鬱展開で泣けるなおすすめアニメランキング 10

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの鬱展開で泣けるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月07日の時点で一番の鬱展開で泣けるなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

92.6 1 鬱展開で泣けるなアニメランキング1位
STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.4 (16686)
50818人が棚に入れました
舞台は「ニュージェネレーションの狂気」による渋谷崩壊から1年後の秋葉原。秋葉原を拠点とする総勢3人の小さな発明サークル「未来ガジェット研究所」のリーダーで、厨二病から抜け出せない大学生の岡部倫太郎はサークル仲間と日々ヘンテコな発明を繰り返していた。2010年7月28日、岡部は単位取得のため同期にして友人の橋田至と共に向かった講義会場で、弱冠18歳でアメリカの科学誌に学術論文が掲載された天才少女、牧瀬紅莉栖と出会う。しかし、彼はその数時間前にラジオ会館の8階奥で大量の血溜まりの中に倒れる彼女を見ていた。そしてそれを橋田へ報告した携帯メールは、何故かその1週間前の日付で受信されていた。その直後、ラジオ会館ビル屋上に人工衛星らしきものが墜落しており周辺が警察によって封鎖されていたことに気付く。検証の結果、発明品の一つである電話レンジ(仮)が偶然にも携帯メールを過去へと送るタイムマシンとしての機能を備えていたことが判明する。そしてその偶然が全世界の未来を左右する出来事になると、世紀の大発明に浮かれていた「この時の」岡部自身は知る由もなかった……。

声優・キャラクター
宮野真守、今井麻美、花澤香菜、関智一、田村ゆかり、桃井はるこ、小林ゆう、後藤沙緒里、てらそままさき、山本彩乃、小形満
ネタバレ

kochiro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Steins;Gate/Zero

『人間は脳の10%しか働かせていない』

これは天才科学者のアインシュタインが「我々人間は潜在能力の10%しか引き出せていない」と言ったことが間違って広まってしまったのだという説もある。

しかし、脳科学によると、脳は物理的に10%が情報伝達を司る「神経細胞」であり、残り90%は「グリア細胞」と呼ばれる細胞群で構成されている。

そして、これまでの研究によるとグリア細胞は神経細胞への栄養補給など補助的な役割しか担っていないとされてきたため、優秀な人間ほど神経細胞の割合が高いと思われてきた。

ところが、アインシュタインの脳を解剖した結果、神経細胞よりもグリア細胞の割合が一般人の平均よりも高いということがわかってからというもの、グリア細胞にはまだ解明されていない未知の役割があるのではないかと注目されるようになった。

1982年 夏。東京都内 某大学 理工学部の掲示板

『脳信号処理システムの画期的な新理論を発表したばかりである新鋭の若手研究者、アレクシス・レスキネン教授の特別講義 本日、大講堂にて開催』

と、貼られている案内を読み終え、大講堂へと向かった。

ほぼ満席の大講堂、そんな中、大学に入学してからもう3か月は経つというのに軽く挨拶を交わすような友人すら私にはいなかった。自ら人間関係を持ちかけようとしない性格であり、そんなことをしているくらいなら研究を進めることの方が重要だ。

私は幼い頃から脳には無限の宇宙さえも超越する真理があると直感的に感じ、強く興味を惹かれていた。この世界を認識できるのは認識する脳があるからこそなのだ。

脳の神経細胞が伝達するパルス信号には一定の法則性があるが、これには自覚的ではない情報も含まれている。これは神経細胞が伝達するパルス信号に未知の情報が乗っている証なのではないかと私は仮説を立てた。しかし、常に飛び交うパルス信号に乗った情報を解析するというのは容易ではない。これがなかなか脳の研究が進まない一因でもあった。そこで、私はこの仮説を証明するためには脳の情報伝達原理よりも、留まっている脳内の情報そのものに着目して脳の特殊な暗号処理原理を解明することが先決だと考えるに至った。

開講時間となりレスキネン教授が登壇した。会場がどよめく。レスキネン教授は予想以上に背が高く大柄だった。日本語は話せないらしく英語での講演になるようだ。

講義が開始され、暫らくはレスキネン教授の話に集中していたのだが、前方に座っている男がずっとこちらを見ていることが気になり集中を途切れさせられていた。

「ち、なんだあの男は」

さらに、この特別講義が開講されることを楽しみにしていたのだが講義内容がレスキネン教授の論文からは想像もつかないほど低レベルであることに愕然とした。

「とんだ茶番だ。一般的な内容ばかりではないか。まるで話にならん…。これは時間の無駄だな」

私は広げていたノートを閉じると退室する支度を始めた。

人間の脳は情報を多重化して蓄積している。何かを思い出すときにはこの多重化された情報の断片から複数の鍵を用い規則的に抽出することで記憶を再構築する。この際、情報を規則的に抽出する鍵こそが重要であり、この鍵自身の情報も別の鍵により暗号化されてしまうこともあるため、多重化された記憶に鍵が埋もれてしまうと思い出せない、忘れるということになる。

脳が持つ特殊な暗号処理の理論、私がこの理論にたどり着いたのには理由がある。それは隠匿されていないと思われる文章や画像に多重化した情報を埋め込むことが可能な暗号化技術を独自に考案したためである。知る限り、この暗号化技術はまだ誰も使ってはいない、このことに気が付いた自分の優秀さを恐ろしいと感じるほどであった。

退屈な講義内容にも関わらず、熱心にレスキネン教授の講義に耳を傾けている聴講者たち

私は席を立ち、そんな彼らを見下ろした。

「愚民どもがせいぜいこの程度のヘボ講義で満足するがいい」

心の中でそう呟くと、ひとり講堂から外へ出た。
すると講堂の扉が開き、後ろから声をかけられた。

「ちょっと君」

ふり返ると同年代の学生と思しき男がこちらに近づいてくる。

なんだ?私に話しかけてくるとは馬鹿なやつだ。

「僕は秋葉幸高。はじめまして、どうぞよろしく」

よく見ると、その男は講義中にずっと視線を送ってきていた男だった。

「ん?私は貴様のことなど知らんが」

「だから、はじめましてと言っているじゃないか」

「そうか。では失礼する」

「ちょっと待ってくれ。単刀直入に言わせてもらうと、君の理論をもう少し詳しく聞かせてくれないかい」

唐突に何を言っているのだ、この男は?

「私の理論?いったいなんのことだ」

「僕のような愚民にもわかりやすくお願いしたい」

そう言ってさわやかに微笑んだ男。そう、これがのちに親友となる秋葉幸高との出会いだった。

私は秋葉幸高と名乗るこの男の申し出を無視したが、幸高はしつこく食い下がって、食堂にまでついてきた。

「しつこい奴だな、私の理論だと、そんなものは知らん」

「君の理論について詳しく話してくれるまでは諦めないよ」

「…」

まあいい。どうせすぐに諦めるだろう。さて、今日は何を食べるか…

「かつ丼かい?昼食くらい奢らせてもらうよ」

「な、飯ごときで私を簡単に懐柔できるとでも思っているのか?」

「ほらね。君はわかっているけれど自分の理論について隠しているのだろう」

しまった。見事に嵌められた。

「あ、いや、何だ。あれだ。貴様がしつこいから私の倫理観的なことを言ったのであって、けして研究をしていることを隠しているのではない」

「動揺を隠しきれていないな。君は何か特殊な理論についての研究をしている。でも最近、一人でできることに限界を感じているはずだ、そうじゃないのかい?僕は君の協力者になれると思うのさ。資金面の援助をするし、君の要求をできる限り聞くつもりだよ」

さわやかな表情から急に真剣でまっすぐな視線が私を突き刺す。

「…どこで私のことを嗅ぎ付けたかは知らんが、わかっているのだろうな?まずはこれから話すことについて絶対に口外しないことを一筆したためてもらおうか」

「無論、僕は君の理論の価値については理解しているつもりさ」

「中鉢だ」

「?」

「以後、私のことはプロフェッサー中鉢と呼ぶがいい」

「ふふ、君はまだ学位も取っていないだろ。そうだな、君の名前は章一だったね。じゃあ章一って呼んでいいかい?僕のことも幸高でいいよ。では改めてよろしく。」

「ぬぐ」

そう言って幸高はまたさわやかに微笑んだ。

幸高は私の独創的な理論に終始熱心に耳を傾け、表情は常に真剣だった。
私は頭の切れる人間が好きだ。会話中に余計な説明を加える必要がないので話がスムーズに進むからである。そして、幸高はまさに切れ者だった。
私の理論を聞き終わると幸高はしばらく考えてから提案をはじめた。

「この理論を実行するのに紙ベースでは時間がかかり過ぎるね。コンピュータがあればもっと多くの情報を埋め込めるし、効率よく整理できるじゃないかな」

幸高はなかなかよいところに気が付く。私は幸高が美男子だというところが少し気に食わなかったのだが、幸高の方から私の優秀さに気が付き、私の研究に対して資金援助をしたいと申し出てきたことで、まあ許してやらなくもない。と思った。それにしても資金援助とはどの程度の話をしているのだろう。学生のいう援助などたかが知れている。どうせ10万程度準備するのが精いっぱいだろう。と、私はたかをくくっていた。

が、私が風呂なし四畳一間トイレ共同の下宿先へ歩いて帰るというのに、送らせてくれないかという幸高からの提案で高級外車が大学の正門で待機していたときには、開いた口が塞がらなかった。
なんと、幸高は資産家の御曹司であるという。同い年でこんなにも経済的に恵まれている人間がいるということを私は妬ましく思った。

さらに、運転はお付きの執事がするというのだ。

「ぐぬぬぬ、これが格差というものか。」

執事と思しき男が後部座席のドアを開いてから丁寧にお辞儀をしていた。

「お初にお目にかかります。秋葉家で執事をしております黒木と申します。お名前は何とお呼びすればよろしいでしょうか?」

「ん、では章一様とでも呼んでもらおうか」

「かしこまりました章一様。至らぬところもあるかと存じますが、宜しくお願い致します。」

冗談のつもりで言った言葉がそのまま返ってきたことに少し驚いたが執事とはこういうものなのかもしれない。いや、何というか執事というのもなかなかいいものだな。一瞬で考えが変わった。

その後、幸高は研究所の提供を手始めに大々的に資金援助を始めた。

コンピュータについても、執事の黒木にコンピュータ最大手IBNの技術者であるギルバートという友人がいて、その男から型落ちではあるがパーソナルコンピュータIBN5100も譲ってもらえることとなった。ギルバートは幸高とも交友があり、幸高の自宅には業務用大型機も保有していてビジネスに使用しているとのことだった。
学生でありながら実業家の顔も持つ幸高はやはり切れ者だ。
譲ってもらうIBN5100は主流のPCになりそこねた異端製品らしいが、1982年当時、コンピュータを一個人が持てること自体がすごいことだった。

大学卒業後も私は幸高の支援を受けながら研究を続けた。研究はなかなか進まなかったが時間だけは過ぎ去っていった。独身貴族を貫こうと約束したはずの幸高は街中で偶然知り合った女性とあっさり結婚して娘まで生まれた。しかし、私はひとり研究に明け暮れた。幸高は研究資金を調達するために忙しい日々を送りながらも、たまに研究所へ顔を出し私と議論を交わした。

「人間の脳が認識できるRAMはどの程度なのかな?」

「RAMとはなんだ?」

「Random Access Memoryの略でコンピュータ用語だよ。メインメモリーや単にメモリーとも呼ばれるんだけどね。コンピュータのCPUって判断処理する部品だから人間の脳とよく似ていると言われることがあるけれど、RAMにデータを置くことでCPUはデータの処理ができるようになるんだ。言わば脳で言うところの記憶ってとこかな。で、このRAMの容量が大きいほど一度に処理できるデータ量が増えるんだよ。」

「なるほど。コンピュータの演算原理と人間の脳のメカニズムには関連性があるのかもしれんな。脳に置き換えて考えるとそのRAMに相当する容量は今までの研究から23の11乗だということまでは分かっておる」

「・・・23の11乗だって?」

幸高の表情が一変し、慌てて幸高が常に携帯している電卓で計算を始めた。それは1千兆に届きそうな数字となるため、その電卓では計算できんだろう。

「途方もない数字になるじゃないか・・・そんなことが解明できるなんてやはり君は天才だ」

「人間の底知れぬ能力よりも私の天才的な頭脳に驚いたようだな。しかし、人間は所詮そのすべてをフル活用できるわけではない。精々30%がいいところだろう。しかもこれは被験者10人による結果だ。まだ検体数が少なすぎる。さらに、なぜか貴様だけは例外のようで、RAMは23の12乗である可能性が残っている」

幸高はなにか気にかかることがあるようで少し考えていた。

「23という数字はどこから来ているんだい?」

「これは推論の域をまだ出んが人間は対の染色体を23種類持っているのだよ。その数字が関係しているのだと私は考えている。11乗での記憶のマスターキーワードと言うべき配列の解読にも成功している。驚くな。興味深いことにこれを言語に置き換えると23文字の古代ギリシア文字でIESUSCHRISTとなるのだ」

私は自慢げに答えた。

「その文字、何か意味があるのかい?」

幸高らしくない回答で少し拍子抜けした。

「・・・それくらい自分で調べるのだな」

そう答えると幸高が私の目を覗き込んだ。これは幸高の癖だ。この行為で人の目から真意を読むのだと幸高は説明していたが、この私がそんな非科学的なことを信じるわけがない。

「そうか、そういうことか。そういうことだったのか!」

幸高は興奮を隠せないようだ。

「なんだいったい」

「今日、君の研究に出資することになった幸運を神に感謝する必要があると心から思ったよ」

と、幸高は何か閃いたように私に提案してきた。

「ところで、例外が僕一人ではマスターキーワードの抽出もなかなか進まないだろう。あともう一人、被験者を増やすことはできるかい?」

「別に構わんが、幸高のデータは残しておきたい。とするとデータ蓄積用の記憶媒体が別に必要となるが、いいか?」

「君の偉大なる研究がもう1000万程度で進むのならそんなに安いものはないさ」

幸高のこの金銭感覚に私はついていけない。まあ、私としては研究が進むのだからこんなに喜ばしいことはないが。

ほぼ住んでいると言って過言ではない研究所。とはいっても幸高が保有している大檜山ビルという小さなビルの2階の部分であり、1階にはブラウン管工房という店舗が入っていた。ヨボヨボの婆さんが店主だったのだが、1995年に起きた阪神淡路大震災の余波で積みあがっていたブラウン管テレビの下敷きになり婆さんが亡くなってからというもの、店主が見るからに怪しい大男に代わった。風貌からしてあの気の弱そうだった婆さんの親戚にはみえない、あの婆さんが借金をしていたため店が乗っ取られたのかもしれない。おっと危ない目が合いそうになった。ああいう怪しそうな奴とはなるべく目を合わせない方がいい。

徐々に研究が進み、幸高が連れてきた新たなる被験者である幸高の妻の記憶も幸高と同様の特徴を示した。そして、2000年に例外的であった12文字からなる記憶のマスターキーワードの抽出に成功した。まだ抽出できただけで配列が明確になっていないため解明が完了したということではなかったが、幸高は飛び跳ねるように喜んだ。

「おい幸高、まだ解読が完了したわけではない。そこまで喜ぶとは私としても研究のし甲斐があったというものだがな。それにしても貴様の妻も例外的な存在ということなら脳の構造は2種に分類できるということなのかもしれん」

幸高は私をジッと見つめた。

「章一、僕がなぜこんなに嬉しいのかわからないだろうが、きっと君に話をするときが近いうちにくるだろうな」

しかし、私が見た幸高の姿はそれが最後となってしまった。幸高は事故に巻き込まれて亡くなったのだ。急な出来事であったことから、私は幸高がどこかで生きているのではと思いたかった。

幸高の死後、研究所のあった雑居ビルは相続の関係から売りに出され、なんとブラウン管工房の男が買い取ったらしい。やはり裏社会に関わっている男なのだろう。そうでもなければ小さいとはいえ秋葉原にあるビルを丸ごと買い取るなんてそんな大金を用意できるはずがない。それにしてもたまに店にくる可愛らしい女性は誰だろうか、あんな男にかわいらしい女性が会いに来るなんて、可愛そうにきっと騙されているのだろう。きっとそうにちがいないのだ。

幸高の死によって資金援助が途切れ、私は秋葉原の研究所から田舎の実家へと引っ越した。しかし、田舎の実家でも私は変わらず持てる力をすべてつぎ込んで研究を続けた。

そして、2002年、私はついに例外的であった幸高の記憶のマスターキーと呼べるものの解析を完了させた。それは2000年に抽出を成功させた文字の配列を入れ替えて表現できるものだった。

読みあげてみたところで特に変わったことは起きなかったが、私の理論が正しければこれによって世界の脳科学に新たな道を開いたと言っていい。

そして、2002年8月23日ついに世界に革命をもたらすときがきた。長い間、研究を重ねてきた命の結晶ともいえる私の論文が脳科学会の学術研究論文発表会において披露されるのだ。この場に幸高の姿がないことがとても残念ではあるが、論文には唯一、秋葉幸高へ感謝の言葉を記した。永遠に語り継がれるだろうこの論文に名前を残せたことを幸高は喜んでくれるだろうか。発表を前に私は興奮を隠せなかった。

その影響だろうか昼食をとってから発表会場へと向かおうとしたところで、私は急に激しい目眩に襲われた。

「うぐぅ」

グニャリと世界が歪み立ってはいられない。そんな頭痛に耐ながら会場に着くと、私は目を疑った。

発表会場の壁紙には『応用物理学会 学術研究論文発表会』という文字が書かれていた。

「これは? いったいどういうことだ?」

「ドクター中鉢さん、どうかされましたか?」

私が会場の入り口で呆然としているところに知らない男から声を掛けられた。

「私はドクターではなくプロフェッサー中鉢だが?一度お会いしたことがあったかね? いや、それにしても脳科学の発表会に応用物理学会の壁紙を掲げるとは、いったいどうゆう冗談かね?」

しかし、その男は私の問いに返答することなく、やれやれといった表情で

「・・・今日のあなたの発表こそ、冗談で済めばいいですがね」

と笑いながら去って行った。私は男が言った意味が理解できず首を傾げながらもこれから自分が発表する論文に目を落とし、そして愕然とした。

章一「な?」

“人間の記憶における多重暗号処理”と題して発表するはずの論文、そのタイトルには



{netabare}
この続きはあにこれの文字数制限を越えてしまいましたので、pixivに継続してアップしています。Steins;Gateの世界観はもとより、できる限り、ストーリーの整合性を保って作成させていただいているため、たびたび、内容を修正させていただいています。

pixiv Steins;Gate/Zero

でググれば出てきます。なんと!最新作「Steins;Gate 0」の制作が発表された影響で、Steins;Gate/Zeroで検索しても当方の二次作品が検出されなくなっていました。

親子の絆をテーマに最後まで書き進めていきますので時間があれば読んでみてください。

ここまで長文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 62
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

軽蔑から憧憬へ。最高のアニメ・ヒーローに出遭える《奇跡の名作》

(※初稿:2015年時点のレビューです)

◆第23話Bパート『スカイクラッドの観測者』で炸裂する大仕掛け

あにこれ総合得点ランキング1位に本作が選ばれたので、ちょっと嬉しくなって約2年半ぶりに全話視聴してみました。
通算では4周目で、ストーリーの大枠は覚えているものの、細かい部分はかなり忘れていて、割と新鮮な気持ちで視聴でき、そして予想通り今回も、

(1) 序盤は、一見して下らない、むしろ不愉快としか思えない会話劇が続いて、「こんな作品を頑張って視聴しても時間の無駄ではないか?」というお馴染みの疑念に付き纏われて、なかなか視聴が捗(はかど)りませんでしたが、
(2) 中盤(第12話以降)からは次第に、主人公=岡部の苦悩を、まるで我が事のように気に病んで、彼の所作に一喜一憂する感情移入した状態に変わっていき、
(3) そして、待ちに待った終盤(第23話Bパート)、『スカイクラッドの観測者』が流れ始めた瞬間、不意に押し寄せる感動の波が、またしても尋常でない大きさで、ラスト回(第24話)+OVAを急いで見た後、なんの躊躇もなく5周目に突入~今度は一気呵成に完走してしまいました。

そうなんです。ここで思い出しましたが、シュタインズ・ゲートは、第23話を一度見終わったあとからの2周目が、圧倒的に面白い作品だったんです。


◆制作情報(全体)
{netabare}
原作ゲーム       5pb./Nitroplus
監督           佐藤卓哉、浜崎博嗣、小林智樹(第25話)、若林漢二(劇場版)
シリーズ構成      花田十輝
脚本           花田十輝(劇場版も)、根元歳三、横谷昌宏、林直孝
キャラクターデザイン 坂井久太
音楽           阿保剛、村上純
アニメーション制作  WHITE FOX{/netabare}


◆各話タイトル&評価(TVシリーズ第1作)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

※以下の【起-承-転-結】は、話の流れが分かり易いように便宜的に切り分けたもので、特に深い根拠がある訳ではありません。

========== STEINS;GATE (シュタインズ・ゲート) (2011年4-11月) ========

----- 【起】 {netabare}Dメール開発と暴かれる世界の秘密{/netabare} ------------------
{netabare}
第1話 始まりと終わりのプロローグ Turning Point ☆ 牧瀬紅莉栖の死、最初のDメール(α世界線へ) 2010年7/28
第2話 時間跳躍のパラノイア Time Travel Paranoia ☆ 紅莉栖との再会
第3話 並列過程のパラノイア Parallel World Paranoia ★ SERNハッキング 7/29-
第4話 空理彷徨のランデヴー Interpreter Rendezvous ☆ IBN5100探し
第5話 荷衝突のランデヴー Starmine Rendezvous ★ SERNの秘密
第6話 蝶翼のダイバージェンス Butterfly Effect's Divergence ☆ Dメール開発、FB初出 8/2-3{/netabare}

----- 【承】 {netabare}Dメールによる過去改変とその結末{/netabare} ----------------------
{netabare}
第7話 断層のダイバージェンス Divergence Singularity ★ Dメール実行(ロト6失敗、軽微な過去改変)、貴方に救世主になって欲しい
第8話 夢幻のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis ★ 萌郁&るか Dメール実行(過去改変2~3回目) 8/3-6
第9話 幻相のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis ★★ フェイリス Dメール実行(過去改変4回目=秋葉改変) 8/7(特殊ED)
第10話 相生のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis  ☆ 脅迫メール1通目、鈴羽引き留め Dメール(過去改変5回目) 8/8-10
第11話 時空境界のドグマ Dogma in Event Horizon ★ タイムリープ装置開発、脅迫メール2通目 8/10
第12話 静止限界のドグマ Dogma in Ergosphere ★★ 実験中止、SERN襲撃 8/13(20時前){/netabare}

----- 【転】 {netabare}タイムリープ開始~まゆり救出オペレーション{/netabare} ---------
{netabare}
第13話 形而上のネクローシス Metaphysics Necrosis ★★ 椎名まゆりの運命 8/13(16時過ぎ) 
第14話 形而下のネクローシス Physically Necrosis ★(Aパート)☆(Bパート) 岡部の後悔、紅莉栖の助力、鈴羽の正体
第15話 亡環上のネクローシス Missing Link Necrosis ☆ タイムマシン修理 8/13→8/11-12
第16話 不可逆のネクローシス Sacrificial Necrosis ×(Aパート)☆(Bパート) 鈴羽(過去改変5回目の取消) 8/11-13
第17話 虚像歪曲のコンプレックス Made in Complex ☆ フェイリス(過去改変4回目の取消) 8/14→8/13-15
第18話 自己相似のアンドロギュノス Fractal Androgynous ★ るか(過去改変3回目の取消) 8/13-14
第19話 無限連鎖のアポトーシス Endless Apoptosis ☆ 萌郁(過去改変2回目の取消) 8/16→8/11
第20話 怨嗟断絶のアポトーシス Finalize Apoptosis ×(Aパート)★★(Bパート) 萌郁(続き)、FBの正体 8/12-15→8/13-14{/netabare}

----- 【結】 {netabare}行き詰まり~紅莉栖救出オペレーション{/netabare} --------------
{netabare}
第21話 因果律のメルト Paradox Meltdown ★ 牧瀬紅莉栖の運命 8/14-17→8/13-15
第22話 存在了解のメルト Being Meltdown ★★ β世界線に回帰(最初のDメールの履歴削除)、鈴羽再来訪 8/15-21
第23話 境界面上のシュタインズゲート Open The Steins Gate ×(Aパート)★★★(Bパート) 岡部の執念 8/21→7/28→8/21 ※ED「スカイクラッドの観測者」
第24話 終わりと始まりのプロローグ Achievement Point ★★ 紅莉栖救出(Steins;Gate世界線へ) 8/21→7/28→8/21- ※ED「Another Heaven」{/netabare}
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★★★(神回)1、★★(優秀回)5、★(良回)8、☆(並回)8、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7

※Aパート/Bパートで評価が分かれる回は、より評価の高いパートの評価をカウント。

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」


◆軽蔑から共感へ、そして憧憬へ

私の場合、好きなアニメキャラ(女性)を挙げろと言われれば、すぐさま何人もの名前が出てきますが、好きな男性アニメキャラは中々思いつきません。
それでも誰か一人、自分の一番好きなアニメ・ヒーローを挙げろ、と言われたら、私の答えは、きっと本作の主人公=岡部倫太郎となるでしょう。

実際には、本作を視聴し始めた時は、岡部に対して、かなり軽蔑した気持ちを持っていたんです。
自分にも、岡部みたいな性向は少なからずある(あった)かも知れない・・・という気恥ずかしい気持ちもありましたが、それにしても、"これは酷い"、"人間こうなってはダメだ"、"自分もこうならないよう気を付けなければ"、という否定的な気持ち、"こんなイタイ奴は見たことがない"という侮蔑の気持ちが、序盤には強くありました。
こんな見るに堪えないキャラの下らない所作ばかり描いた作品を視聴するのは時間の無駄だから、もう打ち切りにしたほうが良いのではないか?という考えに付き纏われた人は、私以外にも沢山いるはずです。

ところが、ストーリーが進むにつれて、こうした気持ちは次第に消えていって、岡部に共感し、応援したくなっていくのです。

第20話終盤の{netabare}岡部の絶望{/netabare}を見たあと、第22話での{netabare}彼の決断と勝利宣言{/netabare}を見て、思わず彼の肩をポンと叩きたくなる気持ちになった人も多いでしょう。

だけど、物語はそこで終わらないのです。
ここからが、本当のマジック。

岡部への共感が、今度は敬服と憧憬の気持ちに変わってしまうのです。
君こそ最高のアニメ・ヒーロー、私の憧れだ、という序盤・中盤には思いも付かなかった気持ちに変わってしまうのです。


◆完璧ではないが、バランスの取れた名作

本作にはストーリー面で無視できない欠点が幾つかあり、そのために点数を4.7と幾分マイナスにしましたが、それでも個人的には、私が視聴したアニメ作品の中では、『魔法少女まどか☆マギカ』、『アイドルマスター』と並ぶ大きな感動を得られた名作と考えています。

そして、『魔法少女まどか☆マギカ』、『アイドルマスター』が、

(1) 主人公達が中学生や高校生の少女であるばかりでなく、
(2) 彼女達に絡むサブ・キャラ達も同世代の少女ばかりで、

そうした作品に余り馴染のない人にはどうしても敷居が高い(?)印象があることを考えれば、本作は、

(1) 男性キャラ・女性キャラのバランスが良く、
(2) 彼らの年齢も20歳少し前の大学生および高校生という、より一般的な設定で、

多方面の人たちに比較的勧めやすい、という大きな長所があります(あとは前述の序盤の岡部に対する抵抗感さえ我慢してもらえれば、という条件付きですが)。

そういう意味で、本作が、あにこれ総合得点ランキング1位に選ばれて、これからも本サイトに来る多くの人に知られ視聴されていくことが期待できるのが、私には嬉しいです。

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◆『STEINS;GATE』作品別評価

(1) TVシリーズ1(STEINS;GATE)  ★★ 4.7
(2) OVA1(第25話)           ★  4.0
(3) 劇場版(負荷領域のデジャヴ) ☆  3.6
(4) OVA2(第23話β)          ★ 4.2
(5) TVシリーズ2(STEINS;GATE 0)  ☆ 3.8
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  総合                  ★★ 4.5


◆各話タイトル&評価(その他の作品)

=========== STEINS;GATE 第25話 (OVA) (2012年2月) ========

第25話 横行跋扈のポリオマニア Egoistic Poriomania ★ 4.0 {netabare}ラボメン達のアメリカ渡航編{/netabare}

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」


====== 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ (2013年4月) =====

全1話 ☆ 3.6 {netabare}紅莉栖による世界線観測が不安定化した岡部の救済ミッション{/netabare} ※約89分

主題歌「あなたの選んだこの時を」
ED 「いつもこの場所で」


=========== STEINS;GATE 第23話β (OVA) (2015年12月) ========

第23話β 境界面上のミッシングリンク Divide by Zero ★ 4.2 {netabare}岡部がSteins;Gate世界線への移動を選択しなかった世界{/netabare}

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」

※TVシリーズ第2作『STEINSGATE 0』は別途レビューします。

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◆以下、メモ書き

◇ラボメン№
{netabare}
001 岡部倫太郎(鳳凰院 凶真)
002 椎名まゆり(まゆしぃ)
003 橋田至(ダル、スーパーハカー)
004 牧瀬紅莉栖(クリスティーナ、助手)
005 桐生萌郁(シャイニング・フィンガー(閃光の指圧師))
006 漆原るか(ルカ子)
007 フェイリス・ニャンニャン(秋葉留未穂)
008 阿万音鈴羽(バイト戦士、John Titor)
{/netabare}

◇挿入曲『スカイクラッドの観測者』
{netabare}
歌唱:いとうかなこ
作曲︰志倉千代丸
作詞︰志倉千代丸

歌詞

<1番>
過去は離れて行き 未来は近づくの?
観測者はいつか 矛盾に気付く

神の創り出した世界は 完全なるもので 絶対の均衡
それは折り重なる偶然 宇宙規模の奇跡
守られてきた ゲート「規制」は終わった

Open The Eyes
「0」が過去で 「1」が未来 「今」は何処にもない
背く事の出来ぬ ロジック
Open The Eyes
並行する無数の線 選択は冒涜へ
僕らの「存在」さえ疑う その目に映る景色は
「収束」をする

<2番>
二つの針が指す 時間の概念も
観測者しだいで 歪みを見せる

神に与えられた英知は 必ず「果て」がある 絶対の領域
それは愚かな故の偶然 招かれざる奇跡
閉ざされてきた ゲート「規制」は終わった

Open The Eyes
光速へと手を伸ばした 想い出のパルスが
飛び込む不可思議な ロジック
Open The Eyes
宇宙がまだ隠し持った 秩序のない理論
無限と呼ばれた点と点が 不正な力を借りて
「再生」をする

Open The Eyes
「0」が過去で 「1」が未来 「今」は何処にもない
背く事の出来ぬ ロジック
Open The Eyes
並行する無数の線 選択は冒涜へ
僕らの「存在」さえ疑う その目に映る景色は
「収束」をする{/netabare}

(2018.10.6) レビュータイトル変更・制作情報等追加

投稿 : 2024/05/04
♥ : 111
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

好きであるが故に感想少な目

伏線や陰謀満載。
タイムリープが話の中心。
{netabare}最初と最後が繋がってくるなんて。世界線の収束があんな簡単に退けられるのはびっくりだが。{/netabare}
中々鬱な展開とかあるけど、すごく感動した。中々秀逸な終わり方だったし。
紅莉栖可愛いし、萌郁怖いし、ダルが実は超かっこいい。
そしてほうおういんきょうまのキャラクターが頭に残る。
僕は友人に勧められて見たのだが、はまってしまった。

OP
Hacking to the Gate 歌 いとうかなこ
アニメと関連した詞で好き。
ED
刻司ル十二ノ盟約 歌 ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
スカイクラッドの観測者 歌 いとうかなこ
Another Heaven 歌 いとうかなこ
挿入歌
ワタシ☆LOVEな☆オトメ! 歌 アフィリア・サーガ・イースト
My White Ribbon 歌 アフィリア・サーガ・イースト
やっぱりいとうかなこ最高です。Hacking to the Gateは最高傑作。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
舞台は2010年夏の秋葉原。厨二病から抜け出せない大学生である岡部倫太郎は、「未来ガジェット研究所」を立ち上げ、用途不明の発明品を日々生み出していた。だが、ある日、偶然にも過去へとメールが送れる「タイムマシン」を作り出す。世紀の発明と興奮を抑えきれずに、興味本位で過去への干渉を繰り返す。その結果、世界を巻き込む大きな悲劇が、岡部たちに訪れることになるのだが・・・悲劇を回避するために、岡部の孤独な戦いが始まる。果たして彼は、運命を乗り越えることができるのか!?

1. 始まりと終わりのプロローグ
マッドサイエンティストを自称する“厨二病”の大学生・岡部倫太郎は、発明サークル「未来ガジェット研究所」を秋葉原に構え、用途不明の発明品を開発する日々。そんな折、発明家・中鉢博士の会見を傍聴していた岡部は、偶然そこで天才少女・牧瀬紅莉栖と出会う。その直後、不審な悲鳴を耳にした岡部が声のする場所へ駆け寄ると、そこには血まみれで倒れる牧瀬紅莉栖の姿が…。

2. 時間跳躍のパラノイア
大学の講義の会場で、数時間前に刺されたはずの紅莉栖を見つけ驚愕する岡部。さらに直後の講義では、タイムマシンの存在について紅莉栖に完膚なきまでに論破されてしまう。

3. 並列過程のパラノイア
岡部たちが発明した「電話レンジ(仮)」には、偶然にも過去へメールを送れる機能が備わっていたことが判明した。さらにネット掲示板「@ちゃんねる」の情報から、素粒子物理学の研究機関・SERNが秘密裡にタイムマシンの開発を進め、その情報を隠しているとみた岡部は、SERNへのハッキングをダルに命じる。

4. 空理彷徨のランデヴー
SERNへのハッキングに成功するも、謎のプログラムコードに阻まれた岡部たち。そこで岡部は@ちゃんねるに現われたジョン・タイターという自称“未来人”から、コード解読には幻のレトロPC「IBN5100」が必要だと知らされる。

5. 電荷衝突のランデヴー
柳林神社に奉納されていたIBN5100を紅莉栖と二人でラボに持ち帰った岡部は、早速その接続を試みる。早くもラボの一員として馴染んだ紅莉栖の協力も得て、さらなるハッキングに成功した岡部たちは、そこでSERNの驚くべき秘密を知るが……。

6. 蝶翼のダイバージェンス
完全なタイムマシンを開発してSERNを出し抜こうとする岡部は、電話レンジ(仮)で過去にメールを送るための条件を発見するため、ラボメンを集めて「円卓会議」を開く。過去へ送れるメールの事を「Dメール」と名付け、実験を繰り返していくうちに、発生条件が次第に明らかになっていく。そんな中、岡部は街で「閃光の指圧師」(シャイニングフィンガー)こと桐生萌郁に出会うが…。

7. 断層のダイバージェンス
なぜか執拗にIBN5100にこだわる萌郁が気になる岡部だったが、成行き上仕方なく彼女を新しいラボメンに迎えた。「Dメール」が確実に過去に届いていることを確信したラボメン一同は、より詳しい仕組みを解明するため、さらなる実験を繰り返す。「結果が一目瞭然」という理由から「ロト6を当てる」ことを目標に、当選結果を過去のるかへメールで送る岡部。送信後、確かに世界が変わったように思えたのだが…。

8. 夢幻のホメオスタシス
引き続きDメールの送信を試行錯誤する岡部たち。実験が成功して過去が改変されたときには、岡部以外の人間はDメールを送った記憶を失っていることがわかった。ではなぜ岡部だけが記憶を保持していられるのか?ジョン・タイターからの不可解なメッセージが岡部の頭をよぎる。そんなある日、萌郁が「自分にもDメールを送らせてくれ」と申し出る。4日前に携帯の機種変をしたことを後悔しており、思い止まるよう過去の自分にメールを送りたい、というのだが…。

9. 幻相のホメオスタシス(げんそう)
メイクイーン+ニャン2で、フェイリスとタイムマシンの話をした岡部。ラボへ戻ると、そこには誰かと携帯電話で話をしている紅莉栖がいた。その頬に光るものを見て事情を察した岡部は、さりげなく励まそうとするのだが…。その頃まゆりは、漠然とした不安を抱いていた。電話レンジを発明して以降の岡部は少しずつ昔と変わってきており、いつか、どこか遠いところへ行ってしまうような気がしていたのだ。そんな岡部はますます知的探究心を燃やし、「電話レンジ(仮)を改良して物理的タイムマシンをつくる」という計画をラボメンに打ち明ける。反対する紅莉栖がいる一方で、なぜかタイムマシンに強く興味を示すフェイリス。ラボメンたち各々の思惑が錯綜し…。

10. 相生のホメオスタシス(そうせい)
Dメールの効果で見慣れたアキバが一変してしまった…予想だにせぬ結果を前に呆然とする岡部。さらにラボに戻ると、るかにも異変が…ところがDメールを送ったという記憶すら持たないまゆりやダルたちラボメンは、当然ながらそれらのことに何の疑問も持たない。孤独感を強める岡部のもとへ、さらに不安に陥れるような謎のメールが届き…。

11. 時空境界のドグマ
引き続きDメールの実験を繰り返す岡部たちは、ついに発生条件の鍵となる「リフター」の代わりとなるものの正体を突き止める。次のステップとして「物理的タイムトラベル」の実現を目指す岡部だったが、紅莉栖から即座に否定される。しかし紅莉栖は、専門である脳科学の視点から、記憶をデータ化して過去の自分に送る、いわゆる「タイムリープ」の可能性を示唆する。新たな目標に向け、電話レンジ(仮)を更に改良しようとする岡部たちだったが、その周りで不審な現象が起き始め…。

12. 静止限界のドグマ
ついにタイムリープ実験の準備が整った。実験には被験者が必要だが、紅莉栖はその判断を岡部に委ねる。最近の不審な現象が何者かからの“警告”だと考え、ラボメンの身を案じた岡部は、「実験を行わない」事、「タイムリープマシンを世間に公表し、然るべき機関に託す」事を決める。岡部の固い決意に安堵するラボメンたち。喧騒が過ぎ、元の穏やかな日常に戻ったかに思えた一同だったが、そんな状況を一変させる、恐ろしい出来事が彼らを待ち受けていたのだった…。

13. 形而上のネクローシス
ラボへの招かれざる来訪者により、岡部たちの日常が一変する。岡部は最悪の結末を回避するため、苦肉の策として、タイムリープマシンによって過去の改変を試みる。幾度もタイムリープを繰り返す岡部だったが、そのすべてが同じ結果に収束する。果たして運命を変えることは不可能なのか?2010年8月13日、この日より、岡部の「終わりなき旅」が始まるのだった…。

14. 形而下のネクローシス
何度タイムリープしても、どのように過去を改変しようとしても、ただ一つの結果を変えられないことに絶望する岡部。それでも諦めずにタイムリープを繰り返すが、ついに心折れそうになった何度目かのタイムリープ先で、紅莉栖にこれまでの経緯を打ち明ける。それを聞いた紅莉栖は…。

15. 亡環上のネクローシス
鈴羽の衝撃の告白に驚く岡部と紅莉栖。彼女から与えられた情報によれば、まゆりの死を回避するためには、IBN5100が必要との事。IBN5100を手に入れるために、岡部たちと別れて探しに行くという鈴羽。そんな中、鈴羽が父親に会いたがっている事を思い出したまゆりは、何とか別れの前に父親と会わせてあげたいと提案する。唯一の手がかりであるピンバッジをもとに、岡部たちは父親探しを始めるのだが…。

16. 不可逆のネクローシス
ピンバッジを頼りに鈴羽の父親を探す岡部たち。父親と思われる人物に辿りつくヒントを得るも、その正体はわからないまま、鈴羽との別れが近づいていく。そんな中、まゆりが唐突に「鈴羽の父親がわかった」と言う。その人物は、誰もが思ってもみなかった意外な人だった。そして無事に鈴羽は父親と感動の出会いを果たし、岡部たちに別れを告げるのだが…。

17. 虚像歪曲のコンプレックス
何度タイムリープしてもまゆりを助けられない事に絶望した岡部は、これまでの経緯を紅莉栖に相談する。そんな岡部に紅莉栖は「これまで送ったDメールを全てさかのぼって取り消せばまゆりの死を回避できるのでは?」との仮説を提示する。そして岡部は、まずはフェイリスが送った内容不明のDメールを取り消すために、「雷ネットアクセスバトラーズ」の大会が行われている会場に向かい、フェイリスが送ったDメールの内容を聞き出すのだが…。

18. 自己相似のアンドロギュノス
続いてるかのDメールを取り消すようるかにお願いに行く岡部。だが、るかが出した条件は「岡部が一日だけるかとデートをする」というものだった。初デートに戸惑う岡部は、紅莉栖やダルから様々なアドバイスを受け、デート当日に臨んだが、結果は散々なものに。思い立った岡部は、改めてるかに会いに柳林神社に向かう。

19. 無限連鎖のアポトーシス
ついに残りのDメールはあと一つ、萌郁が送ったものだけとなる。萌郁を探し、ようやくアパートを突き止める岡部。Dメールの内容を知るため、萌郁から携帯を奪おうとして彼女と乱闘となる。萌郁の身の上話など、様々な話を聞き出した後、ようやくDメール取り消しメールを送る事ができた岡部だったが…。

20. 怨嗟断絶のアポトーシス
萌郁からIBN5100が大ビル前のコインロッカーの中にある事を聞き出した岡部は、さっそく現地に向かい、ロッカーを破壊して取り出そうとする。だが、紅莉栖のアドバイスで、ラウンダーの指揮官である“FB”の正体を突き止めるために、ラウンダーがIBN5100を回収に来るまでロッカーを見張る事に。苦労しながらもなんとか尾行を成功させ、ようやく“FB”の正体を付きとめられたかに思えたが…。

21. 因果律のメルト
ダイバージェンス1%の壁を超え、まゆりが死なないβ世界線へ移動するために、IBN5100を使ってSERNのサーバーへハッキングを試みる岡部たち。そんな中、岡部はβ世界線への移動に伴う、あるリスクに気付き、ダルによるハッキングを一旦中止させるのだが…。

22. 存在了解のメルト
ラジ館の屋上で一人佇む紅莉栖を見つける岡部。話を始める2人だったが、突如降りだした大雨により、屋内へ移動する。岡部のびしょ濡れになった白衣の肩口が破れているのを見つけた紅莉栖は、自前のソーイングセットで破れた部分を縫うことに。暗闇が二人を包む中、紅莉栖は岡部にある決意を伝える。

23. 境界面上のシュタインズゲート
思いがけない人物からの連絡を受け、ラジ館の屋上、タイムマシンの前に集まった岡部・まゆり・ダルの3人は、そこで驚くべき説明を受ける。その内容とは、アトラクタフィールドの影響を受けない唯一の世界線「シュタインズ・ゲート」に到達する事で、再び未来を変えることができる、というものだった。最後の決断を迫られた岡部が選んだ行動は……?

