飛行艇おすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの飛行艇成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月05日の時点で一番の飛行艇おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.2 1 飛行艇アニメランキング1位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1280)
6321人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

90.6 2 飛行艇アニメランキング2位
天空の城ラピュタ(アニメ映画)

1986年8月2日
★★★★★ 4.2 (2355)
14191人が棚に入れました
ある夜、飛行中の飛行客船を、航空海賊の一団が襲撃する。政府特務機関に捕らわれ客船に乗っていた少女シータは、混乱に紛れて特務機関の指揮官であるムスカ大佐を気絶させると、彼の懐から青い石のペンダントを奪い取る。窓を伝って逃げようとするが、海賊に見つかり、驚いた拍子にシータは客船から転落してしまう。雲間を落ちていく中、気を失った彼女の胸にかかっていたペンダントの青い石が突然光を放ち、シータは光に包まれゆっくりと降下していった。鉱山町で働く少年パズーは、青い光とともに空からゆっくりと降りてきたシータを助け、自宅にかくまう。一夜明けパズーは、シータの行方を追う空賊や政府からシータを守り逃走を図る。

声優・キャラクター
田中真弓、よこざわけい子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎、糸博、鷲尾真知子、神山卓三、安原義人、亀山助清、槐柳二、TARAKO

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

【ジブリ】「ナウシカ」は再放送数最多! 宮崎駿アニメを愛する“リピーター”の特徴

皆さん、宮崎駿作品は好きですか?  

私は好きです。劇場に足を運んで観るのはもちろんのこと、TVで再放送を楽しむことも。何だか再放送の回数が多いので、「また、放送だ!! 」と心の中でツッコミを入れつつも、しっかり録画予約。

そして、ラピュタのあのシーンでは、「バルス!! ! 」なんてお決まりの投稿をしているのです。パズーとシータの目玉焼きパンのシーンは相変わらず美味しそうだし、ナウシカが生き返るシーンを心待ちにしてしまうのです。結局は毎回楽しんでおり、子どもが大きくなったら、どの作品から観せようかと妄想したりするのです。

そこでこちらの数字をご覧下さい。

『風の谷のナウシカ』……15回
『となりのトトロ』……13回
『ルパン三世 カリオストロの城』……13回
『天空の城ラピュタ』……13回
『火垂るの墓』…11回
『魔女の宅急便』……11回

こちらの宮崎アニメ(※脚本参加含む※『火垂るの墓』は準宮崎アニメ)と数字の関係は一体なんだと思いますか?  実はこれらは、「金曜ロードSHOW! 」で放送された宮崎アニメの回数なのです(※出典・書籍『<面白さ>の研究』※1975年~2015年1月)。

私だけでなく、再放送が多くて「またか」と思う人は少なくないはず。それもそのはずで、同枠での宮崎アニメの放送回数はとにかく多いのです。これは、突き抜けて多いと言っても過言ではありません。上記のランキングは、「金曜ロードSHOW! 」で放送された宮崎アニメの回数でありますが、その順位そのものが、同枠での再放送の回数と一致するのです。

11回の『魔女の宅急便』よりも少ない放送回数で見ると、『紅の豚』が10回、『耳をすませば』が9回、『もののけ姫』が8回再放送されています。つまり、「金曜ロードSHOW! 」での再放送ランキングの1位~9位までを宮崎アニメが独占しているのです。そして、同着9位として、ようやく宮崎監督が関与しない『ルパン三世 ルパンVS複製人間』『幸福の黄色いハンカチ』(同8回)がランクインするのです。

何となく多いと思っていたけど、こんなにも多いとは……。私もそうですが、宮崎アニメの人気は「リピーター」が支えていると言っても過言ではありませんね。視聴率がとれるから放送するわけで、その視聴率にはリピーターが貢献しているのです。

書籍『<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか』の著者であり、京都精華大学マンガ学部准教授の都留泰作さんは、「宮崎アニメのリピーター」について自著で分析。なぜ、ここまでリピーターがいるのかについて語っています。

その前に、リピーターの少ない作品とはどのようなものがあるのでしょう。都留さん曰く、最もリピーターが少ないのは「推理物」とのこと。確かに推理物は犯人やトリックを解明することが最大の山場。その真実を知りながら繰り返し視聴するのは、なかなか気が進まないもの。一方の宮崎アニメには、山場そのものはあるのですが、だからといって一度観て終わりとはならないのです。宮崎アニメには、全てのシーンを楽しむことができる。「推理物」との違いに、「住まわせ力」があると都留さんは説明します。

住まわせ力とは、「それは庭園を散策する人の姿を思わせる。繰り返し同じ景色を別の角度から眺めて、そこから受ける刺激を楽しむ。または同じ料理を食べる人にも似ている。食欲が起こるたびに、同じ刺激を求めてお気に入りの料理を注文してしまう。それは習慣性がある」と同書で説明されています。

皆さんが宮崎アニメを楽しむ時に、上記のような宮崎監督が用意した世界に住んでいるような感覚になることはありませんか?  再放送を観る時点で結末は既にわかっています。しかし、私たちが求めているのは結末だけではないのです。

不思議な乗り物・メーヴェの飛行シーンであり、恐ろしい巨神兵の攻撃力であり、ナウシカがオームの金色の触手の上で「ありがとう」を伝えるシーンなのです。決して結末だけを楽しみにしているだけでなく、これら物語の全てのシーンを何度でも観たいのです。

「人はストーリーではなく、『世界』を消費しようとしているのだ。それはあたかも、人がナウシカの世界に住みたがっているかのようでもあり、それを丸ごと食したがっているかのようでもある」『<面白さ>の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか』
宮崎アニメの魅力は、「その世界の住人になりたい」と思わせる力があるから。ですので、リピーターは、テレビの再放送や、DVDで何度も何度も同じ作品を観るのです。まだ、次回の宮崎アニメの再放送は決まっていないようですが、どの作品が登場するのか、今から楽しみでなりません。

名作アニメの知られざる「その後」の物語
ジブリアニメの名作『天空の城ラピュタ』にも、劇中では描かれなかった後日談が存在します。

劇場版はパズーとシータがムスカ大佐の野望を打ち砕き、ラピュタ島を脱出した場面で終わりますが、小説版では二人のその後のストーリーが描かれているのです。

ラピュタ島での騒動の半年後、再びゴンドアの谷に戻ったシータ。そこにパズーからの手紙が届きます。

手紙には、軍部と政府がラピュタでの一連の騒動を闇に葬ろうとしていることや、空賊のドーラが軍の給料を奪ったこと、そしてパズーが製作中だった鳥型飛行機が完成間近であることなどが記されています。パズーは飛行機を完成させ次第、シータのいるゴンドアの谷へ行くことを約束しているようです。

離ればなれになっても、お互いを思い続けている二人の姿はとても微笑ましいですね。

徳間書店より発売されている「スタジオジブリ作品関連資料集I』には、パズーとシータが再会する場面のイラストが収録されているので、そちらと合わせて小説版を読んでみると楽しいですよ。

<ラピュタの島>台風で桟橋壊れる 友ケ島観光ストップ
旧日本軍の砲台跡などが残り、宮崎駿(はやお)監督のアニメ映画「天空の城ラピュタ」の舞台に雰囲気が似ているとして人気の和歌山市沖の無人島・友ケ島で、唯一の発着場である桟橋が今月の台風で損傷した。島に渡る交通機関は同市加太港からの定期便しかないが、運航再開のめどは立っていない。

友ケ島は大阪湾入り口にある▽沖ノ島▽虎島▽神島▽地ノ島--の四つの総称。定期便が最も大きい沖ノ島と加太港を約20分で結んでいる。

島には明治時代に建設された砲台が6カ所残る。アニメの登場人物の格好をまねるコスプレファンらが数年前から注目し、ツタの絡まるれんが壁の第3砲台跡が「天空に浮かぶラピュタの城のようだ」として特に人気が高い。爆破跡がある第2砲台跡、とりでのような旧海軍聴音所跡を訪れる人も多い。昨年度の観光客は3万1634人と3年前から倍増した。

壊れた野奈浦桟橋は第二次世界大戦後間もなく整備された固定型の鉄製桟橋。近年は腐食が進み、市が昨年度から改修工事を進めていた。しかし、昨秋に海底に岩盤が見つかり、くい打ちができなくなって工事を中断。工法を変えると特産のワカメ漁などへの影響が大きいため先月末に改修工事の断念を決めていた。

更に今月5、6両日に接近した台風18号で、船に乗り移る乗降部分が折れ曲がり、桟橋の一部が流された。台風襲来に備えて4日から定期便を運休していた友ケ島汽船(和歌山市)や市は9、10両日に被害を調べ、このまま桟橋を使うことは困難と判断。週内にも台風19号による被害の本格調査に入る方針だ。

市観光課は「今後の改修工事の工法や時期については地元と一から協議して考えたい」と話し、復旧には時間がかかる見通し。地元の同市加太観光協会の利光伸彦会長(48)は「以前から何度も改修工事を進めるよう市に要望してきた。台風で壊れる前に工事を完了していれば」と悔しがっている。

◇天空の城ラピュタ
スタジオジブリ製作の1986年公開の長編アニメーション映画。鉱山で働く少年パズーと、天空に浮かぶ都市ラピュタの王族の末裔(まつえい)シータの冒険を描く。ラピュタの城は何百年も無人だったという設定で、作品中ではコケに覆われツタが絡まるなど印象的な風景が描かれている。

横須賀沖の猿島が聖地化!ジブリの「ラピュタのよう」
神奈川県横須賀市沖の東京湾に浮かぶ無人島「猿島」が、スタジオジブリの人気映画「天空の城ラピュタ」を連想させるとして人気となっている。来島者の増加と景観や史跡保護のため、同市は来年4月から入園料を導入する方針を決めた。宮崎アニメの舞台や、似ている風景は観光地として人気が高く、同島も新たな聖地の一つとなりそうだ。

同島は周囲1・6キロで、島の半分が猿島公園となっている。同市の三笠桟橋から定期船(中学生以上往復1300円)で10分の距離だ。夏場の海水浴やバーベキューのほか、島内に旧日本軍の要塞(ようさい)跡や砲台跡が残されていることもあり、史跡めぐりが人気。自然豊かな緑や、レンガの要塞跡が「天空の城ラピュタの舞台のようだ」とインターネットなどで話題となり、じわじわと人気が出ている。

また、「仮面ライダー」の撮影にも使われており、ショッカーの基地があることでも知られている。来島者は2013年度が約11万人で、03年度の1・7倍となっている。同市の公園管理課によると、数年前からバーベキューの利用客数の制限をしているため「海水浴やバーベキュー以外の観光客が増えている」と見ている。

市は年間約3300万円(14年度)をかけて島の整備を行っているが、ガス・電気・水道はない無人島で、トイレは雨水の循環式。昨年の台風で、木が倒れ、根が張っていた史跡の一部が崩れたこともあり、より本格的な整備が必要となっている。

「70年以上手を入れていない植物の整備や、なにをするにも資材や機材を船で運ばなければいけない島の管理にはどうしても費用がかさむ」(同課担当者)として、入園料の徴収を検討。今夏、来島者にアンケートを取ったところ、約8割が100~300円の徴収に理解を示したため、11~12月に開催される定例議会へ議案として提出することに決めた。正式な料金は未定。

市では「自然や歴史に興味を持っていただき、観光客が増えるのはありがたいこと。受益者負担として入園料をお願いし、いい状態で保存をしていきたい」と話した。

◇ジブリ作品のモデルになったとされる場所
▼となりのトトロ(88年公開) 埼玉県所沢市から東京都東村山市にかけて広がる狭山丘陵
▼もののけ姫(97年公開) シシ神の住む森は、鹿児島県屋久島の白谷雲水峡
▼千と千尋の神隠し(01年公開) 公衆浴場「油屋」のモデルの一つが愛媛県の道後温泉本館。また、入りくんだ路地の風景は台湾北部の町・九分
▼崖の上のポニョ(08年公開) 港町の風景は、広島県福山市鞆の浦

1986年8月2日から東映洋画系の103館で公開された。
「ラピュタ」という名称はスウィフトの『ガリヴァー旅行記』に登場する、空を飛ぶ島にある王国「ラピュタ王国(en:Laputa)」からとったもの。劇中に空飛ぶ島の物語を空想した人物としてスウィフトの名前も出てくるが、名前の借用以外は『ガリヴァー旅行記』との関連はない。19世紀後半、産業革命期のヨーロッパを元にした架空世界での冒険を描く。

主題歌『君をのせて』
後に「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」などの主題歌、挿入歌を担当することになる井上のジブリデビュー作。 また、2002年のDVD発売時に合わせ、石井竜也がアンサーソングとなる歌詞違いの『君をつれて』を発表すると共に、『君をのせて』のカバーもしている。

イメージソング - 『もしも空を飛べたら』
本編では未使用。公開当時、味の素から発売されていた炭酸入り清涼飲料水「ラピュタ」のCMソングであった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

自然と人間の物語シリーズ

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 3回くらいは見てるかな。2時間ちょっと。
 とある作品を見たんですが、ストーリーの基本プロットがラピュタと同じだったので、その作品を語る前にラピュタの方を先に片付けることにしました。プロットが同じなだけで、中身が同じなわけではないんですけどね。ラピュタのレビューはそのうち書こうと思いながらも放置していたので、まぁいい機会かなと。
 他作品との関連について書くだけで、とりあえずは終わりにします。


ざっくりとした話から:{netabare}
 ラピュタは冒険譚なんですが、一般的な冒険譚とは違うところがあります。それは、冒険譚でありながらも成長譚ではないということ。
 パズーやシータは、最初から最後まで一貫した姿勢を見せています。彼らは要所で決断をしますが、その決断の前後において心的変化が描かれるわけではありません。彼らの決断は成長のためのものではなく、「何を優先するか」という優先順位の確定のために行われるものだと言えます。

 例えば、パズー。パズーは、一旦はシータの救出を諦めます。それは、シータの身を案じたからこその決断だったわけですが、ドーラの導きによりその決断が間違いであったことに気付きます。そして、シータを救出することを再決断する。

 これは、単なる決断の失敗とそのやり直しであって、成長による変化が描かれたわけではありません。「何が起こってもシータを守る」というパズーの中の優先順位を再確認しているだけです。決断の前後でパズーに心的変化が起こっていないわけですから、パズーは、決断前においてもパズーだし、決断後においてもやはりパズーです。最初から最後まで一貫したキャラクターなわけですから、成長譚ではないということです。

 では、成長譚の代わりにラピュタで描かれたのは何なのか。それが、宮崎駿監督お得意の「自然と人間の物語」です。
{/netabare}

自然と人間の物語①ラピュタ以外:{netabare}
 先立って、ラピュタ以外の「自然と人間の物語」について確認します。ここでいう他の作品とは、マンガ版ナウシカ・もののけ姫・ポニョのことです。

 この三作品の「人間と自然のせめぎ合い」の描かれ方は全く同じです。「人間の領域」があって、「自然の領域」があって、両者がせめぎ合う「中間の領域」がある。最終的には、自然側が爆発的に膨張して、人間の居場所がほとんどなくなってしまう。そして、その後の人間を示唆するという話。
 これを簡単にまとめますが、ポニョのレビューと同じ内容ですから、あちらを読んでいる方は飛ばして構いません。


 まずは、ナウシカから。
 「人間の領域」というのは、人間の居住地です。風の谷とか他の町とか。「自然の領域」は人間が踏み込めない腐海の深層です。そして、「中間の領域」が腐海の表層です。「中間の領域」である腐海の表層には、人間はマスクなしで踏み込めませんから、人間側が不利な状況にあるます。このせめぎ合いの構造が、大海嘯により一気に形勢が自然側に傾き、「人間の領域」が破壊されます。そして、自然に支配された世界になる。
 この結果、居場所を失った人間は、滅亡に向けた緩やかな衰退を始めます。

 次に、もののけ姫。
 「人間の領域」というのは、同じく人間の居住地です。たたら場とかアシタカがいた村とか。「自然の領域」は人間が入ると帰れないと伝えられるシシ神の森です。そして、「中間の領域」が戦場です。人間が自然を後退させるようにストーリーが展開しますが、シシ神による「死」の効果で状況は一転し、「人間の領域」が破壊されます。そして、シシ神の「生」の効果で世界は自然に満たされます。
 この結果、やはり人間の居場所が失われます。そして、アシタカを介して、自然(サン)と人間(エボシ)がそれぞれ譲歩をし、共存を模索するようになります。

