2017年冬(1月~3月)に放送されたおすすめアニメ一覧 142

あにこれの全ユーザーが2017年冬(1月~3月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月21日の時点で一番の2017年冬(1月~3月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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95.5 1 2017年冬(1月~3月)アニメランキング1位
この素晴らしい世界に祝福を! 第2期(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2199)
11812人が棚に入れました
不慮の事故により異世界に転生した、ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」という夢はイマイチ叶わないものの、なんとかそれなりに、異世界での日々を送っていた。転生特典として道連れにしてきた女神・アクア。一日一発しか魔法を撃てないアークウィザード・めぐみん。攻撃が当たらないクルセイダー・ダクネス。能力は高いのにとんでもなく残念な3人のパーティメンバーたちとも、なんとかそれなりに、クエストをこなしていた。―――そんなある日。機動要塞デストロイヤーの脅威からアクセルの街を救ったカズマたちに、王都からやって来た使者は言い放った。「冒険者、サトウカズマ。貴様には現在、国家転覆罪の容疑がかけられている!」……平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

声優・キャラクター
福島潤、雨宮天、高橋李依、茅野愛衣、原紗友里、稲田徹、堀江由衣、豊崎愛生、諏訪彩花、江口拓也、生天目仁美、西田雅一

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

2期も面白かった

原作未読。

2期も相変わらず面白かったです。
1期が面白いと2期は失速・・・ってアニメが多い中で、2期も変わらず面白いのは素晴らしいことだと・・・。

この作品を見ると、『声優さんって凄いなぁ』と感心させられます。
よくもまぁ、これだけ個性的かつ喜怒哀楽の激しい面々を演じられるものだと・・・。

この勢いで第3期も期待したいところです。

この作品の最大にして唯一の問題点は作画。
1期もそうだったけど、いい時と悪い時の落差が激しすぎ。
OP/EDの作画も個人的には首を傾げたいところ。
もう少し安心して、集中して視聴させて欲しいものです。
それでも、1期よりはマシになりましたけどね

投稿 : 2024/11/16
♥ : 103
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

どうやら祝福されたらしい

原作未読 1期は視聴済


1期に続きそのまま2期突入。後追い組は待つことを知りません。
1期と変わらず全10話の短尺に拍手!色気を出しても誰も文句言わなかろうにブレることはありません。
ついでにやや大雑把な作画具合もブレてはおりません。

大きな失点は無し!ノーマークだった昨シーズンで優勝し、他チームのマークも厳しくなってるのに連覇しちゃいました。そんな感じでしょうか?連覇の難しさはおおよそ想像はつくでしょう。
アニメ作品ならファンの期待値、制作側の気負い。おのずとハードルは上がってしかるべしの状況下、

 {netabare}“変わらない君でした”{/netabare}

うむ、手堅い・・・

1期では、
“笑点”“欽ちゃん”“ひょうきん族” 古典にして王道のコメディと評しました。すなわち、

笑点 : お題(クエスト)での珍回答
欽ちゃん : ウケてる間は同じボケを被せ続けること
ひょうきん族 : ED曲にクールダウンのしんみり曲

2期でも話数、作画もさることながら屋台骨を支える哲学がブレてないので、新ネタ{netabare}(逮捕~裁判、お見合い、温泉旅行){/netabare}を挟んでも安定感があります。
1期からの人気コーナーも健在でした。いやお笑い番組ではないんですけどー
{netabare}・蛙に飲み込まれるアクアさん達(しかも芸の幅が広がってる)
・爆裂ソムリエの日課(しかも威力も作画も強化されとる)
・カズマ死亡(しかも良い意味で死因が雑になっとる。エリス登場回数増え俺得!) etc{/netabare}
ちゃっかり底上げされるかたちでマイナーチェンジ。手堅さの中に改善も施されてるといったら言い過ぎでしょうか。

1期から観るにこしたことないですが、2期からの参戦でもさしたる問題はないでしょう。
2年目(2作目?)のジンクスを普段着野球で乗り越えました。連覇はマンネリと紙一重。その手前で踏みとどまった印象の本作は笑いの土台があるのでシリーズ化していけば、V9の巨人軍(生まれてないけど・・・)のようになるかもしれません。一時期のアントラーズ、箱根の青学に置き換えてもOK!
強すぎてつまらないと言われた先にリスペクトが生まれる可能性を秘めております。
そんな良作コメディの続編でした。


そして物語はあいかわらず進みません。{netabare}・・・と思いきや気づかないうちに匍匐前進してましたね。{/netabare}

※以下2期ネタバレ所感
■ルーツが明かされる主役たち
{netabare}ダクネスとアクアです。
ダクネスは名門ララティーナ家ご令嬢として描かれる回がけっこうありました。パパ(CV:井上和彦)も絡んでのキャラ掘り下げです。「自由に育てたら娘こんなんなっちゃった」って違うだろ!とこの父にして娘ありです。
アクアはそういえばこの人女神だったwwと思い出されるシーンが後半8話以降、随所にありました。ギャップ(落差)で人を笑わせるのに長けた人は泣かせることも容易だったり。たまに良い話が挿入されるので本作は侮れません。{/netabare}
{netabare}残りのめぐみんは自称ライバルゆんゆん登場はあったもののルーツ描写は希薄です。このへんは劇場版をお楽しみに!ということなんでしょうね。爆裂娘好きは“おあずけ”状態です。{/netabare}

■そもそも魔王討伐じゃなかったっけ?
{netabare}不可抗力とはいえ魔王軍幹部を個別撃破し続けてるんですよね。本人たちにその気がなくてもうっかりゴールまで辿り着いちゃうのではなかろうか。{/netabare}


ちょっと再評価したもの
■アクシズ教団の信徒たち
{netabare}1期で「あそこの教徒ってちょっとおかしい人が…」とまで言わしめた面々が満を持して登場。
とにかく営業が下手っぴ過ぎてツボでした。詐欺師ならもう少し上手くやりますもん。お馬鹿でも根はいい人そう。祀ってる女神様同様に憎めない信徒たちとそれを大切に想って行動するアクアに多少なりとも神々しさを感じた終盤です。{/netabare}

■「ララティーナって呼ぶな!」
{netabare}第1話アバンがふっかつのじゅもんの入力画面。ラストに「Thank you for playing」のドット文字。まんまですね。古き良きRPGへの敬意を感じます。{/netabare}
{netabare}結局ダクネスがララティーナ呼びを断固拒否してたのは4文字で私を呼んでってことだったのかな?
ゲームや競技を「する」「遊ぶ」を表す「play」。スタッフも作品で遊んでたように見えます。
(一緒に)遊んでくれてありがとう!って意味ならなかなか素敵だと思います。{/netabare}


お笑いには好き好きあれど、周回される方がぼちぼちいらっしゃることは、インパクトだけ一過性の作品でないことの証左でもあります。

未見の方はどうぞどうぞ。

個人的には、ダクネス知人の盗賊娘の登場時間が減らされてたのが残念で仕方ありません。



視聴時期:2019年3月 それと4月~6月の再放送

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2019.08.08追記
《配点を修正》+0.1(作画分)
 ※作画乱れを作品の特長としたことを評価


2019.03.21 初稿
2019.08.08 追記
2020.12.08 修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 100

こた さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

もちろん選ぶのは『続く』で!

通称『このすば!』で御馴染み、この素晴らしい世界に祝福を!の第二シリーズ。全10話。
この作品に2期があるのは紛れもなく、キャラクターが愛されたからだと思う。
なんで?と聞かれれば正直答えに詰まるけれど…(^^;
カズマ、アクア、めぐみん、ダクネスのこの4人、絶妙なバランスだと思いませんか?(;´∀`)二期はとくにアクアが何かと問題起こしていたような気もしなくもないですが、割とすぐ謝るし憎めないやつ(笑)
恋愛的な要素は取り除かれていて、カズマ(主人公)が率いるパーティとしての成長がメインといった感じ。
必ずどこかのタイミングで誰かがポンコツやらかすのは日常茶飯事で、想定内であり計算内。
ダサく見られがちだけど、一期からカズマはけっこう体張ってる
それでいても、ヒロインに恋愛感情は一向に芽生えず、相変わらず哀れみや慰めの目を向けられる始末w「クズマ」「カスマ」という扱い(笑)
そうしていくうちに、チームワークはどんどん素晴らしくなっていってる模様。
いかに個々の能力を生かすかということに考えを巡らせて、とにかく知恵で勝つ!というスタイルが出来てきている。
魔王討伐も夢のまた夢だったのが、意外に渡り合えるのでは?と期待を抱いてしまうほど。順調にいけばの話(^^;

作画は「このすばクオリティー」といえばいいのか、気の抜けた作画が目立つ(^^;
それでも、その浮いた分の予算があってかOPに本編にはない完全オリジナルアニメーションを付けたのは良かった。よく動いていて、何度見ても楽しめるし、一期よりさらにハツラツとした曲で余計盛り上がる(#^^#)
他の作品にこういう作画部分があれば問答無用で点数下げるんだろうけど、このすばなら許せるというか、逆に作品として良くなる不思議。

声優の演技は素晴らしいと思う。
とくにダクネスの、変態なんだけどどこか上品さもちゃんと持ち合わせた感じという演技がまさに。「エクスプロージョン!」も相変わらず(笑)

きっとこれからも、愛されるキャラとともに、"多くのアニメファンから愛され続ける作品"としての階段を一歩ずつ昇っていくのではないでしょうか^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 67

93.9 2 2017年冬(1月~3月)アニメランキング2位
幼女戦記(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (2194)
10561人が棚に入れました
統一暦1923年6月。
金髪碧眼の幼女、ターニャ・デグレチャフは帝国軍士官学校の最終課程、
部隊勤務の一環として北方軍管区ノルデン戦区の第三哨戒線で研修に励んでいた。
航空魔導師として輝かしいキャリアを踏み出すための第一歩である研修は
何事もなく無事に終わるはずだった。

しかし事態は思わぬ方向へ転がっていく。
協商連合の越境侵犯をきっかけに帝国と協商連合は戦争状態に突入。
戦時体制への移行に伴い、観測任務が割り当てられるも、
協商連合軍による奇襲が発生し、
ターニャは敵の魔導師中隊と単独で交戦しなければならない事態に陥ってしまう。
多勢に無勢で味方が到着するまで持ちこたえることなどできるわけもなく、
しかし逃げようものなら敵前逃亡で死罪は免れないという絶望的な状況。
何としても生き延び、上層部に対して最善を尽くしたとアピールするため、
ターニャはとある作戦に打って出るのだが……。

“其れは、幼女の皮をかぶった化物――。”

声優・キャラクター
悠木碧、早見沙織、三木眞一郎、玄田哲章、大塚芳忠
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

神と子供と会社員

【追記に蛇足追加  再読には及びません】


一見かわいらしい見せかけの幼女が、圧倒的な魔力で戦場を蹂躙する異世界の戦争。

タイトルに挿入された「the Evil」そのままに、まさしく邪悪の権化として死を振りまく主人公が「幼女」の姿をしているのは、ひょっとすると「妖女」の含意であるのかもしれない。

この無情な戦場に、殊更に非情に君臨する「幼女」とはいったい何なのだろう。



{netabare}といった緊迫感は、早々に「幼女」の中身が現代日本から転生したサラリーマンであることが暴露され、霧散する。

主人公に寄り添って物語を追えば、転生したサラリーマンの異世界でのサバイバルであり、「幼女」であることにほとんど意味は無い。

無常な「世界」の意味を問うような緊迫感の消失は、物語の焦点が主人公に「罰」あるいは「挑戦」を仕掛ける〈神〉と主人公の抗争にあって、「世界」自体が興味の対象から外されていることによる。

この視点の「矮小化」は、世界観の設定と主人公の設定の、二方面から生じているようだ。


神に逆らうというテーマはアニメやラノベでしばしば見受けられるが、何故かキリスト教の神を特権化して「神なるもの」全般を代理させることが多い。

「神なるもの」に運命や制度や抑圧を象徴させて「敵」として描こうとする意気込みに対して、日本社会に根付いているとは言えないキリスト教的な神をわざわざモデル化することで、たいていの場合、実体的な超越者ではなく、顔に「神」と書いた案山子を相手にシャドーボクシングを仕掛けているような、空回りした空想性が目立つことになる傾向があるようだ。

本作においても、罰や試練を与える抑圧者として〈神〉が一面化されているのは、主人公あるいは製作者が、自分の身の丈に合わせて「神なるもの」を切り縮めている結果だろう。

主人公が神を「存在X」と呼ぶのは、ある程度この空想性に自覚的であるのかもしれないが、この「世界」が超越者の創作であるという世界観の意味に迫ることなく、ただ「試練」との格闘だけに物語のスケールは切り縮められてゆく。

そして、このスケール感は、この「世界」に投げ出される主人公の、視野の狭さの反映でもある。


転生前の自分を有能な人材であったと自己認識する主人公は、転生先の異世界においても、現代日本で有効であったノウハウで「有能な」人間に相応しいエリートコースに乗ろうとする。

が、「生前」のエリート性の実態が、有能な「サラリーマン」=株主でも経営者でも無い「使用人」であったことに自覚的ではない。
主人公の考える有能な「エリート」性とは、「ご主人様」に命じられた課題と「ルール」をいかに忠実になぞるかという一点に焦点化されていて、自らがルールを創造して「ご主人様」になるような「有能」性は、視野の外に追いやられている。

劇中の描写からは、どうやら、自分の「死」は「ルール」に記載されていない「敬虔」や「慈悲」という無価値な美徳を欠いた結果、「存在X」に与えられた「罰」であると、主人公は捉えているらしい。
ルールに忠実な「意識の高い」自分が、インチキな基準で断罪されるのは不当であると。

が、普通に観ている視聴者には、「殺される」という事態を招いたこと自体が、適切に職務を遂行できていなかった「無能」の結果としか見えないのだが、自分の姿を相対化できない視野狭窄としか思えない。

この視野狭窄の一面性が、戦争状態の異世界へ放り込まれても平然と「出世コース」を探るという「牧歌的」な主人公の精神状態と、抑圧者として一面的に描かれる〈神〉との抗争という物語の基礎となっている。


極めて人工的な恣意性を感じさせる「異世界」が、それでも不思議に空想的な印象が希薄なのは、この視野の狭い主人公の設定が奇妙な整合性を感じさせるからだ。
「不思議」と感じるのは、どうも、この「整合性」が作者や製作者の計算によるものとは思えない印象が強いせいだろう。


会社員として身に着けた世間知と異常な魔力を元手に「出世街道」を上ろうとする主人公だが、これほどの「武器」があれば既存の秩序(の少なくとも一部)を自分の都合よくひっくり返して、造り変えることも可能だ。
しかし、既存体制での「出世」以外の選択肢は、主人公にはない。

あくまで「ルール」の「外」を発想しない思考様式は、「生前」に執心であったシカゴ学派のネオリベ理論と奇妙に符合する。
「ルール」がすべて=ルールに載っていないことは何でも「許される」というネオリベの世界把握は、ある意味では子供の理屈だ。

人間の行動を律するものは、法律や明文化された「ルール」のほかにも、社会倫理や自己倫理、単なる因習や気まぐれなど多様にある。

が、子供の世界には「ルール」しかない。
定義として、自己の核としての内的倫理や、共同体の社会倫理を獲得するという成長過程の途上にある者こそが「子供」であるからだ。

子供の行動を定めるものは、「ルール」という与えられた枠と、そこからはみ出せば「怒られる」という他律的な基準しかない。
「廊下を走ってはいけません」「上履きで校庭に出てはいけません」といったルールに過剰に敏感で、一歩でも「校庭に踏み出した」生徒を学級会でルール違反者として吊し上げる下らない規範意識は、「子供じみた」態度の典型例として定番だ。
一方で、「座って読んでいるから立ち読みではない」と「ルール」の言葉じりをとらえて「違反」から逃がれたつもりになる猿知恵もまた。

「怒られない」限り何でもしてもいいのだ、という子供の行動原理が、主人公と重なる。
「いい年をして」子供じみている主人公の行動原理は、単一のルールブックに反していない限りどのような競争も正当であるというネオリベ理論「しか」行動律のない反映でもある。
あるいは、「幼女」の外見は、子供じみた内面の表現であるのか。

多様な基準を貫いて自身の行動を決定する「自己」を持つものが「大人」であるならば、単一の基準しか知らないのが「子供」であるとはいえるが、「この基準が絶対で、それ以外は守る必要などない」と強制するのがネオリベ理論であって、この「強制」にさらされていた主人公の視野の狭さには、確かに整合性がある。

実質的な軍事体制下にある「異世界」が、ソビエト連邦を連想させるくせに殆んど抑圧性を感じさせることなく主人公になじんでいるのは、主人公ご執心のネオリベ理論が、ある意味で(ニワトリと卵のように)平時の日常世界に戦時の非常事態性を持ち込んで固定化する原因でもあり/結果でもあるものだからだろうか。
ここでも、現代日本と同じ方法論で異世界を「世渡り」する主人公の描写は、やはり整合性があり、現代日本が一種の戦争状態であると表現されている、かのように見える。


だが、〈神〉のスケールの小ささが、やはりこの整合性が計算の結果であるのかを怪しくさせる。

「死」の瞬間、「敬虔」や「慈悲」の欠如を指摘された主人公だが、本来、それらは人の行動律として異常なものではない。

時には矛盾も衝突もする多様な規範の中から、その時「自分が」どう行動するか判断できるのが一般的な普通の大人であり、大人としての能力だが、シカゴ学派のネオリベ理論とやらの唯一の「ルール」しか所有していないことが、主人公の過剰な反発の根源だ。

「敬虔」や「慈悲」が数千年にわたって人類社会に「生存戦略」として機能してきたことに対して、崩壊が目前に迫っているネオリベ理論は余りにも貧弱で勝負にはなりそうもない。

が、〈神〉は「存在X」に切り縮められる。

「敬虔」を象徴するイコンであるはずの〈神〉は、単に自分の教えに拝跪することを強制し、従わないものに「罰」を与える、「存在X」という抑圧者に一面化されてしまう。

「生存戦略」の人格化であった〈神〉は、信仰心と「引き換え」に恩寵を与える「契約者」のごときものとして、契約を拒むものに脅迫で契約を迫る悪徳リフォーム業者のごときものとして、「存在X」に変貌してしまう。

主人公を超越するものとして登場したはずの〈神〉が、まさしく主人公の子供の世界観に適合してしまう展開は、果たして作中で何が争われているのかを曖昧化してしまう。
自分に従わなければ「罰」を与えると迫る超越者は、外観上は主人公の価値観と差異が無い。
主人公の「罪」を鳴らして「罰」を与える根拠は、互いの力関係の大小というだけで、両者が争うことに説得的な理由を見出すことが出来なくなる。

一見して整合性が生じているように見える「世界」は、整合性と引き換えに、そもそもの「世界」の意味が混濁していくかのようだ。

一体、主人公は何と戦っているのだろうか。


劇中の「戦場」で、敵も味方も区別せずに死を振りまく主人公が、情実に惑わされずに状況に応じた冷徹な決断を下している、と見える視聴者がもしも居るならば、おそらく「社畜」の素質があるだろう。

そうでないなら、他者に死を与えるたびに主人公が振りかざす「祖国の為」といった理屈を、主人公自身は全く「信じてはいない」事をどう捉えているのか。
それらの理屈は、自分が他者に君臨するための「いいわけ」でしかなく、理屈の実践のために他者を支配するのではなく、生殺与奪という究極的な他者の支配を正当化するために持ち出されている「口実」に過ぎない。
全く信じていない大義名分を持ち出すのは、自分の生存のためですらなく、安楽を手に入れる「出世」のために他者を殺す口実に「使える」からだ。
もっともらしい「大義名分」の下に殺される敵・味方の兵士は、主人公の出世のための犠牲でしかない。

反道徳的な言動で他者を踏みにじる姿は、ニーチェを誤読した中二病患者の妄想する「超人」をモデル化したかのようだが、ルサンチマンを超越する意思もなく、既存の支配的規範の「威を借りて」恣意的な暴力を行使する主人公は、いわばウルトラ化したルサンチマンの権化であり、こんなものを超人と同一視すれば墓の中でニーチェが激怒することだろう。

言ってみれば、ブラック企業の中間管理職が「会社の為」と称して精神や健康を破壊する過剰労働を強制しているのと同じ姑息さに過ぎない。

戦場に君臨する幼女の皮をかぶった「化け物」というよりも、タイトル通りEvil=「邪悪」が相応しく思えるのは、ブラック企業の管理職のように、「信じてもいない」タテマエを持ち出して、自分の安泰のために他者を踏みつけることを正当化している薄汚さのためだ。
ブラック企業においてすら、「会社が絶対」というタテマエを本気で信じているようなら「管理職」にはなれないだろう。


戦時下の「異世界」では、死にたくなければ戦時下の規範を受け入れる他ない。
自分の「死を避ける」ためには、他者に死を「押し付ける」しかない。

主人公の主観では、このように自分の行動は「現実的」なだけだと自己了解されているようだ。
戦争を終わらせ、死なずに済む「平和」をもたらす為には、戦闘で大勝利することが「現実的」な手段であるのだと。

この主人公の自己了解を真に受けて「冷徹な決断」者だと肯定的に見てしまう感性は、「会社の為」というタテマエを真に受けて奴隷労働を受け入れる社畜根性と同型的に見える。

平和を望むのは、自身が「勝者」として生きるために過ぎない。
戦争が終結しなければ=勝敗が決定しなければ「勝者」になりようがないからで、他者の「平和」に関心はない。
「冷徹な決断」は、ようするに自己保身の理論化だ。

押し付けられた規範に嫌々「妥協」しているのではなく、進んで「同化」する態度は、「現実」の日本社会から引きずられて持ち込まれたものだ。
その意味で、この異世界は現代日本を表現するために創作されたかのような整合性は、確かに感じられるとは言えるだろう。

ネオリベ理論を内面化して抑圧的な権力に同化しようとする「生前」の態度は、ミシェル・フーコーが言及した、遍在する微小な権力が統合されて大きな抑圧権力を構成する「生権力」の姿に過不足なく適合する。

抑圧的な権力に支配されることを承認すれば、自分がより弱いものを抑圧して踏みつける行為もまた、許される。
「ルール」に支配される子供が、「学級会の吊るし上げ」リンチを内心で楽しむように。
そのような微細な「権力」を吸い上げて統合するものとして利用されるのが、一つにはネオリベ理論だ。

従って、視野狭窄の主人公の、〈神〉の存在を否定する動機が「合理性」の有無であるという言葉は、鵜呑みにすることはできない。

主人公にとって身体化されている「生権力」の体系を脅かすものであるから、〈神〉は否定されなければならない。
抑圧の根拠たる生権力が揺らぐことは、自身が微小な「権力」を行使する根拠の消滅を招くことになるからだ。
いや、意思的に否定を「決断」しているのではない。
拒絶の根拠は、〈神〉という属性がどうこうという問題ではなく、「身体化」が必然とする思考以前の「脊髄反射」だ。

ネオリベを基礎づける市場原理主義が「世界」を支配出来るのは、「(生存のためのあらゆる必需品を含め)全ての」モノやサービスは「貨幣を媒介とした」交換によって入手しなければ「ならない」、というドグマを確立したからだ。
生存のための手段は、したがって「金銭を稼ぐ」というただ一つの行為に制約され、金儲けの「ルール」が世界を支配するルールにすり替わる。

このようなドグマは、別に自然法則に根拠づけられているわけではない。
もしも金銭以外の価値や、生存を超える価値が承認されたとしたなら、「ルール」の支配性は崩れるだろう。
市場原理ベースの「生権力」の体系は混乱し、これに迎合することで他者を抑圧支配させていた主人公の微小な「権力」もまた、消滅してしまう。
単一の「ルール」しか持たない空虚な人格であるがゆえに、代替えの基準を持たない主人公は、「ルール」の否定性に過剰に反発せざるを得ない。


だが、ネオリベ/市場原理主義の否定性を〈神〉として導入した安易さが、このような主題化を不可能にしているようだ。
いや、「存在X」が、真の意味で〈神〉であったなら、違っていたのかもしれない。

自身が他者の上に立つ「権力」性の確保を目的として支配的な規範/権力にすり寄る、という意味で、主人公の態度は現代日本でも「異世界」でも変らずに一貫している。

「生きたい」を「金銭を稼ぐ」に一面化する市場原理の生権力と、「死にたくない」から軍政に従わせる「異世界」の抑圧性は、外見的には双子のように似ている。
異世界の「戦争」が、拝跪を強制する理不尽な「契約者」に矮小化された〈神〉=「存在X」によって一方的に押し付けられた「試練」であると設定することで、一方の「生権力」もまた、超越的に「押し付けられた」ものであるかのように見せかけてしまう。

両者が曖昧に混濁して見えてしまう結果、主人公の行動原理の深層も曖昧化したままだ。
主人公の、他者を踏みつける「権力」を欲する欲望が、自身をも踏みつける「ルール」に接近させるという倒錯した深層も。

「ルールには従わなければならない」という行動原理は、いささかも変化していない。
主人公の「敵意」は、実行に伴う「苦労」の多さに向けられるだけで、「従う」という行動原理自体への懐疑は全く生じない。
それゆえに、主人公に「罰」を加える理由も、この「異世界」が果たして「罰」として機能しているのかも全く意味不明にする。

そうして、「生前」も「転生」後も他者を踏みにじり続ける主人公の、「生前」も「転生」後も強圧的な「ルール」に翻弄されているかのような「被害者面」を不自然に感じない視聴者も出てくるのだろう。

このように単純な抑圧者「存在X」が、主人公との対立軸をも単調化する。
いや、現代社会の抑圧に対抗するものを、〈神〉という名の別種の抑圧者の形でしか発想できなかった限界性なのだろうか。


主人公の「本音」が見えない作中の兵士たちはともかく、視聴者の立場で、主人公が冷徹な現場指揮官のように見えてしまう屈折した視聴は、この「世界」が「物語」の舞台として緻密に構築されたものではなく、「マジック・ワード」に依存した一種のゲーム空間に過ぎない印象しか視聴者に与えることが出来ていない事を示しているようだ。

アニメを視聴するとき(フィクションを鑑賞するとき)、たいていの視聴者は、何処か虚空に自立して「実在」している別「世界」に入り込んでいるように看做していることが殆どだろう。
作り手は、なんとか「実在」感を生み出し、視聴者の現実感に接続しようとあの手この手で四苦八苦する。
一方で、ゲームにおいては、プレーヤーを引き込む「実在」感は問題にされず、何処までも恣意的に制作される仮想空間として了解されるようだ。

その意味で、存在X=〈神〉という創造主兼管理者のいる「世界」は、架空の時空間に「自生した」固有の歴史性を持つ異世界ではなく、「運営」が恣意的に作るオンラインゲームのステージと同質と言える。
もっともらしい「戦争」は、創造主に「創造」されたゲーム世界の「設定」に過ぎず、死んでいく兵士や市民も、「創造主」に創造されコントロールされているという意味でNPCと同質であると言えるかもしれない。
本作内の戦争について、その是非や悲惨について考慮するのは、この「ゲーム」空間の恣意的な「設定」に合わせてあちこちから引用してきた「背景」に過ぎない以上、あまり意味がないだろうと感じさせる。
主人公の殺戮は、異「世界」での殺人ではなく、ゲーム空間の「無双」ではないかと。


キリスト教的な、世界の「造物主」としての唯一の〈神〉は、絶対的に「世界」の「外部」に在る、「世界-内」存在である人間にとって絶対的な不可知の存在だ。
何であれ不可知のものは、人間が認識できた瞬間に〈世界-内〉に取り込まれる。
どこまでも〈内〉化できない非・認識の絶対性が、神を定義する。
日本の〈カミ〉のように、お供えやお祈りによってご利益を与える、人間と同次元にいる交渉可能な〈世界-内〉に存在する〈神〉とは異なる絶対性が、造物主としての唯一神だ。

決して〈世界―内〉に降りてこない不在としての神、絶対的な「外部」の存在との契約の不可能性と可能性、このような不条理と信仰の絶対性、などなどの難問は、西欧では数百年にわたって考え抜かれている。
日本においても、遠藤周作が『沈黙』を書いたのは50年以上も前だ。

人間の眼前にある案山子に『神』と書き込んであれば〈神〉扱いして疑問を持たない、というのはラノベ/アニメ周辺のローカル・ルールに過ぎない。
〈世界-内〉に入り込んで「世界」に自由に干渉する「造物主」は、ラノベ/アニメの外では存在矛盾として成立できないだろう。
案山子の〈神〉は、「全能の」神という一種の「マジック・ワード」として、製作者の代理として「世界」の創造や改変を容易化してくれるものとして導入される。

しかし、容易化は安易化として、創造された作品「世界」を、人為的なゲーム空間に矮小化してしまう。
「存在X」と呼称する、〈神〉性を引きずった、「世界」内に立ち入って自在に干渉する「造物主」を導入することで、「運営」が作り自在にコントロールする人工的な「ゲーム空間」に、異「世界」は同質化することになる。

主人公の利己的な行動が爽快に見えてしまうのは、主人公が「物語」の登場「人物」ではなく、単なるゲームのキャラとして、「ゲーム空間」で都合よく無双をしているに過ぎないと無意識で解釈されている結果ではないか。
主人公が現代日本から「異世界」に転生したという設定も、単に、初めて絶滅戦争という異様な形態の戦争を経験しようとしている「異世界」にやってきた、すでに絶滅戦争の世界大戦を経験している現代日本人という、一種のチート的な優位性で「無双」をするネタに過ぎないものに、これまた矮小化されている。


【追記】
敗者が抵抗をあきらめずに「復讐」する不合理な感情が、「戦争」を終わらせようとする「合理的な」行動を無駄にすると語る主人公だが、勝者の立場に立ち、他者の反抗を認めない傲慢からくる事実誤認に過ぎない。

敗者の抵抗が続くのは、この「戦争」が現実の世界大戦同様に「絶滅戦争」=どちらかの国家が絶滅するまで終わらない異様な性質のものであるからだ。
作中での、後方の民間人の殺戮も、この性質から余儀なく生じている。

相手が絶滅するまで、あるいは国体が完全崩壊する=敵「国家」が「死滅」するまで戦闘が継続されるということは、死滅しない限り敵への反撃を止めては「ならない」ということでもある。
感情的に「もう戦争は嫌だ」と思っていても、息がある限り「理論上」反抗を止めることが出来ない。

敵の執拗な抵抗は、感情に駆られているのではなく、主人公が敵国家の完全壊滅を完遂しようとするのと正に同じ「論理」の裏返しとして、選択の余地なく発生してくる。
自分が優秀な「合理主義者」で、馬鹿な敵が感情に任せて抵抗してくるという主人公の自己認識は、全くの的外れで、視野の狭さからくる「合理性」の不徹底さを露呈しているに過ぎない。
視聴者までが、この自己認識を真に受けて、優秀な合理主義者だと看做してやるいわれはないだろう。

そもそも転生の原因となった「死」も、一方的な逆恨みの被害であると疑われていないが、普通の企業であれば、職務の遂行において「殺される」ほどのトラブルを発生させることは、直ちに「無能」とみなされる。

逆恨みされて転生した「エリート」が「優秀な合理主義者」として戦争を生き抜こうとしているという主人公の自己認識は妄想的で、「認知のゆがみ」を引き起こしているのではないのか、と疑ってみるほうが自然な気がする。



労を惜しまずに設定を積み重ねれば、「存在X」という案山子の〈神〉など導入しなくても、このような「異世界」とサラリーマンの「転生」を創造することは可能だったろう。
世界を支配するルールと人間の対決を描く為には、〈神〉は必要条件ではない。

設定の土台を、案山子の〈神〉=作者の傀儡に過ぎない造物主に置いてしまった安易さが、「異世界」につづられる「物語」なのか、ゲーム空間での妄想的な無双であるのか、分裂して中途半端に揺れる視聴感になって現れてくる。

一見、現代日本を批判的に再現したような「世界」と「物語」は、結局、オンラインゲームに閉じ込められたトッチャン坊やのクエストと同型だという印象しか与えることが出来ていないようだ。

これだけの道具立てをそろえながら、幼女の外見とサラリーマンの内面のギャップの笑いと、「無双」で破壊されるビジュアルの派手さだけが見どころであるというのは、なんとも勿体ない気がする。{/netabare}



それにしても、アニメ作品の評価に「声優」を独立した項目として入れるのは妥当なのだろうか。

確かに、声優はキャラクターに生命感を与える重要なパートではある。
しかし、世界観の破綻や、脚本上の不備を修正できる立場にいるわけではない。
そのような作品でキャラに生命を吹き込んでも、「不条理な世界にも関わらず『生きいきと』生活する狂人」が生まれるだけだろう。

そんな立場である声優に評価の一端を背負わせるのは、余りに気の毒な気がする。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

見た目は少女、中身は・・・おっさん!?

原作未読。最終話まで視聴。

【物語】
1話を視聴し終わった時には、単なる「主人公最強系」かと・・・。
それにしては、主人公が『幼女』っていうのが意味が分からなくて・・・。

2話を視聴して初めて物語の世界観が分かった。

一見、現実の世界とリンクしているようで、でも『魔導師』なんて現実には存在しない存在がいるという不思議な異世界。
現実世界と異世界が入り混じった世界観が好きでした。

【作画】
背景や登場人物はとても綺麗に描かれていたと思います。
主人公の目は、主人公のひととなりを表しているというか何というか・・・。
セレブリャコーフ少尉は、もう少し可愛く描いてあげれば良かったのに・・・(笑)。

【声優】
何と言っても、主演の悠木碧さん。最高でした。

【音楽】
OP・EDとも作品の雰囲気に合っていて良かったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 114

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

戦闘シーンが生々しい。1、2話のエピソード順はこれで正解じゃないかな…。

[2017年冬作品1クール視聴終了時ランキング] コメントより
==
1月末から順位は落としましたが、面白かったです。ただ、原作はもっと面白いと思いました。
==

小説投稿サイト「理想郷(アルカディア)」発らしい。原作があるはずですが、未読です。

ドイツ帝国っぽい「帝国」と周辺諸国(協商連合、共和国、連合王国、連邦)が、第一次世界大戦レベルの武器+魔法で戦争をしている状況らしい。普通の魔道士が観測兵として迫撃砲の命中精度を上げたり、飛行兵として空中から銃器で歩兵を攻撃するのがせいぜいっぽい世界で、「幼女の皮を被った化物」と呼ばれるターニャ・デグレチャフ少尉は戦術級の強大な魔法攻撃で無双している感じです。

このターニャと、その部下であるヴィーシャ伍長が中心人物のようですね。

協商連合のモデルは良くわかりません(ベルギーとか?)が、共和国はフランス、連合王国はイギリス、連邦はロシアがモデルでしょうか。

1話ではライン戦線の現状が、2話では時間を遡ってターニャが何も任官するまでの経緯が語られました。

魔法が普通に軍事技術化しているのは中々面白そうです。しばらく注目して観てゆきたいですね。

2017.1.23追記:
→アニメの第2話まで観て面白かったので、原作を読み始めました。2巻目まで読み終わりましたが面白いです!
戦記としての面白さとギャグ要素のバランスが良いですね。

2017.3.2追記:
協商連合は、帝国との国境位置的にフィンランドですね。

2017.4.1追記:
アニメ化部分よりも先に原作を読み進んで、既刊分7巻まで読了後にアニメを観終わりました。

原作のグランドストーリーに大きな影響のある改変は無いものの、ちょこちょこと改変はあります。私は原作原理主義者ではないので、現状レベルの改変ならOKです。でも、これだけ高い点数を付けたアニメよりも、原作の方が面白いと思います。

私は原作に出会わせてくれたことを本作品に感謝します。でも、そうさせてくれたのは「存在X」ではないと思っています(笑)。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 81

93.9 2 2017年冬(1月~3月)アニメランキング2位
小林さんちのメイドラゴン(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1706)
8199人が棚に入れました
朝、会社に出ようとしたらドラゴンがいた。
茫然とする小林さんの目の前で、そのドラゴンは角あり尻尾ありのメイド服を着た美少女へと変身した。
トールと名乗るそのドラゴン娘は「今日からメイドとして働かせてください!」と申し出る。
どういうことか分からず尋ねると、昨夜酔った勢いで小林さんが家に誘っていたようだった。
「人を雇う余裕はない」と断る小林さんだったが、会社に遅刻してしまいそうな時間だと気づき―。

声優・キャラクター
田村睦心、桑原由気、長縄まりあ、高田憂希、高橋未奈美、小野大輔、中村悠一、加藤英美里、後藤邑子、石原夏織
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ケチのつけどころが見つからない・・・

原作未読。最終話まで視聴。

【初めに】
京アニとしては、「日常」以来の漫画原作の作品。
俗にいう「京アニ顔」を見れないのは寂しいような気がしていたが、そんな寂しさを軽く一蹴してしまう良作。
「らき☆すた」、「けいおん!」、「日常」と、『京アニ×漫画原作』は相性が良いのかも知れない、と改めて痛感。

【物語】
ドラゴンと人間の織りなす日常ほのぼの系。
人間の世界に妙に馴染んでいくドラゴンたちを愛でる作品かと・・・。
漫画原作特有のテンポの良さが心地良かった。

ちょろゴンずの1人、エルマに対する扱いの悪さが私のツボでした。
{netabare}初登場はずいぶん遅かったし、以降もロクな出番がなかったし・・・。{/netabare}

【作画】
最近の京アニにしては珍しい手書き風の作画が、作品全体を包み込む優しい雰囲気とマッチしており高評価。
トールのしっぽの動きが、トールの感情を上手く表現していた点が目を引いた。

『京アニ顔』の特徴に一つである『瞳』は、本作でも活きていた。
「目は口ほどに物を言う」細かい感情表現までこなす瞳の力は健在だった。

【声優】
カムイ(長綱まりあさん)の声は絶品だと思った。
滝谷(中村悠一さん)の通常時とオタクモードの時の演じ分けは、さすがだと思った。

【音楽】
OP、EDとも良曲。

【キャラ】
ドラゴン、メイド、ロリ、ネトゲ、オタク、巨乳、貧乳etc・・・。
こうやって書き出すとキャラの渋滞が凄くひどい。
しかし、これこそがこの作品の魅力の1つかと・・・。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 131

レオノジョウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

まさにチュチュイェイな作品です! (意味わかりませんよねw)

上のタイトルどうでしょうかw小林さんちのメイドラゴンのタイトル表記にまねして書いてみましたwさてこの作品のお話なのですが、このメイドラゴン自分は今季一番面白い作品で間違っていないと思います!。比べていいのかわかりませんが今期は去年の冬アニメのなかでもベスト3に入るほど人気だったこのすば2がありますが、正直今期はどう考えてもこの作品のほうが完成度も高く良質な作品です。このすば2もおもしろいのこの作品には日常系アニメの大事なところがほとんど入っていて、癒し、可愛さ、面白さ、賑やかさ、雰囲気の良さ、そのあたりだとどれをとっても今季一だと思います。まだ見ていない方はこの作品を見れば改めて京都アニメーションってすごいなと思えるんじゃないでしょうか。とにかくみればこの作品好きになること間違いなしです!見終わった直後にはopでつかわれているようなチュチュイェイな気分になりますw。是非今期アニメで満足できてなくてメイドラゴン知らないよーって方は見てみることをお勧めします。ちなみに自分はカンナが一番好きですw。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

京アニによる ちょろいドラゴンを楽しめる作品です。

あらすじ。
本物のドラゴン(♀)がメイドになって小林(♀)さんを慕うお話。
他にも異世界からドラゴンが来てドタバタ?まったり?生活を行います。

私的なこのアニメのキャッチフレーズ。
「好きな人には好きと伝えたい」 かな。
相手へのアプローチはそれぞれ。
相手と一緒にいたいという気持ちは共通。
だけど、そんなに深く考えなくてもいいんだよ。
的な楽しいアニメです。

キャラが京アニっぽくない感がありますが、最後まできれいな作画はさすが京アニです。


最後まで観て{netabare}
最後の1話でトールの父親が来て連れ戻しに来た。
これは少しつまらない展開でした。
原作未読ですが最後まで日常を貫いてほしかったなぁと思います。{/netabare}

エルマの無駄遣いはある意味清々しい!

全てのキャラに独特な愛嬌が伝わります。
再度見ても楽しいですねぇ チュチュイェ!