24. 終わりと始まりのプロローグ
いよいよ最終ミッション「オペレーション・スクルド」を実行に移す岡部たちラボメン一同。果たして岡部は「シュタインズ・ゲート」に到達する事が出来るのか……?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

87.2 2 鬱展開で泣けるなアニメランキング2位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1280)
6323人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

69.6 3 鬱展開で泣けるなアニメランキング3位
革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (815)
4344人が棚に入れました
人類が宇宙に進出した時代、中立平和国家ジオールは突然ドルシアからの攻撃を受ける。政府が無条件降伏する中、学園や友人たちの危機を救うため、時縞ハルトは人型兵器ヴァルヴレイヴに乗り込み、ドルシア軍を撃退。学園のあるモジュール77はジオールから分離し、新生ジオールとして独立する。

声優・キャラクター
逢坂良太、木村良平、瀬戸麻沙美、戸松遥、小野友樹、中村悠一、悠木碧、福圓美里、吉野裕行、浪川大輔、寿美菜子、羽多野渉、堀江由衣、福山潤、宮野真守、細谷佳正、梶裕貴、小野大輔、水樹奈々、豊崎愛生、茅野愛衣、代永翼
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

uncover the world

(2013.10/16 13話)
{netabare}マギウスなる存在と邂逅を果たしたドルシア、アルス両名の長。

ジオールに住む皆の希望であるヴァルヴレイヴの原動力であるルーン、それが人を犠牲にする事で成り立っているとしたら?
ハルトは過ちを犯してしまったが為に実験体になる事を選んだのかも。
だからカイン大佐がヴァルヴレイヴを2体、もしくは2機ではなく2人と言ったもの頷けますね。

いやしかし、ハルトの回想シーンでサキが最初でショーコが後に出てくるって1話の時のショーコへの想いはニンゲンヤメタから無くなった?

マギウスの呪いを受けたハルトとマギウスであるカインの教育を受けたエルエルフとの呪いの絆が世界を変革するのか?{/netabare}

(2013.10/23 14話)
{netabare}親代わりであるサトミを、ある一件のせいで拒んでいるアキラ。 タイトル(大気圏の兄妹)からして連坊小路兄妹の兄妹愛がメインとなる?

以心伝心とまではいかなくても、互いに分かり合っていると思っていた。あの一件が起こるまでは…
失って初めて分かったありがたみをサトミは彼なりの方法で返そうとしている。


さすがアードライ、王子様なだけあって乗馬も様になってますね^^ アードライが王子様なのは前半(1クール)から、でている伏線の内の1つですが回収できるんでしょうか?回収するとしたらリーゼロッテも関わってきそう。

今までエルエルフをハルトしか信用していなかったようですが、ようやくハルト以外のクルー(サトミやタカヒ、マリエetc…)にも信用されたようで何よりです。
って、サトミの聖徳太子っぷりも空しく予定ルートから外れてしまったハルト達が行き着いたのは敵地であるドルシア領内。

と言う事はエルエルフとリーゼロッテの再会もある?{/netabare}

(2013.10/30 15話)
{netabare}人類初の「カミツキ」なので第1世代、ハルトやカインよりも先に呪いを受けた者がいる。それにしても彼女ってリーゼロッテの事?

ん~、偽装のヴァルヴレイヴの足のラインがスタドラに出てくるタウバーンっぽいですね。
あと、脚立の作画おかしくないですかね? 片方からしか登れないなんて^^;

幼い日のエルエルフを含むカルルスタイン出身の5人の姿は、ある意味仲睦まじいですwww

ヴァルヴレイヴ1号機のOSであるピノがマリエの事を知っていて、そのマリエの記憶が5年前から無いという事は5年前にVVV計画が始まった?
推測ですが、ピノとプルー(カインが奪った2号機に搭載されたOS)は元人間orマギウス?それかマリエ自身、人間ではなくOSとして造られた存在だったりして… もしくは人類初の「カミツキ」とか? それだとピノの言った「ルーンを食べちゃったから?」と矛盾する。

まぁ、兎にも角にも新しい伏線がでてきましたけど回収できるんでしょうか? 何か、最後は急展開・超展開でうやむやにされそうな気もしないでもないです^^;{/netabare}

(2013.11/7 16話)
{netabare}やはり、マリエはカミツキ(マギウス)だったんですね。それにしても、マリエの記憶(ルーン)を起動力として機能しているヴァルヴレイヴ(覚醒ver.)。と言う事はハルトもいずれは、自身の記憶や噛みつく事で得られた情報をヴァルヴレイヴに吸い取られていく?

呪いと呼ばれているカミツキが200年後には祝福へと呼び名が変わっている。その事とヴァルヴレイヴの覚醒に意味があると思いたいです。
またリーゼロッテ登場したのはいいんですけど、サウナみたいな装置に入ってましたね^^;

エルエルフ達、カルルスタイン機関の過去の回想で登場した友達が貴生川先生がメガネをはずして幼くした姿に見えてしょうがない^^;

いやはや、マリエのヴァルヴレイヴ1号機登場シーンでのBGMが「そばにいるよ」だなんて…・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.11/16 17話)
{netabare}ヴァルヴレイヴ1号機(火人)のOS・ピノは、ヴァルヴレイヴ本体とは別の意志(情報原子・ルーンを食べるという意味では同じ性質だけど)を持っている?
そのルーンによって得たエネルギーがヴァルヴレイヴ以外のものを巻き込んで革命が完遂する?

マギウスたるハルト達が「ニンゲンヤメマスカ? YES NO」でYESを選択した時点で人でなくなり、最初は悪魔の呪いのようなものでしかなかったマギウスの副作用が何らかの形で200年後には神の祝福へと変わっている事もヴァルヴレイヴ本体が関わっているんでしょうかね?

カインの命令で、洋館に招かれたイクスアインはマギウス側である101人評議会の生け贄でしかなかったなんて…

またヴァルヴレイヴという力を持ちながら、それ故の苦悩に悩まされるハルトと、ヴァルヴレイヴという力さえあればリーゼロッテを自身の手で救う事ができるのにそれさえも叶わないエルエルフの苦悩、それぞれが「半分こ」になる事で革命へと漸進していく。

次回、ついにヴァルヴレイヴの開発者でありハルトの父親である時縞博士が登場!?{/netabare}

(2013.11/21 18話)
{netabare}過去のリーゼロッテとエルエルフがアバンで登場してましたが、ついにリーゼロッテとの再会がみられるんでしょうか!?

地球にいるジオールの人々をドルシアから解放する為に行動するハルト達。そんな事よりハーノインは、どうなったのか?
ヴァルヴレイヴラジオ(第22回)でも話題になってましたがホント、どなまで(どなたかハーノインを見つけた方はこちらまで)ですね。
もしかして、それが分かっているからイクスアインは一言も喋らなかった?
それにしてもキャラの作画が崩れているのが今回は目立つような^^;…

彼女の世界を守りたい、例え彼女以外を犠牲にしてまでも… それがエルエルフ、基ミハエルの変革・革命。
ヴァルヴレイヴとハルト達、ジオールの学生(パイロット候補生)は人類そのものに対する革命の手段でしかない。

「リーゼロッテ、俺に浚われてくれ。」とかキザな台詞ですけど何か格好よく見えてしまいますね。
18話を一言で表すと、決別と再会とですね。{/netabare}

(2013.11/30 19話)
{netabare}愛する人を守る為、ドルシアを裏切り敵国(正確には中立国であるジオール)に亡命し建国を促したエルエルフの目的はドルシアの革命ではなくリーゼロッテを救う事だったなんて…・゚・(ノД`;)・゚・

カーツベルフ(サキがジャックして乗り移ったカルルスタインの少年)の異常にアードライ実は気づいてるんじゃないのか?って思うくらい順調にきてるな、なんて思ったら(゚д゚;)!アードライに見つかったサキだけど、この場をどう切り抜けるのか?

クーフィアはカイン大佐に忠誠を誓っているというよりは、こっちに居た方が楽しそうだからなんていう理由だろうな^^;
ハーノインの末路?を悟った今のイクスアインはジャックされていない限り、怒りそうではあるけど…

OSのピノもまたリーゼロッテと同じ肉体を持たないマギウス(第1世代?)でリーゼロッテは人の身体を移し替えながら生き、ピノはOSという機械の器へ乗り移った事でヴァルヴレイヴが情報原子であるルーンを燃料とするキッカケとなった?

ん?「私たちは人間の体を次々と乗り換えて生きながらえてきました。」と言ったリーゼロッテの言葉が真実ならエルエルフが愛した彼女は既にマギウスに乗っ取られたリーゼロッテだったという事?

いやいや、「速い!」じゃなくて自分の射撃の腕を疑ったらどうなんだよクーフィア?だからナイフでの戦闘が得意なんだろ!

リーゼロッテを助ける目的をうしなったエルエルフは、この後どうなるのか?また少しずつ暴かれつつある世界(マギウスの秘密やヴァルヴレイヴが人為的なマギウス・人間を凌駕した次世代の霊長類の筆頭の為に必要な存在)は、どう収束していくのか?見物ですね!!!{/netabare}

(2013.12/7 20話)
{netabare}リーゼロッテという光を失ったエルエルフ(ミハエル)は再起する事はできるのか?また101人評議会なる存在はマギウスの生存本能の表れであり共存できる未来はないのではないか?

等々、疑問はありますがエルエルフの知力を使えないハルト達にドルシアと対抗できる手段があるとも思えない。やはり彼の力が無いと何もできない学生のまま…という訳でもなさそう。ショーコ達はショーコ達で物資の支援を受け持ってくれる所を探していたみたいだし、とてもカップ麺をラリアットで倒しまくっていた人と同一人物とは思えないくらいに成長してますね。

絶対的な力でもない限りドルシアには勝てない。その力の1つが知略だとしたら、もう1つは武力(ヴァルヴレイヴの覚醒)?

ハーノインのピアスに隠された仕掛け、イクスアインは気づいていたみたいですがカイン大佐に関する情報だったりして。
それと何とかアルスの協力を得る事ができたが、それはヴァルヴレイヴの技術をアルス側にも提供する条件付きなんじゃないかと考えてしまう^^;

ついにカミツキの秘密が全世界に暴かれましたが、まさかこれが「世界を暴くシステム」の結果じゃないですよね(゚д゚;)!?{/netabare}

(2013.12/14 21話)
{netabare}アルスとドルシアが裏で取引をしていたから起こった茶番劇と言うにはあまりにも不謹慎すぎる殺人劇。
自分達が101人評議会に利用されていると分かっていても自国の利益・ヴァルヴレイヴの破壊、もしくは強奪を未だに計画していて中立国であるジオールを攻撃する正当な理由付けの為だとでも?
だとしても、いきなり武力で制圧するのは正当防衛でもないしおかしいだろヾ( ̄o ̄;)オイオイ

それにしても、ショーコだけはあの動乱の最中終始みんなの命を気づかっていたのは一国を背負う総理としての立場上やむを得ない事なのか・はたまた父親の死を間近で見てしまった事によって同じ悲劇を繰り返させたくないという思いからなのか。

おいおい、このままじゃ「世界を暴く」どころか本当に暴きたい事を暴く前に人類から見放されて死を待つだけになってしまうぞ?

こんな裏切られ方ないよ(-_-;)今まで、みんなの為に頑張ってきたのに…自身が追いつめられればすぐに他人を切り捨てるなんて。(1人の命と多数の命どちらかしか助けられないとしたらどちらを犠牲にするか?)

犬塚先輩はアイナに嘘をついていた、好きと言えなかった自分自身と引き換えに守ったものは…ハルトの気持ちとみんなの命だった・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.12/19 22話)
{netabare}200年後の世界にも咲森学園が保存されているという事はモジュール77をそのまま取り込んだ形の国家なの?
それにしても200年後の世界の王子と呼ばれている少年、外見はエルエルフですが瞳の大きさ・色はハルトそっくりですね。まさか、ハルトは意識だけの存在になってエルエルフ(クローン)の中で生き続けているとか?

戦争互助組織から国家へと変わったドルシア。その頃から101人評議会(マギウス)がドルシアのバックに居たとしたら、人類vsマギウスの対決は起こるべくして起こったとしか…
それに立ち向かうヴァルヴレイヴのパイロットであるハルト達は人類とマギウスのハーフとして造られた呪いを受けた存在であると同時に共存関係という祝福を手に入れる為にヴァルヴレイヴが必要だった。

「はんぶんこ」、何もかもそう容易く分け合う事はできない。だけどそれを願い、行動に移す事で変わるかもしれない
。ハルトのように半分、人間でもう半分はマギウスとなった身体で平和を願い、エルエルフはあの時終わるはずだった命をリーゼロッテに救ってもらった(髪を切る事で命を半分わけ与えてもらった)一件でリーゼロッテを救い出す事で彼なりの恩返しをしたかった。

男は拳でしか語り合えない?とはよく言ったものですが、今回の件で人間であるエルエルフとマギウスであるハルトが分かり合えた事は世界を対立の構造から協調の構造へと変えるキッカケとなるのでしょう。{/netabare}

(2013.12/28 23話)
{netabare}かつては共に革命を誓った仲間だったエルエルフ。だからアードライは一緒にその誓いを成し遂げたかった。だが、その革命へと続く互いの道はヴァルヴレイヴの出現によって別れてしまった。しかし、アードライの道は友を失ったイクスアインの協力を得て再び光が差しはじめる。

てっきりアードライ組む事は、もう無いと思ってましたがまさかの展開デーゲン!?(゚д゚;)
それにエルエルフの「言ったら信じてくれたのか?」の問いにアードライが僅かなためらいを見せたのは許す気があったんだろうな^^;

ヴァルヴレイヴOS・ピノの兄であるブルーに101人評議会の面々が一目を置いているという事は、黒幕はカイン大佐ではなくプルー?

何気にエルエルフがドルシアの軍服に袖を通すシーン、2期のPVでもありましたがここまで待たされるとは…

クリムヒルトは、ハルト達がモジュールを奪還する事に少なからず希望を持っている。彼女もまた王統派の1人であり今の反王党派が統べるドルシアを快く思っていないから。それにしてもドルシアはマギウスの後ろ盾が無かったら今頃クーデターで情勢が安定しないまま最悪、崩壊してそう^^;

次回、最終回なのでジオールとドルシアの決着は着きそうですが色々と消化不良な幕引きとなりそう。{/netabare}

(2014.1/2 24話)
{netabare}ドルシア総統もマギウスで合った事が世界へと暴かれてしまった中、カインが強奪したヴァルヴレイヴ2号機(ダーインスレイヴ)で出撃する。そのドルシアはマギウスの謎を秘める為にジオールと戦い、そのジオールはマギウス・世界を暴く為にドルシアと対峙する!

ダーインスレイヴの装備が3~6号機の寄せ集めみたいになっているのは残念です^^;唯一、槍の装備はダーンスレイヴ独自の物ですがイデアールの頭が付いてるってwww
このダーインスレイヴ、wikipediaによると北欧神話に登場する魔剣で鞘から一度引き抜かれ生き血を浴びると完全に血を吸い尽くすまでは鞘に戻らないという代物なんだとか。
まさに、マギウスらしい兵器のネーミングですね。

最終決戦なのにハルトが戦闘にほとんど参加しないのは、エルエルフとカインとの関係に終止符を打つ為だったと思いたいです。にしても深刻な状況に陥り、エルエルフをジャックする時のハルトの焦りにも似た表情がなぜか笑えるww

ハルトたちが守った世界は、第3銀河帝国の礎となりカミツキ(疑似マギウス)を呪いの象徴から祝福の象徴へと変えるキッカケとなった。{/netabare}


1st.seasonも含めてあっという間の2クールでしたが、200年後の世界に住む人々は人類と共存できたのでしょうか?
それに王子と呼ばれていたあの少年の正体や、ドルシア・ジオールのその後など描かれていない部分が多いので終わり方には納得がいかないです。
キャラに関してもクーフィア以外は個性があって好感が持てました。
もちろん、クーフィアにも強すぎる個性がありますがただの戦闘狂です^^;パーフェクツォン・アミーとしてはエルエルフの次に優秀でしょうけど人間性の面ではちょっと…(゚д゚;)

前述したように納得のいかない部分が多い、期待していただけに残念ではありますがコミックスや小説などのメディアミックス作品でもあるので、アニメでは描かれなかった所を描いていってもらえると個人的には嬉しいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

カリューム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ちょっと内容を整理させて欲しい・・・(書き途中)

一期から時間が経ち、興味もだいぶ薄れていましたが、やっぱり謎を残したままというのは気持ちが悪く、最終話まで放送したあとに一気に見てみました

結論を言えば、「謎は明らかになったけど、わからないことだらけだった」でした

ここからはネタバレです
{netabare}まず作品の世界観というか流れを振り返らせてください
※ぶっちゃけうろ覚えだったりするので、勘違いがあるかもしれません

1.マギウス地球に来る
2.マギウス生物に乗り移る
3.マギウス人類に気味悪がれてしまったので、隠れることにする
4.ジオールがヴァルヴレイヴ作る
ここからは本編一期
5.ドルシアがジオールを奇襲
6.ハルトくん一号機でドルシア攻撃
7.なんやかやで咲森国爆誕
8.なんやかやで月目前でドルシアに攻撃され、弐号機がマギウスに奪われる
ここから本編二期
9.弐号機を退けて月到着
10.地球に行く事にしたが、ドルシアに到着
11.ドルシアでヴァルヴレイヴの開発者にあって、カミツキについて知る
12.エルエルフの想い人を発見保護したと思ったら、助けられて、助けられなかった
13.ファントムの船を捕まえる
14.マギウスにしてやられて、咲森国で大量虐殺がはじまる
15.逃げる
16.ドルシアとアルスが結託しようとしているので、阻止し、弐号機をぶち壊す
17.世界が大荒れ。人々は疑心暗鬼になるも、咲森国民は何人か生き残り、新たな国を作りました

う~む
こんな感じでしょうか?
とりあえず謎は全て明らかになったのかな?

個人的に分からない部分というのは、「なぜこんなにしっちゃかめっちゃかにしてしまったのか?」ですね

とりあえず、終わり方がもうなんなの?って感じでした
物語の流れ的には「マギウスと人間が共存する世界を作る」というのが最終的な目的になったわけです
いわゆる「相互理解って大切だよね!」みたいな感じ
主人公二人はそんな世界の実現のためにマギウスの存在を世間に知らしめます
隠そうとするやつをぶっ飛ばして、自分たちカミツキを暴いたときの意趣返しをはかります

ここで疑問なのが、マギウスと共存しよう的なエンドだと思いきや、主人公二人はいなくなり、ショーコちゃんが未確認宇宙生物とコンタクトを取っていることです
なぜその場面がラストなのか?
結局マギウスたちとはどうなったのか?
せめて最後にそこを描けよ(゚Д゚)
なぜ未確認宇宙生物とのファーストコンタクトを描くのか?

他にも細かいですが疑問点が
{netabare}1.なぜドルシア総督がマギウスだとわかったのか?カイン大佐がマギウスなのはわかってたけど、あいつがマギウスかどうか知るずべはなかったのでは?
2.なぜエルエルフはマリエを即始末しようとしたのか?雑すぎだろ。ハルト来ないからイラついてたんですかね・・・
3.なぜハルト以外はルーンを補充しないのか?一号機はOSちゃんの分も補充しないといけないのかもしれないから、ルーンの消費が激しいのかもしれないけど、ほかの人が一度もルーンを補充してないのはなんなのか?
4.ファントムの船を捕まえていたのは何だったのか?そもそも「月にファントムの船が向かっている」→「捕まえよう」。何故なのか・・・?{/netabare}



良かったと思える部分も無くはない
しかし、正直展開についていくのがやっとだったのと、上記の疑問点に「んんんんん?」となりながら見ていたのであまりいいとは思えませんでした
もう少しやりようがあったのでは?と思ってしまうので、惜しい作品だったとは思います

山田と先輩をもっと活躍させて欲しかったし、マリエの話も掘り下げて欲しかったな
あんだけ頑張って、その頑張りを知ってるのがハルトとエルエルフだけって寂しすぎるだろ(´・ω・`)
せっかくアキラちゃんとも仲良くなり始めたとこだったのに・・・
ルキノさんも物語から退場してる時間が長すぎたような・・・
ハルトくんとはいろいろあったんだから、そこらへんをもう少し描いて欲しかったかな
そういえば結局なんでチョメチョメしてしまったのかわからなかったな
あと主人公はヴヴヴを壊すと言ってましたが、あれはどうなったの?
マギウスとの共存という方向に向かったゆえの心情変化というふうに捉えることもできますが、作中で明言したりして欲しかったかな

そういえば、クーフィアというキャラがいましたが、あいつって実は裏切り者としてエルエルフ達が殺したやつと仲が良かったりしないかな?
そうだとすると、例え仲が良くても裏切り者は殺さなければならないという現実を最も心に刻んでいたのはクーフィアだったのかもと思うのです
戦闘狂っぽく描かれてましたが、実はエルエルフ達を仇として恨んでいたのかもしれないと考えると、面白いかも
{/netabare}

いったんここまで

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

クソアニメとは何か? それは例えば登場人物がシナリオの都合で軒並み馬鹿になり、非常識極まりない行動を取ったりし始める作品のこと

あまりにも笑ったので衝動的に書いてみました。
21話。凄かった。神回と呼ぶにふさわしい。

2013/12/07配信の21話、ニコ生アンケートでは
(①とても良かった ②まあまあ良かった ③ふつうだった ③あまり良くなかった ⑤良くなかった)

①24.2%
②6.7%
③6.4%
④9.6%
⑤53.0%

⑤が過半数超え、①が30%割れなんて初めて見た(ノ∀`)
つか53=ゴミなんて出来すぎで、これも仕込みなんじゃと疑うレベルw


【参考】他作品のアンケート ①とても良かった の割合 
 ※()内は配信日

のんのんびより
7話(11/28)95.4%  8話(12/5)96.0%

てさぐれ!部活もの
8話(11/24)94.8%  9話(12/1)94.6%

キルラキル
8話(11/24)93.0%  9話(12/1)93.7%

蒼き鋼のアルペジオ –アルス・ノヴァ-
8話(11/28)86.4%  9話(12/5)94.0%

弱虫ペダル
8話(11/29)93.1%  9話(12/6)95.1%

アウトブレイク・カンパニー
7話(11/26)92.9%  8話(12/3)90.4%

東京レイヴンズ
7話(11/27)76.4%  8話(12/4)69.6%

ストライク・ザ・ブラッド
8話(11/28)80.9%  9話(12/5)78.1%

IS<インフィニット・ストラトス>2
7話(11/25)52.0%  8話(12/2)52.2%

BLAZBLUE ALTER MEMORY
8話(11/29)80.4%  9話(12/6)62.1%

メガネブ!
8話(11/24)57.5%  9話(12/1)72.0%

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21話 嘘の代償
{netabare}> ドルシア総統によって、カミツキの秘密が暴かれた。
> さらに、101人評議会の情報操作により、ファントムによる殺人もハルトたちのせいにされ、
> 世界は一気に彼らの敵に回る。
> 危険生物の駆除という名目の下、次々と殺されていく生徒たち。
> やむを得ず逃げ出したハルトたちだったが、モジュール77は既に大艦隊に取り囲まれていた。
> そんな窮地に陥る中、一部の生徒たちがハルトを拘束する。
> ハルトを差し出すことで、自分たちだけ助かろうというのだが……。
{/netabare}

とにもかくにも雑で急。説得力不足。
{netabare}ドルシア、アルス、ジャーナリスト皆グルでジオールへのなすりつけが見え透きすぎの{/netabare}
茶番、誰も信じないでしょ。
{netabare}学生を無差別虐殺する{/netabare}非人道的行為を大統領主導であんな軽率に行うなんて、
視聴者の多くが不快に感じるのが妥当。
{netabare}「奴らは人間ではない! (不死の)危険生物7号だ!」と言いつつ射殺。
いやいや、あっさり死んどるがなw 不死としつつ殺す矛盾。{/netabare}

ハルトもショーコも揃って馬鹿。ちゃんと説明しないし衝動的に行動して人の話を聞かない。
シナリオの都合なんであろう方向に話をシフトさせる操り人形と化していると感じてしまいました。
{netabare}ハルトはうっかり口を滑らせすぎだし、ショーコは手のひら返しが早すぎ。
視聴者的に茶番で非人道的でご都合と映っているに過ぎないアルスに、ハルトをあっさり売るショーコ。

引きこもりエルエルフさん、あっさり捕縛、ハルトと共にアルスへ売られる。以前も見た光景だけど。
「買いかぶられたものだな」てのもなんかズレてる。
無気力ならそんな台詞出てこないはずだし、やる気あんなら捕まんなよだし。

常識人的振る舞いを見せた犬塚先輩、戦死。
「信じてもらえなくても、憎まれても、俺は!」仲間を守ろうと奮戦したのに…{/netabare}

バトル描写がまともでも、キャストが豪華でも、
シナリオのとんでもなさが全てを覆し、どうでもよくなる。
ホント凄いです。

監督:松尾衡
シリーズ構成:大河内一楼
21話脚本:熊谷純


「ボクジャナイー」⇒監督と脚本家で責任のなすりつけ合いかな?
「ジャッジメントする!」⇒視聴者にスタッフが裁かれるんですね
と話題をかっさらってきた(たぶん)ヴヴヴ、いったいどこへ行くのか。
全24話とのことで残り3話、ちゃんと終われるのか。
劇場版作って結末すんじゃね?なんて声もあるけど、
こんなのに一文も払いたくない人ほとんどなんじゃw
気になるのでとりあえず最後まで観ます。ある意味楽しみ。
(2013/12/08初up)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

90.9 4 鬱展開で泣けるなアニメランキング4位
魔法少女まどか☆マギカ(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (10568)
37378人が棚に入れました
市立見滝原中学校に通う普通の中学2年生の鹿目まどかは、ある日不思議な夢を見る。そこは少女が魔法で戦う異世界。その少女の戦いを目撃する自分と、謎の白い生物に「僕と契約して魔法少女になってほしい」と告げられる夢であった。翌朝、見滝原中学へ転校してきたのはなんと夢で見た美少女の暁美ほむらだった。ほむらは、まどかに「魔法少女になってはならない」と警告する。
放課後、親友の美樹さやかとCDショップへ行ったまどかは謎の声に呼ばれ、ビルの一角へ迷い込む。そこで見たものは夢の中で見た生物キュゥべえの傷ついた姿と、それを殺そうとするほむらの姿だった。まどかとさやかは戸惑いつつも、当たり前の優しさからキュゥべえを助けるが、直後に今度は本当に異世界へ迷い込んでしまう。魔女の使い魔と称される化物達に囲まれた2人を救ったのは、同じ中学の3年生でキュゥべえと契約した魔法少女の巴マミだった。事後、改めてキュゥべえに「魔法少女になってほしい」と告げられたまどかとさやかは、思いがけない好機に興奮する。だが、それは2人が直面する様々な苦難の始まりであった。

声優・キャラクター
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり、喜多村英梨、加藤英美里、野中藍
ネタバレ

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

エゴイスト入門

2017年5月19日 記載

今回のレビューは自分の思った事、感じた事を直接的に語る傾向がとりわけ顕著に感じられるかもしれません。
もしかしたら、納得できない部分も多々あるかと思います。
こんな愚者の主張も1つの個人的感想として温かく見守ってもらえれば幸いです。



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望んでいた物を手に入れたと思い込んでいる時程、願望から遠く離れている事はない。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』
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「魔法少女」
周囲の誰もが持っていない不思議な力を用いて、騒動を巻き起こしたり事件を解決したりする少女の総称を指します。
純真であり無垢な存在の造形
元々は普通の女の子であったと言える存在ばかりです。
1966年の『魔法使いサリー』から始まって、『ひみつのアッコちゃん』『魔法のプリンセスミンキーモモ』『美少女戦士セーラームーン』『カードキャプターさくら』『おジャ魔女どれみ』とコンスタントに続いていく理想体系
そんな、今なお隆盛を極めている1ジャンルに、新世代の幕開け2011年、大きな社会現象が巻き起こった事は、この供給過多の現在においても記憶に新しいと言えるでしょう。
長命なジャンルに一石を投じた「メルヘンホラー」
ダーク「魔法少女」ファンタジー『魔法少女まどか☆マギカ』
一大ムーブメントとなったこの作品について、実を言うと、これまでは語る気なんて全くありませんでした。
サブカルチャーに興味があったならば、殆どの方が分かっている位に認知、周知されているであろうこのアニメ
そんな本作に対して、もう私が語る言葉等、残っていないと今までは考えてきていたからです。
しかし、ようやく見つけました。
書きたい事、伝えたい事、語りたい事、即ち、私の一解釈
急遽、書く事になったこのレビュー
既出であったり、代わり映えの無い内容であったと感じたならすみません。
もしかすると、幻滅する可能性のほうが高いかも知れません。
それでも宜しかったら、自己満足ですが、どうかこの場で少しだけ話させて下さい。
本作のエゴイストが齎した、実に歪んだ「物語」について……


【あらすじ】
大好きな家族がいる。
大好きな親友がいる。
時には笑って、時には泣いている。
そんなどこにでもある日常
見滝原中学校に通う普通の中学二年生である鹿目まどかも、そんな日々の中で暮らす1人だった。
ある晩、まどかはとても不思議な夢を見る。
それは1人の少女が魔法で戦っている異世界での出来事
その少女の戦いを目撃し、観察している自分
そして、謎の白い生物から登場と同時に告げられた発言
「僕と契約して魔法少女になってほしい」
起きた時には、その光景は影も形もなくなっていた…

変な夢見後のある日、そんな彼女にとても不思議な出会いが訪れる。
まどかの通うクラスにやってきた1人の転校生
名前は暁美ほむら
まどかが夢で見た少女と瓜二つの容姿をした少女
偶然の一致に戸惑う少女に、ほむらは意味深な言葉を投げかける…

この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
断言出来るのはただ1つだけ
これは、彼女の運命を変えてしまう出会いだった……


{netabare}
『魔法少女まどか☆マギカ』を早々に語る前に、1つこの場で質問を投げかけてみるとします。
皆さんは「魔法少女」と言う存在について、本作を観る前はどういった印象をお持ちだったのでしょうか?
私の場合は『おジャ魔女どれみ』が至極、「魔法少女」と言うのを想起する上で大きな指針であった様に思います。
そのアニメ内で「魔法少女」と呼ばれる存在は、地味且つ地道な物でした。
強い「願い」を持っていれば勝手に辿り着いてしまう魅惑の店、MAHO堂
そこで自らの「願い」を叶える為に1年間、魔女見習いとしての修行に励む者達
その「魔女見習い」こそが作中において「魔法少女」と呼ばれる存在だったのです。
時には災難、時には試練を与えられながらも乗り越え、見習い試験の全ての課題をクリア出来るよう、頑張る女の子達
そして、それら全てを達成する事で、ようやく彼女等は自由に魔法を使える「魔女」と呼ばれる存在になれるのでした。
そのような前例と同じように「魔女」となる為、奮闘していく主人公どれみを含む「魔法少女」達
詳細は第1シリーズを参考にして欲しい所ですが、その過程があったからこそ最後、彼女達は真の「魔法少女」としての選択をするまでに至る事が出来たのを覚えています。
そこに出てきたのは、自分の為に他者の「願い」を叶える姿
徹底的利他主義なんて難しい言葉ではなく、それは純粋に「友達」の為
相手の「願い」を叶えていくまでに昇華した人物像に、どれみ達は全51話を通して遂になれたのです。
当時の私にとって、それがはっきりと描かれた終盤は幼心ながらも甚く感動致しました。
そして、今思えばこの時に、私の中にある「魔法少女」と言う実体への固定概念が根付いたように思うのです。
努力と言う対価を支払った上で成立する優しき存在
等価交換があったからこそ、自らの為に誰かの「願い」を叶えていくまでに成長した存在
それこそが私にとっての「魔法少女」です。
そんな彼女達が活躍してこそ、私にとっては「魔法少女アニメ」であったと言えたのでしょう。

さて、それでは逆に考えてみるとします。
このような努力を踏まえなくとも、簡単に「願い」を叶える事が出来るとしたら、人間は果たしてどうなるでしょうか?
見習い修行を行わなくとも……
試練、課題、災難への道を歩まなくとも……
簡単に「願い」を叶えられる存在=「魔法少女」になれる。
確かに魅力的な提案
そんな風に問われたら、誰もがきっぱりと断るのは難しいでしょう。
ただ、確実に言えるのは、それを受け入れた場合、どれみ達のような成長は絶対に起こらないと言う事

前述の問いにおける答えは、実に簡単です。
たった1つ、計5文字の言葉で端的に表せます。
A.「エゴイスト」
誰もが皆「エゴイスト」(利己主義者)になるのです。
「エゴイスト」のまま停滞した状態になるのです(成長が無い)
こうなってしまった段階で、私のとっての「魔法少女」は消滅したと考えるのが妥当でしょう。
そう、上記の点を重視して考えるなら『魔法少女まどか☆マギカ』は確実に「魔法少女アニメ」とは言えません。
1ジャンルの中でも、実にアウトロー的存在
まず、願いを叶えるまでの過程で、対価を支払っていません。
願いが叶った後に待ち受ける運命こそ、作中における正当な対価
それこそ「等価交換の原則」と呼ばれる物ですが、勿論、作中に出てくる彼女達はその事を分かった上で、望んで行う訳ではありません。
そこが実に、不条理的で理不尽の産物
また、願いを叶えた事によって、彼女達が周りの人に感謝されたり、自分の抱えている問題が解決されたり等と言う事もありません。
いえ、正確に申すなら少しあるのですが、その場合も自分勝手に何も考えないまま願いを叶えた事によって、別の所で取り返しのつかない事が起きてしまっています。
そう、結局、自らの望んでいない結末へと彼女達は導かれていくのです。
そして最後に、本作では、誰もが己の為に誰かの「願い」を叶えていく利他主義者な訳ではありません。
自らの為に、自分の「願い」を叶えていこうとする利己的なキャラクターしか、この作品では「魔法少女」に選ばれていないのです。
「そうではないんじゃないか?」と解釈によっては疑問視されるキャラも皆さんの中には恐らく、いるかと思います。
しかし、個人的解釈では、その娘等も最終的に自分の為に生きてきた者達だと感じてしまいました(詳細は後述)
正に私の「魔法少女」における考えの心髄であった『おジャ魔女どれみ』と対極の存在
願いが叶うまでの過程を描いた『おジャ魔女どれみ』
願いが叶った後の結末を描いた『魔法少女まどか☆マギカ』
私の根底に潜んでいた概念と相反する過程を示したストーリーには、思わず度肝を抜かれたと言っていいでしょう。
実に見事でした。

