遊園地アニメ映画ランキング 13

あにこれの全ユーザーがアニメ映画の遊園地成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月10日の時点で一番の遊園地アニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.8 1 遊園地アニメランキング1位
聲の形(アニメ映画)

2016年9月17日
★★★★★ 4.1 (1497)
7405人が棚に入れました
聲の形」は、聴覚の障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の物語で、2人の衝突や再会を通して、孤独や絶望、愛などが描かれている。

声優・キャラクター
入野自由、早見沙織、悠木碧、小野賢章、金子有希、石川由依、潘めぐみ、豊永利行、松岡茉優
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

聲とは、思いを伝えること、発するだけではないことを教えてくれる作品

硝子と将也が動き、聲を発する。それだけでもう満足でした。全7巻を120分でどうまとめるのか、それが最大のポイントだったと思います。入るべきエピソードはほぼ入っていました。
{netabare}硝子との再びの出会い、子供の頃の虐め、将也の自殺話、結弦と将也の掛け合い、硝子の告白、長束との友情、直花との再会、遊園地、結弦とおばあちゃん、将也のキツイ言葉、硝子ママの誕生日、花火大会、硝子の自殺話未遂、将也の叫び、病院の出来事、将也と硝子の橋での会話、将也の開けた心。{/netabare}これだけ詰め込んでも入りきらなかった話もたくさんありました。{netabare}多分無理だろうと思っていた6巻の話は全カット。映画作りがカット。映画製作がなかったためにいろいろな人のエピソードがなくなり、友人たちの立ち位置が薄くなっていました。特に真柴は居なくても良いくらいで、かえってかわいそうでした。この人物の異様さが見ものの一つだっただけに残念。{/netabare}

やっぱり120分で原作の全てを表すのは難しかったですね。それと、ずいぶんマイルドにしていた感じです。小学生のエピソードはイメージビデオみたいになってましたし、硝子ママはキツいだけではなく裏に隠された強さが見えなかったのは残念でした。それでもよくまとめていたと思います。山田監督、吉田玲子さんはじめ、原作者も加わってかなり会議重ねたというし、そこで出た結論がここに表されたのだろうと思いますが、できればハルヒくらいの時間使ってもよかったのではと想います。

作画は安心の京アニです。風景、女の子の画きかたは本当に綺麗でした。あと感心したのは小学校の教室、広さから雰囲気から本当にリアルでした。さすがにこれは原作には出せない、アニメの良いところだと改めて思いました。

上映期間中、もう一度見に行きたいと想います。一回だけでは足りません。劇場でもう一度です。この作品の真価を見極めたいです。


【以下、原作見たときのレビュー】
京アニが劇場アニメを制作するというので気になって仕方がなく、大人の一気買い一気読みしました。

「これ、映像化するの?…本当に大丈夫か?」

これが率直な感想でした。これが少年誌で連載されていたのも驚きですが、さらにアニメ化ですからね。

{netabare}「聲」とわざわざ使っているので、言葉が上手く出せない人の話かと想像したらその通りでした。
聾唖の少女を小学生の頃に虐めた挙句、逆に自分が虐めの対象となってしまい、心を閉ざしたままに高校生になってしまった少年の物語です。
主人公の少年が自殺を考え、最後にこの少女に会いに行くところから展開していきます。この二人を軸に、関わる人びとが心を動かし、葛藤し、それぞれの生き方、解決に向かって進んでいきます。
障害者の問題、恋愛、悩み、葛藤、生き方など、いろいろつまった青春群像劇といったところでしょうか。
かなり重いです。特に小学校の頃の虐めは実写化したら「女王の教室」を越えるほど話題になること必至です。なので、アニメでどう取り扱うか、気になります。避けては通れない話なだけに余計にです。{/netabare}

原作は賛否両論、いろんな意見が寄せられたのですが、どう感じるかは読んだ人の感性に由るようになっています。

映画は京アニ制作ですから綺麗な映像になると思いました。予告編みたら、まさに京アニワールド。背景は綺麗だし、女の子は可愛い。ただ、硝子、直花はいいとして、みきは人物的にそこまで可愛くしなくとも…。
吉田×山田のコンビなので、心の動きや心情は細かく描かれることでしょう。いい作品になると思います。しかし心配な点もあります。この作品の主人公はあくまでも「石田将也」という少年です。吉田×山田コンビは思春期の少年の心を表現できるでしょうか。また、ストーリーをどこまで入れることができるでしょうか。予告編では重要なシーンは入っていたようなので安心ですが、たぶん時間的に6巻部分は削られちゃうのだろうな…。
相当に難しい作品です。京アニの力が試されます。

【主な登場人物紹介】
原作者曰く「みんな嫌い」なのだそうです。たしかに、この作品のファンはこのキャラがいい、嫌い、という人が少ない。それだけ等身大に近い、誰もがその嫌な部分を持っているという感じで描かれているのでしかたありません。
主観バリバリに入った紹介です。正確なものを求めるときはどうか原作を読んで感じてください。

石田将也(CV.入野自由)…ほぼネタばれです。ご注意を。
{netabare}主人公。高3。小学校時代はガキ大将。そのころの心情は「退屈は大嫌い」。少しずつずれはじめた友人たちを気にしながらも馬鹿をやっている毎日。そこへ現れた耳の不自由な転校生。彼は見つける。「この子は宇宙人だ」。悪戯しても怒らない耳の不自由な子。周りから浮いた耳の不自由な子への悪戯はエスカレートして激しい虐めに発展。しかし、虐めの結果、補聴器が次々壊され総額170万円もの被害となる。その責任を担任から将也一人が背負わされてしまう。翌日から虐めの標的は将也に。中学校では小学校の悪事がひろまり仲間はずれに。そのまま心を閉ざしてしまい、高校へ。高校では家族以外の顔が×と認識されてしまうほどの状態に。人生を見失い、自殺を考えるようになる。
補聴器の代金170万円を貯め、弁償してくれた母親の枕元に置き、自殺へ向かう。ただ、将也にはやり残したことが。それは小学校のときに虐めた耳の不自由な子「西宮硝子」に誤ることだった。そのために手話を覚え、彼は向かう、硝子の元に。

将也は悔いだけで生きています。自分が悪い、その感情はずっと残るため、硝子の気持ちに気づきませんし、応えてくれません。ただひたすら硝子への悔恨が彼を突き動かしていきます。自分が幸せになってはいけないと。葛藤とジレンマ、そして自分がなぜ生きているのかの悩み。そして、最後にようやく気づきます。このくだりは本当に感動します。{/netabare}

西宮硝子(CV.早見沙織)
{netabare}もう一人の主人公。高3。母親のお腹にいるときにウィルス感染してしまい、生まれながらにして耳が不自由に。母親の教育方針で普通学校に通うも、行く先々で虐めに遭う。将也の学校でも同じで、虐められる。やがて転校することに。その直前、気持ちが通じあわない将也と取っ組み合いのけんかを起こす。ただ、このけんかは生まれて初めて硝子が感情を露にした出来事でもあった。その後、障害者の学校へ進み、それなりに幸せに暮らしていたという。そんな時に現れた将也。彼女の人生もまた、大きく変わっていくことになる。

硝子は周りがごたごたしてしまうのは自分のせいだと思い込みます。そのため、何があっても気持ちを出しませんし、愛想笑いでごまかしてしまいます。この性格が最後に大きな事件を起こすことになるのですが…。自己犠牲ではないのです、それは硝子の心の弱さと葛藤が生んだ悲劇…
将也と再び会うことで硝子は変わっていきます。どんどん表情が豊かになり、そして、恋心まで芽生えてしまいます。このあたりは本当に女の子として可愛く見れます。{/netabare}

