けみかけ さんの感想・評価
4.6
前作の課題を全て克服したといえるLEVEL5史上最高の1作!笑って泣いて笑って泣いてを繰り返し続ける94分!Ladies&Gentleman~エンマ!ダイオウ!
『妖怪ウォッチ』シリーズの映画第2作品目
主要スタッフは前作と同じですが今作は5本の短編で構成され、各々の本編の前には『世にも奇妙な物語』のタモリに扮したウィスパーがストーリーテラーとなってあらすじを語ります
テレビシリーズに親しんだファン向けの映画になっているので何の馴染みも無い人がいきなり観るのはキツいかもしれません
1.妖怪になったケータ
妖怪デーモンオクレによって死亡させられてしまった天野ケータ
死んだ人間は妖怪市役所に行き妖怪化させられるという
妖怪「フウ2(ふうつー)」となったケータは自分とは真逆に頭脳明晰、スポーツ万能、容姿端麗な完璧少年、有馬ユウトに憑りつく
フウ2の力で「普通」になってしまったユウト君だが、彼には普通になってしまったこと以上に人には言えない‟ある悩み”があった・・・
2.ジバニャンの華麗なる作戦
突然2015年から2023年にタイムスリップさせられてしまったジバニャン、ブシニャン、ロボニャンF型
未来の世界で出会ったのは、生前のジバニャンの飼い主であったエミちゃん
洋服デザイナーになるという夢を叶えデザイン会社で働く大人のエミちゃんだが現実は厳しく、先輩からの不条理な叱咤に耐える日々を過ごしていた
ジバニャン達3匹はエミちゃんを助けたい一心で彼女の仕事を手伝おうとするのですが・・・
3.コマさん 家に帰る
コマさんとコマじろうの元に母ちゃんからの手紙が届く
手紙の内容は「元気がない」という旨で、心配になった2匹は妖魔界の実家へ里帰りした
しかし実際の母ちゃんはとても元気で、嬉しさのあまり2匹に嘘をついたのだと言う
その実は2匹の弟となる「コマさぶろう」が出来たということだったのだが、コマさぶろうはどう見ても普通の人間の赤ちゃんだった
2匹はコマさぶろうを本当の母親の元に帰すことを決意する・・・
4.USAピョンのメリークリスマス
クリスマスの朝、雪に包まれたさくら町にはしゃぐ未空イナホちゃん
しかし相棒USAピョンは乗り気でなかった
実は妖怪には当番制でサンタに扮し子供たちへプレゼントを配る仕事があるのだという
その当番に決まっていたUSAピョンは、生前サンタからプレゼントを貰えなかったことを根に持っていたためサンタを嫌っていた
サンタになれるとテンションの高まったイナホちゃんの助力もあり、渋々仕事をこなすUSAピョン
しかしプレゼントリストの中で唯一、「プレゼントはいらない」と書かれていた少年タカユキに疑問を持ったイナホちゃん
実はタカユキがプレゼントを拒否するのには辛い理由があった・・・
5.妖怪ワールドへ行こう
突然別れを告げ妖魔界へ帰ろうとするジバニャン達
妖魔界のボスであるエンマ大王が人間にインフルエンザを移されてしまい(笑)妖魔界ナンバー2であるぬらりひょんがあらゆる妖怪と人間の接触を禁じる御触れを出したのです
疑問を抱きながらも御触れには従うしかない、と言うジバニャン達を、ケータは必死に繋ぎ止める
ケータ、ジバニャン、ウィスパー、ヒキコウモリは共に妖魔界に乗り込んで直接エンマ大王と交渉するべく、妖怪達に招集をかけるが相手があまりに大物なので妖怪たちが怖気づいたかに思えつつも、コマさん、イナホちゃん、USAピョン、そしてフユニャンは集まった
だがぬらりひょんは人間と妖怪がお互いの姿を視認出来なくなる様、強硬手段に出る
妖怪ウォッチでも見えなくなってしまった妖怪達は、ケータとイナホなしで妖魔界ワイハーリゾートに乗り込む
そこで待ち受けるぬらりひょんの真意とは?