ここからはそんなストーリーを軸にして、キャラクター達それぞれのエゴイスティックメンタルな部分について語っていくと致しましょう。
語る前に予め申しておきますが、このレビューは別にキャラクター批判と言う訳ではありません。
寧ろ、語りの中にある真意は全くの逆
私はこの点について語る事で、彼女等をとても人間らしく、人生を全うに生きた少女達であったと評価したい次第でした。
180度、視点と方向性を変えた結果、生まれた新しいストーリーとキャラ性
私のように『おジャ魔女どれみ』の概念が固着していた者にとって、それはあまりある衝撃且つ面白さの原動力要素と足り得ました。
彼女達のそのような個性が、この物語に大きな深みを与えたのです。
自分が可愛いのは正常でしょう、大いに結構!!
人間、美しい物にばかりなってもいられません。
なので、そこら辺は是非とも誤解しないよう、よしなにお願い致します。
(まあ、時代の先駆的存在であったアダルトゲームの世界では寧ろ、かなり一般的事象であったのですが(笑) 虚淵玄さんはそれらの要素をアニメ用に落とし込んで作り上げたと言う事なのでしょうね。氏のゲームはどれも面白いので、いずれプレイする事を推奨します。個人的お勧めは『鬼哭街』)

①巴マミ
「孤影悄然」
一般人を魔女やその使い魔等の敵から守るという信念で戦い続けた彼女
自分の為でなく誰かの為に戦い続けた結果、華々しく散った女の子
いくつかのシーンに重点を絞るなら、巴マミは最も「魔法少女」と言う存在を象徴していた人物だったと言えるでしょう。
まどかやさやかにとっては、同じ学校にいる1人の先輩
強くて、優しくて、憧れの存在であった彼女を2人が慕う過程は短い話数ながらも存分に上手く示しており、その描写は実に説得力のある物でした。
しかし、私個人から言わせてもらうと、この女の子にはどこか胡散臭い印象が当初から秘められていたんです。
キュウべぇと共にある不気味なカットも含めて、正直、裏があると何か言い知れぬ嫌な物を感じていました。
最終話まで観たから断言出来る事なのですが、やはり、今までの「魔法少女」観と本作は見事に異なっていると言わざるを得ません。
この女の子はそれを語る最初としては、実に相応しいキャラクターと言えるでしょう。

まず、1つ目にほむらの繰り返してきた過去において、絶望の淵に勝手に他人を殺めた行動が挙げられます。
いくらチームの仲が劣悪極まりない状態且つ、かなりの負担が掛かっていたとしても、そこに他人を殺すという選択肢が咄嗟に含まれる精神状態というのは、果たしてどのような物なのか…
確かに彼女も1人の人間、含まれても別に構う事ではありません。
しかし、その思考に至ってしまった時点で、自らの考えが暴走状態へと入っている事は必定と言えます。
この時の状態が利己的でないと断言するのは、些かの無理が生じる事、確実です。

そして、2つ目にあるのはほむらの言葉に最初から最後まで全く耳を貸さず、及んだ行動と言動の数々です。
「無関係な一般人を危険に巻き込んでいる」
「あなたは2人を魔法少女に誘導している」
最終話まで観た方なら自然と納得していると思いますが、ほむらはこの時点で至極、全うな真実を口にしています。
そもそも、彼女の中にあるのは先程述べたように、一般人を魔女やその使い魔等の敵から守るという信念だった筈
確かにキュウべぇから見込まれたと言うのは充分、魔法少女としての素質が備わっている事は必然でしょう。
しかし、元々の力があるからといって必ず、魔法少女にさせなければいけないと言う訳ではないと思うのです。
決めるのはあくまでも自分であり、他人に扇動されて決める物ではない筈
そんな私が感じたのと真逆に、マミは明らかに2人を誘導していました。
最初に出会った頃から、魔法少女になる為の願いについて尋ねる彼女
魔法少女にならないという選択肢も2人にはあるはずなのに、先輩であるこの娘はそれを口に出す様子すらありません。
寧ろ、魔法少女になるよう決意を促そうとしている風に見えます。
そして、一見親切心で魔女退治にある過酷な労働を共に体験させた後に、そこから魔法少女提案の形に持込むと言う形式を取って、決断の場を設けていました。
これらはぶっちゃけて言えば、巧妙な心理的誘導手口です。
1人の人間が相手を説得及び動かす際に、大切な事は何か?
相手を自らの都合の良いように、自分の話へ持ち込む力(会話テクニック)
その際に、相手の抵抗を少しでも弱める為の力(ラポール)
自分の目的を明確に持ち、相手に流されないようにする力(セルフマインドコントロール)
この3つです。
「願い」が何でも叶うと言う事実を上手く会話の中で突きつけて、相手を昂ぶりに舞い上がらせます。
自分のテリトリーで行ったならば、効果は2倍
それを信じさせる為、実際に現場経験をさせれば、「願い」に向けた気持ちが増幅するのは確実
共に同じ場を経験した共感覚を味わわせる事で、断り辛い形に被害者を巻き込んでいくスタイルも作り出せます。
また、自分の力をここで見せ付けて2人を助ければ、信頼も獲得出来るので抵抗は自ずと弱まるでしょう。
「話が違うよ」と抗議されない為の予防線効果も同時に生まれます。
また、その前後でマミ達は手柄の取り合いの話を引き合いに出し、ほむらが競争相手を増やさせないようにしていると言った悪印象をまどかとさやかに抱かせます。
それはまるで、ほむらを悪者へと仕向けているかのよう…
彼女達の正義感の強さやいたいけな優しさを事前に知っていたかどうかは分かりませんが、その話を知ってしまったらこの2人の場合、確実に関わろうとするに決まっています……マミ側の味方として……

「一挙両得」なんて物じゃない、利益的な世界の誕生です。
これは会話テクニックとラポールを1人と1匹が完璧に駆使して作り上げた、マヤカシの世界です。
その効果が絶大な物である事は、さやかのほむらに対する怒りでお察しの通り
しかし、自らの利己的な目的の為に放棄した犠牲、即ち、ほむらの言葉に耳を貸さなかった結果、マミはああなってしまったのですから、随分と皮肉な物を感じます。

さて、それではマミが抱いていた自らの利己的な目的とは一体何なのか?
それが分かるのは、彼女の結末に至る前、まどかと交わした会話シーンです。
「マミさんはもう一人ぼっちなんかじゃないです」と、まどかから元気づけられた時に振り返って、彼女の手を取った振る舞い
優しい言葉に破顔して、目には涙を浮かべてマミは語ります。
「本当にこれから私と戦ってくれるの……そばにいてくれるの?」
虚勢を張っていた緊張が解け、本音をさらけ出した瞬間
願いが叶うと知った時に、少しだけ揺らいだセルフマインドコントロール
ここで初めてマミの本音、即ち「目的」について察する事が出来ました。
彼女が魔法少女にならないという選択肢を話さなかった理由
寧ろ、魔法少女になるよう決意を促そうとしていた理由
それは偏に「孤独」でありたくなかったからだと私は思います。
自身が助かる事のみを願った為、家族を亡くしてしまった1人の少女
それに対する後悔の念と共に彼女から芽吹いていたのは、独りで生きる事への不安と孤独でした。
自らと共に生きてくれる誰かがいて欲しい。
自身と共に戦ってくれる仲間がいて欲しい。
自分と共に運命を背負う同士がいて欲しい。
根底にあった彼女自身の「寂しさ」が、2人を「魔法少女」の道へと誘ったのです。
誰かを仮想敵にしてしまえば、結束なんて簡単に生まれるでしょうから。

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孤独である。
人は本質的に孤独なんだと、何かで読んだ。
どんな生き物だってそうだ。
けど、それを自覚するのは人だけで。
生き物としては、昆虫の方が完成度高いのかも、と思ってしまう。

『CROSS†CHANNEL』
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それが彼女の打ち明けた、たった1つの本心
「孤独」を嫌い過ぎていた彼女の、唯一ともいえる本音です。
端的に言えば、マミの心は、5人の魔法少女の中で1番弱いです。
独りは嫌で、同業者の言葉には耳を貸さず、追い詰められれば簡単に発狂してしまう。
しかし、最後まで観ると、彼女の本質ははっきりと分かる形になっていました。
最年長でありながら、誰よりも弱い、可哀想な女の子
それがベテラン、巴マミの人々を惹きつける人柄と言えるのでしょう。


②美樹さやか
「団雪之扇」
マミが死んだ入れ替わりに魔法少女になった少女
いなくなってしまった彼女の遺志を継がんと、行動を開始する女の子
美樹さやかのエゴイスティックな面と言うのは、作中キャラの中でも最も分かりやすい部類と言えるでしょう。
人生において、最も人間性が姿を表す、麗しの情景
それ即ち、「恋愛」以外に他ありません。
幼馴染である上条恭介君に抱いた片思いから始まった行為
その行いは意識的か、無意識的か……
他人の為の願いと引き換えに魔法少女になった彼女
「上条と結ばれる」という自分の為の願い(利己的願い)を心の奥底に隠して、「上条の手を治して欲しい」(利他的願い)とキュウべぇに願った彼女
作中から判断するに、「上条の手を治す」と言うのは「上条と結ばれる」為の間接的手段でもあって、本当の願いと叶えてもらった願いにはズレが生じています。
今思えば、さやかはこの後、大事な人の手が救われた事に感謝して、「正義の味方」になろうと邁進するべきだったのでしょう。
それか、そもそも「魔法少女」に専念すると言う覚悟を込めた「願い」を申さず、貪欲に上条君の境遇を利用するべきだったのでしょう。
二兎を追うもの一兎も得ず
虻蜂取らず
あちらをたてればこちらがたたない世界です。
欲張って突っ走った結果は、皆さん既にご周知の通り
上記に心踊らされた結果、さやかは親友であるまどかに対しての八つ当たりや、杏子の言葉に耳を貸さない頑固さ等のエゴを存分に発揮
結果的に「上条と結ばれる」という1番の願いこそが、完膚なきまでに潰えてしまいました。

ですが、この娘の場合、状況も悪かったと私は思います。
非常に誤解されやすいのですが、今回の顛末は、全てが建前で彩った願いで本心を隠したから起こったと言う訳では決してありません。
確かに、彼女が上条の手を治して欲しいと願ったのには、あわよくば彼との良好な関係を手に入れたい利己的望みも当然含まれていた事でしょう。
マミの言っていた通り、さやかは「彼の望みを叶えた恩人になりたい」だけだったのかもしれません。
しかし、「上条の手を治したい」想いが嘘であった訳では無いのも確かな事なんです。
それは確実に作中の行動からも断言出来ます。
また、マミ死亡後の見滝原市をどうするか、まどかをどのように支えるかで頭が一杯だった現状がこの娘に大きな負荷を掛けていたのも否定出来ません。
タイミングがあまりにも悪く、彼女に対して一気に襲い掛かってきたと言う評価が妥当な所と言えるでしょう。
なので、ここからは身勝手で、外からなら何でも言える、私の適当な本音です。
それならもう少し、寛容性をまどかやマミ以外に対して抱くべきだったのではないでしょうか?
彼女の利己的な面は、実を言うと、この場限りであったと言う訳ではなく。
そもそもの悪い所は、自らの頑なで強情な性格に見事に直結していたように思うのです。
それはほむらの過去、彼女にさやかが与えた行為からも、存分に推察出来る事であります。
冷静に、他人の想いを少しでも考える。
そんな思慮深き行為に取り組んでいれば、確実にもう少し「魔女」になるより、マシな展開にはなっていたと私は思います。
もしかすると、性分的に無理な話なのかもしれないですが……
そして、擁護もしましたが、恋愛面において、奉仕の気持ちを秘めた「善」的行為一色ではなく、報酬の対価を求めた「偽善」的行為の意図が入っていたのは、確定的までに明らかです。
つまり、彼女は一部でも「見返り」を求めてしまった事に他なりません。
断言します。
「見返り」を求めてしまったならば、それは「愛」ではありません。
「見返り」を求めない奉仕の精神こそ、「愛」なのです。

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……誰だって、多かれ少なかれ、自動的に人を好きになる。
じゃあ……どうやれば、正しく好きになれるの?

見返りを求めない。
それだけのことだよ。
見返りを求めた瞬間、それは取り引きになると思うんだ。
交換、トレード。
自分にいいものをあたえてくれるなにか。
言い換えれば、外部との交易を許容した自己愛だ。
見返りを求めないのは友情だけに非ず。
答えは近くにあったんだ。

『CROSS†CHANNEL』
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とまあ、愚痴愚痴語りましたが、私はこの娘嫌いではありません。
いやあ、本当に豊かな表情と感性を持っている女の子ですね。
私はこういったTHE 人間的なキャラクターが大好きなので、この娘も例外でなく……
生前はハラハラ楽しみながら、その動向を観察していました(笑)
さて、そんな表舞台から姿を消してしまった美樹さやかが再度、登場するのは最終話です。
概念状態で全てを悟ったかのようにまどかと話しながら、上条の演奏『アヴェ・マリア(グノー/バッハ)』を聴いているさやか
この時の彼女に対しては私自身、強い違和感を感じました。
制作の意図する所ではないのでしょうが、正直言って、非常に気味が悪く感じたと今でも思います。
それは何故か?
彼女は生前の頃より、更に詳しく狭めるなら魔女化する前よりも精神的に成長しているからです。
「うん。これでいいよ」
「そうだよ。私はただ、もう一度、アイツの演奏が聴きたかっただけなんだ。あのヴァイオリンを、もっともっと大勢の人に聴いてほしかった」
「それを思い出せただけで、十分だよ。もう何の後悔もない」
「まあ、そりゃ…ちょっぴり悔しいけどさ。仁美じゃ仕方ないや。恭介にはもったいない位良い子だし…幸せになって…くれるよね」
ええ、良い娘です。
ここだけ見たならば、本当に良い娘です。
奉仕の気持ちを秘めた「善」的行為一色に染まっています。
しかし、魔女になった前の慟哭、一般人に危害を加えたあの図式を観ていた身としては、あれ、こんな娘だったかと思わずにはいられません。
確かに彼女自身、「自分がどうなっても恭介の腕を治したい」と言う願いの覚悟で動いていました。
しかし、自身の生死問題を全く考えず、恋敵に自らの好きな人を託すと言う姿勢にはどこか、人間味の無い部分をも感じてしまったのは事実なんです。
変わるにしても、その変わり様があまりにも早すぎる気がしてなりませんでした。
過程無き成長と言うのはここまで恐ろしいものなのかと実感した次第です。

しかし、まどかの浄化によって、円環の理に導かれた魔法少女が「解脱」し、この世の柵から解放されたとするならば、考え方が達観しているのは、ある意味、当然の事なのかもしれません。
何故か精神的に成長したさやかにとっても、結果として、彼女自身の中では最良の選択となっているのは事実のようですから。
上条の音楽で語るなら、さやかは「罪深いわたしたち」であり、まどかは「マリア」もしくは「主」なんですかね……
死を迎える時も祈ってくださいと語っている祈祷『アヴェ・マリア』
死後の精神状態について、肉体を持って生きている時と同じように語るのは、もしかすると、とても無意味な事なのかもしれません。

そういえば、この最後のシーンで思い出しましたが、古代ギリシャ世界にはオルフェウス教と呼ばれる密儀教がありました。
「悲しみの輪」からの最終的な解脱、神々との交感を目的に天上世界へ赴く思想を秘めた宗教です。
「音楽を魂の浄化手段」と捉えるその考えは「万物の根源は数である」と語るピタゴラス教団で、理論的研究として扱われていました。
なぜなら、音楽と数学は、西洋の歴史の中で最初から強く結びついていたからです。
音の高さの違いを数字で表したり、その数字によって音と音の関係を論じたり、音が生み出す調和を考えたりとそれはまあ、色々
そんな彼らが音楽に求めたのは、完全協和音程
「世界は単純な数学の調和によって完成した秩序を持っている」と当時、ギリシャ世界で考えられていた思考法によって生まれた音程です。
中世以降になると、キリスト教の発展と共に神の完全性、三位一体の考えにも結びついた「完全」の概念は大きく発展していきます。
音程だけでなく、リズムについても「完全な拍子」をめぐる議論が展開されていくのでした。

ただ、実を言うと、「音楽を魂の浄化手段」として進んできたオルフェウス教と、同じような思想であったキリスト教との間に前後関係があったかどうか?
一直線に辿った歴史がそこに存在していたかどうかは、今でもはっきり断言出来る程の研究は進んでいません。
しかし、『まどマギ』はキリスト教観念にも大きく影響を受けて生まれた作品です。
上条の救いはさやかの願いによって叶えられ、さやかの救いは上条の演奏によって見事に叶えられたと考えるのも、実にロマンチックで「幸せ」な話と言えるでしょう。


③佐倉杏子
「臥薪嘗胆」
美樹さやかが台頭してきた頃に現れた、もう1人の魔法少女
利他的に見えて利己的な部分もあった彼女と、利己的に見えて利他的な部分もあった女の子
さやかと対照的でありながら、実に似通っている少女
佐倉杏子の利己的性格に至った背景は、自らの波乱万丈な過去と経験を通して形成された物と断言出来るでしょう。
「以前のような家族の団欒を取り戻したい」という自分の為の願い(利己的願い)を心の奥底に隠して、「宗教家であった父親の説法を皆に聞いてもらいたい」(利他的願い)とキュウべぇに願った彼女
これもまた、さやかと同様
「父親の説法を皆に聞いてもらいたい」と言うのは「家族の団欒を取り戻す」為の間接的手段でもあって、本当の願いと叶えてもらった願いにはズレが生じています。
奇跡の力によって、杏子は「父の為の願い」を叶えましたが、それが良い方向には進まず結果的に家族を失ってしまい、本当の願いである「自分の為の願い」は叶いませんでした。
唯一、さやかと違うのは、その後の姿勢
美樹さやかが偽善的で利他的な態度を前面に見せるようになったのと逆に、佐倉杏子は偽悪的で利己的な態度を前面に見せるようになったと言う結果です。
略奪・窃盗は生きる為に普通の事
魔法は徹頭徹尾、自分の為だけに使うのが信条
その為には、使い魔をわざと放して人間を襲わせる手段も厭わない。
「孤独」になってしまったもう1人の少女は、彼女達と真逆のスタンスを選んでいったと言えるでしょう。

しかし、私が1番、杏子のエゴイスティックな面を感じてしまった部分と言うのは別にあります。
上記の行為と言うのは、彼女が自らの信念を意識して行った、言わば「意識的」なエゴ行動です。
それは「演じている」と言う部分も相成って確かに利己的ですが、それ以上、特に語る事はありません。
私が思う部分は、彼女の中にある元来の人の良さが出た事で生じた、言わば「無意識的」なエゴ行動についてです。
「演じていない」本音の部分ならば、彼女の心性について存分に語る事が出来ますから。
それが出てきたシーンは美樹さやかが魔女になった後の事
彼女が魂の持たない抜け殻の肉体になってしまい、意気消沈の鹿目まどか
そこに、佐倉杏子が話をつけにやって来ます。
彼女は言いました。
「親友であるまどかが付いて来て、さやかの名前を呼びかければ、人間だった頃の記憶を取り戻せるかもしれない」
私が1番、杏子のエゴイスティックな面を感じてしまった部分と言うのは、実を言うと、ここにあるんです。
この言葉、最初は首を振りながら肯いて聞いていましたが、冷静に考えてみると、さやかにとってみれば、大変に失礼な言動であると言えるでしょう。
なぜなら、自らの悩みが、苦悩が、後悔が、「まどかの説得」如きでどうにかなるかもしれないと、彼女には思われていたからです。
勿論、杏子自身はさやかを助けたい気持ちで、まどかに協力を仰ぐ意味で、このように語った事は充分把握しています。
しかし、さやかからしてみれば、これは堪ったもんじゃない。
彼女の辿ってきた意思の変遷を考えるならば、言葉は悪いですが、そんな「行為」で改心する等、ちゃんちゃらおかしい話です。
安く見られてるって話でしょう。
そして、その結果、魔女になったさやかへと、まどかも従順に戦闘中、呼びかけています。
彼女自体にあの時、意識があったかどうか(恐らく無かったと思いますが)は分かりません。
しかし、あの戦闘シーンで戻らなかったのには、魔女になってしまったら、もう一生、元には戻らないと言うほむらの情報を補強しているのと同時に、さやかの上記に対する怒りのような物を私は描写から感じてしまったのです。
杏子の凄い所は、それを生きている間に察してしまえた所と言えるでしょう。
そう、まどかの「説得」でどうにかなるかもしれないと考えていた1人の少女は、戦闘中に、それが有り得ない事を肌身に実感したんです。

「ハッ、いつぞやのお返しかい?そういえばアタシたち、最初は殺し合う仲だったっけね」
「生温いって、あの時アタシがもっとぶちのめしても、アンタは立ち上がってきたじゃんかよ」
「怒ってんだろ? 何もかも許せないんだろ?」
「わかるよ…それで気が済んだら目ェ覚ましなよ、なぁ」
この時点では、まだ元に戻ると言う希望をさやかに対して抱いています。
               ↓
「アンタ、信じてるって言ってたじゃないか!この力で、人を幸せにできるって」
「頼むよ神様、こんな人生だったんだ。せめて一度ぐらい、幸せな夢を見させて」
ここでもう薄々とさやかは戻らない事を察しています。
最後に紡いだ言葉に残るのは「神頼み」と言う名の祈願です。
               ↓
「その子を頼む。アタシのバカに付き合わせちまった」
そして、最後には、今、認識している現実を見据えています。
さやかは戻らない。
さやかの苦悩は、そんな簡単に解消される物ではない。
さやかは、もう滅ぼすしかない。
               ↓
「心配すんなよさやか。独りぼっちは、寂しいもんな……いいよ、一緒にいてやるよ……さやか……」
この言葉は今までの過程を辿ってみると、実に深い意味を持っています。
意識的であれ、無意識的であれ、自らは利己的行動を数多く行ってきました。
しかし、最後にやっと、彼女は本来の性格を取り戻す事が出来たのです。
最後にやっと、彼女はエゴイストからアルトルイストへ変化したのです。
最期にやっと、彼女は利他的に、誰かの為に死ぬ事が出来たんです。

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ありとあらゆる人間関係において。
軽度の攻撃は、快楽になる。
強すぎれば、損傷するが。
基本的に、人が人に触れる手段は攻撃しかない。
交友とは、手加減の上手さでしかないように思う。
おどけるのも、自爆するのも、攻撃ではない。
知っている。
全て。

『CROSS†CHANNEL』
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彼女は最期に唯一、他人を攻撃しつつも攻撃しないで自らの人生を終える事が出来たと言えるでしょう。
この言葉の流れはこうして辿ってみると、実に良く考えられた、深い意味を持った台詞変移と言えます。
唯一、他人を見て自分を省みる事が出来た少女
唯一、エゴイストのままで死ななかった聖女
それが佐倉杏子と言う、この5人の中で恐らく、最も優しい女の子なのです。
ほむらがまどかの次に頼りにしていたと言うのも、実に納得の話と言えるかもしれません。


④暁美ほむら
「心神喪失」
幾度となく、時空の流れを繰り返してきた少女
鹿目まどかの「願い」を心に刻み、乗り越える事を誓った女の子
その結果、神に見捨てられた哀れな子羊
それが、彼女、暁美ほむら
巴マミが5人の中で誰よりも「弱かった」女の子なら、暁美ほむらは恐らく、5人の中で誰よりも「強くなった」女の子
TV版において、恐らく彼女は唯一、利己的に行動する事を選ばなかった娘と言えるかもしれません。
誰かの為に、まどかの為に。
そのように考えてきた少女の利他的善意は決して報われる事がなく、最後から続くその先でも、更なる戦いを強いられています。
そんな彼女に対して、本レビューで語る事はあまりありません。
しかし、そんな待遇と対照的に、私には彼女が1番、魅力的に映っています。
暁美ほむらを支えていた物
それは「まどかの願い」
暁美ほむらを形作ってきた物
それは「過去の記憶」
上記の「呪い」達によって、その人間性は変化せざるを得ませんでしたが、全てが変わる程ではなかった位に、彼女は良い娘で、強い娘でした。
人間の本質を知り過ぎる位に知ってしまっても、誓いの約束に裏切られようとも、その結果、その心が変貌を遂げてしまったとしても……
彼女は最後まで、誰かに対して「見返り」を求めようとしなかった。
最後まで観て、私は思います。
これが「愛」です。
これこそが「愛」なんです。
「思い出」を拠所に「愛」に生きた少女、それが暁美ほむらと言えるでしょう。

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思い出が欲しい。
記録したい。
心に刻みたい。
思い出さえあれば、その輝かしい宝石さえあれば……

『CROSS†CHANNEL』
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その「思い出」はもっとあれば、良かったのでしょうか?
後、少しの「思い出」があれば、彼女は自らの生きていく道を肯定出来たのでしょうか?
そんな空想的思考実験を『まどマギ』と言う作品全体を観返した結果、私は感じてしまいます。
「思い出」を求めた彼女が最後にどのような帰結を迎えたか?
気になった方は是非とも、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語』を観る事をお勧めします。
彼女への想いがぎっしりと込められた、本作への解答だけが詰まっている映画です。


⑤鹿目まどか
「汎愛博施」
『魔法少女まどか☆マギカ』における主人公
1話と最終話を比較すると、そのあまりの変貌様に驚く事必須の娘
しかし、実の所、本質は何も変わっていない「残酷な優しさ」を秘めた女の子
鹿目まどかを形容するとしたら、私の場合、上記の文に間違いなく依存される事でしょう。
「霖雨蒼生」で「残忍酷薄」な、救いようの無い女の子
利他的であるように振舞っていて、実は最も利己的である事を証明しています。
しかし、そんな自らの精神にまるで気付いておりません。
鹿目まどかと言うのは、私が評するなら、正にそんな女の子です。

ここで暴露すると、私がこれまで本作のレビューを書いてこなかった理由の背景にいるのは、いつも彼女でした。
より詳細に申すなら、最終回で彼女が行った事に納得出来なかったと言う所にあるのです。
「あなたはわたしの、最高の友達だったんだね」
この言葉が出たシーン
正直に申しますと、非常に気持ち悪くてしょうがありませんでした。
そして、同時にこの鹿目まどかという少女を、とても怖い娘だなと感じてしまったのを憶えています。
登場キャラにおける1番のエゴイストは、私にとっては間違いなくこの主人公
その理由をここからは詳しく述べていくと致しましょう。
ここまでの駄文、読んで下さり誠にありがとうございます。
後もう少しだけ、私の戯言にお付き合い下さい。

さて、意識的か、無意識的か。
彼女は最終話以前まで上手く立ち回って、様々な魔法少女達の戦い、葛藤、決意を見てきました。
「幸せ」を「幸せ」と、態々実感する事もない程の充実した日々
そこに何度も、何度も、何度も、現れるほむらの言葉
「自分の事を、自分を思ってくれている人達の事を大切にしろ」
「自分に向けられた想いを大切に、今とは違う自分になろうと思うな」
「貴女は、貴女のままでいればいい」
『魔法少女まどか☆マギカ』と言う物語は悲観的に断ずるなら、最後までこの忠告に従わなかった彼女が純粋に見てきた、もう1つの世界その物と言えます。
巴マミの、想いが叶いそうになった直後のおぞましき惨状
美樹さやかの、悩みに悩んだ末に導き出した破滅的答え
佐倉杏子の、最後にようやく辿り着いた美しき死に様
そして、暁美ほむらの、これまで繰り返してきた残酷な過去
全てを痛感し、体感し、実感してきた鹿目まどかだからこそ、最後に導き出した答えはあのようになったと言えるのでしょう。
「全ての魔女を、生まれる前に消し去りたい。全ての宇宙、過去と未来の全ての魔女を、この手で」
うん、確かにこの言葉だけ聞けば、素晴らしき慈愛に満ちた「願い」です。
その結果、彼女が行った事は、他の絶望に苦しむ魔法少女達が希望に満ちた死を迎えるよう、魔女になる前に安らかに眠らせると言う事

うん?
これって本人の了解を得ていない安楽死に他ならないのではないでしょうか?
あまり詳しく語られていないので、明言はなるべく避けたい所ですが、魔法少女として死ぬより、魔女として生きる事を望んでいた魔法少女もいたかもしれません。
まあ、これについては傍観者である私が何を語った所で、意味は無いでしょう。
本人達が幸せに死ねたなら、それで良いと言えるのかもしれません。

次に私が遺憾に感じたのは、マミと杏子の死がなかった事にされると言う処置についてです。
これにはとてもじゃないですが、了解出来ませんでした。
確かに彼女達が無為に死んでしまう世界より、安息に日々を営む世界の方が遥かに良いと言えるでしょう。
それはこの作品を観た方なら、誰しもが自ずと考える事だと思います。
しかし、「死んでしまった」と言う事実は「死んでしまった」と言う結果として残さなければいけない。
まどかは、私達視聴者から、彼女達の「死」までも奪ったんです。
死ぬ前に見せた嬉しき顔も、悲しき決意も、悔しき葛藤も、夥しき感情も…
マミの、孤独が解消されると感じた時の安らぎに満ちた声も……
杏子の、大切な誰かのために自らを犠牲にしたあの尊厳死も……
全てが、はっきりなくなってしまいました。
彼女等が懸命に生きたと言う証の価値は、この時、永久に消え失せてしまったのです。
最後に出てきたマミと杏子は、私達とほむらが知っている彼女とは、明らかに変わっています。
これが皆さんにとって良い事なのか悪い事なのか、私には何とも言えません。
私個人の解釈としては、悪い事だったと言う、それだけの話
深層の感情は、個々人の中に存在していると言えるでしょう。

さて、それでは最後に、まどかの「願い」に対して最も遺憾に感じた箇所を書いていくと致します。
それは、この「願い」を叶えた事によって、純粋に彼女を考えてくれていた人の想いを踏みにじったと言う事実です。
これが結局の所、私の考える中で1番顕著に感じた部分となりました。
自分で全て考えて、他者からの想いに耳を傾けようとしなかったまどか
だからこそと言えるのですが、彼女は魔法少女の事以外、何も考えないまま、変身の道を選んでしまっています。
最後の展開を観る限り、円環の理にならなければ場を治める事が出来なかったのは確かです。
それは分かります。
しかし、この時点で、彼女は大事な人の事を何も考えていません。
最後まで引き止めようとしてくれた母親
優しい眼差しで見守ってくれた父親
いつも自分を慕ってくれた弟
そして、この道に誘われないよう、行動の限りを尽くしてくれた最高の友達
その全てを、考えていないのです。

「何も考えていない」事を如実に示しているのがあの言葉
「あなたはわたしの、最高の友達だったんだね」
だった……ですか……
確かにまどかは概念化する事でほむらの過去を知りました。
しかし、それって結局、ただ「知っただけ」に過ぎませんよね?
認識してるだけ、知覚してるだけ、認知してるだけ……
他人事のように語ったあの言葉が紡がれた時から、まどかが10話で唱えた「願い」は、完璧なまでに「呪い」と成り果ててしまいました。
これが私には酷く辛かったんです。
なぜなら、結局、彼女の頑張りが何も報われる事はなかったんですから。
因果律の法則が作中で示されたように、希望と絶望は表裏一体
「魔女」がいなくなった所で、それに代わる敵である「魔獣」が出て来たに過ぎません。
「魔女」にならない代わりに、前身となる「魔法少女」は消滅してしまうに過ぎません。
彼女は死ぬ前の「絶望」を感じなくさせた代わりに、生きている間の「絶望」を見事に与えてくれました。
そんな神の「祝福」には、もう、私もほむらも笑うしかない状況
そんな事を思うと、ほむらの最後の笑顔も随分と示唆的と言えるでしょう。

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この絶望も 希望も 畏怖も
平穏も 機微も 快楽も
てっぺんも 奈落も 狂乱も
全ては君の指揮次第で
今日もその掌で 好きに踊ろうと思うよ
どうせならば とびきりのスイングを
飛ばされて 降りたった国に
今なら過不足なく 愛を説けるでしょ

RAD WIMPS「ブレス」
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ここまでの意見でご周知の通り、私はまどかによる世界改変の内容には遺憾の意を示したい気分です。
そこに至った問題の箇所は、上記で全てと言えます。
存在が消えてしまった為に大切な約束も消滅しましたが、しかし、記憶から消えてしまったから約束もそれで良いと言う訳では当然、ないのです。
伝道者から、神の領域にまで上り詰めた少女、鹿目まどか
イエス・キリストの如き彼女にも、もしかしたら、魔法少女になるまでの過程で、私の与り知らない様々な想いが蠢いていたのかもしれません。
しかし、全話鑑賞した結果、私が彼女に対して抱いたのは
「誰の意見にも従わないで、考える事もしないで、思い出す事もしないで、自らが勝手に思っている最良の『願い』でしか判断しなかったエゴイスト」
と言う、正にイエス・キリストに対して思う同一の評価に他ありませんでした。
「何かをしたい」「何かが出来るようになりたい」という部分に囚われすぎて、本当に大切な想いに気付かなかった哀れな偽善者
最後の最後まで「大慈大悲」に満ちていた彼女は、どれだけ周りに大切にされていたかを理解出来ていなかったように思えてなりません。
家族から与えられた思いも、友達から与えられた想いも、何も分からないまま、考えないまま、簡単に選択した。
その結果があの「自己犠牲」だとしたら、あまりにもエゴに満ちた、救いようの無い話と言えるでしょう。

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極論ではあるが…
自己犠牲は、ひるがえせば全て自分のための行いとも言えるのだから…

『CROSS†CHANNEL』
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最初にも述べた通り、本当はこの作品について語る気はありませんでした。
それは、あの最終回に納得がいかなかった事もあり、これで一旦、終わりと言う形で温存していたからと言うのも理由の1つです。
しかし、先日、心境の変化があった結果、こうしてキーボードを打った次第でした。
本作における終わり方は「善悪の彼岸」と呼ばれる物に他ありません。
単純な「善」「悪」という言葉を超えた、まったく新しい価値観に委ねる終わり
それをどのように解釈するも、その人次第
その点においては、至極、懐が深い作品と言えるでしょう。

しかし、最後にこれだけは言わせて下さい。
このTV版の物語だけを見て、最後の終わり方から「綺麗なお話」と判断するのは少し危険と言えるでしょう。
なぜなら、本レビューで示したように『魔法少女まどか☆マギカ』と言う作品の根底にあるのは、ドロドロとした唾棄物に過ぎないからです。
結局の所、この物語もエゴによって全てが終わり、エゴによって全てが始まったに過ぎません。
本作は、エゴによって移り変わる世界の変革過程を描いた話に他ならないのです。

そして、この無慈悲な自然主義作品はこの後更に、私達を遙かなる高みへと誘います。
全ては新しい劇場版へ。
エゴとエゴのシーソーゲームへ。
彼女等の捩れ捻れた関係は、メビウスの輪のように相容れる事の無いまま、終わりの時へ、ゆっくり導かれていくと言えるでしょう。
レビュー、ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。

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すべて移ろい行くものは、永遠なるものの比喩にすぎず。
かつて満たされざりしもの、今ここに満たされる。
名状すべからざるもの、ここに挙げられたり。
永遠にして女性なるもの、われらを引きて昇らしむ。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』
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{/netabare}

P.S.
「物語」は多くの受け手がいてこそ、存在し続ける代物です。
その大部分には伝えたいメッセージが届き、少数には根拠の無い裏側が垣間見え、残った人達は無関心のままであり続けるでしょう。
そんな裏側を語った結果、「受け手の意思を無視した理論の押し付け」になってしまうのは否めません。
それこそ、正にエゴイスト
なので、どうか、この場のみで語らせて下さい。
私も即ち、エゴイスト
話半分の作品解釈レビューとして、どうか宜しくお願い致します。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 18

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2016年春視聴。

新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ×シャフトが描くオリジナル魔法少女物語
「化物語」「ひだまりスケッチ」シリーズなどヒット作を多数手がける新房昭之監督とシャフトがタッグを組んで送る初のオリジナル作品として注目される本作。
脚本をPCゲームメーカー「ニトロプラス」所属のシナリオライターとして、その重厚な作風でファンを魅了し、小説「Fate/Zero」でもその才能を如何なく発揮した虚淵玄、「まんがタイムキララCarat」(芳文社刊)連載中の「ひだまりスケッチ」原作者・蒼樹うめが、初のオリジナルアニメのキャラクター原案を担当する。

大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。
見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目まどかも、そんな日常の中で暮らす一人。
ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。
この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
それは、彼女の運命を変えてしまうような出会い―
それは、新たなる魔法少女物語の始まり―


サブタイトルは各話の登場人物のセリフから取られている。
これらは脚本段階で仮題としてつけられたものであったが、先の展開への想像をかき立てるということでそのまま採用された。

第1話「夢の中で逢った、ような……」(マミ編)
大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんな平和な日々を送る中学二年生、鹿目まどか。
ある晩、まどかはとても不思議な夢を見る。

その日も訪れるはずだった、変わらぬ日常――。
しかし、訪れたのは非日常――。

まどかの通うクラスにやってきた、一人の転校生・暁美ほむら。
まどかが夢で見た少女と瓜二つの容姿をした少女。

偶然の一致に戸惑うまどかに、ほむらは意味深な言葉を投げかけるのだった...。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、喜多村英梨

社会現象とも称された『魔法少女まどか☆マギカ』の主題歌である『コネクト』は作品のヒットとともに『ClariS』の知名度と人気をも確立した曲でもある。

鬱屈とした徐々にダークになっていくアニメの内容に反して、爽やかな映像と疾走感ある曲調で長らく『OP詐欺』だと言われていましたが、10話で明かされたとある過去にぴたりとシンクロする壮大な歌詞は、まさしく作品と楽曲の最高のマッチングが生まれた。

この曲を作詞作曲した『渡辺翔』さんはアニメの展開を聞かされずにこの曲を作り上げ、奇跡的にシンクロしたというからさらに驚きである。
曲のよさに加え作品との相乗効果で何倍にも素晴らしい出来となったClariSの代表曲だ。

※「ひだまりスケッチ」原作者・蒼樹うめがキャラクター原案だったこともあり違和感なく本放送視聴開始。
オープニングテーマの「コネクト」には驚かされた。
「irony」が良かったのでアルバムの購入を迷っていたが、「コネクト」を聴き購入を決定。


第2話「それはとっても嬉しいなって」(マミ編)
ほむらに襲われたキュゥべえを助ける途中、迷い込んだのは摩訶不思議な空間。
絶体絶命のピンチに陥ったまどかとさやかを救ったのは一人の魔法少女、巴マミ。

その後二人が誘われたのは、魔法少女の部屋。

語られしは、キュゥべえに選ばれし者に与えられる資格。
魔法少女という存在、そして魔女という存在について。
どんな望みをも叶えるチャンスと、その先に待つ過酷な使命。
悩む二人に、マミは「自分の魔女退治に付き合わないか」と提案をするのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、蒼樹うめ


第3話「もう何も怖くない」(マミ編)
マミの魔女退治体験コースにも慣れつつある、まどかとさやか。
ただし、肝心な願い事は未決のまま。

悩むふたりに明かされた、マミの過去。

「願いの内容が、自分のための事柄でなくてはならいのか?」と問うさやかに、マミは、厳しい口調で「他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと」と窘めるのだった。

翌日の放課後、恭介の見舞いに行ったとさやかと付き添いのまどかは、その帰り道、偶然にも病院の駐輪場で孵化しかけたグリーフシードを発見する。
放置すれば、大惨事になりかねない事態に、さやかはキュゥべえと共に見張りを、まどかはマミを助けを求め、呼びに走るのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、水橋かおり

