ラブストーリーおすすめアニメランキング 14

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのラブストーリー成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番のラブストーリーおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.7 1 ラブストーリーアニメランキング1位
赤髪の白雪姫 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (639)
3499人が棚に入れました
分割2クールの後半クールにあたる。

赤い髪を持つ少女・白雪は、タンバルン王国のラジ王子に見初められ、愛妾にされかかり、国を出る。たどり着いた森で、隣国の第二王子・ゼンに助けられた白雪は、彼の国・クラリネス王国の宮廷薬剤師として働き始める。やがて想いを通い合わせていく白雪とゼン。王子と薬剤師という二人だが、たくさんの出会いや出来事を経て更に絆を深め、二人を認める人物は少しずつ増えていく。

声優・キャラクター
早見沙織、逢坂良太、梅原裕一郎、名塚佳織、岡本信彦、三瓶由布子、甲斐田裕子、福山潤、小西克幸、豊永利行、國立幸、浅沼晋太郎、水瀬いのり、小松未可子、石田彰

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

これは自分の行く道。自分の物語。進む道の先に思い描くのは…。

赤髪の白雪姫・2期。

分割2クールの後半なので、
まずは1期から視聴してください♪

今回もときめき胸キュンうわあああな叫びが止まりませんでした(*´Д`)

全12話です。


● ストーリー
林檎のような赤い髪を持つ娘・白雪(しらゆき)。

彼女はクラリネス王国第二王子・ゼンと親しくなることをきっかけに、
宮廷薬剤師見習いとして働いていた。

そんなある日、
白雪を狙っているという美少年・巳早(みはや)の噂が届く。

警戒するゼン。
さらに白雪の祖国・タンバルンのラジ王子から白雪へ招待状が届く。

巳早のことが見つからない不安な中、
白雪はオビと共にタンバルンへ向かう。


1期は全体的にほのぼのしていましたが、
2期の前半は白雪の身の危険という緊張感が続きます。

胸キュン要素は合間合間にちゃんと入れてくるので
ときめき成分を求めている方はご安心を(*´Д`)


≪ 恋をすると… ≫

自分の進む道を自分で見据えるゼンと白雪。

それは2人が出会う前も、出会った後も変わらない。

だけど互いに恋をした2人は少しずつ変わってきている。


白雪は、
ゼンのことを好きだと思う気持ちが強くなればなるほど、弱くなった。

長い時間傍にいないことに
どうしようもない不安を感じ、涙を流してしまうほどに。


ゼンは、
白雪のことを好きだと思う気持ちが強くなればなるほど、強くなった。

自分の手で守ると決めたから。
自分の隣にいてほしいのは彼女だと心に決めているから。


恋ってそういうものなのかしら。

普段は強く自分の心を持っている白雪が、
弱くなってしまう。でもそんな時には心の底から寄りかかれる相手。

そしてそんな白雪を強く優しく包み込むゼン。

ああもうお腹いっぱいです(*´Д`)満足じゃー


● キャラクター
好きなキャラがたくさんでねー。
1期以上にみんな好きになったよー^^

◇白雪(cv.早見沙織)
自分で選んだ道をひたと見据えて、
自分の足で歩んでいく女の子。

この強さには憧れます♪

困難に巻き込まれることもあるけれど、
決して悲劇のヒロインぶらないところがいいヒロイン。

ぶりっこしない自然体も好感。
そしてやるときはやる!かっこよさもかっこいい!

さすがの白雪も、ゼンに対してだけは
照れたり、あわあわしたりするところがまた可愛い♪


◇ゼン(cv.逢坂良太)
1期同様かっこよすぎて…(*´Д`)

強くてかっこよくて、
ゼンの王子っぷりが留まるところを知らない。笑

≪ゼンの魅力≫
・自分の心に偽りやごまかしをしない。
・やりたいことをやる。
・告げたい気持ちを告げる。
・普段は強気なのに、からかわれて赤面したりすねたりする。
 そんなところがまたかわいい魅力ww

総括すると、
優しすぎるよ包み込まれるよかっこいいよなんだよ少女漫画あかん!(壊)
でした。笑

赤面だよ赤面(/ω\)

白雪とのラブシーンは一時停止して、
存分に悶えて心を落ち着かせなければ続きが観れませんでしたww

何この王子。どこの国に行けば会えるのですか?(切実)
この悶えた気持ちを何にぶつければいいのですか?
だから少女漫画は苦手なんだよ!←八つ当たり


そして今回もゼンとオビ(♂)のいちゃいちゃがよかった(*´Д`)

というか入浴シーンとか!ゼンの裸とか!オビの裸とか!
どうもごちそうさまでした(*´Д`)ハァハァ


◇ラジ王子(cv.福山潤)
そしてなんといっても今回のメインサブキャラは、
アホ王子…失礼(笑)、ラジ王子でしょう!!

白雪やゼンと関わる中で少しずつ変わっていくラジ王子。

本質的なアホさは治らないでしょうが(笑)、
まさかかっこよく見える日が来るなんて!!

1期では想像もつきませんでした(笑)

「自分のところに留まる白雪殿なんて…つまらん。」←しびれたぜ!

実は彼の成長が今後の1番の楽しみかも♪


● 音楽

【 OP「その声が地図になる」/ 早見沙織(作中では白雪役) 】

1期と比べると、
ちょっと雰囲気が重くなった感じがしました。

なので最初は
「1期のOPの方が好きだったなー。」と思っていました。

しかしその重みが前半の緊張感とも合う良い仕事をしていたので、
そこから印象が変わりました^^

白雪とゼン。そして周りの人たち。
みんなの歩く一歩の重みが感じられて、今では好きな曲です♪

そして作詞・作曲には早見沙織さんの名前が!

歌が上手なだけじゃなくて、
作る方にも活躍の場を広げるなんて、すごいなー。


【 ED「ページ~君と綴る物語~」/ eyelis 】

今回もこの作品の持つ爽やかさとすごくマッチしている♪


OPもEDも、曲もいいんだけど、
アニメーションもとてもいい仕事をしていて。
曲の雰囲気をよく引き出しています♪

OPのサビのラジ王子のワンカットが妙に好きなのですwww


● まとめ
白雪は人との縁を積み重ねている。

たくさんを求めるのではなく、
自然に。その時その時の出会いを大切にしている。

そうしてつながった縁の太さと優しさに
ふとした瞬間に気づくんだね。

ちゃんと白雪とゼンの関係にも
気持ちよく区切りがついたところで終わったので満足です。

でも願うなら、もっともっと彼女たちの物語を見届けたいな♪

素敵な王子様にきゅんきゅんしたい方はぜひどうぞ^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 26

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

願うならこの道の先も自分で描けるよう・・・願うならこの物語を彩るのは運命の色であるよう・・・

大好きなはやみんが主演する赤髪の白雪・・・思い返すと1期では色んな事がありました。
幼い頃から薬学を学んでいた彼女は薬剤師の道を進むのですが、タンバルン王国のラジ王子に目を付けられて国を飛び出し・・・森の中でクラリネス王国のゼン王子と出会いました。
まだあどけなさの残る笑顔が印象的なゼンですが、王宮の中では笑ってばかりもいられない立場である事・・・書かれたカルテを見た白雪が大粒の涙をポロポロ流していたのが印象的です。
そのカルテを見た以降、白雪はゼンの客人として王宮に居るのではなく、自分の居場所を作るため宮廷薬剤師になる事を決意・・・難しい試験を見事突破しました。

ゼンと親しくする白雪を見て快く思わない一部からの嫌がらせもありましたが、意思を貫き通す心の強さ・・・大切な人の尊厳を守ろうとする態度・・・強大な力に彼女全部で立ち向かう勇気を持つ白雪です。
例え相手が誰であっても筋の通らない事には凛とした態度で立ち向かうところは、彼女の大きな魅力だと思います。
そしてゼンとの仲もしっかり深まったところで1期は終幕しました。

こうして思い返してみると、1期は「成長」というキーワードがしっくりくるように思います。
1期が成長なら2期のキーワードは植物で例えると「根付く」の様に感じました。
2期では1期よりスケールの大きな出来事が次々と襲いかかる中、白雪とゼンは例え別々になってしまったとしてもお互いを信じ合うんです。
大きな信頼って難しいです・・・でもそれが出来るという事は、今まで以上に相手の心に色濃く住まう事ができている証だと思うんです。
お互いの距離が離れれば離れるほど・・・そして危険度が上がれば上がるほどパニックになるのではなく相手を信頼する・・・これってなかなかできる事じゃ無いと思います。

これまで白雪とゼンに焦点を当ててレビューを書いてきましたが、2期ではいつも二人を気遣っている側近の株も相当上がったのではないでしょうか。

キキ・・・普段は物静かな女性ですが、彼女の勇猛果敢な行動には感動しました。
爵位も持った綺麗な人なのに・・・大切な人のためなら顔色一つ変えず何事も顧みない行動を平然としてのける彼女・・・その言動には迷いも躊躇いもありません。
この人も目的のためなら厭わないんだ・・・そう思うと彼女の魅力が倍増した気がしました^^;

でもキキ以上に私の中で株を上げたのがオビでした・・・
彼の心中が複雑なのは分かります。でも与えられた任務は確実にこなすので、ゼンからも高い信頼を得ていた彼は白雪の護衛を務めることに・・・
ゼンから護衛を任された時・・・すごく嬉しかったと思います。
だから任務にも相当気合が入っていたようにも見受けられました・・・
物事に集中している時に想定外の事態が起きたり、強制的に異なる情報が流れ込んでくると咄嗟の判断はどうしても鈍ってしまいます。
人間として普通の摂理だと思います。
そしてそれはオビも同じ・・・
決して油断していた訳じゃありませんが、彼は仕事上でミスを犯してしまうのです。
オビを案じる周囲には変わらぬ態度と言動・・・
でも腹わたは煮えくり返っていたと思います。
相手にも・・・そして自分にも・・・
動き出したオビの眼光はどこまでも鋭く、見ていて恐怖すら感じるほどです。
でもそれはオビが必死である事の表れ・・・
ミスを自分で何とかしようとする姿勢は頼もしく思いました。

波乱万丈の2期・・・気になる方は本編でご確認下さい。
紆余曲折ありますが、白雪とゼンの仲はこれまで以上に深まったと思います。
二人のシーンなんて・・・もうキュンキュンしっ放しでした^^
そしてこれがはやみんボイスというのが堪らないご褒美・・・
はやみんファンは必見の作品・・・なのではないでしょうか^^

オープニングテーマは、はやみんの「その声が地図になる」
エンディングテーマは、eyelisさんの「ページ〜君と綴る物語〜」
1期,2期共に歌い手さんは一緒でしたね^^
印象的なのがオープニングです。初めて曲の情報を知った時、はやみんが作詞と作曲も担当されている事にちょっとビックリしました。
後から知ったのですが「その声が地図になる」の曲は、これまではやみんの
頭の中にあったメロディを曲にしたんだそうです。
はやみんがずっと温めてきた曲と思うと、ファン冥利に尽きる・・・という気持ちです^^

分割2クール作品の後半で第13話から第24話までの計12話の作品でした。
物語がホント綺麗に纏まっていたと思いますし、主演のはやみんも抜群にハマッていたと思います。
こういうキュンキュンする作品・・・大好きです。
ラストまでしっかり堪能させて貰きありがとうございましたm(_ _)m

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

かさい さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理想的な表現

安藤監督とボンズの少女漫画原作アニメ。
少女漫画原作アニメは、デザインが少し趣向に偏っていたり、演出がキラキラし過ぎていたりくどかったりと、癖が強いアニメが多い。
セリフも少し恥ずかしげで、男性にはあまりはまらないタイプになってしまうパターンも少なくはない。
そんな問題点と課題を見事にクリアしているのがこの作品。
始終とにかく映像として美しく、丁寧な作りをしていた。

【総合】
4.72/5

【物語】4.7
【構成】4.75
分割2クール構成、全24話。
最後は綺麗にまとまっているし、1話構成も見事。
ヒロイン中心の物語ではあるものの、サブキャラなどのエピソードやメイン以外のエピソードも凄く良い。
ヒロインのキャラもあり、シナリオもストレスなく進んでいく。

【作画】4.7
・始終安定したクオリティ
総作画監督には斎藤さんや藤田さんなどが参加。
派手なアクションがそこまで多いわけでもないし、殺陣があるわけでもなかったが、この作品が一番大切にしている事最後までしっかりやり遂げた、そんな印象。

・見せる表情
とにかく表情がいい。総作監や作監修正もしっかり入っている印象。
アップで表情が映った時の絶妙な加減具合。感情が見るだけでしっかり伝わる。キャラも最後まで整っていたし、ハイライトや影付けも素晴らしかった。

・戦闘作画
カメラが常に見方を捉えており、見方中心に見せるアクションになっている。
また、動きも大きく大胆。出血表現は控えめ。

【美術】4.7
今後注目の美術監督、岡崎さん担当。
舞台は半分以上が城。見せる背景としても、舞台としても凄く魅力的。
また、画面から溢れ出る美しさにも、しっかり貢献している。
自然などの描写も細かく、花や美しい景色なども多数あった。

【声優】4.7
早見さん。可愛くさ凛々しさも兼ね備えた見事な演技でした。
その他のキャラにもしっかり愛情を感じる。

【音楽】4.75
大島さん担当。個人的にはドンピシャな印象。
優雅で壮大なスケール感。お洒落でとても美しい。
盛り上げるシーンではしっかり盛り上げる。
非常に効いていた印象。

【演出】4.75
・細かい芝居、感じる目線と表情
一つ一つの所作がなかなか丁寧。そのあたりの作りはボンズらしさがあるのかもしれない。
作画面で表情を評価したが、演出面でも評価する点は幾つか。
表情の映し方、カメラの距離感、意味のある目線が細かかった。
どの場面でもしっかりキャラに表情がついていたし、その表情の拾い方も毎度絶妙。アップや引き、横構図などで見せる表情も場面にハマっていて見事だった。

・画面に更に加えられる美しさ
とにかく綺麗だった画面は、丁寧な作画や美麗な美術背景にあったが、その上で、撮影処理で空気感や光の調整などを加える事によって更に画面の見栄えが増していた印象。
演出的な意図も常に感じることが出来た。


【op&ed】4.7
安藤監督のopも素晴らしいが、出合さんのedも雰囲気があって実に魅力的。
色彩や花も美しく、この作品のイメージに合わせてきている。

【キャラ】4.75
・主人公兼ヒロイン
魅力的なヒロインでもあり、真っ直ぐで行動力がある主人公でもあり、時には可愛く美しい見事なキャラクター。
強いのに弱い。女性らしい魅力が沢山詰め込まれている。デザインも可愛く、作中でも始終可愛く描かれている。

・本物の王子様
王子様系ではない。本物の王子様。性格も声もビジュアルも。文句の付けようがない王子様。ときめいてしまう。

・安定感のあるサブキャラ達と徹底された悪者
ヒロイン周辺はとにかく良いキャラが多い。勿論性格もだが、アニメ的にも非常に魅力的でまた、個性と感情を兼ね備えている。
この作品の悪者はとにかく悪い。悪者と良い人の差別化が凄くはっきりしてるから、味方キャラの活躍がより一層際立つようになっている。

・恥ずかしいセリフ
沢山あります。苦手な人は少なくないかも。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

67.7 2 ラブストーリーアニメランキング2位
カイバ(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (219)
1020人が棚に入れました
記憶のデータ化ができるようになり、肉体の死がもはや死と呼べなくなった世界。記憶はデータバンクに保存され、新しい身体への「乗り換え」や、記憶の売買といったことが可能になり、違法に記憶を改ざん、記憶を盗むことも行われていた。社会は混沌とし、力を失い停滞化していた。そんな世界を主人公カイバは記憶を失ったまま宇宙の星々をめぐり、たくさんの人々と出会い、記憶を取り戻してゆく。

声優・キャラクター
桑島法子、能登麻美子、朴璐美
ネタバレ

manabu3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「記憶」が「個性」になった、せつない未来のお話

「我々は遺伝子を運ぶ箱舟に過ぎない」というコトバもある今の時代の中で、
自分の「記憶」が未来に引き継がれることは、ある意味人類の「夢」なのかもしれない。
「記憶」がデータ化され、肉体は意味を持たず、記憶こそが「個性」になった、
そんな人類の「夢」がかなった時代の、悲しいお話。
テーマ性もあるアニメなので、SF好きには是非見てほしいアニメ。

