを超えた文明から自然への離脱……チョット記憶にありませんw{/netabare}

極上のアニメーションなどの作品評価=自然礼賛への同意という訳でもない。
これは歴史に埋もれたアイルランド伝説の再発掘映画でもある。
そんなことを理解はしつつも……。
本作を称賛する欧米文明社会は今後、どこへ向かっていくのでしょうか?

ウルフウォーカーでも、もののけ姫でもない、
極東近代文明の歯車に過ぎない俺は、
今更、森へは還れないんですよ(泣)

投稿 : 2025/01/25
♥ : 18

褐色の猪 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

中世アイルランドを舞台にしたガールミーツガール・ファンタジー

原題:WolfWalkers
公開:2020年10月30日
製作:アイルランド、ルクセンブルク
監督:トム・ムーア、ロス・スチュワート
原作:ロス・スチュワート
会社:カートゥーン・サルーン
時間:103min

中世アイルランドの伝説に基づく、オオカミであり人間でもあるウルフウォーカーと、ハンターを父にもつ少女との友情の物語、

絵画を彷彿する背景美術、
よく動き表情豊かな人物描写、

高畑勲監督作品「平成狸合戦ぽんぽこ」、
宮崎駿監督作品「もののけ姫」
等と同じ視線有し、
昭和の傑作「太陽の王子ホルスの大冒険」のエッセンスも仄か香る

益々磨きかかったケルト三部作の真打ち、

素晴らしいアニメーション作品です。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8

71.5 4 2020年秋(10月~12月)アニメランキング4位
BURN THE WITCH(アニメ映画)

2020年10月1日
★★★★☆ 3.7 (128)
640人が棚に入れました
正解には表<フロント>があれば裏<リバース>がある。遥か昔からロンドンに於ける全死因の72%は、人々が見ることのできないドラゴンと呼ばれる“異形の存在"が関わっていた。だが、人知れずそのドラゴンと相対する人々がいた。ドラゴンの存在を見ることができるのは、フロント・ロンドンの“裏側"に拡がるリバース・ロンドンの住人だけ。その中でも、選ばれし人々がウィッチ<魔女>/ウィザード<魔法使い>となり、ドラゴンと直接接触する資格を持つ。主人公は、自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」(通称WB)の保護官である新橋のえるとニニー・スパンコールの魔女コンビ。彼女たちの使命は、ドラゴンに接触できない人々に代わり、ロンドンに生息するドラゴンたちを保護・管理することだった。

声優・キャラクター
田野アサミ、山田唯菜、土屋神葉、平田広明、引坂理絵、麦人、小林親弘、田中美央、清水はる香

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シンデレラの夢はいつ覚める

視聴前 どういう

視聴後 おおお

この話はフロントとリバースで見る世界が変わってくるイギリスの話
ジャンルはドラゴン・魔法・魔女
一部動画配信サイトで配信されていた映画ですね
個人的には「なぜテレビじゃない…」と思えるくらい好印象です。

普通に面白かったです。
序盤のキャラ説明や世界設定説明は不十分なような気がしましたが、あの短時間でわかってしまうので大分優秀な説明だったと思います。
導入も自然なものでしたし、特に気になる点はありませんでした。
中盤は物語なのですが、まぁかっこいい。完全に中二病なのですが「マジックナンバー75!ガントリング・クラウン!」とかマジでかっこいい。私が言うと非常にダサいのですが、ノエルちゃんもとい山田唯菜さんが言うと超かっこよくないですか!?私もうあの感じが好きでたまらなくて。
終盤は中盤の勢いをそのまま利用していました。悪く言えば終わり方が雑なのですが、良く言えば余韻がある終わり方でした。まぁ個人差はあるでしょうが、良い終わり方だとおもいます。

誰でも楽しめる作品となっているので、見ようかみまいか迷っている方は見ることをおすすめします。

映画なので基本切る人は少ないでしょうが、一応切る基準としては序盤のキャラですね。キャラがわりかし基本となってきます。大抵は好印象ですけど。

原作は久保帯人さん。ブリーチの原作者ですね。
監督は川野達朗さん。原画マンであり初監督だそうです。それにしては。
助監督は清水勇司さん。
シリーズ構成は涼村千夏さん。
キャラデザは山田奈月さん。
劇伴は井内啓二さん。ダンまちなどをされた方ですね
アニメ制作はteamヤマヒツヂ/スタジオコロリドさん。ペンギン・ハイウェイや泣き猫を制作したところですね

作画は良かったです。キャラデザも好みですし、迫力のある作画でした。
声優さんは良かったです。
最後のBLEACH意味がわかりませんでしたが、これBLEACH20周年記念作品だったんですね。

総合評価 みとくべき

投稿 : 2025/01/25
♥ : 7

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

もっと知られるべき傑作

前知識何もなしに、たまたま目に止まって配信を見たら、すっごい面白い。
もっと知られるべきじゃない?
かのBLEACHの原作者の特別編として作られたらしい。まあ私はBLEACH見てないんで何も分かりませんが。
BURN THE WITCHの文字が最後にBLEACHになったり、意識しすぎじゃないかと思ったが。

それにしてもこのアニメのキャラデザイン大好き!のえるちゃんのファンになっちゃいました。
話も面白いし、アクションも良く動いて見応えあり。
2人の元気な魔女の掛け合いが面白い。
壮大な物語の序章のような作りだが、これでも十分な完成度だと思う。
原作はもっとあるようだから、また元気な魔女漫才を見せて欲しいなあ。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 11

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

対照的な二人の女子高生の魔女がクールに、オシャレに、ポップにドラゴンとバトルするお話

この物語は、二人の女子高生が主人公で、しかも、魔女です。
この二人の性格は、とても対照的です。
「ニニー」は、喜怒哀楽がわかりやすく思ったことは態度に出す明朗快活な性格です。
「のえる」は、喜怒哀楽を見せないクールビューティで、ジト目が特徴的です。
観ると分かりますが、こう言うコンビって結構見るよねって感じがします。
それだけ王道のキャラ付けなのですが、そこには変わらない面白さがあります。


■オシャレ

この物語は、二人があーだこーだと言いながら、ドラゴンと戦います。
その時の姿は、学校の制服に赤のシェパードチェック柄のマントをまとっています。
また、小型の乗用ドラゴンにも乗っています。
そして、戦う武器は、なんと「笛」。
でも、その笛裁きとそこから繰り出される魔法がさっそうとしていてあざやかです。
キメるところは、とてもカッコイイです。
それでいて、ギャグも適度にポンポンはいってきます。
これらのバランスの良さが全体的にこの物語をオシャレに見せています。


■劇伴がとてもいい

魔法ファンタジー活劇映画のような感じです。
不安感を伴いながらもテンポ良く進み、時折重厚感がある感じです。
場面によっては、シンセを使ったリズミカルな曲も混ざります。
この物語は、現代のロンドンを舞台にしています。
でも、この劇伴のおかげで現代のゴチャゴチャを遠ざけた舞台を作り上げています。
それが、この作品がもともと持っているクールさにオシャレ感を足しています。


■物語がちゃんとしている

この物語、結構、伏線がありますし、最初から最後まで一本の筋が通っています。

この物語は、主人公の「 おとぎ話なんてクソでしょ」と言うセリフで始まります。
そして、「魔法は途中で解ける」と続けます。

途中のドタバタ劇で、最初のこのセリフを忘れかけてしまいます・・・。
しかし、終わってみると気付くのです。
それは、このセリフを回収するためだけにこの物語があったのだと言うことにです。

途中のステンドグラスの絵や、最後に出てきたドラゴンの名前。
それらは、あるおとぎ話がモチーフとなっています。
それを女性が他人に頼らず、自らの力で未来を切り開いていくと言う主題に昇華させ、
現代的なファンタジーで描いて見せたところは流石だなと思います。

しかも、この物語では、それをこうあるべきだと説教臭く語ることはありません。
さらっと描いて、気付いてくれたらそれでいい、そして、どう考えるかは自由、
そんなノリなんです。
こう言うのをクールって言うんだなと、あらためて気づかされました。


■まとめ

普通に面白かったです。
この「普通に面白い」とは、どう言うことを言うのでしょうか?
私は、あれこれ考えたりせず単純に観ているだけで面白いことを言うのだと思います。
しかし、その面白さの裏にある主題に気が付くと、
その描き方やセリフに対し、なんてクールなんだろうとシビれてきます。
つまり、二度おいしい作品になっています。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 19

70.4 5 2020年秋(10月~12月)アニメランキング5位
劇場版BEM ~BECOME HUMAN~(アニメ映画)

2020年10月2日
★★★★☆ 3.7 (21)
56人が棚に入れました
壮麗と退廃、繁栄と貧窮が運河を隔てて共存する都市「リブラシティ」。若き⼥性刑事・ソニアは、街で頻発する不可思議な事件を追う中で、“ベム・ベラ・ベロ"と呼ばれる3⼈と出会う。醜い姿に変⾝する彼らはやがて妖怪⼈間と名付けられ、事件の容疑者として追われることとなるが、彼らこそが事件を解決し⼈々を助けているのだった。すべては「⼈間になりたい」という願いを叶えるため。リブラシティを裏で操る「⾒えざる議会」が事件の⿊幕であることを突き⽌めたベムたちは、その⾸魁であるもう1⼈の妖怪⼈間・ベガと対峙する。運河をつなぐ橋を破壊するほどの激闘の結果、ベムたちは姿を消したのだった…。それから2 年。ベムの⾏⽅を探し続けていたソニアは⽬撃情報を元に「ドラコ・ケミカル」という製薬会社を訪れる。そこで出会ったのはベムに⽠⼆つの⼈間“ベルム・アイズバーグ"だった…。

声優・キャラクター
小西克幸、M・A・O、小野賢章、宮田俊哉

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ベムが望むこと?

