takato さんの感想・評価
4.4
日本アニメとは全然違う地平…。唯一無二な奇アニメ。
前々からレビュー書きたかったのですが、なかなか本サイトに登録されずできなかったので今書くのだ。本作は全く唯一無二なコンセプトで作られた作品で、本編中流れている音声は哲学、神学、ヨガ、etcな専門家たちとのインタビューであって、流れている映像とは実は全然関係ない。しかし、サイケなゾンビとの闘いや、ダークファンタジーな冗談じみた大冒険などの映像が関係ないようでテーマ的には実はリンクするように作られている。
主人公はマシーンに頭を突っ込んで別の世界に様々なアバターで冒険を繰り広げる部分でアニメーションな面白さやエンタメな魅力を担保しつつ、その実はあくまで真摯に人間の根本問題に向き合っている。曰く「魂とは何か?」、「人間存在の目的とは」、「生と死とは」…。宗教や哲学が永遠に追い求め続ける課題。良い意味でも悪い意味でも商業としてスペシャル化されている日本のアニメでは見れない世界がここにはある。
サイケでエキセントリック、バイオレンスでナンセンス、そん中に込められた真摯で真に知的なテーマ性のレベルの高さは、金字塔「サウスパーク」に近い。「サウスパーク」が社会的文化的な面に特化しがちで、本作はより哲学や宗教の方面に向かっている。真面目なようでクソ真面目なだけ、そんな日本が目を背け続ける真の問題に敢然と挑む作品に出会えると清々しい気持ちになる。
Netflixの大傑作なのでマジにオススメです。本作に頭を突っ込んで、主人公と同じく悪魔が運転するバスに相乗りして共に旅立とう。このミッドナイトなゴスペルを歌って。