 最後に、ポニョ。
 「人間の領域」というのは、人間の居住地である陸地です。「自然の領域」が人間が入り込めない深海です。そして、「中間の領域」が浅瀬です。浅瀬は海でありながらも、船が行き交い、人間のゴミが漂うという人間に浸食された場所です。ナウシカと違って、人間側が有利な状況にあるということです。ポニョの魔法により大津波が起こり、「人間の領域」が破壊されます。そして、海という自然に満ちた世界が誕生する。
 この結果、またまた人間の居場所が失われます。そして、子供たちに希望が託されます。


 表面的な描かれ方がどうであれ、この三作品がやっていることは変わりません。人間と自然の綱引き状態から、極端な自然優位の状況に変貌し、それと同時に人間の世界が破壊される。これだけです。その後の展開だけが、宮崎駿監督の思想の変化に伴って変わります。
 それは、ナウシカでの「人間死んじゃえエンド」であり、もののけ姫での「共存しようよエンド」であり、ポニョでの「がんばれ子供エンド」であるということです。

 ポニョは、ナウシカやもののけ姫と同じ構造の話なのに、「分かりにくい」の大合唱になってしまいました。これは、バトルという単純化された図式ではないために、人間と自然という対立軸が読み難くなっていることが一因だと思われます。
{/netabare}

自然と人間の物語②ラピュタ:{netabare}
 ラピュタも基本的には前項の三作品と同じ構造です。人間と自然がせめぎ合い、人間側が完敗する。では、具体的にどう描かれていたのかを見てみます。

 ラピュタにおける「人間の領域」というのは、人間の科学の結晶である「天空の城」です。ここでいう「天空の城」というのは、大地のもの(大木)を天空に持ち込んでしまうような「人間の科学技術」を指します。人間の居住地としては、既に滅んでいます。

 そして、「自然の領域」というのは、「大地」です。シータの「土に根を下ろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春を謳おう」や「どんなに恐ろしい武器を持っても、沢山のかわいそうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」というセリフに表れているものです。

 では、「中間の領域」とは、どこだったのか? これも「天空の城」です。
 ただ、ここでの「天空の城」は「人間の科学技術」のことではありません。「自然(大木)と科学(人工物)が融合した姿」を言います。


 ラピュタも前項の三作品と同じ、「人間と自然のせめぎ合い」なんですが、二つの特殊性があります。
 一つ目は、人間と自然が直接対立しないということです。科学を求めるムスカと、自然と生きることを望むシータという人間同士の争いとして描かれます。つまり、代理戦争であるということ。
 二つ目は、自然側の爆発的な膨張がないことです。ただただ「人間の領域」が崩壊するのみです。これは、「中間の領域」としての「天空の城」が、上昇していく大木(自然)と下降していく人工物(人間)に分離することに表れています。自然側にいない人間には、救いはありません。

 そして、これらの二つの特殊性が導いたのが「バルス」です。前項の三作品における「人間の領域」の崩壊というのは、人間の間接的な関与があったとしても、人間にとっては「想定外」でした。ですが、ラピュタにおける「人間の領域」の崩壊というのは、それが自然の代弁者であったとしても、「人間が主体的に」行っているということです。

 この「人間の領域」の崩壊において、なぜシータとパズーが救われたかというと、シータが自然とともに生きることを宣言し、パズーがそれに共感しているからです。これは、二人の救われ方にも表れています。シータとパズーは、木の根に引っかかることで落下を免れました。つまり、自然に寄り添う姿勢があれば、自然側が救ってくれるということです。地味な描かれ方ですが、これがラピュタにおける「自然と人間の物語」の結論です。
 そして二人は、「天空の城」を離れます。このときも、グライダーのような人工的な動力に頼らない乗り物を利用していました。「天空の城」からの脱出に、科学技術は相応しくないということでしょう。
{/netabare}

四作品の関連:{netabare}
 ポニョのレビューでは、比較のためにナウシカともののけ姫を引用しましたが、ラピュタに関しては一言も言及しませんでした。なぜ、ラピュタだけが別枠なのか、その理由をここで説明します。

 ナウシカ・もののけ姫・ポニョの三作品は、エンディングの差こそあれ、構造的には全く同じ展開をします。それは、この三作品のベースが共通であることを意味します。平たく言ってしまえば、もののけ姫やポニョは、ナウシカのアレンジバージョンに過ぎないということです。

 ですが、ラピュタは違います。
 ラピュタにおける人間側、すなわち、「人間の科学技術」の結晶としての「天空の城」は、人間の居住地としては一度滅びてしまっています。そして、一度滅亡を経験した人間が、「人間の科学技術」の復古を目論むムスカと、その崩壊を望むシータに分かれて代理戦争をする。
 この「人間が一度滅んでいること」がとても重要なのです。「人間のいない天空の城」というのは、極めて穏やかな場所です。生物も非生物も、人間がいなければ争うことはない。人間に対して滅亡願望を持つ宮崎駿監督の、理想郷ともいうべき場所です。
 この世界観というのは、ナウシカのエンディングの至る先にあるものです。緩やかな衰退の果てに、実際に人間が滅亡してしまった世界です。ナウシカのアレンジバージョンに過ぎなかったもののけ姫やポニョとは違い、ラピュタだけはナウシカの正当な続編に位置しているということです。

 宮崎駿監督の「自然と人間の物語」シリーズは、四作品ではなく、「3+1」作品というのが正しいと思います。アレンジ三作と続編一作。だから、ラピュタだけは別枠になるってことですね。
{/netabare}

おまけ:{netabare}
 ナウシカのエンディングというのは、「自然や命をないがしろにした人類は滅んじゃうかもよ」というものです。
 ラピュタのエンディングは、このナウシカエンドを裏から描いたものです。「自然や命を大切にする心があれば、きっと自然は助けてくれるよ」というもの。
 この思想をベースにしているからこそ、もののけ姫での「共存しようよエンド」エンドになるし、ポニョでの「がんばれ子供エンド」が出てくるってことですね。
 ラピュタは、ナウシカの続編ですが、思想的な結論はポニョですね。

 ただ、全ての作品において、人間の世界を破壊したいという宮崎駿監督の願望と、その実行が描かれていることは忘れてはいけないことだと思います。私たちは、シータやパズーに感情移入するのだとは思いますが、宮崎駿監督が見ている「人間」というのは、ムスカのことですからね。希望を託されているのは、子供だけで、大人は救済対象ではありません。


 なお、トトロも自然の大切さを伝える作品ではありますが、ベースは「母親の死」ですし、構造的にもこの四作品とは全く異なった作りになっています。「自然と人間の物語」シリーズには並列させない方が良いでしょうね。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

終わりの始まり

 僕がこの作品を面白いと思う理由が2つある。
 1つは、ドキドキハラハラさせてくれる冒険性が誠見事に表現されていること。これは本作を観て面白いと思った人の共通した感想だと思う。だからまあ今更僕がこれを語ったところで何の面白味もないと思うのでここでは遠慮する。
 このレビューでぜひ主張したいのは2つめ。それは「夢の終わり」である。上で言ったようにこの作品の看板とも言うべき面白さは「冒険」つまり、「この先何があるのかわからない期待感」にあると言っていいと思う。少女が空から降ってきたり、追手から逃げたり、ドンパチであったり、高所サスペンスや"竜の巣"、"天空の城"などの言葉も含めてこれらの描写はとても刺激的であり、扇情的でさえある。実際に観ていると次第に鼓動は早くなり、体に力も入るし、鳥肌も立つ。感動がフィジカルを通して伝わってくる。こうした非日常的ファクターは何の苦もせず飲み込めるし、気づけばいつの間にか自分もラピュタを夢見ているのだ。そんな、控えめに言ってもド迫力のあるシーンがありながらもラストは決してハッピーエンドには落ち着かない。むしろそれは哀しみを残していった。
 ラピュタは少年少女の夢であると同時に、物欲に溺れた人間の自己顕示欲の具現化であり兵器であった。後者はもちろん否定される。ムスカはそれを見るための目を焼かれ地獄の業火に落とされた。実に良い気味である。では前者の夢は一体どこに?

 シータは言いました。「どんなに恐ろしい武器を持っても、たくさんの可哀想なロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ」と。作中の人々がかつてラピュタを作ったのには色んな種類の理由があると思う。それは軍事的であったり、政治的であったり、誰かの私的なことであったりと様々なことを思い浮かべることができる。NASAが成し遂げた人類初の月面着陸が冷戦中のアメリカと旧ソ連にとって「アメリカ人が月に初めて行った」だけでは済まなかったように。でも僕はそんなややこしい理屈以前にそれを造ったのは、ただ純粋に空を飛びたかったからだと思う。さらにそこで暮らし一生を過ごしたかったのではないかとさえ思う。それはこどもの好奇心そのものなのだ。もし自分の背中に翼があったらと人は幾度となく想像してきた。自分達より上位の天使や神をキャンバスに描くとき、彼らには人の姿でありながら翼が生えた。空を飛ぶことは古来から叶うことない人の夢だった。時は経ち、文明と科学の発展により、あまり余った科学の力は良くも悪くもその具現化を成功させた。少なくとも当時の人々は、しばらくはその夢を掴んだ陶酔に浸りきったに違いない。人々は出来上がった夢に乗り込み、夢の中で生きた。けれどシータが言ったように、人がみなそうであるように、いつまでも夢の中にいることはできなかった。物理的な要因が大きかったのだろう。所詮、この夢の中では人は生きられないのだ。いいや、どんな夢の中でだって人は生きてはいけない。

 パズーにとって「ラピュタ」の存在は(それが実際にあるなしに関わらず)生きるための糧であった。そしてなによりも、不名誉を負って亡くなった父親の残した真実であり、パズーの誇りだった。その熱い想いはシータをも感化するほどだった。シータにとっては自分に隠された秘密であったし、長きに渡って守られてきたものでもあった。それにパズーが求めるならと彼女もついて行ったのだろう。そう、その存在を確信したラピュタに、2人は自分たちの意志でドーラの船に乗って行くことに決めたのだった。それが、誇りの証明であり、秘密の所以でもあり、夢の実現であったからだ。2人は実際にラピュタに行き着く。そこで2人は荒廃したラピュタの姿にいささか戸惑う。けれど絶望はしなかった。なにがその目に映ろうともそれがラピュタなのだから。それにまだそこに生き残った生命が優しく出迎えてくれた。ここはまだラピュタなのだと、そう言っているような気がした。

 夢は輝く。僕らの頭上で、または向こう岸に灯る緑色の光のようにひたすら輝き続ける。人に希望と活力、ときには絶望を与える。2人は心の中で初めて手にした夢の形を確認し、最後にその崩壊を選んだ。ここまで壮大に描かれたストーリーによって築かれてきたのにも関わらず、最後には石1つ残らないくらい跡形もなく消えてしまう。僕はここに魅力を感じずにはいられない。映画のラストシーンとしては申し分ないくらい派手で、かつピタリと締まる展開であった。だけれどもラピュタはそのすべてと共に消えてしまった。触れた瞬間に花が枯れるかのように。実体として残るものは何も無く、夢は独りで天高く昇っていき、後には見事なほどに何も残らなかった。終わりは始まりへと帰還した。そのことで世間のパズーの父の不名誉が変わるわけでも、なにか新たに獲得したものは何も無かった。ただ始まりと同じようにぼくらがまだ生きていただけだった。

 言わずともがな、目には見えない大切なものは彼らの心にしっかりと刻まれた。少年少女の苦労、挫折、困難、覚悟、短い間に彼らは生きる上で大切なとても豊かな経験をした。そして、この冒険で手にしたものの中でかけがえのない、パズーにとって最も大切なものとなったのはシータだった。シータにとってもパズーはそれに勝るとも劣らない大切な人となった。パズーにとってのシータ、シータにとってのパズー。苦しみを共に分かち合い、苦難を共に乗り越えた2人はなにものにも違うことはできなかった。握る手、抱きしめる体の温かさのひとつひとつがそのまま彼らの滋養となり、心の宝物となった。シータの秘密はその形を変えてパズーとふたりの秘密になった。眠っている猫を抱くように彼らは大切なものを胸の中にそっとしまい込んだ。2人は夢を遂げたのだ。
 パズーにとって亡くなった父の言葉とラピュタの真偽、さらにシータの血筋を仮に呪いと呼ぶのであれば、ラピュタに実際に行き、その崩壊を目にした彼らはそれらから完全に払拭された。まごうことなき自由の身であり、これからどこにでも行けるし、何にでもなれる可能性を秘めていた。つまり、彼らの人生はこれからだったのだ。人は生まれる場所を選ぶことはできず、先天的に与えられたものはそのほとんどを背負わざるを得ない。でも、もうすべては終わったのだ。解放されたのだ。2人の乗った風の吹くままに飛ぶ本体から切り離された見張り台は最後、ドーラたちと別れ夕闇にゆっくりと消えていく。自覚のない恋はいずれふたりが成長しそれを知るまで、最も信頼できる友人として互いを必要とし合い、辛いときには励まし合い、明るく晴れた日には共に笑ってくれるだろう。それはどこへ行こうと決して変わらない。たとえそれが地平線の彼方だろうと、ふたりはすでに幸せへの糸口を見つけたのだから。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

86.5 3 飛行艇アニメランキング3位
紅の豚(アニメ映画)

1992年7月18日
★★★★☆ 4.0 (1212)
8041人が棚に入れました
舞台は、空中海賊が暴れまわっていた第一次世界大戦中のアドリア海。空中海賊退治で活躍していたのが、紅の豚ことポルコ・ロッソでした。イタリア空軍の英雄だった彼は、ある理由で豚になり、社会に背を向けるようになったのでした。あるとき、二人の女性ジーナとフィオを巻き込み、彼女たちが見守る中、ポルコを倒すためにアメリカから来たカーチスと決闘をすることになりました。・・・・・

声優・キャラクター
森山周一郎、岡村明美、加藤登紀子、大塚明夫
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