■ストーリー
序盤は、色々な星を巡り渡る、一話完結型のストーリー。
 「記憶」を巡る、ちょっぴり重く、せつないお話。どれもとても面白かった。
 『銀河鉄道999』や『キノの旅』のようなイメージを彷彿とさせた。
終盤からは、「いつまでも旅をし続けてほしい」という私の願いも虚しく、話は一変する。
 今までの登場人物が錯綜し、様々な「謎」が解き明かされ、物語は一つになっていく。

全12話ということでテンポは凄い良かった、が、当然説明や情報の描写は少なかった。
特に終盤の時系列や、展開の速さは、私には難解だった。
二回見て、分からなかったことが分かり、登場人物の行動の意味がようやく繋がった。
とてもせつない物語だった。
また、オープニングの、様々なキャラクターが手を握り合うシーンがとても印象的だった。
肉体が軽視された時代の中で、肌で触れあうことの大切さを、主張しているのだと思った。

■作画について
手塚治虫のような昔風のレトロな作画なので、
「萌え」*1や「今風の作画」を要諦にしている人には合わない作品かもしれない。
SF好きなら、作画に拘らずに一度は見てほしい。
私個人としては、このアニメの作画は大好きだ。
まず、童話や絵本のような作風故の、「独特の世界観」がある。
次に、シンプルな画風故の、型にはまらない「表現の自由」がある。
顔の表情や、人物や背景の動き、奇妙な世界やキャラクターに至るまで、
本当に「自由」だなって思ったし、「アニメ」だなって思った。
こういうアニメがもっと増えて欲しいと心から思う。
(*1レトロな画風だったけど、クロニコは十分「萌え」に該当するキャラだと思う)

監督・湯浅政明氏の作品は初めて見たので「四畳半神話大系」などの作品や、今後の活躍に期待。


■せつないアニメ(※物語の核心を含むネタバレ)
{netabare}せつないストーリーや人物は多々存在したけど、個人的にピックアップしたいのは「ひょーひょー」
旅の初めからずっと主人公・カイバに付き添い、彼を守ってきた「ひょーひょー」の記憶は、ヒロイン・ネイロの過去の記憶だったこと。そして、今いる「現ネイロ」が過去の記憶を持っている「ひょーひょー」の記憶を拒絶し、「現ネイロ」として生きていくことを決めたこと。
「過去に拘らない」、「今を生きる」、「私は私」。そんな「現ネイロ」の気持ちもわかるけど、
「過去ネイロ」(ひょーひょー)の今までの事を思うと、この事実がとてもせつなかった。
第2話で、ある女の子の着替えのシーンを、カイバに必死に見せまいとする「ひょーひょー」だったり、
その女の子が、カイバが下げているペンダントに入ったネイロの写真を見て、「彼女?」と聞いた時、ウンウンと頷く「ひょーひょー」だったり。
これらのシーンは、視聴1回目では分かり辛い(いじわるな)シーンだ。「ひょーひょー」は、本当にカイバが好きだったんだなーと思った。
「現ネイロ」と「過去ネイロ」の記憶の「融合」は出来ないのだろうか?
それだと、「別の誰か」になってしまうのだろうか。

カイバも、最終的には保存された過去の「記憶を捨て」、ネイロと新しい人生を歩み始める。
身体ではなく「記憶」が「個性」になった世界で、それを否定したシーンだと思う。

最後の最後のエンドロールで、「ひょーひょー」が記憶屋・キチの元へ飛んで行く描写が、せめてもの「救い」だった。
記憶屋・キチは「ひょーひょー」を生み出してしまった張本人だけど、責任を感じていたし、それと当時に実はネイロを愛していた。
「ネイロ」になれない「過去ネイロ」は、「過去の記憶を乗り越え」、これからキチと新しい人生を歩むのだろうか。
どうかお幸せに。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

身体と記憶をめぐるロマンチシズム

読み返したらとりとめなさすぎるレビューだったので、書き直し。

身体を乗り換え、記憶の売買ができる世界の話。記憶を失って目を覚ました主人公は、着ぐるみを着替えるように身体を変えながら旅を続けなければならない。
身体は心の入れ物、だけれどやはり身体の生理にも意味はある。「身体にひきずられる」という表現が何度か出てきました。

手塚治虫やこえだちゃんのような可愛いキャラデザインですが、生理的なところに訴える表現が多く、観る人を選ぶ作品です。
(血の出るグロとは違うんですが、何だろうな…子供の世界の泥遊びのぬかるみに素足素手ではまり込むような直接感。)
可愛いキャラなのにやることやるしね。受け付けない人は全く受け付けないと思います。
私もかなり警戒しながら観たのですが、「四畳半神話体系」の湯浅政明監督独特の細かな演出の面白さのおかげで観通すことができました。
純粋に感動できるシーンもあるのですが、特殊さゆえに、サブカル好きな人向けになってしまっているのがもったいない作品です。


眠り込みそうな歌声のop、edが深淵で優しい雰囲気で美しく、色合いもノスタルジックで心地よく、とぷんと浸りたくなります。
キャラクターは動きも面白いし、当てられている効果音も「そこでソレ?!」というような新鮮なものが多かったです。
戦闘時の乾いたダンスナンバーの抑えめな昂揚感もかっこよかった。


話ごとに涙腺を刺激してくる部分があり。バニラの別れのシーンはとくに良かったです。
追い詰めたニヒルな監察官バボでさえ「星が泣いてる…。なんて、おっと あぶないあぶない…」って感想を述べてましたが、まさに自分も涙ダムの決壊を抑えてしまいました。
ドラえもん声の悪い奴、最近のアニメでもいたみたいですが、ここにも新型のほうの声ですが、いますよ〜。


記憶を探した末の最終決戦で対峙するチビワープは幼児の身体なのですが、いかにも幼児の反抗期みたいな混沌とした態度でしたね。魔の3歳児という感じでした。「身体に引きずられる」という要素なのか。
膨大になった記憶と、身体による幼児還りと。

ラスト、なんだかんだで全てのキャラクター達が寄り添いあえる姿を見られたのが、満足でした。
そうやって、キャラクターに思い込めれば、楽しめる作品ですね。
演出の醸す印象よりも率直でピュアな物語で、逆に気恥ずかしいところもあり。そういうところも子供の世界っぽいかもしれないです。大人向けの、子供の世界。


肉体を越え記憶を飛ばし、様々な愛の終結を見届けるロマンチシズム。丸みと憂いを帯びたノスタルジックなキャラクター。「ファンタジック・チルドレン」と共通するものを感じました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

メランコリー親和型

もう10年も前の作品なのですね…


私が『カイバ』を初めて観た時は

メッセージ性の強さに、
『解ったから、少し黙って』と、思ったなぁ。
『奇をてらいすぎてる!』とか…

トランス状態に陥る様な淫靡さ、はとても好きでした



年月を経て、ようやくこの作品に追い付け…た?事が
とても嬉しい。



「難解だ」と言われがちな このお話

1部、2部に わかれていると思って観ると
わかりやすいと思います

記憶を無くした『ワープ、もしくはカイバ、クロニコ』が
色々な『星』を巡るお話、と

『ワープもしくはカイバ』が
記憶を取り戻していくお話。


なんとなく…
伝えたい事、大切な事が
もう、しっかりと、オープニングで描かれているような



この作品に出てくるのは

『悲しい感情を持つ人間』ばかりです。
(悲しい、の中に、優しい、ひとつまみ)

それを

綺麗と思うか
醜いと思うか
馬鹿だと思うか
哀れと思うか
尊いと思うか

性(さが)と思うか。


記憶も身体も自由に入れ替えできる、となると
人間はこうなるものなのかな、と、色々考えさせられました。


今、現在も
ある意味、何もかも『使い捨て』


悲しいかな、人は人や情報に踊らされる生き物です。

『私利私欲のため』に行動しがちです。

『他を下に』して優位に立とうとする人もいます。

『甘い毒』で心を支配したりされたり。



…嫌だなぁ。


だから
何が大事か、何が正しいのか、冷静に考えて、
常に自分と向き合わなきゃ、

簡単に棄てられ、惨めに消えてしまうよ?


なんて言って…私 消えそうなんだけども



好きなシーンは数多くありますが、
特に
『排泄』のシーン。

セッチンの登場!セッチンですよ!
超未来型の排泄器具(?)です。


(もしこの作品を観られる時は、注意して見てみてください(笑)素晴らしいですよ。)


ほかにも
面白い発見が沢山ありました。


今の時代にこそ、ぜひ観てもらいたい作品です。
エロティックで、エロティックです(笑)



『映画』も『アニメ』も『小説』も…
人が一生懸命つくった物は、

色褪せる事なく存在し続ける。


大切にしなくてはいけません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 31

61.4 3 ラブストーリーアニメランキング3位
攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone(アニメ映画)

2014年9月6日
★★★★☆ 3.5 (129)
715人が棚に入れました
戦後復興の兆しある2028年冬――。国外カルテルの利権を巡るデモ活動が激化するニューポートシティで起きた警備の機動隊による無差別発砲事件。全てはファイア・スターターによる電脳感染が引き金だった。草薙素子率いる独立攻性部隊は己の正義を自らのゴーストに委ねて事態の制圧を図る。事件の裏に潜む“ブリキの少女”エマと“カカシの男”ブリンダJr.。事件を追う草薙はその二つのゴーストが求めるものに迫る――。

ストン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ちょっと難解だった。

前回のラストでトグサをスカウトし、
公安9課のメンバーがやっと揃った。
でも、この時点ではまだ公安9課とは別の、下請け組織のような扱い。

水資源を取り扱う大企業ハリマダラ社が、
海外との水資源の貿易に関する発表を行うパーティ場面から始まる。
水資源の取引に反対する一般市民がビルを包囲しデモをしていた。

このパーティでテロが起こるであろうという素子の読みで9課の面々が張り込む中、
ウィルスによる大規模電脳ハックが発動し、機動隊が暴走しデモ隊に発砲する。
それと同時に、亡命を口にしたハリマダラ社のトップを素子が始末する。

大惨事となった状況の中、一人の少女が重要参考人として保護される。

その少女を軍に移送することになり、
素子は少女の電脳に潜り込む。

そこから見えてくる政府・軍・企業の闇。
いったい大規模同時電脳ハックを行うウィルス「ファイア・スターター」とは何なのか?

あとは見てのお楽しみということで。

てかね、こう書いたんだけど、
正直言うと1回見ただけではオレには完全に理解はできませんでした^^;
なんだか話があっち行ったりこっち行ったりで、
結局ファイア・スターターを作ったのは誰だったのか、
誰がブローカーだったのか、
よくわかんなかった。
もう一回観れば理解できるのかなぁ・・・?

それとも、次作への伏線なのかな。

まぁ、とにもかくにも、これにて素子の組織は正式に公安9課に組み込まれることになって、予算や装備に関して充実することとなりました。

せっかくだから今回のサイトーさんについてですが、
やっぱりほとんど寝てましたねw
某グリザイアの風見雄二は「スナイパーの仕事の9割は暇つぶし」的なことを言ってたけど、
サイトーさんはそれを寝て過ごすという訳か、
合図があったらすぐ反応してるから寝たフリなのかもしれんけどさ。

最後に、クリスマス帽を被ったボーマがちょっと可愛かった(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

シリーズ完結?オマージュだらけで公式パロディみたい(笑)

前作でファイアスターター=陸軍所属時代の素子という事実が明かされたがファイアスターターの後継者であるツダ・エマと呼ばれる少女と共に軍部の思惑は闇の中に


今作は乗っけからゴーストハックによる大量虐殺が発生
素子率いる部隊は独自に大量虐殺の実行犯であるツダ・エマを確保するのですが、彼女の義体の中には全く別人のゴーストが共存しており、世にも珍しい二重ゴーストの持ち主でありました・・・
彼女を通して描かれる、人類の電脳化への警鐘が今作のテーマです


『ARISEシリーズ』のキャラクター総出演で迎える完結編ですが、今作の後に新作映画の公開が2015年に決定されたので『ARISEシリーズ』はここで一時完結としながらも、素子が正式に9課へ配属されていない点など次回作への伏線は未だ残されており、正直言ってお話の“繋ぎ”である感が拭いきれません;


1つの義体を共有する2つのゴーストが登場する
ラスボスが多脚戦車
素子とバトーがボートの上で2人きりに


などなど、ぶっちゃけ『GIS』のオマージュ・・・というかパロディみたいのが多いためネタとして観るとかなり面白いです
ちなみにスタッフに工藤進が加わったため奇しくも『マルドゥックスクランブル』のタッグが再結成される形となりましたが、border:1とか2の方がよっぽど『マルドゥック』してたと思います
それとクリスマスパーティーには噴き出しましたw


個人的にはborder:1や2はとても面白かったので素直に次回作へ期待、という気分ですね

投稿 : 2024/05/04
♥ : 19
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

確かに区切りが悪い(汗)

まぁ1時間×4話で各々の1話が中身テンコ盛りですからショウガナイのかもですが、だったら最初から全6話なり7話にすべきすわね(汗)
{netabare}
まぁ軍に端を発した偽りの記憶を利用した犯罪の終焉と二人のハッカーの新しい生のカタチの選択という区切りではあるので、私は素直にハイ判りましたと受け入れますけど。
んでも、評価甘々な私でもちと消化不良には感じると言うか。
続き見ざるを得ないじゃないですか。メンドクサイの嫌いなのにw
 一応、見る以上はシリーズを楽しみたいとは思ってるのでネタバレ・考察は見ないで視聴してますが、プロジェクト2501"人形遣い"とは繋がらない独立したストーリーとして新劇場版で締めるんでしょね?
そこに繋げちゃうんだとしたら"新鮮味の無いシリーズ"という評価が有るのも納得せざるを得ないかもですね。
{/netabare}

前三話と違っていきなり抽象的なセリフ多発で難易度上ったなと思いましたが、ラストで律儀に説明入れてくれる点では制作側の良心感じますわね。

 個人的にはARISEというシリーズにさほど不満は無いです。今のところ。
イマイチ人気無いのも、まぁそうよね とは思いますが。
原作の1.5巻の路線を原作者自身が「この路線なら誰でも続きが書けるし、自分がやる必要はもう無い」と書いてる訳ですが、ARISEはまさにその路線な感じはしましたです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

60.9 4 ラブストーリーアニメランキング4位
最終兵器彼女 Another love song(OVA)

2005年8月5日
★★★★☆ 3.4 (124)
603人が棚に入れました
「最終兵器彼女」が待望のOVA化!TVシリーズでは描かれなかった、もう一つの真実が今明らかに…。
爆撃機による攻撃を受け、火の海と化した博多。
そこへ謎の物体が飛来し、爆撃機を次々と撃墜してゆく。その物体の正体は、ちせとは別の、もう一人の最終兵器・ミズキだった。兵器にされた自分に戸惑い、シュウの事を考えて苦しみながらも、過酷な戦闘を強いられるちせ。最終兵器のプロトタイプとして生み出されたミズキ。二人の最終兵器が織りなす、もう一つの真実とは…。

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

作られるべきではなかった。アニメ考察問題を浮き彫りにします。

 作品を見たときに、不明なところ、不明瞭なところ、描かないところがあった方がいいのかどうか。自分の考えで想像をひろげたいか、解答を教えて欲しいか、と言い換えることができるかもしれません。
 それは、制作者の意図ともいえるし、視聴者にとってはエンタメとの向き合い方だし、教養の問題ともいえるかもしれません。

 もちろんアニメの性質はあるでしょう。完全に脳みそを停止させて「面白い」「可愛い」「カッコイイ」で見る流行作品にそんなことは望みません。ですが、本作本編は明らかに違います。

 いわゆる「アニメの考察」問題にこの作品は大きくかかわってくると思います。

 私の考えです。本編でのチセの出会いから別れ、滅びがもたらす愛の終わり=永遠の愛情の「切なさ」は「感じる」ものです。そして、本編で描かれない兵器になってゆく過程とその時チセが何を感じていたかは「想像」するものです。
 そして、それぞれの登場人物たちがなぜそうしたかに「共感」して「反論」して「意味」を考えるものです。