まず前作はバトルに主軸が置かれていたり、動きのあるギャグが中心となっていたり、明らさまに‟ガキ向け”になっていましたね
普通のアニメ映画ならソレでいいんでしょうが、あくまで『妖怪ウォッチ』の魅力ってのは子供には分からないネタを仕込んでそれをキッカケに親子間に会話のタネを作る、ってのが本髄のわけですよ
それにコマさんのような人気サブキャラの出番が少なかった上に、散々引っ張ったクライマックスでのダークニャンとブチニャンの活躍も今一つだったのがダメでした
それらが今作では全部改善されていました!
そもそも普段は短くまとめた2~3本の短篇を繰り返す構成の『妖怪ウォッチ』
長篇には向ていないのは明らかだったわけです
それが短篇4本+本筋1本という構成で【いつも通り】の『妖怪ウォッチ』が出来てるわけですね
まず妖怪フウ2の命名の理由が「普通」だからフウ2、なのではなくもっと酷い理由だったのが笑ったし、妖怪市役所の職員がことごとく水木しげる調なのがツボw
未来のエミちゃんに出会うエピソードではジバニャンを食う人気があるとも言われるロボニャン(F型)とブシニャンがたっぷり活躍してた
遂に映画で主要エピソードを持つこととなった名実ともにナンバー1キャラのコマさん(とコマじろう)の見せ場もgoodです
オイラが一番楽しみだったのは映画初登場となるアニメセカンドシーズンで2人目の主人公と呼ばれるイナホちゃん
相も変わらずCV悠木碧は大暴走してたwこれはもう彼女の持ち味がしっかり出てるいいキャラですb
4本のエピソードはどれも笑いどころを挟みつつも落としどころがホント泣けました
1本1本が短いのに笑ったなぁって思ったらすぐ泣かせにきやがる;;
思わず4回とも泣いてしまった、上手いです
ただテレビシリーズ(ジバニャンの生い立ち)を知る人にとってエミちゃんが登場するということは凄く特別なことなのにエミちゃんの声が長澤まさみだったことには意味を感じませんでした・・・残念
4本全ての話が最終的に5本目のエピソードに絡んでいきます
各エピソードで散々笑いと感動をブチかましたので5本目は純粋にアツいバトル展開
話にのめり込める作りは前作と大違いですね
かつてない強敵、ぬらりひょんは当然一筋縄では行かず、引っ張りに引っ張ってからのダークニャン、ブチニャンの登場は手に汗握る
特にUSAピョンがベイダーモードになった辺りからは思わず拳を握りしめてましたわ
そしてクライマックスでケータが繰り出す切り札メダル・・・召喚されるのは・・・エンマ大王?
この召喚演出はホント滾りましたね!
ウォッチが溶け出すところとか両隣の子供たちが震えていたのが伝わってきました
そして映画館に響き渡る「♪~Ladies&Gentleman~エンマ!ダイオウ!」「エンマ!エンマ!やっぱそうなのねエンマ!」「エンマーーー♪エンマーーー♪エン~マーーー♪」の唄
これもう最高過ぎたwエンマ大王カッコ良すぎたw必殺シュートとか打ちそうだったw
お話は大満足
作画は芝居、エフェクト、アクションと全編に渡ってハイクオリティ
CGもところどころ効果的に用いられて前作のウバウネのような露骨な感じでは無かったのが好感的
あとはなぁ~博多華丸大吉がなぁ~、、、本人たちも言ってますが素人がアニメ声優なんてやるもんじゃない;
レギュラーメンツが豪華なだけにプロと素人の差が開きすぎてて違和感たっぷりでした;
この、素人のゲスト出演ってのが唯一今作の汚点でしたわ;
ラストはテレビシリーズ第98話のオチに連動する形で閉幕しました