2016年度に放送されたおすすめアニメ一覧 644

あにこれの全ユーザーが2016年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
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69.2 75 2016年度アニメランキング75位
ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(アニメ映画)

2016年8月20日
★★★★☆ 4.0 (30)
118人が棚に入れました
アザラシと人間の女性の双方の姿を持つ妖精と人間の男の間に生まれた兄弟が主人公。ふたりが遭遇する冒険を描く。

声優・キャラクター
【吹替版】本上まなみ、リリー・フランキー、中納良恵、深田愛衣、喜多川拓郎、水内清光、高宮武郎、花輪英司、磯辺万沙子

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

神話と現代とに、絆をかける白き妖精

アイルランドに古くから伝わるケルトの精神性をふんだんに盛り込みながら、現代社会の家族の有りようにもそっと想いをにじませるように作られた良作です。

監督のトム・ムーア氏(46歳)は、「トトロ」や「もののけ姫」にインスパイアされたとのこと。
大切なものを取り戻そうと先の見えない運命に立ち向かう姿が描かれているのも、なるほどと頷けるシナリオです。

カルチャーバイアスが少なめの子どもにとっては、"いつかは夢が叶い家族が幸せに暮らす" という分かりやすいお話になっています。
そうでない大人にはちょっととっつきにくく、"閉じ込めた感情へのアプローチとリカバリー" をどうにか読み取れる内容になっています。

世界をどう捉え、自分らしく生きることにどう関わるべきかといった、人間的な深みを求めるテーマなのでしょうね。

ところで、この物語を愉しむためには "セルキー" という言葉を覚えてください。
アイルランドの民間伝承に伝わる生き物、"妖精アザラシ族の少女" の名前です。


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ケルト文化と言えば、アイルランド、イングランド、フランスをつなぐ沿岸圏域を中心に広がりを見せた文化です。
なかでも、アイルランドの神話には、"ある働きをする女神が、その土地の力(産土力=うぶすなりき)を発現させるキーパーソン" として、象徴的に描かれるのが特徴です。

"セルキー" の出自は、民俗学的には、アイルランドというよりも、その北にあるスコットランド、さらに400㎞の北にあるフェロー諸島の伝承にたどることになります。
もうちょっと北のアイスランドにも、似たような伝承が残っているようです。

この "セルキー" を神話ベースで辿ってみると、実は、全く違うエーゲ海域のギリシア神話、 "セイレーン" に行きつきます。(およそ3500年前)
"セイレーン" はサイレンの元になった言葉で、美しい歌声で船乗りを誘惑し、船を座礁させ、食い殺す半鳥半人の怪物です。
ちなみに、スターバックスコーヒーのロゴデザインの元キャラでもあります。

人魚姫的なお話なら、一般的には、ローレライ(ライン川の水の精)や、メロウ(アイルランドの人魚の妖精)が代表的です。いわゆる "マーメイド" につながるキャラたちです。

有名な「人魚姫」は、19世紀にアンデルセンが各地に伝承されたものを想像逞しく二次創作したもの。
しかも、ディズニーの手によって全世界に拡散され、画一的な規格品にされてしまったというオチです。


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話を戻しますが、"セルキー" で興味を引くのは、アザラシ族の由縁と形態です。
そもそも "セルキー" は半獣半人族。元の姿は人間そっくりなんです。
おそらくはギリシア神話のポセイドンやトリトーン族をその形態の元祖に持っているからと思われます。

ちなみに「コパコナン像」で画像検索していただけますと、その実像?がご覧いただけます。
コペンハーゲンのマーメイドの系列とは全く別物だとすぐに分かりますよ。

さて、妖精アザラシ族のセルキーは、アザラシの皮を被ると素のアザラシに形態を変えて、海に潜れるというのが伝承のようです。
現代に置きかえれば、潜水服かウエットスーツの類いというわけですね。
それがないと元の世界には戻れず、あれこれと悩ましい運命にも巻き込まれるというのは昔ばなしの "鉄板" です。


実は日本の伝承民話にも同じようなモチーフがあります。
・・・・「羽衣伝説」です。

わが国で最も古い能には「羽衣」という演目がありますし、「竹取物語」だと月に帰る時に羽織りますね。
ヨーロッパでは「白鳥処女伝説(はくちょうー)」が元の話のようですが、その元はインドのバラモン教に伝わる「リグ・ベーダ」(約3000年前)のようです。

ですから、"セルキー" は、セイレーンを出自とする「羽衣伝説型&異類婚姻譚」の「北大西洋版」と言えるかと思います。
ギリシア・エーゲ海を母体として、世界の全域まではるばる伝わるなんて、古今東西を問わず、普遍的な面白さがあるって証拠ですね。

どんなにアツイ情熱で、語られ、伝わり、迎えられ、定着したかに思いを馳せると、「羽衣伝説型&異類婚姻譚」は、今も昔も、どこでも誰でも、みんな同じような気持ちになるのかなぁと微笑ましく感じます。


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さて、本作を地理学的な側面でアプローチすると、アイルランド近海にはメキシコ湾流(世界二大暖流。もう一つは黒潮。)が流れ込むので、案外とアザラシにも過ごしやすいのかもしれません。
そう思うと、冬季に人間がブルブル凍えても、海獣にはまだ温かいわけですので、冷たい海の底に不思議な異世界があるかもと、人間が勝手に想像したというのも頷けそうです。

また、宗教的な角度から探ってみると、キリスト教(主にカソリック、600年頃)が根付くまでは "ドルイド教" という自然を崇拝する価値観が定着していました。
これは日本の古神道と仏教との時代性・関係性にたいへん似通っています。

異教間の融和政策として、相互扶助・公共性・道徳心といった高次の精神性や、自他共栄という社会的規範が付加されていくのは、コミュニティーの支配・統制にはよく聞く話です。
ゆるやかな文化の熟成過程や、さりげない生活習慣の浸透にも、影に日向に親和性や融和性が図られたというわけですね。

そのプロセスで、ドルイド教の土着の神々が、キリスト教の聖人たちに吸収・同質化されることで、次第に崇敬が薄まり、やがて出自を忘れられ、ついに "埋没神" に追いやられただろうことは容易に想像できるでしょう。


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さて、本作のモチーフにもなった「SONG」です。 

これは "子どもを思う母心としての子守歌" であることは言うまでもありません。
また、母と娘の関係性から見れば、母性=出産への畏怖と憧憬を秘めた "口伝による無形の継承行為" とも取れそうです。

母から子どもへのプレゼントは、理屈を超えて、生命への尊厳と世界への愛情を含ませています。
受け継ぐ子どもたちも、耳をそばだて、未来へとバトンする "エール" として記憶し、歌い継いでいくのでしょう。

そんな視点と立場性とで視聴すると、本作が遠いアイルランドで制作されたにもかかわらず、どこか懐かしい親しみを覚え、生命観への同質性に安堵するような不思議な気持ちになります。

ところで、アイルランドには「1日のなかに四季がある。」という言葉があるそうです。
同じ島国としてのそうした相似性は、海の恵みに生かされている幸福と、四季折々に感じる繊細な情緒のなかに、ケルトのメロディーやフレーズが琴線に触れる想いにつながるのかもしれませんね。


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物語は、母親が幼い男の子に歌って聞かせる子守歌から始まります。
その言霊は、のちに閉ざされた扉を開く重要なカギになっていくのですが、序盤に明かされることはありません。

もしかしたら、字幕版と吹替版のどちらを先にご覧になるかで、それを受け止める印象が違ってくるかもと思います。
私は、初めに字幕版を観て、"字と音" を同時に追いかけたので、よけいにそう捉えたのかもしれません。

というのも、ケルト文化は長く文字を持たなかったというのが特徴です。
であれば、文字を追いかけて頭で理解するよりも、言葉や音をそのまま感じとる方が、心に深く響くのかも知れない。
そう思いました。


さて、母親は二人目の出産を直前にして、唐突に家族(夫と男の子)に別れを告げます。
そして産み落とした女の子を残したまま、どうしてなのか海中へと姿を隠してしまうのです。

やがて女の子はすくすくと育ちますが、父と兄とは何かしらのディスコミュニケーションが生じているようです。
やがて・・・あれ? この子の声は??と、気になり始めるのですが・・・。

実は、この時点までお話が本当に一気に進んでしまうので、物語のコンセプトとか、キャラの動機とかが非常につかみにくかったです。
相関関係がどう繋がっていて、どんな流れになっていくのか、考える時間を与えられないままに放り出されます。

その意味合いでは、ケルト文化をモチーフにしたアニメ作品って、さすがにちょっとハードルが高めかもと、げんなりしそうになります。
でも、それが監督の狙いだとすれば、サツキやメイがトトロと出会うのも唐突でしたし、アシタカとタタリ神とのいきさつも似たようなものなんですね。

言うなれば、古事記にある天戸開きや、黄泉比良坂の段のような、摩訶不思議な物語に初めて触れたような感覚です。
そんなわけで、本作品の視聴それ自体が、見も知らぬ異文化世界の扉を開くチャンスと捉えてみても良さそうです。


遠い神話と近しい日常とをベースとして、海と陸、海獣と人間、母性と社会という対比を置きつつ、"SONG" を媒介させることで、調律(と自律)する生き方を問うている気配です。
そんな含みを感じながらでしたので、紆余曲折な展開の果てにどんな収束を見せてくれるのか、キモチを粘らせることができた?みたいです。

子守歌や昔ばなしは、未知の文化との出会いと入り口。
あるいは、埋没へと追いやられた神々の語れぬ想いとの再会とも言えそうです。
時と場合によっては、好奇心や探究心への強いきっかけになったり、常識の重い扉を開いていく秘鍵とはたらくのかもしれませんね。


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気になるファクターを一つだけピックアップすると・・・。

女の子は、お母さんと会ったことも、お話ししたこともない身の上なんです。
会って話しているのは、夫と息子、そして義母なのですね。

妻、母、嫁との断絶がそれぞれにあるっていうのが、お話の前提になっていて、加えて、娘は失語症になっている。
これは、社会的なディスコミュニケーションの一つの様相を示しているのでしょう。

ポイントは、一つには、命を産み子どもを育てる母の価値と役割への大きなアンバランスがあるということです。
二つめは、ものを言えない弱い人が、大切にされているように見えていても、本人の意思決定には寄り添いきれていないということです。

だからこそ、神でもなく人でもない "海の妖精セルキー" という第三者が、本作のキーマンになっているのです。
何の力も持たないとされてしまうか細い存在が、神にも人にも共通する大切なバリューがあることを気づかせてくれるのです。

加えて、子どもの意思への配慮や尊重、シングルファザーへの期待と責任とが描かれるのも、一つの家庭像をさり気なくアピールしていると思います。

まとめると、子守り歌や昔ばなしなどの、半ば非科学的に思われる価値にしっかりとコミットメントすることで、神代にも現代にも共通するバリュー、私はそれを共生と考えますが、表現しているように思えます。


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終盤になると、とても古い巨人(ドルイド教の神さま?)の哀しみだったり、陸と海に分かたれた境界線だったりが俎上に乗ってきます。

妖精の歌の役目は "家族愛のリクリエイト" なのかなって思えるような演出ですが、ケルト神話には全く疎いので正直よく分かりません。
「トトロ」や「もののけ姫」ではどうだったでしょう。

でも、そこには自然界の厳然としたルール、例えば生産性の低さや分配の課題などがあって、ともすれば力のある巨人の神さまでさえも、コミュニティーから外され隔たれるという厳しさ、難しさがあるかのようでした。


一見ではなかなか理解しずらい作風でしたが、ケルト文化に触れられたという意味では良作でしたし、ケルトミュージックも耳に心地よかっです。

レヴューを書くにあたって調べものをしたり、あれこれ咀嚼しながら書き綴るのは何となく楽しかったです。


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語らぬ少女は、時をつなぐ妖精の歌い手。

無垢を発する声は、忘却された夢を思い出させる愛のララバイ。

眠れる巨人の涙のやるせなさを慮(おもんぱか)る救いのわざです。


真白き妖精は、かつて神と人とがむつみ合い、信じあった心に、もう一度、光と愛とを灯らせる使者だった・・・。

"ムスビ" の神の代行者だったのですね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 13

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

レフ・アタマーノフが60年前に手掛けた『雪の女王』の呪縛を遂に打ち破り!宮崎駿の『崖の上のポニョ』を吹き飛ばすかのような勢いの!!そんな作品が遂に現れました!!!

舞台はアイルランドのとある岬
幸せそうな3人家族が灯台に暮らしていました
母の体の中では新たな命が今まさに産声をあげんとする時でした
しかし突然に母は家を飛び出し、残されたのは父親と息子のベン、そして新たに産まれた妹のシアーシャだけになってしまいました
月日は経ってシアーシャの6歳の誕生日
一行に言葉を話せないシアーシャの時折見せる不可解な行動に苛立ちを隠せない兄のベン
妻を亡くした悲しみを未だ引きずったままの父親
そしてシアーシャの誕生日を祝いに遥々と街からやってきたが、岬での生活には強く反対する頑固な祖母
しとやかに行われた誕生パーティーの夜、母の形見に吸い寄せられるように近付いたシアーシャの身に不思議な事が起こった
それはベンとシアーシャ、幼い兄妹の大冒険への幕開けとなったのです
鍵を握っているのは母が残してくれた子守歌・・・


1957年、旧ソ連のレフ・アタマーノフ監督がアンデルセンの『雪の女王』をアニメ映画化し、それに感銘を受けた宮崎駿に多大な影響を与えたと言われました
しかし『雪の女王』ショックはその後も多くのクリエイターやファンを魅了しつつも、それを超越した作品の登場を許さぬ、いわば呪いの様な傷跡を残してしまったとオイラは考えてます


しかし2014年、遂に『雪の女王』を絶対王者から引き摺り下す作品が現れたのです、それが本作
そんな超傑作が日本からではなく、アメリカでもなく、フランスでも中国でもなく、ましてやロシアでもなく、なんとアイルランドから生まれたのです
正直、アイルランドのアニメ映画なんて聞いたこともありませんでした;
結果的にアイルランドのCartoon Saloon、ルクセンブルグのMelusine Productions、ベルギーのThe Big Farm、フランスのSuperprod、デンマークのNφrlumが各分野を共同で制作することで日米を遥かに凌駕する大作が完成したのです
監督は『ブレンダンと秘密のケルズ』のトム・ムーア


まずこの作品のお話でポイントになるのがケルト神話やアイルランドの伝説に登場するキャラクターが特に説明も無く次々と現れるところです
アザラシの妖精セルキー、おじさん顔の妖精ディナーシー、延々に伸び続ける髪の毛に物語を記憶しているシャナキー、フクロウの魔女マカ、巨人マクリルと二匹の愛犬・・・
どれもオイラ達日本人には聴き慣れないキャラなのですが、物語の中で各々の個性はハッキリと描かれ、すぐにどんな立ち位置を示すキャラなのかは理解出来る様になっているのが素晴らしい
変に説明臭い映画は即駄作ですからね


結論から言って最も大きなポイントになるのがアザラシの妖精セルキーの存在なのですが、これはアイルランドに伝わる‟人魚伝説の変形の1つ”の様で、そういった意味では『崖の上のポニョ』にも似た要素を秘めている作品とも言えます
ラストを締め括るのが家族愛という点でも酷似していますね
幼い兄妹の冒険という点は『となりのトトロ』を意識してると監督は仰ってますが、オイラはむしろこれこそ『雪の女王』だよなぁ、感じました


さて、『雪の女王』越えと言いましたがまずその1つに美し過ぎる映像面があります
絵本のような色彩と構図が全編に渡って絶え間なく続くのです
丸い円が家族を囲むようにして俯瞰で映し出すカットなど、映画では観慣れないレイアウトが多用されますが、これは丸が温かみや優しさを象徴する記号として機能している為で、キャラの造形等にも積極的に取り入れられていて、優しい心を持ったキャラ達は基本丸顔です
同じように四角形は固い、頑固な、退屈などを象徴
三角形は攻撃的、危険を象徴するなど記号を多用したシンプルなデザインや演出が、昨今複雑化している日米の作品のソレとは違ってとても洗練されていてスタイリッシュです
ちなみにアイルランド(というか世界的なアニメスタジオの多く)には作画監督は存在せず、スーパーバイザーの監修の下にアニメタ一人ひとりが責任を持って担当カットを作画するそうです
個々の総合力は日本のアニメタよりも高い集団だと言えますね
(その分、日本のアニメタは個性を尊重されているのですが)


小津安二郎監督の『東京物語』を参考にした、という場面転換の時に用いられるその場所を象徴する一部だけを映すカットも、カメラをやたら動かしたがる昨今のディズニー系作品へのアンチテーゼの様に思います


そしてアイルランドが舞台ということで象徴的な劇伴のほとんどは所謂ケルト音楽を得意とするバンド、KiLAが担当しています
民族音楽というかワールドミュージックの要素を積極的に取り入れたサントラは、神秘的なケルト神話の世界に更なる彩りを加えてます
もちろん日本のアニメと違って映像の完成後に作曲作業をしてますから、その親和性は日本のアニメ映画とは比較になりません
往年のディズニー作品のようなある種の“音楽映画”としても楽しめることを保証します
物語の鍵を握る“子守唄”も耳に残る一曲です


ちなみに日本語吹き替え版ではこの唄の為とも言えるキャスティングとして母親役にEGO-WRAPPIN'の中納良恵を起用しています
素晴らしく完成度の高い吹替でしたので特に拘りが無ければ吹替版をオススメします


そしてキャラの魅力
まずヒロイン、シアーシャがとても可愛い
正直ヨーロッパのアニメ映画に足りないのは魅力的なヒロインだと常々感じてましたが、今作のシアーシャがその悪しきジンクスを打ち砕きましたね
宮崎ヒロイン、ディズニーヒロインに負けじとも劣らぬ可愛らしい女の子です
そして物語を牽引することになる兄のベン
手が妬ける故に周囲の関心を惹く幼い妹シアーシャに対して、彼は嫉妬にも似たお兄ちゃん特有のコンプレックスを抱えています
この気持ちは同じ長男であるオイラには痛いほど分かるのですが、終盤になってくると冒険を経た彼の精神は一回りも二回りも成長しており、妹のピンチを身を挺して救います
彼の心の成長には誰しもが勇気付けられることでしょう


美しい映像、美しい音楽、個性的で愛らしいキャラ、興奮の冒険、愛と感動
往年の宮崎駿作品やディズニー作品にあったものが、この映画には全て詰まっています
全てです!
アイルランド映画というダークホース的な意味でもとても価値のある一作ですが、何より日米に何一つとして見劣りしていないという点は特筆したいですね
なぜこれほどの傑作がアカデミー賞を取れなかったのか不思議でなりません、アメリカ人の嫉妬か!?w
そしてソレが今日の日本で観られる、というのですからこの機会を逃すことは無いでしょう
ジブリが長篇制作から撤退し、ディズニーが2Dを放棄した今、この作品を越えるアニメ映画などこの世に無いのです
是非この映画を観てあなたも、歴史的傑作の誕生を目撃した【生き証人】となって欲しいです

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

海の歌。それは、神秘的な生き物たちを導くためのもの。

アイルランドの神話をもとに作られた
アイルランドの長編アニメーション映画。

神話をもとにしているからか、
全体的にとても神秘的な雰囲気でいっぱいです。

作画のタッチも大変美しく、
まるで絵本の世界をのぞいているかのようです。

こういう味のある作画のアニメはそう多くないので、
こうして出会えるととても嬉しいです。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
幼い頃、母から聞いた、数々の物語。

アザラシの妖精・セルキーが歌うと
妖精が家に戻れる不思議な伝説など、

ベン(♂)は、母から聞く物語が大好きだった。

もうすぐ生まれる赤ちゃんを楽しみにしていたベンだが、
母は、妹・シアーシャを残し、ベンの前から消えてしまった。

声が出せず、言葉を話せないシアーシャ。
シアーシャを疎ましく思うベン。

シアーシャの6歳の誕生日。

父が隠していた不思議なコートを見つけると、
シアーシャは何かに引き寄せられるように海へ…。


余分な話もなく、
よくまとまっていて、

絵本を1冊読んだような感覚に近いです。

幻想的で、神秘的で、美しくて、
どこか正体がつかめない不安定さもあって。

世界観は少しつかみにくいところがありますが、
冒頭で母とベンが語る神話にちゃんと耳を傾けていれば、

世界観がつかみやすいと思うので、
これから観られる方は聞き流さないように注意してみてください。


この作品のトム・ムーア監督。
好きな映画は「となりのトトロ」と「もののけ姫」だそうで。

となると、今回は自分の好みを前面に押し出して作った作品なのだな、と
とても納得しました(笑)

絵本のような、どこか神秘的で
ファンタジー全開な物語が好きな方にはおすすめの作品です^^


● 音楽
水彩画のようなタッチの、
まるで絵本のページをめくっているかのような作画も好きですが、

音楽の雰囲気も素敵でした。
音楽がより幻想的な雰囲気を引き立てます。

特にテーマソングである「Song of the Sea」は、
その代表。

夜の海深くに沈んでいくような感覚…。

観ようか迷っている方は、
この曲を聴いて「自分の好きなタイプかも。」と期待できるなら、
絶対に観て損はないと思います^^


● まとめ
トム・ムーア監督は、この作品によって
これからを期待される監督として日本での注目度が上がったそうです。

私もこの作品を観るまで全然知らなかったのですが…^^;

しかし、この作品を観て、
すっかりファンになりました♪

監督のデビュー作である「ブレンダンとケルズの秘密」も
現在(2017年夏)日本で公開されているので、こちらも楽しみです^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

69.1 77 2016年度アニメランキング77位
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ Ⅱ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (481)
1839人が棚に入れました
大仕事を成し遂げ火星に帰還した鉄華団は、テイワズの庇護の下、ハーフメタル利権に由来する豊富な資金を元に、地球に支部を置くほどの大企業となる。一方、彼らの活躍によって少年兵の有用性が示されたことで、戦場に駆り出される子供やヒューマンデブリの数は激増し、世界の治安は悪化の一途を辿る。エドモントンでの戦いから2年後のある日、アドモス商会の社長となったクーデリアからハーフメタル採掘場の視察の護衛を依頼された鉄華団は、サンドバル・ロイター率いる宇宙海賊夜明けの地平線団の襲撃を受ける。テイワズ本部からガンダム・バルバトスルプスを受領した三日月の活躍で撃退に成功するも、地平線団は主力艦隊を投入して鉄華団を殲滅しようとする。鉄華団と協力関係を結んでいたマクギリスは、部下の石動・カミーチェ率いる援軍を派遣するも、そこにマクギリスを警戒しているアリアンロッド司令のラスタル・エリオンが派遣したイオク・クジャン率いる第二艦隊が介入し戦況は混迷を極めるが、三日月がサンドバルの身柄を抑えたことで戦いは終結。彼らと手を結んでいた活動家団体テラ・リベリオニスも三日月たちによって粛清される。その頃、アーブラウでは防衛軍の発足式典が行われるが、その最中に蒔苗を狙った爆弾テロが発生する。やがて、この事件はSAUの関与が疑われ始め、両者の間では戦争の機運が高まる。

声優・キャラクター
河西健吾、細谷佳正、梅原裕一郎、内匠靖明、村田太志、天﨑滉平、田村睦心、斉藤壮馬、寺崎裕香、金元寿子、櫻井孝宏、大川透
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

“任侠ガンダム”は、《ガンダム・シリーズ》の革命児となるのか?【考察編】

本作の総評/各話評価/個人評点については、第1期のレビューの方にまとめました。
ここでは、①先ず本作のモチーフ等を考察し、②その後に本作の《ガンダム・シリーズ》全体の中での特異性と意義について私見を述べます。

◆“騎士道”ではなく“任侠もの”のノリなので評価に迷うが、構成/作画の見事さには脱帽

本作のような「英雄群像劇」とか「英雄一代記」と称されるバトル系の物語にも色々とバリエーションがあって、その大きな分類の一つは、(1)騎士道もの、と、(2)任侠もの、となると思います。

例えば、本サイトでも非常に高評価であり、私自身も「お気に入り」に登録している『コードギアス 叛逆のルルーシュ』は、この分類でいくと (1)騎士道ものでしょうし、また同じく本サイト等で一部の人たちにカリスマ的な人気のある往年の大作『銀河英雄伝説』(※最近リメイク企画が進行中)も、(1)騎士道ものに分類できるでしょう。

※ここで私が「騎士道もの」といっているのは、
 <1> 主人公たちは、{netabare}それぞれ自身の目的や計画に従って敵と対峙し撃滅を謀(はか)るが、その際に(主に自分自身が何よりも栄誉を重んじる貴族であることから)実は意外と相手の名誉をも重んじる接し方を取ってしまいがちである。{/netabare}
 <2> そもそも、彼らの戦う理由は、{netabare}「自分の愛する人を守るため」「愛する人に危害を加えた者への復讐」あるいは「救いようのない苦難に苛(さいな)まれる人々を見て止むに止まれず」・・・というふうに、専ら他人本位で発生した“高貴な”ものである(つまり根本的な部分で自分本位ではない)。{/netabare}
・・・という特徴を持っている作品となります。

※一方、これに対して本作に描かれる「鉄華団」のメンバーたちの思考・行動パターンは、
 <1> 騎士道精神を貫こうとする者を{netabare}むしろ嘲弄し、彼らを専ら実利的に一方的に撃滅することに躊躇(ためら)いがない(※つまり相手の名誉を重んじるという「騎士の美徳」「武士の情け」がない)。{/netabare}
 <2> 戦う理由が、{netabare}他人ではなく専ら自分自身と自分の「家族」を守り、現状よりも自らにとってより善い環境を獲得する、という“より原初的な”欲求に発している(※つまり根本的な部分で自分と自分の延長である「家族」本位であり、かつその「家族」は血縁者にとどまらず「疑似家族」を含む←逆に言うと彼らが互いに守り守られる関係になるためには「義兄弟の契り」とか「疑似親子の水杯(みずさかづき)」といった任侠的な(=ヤクザっぽい)儀式を必要とする)。{/netabare}
・・・ということで、本作の見始めの頃は、まるで「任侠映画」をみているような気分で、

①確かに一話一話は、脚本も演出も音楽も非常によく工夫されていて見どころが多くて面白いのだけれど、
②このまま漫然と見続けるには結構な抵抗感のある、決して好きにはなれない作風

・・・と思っていました。

そのため、2016年春頃に第1期を見終えた当時の本作への個人的評価は、首を捻りながらも取り敢えず、☆ 3.9 と、私としてはチョイ低めの暫定評点とし、その半年後に始まった第2期も視聴を敬遠していました。

ところがその後、放送完結後の本作の評判が意外に良いことがチラホラと耳に入ってきて、特に色々なサイトや雑誌の2017年放送アニメのベスト作品・ベストキャラクター(男/女)に本作や本作のキャラが選定されているのを幾つも見かけて、「やはりこれは、一度は確り見終えるべき作品かも」と思い直して、もう一度第1期から通しで視聴することにしました。

そうやって視聴していくと、今度は一回目の視聴時には見落としていた作中の色々な仕掛けが見えてくるとともに、特に第2期に入ってからは“ただの任侠もの”ではない本作独自のモチーフに気付き始め、放送終了後の長井監督自身の種明かし(※後記)もあって、完走後直ちに再々視聴を決定、結局2017年放送の作品としては、『冴えない彼女の育て方♭』、『サクラダリセット』に続いて3作目の3周コンプ作品となってしまいました(※第1期に限れば4周)。


◆作品モチーフ等考察(※グダグダ長文注意←適当にスキップ願います)

  【1】 鉄と血で絆を固めた孤児たち(オルフェンズ)の物語
{netabare}
まずは本作タイトルから喚起されるイメージについてですが、世界史マニアの人なら「鉄血」と聞いて直ちに思い浮かべるのは、19世紀後半のプロイセン王国(のちドイツ帝国)で活躍した“鉄血”宰相オットー・フォン・ビスマルクでしょう。

「現下の大問題(※ドイツ統一問題)の解決は、演説や多数決によってではなく・・・鉄と血によってなされる。」
(1862年プロイセン議会での演説)

ここでいう「鉄」は大砲・銃弾・刀剣(つまり武器)、「血」はそれによって流される兵士の血(つまり戦死者・負傷者)をそれぞれ指し、当時プロイセン議会の軍備増強反対に直面していた首相ビスマルクは「このような空疎な議論ではなく、戦争によって初めてドイツの統一が果たされる」と喝破して、彼らの反対を押し切り、このあと現実に対デンマーク戦争/対オーストリア戦争/対フランス戦争の3つの戦争を勝ち抜いて、遂にドイツ統一(1871年)を成し遂げます。
それ以来、もともとマッチョな巨漢だったビスマルクには“鉄血宰相”の綽名(あだな)が定着するとともに、これらの戦争で優秀な参謀司令部の作戦指揮の下、頭頂部の尖った“鉄カブト”を被(かぶ)って憤然と突撃し敵軍を蹴散すドイツ軍には“世界最強の陸軍”というイメージが定着して現在に至っています。
(※アニメの世界でもマッチョな軍団といえばドイツ軍イメージが定番ですね。)

そして、本作のタイトル「鉄血~」も、おそらくは、このビスマルクとドイツ軍の故事からヒントを得て付けられたものと思いますが、作品内容自体はそこから更に捻(ひね)ってあって

<1> “鉄血”宰相ビスマルクのイメージ → 敵ラスボス的な存在のエリオン公ラスタル(※第2期で権謀術数を弄してマクギリス派革命軍&鉄華団の前に立ちはだかり、最終的には彼らの叛乱をも利用して既存体制の変革を成し遂げる冷徹・非情・狡猾な統合治安維持組織ギャラルホルン首魁)
<2> 実際に“鉄と血”を蕩尽(※とうじん、「湯水の如く費消する」という意味)して奮戦する精鋭 → 鉄華団(※本作の主役たちであり、本作に描かれた変革の時代のdriving force(駆動力、推進者)となった者たち)

・・・という風に、敵味方の両極に分離して描き出されているように私には見えました。
つまり、同じ「鉄血」モチーフでも、

<1> エリオン公ラスタルの方は作中世界で最大・最強の武力を誇るギャラルホルンを統括するセブンスターズ(7大軍閥)の盟主であり、史実にあるビスマルク首相もプロイセン王国の教養あるユンカー(地方領主)出身の実力派宰相だったのに対して、
<2> 「鉄華団」の孤児たちは、

「俺達はあんたとは違う。立派な理想も志もねえ。土台のねえ俺らは進み続けることでしか自分たちの居場所を守ることが出来ねえんだ。」(第25話でオルガ(鉄華団のリーダー)がクーデリア(※火星アーブラウ領クリュセ独立自治区首相令嬢であり、辺境とはいえやはり教養ある貴族階級と思われる)に漏らした言葉)

この発言に象徴されるように、鉄華団の団員達は殆(ほとん)ど奴隷労働者とでも呼ぶべき境遇から文字通り鉄と血に塗(まみ)れて這い上がってきた“一代目の人たち”“成りあがり者たち”であり、そんな彼らからすれば、自己陶酔的な貴族サマが望む「一対一の決闘申込」(第3話のクランク二尉)とか「相手の戦闘準備が整うまで攻撃を待って正々堂々と戦う」(第23話のカルタ・イシュー)といった騎士道的な振る舞いは、屁にもならない愚行でしかありませんでした。{/netabare}

  【2】 新撰組モチーフのドラマチック展開
{netabare}
こうした“一代目の人たち”“成り上がり者たち”を主役にした群像劇は、実は日本とか西洋には珍しくて(※なぜなら、その歴史を通して血統正しい王族・貴族や騎士・武士が活躍する物語が多かったから)、易姓革命によって次から次へと君主や支配者層が打ち倒され入れ替わってきた中国由来の物語に多いスタイル(※例えば、『史記』に描かれる項羽と劉邦の抗争や『三国志』『水滸伝』)であり、辛うじて日本でいえば、アンダーグラウンドなヤクザの物語を除外すれば、歴史に浮上したのは、せいぜい幕末の“新撰組”の物語くらいかな?と思って視聴を続けていたら・・・

第2期の放送終了後に、公式番組(鉄血ラジオ第81回)で、長井龍雪監督ご自身が本作について、

・新撰組はイメージモチーフ。企画書にも書いてある
・三日月とオルガは近藤と沖田と土方の好戦的な部分をミックスさせて2で割ったもの

・・・と、そのままズバリ語ったそうで、そういえば、本作の第1期の1番目OPが『Raise your flag』(※直訳すると「君たちの旗を揚げよ」)となっていて、第2期の1番目OP『少年の果』になると今度は「錦の御旗を掲げよう」という歌詞が唐突に現れ、鉄華団のメンバー達の行動・思考パターンから喚起されるイメージと併せて、「あれ?これもしかして幕末モチーフなの?」と薄々感づいてはいたのですが、ああ、やっぱり・・・というか、成る程というか、監督の発言を知って妙に腑が落ちました。

※因みに第1期1番目OP『Raise your flag』に合わせて作中で掲げられる鉄華団の旗は「鉄の華」。→華の形は明らかにフリージア(※第2期2番目OP『Freesia』参照)で、花言葉は“純潔/無邪気/あどけなさ/憧れ/感受性”だそうです。←これって新撰組の“誠”の旗にも通じる設定ですね。

そして、この“新撰組&幕末モチーフ”の方も、上記の“鉄血”モチーフと同様、そのまま作品に適用するのではなくて、捻(ひね)ってあって

<1> こっちの新撰組(※鉄華団=虐待され酷使されていた孤児たちが鉄と血の絆で団結した精鋭武装集団)は、元ネタの史実とは違って、佐幕派(※徳川幕府並みに300年続く守旧派・ギャラルホルン幕府)ではなく、討幕派(※“錦の御旗”を掲げるマクギリス一派)に加担して、佐幕派の返り討ちに遭い壊滅してしまう。
<2> ただし佐幕派(※ギャラルホルン幕府)は、この騒動を機に内部改革を断交して民主化を達成し、また新撰組(※鉄華団)の故郷・火星も民主化の成った新生ギャラルホルンとの交渉によって念願の独立を達成し、鉄華団の元団員や協力者達は新たな立場でそれぞれの未来を切り開いている。

・・・という風に、この手の作品(※《メカ・ロボット系バトルもの》)にありがちな意味不明のグダグダな結末ではなく、確りした好感の持てる結末(※将来に希望を繋ぎつつもほろ苦さの残る結末=ビター・エンド)になっている点が個人的にかなりの好印象となりました。

そして、この「変革の時代の“Driving Force”(※「駆動力」「推進力」という意味で、歴史用語としてしばしば使われる)となって華々しく散る鉄華団」「彼らの後には“ギャラルホルンの民主化”と“火星独立”という確かな果実が残される」という結末はまた、アニメの先行作品としては直ちに『太陽の牙ダグラム』(1981-83年)を想起させるものでした。{/netabare}

  【3】 “革命の乙女”と“ダークヒーローのなり損ね”のもたらす対照的な結果
{netabare}
鉄華団自体は、親の顔を碌に知らずマトモな教育の機会も与えられなかった孤児たちという境遇から、通常は国家や地域社会や累代の血族たちから自然に授けられる「歴史的背景」とか「(政治的・思想的な意味での)教養」を持たず、それ故にセブンスターズやクーデリアのような“高い理想”や“志”を持たない、専ら自己とその“家族”の利益のため“だけ”に死力を尽くす精鋭武装集団ですが、
(1) そんな彼らの“覚悟の良さ”に魅せられて自らの覚悟をも決めてしまう者、また、
(2) そうした彼らの持つ“火事場の馬鹿力”を自己の計画の達成のために最大限に利用しようと画策する者が現れます。

(1) 前者が火星独立運動家クーデリア・藍那・バーンスタインであり、(2) 後者がセブンスターズ(7大軍閥)の一翼の跡取り(のち当主)マクギリス・ファリドなのですが、結局、鉄華団としては、

(1) クーデリアを事業の依頼主として行動を起こしていた頃は、波乱万丈とはいえ武装集団として前進に継ぐ前進を果たして、大きく羽ばたくことが出来たのですが(※第1期の展開)、
(2) マクギリスに「自分の計画に協力すれば火星の王にしてやる(※火星の治安維持権限を与える)」と煽てられ、そのクーデター計画に加担してしまってからは、一方的に損害を出す分の悪い勝負にズルズルと引き擦り込まれ、シノ/オルガ/昭弘/三日月といった主力メンバーたちが次々と悲劇的な最期を迎えてしまうことになる(※第2期の展開)。

同じことですが、これを別の言い方をすると・・・
(1) 火星の自治政府の首相令嬢という恵まれた生まれでありながら(※むしろそれゆえに一種の“ノブレス・オブリージュ”として)、虐げられた火星の人たちの独立を全身全霊で希求する“革命の乙女”(※他称)として覚醒を遂げたクーデリアとの協力関係は、ビターエンドとはいえ、最終的には本部から脱出した元鉄華団員たちにとって、正(プラス)の結果を生み出す一方、
(2) 腐敗した治安維持組織ギャラルホルンの指導者の一人ファリド公イズナリオの男色の相手として貧民窟から拾われ、同家の養子に入り、その中で既存の貴族社会を打倒するという暗い情念を密かに抱き続けてきた“アグニカ・カイエルの再来”(※自称)マクギリス・ファリドとの共闘は、鉄華団の主力メンバーの相次ぐ戦死・団自体の壊滅という最大の負(マイナス)をもたらすものとなってしまう。

・・・この組む相手によって全く対照的となる結末のつけ方は、客観的に見て決して“正義の集団”とはいえない(※どちらかというと団員たちの“任侠的価値観に基づいた美意識を満たすための集団”である)鉄華団の一部始終を描いた物語のケジメとして妥当なものだったように思います。

※なお、マクギリス・ファリドについては、『コードギアス』のルルーシュ、『銀河英雄伝説』のラインハルトのような“ダークヒーロー”のなり損ね的な扱いになっていて、その点の考察も実は面白い作品なのですが、ここでは割愛します。{/netabare}

  【4】 “鉄華団”と“太陽の牙”の比較
{netabare}
本作のエピローグとして、鉄華団の壊滅から数年後、彼らの墓標は世間からは全く忘れ去られ、ただかっての協力者の生き残りクーデリアとアトラの二人の女性によって大切に守られている、というシーンがありますが、これを見ていて、私は、本作とよく似たシナリオを持つ往年の大作『太陽の牙ダグラム』(1981-83年)のラストシーンで、それまで地球に虐げられてきた植民惑星デロイアの自治独立運動を武力面で支えてきたゲリラ組織「太陽の牙」の象徴だった二足歩行ロボ(ダグラム)が砂漠で自沈した際に、その鹵獲命令を受けて追跡してきた反対組織側の指揮官や兵士たちが総敬礼するシーンを想起しました。

→ 鉄華団はクーデリアの火星独立活動に多大な戦死者を出しつつ協力し、マクギリス一派の叛乱事件では「火星の王」となることを目指したが、それはあくまで、そうすることが彼らにとっての仁義であったり、実益をもたらすものとの期待(もしくは打算)があったため(※つまり結局のところは自分本位の集団であり、火星の人たちにとって別に“正義の味方”でも何でもなかった→それゆえに火星の人々からは忘れ去られてしまった)。

→ これに対して「太陽の牙」は、その存在意義自体が「植民惑星デロイアの自治独立獲得」にあり、そのために命をなげうって戦う集団だった(※つまり自分本位の集団では決してなく、惑星デロイアの人たちにとってまさに“正義の味方”だった→それゆえに反対組織からの総敬礼を呼び起こした){/netabare}


※次に、《ガンダム・シリーズ》全体に対する《異色作》としての本作のインパクトを少しばかり考察していきます。


◆西暦2000年以降に制作された主な《ガンダム・シリーズ》一覧(制作順)
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{netabare}(1) 『機動戦士ガンダムSEED』 (福田己津央/全50話+1話/2002–03年) ※個人評価 ☆ 3.7 ※HDリマスターは全48話
(2) 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』 (福田己津央/全50話+1話/2004–05年) ※個人評価 ★ 4.1 ※HDリマスターは全50話
(3) 『機動戦士ガンダム00(1st./2nd.シーズン)』 (水島精二/全50話/2007–8、2008-9年) ※個人評価 ★ 4.1
(4) 『機動戦士ガンダムUC』 (古橋一浩/全7部/2010–14年) ※個人評価 ★ 4.4 ※のち、再構成版TVシリーズ『機動戦士ガンダムUC RE:0096』(全22話/2016年、※個人評価 ★ 4.3)を放送
(5) 『機動戦士ガンダムAGE』 (山口晋/全49話/2011-12年) ※個人評価 ★ 4.2
(6) 『ガンダムビルドファイターズ(1期)/ファイターズトライ(2期)』 (長崎健司/25+25話/2013-14、2015-16年) ※個人評価 ☆ 3.6
(7) 『ガンダム Gのレコンギスタ』 (富野由悠季/全26話/2014-15年) ※個人評価 ☆ 3.6
(8) 『機動戦士ガンダム サンダーボルト』 (松尾衡/8話+未完/2015-16年) ※個人評価 × 3.3 ※追加シーン付き劇場版2本(『DECEMBER SKY』『BANDIT FLOWER』)を公開
(9) 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(第1-2期)』 (長井龍雪/全50話/2015-16、2016-17年) ※個人評価 ★★ 4.5
(10) 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』 (安彦良和・今西隆志/全6作/2015-18) ※個人評価 ☆ 3.6
(11) 『ガンダムビルドダイバーズ』 (綿田慎也/現在放送中/2018年) ※個人評価 ☆ 3.5{/netabare}
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<1> このうち西暦2000年代に制作された最初の3本(SEED/SEED DESTINY/00)は、内容はともかく新規ファンの獲得という点では成功作(※特に SEED は大成功作)といえると思います(※DESTINY は悪評も含めて一応は話題作)。
<2> また、UC/THE ORIGINの2本は、それぞれヒットはしましたが、おそらく既存のU.C.(宇宙世紀)シリーズのファンの支持を受けただけで、新規のファンを獲得したとは言い難い。
<3> そして、AGE/Gレコは、新規ファンの獲得という意味では失敗作、とくにGレコの方ははっきりとした爆死作といえると思います(※なお、AGEは個人的には好感度の高い作品となりました)。
<4> その他、ガンダムビルド~は、新規ファンの獲得に成功したかはよく分かりませんが、その親世代のガンダム・ファンには受けた作品と推測します。

・・・ということで、
<5> 西暦2010年代に入ってから制作された《ガンダム・シリーズ》の中で、胸を張って“新規ファンを獲得できた”といえるのは、本作『鉄血のオルフェンズ』だけではないでしょうか?
(※私見では、本作にはそうなるだけの魅力-近年のガンダム他作品にはない特別な魅力-があった、と思っています)


◆考察まとめ :《ガンダム・シリーズ》の今後に対する本作の影響は?

本レビューの一番最初に、

「英雄群像劇」とか「英雄一代記」と呼ばれるバトル系の物語にも色々とバリエーションがあって、その大きな分類の一つは、(1)騎士道もの と (2)任侠もの

・・・と書いていますが、実はこの分類にはもうひとつ、騎士道ものでも任侠ものでもない、便宜的に、

(3) プロ市民もの(*1)、

とでも称すべきサブジャンルがある、と思っていて、その代表作が、『機動戦士ガンダム』(初代ガンダム)と考えているのですが・・・

<1> その初代ガンダムの原作者であり監督である富野由悠季氏が久々に監督を務めた『ガンダム Gのレコンギスタ』が見るも無残な爆死を遂げる一方で、
<2> その半年後に放送が始まった、メカ・デザイン的にはともかく登場キャラの設定的には初代ガンダムのイメージが皆無の(※つまり、これまで《ガンダム・シリーズ》の諸作品の中で繰り返し描かれてきたアムロ的な一面を引きずっているキャラクターが皆無の)この『鉄血~』が、主に新規ファン獲得成功によって収益面でかなりの好成績を収め、それまで本作について否定的な評価を繰り返してきた既存ファン層も次第に沈黙を余儀なくされていったことの意義は意外と大きいのではないでしょうか?

・・・つまり、《ガンダム・シリーズ》をスポンサードする玩具会社、そしてアニメーション企画会社・制作会社が、最早アムロをどこかしら引きずるキャラを主人公とする作品は売れなくて、その正反対のキャラ付けをした主人公の作品の方がずっと売れる、という学習効果をきちんと受け容れるとしたら、今後制作される新作にも、そういう制作方針が踏襲される可能性が高まるはずです。

(*1) 『ガンダム』の主人公アムロ・レイが、騎士道的でもなく任侠的でも全くない、どういう訳かとにかく教条的・原理主義的な戦闘忌避・反戦主義者で、それでいて散々勿体をつけて嫌々ながら戦闘に入ると、俄然君子豹変して無類の強さを発揮してしまう意味不明な(※もしかして逆ギレ?)タイプであることから、そういうアムロのような思考・行動パターンのモデルとなったのかも?な「プロ市民」の方々に敬意を表して、便宜的に「プロ市民もの」とここでは命名しています(※もっと適切な命名があればご意見を下さい)。

なお、ここで「プロ市民」という言葉の意味が分からない人は検索してみて下さい。
簡単にいうと「プロテスト(抗議、異議申し立て)する市民」という意味で、ガンダムに搭乗して出撃することを嫌がり駄々をこねたり拗ねて周囲に当たり散らすアムロにピッタリな用語ですが、他にも「プロフェッショナルな市民」「プロブレムをまき散らす市民」「プロパガンダを繰り返す市民」等の複合的な意味があるそうです。

また、蛇足ながら富野由悠季監督は1941年11月生まれで、1960年の安保闘争(60年安保)当時は丁度東京で大学生をしていた世代であり、かつこの世代はのちの70年安保世代(全共闘世代)と並んで「プロ市民」としての自覚に富む人が多いとされていて、『機動戦士ガンダム』の主人公アムロ・レイだけでなく富野監督の次作『伝説巨神イデオン』の主人公ユウキ・コスモのキャラ付けにも、そういう彼の所属した世代の価値観が反映されているのかも知れません。


・・・以上まとめると、最初に書いたとおり本作を見始めた当初は、「何だ、この“任侠ガンダム”は?」と訝(いぶか)しむ気持ちが強かったのですが、途中から、「結果的に“プロ市民”ガンダムを駆逐してくれるのなら、本作みたいなのも有りかな?」という気持ちに次第に変化してしまい、それが私の本作への個人的評価が大きくプラスへと変わる決め手となったように思います。

※因みに、私が本当に見たいのは“騎士道”ガンダムなのですが、そういう作品は今のところ未だ制作されていません(一応、『機動戦士ガンダムUC』が一番それに近いと思いますが)。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 22

rFXEy91979 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

揺るがない“鉄の華”の、新たな刹那の輝きの果て…生き様しかと見届けました。鉄血ガンダム素晴らしかった。

#26「新しい血」
血ぃ滾らせる戦いと戦火で得られた平穏(日常)・褒賞(勢力拡大)。泥臭さをガンダムサーガに組み込ませた1期の良さを、この1話はちゃんと継承していました。安心です。
長井・岡田コンビなだけにドラマ部分がガッチリしてて(下手に宇宙ステーションや無重力を控えさせて、常に渇いた荒野や大地にキャラを置かせる演出です)、キャラがSFの住人なのに親しみやすさも感じられて、思いました。”やっぱり俺はこのガンダム、相当好きだ”と改めて。
2期後半は大分批判が噴出してると聞きましたが、あくまで俺は”好きなら好き、ダメならダメ”を貫きます。
さて、またガンダムのお世話になります。宜しくです!!!

#27「嫉心の渦中で」
トドのオッちゃん、相変わらずでとっても安心しましたw飄々としてニクめない悪党ぶりはご健在で、愛あるコメディリリーフぶりは良い清涼剤ですわ(泥を潤す水みたいで、二大ヒロインに負けてませんね)。
ここで新キャラ・ハッシュに関する掘り下げも来ましたね。どこかのアニメの死に急ぎ野郎感が噴出ですが、結局ハッシュも誰かのために抗い続ける奴だったし、果たしてどう物語を動かしてくのか気になります。
生死不明な”彼”も遂にマスク被って参戦ですし、新たなED演出家は『灰と幻想のグリムガル』(の中村亮介監督)!好きどころしか見えません。
多分評価は甘いだろうけど(苦笑)

#28「夜明け前の戦い」
戦場に「正義」も「悪」も存在させない”潔さ”、泥臭い戦術と宇宙に転がり続ける「躯」…アリアンロッド隊も絡んだ三竦みの戦闘シーンでいよいよ乱戦模様に突入。それにしてもジュリエッタと三日月、ここで初邂逅とは。既に二人の因縁はここからスタートしてたのね。
混戦模様でどこまで事態が移り行くのか分からないけど(ウィキでネタバレ知っても細かいとこは分からないしね)、鉄血2期は現状まだまだ勢い落ちていないね。”良いじゃん!”と思うオレは楽観的すぎるかな?

#29「出世の引き金」
鉄血シリーズで笑える戦闘場面に会えたの新鮮だった。蛇の頭を狙って三日月&ジュリエッタは暴れまくりで、イオクは未熟(=味方ごと狙撃するとか)目立つけど、一応仕事は果たしたし、まあ現状愛すべき未熟キャラに収まったかな(振り幅が広いアニメはやっぱ良いし安心できる)。
今回「任侠ガンダム」要素を全面プッシュし出したね。いいよ!こういう血生臭い夕方アニメは有難い(ホント好きだわ)。それに悩むことを止めないクーデリアは素敵だった。前進が「血」を運んで、「対価」と「敵」を生み出すジレンマ。そこから目を背けないのは、クーデリアの良いとこかもね。
いよいよオルガとマクギリスが本格的に結託したけど、”最短距離の出世街道”。その怖さはいつ来るのやら…。

#30「アーブラウ防衛軍発足式典」
死亡フラグ充満試練が待ってそうな終わりだった…。序盤の”最短出世”代価を早速提示してきそうだし、ラディーチェの浮かない顔でどうにもコイツを責め辛いな(アレルギーって言いながら、後味悪い面してたから)。
アストンも順調に永別気配匂わせてるし、何より”家族の絆”のせいで窮地に置かれる展開どうも、スゴく苦いし『ワイスピ』チームと辿る道が真逆だな(あれも”ファミリー”という言葉を非常に重宝してるしね)。
今回ばかりはフラグクラッシャー・三日月を持ってしても避けては通れぬ道っぽいし、うーん絶対続きは見るけど、気落ちは避けられないだろうな…。

#31「無音の戦争」
胃をキリキリさせられます。延々膠着状態なのと、死亡フラグが保っているのが…。加えて命令系統に慣れ過ぎているタカキ達の危なすぎる”信頼感”が地雷原へまっしぐらなのも…。やっぱりガランは敵の者で、ラディーチェ悪っるい面してたし、もっと相手に警戒心を持てよとこっちは叫びたい(それぐらい疑うことをタカキたちは知らなすぎる。1期のクソ上司たちのことを忘れちゃったのかな)。
アストンとタカキの絆も増せば増す程苦しくなって、いずれかが殺されなきゃ終わらん未来が鮮明すぎる。もうタカキは指揮全てをガランに委ね始めてるし、ラストカットの石に潰れた華がとっても不穏すぎる。
唯一救いは三日月達が地球付近まで来れたことと、確かめるために敢えて自ら戦火へ赴くマクギリス。ガランはマクギリスの参戦は予定外と見てたらしいし、窮地とオイシイ所はまさかの”チョコの人”が奪うのかな?
まあ救ってくれるんだったら、誰でもいいかも。本心言うと。

#32「友よ」
報われない終戦だった(まあ救いを求めることすら、戦争には意味ナシだろうし)。敵討ちは果たせない上(ガランは自爆したからね)、タカキは手を血で染めた。ラディーチェは保身欲しさにみっともない言い訳ばかりで、報われるわけがないね。小物に仲間を殺されたんじゃ(平気で人を欺くガランを貶す資格はコイツにないだろ)…。
ただ弱さを知ったことで、答えが見えた救いはあった。前述のようにタカキは答えを自分自身で下したし、ハッシュは背伸びを止めて肩の力を抜いて前に進めたし、皆がそこからどう先へ歩いていくのか注目かな。
今胸中を残留するのはただ苦い気持ちだけ。やっぱり辛い回だったけど、見応えはちゃんとあった。マクギリスの災難とコメディリリーフ役を担うザックに大分救われたが(苦笑)

#33「火星の王」
いきなりイオクと大人揃っての小競り合いで始まるとか、なんか笑えてきた。でも和やか場面は以上。あとは破滅的な道へオルガが歩いて行くわけだしね。まるでパチーノ×デ・パルマコンビの名作『スカーフェイス』に出てた主役のトニー・モンタナみたいに“駆け上がって破滅”の道が…。
考えた果てにタカキが出した答えは、まあ仕方ないね。幸せは先にもあるし、目の前にも勿論ある。タカキにとってフウカと過ごす時間はやっぱり大事だし、それすら守ることさえ出来なきゃ、(死んだ)アストンに顔向け出来ないからね。生者は死者の分まで生きることを避けられないからね。
先に待ってる粛正を既に知ってる身としては、タカキが前線を降りる最後はビターだけど救われるよ。

#34「ヴィダール立つ」
舎弟ハッシュが可愛いっすw三日月に付き従う空回りぶりが素敵だし、憑き物が取れたみたいに生き生きしてるぞこの少年。あとチャドはメリビットさん、狙ってたの?違うのか?単に自分だけ知らなかった寂しさだけの反応かな(多分そっちの方だろうね)w反面一筋縄ではいかない輩も続々暗躍してるし、ヴィダールも表舞台へいよいよ登壇スタートと、またまた波乱を呼びそうな気配が充満しまくりですね…。
“崇拝対象”をアルミリアに告白したマクギリスに、『ベルセルク』のモズグス神父を想起したのは見当違い?ラストまでの評判を事前に聞いた限りだと、どうも僕はそう思ってしまうんですよね。どうなんだろ?

#35「目覚めし厄祭」
昔読んだ『サイボーグクロちゃん』のあるパート(“異世界サバイバル編”)を思い出した。舞台は高度な文明故に崩壊した世界が舞台で、「作り物の天空」で航空技術を人は捨てた。つまり技術の躍進が人を滅ぼしかけたことへのアンチテーゼがあのパートには詰まっていたし、強烈だった(今までのクロちゃんは舞台が日常だったしね)。
イオクが見事にやらかしたモビルアーマー覚醒も、滅び去った最高技術の再来を招いたし、眠らせとけば良かった怪物、叩き起こしちゃったわけね。目先の手柄に釣られ過ぎて、アブない化物(しかもレーザー吐いてたな)お呼びするとは、成るほどコイツは評判通りのポンコツ坊っちゃんだったわ(しかも自覚は望めそうにないレベルの残念キャラ)…。なんかねマクギリスを初めてマトモと思ったわ。
つかレーザーが旧文明って、技術レベル相当低いな(今に始まったわけじゃないけど)。まあ逆に新鮮かなとはちょっと思ってしまったが、これが次でどう影響をするんだ?今は分からんな…。

#36「穢れた翼」
イオクがまたバカやったよ。部下の戦死に報いるどころか、見事に台無しにしちゃうとか、こりゃジュリエッタでなくても呆れるぞ。笑えんバカに。しかも守るべき民大半をビーム兵器で虐殺とか(結果的にね)、これでよく降格処分か終身刑にならないもんだ(ラスタルは彼の何を期待して披露したんだか)。
今回はモビルアーマー、鉄華団よりイオクの悪目立ちが圧勝。当然ダメな部分の方です(苦笑)。アイツに合うのは書類をまとめる事務系仕事の方が良い(断言)。その方が世界は多分平和です。ゼッタイに(ハッシュのツメの垢を煎じて飲ませた方が良いよホント)!!
以上。他、何も出ませんw

#37「クリュセ防衛戦」
今回って笑っていいのか、深刻にとらえていいのか。困ってしまう回だった。原因はねえ…またイオク。アイツいっそモビルアーマーに殺らせた方が良かったでしょ(なんでそこでジュリエッタは助けちゃうかな。甘すぎるよ)。
マクギリスとヴィダールが遂に邂逅果たしたし、戦闘シーンもタップリあったし、まあ本編は飽きないけど、このイライラいつになったスッキリできんのかな…(多分イオクが死んでくれたら、相当スッキリするんだろうな)。
ちなみに今回MVPは次回予告のマクマードさん。ただの親戚の気の良いじいさん化してて、癒されましたわ。感謝~♪

#38「天使を狩る者」
遂に2期の1クール目を無事完走できました。いやあ疲れた。ぶっ通しでガンダム見るのは体力居るわ。もう今回はイオク関連割愛して、他言います(てかね飽きた。イオクコメント)w
一番はなんといってもバルバトスの人外ぶり。人の手で動かすレベルをとっくに超越した動きをよく作画は崩れを抑えて、描き切ったなあと感嘆。ああいう鬼神の如き動きで無双しまくるバルバトスはやっぱり他のガンダムよりも血生臭くて好きですね(戦闘よりも殺し合いって言った方がしっくり来るし)。
今回は2期で初めてアトラのこともチョイ書きます。あの子1期で『To Loveる ダークネス』のモモみたいなこと言うし(つまり“ハーレム”ですね)、今回も久しぶりに夕方アニメで“子作り”言うたし、アトラはそっち方面だとホント明後日行ってくれるよ(笑)まあそれが清涼剤になってくれてて助かるし、あの子のミカへの一途な想いは微笑ましいし、救われる。アトラはやっぱ鉄血世界の“オアシス”だから有難い。
取り敢えず折り返しまで無事到着できたから、少し体力回復させたら、2クール目行きますか。今度でやっとKANA-BOONのOPが聞けるしね♪

#39「助言」
確認だけど鉄血ガンダム、夕方だよね放送時間は。思いっきり深夜帯で流れそうなシーンがあったよ(まあそこが良いんだけど)wあと今回は名瀬のアニキの漢っぷりにまた惚れた。女を格下扱いしないで、誠実に接する振る舞い。とてもじゃないがジャスレイが逆立ちしたって出来んなアレは…。
てか新年初放送もイオクはバカ丸出しすぎだろwでもああいうモノホンバカっているから余計にタチが悪いね。ジャスレイも保守派の中での極めつけの悪い方で、ヒソヒソ陰口漏らす当たり、器ちっせえなあコヤツ。まあお陰で名瀬のアニキとマクマードさんがカッコいいから、引き立て役の仕事はしっかりできてるとこは有難いかな(ミカにお菓子に振る舞う姿が孫大好きなお爺ちゃんすぎ)。
まあ戦闘場面はないけど、これはこれで好きな回。名瀬のアニキや皆が死ななきゃ、もっと良いんだけどね…。

#40「燃ゆる太陽に照らされて」
男が頭を下げてきたら、答えてやるのもまた男。酸いも甘いも噛み分けてなきゃ出来ない名場面ですよ(男になるならこうなりたいな)。散り様すら逃げることなく、カッコよく散っちまったし、惜しいキャラをいくらなんでも亡くしちゃって悲しいです(アミダさんも本物のイイ女でしたよ)。
慈悲も一切かけねえなんか、イオク畜生この野郎です。しかも火の粉が舞ってきたら、椅子の後ろに逃げ込むなんざ…なんすかね?可哀想をまた更新しましたね(イオク坊ちゃんの良いところって逆にどこ?どこにあるの)?
裏でチマチマ動くような輩にゃ光れん死にざまでした。見応えがありすぎる。

#41「人として当たり前の」
“死ねば皆仏様よ(記憶するわ。このセリフ)”。マクマードさんがとにかくカッコよすぎる。惚れちまうわ(同じことばっか言ってんなオレ)。アトラやハッシュもタービンズの赤ちゃん必死に世話してるし、名瀬さんは仲間や家族に恵まれていた人でしたね(当然アミダさんもね)。
ラフタ、いっそ“鉄華団に入れて”ぐらいは言ってくれよ。そこで相手の為を思う気持ちを優先するよりも、自分自身の幸せも考えたって良かったのに(我儘一度はOKでしょ)…。想いは胸に秘めたまま、戦場で散ることもなく、呆気なく銃殺ってジャスレイ一派当然酷いが、脚本ちょっと鬼すぎるでしょ(岡田さんを責めたいけど、酷評レベルの出来じゃあないから)。
まあ謀略でのし上がった輩の末路は決まってるから、ミカや皆が落とし前をどうつけるかが楽しみです。

#42「落とし前」
序盤でいきなりメリビットさんがナレーションでビビらせたよ( ゚Д゚)ちょっとしたホラーチック。いきなり飛ばしまくったなあ。
身の程を知らない奴ほど、負けっぷりは無様だな。タカをくくって相手に結果返り討ちに遭う上に、頼る仲間も間違えるとは(しかも相手はあのイオク)、つくづく真の負け犬ですな(人の話を聞けない奴って言ったが、聞ける奴かと言い返したいね)。マクギリスにも“寄せ集めの傭兵たち”って酷評されるし。処世術に長けてる奴は勝ち組にはなれるだろうけど、結局覚悟も持てない奴は勝ちへ行けても落下も早い。ジャスレイは覚悟もなく引き金引いてオジャンな終わり。スッキリするけど、スッキリ出来ない面倒くさい余韻です…。
何だかんだで残り話数はあと8話。早いなあ。全部終わったらきっと寂しくなるだろうな。絶対に…。

#43「たどりついた真意」
マクギリスの目的地と仮面を外して戻ったヴィダール=ガエリオ。少年期がキーポイントなのはこれで分かったけど、マクギリスは神話にすがった少年だったのかな(ラスタルの言葉にも頷けるところがあるし)。ガエリオが厄介な相手になってこともビックリ。アインとの共同前線、それでミカ(とバルバトス)と互角に渡るあの実力は素直に凄い。どれほどの努力と執念、糧に今まで戦ったんだか…。
今回はバトル控えめ、話の動きも控えめだけど、そろそろアルミリアのパートに来るのかな?ガエリオ出たし。

#44「魂を手にした男」
切ないし哀しかった。マクギリスは御伽噺に魂ごと捧げていたし、一人ぼっちでバエルという幻想を追い求めてた。確かここでマクギリスを“小物”認定してたらしいけど、ボクはそんな風に思ったことはなかったかな。正直言うと。
理由は同じ岡田麻里さんの『あの花』のゆきあつから。ゆきあつは文武両道・容姿端麗の男子だけど、心の底にはめんまに対する後悔・依存を抱えてた。マクギリスは女装してまでめんまを求めた彼と似てた。演者が同じという以前にその内面が酷似してた。
ただゆきあつには“超平和バスターズ”の皆がいた。でもマクギリスは崇拝者に恵まれてても“友”がいない。なるはずだったガエリオは敵として対峙してるし、協力関係の鉄華団とは単なる利害の一致なわけだし、ゆきあつよりも彼には本音を話せる相手がいなさすぎる(あ、トドのおっさんいたか)。机上の空論並べただけだし…。
考えると鉄血はグレーゾーンのキャラばかり。純粋無垢な正義感を掲げる者はほとんどいないし、皆均等に泥にまみれて、血で染まって重巡する。やるせないことばかりだけど、それも現実の形かもね。
今回はマクギリスの事をひたすら語ったけど、語りたくもなってしまうほど今回はマクギリス回。ボクは彼の気持ちがちょっとは分かる気がする(分かる気ね)。

#45「これが最後なら」
戦力と戦術の差が圧倒的に違いすぎる。なのにシノの「スーパーギャラクシーキャノン」で脱力させられたわwあくまでゴールへ止まれない鉄華団の勢いが、良くも悪くもラスタルへ一矢報いる手前へ行けた。
それでも相手は力業で倒せるほど甘くなかったね。矢継ぎ早で哀しむ暇(シノの死)すら一切与えてくれなかったけど、それでも戦火の激しさを人間ドラマと盛り込むなんざ、個人的には余分な感傷削ってくれて嬉しい限り。ほとんど戦闘回だったけど、ラスタルの采配ぶりはイオクの無能とジュリエッタに疲れ気味で逆に新鮮。やっぱこの人統率力が桁違いだよ。マッキー以上?
窮地に一気に立たされた上、シノが集中砲火で戦死。鬱度合いは低いけど、後々ジワジワ来そうかも。

#46「誰が為」
追い付こうと戦い続けた者の覚悟が宿ってました。ユージーンが焦るオルガを叱咤激励したように、ガエリオもマクギリスへ一矢報いることが出来た。ヤマギも初めてオルガへ対して怒りと意見をぶちまけた。誰かへぶつかることを止めない者だけしかできませんし、人間ドラマが戦乱の中にしっかり宿って安心しました。
マクギリスもいよいよ窮地に追われ始めてきましたし、果たしてバエルと幻想だけで一体どこまで歩けるのか?友も仲間が誰もいない今の只のマクギリスに。鉄華団も窮地だけど、そこは“家族”がまだいるから一人ぼっちじゃないわけだし、その差が後にどう影響をマクギリスに及ぼすか?そろそろトドのおっちゃん出して、白黒つける手もあるでしょw