 その上で、その作品が作られた「理由」とか、そういう結末になったのか、なぜこの作品が人気・不人気になったのか、この作品が生まれた時代背景などを「考察」するというプロセスで私は作品を観賞します。

 あるいは視聴時のコンディションの違いを味わうために「心のざわつき」や「引っ掛かり」がある作品はつまらないと思っても見返したりします。

 考察というのは、その作品の行間にある制作者のメッセージを読み解くともいえるし、その作品に現れた時代背景や価値観の変化など制作者が意図していない部分を拾い出す場合もあります。
 この意図している、あるいは意図していない部分を拾いだすための武器が教養であり、過去の考察のストックになります。したがって、考察は自分をうつす鏡にもなります。
 もちろん懐が深い作品でないとそういうことはできません。なので「浅い」「深い」などの「奥行」で作品の出来を判断します。この「奥行」は制作者の思想、問題意識、経験、知識、教養、作品に対する向き合い方などに関わってくると思っています。

 アニメ研究自体が好きなので分析ありきで見ることもありますが、大抵面白く感じないし、考察も深くまで入り込めません。やっぱり作品の奥に入り込むという感情、感覚、思考など脳みその作業が必要です。

 決して、もったいぶって難解に作る作品が良いとも思わないし、シンプルでわかりやすい中に深い趣や意味を感じることはあります。
 しかし、あえて明示しない「含み」や「暗示」「伏線回収」「オープンエンディング」などをするかといえば、それが考察のきっかけを産み出すからです。

 で、この作品です。この作品で描かれていること、あるいは描かれない部分は、すべて原作でもアニメでも「深さ」として読者・視聴者に委ねた部分です。異性の気持ちがわからないという恋愛感情のデフォルメでもあります。
 チセの心が機械になっているプロセスは時々シュウの前に現れて壊れて行くことに、どうしていいかわからない不安と恐怖、対する愛情のジレンマが描かれていました。これは作品ですから非現実的ですけど、現実の男女のアナロジーになっています。なぜアナロジーを提示するかと言えばそれが「考えるきっかけ」にもなり、「感情が増幅される」からです。
 ここの裏側を見せたのはどうなんでしょうか?チセの「隠していた部分」が薄まった気がします。

 そして、軍部が裏で何を意図しているかわからないのが一つの大きなポイントだったと思います。なぜ滅びに進むのかがわからない=今の世界政治が皆方向性がわからず正しいと思っているうちに滅びてしまう、という「得体がしれない恐怖」を表していました。

 そこを解説するようなOVAは、解答を求めている人にとってはいいでしょう。でも、味わいたい人間からすると「余計なお世話」です。
 じゃあ、見なければいじゃない、というのは間違いです。好きな作品の解答があるなら見ざるを得ません。それがファン心理だし、それを含めての作品だと思います。

 チセの裏の姿を少し見られたという喜びも確かにあります。ただ、やっぱり描かれたことによる壮大さや、恐怖、心情のスケールダウンというか矮小化された感じは否めません。
 ですので、余計なことをしたという気持ちもあります。

 エンタメは考察しないで楽しむこともできます。でも映画でも小説でもマンガでもそうですけど、それは刺激のインフレを起こすだけで、やがて娯楽自体に飽きてすべてがつまらなくなってゆく気がします。
 あるいは「あー楽しかった」「泣けた」「戦闘シーンがすごかった」でその時だけ終わりで、時間を消費するだけの繰り返しになる気がします。そういう作品の全部悪いわけでは無いし、それを突き詰めるなら優れた作品にもなりえます。
 でも、わざわざ本作本編のレベルを落とすことはないでしょう。

 評価はしません。しませんが、やっぱり作るべきでは無かった作品だと思います。アナザーにするならチセは登場させなければいいのに…

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

スタジオファンタジア制作の最終兵器彼女のサイドストーリー

2005年発売のOVA 全2話
テレビ版最終兵器彼女は一応原作準拠なのに対してオリジナルストーリー
監督は同じ「加藤充子」制作はスタジオファンタジア

自衛隊側の視点で描かれるため、本作の主人公であるシュウジは登場しない。

ミズキ中佐と言う新キャラが主人公。
原作やアニメ版との整合性が薄く、補完にはなっていない。
加藤充子氏は長浜監督や冨野監督の下で演出の仕事をしていた人で、
ラブストーリーよりは戦記物に強いような気がする。

戦闘で大けがを負ったため最終兵器の試作品に志願したミズキ中佐の視点から、
この謎の戦争及び兵器に最も適したちせを見るという設定になっている。

謎が解けたのかと言うと、全然と言わざるを得ない。
自衛隊側が主役となったため設定崩壊が起こっている。
原作ではちせの最大の武器は意のままになる人工衛星だったが、
こちらでは自衛隊が人工衛星を使用している。
これで、神のような存在であったちせが単なる被検体になってしまい興がそがれた。
単なるサイボーグ戦闘アニメであれば普通の出来ではあるが、
最終兵器彼女としては謎を増やしただけでストレスが溜まってしまう。

GONZO版よりは作画は良く、ミステリアスなちせの戦闘も良く書けていて、
本編では物足りなかった戦闘シーンが堪能できることは嬉しい。

{netabare}時間軸は九州戦線からの撤退、本編の1話でちせの怪我、
札幌空襲、本編の一話。大阪決戦、本編の3話。駿河湾の戦い。5話くらい?
このあたりでミズキ中佐が死亡して、
ラストシーン(本編の10話)に飛ぶ。
テツ死亡により怒ったちせが仙台の大本営を消滅させるシーン。
東京から仙台にかけてのちせとテツの連戦は原作、アニメで描かれるので省かれる。

仙台から小樽へ帰ったちせはシュウジと共に逃走するのだが、
それは本編で。
と言うことで時系列は合っているが、本編の補完としては納得がいかない部分が多い。{/netabare}

ちせ物語にしてくれれば整合性が取れたかもしれないと思うが。
ただこれは、原作、GONZO版原理主義の考えで、
単体の作品としてはこれでよかったのだろうとは思う。

本編を楽しんだ人にとってはちせが戦闘するだけで楽しめると思うので、
細かいことに気にしなければ良い作品だとは思う。

原作、テレビ版、OVA版、微妙に違うが、大人の事情を考慮すれば納得の範疇。

だが〇〇版!お前は自重しろ、と言いたい。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

何故、ちせなのか。。本編で描かれなかった軍隊での物語(原作購読後の補足追加)

~初見にて~
NETFLIXでは本編13話に続き14、15話として収録されてました。
アニメ本編では触れられなかった、軍隊に入隊したクラスメイトやセンパイの旦那など軍隊や戦場の話が主でした。

気になる設定の疑問についてですが。。
自分は無茶な設定でも気にしないことで作品が楽しめるのであれば想像を楽しむ事にしていますが、OVAで少し触れてくれてました。

なぜ、ちせなのか?
~{netabare}
→ちせが、たまたま適合したから。

え・・・そんだけ?w

ここでも兵器化技術については触れられませんでしたね。。
明かされなかった以上、想像するしかないですが、
おおかた、オーバーテクノロジーを手に入れ、少なくなった人口内で適合者を探したところ、ちせがそうだったというところでしょうか。

ちせの出番が少なかったのは残念ですが、上官ミズキ(声はサクラ大戦のあやめさんw)がいたおかげで、ちせの孤独感も多少は薄らいだのではないかな。そう考えると、本編にミズキを登場させなかったのは、ちせの悲壮感を損ないたくなかったのかもですね。

本編は、ちせの悲壮感。
OVAは、戦争の非常さ。
それを強調した物語にしたかったのかも。
{/netabare}~

何にしろ、戦争だけはどんな過ちが発生したとしても、起こる可能性を排除しなければいけない、虚しく愚かな行為である事を、自分は痛感ぜずにはいられません。

物語としての本OVAは、知った上でもう一度本編を観ると、また違った感慨もある内容だったかと。
あ、はい。。本編2周目行きました(ダイジェスト視聴ですが)w
観るほどに、ちせが可愛く、愛しく、悲壮に、思えてしまう。。
#ヤバ、闇落ちしそうw日常でも観よう。。

~原作購読後~
わざわざ書かなくてもいいかもですが、このOVAはアナザーストーリーと言うことが確認できました。
思えばHuluの作品紹介にそんな事が書いてあったような。。でも、自分の中では別な世界線ではなく、ちゃんと本編のウラで存在していたストーリーとして処理してしまったので、その認識を改変することはしないでおこうと思います。そう、世界はヒトが認識することで存在するのですからw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

61.4 5 ラブストーリーアニメランキング5位
働きマン(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (92)
506人が棚に入れました
主人公の松方弘子は仕事に没頭する独身の28歳。そして、週刊「JIDAI」編集部の女性編集者である。弘子は編集長や上司や同僚たちと一緒に右往左往しながらもいい雑誌を作る為に日夜奮闘する。寝食を忘れ、恋人との逢瀬もままならず、ジレンマに悩み、誰かとぶつかり…。それでもいい仕事をする為に、弘子は職場で、取材で、「働きマン」になる。一所懸命に働く人に、男も女も関係ない。弘子や彼女に関わる人々を通して「仕事とは」「働くとは何か」を問う。

声優・キャラクター
田中理恵、堀内賢雄、うえだゆうじ、中井和哉、宍戸留美、福圓美里、保村真、田中敦子、花輪英司
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

セカイは誰かの仕事で出来ている

序盤 ほぉ

中盤 お

終盤 なるほどね

この話はとある雑誌編集部で働く一人の女の戦い
ジャンルは仕事・恋愛・社会人
働きマンという名ですが主人公は女性です。理由は作品の中で紹介されるのですが、タイトルから予想できる通り仕事アニメです。その仕事を説明するっていうよりはその仕事をしてるキャラをメインに書いた感じですね。なので仕事の悩みというよりは仕事を通した人間的な悩み・葛藤が基本です。
この作品は2004年に原作が出ています。今よりもネットによる情報というのがありふれていませんでした。スマホなど当時なく、雑誌や新聞紙といったアナログメディアがかなり力を持っていました。なので編集部というのはそれだけでもかなりのステータス、というかあこがれの職だったわけですよ。もちろん人それぞれの感じ方が存在し、それぞれの夢があると思っています。そんな仕事という大雑把なものの最前線(私だけがそう感じてただけかもしれませんが)を職業とした女性の話は視聴序盤でものすごく興味を惹かれました。
内容です。序盤と中盤は仕事を描写しながらテーマは「仕事という概念」についてです。展開も大胆かつ丁寧なもので見ていて飽きませんでした。終盤の方ではもはや仕事というのはちょっとした描写になっています。なのに相変わらず「人間関係・社会における仕事の意味」をテーマにしています。そしてこれまた深いんですよ。

{netabare}ヒロとシンジは序盤から危うかったです。しかし終盤のあの展開で、仕事の意味どころか人生の意味すら問いたくなりますよね。おそらくですが。
果たして仕事や人生に意味などあるのでしょうか。自分のことは自分でなんとかしなくてはならないのでしょうか。終わればそれで終わりなのでしょうか。
私はこの作品で人生とまではいかないにしろ、仕事の向き合い方というのを再確認しました。彼らは自分たちで抱え込みすぎたのです。
人生も仕事も恋愛も、その本質は楽しみで満ちているのです。もしかしたら辛いこともあるかもしれない。苦しいことも泣きたくなることも死にたくなることもあるかもしれない。それでも人生仕事恋愛は楽しいから面白く、意義があると私は思っています。なので自分だけで、とか終わってしまったから、とかそんなのは間違いなのです。{/netabare}

原作は安野モヨコさん。有名なハッピーマニアの作者ですね
監督は小野勝巳さん。初の監督だそうですが良かったと思います
シリーズ構成は大島里美さん。TVアニメのシリーズ構成は初だそうですね
キャラデザは香川久さん。
劇伴は菅野祐悟さん。ダ・カーポの劇伴をされた方ですね
アニメ制作はぎゃろっぷさん。こち亀や遊戯王などを制作したところですね

作画は普通でした。
opは奥田民生さん作詞曲、PUFFYさん編曲歌唱の「働く男」元々はユニコーンさんの曲ですね
edは高橋久美子さん作詞、橋本絵莉子さん作曲、チャットモンチーさん編曲歌唱の「シャングリラ」良い曲ですね。この作品に非常に合っていると思います
声優さんも良く、とてもキャラにあっていた演技でした


総合評価 普通にみるべき

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

勤労の志士

週刊『JIDAI』の編集者として働く松方弘子(まつかた ひろこ)を中心とした「働く事の意味や意義」をテーマにした作品。

「働く」とは何でしょうか?
お金を稼ぐためという理由もあります。
ただし、やりがいのある仕事には成果が出た時の達成感があります。

自分が希望する仕事に点けるとは限りません。
むしろ、自分の希望以外の仕事をする人のほうが世の中には多くいます。

「やりたくない仕事だから頑張れない」などと言うような人は社会人失格です。
給料という対価を貰っている以上、その仕事に対してはプロ意識を持たないといけません。


適材適所のような人事をできる会社だと業績が伸びるのでしょう。

主人公・松方のような存在がいればテキパキと仕事をこなしてくれて頼もしいです。
同じ編集部の自己中心的な考えしかできない田中邦夫(たなか くにお)のような人がいれば、仕事場の雰囲気が悪くなりストレスが溜まります。

頑張れば必ず報われるという世界ではありません。
しかし、頑張らない者には何も得る事はありません。
社会の荒波ってやつは気まぐれですね^^;


OP曲
「働く男」 
歌 PUFFY

自分は原曲であるユニコーンのイメージが強く残っているので正しい評価ができているか分かりません。
OPのようなポップな感じのする曲調よりも原曲の方が好みです。
申し訳ありませんが、贔屓目がある事は否定できません。
ユニコーン再結成前だったら仕方が無いのですが^^;

ED曲
「シャングリラ」 
歌 チャットモンチー

あまり個性が出ていないような気がします。
数年前の曲なので仕方が無いのかな。

作中の挿入歌にサンボマスターを使っているのは贅沢だと思います。


悩んだり立ち止まったりする時もありますが、とりあえず仕事を頑張りましょう。(学生は勉強ですね)
頑張っても報われない時は飲み屋などで憂さ晴らしする方法もあります。
アニオタであればDVD鑑賞が一番良いのかな^^
とりあえず、新橋の酔っ払っているサラリーマンの裏には一生懸命頑張っている姿がある事を覚えていてもらいたいです。

学生という守られている状態の人に世間の厳しさを体感する前に観ておいた方がいい作品です。


世界的に見れば、ごく一部の富裕層が多くの人々から富を搾取して豪華な生活しています。
だんだん日本も同じ感覚になってきているのですが^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

大変だけど、良いこともある

OPは「働く男」なんですが、これをパフィーに歌わせてロックからポップ調にしたアレンジが実に凄いと思いました。
男が女になっただけでそのままちゃんと働きマンのテーマソングになってます。



主人公の松方弘子は、雑誌社の編集部に勤めるOL。
仕事柄女性らしい華やかさみたいなものはあまり感じられなくて、職場の雰囲気も(実際の所はどうなのか分かりませんが)‘男社会’という感じ。

作者の方は女性ですから、やはり女性ならではの目線というか生々しさが目立ちました。
二次元の女子に理想を求める人は見ない方が賢明かと思います(笑)

小ネタ的にちょいちょい現実的で共感してしまうネタも。
{netabare}
電話しながらお辞儀したり、電車の網棚にある雑誌を置いて行っては次の人が回し読みしたり、こういう人いるなーと。女性関係ないですけどね(笑)
{/netabare}


でもキャラクターは現実的な一方で、ストーリーは理想的というか夢があって、そこがとてもアニメらしくて気に入りました。

普段日の目を見ない現場の人、営業の人、そして編集の人。
そういった人達の死にもの狂いの努力がちゃんと報われます。
誰かが見てくれている。誰かが認めてくれる。だから頑張れる。
仕事の描写はしっかりしているんですね。その説得力をそのまま作品のエネルギーに変えていっている感じがしました。