大人でダンディな魅力とは、こういうことさ。

1992年公開のジブリ作品。
長編映画としては6作目に挙げられています。

原作・脚本・監督は宮崎駿。

100分ほどの作品です。


● ストーリー
豚の姿で飛空艇を操り、
空賊相手の賞金稼ぎをしているポルコ・ロッソ。

商売の邪魔をされることで彼を目の敵にしている空賊や、
イタリアの政権に非協力的なことから彼を捉えようと狙う空軍など、

彼を取り囲む様々な人たちとの日々を
イタリアのアドリア海を舞台にして描いた物語。


“空の戦い”も多く描かれている中で、
争いの無常さや悲しみが強調されていません。

むしろ、
空賊との争いのシーンで子どもたちが無邪気に笑っていたり、
のんきなBGMが流れていたりと、道楽的な要素の方が強いです。

これは、作中でポルコも言っていたように“戦争”ではないから、
というのが大きいと思います。


さらに、「とにかくポルコがかっこいい」というのが、
この作品では大きく印象に残る部分です。

見た目は豚です。体系もぽっちゃりです。
だけど、言動がいちいちかっこいいんだよなあ。

男のかっこよさというものは、
見た目だけで決まるものではないということが、
ポルコによって証明されました。笑


≪ ポルコの見た目は、なぜ豚? ≫

人間でもいいのでは…と、
序盤では思っていました。

しかし、物語が進むにつれ、
ポルコの姿が豚であるからこそ、

この作品に独特の味が生まれていることに気づきました。

もしもポルコの姿が人間だったら…。
この作品は、ただのヒューマンドラマ。

しかし“豚の姿”を取り入れることで、
どこかファンタジーな、ジブリ独自の世界観と見事に融合。

結果として、
彼をジブリの代表的なキャラとして位置付けることに成功したように思います。

他のキャラとの“差別化”。
彼は特別なキャラであることを、まずは視覚で印象づける。

豚の姿であってもかっこよくてモテる。
人間とは違うし、人間らしくもある。

いやもう、この作品を見て、
ポルコに惚れない人が果たしているのだろうかw

ちなみになぜ豚なのか、というと、
監督が公式で述べている理由の一つは、

『豚は尊敬されないけど、少なくともあんまり憎まれない。
 犬だと忠義を描かなければならないし、ネコは自分のことしか考えない。』

と感じたからだそうです。へえ~。


● キャラクター
この作品のキャッチコピーの一つでもある
「カッコイイとは、こういうことさ。」が指すのは、
きっと主人公・ポルコのことでしょう。

ポルコの他にもう一人、
大好きなキャラがいます。

それが、飛行艇製造会社「ピッコロ社」の経営者の孫娘・フィオです。

メインヒロインの一人であると思われるジーナよりも、
私はフィオの方が強く印象に残りました。

強気でばっさりはっきりな性格が大好きですw

ジブリ作品って女が強く描かれていますよね。

冒頭の子どもたちもみんな女の子だったけど、
空賊に手を焼かせるほどの自由奔放さがあったし、

飛行艇製造の女性たちもたくましかった。

弱くて守られて…じゃなくて、
男たちが手に負えなくて頭を抱えてしまうような女の強さと自由さ、
大好きです♪

ちなみに私がこの作品が大好きだと思った決定打は、
ラストの{netabare} フィオのキス {/netabare}です。

一瞬の出来事だったけど、
一瞬だから素敵!最高の演出!と、この作品が大好きになりました^^


● 音楽
大人向けジブリということで、
主題歌も挿入歌も大人ですよねー。

【 挿入歌「さくらんぼの実る頃」/ 加藤登紀子 】
【 主題歌「時には昔の話を」/ 加藤登紀子 】

加藤登紀子さんは、
作中でジーナを演じています。

ジブリの主題歌をヒロイン役を演じた役者が歌うのは、
これが初めての事だそうです。

これらの曲はこれまでにも聴いたことがありましたが、
この作品を見たことで、より好きになりました^^

やっぱりアニメの主題歌は、
その作品を見て初めて本当の良さがわかりますね~。


● まとめ
この作品、私はとっても好きです。

確かに子どもよりも、
大人向けのジブリ作品です。

ストーリーもよかったけれど、
キャラが自身の意志を自然と貫く姿が何よりも心地いい。

見てよかったです♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 39
ネタバレ

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女性がかっこいい紅の豚

さて、押井守監督のスカイクロラのレビューを書いたので、飛行機つながりで紅の豚も書いてみたいと思います。

空への憧れと飛行機へのこだわりは、すでに宮崎駿監督のトレードマークになっていますが、この作品はそんな監督の趣味がたくさん詰め込まれた物語になっています。
なので、飛行機それも第一次大戦から第二次大戦終結までの間に最高潮へと達した、プロペラ機を愛する飛行機野郎たちにとって、紅の豚はマストなジブリ作品です。
{netabare}物語のラストでフィオがホテルアドリアーノへ飛んでくるシーンからもわかりますが、{/netabare} 大戦以降飛行機はジェットエンジンの時代に入るので、飛行機の趣がだいぶ変わってくることを考えると、この作品で描かれている1930年代前後は、飛行機乗りの古き良きロマンチシズムが残る最後の時代と言えるかもしれません。
それだけにこの作品はジブリ作品の中でもとりわけロマンあふれるセリフと描写がたっぷりです。
特に主人公のポルコ・ロッソは当然のようにかっこいいのですが、この作品では女性陣もとってもかっこいいのです(笑)

まず、若きヒロインのフィオ・ピッコロ。
17歳の設計担当で、ポルコの飛行機の新しい翼の設計を任されます。
若くて天真爛漫で優しく賢く積極的なところは、典型的な宮崎アニメのヒロインです。
{netabare}ストレートに「ポルコ大好き!」って言えるところとか、
若いのに「初めての仕事だからきちんとやりたいの」って芯が強いところとか、
同行を断ろうとするポルコに「私はポルコの人質になるの、それで工場のみんなは仕方なく協力したことにすれば、当局に言い訳がたつでしょう」なんて機転が利くところとか、
ポルコの飛行機からの眺めに「綺麗…世界って本当に綺麗」(ナウシカも同じこと言ってたような気もしますねー)って素直に言えちゃうとことか、
でも時には大勢の空賊相手に「意地も見栄もない男なんて最低よ!堂々と戦いなさい!」なんて啖呵切れる度胸もあったり、{/netabare}ううーん!眩しすぎます(笑)

そしてもう一人のヒロインのマダム・ジーナ。
ポルコの幼なじみなので、多分ジーナも30代の大人の女性ということになりますが、このジーナがまたかっこいいんです!
{netabare}「マルコ ありがとう。いつもそばにいてくれて。もう、あなただけになっちゃったわね、古い仲間は…」っていう、お互いのことをよく知っているからこそのしっとり重い感謝の言葉とか、
「マルコ、今にローストポークになっちゃうから。あたし嫌よ、そんなお葬式。」って言う品のいいジョークの効いた皮肉とか、
カーチスに求婚された時の「でもダメ。私がこの庭にいる時、その人が訪ねてきたら…今度こそ愛そうって賭けしてるの」「いけない? ここではあなたのお国より、人生がもうちょっと複雑なの」なんてクールすぎる返答とか、
ダウンしたポルコを奮起させるさせるために「マルコ!マルコ!聞いてる?あなたもう一人女の子を不幸にする気なの?」とか、
最後の「ずるいひと。いつもそうするのね」と不満を口にしつつも優しく許してあげちゃう包容力とか、もう最高です(笑)
ジーナだけがポルコを本名の「マルコ」って呼ぶところに幼なじみの気楽さや愛情も感じます。
{/netabare}あとジーナは仕草やファッションも本当に素敵です。

紅の豚というと「飛ばねえ豚は…」に代表されるポルコのセリフに注目されがちですが、実は女性陣もものすごく魅力的な作品です。
誰でも楽しめるスタジオジブリの名作なので、最近のジブリしか知らない若い方には是非観てほしいなあなんて、ジブリで育った私は心からお勧めします。

あと、個人的に飛行機乗りの物語に心惹かれるようになったきっかけになったのはこの作品でしたが、この紅の豚の中でも涙なしでは見れないポルコの回想シーンの元ネタにもなっている、ロアルド・ダールの「飛行士たちの話」や、飛行機乗りの物語の定番サン・テグジュペリの「夜間飛行」やフレデリック・フォーサイスの短編「シェパード」といった小説も素晴らしいので、合わせてお勧めです(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 35
ネタバレ

かしろん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

カッコイイとは、どういうことさ

※H27/05/16
基本的に言いたいことはそのままに、中身をゴッソリと書き換え。

宮崎駿監督作品。スタジオジブリとしては6本目の長編アニメ映画。
俗にいうジブリ作品では2番目に好きな作品。

【カッコイイの二面性】{netabare}
まず、この映画のキャッチコピーだが「カッコイイとは、こういうことさ。」だ。
その言葉に違わず、実にカッコイイアニメである。
だが、そのカッコイイには2面あると思っている

表面:単純なカッコイイ
最初から最後まで単純で分かりやすくカッコイイストーリー。
広がる海、青い空、白い雲。ジブリの描く素晴らしい背景。
爽快感満点な清々しいまでのカッコイイ空中戦。
渋い森山周一郎が声を務める主人公ポルコのキザなセリフ回しに、そのライバルとなるカーチス、アドリア海空挺乗り全てのマドンナジーナ、若くして凄腕の飛空艇技師のフィオと周りを固めるキャラもカッコイイ。

裏面:溢れかえる中年オヤジの”だったらいいな”って欲望願望
ブザマにビールっ腹になっても渋くてカッコイイ。
基本的には優雅なバカンス暮らし。
自分のやりたいことを仕事としており、十分に稼ぎがある。
そんな仕事の中にも”コレは絶対にやらない”というポリシーを持っている。
周りから羨望と嫉妬の眼差しを送られている。
有能なライバルがいる。
昔馴染みの仲間がいる。
女からモテモテ。父親のような力強さに母親のような包容力を併せ持つ、大人の色気ムンムンな女性。才能に溢れ、可愛くて若くて元気でおしりの大きな女の子。ぜんぜん違うタイプからモテモテ。
でも、どっちも選ばず適度な距離感。女に自由を束縛されない。
なのに、ちょっとキスされたら顔を真赤にして倒れちゃう純情派。

はてさて、こんな”だったらいいな”の裏面カッコイイですか?

メチャメチャ、カッコイイのだっ!
大人の男になると、こういうぬるま湯な欲望願望を
「いやいや、俺はそんなことはない。望んでもいない」
と見苦しく否定したくなるもんだが、
「どうだ、こういうぬるま湯状態な男の願望駄々漏れはっ!こういうぬるま湯もいいもんだろう!」
とシッカリと受け入れ、作品として発表しちゃうこの度量。
この度量をカッコイイと感じるのだぜ。


付け加えて
この物語、
「最初の10分、ベースストーリーは変えずに設定変えて良いよ。」
と言われたらどうします?
私なら、助ける相手を深窓の令嬢にします。
で、助けて、港に送って行って、名前を聞かれて
「名前?がっはっは。豚だよ。そう覚えといてくれ」
とか言って、夕暮れになりつつある空に向かってテイクオフ。
”紅の豚”ってタイトル出して、夕方、夜と変わっていく空に飛ぶサボイヤをバックに、主要スタッフの名前出しながらOP。
ホテルアドリアーノに到着してOP終了。
こんな風にすると思います。

何故、深窓の令嬢にするのか。
中年男の自分が、一番にカッコイイと言われたい、カッコイイと思われたい相手を、ストーリーの一番最初に助ける相手にするからです。

で、本作。
一番最初に助けた相手は誰でしたか?
幼女です。
裸になります。
パンツ丸出しです。
しかも、ワラワラと大量にいます。
なんか、もう、ね。
宮﨑駿。最高にカッコイイっ!!{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16

65.5 4 飛行艇アニメランキング4位
とある飛空士への恋歌(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (656)
3720人が棚に入れました
海の尽きる場所を、 空の果てを見つけるために。 僕らは空飛ぶ島・イスラに乗って旅に出た。
革命によりすべてを失った少年、革命の旗印とされた孤独な風呼びの少女……。
“空の果て"を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら
空の孤島・イスラに乗り旅立つ。
友情、恋、冒険。
そして彼らには、守りたいものがあった。
少年少女たちの恋と空戦の壮大な物語がいま、はじまる。

声優・キャラクター
花江夏樹、悠木碧、竹達彩奈、石川界人、下野紘、立花慎之介、浜添伸也、田野アサミ、早見沙織、南條愛乃、丹沢晃之
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

憎しみと愛情を乗せて空へ

飛空士官を乗せた浮島イスラの旅の行方と
カルエルとクレアの恋物語。

追憶の方は視聴済みですが直接的に繋がった話ではないのでまた新たな作品を観る感覚。
雰囲気的にラストエグザイルに近い気もしました。

ハートフルな旅と爽やかな恋のはじまりからスタートを切りましたが、
所々、憎悪や困難を暗示した描写があり途中から急展開が予想され興味を惹かれます。
またオスプレイ型の飛行機なので
自由度の高い色々な動きも見られそうなのも楽しみの一つです。
期待して観ていこうと思います。

注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※6話までの感想{netabare}
ここまでは地味で低空飛行とも捉えられますが
カルエルとクレアの愛憎と苦悩や背景、それと共に学生達の交流の様子をじっくり描き
しっかりとした下地が完成したように思います。

その間にもイスラは進み続け
聖泉を越え不穏な足音が聞こえイヤな予感もして来ました。
【予想】{netabare}6話でのやり取りが死亡フラグに見えるので
近いうちにミッちゃんかチハルの片方だけが亡くなると思います。{/netabare}
愛憎と冒険のストーリーがいよいよ動き出しそうで今後更に注目です。
期待通りの作品なら今期でも一、二のストーリーになるのではないでしょうか。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
…予感はしていましたがミッちゃんの立派すぎる最期が涙を誘いました。
最愛の者を亡くしたチハルの心情を考えると心が痛みますが
「なんとなく飛空士になりたい」と語っていた彼女も
志を引き継ぎ立派な飛空士へと成長することでしょう。

今までののんびりとした学生生活から一転して戦場へ投げ出される形と成りました。
ゆっくり地道に下地が築け心情も丁寧に描けていたので重く響く衝撃を与えてくれました。
そしてここからも更に響いて行くと思います。

覚悟が出来ていようといまいと敵は襲ってきます。
それでもイスラの人々を守る為に戦地に向かう学生の姿を興味深く見届けたいと思います。

また引き込まれるストーリーだけでなく作画の方も素晴らしかったと思います。
飛行機の動きの一つ一つが丁寧で旋回等も滑らかでスピード感もありました。
期待以上の作品になりそうです。
…毎話感想しておけば良かったかな?今からでも遅くはないか。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
覚悟はしていましたが想像以上の犠牲。
ウォルフガングにマルコ、ファウストと共に貴族組はほぼ全滅。
特にファウストとはまだ絡みがありそうでしたから戦死は意外でしたが
誰しもが死と隣り合わせだという事を印象付けてくれました。
ボルトアクションVS機関銃、飛空機の技術も圧倒的な差がある中
良く奮戦し時間を稼ぎ数機撃墜までして奇跡的な戦果を挙げ
イスラ防衛に繋がりましたので無駄ではない犠牲でした。
生きている者への明日へも繋がると思います。

書簡はカルエルを救ったウミネコ戦空機の国からの物ですかね?
敵の真意も分からないけど、敵がこのタイミングでこんな手紙よこさないよね?
次回観れば分かると思うけど、正直ちょっと分かり辛い…。
書簡投下シーン入れるとかセリフ補完とかもうチョット出来なかったのかな?
{/netabare}

※9話感想{netabare}
身も心も皆一様に傷つく中いつも通り明るく気丈に振る舞うアリエルが魅力的で
それがまた悲しみを物語っていた気がしました…。

そしてついにカルエルとクレアお互いの正体が分かる事に。
ざわつく風の中での告白が何とも印象的でした。
自分の一番愛しい人が一番憎む人。
一番憎む人を愛してしまった自分。
運命と自分が許せなくなって塞いでいる様子は観ていて辛かったです。
ただ部屋から出ず水も飲まないのはリアリティに欠けます。
人間どんなに辛くても喉は渇くし排泄はするものです。
…って、そこまでは追求し過ぎかな? でもしたくなる作品なので。

「私には皆と空を飛ぶ資格はない、もう二度と。」
クレアもその身分故に戦場へ赴く事がないのは分かりつつも
皆と仲間として過ごしてしまった事に申し訳なく合わす顔もないのでしょう。
特にカルエルには過去の経緯や多くの感情ものし掛かってますし…。

イスラは前に進むしかないのですが二人の関係は前進出来るのでしょうか?
イグナシオやアリエルは架け橋になれるのでしょうか?
気になる所であっと言う間にまた次週…。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
心の整理がつかぬまま、こちらの事情などお構いなしに
また戦闘になってしまいました。

義務ではないのに、死は怖いのに、不安なのに、
少しでも皆を守る力にと己がやれる事を考え飛び立つ4人の学生達。
振り絞った勇気の行方はどの様な結果になるのでしょうか。
無事と言わずとも生きて帰って来れると良いのですが…。

空戦の作画は高レベルで安定していて
学生達の緊張感と相まって手に汗握って見入っていますね。
{/netabare}

※11~13話感想{netabare}
4人の活躍やクレアの風能力の再開眼そして援軍もあり戦闘には勝利。
しかし和平締結の人質としてクレアが空の一族の元へ。
半年後クレアを差し出した事もあり旅はついに終焉。空の果てに到達。
言い伝え通りの不思議な光景を目の当たりにした旅人達は凱旋帰国し
再会と祝福のひとときを迎える。
しかし安穏はせずクレア奪還の為にカルエルは再び戦いの空を目指すのであった。
というのがあらすじ。

うーん。序盤じっくり積み重ねてきた作品にしてはラストは大味な感じが否めない。
アリエルの歌えない恋歌のシーンは良かったけど
グッと来る感動場面には出会えず終いで高まっていた期待がやや空回り。
カルエルがイスラで多くの事を経験して成長した結果
『憎しみより愛情が勝る』という選択肢を選ぶはず、選んでるはずなのだけど
それがどうもピンと来ない、しっかり伝わって来なかった。
もう少し気持ちが伝わる演出が有ってくれれば印象は
かなり良くなったと思えるだけに少々残念です。