#47「生け贄」
オルガに付いて行きたい気持ちも、ザックが皆へ苛立つ気持ちも分かるから、一概に言えない気持ちにさせられます…。最短の代償がいよいよ牙を剝きだしたし、もうザックの言うように“終わり”しか見えませんね。それでも譲れないものをオルガや皆は抱えている。そこから逃げたら自分自身をもう許せなくなってしまう。捨てればすぐに楽になれる“枷”が皆の絆でもあるから、愚策だなんて言えないぐらい、家族の血が非常に濃いです。
クーデリアの言うように皆不器用すぎるけど、だからこそ愛おしい仲間たちなんだよね。ザックもあの言葉の裏にデインへ伝えた本心あるから、鉄華団をどう思っていたかが伝わるので苦いです。真摯ゆえに尚更に…。
マクギリスは綱を失い、オルガも窮地へ立たされる。次はいよいよあの回だし、見渡す先は破滅だな…。

#48「約束」
今まで人を利用してのし上がったマクギリスが、初めて利用される側を自ら望んで手を上げた。それは三日月や鉄華団への憧れもあったのかな?ネット上ではオルガは“何も変わってない”って言われたけど、それの何が悪いのかなってオレは思ってしまうよ(生き方を変えれんドラマはフィクションだろうとアリっちゃアリだよ)。
それにオルガの進んだ道は血に染まっただけじゃない。真正面から人と向き合う「当たり前の姿勢」があった。だから危険も顧みず手を差し伸べる人がいる。そういう理屈で語り切れない仁義と意地を貫いたから、最期までオルガ・イツカは鉄華団の「団長」だった。でもねえこれリアルタイムで見てたら衝撃受けてたね。間違いなく、ご飯食べる手とか絶対止まってた。
いよいよ残りはあと2話に。既に寂しさ込み上げてるけど、GW最終日をガンダムで過ごせるのは、個人的には有難いです。明日の仕事の糧にもなるんで。

#49「マクギリス・ファリド」
帰る場所はマクギリスにも最初から残されていた。彼もまた不器用でどうしようもないバカだった。それでも譲れぬもののため、捨てきれないものの為にひたすら何かを捨て続けて、友の前で命を燃やした。見届けたのがガエリオなのもマッキーには救いだろうし、アルミリアもマッキーの罪もすべてを背負うと決めた。もう十分すぎるほど素敵な人に囲まれていた、その事実をもっと早く知れば何かは変われたのかな?ガエリオやアルミリアと過ごせたはずの別の未来を…。
やるせない気持ちになるし、喜びも湧かないけど、燃え尽きた男の命はやはり不思議と輝いてます。結局彼も刹那の輝きだけを求めて去りましたが、カッコ悪いけどカッコいいです。この名前は忘れられない。

#50「彼等の居場所」
生きてる土壌がジュリエッタと三日月とでは違いすぎるし、永遠に分かり合えることなんて在り得ない(最後までジュリエッタは気付けないまま勝利を収めた)。多分それを汲み取れるのはギャラルホルンではラスタルだけかも(彼も多くの屍の上を歩き続けた人間だしね)。マクギリスの事もきっと分かったからこそ戦い続けた。
分かっていたけど三日月や昭弘は死んじゃったし、やっとイオクも死んでくれたし、決着は苦く結んだ。でもここまで見てきてオレはスッゲー不思議に思ってしまう。一体何のどの部分をアニメファンは批判したの?ほぼ粛清エンディングを避けなかったことが原因?それともキャラの死に様が呆気無さすぎるところゆえ?オレ相当この展開スッキリしてるんだけどな…。1期も2期も今時アニメでかなり攻めた作品だったし、絶対スタッフ・キャスト陣は誇っていいと思うけど。
オレが思うにファンの批判に屈して言い訳がましいことをイベントの追加情報に込めるのはどうかと思う。批判は批判で受け取るべき。それもまた仕事の一環。こんなところで何言おうと意味なんかないだろうけど、長井監督、素晴らしい時間をありがとうございました。これから関連書籍やBlu-rayをゆっくり買ってきます。金には一切恵まれないけど、自分の部屋に揃えたい初めてのガンダムですよ。胸張って断言します!
というわけで結びです。ずっと好きでいさせてもらいます!!!あ、でも昭弘とイオクの因縁、掘り下げてほしかった。オルガから聞いたんだろうけど、場面ないと伝わりづらいかと。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

不在の政治性

*内容に変更はありません



一期のラストで主人公と子供たちに出された「宿題」は果たされ、二期の終幕では本が読めるようになった主人公。
しかし、その「先」を自らが考え出すには、作中の時間は足りなかったようだ。


{netabare}作中で何度も、教育が無いために稼いだ金銭の使い途すらも考えることが出来ないと描かれる鉄華団団員だが、彼らをまとめる唯一の理念は「家族」として表現される。
ヤクザの「一家」に近似してゆくのも、必然かもしれない。

主人公がアトラとの間に子供を作ろうとするのも、ヤンキーにありがちな早婚ではなく、「本を読める」ようになった主人公の精一杯に見出したものが、「家族」であったからだ。
クーデリアに「赤ちゃんを作ろう」と呼びかけるアトラは、別に性的関係を結ぼうと誘っているのではなく、言葉通りに「子供を作ろう」=「家族になろう」という素直な呼びかけをしているに過ぎない。

キャラクターの一人一人を、丁寧に細かく描写しているために、彼らの「家族」は、とても自然に強固なものに見える。
が、「家族」の枠を超えて人がつながるためには、何らかの理念が必要になる。
例えば、イデオロギーはその一つだ。

「家族」の実体性を演出するため、本作では「イデオロギー」は空虚な否定性として描かれざるを得ないようだ。

二期の冒頭でクーデリアに接近する「活動家」が、三流のイデオローグとして描かれるのがその現れだろう。
いや、イデオローグを名乗る、単なる「政治ゴロ」として描いてしまう視点が、本作のストーリーラインを規定している。
終幕のマクギリスの挙兵の場面において、彼の主張が対抗勢力から「たんなる詭弁だ」と一蹴されてしまうのも、同じ流れからくる必然だろう。
視聴者からはほとんど意味不明に見えるマクギリスの主張と戦略は、説得的なイデオロギーを描写することが、設定の必然によってあらかじめ不可能と定められていることによる。

ラスタルとの開戦の後、火星へ退却するマクギリスに対して「鉄華団の戦闘は、降りかかる攻撃を退けてきただけだ」と語るオルガだが、そもそも「鉄華団」を結成し、これを経営しなければならない境遇自体が、社会からの「攻撃」であるという視点は持てない。
自分の過酷な少年時代を、社会からの「攻撃」であったと自覚したマクギリスと対照的だが、ここでも「教育」の有無が視点の差を生んでいるようだ。
しかし、「攻撃」に対抗する反抗を、イデオロギーとして表現することまでは、上記の理由で出来ない。
イデオロギーが不在である結果、オルガは、ついに「家族」の生存を超えるその先を指し示すことが出来ないまま、最後を迎える。

社会的な不正義を表現する「理論」の不在が、マクギリスの決起に際して、火星側からは鉄華団ただ一つが参加するという作劇になって展開される流れを生む。
何らかの「理念」の共有が存在していないことが、「鉄華団」が応援勢力を招集できずに単体で戦闘参加する展開を必然化する。
「家族」を超える理念を持てない鉄華団は、「家族」外の助力を応集する影響力を持てない。

作中の「世界」においては自然で必然的な展開なのだが、この必然を生むのはイデオロギーの排除という設定だ。

この現状は、火星の「全住民」に関係する不公正の現れであると「理論化」するイデオロギーの不在。
「俺は儲かっているから関係ない」と言う者も例外ではないのだ、という「理論」の不在。

象徴的に言うならば、この「世界」には「ジオン・ダイクン」が不在である、と言えるだろう。
逆説的に、イデオローグ=ジオン・ダイクンの不在によって、この「世界」の政治性は定義されている。


作中からイデオロギーが排除されるのは、アニメ作品に政治的なものが入り込むことに拒絶的な視聴者の気分を配慮してのことかもしれない。

だが、アニメに政治を持ち込むな、というのも一つの「イデオロギー」だ。
アニメは政治と切り離されている、というのは、即物的な事実ではなく、そのような「見方」をするという態度表明に過ぎない。

ウヨクが「反日アニメだ」、サヨクが「大政翼賛アニメだ」と主張するときに、それぞれのイデオロギーからの視点を明確にしなくては説得力が皆無であるように、「政治的に中立なアニメ」とみるためには、中立性を証明する必要があるだろう。
自明の事実だからそんな必要はない、と言うだけでは、説明抜きに「反日アニメ」「大政翼賛アニメ」と言い放つ人がまともに相手をされない事態をなぞるだけにしかなるまい。

本作におけるイデオロギーの積極的な排除は、視聴者の欲望に応えて、中立性を自己証明する意図があるように見える。

しかし、イデオロギーの不在は、反対に立つギャラルホルンの、特にラスタルの立場をも不安定にする。

終盤の決戦におけるラスタルの立場や役割が、今一つすっきりと視聴者に了解されないのは、イデオロギーの不在が反対者のイデオロギーをも曖昧にするからだろう。

思い出したように「合法/非合法」や「マスコミ工作」が持ち出されるが、いかにも唐突だ。
作中の設定に入り込んでみれば、支配システムが劣化して「法治」が形骸化している、平たく言えば、「影響力」があれば法律に違反しても罰を受けなくても良いという、「支配者」が法律を捻じ曲げて世の中が動いているという状況だが、これも視聴者の政治観に寄り添った表現なのだと言えるかもしれない。
「政治」は「えらい人」が「上の方で」動かしている「難しい」ごちゃごちゃで、「自分なんか」には「カンケー無い」出来事であるという政治観を反映しているのだと。

だとすれば、自分の予想や期待に反する展開に出会うたびに「クズ」「カス」とレッテルを貼ることが権利であると疑わない視聴者が、終幕の不透明ですっきりとしない展開を間接的に制作者に要求したのだ、と言えなくもない。


だが、イデオロギーが不在であっても、それがそのまま政治性が無いということにはならない。

確かに、イデオロギーによる「正義」の争奪を、製作者は退けているように見える。

それぞれの立場に、それぞれの「正義」があり、互いに尊重し合うべきだというのが現在主流の考え方だろう。
それぞれの「正義」に応じて、「現実」はそれぞれに異なって見える。
他者の見え方を否定することはできない。

だが、通常の普通人は、他者と共に一つの現実に生きていると「信憑」しているはずだ。
歩行者天国に車が突っ込んできたとき、逃げ惑う人々を見ながら「彼らにとっての『車』は私にとっての現実とは限らない」と傍観する人はいないだろう。
誰でも一斉に車から逃げ惑う。
車から逃げなければならない同じ「現実」に、他者も自分も所属していると疑いの余地なく感じている。

いわば物理的に唯一であると信憑されている「世界」を、多様な価値観による異なった「世界」という解釈で取り仕切るのは、もう無理がきているのではないか。

「無理」は、「現実」的な衝突に至るほかないだろう。
本作の戦闘シーンにおいては、戦うキャラクターたちは、互いに交感することは無い。
敵手は、ただの邪魔者、排除すべき対象として現れ、殺すことに互いにためらいはない。

敵であっても殺してはならない、戦いは肯定されてはならない、といったアニメ的な理念は、つまるところ「現状の社会を乱すものが悪」というタブーへ行き着く。
いっけん非情な殺し合いを描く本作は、このような「タブー」の欺瞞を冷静に対象化する製作者の視線を物語っているようだ。

体制の不変を絶対とする「タブー」は、社会に圧殺されようとする者に反撃を禁じる。
普通に物語を構想すれば、反撃をするには、「タブー」を覆すに足る「正義」が要請されるだろう。

しかし正義を裏付ける「イデオロギー」が排除されていれば、残るのは、いかに体制から虐待されているかという事実性しかない。
マクギリスの空想的な決起の呼びかけの背後にも、社会に虐待を押し付けられた幼少期という具体性がある。
ともすれば「奴隷の鎖自慢」のように、一番不幸なものが一番正しいという「不幸自慢」に陥りかねない作劇だが、ラスタルや、イオクですらも背負うものがあることを丁寧に見せることで、製作者は巧妙に切り抜けているようだ。
こうした点で、キャラをかき分ける製作者の手腕は非常に巧妙だ。

こうして、互いが互いの邪魔者として、互いに排除しなければならない敵である非情な戦いは、製作者の怜悧な視線の下に実現した。

同時に、「正しい」を主張し合うのではなく、「許せないもの」を撃滅するという形での政治性が浮上する。


一期のレビューで、作品世界に「影響力」の綱引きという形で「政治」性が登場したと記した。

影響力は「正しさ」を主張するイデオロギーによってだけ生まれるものではないのではないか。

視聴者が「政治」が作品内に入り込むのを嫌うのは、イデオロギーの主張する「正義」が不完全で、自分の「正義」と完全に一致することが無いからだろう。
不完全な「正義」を、唯一絶対の「正義」だと主張するイデオロギーへの不信。
こんな「正義」で人が殺されるのを正当化されるのは、いかにもグロテスクに見える、と。

だが、政治性は「正しさ」を競う形でだけ現れるとは限らない。
何が「許せない」かという形での闘争もあり得る。

現実の政治においても、選挙の投票率が低いのは、「正しさ」が完全であるかという面からのみ「政治性」が捉えられているせいだろう。
商店で商品を選ぶように、「私を100パーセント満足させる商品=正しい候補に、対価=投票を与える」のが選挙であると考えていれば、どの候補にも投票できないのは当然だ。
が、絶対に「許せない」ものは何かという視点もまた、政治的だろう。
「許せないもの」を殴りつける棍棒のような道具として有効な候補者を選ぶ、という視点もあり得る。

「家族」的な絆で内向きに結束する鉄華団が、それでもクーデリアやマカナエと協同できたのは、「許せない」ものが共有されていたからだ。
理由は異なるかもしれないが、「現に、私が」許せないものが同じである共有性が、彼らを結び付ける。
こうして作中の闘いは、互いに「許せない」ものを叩き潰すものとして、描き出されることになる。
戦いの帰結が、互いの「許せない」ものをどれだけ消滅させるかの「影響力」の増減を生み出すだろう。


一期の終幕において、「許せない」ものへの攻撃として起ちあがった鉄華団の「蜂起」は、二期においてはマクギリスによって担われたようだ。

社会に敵対するものとして起こされた彼の決起は、主観的には「蜂起」なのだろう。
「蜂起」の同志は、彼と共に起った部下たちではない。
死の間際に、社会に反逆して戦いに挑む者たちの登場を予期したように、あとに続く無数の「蜂起」者へ向けて、先陣を切ったアジテーターとして自己了解していたのではないか。

殆んど一貫した理屈の見えないマクギリスの演説だが、そもそも「理論」は問題ではない。
「反対するなら代案を示せ」は、現状維持勢力が、反対=「許せない」と言わせないために持ち出すイデオロギー言語に過ぎない。
何よりもまず「許せない」と宣言すること。代案は反対の必要条件ではない。それが蜂起だ。


ラストで、再び影響力のプレーヤーとしてクーデリアが浮上する。
プレーヤーとしての登場自体が影響力の駆け引きの結果と描写されているが、駆け引きの結果でヒューマンデブリや火星自治の状況が改善されたのであれば、鉄華団やマクギリス艦隊の戦闘と死は、無意味だったのだろうか。

もちろん、彼らの闘いが支配階層を「改心」させて「正義」に目覚めさせたわけではない。
それが不満ですっきりしない視聴者もいるかもしれない。
結局、頂上に立つギャラルホルンの支配性はそのままではないか、と。


フランスでは1789年の大革命以来、19世紀を通じて共和制、帝政、王政と目まぐるしく政体が変わり続けた。
しかし、共和制から王政に変るときでも、選挙権や労働権、福祉などは、少しづつでも拡大してきた。
大革命という暴力と、続く大小の市民の蜂起という実力行使が、時々の支配者に、市民に「配慮」させざるを得ないよう強制し続けたのだ。

本作の「世界」で、ヒューマンデブリが存在し続けたのは、彼らを搾取することで利益を得るものが、存続を望み続けていたからと言える。
ヒューマンデブリが消滅すれば、それによって不利益を被るものが必ずいる。
破産して自死するものも出るかもしれない。

だが、「影響力」の駆け引きの地図が、支配者に、ヒューマンデブリに配慮しなければ「ならない」と強制するよう変化した。
これまでの既得権益者を死なせても、ヒューマンデブリを無くすようにと。

鉄華団の闘いこそが、支配者に「配慮」をさせる「影響力の地勢変化」を生み出したことは疑いないだろう。

支配者を打倒したかという意味では、鉄華団は「敗北」して「犬死」したと見える。
が、「許せない」ものを殴りつける闘いは、影響力の綱引きのバランスを変化させた。
一見、敗北したように見える闘いは、決して「敗北」ではない。
帝政によって覆されたかに見えたフランス革命が、市民権の拡大という意味で「敗北」ではなかったように。

このように政治アレルギーが嫌う「正義を掲げるイデオロギー」に導かれたものとは全く違う、「許せない」ものに抵抗する政治性が、本作には刻まれている。

本作ラストの火星と鉄華団生き残りの境遇は、「正義」の実現したユートピアとはとても見えない、不十分で微温的なものにしか見えないかもしれない。
実際にユートピアなどでは無いし、アドモス商会とテイワズの関係すら、将来は破綻してもおかしくはない。
いずれ、別の場所で別の誰かに「社会」の負が押し付けられてゆくのは、避けられないように見える。

だがその時には、新たな、別の「鉄華団」が生まれるのだろう。
マクギリスが望んだように、蜂起はいつでも繰り返され得る。
「許せない」ものへの反抗がある限り。


「正義」を掲げるイデオロギー不在の物語は、「許せない」ものへの抵抗という、より一層強固な政治性として現れたようだ。

政治的なものから遠ざかるという宣言は、消極的には現状の政治への賛成という形となって、現状の固定の威力として統合されてしまう。
中立であるという自己認識は、意図せずに、現状という「特定の」政治的立場への賛成となって政治性を帯びざるを得ない。

果たして計算の結果かは分らないが、いっけん政治性を拒絶している本作は、安直な「中立」の罠に囚われることなく、現代的な政治性をあらわにしている。


二人の「母親」とアカツキの前に広がる、希望に満ちている未来とも、凡庸で灰色の未来とも決めかねるラスト。
「泣ける」とも「笑える」ともレッテルを貼られることを拒絶する両義性が、象徴的に思える。{/netabare}

正義に反する「から」許せないのだ、と考えて行動するとき、まず「正義」が先行して在る。
もしも「正義」を支える基準が変化したり、行為が敗北した時、「正義」の名においてなされた一切の行為も否定されざるを得ないだろう。

が、「許せない」がまず先行し、「なぜ」許せないかの根拠づけとして「正義」が生じるとしたならば、「正義」が否定されたとしても「許せない」の存在は決して消去し去ることはできない。
蜂起の純粋性とは、「許せない」の先験性にある。

本作において、「許せない」を裏付ける「正しさ」の描写は確かに十分ではない。

「正義」が先行して戦いを正当化する、という従来型の作劇になれていれば、意味が不明なところも多いだろう。

しかし、「許せない」が先行する蜂起を描き出したところに、本作の独創を見たい。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

69.1 77 2016年度アニメランキング77位
灼熱の卓球娘(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (406)
1586人が棚に入れました
雀が原中学にやってきた転校生・旋風こよりは、普段はどんくさい子だけど、いざ卓球を始めると……。王者が陥落し、波乱の時代を迎えた中学女子卓球界に、彼女は新たな風を巻き起こす!?

声優・キャラクター
花守ゆみり、田中美海、高野麻里佳、桑原由気、今村彩夏、東城日沙子
ネタバレ

えこてり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

問い掛けを君にスマッシュする

-----------------------2017/01/26追記-----------------------
漸くOSTが出ましたがBD特典CD。(↓卓球娘公式より)

灼熱の卓球娘3*初回生産限定版
【初回限定版特典】
①特典CD
・灼熱カバーソング③
・バトルミュージックセレクション
※「灼熱の卓球娘」劇伴から、卓球シーンを彩るBGMを中心に収録!
<収録内容>
track1.「Shuffle」天下ハナビ(CV.高野麻里佳)
track2.相克するラケット
track3.Smile@wind
track4.Aim for the Top↑↑↑
track5.HiーSpeed><Attacker
track6.Always○HokuHoku
track7.The sound of a dream♡
track8.Fairfight乂fielding
track9.ラブオール!
track10.打球のゆくえ
track11.飛び散る火花
track12.勝利への手探り
track13.私の全力!
track14.ドキドキが止められない
track15.燃ゆる闘志
track16.目指せ全国!

------------12/20追記-------------
【総評】
本作品は女の子スポーツ友情モノといった感じで、キャラ名がふざけていたり、
フラグの立て方がとても分かり易くギャグになっていたりと、
とても緩い作りになっていて、シリアスには作られていません。

百合っぽい表現を多用しますが、あくまでも友情の延長線上な感じです。
(一部ガチな人もいるかも)

「卓球を通じて自分も相手もドキドキ(楽しく)したい」
という、とても共感しやすいテーマなのが良いです。

そのドキドキ表現がともすれば発情してるかのように見えるのが笑えます。
(おかげで女性にはお勧めしにくい事態に)


・百合とエロメタファーを演出もしくはギャグとして許容できる
・高校野球やサッカーのように両チームとも応援したくなる
・部活やスポーツ物が好き
・BGMが熱くかっこいいアニメが観たい
・井澤詩織さんのファン(10話で大活躍)
・咲-saki-が好き

これらに当てはまる人ならばきっと楽しめると思います!


それでは個人的に思うところを書き綴っていこうかと思います。(長文注意)
{netabare}
◆物語について
天才肌の新入部員が全国大会へ導く、というごく普通の物語です。
重要なのは演出やシナリオの盛り上げ方なので特に問題ありません。

あがりの分かり易いプライドと弱メンタルをこよりがどのように破壊するのか、
1話を観ればこれが序盤の主題だと分かるので、
その時あがりがどうなってしまうのか最初から楽しみで仕方なかったです。

3話はまさにあがりの為の回で、台詞入りOPに回想ED
あがりのポンコツ具合がかわいくて仕方なかった自分には最高の回でした。

最初はあがりに押されてるこよりも、ドキドキから覚醒して「これが私だよ!」スマッシュから一気に同点。
あがり自分の卓球が通用せず「どうして?どうして?」と崩れていく笑
しかしこよりのドキドキに触発されて、自分が楽しさよりも勝ち負けを優先してしまっていた事を思い出し、
ホントは大好きだったけど成功率が低いから封印していたフォアハンドスマッシュで覚醒返し!
ここのあがりの感情に当てたBGMがすばらしい!こよりの私だよスマッシュの時も良かった!

そして思った。このテクノ調のBGMかっこよくね?
3話が面白すぎて何回も観ていたら、OPとEDもとてつもなく良い物に聞こえてきた。


◆作画について
キャラデザは好みが分かれそう。個人的に瞳が大きすぎるのは苦手なのだが、
京アニの『日常』的なギャグデザインだと思って馴れていった。

線の数は少なく太めなので、大きく崩れていることは無かった。
10話の前半がちょっと怪しかったけど、Bパートが圧巻なので作画リソースを上手く分配していると感じた。
全体を通して、(当たり前ではあるが)卓球の試合に多くのカロリーを消費していたし、試合のアニメーションはとても良かった。


◆声優について
田中美海さんのあがり、井澤詩織さんのくるり、桑原由気さんのほくと
が印象的だった。
10話こよりの花守ゆみりさんの演技がとても良かった。


◆音楽について
アニメ好きな人でも音楽にそこまで入れあげてる人は少ないように思う。
あくまでも引き立て要素だし、メインは当然絵と音声でしょう。

メロディのある曲や歌のサビを、アニメの盛り上がるシーンにあてる場合、
その尺が問題になりなかなか合わせるのが難しいが、
本作はEDM主体なのでBGMの引き延ばしや繋ぎ、タイミング合わせを自由にすることができ、随所にそういった箇所がみられる。
その為スマッシュのタイミングにきっちりサビがあってるのでより大きなカタルシスを得られる。

OP「灼熱スイッチ」は個人的今期No.1!ギターが軽快な遊び心満載の曲。
裏でずっとピンポンの音が鳴っているので気になった方は確認してみよう。
歌詞もどこか緩い感じでGOOD。合いの手で「水をください」。

ED「僕らのフロンティア」は私は名前しか知りませんでしたが、
Wake Up,Girls!担当。正直なところよくあるアイドルアニメグループかと思っていましたが(失礼)、
落ち着いていてEDにふさわしい優しい曲。全くもって不覚でした。

OPとEDとBGMともに音楽制作チームのMONACAメンバーが担当しています。
個人じゃないので幅広さが出てきますね。
なんて楽しい音作りをする人達だろうと感心してしまい、他の作品にも興味が湧いてきました。


◆キャラについて
主要メンバーに限らず、対戦相手の5人もかなりキャラが立ってます。
OP映像に出演してることもありいずれ出てくるのが分かってる事もその助けになっていますが。

各選手一試合しかしませんが、みな個性的で時には主人公チームより応援してしまうことすらありました。
サブキャラを際立たせるコツって何なのだろうと、時折思ってしまいます。

採点で音楽とキャラを5.0点にしてるのは完全主観です。
他は一応客観的にしたつもりでございます。


◆物語について(その2)
試合の時は音楽もテクノ調で観ていてとても楽しいのですが、
日常時は普通というか、退屈なシーンもままあります。
それなのに自分の中で高評価なのは、やはり一つのシーンがとても秀でてると感じるからです。

10話がその最たる物で、思いの外メンタルが弱かったくるりが友達の優しさに勇気づけられて、

くるり「旋風さん、あなたの卓球は全力のスマッシュで勇敢に向かってくるまっすぐな卓球」
くるり「私の卓球は、柘榴と作り上げた大好きなこの技で、死力を尽くして戦い抜くことです!」
くるり「旋風さん、あなたならどう応えますか、私のドキドキに」

こより「これが、二重丸さんの卓球」
こより「私も、全身全霊であなたに応えたい!」(灼熱演出ON)
こより「ありったけの力を全て、前へ!」(雷演出ON)
こより「届け、届け、私の卓球、私のドキドキ!」
こより「届けえええええええええええ!!!」

遂にここで、3話のこよりとあがりの覚醒BGMを使ってきた!
最高かよ・・・

「問い掛けを~君にスマッシュする~」(OPの歌詞より)

このシーンのこよりは本当に最高でした。完璧に主人公してました!

なお、原作者の朝野やぐら先生も、ご自身のblogで特に3話と10話について、
とても熱く語ってらっしゃるので興味のある方は是非。

負けたくるりを柘榴が慰めているところも良かった。
ギャグ指向とはいえまだくるりは中学生。
全ての子供達は友達と仲良くしていて欲しいと思うおっさん感丸出しの自分はとても感動しました。
そして遂にくるりの暗かった目にハイライトが!!

10話がピークなのは予想が付くので11,12は淡々としてましたが、
二期を予感(もしくはスタッフはやる気満々)させる終わり方でしたので、激しく期待です。BD買おうかな。

そうそう、最終回Bパート冒頭の挿入歌は「灼熱スイッチ」のC/Wで「V字上昇victory」という曲ですが、
これもなかなか良いのでお勧めです。
{/netabare}

とても長くなってしまいましたが最後まで読んで頂いた方、誠にありがとうございました。
敬体常体めちゃくちゃな乱文失礼致しました。(後日清書します)


----------------------おまけ---------------------
冒頭、咲-saki-が好きな人ならお勧めできるかもと書きましたが、
本作品は咲(アニメ版)をモチーフにしてる部分が多いと感じます。
もちろん、それが作品にとって非常にプラスになっていると考えます。
咲を彷彿させる演出やキャラを自分の分かる範囲で比べてみます。

・主人公が新入部員で不敵笑顔で最強
・勝負所での炎や雷演出
・試合中のBGMがテクノ調
・片目瞑ってるキャラと動物系キャラ(風越のキャプテンと池田、鐘梨とハム子)
・両手を壁について半泣き(原村和とあがり)
・服装がだらしない(天江衣かタコスと糸目部長)

他にもありそうですがこの辺で!

----------------------------------------------------------------
今期は15作品ぐらい見てますが、個人的にこの作品が一番楽しい。

トルネードから灼熱スマッシュのシーンは3話あがりのFHスマッシュに並んで最高に熱いシーンだった。

やはり部活物はいいぞ



最終回視聴しました。
合宿がアニオリなのかわからないけど試合的ピークは10話でしたので、
まったりとエンディングを迎えました。

2期無さそうなオレタタエンドかと思いきや、
Cパートで思いっきり全国編やってるじゃないですか!
最高に面白そうでした。
もず山ももっと観たいんじゃあ


今期ノーマークの作品でしたけど、
最高に楽しめました。
スタッフの方々本当にありがとうございました!
そしてお疲れ様でした!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

剣道部は、卓球も好きなんす♪

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
卓球を楽しむというよりも、卓球をしている少女達の輝く汗を楽しむアニメかw 萌え系の絵柄のわりに、結構真面目に卓球をしていましたが、途中に解説も入るので、初心者にも優しい構成。萌えも燃えも両方あるアニメです。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
今回だけ、私は「卓球部」のつもりでレビューします(笑)ので、「卓球」を語ってしまいます。ので、ガチの卓球部の皆さん、「それは違うよ」ってのがあったら是非、指摘して下さい! その都度訂正していきたいので♪

私、卓球には「そこそこ」詳しいです。観るのは大好きで、TVで試合があれば観てます。自分の技術は趣味程度で、ガチでやってた人には鼻で笑われますが、サーブは一応5種類(横、斜め、逆横、下、しゃがみこみ)打てます(フォームはバレバレだけど)。まあ、温泉卓球レベルならほぼ負けないっす(笑)

というか、つまり卓球はそういう競技で、(私含め)素人が経験者に勝つのは不可能。技術と経験がものをいいます。技術はマニアック。見てるだけでは分からない凄さがあります。

さて、そんな卓球を描いた青春ものとしては、ある程度のクオリティを満たしていたと思います。ただ、「卓球を魅せたい」というよりは、「卓球をしている少女達を見せたい」といった印象。なんだか、「咲‐Saki‐」を思い出しました。

「灼熱」というタイトルだからなのか、やたら「汗」の表現にこだわってましたね。卓球は確かにハードな競技だし、風の影響を受けないように窓を閉めきって練習するから、汗はかくんだけど、体操服が透けるくらい汗かくかな? てか、普通は体操服じゃなくて練習用のシャツを着てやりますが、そこは一部マニア層に対するサービスなんでしょうね(笑)

私が思う卓球の面白さは、「スポーツするチェス」。いつ、どこに、どんな回転の、どんなスピードの球を打つのか。その組み合わせは無限で、駆け引きがあって、高度な戦略を瞬時に組み立てていて、それを実行する技術とメンタルがある。簡単な例をいうと、「これは確実に決まるぞ」という攻め方を見つけたとしたら、それを10対3の時に使っても意味がないので、あえて打たず、本当の勝負所でバチっと決めるような。「ここでこれを出してきたか~」「あっ、だからあの時ああ攻めたんだ」とか、私はそういう駆け引きを見るのが好きです(素人が偉そうで申し訳ない)。

各話の感想に書いたラバーの件を含め、そこまでマニアックに卓球を見せようという姿勢がなかったことなど、卓球フリークとしては少々不満でした。が、多分これで正解です。剣道でも同じだけど、対人競技は技術がマニアックになりがちなので、それを忠実に紹介しちゃうと、皆が引くだけw だから、このぐらいのユルさがあった方が絶対数的には良いんでしょう。

原作連載中ですし、ちょうど盛り上がる手前(都大会前)に終わってますし、最終話Cパートを見ても、2期に期待ですね♪

OP、ED共に、「狙ってハズした」感のある良曲。特にOPの途中に毎回変わる熱い台詞が入るのが見処でしたね♪
{/netabare}

【各話感想(卓球部的レビュー有w)】
なんだか突っ込みばかりになってしまいました(汗)
{netabare}
第1話
朝練のシーン。朝から全ての卓球台にネット張ってあったけど、二人で張ったの? ネット緩むから、前日に全部外すはずだよね。卓球、キツい競技だけど、そこまでは汗かかないよ(笑)

第2話
フォアスマッシュよりバックスマッシュの方が「確率」が高い選手ってのも珍しいね。まあ、いたらいたでかなり脅威だが。ちなみに、ハナビやほくとがこよりと勝負している時に感じる高揚感を、剣道では「気当り(きあたり)」と言い、「気当りがある」選手は実際に部員から好まれます。やってて楽しいし。でも実は、「気当りが無い」選手の方が厄介だったりします。こちらが気合いを入れてぶつかろうとすると、柳の枝のようにヒラリと受け流され、それでこちらが気を抜くと、スパッと打ってくる選手。そういうの強いです。対人競技ではその感覚は共通してると思います。ほくとが近いタイプかな? こよりの良さを描くのも良いけど、一方でそういう選手にも光を当ててほしいんだよね。

第3話
あがりが一番にこだわる理由、アバンだけで上手く描けてましたね。あがりはドライブマン、しかもループドライブが得意な選手ですか。ふむふむ。あがりとこよりは、ニュータイプの共感w 作品としては、「楽しむため」に卓球やっているこよりが讚美されてますが、個人的には「勝つため」に卓球するあがりみたいな選手の方が好きです。

【卓球部的? 余談】
{netabare}卓球アニメのわりに、ここまでほとんどラバーやラケットの話が出てきませんね。単に予想ですが、こよりはラリーが主戦場のようなので、裏ソフトか表ソフトかな、日本代表でいくと石川佳純さんみたいなタイプ。あがりはドライブマンなんで、両面に裏ソフトでしょうね、日本代表でいくと水谷隼さんみたいなタイプ。ムネムネ先輩は表ソフトでしょうか、日本には少ないタイプで、シンガポールの李住薇選手とかが有名かな? ほくとはラリーと回転重視だから、やはり両面に裏ソフトでしょうね、世界で勝つにはやはり前陣速攻かドライブ攻撃型が主流で、つっついたりしながミスを待つ戦術はトップ選手には少ないですな。最後にちょろっと出てきた人は、OPでカットマンであることがネタバレしてるから、両面に裏ソフトだろうね、元日本代表の松下選手とか。ハナビは日本式のペンで前陣速攻という、かなりクラシカルなタイプで、今の日本代表には見当たらないかな~、中国式のペンならわかるけど。ただ、2話のハナビvsこよりでは、ハナビ一人がアップになっている時は、バックもフォア面を使って打つ、日本式ペンらしい打ち方してましたが、ラリー戦になり遠景になると作画が適当になり、バック面を使って打ってましたね。卓球アニメなら、そこはしっかり作画してほしい。

と、長々書きましたが、卓球においての用具選びの重要性は、他の競技におけるソレとは比較にならないほど高く、マニアックです。卓球を真剣に描くなら、そこは避けて通ってほしくないな~という、願望です(勿論、それやっちゃうと、ライトなファン層が離れていくけどw){/netabare}

第4話
卓球マシン2台同時は見たことないやw カットマンは、一番好きなスタイルです。格好良い! でも、練習は倍キツいんだよね。ずっとスクワットし続けるようなもんだし。いや、一点くらいならマグレでいける可能性あるよw

第5話
アバン、赤木キャプテンとメガネ君やん(笑) てか、アガリはドライブマンだからともかく、こよりはつっつくとかしようよ。やっぱり、なんかSLAM DUNK展開? カットマンのダブルスはまあ、ハマれば強いですよね。多分三年ペアでムネムネ先輩組むのかな? ただ、表ソフト(仮)との相性は気になるところ。リオでは、愛ちゃんと伊藤美誠さんの前陣速攻ダブルスは印象的な強さでしたし、あれが今の卓球のトレンドなんだろーなーと思わされました。

第6話
日常回、というよりキャラの掘り下げ回ですな。良回でした♪ お、ラバーの話が来ましたね! でも、2ヶ月で交換は早い(汗) 普通3ヶ月は使うと思うし、中学生なら半年とか1年とかザラ。お金かかるしね。まあ、それだけこよりが一生懸命練習してるってことだろうし、トップレベルの選手なら早めに(1~2週間で)交換しないとね(1枚3000円程度)。常に新しいラバーで練習できるということは、常に一定の回転量や反発力で練習できるということで、常に一定のスイングができるということ。これは、トップレベルを目指す上では重要な要素です。だから、親の経済力とか、何気に影響してきます(汗) お金のことに触れなかったのは、卓球普及の為には大事(笑) にしても、粘着系やハイテンション系をススメルのは良いとして、簡単に粒高をススメルのは……。粒高が悪いわけじゃなく、卓球のスタイルそのものが変わってしまうほど、重大な決断なのだが(汗)

第7話
部長の制服の着かたが、エロ(萌え)過ぎるんだけど(笑) そこら中に百合の香りがw 卓球の団体は二人だけ強くても勝てないから、後のメンツの実力が気になるな。おっ、丁寧な対戦形式の説明、好印象! 普通は練習試合なら複数台でやるけどね。蠍田はカットマンだけど、それを前陣速効のハナビがわざわざ下がって打つとか、本来有り得ない。

第8話
ムネムネ先輩、ダブルスのサーブでサイン出すの基本ですが、1球目、そんな丸見えの位置でやらず、台の下でやろうよ(笑) ダブルスの3年生コンビは熱いね。SLAM DUNKの赤木と木暮(というより、赤木と三井)みたいだな(笑)

第9話
フォアでもバックでも強打を打てるのは驚異だよね。石榴はラリー系か。努力努力の秀才は格好良いな。

第10話
カーブドライブか~。まあ強いけど、横が入る分、当然ドライブ回転は下がるわけで、万能の技ではないよね。意表をつくぶんには良いけど、メインで使うのはな。途中からなんか「テニプリ」のスネイクというかw 百舌鳥(モズ)に雀が勝った(笑)

第11話
冒頭からいきなりのサービスショットw 合宿回か。バスの椅子が妙にリアルで気になったw 温泉でもサービスたくさん(笑)

第12話
モブっ娘達も頑張り始めたね。Bパートの最初の演出、良い感じでしたが、ますます「咲」っぽいw 最終回らしい、爽やかな展開と、技術面だけでない、キャラ達の成長が見られましたね。ただ、なんか胸がやたら強調されるべきシーンが多かったな(汗)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 47
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1クールで萌えと燃えのドキドキをミックスした貴重なスポーツアニメ

時は中学女子卓球界の戦国時代……。

雀が原中に現れたシャイな転校生・旋風(つむじかぜ)こより。
卓球でドキドキしたい!とぶつかってくる彼女とのラリーを通じて、
エース・上矢あかりの胸は高鳴り、やがでドキドキの嵐は、
部内に、他校へと拡大していく……。

同名連載コミック(未読)のアニメ化作品(全12話)


【物語 3.5点】
1クール愚直に卓球を打ち続ける中で、
微百合、微エロ成分配合の萌えと、スポーツ物の燃えを両立。


全体構成は、
{netabare} 乱入した転校生が旋風を巻き起こす雀が原中・校内ランク戦、
全国出場を果たした新鋭の強豪校・もず山中との練習試合、
部員が倒れ込むまで打ち込む地獄の合宿。{/netabare}
とにかくほぼ全話卓球打ちっ放しで駆け抜ける。
中盤1話だけ、ほくととハナビの友情確認回がありますが、
そこも結局、卓球専門店にてラバー知識を深めるお話でしたし。

萌えを狙って競技そっちのけで日常回に脱線する女子スポーツ物も多々ある中で、
本作もまた、ムネムネ先輩の巨乳ネタや、他人のパンツの種類を言い当てるほくと先輩、部長の罰ゲームは{netabare} 猫耳{/netabare} など、ユルめのハラスメント等に寄り道することはあるもののw
毎回ちゃんと卓球で熱くさせてくれる本作はスポ根成分補給にも有用。

主人公・旋風(つむじかぜ)こよりがライバルと一緒に熱く燃え上がっていく描写は、
スポーツ物の王道でもありますが、ドキドキで脈が上がって気持ち良くなる表現は、
百合ゆりしく、エロティックでもありw

1カットで燃えと萌えを一挙両得できるポイントを押さえることで、
萌え目的の脱線による停滞を防ぎ、作品にテンポを生み出しています。


惜しいのは、大会が始まる前に放送が終了しまったこと。
逆に言えば前哨戦でここまで熱くなれるのはある意味凄い。
萌えキャラが真面目にスポーツしてるアニメとして十分オススメに値する佳作です。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・キネマシトラス

どんな競技でもキチンと描けば作画の消耗は激しくなるもの。
卓球もまた一打一打全部違う軌道やフットワークを再現して行かねば、
スポーツアニメとしての説得力は失われます。

そこをクリアしてくる同スタジオは非凡。
例えば{netabare} コートに竜巻が巻き起こるくるりのカーブドライブや、
座敷童石榴(ざしきわらしざくろ)脅威の粘りが「この木なんの木」日立の樹?だったりw{/netabare}
演出含めて手を抜かない姿勢が好感できます。

コミカルな不等号目が可愛らしい萌えキャラを陳列しているだけでしょ?
と高をくくっていると、作中こよりとのラリーでドキドキが高まった時にドクン!と画面が揺れる演出効果の如く、
視聴者も熱いゲームにドキンッ!と胸を撃ち抜かれます。

因みに同スタジオが幼女の顔して世界観は地獄のファンタジーコミック『メイドインアビス』を超絶作画で再現して、
私を含めた世間を阿鼻叫喚させるのは翌2017年のこと。


こよりのハーフパンツ、あがりの体操着ブルマ、
首筋を覆うジャージの襟からほくほくと漏れるほくと先輩の吐息
などフリースタイルな卓球衣装も多彩でここも萌え燃え両得で目の保養に。
大胆に左肩を露出するキルカ部長の着こなしを見ていて、
昔、ド派手なドレス衣装で話題になったプロ卓球選手・四元 奈生美さんのことを思い出してみたりw


そんな衣装の肩を汗でぐっしょりと濡らしながら卓球に打ち込む美少女たちの描写は熱くもありエロくもありw
萌えアニメで毎度安直に入浴シーン入れられると私は頬をゆるめつつ待たかwと呆れもしますが、
本作の場合はもう汗だくなんだから、いい加減シャワーくらい浴びたら?と心配になりますw
だから終盤やっと{netabare} 合宿の温泉{/netabare} で入浴した時には何か安心しましたw

その限られた入浴シーンでも語られるのは卓球談義。返す返す愚直です。


【キャラ 4.0点】
引っ込み思案だけど卓球では凄い主人公・旋風(つむじかぜ)こより
エースとしてチヤホヤされたいツンデレツインテール・上矢(かみや)あがり、
その他、犬歯の元気娘に巨乳枠と萌えアニメとして一式揃ってる感。

ですが例えば、あがりは“北のドライブマン”だったりと、
各プレイヤーにはプレイスタイルや使用ラケットに至るまで詳細に設定が練られており、
萌えと燃えのコンビネーションをキャラも下支え。


私が胸を打たれたのはライバル校・もず山中のエース・二重丸(ふたまる)くるりのエピソード。
石榴(ざくろ)部長との友情は重たく、明らかに病んでるキャラなのですが、
妙に感じ入ってしまうのは、私もまた真面目にやってるだけなのに、
不器用ゆえか周りから理解されなかったというトラウマを抱えているからなのでしょうかw


【声優 4.0点】
メインどころは当時の若手有望株を中心にキャスティング。
平生は甲高い萌え声を響かせながら、試合では力強くシャウトする、
フレッシュな才能が交錯する清々しい演技。

主演・こより役の花守 ゆみりさんは後に2018年『ゆるキャン△』なでしこ役で一発当ててブレイク。

ムネムネ先輩役でゆるふわ巨乳枠を担当した今村 彩夏さんは翌2017年『プリンセス・プリンシパル』アンジェ役で主役を射止めて波に乗るも体調不良により芸能界引退……。

人生いろいろ声優もいろいろですが、
原作コミックも昨年から第二部『~REBURN!!』が連載開始されたとのことなので、
キャスト同窓会の意味も込めて、OVAとかでも良いのでまたアニメやってくんないかなと思います。


【音楽 4.5点】
劇伴はチームMONACAの面々が担当。
普段はのどかな縦笛のマーチがユルい次回予告BGMで油断させておいて、
試合ではラリーのヒートアップに伴って音程とテンポが上昇していく、
十八番のテクノサウンドで、時に卓球ラリー音もアレンジする遊び心も交えて、場を加熱させて行く。
それでいて心情を掘り下げるシーンではピアノとストリングスでカバーする。

クセも強いですが、ジャンルを横断するフットワークの軽さと決定力で魅せてくれる。
MONACAの劇伴の中でも屈指の良い仕事を私は評価したいです。


OP主題歌は雀が原中学卓球部「灼熱スイッチ」
ED主題歌はWake Up,Girls!「僕らのフロンティア」

当時のWake Up,Girls!は2.5次元アイドル展開の中核であるアニメシリーズも次が決まらない混迷期。
他のアニメ作品タイアップで活路を見出す中で歌ったのがこのED。

そんなWUGの中では、田中 美海さんが上矢 あがり役でメインを務め、
ただ一人OP、ED双方の歌唱メンバーに。
一方で青山 吉能さんは、もず山中・由良木 ゆら役でユラユラ揺れながら『ぼざろ』主演で大当たりするまで、もう数年猫背で雌伏の時。
あとは高木 美佑さんが練習試合の主審ボイスを当てたくらいで、
WUGで声優として順調に生き残るのは、みにゃみだけとの私の予感が覆されるとは当時は思いも寄りませんでした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

69.1 77 2016年度アニメランキング77位
この素晴らしい世界に祝福を! 第9巻 OAD付き限定版(OAD)

2016年6月24日
★★★★☆ 3.8 (264)
1575人が棚に入れました
原作小説9巻+TVアニメでは放送されないオリジナルアニメを収録した限定商品を発売!
オリジナルアニメは原作者暁なつめ書き下ろしエピソードをシナリオ化。
アクア、めぐみん、ダクネスだけでなく、ウィズやゆんゆんも登場する豪華な内容でお届け。

amnmnt さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

このすばに求めているのはこういう事じゃない

元々原作未読でアニメから入った事もあり、これもあえて小説の方は読まずアニメだけの視聴による感想です。

早速ですが正直がっかりしました。

まず、ゆんゆんの声。
合ってない。豊崎愛生の声や演技が異常なまでに〝浮いて〟見えました。豊崎愛生の声や演技や歌は元々すごく好きなのですが、これに限っては合ってなさすぎる。他の深夜アニメには見られない独特なテンションや空気感に、演じる側が馴染めなかったのでは・・・と勘ぐってしまう程に気持ち悪かったです。

次にストーリー。糞でした。
違う違う。いらない。「このすば」にそういうの、いらない。
早い話がエロ全開で安っぽい完全茶番劇なのですが、もうこれじゃ「このすば」の皮を被った別の何かです。この作品にあざといエロなんて合うわけないでしょう…。キャラデザだってそもそもエロを狙えるキャラデザにつくられていない。「このすば」のキャラ達が劇中劇を演じているような違和感で、これはカズマ達が繰り広げる〝世界〟ではないと思いました。

最後に、カズマとアクアの関係性。
こんなしょうもないオマケ回の中で、ぶっちゃけちゃってました。これが一番嫌だったかも。TV1期で、カズマとアクアって寝食を共にしている割に一切男女の関係やフラグ要素が皆無でしたよね。そのあたり劇中で全く語られていない。なので「実際のところどうなんだろう」「もしかしたらこういう事なんじゃないか」などといった事を想像しながら楽しめたんです。所が今回、その視聴者が考えられる余地を奪われてしまった感覚。頼むから触れないで欲しかった。

作画や音楽もろもろは、TV1期と変わらず満足いくものでした。とはいえガッカリ感が大きいのでこれはあくまでオマケ、このOADは自分のなかでノーカン、無かった事にしようと思います…。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

えりりん908 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

みなさんエロいエロい!ってレビューで仰ってますけど…

私は全然、そんなエロチックって思わなかったですよww

エロチックってだけなら、1期の、お風呂回での「ダクネス恥辱プレイ」の方がずう~っと・・・(#^o^#)
ま、このOVAだと、営業的には他に見どころ無いし、売り文句ってことなのかな?って思っちゃいました。

だから、そういうのを期待してなら、男性諸氏には無駄なことだと申し上げておきます!!(笑)



お話の中身の方は、ひとことで言ってしまうと、
「茶番劇サイテー!(><)」
でも時々笑っちゃったところもありました~ww


2期から出てくるキャラのゆんゆんが、フライングで、もう当たり前に登場してますけど、
「残念キャラ」としてエッジを立てて来てるんで、対抗キャラのめぐみんが、まるで普通の人に見えちゃいます。
そのギャップを埋め合わせるかのような、
「チ○コ、もげればいいのに」ってめぐみんの呟き、大爆笑でしたけど(#^▽^#)


カズマさん、本編では確かにクズなんだけど、
決してサイテーな人じゃなかった筈なのに、
このOVAでは、なぜか正真正銘のゲス野郎と化しています。
こういう、キャラの性格設定を無意味に変更するやり方は、
到底、まったく、ホントーに、納得行きません<`ヘ´>
カズマさんは単なるおっぱい星人なんかじゃないよ!!wwwwwwww

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

セクシャルハラスメント

原作9巻付属のOVAという事で未視聴の人が多いかもしれません。
しかし、私は何故、視聴できたのか?
その答えは配信です。(※レビュー投稿時、dアニメストアで確認済み)
このOVAは1期目の11話という位置づけ。
普通に第11話として配信されています。
OVA付属の原作を買う・円盤を買うよりも、安く視聴できます。

内容ですが、ウィズの店の品物を発端にカズマの欲望の赴くまま、といった展開。
ハッキリ言ってセクハラです。
女性受けはしないでしょうね。

そんな時でも笑いを忘れないのが良い所。
セクハラ行為をさせていますが、アクアに対しての命令はパシリばかり。
オチ要員としてアクアを使っています。

命令できる立場になってもセクハラしてはいけません!
死ぬ間際でも人としての尊厳を保ちたい、と願わずにいられない作品でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

69.1 77 2016年度アニメランキング77位
のんのんびより 10巻 OAD付き特装版(OAD)

2016年9月23日
★★★★☆ 3.9 (137)
708人が棚に入れました
原作第10巻にアニメ「のんのんびより りぴーと」の完全新作OADを同梱!

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ほたるんが、多めなん。

アニメーション制作:SILVER LINK.
2016年09月23日に発売された単行本付録のDVDに収録されたOVA。
原作は『月刊コミックアライブ』にて連載中の漫画。原作者は、あっと。監督は川面真也。

【感想】

田舎の四季に彩られた4人の少女たちの日常が描かれた、普段通りの『のんのんびより』
冬春夏秋。仲良しのみんながいれば、毎日が楽しい。

冬の雪に無邪気にはしゃぐ、大人に寄りかかれる。
子供の特権。大人だと照れ・メンツ・体裁・プライドが邪魔してしまう。

リアルだと見解の相違。互いに分かり合えない人間同士の衝突がしょっちゅう。
往来で喧嘩腰に怒鳴り散らす不機嫌を隠さない、そんな嫌な危ない人がいない世界。

『のんのんびより』の世界は、綺麗で温かい。人が少ない村だからか、みんなが顔見知り。
特に子供が少ないから、一緒に遊ぶメンバーがいつも同じ。
気心の知れた間柄だから、しょうもないことをしても、
『メッ!』で、軽いお仕置きで許されてしまう。
お仕置きされるのは大抵が特定の一人だけですし、今回はそんな話は無いですが。

今回も、のんびりとしたお話。尺にせっつかれることもなくて本当にマイペース。
自分のペースで歩いていけるアニメ。だからこそ、良いのかもしれない。

原作のストックからして、3期は暫く無さそうですが、
平和で笑顔が一杯な世界。まだまだ観ていたい気がしました。

そういや、ほたるんの飼い犬の“ペチ”の担当声優を今回で初めて知りました。
アフレコの現場でオーディションして決めたと単行本9巻の巻末漫画に描かれていました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 31
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ひなたに咲く

とある田舎のスローライフコメディ。
感性豊かな子供たちが楽しく暮らしている。

蛍が楽しんだ。
飼い犬「ペチ」との散歩。
四季折々の風景が美しく眩しく描かれ、
春夏秋冬、たくさんの遊びに夢中になる。

穏やかに楽しく生きてみよう。
{netabare}雪だるま、かまくら、氷のすべり台、
クッキーを焼き、夏休みの宿題に奮闘する。
木の実を食べ生きる森の生物たちとの出会い。{/netabare}
優しい時間が、ここにもあります。
そして過ぎ去った人生の景観に想いを馳せる。

春は新入学・新社会人と、
希望が溢れる季節でもあるのですが、
新生活が始まり戸惑い、日々楽しむ事を忘れる。

ひなたの風景は自然の恵み。
世界には美しいものがたくさんあるのだ。
大事なことを教えてくれる良質な短編です。

こんな風に生きていけたらと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 36

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

安定のクオリティ(笑)

のんのんびより りぴ~との未放送エピソード的なOVA。なのでTV放送されたりぴ~とと同じOP/EDがついています。

タイトルは「蛍が楽しんだ」となっており、冬/春/夏/秋の4パートに別れています。たぶんどのエピソードも原作にあったと思います。特に冬と夏は原作の方も強く記憶に残っていたエピソードでした。
(ん? いや、春はアニメオリジナルかな…?)

夏はちょっと異色ですが、基本的にはほたるんが田舎ならではの体験をしている感じでしょうか。

ネタバレはしませんが、ほたるんが楽しんでいる一方でこまちゃんには相変わらずさりげなく小さな不幸が襲ってきています…。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24

68.9 81 2016年度アニメランキング81位
RWBY Volume2(日本語版)(OVA)

2016年10月26日
★★★★★ 4.1 (37)
287人が棚に入れました
物語は科学技術と魔法が同居する世界『レムナント』が舞台。コンピューター管理されるシステムやロボットやタブレット端末のよう先進的で科学的なアイテムが登場する一方で、自然界の力の結晶『ダスト』や生命の魂が持つ力『オーラ』などのファンタジックなガジェットが存在する世界。この世界には人類や動物のほかに、獣の器官を持った獣人『ファウヌス』のような種族も存在する。そして『グリム』と呼ばれるモンスターが存在し、人類はグリムによって永い間暮らしを脅かされ続けているが、現在はダストの発明やグリムの討伐や治安の維持を行う『ハンター』の活躍により、平和な生活が守られていた。物語はハンターを目指す1人の少女『ルビー・ローズ』が、ひょんなことからハンター養成学校『ビーコン・アカデミー』に入学するところから始まり、仲間たちとともに成長してゆく姿を描く。

声優・キャラクター
早見沙織、日笠陽子、嶋村侑、小清水亜美、下野紘、洲崎綾、豊口めぐみ、斉藤壮馬、前野智昭、中島ヨシキ、伊藤静、潘めぐみ、三木眞一郎、甲斐田裕子、井上麻里奈、緑川光、井上和彦、浅野真澄、てらそままさき、中村悠一、木村昴、井上喜久子

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「Time To Say Goodbye」Monty Oumよ、永遠なれ!バトル、恋愛、青春の全てが詰まった米国発の傑作アニメ第2期!!!

2014年夏頃に公開されたアメリカのRooster Teeth社の3DCGwebアニメ『RWBY Volume2』の日本語吹替版です
英語版の『Vol2』自体は現在でもYoutube等で無料で視聴することが出来ます


10月1日より2週間限定で全12話をひとつなぎに上映する形のイベントが開催中
新宿、池袋、川崎、名古屋、なんば、博多にて劇場公開され、劇場限定BDも発売
吹替版パッケージの一般発売は10月26日


今作で注目して欲しいのはRT社そのものの資金力や技術力が前作から底上げされたことで、より映像クオリティが上がった点
特にモブキャラが前作ではのほどシルエットのみだったのが一人ひとりモデリングされている点や場面転換が多く背景となるフィールドが広大かつ多彩になってる点はみどころです
また、日本のCGアニメからの影響か、輪郭線を強調する効果で所謂「嘘パース」も取り入れてきてます


それとシリーズの産みの親であるMonty Oum監督の、惜しくも遺作であることも忘れたくないです
Monty監督は今作完成後に予期せぬ体調不良とアレルギー性発作で急逝されました・・・
フリーの動画職人時代から一貫してスピーディーなCGアクションを手掛けてきたMonty監督
今作では特に彼のアクション映画ヲタクという一面が垣間見られ、『ウルヴァリン』『トランスフォーマー』『マトリックス』『ファイナルファンタジー』『スターウォーズ』などのオマージュが散見されます


そしてRomanとチームRWBYの決戦はそれらMontyアクションのひとつの到達点とも言うべき完成度でしょう
克目してご覧いただきたいです
ストーリーもバトル、恋愛、将来への不安、と青春ドラマとしての構成も非常に良く出来ていて、現時点でのまさに最高傑作と呼ぶに相応しいかと思います


ちなみにチームRWBYが二人組のコンビネーション攻撃行う際にRubyが叫ぶ「フリーザーバーン」や「チェックメイト」
これは元々英語圏のファンが二次創作でのカップリングを呼称する為に作った言葉の一部を公式が取り入れたものなのです
日本人ならYangとWeissで“ヤンワイ”とか言ったりしますがコレが英語圏では“ Freezerburn”になるという訳ですよ
Monty監督やRT社がファン参加型で作品制作を心がけていることがよくわかる一面です


ああ、ボードゲームのシークエンスの元ネタはもちろん『遊戯王』ですね
アメリカでの『遊戯王』人気が伺えるオマージュです
ツヴァイという犬が登場しますがこれは『カウボーイビバップ』のアインにあやかっています
そしてこれは全くの偶然ですが『一人乃下』でも早見沙織が演じる宝宝がハイヒールのせいで苦戦してましたねw
早見沙織とハイヒールの相性は悪い?ようです(笑)


視聴の前に『Volume1』をおさらいしていただくのは当然として、もし未視聴の方がいらしたら『Vol1』よりさらに1年前に公開された4つの“Trailer”を必ずチェックして欲しいです
『vol1』の特典映像として付属していますが動画自体は現在も無料公開されています
『Vol2』では“Trailer”で張り巡らされた伏線が回収されていくので“Trailer”を観てるか否かで面白さが俄然変わってきますよ!
また、パッケージの特典映像には『World of Remnant』という世界観解説動画が付いてきますので併せてご覧頂くとより理解を深めてもらえます
もちろんこの『WoR』も無料公開され続けておりますが、パッケージではナレーションを吹替に切り替えることも出来ます
無料公開され続けている作品に付加価値を足してパッケージにする商法、ホントかっこいいですねb


最後になりましたが今作でも打越領一音響監督が率いる【超豪華声優陣】の名演を楽しんでいただきたいです
今作が日本の声優の実力の高さを改めて教えてくれた、洋画吹替の魅力を再認識させてくれました
長いことアニメを観続け、『RWBY』という作品自体も繰り返し観てきたにも関わらず、オイラの中の価値観はこの日本語版シリーズをキッカケに大きく変わったのです
大変感謝しています


ああ、エンドロールの後の衝撃的な“最後の一人の声優”はお聞き逃しなくw
もはやキャスティングに驚かされることもないだろう、と思っていたのに劇場で変な声が漏れるほど驚きましたw


Ruby Rose(ルビー・ローズ)早見沙織
Weiss Schnee(ワイス・シュニー)日笠陽子
Blake Belladonna(ブレイク・ベラドンナ)嶋村侑
Yang Xiao Long(ヤン・シャオロン)小清水亜美
Jaune Arc(ジョーン・アーク)下野紘
Nora Valkyrie(ノーラ・ヴァルキリー)洲崎綾
Pyrrha Nikos(ピュラ・ニコス)豊口めぐみ
Lie Ren(ライ・レン)斉藤壮馬
Ozpin(オズピン)井上和彦
Glynda Goodwitch(グリンダ・グッドウィッチ)浅野真澄
Cardin Winchester(カーディン・ウィンチェスター)木村昴
Sun Wukong(サン・ウーコン)前野智昭
Penny Polendina(ペニー・ポレンディーナ)潘めぐみ
Roman Torchiwick(ローマン・トーチウィック)三木眞一郎
Cinder Fall(シンダー・フォール)甲斐田裕子


↓『Volume2』からの新キャラと吹替キャスト↓
Neptune Vasilias(ネプチューン・ヴァシリアス)中島ヨシキ
Emerald Sustrai(エメラルド・サストライ)井上麻里奈
Mercury Black(マーキュリー・ブラック)緑川光
Coco Adel(ココ・アデル)伊藤静
James Ironwood(ジェームズ・アイアンウッド)てらそままさき
Adam Taurus(アダム・トーラス)中村悠一
???(???)???

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

吹き替えにより感情移入しやすいVol.2

アメリカ発、日本アニメーションとの親和性の高い3DCGアニメ、RWBYのVol.2
Vol.1の話は世界観とキャラクターの描写がメインだったと感じますが
Vol.2からは物語が大きく動き出します。
随所に躍動感のある派手な戦闘シーンとさまざまな伏線が貼られており
150分越えの映像ですがVol.1を楽しめた諸兄なら飽きることなくご覧いただけるはず。
私としては特に前半でチームRWBY全員で戦うシーンの連携が
何度でも観たいお気に入りのシーンです。

さて今回は日本語吹き替え版を観る前、今年の冬頃に原語版を視聴したことが
あったので、原語版を観た時のイメージと比較してみました。
そこで最も感じたのはチームRWBYとチームJNPRのメンバーの絆が深まっていくドラマが
日本の豪華声優陣に演じていただくことでより感情移入しやすくなっていると感じます。
また原語版でわかりづらく感じた言い回しもとてもわかりやすく、
テンポ良く翻訳されているので視聴しやすいです。
ただ、先ほどあげたチームRWBYの戦闘シーンで連携時に二つほど
わざわざ日本語訳しなくても良かったのにと感じられる用語がありましたが・・・

また、新キャラクターでは中島ヨシキさんが日本語吹き替えを担当されている
ネプチューンというキャラクターの演技が日本ならではと感じられて興味深いです。
ネプチューンは一見二枚目でふたをあけると三枚目という印象のあるキャラクターなのですが、
三枚目としての演技が原語と日本語ではだいぶ印象が変わって見えた点が好ましいです。
やはり海外の方が演じられるとどうしてもダンディな声に聴こえてしまい
ひょうきんなキャラクターでもニヒルに感じられる日本人的なフィルターが私にはあります。
そこが中島ヨシキさんの名演により日本のアニメらしくローカライズされていることが
諸手を挙げて賞賛したい部分だと考えています。
その他のキャラクターについてもさまざまな有名声優さんの名演が光っていますので
何度でも観て聴いてみたいところです。

2か月後にはVol.3日本語吹き替え版公開を控え、今月中に
オリジナルはVol.4も公開されるということで、色々と熱い時期を迎えているRWBY。

Vol.2の劇場公開は上映館数が少ないながら約2週間ありますし、
10/26(水)にはVol.2のBD/DVDが発売されます。
Vol.1を観て気になられた方は是非ご覧いただければと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ここまでする?迫力ある超人的バトルアクション

 RWBY、前回見た今回一年後に続き、上映されたです。上映劇場も限られている中で、前回と気分変えるため、近くの地方で見てきたです。前回は売りきれか?なかったか?のパンフは今回、前回のを含め手に入ったです。

 新キャラ登場から始まったです。ただならぬ展開の予感が、したです。
 学食でなんだかんだ騒ぎを起こすアクションは、このアニメならではでしたです。{netabare}「正義とは甘く、時には辛く、コクがあって癖になる~」、言葉の意味がよくわからんが、とにかくすごい自信だ!です。{/netabare}悪ふざけなのか?喧嘩なのか?ずいぶん大それた食べ物を粗末にした騒ぎだったです。

 物語として、ハンター目指すルビー達4人が、前回最初から出てきている杖と帽子のキザ男と指揮するホワイトファングを追って、所々にバトル勃発する展開ですねです。

 人間離れした、超人的な身体能力と武器の扱いに相変わらず迫力あったです。ロボットとのバトルで、これも凄いけど、あの攻撃で操縦しているキザ男が、生きていることにそれもそれで凄いと思ったです。

 敵の潜入アリ、やや恋ばなアリもあって、どこか謎アリで、前回とはやや違う印象もあったです。{netabare}パーティでドレスを着た男が、女戦士たちと踊るシーンが面白かったです。ルビーの犬が、郵便物で詰められてやってくるし、ちゃっかり戦いに参戦している所が、ルビーの犬らしいと思ったです。

 最後の方で列車バトル展開から、グリムという怪物たちが街に出てきて{/netabare}かなりの激戦になるのもこのアニメならではだと思ったです。

 次作のいろいろと、このアニメの全容の見えるような意味ありげな終わり方が、気になってしまったです。{netabare}ルビーのお姉さんヤンを助けた謎の戦士は一体?{/netabare}今回も声優さん達の演技が、光ってたです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7

68.7 82 2016年度アニメランキング82位
ガーリッシュ ナンバー(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (646)
2622人が棚に入れました
かわいい外見と世を舐めきったメンタルを持つ女子大生・烏丸千歳。
夢と希望と野心を抱いて踏み込んだ声優業界で、彼女が目にしたのは、おかしな業界のシビアな現実の数々だった――。
仕事なし×やる気なしの新人声優・千歳に、人気声優への道は開けるのか!?