 TV放送続きのお話みたいで、ベム?が何故か?名前も変えられて?家庭を持っているという設定になっていたです。
 なぜそうなっているのか?その真相こそが、このお話を大きく揺さぶる真実につながるのです。きっかけとなるソニアの存在が、最後まで絡んでくるです。

 ベラ、ベロも出て来るけど、殆どベム中心に話が進められ、ベムの自身が、本能的というのかで、答えにたどりついていったです。
 ベムの日常、周囲は一体何だったのか?、その裏に隠された真実は、再び戦いへと進むのです。ベムに関わる、真の敵の正体も見所です。

 戦闘シーンなどが、BEMらしいともいうべき、質の高い作画、演出で最終決戦は、衝撃の展開となったです。「人間になりたい!」の答えは、悲劇の先にあるのか?ベムがどうなるのか?リメイク三作目の最後となる結末は、見てのお楽しみです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

70.1 6 2020年秋(10月~12月)アニメランキング6位
グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION スターゲイザー(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★★☆ 3.7 (52)
288人が棚に入れました
トーカ(獅子ヶ谷桐花)は、SORDメンバーたちと共に海外合同合宿に参加するも、その予定は変更され、脱走者・グミ(九真城恵)を追う作戦に参加することとなる。
任務に際しトーカは、両親との記憶や、昔の友人・シホとの果たされることのなかった約束と邂逅し、グミの境遇に想いを馳せる。それぞれが交差する中、トーカの導き出した答えとは――?

声優・キャラクター
佐倉綾音、三森すずこ、内田真礼、南條愛乃、名塚佳織、種﨑敦美、井澤美香子、代永翼、長妻樹里、小見川千明、依田菜津、友永朱音

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『ビルマの竪琴』の美少女アニメ版が完成したと聞いて!!!「みもり~ん、一緒に日本に帰ろう~」途中から『コマンドー』か『エクスペンタブルズ』になってるとか言いっこなしよ?

エロゲでお馴染みの『グリザイア』シリーズの全年齢版、かつ現在進行形で展開中の『グリザイア:ファントムトリガー』のvol.3をアニメ化した61分の映画です
↓ちなみに2019年にvol.1とvol.2をアニメ化したのが前作になります↓
https://www.anikore.jp/review/1907909/
過去のシリーズとの接点は希薄で、さらには前作のダイジェストも劇場では流れますのでイキナリ今作から観始めても良いと思います


美浜学園に通う生徒達は皆ワケあり
国家諜報機関の汚れ仕事を担うSORD(ソード)と呼ばれる殺し屋として育成されている
前回の事件を機に新たにSORDとなったマキを加えた美浜学園は修学旅行…という体裁でフィリピンのジャングルで山岳訓練を控えていた
しかし合同で訓練を行うはずだった聖エール外国人学校から脱柵兵の捜索依頼をされる事に
脱柵兵の名は九真城 恵(クマシロメグミ)通称グミ
実は以前の作戦中、現地で捨て兵にされてしまい、復讐心を燃やして敵を1人で壊滅し、ゆくゆくは自分を捨てた上司を殺害するのでは?と恐れられているスナイパーだった
グミと一緒に捨て兵にされ戦死したのが、かつての自分のパートナーだと知った美浜のスナイパー、トーカ
トーカは同じスナイパーであるグミの暴走を止めるべく作戦に参加するが、その内心では複雑な想いをめぐらせるのだった…


前作に引き続き、ハイクオリティな美少女ガンアクションが炸裂するGun&Girlsアニメです
単純に女の子が銃をぶっ放すアニメが好きな人は観て損は無いでしょう


前作の助監督であった村山公輔が新たに監督デビュー
脚本はあおしまたかし
もちろんキャラデ総作監は渡辺明夫、ですが前作と違いパート作監は複数に分担でされてます
それでも相変わらず作画クオリティは超高水準で安心しました
作画が良い、という言葉は今作の為にあるとすら感じます


物語はグミの姿に自分の過去を重ねていくトーカ、
孤独な戦いを続けようとする古風な軍人気質のグミ、
そしてSORD達のあまりの非日常的日常風景に翻弄される有坂先生ェ…
という3つが並行して進む群像劇になっています
さらにグミと同じ聖エールの生徒達も作戦に加わり、登場人物は一気に増えていくのが群像劇スキーには堪りません
特に新キャラの1人、ベルベットちゃんに小見川千明というキャスティングが憎いですねw
彼女達のシュワルツェネッガーかスタローンかって活躍にも注目です


グミに帰投を願う仲間達からグミの無線へ「一緒に日本へ帰ろう」という言葉が掛られるのは『ビルマの竪琴』を彷彿とさせます
グミがハルトと逢って初めて発した台詞も横井庄一さんから発せられられた流行語が元ネタでしょう
これを小見川千明や三森すずこに言わせたのが面白過ぎますw
次の『ガルパン最終章第3話』でも同じことをやるんじゃないか?とけみかけは踏んでますがさてどうでしょう?


そして『グリザイアPT』において最も重要視されてるテーマである生きる事、即ち食べる事、が今作でも健在です
61分の中でこんだけ飯テロを仕掛けてくる映画はグルメモノでもそうそう無いでしょう
下手にお腹が空いてる時に観ると辛いかもしれませんw


今作ではトーカが掘り下げられたので、このままクリスやムラサキのエピソードも是非このクオリティでアニメ化をして欲しいものです!
それでは、バイポッドになりたいっ!けみかけなのでした~

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

カエル、二羽鶏、牛丼

 前作「グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION」から一年以上たった今回、新しい仲間ができた続きとなるです。初めて見る人にも、何となくわかるような簡単な解説があるです。

 今回は、美浜学園の生徒トーカを中心に過去に振り返えつつ、グミという少女の過去と現在と対峙決着という展開、何やら濃い内容のようなお話だったです。前回出でてきた生徒は、脇役みたいなかんじになったです。

 トーカ自信と家族を物語る過去と、復讐を背負ったグミとの対比が描かれているです。
 トーカと出会ったグミが、最後どういう反応をするのか?このお話の結末を左右するです。この上ない宿命のようなこの二人の過去は、一人の人物を知る共通点と、運命においてやや深いものがあったです。互いを知った時どうなるのか?、「過去を打ち抜く!」とは何なのか?お話として、前作より面白みがあったと思ったです。

{netabare} 別に印象に残ったのは、任務において出てきた修道服の女の子たちが、言葉遣い、行動、性格においてのギャップも見所だったです。
 でてきた太ったおっさん?が、どこか存在感を示していたのも・・・です。{/netabare}

 戦闘においてやや順調で、少し思わぬことが起こりながらも、淡々と遂行されてしまうトーカが、デューク東郷とも一味違う狙撃で、一度狙われたら相手もおしまいというのを現したある意味での凄まじさを感じたです。

 結局、スターゲイザーというのが、良くわからなかったです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 4
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

『ファントムトリガー』のやりたいことがかなり明確になった良作

【レビューNo.163】(初回登録:2025/1/2)
ゲーム原作で2020年の映画作品。60分程度
前回OVAのレビューを書きましたが、2025冬アニメがゲームのvol.4からという
ことで、vol.3分の劇場版も押さえておこうかと。
(詳細は【レビューNo.162】OVA作品参照)


(ストーリー)
美浜学園の生徒たちは聖エール外国人学校との夏季合同合宿のためフィリピン
の山へ向かう。
しかしそこで脱柵した聖エールの狙撃手・グミを追う「脱柵者狩り」に協力す
るよう依頼を受ける。
10日前、グミは先輩・シホと共に武器密造組織の壊滅作戦に参加していたが、
作戦は失敗しシホが死亡。
生還してもCIRF基地司令から理不尽に略式裁判へ出頭させられてしまうことか
ら、グミはシホの仇を討つべくそのまま行方をくらませたのだった。