西宮結絃(CV.悠木碧)
{netabare}硝子の妹。中3。小学生のときに虐められる硝子をかばうため、髪をばっさり切って男勝りの性格になった。見た目は可愛い男のこのため、将也にも女の子とはしばらく気づかれなかった。この子なりにいろいろ悩み、不登校になっている。将也が小学校のときに硝子を虐めていたことを覚えており、将也と硝子を会わせない等していたが、将也と触れるうちに将也の心根を知り、将也の味方となる。将也と硝子を繋ぐキーパーソンでもある。

大人な感じをかもしつつも、実は子供の中の子供です。でも、将也と会い彼の心と性格を知り、硝子が変わっていくのを見つつ、周りの環境を感じながら成長していきます。おばあさんとの別れは涙ものですが、映画に描かれるかどうか…{/netabare}

植野直花(CV.金子有希)
{netabare}将也の小中学校のころの同級生。将也の近所に住んでいる。高3。小学校の時に将也が好きになり、高校になってもその気持ちは変わっていなかった。見た目美人だが、かなりキツく、思ったことは口に出ししまう残念な性格であある。小学校の時に将也がいじめられてから思いを残したまま近づくことができなかった。いじめの原因は硝子のせいだと思っており、高校で再び会っても嫌いな感情は変わっていなかった。

直花を嫌いだという人は多いかもしれません。特に気の弱い人は、生理的に無理と感じるでしょうね。それくらい「キツイ娘」です。本来は姉御肌でさっぱりしていて明るい性格です。硝子の面倒も見ていたのですが、周りに理解されず、硝子の性格から、最後は投げ出す形になってしまうます。いじめによって変わってしまった将也を元にもどそうとしますが、かえって距離ができてしまします。この子を中心に見てみると、また別の思いをすることもできるのですが、全体的に嫌われてしまうの仕方のないキャラです。{/netabare}

長束友宏(CV.小野賢章)
{netabare}将也のクラスメイト。高3.小太りでチリチリ頭の少年。自転車盗難の危機を将也に救ってもらったことから将也にとって高校で初めての友達となる。けっこう熱い性格で、将也がピンチの時は出しゃばって救うこともあるくらい。その一方で、罵られたりすると極端に弱気になる面を持つ。映画撮影に興味を持ち、将也と周りの人々を巻き込んで文化祭の出品作品を作ることになる。

将也のクラスメイトで初めて×が取れた人物です。将也が友達とは何かを改めて考えるようになったキーマンで、硝子との繋がりを積極的に応援してくれます。見た目がちんちくりんなのですが、まっすぐな性格なので好感が持てる人多いかもしれません。ただ、気が利きすぎているのも…。{/netabare}

川井みき(CV.藩めぐみ)
{netabare}将也のクラスメイト。高3。将也とは小中高と同じ学校に通う。小中高と学級委員を務めており、自分に自信がある性格で、周りにも信頼されていると思っている。将也のいじめも自業自得と思っていて、硝子のことは見ているだけだったのに、障碍者との学校生活は貴重な経験とすら思っている。将也を通してクラスメイトの真柴との距離を縮めたいと考えている。

この物語の中で、最も嫌われやすいキャラかもしれません。なにせ、自分は全く悪くないし、信頼されているとさえ感じていますので。小学校の時のいじめはすべて将也が悪いと思っているくだりは腹が立つ人続出したようです。最後にクラスメイトから実はウザがられていたことを知る場面がありますが、それでもへこたれません。恐るべきポジティブシンキングです。{/netabare}

真柴智(CV.豊永利行)
{netabare}将也のクラスメイト。高3。みきの紹介で、以前から興味のあった将也と友達になる。結構なイケメン。小学校のころにイジメにあっており、それ以来、イジメは極端に許せない性格となった。小学生のイジメに対し叱ったり、将也の小学校の担任に水をかけるなど熱いのだが、どことなく冷めた性格を持ち合わせている。

正直、登場キャラの中でも最も恐ろしい人物かもしれません。そのことがよくわかるシーンがいくつかあり、将也の告白に対しぶん殴って「他人様」と言い放ったり、教師になりたい理由が「イジメた連中の子供がどう成長していくのか見てみたい」だったり。その時の表情はとても冷めた冷酷な顔に描かれています。{/netabare}

佐原みよこ(CV.石川由衣)
{netabare}将也と同じ小学校のころの同級生。高3。小学校のとき、硝子と仲良くなるために手話をしようという先生の提案に手を上げた結果、直花から「いい子ぶって」と罵られ、それが元で不登校に。そのため、硝子と将也がいじめにあっていたことは知らない。将也に硝子が誰か会いたい人はいるかと聞かれ、佐原に会いたいということになり、再会。硝子とはすぐに仲良くなり、物語の一人に加わる。

佐原は気の弱い性格だったのですが、中学生のときにモデル並みのスタイルに成長し、少しずつ強くなっていきました。硝子と友達になり、周りと触れ合い、苦手だった直花とも対等に話せるようになっていきます。もしかすると、物語の中で一番成長した人物かもしれません。{/netabare}

上記の主要人物のほかにも、将也と硝子の母親も物語に大きく影響を与えます。{netabare}将也の母親はとにかく優しい。すべてを包み込むような母親です。でも、将也が自殺することを悟って叱咤したシーンは、やっぱり母親は強いと思わせてくれます。
硝子の母親はキツいです。人を叱ったり、ひっぱたいたりするのに躊躇しません。硝子を「普通の人」として生活させるために虎の子を落とすようなことも平気で行います。なので嫌いだという人も多いのですが、実は硝子を生んだ後に旦那も含め、旦那家族から罵られ、見捨てられるという悲劇を経験しています。そのために硝子に強さを求めたということがわかるようになります。{/netabare}これ以外にも小学校の担任だとか、ほんと、見ていてイラつかせる人物も多いのですが、なぜか「実は…」というシーンを差し込んでくるあたりもこの作品のいいところです。

【グッと来きたシーン】
その1
{netabare}「自殺するの」
将也が自殺を決行しようと母親の枕元に170万円を置いて出て行くのですが、硝子と会い、思いとどまります。家に帰ってきて母親が170万で喜んでいるように見せた瞬間に放った一言です。子供が自殺を図るだなんて、親不孝そのものです。母親にとっては悔しく、つらい出来事だったことでしょう。庄屋を叱責し、思いとどまらせる約束をします。すでに将也は硝子と会って自殺を思いとどまっていたのですが、このシーンは泣けました。{/netabare}

その2
{netabare}「う、き」
予告でも使われているシーンです。硝子は将也と触れ合っていくうちに将也を好きになっていきます。思いを募らせた硝子はとうとう告白をします。髪型を変え、普段は手話で会話している将也に声で伝えようと懸命に言葉を発します。別れ際、大きな声で発した言葉が「いちだくーん、う、き!」なのです。そう、「好き」を伝えたのです。しかし、思いは届かず、将也は「月?」と勘違いをしてしまうのです。硝子が将也を好きなことには気づきませんし、その対象にすらなっていないと思っていることが分かります。
とても切ないけど、硝子が変わっていっていることがよく分かる重要なシーンです。{/netabare}

その3
{netabare}「生きるのを手伝ってほしい」
これも予告で使われていた言葉です。クライマックスの重要なシーンです。
硝子が自殺するため自宅マンションから飛び降りようとした瞬間、将也が間一髪救い出します。その代わり、将也が落ちてしまい、2週間も意識不明に陥ります。毎週火曜日に同じ場所会うようにしていた二人。火曜日、硝子は思いを募らせその場所に向かいます。そのとき、将也が目覚め、将也もまた無意識にその場所へ向かいます。二人は会い、会話します。そして、思い悩んでいた硝子に放った言葉がこれです。涙なしには見ることができないシーンになると思います。{/netabare}