声優・キャラクター
千本木彩花、本渡楓、石川由依、鈴木絵理、大西沙織、中井和哉、梅原裕一郎、堀内賢雄、江口拓也
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

リアリスト渡航氏が世に問うた綺麗事では済まされないマーケットの現実

原作:Project GN
監督:井畑翔太
構成:渡航
アニメ制作:ディオメディア
主要キャスト
烏丸千歳cv千本木彩花(主人公:「ナンバーワンプロデュース」所属。新人だけど努力も苦労もしたくないクズ)
烏丸悟浄cv梅原裕一郎(ナンプロのマネージャー。千歳の兄。バカ妹に手を焼いている。)
久我山八重cv本渡楓(千歳の同僚で新人声優)
片倉京cv石川由依(千歳の事務所の先輩声優)
苑生百花cv鈴木絵理(両親の七光りで脚光を浴びるJK声優。黒いガキ「ヴォイスエンタープライズ」所属)
柴崎万葉cv大西沙織(プロ意識とプライドが高い人気声優。自意識過剰「いろはプロダクション」所属)
九頭(くず)Pcv中井和哉(アニメのプロデューサー。製作委員会で販売を担当している外見も中身もチャラ男)

原作未読。

12月21日追記
※師走でもあり、また忘年会や各種夜の会合が重なり、他の作品のレビューへリソースを割いている為、本作の各話レビューが停止して申し訳ありません。
{netabare}七海の登場で本作は大きく動き、あのちーさまが自らを振り返り成長の兆しが見えてきた予想外の展開となってきました。
そして、渡航作品の醍醐味の一つ、兄悟浄と妹ちーさまの会話劇は『俺ガイル』や『クオリディアコード』以上の切れ味です。{/netabare}
既に本作は佳境に入り、今後は総評で締めたいと思います。
渡航氏が本作で伝えたかったことは単なる内情暴露ではなく、リアリズムという見方によってはねじれたフィルター通し、偽善を求めず世の中の裏と表の関係性から「エンタメの商品価値」を問うた作品です。
本作を他のアニメ作品と相対比較しただけの表層を浚う程度では、渡航氏独特の斜めに構えたメトニミーは理解できないでしょう。
本作を的確に理解する為には、幅広い人生経験もまた必要となりますことから、視聴者を選ぶ作品でもあり、世俗に塗れる、つまり世の中の裏を見ている経験など視聴者の社会的な立ち位置で評価もバラつくと思います。

ここで暫定ですけど、点数評価も行います。
各点の根拠は総評で記述します。
--------------------------------------------------------------------------------

7話まで視聴したので中間レビュー的に追記します。
(他の業界作品との類似性について)
本作から『それが声優!』や『SHIROBAKO』のような展開を期待している声も多いようですが、本作の内容はかかる作品へのアンチテーゼではありませんし、アニメのプロデュース段階から描いている点で、声優とアニメ制作に特化した両作とは異なりアニメ作品誕生から業界を俯瞰しているゆえに、両作とは一線を画したストーリーとなっています。

確かに『それが声優!』と『SHIROBAKO』並びに『アニメーション制作進行くろみちゃん』は本作を視聴するに当たり「参考」とはなりますが、上記のとおり切り口や視点が全く異なるので「比較」には至りません。

また、『それが声優!』や『SHIROBAKO』が業界を正確に描写しているかというとそんなことはない。
どちらもそれぞれの業界の一断面にスポットを当て、世間に見せたくない黒い部分には蓋をし、ストーリー上どうしても表現しなければならない黒い部分はグレーにしてお茶を濁し綺麗にまとめているだけです。

上記に関して、昨今騒ぎがあったので『SHIROBAKO』で分かり易く例えてみますね。

原画セッションは絵麻の成長物語で構成されていますけど、この作品では「動画」の待遇が描かれていません。
原画であっても安アパートに暮らし、具のないカレーで節約している絵麻以下の動画の境遇を描いたら世間はどう思うでしょう?
ほとんどの方はこれで業界の「黒い部分への蓋」を察っして頂けると思います。

つまり、両作とも業界のブラックな部分を虚偽表示手前ギリギリまで希釈し、穿って見れば良いイメージへと「印象操作」をしている作品です。

アニメ制作現場の雰囲気に関しては『アニメーション制作進行くろみちゃん』のエピソードの方が過剰演出ではあってもアニメ制作には関わりたくないと思いたくなるほど、ドロドロとした現場の空気が醸し出されています。(制作したゆめ太カンパニーが結局消滅したのは別としても。)

12月6日追記
長らく『それが声優【裏】』としていましたけど、本作はアニメを一つの商品パッケージとして見ているので、このタイトルでは範囲が狭小であることから変更します。
なお、タイトルは確定で考えています。
この作品、私の見込みの通り他のサイト等でも高評価を得ており大勢はほぼ決着したようで、今更書き足すこともありませんけど、惰性で各話を記述していきます。

第1話メモ

業界ナンセンス物でぶっちゃけ面白いです。
第1話からクズキャラのオンパレード、業界の闇やら毒素が出るわ出るわ(笑)
内容は、デタラメや非常識がまかり通る興業業界では当然の出来事を描いているだけですけど、本来タブーに触れることを果たしてどこまで描ききれるか見もの、勢いで、枕営業まで描いたらお見事です。
あえてネタバレは書きません。
この作品も個人的には当たりでした。

「それが声優!」を未視聴の方は並行して御覧になると、より楽しめると思いますよ。

第2話メモ
おいおい。予想に反して引き込まれてきました。
俺ガイルファンの私としては視聴=嵌る宿命だったか!
{netabare}クオリディアと違って渡航氏単独脚本は清々しいほどエポックメーキングな毒が出ている。
灰汁が強い作品のアニメ化はディオメディアの作風にも合っているようだ。
漫画だと絵柄と性格ギャップが激しい千歳のバカで浅はかで性格悪い毒のある表情が実に巧く表現されている。
キャラデザ、キービジュすっ飛ばしてPVとかディオメディアの実話っぽいし、アニメの制作費とクオリティの話題はディオメディアの自虐ネタか。
このスタジオは王道アニメよりも毒アニメを制作した方が向いているのかも。{/netabare}

第3話〜第4話メモ
はいはい。ここまでクズっぷりを露わにしたら、逆に潔くて清々しいw
真面目に制作してもコケる作品もあるのだから、ナンセンスで作り込むのも有り。
いや、万人受けを狙っていないことすら私は魅力を感じる。
ディオメディアもあえて業界を自虐的に制作しているのだろうし、アンチやナンセンスもので制作スタジオの差別化を図る経営戦略だってあっていい。
この作品、業界ドキュメンタリーじゃあるまいし、内容を真面目に考えてもコレはしょうがないがない。
{netabare}原作者をいびってシリーズ構成降りた脚本家のモデルは存在せず、{/netabare}話しを面白可笑しく盛っただけでないかな。
渡航氏とディオメディアの組み合わせを考えると、仕掛けて来ても不思議と違和感がないw
そもそも、{netabare}脚本家が現実にあの対応をやれば社会人として問題であり、仕事すら干されかねない。{/netabare}

渡航氏が繰り出すネタを【ネタ】として受け止めないとこの作品を楽しめないかなw
クリディアコード作画が逝ってても、今期の万策尽きたー!の多さを見るとA-1の力技で放送落とさなかったのだから渡航氏はさして気にしてないだろうけど、業界クライシスも現実になってきているから、これからは{netabare}先行上映で1話を上映出来ないケースも出て来るかも、{/netabare}ある意味旬というか皮肉たっぷりな内容。
SHIROBAKOだってある種の誇張や事実の脚色はあるでしょうし、むしろ制作進行くろみちゃんの方がギャグで薄めてはいるけど、あれでシビアな現実を表現しているのかもしれない。
{netabare}だからかもだけど、この作品では作打ちネタで炙るだけの脚本も書けるのかな。3話の脚本渡航氏だったしw
荒れた作打ちの結果1話は案の定無惨だったけど、そんなことどこ吹く風でTwitterのフォロワーの方が気になるちー様はある意味「神」だ。{/netabare}
今期はガチな作品が多いし、これぐらいバカバカしい作品も息抜きに丁度いい。
ちー様がクズでも心臓に毛が生えたような糞度胸と鋼鉄のメンタルで乗り切ってしまう、どこか憎めないキャラだし、だからこそ私も乗れるし、毎週観るのが待ち遠しいということは、私的に楽しめている証拠だね。

第5話メモ「渡航氏のまとめCOMPLEX丸出し回だな。ガハハ」
(公式より)
脚本:さがら総
絵コンテ:数井浩子
演出:筆坂明規
総作画監督:木野下澄江、西田美弥子、石川雅一
作画監督:大田謙二、水野隆宏、LEVEL ZERO

{netabare}4話に引き続きさがら氏が脚本か。どーりで渡氏のついは第三者目線なわけだ。
公式見てびっくりしたのは一話にかかっている総作監と作監が6人?どれだけリテイク出てるんだ・・はぁ?
人海戦術はクオリティに対する渡航氏の執念みたいのも感じるね〜草

今回の見どころは心を折られた涙目ちーさまだろう。
リテイクの成果なのか目茶可愛いんですけどw

まぁ、お渡し回の模様が叩かれたのは自業自得なのだけど、ちーさま的には納得いかないんだろうよ。
ちーさまの泣き顔可愛いから、フィルターなんかかけないでもっと泣かせよう。
しかし、妹の泣き顔を見て思わずフォローする悟浄君って実はシスコンだろ。
ちーさまって、あー見えても結構繊細なんだ。

自己愛の塊ちーさまの設定って渡航氏のアニマに潜む女性イメージの具現化かな。
こういうタイプの娘ってアニメキャラにしたら無惨なクズキャラで正直アニオタの敵だけど、リアル仮定の男目線ではどこか脆弱で危なっかしくって守ってあげたくなる魅力もあるよねw
ある意味、アニオタに挑戦状を叩きつけたキャラか。

兎にも角にもギャップ萌えした回だよ。

でもちーさまが何もしていないってのはちょい違う。
あの子は努力型の八重と京と違って天才ではなく【天才肌】なんだよ。
褒め殺しておだてればそこそこの仕事はするんだから、自分の黒歴史は封印してもっと妹のことをナデナデしてやりなさいよっ!

クズPのクズエグさから見ると、世間知らずのちーさまなんて可愛い存在じゃないかいw
結局、クースレは原作者も監督も壊して誰も幸せにはなれなかったけど、更に分割2クールとか死人出そうだな、これ。
そうそう、次回は水着回だよーん☆{/netabare}

第6話メモ「ゴージャスなメンタルの行き着く果ては?」
脚本:渡 航
絵コンテ:井畑翔太
演出:久慈吾郎、井畑翔太、胡蝶蘭あげは
総作画監督:木野下澄江
総作画監督補佐:石川雅一、西田美弥子
作画監督:西田美弥子、小川茜、徳永さやか、大村将司、洪範錫

今回は渡航氏脚本。
相変わらず、作監修正でクオリティを維持してるんだな。

右を見ても左を見ても非難ゴーゴーなこの作品。
社会人であれば、空気のように存在する薄汚さを見せつけられるのがそれ程に嫌なのか、それとも身に覚えがあるが故にブーメランと感じてしまうのか。

本作の表層を浚っただけであるとか、はたまた本作の世界観でもある社会の歪みを直視し、リアリズムへの立脚が可能か否かでも評価は大きく異なるようだ。

リアル社会で様々な辛酸を舐めているならば、本作を観て叩く理由などほとんどないとも思うが、社会経験がない層やアニメはかくこうあるべきとの信念、臭い物には蓋をすべきと考える偽善に立てば叩きたくもなるのかもしれない。
その意味で本作はユートピア社会を求めるポピュリズム階層に対してはドMな役割期待も担っているとも言える。

また、本作はあえて「天然クズキャラ」のちーさまを主人公に立て、登場各キャラの「本音」を抉り易い環境設定にしている点が大きな特徴だ。

一定の社会経験があれば身近にゴロゴロしているちーさまキャラの設定には「苦笑」で応じる余裕は保てるが、彼女の存在をポジティブに捉える事ができなければ、本作への理解も抵抗感という不合理な感情の介入で掻き消されるだけかな。

第6話まで視聴した限り、業界に纏わることの多くはネタで、全てを額面通りに受け取る必要はないでしょう。
また、一部に事実の摘示があっても、尺と演出の都合で大袈裟かつ矮小化されている程度の事は常識の範疇で理解可能であり、したがって本作の内容を以って業界総論とはとうていならない。
ま、本作をどう捉えるかの切り口によるが、社会の縮図としてみるとケーススタディとしての役割は十分に果たしており、社会学の教材としては応分の妥当性はあるだろう。

{netabare}今回、アバンからExcelの収支計算書。
前回赤字発表されたアニメ【製作】幹事社の収支内訳だが、原作使用料1話20万か。
これがラノベの原作使用料相場なのかな。
クースレ方式ならば話数に比例して使用料が増加するが、てっきり放送単位だと思っていた。
渡航氏のカミングアウトかもしれないが、いやいや面白いものを拝見したw
この後、ラノベ作家がデスられるが、渡航氏の自虐ネタが冴えていて面白い。

原作使用料負担の根拠
記事より引用
>日本文藝家協会の規約第25条の「映画制作及び上映等における著作物の使用料は、番組制作費や提供価格等を斟酌(しんしゃく)し、1000万円を上限として利用者と本協会が協議して定める」
ソース
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK2501A_V20C13A9000000?channel=DF280120166614&style=1

上記は映画の例だけど、渡航氏相場が高いか安いかや権利者が誰であるかは別にして、放送アニメでもさすがにタダは常識外かな。
仮にタダでも著作権(ラノベの場合は出版社所有が多い)があるから勝手には使えないだろし、タダならタダという契約も必要になる。

Aパート
赤字開き直りで予算使い込みくず企画クースレ御一行様沖縄到着。
ちーさまの私服、今回は変えているね。この服かわいいんじゃない。誰趣味?
其々の事情で浮かない顔の面々。
ちーさまは生の叩きが尾を引いているが、その他の事情は後々明らかになる。

で、こんな本作の水着回はどうであったかというと・・
ディオメディアよ1カットやらかしたかw勝ったな、ガハハ!
乳首描いていないからBPOは無問題ーってノリかな、いや私は全然構わないがw

この水着回のために劇中歌まで作成とはチカラ入っているね☆うん。
貧乳の百花がちーさまの貧乳を腐してたいるのが笑える。
悟浄君の説得で水着になった万葉のオッパが一番だったな。

使い込み予算が貧弱のゆえの旅行で、声優達は大部屋。
でも、ちーさま以外の声優の本音が出たこのシーンは面白い。
泡盛で盃を交わす京と万葉、悪酔いした万葉は山形弁丸出しでちーさまと百花とに絡む。
彼女達の共通の悩みが明るみになる。
ここを見ればED曲の歌詞の意味が分かるだろう。

すっかり酔っ払っ百花をえげつない枕投げで撃沈し、生での叩きからすっかり立ち直ったちーさま、この脳天気さがマジかわいいw
百花もJKのくせに酔っ払い達に付き合うとはさ、親の七光りに関係なく将来大物になりそうだ。

バーでのくずP&社長とマネージャー達の距離間隔イコール心理的な距離の暗喩演出はなかなか上手いね。
ある意味、詐欺師一歩手前のくずPだが、この程度の思慮の浅いチャラ男はどの業界にもいるだろう。

彼のスキルは押しの強さで、大手のPという立場を絡めて上り調子の時は営業上の利用価値は十分にあると思うが、価値がなくなれば捨て易いタイプでもある。
そのくずPを煽てて果実はしっかり頂く、うん、ナンプロ社長はなかなかの巧者w

Bパート
くずPに対する上司の・・から。
以後、声優部屋宴会では明らかにされなかった百花の憂鬱へと続く。
京や万葉から何かを感じとったのかな。
その後の暗喩が意味深だけど、これ次回以後の伏線だろうからここで見解めいたことは書かないでおこう。

一方リゾート気分のまま声優オーディションに臨むちーさま。
その後の打ち上げで現実を知ることになるが・・・負けたなガハハ!

悟浄君とちーさまの関係はクオリディアコードの霞と明日葉や、俺ガイルの八幡と小町との類似性もあるが、渡航氏のアニマはこういう兄妹関係がテンプレ化しているのかな。
大型テレビ当たった、、勝ったなガハハ!<そいうのはもち腐れって言うんだよ(草)

クースレの打ち上げ会場貧乏くさw
万葉の様子がおかしい・・また酔い潰れた、沖縄からの伏線が続く。

ちーさまが沢山いるよー!ちーさまの代わりも沢山いるよー!

地獄絵図ね・・ボソ・・壁のポスターが・・w

屍クースレ2期を捨て駒にしたくずP、勝ったなガハハ!

今回は伏線回収と今後の伏線と相当内容が詰め込まれた回だった。
これとフリフラの録画は同一回を最低2回は観てしまうのは何故だろうか。
おっと、予告がシュールで吹いたw{/netabare}
ちーさま負けたなガハハ!

第7話メモ「親の心子知らずでもないぞ」
脚本:菅原雪絵、渡 航 
絵コンテ:ひいろゆきな
演出:ひいろゆきな、井畑翔太、胡蝶蘭あげは
総作画監督:木野下澄江、石川雅一、西田美弥子
作画監督:加藤弘将、小川茜、伊集院いづろ、j-cube
{netabare}今回、脚本参加の菅原雪絵さんは、オーバーロードのシリーズ構成をやった方。
内容は万葉と百花の対比回であり、結構マジな内容で掘り下げも深い。
ちーさまは今回脇役に回ったが、親子の関係性は渡航氏には書きにくい脚本かもしれない。
また、今回は、親目線か子供目線かの年代によって、この作品を何としても否定したい印象操作を含めて視聴側のレビューも異なるだろう。

まず、声優という職業に子供が就くとなると大抵の親は反対するだろうし、これは私も例外ではない。
もし、娘がそんなことを言い出したらあらん限りの説得をする。
子供に妙な苦労をさせたくないのは大方の親の本心だ。
つまり、万葉のお母さんは親として普通の感覚の持ち主であることにシンパシーを抱くことがレビューの前提となる。

万葉は役者に憧れてこの世界に入ったのだろうが、それは両親のコンセンサスを得てはおらず、両親とも芸能人である百花との大きな立場の違いだ。
以前に万葉と百花の会話で、万葉は失敗すると後がない背水の陣で声優をやってる旨、百花にカミングアウトしている。

この万葉の答えを百花はどう受け止めたのであろうか。
ここから百花が両親に対する微妙な態度が始まったように思うし、万葉のプロ意識の原点も背水の陣にある。

子供に愛情がない親など基本的にはいない。
愛情の注ぎ方が其々異なるだけであり、愛情の受け止め方もまた異なる。
万葉は母の愛情を十分に理解しているだろうが、でもそれは今の彼女にとってとても重くまた負担に感じている。
そのことが、自宅やスタジオでとった彼女の天邪鬼な言動に如実に表れているが、乳離れしているようでまだしていない子供だなぁと思う。
親に心配をかけているうちは、自立したとは言えないんだよ。

対し、百花。
一生懸命に親離れを模索している最中かな。
万葉の生き方は彼女の人生観に大きな影響を与えているようだし、反面教師としてちーさまを見ている。

ここでは八重との会話に着眼するが、卑屈な八重の態度に「百花でいいよ」「そっちの方が気楽だから」にと両親のプレッシャーへの本音の吐露は、取り繕っている自分と等身大の自分との間に葛藤が生じたからであろう。

親の七光ではなく素の自分自身に存在価値を見いだし、恵まれ過ぎている自身の環境へ疑問を抱きだしたことは彼女の成長を意味する。
そして、環境に甘えている自分自身へのカウンターとして、周囲に甘えているちーさまに対し「ほんとこいつ馬鹿ね、私もだけど…」これは自身のアイデンティティに揺らぐ彼女の本心だろう。

ちーさまスマホの着信音と寝言(ずっと仕事ない)に吹いたwww

さて、本作はちーさまのキャラが濃すぎて他のキャラが相対的に薄くなりがちだが、物語はけっして、ちーさま視点で動いているものではなく、群像劇として観れば自ずと物語に対する視野が広がるし、多くのキャラにスポットを当て物語を組み立てる演出もなかなかのものである。
現時点では作画、演出、構成、脚本とも高レベルの作品だ。

各話レビューはちーさま萌えで記述しているが、親目線としては馬鹿な子ほど可愛いのも反面の真理である。{/netabare}
総評は群像劇としてレビューするつもり。

第8話
脚本:菅原雪絵、さがら総
絵コンテ:井畑翔太
演出:飛田剛
総作画監督:木野下澄江
作画監督:木野下澄江、石川雅一、加藤弘将、徳永さやか、小川 茜、大村将司、上野卓司、是本晶、陣内美帆、石田啓一、YuMinZi
{netabare}相変わらず、作監レベルでクオリティを支えているが、ディオメディアの本作に対する意気込みが感じられる。
一部動かないとの指摘もあるが、はて、日常アニメにモーションがそれ程必要なのかな?
寧ろキャラの表情や、ボディーランゲージのような微妙な表現にはユーフォ2並に手を抜いていないとも思う。
実際、この作品、意外と暗喩が多く、作画に自信がないとこういうコンテも出来ないだろう。
その点でも、無闇やたらに声優の演技に頼る会話劇とは一線を画した作り込みだ。
私的には物語の性質と鑑みて十二分に満足のいくレベル。

さて、今話はちーさま抜きで物語が進む。
こういう思い切った構成も好感が持てる。
今までは、悪巫山戯が多かったが、今話はガチで物語を組み立ててきた。
この緩急の付け方は巧みであるし、高度な構成力を窺わせる。
舞台は万葉の実家である温泉宿だが、クズPもしっかり同行w

しかし、クズPの排除はせず、咬ませ犬的に用いたのは次回の伏線を含めて上手い演出だと思った。
この回のメインは、万葉と百花と絆の深化、双方の親の意識の相違、不器用な万葉の父だが子を想う愛情の深さを万葉が再確認をして一つ皮が剥けたこと。
百花は自分探しの旅を万葉の里帰りに求め、今後の自分の方針に踏ん切りを付けたこと。
今話は万葉、百花の成長物語だ。
私的には万葉の父親の気持ちが痛い程分かるし、これほど感情移入をした回もない。
いや、ホント男親は不器用なものなんだってw

今話も前話に引き続き、菅原さんの脚本。
渡航脚本とは違う味付けで、本作の土台を崩さずしっかりと緩急を付けたシナリオは見事だ。
今後、他作品でも菅原脚本には注視していこう。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 47
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ダメ人間喜劇

ガーリッシュナンバー修羅というWeb配信の四コマギャグ漫画を見ているのですが、アニメよりも登場人物全員が馬鹿になってて面白いですよ。

【1話時点でのキャラの印象】
{netabare}
烏丸千歳
本作の主人公。声優。性格はクズ!(公式認定)
初回にてそのクズっぷりを表す行動、発言が連発。ラノベだからといって原作を読まずグータラ!(仕事をもらっておいてとか、役者としてどうなのとか、色々思うがとにかくクズい!)原作者であろうが、裏では容姿に対してボロカスな評価をしている(裏表がありすぎてドン引き)。地位と名声、そして金が大好き!アイドル声優上等!(欲求に忠実!)
こんな声優さんいやや…こいつに良心はないのか!とまあ、見事なクズキャラとして成り立ってますね。

園羽百花
クズの先輩…ではなくアイドル声優の先輩。年は主人公よりも下らしい。 世渡りが上手い。こちらも原作者を裏ではボロカスに言っている。二世声優(この設定がまた黒さを感じる)

九頭(くず)P
お調子者で仕事は適当?。シースーとか言っちゃう時代遅れなプロデューサー。実はケチ。

難波(なんば)社長
この人のとりあえず流行ってるんだろ的なノリで「勝ったな!」を連呼する適当感が良い。(ヱヴァがネタを今さら?というその遅さが全然アニメに興味ないことを伺わせて笑える)勢いとノリで生きてきたタイプだろうか。でも実はケチ。

{/netabare}
【クズを克服する話ではなく、クズのまま立ち回ってほしい】
{netabare}
キャラクターが一癖も二癖もあるこの作品。クズ主人公にクズの仲間が惹かれあい、お調子者なPと適当でノリでgoサインを出すアホ社長の超適当なアイドル声優企画に主人公は抜擢され、金と名誉に目がないクズな主人公はヤル気満々。ダメ人間達の野望が渦巻く桃園の誓いなのか。あきれる真面目な兄兼マネージャー。

欲望に忠実なダメ人間サイドが、真面目サイドの人物達をどう困らせていくか。実に楽しみですね。
間違ってもダメ人間が全うな話になる雰囲気じゃない喜劇だと期待しています。
{/netabare}

【2話感想】
{netabare}
千歳調子乗ってますね~。挨拶の基本が崩れてきてるのが見ててなんかもどかしい。
声なき悲鳴というのは原作者のことなのかな。原作側に座っていた喋らない人、もしかして原作者?
それにしても千歳ヒロインのアニメのPVが酷かった・・・それにうおおお!とかいっちゃう観客を描かれるとなにか馬鹿にされている気がしてならない・・・でもまあそんなもんなのかね~

{/netabare}

3話ー4話【求められている内は花】
{netabare}
百花が良く口にする「それが求められているんだから、良いじゃない」というのが今後の話の軸になっていくのですかね。
ただ求められていること(中身のない、くだらないことでも)をやって、今は受けがいいが、飽きられたらどうするのか?自分達に何が残るのか?(そこまで追いつめるかは分かりませんが)

千歳は求められていることを喜んでこなしますが、他人の目を気にするタイプでもあります。(ツイッターの反応を気にする辺り)さて、千歳が求められなくなったらどうなってしまうのか、今後の展開を期待します。

また、ステージ本番前の千歳が不安感をあらわにしている描写があります。本番中はあれほど堂々としていたのにこのギャップはなんでしょう?これは千歳が実は普通の女の子と同じですよ、ということなのか、期待に弱く、逆境、本番に強いという性格の現れなのか…。でも、新人の時の本番前にその不安に襲われた気持ちは、大事に覚えていてほしいなあ、と少しいとおしく見えたシーンでした。

百花の方は求められていることがくだらなくても、求められているならそれで良いと肯定するのは、諦めなのか、求められないことの辛さを知っているからなのか。それともそれを否定したとき、自分に何もないことが怖い感情からの逃げなのか。こちらも気になります。

蛇足ですが、千歳の卵焼き?のデザインがされた服が印象的です。彼女の服のセンスはどう量れば良いのでしょう?現実の声優さんでも私服のセンスが微妙と思われている人がいますが、そういった声優さんのエッセンスを取り入れているのかもしれません。
{/netabare}

5話【だめだよ、だって仕事だもん】監督ッ・・・!

{netabare}
監督さん、YESマンなだけだと思っていましたが、引き受けた仕事をやりきる、すごいな、当たり前だけどしっかりしてる。

作品内の制作会社の仕事ぶりは、あまり描写が無いですが、封筒がいっぱいあるんだなあと少し感心しながら観てました。

仕事を終わらせるプロ意識がある監督、仕事に手を抜く千歳。何でも頑張る八重達。

皆何かしら頑張っているけど、何もしていない千歳。千歳に明日はくるのか。

お渡し会っていうのは声優さんが渡してくれるんですか。知らなかった。

しかしアレですね。空戦を作っていた会社とは思えないぐらい今の所しっかりしてる。どこの絵をとっても表情可愛いし・・・。作画崩れたみたいな場所も感じないし、そういう噂もきかない。

{/netabare}

【6話ー沖縄だ!勝ったなガハハ】
{netabare}
九頭Pガチクズ…。
さて、少し疑問なのですが、沖縄にいってpv作って予算を使えてなぜ良かったと安堵しているのでしょうか?そこら辺の仕組みがよく分からないですね。

今回一番可愛かったのは柴崎さんかな?酒に酔っていつもは押さえている感情をコミカルにぶちまけるその姿に可愛さを覚えます。

それにしても26歳でそろそろ声優やめよっかなと思うとは、現実の声優さんでもよくあるのでしょうか?むしろアラサーにさしかかって売れ始める人の方が最近よくみる気がします。

少しずつではありますが、柴崎さんが千歳達に打ち解けているのがみていて嬉しい回でした。

{/netabare}

【7話-親も色々、子も色々】
{netabare}

柴崎さんは親とケンカ別れで東京に出てきていますが、親はそれでも心配してくれます。東京に子供の顔を見に来る親に対して、恥ずかしいからと邪見に扱う芝崎さん。でも、親が子供の事をいつでも心配に思ってくれることを羨ましくみていたのがが百花。

百花の親は、子供をもう子供扱いしない。声優のプロとして自分で判断できると思っている。ですが百花は、親が自分を心配してくれること、つまり必要とされることを望んでいます。だから、気にもしていない水着の事をきいて、親の気をひこうとしました。そんな子供じみた願いと遠回りの行為が「あほくさ」「(バカな千歳を見て)わたしも」なのでしょう。

特定の誰かに心配されたいという気持ちに焦点を当てた回でした。

京の柴崎さんへのフォローが上手くて、バイト生活でも大人ですよね。他者を心配できる余裕がありつつ、自分自身の将来のこともしっかり見ている。親に言われなくても親の心配もするし。

次回の温泉街って背景見て一発で分かってしまったw銀山温泉ですね。
{/netabare}

【8話~どいつもこいつも不器用だ】
{netabare}
温泉回だ勝ったなガハハ。え?ちーさまいないの?

まあそれはそうとして、百花も百花の母親も、柴崎さんも、その父親も。みんなみんな気持ちを伝えるのが下手。そのせいですれ違ったり、心配したり、気を引こうとしたり。

でも、誤解が解ければ、ほんの少しの言葉でわかりあえる。「行ってきます」「体に気を付けろよ」恥ずかしさを隠したいからそれでいい、相手が不器用なこともわかってる。

百花の方も、わかりづらい親の愛だったけど、百花にとって「まってるわ、私のライバル」という母親の言葉は、いつも自分のことを見ていてくれいる、親にとって自分が特別な存在であることを理解するのに十分な言葉だったのでしょう。


今週はガリナンに似合わない感動回という感じですが、たまにはいいじゃない、心が通じ合うことをテーマにしたって。柴崎さんの父親が泣いてる子供時代の柴崎さんと家族の写真を見て「あいつの声は昔からよく通るからなあ」という言葉に、柴崎さんが覚えていない子供の頃のことを父親が覚えているって、ああ、この人は本当に子供の事を見守ってきて、子供のことが本当に好きなんだ、と考えて、ぐっときて、涙が出てきました。子を思う親の顔に弱いな…(笑)

ところで今回舞台となった銀山温泉、旅館には止まったことはないので、綺麗な夜景、みてみたいな。

【ここまできて一話で書いたレビューを振り返る】
さて、一話の時点で「ダメ人間喜劇」とタイトルをつけ、ダメ人間サイドが真面目サイドを困らせるというコメディ喜劇を求めましたが、若干違う方へ向かっています。
真面目サイドがいるのではなく、みんな少し変だけど、頑張って生きてる。明るく、面白おかしく、前を向いて。そういう、明るさが喜劇にとって必要なのかもしれません。
今のところ、自分の考えていたただ面白いという喜劇の枠組みを新しく考え直せたので、この作品には感謝してます。
{/netabare}

【9話~後ろから押され始めた】
{netabare}
新人声優の入れ替わりは早い・・・!主演を1回やったらもう新人扱いは出来ない。ナンプロの社長は行き当たりばったり感出してるけど、狙ってやってる感じはしますね。賞を取った声優を掻っ攫うとはナンプロ社長やるなあ。

京の扱いを見ると主演1回演じさせて、売れなかったら切るみたいではないようだが、千歳はどうなのなることやら。

業界でのポジションを得たと思っている千歳ですが、そういうことじゃない、周りの人が目の前の仕事に集中していて、千歳は手抜きばかり。

やはり安心できる人や、仕事がなくなって不安を感じる千歳は「普通」の部分があって、成長できる所をもっていそう。

悟浄くんは1回主演演じてやめてしまったらしいけど、何が理由だったのか・・・。千歳のように慢心?家庭の事情?「つまんねえ芝居」といった厳しい発言は自分の過去に被るから?
いつもクソだの価値が無いだの千歳をボロクソにいっているが、誕生日プレゼントを用意してるあたり、大切に思ってるんだなあ。今後は千歳が変わるために兄弟が鍵になるのでしょうか。
{/netabare}

【10話~気付いたら周りにはだれもいない】
{netabare}
ちーさまようやく特別扱いされてないことを気付いたかー。でも今の現状から変われると思えていない状態。そもそもちーさまが特別扱いされていたことの描写が薄いかもなー。多分新人のちやほや感や、主演を政治で獲得したことが特別扱いなんだろうけど。

そして周りは売れて、ちー様は売れていないことにも気付く。

九頭Pはようやくやる気でた。来週から頑張るのか?

ナンプロ社長さんはあえて厳しい現実を突きつける役回りともとれるな。人に嫌われるような損な役周りも社長としてこなさないといけないし。ただそれでもまだ情けをかけるあたり、やはり根は悪くないと思いたいが・・・(9話の感想でも書いたけど、一向に売れてなかった京を置いてるのだから、頑張っている子には甘いのかもしれない。)

悟浄君は目が出なかったかー。それ以外にも何かあるのか・・・ちーさまは身内でありながら何も知らんのかい!声優の技術的アドバイスが出来ないのは、悟浄君が自分を下手だと理解しているからかな。 {/netabare}

【11話~一番になりたい】
{netabare}
ようやく自分のやばさを認識し、気落ちする千歳。現場の空気を悪くする。
ナンプロ社長、素顔を見せる。人を育てるって難しい。
千歳以外のキャスト陣、千歳の評価はボロクソだが、やっぱり千歳が好きなんだな。
悟浄君の過去。京と同期だったのか。
悟浄君に皆が千歳のためにアプローチをするよう訴える。

千歳の自己評価と現状の辛さを告白する。そして悟浄君に勇気付けられる。

自分の中の駄目な部分を受け入れつつ、挫折しても何とか立ち上がれた千歳を見ると、何かエネルギーをもらえます。失敗しても、自分のダメさにうんざりしても、何とか諦めずやっていく。その前向きさがこの作品の良さかもしれません。

{/netabare}

【最終話~勝ったなガハハ!】
{netabare}
千歳が現場へ走るシーンと転ぶシーンの緊迫感が良いですね。いろいろな事を誰かのせいにして努力せずにいた千歳が走る。転んでも走って現場に向かう。色んな言い訳をとりあえず忘れてとりあえず走る。何かしなくちゃいけないという意思を感じます。

千歳の自分の引け目の告白からの、これからの方針をぶっちゃける。
いつものちー様が戻ってきたけど、いつもとは少し違う、すこし成長したちー様。

そして渾身の「てやー!」で笑ってしまった。ここからいい雰囲気で現場が回る。そして全員での「てやー!」。少し抜けた感じの真面目が面白い。

そしてまた遅刻して、今度は迷わず走る千歳。(寝間着から着替えるときにいつもの玉子焼きの服がタンスに大量に(笑))大して現状は変わってないかもしれないけど、少し変わった千歳。ダメ人間はダメ人間なりに頑張って生きてる。

ライブシーンでこの作品の物語の終わりを感じ、満足感と名残惜しさを感じました。

そして、またダメ人間から出る、ダメそうな企画。まあでもなんとかなるでしょという明るい雰囲気。

色々辛いこともあるけれど、頑張って生きてることを描いた作品でした。

でも頑張っているっていっても明るくいこうじゃないという、最後の「勝ったな、ガハハ」の流れから、気楽さや人の適当さへの肯定を感じて、とても明るく前向きな作品だと感じました。

{/netabare}

総評
{netabare}

色々つらいこともあるけど、頑張って生きようと、前向きにさせてくれます。

それでいて気負いをさせるような説教くささがなく、気楽でいいんだよという明るさをもっています。

頑張って生きて、辛いことが終わったら皆で笑い合おう。そんな明るさと楽しさを持った作品です。

{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 54

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

消費者のピュアネス

【視聴完了して追記】

主人公について、「ゲス」とか「クズ」とかいった形容をつけようとする観方に違和感がある。
このような言葉が持つ「計算高く下劣な人格」といった印象よりも、むしろピュアで素直な印象を受けるのだが、これは、ある種の世代に属する主人公の人格造形が、非常に高度に構築されている表れであるように思う。


この場合の「ある種の世代」とは、ゆとり教育を受けた世代、という事であるようだ。

いや、学力がどうこうといった、侮蔑的あるいは揶揄的な意味で言っているのではない。
文科省が「ゆとり教育」という名称で提供してきた教育「制度」という、文字通りの意味に過ぎない。

「ゆとり教育」の核心は、学力やら公徳心やらという問題ではなく、教育を「生徒という消費者に提供するービス」であると文科省が位置付けたことにある。
生徒=消費者、教育=サービスというドグマは、この10年以上も文科省の文書に頻出し、教育制度を改訂/コントロールする根拠として使いまわされている。

教育という公領域の行為を商取引と同一視して不都合は生じないのかという議論はさておいて、ほとんど唯一の社会領域である学校で「消費者」であると位置づけられた生徒は、自分が「100%の消費者」であるという自己像を形成することになるだろう。

内田樹によれば、「消費者マインド」を内面化した生徒は、ほとんど不可避に「いかにして少ない手間=学習で、成果=成績/進級を入手するか」に一面化した思考に支配されるという。
なぜなら、もう一方で消費社会がもたらす「市場原理」の内面化が、「消費者」は交換において「最小のコスト」で「最大の利益」を引き出すように振る舞わ「ねばならない」、と強制するからだ。
「ねばならない」という「強迫」が、倫理的な「規範」に転化してしまうのが「内面化」の特徴であり、このような「消費者マインド」の生徒にとって、教育は成績という外部的な評価の獲得が目的ではなく、自己の能力や可能性の開発であるといった正論は、「キレイ事」であるどころか「邪悪」で反倫理的な異端思想のように忌避されるらしい。


このような「学校教育」を素直に身に着けた生徒が、サービスの供給者になったときにどう振る舞うか。
本作の主人公の行動が、それを表現している。

「いい仕事」ではなく「ウケる」という得点の獲得を目的とし、手間=コストを最小にする事に集中的に注力する。
何もしないのに、「ウケ」て「勝ち」組になれれば理想的だ。

なんの後ろめたさもなく「ゲスい」態度を隠しもしない主人公は、この「教育」を素直に身に着けてきた「純粋」さを体現している。
いや、むしろ主人公と同世代でいながら「クズ」と感じるのであれば、それは「学校教育」の外部から別種の価値観を「密輸入」して「雑念」を持ってしまった、「学校教育」に対して「不純」で「邪悪」に「歪んだ」感覚であると言えるだろう。

若い視聴者が、「クズ」だと思いながら、何か切り捨てられないモヤモヤを感じているとしたならば、おそらくその感じ方は「正しい」。

何かが否定的な感情を喚起する原因は多様にあるはずなのに、それらを突き詰めて区分することなく、ただ一つの「クズ」というレッテル貼りで済ませて思考を停止する省力化の「合理性」こそが、まさしく「ゆとり教育」の内面化の成果であるのに、そもそも主人公を「クズ」と感じること自体が「ゆとり」の不徹底さの現れであるという矛盾が、「モヤモヤ」の正体だろうからだ。

このような「学校教育」を素直に通過した生徒が社会に出て、いきなり「世の中は消費者が動かしているのではない」と突きつけられれば、不条理、あるいは欺瞞的に感じるのは当然だろう。
そのすれ違いがドラマを駆動する推進力となっている。


「すれ違い」と見せているのは、この主人公の造形が、この世代の若者を巧妙に対象化して、多面的に表現できているからこそだ。

動画配信で否定的なコメントに過剰におびえる描写も、感情的な「好き/嫌い」に過剰に敏感で「嫌われる」ことを極度に恐れる小児的な感性の「矯正」を、「消費者」への「権利侵害」として拒絶することを許されてきた教育制度を反映しているし、「運」で評価をつかむことを疑問に思わない心性もまた現代的だ。

『後期近代の眩暈』のジョック・ヤングによれば、富を独占的にかき集めるセレブリティが貧困層からすら称賛されるのは、セレブリティが本質的に「運」だけで決定される、傑出した何かによって地位を獲得したわけではない、たまたま「運よく」選抜された「われわれ」と同質の存在であるからだという。

努力や才能ではなく、「運」で成功しようとする主人公は、この後期近代でのセレブの必然性に、むしろ忠実だと言えるだろう。


このような理屈から主人公が造形されたとは思わない。
キャラ造りの解像度の確かさが、こういった整合性を結果的に生み出しているのだろう。

しかし、この主人公が「ゲス」に見えるような見せ方が、このようなキャラと「現実」を並べて対象化して表現している証左であり、単純に主人公の肯定/否定を見せようとしているわけではない事を期待させる。

はたして「ゆとり教育」の純粋培養の主人公は、どのような「現実」を見るのだろう。
あるいは、社会は「消費者」から何を突きつけられるのだろうか。


【追記】

お仕事系のアニメとしては、アニメ制作を主題にすることは、プラスとマイナスの両面がある。

仕事をしている人なら誰でも感じているように、「自分の仕事をしている」だけでは仕事はうまく回らない。
仕事が成立しないわけではない。「うまく」回らない。

比喩的な言い方をすれば、どこかで「給料以上の仕事」をしないと、仕事は「スムーズに回らない」

「消費者」的な目線では、ブラック的な奴隷労働と区別されることなく「社畜」というレッテル貼りで済まされてしまうのだろうが、良し悪しの問題ではなく仕事は「そういう」性質のものなのだ。

もちろん「仕事がスムーズに回る」事が絶対の価値を持つことなのかは別の問題で、世界には、列車の運行や郵便の配達は遅れるのが当たり前である国や地域はいくらでもある。
そうしたところでは「スムーズに回る」より上位の価値があるのだろう。

まあ、最近の巨大イベントの進行管理の破綻や、大規模建築プロジェクトの破綻の連続を見ると、日本でも時刻表トリックのミステリが古典文学の棚へ移行する日も遠くないのかもしれないが。

それはともかく、お仕事系の物語では、この「給料以上」の部分をどのような視点から見るかという「スタンス」が、ドラマを進行させるエンジンとなることが多い。

しかし、声優もその一部である「芸能」では、少し事情が違う。

芸能の源流は、遡れば、「何か」を虚空から降ろして憑かせる「神事」だから、そもそも労働と報酬の経済活動のような現世的「俗事」とは水と油だ。
「創作」もまた、現実からの超越を目指す性質上、事情は似ている。

アニメ制作のような芸能と創作を合わせた「業界」では、したがって、何が報酬のための作業であるかの区分が、一般的な労働とは違って非常に混濁している。

例えば、以前『アニメで分かる心療内科』というwebアニメが配信されていたが、通常は、この種の作品では、精神医や心理学者に取材し、そこで得た専門知識をもとにギャグやストーリーを構成するだろう。

が、この作品では、専門家の精神医自身が(シモネタ多めの)ギャグをひねり出しストーリーを作り出している。
はたして日々の診療行為や学術誌の購読は「ギャグアニメの原作者」の仕事に対して、どのような位置付けになるのか。真剣に考えてみると、けっこう一筋縄ではいかない。

こうした、何が「給料分」の作業で、何が「給料以上」の作業か判然としない曖昧さが、不必要な生々しさを生まない反面、「エンジン」を動かす「スタンス」を作りにくくもする。

本作においても、主人公が「消費者」のまま「仕事」を続ける曖昧さを許容する反面、どう報酬=成果と向き合うかがぼやける曖昧さとなって現れることにもなる。
主人公は、(同時に「原作者のライトノベル作家」もまた)何が「創作」活動で何が商取引的な「仕事」なのかに直面することなく、漠然と自己実現を続けることを許す一種の安全地帯として「業界」は描かれる。

結局、「お仕事系」の物語ではなく、ピュアな「消費者」が「消費者」のままでいられる社会の中の居場所探しの物語であって、主人公の態度の否定/肯定は、そもそも主題ではないのだ。
主人公の同僚声優たちの悩みもまた、自分探しの一種であって、「スタンス」は端から問題にされていない。

会社員であるサブ・プロデューサーや芸能マネージャーの「割をくった」ような苦労が、創作活動に特有の不可避の作業であるのか、「給料以上」の労働環境の問題であるかにも回答を出さないのも当然だろう。
「スタンス」を曖昧にするアニメ制作現場という舞台が、「スタンス」を最初から放棄していることを見えにくくしている。



アニメを好む所謂「オタク」は、現実の「損得」からかけ離れた価値観で駆動する「物語」に親しむ性向があり、学校を覆う「消費者」価値観からは逸脱しがちな傾向がある。

そうした視聴者から見れば、ピュア「消費者」の主人公は反感をそそられる「クズ」に見えてくるだろう。
それを計算した上で、「社畜」のようなマネージャー等が「割を食っている」ように見せる「身もふたもない」消費者目線を導入して、彼らの苦労を「創作者の情熱」といった反・消費者的な価値観で無条件に肯定させないバランス感覚が、原作者の持ち味かもしれない。

しかし、こうした互いを相対化する視点が「スタンス」の放棄を正当化し、アニメ制作現場を舞台としながら、「消費者」の居場所探しとして過不足は無いものの、「業界」がいかにして作品を創造する場であるのかという、視聴者を魅了する謎は見せられないままだ。

いくつかの視点を併記する「両論併記」は、その先に何らかの結論を導いてこそ意味を持つ。
結論が無いなら、何も語っていないのと同じことだ。

「ああも、こうも」という多視点は現実的に見えながら、その先の、自分なりの答=スタンスの提出から逃げるなら、創作物として何かを表現しているとは言えまい。
「答は無い」は一つの解答だが、「難しくて選べない」は答ではない。
「一般論の王様」が「ああも言える/こうも言える」と呟くだけで「創作物」になるのは、これを開発したノーベル文学賞候補作家にだけ可能な「技」だろう。

自分探しの末に「消費者」が見出す「業界」という居場所は、単に自分探しの舞台であって、特に「仕事」の現場としての「業界」である必然は無かったようだ。
「業界」の描写に、何かの具体例や意図を見るのは無駄だろう。



結局、若い女性の居場所探しとして着地した物語だが、「消費者」が「消費者」のまま安住できる場として見出したのは、「仕事」から逸脱する「創作活動」の現場だった。

確かに「スタンス」の提出からうまく逃げたように見える。

が、しかし裏返せば、ゆとり内面型の「ピュアな」若者には、一般的な「生産活動」の仕事場に居場所を作ることが出来ない、と言っていることになるわけだが、はたして原作者や製作者は、気付いているのだろうか。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

68.7 82 2016年度アニメランキング82位
フリップフラッパーズ(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (295)
1170人が棚に入れました
あなたには、世界はどう見えているんだろう―――。

扉をひらくカギを手にしたふたりのヒロイン、パピカとココナ。

少女と少女は出会い、そして別の時間、異なる空間「ピュアイリュージョン」での冒険が始まる。

願いを叶えてくれるという謎の結晶体"ミミの欠片"を求め、ピュアイリュージョンを巡るふたりの前に 様々な困難が立ちふさがる。

ふたりに危機が迫ったとき“ミミの欠片”が輝き、そして彼女たちは変身するのだった。

声優・キャラクター
M・A・O、高橋未奈美、大橋彩香、津田健次郎、福島潤、日笠陽子、興津和幸、村瀬迪与、大西沙織、久保田民絵、井上沙香、歳納愛梨
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「ざ!クリエイター天国」物語の破綻は気にしないで、とにかく最後まで視聴してみて

監督:押山清高
ストーリーコンセプト:綾奈ゆにこ(代表作[シリーズ構成]【ろこどる】、きんいろモザイク))
第1話脚本:綾奈ゆにこ
アニメ制作:Studio 3Hz
主要キャスト
パピカcvM・A・O
ココナcv 高橋未奈美

アキバ総研の記事から引用

これは、「天体のメソッド」「Dimension W」を手がけたStudio 3Hzによる新作オリジナルアニメ。監督は押山清高さん、キャラクターデザイン・総作画監督は小島崇史さん、コンセプトアートはtanuさん、プロデュースはインフィニットが担当。変身する2人のヒロインを描いたSF冒険活劇で、変身シーンやアクションが見どころだという。
ーーーーーーーーーーーー

だそうです。

正直ノーマークでしたので、オリジナルなんだ〜へー・・と思いつつ第1話を視聴。
「ピュアイリュージョン」という世界観は面白いですね。

【第11話】メモ「ネガティブアーキタイプは自我を支配する」
{netabare}脚本:ハヤシナオキ
絵コンテ:押山清高・五味伸介
演出:篠原啓輔
作画監督:鶴窪久子、長谷川早紀、小島崇史、杉薗朗子、田中志穂
(1)意識下に抑圧されている自律的な意識
人間の無意識は(顕在)意識が認識するより早く感知し(顕在)意識よりも先に重要な決定をしている。
『Science and Technology(無意識からの回答)』(2009 Science and Technology)
上記は無意識が何らか干渉(物理的、内観的)を受けると意識へ影響を与えることを示した実験結果である。
つまり、イロドリ先輩はPI(無意識)をパピカ達に干渉された結果、記憶(意識)が改変され行動が変化した科学的根拠となる。
また、ソルトの父はミミとパピカナにPI(無意識)を干渉され発狂している。
今回のミミはソルト父により自分のPI(無意識)に飛ばされ、人格分裂(解離)として意識に異変を来たす。
ミミがりんごに手をかけてPIが開く描写で、
「りんご」→「禁断の木の実(旧約聖書)」
の隠喩であろう。

人格分裂(多重人格)は様々な学説があるが、PIは無意識空間であるため、ユング説の論文抜粋を下記(2)に提示する。

(2)ミミの人格分裂からユングの元型論(アーキタイプ)における元型の二面性を考察
2―1 元型の二面性
元型にはいろいろなものが考えられる。
この元型は,意識に与える影響から考えると,ポジテイブな面とネガテイブな面を持つ。
例えば,元型太母(great mother)は,包含機能を中心に恐 母としての死の働きと,善母としての生の働きの二面性を持つ。
ユング心理学の見地から見れば, 無意識は地球全体に匹敵するほどの大自然であり,一方意識は,陸地に発展した一つの都市にす ぎないのである。
・・元型には二面性が見られるが,自我にとっては元型のネガテイブな力の大きさに脅威を感じざるを得ない。

2―3 意識―個人的無意識―普遍的無意識の関係
人間の出生,発達を考えると,出生時は全く意識はなく無意識だけが全てである。
ノイマンはこの状態をウロボロスとよんだ。
やがて無意識から意識が生まれる。
意識はその中心に自我 を発達させる。
自我は社会に対して開かれた存在として自己主張し,経験を通して自己拡大をはかる。
この時,自我に都合の悪いものが無意識に抑圧される。
これが個人的無意識である。
従って個人的無意識は意識に最も近い存在と考えることができる。
一方,普遍的無意識は意識を生み出した母体である。
従って起源的には普遍的無意識の方が個人的無意識より古いことになる。
図示すると

無意識(普遍的)→意識→無意識(個人的)

人の生活は自我を中心になされる。
自我にあわないものが無意識に抑圧されることは前に記したとおりである。
この日常生活上の経過をもとに考えると,意識→無意識(個人的→普遍的)と推移するようにみえるが,起源的には上記図示のとおりである。
無意識内のダイナミックな変化を考えるとき,この無意識の発生起源は重要な手がかりとなる。
加藤實『意識と無意識の関係 個人的無意識の肯定的側面について 』岐阜聖徳学園大学教育学部 2003

参考『ユングが述べる普遍的無意識(集合的無意識)』の意味

大地が草木や動物を育むさまを、母親の豊かさと厳しさに重ねる潜在的な感覚。
渦巻きや暗く深い場所を死と関連づけ恐れる潜在的な感覚。
森の暗さや深さを未知の怪物と捉える潜在的な感覚。
月や太陽に神性を思う潜在的な感覚。
動物、または人間が火と赤い布を同一視して怖がる感覚。
人間は上記のような内面の感覚を、直感的に神や悪魔として恐れ敬っている。
人間は神話や民俗学の知識がなくても、直感的に神話や伝承に通じるイメージを抱いている。
人間は日常生活でも、深い部分で前述のような感覚に影響を受けているのではないか。
だとすると、人間は目に見えない、考え方や連想のパターンに支配されているとも言える。

河合隼雄『ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 』(岩波現代文庫) 2009

「2―1 元型の二面性 」では元型のポジテイブな面とネガテイブな面の二つの性質が説明されているが、正常なミミ(ポジテイブ)と闇落ちしたミミ(ネガテイブ)の関係に当たる。
自我(意識)はネガテイブな元型により支配を受けやすい性質を持つ。
ミミは自分で自分のPIを干渉したために普遍的無意識(集合的無意識と同じ)が作用して人格の分裂が生じ、ネガテイブ元型が意識を支配し起きた現象としてシナリオが組まれたと推測できる。
なお、個人的無意識(PI)が干渉されたとしても、必ずしも意識が侵食されるとは限らないようだ。
その基準は不明。
普遍的無意識、個人的無意識、意識の関係は「2―3 意識―個人的無意識―普遍的無意識の関係」の通り。
なお、本レビューでは
普遍的無意識→集合的無意識
個人的無意識→無意識
元型→アーキタイプ
として記述をしているが、同じ意味である。

次に、PIの二重性だが、ココナとパピカは集合的無意識内の冒険をしているが、エピソードの殆どは誰かの個人的無意識だろう。
現在分かっているもの。
6話:イロドリ先輩
7話:ココナ(メモで説明済み)
8話:ヒダカ(メモで説明済み)
9話:ヤヤカ(下記の(5)参照)
11話:ミミ、ソルトの父(ミミは下記、ソルトの父は一目瞭然で説明不要)
※10話はPIの設定無し。
6話の止め石のようにPIには個人的無意識の入口が無数に存在している。
要するにPI空間とは集合的無意識と個人的無意識からなっており、ミミの欠片は個人的無意識に存在する。
個人的無意識の入口を本作では鳥居に似た門でも描写をしており、6話と11話に登場する。

ココナはミミの欠片がある個人的無意識へ100%の確率で誘導されているが、ミミの欠片はココナの母親ミミの一部であるが故にだろう。

ミミのPI(無意識)はクローバーで満ち溢れていた。
アスクレピオスに対しての攻撃もクローバーが使われた。
クローバーの花言葉「復讐」は、ココナを取り上げた、アスクレピオスに対する隠喩だったのかもしれない。

(3)パピカの足環、成長と退行、記憶喪失の謎
7話でパピカの外せない足環が登場したが、これは研究所で装着された逃亡防止装着だった。
11話ではパピカナは大人になり、おっぱいも膨らみも豊かになっているが、パピカのときは少女に退行をしている。
記憶が喪失した謎も明かされてはいない。
体位退行現象については、御都合設定かもしれないが、現時点では不明である。
11話回想で、ミミがココナを抱いて消えようとした時にパピカナはミミを追い、PIに迷い込みそこで記憶を失い、体位に何らかの変化が生じたのかもしれない。
パピカについては、なお、謎が多過ぎる。

(4)アスクレピオスの正体
もう殆どの方は知っているだろうが、ここのメンバーはミミが居た研究施設の連中で、トップは発狂したソルトの父。
ソルトの父がミミの破片を集めるのは世界征服のため。

(5)9話のPIはヤヤカの無意識
割れた鏡に映るヤヤカとココナの楽しい思い出、ベゴニアの花壇の前で笑う幼い頃のヤヤカとココナ、ペゴニアの花言葉は「片想い」「愛の告白」「親切」「幸福な日々」。
ヤヤカはココナと急激に親しくなったパピカにジェラシーを抱いていることから、ココナに対し片想い、パピカ登場までのココナとの幸福な日々、ココナへの親切。
状況証拠だけど間違いないだろう。
無意識が干渉された後にヤヤカの心境変化が生じる。
11話ではソルトに頼まれとはいえ、嫌っているパピカの背中を押し、ココナ救出へと舵を切るまでに心変わりをしている。

(6)最大の謎。
ミミがココナを連れてPIに消えた後、何故ミミは欠片となり、ココナは通常世界に戻ったのか。
ソルトがミミに銃口を向けた意味と関係がありそうだ。

(7)追記予定{/netabare}


【第1話】メモ
{netabare} 2人の主人公、電波キャラのパピカと優等生キャラのココナがそこヘ願いを叶えてくれる「ミミの破片」を集めに行くんですけど、魔物が出てきて、そう簡単には取得できない設定で彼女等に危険が迫ると新ウルトラマンのように勝手に「変身」しますけど変身シーンもあれいつ変身したの?とても番宣がいうような見所はありませんでした。
作画で特に背景は正直Dimension Wを制作したスタジオとは思えないほどチャチ!?
異世界をやるなら背景は特に大切だと思いますけど、さすがにベタ塗り(仕上げのブラシむらもしっかり残して・・)はないでしょう(呆)
キャラデザは「12歳」に似ていてうーんあまり惹かれませんね・・
「12歳」は原作がそういう絵柄なので仕方がありませんけど、この作品はオリのキャラデザだから微妙です。
ぶーちゃん?というヘンテコなロボットもしますけど、ネタか何かでしょうか。

OPとEDは良いだけに、なぜあのクオリティを本パートで出せないのか・・設定やストーリーは斬新で面白いのですけど作画があまりに残念過ぎて、せっかくの見せ場も迫力半減です。
なんだか、低予算だなぁと感じる作品でした。{/netabare}

【第2話】メモ
{netabare}相変わらずよくわからない展開。
電波アニメなのか否かはまだ判断できない。
とにかく不思議な世界観。健常者では想像できない、薬物から生じる幻覚か統失患者に見えているような世界観というか形容するのが難しい。
2話のピュアイリュージョン空間は犬カレー空間よりも更に不可思議さの手が込んでいて侮れないと率直に思った。
今回、分かったことは作画は単純に手抜きとはいえないこと。
あらためてクレジットを読んだら原画が超一流スタッフでこれもびっくり。
いわば、あえて「画風」でやっていると考えるべきなのかな。
しかし、キャラデザへの抵抗感はどうしても拭えない。
背景担当の「スタジオPABLO」は画力で定評があるし、1話の遠近感外しベタ背景も演出だったか。
どっちにしろ並の感覚や想像力では2話のピュアイリュージョン空間は描けない。ここまで行くと一種の芸術だ。{/netabare}
考えるよりも先に雰囲気を感じることを要求される作品かもだが、内容が面白くなければ、ただの雰囲気アニメになりかねないが、今後の展開しだいで超ダークホースの可能性すらある。

【第3話】メモ
え!なんだ、この超展開・・?
いろいろなものがミックスオマージュされているのは気のせいか。
{netabare}ココナとパピカは変身で色が逆転するんだ。{/netabare}
で、二原にアクタスがクレジットされているけどそんな余裕あるのか、おいおい。
動画はP.A.、ライデン、ディオメディアとか元請けクラスのスタジオが下請け参加しているんだ。
クレジット凝視して動画チェックの佐藤さん、この方動画の大家だけど見落としていた。
道理でよく動くはず・・ユーリはクイックモーションが多くてよく動いて見えるけど、1話通しての中割の枚数はフリフラの方がずっと多いだろうね。
脚本の綾奈ゆにこさんがOPでクレジットされないのは、絵コンテに合わせて脚本書いてるとか普通とは逆の順序でやっているからかな。
物語構成はよくわからんし、そもそも構成なんてしているのだろうか。
もう、アニメーターがやりたい放題やっているイメージで、題名まんまのドタバタ展開。
EDはグリム童話っぽくて曲も合わせクセになるぐらいに幻想的だ。
個人的にはZAQのOPよりも中毒性がある。
展開の意味不具合なら、グラスリップを超えた。

【第5話】メモ
久しぶりに凄いモノを観た。
こりゃ本物!神回と言ってもいいし、今までで一番理解しやすい回でもある。
{netabare}古い校舎、無限ループ、いつの間にか迫ってくる「ごきげんよう」三つ編み女学生達の不気味さからホラーとしても格別だ。
異常空間に様々な舞台装置をセットし、完璧なカタルシス感の描写している。
ココナが向きを変えた人形・・時間リセットで元に戻る不気味な暗示。
時計台の崩壊でピュアイリュージョンの終わりのメタファー、静かに目を閉じる人形・・驚愕の演出だ。
合宿の成果で呪文で変身も可能になったな。
ヤヤカがパピカを邪険に扱ったことで、百合三角も明確にしてきた。
時計台内の異様な空間描写、様々なオマージュだと分かっていても、何もかもが出来過ぎているだけではなく尺に上手くまとめている。
2話あたりから従来の杓子では測れない異様な作品だと感づいたが、回を追うごとに作り込みに磨きがかかってきている。{/netabare}
おいおい・・大変な作品を作ったもんだ・・

【作品考察】長いのでたたみます。

{netabare}(1)作品タイトルについて
各話のタイトルはおそらくサウンドエレクトロニクスに関すること。

第1話 ピュア-インプット
第2話 ピュア-コンバータ
第3話 ピュア-XLR(XLRコネクター)
第4話 ピュア-イコライゼーション
第5話 ピュア-エコー
第6話 ピュア-プレイ
第7話 ピュア-コンポーネント
第8話 ピュア-ブレーカー
第9話 ピュア-ミュート
第10話 ピュア-ジッター
第11話 ピュア・ストレージ

ここから推理すると作品タイトル『フラップフラッパーズ』の由来は、サウンドアンプや調整機器に用いられるツイン構造のデジタル回路「flip-flop(回路)」と擬音の「flip-flap」を捩ったものではないかな?
flip-flopはパピカとココナ二人を象徴し、flip-flapはピュアイルージョンを旅する二人の様子の直喩とか、考えすぎかな?