それとアッサリしてたけど帰りの食料や燃料とかどうなってたの?
という微妙な疑問も有ったりします。(^_^;
{/netabare}

【総評】
丁寧に作られた良作ではあるけど演出不足でパンチが足りない。

前半じっくり積み重ねてきた割に後半畳むのが拙速で活かし切れていない感じを受けました。
ペース配分から2クールものかなっと思ってしまったのだけど1クール。
これなら前半もう少しコンパクトにして後半に高まる感情の演出に力を割いて欲しかったです。
話自体は悪くないのでもっと演出に凝ってくれれば胸に残る作品になり得たはずなのですが…。
まだ完全なハッピーエンドではないので続きはあるかも知れませんが
これ以上広がる世界観は無さそうなのであっても微妙かも。

作画関連は空戦が特に素晴らしくそれだけでも観る価値はありますが
シナリオ重視だとやはり物足りなさが残ります。
少々期待が大きくなったので辛口かも知れませんが、まずまずの良作止まりというところでした。
まぁ、この手のジャンルがお好きでしたら楽しめると思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 30
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

愛は憎しみ超える

原作の知名度は低めなご様子
どうみてもオスプレイみたいな航空機に乗り、割と戦闘を繰り広げるし、王制から共和制への革命とかあってシリアスな展開も多い
恋人を守って撃墜されるのは胸熱だ
全体的な面白さはそれなりで、そこまでドラマチックとも言えないが、そこそこ見てはいられるなという感じ
地味だから話題になることはないな。

憎しみよりも大切なのは許すことそして愛ですな
ありがちと言えばそうだが、兄妹同然で育ったヒロインの頑張りが切ないですな

声優さんたちは今も活躍されている方々ばかり

次回予告をぶっつり切るのは草
日本家屋だったり箸だったり不思議に思える世界観
カップリングしてハッピーな人もいるなかで{netabare}俺たたエンドかあ。{/netabare}


OP
azurite petit milady 悠木碧、竹達彩奈
ED
風が知ってる 赤い公園
赤い公園のアニメ初タイアップ曲とのこと
今更ながら津野米咲さんのご冥福をお祈りいたします


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
“空の果て”を見つけるため、若き飛空士たちはそれぞれの想いを抱えながら、空の孤島・イスラに乗り旅立つ。それは故郷に戻れる保証のない、危険を伴う旅だった……。


1. 「旅立ちの島」
“空の果て”を見つけるため、旅立ちの時をむかえた空飛ぶ島イスラ。その出帆式典に、飛空士見習いのカルエルはいた。華やかな式典の雰囲気とは裏腹に飛空機を操縦するカルエルの目線は、イスラ管区長ニナ・ヴィエントに、憎しみを持ってむけられていた……。

2. 「カドケス高等学校飛空科」
湖畔で偶然出会ったクレアのことが気になるカルエル。カドケス高等学校飛空科に入学し、センテジュアル組になったカルエルは、実習で飛空ペアを組むことになり、クレアにペアを申し込む。しかし、ヴァンヴィール組のファウストが因縁をつけてきて……。

3. 「風の革命」
カドケス寮にクレアを招くカルエル。アリエルが絶品のカレーでもてなし、クレアの緊張がほぐれ寮生たちとも自然と打ち解ける。カルエルたちが入学して一か月が経ち、飛空演習はライフルによる狙撃や、編隊を組んでの飛空など、空戦仕様のものとなっていく。

4. 「星の海原」
ファウストの計略によって、クレアと共に遭難してしまったカルエル。海にエル・アルコンを着水させ救助を待つが、雨が降り雷も鳴り始め……。一方、カルエルたちを心配するアリエルは、父ミハエルが幼いカルエルを家に連れてきた日のことを、思いだしていた。

5. 「風呼びの少女」
出帆から4か月が過ぎ、イスラは聖泉の間近まで来ていた。飛空生たちは真夏の青空のもと厳しい陸戦訓練をこなし、湖畔で野営をすることに。和気あいあいの楽しいキャンプであったが、クレアの表情はどこか暗く、なぜかカルエルと距離をとろうとする。

6. 「聖泉」
イスラは世界の中心と予想されている聖泉に辿り着く。その壮大な景色に感動する飛空生たち。島は聖泉到達を祝い、お祭りムード一色に。しかし、騎士団が撃墜した飛空機が、空を領有するという伝説の「空の一族」であると発覚。この先の旅に暗雲がたちこめる。

7. 「散華」
「聖泉に立ち入るものを無条件に攻撃する」という空の一族の艦隊を、騎士団がいち早く発見。旧式の木造駆逐艦隊は恐るるに足らず、レオポルドが全戦力をもって殲滅する。その頃、後方空域を偵察していたチハルとミツオ機が、敵の超大型爆撃機を発見し……。

8. 「鳥の名前」
空の一族の戦略にはまり、主力を引き剥がされたイスラが爆撃を受ける。イスラで待機の任務が下っていたカルエルたちは、イスラを守るため、自らの判断でエル・アルコンで飛び立つ。しかし、敵機カマキリの編隊に次々と撃ち落され、劣勢に追い込まれていく。

9. 「きみの名は」
空の一族による爆撃を受けた二日後、合同葬儀が行われ、ミツオを喪ったチハルは泣き崩れる。その夜、級友の死に苛まれていたカルエルとクレアは、墓碑の前で偶然再会する。カルエルはクレアを抱きしめ気持ちを伝えるが、クレアは思いがけないことを口にする。

10. 「勇気の飛翔」
アリエルが怪我のせいで飛空士をあきらめること、正体を明かしたクレアが自分のせいで退学することをイグナシオから聴き、目が醒めるカルエル。その時、イスラの空に警報が鳴り響く。飛空生にも出撃命令が出るが、それは観測機の囮になることであった……。

11. 「恋歌」
撃墜された観測機に代わって、観測機を担う決意をするノリアキとベンジャミン。カルエルとイグナシオはふたりを掩護するため、敵機を引きつけ囮になる。そのカルエルの視線の先、今にも撃沈しそうなルナ・バルコの甲板の上に立つクレアの姿が見える。

12. 「空の果て」
イスラとの休戦交渉の座についた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオのとりなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、思いの丈を彼女にぶつけるが……。航行を続けたイスラはついに、旅の目的地「空の果て」に辿り着く。

13. 「きみのいる空へ」
空の一族との調停を結び、「空の果て」を見つけたイスラはその役割を終え、住人はバレステロス共和国に帰還する。凱旋式典の会場を埋め尽くした民衆の前で、カルエルは旧バレステロス皇国第一皇子カール・ラ・イールであることを明かし、ある思いを告げる。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5
ネタバレ

境界線の観測者 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

空の果てを見つけるために

タイトルに「恋歌」とある通り 恋愛アニメ。
恋愛部分は べったべたの王道。

そこはいいんだけど、それ以外があまりにもひどい。

壮大な世界観、戦争、あらゆる要素はそこに集約するためだけのモノ。
だから説明不足ではないのです、鼻から説明する必要が無いのだ。

そんな主張が聞こえてきそうなくらい出来が悪い。

前半は

壮大な世界観を掲げ、意味深なワードをばら撒きながら
展開し描かれる物語は「飛空士」の学校という狭い世界。

キャラクターのバックボーンが明かされるたびに
それまでの行動に疑問符がつくことがたびたびある。

後半は

世界観の説明がようやく追いつき「空戦」という見所もあり
ようやくアニメーションとして見れるようになった。

絡んだ人間関係が様々な形で「終わり」を迎える瞬間は
物語としての見どころだろう。

作画はあやしく、雑。
アニメーションは及第点だが「空戦」に限って言えば良い出来だろう。

カラッとした恋愛モノでは間違ってもない。

全体的に、後半に向かうにつれて暗くじめめっとした物語に
なるので見るタイミングを間違えないように注意が必要だ。



自分用メモ

ここまで世界に入り込めない一話も珍しい
圧倒的に駄目な一話を耐えられるかどうか

第一話 旅立ちの島
{netabare}
「男なら笑え、門出だろうが」

キャラクターのバックボーンの出し方が雑、下手 脈略って知ってる?

幼稚で情緒不安定で自己中心的な主人公 成長がみどころ?

うーん、理解できないくそみたいなボーイミーツガール
わたしはまだまだ理解力が足りないようだ
「あの、抱きしめてくれてありがとう」 ⇒ ???

次回予告 ぶつ切り

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第二話 カドケス高等学校飛空科
{netabare}
主人公が恋愛脳すぎる(自称する性格との乖離が激しい)

貴族と庶民 主人公なにも出来てないぞ、おい

キャラクター紹介回

男女で組んだ方がいい?らしい?

主人公は元殿下 設定の出し方雑じゃね?

クレアとの出会い、絡み方が雑というか狙いすぎ
重要キャラクターですよー恋愛要素だけじゃないですよ

貴族と庶民の恋愛の壁だけだと薄いからなぁ

主人公が元殿下なみの秘密がクレアにもあるはず

やべ、つまんねぇ
{/netabare}
第三話 風の革命
{netabare}
主人公、女のことしか頭にねぇな

主人公、ここまでの想いと過去を抱えて よく頭お花畑でいられるな

クレアは有能

「嵐だ」 からのぶつきり
{/netabare}
第四話 星の海原
{netabare}
金髪 お兄ちゃん

劇に石を投げる少年を絶賛する民 何だこの国?
劇で女王役の女性を王役の男性がいたわっているのが小さく映るので仕込みではない?
何だこの国?

あー、一目ぼれの理由はこれか。
人外だから人扱いされたことがなかったのかな。

やっと 話が始まった。
愛する人は敵 さて面白くなるかな。
{/netabare}
第五話 風呼びの少女
{netabare}
水着回 良く迷うこと

大惨事

風呼びの力を失った

時代遅れの蛮族はどっちかねぇ
{/netabare}
第六話 聖泉
{netabare}

戦争前の日常回 雰囲気は好き

{/netabare}
第七話 散華
{netabare}
質も量も負けている

フラグは回収されるもの

話の内容は面白くなってきて会話の間もとてもいい
けど作画がなんだかあんていしないなぁ
{/netabare}
第八話 鳥の名前
{netabare}
主人公の独白がイライラする
戦闘中にべらべらしゃべるアニメはいかんよ

「大丈夫、信じろ。僕は負けない」 ⇒ 本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第九話 きみの名は
{netabare}
敵の敵は味方

みんな死んだ!!みんな死んだんだぞ!!

本当にこの主人公嫌いだわ
{/netabare}
第十話 勇気の飛翔
{netabare}
貧乏が悪いんだ!!

関係性がつながりそしてフラグ立て回
{/netabare}
第11話 恋歌
{netabare}
学生は囮 だから情報は信じません

タイトルを引っ張って来るだけはある。
集約、意味のある回ではあった。
ここまで来るまでが色々とひどすぎたけど。

「私に答えて」 ⇒ 復活するんかい!! ……いやしないと話にならないけど
{/netabare}
第12話 空の果て
{netabare}

男性はロマンチスト 女性はリアリスト

はい、それから それから ⇒ そらのはて

全部いえたのは初だっけか?
{/netabare}
第13話 きみのいる空へ
{netabare}
革命から十年、痛みが消えるにはまだまだ短い時間
この国の民衆は駄目だ こんな国は亡びる
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3

67.0 5 飛行艇アニメランキング5位
ラストエグザイル-銀翼のファム-(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (676)
3433人が棚に入れました
「決めた!私はあの戦艦を盗む!」 全ての命の源-グラン・レイク。その聖なる湖で、アデス連邦とトゥラン王国が砲撃戦を開始する。圧倒的な艦隊戦力で全世界の制圧を目指すアデス連邦を前に、壊滅寸前に陥るトゥラン。トゥランの王女たちが見たのは、小型ヴァンシップ“ヴェスパ”に乗った空族の少女・ファムだった。「これより貴殿の旗艦を、この戦場より盗み出さん!」対空砲火が飛び交う中、ファムのヴェスパは大空を舞う。侵略を続ける連邦総統ルスキニアの目的は? そして、謎の力「エグザイル」とは? 今、激動の大航空冒険活劇が幕を開ける!!

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タチアナさんも言ってたよ「ぎりぎり及第」ってね♪ ∑('◇'*)

■ラストエグザイル-銀翼のファム-ってこんなアニメです☆彡
2003年に前作「LAST EXILE」から8年の時を経て2011年に「ラストエグザイル-銀翼のファム-」というタイトルで続編がスタートしたのですね♪
壮大な世界観と圧倒的な作画を更にパワーアップしたと言う事で否応なしにも期待しちゃいますね
(*・ω・)ノ
キャストについては前作以上に主要キャラも増えた事もあって豪華な顔ぶれで、アニメファンであれば聞いた事のある人ばかりなのですよ♪

ストーリーの方は前作から数年先の話となっているのですけど、関連性は大きくないので「-銀翼のファム-」から観始めても十分楽しめるのではないでしょうか(*^o^*)
とはいっても前作から引き続き登場するキャラがどんな過去を送ってきたのか、またアナトレーという帝国がどんな国であったかなど、知っているだけで楽しさが倍増すると思うので、やっぱり前作を観てからの視聴をお薦めしたいですね♪

今回の舞台となっているのは「アデス連邦」が「トゥラン王国」に侵攻してくる場面から物語がはじまるのです!
ことの始まりは・・・はるか昔にエグザイルで移民してきた「トゥラン王国」やその他移民国が「アデス連邦」の土地に移り住んで来たのが原因みたいですね(・0・*)ホー
「アデス連邦」は、移民すべてを受け入れるだけの国力が無いのと、移民国に土地を追われる形となった現地民族からその土地を奪い返すべく各地に一個大隊を向かわせ侵攻を始めたようなのです!
そんな戦乱の世に「アデス連邦」の侵攻で故郷を追われた者が集まった『空族』という集団があったのですね♪
連邦の空中戦艦を鹵獲して生計を立ててる『空族』の一つ『カルタッファル』と名乗る集団に、本作品の主人公の「ファム」とファムのナビを努める「ジゼ」が所属しているのです♪
愛機の小型ヴァンシップ<ヴェスパ>とその腕前で数々の艦船を鹵獲してきた「ファム」と「ジゼ」はとっても可愛い女の子なんですよ♪
そんな彼女らが「アデス連邦」と「トゥラン王国」の戦闘に巻き込まれていく事になるのでした・・・


■銀翼のファムに出逢った日の日記 φ(^∇^ )
5話まで観終わった時点での感想を書かせていただきたいと思います♪
前作から8年経った続編という事もあって、現在の技術力でラストエグザイルを制作したらどんな凄い映像を見せてくれるのかなぁってとっても期待して視聴することになったのです!
かなりの期待過剰状態で第1話を視聴する事約30分・・・
前もって「1話テイクオフ直前スペシャル」を観ていたにも関わらずその作画のできに驚かされました♪
ヴァンシップが雲を掻き分けて疾走していく描写はとっても爽快で、艦隊戦のシーンはまさに海を泳ぐ「クジラ」そのものです♪
またそんな「クジラ」を鹵獲するシーンは圧巻の一言ですよ(*゚o゚*)
地デジ化して本当に良かったと思えたのは初めてだったかもしれませんw

ストーリーの方は、前作のクラウスとラヴィは戦乱に巻き込まれていったのに対して、ファムの困ってる人を見たら放っておけない性格からか、自ら戦乱に首を突っ込んでいく展開になって行きましたね♪
そんなファム達と「トゥラン王国」復興を目指すトゥラン王国第二王女のミリアにどんな展開が待ち受けているのでしょうね!
とっても楽しみです(*^o^*)
また、前作から引き続き登場のディーオやタチアナ&アリスティアコンビのアナトレーの戦艦「シルヴィウス 」がどう絡んでいくのかも今後の楽しみですね(*・ω・)
ディーオのルシオラへの思いや、素敵な女性艦長になっていたタチアナが赤いヴァンシップに乗りこむシーンなど、前作からのファンにとっても嬉しい演出が所々出てくるのも好印象ですね♪
ただ、ちょっと難しい専門用語や耳慣れない国の名前が度々登場してくるので、結構把握するのに手間取るかもしれませんね(^ー^* )フフ♪
そこのところは公式ホームページで前作同様に用語集のリンクがあるので補完しながら見ると良いかも知れません♪
しかも、各国の相関図のリンクもあって毎話更新されているので、アタシσ(゚-^*)は結構利用させてもらってますw