(評 価)
・今回はトーカが主役
 前回OVA第2話はレナ回でしたが、今回はトーカ回ですね。
 トーカはデレのないツン担当の小柄な狙撃手です。
 {netabare}・冒頭はトーカの回想で彼女の家族について語られ、父親との間にわだかま
  りがある描写がなされ
 ・またグミのパートナー・シホは、以前トーカが聖エール外国人学校に在籍
  していた頃のパートナーでもあったことが明かされる
 ・復讐を遂げようとするそんなグミに過去の自分を重ね、
  「復讐なんて割に合わない」
  という心境を吐露し、そのことをグミに伝えたいと願い
 ・自身の狙撃によりグミを追いつめ身柄を確保
 ・そしてムラサキとの会話劇で自身も父親への思いに一区切りをつけ
 ・処分軽減のため聖エールから除籍され、美浜学園預かりとなったグミの面
  倒をみることで、自身も過去にハルトの世話になったことを思い出し
  「誰かの背中を見て追いかける立場から誰かに背中を見せて引っ張ってい
   く立場になる」
  それが成長するということだと実感して物語が終わるという 

 それまでは周りと少し距離を置きクールに振舞っていたトーカが、グミの面
 倒をみることで生まれる柔らかな表情で締めるラストがホントよかったです。{/netabare}

 またグミも
 {netabare}「自分にはやらなければいけないことがあるのであります。~志半ば倒れた
  シホ先輩の無念たるや~その無念を晴らさずしてオメオメと日本に帰るな
  ど聖エールの恥さらしであります。」
 ・シホ先輩への強い愛情
 ・真面目で責任感が強くまた融通の利かない(不器用な)軍人気質
 ・ラストでみせる押し殺していた感情があふれ出す普通の少女らしい一面
 といったキャラ描写がしっかりしていてよかったと思います。{/netabare}


・アクションシーンはさすがの劇場版クオリティ
 今回は前回の大立ち回りで療養中のレナとマキはお留守番なので
 ・美浜学園側は狙撃手・トーカの後方支援(サポートはムラサキ)
 ・(山岳猟兵の育成をメインとした)聖エールの強襲班
 という部隊編成になっており、作戦指揮はハルトが担います。

 {netabare}第1目的はグミの身柄確保でしたが、グミの動きが予想以上に早かったので
 作戦は変更、グミを援護しつつ武器密造組織の殲滅行動に移ります。
 トーカの正確な狙撃も見事でしたが、修道服に身を包んだ聖エールの強襲も
 鮮やかでした。
 特に隊長ベルさんのイカレっぷりはなかなかにキャラ立ちしてましたね。

 やはり劇場版というだけあって、アクションシーンの作画は見応えがあり
 さすがでした。
 まあ相手に強キャラがいなかったので、電光石火で殲滅って感じでしたがw{/netabare}

 
前作のOVAでは見えづらかった『ファントムトリガー』としてのエッジが今作
ではかなり明確に描かれていたように思います。
・『グリザイアシリーズ』らしくヒロインたちを深堀しつつ
・”工作諜報員”という設定を活かし、アクションをより強く押し出していく
この辺りOVAでは少しぼやけた感じがありましたが、今回はかなりよくなって
いたように感じましたね。
レナとマキの活躍がなかったのが惜しまれますが、トーカををメインで魅せる
構成や聖エールとの相性を考えると妥当な判断とも言えますね。
新たにグミも仲間に加わるようですし、この冬アニメにも期待ということで。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 9

69.8 7 2020年秋(10月~12月)アニメランキング7位
おジャ魔女どれみ20周年記念作品 魔女見習いをさがして(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.7 (48)
189人が棚に入れました
帰国子女で会社員のミレ(27)、教員志望の大学生のソラ(22)、フリーターのレイカ(20)年齢も住む場所も悩みも…なにもかもが違う三人を引き合わせたのは―――魔法玉!?不思議な巡り合わせで一緒に旅に出ることになったまっすぐで、ちょっぴり不器用な彼女たちのニュー・マジカル・ストーリーが いま 始まる!

声優・キャラクター
森川葵、松井玲奈、百田夏菜子、三浦翔平、石田彰、浜野謙太

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

良い意味でも悪い意味でもファンムービーに留まらず。

 おジャ魔女ファンとしては当然見てきました。「思い出コンテンツ」として商売だけの匂いしかないような志の低いことがない辺りは「デジモン last evolution」と同じ。流石は関pが関わっている作品だけのことはある。


 おジャ魔女たちは殆ど出ないが、明らかに本作はおジャ魔女の面白さと本質であるテーマを受け継いでいる。こういう継承ならええねぇ。


 とにかく、楽しくて親しみのあるキャラ達の物語がスーっとテンポよく心に入ってくる。彼らがすぐに好きになるし、だからこそ彼等の地に足がついた苦しみも心に響く。


 今回の主役の三人は声優じゃない方がやってるが、ほんまにキャラとの相性がピッタリである。特にももクロの方がやってたレイカちゃんは、おジャ魔女というよりキラプリのひまりん感がある良い方言キャラでした!。


 とにかくテンポがよく物語がスイスイと進むが、軽くて甘過ぎなお菓子のようにならないバランス感覚がちゃんと働いているのも見事!。


 全体的にかなり満足な作品だったが、「last evolution」のような傑作とは言い難いかな。どれみの面白さは、物語がどうこう以上に時間をかけてキャラ愛を育てていくのと、子供向けとは思えない「痛み」があるところだった。


 それに対して、2時間もない映画では少々サクサク過ぎる。しかも、本作は大人たちが主役だけにあまりにサクサクだと軽くなってしまっているところがある。もっと溜めが必要だったかも。1クールのアニメのが良かったかなぁ〜。


 そして、これはファンとしてのワガママだが、やはりもっとどれみ達が見たかった。過去の話を上手く利用するのでもいいから、もっとサービスがあっても良かった。


 鬼滅でも話題の石田さんも出てるのだが、どうせならドッカ〜ンの「離さないで、繋いだ手と手」の幽霊の少年のデザインに似せた感じにするとか、ファンならニヤリな描写があっても良かった。それが目的化したらアカンが。


 本作を見て改めてサトジュンさんはアニメ界の木ノ下恵介だということを改めて思った。本作に限らずサトジュンさんの作品は子供向けタイプに限らず甘さと優しさが基調にある。しかし、それは誤魔化しや騙しの甘さでも、建前や綺麗事の甘さではない。


 世界に辛い現実があるのは知ってるし、建前の裏でズルや嘘が横行してるなんてもちろん知っている。だからといって「世の中なんて嘘ばっかじゃん!。真面目にやって馬鹿見るくらいなら、私も抜け駆けするしかない」なんてニヒリズムや敗北主義に本当に強い人は陥らない。


 それでも…、人には譲れない大切な物がある、それでも…人は良くなりうると信じる。理想に向けて、祈りや願いを胸に人は少しずつでも努力し続けることができれば…。このオプティミズムは現実無視ではなく、現実を知ってもそれを乗り越えていく強さがある。


 子供たちに向けて作品を作ってきたサトジュンさんには、背中で敗北主義と狡さを教えるような格好が悪い大人ではない。たとえ時勢に逆らう形でも、人が持つ誠実さと心の力を信じ、百万言よりも心に響く物語という形でそれを示してくれる。リアリスト気取りな「ぶっちゃけ」という名のみっともない人間が溢れる中で、子供向けを多く手掛けた職人タイプの監督の方が一周回ってロックじゃん!。


 本作のサトジュンスピリット。心のチカラこそ本当の魔法というメッセージ、幻想こそ現実に強く生きる原動力になるというテーマはプリキュアにも引き継がれている。優しさという魔法を私は信じ続けていきたい。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 16

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

どれみ聖地巡礼、3人の仲間達というのでは⁈

 『おジャ魔女どれみ』を見ていた女子三人が、その聖地「MAHO堂」のモデルとなった建物で知り合って仲良くなり、どれみや身の上話をしながら進む展開な感じだったです。
 『おジャ魔女どれみ』は聞いたことはあるけど、見たことないです。

 よくわからないけど、魔法玉というのも存在感あったです。この聖地って、鎌倉、飛騨高山、京都、奈良と広範囲だなぁです。

 三人それぞれに、仕事や生活における悩みを抱える姿が印象的だったです。聖地巡礼で友達ができるって、何か良いもんだなぁと思ったです。
 三人に降りかかるというのか?様々な出来事を互いに励ましあう姿を見るとそう思うです。

 現在の自分を見つめなおすとき、ここれは非現実的でしかない、魔法というものの必要性について考えさせられるかもしれないです。

 三人が見つけた生き方は、どうなるのか?お楽しみです。タイトルの意味が分かりづらかったです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 5
ネタバレ

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

ずいぶん酷評されてますけどもね、全然そんなことないですよ。

少なくともボクはめちゃくちゃ感動して始まって5分でウルウルしだして、最後までうるうるしっぱなしでしたよう。

まあ、ビービー泣くようなことはなかったですが、なんかまあよかったですわ。
でもあんまりどれみちゃん関係ないかなとは思いましたけども。

プリキュアの前ですよね。これね。

まあおジャ魔女放送時はボクはもうとっくにおっさんになってましたし、その頃おジャ魔女の版権商売の仕事もからんでたってこともあって毎週見てましたしですね、おジャ魔女自体に特別な思い入れはありませんでしたので、純粋に女の子の自分探しの旅系の話だとしてフツーに見れました。