(2)EDの作画
魔女、お菓子の家、かまど、そしてパピカ(服装が男の子)ココナ(服装が女の子)
これは『ヘンゼルとグレーテル』そのもだけどね。

(3)物語構成と演出
上記EDの意味を踏まえながら、物語の基軸はおそらく寓話であろうことは3話辺りから感じていたが、まとまりがなく支離滅裂な各話の展開の考察はこの回まで確信が持てなかった。
私は本作の第一印象で「統○失調症患者か薬物中○患者の脳内世界観でも表現したのだろうか?」と不謹慎にも思ったが、この直感は間違いではなかった。

さて、ほとんどの方々は「電波」や「お花畑」と聞くとスラングと思うだろう。
アニメでは『電波女と青春男』や『電波的な彼女』、『電波教師』などの作品における「電波」は基○外的な様相を比喩しているが、この三作のキャラも脚本構成も電波とは言えないし、真の意味も違う。

真の意味とは、某巨大掲示板に今でも存在するこの「板」の趣旨である

【健常者が異常者の「フリ」をして書き込みそれを楽しむ】

こと。

あくまで「真性」の「フリ」をすることが重要な勘所だ。
電波板、最近は過疎化が激しくて一時期ほどの勢いはないが、予備知識なく覗いた方は板の異様さに驚いたことがあるかもしれない。

人は誰でも複数の人格を有しているが、普段の顔である「ケ」では社会性の強い自我で過ごすが、「ケ」だけではストレスが溜まるのも人間の性で、所謂「ハレとケ」の場の使い分けで我々は精神のバランスを保っている。

「ハレ」では、酒を呑んで誰彼構わず無礼講ヨロシクでくだを巻いたり、ダンスやサイクリングなどの運動、またはゲームやアニメで自己陶酔したりと「ハレ」モードの自我を出すことは「ケ」の自我をリフレッシュさせることでもある。
当然、「ハレ」の自我でのみでは社会生活は営めない。

電波板とはこの「ハレ」に切り替え、別人格の自分で遊ぶ板と換言してもいいだろう。
ただし、電波板に不向きな方が無理に電波を出したりお花を咲かせると、乖離性障害という副作用も生じる可能性もあるので程々にした方が良い。

職業的に別人格の出し入れが上手い(感情移入と演技)が役者(声優も)、作家、芸術家だと思うが、彼等の能力を引き出して物語を作るのが監督や脚本家の役割であるから、制作スタッフに電波な心得があっても不思議なことではない。

ストーリーコンセプトを担当した脚本家の綾奈さんや、監督の押山氏に電波板遊びの心得があるのか否かは不明だけど、私が知っている限り暗喩、直喩をふんだんに散りばめた演出技法や、一見無秩序でデタラメな構成だけど最後は纏まる(であろうと仮定)のであれば、かつて(15年程度前かな)電波板に結構書き込まれていた電波小説の構成と酷似している。

しかし、電波脚本で作品制作となると話しは別だ。
まず、視聴者にどうやって理解させるのかが最大のネックだろう。
電波脚本で大失敗をした『グラスリップ』を想像するとイメージ出来ると思うが、多くの方々に理解不能とされたあの作品が電波アニメの代表作。
逆に、電波板に馴染める感性があれば理解は可能な作品でもあるが、それは一種の特殊能力の要求だ。(電波ソングに魅力を感じるのであれば脈ありだ。)

さて、本作のクリエイティブが卓越しているのは、固定観念では理解不能な電波な世界観を斬新(極めて実験的だが)な演出で視聴者の感性にダイレクトにインプットしていることだ。
『グラスリップ』はドラマの定石どおり左脳で咀嚼させて右脳を反応させる演出構成だが、本作は先に右脳を反応させて左脳にインプットする逆方式の情報流入を目指している。
したがって、言語の含蓄性や設定の論理的な説明など左脳を反応させる脚本や演出は抑制的である。(現在放送中のまほいくとは正反対の演出姿勢)

上記演出手法は万人受けという面では極めてリスキーではあるが、一度感覚が取り込まれると麻薬のような中毒性を発揮する。
回を増すごとに人気が増していることこそが、右脳→左脳にフローさせる演出の効果であろう。

(4)PIと集合的無意識
未編集。

(5)演出技法としてのゲシュタルト崩壊
「(3)物語構成と演出」を再整理する。

(6)ココナのペット「ユクスキュル」と生物記号論
環世界という概念を提唱した生物学者にヤーコプ・F・ユクスキュル(ドイツ)がいるが、ココナのペットはこの学者の名前である事に相違なさそうだ。
そもそも生物学は門外漢でこの世界観は理解しかねるが。
ユクスキュル理論は現代では「生物記号論」に継承されているが、この学問はたいへんマイナーで国内では論文がほとんどない…このために海外文献を読むのもなんだかな…

しかし、ズバリ名前を出しているところをみると、本作の設定に生物記号論が関わっているのは間違いなさそうだ。
この学問、一言で言えば生物学から唯物性を取り除き「記号」に着眼するという事になるが、還元主義に偏重し唯物解釈で生命の謎を解明しようとしている現代科学に対しての批判とも言える。

事実としては、「記号論」のように科学的事象の意味解釈は哲学の分野とも重複する点において、論理学の範疇かよくてフリンジかな。
まぁ確かに、騙し絵や寓話や音響関係の直喩なり「記号」が頻繁に登場する。
本作の「記号」はどういう意味付けか、還世界にこだわらず記号論から突っ込むこともできるかな?検討してみよう。

(7)ED曲の歌詞
『こっそりそっちを覗いたら、そっちもこっちを覗いてた、瞳の奥落ちていく、ここはどこかな』
この部分の出自はニーチェの146節かな。
心理学が確立されるまでは人の心に関する分野は哲学で取り扱っていたが、PI、そしてココナとパピカの関係で、ニーチェの一節がどう関与しているのかを考えるのも面白い。

「(怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。)おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。 」{/netabare}

【第6話】メモ
{netabare}考察の前置きが長くなったが、本作は極めて特殊な構成なので、理解不能な局面も多々ある事から、最低2回は視聴してからレビューを書いているが、今回も多くの暗喩で物語が構成されている。
唐突に美術部先輩「いろは」回であるが、構成のことは「電波小説」で述べている通り。

美術部先輩から「彩いろは」として登場したのは今回が初めてだ。
結論から先に書くと、マニュキュアをする資格がないと言っていた「いろは」だが、最後はマニュキュアをして登場しているが、ここが今回最大のメタファーである。
さて、一体何があったのだろうか。
アバンで脳味噌に電極?みたいなものを刺して弄っている場面から暗喩が開始されているのか。
パピカはなぜマニュキュアの匂いを嫌うのか。
お馴染みとなったピュアイリュージョン、今回も突然移動だがいつもと様子が違う。
「ホール」の発生だ。

鳥居に似た入り口だが「ヤヤカ」の慌てぶりからすると、これはピュアイリュージョンとは違う別の次元の世界の入り口ではないのか。
物語上では相変わらず詳しい説明はないが「ホール」の正体は「いろは」の記憶領域であるようだ。
ピュアイリュージョンの正体とはある種の精神世界(無意識下)なのかもしれない。
それにしても、魔女結界を描いた犬カレー空間に勝るとも劣らないピュアイリュージョンの空間設計には毎度感服させられる。

「ホール」に入り込んだ「いろは」の過去のエピソードをパピカとココナの二人が「いろちゃん」となり、なぞっていく。

「いろちゃん」のココナは父母の不仲が嫌で「おばあちゃん」の家に入り浸り「おばあちゃん」と楽しい思い出を作り、生まれて初めてマニュキュアをおばあちゃんに塗ってもらう。
しかし「おばあちゃん」は認知症を発症しており、最後には「いろちゃん」のことも忘れてしまう。
忘れられた「いろちゃん」はショックで病室を飛び出すが、ここでエンドが「彩いろは」のエピソードで「いろは」はこのおばあちゃんに対するトラウマでマニュキュアをすることが出来なかった。

専らココナが「いろちゃん」としてこのエピソードに関わったようだが、パピカと入れ替わる意味は何か。
ココナが「いろちゃん」のときパピカは意識的存在(内面)となっているみたいだし、逆パターンも同じだろう。
「いろちゃん」に具現化しているときはカラー描写で、意識だけのときはモノトーン描写で使い分ける暗喩は良い演出だ。
また、パピカ単独の「いろちゃん」は3カットだけだがどういう意味があるのかは不明。
そのうちの1カットはマニュキュアを塗って叱られているシーン。
これはマニュキュアのトラウマに対する暗喩描写だが、なぜパピカとするのかこの意図も不明。

あくまで推論の域は出ないが、二人は何らかの血縁関係であるか、または、電波の説明でも触れたが、人の人格とは一つではないことを考えると、ココナから見たパピカ、パピカから見たココナは相互に自己の別人格の投影なのかもしれない。
ここから、シンクロ二シティ(非因果律的共時性モデル)を用いた考察も面白そうだが、オカルト的な香りを全面に押し出すには、SFファンタジーな作品イメージとの乖離も感じる。

もう少しオーソドックスに考えてみると、哲学では物象化という考え方がある。
第三者から見ても二人称の存在であるパピカの存在自体が壮大な暗喩設定とすると、考えられなくもない想定だ。
しかし、これも物理的にはスッキリしないから、まだまだ考察の余地がある。

それに、パピカの過去や生い立ち、家族構成など素性らしきことがはほとんど明かされておらず(まさか土管から生まれた訳ではあるまい)ココナの祖母が物語の重大な鍵を握っているような気もするが、現段階では考察材料が足りないので、この二人の関係の考察はもう少し材料が揃ってからにしよう。

物語の続きだが、ショックでココナの「いろちゃん」が「意識のいろちゃん」パピカに泣きつくと、突然記憶の崩壊を暗喩するような現象が生じ、いろはの記憶(ホール)の外に出る。
ここで、ココナは「おばあちゃん」との約束「忘れたときはいろはが教えてね。」という約束を思い出す。

その刹那、「おばあちゃん」が具現化してモノトーン描写の二人は手を繋ぐとカラー描写、初めて二人の「いろちゃん」が登場するが、二人で「おばあちゃん」に「いろちゃん」と名前を教えて「おばあちゃん」との約束を果たす。

自分達の世界に戻った二人はホールでの記憶を共有していた。
ただ、二人一緒の出現の意味は分からないが、一方(ココナ)がいろはのトラウマ役でもう一方(パピカ)がいろはの希望役だったのであろうか。

パピカ達の行動の結果、最後にマニュキュアをして登場することで「いろは」の伏線は回収されているが、二人の役割が上記の通りだとすると、この暗喩は無意識下に封印された希望が叶い記憶が改変されたと考えるべきが妥当なのかな。

結局、アバンでのヒダカの電極はピュアイリュージョンとは無意識下をリーマン幾何学のように世界観を擬似イメージで模したものか、更に無意識下を物理的に操作し得る可能性を示唆しているのだろうか?
ホールが生じたのはヒダカの怪しげな実験の結果か、謎は残されたままだ。

今回の物語は社会的にも対策が急がれている「認知症」という重い課題に取り組んでいる。
記憶を喪失することで身内や周囲が受けるショックの重みは想像以上だろう。

今回ココナは、ショックと悲しみを伝える大役を見事に演じたと思う。
第6話は社会的になメッセージを込めたシリーズ各話に中でも異色の内容でもあり、身近な親族に「認知症」の現実を抱える私にとっては観賞後、本当に切ない気持ちになった。

(11月13日追記)
精神世界の入口が鳥居に似ていると記述したが、入口が開く前にパピカが触れたのは神社や仏閣で見かける「止石」だろう。
「止石」には「結界」の意味があるが、パピカは結界を解いてしまったのか。
道理で鳥居が出て来る訳だ。
この作品、何気ないところに伏線が隠されているから3回ぐらい観ないと見落とすな・・w

ここで本作のコンセプトが70%ほど見えた気がする。
タイトルのイメージに間違いがないなら、既存アニメの常識をひっくり返す大変な神アニメであり、ベストクリエイティブとはまさに本作に与えられるべき称号だろう。


EDの『FLIP FLAP FLIP FLAP』の配信が開始されて早速DLしたが、フルバージョンはより神秘的で心が酔ってしまいそうだ。{/netabare}

【第7話】メモ
{netabare}スタッフ
脚本・絵コンテ:押山清高
演出:江副仁美
作画監督:りぱ

今回は押山監督が脚本も担当。
コンテも担当だから押山回と言ってもいいかな。
綾奈ゆにこさんのTweetによると、本作のストーリーコンセプトとはシリーズ構成とほぼ同じ意味だね。
通常どの作品でも複数のシナリオライターが関与するし、既にクールの半分は消化していることから、構成が終わっているのならライター変更でも物語の大勢に影響はないだろうし、情報が濃縮されているOPの作画もできなかっただろう。

今回で明確になったことはPI(ピュアイルージョン)は物理的な異世界などではないということだ。

さて、今回は本作では初めてとなる続き回。
内容が濃すぎるので、3回は視聴する必要がありそうだ。
前話で記憶改変をしてから先輩の様子が変だぞ。
先輩が絵を描いていたのは、おばあちゃんに対するトラウマが原因だったのだな。
そのトラウマが消滅した以上、絵から興味が失せたということか。
しかし、この様子を見たココナのショックは想像以上だった。

ヒダカにくってかかりPIの謎を問い質す。
そのとき、二人のやり取りを遮るようにソルトが語る。
「PIも全て世界は滑らかに存在している。しかし、実際にはそうではない。摩擦のないユートピアなど存在しない。摩擦は世界の真理だ。」

結論から述べるが、ココナが落ちた世界は自分自身の無意識。

そして、ヒダカの示唆とソルトの解説、さらに分身パピカでPIの正体は集合的無意識ではなかろうか。

さて、サブタイトル「ユングの世界観」の考察に移る。
以下ではユング心理学を中心に考察をするが、ユング心理学の心得がなければ読むだけで混乱するので予め注意をしておく。
逆にこれ以上の考察はユングへの知見がないと困難かもしれないが、ユングを正確に理解するにはサンスクリット哲学への造詣も必要なのでハードルはかなり高く、バラエティ番組ではユングの表層を浚った如く紹介をされることもあるが、実際のユング心理学はそんな甘ちょろいものではない。

ここで註釈を加えるが、ユング心理学のうち分析心理学は個人の無意識までしか扱わない。
ここまでは医学応用されているので科学だが、集合的無意識は「超心理学」に属する分野である。
「超心理学」に関して我が国では科学としては認めていないだけで、国によってはプロト科学に分類しているケースもあり、また学会も存在する以上一概にオカルト扱いともできない分野である。
つまり、本稿では科学(分析心理学)と科学ではない分野(超心理学)にまたがる考察となる。

ユング心理学では、個人の無意識は人類共通の無意識の集合体(集合的無意識)と繋がっていると仮定している。
そして、集合的無意識は個人の無意識に干渉して人格が形成されるとしている。
また、集合的無意識にも幾つかの階層があることも示唆している。
集合的無意識の詳細はユングの著書を読んでいただきたいが、PIが集合的無意識と仮定をすると、6話のように個人の無意識への干渉も可能となる。

次にアーキタイプから考察する。
ユング心理学を会得している者なら、個人の無意識にはアーキタイプが存在することは承知のことと思う。

PIがユングの世界観であると確信できる点は今回のパピカの役割である。
集合的無意識が個人の無意識に干渉して生じるのがアーキタイプであるが、6話におけるココナとパピカの関係考察を踏まえ、今回のパピカはココナのアーキタイプを演じたと考えればこの推定は可能だ。

また、集合的無意識を経由すれば自己俯瞰(メタ認知)も可能であることから、ココナが見たパピカは全て自己投影(内観手続き)であったとも言える。

人格とはアーキタイプに支配され、ペルソナを被せて表層意識(個性)が形成される。
稀にペルソナの調子が悪くなると、アーキタイプが剥き出しとなった異常心理や精神疾患を伴うが、この点を無意識(深層心理)から解いていく内観手続き(自分自身の内面との対話)が分析心理学でもあり、また、内観を用いた精神疾患の治療として箱庭療法が有名である。
余談だが、無意識と(表層)意識の不一致がもたらすペルソナ系疾患として性同一性障害が有名である。(ただし、精神疾患ではない。)

なお、ユングはマンダラに描かれた世界こそが人間の精神構造を模していると考え、仏教の如来や菩薩が持つ哲学的な意味からアーキタイプ仮説に至っている。

本作では、優しい妹、やんちゃな男の子、ヤンキー、イケメン、もこっちなど様々なパピカ(計8役)の姿が描かれているが、これは全てココナのアーキタイプを表現したと思われる。
したがって、自身のアーキタイプと対話をしているココナが居た今回のPIは、ココナの無意識世界となるだろう。

それにしてもEDクレジットが凄まじことになっているが、演じ分けたMAOさんにはただただ感服した。

本作は数多にあるアニメの中でも特に難解に属する設定だが、ユング心理学については公開講座も開設されており、一通り学び理解をすれば、ユングの世界観で物語を創作することは容易くはないだろうが、けっして不可能でもないだろう。

次にゲシュタルト崩壊に移る。
ゲシュタルト崩壊とは主に認知心理学で用いられ用語だが、全体の形が分解されパーツとして再認識される様を言う。
ジグソーパズルを崩すとピースしか認識できなくなる現象を想像すればよい。

ここで何を述べたいかと言うと、本作の物語はゲシュタルト崩壊から元の形へと復元する方向で構成が組まれているということ。
6話までの考察で「本作の構成と電波小説との類似性」を記述しているが、電波な現象はゲシュタルト崩壊に含まれる。
この考え方は非フロイト学派から発展した経緯があり、後にフロイトを否定したユングにも大きな影響を与えている。

物語の基軸となるPIが集合的無意識であるならば、この物語の構成はゲシュタルト崩壊を意識していると再定義する方が整合がとれるだろう。

ゆえに、各話の表層を浚うだけでは本作の設定は到底理解に至らないだろうし、また、理解するには高いハードルを備えるロジックの存在も浮き彫りとなった。

ユング心理学を用いて以下の会話を分析してみる。

パピナ(小悪魔パピカ)とココナの会話(設定を観測するにあたりこの会話の全てが最も重要だ。)
コ「ここは楽しいけど、でも、帰らなきゃ。」
→知人の精神科医曰く、内観手続き(内面対話)は実際、やっている本人は楽しいとのことだ。
パ「残念、つまんないの…」(パピカ消滅)
→ココナ=パピカのこのPIではどちらもココナの本音となる。
コ「パピカ探さなきゃ。」
→自分探しを意味する直喩。

パ「迷子のココナ発見」
コ「何言ってるの迷子だったのは・・(暗喩)」
→ココナが内観手続きを表層意識で認識した瞬間の暗喩と思われる。

それでもなお解決していない設定の存在かつ、今後、最終回までに明らかになる事実もあることから、以上が7話時点の本作設定の仮説としておく。

なお、理解をしなくても楽しめる所以は、前回考察したように、本作は右脳の刺激を先に行う演出であることから無意識レベルを刺激しているからかもしれない。

7話のネタバレだが、ココナが居た世界は郡山市。
6話の先輩の精神世界(無意識)PIもだが、デフォ世界はメルヘンチックなのに精神世界はなぜか極めて現実的に描写されている。
7話に至ってはモブすら存在していない。

パピノ(妹パピカ)が言った「さすけねえ」について。
goo辞書から引用
>さすけね (福島の方言)
>大丈夫。気にしなくてよい。

ま、考察抜きにすれば、二人の入浴シーンもあり別の楽しみ方もできよう。

ココナのPIからまた別のPI?に来た二人、短いがEDにかかるまでの間の描写はこの物語の核心に触れる意味深いものだろう「ミミ」、そしてクレジットされていないキャラ達・・そこからOPが表す意味か。
トトとユユの正体、ヤヤカの立場も含めて僅か2分ほどで詰め込み過ぎだ。{/netabare}
7話はあまりに濃かったので結局5回も観た罠w
あー疲れた。。。。。

【第8話】メモ
{netabare}
脚本:ハヤシナオキ
絵コンテ・演出:榎戸駿
作画監督:榎戸駿 小島崇史 りぱ 鶴窪久子 田中志

今回の核心はCパート。

その前に、
「お茶でも入れますか?Dr.ヒダカ」
今話も可愛いいオペ子ちゃん!登場回数は限られるけどすっかりオペ子に入れ込んでしまったw
プールの中でブーちゃんがスク水JCを堪能しているのにはワロタ。

おちゃらけはさておき、これは今回のPIトラベルの伏線なのだが、Aパートの最初とBパートの最後でヒダカの機械修理シーンがある。
今回のPIトラベルはこの区間で発生していることと、オペ子の「ガラクタはこの部屋」発言最後に破壊されてがらくたになるPIを直喩しており、それはヒダカの無意識のようだ。

PIでココナが連想した環世界を描いた先輩の絵は何を暗喩しているのか。
鳥はユクスキュルが変身した姿とでも言いたいのかな。

まぁヒダカのような科学オタがロボ好きとしても違和感がないし、Bパート最後のブーちゃんの修理はPIの出来事に対する暗喩だとも思う。
オッチャンはヒダカのアーキタイプと解釈してもいいか。

それと、脳型の星はブーちゃんの脳なのか?パピカ達に破壊されて、現実世界に戻ったブーちゃんは壊れていたとかのオチかな。


アバンからヤヤカのジェラシーが全開だが、欠片を放棄したときユユの「報告するから」には戦慄が走ったな・・ヤヤカは居場所がなくなるのではないか?
ロボシーンではヤヤカの心境変化とパピカとココナと一時的にせよ仲間になった、この辺りがキーポイントかな。

アバンのパピカの足環にも注目。何故取れなくなったのか?この足環とCパートの展開に何か因果関係があるのか。
しかし、今話ではこの謎の解明には至らない。

さて、Cパートを引っ張ってすみません。
これは濃いねー!いやー濃すぎる。。
パピカが持っている欠片とココナが共鳴したぞー、パピカの様子がおかしい・・
パピカが認識齟齬を起こしたのか、ココナ自体がミミに意識転換されたのか。
パピカはココナのアーキタイプの具現化と考えると、集合的無意識がココナに作用したと考える方が自然かな。

毎度思うが、最後の最後のひき方に余韻を含ませる、高等テクニックな演出ばかりだ。
しかし今回のパピカの一言は今までの中で最も重いだろう。

物語は重大な局面を迎えてきた。

この作品、下手したら1カット1カットに伏線が仕組まれていて油断も隙もあったものではない。

蛇足になるが、ロボバトルは特撮スーパー戦隊をアニメ化したものだが、元ネタはフッラッシュキングか懐かしいな。
おじさん達へのサービス回とも言えるが、実際70、80年代のロボアニメを観ているような気分になったし、劇中曲もいいが、この一話の為に作曲したのならなんて贅沢な作品なんだろう。

同じインフィニットプロデュースのロボアニメ『クロムクロ』や『レガリア』に爪の垢を煎じて飲ましてやりたいほど素晴らしい出来だった。
やはり、爆発シーンの2Dは外連味があっていいね。

しかし、冒険活劇の一話が、本格的ロボアニメを凌駕してしまうのも笑える現象だが、アニメーターが楽しんで作り込んでいるのが伝わって来る。

(余談)
ストーリーコンセプト(構成)担当の綾奈ゆにこさんによると、8話はゾンビでPIも違う人物の設定だったらしい。
視聴側としては内部事情に関係なく、あくまで出来上がった作品で評価するまで。{/netabare}

【第10話】メモ「環世界が意味する虚像のパラドックス」(記号と認識)
{netabare}今回でココナの平和な日常が崩壊したのだけれど、ココナの日常そのものが虚像だったということ。
これが「環世界」が暗喩する意味だろう。
タイトルの解説となるが、《【作品考察】(6)参照》「環世界」とは生物目線が認知する場合、どのように意味づけられるのかということだが、例えば猫と私が同じ物体を見ていても捉え方が変わる。
つまり「認知」の結果としての「認識」は猫と私で変化する。
猫が鼠を見れば「捕食」するものと考えて行動するが、私が鼠を見たら「駆除」するべきものとして行動するだろう。
この場合「鼠」が「記号」となり「記号」は観察生物ごとに意味づけが変化する。
「環世界」を簡単に説明をすればこういうことだ。

上記を踏まえ、ココナが見ている現実と、パピカが見ている現実は非対称であるということを暗喩している。
これ、科学では「観察者効果」(量子論)に相当するから置き換えて考えることも可能。
『とある科学の超電磁砲』で「観察者効果」を踏まえ佐天さんが「自分だけの現実」と呟いたが、ロジック手順や目的は違えど「環世界」と同じ意味になる。
おそらくパピカはココナの現実を知っていたから、ココナの問いに答えられなかったのだろう。

パピカはパピカナと二つの人格を有しているが、パピカもパピカナも深層心理(無意識)はミミで共通しており、パピカの時はココナで認識し、パピカナの時はミミで認識する。
7話のココナのPI回ではパピカがココナの無意識内でのパピカ8変化。
イロドリ先輩の方へ目が行っていて、ココナの件が演出で巧みに逸らされたが、ココナの無意識はミミとの共通フィールドであり、パピカ8変化はココナが認識しているパピカの他にパピカナの存在を「表象」した一種の隠喩表現であろう。
ココナの無意識がミミとの共通フィールドであるのは、ココナがミミの母であるならば、それは胎児のときから無意識層に記憶が刻まれるからだ。
これは私達も同様だが、無意識に蓄積された記憶データが顕在意識に呼び込まれ記憶と認識されるのが心理のメカニズムである。
一般に無意識内の記憶の殆どは自律的に認識出来ないと言われている。
しかし、顕在意識では認識出来なくても夢で認識する事は多々ある。
ココナの夢にミミが出現するのは、無意識層の記憶を夢で認識している事に他ならない。
無意識と夢の関係は、PTSDの症状フラッシュバックのメカニズムを調べるといいだろう。

つまり、共通フィールドとはココナとミミの記憶の共有領域である。その中にパピカが入り込みパピカナもパピカも同じ意識体だとココナに伝えているのが、7話の意味であろうし、8変化はパピカから見た場合、ココナ=ミミである事をアレゴリーしたとも解釈出来る。

7話Cパートでのソルト登場がココナの無意識の二重性を象徴している。
よって、ココナには認識が出来ないミミもココナもパピカ(パピカナ)にとっては「記号」であり、それこそが「環世界」観念での観察効果とも言えよう。

10話でココナが見ていた「環世界」が崩壊し11話から新しいココナの「環世界」が始まるのであろうが、その世界がハッピーなのかアンハッピーなのかまでは推測出来ない。
しかし7話でパピカがココナにプレゼントし、10話でもパピカナがミミにプレゼントしたこのクローバーの花冠、同じ描写をしたことは、その花言葉がメタファーだと推測するが、その花言葉には「幸福」の他「復讐」という不吉な意味もあることから必ずしもハッピーエンドで終わるとも限らない。

本日放送の11話先行カットではココナがミミの人格になるような事が記載されているが…
もう一つの切り口で、EDの『ヘンゼルとグレーテル』が本作の基軸であると仮定してみる。魔女のメタファーは何を意味する?

ヤヤカの件も記述したいが、長文になるので11話のメモにでも。

----------------------------------------------------------------
要点列挙。
・アモルファスを集めるとPIを支配できる。
・PIの正体は集合的無意識だろう。
・ミミはココナの母だった。
・パピカはパピカナの時、ミミのパートナーだった。
・7話のパピカ同様、パピカナはミミにクローバーの花冠をプレゼント。
(クローバーの花言葉は「幸福」「約束」だが、「復讐」の意味もあり、バッドエンドの可能性も捨て切れない。)
・ソルトの父はPIの研究者。
・ココナの父はおそらくソルトだろう。(過去にも暗喩あり。)
・パピカはソルトの少年時代からの知人。
・パピカは全く成長していないが、此処にも秘密があるだろう。
・ココナの足にアモルファスが埋め込まれている。
・パピカはココナと共鳴しないとPIには行けない。
・ココナのアモルファス探知能力は百発百中。
・ココナの祖母はアスクレピオスの監視員でロボット。
・ココナは幼少期のどこかで記憶を操作されていた。
・ヤヤカもアスクレピオスの監視員。
・ユユとトトとココナは血縁関係(クローン含めて)の可能性。
・ニュニュの秘密は11話。ミミを含めて相当詰め込んでくるな。
・トトとユユはアモルファスの力を先天的に宿す。
・ココナが見ている世間は記号(環世界の暗喩)
・(記憶が戻った)パピカはミミとココナを混同したのかも知れない。{/netabare}

初稿(本作品はリアタイ視聴です。)
2016/12/17

校正
2021/3/9

投稿 : 2025/02/01
♥ : 41
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

パピカが連れていってくれるピュア・イリュージョンの世界

セル画時代を思わせる水彩画風の淡い色使いの背景と、よく動くキャラが一際目を引くアニメです。

将来の事、進路に悩む中学二年生のココナの前に、どこからとも無く唐突に、空飛ぶサーフボードに乗って、元気いっぱい、好奇心いっぱいのパピカが現れました。

パピカに誘われ、ピュア・イリュージョンなる異世界で繰り広げられる摩訶不思議な冒険活劇。

ピュア・イリュージョンという世界はその名の通りの幻想世界? あるいは未来世界? それとも夢? ‥不思議そのもの。一面の雪景色とそこに埋もれた見覚えのある文明の遺物、雪が甘かったり(笑)異形の生物が生息していたり、パピカとココナはそこで遊んだり、危険に巻き込まれたり、様々な冒険を繰り広げます。

キャラデザ以外の要素に重なる部分を見出せるのか、雰囲気は何となく映画版ドラえもん。今の所、戦いとか探し物(ココナ?)とか特別な目的がないので、ピュア・イリュージョンは元いた世界の煩わしさから解き放たれて自由に振舞ってもいいという開放感とか、隠れた不気味さとか、そんな空気に満たされている印象があります。

1話
{netabare}
やってきた異世界に戸惑いながらも甘い雪を食べたり、雪だるまを作ったり、割と楽しんでいるココナの姿は鬱屈した日常から解放された子供の行動そのもの。

まだ第一話ですが、色々なものが描かれました。"候補者"なるものを探す人たち、土管でワープ(笑)パピカに"ぶーちゃん"と呼ばれる脳を内蔵したロボット、ピュアイリュージョンという異世界、そこに住む巨大生物、そこで見つけた青く光る石、ココナの変身、そしてロボット兵士。
{/netabare}
2話
{netabare}
今回はパピカとココナがウサギに変身? 心も姿に準じた様で何かをかじりたい衝動にかられていた様子(笑)ピュアイリュージョンでは心のありようでいかようにも世界が変化するという印象。1話では雪景色の確固とした世界が描かれていましたが、今回の2話ではどちらかというと不定形の世界が描かれていた様に感じました。

1話でも登場した謎の組織"フリップフラップ"や青く光る石"ミミの欠片"の正体も徐々に明かされる兆しが見えてきました。謎多き物語というのはやはり楽しいものです。

パピカとココナが仲良くしているのをあまり面白くなく感じている様子のヤヤカ、今後物語にどの様に係わってくるのでしょうか?
{/netabare}
3話
{netabare}
世紀末救世主伝説+DBZなピュアイリュージョン(長いので以下PI)。指先一つでスパーキングなオーバーアクション。ケンシロウVSジャギなのか? 悟空VSフリーザなのか? 他にも魔法少女に変身とかやりたい放題。色々とやらかしてくれちゃうアニメです。

ヤヤカと双子という意外な面々が、意外な組み合わせでPIに登場したり、フリップフラップと対立する組織の一端が描かれたり、物語にも動きがありました。PIでは何でもあり、根底にはシリアスなドラマがある様な印象を残すアニメです。

次回はどんなPIが描かれるのだろう。妙に期待してしまう‥。
{/netabare}
4話
{netabare}
今回の冒険の舞台はピュアイリュージョンの世界では無いけれど、同じくらい不思議な世界が描かれている様に感じました。

パピカの土管ハウスとか、キーウィがいたり、自生しているトマトがあったり、巨大ぜんまいがあったりする森とか‥。キーウィや巨大ぜんまいはまだしも、良く知られているはずの野菜であるトマトについてココナが無知である点に、このアニメで描かれている世界を読み解く鍵がある様に思われました。

‥もしかしてフラクタル構造だったりして‥。

パピカの「むふ~」とか面白かわいい‥(笑)
{/netabare}
5話
{netabare}
今回のPIは寮制の女学校が舞台。三つ編み制服女子とか、深夜のお茶会とか、折り目正しくも怪しい雰囲気は「人類は衰退しました」を思い出します。ストーリーコンセプトに綾奈ゆにこさんが参加しているのでその所為かも知れません‥。

パピカとココナの、宝物を掲げて"フリップフラッピング"の掛け声で変身するという設定は、魔法のアイテムとかで変身するのとは少しだけ違って、PIが仮想現実である事を考えると、一種の自己暗示と捉える事が出来ます。

変身バンクの背景から「変身」の二文字が消えていたのは好印象でした。何となく悪ノリが過ぎる気がしていたので‥。

物語の進捗はとてもゆっくりで、2話以降横ばいの印象。今回も人間関係の変化や大きな事件などは見られないお話でした。

次回「ピュアプレイ」では美術部の先輩がお話に関わってくる模様。動きのある展開に期待したいです。
{/netabare}
6話
{netabare}
幾層にも重なる世界を描いているのか、全ての存在がデータ化された世界が描かれているのか? 謎の深まるお話でした。

こういう不明瞭な世界を見ると洋画「マトリックス」とか、攻殻機動隊の派生作品で、よりヴァーチャルな世界観に踏み込んだ「RD潜脳調査室」とかを思い出します。

先々週のトマトのエピソードから気になっていましたが、主人公であるパピカとココナと言う存在もまた、確固とした存在ではないのでは?と言う印象を受けました。

イロやいろは先輩という存在の正体も否応無く気になってくる第6話でした。物語のターニングポイントとも言える回と言えると思います。次回以降はおばあちゃんのお話もあったりして‥?

一見すると荒唐無稽、摩訶不思議ながら、謎の核心に迫る展開に惹きつけられるアニメです。
{/netabare}
7話
{netabare}
ヒダカの言っていたイデアワールドと言う言葉、またPIが現実と地続きの世界であるという言葉を鵜呑みにするなら、PIはパラレルワールドの様な別世界ではなく、全て単一の世界である可能性が濃厚になりました。万華鏡の様に見る角度によって姿を変容させる、わたしたちのいる現実に近いものなのかも知れません。

そう考えるとパピカとココナがイロという一人の人間の中にある二つの人格あるいは二つの性格面であり、一方から見てもう一方が迷子という見方にも納得出来そうです。今回は様々な姿のパピカが描かれましたが、パピカもまた、自らの持つ視点からココナの百面相(笑)を見てきたのかも‥。終幕後のスタッフロールのM・A・Oさん無双には笑かされました。声優さんってほんとにスゴイ!

公式サイトでミミの欠片という言葉を目にしていたので、ミミとは何なのか気になってはいましたが、今回のお話ではその正体の一端が垣間見える場面もありました。

先週から回答編とも取れる後半に入り、ますます目が離せなくなりました。次回が待ち遠しいです。
{/netabare}
8話
{netabare}
今回はロボバトル回。

熱血、友情、魂のスーパーロボットバトルが繰り広げられます。‥スーパーロボットというよりはむしろスーパー戦隊の合体ロボ‥。この手のロボは大人の都合上、バージョンアップすると、どんどんフォルムが鈍重になってきてダサくなってしまうという痛い欠点があります。今回のお話ではそれを極端なまでに表現していました。究極の姿は巨大ダンボール形態(笑)敵はエヴァン○リオン? 色々と笑かされました。

終幕前、唐突にパピカの口から出たミミという言葉、全編に渡って描かれたヤヤカの心の揺らぎなど、物語の流れに影響を与える要素はそれほど多くありませんでしたが、着実に核心に迫っている気はします。

自らの創造した街を守る使命感に燃える天才科学者?オッチャンさんも良いキャラでした。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
9話
{netabare}
PIでまたしても遭遇したパピカ&ココナとヤヤカ&双子。ココナと双子が天井の高い和洋折衷の趣のだだっぴろい部屋、脱出不能の奇妙な空間に閉じ込められてしまいます。

敵味方がピンチに際して休戦するという展開は古典的ながら、情報交換があったり、歩み寄りがあったりして面白い筈なのですが、ココナと双子の会話が少な過ぎるので不毛な印象‥。双子の名前が男の子の方がトト、女の子の方がユユ、二人には願いが無いという事だけ辛うじて分かったのみ。

後半は回想シーンも交えてヤヤカのココナへの思いの強さが見て取れました。でもヤヤカ、ココナを助け出そうとするパピカへの背中キックは良くないぞ‥。葛藤しながらも二人で協力して助け出す展開の方が自然だったと思いますし、このシーン、演出として不要だった様な‥。パピカ痛そうだったし‥(汗

中休みシーンでヤヤカの食べてた携帯食料がうんまい棒みたいだったのにはちょっと笑かされました‥(ちくわ状になってなかったけど)まどマギとか「がっこうぐらし!」とかでも食べてた人がいたけど人気あるのかな‥わたしも結構好きです(笑)

PIそのもののとミミについての謎は置き去りのままですが、何話も前から仄めかされていた双子のいる組織とヤヤカの離反が決定的になった回でもありました。

次回にも期待したいと思います。
{/netabare}
10話
{netabare}
双子が言葉でココナを疑心暗鬼にさせるシーンは前回にもありましたが、こういうのは見ていて気持ちのよくないものですね‥。あれこれと不信感が積み重なったココナは、拒絶される前に拒絶するという冷静さを失った行動の末、とうとう独りぼっちになってしまいました。さらに追い討ちを掛ける様にある人の正体も明かされます。悲痛な展開でした。

終幕近く廃墟に佇むココナの口?から発せられた「これからはお母さんが守ってあげるからね」というミミの言葉については、そのままの意味で捉えるよりも、ココナそのものがミミの欠片の一つという解釈の方がしっくりする気がします。割れたガラスに映ったココナの像がミミであったことも考え合わせると分断されたミミの欠片(アモルファス=データの一部?)がココナに成長したという解釈も出来そうです。

今回はパロディやおふざけもなく物語は目まぐるしく展開しました。緩急があるのは良いけれど、アクション偏重の回には辟易気味だったので、極めて充実した回という印象でした。

来週も楽しみです。
{/netabare}
11話
{netabare}
ココナに宿ったミミの力によってアスクレピオス(三角帽の組織)はほぼ壊滅。

ミミの暴走を止めようと決死の覚悟で挑むソルト博士の声も届かない。

PIが現実を侵食する? ココナの望んだかたちに世界が書き換えられていく様な描写がありました。

パピカみたいに大好きな人に大っ嫌いって言われても、好きで居続ける事は多分かんたんですが、追っかけて行っちゃったら現実ではうざったがられるだろうし、異性間だったら多分ストーカーさんって言われちゃいますね(汗)

アニメではこの様な選択を度々美化し、むしろすべき事の様に映しますが、それは私たち視聴者が両者の関係を俯瞰出来る立場にいて、その選択の結果をある程度予測出来るからなのだと思います。こういうのは予定調和という言葉で揶揄される事もありますが、やはり興を削ぎ、どうせ~になるんでしょ‥と諦めにも似た心持になってしまいます。そうなる方が良いのは決まりきった事なんですが‥。

ココナの正体やパピカの子供化の謎など、まだまだ不明な所がありますので最後まで気を抜かずに視聴していきたいと思います。
{/netabare}
12話
{netabare}
いつの間にか子離れ出来ない母親と、親離れ出来ない子供の話になってしまっていました。壮大な世界観を提示した割にはテーマがかなりこじんまりしてしまっていてちょっと残念に思いました。

そして最終話1話前にしてとうとうヤヤカも変身。でも何故か変身コスチュームは露出過多。フリップフラッパーズではありがちな傾向ですが、趣味を前面に押し出し過ぎると物語がコメディ寄りに傾いてしまうので自制して欲しい気もします。こういうの喜ぶ男って意外と少数かも知れませんし‥。

次回の最終話でPI、アモルファスなどについて、果たして全ての謎が明らかにされるのか、ちょっとだけ不安はありますが、最後まで期待して視聴して行きたいと思います。

出来れば今回の様にバトルとかガッツとかで何となく解決してしまうという様な安直な展開にはならないで欲しいですね(汗)
{/netabare}
13話
{netabare}
前回から一抹の不安はありましたが、PIにもアモルファスにもパピカの子供化にも明確な説明が与えられる事は無く、残念ながら情報不足‥。SFとしては最後まで不明な点がいくつも残ってしまいました。

それに今回の最終話でも妙な演出が‥これまでの描写だとパピカもココナもヤヤカも自分の気持ちと素直に向き合う事で"フリップフラッピング"出来る様になっていたはずですが、何故にお母さんまで? 理屈が良く分からずいつもの悪ノリとしか受け取れず興醒めしてしまいました。そして最後は大好きパワー(笑)による力技で大勝利。‥なんてこった。


ピュアイリュージョンについて、物語の折り返し点の6話では、パピカとココナがイロという少女の持つ二つの相(人格)として描かれていて、イロの両親の描写はミミとソルト博士とは異なったものでした。同じ回でいろは先輩がおばあさんとして描かれていた事も踏まえると、今回のココナの台詞「前はね、お姉さんだったの‥その前はおばあさんで、その前は赤ちゃん」にはかろうじてPIの正体の一端が含まれていた様にも思えます。

異なる世界で異なる役を演じるそれぞれの人物の魂(の様なもの)の表層(一面)があり、そこから自ら(ココナ)の望むイメージを見出すという世界観が浮かび上がってきました。

これはもうSFというよりはファンタジーや寓話の類で、私はメーテルリンクの「青い鳥」を思い出しました。魔法の帽子に付いているダイヤの徽章をちょこっと回転させると、腰の曲がった魔法使いのおばあさんが美しい王女様に見えたり、火だのパンだの、様々なものに宿る精を見る事が出来たり、もっと回すと過去や未来の風景まで見えたり‥。

ココナの抱える未来への不安や他者に対する疑心暗鬼、その様な目に見えないものに対する恐れが、パピカやヤヤカの友情、自身の成長によって晴れていく。そんな物語でした。
{/netabare}

OPの「Serendipity」を担当されたのはZAQさん。「紅殻のパンドラ」他色々なアニメに楽曲を提供している引っ張りだこの人。EDテーマ「FLIP FLAP FLIP FLAP」は伊藤真澄さんの作曲によるもの。「人類は衰退しました」のEDのちょっと不安気なふわふわとした雰囲気の曲を綴られた方です。絵本みたいに美しい絵と元気に動くディフォルメキャラが同時に描かれるEDムービーは必見の面白さかも‥。

劇中音楽とEDの編曲及び歌の担当は※TO-MAS。日常世界では沈んだ感じのピアノソロ、ピュアイリュージョンやパピカが登場するシーンでは賑やかでワクワク感全開の楽曲が光ります。

脚本は綾奈ゆにこさん。「人類は衰退しました」とか「電波女と青春男」の製作にも参加されている方です。

思い切りのいいアクションとか、柔らかな背景描写は初期のスタジオジブリの作品を髣髴させます。邪推かも知れないけれど、王蟲とかメーヴェとか飛行石っぽいのとか「メガネ、メガネ」(笑)とかやっぱりパロディ? 否、オマージュとして受け止めましょう。

フリップフラッパーズのレビューらしく、どちらも真なりの二通りの"最後まで観終えて"で締め括りたいと思います。

最後まで観終えて その1
{netabare}
夢の中の夢、その夢の中の夢、以前本レビュー内でPIはフラクタル構造の様なものでは?と言及させて頂きましたが、フリップフラッパーズの世界観はそれにちょっと近い印象でした。

ただ、面倒な説明を避けてひとたび"PIでは何でも有り"を押し通してしまうと積み上げてきた謎の価値が暴落してしまいます。ファンタジーにせよSFにせよ、ミステリーにせよバトルにせよ、一定の決め事があってこそ魅力が生まれるわけで、そういった枷を一旦外してしまうと答えの無いなぞなぞ同様、または裏ワザ使ったゲームみたいに、推理の楽しみも得心の喜びも気の抜けたものになってしまうのではないでしょうか?

ココナとパピカ、ヤヤカの友情物語にしても、優しさや思いやり、寂しさなどは伝わってきたものの"好き"を呪文の様に繰り返すだけで"なぜ"が足りない印象でした。

中盤で登場し、最終回ちらっとだけ顔見せがあった"いろは先輩"についても掘り下げが足りず終幕の下りに‥(汗)マニキュアを塗るいろは先輩と塗らないいろは先輩、怖いお母さんと優しいお母さん、どこにも行きたくないココナと冒険したいココナ、いずれも真なれど、それ故に"何を描いてもOK"となってしまいます。

思い返してみると色々とやりたい放題な事をしていただけで、中身はあまり無く「天元突破グレンラガン」みたいに感傷に訴える、勢いで見せるタイプのアニメだったのかも‥。でも※ドラッグムービーとしては振り切りが足りず、楽しさの性質の多くがパロディの域に留まってしまっていた点は残念です。変身"フリップフラッピング"についても最後まであざとい印象を拭い去る事が出来ませんでした(汗)

楽しい場面はあれこれ有りましたが、一貫性とテーマが希薄で、伏線の回収も大雑把、今ひとつ感動には至れない煮え切らなさがあるアニメでした。

※:トリップムービーとも。麻薬などによる幻覚状態を視覚化した映像とされる。ブリキ男は怪しいクスリを使った事は無いのであくまでも想像の話。
{/netabare}
最後まで観終えて その2
{netabare}
世界はただそこに存在し、見る角度によって如何様にも変化する。"失敗するからやりたくない"を"成功を信じてやってみる"にする事も出来るし、周りの人間はみんな悪人と思う事も出来れば、逆に善人と思う事も出来ます。同じ様に、つまらないと思えるものを素晴らしいと思う事だって出来てしまいます。

疑いや恐れは健康な人間の至って当たり前の感情ですが、少しばかりの勇気と素直さ、そしてちょっとしたきっかけで振り払える。ココナはPIでの様々な冒険を通してそんな事を学んだのでは無いでしょうか?

不満な点が多く残るアニメでしたが、前半の謎の提示の仕方は素晴らしく、6話の展開では釘付けになり、最終話までは毎回わくわくしながら視聴していました。

今期観たアニメの中では最も実験的でインパクトのあるアニメだったと思います。
{/netabare}

※:EDの「TO-MAS feat.Chima」という記述が気になって調べました。

TO-MAS feat.=TO-MAS SOUNDSIGHT FLUORESCENT FORESTは伊藤真澄さん、ミトさん、松井洋平さんからなる音楽ユニット名。ただ"TO-MAS"と略記されている事もある様です。Chimaさんは北海道札幌で活動するシンガーソングライターとの事。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 37
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界には魅力が詰まっている! ~不確定な未来(世界)への冒険~

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
雰囲気系アニメとしては、かなり高いクオリティ。作り手の遊び心というか、自由度を感じる。ストーリーは一応流れているものの、基本は1話完結なので、(終盤以外は)どこを切り取っても面白い。私は考察しちゃったけど、「考えるな、感じるんだ!」で、翻弄されるように楽しんだ方が、良いかもしれませんね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
これぞアニメーション、っていう作品。

風景は昔のアニメのようで好印象。絵が綺麗、というのとも一味違って、なんか魅力的。現実ではありえない世界観と合わせて、正に「アニメでしか観られない」物語だと思います(同時期の「オカルティックナイン」が「言葉で魅せるSF」なら、「フリップフラッパーズ」は「映像で魅せるSF」といった感じでした)。

何気に好きだったシーンが、第1話でココナがパピカと出会うシーン(路面電車のところ)。踏み切りで待つココナは、ふと空を見上げます。そこに、不思議なボードに乗った少女が空を飛んで現れるのですが、それに気付いたのはココナだけでした。なぜなら、他の生徒はみな、スマホをいじっていたから(背景となっているモブの生かし方が絶妙)。

私事ですが、今の職場からの帰り道、必ずとある高校前のバス停を通ります。時間的にちょうど高校生達がスクールバスを待っています。バス停の前には20人近くの高校生が立っているのですが、皆一様に視線を落とし、スマホをパチパチ。あれは凄く、もの凄く異様な光景です。

すぐ隣にいても、隣には誰もいない集団。普通、隣の人と世間話のひとつでもしませんか? 同じ部活の奴とか、クラスは違うけど同中でそん時しか会えない奴とか、いないの? 懐古主義のおじさんの戯言かもしれないけれど、彼ら彼女らは、何か大切なものを見落としていると思います。

例えば、パピカとの素敵な出会い、とかね(笑)

本作では、ココナとパピカが現実と空想の境目のような不思議な世界(ピュアイリュージョン)を冒険して回ります。まるで、サン=テグジュペリの「星の王子さま」のような世界観(もしくは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」)。「星の王子さま」の有名な一節に、「砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているからだよ」「いちばんたいせつなことは、目に見えない」「子どもたちだけが、なにをさがしているのか、わかってるんだね」 などというものがありますが、同じようなメッセージを、この「フリップフラッパーズ」からも感じました。

この作品を貫くテーマは、「不確定な未来(世界)への冒険」だと思います。それを、百合と神作画に乗せて、雰囲気アニメとして表現したのが、「フリップフラッパーズ」という解釈です。

最終回では、母親の比護下から飛び出すココナが描かれていました。例えばお祭りなんか、子供の頃は家族と一緒に行っていましたが、中学生くらいになると、友達だったり付き合っている相手と一緒出掛けるわけで。親としては寂しいし不安だけど、やっぱり子供としては成長なんだと思います。そういう比喩(親離れ、子離れ、冒険、成長)に感じました。

最終回では一度、「現実世界風ピュアイリュージョン」に行きます。全体を通し、灰色の(色の少ない)暗い風景。テレビからは不幸なニュースが流れ、街には機械の音だけが無機質に響く。ユクスキュルはただのウサギになり、セーラー服も地味に(笑) これまで見てきた数多のピュアイリュージョンの中でも一番つまらない世界。

でも、それこそが私達(視聴者)が生活しているリアルな世界なわけです。

これ、1話冒頭のココナが塾で模試を受けている場面(世界観)に似ていました。(もしかしたら、あのテストの最中にココナは初めて能力を発動させ、そのあと過ごした世界はずっとココナのピュアイリュージョンだったのかもしれませんね。)

そんな灰色の世界に再び現れたパピカ。パピカの登場と共に音楽(特殊挿入歌)が鳴り始め、世界は色を取り戻します。そして、ココナとパピカは手を繋ぎ、そんな灰色(リアル)の世界を飛び出します。

(そう考えた時、この「フリップフラッパーズ」という作品自体が、毎週、私達(視聴者)をリアルの世界からピュアイリュージョン(アニメ、空想の世界)に連れていってくれたのかも。ココナにとってのパピカが、私達(視聴者)にとってのフリップフラッパーズ、みたいな感じ。毎週、難解で不思議な話ばかりでたくさん振り回されたけど、なんだかんだ楽しかったな~、というこの作品の感想は、ココナがパピカに抱く印象と同じなのかもしれませんね。)

ラストシーンもまた印象的。まず、ユクスキュルが空を見上げ(多分そこにはパピカとココナがいて)、続いてヤヤカも空を見上げます(この時の表情が実に良いです。眉間にシワが寄り眉毛が下がる困り顔でありながら、口角は上がり、口元は笑顔。苦笑、「アイツらしょーがねぇーなぁ」という声が聞こえてきそうでした)。続いて、歩道橋で遊んでいたトト、ユユ、ニュニュが空を見上げ、絵を描いていた いろは先輩が空を見上げます。私はここに、前述の「1話でのパピカとの出会いのシーンでうつむくモブ達」との対比を感じました(世界の美しさに気付けた人達)。ユクスキュルやパピカと仲良くなった、ヤヤカ。戦い以外の日常系を得た、アモルファスの子供達。空を切り取ったいろは先輩の爪には、しっかりとマニキュアが塗られていて。それぞれのサブキャラもちゃんと「何かを得た」んだな~と、感動しました。

この作品はとにかく難解で、最終回を見終えても、正直半分も謎を解けていないように思います(つか100%理解できてる視聴者っているのかな)。なんだったら、制作自身も明確な答えがない、あるいは求めていないのかもしれません。

「あなたに世界はどう見えていますか?」……

この世界には、見えないだけで、見てないだけで、気づいていないだけで、気づこうとしていないだけで、実は魅力がいっっっぱい詰まっているんだよ!

未来は不確定で、100%こうなるなんて保証はないけれど、だからこそ面白い。さあ、冒険にいこう!

具体的に言えば、考察なんかしきれなくても良いじゃないか、さあ、アニメを楽しもう(笑)!

と、そんなメッセージが込められた作品だと思いましたw

「フリップフラッパーズ」……「flip flap」で、宙返りの意味。確かに、作風に合っています。しかし、「flip」だけなら、「はじく、めくる」。「flapper」だけなら「おてんば娘」。私は、単語を分けた方が好きですね。

「世界をめくるおてんば娘達」

なんか素敵でぴったりなタイトル解釈だと思うのですが。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
我々は、灰色の日常の中にある、素敵なモノを見落としてはいないだろうか?

美しい映像で描かれた素敵で多彩な世界が、「不確定な未来への冒険」を疑似体験させてくれます。

難解ながらも、キッチリと感動を伝えてくれる、良作です。
{/netabare}

【余談 ~パロディーまとめ(気付いたものだけ)~】
{netabare}
スペースダンディに似ている。もしくは、不思議の国のアリス(第2話なんてモロに)。

てか、パロが多すぎ。個人的には、パロなんか入れ込まなくても、素敵な絵と魅力的なキャラ、不思議な世界観だけで充分に良作に成り得たのでは? という立場(パロにはやや否定的)です。

1話→ジブリ(魔女宅&トトロ&ナウシカ&ラピュタ)。2話→アリス。3話→北斗&ドラゴンボール&スケバン刑事&セーラームーン&必殺仕事人。4話→エヴァ&ナディア? 5話→スペースダンディ? 6話→まどマギ? 7話→スタンドバイミー? 8話→超新星フラッシュマン? 10話→エヴァ? 11話→ラピュタ? 12話→ロックマン(笑) 13話→ドラクエ(笑) セーラームーンやらスケバン刑事やら、これまのネタ元のポスターがw

第1話の中には有名な錯視(ルビンの壺、少女と老婆、少女と骸骨)が登場しますが、この3つは全て「ちょっと立ち止まって(光村図書・中1版)」という、国語の教科書に載ってるやつなんで、そこからとったのでしょうね。「私たちが見ている世界だけが世界じゃない」ということでしょうね。

ココナが授業中に読んでいたのは、夏目漱石の「夢十夜」。現在過去未来の不思議な世界を夢でみる小説で、明らかにフリップフラッパーズと被る。

EDは「ヘンゼルとグレーテル」? 幸せは意外と身近にあったとか、そういうノリか。
{/netabare}

【各話感想(レビュー)】
{netabare}
【印象に残った回①】⬅一番好きな回でした。
4話。これといってなにかあった回ではなかった。サービス回? 無人島回? 百合回? まあ、なんでもいいけど、何かは分かんないけど、とにかく面白かったというのが率直な感想。パピカの部屋(土管ホームw)に入った瞬間の明るくカラフルな世界。無人島で迎える、夜の暗い海を照らすわずかな月明かり。対照的なんだけど、どちらにもハッと息を飲むような美しさがある。この作品の作画は、軽く流す所と「見せ所」を意識して力を入れるところの塩梅が実に上手く、的確だと思う(この姿勢を「ろんぐらぁいだぁす」に欲しかった)。エピソード的にも、時間の経過の中で、切るとこ切って見せる所はしっかりじっくり魅せている。なんか、「ステキ」が詰め込まれたような世界、というか、「素敵な写真で埋め尽くされたコルクボードを眺めながら共に思い出を語っているような幸福感」を覚えた良回でした。まっ、今になってもイマイチ意味は分かりませんが、雰囲気アニメの完成形のようにも思います(流石に言い過ぎかなw)

【印象に残った回②】
5話。ループ&ホラー回。がらっと作風を変えてきた回。スペースダンディのカレンダー回に近い感じ。しっかし、怖かったw なんどかマジで鳥肌たった。制作が楽しんで作っているのはわかる。

【印象に残った回③】
6話。なんか毎回になってきた(笑) いろちゃんは美術部の先輩(彩いろは)。 いろはがパピカでパピカがいろは? でも時代背景が? 過去に飛んでいろはの代わりにいろはのトラウマを解消したのかな? とすると、ピュアイリュージョンとは、人々の純粋な記憶の世界、とか?

【印象に残った回④】
7話。とにかくもう、M・A・Oさん凄いっす! こうして聴いてみると、本当に声優さんって技術職なんだと分かる。

【印象に残った回⑤】
8話。いや、ホントにもう毎回凄くて(汗) ダレる回がない。ロボ展開はそのうちあるかもと思ってたけど、まさか挿入歌まで作るとは(笑) Cパートはなんか怖かった……。

【印象に残った回⑥】
10話。やはりお祖母ちゃんは敵だったか。まあ、それは何となく分かっていたけど、ロボだったとは。謎解きが始まり、ラストへの助走となってましたね。

【印象に残った回⑦】
11話~最終話。ここまで、1話完結形式で様々なピュアイリュージョンを巡り、少しずつストーリーを進めてきた本作。11話を境に、伏線を回収しつつ一気にまとめてきましたね。ラストは「友達を救いにいく」「崩壊する世界を救う」という、THE王道の展開。母親の重すぎる深すぎる間違った愛……リアルモンスターペアレンツになっていましたね(笑) 13話は、これまで以上に意味不明な展開。謎解きが謎解きになってないよ(笑)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 35

68.7 82 2016年度アニメランキング82位
神様はじめました 25巻 OAD付限定版(OAD)

2016年8月19日
★★★★☆ 3.9 (29)
165人が棚に入れました
読者人気No.1の「過去編」ストーリーがアニメになる!
全4部作のうち最終の第4弾になる「神様はじめました」25巻限定版のサブタイトルは「神様、迎えに行く」(仮)

トゥットゥルー☆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

過去編全て見終わって

最高でした。
まさにハッピーエンドですね^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

68.6 85 2016年度アニメランキング85位
クオリディア・コード(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (657)
3217人が棚に入れました
人類の敵――〈アンノウン〉と戦争を続ける世界。

 数十年前の〈アンノウン〉侵攻時、コールドスリープ施設に避難させられていた子供たち­は、その眠りから目覚めたとき、己の身に超自然的な力――〈世界〉が発現していること­を知る。東京湾ゲートから現れる〈アンノウン〉から国を護るため、少年少女たちは東京­・神奈川・千葉の各防衛都市で戦いを繰り広げるのだった。

東京をさがら総、神奈川を橘公司、千葉を渡 航が担当し、
“QUALIDEA”を作り上げる。

声優・キャラクター
悠木碧、福原綾香、斉藤壮馬、石川由依、内田雄馬、安済知佳
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

結局無難なお話でしたが、観て損というわけではない。

12話{netabare}
大方の予想通り、葵が最後にアンノウン側に寝返り敵となったが、最後
のバトルはあっけなく地球を代表する6人がアンノウンを殲滅に追い込ん
でめでたしめでたし・・・。1クールで無難にまとめた感じがします。
最後はカナリヤの歌が皆に勇気を与えて大逆転勝利っていうシナリオなん
だろうけど、無難で陳腐すぎ・・・尺の関係もあるから仕方ないのかも
しれないが、最後のバトルはもう少し中身のあるバトルにして欲しかった
感じがします。作画は良くなかったけど、そこそこ楽しめたので、この
作品はそれで良しってことにします♪{/netabare}
11話{netabare}
いよいよ戦いは佳境に入りました。千種のお母さんが負傷して、6人は
アンノウンとの戦いに向かう。葵は最後になにかしでかしそうな感じが
漂っているが、コールドスリープの子供達は助けられるのかな?
アンノウンの侵略の事情ももう少し詳しく知れたらよかったが、概要は
つかめた感じで、ストーリーはいいんだよね。作画はいつも通りでした。
これ、DVDで作画直したりしないよな・・・。{/netabare}
10話{netabare}
どうも作画の雑さが際立っていたように感じます。引きの作画は適当
なのか・・・背景もなんらこだわりのない殺風景な感じが目立つし、
アップの作画以外は気になって仕方なかったけど今に始まったこと
でもないから・・・で済まないよなぁ・・・。千種兄妹のお母さん、
ちょっと無駄に明るすぎてうるさい。カナリヤ一人で勘弁して欲しい。
さて、本当の戦いはこれからなのだろうが、日本に残るコールドスリ
ープに入った子供たちの救出は可能だろう。しかし、コードをつけている
仲間達は殺すわけにはいかないよな・・・。面白いストーリーだし、
キャラの個性も好きなんだけど、ほんと作画がね・・・毎回言うけど
もったいないよ。{/netabare}
9話{netabare}
カナリヤが戻ってくるまで、じっくりと作ったね。見えている世界は
偽物で、真実は植物系の何かに浸食されている感じでしたが、アンノ
ウンに見えていたものは、実は本当は人間の姿なのかな?そして、管
理局で視覚を制御されている者は、人間がアンノウンに見えて、侵略
者が人間を操作し滅ぼそうと画策していたってことかな・・・。
いずれにしても、なかなか面白い内容なのに、作画が相変わらずで惜
しいね。{/netabare}
8話{netabare}
この世界が人為的に作られ操作されている世界だとしたら、その理由は
なんだろう。ここにきて話の内容が興味深くなってきました。本当の
世界があるのでしょうか・・・そしてそれはどのようにして掴み取ること
ができるのでしょうか?首の後ろにあるチップが空想?世界の原因だと
思うが、もしかしてアンノウンの方が現実世界からの使者だったりする
とか・・・考えすぎかな?後半になってグッと作品の重みが出てきたね。
見続けて良かったです。{/netabare}
7話{netabare}
ほたるが舞姫の危機を救うが、ラストはどういうことだ?舞姫のコード
板がアンノウンに撃たれてから、姫の力が一気にダウンしたということ
は姫はどうなるのか?本部で管理するための電子的識別コードだけの意
味あいじゃないのかな?ちょっと謎。そもそもQualideaって英語は無い
し、これはいったいどういう意味なのかな?Qualifyって動詞があるけ
ど、名詞・形容詞形は―deaが語尾に付く形はないし・・・なんだろね?
英語じゃないのかな?謎だったため、外国のwikiでも調べたが、タイト
ルは、Kuoridia-code? みたいになってて、ローマ字表記でした。
あまりこだわる必要も無いのかもしれないけど気になります。ちょっと
謎が多いので、最後まで観ますw 結構面白くなってきましたが、これ
で、ほたると舞姫まで消えてしまうとか無いよな・・・。なんか見落と
してたかな?録画を観直している時間がないから、次週注目します。{/netabare}
6話{netabare}
アンノウンの大襲撃の指揮にあたる舞姫の過去のエピソードを挿入した
戦闘シーン。舞姫の正義を貫く熱い血は祖父譲りなんだね。そして、仲
間を信じ仲間の為に戦う熱い気持ちの根底にはほたるとの絆が存在して
いて、それはそれで美しい話だと思った。壱弥はただぶち切れてしまっ
たが、戦っているだけマシだなw 次週はほたるちゃんが加勢して、千
種兄妹が東京に到着して、どうにかなるのか?40分もたせれば大丈夫と
いうことだったが・・・。{/netabare}
5話{netabare}
壱弥のカスっぷりは半端無いな・・・。最初の威勢はどこへやら・・・。
ただ、壱弥が塞ぎこんでるおかげで、千種兄妹の会話が多くなり面白い。
明日葉の『うける』を聞くとちょっと笑っちゃう。姫はいい子だね~。
でも、心に深い傷があるようだ。ところで・・・カナリヤはどうなった
んだ?作画は相変わらず所々手抜きっぽいとこあるな・・・w{/netabare}
4話{netabare}
壱弥の最初の傲慢さの必要性は理解できた。壱弥が仲間の重要性を知り
丸くなる所までの4話ですな。しかしさ、やっぱ舞姫が一番強い感じが
します。だけどさ・・・どうやってやっつけたのさ?肝心のとどめの
一撃が作画されなかった理由が分からんな・・・。止め画で戦闘終了し
いきなり舞姫の勝利宣言って・・・あまりにも手抜きすぎないか?
あと、戦闘に歌が出てくるのは好きじゃないな・・・。なんか調子狂う
よ。千葉の兄妹はいい味出してるよね。いいとこもあるけど、荒削りな
面も多くて・・・、でももう少し見ちゃうかなw。
カナリヤはどうなったんだろうか・・・?{/netabare}
3話{netabare} 
相手の力量も測れないような首席でいいのかな?・・・と思いつつ、カナ
リアの歌が止まると、壱弥の戦闘能力が存分に発揮できないことが露呈し
た。その程度であの自信は過剰だよね。舞姫の方が断然強そうだな。
ただ、壱弥はいいとこある奴だということは分かった。強大なUNKNOWNに
対し、3校でどのように戦うのか、次週注目って感じですね。舞姫だけで
勝てんじゃないのかな?・・・とも思いつつw{/netabare}
2話{netabare}
壱弥が1話ほど強烈でなくなったので見易かった。これくらいの気性の悪さ
なら十分耐えられる。霞の存在が壱弥にマイルド感を与えていい関係に思え
る。ある程度メインキャラの紹介は済んだ感じでしょうか。そこそこ楽しめ
そうなキャラの集まりだということが認識できました。あとはストーリーが
どうなっていくのか・・・。{/netabare}
1話{netabare}
まず壱弥が胸糞悪くて嫌い。とても酷い性格で気分を害する。そういう
性格になった訳もあるんだろうけど、これがメインキャラだと、観る気が
失せそうだ。キャラ画もかなり雑な部分が目立つし、戦闘と爆破の作画に
関してはそこそこ力が入っているようだけど、決して綺麗な画ではない。
話もたいして面白くないし、UNKNOWNとの闘いの中で繰り広げられ
る人間模様に興味をそそられない。
別に視聴継続しなくてもいいかな・・・と思うような1話だった。 {/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

オマージュの果て

【2016.09.30 少し修正整理】

作画が弱いと一目でわかる。それだけに、これさえなければという印象を持ちがちなのだが、本当にそうだろうか。


序盤の設定を見ると、いわゆる「テンプレ」の、異能で世界を守る学生ヒーローもので、主要キャラクターたちも人気のライトノベルからピックアップしてきたような類型性を強く漂わせている。
だが、無自覚に類型をなぞった安直さよりも、妙に自信のありげな、確信犯的な迷いのなさを感じさせるものだ。


{netabare}創作物は先行作の影響の上に誕生してくるものだが、「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、おそらく「セカイ系」を源流としている。

社会領域を排除し、キミ/ボクのセカイが世界の存亡という破滅的状況と直接に重なる「セカイ系」は、さらに遡れば『新世紀エヴァンゲリオン』にたどり着くだろう。

正体不明の由来のしれない圧倒的な暴力が理不尽に襲い掛かり、破滅寸前である世界を救うため、基盤も仕組みも分らない「陰謀組織」の得体のしれない権力が、少年少女を意義の不明な死闘へと駆り立てる『エヴァンゲリオン』世界。

ここから、子供の目には理不尽な運命を残酷に押し付ける得体のしれないブラックボックスのような「陰謀組織」に見える「社会」を、すっぱりと整理して消去し、子供の「理不尽なセカイ」と「理不尽に破滅する世界」を二重化する方向へ純化したのが「セカイ系」と言えるだろう。

そして「世界を守る異能力学生(集団)」のテンプレは、「セカイ系」から、キミ/ボクの関係が世界の命運を決定する=ボクの行動がそのまま世界をコントロールしているという、幼児的な「全能感」の快楽だけを抽出して消費する、「セカイ系」の自堕落な頽廃形態を量産するための「テンプレ」として生じているようだ。

本作の設定やキャラクター造形は、明らかに「テンプレ」をなぞっているのに、「セカイ」の造形に「陰謀」的な得体のしれなさを匂わせることで、「セカイ系」の更にその源流の先行作へ向けてオマージュを捧げているような、意図的な作為感を漂わせる。

この印象は、中盤から終盤にかけ、この「世界」が、「学生」の全能感のための「テンプレ」ではなく、学生を支配下に置くための舞台装置であったことが暴露されることにより、やはり先行作品へのオマージュないしは回答であったからだ、と示しているように思う。

「テンプレ」を疑わずに「学生」に感情移入して「世界」の支配感を甘受していた視聴者は、「世界」の最下層を支える部品に過ぎなかったという「真の」設定を前に、衝撃を受けることになる。


このような仕掛けにもかかわらず、本作が退屈で雑な視聴感しか与えないのは、設定やストーリーに注力しているように見える割に、アニメというビジュアル表現に対して意識が不足しているような印象を感じさせるからだ。

それは、作画が乱れている、といった水準の話ではない。

明らかに戦闘に不向きなスクールユニフォーム的な制服で戦闘する。
人間が無造作に空中浮遊し、自在に空を飛ぶ。
掌をかざしたり、剣を振るだけで遠距離の巨大な敵が爆発する。
等々…

セリフがいかに勿体ぶって意味深長であろうと、それを表現するビジュアルがこのように安易で工夫のないものであれば、アニメという映像表現として説得力が激減するだろう。

異能力によって空を飛んだり敵を爆破するのはいいとして、そこに超常的な力が作用しているのだという映像上の表現が無ければ、他人の夢を説明無しに見せられているようなもので、「凄いことが起きている」という作中の状況に対して白けた距離感しか生まれない。

明らかに映像表現として質を高めようという意図の見えないビジュアルは、そもそもこのストーリーをアニメとして表現しようとする意欲があったのかとさえ疑わしく感じさせる。


そのストーリー自体も、ビジュアルが「テンプレ」の約束事に寄りかかって工夫を放棄した安易なものであったように、やはりオリジナルな工夫は無かったのだとラストで暴露される。

キャラクター各人の異能を「せかい」という明らかに不自然で耳障りな用語で表現していたのは、この「セカイ/世界」が、個々人のセカイ=価値観の闘争の場であると示したかったからであるようだ。

だが、価値観の相対的な優劣が「世界」を形作るとは、現実の価値相対主義を単に追認しているだけであって、改めて創作物として世に問うような何らかの「作家的主張」でも新たな「知見」でもない。

しかも、オマージュを捧げた先行作において、理不尽な暴力をもたらす「敵」が本質的に理解不能な「謎」の存在であったのに対し、説明の可能な侵略行為という「理解可能」な「敵」を設定することで、「異次元」の敵との闘争もまた、価値相対主義に回収されてしまう単なる価値観の闘争という現実の物まねに矮小化してしまう。

先行作に対して「説明」という「回答」を返したように見えるものの、先行作が、価値相対主義の現実を「理解不能な敵」を創造することで撃とうとした地点から、完全に後退してしまっている。

その「価値相対主義」も、結局のところ徹底的に闘争されることはなく、「大人」から勝利を「禅譲」されるようなラストが、本作を、安易で自堕落な「全能感」の満足へと着地させる。

大人と若者の間の壁は普遍的で、若者はいつの時代も「壁」を越えようとする。

本作においても、大人の「世界」を打ち破り、「若者」の世界を創造する「進化」を描こうとしたのかもしれないが、ギリギリの最後の最後で「大人」が退いて勝利を譲るような描写は、近年の若者の主張が、大人との闘争を避け、「居場所を「譲って」くれないのはおかしい」、「後進に道を譲って「くれない」のは間違っている」という「要求」である事態を追認しているとしか見えない。

「要求」する若者が「闘争」しようとする若者の足を引っ張る現実に背を向け、消費者根性が染みついた「要求」を描いてしまう本作は、挑戦的な見せかけにもかかわらず、幼児的な「全能感」の満足を企図した「テンプレ」からやはり脱してはいなかったのだと落胆させる。


ストーリーの貧しさに加え、映像表現の貧しさが、単なる娯楽として視聴することも不可能にした。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

waon.n さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

清々しいほど分かりやすい

 キャッチしている人のレビューみて気になったので、観はじめたら止まらないで一気に視聴してしまった。
 別にラノベ原作だからとかでスルーしていたのではなく単純に気づいていなかったんだよな。ということで、少しでも認知されるべくレビューを書きたくて仕方のないそんな作品。
 ただし!
 別に素晴らしい作品というわけでもないのがじれったい。
 そして、なんかレビューしたくなる作品だったことをここに記す!

