Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.2
「運命」とは自分の力で成し得た結果の事である…運命は決まっているのではない…自分で選んで掴み取ったモノを「運命」と云う…
この作品は、モンスターストライクの2期に相当する作品です。
作品の構成について以下に示します。
1期:1話~14話
2期:15話~51話
そして通常の物語に加え、以下の特別編が用意されています。
夏スペシャル「マーメイド・ラプソディ」
映画公開スペシャル「レイン・オブ・メモリーズ」
1期は既にレビューを記載済なので、2期、「マーメイド・ラプソディ」「レイン・オブ・メモリーズ」に関して纏めたいと思います。
思い返してみると、1期は物語の序章の位置付けであり、正直内容は良く分かりませんでした。
その上、14話で突然プッツリ途切れてしまった感もありました。
声優さんの布陣とヒロインの可愛らしさが1期の完走できた理由でしたが、2期に入ると1期の時に感じた気持ちは微塵も感じる事はなく、物語のスケールが大きくなると共に、登場人物や登場するモンスターも一気に増えて俄然面白くなってきます。
これまで主人公であるレンは、フェンリルXという獣系のモンスターを使用していましたが、21話でモンスター召喚システムで坂本龍馬を、ヒロインの葵がナポレオンを手に入れてからが特に面白くなりました。
これに伴い、レン達を取り巻くライバル達の使用するモンスターのレベルも一気に上がり、バトルにこれまで以上の熱さが注入される事になります。
やっぱりモンスターも知っている人だと見ている方も思わず力が入ってしまいます。
ナイチンゲール、ルシファー、卑弥呼、アリスなど、歴史、神話、ファンタジーのごった煮みたいですが、逆に他の物語では決して交わる事の無いキャラ同士が激しく…時には協力しながら強大な敵に立ち向かっていく姿は、この作品ならではの醍醐味なのではないでしょうか。
戦いにおけるモンスターの自我が視聴者に伝わるのも嬉しい…
自分自身の誇りとパートナーとの絆がモンスターを奮い立たせて…一番見たい時に一番見たいモンスターの全力が画面一杯に広がる…
そんな痺れるような展開が視聴者の胸を何度でも熱くしてくれます。
レンとチームを組む仲間は、共通してある時期の記憶が欠落しています。
この欠落の理由は物語中盤で明かされるものの、最終地点までの道のりは遠い上、対峙する敵のモンスターの強さが半端無くなるため、命に危険が及びそうになったのも1度や2度ではありません。
そんな絶対絶命の危機でも何とか乗り越えられたのは、一人じゃなく4人の仲間がいたから…
物語の中では「友情コンボ」と言っていましたが、一人じゃ決してできない事でも仲間と一緒ならできる事もあるんですよね…
肉体ばかりではなく、時には精神まで冒し乗っ取りにくる敵のモンスターが蠢く世界…
オラゴンと同じくヒロインである皆実の天然系の言動が無ければ全体的にシリアス基調の作品なのですが、そんな中でも清涼剤的立ち位置にあったのは夏休みに放送された「マーメイド・ラプソディ」でした。この作品には花澤さんがキーキャラとして出演される事が事前に話題になっていたので、視聴を楽しみにしていた作品でした。
花澤さんが演じたキスキル・リラは不思議な少女でした…
彼女自身の変幻自在に出没するのも不思議でしたが、アメリカ軍に追われていたのが彼女の不思議さを倍増していました。
でも彼女がアメリカ軍に追われていたのは、決して悪い事をしたからではなく、軍が彼女にとあるモノを見出していたから…
でも生き物は本来生活すべき領域とそこでしか発揮できない力があります。
その法則を人間の都合で勝手に捻じ曲げたら…何もかもがすり減ってしまうんです。
でも…それでも形振り構わず全力で立ち向かう時がただ一つだけ…大切な人を守る時です。
そこは人もモンスターも何も変わる事はありませんでした…
リラの立ち振る舞い…良かったと思います。
この作品は、神ノ原に主人公である焔レンが戻ってきたところから物語が始まりますが、仲間の一人である影月明は1年前に転校してきており、彼が転校してきてから焔レンが戻ってくるまでの物語が「レイン・オブ・メモリーズ」で描かれています。
ここではこれまで知り得なかった影月明に関してしっかり深掘りされています。
仙台から転校してきたこと、妹がいること…そして妹と一緒にモンストをやってきたこと等々…
でも転校したばかりの明は手負いの獣のようでした…
全く他人を寄せ付けず、モンストのプレイスタイルも周囲に恐怖を与える程…
一見クールな明がそこまで変貌するのは、どうしても許せない奴らがいるから…
奴らを傷付けるためにはどんな残虐非道にも成り得る…そんな勢いの明でしたが、春馬、葵、皆実らによって決められたルールから逸脱するのを止められて目を覚まします。
そして4人でチームを組む事になるのですが…こうして物語は1期1話に繋がっていくのです。
完走して振り返ってみると作画も綺麗だし、声優さんも凄い面子が揃った作品でした。
全51話と2本の特別編が公式HPから視聴できるのも何とも太っ腹…
ゲームアプリも基本プレイ無料なのにこのサービスとは恐れ入ります。
テレビ放送の尺に合わせるのが難しい作品ってあると思います。
この作品の様に放送枠に作品を合わせるのではなく、作品に合致した放送枠が確保できるのが作品にとっても理想のように思います。
これが実現できるのがwebアニメの強みなんだと思いますけれど…
因みに焔レンのCVは小林裕介さん…彼が「運命」という台詞を連呼している時…
大切な仲間を傷付けれれて怒りで我を忘れそうになった時…どうしてもリゼロのナツキ・スバルが脳裏に浮かんで仕方ありませんでしたけれど…^^;
いつか機会を作って劇場版も視聴したいと思います。