1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメ一覧 58

あにこれの全ユーザーが1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番の1990年春(4月~6月)に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

89.2 1 1990年春(4月~6月)アニメランキング1位
銀河英雄伝説(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★★ 4.3 (948)
4066人が棚に入れました
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、 150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現する。銀河帝国の貧乏貴族の家に生まれたラインハルトは、姉を皇帝に奪われた事をキッカケとして、銀河帝国を奪い取る野望を胸に軍人となり、出世していく。 一方、敵国である自由惑星同盟にあって、不本意ながら軍人になってしまい、不本意にも関わらず功績を立て続けるヤン・ウェンリー。 一見正反対の彼ら2人の登場により、人類の歴史が大きく展開し始める
ネタバレ

ラスコーリニコフ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

銀英とあにこれとアニメ業界について

あにこれに参加して1ヶ月時点で書いたレビューを書き直しました。

この作品のレビューを書くのが目標だった。(2013/11)
{netabare}
◆一つのアニメとして

色々な要素を一つ一つ見て、トータルして完成度が高いのは攻殻。

ただ、銀英はアニメ作品というの枠の外。それをあえてアニメ作品
として評価するとしたら・・、

物語:98.0 作画:3.5 声優:72.0 音楽:4.0 キャラ:86.0

こういった馬鹿げた事になってしまう。

名作アニメ達が「3階建て、エレベーター、室内プール、シアター
ルーム、防音設備完備、トイレは各階に5つ」とかそんな規模なのに、

「万里の長城みたいなのを作りたいんだけど・・、一応設計図はある
んだ」と、そして出来てしまった。

つまりアニメ作品単体と比較するのではなく、アニメ業界全てと対比
すべきよーなもの。


◆世間一般でのイメージ

検索 富野由悠季VS田中芳樹
検索 銀河英雄伝説対ガンダム全作品

方向性が違うので、比較するような事では無い気がする。


◆対象年齢

ある程度水準が高めの大人にしか多分本当の価値は理解できない。

けど、中学~高校の若いうちに見た方が、色々な意味で有益な作品。
10人中7~8人位が分かる程度の内容にはなっています。


◆若いうちに見る意味

キャプテン翼は日本だけではなく海外のサッカー選手にまで大きな
影響を与えた訳ですが、

検索 キャプテン翼をこよなく愛する海外のサッカー選手
検索 キャプテン翼に影響をうけた海外のサッカー選手

それは単に面白いサッカー漫画であるという事で、サッカーを始め
るきっかけや精神面、モチベーション部分に良い影響があった。

キャプテン翼を読んだ、あるいは視聴した
⇒ドライブシュートが打てるようになった
⇒それが実際のサッカーでも役に立った
という事では無い訳です。

最近話題の黒子君のミスディレクションにしても、バスケで使える
かと言えば、使えない、無理がある。

銀英も基本的にはそういった性質、作品を見ただけで具体的な何か
が向上するという事ではなく、あくまでエンターテイメント。

しかし、サッカー作品ならサッカーに、バスケ作品ならバスケに、
同じ分野に関わらない限りはほぼ役に立たない多くの作品と違って、
銀英は普通の人生を送る上でも色々な面で良い影響がある。

多くの事に興味が持てるようになる、知識が吸収しやすくなる。

学生のうちは国語(現代文、古典)、政治(政治経済)、哲学(倫理)
歴史(日本史、世界史)、軍事(戦略、戦術)、権力や宗教、戦争の
本質、世の中の仕組み、魅力的な話し方、文章の書き方等。

自分は理系で学生の頃は興味無い分野は嫌々勉強していましたが、
この作品をもっと早く見てれば色々楽しめたはず、知識が身に付くの
も早いかっただろうな・・と、今でも思います。


ニュースを見ていてもビジネス書籍を読んでいても銀英の内容は頻繁
に思い出す「下手糞な言い方してるけど、結局銀英の~じゃん」的な。

イメージ出来るシーンがあると、面倒な話もすぐに理解出来る。

「マンガで分かる~」シリーズの本をジャンル問わず数百冊まとめて
読むよーな、そういった効果があります。

小説(原作)になると序章がキツめなので、まずはアニメから見るの
をオススメします。


◆物語

話の完成度は異次元。三国志クラス。とても個人の脳内から出て来た
話だとは思えない。

星界の紋章、まおゆう(原作の方)、コードギアス、狼と香辛料、カイジ
他福本作品、医龍(漫画だけ)、C - The Money~省略、一部ガンダム
作品(seed destiny等)、攻殻、十二国記、MONSTER、ヨルムンガンド、
デスノート、プラテネス。

全部足して萌えや恋愛、異能の力を抜くと、銀英っぽい話が出来る
かもしれない。


◆キャラ

やはり三国志クラス。

キャラ数を1/10にしても、やはり5.0を付けてしまうと思う。


◆作画

ある程度は我慢してください。

物語、声優、キャラで5.0以上を付けれない為、その分を盛って5.0に
しておきます。


◆声優

桁が違う。作品が出来た時期が非常に良かった。

検索 銀河声優伝説


◆音楽

OPとEDは我慢してください。これも盛ります。

戦闘時はクラッシック使っているので、多分不満は無いはず。


◆名言

名言だらけと言われてる作品と比べ、桁が「2つ」違う。

だから現在でもよくパクられるし、あのアニメのこの名言のネタ元は
ここだったのか・・が結構あると思います。

この銀英の原作者の田中芳樹が、どこからそのネタ持って来たのかを
調べる作業が自分の中で今もなお続いており、その為に読んだ書物が
100~200冊どころではない。だからこそ若い人に薦めたい。


◆戦術は戦略に従属し、戦略は政治に、政治は経済に従属する

銀英で出て来る名言を1つだけ、その応用の仕方も含めて紹介。

現実でも通じる話で、普通の作品はこれ等の一部だけが扱われる
のですが、銀英だと全てが登場し、それ等の関係性が分かります。

 経済 > 政治 > 戦略 > 戦術

【経済】
お金とモノ、それ等の流れ、社会の生産活動の調整、あるいは生産
活動そのもの。個人ならば自分にお金が流れる仕組み(≒何の職
に就くのか、何の仕事をするのか?給与は?)、といった感じ。

【政治】
お金をどう使うか配分を決める、時にはその一定量を戦争に向ける
事もある。

個人ならお金と時間を何に向けるか?戦争に関しては「何を戦争と
捉えるか?」で変わって来ると思います。(一般的には受験や資格
試験、あとは恋愛系、異性に対してのアプローチとか)

【戦略】
どこと戦うか、何と戦うか、そもそも戦うか否かの決定。敵を分析
して戦闘前に有利な状況を作り出したり、計画を立てる。

誰でも知っているであろう「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
というのも、ここに関係してくる。勝てそうにないなら、避けたり
先延ばしにしたり。

【戦術】
戦う事にした、あるいは戦わざるを得なくなった。ではどう戦うか、
追撃は?撤退するタイミングは?という話。

個人で考えると「アニメの視聴」は政治面、戦略面での失敗の類。

アニメ好きで膨大な時間(時にはお金)を投入している方、自分も
同じですが、その時間を有効に使う方法はいくらでもあります。

撤退が嫌なら経済、政治、戦略面に良い影響を与える視聴の仕方を
考えると良いです。

【補給は大事】
銀英は補給を重点的に捉えていて、その事で「実際の戦争は・・」
と軍事オタクの方々によく突っ込まれている。

個人であれば食事や睡眠。精神が疲弊して来たら気分転換、休息、
英気を養う為に遊んでみたりと、そう考えると納得出来るはず。

田中さんがサボるのが好きなので「単に性格が出ているだけ」とも
考えられますけど。


◆話は分かりやすくする事

ある程度専門知識を持ってしまうと、インテリぶって自己満足で相手
の理解を無視して話を進める人が多く、

自身高校~大学の頃はそういった傾向があった訳ですが、この作品
見てからそれが無性に恥ずかしくなり、なるべく知識が無い人にでも
通じる言葉で話す事を心がけるようになりました。

自分より遥かに頭が良くて知識がある人が、分かりやすい面白い話、
つまり銀河英雄伝説を書いていた(アニメでやっていた)ので敗北感
で一杯に、チンケな見栄やプライドをへし折られた訳です。


専門的な事を誰にでも分かりやすく話すのは、自分1人が理解する
3倍の理解が必要ならしいですが、理解不足のお馬鹿に限ってあまり
一般的ではない用語を使い、難しく分かりにくく話す。

聞き慣れない用語を並べるだけ、具体例が出せない、イメージさせる
事が出来ない、簡単に言い換えられない ≒ よく分かっていない。


現実で歴史に「天才」として名を残している人の言葉で

シンプルさは究極の洗練である(レオナルド・ダ・ヴィンチ)

とか。あとはアインシュタイン、

Everything should be as simple as it is,but not simpler

訳:できるだけシンプルに、ただしシンプル過ぎないように
  できるだけシンプルに、そしてシンプル過ぎないように とか。

銀英の原作者の田中芳樹は「一体何が凄いのか?」という事ですが、
アインシュタインの方の「名言のそのもの」みたいな人で、

情報の噛み砕き方、翻訳の仕方、そのバランス感覚が神憑っている。

この内容は簡単にした方が良い、これは比較した方が分かりやすい、
ここは具体例を出した方が良い、~な内容は直接だと不味いので笑い
に繋げてぼやかす、ここは直球で、ここは理解の妨げになるので全て
省略、これは大事なのでしつこく、みたいなセンス。


人間の脳みそは「大体の事は理解できるが、ちょっと分からない事が
がある位の情報」に出会った時一番活発に働く、心地良いと感じると
言われていますが、

知識が全く無い人にとってのそのレベルの内容を常にキープしている、

「少し難しい、分からない事もあるけど、大体理解出来る、頭に入る、
面白い、どんどん読める、どんど見れる」な感じ。


という事は「元々簡単なジャンルの情報」とか「元々興味がある人に
エンターテイメント性を抜きにして教えるだけ」だったら、出来る人
は結構いる訳ですが(池上○の学べるニュース!みたいな)、

本来一部専門の人しか扱わない情報の数々を大衆が見て楽しめる
レベルにまで落とし、娯楽作品として加工、それが流行るという事が
いかに不気味な事か。


各界で天才と言われている人も、所詮「食えそうな食材を(含めて)
料理している」訳でして、田中は本来食えないもの、彼以外は調理が
できないものを組み合わせて、一流の料理にしてしまった。

古めの漫画、アニメでたまにある「カレーを作ったら爆発した」の逆、

「食材とは思えないものから、見栄えが非常に良い料理が出来、それ
が非常に美味しい」というケース。

食材選択、分量の調整、味付け、料理の腕等で皆が争っている時に、
錬金術的なことをやらかした。


銀英より面白い作品、消費者ニーズに合っている(萌え、エロ、恋愛、
厨二、ゲーム系)作品は腐るほどありますが、銀英は人生で役に立つ
健康食品で構成されているので、いくら食べても大丈夫です。

似た事を冨樫作品(幽遊白書やHUNTERXHUNTER)のレビューにも
書きましたが、彼もまた錬金術士の1人でありながらも、メインで使用
するのは化学調味料たっぷりの有害物質。

非常に美味い、腕は超一流、しかし現実では何の役にも立たない。

2人ともサボり癖がある事で有名ですが、錬金術は膨大なエネルギー
が必要なのでしょう・・ね。そう思わないと、腹が立って仕方がない。


◆比喩を使う

普通の人は本読んだり会話した時に、その内容の1/10も記憶に残る事
がないらしいですが、だったら「少しでも伝わった方が良い」

大抵の場合、話は10のうち7~8位が伝われば十分で、10のうち7~8位
が正確ならばあまり問題は生じない。

そして7~8/10で良いなら例え話、比喩を使うのが手っ取り早く伝わり
やすい。

銀英には色々な比喩が出てきて、古いものや特殊なものも多いですが、
比喩というもの自体に興味が持てるようになると思います。

そもそも銀英という話自体大型の比喩みたいなもので、どの分野の事
も7~8/10程度の中身しか無いし、正確さもやはり7~8/10くらい。

だからこそ簡単で理解しやすい。


◆でも、より正確にしなければいけない話もある

主観なのか客観なのか、想像なのか事実なのか、自分の言葉なのか
誰かに聞いた言葉なのか、本音か建前か、絶対か多分か、

~らしい、おそらく~、~とも言える、~のような、~だと~が主張
している等。

より正確に伝える為に大雑把にまとめたり、別の言葉で言ってみたり、
自分のレビューでも結構あると思いますけど、主に銀英・・というか
田中芳樹の影響。という言い方自体が、田中の影響。


◆話は面白く、印象深く

ネットが一般に普及し、情報過多の時代なので、情報を選別しパッケ
ージングする(まとめる)技術は多くの人が向上している訳ですが、

その分「誰が」の部分、個性が薄れている、記憶にあまり残らない。

大半がテンプレ通りで、似たような情報を似たようにまとめている。

そんな中で「個」を出せるのは、非常に大きな武器になる、アニメの
レビューを書くのをやめても様々な場面で役に立ちます。


◆銀英の作者、田中芳樹の凄いところ

表現、創作を生業にする人の中で天才と呼ばれる方は結構いますが、
言葉の響き、使い回し、意味ありげなぼやけた表現で読者、視聴者を
惹きつける人ばかり(歴史に名を残している人含め)の中で、

そういったセンスを十二分に持ちながらも、基本的には「言葉の持つ
意味、内容の力」でダイレクトに惹く。

芸術家的な気取りがない、含みで盛る部分が無い、あっさりしている。


・名言や過去の偉人達と友達感覚

「権力、権威」を重視しない気持ちが「情報、過去の偉人達」にまで
及んでいて、必要以上に敬意を持っていない。

嫌いなもの、納得のいかないものはあっさり否定が出来る、ひねくれ
た解釈も出来る、だから普通組み合わない様々な情報と結び付いて、
通常の作品の数百倍になる量の数々の名言が生まれる。

いかなる名言、表現であろうとも一般的な情報と同等、一度原点部分、
意味の方に立ち返り、ストーリーの状況に応じてアレンジしあっさりと
再構築が出来る。

知識が凄いんじゃねーんです、知識も化け物染みてますが、その使い
方が凄いんです、色々な作品に出逢えば出会う程にその凄さが分かる。

最終的にはその部分を学んで欲しいです。そうすれば少ない知識でも
書ける事、話せる事の幅が何倍、何十倍にも広がると思います。
{/netabare}
アニメ視聴数が100未満、銀英を見た事が無い若い人に向けてのメッセージ的な。


あにこれの影響力とアニメ業界全体について
{netabare}
◆あにこれの影響力

運営している方々が優秀なお陰で「アニメ ○○」という検索ワード
でランキング、おすすめ、口コミ、評価等で1位や2位にあり、アニメ
業界の人間は意識せざるを得ない。

消費者からの評価、口コミというのは年々影響力が強くなっている為、
「ここでダメな評価をされにくい作品」を制作しなくてはならない。

少なくとも「どういったものが好まれるのか」の傾向はある程度掴む、
余程アホな企業じゃ無い限りは、その位の仕事はしているはず。

検索 今年のアニメのBD/DVDの初動売上をまとめたら凄いことになった

とは言うものの、ここの評価と売上には「あまり関係性は無い」ので、
そこまで重視はされない。


・業界への影響力を向上させるには

売れたアニメは片っ端から見て評価する人が増え、ここのランキング
が売上に近い形になれば、あにこれというサイト自体と、各レビュー
の影響力が増す訳ですが、

普通にレビューを書く分には、そんな事まで考える必要は無いと思う。

政党で言うと国会の議席数が20未満の野党、いくら騒いでも直接的な
効果はあまりない。

しかし、文章には、というよりも言論には数値とは別の力がある訳で、
優れた意見、主張、見解、分析、批評、論評は人から人へと伝搬する。

小さな点、たとえ1行レビューからだろうと、それが真に的を得ている
のであれば、爆発的に広がっていく。

たかだかレビューサイトの1つと言えども、アニメ業界の人々に「良い
作品を作ろうと思わせる力」「クソな作品を気分良く作らせない力」は
十分に有しているので、

そういった環境でレビューを書いているという事は覚えておくと良い
ような。「いくら文句を書いても無駄」とか、そんな事は無いです。


◆イノベーター理論(Innovator theory)

1、イノベーター(Innovators:革新者)
冒険的で新商品が出ると進んで採用する層。市場全体の2.5%を構成。

2、アーリーアダプター(Early Adopters:初期採用者)
社会と価値観を共有しているものの、流行には敏感で、自ら情報収集
を行い判断する人々の層。市場全体の13.5%を構成。

3、アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
新しい様式の採用には比較的慎重な人々の層。慎重派ではあるものの、
全体の平均より早くに新しいものを取り入れる。
市場全体の34.0%を構成

4、レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
新しい様式の採用には懐疑的な人々の層。周囲の大多数が使用して
いるという確証が得られてから同じ選択をする。
市場全体の34.0%を構成

5、ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人々の層。流行や世の中の動きに関心が薄く、イノベー
ションが伝統化するまで採用しない。市場全体の16.0%を構成。
中には、最後まで不採用を貫く者もいる。


マーケティングの世界では有名な理論で、顧客を新製品やサービスの
購入態度で分類したものですが、「評価」というのも同様。

つまり「2.5%の人の行動(評価)が、97.5%の人の行動(評価)に影響
を与える」という事。

「積極的に新しいアニメを見て、自分で考え自分で評価しいてる」という人
は現在のあにこれでは非常に多く、

アニメは視聴だけならば無料という事もあって、イノベーターの割合は
他のジャンルより多いと思いますが、

それでも10%~20%位の人の行動(評価含む)が、80%~90%に影響
を与えていて、

レビュアーは大多数に影響を与える少数に属しているという事。

勿論、影響を与えると言っても一部(マイノリティを気取りたい人とか、
厨二病的な人)にはマイナスの影響だったりもしますが。


銀英だとハイドリッヒ・ラングが

「全体を100としてそのうち51を占めれば多数による支配を主張でき
 ます。ところが、その多数派もいくつもの派閥に別れています。

 即ち、その51のうち26を占めれば、100という全体を支配できます。
 多数支配などという共和制の建前が、如何に虚しいものであるか~」

という話をしていますが、そんな感じで考えても良いですし、あとは

パレートの法則:経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成
するうちの一部の要素が生み出しているという説(80:20の法則)

カオス理論のバタフライ効果:通常なら無視できると思われるような
極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象

とか。

実際、どの程度の影響があるかはよく分からないですけど、レビュー
を書くという事は「大多数に影響を与える行為」な訳です。

レビューの内容に迷った時はその事を意識する。


読者に与える影響

他のレビュアーに与える影響

長期で考えて、あにこれに与える影響

更に長期で考えて、アニメ業界全体に与える影響


普段はろくな事を書いていないので、あまり他の方のレビューを紹介
したくないですが、今書いている事自体が

劣悪な衆愚アニメの決定版
http://www.anikore.jp/review/242462/

このレビューの内容が伝搬したものであり、それは書きながら不意に
思い出したのですが、あにこれの隅っこであろうと、誰かはこの事を
訴え続けていかなくてはならない。

銀英的に言うと、政治権力に対するジャーナリズム、そういった立場
にレビュアーはあるという事。

最近クソアニメばかり視聴し、あまり本気でレビューを書く気が起き
ない自分は、二度とこんな事を書くことは無いような気もする。

よって、これを読んでいる誰かが「頑張ってやらないとダメな事」な
訳です。頑張ってください☆

ペンは剣よりも強し。こいつは真理など滅多に存在しない人間社会
の中で、数少ない例外の一つだ。と、ヤン提督も仰っておられます。


◆マズローの欲求5段階説

ビジネス絡みだとたまに持ちだされる話ですが、長期間レビュアーを
していても、似たような欲求の変化が起きる。

自己実現欲求  : 自己の向上、活動をより充実したものにしたい
  ↑
尊重、承認欲求 : レビュアーとして尊重されたい、承認されたい
  ↑
所属、愛の欲求 : メッセージが欲しい、交流したい等
  ↑
安全の欲求 : 批難されたくない、叩かれたく無い
  ↑
生理的欲求 : 読まれたい、サンキューが欲しい

多分、こんな感じ。

欲求を外でも満たせるなら、最初の欲求以外の途中の段階をすっ飛
ばす事もあるでしょうし、必ずしも下から順にという事はないです。

「頑張ってやらないとダメ」とか書きましたが、欲求が最終段階に到達
した一部が勝手に考えて上手く書くと思うので、他に欲求があるうちは
特に意識する事は無いと思います。


◆アニメ業界の衰退

検索 アニメ業界、売上4年連続減、テレビ放送頼みからの脱却を模索
検索 5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状

実際は低迷とか衰退とか言う程にひどい事は無いですが、予兆のような
ものは確実にある。

製品ライフサイクルでいう成熟期~衰退期の段階で

検索 【アニメとマーケティング分析3】今のアニメ産業の『ライフサイクル』について考察!