ライトノベルが原作。
 物語は、終末後の世界感で非日常であり、完全なファンタジー路線ではあるものの、学生をメインに持ってくることで、日常を同時に描きつつラノベらしい長ったらしいセリフ回しの会話劇を楽しめると妙な没入感に浸れる。
 この長いセリフ回しを演出で全て回収しているのが化物語っている化け物みたいなすごいアニメもあるけれど、そこまでは期待してはいけない。

 このアニメをレビューするにあたり調べてみたところ、どうやら、ラノベ界では有名人の3人が別々のレーベルから同名の作品を出すという新しい試みから生まれたものらしい。
 作者によって描く主人公が違うという点はまず抑えておきたいポイントだろう。ちなみにこのなかの3人では渡航しか知らなかった。言わずもがな『俺ガイル』の作者だ。

ライトノベルが原作だということは
 ライトノベルの特徴としては、現実逃避感が他の作品よりも色濃く出てる。これは割と謎の現象だとずっと思っている。
 そして、私としては一番ラノベ原作アニメの好きなところでもある。
 ちなみに、現実逃避感=世界観の破綻ではないので誤解のないように。悪い意味のように聞こえるかもしれないけれど良い意味のつもりで書いている。
 だからここが受け入れられない人は世界観が破綻しているように見えるし感じるしつまらないものになってしまうのだろう。
 そもそも、映像作品であれば、どこかに現実逃避したい欲求があるだろうに、なにも隠すことはないと思うのだがな(揶揄)。
 もちろんなかには本当に破綻しているものも少なからずあるから、アレルギー反応的に見ないという層があるのも納得できてしまうのも悲しい。
 しかし、この現実逃避モードに入ってしまい、没入感に浸ってしまうと、最終回にはあーもうこの仲間たちと物語を楽しめるのはこれでお終いかと喪失感が半端ない。
 これをのんのんびより病ともいう(いわない)。
 この作品の最大の魅力はここにあると私は思う。ただし! この没入感へ誘われることができるのは一握りの上級者のみ……(良いか悪いか判断できない)。

キャラ設定のバランスが良い
 強い個性を持ったキャラが登場するのは割とライトノベルらしさの一つで、ここイコールで作品の魅力として読まれているものもあるだろう。面白いかは別にして。
 今回の作品では東京、神奈川、千葉と3つのグループに分かれていて、それぞれがペアのような形で戦闘をおこなったり日常を楽しんでいる。
 このペアリングを紹介しよう。

まずは東京!
 主人公タイプの男で中二病とドジっ子でヒロイン。
 王道ラブ個風。

次に神奈川!
 脳筋元気少女と冷静だが主席の全てを肯定する女。
 百合っぽい。
 
そして千葉!
 ネクラ兄とツンデレ妹。
 どっかでみた兄妹……千葉でヒッキーで妹的にポイント高そう。

 キャラ設定と、ペアリングがある程度考えられているのも見どころであるが、さらに中二とネクラのやり取りはBLへの守備もカバーしているようにも見えなくはない。(ここ試験に出ます)

主人公が変わっていく構造。
 これは新しい試みのためにそうなったと思っているというかそうせざるを得ないのが、主人公は誰? って話。
 それぞれの本で主人公がいてそれを一つの話にまとめるとなると、ブレる。だから最初から序盤は東京、次に神奈川、最後は千葉で、みたいに恐らく決まっている。もしかしたら原作の段階でもそういうプロットになっていたのかもしれない。

 実はすごく難しいけれど、やっぱり作家なのかね、ちゃんとまとめきった感じはある。この構造も話の流れからすると凄くフィットしてるから不自然にならずに普通にやられたって感じだった。
 んな簡単に壊れるかい! ……みたいなツッコミを入れたくもなったけれどね。タイムスケジュール的に難しいだろうというところか。
 でも、「作画が良かったらな」とも不思議と思わない。そんなの抜きで面白かったと言える。

 いつもなら、絵ガー、音ガーとかそんなレビューもするんだけれど、あんまり書きたくないっていうのが正直なところ。
 作画の良い例と悪い例の両方を2:8位の割合で楽しめるのでおススメだ。この対比が良い所を際立たせることに成功している……もうやめよう。
 きっと複数レーベルに渡ってチェックしていたらあれ?? 思ったより時間取られるからちゃんと描く時間ないね。って感じだったことにしよう。

 ちなみに音楽は謎に力を入れていて、OPもEDも12話なのに変わってたような気がする。っていうか全部良いよ。カッコいい。ClariSとGARNiDELiAが一緒に歌うとかちょっとやってくれた感ある。

 さて、ここまで読んでもらえたらきっとこの作品を観たいと思ってくれることだろうと期待してネタバレはなしで書いてみた。見たことない人がここまで読むかという根本的なところもある。

 早く書きたかった理由はここで、作画が駄目だからこの作品はダメだとかラノベ臭が半端ないからダメだという意見に飲まれてほしくないという理由からだった。睡眠時間をちょっとずつ削って二日かけて書いてみました。どうぞこの下にあるハートマークをダブルクリックしてください。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

68.6 85 2016年度アニメランキング85位
機動戦士ガンダムUC RE:0096(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (241)
1244人が棚に入れました
U.C. 0001―。宇宙への移民が始まった、新たな時代。西暦から宇宙世紀(Universal Century : U.C.)に移るセレモニーが行われていた地球連邦政府の首相官邸、宇宙ステーション〈ラプラス〉が爆破テロにより粉々に砕け散る。貧しさからそのテロ事件に加わった青年サイアムは、〈ラプラス〉の爆発に巻き込まれ、残骸の中である物を発見する。それは後に『ラプラスの箱』と呼ばれることとなる禁忌の箱だった。U.C.0096―。『シャアの反乱』から3年、一年戦争から続く戦乱の世は、表面上には平穏を取り戻しているかのように見えた。工業スペースコロニー〈インダストリアル7〉に住む少年バナージ・リンクスは、ある日、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と出会う。彼女は、ビスト財団とネオ・ジオン残党軍『袖付き』による『ラプラスの箱』の取引を止めようと、単身行動を起こしたのだ。彼女に対し、協力するバナージ。だが、同じく取引を妨害するため乗り込んだ地球連邦軍と『袖付き』との戦闘により、コロニーは戦場と化してしまう。オードリーを探して戦火を走り抜けるバナージは、『ラプラスの箱』の鍵となる純白のモビルスーツ、ユニコーンガンダムとの運命的な出会いを果たす。『ラプラスの箱』とは何か―。『箱』の抱く秘密とは何か―。今、宇宙世紀 百年の呪いが解かれようとしていた。

声優・キャラクター
内山昂輝、藤村歩、池田秀一、浪川大輔、甲斐田裕子、柿原徹也、手塚秀彰、戸松遥、下野紘、菅生隆之、高木渉、永井一郎

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

なんだか分かんないと思ってしまうんだよなあ

オードリーヘップバーンが好きなのかな。本名はジオン側の姫でミネバ・ザビや。普通の学生をしていたバナージ・リンクスがボーイミーツガールで利権争いやら戦争阻止やら。実の父から譲り受けたユニコーンガンダムが鍵を握るらしい。相変わらずの超科学。

見せてもらおうか。新しいガンダムとやらの性能をと、とあるシャアのようなことをおっしゃる。赤い彗星の再来フルフロンタル。3倍のスピードも受け継いでるんすね。当たらなければどうということはない。
3分待とう。賢明なる判断を期待するとはムスカ大佐に近いこともおっしゃる。というかシャアを美化しすぎなような。ただママを求めてたおじさんやぞ!!違うか

ジオンの残党であるネオ・ジオン、地球連邦軍、財団など色々敵・味方混ざりつつ、以前からのニュータイプに関する話とか新たに戦いの鍵を握るラプラスの箱がとか。また、女を略奪されたと思って逆恨みするリディ・マーセナスとの和解もあり。あとは、ひたすら戦闘。よく死ぬ。
オリジンガンダムの系譜を継ぐ作品だなという感じ。ガンダムのファンとは言えない自分にはちょくちょく物語の流れが分からなくなってしまう。特に最後のほうが。これも富野節??申し訳ないです。
なるほど。時系列的には逆襲のシャアとガンダムF91の間に起きた争乱なのね。100秒でまとめてくれた箇所があったので、スッキリした。

マリーナさんには少々感動した。
ブライトさん!!ララァ!!とは思った。ちょこちょこと過去のメンツ・回想が登場するよね。


劇伴は基本的に澤野弘之さんの作曲。素晴らしいですね。

OP
Into the Sky SawanoHiroyuki[nZk]:Tielle
RE:I AM Aimer
ED
Next 2 U -eUC- SawanoHiroyuki[nZk]:naNami
merry-go-round CHEMISTRY
bL∞dy f8 -eUC- SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer
StarRingChild Aimer
挿入曲
LICHT MEER 井上優弥子
EGO 小林未郁
A LETTER
ビギニング
流星のナミダ
OVAでも使用した楽曲をちょこちょこと使用しつつ、テレビ放送版では新たな楽曲を用意。Into the Skyは割とお気に入りでした。
Aimerさんの活躍もきらりと光る。かなりアニソンを歌われているけど、ガンダムとの親和性もありますな。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
宇宙世紀0096年。『シャアの反乱』から3年、工業コロニー〈インダストリアル7〉に住むバナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と出会う。戦争の火種となるビスト財団とネオ・ジオン残党組織『袖付き』による、『ラプラスの箱』の取引を止めようと行動しているという彼女に対し、協力するバナージ。しかし、同じく取引の阻止のため乗り込んできた地球連邦軍と『袖付き』との戦闘により、コロニーは戦場と化してしまう。オードリーを探して戦火を走り抜けるバナージは、『ラプラスの箱』の鍵となる純白のモビルスーツ、『ユニコーンガンダム』と運命的な出会いを果たす。『ラプラスの箱』とは何か、それが抱く秘密とは何か……。宇宙世紀100年の呪いが、解かれようとしていた。



第1話 96年目の出発
宇宙世紀0096年--。ネオ・ジオン軍と地球連邦軍が戦火を交えたシャアの反乱』から3年。工業コロニー、インダストリアル7に住む少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎の少女と出会う。

第2話 最初の血
戦争の火種となる『ラプラスの箱』の取引を止めるため、ビスト財団当主のカーディアスに会おうとするオードリー。協力するバナージ。だが、地球連邦軍と『袖付き』の間で戦闘が起き、コロニーは戦場と化してしまう。

3. 第3話 それはガンダムと呼ばれた
『ラプラスの箱』を巡る戦闘でインダストリアル7は戦場と化してしまう。オードリーを探して戦火を走り抜けるバナージは、『箱』の鍵となる純白のモビルスーツ、ユニコーンガンダムと運命的な出会いを果たす。

第4話 フル・フロンタル追撃
クシャトリヤを退け、戦闘後に気を失ったバナージは収容されたネェル・アーガマで、オードリーと再会する。だが、そこへネオ・ジオン残党軍『袖付き』の首魁、フル・フロンタルが駆るシナンジュに襲撃してきた。

第5話 激突、赤い彗星
オードリーを救うため、バナージはアナハイム社の重役アルベルトの力を借りて出撃した。赤い彗星の再来と呼ばれるフル・フロンタルの駆るシナンジュと激突したユニコーンガンダムはデストロイモードに変身するが…。

第6話 その仮面の下に
ネオ・ジオン残党軍『袖付き』の拠点、資源衛星パラオ。そこで待ち受けていたのは仮面を外して素顔を見せるフル・フロンタルだった。一方、ネェル・アーガマでは、エコーズのダグザが指揮するある作戦が実行される。

第7話 パラオ攻略戦
地球連邦軍ロンド・ベルのネェル・アーガマと特殊部隊エコーズが、バナージとユニコーンガンダムの奪還作戦を開始した。ネオ・ジオン残党軍『袖付き』の拠点、資源衛星パラオは新たな戦場と化す。混乱の中でバナージと再会したミネバは、リディの父の力を借りるため地球へ行くと伝える。一方、フロンタルは強化人間のマリーダを使って『ラプラスの箱』の鍵であるユニコーンガンダムのNT-D(ニュータイプ・デストロイヤー)の発動を促そうとする。ユニコーンガンダムには『箱』への道を開示するプログラムが仕組まれていた。クシャトリヤを駆るマリーダと戦ったバナージは、ニュータイプ同士の感応により彼女の過去と心の痛みを知るのだった。

第8話 ラプラス、始まりの地
連邦側の捕虜になったマリーダは、バナージに「それでも」と言い続けろ、ユニコーンガンダムに眠るもうひとつのシステムを呼び覚ます力になる、と助言する。そのマリーダは地球へ移されることになる。サイアムの孫娘で現ビスト財団当主代行マーサ・カーバインの指示だ。アルベルトに財団の命綱である『ラプラスの箱』の開放阻止を命じたのもマーサだった。一方、バナージはパラオでラプラス・プログラムが新たに示した座標、宇宙世紀元年にテロで爆破された首相官邸ラプラスの跡地へ向かう。ダグザに強制され、一度は反発したバナージだが、オットーからバナージ救出作戦を主導したのがダグザだと知らされ、ユニコーンガンダムを出撃させたのだ。

第9話 リトリビューション
ラプラスの跡地に着いたユニコーンガンダムはプログラムの封印が解け、96年前に地球連邦政府初代首相リカルド・マーセナスが行った演説を流し始めた。ジオン根絶のための殺戮マシーンではない何かが組み込まれていることに気付いたダグザは、バナージに「それを制御するのは生身の心だ」と教える。だが、アンジェロの親衛隊と共に急襲したフロンタルのシナンジュによってダグザは殺された。バナージの怒りに反応したユニコーンガンダムはNT-Dを発動させデストロイモードに変身し、シナンジュを圧倒するが、盾となったギルボア機を撃墜してしまう。地球へ落ちていくユニコーンガンダム。その光芒を地球に降りたミネバは目撃するのだった。

第10話 灼熱の大地から
地球に落ちたユニコーンガンダムとバナージを助けたガランシェールが西サハラ砂漠に不時着した。地球潜伏のジオン残党軍は地球連邦の首都ダカールを襲撃する陽動作戦を展開。連邦政府の中心人物ローナンはブライト・ノアにガランシェール探索を命じる。リディと共に地球に降りたミネバは自分が政治利用されるのを怖れてマーセナス家から姿を消すが、地球生まれの老人が語る「宇宙移民を実行した人々の善意」という言葉でなすべきことに気づき、追っ手の者達に身を預ける。同じ頃、アルベルトの叔母マーサは強化人間のマリーダを手駒とするべく再調整を施す。一方、ジンネマンはジオン残党軍と接触するためバナージを連れて砂漠の横断を敢行する。

第11話 トリントン攻防
砂漠を旅したバナージは連邦軍に家族を殺されたジンネマン達の悲しい過去を知り、『ラプラスの箱』をより良く使う方法を探るべく新たな情報が開示される場所、トリントン基地へ向かうことを決意する。そのトリントン基地への攻撃をフロンタルに進言するロニ。彼女は地球連邦首都ダカールを襲撃したシャンブロのパイロットだった。一方、リディはデルタプラスでブライト艦長が指揮するラー・カイラムに合流する。そのラー・カイラムにトリントン基地が襲われたとの報が入る。ジオン残党軍がカークスの呼びかけで結集したのだ。シドニー新湾に現れたシャンブロは無差別に市街地を破壊しながら進撃。ジオン残党の怨念がロニを殺戮に駆り立てていた。

第12話 個人の戦争
コロニーが墜ちた地、オーストラリアのトリントン基地で開示される『箱』への座標を得るため戦いを引き起こすジオン残党軍。その戦いを止めたいバナージは、立ち塞がるジンネマンを退けてユニコーンガンダムで出撃する。一方、ラー・カイラムのMS部隊トライスターは、ロニの親代わりだったカークスを迎撃して撃破。ロニは怒りと悲しみでシャンブロでの殺戮を続けるが、亡くなったカークスの思いが彼女に人の心を取り戻させる。しかし、ジオン残党の怨念は強くシャンブロは再び暴走する。リディはユニコーンガンダムのビーム・マグナムを奪うとシャンブロを撃破。ロニの死に呆然となるバナージの前に黒いユニコーンガンダムが接近する。

第13話 戦士、バナージ・リンクス
バンシィに急襲されたバナージは、ユニコーンガンダムと共に身柄を拘束され、ラー・カイラムに収容された。そのバナージがアルベルトの腹違いの弟だと聞かされ驚くリディ。アルベルトの叔母マーサは、リディの父ローナンから引き渡されたミネバをバナージに口を割らせるための駒とすべく超大型輸送機ガルダへ移送した。八方塞がりの状況下、『ラプラスの箱』への新たな座標を秘匿し続けるバナージに、ロンド・ベル司令ブライトは歴代ガンダムパイロットと同じ可能性を認めて励ますと、カイ・シデンを通じてミネバ奪還の共同作戦をガランシェールへ伝達。救援にネェル・アーガマを派遣する段取りも図り、バナージをミネバのいるガルダへ送り出す。

第14話 死闘、二機のユニコーン
ミネバとマリーダ奪還作戦を仕掛けるガランシェール隊。その阻止をマリーダに命じるアルベルト。ユニコーンガンダムのバナージはデストロイモードに変身したバンシィに苦戦する。一方、マーサ達の手を逃れたミネバはリディの救いの手を拒み、バナージが受け止めてくれると信じて空に身を投げた。バナージはその願い通りにミネバを助けてガランシェールに届け、マリーダとジンネマン救出のため再びガルダへ向かった。ガンダムへの憎しみに囚われたマリーダだが、ジンネマンの出現に心を乱される。リディの憎悪はバンシィもまたガンダムだという事実をマリーダに突きつけ、混乱してバンシィから吐き出されたマリーダをジンネマンは助けるのだった。

第15話 宇宙で待つもの
バナージとミネバ達を収容したガランシェールは、宇宙に上がる途中でエンジントラブルに見舞われるが、諦めないバナージの奮闘で不思議な光に覆われたユニコーンガンダムの力で、無事ネェル・アーガマとの合流を果たす。だが、地球連邦軍参謀本部は『ラプラスの箱』に関わったネェル・アーガマとガランシェールの抹殺を決断。宇宙へ戻ったバナージ達の前に連邦宇宙軍最大級の巨艦ゼネラル・レビルを差し向ける。絶体絶命に陥るバナージ達。その窮地を救ったのは、ネオ・ジオン艦隊を率いるフル・フロンタルだった。シナンジュの活躍でゼネラル・レビルの追撃から逃れたネェル・アーガマは、『袖付き』との共同戦線をやむなく受け入れる。

第16話 サイド共栄圏
連邦軍から追われる身となったネェル・アーガマが選んだ苦肉の策、『袖付き』との共同戦線。それに反発するクルー達に受け入れを命じたオットーは、フロンタルから本音を引き出そうとする。ミネバからも『箱』を手に入れて何をする気か? と問われたフロンタルは、地球を除く月と各サイドが経済的な結びつきを強めて連邦を弱体化させるという「サイド共栄圏」構想を明かす。その結果、引き起こされる悲劇を予見して失望するミネバだったが、『ラプラスの箱』への最終座標がインダストリアル7のメガラニカだとフロンタルに伝えてしまうのだった。一方、アルベルトからバンシィ・ノルンを受け取ったリディは、ユニコーンガンダムを追って出撃する。

第17話 奪還! ネェル・アーガマ
フル・フロンタルに『ラプラスの箱』の最終座標が知られ、落ち込むバナージ。マリーダは望みを持ち続ければチャンスは来ると励ます。一方、タクヤ達は密かに連邦軍哨戒艦を呼び反撃の機会を窺うが、アンジェロに察知されてしまう。彼らを人質にされ哨戒艦撃沈を要求されたオットー艦長は共同戦線の破棄を決断。激しい銃撃が展開される中、バナージはフロンタルと対峙する。ミネバもフロンタルのサイド共栄圏構想を否定する立場でマリーダと動くが、ジンネマンはマリーダに投降を命じた。しかし、マリーダの決意がジンネマンの恨みを解かす。バナージとマリーダに反撃され、ネェル・アーガマから脱出したフロンタル達は『箱』の最終座標へ向かう。

第18話 宿命の戦い
インダストリアル7へ急ぐネェル・アーガマは『袖付き』のモビルスーツの攻撃に進路を阻まれる。その戦線を突破できなければ、フル・フロンタルに『ラプラスの箱』の確保を許してしまう。さらにフルアーマー・ユニコーンガンダムのバナージに対し、リディのバンシィ・ノルンが立ち塞がった。一方、カイ・シデンから、コロニーレーザー『グリプス2』が稼働し『箱』の消滅も厭わない作戦が進展しつつあると聞いたブライトは、コントロールセンターがあるシャイアン基地にラー・カイラムを急行させる。血の呪縛に縛られ暴走するリディ。怪我を押してクシャトリヤ・リペアードで救援に駆けつけたマリーダは、バナージに先に行けと命じるのだった。

第19話 再び光る宇宙
アンジェロに捕捉されローゼン・ズールのサイコ・ジャマーに苦戦するバナージ。一方、マリーダと対決したリディは思念の共鳴現象に翻弄されクシャトリヤ・リペアードを撃破してしまう。マリーダの思いはジンネマンやミネバ達に宙域の危機を伝えて去る。その死の衝撃はユニコーンガンダムに数値を越えた感応波を現出させ、惑乱したアンジェロは自機を自壊させた。ジンネマンの協力で『袖付き』艦隊の足止めに成功したネェル・アーガマはインダストリアル7宙域に到達する。同じ頃、シャイアン基地に乗り込んだブライトはリディの父ローナンやマーサと対峙する。一方、バナージとミネバが向かうメガラニカではサイアム・ビストが待ち受けていた。

第20話 ラプラスの箱
メガラニカでバナージとミネバを待っていたバナージの曾祖父サイアムは、宇宙世紀元年の地球連邦政府首相官邸爆破テロの実行犯で、その際に手に入れた宇宙世紀憲章を『ラプラスの箱』として連邦と取引してきた。だが、連邦の硬直した状況を憂い、孫のカーディアスと連携して真のニュータイプを見つけ出す機能をつけたユニコーンガンダムを『箱』の鍵とし、世界の未来を託す者を探そうと試みたという。その試練をミネバと乗り越えたバナージは、サイアムから『箱』を譲り受け、みんなの為に使いたいと考える。しかし、フル・フロンタルもまた氷室に現れ『箱』の正当なる継承者だと主張。バナージとフロンタルの『箱』を巡る最終決戦が始まる。

第21話 この世の果てへ
『ラプラスの箱』を強奪しようとするフル・フロンタルは、立ち向かったガエルのシルヴァ・バレトを圧倒的な戦力差で大破させた。ガエルの危機にユニコーンガンダムを召喚するバナージ。リディもバンシィ・ノルンで参戦し、2機のガンダムが巨大モビルアーマー、ネオ・ジオングと対決する。しかし、フロンタルはネオ・ジオングのサイコシャードでガンダムの全武装を破壊。バナージを宇宙の時の果てへと誘い込み、虚無と絶望を植え付けようとする。だが、諦めないバナージに、ララァ達の思念が力を貸す。それに呼応して自壊を始めるネオ・ジオング。一方、ローナンは『箱』を葬り去るためコロニーレーザーの使用を決断、実行を承認してしまう。

第22話 帰還
宇宙に旅立った人類が新たな可能性を期待されて送り出された事実を記した宇宙世紀憲章の「未来」という一文。その一文が記された『ラプラスの箱』を怖れる連邦政府の中心人物でリディの父のローナンは『箱』の在るメガラニカ破壊の為、コロニーレーザーの照射を承認してしまう。バナージとリディはガンダム2機のサイコ・フィールドでメガラニカの防衛に成功するが、その代償にバナージはユニコーンガンダムに取り込まれてしまう。世界中の人々に向けてミネバが『箱』の真実を明かすなか、オットーとジンンネマン達は協力して追撃してくる連邦軍艦隊からの離脱を図る。一方、バナージは父カーディアスの思念に促され、ミネバの元へ帰還する。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6
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ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

空から落ちてきた碧い瞳のお姫様と少年の物語

ここしばらく、「機動戦士ガンダム」シリーズの色々な作品を見ているのですが、シリーズ全体の核となる初期の作品群(79-80年代の《宇宙世紀》シリーズ)については、

①最近の美麗な仕上がりの諸作品に比較すると、どうしても作画・演出の粗雑さが目に付いてしまうこと
②シナリオ構成・脚本が、スポンサー(子供向け玩具メーカー)の意向を反映した1年もの作品(約50話)という制約から、とくに中盤に無駄に引き伸ばされた感のある話が目立ち過ぎること

等々から、やはり視聴を続けるのがちょっとばかり難儀でした。
それでも今回は、本サイトにレビューを書く、という目標があったので、何とか挫折せずに完走することが出来ましたが、その結果として、各TVシリーズの完走直後の率直な個人評価は、下記のとおり、どうしても不満の残るものとなってしまいました。


◆機動戦士ガンダム《UC(宇宙世紀)シリーズ》TVシリーズ・評価

1.機動戦士ガンダム  (TVシリーズ)   ☆  3.7 (43話) (1979年)
2.機動戦士Zガンダム (TVシリーズ)   ☆  3.7 (50話) (1985年)
3.機動戦士ガンダムZZ (TVシリーズ)   ×  3.2 (47話) (1986年)
4.機動戦士ガンダムUC (TVシリーズ)   ★  4.3 (22話) (2016年)
------------------------------------------------------------------------
  総合                      ☆ 3.7 (全162話)


なお上の一覧からは外していますが、TVシリーズ第3作「機動戦士ガンダムZZ」を見終えた後、その続編となる劇場作品「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を続けて視聴して、しかしそれも、本サイトの評価の高さ(総合順位167位、総合得点81.6)から期待したほどには面白いとは思えず(※私の個人評価=3.8となりました)、結構ガックリしてしまいました。

しかし、そうやってガンダム・シリーズの色々な作品の情報を事前チェックしていくうちに、2010年から2014年に掛けて計7章が劇場公開され、2016年4月からはそれは再編集したTV版が放送中の本作「機動戦士ガンダムUC」が、「逆襲のシャア」の続編(その3年後の物語)である、という情報を見つけたので、それなら少なくとも作画・演出は素晴らしいだろう、と思って、シナリオには余り期待しないで「逆襲のシャア」を見終えた直後から視聴を開始しました。


◆ところが、予想外に面白かった「ガンダムUC」

まず、初っ端(劇場版のepisode1)から、「あれ?この子、前に見たことある」という感じで、全く想定していなかった方面から本作に惹き込まれてしまいました。

それまでの私の、ガンダム《宇宙世紀》シリーズの各作品に関する印象としては、

(1) ガンダム・ファン以外でも知っているシャア・アズナブルという有名な悪漢(ダーク・ヒーロー)は流石に魅力的に描かれている。

(※ただし、「ガンダムZZ」でシャアの代役を務める{netabare}ハマーン・カーン{/netabare}は残念ながらイマイチで、それがおそらくZZの個人評価が低くなってしまった最大の原因)

(2) それに対して、各作品でシャアやその代役の相手方となる表面的な主人公(アムロ、カミーユ、ジュドー)の描かれ方は、どうしても薄味に感じてしまう。

(※ただし、これらの主人公はあくまで「真の主役」であるシャアの「引き立て役」「当て馬」である、と考えると、納得の配役と見る事も可能)

(3) だとしても、各作品で、表や裏の主役たちのパートナーをつとめるヒロインの影が薄すぎる。

(※各作品とも、それなりの個性を持った女性キャラが多数登場して、それぞれ主役たちと恋をしたり心の交流を持ったりはするものの、「作品を代表するメイン・ヒロイン」と呼べるほどの魅力的なキャラが見当たらない)

・・・といったものでした。

ところが、本作で「遂に」というべきか、個人的にはようやく「ガンダム《宇宙世紀》シリーズ」全体をとおしての「真のヒロイン」を発見してしまったようなちょっと嬉しい気持ちになってしまいました。

何てったって、{netabare}シリーズ第1作「機動戦士ガンダム」から登場し、「Zガンダム」「ガンダムZZ」でも気になる描かれ方をしていたあの「お姫様」{/netabare}が本作のメイン・ヒロインなのですから。

ガンダム・ファンの方々からは叱られるかもしれませんが、私は、本作「ガンダムUC」を見始めて、初めて、この長々しい「ガンダム《宇宙世紀》シリーズ」を我慢して見続けてきた甲斐があった・・・と思いました。

本当にここまで長かった。
途中で投げ出さなかった自分を褒めてやりたい笑。

作画・演出は、当然ながらガンダム・シリーズ中、最高に洗練されていて見事です。
シナリオも、ガンダム・ファン以外の方でも十分に楽しめる内容と思います。
本TVシリーズはおそらく残り5話で、劇場公開されたepisode6のラスト10分程と最終章episode7に相当する部分が未放送なので、TV既放送分を見終えて更に続きが気になる方は、劇場公開作品の方も当たってみて下さい。


◆制作情報
{netabare}
原作小説       福井晴敏(角川書店『ガンダムエース』2007年2月-2009年8月)
監督         古橋一浩
シリーズ構成     福井晴敏(ストーリー)
脚本         むとうやすゆき
キャラクターデザイン 安彦良和(原案)、高橋久美子
メカニックデザイン  カトキハジメ、佐山善則、石垣純哉、玄馬宣彦、明貴美加、小倉信也
音楽         澤野弘之
アニメーション制作  サンライズ{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

========= 機動戦士ガンダムUC (TVシリーズ) (2016年4-8月) =========

 - - - - - OP「Into the Sky」、ED「Next 2U -eUC-」 - - - - -
{netabare}
第1話 96年目の出発たびだち ★ 工業コロニー(インダストリアル7)、バナージとオードリーの出遭い
第2話 最初の血 ★ ラプラスの箱と鍵
第3話 それはガンダムと呼ばれた ★ UCガンダム発進、リディ少尉のオードリー救出 
第4話 フル・フロンタル追撃 ★★ 赤い彗星(シャアの再来)、ジオンの姫 
第5話 激突・赤い彗星 ★ 姫の覚悟、UCガンダム再出撃、UCガンダムvs.クシャトリヤ
第6話 その仮面の下に ★ 鉱山衛星パラオ、姫の脱出(リディ少尉の手引き)
第7話 パラオ攻略戦 ★ デルタ+とUCガンダムのランデブー、NT-Dシステム実験、マリーダ(プル・トェルヴ)、リディ&ミネバ地球へ
第8話 ラプラス、始まりの地 ★ マリーダ中尉(強化人間)、箱を巡る謀略、ラプラス座標への実験 
第9話 リトリビューション ★★ 首相官邸衛星の残骸、マリーダ奪還作戦、ダグザ中佐戦死、ギルモア死亡 ※ED「merry-go-round」
第10話 灼熱の大地から ☆ ビスト財団とマーセナス家の策動、ガランシェール隊との砂漠行
第11話 トリントン攻防 ☆ 次のラプラス座標、ジオン残党の怨念
第12話 個人の戦争 ★★ UCガンダムvs.シャンブロ(ロイ・ガーベイ搭乗)、黒いUC(バンシィ){/netabare}

 - - - - - - OP(変わらず)、ED「bL∞dy f8 -eUC-」 - - - - - -
{netabare}
第13話 戦士、バナージ・リンクス ★ バナージ&リディ少尉それぞれの戦う理由
第14話 死闘、二機のユニコーン ★★ ミネバ救出作戦、真のマスター、ミネバの選択、マリーダ救出
第15話 宇宙で待つもの ☆ ネェル・アーガマ移乗、連邦軍(ゼネラル・レビル)来襲、ネオ・ジオン来援
第16話 サイド共栄圏 ★ フル・フロンタルの目的、最終座標、リディ少尉バンシィ搭乗
第17話 奪還!ネェル・アーガマ ★ ネェル・アーガマ艦内騒乱、フル・フロンタル退去
第18話 宿命の戦い ★ ガンダム同士の戦(バナージ&リディ少尉) ※OP「RE:I AM」
第19話 再び光る宇宙 ☆ マリーダ死亡、メガラニカ入境 ※オカルト現象は説得力なし× 
第20話 ラプラスの箱 ☆ サイアム・ビストとの対面、財団と連邦の秘密、フル・フロンタルとの決裂
第21話 この世の果てへ ☆ 巨大シナンジュvs.2機のUCガンダム ※同上
第22話 帰還 ☆ コロニーレーザー命中阻止、ミネバ演説 ※ED「StarRingChild」{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)4、★(良回)11、☆(並回)7、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3


※最後に一言、重要な【注意事項】。

「これからガンダムUCを視聴される方は、このTV作品(RE0096)ではなく、劇場版(OVA)7部作の方を強くお勧めします。」

というのは、TV版の方は劇場版(OVA)7部作を全22話に切り分けて、各話の冒頭に「それまでの粗筋」等を入れて話を水増ししているのですが、その切り分け方が何故か物凄く下手くそで、私などはTV版を視聴していて「あれ?ガンダムUCってこんなにテンポ悪かったっけ?」と何度も訝(いぶか)しがってしまったからです。
それでTV版を何話か見終わった後で、念のためそれらの回に相当する劇場版の回も再視聴してみたら、やっぱり劇場版はどの回もテンポが良くて(※最終episode7だけは微妙ですが・・・)、改めてガンダムUCは劇場版作品として、1episodeづつ丁寧に作り上げられた作品だったのだな、ということを再認識できました。
→そのため、実際の作品内容はほとんど同じであるにも拘わらず、劇場版の方は評価を ★★ 4.5、TV版の方は評価を ★ 4.3 と区別しました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 23
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ミネバ様とマリーダ。2人の女性キャラ最高でした。面白いですが後片づけですね。

 ちょっとまず感情が納まらないので文句を言わせてください。この文句は超ネタバレなので未視聴の方は開かないようにお願いします。

{netabare} マリーダを殺したのは許せません。あそこまで人間として女として貶めておいて、彼女の救済がないのはきつすぎます。もちろん父と呼べる人間を得られたことはいいでしょう。でも、少しでもいいから戦いが無い世界の団欒を味合わせてあげてもいいでしょう。なぜ、ガンダムシリーズは女を大事にしない?{/netabare}

 と、文句はこれくらいにして、ヒロインは天から降ってくる。「ローマの休日」の真似事。そして、中盤の「モーニンググローリー(エウレカ26話のことです)」。いいですね。王道です。ガンダムにしてはこの2人のラブストーリーは珍しくまともでした。
 ヒロイン、ミネバ様。最高です。萌えますね。ハマーン様やガンダムWのリリーナ様もいいですけど、造形も性格も最高です。
 途中の場末の食堂のコーヒーのシーン。ここが最高にカッコ良かったですね。「ミネバザビである」。危機に際して動じない帝王学の教育を受けたと思しき態度。安っぽいアニメの演出では考えられません。物語の意味的にもミネバ様覚醒です。老人と少女のお互いが尊敬しあうような雰囲気。語り合う態度、光の演出、最高でした。ガンダムシリーズ屈指の名シーンです。

 追記 なお、ミネバ様は教育を受けているのでマナーでソースまで残さなかったんでしょうね。作法通りナフキンで口を拭いていました。それを良く食べるねえ、と勘違いしたんだと思います。
 で、ミネバ様は話を聞いているとき目をそらしません。これは上流階級…日本でもそうですが目線を動かしません。そして、おじさんに挨拶してミネバザビである、と言った瞬間に柔和な表情が王族の顔になりその後振り返らない、という場面も見せていました。
 これは読み取り方は間違っていないと思いますが、こういう演出がされていたと思います。

 あとはオードリーを名乗っていたのでノブレスオブリージュで最後は…というのでドキドキしました。

 対するマリーダもいいんですよね。ちょっとプルシリーズの悲惨な設定がやりすぎ感がありました。あの地上での娼婦の経験のシーンで下腹部の辺りに変な演出がありましたね。あれって嫌な表現だったんですけど、女としての機能が…ということなんでしょうか。

 バナージはなあ、ボーイミーツガールはいいんですけど、なんか流されキャラでしたね。最後の覚醒のカタルシスのためにあえてああいう書き方にしたんでしょうか。優柔不断というわけでもないんですけどね。主体的に行動するし決断するし。
 でも、何を考えて自分の思想を固めて行くのか、の部分が最後まで弱かったかなあと。

 全体として戦争の意味、そして兵隊として人を殺す意味をバナージが突きつけられていました。シードやエウレカなどでもありましたが、戦闘中に人を殺さないで無力化する表現。これはいいのか悪いのか。ガンダムという超兵器があるからこその余裕と見れなくはありません。通常の兵器でやれば秒で死ぬでしょう。
 マリーダとの会話でバナージは戦争のパーツとして個人の人間性とは関係ないということを説かれていました。バナージを取り巻く人々も彼の兵士としての行く末を心配して時には命がけで彼を何とかしようとしていたのに…という感じです。
 最後の結末に結びつくサイコフレームの光に平和というものを乗せたかったから、バナージをそちらに誘導したということ?あとややこしいのでバナージという名前は止めて欲しい。シャアと一瞬ややこしかったです。

 このニュータイプを戦闘以外で活かしていたのってミネバ様とマリーダだった気がします。

 フルフロンタル…ですね。まあ、ガンダムシリーズですからシャア的なものが必要だったんでしょう。3つ巴にするためのモブ感がすごかったですけどね。
 それと、リディ・マーセナス。一応バナージの当て馬だったですけど、こちらも弱かったですね。お金持ちのおぼっちゃまがミネバ様ラブで暴走しただけでした。
 
 ガンダムシリーズは本当に男のキャラが弱いですね。あの通信オペレーターの女の子とかの方がよほどキャラが描けていました。あの娘、表情とか細かい演技が良かったですね。男のキャラではあの太ったプルトゥエルブの主人になった財団の人がいいキャラでした。
 あと、男の軍人がいかつくてリアリティがある分顔の判別にちょっと苦労しました。

 結論は、出典は忘れましたが読んだか見た記憶があるのですが、秘密の家宝のありかを見つけたら「おもいやり」と書いてありました、という話ですね。なんだ「思いやりかあ」という感じです。本作についてはこんな感じした。良くある話ではあります。
 出典は実は「重い槍」があって、それは〇〇で出来ていました、ということで実利があったんですけど。

 まあ、ニュータイプは一度「逆シャア」で結論が出てますからね。あるいはガンダムXみたいに逆張りの別解もありますけど。
 本作はアムロとシャア以外の人たちの総括という感じでした。ニュータイプの社会全体の話は描けていましたが、ニュータイプとは何なのか、どう発展してゆくのかまでは見えませんでした。
 それと、ミネバ様という秀逸なキャラを産み出したわりには「ジオン」に対する「ザビ家」の総括が出来ていなかったかな。ハサウエイは相当パーソナルな話ですからね。

 作画はハサウエイほど緻密すぎて見辛いということもないレベルで最高峰でした。声優さんの演技はガンダムシリーズはうるさいですね。ただ、ミネバ様はやっぱり演技が良かったですね。特に女王様の時と恋する少女の使いわけが最高でした。

 演出として、中途半端な強敵はキャラすら出さなかったですね。時折やけに強いモブのモビルスーツがいましたね。最初のクシャトリア戦とか。これは目新しかったです。ガンダムシリーズはサブキャラ出しては感情的な話をして殺してしまうようなところがありますので、この点は工夫でした。


 総評すると、本当に面白い。22話と言う尺もちょうどよかったです。作画もいいしアニメ作品の画面としては最高峰でしょう。

 が、やっぱり逆シャアの後片付けですね。NTも見ますしハサウエイも見ますが、宇宙に未来を見られた初代からはスケールダウンしている印象です。


 ロボットアニメなのにロボット=モビルスーツについて書くことねー。ユニコーンとか最早スーパーロボットですからね。リアルロボット、戦争の現実という感じではなくなってきていますね。一応エネルギー切れとかありましたが、モビルスーツの運用部分とか全く描かれていませんでした。


 追記 そういえば13話でミネバ様が高級そうなルームサービスの食事のパンと肉でオープンサンド=ホットドックを作って、バナージの名をつぶやきました。ミネバ様クラスの貴人としてはありえない無作法ですが、これでバナージと過ごした短い時間を思い出していたんだと思います(あるいは、ホットドックを食べるような世界に戻ろうという決意なのか)。
 10話の食事とコーヒーの場面、14話の空でバナージを呼ぶシーンとこのホットドックのシーンで、ミネバ様の内面が見えてきます。
 この演出だけでも見る価値がありました。

 ここがこのアニメの演出でものすごく気に入りました。あとこの前後でマリーダの件が入ってくるのが対照的でしたね。この10話から14話くらいの女性たちの描き方は本当にすごかったと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 8

68.6 85 2016年度アニメランキング85位
Shelter(Webアニメ)

2016年10月19日
★★★★☆ 4.0 (143)
645人が棚に入れました
ダンスミュージックシーンの若手代表にして日本カルチャーの影響を公言するクリエイター、ポーター・ロビンソンが盟友マデオンとの共作、さらにアニメーション・スタジオ「A-1 Pictures」とのコラボレーションで生み出した音楽と映像で伝える感動のストーリー!
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

思い出があれば、少女は一人でも生きていける‥?

滅びた世界の上には優しい思い出があり、優しい思い出の上には甘い幻想があり、甘い幻想の上にはまた滅びた世界がある。

たった6分の中に閉じ込められたのは、冒頭と末尾の台詞の他は映像と音楽のみ。足りないものを補って、想像する事に大きな喜びを見出せる類の人にとっては、そこはかとない魅力が感ぜられる作品になっているのでは無いでしょうか?

世界に残ったものが少女一人、それを悲しいと思いながらも美しいと感じてしまうのは、多分私が男だからなのでしょう。尾を飲み込む蛇の様に、完全な世界にもいつかは小さなほころびが生まれて、終わりを告げる時がやってくるのだとしたら、私はそれも悲しい事だと思ってしまう。


原案・原作はポーター・ロビンソンという人。大の日本アニメ好きらしい(笑)本作のBGM「SHELTER」はこの人とMadeonという人によるもの。作品のタイトル名にもなっていますね‥。

主人公の凛役は三澤紗千香さん。「アクセル・ワールド」の黒雪姫先輩と言えば知っている人も多いはず‥。役は違えどやはり、可憐ながらも力強さの感じられる声でした。

公式動画は現在YouTubeにて無料で視聴出来ますので、是非ご視聴を‥。


蛇足:作中のメールの内容について(気になった人は視聴後に読んで下さい。)
{netabare}
********************************************************
凛へ
From : 父
キミが生まれてから、あまりにも時間がなさすぎた。
お母さんがなくなってからキミにどれだけの愛情をそそげただろうか‥。
父さんは元気なキミをみて勇気づけられたよ(^_^)

本当は一緒に行ければよかったんだけど、それは出来なかった。
全部忘れて進んで欲しいと思ったんだ・・・ キミなら大丈夫だって。
さびしさを知ってしまって、思い出すだろう。

キミが強くなってこの文を読んでくれると信じて。
もっとたくさんの思い出を作れれば良かったね。 ごめんよ。
小さい時はよくわからなかったと思うけど、今ならきっと。

あの日の言葉をもう一度。
********************************************************

作中のタブレットの表示から、凛の乗る宇宙船は出発(行く先は分かりませんが恐らく移住出来る惑星)してからおよそ7年の歳月が経過している事が分かります。光速のスピードは有限なので、地球から既に旅立った宇宙船に、しばしの時を経て送信されたメールがやっと追い付いたという描写なのでしょう。不明瞭な表現はあるけれど、お父さんの気持ちが端的に伝わってくる優しいメールでした。(でも"キミ"よりも"凛"と綴って欲しかった気もします‥)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 24
ネタバレ

しゅめるつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

6分のウェブアニメだから、まず見てきなさい!!

あらすじ
一人の少女が世界で暮らしている。「一人でも寂しくない」と少女、凛はつぶやく。そして、一人でいることを不思議に思いながら、少女は世界を彩るとこから物語は始まる。

タイトルに書いているのですが、6分アニメなのでまず見てきてください。レビューを見ている場合ではありませんよ(笑)

このアニメは、ミュージックビデオに近いと思います。すごいと思ったのが、外人がA-1と協力して作られているということです。今までにない新しいことだと思います。

たった6分しかないので、見応えがないと思う人がいると思いますが、逆です。
6分だからこそ、作りこまれていて、とても素晴らしい出来になってます。作画は驚くほど綺麗で、目を疑いました。そんなにだろうと思ていたためです。私的なんですが、見終わったら、見返したり余韻にひったたりと時間を使い、30分くらいの映画を見ていた気分になりますよ(笑)
{netabare}
背景などの表現がとても素晴らしかった。背景などが感情を表していたり、仮想現実が世界であるかのような表現と。一つ一つ細かく作られていると誰でも実感できるでしょう。

本題に入ります。この話で大事なのは、果たして凛はハッピーエンドなのか?ということだと思います。賛否両論だと思うのですが、私はハッピーエンドだと思います。

私はこのアニメを見て、親の愛情はとても重いものだと思いました。私は親になったことがないので、はっきりとはわかりませんが、どんなにこれからつらいことになっても生きていてほしいという愛情を感じました。そしてその愛情を受け取った凛は、はじめは泣いてしまうが強く生きていこうと決心し感謝して終わりますが、私はそこに親孝行のような気持ちを感じました。
確かに周りから見れば、これから一人で寂しい地獄の生活だと感じますが、果たしてそうですか?親からの生きていてほしいという愛情を受け止め、親孝行するかの如く強く生きていくと決心した時点で、私はさっきのことはどうでもいいような感じがします。

あなたは見て何を感じましたか?

あと、曲の歌詞をみることもお勧めします。より深く楽しめる気がします。

{/netabare}

6分でこんなにも感動できるアニメを見るとは、思っていなかったです。ぜひ見てください。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

きつねりす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

こういう作品は増えていってほしい。

EDMを牽引する若い才能、ポーター・ロビンソンとマデオン、そしてそのアニメ好きの二人がプロデュースしたこのアニメーション。音楽を軸にして作りだされた世界観が儚くて美しい、そんなショートアニメです。

最近はアイドルアニメや音楽アニメなどで映像と音楽を組み合わせたクオリティの高い作品が多く生まれています。ただ、こういった映像を見る人はそのアニメを見ている人、もしくはアニメの流行に敏感な人が主で大衆の目に触れる機会はよほどのヒットがない限りありません。
アニソンだから聞かない、映像がアニメっぽいから見てると恥ずかしい、といったところで知られていない名曲というのはたくさんあると思います。実にもったいないです。最近はアニソンというカテゴリも市民権を得つつありますが、それでも肩身が狭い、メディアに取り上げられないという現実も存在していると思います。

この作品の素晴らしい所は、いわゆる「綺麗なだけ、可愛いだけ」に留まらない映像です。キャラが出てきてよく動くからいい、というのではありません。セリフがない中で、「この世界はどんな世界なんだろう」と見ている人に考えさせる引き付け方が上手いです。それに加えて寄り添うように流れる音楽。一発で理解するのは少し難しいかもしれませんが、深みのある作品だと思います。

音楽と映像と言えば、ミュージシャンのPVなどとしてもこの組み合わせが使われますが、やはりそれもプロモーションと名が付くだけあって演奏している映像とか歌っているシーンとかがメインに作られています。そういったシーンを使うためPV全体的に実写が多いというのも頷けます。

ただ、こういった実写が多い中で一流の音楽家と第一線を走るアニメーション会社が共作で作り上げたこの映像というのは大きな価値があると思います。音楽好きだけどアニメはあんまり見ないなという人、そしてアニメはよく見るけどいろんな曲を聞かないなという人。それぞれを繋ぎ合わせる懸け橋となるようなこの作品。きっと有名な国内のミュージシャンがこういった作品を作った暁には話題をさらうこと間違いなしだと思うのですが・・・今後に期待したいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

68.5 88 2016年度アニメランキング88位
ファインディング・ドリー(アニメ映画)

2016年7月16日
★★★★☆ 3.9 (50)
403人が棚に入れました
ドリーの秘密は、≪人間の世界≫に隠されていた。

忘れん坊のドリーが、ただひとつ忘れなかった<家族の思い出>。
その謎を求めて、ニモとドリーの奇跡の冒険が始まる。

声優・キャラクター
室井滋、木梨憲武

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

みんなとの出会いは、計画通りじゃなかった。最もすてきな事は、偶然に起こるものなのよ。

ファインディング・ニモの続編。

ファインディング・ニモに登場した、
なんでもすぐに忘れちゃうドリーが主人公。

ファインディング・ニモを観てから
この作品を観るのをおすすめします。

ドリーのキャラクターをわかっているほうが、
より世界観を楽しめますので^^

90分ほどの作品です。
同時上映作品は「ひな鳥の冒険」(6分)。


● ストーリー
故郷に帰ってきたニモたち。
壮大な冒険から1年が経った。

幼いころから
なんとなく何かを探している気がしているドリー。

それは“家族”だ!と気付いたドリーは、
マーリンとニモと一緒に、両親を探す旅に出た。

手掛かりは“カリフォルニアモロ・ベイの宝石”だ!


幼いドリーが、
家族とはぐれてしまって一人海をさまよう寂しい過去。

前作では能天気なムードメーカーだったけれど、

本作ではドリーというキャラが
より深く掘り下げられています。

忘れっぽいということは、
自分の過去や生い立ちさえも忘れてしまうということ。

今回はそんなドリーの寂しい一面も
たくさん描かれていました。

様々な困難にもめげずに突っ走るドリーの明るい魅力も
たくさん描かれていましたけれど^^

ドリーと両親は再会できるのか…
その結末は必見です!

当たり前のように涙が(´;ω;`)


● キャラクター
ラストまで息つく暇がない大冒険。

今回も海の生き物たちが
たくさん登場します。

タコのハンク、
ジンベエザメのデスティニー、
シロイルカのベイリーなど…。

生き物たちの個性の使い方がうまい!

このキャラ達に触れれば、
海の生物が大好きになること間違いなし!^^

DVDに収録されている解説は
途中までしか観ませんでしたが、

・キャラクター
・観客が物語の世界に入り込めること
・海の世界を忠実に再現

これらをとても大切にして
製作されたことはわかりました。

ドリーというキャラクターを大切にし、
感情移入しながら楽しんでもらうこと。

それは大成功だと思います♪

物語の世界とキャラクターに
どっぷりと惹きつけられました。


● 作画
作画がとても美しい。

表情だけでキャラクターの心情がとても細かく伝わってくるし、
背景は美しいし。

ニモ達が水面に体を出したときの、
ぬめった表面の描き方もリアル。

それ以上に今回私がうなされたのは、
カメラワークの工夫。

スタッフは魚の気持ちになりすぎです!笑

特に印象に残ったシーンは…

◆◇ タッチプール ◆◇

水族館によくあるタッチプール。

人間にペタペタ触られたり、
持ち上げられたり、

生き物にとってはストレスだろうなあというのは、
人間的な目線。

これを魚目線にすると…

次々水中に襲い掛かって来る無数の手。

それはまるで空から無数の爆弾が降ってくるかのよう。

この迫力…恐ろしい。笑


◆◇ ショックを受ける心情表現 ◆◇

両親に会いたい一心で
数々の冒険を乗り越えてきたドリー。

だけど両親に会うことは不可能…。

そう思ったドリーは
ショックのどん底に叩き落されます。

ここからカメラは
ドリー目線に変わります。

ドリーはただショックを受けてしまって、
何も考えられない。

しかしその間にも周りの状況は
急激に動いていく。

対してドリーの心は、
何も考えることができない。

激しい環境の変化と、
停止してしまったドリーの心。
その2つのギャップの描き方がすごい。

観ている人がまるでドリーになったかのように見せるカメラワークは、
何よりも私たちをドリーの心に近づけてくれます。


作画の美しさも当然評価したいけれど、

あれこれと工夫されたアングルや表現方法に
何よりも称賛を送りたいと思いました。

逃げ回ったり、空を飛んだり、
まるでアトラクションを体験しているかのような、

目まぐるしくてスピード感のある作画も、
こちらのドキドキ感をたくさんくすぐりました!


● まとめ
おもしろかったです♪

時間いっぱいいっぱいのストーリーでした。
パンパン。笑

描きたいエピソードが
たくさんあったのでしょうね。

だから最後まで見ごたえ十分。


何でもすぐに忘れちゃうドリー。
それは大きな短所。

大きな短所を持っていても、
それをマイナスに思って引っ込み思案にならず、
堂々と自分らしく振る舞えばいい。

そうすれば、自分らしい何かが、
いつか誰かを助けることにつながるはず。

そして自分も、
どうしようもできない短所を誰かに助けてもらえばいい。

ドリーの姿は物語の登場人物たちを通り抜けて、
大切なことを教えてくれました。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 20

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ピクサーが贈る【リマインドムービー】・・・と見せかけてアドベンチャー?

ディズニー・ピクサーの17本目の長篇映画
2003年の『ファインディング・ニモ』の続編でもあります


前作でニモの捜索に一役買ったナンヨウハギのメス、ドリー
健忘症なドリーだったが実は彼女にも家族と帰るべき故郷があった
ふとしたキッカケで両親との思い出を思い出したドリーはいてもたってもいられず両親探しの旅に出てしまう
故郷への手がかりは「カルフォルニアモロ・ベイの宝石」という言葉だけ・・・
記憶を保てないドリーはニモやマーリン、そして海の仲間達の手助けを得ながらも少しずつ記憶を取り戻しては忘れ、を繰り返す
偶然も重なり遂に「カルフォルニアモロ・ベイの宝石」に辿り着いた
が、そこは海の生き物達を保護する目的で人間によって作られた海洋レジャーセンターだった・・・
果たしてドリーの両親は無事なのか?ドリーとの思い出は残っているのか?


前作『ニモ』のセルフオマージュが溢れているものの、基本的に気にしない方が楽しめると思います
と、いうより今作最大の魅力はやはり“記憶を保てないドリーがあらゆる手段を用いて記憶をサルベージしていく”という『メメント』、『ペイチェック』、『ジェイソン・ボーン』シリーズなどと同じ【リマインドムービー】であることです
この手の映画はどれも傑作ばかりですよね
国産アニメだと『東のエデン』とか『僕だけがいない街』とかですかね


大事な手がかりを思い出してはすぐ忘れ、その度に心優しき仲間たちがフォローしてくれる
基本的に悪いヤツが誰も出てこない映画になっています
ドリーと海の仲間達の絆が染み入る一本と言えるでしょう
ただ偶然に偶然が重なって進展してるシークエンスも多々あり、脚本の練り込み不足も感じました
特に最後の方は・・・;
ですので“冒険モノ”としては評価出来ても“リマインドムービー”としてはB級止まりかな、という感じです
『カウボーイ&エイリアン』を観終えた後の気持ちに似ていました(笑)


ドリーを助けるサブキャラ達はみな個性的かつ憎めない愛らしさをもってるのですが、特に足が七本しかないタコのハンクはニモやマーリンを差し置いて準主役級の活躍をみせます
地上を這いまわれる、という彼の万能ぶりは物語の世界を一気に広げた上に、その滑らかな動きやスピーディーな擬態は映像的にも観どころ
海の中の美しい描写が売りだった『ファインディング・ニモ』に対し、今作の映像美はほぼこのハンクの活躍に集中してると言っても差し支えないですね


キャストには吹替版も含めて極力前作と同じ配役が採用されています
ドリー=室井滋
マーリン=木梨憲武
は、もちろんのことですが
子役のアレクサンダー・グードルを使っていたニモ役に新たにヘイデン・ローレンスが起用されたことを受けて、吹替でも新らたなニモ役が菊地慶に交代してます
ちなみに成長したアレクサンダー・グードル自身は脇役として登場するため、彼が演じる役をこれまた前作のニモの吹替を担当していた宮谷恵多が演じる、というところには強い拘りを感じますねw


それと原語版でシガニー・ウィーバーが本人役で登場する海洋レジャーセンターの館内放送ですが、これは日本語版ではなぜか八代亜紀が起用されています
ドリーが館内放送相手に掛け合いを始めるシークエンスで「ありがとう!八代亜紀さん!」と話す様は実に滑稽ですw
八代亜紀は原語版ではsiaが歌っているソウルフルな主題歌のカバーもしています
これに関しては流石の八代亜紀でした
本家のsiaに全く退けを取っていません
ですのでご安心を
こんなに吹替版のエンドロールが心地よいディズニー映画は至極久しぶりな気がしますね(笑)
気のせいですか、そうですか

投稿 : 2025/02/01
♥ : 6
ネタバレ

NANA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

とても重いテーマ。試されているのかも。

個人的には第1作目の『ニモ』はそれほど好きではなかったので、本作も期待せずに観たのですが、良い意味で期待を裏切られました。この映画って障害がテーマになっていたのですね。出てくるキャラクターが何かしらの障害を抱えている。そう言えば『ニモ』も身体の障害を抱えていました。ただ、前作は冒険物語の印象が強かったのであまり意識していませんでした。
『ドリー』は障害そのものがテーマだと思います。それも重度の記憶障害。

記憶障害を扱った洋画と言うと、『メメント』を思い浮かべます。こちらはサイコ・サスペンス映画(?)で鬱しかないやつです。救いようがない映画で、よくあんなもの公開出来たなと思います。社会的に批判浴びなかったのかな?
話が逸れましたが、それだけ重いテーマだと言うことです。

重度の記憶障害者をアニメの主人公にするなんて日本のアニメでは考えられない(自分が知らないだけかもしれませんが)、流石ディズニーだと感心させられました。
通常、アニメは主人公視点で見ることが多いですが、『ドリー』は主人公がもっとも共感し辛いキャラクターなのです。中には同じ失敗を繰り返すドリーに苛つく人もいるでしょう。それこそ、健常者が障害者を理解することがいかに難しいかの表れだと思います。

最近のディズニー映画は社会問題を描いたものが増えているように思いますが、『ドリー』でもとても重いテーマを正面から描き切った、真摯な姿勢に拍手を送りたいです。
重いテーマでありながら、暗くなり過ぎずコミカルに描いて冒険物として楽しめるところも良かったです。ご都合主義でも面白ければOK,。現実はもっと厳しいかもしれませんが映画の中ぐらいは皆幸せになって欲しいですもんね♪

『ドリー』のキャラクター達は皆障害を持っていますが、皆で協力してそれを乗り越えていきます。それは個性の一つとして描かれ、最後は海(社会)で生きる選択をします。他人よりちょっぴり個性が強いだけ。健常者と何も変わらない、障害が普通に受け入れられる温かさがこの映画にはあります。
最近、障害者施設の痛ましい事件があったばかりなので余計に考えさせられます。障害と向き合うということはどういうことなのか?
貝殻のシーンでは鳥肌が立ちました。助け合える仲間や信じて温かく見守ってくれる家族の存在が、ドリーに障害を乗り越えさせたのですね。

障害とどう向き合うかがこの映画のメインテーマだと思いますが、冒険物としても十分楽しめます。障害の部分をカバーするためのご都合展開は多いですが、そこは娯楽映画ですし。あと、水族館みたいな施設の内部構造の描写が興味深かったです。(正確には水族館ではなく、むしろ水族館の存在を否定するような研究施設ですが)突然の{netabare} 八代亜紀{/netabare}には笑いました。ストーリーとは直接関係ない部分での小ネタなので自分は許容範囲でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

68.3 89 2016年度アニメランキング89位
きんいろモザイク Pretty Days(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★☆ 3.9 (158)
693人が棚に入れました
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照れされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせて。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ! 二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装リーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?

声優・キャラクター
西明日香、田中真奈美、種田梨沙、内山夕実、東山奈央

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常…プリティ・デイズ!