9話の「報われマン」は特にそのメッセージ性が表れていて、思わずうるんでしまったくらい(笑) この回は最高でした。



「働きマン」は女性向け、女性をテーマに扱った作品という見方が強いですが、決してそんなことは無いと思います。

確かに、序盤と終盤は松方を始め渚マユや野川由実や梶舞子など色々な女性を通した女としての生き方もたくさん見られます。

でも男性陣も同じくらい濃く描写されてるので。菅原文哉や小林明久や山城新二、そして9話の千葉真は男性こそ共感できるキャラクターに思えます。

さらにいえば、働くことに男も女もないだろ、っていうのが「働きマン」だと思いますし。

そういうわけで男女関係なくおすすめです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

56.0 6 ラブストーリーアニメランキング6位
るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 新京都編(アニメ映画)

2011年12月17日
★★★★☆ 3.3 (94)
446人が棚に入れました
TVアニメ化15周年記念の完全新作アニメ誕生。緋村剣心と志々雄真実の死闘を描いた人気の「京都編」を大胆リメイク。新たな時代を築こうと激しく衝突するふたりの姿を御庭番衆・巻町操の視点で描く。TVシリーズの監督を務めてきた古橋一浩が続投し、15年を経て成長した当時のファンだけでなく、シリーズ初見の人も楽しめる1作を作り上げた。
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

脱力要素が斜め上からきやがった・・・

ゲームなんかで懸念していた声優さんの劣化が・・・目立たない。
だってただの時代劇にしちゃってん。トーンが落とされ叫びもしない。そりゃ劣化もくそもない。追憶編ならまだいいのよ。幕末だし・・。これ京都編よ・・・。

必殺技やら演出やらに加え、剣心の特徴であるジャンプとアメコミばりの武器とかアクションがまったくない。しかも単調・・。
これは剣心といえるのかどうか・・。そこらへんが分かれるところ。少年漫画、アメコミ、渋い時代劇、さまざまな捕らえ方ができる作品なわけで。
特に原作京都編は最終回にしたかった話しだし、作者、ファンとも剣心らしさがらうまくでたと評判の名作。このままだとみんなしってる牙突ゼロスタイルもフタエノキワミーもでないぞ・・・・。
せめて技名の漢字だけでもバシっと。。。。

ストーリー構成もあまりにもやっつけすぎて起承転結、山も落ちもありゃしない。突然はじまり勝手に進む。
原作読んでれば理解は可能。それにしてもひどい。
これならフラッシュバックとかつかっちゃたりで原作既読済み前提でつくればよかったのに・・。


前編
{netabare}

逆刃刀=剣心の心情、ポリシーなわけですから、そこだけちゃんと描くだけでも違ったと思うよ。るろうにと人斬の書き分けがされてない。=志々雄との対比構造にならない。
瀬田に負ける、あの刀が折れるということが彼にとってどいう意味なのかまったく表現せず。
操と絡みとか余計なモンもっと削ればよかった。
赤空とのエピがないのがわかってなさすぎ。
やっぱり齋藤→瀬田→赤空の回想の流れがないと剣心のドラマとして成立しない。奥義習得の前提、使用条件が満たされない。
まぁこのままだとでてこなそうだけどさ・・天昇龍閃・・
しかし最終戦に向けて抜刀術を極めるとするならば、剣心の成長と決意の証である真打に関してはちゃんと描かなければいけない。

逆に操のラブストーリーにするにはちょっと無理がある尺とお話。

後編視聴

やはり出てこなかった必殺技の数々。ゼロ式のみ。
時代劇なのかファンタジーな少年アクションものなのか非常に中途半端。戦闘シーンもあいかわらずおもしろくない。タメがないす。

シシオさんのキャラとかは良かったと思う。
アオシが・・・w前編ほとんどいらねーよってくらい立場がない。師匠戦いらん。
で、剣心シシオを明らかに殺してないか・・。


実写映画のついでに借りてきたんですけど、
あっちはよくできてますね。
佐ノ助とか。
封がしてあって刀すらぬかない剣心、最後までなかなかぬかない。なぜ抜刀斎なのか、飛天御剣流とはどんなものなのか。
原作知ってる人間は終始ニヤニヤ、抜刀術の構えキター!
エンターテイメントとしてなかなかのリメイク。
竜馬伝の延長な雰囲気もすてきだった。セルフオマージュパロディにもなってる。一部評判わるいキャストとかワイヤーアクションはまぁ・・予算ですよ。逆にすごくよいキャストだったとおもうぜよ。







{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

なんかもう良くも悪くも同人誌レベルのお祭りアニメ(笑)

まず以下は前編のみの時点で書き記したもの


90年代ジャンプファン
特に女性層から圧倒的支持を得たあの「るろ剣」が再リメイク
前後編に分けたOVAを映画館でイベント上映する最近流行のスタイルで発表されました


お話はいわゆる京都編を原作に沿う形で再編
剣心と志々雄真実一派との激闘が描かれます
ただし細かい部分は片っ端からしょっぴぃて改編されてる部分も多少入ってきてますね


特にハッキリと違うのは“心眼の宇水”こと魚沼宇水が斉藤一とは戦わず、志々雄真実との因縁の一騎打ちを果たしてることですね


・・・んで、率直に言って感想は最悪でした(爆
御庭番衆のくのいち、操ちゃんの視点で物語が進みますが、片っ端から入る大量のモノローグとテンポ感無視の畳み掛けるような説明ゼリフの嵐がひでぇ


具体的には
「ば、ばかな!今の間を一瞬で!?」
っていう感じのくっちゃべりがバトルシーンの間中延々と続きます
いくらなんでもアレは安っぽ過ぎる
るろ剣の【厨二臭さ】が強烈に前で出しゃばってくれてる感じです


作画もディーンの精鋭が揃ったものの、特別に良いというわけでもなし
テレビシリーズの繰り返しショットを多用したバトルシーンの方がまだ迫力あったんじゃないか?と思うところも多々・・・;


追憶編や星霜編と同じスタッフなので弥彦の表情デフォルメも控えめ、だから可愛らしさ的な面も皆無


唯一の救いは涼風真世さん、藤谷美紀さんを筆頭にしたキャスト陣がまったく衰えていない、というところぐらいでしょうか


後編になれば面白くなると信じたいですが、とりま今年最悪の映画
ということにしておきます
以下後編へ










{netabare}2012/7/11 後編視聴後の追記


前編にくらぶれば俄然面白くなってます
そして、ドンドン原作とは違う方向へ進んでいきますwww


見所は【斉藤一VS志々雄真実】、そして【緋村剣心VS瀬田宗次朗】
あれ・・・?剣心VS志々雄は???って思った方^q^
その辺は本編でのお楽しみってことでw


宗次朗は得意技の縮地を再現してか、加速装置を使った某サイボーグみたいなキャラになってしまいましたw
さらにそれに追い付く剣心ww
完璧に人外の戦闘ですなwww
だけどカッコイイから許す!


そして宗次朗、志々雄の2連戦で消耗しきった剣心にもはや卑劣とも言える最後の刺客はなんとまさかの四乃森蒼紫www
もはや復讐鬼に成り下がった蒼紫ですがw剣心はなんとコレを瞬殺w(いえいえ;殺してはいませんよw)
蒼紫どんだけ弱いんだと^^;


前編から問題視してましたがいくらなんでも内容詰め込みすぎです


一ファンが好きなキャラだけ揃えて夢のオールスター共演させた同人誌、みたいな作品になったというのが良くも悪くも適当なところでしょう


ちなみにみんな大好き天翔龍閃も二重の極みも出ませんw
(会得するシークエンスがそもそも無いため)
だけど牙突・零式だけはちゃんと出ますよ^q^{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

鰻Monkeys さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

強ければ生き、弱ければ死ぬ・・・

良く言えば、ダイジェスト版。

悪く言えば、スカスカ。

ですが、なにより評価に値するのはこの作画と声優陣!!


物語は志々雄編の話です。

物凄い中途半端なところから始まりますw

正直、アニメ版か原作知らないと付いていけないと思います。

{netabare} ~
非常に残念だったのが、刀狩の帳の愛刀「薄刃乃太刀」が無かった事・・・

敵では帳が好きだったんでもっと見せ場が欲しかった!!(´・ω・`)


そして、魚沼宇水が殺された事はビックリしました!?Σ(゚Д゚)!?

宇水「ティンベーで守り、ローチュンで刺す!!」 

フラグばりばりのセリフが好きだったのに・・・w

~ {/netabare}
ですが、やはり評価すべきは声優がほとんど変わっていない事!

昔のリメイク版となれば声優陣が一掃され新キャストでやる、ということがされていない。

新井赤空の息子の声優ですら変わっていないとおもいますw

斉藤一の声優さんが変わっていたことは仕方がありませんが・・・(-∧-)


そして、作画は今風になっていいてとても見やすかった。

ですが、前のイメージとは変わった感じがあまりせず、すんなり受け入れられました。



続きがとても気になりますね(゚Д゚)b

斉藤一は誰と戦うんだろうかw 蒼紫?宗次郎?気になるなぁw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

64.4 7 ラブストーリーアニメランキング7位
好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~(アニメ映画)

2016年12月7日
★★★★☆ 3.6 (97)
443人が棚に入れました
雛は中学の先輩恋雪にひかれ 同じ高校に進学を決意して猛勉強。
幼なじみの虎太朗と桜丘高校に入学する。
冴えなかった恋雪は片思いの相手の為に、休み明けにイメチェンしてモテ始める。
そんな状況に雛は「告白」を決意するけれど――!?

声優・キャラクター
麻倉もも、花江夏樹、代永翼、細谷佳正、松岡禎丞、東山奈央、神谷浩史、戸松遥、梶裕貴、阿澄佳奈、鈴村健一、豊崎愛生、雨宮天、Gero
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一途な女の子の物語

告白実行委員会~恋愛シリーズ~というのがあるらしく、
第一弾:ずっと前から好きでした ← 高校3年生が主体
第二弾:好きになるその瞬間を ←本作品はこれ
第三弾:いつだって僕らの恋は10センチだった ←テレビアニメ全6話

本作品は、第一弾の主役だったキャラの妹を中心とした物語というか視点。

という事で、キャラ紹介、内容、感想です。

{netabare}
・キャラ
[瀬戸口 雛]
物語の中心となる高校1年生の女の子。優の妹で、恋雪が好き。兄の事も好き。
[榎本 虎太朗]
雛と幼馴染で同学年の男の子。夏樹の弟で、雛が好き。
[綾瀬 恋雪]
第一弾でも出ていたあの男。夏樹の事が好き。
[高見沢 アリサ]
雛とは中学からの友人?で、高校もクラスも同じな女の子。

基本的には、高見沢はおまけで、この3人を中心とした物語。
視点も雛を中心としているので、前作よりは分かりやすいです。
というか、前作を知っていたから分かりやすかったのかも知れません。

・内容と感想+気持ち
雛が恋雪と知り合うシーンから始まり、それがきっかけで初恋が芽生えどうのこうの。
本当にそれだけの物語。
ただキャラを絞っただけあって、キャラの気持ちは分かりやすかったです。

開始1分ちょっとで、雛と恋雪が初めて会ったところから始まる。
この時恋雪は転んで雛に怒られるんだけど、その位置と角度からだとパンツは見えないだろ!!
しかもそこから追って行って、雛の壁ドン。
ちょっと狙い過ぎだなぁ~と。

その後、夏樹のクラスメイトと知ると同時に、必然的に恋雪が先輩である事を知るんだけど、そこでなぜ好きになるのだっ!?
心の声「やめとけやめとけ、その男だけはやめとけ」
とか思っていると、高見沢という女が、二人の間に割り込みまくって邪魔をしてくれるんだけど、これはこれでうざい!!

途中、虎太朗が雛の気持ちに気付いてか、
虎太朗「あんな奴のどこがいいんだよっ!」
心の声「全くだよっ!!」

話は進んで行き、雛が恋雪へラブレターを書く。その内容は100点!!その手紙欲しい!!

更に話は進んで行き、優と夏樹が結ばれたところを盗み聞きしていた恋雪は失恋という形になり、ひとり下校をしようとしてたところ、雛が待っていて、
雛「先輩の事が好きですっ!!」
心の声「ぐはっ!!5000ダメージ!!」

ま、ま、ま、まさか…このまま雛は恋雪と付き合うBADENDになるんじゃないかとハラハラドキドキ!!
でも、そうはならず取り合えずホッとしました。
その後、何事もなく終わります。
…虎太朗ENDにならないの?
{/netabare}

恋愛がテーマなのは分かるけど、印象に残るようなところも特になく、特にこれといった感動も無く、普通でした。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

今好きになる。

「ずっと前から好きでした。〜告白実行委員会〜」「いつだって僕らの恋は10センチだった。」の2作の視聴を経て、ようやくこの作品に辿り着きました。


出会いは最低だったのに
いつの間にか雛の胸は高鳴っていく。

雛は中学の先輩・恋雪に惹かれ
同じ高校に進学を決意して猛勉強。
幼なじみの虎太郎と桜丘高校に入学する。

さえなかった恋雪は片思いの相手の為に、
休み明けにイメチェンしてモテ始める。

そんな状況に雛は「告白」を決意するけれど…!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

好きな人と同じ高校に行くため猛勉強…
これってリアルで実際有り得ることなんでしょうか。
だって進学って自分の人生が懸かってるんですよ。
頑張る動機にはなると思いますけど、決定打にはならないような…

今回の場合、たまたま自分の学力を上げなきゃ入れない高校だったから結果オーライかもしれませんけど、もし逆だったらそれを受け入れるだろうか…
まぁ、ここでこんなこと言っても仕方ありませんけれど^^;

今度の主人公は、もちょ演じる瀬戸口 雛…
前作「ずっと前から好きでした。」の主人公だったハルカス演じる榎本夏樹の想い人である瀬戸口優を兄に持つ女の子です。

そして榎本夏樹に瀬戸口優という幼なじみがいるように、雛にも榎本虎太朗という幼なじみがいるのですが、この2人の立ち位置は兄・姉とは違い、惹かれているのは片方だけ…

お互いが同じ方向を向いているんです。
一見良いことの様に思えますが、同じ方向を向いているということは、決して向かい合えないのと同義なんです。
だから今回の恋物語は前作よりずっと切ない展開だったと思います。

その気持ちを助長してくれたのが、もちょの演技にほかなりません。
恥ずかしながらCharlotteの乙坂歩未を演じていた時、正直もちょに魅力に気付けませんでした。
それから幾つかの作品を経て、彼女の魅力の予感が確認に変わったのが、「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」で環いろはを演じた時です。
もちょの声質って、心地良さと耳障りが最高なんですよね~
本作品でも彼女の魅力が目一杯堪能できるので、気になる方は要チェックです^^

気になると言えば、このシリーズでアニメ化されたのが劇場版2本と、全6話のTVアニメ版でしたが、wikiをチラ見したところ、登場人物の物語が結構進展しているようなんです。
しかも知らない登場人物が紹介されていたり…
もうこれ以上、アニメでは彼女たちの顛末は描かれないのでしょうか。

前作の劇場版でも触れましたが、対象を中高生のみにしておくのは勿体無い作品だと改めて思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

片思いと空振り

 「ずっと前から好きでした!告白実行委員会」と並行のお話のアニメだったです。この手のアニメについて何かということが多いのだが、相変わらず容姿端麗なキャラが織りなす世界観ですねです。わたモテどの太った芹沼さんみたいのが、主人公だと面白くなるような気がするが・・・。

 話は、主人公の 瀬戸口 雛 の中学生のころから始まり前作にも出てきた 綾瀬 恋雪 に壁ドンから一目ぼれすることから展開するです。恋雪の卒業には号泣し、幼馴染の 榎本 虎太郎 と同じ高校に2年後入学するのだが・・・。この虎太郎は、雛に思いを寄せているというありがち三角展開かなぁ?です。

 そこに長髪ツインテール、チャラ男、メガネ男子も絡んでくるですねぇです。前作に出てきたキャラもちょっと登場ななぁです。優、夏樹は、兄妹、姉弟主演というのですかねです。この2人は、終盤重要な展開にからむけど・・・。

 非常に雛の片思いの妄想なのか?思い込み?自分の世界にひたる場面が、多いなぁです。物語が進み、遂に告白の手紙を作って、待ち伏せするのだが・・・・。恋雪もあれだけ雛にあっているのに「気づけバ~カ」と思うこともあるし、雛も虎太郎に「気づけバ~カ」と思ってしまうです。

 夏樹と優が、前作でおめでたになる瞬間を目のあたりにしていた恋雪・・・。その直後、雛上手くいくのかなぁ??{netabare}だったです。虎太郎も熱くなるけど、誰かさんの一言にかわされるのも見どころだけどです。

 一番最後、誰かさんに絶望の淵があっても忘れて少しは、雛や夏樹に日が当たるといいなぁだったと思ったです。恋雪はどこへ・・・?。何でもかんでも上手くいくばかりが、多い{/netabare}恋愛アニメにもこういうのもアリですかねです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

75.3 8 ラブストーリーアニメランキング8位
劇場版 からかい上手の高木さん(Webアニメ)

2022年6月10日
★★★★☆ 4.0 (112)
366人が棚に入れました
とある中学校、隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれる男の子・西片。
どうにかして高木さんをからかい返そうと策を練るも、いつも高木さんに見透かされてしまう。
季節はめぐり、3年生に進級した2人。
周囲は将来を考え始め、不安と期待が入り混じる中、高木さんと西片の距離は未だ変わらぬまま。
そして、中学最後の夏がはじまろうとしていた――

夏休みが始まる前日、2人は帰り道で偶然ちいさな子ネコと出逢う。その子を「ハナ」と名付け、神社の境内で母ネコを見つけるまで面倒をみることに…。
徐々に懐いてゆくハナを見守りながら過ごす2人。このかけがえのない時間は、ずっと続くものだと思っていた・・・。
そして、このちいさな出会いをきっかけに、新たな想いが芽生えはじめていく――。
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

劇場版 からかわれ上手の西片くん

人気アニメの劇場版です。
正直、見に行くか悩みました。
若干3期あたりから西片くんのパターンに飽き飽きし始めていたからです。
私の高木さん3期レビューに目を通して頂いた方は知ってると思いますが、あまり高評価に踏み切れない星とレビューになってしまってました。

でも、私が劇場に足を運んだのはここまで来たら最後まで見届けようではありませんか!
と、劇場版くらい西片君は男を魅せて欲しいと思ったら!
と、飽き飽きし始めただけで冷めてる訳じゃないし、この作品の良さも沢山の人が作品を愛する理由を知ってるからって3点です!