少し知識があると誰でも考えるよーな話。


銀英の 第40話 ユリアンの旅・人類の旅 から、一部の話を

~しかしながらその平和が続く中で、人類の上にいわゆる中世的停滞
の影が持ち掛かりました。

疲労と倦怠が希望と野心を抑え、消極が積極に、悲観が楽観に、退嬰
が進取に取って代わるようになって来たのです。

実際に科学技術による新たな発見や発明が後を絶ち、人類の生存圏の
拡張も再び頭打ちになっていったのです。

更に政治的にも民主共和政治が自浄力を失い、利権漁りと権力闘争に
のみ興味を示す衆愚政治と化していったのです。

社会的活力が失われ、社会生活や文化は廃退の一途を辿った、人々は
無気力化し老若男女を問わず麻薬や酒、性的乱交や、神秘主義に耽る
者が続出した。

あるいはスピードや暴力に刺激を求め、事故や犯罪が激増し、反比例
して検挙率は低下した。

生命を軽視し、モラルを嘲笑する傾向は深まる一方だった~


人類の未来の架空の歴史の話な訳ですが、開拓が一段落して頭打ちに
なると、大抵のものはグダグダになる。

創造的活力が失われ、アニメ業界、文化は廃退の一途を辿る、人々は
萌豚化し老若男女問わず萌えやエロ、ハーレム話に耽る者が・・

とか、そんな感じに。

進撃の巨人は良い作品だと思いますが、閉塞感の中でスピード、暴力
という点では「まさに衰退期の象徴そのもの」で、ちょっと危ない。


と言っても視聴側には大した被害は無い訳でして、一番悲惨なのは

検索 アニメ制作の現場で働く20代の平均年収110万円

採算ラインに届かないアニメが大量に制作された結果

アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki - 売上ライン一覧

その皺寄せが下っ端に来ている、というのはどこの世界でも同じ事。


◆あにこれは多分まだ成長期

登録者数の推移は知らないので、そういった点ではよく分からない訳
ですが、レビューの質は日々向上し、多様化している気がする。

各自がレビュアーであると同時に読者。そして技量に関係なく読者数
とその質が調整出来る、という点は上手く使えば非常に快適。

どうやって調整するかは書かないですが、察してくださいな事ですが、
単純に増やす事に躍起になった後は、レビュー内容についても色々と
考えると面白いと思います。

作品へのレビューは様々な点からのアプローチが可能で、ここで評価
基準になっている物語、作画、声優、音楽、キャラ以外からでも、


・見た時の状況

年齢が高い方の書く、当時の視聴状況についての話は面白いので好き
です。


・歴史的なアプローチ

ヤン提督の如く、歴史からの考察。歴史と言っても色々な歴史からの
アプローチが可能で、あにこれに長く居るとその歴史からでも色々と
書ける。


・売上からのアプローチ

ここの評価と売上は全く違うので、

検索 アニメDVD・BD売り上げまとめwiki

dvdbd.wiki.fc2.com と www38.atwiki.jp/uri-archive/? の2種類

検索 アニメDVD・BDの売り上げを見守るスレ@wiki

この2つはチェックしておくとレビューの幅が広がるかと。


・社会学的、工学的アプローチ

得意な人はやれば良いと思いますが、あにこれだと若干供給が多過ぎ
な気も。インテリな方々が多いんですよね、ここ。


・原作や声優、監督、スタッフ等からのアプローチ

レビューとしては王道ですけど、それだけに若干供給過多気味。


・笑いに繋げる

笑えるレビューが若干少ない気がする。Amazonの

アニマル ビッグフィギュア【親キリン】(等身大フィギュア)とか
対ライフル用防弾シールド

のレビューでも読んで、そういった方向性で突っ走るのも良いかと。


◆言葉は大事に使いなさい、ユリアン

言葉では伝わらないものが、確かにある。だけど、それは言葉を使い
尽くした人だけが言えることだ。

だから、言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなもの
じゃないかな。

海面から出ている部分はわずかだけど、それによって、海面下に存在
する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる。

言葉を大事に使いなさい、ユリアン。

そうすればただ沈黙しているより、多くの事をより正確に伝えられる
のだからね。


◆ポプラン、シェーンコップ、ムライからの影響

自分の話になりますが・・

・ポプラン、シェーンコップからの影響

この2人私生活が酷い有様でも、年少者に対しては「まともぶった事を
言う事がある」訳で、最低限のモラルは有している。

ヤンや田中芳樹とかはどう頑張っても届きそうには無いものの、この
2人くらい・・には、なんとか、的な気持ちがある。


・ムライからの影響

あんなジジイは嫌いですけど、彼が第39話でユリアンに話していた事
はこれまで迷った時に何度も思い出す事になったし、現在ここまでの
内容を書いているのも、ムライからの影響が大きい。


~ 今だから言うが、私の任務はヤン提督の引き立て役だったのだ。

別に卑下したり不平を鳴らしている訳では無い。ヤン提督は指揮官と
しての資質と、参謀としての才能を両方兼備する珍しい人だ。

あの人に参謀が必要だとすれば、それは他人がどう考えているのかを
知って作戦の参考にする為さ。

だから、私としてはエル・ファシルの英雄に参謀として望まれた時、
自分の果たすべき役割は何かと考えて、すぐには結論を出せなかった。

それが出たのはイゼルローン陥落以後だ。で、私は役割を弁えて殊更
常識論を唱えたり、メルカッツ提督にも一線を引いて対応したりした
訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな ~


要するに、自分が必要無いと感じた時も「できる事は何か?」を考え、
その役割に徹する、普通は積極的にやらない事をする、という事。

と言ってしまえばどこの誰でも言いそうな話ですが、たまたま自分に
はムライの言葉が強く残っていた。

あにこれに来た直後、自分よりアニメそのものに対しては知識豊富な
人が沢山いる、そんな状況何を書こうか迷った末に、あにこれ全体に
不足していたものを補う役割に徹しようと思った。

その為には、一部から憎まれようが嫌われようが知った事では無い。

という点についは、「あしたのジョー」からの影響もあり、ストレス解消
という意味での利害も一致したのですが・・。


私は役割を弁えて殊更変な視点でのレビューを書きまくったり、人気
作品にも一線を引いて対応したりした訳だ。

鼻持ちならなく見えた点もあろうが、分かってもらえるかな!


2013年夏に復帰した時、今度はレビュアーの質が向上しているという
点に目が行き「自分は何も書く必要なくね?」という状況に陥る。

「私が死んでも代わりはいるもの」じゃねーですけど、現代人特有の
「あれっ、自分いらなくね?」的な捻くれた感じ方は普通にする訳で、
そうすると途端にやる気が無くなる。そして休止。

冬に復帰した直後(つまり現在)もまた同じ事で悩み始めたのですが、
「あにこれがレビューサイトとして正常に機能している」という点では
特に問題は無いものの、

アニメ業界全体は? 萌えエロ産業で、問題だらけ。

レビュアー全体は? 自分と同じように休止する人は多い。

あにこれの細部は? 改善点を上げればキリが無い。

問題点は見えても、不満はあっても、自分にはなんとかする力が無い。

とはいえ、その事をレビューに書くことは出来る訳で、あとはそれを
読んだ力のあるレビュアー(将来的に力を身に付ける人を含め)達に
熱意は伝わる、そしてなんとかしようと活動するかもしれない。

ヤンは民主主義の芽を上手く残した、熱が冷めやすい自分は熱が急激
に上がった際に湧きでたここまでの思考をレビューに残す。

この行為の意義については、後世のアニメ好き達が判断する事さ!
{/netabare}
こちらはアニメ視聴数が100以上、投稿レビュー数もそれなりの人への話。
銀英の話を持ち出しているので、多少のネタバレを含みます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 88
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

週刊 銀河英雄伝説 復刊!第20号

復刊のご挨拶
 年の瀬も押し迫ってまいりましたが、如何お過ごしでしょうか。
 さて、皆様への御約束通りここに「週刊 銀河英雄伝説」の復刊を宣言いたします!(一週遅れてしまいましたが)
 まだ折り返しにも到達しておりませんが、今後もより一層気を引き締めて刊行を続けていく所存であります。
 今後とも何卒ご愛顧のほどをお願い申し上げまして、挨拶に代えさせて頂きます。
       平成27年12月20日 ヤピゴスティーニ代表 やっぴー


休刊のお詫びと挨拶
 {netabare}いつも「週刊 銀河英雄伝説」を購読していただいてありがとうございます。
 そんな皆様にこんなお知らせをしなければならないことを残念に思います。
 詳細は私のプロフを参照していただくとして、今後の再開予定について述べさせていただきたいと思います。
 な、なんと!本年11月4日よりファミリー劇場において「銀河英雄伝説(本伝)」の再放送が始まるのでございます。
 月~木に各日2話ずつ放送するそうなので、おそらく、12月中には39話まで追いつくのではないかと推測されます。
 そういうわけですので、今年中には我が「週刊 銀河英雄伝説」を再開することができる見込みでございます。
 しばらくのお別れとなりますが、また会える日まで、皆さまご自愛なさいまして、健やかにお過ごしください。
                   ヤピゴスティーニ代表 やっぴー
{/netabare}

創刊の挨拶
 {netabare}この度は「週刊 銀河英雄伝説」創刊号をお手に取っていただき、誠にありがとうございます。
 本マガジンは、全55号を予定しております。
 各マガジンには2話分のレビューを掲載し、
 週に一度のペースで刊行する予定となっております。
 もはや改めてここで申し上げる必要などないと存じますが、
 銀河英雄伝説についてご紹介をさせていただきます。
 田中芳樹原作のスペースオペラをほぼ忠実にアニメ化した作品であり、
 全110話(本伝)に及ぶ大作であります。
 この大作を攻略するにあたり、
 どうすれば最後まで視聴することができるか?
 との視点で愚考を重ねた結果たどり着いたのが、
 週に2話のこのマガジン形式であります。
 55号と1年を超える長きにわたるお付き合いとなります。
 途中至らない点も多々あると思いますが、
 何卒広い心で見守っていただけるようお願い申し上げます。
                   ヤピゴスティーニ代表 やっぴー{/netabare}

 第一話「永遠の夜の中で」
 {netabare}実質的にアスターテ会戦前半。
 絵もキャラデザも古さは否めない。
 そこは目をつぶろう。
 それを言い出したら視聴できなくなる。
 そこで、私の銀河英雄伝説歴について語ろう。
 原作は5回は通読しているはず。
 アニメ版は何度か視聴を試みて断念している。
 もちろん魔術師ヤン・ウェンリー派であった。
 SFというよりは戦記物と捉えるべき作品であろう。
 私としても、三国志を読むのと似た感触で読んでいたような記憶がある。
 友人の中には「未来の話なのに帝国で専制君主制なんて・・・」と受け付けない人間もいた。
 専制君主制・・・いつ復活してもおかしくないと思いますがねw{/netabare}

 第二話「アスターテ会戦」
 {netabare}ヤン・ウェンリーの面目躍如。
 彼の出世の決定的な要因となる。
 敗戦ゆえに英雄が必要・・・とはいつの世も変わらぬもの。
 負けても大勝利の同盟政府には大衆衆愚政治の臭いがプンプンです。
 流石に全110話。
 話の進みが遅いです。
 ら、来週も頑張るぞ!{/netabare}

 第三話「第十三艦隊誕生」
 {netabare}自由惑星同盟の国歌・・・
 わざわざ作曲したんでしょうね。
 歌詞は何語だったんでしょう?
 それにしてもマーラー多用されてますね。
 憂国騎士団恐すぎw
 やる事も過激すぎ!
 女でも殴っちゃうんですか!
 第十三艦隊誕生っということで、
 イゼルローン要塞攻略前夜ってとこですかね。{/netabare}

 第四話「帝国の残照」
 {netabare}「ジーク、弟と仲良くしてやってね。」
 ジークフリード・キルヒアイスの運命はこの一言で決まってしまった。
 ラインハルトへの友情が偽りだとは言わない。
 しかし、髪を撫でられながら聞いたアンネローゼの言葉は、
 彼にとって、
 女神の神託にも等しいものであった。
 ラインハルトのシスコンぶりも尋常ではないが、
 キルヒアイスの一途さもこれまた尋常ではない。
 これは、もはや、愛をこえている?
 これは、もはや、信仰?{/netabare}

 第五話「カストロプ動乱」
 {netabare}古代ギリシャ風?
 古代ギリシャは西洋文明のいわば理想だが、
 現代のギリシャは完全にヨーロッパのお荷物・・・
 どうなる?EU。
 デフォルトしちゃうの?
 ・・・話が逸れた。
 キルヒアイスはローエングラム伯の腰巾着ではない。
 ということをラインハルトとアンネローゼ以外の人間に知らしめた一件。
 キルヒアイスの胸中がどうであれ、
 権力を持つ者は勝手な思惑を抱く。
 彼には他の選択肢はありえないのだが・・・{/netabare}

 第六話「薔薇の騎士」
 {netabare}帝国側(ラインハルト)と同盟側(ヤン)を交互に描く、
 というのがこの作品の基本的な流れなんだけど、
 ラインハルト → 堅苦しい
 ヤン     → 気楽
 って印象を受ける。
 これは中心人物のキャラクターに負うところが大きい。
 ヤンの気負わない性格、
 少なくとも気負っていないように見せかける態度が、
 なんとなしに温かみのある集団を形成しているように感じられる。
 それはそうと、
 いよいよイゼルローン要塞の攻略戦。
 戦(いくさ)と言っていいのかどうか・・・
 どんな素晴らしいハードもそれを扱う人間しだい・・・
 いつの世も変わらぬ真実ですね。{/netabare}

 第七話「イゼルローン攻略!」
 {netabare}イゼルローン要塞攻略戦の目的とは、
 自明のことかもしれないが、
 イゼルローン要塞を奪取することである。
 つまり、攻略戦後も要塞として機能するように占領することである。
 だから、シェーンコップは白兵戦に訴えてまで制圧する必要があった。
 もし、攻略戦の目的がイゼルローン要塞の破壊若しくは無力化であったならば、
 もっと手っ取り早い方法を採ることもできた(中枢施設の破壊など)。
 仮に、もし仮に、イゼルローン要塞を破壊していれば、
 その後の情勢はどうなったであろうか?
 ヤンは、同盟の政治家の野心を見誤った。
 味方の血を一滴も流さずにイゼルローンを攻略したことにより蔓延した高揚感、
 その力を過小評価していたのかもしれない。{/netabare}

 第八話「冷徹なる義眼」
 {netabare}ラインハルト陣営において影の部分を一身に背負う男オーベルシュタイン(影ならロイエンタールにもあるか・・・ならば、闇?)。
 ラインハルトとキルヒアイスが二人の内に秘めてきた野望、
 夢物語に過ぎなかったその野望が、
 いよいよ手の届くところまで近づいてきたその時に、
 野望の成就に必要な最後のピースとして陣営に加わった男、
 それがオーベルシュタイン。
 いや、必要性なら・・・不可欠ではなかった。
 おそらく、オーベルシュタインがいなくても野望は成就した。
 少し遠回りをし、少し余計に血が流れたかもしれないが。
 彼は、そこへの最短ルートを突き進むために必要なピースだったのだ。
 汚れ仕事をできる人間は必要である。
 だが、進んで汚れ仕事を作るような人間は必要なのだろうか?{/netabare}

 第九話「クロプシュトック事件」
 {netabare}陰謀渦巻く帝国の中枢と
 その中枢に巣くうモノ達による華やかな宴。
 華やかな宴は一瞬にして地獄絵図と化す。
 戦場で行われない戦い、
 それこそがラインハルトに立塞がる大きな壁なのかもしれない。{/netabare}

 第十話「ジェシカの戦い」
 {netabare}ヤン・・・ファーストクラスにぐらい乗せてもらえよ。
 ダンスができるとモテるというのは真説なのだろうか?
 甘酸っぱい思い出・・・
 もしかしたら・・・
 あるいは・・・
 違っていたかもしれない未来。
 その積み重ねが人生なのかもしれない。{/netabare}

 第十一話「女優退場」
 {netabare}愛憎と陰謀が複雑に絡み合う帝国の宮廷。
 人の心は移ろいやすい。
 ましてや皇帝の寵愛の行方など・・・
 一度口にした栄光の味は忘れがたく、
 それを一時の夢と諦めるには後味が強すぎる。
 さらば儚い夢よ・・・{/netabare}

 第十二話「帝国領進攻」
 {netabare}民主主義の自己矛盾。
 民主主義という崇高な理念も運用次第である。
 民主主義は万能の政治体制ではない。
 むしろ欠陥だらけの政治体制である。
 ほんの少し気を緩めれば、
 アテネ以来の衆愚政治へと堕する。
 信仰は神にのみ捧げればよい。
 人の手になる思想を信仰してはならない。
 思想は信仰の対象となった時から衰退への道をゆく。
 それは考え、疑い、検証し続けねばならないものである。
 所詮、人が作り出したものなのだから。{/netabare}

 第十三話「愁雨来たりなば・・・」
 {netabare}最も合理的・効率的な方法が最善手?
 それは、時として最も冷酷な策と成り得る。
 頭ではその合理性・効率性を認めながらも
 情のほうでは割り切れていない。
 ラインハルトの冷徹な理性の象徴がオーベルシュタインならば、
 ラインハルトの優しい心根の象徴がキルヒアイスなのかもしれない。
 机上では簡単に思える作戦も
 現地で実行にあたる者にとっては容易なものではない。
 それをそつなくやってのけたケスラーもまた有能な指揮官である。{/netabare}

 第十四話「辺境の解放」
 {netabare}解放軍・・・
 なんと甘美な響きであろうか。
 餓えの前にはどんな思想も理想も無力である。
 ラインハルト達がワイングラスを割るシーン、
 これが、あの有名な!
 えっ?
 白ワインなの?
 てっきり赤ワインだと思ってたよ・・・{/netabare}

 第十五話「アムリッツァ星域会戦」
 {netabare}大規模な艦隊戦・・・テンション上がるわ~。
 惜しくらむは平面的なところであろうか。
 せっかくの宇宙空間での艦隊戦なのだ、
 もう少し立体的に描かれてもいいのではないか。
 戦闘艇(ワルキューレ及びスパルタニアン)の動きは流石に立体的であったが。
 旗艦における戦術モニターも2次元で表現されており、
 ここも何とか3次元的な表現にできなかったものかと。{/netabare}