※本放送終了後唖然とした。
これは既存の魔法少女ものではないと確信。


第4話「奇跡も、魔法も、あるんだよ」(さやか編)
マミと魔女との壮絶な戦いの翌日、訪れたのはいつもと変わらない平和な日常。

魔法少女の敗北の結果を目の当たりにしたまどかとさやかは魔法の世界に関わったことの重さを実感し、魔法少女になることを諦める。

その日の夕方、誰もいなくなったマミの部屋を訪れたまどかは、帰り道、マンションのエントランスでほむらと出会う。
夕日の中、並んで歩く二人。
魔法少女としての死ぬことの現実を語るほむらに、まどかは切ないほど優しい言葉をかけるのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、虚淵玄


第5話「後悔なんて、あるわけない」(さやか編)
魔法少女として、魔女の手からまどかと仁美を救ったさやか。
キュゥべえとの契約により願いを叶えた今、その心は清々しく、魔法少女となったことに後悔はない様子。
反対にまどかはさやかよりも先に魔法少女になる決意をするも、諦めてしまった自分に悩む。

そんなある日、病院の屋上で開かれたのは恭介の手の快復祝い。
父の手から、かつて自分が愛用していたバイオリンを渡され躊躇するも、意を決してバイオリンを披露する恭介。
まったく衰えていない天才の才能に、聴き惚れる一同。
その光景を見たさやかは、至福の喜びをかみ締める。

一方展望台には、そんな病院屋上でのさやかの動向をうかがう杏子の姿があった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、野中藍


第6話「こんなの絶対おかしいよ」(さやか編)
さやかと杏子の戦闘現場に、突如現れたほむら。
戦闘の仲裁に入った彼女はさやかを一撃で気絶させ、それを見た杏子はほむらを警戒し、その場を離脱したことにより、戦闘は終息する。

翌日、杏子の乱入により取り逃してしまった使い魔の痕跡を探すさやかとまどか。
戦闘の痕跡が残るその現場で、杏子との平和的な解決を提案するまどかと、命を賭けた魔法少女同士の闘いに覚悟を決めたさやか。
二人の意見は擦れ違ってしまう。

そんな二人のやりとりの一方、ゲームセンターでは、とある目的のため、ほむらは杏子と接触するのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、宮本幸裕


第7話「本当の気持ちと向き合えますか?」(杏子編)
魔法少女となった自分の体の真実を知ったさやか。
戦いの運命を受け入れてまで叶えた願いと、その代償の大きさの間で揺れてしまう。

そんな自宅でふさぎこむさやかの元に現れたのは、敵対していたはずの佐倉杏子。
彼女はさやかを外へと連れ出し、とある廃墟の教会へと誘う。

そこで杏子の口から語られたのは、自身が魔法少女となった理由。
果たして彼女の真意とは――

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、新谷良子


第8話「あたしって、ほんとバカ」(杏子編)
自らの負傷も意に介さず、ただ目の前の魔女を切り刻むさやか。
治癒魔法のおかげで最終的には無傷で魔女に勝利するも、もはや憔悴しきった様子。

その帰り道、雨宿りがてらの休憩中、憔悴しきったさやかの様子を見かねたまどかは、さやかの戦い方について、口を出してしまう。
きれいごとばかりに感じるまどかのその言葉に、さやかはついに感情を爆発させ、その場を立ち去ってしまう。

涙に暮れながら、それでも追いかけられないまどか――
雨の中をはしりながら、自己嫌悪に悔し泣きをするさやか――

彼女のソウルジェムは、黒く黒く濁っていくのであった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、谷口淳一郎


第9話「そんなの、あたしが許さない」(杏子編)
漆黒のグリーフシードと化したさやかのソウルジェム。
そのグリーフシードは孵化し、新たな魔女が現れる。
さやかの身体を抱え、迫りくる魔女の攻撃に防戦一方の杏子。
魔女の結界に割って入ってきたほむらは、杏子を先導し結界から脱出する。

一方まどかは、さやかの捜索途中、重い足取りで歩く杏子とほむらの姿を見つける。
変わり果てた姿となったさやかの前で泣き崩れるまどかに、ほむらは冷淡な口調でソウルジェムの最後の秘密を語り、その場を立ち去る。

その日の深夜に、キュゥべえが、京子の前に現れる。
キュゥべえとの会話の中でさやかの身体を元に戻す一縷の可能性を見出す杏子。
翌朝、京子は登校途中のまどかをテレパシーで呼び出し、驚きの提案をするのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和、加藤英美里


第10話「もう誰にも頼らない」(ほむら編)
それはとある少女の転校風景。
必要以上に緊張し、萎縮する気弱そうな少女は、クラスの全生徒の視線を一身に浴びながら、慣れない自己紹介をする。

休み時間、押しかけて興味津々に質問をしてくる女子たちに、 気圧されておどおどしている彼女を、その場から連れだしてくれたのは、クラスの保健委員を名乗る少女。
優しい笑顔を向ける彼女は、自分を名前負けだと感じる少女に対し カッコいい名前だと言う。

長らくの入院生活により、学力も体力も他の生徒に劣る彼女は、 劣等感に肩を落として帰宅する途中、ふとしたことで魔女の結界に迷いこんでしまう。
彼女の絶体絶命のピンチに現れたのは、二人の魔法少女だった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧、斎藤千和


第11話「最後に残った道しるべ」(ほむら編)
雨の中、しめやかに行われたさやかの葬儀。
うつろな目をして家に戻ったまどかは、玄関で出迎えた詢子への挨拶もそこそこに自分の部屋に入ってしまう。
一人悲しみに暮れるまどかの元に現れたのはキュゥべえ。
さやか達の死について淡々とした口調で語るその姿に、さすがのまどかも怒りを感じる。
そんなまどかの態度が理解できないキュゥべえは、自分たちと人類がこれまで共に歩んできた歴史を語るのだった。

◆オーディオコメンタリー
悠木碧・斎藤千和・喜多村英梨・水橋かおり・野中藍・加藤英美里


第12話「わたしの、最高のともだち」(ほむら編)
一人ワルプルギスの夜に挑み、深手を負ったほむら。
何度挑戦しても勝てないくやしさ、自分の行為がかえってまどかを苦しめる結果になったことへの絶望で、自らのソウルジェムを黒く染め上げていく。
そんなほむらの前に現れた少女、鹿目まどか。
まどかは、決意のまなざしでワルプルギスの夜を見据え、ほむらに言い放つ。

「叶えたい願い事をみつけたの」

魔法少女となる者の運命を全て知った彼女は、果たして何を願い、どんな決断を下すのか?

◆オーディオコメンタリー
悠木碧・斎藤千和・虚淵玄・蒼樹うめ・宮本幸裕


◆Blu-ray Disc / DVD完全生産限定版特典ドラマCD
いずれも、虚淵玄による監修作品であることが銘打たれている。

「Memories of you」
BD/DVD第1巻初回限定盤特典。脚本は、外伝漫画『魔法少女かずみ☆マギカ』の原作者でもある平松正樹。
テレビアニメ本編では第10話の冒頭から中盤にかけて触れられていた、暁美ほむらが魔法少女になる前の、鹿目まどかと初めて知り合った時間軸の詳細を描く内容。この時間軸のまどかが、黒猫のエイミーの命を救うためにキュゥべえと契約して魔法少女となった、という経緯が描かれている。
なお、ドラマ内容が「本編3話以降のストーリー(具体的には第10話)に関係している(未視聴の者にとっては、いわゆる『ネタバレ』となる)」ことが、CD表面や付属ブックレットには記述されている。

「サニーデイ ライフ」
BD/DVD第3巻初回限定盤特典。脚本は大嶋実句。劇伴に菊谷知樹が参加している。
テレビアニメ本編では対立していたり共闘する時期がなかったりした魔法少女5人が、友好的な関係を築いているという設定の時間軸での、コメディ的な日常風景を描いている。

「フェアウェル・ストーリー」
BD/DVD第5巻初回限定盤特典。脚本は「Memories of you」と同じく平松正樹が担当した。
魔法少女になりたての頃の佐倉杏子が、見滝原で巴マミとコンビを組んで戦っていたという過去が描かれる。テレビアニメ本編では触れられなかった、杏子の本来の能力である幻惑魔法についても触れられている。

◆魔法少女まどか☆マギカ第1巻~第3巻購入特典「魔法少女達のお茶会」
好評だった為、第11話のオーディオコメンタリーで取り入れられた。

劇場版『[新編] 叛逆の物語』公開前の視聴履歴
魔法少女まどか☆マギカ 2013年10月の経緯
2013年10月からは劇場版 [新編]の公開に合わせ、「魔法少女まどか☆マギカ」をBS11で視聴。(2013年10月時点で視聴回数7以上)
毎日放送で新編公開前日深夜(当日未明)に当たる2013年10月25日に、前後編の地上波初放送を記念した一挙放送特別番組『劇場版公開記念!「魔法少女まどか☆マギカ」朝まで4時間SP』を視聴。
『[新編] 叛逆の物語』は2013年10月26日に公開(初日の午前に視聴)。

オープニングテーマにはClariSが起用された。第10話、最終話(第12話)にはオープニングアニメーションがなく、直接本編が開始される。
「コネクト」
第1話 - 第9話、第11話オープニングテーマ。明るい正統派の魔法少女アニメのオープニングを想起させる内容となっており、映像にはまどか、マミ、さやかが魔法少女姿で共演しているという、本編時間軸では実現しなかった場面も描かれている。視聴者や出演者の間では本編第3話以降のシリアスな内容との落差が話題になり「オープニングは詐欺」とも言われたが、第10話で暁美ほむらの過去が明かされると、歌詞の内容が劇中で伏せられ続けていたほむらの心情に寄り添ったものであることが示唆されるようになる。このことを第10話まで視聴者に悟られないよう、オープニング映像は意図的にまどか中心で描かれているが、実はこの映像がほむら視点から見たものであるという解釈での演出を終盤に付け加える構想もあったという。
第10話、最終話ではエンディングテーマとして使用されたが、エンドクレジット上ではいずれもオープニング扱いとなっている。

エンディングテーマにはKalafinaが起用された。オンエア版の第1話、第2話、第9話、第11話はエンディングアニメーションがなく、本編ラストシーンにかかるかたちでエンドクレジットが流された。第10話、最終話では主題歌「コネクト」がエンディングテーマとして使用された。BD/DVD版では第1話、第2話、第9話にオリジナルのエンディングテーマと一枚絵の映像が使用されている。
「Magia」
第3話 - 第8話エンディングテーマ。第1話、第2話、第10話では挿入歌として使用された。BD/DVD版第11話では本編ラストシーンにかかるかたちで使用され、そのままエンディングへとつながった。
巴マミの死が描かれる第3話からはエンディング映像を伴うようになるが、その内容は作品のダークな内容を象徴するような、視聴者にインパクトを与えるものになっており、エンドクレジットも赤文字で描かれるという趣向が施されている。第1話と第2話でエンディング映像が用いられなかったのは、その内容がネタバレとなってしまうためである。

「また あした」
BD/DVD版第1話・第2話エンディングテーマ。

「and I'm home」
BD/DVD版第9話エンディングテーマ。


人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の中華圏向け新作スマホゲームを年内配信
人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」のスマートフォン向け新作ゲームの中華圏初となる正式ライセンスを取得し、中国アニメ配信大手bilibili社との共同開発を通じて、年内に中国、台湾、香港、マカオで配信開始を予定していると発表した。配信開始に先行して、bilibiliユーザーに限定したCBT(クローズドβテスト)を、6月から開始する。

スケールがでかい! アニメに登場したとんでもない悪役キャラ
アニメにはさまざまな悪役が登場します。根っからの悪というのはなかなかいませんが、それでも中には「ものスゴく悪いヤツ」がいるものです。

●キュゥべえ
⇒『魔法少女まどか☆マギカ』
とても愛らしい外見をしており、魔法少女をスカウトする不思議な生き物です。魔法少女になりたいという少女と契約を交わすのですがその内容は悪辣(あくらつ)なもので、キュゥべえには隠された動機があったのでした。魔法少女ものには珍しいすごい悪役です。

厳しい冬の到来の前に。もう後がないギリギリ感を味わう極限アニメ
ごく普通の中学生の鹿目まどかは、ある日トラブルに巻き込まれて、人類に災厄をもたらす「魔女」と、魔女と戦い世界を守る「魔法少女」の存在を知ります。まどかの前に現れたキュゥべえというマスコット的な動物は、まどかに「願いをひとつ叶えるのと引き換えに、人類の敵の魔女と戦う魔法少女になってほしい」と言います。魔法少女に憧れながらも、決心がつかないまどか。しかしやがて、魔法少女をとりまくおそろしい現実が明らかになっていきます。

魔法少女たちが最初に叶えたいと思った「願い」は、決して大それたものではなく、ささやかであたたかい願いでした。にも関わらず、いったん魔法少女になると救いのない構造に心身は疲弊し、絶望が心を蝕んでいきます。過酷な現実から逃れることは誰にもできません。理不尽さがある意味リアルそのもので、テレビシリーズが大ブームになったあとは、いろんな解釈でこのストーリーが語られました。

今から新たに見るという人には、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編] 始まりの物語」「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[後編] 永遠の物語」が、非常によくできた総集編でオススメです。さらに絶望を極めたい人は、「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編] 叛逆の物語」もどうぞ。

シャフト「MADOGATARI展」開催 <物語>シリーズ&まどマギの世界に興奮必至
アニメーション制作スタジオ「シャフト」の40周年を記念した展示イベント「MADOGATARI展」。東京会場となるアーツ千代田3331で27日、報道陣向けの先行内覧会が開催された。  2015年9月に設立40周年を迎えたシャフト。会場では、シャフトの代表作品である『<物語>シリーズ』、『魔法少女まどか☆マギカ』を中心に、過去作品の原画、設定などの貴重な制作資料を一気に展示。数々の作品の歴史とその軌跡を伝える。会場に入るや、お馴染みのキャラクター達がびっしりと描かれたウェルカムトンネルがお目見えし、シャフトの世界へと誘ってくれる。
 
『<物語>シリーズ』コーナーでは、原作者・西尾維新の書き下ろしストーリーが巨大な書物の1ページとなって展示。続いて、原画・設定集など資料が並ぶが、驚くのはその数の多さ。会場スペースの許す限り作品資料が展示されており、シャフトの制作史にどっぷりと浸ることができる。

『<物語>シリーズ』では展示方法にも趣向が凝らされており、ヒロインごとに原画を公開。戦場ヶ原ひたぎの落下シーン、千石撫子が呪いに悶えるシーン、はたまた阿良々木火憐の歯磨きプレイシーンなど、それぞれの名シーンの生素材には興奮すること間違いなし。

また今回、大いに話題となっているのが、シリーズ総監督の新房昭之が絵コンテを切った『魔法少女まどか☆マギカ』のコンセプトムービーだ。映像化にあたり、劇場版の監督・宮本幸裕が演出を務め、異空間設計を担当した劇団イヌカレーらメインスタッフが参加。主要キャストによる新録ボイスも収録されるなど、今後の展開に期待せざるを得ない映像に仕上がっている。

緻密に、多大な労力をかけて描かれた素材から、改めてシャフトのチャレンジ精神と作品への愛情を再確認できた本展示イベント。まだまだ新たな伝説が生まれる予感に、胸は弾むばかりだ。

なでなでもふもふしたい!アニメファンが選ぶ「もっとも可愛いアニメ・漫画のマスコットキャラ」
願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人知れず人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を描いた『魔法少女まどか☆マギカ』から、願い事を叶えてくれる魔法の使者「キュゥべえ」がランクイン。その白くて耳長の可愛らしい姿、契約へのこだわりと巧みな話術。ただのマスコットキャラという枠には決して収まらない、不思議な魅力を持つキャラクターといえる。公式での性別は今のところ不明。

東海大学に「魔法少女まどか☆マギカ」全話を考察する授業が爆誕 行列ができる大盛況に!
大学生になりたい(切実)。
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」全12話を詳細に学ぶ授業が東海大学文学部で行われた。……信じられないのかい? それなら、見せてあげようか。公式のシラバスを。

授業名は「知のフロンティア」。担当教員は上代文学(太古~奈良時代ごろまで日本文学)の専門家で、シラバスによると「学科の枠にとらわれない知的刺激に富んだテーマを取り上げ」「学生諸君に学部横断的視点から知の最前線について平易に学んでもらうこと」が目的とのこと。そして設けられてたテーマが「魔法少女は生まれない―『魔法少女まどか★マギカ』講釈―」。

圧巻なのは授業スケジュール。初回のガイダンス以降は本当に“まどか☆マギカ尽くし”で、各話の視聴が“予習”として指定されているほか、総括(第15回)には「復習:作品を全話観直すこと」というアツい一文も。真面目に受講した場合は2周することになりますが、率直に言ってめちゃくちゃ楽勝だろ! むしろ劇場版だって自主的に観るよ! ちなみに、2015年4月8日が同授業の初回でしたが、教室は大盛況で行列まで出来ていたそうです。

まどマギ「SUGOI JAPAN Award2015」の初代グランプリ作品!
“まどマギ”の愛称で親しまれているアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』がポップカルチャー作品を選ぶ初の国民投票『SUGOI JAPAN Award2015』で初代グランプリとなったことが12日、東京・大手町のよみうり大手町ホールで開かれた同賞授賞式で発表された。

『SUGOI JAPAN Award2015』は“日本のスゴイ!を世界のスゴイ!へ”をコンセプトに「この素晴らしい作品を世界中の人々にも紹介したい!」 「世界でも大ヒットするにちがいない!」と熱い支持を集める日本のポップカルチャー作品を、ファン自身の国民投票によって選出。海外へ発信することを目的にしたものとなる。

「マンガ部門」「アニメ部門」「ラノベ部門」「エンタメ小説部門」の全4部門203作品の中から、各部門のトップ10に輝いた作品を表彰するもの。昨年10月から同12月31日までの投票期間に7万7631票(二重投票は不可)が集まった。『魔法少女まどか☆マギカ』はアニメ部門で1位および全部門を通して最多得票となりグランプリとなった。

同作プロデューサーでシャフトの久保田光俊氏が登壇し、受賞へのお礼を述べると、ノミネートされた他作品へも、「どの作品もすべて全身全霊をかけて制作されていると思います。制作スタッフの励みにもなると思いますので、1本でも多く観て頂けるように」と、願いを込めていた。

なぜ『まどマギ』? 世界へ伝えたい日本コンテンツが選ばれた裏側 【「SUGOI JAPAN Award2015授賞式レポ】
マンガ・アニメ・ラノベ・エンタメ小説。ここ10年以内に刊行された作品のなかで、もっとも世界へ紹介したい作品とはどれか?

3月12日に授賞式が行われた、「SUGOI JAPAN Award2015」。この賞は、日本から世界へ発信したいポップカルチャーを称えるもの。国民投票によって4ジャンルの頂点が決定した。

この賞のシステムは、まず有識者によって各ジャンル50タイトルずつ選出。そのなかで、自身がイチオシしたい作品へひとり3票を投じる仕組みだ。投票者から、各作品への熱いメッセージが多数寄せられたそうだ。

●SUGOI JAPAN Award2015 トップに輝いた作品
マンガ部門 『進撃の巨人』
アニメ部門 『魔法少女まどか☆マギカ』
ラノベ部門 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』
エンタメ小説部門 『図書館戦争』シリーズ

最多得票獲得・グランプリ 『魔法少女まどか☆マギカ』

投票するにあたり、自分の大好きな作品が、この50タイトルにノミネートされず、ちょっと残念な思いをした人もいるだろう。だがこれには、相当な葛藤があったのだ。授賞式では、選者たちの苦悩と熱い思いが語られた。

●この10年の変化を表したアニメのラインアップ
アニメ部門を代表して明治大学国際日本学部准教授・森川嘉一郎氏は、アニメ界の変化を選出に表現した。
「50タイトルには、ここ10年の日本アニメの特質を反映させました。それはほとんどの作品が深夜の時間帯に放映されていることです。かつてのゴールデンタイムの放映から、深夜帯へのシフトは、作品内容にも変化をもたらしました。より制約がなく自由に。また目の高い視聴者向けに多様になりました。
海外では、日本のゴールデンタイム作品に親しんでいる人が圧倒的です。けれど日本アニメが深夜帯へ移行していることを知って、ファンをさらに増やしていきたいです」

さらにトップ10のすべての作品は、歴史の積み重ねが読み取れるという。魔法少女というジャンルは、すでに50年以上も日本アニメを支える軸のひとつ。長い年月をかけて培われたエキスが『魔法少女まどか☆マギカ』には凝縮されている。一朝一夕に制作できる作品ではない、と称えた。ロボットもの、ラブコメものにしても、現在の洗練は積み重ね合ってのこと。このアニメの時間的積み重ねも世界へぜひ伝えたい!

外国人記者が選ぶ、日本のテレビアニメ
「自分が知る限り、これは完璧なアニメ!」と太鼓判を押すのが『魔法少女まどか☆マギカ』。「ビジュアルは驚くほどクリエイティブで、サントラもパワフルで刺激的。物語とあらゆる要素が完璧に細工されたオルゴールのように所定の位置に置かれている!」と大興奮。「私は虚淵玄のすべての作品が好きだが、『まどマギ』は群を抜いている。その美学はこれまでで最も印象的だ」と絶賛した。

決定!2011年のオススメアニメ
日夜放送されているTVアニメ作品。2000年以降に限っても、多くの名作が放送されているが、その中でオススメの作品はどの作品だろうか。教えて!gooにも、「2000年以降でオススメのアニメ作品を3つ挙げると」という質問があった。
「2000年以降の作品(TVアニメ・OVA・劇場版)であなたのオススメ3作品を教えていただきたいです」とのこと。どんな回答が寄せられたのだろうか。

■あなたのオススメ作品は?
回答の中で一番多かったものはなんだろうか。

一番多かったのが、「魔法少女まどか☆マギカ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「日常」の3作品。

胸に響く!『まどマギ』の名言・名ぜりふたち
2011年に放送されたテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』。アニメファンだけでなく、著名人からも高い評価を受け、ブームとなりました。今回は、この『魔法少女まどか☆マギカ』、通称「まどマギ」に登場した名言や名ぜりふたちをご紹介します。

●「こんな自分でも誰かの役に立てるんだって、誰かの役に立てるんだって胸を張って生きていけたらそれが一番の夢だから」鹿目まどか
自分に自信のない人にとって、他の人に必要にされているということはうれしいものです。

●「希望を抱くのが間違いだなんていわれたら、私、そんなのは違うって何度でもそう言い返せます」鹿目まどか
希望があるからこそ、人は頑張れるものですからね。

●「感謝と責任を混同しては駄目よ」暁美ほむら
混同している人が多いもので……。

●「奇跡ってのはタダじゃないんだ。希望を祈ればそれと同じ分だけの絶望が撒き散らされる。そうやって差し引きを0にして世の中のバランスは成り立ってるんだよ」佐倉杏子
「等価交換」というやつでしょうか? 何事にもリスクはあるということです。

●「他人の願いを叶えるのなら、なおのこと自分の望みをはっきりさせておかないと」巴マミ
自分自身がブレていたら意味がないですよね。

●「真実なんて知りたくもないはずなのに、それでも追い求めずにはいられないなんて、つくづく人間の好奇心というものは理不尽だね」キュゥべえ
知ることで不幸になると分かっていても知りたいと思ってしまったりしますもんね……。

●「私は、冷静な人の味方で、無駄な争いをする馬鹿の敵。あなたはどっちなの?」暁美ほむら
これは名言かつ名ぜりふです。無駄な争いをする人は確かに馬鹿です。

●「大人はだれだって辛いのさ。だから酒飲んでもいいって事になってんの」鹿目詢子
主人公・鹿目まどかのお母さん、詢子さんの言葉。「分かる」という人も多いのでは?

●「辛い分だけ楽しいぞ大人は!」鹿目詢子
こちらも詢子さんの言葉。辛いことも多いですが、大人にならないと楽しめないことも多いですよね。

●「うざい奴にはうざい仲間がいるもんだねえ」佐倉杏子
「あー、そのとおり」と思ってしまいました(笑)。

●「女の子をせかす男子は嫌われるぞ」巴マミ
じっくりと返事を待つ度量も男には必要です。まあ言った相手はキュゥべえでしたけどね(笑)。

●「食い物を粗末にするんじゃねえ」佐倉杏子
ちょっと過激な言葉がこの後に続きますが、そのとおりですよね。もったいないオバケが出てきます。

予想外の展開のストーリーや魅力的なキャラクターたちが登場する『魔法少女まどか☆マギカ』ですが、こうした心に響くような名言も多くあるのです。

『魔法少女まどか☆マギカ』のお洒落なキャラバッグが誕生
アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』に登場する魔法少女たちをイメージした、おしゃれなバッグが株式会社ムービックから新発売されます。

種類と価格は暁美ほむら・巴マミモデル各7,800円(税別)、鹿目まどか・美樹さやか・佐倉杏子モデル 各9,800円(税別)。

衝撃的!?感動的!?アニメファンが選ぶ「もっとも死に際が印象的だったアニメキャラクター」
第3位には、願いを叶えた代償として「魔法少女」となり、人知れず人類の敵と戦うことになった少女たちに降りかかる過酷な運命を描いた『魔法少女まどか☆マギカ』から、メインキャラクターの1人である「巴マミ」がランクイン。アニメシリーズでは物語序盤で魔女に敗れて絶命するキャラクターとなっており、視聴者に衝撃を与え作品の話題性や人気にも繋がったとも言われている。

『ネット流行語大賞 2013』投票結果はこうなった!
毎年行ってきている未来検索ブラジル主催の『ネット流行語大賞』。
今年も様々な流行語は生まれたがネットで流行った流行語はどのような物があるのだろうか。

<ノミネート用語>
17位:「やっとあえたね」(魔法少女まどか☆マギカ)

他作品
17位:「駆逐してやる」(進撃の巨人)
28位:にっこにっこにー(ラブライブ)

「冬アニメは不作」とはいわせない 衝撃が走った2011年(冬)
この「○アニメは不作」というフレーズ。毎クールごとに見かける気もしますが、本当なのでしょうか。個人的にはなんだかんだで毎クールお気に入りのアニメが数本あるため、このフレーズを聞くたびに少し違和感を覚えてしまいます。

これぞ覇権アニメ! 『まどマギ』に湧いた2011年

本来ならクール1クラスのヒットなった『IS<インフィニット・ストラトス>』もありますが、2011年冬と言えばやはり『魔法少女まどか☆マギカ』に触れないわけにはいけません。魔法少女というモチーフとかけ離れた驚愕のストーリーは話題を呼び、社会現象にまでなりました。あれ? なんだか冬アニメ、不作どころかかなり傑作揃いな感じもしてきました…。

8000光年先に「まどか」の姿が見えると話題に
アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の主人公・鹿目まどか。最終話では自身の願いを叶え魔法少女になった姿「アルティメットまどか」で登場します。この“女神まどか”を宇宙の彼方で発見したとネット上で話題になっています。

問題の場所は、さそり座の散光星雲「NGC6357」。その中心部にある「Pismis 24」に女神まどかが降臨しているとの指摘が、2ちゃんねるなどに書き込まれました。確かに目を凝らしてみると、トレードマークであるピンクの髪色に、深遠な宇宙を内包するようなドレス、そして光の翼をまとった姿が見えるような……。

ネットユーザーの反応は様々で「なにいってんねんまどかがいるわけ……まどかだ!!」「み、みえる! 僕にも見えるぞっ!」といった熱い声もあれば、「どれのことだかさっぱりわからん」という冷静な突っ込みも。ちなみに地球からの距離はおよそ8000光年。まどかは先史時代にも危機を救ってくれたのかもしれません。

円環の理に導かれたから? Google上半期検索ワードランキング・アニメ編
昨年と比べ今年上半期に検索数が急上昇したアニメタイトルをGoogleに聞いてみた。1位はやっぱりあのタイトル。ほむほむ……じゃなくて、ふむふむっなるほど!

2011年上半期は「魔法少女まどか☆マギカ」や「TIGER & BUNNY」といったアニメが大いに注目を集めた。作品の人気度はネット上での検索数に比例するかも(?)ということで、Google日本法人にアニメタイトルの急上昇検索ワードランキングを聞いてみた。あなたのお気に入りは何位かな!?

2011年1月1日~6月末までの間に、Googleでの検索ボリュームが昨年に比べ急上昇したアニメタイトルを集計した。堂々の1位は「魔法少女まどか☆マギカ」に。2位は「TIGER & BUNNY」、3位は「花咲くいろは」という結果になった。

せっかくなので、参考までにGoogleでタイトルを検索してみると、1位「魔法少女まどか☆マギカ」が約2310万件、2位「TIGER & BUNNY」が約3520万件、3位「花咲くいろは」が約894万件ヒットした。

「まどか☆マギカ」人気すぎ! 最終回に大盛り上がり、開店時間ずらすアキバの店も
人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」がついに最終回を迎えた。未明の放送にも関わらずネットは大盛り上がり! アキバの武装商店は最終回を見るため開店時間を遅らせた。

人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」がついに最終回を迎えた。TBSとMBSが4月22日未明に放送したところ、Twitterや2ちゃんねるは実況で大盛り上がり。東京・秋葉原のミリタリーショップ「武装商店」は、未明の放送を見るため、開店時間を30分遅らせた。Amazon.co.jpのDVDランキング上位は、まどか☆マギカが独占している。

22日の放送は、TBSが3話連続で午前3時から、MBSが2話連続で午前2時40分からと遅い時間だったが、ネットでは感想などを書き込む人が続出。Buzztterによると、Twitterでは「まどか」というワードがピーク時に3700件投稿された。2ちゃんねるの実況スレ「魔法少女まどか☆マギカ第10・11・12話」はパート29までのびた。

ミリタリーショップ「武装商店」は「まどか☆マギカ見ないとイカンので」と、22日の開店時間を30分遅らせることをTwitterで報告。公式サイトにも「『まどか☆マギカ』最終回の為ですのでご了承ください」と告知を載せた。

東京スポーツ新聞社のTwitter「@tospo_mobile 」は21日夜から、アイコンがまどか☆マギカのキャラ「キュゥべえ」に。まどか☆マギカの全面広告が読売新聞の21日朝刊に掲載されたことをうけて「東スポにも全面広告出してよ」とつぶやいている。

<コンビニ×アニメ>
コラボブーム花盛り 不況に強いアニメに熱視線

コンビニエンスストアで「魔法少女まどか☆マギカ」や「進撃の巨人」、「ガールズ&パンツァー」などアニメとのコラボキャンペーンが行われているのを目にする機会が増えた。コンビニでは、ディズニーやサンリオなどの人気キャラクターなどのグッズも販売してきたが、増えているのはどれもアニメファン向けのコンテンツだ。子どもから高齢者まで幅広い層が集まるコンビニとマニアックなアニメは、相性がいいとは言い難いが、約2週間で1億円以上の売り上げを記録するキャンペーンもあるといい、近年、売り上げが横ばい傾向にあるコンビニ業界で注目を集めている。

コンビニとアニメのコラボが最初に注目を集めたのが、2009年の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」とローソンのコラボだ。同チェーンでは初のアニメとのコラボで、文具などのグッズやコラボ食品を販売したほか、対象商品を購入して応募するとフィギュアなどが当たるキャンペーンを実施し、人気を博した。ローソンは、その後も「魔法少女まどか☆マギカ」「けいおん!」「進撃の巨人」「Free!」などとのコラボを展開し、人気を集めてきた。

各チェーンがコラボに力を入れ始めたのは11年ごろで、サンクスが「ガールズ&パンツァー」、セブンイレブンが「進撃の巨人」、ファミリーマートはアニメではないが「初音ミク」「艦隊これくしょん-艦これ-」(2015年冬アニメ化)などとのコラボを実施。ローソンと同じく、コラボ商品の販売や、抽選のキャンペーンを行っている。

ローソンは、アニメの舞台になった町をファンが訪れる“聖地巡礼”に注目し、「ラブライブ!」とのコラボでは、舞台となった神田明神(東京都千代田区)周辺の9店舗で買い物をしたファンにポスターをプレゼントするなど、グッズを販売するだけではなく、“体験型”のキャンペーンも実施。「進撃の巨人」とのコラボでは人気キャラクターのリヴァイが“紅茶好き”という設定に目を付け、紅茶クッキーを販売するなどファンの“ツボ”を押さえたキャンペーンを展開してきた。

コンビニは13年度に国内店舗数が5万店を突破し、“コンビニコーヒー”のヒットなども話題になっているが、売り上げは横ばいといわれている。固定ファンの多いアニメ市場は不況に強いとされており、各チェーンは活路を見いだそうとしているようだ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 86
ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ほむほむとの出会いを・・・なにか・・・に感謝

 予備知識ゼロで見た初回は、ただただ物語の進行に翻弄され、一気に最終話まで到達した。いや、連れてこられた。
 2回目は・・・ほむらの想いが私の心に響いてきた、浸透してきた。そして、初回とは別物の感動を得ることができた。
 
 ほむほむがあまりに健気で不器用で切なくて・・・。 {netabare} 一番わかってほしいまどかに理解されず苦しんで。最後の最後にはまどかにすべてを理解してもらえて、でも、そのまどかとは二度と会えなくなってしまって。 {/netabare}

 
 OVAでも何でもいいので、ほむほむの全時間軸での戦いを描いたものを出してもらえたらなー。絶対買うのになー。


 正直に告白しよう。
  {netabare} 全12話を初めて見終わった時には、この作品がここまで自分自身にとって重要なモノになるとは、想像していなかった。確かに、3話で仰天し、10話で涙し、最終話で感動した。でも、それだけであった。
 2回目の視聴で、やっと真価を理解することができた。練りに練られたストーリー、それぞれの少女に課せられた残酷な運命、インキュベーターの真の目的、いろんなことが一本につながったのである。そして、何よりも私の心を捉えたのが、「暁美ほむら」である。全てを知ったうえで観ると、ほむらの一つ一つの行動・言葉に胸を打たれるのである。途方もない膨大な想いの詰まった一挙手一投足と言葉に圧倒されてしまう。ほむらはいったいどんな想いでまどかとの再会(いったい何度目?)を果たしたのか、マミの死に悲しむまどかを前にして何を想ったのか、さやかの死の際には・・・ほむらは、人一人が背負うには重すぎる運命を背負ってしまっていた。こんなに頑張った少女を他には知らない。少なくとも私には、思い当たらない。{/netabare}

 夏休み&秋の夜長?特別企画!
 ほむら「まどか☆マギカ」を語る
 今回は暁美ほむらさんにTV版「魔法少女まどか☆マギカ」を観て頂き、心の赴くままに語っていただきました。
 順次公開していきますので、乞御期待!
 
 第一話
{netabare} こ、これは、まどか?
 この走り方、靴、靴下、ふくらはぎ・・・
 やはり、まどか!
 どこを走って・・・
 !!
 ワルプルギスの夜!
 と・・・わたし!
 インキュベーター!!
 ダメ!ダメよ、まどか!
 コイツの話を聞いては!
 ああ!やめてーーーーー
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 夢?
 まどかの?
 ・・・だから、あの時まどかは・・・・
 初めて会ったはずなのに・・・・・・・

 歌?
 オープニングと言うものね。
 ・・・まどかのパジャマ・・・
 なにかしら?
 まどかが恥じ入っている?
 こんな失敗してたかしら?
 もう一人のまどか?
 裸だなんて・・・・・・・
 変身したまどか、みんな、そして、
 わたしも。
 
 髪を下ろしているまどか・・・
 私の知らないまどか・・・
 これが、鹿目家の朝・・・
 ・・・暖かい。
 そう、このリボンはお母様が選んだものなのね。
 ・・・まどかによく似合ってる。
 隠れファン・・・いるのかしら?
 美樹さやか!
 聞き捨てならないわね。
 まどかを嫁にする?
 上条恭介のことが好きなくせに、
 まどかをたぶらかすような発言を・・・
 冗談よ、これがただの戯れだということぐらいわかってるわ。
 ・・・・・私を紹介する前にこんな話を・・・
 大丈夫なの?この先生。
 美樹さやか!
 いいこと言うわね・・・冗談よ。
 やはりね・・・まどかのこの反応。
 ごめんなさい。
 まどかは全然悪くないのに、
 私イライラしちゃって・・・
 まだまだね。
 何も期待しないって誓ったはずなのに・・・
 こんなわけのわからないこと言って、
 まどかを混乱させるだけなのに・・・
 でも、どうすれば・・・
 どうすれば、あなたに伝わるの?