さて、物語は高木さんと西片君の過ごした3年最後の夏休みが舞台です。

見ていて感じたのは懐かしさでしょうか?
グリコのゲームなんて懐かしいですね。
小学生の頃に学校の階段でしてました。

いじりも、グリコの中や水中の中に授業中など少し入っては居ますが、西片君のたまに出る卑怯な手的なのはありませんでした。

後は猫の話も。
野良仔猫を神社でお世話する話、私も昔やりました。
私の場合は、子犬でしたね。
後、弱ったモグラも保護しましたが、最後はそちらは何も出来ずでした‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬

そうした、自分も昔していた様なエピソードが詰め込まれていて、懐かしさをかんじました。

後、中学3年の最後の夏休みってのもポイントですね。
私は何をしてたかなw
ただ、なんだろ?中学3年ってなんか凄く楽しかった気がします。

だから、作中に出てきたあの切なさは凄く伝わる物がありました。
卒業してもずっとこのままでいられるか解らない。
だから後悔する夏休みにはしたくない。

アニメでは、西片君が少し卑怯で狡くてその上で結局高木さんに敗北する。
そんな西片君に私は呆れてしまって居たのですが……夏休みの西片君は頑張っていました。

{netabare} 友達が好きな人と一緒に過ごせる夏休みの僅か1日に虫送りのイベントの手伝いに借り出される事になるのですが、西片君は嫌な顔1つしないで変わってあげるのです。{/netabare}
そこに友達に対しての優しさを感じる事が出来ました。

後は虫送りのイベントで妖怪を怖がり駄々っ子の女が怖がらないように優しく説得する姿も凄くよかったです。
子供と会話する時にしっかり屈んでしっかり目を見て安心させてあげる所も、しっかり子供目線になって考えてあげられる人なんだと関心しました。

後は、からかい貯金。
{netabare} 高木さんに負けた時に戒めとして貯金をしていたのですが、その時のお金を仔猫の餌に使ってあげたりと素敵です {/netabare}

私はアニメで西片君を見る目は厳しめなので、貯金してもいつかは自分の為に使うんでしょう?なんて考えていました。
{netabare} そしたら、全額猫ちゃんの為に(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝) {/netabare}

後、2人が猫ちゃんの里親を探すのですが中々見つからず、両親を説得した高木さんが飼うことになったのですが、猫が行方不明。

{netabare} 見つけ出した時は見知らぬ親子に連れられて居て、親子に連れて帰られてしまう……
話を聞くと、前に飼ってた亡くなられた猫ちゃんにそっくりだと子供達は嬉しそうに話している。
正直、あそこまで飼いたい理由をあんな大声で……
あれは高木さんと西片君が聞いてるのを気づいているのでは?ってくらいの策士ファミリーですw

だけど、西片君は仔猫を返してもらおうと走り出すけど、高木さんは手を掴み止めます。

多分、猫を返して貰ったら、あの子供達は泣いてしまう。
一度飼い猫に涙してるのに、再び猫で涙を流させてしまう。
そして、あの家族なら猫を大切にしてくれると感じたのでしょね。
猫の幸せと子供達の気持ちを考え優先した結果の判断ではないでしょうか。 {/netabare}

でも、彼女は、よかったと泣いてしまう。
{netabare} 寂しさか、悲しさか、飼い主が決まった安心感か、涙の本当の意味はわかりませんでしたが、彼女の流した涙はなんだか…… {/netabare}

でも、そこで西片君が高木さんを元気づける言葉一つ一つを必死に繋げていく。
{netabare} 高木さんも幸せになるよ。高木さんを幸せにするよ」彼の精一杯の告白……もしかしたら西片くんには告白ってよりも、ただただ高木さんに元気になって欲しかったのかもしれません。 {/netabare}

でも、そんな西片君はカッコ良かったです。

劇場版では、その辺に西片君の良さが凄く出て居て、高木さんが西片君を好きになった理由が解った気がする劇場版だったと思います。

EDもナイスチョイスな曲でした。

そして、EDの後に、{netabare} 結婚して家族になって虫送りのイベントに参加してる、西片ファミリーの姿がありました。
父と母と娘{/netabare}

実はあの夏の虫送り。
{netabare} 2人はホタルを見たくて参加したのですが虫送りの期間は時期的にホタルが少なくなってる時期なんだそうで見えませんでした。

家族になって参加した虫送りは西片ファミリーを祝福する様にホタルが沢山光っていました。
そして、家族がもぅ1人……いいぇ、家族がもぅ1匹。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

小さな想いが育まれる素敵なひと夏

【物語 4.0点】
TVアニメ版では毎回複数エピソード構成で原則冒頭にタイトルが示されたが、
本作では中3最後の小さいがハートフルな、ひと夏を描いた73分の長編ワンエピソードの形式を取る。
タイトルで概要告知されない『高木さん』ってドキドキしますね。

西片VS高木さんのからかいバトルや中学生生活はこれからも続いていくのでしょうが、
鑑賞後はいい最終回だったな~という余韻が残りました。
今後、スピンオフのアニメ化等もあるのかもしれませんが、
本編アニメはこれで完結でも綺麗で良いかなと感じました。

尚、エンドロール終わるまで立ってはいけない映画は多々ありますが、
本作は特に最後まで見守らないと後悔すると厳重注意しておきます。


【作画 4.0点】
アニメーション制作は1期以来のシンエイ動画が続投。

背景、作画で劇場版クオリティの恩恵を一番感じるのが水の表現。
光の反射により多彩な表情を見せる水面が、
たった一度の忘れられない中3の夏の風景を強く刻みつける。
だから、{netabare}木村くん等に一生残る卒業アルバム用写真を画像加工したりするな{/netabare}と注意した
田辺先生は教育者として筋が通っていて尊敬します。

1~3期にかけて、成長なのか、原作尊重なのか、少しずつ等身アップしてきたキャラデザ。
クライマックス{netabare}「幸せにする」{/netabare}と誓った西片は男前でした。
かと思えば{netabare}スク水着て水中で「好き」と疑われる一言を発した?{/netabare}高木さんはまだまだ低等身なあざといロリですし。
大人っぽさと、まだ子供の落差、成長のグラデーション。
高木さんの手元、口元の動きから醸される心情の揺らぎに加え、
キャラデザの揺らぎにも幻惑されドギマギする中3の夏。

シンプルな画面の中で明示された小物による誘導も分かりやすく、
この首輪は、からかい貯金箱(笑)はどう回収されるのか?
キュンキュンしながら楽しめます。

【キャラ 4.5点】
時折、意外とカッコいい所を見せて来た西片。
今回は中3にして、妖怪のともだちを自称して怖がる女児をあやすなど高度な父性を披露。

ついでに高木さんの母性の萌芽を探ってみると、
拾った子ネコの命名法に子育て方針の一端を感じて貴重でした。
可愛かった頃のことを覚えていたいから可愛らしい名前を付ける。
元高木さん娘の名前推理の重要なヒント?です。

子ネコという小さな命に真剣になれる西片&高木さん。
このお二人もういつでも子育てできそうです。

それと西片って実はここまで{netabare}中学皆勤{/netabare}なんですね~。見直しました。
これも、高木さんにからかわれた戒めに続けて来た腕立ての成果なのでしょうかw


3期では西片&高木さんに加え、中井くん&真野ちゃん、浜口&北条さん。
三組三様の大人への階段の進捗をキャラ比較して、
西片らの現在地を確認する構成が多かったのですが、
今回このカップル二組の出番は控え目。
{netabare}北条さんに夏休みのサマースクールでカナダに旅立たれ、{/netabare}
中3最後の夏に干からびていた浜口が不憫でしたw
加えて“キュン子”も出番はなく、主役二人によりフォーカスした構図。

一方、ミナ、ユカリ、サナエ仲良し3組には、この夏、重大な転機が?
一度きりの青春の価値を高める良好なサブキャラを保持。


【声優 4.5】
西片&高木さんが拾った白い子ネコ役には水瀬いのりさん。
みゃーみゃーと庇護欲をそそる鳴き声で二人を命と想いを育む共同作業に誘う。

ペットショップに鎮座していた、新からかいキャラ?のオウム・カツオ役には福島 潤さん。
お調子者ボイスでオブラートに包まないツッコミを繰り返す。
{netabare}「いい夫婦だな~」{/netabare}とか、みんなが思っていても口に出さないことをズケズケとw
くすぐったいので、このオウム、CV共々異世界に飛ばしてもよろしいでしょうかw

私は今回は何と言ってもペットショップ店員・太田役の戸松 遥さん。
動物たちや、命を見守る西片&高木さんの顛末を包み込むように見届ける。
演技にも優しさが溢れていました。


あとは、西片役・梶 裕貴さんが放つ「高木さんめ~」などのエコーがかかった心の声。
劇場だと、とてもよく響きましたw


【音楽 3.5点】
劇伴も1期以来の堤 博明氏。
冒頭いきなりショパン入りのピアノで来た時は、劇場版だから大真面目なのか?と身構えましたが、
からかいが興に乗るに連れ、笛がとぼけ始め、徐々に本領を発揮w
ただ総じて感動系の楽曲が多目の構成だったと思います。

OP主題歌は大原 ゆい子さん「はじまりの夏」
お馴染みの青春ソングも、夏を前に、
挿入歌と合わせて、ギターもウキウキと弾み気味♪

高木さんが歌うED主題歌は何と週替りに4曲も用意w
劇場への集客を狙った、あの手この手の特典商法にこんな手があったなんて。高木さんめ~w
因みに私が鑑賞した初週EDは{netabare}川嶋 あいさんの「明日への扉」{/netabare}
各曲には尺の違いもあってか、EDアニメには余白が生じる。
そこを毎週劇伴で埋めて微調整するのも堤氏の手腕。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

原作全部買いました。改変の好例ですね。で、実写…どうすんの?

24年3月に追記です。原作全部買ってしまいました。で、実は2人の未来の話って、公式だったんですね。(元)だけかと思っていました。ですので、映画のEDで勝手に未来を見せるな、というのは濡れ衣でした。ただ、公式でも私は未来は見せて欲しくない派なんですけど。

 で、原作の中で時折みせる未来の話で、その中で20歳の時に2人ってカッコイイ石比べで、タイムカプセルを開けに来たという説明がありました。実写版のあらすじを見て「おいおい、違う世界線か?」と思いました。

 それはいいとして、このストーリー原作にはないんですね。良くここまで膨らませました。高木さんの感情表現を見るためだけの話の気もしますが、本筋に絡む原作改変としては、とても良くできていたと思います。
 改変というかちょっとエピソードを付け足したと言った方が正確か。小豆島の風景を上手く使っていると思います。

 良心的で上手い改変の好例ですね。あらためて良かったと感じました。評価3.9ですが、4.0にあげておきます。




以下 24年1月のレビューです。

しめくくり?蛇足?面白いし感動もありますが…ED後の評価は…

 以前のレビューではTVシリーズを劇場版につなげることに文句のレビューを書きました。それについては見解は変わらないです。が、今回少し時間がたって作品そのものを冷静に見られました。

 作品そのものをレビューすると、今回初めて高木さんの感情が見られたのと最終学年・卒業の雰囲気で少しエモい話になっています。しめくくりに来て高木さんがいつもと同じでは困るのでもちろんそれで良いと思います。

 しかし、あのグリコの時の高木さんの戦略の見事さ。自らチョキを出すことで西方がグーで高木さんが負けてもキスゲットだし、西方がパーで勝てばジュースが手に入る。そして西方がチョキで引き分けなら西方がキスを望んでいることになります。高木さん…恐ろしい子…でした。

 で、卒業時期がテーマでしたが…私の感覚だと高校に行くのは楽しみでしかなく、親しい友人と離れる寂しさはありましたが、ああいう季節の終わり的なノススタルジーは感じませんでした。そこが女子の成長の速さなのか、今時の子の繊細さなのか。当時は成長したくて仕方がなかったと記憶していますので、そのマインドにはちょっと私には記憶がない気がします。

 それは西方・高木さんのカップルのマインドも同様で、同じ高校に行くならむしろ明るい未来のような気がするのですが…物悲しい感じの雰囲気と彼らの今まで描いてきた生活とが少しずれている気はしました。高校に置き換えるとちょっとわかる気もしますけど。

 棚田とか港の描写は良かったですねえ…いつにまして小豆島感が出てました。有名か知りませんが、棚田は観光スポットという感じではなく絶景ではありませんがものすごく風情のある場所でした。

 猫ですねえ…わざわざそういうドラマにしなくても…と思わなくはないですが、今まで非人間的だと感じていた高木さんが3期で少し内面が見えてきて、劇場版で…です。そこがカタルシスなんでしょう。

 で、そこからつながる、ED後の最後のシーン、恥ずかしながら前回見逃してました。いいんですよ…いいんですけど、それを見せない方が良かったのではないかなあ…という気がしなくはないです。

 余韻というかどんな未来かわからないからこそのラブストーリーであって、そこを見せてしまうと味わいが…もう(元)の存在を認めてるからいいのかなあ…私はこの点が最近の作品の嫌いなところで、中学・高校で付き合ったカップルがまるで結婚するのがいい未来だ、という結末が多すぎる気はします。

 「オトナプリキュア」に期待したのはそこだったんですけど…作品が好きならそれを望むという気持ちはわかりますけどね。何より原作者が描きたいのかもしれません。

 ED後の存在を知らないほうが、作品には深さを感じた気はしましたが、ハッピーエンドで良かったという気持ちにはなりました。

 評価は…しめくくりとしていい話です。キャラ愛としては満足だけど、長いシリーズの締めくくりとしては不満な要素もありました。そして本作の面白さの本質はむしろ1期2期で、3期で一応終わりが見えていただけに、蛇足感が無くはないです。3期の連続でテレビシリーズでやればまだ納得感があったと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

63.5 9 ラブストーリーアニメランキング9位
orange -未来-(アニメ映画)