とにかく公開が待ち遠しいです。作品を見終えた後、どんなレビュー書き込むことになるか、楽しみにしています。

【28.5.18初稿】
【28.7.8修正・追加】
【28.7.18修正・加筆】
【28.8.9加筆】

投稿 : 2024/05/04
♥ : 63
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

心を開いて

2016年上映、少年マガジンで連載されていた漫画「聲の形」の劇場アニメ化作品です。
制作はお馴染み京都アニメーション。

聴覚障碍の少女、西宮硝子と小学校時代に彼女をいじめていた少年、石田将也が5年ぶりに再会し、
ぎこちなくも交流していく中で自分の罪や弱さと向き合って行く姿を描く青春ドラマ。
全7巻の内容を2時間の映画に収めているためいくつかのエピソードは削られており、
特に人間関係修復の鍵となる後半の「映画作り」の話を全面カットしているため、
アニメでは存在意義がよく分からないキャラクターもいますが
テーマはしっかりと押さえてあり、非常に濃密で、心に深く響く作品になっています。
声優さんの演技も素晴らしかったですね。

以下は視聴済みの方向け、ネタバレ全開の感想です。

●伝えること
{netabare}
西宮硝子は「言わざる者」です。

先天性聴覚障害の硝子はクラスに溶け込み友達を作ろうと努力するが失敗し、
煙たがられる存在となり、やがていじめを受けるようになります。
その結果、転校し特別支援学校に通うようになるのですがここでの学校生活も
実はそれ程楽しくなかったのではないかと思われます。
同じ難聴の子の友達は原作でも映画でも一切出てきません。

彼女は鯉に餌をやる。川にパンくずを落とすと、鯉が集まってくる。
この行為は人と繋がりたいという思い、そして寂しさを投影しています。
特別な学校に通うことで彼女は守られているともいえるし、
別の見方をすれば隔離されているともいえます。
おそらく彼女の本当の願いは難聴を治し、健聴者と一緒に普通の学園生活を送ることなのでしょう。

そんな彼女も元に、かつていじめの中心人物だった将也が訪れ、
かつて硝子が使い、そして自身で捨てた筆談ノートを手渡す。
ノートにはこう書いてある。
「わたしは皆さんとこのノートを通じて仲良くなりたいと思っています」と。
突然の将也の訪問という出来事は、全てを諦めてかけていた彼女の心に火を灯すことになる。
かくして将也の再起と硝子の再挑戦が始まるのですが、
被害者が簡単に加害者を許してしまい、
それどころか恋に落ちるというのはいかにもご都合主義であり
障碍者を感動の道具にしているという批判も時折見かけます。
しかし彼女は聴覚障碍者である以前に、17歳の年頃の女の子です。
友達とお喋りしたり、 帰りに寄り道したり、オシャレをしたり、そして恋をしたり…
そんな女子高生としての当たり前の生活に彼女は憧れていたのだと思います。
手話を覚えて自分に会いに来る同い年の男の子に恋愛感情を抱いてしまうのは、
果たして間違った行為なのでしょうか。
僕は、批判している人の方が障碍者を色眼鏡で見てしまっているように感じます。

さて、彼女は将也を通じて小学校時代の面々と再会するのですが再び大きな挫折を味わいます。
さらに医師からと難聴が治る見込みがないことを告げられ(右の補聴器を外す理由です)、
優しかった祖母が亡くなる・・・と不幸な出来事が重なり、絶望した西宮は自殺未遂を起こします。

「聲の形」は硝子に厳しい現実を突きつける。
鯉はエサをあげれば集まってくれるますが、人間はそんなに単純ではありません。
高校生ともなれば、義務感だけで彼女に付き合ってはくれない。
硝子は引っ込み思案で、すぐ愛想笑いに逃げるところがあります。それが彼女の短所です。
誰とでも仲良くなりたいのであれば、その短所を克服しなければいけない。
障碍者だという「言い訳」を許さず、一人の人間として成長させるのが本作の大きな特徴だと思います。

西宮硝子に、本当の気持ちを伝える勇気を。
{/netabare}

●見ること
{netabare}
石田将也は「見ざる者」です。

そのことは、クラスメイトや小学校の同級生の顔に「バッテン」が貼られるという形で示されます。
硝子に代わって小中学校といじめのターゲットにされた彼は、
対人恐怖から人とまともに顔を合わせる事ができない。
贖罪のためバイトでお金を貯め、過去を清算した上で自ら命を立とうとする状況でこの話はスタートします。
母親の必死の説得もあり自殺は思い留まったものの、目標を失い、空っぽになってしまった将也。
すがるような気持ちで硝子の元を何度も訪れるが、
加害者がのこのこと会いに来ていいのだろうかと自問自答を繰り返します。

一方、硝子はすんなりと彼を受け入れ、
初めは将也を敵視していた妹の弓弦(ゆずる)も信頼を寄せるようになる。

しかし、当然のとこながら自殺する寸前まで追い込まれた人間がそうそう簡単に立ち直れるはずもなく、
いまだ罪悪感を拭えず、後悔と自己嫌悪に足を縛られている将也と
可憐な見かけによらず感情の揺れが大きく一度走り出したら止まらない性格の硝子は
皮肉な事に親しくなる程にすれ違ってしまう。

それは「好き」という硝子の告白を「月」と聞き間違えて僕たちを苦笑いさせる場面で
分かりやすく表現されているのだけれども、
この時猫カフェでもらったポーチのお礼に渡すプレゼントにも同様の意味があります。
将也は西宮からのプレゼントを何に使うものなのかよく分からないまま受け取ります。
この謎アイテムは最後にプランターの飾り、フラワーピックと呼ばれる物だったことが分かるのですが
男の子にプレゼントするなら説明が必要だし、将也もよく分からないなら尋ねるべきだった。
つまりこのフラワーピックは二人の心の距離を測るモノサシであり
ディスコミュニケーションの象徴なのです。
その後も二人の関係は一向に進展せず、旧友とよりを戻す機会が訪れますが自ら潰してしまいます。

将也の欠点はネガティブな思考でしょう。物事を悪い方へ悪い方へ考えてしまう。
そんな将也を好きになる視聴者は少ないかと思いますが、彼には長所があると思います。
それは素直さと直向きさ。バイトで170万もの弁償代を貯めるなんて、なかなかできることではありません。
彼の直向きさは、最初から備わっていたものではなく自分自身の罪と向き合った結果手にしたものです。
将也に必要なのは今の自分自身を信じることなのだと思います。
彼をどうしても許せないという人もいるのだけど、
話をいじめに限定しなければ誰しもが加害者の立場になる可能性はありますし、
ある程度客観的に彼を見ることでこの作品から得られるのがあるのではないかな。

石田将也に、真実の世界を見る自信を。
{/netabare}

●聞くこと
{netabare}
植野直花は「聞かざる者」です。

間違いなく本作のキーパーソンでしょう。
彼女は人間関係を一変させる触媒として働き、物語を大きく推進させる力を持ちます。
聲の形は彼女の存在によって作品が数段面白くなっているし、また深みのあるものになっていると思います。

植野は思っていることを遠慮なくズケズケ言ってしまう、
アニメではあまり見かけないけど現実にはよくいるタイプの人間ですね。
もちろん彼女は口が悪いだけではない。偽りのない言葉は鋭利でとても強い力を持っている。