 第十六話「新たなる潮流」
 {netabare}画竜点睛を欠く・・・
 まさに最後の点を打つその瞬間を邪魔される。
 そんな思いであろう。
 オーベルシュタインはシステムに拘り過ぎる。
 如何にラインハルトと言えども一人の人間である。
 本当に腹を割って話せる相手、文字通り「腹心」も必要である。
 他の誰に、怒れるラインハルトを諌めることができようか。
 流れを速める歴史の潮流。
 その流れは何をどこへ運ぶのだろうか?{/netabare}

 第十七話「嵐の前」
 {netabare}おお!これが「3次元チェス」!!
 う~ん、2次元チェス盤が縦に3層になっている?
 上・中・下に駒がある・・・たぶんそれぞれの層間で移動可能なのかな?
 ヤンはつくづく戦略家だな。
 相手の意図、味方の対応、全て見通したうえで・・・何もできない。
 ヤンとキルヒアイスの邂逅!・・・邂逅ではなく、宿命?
 ああ、ラインハルトとヤンが味方同士であったなら・・・
 このような叙事詩は生まれなかった。{/netabare}

 第十八話「リップシュタットの密約」
 {netabare}ヒルダ登場。
 なんと理解のある父親・・・かつ、当主。
 ラインハルトの人となりを読み切ったうえでの率直な物言い?
 本当に大胆な女だ。
 そんなヒルダにラインハルトは人として興味を抱いた。
 電光石火の首都制圧劇。
 この内乱は、ラインハルトの栄達を速めただけであった。{/netabare}

 第十九話「ヤン艦隊出動」
 {netabare}完全にラインハルトの掌の上。
 完全にヤンの予見した通りに。 
 シェーンコップの扇動をのらりくらりと躱すヤン。
 ヤンは知っている。
 シェーンコップの指摘は正鵠を射ていることを。
 自分にはその全てを実現する能力が備わっていることを。
 ただ彼はそんなことを「やりたくない」のだ。
 社会の幸福と自分の幸福、
 選べるとしたらどちらを選べばいいだろう?{/netabare}

 第二十話「流血の宇宙」
 {netabare}メルカッツ提督も大変ですな。
 外の敵と戦う前に内の敵を黙らせないといけないとは。
 オフレッサー上級大将、個人の武力も侮れませんな。
 それ以上に侮れないのが、オーベルシュタイン。
 疑心暗鬼を煽らせたら天下一品。
 おそらく、オーベルシュタインのために割かれた一話であろう。
 彼の凄さは映像では伝わりにくい。{/netabare}

 第二十一話「ドーリア星域会戦、そして・・・」
 {netabare}指揮官の演説を対比させておいて、戦闘開始。
 ベートーベン交響曲7番第三楽章の軽妙なリズムに乗せて繰り広げられる艦隊戦。
 凝り固まった信念に殉じるための玉砕。
 無慈悲な理想は生贄の血を求め続ける。
 崩壊への坂を転げ始めた救国軍事会議。
 手懐けたいなら「パンとサーカス」を与え続けること、
 暴力で抑えたいなら徹底的に恐怖を植え付けること、
 どちらも出来ないのなら、
 こうなるしかない。{/netabare}

 第二十二話「勇気と忠誠」
 {netabare}ラインハルトに比肩する戦略眼・用兵術、
 ラインハルトを上回る平常心・包容力、
 ラインハルトに遠く及ばない野心と求心力、
 そんなキルヒアイスの全てが描画されるガルミッシュ攻略戦。
 
 手玉に取られるブラウンシュバイク公。
 もとより能力において遠く及ばないのは言うに及ばず、
 その能力不足を補うための人材、メルカッツを使いこなすこともできない。
 戦いの趨勢は決した。{/netabare}

 第二十三話「黄金樹は倒れた」
 {netabare}オーベルシュタインの策は・・・
 最も鮮やかで最も効果的な喧伝効果をもたらし・・・
 戦役の終結を早めることに貢献した・・・
 オーベルシュタインはラインハルトを試している。
 ラインハルトは自分が理想とする君主たりえるのか?
 無辜の人々の屍の上に帝国を築く覚悟があるのか?
 
 メルカッツの矜持・・・
 ゴールデンバウムに殉じる機会を失ったが、
 それがヤン・ウェンリーとの邂逅を生むというのなら・・・

 醜く死んだブラウンシュバイク、
 しかし、彼の部下の執念たるや・・・ {/netabare}

 第二十四話「誰がための勝利」
 {netabare}ヤン・ウェンリーの見事すぎる手腕。
 アルテミスの首飾りの有用性を完全否定するかのような破壊ぶり。
 これじゃ「アルテミスの首飾り」がどう凄いのか全然わからないよw
 それに引き替え、フレデリカへの不器用な振る舞い。
 上司と部下の一線を越えてやればいいのに・・・
 でも、そこがいいのか。
 
 イゼルローンを無力化する最善手、
 それに気づきながら、やはり、手を打てないヤン。
 彼はそれに対応できる立場にないのだから。 {/netabare}

 第二十五話「運命の前日」
 {netabare}上官と部下という形式を装った親友としての関係は終わってしまった。
 元親友という過去のある上官と部下の関係がこれから始まる。
 組織にNO.2は必要ない。
 必要がなければいいんだけどね・・・
 NO.2がいない組織・・・後継者候補が並び立つ組織・・・
 NO.1が倒れたらどうする?
 ああ、銃を預けたらアカンて・・・
 あの日のことを思い出したらアカンて・・・
 過ぎ去りし美しき思い出に浸ったらアカンて・・・
 ・・・ほら、運命がそこに。{/netabare}

 第二十六話「さらば、遠き日」
 {netabare}人一人の命は、200万の人民の命より重い。
 200万の人命を尊い犠牲と断じることが出来ても、
 キルヒアイス一人の死を受け入れることができない。
 それが、人の性(さが)である。
 
 見逃してはいけない。
 アンスバッハの凶弾に即座に対応できたのは唯二人、
 アンスバッハに向かっていったキルヒアイスと
 ラインハルトの盾になろうとしたオーベルシュタイン。
 水と油のような二人だが、
 ラインハルトの希少性を認識しているのも二人のみ。
 一人は親友として、女神にたてた宣誓を全うすべき存在として、
 一人は主君として、自身の理想を実現できる唯一絶対の存在として。

 キルヒアイスを失ってなお飛び続けねばならないラインハルト。
 誰のために、どこへ向かって飛ぼうというのか?{/netabare}

 第二十七話「初陣」
 {netabare}OP変更
 新体制となった帝国。
 ラインハルトの下着々と進む改革。
 相も変わらずの同盟。
 最前線から古参兵を引き抜き新兵を充てる体たらく。
 そんな中起きてしまった遭遇戦。
 どうにかこうにか味方の損害を最小限にとどめることができたアッテンボロー。
 唯一の明るいニュースはユリアン・ミンツの生還とその華々しい戦果。
 彼は知ることとなった、一兵卒として戦闘に参加したことによって。
 戦争の最前線で散る多くの命を。
 一隻の艦艇の損失は、数千の人命の損失であるということを。
 EDも変更。{/netabare}

 第二十八話「肖像」
 {netabare}明かされる疾風ウォルフの半生
 運命の女性との出会い
 ロイエンタールとの邂逅
 運命の女と結ばれるという幸福
 子宝に恵まれないという小さな小さな棘
 
 語られる金銀妖瞳ロイエンタールの過去
 親友にのみ伝えられた不幸な生い立ち
 それ故なのか繰り返される漁色行為
 
 暗躍するフェザーン
 再び動き出した銀河の歴史
 立止ること自らに許さないランハルトの下
 加速度的に増していく歴史の奔流が全てを押し流してゆく{/netabare}
 
 第二十九話「細い一本の糸」
 {netabare}地球教。
 フェザーン。
 同盟の首脳陣。
 ゴールデンバウムの残存勢力。
 それぞれの思惑が錯綜する銀河。
 
 ヤンとの出会い、
 日々の家事、 
 自分自身の昇進、
 ユリアンの充実した生活。
 束の間の安寧に身を委ねる銀河。{/netabare}

 第三十話「失われたもの」
 {netabare}失われて初めてわかる、
 そのものの質量。
 ラインハルトはあまりに苛烈に眩く煌めく。
 常人には見ることすらできない程に。
 彼を仰ぎ見ることができるのはほんの一握りの特別な目を持った者だけである。
 その輝きを優しく和らげることができたのは、
 キルヒアイスだけであった。
 ラインハルトは孤高の存在となった。
 オーベルシュタインが望んだように。
 だが、あまりに苛烈に光り輝くが故に、
 誰も近づけない存在になってしまった。
 オーベルシュタインのような盲いた人間を除いて。
 
 渇きを癒すため、
 冷えた心を暖めるため、
 彼は戦い続ける。{/netabare}

 第三十一話「査問会」
 {netabare}冴えわたるヤンの洞察力。
 あれだけの材料からかくも見事に見通すとは。
 あくまで可能性としての言及とはいえ、
 フェザーンの後ろいる闇の蠢動をさえ捉えるとは。
 しかし、悲しいかな。
 彼にはその可能性に備えるすべがない。
 
 査問会・・・
 時間の空費の絵巻物。
 ヤンよ、嘆くなかれ。
 もうすぐガイエスブルグ要塞が君を迎えに来るのだから。{/netabare}
 
 第三十二話「武器なき戦い」
 {netabare}出し損ねた辞表。
 もう出す機会のない辞表。
 
 沈みかけの船の上で繰り広げれる喜劇。
 あまりの滑稽さに悲壮感さえ漂う。
 この船は、もう修復不能な穴が開いている。
 誰もがうすうす感ずいている。
 でも、もう舞台から降りるには遅すぎる。
 船が沈むその時まで狂った喜劇の舞台は続く。{/netabare}

 第三十三話「要塞 対 要塞」
 {netabare}後手に回るイゼルローン。
 それでも持ちこたえるイゼルローン。
 対症療法は延命にはなるが根治は難しい。
 だが延命で良いのだ。
 ヤンという特効薬が届くまで生き長らえればいいのだ。
 
 やはり、ケンプは器ではなかった。
 疾風ウォルフや金銀妖瞳に比肩するほどの器ではなかった。
 彼は、功を焦り過ぎた。{/netabare}

 第三十四話「帰還」
 {netabare}戦略目的は・・・
 イゼルローン回廊の掌握であって、
 イゼルローン要塞の奪取ではない。
 そうであれば、採るべき手段は・・・ 
 二人の天才は最初からそのことを解っていた。
 
 ユリアンの軍事的才能の初めての開花。
 生まれ持っての才能と英才教育のなせる業か。
 
 ミューラーの演説にこそ指揮官の武人の責任感をみた!{/netabare}

 第三十五話「決意と野心と」
 {netabare}未だ、彼が心を許せるのはキルヒアイスのみ。
 死してなお、
 いや、
 死したからこそ、ラインハルトの拠るべき絶対的な指針となり得た。
 
 この世でラインハルト・フォン・ローエングラムを
 人ととして、一人の若者として心配しているのは、
 アンネローゼとヒルダのみ。
 アンネローゼがキルヒアイスの死と共に隠遁してしまった今、
 彼の傍で彼の為に動いてやれる人物はヒルダだけである。
 愛?
 広い意味での愛であろう。
 互いに互いの能力・見識に敬意を払い、
 得難い話し相手として尊敬し合っている。
 そんな関係を「愛」と呼んでいいなら、
 愛し合っているとさえ言っても良いであろう。
 
 ペンは剣よりも強し。
 時間のレンジを数百年・数千年の単位で捉えるならば、
 そうであろう。
 しかし、時間のレンジを数時間・数日の単位で捉えるならば、
 糞の役にも立たん!
 今ここにある困難を打破するには、
 剣を持たねばならないことも覚悟する必要がある。{/netabare}

 第三十六話「雷鳴」
 {netabare}蠢動する陰謀。
 放っておいても勝手に進む歴史の流れを
 無理に最短ルートへと流れを歪ます行為に過ぎない。
 しかし、歪もうが歪まなかろうが、水が低きに流れるは必定。
 必定の流れに堂々と乗るラインハルト。
 彼の前では小賢しい策など何の意味も持たぬ。

 ヒルダのラインハルトを思いやる心によって
 冷え固まった心をようやく融解させたアンネローゼ。
 彼女もまた、自分を責めていたのだ。{/netabare}

 第三十七話「幼帝誘拐」
 {netabare}オーベルシュタイン・・・
 細かいところまで調べ上げてある。
 次の次の次の打ち手まで考慮しているのだろう。
 信賞必罰は秩序維持の要であるが・・・
 起こるべくして起こった事件の責任を負わねばならないとは。
 敵だけではなく、味方の血をも流さずにはおかないそのやり方。
 ラインハルトが生き急ぐのはわかる。
 だが、オーベルシュタインはなぜそこまで性急なのか?
 なにが彼を駆り立てるのだろう?{/netabare}

 第三十八話「矢は放たれた」
 {netabare}相変わらず冴えわたるヤンの洞察。
 相変わらずヤンを焚き付けるシェーンコップ。
 守護神としてその存在を絶対視されるイゼルローン要塞。
 この要塞がある限り、領内に侵攻されることはない!
 との信仰の対象とさえなっている。
 ・・・本当にそうなのか?
 ヤンは気付いている。
 イゼルローン要塞を無力化する方法に。
 だが、それを阻止する手立てを持たないヤンにとっては、
 その暗澹たる未来図が実現されないことを望むよりほかはない。{/netabare}
 
 第三十九話「ひとつの旅立ち」
 {netabare}ヤンの薫陶を受けるユリアン。
 というよりユリアンに薫陶を与えることに喜びを見出すヤン。
 いや、ヤンだけではない。
 ポプランが、シェーンコップが、アッテンボローが、果てはムライまでがユリアンに薫陶を与えたがっている。
 ムライが言うように、これはユリアンの美質なのだろう。
 年長者から愛される資質、
 これも得難い資質のひとつである。{/netabare}

 第四十話「ユリアンの旅・人類の旅」
 {netabare}あ、あう・・・フロッピーはないやろ・・・
 衆愚政治・・・若き英雄・・・専制政治・・・恐怖政治・・・
 架空とはいえ「歴史は繰り返す」そのものである。
 人類は進化しない。
 進化するのはテクノロジーのみである。
 だから、人の営みは変わらない。
 トロイの木馬の神話の時代から何も変わりはしない。{/netabare}

 

 
 


 
 


 

 


 
 


 
 

 
 
 
 
  
 

 
 

 


 

 
 



 
 

 

 
  
 

  

  
 
 
  
 
 
 
 

 
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 30

イシカワ(辻斬り) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

徹底して高水準を突き詰めたアニメ

記載されているレビューに対する反論・論戦を行いたい人は、メッセージ欄やメールで送りつけるのではなく、正しいと思う主張を自らのレビューに記載する形で行ってもらいたい。したくない時、受諾しない時は以降の文章を読み進めないこと。受諾する方のみ文面を読んでもらいたい。参考になったと思うときのみ、参キューしてほしい。

長期間もののアニメは、作品の中身が真水であることは少なく、水増しが主であるが、銀河英雄伝説はすべて真水である。
それはTVアニメの見逃しによりストーリーがわからなくなり、結果的に重要な回を設けられないという問題点をすべてOVA作品にすることで解決しているからだ。
視聴していない回があるのならば、購入して観ればよい。拠って見逃すことによる混乱は回避された。
過去のネックとなっていた問題が消失したことにより、本編だけでも110話という壮大なストーリーを描ききることが可能となったのである。
今でこそ映像技術の差により粗さが見られるが、OVA作品による手抜きのない画像だけで構成されている。作画崩壊などありえない。
また、当時の著名な声優はほぼすべて登場するため、銀河声優伝説と評される時もある。
要約すると、非常に質の高いSF作品の原作、画質では豊富で潤沢な予算が取れるOVA作品、銀河声優伝説というほどの豪華な声優陣、音楽は重層なクラッシックと、
何一つとして低レベルの要素がない作りになっているのだ。

銀河英雄伝説には名言集ができるほどの名言が散りばめられている。
ネットでは個人的に挙げるものが多くあり、検索すれば簡単に閲覧できる。
その中でも、これから視聴する人に向けて、ヤン・ウェンリーとラインハルト・フォン・ローエングラム、
二人の名言の幾つかを紹介したい。


ユリアン、戦っている相手国の民衆なんてどうなってもいい、などという考えかただけはしないでくれ。国家というサングラスをかけて事象をながめると、視野がせまくなるし遠くも見えなくなる。できるだけ、敵味方にこだわらない考えかたをしてほしいんだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家が自らさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ。なぜなら民主国家の市民には、国家の侵す犯罪や誤謬に対して異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産み落としながら、その功績を誇ることは許されない。それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力を持った者の自制にこそ神髄があるからだ。強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない。


        ――――ヤン・ウェンリー――――

人間の歴史に「絶対的な善と絶対的な悪の戦い」など存在しない。あるのは、主観的な善と主観的な善との争いであり、正義の信念と正義の信念の相克である。
一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり・・・戦争は無くなるはずがない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

中尉……私は少し歴史を学んだ。それで知ったのだが,人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。命以上の価値が存在する、という説と、命に勝るものはない、という説とだ。
人は戦いを始めるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年も続けてきた……このさき、何千年もそうなんだろうか

        ――――ヤン・ウェンリー――――

戦う以上、犠牲が皆無と言う事はありえない。だが同時に、犠牲の増加に反比例して戦勝の効果は減少する。
 この双方の命題を両立させる点に用兵学の存在意義があるはずだ。
つまり最小の犠牲で最大の効果を、という事であり、冷酷な表現を用いれば、いかに効率よく味方を殺すか、という事になるだろうな・・・。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


軍隊は暴力機関であり、暴力には二種類あるって事だ。
支配し抑圧するための暴力と、解放の手段の暴力だ。国家の軍隊というやつは、本質的に前者の組織なんだ。
残念な事だが、歴史がそれを証明している。権力者と市民が対立した時、軍隊が市民の味方をした例は非常に少ない。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


敵の望む事を汲んで乗ってやる、そののち反転。油断した敵を撃破。敵の美点、長所を利用する。敵の思考パターンにそった行動を予測して、その方向にわざと動かしてやる。こちらが一次的に有利になったからといって喜んで動くと敵の策略にはまる。戦略を読め。予測内の思考をするのは凡人。予測を超える思考ができて名将だ。


        ――――ヤン・ウェンリー――――


信念とは、過ちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔は醜い。
信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等な事だ。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

固い信念なんてもんは かえって信用おけんね。だいたい戦争なんてものは固い信念を持った者同士が起こすんだからね。
正義と信念こそ、この世で最も戦いを好むものだ。

        ――――ヤン・ウェンリー――――

さて、もうすぐ戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。
勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば、たいした価値のあるものじゃない。それでは、みんな、そろそろ始めるとしようか!