■総評
前作「LASTEXILE」の続編としてファンの期待が大きかった本作品ですが、果たしてその期待に 応え得ることが出来たのでしょうか?
期待が大きかったぶん厳しい意見もあったようですけど、個人的には及第点を与えられる内容になっていたと思っています。
前作よりもスチームパンク色が落ち着いたものの、気になっていたキャラの表情・動きといった人形っぽさが無くなっていたので3Dと2Dの融合感は圧倒的に今作の方が上ですね♪
また、ファムを主人公においた事もあってか全体的に明るいイメージで、それにあわせて彩度を上げて全体的な映像の印象も明るい印象に仕上げてましたね(*^^)v
それとヴァンシップもデザインが豊富で前作よりも個性があって楽しめました!
ファムが乗るヴェスパは機体が小さい分キャラの表情が映えてファムにピッタリの機体ですよね☆彡
ストーリーに関しても概ね前作よりもわかり易かったような気がします、前作を視聴していない人には難しいかもしれませんけどね!
全体的な作品の仕上がりは前作よりもマニア向けから大衆一般へ歩み寄った作品といえるんじゃないかなぁーって思います。

ただ、手を上げて大満足と言えないのは、GONZOイズムなのでしょうかw
前作でも思ったんですけど…「磨けばもっと輝けたのに!」ってね ゞ(^o^ゞ))))アラアラ
どんな点が今一歩(GONZOイズム)だったのかちょっと振り返ってみようと思います。

そもそもファムを主人公に設定したこと自体が間違いだったような気がしてならないのです…∑('◇'*)エェッソコ!?
『銀翼のファム』では、人類の永遠のテーマでもある「世界平和」を目指して国家ごとの思想や、その要人たちの信条を絡めて物語が進んでいくわけです。
そんな中、政治的重責のないファムを平和の象徴のグランレースと結びつけてファム目線でストーリーを進めていくには限界があったと思うのです。

『銀翼のファム』が続編という位置付けであるならば、やっぱりアナトレー視点のストーリーを見てみたかったなぁって思うのです∑('=';)
個人的には色んなとこに顔をだしながら、それでいて不思議と不自然じゃなくなっちゃう機動力のあるディーオを主人公に推したかったかなぁw
ルスキニアやアラウダはディーオと同族っぽいしね!
とにかくディーオ、タチアナ&アリスティア等、前作のキャラを登場させているのであればしっかりストーリーに組み込んで欲しかったです☆ミ
特にアルの扱いはひどいですw 追いかけっこしてただけですよww
愛着のあるキャラ達をまた見ることが出来たのは嬉しいんですけどファンサービス止まりなので・・・
結局「銀翼のファム」の評価を落とす結果となっている気がしました(ToT)

また、前作の内容から切り離してまったく新しいストーリで作るっていうのでも良かった気がします。
であればミリアを主人公としてストーリーを組上げていけばよかったのでは?って思うのです。
本作品で色んな表情を見せてくれていてたし、作品を通してもっとも成長したのがミリアだったからね!(^-^)
唐突な展開が多かったので、前作のキャラを削る事で、リリアーナ&ルスキニアの心情の変化やミリア&ディアンの掛け合い等々、もっと深く掘り下げるべき場面や伏線を丁寧に回収するなど深味のあるストーリーをつくり上げることも出来たはずなんですよね!

ファムの人格だけ見れば主人公たるポテンシャルは十分満たしているとは思うのですけど、この物語の内容にはね…
スピンオフのキャラから主人公に抜擢されて文句言われているファムがとっても可哀相に思えてならないのです。
「わたしが あなたの翼になる」と言ってたようにミリヤの良き理解者という立ち位置だけでも充分輝けるキャラだと思うんですけど背伸びさせ過ぎちゃった感じかなのなぁ(^▽^;)

なんだかんだと色んな事を書いてきましたけど、それでもやっぱりこの作品は大好きです♪
ファムもジゼルもミリアもみ~んな好き♪
「おいしいってときにはね、おいしいって顔、しなきゃ。」って事だよねーディーオ(*^^)v

「ラストエグザイル-砂時計の旅人-」のアニメ化ないのかなー♪
やっぱりクラウスの活躍がまたみたいです( ̄∇ ̄+) キラキラキラ~♪


■MUSIC♫
OP曲『Buddy』
 【作曲・編曲】School Food Punishment/江口亮【歌】坂本真綾
 なんといっても注目は大好きなスクパニが曲を提供しているって事です!
 疾走感あふれる複雑な楽曲とお馴染みの坂本真綾さんの素敵な歌声はとっても気持ちいいですね♪
 でも残念な事にスクパニはこの曲を最期に活動を休止なのです…(。>0<。)ビェェン

ED曲『Starboard』
 【作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 風を感じる流麗な楽曲とウィスパーボイスで優しく包み込んでくれます♪
 「銀翼のファム」の世界観を見事に表現してますね♪
 さすが黒石ひとみさんです(*^^*)
 

2011.11.20・第一の手記
2012.05.12・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 47
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

空に想いをはせる(80点)

事前SP+全21話+総集編2回。
アニメオリジナル作品。

個人的満足点:80点
アニメ系統:SF(スチームパンク風)

前作、ラストエグザイルの続編。
前作未視聴でもなんとかならないこともないが
前作視聴済ならより熱くなれるので前作視聴してから視聴するのがお勧め。

そして、舞台設定が1話ではほとんど語られないので
できれば0話の「1話テイクオフ直前スペシャル!」を視聴されることをお勧めする。
簡単な舞台設定やキャラ設定が紹介されているので1話にすんなり入れると思う。

世界観は前作を引き継ぎスチームパンク風の世界でロマンあふれる作り。
大空を飛ぶシーンだけで満足してしまう自分がいる。

物語の大筋は世界統一しようとするアデス連邦とそれをとりまく国との衝突を描いている。
しかしながら、物語は中盤あたりで少々定まりが悪い。
途中経過がはしょられたり、物語が急に方向展開するような印象を受ける。
それも後になって理解が深まってはくるのだけれども。

また、キャラに萌え要素が入っているのも個人的には少々疑問。
この世界観にはミスマッチかなと思われる。
もう少し硬派な作りでもいいんじゃないかなと思う。
(商売を考えると仕方ないのかなあと思ったりもするのだけれども)

なんだか悪いようなことばかり書いているが個人的には大好き。
しかも最終話では胸が熱くなって涙腺がやられていた。
なんだろうか?
やはり音楽がいいという部分があると思う。
数多くの挿入歌を効果的に使っている。
それぞれのシーンでの音楽が各シーンを盛り上げる。

そしてOP曲 坂本真綾さんの「Buddy」は大空をかける疾走感を
曲から感じることができ、曲を聴くだけで物語への期待感が高まる。

兎に角、ロマンを感じるっていうのが好みならお勧めの作品。
そして、音楽だけでも1度聴いてみて欲しい作品。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

1番熱かったのは総集編2だったw


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以下、各話の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}

1話視聴。
前作に比べやや軽い感じになったかな。
ヒロイン「ファム」が天真爛漫な感じなので
そう思わせるのかもしれない。
キャラも前作に比べやや柔らかくなったかな。
前作に比べやや萌え要素が加わった感じはする。

映像は、やはり空を飛ぶ疾走感がすばらしい。
前作を上回るクオリティ。
2Dと3Dの融合がすばらしい。
空戦の作画が半端ない。
このクオリティで2クールもつのかねw

何にしても今後が楽しみで仕方ない。

最後に「すごいとおもわなーい」がまどかに聞こえたw
この瞬間まで悠木さんが出ていることを忘れていたw

2話視聴。
今週のが序章となるのかな。
OP曲が最後に流れたことから考えても、そんな流れと思われる。
前作までと違い意外と目的などはっきりしてきそう。
ファムとジゼルもいいコンビぽい。
とくにジゼルはかなり優秀なナビのように感じた。
来週からの盛り上がりに期待したい。

3話視聴。
あおちゃんと千和さんのからみだw
一人で歓喜してたお^q^

雰囲気だけでもっていかれている自分がいる。
映像だけで満足してるとか、ダメな俺。
ロマンを感じるんだよね。
ファムも主人公らしくなってきた。
来週も楽しみ。

4話視聴。
タチアナキター
赤いヴァンシップきたよきたよ。
1期視聴済の私にとっては鳥肌ポイント。

そしてシルヴィウスかっこいい。
もしかしてと思ったが、潜った\(^O^)/
さてさて来週からどうなるのかな。

5話視聴。
星から自分のいる位置をずばり当てるジゼルいいねえ。
こういうちょっとしたシーンが何か好きだわ。
そして、戦闘なしで戦艦1隻ゲット。
ジゼルの戦略が冴えていた。
戦略のシーンはあまりないけどね。
そしてファムが全然活躍してないw
完全にジゼルのすごさを見せ付ける回だった。

そしてミリアw
なんという戦略www
メイド姿で男を落とそうとかwww
さすがに無理すぎるwww
俺なら落ちるかもしれんが・・・・
それでも厨房を占拠したのには笑ったw

6話視聴。
物語は飛んで戦艦を半分まで集めた段階へ。
1話で1隻ずつ集めたんじゃ終わらないしねw

展開が加速しだした。
トゥラン再建に向け動き始めたファム達。
同時にアデス連邦もさらなる動きに。
ルスキニアのやり方がえげつない。
ルスキニアはいったい何をやろうとしているのか。
ここまで若干軽いのりだったが、やや重めなのりになってきたかな。

そしてレースが熱い。
物語の展開上、勝つとは思っていながらもドキドキした。
最後は魅せ方には胸が熱くなって痺れた。


7,8話視聴。
最後のくじら狩りに向ったファム達だが、ピンチに。
何とかピンチを脱するも更なるピンチに。

シルビウスがやばい。
しかし、タチアナかけえ。
「ぅってええ」とかしびれる。

でも、ジゼルが心配だなあ。
かなりショックを受けていたようだし、
もうヴァンシップに乗らないとか言わないかな?
来週からの展開が気になるところ。


9話視聴。
予想通りの展開キター
ジゼルの葛藤がいい感じ。
あおちゃんは相変わらずいい演技するねえ。

個人的にはもうちょっと引っ張って欲しかったが、こういう友情ものには弱い。
ファムとジゼルの友情にミリアが加わり、なんともいえない良回だった。

来週からいよいよ国を取り戻す展開に入っていくのかな。
益々の盛り上がりに期待したい。


10話総集編視聴。
総集編だが、最後だけちょっと話がある。
そこだけでも観よう。


11話視聴。
盛り上がってまいりました。
アル来たー。
これはやはり1期を見ていた方が楽しめるね。
そして、ディーオカッコイイ。
このあたりは完全に1期見てないと分からないね。

今回はちょっと作画がおかしく感じた。
何か顔とか変だった気がする。

まあ、盛り上がってきたから別にいいけどね。


15話視聴。
いよいよクライマックスに向けて動き出したかな。
ファムとミリアが熱かった。
こういう熱い思いは個人的に好み。
ここから最後の巻き返しに期待したいところ。


17話(総集編2)視聴。
なんと1期の総集編に2期をからめてきた。
あらためて観ると1期ってこんなに良かったのかと思ってしまったw
そして、なんとクラウスとラヴィが出てきたよ。
来週からんでくるのかな?
俄然来週が楽しみになってきた。


19話視聴。
なかなか熱い展開だった。
そして、最高のところで出てくるシルビウス。
来るぞ、来るぞ、キターーーーーーーって感じだったw

あっさりしていた感じはしたものの
何かぐっとくるものがあった。
ここから最後に向けてどう展開していくのだろうか。
最後の盛り上がりに期待したいところ。


20話視聴。
いよいよ、クライマックスかな。
核心にせまって話が展開しそう。
しかし、今一盛り上がりに欠ける気はする。
正直1期を超えるのは無理かなあと感じてはいる。
まあ、でも好きだけどw

あと、どうでもいい話だが、ドレスのファム可愛い^^


21話(24話)視聴。
結局は皆、平和な世の中を作りたいだけなんだよね。
その方向性が違うだけ。
ルスキニアの最後の笑顔が印象的だった。

そして、ファムが無事帰還した時に胸が熱くなった。
別にどうってことないシーンのはずなのに
無事戻ってくるって分かっていたはずなのに不思議と涙腺をやられた。

{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 46
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

100年後とかにすれば良かったのに

二つのアニメを一緒にしちゃイカンでしょ。
ラストエグザイルを冠するアニメではあるが、方向性は同じではない。
というか、同じだとまた中途半端になるからそれは避けなければならないのだが・・・

◆アニメオリジナル
◆全21話かな、総集編を除くと
◆LAST EXILE という作品が既に出ていて、舞台はその世界と同じ

☆LAST EXILEの感想 → http://www.anikore.jp/review/661668/

※ネタバレ感想


{netabare}
ブームに流された中途半端な作品。

1話か、2話で初めてOPを見て、
イントロの後に主要キャラが謎の全裸シーンというOPが作品を表しているかな。これに期待感をかなり削ぎ落とされた。後の方での落ちるミリアを助けるファムのシーンも。

物語は、
空族でヴェスパのドライバーのファム、ナビのジゼルが仕事の過程で王女のミリアに出会う。
そんで自ら積極的に関わったり巻き込まれたり、と今回も巻き込まれる系のストーリー。
また「エグザイル」が重要な役割を果たすということも同じ。

最初にこの作品の特徴というか、前作?との大きな違いを挙げると、
◇主人公の主要飛行機がヴァンシップ(「紅の豚」の飛行機の両翼とプロペラを取った感じ)からヴェスパ(空飛ぶビッグスクーター)に変更
◇主要キャラ(主人公かな)は3人で全員少女(前作も一応3人かな、少年、少女、ちびっこ女)
◇うち主人公2人は空族(前作は運び屋)
◇キャラデザが前作(「世界名作劇場」寄り)っぽいのと萌えっぽい(眼がクリッと大きく、キャラによっては少年漫画みたいな髪型)のが混在
などなど。

このまま流れで微妙な点を3つ挙げるが、
●ヴェスパとヴァンシップがスピードを争うとか外見だけであり得ない
●戦争アニメに日常系アニメキャラがいるような違和感
●ギルド人、白兵戦無双
と、前作の微妙さに上積みする微妙な点が満載。
スポーツカーと50ccのスクーターが争うような様は、滑稽とかよりも、あまりにも機能美からかけ離れたデザインで、理不尽過ぎて悲しくなるレベル。100ノット(54ノットで約100km/hらしい、詳しくはググって♪)を超える世界なのに。前作でも、ゴーグルやヘルメット付けたり付けなかったりが気になったのに。
せめて、使い分けして欲しかった。

オシャレ軍人さんですらギリギリなのに、バンダナかヘアバンド巻いてる少年と落ち着いたオッサンキャラがいるシーンとか切なくなる。
眼や顔の形ぐらいある程度は統一して欲しかった。ギルド人、他の前作キャラ(リニューアルされたりされてなかったり)、今作からの少年少女、ちょっとクリッとした目のおっさん・・・とか、違い過ぎるにもほどがある。
声優もごっちゃ。

ギルド人の人力ビームサーベル・・・

前作に増して、いらないシーンやキャラが豊富。
単純にキャラが多過ぎる。キャラが多かろうと少なかろうと別に構わないのだが、意味のないキャラはちゃんとモブっぽくして、出番減らさないと。
ミリア様の付き人とか出すぐらいなら、他の主要キャラを掘り下げたり物語を丁寧に作り上げればいいのに。

ミリア様は、最終戦が指揮を執る初陣なのになんとかやってるとか、そんなムチャブリに対応しなくていいのに。

「アヒルやろう」は「上手く飛べもしねえヤツラは地べたに這いつくばってろ」って意味でいいのかな? この言葉使い過ぎ。
と、ここら辺にしとくか。けど、もう1つだけ言わせてもらう。

●前作キャラの扱いが色んな意味でひどい

この作品での良い点を3つ挙げると、
○前作を上回る映像美
○戦闘規模が拡大し派手になった
○萌え要素大増量、サービス回サービスシーン(OPが1番だが)はある
と、前者2つは同じようなもんだが、映像美や戦闘シーンは壮観である。
萌えやサービスシーンは人によっては喜ばれるんじゃないかな。オレは全然求めてなかったが。

ジゼルがいなかったら相当つらかったな。ジゼルがいなかったら最後まで観れなかったかも。


物語は前作と比べ最大悪が居らず、より複雑かもね。眼帯男がどうしたかったのか結局よくわからんかったし。
ファムは悪いやつじゃないけど、完全に異世界人。お偉いさんたちの会議、会合での場違い感。ミリアの関係者がいないとはいえ。
キャラとして魅力があったのはジゼルとサラ様(ちびっこ王女)かな。他は・・・前作キャラも・・・
シルヴァーナなしの空中戦とか、ほとんど戦略皆無の数の勝負だし。けどシルヴァーナが輝いたのは最初の一回だけ・・・

うーん、何がしたかったんだろ、どんな作品にしたかったんだろ?
萌えっぽくするにしても、前作っぽくするにしても、違うようにしたかったのであれば、
100年後ぐらいの話にするか、違う世界で作って欲しかったな。別の大陸とか、この際、前作の世界観(飛行機とか)だけで引き継いで、世界地図を作り変えてもよかったかも。
産みの難しさは分かるから完全オリジナルじゃなくていいけど、同じ名前を冠するのであれば大事なところは守って欲しい。

観る側にとっての大事ってのは面白さであって、同じ(ような)人間やシナリオではない。ましてやつまらない点ではない。おもしろい点では映像美だけに限って引き継がれてたかもね。
要するに、ロープレの続編でよくある全く違う世界が良かった。ドラクエみたいな。同じ舞台でいいから。


と酷評になってしまったが、ただ1つだけ明確に言いたいことがある。他の感想をチラッと見て、声優がどうのとか書かれていたが、そんなことはどうでもいい。

ジゼル、かわええ~☆☆☆☆☆
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 8

66.2 6 飛行艇アニメランキング6位
カーニヴァル(TVアニメ動画)

2013年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (585)
3244人が棚に入れました
とある腕輪を頼りに「嘉禄(カロク)」という人物を探す主人公の无(ナイ)は、旅の途中でミネという女の屋敷に捕えられる。その際、屋敷に窃盗に入っていた少年、花礫(ガレキ)に助けられた无は、「嘉禄の腕輪」を譲ることを条件に、花礫と行動を共にすることになる。ミネが言うところによると、その腕輪は、国家防衛機関「輪(サーカス)」の身分証であるらしい。嘉禄が輪の人間であると踏んだ花礫は、无を連れ、輪の本部を目指す旅に出る。

声優・キャラクター
下野紘、神谷浩史、宮野真守、遠藤綾、小野大輔、中村悠一、遊佐浩二、平川大輔、喜多村英梨、本名陽子、五十嵐裕美、佐藤聡美、保志総一朗、諏訪部順一、広瀬正志、小林沙苗

弦之介様 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

クロスまつ毛 、so cu-----te!!