この映画で一番の見所はどこかと聞かれると、僕は西宮と二人で観覧車に乗って話すシーケンスだと答えます。
印象的でかつ、作者の鬼才ぶりが一番感じられる場面だと思うのです。
「あんたのせいで私たちの関係が壊れた」と硝子を逆恨みする植野ですが、
実は彼女は硝子を障碍者というフィルターをかけず一人の女性として見ている唯一の人物なのです。
だからこそ、硝子の「人間的欠点」を指摘できる。
別に植野は彼女のために良かれと思って言っているわけではなく、
むしろ悪意を込めてマウントポジションで一方的に言い放っているだけにすぎません。
二人の間で会話は成立していないし、この一言で硝子は深く傷ついたでしょう。
しかし、硝子が植野と再会しなければ自分自身の短所と向き合うこともなく、
内気で友達を作れないままだったというのもまた事実。

一方、植野は将也と島田との仲を修復させようと取り計らいますが、こちらは善意の行為にも拘らず失敗します。
植野の行動は将也の嫌な記憶を呼び起こし不快にさせると同時に、
西宮と友達になろうとした自分の行動とダブり、彼にブーメランとなって跳ね返ってくる。
「西宮も同じように自分を鬱陶しく感じているのではないか」と将也はますます自己嫌悪に陥ります。
容赦のない言葉がプラスに働くこともあれば、良かれと思った事がマイナスに働くこともある。
これが人間関係の面白さであり、難しさなのだと思います。

さて、植野は原作とアニメ版で設定も性格も微妙に異なるキャラであり、これでもアニメ版で丸くなっています。
原作はアニメよりも恋愛要素が強く、植野は「負けヒロイン」という位置づけでしたが
アニメ版の植野は将也への恋愛感情を抱いている描写はなく、
将也と硝子にとって「乗り越えなくてはいけない壁」として描かれています。
それは才色兼備でリーダーシップもある植野が、スクールカーストの最上位にいるからなんですね。
逆に永束が良き友人として将也のために動いても事態を変える力がないのはスクールカーストの底辺にいるからで、
つくづくこの作品は残酷だなと思います…
実際、硝子が一人ずつ会って会話するときも最後は植野だし、将也から見える「バッテン」が最後に外れるのも植野。
つまり平たく言うとこの映画で植野は"ラスボス"なのです。

そのラスボス攻略の決め手となるのは意外にも傘。
硝子が植野に傘を差し出すシーンは将也が弓弦に対して傘を差し出すシーンと完全な対になっています。
なぜこの行為が人の心を動かすのか。
誰であれ良心はあるし、人を邪険に扱う時は少なからず心が痛むもの。
だから人は嫌いな人と相対するとき、「相手も自分を嫌っているはずだ」と思って心のバランスを取ろうとします。
二人が傘を差し出す行為には「私は、あなたを嫌っていないよ」というメッセージが含まれています。
だから意固地になっている相手の気持ちは大きく揺らぐのです。これもひとつの「声の形」なんでしょうね。

そこから学園祭で植野が硝子に手話で「バ、カ」と言うシーンがあるのですが、これはアニメオリジナルです。
実は植野の手話は間違っていて濁点がなく「ハ、カ」になっています。
それに対して硝子が「バ、カ」とやり返す。ここでようやく二人の間に会話が成り立つ。

僕は植野が硝子に言い放ったことは正論だと思っています。
私たちは学校や親から教育を受け、障碍者には親切にしようという気持ちは備わっていますが、
わざわざ自分から積極的に友達になろうとは思わないのがむしろ一般的な感覚ではないか。
植野の主張は私たち健常者が決して口に出さない本音であり、サイレントマジョリティーなのだと思う。
でも実際のところ、聞こえないというハンディはあまりにも大きく完全に対等な関係を求めるのは無茶です。
健常者から歩み寄る思いやりがどうしても必要になる。それもまた現実。

何でも思っていることを口にしてしまう性格の植野。
それは長所でも短所でもあるけれど、人間関係がギクシャクする場面に出会うことも多いと思う。
この原作改変には「少しだけ優しくなれれば、あなたは上手くいく」という
アニメスタッフの思いが込められているように感じます。

植野直花に、他人の声を聞く優しさを。
{/netabare}

●開くこと
{netabare}
原作者の大今さんが度々語っている通り、本作のテーマは"ディスコミニケーション"です。
いじめや障碍はテーマを表現するための要素であってそれ自体がメインではなく、
人と人とが互いに気持ちを伝えることの難しさを描いた物語です。

なぜ、本作のキャラクター達のコミニケーションは上手くいかないのか?
きっと彼らは会話するとき、相手の前に閉ざされた扉があるような心境だったんじゃないだろうか。
相手の顔は見えないし、扉は鍵がかかっていて開かないし、不安ばかりが募る。
でも最後に気付くのです。
『鍵はかけられていたのではなく、自分自身でかけていた』のだと。
それは勇気だったり、自信だったり、優しさだったり。開けるための鍵は人それぞれ。
そのことに気付き、扉を開けてもう一度辺りを見渡した時、やっと世界は本当の姿を見せる。
そして世界はあなたが思うほど酷いものではなく、
自分から心を開けば、意外なほど優しく受け入れてくれるもの。
この話が伝えたいのはきっとそういうことなんじゃないかな。
漫画版の最終回は扉を開くコマで終わるのですが、
それこそがコミュニケーションの本質を示しているように感じます。

人は集団で生活し互恵的な関係を求める社会的ないきものであり、
誰かとつながりたいという思いは人間なら誰しも生まれつき持っている本能的な希求。
「聲の形」は、そんな当たり前で忘れかけていることを教えてくれる作品だと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 49
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

大ヒット御礼舞台挨拶にも行ってきました

☆☆☆完成披露上映会鑑賞後レビュー☆☆☆

最近あまり漫画を買わなくなりました
週刊の漫画雑誌や漫画の単行本は
読みたくなった時に漫画喫茶で読んだほうが安く上がるし
ただでさえ物があふれている自室に
これ以上余計な物を置くスペースがないので
本当に価値があると思ったもの以外買わなくなりました

しかし、雑誌に掲載された新人の読み切り作品というやつは
単行本に収録されるとは限らないので
雑誌を買い逃せば下手するともう一生読めなくなっちゃう
だから最近はコレダ!と思った読み切りがある号だけは買って
そのまま手元に永久保存してあります
頻度にして年に2~3回くらいですね

この作品の読み切りが週マガに載ったときは衝撃的でした
これはとんでもない作品が出てきたぞ!と
漫画喫茶を出た私はまったく迷うことなく
その足で週マガを買いに行きました
素晴らしい読みきり作品だと思ったと同時に
この作品は連載することは不可能だし
単行本収録もされないだろうという判断です

その作品が週刊連載されると聞いたときは
続きが読めるという喜びを困惑が上回りました
あのクオリティを週刊連載で維持するのは無理だろうし
読み切りの時点で完璧な作品だったので
そこから評価が下がることはあっても上がることはなく
週刊連載ははっきり言って蛇足だろうなぁと

実際予想した通り週刊連載には読み切りにあったほどの密度はありませんでした
特に中盤の映画製作の話のあたりは
作品のおおもとのテーマから大分ずれてきているのを感じましたし
当時作品の人気にも陰りがあったようです
そこから一気に急展開してフィナーレを迎えたわけですが
やっぱり読み切りと週刊連載とでは求められるものが違うことを痛感させられました

しかし、連載は失敗だったか?と聞かれれば間違いなくNOです
完璧だった読み切り版に比べところどころ粗が目立つようになっただけで
連載版で新たに命を吹き込まれたキャラクター達はとても魅力的だったし
連載版も十分に佳作だったと思います
ただ手放しに絶賛できる程ではなかったというだけの話