2016年11月18日
★★★★☆ 3.6 (68)
357人が棚に入れました
「翔にあやまりたいと思っている」 26 歳の春──。須和弘人は、高校の同級生の茅野貴子、萩田朔、村坂あずさ、卒業後に結婚した高宮菜穂、そして、二人の間に生まれた子供と共に、桜の舞う弘法山を訪れた。彼らはそこから沈みゆく夕日を眺めながら、10 年前に亡くなった成瀬翔のことを考えていた。成瀬翔は高校二年生の始業式の日に、東京から松本市に引っ越してきた転校生。すぐに翔と親しくなった須和は、彼と菜穂が互いに思いを寄せ合っていることを知るが、それに気付かないフリをしてしまっていた。そして、17 歳の冬に突然、翔は全てを置いて亡くなってしまう。10 年後、翔の死が自殺だったことを知り、須和の後悔は募る。「自分は、翔から、未来も菜穂も奪ったズルいやつだ」。もしも、あの頃の自分が今の気持ちを知っていたら……須和は奇跡を信じ、過去の自分へと手紙を送る。そこに綴ったのは、これから起こる出来事と、26 歳の彼が抱える後悔と本心。そして、16 歳の自分へ向けたあるメッセージだった。その思いを受け取った 16 歳の須和。手紙の言葉に後押しされ、彼が最後にした選択が、“まだ誰も見たことのない新しい未来"を作り出していく。菜穂と翔がこれから描く未来とは?それを見守る須和の想いとは──。

声優・キャラクター
花澤香菜、山下誠一郎、古川慎、高森奈津美、衣川里佳、興津和幸

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あの日から、この未来を二人に見せたかった…。

本作品のテレビアニメが放送されたのが2016年の夏なので、今から約2年半前になります。

10年後の自分から届いた自分宛の手紙…
現実での出来事が手紙をなぞらえたように過ぎていくので、否が応でも手紙の信憑性は高まっていきます。
その手紙を出した未来の自分は大きな悔いを残していました。
だから未来に悔いの残らない選択肢を選ぼうとみんなで懸命に努力する…
でも努力が必ず実るとは限りません。

この物語の顛末も決してハッピーエンド…ではありませんでした。
でも振り返ってみると全員がバッドエンド、という訳でもないんです。
そう感じてしまうのは、決して塞がる事の無い心に大きな穴がぽっかり空いてしまったから…

この作品が描いているのは、後悔を未来に残さない「if…」の世界を導き出す物語…
そしてこれまで知ることのできなかった「物語のその後」に触れる物語…
この物語の語り部は須和…

本作の主人公である高宮 菜穂に思いを寄せながらも東京から転校してきた成瀬 翔と、菜穂の気持ちを応援したい気持ちが誰より強い彼が、未来の自分から受け取った手紙には何が書かれていたのか…そしてその手紙をどの様に須和が解釈するのか…

序盤からいきなりコブクロさんの曲に合わせて懐かしい映像と展開が目に飛び込んでくるので、一気に記憶が甦ってくるのが感じられます。
テレビ版の物語が順不同で展開されていくのですが、どれも見覚えのある場面ばかり…
そういえば、どこまでも胸に染み込んでいく優しさと、痛いくらいの友達思いには何度も涙腺が熱くなりましたっけ…

物語は順不同に展開されるテレビ版の合間を縫って新作エピソードが織り込まれています。
だから序盤は見たことのある展開が延々と続く…という構成ではないので、序盤から見どころ満載です。
ただ、殆どいらっしゃらないとは思いますが、いきなりこの劇場版から視聴する一見さんには、難しい作品になっていると思います。

描かれているのはたくさんの笑顔…
その屈託の無い笑顔を見ているだけで幸せな気持ちになります。

テレビ版では苦しい事、悲しい事が沢山あって、何度も涙を流す場面を見てきました。
当然新作エピソードでも涙を流すシーンが無い訳じゃありません。
でも、流す涙の質が違うんです。

そうえいば、この作品のタイトルである「オレンジ」は、この劇場版でタイトル回収されましたが、この作品らしさに溢れていたと思います。

上映時間は1時間強ですが見どころ満載の作品です。
個人的には物語の終わり方に一抹の寂しさを感じてしまいましたが、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

主題歌はコブクロさんの「未来」
テレビ版のエンディングでも使用されていたので、とても馴染のある楽曲です。

唯一気になったのは、この作品の上映期間が2週間限定だったことです。
もう少し上映期間が長くても良かったように思いますが…
そして我らが香菜ちゃんの仕事はこの作品でも完璧でしたね。
もう終始耳が幸せって言っていた気がします。

今期の作品の視聴が遅れ気味ですが、それでも時間を作って過去作の視聴を
続けていけたら…なんて思っています^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

須和 これでいいのか? な~んちゃって???

 TV放送のorangeは、かなり菜穂と翔目線での展開が多い話だったと思うです。これは、どちらかというと須和目線での話だったなぁです。TV放送以上に未来の須和と菜穂の心情が、出ていると思ったです。

 最初、ざっとTV放送のおさらいから始まったです。
 そして未来で菜穂達が、手紙を海に流すエピソードが詳しく見れたです。{netabare}バミューダ海域に流れて、菜穂達都合の過去に手紙がタイムスリップ。それを誰かが拾って日時指定で郵便する手はず。これが、うまい具合にいき、このアニメのお話を進めてしまう。誰もが普通こんなことできると思うだろうか?だけど、できなかったらこのアニメは成り立たないと改めて思うアニメだなぁです。

 自分に届いた未来の証拠を同封した手紙を見た、須和目線のお話が始まっていくのだが・・・。これはこれで、面白味あったです。結構、須和は、翔に駄々こねたり、時には手紙より自分を責めている感があるでしたです。翔を助けたい気持ちもありながら、菜穂の幸せを願う姿が、男らしいというのか?須和自身本当に納得できているのか?と思ってしまうです。そんな姿を見て須和に語るアズ、貴子、萩田も見所です。

 で、翔の命を救えた未来は、TV放送と違う未来になっていたです。それが、「須和 これでいいのか?」な未来だったです。菜穂はいいかもしれないけど、須和これからどうしていくのかなぁです。確かに6人+1人笑顔であることに変わりもないのだが・・・。菜穂~~TV放送でも言っていた、「翔が生きてても〇〇を選ぶよ!」とか言っておいて、お前なんだったんだぁ~~です。

また、翔を救うきっかけを翔自身も未練がまだあるのか?笑顔でかあやりたいとか言ってるし。そう何度も君たち都合でことは進むのかなぁです。

 と思った矢先、このオチ何なのかなぁ?と違う未来は????今までのは????。「オイ、オイ」とも受け取れてしまうラストかなぁです。{/netabare}

 にしても、これが本当に届くかなど否定もしたけど、「(手紙が、過去の自分達に)届かなくても出すことに意味がある」萩田の言葉は、どことなく心に染みるものがあったでしたです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

sobako777 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

設定を活かしきれず、チープなエピソードやセリフ

随分と前に、余りにも人気だったので原作漫画を読んでみて、金と時間をドブに捨てたような不愉快な気分になったのを覚えている。確か、作者が途中書けなくなったりもして話題になっていた。内容はきれいさっぱり忘れていたので新たな気持ちでアニメを見てみたが、声優に救われているなーというのが第一印象でやはり不愉快!設定を活かしきれず場当たり的なクサいセリフやチープなエピソードで毎回つなぎ、やたら感動を煽る音楽とこれ見よがしな終盤への展開でごまかしている。声優のおかげで原作よりはマシだったが、それでもストレスにはなった。色々と辻褄合わない部分もあるし、まず、とにかく、キーとなる友情の表現がペラペラ過ぎるし、ヘビーなトラウマに対する対応も上っ面過ぎる。これで愛だの友情だの感じて涙するような、めちゃめちゃ中身の薄い偽善者には育って欲しくないなー、青少年少女の皆様には…って、まあ、余計なお世話だけど…。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

69.9 10 ラブストーリーアニメランキング10位
白雪姫(アニメ映画)

1950年9月26日
★★★★☆ 4.0 (40)
351人が棚に入れました
ディズニー初の長篇アニメは、制作後60年を経た今でも繰り返しリバイバルされ、新たな観客をふやしている。93年には大がかりな修復が施されたデジタル・ニュー・バージョンが公開(日本では94年)、全米だけで四千万ドル以上を叩き出す大成功。でも、原版ネガのわずかなキズまで消去したという新作フィルムには、どこか手作りの温もりが失われツルンとした印象。これまで幾度となく怖がらせてくれた魔女が、毒リンゴを作り、老婆に化ける場面のオドロオドロしさがあまり伝わってこなかった。ディズニー映画は音楽が良いので字幕版に限るという人も多いが、吹き替え版の“ハイホー"も捨てがたいですぜ。
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

愛と美を表現した見事なミュージカル

実は真面目にディズニー作品を見るのはこれが初めてでした(ファイアボールっていうショートアニメは見た事あります)。

それだけにこのミュージカル仕立ての演出を新鮮に見られたと思います。

白雪姫のお話自体は絵本か何かで何度も読んだ記憶があるのでなじみ深いです。


あらすじは要らないような気がしますが一応。
{netabare}
ある城に白雪姫という美しい姫が住んでいた。ある日白雪姫は城の近くで別の国の王子と出会い、恋に落ちる。

姫の美しさを妬んだ継母の女王は、狩人に白雪姫を森に誘い出しその場で殺し、心臓を抉り取ってくるよう命じる。
白雪姫を森で殺そうとした狩人だったが、彼女を哀れに思って逃がす。

白雪姫はより深い森の奥で七人の小人と出会い、王子を想いながら平穏に暮らしていた。
しかし白雪姫が生きていたことを知った女王は、自身の魔法で姿を変え白雪姫に眠りの毒リンゴを食べさせようとする。
{/netabare}


白雪姫はとても純真で幼くて、誰からも愛される人柄と容姿を併せ持った理想の美少女でした。


しかし物語上大事な存在であるはずの王子の影が思った以上に薄かったですね(笑)

序盤と終盤、美味しい所だけ持っていく辺りが流石王子様と言った感じでしょうか。


白雪姫に甲斐甲斐しく接し、最後まで愛し続けてくれた森の動物と小人こそが姫と寄りそうにふさわしいと思ったんですが、姫が選んだのは素敵な王子様だったんですね・・・。

白雪姫が森の奥で悲しみに暮れていた所を森の動物たちが元気付けてくれ、後に親しくなった小人たちも賑やかな共同生活で楽しませてくれました。

白雪姫が女王に命を狙われているとき動物たちが助けようとしたり、白雪姫が眠りについたとき小人たちはその身を守り続けました。


だから王子と白雪姫が結ばれた感動よりも、あれほど尽くして報われなかった小人たちに感情移入してしまい少し悲しい気持ちになってしまいました。多分こんな気分になるのはひねくれ者だけでしょう。


普通に考えれば、一目惚れした王子様のため森でしばしの辛抱をし、無事女王から逃れ王子と結ばれる。これ以上のハッピーエンドはないですね。



その他に、明るくて美しい白雪姫と嫉妬深く恐ろしい女王の対比が非常に巧く表現されていたのが印象的でした。

白雪姫は歌ったり踊ったりするのが大好きで、音楽に合わせて楽しい映像が流れることが多かったです。

逆に女王は不気味な部屋で怪しげな魔術を使い、残忍な性格を剥き出しにする場面が多かったです。

陽気過ぎず、陰気過ぎず、バランスの良い雰囲気の作品になりました。


追記:そう言えば白雪姫の作画は実際の人の動きを模倣して描くロトスコープの手法で作られているそうですね。
この前TVで白雪姫のモデルになった女性がインタビューを受けていたのを思い出し、ああそういうことかと合点が行きました。
お年を召されても少女のようにはつらつとした笑顔を浮かべている姿が印象的でした。
やっぱりあの軽やかでいて気品のある仕草は只者には務まらないのだと実感しました。


作画が素晴らしい、だけに留まらず今も高い評価を受け続けているのは、白雪姫のテーマソングと絶妙にマッチしたミュージカルの完成度なんじゃないでしょうか。

今もディズニーランドではこの映画の挿入歌「いつか王子様が」が用いられてますし、純粋に曲として評価されているということです。

後はそれを用いるタイミング・シチュエーションが巧い。ディズニーのミュージカルはそこも大きく評価されていると聞きます。

アニメで現実を超えるくらいのミュージカルを表現することに成功したことが白雪姫の何より凄い所なんだと思います。


ラブストーリーを期待して見るものではなく、白雪姫の純真さに、その美しい振る舞いと歌声に魅了される作品でした。

字幕で視聴したので白雪姫の美声を存分に堪能できました。もし見るならやっぱり本場のキャストで見た方が良いと思います。



突っ込むのも野暮な話ですが
{netabare}
女王は容姿を醜くする薬をわざわざ変装のために使いましたが、あれをそのまま白雪姫に飲ませてしまえば楽に目的は達成できたんですよね。
バンジョーとカズーイというゲームでは実際そうやって気に入らない娘を老け込ませてしまう魔女が出てきましたし、やっぱり白雪姫がしわしわの老婆になるのはビジュアル的にマズかったんでしょうね(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

白雪姫

ディズニー初の長編映画であり、世界初の長編アニメーション映画。
1937年にアメリカで公開され日本での公開は1950年。

原作のグリム童話をディズニーらしくロマンティックにアレンジされている
何年、何十年経っても色あせない名作
数々のアニメーターや作品に多大な影響を与えただけあって
俳優の動きを実写で撮影し1枚ごとに動画を起こす「ロトスコープ」を使った
なめらかな動きのある作画と耳に残る名曲の数々に何度も心奪われた。
ディズニー映画の中でも一番多く10回ほどは観た気がします。
{netabare}今月になってから職場でお子様達と3回も観たので思わず感想とともにレビューを残したくなりました。{/netabare}

<東京ディズニーランド版「白雪姫」との違い>
{netabare}
「白雪姫と七人のこびと」のアトラクションはご存知でしょうか?
アトラクション入口に「怖い魔女が登場します。小さなお子様はご注意ください」との謎の看板がある通り
「ホーンテッドマンション」並みに怖いと(一部で)言われてます。
乗っているゲストが白雪姫になったと仮定しているか、
お化け屋敷を想定して作ったのか謎ですが、魔女が主人公です。

襲ってくる木々や毒りんごをつくる魔女。突然現れる魔女の姿(しかも顔が近い 
魔女ファンには堪らない?アトラクションとなっております。
白雪姫はほんの一瞬しか出てこないくて、キスで目覚めるシーンもありません。
魔女が崖の上で大岩を小人たちに向かって落とそうとしているシーンで終わります。後味が悪い約2分30秒がとても長く感じます。
乗り終わった後スグに「ピーターパン」乗りに行って\ヒャッハーッ/してスッキリしたのは内緒です。{/netabare}

<雑談>
{netabare}
白雪姫はディズニープリンセスの中でも最年少の14歳。
そんな彼女を連れ、結婚した王子って凄いよなぁ・・とこの間友達と雑談していました。
友達「毒リンゴ食べて死んじゃった白雪姫にキスするなんて王子も変わってるよね。だって死んでるんだよ?」
私「グリム版はその辺知らないけど、一目ぼれした白雪姫に
せめての別れの挨拶にキスしたんじゃない?」
友達「そっか!でもお持ち帰りされるなんて羨ましい!!」
私「私も!!!」
と、珍しく女子成分多めでそんな感じの会話をしていました。
白雪姫と王子のその後も気になりますが、
「美」に執着していた魔女が一番嫌ってた醜い姿のまま最期を迎えるなんて
とても考えさせられます。まさに因果応報なのでしょうか。{/netabare}

<7人の小人>
{netabare}
・先生 Doc
・くしゃみ Sneezy
・おこりんぼ Grumpy
・おとぼけ Dopey
・ごきげん Happy
・ねぼすけ Sleepy
・てれすけ Bashful
おとぼけが喋らない理由は、自分が「喋ろうと試みたこともないから」となってるけど
実はぴったりの声優がいなかったためらしい。

ところで、皆さんはお気に入りの小人はいるでしょうか?
きっと7人のうちどれかは自分自身に当たるキャラがいると思いますが、
個人的にお気に入りはおこりんぼ。
最初は「女は全員毒を持っている」(まさに名言!w)と言って
白雪姫をよく思ってなかったが、お出かけのちゅーに照れてたり
白雪姫が魔女に捕まったら「白雪姫を助けに行こう!」と一番に駆けつけようとしたりツンデレなところがツボです。{/netabare}

年月も経ちパブリックドメインとして観やすいので
もし観てない方いたらオススメしたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 38