この作品は2013年の夏アニメ、2015年の春アニメとしてテレビで2期分放送されている上、この劇場版は2016年の11月に封切りしています。
これまでテレビ放送はリアルタイムで視聴してきましたが、劇場版まで手が回らず封切りから2年…ようやく今回視聴することができました。

自分の視聴履歴を振り返ってみると、テレビ放送の視聴が主体になっています。
最近、テレビ放送の続編がは劇場で…のパターンが決して少なくないなか、この作品を含めて結構視聴できていない作品が多い事に気付きました。

現在の視聴スタイルは今後も維持したいと思っていますが、時間を作って劇場版の視聴も進めなきゃと本作を見て痛感しました。

この作品では、大きく2つの時間軸における物語が描かれています。
一つは現在進行形でテレビ放送後の一幕…
そしてもう一つは、5人組になったいきさつ…アリスとカレンは高校からの留学生である事は周知の事実なのですが、これまであまり触れられなかった「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけが描かれているんです。
そしてこれが…テレビ版視聴済の方にとっては堪らない作品に仕上がっていたんです。

監督は天衝監督…アニメーション制作もStudio五組とテレビ版のスタッフが踏襲されており、クオリティは折り紙付きです。

となると、気になるのは物語の展開…になる訳ですが、個人的には「しの、あや、陽子」が親友になったきっかけの物語が胸に響きました。

この物語の視点…種ちゃん演じるあや目線で描かれているんです。
5人の中で一番真面目な性格の持ち主である彼女は、普段みんなから一歩引いた場所が彼女の立ち位置…
5人の輪の中における立ち位置は、自然に…だけど全員納得の上で決まっているとばかり思っていました。
けれど、性格が真面目な上、少し引っ込み思案だけどツンデレ成分を含んだ彼女は、仲間の中で一歩踏み出すタイミングが遅かったり機を逸したり…
もちろん、仲間思いの優しい良い子なんですけどね…

でも…「しの、あや、陽子」は初めから3人組では無かったんです。
しのと陽子は小学校からの幼馴染で、二人の通う中学にあやが転校してきて接点が生まれたんです。

大切なのは一緒に過ごした時間の長さじゃない…
どれだけ濃密な時間を一緒に過ごしたか、の方が時として大切なこともあるんです。
年を重ねて振り返ってみると、その当時頑張っていたことが今では良い思い出になっていますから…

3人には目標がありました。
目標は別々…だけど必ず通らなければいけない通過点です。
「どの様にクリアするか」と「どれだけ本気で取り組んだか」の2点が大切なこの通過点…
「しの、あや、陽子」はどの様な軌跡を描いたのでしょうか。
感じられるのは成就させたい願いに込められた努力と沢山の優しさ…
やっぱりこの作品はあったかいなぁ…と心の底から思いました。

そして物語は現在進行形と結び付きながら怒涛のフィナーレを迎える事になるのですが、何ともこの作品らしい展開が待ってくれています。
こんなに面白いならもっと早くに見ておくべきだった…と本気で思えた作品でした。

オープニングテーマは、「Happy★Pretty★Clover」
エンディングテーマは、「Shining Star」と「Shining Star」
3曲ともRhodanthe*の皆さんが歌っています。

上映時間50分の作品です。
私の様にテレビ視聴済みで劇場版未読の方には、是非お勧めしたい作品です。
5人組のみんながこれまで以上に輝いて見えると思うので…

投稿 : 2025/02/01
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

受験生の皆さんにこのトーテムポールの歌を贈りたい。

原作コミックは五巻まで購読中。

短編アニメ映画一本のために、
わざわざ映画館に遠出するのもどうか?とも思いましたが、
冬の寒さが厳しくなっていく、ここ北陸でも、
一月遅れで映画館で難民向けに期間限定で金髪パワー配給が実施される
ということで行ってきました♪


短さ以上に、日常系だから、ふわふわしているだけで
上映時間が終わってしまうのではw
との懸念もありましたが、
それなりにストーリーもあって難民として
一定の満腹感はありました。


本作の実質的な主役は{netabare}小路綾でしょうか。

要は些細なことで仲間内での自らの存在意義を見失い、
クヨクヨしてしまう、あややの十八番(苦笑)
……あややが悩み出したら、映画一本くらい軽くできますねw


本作はそこから中学時代のあややとシノ、陽子、
三人の進路、高校受験のエピソードから、
あややの存在意義の再確認が行われる壮大な?展開にw

ある意味、『きんモザ』最大の?ミステリーである、
学力壊滅なシノと陽子が、偏差値に大差があると思われるあややと
何故、同じ高校に通っているのか?
という謎も解き明かされます。


この受験奮闘記を鑑賞していて、
ふと、受験と友情についての回顧から、
受験に友情は必要か?という問答が私の頭で回り出しました。

私の現役時代、教師の中には、
勉強は自分一人でやるもの。受験は孤独。進路は自己都合。
みんなでお勉強会なんて馴れ合い。
とお説教なさる方がいらっしゃいました。

確かに、一人で集中して学力を高め、合格を勝ち取ることができるなら理想的です。

ただ世の中、それを貫ける人は少数。
孤独に負けそうになったり、自分だけの視野狭窄に陥り空回りする人の方が多いと思います。

そういう時、進路や勉強について相談できる仲間がいれば心強い。
私も情報交換の中で勉学についても、ふと気付かされた視点が多々ありました。

自分一人で集中する時間も、仲間との情報交換も、
両方あって初めて受験を乗り切れたと私は思います。

だから、もうすぐ受験という大戦に挑む方の中で、
もし一人で煮詰まっている人がいらっしゃったら、
是非、周りとコミュニケーションを図って欲しいと思います。

残された時間はそう多くはありませんが、
アプローチの転換ひとつで一変するのが若者のポテンシャル。

恥を捨てて、周りやあややにしがみつけば、
トーテムポールみたいにニョキニョキ!っと
合格ラインまで偏差値が伸びるかもしれませんよ。{/netabare}


……とゆるふわ日常系で、無駄に熱弁してしまいましたがw
本作はTVアニメ1期の第一話くらいのストーリー内容はある作品。
難民の方なら、一見する価値がある作品だと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 23
ネタバレ

ジャスティン さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

綾視点で送るいつもの日常物語

[きっかけ]
AT_Xで放送はされていたものの、きんモザについては2期を視聴してからが良かったので、少し遅れていましたが、期待しながら視聴を致しました。
[感想]
{netabare}
今回まさかのキャラクターの視点というのがあり、
指定されたのが私が一番大好きな綾ちゃんでした。

これは俺得すぎるんだけど、
綾ちゃんばかり出てきてくれるから素晴らしいかった。

綾ちゃんは、軽いスランプというか悩みを抱えてしまったけど、
私にとっては綾ちゃんがいないと陽子が大変になるから
絶対に必要なメンバーなんだよ。と伝えたい。

今回の話は過去編が中心でみんなが疑問に思っていた忍がどうやってもえぎ高校(忍たちが通っている学校)に入れたのか?
という疑問からストーリーが中心に始まって行きます。

というかもえぎ高校と言うんですね。(WIKIによればここで学校名が決定されたのこと)。

忍は確かにアニメの中でも断念で赤点ラインっぽい描写が多くあり、本当にどうやって受かったのか不思議な点でした。

学校見学はしっかりとやっていたんですね。
烏丸先生は相変わらずぶれない先生ですね。

忍がここまで行きたい学校というか見学を初めてしてからここにしたいと思ったのでしょうか?

雰囲気が良いというのも分かるけど、実際に行きたい高校がなかったから好印象に思ったのかな?と思っていました。

勉強会が開始。綾ちゃんはまさか違う学校を選んでいたなんて...でももえぎ高校に入っているということは、やっぱりその第1志望の高校に落ちたからここに来たのかな?

何故だろうと思いながら続けていくと受験当日。
まずは綾ちゃんからなんと合格。お嬢様学校に入れるなんて綾ちゃん入っていたら確かにそんな気がするような感じはする。

絶対に不合格になると思っていた。なんか落ちそうな予感しかしてなかった。

忍たちの受験当日はなんと綾も一緒に受験することに。ここも受験していたのはまさに日常系のいいところ。

そしてみんな合格したけど、綾だけが...離れることになるのか?
と思った...
入学式当日忍たちが学校に来ると、なんと綾ちゃんまでこっちに来ていた展開に。

まさか選んでここに来たという神展開(もう知ってたことなんだけど)でも、こうしなかったら陽子との関係も悪化していたかもしれないから
これで正解だよ綾ちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7

68.3 89 2016年度アニメランキング89位
神様はじめました 24巻 OAD付限定版(OAD)

2016年4月20日
★★★★☆ 4.0 (29)
183人が棚に入れました
読者人気No.1の「過去編」ストーリーがアニメになる!
全4部作のうち第3弾になる「神様はじめました」24巻限定版のサブタイトルは「神様、花嫁になる」(仮)

Pocali さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

切なくて儚くて

ただただ2人の幸せを願うばかり。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

68.2 91 2016年度アニメランキング91位
信長の忍び(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (227)
868人が棚に入れました
1555年──
世はまさに戦国の時代!! ひとりの青年がでっかい夢を抱いていた。
うつけと呼ばれる彼こそ後の…、そう、織田信長である。
そんな青年を慕う少女がひとり。
信長の夢に魅せられた彼女は笑顔で言った。
「私、信長様の忍びになります!!」
目指すはひとつ、天下布武のみ!!
ど天然帰蝶、パシリ秀吉、ツンデレねね、ツッコミ光秀、死にかけ半兵衛、
脇を彩る豪華キャラと共に、超巨弾戦記ギャグアニメ、はじまりはじまり~!!

声優・キャラクター
水瀬いのり、羽多野渉、村瀬歩、たかはし智秋、三森すずこ、釘宮理恵、大川透、関智一、落合福嗣、うえだゆうじ、平川大輔、森嶋秀太、松井菜桜子、高木渉、立花慎之介、置鮎龍太郎、檜山修之
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

信長?歴史?勉強系?いやいや、これはぜひ見るべき!?笑いあり、涙ありのコメディ作品!

☆原作未読☆
ショートストーリー全26話


ショートストーリーは約5分間のとっても短いストーリーで初視聴でした☆

あんな短い時間でどう魅力や戦い伝えるの?面白いの?楽しめるの?など少し不安なところもありましたが…

見て正解でした!!!


時は戦国ーーー日本の戦国時代を舞台に、少女忍者千鳥とその主織田信長が愉快な仲間達と共に天下統一を目指す

そういったストーリーです♪

「信長の忍び亅というタイトルですが、忍びの話ではなく、忍びから見た戦国時代のお話です


それでは本編スタート!!!

忍びと仲間たちとの出会い
{netabare}

どんな話かな?と少しドキドキした気持ちで再生しました
すると…
溺れてるーーー!!!
忍びが溺れてたのです!
それを信長様に助けてもらい、黄色の布で髪を結んでくれたことが始まりです

元々忍びを目指していた千鳥は戦法は万能と言い過ぎる程の超万能!しかし難しいことは苦手で泳げないとのこと
ある時訓練をしたら溺れて、それを信長様に助けてもらったのですが、名を聞かれたときに
忍びです!
と名乗ってしまいました笑
おっちょこちょいなところもありますがかわいいなぁと♪

そして、助けてくれた優しい信長様に仕えたいと数年後には信長の忍びになります!
忍びの千鳥だけでは心配と助蔵という子を連れてーーー

城にたどり着いた二人に信長が忍びになるにあたって「ワシのために死ね亅
と言ったわけですが千鳥は信長に

「それは無理です!
何があっても生きて生きて生き抜いて情報を伝えることが忍びなのですから亅

と気持ちを伝えます。かっこいい…!そして信長も、
「うむ、それではワシの為に生きろ」

そして去っていく間際に、「まだその布を付けていたのだな…」
覚えていたんです!千鳥のことを!
そしてここで1話が終了
もう1話から感動でした♪
なんていいお話なの〜!!


そして第2話からは忍びが本格始動!
色々な人物たちと出会い、のほほんとした日常がありつつも、敵軍に忍び込んで情報を盗んだり、戦では戦ったりもします
それが忍び!!!


信長の次に出てきたのはおサルのパシリこと、木下秀吉!後の豊臣秀吉です!
なんと秀吉は戦国時代からつかえてたのですね!
うわぁこの組み合わせ好き〜♡
かなりのパシリ(自分でも言ってる)ではありますが、
戦いでは活躍しますよ〜!!

他にも!大大大名と言われた今川義元やアニメではかなーーり性格がうざい(好きな人ごめんなさい)足利義昭や本能寺の変で信長を裏切った明智光秀も出てきます!

また、人物としては、信長の妻の帰蝶や、みんなの人気ものお市様、などなど注目の人物が多数出てきて活躍の場を見せますよ〜!!

千鳥やボケキャラのちょっとした言動(毒舌あり?)やそれに対してのツッコミ!
それがとっても好きで思わず笑ってツッコミたくなるほどです♪

{/netabare}


忍びーそして戦ー
{netabare}

アニメであった教科書に載ってる有名な戦い
〜桶狭間の戦い〜
およそ5000対2000という戦いですが、千鳥はとっても大活躍!素早く相手を倒していきます
そして!この時代にはもう徳川家康がいたのです♪
活躍はまだだったから知らなかったぁぁ〜!

竹中半兵衛を暗殺する予定が助けてもらい、恩があり殺せず、むしろ仲間になったところは心が暖かくなりました♪

秀吉がいい国作ろう鎌倉幕府みたいに
みんなで作ろう墨保城
といい、なんと一夜(実際には3日)で作ったり
など!戦国らしい戦いらしい一面もたくさんありました!

{/netabare}



それでもやっぱりギャグコメディー
{netabare}

忍びをするに当たり、助蔵にこう言います
もし私がなかなか戻らなかったら…(えっ捕まったらってこと?)

先にねててね!

いやもうここは思わずつっこんでしまいました笑
でも千鳥らしい♪
(ちなみに何回か忍びはありましたが全部最終的に無事に帰りましたよ☆)

戦いの途中、勝てるかな?どうかな?というときに
やばい…洗濯物干しっぱなし…╮( ºωº )╭
いやそこじゃないでしょ〜!

他にも!尾張は美女ばっかり!と聞くと男全員目の色を輝かせたり
足利義昭はけまり天下をとるとか言い出したり
褒美になでなでをしてもらったり
秀吉は幼なじみのねねと結婚したり!
助蔵のヤキモチがあったり!
信長は大の甘党好きだったり
ある武士は太ってて甲冑着れなかったり、
戦い中に寝たり(いやこれだめでしょ笑)
千鳥の天然ぷりが秀吉にも増えて信長がツッコミ切れなくなったり 
明智光秀がツッコミ師として信長につかえたり
美濃三人集笑
名前漢字でありがとうございます笑
岩成友通、三好政康、三好長逸
というあまり活躍が見られなかった3人組が出てきたり
信長の理想の素晴らしき都は全部お菓子のお店だったり笑

などなど、ギャグ要素がたくさんありますよ〜!
{/netabare}


笑いあり、涙あり、筋肉あり!?のギャグコメディー
ぜひ1度見てみては??

2期に続きます!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いのすけ、智秋さん、クギュにみもりん…

この作品の原作は未読ですが、主演「いのすけ」の知らせを受け馳せ参じた次第にござりまする…
いのすけがこの作品で千鳥役をやる事は、「しあわせいのりまち町民」に事前告知があったので視聴を楽しみにしていました。

個人的に特定の声優さんに入れ込むのは、作品の見方が変わる気がするのでこれまでずっと敬遠していました。
索引の良し悪しに声優さんの力は欠かせません…けれど、私の中で作品の好き嫌いは声優さんとは関係ないと整理しているので…
でもリゼロを見て…大天使レムりんに触れて色々圧倒されてから、声優さんに対する見方が少し変わった気がします。

私はきっと片手に入るくらいレムりんの事が大好きですが、レムりん演じたいのすけ…
途中からレムりんが好きなのか、いのすけが好きなのか自分の中で分からなくなりました。

そんな気持ちで視聴を始めたこの作品…随所に千鳥の可愛らしさが光っていたと思います。
千鳥は伊賀の忍び…ですが、忍びとしての才能以外は、およそ忍びらしくないのが彼女の最大の魅力です。

千鳥と信長…出会いから最高だったと思います。
まだ千鳥が幼い頃…川で溺れていたところを信長に助けて貰ったのが最初の出会いです。
世間では信長が「大うつけ者」と噂されていた頃ですが、既に千鳥は信長の器の大きさを実感していました。
「一人前の忍びになったら、信長様にお仕えしたい…」
そしてその念願が現実のものとなり、物語が動いていきます。

恥ずかしながら、この作品のオープニングで既に涙で前が見えなくなってしまいました。
千鳥が信長に最初に会った時に貰った髪結い紐を常に身に着けているのですが、蓮花さんの歌う「徒桜」をバックにその髪結い紐を千草がそっと触る仕草…これにやられてしまいました。

その仕草から信長に対する気持ちと、貰ったモノを大切にしている気持ちが痛いほど伝わってくるんです。
きっと信長にとってはそれほどのモノではなかったと思います。
でも大切なのは、モノの価値は貰った人の気持ち次第だということ…
そんな千鳥の気持ちをしっかり汲み取る事のできる信長は、千鳥が命をかけて守るに相応しい人物だったと思います。

千鳥が仕え始めた頃から信長が動き出します。
国内の制定に始まり…そしてかの有名な桶狭間の戦いと物語が流れていく訳ですが、その時々で千鳥はしっかり活躍していたんです。
正直そんな歴史は初めて聞いた…というものばかりでしたが、結果的に面白ければOKなんだと思います。
千鳥の活躍は是非本編でご確認頂ければと思います。

この作品…5分枠なのですが、出演されている声優さんが豪華なのも特徴です。
タイトルでも少し触れましたが、信長の正妻である帰蝶はたかはし智秋さん、お市の方にみもりん、そして秀吉の奥方であるねねがクギュ…
ねねのツンデレっぷり…実在したねねももしかしたらツンデレだったのではと錯覚するくらいクギュははまり役だったと思います。
もう流石としか言いようがありません。

そして、この作品は主題歌も大好きでした。
お気に入りは蓮花さんの「徒桜」です。私は発売初日にデジタルミュージックで購入しましたが、私の友人は発売から暫く経ってもCDが手に入らないと言っていました。
でもそれほど人気があるのも理解できます…だってメチャクチャ恰好良いですし、オープニングアニメとの相性もバッチリだったから…

嬉しいのはそれだけじゃありません。
5分枠作品でも2クール枠をしっかり使って描かれていた上、なんと続編まで発表されたのですから…
この作品の魅力にこれからもドップリ浸かっていきたいと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 16

TAMA さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

史実を交えたアニメ、これが教科書なら勉強も!…とはならない…かな(汗)

2期を先に書いてしまいましたが1期の感想と雑記を。

マンガ原作・既刊全て。(2017:7/15現在・11巻)
アニメ・2期放送分のみ全て。(2017:7/15現在)
アニメ0話・視聴済み。

マンガの方を拝見した方はご存知かもしれませんが、戦国史研究学・谷口克広さんも寄稿してます。谷口さんもこの作品は創作物(マンガ)にしたとしても歴史の文献を無視した設定はしていない、と言っているほど。マンガだから少しは目を瞑ってる部分はあるみたいですが(4コマギャグですからね)それでも高評価。
原作の重野さんが基本的な知識を得てちゃんと描いてるからこの評価なのでしょう。私も文面を読んでて共感、納得しました。

さて、アニメの方は1話毎に対し約3分半くらい。(OP含む)
1期は全26話。(0話は含まない)
マンガ原作の2巻までですね。

個人的にはちょっと削りすぎな部分がありますが楽しめました。声優もボケもツッコミもストーリーもテンポも◎。
ギャグ好き、長いのが苦手、ちょっとした雑学を知りたい方にはオススメです。
信長様は下戸、アニメでは描かれてませんがハーブ園を開いたのも信長様が最初、甘党…等々面白いことが知れます!
信長の時代の事も知れて一石二鳥です…ねぇ…?
アハハ…
でも、谷口さんも言われてますがほぼ間違ってないので軽く楽しみながら知っていくのも良いと思います。
アニメでは表現しなかったんですが秀吉とねねは戦国時代では珍しい恋愛結婚だったんですよね。あの時代は政略結婚がほとんどだったのに本当に珍しい。多分年齢が引っ掛かったのかな。秀吉とねねが結婚した時の年齢が『秀吉25歳』で『ねね14歳』だったので(^_^;)

この作品は史実を交えてるのでちゃんと殺すところは殺します。死ぬ人はちゃんと死んでます。
じゃないと萎えますし評価も低かったでしょうね。
OPが中々なので作品とギャップが…(笑)

個人的にはねねの料理ですね。千鳥と助蔵は忍者なのである程度の『毒』に対しては耐性を持つため訓練はしてあるはずなのにあの二人が倒れるほどのねねの料理って…( ̄□ ̄;)!!

さて、最後に雑記を。
アニメやマンガなので『忍者刀』を表現してますが戦国期の物は全く発見されていません。それから『七方出(変装術)』や『忍者装束(所謂忍者の格好)』など「自ら忍者」と主張した格好はしません。『七方出』も逆に怪しまれるとなり商人に化ける忍者が一般的と資料があります。
なのでガチな方はこのアニメはオススメしません。
普通に忍者服や忍者刀出てきますので。

このアニメとは関係ありませんが2017:7/14の報知新聞の記事で今までは日本で初めてラーメンを食べたのは水戸黄門の徳川光圀とされてましたが、それ以前に食べた人が居ると言う資料が出てきました。
光圀さんは1697年。ですが新たに出てきた資料には1488年に京都の僧が食べたと出てきました。経帯麺ですがかん水を使われており「ラーメンとして認定」されました。

技術が発展し、資料が新たに発見され歴史はまた変わっていきます。だからある意味この『信長の忍び』も1つの信長の歴史なのかもしれませんね。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7

68.1 92 2016年度アニメランキング92位
アイカツ! ねらわれた魔法のアイカツ!カード(アニメ映画)

2016年8月13日
★★★★★ 4.1 (12)
63人が棚に入れました
「劇場版アイカツスターズ!」の同時上映作品。「アイカツスターズ!」のシリーズ前作として2016年3月までテレビ放送されていたアニメ「アイカツ!」の短編作品。学園ナンバーワンのアイドル「スターライトクイーン」に輝いたあかりを主人公に、いちごが映画を撮ることになるが……。「アイカツ!」2代目主人公・大空あかりや初代主人公の星宮いちごをはじめ、キャラクターが多数登場し、1枚のアイカツ!カードを巡って繰り広げられるドタバタのストーリーが展開する。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

『アイカツ!』が築き上げた3年半を28分に押し込めた最後で最高に“穏やかじゃない”完結篇!人類よ、これがサンライズの底力だ!

2012年秋~2016年冬に至るまでの3年半続いた女児向けアーケードカードゲーム『アイカツ!』のテレビアニメシリーズ
3本目の劇場版にして『アイカツスターズ!』の同時上映短篇
『アイカツスターズ!』と世界観を共有しているかは現時点で謎である為、実質的に無印としては恐らく最後のアニメ作品になると思います


スターライト学園に所属するアイカツ生達の最高峰である「スターライトクイーン」の座についた大空あかりは中学3年生を迎えていた
あかりの憧れの先輩であるトップアイドル星宮いちごは、自らがメガホンを取りあかりを主演にした映画「ねらわれた魔法のアイカツ!カード」を撮影しようと考えていた
が、いざ撮影が始まると魔法のアイカツ!カードが飛び立ってしまうトラブルが起きる
撮影が続いてるものと思い込んでるあかり、スミレ、ひなきはそのままカードを追いかけ始める
これをチャンスと捉えたいちご、あおい、蘭はそのままあかり達を追いかける・・・


遂に最後の無印『アイカツ!』ということでテレビシリーズのアフターストーリーでありつつ、シリーズの産みの親である木村隆一監督、加藤陽一脚本、やぐちひろこ総作監、宮谷里沙作監といったほぼオールスタースタッフがテレビシリーズからそのままスライドしています


そして何より、『アイカツ!』に登場したほぼ全アイドルが劇中に次々と登場するのが嬉しいファンサービスになっています
オイラ自身としてもドリームアカデミーや服部ユウちゃん辺りが登場するまでは想像付きましたが、美ら海ビートアカデミの波照間みなみちゃんとか、地下の太陽こと三ノ輪ヒカリさんまで出てきたのには感激であります


加藤陽一脚本なので当然
「うんうん、それもまたアイカツだね!」
「穏やかじゃない!」
「これってアイカツか?」
「血を吸うわよ!」
「らぶゆ~なのですぅ」
「世界の中心は~ここね☆」
「ニーナちゃんやで~」
「まぶしっ」
など名台詞が一気に駆け抜けていきます


ハッキリ言って全く『アイカツ!』初心者が観ることを許さない映画と言っていいでしょう(笑)


そんな中でも“みやびとここねの結婚式”はネタにしてもやり過ぎですw
アイカツおじさん大歓喜ですよw
さらに『怪盗キッド』パロディや『スターウォーズ』パロディをやったと思いきや、アイドル達が大宇宙をサーカスエフェクトで駆け回るサンライズクオリティバリバリのアクションを魅せたり、やっぱり最後は“コレ”かwと思わず吹き出したのは【お約束の崖上り】
アイドルが寸劇
アイドルがガチバトル
アイドルが崖上り
それが『アイカツ!』なのです!


おいおい忘れちゃいけないw
ちゃんと最後には名曲「アイドル活動!」を3DCGモデルが制作された全キャラが集結して披露
これはまさに劇場の大画面でこそ栄える圧巻のステージ
それをシリーズ最初を飾った曲で魅せるのだから思わず涙すら出ます
一方のエンドロールではシリーズ最後の曲である「START DASH SENSATION」が締め括る
歴史を感じますねぇ


3年半という昨今のアニメ作品としては膨大な時間を時事に沿って丁寧に展開した『アイカツ!』という作品
まさしく2012年からの3年半そのものを描いた歴史の一部分的な一作になったと思います
それをこの短篇が見事に締め括っているのにも拍手


ああwここまでやっておいてスターライト学園の関係者では無い、という理由からなんでしょうが、星宮一家が一切登場しなかったのは少し残念ですかね?w
特にらいち君には“アイドルの匂い”を嗅ぎ付けてモブでも何でもいいので駆けつけて欲しかったかな?w

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

総勢25人による華やかなステージシーン

アイカツ本編の完結後、後継作品であるアイカツスターズの劇場版の同時上映作品として公開された短編映画。アイカツの映画としては、「劇場版アイカツ!」、「アイカツ!ミュージックアワード みんなで賞をもらっちゃいまSHOW!」に続く第3作となりますが、放映時間30分弱の短編ということで、雰囲気はOVA的な番外編といった感じ。内容は、大空あかりの主演映画の撮影中に起きるドタバタストーリーとなっていて、アイカツ本編でいうと、第122話「ヴァンパイアミステリー」や第159話「ギャラクシー☆スターライト」のような、何でもありの劇中劇エピソードのノリに近いです。
この作品、主役は大空あかりですが、いちご世代のキャラも総登場するオールスターキャストになっており、出演人数がとても多いので各キャラ一人ひとりの出番は長くはないものの、それぞれの名台詞や持ちネタなども満載で、アイカツファンなら笑えるシーンがたくさんあります。また、脇を固める織姫学園長やジョニー先生の安定感というか、作品内での使い勝手の良さは抜群で、現在放送中のアイカツスターズでは、先生キャラがいまひとつ個性を確立できていないことを考えると、この映画に限らずアイカツが面白かったのには、前記の2人、とりわけジョニー先生の存在は大きかったなあ、と改めて感じます。
そして、この作品の最大の見どころは、なんといっても総勢25人による華やかなステージシーン。楽曲は、アイカツ全体のテーマソングともいうべき「アイドル活動!」です。個人的にはアイカツ完結前に、最終回では全員参加のステージが観れたらいいなあ、なんてことも夢想していたので、こうして実際に観ることができたのはその願いが叶ったようで本当に嬉しかったです。クオリティのほうも文句なしで、曲やダンスを普通に楽しめるのはもちろんですが、ステージ上での25人の立ち位置や並び順も興味深く、間奏でカメラが数人ずつ順番にアップで映していくときなどは、隣り合うキャラ同士の絡みや、その一瞬の決めポーズなど、ほんの数秒単位の映像の中にも本編での数々の思い出が甦ってきたりして、とても感慨深かったです。
作品全体としては、最新鋭のアイカツシステムという便利すぎる設定を使って、次々と舞台を変えながら壮大で荒唐無稽な展開が繰り広げられるストーリーで、あまりのハチャメチャさに作中でも蘭の「これ、アイカツか?」なんて台詞もありますが、観ている側からすると、「まさにこれこそアイカツです」と言いたくなるような、安心の高品質作品でした。やっぱりアイカツは素晴らしいです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

御宅忍者 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

星宮いちご監督第1作目!?

星宮いちご監督による初監督作品!?スターライトの皆を中心にいちごちゃんが映画を撮ったよ!!!アイカツスターライトアターック!!!!yeaaaaaaaaaaaaa

投稿 : 2025/02/01
♥ : 0

68.0 93 2016年度アニメランキング93位
蒼の彼方のフォーリズム(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (597)
3191人が棚に入れました
反重力シューズ・グラシュの発明で人間が空を飛ぶことが普通になり、グラシュを使った新しいスカイスポーツ「フライングサーカス」(FC)が行われている世界。

かつてFCの有望選手だった日向晶也は、とある経緯で競技から遠ざかっていた。

そんな彼の通う久奈浜学院に内地から倉科明日香が転入してくる。

彼女にグラシュでの飛行方法を教える内に、晶也はFCへの情熱を取り戻して学院のFC部に加入。

ヒロインたちと交流しながら共にFCへ取り組んでいく。

声優・キャラクター
福圓美里、浅倉杏美、山本希望、米澤円、逢坂良太、若林直美、近藤孝行、種田梨沙、興津和幸、儀武ゆう子、緒方恵美
ネタバレ

アムールトラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

原作の体験版インストールしてしまった。本体もそのうち買うつもり。

作業用アニソンメドレーに良く出てくるという何気ない理由で見始めました。
そんなですから、前情報は
op『Contrail~軌跡~』川田まみ(最後のシングルですね。心に染みる曲です。)のみでした。

なので、視聴後に事実を知って仰天しました。
wikipediaによれば、
原作はspriteによるアダルトゲーム(18禁)。
『萌えゲーアワード大賞・ユーザー支持賞・11月月間賞の三部門を受賞している。』
だそうです。
もちろんゲームは未プレイです。

★先入観持たなくて良かった★
重要なことを言います。

「あおかな」というアニメは、全く断じてエロくないです!
それどころか、恋愛ものですらないです。
FC(フライングサーカス)を題材とするスポコンです。

前情報を中途半端に持っていて、恋愛系の展開を予想していたら、期待外れになった可能性は低くないかもしれません。
しかし、スポコンとして見れば実に良く出来た作品だと評さざるを得なくなる良作です。

才能に対する怖れや競争心理、同じ競技者としての連帯感などの描き方は漫画やラノベ原作の作品と比較しても遜色ないどころか、高水準と言えます。

下手に恋愛色を残さず、テーマを絞った点が僕にはとても好印象です。

★ものっそい綺麗★
絵柄を一目見て「恋チョコ」を連想した人は多いかもしれません。
だって同じ会社ですから。そして、その人達は理解してくれるでしょう。

キャラデザインが可愛いです。具体的にどんなところがとかは説明できませんが、可愛いです。綺麗です。

個人的には市ノ瀬莉佳が大好きです。

でも、それだけではないのです。
空が、海が、山が輝いている!
僕は今までこんなに綺麗な風景描写を見たことが無かったです。
特にopは圧巻です。曲調と声音、美麗なイラストの相乗効果で中毒性高し。

本編の作画については中盤以降乱れる部分もそこそこありますが、大きな減点にはならない程度だと思います。

風の香りが感じられますよ。それは扱うスポーツがスポーツだからでしょうね。

★FCというスポーツ★
FCでは空飛ぶ靴(グラシュ)を使います。
使用者の周囲の重力を操作することで自在に飛べるようになるというやつです。あこがれます。使ってみたいです。

このグラシュ、飛ぶとカラフルな軌跡(コントレイル)が残ります。これも芸術性に一役買っていますね。

そして、競技のルールが本当によく出来ています。
おそらくグラシュが実現すれば実際にスポーツとして成り立つと思います。

単純に飛行速度を競うだけではないというのがみそです。
コース(空中)に配置されたブイにタッチするか相手の背中にタッチすることでポイントが得られ、その合計点でタイマンするのです。
まだ見ていない人は見れば分かります。
一見容易な抜け道があるように見えて、見事に塞がれている絶妙なゲームバランスは率直にすごいです。
この現実味があるからこそ、物語の主題が際立ちます。

★スポーツを愛する全ての人へ★
主題が何か、作者は何が伝えたかったか。そんなことは分かりません。
作者しか分からないですから、考えません。

しかし、例え意図がどんなものでも、伝わってくるものがあります。僕はこの作品がスポーツと人の関わり方について本当に良く描いているなと思いました。
スポーツを楽しむ、スポーツで苦しむ、泣く、スポーツを愛する、避ける。

スポーツから逃げる。

様々なキャラクターが様々なスタンスでFCと向き合っていました。
大きくは取り上げられていなくとも、「あおかな」には多種多様な葛藤や苦悩が描かれていたと思います。

★萌える、萌える、萌える★
明日香のキャラ設定が最高すぎです。
天然キャラなのですが、この自然さといったらないです。
天然キャラの、面白さとここぞという時の力との相性がすさまじかったです。

みさきの設定も良いです。
好物:うどん。これはまあ狙ったなといえばそれまでですが、随分と奇抜なことで。
そして、低血圧。これがすごい。
これを利用した心情描写が自然でした。

真白はこれまた見事は後輩キャラです。
みさきに過剰な愛を持つ設定はありがちではあってもやはり面白い。
うどん屋の娘というのが絡んでとても良い具合です。
あと、邪神とプリントされたグッズをやたら持っているのですが、それがかわいいです。

莉佳はメインヒロイン。
僕の中ではそうです。
可愛いです。健気です。恋してる訳じゃないのにすごく健気です。

女子キャラがとにかく萌えます。
さすが萌えゲーアワードといったところでしょうか。

男子キャラもなかなかなものですよ。主人公最強設定とか、絶対王者の二つ名を持つ真藤とか、脳筋の受験生とか。
まあ、萌えはしませんけどね。

★壮大な伏線、そして綺麗なまとめ★
スポコンですから当然ラストバトルがあります。
そこでキーとなるシーンがある訳ですが、まさか{netabare}コントレイル{/netabare}に伏線が敷かれているとは思いもよらなかったです。伏線と呼べるか怪しいなとも思いましたが、原作体験版をプレイした感触では間違いないです。
アニメでは説明が簡略化されていましたが、初期段階でしっかりと説明されていたのです。巧妙です。

そして、大団円。
まさかあのキャラまで巻き込んで大団円!?と驚かされました。
明日香の天然天才の力はすさまじく、最高のラストでしめてくれました。
号泣するとかいう類のものではありませんが、ある種の感動は大きかったです。
胸がほかほかする感じです。

溜めが少し長く、やっときたかと思う部分{netabare}(主人公が飛ぶ場面){/netabare}もありましたが、徹頭徹尾きれいに美しくまとまっていました。

★所感★
「あおかな」は名作です。
アダルトゲーム原作であることを考えると恐ろしい限りですよ。
だって、このストーリーにエロがくっついたらやばいですもの。
――それは置いておいて。

このアニメ、たった一つのセリフ(?)に集約される気がします。登場人物達全員が、以下のセリフに沿った成長を遂げている気がするのです。

{netabare}「ダメなだーめな自分を、今とーきはーなーてー♪」{/netabare}

しかもこれがこのアニメ最初のセリフであるという。

★最後に★
あおかなの魅力に取り憑かれた方、及びそうでなくとも面白いなと思われた方、朗報です。携帯ゲームがもうすぐリリースされます。
今すぐ事前登録しましょう!(筆2016.5.13)

投稿 : 2025/02/01
♥ : 31

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャッチコピーは「負けてからが、本当の勝負」

この作品の原作ゲームは未プレイですが、福圓さん、浅倉さん、山本さん、米澤さんらが出演されると知り視聴を決めた作品です。
その後、ゲーム制作会社spriteさんが「恋と選挙とチョコレート」を手掛けていた事、オープニングとエンディングに川田さん、RayさんのTo LOVEる -とらぶる- ダークネス 2ndコンビが担当される事を知り俄然視聴が楽しみになった作品でした。

この作品では「フライング・サーカス(以下、FC)」と呼ばれる競技が題材として扱われています。
文字の通り空中で速さやドッグファイトによって選手同士が相手の背中を取り合う競技なのですが、それを実現したのが、「グラシュ」と呼ばれる重力がコントロールできるシューズです。
このシューズを履くことで絶対地面に叩きつけられる事がない、という安全なスポーツなんです。
でもこのFC・・・登場する可愛らしいキャラのイメージからは想像がつかないほど激アツなスポーツでした。

海上の空中に設営された4角のブイ・・・時間制限のあるポイント性の競技で、ポイントは4角のブイをタッチするか、相手の背中にタッチするかで入る仕組みになっています。
スピードに特化した選手は高速飛行でブイ狙い・・・
ドッグファイトに特化した選手は、ブイをショートカットして先回りして相手の行く手を阻む・・・
と、ルールは割とシンプルです。
シンプルであるが故に、熱くなるんでしょうね^^

もともと久奈浜学院のFC部は全国にも出場するほどFCが盛んな学校でしたが、今では部員が少なくなって同好会状態になっていました。
そこに、2年生の倉科 明日香(CV:福圓美里さん)、同じく2年生の鳶沢 みさき(CV:浅倉杏美さん)、有坂 真白(CV:山本希望さん)がFC同好会に勧誘した事で部に昇格し、大会にも出れるようになりました。
ところが、みさきはFC経験者で真白はグラシュで飛ぶのは朝飯前・・・なのですが、明日香はこれまでグラシュを履いた事が無いので満足に飛ぶことすらできません。
そこに、かつて有望なフライング・サーカスの選手でしたが、とある理由でグラシュを履くのを止めこの世界から遠ざかっていた日向 晶也が明日香に飛び方を教える事になり、再びFCとの接点が出来て・・・物語が動いていきます。

このレビューを書くためにwikiをチラ見して知りましたが、原作のゲームでは日向が主人公なのだそうです。
アニメ版の展開から考えると、ちょっと想像しにくいです。
完全にFC選手を主人公に据えた作品になっていましたから・・・

部に昇格した久奈浜学院のFC部は全日本フライングサーカス大会の地区予選への出場と勝利を目指した特訓が始まるのですが、このスポーツの持つ躍動感に魅了されてしまい、毎回の視聴がとても楽しみな作品となっていました。

そして迎えた初めてのFC大会・・・
意地とプライドと思いがぶつかり合う激しい戦いだったと思います。
皆んなの成長が感じられた試合・・・と言っても過言ではありません。

ここからは、経験した事のある人にはトラウマの様に襲ってくる心の痛み・・・
自分は全力を出し切った・・・負けたのは悔しいけれど、格の違いを知っていたから仕方無い・・・
きっと誰も勝てないんだし・・・
自分にそんな言い訳をした経験はありませんか?
私は同じ様な事で何度も自分を誤魔化した経験がありますけれど^^;

でも次の瞬間目にするのは自分の想像を絶する光景・・・
格の違い・・・でもそれは相手の本気じゃ無かった・・・?
相手の本気ってこんなにも凄かったの・・・?
私はそこまで相手の本気を引き出せなかった・・・?

もし、その相手の本気を引き出したのが身内だったらどうでしょう・・・
心から素直に応援できるでしょうか・・・?
この状況・・・負けた本人にとっては屈辱以外の何物でも無いんですよね。
自分の心の弱さと醜さと本音が入り乱れて心の中はグチャグチャ・・・

そしてこの状況を踏まえた上で次に何を選択するかが最大のポイントになるのですが・・・
たくさんの紆余曲折を経て回り道をして何度も躓くけれど、最後にたどり着くのは自分の本心に素直であって欲しいと思います。
彼女たちの選択は・・・是非本編でご確認下さい。

この作品の良いところはここで終わらない事です・・・
一回りもふた回りも成長した久奈浜学院のFC部・・・
「さぁ、バチバチしようか・・・」の台詞で始まる戦い・・・これまで見たどの試合よりも熱い試合でした。
そして「至高の美しさ vs FCを楽しむこと」の戦いが始まるのですが、FCって、型に嵌ったスポーツじゃないんでしょうね・・・臨機応変で自由なのがFCなんだとラストまで視聴して思いました。

ホント登場するキャラはスポコンとは縁遠い感じなのですが、蓋を開けてみると半端無いスポコンもので、手に汗握る展開が幾度となく訪れてムッチャ興奮する作品でした。
ゲームでは恋愛要素もあるようですが、FCに特化した構成が個人的には大当たりだと思っています。

オープニングテーマは、川田まみさんの「Contrail〜軌跡〜」
エンディングテーマは、Rayさんの「a-gain」
どちらも好きな歌手なので甲乙は付けられません。この前カラオケで「a-gain」が上手く歌えなかったので、いつかリベンジしたいと思います^^;

1クール12話の作品でした。「恋選」といい「あおかな」といい、spriteさんの作るゲームのアニメは面白いという事をしっかり理解しました。
物語も1クールに綺麗に纏まっていたと思いますし、作画・キャラデザともに綺麗・・・試合での疾走感や躍動感は高いレベルにあったと思いますし言う事なしです^^
しっかり最後まで堪能させて頂き、ありがとうございました^^

投稿 : 2025/02/01
♥ : 30
ネタバレ

とろろ418 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

フライング・コンフィギュレーション?

今期見る作品があまりにもなかったので、視聴してみました。
惹かれた点としては、絵柄と競技ものという点ですかね。

雰囲気としてはスポ根風なので見れなくもないです。
ただ致命的なのが、核となる競技の設定が緩いところ。
私の解釈が正しいのであれば、この競技は破綻しているはず。
詳細→{netabare}
  制限時間内にポイントを稼ぐ競技。
  ポイントの稼ぎ方は、4つのブイを決められた順(時計回り?)に触るか、対戦相手の背中?に触れるかのどちらか。
  ショートカットは対角線上に(=1つ飛ばし)のみ可能だが、その場合は対戦相手に越されるまでブイには触れられない。
  おそらくこれで合っているはず。

  まずパターンA。
  逆走、またはそれに近い行為が許されている場合、スピーダーは負けません。
  1ポイントはほぼ確定なので、あとは捕まらなければ勝てるんですから。
  そしてパターンB。
  逆に逆走や同軸上の逃げができない場合はファイターが勝つでしょう。
  理由としては、ブイの間近で待機すれば対戦相手にほぼ確実に触れられるから。
  対戦相手が停止した場合は、対戦相手に近づき、相手が動いたらブイに近づきを繰り返せば、同じ状況になります。
  ショートカットされたら、どうするの?
  心配ありません。その時は悠々とポイントを貰った上で次に行けばいいのです。だって対戦相手が待っていてくれるんですから。

  というように、ルールの把握漏れがないのであれば、どちらにしろ勝者は決まっていると言えます。
{/netabare}
というか、破綻云々を抜きにしたとしても、単純に面白いとは言えないんですよ。
記号的とでも言えばいいですかね。
AさんとBさんでも、明日香とみさきでも、試合内容は全くと言っていいほど一緒になるんですもん。
早い方が第一ブイを取って、遅い方がショートカットで待ち構えてドッグファイト。ただただコレの繰り返し。
盛り上がりには欠けるが、単純なスピード勝負もなくはない。
ただし、前者の場合はレース部分が完全に死んでますし、後者の場合はドッグファイトがそうなっていますね。
試合パターンが2つしかなく、どちらに転んでも競技の楽しみの半分が失われ、競技者の個性が全く感じられない競技。それがフライングサーカスだ!(`・ω・´)キリッ

いや、別に嫌いじゃないんですよ。
寧ろスポ根に飢えてる身としては、オリジナル競技とかどんどん挑戦して欲しいんです。
ただ、難しいことに違いはないので、今作のようになることも十二分にある訳で。
でもやっぱり、アニメ発祥のオリジナル競技、なんてものが生まれる未来にも期待したい訳です。

以下は雑記。{netabare}
  せっかくなので、私のフライングサーカスを考えてみます。
  大本の設定として、三種のタイプとポイントルールは継承してみようかな。
  まず第一の改善ポイントは、コース。
  やっぱりただの四角を回るのはつまらないですからね。
  ただ、複雑なコースを作ったりするのは、世界観ごと変える必要性があるので今回はパス。
  となると単純な四角じゃなくするという方向性が良さそうかな。
  どうせなら、コース作りも戦略に加えたいですね。
  じゃあ、各競技者に4つのブイの権利を渡して、計8ブイを時間内に奪い合う競技にしたら面白そうかも。
  競技範囲内であれば、自分のブイをどこに配置するかは自由。
  これなら、四角である必要もなければ、平面である必要もないので、空中戦の醍醐味が発揮できそう。
  でも、ただブイだけ配置しても面白みに欠けるな。
  ブイ以外に妨害アイテムや遮蔽物なんかがあってもいいかもしれない。
  だいぶ競技として多様化してきた気がするから、競技人数を増やすのもアリだろうか。
  2対2のチーム戦、ブイを2つずつ分けての4人戦。グラシュタイプやアイテム指定ありのイベント戦。色々考えられますね。
  グラシュタイプももう少し特徴が欲しいですかね。
  スピーダーは高速だけど、接触判定が全身。(他者に触れるとポイント失う)
  オールラウンダーは中速で、接触判定は胴体と頭。(手足ならガードも可能)
  ファイターは低速だけど、接触判定が背中のみ。
  このくらいにしておいて、グラシュタイプの読み合いなんかも入れると面白いだろうか。
  おっと、思いつきでポイントルールにも変更を加えよう。
  ブイはタイムアップ時点で保有している数につき、+2。
  開始時、+8というのもキリが悪いので、親ブイなるものを入れて、それだけ+4で、+10を持ち点にするかな。
  接触判定時は、防御側が-1、攻撃側が+1でどうだ。
  あとは、競技者個々の特徴が出せるといいんだけど、頭脳戦の要素も取り入れたし、あとは性格や技術なんかでどうにか出来そう……かな?

  まだまだ練り込みが足りませんが、思考が暴走し始めたのでここらで止めときます。
  よくよく考えたらレース要素ないし。(ーヘー;)
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

68.0 93 2016年度アニメランキング93位
テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (354)
1642人が棚に入れました
人の目には見えない霊的な存在「天族(てんぞく)」に囲まれて育った人間の青年・スレイ。
「かつて、人間の誰もが天族の姿を見ることができた」という伝承を信じる彼は、
古代の謎を解明し、人と天族がともに生きる世界を実現したいという夢を抱いていた。

ある日、生まれて初めて訪れた人間の都で妙な事件に巻き込まれたスレイは、
なりゆきから石に突き刺さる聖剣を引き抜き、世界の災厄を払う「導師」となる。
重き使命を刻み込む胸の中、人と天族の共存という夢はより熱さを増し——

仲間とともに、「導師」は大冒険の旅路への一歩を、今、踏み出す。

声優・キャラクター
木村良平、逢坂良太、茅野愛衣、小松未可子、下屋則子、福圓美里、小野大輔、津田健次郎
ネタバレ

カボチャはんたー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界が闇に覆われるとき…世界を救う導師現る

テイルズシリーズ始めてみます!!
とにかくこの作品は絵が奇麗で期待大です!!

0話{netabare}
中世ヨーロッパ風な建物ってなんでテンション上がるんだろう(/・ω・)/

若い王女は利用される立場なのかもな…
政治はいろんな思惑があってやだな~
黒い霧はよからぬことの前触れなのかもしれない

最近の姫様はか弱いだけじゃやっていけないみたいね
姫を襲ったのは妖怪?魔物?

偵察に出した近衛の騎士を捜索するために…
姫たちは追いかけてきたのね…
あの黒い霧は気づいたらあそこにあったらしい
街の様子も住民もどこかおかしい?

黒い霧はすべてを飲み込む…
学者のおっさん下にいたからまだ無事のようだが…
黒い霧はアリーシャ姫をめがけて追いかける?街もこのままだと飲み込まれてしまう

地脈の均衡が崩れかけているらしい

謎の少女の正体は?姫たちには見えていないみたいだけど
混沌の扉を開く?
夢のような現実…黒い霧はすべてをのみこむ…
そこに希望は一つも残らない…後に残るのは絶望のみ

プロローグ的なお話ですかね?(/・ω・)/
{/netabare}

1話{netabare}
お姫ちゃん悪運は強いよな~
あの黒い霧に2回襲われてるのに生き残ってるんだから
たどり着いたのは遺跡…来るときに盛り上がってた場所かな?

姫の近くにいるポンポン何?魔法使えてるけどw
おっと今度は蟲に襲われる姫様…姫様遺跡の奥へ…
遺跡の奥はお花畑?導師の紋章がある?動いたしw光ったしw
さらに入り口が何たるゲーム的展開www

天空の断崖絶壁を駆けまわるとか少年すごいな
スレイにミクリオか
スレイは普通の人間らしいが…ミクリオは?
遺跡探検はじーじに封印されてる
探検も調査も禁じられる…って言われると行きたくなっちゃうよな

人間と天族の話を綴った天位見聞録
ミクリオは優等生っぽいけど結構やんちゃなのねw

姫は暗闇の中をただ進む…先の見えない闇の中…ここはどこ?
そりゃ叫びたくなる気持ちも…

スレイ身軽だなぁ~
スレイとミクリオが壁画のところにいたら雷が…
さらに姫も…そこにいるのかな?

じじさまも大変だのう
この姫昨日から死線超えすぎだよねwもう何回死にかけてるのか
魔法使いだったのねミクリオ

人間とのかかわりも禁じられてるのね
おっとスレイたちと姫様の出会いはここから
スレイのイケメンっぷりなw惚れるわw
透明な橋とかかっこいいな

導師とは?
{/netabare}

スレイ
外界から隔絶された天族の杜イズチに暮らす、天族に育てられた人間の青年。高い霊応力を備え、天族を知覚できる。子どもの頃、導師伝承と古代遺跡について記録された「天遺見聞録(てんいけんぶんろく)」を偶然手にし、それ以来、古代遺跡に興味を持つようになる。大陸中の伝承や歴史に詳しく、古代語を読むこともできる。純粋で心優しく、困った人を見ると放っておけない

2話{netabare}
スレイはただの人間です٩( ‘’ω’’ )و
ここは天の都と呼ばれている神殿…
もはや世界は救えない?

スレイ以外は見えていないみたい…
超常存在を畏敬の念を込めて「天族」と呼ぶ
イヅチの村…姫様必死だなぁ…

天族の助けを求めここにきたのかな?
まぁ村人からしたら…災いを運ぶ存在になるよな…人間
普通の人間には天族と意思疎通を運ぶことは難しいのね

ハイランドの都レディーレイク
聖剣の伝承が残る街の出身の姫様
スレイとミクリオはいいコンビなんだろうな
スレイのまっすぐさは心配なんだろうね…
天族は…

姫様の髪おろした姿も奇麗だな(/・ω・)/むしろ好み☆彡
でも縛ってるのも好き…
目の前で仲間が死ぬ姿はトラウマものですな…
伝承は結局おとぎ話なのかなー

そりゃ足もすくむわなw
導師の紋章が入った手袋…
下界が闇に覆われようとしているのなら…導師は必ず現れる

スレイのような人が伝承にあるような導師なのかもしれない…か
おっと…天族の村に侵入者…姫様を追いかけてあいつもきたのか
憑魔強いやんw走り方がコメディで好きだわw
スレイやるやんwww

憑魔のメインディッシュ=アリーシャ
スレイはいい人だからなぁw黙って村を出るの巻…と思ったらミクリオもw
アリーシャを探す旅にw
スレイ×ミクリオで本が描けそうw
結局村のじーじツンデレよなw
ここから世界を冒険する物語が始まる(●´ω`●)」
{/netabare}

ミクリオ
赤ん坊の頃からスレイと共に成長してきた天族の青年。スレイのことを、兄弟同然にして無二の親友であり、さらにライバルであるとも思っているため、スレイと言い争いになることもしばしば。スレイの言動に冷静な指摘を加えたり苦言を呈したりする役回りを自認している。スレイの影響で古代遺跡に興味を持つようになった。水属性の天響術(てんきょうじゅつ)を操る。

3話{netabare}
スレイとミクリオ…湖の乙女の街に到着

スレイのお上りさん具合
商人はフリーパスで入れるのね
セキレイの羽(/・ω・)/
人間にはお金が必要…この商人の女の子は只者ではないんだろうけど
レディーレイク聖剣祭で大盛り上がり

レディーレイクは穢れで満ちているらしい
天族のミクリオにはきついらしい
さらに憑魔もこの街に…
スレイの命がけの感じすごいなw

憑魔はアリーシャを標的にすることはないが…
姫殿下の暗殺は実行されてる最中
姫は戦争をする気はないが…他の人たちはそれを由としない
先取防衛のため姫の暗殺が…

聖剣の近くに可愛い女の子
彼女も天族(/・ω・)/湖の乙女の剣を抜けるものはいず…そして穢れはさらに充満

アリーシャ姫が聖剣祭を開いた理由は…
おっと姫様がしゃべるたびに穢れが…負の感情から…
穢れの充満が実体化?憑魔出現

普通の人には見えてないみたいね
憑魔を浄化できるは導師だけ…
さらにこの状況に転じてアリーシャの暗殺が…

スレイこの場の打開を任される
湖の乙女の名前はライラ
人と天族が一緒に幸せに暮らせる世界が夢だから…
スレイ、聖剣を抜くことは…とてつもない戦い…果てしない宿命を背負い
導師になる…スレイ
導師になったスレイ髪伸びたな(笑)
そこではないよな(笑)
フォレスメイヤー

スレイ力を使いまくったからな…倒れる

次回予告のライラかわいいな
秘密です♡ (笑)
{/netabare}

ライラ
「引き抜いた者は導師になる」とされる伝説の聖剣に宿っている天族の女性。長い間導師の資質を持つ人間を待ち続けている。優しさと落ち着きを兼ね備えた大人の女性だが、少々天然なところもある。穢れの影響で人や生物が変化した魔物「憑魔(ひょうま)」に関して豊富な知識を持つ。火属性の天響術を操る。

4話{netabare}
スレイようやく目覚めたらしい…3日間高熱にうなされてたらしい
アリーシャが助けてくれたのか(/・ω・)/
アリーシャから感謝の気持ちを込めて服が送られる☆彡
やっとOPと同じ服装になったな

馬子にも衣裳…(笑)
ミクリオにライラ…アリーシャには見えない
スレイをつなげば天族の声を聴くことができる?
ライラの声が聞こえないのは…
スレイの集中力が足りないせいらしいw

まだまだ導師として力をつければもっといい方法が
アリーシャは才能があるから声を交わすことができたのかもしれない

スレイ街へ
導師の出現は民たちにも伝播し…
スレイ調子が悪いみたい…街に出てから
これが穢れの影響…別の穢れ?

遺跡が穢れているのは?
評議会は導師を狙ってるみたいだな…
遺跡探検はお手の物

ハイランド王家の紋章による封印の扉のその先に…
何が待ち構えているのかな?

ドラゴンは厄災の化身らしい
この遺跡の中に憑魔?蝙蝠?
憑魔化した蝙蝠の大群きりがない
ライラの炎威力すごいな(/・ω・)/

契約したことでスレイの負担はあがっているらしい
ライラ…スレイの中に入れるのねw
天族との契約は力を得れるが代償もある

この遺跡の穢れはこれで終わりではない…さらに奥に…遺跡の真実が…
権力に立ち向かい葬られていったものたちの遺骨が…
それが王家との…
ライラはこれを見せたかったのね
源泉…災禍のけんしゅ…それを鎮めることが導師の使命
スレイの答えを導き出してほしい

レディーレイクの穢れの浸食はもう…すぐそこまで…
遺跡の外も大時化…いや黒い霧なのか
廉潔なアリーシャ

評議会の目的はアリーシャを王政から外すこと…か
災厄はそこまで迫っている…
{/netabare}

アリーシャ・ディフダ
グリンウッド大陸の北東部を治めるハイランド王国の、王位継承権の末席に位置する王女。母親の身分が低く王族内での地位も低いなか、権力の腐敗を見逃せない生真面目な一面が大臣たちからは煙たがられている。この災厄の時代に、希望と指導力、諦めぬ強さを示すことが自らの役目だと考える信念の人。自身を姫ではなく国に尽くす騎士と捉え、堅苦しい言葉遣いをするが、本来は明るく女性らしい人柄。

5話{netabare}
1回ゼスティリアのお話はお休みで…ベルセリアのお話をやるみたいですねん

深い闇の底にいるのは…ベルベット
アルトリウス?退魔師?

ベルベットの戦闘力はたいしたものらしい
業魔から没収したものを…
世界に何が起こっているのか?退魔師とかどうでもいいらしい
ベルベットの狙いはアルトリウスのみ

アルトリウスが行った儀式により世界は変わったらしい
精霊シアリーズがベルベットに手を貸す理由とは…?
そしてベルベットのもとに新たにもう一人…なかなかできるやつみたい
こいつは「刀」を探してたのな

業魔を収容した監獄島からの脱出
それが最初の目的だが外には退魔師が待ち構えているのは必然みたいだな
即席パーティーとか悪くない

脱獄をするには囚人を解き放ち混乱を作り…船を出す隙を作らない
敵の削減と分散も
脱獄したのはいいけど出た先は巨大な塔の天辺…

あの高さから落ちて軽傷で済むなんてw
いや骨は折れてるかwww
制約…は呪いと紙一重

一等退魔師の船が監獄島に…

EDがテイルズオブゼスティリアのたぶんゲーム映像のやつだ~(/・ω・)/☆彡
{/netabare}

ベルベット・クラウ
かつては、飾り気のない気さくな性格だった女性。3年前にある事件に巻き込まれ、それ以来笑顔を見せることはほとんどなくなり、つねに怒りと憎しみを抱くようになった。事件の日に謎の力に飲み込まれた結果、左手が人外のものへと変貌。普段は包帯でそれを隠している。

6話{netabare}
脱獄者は結構多いみたいね٩( ‘’ω’’ )و
シアリーズとオスカー
ベルベットVSオスカー
一級退魔師…どれほどのものなのか

オスカーさんの構えかっこいいなw
喰魔ね…業魔を食い続けるもの
オスカーさんはアルトリウス信者だな
弟は生贄にされたのね…ベルベッドそりゃ世界にもアルトリウスも恨むわな
おっと…どこかで見たことあるドラゴンが!!

ドラゴンは喰魔に呼び寄せられたのか?それとも…
あーあドラゴンに船をつぶされてしまって
シアリーズは自分の道を生きるつもりらしい

おっとwなんかコメディ調の魔女が(笑)
極楽から地獄~(笑)キャラ濃いなぁ(笑)
自称大魔法使い相手されてないw
ドラゴンは抑えてられるような代物ではないみたいね
オスカーさんも満身創痍

ベルベッドでもドラゴンには…
シアリーズさん命を賭けて…
っていうかドラゴンの破壊力なw

魔女っ子にロクロウさん来てくれたw
マギルゥさんねwww
シアリーズさんベルベッドを守るために…

前に進むために自分を喰らえか…
聖隷シアリーズを喰らいベルベッドパワーアップ?
さすがのドラゴンは骨が折れる相手みたいだな

ベルベットクラウ業魔も聖隷も退魔師も食らい尽くす災厄の喰魔
ドラゴンも倒してきっちり船を奪ってるのな~(笑)

ちょっとゲームしたくなってきたなw
っていうか絵奇麗すぎだろwww
王都を目指す一行…
こちらの物語も始まる
{/netabare}

ロクロウ・ランゲツ
明朗快活で自由奔放な業魔の青年。監獄島に収監されていたが、ベルベットと脱獄の際に知り合い、愛刀の「號嵐(ごうらん)」を見つけてくれた借りを返すためとして行動を共にすることになる

マギルゥ
自ら「大魔法使い」と名乗る正体不明の女性。「マジギギカ・ミルディン・ド・ディン・ノルルン・ドゥ」と名乗っている。

7話{netabare}
話は戻ってテイルズオブゼスティリアの方へ…

黒い霧は王宮へ…アリーシャさん狙われてるなぁw
スレイは止めるつもり…手はないけど止めるしかないよな~
竜巻の中にドラゴン?破滅と死をもたらす象徴ドラゴン…

バルドロ卿…食事に誘うとかw絶対何かあるだろ~w
街の被害は…レディーレイクが穢れに満たされるのも時間の問題みたい
アリーシャを遠ざけようと…

スレイはドラゴンを追うつもり
アリーシャはマ―リンドへ行くことに…
ミクリオとライラ…スレイは導師となって運命を背負っている
遠い存在になってしまったのか?

スレイとミクリオ今の関係ではいられないみたいだと思っているみたい
ミクリオがスレイにしてあげられること…それは…
ミクリオは一人でどこに…

スレイの実直さと信頼感な
ミクリオはガラハドの遺跡の聖遺物を取りに行ったみたいだね
スレイのために…

伝説の手がかり
霊峰レイフォルクそこを目指すことにスレイ
トレンジロングス…うねうね~

ミクリオを襲う憑魔は…
アリーシャは天族の声聞けると嬉しそうだな
トレンジロングスの憑魔うねうね~
スレイに少しずつ箔がついてきたな

マ―リンドは疫病に…この国で2番目に大きな町だった
スレイの出自も気になるな~
天族にも得意不得意がある

人間がなぜ天族を知覚できなくなってしまったのか…
災厄は人の心が生んでしまったのかな?
それぞれが目指すところへ

月が奇麗だこと
おっとミクリオが目指した遺跡は近くにあったみたいね
{/netabare}

8話{netabare}
水の遺跡とはまたミクリオにふさわしい
霊峰も穢れに満ちているみたいね…傘と女の子が直線状にw
ライラの知り合いの…女の子?ってことはエドナって子も?
憑魔どこにでもいるのな~

オーガの憑魔かな?
スレイの攻撃は通じてないわけではないが…
おっと一撃で葬るその力…なんかもう一体ザビーダってやつ出てきた
憑魔を殺すことが流儀のザビーダと殺さずに救えた道があるというスレイ

エドナとザビーダ、何かあるのね
領域?穢れの?
ザビーダの狙いは黒き龍かな?
この龍はエドナの兄アイゼンって天族らしい

実体化したドラゴンは浄化できない…ずっとこのまま…
だから死ぬことで楽になるやつもいるってことか
どうすることもできないっぽいな~
下界にも天族いっぱいいるのな

ミクリオが発見したのは弓?
浄化の力がないと憑魔には対抗できない?
おっと弓には浄化の力があるっぽい

レディーレイクに現れたのはまた別のドラゴンらしい
スレイの実直さはバカともいえる
人間とかかわりすぎたから…ドラゴンに?
ドラゴンを浄化する方法はどこにもない…
本当は殺してほしくはないけど…どうしようもない

ザビーダとアイゼンはやりあってるみたいだな
ドラゴンの浄化に挑むつもりなのねスレイ
なんとかしないと…やらなくちゃいけない

最後の最後で理性を少し取り戻したのかな?
とどめを刺さなかったけど…
ザビーダもエドナもドラゴンを元に戻せる術を探していたが…
だが世界にはまだ希望はあるかもしれないね

陪審契約?エドナと
兄を救う方法を探す旅に
感情の抑揚がない子だけどこういう子好きよ♪エドナ
{/netabare}

エドナ
地属性の天響術を操る天族の少女。基本的に他人を信用せず、無機質で大人びた態度を取ることが多く、容易に本心を掴ませない。かなりの毒舌家でもあり、人をイジって翻弄し、戸惑う姿を見ることを好む。性格は極めて冷静だが、唯一の家族である兄のことになると、感情的になる一面も。お気に入りの傘には、謎の「ノルミン」というマスコットをぶら下げている。

9話{netabare}
マ―リンドへ向かう橋は嵐で落ちてしまい…
川の迂回路を目指すアリーシャ
ミクリオは無事聖遺物を手にできたみたいですねん(/・ω・)/

次はローレンスを目指すみたい
聖遺見聞録はスレイにとってのバイブル
浄化とはどういうことなのか…?

穢れを自らが理解する…それに対しての導師としての答え…
まだまだ導師としては半人前
スレイの資質はたしかなものだが純然たる理由のため…壊れやすいw

ノルミン天族っていうんだ!あのぷにぷに
見かけによらず強い力を持ってるのな
しかも関西弁wwww
ノルミン天族のアタックか
この子性別的にはメスっぽいけどw

アリーシャを助けるためにスレイは…
あの嵐は黒い霧によるもの?
おっと水も穢れ始めている?
またもや憑魔の黒き龍?今度は蛇?ウロボロス

エドナの力を借りてウロボロスに挑むスレイ
おっと怪獣大戦になってきたな
ドラゴンパピーあれで…
でもパピーなら浄化は可能みたいだけど…

マルトラン
マーランドはドラゴンパピーが飛び去った…
エドナの力を遣えばなんとか…

アタックもライラとは知り合い?わけあり?らしい
こいつオスか(笑)
スレイとミクリオが再開するのは近いかもしれないね

マ―リンドの穢れはドラゴンの領域レベル…
疫病の原因はパピー…

アリーシャは無事みたいですね
アリーシャ声が聞こえるみたい
スレイの霊能力が高まったみたい

運んできた薬も効かなく…アリーシャも負の感情に…
聖なる大樹を巣くうつもりのパピー…
パピー…ドラゴンになる寸前らしい

アタックとミクリオの前にも憑魔の群れが…
ミクリオがいれば…弓の神器で撃ち落とせるのに…
ミクリオが来るまで…時間を…

こんな急いでの陪審契約w以下省略w
スレイにミクリオの力も加わりいざ対峙
ドラゴンパピーを穿つ水の矢見事なり

さすがスレイとミクリオって感じだな(●^o^●)
{/netabare}

アタック
いつも兜をかぶっているノルマン天族。ライラとはなにか関係があるみたいだが…?