原作が完結したことでこの作品の展開もこれで終わりだろうと思っていたところに
今度はアニメ化の報が舞い込んできました

連載が決まったとき以上の困惑でした
もうこの作品は十分に頑張ったと思うし
これ以上引きずってもあとはただ
読み切りを初めて手に取ったときの感動が色褪せていく一方なのだろうと
あまりアニメ化を肯定的に受け入れる気分にはなれませんでした
しかし、やはり一度好きになった作品なので
最後の最後まで見届けたいという一心で完成披露上映会へ行ってきました

結論から言えば完璧でした

連載版はやっぱり全体の尺が長すぎたんですかね?
そこから余分なものを削ぎ落としていったら
読み切り版と同等かそれ以上の質と
129分という十分に見ごたえのあるボリュームを
見事に両立させた作品に仕上がりました

ちなみに映画自主製作のあたりはばっさり無くなっています
やっぱりあれ要らなかったよなぁ・・・

尺を切り詰めていくと起こりがちなのが
キャラクター達の描写不足です
主人公&ヒロインの描写に関しては
まぁしっかり描けていて当然だと思いますが
サブのキャラクターたちも短い時間の中で
長所と短所とがはっきりと描かれていて
とてもリアルで魅力的なキャラクターになっていました

生きたキャラクターづくりをするには
欠点の描写が必要不可欠なものですが
それをやりすぎなくらい踏み込んでやっているのが
この作品の特徴でもあります
人間の醜い部分をかなり強調して見せられているのに
キャラクターがより一層魅力的に見えてくるのは
人間だれしも多かれ少なかれ持っているマイナスの部分が
大変リアルにきわめて丁寧に描かれているからでしょうか
まるで自分の心の奥底にしまい込んである仄暗い情念を
無理やり引きずり出して陳列されているような感覚
そこに描かれているものが自分と無縁ではないとを
いやがおうにも自覚させられてしまうから
その根底の部分に共感できるのだとおもいます

劇場版で最も株を上げたのは長束君
原作でもギャグっぽい描写は多くありましたが
ちょっとしたアクセント程度にしか感じなかったのが
映画ではまぁ美味しいところをガンガン持っていきます
彼がメインのシーンでは会場中が笑いに包まれていました
重いテーマの作品の中で彼の果たす役割は非常に大きいですねw

もう一人は結絃
ヒロイン役のはやみんが役の性質上
セリフらしいセリフがあまりないこともあって
一番セリフが多かった女性声優は
結絃役の悠木碧だったんじゃないでしょうか
喜怒哀楽の差が激しい役どころでしたが
その演技は見事の一言に尽きます

作画は安定の京アニクオリティ
細かい表情の描写や小物の描写など
細部にわたって行き届いておりました

音楽のみ満点をつけていませんが劇伴はとてもよかったと思いますし
aikoの主題歌も作品によくマッチしていたと思います
でも、お金を出してサントラやシングルを買いたいか?
と聞かれるとそこまでではないんですよね
年間で十数万はアニソン・サントラを購入してますので
割とCDに関しては財布のひもが緩いほうなんじゃないかと思いますが
それでも特にこの作品の曲を購入したいという気は起りませんでしたので
この評価になりました

全体的に原作を知っている人には自信を持ってお勧めできるクオリティです
そして、原作を知らない人には原作からでもアニメからでもいいので
ぜひ触れてもらいたい作品だと思います

なお、私は上映会から帰ってきてすぐ
西屋太志 自選総作監修正集付き前売券をぽちってしまったので
封切り後にまた見に行くことになりそうです
作品を見てから前売り券を買うのはこれが初めてですw
また観てきたら何かしら追記するかもしれません

☆☆☆大ヒット御礼舞台挨拶鑑賞後レビュー☆☆☆

封切り直後あにこれオフでみんなと見に行って
さらに昨日大ヒット御礼舞台挨拶に行ってきました

2回目の視聴の際は
1回目では見落としがちな細部の描写などに注目
3回目の視聴の際は
オフ会で見た後話題に上がっていた点と
舞台挨拶で話題に上がった点に特に注目してみていました

普段はネタバレありでより密度の濃い
終演後舞台挨拶を中心に見に行ってますが
今回残念ながら終演後は落選
第二希望の開演前舞台挨拶が当たったものの
発券してみたら最後列でした・・・
さらにこの回だけは別に見に行かなくても
オンライン中継されているとか
もうほんと踏んだり蹴ったりだなぁ
と思ったのですが
舞台挨拶で聞いた内容をその場ですぐ確認できたのはよかったです

舞台挨拶を聞いたり繰り返し見たことで
いくつか印象が変わった点などがあるので
ネタバレ込みで置いておきます

手話に関して{netabare}

父がお役所勤めで一時期障碍者にかかわる部署にいて
たまにNHKに有識者として呼ばれたりしてました
おかげで小さい頃から障碍者が身近にいる生活をしており
手話教室の生徒兼ボランティアみたいなこともやってました
もう止めて久しいこともあり簡単な挨拶と50音程度しかわかりませんが
一般の人よりは多少手話に触れたことがあるかんじです

今回山田監督の話では
手話のシーンに関しては
将也と佐原は勉強はしたものの使う機会がなかったので
初心者らしく50音を多めに交えて使わせる
結弦は日常的に使っているので
技でも繰り出すようにかっこよく
硝子はコミュニケーションの中心手段なので
細かい心の動きまで伝えられるように
といったように
使い手の習熟度に合わせて手話の監修を入れてもらったそうです

ということで今回は手話の部分をしっかり観察してみました

硝子が将也にだれかメールをしたい相手がいないか?
と聞かれたときに
一度目は「さ」「原」の動きを示し
一瞬佐原が誰だか頭の中でつながらなかった将也を見て
手話が伝わらなかったと判断したのか
「さ」「は」「ら」と50音でもう一度伝えています
手話で心の動きまで伝わるように
というのはこういう部分のことかもしれませんね

そしてもう一つ印象的だったのは
花火大会の別れ際
以前は自分から別れ際に「またね」
を使っていた硝子が
将也の「またね」
に対して「さようなら」と返しています
つまりはもうその時点で決意を固めていたのでしょう・・・
{/netabare}
川井さんに関して{netabare}

川井役の潘めぐみが
最初に役をもらって原作を読んだときに
どういう風に演じたらいいのかわからなかったとのこと
監督に相談した時に返ってきた
「川井さんは聖母のような女の子なんです」
と言われて自分の印象と真逆で驚いたそうな

聖母の真逆ってことはつまり
彼女が極めて打算的で狡猾に
演技しながら生きているように見えたんでしょうね
私にもそう見えました
硝子いじめにはリスクを避けて直接手は下さず
かついじめる側からも反発の無いよう同調する
事件発覚後は自分は関係ないと主張し
非難されたら泣いてごまかす

少なくとも将也と植野の目には
彼女が裏表のあるブリっ子に映っているので
物語が基本将也の目線で展開されることもあり
物語の読み手にはとても腹黒いように見えてしまうんです

実際はそうではなくて
彼女の態度は演技ではなく
いわば天然なんですね
原作者も彼女に関して
「川井さんは作品内で一切噓をついていない」
と発言しており
つまり彼女は表面を取り繕っているのではなく
本気で自分はいじめ事件の加害者ではないと考えているんです

しかし、彼女が本当に純真無垢なのであれば
打算で行っているよりもよっぽどたちが悪いようにも思います

正当化というのは正常な心の防衛反応です
自分が悪いのではないかという罪悪感がベースにあって
その罪悪感押し殺すために自分は悪くない自分は完璧であると思い込み
重症になってくると自分の中の事実を自分の都合のいいように歪めて
それを自分で信じ込んでしまいます