ハナシはちょっと横にそれますけども。

インターネットが普及し始めたころ、その頃趣味で一生懸命音楽やってたんですよね。そんで好きなアーティストのファンサイトのBBSなんかで意気投合した仲間なんかとバンド作って。それから自分らのサイト作って、そしたら日本中のあっちこっちと音楽でつながった仲間とかできて。ライブ活動も地元大阪以外にも東京や名古屋にも行ったなぁ。

要するにインターネットのおかげでひとつの趣味を通して世代も仕事も異なる、接点のない人とつながることができるようになったと。

インターネットで人がつながる感動物語って『電車男』とかに代表されるようにその頃わりとアツかったんじゃないかなと。


そんで魔女見習の話に戻りますけども。

インターネットではないですが、一つの趣味ってゆうかまあ好きなおジャ魔女を通して知り合った接点のない3人がそれぞれの生きざまの中で成長していくとゆう話の流れが、そのボクが一生懸命バンドとかやってた頃とものすごいリンクしてしまって、なんかまあ他人事として見れんかったですよ。


最後みんなで{netabare}カフェ{/netabare}やるんとゆう話で終わるんですが、まあ3人ともそれぞれの個性を生かした{netabare}カフェ{/netabare}になっててそれはそうかもなんですが、ボクはやっぱり3人とも一人一人それぞれの道を別々に歩んでいくって話に落としてほしかったかな。


まま、おジャ魔女ファンがみたらがっかりするみたいで、まあそらそうだろうなぁと。
おジャ魔女好きの女の子3人の話なんだから。


酷評はどうもそこんところみたいなんですが、ボクにとってはそおゆうアレでなんか懐かしいとゆうか、軽く胸を熱くするお話でした。


なんか昔これハマったよなー。あの頃のみんなどうしてるかなー。
みたいなちょっと優しい気持ちになれる作品でした。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 4

69.8 7 2020年秋(10月~12月)アニメランキング7位
STAND BY ME ドラえもん 2(アニメ映画)

2020年11月20日
★★★★☆ 3.8 (18)
79人が棚に入れました
22世紀から来たネコ型ロボット・ドラえもん。ドラえもんとのび太が一緒にいるのが日常になった<現在>のある日、のび太は部屋でくまのぬいぐるみを見つける。それは幼稚園の頃に亡くなってしまったおばあちゃんが繕ってくれた、大切な思い出の品だった。大好きだったおばあちゃんを思い出し、涙が止まらなくなったのび太は、タイムマシンでおばあちゃんに会いに行きたいと提案する。反対するドラえもんだったが、直接会わずに様子を見たらすぐ帰ることを条件に、のび太が3歳だった<過去>へ出発!会いたい気持ちを抑え、陰からこっそり見ていたのび太だったが、ひょんなことから、おばあちゃんに見つかってしまう!小学生になったのび太の姿を見て驚きつつ、あの頃と同じく優しく受け入れてくれるおばあちゃん。すると、「のびちゃんのお嫁さんをひと目見たくなっちゃった」とふとつぶやくのだった。大好きなおばあちゃんの願いを叶えるため、<過去>、<現在>、そして<未来>を舞台に、ドラえもんとのび太の大冒険が始まる―――!!果たして、のび太は無事に未来のお嫁さんをおばあちゃんに見せてあげられるのか?

声優・キャラクター
水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、宮本信子、妻夫木聡

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全ては、プリンスメロンホテルで叶えられる、一つの願いのために!

 おそらく多くの人に知られている、のび太のおばあちゃんに会いに行く話、のび太の結婚式、のび太誕生の話などを一つのつながりとして、うまくまとめたお話だったです。

 この3DCGアニメは、3Dでないのび太達と違い表情動作、手といい、まるで生きているような感じがしたです。ただ、再会した時のおばぁちゃんの動きがぎこちない感じがしたけど・・だったです。

 今の声優さんでなかったとき、今回のようなつながりでなく、個別で完結しているのをやや思い起こすです。
 冒頭から、現在、幼かったころ、大人とのび太の弱虫でわがままな一面が、らしさを見せてくれたと思うです。
序盤でのび太の身に何が起きていたのかは、見ていけばわかるようになっていたです。

 背景の風景なども非現実であっても、どこかリアルなところに、自分が幼いころ見た当時とは比較できないほど、洗練されていたです。秘密道具、タイムマシンなど、かなり精密に描かれていたです。

 大人ののび太と現在ののび太を見ていると、イライラしてくるけどそれが、のび太なんだなぁと思うです。これは、ドラえもんも大変です。

 トラブルがありながらも、都合よく過去はのび太とドラえもんしか、直接確認することができないけど、彼らだからこそ改めて気づかされる、自分があることを改めて知ることができたお話だったです。

 終盤の光景は、一つの願いのための現在ののび太による、私の記憶にない大人ののび太へのサプライズを見たです。最後は、見覚えのあるようならしい終わり方だったです。のび太の結論に注目です。「これで、いいのだ!」です。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 5

てっく さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「おばぁちゃん(おじぃちゃん)」という絶対的な温かさ

友人の子供に誘われ?(笑)、映画館へ足を運ぶことに。
視聴したのは公開3日目くらいだっと思いますが、鬼滅熱が冷めない中での公開ともあって休日にも関わらず5組ほどしか居ませんでした。
記憶の中でのドラえもん映画の劇場は「人がいっぱい」というイメージだったので、何か寂しい気持ちと世間の流れを感じた瞬間でもあった。

恥ずかしながら、STAND BY ME1を観ておらず3Dドラえもんは初視聴だったのでその辺りは新鮮でした。
ストーリーとしては、現代(小学生のび太)ののび太の「おばぁちゃんの願いを叶えたい」という思いから、タイムマシーンで過去に行ったり未来に行ったり。
その中で、未来の誰かの想いや過去の誰かの願いを知り奮闘するストーリーでした。
「ドラえもんらしさ」という意味では、いつものドラえもんでしたが、子供目線で観るには、少し複雑さが混乱を招く。
そんな印象を受けた作品。

だけど、純粋に「ドラえもん」を楽しんで欲しい。そんな作品でもあったと思う。

ジャイアン。(スネ夫も)
本当はのび太が大好きでかけがえのない『仲間』なんだと言う事を再認識させてくれる演出も。。。涙
分かってた。分かってたけどホロッとさせられるシーンでした。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

68.8 9 2020年秋(10月~12月)アニメランキング9位
どうにかなる日々(アニメ映画)

2020年10月23日
★★★★☆ 3.5 (43)
206人が棚に入れました
誰かを想う日常は、ときに甘くて、ときに痛い。そんな、なるようにしかならない日々も、きっと、いつか。青春群像劇の名手・志村貴子(「放浪息子」「青い花」)による、様々な恋模様を淡く繊細に描いたオムニバス漫画「どうにかなる日々」を、詩的な映像・音楽演出に定評のある佐藤卓哉監督(「あさがおと加瀬さん。」)がアニメ化。元恋人の結婚式、男子校の先生と生徒、心と身体の変化を迎える思春期の幼馴染。誰が相手でも、どんな形でも、全ての恋と生き方には同等の価値がある。そして、不器用に誰かを想った日々は、きっといつか愛しい思い出になる。そんな“誰かの恋"を優しく見守り、温かく描くオムニバスショートストーリー集。

声優・キャラクター
花澤香菜、小松未可子、櫻井孝宏、山下誠一郎、木戸衣吹、石原夏織、ファイルーズあい、早見沙織、島﨑信長、田村睦心、天﨑滉平、白石涼子
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

匠の演出

楽天的なアニメタイトル。
ちょっと惹かれる。
実際そうなんだよね。
未来が見えなくてもなんとかなっちゃう。

淡々と日常を描く短編三編。
どれもこれも、屈折してるけどね。
でも、それも一つの愛の形では。
視聴後は得も言われぬほどの満足感。

感情って描くのが難しい。
それを穏やかなカットで表現って。
それも皆まで言わずに。
お見事。

豪華な声優陣の演技はさすが。
引き込まれてしまう。
最後に一言。
{netabare}早見さんの使い方が贅沢。{/netabare}

投稿 : 2025/01/25
♥ : 12

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

今だから言うけどさ…

視聴前 どうせ青春系なんだろうなぁ

視聴後 おぅ…

この話はとある結婚式で合った二人の話
ジャンルは青春
まぁタイトル、というかサムネというかでなんとなく「青春系だろうなぁ」という予想はしてました。実際青春系でした。しかし見終わった後に調べたところ「マンガ・エロティクス・エフ」という月刊漫画雑誌で掲載されていたそうです。うん。察してください。
具体的にそういうシーンは描かれていませんでしたが、それっぽいシーンは或ることにはありましたね。
いわゆるティーンズラブと呼ばれるものですが、ティーンズじゃない私でもストーリーは理解できるので偏見はよくないな、と実感しました。

基本的にというか四部構成になっています。まぁ3と4はつながっているので、実質3部構成と言ってもいいでしょう。
そして各部でジャンルが違います。レズゲイおねショタ中学生、と聴いてる分には過激そうな内容ですが、至って普通の恋愛ものとかわらない(はず)です。原作だと直接的な表現が多々見受けられるそうですが、本アニメではそこまででしたね。