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

まっさらな白

■あらすじ
王妃「かがみよ鏡、世界で一番美しいのは誰じゃ?」
鏡の中の男「はい王妃様、それは白雪姫です」
王妃「ぐぬぬ」
 
 その後王妃は狩人を呼び出し、白雪姫を始末するよう命じる。狩人は白雪姫を殺せず、森へ逃げさせる。白雪姫は小屋を見つけ、そこで七人の小人達と一緒にお楽しみの夜を過ごす。
 翌朝、小人達が仕事へ向かった隙に老婆に変身した王妃が訪れ、騙された白雪姫は毒りんごを食べて永遠の眠りに落ちてしまう。その後王妃は自爆。
 小人達は白雪姫が死んでしまったと思い込み、美しいままの彼女を埋められず、ガラスの棺に納めて悲しみに明け暮れる。そこへ突然王子が現れて当然のごとく白雪姫に口づけをする。すると白雪姫は目を覚まし、王子と共にお城に向かい幸せに暮らしましたとさ。

 王子はおいしい所全部かっさらって行ったなおい。そして白雪姫も、なに当然のようについて行ってるの。まぁ、つっこみたいのはこれくらい。

■過去回想
 この『白雪姫」はおそらく私が一番最初に見たアニメ作品だと思われる。記憶が曖昧なので、もしかしたらイソップ物語やその他の童話が最初かも。それでも白雪姫だけはある程度のあらすじを覚えていたので、私の中で一二を争う大切な思い出の作品であることには間違いない。
 だが、もう子供の頃これをみて何を思ったのかはもう忘れてしまった。とりあえず現時点で思ったこと記録しておく。

■物語
 もう本当に、どこまでもまっさらな白、全く無駄のない純粋な物語。「夢は願い続ければ叶う」ということを心に、ただただ真っ直ぐ、小細工無しに投げかけてくる。
 ただし、王妃のように醜い心だとそれは叶わない。王妃は自分が一番美しくなりたいがために娘である白雪姫を手にかけようとした。皮肉なことに自らを醜い老婆の姿に変えてしまっている。さらに悲しいことに醜い姿のまま死ぬことになる。墓穴を掘るとは正にこのことだ。あなたはそのままでも十分綺麗だったのに…
 一方、白雪姫は純粋に「王子様が私をお城へ連れて行き、いつまでも幸せに暮せますように」と願い、騙されて毒りんごを食べる。一度倒れてしまうも、結果的にその願いは叶う。不幸を呼ぶはずのりんごは逆に幸運を運んできましたというオチ。同情します王妃さん。「人を呪わば穴二つ」ってやつだが、結局穴に入るのは王妃さんだけでした\(^o^)/

■その他
・作画と音楽は文句のつけようがない。目を塞いでも、耳を塞いでもおそらく十分に楽しめるだろう。どっちも塞いだら、そりゃおとぼけ並みのあほだ。
・笑いと楽しい音楽さえあれば、もうそれだけで十分なんだなと気付かされた。
・何で白雪姫は黒髪なんだ?
・原作は結構エグイ設定のようだ。純粋で綺麗な話だからこそこの作品が好きなので、正直見たくない。
・好きなキャラ…おとぼけ、おこりんぼ

 この作品を見ればきっと純粋な心を思い出せると思います。というより、それは子供の時からずっと持っているものなのかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

67.2 11 ラブストーリーアニメランキング11位
詩季織々(アニメ映画)

2018年8月4日
★★★★☆ 3.5 (63)
284人が棚に入れました
【陽だまりの朝食】北京で働く青年シャオミンは、ふと故郷・湖南省での日々を思い出す。祖母と過ごした田舎での暮らし、通学路で感じた恋の気配や学校での出来事...子供時代の思い出の傍には、いつも温かい、心のこもったビーフンの懐かしい味があった。そんな中、シャオミンの祖母が体調を崩したとの電話が入る。【小さなファッションショー】広州の姉妹、人気モデルのイリンと専門学校生のルル。幼くして両親を亡くした2人は、共に助け合いながら仲良く一緒に暮らしていた。しかし、公私ともに様々な事がうまくいかなくなってきたイリンはついルルに八つ当たりしてしまい、2人の間には溝ができ、大喧嘩をしてしまう。【上海恋】1990 年代の上海。石庫門(せきこもん)に住むリモは、幼馴染のシャオユに淡い想いを抱きながら、いつも一緒に過ごしていた。しかし、ある事がきっかけとなり、リモは石庫門から出ていき、お互いの距離と気持ちは離れてしまう。そして現代、社会人になったリモは、引っ越しの荷物の中に、持っているはずのないシャオユとの思い出の品を見つけるのだった。

声優・キャラクター
『陽だまりの朝食』坂泰斗、伊瀬茉莉也、『小さなファッションショー』寿美菜子、白石晴香、安元洋貴、『上海恋』大塚剛央、長谷川育美

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

全然観に来てる人が少なくて嘆かわしい!!!これは正しく2010年代版『秒速』ですよ!!!

新海誠監督の制作拠点としてもお馴染みのコミックスウェーブフィルムの新作
新海作品に強い影響を受けた新世代スタッフを中心に、中国のハオライナーズが「中国の都市を舞台に、中国の衣・食・住・行(行は交通)といった文化をテーマにした『秒速』みたいなのを作りたい!」と実に10年も前に持ちかけた話がキッカケとなった短篇3部作です




~陽だまりの朝食~
雨の降る北京を足早に行く男性、シャオミン
彼は喧騒とした都会の朝の中で、ふと故郷の朝の思い出を蘇らす
幼少期の好物であった三鮮米粉(さんせんビーフン)を祖母と食べた日々
そして淡い青春の日の隣にも三鮮米粉はあった
いま彼の目の前にあるのは、チェーン店で量産された米粉だ
もう思い出の味を口にすることは無いのか…そう思った矢先、1本の電話が入る…


~小さなファションショー~
中国第3の都市、広州は世界中のアパレルメーカーが拠点を置く現代のシルクロード
そんな広州で一流ファッションモデルとして働く女性、イリンは服飾の専門学校に通う実の妹のルルと二人暮らしをしていた
順風満帆かに見えたイリンの人生だったが、モデルとしての人気にも陰りが見えてきたことに焦りを感じ、自分を追い込んでしまう
やがてやるせなさの矛先は妹のルルに向けられ、イリンとルルは喧嘩してしまう
仲直りのキッカケを掴めぬまま、イリンはモデル引退をマネージャーに切り出すのだが、マネージャーからは1枚のメモが託される…


~上海恋~
90年代、上海の石庫門(せきこもん)と呼ばれるポピュラーな集合住宅で青春を過ごしたリモ、シャオユ、パンの3人
リモ青年は建築設計士となって上海に戻ってきたが、仕事は上手くいかず憤りを感じていた
そんな最中、男友達パンが引越しを手伝ってくれていると1本のカセットテープが発見される
それは淡い想いを抱いた幼馴染、シャオユとの交換メッセージを送りあったテープだった…
なぜリモはテープをシャオユに返さなかったのか?
なぜリモとシャオユは離れ離れにならなければいけなかったのか?
全てを思い出す為に、リモはテープを再生出来るラジカセを探し始める




まず率直に今作、『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『君の名は。』といった新海作品が好きな人に是非観ていただきたいです


美麗な美術や作画は言うまでもありませんが、今作が描いているのはSFでもファンタジーでも無く、中国の等身大の日常です

中学校の制服がジャージだ、とか
蕎麦でも饂飩でもなく米粉が朝食だ、とか
日本で言うところの団地や長屋に相当する石庫門の作り、とか
色んなものが“あの『君の名は。』クオリティ”で丁寧に描かれつつも、オイラの様な日本人にはとても新鮮な光景に映るんです


ところが今作のストーリーの根幹で、“国や文化の違いがあっても人の青春は新海作品で描かれているモノと同じなんだ”という新海作品との共通点に辿り着くんです


新海作品と違うアプローチをしながらも、新海作品と同じ着地点に辿り着く
こんなに美しく、斬新で、面白い映画は今までにありませんでしたよ
文字通り、10年前では思いつかなかったであろう、2010年代版『秒速』ですねこりゃ


にも関わらず、プロモーションが上手くないのか東京都でも封切り時の公開館数は僅か5館
大作サマームービー真っ盛りの季節ということもあって、上映回数も来客数もまばら…


おかしい!
こんなに新鮮な作品を、今観ないで何時観るのか!?
けみかけは『詩季織々』を応援していきたいと思います
鑑賞料金は一律1300円の特別興行でお得
どうせ後からBDを後出しするんでしょうけど、鑑賞チケット提示で本編DVDも買えます(買いましたw)


個人的に、今後の日本のアニメ業界は“日本のアニメ制作の技術を海外の顧客や出資者に買ってもらう時代”が来てると思ってます
もう日本のヲタクの財布をアテにする時代は終わりました
そういう意味でもハオライナーズ、ビリビリ動画、NETFLIXが配給に協力している今作は新時代への回答を既に提示してると言えるでしょう


その一方で、エンドクレジットを観れば純粋な日本人のスタッフが制作現場の中心を担っていることがよくわかります


誰にでも出来るわけではない
日本人だからこそ作れるアニメを、世界の人にお金を払って観てもらう時代の到来と言えます
あなたも今作を鑑賞してみて、時代の先駆者になってみるのは如何でしょうか?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

20年前の朝食ってなんだった?

この話は三篇の話
四季折々といいながら(いってない)三篇に渡って構成されている中国アニメ。

三篇といっても個々の共通点はゼロ。強いて言うなら舞台は中国、という以外全て独立してます。ただテーマは一貫した物となっています。
共通といってよいのかわかりませんが、「時代の移り変わり」を様々な視点から捉えた作品となっています。
本作を一応中国アニメ、と評しますが制作チームの中には「」新海誠さんたちが所属する作画チームが参加しています。新海誠らしさは感じ取れませんでしたが、やはり雨の描写は流石でしたね。

中国アニメ、といえばとりあえず戦ったり、とりあえず世界最強決定戦を開いたり、と荒々しいイメージでしたが、本作は「時代を移り変わり」を主としているため、イメージとしては「言の葉の庭」のような(制作会社が同じで雨の描写が印象的だったというのもあります。)静寂かつ鮮明な心象を表しいている作品となっています。
この「時代の移り変わり」に着眼点を置く、というのも良いのですが、それを複数の異なる焦点をもって捉える。この発想は素晴らしいですね

別に小説(複数の作家の短編を載せているやつ)などでは珍しくはない表現の仕方なのですが、アニメでは珍しく、新鮮なものでした。
「時代の移り変わり」は日々の生活にあふれているもので、それ自体は珍しくありません。が、それを多角度から捉え、意識することでなんてことない日常を時代の移り変わりを感じさせる特別なものに感じさせる(残念ながら未だに日々を特別に思えないのですが)、そんな作品となっています。

話の内容としては「朝食」「ファッションショー」「上海」、と一般市民から見た「時代の変化」を表したかのような内容。
客観的な自己視点、という描写が多かったのも特徴的であり、このテーマの意義と非常に合致しています。
これを他者による語りならば実感はなく、ただただ空想にしかなりませんでしたし、ただの主観的感想を述べているだけだったら日記となんら変わりません。
しかし、客観的な自己視点を採用することで過去現在、そして未来の自分にまで範囲を広げることが出来ます。非常に考えられたものであり、評価せざるを得ません。
一つあたりの尺が短く、気軽に見れるというのも長所の一つです。

しかし
{netabare}
時代の移り変わり、というどうしようもなく抗うことの出来ない事象に対して、それでも抗ったり取り戻したりしようとする、という行為を描いているくせに、終わり方は完結。移り変わりという流動的な現象を完結という手法にしてしまうせいで違和感となり、本作を見終わったときに「ええ終わったのか」とあっけなさ、というか物足りなさを得る。まぁ純粋に一つあたりの尺が短いから、というのもありますが。
{/netabare}
さらに、テーマを重視したおかげで内容自体が薄い
{netabare}「過去を回想しながら今日も飯を食う」「トップモデルで限界が見えたが妹のためにもモデル続ける」「テキトーに返事しまくったらアンジャッシュしてたけど、夢を叶えたあと再会した」てだけですからね。かなり薄い。{/netabare}
まぁ雰囲気やテーマに合わせるのならば仕方のないことなのでしょうが。
しかし、やはり着眼点やテーマは素晴らしく、好印象です。
内容自体は薄く、矛盾してるかのような作品でしたが、楽しめたことには変わりなく、間違いなく中国アニメの印象が変わる作品であると思っています。

{netabare}
個人的には朝食は面白かったです。時代の移り変わりをダイレクトに、そして客観的に描写しており、「儚くも鮮明な人生」を体現したかのような、作品。
しかもそれを朝食、という一つのものに焦点を当てただけで表現できるんですから本編は純粋に褒めなければなりません。着眼点もさながら脚本も「移り変わり」を意識したものであり、詩季織々にあっていると思います。
{/netabare}

「陽だまりの朝食」の監督は中国の方
「小さなファッションショー」の監督は日本の方
「上海恋」の監督は中国の方

作画はかなりよく、さすがといえる出来栄え。
主題歌はビッケブランカさんの「WALK」

移ろうのは時代だけだったか
ということで締めます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

新海インスパイア系の海外第一号店

2019.01.14記


日中合同のアニメ映画(配信はNetflix)


詩季織々・・・“しきおりおり”と読みます。
キャッチさんのご推薦もあり鑑賞の機会に与りました。観たのは昨年です。

3つの短編。合計74分。さくっと観れるサイズなのでお気軽にどうぞ。
 1.陽だまりの朝食
 2.小さなファッションショー
 3.上海恋


■コミックス・ウェーブ・フィルム
言わずと知れた『君の名は。』『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』を手掛けた製作会社さんが中国の製作会社と合同で制作にあたってます。
「陽だまりの朝食」と「上海恋」をChineseの監督さんが担当してたりします。よっぽど新海誠が好きなんでしょうね。モノローグの多用、内向的な男、時間軸を利用したストーリー構成と静謐さを湛えた演出などなど、新海誠作品をところどころ彷彿させるところがあって、同監督作品が好きな方でしたらチェックしておいてよい作品なんじゃないかと思います。
むしろ舞台を中国に移し、彼らの日常を切り取ったほどよく切なさを感じさせる物語はどれもきらりと光るものがあります。
お国柄、劣化コピーだろ?とか抗日映画のイメージしかないぜ!といった先入観は不要です。プロパガンダ映画でもないのでご安心ください。普通のアニメです。


■“面子”と“同族愛”と“ゴーイングマイウェイ”
とはいえ、登場人物それぞれところどころChineseっぽいところがあって、そこは比較文化の点で興味深いところでした。
そこは話聞けよ!(ゴーイングマイウェイ)とか、そこは素直になんなよ!(面子)とか、そこまでしてやるんかねぇ(同族愛)とか、お国柄を反映した表現も見どころの一つです。
こう書くと突っ込みどころ満載のように聞こえるかもですが、意外と違和感なくて不思議と物語に溶け込んでいますのでむしろ気づかないかもしれません。


■中国の高度成長
土地計画で変わりゆく街並み。農村と都市部の対比。価値観の逆転。
人民にとっても激動であったろうここ20年の変化は日本の比ではありません。その変化といった部分がストーリーの背景になってたり、さりげなく挿入されてたりと、これは現代日本では描けない物語でもありました。
劣化コピーではないよ、といえる理由でもあります。


新海テイストを盛り込みつつも独自の演出が光るお奨めの一品です。


■オマケ
寿美菜子さんが出演されてます。
寿さんと言えば、特別な存在であったユーフォニアム吹きの先輩役だったり、特別である自分に縛られた生徒会長役だったりと、私の少ない視聴遍歴のなかでも“特別”がつきまとう声優さんです。
本作では2.小さなファッションショーでの出演。案の定、“特別”につきまとわれていたなぁと思いだしたのが、レビュー執筆のそういえばきっかけでした。
姉妹の姉役での出演。妹はこちら『ゴールデンカムイ』のアシりパ役を好演されてた白石晴香さんの抑え気味の演技もなかなかだったりします。


-----
2019.04.27追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/05/04
♥ : 32

67.8 12 ラブストーリーアニメランキング12位
うる星やつら3 リメンバー・マイラブ(アニメ映画)

1985年1月26日
★★★★☆ 3.8 (49)
279人が棚に入れました
キュートな異星人・ラムと、超女好き高校生・あたるが次々に巻き込まる宇宙規模のドタバタ事件を描く、ハイテンション・SFラブ・コメディ。劇場用作品、第3弾。原作は高橋留美子。監督、やまざきかずお。友引町にメルヘンランドという遊園地がオープンした。だが、そこのアトラクションのひとつ、大マジックショーを見に行ったあたるの身に、とんでもない災難が降りかかる。魔術師ルウに魔法をかけられ、ピンクのカバにされてしまったのだ。なんとかしてあたるを助けようとするラムだったが、今度はラムが罠にはめられてメルヘンランドのミラーハウスに閉じこめられてしまう。だが、一連の事件は実はラムのほうに原因があった。ラムが生まれたときに彼女にかけられた呪いが、今ごろになって効きだしたのだ。だが、その呪いをかけた人物とルウの間には何の関係もなく…。果たしてルウの目的は? そして、ラムの呪いはとけるのか?