そんな彼女が泣いて謝罪をするシーンが映画の最後にあります
それは将也への千羽鶴が足りなかったことを詫びて泣いて謝るシーン
これは将也や硝子のしている謝罪とは根本的に性質が違います
彼女は今でも自分のこれまでの言動の全てが正しいと思っていて
自分が過ちを犯したことを謝罪しているのではなく
千羽鶴を集めきれなかった自分の能力不足を詫びているんですね

いじめ事件に関しても
自分はいじめを止めようとしたが
自分の力不足で阻止することができなかった
というのが彼女の中にあるストーリーなのでしょう
そしてそのストーリーを壊されそうになると
泣くことでコミニュケーションの中断を図るのです

そうやって自分の嫌な部分を自分から見えなくしてしまい
自分を「聖母」にしてしまっている彼女は
立派にいじめ事件の加害者であり被害者なのだと思います
{/netabare}
音楽に関して{netabare}

繰り返し鑑賞して思ったのは
劇伴については結構よかったなぁということ
中盤までの劇伴はそこまで印象に残らなかったんですが
後半の喧嘩や飛び降りのシーンの音楽は
非常に印象的な使われ方をしており強く心に残りました
しかしまぁ、サントラを買って聞きたいかと言われるとやっぱりNO
お金を払って聞く価値がないというのではなく
日常的にあんなものを聞いて過ごしていたら
心を病んでしまいそうなのでやっぱり要らないかなという感じです

aikoの曲に関しては聞けば聞くほど違和感が
けみかけさんとも少し話しましたが
恋愛がメインテーマの映画でもないのに
テーマソングが「恋をしたのは」なのはどういうことだろう?と

私の出した結論は
映画としてあの楽曲を使う必要性は全くないけれど
この作品を商業的にプロモーションするために
障碍と恋愛という二つの要素を前面に出す必要があった
ということです

そりゃいじめと自殺未遂の映画ですって言われたら
一般層は裸足で逃げ出しますからね
原作組だけで内々に盛り上がるのではなく
一般層にも受け入れてもらうための作戦として
あの曲とあのPVを使うのは間違っていないかもしれません

しかし、そうやって釣られてきた層が
この映画を見て果たしてどう思うのか?
少なくともカップルで見に来るような恋愛映画ではないです
そういう人たちは君の名は。を見に行った方がいいでしょう
驚かせるのが目的で嘘予告的なものを流すのはアリだと思いますが
この作品はそういうのともちょっと違いますよね・・・

原作のファンでもあるというaikoの起用は悪くなかったと思いますが
もう少し映画の内容にあった曲にしてほしかったところですね
{/netabare}

オフ会も舞台挨拶も前売り使えずで
まだ一枚余っているため最後にもう1回見て
いろいろ思うところをレビューしておこうとおもいます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 49

79.2 2 遊園地アニメランキング2位
劇場版 ガールズ&パンツァー(アニメ映画)

2015年11月21日
★★★★★ 4.2 (892)
4538人が棚に入れました
学校の存続を懸けた第63回戦車道全国高校生大会を優勝で終え、平穏な日常が戻ってきた大洗女子学園。
ある日、大洗町でエキシビションマッチが開催されることに。
大洗女子学園と知波単学園の混成チームと対戦するのは、聖グロリアーナ女学院とプラウダ高校の混成チーム。
今やすっかり大洗町の人気者となった大洗女子学園戦車道チームに、町民から熱い声援が送られた。
戦いを通じて友情が芽生えた選手たち。試合が終われば一緒に温泉に浸かり、お喋りに華が咲く。
そんな時、生徒会長の角谷杏が「急用」で学園艦に呼び戻される。いぶかしがる大洗女子のメンバーたち。果たして「急用」とは…?
大洗女子学園、決断の時―。新たな試合(たたかい)が始まる!

声優・キャラクター
渕上舞、茅野愛衣、尾崎真実、中上育実、井口裕香、福圓美里、高橋美佳子、植田佳奈、菊地美香、吉岡麻耶、桐村まり、中村桜、仙台エリ、森谷里美、井上優佳、大橋歩夕、竹内仁美、中里望、小松未可子、多田このみ、山岡ゆり、秋奈、井澤詩織、山本希望、葉山いくみ、瀬戸麻沙美
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

これが日本のハイブリッドアニメなのです!Ver.1.5

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。

【作品DATA】

{netabare}
《Staff》
{netabare}
監督 - 水島努
脚本 - 吉田玲子
考証・スーパーバイザー - 鈴木貴昭
キャラクター原案 - 島田フミカネ
キャラクター原案協力 - 野上武志
キャラクターデザイン・総作画監督 - 杉本功
ミリタリーワークス - 伊藤岳史
プロップデザイン - 竹上貴雄、小倉典子、牧内ももこ、
鈴木勘太
モデリング原案 - 原田敬至、ArKpilot
3D監督 - 柳野啓一郎
3DCGI - グラフィニカ
音響監督 - 岩浪美和
音響効果 - 小山恭正
音楽 - 浜口史郎
アニメーション制作 - アクタス
製作 - GIRLS und PANZER Film Projekt
公開 - 2015年11月21日
上映時間 - 119分
{/netabare}

《主題歌》
{netabare}
「piece of youth」
作詞・歌 - ChouCho / 作曲・編曲 - 酒井陽一

イメージソング
「GloryStory」
作詞・歌 - ChouCho / 作曲 - 田村ジュン / 編曲 - 酒井陽

{/netabare}


《Cast》
{netabare}
・大洗女子学園
〈あんこうチーム〉
西住 みほ(にしずみ みほ):渕上 舞
武部 沙織(たけべ さおり):茅野愛衣
五十鈴 華(いすず はな):尾崎 真実
秋山 優花里(あきやま ゆかり):中上 育美
冷泉 麻子(れいぜい まこ):井口 裕香

〈カメさんチーム・生徒会〉
角谷 杏(かどたに あんず):福圓 美里
小山 柚子(こやま ゆず):高橋 美佳子
河嶋 桃(かわしま もも):植田 佳奈

〈アヒルさんチーム・バレー部〉
磯辺 典子(いそべ のりこ):菊地 美香
近藤 妙子(こんどう たえこ):吉岡麻耶
河西 忍(かわにし しのぶ):桐村 まり
佐々木 あけび(ささき あけび):中村 桜

〈カバさんチーム・歴女〉
カエサル / 鈴木 貴子(すずき たかこ):仙台 エリ
エルヴィン / 松本 里子(まつもと りこ):森谷 里美
左衛門佐(さえもんざ) / 杉山 清美(すぎやま きよみ):井上優佳
おりょう / 野上 武子(のがみ たけこ):大橋 歩夕

〈ウサギさんチーム・1年生〉
澤 梓(さわ あずさ):竹内 仁美
山郷 あゆみ(やまごう あゆみ):中里 望
丸山 紗希(まるやま さき):小松 未可子
阪口 桂利奈(さかぐち かりな):多田 このみ
宇津木 優季(うつぎ ゆうき):山岡 ゆり
大野 あや(おおの あや):秋奈

〈カモさんチーム・風紀委員〉
そど子 / 園 みどり子(その みどりこ):井澤 詩織
後藤 モヨ子(ごとう もよこ):井澤 詩織
金春 希美(こんぱる のぞみ):井澤 詩織

