b1 さんの感想・評価
4.1
「握手から始まるケンカもあるんや」というアニメです
集英社の週刊・病ングジャンプで人気連載中だった有名格闘漫画原作のOVA(一話あたり45分)
ホントは全三巻を販売するつもりだったが、思いのほか売れなかったので二巻で終了したっぽい作品です。
実在する格闘家や著名人をモデルにしたキャラクター達に、規格外で常識外れの格闘をやらせます。
体格のいいオトナ達が本格的な武術を駆使して高校生相手に街中でガチンコ・ファイトするところが魅力です。
日常の場面は簡単作画に近いクオリティですが、格闘シーンになると俄然書き込みの密度が高くなります。
格闘シーンの作画は比較的安定、演出も派手で演技は大仰な感じです。
声は木場を若本氏、オトンをプロレスラーの舟木氏が担当。
舟木氏に上手い演技を期待しては、ダメです。
注目は言うまでも無く格闘シーンでしょう。
立ち技、組み技、グラウンドでのポジション争いにパウンド、絞め技、関節技の応酬と、絵になる美味しい要素が満載です。絞め技を兼ねたユニークな複合関節技がガチガチに決まってる様子は一見の価値有りかと思います。
第一巻よりも第二巻の方が、観た感じクオリティ高いです。
格闘シーンも二巻の方がテンション高めでドラマティックです。
原作知ってりゃ二巻観るだけでも楽しめると思います。
{netabare}原作と同様に「XRAY(レントゲン)」の演出があります。
関節技が決まっているとき、皮膚が透過して骨が映し出されます。打撃のさいにも、皮膚を透過させてモロ見えの臓腑へと衝撃波が伝播される様子が、克明に表現されたりします。筋肉や内蔵が「ゴポッ…!」って感じです。
骨が軋み、靭帯は伸び、関節は外れ、骨折します。
たまに吐瀉物や血反吐を吐きます。(すぐに回復します)
でもグロって呼ぶほどのもんでもないです。
大量の血しぶき噴射しながらギャーギャー喚いたりもしません。
もとよりOVAですので、観るなら自己責任でどうぞ。
2014年現在、第3巻の発売には至っておりません。
まあぶっちゃけ、売れなかったんでしょうね。
2001年の発売当時は各巻税抜き¥4,800でしたが、2014年現在は激安で買えます。
初回限定版にはタフな面構えをしたキー坊のフィギュアが付いてきますが、正直なところ、欲しいと思えるほどのクオリティではないですね。
キャラの顔が面白いですね。
思想が過激で、クレイジーなヤツが多く、面白いです。
ギャグは、そんなに面白くないですが、そこが面白くもあります。
どいつもクセが強くてワガママな連中ばっかなのに、求めるものが共通してたり、気質が似通ってるから話が綺麗にまってる感じです。
強引すぎる展開なのに不自然さがないのは、登場人物達が疑問を持たないからでしょうね。「言わなくても解ってる」みたいな(笑)
おそらく、どいつもこいつもタフな男を目指してるんでしょうね。
強いヤツを見ると、血が騒いでしまうのでしょう。
ケンカは空しさから逃れる最も手っ取り早い手段でもあるんでしょうね。
セレブだろうが貧乏人だろうが、ケンカの前には肩書きなんざ関係ねえみたいな暑苦しい物語ではありましたが、いやいやこれが、かなり面白かったんですよ。{/netabare}
格闘技と筋肉、プロレス(プロレスラー)が好きなら観ましょう。
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