        ――――ヤン・ウェンリー――――


国家が細胞分裂して個人になるのではなく、主体的な意志を持った個人が集まって国家を構成するものである以上、どちらが主でどちらが従であるか、民主主義社会にとっては自明の理でしょう。人間は国家がなくても生きられますが、人間なくして国家は存立しえません。

        ――――ヤン・ウェンリー――――


戦略および戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね。(中略)種をまいた後、ぐっすり眠って、起きてみたら巨大な豆の木が天にむかってそびえていた、というのが最高だな。 

        ――――ヤン・ウェンリー――――

簒奪(さんだつ)が世襲より悪いなどと、誰が定めたのか。それは既得権を守ろうとする支配者の自己正当化の論理にすぎないではないか。簒奪や武力叛乱による以外、権力独占を打破する方法がないのであれば、変革を志す者がその唯一の道を選ぶのは当然のことである。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

奪ったにせよ、きずいたにせよ、最初の者は賞賛を受ける資格がある。それは当然だ。 
……だが、自分の実力や努力によることなく、単に相続によって権力や富や名誉を手に入れた者が、何を主張する権利を持っているというのだ? 奴らには、実力ある者に対して慈悲を乞う道が許されるだけだ。おとなしく歴史の波に消えていくことこそ、唯一の選択だ。血統による王朝などという存在自体がおぞましいと私は思う。権力は一代かぎりのもので、それは譲られるべきものではない、奪われるべきものだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

運命? 俺は俺の長所によって成功し、自分の短所によって滅びるだろう。運命などに俺の人生を左右されてたまるか。全て、俺の器量の範囲内だ!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は宇宙を盗みたいのではない、奪いたいのだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私に学ぼうと思うな。私の模倣は誰にもできぬ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

体制に対する民衆の信頼を得るには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

ロイエンタール「勝利か死……ですか」 ラインハルト「違うな。勝利か死かではない 勝利か、より完全な勝利かだ」

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

最も強大で賢明な者が世を支配すればよい。政治体制はどうでもよい。

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――

私は覇者たろうと志してきたし、それを実現するためにひとつの掟を自分自身に科してきた。つまり、自ら陣頭に立つことだ。
かつて戦って倒してきた能なしの大貴族どもと私が異なる点はそこにある。兵士たちが私を支持する理由もだ。
戦うにあたり、卿らにあらためて言っておこう。かつてのゴールデンバウム王朝の過去はいざ知らず、ローエングラム王朝あるかぎり、銀河帝国の軍隊は、皇帝が必ず陣頭に立つ!
ローエングラム王朝の皇帝は、兵士の背中に隠れて、安全な宮廷から戦いを指揮したりする事はせぬ!
卿らに誓約しよう、卑怯者がローエングラム王朝において、至尊の座を占めることは、決して無いと!

       ――――ラインハルト・フォン・ローエングラム――――


追記
レビューに記載された言論を規制したい人は、個人の意見を以てするのではなく、あにこれの法的論拠に基づいて規約に記載する必要がある。
運営諸氏に連絡し、説得し、規制を規約に付け加えてもらうこと。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 50

78.4 2 1990年春(4月~6月)アニメランキング2位
ふしぎの海のナディア(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (582)
3144人が棚に入れました
西暦1889年、パリ万国博覧会中のエッフェル塔で、飛行機の発明を夢見るジャンは、サーカスの団員ナディアと、彼女の友達である赤子ライオン(キング)に出会う。彼女の持つ謎の宝石ブルーウォーターを狙うグランディス一味から逃げ、ナディアの故郷を目指す旅のなかで、悪の組織ネオアトラン(ネオアトランティス帝国)の首領ガーゴイルが占拠した島で生き残った少女マリーと出会う。しかし、マリー、キング、ナディアの3人は、ガーゴイルに連れ去られる。初めはブルーウォーターを狙っていたグランディス一味と共にナディア達を助けるうち、ジャンは万能潜水艦ノーチラス号のネモ船長とガーゴイルとの戦いに巻き込まれていく。

声優・キャラクター
鷹森淑乃、日髙のり子、水谷優子、滝沢久美子、堀内賢雄、桜井敏治、清川元夢、大塚明夫、井上喜久子
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『ブルーウォーター』はアニメOPの金字塔

2018.07.26記


現在ではおそらくもう作られないであろう要素がてんこ盛りの古典。最近のアニメとは違った風に吹かれてみたいと思ったなら手を出すのは一興です。

個人的には思い入れの深い作品です。リアタイで衝撃を受け、2012年の地上波再放送と20年ぶりの視聴でも普通に完走できました。思い出補正があったとしても、作品に魅力がなければ無理だった話でしょう。

とかく「エヴァ前夜」的文脈で語られがちな作品であり、たしかにファンが目を細める描写もありますが、ジョジョ以前のバオー来訪者や、幽々白書以前のてんで性悪キューピッドのような扱いでは決してなく、独立した作品として白眉ものの出来かと思います。

同様に「ラピュタ」の亜種という側面も、出自を考慮すればそれも納得するわけで、決して劣化コピーではありません。


【物語】
大筋は、ブルーウォーターという宝石を巡って繰り広げられる冒険奇譚といったところでしょうか。海洋を舞台にした冒険活劇と言い切れないのは長丁場の作品の最終盤でこれまでの伏線を回収し一気に哲学的、宗教的昇華をみせるからかもしれません。
前半ラピュタの後半エヴァとは言いえて妙とは思うものの、できれば先入観を廃してフラットな視点で作品に向き合えるといいんでしょうね。

30年前の作品とは思えないほど今でも使える数々の仕掛けとそれでも少し埃を被った古典の味わいと両方を堪能できるハイブリッドアニメです。


【キャラ】
主役はナディアとおそらくジャンもそうなのかな。彼ら彼女らを中心に、グランディス一味(グランディス、サンソン、ハンソン)、マリー、キング、ネモ船長、エレクトラさんなど個々にファンがいるほどの魅力的なキャラ達が脇を固めます。敵役{netabare}ガーゴイル{/netabare}も充分憎たらしい役回りを担ってくれてます。彼らの掛け合いの中にも心揺さぶられる明言が多い。

ヒロインのナディアは今でいうところの「ツンデレ」。だがしかしそこは30年前。PDCAサイクルを経てある意味様式美と化した現在のテンプレには該当しません。水戸黄門ばりの様式美を期待してると裏切られたと感じるかもしれないし、逆手にとってとても新鮮と感じるかもしれません。
当時、雑誌アニメージュの人気投票において、マンガ連載中という地の利を活かし数年王座を守っていたナウシカからトップを初めて奪ったのがたしかナディアだったと記憶してます。そしてしばらく1位2位をこの二人で争ってたような。それだけ魅力あるヒロインだったんですね。


【声優】※評価というより思い出話
ジャン役日高のり子さん。浅倉南の爪痕が生々しい当時に少年役とはびっくらこいた記憶があります。
ナディア役鷹森淑乃さん。正直これ以外存じ上げないのですが、最近は進撃の巨人エレンのお母さん役で安否を確認できました。お元気そうで何よりです。{netabare}ネモ船長に「生きろ」と言われた後、一世代を経て今度はエレンに「生きるのよ」と。命のバトンを繋げております。 {/netabare}
{netabare}少しだけ演技に言及すると、フェイトさんの最期とか、「裏切りのエレクトラ」回のエレクトラさんとか演技で魂震えてたような気がする。{/netabare}
それと、マリー役水谷優子さんですね。同時期に放送開始したちびまるこのおねえちゃん役と声全然違ってたものですから、私が「声優ってすげーな」と思った最初の声優さんだったと記憶してます。つくづくもうお声が聞けないのは残念でなりません。

それでレビューを書くにあたりあらためてキャストを見ると、当時人気だったり実力のある方たちで固めていたようですね。どうりで感情移入しやすかったわけだ。


【作画】
メカやキャラデザは素晴らしく、物語中盤の作画崩壊?については他の方のレビューにもあるとおりなので特にここでは詳しく言及しません。
今でも鑑賞に耐えうる作画といいますか、30年後の今のクールでもナディア未満の作画はけっこうあることを考えれば上出来じゃないでしょうか。
特筆すべきは、海だし宝石の名前だしと青色を基調とした絵が多い作品における青の表現でしょうか。OPアニメーションの色合いなんて味わい深いものですよ。
{netabare}「島編」のカオス作画だって、当時における「外注することの対価としてどういった代償を払ったか?」ですとか、はたまた「今ではマシになった韓国からの納品物がいかばかりのものだったか?」と歴史遺産であるとの見方をもって楽しむと・・・いやムリか・・・
でもこれ勢いでNHKのゴールデンタイムで流してたわけですから、イケイケドンドンのバブル時代ならではだったからなのかもしれません。{/netabare}


【音楽】
OPED 森川美穂さんのシングル買いました。サントラだって買いました。
鷲巣さんの劇伴、今でもたまにバラエティで使われたりしてます。印象的な曲が多かった。
OPブルーウォーターのイントロが流れた時、「1週間お待たせ!いざ開幕!」のワクワク感は当時たまりませんでした。突き抜ける高温&ビブラートは心地よく、EDのロッカバラード的な曲調に静かに余韻に浸ったものです。
森川さんについてはバブル全盛期の見た目上等!の世相の中で、ボーカル一本で勝負するぜという潔さに痺れて憧れてましたね。確か自分で作詞作曲はやらずにいただいた曲をボーカリストとしてどう向き合うかに必死です的なインタビューを読んだ気がします。間違ってたらごめん。



■閑話休題 ※そこそこネタバレします
{netabare}
放送年度が1990年。前年にパリ万博100周年、フランス革命200周年とことフランスに焦点が当たった翌年に放送されたアニメです。物語の舞台設定は1889年、まさに万博開催中のパリにて興行中だったサーカス団の花形少女ナディアが事件に巻き込まれるところからスタートします。同じく巻き込まれてしまったジャンと一緒に、ブルーウォーターを狙うグランディス一味からの手に汗握る逃避行。ガキンチョだった自分がワクワクしないわけがないのであります。

私は1986年のラピュタに感動して冒険ものが好きになり、そうこうしてNEXTラピュタが登場するのを待ってたきらいがあったと思うのですが、ラピュタ以降でやっと心震える冒険ものに出会った気がしたのがナディアでした。NHKではこの数年前に「心っに冒険をぉ~」とのりピーが歌ってたアニメもあるにはあったのですが、実際のところ「冒険」感は控えめでした。やっとです。

放送の数か月前にはドラクエⅣが発売し、ミネアとマーニャというエキゾチックな女の子も魅力的だなと思ってた矢先に、ヘソ出し褐色の少女が主役のアニメに出会ってしまったのが運のつきでしたね。

世間一般の評価の一面として視聴率は悪かったと思います。18:00か19:00のゴールデンの時間で5%いったかいかなかったくらい。今よりもっと多くの人がTVを観てた時代、これは致命的に悪い数字です。
ナディアを機に購入し始めたアニメージュでの凄い盛り上がりとは対照的にクラスの友達に話を振ってもあまり観てるやつがおらず反応が薄いという状態。これまで北斗の拳やキン肉マンでは一緒に盛り上がれてたのに、と断絶を感じた瞬間でした。
{/netabare}


NHKという制約があったものの、丸々1年間の猶予期間を与えられた庵野秀明監督を筆頭とする当時のGAINAXの面々が思いっきり好きなことをやったらこんなん出来ました、という傑作です。


-----
2019.01.17追記
《配点を修正》


思い出補正しときます

投稿 : 2024/12/21
♥ : 45

セシウス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エアトンさん声優代わりすぎw

 平成初期の代表的なアニメ作品ですね。当時アニメと全く縁がない生活をしていた私も名前とヒロインのビジュアルだけはどっかで見て知っていました。
 メインストーリーは、発明好きな少年が美少女と出会っていろいろ冒険するというありふれたものです。しかしその他の要素として、19世紀末の帝国主義時代、褐色のヒロイン、3人組の泥棒、スーパー潜水艇、古代文明の遺跡、無人島、宇宙戦艦といったものをごちゃごちゃにつっこんでそれらをうまく纏め上げて一本のストーリーにしています。またパロディ要素もたくさんあって、昭和な人は更に楽しめると思います(笑

 制作予算が足りなかったという裏話が公然の情報になっていて、途中作画がメチャクチャになります(笑 しかし各キャラクターが生き生きとしていて私は終始楽しめました。

 ヒロインが黒人で、とても魅力的に描かれています。性格が怒りっぽく自己中心的で苦手だという人が結構いますが、実際外国人の女の子はあんな感じの態度が主流だったと思いますし、嫌なものは嫌とはっきり言う子の方が個人的には好きです。その他ハガネのようなメンタルを持つ主人公や、もの凄くクレバーな妹分の孤児、主人公たちの良き兄貴分・姉貴分である泥棒一味など登場人物が本当に魅力的でした。

 音楽は多彩です。OP曲は有名ですが、劇中にかかる音楽はシン・ゴジラのような迫力とノリがありました。あ、作っている人たちが同じでした(笑

 大感動するような作品ではありませんが、庵野秀明氏とその仲間たちが作ったエポックメイキングな作品として一度見てみる価値のある作品だと思います。
 
 最後にラストシーンで「もうこのような戦いは起こらないで欲しい」とある女性キャラがつぶやくのですが、世界が大戦争時代に突入する幕開けのタイミングなので、最後まで皮肉がきいているなと思いましたw

 

 
 

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ナディアの存在を受け入れられるかどうかで、評価が大きく変わってくる

この作品は、庵野秀明氏が監督を務めたTVアニメのひとつである。
ジュール・ヴェルヌが手掛けたSF小説『海底二万里』及び
『神秘の島』を原案となっているようだが、
よくよく調べてみると一部の名前や設定を除き
別物であることが分かった。

それに加え、元々は『海底世界一周』という企画
を宮崎駿氏がNHKに持ち込んだということも判明。
当初から天空の城ラピュタを思い起こさせるシーンが
多いなーと感じてはいたのだが、これですっきりした。

内容に関してだが、(先ほどの理由から)天空の城ラピュタとの
共通点が多いので、天空の城ラピュタについて書かれている
他の方のレビューを参考にして頂けると幸いだ。

ちなみに、ナディアの酷評も含まれているため
彼女に思い入れのある方は見ないことを推奨する。

まず良かったところから。

(ラピュタと類似しているというのもあるが)
序盤から引き込まれるストーリー構成だった。
OPを見た限りではほとんど明るい作風で進むのかと
思いきや、5話のベルデ諸島マハル回や15話の有毒ガス回など
息が詰まるような話もあり驚かされた。
また、そういった出来事を通じ、たびたび衝突する場面を
描くことで緊張感を生み出すことに成功している。

キャラクターが発する台詞で考えらせられることも多かった。
ただ、中盤から後半ににおける無人島編においては
到底褒められたものではなかったが。これに関しては
後で後述することにする。

主人公陣営で印象的だったのはグランディス一味。
序盤ではナディアの敵ではあったが、中盤以降は頼もしい
味方として力を発揮してくれる心強いキャラクター。

グランディス、サムソン、ハンソンの3人がいるのだが、
主人公のナディアとジャンにそれぞれアドバイスをくれたり、
時には叱るといったよきサポート役を担っている。
当初の段階では、早くにそのまま消失してしまうのではと
思っていたが、今思い返すと終盤まで彼らを登場させたの
には大きな意義があったのだと考えを改めた。

個人的な意見ではあるが、悪の首領であるガーゴイルは
この作品にはなくてはならない存在だと思う。
自分をアトランティス人の末裔と称し、人間を愚かな生物と
見下す傲慢な人物だ。また、古代アトランティス人の
科学技術を崇拝視する科学崇拝者としての側面を
持っており、傲慢さを助長している。

目的達成のためならば、人々をためらうことなく残虐する
だけに留まらず、部下を切り捨てる非情さも
持ち合わせている。正に外道。

ちなみに、指示の合図にフィンガースナップを
多用するため、指パッチン大好きおじさんグループの
仲間だったりする。
例の衣装が、ハウス食品のスナック菓子でお馴染みの
とんがりコーンを思い起こさせるような気がするが、
それは私だけだろう。哀れな最期を遂げるが、その時まで
自分の役割を果たしている点は高く評価したい。

気になるところもいくつか見受けられた。
確か23話から34話だったと思うが、無人島編辺りから
急にテンポが悪くなった。一応物語の進展はあるが、
非常にむず痒い気分にさせられたのは事実。

特に酷いのは34話。いわゆる回想回にあたるのだが、
本当にくどい。対して面白くない上に、途中で曲を
4.5曲ほど挿入してくるので気持ちが萎えてしまったのだ。

34話まで我慢して見ていたが、この回だけは流石に
製作スタッフへバベルの光を放ちたくなるレベル。
どっかのお侍さんが見ていたら、「うおっまぶしっ」と
発するに違いない。ぶっちゃけ、食事休憩や風呂の時間に
費やした方が良いと思われる。

無人島編における脚本も相まって、ナディアへ好感を
持つことが極めて困難になってしまった。
序盤から我がままで疑り深い性格ではあったが、
「最初だしこんなもんだろうなー」と温かい目で見てきた。

だが、無人島編に入ってからもそれが続くようなら話は別。
何かあれば「どうしてなの?」
動物に助けてもらえなかったら「どうして私を助けてくれないの?」
の繰り返し。他の仲間たちから心配されてもお構いなし。

ジャンに対しての扱いは酷いもので、見ているこっちから
すれば足を引っ張る足手まといという印象でしかない。
ジャンの純粋さや辛抱強さに救われたのは言うまでもない。
心の中では、他にもっといい女性を見つけたほうが良い
のになーと思ったが、それでは物語が破綻してしまうもんね。
だれか、ジャンの開発が実用化されるまで費用を
投資してあげてください。

ガーゴイルが終盤において語るアトランティス人の秘密や
戦闘シーンなど目を見張るものがあったが、手放しで
褒められない部分があったのも事実。
少なくとも庵野秀明氏を語る上では重要な作品で
あることに変わりはない。個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

73.2 3 1990年春(4月~6月)アニメランキング3位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ウルトラ・スーパー・デラックスマン(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 4.0 (12)
35人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の人気SFアニメシリーズ。人一倍正義感の強い主人公の句楽兼人は、しかし自らの非力さが故に世間にはびこる悪に遭遇しても見て見ぬふりをするしかない毎日を送っていた。そんなある日、句楽はひょんなことからとてつもない超能力を手に入れることになった。空を飛んでは飛行機よりも早く、ビルをも砕くその力、透視能力も身につき、句楽は無敵の存在になったのだ! 彼はその力を使い、ウルトラスーパーデラックスマンと名乗り、世間にはびこる巨悪と戦っていく。しかし、いつの頃からか彼はその力に溺れ、そしてその力を自らの権力のために使うようになるのだった……。

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

正義とは・・・いったい

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです

先に言っておきます。
ドラえもんの絵柄で描かれているのですが
それに騙されてはいけません
中身は結構グロい表現がありますので
そういうのが苦手な人は見ないほうがいいと思います

あらすじは
主人公はいつもラーメンを食べている小池さん!
ではなく顔が同じなだけの句楽兼人という人物で
その彼がウルトラ・スーパー・デラックスマンに
なってしまったお話です

正義感が人一倍強い句楽は
「悪い奴を殺して何が悪い」というような考えです
私は気持ちは分かるのですが
それをして悪いのは殺した奴なのが今の世の中です
どんな理由があろうと人殺しはいけないことだと・・・
確かにそのとおりだとは思うけど
やっぱり理不尽だとも思います
結局、何が正しいのか・・・
藤子・F・不二雄さんは
そんな葛藤を極端な例で表現したのがこの作品だと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVAその2

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」
をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
主人公句楽兼人は、待機室長という少し変わった
役職に就いているサラリーマン。
ここ最近、これといった大事件が起きていない
ことに苛立ちを感じていた。
自宅に帰ろうとした際に、偶然にも同期の片山と出会う。
「飲みに来なよ」という句楽の誘いを引き受けた片山。
車で、廃墟の中にある句楽の家へ向かうのだが…。

DCコミックスに精通している方は、直に気づくであろうが
主人公の名前は、明らかにスーパーマンの本名由来のものだ。
ちなみに、スーパーマンとは作風が全く違うので要注意。

この作品は、人間が超人的パワーを得たことにより、人格を
歪めていき、次第に正義が暴走していく様を描いている。
行き過ぎた正義は、悪へと変貌してしまうのだ。
自覚がないため、尚更性質が悪い。
超能力を、手にいれたからといって
必ずしも幸せになるとは限らない。
ラストシーンにおいて、片山がつぶやいたセリフも
とても印象的だった。