以下視聴途中コメント

3話まで観ました。
このアニメ癖になります。
トールやカンナが可愛いのはともかく、
小林さんの行動で(身の回りの)すべてが廻って行くところが面白い。
ドラゴン達は本当は基本的に人間が嫌いという設定もこれからどのくらい反映されて行くのか。そして人間を理解してゆくのかと、いうところも見どころかなと思っています。

8話にしてやっと出てきたエルマ。
OPにも出ているのに一向に出てきませんでしたが
エルマは間違いなくいじられキャラ。

9話の運動会ではエルマ存在感出してくるのかな。
でも、何となくルコアの揺れ具合がメインになるような気が。。。
キライじゃないですけどね。。。。← ↖ ↗ →

投稿 : 2024/11/16
♥ : 89

91.6 4 2017年冬(1月~3月)アニメランキング4位
劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール(アニメ映画)

2017年2月18日
★★★★★ 4.1 (1167)
7188人が棚に入れました
2022年。天才プログラマー・茅場晶彦が開発した世界初のフルダイブ専用デバイス≪ナーヴギア≫―― その革新的マシンはVR(仮想現実)世界に無限の可能性をもたらした。それから4年……。
≪ナーヴギア≫の後継VRマシン≪アミュスフィア≫に対抗するように、一つの次世代ウェアラブル・マルチデバイスが発売された。≪オーグマー≫。
フルダイブ機能を排除した代わりに、AR(拡張現実)機能を最大限に広げた最先端マシン。
≪オーグマー≫は覚醒状態で使用することが出来る安全性と利便性から瞬く間にユーザーへ広がっていった。
その爆発的な広がりを牽引したのは、、≪オーディナル・スケール(OS)≫と呼ばれる≪オーグマー≫専用ARMMO RPGだった。
アスナたちもプレイするそのゲーム に、キリトも参戦しようとするが……。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、伊藤かな恵、竹達彩奈、日高里菜、高垣彩陽、沢城みゆき、平田広明、安元洋貴、山寺宏一、神田沙也加、井上芳雄、鹿賀丈史
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

『SAO will return』

言わずと知れた大人気アニメ『ソードアート・オンライン』の劇場版。

劇場版ならではの一足飛び感は否めませんが、SAOファンなら誰でも、満足のいく作品でしょう。
SAO未視聴の方は、TV版の1期・2期を視聴してからの視聴をお勧めします。

ラストの一言。否応なしに第3期への期待が高まりますよね!

以下は重度のネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さい。m(__)m
{netabare}本当に重度のネタバレを含みますので、未視聴の方は飛ばして下さいね。m(__)m
{netabare}
序盤は無双状態のアスナと対照的に消極的なキリト。

中盤、記憶を奪われたアスナが戦闘不能状態になると、アスナを救うため立ち上がるキリト。
二人の大事な物を取り戻すため・・・。
やはり、キリトが無双になると一気に物語が盛り上がる。

終盤は劇場版ならではのオールスター総出演。
場所は旧アインクラッドの100層。要するに、SAOのアインクラッドってことだよね?

アスナが記憶を奪われたきっかけと同じ、シリカの絶体絶命のピンチ。
戦意を取り戻したアスナが駆けつけ、シリカを救出する。
 ~すでに目頭が熱い!~
ここで、ユイのチートパワーが炸裂!
ALO、GGOの仲間たちが、ゲームの垣根を越えて、陸続と集まってくる。
SAO時代の装備に戻ったキリトたち。
ユイ「シノンさんの分はオマケです」
 ~ユイの一言に、思わず頬が緩む~
そして全員一丸となった怒涛の攻撃!
 ~これを見たかったんだ!~
そしてキリトとアスナの共闘。
そして・・・。

アスナの背中をユウキが押す!
 ~何回見ても涙が止まらない!~

ついに、SAO完全攻略!
{/netabare}{/netabare}

最後に一言。直葉ちゃん。いつの間にか、{netabare}我が地元に{/netabare}合宿にきていたんですね!(笑)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 62
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バーチャルリアリティ

A-1 Pictures制作。

SAO事件から4年後、
次世代マルチデバイス「オーグナー」発売。
フルダイブ機能から拡張現実機能へ、
ARは覚醒状態で使用できる大きな利点を持ち、
オーディナルスケールは世間を席捲している。
AIアイドルユナの人気も過熱している。

原作者自らの映画オリジナル脚本、
オールスターキャストでファンには嬉しい。

当初はAR戦闘に慣れていない為、
あまり乗り気ではないキリトですが、
旧SAOのボスモンスターが、
戦闘イベントに登場するとの噂もあり、
アインクラッドの面々と参加する運びとなる。

映画版は大成功だと感じています。
シナリオに緩みがなく、サービスも盛り沢山、
戦闘シーンや音響効果が最大限活かされ、
娯楽作品としては王道で優秀な作品でしょう。

「順位」が全てのこの世界、
{netabare}影あってこその、光だということ。
華々しく活躍するプレイヤーの影で、
名も無きプレイヤーは命を落として死んで行く。
たくさんの想いが背景にあるのでしょう。
これが悲しい事件の顛末です。{/netabare}

仮想が現実を侵食する、
もうそんな時代が始まっています。

アリシゼーション編に繋がる物語、
シリーズ最高到達点はここかも知れません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 86
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アスナを褒めよ~ 讃えよ~ 

2018.06.16記

総集編みたいなのでなくて良かった。

1期、2期を受けての劇場版という流れなので一見さんお断りにはなるかと思います。
逆に、もとからのファンにはうれしいサービス描写がところどころあるので、TV版視聴済みの方には満足できる内容となってます。


■SAO 1期
 アインクラッド編 1話~14話
 フェアリィ・ダンス編 15話~25話
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 1話~14話
 キャリバー編 15話~17話
 マザーズ・ロザリオ編 18話~24話
■劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-


フェアリィ・ダンス編や2期のファントムバレット編よろしくデスゲームを生き残った人/死んじゃった人に絡んだストーリー展開を見せるというSAO必勝のパターンでした。
TV版を受けてそれと同等かそれ以上の面白さを提供してくれる劇場版に該当しますね。1期2期視聴済みの方は必見です。


特に物語のクライマックスであるラスボス戦は作画/BGM/戦闘展開全てにおいてパーフェクト。

■ラスボス戦
{netabare}アスナ登場シーンは震えた。ホント震えた。目玉に刺した剣を引っこ抜いてスロウカットで振り向くシーンを何回リピート再生したかわかりません。{/netabare}
{netabare}マザーズロザリオ発動シーンも震えた。アスナがカッコよすぎて困る。ユウキ(2期参照)の想いがしっかりとアスナに受け継がれていること誰もが自覚できた名カットでしょう。{/netabare}

ラスボス戦!これだけでもお腹いっぱいになりますよ。



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2018.09.12追記
《配点を修正》


そういえば、劇場版ヒロインのユナ役である神田沙也加さんはナイスキャスティングですね。
アナ雪でもそうでしたが、歌唱力があって声の演技もできる役回りをさせたらかなり適任なんじゃないかと思います。
もともと声優さんたち軒並み歌が上手いところですが、一段階上の歌唱力かと。



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2019.09.08追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2018年3月 配信



2018.06.16 初稿
2018.09.12 追記/配点修正
2019.09.08 追記/配点修正

投稿 : 2024/11/16
♥ : 57

87.0 5 2017年冬(1月~3月)アニメランキング5位
ガヴリールドロップアウト(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (1196)
5701人が棚に入れました
天使学校を首席で卒業した優等生のガヴリール・ホワイトが、下界で人間の学校に通いながら修業するはずだったのに、ネットゲームに夢中になり、歩くのも面倒くさがるなど自堕落な生活を送る……というコメディー。

声優・キャラクター
富田美憂、大西沙織、大空直美、花澤香菜、水瀬いのり、井澤美香子、渕上舞、梅津秀行

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

天使と悪魔の「ほのぼのコメディ」

原作未読。最終話まで視聴。

主人公の【ガヴリール】は天使学校を首席で卒業し、修行のため下界の高校に通うことになったのだが、ネトゲにはまるなど自堕落な生活を送るようになってしまい、「堕天使」ならぬ「駄天使」に・・・。
こんなガヴの面倒をみる、悪魔なのに真面目な性格の【ヴィーネ】。
ガヴを勝手にライバル視する、おバカな悪魔の【サターニャ】。
そんなサターニャをイジることが大好きな、非道な天使の【ラフィエル】。

こんな4人が織りなす、ほのぼのコメディの秀作です。

個人的に一押しは天然おバカ悪魔のサターニャ。
思わず大笑いさせられることが何度もありました。
天然おバカ最強!

作画は安定、声優さんも際立つキャラにピッタリで高評価です。

OP、EDとも作品のイメージによく合っていると思います。
OPの歌詞:サターニャの「パシッて売店!」が私のツボです。

2期の期待が持てそうな終わり方でしたよね?
こんな、何も考えずに視聴できるコメディ、大好きです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 87
ネタバレ

こた さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ガヴリール更生計画も、本人危機感とか焦燥感とか皆無なんで……

「ダラダラしてても誰にも迷惑かけてないからとやかく言われる筋合い無くね?」
(いやもちろんダメだけど、ある意味で正論か)

一話目で見事ハマった。
恐らく完走は確定。
OPはヒャダインが手掛けているだけあって、遊び心で何か奇抜なことを仕掛けてくるに違いないとは予感していたが(まあ存分に遊んでいる曲なのだが)、「だって天使ですもの~♪」(一気にテンポダウン)にはズッコケた(笑)いい意味で。これは面白い。
{netabare}7話まで観た人はご存知のこと、ケルベロスの歌もかなりツボだった(笑)ガヴリールのところを「一匹」と言わないで、あえて「一人」って数えたところには、ヴィーネの根っからの真面目さ(たとえガヴでも動物扱いしちゃいけない的な)が感じられた、そこまでしなくていいのに(^^; {/netabare}

あまりよろしくないことかもだけど、ラフィエルのところが一番笑える。
いじめギリギリ?いや、視聴者の意図を代弁してるのがこの子でしょ。
結局はいじられるサターニャ、不憫に扱われるサターニャを期待してる…。
\アッカリーン/
おや?今何か

ラフィエルは好きなキャラ。ただ現実だとちょっと許されない子ってことで(;'∀')(笑)
ガヴリールはちょっとイラっとくること多いな(笑)
実際下界に来て一番しくじっておきながら、それなりのステータスを保っているという…(若干偉そうだったり)。やはり腐っても天界でのエリートだからか(^^;地頭でサターニャとの差か。

冬~春アニメの中でもすごく面白いほうなんだけど、所々退屈だったりもするかな。
とはいえ、最後まで楽しませてくれると期待。
ムカつくとは言ったものの、ガヴリールも含めみんなかわいい。

追記
最終回まで視聴。終盤にかけての面白さとしてはうーんだった。


☆個人的ハマり度
(※あくまでも目安です)
★ピーク
1話☆☆☆★
2〃☆☆☆☆
3〃☆☆☆
4〃☆☆☆
5〃☆☆
6〃☆☆☆
7〃☆☆☆☆
8〃☆☆☆
9〃☆☆
10〃☆☆☆
11〃☆☆
12〃☆☆

投稿 : 2024/11/16
♥ : 55

レオノジョウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

何も考えずに見れる楽しい普通のアニメ

この作品は何も考えずにも見れると書きましたがまさにそうですw。ほんとにときにほのぼのときにドタバタしているのですが、ほとんど頭をつかわないでいいので疲れている時でも余裕で見れるアニメだと自分は思っています。さてここからが本題ですが、このアニメ物語の構成が毎話同じなので話が進むにつれて飽きてきますw。ただこのアニメの特徴としてはキャラクターが少ない分メインの天使と悪魔たち以外のキャラクターもとても濃いのと、あとはそのキャラクター達を様々なイベントや行事にからませることで話がおもしろくなる傾向が見られます。つまりイベントや行事が多めの話はとても面白いということです。残り2、3話だと思われますが、またいい感じのイベントとからんでくれるのを期待しましょう。何気なく見れるので、見てないけど興味がある方は見てみてもいい作品ではないでしょうか?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

86.6 6 2017年冬(1月~3月)アニメランキング6位
亜人ちゃんは語りたい(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1120)
5453人が棚に入れました
サキュバス、バンパイア、デュラハン。僕ら人間とちょっとだけ違う、それが「亜人」。
そんな亜人の生態に興味を持つ高校生物教師・高橋鉄男と、生徒である「亜人」ちゃんたちとの少しだけ刺激的な新学期がスタートした!

声優・キャラクター
諏訪部順一、本渡楓、篠田みなみ、夏川椎菜、日笠陽子、Lynn

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「温かい社会」への幻想…?

同タイトルのマンガ原作がありますが、私は未読です。

放送終了からずいぶん経ってのレビューになります。とっくに観終わっていたのですが、どうもすみません。

亜人(デミ:「デミヒューマン」の省略から作られた通称?)が実在し認知されている社会において、デミである生徒や教師がいる学校に赴任してきた生物教師である主人公、高橋鉄男とその周囲の人々のお話です。

作中での亜人(デミ)は、いわゆるマイノリティ(社会的少数者)を身体的・生理的特徴によって記号化したものだと考えられますよね。作中の亜人(デミ)達を「かわいい女性」にしているところがあざといといえばあざといわけですが、話の根底には「でも、彼女たちも人間だよね」という点があるように思います。そして作品のメッセージ性としては、「差別、良くない」的な…。

高橋先生自身は亜人(デミ)の研究者でもあって、実際に亜人(デミ)と接する機会を持って、彼女たちの行動や生理的な特徴について知りたくていろいろと質問をするわけです。

一方で高橋先生は、彼女たちが生徒であったり同僚であったりという部分でも関わりを持つ必要があって、結局のところ生活面での相談に乗ったりするようになります。

そして接する時間が長くなっていくにしたがい、その親身さなどもあって徐々に彼女たちの信頼を勝ち得ていくわけです。

そしていわゆる「ハーレムラブコメの鈍感主人公」の役割をも高橋先生は背負っていくのです。

このストーリーには、おそらく作者が「このようにあって欲しい」と考える温かみのある社会が描かれていますが、現実に亜人(デミ)が認知されたとして、この作品のように受け入れられるとはあまり思えないというのが悲しいところですね。

一応、ラブコメ的にはまあまあ面白かったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

亜人ちゃん達と生物教師のほのぼの学園コメディ

原作未読。最終話まで視聴。

個性豊かな亜人ちゃん達と、心優しい生物教師のほのぼの学園コメディ。
終始、ニヤニヤしながら見られる楽しい作品です。

2話。高橋先生とデュラハンの亜人・町京子のデートのくだりは爆笑必至。
一気にお気に入りに直行決定です。

これ以外にも爆笑ポイントが多かったです。
例えば、バンパイアの亜人・小鳥遊ひかりが{netabare}ニンニクを普通に食べられるとか、ふつうに鏡に映るとか・・・{/netabare}。

3話。サキュバスの亜人・佐藤早紀絵先生が万が一のトラブルを未然に防ぐため、不便な生活を送っている、っていうくだりも好きでした。

11話は、色々と考えさせられる回。(もちろんいい意味で)
「感動回」って訳ではないけど、良回だと思います。

最後に・・・。

見た目は普通だけど、体質に特徴がある【ひかり・雪・早紀絵】
体質は普通だけど、見た目に特徴のある【京子】

面白い、よく考えられた組み合わせだと思いました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 59

gazabata さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

正座をして懺悔をしながら見ましょう

このレビューはレビューというよりもエッセイに近いのでこのアニメが面白いかどうかということに関してはあまり触れない。だが一応最初に全体的な感想は言っておこうと思う。

全体的な感想:
ストーリー、アニメーション、声優、大して気になるようなことは見つけられなかった。1~3話はすっごく良い。4話は個人的にはそこまでの面白さが全部なくなるほど嫌なことに気づいたのでそこから面白さはほとんどなくなった。ただ普通にみる分には問題はない。大して変化を感じることはないだろう。

アニメとしての点数:6/10

ここからはこのアニメのとても否定的で屁理屈じみた分析を試みるのでこのアニメが大好きな人は読まないほうが良いかと思う。あとこれは結構実験的なのでうまくできていない可能性が高い。暇な方だけ読んでいただけると嬉しい。


ではこれからは、このアニメの世界についてとこのアニメの登場人物と原作の作者について、の2つに絞って話していきたいと思う。長くならないようになるべく簡潔にいきたい。

キャラ/作者:
私はこのアニメ/漫画の作者のキャラの使い方は好きではない。
アニメの4話は最悪だったと先ほども言ったがその理由がこれである。4話で大きなシーンが二つある。それはひかりが陰口をしていた女の子に立ち向かうシーンと、先生がひかりの妹のひまりに亜人の個性についてどう思うか説明するシーンだ。このシーンの両方が本当に説教臭い。作者が正しいと思っていることをただただ聞かされるためだけに存在するシーンである。なんかもう正直聞いていて胃が痛くなるほど気分が悪かった。あの言葉から感じられる優越感はもう半端ではなかった。「私は正しい意見を持っていて批判のしようがない」という様に構築された文章だった。その証拠に先生がひまりに説明した後、ひまりが「うっ、非の打ち所がない」みたいなことを言っていた。どれだけ自分が大好きなのだ?原作者は大真面目に自分が考え付いた亜人の扱い方について視聴者に説教をした後その考え方に「非の打ち所がない」と別のキャラに言わせたのだ。原作者はここまで自己認識力が低いのか?
そしてひかりのいじめっ子に対するスピーチも似たようなものだ。いかにも何時間もかけて考えた陰口に対する返答。「陰口はしていいけど私がそれを見つけたら絶対に文句を言うからね!」みんながこのようにすればいじめはなくなる。いじめは論破された。このように考えつくされた「いじめ」に対する返答はまるで作者が「俺がもし学校に戻っていじめを見つけたら絶対にこう言う。そしていじめっ子を論破するんだ」と思って考えられた返答に思える。そして作者は間違ってはいない。間違ってはいないが論破をしたところで何も変わらないことに作者は気づいているだろうか。いじめは論破するものではないのではないだろうか?実際アニメでもいじめっ子たちを変えたのはひかりのうざいスピーチではなく、そのあとに続いた感情ではないのだろうか?にもかかわらずなぜあのスピーチをそこまで重要視したのだろうか?
このような説教じみた、作者のエゴを膨らませるような内容がいっぱいちりばめられている。
他にも道徳的でない部分でも作者の見せびらかしは止まらない。デュラハンの首のワームホールがどうのこうのとか、雪女の物語はどうして似通っているのかとか、このようなことを説明するときに使われるのが主に主人公の先生である。しかもその説明の仕方が変だ。普通自分の世界を作ったときはその世界のルールは常識として説明されることが多い。歴史の授業だったり、年寄りが説明してくれたり、だがこのアニメは違う。このアニメにおける我々の世界とは違う「常識」はいつも「発見」として提供される。主に先生が「よく考えてみたらこうかもしれない」と誰かに教えるのだ。ではなぜこの「常識」を「発見」として提供されたのか。もちろん発見したほうが面白いからという理由もあるのだが原作者が頑張って考えた設定を視聴者に説明してすごいと思ってほしいからではないかと思う。常識として説明してしまえばそのすごさはなくなってしまうから、ちゃんとどういう風にその結論にたどり着いたか過程も加えて説明すれば視聴者もこの「常識」がどれだけすごくて、これを思いついた人がどれだけ頭がいいかわかってくれるはずだ。こういうことではないだろうか?

原作者は主人公の先生を自分であるかのように扱っているような気がする。もちろん他のキャラを通して原作者の「説教」を聞くこともあるのだが先生を通して聴くことが一番多い。個人的には先生が原作者の代わりであるということだと思うのだがそう思うちょっと面白い根拠を一つ。
最初の三話の中で先生が一度自分のことを「屁理屈野郎」だと言うシーンがある。だがその三話の中で先生が「屁理屈野郎」だと感じるシーンは一つもないしアニメの中でも一度もない。多分この「屁理屈郎」は原作者が現実でよく言われていたのではないだろうか?それで自分を漫画に入れるときに、自然と「屁理屈野郎」と言ったのではないだろうか?とまああんまり説得力はないかもしれないがもし本当だったら面白いなと思う。
話題は戻して、もし先生が原作者の代わりであれば、(そうであると言っているわけではないが、その可能性は高いと思う)原作者のナルシシズムはスピーチだけでは止まらない。先生は完ぺき人間だからだ。欠点がひとつもない。いや、二つある。一つは「女たらし」であるということ。もう一つは「頑張りすぎ」であるということ。アニメの中では欠点であるかのように提供されていたがこれは欠点だろうか?自分で言う欠点が欠点でないどころか、見方によれば誉め言葉ではないだろうか?実際頑張りすぎなのは後でひかりに「頑張る人に追いつけないからと言って頑張るなというのはおかしいと思う」と言われていたし。
それに加えて先生による数々のセクハラとも呼べる行為を合わせるとまた嫌な気分になる。自分の生徒に「吸血は性的な要素があるならセックスと比べてどうか?」と聞く教師がどこにいるだろうか?それでもって許しがたいのが、そのセクハラとも呼べる行為が「熱中するとデリカシーがなくなるから」ということで正当化されているということだ。生徒になれなれしすぎだ。疑似デートに出かけたり、ハグをしたり、生徒にキスをされても何も言わなかったり、関係性が完全におかしいのはよく分かる。「鈍感」や「デリカシーがない」で正当化できるものだろうか?しかも挙句の果てには最終話で「生徒は自分の子供みたいにしか見れません。恋愛感情はありません。」と何の信ぴょう性もないことを言う。これは最初の何話かで済ませるものではないだろうか?本当にこの方向性で行くつもりだったのだろうか?最終話でやってしまっては今まで視聴者からの関係性への疑問や心配への投げやりな返事のようにしか見えない。批判を緩和する目的にしか見えない。やり方が卑怯臭くないか?先生が生徒に対して恋愛感情がないということは最終話の感動的なシーンで言うようなことではありません。
先生はモテる。先生は頭がよくて筋肉がある。先生は亜人を理解して受け止めてくれる。先生は生徒に人気がある。
要するに原作者のナルシシズムでてんこ盛りなアニメだと言いたいのだ。少しだけならまだしもここまでひどいとさすがに引いてしまう。

もう一つだけ言いたいことがある。十一話くらいに先生とサキュバスの先生が「話し合い」をするシーンがある。その中でサキュバスの先生が「人と話するのは楽しいなぁ。意見が一緒じゃなくても意見の言い合いをするのは楽しい」に似通ったことを思うシーンがあるのだがそのシーンはものすごく変だった。
まずサキュバスの先生が自分の意見を言う。次に先生がその意見は違っていて自分が正しいと思う意見を言う。するとサキュバスの先生のさっきのナレーションが流れる。で何か反論していたがナレーションがかぶさっていたので何を言ったかは分からない。もしかして作者は自分が考えた意見に対する反論を思いつけなかったのではないだろうか。この作者なら考えられる。意見の言い合いは楽しいと言いながらも自分の意見の反論を思いつくことすらできない。結局は自分が考えた問題に関する答えを出していただけで会話にすらなっていなかったのではないだろうか。このアニメはそういうのが多い。会話と称して実はただ作者が自分で思いついた問題に自分で結論を言って、周りのキャラはみんな納得する。いっつも納得してちゃ口論じゃないじゃん。結局は一人芝居なのだ。
あと社会に当てはまらない人を受け入れるアニメにしては意地悪なジョークがあったと思う。柔道技かけられてクラスメイトの前で自分がMであることを知られたあの子は本当に可哀想だった。それを笑いのネタにするのは意味が分からない。いじめっ子だったからよかったと思っただろうか?結局いじめをする人は悪なのだろうか?

この部分の結論として言いたいことがある。
これを読んでいる人は自分の言葉に酔った人を見たことはあるだろう。アニメのレビューサイトにいれば見たことがあるのは当たり前である。もしかしたらこのレビュー自体がそうかもしれない。そしてこのアニメは私から見れば、自分の言葉に泥酔して中性アルコール中毒になっているひとが作った話である。それが言いたかった。以上。


一番言いたかったことはここまでなので疲れた人はここで終わってもらって構わないです。ここから下は追加というか、続きみたいなもんです。暇な方はどうぞ。

アニメの世界:
私はこのアニメの世界があまりうまく作られていないように感じる。亜人が実際存在したということだけが我々のいる世界との違いなわけだが、このアニメはとても現実的な取り入れ方をしている。市役所には亜人科という部署があり、ヴァンパイアには国から血が支給される。だいぶ細かいところまで考えられているのはとても良いことなのだが、細かいせいで逆に気になるところが無数に出てきて大変だ。このアニメはもぐらたたきのように出てくる問題をとりあえず解決していたわけだが全然追いついていない。結局は説明がつかないようなことがあったり現実世界では考えられないような部分があったりする。
まずはこのアニメの人たちは亜人に対する知識において考えられないほど無知であるということがある。
主に主人公が気づいたり、考察したりして出た結論は明らかに一般知識であるべきだと思う。それまで実験はされなかったのか?学者は亜人を研究しようとは思わなかったのか?人類は理解ができないことができる人を快く受け入れることなどはしない。勿論このようなことはあまり考えたくないような内容ではあるが、そのような質問をされてもおかしくないような世界であることは分かっていただけるだろうか?
この細かい疑問を相殺するとしたらいくつか理由が考えられるわけだが個人的にはただ単に作者が怠けているだけだと思う。亜人がいる世界が作りたいけど主人公に亜人たちの手助けをしてほしいし、でも障害者の比喩だからちゃんと社会になじみこんでないとだめだし、でも自分で亜人の秘密を発見してほしいから亜人の性質が知れ渡っていると困るし、とまあこんな感じで現実との比喩と自分の妄想の中間をとることでこのようなとっ散らかった説明のしようも無い世界ができるわけだ。
あと一つものすごく気になったのはサキュバスが教師になれるということ。無理だろ、どう考えても。別にサキュバスに対して差別とかそういう意味でなくて、現代でサキュバスが存在したとしたら、世界(特に日本)は絶対に学校で働かせることなどしないはずだ。あと毎朝早く学校に行かなくても車の免許取ればよくないか?


読み返してみたらこれは良いレビューではないな。長すぎるし。うるさいし。好きだったアニメがダメになるのって悲しいですね。せっかく楽しみにしてたのに。最初の三話だけまた見ようかな。残念...

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

85.9 7 2017年冬(1月~3月)アニメランキング7位
政宗くんのリベンジ(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (1257)
6797人が棚に入れました
美少女・安達垣愛姫(あだがき あき)にこっぴどくフラれたデブで冴えなかった少年・真壁政宗(まかべ まさむね)が、激ヤセして名字を変えイケメンに変身。残虐姫の異名を持つドSな愛姫を惚れさせ、最高の形で振るために復讐を果たそうと奮闘するリベンジラブコメディ。

声優・キャラクター
花江夏樹、大橋彩香、水瀬いのり、三森すずこ、田所あずさ、早見沙織、小倉唯、大亀あすか、伊瀬茉莉也、伊藤かな恵、佐藤聡美

oxPGx85958 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

話がつまらない

2018年10月に追記

アニメを見た直後の感想では酷評しました。で、最近、原作のマンガを読んだのですが、あの原作をまがりなりにも一貫性のある1クールのアニメ・シリーズにまとめた脚本家は凄腕だ、という感想を持ちました。原作マンガとアニメの比較をあまりしたことがないので、これが普通の水準の仕事なのかもしれないけれども。

大橋彩香、水瀬いのり、三森すずこのキャラクターはマンガよりもアニメでの方がずっと厚みがあり、魅力的に描かれている、と感じました。いま思うと、本作はマンガのアニメ化という分野の中では大成功の部類に属するのかもしれません。


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2017.04.02

単刀直入に言えば、話がつまらない。シーズン終わりまで見ても、これをどうすれば面白い話としてアニメ化しえたのか想像することができない。考えつく唯一の解決策は、ストーリーを徹底的に薄めて、日常系萌えアニメにすることなんだけど、それを貫くには設定とキャラクターのえぐみが強すぎる。制作時点から、そういう無理ゲーだったのではないかと思います。

主役の男の子の演技が気持ち悪かった。主役声優の演技って大切なんだと痛感しました。

早見沙織による男の子の演技は職人技だと思った。大橋彩香と水瀬いのりによるラジオやその他のコンテンツは面白かった。そういう楽しみ方はできるので、アニメ本編はそういうものを打ち上げるためのプラットフォームていどに捉えておくべきなのでしょう。声優を含む関係者たちの実績を作るためのルーチン・ワークみたいな。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

イケメンになった男子とお嬢様で美少女(性格きつい)のラブコメ…続きや伏線は原作で

普通にラブコメっぽくて面白そうです。普通が一番な気がします。

名前が…政宗に小十郎に愛姫だと? 宮城県民で歴史好きなら知らない人はいない名前ですね。もっとも愛姫の読み方は違いますが。これだけで個人的に興味持ちます。作者は宮城県民なの?

1話…黒歴史を変える努力家
{netabare}ナルシストな主人公。イケメンだが、それは普段の努力の賜物。元々はぽっちゃり…というよりはデブ。過去、好きになった愛姫に「豚足」と言われてフラれたのがきっかけ。
その愛姫、通称を「残虐姫」と言われている。お嬢様で美少女なため言い寄って来る男子が多数。そのたびに残念なあだ名を付けてフッてきた。
愛姫に復讐(愛姫に告白されてそれをフルという…なんともラブコメチックな)するために近づく政宗、はたして遂げることができるのだろうか?

性格きつい上に、超大食いという愛姫の設定が面白い。男嫌いと噂されているが、本当のところはよく分からないんですよね。
政宗はナルだが、その分努力しているし、突き抜けているところが良いです。ただ、過去のデブだったころの写真、愛姫にこやかな顔していた気がしたんだが、気のせいだろうか?
普通にラブコメそうなので、これからの展開が非常に楽しみです。{/netabare}

2話…政宗くんは鈍感男の典型だった
{netabare}可愛い委員長の誘いを断るとは…チキン野郎め。とはいえ、黒歴史を持つ男の子に育ってきたことがそうさせたという展開は納得です。
愛姫は相変わらず食えない性格(大食いだけど)、吉乃をパシリにさせ隠れて大食い。一方、政宗は豚足の手紙を誰が書いたのか怯えながら過ごす毎日。その犯人は意外にも吉乃だった。政宗が愛姫に復習するのを手伝うという。愛姫に恨みでもあるのだろうか?
愛姫のメルアドをゲットしようとした政宗。愛姫もOKするが、さんざん焦らした挙げ句「お断り」の返事。復習するのは並大抵なことではないようだ。

イケメンの裏に隠されたトラウマは深い。メル友も一人もいないという事実が笑ってしまいました。イケメンは表の顔だけで、裏の性格は隠せないというところが面白いです。頑張れ政宗。{/netabare}

3話…お似合いの二人
{netabare}試験が近づく。余裕の小十郎かと思ったが、全教科十点以下のおバカさんだった…。政宗が小十郎の勉強の面倒見ることになり図書館で勉強していると後ろでは吉乃の面倒見ている愛姫。なぜかひと悶着になり、結局は吉乃と小十郎も加えた総点数勝負に発展。愛姫が負けたら政宗とデートする約束をする。余裕の愛姫だったが、政宗が編入試験満点を知り愕然。
勉強頑張った政宗は悠々としていたが、何と、昼食後に腹がピーピーで数学のテストを吹っ飛ばしてしまう。が、愛姫は一日欠席で仲良く(?)補習へ。
愛姫から(正式には吉乃から)連絡があり、愛姫とデートになる。待ち合わせに向かった政宗を待っていたのは某テレ朝日曜の変身魔法少女のコスプレをした愛姫だった。何でも吉乃から初デートのドレスコードの指定だと言われたらしい(恐るべし吉乃)。なんだかんだ言いながらデートする二人。その中で愛姫には何かがあり大食いになったことを示唆する内容が。

愛姫がとても可愛い回でした。世間知らずのお嬢様なんだけど、それがかえって可愛い方に向かってしまうのはラブコメの良いところかもしれません。
吉乃がよく分かりませんね。愛姫の性格を矯正するなんて言っているけど、何だか政宗に惚れてきているような…。
政宗が愛姫の昔を話しているところ見る限り愛姫が好きなんでしょうね。怖かったのと同じくらい優しかったなんてくだりはそのままでしょう。{/netabare}

4話…愛姫が落ちた…のか?
{netabare}読者100万の人気少女マンガで恋愛勉強の政宗。早速実践するも、愛姫からは「マジキモイ」と思われていた。吉乃から押すだけではだめといわれ、無視を徹底。すると、愛姫がおかしくなり始め、政宗に八つ当たり(と捉えたが)。惚れた感じかと思ったら、次の日には怒りモードに。混乱する政宗だったが、実際には吉乃と政宗が話しているのを見られて愛姫も混乱していたのだ。
吉乃から政宗は愛姫しか見ていないと言われ、さらに戸惑う愛姫。ふらふらと歩いていると赤信号の横断歩道にふらりと飛び出し、間一髪で追いかけてきた政宗に救われ…。そこで終わりかと思ったら、車に乗っていたと思われる女性が駆けつけ、無事を確認し、政宗を見てなぜか「お会いしたかった…」と抱きつき次週へ。政宗いわく「誰?」

愛姫の心の変化がよく伝わった回でした。政宗への気持ちに混乱きたしているのは過去のトラウマも関係しているようで、どんな過去なのか、これから明らかになっていくのでしょう。
政宗もまた、恋愛なんてよくわからない状況なので、愛姫への気持ちがよくわかっていない。復讐とは言うものの、政宗も心の変化が始まっている感じです。このあたり、いかにもラブコメチックで面白いです。
ようやく始まるかと思ったら、また余計な人物の登場。さて、いったい何者なんでしょう。政宗に記憶がないということは、政宗に似た誰かのことを思っているのだろうか。{/netabare}

5話…はいてないのか?
{netabare}突然現れた謎の少女、可愛い女の子に政宗は困惑するばかり。そして怒りを表す愛姫。その子は政宗を追いかけて転入してきた。名前は「藤ノ宮寧子」という。
愛姫に宣戦布告とばかりに挨拶に向かうが、その時に寧子がはいていないことが判明。政宗に突っかかる愛姫、裏拳が先生に当たり、二人は罰としてプール掃除に。
仲良く喧嘩する二人。愛姫がプールに落下、助けようと政宗が飛び込むものの、足はつき、そこからまた言い合い。そこで投げ掛けた愛姫の本当に好きなら「キスするとか」で次週。

「寧子」を「ねこ」と読ませるとは芸が細かい。伊達政宗の妾の一人で長子の秀宗(宇和島伊達氏の祖)を産んだ別名「猫御前」から来ているんだろうね。
スレ違いとライバル(っぽい)、うんうん、ラブコメの王道みたいで良い感じです。寧子のはいてないは唖然としましたが。
政宗が愛姫以上に鈍感なのがポイントかも。愛姫には復讐って言い続けているものの、政宗もまたワケわかんない状態なのが見てとれます。このまま王道のラブコメで進んでほしいです。{/netabare}

6話…白そうに見えて黒だと思う
{netabare}キスするとか…と言って政宗を探る愛姫。政宗は覚悟を決めて(?)キスしようと迫るが、当然のごとくアッパーを食らう…。互いによく分からない状況である。
プールから離れたあと、寧子と遭遇。寧子の心遣いと可愛さにちょっと気を向ける政宗。それを見ていた吉乃は寧子の素性を探ろうと寧子を尾行するが、ばれてしまい、対峙することに。そこへ政宗の母が現れ、家へ連れ込まれる。寧子が居たのは政宗の家の前だったのだ。
帰ってきた政宗は驚くが、寧子と吉乃と政宗家族で夕食をすることに。その後、花火を楽しむが、政宗は寧子の姿を見て心が動かされる。吉乃からは心変わりしないようにと言われるが…。帰り、寧子は政宗が隠しておいた過去の写真を盗んできた。その写真を見て何かひらめく寧子。政宗の母が寧子を知っているようだったのだが…。

なかなか近づかない政宗と愛姫に割って入ってくる寧子、実に良い展開です。その寧子はどう見ても分けありなんですが、一体何が目的なのか?
この作品は主人公が鈍感ではなく、思いが分からないのが面白いです。どんどんハマっていく感じがツボです。{/netabare}

7話…落としたのは…
{netabare}夏休み、愛姫の別荘に政宗たちが行くことになった。ここで進展しないとばらすと吉乃に言われ、勝負に出る政宗。愛姫宅の秘書の由井崎の前で付き合っていると宣言したのだ。女子の前ではプライドの高い愛姫は仕方なくそれに従った。
由井崎は男嫌いだった愛姫に彼氏が出来たということで面白くない。肝試しで政宗を驚かしてカッコ悪いところ見せようと企んでいた。一方、政宗は愛姫が怖いものが苦手なのを良いことに、吉乃を使ってカッコいいところを見せようと企んでいた。由井崎の前にジェイソン姿の吉乃が現れ、ドタバタに。由井崎が気を失い、政宗が由井崎をおんぶして連れていき、そこで由井崎が政宗を認めたのだった。

政宗と愛姫の距離が縮まりそうで縮まりません。政宗は意地でも愛姫を振り向かせようとするし愛姫は恋愛感情が欠落してます。このドタバタラブコメがいつまで続くのやら…
寧子、口からだしてたのは血糊じゃなく、本物の血じゃない? いくらなんでもこのシーン多いように思います。ひょっとして、病弱なんじゃ…{/netabare}

8話…そこまで惚れられたら…
{netabare}島から戻った政宗は相変わらず筋トレ。そこに、なんとなんと愛姫から電話が。何でも、政宗がバッグをひとつ忘れてきたらしい。宿題をしようと机を開けたら例の写真がない。政宗は寧子が持っていたのではないかと疑う。
せっかく愛姫と二人きりで会ったのに、上の空の政宗。愛姫は怒りで帰ってしまう(しっかりと食べるものは食べて)。そこに寧子から電話があり、政宗は意を決して寧子の家に。
寧子の家に行き、政宗は写真の行方を探る。こっそり部屋に入り物色してると寧子が…。写真はしっかりと寧子が持っていっていた。そこで政宗は自分の過去を語る。その過去はデブだった頃のつらい過去で、そのために黒歴史として閉じておきたいものだった。しかし寧子は言う、デブでも関係ない、好きなんだと。ぐらつく政宗だったが、寸前のところで振りきり、愛姫を選ぶ、それが俺の復讐だと。
フラれた寧子は翌日行方をくらました。秘書が政宗のもとにやって来て問い詰める。秘書が寧子の本当のことを話す、寧子が病弱で大量の薬を飲んでいて、それを残したまま居なくなったと。政宗は寧子を振り愛姫を選んだと話す。

寧子は何なんだろう…政宗が本気で好きなのは分かったけど、何者なのか分からないからモヤモヤです。愛姫を選んだとみんなの前で宣言した政宗だけど、あの残虐姫を思い通りに落とすのは簡単ではないと思うが、はたしてどう展開するんでしょうか。すごく気になります。{/netabare}

9話…愛姫はそっちの方が好きだった
{netabare}寧子が居なくなり、みんなで探すことに(政宗の告白はスルー)。なかなか見つからないことに焦る政宗は学校で愛姫とばったり。愛姫は寧子が嫌いだけど振られた時の気持ちが分かるというのだ。解せない政宗は豚足を聞いてみるが、愛姫はキョトンとするだけ。そんなとき、屋上から紙飛行機が落ちてくる。政宗は寧子が好きになった漫画のシチュエーションを思いだし、屋上へ行くと寧子がいて、すぐに病院に運ばれた。
病院で寧子は愛姫と政宗を個別に呼び出し、思いを伝えた。政宗にはこれまでのいきさつを話した。病気でどうなるか分からない、思い残すことは恋をしてみたいということで、選ばれたのが政宗だったと。しかし、後悔はしていないという。政宗には伝えなかったが、寧子は幼い頃に政宗に会っており、思いを感じていたのだという。
寧子は愛姫には政宗が愛姫に本気なこと、素直になった方が良いと伝えていた。愛姫は分からなくなっていた。政宗のことをどうしたらよいのかと。愛姫には過去に好きになった男の子がいた。その子はポッチャリしていて愛姫の好みだったのだ。そんなとき、目の前にポッチャリした子が現れる。自分は「まさむね」だと名乗った。

寧子の気持ちが切ない…。本気なのか、作りなのかを曖昧にしたままだけど、多分、初恋の相手なのだろうと思います。はじめは適当だったはずが、幼いときの思い出と重なっていったのかな。
愛姫の好みはポッチャリだったか…。政宗はまさに逆のことをしていることになるな…。恋心は政宗が突然消えたことで破れて、それ以来、男を信用できなくなったということなのか。う~ん、ラブコメ終盤のスレ違いが続くのか…しかも、偽者まで登場かよ。どうなることやら…{/netabare}

10話…その展開は頭になかった
{netabare}愛姫の前に突如現われたぽっちゃりボーイ、「雅宗兼次」(がそうかねつぐ:通称マサムネ→たぶん自称)。安達垣家当主のお墨付きを持って、愛姫の婚約者だと名乗り出た。動揺する吉野は政宗に連絡しようとするが、繋がらない。政宗はなぜか山篭りをしていたのだ。
筋肉増強してようようと新学期登校してくる政宗の目の前に、海外で手術を受けて元気になっている寧子がいた。驚いた政宗はさらに、愛姫がぽっちゃりマサムネと歩いているのを発見した。それでも自分の敵ではないと言い聞かせて愛姫にお土産を渡しにいくと、ぽっちゃりマサムネが愛姫と親しくしていて、さらには許婚であると宣言した。
動揺する政宗、吉乃に真意を確かめると許婚の件は本当で、しかも愛姫は恋をしているというのだ。
政宗はマサムネを追いかけた。運動ができて勉強もできる、しかも誰とでも打ち解けられ、信頼も寄せられると、いいこと尽くめ。さらに、マサムネは愛姫の取り巻きたちにも信頼され、政宗を取り巻きたちの標的に仕立て上げた。
文化祭で白雪姫をすることになった政宗の組と愛姫の組。どちらが良かったか、投票で決めようということになった。政宗の組は白雪姫が小十郎で王子が政宗、愛姫のほうは白雪姫が愛姫で王子がぽっちゃりマサムネだった。


ここに来てこの展開はいかがなものか…。ぽっちゃりは寧子が前に言っていた似てるとかなんとかいっていた奴だと思う。なら仕掛け人は寧子?
それにホの字になる残虐姫が単なるデブ専にしか見えないところが下手な脚本だと思います。過去の政宗のことを思い出してという表現があれば、全然違いけど、今のところ見えてません。それと、政宗が単なる復讐なのか、実は愛姫に惚れているのかも全然伝わってきません。取り巻きたちも邪魔でウザイだけ、ラブコメになってない。ヒロインの魅力も感じられないし、これでは…。あと2回かな?ちゃんとラブコメで終わらせることができるのだろうか…{/netabare}

11話…「やられたらやり返す、倍返しだ」…でもこの行為は犯罪です
{netabare}白雪姫で競うことになった政宗と愛姫&兼次。委員長は蜷川幸雄並みにノリノリで演出する(逃げる小十郎)。
政宗と兼次がばったり出会うが、兼次の言葉にたじろぐ政宗だったが、兼次の女の子への対応をメモる政宗だった…。
突然現れた兼次だったが、兼次の家はかなりピンチだったらしい。そこで目を着けたのが愛姫で、過去のこと(過去、おデブ政宗にホの字だったこと)を知って近づいたのだという。
本番当日、政宗は風邪をひいた。寧子に保健室に連れていかれ時間まで安静にとの配慮だった。そして政宗は愛姫のお付きの一人に拉致監禁された。主人公が消えたらそれでおしまいと考えたお付きの者たちのバカな発想だった。
一方、着替え場所を探していた兼次は謎の白雪姫の老女によって倉庫に閉じ込められてしまった。老女は吉乃だった。
主役を失った両クラスは対応に苦慮したが、政宗は機転を利かしてアホの子から逃れて脱出した。愛姫の方は兼次不在のなか、演劇を始めてしまった。

拉致合戦…。それにしても取り巻きのウザいこと。終盤に来て要らない子達だ。原作通りなのか?
兼次の近づいた理由が自分の家の安定化にあっただなんて、薄っぺらい。それよりも気になったのが、女子更衣室に入っていったことだ。自然に入っていった感じなんだよね。しかも慌てた感じもしないし。まさか、まさかだよな、兼次は女の子?
それにしても、最終回手前なのに、政宗と愛姫の互いの感情が分からない。どう決着つけるんだろう…。最後でまるっきり評価が違うことになりそう…。{/netabare}

12話…俺たちの恋愛はこれからだ!…原作読めということかい…
{netabare}難を逃れた政宗が見たのはすでに上演が始まっていた愛姫のクラスの白雪姫だった。完璧なまでの内容に動揺する政宗。とともに、雅宗がいないことでぶち壊れるのは心苦しく思った。肝心の吉乃は舞台で雅宗の行方はわからない。政宗は自分が出ると言い、舞台に上がる。熱で朦朧としながらも演技をする政宗、クラスの連中も乗ってくれる。そして、ラストのキスシーン。ふらふらだった政宗は本当にキスをしてしまう。
この後、政宗は完全にダウンしてしまい、自分のクラスの白雪姫は演じることはなかった。後日、打ち上げでカラオケに。政宗は…音痴(全カット)だったらしい。帰り、愛姫と二人きりになり、いいところになりそうなところでおしまい。

う~ん、実に中途半端で終わってしまった。雅宗はなんだったのか分からないし、二人の関係もあいまいだし、どこからどう聞いても幼少のころに聞いた「豚足」は吉乃だったのにそれがあいまいだし、全部あいまいなまま終了です。原作を読んで納得させようか…{/netabare}

ラブコメらしいラブコメ展開で進んできたので、かなり楽しめた反面、回が進むごとに心配になってきました。どこをどう転んでも12話では収まりきれない伏線の張り方と、謎。最後まで見てやっぱり…という感じでした。二期がないとこのモヤモヤはどうにもなりませんが、なさそうな気配がしてなりまえん。あとは原作で補完しようと思います。ここが残念でした。

主人公とヒロインのの二人、政宗と愛姫、これまた最後まで感情移入ができないまま終わった感じです。これは、過去にあった出来事の掘り下げが薄いからにほかなりません。政宗の感情が復讐のためから変わったのかどうかも分からないし、愛姫の気持ちも今の政宗を本心ではどう感じているのかも分かりません。これも原作補完なんでしょうか…寧子や吉乃のほうがヒロインぽいし、ちょっと残念でした。

作画はまずまずだったと思います。OP、EDもなかなか良かったです。特にEDは80年代アイドル風の曲調に愛姫と寧子のデュエット映像がどこからどう見ても「無表情アイドルデュオ」(つまりWink)ぽくて、懐かしさを感じて良かったです(これってAT-Xだけだったとか)。

ラブコメとして楽しめる作品でした。ラブコメ好きな人にお勧めします。また、原作で補完することも忘れずです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 46
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「ただしイケメンに限る」という世の中の真実を描いた社会派アニメ(嘘)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
わりと王道なラブコメ。ただ、色んなキャラクターの「(あくまで恋愛面の)策略」が入り乱れ、その部分が作品の個性になっています。

突き抜けたものはないけれど、安定感があり、安心して観られる作風です。

2期あったら普通に観るレベルには楽しめましたね♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
ストーリー的には、政宗の策略やら他のキャラの策略やら、そのへんが見所ではありますが、早い段階から、最終的にはリベンジを超越し、政宗と安達垣さんがくっつくであろうことが見えているので、そこでのワクワクは少なかったかな(原作連載中ですし、それは2期かな)。

ただ、キャラは良かったです。

一番好きだったのは、藤ノ宮寧子。序盤の影がありつつもあざと可愛い時も良かったし、手術後の、政宗への恋心を冗談で隠す切な可愛い時も良かったです。特に術後かな。なんか、「とらドラ!」の「あーみん」を見ているようでした。かなり萌えポイント高かったです(腹かっさばいた発言とかw)。

二番目に好きだったのは、小岩井吉乃。いや~、主君に忠誠を尽くしつつ裏で動くとか、ホントに「スイムスイム」でしたねw かなりひどいことをやりつつ、隙を見せない師匠が10話で見せたパンチラは、パンチラのお手本です(笑) むしろ、政宗君には師匠をデレさせてほしかった!