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、鈴木一輝、杉山佳寿子、島本須美、岩田光央

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私たちの左手の小指には誰でも目に見えない赤い糸が結ばれていて必ずある人の指に・・・

1985年公開の劇場版うる星やつら第3作 90分

原作 高橋留美子 監督 やまざきかずお 脚本 金春智子

10年ぶりくらいに見返してみました。
このタイトルはほぼ全部観たので少しずつレビューしていきたいです。
1985年1月なので、テレビ放送138回(161話)ころ。
130話以降はやまざき監督なので、交代後30週以上は経ってます。
ゴールデンタイムなので野球放送などの影響があり約1年弱でしょうか。

この作品から大きく変わったのは脚本でしょう。
第一作「オンリーユー」のクレジットには金春智子さんの名前がありますが、
どうもアイディアだけ残して押井守氏がほとんど書き換えたらしく、
第二作「ビューティフルドリーマー」は脚本押井守です。

押井氏が去ったことにより、原作者との連携が取り戻せてコミックに近い脚本にはなっています。
しかし面白いかというと前2作には遠く及ばないどころか、
原作に忠実なテレビ版のような魅力も減ってしまっています。
脚本に関しては致命的につまらないシーンも多いようです。

単に「オンリーユー」の元設定の逆転、つまり当事者があたる→ラムに変えただけとも取れますし、
キャラの扱い方や物語の進行も相当雑です。
脚本に関しては愛が足りないとしか言いようがありません。

作画はテレビ版からずっとやまざき氏が中心なので大きな変更はありません。
この作品に関しては物語よりも作画が先行しているような雰囲気で、
新海誠氏の劇場版アニメにも近い感じです。

もっとも嬉しい点はラムのビキニ姿が堪能できることで、
ビキニラムの空中戦闘シーンはテレビ版でも少なく、最大の見どころではあります。
現代の基準では低レベルすぎる戦闘ですが、なにしろラム様なので格が違うかもしれません。
作中、ラムの出生年らしき表示が1967年とありました。
今や50歳ですね。

ラムは周囲の人間をもサザエさん時空に閉じ込める能力があるという描写がこの作品にもあります。
過ぎ去った時間をも元に戻すようです。

脚本は雑ですが本来の「うる星やつら」の乱雑さがそれなりに表現されて、
この時点のキャラ勢揃いの本作もアニメ史的に見て重要だと思いますし、
日本人として最も幸せだった「ラムちゃんLOVE時代」に触れられる貴重な作品。
力作であり傑作でもあると思います。

テレビ版を見つつ、オンリーユーから順番に観ていただきたい逸品ですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

情けないっちゃ♫

やまざきかずお劇場アニメ初監督作品。

「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」
そんな言い伝えを聞き、はしゃぐラムは
早速あたるとデートする為新設の遊園地
「友引メルヘンランド」がへ向かうが・・

妖怪や宇宙人と等でごった返していて・・
それだけではなく・・只ならぬ妖気を漂わ
せていた・・
その遊園地のイベントで、あたるは手品師
によってピンクのカバにされて、元の姿に
戻れなくなってしまう・・

ラムは手品師を鏡迷路へ追い詰めるが・・
逆に亜空間に幽閉されてしまう・・

ラムの束縛や嫉妬から開放されたあたるは
此処ぞとばかりにナンパを謳歌するが・・

運命の赤い糸は・・ラムとあたるには存在
せず、結ばれることはないのか?というか・・

ラムは放置で良いの?あたる君?という物語♫

ラムが居なくなった事で、変と変をつなげた
もっと変な世界の友引町が・・普通の町に・・


TV版の延長の様で、劇場版の中で起承転結が
一番はっきりした作品かな。

劇場版の「お約束?」何時もラストはキス寸前
で・・二人の愛?を確かめる肝心な所で邪魔
が入るが・・今度こそ結ばれるのか?放置の
ままなのか?

それにしてもコタツ猫・・そして取り巻く猫
可愛いな・・龍之介も男らしい!?で・・
相変わらず登場人物が多いけど、基本メイン
のラムとあたる中心の展開です♫


ゲストキャラクター

ルウ(岩田光央)
ピエロやマジシャンに扮する謎の少年。

ラーラ(島本須美)
ルウの家庭教師。

樫の木森のオババ(京田尚子)
ラムの生誕祭に自分だけ呼ばれなかった
腹いせに、ラムが年頃にる頃、愛する男
と必ず引き裂かれる様に呪いをかけた人。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

miki0908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

無駄が多いがアイデアは最高です

前作ビューティフルドリーマーはアニメの金字塔の一つ。
今作はそれと比べると辛い。
しかしアイデアは素晴らしい。

ラムがいなくなってそれを探すあたる、
また、あたるを探すラム。
呪いによって引き離された二人が様々な動物、昆虫になっても必ず結ばれる。
よく出来ているんですが、脚本が甘い。
でもEDのリメンバーマイラブは名曲です。

古い名作の一つとして一見の価値ありです。
BSで再放送とかやってくんないかな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

61.3 13 ラブストーリーアニメランキング13位
あにゃまる探偵 キルミンずぅ(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (46)
274人が棚に入れました
豊かな自然に恵まれた樹海を持つ神浜市。この街に海の向こうの東欧・ヴラドニアより羽鳥カノンという美少女が転校して来る。その母・ミサは数名の若者を従え、神浜樹海と神浜市を世界遺産に登録するという触れ込みで来日する。一方、神浜市のカトレア学園初等部5年生の双子姉妹・御子神リコとリムは自宅の屋根裏部屋で謎の研究室とコンパクト型のアイテムキルミンを発見。そして、姉・ナギサ、同級生のケンとタマオを巻き込んだとてもおかしな出来事を日常の出来事と絡めて描く。神浜市では、ヴラドニアからのカノン達の来日以降、野生動物目撃例が頻発、神浜警察は「アニマル課」を新設。さらに、カトレア学園に現れた謎の怪人、加えてキルミンに隠された幾多の謎も平凡だったリコ達の日常の日々を次第に変化させていく。

声優・キャラクター
悠木碧、佐藤聡美、安済知佳、田村睦心、池辺久美子、丹下桜、野島健児、根谷美智子、田中秀幸、渡辺美佐

テキトー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

お子様に向けられたお子様に安心してオススメできるアニメです(大きいお友達じゃないよ)

だいたいの流れ
御子神家の双子、リコとリムは祖父が残した屋根裏の研究室で動物に変身できるアイテム「キルミン」を手に入れる。後にお姉ちゃんのナギサや、クラスメイトのケン、タマオもキルミンを手に入れることに。人間と動物の姿を持ち、変身する種族「アニマリアン」の少女、羽鳥カノンがリコたちの学園に転校してくる。リコたちはキルミンを使って遊んだり、動物がらみの事件に挑むと同時に、さまざまな事件を解決、動物専門の探偵団「神浜キルミンズ」を結成する。

その後どうなるか、、

個人的な感想
自分は最初、完全にあおちゃん(悠木碧さん)目当てで見てたのですが、なんとEDテロップでびっくりしたのが脚本があのマクロスの河森先生じゃないですか。
あとはこの年の夏に発売されて話題を呼んだラブプラスで復活した昔大好きだった丹下桜さんの声優業復活第2弾!(私の中で)
というわけで、どんな展開になるのかすごく楽しみで毎週欠かさず見ていました。

ストーリーはかわいさに萌えるのが3割、ラブストーリー1割くらい?序盤から中盤は動物に対する接し方を訴えかける教育的な側面も持つ場面も。ちゃんと子どもを向いたアニメでもあって感心しました。
ラスト間近は毎週続きが気になるくらいの引きこまれる展開です。

総評
子ども向けに作られているのが随所に表れているため、萌えを求めてこれから一気見するには大変かもしれません。
キルミンフォーゼした後のリコとリムの感情の変化で変わる表情と頭のネコ(ウサギ)の表情が連動していてすごくカワイイ!
50話はきついかもしれませんが見てよかったなと思える作品であると思います。

余談
2期は・・・DVDが売れなかったのかな・・
2期があるのならもちろん見ます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

らめええええええええ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

安定した良作・絵柄とタイトルで損をしている作品

良い点として起承転結がはっきりした
明快なストーリー
日朝で放送できるかどうかじゃない!やるんだっ…!であろう内容
とにかく明るく楽しめます
独特の要素として変身アイテム「キルミン」は1段階目できぐるみに運否天賦
2圧倒的・・・!圧倒的段階目で家畜に変身が可能なのですっ・・・!が、変身したいどうぶつへの理解がたりないと運否天賦に失敗します・・・!画期的
ちなみに女の子だけでなく、男の子も運否天賦常軌を逸するのですが、とにかくきぐるみが美女っ…!…!!ね。デザインセンスがよい
あざとい萌え路線でないかわいらしさ
キャラデザから想像できないですが子供だましで曲げられねえんだっ作画、演出、演技の質の高さも
特筆ものです
とても上手にまとまった良作であり、個性的なのでぜひごらんいただきたいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

動物と人間

動物に変身したり、動物と意思の疎通をしたり。
御伽噺だけれど、できたらいいなと思いました。
人間、動物、自然など、考えさせられる事は多いと思います。
人間と、それ以外の命との関係を、見直す時が来ているのではないでしょうか。
このアニメは、それを訴えているような気がします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

66.1 14 ラブストーリーアニメランキング14位
うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエバー(アニメ映画)

1986年2月22日
★★★★☆ 3.7 (48)
255人が棚に入れました
キュートな異星人・ラムと、超女好き高校生・あたるが巻き込まれる、荒唐無稽でバカバカしい事件や超常現象を描くハイパーテンション・SFラブコメディ。原作は高橋留美子の同名漫画。監督は前作と同じくやまざきかずお。劇場用作品、第4弾。あたるたちは大財閥・面堂家に伝わる鬼姫伝説をモチーフにして自主製作映画を撮っていた。主役はラム。だが、撮影の都合で面堂家の守り神とも言われる老木・太郎桜を切り倒してから、ラムの身に次々と異変が起こり始める。まずラムの電撃のパワーが落ち、角がなくなり、飛行能力まで失ってしまったのだ。そればかりか、みんなの心の中からもラムの存在が消えつつあった。そのうえ、友引町自体にも奇妙な現象が発生。事件の真相を調べ始めたあたるたちは、太郎桜の根から鬼姫の遺骨を見つける…。

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、神谷明、島津冴子、鷲尾真知子、千葉繁

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

我々はラムちゃんの思い出だけでも生きていける!それはメランコリーの軌跡。

1986年公開の劇場版うる星やつら第4作

原作 高橋留美子 監督脚本 やまざきかずお 脚本 井上敏樹 制作 ディーン

テレビ版うる星やつら末期の劇場版最終作の予定だったらしいが・・・
名作「ビューティフルドリーマー」や力作「リメンバーマイラブ」に比べると、
やや黒歴史っぽい作品になってしまったようです。

ビューティフルドリーマーはラムの夢という理解しやすい世界でしたが、
今回は舞台である友引町が主役になります。
友引町はコミック版では練馬区(高橋留美子自宅)、アニメでは武蔵小金井市(スタジオぴえろ所在地)です。
メガネが所在地を口走る回はやまざき監督になった直後なので思い入れもありそうですね。

友引町が主役と言うことで、テレビ版のメインキャラが勢ぞろいするという設定ですが、
それはまあ前作と同じです。

劇中対策会議においてラムの存在が友引町を狂わせた件に関して、
ランちゃんが「あたしも美しき・・・よ」と言ったため、すべて根底から崩れました。
その後の展開は、論理性というものから外れた単なる馬鹿騒ぎで終始してしまいます。
最終作品(予定)ということですべてぶち込んだんでしょうが、
結局は次の「完結編」の制作により黒歴史化したと言うわけです。

うる星やつらのキャラさえ出ていればなんでもいい、という人も多いでしょう。
私もそうですが、ラムの虎ジマビキニシーンが少なすぎる!
厚着ラムなど見たくないんです。
友引町の気候が狂って服装が煩雑に変わるのが原因なんですが、
テレビ版ではビキニに苦情が寄せられ、仕方なくセーラー服にしたという状況で、
劇場版くらいは、と誰でも思いますよね。

テレビ版放映中の劇場版は4作、終了直後に「完結編」「いつだってマイダーリン」
いろいろ文句はありますが個人的はすべてマストアイテムです。

正直に言いますと「リメンバーマイラブ」と間違えて借りてきてショックを受けただけなんですw

ちなみにOVAは12作です
了子のお茶会 1985年
アイム THE 終ちゃん 1986年 
夢の仕掛け人 因幡くん登場 1987年
怒れシャーベット 1988年
渚のフィアンセ 1988年
電気仕掛けの御庭番 1989年
月に吠える 1989年
ヤギさんとチーズ 1989年
ハートをつかめ 1989年
乙女ばしかの恐怖 1991年
霊魂とデート 1991年

ザ・障害物水泳大会 2010年 これだけ見てない、つーか今知った!

うる星やつらは総集編含めてすべて必見!もちろんこの作品もですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

帰ろう・・俺達の町・・友引町へ・・

1986年2月22日公開。TV放送が1986年3月で終了する直前に
公開された映画で、キャラデザや作画は可也向上している。

面堂家に伝わる「鬼姫伝説」をヒントに自主制作映画を撮影
していた友引高校の面々は・・面堂家の庭の樹齢300年の
老木「太郎桜」を斬り倒したことで不思議な世界に迷い込む。

本来のラブコメディーから完全にかけ離れ、全体的に重く
暗い雰囲気の作品と言われているけど・・これらの名作の
良い所を現代風にアレンジして洗練された最近のアニメを
視慣れている人にはあまり差がないかもしれない。

面堂終太郎のハーレム回?浮かばれる日が来るのか?
あたるに愛はあるのか?

ミステリーでサスペンスな雰囲気もあるけど、物語として
は構成も演出もなかなか濃い感じはする。

人は思い出だけで生きていけるのか?という感じかな。


以下妄想。
櫻の樹の下には「絆」か「屍」か?」何方が埋まっている?
(※内容とは関係ない)
鬼姫伝説は平家物語?「嫉妬に狂う鬼」橋姫という部分だけ
を嫉妬深いラムに重ねて冒頭の歌が聞こえるに重ねた?
丑の刻参りから大木・・桜の木には死体・・という流れ?

wiki参照。うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーを
モチーフとして現実と非現実の認識論・存在論的な再検討
を試みた。らしい。

諸星あたる - 古川登志夫
ラム - 平野文
三宅しのぶ - 島津冴子
面堂終太郎 - 神谷明
テン - 杉山佳寿子
水乃小路飛麿 - 島田敏
水乃小路飛鳥 - 島本須美

メガネ - 千葉繁
パーマ - 村山明
カクガリ - 野村信次
チビ - 二又一成
あたるの父 - 緒方賢一
あたるの母 - 佐久間なつみ
ラン - 小宮和枝
温泉先生 - 池水通洋
校長 - 西村知道
面堂の父 - 天地麦人
サクラ - 鷲尾真知子
錯乱坊 - 永井一郎

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

みり仔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

わかりにくいかも

この作品、2のビューティフルドリーマーに影響された作品で、正直わかりにくい。
押井守監督のすごさがわかります。
見比べるといいですよ。

単体としても、まぁおもしろいですよ。
ラムちゃんの能力が弱っちゃうみたいなー
でも無理しすぎてます。
だから内容は低めです。
歌は玉置作曲ですきです。

うる星が好きな人だけ見ればいいと思います。
興味ない人がみても低評価で終わると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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