10話{netabare}
無事再会を果たしたスレイとミクリオ
ライラとエドナはお留守番、まずは水の浄化を始めるみたいね
3日も潜り続けてるのねw

スレイがずいぶん導師っぽくなってきた?
ただ民衆からは導師として尊敬の念を向けられてるみたいね
エドナに坊や扱いされてるミクリオw

おっさんがドラゴンパピーになってたのか…
マ―リンドがなぜこういうことになったかは覚えてないみたい
最初は些細なことからだったみたいだけど…

ノルミン天族は調整役らしい
昔は仲間がいっぱいいたみたいだが…散り散りになってしまったみたい
穢れをきちんと浄化するには1年以上かかるらしい

アリーシャはいい人だなぁ
スレイを心配するライラ…壁が立ちはだかったときがね…
おっと見たことあるセキレイの羽の商人たち

ロゼさんの商人魂は本物っぽいけど…
バルトロ卿が兵を動かしたみたいね…開戦
物資を相手から奪うことで補給するとか…
アリーシャとスレイで止めに行くつもりだったがライラは反対

人が真の意味で穢れる…その意味を知らないスレイを戦場へ連れてくのはね…
おっと街にまだ穢れの気配?人から生まれた憑魔の穢れ…

憑魔の人間としての姿も見えるが…
攻撃するたびに憑魔の穢れがスレイの中に…
憑魔になった人を浄化するのは穢れを代わりに受け入れるということ…
導師は孤独そういうことか…

アリーシャは戦争を止めに行くつもり
マルトラン先生もご同行

ミクリオ坊や略して「ミボ」

アリーシャにまた暗殺者が差し向けられる
憎しみの募りが穢れの元か

戦場に行って戦争を止める…揺るがない意志だね
戦争を止める…先取防衛…
アリーシャの信念揺るがないな~

暗殺者をも仲間に迎え入れるとはなw
アリーシャ姫だなぁ
ロゼさんもやっと登場

戦場へ
{/netabare}

ロゼ
商人ギルド「セキレイの羽」の主要メンバーで、大陸中を旅している。商売をしながら旅を続けてきたためか、二刀短剣を使った戦いは護身の域を遥かに超えている。屈託がなく前向きでマイペースな性格。人付き合いがいいが、自分の意見をしっかり持っており、信念に従って行動する

11話{netabare}
いざ戦場へ
アタックさんは街に残るみたいね
エドナに意地悪されたいだけの後生だった

グレイブガント盆地へ
兵力差は15倍か…ことによっては自国の兵と剣を交えるかもしれない
スレイとはちがう実直さだよなアリーシャ
軽口をたたけるうちはまだいいよな~٩( ‘’ω’’ )و

導師は噂とは違うみたいw
ドラゴンを平らげたことになってるスレイさんw
導師のご利益って( ´艸`)

予想より少し多い兵力
ロゼは行く末を見守るつもりみたい
でも大馬鹿は嫌いじゃないって感じよな

戦争がはじまる前なら手伝えるが
開戦していたら手助けはできない…これが導師としての…
ミクリオは感傷的にw
あれやこれやと事態が動きすぎて…

戦争を無事止めることができたら遺跡探検へ
導師として越えなければならない壁だと…戦争を避けたかったものだが…
敵も味方も狸ばっかりだな

戦争は始まってしまっているみたいだな…戦の仲裁は難しい
アリーシャは将軍の元へ
スレイは自分のやれることを…これが初めて目の当たりにする戦場

負の感情のオンパレードだな
いたるところで憑魔が生まれている…
アリーシャはランドン師団長の元へ…

停戦協定を命令するが…聞けない
アリーシャとロゼだけだけどまぁ大丈夫だろう

スレイが感じる憑魔の穢れは甚大じゃないんだろうな
姫とロゼ二人相手にあの様ですかい
だけどじり貧だよな~

戦争を必死で止めるスレイ
アリーシャも報われないよな~
アローレインかっこいい~٩( ‘’ω’’ )و
浄化しきったと思ったが…戦場は甚大なもの
さらに巨大な領域を持つ穢れが…しかも人間の憑魔
人間の姿見えないとはな…あれが災禍の顕主

アリーシャとロゼの近くにいる天族
畳みかけてきたなぁw
{/netabare}

マルトラン
「蒼き戦乙女(ヴァルキリー)」の異名を持つハイランド王国の女性騎士。アリーシャの師匠であり目標とする人物でもある。

12話{netabare}
姫様とロゼを守るのは…
アリーシャ姫…刺されて…
ロゼも本気だな~…停戦命令~

巨大な穢れ…これほどまでの邪悪な領域を持つのは災禍の顕主
スレイをここで死なせるわけにはいかないな…
これはまだスレイが相手するには早いだろうに

災禍の顕主のゴリラ具合wライオンかw
導師スレイ、災禍の顕主に挑むが…
3人の力をもってしても災禍の顕主には傷一つつかないとはな

災禍の顕主は穢れを引き寄せる…集まった穢れをスレイに…
人間の穢れ…強さか…人と天族が共に暮らす世界はとても遠いな~
アリーシャの血が止まらない…これは…

こんな時でも戦いを止めることだけに…こだわって…聖人だな
ロゼは導師を探しに、姫を助けるために
どこにでもいるのなルナールの憑魔さん

人間の業に果てはない…とりあえずは見逃してくれるみたいだけど
このままじゃスレイたちじり貧だろうな~
ロゼと帽子の天族しゃべれるのな

なんとか生き残ったスレイさすがだな٩( ‘’ω’’ )و
アリーシャの血に染まった天遺見聞録
なんとか生き残ってほしいよなアリーシャさん

あー目覚めてよかった
まだ死なないでね…( ;∀;)
アリーシャはレディーレイクに戻り政治の世界で戦うらしい

アリーシャとスレイ従士の契り
笑顔のアリーシャ(・∀・)イイネ!!
これで天族も見えることに٩( ‘’ω’’ )و
たまにはハッピーな感じも(・∀・)イイネ!!

ランドン穢れ落ちしてるしwww
スレイも怒りに身を任せるなんてことあるのね…
そのまま攻撃したら…
最後の最後で導師として٩( ‘’ω’’ )و

ロゼからの頼み事?
ローランスでの取引に導師を使うというwさすがw
ミクリオとエドナのジト目な~(笑)
あいつとの絡みは2期ってことで~
{/netabare}

今までテイルズシリーズを食わず嫌いしていましたが
ちょっとゲームをやってみたくなりました٩( ''ω'' )و
2期にも期待大☆彡

投稿 : 2025/02/01
♥ : 7
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最大の魅力はキャラクターの関係性。第2期が今から楽しみ

2016年夏期放送のテレビアニメ。第1期13話。
ゲームが原作です。

ゲームゼスティリアは未プレイですが、内容の賛否については一通り調べました。
キャラクターに関する批判点はほぼ改善されていますが、短縮や改変が多いので再現されていないエピソードも少なからずあり、1クールで進んだのは本筋の序盤あたりまで。

世界観や設定の説明を最低限にして、ストーリー展開と味方キャラクターの関係性を重視した作りで一貫しています。
説明不足で進む所もあるので、直感的に「こういうものなんだろうな」くらいで見られないとストレスがたまるかも知れません。
ベルセリア編とても好きなのですが、ゼスティリア本編の詰め込み具合を見るに、特番とかで別にやってくれたほうが嬉しかったかも。今後ちゃんとクロスすると良いなあ。

ストーリーは王道でしっかり考えて構成されています。
再度一周したら必要な描写を入れ込むためにかなり余裕のない展開をしているのがわかりましたが、毎週見ている時にはそう感じなかったのが凄い。
王道過ぎて淡白に感じる人もいるようですが私は逆で、一つのシーンから想像をめぐらせ繋がりを見つけていくのがとても楽しかったです。

キャラクターデザインは、複数人のキャラクター原案を上手く調整して違和感のない絵柄に落とし込んでいて、とても魅力的だと感じました。
映像面ではたまに手描きが浮いてしまうことはあるものの、繊細なCGの背景と手描きのキャラクターを上手く馴染ませていてとても綺麗。特にドラゴンの造形・動きの懲りようと重量感は一見の価値ありです。

【キャラクターについて】
{netabare}
パーティーメンバーの入れ替わりなどあるので大雑把ですが、スレイが主人公・アリーシャが準主人公で二人の関係性はストーリー的にも柱のひとつで、それぞれに同性で年齢の近いサポート役(戦友)にミクリオとロゼがおり、見守る年長者ライラとエドナの存在があります。
皆がフォローしあっていてとても印象が良い。そして第2期でスレイとロゼの関係がどう描かれるかも注目所でしょうね。

スレイは意思の強い心優しい青年で、怒りをあらわにするのがいつも誰かの為であったり、戦闘の際ためらいなく仲間を庇ったりと誰からも愛される主人公像です。そして純粋で世の中を知らない故に脆く、穢れかねない危うさを持つという点が魅力を増します。憑魔化したランドンを浄化した後剣を収めるスレイの少し苦い表情は印象的で、これで乗り越えられたのかも気になるところ。

ミクリオとスレイはお互いへのライバル心や少年らしい意地が見ていて楽しい。
ミクリオはライラやエドナとのやりとりも少し背伸びしてる印象で微笑ましいです。初めてアリーシャがライラやミクリオの声を聴いた時の「君の感謝はちゃんと伝わっているよ」の言葉に和んだので、もう少しアリーシャとの交流があってもいいなあ。

アリーシャは自分の無力に苦しむことはありますが、騎士として様々なものを見てきているため実は芯の強い王女でした。穢れとは何か、感覚的に理解しているのかも知れないとさえ感じます。
スレイや天族との交流が前半では主に描かれるため、ロゼとの対峙までアリーシャの強さに気がつきにくいのですが、狙った構成だとしたらとても面白い。

ライラはスレイの決断を尊重する懐の深さや、他者への思いやりを印象付ける描き方になっています。導師の導き手としてスレイに隠していることもまだあるのでしょうが、スレイの心身を案じているからこそ話せないでいると感じられる所もあり、胸の裡を吐露する相手としてエドナがいるのもとても良いですね。
個人的にはライラはある意味最も重要な立ち位置だと思うので、とても良い方向に変わっていて嬉しいです。

エドナの斜に構えた態度もアイゼンの一件を丁寧に描写したことで納得できましたし、人間嫌いに見える部分も、実際には人間を理解した上で諦め半分悲しさ半分という見せ方になっていて好印象。
友人を救うために手にかけようとするザビーダの複雑な心境もとても良かったです。

ロゼはバルトロ卿の依頼を受けた理由が説明不足に感じられるのが残念ですが、自身を必要悪と割り切っているのかな。普段の姿は現実主義的ながらさっぱりした女の子として嫌味なく描写されています。深刻さを増すであろう第2期を少しでも明るい雰囲気にしてくれることを期待しています。
デゼルの掘り下げは第2期までお預け。

災禍の顕主とサイモンについてはこれからに期待ですが、あんなに普通の悪役になるとは思わなかったなあw
{/netabare}

【演出について】
{netabare}
全体的に演出も好きでした。
王家の紋章の短剣や街中にはためく導師の紋章の旗など、紋章の使い方が印象的です。
アリーシャがスレイに弱音を吐くシーンが二度ほどありますが、その際騎士の紋章をあしらった上衣を脱いでいたり、スレイの導師の衣もそうですが、誇りであると同時に背負うものとして、背中を大写しにする演出を意図的に使っています。

あと最終話はとても良い。
初見ではドキドキしていて気づかなかったのですが、アリーシャは腰の後ろに天異見聞録を差して常に持ち歩いていて、それが盾になって命を取り留めているんですね。スレイとアリーシャにとってバイブルとも言える天異見聞録っていうのがイイ!
ベタベタではありますが、第0話で伏線が張ってあったことには気がつきませんでしたw

アリーシャが死んでしまったのか助かったのかわかるまでのシーンは、初見では大丈夫だと思いながらもひやひやしながら見ていましたが、二度目の視聴時には、アリーシャが目覚めるのを待つ間スレイも同じようにアリーシャと出会ってからのことを思い返しているように感じられました。何度か丁寧に視聴すると違う感動があります。
{/netabare}

【第2期に期待すること】
{netabare}
スレイは導師として穢れを払い、アリーシャは王族として穢れの原因を少しでも取り除くという方向性が描かれたので、この先はお互いに役割を補完しあい状況が好転する過程が見たいですね。

穢れは人が生きる上でどうしても産み出してしまうもの。憎しみや怨みのみならず恐怖や悲しみも穢れの元ですから、人間が居る限りこの世界は「詰み」の状態なのですよね。
世界全て浄化することは出来ない以上、第2期でどう結末を迎えるか、ゲームと同じなのか、変わるのかも含めて注目しています。
{/netabare}2016.9.29

投稿 : 2025/02/01
♥ : 19

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

キャッチフレーズは「伝承はいつしか「希望」になる」

この作品の原作ゲームは未プレイですが、PVを見た時から視聴を決めていた作品です。
アニメーション制作がufotableさんなので、クオリティの高さは折り紙付である認識は持っていました。でもPVの中には思わず息を呑んでしまう程の美しい世界が広がっていたのです。
当時未視聴だったテイルズシリーズ前作の視聴に熱が入ったのも、全てはこのPVを見たから…といっても過言ではありません。
こうして満を持して視聴に臨みました。

この物語の主人公は、幼いころ天族たちの住むイズチに引き取られ天族と一緒に生活を続けてきた人間のスレイ…
彼の趣味は、幼馴染であるミクリオと一緒に遺跡探検をすることでしたが、ある日いつもと同じように探検していたところ、人間の女の娘が倒れているのを見つけるのです。
彼女の名前はアリーシャ・ディフダ…アリーシャは地上で起こっている厄災や異変を治めるべく、「導師」の存在を信じ探していました。
「導師」とは、天族と言葉を交わし、この世の厄災を祓う力を持った存在…
でもそんな稀有な存在は一向に現れず、いつしか人々からはおとぎ話の中の存在の様に扱われるようになっていました。

そんな彼女との出会いをきっかけにスレイとミクリオは人間の住む下界に降りる決心をするのですが、地上についた彼らの前に広がっていたのは、お祭りによる人々の活気と穢れによる瘴気でした。

ちょうどそのころ、湖上の街レディレイクでは「導師しか手に出来ない聖剣」を引き抜く聖剣祭が開催されていました。我こそは…と思う人が次々と剣に手をかけますが、誰も引き抜く事はできません。
それもそのはず…その聖剣は「湖の乙女」として祀られていた天族の女性そのもので、人間は遥か昔に天族と対話や視認する術を失っていたのですから…
だから彼女が見えないばかりか、彼女の問いかけにも人間は答えられないのです。

聖剣祭の最中…突如憑魔が出現し周囲を瘴気で満たしていきます…
そんな中、スレイが聖剣の前に立つと、「湖の乙女」である天族のライラが剣を引き抜く意味をスレイに伝えます。
「剣を抜く」という事は導師になる事を選択する事…導師としての力を得る事ができるが、そしてその道は決して平たんではない事を…
それでも「人と天族が幸せに暮らせる世界を作る」事が目標だったスレイは聖剣を引き抜き…導師として生きていく事を選択して物語が大きく動いていきます。

これからスレイの導師としての活躍を漫喫できる…と思っていた矢先、全くこれまでとは異なる展開…まるで全く異なる物語が始まったかのような状況に少しビックリしてしまいました。
調べてみると、この作品と関連のある「テイルズ オブ ベルセリア」の登場人物の物語だったようです。このゼステリアと今後どの様に物語が絡んでくるのかが楽しみです。
ベルセリアの主人公であるベルベット・クラウは同じ主人公でもスレイとは対極に位置するキャラみたいでしたから…

この作品の作画の素晴らしさについては先に触れましたが、登場するキャラも魅力的です。
イチオシは、かやのん演じるアリーシャ・ディフダ…ハイランド王国の王女で、騎士としての凛とした雰囲気と言動が堪らなく恰好良いのです。
有言実行するアリーシャ…それは彼女が命の危機に晒されても決して揺らぐ事は無く初志を貫徹させる…
そんな彼女の言動に強く惹かれながら視聴していました。
これからスレイの導師としての長く険しい旅が始まっていく訳ですが、王女である彼女は導師と共に歩む道より国や民を優先させると思うんです。
ホントはスレイと共に歩む彼女の勇姿を見続けたい…が本音なのですが、少し難しいかもと思っています。

小松未可子さん演じる商人ギルドのロゼも外せません。
理不尽を決して許さない彼女の片鱗…1期ではほんの少ししか見ることができませんでした。
アリーシャから真意を引き出し、彼女の覚悟を見届けるために同行して…十分過ぎるくらい気持ちを受け取って…それでも止まらないアリーシャを本気で心配する彼女…
これからの活躍が楽しみな一人です。

ミクリオ、ライラ、エドナら天族の動向も見逃せません。
特にライラ…ゲーム版のCVは松来さんだったんですね(wikiより)…
天に召されてもうすぐ一年…振り返ってみると時間の流れの速さを感じずにはいられません。

オープニングテーマは、FLOWさんの「風ノ唄」
エンディングテーマは、fhánaさんの「calling」
どちらも大好きな曲でカラオケでもチャレンジ済です。
少しきーは高いですが、歌っていて気持ちの良い歌だと思います。

1クール13話の物語でした。嬉しいのは既に続編の放送が2017年に決まっている事です。
1期はきっと導入部という位置付けなのだと思います。
これからの導師の旅…そして抱き続けている目標の顛末に注目したいと思っています。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 27

68.0 93 2016年度アニメランキング93位
機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY(OVA)

2016年7月29日
★★★★☆ 3.9 (67)
398人が棚に入れました
宇宙世紀0079、地球連邦とジオン公国が戦った一年戦争の末期、サイド4のスペースコロニー群、ムーアはジオン軍の攻撃により破壊され、多くの住人が命を落とした。破壊されたコロニーや、撃沈された戦艦の残骸が無数に漂う暗礁宙域では、ぶつかり合い帯電したデブリによって絶えず稲妻が閃くようになり、いつしかそこは、『サンダーボルト宙域』と呼ばれるようになった。ムーア市民の生き残りで構成された地球連邦軍所属部隊、ムーア同胞団は、故郷であったサンダーボルト宙域の奪還を悲願とし、宙域のジオン軍を殲滅せんとしていた。連邦の進軍を足止めせんとするジオン軍も、義肢兵の戦闘データ採取を目的に設立されたリビング・デッド師団を展開。ムーア同胞団に所属しながら、故郷や自身の出自に束縛される事を疎ましく思うイオ・フレミングと、過去の戦闘により両足を失い、今はリビング・デッド師団でエーススナイパーとして活躍するダリル・ローレンツは、戦場で対峙した時、互いに悟るのだった。ふたりは、殺し合う宿命なのだと……。

声優・キャラクター
中村悠一、木村良平、行成とあ、大原さやか、平川大輔、咲野俊介、佐々木睦、土田大

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

傷痍兵、ドラッグ、学徒動員、PTSD、、、ガンダムの歴史に楔を打つ傑作の誕生を目撃せよ!史上最も残酷なガンダム映画!!そして史上最強のザク!!!

『MOONLIGHT MILE』などで知られる漫画家、太田垣康男が手掛けた『機動戦士ガンダム』のスピンオフコミックの、原作第1部に相当する部分をサンライズ第1スタジオと松尾衡監督が有料配信限定作品として15分×4話でアニメ化
さらにそれを劇場上映とパッケージ向けに纏め上げ、新規カットを多数加えたものが本作です


舞台は宇宙世紀0079の12月、一年戦争末期
かつてのサイド4(ムーア)が存在していた宙域は、破壊されたコロニーの残骸と無数のデブリが漂って沸き起こる稲妻によって暗礁地帯と化していた
通称“サンダーボルト宙域”と呼ばれていたこのポイントは、決戦の地ア・バオア・クーへの補給地点としてその重要度が増していたのだ
連邦軍のムーア同胞団はこの宙域を奪還せんとモビルスーツを大量導入するが、ジオン軍の傷痍兵ばかりで構成されたリビング・デッド師団の狙撃部隊によって足踏みを余儀なくされていた
元々はムーアの住民であったムーア同胞団にとっては、故郷を取り返すような面持ちのとても辛い作戦であったのだが、パイロットの一人であるイオ・フレミングは趣味であるフリージャズをBGMに飄々と出撃していく
イオは乗機を撃破されつつも奇跡的にジオン狙撃兵の一人に一矢報いる事に成功、敵狙撃手を卑怯者の傷痍兵と侮蔑して煽る
仲間の一人をイオの騙し討ちに殺られたリビング・デッド師団のエーススナイパー、ダリル・ローレンツは自分や仲間たちを侮辱する態度のイオに対し復讐を誓いつつも撤退を余儀なくされる
そんな中、ムーア同胞団への補給として最新鋭機であるガンダムが配備されることとなった・・・


まず今作は『ユニコーン』や『THE ORIGIN』と同じく明白な原作が存在している珍しい『ガンダム』アニメであります
舞台は1年戦争、これまでにも『0080』や『第08MS小隊』や『MS IGLOO』といった名スピンオフOVAが生まれてきた時代設定で、特に残酷な戦争描写に注力している作品が多いと言えます
そして今作はそれら名作OVA達の鉄壁の牙城を揺るがす傑作に仕上がっているとまず断言しておきます!


太田垣先生と言えば、SFとしては極めてリアルなメカ設定と圧倒的作画力でそれを描写する画面的な説得力がまず際立っていますよね
今作に登場するMSはジム、ザク、ドムなど一年戦争作品ではお馴染みの量産機でありながら、よりリアリティのあるデザインにリファインされているのが特徴です
関節をデブリから守るシーリングが施されていたり
不恰好なバックパックがわざとらしく装着されていたり
盾に両手を取られることの無い様に盾を担ぐためだけのサブアームがこれ見よがしに着いていたり
“人型”というMS最大の矛盾点、【アニメ的な嘘】を極力補うような造形はをした結果がコレだ、というこれまでの『ガンダム』シリーズにありそうでなかった描かれ方をしていると思います
ちなみに太田垣先生が今作で最も拘っているのが、イオが駆るフルアーマーガンダムを“ガンダム=ヒーロー”的に描いてきたこれ以前のシリーズと違えて【史上最凶の悪役】としてる点
その上で、ダリルが駆る【ザクがこれを倒す!】という部分にあるらしいです
シリーズではあくまで雑魚キャラとして扱われてきたザク
そのザクで!あのガンダムを!!倒すというのです!!!
この展開、シリーズが好きな人にとっては胸アツにならないわけがない
バーニィもびっくりだぁ!


そして肝心の戦闘描写も、複雑なデザインのMSや画面に無数に溢れるデブリといった根気の要る細かな作画にも関わらず見事なまでにアニメートされており、これまでの『ガンダム』シリーズでも屈指のハイクオリティです
そしてサンダーボルト宙域特有の放電現象も、デジタル技術を十八番とするサンライズ1スタお得意の色彩設計と撮影効果のコンビネーションによって単なる稲光エフェクトとも虹色とも違う、なんとも形容しがたい万華鏡のような情景を映し出しており、“単純に1枚の絵として観ても”価値のある画面に仕上がっています


さらにお話の方もとにかく戦争の悲惨さが際立って描かれるシリアスなものになっています
そもそも主人公の一人であるダリルが傷痍軍人、というある意味『ガンダム』を含めたアニメ作品ではタブー的に扱われる存在だと言う点からして他とは違う
そして新兵器開発の為に身を捧げるが如く扱われる使い捨ての軍人達
追い詰められていく度に疲弊していく精神
学徒兵の動員という直視し難い現実との向き合い
生きる為には相手を殺すしかない、という恐ろしさ
とにかく残酷、とにかく悲惨、こーゆー作品こそ『ガンダム』を知らない人にもチェックしていただきたいです


んで松尾衡監督といえばやっぱ“プレスコ”ですよね
このシリアスな作品を支えるキャストの演技は近年のどのアニメよりも際立って良かった
中村悠一、木村良平、行成とあ、大原さやか、平川大輔、まさに実力派の真骨頂
終盤の狂気に駆られていく登場人物達の雄叫びや悶絶の芝居にアナタは震え上がることでしょう


最後に今作の独特の味を出している菊池成孔による劇伴の存在も忘れてはいけません
今作はストーリーを際立てる為に重要な会話パートではほとんどNO BGMです
これはそもそも松尾監督の演出の基本ですね
ですが、ひとたびイオが出撃すると彼が身に付けるプレーヤーからはお気に入りのフリージャズが流れ出すのです
一見すると荒唐無稽なようで不思議とノれるフリージャズのハイテンポなリズムとスウィングは、飄々と戦場を駆け抜けるイオと軽々しくデブリを避けて飛び回るガンダムの機動力にマッチしてまるでダンスのよう
そして狂気めいたイオ自身をも演出します
ソレに対してダリルも音楽を聴くのですが、イオとは対照的に50年代アメリカのオールディーズを髣髴とさせるポップスが流れてくるんです
爽やかな女性ボーカルをバックにして次々に敵兵を撃ち抜く(つまり殺している)ダリルの現実感が既に常識から乖離している、というギャップを示唆する異化効果を出しています
劇伴はあくまで劇中のラジオやプレーヤー、或いは登場人物たちの記憶にある音楽が頭の中で流れているだけという演出になっており、画面やお話とのマッチング、或いはその逆でギャップからくる異化効果を楽しんでいただくとこの作品の印象がより強く感じると思います


長くなりましたがお話、画面、芝居、音楽といった全ての要素において今作はこれまで37年に及ぶ『ガンダム』シリーズにおいてもトップクラスに君臨する傑作に仕上がったと思います
原作ではイオとダリルの戦いはまだまだ続いており、今作のラストでは今後の原作の展開を予想させる結末を迎えるのですが、今作単発の出来に関しては何一つ文句の付け様がありませんでした

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

愛国心とか信仰心を持つとこうなるんだぞ・・・ホレホレ的な何か

劇場公開された第1作『DECEMBER SKY』は、『機動戦士ガンダム』(初代)に描かれた1年戦争の末期に巻き起こった、{netabare}ジオン軍精鋭「リビング・デッド師団」(※傷痍軍人を集めたためこの名称が付いている?)と地球連邦軍の精鋭「ムーア同胞団」(※ジオン軍に破壊されたサイド4の生き残り兵からなる部隊?)の間の死闘{/netabare}を描いています(サンダーボルト宙域の戦いから、宇宙要塞ア・バオ・アクー攻防戦まで)。

また、同じく劇場公開の第2作『BANDIT FLOWER』は、1年戦争の停戦後、{netabare}地球圏に降下したジオン軍残党の人員・兵器を吸収した宗教国家「南洋同盟」とムーア同胞団を改組した連邦側組織「スパルタン隊」との交戦{/netabare}をその序盤だけ描き出しています(未完)。

なお、劇場版の前に、それぞれ4話からなるOVA(第1シーズン・第2シーズン)が配信されていたそうですが、現在はPV以外は見ることが出来ないようです(※それぞれ劇場版に吸収+新規シーン追加)。

・・・そして肝心の内容ですが、これ、はっきり言って、20年前ならばアニメ雑誌その他で結構持ち上げられて、ムリヤリにでも評判になっていたタイプの作品かも?
あるいは、せめて10年前ならば、まだそこそこ話題になっていたかも知れませんね。

でもねえ・・・例えばの話、沖縄の海で珊瑚に自分でわざわざ「K.Y.」と傷をつけて、それを写真に撮って「沖縄の海ではこんな酷い自然破壊をするヤツがいるぞ!!!絶対許せん(怒)!!!!」と大威張りで宣伝しちゃうような“自サク自演”の輩(やから)とか諸々、最近10年ほどで色々バレちゃったあとだとねえ。

「戦争ってこんなに残酷なんだぞ、お前ら、ホレホレ・・・」って言われても・・・。

作画は流石に綺麗なんだけど、作品内容が古いというか、時代遅れというか、こんなの見て「メッセージ性がある」「深い」とかいう人って、まだいるんだろうか?(沢山いそうだけど)

あと、本作は「ガンダムファンクラブ」に入会しても更に追加料金を支払わないと視聴できなくて、仕方ないので『DECEMBER SKY』の方に\600、『BANDIT FLOWER』の方に\1,300(※高過ぎ!)も支払うはめになってしまいました。

第1作の方はともかく、第2作の方はまだ全然序盤っぽくて未完なのに、この値段はボッタクリだと思いますし、どうせもうしばらくしたら、ガクンと値段が下がると思うので、ディープなガンダムファンの方以外は、現時点では第1作の視聴までで止めておいた方は賢明です。

それにしても、頭ツルツルの現役のお坊さんたちは、本作の描写に少しは怒ったほうが良いと思うぞ(※たかがアニメ作品とはいえ)。
・・・これが例えばイスラム教徒だったら、アニメ制作者のところに殺人予告状を送り付けていたかも知れませんよ。
(※いつも思うけど、こういう点では、仏教とか神道とかカトリックとかって、本当に寛容ですね)


◆制作情報
{netabare}
原案          矢立肇、富野由悠季
原作マンガ       太田垣康男(『ビッグコミックスペリオール』2012-連載中)
監督・脚本       松尾衡
キャラクターデザイン  高谷浩利
メカニックデザイン   仲盛文、中谷誠一、カトキハジメ
音楽          菊地成孔
アニメーション制作   サンライズ{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

=== 機動戦士ガンダム サンダーボルト (第1シーズン)(OVA) (2015年12月-2016年4月) ===
{netabare}
第1話
第2話
第3話
第4話{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 個人評価 ※未視聴

挿入曲 「神よ、平和を与えたまえ」


======== 機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY (2016年6月) =======

全1話 × 3.4 ※OVA(第1-4話)に新規シーンを追加したディレクターズカット版、約1時間9分

主題曲 「RONALD REAGAN OTHER SIDE」


====== 機動戦士ガンダム サンダーボルト (第2シーズン)(OVA) (2017年3-7月) ======
{netabare}
第5話
第6話
第7話
第8話{/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)0、☆(並回)0、×(疑問回)0 個人評価 ※未視聴


======= 機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER (2017年11月) ======

全1話 × 3.2 ※OVA(第5-8話)に新規シーンを追加したディレクターズカット版、約1時間30分

投稿 : 2025/02/01
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

サンダーボルト流域に鳴り響く、イオ音楽!

 劇場CNを見てきていて、キャラデザにあまり好感持ちずらかったけど、見て来たです。背景やMSや戦艦などは、良かったでしたです。でもキャラデザは、独特の日本人離れした作画に見えるです。ある意味、劇画のように斬新でリアルだと思うです。
 まるで、ゴルゴ13のキャラが、ガンダム世界にいるみたいに思ったです。もし、ゴルゴがガンダムなどを操縦し多額の依頼金を貰って、軍隊やテロ組織とかを滅ぼしたりするアニメがあるとしたら、それはそれで面白いとかもです。

 サイド3周辺のサンダーボルト流域における、ジオン所属のリビング・デッド師団という部隊と、地球連邦所属のムーア同胞団の争いです。主に真面目なダリル、チャラチャラしたイオを中心に描いたアニメだったです。Web配信されていることは、パンフ見るまで知らなかったです。

 サイド3にダリル要する部隊が、近づくムーア同胞団のMSを狙撃撃破している展開が凄いです。{netabare}ダリルは、ロックオン・ストラトスに匹敵するスナイパーだったです。狙った獲物は一巻の終わりという所、ゴルゴと共通してるかもです。この展開で、ダリル達、みんな義手、義足だったことに気づいたです。

 狙撃でMSが大破しても、もう一人の主人公、イオがうまくすり抜けダリルの仲間を殺してドムを奪い、ダリル達を通信で挑発して去ることによって、その後の争いがさらに激化していったです。{/netabare}

 圧倒的にイオ好みのジャズが、このアニメ流れるです。このトランペットだかラッパだとかの音が良く言うと激しく、悪く言うと劇場内での音が大きすぎて、私には雑音のように聞こえ、きつかったです。学校通ってたころ、英語の教材で聞いたジャズ「聖者の行進」などしか聞いたことがなくこういうのは、私には合わなかったです。

 やや複雑な人間模様で、ダリル、イオそれぞれに女性も絡みあり展開があったです。
{netabare} でも殆どイオ音楽に乗った、イオ操縦するフルアーマー・ガンダム暴れまくるMS戦の印象でしたです。まるで悪い意味、戦闘を楽しむガンダムを見たです。イオが狂喜に狂った悪人のように見えて、ならなかったです。ダリルの方が、人間らしかったかなぁです。

 それに対抗すべく、ダリルの上官たちの決断と本人の決意により、三日月とは少し違う、アインのアラヤシキシステムの原型?とも言うような、ダリル操縦するサイコ・ザクも登場。ダリル、イオの勝負、凄かったです。その前後、双方にかなり犠牲が出あり、少年少女もいたり、のこったムーア同胞団の人達が自爆しかけた結末は、いたたまれなかったです。{/netabare}

 サンダーボルト領域での争いに生きた人間たちのそれぞれの最後と、それぞれの今後を少し描いた終わりは、どこか意味ありげです。その後どうなるかは、見た人の想像に任せるのかなぁ?と見たです。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

67.9 96 2016年度アニメランキング96位
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 3rei!!(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (343)
1884人が棚に入れました
ごく普通の少女のごく普通の我が儘

あの「Fate」シリーズの大人気スピンアウトアニメ、待望の続編!

「Fate/stay night」のヒロインの一人であるイリヤが、もし魔法少女だったら…というパラレルワールドを描いたスピンアウトストーリー、
待望の新作がいよいよスタート!
美遊、クロなど「プリヤ」お馴染みのキャラクターと遠坂凛や衛宮士郎、バゼットなど、「Fate」シリーズの人気キャラクターに加え、
今作では田中やベアトリス、アンジェリカなど魅力的な新キャラクターが登場し、物語を熱く盛り上げる!

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イリヤ…四度降臨っ…

この作品は、Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤの4期目に相当する作品です。
物語の内容に繋がりがあるので、前期未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

この作品の1期を視聴した際、角川10話枠である事が本気で残念だった作品でしたが、こうして毎年1期ずつ続編が制作されると角川10話枠である事も気にならなくなるから不思議です。
私の中では「必ず毎年続編が放送される作品」として位置付けられています。

Fate本編ではあまり見る事のできないイリヤのもう一つの魅力が堪能できる…このスピンオフの企画は間違いなく大成功だと思います。

本シリーズはこれまでカードの回収を行いつつ、小学生の女の子の日常を垣間見る…そしてその日常がだんだんエスカレートしていく様を、「絶対こんな小学生いないよね…」と頭では分かっていながらも釘付けになって視聴してしまう作品でした。

でもこの4期はこれまでと設定が明らかに異なっており、新たに登場した「エインズワース家」とそのご一行様と事を構えることになります。
従前の設定のまま突っ走って貰っても一向に構わないと思っていましたが、これまでの設定ではネタが無くなったのか、或いはこれ以上過激になったら地上波で放送できなくなるとか、そんな大人の事情があったのかは分かりませんけれど、イリヤ、クロ、美遊が3人仲良く手を取り合えるなら設定が変わろうと良いじゃないの…と思っていました。

でもこの4期ではいきなりエインズワース家に美遊がさらわれてしまうんです。
3期でギルガメッシュと激しい死闘の末、やっと取り戻したばかりなのに…
直後に再び二人の仲を引き裂くなんて…どれだけ容赦が無いの?
でも、ここで美遊を助けにいかないイリヤではありません。
美遊のためならきっと何処にでも…何度でもイリヤは助けにいくと確信した瞬間でもありました。
こうして4期は波乱の幕開けとなり…物語が動いていきます。

でも、今回のエインズワースは攻守共にこれまでを遥かにしのぐ力を持った集団でした。
特にドールと呼ばれるベアトリスとアンジェリカの強さは反則級です。
トールのカードを使うベアトリスは、容赦なくミョルニルを叩き込んでくるし、アンジェリカはギルガメッシュのカードと自身の置換魔術によって、ギルガメッシュさながらの強さを発揮するんです。

一方イリヤ陣営は、イリヤ、クロ、バゼットとこの世界で出会った田中さん…そして何故か少年の姿をしたギルガメッシュ…という何とも変わった組み合わせ…
田中さんは記憶を無くしており、戦闘の頭数に数えて良いかは不明だし、ギル君は一見優しそうだけれど何考えているか分からないし…改めて考えてみると、この陣容でエインズワースと事を構えるなんて、無謀も良いところだったんですね。

それでも美遊を…と思っていた矢先、イリヤが行方不明になってしまうんです。
イリヤ達は学校を拠点としていましたが、そこには結界を施していました。
誰かが中に入ったら結界が反応する筈なのに…

その後イリヤはちゃんと見つかるのですが、イリヤにとっては一世一代の危機を何度も迎えることになります。
イリヤは必死です…それは見ているこちらにもひしひしと伝わってきます。
でもイリヤって、その必死さの中にも可愛らしさをちゃんと残しているんです。
自分の意思で身体をコントロールできない…きっとイリヤにとっても初めての経験だと思います。
でも美遊を助けたい純粋な気持ちと、彼女の不屈の精神が奇跡を起こしてくれるんです。
イリヤ曰く「必要なのは、出来ると確信すること」だそうですけれど…
不謹慎かもしれませんが、今期の必死のイリヤ…ちょっとお茶目なところも可愛いと思います。

物語の進展に伴い、エインズワース家が何故美遊をさらったのか…事の真相が明らかになります。
それと共に、イリヤは究極の選択を迫られる事になるのです。
彼女の出した答えは…気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、ChouChoさんの「Asterism」
エンディングテーマは、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat.幸田夢波さんの「WHIMSICAL WAYWARD WISH」
オープニングアニメと曲のマッチングは言うまでもなく抜群です。
このオープニングを見ると視聴に気合が入る気がします。
勿論、カラオケでもチャレンジ済です。

今期は何と1クール全12話の物語…3期までより2話多い構成になっていたのは、嬉しいサプライズです。
どんなに離れ離れになってもイリヤと美遊の繋がりを感じる事の出来る物語だったと思います。
そして、次のTV放送は来年かな…と思いきや、今度は劇場版との事です。
劇場版は決して悪いとは思いませんが、劇場版で完結…は良くあるパターンで、もしこの作品もそうなったらもう毎年楽しみにしていたTV放送が見れなくなる…と考えるとどうしても寂しさを感じてしまいます。
この先もこのシリーズが発展していく事を祈念しています。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3

あのね商法も今や昔?

個人的に一期はかなりの高評価でそういう感想もここで書いて、続きはどうなるのかなーと期待と不安半々で見続けてたのに感想書いてないのに気が付いた。
ちゃんと見てましたよー、ってことで今更な感想。

{netabare}結論から言うと「やっちまったなー」って感じ。
謎を投げっぱなしで劇場に続く~ってのもアレだけど、それ以上に…う~ん、なんつーかう~ん、fateに近付いてしまった。
そもそも一期の評価が高かったのはバカ面倒な設定をダラダラくっちゃべってないで、カットできる部分はバッサリ切り捨ててサクサクと敵を倒してく(そもそも敵はカードで意思がない扱い)テンポの良さ、1クールで収まるようにボリュームを最適化した点でした。
なので、それに収まり切らないどうしようもない(どうでもいいともいう)説明をグッダグッダグッダグッダされても…なぁ…。

注意・以下批判意見になります、ファンは見ない方がよろしいかと
{netabare}
本家のお約束、敵をいつになっても倒せないってのはなかなかストレスが溜まります。
やったか?→なにぃ!?→やったか?→なにぃ!?の繰り返し。

そもそも異世界に飛ぶっつーのがもう…。
魔法少女モノのお約束「変身する」の理由は、大抵は正体を知られないため、普段の生活を守るため。
それにより戦闘力が上がるってのは実は重要ではなく(元々バトルは勝つのが既定路線)、見どころはバトルの勝敗そのものよりも「バトルの影響を普段の生活にどれだけ及ぼさないか」だと思うんだがのう。
これらの条件が無い異世界が舞台であるなら、ずーっと変身したまんまでいいってことになる。
まぁ実際そうっぽいけど、なーんか魅力半減よね。

それ以前に異世界に飛んできた理由、また飛んだ後に起こした行動の動機は全て「美遊を救う」になるのだけど、だからといって帰る手段が見つかってないのにエインズワースと敵対しても意味なくないか?
例え救い出したとしても、後から「元の世界に戻るには美遊をエインズワースに預けない限り無理」とかだったらどうすんの、っと。
クソみたいな屁理屈をベラベラ喋るのがウリのfateに近付いたくせにこの計画性の無さは、これまた違和感を増す。

それと美遊を救うかこの世界を救うか選択を迫られるけど、そもそも並行世界の一般人が全く出ないので世界の大切さなんてのは感じられない。
アンジュヴィエルジュかな?

それと敵側にダンガンロンパの腐川ソックリキャラが居るんだが、これいいんだ、ふ~ん。
競女に文句言えんね。{/netabare}

と、かなり辛口なことを書いてしまったけどどうやらこれは原作通りらしく、その原作はここら辺からfateに近付いたってことで評判が上がった、らしい(そう聞いた)。
あっふーん。
とはいえそれはそれ、なんだかんだで書いてる人も分かってるっぽい。
途中イリヤが人形と入れ替わるエピソード、あれって「見た目別の物に置き換えても成立する話じゃん、コレ」という自虐ネタに思われる。
そこまで分かってるならもうちょいどうにかならんかったのかなーと思うと残念でならない。

てっきりfateファンの裾野を広げるためのスピンオフかと思ったら、本家fateはちょっとなぁって人には辛い方向に進んでしまい面食らった作りになってしまいました。
それにしても最後の終わり方なんて時代が時代なら“あのね商法”として騒ぎになってもおかしくない気がするのだけど…あいや、原作のほうで先の展開分かってるから大丈夫なのかな?
シリーズ合計して4クール分も時間を費やしたため後ろ髪を引かれる思いだけど、もう見なくて良さそう。


余談
サファイアがかかずゆみの声で「ミユサマミユサマ」言うのが非常に切なく感じてしまう。
こればっかりは想定不可な事態なので仕方ないことなのだけど、よりにもよって未祐とはねぇ…。{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 4

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

選べない二者択一壊して、根拠ない希望にすがって、こっちが前だよって

プリズマイリヤ4期。
前作では、平行世界の存在や、そこで美遊は聖杯という存在であったこと、2枚めのアーチャーと壮絶な戦いにも関わらず、その痕跡が全く残っていないなど、様々な謎を残したまま終結しました。
本作はその続きとなります。
4期目からは、舞台が並行世界に移り、カードが作られた理由や、聖杯戦争、聖杯について語られます。
4期を観ると、むしろ3期までは舞台説明であり、4期からが本筋となるのではないかと思うくらい、本作から内容が具体的になり雰囲気も大きく変わります。
Fate/stay nightではおなじみの、願望を叶えるために器である聖杯を満たす、聖杯戦争という儀式が執り行われるストーリーとなります。
ただし、前作でも説明があった通り、聖杯=美遊なわけで、友達を救うため、イリヤ、クロ、その他愉快な仲間たちが活躍するという展開です。

4期の1話目からイリヤは並行世界入りするので、4期では美々や龍子などのクラスメート、アイリスフィールやリズ、セラなどの家族は登場しません。
また、最初数話はイリヤのみ一人並行世界に送り込まれる形になるため、イリヤ以外のキャラは登場せず、異世界を探索するところからとなります。
3期目までとは異なり、クール前半の日常パートはないので、少し残念でした。
基本的にストーリーアニメになっていて、過去作に比較すると小学生女児が元気に遊んだりとか、階段脇の暗がりで人知れず魔力供給したりとか、そういう展開は少ないです。
3期まででブヒブヒ言ってたヨウジョスキーには残念ポイントかと思います。

ただ、かと言って、ご家族の前で堂々見られるアニメかというとそういうこともないです。
熱血シーンが比較的多いですが、新キャラも幼女とお姉さんで際どい服装で動き回ります。
過去作と比較するとシリアス度は高くなりましたが、思わずニタニタしてしまう場面も多々あるので注意が必要ですね。
本作では1話から胸に"田中"と書かれた体操服姿の新キャラ (通称:田中さん) が登場します。
この田中さんがまるでそれが当たり前のようにブルマ姿なので素晴らしいですね。
ブルマという衣装に思い入れがある一定年齢以上のオジサマは歓喜の声をあげ、ブルマを知らないキッズは異質なセクハラ衣装に心躍らせることと思います。

最終話目前で敵の企みもわかり、イリヤは答えを見出して前を向き、仲間たちと共に敵にぶつかってゆきます。
後一話でどう収集つけるのかドキドキして観ていたのですが、収集つかず、様々な謎や課題を置き去りにしたまま次回に続く終わり方となりました。
結局1話から登場していた田中さんの正体は不明のまま、2枚めのアーチャーのカードが存在したように他のカードも2枚めがあるような様子なのですが、1つしか存在せず。
劇場版が既存で一作、2021年8月後半で劇場版2作目が公開されるので、そこで収集がつくのでしょうか。
ただ、個人的には、ストーリーとかどうでもいいから、かわいくて元気な女の子たちのドキドキ展開がみたいでござるよ。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

67.9 96 2016年度アニメランキング96位
うどんの国の金色毛鞠(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (388)
1861人が棚に入れました
俵宗太は、東京在住のウェブデザイナー。父親の死をきっかけに故郷に帰った宗太は実家のうどん屋で、釜の中で眠りこける子供を見つける。

一見ふつうの人間の子供のように見えるが、実はその子は人間の姿に化けたタヌキだった!?

ゆったりと時間が流れる通称”うどん県”こと香川県を舞台に、やさしくてあたたかい、ちょっと変わった家族の物語が始まる―。

声優・キャラクター
中村悠一、古城門志帆、杉田智和、中原麻衣、福山潤、花澤香菜、黒田崇矢、立花慎之介、鳥海浩輔、嶋村侑、くじら、皆口裕子、本渡楓、中博史、井上喜久子、木村亜希子、小林ゆう、牧野由依
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

子供のおかげで親になれる。子供がいなければ、いくつになってもただの年寄り。 by相田みつを

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
1期にひとつは欲しい、癒し系の作品ですね。萌えはなくとも癒しがある! なんか、「たまには実家に帰ってみようかな」な~んて思ってしまう、良いアニメでした♪

ただまあ、「お好み焼きの国の金色毛鞠」でも、「蕎麦の国の金色毛鞠」でも良かった気はするけれどw


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
基本は癒し系の日常系アニメだったが、「いつ、ポコの正体がバレるんだろう」「いつ、ポコとの別れが訪れるのだろう」というハラハラ感が常にあり、良い緊張感を与えてた。まあ、うどんに入れる七味唐辛子のようなもんだね(笑)

主人公の宗太は、うどん屋の息子だが、色々こじらせるうちに両親を亡くした。実家を整理するために訪れた故郷・香川で、自らのルーツに触れるながら自分の生き方を見つめ直していく。

また、宗太の親友の中島も医者の息子であり、現在進行形で色々こじらせている。

実に、親子の問題、人生の問題を描いた作品だった。

一言で言えば、「アイデンティティの確立」がテーマなんだろう。主人公の年齢を30歳に設定したのは良かったと思う。30歳といえば、そろそろ自分の人生の終着点を意識し始める頃。とりあえず「生きる」だけならこのままで良いんだけど、果たして、「本当にこのままで、自分の人生は良いのか」と考える時期。周りも家庭をもち始め、独身男としては思うことも多いしね(同年代っすw)。

そして、ポコの存在感である。この作品においてポコの役割は、「純粋無垢」。まだ何にも染まっていない存在。きっと、宗太が「戻れるんなら戻りたい」と、潜在的に思っている(両親共に健在で、まだ何者にでもなれた)時代であり、また、現在の自分(宗太)を鏡のように写し出す存在。

ポコと共に暮らすことで、宗太は自分を見つめ直していく。宗太は多分、精神的な意味においてまだ子供だったのだ。早くに母親を亡くしたことも大きいだろう。

「親になることで、親心を知り、親離れ(自立)をしていく」

簡単に言えば、そんなストーリーだったのだと思う。ちょうど、表題の詩の通りだ。

(私自身、まだ経験はないが)親になるということは、人生が2倍になるということだと思う。いや、妻(夫)を含めれば3倍か。何かを判断するとき、三方向の視点から考えるようになるというか、自分だけの人生や体ではなくなっていくのだろう。

昨今、少子化だ晩婚化だと騒がれ、政府も色んな対策をうってるけど、こういうアニメ流すのもひとつの手ではないかな?(笑)

最終回付近はアニオリ展開で、賛否あるでしょうね。確かに安易は安易だと思いますが、アニメ12話でキチッと完結させた点は素晴らしいと思います。なにより、原作者さんも満足しているようですし。

少しだけ想像をすれば、ポコが「宗太に命を救われたことの恩返しとして、父親が宗太を愛していたこと、宗太が父親やうどんや香川を愛していることを気づかせる」ことを目的としているのなら、もっと早い段階で、宗太に真実を伝えれば良かったのでは? とも思うけど、多分、ポコはポコで、本来の目的を先延ばししてでも、宗太と一緒に暮らしたかったんだろうね。そんなポコサイドの気持ちも考えてみると、切なさや愛しさも倍増します。

家族をもつって素敵だなと、シンプルにそう思わせてくれる良アニメでした♪

(あと、本当に蛇足なんだけど、ポコを幼女(メス)にしなかったのは、無用な誤解を抱かれないためにも、地味ながらも大事な設定だと思いましたw)
{/netabare}

【余談 ~皆さんの「うどん」と言えば?~】
{netabare}
日本三大うどん、というのは実ははっきり決まっていないらしいですね。

香川の「讃岐うどん」
秋田の「稲庭うどん」

は確定としても、あとの一枠を、長崎の「五島うどん」、群馬の「水沢うどん」、富山の「氷見うどん」、愛知の「きしめん」などの候補で争っているとか(一般的には水沢うどんが一歩リードなのかな?)

他にも、愛知の「味噌煮込みうどん」、三重の「伊勢うどん」、福岡の「福岡うどん」、埼玉の「武蔵野うどん」など様々なご当地うどんがあり、正に群雄割拠の様相です(ちなみに、私は、讃岐は年中、夏は稲庭、冬は味噌煮込みが食べたくなります♪)。

岩手県出身の剣道部としては、是非この争いに、盛岡の「じゃじゃ麺」を加えて頂きたいと思っています(まあ、汁なしですし、うどんと言えるかは微妙ですが、麺はうどんっぽいですw)。

「冷麺」「わんこそば」と並び、「盛岡三大麺」と言われていますが、上記2つほど全国的な知名度はないと思います。でも、自分は3つの中で一番好きです。

中華料理の「ジャージャー麺」との違いは、肉味噌が甘いか甘くないか(甜麺醤の使い方)、中華麺か否かです。「じゃじゃ麺」は基本的に甘くない味噌を使います(そうじゃないとこもあるけど)。

温かな麺にたっぷり乗った肉味噌の旨味、キュウリのシャキシャキ感。腹にずっしりくる食べごたえ。ラー油をかけて更に担々麺風にするもよし。完食後は、生卵と葱、肉味噌を少し加えて、麺の茹で汁で溶かしたスープ(チータンタン)を飲み干し、「ふ~」と一息つくのがオツなんです(これは頼まないと出てきませんので、是非頼んでほしい!)。

岩手では給食に出てくるほどポピュラーな麺料理。盛岡にお越しの際は是非、お食べ下さいね♪(とりあえず、じゃじゃ麺発祥の「白龍」さんに行けば間違いないっす♪)
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
すげぇどうでも良いんだけど、作中に流れたテレビ番組、NHKの子供番組風のわりに歌のお姉さんの服装がエロくないかい(笑)? よくわかりませんが、香川でうどん屋の息子って、いじめられるの? いっぱいいそうだけどね、うどん屋の息子。

2話目
知り合いに見られたら、確かにキツいな。下手すりゃ誘拐犯だな。

3話目
ポコと中島のカラミ、好きだな~。

4話目
だんだん、主人公の父親スキルが上がってきたなw

5話目
モラトリアム、追っかけてる場合か。と、思いきや、少しずつ前に進んでいるんですね。

6話目
仕事を辞める。思いきった決断だね。社長も後輩もいいやつでした。後輩はBL入ってるけどw

7話目
今週は子供×2。癒されました~。

8話目
あれ? 後輩くん、両方いけるの?(笑) 「甘々と稲妻」でもあったね、迷子回。定番なのかな? 怖いよね、子供の迷子。ここで失恋させず、姉と後輩くんのラブストーリーも観てみたかったな。

9話目
ポコに、タイムリミットが? いよいよ、核心に迫っていく感じなのかな? ここから、泣かせにくるか、癒しにくるか。

10話目


11話目
お祭り回。衝撃の展開。さあ、ラストどうする?

12話目
アニオリらしいけど、まずまずの良い展開だったかな、と。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 27
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

香川の魅力を伝える癒しアニメ

東京から故郷香川に戻ってきた主人公と主人公の家のうどん屋に迷い込んだ子供のお話し。

ギャグのような笑いではなく、頬が緩んでにっこりとさせてくれるような、そんな田舎アニメ(*^^*)


1話目「ぶっかけうどん」・感想
{netabare}
1話目は主人公が香川に帰省から子供の秘密が判明まで
この回だと、主人公の回想シーンが一番印象的でした

実家がうどん屋のせいで幼少時に悪口を言われたりした幼少時代。
そして、それが嫌で東京に上京してきた過去。

でも、うどん激戦区の香川でガイドブックに載るのは、もの凄い大変なことのような気がします
そんなうどん屋を営んでいた父の凄さ・大変さが後々主人公にも分かってきて……って感じに今後なるのかな~って勝手に予想してます(#^^#)

あと、子供の秘密が1話の最後で早くも判明
お坊さんのセリフでフラグがビンビンに立ってましたが、もう少し後に判明するのかなと思ってました
実はあのお坊さんも化け狐とかなのかな、って思ってたんですがさすがに違うかww

地元をメインにしたアニメだけあって、方言も結構入っていて親しみが持ちやすいです
あと、地元出身の要潤が次回予告をしているのは、なかなか面白いですねww
{/netabare}

2話目「ことでん」・感想
{netabare} 同級生との再会など
しょうゆ豆、ことでんなど、香川ゆかりのものが総出演といった感じでした(*^^*)
子供たちも可愛らしかったです!子供に見られたくない、だけど甘えたいという、いかにも子供っぽい感じの女の子がとても可愛らしかったです(^^)
{/netabare}

3話目「赤灯台」・感想
{netabare} 赤灯台の下で親友と夜釣り
ここにきてストーリーが少し停滞してきたかな、って印象ですね(´・ω・`)
1話目を見た感じだと早い段階でうどん屋を継ぐと思ってたんですが、なかなか悩んでますね(^^;

そして今回Cパート長いww

あと、今更ですが公式HPを見ていたらキャストでカエル(CV:小林ゆう)とちゃんと記載されているのがツボりましたww
他のキャスト陣は分かるんですが、なぜカエルを載せたww
{/netabare}

4話目「屋島」・感想
{netabare} 姉の凛子登場。屋島へ
見てから感想を書くまでに大分時間が経ってしまったので、覚えている内容も少なくなってしまったのですが、屋島での姉弟の思い出話が印象的な回でした。
1話でも少し出てきた家族の存在。親孝行もろくにできないまま上京してきた宗太にとっては帰郷した香川の地はそういう思い出がたくさん詰まっている場所なんでしょうね……
{/netabare}

5話目「骨付鶏」・感想
{netabare} 骨付鶏食事後、母校へ。そして、中島+中島父と温泉
骨付鶏、おいしそう(´・ω・`)
ただ、タイトルになっている割には結構あっさりと骨付鶏シーンが終わってしまいましたね(^^;

今回のメインは中島とその父の関係性ですから、あまり関係ない骨付鶏は短くって感じだったんでしょう(なら、温泉をタイトルに組み込めばとも感じますが)……

今回も家族の話でしたが、前回と違って宗太の親友・中島とその父親の話。
おたがい素直じゃない者同士の仲直りって大変でしょうね、自分も人のこと言えないですが(^^;
まぁ、今回は中島がパイナップルを食べたことが歩み寄るきっかけになったみたいですね。自分も少し見習いたいですね(>_<)
{/netabare}

6話目「東京タワー」・感想
{netabare} 宗太、仕事先(東京)へ。そして将来の決断
タイトルが「東京タワー」だったんで、〝香川ネタが切れたのかな?”と思ったのですが、次回のタイトルが香川ネタだったんで安心しましたww

内容は宗太が東京の仕事先に戻ってくる話。
といっても、東京に戻って来た直後は今後どうするか決まってなかったようですが……

でも、最終的には香川に戻ることを決意したようですね。
それを聞いて了承してくれるダーハマさんはかっこよかったです(>_<)
それに、香川での仕事先も紹介してくれるとか、こんないい人達に囲まれた職場、普通ないよ……

そして最後になぜか東京タワーへ。
このシーン、東京タワーに行った意味がいまいち分からなかったです(´・ω・`)
タイトル回収ってことですかね?
{/netabare}

7話目「栗林公園」・感想
{netabare} ポコ・宗太、栗林公園のガオガオちゃんイベントへ
※栗林公園は〝りつりん”公園です。〝クリリン”公園ではありません。

ガオガオちゃんイベントシーン以外にも、クレヨンでの壁らくがきや、栗林公園内をめぐるシーンなど色々ありました。
ただ、ガオガオちゃんのイベントシーンが印象的すぎましたねww

まず、1話で出てきたお坊さんがイベントのDJをやるシーン。
いや、おかしいでしょうww あなたお坊さんでしょ!っと思わずツッコミたくなりました。

次に、ガオガオちゃんの両端のお姉さん達の裸オーバーオール。
子供にそれは刺激が強すぎないか、いや強すぎる(反語)

歌詞も、ちゃんと聞いたら〝目を狙え”とか言ってるし(^^;
いや、危ないでしょ(ツッコミ

そのシーンだけで色々思うことろがありすぎて、今回はこのシーンが全てかな(^^;
{/netabare}

8話目「小豆島」・感想
{netabare} ダーハマさん紹介の小豆島の会社へ
さて、小豆島。
リア充どもの聖地らしいですね。
そういえば、現実の時期的にもリア充シーズンに差し掛かりそうですね……
まぁ、どうでもいいですが

さて、小豆島ですが、エンジェルロードや幸福の鐘など、色々と恋愛関連の名所があるんですね~
小豆島=オリーブという認識だったので意外でした

アニメの内容はというと、メインは迷子のポコを捜索するというもの。
島といっても、だいぶ広いでしょうし迷子になったら大変そう……
ただ、ポコ捜索のために色んな人が協力してくれるのは、見ていてホッとする感じもしました(#^^#)

見つかった後、宗太がポコを説教するシーンもかなり印象深かったです。
宗太がポコのことを本当に心配しているのがよく分かるシーンでした。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『うどん』は現代社会で疲弊した戦士を救う ~胃腸的に~ あと無理なもんはムリ

{netabare}「もっと親父とちゃんと話しておくべきだったな」→ムリっ{/netabare}


無理なものはムリなのです。
自分の過ちは取り戻せないし、過ぎ去った時間はやり直せない。

それでも考えてしまうのは、失ったものの大きさに気付いたからだろう。

そーたはしつこいけど。



さて、そーたの実家が香川のうどん屋で、
現代社会(省略)で香川とうどんと家族の良さ、大切さを噛みしめる話。
あとタヌキ。

うどんが食べたい。

うどんが食べたい。

うどんが食べたい。

そう思わせてくれるには十分な作品だった。

きっと視聴者のうどんを食べる頻度が格段に上がっただろう。


ちょっと今、日本にいないかつ日本の食材が手に入らない国にいるので、
日本食不足、さらにうどん不足で苦しめるには最高の作品です。

ガオガオちゃんがおもろかった。
あと要潤。・・・焼き肉のタレは宣伝しなかったんだなぁ


どうしてもこれだけは言いたい
「なくしてから大切だと気付かされた」
の意訳は
「死人に口なし、やっと言いたいことが言える」
です。

それなら亡くなったと思って告解をしましょう。

ちょうど読んでる『狼と香辛料』の最新刊では
{netabare}催し物として大切な人が亡くなったとして言えなかったことを告白するという話{/netabare}がある。

安心しろ、素直な人ならそれで話すが、
大抵の人は死にでもしない限り言えないことは腐るほどある。

死んでから話せば良かったなど、感傷に浸って自らを慰めたいだけだ。
そんなこと思うやつはSun's Riverにダイブすりゃいいのに。


作品は優しいようで、優しくない。
そーたにはそこそこ優しいが、現実の人間には絶対こんなに優しくないと実感させられる。

だが、故郷や昔のことを良く思うのは悪いことではない。

重ねた年齢と経験で見え方は変わる。
それには早く気づくべきだし、三十路で現役ヤンキーでもなければ嫌でも気付くだろ。
※イヤなとこや人間関係が悪くなければ


どんな作品かちゃんと紹介してなかったなぁ。
『うどん』『故郷が香川』『化け狸(男)』
『東京で疲れた三十路男子ウェブデザイナーが逃げ帰ってくる』『シングルファザーもどき』
これでほぼ全て。

ちなみに『逃げ』ることには肯定派です。つぶれる前に逃げましょう。



結構好きな作品なので2期があるときは完全なファンタジー作品にして、
ポコの存在は容認し、
香川とシングルファザーとうどんの話をしよう。

むしろずっとうどんの話をしよう。

そしてそーたは平日はフリーのウェブデザイナー、土日は友人限定でうどん屋を開こう。
そうすればうどんの話を自然とできる。

うむ自然に。

うどんが食べたい。

うどんが食べたい。

朝は釜揚げうどん(1.5玉)
昼は天ざるうどん(3玉)
夜は鍋焼きうどん(2玉、卵2個、海老天2個、自分は1人)

・・・温かい、うどんが食べたいです。



三話感想→{netabare}

2016.10.27 ★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0  作画 : 4.0  声優 : 4.0  音楽 : 4.0  キャラ : 4.0

『「きぬた」じゃダメですか? ダメですね、そうですね ~三話感想~』

香川県の宣伝を目的にしてはいないだろうが、
そんな感じにもなっているアニメ。

香川のうどん屋の息子がWebデザイナーになるため上京したが、
東京と仕事に疲れて両親のいない実家に帰って来た。
そして子どもの姿に化ける狸に出会った。

どこかの書道家の話にちょっと雰囲気似ているが、
登場する化けタヌキはオスです。

オッス

そして香川は大きいです、四国の一つです。

一度だけ行ったことあるのですが、
電車の本数が少なく、風景がキレイで、確かにうどん屋は多かった気がする。
金毘羅山にも参拝しましたが、麓にある天皇様にも献上しているという饅頭屋の饅頭がうまかった、

田舎は最高、という感じではなくなかなか鋭く感じる描写もある。

疲れたら田舎の実家で休むのもありでしょう。
住むとなるとそれだけじゃ済まない難しさがある。

けど疲れたら休みたい。
かわええタヌキと一緒に地元の良さを振り返るのもええ。
化かされて救われるならそれもええ。

うどん屋になることはすすめないけど。


ゆったりした作品で尺に余裕があるのか、
おまけの『ガオガオ』ってショートアニメみたいのがある。
宇宙生物のガオガオと万里生兄弟のコスプレもどきの姉妹が登場する。
邪な心を持った私には「裸とオーバーオール」を想起させ、
グッときます。


ただこれだけは言えます。
疲れた体と胃腸には、鍋焼きうどんは最高だ

豆腐と饂飩に癒しを求めたアラサーより{/netabare}

投稿 : 2025/02/01
♥ : 18

67.9 96 2016年度アニメランキング96位
映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(アニメ映画)

2016年3月19日
★★★★☆ 4.0 (16)
63人が棚に入れました
立派なプリキュアを目指すみらいとリコは、初めて遊びに来た街で、はるかたち先輩プリキュアと出会う。リコがついつい使った魔法を見て、はるかたちは驚く! いきなり魔法つかいだということがバレてしまった…? その時、突然闇がはるかを包み込み、プリンセスプリキュア最大の敵・ディスピアが出現! はるかやみらいたちは、プリキュアに変身して一緒に戦う! しかしどこからか少女の歌声が聞こえた時、ディスピアは消えてしまった…。戸惑うみらいたちの前に現れたのは魔女・ソルシエールと、その手下・トラウーマ。彼女たちはある魔法を完成させてために、そのカギとなる<プリキュアの涙>を狙っていたのだ! ソルシエールの力により、先輩プリキュアたちは次々と捕らえられ、残る魔法つかいプリキュアの二人も「囚われの世界」へと飛ばされてしまう! 離れ離れになったみらいとリコは、お互いを探してさまよう。しかしまだ力が足りない二人に、次々と襲いかかる強大な敵! 絶体絶命のピンチを救ってくれたのは、先輩プリキュアたちだった。みらいとリコは彼女たちと共に戦い、その友情の力を見て決意する。みらいの元へ、リコの元へ、絶対戻る!! 果たしてみらいとリコは再会できるのか! 道しるべのように響き続ける少女の歌声とは? <プリキュアの涙>をめぐる戦いには、一人の魔女の切ない願いが隠されていた――!!

声優・キャラクター
高橋李依、堀江由衣、嶋村侑、浅野真澄、山村響、沢城みゆき、新妻聖子、山本耕史

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

転んでもタダでは起き上がらなかった映画プリキュア!ミュージカルという難題に決着を着けた新しいオールスターズの傑作が誕生!