このアニメを見ていた際、ここ数年で公開されていた映画
の一つを思い出した。クロニクルだ。
多少の違いはあるものの、基本的な部分は同じである。
おそらく、クロニクルもこの作品から影響を受けているのでは
ないかと思われる。

個人的には、名作といっても過言でないと
思うほど非常に良いアニメだと思う。
良作の域に達する。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

人間の進化の行き着く先は

藤子F不二雄は、漫画の神様手塚治虫が「大友克洋」や「宮崎駿」などの巨匠以上にストーリ上では負けているかもしれないと自負していたらしく(諸星大二郎も同列に語っていたらしいが)

その内容の奇抜さには改めて驚かされるのである。

ストーリーはアメコミの「スーパーマン」や同氏の「パーマン」のパロディではあるが、パイロット作品に「怪傑小池さん」がある。

単なる臆病者で、しがないサラリーマンの小池さんがあるとき超能力に目覚めて、最初は平和のために戦うが、段々と己のエゴを剥き出しに暴走しだすというのが大まかなストーリーであり、

「高潔でもなく道徳心も強くない一般市民が圧倒的な力を持つとどうなるのか?」という話であるが、どこかで聞いたことあるな。。と思ったらアメコミ史上最高傑作と名高い「ウォッチメン」にも似ている。

ヒーローが暴れまわった結果、街は必要以上に荒れてスラム街になっているというのもそっくりだし、性欲や政治的な抑圧も似ている。いやはや、F先生の先見性にまたもや驚かされる。

最近、欧米では「ホモ・デウス」という本が流行っていて、「サピエンス全史」という世界的大ヒットした本の続編らしいが、この中で人類は近年稀に見る進化を遂げて「神」に近づいているという。

近代までは、人間は今日食べ物を食べるために狩りをしたり畑に雨が降るように神に祈ったりしてきたが、

現代はバイオ技術やAI、サイボーグ技術が人間を不老不死にすることが可能になり、インターネットが全知全能を与える手助けをしているという。

それを聴くと楽観的な人間社会が見えなくもないし、人間の身体的な向上(知能、運動能力などの目に見える分野で)が顕著になるように思えて、まさに「神」に近づいているように思うが、

神話などの世界ではプロメテウスは火を盗んで磔にされたし、イカロスは翼をもがれたし、サタンは堕天し、アダムとイヴは楽園から追放された。。。。

このウルトラスーパーデラックスマンである小池さんも圧倒的な強さで核爆弾や軍隊などでは歯が立たないまさに生きる「神」そのものになったものの、ラストはなんともあっけない幕引きで締めくくられる。

それを考えると、人間がたとへ神に近づいたとしても、「神そのもの」になろうとするのが奢りであり、しっぺ返しが来るような気がいつもするのである。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

73.0 4 1990年春(4月~6月)アニメランキング4位
楽しいムーミン一家(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (72)
543人が棚に入れました
約20年ぶりに製作された「ムーミン」の第3作。今回のアニメ実製作はビジュアル80が担当し、キャラクターデザインも「とんがり帽子のメモル」の名倉靖博が手がけている。作品全体の雰囲気は原作者側の意向が大きく反映された。春が訪れたムーミン谷。目覚めたムーミン・トロールは旅から帰ったスナフキンと再会し、その演奏を久々に楽しむ。やがて良家のスノークやその妹フローレンたちとともにムーミンはおさびし山へ向かうがそこにあったものは…。

声優・キャラクター
高山みなみ、大塚明夫、谷育子、かないみか、子安武人、佐久間レイ、白鳥英美子

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ムーミンアニメの集大成。

カルピス版とはまったくちがうムーミン。
本作では原作者トーベヤンソンの介入があり非常に丁寧に作りこまれている。ムーミンの家の書き込みとかもすごい。
声優さんもちょっと不気味なカルピスとちがい非常にかわいくてナチュラルな配役。

大きな特徴はスノークのおじょうさん→ノンノンではなくフローレンに。あとはすべて原作準拠。
お話も原作と同じ、原作通に進んでいきます。

本を読んでいた子供の私は数々のシーンの映像化に狂喜しました。
非常に高い評価をうけ2年目に突入。冒険日記と名前と製作スタッフが変わります。TVスタッフオリジナルシナリオベース。そちらはちょっと・・・人気ありすぎて原作消化しちゃったんです・・・・

五輪のテーマ、FF9でおなじみ、白鳥 英美子さんのOP,EDも染みるぜ・・・

最近東京圏では再放送が始まりました。毎日たのしみにしています。やっぱりおもしろいというか雰囲気がいいです。



投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

パパの 私はカバじゃなぁい(怒) が好きです

私らオッサン世代は古い方のTV版見て育ってますが、ムーミンとしての完成度はコレですわね。
原作者のトーベ氏が噛んでる訳ですし、作品の雰囲気がとてもイイ。
ちょっとスナフキンの声が素敵すぎて抵抗有りますが。

ヒロイン(?)のフローレンも人外萌えにはタマラぬものが有りますw
ある意味ムーミンママも裸エプロンと解釈することも出来、パパも全裸でシルクハットと考えるとムーミン・トロールって種族はアレかもしれません。


ミッフィ(ナインチェ)もそうですが、あっちのキャラクター物ってシンプルですがホントいいですよね。
ドイツに出張行った時に観光地少し歩いたんですが、くるみ割り人形とかの民芸品の専門店なんか覗くとどれも造形が可愛くてねぇ。
やっぱ子供にはこういう"ハイセンスな線の妙"に親しんで育ってほしいなと、親としての私は思うのです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

おにぽん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

癒しの権化

一年前からちょこちょこ見てたら全部見てた(^-^)vすみませんが冒険日記は含めません…^^;

OPから雰囲気抜群!テレビからマイナスイオンが!ってくらいに癒されます^^
画面の色合いやフィンランドののどかな風景(フィンランドの本物の風景はよく知りませんが゜∀゜;)、また外国の小物や生活、そしてなんといってもかわいいムーミン谷の住人( ^∀^)何歳になってもたまらない!

しかも話もただかわいいだけじゃない!なんだかしみじみとさせられる話、また(意外とカオスな)おもしろい話もあってムーミンの世界に興味が湧くのでは?ムーミンのキャラはみんな濃いし、意外とこんなこと言っちゃうのねwwキャラがいっぱいwww
みんな思ったことぽろっと口にするのでおもしろいwww

この前、キャラ別にいい話がまとめられたDVDが売ってたのでそちらもぜひ買おうと思います^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

71.0 5 1990年春(4月~6月)アニメランキング5位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ミノタウロスの皿(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (19)
92人が棚に入れました
『21エモン』などで有名な藤子・F・不二雄の代表的SF短編集を『うる星やつら』の望月智充監督がOVA化。宇宙未踏調査空間を航行中、食料が尽き主人公はある地球型惑星に漂着した。そこで主人公はその星の少女・ミノアに助けられ、そしてその美しさに心惹かれていく。ところがその星は人間の形をした生物が家畜であり、牛の形をした生物が人類にあたる知的生命体という星だった。ミノアは肉食種の第一等級としてミノタウロスの大祭で皆に食されるという。必死で止める主人公だったが、当のミノア自体が「食べられる」ことを誇りに思っておりとめることはままならない。なんとかミノアを救おうとする主人公だったが……。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

生物は「多様性」があるからこそ進化し続けた

漫画は世紀の大傑作。。。だと思う。1960年代に既にここまでの深い洞察をしているのはあとは「漫画の神様」くらいだろう。

生物には「単細胞生物」と「多細胞生物」がある。

単細胞生物は「無性生殖」なので自身の細胞が分裂し、自分とソックリなクローンを作り子孫を残す。なので、分裂するだけなので進化ができず、分裂するたびに細胞が劣化してやがて絶滅してしまう。(がん細胞が顕著)

しかし、多細胞生物は「有性生殖」なので「オス」と「メス」が交尾することによって子孫を残す。これは自分と異なる遺伝子を取り入れることによりよりハイブリッドに進化し環境に適した多様性を得ることが出来るのである。

アリや蜂は遺伝子に従って巣にいるものと外で働くものとに区別され合理的に動いているように見えるが、種全体の一割は実は勝手にバラバラに動いている。つまりは大きな意味で「統率」されていない。

これは「全体」がたとえ崩れたとしても種として生き残る生存戦略だと言われている。「全体」が同じ行動することによって実は最も危険な罠に全体がハマってしまうことを回避するためだという。

さて、ここで「ミノタウロスの皿」だが、

人間は人間を食べない。とは言い切れない。。

同族でも嫌いな人間は何かの拍子で殺してしまうかもしれないし、食料が底をついたら無論食べることも大いにありうる。

絶対にありえないという倫理観は存在しない。

生物は多様がために進化し生き残ることができたが、それは同時に多様であるがために常日頃から不安に襲われ不安定な孤独に苛まれているのである。

たとえそれが隣人や愛する人であったとしても一人の人格でしかなく、合理的に動き様のない「個」そのものなのだから。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVA

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「ミノタウロスの皿」をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
地球人の宇宙飛行士は、牛型の宇宙人が暮らしている星に
不時着する。その際に、美少女ミノアと出会うのだが…。

この作品を通じて、自分が感じたのは
文化や倫理観など個人による価値観の違いは
必ずといってもよいほど発生するものであるということ。

地球の場合では、人が牛を食べるのが当たり前と
なっているが、舞台となるイノックス星に
関しては真逆である。

ウスと呼ばれる種には、食用、愛玩用、労働用
の3つに分類されているというのも非常に興味深い。

この作品における一番のキーワードは
「言葉は通じるのに、話は通じない」
「相手の立場で考える能力に欠けている」
ではないかと思う。とても考えさせられた。

設定に関しては文句なしに素晴らしいと感じた。
個人的には、名作といっても過言でないと
思うほど非常に良いアニメだと考えている。
良作の域に達する。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

いただきます

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです

先に言っておきます。
ドラえもんの絵柄で描かれているのですが
それに騙されてはいけません
中身は結構グロい表現がありますので
そういうのが苦手な人は見ないほうがいいと思います
さらにご飯前に見てはいけません!

あらすじは
宇宙船が故障し
牛が飼い主で人が家畜という星に
不時着したというお話です

昨今、「動物を殺すな!保護しろ!」
というような言葉をよく耳にします。
それなら、家畜の牛などはどうなのか?
もちろん殺して食べます
一応、感謝をこめて「いただきます」とは言うものの
結局は殺して食べます
でもそれは悪いことではなく
生きていくには当たり前のことです
牛だけでなく生物を殺さないで
生きている人なんているわけがありません

そんな生きるためには当たり前で誰もが行っていることを
逆の視点で見てみるとどうなるか?
そんな考えたくもないようなお話です

もし、牛や豚が人間の言葉を理解したのなら
どんな世界になっていたのでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

69.1 6 1990年春(4月~6月)アニメランキング6位
ロードス島戦記(OVA)

1990年6月1日
★★★★☆ 3.8 (136)
691人が棚に入れました
暗黒皇帝ベルドに率いられたマーモ帝国軍と「至高神ファリス」を奉じる神聖王国ヴァリスを中心とする国々との戦い(英雄戦争)を背景として進む。アラニア王国出身の若き戦士パーンは、亡き父と同じ騎士になる夢を求めて仲間と共に冒険の旅を続けるうちに、英雄戦争の狭間で暗躍する「灰色の魔女」カーラの陰謀に巻き込まれ、「大いなる破壊」を回避するため「光と闇の均等」を説くカーラの言葉に戸惑いつつも誘いを断ってフィアンナ姫を救出し、自らの進むべき道を求めヴァリス王国に向かう。そしてマーモ帝国とヴァリス王国の緊張が高まる中、カーラの考えがロードス島の平和と相容れないものであると悟ったパーンらは、六英雄の一人である大賢者ウォートに助力を求め、遂にカーラの居場所を突き止め魔女に挑む。

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

日本のファンタジーを語る上では外せない作品

自分の人生に最も影響を与えた本です。アニメ、漫画、ラノベ、全てを通して、自分的No.1は、ロードス島戦記の原作です。

人生で初めて読んだラノベ。学校に持ってく本を探していたら、たまたま本屋で安く束売りされてたんで買っただけ。それがまさか、こんな歴史的な名作だったとは(偶然の出会いに感謝)。

エルフは高慢ちきで耳が長く、動きが素早い。なかなか子孫ができない。ドワーフは大酒のみで力が強いが、手先が器用で装飾品などを作るのに適している。

そんな、ファンタジーの「当たり前」を、日本で初めて紹介したのが、このロードス島戦記。(世界初ではない)

日本の国産ファンタジーとしては、シリーズ累計1000万部を超え、「ドラクエ」「FF」と並び、草分け的な作品です。

(TRPG版は)ラノベの老舗、角川スニーカー文庫の初作品でもあります。

まあ、とにかく、偉大な作品ということです。

さて、アニメですが、原作ファンからすると、やっぱり不満は残ります。(尺が限られてるからしょうがないけど)色々カットしてるし。作画と音楽は素晴らしい。作画は、今見れば古くさいですが、同時期の作品の中では高クオリティー。音楽は、いずれも透明感があり、幻想的で、ロードスの世界観をよく現しています。初めてサントラ買っちゃいましたし♪

とにもかくにも、原作小説を読んでほしい。それだけですな。正統ファンタジーとはこうあるべき、という教科書みたいな作品です。

初代ヒロインのディードリットは、歴史上一番可愛いエルフです! それだけでも、観る価値はある(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

国産ファンタジー路線の元祖的作品ですが

 雑誌コンプティークのテーブルトークRPGのリプレイ記事から生まれた作品ですね。PCゲーム誌なのに袋とじが付いてるという謎雑誌でしたw
私もそのリプレイ記事が面白くて読んでましたけど、別にストーリーがどうのって代物では無い訳です。ゲームのリプレイ記事ですからね~。
テーブルトークRPGって、こういうモノなんだという紹介として面白かったんです。当時はそういうもの扱ってる雑誌と言うとHJ社のタクティクス誌が有りましたが、ちょっとコアな非電源なゲーム好き向けの専門誌でしたから。
 そのリプレイのキャラ使って小説化されたのがコレですが、正直私は序盤しか楽しめなかったです。カーラがウッドチャックに乗り移るとこ迄。

 この作品って、それまでの西洋のファンタジー物の基礎知識、神話や言い伝えと言う物を熟知した原作者が生真面目に日本風にアレンジした日本人への正統派ファンタジーへの誘い的な作品だったと思うんですよね。当時の私ら世代はそういうモノに飢えてた世代ですから、ロードス島戦記と言う小説もアニメも"新しいもの"だったんですよね。
(もちろんガチのヲタは当時でも知ってたでしょうが)
竜が吐くものは炎じゃなくてブレスなんですよ。赤いドラゴンは他のドラゴンに比べて知能は低いんですよ。そういうファンタジーの基本すら私達普通の人達にゃ「へ~ほ~なるほど~!」って時代だから、この作品の価値は高かったんではないかなと。
ファンタジー物と言う言葉を免罪符にして好き勝手に都合よくアレンジした作品では無いが故、多分今見るとさほど面白くない。西洋の古典ファンタジーこそ正とする生真面目な作品ですので、今の若い方は見てもさほど面白くないと思います。
でも、当時間違いなく価値のあった作品であった事は疑いようも無い事実ですので、日本製ファンタジー物アニメの過去の検証という視点で参考に見られるのは宜しいんじゃないかと。



因みに私は同じ当時のコンプティークからの作品なら「ラプラスの魔」の方が俄然面白いと思いますが、アレはアニメにすらならなかったですね。残念(汗)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アニメの角川の原点

ものすっごい制作費を投じて豪華スタッフで作った逸品。
角川スニーカー、角川アニメといえばロードスである。
あとガンダムが朝日から移籍してきたんだよね。
スニーカー文庫はこの2作品のイメージ。

OVA全盛期で高い値段で出しても儲けが出た時代、作品の人気がものすごかった。
原作の発表は85年とずいぶんと昔になる。
指輪物語、D&Dをリスペクトしており、
日本だけでなく世界中のファンタジー、RPGのテンプレートになったんで有名な作品です。エルフの耳がああなったのはディードリットのせい。

肝心のアニメですが絵はきれい、話もそのままなんですが、
ケツから勧善懲悪にされてしまっているのが非常に腹立たしい。
ガンダムも角川だし好きだし、それに習ってか原作は勧善懲悪ではない。
ネタ元の指輪物語との最大の違いなんです。
暗黒神と邪神、がいても、その名は善側からの呼び名。本当に司るは自由の神と破壊の神。悪とは、邪悪とはなんなのかというのが大きなテーマのひとつ。破壊は創造の母であり、私欲は人間の生きる原動力ではないか?律されず自由に生きるのは人として当たり前の行動ではないか?という問いが読者に投げかけられます。
そこだけが非常に気に食わない作品です。
作者のほうからネタバラシしてあったそうですが・・
実際に水野さんも苦言を呈しています。なにテーマ変えてんだと。
まぁ作者が遅筆なのもいけないww。
原因は当時『完結してないから』なんですw
あの頃はみんな遅かったけどクオリティは良かった。
いまは消費ペースはやいから大変だね・・・。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12

68.1 7 1990年春(4月~6月)アニメランキング7位
ADポリス(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.9 (11)
38人が棚に入れました
人気OVA『バブルガムクライシス』シリーズのスピンオフ的な内容であり、こちらの主人公は同作では脇役だった捜査官レオン。ただしビジュアルはやや異なり、よりハードな印象を与える。大震災の被害を経て復興したが、繁栄の陰で人心の腐敗が進む大都市TOKYO……。その裏ではブーマと呼ばれる亜人間の存在があった。それらの暗躍に対抗するため組織されたのが特殊警察機構、通称ADポリスだ。全3話からなる各種エピソードは、いずれも苦い味わいを残すアダルトな仕上がり。

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

劇画調の本格派刑事ドラマ

80年代に人気を博した『バブルガムクライシス』シリーズと設定を共有した、一つのアナザーストーリーです。

いわゆるスピンオフとは違いバブルガムファンでなくとも楽しめる、全くの別物となっています。


アンドロイド・ブーマの普及によって飛躍的に発達した未来都市、メガTOKYO。

しかしその裏で、暴走したブーマによる犯罪やブーマを悪用した犯罪が急増し社会問題化していた。

そこで、軍隊に匹敵する武装を許可された特殊警察組織『ADポリス』が設立された。

新人ポリスであるレオンは、こうしたブーマが起こす犯罪や事件に関わっていく・・・というのがあらすじです。


一般的な刑事アニメよりは海外の刑事ドラマに近い、陰湿で凶悪な事件を扱うものが多く、雰囲気もそれに近いです。

人と機械・男と女・理性と感情など、ヒューマンドラマとしてかなりレベルの高い作りになっていると思います。


作画はOVAだけあって、動きが激しくてもあまり粗が見られないほど安定しています。

音楽は挿入歌・主題歌ともに洋楽が用いられていて、非常に雰囲気に合っています。

それから声優の演技として、

File-1 幻の女での幻の女役:麻上洋子

File-2 ザ・リッパーでのキャロライン・エバンス役:土井美加

File-3 舌を噛む男でのビリー・ファンワード役:若本則夫

以上三名の方の演技が素晴らしかったです。


1話1話から別々のテーマを感じられるような、奥深い作品でした。

特にFile-3 舌を噛む男のエピソードは若本さんの名演技も相まって、傑作と言っていい出来だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