三番目に好きだったのは、上記二人とはぐ~んと離れて、木場菊音。これは剣道部補正入ってますが、基本的にボーイッシュなキャラは好きですね。アホから生まれたアホの子、で一気に評価が上がった。剣道少女にスパッツは鉄板ですなw

と、ここまで書いていて、メインヒロインの安達垣愛姫が個人的ベスト3にいません。美人で、金持ちで、貧乳で、ツンデレと、一通りの要素は整えているものの、それ以上というものもないかな。大食いっていう弱点も、序盤以外は機能せず。まあ、過去の失恋を引きずるあまり男性不信になったというのは特徴的だけど、にしては、わりと序盤から政宗にデレかけていたのがイマイチでした。どうせなら、とことん冷たくしても良かったのでは?

似たようなキャラでいくと、「俺ガイル」の「雪ノ下雪乃」と比べてしまうと、やはり「冷たさ」「容赦のなさ」でも、明らかに雪乃の方が上。だからこそ、デレた時の破壊力も抜群!

本作はハーレムアニメではなく、あくまで政宗と安達垣さんの純愛ストーリーだと思います。複数ヒロインが出つつも一人のメインヒロインを追いかける場合、やはりそのメインヒロインが他のヒロインよりも圧倒的に魅力的でなければならないと思います。

安達垣愛姫は、それほど悪いキャラだと思いませんし、他の作品であれば十分にヒロインを張れたと思いますが、やはり、ネコや師匠といった強キャラにのまれていたように思います。

あと、主人公の政宗君ですが、ダイエットにより容姿端麗になったものの、中身はダサい豚足のまま、という設定は面白かったです。

ただ、序盤からかなり全方位にモテモテで、優しくて良い奴で、安達垣さんに(実質)惚れるのも早く、「リベンジ(復讐)」という負の感情が形骸化し、言葉だけが虚しく響いている感じがしました。「なんかあんた幸せそうだし、リベンジなんてやめたら?」と、何度も思いました。どうせなら、序盤から中盤は、心底ヒロインを嫌い、視聴者からも嫌われるくらいの覚悟が欲しかったです。どうせ、最後には男女ともデレるわけだし。やはり、政宗君が一番生き生きとしてたのは、師匠に虐げられている時でしたよw
{/netabare}

【OAD評価 ☆3】
{netabare}
従姉妹と叔母さんが登場。序盤のメイクのクダリなど、ギャグは良かった。2期に向けての顔見せかな?

旅行編。師匠が恋バナで追い詰められるところは良かった。最後にちゃんと、恋愛入れてきたし。

師匠のお出掛け編。惚れさせて、捨ててやろう(笑) その毒舌の後に、愛姫のところに駆け寄る笑顔がまたね、素敵でやられた。やっぱり、師匠がメインヒロインでは?

総じて、たくさんキャラを出し、軽くてちょっと深い、OADとして非常にバランスよくできてましたね。
{/netabare}

【余談 ~ただし、イケメンに限る(苦笑)~】
{netabare}
以前、「今夜比べてみました」で、グラドルの祥子さんが「男の色気を感じる部分」ってことで、「ヒゲの剃り残し」「1日洗ってない臭い」なんて言ってました。

でもそこに、明らかに(イケメンの)という単語が隠れてましたね。んでそれを、フットの後藤さんなんかが華麗にツッコんで(笑)

その後、実際に、メンクイだってことも分かったし。なんか、このアニメを思い出しました(笑)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
ん~、男性視聴者にひがまれなければ良いな(笑) ヒロインのアキ、弱点見つかるの早すぎ。何気に作画が良いね。安達垣さんを裏切る小岩井さんを観てみたいな、スイムスイム(水瀬いのりさん)だけに(笑)

2話目
小岩井さん、やはりスイムスイム(笑) キャスティング、狙ったよね?(笑) う~ん、設定とか色々面白いけど、登場人物の誰にも好感を抱けないっていうのも、どうなんだろう?

3話目
テストの結論は悪くない。魔法少女(笑) う~ん、安達垣さん、デレるの早すぎだし、弱さを見せるの安易すぎ。

4話目
なんか、神のみぞ知る世界、みたいになったな。分かりやすく、デレたw 小岩井さんと政宗のラブコメを観たくなってきたw 新キャラ登場。

5話目
新キャラの藤ノ宮寧子、良いキャラしてるなw コメの要素が増してきた。政宗と安達垣は、このくらい言い合ってる方が良いね♪

6話目
ネコはこれ、政宗を惚れさせて、ふろうとしてる?(政宗と同じこと)。つか多分、ネコも昔は太ってたのかな?

7話目
ネコの在り様がよく分からないな。ふ~ん、この展開でネコが本気で政宗に惚れるってのもありだね。う~ん、ネコはこれで病弱キャラか。萌えポイント高し。

8話目
う~ん、過去の真実&未来の結末が分かっているだけに、政宗と安達垣さんの展開にはあまり惹かれないな。どんでん返しがほしいな。ネコには興味があるな。意外と何にも因縁がなかった(笑) う~ん、やっぱり安達垣さんよりネコが好きかな。

9話目
お魚くわえたドラネコ~♪ 追っかけて~♪ いや、違うけどねw 居なくなったネコを皆で捜索。ネコ、味のある良いヒロインになってきたけど、ここでメインストーリーからは退場かな? 残念。

10話目
偽政宗登場。こいつがOPに出てて真政宗登場人物対決してる時点で、実は安達垣さんが太っちょ政宗を好きだったこととか、その他色々予想がついちゃってつまらないんだよね。いや、だから竹刀の握り方、1カット目は逆(本来は右手が上)だし、2カット目は両手の幅がくっつき過ぎ且つ、手首が有り得ない方向に曲がってるよ。ハイ、やり直しねw 師匠のあざといパンチラに萌えたw

11話目
パロディ満載でしたね。恐ろしい子w 小十郎とネコのカップリングですか。悪くはないかな、小十郎、良い奴だし。ヤバイ、やっぱりネコが可愛すぎる♪ アホから生まれたアホ太郎w

12話目
てっきり、ダブル王子さまで対決する流れかと思ったら。劇の後にキレる師匠が観たかったな。ちゃんとした曲でカラオケやるんだなw 現役高校生が歌うには、曲のチョイスが古い(制作の年がバレるぞ)w
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 39

83.4 8 2017年冬(1月~3月)アニメランキング8位
クズの本懐(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (1032)
5281人が棚に入れました
報われない恋 切ない恋 片想い それってそんなに美しい物ですか 高校二年生の安楽岡花火は、叶わぬ恋に身を焦がしていた。大事な人を傷つけ、傷つけられながらも求めてしまう人のぬくもり。これは、あまりにも純粋で歪んだ恋愛ストーリー。

声優・キャラクター
安済知佳、島﨑信長、戸松遥、井澤詩織、野島健児、豊崎愛生

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

正直者の本能。言葉が巧み。あとエロい

原作、ドラマは未視聴です。

安楽岡 花火(やすらおか はなび)と、粟屋 麦(あわや むぎ)にはそれぞれ好きな人がいる。
だけど、寂しさを紛らわせるがごとく、カップルのように振る舞うのだった。


開始2分でわかるドロドロ感。
人間関係の矢印は複雑です。

一般的な恋愛作品では、登場人物が「いい人」なことが多いです。
いい人だからこそ、片思いは辛いし、破局は苦しい。

でも、この作品ではちょっと違ったアプローチをしています。
それが、「クズ」というワード。


ここで「クズ」という言葉の意味を考えてみます。
似たような言葉に「ゲス」がありますが、

クズ:社会的に良くない人のこと
ゲス:人格的に良くない人のこと

という意味を持っています。

つまり、「一般的にはふさわしくない行動・思考」というニュアンスです。
これが作品内でどう表現されているかというと、「心の声」です。

とことんまで心の声を言語化。
キャラクターがナレーションで心情をぶちまけまくります。
どんな人でもよろしくない考えをしてしまうものですが、それを隠さないんです。

もし私が、

「誰にでも好かれたいか」
「キープできる都合のいい人が欲しいか」
「お付き合いしている人がいても、ほかの人とカラダの関係を持ちたいか」

と言われれば「YES」と答えます。

だってそうだもん。
実際には理性やプライドで抑えるわけですが、本音は違う。

その本音をぶっちゃけて、

「無意識ではこう思ってるんだよね」
「社会的には良くない考えだけど、誰でも多少は思うよね」

果ては、

「理性やプライドで抑えてるんだよね」

と、根っこの部分を言葉巧みに語ります。
だからこそ、クズであり、説得力があり、同時に共感できる部分もある。


また、各キャラクターに「変化」が描かれており、話全体のテーマとなっています。

要するに、

* 社会的に良くない行動をする
* なぜそういうことをするのかを論理的に説明する
* それが本能的ながら、説得力がある
* 本音同士をぶつけあって、各キャラクターの行動が変わる

という仕掛け方をしたお話です。


欠点は、

* コメディは少なめで、基本は重い
* キャラクターを好きになりにくい
* 言葉が多く、集中する必要がある
* 次回に対する引きが弱い
* ストーリーそのものに衝撃はない

しかし、共感できれば満足感は強いでしょう。
一話一話、多くの言葉で心情を語るため長く感じますが、見た甲斐がありました。
お腹いっぱい。


絵はとてもきれいです。
キャラデザインも好み。

色は2~3色しか使われておらず、動きも少ないです。
ただ、ぼかし効果や白を混ぜた色調のため、清潔に見えます。
そして、瞳がしっかりと描き込まれているため、美しく見えるのだと思います。

OP・EDも曲・絵ともに素晴らしいです。
耳に残るしリズムも取っちゃう。
セックスを表現したEDは、非常に強いインパクト。


あと全体的にエロいです。
背徳的で官能的で本能的。

百合があるので苦手な方は注意です。
好きな方はおいしいかもです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 65

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

大人びた高校生たちのトレンディ恋愛ドラマ 子供っぽい制服に違和感あり

2017年放送のテレビアニメ ノイタミナ枠 全12話

原作 横槍メンゴ 監督 安藤正臣 構成脚本 上江州誠 キャラデザ 黒沢桂子
制作 Larche

この作品は、原作「月間ビッグガンガン」、ノイタミナのアニメ、フジテレビのドラマ(全12話)が同時に終了したそうで、幸せな作品ではあったと思います。

主要登場人物は少なく各人のモノローグで物語は進みます。

安楽岡花火 CV安西知佳 代表作は響け!ユーフォニアムの高坂麗奈
粟屋麦  CV島﨑信長 中堅声優 デートアライブの五河士道など
鐘井鳴海 CV野島健児 ベテラン セーラームーンCrystalのタキシード仮面など
皆川茜 CV豊崎愛生 中堅かな けいおんの平沢唯
絵鳩早苗 CV戸松遥 中堅 いまだに絶チルの三宮紫穂のイメージです
鴎端のり子 CV井澤詩織 中堅 ガルパンの園みどり子(そど子)

6人の登場人物のそれぞれの私小説風な青春群像劇と言うことで、前半は純文学風、語りが終わった後半はトレンディドラマ風と絶妙な構成ではあります。

高校生では分かりませんが、大学生レベルでは一般的な恋愛模様で、年齢層を下げたことによりやや衝撃性を加えたものかと思います。

そのため高校生ではありがちな、うぶな恋愛(失恋あるのみ)とは違った達観した感情が描かれてしまいます。

大学生と言うよりは大企業のOLに近いような恋愛を、自然なJK制服(エロゲ風ではない)の少女で描くことが、この作品のトリックでしょうか。

同時最終回と良いスタッフに恵まれ、名作アニメと言って良い作品に仕上がりましたが、個人的には好きなタイプでは無かったみたいです。

演出家出身の安藤監督はホワイトアルバム2が初監督で最良の人選だったと思います。
割と高予算作品のようでいろいろ目を奪われる豪華なシーンが多いです。

一見さんお断りのような高度な作品のようなので、近い内に観直して再評価必須のようですね。

好みはともかく良い作品で間違いないと思います。

ラストに向かって静かに揺れ動く花火の心模様が印象的でしたが、群像劇のため分散してしまったのが残念でした。

タイトル詐欺なので純な恋愛作品が好きな人なら必見だと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 42
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

めんどくさい男女間の恋愛模様を描いた作品…初恋の終わりと本物を探す答えを問う

高校生と先生の恋愛観を一人の女の子目線から描く物語といったところでしょうか。どろどろっぽいですが、単に「めんどくさい」恋愛と見た方がいいように思いました。
好きな相手に好きって言えず、ズルズルと似たような状況の男の子と恋愛にもならない付き合いをする日々。好きな先生の思い出に浸り、だからなんだ…と言いたくなります。その先生の相手の女性教師、どう見てもビッチでしょう。この流れだとそんな予感がします。

と、なんだかんだと言いながら見ちゃうんでしょうね…だって面白そうだし。

2話…どうしてこうなった?
{netabare}めんどくさい二人にさらにめんどくさい幼馴染みと親友が加わりました。
花火の麦に対する気持ち、最初とは違ってきているけど、気づかないという展開なんだろうか。ただ、最後にえっちゃんとやっちまってgdgdがさらに大きくなりそうな悪寒。どうしてこうなった。
麦は花火以上にめんどくさい男と見た。ビッチ先生一筋なんだろうが、イメージがでかすぎて花火にキス以上のことができない。のり子(自称モカ)は麦に何されても良い感じなのにキープにすらなっていない。据え膳食わぬは…と思うが、ピュアっていったらピュアだし、あ~めんどくせぇ~。{/netabare}

3話…花火「あ~めんどくせぇ」(視聴者の多くがそう思ってるっちゅうの)
{netabare}えっちゃんは花火に恋をしていた。花火はそれに気づかないまま泊めていたのだ。我慢しきれないえっちゃんはとうとう…(で、最後までいったかどうかは不明)。もやもやの花火、これまでの言動がブーメランとなっていて心を襲う。
一方の麦、厨房時代のことを思い出す。心が寂しい先輩にいいようにされていたこと。そこに花火が訪ねてくる。麦のベットに入り込む花火、麦は焦る、男全開だったからだ。(中略)。行為が終わったあと、二人でファミレスへ。そこにのこのことビッチ先生が若い男を連れてくる。疑う花火、麦は家庭教の教え子だという。ビッチ先生に向き合う花火、何だか火花散りそうなところで次週へ。

花火軸に展開しているから、花火の心の動きはよく分かります。形は違えど、いろいろフラフラしたり、気持ちが明後日に行ったりした覚えがあるし。麦もビッチ先生のことは全部分かっているんだけど、気持ちが否定しているのだろうと思います。
思っていた以上に青春のボロボロ感が出ていて面白いです。いよいよビッチ先生の本領が発揮されそうで、gdgdがさらに倍になりそうで…楽しみだったりします(変だろうか)。{/netabare}

4話…鳴海「あまりにも出来すぎている」(あんた、幸福者だわ)
{netabare}茜の過去が語られる。茜は他人のものを搾取するのがたまらないのだ。その為に美人であること利用する、可愛らしさを演出する。他人が評価しなくなった男には興味がなくなる。まさしくビッチ先生であった。花火を見て花火から奪うことを考えていた。同族と思ったようだ。
お兄ちゃん(鳴海)は茜と初対面で惚れた。母親を亡くしていた鳴海は心に穴があり、穴を埋める存在が茜だったということなんだろうか。そして茜に告白した。それを花火に見せつける茜。クズというより見事なクソ女っぷりである。
心が病んだ花火は麦の家に向かうが、躊躇して帰る。その時、えっちゃんが声をかける。完全にストーカーである。花火に迫るえっちゃん。花火は分かっていても止まらない。二人で家に向かい、ベットに押し倒すえっちゃん。もう止まらない(自己規制のため後略)。
再びビッチ先生こと茜と対峙する花火は問う、好きでもない男に好かれて楽しいかと。茜は答える「男から向けられる好意ほど気持ちいいものはない」と。

心が錯綜してるなぁ…。茜みたいなクズ女に穴に落とされる男が一番悪いんだけどね。気づけよ、っていっても夢中になったら男って見えなくなるからなぁ。これだけ荒いと過去に捨てた男とトラブルになっていそうなもんだが、さすがにそこまでは描かれないか。
花火はとうとうえっちゃんと一線を越えちゃった。本懐遂げたのはえっちゃんだった。花火は思っていたり、考えていたことがブーメランとなっていて刺さってくる。こういうところが茜に同族と見られちゃうんだろうな。
今週は麦なし。麦は茜のこと全部分かっていて好きなんだと思うんだが。一番大人なのは麦だったりするかも…いやいや、花火とのこと見ているとお子さまだし…。やっぱりこのアニメめんどくせぇ。{/netabare}

5話…花火「なんでかな」(知ったこっちゃない、勝手に悩め)
{netabare}花火がえっちゃんとともにベットで朝を迎えるなか、麦はビッチ茜のことを思い出していた。麦は全部を知っていた。それも含めて好きなのだ。何かモヤモヤするものを解消すべく麦は先輩を呼び、体を求めた。
モヤモヤしていた麦と花火が屋上で会う。キスをするが、今までとは違う感じで気持ちいいらしい。互いに別の人としていたことが分かった。麦に家に行く花火はしてほしいと願った。もはや約束はどうでもよくなったくらい心がモヤモヤだ。しかし、最後の一線は越えられなかった…。
一方、茜は心が空っぽだった。退屈感だけが残り、鳴海と飲みに行く。酔った茜が倒れそうになるのを鳴海が助ける。その時、鳴海から花火の名前が出たことに茜の心が燃えた。ホテルへ行き、鳴海と…。
翌日、茜が花火とスレ違い様に「昨日しちゃった」と言い次週へ。

茜が現実に先生やっていたとしたら、ビッチ先生としてとっくに学校中に噂広間って辞めていると思う。風俗行って男タブらかした方がいいでしょう。
鳴海と本当にしたのか?たぶん、してないんじゃないかなと思います。この作品なのにキスだけの描写だし、してない方が面白いです。茜にとって屈辱だと思うし。
麦と花火の関係も微妙だなぁ…。近いようで精神状態は全く逆です。花火の方がよりぐちゃぐちゃです。麦はなんだかんだで花火をよく見てます。どうなるんだろうね、この二人。{/netabare}

6話…麦「疼くよ、俺のクズ女レーダーが」(便利だな、そしてお前もクズだがな)
{netabare}クズ女から攻められる花火はどんどん迷走していく。麦に付き合おうと言い、えっちゃんとは友達に戻ると言う。しかし、えっちゃんは花火を逃さない。えっちゃんはえっちゃんで、堕ちていく花火が見たいし、すべてを受け入れるという考えだ。
ある日、クズ女とファミレスに来ていたクズの教え子とばったり。奪ってやると考えたものの、男はクズが二股どころでは無いことを承知で付き合っていたのだ。ぐちゃぐちゃな花火だが、最後の一線は越えられない。
麦はえっちゃんからカマをかけられるが、クズ女レーダーが反応した。モカが現れ、麦になんだかんだ言いながらデートの約束を取り付ける。

もう、ぐちゃぐちゃすぎて笑うしかないです。よくもまぁこれだけの男女関係を描けるものだ。でも、前回も書いた通り、ビッチ先生は噂流してしまえば簡単だと思うんだけどな、今ならSNSとかいろいろあるし。といっても、花火の人間関係が絶望的過ぎるからな…
最後、どうまとめるんだろうか。まとめ方で最後の印象全然違うでしょうね。ホント、めんどくせぇ…{/netabare}

7話…のり子(本人いわくモカらしい)「ハッピーエンドでなければ、消えた方がいい」(じゃあ消えるだろう)
{netabare}お嬢様気取りのモカ(のり子)、実は普通の家の子。自ら作ったキャラだ。麦とデートのためにいつも以上に可愛くいないといけないらしい。
一方の花火はビッチの教え子とデート(?)。このチャラ男、清々しいくらいのバカである。とにかく花火にやろうぜと迫る。「男の性欲なめんなよ」…実に清々しい。花火は難を逃れた(?)
モカとデートする麦。モカは麦が本気で好きだから…実は言い訳だった。モカは可愛いことを利用していた。麦にどうしても自分を好きでいてほしい、その一点だった。
家に連れ込む麦。頂けるものは頂く、男の本懐を実践する男である。が、寸前のところで止まる。モカは麦が本気では振り向いてくれないことを感じたのだ。
花火と会う麦、二人は邂逅し始めた。お互いに本気で好きな人にぶつかって砕けようと話し合うのだった。

のり子の回でした。どうしてもモカは言いたくないんですよね。正直、この子は嫌いなタイプ。一見、健気で麦を振り向かせようと可愛そうに見えるが、実のところ、自分の可愛いところを最大限に利用する茜と同じ。ただし、茜は奪うことに喜びを覚え、のり子は自分が好きな男のためだけのために他を利用するだけの話です。
当たって砕けろ…そう簡単には行かないさね。まためんどくさそう…{/netabare}

8話…麦「知っているのを知ってた」(はいはい…性欲には負けるくせに)
{netabare}えっちゃんこと早苗のいとこのアツシが登場。アツシはえっちゃんが好きだった、しかも本気で。えっちゃんには好きな人がいるのも分かっていたが、押す。えっちゃんは男は好きにならないと言い放つが、アツシは引かなかった。
麦と花火はいつも通りにキスをするが、今までとは違う。これまでは本命を思いながらだったのに、麦も花火も完全に互いを意識し始めていた。当たって砕けたあと、互いが思い重なる気になっていたのだ。
麦は鳴海に、麦は茜に連絡を取り、それぞれ告白する。麦は茜を罵ろうとするが、体がついていかない。完全に茜のペースだ。花火は鳴海に本気を伝えて鳴海の胸で泣いた。

麦よ、正直に生きよう。男は性欲の塊だ、花火にそう言え、言ってしまえ。なんだんかんだカッコつけてもやりたいだけだろうお前。どうもこの男には親近感と嫌悪感が同時に湧きます。麦の思いは分からないでもないんだな…。本気で好きだったわけだから、その目の前で近づけてしまったら、そうなるかも知れない。が、花火みたいな思い重ねる子ができたら、茜など勝手に拒否してしまうのも本当だと思う。本当に…めんどくせ~{/netabare}

9話…篤也「あんたさ、誰のことが好きなの?」(たぶん、ぐちゃぐちゃだろう…)
{netabare}待ち合わせに麦は来なかった。ダルくなっていた花火にえっちゃんから旅行の誘いがあり、受ける花火。しかし、このままずるずるえっちゃんと関係を続けるわけにもいかないと感じていた花火は決着をつけるつもりだった。
別荘に着くと、何故か篤也がいた。篤也は篤也で早苗の気持ちを察してのことだった。
二人で寝た翌朝、篤也から諭された花火の気持ちはぐらぐらしていた。街をブラブラした夜、花火は早苗と決着をつけようとしたが、早苗から話を切り出された。花火は友達でいたいと訴えるが、それは残酷な言葉でしかなかった。早苗は本気で花火が好きだったのだ。それでも引かない花火の言葉が早苗に届いた。翌朝、花火は帰っていった。
新学期、花火はボッチだった。のり子に渇を入れられ、ハッとする花火。一方、その頃、麦は茜の家庭訪問という名の…

花火はけりを着けたのですが、誰かに頼らないと、思いを寄せないとふらふらな娘。いるよね、こういう人。この感覚は分かりません。一人だって良いじゃない、人間だもの(かぜを) そうやって強くなっていけば良いのだけど…。
篤也が大きな鍵を握るとはね。あまりにもストレート過ぎて引いてしまうが、この作品のなかで一番の常識人に見えるから不思議。どんだけクズが揃っているだろう…。
さてさて…クズオまっしぐらな麦はビッチ女の虜。この二人、不幸にならないかな…そう思ってしまいます。ホント、クライマックスに近づいてもめんどくせ~。「冴え…」のCM見て、早く始まらないかなとマジで思ったこの回でした。{/netabare}

10話…考えが薄い男女がやっているだけ
{netabare}茜に翻弄される麦は茜の体から逃れない。茜にデートを申し込むも、簡単に突っぱねられた。茜曰く、その日は鳴海の日だという。茜の過去が語られる。(でも薄い、薄っぺら過ぎて腹が立つ)。モヤモヤした麦は行くなというが…。
鳴海とのデート、今度は茜がモヤモヤしていた。鳴海は体を求めてこないからだ。こんなタイプは今までいなかったので戸惑っているのだ。もういいやと思ったとき、過去に翻弄してやった男にばったり。鳴海の前での茜をくそビッチと罵って去っていった。鳴海に本当のことだと言い、去ろうとしたとき、鳴海は茜にそのままで良いからと言う。混乱する茜は麦を求めた。麦は分かっていた、茜が孤独で実は子供っぽいところを。そして自分を知り、自分が変わらきゃと思い、茜に本音をぶつけた。思わず赤面する茜だった。

ビッチとクズオの掛け合い、実にめんどくせ~。
茜みたいな性格はやっぱり理解不能。でも、麦の「子供じゃねぇか」は最もぴったりする感じがしました。体は大人で中身は子供、どこかの名探偵の逆を行っていると思います。
麦は麦で、茜を好きだと言うことがどういうものか、ようやく理解したのかな。嫌われるのが恐い、これは分かる気がする…。
さてさて、鳴海と麦に翻弄されるビッチ茜はこのあとどうなることやら…。どっちか選ばないと話が進まないし。{/netabare}

11話…(鳴海)「好きな人には元気で生きていてほしい」(この作品は最高の名言だと思ってしまった)
{netabare}鳴海と一泊旅行に向かう茜は調子が狂っていた。鳴海がこれまでの男とは違うからだ。自分のペースで進めようにも乗ってこない。鳴海は茜の上をいく自分のペースで進んでいたのだ。
茜は鳴海にぶっちゃける。しかし、鳴海は気に止めることもしない。茜は困惑する。鳴海の言葉に、気持ちに涙すら流す茜。もう鳴海を受け止めるしかなかった。というより、初めての気持ちになっていた。鳴海はプロポーズをし、茜は頷いた。
鳴海との旅行の後に、茜は麦とデートの約束をしており、律儀にもデートをした。楽しんでいる茜を見て、この人を変えたいと思う麦だったが、茜から結婚することを告げられる。不思議な感情がわき出す麦だったが、茜と別れるとき、本音をぶちまけた。茜はこれまで見せたことがない笑顔で麦と別れた。麦の恋は終わった。

茜が幸せになるのは解せない。が、鳴海みたいな男が合うのも分かります。実際に似たようなケースを見たことがあるので…。なので、けっこうリアルに感じてしまいました。
麦は思いっきり振られました。花火を思いながら、抜けきれなかった茜への思い…男ってバカだわ…って、自分にブーメランだわ…麦の気持ちが痛いほど分かるから…。う~ん…思い出してしまう、あの頃…。
もうラストだけだ。麦と花火はうまくはいかないと思う。互いに振られて、でも思いあっているから付き合う、安易すぎてそんな最後はどっちらけです。どうまとめるのか。{/netabare}

12話…(麦&花火)「でも…さようなら」(感情残したままだと将来つらいぞ…)
{netabare}月日が流れ、すでに秋深し。鳴海と茜の結婚を知り、麦とは話もしなくなっていた花火は、文化祭のステージ係された。空いた時間に校内を見て回ると、ファッションショーの出し物をしているクラスを見学。そこに、ドレスに身を包んだ美少女が登場し、会場がどよめく。のり子(自称モカ)だった。花火は曇りのなさそうなのり子を見て何かを感じた。
文化祭も佳境になり忙しく働く花火。体育館に物品を運んだついでに倉庫でサボる。ふと麦との会話を思い出す。するとそこに麦が…
月日はさらに流れて新学期。鳴海たちの結婚祝いをクラスで行うことに。またも働かされる花火。物運びでクラスの男子に手伝いをもらい、その子から告白される。戸惑っているところに現れたのは髪を短くしたえっちゃんだった。うまくフォローされ、花火も丁重に断った。えっちゃんとはまた友達になれたのだ。お祝い会。そこで茜から一輪の花を無理やり押し付けられる。「今度は取られちゃ駄目よ」と言われながら。
帰り、麦と鉢合わせになりそうなところだが、避けた。文化祭での出来事を振り返る。互いに思いを伝える。今までなら体を寄せ合っていたはずなのに避けるようにして会話する。互いに気持ちが通じ合っていることは分かったが、二人が出した答えは「でも、さようなら」だった。
桜舞い散る中気持ちを押さえながら歩き出す花火、何かを思い出したように振り返る麦。これが「二人のストーリー」だった。

まさに「平行線」な終わり方。この曲が最後の最後に生きた感じです。
これが正解ということはないのでしょうけど、これまでの流れ考えたら付き合わない答えは一番しっくり来ます。でも、最後のシーン、花火には笑ってほしかったな。この終わり方、麦も花火も思い残したままなんだもん。モカもえっちゃんもそれなりに答えだして、茜もなんだかんだ言いながらも最も幸せ掴んで、肝心の主人公がとりあえずの答えだしたけど、描写がやっぱり寂しい顔に感じたので…。うん、やっぱり笑顔だよ、笑顔。

全体を振り返ると、麦と花火の中に何が残ったのだろうと考えてしまいます。契約といいながら、互いのことを知っていくうちに気持ちが揺れて、それでも「初恋」にとらわれ、翻弄され、決着も思いっきり振られて、からっぽ。残ったのは互いを思う気持ち。実はこれが本物という気がしないでもありません。でも別れる選択をして。う~ん、最後の最後まで「めんどくせ~」{/netabare}

最初は「恋に恋しているだけ」と思ってみていましたが、そうではなく、ちゃんとした「恋心」が描かれ、それに合うような展開がされていました。深夜アニメらしく(?)、エロ描写が強かったのはもったいないけど、入れることによってより深く心情をあぶり出していたようにも思います。必要悪(もっといい表現はできないものだろうか…)なのかもしれません。

作画は綺麗でした。花火は可愛かったですね。止め絵を多用していましたが、言葉とマッチしていたので、かえって効果的ではなかったかと思います。中の人に関しては、花火はちょっと前まで麗奈でしたし、何かありそうな美少女の声が合うんですね。ほかのキャラもみんな合っていたと思います。OPの「嘘の火花」、EDの「平行線」もこの作品に本当に良く合っていて盛り上げていたと思います。

純愛でも恋愛でもない、リアルな心を表現した「心情系」または「感情系」という表現が合いそうな気がします。鬱展開の重い話に見えて、実はそうでもありません。作品通して「考える」ことが好きな人にお勧めしたいです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 69

83.2 9 2017年冬(1月~3月)アニメランキング9位
ACCA(アッカ)13区監察課(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (834)
3700人が棚に入れました
13の自治区に分かれた王国にあある、巨大統一組織"ACCA(アッカ)"。
かつてクーデターの危機により結成されたACCAは、国民の平和を守り続け100年が経とうとしていた。
ACCA本部の監察課副課長 ジーン・オータスは、「もらいタバコのジーン」の異名をもつ、組織きっての食えない男。
飄々とタバコを燻らせながら、13区を廻り不正がないか視察を行っている。
そんなジーンを見つめる視線、不穏な噂と――おやつの時間。
ジーンの平和な日常は、ゆっくりと世界の陰謀に巻き込まれていく!

声優・キャラクター
下野紘、津田健次郎、悠木碧、諏訪部順一、遊佐浩二、大川透、緑川光、安元洋貴、田中敦子、後藤ヒロキ、上田燿司、前野智昭、八代拓、宮野真守、上村祐翔、中尾隆聖、石塚運昇
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ローマは一日にしてならず、ぢゃ

原作未読


{netabare}“Kokuouheika 99 saino tanjoubi"

ローマ字かよ!{/netabare}

原作はナツメ、監督も夏目、OPAメロはケツメ(?)。OPが終ればおやつの時間。だいぶぬるめの立ち上がりでした。


黒基調のサムネと番組タイトルから受ける印象はなんか固そう。
そんな視聴前の先入観なんてどこ吹く風。オシャレでかっこよくて、でもどこかしら抜けてて、そしてたばことスイーツに満ち足りたお話でした。地上波再放送をきっかけに、途中から配信に切り替え一気に観ました。全12話です。

あらすじ:もともとは別々の国だった13の国が統一されたという経緯のある土地でクーデターが勃発。それを国王は各地方に高度な自治を認めることで平定。13区に分けられたドーワー王国のそれから99年後の世界が舞台です。平定後に発足した“ACCA(アッカ)"と呼ばれる組織の監察課に勤める職員ジーンオータスが主人公の物語。監察課というお役柄全国を飛び回ってます。そして降って湧いたクーデターの噂を耳にするところから物語が動き出し、徐々に巻き込まれていくというサスペンス系統に分類されるであろう作品です。
それでこの所属組織ACCAがなかなかパンチが利いていて、警察・消防・医療その他公共性の高い各分野を一手に担ってる強大な組織なんですが、、、
不採算でも畳めないですよね?収入源はどうなんすかね?そもそも民間に治安組織の手綱を握らせたらダメじゃん、それじゃ傭兵とか民兵じゃないですか(笑)
この設定のせいで第一印象が良くありません。企業(サラリーマン)なのか公共組織(役人)なのかで見立てが変わるからです。公に奉仕する公僕が組織の論理との狭間でどうバランスを取るのか?が面白いのに民間組織設定だと無理が生じるはずなんです。{netabare}案の定、組織の性格上かなんなのか民間ならではの営利目的な描写を匂わせることもなく、いや描くことが出来ずに役人寄りの展開で推移したのでだったらはじめから公務員でいーじゃん、と思いました。{/netabare}
またクーデター解決(鎮圧?)手段が各区の自治の担保って、それってクーデター成功と同義では?としっくりこなかった序盤です。

些末なことでしょう。が、大概そんな些細なところが没入感を削ぐものです。
イケメン二人が主役級。5長官がイケボ揃い。そして毎度のおやつタイムにオシャレな雰囲気。うーん、女子向けかな?
男子には妹(ロッタ)か本部長(モーブ)をあてがっとけば安パイだろうよ。
というアニメかと最初は思ってた節があります。まあそれも最初の2,3話くらいのこと。回を重ねる毎に面白くなっていきました。


なぜなら、ちょっと冗長そうに見えて実はテンポが良かったから。
{netabare}第1話がいい例でしょう。最初の視察地ファーマス区訪問がAパートで終了。だいたい初回なら1話丸々使ってもいいところをそうしません。{/netabare}
ゆったり進んでいるように見えて、原作全6巻のラストから逆算して12話を作りこんだのが容易に想像できます。これは完走した後に振り返ったり2周めいくとわかるかも。伏線やミスリードの宝庫だったりするのです。

“クーデターの首謀者は?目的は?”