結構軽い気持ちで見に行きましたけど、そこまで頭を使うほどでもなかったので帰宅途中にフラッと寄って正解でしたね。
どの作品も序破急がめちゃくちゃで非常にくだけた話でした。故にストーリーがあったもんじゃありませんが、逆にそこがリアルさを引き立て、まるで日常の青春の一ページを覗き込んでいるかのような一種の恥ずかしさに似た共感性を感じ取ることが出来ました。恋愛経験に疎い私ですら共感じみたことを行えるのでおそらく大半の方が共感できると思います。まぁその際には恋人と見ないことをオススメします。

キャラは好印象です。先程も言ったとおりリアルさを感じるくだけた展開と相まってとても穏やかな心でキャラたちを見ることが出来ます。共感してるはずなのにどこか他人視点のように感じる。まさしく「誰かの青春を覗き込んでいる」ような感覚に襲われます。あの感覚はすごいですね。珍しい体験だっと思います

皆様も暇があれば青春を覗き込んでみてください

原作は志村貴子さん。
監督は佐藤卓哉さん。朝顔と加瀬さんやフラグタイムなどの監督をされた方ですね
シリーズ構成は佐藤卓哉さんと井出安軌さんと冨田頼子さん。
キャラデザは佐川遥さん。
劇伴はクリープハイプさん。
アニメ制作はライデンフィルムさん。ロクでなしやあすかなどの制作をしたところですね

作画は普通でした。
主題歌はクリープハイプさんの「モノマネ」

総合評価 まぁ暇があれば

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

これが実はなかなか

おもしろかったんですよねー。ボク的には。

まあ毛色は相当に異なりますが、花房観音って作家さん。
あの人の小説まあまあ好きで(やっぱり変態さんだとゆわれそうですが)、あの人の話をもうちょっと…いやかなりマイルドにした感じがしてですね、結構いい感じでした。


原作の志村たか子氏といえば放浪息子ぐらいしか知らないのですが、いまホットワードで法案も可決されるとかされないとかで盛り上がったのか盛り上がらなかったのか、まあそれはどうでもいいんですがLGBTがらみの話を得意としてる(?)のか、そのたぐいの作品が多い人なんかなとゆう感じでして。


この作品もカテゴリでいえばまあそおゆう世界の物語なのですが、そこまでに至る過程が実に自然に描かれていて、なんか特に美しいとか汚らわしいとかゆう感情がみじんも湧きあがらなくて、こう、すっと入ってくる感じがすごい心地いいのであります。


ああ、この二人、そうなんだ。・・・みたいなね。


またおそらくそういったナニが行われたであろう後の描写もなんかまあ自然でして、うーんとうなってしまうこと必至なのであります。


そおゆうハナシの筋なんでありますが、キャラクター自体はなんともいえんやわらかい感じで、『ひとりぼっちの○○生活』みたいなアレだったのでてっきり同じキャラデザの人かと思ったら全然ちゃう人だったですが、とにかくそおゆうややエロのストーリーをやわらかいキャラで話を進めていくのですよ。

その、なんてゆうか世界観がまあなんとも心地よかったですのですよ。

面白かったですよ。


ときどーき、人間嫌いになったり、怒りにまかせて誰かのこと悪くいってしまって後悔したりして自己嫌悪に陥ってなんだかなーってなっちゃうときとかあるやないすか。

そんなときはこの作品をみることをお勧めします。
どんな人に対しても優しい気持ちになれること請け合いです。

と思います。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 7

67.7 10 2020年秋(10月~12月)アニメランキング10位
デート・ア・バレット 後編 ナイトメア・オア・クイーン(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.5 (44)
197人が棚に入れました
テレビアニメ版も人気を誇る橘公司のライトノベル「デート・ア・ライブ」のスピンオフ小説「デート・ア・バレット」をアニメ化した前後編の後編。シリーズの中でも異色の存在感を放つ精霊・時崎狂三を主人公に描く。隣界より顕現し、現実世界に厄災をもたらす「精霊」の少女たち。「ナイトメア」のコードネームを持つ第3の精霊・時崎狂三は、時間を操る強大な天使「刻々帝(ザフキエル)」を行使し、その行動や思想、そして目的に至るまで多くの謎に包まれていた。ある日突然、隣界の片隅に舞い降りた彼女は、精霊たちが姿を消し準精霊たちの戦場となったその世界で、自らの願いをかなえるべく死闘を繰り広げる。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

さあ、わたくしたちの戦争(デート)を始めましょう(後編)

《第一〇領域(マルクト)》で唐突に始まった殺し合い——
ひとり、またひとりと消えゆく準精霊たち。
生き残った者たちも、最後のひとりとなるまで飽くなき戦闘を繰り返す。

そして動き出した白の女王……
強者のみが生き残る血の凶宴は、佳境を迎えようとしていた——

緋衣響という協力者を得て、混沌とした戦場を軽やかに渡り歩く狂三。
そんな狂三の目に映ったのは、隣界に辿り着いた際にも邂逅した一匹の猫。
いるはずのない猫を追い、辿り着いた先にあったものは
知り得るはずもなかった真実……

果てなき「殺し合い(バトルロイヤル)」の末、巡り逢う『最悪(くるみ)』と『最凶(クイーン)』。
時崎狂三の《戦争(デート)》、その先にあるものとは——


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。


公式サイトでは、前編と後編を合わせたINTRODUCTIONが掲載されていたので、
そちらも紹介させていただきます。


<最悪の精霊> 時崎狂三 顕界——

この世界とは異なる隣界より顕現し、地上に厄災をもたらす精霊と呼ばれる少女たち——
或る者は無垢であり、或る者は救いを求め、そして或る少女は己の目的のため、自らの心を殺し続けた——
第3の精霊、コードネーム<ナイトメア>。

時間を操る規格外に強大な天使<刻々帝>ザフキエルを行使し、
その行動、思想、そして目的に至るまで
数多の謎を抱えた最悪の精霊・時崎狂三——

彼女が舞い降りたのは、人間も、精霊すらも存在しない隣界の片隅だった……

全世界シリーズ累計発行部数600万部の大人気ライトノベル『デート・ア・ライブ』。
その中でも異色の存在感を誇る時崎狂三のスピンオフ作品が新作アニメ化!
彼女の左眼に刻まれる狂三だけの「戦争(デート)」の幕が今、切って落とされる——

わたくしは一度死にましたわ。
死んで堕ちてきたのです、この世界に——


こちらが公式HPのINTRODUCTIONになります。

完走して振り返って思うこと…
狂三が人気ある理由が分かった気がします。

何だかんだ言って彼女の根っこには優しさが溢れている気がします。
天邪鬼的な態度ばかりなので、多くの人には誤解されそうですけど…
というか、私も多いに誤解していた一人ですけど…

時崎狂三だからこそ成し得たスピンオフと言っても過言ではありません。

もう、あまりに狂三が魅力的だから…思わずフィギュアをポチってしまったではありませんか(*ノωノ)
9月2日に発売が予定されているようなので暫く待ちですね^^
グッドスマイルカンパニーの商品なんですけど、公式サイトでは予約販売が終了していたので、手に入らないかとおもいましたがラッキーでした。

そういえば、私が現在進行形でドはまりしている「アサルトリリィ Last Bullet」でもデートアライブとのコラボイベントが開催されたんです。
このイベントでは、時崎狂三、夜刀神十香、五河琴里の3名がプレイアブル化されたんですけど、時崎狂三だけ少し特別扱いっぽいんです。

レギオン9人全員で行う「ノインヴェルト戦術」のFinish Shotを時崎狂三が打つ時だけ、背景に《刻々帝(ザフキエル)》が現れるんですけど、これがメッチャ格好良きなんです。
ラスバレで登場するメインキャラにだって、専用の背景が無いと言うのに…

狂三…TVアニメ第4期を先行して視聴しているのも相まって、彼女の魅力に色々持っていかれてしまったようです^^;

オープニングテーマは、前編に引き続き坂部剛さんによる「IInfermata」
エンディングテーマは、RinamooNさんによる「Only wish」

1話約24分程度の物語でした。
視聴後に思ったこと…
これ、TVアニメ第4期を視聴する前に視聴するべき作品だと思いました。

ここで、あれがこうなるから、TVアニメ第4期ではあんな展開になったのか…という感じです。
TVアニメ第4期を視聴したばかりで本当に良かった…
って、本当は前に視聴したかったんですけど、目一杯堪能させて貰ったので結果オーライということで。
これより、第4期のレビューを書きたいと思います。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

マージマジマジーロ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

狂三推しは必見

【物語】
完全に狂三推しのためのスピンオフだと感じた。デート・ア・ライブに引き続き登場するのは狂三だけだし、バトルメインなのでデート要素もない。
それでも二話でうまく話を広げてまとめたと思う。

【作画】
後編も丁寧に描かれていた。
4期も同じ制作会社ということで見るのが楽しみ。

【声優】
言うことなし。まだまだ見たい。

【音楽】
OP(Infermata/Spotlight Kids)は前編と同じ。
ED(Precious/RinamooN)は普通。
相変わらず音響の出来が優秀。

【キャラ】
結局スピンオフ限定キャラは影が薄かった。やはり二話完結だと厳しい部分がある。
しかし狂三推しは必見だと思う。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 0

66.5 11 2020年秋(10月~12月)アニメランキング11位
劇場版 Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット 前編Wandering; Agateram(アニメ映画)

2020年12月5日
★★★★☆ 3.5 (50)
283人が棚に入れました
長く。長く、旅をしてきた―。遍歴の騎士に与えられた旅の終わり。西暦1273年エルサレム。かつての友と刃を交えようとも、遠き日の過ちと向き合うこととなっても、最後の忠節を果たすべく、ベディヴィエールは烈風吹き荒ぶ砂の大地を歩みだす。これは、ひとりの騎士の物語。

声優・キャラクター
宮野真守、島﨑信長、高橋李依、坂本真綾、川澄綾子、水島大宙、沢城みゆき、置鮎龍太郎、内山昂輝、安元洋貴、子安武人、田中美海、小松未可子、鶴岡聡、稲田徹、千本木彩花、鈴村健一

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゲーム知らないので難解→修正版があり?