67.7 8 1990年春(4月~6月)アニメランキング8位
アイドル天使ようこそようこ(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (14)
104人が棚に入れました
前作『えり子』に続く少女アイドルものの第2作だが、リアルさを意識した『えり子』と違い、本作ではファンタジックな面を強調。ブロードウェイのシンガーになるため東京に上京した少女・田中ようこ。太陽のような明るさを持った彼女は、女優を目指す女の子・山杜サキと新幹線で意気投合する。渋谷の街へ向かったふたりは、住む場所や収入の見込みもないままスカウトマンを探す。ついにオーディション出場まで登りつめるようこたちだが。

声優・キャラクター
かないみか、林原めぐみ、水谷優子、鈴木勝美、鈴置洋孝、島津冴子、大滝進矢、西村知道、松本保典、関俊彦、山口勝平

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

陽子の陽は太陽の陽、なつかしい。

ふと昔見ていたアニメを思い出したシリーズ。


このアニメを見たのは、そこそこ大きくなってからだった。
当時、これを観ていたとリアルタイムで言ったとしたら、少々、こっぱずかしかったかもしれない。
今は、まぁ、あえて公言はしないけど平気かな・・・。


最初は、どうして観たのか覚えていない。
多分、偶然夕方にやっていたのが目に留まったレベルだったと思う。
主人公の陽子の「ハイ!!」というセリフにものすごく好感をもって気に入ったのが見始めた理由だったんじゃないだろうか。


この作品はちょっと変わったタイプの作品で、
アニメの放送と同じタイミングで「田中陽子(よっきゅん)」というアイドルがデビュー、活躍し始めていた。
この前にあった「アイドル伝説えりこ」と同様という事だったかな、ちなみに、こちらは視聴していない。
アニメの枠内で「よっきゅんコーナー」というショートコーナーが放送されていた。

物語は田舎から出てきた
主人公のようこが歌手(シンガー)を目指していくことが、大きなストーリーとなる。
ただ、物語自体は、大筋のストーリーをふまえた上での単発エピソードが主だった。
可愛らしい話、渋谷愛の感じられる話、ちょっと大人な話、夢に悩んでいる大人の話、壁にぶつかった大人の話・・・、バラエティに富んだストーリー構成でなかなかに楽しかった記憶がある。

また、歌がふんだんに盛り込まれているストーリーでミュージカルアニメといっても過言ではない(ちょっと過言かも・・・w)
でも、結構な名曲、心に残る曲はあった。
私はCDも買いましたしwいまでも、口ずさめる歌もあります。

好きなエピソードは
「さびしがりやの街のかみさま」

好きな曲は
「クレッセント・ハーツ」
「SINGING QUEEN」
「君はオリジナル」

「陽春のパッセージ」もかな。


ちなみに作画は結構あれていた回もあったかな。
今なら、突っ込みを受けるような回もあったかもしれません。

が、このアニメに特筆しておくべき点があるとすれば・・・。

それは、声優です。
レジェンドクラスがゴロゴロです。

田中 ようこ:かないみか(初主演です)
山杜 サキ:林原めぐみ
山下 秀樹(社長):鈴置洋孝
吉秋 久美子:島津冴子
星花 京子:水谷優子

レギュラークラスでこれはすごくないですか。

かないみかさんは、この作品のCDで作中歌を歌っておられます。
とても上手でした。
なんなら、歌手の田中陽子さんよりも・・・。

そして、レジェンド林原さんは、この後グングン知名度を上げ、
歌える声優、歌う声優の走りとなっていきました。
私もたくさんアルバムを買わせていただきました。

鈴置さん水谷さんは・・・他界されましたね。
地味にショックでした。


今wikiを見て知りましたが、打ち切りだったんですね・・・。

でも・・・。
今から見たら大昔の作品、古臭く見えてしまうかもしれませんが、
機会があったら、お目にかけてくださいませ。
お勧めします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

66.5 9 1990年春(4月~6月)アニメランキング9位
雲のように風のように(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (97)
369人が棚に入れました
時は腹英34(西暦1607年)、素乾国17代皇帝の崩御に伴い皇帝のもつ後宮が取り壊され新しく帝位につく新皇帝の新たな花嫁を募集する目的で全国で「宮女狩り」がおこなわれた。緒陀県に住む陶器職人の娘銀河は13歳であったが父の制止を振り切り皇帝の花嫁候補生として緒陀県を後にし都に夢を描く。皇帝の妃になるためというよりも、その好奇心から宮女に志願した銀河であったが宮女となるため後宮大学で学びいろんな人との出会いを通して成長していく中やがて宮女の憧れの的である皇帝の第一夫人、正妃に選ばれた。宮女としての夢である正妃にはなった銀河ではあったが、銀河自身の心は揺れていた。「知らない人と結婚して愛情が持てるのか?」「これで、幸せになれるのか?」心の整理もできないまま、正妃という立場が銀河をさらに大人の世界へ巻き込んで行く。

声優・キャラクター
佐野量子、井上瑤、高畑淳子、三ツ矢雄二、小林昭二、市川笑也、一龍斎春水、田村錦人、福田信昭
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

私(シス子)が淫らになった件

1990年製作・放送作品

DVDでの視聴です

原作は「酒見賢一(さけみけんいち)」さんの「後宮小説」というファンタジー小説
第1回「日本ファンタジーノベル大賞」(1989年)受賞作品です


昔々の中国(西暦1600年頃?)のとある国
「素乾国」という架空の国の
“後宮”が舞台のお話です

あらすじは「あにこれ」掲載のものを読んでいただければ十分理解できるハズです
・・・決して手を抜いているわけではありませんよ^^


後宮というと
分かる人には分かると思いますが

日本でいうなら江戸時代の「大奥」みたいなものでしょうか

まあ
「ハーレム(harem)」という言い方もありますが
ハーレムっていうと
最近の若い人だと  (“おばさん”言うな^^;)

“一人の男子にたくさんの女の子がイチャイチャ”的状態の
いわゆる「ハーレムアニメ」みたいなものを想像してしまうかもしれませんが
まったく違います

これはもうれっきとした公務(?)
お仕事をするところです

どこかの国の王様が自国の繁栄のため
たくさんの奥様を住まわせて
たまに{netabare}なにかしらの子作り(かなり具体的^^){/netabare}をする所と解釈していただければ結構かと思います


そんな
ハーレムだとか
大奥だとか

特に若い男の子や
一部の盛んなオジサマ方が
“Hぃ”お話を想像してしまいそうな感じなのですが

まあ
ざっくばらんに言うと
{netabare}本当にHぃです・・・(キャ~・・・(≧д≦))

な~んて

{netabare}Hぃのは原作のほうです^^;{/netabare}{/netabare}


一方で
この「雲のように風のように」については
「主催の三井不動産販売が一社提供のスポンサーとなって、春分の日の日中に本編放送中はCMを入れないという異例の形式で放送された。スタジオジブリ作品に多く参加しているアニメーターの近藤勝也が作画監督を務めている(本作はスタジオぴえろ作品)」(Wikiより)
という
手抜きのため余計な文言までつけて説明したくなるくらい
家族団らんの休日のお昼時に放送できる程度までアレンジされていて
とても
安全な作品に仕上がってます

なんというか・・・
原作から一番“おいしい”部分をなくしてしまった
みたいな?

例えるなら
「けいおん!」から“お茶”をなくしたって感じ?
(「音楽」じゃないところがミソ♪^^)

オジサマ方にはちょ~っとつまんない内容かもしれないけど
将来有望な男子諸君や
その他純情なアニメファンの方々にはオススメですよ

まあ
私もどちらかというと“つまんない派”でしたけど^^;



さて
原作の「後宮小説」については
既に既読済み(“既に既読”でさらに“済み”っていうのも変ですが^^)なのですが

実は読んだのって小学校6年生の頃なのです

もう今から十・・・ル~ルル、ルルル♪・・・まあいいとして^^

歳の離れた姉の就職が決まり
引越しのため
姉の部屋を物色・・・もとい
部屋のお片づけをしていたときに偶然目に留まったのがこの本

当時“純朴な文学少女”だった私は
迷わずこの本を開いて読み始めました

でも・・・

抽象的な表現や
小難しい哲学
偏向した思想解釈など
小学生が読むにはかなり難しい内容のお話でした

まだインターネットがあまり普及していない時代  (“おばさん”言うな^^;)
当然
我が家にはネット環境なんてものはまだなく

当時“清楚で純朴な文学少女”だった私は
難しい言葉の意味を誰にも質問することも出来ず
専ら「辞書」を頼りに一生懸命読みふけっておりました

一語一句
意味が分かる度に顔が上気し
ページを進める毎に
下半身がムズムズ
息がハァハァ
終盤に差掛かるころにはまともに座っていられなくなり・・・

例えるなら
「ロウきゅーぶ」のともかちゃんとすばるくんが
自宅のお庭で
なにか“1on1”の“play”をした後で
息がハァハァって・・・

そんなことはどうでもいいのですが^^

とにかく
“清楚で「かわいい」純朴な文学少女”の私にとっては
とても耐えられる内容ではありませんでした

まあ
今となってはとてもいい思い出です(--;


が!・・・しかし!
最近
ある“ニュース”を見たことがきっかけで
この本を十数・・・^^
久しぶりに納戸の奥から引っ張り出し
読み返してしまいました

当時の私から“かわいい”を除くすべての要素をネガティブ方向に転じてしまった
いろんな意味で汚れきった心で・・・
(なんだろう?ものすごい罪悪感・・・)


{netabare}(申し訳ございません・・・ここから先は年齢制限がございます
 以下の質問にお答えいただき次へお進みください)

※質問
あなたの年齢は・・・

18歳未満で~す→{netabare}
男の子だよ~♪→{netabare}イケメンである→{netabare}シス子までメールくださ~いヾ( ̄∇ ̄=ノ{/netabare}
        イケメンから程遠い→{netabare}読めば(怒↓{/netabare}{/netabare}
女性である  →{netabare}読んでもいいよ↓{/netabare}{/netabare}

18歳以上だよ!文句あっか!?→{netabare}
 続けてレビューをお楽しみくださ~い↓


{netabare}そのニュースというのは
タイの“代理母出産”の件

ご存知の方もいらっしゃると思いますが
ある日本人男性が
タイで大勢のタイ人女性に代理出産をさせたというネタ

細かいことは長くなるので端折ります


そもそも
生産活動という行為・・・

子作りをするという“欲求”はどこから来るのか?

性行為 →?(*^ー゚)v→?\(∂∇∂)/→ 子作り

という図式が人間の脳内でどのように解釈されているのか?


原作の「後宮小説」の中では
哲学や
宗教
文化
政治
医学に至るまで

さまざまな分野での切り口で語られているのですが

正直
大人になった私の
固くて鈍い頭ではイマイチ
納得いく解釈には行き着きませんでした
(子供の頃の私はまともに考察できませんでしたが・・・)

それでも結論を出せというならば・・・

ぶっちゃけ
{netabare}気持ちイイからするんじゃないの?
それでよくね?
みたいな^^
{netabare}(こんな娘に育てた覚えはありません(泣・・・母談){/netabare}{/netabare}

これで許してって感じです



話は戻るのですが
前述の代理母出産のお話

ここで「代理母出産」についての説明ですが

代理母出産とは
{netabare}ある女性が別の女性に子供を引き渡す目的で妊娠・出産することである

○Gestational Surrogacy:代理母とは遺伝的につながりの無い受精卵を子宮に入れ、出産する。借り腹。ホストマザー。
・夫婦の受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された卵子と夫の精子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された精子と妻の卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
・第三者から提供された精子と卵子を体外受精し、その受精卵を代理母の子宮に入れ、出産する。
○Traditional Surrogacy:代理母が人工授精を行い出産する。代理母。サロゲートマザー。
(以上、Wikiよりコピペ)


つまり
自分が好きになったわけでもなく
利害関係があるわけでもない第三者の“女性”に
自分の子供を生ませるということです{/netabare}

じゃあ
なぜ代理母出産という方法をとるのか・・・

一番の理由は
不妊(つまり赤ちゃんが生めない)の問題

男性あるいは女性が
生殖器などに異常があり
夫婦間で子供が作れないという理由で
代理母出産で子供を授かろうというもの

日本では
倫理的な理由で
表立った事例はあまりありませんが
法整備が進んでいないのが現状で
実は今までに十数件の事例があるとのこと・・・

最近では
タレントの向井亜紀さんと元プロレスラーの高田延彦さん夫妻
が代理母出産でお子様を授かり話題(問題?)になってましたね


さて
この代理母出産について
私が言いたいのは・・・

そんなんじゃ
{netabare}気持ちよくね~じゃね~か!!
{netabare}(シ○子ってたまに訳のわからないこと叫ぶんですよ(笑・・・友人談){/netabare}{/netabare}

ってことです

確かに
不妊に悩む夫婦はたくさんいます
そして
そのための不妊治療や
代理母出産に踏み切ることについては
まったく異論はありません

しかし
前述のタイの代理出産みたいな不妊以外の理由による出産や
お金が目当ての行為は
まったくの論外なのですが

それ以上に問題なのは
生まれてくる子供について

生まれてくる子供にとっての親の愛情っていったいどう考えられているのか
ということ


この「後宮小説」の中で書かれている
性行為についてのいろいろな解釈

かなり深い部分にまで
突っ込んで書かれていますが(ちなみに“深さ”は表記されていない)

ひとつ言えることは

倫理や道理についての筋はしっかり通っているということ

父親がいて母親がいて
その愛情の結ばれたものが子供となる

性行為という愛情表現
両親のお互いの愛情が強ければ強いほど
生まれてくる子供は健康で幸せになれる

普通に考えれば
ごくごく当たり前のことなんですが
子供って

生まれる前から親の愛情を受けてるんです

宗教や哲学
医学・・・
いろいろなテーマからのアプローチであっても
行き着く先はすべて同じ
ということなんですね

お話の中では
「子宮が真理を生む」って説明されているのが
とても印象的でした

医学と哲学の融合(?)みたいな感じでしょうか?

まあ
原作ではそのあとで
女性の○器とかなんとか(ちょっと表現し辛い^^;)
訳のわからないことが書かれているのですが
それはおいといて・・・

結論として
愛のないS○Xは極力控えましょう・・・

ってことです^^
(病気にも気をつけてね^^){/netabare}{/netabare}{/netabare}

とりあえず
アニメ作品もいいけど
原作もオススメの逸品ですよ


参考までに
アニメ作品のDVDはレンタルされてないみたいで
私はDVDを購入して視聴しました

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

今日も廃都と草原に風が吹き抜けて行く……随所に才能が光るTVアニメSP番組

あらすじ

{netabare}腹英34年。素乾国・第17第皇帝、急死……。

荒廃した都に蠢く陰謀。内外に亡国の気配漂う中、
宦官らが天下で始めた若き新皇帝の妃候補となる宮女募集に、
“三食昼寝付き”で、女でも勉学ができる!
と飛び付いた主人公の銀河に訪れる波乱の半生。{/netabare}

第1回ファンタジー小説大賞受賞作『後宮小説』(未読)を、
日本テレビのスペシャル番組としてアニメ化した、
1990年放送の中国風ファンタジー作品。


【物語 4.0点】
作家・酒見 賢一氏。
本作の原作でデビュー後は中国史を題材にした作品を多数執筆。
映画化もされた代表作『墨攻』でも見られるように、
内憂外患の都に渦巻く人間模様を描かせたら一級品。

城壁から守りは崩れない。内部の人間から綻びた都は脆い物。
そんな汚い大人たちの中で光るヒロインの純心さ。

説得力のある描写を一時間半弱の尺に上手く凝縮させ、
悲劇の中でも視聴者に清々しい余韻を残す。


【作画 4.5点】
作画監督・キャラクターデザインは近藤 勝也氏。
彼の他、スタジオジブリに関わりが深いスタッフらも多数参加した本作。

両生類じみた顔面の各パーツの動き。
水面、鏡面、床面に映る人や景色にも手を抜かない。
爆砕する瓦屋根の描写の細かさ。
4:3画面の中でもジブリっぽい?と感じる要素がたくさん見つけられるはず。

物語以前に、アニメーションは、一つ一つのカットの中からも
面白い構図や動作を発見して楽しめる物。
アニメ視聴の原点を思い出させてくれる良作画。


作品名に込められた雲と風など自然描写にもこだわる本作。
大草原に、いつの時代も変わらず吹く風が、
テーマも運び、大河ドラマ感をもたらす。


【キャラ 4.0点】
好奇心旺盛なヒロインの銀河。
後宮に入っても、哲学って何?などと童心を忘れないキラー質問で、
しがらみだらけの宮廷内でも真っ直ぐに生き方を貫く。

その他、相部屋となった他の妃候補たちも、
ことごとく変な人たちばかりでw
訪れる重たい宿命も、滑稽な描写も添加して、
お子様でも消化できるよう柔らかくして提供。


彼女たちを一人前のレディーにするために教鞭を振るう
カクート先生も大変ですw

先生による女性とは何か?について50年に渡り探求した末の持論……。
今の世界だと叩かれそうですが、
国家の子宮に見立てた後宮の位置付けと合わせて、
無碍に否定できない物があります。


賊将の側にも義理や筋を通す要素も残すことで、
天子の器とは?を問い掛ける哲学も〇。


【声優 3.5点】
ヒロイン・銀河役の佐野 量子さん(現在は武 豊騎手の奥さん)
コリューン役の市川 笑也さんら、
俳優、伝統芸能役者らが中心の布陣で、まずまずの演技。

他にはタミューン役の高畑 淳子さんの名も見えます。
後宮の女たちの役者陣の顔ぶれを眺めると、
ちょっとした『大奥』に見えて来ますw


私のツボは“垂戸”(たると)の案内婆の役を演じた声優・京田 尚子さん。
アニメを観て来た方なら、必ず何処かの脇で遭遇しているはずの老婆職人。
昨年の声優アワードで、功労賞も受賞された大ベテラン。
若い娘がメインを張る中でも、老婆のスパイスは欠かせません。


【音楽 3.5点】
劇伴は適宜、二胡など中国伝統楽器も交えて、
東洋ファンタジーを無難に演出。

ED主題歌はヒロイン役・佐野 量子さんの「雲のように風のように」
放送当時、ノーCMで一挙に流したという本作を、
異例の主題歌フルverのエンディングクレジットで締めくくる。


【余談】
前世紀末のVHS→DVDへの記録メディア交代劇の狭間に落ちて、
埋もれつつある作品は少なくありません。

VHS時代はレンタルで幅広く見返せたけれど、
DVDはセルオンリーになり、他にはたまにBS、CSで再放送されるのみ
となった本作もそんな作品群の一つ。

先日、BS12トゥエルビで放送されていたので視聴しました。


近年は動画配信サイトの競争過熱による、配信作品数争いが激化。
各社ともOVAでもOADでもなりふり構わず作品数を積む傾向が顕著になり、
はからずもレンタルDVDから漏れた旧作救済の動きも見られますが、
本作のようなノーレンタル、ノー配信の隠れた良作はまだまだ残されているのです。

私もAmazonPrimeVideoや時々Netflixなども利用する分際で
言えることでもないのかもしれませんが、
ロングテールをマニアックな日本のアニメ方面に伸ばすためにも、
外資に対抗できる日本の動画配信サービスの早期確立を切に願う今日この頃です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

子供の頃見て大衝撃を受けた作品。

いわゆる、中国を模したような国の「後宮」にいる女性たちの物語。

後宮とは、日本でいうところの江戸時代の「大奥」。分かりやすく言えばハーレム。

まだほんの小学生くらいの頃だったと思う、TVで偶然このアニメを見て、ほとんど内容は把握できなかったが、とにかく衝撃を受けた。

一人の皇帝のために何人もの美人が国中から集められ、妃となるにふさわしく教育を受ける…大人になった今でこそ理解できるが、一夫一婦制の国で普通に生みの親に育てられた子供には到底理解できない世界。

…で、ネタバレになるのでこれ以上の名言は避けるが、そんな後宮を舞台にしているとはいえ、この物語はいわゆる最近流行の「大奥」のような女の園のドロドロ劇を描いた作品ではない。

端的にいうなれば、女は強し。徒党を組めば、一つの軍隊にも引けを取らない火事場の馬鹿力を発揮する。ラブストーリーあり、政治的駆け引きあり、戦争ありの内容だ。

原作は小説なのだが、アニメでは語りつくせなかった(あるいは、大人の事情でカットになった)設定などもある。興味があれば原作も読んでみられるといい。ちなみにタイトルは、そのものズバリ「後宮小説」だ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

65.9 10 1990年春(4月~6月)アニメランキング10位
NG騎士ラムネ&40(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (43)
332人が棚に入れました
ゲーム大好きな熱血小学生馬場ラムネは、ある日、一個10円の大安売りで偶然手に入れたファミコンゲーム「キングスカッシャー」をクリアした所、いきなりテレビから出てきた女の子ミルクに別世界へ連れて行かれる。そして伝説の勇者ラムネスとして復活した伝説の大悪魔「妖神ゴブーリキ」を倒す為にタマ Q、ミルク、姉のココアとスタン帆船で旅立っていく…。

声優・キャラクター
草尾毅、横山智佐、玉川砂記子、神代知衣、矢尾一樹、松井菜桜子、TARAKO、飯塚昭三、肝付兼太、飛田展男、菅原淳一、ならはしみき、真柴摩利、梁田清之、梅津秀行、中原茂、松本保典

あぱぱ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

究極に熱血!