◇御巫桃也(ミカナギ トウヤ)原作、「カーニヴァル」全13話◇
ドラマCDを経て、アニメ化された作品(両者未経験です)

初めて観たときは、序盤でのミネの変身っぷりが気持ち悪くて、断念してしまった作品ですが、そこを通り過ぎて以後大丈夫でした。

■内容
国家防衛最高機関「輪(サーカス)」が、化け物「能力者(ヴァルガ)」を作り出す悪い団体(ガルド社)を追い、成敗するというお話。
その中で、偶然出会った主人公:ナイとガレキの関わり合いの変化や成長が描かています。
わたし的には、この作品は画のきれいさやキャラクターにひかれがちですが、所々でジーンとする場面が盛り込まれています。

☆この作品の好きなところ☆
キャラクターがと----ってもイケメン&かわゆい。
そして、画が色彩豊かでとってもきれい。
そしてそして、声優陣が豪華!(女子ウケよさそうな感じで(^_-)-☆)

■キャラクターと画
瞳孔が、みんな色調は違えどオーロラみたいに輝いてて、女子達のまつ毛が長~くてクロスしてます。すごくキュートだなと思いました。
キャラクターの服装なども個性的でありながら、バリエーション豊富だしこの作品の世界観にあっていてよい感じです。

画は、通して"きれいめ"ですが、所々コミカルな場面が盛り込まれていますが、すんごく笑えます。(特に、ナイ…コメンタリーで共演者達が大笑いしていました(^_^;))

すべてに共通して色彩にあまりにごりがなく、明るくきれい。キャラクターも背景画もとてもきれいで、OPやEDの画も凝っててよかったです。

ただ、キャラクターの顔立ちがどれもよく似ていて、表情はあまり豊かではなかった印象…キャラクターの繊細な表情をみせるような物語の内容でないからかな…ですが、戦いのシーンなど動きはとてもよくて、かっこよかったです。 ⇒1話での動画枚数1万枚!ってすごいと、コメンタリーで言われてました(通常は5千枚未満らしいです)

あと、色彩豊かはよいけれど、アカリ先生の髪の毛・眉毛・瞳孔がピンクっていうのは…う---ん…でも、それが"あり"になってしまうのがカーニヴァルの世界観かも。

■女子ウケしそうな、豪華な声優陣(敬称省略)
(尚、名前は漢字変換がかなり大変なのでカタカナにて):
・主役:ナイ(cv.下野紘)、ガレキ(cv.神谷浩史)
・国家防衛最高機関「輪」:ヒラト(cv.小野大輔)、ヨギ(cv.宮野真守)、ツクモ(cv.遠藤綾)、ツキタチ(cv.遊佐浩二)、ジキ(cv.中村悠一)他
・ガルド社:ウロ(cv.諏訪部順一)
・カロク(cv.保志総一朗)  など。

各々すごくはまり役と思います。
特に、ヨギがよかったです。ヨギを宮野さんが演じているというより、宮野さんがヨギというキャラクターを作り上げてしまったって感じです(^^)!

わたし的には…カロク=とっても謎めいた人物=石田彰さんというイメージでした。

■場面場面に合っていた音楽もよかったです。特に、ちょっとコミカルなシーンの音楽がおもしろかったです。
浜口史郎氏が担当されています。この方を初めて知りましたが、た---くさんのアニメ音楽を手掛けてらっしゃいますね。ファイナルファンタジーやモンハンなどのゲーム音楽も手掛けているようです。

OP:「偏愛の輪舞曲」GRANRODEO(←谷山紀章+飯塚昌明)
ED:「REASON」KAmiYU(←神谷浩史+入野自由)
この作品には、合ってました。

もともと女性向け雑誌の連載作品ですし、アニメは女子向けな印象です。
この作品は、ヴァルガの気持ち悪さだけ除けば、ミーハーな気持ちで楽しみながら観ました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キャラデザ・・・抜群でした^^;

この作品は、女性をターゲットとした雑誌で連載されていて、2013年4月段階で11巻発刊されているそうです(wikiより)。

本作品の主人公は、出生に関わる事柄が一切不明な无(ナイ)。彼は「嘉禄」(カロク)という人物を探していたのですが、手掛かりが腕輪一つしかありませんでした。でも、旅の途中でもう一人の主人公である花礫(ガレキ)を始めとする様々人に出会い、「嘉禄」を探しながら2人の主人公の成長を描いていく作品・・・だったのだろうと思います^^;

原作が女性をターゲットとした雑誌で連載されている作品だけあって、登場してくる男性は、みんな惚れ惚れするほど格好良い人ばかりですし、作画も緻密だったと思います。

でも、私にとっては難しい作品だったように思います^^;
もう一人の主人公である花礫・・・自分を必要としてくれる人がいる・・・でも、自分が「ここまでやりたい」と思う事と、実際の自分の実力との乖離に葛藤しつつ更なる飛躍のための目標を定めていく・・・彼の思いは比較的理解しやすいと感じました。

一方、本作の主人公である无(ナイ)・・・こちらは、どこに向かえば幸せになれるのか、どこに向かうべきなのかが・・・もともと「嘉禄」を探す旅をしていましたが、探す事が最終目標では無く、当然次に繋がる何かがあるのだろうとは思いましたが、今回の作品からは読み取れませんでした。もう少し物語が進むと、色々解明されてくるのかもですが・・・^^;

少し難しい作品だと思いながらも、ちゃんと毎週視聴し続けていました。その理由は、川村敏江さんの描くキャラデザが私の好みだったからです^^
この方は「ましろ色シンフォニー」のキャラデザも担当された方です。ましろ色を視聴していた時、可愛らしい女の子がたくさん登場するなぁ・・・と思っていましたが、カーニヴァルで登場する女の子も負けず劣らず可愛い子揃いです^^
特に「ツクモ」ちゃんの可愛らしさ、仕事に対する誇りと態度は私の中で好印象でした(//∇//)

今、ここで切ってしまったら勿体無い作品になるように思います。続きの視聴できる機会を楽しみにしていたいと思います(もし続く場合、キャラデザは一緒でお願いします・・・)♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

きらびやか。

原作は月刊コミックZERO-SUMにて連載中、未読です。

【物語】
自分の名前と“嘉禄(カロク)”のことしか覚えていないという謎の少年・无(ナイ)と
无が旅の途中で助けられて知り合った花礫(ガレキ)との友情が、
様々な人とのかかわりあいのなかで芽生えていく様子が描かれています。

特に国家防衛機関『輪(サーカス)』たちのアクションシーンがかっこよかったです!
ただ、話が分かりづらいところがあったので、もう少し本編で説明があればさらに楽しめる作品になったのではないかと。
私の場合は用語や組織の名前があまり頭に入って来ず、公式サイトをチェックしなくてはならないハメに^^;
活字体だと理解できるのに、アニメになるとよく分からないのはこのせいなんだろうと思います。
最近そんな作品をよく見かけるけどとても惜しい…!

【キャラクター/声優】

无-下野紘
花礫-神谷浩史
與儀(ヨギ)-宮野真守
ツクモ-遠藤綾
平門(ヒラト)-小野大輔
喰(ジキ)-中村悠一
朔(ツキタチ)-遊佐浩二
燭(アカリ)-平川大輔
キイチ-喜多村英梨
嘉禄-保志総一朗
黒白(ウロ)-諏訪部順一

下野さんのハイトーンボイスは初めてで新鮮でした(´∀`)无くん可愛い。
そして花礫!口が悪くて強がりなところも、神谷さんの声も素敵です。
ただ{netabare}泣くシーンは要らなかったかな...
男泣きならまだしも、子供みたいにダイレクトに泣くとちょっとイメージダウンです(笑){/netabare}
『輪』のシステムである羊と兎も可愛かった!
ニャンペローナも面白かったですw

【作画】
キャラデザはあまり私は好きではないんですが、
背景なんかは色鮮やかで「カーニヴァル」らしかったと思います。

【主題歌】
OP-偏愛の輪舞曲(ロンド)/GRANRODEO
ED-REASON/KAmiYU

個人的にEDが大好きです。
KAmiYUのお二人が爽やかに歌い上げてくれています♪

【全体を通して】
なんだかとても眩しかった...(笑)
豪華声優陣ですし独特な世界観も良かったですが、1クールというのがまとまりが悪かったような気もします。
原作から読めばまた違うのかもしれませんね!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 20

66.7 7 飛行艇アニメランキング7位
サクラ大戦 TV(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (215)
1445人が棚に入れました
人気TVゲーム作品サクラ大戦シリーズのTVアニメ。太正12年春、真宮寺さくらは、仙台から上京した少女・真宮寺さくら。文明の利器に驚きながらも、手紙を頼りに米田一基を訪ねる。帝都の平和を守るため秘密部隊「帝国華撃団」に入団したさくらは、個性的な団員たちと共に黒之巣会と降魔に立ち向かう。


声優・キャラクター
横山智佐、富沢美智恵、高乃麗、西原久美子、渕崎ゆり子、田中真弓、陶山章央、折笠愛、池田勝、家中宏、岡村明美、氷上恭子、岡本麻弥、伊倉一恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これは太正12年~13年(1923~24年)にかけて起こった、黒之巣会と降魔による一連の帝都防衛戦の記録である。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
今から20年前の作品になるので、作画はそれなりの歴史を感じる作りではありますが、暫くすれば慣れて気にならなくなる程度のレベルです。

因みに第1期OVAである「サクラ大戦 桜華絢爛」と第2期OVAである「サクラ大戦 轟華絢爛」は視聴済です。
OVAではサクラが上京するまでの物語が描かれていましたが、このテレビシリーズではさくらが仙台から帝都・東京にやってくるところから始まります。

初めにサクラの所属する「帝国歌劇団」について説明します。

霊力による帝都防衛を任務とし、帝国陸軍にも海軍にも所属しない秘密部隊である。
総司令長官は米田一基陸軍中将。
副司令は藤枝あやめ陸軍中尉。
その銀座本部は大帝国劇場(通称・帝劇)にあり、主力部隊は対降魔迎撃部隊・花組で、隊長・大神一郎以下、 真宮寺さくら、神崎すみれ、マリア・タチバナ、アイリス、李紅蘭、桐島カンナ、 というメンバー。
普段は表向き帝国歌劇団としてメンバーは活躍しています。

何故帝国歌劇団が設立されたのかは、本編で確認頂きたいと思いますが、真宮寺サクラが帝国歌劇団に入団したのは宿命であったということです。

それは、サクラの父である真宮寺一馬は帝国華撃団の前身である帝国陸軍対降魔部隊に所属していたためです。
そして巨大な降魔を封じるべく、代々真宮寺家に流れる血によって退け、その代償として真宮寺一馬は殉職したんです。
父の形見である霊剣・荒鷹を帯同し、父の意志を継ぎたいと思うのは決して不思議な事ではありません。

彼女たちは時に生身で戦うこともありますが、多くの戦闘が霊子甲冑「光武」で行われます。
光武とは、太正11年(1921年)、神崎重工と帝国華撃団工房が共同開発した人間の霊力を引き出し、増幅する人型蒸気なのですが、男性と霊子甲冑との相性は良く無く、必然的に帝国華撃団は女性中心のメンバーで構成されることとなりました。

最初に光武を見た時には、随分ずんぐりむっくりしたロボットだなぁ…
と思いましたが、視聴を続けているうちに段々と愛着が湧いてくるから不思議です。
光武は搭乗者の能力値や特性に合わせて個別に調整されている点などは魅力の一つかと思います。

何より花組を構成する隊員たちが素晴らしい…
主人公である真宮寺さくらはもちろんですが、神崎すみれやアイリスなど魅力溢れる個性的な面子で構成されているんです。
花組のトップスターである神崎すみれの堂々とした立ち振る舞い…
齢9歳のアイリスが親元を離れ、何故こんな異国の地で暮らしているのか…
流石2クール作品だけあって、キャラの深掘りにも余念がありません。

花組が歌劇団としてどの様に成長を遂げていくのか…
そしてその変化に団員はどの様に向き合っていくのか…
見どころ満載の作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、横山智佐さん&帝国歌劇団による「ゲキテイ(檄! 帝国華撃団)」
エンディングテーマは、横山智佐さん&帝国歌劇団による「夢見ていよう」と、田中真弓さんの「ゲキテイ音頭」

2クール全25話の物語でした。
新サクラ大戦を視聴する前に完走したいと思っていましたが、視聴に随分時間が掛かってしまいました。
新サクラ大戦はこれより10年後の世界が舞台になっているそうなので、直接的な繋がりはないのかもしれませんが、可能な限り新サクラ大戦視聴前に過去作を見ておきたいと思います。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

ichinana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

太正桜に浪曼の嵐!!!!! 言ってみたい・・・・

第一作のゲームが発売されてから今年で20周年ですか。
いやはや時が過ぎ去るのは早いですね。

90年代後半から00年代前半のセガの人気を支えた同シリーズ。ゲームのみならず、アニメ、劇場版、舞台、さらには専門喫茶店(今で言うガンダムカフェみたいなもの)など幅広く展開し、絶大な人気を獲得しました。これも広井王子×田中公平コンビの手腕によるところでしょう。

原作ゲームはいわば恋愛戦略シュミレーションです。プレイヤーは主人公、大神一郎となって魔物から帝都を守るとともに、帝国華(歌)劇団の面々との恋愛を育む王道なストーリー構成です。
一方で本アニメは、ヒロインの一人(原作では実質メインですが・・・)である真宮寺さくらが主人公。第一作のゲームでは大神さんが帝劇に赴任するところから始まりますが、アニメはさくらが帝劇メンバーに加入するところから始まります。

本作品、生粋の原作ゲーム・・・というかさくらファンにはかなり辛い展開が続きます。ゲームとのギャップが凄まじく、もうこれ以上ちーちゃん苛めないでよ~広井さん!!と何度思ったことか。
しかし変に大神さんとの恋愛を描くことなく、破邪の血を受け継ぐ者の末裔として成長していく姿を丹念に描写したことは、ゲーム性ではなくストーリ性を重視するアニメーションという媒体では至極当然であったと思います。また歌劇団の新人に厳しく接するという描写も非常にリアリティがありました。一話一話でみると、どうしても鬱展開に見えてしまいがちですが、全25話を通してみると充分良作の部類に入ると思います。