この物語のストーリーラインの軸はクーデター騒ぎにかかる人の動きです。謎を提示し情報を小出しにしながら興味を引かせ、その横でおいしそうなものを食べてるロッタちゃん(CV悠木碧)を眺めて楽しむ感じ。シリアスと日常パートの按配が良く、テンポの良さも加わって飽きることはありません。
各区もさすが高度な自治を実現してるだけあって区毎の性格がまるで違います。バラエティに富む各区を眺めることも毎度の楽しみだったりしました。政体でいえば都市国家の集合体みたいな感じかしら?アメリカの州よりも独自性が高く、昔のドイツやイタリアのイメージに近いです。
名残が残っているのはイタリアでしょう。ヴェネツィアはもともと国だったと教科書で習った方も多いかと思います。イタリアも州毎の独自性やプライドが高く、サッカー代表アズーリよりもおらほの町のチームが大事みたいなところがあって、このへんの歴史的経緯も比較文化の観点で面白かったりしますが、本作のドーワー王国はそんな国家です。

いつも通り脱線したところで話を戻すと、キャラも脇役含め棲み分けが出来ていて名前もすぐ覚えられました。キャラ紹介は省略ね。


起承転結のある物語は“転”からが勝負だったりしますが、『ACCA』の場合は、その前段も退屈しませんでした。
そしてお待ちかね{netabare}の第8話{/netabare}。わりと早めにバカでかい“転”がやってきます。これ自分がこれまで観た中でもトップクラスの“転”の回です。テンポよく進んで詰め込まれた情報が一気に繋がる感じ。そしてまだまだ明かされない謎を残しつつ結末に期待をもたせる神回でした。
これまだ観てない人いましたらお薦めですよ。残り話数で上乗せしていき結末も納得できる終わり方。ほんと12話あっという間とはこのことだと思います。


以下、ネタバレ所感
■二度おいしい作品
完走してからもう一回リピートしたくなるのではないでしょうか?
{netabare}・「こっちは30年間見てる」(ニーノ第2話)
・第3話の成人祝賀パーティーって孫を一目見たかっただけなのね
・同じく第7話のケーキ屋さんお立ち寄りも孫とお話ししたかったのね
・りんごのケーキが最後出てきて泣きそうになった。ニーノぉ~(第8話){/netabare}
視点をジーンやロッタではない他の誰かに移して鑑賞すると見え方が変わります。

■クーデター騒ぎへの落とし前のつけ方
予想が当たった人も驚いた人も納得の終幕かもね
{netabare}我こそは正義!の推進力は強いものがあるものの、一番やらかすタイミングでもあります。路線がすでに出来上がっている中でのどんでん返し。痛快でした。{/netabare}


思えば、作品を彩ったスイーツ群もバラエティに富む各自治区の描写もサイドストーリーと思いきや、結末を迎えた後に振りかえると意味を持ったものが多くありました。
原作の出来が良いのでしょうか。予想の展開を心地よく裏切られながらハラハラドキドキ、良く練られた良作だったと私は思います。


■オマケ
アッカについてのあれやこれや。
{netabare}私事ですが趣味でイタリア語やってた時期がありました。ビジネスには全く役に立ちませんが、現地のトラットリアで意気投合しワインの一杯を奢られるくらいの実力があった時期があります。
でこのACCA。イタリア語で“H”の読みがアッカなんです。アルファベットで8番目。やけに気合の入った第8話を観了後、一人にやっとした次第です。スタッフの遊び心だったら素敵ですね。

それと、スペイン語やイタリア語などラテン語由来の言語ではHを発音しないものも多く、イタリア人は大の苦手。転じて“H”は取るに足らないもの、なくてもいいものといったニュアンスも。作中のACCAの置かれた立場を表してるかのようです。

最後にもう一つ。中田英寿というイタリアで活躍したサッカー選手がいました。愛称は『ヒデ』。現役の頃は『ナカ~タァ』で現地で通じたものですが、日本では何て呼ばれてんだで返した時に、彼らは『イデ』になっちゃってました(笑)
その彼の現地での情報発信のメルマガだったかがたしか『H(アッカ)』だったと思います。彼の性格からして、自分を取るに足らない者だなんて謙遜するはずもなく、「ちゃんと『ヒデ』って呼べや!」なんでしょうね、きっと。{/netabare}


{netabare}ムールのワイン蒸し(ベルギー)、チーズフォンデュ(スイス)、ドーワーのお城はドイツのあの有名なお城かしら?…といったヨーロッパの装いと、ハレ区は東洋、フラワウ区はアラブとさしずめ万国博覧会みたいなアニメでしたが、自分が抱いたイメージはなぜかイタリアでした。また行きたいな。{/netabare}



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視聴時期:2019年4月~6月 地上波再放送 


2019.06.18初稿
2019.12.09配点修正 +0.2

投稿 : 2024/11/16
♥ : 64
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

この作品は名作だ!!

原作未読。最終話まで視聴。

まず、本作未視聴の方のために・・・。

この作品は見るべき価値のある作品、『名作』に属する作品だと思います。
何よりも、物語が良い。
最後まで全く予想のつかない展開を見せてくれます。
この作品は尻上がりに物語が面白味を増していきますので、早々と切らないで下さいね!

ここからは視聴済みの方のために・・・。
{netabare}
重度のネタバレが含まれますので、未視聴の方は、本当に見ない方が良いかもです。m(__)m
この作品はネタバレしてしまうと、面白味が半減しますから!
{netabare}
初めは、少しスタイリッシュな作風が気に入って視聴開始。
毎回登場する食べ物(お菓子やパンとか)が美味しそうに見えて、本当に『飯テロ』アニメだなぁ・・・と。

途中からスパイ物か、推理物かと思いつつ視聴継続。

ところが、7話で一気に急展開!
8話まで見終わった正直な感想は、『あれ?もしかして名作の予感!』

8話まで見終わった時点で2巡目視聴。1巡目とは違う物語を見ているように感じた。
きっと、ジーン目線からニーノ目線に変わったせいだと思った。

{netabare}3話。国王とロッタのシーン。
7話。国王とジーンのシーン。

1巡目は何気ないシーンだと感じていたが、2巡目は全く違って見える。

国王の「ありがとう」に対するニーノの受け答え。
ニーノの声が震えている。
前髪で隠れていて表情は見えないが、ニーノは泣いているんだと思った。

8話。事故で両親を亡くしたジーンにニーノが声をかけるシーン。
自分だって同じ事故で父親を亡くしているのに、そんな素振りは全く見せずに自身の役割をキッチリと果たすニーノ。{/netabare}

このあたりから、ジーンの言動が違ってくる。

そして最終話。
{netabare}クーデターの意外な結末。そして、ニーノの上司の正体。
全てが私の予想とはかけ離れていた。
しかし、実は万人が一番納得の行く結論だったと思う。
実に見事なストーリー。
感服しました。{/netabare}
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 86
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

粋な革命

マッドハウス制作。

主題歌ほんとカッコいいですね。
作画は癖があり、人を選びますが、
洋風な街にこのキャラ絵はあってるのかも。
原作未読、登場人物は多いですが、
キャラ分けがきっちりしていて好印象。
{netabare}物語は水面下で行われている革命の話。{/netabare}
何やら不穏な噂が!?

異様な程のスイーツ推しです。
みんな甘いものばかり食べてる。
そしてもらいタバコのジーン。
タバコ吸いすぎ、大人向けの作品でしょうか。

最終話視聴追記。
{netabare}涼やかなラストでしたね。
最後まで主人公はクールで好感が持てます。
静かですが、粋な革命でしょうか。{/netabare}

ACCA13区のさらなる発展を願って。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 70

83.1 10 2017年冬(1月~3月)アニメランキング10位
けものフレンズ(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1224)
4728人が棚に入れました
この世界のどこかにつくられた超巨大総合動物園「ジャパリパーク」。
そこでは神秘の物質「サンドスター」の力で「アニマルガール」へと変身した動物と、訪れた人間たちが賑やかに楽しんでいました。
しかし、時の流れは残酷なもの。数年前の事件をきっかけに 、今では訪れる人もいなくなってしまいました・・・。
そんなパークに、ひょんなことから迷い込んだ主人公“かばん”。
帰路を目指すための旅路が、アニマルガール達も関わって、大冒険になっちゃった!?

声優・キャラクター
尾崎由香、本宮佳奈、小野早稀、内田彩、佐々木未来、根本流風、田村響華、相羽あいな、築田行子、近藤玲奈、津田美波、藤井ゆきよ
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

評判通り面白かったけど、いくつかの謎が置いてきぼり?

最終話まで視聴。

最初は「子供向けか」と少々バカにしていたけど、評判通り、とても面白かった。

初めの頃はぎこちない動きと抑揚の少ない声優さんの演技に首を傾げざるをえなかった。
だけど、次第にそれこそがこの作品の魅力だと感じるようになった。

何と言っても物語として面白いのと、物語をしっかりと下支えするキャラの良さが目を引いた。

全体の2/3は、ひたすらほのぼの。
後半1/3は、ほのぼのとした中にも、シリアスな展開。
バランスが非常に良いと思った。
{netabare}最終話。紙飛行機が飛んできたところは本当にヤバかった。{/netabare}

ところで、いくつかの謎が置いてきぼりのような???

物語(かばんちゃんとサーバルちゃんの冒険)もまだまだ続きそうなエンディングだったし、もしかして第2期とかあるのかな?

2017.04.05追記
ようつべやニコ動で12.1話『ばすてき』が公開されましたね。
けものフレンズの快進撃は終わらない!!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 112
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

古めのRPGを髣髴させる、かばんちゃんとサーバルちゃんのロードムービー

動物を擬人化した外見を持つ※1フレンズと呼ばれる少女たちの住む「ジャパリパーク」。そこに迷い込んだのが(多分)人間の"かばんちゃん"。どうやってそこに着たのか自分が何者なのかも分からない様子。

かばんちゃんはジャパリパークで初めて出会った"フレンズ"サーバルちゃんと共に"図書館"を目指します。

原作ゲームはバトル成分多めのステージクリア型ゲーム。漫画版は奈々という主人公が飼育員として「ジャパリパーク」で働く日常もの。アニメ版では世界観のみを継承し、両者とは違うオリジナルシナリオが展開される様です。

アニメでもバトルものの要素が一話にほんのちょっとだけありましたが、セルリアンという危険生物の紹介程度の意味合いで、前面に持ってくる意図は全く無い様です。作品形態はサファリパークを思わせる大自然の中を急がず焦らずのんびりと色々と見物しながら目的地に向かうロードムービーの趣です。何でもない所で立ち止まって休んだり遊んだりする光景が描かれるのはBBCの※2テレタビーズみたいな幼児向け番組を思わせてちょっと和みます。

ポリゴンモデルのキャラ表現が気になる人はいると思いますが、私は見てる内に慣れちゃいました。むしろ気になるのはフレンズの着る服のデザイン‥誰が何処で仕立ててるんだろう? ケモノっぽさはあるものの普通の萌えキャラの着る様な服でした。気にしちゃいけない点かも知れませんね(笑)

1~2話の感想
{netabare}
かばんちゃんの、非力ながら思考して、物を作ってフレンズを助けるという設定はとても良かったのですが、1話の紙飛行機のおとりはまだしも、2話のサファリバスの片割れを※橋の残骸とツタを編んで作ったロープを使って川越えさせる方法など(途中までわくわくして見てたんですが)は必然性があまり感じられず、結局はフレンズの力に頼ってしまっている印象が強かったので、もうちょっと工夫が欲しかったです。

※サーバルちゃんの怪力で車体を担ぎ上げ、川に浮かべたいくつかの足場を連続ジャンプで渡ってしまうという超力技(笑)
{/netabare}
3話の感想
{netabare}
山頂のカフェにてサファリバスのバッテリーを充電すべくロープウェイ乗り場に辿り着いたかばんちゃんとサーバルちゃん。そこでトキさんとの出会いがあり、山頂ではアルパカさんがお出迎え。

終始和やかな雰囲気で歌ったりお喋りしたり、フレンズはみんな仲良しなんですね~。静かな声で話す(歌う時以外は)ちょっと傷付きやすいトキさんにも、のんびりとしたおばあちゃん口調のアルパカさんにもそこはかとな~く癒されました(笑)

カフェに向かう道すがら(空中だけど)トキさんの話していた「この羽は動物だった頃より便利‥」という言葉は気になります。フレンズは元々ただの動物だったという解釈が出来そうですが、サンドスターの噴出とともにフレンズは生まれるのだとしたら、火山の火口とかに人類滅亡?前に建設された研究所か何かがあったりして(汗)アルパカさんにお茶の入れ方を教えた"ハカセ"という存在もその辺に係わりがある可能性が濃厚‥。

カフェに着いて、バッテリーの充電が終わるまでは、かばんちゃんの謎の思い付きでみんなで草むしり。充電が滞りなく終わって一安心したら、今度は和やかにティータイム。かばんちゃんのアドバイスとアルパカさんのハーブティーのおかげで綺麗な声が出せる様になったトキさんもご満悦。草むしりの努力が早くも実ってカフェに新しいお客さんがやって来てアルパカさんも大喜び。あれやこれやと丸く収まって良かったですね(笑)

次のシーン‥ボスがバスを急発進させてサーバルさんに追突したシーンにはゾッとさせられました。ボス、フレンズを動物としてしか認識していない様ですが、ガイドロボの行動だとしてもこれはちょっと酷い。壊れているんでしょうか?

そして終幕、短い間ですが前回から同行者として旅の仲間に加わっていたジャガーさんとコツメカワウソさんに別れを告げ、一行は砂漠エリアへと向かいます。

ロードムービー+廃墟探索アドベンチャーと言いましょうか、ゲーム好きの私は着々と旅の行程を消化していき、振り返ると広大な景色が見下ろせる様な、山登りを思わせる作風にのめり込むたちなので、1話で受けた絵柄に対する抵抗や2話のサーバルジャンプ(笑)にもものともせず、今回も楽しんで視聴させて頂きました。キッズ向けアニメの雰囲気だけど、このアニメなんかいい‥。
{/netabare}
4話の感想
{netabare}
今回はタイトル通り砂漠地方のお話。

砂漠地方では熱しやすく覚めやすい体と好奇心を持つスナネコさんが登場。移り気で一見捉えどころの無いフレンズですが、やはりそこはかとなく親切。砂漠の暑さに悩むかばんちゃんとサーバルちゃんを我が家に案内、砂から掘り出したジャパリまんを振舞ってくれました。

このジャパリまん、かばんちゃん(あるいはトキさん?)も持ってましたが、フレンズ間では周知の食料の様です。ボスの存在が広く知られている点もそうですが、私たち(視聴者)と作中キャラ(主にフレンズ)たちの間には、叙述トリックよろしく表面化されていない認識の齟齬がいくつもあります。視聴者がかばんちゃん視点ですらこの世界を見る事が出来ていないのだとしたら、不気味ながらも面白い描き方ですね。

前回のジャパリバス追突シーンも一見危険なシーンですが、フレンズの頑丈さが人間のそれとは比べ物にならないから、笑い話で済まされたという事が何となく分かりましたし、ボス(ラッキービースト)がどのエリアのフレンズにも知られている事からはボスは複数体存在するのでは?とも思われました。パークの広大さからしても、前回のボスの台詞「ぼくら」からも、1体のみ存在する訳ではないという事も推察されます。一見何の変哲も無い描写の中にも隠された謎がまだまだたくさんあるのかも知れませんね。

次のシーン、スナネコさんのお家の奥のトンネルを進んで行くと、ジャパリパークに併設された遊園地内のアトラクションの一つ「地下迷宮」に辿り着きました。

そこにもまたフレンズの姿が。未確認生物なだけに? 姿を見られるのを嫌い、コミュ障気味なツチノコさんに出会います。ぶっきらぼうな態度ですがフレンズなだけにやはり優しい‥。迷路の道案内役になってくれました。※ピット器官による赤外線感知能力あり。

終幕近くのツチノコさんの台詞からは、今回もまた人類絶滅が仄めかされました。話の流れからサンドスターの噴出とともに生まれたと思われていたかばんちゃんでしたが、フレンズが"異変"と呼ぶ災厄を何らかの理由で免れた人類の生き残りなのかも知れません。

終幕後にいつも描かれるフェネックとアライグマ=あらいさんコンビの追跡行も、台詞を繋ぎ合わせると、何者か(ハカセ?)の支持でパークに危機をもたらすかばんちゃんを捕らえる事が目的らしいという事が段々と分かってきました。ハカセの目的って人間のいないフレンズだけが住む、争いの無い世界を作ろうとする事だったのかも知れませんね。とするとセルリアンはフレンズを駆逐する為に放たれた人類の尖兵だったりして‥。「ヒトは死の先触れなり」って、洋画「猿の惑星」に出てくる物騒な台詞を思い出しちゃいました(汗)

※:ハブ、マムシ、ガラガラヘビなどのクサリヘビ科マムシ亜科のヘビたちの上唇辺りに付いている小さな穴みたいな赤外線感知器官。サーモグラフィーと同じ働きがあり、闇夜でもあれこれ見えるらしい。
{/netabare}
5話の感想
{netabare}
ビーバーさんとプレーリードッグさんが登場するお話。

ビーバーが木や小枝、泥などを使って※aダムやトンネル付きの家を作ったりする習性は良く知られていますが、フレンズのビーバーさんが設計したのは丸太を組んで作るログハウス風。川の中州に建て、床下には陸地から続くトンネルの出口があるという変り種。

ビーバーさんとプレーリーさん、片や慎重派、片や行動派、どちらも一人での家作りは難しい様子。

そこでかばんちゃんの「二人一緒に作ったらどうでしょう?」というアドバイス。得手不得手を互いに補い合うかたちで、ビーバーさんは良く考え、プレーリーさんは良く動き、あっという間に立派な家が一件出来てしまいました。丸太を組むやり方は※bハンドアックスログハウスと同じやり方みたいでした。読んで字の如く熟練の人だと手斧一本で造ってしまえる家だそうです。プレーリーさんは前歯だけ‥凄腕建築家ですね(笑)

ジャパリまん=通貨の様なものと前回のツチノコさんの台詞の中でも触れられていましたが、今回のビーバーさんの台詞の中にもハカセとの取引の未払い分として"ジャパリまん3ヶ月分"という言葉が出てきました。‥。そもそもこの"ジャパリまん"はどこで入手するのでしょう。ハカセが作っているわけでは無いとしたら火山の火口に制御不能の完全オートメーション化した工場があるとか?

フェネックさん&あらいさんパートでは"おたから"というまたもや意味深な言葉が‥。どうやらかばんちゃん(の帽子の飾り?)を指すらしいのですが、それがパークの存亡とも関係が有る様子。かばんちゃんがトリガーとなって起動するボスみたいな機械がどこかにあるのかも知れません。この二人、使命らしきものを帯びている様子がフレンズにしては異質なので、謎の存在"ハカセ"の支持で行動しているのではと思っていましたが、もしかしたらジャパリ図書館で得た何らかの情報に従って行動してるのかもしれませんね。

次回も楽しみです。

※a:2011年までに確認されている世界最大のビーバーのダムはカナダ・アルバータ州のウッド・バッファロー国立公園内で発見されたものだそうで、全長850mもあるのだという。

※b:丸太の両端近くを半月形にえぐり、同じものをタテヨコタテヨコと次々と積み重ねて造る小屋の事。
{/netabare}
6話の感想
{netabare}
今回は戦争のお話、ではなくて戦争ごっこのお話。

動物で戦争らしきものをするのは人間を除いてはチンパンジーくらいのもの。フレンズ間の戦争はそのどちらよりも平和的に行なわれました(笑)

相手に怪我人が出るかも知れない事を心配して組織立った戦いを仕掛けるというのは、戦争ではなくスポーツの領域かも知れません。

戦争の話からは少し外れますが、オオカミなんかも群れのボスを決める為に儀礼的な戦いをする事があります。その場合はあくまでも1対1が基本で、ドッグファイトという言葉がある様に、※お互いに相手のしっぽ目掛けてぐるぐる回り、相手を組み伏せた方(弱点である首筋を捕らえた方)が勝者という暗黙の了解がある様で、殺し合いにまでには発展しないと言われてます。オオカミの様に強力な牙や爪を持つ動物は自分の持っている武器の強力さを自覚していて手加減する事を心得ているそうです。(鶏とか鳩とか鳥類の地位争いやいじめは殺すまで容赦せず凄惨なものだという。でもそれも飼育小屋とかの狭い環境に押し込められているストレスが主な原因らしい。)

私はこれと同じ事をねこの中にも見た事があります。ねこはちょっと怒って引っかいたり噛み付いたりする時にはちゃんと手加減してくれ2割も力を出して無いんじゃないかなって思います。恐怖を感じた時にのみ恐るべき顎と四肢の力を開放するのです。病院に連れてって注射打たれそうになる時とかそうなってしまってました(汗)

人間にも他生物を思いやる気持ちはありますが、本能というよりは理性で闘争相手を殺してしまえます。殺人や戦争や害獣(虫)駆除は動物的な欲求がそうさせるのではなく、打算に基づいている面が強いからです。

その点フレンズは相手に怪我をさせちゃうかも知れないと心配する辺りが上述の様に動物的です。かばんちゃんはそれに更にルールを与えて、戦いをより安全なスポーツに変えてくれました。元々大した事の無い小競り合いだったんですけどね(笑)

それにしても今回のお話の舞台について、何故にジャパリパークにお城?とか思ってましたが、ちょっと昔、京都に「伏見桃山城キャッスルランド(2003年閉園)」という遊園地があったそうで、園内には日本のお城の他にジェットコースターもあり、ゴーカート乗り場やプールも併設されていたとの事‥。西洋のお城のある遊園地ならあれこれありますが、日本のお城というのが中々カオスですね(笑)

物語全体の動きとしては、前々回のツチノコさんに続いてハシビロコウさんがかばんちゃんの正体に気付いたくらいで物足りない印象を残しましたが、中休みと軽く見流し次回に期待したいと思います。

追記:あらいさんかばんちゃんの帽子に付いてるみたいな羽持ってましたね。どこで手に入れたんだろう? 謎です。

※:コンラート・ローレンツ先生の「ソロモンの指輪」参照。
{/netabare}
7話の感想
{netabare}
ナゾナゾが書いてある立て札が行く先々にある森を抜けてかばんちゃんとサーバルちゃんはついにジャパリ図書館に到着。

謎の存在"ハカセ"の正体は図書館の主でフレンズのアフリカオオコノハズクさんでヒトではありませんでした。助手はワシミミズクさん。

二人の新しいフレンズに料理を作ってあげて、代わりに自分の正体を教えてもらったかばんちゃん。

作中では語られませんでしたが、ジャパリまんの材料は調達出来るのに、ジャパリまんをハカセが欲しがる(ビーバーさんの話によれば)のは、料理が出来ないという事はもちろんですが、調理済みのものはより手に入り辛いという事なのでしょう‥。にしてもフレンズたち、どこからとも無くジャパリまん取り出して毎話の様にモグモグやってます‥入手先が未だ謎です。

OPムービーも新しくなり物語はちょうど折り返し点? 図書館で自分の正体を知るというかばんちゃんの当初の目的は無事果たされ、次の目的は同族探しという事に。

よくよく考えてみるとフレンズたちにはそれぞれの同族が登場していません。つがいならばノアの箱舟の話の様な滅亡と再生の物語を想像出来ますが‥偶然とは遠い人為的あるいは作為的な原因がある様です。

ハカセにもらったPPP(ペパプ)復活祭のチケットと謎の小箱を手に、かばんちゃんとサーバルちゃん(とボス)の旅は続きます。
{/netabare}
8話の感想
{netabare}
ペンギンフレンズの5人組アイドル"ペパプ"ライブ回。

これまでのお話では、一見無力に見えるかばんちゃんが知恵を使ってフレンズを助け、かばんちゃんおよび視聴者が自分(ヒト)の価値を再確認するというのが大まかな流れになっていたと思いますが、今回活躍したのはヒトであるかばんちゃんではなく、むしろ声マネでプリンセスの背中を押してあげたマーゲイさんでした。

お話の内容についても、アイドルとかファンとか内輪もめとか、フレンズの嗜好や行動がヒトそのものだったので、両者の境界が曖昧になっている印象を受けました。6話の戦争ごっこでも顕著でしたが、こういう強い社会性を匂わせる描写を見せられると、フレンズたちの思考形態が、動物本来のものとはかけ離れている事がはっきりと分かります。動物達はフレンズ化によって姿形だけでなく(に付随して)心もヒトのそれに近くなってしまった様です。

本筋について、プリンセス(ロイヤルペンギン)によれば人の姿が最後に見られたのは港なのだという。生き残りの人々がいる可能性が見えてきました。

今回はありがちなアイドルアニメみたいで、私的にはあまり楽しめませんでした(汗)次回に期待したいと思います。
{/netabare}
9話の感想
{netabare}
ボスから発せられたみらいともう一人の声について

「こんなかわいらしいフレンズさん」と言う言葉を発するみらいさんはフレンズであるわけは無いので、ヒトかあるいはボスの様なロボットと思われます。もう一人の声の主はサーバルちゃんの聞き覚えのある声の様でしたので、単純に考えてフレンズか、1話の巨大セルリアン登場時の悲鳴の主なんでしょうね。

みらいさんはセルリアンの調査をしていると言う事なので、前々回にあったヒトとセルリアンは一緒にいる事が多いとは、この事なのかも‥。

追跡者パートではサンドスターが動物か"動物だったもの"に当たるとフレンズ化するというペパプの説明がありましたが、後者はどういう意味なのでしょう? ジャイアントペンギンがその類のフレンズらしいのですが‥。動物だったもの? 動物なのに? 謎です。

初回近くにちょっと気になっていたフレンズの服の事、観客にウィンクする類の描写だと思っていたので、本編中で言及されるとは驚きでした。フレンズたちが服とは知らずにそれを着用してた事にも(笑)
{/netabare}
10話の感想
{netabare}
今回のお話では人の姿をしたセルリアンがいるという事、同じ種類のフレンズがいるという事、サンドスターが複数種存在する事が明かされました。

動物をフレンズ化させたり、気候をコントロールしたり、単一の物体が多様な働きをする事についてかねがね疑問を持っていたのでサンドスターに関しては妥当な設定と感じました。

多分サンドスターはナノマシンの様なもの。これまでにお話で触れられたのは次の4種類だと思います。

1.動物をフレンズに変化させる。
2.動物だったものをフレンズに変化させる。
3.気候を制御する。
4.無機物をセルリアンにする。

2の解釈の1つは死体や化石をフレンズにするというもの(他の方のレビューを参照)これに該当するのがジャイアントペンギンさん。この場合DNAから生体を復元するので記憶の引継ぎは無い筈ですね。かばんちゃんは1話で紙飛行機を折っているので、これに該当しないと思います。

2のもう一つの解釈は動物だったもの=フレンズを別の?フレンズに変化させると言うもの。"動物だったもの"という表現が敢えて用いられているので考えづらい気はします‥。かばんちゃんと一緒にいるサーバルちゃんがみらいさんと一緒にいたサーバルと同一個体なら一度セルリアンに食べられて動物に戻り、その後にサンドスターでもう一度フレンズになった姿なのかも‥。

4については、特定の無機物という解釈で良いと思います。セルリアンの正体はラッキービーストではないでしょーか? フレンズ化をリセットする安全装置的な存在かも知れません。

かばんちゃんの正体について

1.ヒトのフレンズ
2.ヒトのフレンズであるみらいさんがセルリアンに飲み込まれてただのヒトに戻った姿
3.ヒト型セルリアン

という3つの可能性があります。

かばんちゃんはあらゆる点で人間そのものに見えますし、身体能力の低さからしてもフレンズらしくないので1ではない気はします。

2は音声記録からみらいさんはセルリアンと戦う力を持っている様に見受けられ、かばんちゃんにはそれが無いというところから。

3はみらいさんがヒト型のガイドロボットだとすればですが、かばんちゃんにはセルリアンらしい特徴が1つも無いのでやはり違う気がします。

前回の台詞が引っかかりますが、2が一番それらしい気はします。全くの別人と言う可能性も残ったままですけど‥。

今回はおばけ屋敷を舞台にしたミステリー風味でとても楽しめました。終幕近くには港にて船を発見という場面があり、行動範囲が一気に拡大する様は古典RPGの中盤以降の展開を思わせわくわくさせられました。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
11話の感想
{netabare}
船旅は持ち越しで、黒いセルリアンとの戦いのお話。

フレンズたちが協力して敵と立ち向かう姿にはバトルものの色が濃く感じられました。フレンズとセルリアンが直接戦う描写は1話以来ですね。危難の描写の少ないアニメだけに黒いセルリアンの巨大さと不気味な造形がより一層恐怖を煽ります。

サンドスターを噴出する山の山頂にかばんちゃんとサーバルちゃん辿り着いた所で、フェネックさん&アライさんの追跡者コンビがとうとう2人に追い付きます。帽子泥棒とかばんちゃんに食って掛かるアライさんでしたが、これまでにフレンズづてに聞き及んできたかばんちゃんの足跡を思い出し、いくつかの問答を経て和解(笑)晴れてフレンズとなりました。

山頂にはテクノロジーの名残があり、複数種のサンドスターを放出している模様。その中の1種が黒いセルリアンにエネルギーを供給している様ですが、何故動物をヒト化(フレンズ化)するサンドスターとフレンズの天敵であるセルリアンを作ったり力を与えたりするサンドスターが一所から噴出されるのかが不明。

フレンズが動物のヒト化した姿という部分を切り取れば、サンドスターを発明、製造したのは人類である事はほぼ間違いなく、それを食べる(実際はフレンズの体内にあるサンドスターだけ)セルリアンもまたそうであるのが自然な解釈だと思います。

山頂で何らかの事故が起きた為にサンドスターの噴出を制御出来なくなり、フレンズを作るサンドスターと、それをリセットする(元の姿に戻す)セルリアンを作るサンドスターが同時に放出される様になってしまったとも考えられます。火口を覆うフィルターは応急処置で、元々はサンドスターの噴出は種類毎に完全に制御されていたのではないでしょうか?

サンドスターがジャパリパークと言う場所を、環境を、フレンズを、明確にデザインする為に作られたナノマシンなら、その環境を元に戻す手段も用意してある可能性は高く、それがセルリアンなのかも知れません。

だとしたら人類は動物をおもちゃにしている(強制的に改造をしたり元に戻したりしている)も同然なので、セルリアンの暴走によりパークを放棄せざるを得なくなった事など相応の報いを受けたとも取れます。かと言ってその様な人類の暴挙がなければ、かばんちゃんとフレンズ達の出会いもあり得ず、これまでの冒険も無く、そこに愛も友情も生まれなかったわけで、そう考えるとちょっとやるせない気持ちになりますね。
{/netabare}
12話の感想
{netabare}
みらいさんの落とした帽子に付着していた髪の毛から復元及び変化させられたフレンズがかばんちゃんだったと言うのは、ジャイアントペンギンさんが(恐らく)化石から復元されたという事に繋がりますが、かばんちゃんの身体能力が他のフレンズと比べて大きく劣っている事(確かにヒトは大きさの割に非力ですが)と記憶を失っているにも係わらず日本語を読解出来る事と紙飛行機の折り方を知っていたと言う点には矛盾がある様に思えました。(こういうのは学習するものなので)

セルリアンの正体は?とか、髪の毛一本からフレンズが生成されるのだったら、ジャパリパークがフレンズだらけで大変な事になりはしないかな?とか、みらいさんといたサーバルのフレンズと"サーバルちゃん"は同一個体なのか?とか、結局サンドスターとは何だったのか?とか、みらいさんはどこに帰ったの?とか色々な疑問(多すぎて済みません)が残りましたが、続編で解決出来れば良い問題が半分ですし、まぁ些細な事ですね。あれこれと考察し甲斐があり、最後まで全く飽きさせないアニメでした。

黒いセルリアンとの戦いの最終局面におけるフレンズ大集合のシーンとボスの自我の目覚め?のシーンには長い旅の道程が一度に思い返される様で涙腺が緩んでしまいましたね‥。こういうのには慣れっこになっている筈なんですが(笑)無駄に長い回想シーンを差し挟む演出とかよりも、ずっと鮮烈で心に響きました。
{/netabare}
ケモ耳キャラって髪で耳の辺りが隠れている事が多いので、耳が2つなのか4つなのかあやふやだったんですが、この作品ではちゃんと?4つありました。コスプレじゃないなら2つで十分だと思います(笑)

ゲーム版のキャッチコピーは「あなたは、けものがお好きですか?!」というものだそうですが、フレンズの見てくれは明らかにコスプレした人。ケモ耳少女好きならもちろんですが、けもの好きにも割とお勧め出来るアニメの様です。

謎の生命体?セルリアンとか、2話のジャングル内のエピソード、川を隔てて運転席部分と客席部分に切り離されて放棄されていたサファリバス、かばんちゃんにしか話しかけず反応しない正体不明のロボ"ボス"(ラッキービースト:声優さんは???)の謎が気になりますので最後まで見てみたいと思います。

最後まで観終えて

舞台を変えず一所にこもりがちで、主要キャラが定められ、狭い世界で起こる事件だけを描くアニメと違って、未踏の地を旅し、出会いと別れを経て、より広い世界を知り、成長し、成すべき事を獲得していくと言う、冒険物語として堅実でオーソドックスな構成ではありますが、昨今では隅に追いやられがちな正統派、古典的手法の魅力を十二分に伝えてくれるアニメでした。アニメを通してかばんちゃんとサーバルちゃんと共に旅をして、旅を終えた時に現実に戻って来るという、正にゆきてかえりし物語ですね。私たちのいる世界とアニメで描かれる世界の繋がりが強過ぎると、こういう旅は成立し辛くなるものです。

絵柄がコミカルなので子供向けに見られがちですが(笑)提示したルールをないがしろにせず、SFとしての義務をよく守っている点、製作者本位のご都合超能力とかを登場させず、全ての問題をかばんちゃんとフレンズの頭と手で解決させている点も高く評価したいです。

多くの謎を残したまま第一章?の幕引きとなりましたが、かばんちゃんとサーバルちゃんとラッキーさんの旅は続きます。

いつか3人の旅の行く末を最後まで見届けたいですね。

優しさと謎に溢れた心から楽しめるアニメでした。


※1:動物の力を宿したケモ耳少女、得意な事も苦手な事もだいたい本物の動物の特徴通り。それぞれ何らかの"技"を持っているとの事。ゲームっぽい表現ですね(笑)

※2:赤ちゃんみたいなモンキーみたいな4人の仲良しテレタビーズが、うさぎがぴょんぴょん跳ねる緑の丘やお家の中で遊ぶだけの子供向け番組。初見ではテレタビーズの奇妙な外見に戸惑う事うけあいですが、見ている内に段々と親しみが湧いてくるから不思議。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 78
ネタバレ

戸愚呂(青春) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最強すぎるだろ、、、

つい使いたくなる様々なフレーズを残していった今期最大の話題作。
ただそれだけじゃない、それはわかる。
だけどわからない。

だから早く皆様のレビューを読みたい。
その為に、なにか書かなきゃ、、、

なんですかね、
様々な要素が奇跡的にハマった結果としか言えないです。
様々な要素とは、「安いCG」「幼稚な雰囲気」「不穏」「謎解き」「OP,ED」「BGM」「動物性」、、、等々

安っぽくて幼稚という「陽」な雰囲気の中に、どこか不穏で悲しげなで不気味な「陰」が見え隠れしている。
そして双方の要素をより強く引き立てるBGM。
OPは明るく、EDは切なげ。

私がこの作品に心奪われた1番の要素は恐らくこういうギャップのようなもの。
ただこれだけではどうにも説明のつかない面白さと、爆発力がありました。

元々、本当に良くできている作品であるが、こんなにも異常なまでの人気はやはり奇跡なのだうか、、、
もし、綺麗な映像だったら、それは違いますし。
安いCGだからこそ、興味をひき、面白さも引き立てている。
価値観の倒錯の様なことも引き起こしてるかもしれません。

少し話が変わりますが、私はこの作品、5話放送頃から追いつき(スルーしていたましたすみません)、そこから通常録画を観た後に、ニコ生での放送もタイムシフトで観てました。(つまり、1話につき2回視聴)
何となく、その盛り上がりの様子を感じたかったからです。

そこでの放送はまぁとにかく盛り上がっていてお祭り騒ぎでした。
コメント多すぎてまともに観れたものではありません。(むしろOPなんかコメント多すぎてコメントが画面半分までしか流れないとかそんな感じ)
ただ、やはりこういうお祭り騒ぎは楽しいもので、「皆で盛り上がる」感覚は心地よかったです。

そこでふと思ったこと、こういうノリだけで観ている人も絶対にいるな、と。
勿論、それが悪いとは微塵も思ってません。楽しみ方なんて人それぞれですし、何事も楽しんだもん勝ちだと思ってます。
最初はノリだけで、ただ後々本気で内容に惹かれていく人。
最後までノリだけで楽しんだ人
きっと様々だと思います。

つまり、ニコ生に限らず、このように作品云々ではなく、盛り上がりを楽んだ層も少なからずいるであろうと。

言わずもがな、魅力的、興味深い内容である程度の人数を惹きつけることが大前提となりますが、それを成し遂げ、かつ皆んなで盛り上がれるような良い意味で「わかりやすい」内容。

全体的には「わかりやすい」が、半ばで「陰(謎、不穏)」を撒くことでなにこれなにこれ!なになにこれと、また盛り上がる。

このように、「共有する楽しさ」というのもこの作品の怪物性を形成しているのではないかと思います。

そして、それを最後まできちんとやり遂げ、期待に応えた事、本当に素晴らしいと思います!

◼︎まとめ

こんなにつらつらかくつもりはなかったんです。
わーい!たーのしー!みたいなネタレビュー書こうとしてたんです!!
とにかく、1番好きなセリフは「最強すぎるだろ、、、」です。
1番好きなフレンズは「スナネコ」
あと、11,12話は本気で感動しました。{netabare}サーバルの必死に作った感の滲み出てる紙飛行機{/netabare}、、、グッときました。

この作品を一言で表すと「ピエロ」ですね。
個人的に、ピエロって継接ぎで安っぽく、遊園地なんかにいて「陽」気に大衆の興味を惹きますが、どこか不気味で「陰(かげ)」があるように見えます。
何かしでかすんじゃないか、何か起こるのではないか、と考えてしまうところが本作と何となくリンクします。

けもフレには良い意味で「騙された」とも思いますしね!


あー最後に!
EDの「ぼくのフレンド」むっっっちゃくちゃ好きです!
本当にいい曲!!
今期1番好きな歌ですよ!!!
歌っているのはスナネコ役のみゆはんさんです!!!!
「自己スキーマ」というアルバムに収録されているのですが、他の曲も良くてオススメの盤です!!
もうなんかファンになっちゃいそうですよ!!!

、、、でもまあ、さわぐほどでもないか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 43

83.1 10 2017年冬(1月~3月)アニメランキング10位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (718)
3334人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

少し懐かしさを感じられる作品

最終話まで視聴。

物語はやや子供向けか?とも思いますが、大人から子供まで楽しめる作品だと思います。
私のようなおっさん世代には少し懐かしさも感じられるような作品でもありました。
笑いあり、涙あり、最終話まで堪能させていただきました。

もっと話題になってもよさそうな作品なのに・・・。

この作品の好き嫌いは、主人公・アッコを受け入れらるか否かだと思います。
【本編15話より】{netabare}『計画性なし、客観性なし、衝動的、自己中心的、強引、単純、ズボラ、能天気』{/netabare}
こんな『猪突猛進アッコ』が受け入れられるかどうか?

だけどね・・・、
アッコが何かをしでかさないと物語が進まないんだから仕方ないじゃん!

すべての世代の人に安心してお勧めできる作品です。

【物語】
前半はドタバタコメディ色が強い。
1話完結で非常に見やすい。

後半は少しずつシリアスな展開に・・・。
笑いの中にも感動的な展開が続きます。
そして感動の最終回へ。

【作画】
とにかく良く動きます。
そして見やすい。

【声優】
それぞれのキャラに良く合っていたと思います。

【音楽】
OP・EDとも良曲。
作品のイメージにもぴったりです。

【キャラ】
主人公アッコの周囲のキャラも好人物が多い。
優等生のダイアナ。
眼鏡を外すと美人のロッテ。(一体どういう仕組みなの?)
マイペースなスーシィ。
アマンダ、コンスタンツェ、ヤスミンカも好人物。
そしてアーシュラ先生。

こうやって名前を列記するだけでも感動がよみがえる。
この作品の世界観、個人的に大好きです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 91
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shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ようこそ魔法の国へ

TRIGGER制作。

娯楽としての力が別格です。
心配していたキャラもむしろポップで良い。
スーシィが特別に素晴らしい。
80年代アニメの古典を見ているようだ。

元々好みの題材であります。
古風なファンタジーで、
尚且つダークな魔女の世界観が良い。

徐々に深まって来る謎、
{netabare}ナインオールドウィッチが封印した、
グラントリスケル、アルクテゥルスの言の葉。{/netabare}
古来より言葉には魔法が宿っているのだ。

最終話視聴追記。
状況を打破する信じる力、
奇跡は信じない、自分を信じる。
{netabare}仲間が次々と、背中を押してくれる、
最終話の演出は冴えわたっていましたね。{/netabare}
みんなと繋がることで夢は叶う。
まさに魔法の瞬間です。

アニメを評価する項目が、
全方向にバランス良く伸びて、円形に近い。
素晴らしい物語と構成力です。

ようこそ魔法の国へ、ここは愉快な冒険の国。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 84
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

制作会社「TRIGGER」がじっくり育てた作品。そう感じます!