 ・・・この問題解くの何度目かしら?
 ・・・高跳びも・・・
 ・・・!アイツ!
 美樹さやか・・・
 口をついて出た何気ない言葉・・・
 時にそれが真実を言い当てることもあるのね・・・
 くつ、ここで仕留めていれば・・・
 いえ、同じことね。
 まどか!まどか・・・
 あなたはどうしてそんなに優しいの?
 あなたが抱いたソレは、
 インキュベーターは、
 あなたを破滅にしか導かないのに!
 魔女の結界・・・
 巴マミの出番ね。
 お見事。
 この人とは事を構えたくないのに。
 ・・・・・この表情を捉えられていたなんて・・・
 でも、いつの間にこんな映像記録を?
 ・・・インキュベーター!
 そう、全てヤツラなのね。
 無数のインキュベーターによる360度24時間の監視映像、
 その編集版がこの映像ということね。
 (僕と契約して魔法少女になってよ)
 (バキューーーーン)
  ・・・ごめんなさい。
 モニターは弁償します。
 ・・・今日はもう帰っていいですか。{/netabare}

 第二話
 {netabare}巴マミ・・・
 インキュベーター・・・
 まどかの夢・・・?
 インキュベーター!
 コイツはいとも簡単にまどかに取り入って!
 あ、オープニング。
 まどかのベッド・・・可愛い・・
 
 (ギリィ)風呂・・・?
 インキュベーターが風呂・・・?
 あくまでも韜晦するつもりね・・・
 巴マミ・・・あなたは何もわかっていない。
 何も知らないくせに、まどかを・・・
 都合のいいところだけ、
 少女の憧れと正義感をくすぐるところだけを
 巧に話す・・・
 (画面に銃口を向ける)
 ・・・これで撃ち殺せるのなら・・・!
 こういう誤解には慣れている。
 いえ、誤解ではないわね。
 半分は当たっている。
 私が、そこにいた理由は唯一つ。
 あなたとの約束を守るため・・・
 まどか!
 なんて可愛いものを描いているの!
 美樹さやか・・・
 どうして、そのままバカでいなかったの?
 あれだけ忠告したのに・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まどか・・・
 その質問は・・・ダメよ・・・
 私が挫けそうになる・・・
 どんなに固く誓っても、
 どんなに約束を反芻しても、
 その一言は重くのしかかるの。

 美樹さやか・・・バカなのね・・・
 まどか!
 これを描いていたのね!可愛い・・・
 笑ったわね・・・まどかを笑ったわね・・・
 巴マミ・・・さすがね、手際がいい。
 しかし、パフォーマンスが過ぎるわ。
 ・・・技に名前・・・
 そうだった、こういう人だったわ。
 まどか・・・
 あなたはいったいなにに憧れているの?
 巴マミはそんなにかっこよかった?
 あなたはあなたのままで十分よ。{/netabare}

 第三話
{netabare} ・・・美樹さやか・・・
 上条恭介はやめておきなさい・・・
 ・・・言っても無駄・・・ね。
 オープニング。
 まどか・・・

 ティロ・フィナーレ!
 ・・・恥ずかしくないのかしら?
 インキュベーター!
 ・・・らしいやり口ね。
 ・・・美樹さやか・・・
 巴マミの言う通りよ・・・
 でも、聴く耳持つはずがないわよね。
 まどか!
 また、そんなことを!
 あなたにはあなたにしかない良いところがたくさんある!
 巴マミは・・・
 あなたが思うような強い人間ではないのよ。
 インキュベーター!!(ギリィィ)
 まどかをそそのかして!・・・・
 まどかの素質・・・を、因果を育んだのは・・・
 ・・・お父様?
 お母様・・・酔ってらっしゃる?
 お仕事って大変なんですね。
 優しい・・・素敵なお父様・・・
 これが・・・家族の愛・・・?
 巴マミ!
 あなたは、
 あなたは、なにもわかっていない!
 何も知らない癖に、まどかを・・・
 どうして、まどかの信頼を勝ち得るの?
 どうして、私じゃないの?
 病院に魔女の結界、
 確かに最悪ね。

 
 もう、結界の内部じゃない!
 インキューベーター!
 ・・・営業活動に余念がないわね。
 このシルエットは・・・お菓子の魔女!?
 ち、ちょっと!
 な、なに手をつないでいるの!?
 あ、わたし!
 ということは、はやり・・・
 バカ!
 巴マミ!
 あなたには手におえない相手よ!
 ・・・自信過剰なのよ、あなたは!
 また、手を!
 まどか・・・
 あなたは、いっぱい持っているのに!
 どうしてそんなに自分を卑下するの?
 巴マミ・・・
 泣いてる場合じゃ・・・
 そんな話をしてる場合じゃ・・・
 その顔・・・
 戦いに赴く者の表情じゃない!
 ああ!
 だから言ったのに!
 まどか!まどか!
 ・・・間に合った・・・
 ・・・照れくさいものね、
 自分自身が戦っている姿を見るというのは。
 でも・・・客観的に見ても・・・いい手際・・だと思う。
 ごめんなさい、まどか。
 ショックを受けて、傷ついているあなたに、
 かけるべき言葉は他にあるのに・・・
 ごめんなさい。
 泣いているあなたを置いていく私を許して・・・

 エンディング?
 初めてよね?
 随分ダークな雰囲気ね。
 しかし・・・今回の話によく合っていると思う。{/netabare}  

 第四話
 {netabare}美樹さやか・・・
 だから、上条恭介は・・・
 ・・・後悔先に立たず・・・
 含蓄に富んだ言葉ね・・・
 まどか・・・まどか・・・
 泣かないで・・・いえ、泣きなさい・・・
 ・・・日常の風景が違って見える・・・そうでしょう?
 この先生!・・・まどか・・・
 ああ・・・まどか、可哀そうなまどか・・・
 ・・・でも・・・あなたの死には価値があった・・・
 巴マミ。
 どうして・・・どうして・・・
 まどかの隣にいるのは私じゃないの?
 まどかの肩を抱くのは私じゃないの?
 インキュベーター・・・
 こんなに物わかりのいいはずが・・・
 何を企んでいるの?
 私の名を呼ぶその唇、涙をぬぐう仕草、驚いた表情、
 まどか・・・私のまどか!
 ああ!少し大胆すぎたかしら!?
 どうしよう・・・まどかが戸惑って・・・
 頷いている!私の問いかけに頷いている!
 なんて可愛らしいの!
 二人だけの散歩・・・夢の様ね・・・
 まどか・・・鋭い。
 ・・・まどかには、初めての質問なのよね・・・
 何度答えても、堪えるわ。
 優しい・・・まどかは本当に優しい・・・
 そして、この上なく残酷・・・
 あなたの優しさは、私を深く深くえぐる。
 その傷すらも・・・愛おしい。
 あなたには、もちろん、わかるはずもないわ。

 美樹さやか・・・
 上条恭介・・・言ってしまった・・・
 ・・・避けられないことなの?
 インキュベーター!
 まどか!ダメよ!
 ほっておきなさい!ついて行ってはダメよ!
 早く逃げなさい・・・!!
 まどか!あなたって・・土壇場に強いのね・・・知ってたわ。
 結界!
 美樹さやか!やはり・・・
 あなた・・・バカだわ。
 このパーカー、ジャンクフード・・・
 佐倉杏子!
 インキュベーター・・・
 白々しい!
 コイツが仕組んだことだったのね。
 でも、佐倉杏子がこの町に来たというのなら・・・
 ・・・使えるわね・・・
 エンディング・・・ふう・・・ {/netabare}

 第五話
 {netabare}・・・美樹さやか・・・
 愚かなことを・・・
 はしゃいでいるわね・・・
 ・・・何を取り繕っているの?
 まどかが、心配しているじゃない。
 ・・・見ていられないわ!
 痛々しすぎるのよ、あなた。
 見たくない現実から目を逸らすこと、
 それを強がりと言うのよ。
 これだから、恋する乙女は・・・
 ・・・今は、今は、その高揚感に浸りなさい・・・
 これが、夢?
 あなたが命を賭してまで叶えたかった夢?
 ・・・よかったはね、夢が叶って・・・
 佐倉杏子、
 とインキュベーター。
 ・・・自分で引き込んでおいて、白々しい!
 そう、まだ私の正体がつかめていないのね。
 ・・・少しは、気も晴れるわ。

 わたし、
 と、まどか!
 ・・・デートだわ、デートよ。
 まどかの方から誘ってくれたのよ!
 ・・・たとえ、美樹さやかのためであっても。
 まどか、さすがだわ。
 よく、美樹さやかのことをわかっている。
 ・・・言わねばならないの。
 魔法少女とは、
 如何に、過酷で、残酷で、報われない存在であるか、
 それをあなたにわかってもらうために。
 そう、美樹さやかはもう手遅れ。
 そう、わたしはすべてを諦めた。
 あなたを救う、
 それ以外のことは。
 本当にごめんなさい。
 あなたの「今の」願いを無下にして、ごめんなさい。
 まどか!
 あなたのその優しさはどこから来るの?
 そんな勇気がどこに詰まっているの?
 ・・・美樹さやか、
 出来もしない約束を!
 まどかに感謝なさい。
 結果として、あなたも見守ることになってしまったことを。
 ・・・インキュベーター!
 オマエの思惑も計算のうちよ。
 使い魔・・・変身したわね。
 ・・・佐倉杏子!
 あなたの言う通りよ。
 魔法少女が存在し続ける為にはグリーフシードが必要。
 でも、美樹さやかには通用しないわよ。
 ・・・まあ、美樹さやかにはいい薬ね。
 ちょっと、やり過ぎじゃない?
 インキューベーター!
 また、まどかをそそのかして!
 ・・・世話が焼けるわね。
 !!
 ここでエンディング・・・
 これが「引き」と言うものね。 {/netabare}

 第六話
 {netabare}・・・世話が焼けるわね。
 までだったわね。
 佐倉杏子・・・
 あなたの打算的なところ、好きよ。
 扱いやすいもの。
 ご、ごめんなさい、まどか。
 そ、その、感情が高ぶってしまって・・・
 怯えないで!
 そんな顔しないで!
 そういう意味じゃないのよ・・・わかって!
 くっ、インキュベーター!
 ・・・悟られた?
 グリーフシードを体内に?
 これで安全?
 ・・・どこかで孵化させるのね!
 魔女が減らないわけね。
 インキュベーター!!
 そうやって、断片的な知識だけを与えて!
 ・・・故意にやっている?
 美樹さやかにグリーフシードが必要不可欠と言う印象を与えないように?
 もう、コイツの手の内なの?
 また、まどかを!
 ・・・美樹さやか、
 その心意気だけは称賛に値するわ。
 佐倉杏子・・・ルール無用ね。
 ギブ&テイク。
 みんながあなたのように分かりやすいと楽なのだけど。
 ・・・言ってしまった。
 そう、ワルプルギスの夜がやってくる。
 ・・・わたし一人では勝てない・・・かもしれない。
 そのポッキーを食べれば契約成立ね。
 いただくわ。
 まどか!
 あれだけ言って聞かせたのに!
 そんなに美樹さやかが心配?
 ・・・あなたは、そういう子よね。
 まどかは正しい。
 でも、それはただの正論。
 当事者でないあなたに出る幕はないの。
 美樹さやか・・・
 やはり、あなたは魔法少女になるべきではなかった。
 綺麗ごとだけでやっていけるような甘いものではないのよ。
 イ・ン・キュ・ベー・ター!
 どうあってもまどかを魔法少女にしたいようね。

 
 まどか・・・苦しそう・・・眠れないの?
 お、お母様!
 そのお言葉は胸に響きます。
 本当に、ズッシリと。
 ・・・わたしには、
 わたしには、転び方を学ぶ機会がなかった・・・
 わたしは、決して転ぶことはできない。
 もう、絶対に許されない。
 転べば、すべを失ってしまうから・・・
 美樹さやか・・・
 つれない男に惚れてしまったわね。
 ・・・これだから恋する乙女は・・・佐倉杏子!?
 ちょっかいは出すなと言ったはずよ!
 ・・・どうして、そこまで挑発する必要があるの?
 近親憎悪?
 厄介なものね、感情と言うものは。
 インキュベーター!
 わざわざまどかを連れ出すなんて!
 佐倉杏子!!
 話が違う!私に任せるんじゃないの?
 間に合ったようね・・・
 あ、まどか!
 それはダメ!
 ・・・また、まどかにつらい現実を・・・
 車に追いつくのって意外と重労働なのよ。
 インキューベーター・・・
 よくもまぁ滔々と・・・
 でも、これが真実・・・
 人外の存在になりたくないのなら・・・
 魔法少女はあきらめなさい。{/netabare}

 第七話
 {netabare} ・・・インキュベーター・・・
 そう、筋は通っている。
 理屈としては、非の打ちどころがないわ。
 人間でなくなるという点を除けば・・・
 ・・・?やはり・・・誘導している?
 ・・・どこへ?
 ふう・・・これぐらいのことで休むなんて・・・
 いい判断よ!
 相談事?なにかしら?まどか?
 ・・・話題がどうであれ、あなたとお話ができるのはうれしい。
 そう、誰も、誰一人として信じてくれなかった・・・
 わはしは・・・わはしは・・・人間じゃなから・・・
 傷ついても平気だから・・・
 お願い!魔法少女にだけはならないで・・・
 佐倉杏子、
 一匹狼の論理ね。
 何も失うもののない、あなたらしい考えね。
 ・・・少し羨ましいわ。
 ・・・昔語り?
 そう、あなたたちは似ている。
 それで引き合うのかしら?
 ・・・魔女?
 思わぬところから真理が導かれることもあるのね。
 ・・・無意識と言うのは恐いものね。

 
 同じ境遇からどういう答えを出すのか?
 ・・・この違いが個性?
 清廉潔白すぎるのよ、あなたは。
 美樹さやか・・・
 ・・・罪な男の登場ね。
 ・・・女の対決?
 煮え切らないわね。
 志筑仁美・・・なに?この余裕。
 フェアプレー精神?
 ・・・これじゃ勝ち目がないわね。
 まどか!
 ・・・だから、あなたは向かないのよ。
 自分自身の暗部と向き合い、許せないようでは。
 ・・・自暴自棄?
 こんな戦い方は消耗を速めるだけ。
 ・・・これが狙い?
 何を企んでいるの?インキュベーター!{/netabare}

 第八話
 {netabare}・・・醜いわね。
 美樹さやか・・・
 それが、どんなに大事なものか。
 そんな戦い方が何をもたらすのか。
 あなたは、何もわかっていない。
 まどか・・・泣いているの?
 美樹さやかのために?
 ・・・その言いぐさ!
 まどかの優しい心を!
 ・・・もう始まってる?
 これが、インキュベーターの狙い?
 やめなさい!美樹さやか!
 まどかをそんな風に追い詰めるのはやめなさい!
 やめて!お願い!
 ああ!やはり!
 ソウルジェムがもうあんなに!
 ・・・わたしの部屋?
 こんな部屋だったかしら?
 まあ、いいわ。
 佐倉杏子!
 食べるなとは言わないわ。
 ただし、汁を散らしてはダメよ。
 わたしの集大成とも言える地図よ。
 しっかり見なさい。
 ・・・!箸で指すのはよしなさい。
 ・・・確かに、信用しろと言う方が無理よね。
 インキュベーター、そろそろ来るころだと思っていたわ。
 やはりね。
 やけに聞き分けがいいわね、余裕かしら?
 そう、取り返しのつかないことに・・・
 佐倉杏子・・・あなたにはわからないわよね。
 まどか・・・あなたが気に病む必要はないのよ。
 ・・・この男は・・・
 だから、まどかが気に病むことはないのよ!
 ・・・美樹さやか!
 あなたわかっているの?
 あなたは、まどかにこんなにも想われている。
 それがわからないの?
 ・・・その男がそんなにいいの?
 なら、どうして、諦めるの?
 いえ、諦めてなんかいないわね。
 だからこそ、戦うんでしょう?
 自分自身を慰めるために。
 本当に厄介な子ね。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 だいたい当たってるわ。
 あなたを救いたいって気持ち・・・ないわけじゃないのよ。
 でも、大事の前の小事。
 まどかのためなら、
 わたしはいくらでも汚れることができる。
 佐倉杏子!
 ・・・流石に手馴れているわね。
 勘もいい。
 でも、今はあなたにかまっている暇はないの。

 ・・・このタイミングでこの話・・・
 喰いつくわよね・・・
 清廉潔白だもの、あなた。
 ・・・世界を守る・・・
 それが、あなたの希望だったの・・・
 最後の希望だったの・・・
 滑稽ね・・・そんなもののために、
 戦えるわけがないのよ!
 この子、もうダメだわ。
 まどか!
 ソイツの話を聞いてはダメよ!
 ソイツは一番痛いところを突くの!
 あなたの急所を正確に突いてくるの!
 あなたは誘導されているのよ!
 ばか!
 間に合った!
 よくやったわ、わたし。
 まどか・・・わかって。
 わたしもギリギリなの。
 いっぱいいっぱいなの。
 だから、許して、今は・・・
 ああ、行かないで・・・
 インキュベーター!
 ・・・おぞましい。
 ・・・バレてしまったようね。
 でも、いっそ清々しいわ。
 美樹さやか!
 まだ原形をとどめている?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 救いようのないほどのね。
 魔女化が始まる!
 インキュベーター!!
 そのネーミングセンスだけは褒めてやってもいいわ。 {/netabare}

 第九話
  {netabare}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 二度は聞きたくないセリフね。
 佐倉杏子・・・
 ソレはただの肉塊よ。
 ・・・その魔女が・・美樹さやか・・だったものよ。
 ・・・ここで手の内を明かすことになるとはね。
 まあ、いいわ。
 あなたには、まだ生きていてもらう必要があるのだから。
 手を握らせてあげるわ。
 ・・・私からは握らないわよ。
 まどか!
 こんな時間にどこを歩いているの?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 これが真実。
 まどかも誰も信じようとしなかった真実。
 こうなって初めて聞き入れられるなんて・・・皮肉なものね。
 親友?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 愛する者を失う哀しみなら、
 ・・・知っているわ。
 どんな綺麗ごとにも、後始末はついてまわるものなのよ。
 ・・・どの面下げてやって来るのかしら?
 本当に素晴らしいご高説だわ。
 ・・・ここまでいくと、いっそ清々しいわね。
 佐倉杏子。
 無駄なことを・・・
 コイツ!
 やはり、誘導している!
 狙いは・・・なに?
 まどか・・・学校をサボってはダメよ。

 佐倉杏子!
 いったい何を言っているの?
 魔女を元に戻す?
 私の話を聞いていなかったの?
 そんな無茶にまどかを巻き込まないで!
 ・・・美樹さやかに毒されたわね。
 魔法少女には愛も勇気も縁遠いものよ。
 あるのは・・・義務と・・なけなしの希望だけよ。
 ・・・まどか、
 あなたはどうして身を投じるの?
 優しさ?愚かさ?・・・強さ?
 ・・・私も授業を受けている場合じゃないわね。
 佐倉杏子・・・よくわかっている。
 でも、あたなには切実な問題じゃないものね。
 ・・・どうして、こう上手くいかないのかしら?
 佐倉杏子、いいこと言うわね。
 ・・・なのに・・・どうしてかしら?
 まどかの退路を断っているように感じるのは?
 結界の最深部!
 ・・・無駄なのよ・・・
 何をどうやったって無意味なの。
 いいえ、あなたはもう見たわ。
 一度だけとはいえ、幸せな夢を。
 ・・・だから、虫が良すぎるの・・・その願いは。
 ・・・間に合ったようね。
 佐倉杏子・・・
 満足?・・・でしょうね。
 いいのよ。
 わたしはわたしの戦いを続けるだけ。
 インキュベーター!
 ・・・全てはオマエの思惑通りということ!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 させない!絶対にさせない!{/netabare}

 第十話
 {netabare}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
 これは・・・なに?
 ・・・まどか・・・との・・・出会い・・・
 初めての・・・本当の初めての・・・出会い・・・
 あなたが・・・保健委員でよかった・・・
 ほむら・・・でよかった・・・
 ほむらに生まれてよかった・・・
 ・・・黒歴史ね。
 いいのよ・・・何度も何度も塗り替えたから。
 ・・・コンプレックスの塊だったわ。
 いえ・・・今も・・塊ね。
 まどか!・・・と巴マミ。
 ・・・アイツも。
 まどか・・・それは杞憂よ。
 わたしには友達なんていないもの、
 そもそも話す相手がいないんだもの。
 ああ・・・わたしにもあった。
 魔法少女を・・・希望を・・・信じていた時が・・・
 あなたは、気高く、強く・・・最初からそうだった・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 インキュベーター。
 感謝してるわ。
 ありがとう。
 わたしを魔法少女にしてくれて。
 ・・・わたしの願いはかなった・・・
 一片の齟齬もなく、わたしの願ったとおりに。
 あなたを守りきれないのは、
 わたしの能力不足。
 ・・・1回目ね。
 ・・・失態だわ。
 嬉しくて・・・嬉しすぎて、
 あなたと、また、出会えたことが。
 ・・・大失態だわ。
 初めてだったから・・・仕方ない・・・わ。
 ・・・ローマは一日にして成らずよ。
 ・・・初陣とは言え、情けない。
 ローマは一日にして・・・もう言ったわね。
 ・・・なんて・・・幸せな・・・

 ・・・なんて・・・残酷な・・・
 2回目。
 ・・・不毛な努力。
 ・・・新しい武器。
 ・・・人とは、信じたいことを信じるもの。
 目の当たりにしないと目は開かれない。
 ・・・この人には、刺激が強すぎた。
 これが最大の危機だったわ。
 おかげで理解できた、
 巴マミがどういう人間かを。
 そして・・・守ってくれた。わたしを!
 まどかが!!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 呪。
 わたしの魂が呪を生んでいる。
 濁りきったソウルジェムが呪を生んでいる。
 なのに、なぜ、あなたは希望を抱けるの?
 その濁りきったソウルジェムで希望を語ることができるの?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 これは、十字架。
 わたしが背負うと決めた十字架。
 誰にも邪魔はさせない。
 この十字架はわたしだけのもの・・・悦んで背負うわ。
 絶対に果たしてみせる。
 3回目?
 ・・・いえ、もう何回目なのかわからない。
 ・・・数えるのをやめてしまったから。
 まどかーーーー!
 それは、あなたの望んだことではないの!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ こうならない未来を見つけるために、
 何度でも・・・わたしは・・・
 たとえあなたであっても、
 わたしは怯まない。
 必ずその答えを見つけてみせる。
 ・・・ここでオープニング?
 約束・・・
 そういうこと?
 憎いわね。

 ・・・考えを改める必要があるようね。
 この映像はインキュベーターによる監視映像の編集版、
 そう認識していたのだけど・・・
 この時間軸を超えた映像記録・・・
 インキュベーターの能力を見くびっていた?
 ・・・でも、インキュベーターのあの反応・・・
 わたしという存在への確信のない対応・・・
 ・・・上位存在がいる?
 インキュベーターよりもさらに上の存在・・・
 時空を超えて現象を認識できる存在・・・?
 それは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・? {/netabare}

 第十一話
 {netabare}・・・気のせいかしら?
 得意になっている?
 わたしに自分の仮説を語るコイツは、
 どうしてこうも嬉しそうなの?
 (お手柄だよ、ほむら。君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ。)
 ・・・皮肉なの?
 インキュベーターが?
 ・・・感情・・・持ってるじゃないの。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まどかを・・・こういう目に会わせたくなかったのに・・・
 こうなることは分かっていた・・・だから・・・
 予兆?
 自分のシナリオ通りに事が運ぶことを予兆というの?
 ・・・またご高説ね。
 中学生を言いくるめるなんて、
 赤子の手をひねるより容易いことでしょう?
 曲りなりな知的生命体・・・
 クレオパトラ・・・卑弥呼・・・ジャンヌ・ダルク・・・
 (愚かとは言わないよ)
 ・・・オマエにだけは言われたくない!
 オマエが文明を育んだような言いぐさ!
 オマエは・・・おまけとして・・・エネルギー回収の副産物として、
 文明の興隆に手を貸したに過ぎないじゃないの!
 ・・・これが、魔法少女の末路。
 親、友達、先生、あらゆる関係者に消せない傷跡を残す。
 綺麗に消えることすら出来ない。
 ・・・まどか。
 佐倉杏子・・・余計な知識を。
 どうして?
 どうして、素直に信じてくれないの?
 どうして、大事なところで勘がいいの?
 どうして、わたしなんかを心配するの?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 あなたの優しさに当てられてしまったわ。
 だめね。
 ・・・この温もり。

 ああ、止まらない。
 もう、止められない。
 ・・・言いたいことは、全て吐き出した。
 まどか、ありがとう。
 わたしの気持ちを受け止めてくれて。
 ・・・いよいよね。
 この日のために、
 どれだけの準備をしてきたと思っているの?
 来なさい、ワルプルギスの夜!
 我ながら、良くこれだけの兵器を用意したと思うわ。
 人類の持つ選りすぐりの火力よ!
 ・・・!?
 核弾頭が必要だった?
 まどか・・・
 インキュベーター!
 ・・・その通りよ。
 わたしに選択の余地なんてない。
 諦めたらそこで試合終了よ。・・・ん?
 まどか!どこへ?
 お母様、ナイス!
 ああ!
 まどか!
 あなたは、いったい?
 くっ、やはりわたし一人では・・・
 ・・・考えてはダメ。
 ・・・迷ってはダメ。
 その躊躇は全てを無にする。
 諦めては・・・ダメよ!
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まどか!
 どうして?
 どうして、謝るの?
 ・・・なにを・・・しようと?{/netabare}

 最終話
  {netabare} 笑顔・・・
 曇りのない笑顔・・・
 そんな笑顔で・・・なにを言うの?
 ・・・理解しなさい。
 いえ、解っているはずよ。
 まどかがわたしの想いを踏みにじるようなことをしないことを。
 インキュベーター・・・
 いい気味・・・
 まどかを甘く見ていたわね。
 まどかの優しさ、純真さを甘く見ていたわね。
 ・・・これは?
 まどかの心象風景・・・?
 いえ・・・時空を超えた旅?
 ・・・巡礼の旅?
 そう、まどか、あなたは希望そのものになるのね。
 変身したまどか・・・
 わたしが決して見たくなかった姿・・・
 でも・・・美しい・・・
 放たれた矢は・・・あなたそのものなのね。
 でも、その穢れは・・・
 あなたがすくい上げた穢れは・・・
 過去、現在、未来の全ての穢れは・・・
 ああ、ワルプルギスの夜が・・・
 ワルプルギスの夜までもが・・・浄化されていく・・・
 !?
 ここは?
 インキュベーター・・・
 オマエと見届けることになるなんて・・・
 穢れが!
 途方もない穢れが!
 まどか?
 ・・・神々しい・・・
 始まりも終わりもない人生?
 概念に成り果てた?
 この宇宙の一員ではなくなった?
 そんなことって!
 まどか!
 ・・・喜んでいいの?
 ・・・喜ぶべきなの?
 全てを理解されたことを。
 あなたは満足なの?
 あなたの夢はかなったの?
 なら・・・
 どうして、リボンをわたしに・・・?

 
 ・・・上条恭介?
 美樹さやか・・・
 あなただけの特別仕様。
 まどかの優しさには・・・首を垂れるしかないわ。
 円環の理?
 ・・・まどか。
 もう、概念となっているのね。
 新しい秩序。
 まどかのいない新世界の秩序。
 ・・・残響は残っているのね。
 魔獣・・・
 そう、私は戦いつづける。
 いつか力尽きるその日まで。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 本当にそうかしら?
 なんのために戦うの?
 だれのために戦うの?
 概念となったまどかのために戦う?
 わたしは知っている。
 目に見え、肌で感じ、触れることのできるもの、
 そんなもののためにしか戦えないことを。
 わたしは戦えなくなるだろう。
 そんな遠くない未来に。






 そうそう、忘れるところだったわ。
 インキュベーター、
 あなた、債務不履行よ。
 だって、私の願いは叶っていないもの。
 「まどかに守られるわたしじゃなくて、まどかを守るわたしになりたい」
 もう、まどかを守るわたしに成れっこないじゃない。
 願いの叶っていない魔法少女はどうなるのかしら?
 金利、慰謝料上乗せでお支払いいただけるのなら、
 相談に乗らないこともないわ。{/netabare}

 
  
 

 
 

 
 

  
   
 

 
 


 
  

 

 
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 

 

 
 
 

 
 

 
 
 
 
 
 
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 116

81.4 5 鬱展開で泣けるなアニメランキング5位
ゴールデンタイム(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (2201)
12049人が棚に入れました
東京のとある私立大学の法学部に入学した主人公・多田万里は、入学式の後に行われる新入生オリエンテーションの会場である学部キャンパスへ移動中、道に迷ってしまう。同じく道に迷ってしまった同学部の新入生・柳澤光央と出会い、意気投合した万里であった。なんとか目的の場所へ辿り着く目処がついたそのとき、2人の前に薔薇の花束を持った美女が現れる。彼女は花束を光央の顔に何度も叩きつけた後、その花束を光央に渡し「入学、おめでとう」とだけ告げ去っていってしまう。スタイルも身につける物も全てが完璧な彼女・加賀香子は光央の幼馴染みで、幼い頃に光央と交わした「結婚」の約束の実現を夢見て、さまざまな形で光央を振り回してきた。そんな香子から逃れるために、有名私立大学の付属高校からこっそり外部受験で現在の大学に進学してきた光央だったが、新入生オリエンテーションの会場でも香子は2人の前に現れる。香子もまた、光央を追って外部受験で法学部に入学してきたのであった。

声優・キャラクター
堀江由衣、古川慎、茅野愛衣、石川界人、木戸衣吹、比上孝浩、佐藤聡美
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

高飛車姫と記憶のない王子の逃避行(全24話)

(総評)
見終わってみれば、なんてことない爽やか〜リア充物語でしたよ…

20〜23話くらいが、観るの重たかったかな。
気持ちの視野の狭くなってしまった主人公が、シリアスにうろたえてアワワギャーッとなってしまう類いが嫌な人には向かないかもしれません。

たくさんの脇役の楽しさのおかげで、主要キャラの味も引き出され、観切ることができました。
(非リア充ながら常に自信を持って面白いことしてくれる「二次元君」、
主人公達が活動していたお祭り研究会の面々の集団的な笑えるやり取り、
いつも主人公に安易な理解はせず、しかし愛ある喝をいれてくれる隣の部屋のナナ先輩、
ビシッと言うとこは言うけど、気の抜けた笑いをもたらしてくれる香子のお父さんなど。表彰もんだっ)

三角関係をうまいこと記憶喪失に絡めたのか〜?ぐらいで始まった印象でしたが、段々、{netabare}記憶の混濁と再喪失{/netabare}の重みになり。の、割に爽やか〜に復活・終結しましたね。
んー。記憶云々入れないで、普通に大学生活の変わったラブコメにした方が脇役ももっと生かされて面白ったのでは…?

でもやっぱり最後まで見守った1人としては、りんだの保護者のような姉さん心が凛々しく美しい!と思ったし、万里と香子のバカップルはどこまでもバカップルに幸せでいればいいじゃないと思いましたよ。

でもやっぱりオレ対オレを長引かせるより二次元君の私生活を充実させてやるとかかんとか、笑えるところがもっと見たかったかな。



視聴中のダラダラとしたレビュー
{netabare}
キラキラした青春ラブコメになるのかなーと思っていたら、
主人公とヒロインが情けないエピソードに巻き込まれ、ドタバタ劇の中で自分のあり様を見つめていくようだ。
{netabare} このヒロイン、見た目は近づき難いゴージャス美人なのに、片想いの幼馴染への執着心がトコトン強くて、彼の前で喋り出すとドンドン…高飛車で強気でゴリ押しで勘違いも甚だしい酷いキャラになってしまう。
(またやっちゃったー!!って、潮が引いた後のような反応がおかしい。)
昔流行った「白鳥麗子でございます!」みたいだな。
主人公に対しては、名前がなかなか覚えられなかったくらい意識しない分、自然体で情けない面を見せている。主人公には、素直に失礼を詫びて後悔できるのにね。 {/netabare}

3話
{netabare}「NHKへようこそ!」?みたいな展開を見せた、宗教誘導サークルの エピソード。思わず、そうくるなら続きが楽しみだ!と乗り出してしまった。変な話の方が気になるじゃない。「四畳半神話大系」でもああいうの出てきたけど、サークルってそういう罠がありがちなんでしょうか(ー ー;)。

そういえばうちの町には…
一見オシャレな自転車屋で、中には若い女の子と楽しそうにツーリングする写真がいっぱい飾ってあって、どうですかアナタも、と自転車買わせて誘われて行ったが先は宗教関係、というお店があるらしい。罠!!{/netabare}

幼馴染にキッパリハッキリ振られて、ヤケになって。
「自分の想いばかりを見てきた自分」の過去を捨てたい彼女と、{netabare}記憶喪失で過去が無い、{/netabare}今だけがある主人公。どこか無謀な2人はいつも破れかぶれで荷物を置いて逃げるハメに。でも何だか、気づけば2人とも楽しい。
「何をおいてきたって、結局大丈夫みたい。私、以外と頑丈みたい。」
さりげなくいいセリフかも。
{netabare}
4話の茶店で声かけてきたNANA先輩は、ただのパロディネタかと思ったら、公式サイトのキャラクターリストに居るね。この先も出てくるのかな。
林田先輩も奈々だけど…?2人のナナって点もパロディ??なぞだ。
香子のちなみ責めはおかしかったけど、笑えない人もいるかも…。男の人にはどうなんだろう、この性格難ヒロイン。 {/netabare}


5話
{netabare} 「ありがとう、すべてのいのちにありがとう」香子さんの想定大爆発、やるなぁ〜
ブァーカブァーカってミツオ…。
こーこさん、失言して〜口笛〜って今時( ̄O ̄;)オモシロイ
{/netabare}
「さすが親友!親友だから!親友なのに!」親友大連発。心の友に飢えていた香子さん、よしよし。
記憶の幽霊はどうしたいのかな。

6話、7話
{netabare} ミツオの告白を見届けてショック。
まだ引きずってたのかな?と思ったらこーこさん。違ってた。

万里の告白断ったのも、ちゃんと自分のルールで落とし前つけたかったんだね。

香子さん、「超音波」なるちなみの男女問わないモテモテさに嫉妬して…そんな何もない自分にまたガッカリして。
入学したてで仕切ってるちなみは確かにすごいけど、香子さんはコンプレックスを受け止めて言葉にできてるのが、可愛いね。言える万里とのいい関係。
壊れないで欲しいけど、失った過去が絡んだときの万里の不安定さが陰りを見せる。
反面、2人の付き合いだしのキラキライチャイチャパラダイスが〜

あのね、2人のはじめては、パリで!☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
パリ!行きたい!どーやったら行けるんだろ〜*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
{/netabare}
万里さん落ち着いて!そのノリは詐欺に乗せられる男のようだぞ

でもこの2人のミュージカルみたいなノリが楽しくて、もういいじゃないラブラブで!と思うんだけど、そうは問屋がおろさないんだろうか。どこの問屋?
万里の過去問屋、りんだ番頭はんが出てくると、香子さんといた明るい部屋が途端に生活感を帯びて物悲しく。どうなっちゃうの。

この作品は、登場人物の名前がとても覚えやすいな。あだ名を絡めたり音をふんでたりするからかな。

8話
やなっさん絶不調。やつれて部屋は荒れ、女に絡まれ。
やなっさんを助ける万里の、こーこさんのパクリなノリが楽しいね。 {netabare} 芸達者な万里さん。記憶が欠けたぶん、他人の反応の吸収応用力がいいのでしょうか。
「あの人だったらこうするな」っていうマインドをいくつも蓄えとくことって、支えになるとか。
万里の中の「あの人だったら」はだいぶ欠けてるのかな?記憶がない場合の「自分だったら」はどこから出てくるものなんだろう。不思議だね。

記憶の背後霊、一瞬、起きてきた香子さんかと思った。怖い。
{/netabare}

9話
香子さん、不安になってる。やっぱり聞いてたのかな。
「ごめん、全部オレが悪い」
から始まる高校時代の回想。

万里、メソメソした子かと思ってたら、男らしいところあったんだね。ややこしい状況の時に、とっさにリンダを隠して守って…。


10話
二人がひとりの中に同居している万里。記憶はないのに気持ちが浮上してきて。
ナナ先輩が居てくれるおかげで、リンダと万里のモゾモゾした空気を観続けることができる。
ナナ先輩、携帯メールは病院の外で送っていたり、タクシーで後部座席でもちゃんとシートベルトしてたり。社会規則を守ってる方じゃないですか。
{netabare}
倒れた万里と介抱してたリンダの元へお見舞い、香子さん無理してる…頑張ってる。自分の混乱した心情を整理した上で人に伝えるのって、難しいよね。万里は、整理できなくても混乱しているんだって現状を、香子さんに伝えるべきじゃないかな。やなっさんと二次元君の悪ノリが飛び込んで来たおかげで、楽しい。 {/netabare}

11話
いろんな先輩たちのアドバイスが楽しかった。ねじれた三角関係が不安になるけど、まわりの人達に恵まれてると気が紛れるね。

13話
記憶の幽霊が怖い。自分を縛る自分。でもうまい設定かなぁ。万里を嫌いになれないもの。
あとやっぱりおまけんの人達とのくだらなくも明るいやり取りが、いいねぇ。香子さんとのおかしなデートも。こういった思い出を日々積み上げることが、きっと幽霊を祓う力になるんじゃないかな。
オープニング見る限りは、この先も万里と香子さんのラブストーリーがメインなようなので、ちょっとホッとしてε-(´∀`; )見守ります。
記憶の幽霊の溶解や和解がどうなるのかが、今後の盛り上がりになりますね。

14・15話
二次元君キャラ面白いなぁ。
海行こう計画。たくさんのくだらなくも楽しい記憶を積み重ねていければいいね。そうだ、うまく行くことばかりじゃないんだ、それを楽しもうと決め込んでる万里、こーこさんも惚れるわ。

どっか安宿でも泊まってけばいいのに、強行軍の帰り道。
ドキドキした。

16話
実際の事故と、聞いてた「事故る」の感覚の違いを語る二次元くん、素直でしみじみ。
事故後にずーっとこうこさんの顔を覗き込んで心配してた万里。
おとーさんもいい人…楽しい人ー。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

青春とは嘘であり、悪である

青春を謳歌せし者たちは常に自己と周囲を欺き自らを取り巻く環境を肯定的にとらえる。
彼らは青春の二文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念も捻じ曲げてみせる。
彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。
仮に失敗することが青春の証であるのなら友達作りに失敗した人間もまた青春のド真ん中でなければおかしいではないか。
しかし、彼らはそれを認めないだろう。
すべては彼らのご都合主義でしかない。結論を言おう。
青春を楽しむ愚か者ども、
砕け散れ。

このアニメを見ていると比企谷のこの言葉を思い出します。
いつか視聴断念するだろうなぁ、と思いながら視聴してましたが、ここ数話、そして今回の8話が本当に理解出来なかったので断念します。


なんというか、やりたい事、伝えたい事、作品の魅力が全然見えてこないんですよ。
それでいて、キャラの行動も意味不明な事が多い、共感出来ない事ばかりです。
{netabare}○記憶喪失
{netabare}まぁ色々ツッコミどころはありますが、扱う事自体はいいんですよ。その設定を生かせるなら。
この設定は明らかにリンダ先輩ありきのものじゃないですか。
他のエピソードに絡めるくらいでないと、捌ききれない設定だと思うんですが…
とりあえずリンダ先輩が置かれた状況を整理すると、友達以上恋人未満だった同級生が告白し、返事をする日に相手が事故に遭い記憶喪失、その後その同級生は自分のことを先輩と呼び、同級生は何も知らないが、自分は全部覚えている状態。
とんでもない状況ですよね…
リンダ先輩の立場になって考えたら、気が気じゃなくなりますよ。
しかし、実際に視聴するとあまりリンダ先輩の気持ちが伝わってこないんですよ。
設定を捌ききれてないから、リンダ先輩の感情がすんなり自分の中に入ってこないんです。
このエピソードが中心ならまだいいんですが、加賀香子などなど、他のエピソードもあって、描写が弱いし、描写をするタイミング、展開も良くないと思います。
普通に考えれば期待度が大きいはずのリンダ先輩にあまり感情移入出来ない、この時点で今後の期待度はかなり落ちました。{/netabare}


○各キャラの行動に対する共感
{netabare}私だけなのかなぁ、このアニメのキャラの行動に全然共感出来ないのは。
特に居酒屋のアレ以来の行動がマジで意味不明で、私はもう無理だと思いました。
適当に意味分かんなかったこと挙げてきます。
・岡「バカじゃん?」
→私「えっ、何それは…(ドン引き)」
いや、いくら呑みの場とはいえ、もっと言いようがあるでしょ…
それで、さらに問題なのはこの後です。
岡の言い分としては、アレは呑みの場のため告白としてカウントしてない、柳沢があれだけ避けるとどうすればいいか分からないとのこと。
これに対し、万里は励ます会なるものを作り、遊園地に岡が来て、一緒に遊んで仲直りだそうです…
ねーよ(笑)誰か比企谷呼んで来てくれよ。
まず、岡が柳沢を傷付けたということを理解してないことがおかしい。
飲み会の幹事もやって、天然だけどもあれだけ気配り出来そうなのに、そこに気付かないのはちょっと…
そして、それを誰も岡に指摘しないのもおかしい。誰も思わないの?
告白に対して「バカじゃん?」って言われて、他の人にも噂されるってどうよ?
「バカじゃん?」以外に言葉は無かったんですかねぇ…
この際、岡が気付かなかったとしても、誰か気付いて「あの言い方は流石に酷かったんじゃない?やなっさんに謝ったら?」くらいの言葉はかけれたはず。
そりゃあ告白した柳沢はアホだろうけど、その返答は余裕で柳沢の行為を凌駕するでしょ。自業自得では済まされないレベル。
相手のことを考える、相手の立場になって考えるということをしないのでしょうか?
自分のことしか考えてないじゃん。
そんなんだから、問題なぁなぁにして、特に解決した描写もないまま仲直りさせたんでしょ?
何?9話を見ろって?もうお腹いっぱいです。

・「多田くんのことが好きです」
もうさぁ…このカップル本当に互いのこと好きなのか分からないっすわ。
「片思いに敗れた優しさに多田くんを選ぶ(割愛)」
まさに見ている人が思うことですよね。加賀さんいわく、これじゃあ嫌だからシナリオがあったとか言ってるけど、視聴者に突っ込まれないように先回りしたみたいな印象なんですよ。
そんなこと言うくらいなら、もっと多田くんが好きだという描写して、そんな言い訳くさいことをヒロインに言わせないで下さい。
それか、多田くんにそんなに早く告白させないで下さい。
そして多田くん、あなたは彼女が部屋で寝ている中、何堂々と他の女の人と恋愛絡みの話してるんですか?
加賀さんに告白して、友達やめよう的な発言して、それだけ本気で考えていた描写して彼女出来た挙句にやることですか?
マジで本気度が分からない。好きなの?そうでもないの?
リンダ先輩の描写は絶対に必要です。
というわけで、これは完全に展開ミス、この描写をやるとしても、付き合ってすぐの時にやるのはさすがにおかしいんしゃないですかねぇ…
あぁ、付き合ってすぐだけど、リンダ先輩のこと気になってるのか。
これは君のいる町以来の問題作候補かな(笑)

・リア充うぜえ?
変換ミスじゃないですよ。意図的な?です。
いや、確かにうっとおしいんだけども、なんか茶番っぽいんだよなぁ。
例えるなら、中学生くらいの演劇部が文化祭のステージで大袈裟に彼氏彼女を演じてるみたいな。
たぶんね、文化祭の方は笑いが起こると思うんですよ。
それくらいシュールなリア充描写に見えた。
あれ恋愛じゃなくて演技でしょ?嘘で誤魔化してる親を騙すための偽装カップルでしょ?って感じでした。
もう、何を伝えたいのか全く分からない。
ウザさを伝えたいのか、単に恋愛描写を伝えたいのか、浮かれっぷりを伝えたいのか、シュールな図を届けたいのか。
今の僕には理解出来ない…{/netabare}{/netabare}


初めてスマホで文章書いたわりには、予想外に長くなってしまいました。
今期のラノベ枠がどんどん脱落していく件について。
岡田さん脚本の長井監督なら何か変わってたかなぁ?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

さんちゃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

主人公とヒロインが顔と顔を見合わせて「ぷっ・・あははは!」て笑うようなアニメのままで良かったのに

いつか面白くなるかなーと思いつつ見てたけど
いつまで経っても盛り上がりが無くつまらなかった。
2クールも必要だったのだろうか…。

冷静に考えるとシナリオ自体に不自然さはそこまで無かったけど
如何せんキャラの心情が突飛で理解に苦しんだ。
また、意図不明なアクシデントの挿入が多々あり、感動しようと
真剣に観ている気持ちを阻害するため、結果として駄作をつっこみながら
楽しむスタンスで視聴せざるを得なかった。

以下気になった部分を箇条書きします。
やや酷評にあたるかもしれないので、ゴールデンタイムが好きな人は見ないで下さい。

例えば、理解に苦しむ心情としては、
{netabare}
・多田万里が卒業記念Tシャツに名前が書かれていなかったという
理由で突然泣き出す。「おでの!おでのなばえがない!」こんな男嫌だ。幼児退行かっ!