〈レオポンさんチーム・自動車部〉
ナカジマ:山本 希望
スズキ:石原 舞
ホシノ:金元寿子
ツチヤ:喜多村英梨

〈アリクイさんチーム・ネトゲ〉
ねこにゃー:葉山いくみ
ももがー:倉田雅代
ぴよたん:上坂すみれ

・聖グロリアーナ女学院
ダージリン:喜多村 英梨
アッサム:明坂 聡美
オレンジペコ:石原 舞
ロージヒップ:高橋 奈津美

・サンダース大学付属高校
ケイ:川澄 綾子
ナオミ:伊瀬 茉莉也
アリサ:平野 綾

・アンツィオ高校
アンチョビ:吉岡 麻耶
カルパッチョ:早見 沙織
ペパロニ:大地 葉

・プラウダ高校
カチューシャ:金元寿子
ノンナ:上坂すみれ
クラーラ:ジェーニャ
ニーナ:小笠原 早紀
アリーナ:佐藤 奏美

・黒森峰女学園
西住 まほ(にしずみ まほ):田中 理恵
逸見 エリカ(いつみ エリカ):生天目 仁美

・知波単学園
西 絹代:瀬戸 麻沙美
玉田:米沢 円
福田:大空 直美
細見:七瀬 亜深

・継続学園
ミカ:能登 麻美子
アキ:下地 紫野
ミッコ:石上 美帆

・大学選抜
島田愛里寿:竹達彩奈
メグミ:藤村 歩
アズミ:飯田 友子
ルミ:中原 麻衣

・その他
五十嵐 百合:倉田 雅代
冷泉 久子:愛河 里花子
西住 しほ:冬馬 由美
秋山 淳五郎:川原 慶久
秋山 好子:仙台 エリ
理事長:飛田 展男
蝶野 亜美:椎名 へきる
島田 千代:ゆきの さつき
ボコ:藤村 歩
白ネコ:福圓 美里
青ネコ:石上 美帆
ネズミ:佐藤 奏美
{/netabare}
(以上Wikipediaより引用)
{/netabare}


【introduction〜劇場版パンフレットより】
{netabare}
全国大会優勝のエキシビジョンマッチを終えた大洗女子学
園戦車道チームのメンバーは、突然、大洗女子学園の廃校
決定を知らされる。
一同は、学園艦を降り、転校先が決まるまで、大洗の廃校
舎で共同生活を送ることになった。
そんな中、買い出しの途中に見つけた「ボコミュージア
ム」を訪れたあんこうチームの5人は、ボコを好きなツイン
テールの少女と出会う。

生徒会長の杏は、文科省の役員と再交渉。
みほの母しほの助けもあり、戦車道の大学選抜チームに
勝てば、廃校は撤回されることになった。
大学選抜の隊長は、西住流のライバルである島田流家元の
娘・愛里寿。
みほたちがボコミュージアムで出会った少女だった。

8輌の戦車で大学選抜の30輌の戦車と戦うことになった大
洗。
しかも、ルールは全車輛を倒した方が勝利という殲滅戦だ
った。
試合開始直前、みほの脳裏を「今度ばかりは……」という
思いがよぎった瞬間、「待ったー」という大きな声と共
に、大洗の制服に身を包んだまほら黒森峰のメンバーと
ドイツ戦車軍団が到着。

さらに、サンダース、プラウダらライバルたちが次々に集
結。
最強の仲間を得たみほたち大洗は、30輌対30輛の同数で
大学選抜に挑む!
{/netabare}

・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。o○☼*゚・*:..。


【ネタバレなし感想】
{netabare}
上映が終わり約5分間、正確には4分57秒。
不思議な感覚に包まれていました。
満足感の後に訪れる大きな寂しさ。
楽しみにしていた事が期待以上に楽しくて充実している
はずなのに、なんだか切ない。
楽し過ぎた故の反動。
立ちたくない、この場を離れたくない…

「祭りのあと」のような感覚でした。

公開からの日も浅くこれからご覧になる方もいらっしゃる
かと思いますのでネタバレ無しで気持ちだけお伝え出来た
らと思います。

一言で申し上げるならば、全国のガルパンファン、
ガルパニストの方々、これからガルパンを見ようかなって
思っている方々。
是非この作品だけは多少遠くても劇場に脚を運んで頂いて
ご覧になって欲しい作品です。

私も鹿児島での上映予定が無くて一番近い熊本まで脚を
運びました。

あっ、これからガルパンを見ようかなって思ってらっしゃ
る方はそのまま劇場版を見ても最初の数分間これまでの
簡単なあらすじを紹介してくれますので楽しめるかと思い
ます。
でもお時間があるなら是非TV版アニメ、OVAを視聴して
からの劇場版をオススメします。
2倍、いやもっとそれ以上楽しめると思いますので。

今回私が脚を運んだのは熊本。
熊本と言えばそうなんです!
くまモン!…
ごめんなさい。

「行って良かった日本の城ランキング」
3年連続1位の熊本城!
ごめんなさい。今回ばかりは…

そうなんです主人公:西住みほちゃんの出身地なんですね。
そして戦時中の軍部から最初に公式の「軍神」として
認められ八九式中戦車で活躍した西住小次郎戦車長の
出身地。
言うならば熊本は大洗に次ぐ第2のガルパンの聖地!
戦車道を愛する者の聖地!
なのかな…?

熊本県上益城郡甲佐町仁田子というところに「西住公園」
という場所があります。
ひっそりと佇む西住戦車長の胸像。
「軍神」とはいえ戦争での英雄。
想うところは人それぞれあるかと思いますが、25歳の若さ
でこの世を去った英霊の御霊に思いを馳せるのもまたこの
作品を通じて感じられるもう一つの戦車道かと思います。

話が大きく逸れちゃいましたけれど、そんな事を思うだけ
で気持ちが熱くなり、劇場入り口の
「ガールズ&パンツァー」
の文字を見ただけで「あい!あい!あーい!」
って言いたくなっちゃう私。

また彼女達に逢えるんだ…嬉しい。

ガルパンの魅力の一つと言えばやはり圧巻の戦闘シーン。
TVアニメ版から凄かった戦闘シーンの数々。
中でも私の一番好きだった最終話、みほvsまほ。
マークⅣスペシャルvsⅥ号重戦車ティーガーⅠ
スーパードリフトからのゼロ距離射撃!
手に汗握る瞬間でした。

そんな名シーンをも凌駕するようなバトルの数々。
劇場版になるとさらに凄いの一言しか言葉が出ません。
見て下さいとしか言いようがないです。

お話を盛り上げる効果音とBGM。
砲撃音、爆発音、砲弾のかすめる音、エンジン音、履帯の
きしむ音、全てが劇場ならでは圧巻です。
そして音楽担当:浜口史郎さんの曲聞くと本当になんだか
ワクワクしたり、ドキドキしたり、ホッとしたり。
劇中で使われる曲の選曲やタイミングが本当にグッド。
聞いて下さいとしか言いようがないです。

ストーリーもいつもの友情、興奮、感動、笑いあり。
そして、やっぱり西住姉妹の…
あーっ、もうこれ以上言えません!
感じて下さいとしか言いようがないです。

名前だけのキャラまで入れると総勢80名以上のキャラが
登場しますけれど、本当に無駄なキャラがいないガールズ&
パンツァーの魅力がびっしり。
新キャラそして初登場の車輌もまた楽しみの一つです。

結局、劇場で是非!っとしか言いようがないんです!