少女が魔法学校に入学して色々成長して行く話。
1話1話が楽しくて良い話ですね。
この作品、深夜以外に放送したら、もっとたくさんの人に共感してもらえるのではないでしょうか。

●最後まで観て
2クール最後まで楽しく観させていただきました。
個性的な仲間や先生との学校生活。
アッコが思いどおりにいかない時や、うまくいった時を見て一緒に一喜一憂してました。「よかったなぁアッコ」「がんばれアッコ」ってね。
おぉぉ!自分はアーシュラ先生と同じ立場でしたね!書いていて気が付きました!

{netabare}「信じることが魔法の力」
王道のアニメだから言えるセリフです。
アッコとダイアナは人々に魔法を信じる力を生み出しました。
そして信じる力はとても綺麗な色をしていました。
アッコもダイアナもそして魔女達も気が付いたのでしょうね。
長い間、魔女が一般人と隔てていた壁があったことに。。。

雰囲気でしょうが、最後のシーンでアッコが箒に乗る場面では
心なしかいつもより明るい色使いのような気がしました。

ドッキドキ―のワックワクー!

スピンオフネタ沢山ありそうですから。まだまだ楽しませて頂戴。 {/netabare}




制作会社「TRIGGER」は「リトルウィッチアカデミア」をこのアニメ含め3作品作っています。
短編、リクエストに応えた映画製作、そして2クールのテレビアニメ。
これはもう「大事に育てているアニメ」で間違いないです。
私はとても制作会社の意気込みを上(下)記からも感じますし
私の嗜好に合っているので皆さんにお勧めです!!

最近は、ロッテ目線で観てしまいます。「アッコ今週も大丈夫かなぁ」



●前半
小さい頃の夢を実現して魔法学校に入れたアツコ。
王道的な物語らしいですが、(ライバル?)ダイアナも意地の悪い奴ではないしアッコが目標にしたいような相手です。
先生、生徒全員が協力してハッピィエンド系になっていきそう。
シャイニィシャリオにいつ会えるのかな?

観ていてとても爽やかでいいですね!

「TRIGGER」ということは!キルラキル!
だから主人公が最初から全力なのか!(笑)

正直、思った以上に楽しめています。

がんばれ アツコ!
 ロッテ、スーシィはマイペースでね。


●後半がはじまりました。
引き続き毎週楽しみに観れます。
言の葉、グラントリスケル、シャリオの役目
キーワードが揃ったようです。
ロッテ、スーシィとのこれからの友情(OPで3人で腕を合わすところ)、ダイアナの悩みも気になります。
アツコもっともっと成長して楽しませて頂戴。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 66

81.7 12 2017年冬(1月~3月)アニメランキング12位
傷物語Ⅲ 冷血篇(アニメ映画)

2017年1月6日
★★★★☆ 4.0 (525)
3514人が棚に入れました
〈III 冷血篇〉は暦と怪異の別れを描く

ドラマツルギー、エピソード、そしてギロチンカッター―
怪異の専門家・忍野メメの助力も得て、3人の強敵との戦いに勝ち抜いた阿良々木暦。

彼はついに、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの
四肢を奪い返すことに成功する。
すべては、普通の人間に戻るため……。

しかし再びキスショットのもとを訪れた暦は、吸血鬼という存在、
その恐るべき本質を知ることになるのだった。
決して取り返しのつかいない自分の行為を悔やみ、そしてその顛末に困惑する暦。
後悔にさいなまれる彼の前に現れたのはほかでもない、暦の「友人」羽川翼だった。
そして彼女が暦に告げた、ある提案とは……。

声優・キャラクター
神谷浩史、坂本真綾、堀江由衣、櫻井孝宏、入野自由、江原正士、大塚芳忠

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

化物語の前日譚の「第3弾」に該当する本作は「赤く濡れて黒く乾いた血の物語…決して癒えない僕たちの大事な傷の物語…」

ここまであっという間…気が付いたら第3弾に到達してしまった気がします。
これまで視聴してきた2作はどちらも1時間そこそこ…
実質2時間ちょっとしか経っていないのだから当然といえば当然なのですが、内容の濃密さが余計に体感時間を加速させるのでしょう…

阿良々木 暦とキスショットは可能性の低いと思っていた賭けに勝利しました。
これもキスショットの持つ吸血鬼としての能力が結果的に功を奏した訳ですが…

キスショットが歩んできた道程…
時折見せるキスショットの本気の笑顔がとても印象的だったと思います。

でも、心に沸々を湧き上がる違和感が払拭できない…というか徐々に大きくなっていくんです。
それは化物語で最初に見た忍とのギャップです。

本作に登場するキスショットは大人…けれど、化物語に登場する忍はどうみても子供…
そう、容姿にギャップが有り過ぎるんです。

だから本作の一番の見どころは、傷物語がどの様に化物語に繋がっていくのか…という点に尽きると思います。
でも物語の展開上その予兆は一切無く…心の折れるような出来事が突然やってくるんです。
心の準備なんてしている余裕は微塵もありませんでした。

少なくてもこれまで間違った事をしているとは思わなかった…
振り返っても決して間違った行いは無かったと思います。
唯一違うとすれば、たまたま立場が違っただけ…
ただそれだけ…
なのに、僅かなその違いはその後の道筋を真逆に違えるに十分足り得た…という事実だけが取り残されてしまうんです。
そしてその事実は一人の人間が背負うにはあまりに重すぎました…
だから自分の良心への呵責に悩まされるかは別にしても、逃げてもきっと誰も文句は言わなかったと思います。

ううん、正直軸足はだいぶそっち側に向いていたように思います。
だから思います…
彼の友人である彼女は心底優しいと…
言っていることだけなら残酷にも捉えられるその一言一句の裏には、彼の未来に禍根を残したくない、という何とも彼女らしい優しさが感じられるではありませんか…

だから彼女も全力全開で彼に挑みました。
言い方はとてもソフトだったけれど、微塵の隙間もなく否応なしに納得せざるを得ないロジックが展開されたと思います。
彼女の言動の理由は、それがお互いがお互いのままでいられる唯一無二だときっと知っていたから…
ちょっぴりへたれだったのは間違いなく彼の方…
でも、勝機ゼロの戦いに向かおうと決意させてもらったのは事実です。

次の瞬間、画面いっぱいに広がる死闘…死闘…死闘…
その死闘を見ていて思いました…
「これじゃ誰も報われない」という事を…
だからこんな感じでは絶対終わって欲しくないと思っていました。
だって私の愛すべきキャラ像とかけ離れていましたから…
こんな風に壊して欲しくないよ…

阿良々木 暦とキスショットが紡ぐ決意と懇願の物語…
そして死闘の裏に潜む真実に気付いたのは彼女…
どこまで行ったら立ち止まれるのだろう…
どれだけ血を流したら優しさに気付くのだろう…
今言わなきゃ絶対後悔する事を悟った彼女は事態に対して身を呈する事を厭いませんでした。

本懐は遂げられなかったのかもしれない…
この結末は残酷だったのかもしれない…
でも、彼の目から溢れる無色透明な血液は、彼の優しさの証だったと信じています。
だから一緒に歩んでいくと決意した…
ラストの笑顔にそんな彼の強い意志を感じた気がします。
きっとこれ以上無い最高の形で化物語に繋がったと思います。

この作品を視聴したら、化物語がもう一度見たくなりました。
化物語に登場するキャラをもう一歩深掘りしながら視聴できる事に喜びが感じられると思うから…
視聴して良かった…待って良かったと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Film noir directed by 尾石達也 これが【死闘】である

西尾維新の物語シリーズの全ての始まり、『傷物語』の映画3部作の最終作
過去最長の83分で監督は『化物語』の尾石達也
キャラデザと総作監に守岡英行
シリーズで唯一PG12指定


前作『熱血篇』で眷属の力を駆使した阿良々木暦は、紆余曲折ありつつも見事ドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターに勝利を収めました
キスショットの四肢を取り戻し完全体への復活=暦が眷属から開放される時も目前に迫っていました
しかし忍野メメから衝撃の真実が口にされます
元々のキスショットの実力を持ってすれば、三人のヴァンパイアハンターは敵ではなかったはず
キスショットを弱体化させたのは、メメがキスショットの心臓を密かに奪ったからだと・・・
そう言ってメメは暦にキスショットの心臓を差し出し、そして去っていくのでした
「仕事は失敗に終わった」と、意味深な暗示を口にして・・・
完全体となり満足げなキスショット、これでようやく全てが終わると安堵する暦
しかし暦は最も重大な事実を見て見ぬ振りをしていたことに気付かされます
そう、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは「鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼」であるという事実を・・・


この映画は大体3つのパートに分かれています
元々『鉄血篇』でも、
①暦の人となりや羽川との関係を描くパート
②キスショットと遭遇するパート
③キスショットを救った暦の身に何が起こったのか説明されるパート
の3つ


さらに『熱血篇』でも
①ドラマツルギー戦
②エピソード戦
③ギロチンカッター戦
の3つに別けられていました


それが今作では
①完全復活したキスショットが過去を語る、キスショットをヒロインとして捉えたパート
②自暴自棄になった暦が羽川に【おっぱいモミモミ】を強要する、羽川をヒロインとして捉えたパート
③最終決戦パート
の3つに分割できます


そう、ここでやっとハッキリする
暦という主人公に対して、表と裏、光と闇、善と悪という対比的な二人のヒロインが並行している映画が今作なのだと
これは単に羽川を選ぶのか、キスショットを選ぶのかという男女関係の話だけでなく、暦のその後の人生(もはや“人”ではありませんが)を左右する決断を迫られる作品だ、という部分に被せてきているのですね
上手いなー


②パートだけ観ればポルノ映画のように観えますし、③パートだけ観ればスプラッター映画、特に『フレディvsジェイソン』とか『エイリアンvsプレデター』とか、悪趣味が極まったアクションスリラーのようにも観えます
数ある物語シリーズにおいて、なんで今作だけが映画なのか、はこの『冷血篇』でハッキリしました
【正直、心臓の弱い方にはオススメしかねる内容だからです】
ですが、テレビ放送で中途半端にやられても誰も満足しなかったことでしょう
血肉飛び散るまさに死闘、よくぞここまで派手にやってくれた!と“本気”のクオリティで描かれる大人の映画と呼べる仕上がりだからです


キスショットが室外機の上を両手を広げて子供のように歩くカットは林勇雄さん?
ブラジャー姿の羽川を真正面から見下すカットは木村貴宏さん?
斬りつけあいはウメンヅだな
吉成兄弟は・・・言わなくてもすぐわかるでしょ?www
ウエダハジメさんや高山カツヒコさん(相変わらず特撮パート担当w)も携わっていて、オールドシャフトの人脈大活用のオールスタースタッフ


とかく【血祭り】という表現が似つかわしい映画でしょう
それもこんな豪華原画陣、さらにはほぼ全ての背景がCGという特殊な作りをした映画、後にも先にも例がありません
映像表現として、とても貴重な一作になったと感じます


さらに人であることを失くしていく暦の絶望感、それを案ずる二人のヒロインの心境が、そこはかとない哀愁を漂わせていて、観終えた後も程よい余韻を味わえます


改めて言わせて欲しいです
尾石達也監督「おかえりなさい」と

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

怪異譚の始まり 夜のお伽噺

シャフト制作。

怪異譚の始まりがここにある、
化物語の前日譚、こよみヴァンプ最終章。

吸血鬼との邂逅、羽川翼との出会い、
独特でダークな映像と会話の妙がある、
全編を通じて陽が登らない夜のお伽噺である。
劇伴「鉄血篇エンドロール」「スパシーボ!」必聴です。
不穏な音に痺れますね。

ここまで登場人物が少ないのに、
どうして映画が成立するのか、
ほんとに不思議なシリーズです。

忍野メメの真骨頂でしょう。
{netabare}どちらかが死ぬぐらいなら、
お互いが苦しむことを選択する。
苦しみを分かち合い、そうやって生きていく。
これは傷を舐め合う血の物語なのです。{/netabare}

人間側の正義と化物側の正義、
それぞれの倫理の対立、そして阿良々木暦の覚悟、
私もまた今日を生きていこうと誓う。

これがシリーズの始まりである。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 48

80.9 13 2017年冬(1月~3月)アニメランキング13位
昭和元禄落語心中 助六再び篇(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (488)
2198人が棚に入れました
八代目八雲に弟子入りして早十年、ひよっこだった与太郎もいよいよ真打に昇進。襲名するのは、八雲の兄弟子であり小夏の父親でもある「助六」の名だった。順風満帆のようにも見えるが、そうもいっていられない。落語はいまや時代に取り残されつつある。父親がいないまま母親となった小夏のことも心配だ。三代目助六となった与太郎は自らがたぐり寄せた縁をしょって立つことができるのか……?

声優・キャラクター
関智一、石田彰、小林ゆう、小松未可子、牛山茂、関俊彦、土師孝也、加瀬康之、須藤翔、遊佐浩二、山寺宏一、林原めぐみ
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

大衆文化としての文化の寿命は五十年……三百年続いた大衆文化・落語の行く末は?

原作コミックは未読。

レビュータイトルの元ネタは作中のとある“センセイ”の“大衆文化論”から……。
近現代社会における伝統的な大衆文化、芸能を考えると、
とかく映画、テレビなどの刺激の強い娯楽の前に斜陽の文化。
今や風前の灯火……といった憂いを抱きがち。

けれど、昨今の落語ブームの最中……。
かつて落語を脅かした映画やテレビが、五十年の寿命を迎え、
大衆娯楽の主役から転がり落ちたり、岐路に立ったりしている。
そんな苦境の一方で、一部大衆から根強い人気を集めている落語。
その勇姿を横目に本作を観ると、落語の恐ろしいまでの底力、生命力を実感します。


よって、{netabare}八代目・八雲が如何に深い業を抱えた名人だったとしても、
一人の人生の総決算に、落語を道連れに心中するなど到底不可能。

むしろ揺るがない落語という見えている結末。
落語を受け継ぐ人々がどう生きていくのか?
そこに着目し、感慨を得る、私にとっては意義深い一時でした。{/netabare}


二期では{netabare}芸人とスキャンダルについても考えさせられながらの視聴。

私も例えば、ネット等で本人または家族に前科や問題行動のあった芸人等が
復帰するニュースが流れたりすると、
芸能界って甘い世界だなぁ~と、つい叩きに加勢して火遊びしたくなりますがw
本作を観た上で、“身体検査”で合格した者以外には芸の披露を認めない。
こんな世間の風潮を見ると、自らのことなど棚に上げて、
何とも雑な時代だなぁ~とため息が出てきます。

八話にて、{netabare}支援者の組長逮捕で八雲復活に水が差されるシーン。
世の中には単純な勧善懲悪とは別の、
あの逮捕を野暮だと思う感性のベクトルが存在する。
示唆に富んだ印象的なシーンでした。{/netabare}{/netabare}


落語の寄席を再現した声優陣の演技は今回もお見事。
完璧な芸だけでなく、例えば懸案を抱え、
緊張で滑りそうになりつつも、場を持たせる綱渡りの舞台等には、
こちらも冷や汗をかかされました。

さらに鮮烈な色彩による背景が印象的な作画。
林原めぐみさんのOP主題歌や、そっと上品に物語を締めるED曲など、
いずれも芸術的で格式が高い。


大衆文化としての文化の寿命は五十年との仮説に基づけば、
日本の漫画やアニメも寿命が尽きてそろそろ灯が消える頃……。
けれど本作くらいの作品が出て来れば、まだまだ延命しそうです。

日本漫画アニメ界のろうそくの灯はなかなかしぶといようです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

とある落語家の一生と繋いでいく先の物語…人間ドラマのアニメとして傑作

待っていました落語心中。2期は八雲と与太郎改め3代目助六の物語ですね。また、助六と小夏の関係や小夏の子供のこと、昭和元禄の意味など明らかになっていくのでしょうか。本当に楽しみです。

1話…真打昇進でも与太郎は与太郎
{netabare}八雲師匠と先代助六の壮絶な昔話から一転、修行積んできた与太郎がとうとう真打に昇進です。しかも、助六を名乗ることになった。しかし、時はバブルの絶頂期、落語は古いものとして敬遠され客も少なくなり、寄席は1箇所だけになっていた。1期で助六が言っていたことが頭をよぎります。
そんな状況でも与太郎改め助六は相変わらず。人たらしで周りからも好かれ、客席と仲良くなるような感じ。でも落語はちゃんと学んでいて、師匠にきちんとした対応で先代とは大違い。しっかり筋も通す。
小夏にできた子供を引き取り、小夏との生活を決めた助六。いったん決めたら動かない性格も変わりません。
助六の前に現れた人気作家の樋口。助六は樋口と飲み、樋口が先代助六を見ていたこと、落語に対する造詣の深さに興味を引かれ、意気投合する。樋口はかつて、菊比古時代に弟子入り志願して断られた彼だった。樋口が落語の生き残る道として新作を助六に提案し、助六も興味を持つ。
八雲に助六がまた一緒に住むことを宣言し、八雲は諦めにも似た感じで了承するが、新作落語は否定した。八雲は「落語心中する」といい、自分の代で落語は終わらせることを思っていた。

最初の話とはいえ、いきなり深い感じで入るところがいかにも大人のアニメを感じさせます。これをアニメには興味のない親友と見たのですが、すぐに1期を見ると宣言してしまいました。アニメというよりドラマです。人の心情の移り変わりとかどんどん展開されるのでしょうね。毎週楽しみです。{/netabare}

2話…助六のもがき
{netabare}助六の入れ墨写真が週刊誌に載る。過去がばらされTVでも批判される。気にしない助六だったが、レギュラー番組を降板させられたりして仕事が減っていく。助六はもうひとつ悩んでいた。自分の落語が確立できていないこと。先代助六のマネも見破られてうけない、八雲のような色気も出せるわけではない。寄席も盛り上がらない。
樋口に励まされる飲みの席に八雲が。そこで助六は師匠から励まされ、前を向き始める。助六が帰ったあと、樋口と八雲が会話する。八雲は樋口を覚えていた。樋口は驚くが、八雲に言う。八雲の落語を伝えていくこと、新作を作ること、八雲と先代助六の話を伝えることを。

常に前向きにしか生きていない助六も悩むんだな…当たり前か、ひとつの道を極めるのは簡単なことではないし。
八雲も少し変わってきているのかも。小夏の子供がキーになりそうです。そして樋口の言葉の重さ。まだ過去の話に続きがありそうな…{/netabare}

3話…はたして誰の子なのか?
{netabare}助六は稽古と子育てを繰り返す毎日。樋口に誘われ花火見物に来たら、料亭でに親分が来ることを知り、小夏を追いかけ料亭に。
親分に挨拶するも、小夏の子供のことで問いかけ親分にぶん投げられる。殺されるかもしれないと抑えられるも、小夏の子は俺の子だと啖呵きって出ていく助六。小夏の悩みを全部受け止める助六。
八雲と親子会を願う助六に、八雲は居残りを覚えろという条件を出す。そして助六の前で披露するが、それは八雲ではなく、先代助六の話そのものだった。

助六の男気、親分と女将の大人の会話、八雲の落語、濃くて面白く感動もあるというしびれる回でした。助六が少しずつ自分の落語を見つけて感じです。
一期が濃すぎたので、二期の助六はどうかなとも思ったのですが、なんのなんの、とてつもなく魅力的でひかれます。{/netabare}

4話…寿限無教団現れる
{netabare}5年後、子どもは幼稚園に通うようになっていた。助六は人気者になり、寄席も常に満席に。小夏は下座で働いていた。
ある寄せの帰り、八雲の車に樋口が乗り込んだ。新作を見てもらおうとしたが、原稿は八雲に破られた。しかし、樋口も引く気がない。
幼稚園で落語をすることになった助六。子供番組で人気になっていたのは助六が演じていた寿限無。子供たちはすらすらと言え、ノリが良い。そこで助六は小夏を舞台に上げる。戸惑いながらも寿限無を始める小夏。そして客が一緒にノリ、小夏は話しきった。

今回は不思議な感動を覚える回でした。助六が男前なのと、八雲の影の部分が対照的で、一体八雲に何があるのかを知りたくなります。もうひとつ、八雲が子供にメロメロなことにビックリ。そう来たかという感じです。
小夏は落語家になりたいと言っていたことを思い出しました。この流れはそうなるのか?{/netabare}

5話…そこに見えたのはあっちの世界なのか?
{netabare}八雲と助六の親子会が開かれることになった。やりたいといっていた助六だったが、さすがに戸惑いを隠せない。
親子会までの間、助六は居残りについて考える。樋口から居残りだけを集めたテープを借りて勉強する。全員が全員、違うことに気づき、自分の場合を考える。
親子会当日、八雲から近頃の行動について問われる。助六は半端だった背中の刺青に色を入れて完成させたのだ。これが自分の決意だと。そして、居残りも我を出すのではなく、空っぽにして楽しむのだと。
親子会、先に上がった助六は客席を爆笑させる。続いて八雲が「反魂香」を語り始める。八雲の名人芸とも言うべき語りで客席は引き込まれていく。香が焚かれ怪しい雰囲気が包み込む。幕引き直前に異変が起こる。八雲の前に現れたのはみよ吉、それでも最後まで演じ幕が降りる。その瞬間、倒れる八雲。八雲の前に現れたのは先代の助六、助六は八雲の首を絞めるのだった。

八雲師匠の語りが怪しく、枯れ具合も相まって、本当に引き込まれました。石田さん、すごいです。
助六は先代と同じで人を引き付けますが、根本的に違うことがはっきりしました。先代は「客を楽しませる」を第一にしてました。これに対して三代目は自分が楽しまなきゃという心境に至りました。面白い対比です。後半にかけて、この当たりをクローズアップしてくれると面白いなと思います。{/netabare}

6話…そして助六は助六の落語を見つける
{netabare}舞台上で倒れた八雲はそのまま病院へ運ばれた。慌てる助六と小夏。客はこの事を知らず、助六は残って落語を続けることにした。
助六は「居残り」を語りはじめた。枕なし、気も焦るなか、助六は演じ続けた。この話に客はどんどん引き込まれ、笑いが包み込んだ。助六の居残りは最高の出来だった。移動の車中、最高の出来だったのに八雲に聞かせることができず、助六は松田とともに泣いた。
病院へ着くと小夏と萬月が待っていた。八雲は心筋梗塞で、医学部出身の萬月の初期処置が良かったために一命をとり止めたが、意識は戻らなかった。
八雲の意識が戻らないまま一週間が過ぎた。助六は八雲の分まで働いていた。高座上がりの時、席亭から寄席の建て替えを話を聞いた。そこには歴史を積んできた建物への愛情が溢れていた。電車で移動する助六のもとに樋口がやって来た。樋口は助六の演じた居残りを褒め、八雲とも先代とも違う、新たな助六の落語を見たと話した。別れ際、先代のフィルムが残っている可能性があるとと伝えた。
その頃、病院では八雲が意識を取り戻していた。

あという間の30分でした。居残りは圧巻です。聞きやすいし、何よりアニメの良いところを活かした演出がニクいです。
先代のフィルムが残っているということは、真実に迫るということなんでしょうか。ひとつのクライマックスになるのかな?
関西で大きな地震…阪神淡路大震災のことでしょうね。ということは、平成7年か。あれから22年。八雲が生きていたら90越えていたことになるのかな? あの建物が残っていたら、確実に文化財だったはず。{/netabare}

7話…真実を墓場まで持っていくとはこの事を言う(神回)
{netabare}八雲が意識を回復したものの、引退を口にしていた。勝手に病室を抜けてベンチに座っている八雲のもとに小夏が訪れる。八雲は窶れていた。引退する大きな理由は口が回らないということだった。
助六は松田とともに樋口の誘いで先代のフィルムが残る四国へ向かった。あの場所、亀屋旅館だ。亀屋の従業員が迎えにきていて、樋口を「坊っちゃん」と呼び親しげにしたのを見て、助六と松田が驚く。樋口は幼い頃に父親に連れてこられ、以来、ちょくちょく訪れていた場所だったのだ。しかも、ゆりえ(みよ吉)のことも知っていたのだ。みよ吉は亀屋旅館の女中していて、そこから満州に渡り、先代八雲の妾となって菊比古といい感じになっていたと言うのだ。そして、樋口はみよ吉が入れ込んだ菊比古の落語を見て、落語家になろうとして挫折し、現在に至ったのだ。
フィルムが上映される。そこには若き日の八雲が楽しそうに落語を演じていた。そして先代助六のフィルム。助六は観客の一人になっていた。助六の芝浜を見て、助六は泣いた。先代助六は小夏とみよ吉と一緒にいた時間が幸せだったのだろうと。
上映後、みよ吉の墓に向かう助六たち。そこで松田から驚きの話を聞く。助六の本当の最後の話だった。真実は残酷で、みよ吉に刺された助六を菊比古が介抱しているところに松田と小夏が出くわし、小夏は菊比古が指したと勘違いしてしまったところにみよ吉が小夏に謝り、小夏はみよ吉を押し込んでしまい、転落して助六が飛び込み、ともに落ちていったということだったのだ。つまり、二人を落としたのは小夏だったと言うのだ。小夏は気を失い記憶の断片が残り、八雲を親の敵として育ち、八雲は真実を隠したまま小夏を育てたのだ。松田は助六と樋口にこの事を口止めするとともに、八雲の心を救ってほしいと願う。
助六が家に帰ると小夏が待っていた。助六は泣きながら小夏を抱き締めた。

本当に濃い回でした。過去のフィルムで久しぶりに先代助六の落語を見ましたし、若い頃の菊比古の話もたっぷり聞けました。そのフィルムの質感、見事な再現。それと、銀杏並木の落葉風景も見事な色彩でした。
先代助六とみよ吉の最後があまりにも残酷すぎて…。松田さんが小夏に誰の子供か分からない子を宿した時に見たこともないほど怒ったというのも、この事があったからなんでしょうね。なにも言わず小夏に敵と思われても大事に育ててもらった訳ですし。ただ、もうひとつ疑問が。松田さんが話したのは刺された後のこと。刺した瞬間は見てないんですよね。途中まで真実なら、みよ吉に心中迫られた菊比古を庇って助六が刺されたということになりますが、果たして?
それにしても八雲の枯れっぷり、見事です。この八雲見ていると、なぜか歌丸師匠思い出すのですが、歌丸師匠はアクティブなので全然タイプ違いますね…。萬月さんは鶴瓶師匠がモデル?
ともかく、この回はこの作品の神回です。本当にすばらしいアニメです。{/netabare}

8話…この師匠にこの弟子あり
{netabare}萬月師匠と小さな会場で落語会を行う助六。片付けを行う若者は助六の一番弟子だという。いつの間にか弟子を持つようになっていたのだ。
体調の優れない八雲、そんなときに樋口が訪ねてきた。樋口は過去の資料を八雲に見せ、八雲に自分の芸を残すべきと訴え、八雲が残したくないのであれば消去するという。
忙しく働く助六と小夏、河原で佇んでいたときに助六が八雲が歩いているのに気づく。駆け寄る二人に弱気な発言をする八雲だった。
八雲は親分と会っていた。お互いに年老いて、気弱な二人だが、親分は八雲の落語を見たいという。兄貴もまた同じだったが、松田さんが機転を利かす。
八雲と松田が芝居を見物したあと、松田は車を料亭の方へ向けた。そこには助六が待っていて、そこで一席を興じてほしいほしいというものだった。襖を開けると、そこには八雲と親しい面々が揃っていた。まずは助六が話を始める。それは「芝浜」だった。そう、先代のフィルムを見た助六が自分の話として興じたのだ。芝浜を演じられた八雲は心が疼いた、逃げられないと悟り、話を始める決心をした。そして話始めた瞬間、警察が現れそこにいた親分を逮捕した。容疑は銃刀法違反だった…

今週もずっしりと重くなる話でした。枯れ行く八雲に、どんどん前に向かっていく助六の対比がなんとも言えない雰囲気を醸し出しています。
助六が話すのは居残りかと思ったら芝浜、これはさすがにやられました。しかも、上手いもの。あの事を思い出しながら話す助六が涙流すシーンはグッと来ました。そして、ラストの逮捕のシーン…思わず金八二期の加藤が逮捕されるシーンを思い出したのは…俺だけでしょうね…。{/netabare}

9話…そこに現れたのは…死神だった
{netabare}親分は懲役6年だった。八雲、信坊と助六が揃って銭湯に行き、そこで助六が慰問の落語に行こうと八雲を誘う。八雲は刑務所の慰問落語を行う、話は「たちきり」だった。その話は受刑者たちの涙を誘った。話しのなかでみよ吉を見る八雲、それに気づく小夏、さらに小夏が気になる助六だった。
助六の落語会に顔を出す八雲。その途中で抜け出す八雲に樋口が問いかけるが、八雲の助六の評は散々だった。そして樋口に助六へ扇子を渡して欲しいと願う。その扇子は二代目が使っていたあの扇子だ。
ある日、寄席に八雲がやって来た。そこにいた萬月と小太郎を追い出し、一人で舞台に向かった。誰もいない場内、舞台の蝋燭に灯をともし、話を始める。「死神」だった。その語りはその後の流れを案じるかのような枯れはて、怪しいものだった。話が終わろうとするとき、その人が客席に現れた、二代目助六。二人は話し始める。その話の終わりに助六が八雲を捕まえ、甘いと言って蝋燭を客席に投げる。助六は死神に変わっていた。客席が火の海になり、死神に押さえつけられる八雲に、三代目が助けにやってくる。八雲は「死にたくない」と本音を言い、助六に救われる。

枯れていく八雲師匠に追い討ちをかけるみよ吉と先代の助六。覚悟を決めていたのに、最後の最後に死にたくないといった八雲師匠の本当の気持ちが見れて泣けました。ようやく八雲師匠が救われたのではないかと思いたいです。
ここのところずっと重たいのだけど、引き込まれっぱなしで、本当に1話が早いです。石田さんの枯れっぷりの見事さ、やっぱり中の人は大事だと改めて思います。{/netabare}

10話…邂逅…その後に待っているもの
{netabare}寄席は燃え落ちた。間一髪で救われた八雲は病院へ、助六は寄席の後片付けに。席亭から「元気でいりゃ落語なんざどこでもできる」「お前がいてくれて本当によかった」と声をかけられる。
桜の咲く時期、小夏と話す助六。いつものとおりの会話の中で、小夏のお腹には助六の子供が宿ったことを知り喜ぶ二人。
樋口と助六が落語について話す。新作は師匠の目の黒いうちはやらないという。そして、師匠と自分の関係について語る。
病院から戻った八雲。小夏と話す。小夏がこれまで見せたこともない、八雲への思いと感謝を語る。八雲の表情もこれまでに見たこともないくらい柔らかいものだった。助六の落語がラジオから流れ、笑う二人。そこへ信之助が元気に帰ってくる。静かで暖かい時が流れる。
そして、場面は突然変わる。廊下と思しき場所に倒れた八雲に、再び先代助六が近寄ってきた…。

この回は30分、涙溜めっぱなしでした。席亭の言葉、小夏と助六の子供が宿ったこと、小夏と八雲の会話と、八雲の表情。ようやく小夏と八雲が邂逅した感じです。枯れ果てた八雲が、なにかツキが取れたようなやさしい表情をしたのがすごく印象的で、なんだかんだ言いながらも先代とみよ吉の子供を育ててきて、ぶっきらぼうでも、ちゃんと分かってくれたことが嬉しかったのか、本当に泣けました。
それにしても、またもや先代助六が現れたけど、今度ばかりは嫌な感じです。だって、次回予告に人物登場してないし…せっかく生き延びて、ようやく穏やかになれたというのに…。{/netabare}

11話…別れは悲しまないように
{netabare}倒れた八雲に寄ってきた先代助六は言う「おめぇさん、死んじまったんだよ」と。そう、ここは死後の世界への入り口だった。助六から死んでしまった理由が聞かされる。穏やかだった午後のひとときのあと、様態が急変し、逝ってしまったのだという。
助六から三途の川の渡船場を案内される。そこは賑やかな街場だった。人生全うした人は懐が多目に渡されすぐに渡れるのだが、助六は少ない上にあの性格である。懐が貯まるわけがなかった。
ここは死後の世界。容姿も変えられるということで助六は信さん、八雲は坊となって昔の二人の会話を始める。風呂場では助六と菊比古になり、会話のなかで助六が刺された本当の理由がさらりと明かされる。助六は小夏を残したことを悔いていたが、菊比古が育て上げたことに感謝した。
風呂上がり、みよ吉が助六のもとに来て文句をいう。そこに菊比古が居たもので助六を差し置いて二人っきりになり会話する。みよ吉は明るかった。そして、助六を大事に思っていた。菊比古の後悔はすうっと消えた。
助六が菊比古とみよ吉を連れて寄席に向かった。なんでも燃え落ちた寄席がここにやって来たのだという。そこには鬼籍の名人たちの名前がずらりと並び、連日演じられているのだという。早速「八代目八雲」の名前があり、八雲はやれやれと思う。
助六が舞台に上がり、話を始める。みよ吉と菊比古の間に子供の頃の小夏が座る。なんでも、最も話を聞かせたい人が一人座れるのだという。場を盛り上げる助六の落語。小夏もみよ吉の膝に座りニコニコ笑っている。
助六のあとを菊比古が話すことになる。助六のあとは嫌だという菊比古に、助六は背中を押す。菊比古は意を決し、八雲の姿となって話を始める。八雲が話を聞かせたかったのは信之助だった。
いよいよ八雲が三途の川を渡るときがきた。助六と八雲、永遠の別れである。二人はまたいつか会おうと約束し、船出する。船頭は松田さんだった。驚く八雲だったが、松田は八雲を見送るのが仕事だと言ってにっこり笑った。

悲しいはずの別れをこのような表現にするとは…かえって泣けました。助六と菊比古の話が全て繋がって、これで二人の物語が終わるんだなと実感しました。
二人のやり取りとみよ吉の話し。全てがきれいにまとまって、本当にいい話です。
最後の最後に松田さん、まさか連れていっていなよね?
もう一話、かなり現代っぽいけど、何年先のことなんだろう。どんな終わりかたにするのか、楽しみでもあり、寂しくもあります…{/netabare}

12話…大団円!この先も繋いでいく物語
{netabare}話は現代に進む。成長した信之助と八雲が亡くなったときには小夏のお腹にいた小雪は高校生になっていた。信之助は落語家になっていたが、どうやら天才と騒がれ、10人抜きで二つ目に昇進していた。
レコード会社との打ち合わせをすっ飛ばし、小夏からこっぴどく叱られる信之助、そこには樋口も同席していた。新之助と小雪が帰った後、樋口から八雲全集が完成しそうだと聞かされ、それに伴う評伝の内容で、どうしても小夏に確認しておきたいことがあったらしい。それは「信之助はひょっとして八雲の子供なのでは?」ということだった。小夏は八雲のことを語り「本当のことは墓場まで持っていく」と言って真実は話さなかった。
新しい寄席が完成し、また、助六は「九代目八雲」として大名跡を継ぐことになった。お練は神輿担いで賑やかに、いかにも与太らしいお練であった。寄席のこけら落とし。口上も軽やかに、これからの落語会のことを明るく話す、本当に明るい未来を描いている感じが伝わる。
先を務めたのは「五代目菊比古」こと信之助だった。そしてトリは「九代目八雲」である。死神を話す。そのクライマックス、八雲が見たものは先代だった。「お前にも見えるようになったかい、哀れだねぇ」と話しかける先代。ハッとなり締める八雲だった。
興行も終わり、桜を眺める八雲と樋口、それに松田さん。松田さんは95歳になっていた。これまでの思い出を話し、良かったと語る松田さん。
樋口と八雲、樋口は先代のことを、そして、与太のことを云々語るが八雲は流す。たった一言「こんなおもしれぇものが無くなるわけねぇべ」と言って。

終わった…。墓場まで持っていくと言った小夏。信之助の本当の父親のこと、先代助六の本当の最後、小夏も与太も互いに墓場まで持っていく話はあれど、たぶん、二人とも知りたくないだろうし、最後まで知らないままでいいのだろうと思います。この話には面倒なことは抜きにして進んでいく展開が似合います。にしても、信之助の姿が若いころの菊比古に似せたのがなんともね…
「助六が八雲になる」これは大きなテーマのひとつだったと思うのです。初代も二代もできなかったことを三代目で成し遂げた、与太郎という人物だからこそ成しえたのだろうと解釈します。
樋口が言っていた「一人で潰すこともできれば、一人で復活させることもできる」これは重い言葉だったなと思います。本当にそうですね、どこの世界にでもある話ではないかと思います。
これで千秋楽。すばらしい物語でした。{/netabare}

まずはこれをアニメにした製作陣に大拍手を贈ります。また、命を吹き込んだ声優陣にも大拍手です。中の人たちが一人でも違っていたら、まったく別の作品になったことでしょう。パーフェクトな陣容でした。

ちょっと感動しすぎて、何を書いたらいいのか戸惑っています。内容について書こうとしても、登場人物に書こうとしても、何を書いても陳腐な感じがして、少し間をとって、もう一度1期から見直して、加えようかと思います。

とある落語家の一生と出来事。昭和から平成をまたいだ時代の移り変わりも加わる人間ドラマです。ドラマ好きの人が見て損は感じない作品に仕上がっていますので、多くの人にお勧めしたいアニメです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 41
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

第1期に比べるとだいぶ完成度が落ちるけど、なお独自の見所がある作品です。

2016年1-3月に放送された第1期は、落語の世界を舞台とする独特の作風で随分面白かった記憶があるのですが、その丁度1年後に放送されたこの第2期は、視聴前の期待値が高くなりすぎていたこともあって、主にシナリオ面で些(いささ)か失望してしまいました。

その第1期の方は、個人的に3周コンプまでして、レビューもやたら長くなってしまいましたが、この第2期は、1周しただけで「もういいや」という気分になってしまい、このままだと内容を忘れていく一方なので、記憶に残っている範囲で簡単にレビューしておきます。


◆主なマイナス・ポイント

やっぱり

(1) シナリオに色々と{netabare}ヤクザ(※反社会的暴力集団){/netabare}が絡んでくる点と、
(2) あからさまな{netabare}精霊会議(というか幽霊会議){/netabare}をやっちゃった点。

・・・かな。
個々の回のシナリオは相変わらず見所が多いのだけど、個人的にはどうしても、この2点で全体シナリオには第1期ほどの高い点数は付けられません。

そして、それに加えて

(3) 第1期の大詰めで描かれた{netabare}「助六(信さん)とみよ吉の違(たが)え心中」が、本当は事実ではなくて、八雲(菊比古)が小夏を庇うためについた嘘だった{/netabare}・・・というエピソード(※第7話)を見たときに、何だか丁度自分が前作で一番驚嘆してしまったシーンについて、いきなり卓袱台(ちゃぶだい)をひっくり返された!みたいな残念な気持ちになったこと、
(4) 第1期のときのように、落語ネタに紛れて{netabare}歌舞伎の助六心中ネタ{/netabare}を用意周到に作中に忍び込ませておく、といった芸の細かさが、今回は見当たらないこと、

・・・も若干のマイナスとなりました。


◆逆にプラス・ポイント

落語の世界を舞台とする独特な作風・・・という点で、前作と変わらずやっぱり大きな視聴価値を有する作品と思っています。


《結論》取り敢えず第1期をお試し視聴してみて、もしそこでハマった人なら、その後日譚という位置づけで一回は視聴して損のない作品です(※つまり、第1期は強くお薦めできる作品ということ)。


◆制作スタッフ
{netabare}
原作コミック     雲田はるこ
監督         畠山守
シリーズ構成     熊谷純
キャラクターデザイン 細居美恵子
音楽         澁江夏奈
アニメーション制作  スタジオディーン{/netabare}


◆各作品タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

====== 昭和元禄落語心中 -助六再び篇- (2017年1-3月) ======
{netabare}
第1話 ★ 与太の助六襲名披露、樋口先生(ひーさん)、落語界の死神、未練
第2話 ★ 与太(助六)のスランプ、二人会での失態、八雲師匠と樋口の再会
第3話 ★★ ヤクザとの因縁、与太の男気、父親、八雲師匠の「居残り」 ※あからさまなヤクザネタは流石に×
第4話 ★ 人気噺家助六、信乃助の成長、古典と新作落語、小夏の高座
第5話 ★ 師匠との親子会、「反魂香」、八雲人事不省(みよ吉・先代助六の幻影)
第6話 ☆ 与太の「居残り」、雨竹亭の建替え話、八雲意識回復
第7話 ★ 樋口と百合絵の縁、徳島の上映回(八雲師匠、先代助六)、心中事件の真相 ※卓袱台返し・・・
第8話 ★ 料亭やな島の一席(与太の人情もの(芝浜))、吉切組組長逮捕
第9話 ☆ 鈴ヶ森刑務所慰問会、八雲の一人落語、死神、雨竹亭炎上、未練
第10話 ☆ 小夏懐妊、与太と信之助の「のざらし」、八雲と小夏の和解、冥途の渡し
第11話 ★ ※ここで精霊会議!(シュールな展開で違和感強いが見所はある回)
第12話 ★ 八雲没後17年(小雪高校進学)、雨竹亭開席(五代目菊比古、初代小助六、九代目八雲) ※ラスト花川戸を歩く助六(与太)で締めは◎{/netabare}
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★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)8、☆(並回)3、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.1

OP 「今際(いまわ)の死神」(第2話、4-10話)
ED 「ひこばゆる」(第4-10話)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