・21話辺りで、加賀香子が万里の精神的な病状を憂えて「大丈夫、
大丈夫、全部大丈夫だよ。私が一緒にいるよ。私が一緒なら世界征服
だって出来るよ」みたいな事いってたにも拘わらず、次の話で何の
前触れもなく突然、別れようとか言い出す。

・リンダ先輩と仲良く話してるだけで、岡ちゃんがいきなり現れ
万里を「最低」と罵って万里を無視しだす。
理由については後々説明はあるけど、もう少し事前に岡ちゃん視点での憤りを
見せないと、視聴側からすると訳が分からない。
その前に、岡ちゃんがヤナっさんに未練があったなんて、全話通しで見てもピンと来ない。
いくら飲み会の席とはいえ、ヤナっさんに告られた時、平気な顔して
「馬鹿じゃん」て返事してたし。あれ見て、その事実に対する説明もその後数話
おざなりにされてたから、ヤナっさんの告白自体単なるギャグ要素として作用してたのかな
って思ってた。
(女性キャラが香子、リンダ、岡ちゃんの3人になって、それぞれの心情を2クールで
描こうとすると尺的に難しそうなんで、結果としては岡ちゃんがヤナっさんに好意を
抱いてるって設定自体不要だったのかもしれませんね…)

・リンダが最終万里の事を恋人として好きだったのか、友達として好きだったのか
ちょっと曖昧。
8話辺りで、リンダにその答えを聴いた時「あの時の答えはノーだよ」って言ってたのに
最終話で「全部イエスだよ!」とか言い出す。本当にイエスなら、あの時どうしてノーと
答えたのかに対する心情があまりに説明不足。
{/netabare}

意図不明なアクシデント等については、
{netabare}
・3話で宗教サークルの勧誘に引っ掛かる。大学から宗教という単語は連想しづらい。
それだけに意外性はあったけど、なぜ宗教??このアクシデントが切っ掛けで、
加賀香子が多田万里を意識し始めるし、最終話要となるハート型の生き残りの鏡
に繋がってくるんだろうけど、あんな軟禁まがいの事してる時点で事件だよ。
所謂つり橋効果を狙うにしても、もっと他にやり様が無かったものだろうか?

・9話でリンダのお兄さんの結婚予定相手の浮気現場を押さえるって話。
これで、お姉さん気質で利口で大人っぽく万里をリードしてたリンダに対するイメージが
ぶち壊れて、やる事がエグくて怖い女というイメージが最後の最後まで拭いきれなかった。
万里と相談して、万里がそういう行動を起こそう!って泥をかぶるならば王道展開として
理解できるけど、なぜヒロインにとってマイナスになるような見せ方をしたのか。

・19話でリンダが万里を突き飛ばすけど、地面に倒れた万里の背中に
犬のフンがつく。これは本当に引いた。アニメでまさか犬のフン描写があるとは
思わないし、特に笑いに繋がった訳でもないし、一旦大学に戻らせるためのイベントとしても
これは無いかなー。一体何を感じさせたかったのか理解不能。

・8話でヤナっさんを励ます会で岡ちゃんが呼ばれて持ってきたのが生麺。
それは笑いどころなのか?あれか、慌てて持ってきたのが赤べこだったりコケシだったり
鮭だったりしたらもっと爆笑を生んでいたのだろうか?
慌てて持ってきたという背景(行動理由)がある以上、シュールな笑いには結びつきにくい。
単純にギャグとして取り入れていたのだとしたら、作者の笑いのセンスは少し錆びが付いている。

・万里の顎絆創膏。疲れた、もう何話か忘れました。
{/netabare}

奇想天外な作品ばかり作って失敗するライターやクリエイターに宛てた
テンプレ的な煽り文句を若干改変入れて引用させて頂くと
「誰もやらなかった事に挑戦する」と言うが大抵それは先人が思いついたけど
「あえてやらなかった事」だ!王道がなぜ面白いのか理解できなければ
予想外な展開は破綻しか齎さないぞ!と言ったところでしょうか。

普通にやってれば、それなりに見応えもあり、きっと感動を呼ぶ事も出来たのに
敢えて王道から逸れて微妙な新しさを生み出そうとした結果、何だかとっ散らかった印象
しか残さなかった感じが強い。
サムライフラメンコとまではいかないけど、最近敢えてテンプレ的な内容を
崩すのが流行ってるんですかね…。

無理して予想外な方向へ話を持っていって滑ってる事が多かった。
良い所はちらほらあってそれだけに最後のどんでん返しを期待して見続けましたが、
それを続けるには時間の無駄だったっていうのが個人的な感想です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

71.6 6 鬱展開で泣けるなアニメランキング6位
SHUFFLE! シャッフル(TVアニメ動画)

2005年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (796)
5529人が棚に入れました
人間が生活する「人間界」に突然扉が現れ、神族が住む「神界」と魔族が住む「魔界」とが繋がって人間界に「魔法」がもたらされてから10年。
人族、神族、魔族の通う国立バーベナ学園に通うため、幼馴染みの同居人、芙蓉楓に、朝、起こされる主人公、土見稟・高校2年生。
いつものように登校し、いつものように授業が始まるはずだった…。しかし、そんないつもの日常を一変させるような出会いが、彼を待ち受けていた!?
ネタバレ

TEE-PURPLE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

You

Navelの恋愛アドベンチャーゲーム原作。前半はどたばたコメディータッチで描かれているが、後半は…。

_ストーリー_
 
 10年前。後に『開門』と呼ばれることとなるある遺跡から発見された2つの扉の解放により、神族が住う『神界』と魔族が住う『魔界』と呼ばれる二つの世界が現代の『人間界』と繋がった。
主人公の土見稟は、人間界に住む三種族が共に通う国立バーベナ学園のごく平凡な男子学生である。幼い頃に事故で両親を喪うも、幼馴染であり学園のアイドルでもある女の子と一つ屋根の下で暮らしているという羨まれつつもそこそこ平穏な学園生活を送っていた。しかしそのささやかな平穏と日常は2人の女の子との出会いによって破られてしまう。

______

 
 設定はファンタジー要素を含んでいますが、これは気持ち設定という感じで受け取っててください。種族違いですが、学園生活を共にしながら恋愛していくお話です。
上記に書きましたが、前半はドタバタコメディータッチで楽しく描かれています。後半は今作品での注目ですが、主人公自ら考えて動いていきます。こういうハーレム物には珍しいです。ここが見所です。
あと、今作品ではレアな属性が観れます。そこもお楽しみに♪


☆感想{netabare}

 そうです。レア属性とは「ヤンデレ」。あの空鍋のとこはちょっと怖かった…。というか楓編は過去編もそうですが、基本的にダークな感じでしたね…。罪滅ぼしでお世話するって私にはいまだに理解できません。稟の心境をお察し申し上げます。私ならお世話されている気がしませんね。
結局最後は、楓も一歩踏み出して(開放されて)私もホット安心した感じでした。

 結局は亜沙先輩を選びましたが、稟はちゃんと自分で考えて他の娘達に決着つけて選んだので、好感もてました。
個人的に好きな話は、シアのとこです。明るく元気な性格というのが好きですが…その性格の裏にはちゃんと辛い過去がありそれを乗り越えつつ、稟との決着をつける回です。ああいう家族間の話に私は弱いです。どうしても感情移入してしまう…。いい話でした♪

 結果的に、楽しめる作品でした。ありきたりな雰囲気ではあるがありきたりな結末ではない。といった感じだと思います。
{/netabare}

OPがかっこいい~♪
 
 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 14

とってなむ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

神にも魔にもなれる男

神界から来た神、魔界から来た魔族、そして人間が共に暮らす人間界でのお話。
(彼ら彼女らの外見は人間とほぼ同じ)
神や魔族がその辺で歩いてる光景が当たり前の世界です。
初っぱなからファンタジー丸出しでちょっぴり驚きました。

本作はそんな世界での、恋愛ハーレムを描いたもの。
恋に種族の壁はありません。



この作品、巷ではヤンデレの原点とも言われていたり。
本作で登場する『空鍋』はヤンデレを代表するものとなっています。

実際のところ、まぁ、うん、なかなかです。
苦手な方はやめておきましょう。
とか言う私が得意じゃなかったりするんですけどね。
某作品で少々の耐性は付きました。



途中から年齢制限(R15+指定)が追加。
段々と過激な描写に。
まぁこの年齢制限についてはあまり参考にしなくていいです。


展開は全くの予想外で驚き。
誰とくっつくのかも・・。
本作が実力の片鱗を見せ始めるのは、中盤後半から終盤にかけて。
観応えとしては十分すぎます。
盛り上がりましたね、あまり良くない意味でw
でも最近はこういう作風が好きなのかもしれません。
観てるうちに変わるものですね。



それで、楽しめたかどうかなのですが、これに関しましてはYesです。
ありきたり感はなく、新鮮な気持ちで最後まで観れました。
正直最後のアレは謎ですが、
結果、ああいう風に収まるのも悪くないかなと感じました。



キャラはけっこう魅力的。
みんな可愛らしい女の子たちです。
私は亜沙先輩が好きですね。


主人公は17話くらいからかな、いや、もっと前からかも、
ダメ男になっていった気がしますけど。
思えば全てこいつが・・いや、何でもないです。



それと、変顔は見所です。
あたかも作画が崩壊しているようなw
キャラが生き生きとしてて良かったと思います。



OP「YOU」 歌-YURIA
ED「innocence」 歌-橋本みゆき

OPは前から大好きな曲です。
自然とテンションが上がります。


--------------------------


一味違った恋愛モノを観たいときはこれ。
あなたを混沌の渦に巻き込んでくれるはずです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 33
ネタバレ

ポケモンマスター! さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

超展開マイナーハーレムアニメ!

~ストーリー~
人間、神族、魔族がともに通うバーベナ学園を舞台にして起こる、主人公をとりまく美少女たちの恋愛のお話。

~感想等~
ものすごい設定の学園アニメですが、けっこう楽しませてもらいました。

エロゲ原作ということもあって、胸やパンツ描写が多かったです。

特にパンツに関しては、なぜかいろいろなシーンで見えるので、これでもかというくらいに見せつけてきます。

このアニメを観終わるころにはきっと累計100回くらいはみてることでしょうw

序盤はただのハーレムアニメですが、12話くらいから物語は一気にシリアスな方向へと加速していきます。

序盤で切るのはもったいないです!

ハーレムから想像できなかった展開にほんとに鳥肌たちまくりでした。

最終話付近ではかなり泣けることができました。

OP、EDもすばらしく、作画以外は文句なしのアニメだと思います。

なんにせよ、こんな点数に埋もれているようなアニメではないです!

マイナーですが、泣けるアニメが好きな方におすすめです。

以下は観終わった方
{netabare}
序盤のモブキャラの扱いがひどすぎでしたねw

親衛隊の人たちの作画とか台詞とかおもしろすぎてふきましたw

12~のシリアス展開にはほんとに驚かされました。

楓の目が怖くて怖くて・・・

やりきれない思いを抱えたまま、それでも前に進もうとするヒロイン達に心うたれました。

ラストはシアか楓のどっちかだろうな~ってずっと思っていたので、あさ先輩ENDには驚きました。

まぁ、これはこれでよかったと思います。

ただ、個人的にはシアと幸せになってほしかったです。

マイナーながら、かなりの良作アニメでした^^

アニメ探しの成分タグで「エロゲ原作」が探せないことに不満です。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

69.9 7 鬱展開で泣けるなアニメランキング7位
D.C.ダカーポ(TVアニメ動画)

2003年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (558)
3553人が棚に入れました
7年前から1年中枯れない桜が咲いているという不思議な島「初音島」。
主人公朝倉純一はそんな初音島の風見学園付属に通う3年生。彼には不思議な力があった。一つは「何も無いところから和菓子を生み出す力」、もう一つは「他人の夢を強制的に見せられる力」。
そんな彼が卒業間近に見せられた夢の中の幼馴染、目覚ましにやってきた同居中の義理の妹、「かったるい」とつぶやきながら通う学園で出会うクラスメイト・先輩・後輩の女の子達。そんなヒロインたちとはじまる「ちょっとこそばゆい」恋愛の物語である。

声優・キャラクター
野川さくら、田村ゆかり、神田朱未、堀江由衣、伊月ゆい、松岡由貴、松来未祐、秦勇気、岸尾だいすけ
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

また会おう、桜舞う季節の中で。

今年の桜は例年以上に咲くのが早く、今週の水曜日の時点では既に五分咲き、週末には満開になると言われています。とある情報番組で気象予報士の方が仰られていましたが、これは観測史上最速タイとの事だそうです。時たま寒い日もあったりして、寒暖の差が激しかったりもしますが、それでも春を実感できるのは、桜のおかげでしょうね。日本人の桜に対する感心・情緒といったものは、古来から受け継がれてきた日本人の内面的な伝統文化だと思います。この時期は、自分はやはり日本人であるんだな~と改めて再確認できる、素敵な季節でもありますね。

という事で、アニメで、いの一番に思い出すのが、『夜桜四重奏』と『D.C.ダカーポ』なのですが、今回は後者です。一年中桜の木が満開という世界で織り成す恋愛アニメ『D.C.ダカーポ』前半は本編が15分+サイドストーリーorキャラソン/PV15分という構成、後半は普通のアニメと同じ20分強の本編展開となっている。若干不思議な構成でした。今は5分アニメが流行っていますが、その前は15分アニメが流行っていたような気がしますね。本作の監督を務めたのは、宮崎なぎさ監督ですが、低予算のこのアニメをまがりなりにも『成功』させてしまった為に、後に同じく低予算で作られていたであろう『魔法先生ネギま!』の監督を任されますが、作画崩壊・スケジュール管理の甘さ等を指摘されて、途中降板の憂き目にあってしまいます。皮肉にも低予算のアニメでもこの監督さんは回せてしまう!という評価がついてしまった故の悲劇ですね。という具合にこの作品も作画自体は時々崩壊はしていましたので、気になる人は気になるのではと思います。どうでもいい話として、本編の作画とサイドストーリーの作画も全然違っていたりしました。少しは統一しろよ~と当時思ったものです。これはこれでインパクトを視聴者に与えたのは間違いないと思うんですけど。

{netabare}前半部分はヒロインの顔見せから始まり、登場人物の何人かを交えてのラブコメ展開で突き進んでいきますが、後半部分はメインヒロインである音夢とさくらと純一の三角関係を軸にしたドロドロな話へと変わっていき、その一方でヒロイン達との別れも描かれるなど、シリアス路線に完全傾倒していきます。あまりに変わりすぎて、前半の雰囲気が懐かしくなる程ですね。それとあんなに綺麗だなと感じていた桜の木が不気味な存在になっていくのも怖かったです。1年中咲いているって、よく考えればおかしくね?とか常識的に考えれば疑問に思うんですけども、これアニメですからねえw

私が印象に残っているエピソードはやはり22話の『すてきな思い出』ですね。猫耳メイド頼子さんとの別れを描いた話なんですが、今まで特に自己主張もしてこなかった、頼子さんのたった1回の我侭なお願い。その我侭に純一が付き合う事になるのですが、それが『学校に行ってみたい』というお願いなんですよ。深夜の学校に忍び込んで、普段勉強している教室を見せたり、その中で頼子さんが自分が転校生としてこの学校にやってきたら・・・・とか想像して、純一と笑いあったり、食堂で飲み物を飲んで雑談したり、体育館でバスケットをして遊んだりといったシーンが、挿入歌『ほんとのきもち』のメロディーに乗せて流れます。頼子さんの真意は実は視聴者に薄々気づけるように今までの流れからしてなっているのですが、当の純一にはそれが良く分からないというのがミソですね。だからこそ屋上で頼子さんとの別れのシーンは、純一のその時の気持ちが痛いほど伝わってきて、正直泣けます。

特に涙腺を刺激したのは、もう本当にさよならになるって時の頼子さんの台詞ですね。これがまあ凄いのなんのって。

『カレーは分けておきました。その都度チンして召し上がってください』

『新しい靴下入れておきました。たまには替えたほうがいいと思います』

『お預かりしていた生活費の残りは・・・』(ここで笑顔で頑張っていた頼子さん涙腺崩壊。頑張っていた私も涙腺崩壊)

最後の最後まで残された純一と音夢を心配する、作中屈指の名シーンだと思います。別れのシーンはそれこそ何回もこれまで見てきましたが、どれもやっぱり現実味に欠けるせいか、あんまり感動という意味ではそれ程だったんですよ。所がこんな生活感溢れる事をお別れ間際に言われてしまうと、ちょっとグッときますよね。頼子さんがメイドという設定だから、こういう台詞になったのだと思いますが、まさかこういう形で別れを演出してくるとは思ってなかったので、いい意味で予想を裏切られたシーンでした。この瞬間、私の中の理想のメイドは頼子さんと『水月』の雪さんとなったのでしたw {/netabare}

最後にD.C.ダカーポと言えば、音楽が良い事も特徴の1つとして挙げられます。先程紹介した挿入歌も総じてレベルが高い曲ばかりですし。でもこの作品で、特に有名な曲といえば、やはり『存在』でしょうね。聞いた事ねえ!という人は一度聞いてみるといいかも。私がアニソンって結構良い曲多いのだな~とハマるきっかけになった曲でもあります。この作品は他にOP『サクラサクミライコイユメ』有名で人気がありますが、私はどっちかというと『未来へのメロディー』の方が好きですね。別に捻くれているわけではなく、作品のテーマを考えた場合、後者の方がしっくりくるのですよ。サクラサクは明るすぎてちょっと違和感覚えるんですよね。前半部分のみなら、これ以上ない楽曲だとは思うのですが。

粗もそれなりにあるのですが、未見の人にはオススメできるぐらいの仕上がりにはなっています。爽やかな恋愛作品という訳では残念ながらないのですが、魅力的なキャラが多いのでキャラに萌えるも良し、話を楽しむも良し、といった具合に自分の好きな形で鑑賞出来るアニメだとは思います。良いアニメですよ。まつらいさんには本当に幸せを掴んで欲しいですねえ、と最後に余計な事を呟いてみるw

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

とってなむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

舞い散る桜に願いを込めて

聞いたことはあるが、シリーズが多くて何となく敬遠。
私恒例のパターンで今まで視聴をしてこなかったダカーポ。
いざ観てみると、思わず観入ってしまいました。
面白かったです。


舞台は桜が一年中咲いているという奇妙な「初音島」。
この島では魔法の力が働いているようです。
本作はこの初音島で風見学園付属に通う主人公・純一を中心として起こる、
ちょっと不思議な恋愛物語を描いています。
それにしても、この手の作品で純一と聞くとアマガミをついつい思い出してしまいました。


視聴を進めまず驚いたのが、意外にもファンタジックだったこと。
手から和菓子が出せるだとか、他人の心を読むことができるだとか。
後半の展開にも魔法が大きく関与しています。


内容は前半と後半で様変わりします。
極端にいえば前半は1話完結の恋愛ギャグアニメ。
ヒロイン一人一人のエピソードは観てて楽しかったです。
後半は下で感想として触れたいと思います。



以下、私の感想です。(音夢とさくらについて)
伏線はありましたが、16話からは特に盛り上がりました。
それと同時に軽く鬱になりかけました。
それもこれも、ドロドロした恋愛模様のお陰です。

{netabare}音夢 vs さくら は凄かったですね。
特にさくらの『音夢ちゃんだけはダメなんだから!』
と、音夢の『さくらちゃんだけはイヤ!』
の台詞の壮絶さから窺える屋上での直接対決。
息を呑む一幕でした。
二人の言いたいことは分かります。
どちらも純一を心から愛しているのですから。

こんな凄まじい修羅場が見れるのも、本作の魅力の1つかもしれませんね。


この作品で面白いと思うのが、
純一がわりと早い段階で相手を選ぶところ。
それが音夢なわけですが、そこから順風満帆に行かないんですよね。
さくらの逆襲が待っていました。
桜の魔法の力(呪い)も・・
私は音夢派なので、胸が苦しくなる展開。
口から桜の花弁だなんて、普通とは違ったエグさがありました。



音夢が好きなためか、視聴中どうしても思ってしまったのが
さくらの方がずるくね?です。
「「桜の木の下で約束したことは必ず叶う」」
そしてさくらは木の下で純一とのことを願いました。
それも木の陰に音夢がいることを知ってて。

さくらは自分がアメリカに行っている間、音夢が純一とずっと一緒にいたからもう十分、これからもだなんて欲張りだ!と主張してますが、ただの自分勝手にしか思えませんでした。{/netabare}


・・みたいに、相当感情移入して観てしまっていたようです。


{netabare}とりあえず音夢が死ななくて良かった・・{/netabare}
最終的にはこれに尽きます。
さくらにも感謝。
正直、さくらは当時は嫌いなキャラでしたが、今では(D.C.S.SやD.C.Ⅱも影響してか)かなりのお気に入りとなっています。


心残りは最終回、{netabare}正常状態での音夢とさくらが再会できなかったこと。
互いのことを改めて理解した二人がどのように再会するのか、楽しみにしていたので。{/netabare}
他にも全体的に、最終回はやや説明不足でした。
ですが、物語としては上手く纏まっていたと思います。
ほんと面白かったです。


音夢はドストライクでした。可愛い。



OP「サクラサクミライコイユメ」 歌ーyozuca*
ED1「未来へのMelody」 歌ーCooRie
ED2「存在」 歌ーCooRie

OPが素晴らしい。
CooRieの曲も相変わらず魅力的です。


--------------------------


これを書いている私は、D.C.S.Sを観終わり現在D.C.Ⅱを視聴中。
D.C.ワールド、存分に楽しめてます。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

くろゆき* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

タイトルなし

キャラ別感想

朝倉音夢
主人公の双子の妹。もちろん義妹ですが。
主人公の呼び方は「お兄ちゃん」ではなく、さくらに対抗して「兄さん」と呼んでいます。
 …しかし、たまに「お兄ちゃん」と呼ぶこともあります。萌え。

私的に『D.C.』最萌えキャラです。
双子の妹という立場がいいですね。
(D.C.』以外ではWitchの『片翼の天使』以外、双子の妹が出てくるゲームはないと思います)

嫉妬深く、焼き餅焼きなところもいいですな。

VFBによると…
・さくらが出したエアーメイルを純一の手元に届く前に処分している。
・音夢シナリオは音夢自身の自作自演。

嫉妬深いにも限度があると思いますが……。
とまあ、兄と自分のためなら何だってするその性根が素晴らしい限りです。うむうむ。


芳野さくら
主人公の従姉妹。従妹ではなく従姉にあたる。
それなのに主人公の呼び方は音夢に対抗して「お兄ちゃん」。…奥が深い。
 実は外見に反して、精神的には登場人物の中で一番大人。というか、色々と達観している節がある。

主人公の親が従兄妹同士の結婚だったので、もしさくらと結婚をして子供を産めば更に血が濃くなります。 法的には問題はないですけど、ソフ倫上のエロゲーで最も近親相姦をしていますね。
インモラル万歳。


白河ことり
学園のアイドル。
人の心を読む――サトリの力があります。
キャラクター的には学園のアイドルという肩書きに反して結構面白いタイプ。

「こんちわっす」
「んげっ!」

といった珍発言が多いキャラです。

実はサーカスの『水夏』にでてくる白河さやかの実の妹でもあります。
ゲームの範囲ではわかりませんが、設定集等などにさり気なく書いてありました。


水越萌
ボケボケな先輩。
歩きながら木琴を叩くという(しかも寝ている)、どこに萌えたらいいのかわからない奇行を取ります…。
実は睡眠薬中毒。
睡眠薬はダウナー系の薬物でもあるので、端的に言えばヤク中。

アニメ版では乳のでかいお色気担当という位置づけにいますが、ゲーム本編ではエロシーンのCGに乳が出ててきません。びっくり。
純一はたわわな乳に興味は無いのかっ!? …全く不健全な野郎です。


水越眞子

勝ち気なクラスメイト。
それ以上でも以下でもありません。
水越萌という奇特な姉を持つため、色々と気苦労が絶えない人。
その点は同情します。

どうやら、吹奏楽部でフルートが達者らしいのですが、アニメ版にはそんな描写は一度もありませんでした。

ゲーム本編のシナリオは最低を通り越して最悪な内容。
それだけは強く記憶しています。


天枷美春
可哀想な人。
事故で昏睡状態に陥り、その代役として本人そっくりなロボに立て替えられる。
顔も形も性格も本人と寸分違わず同じなので、美春本人がいなくても何の支障もないという―――彼女の存在自体が否定されかけられる事態に…。
さらには、主人公との思い出の品を本人の了承を抜きに勝手に掘り出されたりとさんざんな目に。

性格は人懐こく、しっぽを振る犬の様な性格をしています。
2ちゃんねらーでもあり、アニメ版ではその2ちゃんねらーぶりが垣間見られました。


鷺澤頼子
ネコミミメイド。
あざとい設定ですが、性格自体はそれほどあざとくありません。
ゲーム版のキャラクターCGではネコミミがネコミミに見えないのは気のせいでしょうか?

アニメ版の頼子さんシナリオの出来はアニメ版最高傑作と言われているらしいです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

76.8 8 鬱展開で泣けるなアニメランキング8位
結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (409)
1767人が棚に入れました
「結城友奈は勇者である」より2年前、神世紀298年。鷲尾須美は小学六年にして神樹によって選ばれた世界を守る勇者である。同級生の乃木園子、三ノ輪銀と一緒に「お役目」をこなす事になるが、この二人は天然だったり元気良すぎたりと問題児の雰囲気。須美は精一杯、役目を頑張ろうとするが―。

声優・キャラクター
照井春佳、三森すずこ、内山夕実、黒沢ともよ、長妻樹里、花澤香菜
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

英霊未(いま)だ嘗(かつ)て泯(ほろび)ず

本シリーズのヒロインたちは、例えば、結城友奈ならヤマザクラ、東郷美森ならアサガオ、乃木園子なら青バラ・・・という風に、自らを象徴する「花」をもっていることにまず注目しましょう。

ここでレビュータイトルに即して言うならば・・・

《英》は、①はなぶさ(花房)、②「すぐれて美しい」の意。
《霊》は、①肉体と独立して存在すると考えられる心の本体。また、死者の魂。霊魂。たま、②目に見えず、人知でははかりしれない不思議な働きのあるもの。神霊・山霊など。

そして、この2文字が組み合わされた、《英霊》という、本作中しばしば言及される言葉は、その典拠を漢籍ではなく、意外にも日本で作られた漢詩に持っているそうです。

すなわち、日本独自の政治的/歴史的状況を反映した大義名分論(いわば日本版朱子学)として江戸期に興起し隆盛した水戸学の後期の代表的論者であり、幕末の武家階層の青少年に大きな思想的影響を及ぼした藤田東湖(ふじた・とうこ 1806-55)が、中国南宋末の忠臣文天祥(ぶんてんしょう)の詩『正氣歌』に感じ入って詠んだ詩『和文天祥正氣歌』(1845年作)(※読み「文天祥正気(せいき)の歌に和(わ)す」)中の一節

“乃知人雖亡,英靈未嘗泯。”
(※読み「乃(すなは)ち知る 人亡(ぼう)ずと雖(いへど)も,英靈未(いま)だ嘗(かつ)て泯(ほろ)びず」、※現代語訳「人は死んでしまっても、英霊は決して滅びてはいない、ということが分かる(=乃(すなわち・・・知る))。」)

・・・が、その初出であり典拠なのだそうです。

※参考サイト
日本漢詩選 (和文天祥正氣歌 藤田東湖)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/jpn15.htm

この漢詩の一節にはまた、“或伴櫻井驛,遺訓何殷勤”(※読み「或(あるい)は櫻井の驛(えき)に伴(ともな)ひ,遺訓何ぞ殷勤(いんぎん)なる。」)とあり、このように水戸学の最大の実践的提唱は「楠公を顕彰・敬慕し、その事績に自らも続く」ことにあるのですが、本作の制作者(岸誠二・総監督、上江洲誠・シリーズ構成)コンビが本作以前に制作した作品『人類は衰退しました』(2012年)の第1話には、何故か「クスノキの里」という設定が唐突に登場していて、尚かつ、その第3話には同類誌(※同人誌みたいなもの?)「楠」創刊のエピソードまであって、「あれ???この人たち、もしかして分かってる??」という、とても偶然とは思えない気持ちを喚起されてしまいました。
(※もっとも、『人類は衰退しました』は田中ロミオ氏が原作者なので、そちらから設定なのかも知れませんけど)


◆“無垢な少女”に仮託して物語られる“英霊のこころ”

そこまで難しく考えなくても、例えばアニメ作品で、「英霊」という言葉が度々使われた作品というと、私の知る範囲では2012年の人気作『Fate/Zero』が、真っ先に思い浮かびます。

その『Fateシリーズ』での“英霊”の定義を引用すると・・・
{netabare}
「過去・現在・未来の全時系列のどこかに存在した英雄たちの霊。
実在したか否かを問わず、神話や伝説・歴史において偉大な功績をあげ、死後もなお人々からの信仰の対象とされた英雄の霊格が精霊・神霊・聖霊(いずれも人よりも高位とされる)の域にまで昇華され、世界の外側にある「英霊の座」と呼ばれる領域に押し上げられることで、時間軸、輪廻の輪、因果の枠からも外れて不変の現象となった存在。」{/netabare}

・・・このようにFateシリーズでは、“英霊”の定義がやや変形されてしまっているのですが、それでもこの言葉を多くのゲームファン/アニメファンにとって身近なものとして普及させた点は大いに評価したいと思います。

そして、2014年の秋にTVシリーズ(第1期)が制作・放送され、2017年春~夏にかけてその前日譚が劇場版3部作として公開され、その後、同年秋に後日譚と併せてTVシリーズ(第2期)として放送された『結城友奈は勇者である』シリーズでは、より本来の定義に近い“英霊”の“姿”そして“こころ”の動きが、

「無垢な少女」に仮託されて

・・・描き出されているように、私には見えました。


※参考動画 [MAD] 鷲尾須美は勇者である OP - サキワフハナ -
https://www.youtube.com/watch?v=v6SmKhF5_-k

因みに、このMAD動画は2017年の7月にようつべにupされて以来、現時点(2018/12/4)で再生回数、実に 246,946 回に及びますが、関連動画も含めて制作側から別段削除の要請もない(※コンテンツとして成功を収めたので削除する必要も感じていないのかも知れませんが)、ということで、制作側としてはむしろ、同シリーズ劇場版3部作のエッセンスを上手く集めて要約した動画として新規視聴者向けに視聴を密かに推奨しているのかも知れません。


◆本シリーズへの感想は人それぞれ

「英霊がなぜ少女に仮託されるのか?」から「そもそも英霊は顕彰され思慕されるべきものなのか?」まで含めて、本シリーズへの感想は、視聴者の現時点での知識や認識の状況に従って様々に分かれると思いますし、ことに2014年秋に放送されて、円盤売上等コンテンツ全体の成績としては大成功を収めたはずの第1期『結城友奈は勇者である』については、視聴者によっては激しい反感・嫌悪の念を呼び起こす結果となり、そうして極端に低い評点を付けてしまう方が放送当時から後を絶たなかった影響で、本サイトでの本シリーズ作品の総合評価は、その作画面からもシナリオ面からも際立つ出来の良さに比較して、残念ながらイマイチ高く付いていません。

しかし、そうした賛否両論を含めて、視聴者にここまで激しい感慨を抱かせた稀有の作品の、その真価を個々人が改めて確かめる、という意味で、やはり本シリーズは「一度は視聴してみるだけの価値がある」と考えます。

今、ここで分からなくとも、それが切っ掛けとなって、数年後には、何かしら分かってくることがあるかも知れませんしね。


◆章別評価

(1) 鷲尾須美の章 ★★ 4.6   (6話) ※第1期の前日譚
(2) 総集編      ☆  3.9   (1話) ※第1期の総集編
(3) 勇者の章    ★  4.0   (6話) ※第1期の後日譚
--------------------------------------------------
  総合       ★  4.3   (計13話)

※なお、第1期 『結城友奈は勇者である-結城友奈の章-』の個人評価は ★★ 4.7 です。

・・・よって、本シリーズ全体への個人評価は ★★ 4.5  となります。


◆視聴メモ
{netabare}
・上記の章別評価の通り、劇場版3部作を分割・再構成した前半6話(鷲尾須美の章)の出来はやはり秀逸。
・ただし、後半6話(勇者の章)は、視聴前の期待を高くし過ぎてしまったこともあって、残念ながら今一つの出来と感じてしまいました(※それでも十分に楽しめましたが)。
・なお、前半で劇場版主題歌「サキワフハナ」を一切使用しなかったのはかなり残念でした(※どこかへの配慮があったのか??)。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作           Project 2H
企画・原案       タカヒロ
総監督         岸誠二
監督          福岡大生
シリーズ構成     上江洲誠
脚本           上江洲誠、タカヒロ
キャラクターデザイン BUNBUN(原案)、酒井孝裕
音楽           岡部啓一、MONACA
アニメーション制作  Studio五組{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

===== 結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章- (第2期) (2017年9月-2018年1月) ====

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 鷲尾須美の章 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - - OP「エガオノキミへ」、ED「ともだち」 - - - - - - - - -
{netabare}
第一話 わしおすみ ★ 神世紀298年初夏、初めてのお役目(アクエリアス襲来・撃退)、鎮花の儀 ※OPなし、ED「エガオノキミへ」
第二話 ともだち ★★ リブラ撃退、園子の隊長指名、合宿、銀の家庭事情、カプリコーン撃退 ※須美の気負いと気付きの描写は◎
第三話 にちじょう ☆ 3人の休暇 ※劇中歌「国防体操」
第四話 たましい ★★ バーテックス3体同時襲来(キャンサー/スコーピオン/サジタリウス)、銀奮闘・戦死、※ED「たましい」
第五話 さよなら ★ 告別式、ヴァルゴ撃退、夏祭り、新装備導入
第六話 やくそく ★ 精霊出現、バーテックス再び3体同時襲来(アリエス/ピスケス/レオ)、満開と体の異変、園子連続満開、第1期へ ※ED「やくそく」{/netabare}

総集編 ひだまり ☆ ※{netabare}東郷視点から見た第1期(結城友奈の章)の総集編{/netabare}

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 勇者の章 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  - - - - - - - OP「ハナコトバ」、ED「勇者たちのララバイ」 - - - - - -
{netabare}
第一話 華やかな日々 ★ 神世紀300年秋、園子の勇者部入部、東郷不在の気付き ※OPなし、ED「ハナコトバ」
第二話 大切な思い出 ☆ 東郷の消息、壁の外へ、生贄の巫女、東郷救出
第三話 あなたを思うと胸が痛む ★ 友奈の異変、風の交通事故、天の神の祟り、Xmas Eve
第四話 秘めた意志 ★ 新年、友奈の試練、勇者御記
第五話 清廉な心 ★ 神樹様との結婚(神婚)、天の神襲来、勇者たちの最後のお役目
最終話 君ありて幸福 ★ 続き、地の神の消滅{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)8、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.3

投稿 : 2024/05/04
♥ : 17
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

面目躍如なるか、またそれを確認するために自分は耐えられるのか

1話感想
{netabare}へーまたやるんだこのアニメ。
自分的に前作の評価はかなり低いです。
言い出したらあれこれと止まらなくなるけど、最もアカンと思った部分は──

「謎」として引っ張って来た(隠し続けてきた)ことに説得力が無い

視聴者に向けて「どうだ、これがこの世界の謎だ、ビックリしたでしょ?」って意図ばかりが前に出ててそれの説得力に欠いてるというか。
世界の謎を明かすのは同時に「今まで隠してきた理由も明かす」とセットだと思うのだが、前作はそれが徹底的に不足していた。
「なるほどこりゃあ隠しとかなきゃヤバい案件だわ」と膝を叩く内容ではなかった。
正直これがちゃんと描けないのだったら最初から“謎”とするなと、それこそストパンやバトガ見習えと、敵が何者か不明なのと人類がそういう脅威に晒されているってのは別問題でしょ。
「誰も分からない」と「何者かが意図的に隠してた」は全くの別モノ、混同してはいけないし視聴者をバカにしてるとさえ思えてしまう。
いやマジで、なんでそれ隠しとく必要があったの?っていう疑問に明確に答えられる人居るのかね?
視聴者を驚かせてやろうという制作側の意図なんて知ったこっちゃないし、そういう“上っ面だけ”アレを真似てるのが透けて見えるからよく比較にもされるワケで…。

ってことで、そこら辺の足りてなかった部分を今作でフォローしてくかどうか確かめるために視…えええ、見るの?
あんま期待できないし見たくないんだが…だって1期「これでいい」って思った人向けに作られただけで「ダメだ」という人に向けてのフォローってのは可能性低い気が…。
それでも一縷の望みに賭けて試聴するのか?自分…。

単純な解決策、あくまで素人な自分が思いつく一例としては「大赦が一枚岩でない」なんてことがあれば上記の突っ込み所はかなり解消される気がする。
派閥間で利害の衝突があって秘匿せざるを得なかったってことであるなら、まぁ納得できるかなぁ、と。
ストパンで例えるなら{netabare}ウォーロック作ってたの軍上層部が隠してた、{/netabare}みたいな。
そういった方向への掘り下げがされるのなら有難いし、それこそ一期の評価も変わるんだが…。

ってことで途中で視聴打ち切りする可能性大。
因みに自分は「ビックリする謎のタネ明かし」よりも「ジリジリと謎に迫ってく」系のが好きです。
一期放送直後の自分の感想見てみたら「お前らもっと話し合えよ」と書いてあったけど、そこら辺の掘り下げを望んでのことですね。
誰も疑わないのが気持ち悪くてしょうがなかったんだ…今回はどうなるんだろうねぇ?