あかほりアニメで有名な作品。
複数シリーズを含めたレビューです。

同あかほりアニメのセイバーマリオネットJキャラクターが
混じっていても違和感がない独特なあかほりキャラクターが出てきます。

1990年頃といえば家庭用ゲーム機が流行していた時期でしたので、
ゲームをクリアした主人公が異世界へ召還される展開になっています。

ラムネスCV草尾毅とダ・サイダーCV矢尾一樹の台詞まわしが
ひたすら熱いです。
とにかく賑やかなので、なんとなく視聴していても楽しめます。

かといってシリアス場面は、手のひら返したように物語を
盛り上げたりするので、ふいを突かれるところは見所です。
このあたりの演出は非常に見せ上手だと思います。
(最近はこのような見せ方をしてくれる作品が減ったように感じます)

音楽といえば、この作品シリーズのオープニング曲はとても
耳残りがよくて、本編を見ていなくてもなんとなくワクワク感や
熱血ぶりが伝わってくる不思議なオープニングです。
「めざせ一番!!」と「未来形アイドル」は個人的に大好きです。

作画はアクションシーンのアングルと速さが魅力。
勢いだけで描写したシーンは視聴していて気持ちがいい。

一時期ブームを起こした、あかほりアニメを視聴されたい方には
オススメです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

63.2 11 1990年春(4月~6月)アニメランキング11位
八神くんの家庭の事情(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.4 (13)
52人が棚に入れました
主人公、八神裕司は男子校に通うごく普通の高校生だが、たった一つだけ普通ではない家庭の事情があった。それは母親の野美が実母であるにもかかわらず異常に若く見え、自分と同年代の美少女にしか見えないと言うことである。
思春期を迎え、母親を女性として意識してしまう自分自身のマザコンぶりに悩む裕司だが、野美に恋する裕司の担任教師である四日市明、裕司に恋する美少女五十里真幸、裕司の父親に不倫願望を抱くOL七瀬密子などのサブキャラクターを交えつつ、八神くんの周りでは常にドタバタが繰り広げられるのだった。
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

マザコンは一生治らない 、男の子の病気

原作を幼い頃に読みました。
90年の作品なので、知っている方は少ないと思います。
けれど面白いですよ!
アニメは大人になってから視聴しました。

異様に若くみえて可愛い母さん、野美さん。
どう見ても17歳くらいにしか見えないです。

母さんが大好きな、、
母親ではなく1人の女の子のように感じてしまう悩める男の子、八神裕二くん。
四六時中いけない妄想でいっぱいの主人公。

少し変態じみていて、思春期特有な男の子の悩みや考えが詰まっている作品です。

どんどんややこしくなってゆく八神くんの事情
{netabare}
*八神くん野美さんとのマザコン
(八神くんの中で、一線を越えそうで越えない)

*八神くんの担任、四日市明が野美さんに惚れたり
(教師と保護者です。昼ドラのような展開へいきそうで絶対いかない。彼は27歳で純潔ならしいです!)

*八神くんと五十里真幸ちゃん
(清純なお付き合い 真幸ちゃんホンダのバイクでノーブレーキングで走ります、、
思い込みの激しい真幸ちゃん、あれ を喪失してしまうのか否か)

*八神くんの父親、陽二
その部下の魅力的な女性、美人OL七瀬密子が惚れてしまう。
(愛車セフィーロを爆走させる辺りが彼女の性格を表してます。不倫願望あり)
その後、陽二に似ている息子の八神くんに大人の女の魅力で強烈アタック。
(執念で既成事実を作りたい。大人のご奉仕をたっぷりしてくれるそうです)

*八百井刺激と言う名の、母さん瓜二つの男の子が現れて八神くんに惚れる。
(こちらは原作で登場しました。男同士の刺激的な熱い友情が繰り広げられます)
{/netabare}

けれど、野美さんは八神くんの父親、陽二を心から愛していて、
息子を母親として大きな愛情で包んでいるのです
野美さんは、母親として裕二くんに愛情をかけているだけなのです。
いつも裕二くんの空回りで終わります。

最後八神くんが野美さん(母さん)に勇気を振り絞って全部をぶちまけるのですが、
母さんの答えは、、
{netabare}
「全部分かっていたわ」

「男の子は誰でも お母さんが初恋の人なのよ。」

マザコンは一生治らない Boy's Sickness(男の子の病気)
{/netabare}


そう!
男の子は母さんが好きでいいじゃないか、それは仕方ないことなんだよ!という物語なのです。
そうですよね。
男の人が母さんのこと大好きなのは、愛情を沢山かけてもらった証拠だと思います。
私は良いと思います。(異常じゃなければ 笑)
大切な人が母さんの話をする姿、私好きですよ。
掃除、洗濯、看病の仕方、お料理、全部お義母さんに教えてもらえばいいんじゃないかな。
だって、唯ひとりの大切な大切な人を、この世界に生んで育ててくれた女性ですもの。
そしたら大切な人のこと、もっと分かると思います。


アクの強い絵とストーリーですが私は好きです。
アニメのほう、私の想像と声が合っていましたよ。

この作品から色々な言葉を沢山学んでしまいました。(特に原作のほう)
下ネタというより…そのまんまの言葉がいっぱいです。
子どもの頃は刺激的でしたが
今みると結構自然でマイルドなので、入門と言ったとこなのかな 笑

投稿 : 2024/12/21
♥ : 23

61.8 12 1990年春(4月~6月)アニメランキング12位
ソル・ビアンカ(OVA)

1990年3月21日
★★★★☆ 3.4 (11)
62人が棚に入れました
5人の美少女海賊を乗せたスペースバイキング「ソルビアンカ」が宇宙を駆けるSF冒険活劇。舞台は宇宙開拓時代。戦乱のさなか、貨物船を襲撃した5人は、貨物の中から少年リムが現われた。どうやら彼は惑星トゥレスへ行くために密航したらしい。5人はある情報と引き換えに少年をトゥレスに送っていくが、そこでは皇帝バトロスの独裁政治によって多くの人々が苦しめられていた。緻密な設定と痛快なストーリーでカルト的な人気を博し、1990年代初頭“OVA黄金期”の名作として高く評価。同時期に発売されたPCエンジンソフトとのマルチな展開も話題を集めた。99年には同じ世界観の中で新たなストーリーが語られる『太陽の船 ソルビアンカ』がシリーズ化されている。

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

単独作品として見るならば B

5人の女性海賊が乗った「ソルビアンカ」を描いたSF作品です。
その5人とは・・・公式ウェブもなく、wikiにも殆ど記載がないので、私の印象だけを元に書くと以下のとおりです。

○フェブ(CV.松岡洋子)
 褐色の肌に黒髪ロングのソバージュ。一番色気があり、なおかつ上品。
○エイプリル(CV.佐久間レイ)
 金髪のショートヘア。見た目は快活な大人の女性。リーダーの立場にある。
○ジャアニ(CV.高山みなみ)
 やや褐色の肌に、ショートヘアで黒髪の上だけを薄緑に染めている。立ち回りも性格も男勝り。
○ジュン(CV.渕崎ゆり子)
 黒髪ストレート。少女から大人になる途中の女性。
○メイ(CV.伊藤美紀)
 紫色の髪をポニーテールにして大きなリボンを付けている。まだあどけない少女。

ちょうど5人姉妹が海賊をやっていると考えるとイメージし易いと思います。
キャラの個性は明確に分かれていそうですが、それを掴むまで物語が進展していませんでした。

仕方ないことですが、絵は年代相応に古いです。
女性5人組みという、本来華があるべき設定なのに関らず、余り華がないキャラデザインです。
メカ類も何か懐かしさを感じるようなデザインで、35歳以上でないとなかなか受け入れがたいものがあるように思います。

物語は、既に海賊としてはこの宇宙で有名な彼女達が、海賊家業をやっているところからスタートします。
襲った船の荷物の中に密航者の少年が紛れ込んでいました。その少年から惑星トゥレスというところにお宝があるという情報を得た彼女達は、早速その惑星へと向かうことになるのですが・・・というものです。

アクションシーンもありますが、今のアニメを見慣れた人だと、やはりちょっと辛いかなぁというのが率直な印象です。

話の途中で、少年の父親が面白そうな人物だったにも関わらず、それには殆ど触れずに物語が終わっているのがかなり残念です。
まあ、実際その人物に関係しだしたら、1話だけでは到底終わらず、なおかつ、海賊ものでは収まらない作品となってしまったでしょうから、それでよかったのかもしれません。

これに続くソル・ビアンカ2は非常に中途半端な終わり方をしているので、実質、ソルビアンカのアニメはこの話だけで終わっているといっても過言ではありません。
何でも、続編は作られなかったのだとか。
軽い感じで1話見て終わり、っていう用途でしか視聴価値がないように思います。
(万が一ファンの方がいらっしゃったらゴメンナサイ)

リメイク作品の「太陽の船ソルビアンカ」を見る方が懸命かもしれません。
ただし、ストーリー的には繋がりは無いようです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
魔法のエンジェル スイートミント(TVアニメ動画)

1990年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (4)
61人が棚に入れました
葦プロが久々に手がけた魔法少女もので、同社の法少女路線第1作「ミンキーモモ」のリメイク的な面も持つ。魔法の国のお姫様ミントは、虹色の谷の花々が冷たい色に覆われていることを知った。花の色は人間界の“しあわせ”を示すバロメーター。ミントは人間界に赴いて、そこで暮らしているハーブおばさんのお店をもとに“しあわせショップ”を開店させる。人々にしあわせを振りまき、ミントは虹色の谷の花々を元の美しい色に戻せるか。

声優・キャラクター
笠原弘子、渕崎ゆり子、佐々木望、玉川砂記子、丸山裕子、辻村真人、滝沢久美子、伊井篤史、緒方賢一、松田辰也、川田妙子

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター カンビュセスの籤(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (9)
46人が棚に入れました
20世紀を代表する巨匠、藤子・F・不二雄のSF作品を、アニメ界の大御所笹川ひろし監督でアニメ化したOVAシリーズ。古代アケメネス朝の時代のペルシア、大軍勢を引き連れて他国を攻めたカンピュセス王の遠征は極度の飢餓に陥り、食物は尽き、戦友同士で籤(くじ)を引き、当たった人間を残りの仲間で食べるという凄惨な状態になってしまった。籤に当たったサルクは生きたい一心で軍隊から脱走。逃げたその先は人類がたった一人を残して滅び去った終末戦争後の世界だった。もはや地球上の技術で人間の営みを維持することはできず、生き残った一人は地球外文明に望みを託し、SOS信号を送り続けていたのだ。地球人の生き残る道はただ一つ。籤を引いてどちらかがどちらかの食料に……。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

原作に足してしまった部分は完全に蛇足。それでもSFの秀作。

 本作原作は短編集で読んでいます。この作品は、高校生以上成人でも十分楽しめる水準と言うか、SFとして高水準です。藤子F不二雄氏がもともとSFに造形が深く、子供向け以外でも才能があることが確認できます。

 原作は「少女終末旅行」の達観とは対照的な印象の作品です。どちらの作品も心にモヤモヤを残りますので、そのモヤモヤを咀嚼するのがいいのでしょう。

 なお、カンビュセスは古代ペルシャの王様と言うこと以外は知りませんでした。「カルネアデスの板」と言葉の感じが似ていて、どちらも命の問題ではありますが多分偶然です。それとも意識したのでしょうか?

 かなり短い短編で、それと比較するとアニメ版の方が尺が長く説明が増えています。小説やマンガの短編に言葉を足すという行為の是非については、私は否定的です。
 何故こんな事を言うかといえば、この作品原作があえて見せなかったと思われる読者に委ねたシーンをアニメではそのまま見せてしまっているからです。

{netabare} シェルターの中の過去の人間を描き、23人がいなくなっていくプロセスを見せるべきだったか?特に父とかおじさんと言った、個人への感情を見せるべきだったか?それは見ているこちらが想像したほうが、話が深くならないか?です。

 そして、結末の光と音。あれはどうでしょう?私は見せない方が良かった気がします。
 本作のあがきの部分が、可能性がほとんどゼロという絶望をどうとらえるか。最後まで生きる努力をするべきか否か。{/netabare}そのオープンエンディングとして我々が本来考えるべき課題を、作品が奪い去ったような気がします。


 短編の意味とは「エッセンスに集中する」「味わいを深める」「各々が考える」「説明を省くことでリアリティを増す」などの効果を狙っての事だと思います。
 短編は10倍20倍の情報量からとにかく削って削って、エッセンスまで行き着いて1文字、1コマに想いを込めているということが価値です。それだけに実力差が現れる反面、見る人によって印象が変わるのがいいところです。

 ということで、本作はSF短編マンガ文学の秀作を、大衆娯楽にしてしまった印象です。娯楽が悪い訳ではないし価値に文学と比較して高低は無い、と言いたいですが、やっぱり見せない部分を見せてしまった罪は重いかなと思います。まさに「蛇足」でしたね。

 ただ、評価でストーリー、低くしたくはないですね。本当は5何ですけど…うーん。見せてしまったマイナスで▲1で4、キャラも同様で4をマイナスで3.5とします。
 作画とか音楽は評価せずの3。声優さんは4とします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
機動戦士SDガンダム MARK-III(OVA)

1990年3月23日
★★★★★ 5.0 (1)
38人が棚に入れました
収録内容は、「宇宙の神秘大作戦」、「SD戦国伝 頭虫邸の忍者合戦」、「SD戦国伝 天の巻/地の巻/真の巻/理の巻」。

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ひとりぼっちの宇宙戦争(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.7 (9)
33人が棚に入れました
 藤子・F・不二雄の名作SFをアニメ化。宇宙のどこかの星から地球へ侵略戦争の宣戦布告がなされた。……だが、宣戦を布告されたのは主人公の少年たった一人に対してであった。宇宙では星同士の全面戦争が禁じられており、戦争をする際は代闘士を立てて同じ能力、同じ体力の元、1対1で戦わせて決着をつけるという方法が取られていたのだ。同じ格好、同じ体力、同じことを考えているクローンを相手に苦戦する少年。クローンは感情がない分、殺傷に対してためらいがなくそこにつけこまれるのだ。圧倒的不利に追い込まれた地球代表であったが、とあるきっかけをえて形勢を逆転する。はたしてそのきっかけとはなんだったのか……。

ざんば さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

駄作・・・かな

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
約30分ほどのアニメです
原作は既読です

星と星の戦争の代理として主人公が選ばれて
公平を期すために自分のクローンと戦う話ですね
設定はうる星やつらに似てるかな
少しこっちのが早いみたいだけど

藤子・F・不二雄作品は大好きなので
基本的に贔屓目で見てしまうけれど
これは面白いとは思えなかったですね

設定は面白かったのですが
バトルはしょっぼいし、最後はあっけないし
原作のほうはまだ感情が分かるようにしてあるので
感情移入は出来ますが
アニメは余計な設定ばかりが増えて
大事なところもなくなって改悪だと思いますね

まあ、他のシリーズ作品に比べて
見劣りするのは変わりませんけども

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

地球と異星による一対一の代理戦争

タイトルからして1980年代の角川映画でやりそうな作品だなぁという印象でしたが、思春期の少年が地球代表として宇宙人が作った自らのクローンと対決して戦争の決着をつけるという設定はシンプルながら当時は衝撃的だったんじゃないかな。

いわゆる代理戦争だったわけだけれども、マンガ家の夢以外に自信の持てない主人公が戦いの中で腹を決めて相手に立ち向かっていく姿といい、ちょっぴりたくましくなったのを最後に感じる事が出来ました。

しいていうと、前半の岩を持ち上げたというくだりの謎がうやむやなまま回収されておらず、火事場の馬鹿力くらいしか生かされてなかったのが残念だったかな。

それでもブラックだったり後味悪い作品の多いすこしふしぎなシリーズの中では王道の短編でオススメしやすいと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター おれ、夕子(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (8)
33人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の真骨頂であるSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編作品のアニメ化第5弾。交通事故で亡くなったガールフレンド・夕子。彼女が亡くなったあと主人公のまわりで不思議な出来事が起こるようになった。朝になると夕子の身の回りのものを身につけていたり……しかも、下着までつけているのだ。そしてついに夕子の幽霊を見たという者までが現れた。数々の事件の後、事件は急展開を見せる。生物学者であった夕子の父が主人公の身体に細工をしたがため、夕子が主人公の身体に変身してしまったのだ。夕子と、主人公の運命は!? 監督は『うる星やつら』などでもおなじみの望月智充。

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

悲しい怪奇物

タイトルで、男と女の入れ替わり的な作品かなあというのは想像がつきましたが、それゆえに主人公である弘和からしたら良い迷惑だったでしょうね。

夕子の父親のマッドサイエンティスト特有の怪しげな雰囲気も印象的でしたが、後半の種明かしの際には自分勝手とはいえ、少し可哀想で同情してしまう部分もありましたね。

そして、その後半はガリ勉が大活躍でしたけれども、夕子の屋敷に忍び込むというリスクある行動をしつつ、怪奇現象の顛末を聞いて涙したりと結構良い奴だったといいますか、影の主人公といっていい活躍ぶりでした。

藤子Fの少しふしぎなシリーズの中では良作の部類だったと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

遺伝子を科学と家族・男女という両面から見たSF作品。

 原作は1975年です。日本でDNAの2重らせんという概念がSF界に広まった時期がちょうど1970年代なんでしょうか。その概念を紹介・説明しようという意図を強く感じる作品でした。

 ただ、残念ながら原作においては黎明期だったせいもあって、DNAと言う概念あるいは記憶というものを完全に間違っています。ただ、この間違った概念のSFを1990年代に入ってチョイスしたのは、アニメ制作者ですからちょっとその意図は測りかねます。もう少し工夫は出来なかったんでしょうか。

 テーマとしては、マッドサイエンティストの人間としての家族の情の話でした。この家族の情というストーリーが話の骨格になっています。科学は万能ではないというテーマも入っていると思います。
 つまり鉄腕アトムにおける天馬博士のようなイメージです。手塚治虫氏をフォロワーである藤子F不二雄氏が意図的に鉄腕アトムのテーマをくみ取りつつ、DNAに置き換えたととるのが素直な解釈の気がします。
 