76.9 14 2017年冬(1月~3月)アニメランキング14位
結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (411)
1781人が棚に入れました
「結城友奈は勇者である」より2年前、神世紀298年。鷲尾須美は小学六年にして神樹によって選ばれた世界を守る勇者である。同級生の乃木園子、三ノ輪銀と一緒に「お役目」をこなす事になるが、この二人は天然だったり元気良すぎたりと問題児の雰囲気。須美は精一杯、役目を頑張ろうとするが―。

声優・キャラクター
照井春佳、三森すずこ、内山夕実、黒沢ともよ、長妻樹里、花澤香菜
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

英霊未(いま)だ嘗(かつ)て泯(ほろび)ず

本シリーズのヒロインたちは、例えば、結城友奈ならヤマザクラ、東郷美森ならアサガオ、乃木園子なら青バラ・・・という風に、自らを象徴する「花」をもっていることにまず注目しましょう。

ここでレビュータイトルに即して言うならば・・・

《英》は、①はなぶさ(花房)、②「すぐれて美しい」の意。
《霊》は、①肉体と独立して存在すると考えられる心の本体。また、死者の魂。霊魂。たま、②目に見えず、人知でははかりしれない不思議な働きのあるもの。神霊・山霊など。

そして、この2文字が組み合わされた、《英霊》という、本作中しばしば言及される言葉は、その典拠を漢籍ではなく、意外にも日本で作られた漢詩に持っているそうです。

すなわち、日本独自の政治的/歴史的状況を反映した大義名分論(いわば日本版朱子学)として江戸期に興起し隆盛した水戸学の後期の代表的論者であり、幕末の武家階層の青少年に大きな思想的影響を及ぼした藤田東湖(ふじた・とうこ 1806-55)が、中国南宋末の忠臣文天祥(ぶんてんしょう)の詩『正氣歌』に感じ入って詠んだ詩『和文天祥正氣歌』(1845年作)(※読み「文天祥正気(せいき)の歌に和(わ)す」)中の一節

“乃知人雖亡,英靈未嘗泯。”
(※読み「乃(すなは)ち知る 人亡(ぼう)ずと雖(いへど)も,英靈未(いま)だ嘗(かつ)て泯(ほろ)びず」、※現代語訳「人は死んでしまっても、英霊は決して滅びてはいない、ということが分かる(=乃(すなわち・・・知る))。」)

・・・が、その初出であり典拠なのだそうです。

※参考サイト
日本漢詩選 (和文天祥正氣歌 藤田東湖)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/jpn15.htm

この漢詩の一節にはまた、“或伴櫻井驛,遺訓何殷勤”(※読み「或(あるい)は櫻井の驛(えき)に伴(ともな)ひ,遺訓何ぞ殷勤(いんぎん)なる。」)とあり、このように水戸学の最大の実践的提唱は「楠公を顕彰・敬慕し、その事績に自らも続く」ことにあるのですが、本作の制作者(岸誠二・総監督、上江洲誠・シリーズ構成)コンビが本作以前に制作した作品『人類は衰退しました』(2012年)の第1話には、何故か「クスノキの里」という設定が唐突に登場していて、尚かつ、その第3話には同類誌(※同人誌みたいなもの?)「楠」創刊のエピソードまであって、「あれ???この人たち、もしかして分かってる??」という、とても偶然とは思えない気持ちを喚起されてしまいました。
(※もっとも、『人類は衰退しました』は田中ロミオ氏が原作者なので、そちらから設定なのかも知れませんけど)


◆“無垢な少女”に仮託して物語られる“英霊のこころ”

そこまで難しく考えなくても、例えばアニメ作品で、「英霊」という言葉が度々使われた作品というと、私の知る範囲では2012年の人気作『Fate/Zero』が、真っ先に思い浮かびます。

その『Fateシリーズ』での“英霊”の定義を引用すると・・・
{netabare}
「過去・現在・未来の全時系列のどこかに存在した英雄たちの霊。
実在したか否かを問わず、神話や伝説・歴史において偉大な功績をあげ、死後もなお人々からの信仰の対象とされた英雄の霊格が精霊・神霊・聖霊(いずれも人よりも高位とされる)の域にまで昇華され、世界の外側にある「英霊の座」と呼ばれる領域に押し上げられることで、時間軸、輪廻の輪、因果の枠からも外れて不変の現象となった存在。」{/netabare}

・・・このようにFateシリーズでは、“英霊”の定義がやや変形されてしまっているのですが、それでもこの言葉を多くのゲームファン/アニメファンにとって身近なものとして普及させた点は大いに評価したいと思います。

そして、2014年の秋にTVシリーズ(第1期)が制作・放送され、2017年春~夏にかけてその前日譚が劇場版3部作として公開され、その後、同年秋に後日譚と併せてTVシリーズ(第2期)として放送された『結城友奈は勇者である』シリーズでは、より本来の定義に近い“英霊”の“姿”そして“こころ”の動きが、

「無垢な少女」に仮託されて

・・・描き出されているように、私には見えました。


※参考動画 [MAD] 鷲尾須美は勇者である OP - サキワフハナ -
https://www.youtube.com/watch?v=v6SmKhF5_-k

因みに、このMAD動画は2017年の7月にようつべにupされて以来、現時点(2018/12/4)で再生回数、実に 246,946 回に及びますが、関連動画も含めて制作側から別段削除の要請もない(※コンテンツとして成功を収めたので削除する必要も感じていないのかも知れませんが)、ということで、制作側としてはむしろ、同シリーズ劇場版3部作のエッセンスを上手く集めて要約した動画として新規視聴者向けに視聴を密かに推奨しているのかも知れません。


◆本シリーズへの感想は人それぞれ

「英霊がなぜ少女に仮託されるのか?」から「そもそも英霊は顕彰され思慕されるべきものなのか?」まで含めて、本シリーズへの感想は、視聴者の現時点での知識や認識の状況に従って様々に分かれると思いますし、ことに2014年秋に放送されて、円盤売上等コンテンツ全体の成績としては大成功を収めたはずの第1期『結城友奈は勇者である』については、視聴者によっては激しい反感・嫌悪の念を呼び起こす結果となり、そうして極端に低い評点を付けてしまう方が放送当時から後を絶たなかった影響で、本サイトでの本シリーズ作品の総合評価は、その作画面からもシナリオ面からも際立つ出来の良さに比較して、残念ながらイマイチ高く付いていません。

しかし、そうした賛否両論を含めて、視聴者にここまで激しい感慨を抱かせた稀有の作品の、その真価を個々人が改めて確かめる、という意味で、やはり本シリーズは「一度は視聴してみるだけの価値がある」と考えます。

今、ここで分からなくとも、それが切っ掛けとなって、数年後には、何かしら分かってくることがあるかも知れませんしね。


◆章別評価

(1) 鷲尾須美の章 ★★ 4.6   (6話) ※第1期の前日譚
(2) 総集編      ☆  3.9   (1話) ※第1期の総集編
(3) 勇者の章    ★  4.0   (6話) ※第1期の後日譚
--------------------------------------------------
  総合       ★  4.3   (計13話)

※なお、第1期 『結城友奈は勇者である-結城友奈の章-』の個人評価は ★★ 4.7 です。

・・・よって、本シリーズ全体への個人評価は ★★ 4.5  となります。


◆視聴メモ
{netabare}
・上記の章別評価の通り、劇場版3部作を分割・再構成した前半6話(鷲尾須美の章)の出来はやはり秀逸。
・ただし、後半6話(勇者の章)は、視聴前の期待を高くし過ぎてしまったこともあって、残念ながら今一つの出来と感じてしまいました(※それでも十分に楽しめましたが)。
・なお、前半で劇場版主題歌「サキワフハナ」を一切使用しなかったのはかなり残念でした(※どこかへの配慮があったのか??)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           Project 2H
企画・原案       タカヒロ
総監督         岸誠二
監督          福岡大生
シリーズ構成     上江洲誠
脚本           上江洲誠、タカヒロ
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、酒井孝裕
音楽           岡部啓一、MONACA
アニメーション制作  Studio五組{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

===== 結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章- (第2期) (2017年9月-2018年1月) ====

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 鷲尾須美の章 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - - OP「エガオノキミへ」、ED「ともだち」 - - - - - - - - -
{netabare}
第一話 わしおすみ ★ 神世紀298年初夏、初めてのお役目(アクエリアス襲来・撃退)、鎮花の儀 ※OPなし、ED「エガオノキミへ」
第二話 ともだち ★★ リブラ撃退、園子の隊長指名、合宿、銀の家庭事情、カプリコーン撃退 ※須美の気負いと気付きの描写は◎
第三話 にちじょう ☆ 3人の休暇 ※劇中歌「国防体操」
第四話 たましい ★★ バーテックス3体同時襲来(キャンサー/スコーピオン/サジタリウス)、銀奮闘・戦死、※ED「たましい」
第五話 さよなら ★ 告別式、ヴァルゴ撃退、夏祭り、新装備導入
第六話 やくそく ★ 精霊出現、バーテックス再び3体同時襲来(アリエス/ピスケス/レオ)、満開と体の異変、園子連続満開、第1期へ ※ED「やくそく」{/netabare}

総集編 ひだまり ☆ ※{netabare}東郷視点から見た第1期(結城友奈の章)の総集編{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 勇者の章 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - OP「ハナコトバ」、ED「勇者たちのララバイ」 - - - - - -
{netabare}
第一話 華やかな日々 ★ 神世紀300年秋、園子の勇者部入部、東郷不在の気付き ※OPなし、ED「ハナコトバ」
第二話 大切な思い出 ☆ 東郷の消息、壁の外へ、生贄の巫女、東郷救出
第三話 あなたを思うと胸が痛む ★ 友奈の異変、風の交通事故、天の神の祟り、Xmas Eve
第四話 秘めた意志 ★ 新年、友奈の試練、勇者御記
第五話 清廉な心 ★ 神樹様との結婚(神婚)、天の神襲来、勇者たちの最後のお役目
最終話 君ありて幸福 ★ 続き、地の神の消滅{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)8、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

花降る寂寞の中 花散るまだその前に 君は一人なんかじゃないよと この光を届けに行くんだから

2017年放送中のアニメ 全12話?

原作 Project 2H 総監督 岸誠二 監督 福岡大生 構成 上江州誠
制作 Studio五組

14年に放送された衝撃的魔法少女アニメの第二期。
前半は劇場版「鷲尾須美は勇者である」3部作をテレビ版6話くらいで再構成という話です。
順番が違うのでもしかしたら一期を観ていない人でもいいのかもしれません。
鷲尾須美は勇者であるストーリーの次に結城友奈は勇者であるストーリーが来ます。
原作がそうなので、1期を観ていない人でもまずは観始めてもいいと思います。

今回のテレビ放送順
「結城友奈は勇者である-鷲尾須美の章」「結城友奈は勇者である-勇者の章」
この中間に14年放送の「結城友奈は勇者である」全12話が入ります。

鷲尾須美CV三森すずこ (1期の東郷美森)
乃木園子CV花澤香菜
三ノ輪銀CV花守ゆみり

すでに劇場で観ている人が多く、好評の様でしたので前半は間違いない力作でしょう。
小学生の力技系魔法少女による絶望的戦いの日々。
号泣確定の前半のようです。

第一話は派手な変身シーンや初バトルなど見せ場は盛りだくさんですが、
主人公が鷲尾須美(東郷美森)と言うことで落ち着いた会話中心の見やすい序盤でした。

第二話は本格的戦闘シーンが見せ場。
映画「鷲尾須美は勇者である」第一幕の終了。

第六話を観終わりました。
劇場版「鷲尾須美は勇者である」はここまでだと思います。
花澤さんの壮絶な叫びと共に鷲尾須美の物語は終わり、
語りては結城友奈に引き継がれます。
とてもきれいに繋がりました。

「結城友奈は勇者である」の総集編を挟んでいよいよ新編「勇者の章」
さて、どんなラストシーンが待っているのか楽しみです。

観終わって。
「勇者の章」感動したかと聞かれれば、微妙ですが最終回は本当に綺麗でした。
前作からの期待と、すでに「鷲尾須美は勇者である」を見割った人の絶賛から、
ハードルを大きく上げて観たのにもかかわらず、満足できる作品には感じられました。
続編が多数執筆されているので「勇者の章」のエンディングは見た通りのものではないと思います。
過去の名作アニメへのリスペクトもうれしい勇者の章のエンディングは、
連載途中としては素晴らしい出来だったと思います。


1期2期共に少女達を通して「勇者としてあるべき姿とは」というテーマを追い続けた作品。
物語としての完成度は高いですが、分析するのはこの子たちに対する裏切りのような気がして、
ただ見たままを心に刻みたい作品と感じました。
バーテックスと神樹は自然の存在ですが、弱い立場の人間でも、
忘れられぬ想い、仲間たちの魂が乗り移った結城友奈の一撃を、
視聴者が信じてこその感動、つまり何度も再視聴が必要です。
見る人が信じてこそのこのラスト、真実は視聴者それぞれの魂なのです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 43
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈「は」勇者である

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
本作(わすゆ)は、まずは1期「結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)」の(時系列的に)2年前の物語のため、ゆゆゆ視聴者は、結末を分かった上での視聴になります。

しかし、ゆゆゆ視聴者にも、御新規さんにも、どちらでも楽しめるような親切な構成になっていたと思います(剣道部は、ゆゆゆ視聴済)。よって、視聴順序はいかようにでもよろしいかと♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(大盛りレビュー)】
{netabare}
「ゆゆゆ」視聴済の立場としては、結局、須美は「下半身麻痺、記憶喪失」。園子は「全身様々な機能を失い寝たきり」。銀は「(多分)死亡」。という結論(悲劇)が待っていることが分かった上での視聴になる。当然、3話や4話の日常回に心癒されることはなく、むしろ悲劇への伏線として観てしまう。

一方、わすゆ から視聴を始めた御新規さんは、平和な日常から悲劇へ叩き落とされる、我々がゆゆゆで体験したのと同種の経験をするだろう。各話のアバンにある手記の黒塗りを予想するのも楽しいと思う。

1クールの中で、総集編を挟んで、実質の1期(わすゆ)と3期(勇者の章)をやるというのは、新しくて面白い構成だったと思う。中でも、たった7話でまとめた「わすゆ」は素晴らしかった。「ゆゆゆ」が念頭にあることで、世界観の説明を大幅に省け、ストーリー的にも「三ノ輪銀の死」という一点に向かっている無駄の無さがあり、出来たことだと思う。

私はよく、「作中人物の死」について否定的なレビューを書くけれど、「三ノ輪銀の死」には肯定的。ストーリー上、確実に深みを与えているし、何より、あそこまで「死後」を丁寧に扱っているのは、素晴らしい。久々に、アニメを観て切なくなった。

実質の3期にあたる、8話以降の「勇者の章」。まず、園子の復活というのは意外だったし、嬉しくもあった。

そこからは、結奈の葛藤と勇者部との軋轢を中心に話は進むが、興味はラスト、「広げた風呂敷をどう畳むか」が主だった。一応、考えてた候補としては、

A ハッピーエンド
神樹様と融合した友奈が、なんかすごい力を出してバーテックスを全滅させ、ついでに新世界創造。みんなで新たな生活を始める。

B ビターエンド
実は神樹様は悪者であり、四国を自身の配下に置いていた。バーテックスは、外の世界の人類が四国を救いだそうとする姿を悪者に見せていた幻覚だった。勇者部が友奈を助ける為に神樹様を倒し、結果的に四国解放。今までで騙されていたことを知り、じゃあ銀は何のために死んだのか等悲しみは残るが、元の世界には帰還できた。

C バッドエンド
勇者部が友奈を助け、世界滅亡。


という3つがあり、本命はB、大穴でCだったのですが、いずれも違いましたね。まあ、AとBを足した感じなのかな?

最後は、「多分」こういうことなんだろうと(一周しかしてないから自信なし)。

①人類を滅ぼしたい「天の神(バーテックス&炎)」と、人類を守りたい「地の神(神樹様)」がケンカをする(『鷲尾須美は勇者である』のずっと前)。

②「地の神(神樹様)」は大分追い詰められ、四国だけを自分の結界で守り、籠城戦に突入(勇者システムが確立し、その中で、銀など様々な勇者が死んでいった)。(『鷲尾須美は勇者である』(2期7話)まで)

③天の神は、地の神の所に総攻撃。勇者部の奮闘により退ける事には成功するが、東郷美森の暴走により、神樹様は大打撃を受け、HP半減。(『結城友奈は勇者である(最終話まで)』)

④瀕死の神樹様は、自らのHPを回復するため、人間を取り込む計画(神婚)を実行。その前段階として、勇者部の体のパーツを自らの力で生み出し、勇者部(特に友奈)を神に近い存在に作り替える。(『結城友奈は勇者である(1期最終話)』~『『結城友奈は勇者である(勇者の章、2期12話)』まで)

⑤神婚の直前で、友達の為に死力を尽くす勇者部の姿、「人間を信じてほしい」という友奈の言葉を信じ、これまでは、「人間に満開→散花させ(人間の生命力を使い)、自らの力として戦ってきた神樹様」が、「自らが満開→散花し(自らの生命力を使いに)、人間(友奈)の力になってあげ、人間に全てを任せること」を決意。オラに力を分けてくれ~とばかりに、神樹様と歴代勇者(特に銀)の力を得たスーパー友奈の超勇者パンチにより、天の神(バーテックス&炎)を撃滅させる(『結城友奈は勇者である(最終話)』)

⑥天の神を撃退したことで、それまで炎に包まれていた「外の世界」が戻ってくる(ただし、②の時点で世界は滅んでいるので、四国以外は廃墟と化し、四国民以外の人類も存在しない)。同時に、満開によって力を使い尽くした地の神(神樹様)は死に、様々な加護(インフラや食料、原料、材料など)はなくなる。その中で「自力」で生きていかなければならない人類。活動を再開した勇者部。どうか平穏な日々を(『結城友奈は勇者である(ラストシーン)』)。


てな感じですかね? まあ、ようは、「人類の自立(親離れ、神離れ)」がテーマなんでしょう。ある意味で、「神様(神樹様)と人間(勇者部)に芽生えた友情(信頼)」とも考えられますね。これまで、神に全てを託してきた大赦の人々が麦に変わったのも、地に足をつけて生きろということだろうし、これなら、歴代勇者達の死も無駄になっていないし、まあ、良いラストではないでしょうか♪

この世界の今後と、勇者部の未来に、幸多からんことを祈って、相変わらずのクソ長いレビューを終わります!
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「わすゆ」に関しては、「ゆゆゆ」視聴者は悲劇を想定しながら、御新規さんは「平和な日常から悲劇への落下」を、どちらの立場でも楽しめるだろう。たった12話で、実質の1期と3期を流す構成は面白かった。

ラストは神樹様が人類の可能性を信じて、自らがバーテックスと相討ちした流れ。つまり、「人類の自立(神離れ)」。

この滅んだ世界の先で、人類の未来に、勇者部の未来に幸多からんことを♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
結論が分かりながら悲劇を眺めるというのもな。

2話目
南無八幡菩薩、平家物語の与一の弓ですね。合宿回。

3話目
日常回。平和な時間は、悲劇を引き立てるためのスパイス。

4話目
日常回。平和な時間は、悲劇を引き立てるためのスパイス。

5話目
もう死亡フラグでしかないよね。バトルは熱いね。

6話目
雨の作画、実写かってレベル。葬儀をしっかり見せるのは、良いですね。銀が死ぬのが10分、死を悼むのに30分。

7話目
満開も散花も確かに残酷だけど、死んだり滅んだりするよりはマシという考え方もあるわけだしね。ここで、ゆゆゆ に繋がってくるわけですね。わりとアッサリだね。

総集編
ゆゆゆの話。これ、1期を知ってるかで大分違うな。

8話目
こっから、「ゆゆゆ2期」なんだね。園子、勇者部に入部か。うまい展開だな。3角形を5等分w ワッシーのいない日常ね。ワッシー、人柱?

9話目
精霊は、ある意味、義輝が一番可愛いw 勇者システム、都合よすぎるけど、リスクモ提示されてるから、まあ、良いか。流石に園子。腹のくくりかたが違う。なんか、色んな事がうまくいきすぎていて、怖いな。ラスト、うまいシーンだ。

10話目
「陳謝」は、面白かったw 日常系として優秀だな~。話すと不幸が伝染。

11話目
東郷さん、犯罪者臭いがw いやいや、なんか「余命三ヶ月の花嫁」みたいな感じだな。一応、前作のラストシーン、「ご都合主義」の伏線を回収。やはり、リスクはあったか。

12話目
武士道とは、死ぬことと見つけたり。う~ん、神婚を否定するのは、友奈をより苦しめないかな? 友奈の本音。モラルジレンマだね。これ、神樹様、悪者説かな?

13話目
う~む、理解が追い付かん。滅んでいた世界に、神樹様の力で成り立っていたインフラとかが消え、もとの滅んだ世界になり、そのかわりバーテックスなども来なくなったとかかな? 力業感はあるかな。でも、銀ちゃんの登場と、「勇者は根性」は熱かったです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44

74.6 15 2017年冬(1月~3月)アニメランキング15位
青の祓魔師 京都不浄王篇(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (399)
2542人が棚に入れました
人間の住む「物質界(アッシャー) と悪魔が住む「虚無界(ゲヘナ)」。
本来は干渉することすらない二つの次元だが、悪魔はあらゆる物質に憑依し、物質界に干渉していた。
しかし人間の中には、そんな悪魔を祓う『祓魔師』が存在した―。

魔神(サタン)の落胤として生まれた奥村燐は、己の出自を隠し祓魔師になることを決意。
正十字学園内部に存在する祓魔師養成機関・祓魔塾に通っていたが、地の王・アマイモン襲撃の際、
魔神の落胤であることが露見してしまう。魔神の「青い炎」を恐れ、燐と距離を置く仲間たち……。
そんな最中、学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が何者かに盗まれてしまい、
燐たちは予期せぬ事態に巻き込まれていく―。

声優・キャラクター
岡本信彦、福山潤、花澤香菜、中井和哉、遊佐浩二、梶裕貴、喜多村英梨、高垣彩陽、佐藤利奈、平田広明、神谷浩史、浦山迅、小西克幸、谷山紀章、M・A・O、山路和弘
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

《僧侶枠》の《異能バトルもの》

因みに、第1期とはシナリオがつながっていません(※こっちが原作マンガどおりの展開)。
今回も第1話からまずまず飽きずに楽しめましたが、やっぱり{netabare}敵ボス(悪魔堕ちした藤堂元祓魔師)が小物っぽかったのと、召喚(※じゃなくて再生)されたその敵の切り札が自分自身の意思が殆ど感じられないただの迷惑な怪物{/netabare}でしかなかったのが、ちょっと残念。
そのせいで、第1期から幾分評点が低くなりました。
やっぱりこのシリーズは{netabare}メフィスト・フェレスが本性を曝(さら)す{/netabare}迄は面白くなりそうにないな。

========== 青の祓魔師 京都不浄王篇 (第2期) (2017年1-3月) =========
{netabare}
第1話 嚆矢濫觴(こうしらんしょう) ★ 悪魔堕ち(藤堂三郎太)、「不浄王の左目」盗難、京都へ
第2話 呉越同舟(ごえつどうしゅう) ☆ 明陀宗の内部事情(竜士の両親、志摩京都出張所所長、「右目」守護)
第3話 疑心暗鬼(ぎしんあんき) ☆ 裏切者捜し  
第4話 背信棄義(はいしんきぎ) ★ 宝生蝮の「右目」略奪、明陀宗座主・勝呂達磨と竜士の喧嘩、青い炎噴出(燐)
第5話 合縁奇縁(あいえんきえん) ☆ 達磨の置手紙、獅郎との出遭い、明陀宗本尊(倶梨伽羅)
第6話 綿裏包針(めんりほうしん) ★ 降魔堂の秘密、伽樓羅使役(藤堂vs.達磨)、不浄王封印解除、伽樓羅奪取(藤堂)
第7話 気炎万丈(きえんばんじょう) ☆ 燐の処刑決定、燐救出、不浄王討伐戦へ
第8話 父子相伝(ふしそうでん) ☆ 烏枢沙摩召喚、竜士の明陀法印継承、藤堂vs.雪男
第9話 雪中松柏(せっちゅうしょうはく) ☆ 続き、胞子拡大阻止戦、雪男の目の青い炎
第10話 不撓不屈(ふとうふくつ) ☆ 不浄王本体出現、藤堂vs.志摩柔造&雪男 ※燐の抜刀までの展開が無駄に長い×
第11話 光輝燦然(こうきさんぜん) ☆ 降魔剣の本領発揮(烏枢沙摩の加護)、不浄王焼却
第12話 虚心坦懐(きょしんたんかい) ☆ メフィストフェレスの計画とシュラの監視宣言、塾生の京都見物、兄弟の絆{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)3、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「一滴の影響」
ED 「コノ手デ」

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

テレビアニメを観ているというよりも、長い劇場版を分割して観ているという感じ

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
良い意味で安定感のある、悪い意味で突き抜けたもののない、少年バトル漫画の王道作品。

12話をかけて1つの戦いを丁寧に描いているので、なんだか劇場版を観ているような気分になりました。

良い意味で丁寧で一貫性のあるストーリー。悪い意味で間延びしたストーリー。まあ、人によって捉え方は違いますな。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「主役は熱血、対役は冷静」「主人公には自分にもコントロールできない悪の力が眠っている」とか、「どこのNARUTO?」というよりは、つまりこれが「少年漫画のテンプレ(王道)」なだけでしょう。類似する作品はと問われれば、「結界師」「鋼の錬金術師」「D.Gray-man」「BLEACH」「CODE:BREAKER」などなど、枚挙にいとまがありません。

いくつかのレビューでも書いていますが、私は基本的に「テンプレ=悪」ではないと思っています。ようは魅せ方です。絵だったり、キャラだったり、台詞だったり、音楽だったり、小ネタだったり。

そういう観点で観たとき、この作品は正に「3中の3」

つまらなくはないですが、すっごい面白いとは言えない感じです。正直、劇場版が作られるなど、あそこまで大ヒットする理由が自分には分からないです。大人達によって作られたヒット作、って感じがします。(いや、普通には面白いんですよ。ただ、ここまでヒットするほどか? という疑問符がついてるだけです)

さて、作品の内容ですが、「不浄王」という古の化け物の遺品(目)を巡る、様々な人物の陰謀などが絵がれています。

序盤は、燐と周囲の軋轢。中盤は、裏切り者は誰だ。そして、燐の救出と復活、不和の解消。終盤は不浄王との対決。

火が司るのは、破壊と再生(死と生)。それが、サタンの子と藤本獅郎の子、兄と弟などの二面性や対立として本作を貫いていて、その部分はよく表現されていたと思います。

最終話のラブコメパートが一番面白かったかな。

OPは、流石に「UVERworld」と言えるクオリティ。歌詞含め、良い曲ですね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キャッチコピーは「青の炎、再臨。」

この作品は、「青の祓魔師」の続編に位置するものです。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

原作は未読ですが、2009年から始まった連載は現在進行形で既刊16巻まで出版されているようです。
今回2期となる「京都不浄王篇」は原作の5-9巻がアニメ化されました。
つまり、原作のストックは未だ十分に残っているという事です。

この物語の主人公は高校生の奥村燐…彼は人から忌み嫌われる能力を持ってこの世に生を受けました。
忌み嫌われる能力…もちろん、望んで得た力なんかじゃなく、自分の傍から次々と人が離れていく力…
燐は言葉と態度に改善の余地はあるものの、明るく心根の優しい少年なんです。

善と悪をしっかり判断し、悪魔の囁きに負けないよう心を鍛えてきました。
料理が得意なのも彼のポイントの一つ…
だから最初は友達もたくさんいたんです…
ずっと隠し続けてきた自分の正体…忌み嫌われる力を解放しないと大切な人を守れない局面が訪れるまでは…

だましていた訳じゃない…
これまでの一挙手一投足に嘘や誤魔化しなんてこれっぽっちも無かった…
だけど駄目なんです…本能的に人が怖がってしまうモノだから…
心の傷が…消えない痛みが激しく警鐘を鳴らすから…
こんな状態で2期となる今回の作品が始まるのですが、正直序盤から胸が痛みました。

人は見る目だけじゃなく…態度や言動までもが露骨に変わっていました。
忌み嫌われる者…これって、その人を周りで囲っている人たちが創造の元凶である事を思い知ります。
それでも、これまでと変わらない振舞いを続ける燐…
果てしなく深く暗い隔たりは、これまでとは明確な違和感を感じずにはいられません。

こんな燐を双子の弟である雪男はどう思っていたのでしょう…
雪男は双子なのに…一緒に生まれたのにその能力を持ってはいませんでした。

小さい頃からずっと一緒だったから分かるんです…
差し伸べられる手に纏わる温かさや優しさの違いが…
だから忌み嫌われる能力…これって万人に対して共通ではないんです。

燐は色々と分かっていました。
弟が自分をどう思っているか…友達がどう思っているか…
そして燐は選択します…
きっと色んな選択肢があったんだと思います。

でも、燐が選択したのは目指すゴールが最短のコース…
その険しい茨の道は、徹底的に燐の身体をいたぶります。
その道を真っ直ぐ進んでいけばきっとゴールに辿り着けると思っていました。
ですが、予想外の出来事が燐の行く手を阻むんです…

きっと事態は最悪…
次々と倒れていく仲間たち…
みんな必死に抵抗したんですよ…それでも悪の根源の膨張が止まらないんです。

皮肉なモノです…
みんなあれだけ嫌っていた力に頼らざるを得ないなんて…
でも頼る…なんてとても言い難いのが実情…
だって使えと言われて直ぐに出来る代物ではないのですから…

こういった物語の幹以外では、仲間や家族との向き合い方や自分の律し方といった気持ちの熱くなく一面と、悪魔の囁きは心の弱った隙間に入り込むんじゃない…時としてねじ込んで…引き裂いてでも強引纏わりついてくるモノである事を思い知らされながら物語が進んでいきます。

燐の願いは叶うのか…
みんなの声は届くのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「一滴の影響」
エンディングテーマは、暁月凛さんの「コノ手デ」
お気に入りはエンディングでした。

1クール12話の作品でした。
続編モノとして安定した面白さがあったと思います。
冒頭にも記述しましたが、原作のストックはたっぷり残っているようです。
当然続編も制作されるモノと期待しています。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

74.2 16 2017年冬(1月~3月)アニメランキング16位
虐殺器官(アニメ映画)

2017年2月3日
★★★★☆ 3.8 (254)
1858人が棚に入れました
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

声優・キャラクター
中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジェノサイドの匂い

伊藤計劃原作、PROJECT第3弾。
ゼロ年代SFベスト国内篇第1位。

核の炎がサラエボの街を焼いた。
テロの脅威に対抗すべく先進国では、
科学技術により監視の網の目が張り巡らされ、
一方発展途上国では内戦と民族対立により、
無数のジェノサイドが頻発していた。

虐殺の陰に常に存在が囁かれるジョンポール。
ジョンポールとは何者か!?
{netabare}アメリカ国防総省で言語を研究していた彼は、
ある日を境に公然と姿を消した。{/netabare}
頻発する内戦と彼との因果関係は!?
内戦の混乱の中、主人公クラヴィスを中心に、
アメリカ軍によるジョンポール捕獲作戦が開始される。

伊藤PROJECTでは最も理解が容易い作品です。
ジョンポールの目的は明確でした。
{netabare}ホロコーストの歴史を学び、
ルワンダやカンボジアの虐殺を学び、
彼は人が持つ古い機能を見つけたのです。
人には虐殺を司る「器官」が存在し、
その器官を刺激し活性化させる「文法」があると。
言葉が人間の行動にいかに影響を及ぼすのか。
良心を捻じ曲げテロリストの芽を育てる。{/netabare}

戦場の少年兵を平易に殺戮するクラヴィスは、
感情を最適化された現代人の象徴でしょうか。
極めて理性的で空虚な人物たちの物語。

皆様にもぜひ触れて頂きたい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 50
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイドの正当化

または
虐殺をジャスティファ~イ

いつもながら原作は未読。本編もレビューも不穏なタイトルですね。文字通り不穏なやつです。
少し前に遇々『バビロン』という迷作に触れ、その作品談義で頻出してたタイトルがこれでした。

・34歳の若さで早逝した原作者伊藤計劃
・原作『虐殺器官』その評価の高さ
・ノイタミナムービーなるブランド

これまで知らなかったことを知ることができました。これだけでもお得感あるかしら。
早逝したこともあり数少ない輩出作品をアニメ化する試み「Project Itoh」三部作の締めを飾った作品。2017年2月公開のR15+指定。115分です。

あらすじ:サラエボで起きた各爆弾テロを機に世界各国でテロが激化。アメリカを筆頭にテロに対抗する中で先進国では沈静化の方向。後進国では内戦や虐殺が頻発。といったIFストーリー。
後進国で指導層に接触し対立を煽り、内戦や民族対立による虐殺などを引き起こす黒幕として暗躍すると見做されたとある人物を暗殺せよ!
その実行役である特殊部隊員クラヴィス・シェパード大尉が主役の物語です。


戦闘行為にまつわるグロ表現っぷりでR15+指定となってます。
詳細に触れると、タイトル“虐殺”から想像しそうなスプラッター的おどろおどろしさが主成分のグロではありません。あくまで銃撃戦で斃れる敵兵の描写がそれらしいだけ。想像と違ってライト風味かもよってことは指摘しておきます。程度や具合は18禁ではなくR15指定ということでお察しくだされ。
年齢制限が入るのはクリエイターがやりたい表現をできていることの裏返しな部分もあって、本作のミリタリ描写はアニメの中でも超一級の部類に入ると思われます。オペレーションの合理性や演出の迫力などモノが違う感じがします。
『劇場版PSYCHO-PASS』のミリタリ描写との既視感を覚えましたが、プロデューサーがご一緒ということで納得。ノイタミナで辣腕をふるった山本幸治さんです。それでノイタミナムービーということもあるのね。いろいろ繋がってきました。


 世界観 ◎ ※後述
 軍描写 ◎


軍事作戦がベースにあるお話なので根っこが変だと台無しになっちゃいますがその心配はありません。
あとは通しでの物語の面白みであったり、黒幕ジョン・ポールの目的が腑に落ちるものかだったり、やはりというか作品から受け取るメッセージへの共感の有無が気になります。


 物語 △と○の間


タイトル回収を済ませ、大国のエゴも匂わせる国家の繋がりや人間の持つ原罪のようなものへの言及。おそらくこうだろうと想像できる結末もアリといえばアリ。ただしいかんせんよくわからない。

 {netabare}雰囲気だけかっこいい?{/netabare}

劇場版なので視聴者に想像させる手法を否定しないけど軽い匂わせ止まり。肉を焼く匂いで白飯を食べるような感覚。もう少し踏み込んで欲しかったです。
ところがふとしたとこで原作のネタバレを聞き、

 物語・改 ○と◎の間

となりました。

※原作ネタバレ
{netabare}ジョン・ポールの遺志を継いだクラヴィス・シェパードがアメリカに戻り、“虐殺の文法”を駆使してアメリカを内戦に導いていく。{/netabare}

{netabare}小国の犠牲の上にある大国の繁栄について自問自答が描かれてたとのことです。南北問題ですね。{/netabare}


“人工筋肉”なるガジェットが途上国の子供たちによる搾取的な労働に支えられている、とフェアトレード運動に通底するネタが挟まれてましたが、そんなネタが最終的に繋がっていくところまで提示しないのはもったいなかったですね。
とは言っても雰囲気や見た目を馬鹿にするなかれ、です。映画を観てる時間だけその世界に浸れる幸せを実感できる劇場版作品でしょう。その点で買い!優秀な娯楽作品です。




※後述…の世界観◎について

■United Nations

“国際連合”とは意図的な誤訳です。“連合国”が正しくその国連憲章には日本を敵国と見做した条項が残存していることをご存知でしょうか。たかが条文、実態は違うとも言われますが、この敵国条項を除こうと日本が働きかけてもしっかりChinaは潰しにきてくれたりするのが現実です。
永らく“平和のための国際組織”と喧伝され教科書でもそう習ってきた私たちですが、非常に矛盾を孕んでいるのです。直近の事例だと国連の専門機関WHOの武漢肺炎をめぐるグダグダっぷりでしょうか。

 金だけ出して口は出さないでね

日本に求められてる役割がこれ。よって個人的にはあまりこの組織をよく思ってません。そんなとこへ作品の冒頭↓


{netabare}「寛容と多文化主義がこの国の美徳だったのに」と今は民族浄化に勤しむ途上国の指導者がベートーベンの『月光』をバックにシェパード大尉に独白します。
何故自国民に手をかけたのかわからない。黒幕ジョン・ポールの存在を匂わせる一幕です。その前段。

シェパード:
「その国民を殺して回る。あんたの言う政府とやらはどの国連加盟国からも承認されていない」
えらい人:
「国連?我々の文化を土足で踏みにじり、自決権を鼻で笑う最悪の帝国主義者どもが…」{/netabare}


主人公へのシンパシーはもちろんのこと小国の哀しみなんかをこの指導者に見ることができます。きちんと序盤から下地を作っているのです。



■1974年と1975年

原作者伊藤計劃氏とプロデューサー山本幸治氏の生年です。けっこう作品に影響しているような感じ。
だいたいにして小学生時代のバイブル。ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』が原題『A計劃』。これホント漢字なの?と伊藤少年の脳裏に焼き付いてたことは想像に難くありません。
多感な中高生時代で起こった世の中の出来事と暇な大学生時代に触れたであろう作品群。この年代特有の感覚が作品に反映されているとふんでます。

15歳前後で「ベルリンの壁崩壊」「ソ連崩壊」を経験。なんとなく大きなうねりが起こっていることを感じつつ、チャウシェスクの銃殺遺体のインパクトだけ覚えていた思春期。
中学の社会科では、“コルホーズ”“ソフホーズ”などを例にとり計画経済を好意的に捉えていた教科書で学んでました。なんせまだ崩壊前だったので。

その後の東欧民主化で泡を食ったのが欧州の火薬庫バルカン半島。ユーゴ紛争が停戦合意したのが彼らが社会に出る頃合い2000年頃でした。
思索に励むことが可能な大学生時代には小林よしのりの『戦争論』が大ヒット。United Nations(連合国)が構築したWWⅡ後の枠組みに疑義を呈した意欲作と言えましょう。

ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品『MONSTER』(浦沢直樹)
ユーゴ紛争で故郷を破壊した者への復讐の物語『PEACE MAKER』

90年代後半に発表された東欧を舞台にした名作群もきっと学生時代に目にしてるんでしょうね。
思えば「ソ連崩壊」とはもの凄く大きな出来事で共産主義の敗北に象徴される第二次世界大戦後の枠組みが崩れたことを意味してました。余波は覇権国アメリカにもおよび歪みの極地が“9.11”にと。

そういえば『MONSTER』のヨハンもニナも1975年生まれの設定です。
朝日・岩波的な言説がインテリの条件だった時代から潮目が変わったのはこのへんの年代からかしら。


国際紛争やミリタリ要素の強い作品を描く時にチェコやユーゴの東欧を舞台にしたくなる気持ちがわからんでもない世代。
お話にしやすい国際情勢の煽りを若かりし頃に浴びちゃったこともあるし、中東やジャングルでの紛争よりも身近に感じることのできるエリアでした。今は情勢も落ち着いてますので実際訪れてみるのをおすすめしますよ。異世界ものにありそうな古き良きヨーロッパの風景は中欧・東欧に残ってます。



視聴時期:2020年3月

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2020.12.09追記

5月が初稿の本レビュー。半年経過して“武漢肺炎”の呼称は聞かなくなりましたね。“新型コロナ”で定着した感があります。こうして振り返って気づくことはままあります。
定点観測することで変化に気づく。現在の断面だけ見て踊らされることのなんと多いことか…


2020.05.18 初稿
2020.12.09 追記

投稿 : 2024/11/16
♥ : 35

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「僕達」は「終末」である。それとも、「始まり」であろうか?