『映画プリキュア』20作目にして『プリキュアオールスターズ』シリーズ第8作目
2月スタートの新作『魔法つかいプリキュア』をメインにしつつ、歴代ファンからは【新人研修】等と揶揄される歴代シリーズから新シリーズ主人公達への引継ぎが行われる作品群の最新作です


ナシまほう界(現実世界)で偶然に『GOプリ』の面々に出会ったみらい、リコ、モフルン
そこへ人の記憶の中を探り出して復元することが出来る魔女ソルシエールの魔法によって『GOプリ』が最も恐怖する存在である“ディスピア”が復活する
『GOプリ』、『まほプリ』は力を合わせディスピアを退かせることに成功したがソルシエールに協力する妖精トラウーマによって彼等のアジトに閉じ込められてしまった
ソルシエールとトラウーマの目的は歴代プリキュアを監禁し、秘薬の調合に必要な“プリキュアの涙”を奪うことだった
ソルシエールは完成した秘薬を使って仲違いしたまま他界してしまった魔法の師匠に再会するつもりだったのだ・・・
バラバラにされてしまったみらいとリコは復元された歴代ラスボスと戦う歴代プリキュアらに励まされながらも互いにパートナーを探すのですが・・・


『春のカーニバル』以降、歌を絡めた構成が『映画プリキュア』のお約束になってきましたが、前作までがあくまで歌は歌とし、ライブ的な演出を用いていたのに対し、今作は明白に【ミュージカル映画】として作られております
街の人々を交えてフラッシュモブの如く歌いだす『まほプリ』や『GOプリ』の面々
ソルシエールとトラウーマは自分達の目的を歌と踊りにのせて説明
などなど実に8曲もの新曲を入れて楽しげなものから悲しげなものまで網羅
作画的にも、たぶん『プリキュア』シリーズとしては初のロトスコープを用いたダンスで、CGとはまた一味違ったシームレスな画面で魅せてくれます


それにバトルシーンもたっぷりあって、そもそもつい先日苦闘の末に倒したばかりのディスピアが劣化コピーとはいえ冒頭で復活するというのが既にアツい
ジャアクキング、ゴーヤーン、エターナルの館長、メビウス、デューン、ノイズ、ピエーロ、プロトジコチュー、レッドとかもういい意味で無茶苦茶やw
(デスパライア様は自身が戦わなかったせいか未登場でした)
また『まほプリ』にとっての見せ場の一つとしてTVシリーズに1日先駆ける形でサファイアスタイルが登場したのもちょっとしたサービスでしたね


44人のプリキュアって・・・数が合わないなぁ・・・って思ってたら『NS3』以来となる、イレギュラープリキュアの“キュアエコー”も登場
コレ本当に嬉しくて拳握り締めてましたねw『NS』シリーズだけのキャラだと思っていましたから
キャストも総勢26人と『NS3』の25人を1人上回って記録更新
「ピンクカルテット(ピーチ、ブロッサム、メロディ、ハッピーの4人で即興に作られたチーム)」など掛け合いも比較的多めに感じましたし、やっぱりブロッサムとマリンは【皆勤賞】だったのは守られる伝統に安心すらしましたw


この作品を特に評価したいのは物語の鍵を握る魔女ソルシエールがプリキュアと対峙してまで秘薬を完成させなければいけない切実な理由にあります
彼女が再会したがっていた師匠の真意とメッセージに気付くシークエンスと、師匠が託した「究極の魔法」を使うシークエンスは涙で顔を腫らしてしまいました;;
ソルシエールを演じた新妻聖子、トラウーマを演じた山本耕史の二人もミュージカル経験豊富ということで演技に遜色なく、寧ろ2人の歌は聴き所です


クライマックスでは『春のカーニバル』で中断したミラクルライトを用いた演出も絡めており、やっぱりミラクルライト(と、一生懸命にプリキュアを応援する劇場の女児先輩方の姿)があった方が『プリキュア』の映画らしいなと思いました


『春のカーニバル』以降、歌とかメンドクサイことに手を出してしまったなぁ・・・っていう残念な気持ちが大きかった『映画プリキュア』でしたが、今作で遂にその難題を昇華してみせたという気持ち良い一作に仕上がっておりましたb
ディズニーにも負けず劣らず、これが【ジャパニメーション流のミュージカル映画】と胸を張れる作品ではないでしょうか!?
強くオススメです!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 5

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ロシュフォールのプリキュアたち

今作視聴前のプリキュアシリーズ視聴状況

Yes!プリキュア5    :ほぼ完
スイートプリキュア♪  :完
スマイルプリキュア!  :完
ドキドキ!プリキュア  :7割ほど
Go!プリンセスプリキュア:序盤

他は未視聴(魔法つかいプリキュア!以降は除く)

公開時は、魔法つかいプリキュア!が始まったばかりの頃のようです。





何故かミュージカル。しかし、アニメでミュージカルって意外と少ないですよね。
ライブなどでの歌唱シーン以上に、動きに意味を持たせる必要がある→作画が大変、といったところでしょうか。

プリキュアの映画を見るのは初めてでしたが、やっぱりプリキュアがたくさん出てくるのは幸せですね。
台詞のないプリキュアも多かったですが、程よく見せ場が与えられていて良かったと思います。

プリキュアの映画と言えば、お客さんである子供たちが、ミラクルライトを振って応援する場面がハイライトです。
おじさんである僕はミラクルライトを振ることができません。
しかし、モフルンたちがミラクルライトを必死に振っている姿を見るだけでも泣きそうになりました(笑)

テレビアニメシリーズの劇場版は、タレントによる声の出演がクオリティを左右します。
もちろん僕も否定的ですが、悪目立ちしなければ上出来だろう、とは考えています。
しかし、今回の山本耕史さんはめっちゃ上手いですね!一瞬、プロの声優かと思いましたよ。
彼は、もっと色々なアニメに出演しても面白いかもしれないなと思いました。ギャラ高&多忙でしょうけど。

クライマックスが、なぜかソルシエールのオンステージだったことに若干の不満はありますが、
プリキュア映画の楽しさを発見することができた一本でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 0

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

正直駄目オールスターだが….。

ハッキリ言って微妙な作品で、作画悪し、敵がショボイ、歴代のボスを再生怪人みたいに雑に使う、歌を強調するが音楽印象に残らないしエモーショナルな効果を発揮してもいない。なにより能登さんこと、キュアエコーを無駄うちすんな!と言いたい。


正直オススメできないが、唯一良かったのがEDのオールスターダンスシーン。ここは曲も良いし、CGモデルも後ほどじゃないがグッド!。なんでこの良さを本編で活かせなかったのか…。


まぁ、曲が良いと言っても丁度直前に聞いてスタプリのサントラの神っぷりに比べちゃあねぇ。「スタートゥインクルイマジネーション」と「この胸に星は輝く」の煌めきは神々しさすら感じる。キラプリからスタプリまで担当された林ゆうきさんマジ尊敬です。


それにしても、キュアエコーは映画オリジナルプリキュアだから出番少ないのは仕方ないが、SSの満と薫はなんらかしらの救済があってほしい。SS自体が不遇な作品だと思いますし。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 1

67.8 99 2016年度アニメランキング99位
あんハピ♪(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (518)
2387人が棚に入れました
不幸を背負った生徒ばかりが集められた高校のクラス・天之御船学園1年7組を舞台に展開されるアンハッピーなスクールコメディ。悲恋のヒバリ、不運のはなこ、不健康のぼたんら不憫な生徒たちが、幸福になるため特殊な高校生活に奮闘する姿を描く。

声優・キャラクター
花守ゆみり、白石晴香、安野希世乃、山村響、吉岡茉祐、原由実、森永千才

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

日常系アニメから観る幸福心理学~「共同体感覚」形成に至るまでの物語~

2016年6月24日 記載
今回のレビューは少し専門的な話についての主張が目立つかと思います。
予めご了承ください……





突然ですが、今まで私はアニメを観て元気づけられるという考えには些か懐疑的な人間でした。
それは私自身が作品に対しての感受性が強すぎるきらいがあるというのが主な原因です。
観ている最中は現実逃避の作用も存分に含んでいるせいか、確かに楽しい面持ちでいつも観る事が出来ます。
しかし、それによって元気をもらえるかと言えばそれはまた別の話
キャラクターの言動から何か大切な考えを手に入れたり、観ている最中に楽しさを頂戴したりする事はあれど、「元気」という物を貰った作品には今まであまり出会った事がなかったかもしれません。
寧ろ、あまりにも面白かったり作中の世界観が美しかったりすると、逆に現実の方が嫌になる事の方が多いんですよね。
そんな時は自らの割り切って観る事が出来ない不器用さを恨んだ物
こういった苦悩を一身に背負っていたせいか、アニメによって元気づけられたという他者からの感想は実の所、話半分で聞いてた節も今までありました。
そんな救いようのない私ですが、しかし今回、そんな救いようのない私の持つ考えを少しばかり解き解してくれたアニメが出てきたのでかなり驚いています。
この2016年春アニメにおいて1回目の精神革命
このアニメを観た後では、そう口にしていた友人の想いも分かってしまうというまさに優れ物
「元気」という精神安定剤を処方してくれたこの作品には本当に日々の生活を助けられたと、今になって感じるのは多分、気のせいではないでしょう。
という訳で、今回はそんな、ある意味で私を救ってくれたアニメ『あんハピ♪』についてレビューしていきたいと思います。
長々と駄文を書いていきますが、心優しい方はどうかお付き合いください。




【あらすじ】
負の業=不幸を背負った人間というのは一定数存在するのがこの世界
上手くいかない事ばかり、何をやってもドジばかりの恵まれない人生を送る人々というのは数限りなく存在する物
そんな人々の中でも、不幸に関しては右に出る者はいないと豪語できるような生徒達が名門校であるここ、天之御船学園1年7組に集められました。
中でも異彩を放っているのはこの5人
花小泉杏…この世の全てに運が無い、動物好きのポジティブガール
雲雀ヶ丘瑠璃…対物性愛のパラフィリア、オジギビトに恋する花の女子高生
久米川牡丹…虚弱体質ここに極まれり、ネガティブ1人救命病棟
萩生響…方向音痴で1番を狙え! 負けず嫌いで目立ちたがり屋の騒がし乙女
江古田蓮…女性なのに「女難」の相? 面倒臭がりお気楽寝坊助天然素材
彼女らは担任である小平先生の提案で、「幸福」(しあわせ)になる為の高校生活を送っていきます。
果たして5人はこの学園で幸福の路に至れるのでしょうか…?




【第1部】
ではここからレビューに入っていきたいと思いますが、今回は少し変則的なやり方で記述していきたいと思います。
というのも今回のは前回までのよりも遥かに分量が多くなりそうだと言う事を察した為で、従来の書き方では見ている人も混乱するだろうと思ったからです。
なので、このレビューは第1部にこのアニメの内容について感じた事、考えた事、想った事を記した感想、考察を書き、第2部に全体の総括も含めた私個人がこのアニメ自体に対して感じた事を書くという、2部構成にしてみました。
「よく分からない変な奴の戯言なんていらねえよ」という人は前半だけ。
「考察とか日常アニメなのに馬鹿じゃねえ?」という人は後半だけでも充分でございます。
読んで下さるだけで、私としてはお礼して一軒一軒参りたい位に大変ありがたい。
初めての試みではありますが、何卒よろしくお願いします。

さて、アニメが始まる前の私にとって『あんハピ♪』という作品自体はまんがタイムきららのCMで見かけてた程度の認識だったのですが、いざ観てみるととても面白い。
「不幸属性」なんて言葉も随分と浸透した世の中になりましたが、その要素を日常系に織り交ぜた作品というのはよくありそうで実の所、あまり見かけないように感じます(まあ、その方面には聡くないので私が知らないだけかもしれませんが……)
そして何より、この作品が凄い所は決して「不幸」をストーリーにとってつけた適当な要素にはしていない所です(詳細は後述)
原作者の琴慈先生は新進気鋭の女性漫画家さんで、高校生の時分に月刊Gファンタジーからデビューしたそうですが、この作品を書くにあたって心理学でも勉強したのでしょうか?
専門書を参考にしたのか、それともたまたまなのかは分かりませんが、観ていると随所にこれは……と感じる部分がいくつも出てきて、本当にこれが日常系アニメかと驚いたのが記憶に新しいです。
その驚いた部分も含めて、ここからは私の感銘を受けていった所、「不幸」をストーリーに上手く組み込んでいると思えた所を紹介していきましょう。


(1)花小泉杏は間違いなくアドラー心理学(個人心理学)の体現者
私が『あんハピ♪』の中で最も衝撃を受けたのは、主人公であり生粋の癒しキャラでもある花小泉杏、通称ハナコの言動、行動の全てです。
この娘の凄さというのは1話を観ただけだとふーん、そうか……位の感覚にしかならないのですが、今作の凄い所は2話、3話と話数を追っていく内にハナコは凄いと自然に思わせてくれる所
私はこのアニメを観ていく内、彼女の生きていく力という物を日に日に感じていった次第です。
(1)ではそんな愛すべき主人公の魅力について存分に語っていきましょう。

時に、人間というのは思うようにいかない事や失敗、不運が積もっていく日々を過ごす内、自然と2つのグループに分かれる物だと私は常々考えていました。
①嫌な事が積もり積もっていく内に、無気力状態、不安が続き、下手したら鬱状態になる人々=ネガティブグループ
②逆境にめげず、一念発起、心機一転、頑張ろうと前向きに捉えられる人々=ポジティブグループ
ハナコの凄い所はこの2つのグループに属さない類稀なタイプだと言う事
観ている人からすれば「ポジティブグループ」に属するのではないか?と疑問に思う所かもしれません。
上記のあらすじでもハナコの事をポジティブガールと評したので、その疑問に思う感覚は正しいでしょう。
ただ、正確に言うとこの表現は少しだけ間違っているんです。
他に表現しようがなかったので妥協して「ポジティブ」という言葉を使いましたが、私が思うに、この娘は「ポジティブ」という概念を大きく飛び越えています。
なぜなら、ハナコにはそんな大層な頑張ろうという意志なんて持ち合わせてすらいないからです。
ポジティブな人というのは不運に陥った時、それを乗り越えて頑張ろうとする前向きなタイプの人間だというのは上記で書きました。
しかし、こういったタイプの人であっても不運に遭った事自体を肯定するというのはなかなか出来る事ではなく、だからこそ不運な場面を踏み台にして次こそは……とそれを反動力にして前に進んでいくのです。
そこに「頑張り」という努力が見え隠れしているのはお察しの通り
しかし、ハナコは少し違います。
彼女にとって毎日の不運はただ日々を楽しく彩る為の調味料であって、乗り越えるための踏み台ではないんです。
たとえ嫌な事があったとしても、毎日を面白く生きる事はハナコにとって努力する事でも一念発起する事でもない、全く苦にならない試練に過ぎず、そこには日常を楽しくするための努力や訓練や修行なんて入る訳もない。
客観的に見たら不運な生活を送っていると思われる彼女でも楽しく生きるという事は、実になんでもない事なのです。

しかし、ここで1つ疑問がわきます。
何故ハナコはいつも楽しそうなのでしょうか?
彼女のように自分の不運が日々の当たり前になるという事は一般人からしてみれば大変なストレスです。
「なんで自分だけこんな目に……」
「他の人は上手くやれてるのに……」
そう考えてしまうのも人間として致し方ない事
自らの不運を嘆くか、不運の道を歩んでいない他人に対して羨望、嫉妬の視線を向けてしまうのが人間としては当然の事です。
そんな気配を微塵も感じさせないハナコの生き方はどのようにして形成されたのだろう?
そんな事を考えながら観ていった中で、私は1つの答えに辿りつきました。
ハナコは「不運」に遭った事自体を「幸福」だと感じているのではなく、「不運」を受け入れた先にある彼女の解釈が結果、彼女を「幸福」にさせているのだと。

ここで挙げられるのが章の見出しで紹介したアドラー心理学
ジークムント=フロイト、カール=グスタフ=ユングと並ぶ心理学三大巨頭の1人にして、時代の先駆者アルフレッド=アドラー
この心理学はそんな彼が20世紀初頭に提唱し、欧米各国に高く評価されました。
さて、アドラー心理学の特徴として挙げられるのが、人間は誰しも同じ世界に生きておらず、自分で「意味づけ」した世界に生きているという考えです。
同じ経験でも、それ次第で世界に対しての感じ方は変わり、それに対しての行動も変わってくるという理論
「認知論」と端的に表されるそれは、客観的事実よりもその事実に対してどのような意味を与えるかが重要であって、受け取る人によって意味は如何様にも変化するという事です。
ハナコはこの「認知論」を上手く日常生活の中で使って、不運な出来事に良い意味付けを与える事で日々を幸せに生きていると私は解釈しました。
だからこそ、犬を救う為に川へ落ちて結果、手を噛まれたとしても犬が助かった事に幸せを感じるんです。
たとえ頑張って取り組んだ宿題が出来なくてもみんなで一緒に遊べたからよかったと胸を張って豪語できるんです。
そして特に驚いたのが、6話でヒバリの家庭事情について彼女が考えていたのとはまた違った別の意味を教えてあげた事
ハナコがヒバリの考えを180度変えてしまうコペルニクス的転回を行った、いわゆる「認知論」の発展形を行ったシーン
未視聴組の方も見ているかもしれないので詳しくは書きませんが、さらっと交わされたあの会話に私は彼女の凄さが隠れていると感じました。
ここまでの考えを総括するなら花小泉杏は「不運」ではあっても「不幸」ではない。
だからこそ、このアニメの名前は『あんハピ♪』
UNHAPPYでもANNE HAPPYの語呂合わせが成り立つのでしょう。

そのような生き方をしているハナコの考えを基にこのアニメのPVを振り返ってみると……
最後で彼女が口にする「私はすっごくついてるよ!!」という言葉
とても力強い台詞なんですよね。
自らの辿ってきた道を全肯定しているハナコだからこそ言える発言
花小泉杏という1人の少女の性格を端的に象徴した、とても想いの入った口上とも言えるでしょう。
もし未視聴組の皆さんがこのレビューを見ているのなら予め忠告しておきます。
このハナコの発言をしっかりとよく覚えていてください。
私のつたない文では何とも彼女の凄さというのは分かりにくいかもしれませんが、明文化できなくとも観ていく内にきっと、分かってくるかと思います。
どんな想いで、この言葉を声に出していたのか……
どのような信念でもって、彼女が日々を生きているのか……
それを想像した結果、この花小泉杏という女の子は私にとって最も魅力的なキャラになりました。
分かっていてもなかなかできる事じゃないその生き方を私はこれからも尊敬していきたいと思います。


(2)雲雀ヶ丘瑠璃は「現実的」人物の代表
(1)で紹介したハナコと対極的な人物だと私が考えているのが、工事現場の看板、オジギビトに恋する雲雀ヶ丘瑠璃その人です。
ハナコといつも一緒にいる仲良しの女の子
よくキャラクター同士の会話中で対比されることが多いこの2人ですが、私にはそれすらももしかして作者的に意味があった事なのかもしれないと深読みしてしまいます。
(2)ではそんな苦労人の彼女である雲雀ヶ丘瑠璃、通称ヒバリについて書いていきましょう。

ハナコがあのような性格で人生を渡ってきたのだとしたら、1番不幸と言える境遇を歩んできたのはヒバリだと考えるのが妥当かもしれません。
ふと思い返して観てみると、このアニメは第1話時点でこの娘の歩んできた境遇というのを私達が自然と察せる作りになっています。
特異体質故の他の人とは違うという苦悩
自分が人間としてどこか欠陥を抱えているんじゃないかという不安
最初の頃はそれらが凝縮したような性格だったと、今にして思えば懐かしく感じてしまいます。
そう、彼女が歩んできた過去を踏まえてみると、この『あんハピ♪』という作品は決して「世界」その物が優しいという訳ではないのです。
個人的に思う、他の日常系アニメとこのアニメが根本的に違う箇所は、世界が圧倒的なまでに「現実的」な所
途中の話で起こったりする笑えないハプニングもそれを暗に示していると言えるでしょう。
物事は楽しい事ばかりじゃない。
外の世界には苦しい事や辛い事、怖い事も無数に存在している。
アニメ自体は敢えて意図的にぼかしている部分も多いので、私達が気に病んだり深く考えたりする事などはあまり多くありません。
しかしもし「圧倒的なまでの現実」という面において、私達の世界と『あんハピ♪』の世界がそんなに違わないと言えるのだとしたら……
もしかすると、そういった道のりを真っ正直に歩んできた雲雀ヶ丘瑠璃という少女は視聴者側にとっては最も近い存在と言えるのかもしれません。
しかし、前述しましたが、このアニメはそんな「圧倒的なまでの現実」を示すにふさわしいであろう、ヒバリの過去についてはあまり事細かに描いていない。
あくまでさらっと描写の中に入れるだけ。
どんな出来事が中学時代前の彼女に起こっていたのか?
どのような心無い言葉を浴びせられたのか?
どのようにして彼女は今までの日々を生きてきたのか?
それはあくまで、私達の想像でしか補えないのです。

では何故、そういった描写をあまり直接的に描かないのか?
「幸福」へ至るのが最終目的ならば、「不幸」とは一体どういう物か作中外で痛いほど学んできたヒバリの苦難をはっきり、詳細に見せる事によって、そんな彼女の「成長」という物を描く事も出来たはず。
これはもしかすると、漫画やアニメ制作側の大人の事情が絡んだ結果なのかもしれないので、私の答えが的外れな可能性も無きにしも非ず……と言うかその可能性の方が高いんですが(笑)
私は敢えて別の答えを作中で見出してみる事にしました。
それはヒバリの過去という物自体が既に終わった産物である事を琴慈先生は主張したいのではないかという事
端的に言えば、過去は過去、今は今という所です。
寧ろ、この作品は「今」の描写をしっかりと描く事によって、「過去」に対する彼女の考えを変えるのが狙いなのではないでしょうか?

ここでまた出てくるのがアドラー心理学
著者のアルフレッド=アドラーはひたすら、自身の著書の中で「意味づけ」によって未来は変える事が出来ると主張してきましたが、逆にそれによって過去すらも変える事は可能だと説いていました。
なぜなら、過去も所詮「意味づけ」によって成された記憶が形作った幻想であり、それを思いだす人の「今」が変わる事で昔に対する感情は変化していくとアドラーは考えたからです。
この考えを踏まえると、雲雀ヶ丘瑠璃という不幸な少女をずっと苦しめてきた嫌な過去に折り合いをつける、もしくは別の解釈を与える為に、現在の生活を豊かな物にする事
それによって、彼女が過去に対して抱く想いもまた違った物になるだろうという解釈に落ち着くのです。
これこそ彼女が「幸福」に生きる事が出来るようになる上で最も重要な事
そして、それを成し遂げる為の序章が形成されたのが中盤で行ったお泊り会なのだと私は思います。

その回でハナコとボタンが行った現時点のヒバリに対する肯定
それは単なる慰めによる元気だけでなく、彼女に新たな想いをもたらしたと言えるでしょう。
無理しなくても良いという感情、ここにいても良いという安心、そして現在こそが「幸福」だと言う確信
彼女はこの時、確かに自分の生活を「幸福」だと感じる事が出来たのです。
勿論、これで昔の情景に対する「意味づけ」が変わった訳ではありません。
その収束に至るまでには恐らく、かなりの長い過程が必要となるのは確実
しかし、この先もし、その結果に至る為のきっかけとなった最初の場面を挙げるとするならば、私はここだと思います。
ヒバリは学園に入り、2人の親友が出来て良かったという「幸福」を改めて実感したのかもしれません。
逆に言えば彼女達がいなければ、ヒバリは永久に過去の牢獄に捉われたまま現在を生きていた事でしょう。
これもそれまでのハナコが人知れず与えてきた影響その物がヒバリの中で実を結んだ結果なのか?
解釈次第ではそのように捉える事も出来るかも……?
ただ1つ断言できるのは、このヒバリという少女こそ、他者との関わりの中で最も著しい変化をもたらしてくれる存在と言える事でしょう。
彼女がこの作品の中で歩んでいく精神的成長がとても楽しみです。

主要キャラ5人の中で恐らく最も繊細で、だからこそ、最も苦しい思いをしてきたヒバリ
彼女が真の意味で「幸福」になったその時こそ、『あんハピ♪』という作品は終了の時を迎えるのかもしれません。


(3)鷺宮先生は公正世界信念信奉者
さて、今までアドラー心理学に言及して『あんハピ♪』のキャラを紐解いてみましたが、この作品にそれ以外の心理学的要素を見つけたのは物語も後半の9話に入ってからの事
その回では鷺宮先生という勉学クラスを受け持つ先生が出てきます。
彼女の考えこそ、ズバリ「公正世界仮説」という社会心理学の用語を踏襲した物です。
詳しくはWikipediaでも参照してほしい所ですが、簡単に書くと。
努力した者には報酬が与えられなければならない。
悪事を働いた者は罰せられなければならない。
上記が如く、報われなければいけないという考えに基づいた仮説の事です。
この世はそんな公正な結果が返ってくる「公正世界」であり、そうでなければならないと言うような考えを「公正世界信念」と言います。
よく日本でも「因果応報」「自業自得」「身から出た錆」などといった四字熟語・諺がありますが、これらは全てその信念を支持した物
昔からそのような教えを受けてきた影響か、日本人は特にこの考えを尊重する傾向があると言われています。
さて、そんな当たり前の事のような考えを上手く1つの単語で示したこの仮説ですが、この信仰と呼べるまでの思考は行き過ぎると少し危険な物を孕んでもいるのです。
それは断定的にしか物事を考えられなくなる所
例えば、勉強の成果が発揮されるテストに日頃から真面目に取り組んできた人があまり良い点を取れず報われなかったとします。
人間には緊張も含めたその日のモチベーション等の不確定的要素がいくらでもある為、テストの結果など、どのようにも結果が変わってくる物
少しでも柔軟な思考を持つ人なら、その可能性には易々と行き当たるでしょう。
しかし、公正世界信念に支配された人は「頑張りの努力が足りなかっただけ」「体調管理の努力を怠っただけ」と不確定的要素を簡単に一蹴して、その理由を1つだと断定する事しかしません。
様々な可能性が蠢き合う世界で物事を多極化して考える事が、自分では気付かなくとも、この信念を熱狂的に信仰している人には出来なくなるのです。
また、貧困や差別で何の罪もない人が苦しんでいる場合、この信念を正当化する理由として「その人達には実は苦しむだけの理由があるのだ」と考えます。
本当に何の理由もない人が独裁によって苦しんでいるのではないかという可能性を全面的に遮断するのです。
自分の信念を肯定する、その為だけに……
その他にも、犯罪を犯して捕まった人を「お前は罰せられなければならない」と徹底的に糾弾します。
勿論、犯罪を犯した場合、刑によって罰せられるのは必定であり、当然の事
しかし、そこに至った背景や動機を踏まえた上での柔軟な考えをする事が出来なくなるのがこの考えの欠点でもあるのです。
最近だとネット上で徹底的に糾弾してその人が犯した罪以上の罰を簡単に与えてしまう、行き過ぎた公正世界信念信奉者が数多くいるように思います。
頭の固い人と言うのは意外にこのような志向を持っている人が多い傾向にあるようです。
テストの場合だけならまだいいでしょう。
しかし、他の場合のように困難な問題に対して答えを1つにぶつけてしまうのは、視野を狭めてしまい、間違った物に辿りつく可能性も否めません。
「公正世界信念」によって様々な可能性を考慮し、理性的に、尚且つ柔軟に発想する事が出来なくなる事
これこそがこの考えにおいて最も危険な部分と言えるかもしれません。

話を戻しましょう。
このアニメに出てくる鷺宮先生は自分では自覚していなくとも、行き過ぎ一歩手前の公正世界信念信奉者と言えます。
なぜなら1年7組を
「不幸という注意力不足に甘んじて努力していない、何のとりえもないクラス」
と勝手に結論付け、彼らを他のクラスと比較して下に見ているからです。
確かに勉学クラスや体育クラスと比較してみると、幸福クラスが何故あるのか?という疑問に至るのはある意味、当然の事
このアニメを観ただけでは、視聴者の思いを代弁してくれているようなキャラと勘違いしてしまうのも致し方ないと言えましょう。
しかし、よくよく考えてみると、彼女がここまで幸福クラスを敵視する理由は実の所、アニメだけではあまりはっきりしないのです。
疑問が頭に留まり続けた私はとりあえず原作を買って読んでみる事にしました。
成程、読むととても納得です。
簡単に説明しますと、まず、アニメであまり語られていない設定として幸福クラスと他クラスの関係が挙げられます。
ぶっちゃけて言うと、この学園において幸福クラスは他クラスから酷く見下されているのです(地味に重要)
勉学もスポーツも何一つとりえのない、しかも不運なんていらない属性付きの負け組クラスというレッテルを貼られ続け、辛酸を嘗める思いでいた幸福クラス
しかし、ある時期から彼女達の大躍進が始まったのです。
「遊んでいるだけ」の(ように見える)幸福クラスの生徒が、大学の指定推薦選抜枠を「努力」しているはずの通常クラスから奪ったという事実
2年の秋以降になると、何故か幸福クラスから勉学・体育クラスを差し置いて学年トップクラスの生徒が何人も現れだしたという結果
このような実態を数多く見るのは客観的に考えると誰でしょうか……?
そう、それはまさしく教師
尚且つ勉学クラスの担任である鷺宮先生はこのような不合理の事態に多く直面してきたと言えるかもしれません。
要するに、この先生は幸福クラスの生徒の方が他クラスより優れているという事実を否定する為、現在の生徒に試練をぶつけて自らの考えを正当化しようとしているのです。
努力は叶わなければいけないと豪語する彼女だからこそ、結果は出てるが努力していない(ように見える)幸福クラスを否定しようと勝手に下に見て、あわよくばそれ自体を無くそうとしたという事でしょう。
これも努力は絶対に報われなければいけないという自身の「公正世界信念」が彼女をそうさせていたのかもしれません。

成果を認めたくないが為、また勉学・体育クラスの努力を無駄にさせたくないが為、幸福クラスに否定的だった彼女
好きな方には大変申し訳ないのですが、正直言って、教師としてはちょっと酷いと思ってしまいました。
しかし、この作品は『あんハピ♪』
それだけでは終わらない事は自明の理と言えるでしょう。
そんな頭の固い考えを持った先生が作中でどのように帰結していくのか?
それは是非、ご自身の目で確かめてみて下さい。


(4)この物語の真の目的とは……?
よく日常系アニメとはどのような作品を指すのかと言う疑問に対して、必ずと言っていい程、返される答えがあります。
日常系アニメとは「日常」という一般的シチュエーションの中に価値を見出して評価する類の作品を指し、つまらなくも愛おしい日々を考え直す為のアニメである。
そういった定義が電脳世界ではもはや常識となっているでしょう。
私もその考えに対しては概ね納得なのですが、しかし、この定義を踏まえた上で、前から疑問に思っていた事があります。
それは「日常系アニメ」の定義については分かったけれども、こういった作品のそれぞれにテーマと言うのはないのかという疑問
いや、勿論、把握しています。
こういった作品を求める人は決してそのような「テーマ」だとか「伝えたい事」だとかは考えていないという事も、寧ろあると邪魔に感じる人が大勢いるという事も十分わかっています。
しかし、こういった作品に疎い私は前から気になって気になってしょうがありませんでした。
日常系アニメに対する基準は全て満たしている物ばかりの昨今
レベルは日に日に高くなってくる物で、こういったジャンルに詳しくない私でも観れる作品が最近はとても増えてきたように感じます。
ただ、既存の作品は上記の定義に乗っ取って作られた物は数多くあれど、それを満たしておけば満足だろ感のアニメも個人的には少しあるように感じてしまいました。
勿論、それが悪いと言う訳ではありません。
寧ろ、需要層からしたらそっちの方が安心、安定した気楽に観れる最高のバランスと言えるでしょう。
ただ、私はこういった流れの中、思うのです。
「日常系アニメ」の定義と作品に込められているテーマ
この2つの歯車が上手く絡み合い、良い塩梅で両立した作品が誕生した時こそ、新しいタイプ、新次元の「日常系アニメ」と呼べる物が誕生するのではないか……?
この私の我儘な要望に『あんハピ♪』はきちんと応えてくれました。
もしかすると、私がこの『あんハピ♪』というアニメを受け入れられたのは日常系アニメにあまりない「テーマ性」という物を結構、重視していたからなのかもしれません。
そこで、最後の(4)ではこのアニメの目的、テーマについて書いていこうと思います。
ここまで読んで下さって誠にありがとうございました。
後、もう少しだけお付き合いくださいますよう、お願いします。

『あんハピ♪』と言うアニメが真に伝えたい事は何か?
『あんハピ♪』のテーマは「幸福」についてです。
観た人の誰もが「幸福」について、「幸福」とは何なのかという事だと答えられるでしょう。
しかし、これを論証していくのにはとても頭を抱えました。
なぜなら、ただこれだけだとあまりにも論理づけて考えるには抽象的だからです。
テーマ自体は単純明快なのですが、それについての詳しい証明はとても困難な代物
「幸福とは何か?」という疑問は人類が古代から普遍に抱いてきた哲学であり、だからこそ、そこに至るまでの答えがいくつも存在する産物
簡単だからこそ難しい。
多くの答えがあるからこそ、いくつもの考えに直結する。
誰の考えを参考にしたか、それとも自己流の哲学か、考えるだけでも一苦労
それが「幸福」という抽象的な単語なのです。
しかし、最終話まで観終えて、琴慈先生の伝えたい事がようやく少し分かってきたような気がします。
ここに出てくるのはタイトルで述べているのでお判りの方もいるかもしれません。
彼の心理学には今までの証明でも大分助けられました。
そう、アドラー心理学の最終目標「共同体感覚」こそ、原作者の琴慈先生が考えている「幸福」なのだと私は提唱します。

「共同体感覚」についてアルフレッド=アドラーは自著の中でこのように書いています。
-----------------------------------------
われわれのまわりには他者がいる。
そしてわれわれは他者と結びついて生きている。
人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することはできない。
もしも一人で生き、問題に一人で対処しようとすれば、滅びてしまうだろう。
自分自身の生を続けることもできないし、人類の生も続けることはできないだろう。
そこで、人は、弱さ、欠点、限界のために、いつも他者と結びついているのである。
自分自身の幸福と人類の幸福のためにもっとも貢献するのは共同体感覚である。

『人生の意味の心理学』第1章 人生の意味「人生の3つの課題」より
-----------------------------------------
他者を仲間として認める事で、人はその大切な人達に貢献する事ができ、その貢献感を持つ事によって、自分に価値があると自己肯定できるようになり、こうして新しい感覚が誕生する。
それこそが「共同体感覚」といった人間の新しい発想です。

彼は自らが提唱した新感覚において重要なのはこの3つだと述べています。
①「自己受容」……ありのままに自分を受け入れる事
「私」という存在は替えがきかない物であると理解し、自分に価値があると判断する、実は非常に難しい事
自分を受け入れる為には「自分は特別に良くなくても、悪くなくてもいい」と考える事が重要です。
「普通である事の勇気」こそ、自己受容には不可欠と言えるでしょう。

【『あんハピ♪』の場合】
これで真っ先に思い出したのが「自分が嫌になる」と口にしたりしたヒバリの事です。
彼女はどちらかというとネガティブグループ寄りの人間
失敗したり、嫌な事を思い出したりせずとも自分という存在に疑問を抱いてしまう自信の無い娘です。
詳しくは(2)でほとんど書きましたが、9話はそんな彼女が少し自分を認める事の出来たきっかけの回と言えるでしょう。

②「他者貢献」……自分が役立たずでなく、役に立てている、貢献していると感じる事
自らの行動が他者や共同体に影響を及ぼし、それが有益である事に限り、自分は自分を認められる
①につながるこの行為は実に様々な意味合いを含んでいると言えるでしょう。
極論を言うなら、「生きている事」自体が既に誰かに貢献しているという結果にもつながります。
例えば赤ちゃん、例えば恋人、好きな人、そして親友というのもまた然り

【『あんハピ♪』の場合】
この『あんハピ♪』というアニメに「助ける」「頼る」という単語が会話の節々からよく登場していた事に皆さん、気付いていたでしょうか?
「もっと頼ってください」「助かったよ」といった言葉を自然に吐く彼女達
いつもはヒバリがハナコやボタンをサポートし、ヒバリが失敗した時は日頃助けられている2人が彼女を支える。
話数が進んでいくにつれてヒビキとレンも織り交ざり、助け助けられの関係は5人の輪の中で着々と広がってきていたのが確認出来ました。
また、ハナコに関しては7話の時点で場の雰囲気を構成するのに必要不可欠だった(貢献している)事が把握出来ます。
この他者を助けあう事で成り立つ段階は作中で既に実証されていると言えるでしょう。

③「他者信頼」……他者を仲間と信頼出来る事
「信用」ではなく「信頼」です。
条件付きで信じるのではなく、無条件で人を信じる究極的利他行為

【『あんハピ♪』の場合】
もう、これについては『あんハピ♪』全12話を観ていくしかありません。
これに関しては徐々に徐々に分かっていくと思います。
何気ない学園生活で自然と築かれていく5人の関係に着目して下さい。

さて、この3つの考えこそ「共同体感覚」形成の第一歩となるのに重要な事
主要メンバーの5人含む幸福クラスの生徒達は学園に所属している過程で自然とこれらを学んでいきます。
そして、これこそが「幸福」に至る最善の路と成り得ると私は考えました。

実は元々、アドラー自身も多くの子供に上記のような考えを宿らせる教育改革こそが世界を平和的に変革する有効な手段だと考えていた節があります。
彼は児童相談所を設立し、教師には生徒の対応について助言し、子供と親のカウンセリングを行いと様々な教育活動に奔走する日々を送ってきたそうです。
彼自身は「共同体感覚」に包まれた世界は幸福になると生前、ずっと信じ続けていました。
しかし、結果は2度の世界大戦の勃発
彼の考えが世界中に浸透したのもごく最近の事(日本においてはついこの間まで全く存在を知られてすらいませんでした)
彼の理論で戦争が回避される事は生きている内には果たされる事なく終わってしまったのです。

しかし、そう考えると、アドラーの遺志は現在ではどのような形で継承されていくのでしょうか?
現実の世界を何とかしようと今でも動いている人がいるでしょう。
努力して変えようとして挫折し、諦めてしまった人もいるでしょう。
自分自身だけでも変革しようと取り組んだ人もいるかもしれません。
だとしたら、仮初の世界でだけでも形にして継承しようとした人がいても……
不思議ではないですよね?
琴慈先生はアドラーの無謀とも夢物語とも言える遺志を継いだ世界を作りたかったのか?
そうだとするともしかしたら、天之御船学園はアドラーの考えていた理想郷形成の重要拠点と言えるのかもしれません。
遊びに見える授業は見ず知らずの他人→仲間意識を持った友達→共同体感覚を共有した運命共同体に至る為の通過儀礼に過ぎない。
空想のような、楽園のような学園生活にこそ、真の「より良く生きる」知恵が隠されている。
最終話まで観て私が至った結論です。

とまあ、ここまで専門用語を用いて難しく語ってきましたが、単純に考えるなら、大切な事はたった1つだけ
皆から遅れても、遠くで自分を待ってくれる友達がいる幸福
これほど幸せな事が、一体どこにあると言えるのか?
この作品が伝えたいのは、恐らくこれが全てです。



【第2部】
最後に個人的にだらだらと全体の総括を書いて、このレビューを締めたいと思います。
今回本作の良さに気付いたのは、タイミングが良かった。
その一点に尽きる話でしょう。
恐らく、「毎日が楽しい」「日々が幸せ」と胸を張って言える人、また言わなくても内心でそう感じている人はこの作品を観て「面白い」と感じる事はあれど、私みたいに感銘を受ける事はないかもしれません。
逆に最近、精神的に参ってる人、鬱屈した思いをずっと抱えている人は思わぬ所で衝撃と言いますか、何か残る物を全12話の中から間違いなくもらえます。
そんな私自身も正直に言って、1話を最初に観た時はブラックコメディというか、シュールギャグ要素しか感じられませんでした。
結構ギャグセンスが自分に合っていたのか、個人的にはその時点でも十分面白い作品だったので、とりあえず視聴継続という形で録り貯めていたのです。
転機が訪れたのは5月に入ってからの事
現実世界で今まで考えないようにしていた事を考えなければいけなくなり、個人的不運が重なり、課題に追われるようになり、人間関係に疲れたりと多忙な日々を過ごす内に、意識が朦朧としてきてしまいました。
後で調べてみると、精神状態があまりよろしくないという結果が待ち構えており、また、他人と付き合うのがちょっときつくなってきた私は少しばかり家でひきこもりの生活を送ったのです。
限界を感じたその時の私は期間中、アニメを利用して憂さ晴らしならぬ現実逃避に勤しんでいました。
そんなダメ人間として毎日を過ごしている内に、更に気分が憂鬱になって……
精神的に脆弱な自分
気分転換として外でリフレッシュしようと思っても、そもそも外出する事すら億劫で、怖くて、嫌で、困難な状況でした。
そしてまたそんな自分が嫌になり、また気分が憂鬱になるという負のスパイラル、逃れられない始末
いや、あの時は本当に辛かったです。
私の駄文であまり苦しさが伝わらないのが幸いといった所です。

話を戻しましょう。
そんな時、たまたま観ていたのが忙しくてすっかりご無沙汰状態だった『あんハピ♪』の3話~7話でした。
ぼんやりと観て、時折笑って、またぼやっと観ている内にEDが流れていく。
そのような緩やかで安らぎに満ちた時間の流れに身を任せていると、とても心地よくて温かくて。
眺めていると、あっという間に過ぎていく日々に私は酔いしれていたんです。
賑やかで忙しないけどもどこか温かいOP
作中で時折こちらをハッとさせるようなキャラの言葉と行動
そして、切なくて、だけどとても優しい曲調のED
自然と涙が出てきました。
何回も何回もその4話分だけ視聴しました。
その度に涙が溢れて止まりませんでした。
何故急に涙が出てきたのか……?
細かい理由は、今一つ断定ができず、考えても未だに分からないままなのですが、こういうのは理屈じゃないのかもしれません。
感動アニメで大げさに笑いたくなったり、ギャグアニメで大っぴらに泣きたくなる時もあるんです!!
人間の性格は曖昧な代物であると改めて痛感させられた一時でした。

まあ、そんなこんなでこの『あんハピ♪』という作品には大分助けられました。
正直言って、あまりこういった萌え日常系アニメを観ない自分が1番驚いています。
まさか原作を買うまでに嵌るとは思わず、しかも漫画と比較するとアニメが殆どオリジナルでまたまた驚きました。
原作を生かしつつ、魅力を更に引き出した展開を生み出したスタッフの方々には敬意を表したい位です。
恐らく、このアニメが観れた理由の1つとして、スタッフの頑張りも確かにあるのだと思います。
私の苦手な百合要素という物がギャグやその他の演出で見事に上手く軽減されていたというのは地味に大きいです。
その点においても安心して観れた数少ないアニメなので、百合が嫌いだからちょっと……と言う方でも恐らく大丈夫な作品だと思います(あくまで個人的主観)

さて、大分長々と語ってきましたが、これにてレビューを終了したいと思います。
ただ、最後に1つだけここまで丁寧に読んでもらいました心優しき皆さんに細やかなご忠告を。
今回の私の考察は決して鵜呑みにしないようにお願いいたします。
何分、浅学非才な身の上、間違えて使っている箇所もあるかもしれないというのは勿論なのですが、まだ観ていない人達にとっては面白さの幅を狭めてしまう事になりかねないからです。
私のレビューで辺に斜に構えて観てしまい、アニメ本来の楽しさを損なわせてしまうのは書いたこちらとしても大変申し訳ない。
「考察」の部分を長々と書いてしまった時点で私の主張には説得力の欠片もありませんが(笑)

ただ、この『あんハピ♪』というアニメは本当に「優しい」んです。
「圧倒的なまでの現実」という優しくない世界の中に成り立っている本作でありますが、それは作中外での事
天之御船学園という「秘密の花園」で展開された世界は面白く、楽しく、そして少しばかり愛おしく感じます。
この自らの心に芽生えた感情をまとめて「優しい」という一つの言葉で表現する事が出来る。
そんな風な事をこのアニメを観ながら私は感じました。
また、今作は作中要素だけでなく、私達に対しても同じく「優しい」と言う事が出来ます。
なぜなら、このアニメは作品自体が視聴者に対してどんな風に観てもいいんだよ……と感じ方の範囲を広くしているからです。
「このキャラクター達、みんなおかしいな」と笑い転げても良し
「〇〇ちゃん、ホント可愛い」と人知れず萌えても良し
「なるほど、そういう事か」とキャラクター達の台詞に感銘を受けても良し
これらの反応は全て、このアニメによって私達が楽しませてもらってる事の証明であり、私達に頑張ろうと思わせるだけの活力も与えてくれます。
しかし、今回ので見方が固定化してしまったら本当にもったいない!!
そういう訳で、私の個人的戯言に捉われることなく、ごゆるりとアニメをお楽しみくださいますよう、お願い致します。
では上手くまとまった所でレビューもそろそろ終える事にしましょう。
ここまで長い駄文に付き合って下さり、誠にありがとうございました。
皆さんこれからもどうか、素晴らしき日々をお過ごしください。


楽しかった 時間だけ憶えておけばね
まだまだ面白くなるよ
毎日が 一緒なら まるでカレイドスコープ
回しちゃって 世界はキレイなんだってば そうでしょ?
思い出も未来もまぜて
私たちきっとなんとかなるよね…って思ったの!
『あんハピ♪』EDテーマ「明日でいいから」より抜粋


下記に書いたのは、まんがタイムきらら編集部さんがTwitterに載せていた呟きの数々
中々に良い事が書いてあるので、興味のある方はどうぞ。

1話
たとえば、列で割り込みをされたときの宝くじが当選
一見ツイてなく思える出来事が、実は幸福の種だったりする。
幸せを呼び寄せる秘訣はきっと、ポジティブなその笑顔

2話
どうなれたら幸せだと言えるでしょうか?
幸せのゴールはどこでしょうか?
たぶん、その答えは一生出ない。
けれどその時その瞬間に笑顔でいられたなら、それはきっと幸せの証

3話
新たな環境に新たな人々
新生活が始まって、右も左もわからない中で戸惑っている方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、どんなコトも楽しんだ者勝ち
いつでもその気持ちを忘れずに。

4話
人のやさしさを目にすると、自分までやさしい気持ちになる。
あたたかく、幸せな気持ちに
もしかしたら知らないうちに、あなたも誰かを幸せにしているのかもしれません。

5話
実家を出ると、親と過ごせる時間はあと何日分だろうかと考えてしまう。
ひとつの楽しいことが終わると、こんなに幸せな気持ちには人生であと何回なれるだろうかと考えてしまう。
ひとつひとつの出来事を、どうか大切に。

6話
楽しいことやうれしい気持ちは、わかち合うと大きくなる。
大変なことやかなしい気持ちは、わかち合うと軽くなる。
級友でも同僚でもネット上の誰かだとしても、わかち合える仲間がいるのなら、それはとても幸せなこと

7話
身体が弱ると心も弱る。
心が弱ると何をやってもダメに思えてくる。
けれど、そんなときだからこそ気づけるものだってある。
友達のありがたみ、家族のやさしさ、そして何でもない日常のいとおしさ

8話
昨日の事はもう変えられなくて、今日という日は今日しかなくて、明日の事は誰にもわからない。
けれど良い事も悪い事も、何が起こるかわからないからこそ、毎日には頑張る価値がある。
あなたの頑張りは、無駄じゃない。

9話
誰にだって失敗はある。
大事なのはそれをどう乗り越えるか。
……なんてありがちな言葉よりも、落ち込む気持ちを笑顔で吹き飛ばしてくれる友達さえいれば、心はスッと軽くなる。
大丈夫、失敗したって、いいんだよ。

10話
小学生の頃、無限に思えた40日間
海にプールにアイスに虫取り、盆踊りに花火に肝試し
お酒なんか飲まなくても自然と気分は高揚して、やり尽せない沢山の楽しいことに無邪気にはしゃいだ日々
そう、それが夏休み!

11話
どれだけ楽しい時間にも、必ず終わりはやってくる。
逃れられないその時に悔いを残すことだけはないように、一分一秒を大切に、今はただ一緒に笑っていよう。
だって、楽しかった思い出は、ずっとずっと残り続けるから。

12話
何かの終わりに寂しさがこみ上げてきたなら、それはその何かがかけがえのないものだった証
だから寂しさに後ろを振り返らず、前だけを見つめていこう。
まぶたを閉じればすぐに浮かぶ、いつだって幸せそうなその笑顔と。

TVアニメ『あんハピ♪』ご視聴ありがとうございました!
OPの歌詞の「幸せはどこにあるのだろう?」という問いかけの答えはまだわかりませんが、それは案外どこにでもあるのかもしれません。
見つけよう、という気持ちさえあれば。
皆さんの毎日が、これからもどうか幸せなものでありますように。

13話(嘘予告)
積み重ねた思い出のひとつひとつが、今のあなたに宿ってる。
昨日までの自分があるから、今日の自分がある。
胸を張って、明日へ。
TVアニメ『あんハピ♪』第13……え!? もうないのかーーーー!!!!
コミックス1~6巻、Blu-ray&DVD1巻、どちらもよろしくお願いいたします!

まんがタイムきらら編集部Twitterより引用


【参考文献】
アドラー『人生の意味の心理学』2016年2月100分de名著,NHK出版,2016年.


PS.
実は他にも久米川牡丹の性格は劣等コンプレックスの名残かもしれない…や萩生響は優越コンプレックスを抱えている…など色々考えが膨らみましたが、証明出来なさそうなので断念してしまいました(江古田蓮だけ見つからず…)
またこれも余談ですが、当初はアドラー心理学でなく某哲学者の理論を取り上げようとしていたので、今回のレビューは随所にその痕跡が見られる文章となっております。
興味のある方は調査、考察してみても良いかも!!



2016年9月24日 再追記
本来ならこの欄で書くべき事ではない気がするのですが、自分の思い出し用として、此処に記載しておきたいと思います。
今日、私は人生初のアニメイベントなる物に足を運んできました。
この項目に書いてある時点で既にお分かりの通り、それは『あんハピ♪』のトーク&ライブイベント『Clover Fes.』です。
しかし、実を言うと、会場に赴く前は応募した事を私自身、後悔していました。
それは私の好き嫌いに依る、言わば個人的感性から生じた物
こちらとしてはそのせいで楽しめなくなる事が何より嫌だったのです。
しかし、その心配も全くの杞憂であった事が終わった今となっては、はっきりと断言できます。

不安な気持ちや悲しい想いを全て溶かしてくれたこのイベント、控えめに言って最高でした(何分、初めてなので比較の仕様がないのはご容赦を)
プリキュ○ネタのアドリブを全員が入れまくって、最終的にはプリ○ュア声優でヒビキ役の山村さんが悪乗りする変身魔法少女モノ朗読劇
相手チームの妨害工作をしたり、泣きの一回で土下寝をしたりと、互いに勝利に執着して争いつつも、決して悪い印象はなく、最後には笑って終わった球技大会ゲーム
私がこの『Clover Fes.』で1番よく分かったのは、こういったキャスト陣全員の「仲の良さ」その物でした。
こういった関係は話数を重ねていくにつれて、強くなっていったと語ったのはハナコ役の花守さん
その「想い」がそれを伝えた彼女自身の誕生祝いに繋がっていったと思うと、こちらとしてはとても温かい物を感じます。

そして、最後の挨拶
キャストのほぼ全員が涙を流しながら、オーディションを受けた時の話や『あんハピ♪』に対しての想いを語っていたのが至極、印象的でした。
花守さんが「ハナコはいつも泣いたり弱音を吐いたりしないから、あんハピの現場ではいつも明るくいようとしたんですけど……花守はやっぱり、花守でした……」と涙交じりに語っていた事
チモシー役の森永さんが息を詰まらせながら「私、チモシーと言う役が初めてこの声で加われたキャラクターでした。受かった時は凄く嬉しかったんです。受かる前はこの地声のせいで、色々アンハッピーな事にあったりしたんですけど……でも、それでこうしてあんハピに関わる事が出来て……私、この声で良かったです……本当にあんハピは最高の作品です!!」とボロボロ想いの丈をぶちまけた事
山村さんが「自分が1番年長者だから、しっかりしないとっていう想いがプレッシャーになっていて……でも、結局、年長者らしく振舞えなくて……でも、あんハピのみんなはそんな自分も優しく迎え入れてくれました。ヒビキは方向音痴だけど、方向音痴でも幸せの方向へ向かってます。だから幸せの方向に関しては方向音痴じゃないんです……」と言葉を詰まらせながら綴った事
他のメンバーも自分が泣きつつも、話していた人の為にタオルを持ってきて、細やかな心遣いを行っていた姿
全てが心の奥底に重く圧し掛かってきました。

振り返ってみると、この『あんハピ♪』と言う作品は、成るようにして成ったと改めて感じます。
キャストそれぞれの方達が作品の良さを十分に理解し、愛していた事
スタッフがその良質さを真正面から受け止めて、更に良い物にしようと邁進していた事
そして、それに伴って教えられる大切さを肌身に痛感し、「優しい」雰囲気に色付けされる制作側
『Clover Fes.』はそれらがはっきりとこちら側にも伝わってきた……
作品と同様、とても「優しい」イベントでした。
こういった相互関係を感じられて、私はこの『あんハピ♪』と言う作品をもっと好きになれたと心から思います。

関わってくれた全ての方達にお礼を言いたいです。
ありがとう『あんハピ♪』
そしてこれからもよろしく『あんハピ♪』


2017年4月7日 再々追記
放送開始から今日で1周年
あれから少しばかり時間が経過した現在でも、活動が続いていると言うのは、1ファンとしては大変嬉しいものです。
公式twitterは適度に更新、即ち情報を発信しており、エイプリルフールには劇場版の嘘情報を流して描き下ろしの絵を加えたりしていました。
また、公式が新生活にむけて送った激励には、私も少しばかり元気を貰った物
この現状は何度も申すように、1ファンとしては非常に嬉しく、めでたい物
これからも今のような稼動が続いて、『あんハピ♪』の「優しい」輪が段々と大きく、次第に広く、浸透していく事を願わずにはいられません。

新しい生活に戸惑っている方、不安や葛藤の日々を過ごしている方
この時期と言うのは、長い人生においては自分を知れる良い機会
自分を見つめ直せる良い機会
その節目として、本作は実に相応しい
初めての方には、安らぎと癒しがもたらす「幸福」を……
1度鑑賞済みなら、何度も至れる安心と回帰の「幸福」を……
一家に一作、お薦め出来るこのアニメ『あんハピ♪』
辛い日々の中、今日から、ゆっくり1話ずつ、視聴してみるのは如何でしょう?
私も今日からまた『あんハピ♪』観直していく事と致します(絶賛リピート中)

嬉しいな 意外なつながりよありがとう
まだまだ冒険があるさ
毎日を一緒にね ずっとね遊ぼうよ
とりあえず 世界はナゾなんだってば そうでしょ?
じゃあ解いてみたくなる そうでしょ?
とりあえず 早々 眠れ 眠れ

楽しかった 時間だけ憶えておけばね
まだまだ面白くなるよ
毎日が一緒なら まるでカレイドスコープ
回しちゃって 世界はキレイなんだってば そうでしょ?
思い出も未来もまぜて
私たちきっとなんとかなるよね…って思ったの!
『あんハピ♪』EDテーマ「明日でいいから」より抜粋



2019年1月22日 最後の追記
『あんハピ♪』最終巻読み終わりました。
中々封を開けられなかった漫画は、一度開放すると、一気に読む事風の如し
彼女は少し笑顔になれて。
彼女が初めて涙を見せた。
でも、全員が幸福な日々へ至れた最終回

ファンレターを送ろうと思います。
最初で最後かもしれないファンレター
思いの丈をそこで多くぶち撒けます。
ここではもう充分語り尽くしたので、最後にこれだけ書いておきましょう。

『あんハピ♪』と出会わせてくれてありがとう。
これから先に待つ新たな幸福を求めて。
私は精一杯、生きていこうと思います。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 28

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

天之御船学園1年7組に在籍する不幸を背負った女子高生を幸せに導こうとする物語・・・

この作品の原作は未読ですが、原作が「きらら系」だったので迷わず食いついた作品です。
でも「きらら系」といっても実は細かく雑誌が分かれているようですが、私の中で「きらら」はこれまで十把一絡げでしたので、ちょっとググってみました。

まんがタイムきらら:萌え4コマ専門誌。けいおん、ゆゆ式、三者三葉など。
まんがタイムきららキャラット:かわいさニューウェーブ♪。ひだまりスケッチ、Aチャンネルなど。
まんがタイムきららMAX:ドキドキ★ビジュアル全開マガジン。ごちうさ、きんモザなど。
まんがタイムきららフォワード:ビジュアルストーリーコミック誌。ハナヤマタ、あんハピ♪など。
まんがタイムきららミラク:「女の子の可愛さ」にこだわる。桜Trick。幸腹グラフィティなど。

なるほど・・・一部未視聴の作品を除けば、どれもキャラ萌えする作品ばかりなので雑誌による作風の違いはイマイチ理解できませんでしたが、アニメ化されたきらら系の作品情報については、「まんがタイムきららWeb」をググると良さそうだ・・・という事が分かりました^^;
でも調べてみてビックリした事もありました。人気のある雑誌だとばかり思っていましたが、中には休刊となっている雑誌も複数あるようです。
マンガの世界の厳しさ・・・そしてアニメ化に繋がる門の狭さを改めて感じずにはいられませんでした。

少し話が脱線してしまいました。
この作品は「まんがタイムきららフォワード」で連載されていた作品・・・という事になります。
物語の趣旨はタイトルに記載した通り、不幸を背負った女の子を幸せに導こうとする物語です。
視聴するまでは、これが学校の授業としてカリキュラムに織り込まれている点に突っ込みを入れたくなる気持ちもゼロではありませんでしたが、1話視聴してそんな気持ちは吹っ飛んでしまいました。

この1年7組に入学してきた女の子達・・・とことん運に見放されているんです。
自宅から毎朝学校に通学する事自体に波乱万丈が待ち受けているんです。

そんな1年7組の中でも特に抱えている業の深い女の子が以下の5人です。

花小泉 杏:本作の主人公であらゆる不運を抱えていますが、天真爛漫なのが彼女の救いです。
雲雀丘 瑠璃:優しく世話好きですが、絶対に報われない相手に恋をしちゃってます。
久米川 牡丹:普段はおっとりとしていますが、極度の虚弱体質でケガや体調不良が絶えません。
萩生 響:極度の"方向音痴"で一人で行動すると必ず迷子になります。
江古田 蓮:人間を含めたあらゆる動物のメスを無差別に魅了してしまう困った体質の持ち主。

こうしてみると、気をつけていればそれほど日常生活に影響は無いのでは・・・?
とも思えるのですが、限度を超えると立派な不幸となって本人に降りかかってくるんです。
そこで担任の先生が「幸福クラス」と題して、不幸のどん底から救い出す授業を行ってくるのですが、正直殆ど遊びです・・・

遊びながら幸せになる・・・こんな事が実現するならとても素晴らしい事だと思います。
先生だって奮闘します・・・けれど、一筋縄ではいかない不幸を7組みの生徒は背負ってるんです。
次第に先生もエスカレートしていきます・・・
先生、見た目はとても優しそうですし、言葉遣いだってとても綺麗なのですが、極度の負けず嫌いなんでしょうね^^;
何だかんだ言いながら先生がクラスのテッペンに君臨していますから・・・

彼女達はどんな業を背負っているのか・・・そして不幸から脱却できるのか・・・
気になる方は本編でご確認下さい。
きらら系作品に相応しい展開が待ってくれています。

オープニングテーマは、Happy Cloverの「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」
エンディングテーマは、Happy Cloverの「明日でいいから」
Happy Cloverは、上で紹介した5人が組んだユニット名です。
ドタバタ感溢れるオープニングに、趣向を変えたメロディアスなエンディング・・・
どちらも甲乙付け難い曲だったと思います。

1クール全12話の作品でした。アニメを視聴する上で、癒しや萌えを与えてくれる「きらら系」作品は欠かせません。
次クールの作品を検索するとき、きらら系作品の有無は私の中で結構重要なチェック項目になっています。
ちょっとブッ飛んでいた感もありますが、総じて楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 32

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

しっかり作ってある感が伝わってきて好印象。

あにこれの他のレビュワーさんの評価で興味をもって+視聴タイミングがあったので観てみました。

いやー、色々な点がしっかり作ってある感が伝わってきて好印象でした。
この手の女子ワチャワチャ系の最近の作品にも見習ってほしいくらいの安定感でした。

まぁ、いわゆるテンプレ的な要素はもちろんありますが、
物語もただの学生生活ではなく、不幸な運命を背負った(深刻な意味では無く、ちょいとした個性の変換でしょうか)女子たちが「しあわせ」になるべく、特別なクラスに編成され、あれやこれやという。
こういう意味では、一本筋がとおっているので、物語があまり無駄にブレ無くなりますし。

まぁ、その不幸を克服するための学生生活っていうのが荒唐無稽と言ってしまえば、そうなんですけど、アニメらしいと言えばアニメらしいですし・・・。
何より、観ていて不思議と元気がもらえる気がするんですよねぇ。

(例によって、私の現下の精神状態にもよりかもしれませんがwww)

その理由となるのが、主人公となる花小泉杏ことはなこ。
ありとあらゆる面で不幸(ドジっ子的要素の)が襲ってくるが、本人はいたって元気でポジティブ。
無理矢理感を出さずに、まるで気にしていない様子を上手に演出している。
ああ、ちなみに不幸タイプは「不運」だそうです。

また、その友人となるキャラクターも個性的な不幸w

雲雀丘瑠璃ことひばり。
彼女の不幸タイプは「悲恋」。
よほどのことがない限り、いや、ノーマルに考えれば叶う事のない相手に恋をしてしまっている。
この相手については、是非作品をご覧ください。

次に久米川牡丹ことぼたん。
この子の不幸タイプは「不健康」。
虚弱で虚弱で、あっちでポキポキ、こっちクラクラと・・・。
また、マインドもネガティブ発言がぶっ飛んでいて見た目かわいらしいのにwなかなかの振り切れ具合。

そして、途中から友人の仲間入りする二人。

萩生響ことヒビキ。
彼女の不幸タイプは「方向オンチ」。
作品中でも、道教えてもらった直後にどっち向いてんだ!!ってくらいの方向オンチ。
同じく、あとから仲間入りをするレン大好き少女。
百合要素要因かなぁ。

そしてヒビキの相方?と言ってもいいのかな。
江古田蓮ことレン。
彼女の不幸タイプは「女難」。
あえて「メス」といいますが、メスであれば人間動物を問わず、引き寄せてしまうというw。
確かに、本人もイケメン要素を持っている気はする。

彼女たち5人がそれぞれの「不幸」wをものともせずに学生生活を送るという。
結局、観ていると一緒に笑って、泣けてな友達がいるってことがハッピー的なところに気づかされるんですがね~。
それでも、各エピソードのなかで、やっぱり元気がもらえる気がします。

そして、しっかり作っている感の大きな要素。
キャラ、作画共にしっかりとしているんですよ。
作画がほとんど崩れない、ソリッドにまとまっている感じがしました。
キャラ絵も設定も個性的ですし(テンプレ感は許容しました)、そのほかのポイントでも崩れとか手抜きと感じられる点がほとんどなかったです。

どうやら調べてみると2016年の作品との事ですが、全然知りませんでした。
いわゆる「きらら系」って言う分類になるようなんですが、この系統、私的にもいくつか視聴したことがあって、合う合わないがあったんですが、この作品は観てきた中でもかなりレベルが高い方だと評価しています。

OP/EDも中毒性、とまではいかなかったですが、普通に観れていました。
毎回観ていても苦痛ではなかったですね。
どちらかと言うと楽しかったです。


私的にはですが、新たな発見をさせてもらった感じです。
あにこれレビュワーのおかげで、楽しい作品に出合うことが出来ました。

どうも、後に続くようなフリもある終わり方なんですが、さすがにこれだけ時間がたってしまうと難しいんでしょうね。
それほど、メジャーとは言えない作品なのかもしれませんし(私が知らなかっただけですが・・・)

とにかく、機会がありましたら、観てみていただければと思います。
私は好きでした。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 10

67.8 99 2016年度アニメランキング99位
ガールズ&パンツァー 劇場版 映像特典(その他)

2016年5月27日
★★★★☆ 3.9 (87)
540人が棚に入れました
BD&DVDの映像特典。

新作OVA(劇場版本編の後日談) が付属される。

(C)Unko さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

株式会社蛇氏東塔事務所所属のUnkoが評価しました

[購入]愛里寿・ウォー!の記事と認識しても良いのかな…
愛里寿→杏→カチューシャ→麻子の順で好き
愛里寿ちゃん![https://goo.gl/B5LvR5]

(C)2016 Unko All rights reserved.

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

Lotus さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

映画の後日談

8本目のOVA作品になります。

OVA作品の中では1番良かったのではないかと感じました。

映画の後日談ということもあり楽しめる内容です!

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3

うにゃ@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

特典にしては

劇場版のその後編。
戦車戦は特典ナだけにないが映像特典にしてはとても良い出来。

評価は劇場版に準じて。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2
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