 出来としてはサイエンス設定に瑕疵はあるものの、家族というウエットな情とDNAというドライな科学の対比や、オカルトと科学を組み合わせたところは、さすがと思わせる短編でした。
 また、代謝によって細胞が入れ替わっても本人であるという視点は面白かったと思います。

 原作の少女はちょっとエスパー魔美っぽく、かつ藤子F不二雄の性癖がでる妙にエロいヌードシーンもあるんですけど、キャラデザが子供っぽくヌードシーンも直接は見せなかったですね。DNAを扱ってるのになあという感じですが、その代わりのゴーギャンなんでしょう。ヌードではなく「男女」という概念のテーマ性は、ゴーギャンを入れることで強調したんでしょう。

 ということで、科学設定は90年代の作品としてはどうよ?と思わなくはないですが、テーマは普遍的なものだし「遺伝子を運ぶ船」としての人間と家族、男女の面から描けているなかなかの話でした。

 秀作とはいいませんが、出来がいい作品だと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター 宇宙船製造法(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (9)
32人が棚に入れました
妖怪の血を引く主人公・猫目小僧が、妖怪退治をしながら母親を探す。アニメと実写を融合させた“劇メーション”作品。全編紙芝居のような作りで、炎のシーンでは実際に紙を燃やすなどの手法が採られている。楳図かずおの独特な絵柄を活かすという点では有意義な手法であったが、残念ながら充分な効果は得られなかった。原作者自らが書いた歌詞が秀逸。全24話。

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

藤子・F・不二雄の漫画を原作としたOVAその4

このアニメは、藤子・F・不二雄氏の
SF(すこし・ふしぎ)シリーズの一つ
「宇宙船製造法」をベースに制作された作品である。
藤子・F・不二雄ファンならば、既にご存知であろう。

あらすじとしてはこんな感じ。
宇宙船に乗り込んだ八人の若者は、地球から
遥か遠く離れた場所を旅していた。
途中までは順調にうまくいっていたのだが、
ワープ中に事故が発生し、無人の惑星へ墜落する。
機関部に問題はなかったが、機体に亀裂が生じたため
宇宙空間の飛行ができない状態に。
地球に帰る望みも絶たれてしまい、止む無く、
八人はこの星で自給自足の生活を強いられるはめになる。
今後の方針について話し合うが、宇宙船を修理して、地球に
帰ろうと考える小山と、生き延びるために食糧を確保すべきだ
と発言する志貴杜の二人が対立する。

この作品の大きな特徴は、若者たちの
閉鎖空間での苦悩を丁寧に描いている所だ。
最初こそ、団結して新たな生活を始めるが、次第に
疑心暗鬼になり、グループに分かれて反発しはじめるのだ。
それにより、人間関係が大きく変化していく様は見ごたえがある。

これと正反対の結末を迎えた作品であれば
蠅の王を連想した。中盤までの展開が非常に似ているためだ。
個人的には、蠅の王の方が好みではあるが、こういった
ストーリーも悪くないと考えを改めた。
そのため、蠅の王の様な展開でないと困るといった方は
見ないほうがいいと思われる。

個人的には、良作だと思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

人間は半世紀前には既に月へ行った。

日本でも大ヒットしたミュージカル映画「LALALAND」のデミアン・チャゼル監督作品「ファーストマン」を観て、心底、普通の人間が宇宙の。。それも月に行くことがどれだけ大変なのかを思い知らされた。

アニメや映画では当たり前のごとく宇宙に行くシーンが描かれるが、現実実際に行こうとなると、途方もない知識と精神力と技術、近隣の人の助けが必要であるのだが、

この「宇宙船製造法」はそういった科学知識よりも、もしそんな「宇宙航行」が出来たら、人はどう動くのかという、人間の行動観察に特化した作品です。なので科学的に正しいかどうかは考えてはいけません。それはロボットアニメのお約束と同じですね。

そこはあくまで「少し不思議(SF)」なのです。

しかし、人間は本当にちょうど半世紀前に月に行ったのに、未来は50年経っても一般人は月にいくどころか、宇宙にさえ。。普通はいけないですね(笑)

ZOZOの社長だけではなくて、そんな未来は果たして実現するのでしょうか?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

30分弱とは思えない満足感

宇宙船で遭難した若い男女が異星から地球に帰るというドラえもんの映画とかでありそうな作品。

ドラえもんの映画とかは短くても1時間半とかですが、本作は30分弱で遭難から地球へ帰還まで起承転結がしっかり描かれているのが良いですね。

少し大人向けの内容とあって遭難してから生き延びるための自給自足、意見の違いによる対立やちょっとしたクーデターまで描かれており、それでいてジャイアン的なキャラやスネ夫的なキャラもいるあたりFの作品て感じがします。

不穏な場面もありましたが最後は無事、地球に帰還し、全員が喜ぶ場面はそれなりにカタルシスがあり、古い映画ですが「飛べ!フェニックス」という映画を思い出させるものがありました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター プチシアター・絶滅の島(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.4 (9)
28人が棚に入れました
巨匠、藤子・F・不二雄の名作短編をアニメーション化。突如として地球にUFOの大群が襲来した。彼らは一方的に地球人を虐殺し、あっという間に地球全土を制圧した。たまたま無人島に来ていた主人公たちは難を逃れていたのだが、その無人島にも宇宙人たちの魔の手が迫る。次々とやられていく仲間たち。ついには男女1組のカップルだけになってしまった。その二人もとうとう宇宙人に捕まり、もはや人類は絶滅か……と思ったそのとき、突如として別のUFOが訪れた……。はたして地球にやってきた宇宙人の目的とは何だったのか!?
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

人類への痛烈な皮肉

藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シリーズの1つ
10分ほどのアニメです
声はナレーションだけです

ドラえもんの絵柄ですがグロい表現が多分にあります
苦手な人は注意です

あらすじは
宇宙人の襲来により一瞬のうちに人類は絶滅へと追い込まれる。
偶然、離島にいた主人公たちは運よく逃げ延びていたが
ついに宇宙人の魔の手が伸びる・・・

この話のメッセージは
心が痛くなるほど直球で痛烈な皮肉ですね
{netabare} 島にいたほとんどの人はまるで虫けらのように殺されますが
別の宇宙人が主人公たち2人を生かしてくれます
その理由は最後の人類だからです・・・
そしてその宇宙人たちは言います
「私たちはあなたたちを保護します。
   安心して暮らしてください。」と・・・{/netabare}

自分たちの都合で殺しをして、自分たちの都合で生かす。
今の私たちがしていることと何も違いはありませんね
たくさんいるときは
食料のため、薬のため、お金のため
さらに理由もなく生き物を殺したりもします。
なのに絶滅が心配されると
急に態度が変わって保護を始める。
何様なんだって話ですよね

まあ、人類が他の生物より強いのは事実ですが
自分勝手な話です。
ため息がでますよ・・・

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター みどりの守り神(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.6 (6)
28人が棚に入れました
藤子・F・不二雄の名作(すこしふしぎ)短編シアターを出崎哲監督が映像化したオリジナルアニメーション。沖縄に向けて旅行中だったミドリが乗った飛行機が墜落した。墜落したところは一面の植物に覆われた密林の中。奇跡的に助かったミドリは一緒に助かった坂口とともに助けを求めて森をさまよう。ところがどこまで行っても森は続き、たまに見つけた集落でも、いっさい人の影はなく動物さえも見当たらない。不審に思った坂口は街を捜し歩き、人類が絶滅した事実を発見した。人類が滅亡した世界にたった二人残された彼らの運命は……。

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

自分以外は赤の「他人」である恐怖

ホラー映画の魅力というのは、今まで「普通」とされていることや常識が覆されることによる恐怖であり、自分の身の周り以外の出来事が得体の知れない理解できない事により混乱する事から始まる。つまりは「合理性」から出て「非合理性」である時に「恐怖」していると気付く。

自分以外の人間は「他者」である以上、別の思考で生きているわけであって、そもそもがコントロールできない「合理性」の外側にいる。

だからこそホラー映画において人は「恐怖」するのである。

そのことを藤子F先生は自覚的であり、「みどりの守り神」では全く共感能力のない他者と主人公が共に旅をすることの不協和を描いている。実に現実的だ。

一応結末は珍しくバッドエンドとはならなかったものの、人が緊急時にどれだけエゴイスティックになるのか。共感能力が働かないのかといった現代的な問いかけをしている。

何よりも恐ろしいものは、怪獣や幽霊といった超常現象的な事象ではなく、すぐ側にあるかもしれないというF先生が根底から持つ恐怖心が如実に表れた作品です。

「ミノタウロスの皿」と一緒ですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

シリアスなんだけど、救いがある終わり方

主人公である女子高生の女の子が飛行機事故に巻き込まれて気がついたら密林の中で隣の席に座っていた坂口という男の人と彷徨うわけだけど、とにかくこの坂口が酷い男で、弱音を吐く主人公を容赦なく怒鳴るわ、非難をするわで大人気なく感じる。でも、それは平穏なところで観ているから思うもので、これが緊急事態の時だったらパニックになり、それどころじゃなくなるんだろうなと。それゆえに坂口の怒る様子を見て反面教師の意味で少し冷静になったり。

人類が滅亡したと発覚したあたりの廃墟の光景を見ると同じシリーズ作品の絶滅の島を思い出しますが、本作の場合はヒロインが助かり、終盤に登場するガタイの良い青年が良い人だったおかげもあってか結構救いのある終わり方となってます。

本編36分程度とシリーズでも長めの作品ながら見応えのある内容でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
湘南爆走族 6 GT380ヒストリー(OVA)

1990年5月25日
★★★★☆ 3.9 (6)
28人が棚に入れました
1982~88年に「週刊少年キング」で連載、87年には実写映画版も公開された、吉田聡のコミックが原作。OVAシリーズとして全12作がリリースされており、本作はその第6作。前作に引き続き、監督を西沢信孝、脚本を隅沢克之が担当。キャストは塩沢兼人、目黒光祐(裕一)、富永みーなほか。 「湘爆」の中では控えめでメンバーのまとめ役をしている桜井が、花屋のかなえに恋をした。しかし、彼女はツッパリや暴走族の生き方を真っ向から否定。桜井にも湘爆を抜けて欲しいと頼み、翌日に退院するおばのを一緒に迎えに行こうと誘う。しかし、翌日はチームの大事な記念ツーリングの日だった……。実写映画に主演した江口洋介が音楽で参加。劇中で骨太なロックサウンドを聞かせている。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

想い出に変わる瞬間・・

原作は吉田の代表作暴走族漫画。略称は『湘爆』
少年KINGに1982年から1988年迄連載された作品。

1987年実写劇場版は江口洋助/織田裕二/清水美砂
のデビュー作でその他杉浦幸/杉本彩/翔/竹内力
「噂の刑事トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)
等も出演している。
OVシリーズ一期には声優として浜崎あゆみもいる。
本作はアニメOVA第6作目。アニメはOVA12作迄有る。

湘南海岸を舞台に、「暴走族」と「湘南爆走族」との
抗争や登場人物やグループを中心に友情や恋愛等
を描いた作品で、ギャグやコメディの割合が多い。

不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点ともいえる作品。
後々の同ジャンルの作品に多大な影響を与えている。


GT380 発売時期:1971年12月~
空冷2ストローク直列3気筒エンジン搭載
独自のラムエアシステムを採用。
3気筒なのに4本出しのマフラー。
同社56mmピストン組み込みで容易に399ccに可能。
エンスーマニアに人気の名作かな?
変身前の仮面ライダー新サイクロン号
4ストがメインになるまで人気だった名車。
暴走族隆盛期?のマストアイテムのひとつ。


桜井 信二の思い入れが深い愛車。

そんな愛車GT380が日頃の酷使?から故障して・・
必至にバイトしながら修理を試みる・・
※思えば何時も原沢を後ろにのせ・・壊れるわw

そんな櫻井が・・花屋の娘に出逢い・・
二人の想いは急接近して通じ合うかと思われたが・・

暴走族・・不良・・目立ちたいだけの自分よがり・・
自分の伯母も爆音等迷惑行為でノイローゼで入院・・
そういう理由から・・更生を迫られる・・

住む世界が違う二人の恋の行方は・・
仲間をとるか・・恋をとるか・・


何となく・・声優も慣れてきた・・聴き慣れた。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

湘南爆走族OVA第6弾

暴走族マンガの原点ともいえる『湘南爆走族』のOVA第1弾。
原作マンガは中高生の頃リアルタイムで読んでいたなぁ・・・。(あぁ、年齢がバレてしまう・・・)

湘南爆走族2代目リーダー兼波打際高校第25代目手芸部部長(!!)の江口洋助をはじめとする5人組・湘南爆走族のメンバーと仲間たち、ライバルの暴走族などとの友情や恋愛を描いた作品。
暴走族マンガらしくケンカのシーンも少しはあるけど、原作は、ほぼコメディ。


本作は湘南爆走族の一員、桜井信二の回。
普段は個性の強い他のメンバーの陰に隠れてあまり目立たない桜井のひと夏の恋と愛車GT380の話。

原作に忠実な本作に感謝!!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ポストの中の明日(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.4 (5)
25人が棚に入れました
『ドラえもん』や『パーマン』など国民的キャラクターの生みの親、藤子・F・不二雄の短編コミックをマジックバスがオリジナルビデオアニメーション化。主人公の少年は、ひょんなことから明日の新聞を見ることができるようになってしまった。そこにはいろいろな出来事が書かれているのだが、それを防ごうと思っても何一つ自分にできることはない。少年は何もできない自分にもどかしさを感じ悶々とした日々を送っていた。そんなとき、明日の新聞に自分たちが富士の樹海で遭難するという事件が載る。なんとか事件を阻止しようとする少年だったが……。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

SF恐怖新聞。今の水準では凡庸な作品です。特にキャラが駄目。

 原作既読です。未来がわかる新聞と言えば恐怖新聞73年~75年があります。本作原作が75年なので影響がないとは言えない気がします。それ以前に前例があるかどうか知りませんので、オリジナルをどこに求めるかは別問題です。

「青ブタシリーズ(原作)未アニメ化部分」でも「とあるレールガン」でも扱っているテーマですので類似性はそれほど気になりませんし、話の内容がそもそもオカルトではないです。

 ただ、令和の今見ると、類似が多い分ストーリーに求めらる水準は当然高くなりますが、正直それほど高水準ではありません。「当時としてはどうか」というのは置いておいて「今見ると」という感想です。

 寓意がないのはいいとしても、人間の自然な描写が出来てないので物語に迫力がありません。もともと藤子F不二雄氏の人間描写は、手塚治虫の記号的なマンガ表現を更に強化したような感じです。記号化が極端で駒にしか見えないことがあります。そのいい例でしょう。サブキャラが「ドラえもん」とそっくりな人物配置でした。

 印象としてはストーリーはそれでもまだ見られなくはないですが、キャラの不自然さはかなりのものです。


  結末について、{netabare}能力で助かるのはいいですが、何か設定か意味、伏線があればかなり質は上がったと思います。私が読み取れていないだけかもしれませんけど。
 私の解釈では、自分に関わる未来予知をしてしまったので能力が消えたとも見えますが、そこに何か付け加えて欲しかった。{/netabare}


 そして、ただでさえあまりレベルが高くないキャラ描写なのに、登場人物の年齢層を上げてしまったので更に不自然さが増したのと、アニメオリジナルの下手くそな恋愛のサブストーリーを入れているのも減点ポイントでした。

 この作品の面白いところは、SF作家が出てきてこの未来予知についての解説をするところです。これがなかなか面白いです。精神医学のことなので50年近く前の知識が役に立つか分かりませんけど、1999年まではオカルト、超自然が今よりもずっと広く信じられていた時代なので、この解説はSF作家としての面目躍如だと感じました。

 ということでアニメ化にあたり、この作品をチョイスした理由がよくわからない上に、アニメ化そのものにも不満が残る作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター ニューイヤー星調査行(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.8 (5)
25人が棚に入れました
藤子・F・不二雄のSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編アニメ。多くの星が「神が降り立ちて世界を作った」という神話を持つ中で、「神が世界に飛び立っていく」という神話を持つニューイヤー星。人類らしき生物も発見されたがあまりにも辺境にあるために学会からは価値のない星であると考えられ長年に亘り無視されていた。しかしバルボング教授は神話伝説の奇異さから、その星に人類発祥の起源があるという学説を唱えて調査団を結成した。人の好い星の住民の協力により調査は劇的に進み、バルボング教授の学説はほぼ立証されたかに見えた。だがその裏には……。

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
藤子・F・不二雄のSF(すこしふしぎ)短編シアター プチシアター・幸運児(OVA)

1990年4月1日
★★★★☆ 3.1 (8)
23人が棚に入れました
『ドラえもん』などの名作を数多く生み出し、夢の世界を描き続けたマンガ家、藤子・F・不二雄の真骨頂であるSF(すこし・ふしぎ)な世界観を描いた短編作品をアニメ化。人類誕生第1号から数えてちょうど一千億番目の赤ん坊が生まれた。しかし、その横に立つ母親は、なぜか暗い顔をしていた。出産を控えた中で父親が逃げ出してしまい、所持金も底を尽き、自殺するつもりで多摩川の土手をさまよっている最中に赤ん坊が生まれたのだ……。しかし、赤ん坊が生まれた瞬間にお金の心配も解決、そして父親も帰ってくる。その赤ん坊の幸運の源とはいったい……?

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

タイトル通りの内容の作品

読んで字の如く生まれながらにして幸運というか超幸運属性を持って生まれた赤ん坊の話。

最初はお通夜ほどではないがちょっと暗い感じからの次々に幸運が舞い込んできて、最終的には宝くじに当たって大金持ちになってしまうというストレートな内容。

個人的には暗い話より明るい話派なのですが、本作に関しては短いとはいえ、もう少し捻りというか思わぬ落とし穴的なのがあると思っていただけに拍子抜けさせられました。

多分、藤子不二雄Fのすこしふしぎなシリーズの中でも微妙な部類の作品だったと思います。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

計測不能 13 1990年春(4月~6月)アニメランキング13位
CAROL [キャロル](アニメ映画)

1990年3月21日
★★★★☆ 3.2 (8)
22人が棚に入れました
『CAROL』(キャロル)は小室哲哉のライブフィルムとの同時上映会「FANKS! FILM COLLECTION」のために作られたアニメ映画である。1991年ロンドン。少女キャロルの身辺では、大好きなバンドの人気急落、チェロ奏者の父が音を出せなくなる、ビッグ・ベンの音が消えてしまう、といった音の失われる事件が起こっていた。盗まれた音を求め、キャロルは異世界ラ・パス・ル・パスで冒険をする。

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

TMネットワークに興味がある人以外にはお勧めしません。

 OVA乱造の時代の徒花かと思います。1985年くらいからアニメの制作本数は増えますが、OVAの比率が高くなった感じでしょう。それが本作の90年台に入ると、アニメのクオリティも内容もかなり低下したものが混ざるようになります。

 最近はやったシティポップと、このTMネットワークのようなデジタル打ち込み系の境目のような感じもありますので、クリエータ―にとって何かの変革の時期だったのでしょう。

 監督が出崎哲氏、キャラデザが高河ゆん氏で期待しましたが、作画、演出、美術、ストーリーどれをとってもいいところは無いです。音が失われたという設定のみ、まあまあかなあという感じです。


 本作は、TMネットワークというのMVアニメの歴史的な位置付けとして確認のために見たことがありましたが、アニメ作品として見るところはあまり多くありません。
 ただ、TMネットワークは、逆シャア、シティーハンターなどを手掛けていますので、TMの音楽好きならいいのではないでしょうか?(同じくアニソンで有名なTMレボリューションではありません)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3
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