これは心に「覆い」が被さる前に、「無感覚」になる前に、「罪」を背負って「罰」を受けなければならない、「僕達」の物語だ。



『虐殺器官』と言う小説が出版された時の事は、今でもよく覚えています。
小松左京賞なんてど偉い賞の最終選考に、円城塔氏の『Self-Reference ENGINE』と共にノミネートされた本作『虐殺器官』
2006年は、約10年と言う歴史を紡ぎ終えた賞において、最上級の激論と最大級の衝撃が巻き起こった年だったといえるでしょう。
賞が作られてから初めての受賞者なし
小松左京賞を作った小松左京氏自身が、『虐殺器官』受賞を反対したと言う事実
しかし、反対された当の本人は時代を切り開いた、鮮烈な立役者でありました。
発売された当時、「傍観者」であった私も書店へ行って購入した事が記憶に新しいです。

そして、昨日、この映画を観て、ああ、また思い出してしまいましたよ。
ページを捲っていく中途に段々と生じていった、あの「緊張感」
他人の「業」を眺めていく内に、自らに薄汚い性悪説を見せ付けられていく、あの「嫌悪感」
そう、あの最後に至ってしまった時に生じた、ざわざわとした感情も…
「恐怖」と俗にカテゴライズされる物が、私の脳裏を一色に染め上げて行く感じ
原作もそうだが、この映画も同じくそう…
下手すると、この『虐殺器官』と言う作品は、べたなホラー映画よりも恐ろしい。
「共感性」も「罪悪感」も持たない、感情を操作された、相対するゾンビ共の紡ぐ、実に「人間らしい」物語です。
詳しくは他の方がかなり緻密に、詳しく説明されているので私は割愛するとしましょう。
また、「虐殺の経済学」について知っている人は、ジョン・ポールの目的にもやすやすと辿り着くと思いますので…
驚きたい人は無理に調べない事を推奨します。

さて、これから観る方達は、映画を見終わって自分達の家に帰るまでに、様々な「傍観者」を見る事でしょう。
スマホを見ながら、脇見せずに画面だけ見て歩く人
音楽を聴きながら、外界と隔絶した世界を自身の中に構築してる人
和気藹々と語り合う家族や友人同士、恋人同士などの群れる人
世の中には様々な人間がいます。
しかし、そんな彼らに違和感を感じたなら、あなたの鑑賞姿勢は大成功、充分に映画を理解したと言えるでしょう。
人々は「見たいものしか見ない」もの
あなたは「見たくない物」をきちんと見据えられていますか?
映画を観終わった後に「見た者」を見て、あなたが「違和感」を感じる事の出来る、「ほんとうのこと」を見咎められる、強い人間である事を祈っています。

今作は終わらないノイズが語る、「終わらない終末」「滅びのない滅び」
つまり、これは「僕達の終末」を描いた物語
そして、これは「僕達の始まり」を描く物語
決して終わる事のない、これから先も紡がれるであろう「終末の物語」です。
彼の言葉を阻む事は決して出来ない。
私達に出来るのは、彼の遺志を、他者に語り継いで伝える事だけ…
あなたは『城』の住人であり続けますか?
それとも「測量士」となって、周囲を見渡す覚悟を持ちますか?
「終末」を選ぶか、「始まり」を選ぶかはこの映画を観た私達にかかっていると言えるでしょう。
さあ、決断の時だ。

P.S.
もう既に原作『虐殺器官』をお読みになった方へ1つご忠告を…
この映画では、原作において恐らく最も印象深かったであろうシーン、「母親」とのシーンが丸ごとカットされています。
しかし、違和感は全くありません。
寧ろ、制作側も苦渋の決断だったようで、パンフレットを買うとそのカットした「意思」が大変よく分かる物でした。
気になる方は是非ともご購入を…

P.P.S.
http://www.news-postseven.com/archives/20120425_101144.html
本書が発売された当時は「夢物語」だと想っていた産物が、10年経った現在では「預言書」として扱われています。
どうか、この「預言書」が「預言」のままで…
「預言書」が「歴史書」に変貌を遂げない事を願います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 16

73.5 17 2017年冬(1月~3月)アニメランキング17位
うらら迷路帖(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (526)
2563人が棚に入れました
迷路町――そこは"うらら"と呼ばれる占師の町。
うららになることを目指して国中から少女たちが集まってくる中、
山育ちの女の子・千矢(ちや)もある思いを抱いて迷路町の門をくぐる―。
果たして彼女を待ち受ける運命とは?
占い乙女達の夢物語、ここに開幕です!

声優・キャラクター
原田彩楓、本渡楓、久保ユリカ、佳村はるか、茅野愛衣、諏訪彩花、高倉有加、咲々木瞳
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

期待のきらら枠!だったんだけどなぁ・・・

原作未読。最終話まで視聴。

主役の4人は可愛かった。
作画は最後まで安定していたし、背景などの雰囲気も好みだった。

だけどなぁ・・・。
何か不完全燃焼というか、何というか・・・。

特に気になる点は大きく2つ。
ひとつは、「笑い」の要素が弱かったこと。
最後まで、思わず吹き出してしまうようなシーンが皆無だった。
もうひとつは、「感動」要素が弱かったこと。

例えば、11話の{netabare}昇格試験のゴール前。
上手く作れば感動的にもなったであろうこの場面で、なぜかもたつく主役の4人。
笑いに走るのかと思えば、特にオチの無い展開{/netabare}。

最終話も同様。{netabare}上手く作れば感動的にもなったであろう場面で、なぜかはしゃぎだす4人。
しかも再び、これといったオチが無い{/netabare}。

どちらの場面も、もたついたり、はしゃいだりのせいで、間が悪くなってしまい、結果、感動要素が弱まってしまった。

この作品は、ほのぼの系と呼ぶには「笑い」と「感動」要素が少し物足りない作品だったかな?

投稿 : 2024/11/16
♥ : 44

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「日常の迷路で人は時に道を失う、そんな時占い師は君に選択の矢を与えるだろう…それを操る条件は15歳を過ぎた少女であること…時に女神、時に魔女、占い街の乙女たち」

この作品の原作は未読ですが、きらら系の作品と知って視聴を決めました。
そしてキャスティングを聞いて大喜び…
主人公を演じるのは、「月曜日のたわわ」でアイちゃんを演じた原田彩楓さんじゃありませんか…
アイちゃんで原田さんは私の中でブレイクしました…でも、それだけじゃありません。人気赤丸急上昇中の本渡さん、はいふりの鈴ちゃんを演じた久保ユリカさんに、SHIROBAKOの安原絵麻を演じた佳村はるかさん…
キャスティングに関する作り手の気合を感じながら視聴に臨みました。

この物語の主人公は15歳になったばかりの千矢…
彼女はずっと前から決めていた事が一つありました。
それはもう顔も覚えてないけれど、15歳になったらお母さんに逢えると言われている迷路町に行く事…
だからずっと15歳になる日を待ち続けていたんです。

そしてとうとうその日がやってきました。
彼女は見習いうららになるための紹介状を手に迷路町への向かうのですが…
これまでずっと山の中で過ごしてきた自由奔放な千矢の毎日は常に山の動物たちと一緒…
だから集団でたくさんの人が住む場所での生活とは雲泥の差があったんです。

見渡す限りたくさんの人・人・人…
それにちゃんと「ごめんなさい」って謝っているのに誰も聞いてくれない…
お母さんに逢いたいだけなのに…

でも、そんな独りぼっちは千矢だけではありませんでした。
迷路町で一緒になった紺、小梅も千矢と同じ紹介状を持っていたんです。
こうして3人は迷路町の一番外れとなる10番占で、かやのん演じるニナ先生のもとニナ先生の妹であるノノも見習いうららとして一緒に勉強していく事となり物語が動いていきます。

一刻も早くお母さんを探したい千矢でしたが、迷路町には自分が持っている札までしか立ち入ってはいけないという絶対遵守事項がありました。
だから9番占の札を持っていない見習いうららは10番占しか出歩く事が許されないんです。
しかも一つレベルアップするには難しい試験を突破しなければならないとか…

きっとはやる気持ちで一杯だったと思います。
お母さんは千矢が逢いに迷路町に来ている事を知らないかもしれない…
そしたら、千矢がお母さんのもとに辿り着くまでにどこかへ行ってしまうかもしれない…
こんな不安な気持ちだってゼロじゃなかったと思います。

でも千矢は偉かったと思います。
ズルをする事無く迷路町のルールをしっかり守って、その上でお母さんを探すと決めたから…
きっと一人だったら…これまでの千矢だったら絶対選択できなかったと思います。
だって山の中ではそんな窮屈な決まりは無く、やりたい事をやりたい時にやりたい様にできたのですから…

千矢が人の全うな道を選択できたのは、3人のかけがえのない仲間ができたから…優しい先生がきちんと諭してくれたから…
何より千矢にとって大切な居場所ができたから…

でもこの物語の主軸はあくまでもうららとしての占い道です。
最初から何事も上手くなんてできません。
だから一生懸命練習して…自分だけの占い方法を見つけていくんです。

すごく短い間でしたが色々な事がありました。
良かれと思ってやった事が必ずしも良い結果に結びつくとは限らない事を知って…
直向きに向き合った…ただそれだけなのに、超えてはいけない一線に一喜一憂したり…
物事の優先順位…いつの間にか自分が2番になっているのがとても自然で…
不安で圧し潰されそうな時、涙が堪え切れない時…必ずみんなが傍にいてくれるのが当たり前になって…
そんな4人を背中をそっと押すニナ先生の全てを包み込むような優しさはやっぱり偉大な先輩うららである事を実感して…
4人はまるで新緑の若葉の芽吹きの様に真っ直ぐ成長したと思います。
彼女たちの成長の真価…どの様な形で視聴者の気持ちに応えてくれるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、見習いうらら4人組で構成されたユニット らびりんずによる「夢路らびりんす」
エンディングテーマは、Luce Twinkle Wink☆さんの「go to Romance>>>>>」
4人の可愛らしさが上手く表現された曲と背景だったと思います。

1クール12話の作品でした。
放送途中に、この作品の評価がちらほら聞こえた事もありましたが、私的には評価の高い作品です。
キャラの可愛さ、作画の綺麗さは言うに及ばず…
目標に向かって努力している人ってやっぱり輝いています。
一生懸命向き合いながら流す涙…とても綺麗だと思います。

頑張り方や力を入れるタイミングやポイントは人それぞれ…
だけど、何があっても4人一緒に…の心を持ち続けたみんなは輝いていました…
こういうキャラの輝いている作品…大好きです。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

一応まだ観ていますが… → 観終わりました。

たぶん今期視聴アニメの話数が進むうちに本作の視聴は淘汰されそうな予感…。

原作は「まんがタイムきららミラク」に掲載のマンガらしいですが、未読です。なんだろう、ひたすら「カワイイ」、「萌え」だけで押し切ろうみたいな作品に見えます。もちろん主人公の母親探しや登場人物の成長みたいなものも描かれるんでしょうけれども…。

何かもう、登場人物の考えていることがわからなすぎる。同じ女の子しか出てこない作品でも『ハナヤマタ』とか『NEW GAME!』とか『ステラのまほう』とかなら大丈夫なのですが…。

「ごめんなさいのときはおなかを見せる!」でもう、個人的にはかなりダメです。もちろん、こういう作品に一定の需要があることは理解していますし、観ている人がダメとかは思わないんですが…。

おそらく私には向いていません…。

2017.3.31追記:
切るかもと書いていましたが、観終わりました。メインキャラ4人のなかではコンちゃんが一番ついていけます。他の3人は何とも(松子さんは好きかも)…。

何か良くわかりませんが、観てて疲れました…。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 36

71.9 18 2017年冬(1月~3月)アニメランキング18位
『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-』<第1章>「ともだち」(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.9 (71)
520人が棚に入れました
「結城友奈は勇者である」より2年前、神世紀298年。鷲尾須美は小学六年にして神樹によって選ばれた世界を守る勇者である。同級生の乃木園子、三ノ輪銀と一緒に「お役目」をこなす事になるが、この二人は天然だったり元気良すぎたりと問題児の雰囲気。須美は精一杯、役目を頑張ろうとするが―。

公式サイト http://yuyuyu.tv/washio/

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「すみすけ」から「わっしー」へ

 TV放送の「結城友奈は勇者である」で「結城友奈の章」と気になる終わりだったので、続編があるのかなぁ?と楽しみにしてたです。

 前座として「結城友奈は勇者部所属」も上映され、二頭身キャラの友奈たちに何だか癒されるアニメを見れて良かったです。

 東郷さんの過去のお話なんだなぁです。結構、裕福な家庭でしたです。東郷さんが鷲尾須美(TV放送から分かっているけど)で、彼女が主人公なのは、タイトルからも明らかだがです。修行服みたいなのを着て水浴びは、何かの修行だったのだろうか?です。この頃は、髪型も違っているなぁです。

 TV放送では、ベットの上で包帯だらけで出てきた乃木園子(そのっち)も出てきたです。あの包帯姿からは、ピンとこないいつも寝てるぼーっとしたドジっ子だったです。鶏の着ぐるみが似合ってたです。
 同じく同級生の三ノ輪銀(みのさんorぎん)は、遅刻は多いけどトラブルに会いやすい女の子で、男勝りな威勢がいいというのか?愛嬌のあるキャラだったです。

 変身シーンは、前作はまどマギ色に近い感じだと思ったけど、今回はセラムンに近いような??気がしたです。そのっちの変身だけは、一味違っていてどこか可愛らしさがあったです。
 バーテックスは、TV放送だと使徒みたいな感じだった気がするです。私にとってここでは、まどマギの魔女を思わせる感じだと思ったです。

 鷲尾須美は、「すみすけ」と言われ「わっしー」と言われるようになるけど、キャラが古谷向日葵(ゆるゆり)や園田海(ラブライブ!)に真面目なところとかが、被るなぁです。
 いつも自分がしっかりしなくてはと思っている反面、最後にはいざというときの自分がどうだったのかを、頼りないと思っていたそのっち、ぎんに教えれれることになったです。わっしーの心を開いたシーンが、私は一番良かったと思うです。

 真珠様を守って世界を救ういう事や3人の日常を描くことで、物語というよりわっしー、そのっち、ぎんが、どういうキャラなのかを描いているように私には見えたです。

 第二章「たましい」は、どうなるかなぁ?です。

                    2017 3.20 +

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

鷲尾須美のあだ名は?

原作未読 約60分

2014年に放送された「結城友奈は勇者である」の続編なので、そちらから観ることをオススメします。

始まったと思ったら、スピンオフ作品の『結城友奈は勇者部所属』という作品が始まって肩透かしをくらいましたw(10分ほど)

この作品は全員2頭身キャラで勇者部の部活動をコミカルに描いていましたね。

思い出すには丁度いい感じの作品でした。

そして本編、この鷲尾須美の章は「鷲尾須美は勇者である」をアニメ化して「結城友奈は勇者である」の2年前のお話、つまり鷲尾須美=東郷美森が以前勇者になったいたときのお話です。

2年前というと「結城友奈は勇者である」の時点で東郷さんは中学2年生なので、小6のときのお話となります。

キャラがちょっと小6とは思えなかったですねw キャラの特性もありますが、特に鷲尾須美は声も大人な感じでとても小学生とは思えませんでしたw

この1章では、勇者に選ばれた3人が、特訓したり、友情を深めたり、初めての実戦でバーテックスと戦うところが描かれていました。

キャラと世界観の紹介という感じの作品でしたね。

友情を深めていくシーンはウルウルしました。

2017年秋に放送される2期の前半6話を3作品に分け先行上映というかたちで劇場で上映されているようですね。

秋になればテレビでも観れるとは思いますが、スクリーンでは観れない(バトルシーンは迫力ありました)ので「結城友奈は勇者である」ファンの方、興味がある方は観てくださいね^^

EDは3人の勇者、鷲尾須美(三森すずこ)、乃木園子(花澤香菜)、三ノ輪銀(花守ゆみり)さんが歌っています。

最後に、劇場へは観客が少ないと思って朝一で観に行って実際ガラガラでしたが、マナーが悪い方がいたので作品に集中できませんでしたね〜 ちょっと残念でした^^;

投稿 : 2024/11/16
♥ : 25

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これは三人の勇者の物語。

この作品は、「結城友奈は勇者である」の続編に位置する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、1期を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

讃州中学勇者部の5人が繰り広げたバーテックスとの死闘…
強制的に発動される「満開」と「散華」に翻弄される勇者部のみんな…
「知ってたら…知ってたらみんなを巻き込まなかった…」と泣き叫ぶ風先輩の姿が今でも脳裏に焼き付いています。

それでも抗う事を宿命付けられた勇者部のみんなは、世界の真実を知っても
どれだけ大量のバーテックスに囲まれても顔を上げることを止めず、最後の最後まで頑張りました。

勇者部の一員である中学2年生の東郷 美森…
当時の記憶を無くしていましたが、実は彼女だけはバーテックスとの死闘は初めてでは無かったのです。
こうして讃州中学勇者部が頑張った時から2年ほど遡ったところから、この物語は始まります。

この物語の主人公は以下の3人です。
・鷲尾 須美(CV:三森すずこさん)第1期における「東郷 美森」
・乃木 園子(CV:花澤香菜さん)
・三ノ輪 銀(CV:花守ゆみりさん)
3人でバーテックスに臨む…考えてみると、それだけでも無理を感じますが、そもそも全員小学6年生…というところに最大の無理を感じます。

いつだって神に見初められるのは無垢な少女…
それは分かっているつもりですが、小学6年生に世界の存亡を掛けて戦え…なんて、私なら口が裂けても言えませんけれど…

生真面目で責任感の強い「ワッシー」(鷲尾)
天然系でほんわりとした雰囲気の「そのっち」(乃木)
明るくボーイッシュな「ミノさん」(三ノ輪)

みんな個性的で無垢…というより年相応に幼さを感じるくらい、やっぱり若いっ。
その分見ていて気持ち良いくらいいつも元気一杯です。
小学6年といえば、勉強なんてそっちのけで遊びまわる年ごろです。
それにみんな神樹さまに選ばれたという運命的な繋がりがきっかけとなり、急速に仲を深めていきます。

そしてバーテックスとの闘いですが、最初はチームプレイなどどこ吹く風…の如く個人プレイばかり…
毛利元就の3本の矢の教えじゃありませんが、長所と短所を相互補完できるので3人が寄り合うことでより強くなれるのは定石です…

でも、バーテックスと闘いになると決まってみんなボロボロ…
身体中のあちこちに生傷を沢山作りながら、どんなに過酷な状況でも絶対に諦めない3人…
もちろん、3人が諦めてしまっては神樹さまに…現実世界に甚大な被害が出てしまうので諦めることはできません。
でも、3人で立ち向かうには限度ってモノがあると思うんです。

そんな事考えている余裕なんて無かったよね…
彼女たちの一挙手一投足には手加減なんて一つも無かった…
勢い余ってあちこちに転がっていく姿を何度もみました…
どれだけやったら大丈夫…というラインが分からないから、必死にならざるを得なかったんだ…

第1章のサブタイトルは「ともだち」
3人がめぐり逢い、そしてお役目に3人でどう向き合うか、自分を知り3人の気持ちを合わせる物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

上映時間50分弱の作品なので本当にあっという間に終わってしまいました。
岸監督…もう鬼懸っているとしか思えません。
確かに1期は「お気に入りの棚序列11位」の作品なので、この作品に対する多少の色眼鏡が全く無いとは思いません。
けれど、それを差し引いても見どころ満載の作品だったと思います。
引き続き第2章「たましい」を視聴したいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 12

71.8 19 2017年冬(1月~3月)アニメランキング19位
劇場版 黒子のバスケ LAST GAME(アニメ映画)

2017年3月18日
★★★★☆ 3.9 (97)
524人が棚に入れました
詳細不明

声優・キャラクター
小野賢章、小野友樹、神谷浩史、諏訪部順一、小野大輔、木村良平、鈴村健一、緑川光、稲田徹
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

奇跡の世代が同じチームに!全キャラめっちゃ格好いい…(←女子か)

 友人に誘われ映画館で鑑賞。アニメはすべて視聴済み。
 あんまり期待せずに観たんですが…かなりの満足感でした!

 「黒子のバスケ」は「テニプリ」に代表される「能力系トンデモスポーツ作品」の一つですが、個人的にこのジャンルの作品…かなり好物です。丁寧なスポコンものとはまた違った魅力があるんですよね!(必殺技の連発感が堪らないです。)
 
 本作は簡潔に言うと「バスケの本場、アメリカのチームと、奇跡の世代チームが意地をかけて激突する」という作品。高校生になり成長した彼らが、改めて同じチームで戦う…単純にワクワクします。敵だとあんなに恐ろしい奴等が全員味方だったら…。

 内容も基本的に試合部分がほとんどであり、無駄が少ないです。また全キャラ(奇跡の世代(+火神))がしっかり活躍しますので、奇跡の世代ファンの方々なら概ね満足できるのではないかと…(活躍に差はありますが…。)
 男が観ても「きゃ~格好いい!!」なシーンが沢山あり、作画の迫力も十分。
 試合内容もかなり面白かったです。

 正直、こういった「続編」ってつまらないことが多いのですが…本作は全くクオリティが落ちてなかったどころが、「誠凛高校」より「奇跡の世代」が好きだった自分には、正直「本編より楽しめた」気がします…。
 「黒バスファン」特に「奇跡の世代ファン」なら必見の映画だと思いますよ!

以下ネタバレ付きの各キャラ感想{netabare}
 個人的に一番好きなのは「緑間」、次点で「青峰」「赤司」の2人って感じなんですが、緑間と青峰に関していえば、他のキャラと比べて「やや活躍が地味」だった気がしなくもない(?)です。

 緑間は天才というより努力型のキャラなので(そこが格好いい)、試合中の「成長」が、他のキャラと比べると少なかったですね…。それでもかなり得点していたのは流石。彼は周りが強いほど怖い選手でもあると思います。

 青峰は際立って目立つシーンが少なかった気がしますが、終始走っていたので、格好いいシーンは多かったです。ゴール裏から決めたシーンが格好良すぎます。個人的に本作のベストゴール。

 紫原は、個人的にあんまし好きなキャラじゃなかったんですが…本作の彼は格好いいですね。赤司と並んで、一番「成長した」キャラでした。

 赤司が最初ベンチに下げられたときは、ちょっと驚きました。パスもドリブルもろくにできずベンチへ…。(ややダサい…。)でも後半「くっっっそ強く」なります!何しろ「全員の未来が見えるように」なりますから!(なんじゃそりゃ)こんな化け物に勝てるチームは日本にいなそうですが…。NBAに一番行くべき選手では…。

 黄瀬くんも相変わらずの化け物っぷり。圧倒的な活躍を魅せますが、早めにガス欠してしまうので、ファン的にはどうなんでしょう?活躍してるシーンの格好良さは堪りませんが…。

 黒子&火神は安定でした。この2人は試合中に「伸びた」描写は少なかったですが、そもそもかなり強いので、安定して終始活躍。ただ、火神はあまり目立ってなかった気も…。

 そのほかのキャラ…日向等、ベンチにいるメンバーは出場すらしませんでした。下手に出て活躍されると、アメリカ人大したことねーみたいな気持ちになりかねないので、そこは良かったかと。出て通用するレベルの相手ではありませんしね…。

 試合後の火神との決別パート…正直そんなに面白くなかったです(小並感)。
 やっぱり誠凛より奇跡の世代でしょ!ただ、こういう展開ですと、続編は厳しいかもですね…。赤司と紫原がめっちゃ強くなりましたし、黒子一人では…。いっそ大学かプロにでも舞台を動かして、キャラをシャッフルしないと厳しいかも…?
 てか「奇跡の世代」も渡米しろよ!普通に通用するだろ!みんな伸びしろがまだまだありそうだし…。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

しっかりしたストーリー

物語はアニメ最終回後のストーリーとなっています。
アニメでは色々なチームに散っていた奇跡の世代の面々が今作では同じチームとして戦います。
個人個人が尋常ではない強さを持つ面々が同じチームになると試合にならないのではないのかな?と思いながら見ているとしっかり攻防が繰り返される白熱ある試合をみせてくれました。
奇跡の世代それぞれにしっかりした見せ場もありカッコ良かったですヽ(´▽`)/
最後までみたらアニメ最終回以上の纏まりで終わった様な気がしています(´艸`)*

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

mako さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

黒バスファンとして十分満足でした

すでに漫画でラストゲームは見てたのですが、それでもとても楽しめました!
アニメにすることでやはり臨場感が全然違うし、部分部分でなぜか泣きそうになりましたw
漫画二巻分の話なので、若干尺が足りなくなるんじゃないかな?と心配していたんですが、全然そんなこともなく、むしろ漫画でないシーンまで追加されていて、さすがだなと思いました。
これで黒バスシリーズが完全に終わってしまうというのは寂しくはありますが、
とてもいい感じにまとまっているので、個人的には大満足です!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 5

71.7 20 2017年冬(1月~3月)アニメランキング20位
鬼平(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (251)
926人が棚に入れました
時は江戸後期。暴虐の限りを尽くす盗賊たちが、「鬼」と呼んで畏れる男がいた。「鬼の平蔵」こと火付盗賊改方・長谷川平蔵その人である。火付盗賊改方とは、一種の特別警察。江戸市中内外の犯罪を取り締まるだけでなく、他国に出て犯罪者を捕らえることもできる機動性の高い組織。しかし平蔵は職務に忠実なだけの固い男ではない。時として罪を犯した者にも情けをかけることがある。平蔵が許さないのは、非道。《盗人三箇条》――殺さず、犯さず、盗まれたら潰れるような店からは盗まない――から外れ、人の道に背く者には一切容赦はしない。

声優・キャラクター
堀内賢雄、朴璐美、浪川大輔、岩男潤子、千本木彩花、岡本信彦、水内清光、浜田賢二、木内秀信、飯塚昭三、細谷佳正、田中秀幸
ネタバレ

血風連あにこれ支部 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

悪党にも悪党のルールがある。それを踏み外せばただの外道に堕ちるのみよ

視聴終了しました。
基本的には、勧善懲悪の時代劇で、主人公の鬼平は賊を取り締まる側の人間です。
ルパンで言うなら銭形視点で悪党を取り締まっているような話なのですが。
時代背景的に法整備も裁判もそこまで整ってはいませんし、悪党の裁き方は基本、鬼平の裁量に委ねられているようですね。
で、盗人がすべからく悪かと言われるとそうでもない。
当時、裕福でない家は厳しかったでしょうし、生きるためにやむを得ずやったという人にはある程度情状酌量の余地を汲んでいるように思います。
その線引きをどうするかについては、おそらく作中にも出てくる盗人三箇条〈女は犯さず、殺さず、貧しい家庭からは盗まず〉が軸になっているんでしょう。そこが本作の特に面白いと感じた所でした。

そこで、各話の内容を並べてみますが……。
{netabare}1話。昔は盗みの三ヶ条を守っていたが、時間が経つとすっかり人が変わっていた悪党。てめぇのような奴は偽者だ! 同時期に鉄血を見てたので「綺麗なオルガだな」と思いましたw
2話。またしても押し込み強盗。昔は綺麗だった人が、札付きのワル女になっていた。どっちかが告白してたらこんな悲惨な事にならなかったのかな。
3話。剣に生きた凄腕の暗殺者が、今を女と共に生きようとするが返り討ちにされる。不意を付いても正当防衛になるかは、今だと結構微妙な気がする。
4話。盗みで人を殺す輩。女を犯す輩は問答無用で斬り捨てる。
6話。劣悪な輩に捕まった二人を救出する過程で盗みに加担する。役人がこんな事やっていいんかーいw バレたらかなりヤバいのではと思いました。
7話。DV親を殺害。境遇故の仕方ない行動だが、やむなく処罰。
8話。鬼平からキセルを盗む、なんとお咎めなし。
9話。これは回想なのですが、先生と認めるほどの男が盗みを働く境遇だったというのは、時代の辛さ故でしょうか。これは鬼平の人間性に影響を与えた話の一つと言う風に感じました。
10話。息子と育ての親を殺した小津屋の証文を破り捨てて復讐。この時、駆けつけるタイミングをわざと遅らせる。
11話。悪人から誘拐された娘を救出。妻の最初の男らしいが、それがどうした!
12話。同じ境遇だと思った罪人を助ける。罪人は逃亡するが、相棒(殺人犯)を捕えて戻ってくる。その後釈放。
13話。1話と違って人が変わってなかった。兄の理想と弟の現実がぶつかり合うかと思いきや、女を交えた三角関係だったというパティーン。畜生働きはいかんけどこれは弟の言い分もわかる気がするなぁ。{/netabare}
+αはあるんでしょうが。基本は、三箇条を破るか否かが判断基準になっているんでしょうな。
その上で、粋な結論に持って行かせる鬼平の心意気が毎話毎話とても面白かった。
無常観、救いのない話もあるでしょうが、その上で何を支えに生きるか。何を信じるか。当時の時代背景の中、生きる人達の心情を深く掘り下げてあって中々に興味深かったです。

ですが、作画に関しては当初褒めちぎっていたのに手の平返したくはないですが…。途中から落ちてきたなと感じました。
背景美術、キャラデザ、諸々素晴らしいのですがね。
作品の目玉と思われた殺陣作画が4話以降あまり見られなかったのは、ホントに痛いなと思いました。(1話の殺陣はマジに神だった。あのペースは流石に続かないか
脚本はどれも力を抜いているとは思えないですし、今クールではけもフレに並んで素晴らしいと思いました。(これとけもフレの脚本を比べるなんて、我ながらすごくおかしな話だと思いますが)
この手の勧善懲悪時代劇が嫌いじゃないなら迷わずおススメできる作品だと思います。

以下は視聴中の感想。
{netabare}時代劇も漫画も見てるわけじゃないんですが、鬼平犯科帳と言えばさいとうたかを絵のイメージがあったもので(笑
このキャラデザ、見た目はイノタケ(井上雄彦)っぽい感じですね。
いいんじゃないんでしょうかね~。流石に原作準拠のゴルゴ顔だと、アニメ視聴者層には受け入れづらいと思いますし、全然アリな路線かと思います。

江戸後期、主人公の長谷川平蔵を中心とした、盗賊をひっ捕らえる痛快劇。かつ、その中で描かれる人情系ドラマといった感じですか。
軽い気持ちで見たのですが……。これが中々どうして、面白いですね。

4話視聴。
いや~いい!本当にいい!
何がいいって、まあ脚本もですけど殺陣作画の良さですね。
この演出は確かにドラマじゃあ不可能ですね。
「斬られたァ~!」「ギャァ~!」とは言ってみても、あくまで芝居で、人がやってるから斬ってるふりしかできないというのは難しい所です。
しかしこのアニメは! アニメだからこそ表現しきれるところがあるッ! 飛び散る血飛沫ッ! 切られて吹っ飛ぶ腕ッ! 命の獲り合いとしての臨場感は抜群です。
しかもその作画を、自由自在のアングルから魅せられるってんだから堪らない。時代劇マニアじゃないですが、嫌でも魅了されちゃいます。

時代劇はドラマでやってろだの何だの言ってるトンチキは、まずこの殺陣作画を見てから言って欲しいものですね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

鬼の平蔵と悪党、部下、家族との心に染み入る人情劇

江戸時代の火付盗賊改め方(凶悪犯罪専門の刑事部隊の様な組織)の長官、鬼平こと長谷川平蔵の活躍を描く作品。

アニメ化にあたり、原題「鬼平犯科帳」から「犯科帳(事件簿)」を削ったのは、謎解きやサスペンスより、鬼平とそれにまつわる人物達との人情劇に的を絞ったからなのでしょう。
事実、原作の魅力はそこにあるので、アニメの尺に収めるよう巧く絞り込まれた脚本は秀逸です。

主人公「長谷川平蔵」は実在した人物であり、史実に基づいた平蔵の生い立ちや事蹟から、原作者の池波正太郎先生が着想を得て、リアリティのある人間味溢れた好漢として描いています。

鬼と恐れられる平蔵ですが、悪に対する正しさや強さだけではなく、若き日に鬱積し放蕩無頼をした経験から、人のつらさ弱さを思い量る事ができ、遊び心もわかる、硬軟併せ持つ度量の大きさがあります。
それでいて、過去の行いに悩んだり、家族や部下との接し方に迷ったり、完璧ではない人間らしさも見せ、憧れだけではなく親近感も感じて万人を魅了します。

また、1話完結の各エピソード毎に登場する人物も、悲喜こもごもの心情が丁寧に描かれ、悪事をはたらく者にさえ同情してしまうほど悲哀を感じ、鬼平との心の交流に毎話、胸が熱くなります。

時代劇は年寄りくさいイメージがあるかもしれませんが、私は、20代の頃に「鬼平犯科帳」の原作小説や実写ドラマにはまりました。
20年以上前の当時としても、それまでの勧善懲悪物の時代劇とは違う斬新さを感じたので、今作はアニメの新ジャンルとして、今の若い方にも是非観て楽しんでいただけたらと思います。

作画

キャラクターデザインは時代劇らしく渋めですが、鬼平は、実写の貫禄ある中村吉右衛門さんよりスタイリッシュでアニメらしいカッコ良さ。
個人的には、実写で故3代目猫八さん演じる密偵の彦十が好きだったんで、その雰囲気が一番出てるキャラ画がベスト!
女性陣は和装美人揃いで、お順の幼女っぷりもカワイイ♪

剣戟シーンのアクションは実写の殺陣の方が見応えがあるように感じましたが、今作の見せ場はソコではないので、人情劇の舞台となる江戸の町並みなどは丁寧に描かれていて、作品世界にどっぷり浸ることができ、作画全体は概ね良好だったと思います。

音楽

OP、ED共に時代劇ドラマらしい作りで往年の時代劇ファンがアニメを観ても納得できるのでは。
由紀さおりさんの歌唱も良かったけど、個人的には、自分が観た当時の実写ドラマのジプシーキングスのEDが、強烈に余韻感漂う曲で印象に残ってます。

声優

これは気合い入ってますね。主演の堀内賢雄さんをはじめ、洋画の吹き替えを長年されてる様な重鎮揃い!作品に重厚さを与えてます。
一話ごとのゲスト出演もベテランから話題の新人声優さんまで豪華です。

最後に

この1クールでは、原作の中から主に、平蔵をはじめ密偵達を含む部下や家族の主要登場人物を紹介する短編でシリーズ構成されましたが、100話以上ある原作には長編も含め、まだまだ観応え十分なエピソードが盛り沢山あるので続編の制作に期待します。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

原作力の次元の高さを窺い知れる、極上の大人向きオムニバス作品

☆物語&感想☆

原作&実写ドラマがあまりにも有名な鬼平犯科帳のアニメ版ですが、
自分は原作はおろかドラマも殆ど観たかどうかの記憶がなく、
内容はほぼ知らない状態でアニメを観始めました。
(結果的にこれが本当に幸いでしたね、ドラマのイメージが強いとアニメはアニメ、別ものとして観れないでしょうから)

で、視聴前に時代劇のイメージで思い浮かべていたのが、
昔観た「水戸黄門」「遠山の金さん」「必殺仕事人」なんかの勧善懲悪もの。
ぶっちゃけ言うと、年寄りってなんであんな毎回ワンパターンなものを観て面白いんだろうな、
なんて以前は思ってて殆ど実写ドラマの時代劇なんかは観ずに生きてきましたが、
敢えてこの時代に時代劇をアニメ化する意味あんのかな!?
と懐疑的な目とほんの少しの好奇心で、とりあえず1話だけでも観てるか、と視聴開始してみた結果...

何これ...全然自分が思ってた時代劇のワンパターンで古臭い勧善懲悪ものとちゃうやん。。
1話終了し、由紀さおりのエンディングを聴いてる時点で、もうどっぷりこの作品に惹き込まれていました。
そして、13話終了した現時点で、もう鬼平が観れないと言う喪失感が半端ない状態でこの感想を書いてます。

とにかく1話完結の13話、全く捨て回が無いと言うより、むしろ神回しか無かった。。
正直なところ「1話完結のオムニバス形式」のアニメで、
ここまで深くカタルシスを喚起させる作品は滅多にお目にかかれないんじゃなかろうか。
そりゃ当然、1時間のドラマで描いているものを、20分ちょっとで纏めるんですから、
尺が短く間も充分には取れないし、多少の改変もやむを得ないところでしょうが、
逆に言えば、非常にテンポ良く上手く纏められていると感じましたね。

まぁオムニバス形式で、これだけ外れがないということは、
如何に原作が優れているか、っていうことでしょうが。。
自分みたいにアニメから入って物語に惹き込まれた人は、
後で原作読んだりドラマを観たりするきっかけになると思いますし、
それだけでも充分にアニメ化する意義はあったんではないでしょうか。

どういう話かを簡単に言うと、江戸を舞台に鬼平こと長谷川平蔵
(今で例えるところの特別警察の長官みたいな役職)が主人公の捕物帳、ということになるんですけど...
これだけ単純に書くとやっぱり只の勧善懲悪ワンパターンものじゃないか!と思うかもしれないけど、
実際はそうじゃなく、罪を犯す側が単なる「悪人」と言う扱いじゃなく、しっかりとドラマがあるんですよねぇ。
で、時には平蔵が実に懐の深い一面を見せる。。

各話内容の方は具体的には触れませんが、どのエピソードも秀逸なオチが用意されていて、
毎話エンディング時には深い余韻を味わうことが出来る、まさに大人が愉しめる物語です。
「人間だもの...」この一言が実に良く似合う芳醇で極上な人間ドラマ。
鬼平の名言とも言える台詞が深すぎるんだよなぁ。。

やはり哀しくやるせない人間の生き様や業を描いたエピソードが秀逸で涙を誘いますが、
「谷中・いろは茶屋」や「大川の隠居」「盗法秘伝」のようなユーモア&機知に富んだエピソードもあり、
シリアス一辺倒ではなく、ちゃんとバラエティも考えて選ばれてるのは素晴らしいの一言。

☆声優☆

豪華すぎるやろ!とツッコミを入れたくなるキャスティング笑
オムニバス形式ならではでしょうが、
各話出てくるキャラに重鎮の声優を起用していたり、
アニメではなかなか聞く機会のない声優さんたちの演技はやっぱり巧い。
演技が上手いからこそ、キャラの心情が痛いほど伝わります。

たまにあれ?って感じの人も居るには居ましたけど、
他の人たちが上手すぎるからそう感じるだけでしょうね。

☆キャラ☆

平蔵に関して言うと、正直アニメと言う媒体で、
ここまで人間的な魅力に溢れた主人公って滅多に居ないでしょうね。。
まさに男が惚れる男の中の漢、とはこういう人物ではないでしょうか。
度量の広さ、器の大きさ、知的で機知に富み、逞しさと優しさを兼ね備えているにも関わらず、
時にはやんちゃさえする性格は観ていて惚れ惚れ。
毎話ここぞの決め台詞がまた深くて痺れる...もう最高としか言いようがない。
あれだけ格好良いとため息しか出ません笑

他にも各話登場する、罪を犯す側の人間のドラマも尺や間が短いながら、
声優さんの演技の力も大きいでしょうが、非常に観ていて伝わってくるものがありますね。

☆作画☆

ドラマのイメージを持っている人からすれば、平蔵の「コレジャナイ感」はあるかもしれませんが、
自分はろくに観ていないので、全く先入観なく見れました。
結果的にやや若めのイケメンな平蔵ではあるものの、むしろアニメ的にはこれで良いんじゃないかと思います。

しかしながら、制作費の問題からか原画や動画を殆ど海外に委託している回が多く、
CG含めて全般的なクオリティ面では美麗な作品が多い昨今のものと比べると、少々見劣るかも。。
尺の関係もあって殺陣シーンは少ないながらもアニメならではな印象を持ちましたが、
予算が十分あって、I.Gとか辺りが制作してたらもっと...まぁ贅沢でしょうかね。。

☆音楽☆

まずOPのインパクト、格好良いですね~お洒落で渋い!OPのアニメーションとも相性バッチリ。
OPをインスト曲にしたのは大正解ですね、たぶんどんな人が歌っても合わなさそう。。
また、尺の関係も考慮してでしょうね、通常はOPは大体1分30秒ですが、このOPは1分くらいなんですよね。

で、EDの由紀さおりの歌唱が...心に染みる。。毎話涙腺を刺激されました。
毎話秀逸なオチを付けたあとの、あのしっとりとした艶のある楽曲は最高の選曲でしょう。
歌詞もまた良いんだなぁ。。

また、作中のBGMも実に心地いい。
落ち着いた大人なBGMがスッと入ってきて、シリアスシーンでの聴かせるところはしっかりと聴かせる。
それとは正反対に時代劇でしかなかなか聞けないような軽妙なBGMと効果音にはテンション上がります。
BGMのセンスは非常に良かったと思います。


この作品は視聴候補にも入ってなくてスルーしている人が多いと思われる作品ですが、
ハッキリ言って自分のような時代劇への固定観念を持っている人にこそ観てもらいたい作品ですね。
本作同様に、オムニバス形式で大人向けな作品の「ジョーカー・ゲーム」や「デス・パレード」
「カウボーイ・ビバップ」なんかが好きなら、間違いなく観て損はないと思います。

それにしても、1クールで終わりって勿体無さ過ぎる。。
原作ストックいっぱいあるんだし、つくづく続編を切望する作品です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 22

71.6 21 2017年冬(1月~3月)アニメランキング21位
セイレン(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (539)
2666人が棚に入れました
高校2年生の夏。「嘉味田正一」は進路希望表の内容で担任に呼び出されたことをきっかけに、大人になることへの不安を覚えはじめる。
そんな彼が様々な女の子と出会い……そしてどんな将来を目指していくのか。
未来へ向かって駆け出す等身大の高校生と清廉(セイレン)可憐なヒロイン達の恋愛物語が、今始まる!

声優・キャラクター
佐倉綾音、木村珠莉、井澤詩織、三上枝織、沼倉愛美、下地紫野、黒木ほの香、江口拓也、田村ゆかり、藤田咲、藤井ゆきよ、長妻樹里

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アマガミの九年後

視聴理由 特になし

序盤 アマガミの後の話!