原作ゲームも古めで、演じられている声優さんも中堅~ベテランクラスのお方ばかり。田中真弓といえば・・・○フィ!!ではなく・・・○ズー!!、クリ○ン!!な世代の作品ですし。特に出演声優陣が一同に会して行われる豪華「歌謡ショウ」は必見です。「中の人が演じる」というだけで、作中のキャラとのギャップから嫌悪感を抱かれかねない中で、非常に勇気のある挑戦だったと思います。しかし、歌謡ショウは10年間という長期間に渡って人気を博し、声優によるミュージカルの礎となりました。特に歌謡ショウ5周年記念の「海神別荘」は出色のでき。本当にちーと麗さんのデュエットはよく合います。「愛・ゆえに」も名曲ですね。また各キャラ登場シーンの口上がいちいち格好いいんですよね~。厨二魂がキュンキュンします。

本当にこの20年間で多くのものを積み続けてきた本シリーズ。代名詞が「ゲキテイ」であることに異論はありませんが、原作ファンとしてサクラ大戦「シリーズ」の魅力を是非とも皆さんに感じ取って欲しく思います。

P.S.
シリーズ三作目以降の大神さんの最終必殺技はマジチートだわ~
しかも演出がなんかイラッとくる。このすけこましのジゴロめーーーーー!!!!!私にも一人分けてくれーーーーー(←プライド全くなし・・・・)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

ゆうき。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

15年も流行に乗り遅れたことが何よりもつらい

カレイドスターとアイドルマスターゼノグラシアを足して2で割ったようなアニメでした。
時代は大正、大戦や蒸気機関、帝都・帝国というワードに浪漫を感じずにはいられない。
本編よりも日常回がおもしろくてよかったです(小並感)
田中真弓さんが女性キャラを演じている作品で珍しかった。
ジャンポールかわいい。


この作品でなにより評価できるのはOP「檄!帝国華撃団(ゲキテイ)」です。
https://www.youtube.com/watch?v=HH-LBqRwZng
普段は神という言葉を使うのは控えていますが、これは神と言わざるを得ない。
原作未プレイの私がこのアニメを今更見ようと思ったのは、14年前に聞いたOPが忘れられなかったというのもあります。(なぜか実家にサクラ大戦シリーズのOVA化第2弾のビデオテープだけあった。しかも1話しか入ってなかったです)

サクラ大戦シリーズの花組は舞台をアニメ放送以前から10年間に渡って行っていて、ゲキテイのアレンジVerも非常に多いです。舞台では声優陣がそのキャラの衣装で歌って踊って、劇をやったり大喜利をやったりと今では企画が難しいのではないでしょうか。


ゲキテイももちろん歌いますが、声優陣の歌唱力がすっごい!ゲキテイはこのアニメの声優以外の声優も歌っていますが、聴き比べるとその違いがはっきりとわかります。
歌だけでなくその振り付けもクオリティが高くいつも鳥肌が立ちます。端役までもが歌と振り付けを覚えていることに感動しました。また、ゲキテイではサビだけは観客の手拍子がパタリと無くなるのが恒例です。サビだけは観客も一緒に躍ることができるのはすごいことです。
合いの手は決まった言葉が入るわけではないのに、会場の統一感は半端ではなく、なぜあと数年早く生まれなかったのかと後悔するほどです。

ゲキテイの振り付けは和服がとても映えます。サクラも和服で踊っていて袖がヒラヒラとなびいてとても綺麗です。これを集団でやられたらもう堪らないと思います。


舞台動画ではアニメでは出てこないキャラがたくさん出演していて、少なからず疎外感があって寂しい。もうゲームやるしかないね!
ゲキテイの歌詞の中のセリフがアニメでは扱われなかったというのも気になるところです。

舞台の動画を見るならアニメだけでなく、ゲームもやらないと楽しむことができません。もっと言えば内容がアニメだけを見た人用のものではありません。


アニメの内容だけではゲキテイの魅力を持て余している感があるのでゲームのプレイをオススメしておきます。
サクラ大戦シリーズの他のアニメはゲームのエンディング後を描いているものばかりなので、ゲームやらないと見てもわからないのがつらいところです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 4

63.4 8 飛行艇アニメランキング8位
コードギアス 亡国のアキト 第4章「憎しみの記憶から」(アニメ映画)

2015年7月4日
★★★★☆ 3.7 (218)
1295人が棚に入れました
ユーロ・ブリタニアとユーロピア共和国連合(E.U.)の戦争は大きな転機を迎えようとしていた--。

E.U.を混乱に陥れたテロリスト「方舟の船団」。

それがユーロ・ブリタニアの計略だと見破ったアキトたちは、その本拠である大型飛行艇ガリア・グランデへ乗り込み、因縁の敵・アシュレイと激しい戦闘を繰り広げる。

戦闘を見守るレイラだったが、突如アキトたちからの連絡が途絶する。

必死の通信を試みるも、アキトたちが不在のヴァイスボルフ城がユーロ・ブリタニアの襲撃を受ける。

戦力も無く、兵士もいないレイラたちの前に、聖ミカエル騎士団総帥のシンが操る黄金のナイトメアフレーム・ヴェルキンゲトリクスが森を駆け、圧倒的な攻撃力で迫りくる!

wZERO部隊が絶体絶命の時、首都パリでは、スマイラス将軍によるクーデターが決行される。

E.U.政権を掌握したスマイラスは国民に宣言する。「レイラは死んだ」。

シンの絶望、レイラの悲しみ、そしてアキトの怒りを飲み込んで運命の歯車が回る!

声優・キャラクター
入野自由、坂本真綾、日野聡、松岡禎丞、日笠陽子、藤原啓治、甲斐田裕子、川田紳司、茅野愛衣、石塚運昇、森久保祥太郎、小松未可子、瀬戸麻沙美、東山奈央、早見沙織、高森奈津美、松風雅也、伊瀬茉莉也、寺島拓篤、島﨑信長、花江夏樹、井口祐一、小野友樹、石川界人、逢坂良太、室元気、菅生隆之、子安武人、武虎、宮田光、立木文彦、石原夏織、能登麻美子、櫻井孝宏、福山潤
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

E.U.を混乱に陥れたテロリスト「方舟の船団」。それがユーロ・ブリタニアの計略だと見破ったアキトたちは、その本拠である大型飛行艇ガリア・グランデへ乗り込み、アシュレイと激しい戦闘を繰り広げる。戦闘を見守るレイラだったが、突如アキトたちからの連絡が途絶する。必死の通信を試みるもアキトたちが不在のヴァイスボルフ城がユーロ・ブリタニアの襲撃を受ける。戦力も無く、兵士もいないレイラたちの前に聖ミカエル騎士団総帥のシンが操る黄金のナイトメアフレーム・ヴェルキンゲトリクスが森を駆け、圧倒的な攻撃力で迫りくる! wZERO部隊が絶体絶命の時、首都パリでは、スマイラス将軍によるクーデターが決行される…。というあらすじ。


勝手に色んなところで暗躍しているような。
勝手に焚きつけてとかもね。

今作はちょっと希望がありそうな終わり方
殺せという呪縛にアキトが勝ったのか?
最後の撃墜ちょい辛い
どんだけ弟への憎しみに溢れているのだ
レイラのギアスにも注目じゃ


主題歌
アルコ 坂本真綾
第4章と最終章はこれ。作詞 岩里祐穂と作曲・編曲 菅野よう子のペアは変わらず
モアザンワーズと打って変わって明るい感じの楽曲


{netabare}
「方舟」への強襲をワイヴァン隊が実行中と前後して、シンが側近のジャン・ロウと共にヴァイスボルフ城へ向かっていた。そして、方舟を強襲したアキト達から送られたデータからレイラは「方舟の船団」がユーロ・ブリタニアの謀略であることを確信し、スマイラスに事実の公表を進言する。そして、方舟ではアシュレイが新型機アフラマズダで待ち構えていた。激戦の中でアキトは再びギアスに支配され、アレクサンダの手でアシュレイを握りつぶそうとするが、リョウ達がブレインレイドでそれを諫め、アキトはギアスから解放される。戦死したヨハネ・ファビウスの敵を討とうとするアシュレイもまた銃が弾切れを起こし、それは敵わなかった。

一方、レイラもかつて父が唱えた「自由の責任」と政府によるイレヴンへの弾圧を伝え、その演説に心を打たれた市民はレイラの名を叫ぶ。しかし、直後に方舟の自爆でワイヴァン隊との連絡が途絶え、レイラは戦意を喪失してしまう。そこへ、ヴェルキンゲトリクスが強襲を仕掛けてきた。副司令のクラウス・ウォリックに叱責されたレイラは防衛戦を行い、間一髪で城を防壁で覆うことに成功する。その間に状況は動き、クーデターによって政府を掌握したスマイラスがレイラの死亡を市民に発表していた。スマイラスはクラウスを通じて、ユーロ・ブリタニアと内通を行っていたのだった。利用され、裏切られながらも人は変われることを信じるレイラにクラウスは「世界はそんなに優しくない」と否定し、城の人間を全員無傷で生還させるべく降伏文書の作成をレイラに要請し、シンとの交渉の準備を進める。一方、スザクのランスロットの活躍で聖ミカエル騎士団のKMFを退けたものの、正体が露見したジュリアスはシンの采配によりスザク共々カエサル大宮殿で幽閉されていた。

2ヶ月半後(10月22日、三日月)、聖ミカエル騎士団がヴァイスボルフ城近郊へ到着した後のとある夜、シンはかつてギアスで殺害した実母の幻影を見るが、それを斬り捨てる。次に、出撃前にギアスで自害させた義妹アリスと養母マリア、そしてマンフレディの幻影と邂逅し、自ら命を絶とうとするが、ジャンに止められる。そして、レイラは親友のアンナ・クレマンと特務部隊のオスカー・ハメルに見送られてシンとの交渉に向かうが、シンは初めからヴァイスボルフ城の人間を皆殺しにするつもりであった。更に、アポロンの馬車で帝都ペンドラゴンを攻撃して皇帝を殺害、その混乱による世界大戦を目論んでいた。

交渉中にシンはレイラをギアスで殺害しようとするが失敗し、今度は射殺を命令するが寸前でアキト達が帰還する。再び邂逅したアキトに、シンはレイラを殺すよう命令する。だが、アキトはその命令を拒否し、レイラとシンの元を離れたアシュレイと共に城へ帰還する。アキトがレイラと共に脱出して間もなく、ユキヤは聖ミカエル騎士団に手製の爆弾で攻撃をするが、位置を察知されて方舟もろとも撃墜されてしまった。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なwんwじゃwこwりゃwもはやネタアニメ?トンデモ超展開は『反逆のルルーシュ』譲りか

今思えば2~3章にかけて誰ーシュさんを出してきたのは予定外というか、旧作ファンを煽ってテコ入れしかったためかもしれませんね
60分×全4部作から全5部作に改められた『コードギアス』シリーズの外伝、第4章


誰ーシュことジュリアス・キングスレイによって仕掛けられたハリボテの戦略兵器、方舟を撃ち落すべく出撃するワイバァン隊
しかし方舟でアキト達を待ち受けていたのは先の戦闘で部下の一人を失い、復讐に燃えるアシュレイ・アシュラだった・・・


なんというか、前章での期待をヨソにしてツッコミどころだらけで笑ってしまいました


アシュレイが単独行動を取ったことでアシュラ隊が事実上のリストラ扱いで酷い
アキトに銃を構えるアシュレイのシークエンス引っ張り過ぎ
スマイラス将軍の演説なぜ4回もリフレインさせた
ヴァイスボルフ城の防壁が派手過ぎってかジリ貧のユーロピアのそれも実験部隊にどこからそんな金が出てるのか
ハメル少佐なんの役にも立ってない、コイツ本当に必要?
シンの真意が残念過ぎ、それとジャンのような忠実な部下の目前で人間不信を口にするのはどうかしてる
“ヤツ”の仲間入りはオレンジ依頼の衝撃ですよ、どうなってんの?
アキトがシンのギアスを打ち破れた理由がハッキリしてない、もっと具体的な描写が欲しい
主要人物達が生死不明になる場面が多いですがとても死にそうな描写ではなくバレバレ過ぎ


うーん、一応今作で以前から張り巡らせられていた伏線ののほどは回収出来ましたが単純に演出がウザい部分や描写が曖昧でハッキリしなかった部分が多いです
ただし、シンの暗殺から逃れたアンドレアが未だ健在している
スマイラスが見た魔女とその契約とやらがハッキリしていない、とまあ次章の鍵を握ると思われる謎も残されています


世界観を広げるつもりの登場人物が多過ぎ、多い割には描ききれてない、張っておきたい伏線が足りず超展開になりがち
『反逆のルルーシュ』の中盤で冒された失敗を繰り返してます、ある意味では『ギアス』らしいですね
この構成でいくのならもっと人物を減らしたほうがいいと思いますし、世界観を広げたいのならそれこそテレビシリーズとかでやった方がよかったかも;


その一方でオイラ個人としてはシンに心酔する部下のジャンがめちゃくちゃイイ軍人で、もっと彼女の活躍が見たいという希望も湧いてきてます
彼女は『反逆のルルーシュ』で言うところのヴィレッタとかギルバートに相当するキャラですよね、純血派とかじゃないですけど


みどころは結局戦闘シークエンスか
今作は立体的な地形を部隊に縦横無尽に駆けるアレクサンダの空中戦
これだけは毎度本当に凄いと思います、井野元さんマジカッケーっす!


されとエンドロールを飾る坂本真綾×菅野よう子の新曲「アルコ」も聞き逃したくない


残るはラスト1章ということで『ギアス』らしくない面白さを求めていたオイラとしては『ギアス』らしさをなぞった上でつまらなくなったという残念なキモチでイッパイですよ
それを覆してくれる最終章を期待しています

投稿 : 2024/05/04
♥ : 7
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

かなりの駄作として逆にインパクト強いかも・・・

7月末に都市部の劇場公開が終了した直後に、バンダイチャンネルで有料配信が始まったので(通常版800円、HD版1000円)、乗りかかった船で、HD版で視聴してみました。

{netabare}・序盤の戦闘シーンは流石によく動いてド派手でしたが、内容空疎で、
・中盤の政治的謀略もどきを延々描き出すシーンも全然見応えを感じず、
・終盤は最早、ストーリーなどどうなってもいい風体で、ひたすらカオス化して終了
・前章までは弟のアキトの出番が多かったが、今回は兄のシンの出番が多い。
・前章で大活躍したルルーシュ&スザクの出番は、今回は僅か数分だけ。{/netabare}

外伝とはいえ「ギアス」の名を冠した公式作品をここまで支離滅裂な内容で公開して大丈夫か?と逆に心配になるくらい。

個人的には、本作のほぼ唯一の見所は、レイラたちの立て籠もるユーロ連邦ポーランド領内の深い森の中の要塞城の様子が、WWII時のヴォルフスシャンツェ(狼の巣)をイメージさせる設定になっていたことくらいかな。

来年2月には最終章の劇場公開が決定しているそうで、その時期には本作もネットできっと無料公開されるのでしょう。
ギアス外伝ということで、本作が気になく方々には、そのときまで待ってから見れば十分の作品と思いました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

73.7 9 飛行艇アニメランキング9位
空挺ドラゴンズ(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (301)
1229人が棚に入れました
空の覇者、龍<ドラゴン>。その存在は多くの地上の人々にとっては脅威・災害であり、同時に薬や油、そして食用としての価値がある“宝の山"でもあった。その龍<ドラゴン>を狩る存在がいた。捕龍船を操り、空を駆け、龍を狩り、旅をする。彼らは「龍(おろち)捕り」。これはその中の一艇“クィン・ザザ号"とそのクルー達の物語である。

声優・キャラクター
前野智昭、雨宮天、斉藤壮馬、花澤香菜、諏訪部順一、関智一、櫻井孝宏、鳥海浩輔、釘宮理恵、熊谷健太郎、古川慎、松山鷹志、武内駿輔、上村祐翔、赤﨑千夏、榎木淳弥、井上和彦、佐々木啓夫
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

龍(オロチ)取りを題材にした『情熱大陸』

アメリカへ海外番販に行って一番げんなりさせられるのは、
なんと言ってもレーティングの厳しさです。
なんせ「首が飛ぶから残酷」という理由でアンパンマンに年齢制限かかっちゃうお国柄ですから。