テレビのバビロニアしか知らないので、見ていて退屈でしたし、冗長に感じました。ただ、イスラエル周辺の砂漠地帯のロードムービーとしては、現地の有様がリアルにアニメで描かれていて、そこは嘘が少なかったと思います。しかし設定が聖都というファンタジーものにあるような基地を、十字軍のアーサー王と円卓の騎士が作っているという話で、史実にはありえませんし、もうゲームがそういうものだからといって納得させられるしかありませんでした。

そういう無理やりな感じが画面全体にあって、作画は落ちてはいませんが、とても力が入っているというものではなかったです。シナリオや絵コンテのテンポが悪く、長々と砂漠を歩いている場面が続くので、作画としてもやりようがなかったのではと思います。ただ戦闘場面はいつものFateらしく、そこはよかったと思いました。エフェクトなどは綺麗でした。特に最後のトリスタン戦はよかったと思います。

しかしとにかく話が獅子王のアーサー王を、その最後の側近であったベルヴィエールが倒しに行くという話で、もうわかるように沈鬱な話であります。アーサー王はたぶんFateシリーズのセイバーだと思うのですが、獅子王である人物の声優さんはいつものセイバーの人ではないみたいで、なんか見ていてよくわからなかったです。しかしベルヴィエールの回想場面ではセイバーだったですからねぇ。マシュと立香もいることはいますが、バビロニアみたいに大活躍という感じではなくて、物語を先導する役回りだけです。脇キャラも地味だし、恋愛模様もまったくありません。いやベルヴィエールのセイバーへの思いがあるのですかね?しかしシナリオではまったくそれは読み取ることは私にはできませんでした。後編はもう少しそのあたり改善されるのでしょうか。円卓の騎士の敵たちも、まったく感情移入できないキャラたちばかりで、敵ながらあっぱれとかそういうものがほとんどありませんでした。とにかくFateのHeaven's feelやZeroのノリを期待したらだめです。

けれど見ていてよかったと思ったのは、特殊効果で、ベルヴィエールの回想場面で、昔の童話の挿絵みたいなタッチで人物が動いていたことです。そこは昔絵本でこういう絵を見たな、ということで懐かしかったですよ。円卓の騎士の話もありましたかね。そこだけは、作画点として加算させていただきます。

追記・2021/12/28

Youtubeでこの劇場版キャメロットのコマ切れ動画がたくさん昨日から出ていて、気になったので某所でこの前編の動画を見てみました。同じ動画かと思いきや、明らかに修正版です。話のシナリオの方もだいぶ変更されていると思います。ヴェルビエールとセイバーの回想場面が変更になっています。その他、数えきれないぐらい変更点がありました。某所についてはここで明言する事は避けますが、あるという事だけ書いておきます。

作画も全編にわたり修正が入っています。こうした例は以前フルメタルパニック3でも見た事がありましたが、本作でもやり直しをしたようです。修正版は本当に素晴らしく、私が以前指摘した問題の部分はすべて改善されていました。惜しむらくは、おそらくこの動画は劇場公開時には間に合わなかっただろうという事で、きっと製作が大変だったのでしょう。しかしこうしてファンの元へ、また改善版を届けることをしたスタッフの方々は、非常に良心的だと思います。

従いまして、点数の方も大幅にアップしておきました。後編はまたそのうち見られればいいと思います。この作品も他のFateシリーズのように、名作になればいいと思います。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そして、この旅の終わりを知る

この作品の原作ゲームは未プレイですが、2016年から2018年まで大晦日に放送された特番や、2019年に放送された「絶対魔獣戦線バビロニア」は視聴済です。

そしてビックリなのは、dアニメストアで5/1~5/15までの期間限定で配信されたことです。
きっと後編の劇場公開がコロナ禍の影響で5/15に延期になったこともこの配信に関係があるのかもしれませんね。

きっと原作ゲームをプレイ済の方にとっては堪らないご褒美的な作品なんだと思います。
私はアニメしか視聴していないので、そこまでご褒美的には受け止められませんでしたが、この作品の魅力の一つである「過去にアニメ化された作品」のキャラに再びお目見えできるのは個人的に嬉しかったり…


「私は今度こそ、この手で、我が王を殺すのだ――」

遍歴の騎士・ベディヴィエールとカルデア一行が足を踏み入れた特異点――
西暦1273年のエルサレム。
そこは民たちが住処を追われ、三つの勢力が対峙する不毛の地であった。

白亜の城を築き、民を殺戮する獅子王と「円卓の騎士」を討つべく、
ベディヴィエールらは「山の民」と協力し立ち向かう。
大切な仲間をも喪う死闘を終えた彼らは、
強大な力を持つ「太陽王・オジマンディアス」に同盟を持ち掛ける。
しかしオジマンディアスは獅子王の計画を明かし、
自らの民を守るためにその提案を一蹴する。

獅子王の真意を知り慄くベディヴィエールたちだったが、仲間たちとともに、その目的を阻止すべく、
聖都・キャメロットへの進撃を決意するのだった。

そしてついに、聖都決戦の日を迎える。

冷酷非道に成り果てた獅子王の真の狙いとは。
滅びの約束された世界で、人類を救済する方法とは。
赦されぬ罪を背負い続けたベディヴィエールの迎える結末とは。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

この作品で描かれているのは、「第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット」のシナリオが基になっているそうです。
2019年に放送された「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」は、第七特異点を基にしています。
第六特異点の方が、第七特異点より先行した物語であると考えるのが一般的だと思うのですが、今回この作品を視聴に伴い、一般的な解釈だとちょっと辻褄の合わない点があることに気付きました。

物語を視聴したのは前編のみです。
従って、後編も視聴すると辻褄が合ってくるのかもしれませんけれど…
この作品を視聴する上で結構重要なキャラに関する辻褄なので、引き続きフォローしたいと思います。

アニメーション制作は、Production I.Gさん…
これまでfateシリーズはufotableさんによってアニメ化された作品が多いですが、2019年にテレビ放送された「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」はCloverWorksさんが制作されているんですよね。
ufotableさんとは作風の違いを感じましたが、CloverWorks制作の作品とは、殆ど違和感がありませんでした。

この「Grand Order」を一つの括りだと考えると、結果的には良かったんだと思います。
もっとも、Production I.Gさんのクオリティに文句の付けどころなんて、そもそも無いんですけどね^^;

一方物語の方ですが、作品のタイトルに「円卓の騎士」とある通り、アーサー王とアーサー王に仕えたとされる騎士の物語が描かれています。
円卓に座ることを許されたランスロット卿、ガウェイン卿、トリスタン卿やモードレッド卿など、著名な人物が登場するので視聴意欲も俄然湧いてきます。

藤丸立香や、マシュ・キリエライトが円卓の騎士と、どの様に関わりを持っていくのか…
そもそも第六特異点における歪みの元凶は何なのか…
見どころも盛りだくさんですよ!