あ、しまった、1話のマトモな感想書いてないや。
あれれ?前作よりパワーダウンしてる気が…。
OPからして花をモチーフにしてたと思うのだが今回はそれが弱いような?
これじゃあ1期のアレは何だったんだってことになりかねない気が…。
ってか花ネタだと今期はこのはな綺譚がひょっとしたらガチかも知れない。
なんかそこから逃げたような印象。{/netabare}

2話感想
{netabare}なんかメタ的に面白くなってきました。
同期に放送されてる別アニメが設定の構造的にはこれと似たような感じで、それと比較して見れるというか。
クジラの~だけど、閉ざされた孤島が舞台で、外を知らずに居た主人公たちが外を知ってどうするか、または何故隠されてたのか・隠さなければならなかったのかっていう謎に迫る系としては共通するんじゃない?
で、こっちは2話になっても全く“謎”に迫ることは無くアバンで不穏な空気を演出するだけなんだけど、果たしてこのペース配分は合ってるか合ってないかクジラと比較して見ると面白いかも知れない。
(因みに前作はこのペース配分が最悪…最後の最後で投げっぱなしエンドというオチでした。今作も同じ塩梅なのかが注目ポイントかと)

ってか、ホントに縦に進まんね、前作知ってればオチバレてるのに。
そうねぇ、前作の友奈の振舞いは「正解」ってことだと思うので、今回は「不正解」を引く、ではその違いは何か──ってのがスタッフの見せたいところだと思うのだが、現状違いは見当たらない。
単に女の子が不幸になるだけの話なんだったら…ねぇ?{/netabare}

3話感想「思いのほか覚えてなかった」
{netabare}あ、やっべ、前作の記憶薄まってる。
ってのも鷲尾の語った歴史、それって事実なん?ってのを思ったと同時に「そういやいつからこんな世界になったんだっけ?」ってのが…お、思い出せない。
前作その説明ってあったっけ?
ひいい参ったなぁ…確認のために見直したくもないし、今作でその説明やってくれると有難いんだが…。
それにしても、右ネタやるんだったら国防挺身隊くらいぶっ飛んでくれないとちょっと笑えない。
っていうかスタッフだけが楽しんでるような置いてけぼり感が。{/netabare}

7話までの感想
{netabare}6話までって別に要らなかった気が…今後関わって来るかも知れないのでまだ判断はできないけど。

そしてようやく始まった本編。
あ、また入れてきたな、今度はインドのゼロの発見か。
この作品世界はリアルに対しどの時期に分岐したんだ?っての自分知らなくて…前期でやったっけかなぁ?
「その歴史は真実かい?(どの時代から大赦による嘘の歴史が教えられてる?)」ってのは気になるポイントで、作ってる側も意図的に入れてるんだろうなぁってのが分かるし、興味引かせて原作なり周辺作品買わせようってことなんだろうけど…。
う~ん、自分さすがにそこまではなぁ。

そして東郷の愛国仮面の扱いにちょいと疑問。
贖罪として奉仕活動…は分かる、勇者の活動内容を明かせないので何をやらかそうとしたのか世間に公表できないため、正体を隠して(愛国仮面になって)社会奉仕するしかない。
でも、だ。
勇者部の連中に許されて「いい話だなぁ」って展開に持ってくのは疑問。
自分を罰して欲しかったんじゃないの?
優しくされるより叱って欲しい・優しくされるのが一番辛い、って心境じゃないの?と。
とんでもないポカやらかして申し訳ないことをしたと気に病んでるなら「いいよいいよ気にしてないから」ってよりも「じゃあ今度飯奢ってくれ、それでチャラだ」ってほうが余程スッキリする。
(因みにコレ、対等な関係だからできる解決方法、上司や部下の関係でこれはできない。逆説的に友情を語るならこっちの手段を描いた方が有効かと)
物語でよくあるのは一発ブン殴って「これでチャだ」か、こっちのがよっぽど勇者らしい気が。
そうでないと…なあなあで済ますとその後もずっと負い目を引きずることになるので。

で、上記は文句じゃないです。
東郷失踪の理由がそれだったらいいなぁ…っていう予想というか願望。
勇者部がヌルすぎて自分を罰しきれてないと自ら窮地に追い込んだ(本当は腹切って詫びたいのだけど精霊がそうさせてくれないので)とか。
これなら「自分に厳しいキャラ」としてキャラも立つと思うんだが。
「ときに優しさは罪になる」みたいな方向に話進んでくれたら自分は歓喜するんだけど…行かないかなぁ?そっち方向。

記憶改竄ネタについては…同期に放送されてるインフィニティフォースで既に同じネタががが。
よくまどマギみたいって言われてるのに敢えてこのネタ入れるのは開き直りかな?右だ右だ言われて当てつけで右翼ネタ入れたのと同じように。
しかもあっさり全員自覚しちゃうのは…ま、まぁそれは今後次第か。
ってか簡単に記憶改竄ができてしまうのなら「一般人が勇者について深く知ろうとするのはヤバい」って設定が宙吊りになってしまうような?これも今後次第か。
なんか残りの話数に向けて宿題が溜まって行ってる気がするんだが、果たして大丈夫なんかのう?{/netabare}

最後まで見て{netabare}
世界設定もっと知りたかったらゲームや小説?も見ろってことなのかな。
そっち知らんから「どういうこっちゃ?」と思っても、それをもって評価していいのかどうか迷う。

個人的に一番謎なのが↑でも何度か触れてるけど「歴史どうなってんねん」。
特に東郷を右寄りキャラとしていじってたワケだけど、この世界って第二次世界大戦やってないよね?
戦う「外国」が存在しないんだから。
で、そんなので愛国戦士とか生まれるの?というのがどうしても引っかかってしまう。
「大赦の用意した歴史は嘘」ってのは知ってるハズで、どうにもこうにも不思議で不思議で…。

同様に文明レベルもよくワカラン。
もし300年前に分岐した(四国だけになった)のであるならワットもエジソンもディーゼルも存在しないということに。
そんなので車やスマホなんて作られる世界が形成できるとは思えない、どれだけ四国に天才発明家が居るんだよって。
って考えると西暦2000年代に分岐して、300年(以上)そこから大して変化せずにいた、って考えるのが一番妥当な気がするけど…そんなことある?
独自の文化が勝手に形成されるような…それこそメガゾーン23みたいに「西暦〇×年を再現している」ってことが無い限り。
けどそうであるならスマホのバージョンアップもワザと遅らせてたってことになってしまう。
なにより受験勉強(日常パートにも大きく係わってたので無視できない)ってのが謎、ワザと文明レベル(科学技術)落としてる世界の勉強なんかして何の意味があるんだと。

で、そんなことがすっごい気になってしまって作品自体が頭に入って来ない。
小説でも読めばどういうことなのか分かる様になってるのかね?
あんだけ東郷いじっておいて何も考えてませんってほうが有り得ないだろうし…。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈「は」勇者である

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
本作(わすゆ)は、まずは1期「結城友奈は勇者である(ゆゆゆ)」の(時系列的に)2年前の物語のため、ゆゆゆ視聴者は、結末を分かった上での視聴になります。

しかし、ゆゆゆ視聴者にも、御新規さんにも、どちらでも楽しめるような親切な構成になっていたと思います(剣道部は、ゆゆゆ視聴済)。よって、視聴順序はいかようにでもよろしいかと♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(大盛りレビュー)】
{netabare}
「ゆゆゆ」視聴済の立場としては、結局、須美は「下半身麻痺、記憶喪失」。園子は「全身様々な機能を失い寝たきり」。銀は「(多分)死亡」。という結論(悲劇)が待っていることが分かった上での視聴になる。当然、3話や4話の日常回に心癒されることはなく、むしろ悲劇への伏線として観てしまう。

一方、わすゆ から視聴を始めた御新規さんは、平和な日常から悲劇へ叩き落とされる、我々がゆゆゆで体験したのと同種の経験をするだろう。各話のアバンにある手記の黒塗りを予想するのも楽しいと思う。

1クールの中で、総集編を挟んで、実質の1期(わすゆ)と3期(勇者の章)をやるというのは、新しくて面白い構成だったと思う。中でも、たった7話でまとめた「わすゆ」は素晴らしかった。「ゆゆゆ」が念頭にあることで、世界観の説明を大幅に省け、ストーリー的にも「三ノ輪銀の死」という一点に向かっている無駄の無さがあり、出来たことだと思う。

私はよく、「作中人物の死」について否定的なレビューを書くけれど、「三ノ輪銀の死」には肯定的。ストーリー上、確実に深みを与えているし、何より、あそこまで「死後」を丁寧に扱っているのは、素晴らしい。久々に、アニメを観て切なくなった。

実質の3期にあたる、8話以降の「勇者の章」。まず、園子の復活というのは意外だったし、嬉しくもあった。

そこからは、結奈の葛藤と勇者部との軋轢を中心に話は進むが、興味はラスト、「広げた風呂敷をどう畳むか」が主だった。一応、考えてた候補としては、

A ハッピーエンド
神樹様と融合した友奈が、なんかすごい力を出してバーテックスを全滅させ、ついでに新世界創造。みんなで新たな生活を始める。

B ビターエンド
実は神樹様は悪者であり、四国を自身の配下に置いていた。バーテックスは、外の世界の人類が四国を救いだそうとする姿を悪者に見せていた幻覚だった。勇者部が友奈を助ける為に神樹様を倒し、結果的に四国解放。今までで騙されていたことを知り、じゃあ銀は何のために死んだのか等悲しみは残るが、元の世界には帰還できた。

C バッドエンド
勇者部が友奈を助け、世界滅亡。


という3つがあり、本命はB、大穴でCだったのですが、いずれも違いましたね。まあ、AとBを足した感じなのかな?

最後は、「多分」こういうことなんだろうと(一周しかしてないから自信なし)。

①人類を滅ぼしたい「天の神(バーテックス&炎)」と、人類を守りたい「地の神(神樹様)」がケンカをする(『鷲尾須美は勇者である』のずっと前)。

②「地の神(神樹様)」は大分追い詰められ、四国だけを自分の結界で守り、籠城戦に突入(勇者システムが確立し、その中で、銀など様々な勇者が死んでいった)。(『鷲尾須美は勇者である』(2期7話)まで)

③天の神は、地の神の所に総攻撃。勇者部の奮闘により退ける事には成功するが、東郷美森の暴走により、神樹様は大打撃を受け、HP半減。(『結城友奈は勇者である(最終話まで)』)

④瀕死の神樹様は、自らのHPを回復するため、人間を取り込む計画(神婚)を実行。その前段階として、勇者部の体のパーツを自らの力で生み出し、勇者部(特に友奈)を神に近い存在に作り替える。(『結城友奈は勇者である(1期最終話)』~『『結城友奈は勇者である(勇者の章、2期12話)』まで)

⑤神婚の直前で、友達の為に死力を尽くす勇者部の姿、「人間を信じてほしい」という友奈の言葉を信じ、これまでは、「人間に満開→散花させ(人間の生命力を使い)、自らの力として戦ってきた神樹様」が、「自らが満開→散花し(自らの生命力を使いに)、人間(友奈)の力になってあげ、人間に全てを任せること」を決意。オラに力を分けてくれ~とばかりに、神樹様と歴代勇者(特に銀)の力を得たスーパー友奈の超勇者パンチにより、天の神(バーテックス&炎)を撃滅させる(『結城友奈は勇者である(最終話)』)

⑥天の神を撃退したことで、それまで炎に包まれていた「外の世界」が戻ってくる(ただし、②の時点で世界は滅んでいるので、四国以外は廃墟と化し、四国民以外の人類も存在しない)。同時に、満開によって力を使い尽くした地の神(神樹様)は死に、様々な加護(インフラや食料、原料、材料など)はなくなる。その中で「自力」で生きていかなければならない人類。活動を再開した勇者部。どうか平穏な日々を(『結城友奈は勇者である(ラストシーン)』)。


てな感じですかね? まあ、ようは、「人類の自立(親離れ、神離れ)」がテーマなんでしょう。ある意味で、「神様(神樹様)と人間(勇者部)に芽生えた友情(信頼)」とも考えられますね。これまで、神に全てを託してきた大赦の人々が麦に変わったのも、地に足をつけて生きろということだろうし、これなら、歴代勇者達の死も無駄になっていないし、まあ、良いラストではないでしょうか♪

この世界の今後と、勇者部の未来に、幸多からんことを祈って、相変わらずのクソ長いレビューを終わります!
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
「わすゆ」に関しては、「ゆゆゆ」視聴者は悲劇を想定しながら、御新規さんは「平和な日常から悲劇への落下」を、どちらの立場でも楽しめるだろう。たった12話で、実質の1期と3期を流す構成は面白かった。

ラストは神樹様が人類の可能性を信じて、自らがバーテックスと相討ちした流れ。つまり、「人類の自立(神離れ)」。

この滅んだ世界の先で、人類の未来に、勇者部の未来に幸多からんことを♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
結論が分かりながら悲劇を眺めるというのもな。

2話目
南無八幡菩薩、平家物語の与一の弓ですね。合宿回。

3話目
日常回。平和な時間は、悲劇を引き立てるためのスパイス。

4話目
日常回。平和な時間は、悲劇を引き立てるためのスパイス。

5話目
もう死亡フラグでしかないよね。バトルは熱いね。

6話目
雨の作画、実写かってレベル。葬儀をしっかり見せるのは、良いですね。銀が死ぬのが10分、死を悼むのに30分。

7話目
満開も散花も確かに残酷だけど、死んだり滅んだりするよりはマシという考え方もあるわけだしね。ここで、ゆゆゆ に繋がってくるわけですね。わりとアッサリだね。

総集編
ゆゆゆの話。これ、1期を知ってるかで大分違うな。

8話目
こっから、「ゆゆゆ2期」なんだね。園子、勇者部に入部か。うまい展開だな。3角形を5等分w ワッシーのいない日常ね。ワッシー、人柱?

9話目
精霊は、ある意味、義輝が一番可愛いw 勇者システム、都合よすぎるけど、リスクモ提示されてるから、まあ、良いか。流石に園子。腹のくくりかたが違う。なんか、色んな事がうまくいきすぎていて、怖いな。ラスト、うまいシーンだ。

10話目
「陳謝」は、面白かったw 日常系として優秀だな~。話すと不幸が伝染。

11話目
東郷さん、犯罪者臭いがw いやいや、なんか「余命三ヶ月の花嫁」みたいな感じだな。一応、前作のラストシーン、「ご都合主義」の伏線を回収。やはり、リスクはあったか。

12話目
武士道とは、死ぬことと見つけたり。う~ん、神婚を否定するのは、友奈をより苦しめないかな? 友奈の本音。モラルジレンマだね。これ、神樹様、悪者説かな?

13話目
う~む、理解が追い付かん。滅んでいた世界に、神樹様の力で成り立っていたインフラとかが消え、もとの滅んだ世界になり、そのかわりバーテックスなども来なくなったとかかな? 力業感はあるかな。でも、銀ちゃんの登場と、「勇者は根性」は熱かったです。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

67.9 9 鬱展開で泣けるなアニメランキング9位
小公女プリンセスセーラ(TVアニメ動画)

1985年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (108)
444人が棚に入れました
バーネットの『小公女』が原作の「世界名作劇場」シリーズ第16作。“いじめ”が問題となる世相を反映し、本作では大富豪の令嬢から使用人へと転落した主人公セーラの受難の日々を描いた。ロンドンのミンチン女学院に入学した資産家の娘セーラ。だが突然の父の死のため身寄りも財産も無くなった彼女に対し学院側は今までの態度を一変させて、セーラを使用人として扱うのだった。使用人仲間のベッキーたち一部の人々に支えられつつ、セーラは必死に生きる。

声優・キャラクター
島本須美、山田栄子、一龍斎貞友、中西妙子、八百坂万紀
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

胸の奥にこの花あるかぎり…その6 (完)

観てたなぁ。子供の頃。
〜お金持ちのお嬢さんが没落して、陰鬱な目にあいながらも健気に耐えて、最後は逆転倍返しハッピーエンド〜 だったよなぁ確か、と、何回目かの再放送をしているのを見かけたので見た。

暗い話だから、色彩設定だけは明るくしたかったのか、すっとんきょうなビビッドカラーがあちらこちらに。目が痛いよセーラ。
こちらも今回は顔文字多めでお送りします。ネタバレ開くとそれぞれ長いです。


*召使いなるかそるかのお話
{netabare} すでに没落化しているセーラ。
寄宿舎でお手伝いさんになっている、元特別室の生徒、セーラ。
お手伝いさん仲間は優しい。かつて親しかった友達や、町で出会うなじみの子達やお店屋さんの大人達も、セーラの行く末を心配げに見守り、応援している。

高飛車なお嬢様キャラが、セーラを目の敵に。かつてのみんなの憧れの的がこき使われるだけでなく、彼女が持っていたもの全てを自分のものにしなくちゃ、気が済まない!!幸い、セーラんとこと違ってお父様のお仕事は順風満帆。アタシの時代がきたんだわ!攻めていくわ!o(`ω´ )o

ある休日、特別なお客様のための準備や掃除にセーラは奔走する。「特別室に入る生徒」がやってくるらしい。かつて自分の過ごした優雅な特別室に、自らの足で買いに出たお花を美しく飾るセーラ。
やがて、例のお嬢様とそのお父様、スネ夫のママンみたいな「ざあます」お母様もノリノリでやって来た。

(`ω´ )「今日からわたくし、ここで暮らすことになりましたの。それでね、お父様、お願いがありますの。わたくし専用のメイドを付けてくれませんこと?そこにいる…セーラがいいわ。」

宿舎のセンセイ
(゚o゚;「そ、それは…その…、モゴモゴ、聞いてみませんと…」
頼りにならないセンセーイ( ;´Д`)
(゚o゚;;「セーラ、あなたの、気持ち次第なんですよ。嫌なら、断わっても構わないんですよ…」

お嬢様のパパ
(^ω^)「そうだな!本人に聞かなくてはな。どうかな?うちの娘のメイドになってはくれないかな?」
そんな〜目の前で迫られたら断わりづらいよ〜ヽ(´o`;

ああ、憐れセーラ、こうして芋づる式に、苛烈な奉公が始まるんだ…あんな事やこんな事を…(/ _ ; )


ときっと誰もが思った時。セーラの放った言葉は。
さあ、あなたなら何と答える?!

(´-`)「 {netabare} お引き受けします。


もしも、もしもお嬢様が…
かつての級友を召し使いにと、そうお望みと、仰られるのならば…。 {/netabare} 」

ハッと言葉に窮したパパ。
身を翻すと、お嬢様のもとへツカツカ…パッシーン!!

えーーーΣ(・□・;)

( *`ω´)「知らなかったとはいえ、なんと恥知らずなことをする所だったんだ。おまえに召し使いはまだ早い‼」
「そんなァ、おとーさま〜(つД`)」

あれ?いじめ一直線じゃないの?
なんという機転のきく堂々とした回避でしょう。セーラの誇り高さに軍配が上がった!

しかも夜半に皿洗いしながら
(´-`).。oO「わたし、気が回らなくて、あんなきつい言い方しか考えられなかったの…ダメね…」と内省する素振りすら見せる。すごいよセーラ…。

記憶の中の小公女セーラって、かなり受け身な印象になってしまっていたけれど、結構やるもんだなあと見直した回でした。

しかししかし!
意地悪小娘ごときに運命の歯車は回させやしないとばかりの、怒涛の不運攻撃はこれからだったのだ…。 {/netabare}



*空腹の空想のお話
{netabare}

厨房にいるコックと下女が、顔つきもゴテっとしているんだが話し方も言う事も素っ気なく、セーラに対して優しくないんだ。
ある日のセーラ、お使いに行って帰ってきたらお小言を喰らう。

(♯`∧´)「どこで道草食ってたんだい!今から使ったんじゃ間にあいやしないよ!」

(._.)「ごめんなさい…あの、靴が壊れて歩けなくなってしまって、直してもらっていたものだから…」

(♯`∧´)「言い訳するじゃないよ!まったく、夕飯は抜きだよっ!」

メイド仲間(゚O゚)
「そ、そんな…セーラ様は、お昼ごはんも抜きだったんですよ…」飯抜きは日常茶飯事なんでしょうか。飯だけに。

コソッ(( (^_-)「セーラ様、残りパンがあります。紅茶に浸して食べてください。」(´-`)「ありがとう…」

地獄耳→(♯`∧´)「そこの残ったパン!始末しちまいなー!」

Σ(゚д゚lll)(´-`)「そんな…っ!」

夜半。皿洗いで夜は更けて。くたくたになって屋根裏部屋へと上るセーラには、暗い階段が長い長い急坂のよう。
やがて抜き足差し足、廊下を忍ぶメイド仲間の姿があった。
(^_-)ウフフ「セーラ様への差し入れのミートパイを作って差し上げたわ。きっと、お腹が空いて眠れないでいらっしゃるでしょう。コッソリお届けしよう…」

ガチャッ(`_´)ゞ院長
「何をやっているんです?それは何ですか!」

Σ(゚д゚lll)「はわわわ…これはソノ…アメリア先生が、いつもお夜食をと、今夜も頼まれているのですぅ〜。」

W(`0`)W「うそをおっしゃい!!アメリアは今夜は親戚の家で留守です!誰に頼まれてそんなもの作ったんです!さ、言うんです!」

(>_<)ヒィェー「あのっ、わたしが、食べようと。お腹がすいて…本当ですぅ〜」

W(`0`)W「んまーっあきれた!おまえのようないじきたない子は許す訳にはいきません!」

→ミートパイは寮長が没収、寝床で食べてむせる!ムゴッ(◎×◎;)

セーラの元へ来たメイド。
そこには、かつて仲良く過した級友2人もベッドを抜け出し、談笑しにきていた。
(´・_・`)ぶたれた頬をおさえ、何も差し入れられない非力さを謝るメイド。
級友は、セーラたちが腹ペコだと、彼らの無下な扱われ方を想像だにしてこなかったことに気づいた。その配慮の無さを詫び、クッキーを取りに部屋へと戻った。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( >人<)┘そーっと!
ここはミンチン学院伏魔殿。クッキーを手に再び部屋を後にした姿を見守る、禍々しい影 |-| があった…。

屋根裏部屋の女子会はじまる。
皆で食べるせっかくのクッキー♡
テーブルを飾って、心ばかりのお食事会を開きましょうよ。
セーラのテーブルセッティングにみんなもノッてきて、いろいろ工夫をほどこします。
(=´∀`)人(´∀`=)人(=´∀`)人(´∀`=)
ストールをひいて、華やかなナプキンの代わりに紙を並べて、ハンカチを織り込んでかざって、ほら花束のようじゃなくて?まぁ素敵ー!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
おままごとしてないでさっさと食っちまえば良かったんだ。そんなことはみじんも考えず、ただこの親しい者たちと善意に満ちた夜を分かち合い、味わい尽くしたくて、終わってしまうなんて考えたくもなくて、セーラの楽しい妄想は暴走。

*・゜゚・*:.。..。.:*・(´-`).。oOよくって?ここはヴェルサイユ宮殿の大広間よ。間も無く招かれた貴族たちがやってくるわ。

(宮廷の侍女になりきろうと慣れない想像をするメイド友(~_~;)、プルプル具合に笑いがおこる。みんなすっかり宮廷気分、画面描写も宮廷風味に埋没。)

テーブルの上にはたくさんのお皿、温かなお料理が盛り沢山よ。
お料理を載せてあるお皿は、全て金でできてるの。床にはフカフカの絨毯。天井にはシャンデリア。私達は美しい侍女なのよ。さあ、大広間のほうへ。上は丸天井、吟遊詩人の歌う舞台があって〜、美しいろうそくのあかり…かしの木の燃えている大きな炉もある…
おつきのものたちが分厚い扉をひらくと、さあ、国王とマリーアントワネットが現れるわ…!
*・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・*

ギギギギギィ…

バターー[ \(♯`∧´)/ ]ーーン!!

「なーにをしているんです!!あなたたちィ!!」
強烈な後光とともに登場したのは、ある意味この宿舎の王女、ミンチン院長。

Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(´-`)光速でユメから醒める四人

ψ(`∇´)ψ背後でほくそ笑むのは、セーラを敵視するお嬢様。リークしてやったり!あたくし、寝たふり得意でしてよ!

阿鼻叫喚、言い訳も聞き入れられず、部屋へと連れ帰られる親友たち。全てはセーラのそそのかしと問答無用の判決。
(♯`∧´)「あなたへのお仕置きは追って考えます。今まで優しくし過ぎたようですね。いいですね、おまえは明日の朝も昼も夜も、食事抜きです!」
捨て台詞とともに全ては去った。クッキーの欠片も残さず片付けられ、一転していつもより暗さの増した屋根裏部屋に取り残されたセーラ。独り、ユメの残り火をすくいあげてみる。

_| ̄|○…ブツブツ…「炉は赤々と燃えていることにする…テーブルの上には…温かい、温かい、食事。美しい柔らかいベッド…触り心地のよいクッション…それから…それから…」
もう、眠りましょう…
眠ってしまえば…お腹がすいていることも、気にならないわ…ねえ、エミリー?

お人形を抱いて眠りにつくセーラ。
。・゜・(ノД`)・゜・。

妄想をこれでもかと華やかに盛りに盛り、バターン!!で落とす、オーソドックスとわかっていても、徹底してやられると清々しく逆に快感。ミンチン院長…。ミンチンて名前も怖い。 {/netabare}



*お人形をおよこし、のお話
{netabare} ある夜、途中から見たセーラは
どうも例のワガママお嬢様に
(¬_¬)「アンタの人形をよこしなさいよ。その人形、召使いにはもったいないわよ。アタイがかわいがってやんよ。」
と、カツアゲされそうになっていた。

このお人形、セーラにとって大切なパパママとの思い出。つらいとき、部屋に戻って誰にも言えない気持ちを打ち明けられる、たったひとりの家族。ジュモーのビスクドールだから高価でもある。

どうするの、セーラ。
メイド仲間にも心配され、しかし、人形を抱いて部屋から出るセーラ。
きゅっと結んだ口、沈んだ瞳、小さく固い背中。思いつめた表情で、ドアを開ける。
(´-`)
お人形をしっかりと、赤子のように抱きしめて廊下を進む。
階段を一段一段、降りる。

どこへ行くの?セーラ。
考え込んでいる。考えがあるの?
誰かに預けるとか…
隠すとか…
売ってしまうとか…
わーたしの かーわいい にーんぎょお〜♪
十二国記の祥瓊さんの歌声が頭の中で回るよ。

踊り場で、外を見やると、学院の少女たちが遊んでいる。
中心にいるのは、例のお嬢様。
でっかい車輪の自転車にまたがって、取り巻きにブイブイ言っている。じぃっと見下ろすセーラ。
(´-`)
なに考えてるの。

再び足を進めるセーラ。
お人形と一緒に体を固くしたまま、外へ出てきた。
めざとく目をつりあげるお嬢様。
o(`ω´ )o「あ〜ら、ついにソレをあたくしに渡す気になったってわけね。いいわよ。もらってあげるわよ。」≡3≡3
うつむいたまま、何も言わないセーラ。
(´-`)
イラつくお嬢様、お人形を取り上げる。o(`ω´ )o高々と、戦利品を手に。
まだ何も言わないセーラ。
(´-`)

その時、少女たちの中から、セーラを「ママ」と慕うちびっ子が猛烈な勢いで駆け寄って来る。

∑(゚Д゚)「ダメよーーーっ!!その子はセーラママの、たいせつなおともだちよぉーー!!」

o(`ω´ )o「なによアンタ。うるっさいわね。セーラがあたくしにどうしてもって、言ってるのよ?」

騒ぎに振り返る少女たち。

その中から、おとなしいセーラの親友も、勇気を出して身を乗り出した。

(´・Д・)」「うそよ!そんなはずないわ。セーラにとって、たったひとつの宝物のはずよ。それを取り上げるなんて、ひどいじゃないの!!やめなさいよ!!セーラに返してあげて!ひどいことしないで!!」

o(`ω´ )o「なっ…雑魚が…あんた、あたしにそんなこと言って、ただで済むと思ってんの…」


しかし、遠まきに聞いていた少女たちから、さざめきのように同調の声が上がり出していた。
「そうよそうよ!かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ

ウッ…Σ( ̄。 ̄;ノ)ノ
かわいそコールに、さすがにたじたじのお嬢様。うつむくセーラの前にちびっ子がかばい、お嬢様が人形を高くあげ、親友が止め、もう決定的に悪役の構図。

小公女「プリンセス」セーラ、大勢の目の前でこれを繰り広げたのがポイントね。民意を試して沙汰を待ったのか!!
公共の場でなければ、この結果にはならなかったはず。
すごいよ、セーラ…。

(`_´)ゞ「な、なによ!!こんなキッタナイ人形、そもそもそんなに欲しくなかったわよ!フンッ!!かえせばいーんでしょかえせば。ホラッ!」
ポイッと投げられた人形…ビスクドールだから割れちゃうよ〜(゚o゚;;

セーラとちびっ子がナイスキャッチ、最悪の事態は避けられた。

ササーっと逃げるお嬢様
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
追いかける数名の取り巻きヽ(´o`;ヽ(´o`;

ここで面白いのが、
「よかったねー」ってセーラに抱きついているちびっ子や親友の暖かいゾーンを、ゾロゾロと通り過ぎて院へと戻る、その他の小女たち。
もう何事もなかったかのように、別の談笑をしながら、セーラたちを気にもとめない。
民意のとりとめのなさを表しているのか、妙な真実味のある光景だった。

うん、途中からみてもこんなに面白いんですよ!
起承転結と間がとても劇的でわかりやすいし。 {/netabare}



*セーラも私も泣けた(ノ_<)のお話

{netabare} 第35話

嵐で屋根裏部屋の窓の掛け金が壊れ、枯葉と雨水の入り込んでくる中、濡れた床をふくセーラ。バタンバタンバタンバタン開く窓を、もう閉めることもせず、雨が降り注ぐ中、床を拭き続けるセーラ。どこか行動がおかしいような。大丈夫なの?服が濡れ、傍らのベッドも毛布もビショビショ。悪い夢みたい。
メイド仲間が「おはようございます」と入って来て、惨状に驚く。
朝なのコレ?寝てないのでは…セーラ。

しかも(´-`)「寒気がするの」
なのに働かなくてはならない。ゾッとする。

学院の外に石炭運びの馬車が止まって、業者の人が道路より地下になっている勝手口付近の通路に樋のようなものを下ろす。もう一本樋を下ろして継ぎ足す。これを滑り台のようにして、道路からガラガラ〜〜と石炭を流し込んでお届けする。「ほほー、そうやって運ぶのか!」と面白く見ていたのも束の間。
(゚Д゚)「早くしねぇと石炭がぬれちまうぞ!」調理場のコックが山盛りの石炭にスコップ投げて去る。
学院の石炭置き場へと、バケツとスコップで手動で運ぶのは、セーラひとりの仕事…斜めの雨風が吹きすさぶ中。
石炭なんかもう濡らしときなよ。板でも上に置いとくとか。風邪で雨なんだし休ませなよ。子供だぞ。

石炭で学院のストーブに火を入れておくように言われたセーラ。
少しは濡れそぼった身体を暖められるかな…?
心地よい炎を前に、猫とともにウトウトするセーラ…(_ _).。o○
悪いことに、このお部屋は意地悪お嬢様のお部屋。
案の定、やってきたよ奴さん。いつものお供を連れて。
眠りこけているセーラをみて(−_−#)
セーラが寄りかかっているバケツを力一杯蹴り上げる。衝撃に驚いて目を覚ましフラフラ謝るセーラを、罵倒しだす。
お嬢様よ…暖房つけるくらいの季節なのになんでひとりだけ半袖なんだよ!小学生か!「ママに買ってもらったパリ仕立ての新作」だとか。そしてコレが、今回のワンポイント☆アンラッキーアイテム☆

セーラと寝ていた猫にまで、お嬢様たちの虐待の手が伸びる。(ノ_<)ひどすぎる。追いかけ回しているうちに…猫の蹴り上げたインク壺がお嬢様にビシリ。
(♯`∧´)「〜〜〜!?セーラ‼あんたのせいよ‼」
さすがのセーラも(; ̄ェ ̄)みたいな顔でとばっちりを受け止める。「シミ抜いとけよコラ!元通りにしないと、許さないんだから!」とまたご無体な。え〜〜。インクシミって消しにくいよね…(´・_・`)

横風の雨の中、カゴをもって買い出しに出るセーラ。傘が役に立たない。また服も身体も濡れていく…歩きにくい。嵐だよ。そんな日は家にいたらいいんだよ。体調悪いんだし。みんな残り物でも食べてしのげばいいんだよ。
案の定、市場すらお休みで途方に暮れるセーラ。屋根のある商店街の通りに入って行くと…

(抗えない天候の激しさと身体的なキツさ辛さが伝わって来て、見ていてセーラの今までで一番つらかったよ。うう、自然と涙がでた…なんでこんなんで泣いてんだろ私(/ _ ; )
心理的な意地悪より、空腹ネタよりもくるのはなんでだろう。)

しかしここで今回のアンラッキーアイテムが★ラッキーアイテム★に変わる出来事があったんだ。そこでセーラは、つらさをつらいままに涙を流すことができている。学院で涙を見せた事はないのに。

裕福だった頃、お父様と買い物に入った洋服店。ショーウィンドウにうつるセーラの姿は、今や襟も裾もほつれ、着どおしの汚れた質素な服になってしまっているけれど…。
店のご主人は、セーラのことを覚えていた。セーラの様子を見ると、邪険にすることなく
(´・ω・`)「一口では言えない事が、起こったようですね?」
気をほぐすような優しい声かけ。
セーラが身なりを顧みず入って来た訳を…「お友達」の服の染み抜きについて相談すると、
(^ω^)「大丈夫、わたしが直してさしあげますよ」。安心して涙が流れるセーラ。(;_;)
やがて曇りなくきれいに直された服。(^ω^)「これで、文句なんか言われやしませんよ?」
状況を察し、これまでの事情を聞かれ、心配してくれる紳士を前にさらに涙が止まらないセーラ( i _ i )ドドドド

しかし院に戻らねばならないセーラ。紳士は直した服を丁寧に油紙で包み、せめて十字を切りながら小さな背中を見送ることしかできないのであった…。


戻った先ではお嬢様によるミンチン先生への告げ口。
( ̄Д ̄)ノ「セーラさんがぁ、ワタシに嫉妬してインクを投げつけたんですぅ。それで染み抜きさせて欲しいって、言い出したんですぅ。」
W(`0`)W…ワナワナ… ←ミンチン院長

「たっぷりお仕置きしておやんなさい!!」といつものセリフを吐きかけられ、下女に調理場へ投げ込まれるが…体調の悪かったセーラ、もう腰が立たない。ついに倒れる…? {/netabare}
つづく


*セーラ流魔法の受け取り方。セーラの秘密を暴け!のお話
{netabare}第38話
ややあって隣人からの「魔法」の差し入れが始まる。
35話から病に倒れ、生死の境をさまよった間、姿の見えない「屋根裏の少女」を隣のお屋敷の主人と召使いたちが気にかけていたのだ。そして密かに贈り物をすることに。夜明け前が一番暗かったのだ。
いまや、夜半に疲れ果てた少女達が屋根裏部屋へ帰ると、暖かくしつらえられた食卓が待っており、美しいマクラや毛布も用意してあるのだ。空腹の時にセーラが夢想したみたいに。
(背景素材の都合上なのか、食後の皿の上のチキンが毎回ぜんぜん減っていないのが気になる…いじきたないアタイであった。)
これが朝になると仕事にでている間に、お隣の有能なインド人ハウスキーパー達がテキパキお片付けしておいてくれる。おかげで昼間のミンチン院長の抜き打ち検査にも【魔法 : 非検出】で事なきを得た。

魔法に慣れたようなセーラと、まだソワソワ感が止まらないメイド仲間。
(≧∇≦)「ああ〜、私達がこんなにありがたがっていることを、魔法使いさんにお伝えしたいですぅっ!!」
と興奮やまないメイド仲間に対し
(^ν^)「大丈夫よ。私達がどれだけ感謝しているかは、きっとわかってくれているはずよ。だってそれが魔法使いさんですもの?」
さすが、プリンセスセーラ。与えられた幸運を享受する時も優雅に動じない。

しかし滲み出る幸せオーラ。「あの娘なんだか綺麗になったみたい。恋してる…?!」的な鋭さで、セーラの異常を感知する院の魔物たち。

(¬_¬)( ̄3 ̄)「いやに血色がいい。きっと盗み食いでもしてるんだよ」と残り物チェックをする下女とコック。

(*`へ´*)「あんなに顔色がよく元気だなんて、おかしい。」
と訝しむミンチン院長…子供がはつらつとしてたら怪しむ学院って、教育機関として相当終わっています。

どこまでもセーラの屈強な面の皮を引っぺがしたいと夢欲する鬼どもの追っ手は止まらない。
プリンセスセーラ。アイドルとは人に夢を魅せるもの。汚れた奴らの見たい歪んだ夢すら映してしまうのか…。
いじめられても、(´-`)「はい、ミンチン先生」(´-`)「おはようございます、○○さん」(´-`)「わかりました。○○さん」と、爽やかな挨拶の後ろに名前をつけることを忘れないねセーラは。コレちょっとイライラする。