おじさんが女の子見てにんまり笑う、なんて演出も、
性犯罪を助長する危険があるとかで年齢制限の対象になります。
けんか売ってんのかこんにゃろ。

子どもの誘拐なんてもってのほか。
暴力表現や流血も基本的にご法度と考えた方がよく、
もちろん、ナイフだの日本刀だの、
武器を使ったバトルものは軒並み年齢制限の対象になります。

ただし、スターウォーズのライトセーバーはOKなんです。
なぜかというと『現実に存在しない武器』だから。

いやいや、トイザらスで
プラの日本刀とライトセーバー並べて売ってんじゃん、
とか言っても、指をちっちっちっと横に振られるだけです。

だけどまあ、それをひっくり返すと、

    捕鯨はダメだけど捕龍はいいよね

という理屈が成り立つわけで。
言うことあるなら言ってみろ、シーシェパ-ド。


さて、本作『空挺ドラゴンズ』は、
ポリゴン・ピクチュアズ制作のフル3Dファンタジー作品です。
その内容を簡潔に、身もふたもなく言ってしまうと

   商業捕鯨を『捕龍』におき変えた日常もの

ということになります。いやほんと身もふたもないな。


もちろん『捕龍』だから、見た目の感じはかなり違います。
{netabare}
この世界の龍は空を飛んでいるので、
捕龍船は海を渡る『船』ではなく『飛行船』ですし、
その関係で船体部を大きくするわけにもいかず、
龍を仕留めるたびにいちいち地上に降りて解体しなければなりません。

獲物を求めて仲間たちと大空の旅を続け、
龍を見つけると銛を打ち込み、追いかけ、仕留める。

地上に降りて、乗組員総出で解体し、バラした部位を積んで再び大空へ。
脂肪の部位は船内で煮込んで『龍油』を摂る。
点在する街へ降りて肉や油を換金し、物資を補給したらまた大空へ。

ほんと、その繰り返し生活です。

もちろんそれだけでは物語にならないので、
大小さまざまな事件が起こってメリハリがつくのですが、
事件が終わったらまたみんなして元の生活へ。

楽しみと言ったら食うことぐらいなので、
『龍料理』の描写やバリエーション作りにはかなり力が入ってます。
けっこう丁寧にレシピの解説もしてくれていますが、
素材がアレなので誰にも作れません。
ただ、食べてみたくなるほどおいしそうに見えることは確かです。
{/netabare}

正直、地味なのか派手なのかよくわからない作品なのですが、
少なくとも僕は、
二つの点で、最後まで楽しく観ることができました。

一つめは、物語の根幹となる龍(オロチ)取りの生活が、
緻密に、生き生きと描かれている点。
このあたりは『情熱大陸』のノリではないかと。

もう一つは、群像劇の中でとりわけフォーカスされる新米乗組員、
タキタの成長譚としての魅力で、
こちらは『情熱大陸』に加えて『銀の匙』入ってます。

『銀の匙』なんか知らね、という方のために補足しておきますと

  原作は荒川弘さんで、制作はA-1 Pictures。2013年OA。
  受験ノイローゼになって農業高校酪農科に進学した優等生が、
  第一次産業の実情や『命を食らう』ことの意味を知り、
  新たな夢に向かって仲間とともに駆け抜けていく青春群像劇。

という感じですね。大名作なのでご存じの方が大半かと。
ちなみに、どうでもいいことですが
同作のヒロイン御影アキは、僕にとって、これまで視聴してきた全アニメの中で、
ダントツ、ぶっちぎりで『理想の女の子』NO.1です。
いやほんとどうでもいいな。


酪農でも捕龍でも『生命を奪って、食らう』という本質は同じです。
{netabare}
ごく一部のベジタリアンなどを除き、
日本などの先進国に生きている方の多くは、
  屠畜場の映像を見るのは御免だが、お肉を食べることはやめられない
という『業』を背負っています。

そして酪農を学んだり捕龍船に乗ったりすることは、
否が応でも、その『業』と向き合うことに直結してしまいます。

最初はタキタも、そのあたりは曖昧に考えていました。
しかし、仲間の話を聞き、いくつもの経験を重ね、
十一話では泣きながら母龍の猟師鍋を食らい、
ついに決意を固めて、誇りある言葉とともに子龍を群れに返します。

そこに大層な蘊蓄や哲学はありません。
ただ『あるがまま』です。
永遠のように繰り返される人々の営みの、ごく一部の意味を、
すとんと肚のなかへ落としただけのことです。

日頃はパックでしか食材を手にすることのない僕たちにとって、
一度は直視しておくべき『あたりまえ』のことを、
タキタは疑似体験させてくれているんです。

よく見とけよ、シーシェパ-ド。
{/netabare}


おすすめ度としては、Aランクに位置すると思います。

いやオレは手書き以外はアニメと認めん、とか、
ジェットコースターみたいな起承転結こそが物語だ、とか言う方には、
あまりおすすめできません。

あと、細かいところが気になって仕方ない方にも難しいかな。

捕龍船の甲板って、空を飛んでいるくせに安全柵がありません。
そのくせ常に命綱をつけているわけでもなく、
  いやそれ落ちるだろとか思ってたら、
  案の定、タキタが落っこちたりしてるわけで。
そういうツッコミどころは、けっこうたくさんあったりします。

だけど、龍取りという未知の世界、
そしてそこで奮闘する若者たちを描いた群像劇として見るならば、
他のロ-ファンタジーと比較しても出色の出来です。

タキタ役の雨宮天さんが、きゃんきゃんしたアニメ芝居ではなく、
リアルな元気ムスメに寄せているのも好感度大。
バニー役の花澤香菜さんも、やさぐれたいい味出してます。

前野智昭さん、諏訪部順一さん、関智一さんなど、
豪華男優陣のがらっぱちな感じも、リアリティきっちり仕上げてますし。
ワケありふうの男が大勢乗っているというのは、
捕龍船というよりも
なにやら『マグロ漁船』っぽい気がしますが、それは置いといて。


視聴後には、東欧の田舎カフェに座って一人で街を眺めているような、
どこか不思議な気分にさせてくれる逸品です。

見知らぬ世界で営まれる人々の暮らしに思いを馳せ、
ライ麦パンなぞかじりながら、
『生命と食』みたいなものを改めてじんわり考えてみるのも一興かと存じます。


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本作のED楽曲を提供したバンド『赤い公園』の津野米咲さんが、
昨年10月、お亡くなりになりました。
表現力あるギタリストであり才能あふれるコンポ-ザ-でもあった彼女の、
あまりにも突然で、早すぎるお別れでした。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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投稿 : 2024/05/04
♥ : 22
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

開店!タキタ食堂

原作未読 +ultra枠

さて問題です。
「テロ等準備罪」を新設した『改正組織犯罪処罰法』が2017年7月11日に施行されてからの変化について次の選択肢より妥当なものを選べ。

1.居酒屋で政権批判をすると逮捕されるようになった
2.“共謀罪”という呼称が浸透し一般化した
3.{netabare}シー・シェパードが和歌山県太地町から退散した{/netabare}

答えは3.穏やかな海が戻ってきたようです。
もともと捕鯨問題を知ったのは『美味しんぼ』。小学生の時だったかなぁ。捕鯨国日本と国際包囲網との理不尽な関係に憤りを覚えたものでした。
本件に限らず、「原発問題」その他社会問題に鋭く切り込む原作者雁屋哲氏もきっと法案成立とその後の動きを喜んでいらっしゃることでしょう(鼻ほじ)。

「龍を守れ~」な愛護団体や環境活動家を登場させても面白かったかもしれませんがそれをしませんでした。英断だったと思います。舞台を穏やかな海から空に移し、喧しい外野の声を極力排除して人間と龍との関係からなにかしらを伝えたかった力作。

本作『空挺ドラゴンズ』についての視点の置き方。

狩猟対象を鯨から龍に置き換えてみて何かを訴えたいのかしら?
タイガーモス号ばりのイカした飛空船で龍の巣に突っ込む冒険活劇を見せたいのかしら?

 前者だったかと。

ポリゴンピクチュアーズさんのごりごりな3DCG眺めて感心することも一興。美術は流麗。
メインテーマ『捕鯨』or『ラピュタ』どっちなんでしょう?
“龍捕り(オロチとり)”“捕龍船(ほりゅうせん)”とネーミングセンスいい感じ。
対して…“空中海賊(くうちゅうかいぞく)”。ラピュタ寄り案件のネーミングにやる気とセンスを感じなかったのが『ラピュタ』を後方に置いた理由です。そこは“くうぞく”でよかろうに。
別に「両方だよ」ってのでかまわないんですけど、主人公らと龍だったり、人間同士だったりの闘いに視点の重きを置いてしまうと後々に見誤ってしまいそうです。
そしてお待たせしました本題。露骨ともいえる捕鯨の比喩で訴えたかったもの。


 いただきます と ごちそうさま


生命をいただくこととは?をシンプルに感じること。
捕獲した龍を解体する場面がよう出てきます。肉・内臓・皮・脂、と余すことなく解体利用されます。
ウチの母親はウナギを捌いてるところと牛の解体を見たかなんかで両方とも食べられなくなったと言ってまして、半世紀くらい前まではそこらで見物できてた風景も町中から消えて久しい昨今。架空の龍を通して生命をいただくさまを拝める機会を得られたってことになるのかな。

主人公である龍を捕る人たち。龍を購入し潤う町の人々。そして狩られる龍。捕食する側される側。食料問題もさることながら、経済問題にも直結するのっぴきならない世界での持ちつ持たれつな関係を自然に描いております。
自然かつシンプルで根源的なテーマのためカタルシスには程遠い。つまり地味ったら地味。だがしかしけっこう後からジワってくる仕様。物語の地味さとバランスを取っての見ため担当は捕龍船“クィン・ザザ号”のデザイン、いろんな顔を見せる空特に雲や風を感じる背景美術、そのへん頑張ってる3DCGということなんでしょう。
原作はまだ続いているようで、それでも全12話で一定の結論を提示してくれたことも親切。

なんか『老人と海』の読後感だったり、『密着ドキュメント!大間のマグロ漁師』の視聴後感にも通ずる捕食者と被捕食者との対話の物語。地味であり滋味に溢れてる感じ。良作だと思います。
日々の営みを切り取っただけのシンプルさを評価してます。



※ネタバレ所感

■+ultra枠ということで

海外向けですから(笑)
レビュー冒頭で「テロ等準備罪」に触れてますが、そのような好戦的な煽りは一切ない本作ですのでご安心ください。
捕鯨で有名なネタだと、油目的髭目的で乱獲してた西欧と余すことなく利用してた日本との対比なんかありますよね。

{netabare}クオーン市で出会う別の龍捕りらの所業がその悪い意味での西欧趣味で興味深い。

 ・生態不明な龍への畏敬の念が薄い
  ⇒傲慢になる
 ・毒を盛って屠る
  ⇒ピンポイント利用の経済目的
 ・町への被害想定への無配慮
  ⇒共存共栄より略奪文化の反映

食文化を理由に捕鯨続行を訴える日本に対して「鯨は人間の次に賢い生き物」の謎ロジックで対抗してきたり、調査により生態系を犯すくらい鯨の頭数が増えていても捕鯨再開にストップかけたりするくらいに感情で動く人たちに向けた作品に期せずしてなってます。{/netabare}

さりげなく毒を仕込んでるくらいでちょうどよい。


■町娘カーチャ

{netabare}唯一といっていいラブ要素良かったです。波止場の娘みたいな。

 「見たかったな、ジローが龍を取るところ」

この世界においては漱石で言うところの「月がきれいですね」ばりの I love you . だと思ってます。{/netabare}



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.03.27 初稿
2020.10.07 修正

投稿 : 2024/05/04
♥ : 60
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

空挺ホエールズ

8話までの感想{netabare}
最初見た時はまたグラブルのスピンオフかと思ったらそうじゃなかったw
放送時期が放送時期ならコトブキ飛行隊を連想してたかも?
そうはいいつつ1話見た段階では結構好印象だった…のだけど、回が進むにつれあれ?あれれ?って感じに。
つまらないワケじゃないけど何か物足りない。
メインとなるストーリーが無いのも関係してるだろうけど、それ以上に…緊張感が無い。
キャラ達の態度もさることながら画面は妙にのほほんとしてて、命を張ってドラゴン狩りをしてる割にはなんかのどかな気分。
じゃあなんでここまで緊張感が無いのか考えてみたら…ああ、強風が吹きすさばないんだ。

更に6話以降、巨大な竜が町を破壊するという、巨大怪獣モノ好きには垂涎の内容だったにも係わらず…全然迫力が無い。
ドカーンと巨大質量が落っこちたらミニカー吹っ飛ばさせよう、ビルのカラス割れさせよう、あの世界でそういうのが無いにしても変わりの何かでそういうことしよう。
咆哮したら肌をビリビリさせよう、ドラゴンが頭上を低空で飛んでいったらその後突風起こそう、町に火の手が上がってる様子も無いのもどうなんだ。
兎に角「空気」を感じない、あの世界は真空なのかも?
なんなんだろう、CGだから出来ないってことじゃないよねぇ、宮崎駿フォロワーかどうか知らんけど宮崎に見せたら全カットリテイクになりそう。

と妙に辛口になっちゃったけど、だってねぇ、空挺といいつつ風を感じないのは非常にマズい気がして。
バイク乗りが風を感じなかったらバイク乗らないと思う。{/netabare}

総評{netabare}
苦痛を感じることなく最後まで見れたから悪くはないハズなのだけど、飛び抜けてダメという部分も無ければ飛び抜けて面白い部分も無い。
何でこんなにのっぺりしてるんだろう?と考えると、画面から伝わる緊張感の無さなのかな?
危険な仕事をやってる感がしない、死んでもペナルティなく復活して続行できるゲームのプレイ動画の様。
キャラに緊張感が無いのはまだいいんだ。
肝心なのはあんな開放された飛空挺の上なのに「一歩でも足を滑らせたら大変・ちょっとでもバランス崩したら死ぬ」を予感させるものが無く、もしそれを満たしてれば「そんな中で飄々と歩き回るオロチ捕りの連中スゲー」にも繋がったのだろうけどそんな感じもしない。
各話感想の時に「そう思うのは風(空気の重量)を感じないせいかな?」と書いたけど、これはフルCGだからってことでは無い…と思う。
例えば飛んだ帽子が果てしなく落下し続けるとか、CGでも描けるでしょう。
で、空賊の回なんて…もうなんなんだろう、お遊戯回?
これって意図的?だとしたらどうして?ってことになるけど、その意図は分からない。

余りにも細かい部分で恐縮だけど私程度でも気付いた一例として、7話最後と8話冒頭、話を跨ぐ“引き”のシーンで結構重要だと思うのだけど、ジャイロから爆雷?を落とす描写。
ジャイロに乗ってる人からは真下に落としたことでも、地上から見たら進行方向に向かって斜め下に飛ばした様に見えるハズ、慣性があるから。
けどそういう「おっ」と目を引く描写はされず、特徴のない構図ばかりで淡々と出来事が進んでくだけ。
ジャイロの件以外でもそういった「おお、ここ拘ってるねぇ」と関心を引くシーン・絵的に目を引くシーンが全話通して…私には無かった。
無機質っていえばいいのかな、そこにフルCGが被さって安定した並クオリティで、こんなんだったら作画崩壊してる方が面白い。

話に関しても盛り上がるとことはこれといって無く、食べ物に対する考え方、哲学や宗教観も…これみよがしに他作品挙げるのは悪いと思いつつ“ゴールデンカムイ”のアイヌのソレの紹介に比べると非常に弱い。
ドラゴンの乱獲云々も、“ヴィンランドサガ”のバイキングみたいな価値観(欲しいものは力で奪い取るもの、より多く戦争(殺し)をした者にはバルハラ(天国)への門が開かれる)なんじゃねーの?と思うと大して何とも思わない。
娯楽で龍狩りしてる貴族でも出して対比させれば印象も違っただろうけど、作中の描写だけでは単に貧乏臭いだけ。
最終回も鮭の稚魚の放流みたいな感じかな?と、分かるっちゃあ分かるのだけど「だから何?」って感じで、う~ん。

と、辛口めいたことばかり書いてしまったけど、退屈なだけで不快感は無い。
ボケーっとダラーンと環境ビデオを流す感じで見る分には良いのかも知れない。{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
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