とまときんぎょ さんの感想・評価
4.2
音と動きが心地よい〜
Eテレでたまに流れていて、「ニャッキ!」(日本のクレイアニメでイモムシが主役) のCG版みたいなものか?、と観ながしていたのですが
まとめて流し続けて観てみると、コレが実に心地よいんです。
(虫たちが役者なので、虫ぎらいな方にはNOかもしれませんが。)
フランスの片田舎で録音撮影したと思われる虫や鳥、自然の音と風景。
そこで繰り広げられる、虫たちのちょっとヘンな生態の数々。
虫を収集したり鳴き声を愛でたり季節の使者としてみとめたりといった文化が欧米にはあまり無く、「ホタルの光は単なる物理現象であり、鳴く虫の声は雑音としか聞こえないそうです。」
(昆虫画家の得田之久さんの文章にありました)
ファーブルさんは稀有な存在だったそうですね。そのファーブルが虫を観察していたのも、フランスのプロヴァンスの森。
虫だけCGで、リアルっぽいけど目がキョロッとしていて(虫だけど清潔感あります。)、こいつらは時にいやに力持ちだったり、食いしん坊だったり、知恵者です。
セリフは無いけど動作が笑いを誘います。
雪原を滑走するカタツムリの旅
真夜中、吸血の狙いを定めた蚊の誤算
テントウムシとハエの暴走族
虫たちのドングリサッカー?
一つの実を齧りあった仲のイモムシたちの行く末
人間の生活空間での地の利を活かした駆け引き
…
短い中でクククと笑ってしまうところやバカバカしさに吹き出させられたり、時に自然の数奇なロマンを見せつけてズルいな〜と思わせたりと、無言のエンターテイメントながら上質です。
森の音色の癒し効果もあって、オススメです◎