主題歌は、坂本真綾さんの「独白」

上映時間が約1時間半程度の物語でした。
ゲームをプレイしていないので、理解度は浅いと思いますが、浅いなりに楽しませて貰えた作品になりました。
後編も絶対視聴したいと思います。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

52.6 12 2020年秋(10月~12月)アニメランキング12位
君は彼方(アニメ映画)

2020年11月27日
★★★☆☆ 2.4 (19)
65人が棚に入れました
澪は幼馴染の新の事が気になっているが、気持ちを伝えられず微妙な関係を続けていた。ある日、些細な友人の言葉をきっかけに2人はケンカをしてしまう。澪は何とか仲直りをしようと雨の中を新の元へ向かう途中、交通事故に遭ってしまった。意識を取り戻した澪が目を開けると、そこには見たこともない不思議な世界が広がっていた。

声優・キャラクター
松本穂香、瀬戸利樹、早見沙織、小倉唯、山寺宏一、大谷育江、木本武宏、瀬名快伸、仙道敦子、竹中直人、夏木マリ

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
映画プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日(アニメ映画)

2020年10月31日
★★★★★ 4.1 (6)
37人が棚に入れました
ある土曜日、のどかがちゆ、ひなたと宿題を終わらせた後に花見に出かけようとすると、「明日」をつかさどる精霊ミラクルンが、「昨日」をつかさどる精霊リフレインに追われているのを見かける。のどかたちはプリキュアとなってミラクルンを助けようと戦い、HUGっと!プリキュア・スター☆トゥインクルプリキュアの協力もあって何とか危機を脱する。

しかし、「永遠に明日がこない世界」にしようともくろむリフレインの力によって、時間が巻き戻ってしまい、のどかたちは永遠に「明日」が来ない、「今日」を繰り返す世界に閉じ込められてしまう。のどかたちは協力し合ってミラクルンを守り、「明日」に進むため奮闘することになる。

声優・キャラクター
悠木碧、依田菜津、河野ひより、加隈亜衣、武田華、金田アキ、白石晴香、成瀬瑛美、小原好美、安野希世乃、小松未可子、上坂すみれ、木野日菜、吉野裕行、引坂理絵、本泉莉奈、小倉唯、田村奈央、田村ゆかり、多田このみ、野田順子、福島潤

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
日本沈没2020 劇場編集版 -シズマヌキボウ-(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 3.7 (7)
34人が棚に入れました
2020年、日本を襲った突然の大地震。ごく普通の家族、武藤家の歩と剛の姉弟は一家4人で東京からの脱出を始めるが、刻々と沈みゆく日本列島は、容赦なく彼らを追い詰めていく。極限状態で突きつけられる、生と死、出会いと別れの選択。途方もない現実と向き合う中、歩と剛は、未来を信じ、懸命に生き抜く強さを身につけていく…

声優・キャラクター
上田麗奈、村中知、佐々木優子、てらそままさき、吉野裕行、森なな子、小野賢章、佐々木梅治

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
イエスかノーか半分か(アニメ映画)

2020年12月11日
★★★★☆ 3.7 (6)
34人が棚に入れました
人気若手アナウンサーの国江田計は極端に裏表の激しい性格。王子と称される完璧な外面とはうらはらに「愚民め」が心の口癖の強烈すぎるもうひとつの顔を持っている。そんなある日、取材で知り合った映像作家の都築潮と再会するが、幸い都築はくたびれたジャージにマスクの男があのアナウンサーの国江田計とは気づかない。とっさに「オワリ」と名乗った計は、行きがかり上怪我をした都築の仕事をしばらく手伝うことに。いやいやながらはじまった協力関係だったが、計は唯一自分を偽らずにいられる潮との空間を好ましく感じ始める。一方で潮は取材で顔を合わせるアナウンサー・国江田計の立ち振る舞いに惹かれ……物語は計・オワリ・潮の奇妙な三角関係へと発展していく。

声優・キャラクター
阿部敦、川原慶久

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
Away(アニメ映画)

2020年12月11日
★★★★☆ 3.6 (8)
26人が棚に入れました
飛行機事故でたった一人生きのびた少年は、
森で地図を見つけ、
オートバイで島を駆け抜ける。
<黒い影>から逃れて、小鳥とともに。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バイク描写にツッコミ所満載な事を踏まえた上でバイク大好きけみかけさんがオススメするバイク旅の魅力を正しく伝えるインディ映画

ラトビアで個人制作のアニメを作り続けるクリエイター、ギンツ・ジルバロディス氏が2019年に発表した81分の長篇
当時25歳の氏が劇伴も含めたった1人で3年半の歳月を費やして制作しました
氏にとっては初の長篇作品となります


飛行機事故から奇跡的に生き残った少年が自分を追いかける正体不明の黒い影の様な巨人から逃げつつ、偶然見つけた地図に描かれた集落を目指し、バイクで冒険をしていくロードムービー
全篇はアウトラインと陰影を廃した所謂トゥーンシェードの3DCGで描かれ、主要人物は少年と少年が拾う飛べない小鳥のみで台詞は皆無
全篇は
Forbidden Oasis(禁断のオアシス)
Mirror Lake(鏡の湖)
Dream Well(眠りの井戸)
Cloud Harbor(霧の入り江)
の4つのチャプターに分割されていて、映画というよりかアクションゲームのステージ毎のデモムービーを観ているかの様な構成になっています


まず少年を追いかける黒い巨人がかなり怖い
声を上げるでもなく、動きも鈍重、足音1つも立てず近づく姿はこの世のものとは思えません
しかし確実に少年を追い詰め、彼を取り込もうと追い掛け回す
その意思の疎通が図れなさそうな、何を狙って行動しているかが計り知れない雰囲気は『ナウシカ』の巨神兵や『シン・ゴジラ』に似た恐怖を醸し出しています
ギンツ氏曰く『ワンダと巨像』や『人喰いの大鷲トリコ』といった上田文人作品にも影響を受けているとの事で、ヴィジュアルをご覧になるとすぐピンと来る人も多いはずです
冒険の途中の美しい自然描写とは裏腹に、迫り来る巨人の恐怖というダークな魅力が今作最大のアクセントになっていると感じます


さて、けみかけがこの映画を通して最も訴えたい事は、「この映画を観ると物凄くバイクに乗りたくなる!」というバイクの魅力を十二分に伝えている点、その一点に尽きます


正直、リアリティという面ではお世辞にも褒められたものでなく、ギンツ氏が全くバイクに詳しくないであろう事は容易に受け取れるのですが、『モーターサイクル・ダイアリーズ』や『イージー・ライダー』がそうであったように、“映画的な嘘”の範疇でギンツ氏が“バイクで旅をするのは気持ち良さそうだ”というメッセージを伝えんとしていることは感じます


確かに、「ブレーキ操作を左手でしている」「転倒したのにエンストしてない」「平地を走っているのに変速を繰り返す効果音」「雪山を普通のバイクが登れるワケが無い」「そもそもチャプター2以降はなんでバイクのモデルが左右反転してんだ」等、1回観ただけでもバイクに詳しい人なら違和感を感じる場面は多々あります
それらを押してでも何も無い砂漠、荒涼とした峠道、鏡のような湖面の浅瀬、緑豊かな竹薮など、美しい自然の中をバイクで駆け抜けたら、どれだけ気持ち良い事なのだろうか
まさにバイク旅の魅力とは自然を肌で感じること
その魅力をそのままアニメーションに落とし込めている、という点は評価に値すべきだとけみかけは思います


その昔、バイクの魅力を語るのに御託を並べる変なアニメがあったのですが…この映画を持ってすればバイクの魅力を簡潔に伝えるのに言葉は不要、と感じざるを得ませんね
今後バイクの面白さをアニメで人に伝えたい時には『キノの旅』か『たまゆら~もあぐれっしぶ~』の最終回か『Away』をオススメすることにします
(『ばくおん!!』はギャグアニメですw)


ちなみに少年が手に入れるバイクですが恐らくロイヤルエンフィールドかトライアンフの2気筒モデルをスクランブラー仕様にしたものと推測できますが(氏のモデリングが大雑把すぎてw)完全に一致する車種は見つけられませんでした


バイクに乗りたくなる、バイクで旅をしたくなる美しい映画…しかも個人制作…
と、その素晴らしさの余韻に浸りたいところなのですが、日本での劇場公開版ではエンディングの後に何故かthe pillowsが流れます(爆)
コレ、pilloowsのミュージックビデオとしては申し分ないのですが、如何せん映画本編とは関係が無さ過ぎるので、余計なことをしやがって!とキングレコードを恨まずにはいられませんでしたw

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
アダムス・ファミリー(アニメ映画)

2020年9月25日
★★★★★ 4.2 (6)
23人が棚に入れました
 丘の上に立つ荒れ果てた屋敷に住んでいるアダムス・ファミリー。ゴメズ、妻のモーティシア、執事のラーチ、長女のウェンズデー、弟のパグズリー。
 平和な日々を送っていた一家は、屋敷に親戚たちを迎えて、パグズリーが一族に伝わる大切な儀式、「セイバー・マズルカ」を披露する日が近づいていた。
 そんなある日、ウェンズデーは丘の下に住宅地があり、そこに大勢の人間たちが住んでいることを知る。住宅地をプロデュースしたのは、テレビの人気司会者マーゴ・ニードラー。ゴシックなアダムス一家とは正反対のカラフルに彩られた街では何よりも「普通」を愛する人々が暮らしていた。
 マーゴの娘、パーカーと友達になったウェンズデーは、自分たち一家とは全然違う世界があることを知り興味津々。人間の中学校に通って普通の生活を試してみることに。しかし、住宅地にはある秘密が隠されていた。そして、アダムス・ファミリーに思いがけないピンチが訪れる!
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不気味で人間離れでも良い家族

 ゾンビや妖怪のように人間離れしていて、普通とはかなり違う価値観を持ったアダムス・ファミリーが、自宅屋敷ふもとの町の人たちと関わって、トラブル、コメディありな展開から、互いを分かり合うお話だったです。吹替版、見たです。