中盤 これもオムニバス

終盤 やっぱ面白いなぁ

アマガミと同様。オムニバス形式だった
アマガミ同様、ヒロインのルート分岐のような構成になっています。1~4話は常木耀編5~8話は宮前透編9~12話は桃乃今日子編

アマガミを知らない人のためにこの作品の特徴を教えます。先ほども話した通り4話ずつでヒロインが変わっていきます。ただどこぞの「学校日々」とは違く「もしこの時、主人公がこうしてれば...」という3つに分岐した世界線を描いています。なのでハーレムという感じはしません。ただ分岐点はルートによって異なる(透ちゃん編は耀ちゃん編の始まりより後から始まるし、今日子ちゃん編はもっと後から始まる)

アマガミの9年後っていう設定だけど話には全然関係しない。しいてカンケイするなら「アマガミ」に出てくるヒロインの一人「七咲 逢」ちゃんの弟が主人公の親友役として出てる。ぐらい?
少しおどろいたのは「オリジナルアニメーション」だということです。ゲーム原作ではないのに分岐!?と思って心配したのですが、特にその必要はなかったようです
4話という制限がありながら物語を作るのは結構難しいですからね。物語の初めにはどうしてもキャラの説明が必要になってきますからね。自然と耀ちゃんのルートは薄くなってしまうかな。と思ってました。実際は「逆手に取ったな」という感想になりました。発想の勝利ですね。個人的にはこのルートがすきです。
この作品の本命はきっと今日子ちゃんなのでしょうか。なんとなくそんな感じがしますが気のせいかもしれません。
ともかく四話で構成し、キャラの魅力を引き出す良い形で幕が下りるのは、素晴らしいの一言ですね

作画が普通でした。各編のラストシーンは演出のおかげか、きれいに見えました。
先ほども言いましたが私は常木耀ちゃんが好きなのですが、ほかのルートも嫌いではないです。やはり可愛いキャラというのは大きいですよね
opは初TVアニメ主題歌であり奥華子さんの「キミの花」良曲
edは編ごとに異なり各編の最終話のedも違うためwikiなどで見てもらったほうが早いのですが個人的には耀ちゃんのラストedが好きですね

総評 発想の勝利。ゲームがあるならやってみたかった

投稿 : 2024/11/16
♥ : 9
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リアル高校生「風」恋愛アニメ

「アマガミSS」「キミキス」などが好きな方は当然合うでしょうね♪

オムニバス形式の高校を舞台にした恋愛アニメ。OPは、奥華子さんの透明感溢れる歌声がキラリと光り、今期(2017冬)では屈指に好きな歌です♪

【各話感想】
《常木耀 編》
{netabare}
1話目
ある意味凄いな。何のインパクトもない初回(ラストだけやや印象アリ)w いや、悪くはないですよ。どう考えても、リアル路線の恋愛系で、最終的には、「タヒね! リア充め!」的になっていくのだろうからw ゆっくり愛を育んでいくのもアリだとは思いますよ。もしくは普通に、「アマガミ系」(オムニバス形式)なのかな? ただ、このアニメ氾濫時代において、1話切りされても文句言えない、普通さです。とりあえず、様子見♪

2話目
予備校の合宿なんて行ったことないから、よく分からんな。普通の男子高校生らしいといえばらしい、妄想やら欲求やら。ヒロインの常木さんは、アニメには珍しいタイプ。完全リアルではないが、似非リアル女子高生キャラ。オムニバスだから仕方がないが、ヒロインデレるの早過ぎ、チョロ過ぎだな。

3話目
う~む、リア充してますな~w 勉強しろや(笑)という一言につきます。吉田さんと宮前先生のショートコントは笑ったw

4話目
女子って怖い……。毎週、「ALL OUT」を観た直後に観てるから、落差が(笑) やっぱり、来世も生まれ変わるなら男が良いなw ん? 作画、若干、体に対して顔がデカいシーンない? 海のシーンで思ったこと。まず確実に、スマホが水没してる(笑) なんかこう、応援したくならないカップルだな。嫉妬かな、嫉妬だな(笑)

《視聴終了》
結論。一番応援したいカップルは吉田さんと宮前先生です♪ 本編とカンケーな~い(笑)

アニメには珍しい「イケてる女子高生」がヒロインというのはなかなか良かった。が、なんか萌えられず。やっぱり、イケてる女子高生が、大きな理由やきっかけもないのに、イケてないカミタ君に惚れる展開にムリを感じたからかな。
{/netabare}

【宮前透 編】
{netabare}
5話目
ゲーム好き女子か。ゲーム好き男子からすれば嬉しいよね。しかも、特撮好きで美人で天然エロなんて、妄想の産物やな(笑) ラストに、なにやら怪しいシーンが。

6話目
プリクラ、昔(出始めの頃)から好きじゃないけど、こんだけ、スマホのカメラやプリンターが高性能の時代に、まだ需要があるのかな? 「女の子からの評判を聞きたい」って、どこのギャルゲだよw 常木さん、ゲームできるんだw てか、コメ要素必要かな?
なんだ? ネタ的な微エロもぶちこんできたけどw

7話目
確かに、ゲーム好きで大人しい女子グループに、モデル並みの美人がいたら、浮くよね。男子のグループにおいて、取るとか取らないとか存在しないんだけど、そこを心配するあたり、宮前先輩も女子ですね。もう、さっさと付き合えや(苦笑)

8話目
へ~、コミケって服飾のコーナーもあるのか。いつも(アニメだと)同人誌コーナーか同人ゲームコーナーばかりだったから(笑) ファスナーの場所エロすぎだけど、合理的だ(笑) 正一、諦めるの早っw 喉仏を吸うって、どんなフェチだ(笑)

最終回Cパート(未来の話)は、常木さん編の方が好きだったかな。ただ、ゲームとも服飾とも関係ない職業に就いてるってのが、妙にリアルで良かった。

《視聴終了》
オタク系男子の妄想を具現化したようなヒロインでしたね。ゲーム好きで、行動をリードしてくれて、美形で、エロくて、積極的で、でも清純で。なかなか魅力的なキャラでした。(制作の狙い通りと)分かっていてもハマるという(笑)
{/netabare}

【桃乃今日子 編】
{netabare}
9話目
今までで一番の「らしい」ヒロインかな。良くも悪くも「普通のアニメになった」感じですね。

10話目
どんな格好で寝てるんだよw 恥ずかしがろうよw 常木さん、すっかりギャグ要員に(笑) う~ん、あざとい……。(今日子の)問「どうして男の人はイヴになるとHなことをしたがるですか?」(視聴者の)答「イヴだけでなく、いつもです」(笑)

11話目
トラック回避とか、風夏と被るw 下着のクダリはよく分からなかった。パンツの穴のクダリは意味不明w プレゼントのパンツに穴を開ける=男性として意識していることの証明、っていうのは流石にムリがあるでしょw

12話目
なんか、イライラする(笑) とっくに両想いなのに、いつまでも牽制している生殺し感がイライラするw (可愛い)幼馴染を女として見られないって、アニメなら定番だけど、実際はそんなこと100%ないw

最終話Cパートは、一番普通かな。漫画編集者って、なぜ(笑)? まあ確かに、未来的に考えても、一番うまくいきそうな二人ではあるかな。

【視聴終了】
これまでのシリーズと違い、二人が幼馴染なため、(ゲーム風に言うと)スタートからパラメーターがMAXな二人。そのため、ヒロイン攻略に伴うドキドキ感は少なかった印象。

結論は分かっていて、しかも通じあっているのに、互いに気が付かない二人を、ニヤニヤしながら眺めるぐらいの態度が良いのかな?
{/netabare}

【視聴終了】
{netabare}
主人公は共通、ヒロインは各シリーズごとに違うという構成で、恋愛AVGをやっている気分になります。

作り方としては「ヨスガノソラ」と一緒。

楽しみ方としては、各シリーズごとの純愛にニタニタするもよし、他シリーズではヒロインだったキャラとの微妙なすれ違いに切なくなるもよし。

ただ、主人公が共通なので、ある意味では「一風変わったハーレムもの」と観れなくもないです。「ハーレムもの」の正否は、「主人公(男)が、そのハーレムを築くに足る人物か」だと思っています。

本作の主人公「嘉味田正一」は、「優しさ」がメインの男子。それなりの積極性はあるが、基本的には受け身で草食系男子。

個人的に一番評価しているのは、「宮前透 編」。正一が唯一主人公らしく「惚れさせ」にいったシリーズだった。

常木耀は、モテ系女子なので、わざわざ正一に惚れる理由が分からない。たまたまの偶然、かもしれないが、これまで言い寄ってきた男子の中には、正一のようなタイプの奴もいただろうし。

桃乃今日子は、幼馴染み補正が入っているので、主人公に惚れてて当たり前。ノーカウント。

宮前透は、人間的に欠陥があり、コミュ力が低いので、ゲームで繋がった正一に惚れていく展開には説得力があった。自分的に一番好きなヒロインだったし、楽しめたシリーズだった。

そう考えると、(あえて字を当てるなら)「誠恋」をしていたのは、やはり宮前透編だけのように思う。後の二人は、別に主人公を変えても良かったのでは?

(でも1番好きなカップリングは、宮前先生と吉田さんですw)

巷では、桃乃今日子が一番人気のようですね。確かに、一番可愛かった印象です。ただ、なんか一番「アニメらしい」キャラだったな、と。リアルな高校生の恋愛が売りだとしたら、一番リアルにいそうなのは常木さんだと思うし、特殊なキャラという点では宮前さんかな。「普通に可愛い」今日子は、どこかインパクトに欠け、自分的には一番印象に残らなかった(別に今日子が嫌いなわけじゃないですよ。むしろ萌えたんですがw)。

全編を通し、女同士の恋愛がらみ時のドロドロさ(思慮深さ)と、男同士の友情の爽やかさ(バカさ)がかなりフォーカスされていた印象。そこはなかなかリアルで良かった。
{/netabare}

【総括】
ファンタジー設定や展開は皆無で、リアルな高校生の恋愛を描いている。と、思いきや、高校生のリアルな恋愛ってこんな感じですか(苦笑)? だとしたら、私が行ってた高校は、きっと高校じゃなかったんだなw

リアル風に描いていることで、かえってファンタジーよりファンタジーを感じることも(いや、私が部活ばかりやってたせいで、皆はこんな高校生活を送っていたのかも)w

OPは共通していますが、EDは各キャラごとのキャラソンになっている。いずれもレベルは高いと思った(特にOP)。

まあ、とりあえず、主人公の正一に殺意を覚えるアニメだった(笑) リア充タヒね~w

投稿 : 2024/11/16
♥ : 38

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ヒロインの選択は間違ってはいないが

キミキス、アマガミss 、セイレンの流れで他とヒロインが被らないようにビッチ系、ゲーマー、年下の幼馴染みというヒロインの選択は間違ってはいないが、ハッキリ言う。
高山箕犀氏の脚本がダメだと思う。
キャラデザだけやってりゃ良かったのに。

アマガミssの場合の橘美也はどちらかといえばブラコン。日常的に主人公と絡んでアドバイスやら冷やかしたりで盛り上げていたが、セイレンの主人公の姉はミスサンタに選ばれてしまうほどの容姿とコスプレ好きだったりと曲者ではあるが、絡みが少ないし、そこはブラコンとか主人公はシスコンにして姉よりヒロインを好きで好きでたまらない!というのにしないと、変態紳士でもない地味な主人公では盛り上がらん。
あ〜あ…キュン死にしたかったなぁ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

71.2 22 2017年冬(1月~3月)アニメランキング22位
SING/シング(アニメ映画)

2017年3月17日
★★★★☆ 3.9 (51)
351人が棚に入れました
人間世界とよく似た、動物だけが暮らす世界。コアラのバスターが劇場支配人を務める劇場は、かつての栄光は過去のものとなり、取り壊し寸前の状況にあった。バスターは劇場の再起を賭け、世界最高の歌のオーディションの開催を企画する。極度のアガリ症のゾウ、ギャングの世界から足を洗い歌手を夢見るゴリラ、我が道を貫くパンクロックなハリネズミなどなど、個性的なメンバーが人生を変えるチャンスをつかむため、5つの候補枠をめぐってオーディションに参加する。

声優・キャラクター
内村光良、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥、斎藤司、山寺宏一、坂本真綾、田中真弓、宮野真守、谷山紀章、水樹奈々、大地真央

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

『LA LA LAND』でも『MOANA』でもなく『SING』という選択肢 今回“も”吹替がアツイ!!!

『ミニオンズ』『ペット』と世界的ヒットを続けざまに出しているユニバーサル発イルミネーション制作の3DCG長篇映画の最新作
コメディ映画や洋楽PVを多く手掛けるガース・ジェニングスが監督
擬人化された動物キャラクター達が暮らすアメリカ西海岸風の街を舞台に落ちぶれた劇場の再建をかけて素人の集まりが歌謡ショウを繰り広げるという音楽映画
途中、物凄くリアルな“洪水”の描写があり、それが見どころの1つなのですがあらかじめ断っておいた方が良さそうです
ちなみに既に続編の製作も決定しています


オンボロの劇場を運営するコアラの支配人、バスター・ムーン
彼は劇場の再建を掛けて一世一代の大博打を打つ
それは、誰も観たことのないショウ
一般の参加者から選び抜いたまだ見ぬ才能を持つ素人歌手を発掘し、ショウで発表するというものだった
賞金を誤魔化し、電気を盗電し、強引な買収まで行い彼は計画を実行に移す
オーディションでバスター・ムーンに選ばれたのは5組
家事と育児に追われる日々で疲弊しきっていた豚の主婦、ロジータ&彼女とペアを組むこととなったまるで正反対の性格のコミカルな豚のダンサー、グンター
ギャングのボスである父親にしごかれながらも、胸の内には歌手になることへの憧れを秘めた心優しいゴリラの青年、ジョニー
彼氏にコキ使われながらも、共に売れないパンクロッカーとしての巡業を繰り返すヤマアラシの少女、アッシュ
経験者であることを鼻に掛けてお高く留まる欲張りなネズミのジャズミュージシャン、マイク
音楽一家の長女で美声を持ちながらも内気で極度のあがり症の為に実力を発揮出来ずくすぶり続けているゾウ、ミーナ
そしてショウの成功を信じる楽観主義だが、ショウへの情熱だけは人一倍なバスター・ムーン自身を含めた6組の主人公達が織り成す音楽エンターティメント!


動物擬人化コメディということで『ズートピア』みたいなノリを想像していただけると分かりやすいかと思います
そして『LA LA LAND』や『モアナ』という風になぜか同時期にミュージカル映画が集中してしまった中で、今作は明白に音楽映画、しかも群像劇というジャンルを貫いているので他作品との差別化はちゃんと出来ています


つまり『天使にラブソングを』や『スウィングガールズ』や『フラガール』と同じです
ぶっちゃねこの手の映画の構成はほとんど完成されてしまっています
この半世紀ぐらいほぼテンプレート化されていて、今作も例に漏れず“特に物珍しさを感じる映画では無い”ことは断っておきます


具体的には
人生の低空飛行を続けてい主人公らが

音楽の楽しさに目覚め上昇志向で目標を目指す

だが思いがけない大トラブルに巻き込まれ一時はドン底に落ちる

最後のチャンスをモノにすべく全力で大舞台に挑む

ハッピーエンド
正直ネタバレでも何でもないので、今作もこーゆー映画の類と思っていただくのが正解でしょう


さて、では何が今作の魅力なのでしょうか?
まずひとつは劇中で流れるBGMや実際にキャラ達が歌う楽曲が、一部のオリジナル曲を除き世界的ヒットを飛ばした人気洋楽の原曲やカバーや日本語訳で、ソレが実に64曲も流れるということです
古いところではフランク・シナトラやビートルズ
懐かしいところではシンディ・ローパーやワム!
新しいところではレディー・ガガやケイティ・ペリーやカーリー・レイ・ジェプセンやテイラー・スウィフト
あとネタ的な役どころとしてきゃりーぱみゅぱみゅが3曲ほどかかかります(笑)
これだけで豪華なサントラが出来上がることが容易に想像出来ると思います
洋楽ファンなら高揚のあまり劇場でジッとしてるのが辛いぐらいです
しかもこれを動物キャラが真顔で歌っているのが笑いどころw


そして、歌う映画ということで本家アメリカのキャストも豪華
楽天家なバスター・ムーンはコメディもシリアスもこなす名優として数々の受賞暦を持つマシュー・マコノヒー
豚の主婦、ロジータ役に妖艶な魅力のリース・ウィザースプーン
傲慢なネズミのマイク役は『テッド』の監督とテッド役を兼任したセス・マクファーレン
悩めるティーンエイジャー、ネズミのアッシュ役は少佐、またはブラック・ウィドウことスカーレット・ヨハンソン
ゴリラのジョニー役には名門演劇学校出身の若手イギリス人で『キングスマン』で注目を浴びた、タロン・エガートン
ゾウのミーナ役にはyoutubeやオーディション番組で注目を集めた話題のシンガーソングライター、トリー・ケリー
コメディアンなグンターには、同じくコメディアン、そして声優としても人気なニック・クロール


『モアナ』のモアナ役には日米共に疑問が残った中、今作はなんとも気合の入ったキャスティングで申し分ないですね
ちなみにガース監督自身はカメレオンの受付嬢(200歳)ミス・クローリー役で出ている


で!ユニバーサル発イルミネーション制作の映画といえばやはり吹替版の出来が素晴らしいことはもはや周知の事実ですよね!?
昨年の『ペット』の吹替は今年度の「声優アワード」を受賞したことも記憶に新しい
今回もその大きな期待に応えてくれています!


バスター・ムーン役がコメディもシリアスも出来るマシュー・マコノヒーなら、日本ではウッチャンこと内村光良だ!


内気が故ほとんどセリフをまともに喋れないミーナ役
誰だ?このヘンテコな声の主は?
しかし歌いだすとすぐ分かる圧倒的声量、ってまさかのMISIAじゃねぇか!w


アッシュ役には東宝シンデレラ、長澤まさみ
昨年の『君の名は。』でもいい仕事してました!
ラストに彼女が歌うオリジナルソングは日本語詞に翻訳され、本編の彼女の心境とマッチしていて思わず泣いちゃいましたね;;


大きな体に優しい心と柔らかい歌声、ジョニー役にはスキマスイッチの大橋卓弥
ゴリラの姿と美声とのギャップが溜まりません


グンターさんには歌うま芸人として一躍有名になったトレンディエンジェルの斉藤さん!


おおっと???何も芸能人だけが主役じゃないぜ!本業のプロ声優も豪華な顔ぶれです


家弓さん亡き今の世、マイクが歌うフランク・シナトラの曲を物真似出来る声優・・・といえばやっぱり山ちゃんこと山寺宏一
彼がいるのに劇中で『バックトゥザフューチャー』のオマージュを入れたのは偶然が生んだ奇跡なのか、思わず笑いました
(山ちゃんは『BTTF』の吹替でマーティーもドクも演じたことがあります)
また、このマイクというキャラが「実力はあるが性格は最悪」という美味しいキャラで、彼の問題児っぷりは恐らく次回作に引き継がれることでしょう


ロジータは歌が上手い人妻!(だが豚だ!)
ソコにまさかの坂本真綾を連れてくるとは恐れ入ったwww
まさか真綾が豚を演じる日が来るとはwww
真綾が歌うテイラー・スウィフトの大ヒット曲「シェイク イット オフ」は聴き逃せない!
しかもデュエット相手が斉藤さんなのがまたなんともwww


その他にも田中真弓、宮野真守もおいしい役どころで登場
物語の鍵を握る引退した伝説の歌手、ナナ・ヌードルマン役として大地真央を起用するのはニクい


ちなみに『ペット』でもやってくれましたが水樹奈々、柿原徹也、村瀬歩、木村昴、佐倉綾音がネタ的に一瞬出てくる(ホントどうでもいい役w)ので探してみてほしいです


あと藤原文太こと石塚運昇さんが息子にドラテクを指南してるのも狙ってやってるとしか思えないw


『モアナ』の場合、いつものディズニーらしさを残しつつ意外性のある物語で中盤以降引っ張っていったのに対し、今作は純粋な意味で【可愛いキャラが!豪華なキャストで!!楽しい歌を歌う!!!元気の出る映画!!!!】というところに重きを置いていることを評価したいと思います


音楽映画って先にも言った通りもはや新鮮味に欠けるジャンルではありますが、“これぞ王道”と呼べる映画が毎年一本ぐらいあってもいい
そう感じさせてくれるパワフルな作品でした

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

SING(歌って)。最高の音楽ショーの開演です♪

ユニバーサル・スタジオの子会社である、
イルミネーション・エンターテインメント製作の長編作品・7作目。
2016年公開。

音楽が関係する作品なのは知っていましたが、
これほど音楽にあふれている作品だとは♪

海外アニメなので、洋楽のカバーが多いです。
音楽を存分に楽しめて、大満足です^^

110分ほどの作品です。
日本語吹き替え版を視聴しました。

DVDには短編アニメーションが3本入っていたりと、
特典も充実しています^^

短編も面白かった♪


● ストーリー
コアラのバスター・ムーン(♂)は、
幼い頃に見た舞台に魅せられ、劇場主となった。

しかし、劇場の経営は振るわず、ピンチだった。

起死回生をかけ、
歌のオーディションを行うことにしたバスター。

10万ドルの賞金を目指して、
歌自慢のアマチュア達がバスターの劇場に集まった。


登場するキャラクターは
みんな動物です。

だけど、表情も動きも、
まるで人間のようです。

支配人のバスター、
そして、音楽に関する夢を抱えてきた動物たち。

心のどこかで夢をあきらめていた。
そんな彼らのエピソードで構成されたストーリー。

とんとんとスムーズに流れていく展開、よかったです♪
面白かった♪


≪ ライブ ≫

音楽がメインなので、
歌うシーンが非常に多いです。

特にライブシーンは、
20分ほどじっくり時間をかけられていて、
もはや本物のライブです。

1曲終わるごとに、
素晴らしい!!!と拍手を送りたくなりました。

というか、気が付くと普通に体を揺らしながら楽しんでいて、
すっかりノリノリになってましたw

歌うだけではなく、
ライブの中でもストーリーが進んでいる演出も素晴らしい。


● キャラクター&声優
ストーリーも面白かったですが、
そのストーリーを作っていくキャラも楽しい♪

私のお気に入りは、
25匹の子豚の母親・ロジータ(♀)です^^

子育てや家事に追われる主婦業と、
歌の練習を両立させるたくましさ。

まさに母は強し。尊敬します。笑


歌がメインということもあり、
声優さんも歌が上手い方ばかりです。

というか、MISIAのような、
本職が歌手な方も声優として参加しています。笑

それだけ歌唱シーンに力が入れられていて、
ライブシーンは何度繰り返し見ても飽きませんでした。

最高でした。


ところで、トレンディエンジェルの斎藤さんがグンターを演じているのは、
「グンターさんだぞ。」を言わせるためですよね?笑

いやでも斎藤さん、
歌がすごくうまくてびっくりしちゃった。

豪華な声優陣の中でも、
後れをとっていませんでしたね。

グンターのキャラにもよく合っていたし♪

グンターと斎藤さんのコラボ動画、
ナイスコンビすぎて笑ったわwww
(↑公式サイトで見れます^^)


● 音楽
これはもう、
聞いてくださいとしか言えません。笑

音楽が好きな人には、
たまらない作品だと思います。

私はすっかり魅せられました。

吹き替えを担当された声優さんたちが歌った歌が
日本盤サントラにも全曲は収録されていなかったのが
とても残念でした。


● まとめ
最高のショーを見せてもらいました^^

アニメーション、演出、歌、歌声。
どれもが大満足です。

続編も製作中だそうなので、
期待して待ちたいと思います^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 23
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

なにこの歌唱力の素晴らしさ!!まるでコンサートを見に来たみたい!!

☆映画館の吹き替え版にて見ました☆

〜あらすじ〜
動物たちの住む街を舞台した昔は栄えてた劇場を再建するため、オーナーのコアラが奮闘する物語

コアラのバスター・ムーンは自分が持つ劇場にすっかり客が減り没落していた
しかし心から劇場を愛するバスターは、劇場を守るため、世界最高の歌唱コンテストを開催し最後のチャンスに賭けようと決意する
さまざまな事情を抱える動物たちが、歌に夢をかけて活躍するミュージカル・コメディ。



CMで見て、歌がよかったから

外国の歌聞けるし?楽しそうだし?よし見よう!
と、映画館へ
しかし、そんな軽い気持ちで見た「SING!」は
ただの、ミュージカル映画ではありませんでした…!

{netabare}
まずはなんと言っても声優さんの歌唱力!!
なんですか!?いや、正式には声優さんじゃない人もいます
とにかくすごすぎ!
プロ顔負け!?って言えるほどでした!(日本語版)
しかも、何ヶ国でも上映しているSINGですが、歌を変えたり日本語にしたのは日本だけなんです!!
日本…すごすぎるっ!


〜今回のSING 歌について〜
歌はざっくり言って最初と最後の2回にあるわけですが、どちらも本当に引き込まれます!

特に最後!屋外でみんなと協力して作った劇場
そして成長した動物達が歌った歌…
本当に最高でした…
動物達それぞれに思いが込められていて…
ライブに行った後の余韻を感じた気分でした…

{netabare}
☆ゴリラ(ジョニー)
最初は父ともどもと悪党の手下で、仕方なく手伝っていたわけですが、こっそり抜け出してコンテストをしている間に父達が捕まってしまい、父に見捨てられてしまいます…

しかし!!
最後の歌を歌った時!父もその歌を聞き、惚れて、脱獄します!

「ジョニーだ…!俺の息子ジョニーだ!!」

そう言って、牢屋の格子?を手で(笑)壊し、ジョニーの元へ!
そして無事?に再会!
あのゴリラとゴリラの再会には感動しました(T_T)
ゴリラ〜(;∀;)
しかも、父は歌声に惚れて、ジョニーを息子だと認め、仲直り?したのです!!
本当によかったです〜(T_T)


☆ゾウ(ミーナ)
最初はおとなしくて人前では歌えなかったミーナ
コンテストでは歌えなく、照明係でパシられたわけですが(照明係うまかったです、いやほんとに!)なんと2回目の時にはみんなと一緒の劇場に出て歌えるように!!

しかも歌い出したらこの上ない素晴らしさ!
フィナーレだったこともあり、とても盛り上がりました!!

ゾウがジャンプした時は舞台が崩れるかと思いましたが、なんとか保ち、無事終わることができました!!!いやぁほんとにすごかったです!


☆ハリネズミ(アッシュ)
恋人とロックなギターをやっていたわけですが、アッシュだけ、コンテストで選ばれた為、恋人はショックかやけになりアッシュを降ってしまいました…

最初は落ち込んでいたアッシュでしたが、最後の歌には思いを込めて、そして吹っ切れた感じだったので見ててとってもじーんとしました!

そして、その歌を聞いていた元彼もカッコいいと気にいり再び惚れ直していた…!?
アッシュの服もかわいかった…ですよ笑


☆ブタ(ロジータ)
超超ちょ〜子沢山なわけですが、(なんと25匹も!?!?)とっても家庭思いの良いお母さんなんだと思います♪

家族多めの家庭でコンテストに行くため子ども達の面倒が見られなくなってしまう…
そこで考えた発明がいつもやっている事を機械化すること!

1日でその機械を作るなんてすごすぎでした!(詳しくは劇場で…m(_ _)m)
あんな事が出来るものなんだと!
見てて感心しましたいやすごすぎでしょっ!!

そして最初は乗り気じゃなかったオス(斎藤さんだぞの人)ブタさんとも最後はノリノリに歌っていてとても感動しました!一瞬夫を諦めて浮気したかと…笑
でももちろんちゃんと夫とも仲良しですよ♡

私の中では1番と言ってもいいほどのお気に入り、(すごすぎる機械作ったから)尊敬できるキャラでした♪

長々とキャラについて書いてしまいましたが…
{/netabare}内容ももちろん良かったんですがもう一つ!すごいなと思ったことが!
絵の使い方!背景転換などの演出法がとっても上手くキレイで「はわわ〜」って見惚れるほどでした!
ほんとにすごすぎです!!!

などなど、話したいこと書きたいことはたくさんあるのですが…

とにかく!{/netabare}この歌の上手さ!絵の使い方!もちろん内容も!
笑いあり涙あり歌あり!の最高の映画だと思います!
歌の余韻も…!

まだ見てないよーって人は見ることをオススメしますよ♪
私は今回日本語版を見たわけですが、英語版もぜひぜひ見てみたいなと思いました♪

そして!!なんとなんと!
続編!
がやるんです!!!!(日にちは未定)
映画の最後に発表されてとっても驚きましたが、ぜひまた映画を見て、そして出来たらまたレビューに書いて出したいなと思いました♪

5/12のMステにも出てるんですよ…|*゚ω゚)ノ"
何度も歌が聞きたくなる♪そんなオススメ映画です♪

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

71.0 23 2017年冬(1月~3月)アニメランキング23位
黒執事 Book of the Atlantic(アニメ映画)

2017年1月21日
★★★★☆ 3.9 (73)
603人が棚に入れました
19世紀英国――
名門貴族ファントムハイヴ家の執事セバスチャン・ミカエリスは、13歳の主人シエル・ファントムハイヴとともに、”女王の番犬”として裏社会の汚れ仕事を請け負う日々。
あるひ、まことしやかにささやかれる「死者蘇生」の噂を耳にしたシエルとセバスチャンは調査のため、豪華客船『カンパニア号』へと乗り込む。
果たして、そこで彼らを待ち受けるものとは――。

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、田村ゆかり、諏訪部順一、福山潤、KENN、杉山紀彰、寺島拓篤、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、木村良平、前野智昭、鈴木達央、中田譲治、田中敦子、山下誠一郎、石川界人
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ファントムハイヴ家の使用人たち、船に乗らなくて良かったね!

 いきなり、シエル、セバスチャン、スネークが、豪華客船に乗り込むことから物語が進むです。

 ある疑いを調査するために乗り込んだわけだけれども、そこにリジーとその家族、ロナルド、アンダーテイカー、途中からグレル乱入などと今までの黒執事キャラ主演となっているです。キャラ以外にも、客船の内部など背景が、リアルに描かれているのも良かったです。

 怪しい集団の会合に潜入するシエルとセバスチャン。{netabare}訳の分からないポーズもとったりと。そこで、死者の組成から始まり暴その死者が暴れ、シエルの入った貨物室や、別の場所にも大量の棺桶から、亡者たちが船内で暴れだし、もう大変展開になちゃうです。

 暴れだすゾンビにシエルたち、乗客がパニックになる展開が振り回されるか?と始めは思ってしまうです。でも、その中に{/netabare}アクションの多さ、知っているキャラ達の意外な素顔、Book of ・・・におけるシエルとセバスチャンの出会いその後の話が、明らかになっていくことが見どころになるです。

{netabare} その騒ぎの中心人物を追っていろいろあるわけだけども、その途中にいきなりゾンビだけでなく、セバスチャンとグレル、ロナルドのバトルになったりと目的も私には、何なんだかわからなくなってくる感じがあったです。{/netabare}

 シエル、特にリジー絶対絶命と思いきや、意外な事になって面白かったけど「何だこれは~」だったです。誰かさんの理想と行動が、アンバランスにみえた衝撃の展開です。

 この後にも遂に黒幕が登場するわけだけども、これも驚き桃の木みたいな感じだったです。この黒幕が結構、強いでしたです。{netabare}ここで、なぜゾンビたちが、客船の中にいたのかも明らかになるですし、突如としてセバスチャンとシエルの出会い直後のエピソードも見れるのは、ファン必見だっと思うです。
 
 今回、ゾンビ相手などに、血で{/netabare}汚れるセバスチャンの凄まじさを最後まで見れた黒執事だったです。まだまだ、話が続くような感じだったです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「黒執事」分析

「鋼の錬金術師」を出したスクエアエニックス系列のファンタジー漫画雑誌「Gファンタジー」の看板作品。

プロットはおそらく集英社少年ジャンプの「BLEACH」。

これを更に女性オタク向けにアレンジした感じ。(腐女子とまではいかないが)

原作の絵柄も綺麗で割と好きなのだが、ストーリー構成に難があり、全体として結局何がしたかったのか解らないことが多々ある。

雰囲気は抜群だが筋がないのは、おそらくライトな読者層に向けて作られているからであろう。

同社の「ハガレン」と比較してはならない。

今回で完結編?となる映画だが、後半の戦闘シーンはやや見せ場があるものの、やはり劇場版としての完成度が低く、ファンサービス程度に収まってしまっている。

作画もキメ絵は非常にクオリティが高いがその他のモブで手抜きが感じられた。そこは残念である。

漫画自体は結構なヒット作であるのだが、これだけヒットしているのに話題に上がらないのは幅広い層に受ける内容ではなく、かなりニッチな層に対して傾いている事にほかならない。

その独自な閉鎖的な雰囲気が劇場版でも感じられ、物語の広がりを感じられなかった。非常に残念な作品だと思う。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

炊飯器。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

劇場版にふさわしい出来だった

アニメから入ったため、あまり詳しいことはわからないが、劇場で見てよかったと思った作品だった。

死体が生き返るという謎に迫るために豪華客船に乗り込んだシエル・セバズチャン・スネーク。そこでは実際に死体をよみがえらせていた。そのよみがえった彼らが生きている人間に襲い掛かり船はパニックに。その裏で糸をひいていたのは……!

作画はとてもきれいだし、劇場版ということでさらに磨きがかかっていた。ぬるぬる動くし、細部まできれいに書き込まれていて感動した。

物語も本当はもう少しあったらしいが、原作を知っていなければ十分に内容が濃いものだった。メリハリがはっきりしているのがすごくよかった。

音楽も優雅さと臨場感があり、世界観にばっちりあっていたとおもう。

時系列的には、サーカス編が終わった後くらいなのか?(二期はオリジナルシナリオのため)

一期、サーカス編、(幽鬼城殺人事件編)を見た後にぜひ視聴してほしい。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 1

71.0 23 2017年冬(1月~3月)アニメランキング23位
甲鉄城のカバネリ 総集編 後編 燃える命(アニメ映画)

2017年1月7日
★★★★☆ 4.0 (16)
177人が棚に入れました
テレビシリーズ「甲鉄城のカバネリ」の総集編二部作の後編である。

声優・キャラクター
畠中祐、千本木彩花、内田真礼、増田俊樹、梶裕貴、沖佳苗、伊瀬茉莉也、逢坂良太、佐藤健輔、宮野真守
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

進め方は前編の方が、良かったかなぁ???

 前編の最初の場面の新作カットの続きが、この後編で最後で明らかになるです。そこから、生駒と無名の改めての約束を少し新作エピソードがあったです。

 この後編では、美馬が登場するわけです。TV放送でもお馴染み、美馬の狂喜が特に目立ってたです。それに苦しむ無名と無名を救いたい生駒が描かれているです。

 TV放送と全く同じ場面でも、劇場で見ると洗練されて良く見えたのがいいところだけれども、TV放送を強引に端折っていたように見えてしまい、展開が唐突に進んでいる感じがしたです。
{netabare} 例えば、金剛郭に向かう途中で場面が変わり、拓生が黒城の先頭車両に急にカバネがいることに気付くところが、この映画の流れ的に不自然に見えたです。
 追い詰められた生駒をたくみが、かばって命を落とす。そのあと少したって場面が変わり、突然甲鉄城の仲間たちが黙ってたくみを運ぶだけになっていたりして、その前の過程が削られていたなどでしたです。{/netabare}

 良かった点を強いてあげると、最後にいれた新作エピソードだったと思うです。
 美馬をやや中心にすることによって、後編ではTV放送エピソードの削りすぎに気づいてしまったと思うです。それが、私には腑に落ちなかったです。

 

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

70.8 25 2017年冬(1月~3月)アニメランキング25位
LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門(アニメ映画)

2017年2月4日
★★★★☆ 3.9 (69)
347人が棚に入れました
タイトル通り石川五ェ門をフィーチャーした本作では、若き五エ門が最強に目覚めるまでを描いていく。

声優・キャラクター
栗田貫一、小林清志、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

野心はあるが評価がついて来てない

アニメや漫画は残酷である。良い作品が必ずしも大ヒットしたりするものではないし、一生懸命頑張ろうが、手を抜こうが評価は人それぞれである。

料理や服装の好みと一緒で、基準がないからだ。

そのタイトルはルパン三世でもほぼ同じ事が言える。

作画やキャラクターには言うことなし。

「次元大介の墓標」に引き続き、より原作に近寄ったルパン三世の劇場版アニメ。
正直言って、女、子供は全く来てないし、客もまばらでマニアック感満載で始まる。

徹底的にお子様を排した「ルパン三世」は、よりアダルトでエロチックでバイオレンスで刺激の強い本来のハードボイルドに戻った。

今回の主役は石川五右衛門ともあって、斬鉄剣による殺陣がメインの見せ場になっており、切り捨てる相手の肉の断面や血しぶきが飛び交い、規制など気にもとめない姿勢に製作陣の雄気と言うか、熱意を感じるいい作画だった。

ストーリーもいたってシンプルで、作画や演出だけにほぼ見せ場を任せるのは至難の業だと思うのだが、それを臆面もなく存分に引き出せていると思う。

最近は「君の名は。」のヒットに伴い、アニメに注目が集まっているが、非常に多様で幅の広いジャンルが増えて更にマニアックになっているのが面白い。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 13
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

限界を超えた怪力、反射神経と斬鉄剣

 木こりのメタボな大男が現れてどこにいくかと思ったら、竜の描かれた客船から始まったです。舞台が日本だけれど、次元大介の墓標の作画で描かれた背景が独特で、日本が舞台なのか?初めは分からなかったです。

 五ェ門が出て来るだけれど、どっかの暴力団の用心棒で、斬鉄剣の鞘(さや)が、私もよく知っている物でなく普通の日本刀だったです。

 ルパンと次元、不二子がいつものように出てくるです。今までは髪が長く束ねていてもすぐわかる不二子だけど、キャラデザが変わっているようで、髪が短くなり外見も?で声を出すまでは、私に分かりづらかったです。

 初めに出てきた木こりの大男、ホークという名前でかなり危ないおっさんだったです。{netabare}誰がだかの依頼を受けて、ルパンを狙ってきたです。ここで、破壊工作をしていて五ェ門と3回にわたって場所を変え闘うです。

 この戦いで、ホークの人間離れした超怪力が、物語の半分近くは目立っていたです。2回目の戦いで五ェ門の斬鉄剣が見切られ、斧で鞘が破壊された殺されかけたシーンも普通じゃなかったです。

 ショックを受ける五エ門。斬鉄剣の鞘が知っている物になり、修行する五ェ門、動かず何をしているのか?です。暴力団の元に帰るけど、そこで五ェ門の凄まじい光景あったです。なぜ、「血煙の石川五ェ門」なのか?誰でもわかる光景の始まりだったです。数秒先の未来を読む能力に開眼したように見えるし、トリコに例えると予知のようなこのシーンは、思い込みを具現化したアルティメットルーティーンのようだったです。{/netabare}

 全体的にやはり五ェ門とホークだけど、それに絡むルパン、次元、銭形のアクションも見どころだったなぁです。
 立ち直る五エ門、ホークに追い詰められ、どっかの寺でのルパンと次元のシーン、最終決戦が迫力万歳だったです。にしても、銭形が要所要所に出てきて存在感あったです。
 TV、劇場CNでもルパンが言っていた「未熟なり石川五エ門」は、どこにあったのか?思い返すと私には、一回で気づかなかったです。言ってたかなぁ?です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

近年のルパン作品の最高傑作かも…。研ぎ澄まされた黒鋼の輝き。

アニメレビューをされてる笠さんの動画で興味を持ち視聴。結果、感謝感謝の良質な短編映画でした。尺はテレビ2話分くらいですが、剣劇アクションアニメとしては最高峰と言って間違いない。
 

というわけで、私の駄文なんかよりレビュー動画をご覧になってください、終わり、でも良いと思うのですが、傑作を見たら言いたがりになってしまうのでもう少しご容赦おば。


本作を一言で評するなら三隅監督がアニメをもし作ったら、という感じだ。三隅研次監督は、「座頭一」や「子連れ狼」などで残酷チャンバラ時代劇を確立した孤高の天才監督である。彼の描くチャンバでは、手足がポンポン飛ぶし、エヴァのこどく血がブシューと飛び散る。しかし、これみよがしなショック演出ではなく抑制すら効いた美学が活きているのでいやらしさや不潔感がないのが特徴である。


本作はまさに三隅監督の味わいで、シンプルながら抑制と開放が美に高まっている。あらすじは2行で書けるくらいで簡潔である。しかし、しっかりしたキャラ描写があるから凄く惹き付けられてしまう。敵役のホークは、ターミネーターかバキのキャラくらいイカれた強キャラな上に、余裕をもつ者の語らぬ自然なユーモアが冴えている。葉巻を吸うシーンが何度かあるが、思わずニヤリとさせられる上手い演出で引き算が実に良い。


五右衛門の剣劇アクションもメチャクチャ斬ってま~すっていうありがちな描写じゃなく、最小しか描かないから実にクール!。外国の方が見たら大喜びじゃないかな。


今回はあくまで五右衛門の回だから他のレギュラーキャラの出番は抑えぎみだが、やっぱり確立している優れたキャラたちだから少ない出番でも輝いてる。ボブ不二子は誰?って一瞬なったが。


結果、本作が与えている効果は良質な短編小説を読んだ時のような後味の良さと、名人の技前を見せつけられたような感嘆の吐息に通じている。つまらぬ物を斬らない五右衛門ってこんなに格好良かったのか…。


最後に、正直五右衛門に浪川さんはどうかと未だに思ってる。浪川さんは好きな声優さんだが、彼のいじられ要素が五右衛門にまで入ってきちゃうのはなんか違うかな。本作はそれがなかったのも良し!。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 14
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