ワドルディ隊員 さんの感想・評価
3.1
雲の錬金術師
このアニメは、カールじいさんの空飛ぶ家と
同時上映されていた短編アニメである。
あらすじを一行で言い表すと、物だけではなく生命も創ることが
出来る擬人化した雲と、雲から手渡された贈り物を配達という
形で請け負うコウノトリのお話だ。
これを見ていて思いついたのが、1941年に制作されたダンボだ。
相当昔に観たため、だいぶ記憶が薄れているが確か
コウノトリが人間の赤ちゃんを運ぶシーンだったような。
恐らく、そのワンシーンから着想を得たのだろう。
昔ながらのディズニー作品を見ているような気分を味わえる。
主人公として焦点を当てられているのは、志は高いものの
自分の思った通りにうまくいかず、苦悩している黒がかった雲と
その相方を務める熟練(?)のコウノトリ。
雲に悪気はないのだが、明らかに負担のかかる生き物ばかり
錬成されるケースがほとんど。
ワニ、ハリネズミ、電気うなぎ等…。
相方は、多少嫌がっているものの律義に任務を遂行していく。
きちんと届けたのはいいが、日に日に羽が抜け落ちていく。
雲も心配そうな顔を覗かせるが、もっと労わってやれ。
そもそもそんな危ない生き物を創っている時点で雲s(ry。
鮫を出された時は、さすがに驚いたようで
別の雲がいる場所へ避難したようだ。
これには深いわけがあるのだが、それが分からない雲は嫉妬のあまり
雷を発生させたり、大雨を降らすなど大地にいる人間達に
被害を与えている。全く持って困った雲である。
その後、熟練(?)の相方が自分の所に舞い戻り、
真意を理解した雲はコウノトリを抱きしめる。
あのコウノトリ、イケメンすぎるだろ。自分ならそのまま
別の雲に行ってお世話になる手筈を整える。これが友情か。
その甲斐あって、彼の腕は多少(?)改善されたようだ。
彼は一度、錬成の再講習を受けた方がいいと思うが、それは
雲の判断に任せよう。
面白いなとは思ったのだが、他のピクサー短編アニメと比較しても
特に引き付けられるものがないように感じられた。
内容重視の方が見ると、がっかりする可能性があるので
無理してみる必要はないだろう。
そういうものだと、理解した上で視聴していただけると幸いだ。
この作品も、何度も見たくなるような出来ではなかったので、
強く推奨するつもりはない。雲が好きな人なら楽しめるかも。