 一家そろって暮らす現在に行った経緯からはじまって、アダムス一家の普通とかけ離れた日常、街の人との関わりを持つきっかけへと話は進んでいったです。

 アダムス・ファミリーは、異能力、特異体質、過激なスキンシップ、それぞれがかなり変わっていて、個性的なキャラデザなど、ちょっと不気味ながらな日常が、面白い気がしたです。小さなお子さんのいる家族が、そろって見に行っても通用する出来だったです。

 普通の人たちとのかかわりも、個性的な反面かなりどこかずれているところも見所です。{netabare}子供を思うゴメズ、毒のある話し方をするモーティシアは、愛情表現において正反対に話すところが受けたりするです。
 娘のウェンズデーの生物蘇生術、樹木を操る能力も必見です。弟のパグずりーは、ゴメズを殺しにかかる行動をとるけど、互いの遊びの反中なところが、変わっています。終盤、大活躍あるので刮目せよです。
 ほかにも、執事のラーチの演奏、フェスターおじさん、おばあちゃん、ハンド、ペットたちも個性的です。{/netabare}

 ファミリーが巻き込まれる騒動、それを家族でどう乗り切るのか?見所になるのです。家族の在り方、自分たちとは違う個性を理解することを面白く描いていたです。

 アメリカのアニメなので、字幕版も「私、気になります!」です。上映劇場は、限られるけどです。{netabare}あと、続編もいつかあるようです。{/netabare}

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
モンスターストライク THE MOVIE ルシファー 絶望の夜明け(アニメ映画)

2020年11月6日
★★★★★ 4.6 (3)
17人が棚に入れました
長編映画第三弾となる今回は、モンスターストライクに登場する多くの個性豊かな
キャラクターの中から、「ルシファー」「アーサー」「ソロモン」「ノア」「パンドラ」が
物語の中心となり、熱い戦いを繰り広げます。
"ケタハズレな冒険を。"をスローガンに、友だちや家族とワイワイ楽しめるコンテンツを
提供し続ける、XFLAGスタジオだからこそ出来る映画体験をお届けします。
STORY

声優・キャラクター
日笠陽子、水樹奈々、内田真礼、小倉唯、斉藤壮馬、福島潤、峯田茉優、堀江由衣、高山みなみ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

仲間というもの

 モンスト本編自体は美央たこともないです。CD作画、声優陣と良かったことはわかったです。
 最初見たとき、とある部屋から唐突な展開に見えた序盤だったです。モンストのキャラ自体を知らないと、初めからの展開をまた違ったように見えたかもしれないです。

 後半になって、何だか進行とお話の真実がかなり分かったです。

 なにも役に立たないような生物が、最後まで信じることを諦めない姿、ひたむきさを見せてくれたお話だったと思うです。

 出てくるキャラみな個性的で、よくできた作画背景、バトルシーン、緊迫感が凄いかなと思えたけど、事前にキャラの理解、モンストを知らないとなんだか、珍紛漢紛になるかもしれないです。

 信じられなくなったものが実はどうだったか?、思わぬ事態の発生に意外性があったです。

 世界はどうなるか?あの生物の存在が、大きなカギを握る見所になるのです。
 声優さんの演技が、目立つアニメだったです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
まるだせ金太狼(アニメ映画)

2020年12月11日
★★★★☆ 3.9 (3)
15人が棚に入れました
小野寺学園。そこでは、理事長を務める一人の生徒・小野寺真琴がいた。先代校長の遺言から淫戯を尽くした上で真琴を落とさせ、嫁とした者を次期校長に任命すると、学園の中で狙われていることがみられていたが、ボディーガードで恋人・真坂金太狼の活躍によって、穏やかな毎日を過ごすことを取り戻した。とある日に、教諭生徒と共でくせ者が揃う同学園の川加羅分校が刺客によって送り込まれてしまった。真琴に対する辱めや金太郎に対する誘惑といった、数々の恐怖の罠に2人はどんな恥っ殺技で打ち勝とうとするのか。

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒(アニメ映画)

2020年11月13日
★★★★☆ 4.0 (5)
14人が棚に入れました
ヴィクトリア朝時代のロンドン。孤独な探検家のライオネル卿は、伝説の生物の存在を探し求めて、アメリカ北西部へと旅立つ。そこで発見したのは、巨体で全身毛むくじゃら、人間の言葉を話す少しおっちょこちょいの生きた化石だった!ひとりぼっちで仲間に会いたいと願う―その名も“Mr.リンク"と野心家のライオネルは地球の裏側にある伝説の谷シャングリラを目指す。超ユニークな凸凹バディが、壮大な旅路の果てに発見する、世界の常識を覆す“驚くべき真実"とは―?

声優・キャラクター
ヒュー・ジャックマン、ゾーイ・サルダナ、ザック・ガリフィアナキス、エマ・トンプソン

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

君はもうシャングリラ~ 紳士とユーマとご婦人のぼ~けん

 吹替版はないみたいだけれど、米国の大物俳優による声優陣を有する精巧なパペットアニメーションだったです。
 背景の凄さ、パペットの表情や動作の見事さが凄いです。

 主人公の探検家ライオネル・フロスト卿が、ビッグフットを求めて出会ったとき、外見以外、人間と変わらないようなビッグフットと言葉を交わし、お話は更なる展開へと進むのです。
 一人ぼっちの自分から、ヒマラヤにいるかもしれない仲間に合わせてほしいという願いを叶えるため、自分の野心も叶えるために冒険に出るのです。

 このユーマをMrリンクと名づけるも、本人はスーザンという名前がいいみたいです。手掛かりを得る過程で、アデリーナとトラブルになり、仲間
として同行することになり、さらに面白くなるです。

 追ってくる悪者との銃撃戦、洗浄バトル、氷の橋バトルも白熱し、面白いです。終盤の氷の橋バトルは、ハラハラしたです。

 様々な土地を乗り越えて、目的地に着く過程も良かったです。自然の美しさ、馬車や増に乗る光景も印象的です。

 目的地の真相、スーザンの願いが叶うのか?見所です。これまでの冒険を通して、ライオネル興、スーザン、アデリーナがどんな結論を出すのか?が、終わりにおいて重要な答えになるのです。

 全体を通して、これは、また見に行ってもいいと思ったです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 5

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
マウスマン~愛の塊~(アニメ映画)

2020年9月25日
★★★★★ 4.2 (2)
12人が棚に入れました
「ネズミ先生」と呼ばれ、冴えない人生を送っていた32歳の根須幹夫は、ある日突然、謎の国家機関によってサイボーグに改造されてしまう。未知の侵略者との戦いに巻き込まれたネズミ先生は、サイボーグの「マウスマン」として、第2の人生を歩みはじめる。そして、戦いの中でかつての恋人と再会したマウスマンは、世界の存亡をかけて決断を下す。

計測不能 13 2020年秋(10月~12月)アニメランキング13位
小さなバイキング ビッケ(アニメ映画)

2020年10月2日
★★★★☆ 4.0 (5)
11人が棚に入れました
ビッケは海賊の長ハルバルの息子。
父ハルバルは元気な力持ちだが、どうも頭の回転が鈍く海賊長としては頼りない。
そんな父とは正反対にビッケは小さくて力はないが、知恵は誰にも負けませんでした。

ある日、ビッケの母イルバがハルバルたち海賊団の戦利品である「魔法の剣」の力で黄金に姿を変えられてしまいます。
あわてたハルバルは案内役のレイフや船員たちと共に海賊船で、その剣の秘密を解く旅に出発!
小さいからとおいてきぼりを食らったビッケはそっと樽に隠れ海賊船に乗り込みます。

様々な困難に遭遇する旅を、ビッケの知恵と仲間の力で乗り越え、やがて辿り着いたのは謎の島。
そこには天上界から人間界に追放された悪い神ロキが「魔法の剣」を目当てに待ち受けていました。
果たしてビッケたちの運命とは――!?

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ひらめきと勇気のバイキング

 ディズニーアニメと肩を並べるような海や大地、島などの背景、個性的なCGキャラが光っていたです。
 パンフが、つくられない上映だったです。

 父ハルバルによる思わぬ事故により、母イルバがを黄金にしてしまったことから、ハルバルの海賊船に仲良しのイルビと共に潜り込んで、母を元に戻すためぼ冒険に出る海賊の子ビッケのお話だったです。

 大人にも思いつけなかったひらめきの連続で、切り抜けていくところ、ひらめきが、活路を見出すです。

 親子で見るにいい感じなアニメなので、もちろん大人が見ても楽しいアニメだったです。

 同行する仲間になったレイフをみると、アナ雪のハンスを思い出したです。
 潜入してハルバル達が、女装して踊る姿も楽しいです。変装も見抜けないライバルの海賊も、間抜けで面白かったです。

 クライマックスも神話絡みな感じで盛り上がるです。最大の目的が達成されたとき、誰かさんの活躍も見逃せないです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8
ページの先頭へ