しかしついに、魔法発動中の夜間のガサイレが入ってしまうのだ…
魔法が暴かれた時も、食卓でセーラお得意の「こんな時こそ余裕で夢想享受」が披露されていた。ナプキンとフォークで人形を作ってダンスさせ( ´ ▽ ` )ノ「ランランランランランラーン♪」
そこへバターン!悪鬼どもの蹂躙…

メイド仲間の土下座も虚しく(´Д` )
ミンチン院長は(◎_◎;)「オトコ(街の少年ピーターのこと)に盗みをさせて貢がせたんですね!」とあさってな勘違いにワナワナ震え、
コックはしつらえを横取りに片しながらご馳走の匂いを(@ ̄ρ ̄@)クンカクンカ嗅ぎ、
下女は(♯`∧´)(´-`)セーラを引っつかんで馬小屋へ連れて行く。

こうしてセーラの馬小屋生活が幕を開けた…(´-`){/netabare}


*馬小屋生活始まる、のお話
{netabare}
ここは小公女だった時代に、セーラのお馬さんが繋がれてた小屋。今はからっぽの、藁だけが残る隙間風ふく小屋。そこに主人が暮らすとは。そしてその事をいじわるお嬢様にグリグリいじられる。本当に十二国記の姫様並にトコトンいくよどこまでも。
そして、一番暗い夜が明けたあともまだ次が。甘ーいもの食べさせた後でしょっぱいのがくるよ〜。
展開が早くて激しいので、文章にしても何だか伝わらない。こんないかがわしいまとめよりも観ていただきたいものだ。

学院でハロウィンパーティが開かれる。アメリア先生が子供達と色んな遊びをするんですが、この様子が楽しい。遊びの中で一手間かけてまでセーラを陥れようと頑張ってた、いじわるお嬢様( *`ω´)。しかしちょっとしたラッキーがセーラのもとへ。あらっ(^ν^)☆彡って感じに対して、キリキリキリ…( *`ω´)
アメリア先生は生徒達にも自然に親しまれてるし、この前の話あたりでセーラに申し訳ない心中を吐露してたし、妹さんのポスト院長色がひたひた濃くなってますぜ、ミンチン姉さん。そうとは知らなミンチン先生は基本コドモキライなので自室でくつろいでいた。( ´Д`)y旦~~

やがて夜が更け、パーティ気分が終わらない少女たちのちょっとしたイタズラが、馬小屋で火をおこしてしまう。燃え上がる小屋の中で人形を抱いて立ちすくむセーラ。
助かったものの、勿論とばっちりはセーラに…。

\(♯`Д´)/=3=3=3「おまえという子は…!身よりも家もないおまえを親切心からここへ置いてやったものをつけあがって…」云々のミンチン先生のお小言に、今回ばかりは毅然として言い切るセーラがいた。
(´-`)「ミンチン先生は、私に親切だったことはありません。そして、私はこの学院を家だと思ったことはありません。」
ミン(;゜0゜)チーン
「ンナッ、おまっ……でておいきー!!」 {/netabare}


*逆転倍返しはじまる、のお話
{netabare} すんなり意に従い出て行く訳ですが、ここから見ていられないのはセーラよりもミンチン先生。
出て行ったセーラを、(本当は心配なのか?院の評判が落ちるのを懸念しただけなのか?)呼び戻すよう妹に言いつけたり。
セーラに贈り物が届いたことで、実は金持ちのパトロンが居るのでは?という臆測に今度はすがりついて、o(;`ω´ )o「セーラさんっ」と丁寧に呼び出したり。
セーラの姿が見えずお隣へ行ったと聞いたときのムカッ腹から、学院にいる猫を生徒達の目の前で足で蹴り上げたり。(>_<)

そしてやっと、「おお、この子だ!」の回。隣の屋敷の主人が探していた「友人のダイヤモンド鉱山の遺産を相続する娘」が実はセーラだと判明した時の、ミンチン先生の脱力錯乱ぶりはもう穏やかじゃないね。
((((;゚Д゚)))))))は…はわ…はわわわ…っ
胸にダイヤモンドを飾り、厳かに階段上に登場した小公女セーラに、
( ゚д゚)「セーラ…さん…」
(´-`)「はい、ミンチン先生。」
膝叩いちゃうね。こんな時までセーラは丁寧な応答+名前呼びの「はい、○○さん」徹底してる。むしろこの時のためだったのかとさえ。

昔のモノクロ映画だったらここで失意の先生はミンチン学院じゃないナントカ院にドナドナ送られちゃうんじゃないのかという不穏さが漂う。妹アメリアから鬱屈されていた怒りにまかせて責められるだけで済んだのだけども、子供むけアニメにしてはかなり怖いと思う。しかしそれだけの事はしてきた、ミンチン院長。それだけの事を面白く見てきた私も、彼女が腰も立たず雪の中這いずって院に戻る姿を見届けるしかない。 {/netabare}


*最終話 小公女ラビニアに関する考察
{netabare}
いじわるお嬢様ラビニアとの握手が見もの。
セーラとお隣のご主人が弁護士を連れて学院へ乗り込んでくる。
意気消沈していた院長、更に訴えられるのかとガタガタ震えながら((((;゚Д゚)))))))出迎える。
一体何事かと見守る少女らに、ラビニアが( *`ω´)「たぶんこの院を買占めにやってきたのよ。ありあまるダイヤモンドで復讐のために、ね?」
こんな混乱も面白くてたまらないって端的な口調。

やがて学院への寄付にミンチン院長の声色は高く弾んで復活。セーラは懇意にしていたメイド仲間を自分に召し上げるとも公表し、涙の再会。
これを見守るラビニアの瞳がどこか寂しそうに見える。
小公女復帰を祝う少女たちに取り巻かれるセーラを、真っ直ぐな瞳でぐっと遠巻きに見守るラビニア。
鋭く小賢しく若々しい顔つき、シュッと通ったまつげ。見ていると似顔絵描きたくなる。嫌な子なのに、なんとも美しいんですよね。よく「性格の悪さは顔に出る」っていうけど…どこか魅力があるのは何ででしょう。ミンチンにはない、高い気位があり、劇的な面白さ(残酷であっても)を見抜く貪欲なところがあるからでしょうか。物事や人間同士の表面のみは見ていない。
胸の握り拳にどんな感情を押し殺したのか、やがてセーラへと踏み出し、友情締結を申し出る。

( ̄+ー ̄)「おめでとうセーラ。私、あなたさえよければ仲良しになってもよくってよ?」
(´-`)「ありがとう。私、本当を言うと、この学院にきたときから、あなたと仲良しになりたいと思っていたのよ。」←この子本心よーめーなーいーわー~_~;

この時ラビニアが何を飲み込んだのかは謎だけど、セーラの幸運大逆転の姿を見て「今はこれはセーラのターンだ」と悟ったのかもしれない。これまで何度か、好機はお互いの間を行ったり来たりしてきた。人生なんてこの先知れないのは誰も同じ。「だとしたら今は私は私の役を演じ切る。ミンチン先生のような醜態を晒したりしない!ぶれない!」という決意で踏み出したのかもしれない。オープニングで唄われる「胸の奥にこの花あるかぎり」の花の矜持は、ラビニアの中にも咲いていた…のかも?!

やがてセーラはインドへ、このお嬢様もアメリカへ旅立つことになる。
( *`ω´)「もう二度と会えないわね。」
(´-`)「きっといつかまた、会えるわ?」
( *`ω´)「フフン。何十年後かには会えるかもね…その頃あなたはダイヤモンドプリンセスからダイヤモンドクィーンになっているんでしょうけど?そしたら私は…、アメリカ大統領夫人になっているかもしれないわよ!」
同じ土俵では戦えなくなるけれど、この娘が私のライヴァルであることには変わらない。セーラが掴み取った幸せと競いあえるくらい、自分もきっと輝いてみせる、そういう「面白くなってきたわ。」っていう諦めの悪さがお嬢様の心の中では根強く育っていて、それを育てたのは、天性もあるだろうけど、打っても打ってもちっとも懲りた顔を見せなかったセーラのおかげではないかな。うらやましい、この2人の懲りなさ。もー自分、競うとか耐えるとかあらゆる面において面倒に生きてるので、どんな土俵にもチンとしとられんのでうらやましい。
セーラの言うとおり、お互い影響を与えあえる(セーラは影響受け取ってるのか微妙だが)関係になれるのかもしれない。

ミンチン先生は反面教師過ぎたね。ミンチンの中には花は咲いていなかったのだろうか。かつては咲いていたけれど、いつの間にかなくなっていたのだろうか。あんな大人になりたくないって、子供たち皆心に刻んだことでしょう。妹さんがいいアドバイス訳として腕を振るうようになるのかな。 {/netabare}

あなたの心の中に花は咲いていますか?

(¬_¬)( ̄3 ̄) (´・Д・)」(♯`∧´) ( *`ω´)(´-`)(´・_・`)
悪ノリな長文に、お付き合いいただきありがとうございました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 28

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

下成佐登子さんの曲が作品の雰囲気とマッチしていてよかった。なんかOPから切なさが漂っている。

父親の死から始まる急激に鬱展開に突入して、感情移入しすぎたため、結構辛かったのですが、回りにいる優しい人に助けられ、最後は院長ざまあみろと思いました。救いは必要です。

閉鎖社会の恐ろしさがありありと分かる。
お山の大将にならないように注意が必要。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
勉学のため、インドからイギリスの寄宿学校にやってきたセーラ。ミンチン女子学院では特別待遇される大金持ちでありながら、誰とでもわけ隔てなく接し、優しく想像力にあふれたセーラは学院一の人気者です。ところが11歳の誕生日に、思いがけない父の死と破産を告げられ彼女の生活は一変します。屋根裏部屋住まいの下働きとなり酷使される毎日。しかしセーラは同じ下働きのベッキーと励ましあいながら、貧しさの中でも気高さや優しさを失いません。


1. ミンチン女子学院
ロンドンでも厳格な事で知られる寄宿学校・ミンチン女子学院に、一人の少女がやって来た。インドで莫大な富を築いたクルー家の一人娘、セーラである。セーラが彼女の専用馬車の御者に少年・ピーターを雇った事で、ミンチン院長の心中は複雑になる。

2. エミリー人形
セーラがいつの日か出会えると信じている "エミリー"。それは、心を許し合える人形の事だった。セーラは父と一緒にエミリーを探してロンドン中の人形店を訪ねてまわった。そしてついに、夢にまでみたエミリーを洋服屋のウインドーの中に見つける。

3. はじめての授業
最初の授業はフランス語の授業だった。セーラは教科書を見て困ってしまった。ミンチン院長は、セーラがフランス語を話せないと思い慰めてくれるが、セーラはフランス語がぺらぺらで、教科書が簡単すぎるので困っていたのだった。

4. 親友アーメンガード
セーラと同じクラスの少女・アーメンガード。セーラは、勉強が苦手で、いつもラビニアたちにからかわれている彼女の味方になる。セーラは落ち込む彼女を自分の部屋へ招待した。すっかり打ち解ける二人だった。

5. 泣き虫ロッティ
学院でいちばん小さい4才の女の子・ロッティ。なかなかみんなに行動を合わせられないロッティは、ラビニアやミンチン院長から毎日のように怒られて泣いてばかりいた。そんなロッティに、セーラは優しく接するのだった。

6. 灰かぶりベッキー
ある日、ミンチン女子学院に新しく雇われたメイドの少女・ベッキーがやって来た。彼女は、次々にたくさんの雑用を言い付けられて働き続けていた。セーラは自分と年が幾つも違わないベッキーがこき使われるのが可哀想でならなかった。

7. 代表生徒
日曜日、生徒たちは礼拝堂へと出かける。セーラにミンチン院長は列の先頭に立つよう命じる。市長夫人の前で、気品に満ちたセーラを表に出し、学院の株を上げようと考えていたのだ。学院の代表をセーラと交替させられたラビニアは我慢ならなかった。

8. 親切なお嬢様
セーラは、いつも働き通しのベッキーの事が気がかりでならない。ある日、セーラの部屋を掃除していたベッキーは、飾られていたエミリーの可愛さに見とれるうちに眠ってしまった。セーラは、ベッキーをお客様として丁寧にもてなすのだった。

9. インドからの手紙
ラビニアの態度は日に日に頑になっていった。ロッティにまで辛く当たる彼女に、セーラは怒りを感じながらも毅然とした態度でのぞんだ。そんなセーラに、周りの生徒たちはますます信頼を寄せる。そんなとき、セーラにお父さんからの手紙が届く。

10. 二つのプレゼント
セーラの11歳の誕生日。ミンチン院長は高級な服をセーラにプレゼントした。ベッキーは考えあぐねた末、肩掛けの目立たないところを切り取ってセーラの為に針刺しを作った。セーラはベッキーの気持ちが嬉しくてベッキーに抱きついて泣いてしまう。

11. プリンセスの誕生日
その日はセーラの誕生パーティーが開かれる事になっていた。生徒も準備に大忙しだ。ところが、パーティーが盛り上がってきた時、信じられない知らせが飛び込んできた。セーラのお父さんが事業に失敗して破産し、しかも病死したというのだ!

12. 屋根裏の暗い部屋
セーラへの投資が全部水の泡となったミンチン院長は、セーラに学院からの追放を言い渡す。学院に対する世間の評判を気にした院長は、セーラが学院に留まる事は許すが、そのかわりベッキーと同じようにメイドとして働くように命じるのだった。

13. つらい仕事の日
セーラに与えられた学院の最上階の屋根裏部屋…そこは、暗く、汚いひどい場所だった。ベッキーはどこまでもセーラを慕い、セーラもそんな彼女の優しさをうれしく思うのだった。メイドとして働くセーラの生活が始まった。

14. 深夜のお客さま
再び代表生徒の座を取り戻して勝ち誇るラビニアは、これまで以上にセーラに辛く当たる。そんなある日の深夜、仕事が終って部屋に戻ったセーラをアーメンガードが待っていた。アーメンガードはセーラにもう一度お友達になってほしいとお願いする。

15. 街の子ピーター
心配するベッキーに見送られ、セーラは市場へと買い物に向かう。市場に着くや、セーラは不意に街の少年たちに突き飛ばされ、お金を盗られてしまった。困り果てるセーラ。しかし、そこへ偶然通りがかったピーターが、買い物を手伝ってくれる事に。

16. ロッティの冒険
ロッティにはなぜセーラが自分と口をきいてくれなくなったのか理解できなかった。寂しさ募るロッティは、とうとう深夜に寝床を抜け出し、屋根裏部屋を目指す。その夜ロッティはセーラと一緒に屋根裏部屋で眠るのだった。

17. 小さな友メルの家族
セーラは屋根裏部屋の壁の穴に住むネズミにメルと名前を付けて、仲良くなろうとしていた。夜遅く部屋を訪れたアーメンガードは、メルを見て震え上がるが、次第にその可愛さにすっかりネズミ嫌いが治ってしまう。

18. 悲しいメイポール祭
夜も明けないうちから、仕事を始めるセーラとベッキー。その日は生徒たちもなぜか早起きだった。それもそのはず、今日は魔法の朝露が降る日と言われ、それを浴びるとこれから一年美人でいられるという日だったのだ。

19. インドからの叫び声
生徒たちに家族からの手紙が届く。セーラに届く便りがあるはずもない。と思った矢先、セーラにも手紙があるという! だがそれは、宛先不明となって返ってきた父宛の手紙だった。父の最期を知りたいセーラは、インド警察に手紙をだすのだった。

20. 謎の特別室生徒
ラビニアに靴磨きのやり方をなじられ、すっかりしょげるベッキー。その日、ラビニアの両親が学院を訪れる事になっていた。ラビニアは代表生徒として特別室に入る事を院長から認められ、さらにセーラを専用のメイドにしたいと言い出すのだった。

21. 涙の中の悲しみ
特別室に移ったラビニアが、セーラを呼びつけて雑事を言い付ける。特別室の掃除に呼んだのもそれだった。掃除するそばから部屋を汚していくラビニアたちに、セーラは「掃除はあなたたちがいない時にします」と、きっぱりとはね付ける。

22. 屋根裏のパーティ
アーメンガードとロッティは深夜にセーラの部屋に遊びにきた。そしてベッキーも加えて、4人は、屋根裏部屋でパーティーを開く事になった。しかし、ラビニアがミンチンに告げ口したため、ミンチンにひどく怒られてパーティーは終わってしまったのだった。

23. 親切なパン屋さん
道の途中で銀貨を拾ったセーラは、目の前にあったパン屋に屈けるが、そこで自分よりももっとお腹を空かせている少女に出会う。パン屋でブドウパンを買うと袋から1つだけ取り出し、残りをすべて少女アンヌに渡して帰るのだった。

24. エミリーの運命
その日は学院の代表生徒・ラビニアの誕生日だった。ラビニアは、自分へのプ ゼントとしてセーラのエミリー人形を要求する。しかし他の生徒たちも口々にエミリーをセーラに返した方がいいと言い、ラビニアは怒ってエミリーを投げて返したのだった。

25. 一日だけのシンデレラ
ミンチン女子学院へ市長夫人が視察に来る日、夫人は視察に際して以前美しいフランス語会話を披露したセーラにまた会いたいと告げてきたのだ。デュファルジュ先生の勧めもあり、1日だけセーラに代表生徒の代役を務めるように命じるのだが…。

26. 年少組の小さな先生
市長夫人の要請を受けて、ミンチン院長は年少の生徒にフランス語を教える役目をセーラに命じた。ロッティたちと机を共に出来る事を喜ぶセーラ。ロッティはもちろん、年少組の授業に加わったアーメンガードもセーラの楽しい授業に夢中になる。

27. デュファルジュ先生の帰国
ラビニアたちからデュファルジュ先生が出したフランス語の宿題を押し付けられるセーラ。セーラは何とか宿題を終えたが、ラビニアたちにはその内容が理解できず、セーラの手を借りた事が先生に分かってしまう。この事を逆恨みしたラビニアは…。

28. 夏休みの大騒動
誰もが待ちこがれる夏休みが目前に迫っていた。両親の迎えを待ちわび、休み中の行動をあれこれ思い描いて楽しむ生徒たち。その生徒たちをただ見守るだけのセーラ、そして、その姿を同情のまなざしで見つめるベッキー。

29. ベッキーの里帰り
ベッキーも夏休みをもらい、田舎へ帰る事になった。広い学院にただ一人残される不安を隠して、笑顔でベッキーを送り出そうとするセーラ。外出の詐可を得、駅までベッキーの見送りに出たセーラの心は帰る場所のない寂しさでいっぱいになる。

30. インドからきた紳士
セーラにベッキーから手紙が届く。毎日の様子が細かに書いてあるベッキーの手紙。そんなある日、学院の隣の空き家に引っ越して来る人があった。セーラは、自分と友だちになれるような人であってほしいと願う。

31. 屋根裏にきた怪物
学院の隣にインドから越してきたという紳士は、車椅子に乗り、どこか体調が悪そうな人物だった。その様子を心配するセーラは、早く回復して欲しいと心から願うのだった。そこへ、田舎からベッキーが戻ってきた。再会を喜ぶ二人。ところが…。

32. 壁の向う側の秘密
隣の住人・クリスフォード氏が、インドで鉱山を手掛けていたと聞いたセーラ。父と似た境遇にあった紳士が病に伏していると思うだけで、セーラの心は痛んだ。その頃、クリスフォード氏は弁護士に苦しい胸のうちを打ち明けていた。

33. 新学期のいじわる
いよいよ新学期が始まる。セーラたちは生徒の受け入れ準備に大忙し。ラビニアは、石板が汚れていると難癖を付けてきた。その石板を使ったベッキーをかばったセーラだったが、思わず弾いた石板が窓ガラスへ飛んでいき、ガラスを割ってしまった!

34. 嵐の中のつぐない
その日は、強い嵐だった。こわれた窓から屋根裏部屋に雨が吹き込んでしまっていた。さらに外で石炭運びをしたセーラはすっかりびしょ濡れに。そのまま 特別室に石炭をくべに行ったセーラは、あたたかい暖炉の前でつい寝込んでしまう。

35. 消えそうないのち
セーラは熱を出して倒れてしまった。病気の感染を恐れた院長は仕方なく医者を呼ぶ事を許可する。医者の診断によると、セーラは恐ろしい重病で、命も危ないという。ベッキーやアーメンガードの懸命の看病が続く中、セーラはうわ言で父の名を呼ぶ。

36. 魔法のはじまり
隣家の召使い・ラムダスは屋根裏部屋の様子がおかしいのに気付き、クリスフォード氏の許可を得て密かに様子をうかがいに訪れた。彼はセーラが病に倒れた事を知る。報告を聞いたクリスフォード氏は、何とかセーラの病気を救おうと、思案を巡らす。

37. 屋根裏は大混乱
魔法の感激に酔った一夜が明けた。セーラの回復が早いので、院長たちはセーラが仮病だったのではないかと疑って部屋を調べに来た。ところが、部屋はさっぱりと片付けられて元通りになっている。密かに首をかしげるセーラとベッキー。

38. こわされた魔法
夜、部屋に戻ると待っている魔法。それを楽しみにするセーラとベッキー。セーラの買い物の後をつけたモーリーは、ピーターが何かとセーラの面倒を見ている事を知り、院長に報告する。セーラはピーターの援助を受けている、そう考えた院長は…。

39. 馬小屋の寒い夜
院長の怒りを買って、セーラは何と馬小屋で寝泊まりをする事になってしまった。それでも誰を恨む事なく、セーラは与えられた運命を生きようとする。外出も禁じられ、前にも増して働かされるセーラ。セーラの身の上を知ったピーターは…。

40. アメリア先生の涙
ある日曜日。アメリア先生は以前から生徒たちと公園へ散歩に行く約束をしていたので、礼拝の後、実行する事にした。公園に弁当を届けるよう言われたセーラとベッキーも、外出できる事を密かに喜んだ。二人が公園に着いたその時…。

41. 妖精たちのパーティ
今日はハロウィン。学院でもパーティーが開かれる事になり、早速セーラとベッキーは買い物へと出かける。生徒たちがパーティーの準備に忙しくする中、セーラたちは次々と雑用を言いつけられていた。

42. 雪の日の追放
ロッティが誤って落としたランタンのロウソク…それが元で馬小屋が火事になってしまった。エミリーを救おうと、炎に包まれている小屋に飛び込んだセーラ! 何とかエミリーを持って出たセーラだが、とうとう学院から追い出される事になる。

43. 幸せの素敵な小包
セーラは、ピーターの助けを得てマッチ売りの仕事を始めた。そこへ、ピーターが迎えに来た。ミンチン院長がセーラを呼んでいるという。学院にセーラ宛の大きな荷物が届いていたのだ。中には、服や帽子どれも特別あつらえの一級品が入っていた。

44. おお この子だ!
誰か自分を助けてくれる人がいる。セーラはまだ見ぬその人物宛に感謝の手紙を書く。手紙を読んだクリスフォード氏は、セーラの優しさに打たれていた。ちょうどそこへセーラが訪ねてきた。セーラのフルネームを聞いた氏は…!

45. ミンチン院長の後悔
セーラを連れ帰そうと、ミンチン院長はクリスフォード氏の屋敷へ向かう。だが、その院長に告げられたのは、驚くべき真実だった。セーラこそ、まさしくクリスフォード氏が探していた親友の娘で、今や世界有数のダイヤモンド鉱山の持ち主なのだ!

46. また逢う日まで
ダイヤモンド・プリンセスとなったセーラは、ミンチン学院で勉強を続ける事を希望し、学院へ生徒として戻ってきた。ベッキーも、正式にセーラ付きのメイドになった。そして、セーラはクリスフォード氏とともに父のお墓参りにインドへと旅立つ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 6

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

不朽の名作

長くなるので、最初にこれだけは伝えたい。
とにかく、YOUTUBEでOPの「花のささやき」を聴いて欲しい。
この曲を聴けば、本作が一体どういうものか、と言う事が理解できるだろう。
日本のアニメ史上最も悲しく美しいOPの一つである。


本作は自分が小学生の頃、リアルタイムで観ていたものの、
約30年という月日が流れても、トラウマのように心の片隅で忘れることが無かったほど、
印象深く記憶に残っている作品である。

念願叶って約30年ぶりに再鑑賞を終えたので、この機会に感想を書いてみようと。
結論から言うと、今観ても充分衝撃的な内容であり、また名作であると再確認した。

本作は世界名作劇場シリーズの中の1作品で、
他作品同様、主に子供向けで作られた作品ではあるものの、
(今思うと本当に子供向けかよ、と思える内容だが)
大人が観ても見応えのある、素晴らしい内容となっている。
当時は日曜日のゴールデンタイムに放送されていて、視聴率も高く、
家族揃って観ていた人が多かったように思う。

主にソフト路線で似たような雰囲気の同シリーズ作品と趣は大きく異なり、
全46話のうちの10話目くらいから、
主人公のセーラが執拗に虐げられるシリアスな描写が続き、悲惨さを極めた鬱展開に..
やはりこのアニメで目に付くのは、どうしてもその部分になってくるだろう。

そんななか、特筆すべきはセーラの「天使過ぎる」性格。
もはや現実にはあり得ないぐらいのレベルだが、
それが逆に周りの大人達や虐めているキャラの醜悪さを強調し、
(ミンチン院長はアニメ史上屈指のクソババアで間違いないだろう)
悲しみに暮れるセーラに深く感情移入してしまう要因にもなっており、
正直、視聴者はどうしようもなく切なく、また胸糞悪い思いをする事となる。
毎週毎週本当にいつまでこんな辛い展開が続くのか...と。

しかし、セーラの心の支えとなる、ベッキーやピーターの存在が非常に大きなものだったとはいえ、
どんなに酷く辛い目に遭っても、セーラは決して絶望しなかった..涙


それにしても今回再鑑賞で感じたのは、
やはり昨今のアニメ(視聴者を安易に喜ばせるような内容)を見慣れてるせいか、
この作品は何時間も続けて観るには、精神的に結構キツい。
昔は週に1回観るだけだから良かったものの、続けて観ると大人になった今でもしんどいレベル。

今のアニメなら、シリアスな内容のものでも、少しはギャグ要素なり、
萌えなどの一息つける場面があるものだが、
この作品にはそういった、ある意味視聴者に媚びるような演出は殆どない。

たとえセーラの味方になってくれる人物と一緒の時でも、
やはり根本にある悲惨な状況には変わりなく、徹底してシリアスを貫いている。
少しでも良い事があったら、倍以上に胸糞悪い展開が後に待っている。


もしこれから初めて観る、という人が居るなら、
鑑賞にはかなりの忍耐力や苦痛を伴うことと思う。
ハッキリ言って、観ていて楽しいという類のものでは決して無い。
このような内容は円盤を売るためのアニメでは、殆どあり得ないものだ。

でも一度観始めたなら、作中のセーラのように耐えぬいて、ぜひ最後まで見届けてほしい。
製作者側が視聴者に忍耐を強いるのにも、当然意味があるから。
そして、最後まで観たならば、これまでの悲しさを吹き飛ばすような展開が待っている。

ただ、自分はセーラほど出来た人間ではないので、
最後までラビニアの態度は気に食わないし、
院長も土下座して謝るくらいするべきなのでは(全然足りないが)、と思う。
罪を憎んで人を憎まず、とはよく言ったものだが...

人生は決して楽しいことばかりではなく、
むしろ嫌なこと、不幸、理不尽、不条理、差別や偏見に満ち溢れている。
この作品はそれら、様々な負の要素が含まれているが、
実際にそのような場面に遭遇した際に、いかに生きるべきなのか、
決して誰しもセーラのように振る舞うことは出来ないだろうが、
セーラの態度や行動に感銘し、多くのことを学べるのではないかと思う。
自分自身も、今回の鑑賞でまた勇気を貰い、頑張ろうという気持ちになった。


-ここからは作品の評価と余談-

シナリオは小学生が観ても理解できる単純なもので、途中でオチも予想できてしまうが、
やはりそれでもあれだけの日々が続いた後なので、心に響く。
しかし、演出があっさりしすぎているせいで、思ったほどは泣けないかも知れない。

声優はセーラ役に「風の谷のナウシカ」等で有名な島本須美さん。
もうこの役にはこの人以外考えられない、最高のキャスティングだと思う。

ミンチン院長とラビニア役の声優さんには、放送当時非難が殺到し、
カミソリの刃が送りつけられるという事件まであったらしく、
放送終了時には、「こんな役は二度とやりたくない」と言ってたらしい‥
裏を返せばそれだけこの二人の演技が上手くて、本当に憎たらしいということだろう。
アーメンガードだけ、ちょっと棒っぽい演技なのが気になったくらい。

作画は今のデジタル&CG技術など無かった前時代のもので、
単純に比べるべきものではない。
ただ逆に色使いに関しては、100年ほど前の時代を描くためであろうか、
くすんだ感じがより作品を悲しく、愁いを湛えているようにも思う。

音楽に関しては、本当に素晴らしい。
冒頭に書いた通り、OPの「花のささやき」は、セーラの悲しみと、
決して絶望しない強い心が嫌というほど伝わる、泣ける名曲だ。
挿入曲もバイオリンやピアノなど、アコースティックなものが多く、
現代のパソコンやシンセ等で作れるデジタル音楽と比べて非常に温かみがあり、
かつ、しっとりと聴かせる趣きのあるものとなっている。


このような内容の作品は、現在のアニメ業界を考えると、なかなか作ることが難しい。
永く後世に伝えていくべき作品だと思う。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

65.1 10 鬱展開で泣けるなアニメランキング10位
クロノクルセイド(TVアニメ動画)

2003年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (175)
1238人が棚に入れました
第一次世界大戦終結後の1920年代。それはまだ現代よりも夜の闇が濃かった時代。
アメリカ合衆国は大戦による軍需景気に湧き、同国に生きる人間たちはその繁栄を謳歌しながら、自らの持つ「心の闇」に捕らわれていた。好景気と投資によるにわか成金。マフィア・カジノ・禁酒法…。その光と闇に狭間に乗じて、ヒトの心の弱さを突き、暗躍する者たちがいた。悪魔と呼ばれる人外たちである。
マグダラ修道会ニューヨーク支部に在籍する、悪魔祓い専門のシスターロゼット・クリストファは、かつて悪魔アイオーンによって連れ去られた弟ヨシュア・クリストファを取り戻す為、相棒であるクロノと共に激動と繁栄と闇に満ちた米国を駆け巡る。


声優・キャラクター
川上とも子、石田彰、千葉紗子、榊原良子、速水奨、皆川純子、桑谷夏子、井上和彦
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

修道女&悪魔少年コンビの魔術バトルものだが・・・かなり意外な結末に

「ゴンゾの奇跡」で有名なアニメ制作会社GONZOが2000年代前半から中頃にかけて制作したアニメ作品
「カレイドスター(2003年)」、「Solty Rei(2005年)」
を以前視聴してみたところ、序盤・中盤は少しグズついた展開で忍耐が必要だったものの、そこを何とか切り抜けてからの終盤、特にラスト近くの展開に、それぞれ非常に大きな感動を受けた経験があるので、同社の同時期の制作である本作にも手を伸ばしてみました。

【ジャンル】 修道女・修道士と悪魔入り乱れての魔術バトルもの
【放送期間】 2003年11月~2004年6月


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に大きな疑問を感じた失敗回

{netabare}
1 シスターロゼット / Pilot ☆
2 契約者 / The Covenant ☆
3 御使い / Apostles ★
4 罪人 / The Sinners ★
5 修道騎士 / Militia ☆
6 宝石の魔女 / jewelsummoner ☆
7 悪魔 / The Devil ☆
8 傀儡 / Falling rain ☆
9 ヨシュア / Joshua ☆
10 尖角 / Horn ★
11 けだもの / Gabriel Hound ☆
12 聖夜 / Holy night ☆
13 姉 / Marionette train ☆
14 祈り / Invocation ☆
15 追手 / The Pursuers ★
16 信仰者 / Believer ☆
17 共犯者たち / Accomplices ★ 
18 四人 / Photograph ☆
19 首 / Atonement ★
20 毒 / Temptation ★★
21 マグダレーナ / Mary Magdalene ★
22 さよなら / Sayonara ☆
23 ノイズ / The Noise ☆
24 クロノ / Chrno ☆
{/netabare}

◆総評

上記の通り、

(1) 序盤・中盤はさほど大きな動きがなく退屈気味の展開でしたが、そこはGONZO作品の常かと思って我慢して視聴を続けたところ、
(2) 終盤(第17話以降)に入って意外な展開が続いて、特に★★(星2つ)とした第20話では本作もこれでなかなか面白いのではないか、という期待を持ちましたが、
(3) ラスト3話の展開が、確かに引き続き意外ではあったもののの、結構淡白(ないし地味)で、第21話までの期待をはぐらかされてしまったような微妙な感想になってしまいました。

また、魔術バトルもの、という本作のジャンル上、どうしても以前に視聴した「灼眼のシャナ(2005年、2006年、2011年)」と比較しつつ観ていたので、余計に本作のバトルシーンの迫力不足や、個々のキャラクターの描き出し方や作品世界の作り込みの甘さを感じてしまったのかも知れません。

なお、本作の世界観やストーリー展開自体は、
(1) 「灼眼のシャナ」に匹敵するくらいのスケールの大きさを感じましたし、
(2) シャナにはなかった現実の歴史に起こった(とされる)出来事(例えば、{netabare}第一次世界大戦中のポルトガルで起こったとされる「ファティマの聖母出現と予言」や、一級の聖者に現われるとされる聖痕(stigma)や、迫りくる第二次世界大戦の足音{/netabare})の作品中への取り込みもあって、
その点に少し興味を惹かれもしたのですが、それも結局は中途半端に終わってしまっているように感じました。

最後に、本作の結末部分について、{netabare}主人公ないし重要登場人物が哀しい最期を迎えてしまい、周囲の人々がそれを悲しむ{/netabare}、という形で完結に向かう展開は、ギャグ多めの本作からはやはり意外で、ここで感動を受ける方々はきっと多いのだろう・・・と私も推測します。

ただし私自身は、例えば「CLANNAD」、「四月は君の嘘」といった、あにこれでも評判の非常に高い作品の結末についてさえイマイチ感動できなかった人であり、要するに本作のような結末のタイプからは感動のポイントがズレている人なので、その点で、同じGONZO制作アニメでも、前記の「カレイドスター」や「Solty Rei」(この2作は{netabare}ハッピーエンドです{/netabare})並の感動を受けることは、残念ながら今回は叶いませんでした。

従って、本作の個人的評価は、この「カレイドスター」(個人評価では総合4.2を付けています)や、翌年に放送が始まった同じ魔術バトルものの名作「灼眼のシャナ」(こちらも個人評価では総合4.2を付けています)との釣り合いを考慮して、さほど高い点数を付けることは出来ませんでしたが、それでも2000年代前半の同ジャンルの人気作として、やはりexperienceとしての視聴価値の十分あった作品と結論づけたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 33

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ダレがないガッツリ作り込まれたアニメ。結末が有名かな?

 2000年代中盤くらいにレンタルDVDでアニメを結構見ていた時代の作品の中ではかなり印象深いものです。数年の時間をおいて2回見ていると思いますので、話はまあまあ記憶に残っており、今更全話を見返すつもりもないですが、今回レビューにあたりポチポチと確認しました。

 まず驚くのは、作画がいいですねえ。画面全体が非常に丁寧な造りです。キャラデザは当時のラノベ的な感じがしますが、実際はコミックスです。原作と違いがあるということでコミックスの一部を確認しましたが、アニメ以上に綺麗な絵(特にロゼットとアズマリア)で驚いた記憶があります。

 で、本作が印象に残っている一番大きい理由は結末ですが、その他のキャラたちのエピソードも結構救いがなかったと思います。

 宗教的なギミックが散りばめられいますが、宗教を深掘りするわけではありあません。修道女設定も雰囲気や設定にはマッチしますが、テーマは生み出していません。
 キリスト教の教義の堅苦しさに対する人間性としての欲望を求めるような、善悪の相対化を狙っているとは思いますがそこが成功しているかどうかはちょっと不明です。ただ、宗教が人の不幸を救ってくれないような世界の歴史の理不尽さについては感じることはできました。

 宗教的なテーマが機能しない理由は、登場キャラがいろんなマイナス要素を背負わされて、そのマイナスをどうして行くのかにストーリーの大半を取られているからです。そこにあるのが宗教的な理不尽さではなく運命論的なもので、主に兄弟姉妹の因縁が中心でした。

 同様に、アストラルラインとかパンデモニウムとかいろいろあり、物語としては奇麗に機能していますが、テーマ性やアナロジーとしてはあまり機能していなかった気がします。

 ただ、それが面白くないという意味ではありません。多少の遊び回はあるし、1クール12話の現在に比べれば緩いテンポの回もあるものの、結構無駄なく2クールでストーリーが進みます。
 先ほど言った通り、キャラの背景が説明されているので、次にどうなるかという興味が持続します。

 惜しいのが、ちょっと因縁というかストーリーの作り込みに力が入りすぎて、キャラが記号化した気もします。例えばロゼットの好物は?何が苦手?得意なのは?それはなぜ?みたいな作り込みが甘い気もしました。クロノとアイオーンも要するにロゼットの奪い合いでした。2人の思想的な葛藤が過去回想からもうちょっと描けてれば、と思います。

 そして、何といっても結末です。クロノの力を発揮するための代償として、ヒロインの命の時間という非情な設定が物語全体を貫いて、それがどうなるのか?という問題が一番大きいです。聖痕=マリアで非人間的な存在としてそれを上手く処理するのかなあ、などと思っていたら、そうきますか!!という最後で、かなりの衝撃を受けた記憶があります。

 ということで、エンタメとしてはガッツリと面白いし、かなり見ごたえがあるアニメだと思います。2クールですがダレはないと思います。ストーリーキャラはもちろんですが、作画が丁寧で色合いも良く「アニメを見た」という満足感が高いです。
 声優・音楽は今見るとそこそこですが当時のスタンダード以上だとは思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

coldikaros さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これは・・・^^;

あれ?原作完結後のアニメだった気がするんだけどな・・・
原作のラストでは泣いた記憶があります。
このアニメ版のラストは、後味悪いの極みですね^^;
これは元々ですが、設定自体が結構えげつなく、初めからあまりハッピーなラストを想像できません。
敵方の策略や行動も尋常じゃなくえげつないものがありますので、心が抉られます。
バットエンドや絶望にこそ心ときめくって人にのみ一応おすすめできます。
ですが原作に比べると、どうしてもラストの演出の弱さが目立ち、これなら原作の漫画を見たほうが満足感を得られると思います。
うーん。本当にどうしてこのような方針になったのか、アニメ側にも原作側にも利益はないと思うのですが。
ラストが全体の評価を大きく下げてしまった残念な作品ですね。正直まったくおすすめできません^^;

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
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