なんだか、ごり押しするようでごめんなさい。

約2時間の上映を終えて制作に関わった多くのスタッフ、
キャストのみなさん、そして水島監督&吉田玲子さんに感謝
の気持ちでいっぱいでした。

29日はみぽりんの出身地という事で舞台挨拶のおまけ。
西住 みほ(CV:渕上 舞さん)、五十鈴 華(CV:尾崎 真実さ
ん)、秋山 優花里(CV:中上 育実さん)、小山 柚子(CV:高橋
美佳子さん)、河嶋 桃(CV: 植田 佳奈さん)の登場に大興奮!
初めて見る声優さんにドキドキ。
渕上舞さん可愛かった。
もちろん他の皆さんも素敵でした。
でも桃ちゃんの植田佳奈さんだけはどうしても桃ちゃんの
イメージが…楽しかったです。

BDが出てゆっくり見てからまた改めて彼女達の戦車道、
感想を書き足していきたいと思います。
その前に出来る事ならあともう1、2回は見に行きたいな。

取り敢えず今回はこの興奮と感動が伝わればと。

砲身から放たれる熱い想い。
「ガールズ&パンツァー 劇場版」
待っただけあります!是非、オススメです‼︎

ハイブリッドとは…
「異なった要素を混ぜ合わせたもの・組合わせたもの」

私にとっては最高のハイブリッドアニメになりました!
{/netabare}


【mio's café】

視聴済みの方だけ見てね。
かなりのネタバレバレですので。
それでは一緒に、パンツァー・フォー!
{netabare}
1月16日(土)いよいよ鹿児島でも上映開始。
20:50からのレイトショー。
予め予約していたので席はバッチリ。
キャラメルポップコーンにアイスティー、準備は万端。
お客さんの入りは見た目約8割、上々かな。
熊本でもそうだったけれど女性が少ない…
男性の方が凄く多いかも…
でも鹿児島にもこんなに多くのガルパンファンの方がいて
なんだか嬉しい。

恐らくTVアニメ版を視聴された方でも1回目の視聴では
全体の7〜8割を占める戦車戦に圧倒されて訳分からない内
に終わった、だけど迫力のある映像と音が凄かった!
と感じた方も多いかと思います。
実際私も展開が早くてスピード感のある戦闘シーンとか
ついていけない時がありましたので。

2回目の視聴でようやく戦闘シーンの全体像とこの作品の
ストーリーの魅力らしきもが見えました。
恐らく小ネタを含めたこの作品の真の楽しさを理解するに
は最低3回位は視聴しないとわからないのかなぁって印象で
す。
それくらいあらゆる所にTVアニメ版からのネタや新しい
戦車ネタ更には緻密な音楽の使い方、今後に繋がる様な伏
線らしきものが散りばめられていますので是非機会のある
方は2、3回の視聴をお勧めします。

先述の通り私も1回目の視聴では記憶が吹き飛ぶくらいの
興奮と感動に圧倒されてしまいましたので、2回目の視聴で
の記憶を頼りに印象に残った点など書いていきたいと思い
ます。

内容が前後したり、ちょっと長くなるかもしれませんが
視聴された方は一緒にあの興奮と感動を再び楽しんで頂け
たらと思います。

基本この作品は、
⑴大洗女子全国大会優勝記念エキシビションマッチ編
⑵大洗女子廃校通達後の仮校舎での生活編
⑶大洗女子存続を掛けた大学選抜との試合編
という主に三つのパートから構成されていたと思います。

最初の数分間でガルパン初心者に優しい戦車道の説明と
これまでのあらすじ紹介を経ていよいよスタート。

⑴大洗女子全国大会優勝記念エキシビションマッチ編。
{netabare}
大洗女子学園&知波単学園合同チームvs聖グロリアーナ女
学院&プラウダ高校合同チーム

ダージリン様の持つティーカップのアップ画像。
カップの中には茶柱が。
今回も競技中にもかかわらず優雅に紅茶をお召し上がりに
なってますダージリン様。

そしていつもの格言

ダージリン「イギリスのこういう言い伝えを知っている?
茶柱が立つと素敵な訪問者が訪れるの」

オレンジペコ「もう現れてます。素敵かどうかはわかりませ
んが…」
ちょっと違うかもですけれどこのような事を言ってました
ね。オレンジペコのいつもの眉の下がった困った様な
表情、私大好きなんです♪

紅茶で茶柱?って思ったら紅茶でも手入れの時、茶柱立つ
事があるんですね。なるほど!

と思っているのもつかの間、そこからカメラが操縦席から
砲塔をくぐり抜け戦車の外観、ゴルフ場のバンカー、包囲
している戦車隊へと。

そして一気に始まりました。
大洗・知波単チーム、複数の戦車による一斉射撃。
耳とお腹に響くような凄まじい砲撃音。
耳元をかすめる砲弾の音。
舞い上がりパラパラと降り注ぐ土煙り。

さすがに2度目と言えども私もビックリです。

TVアニメ版でもお馴染みのダージリン様の静かな会話から
こちらもお馴染みの激しい戦車戦。
いきなりこの静と動の落差が凄いんです。
改めてこれは劇場だけの魅力だと実感させてくれる迫力
の演出です。

タッグ戦という事で大洗女子に頼もしい?パートナー
知波単学園。
(パートナーにすらなってないような感じですが…)
みほが「パンツァー・フォー」の意味をまず知波単学園に
教えるところが良かった。
だけどその後、知波単学園何を思ったのか命令無視の一斉
突撃。チャーチルの返り討ちに遭いあえなく玉砕。
アンツィオ以来のお馬鹿キャラの登場に意外と興奮!

聖グロリアーナにも強力なパートナー。
満を持してカチューシャ率いるプラウダ高校の登場。
カッコイイ!可愛い!
また逢えた生意気カチューシャに興奮!
登場する時の音楽もこれまたカチューシャ♪最高です!

やっぱりプラウダ高の旧ソ連戦車隊が登場する時のBGMは
カチューシャ♪が似合いますね。
突撃してくるシーンに恐ろしいくらいピッタリ。
その前に突撃して潔く?散ってしまった知波単のBGMが
雪の進軍のオーケストラバージョンなのも良かった。
なんだか玉砕に妙に合っていた様な…

プラウダ高校にはノンナと共に流暢なロシア語で会話する
新キャラ、クラーラ登場。
2人の会話に入れないカチューシャがなんとも可愛い。
でもカチューシャがみほの事を「ミホーシャ」って呼んで
いるのが凄く印象的。
全国大会の後カチューシャにみほに対して特別な感情が芽
生えたのでしょうね。2人の距離がグッと近くなっている
ようでなんだか嬉しかった。
カチューシャの一方的な気持ちかもしれませんが…。

さらに聖グロリアーナにも巡航戦車クルセイダー部隊を
率いる新キャラ、ローズヒップ登場。
スピード狂のぶっ飛んだ女の子。
ヒャッホゥ!最高だぜ!みたいな。
紅茶もこぼしまくり…
アンツィオ高校のお株を奪うようなな機動力にビックリ。
序盤から楽しませてくれますね。
でもどう見ても聖グロリアーナのキャラでは無い違和感が
あったのは私だけ…
あとアッサムちゃんが普通に喋っているのにちょっと
ビックリ!

いつの間にか定番化しつつある大洗女子vs聖グロリアーナ
の一戦はまたもや大洗市街地へ。
本編を上回る市街地での砲撃戦。

公認とはいえここまで壊していいの?
って思わず私でもツッコミたくなる様な砲撃!&破壊!

滅茶苦茶に壊される大洗町役場、そして市街戦と言えば
恐らくあの有名なお店絶対出てくるはず…はず…はず…
そう思ってたら出てきました。

割烹旅館「肴屋本店」。

クラーラのT-34/85が直前のカーブを曲がり切れず突っ込
む〜!って思ったらギリギリで見事に停車。
流石に2度もないよねーって思った次の瞬間ローズヒップの
クルセイダーMk.ⅢがT-34/85に突っ込みしかも爆発炎上。

TVアニメ版より更に酷く壊れている気がする。
しかもほぼ全壊のような…

でも店主は毎度の大喜び!「ヤッタァァ!」

凄いですね。新キャラ2人に壊されるんですから。
これでまた聖地巡礼の御客様が増えるかな?
大洗観光協会万歳ですね!

突然海から出てきたKV-2。なに?海獣?
ビックリです!
KV-2の砲撃でホテルも1フロアが吹き飛ぶくらい破壊!
もうやりたい放題!
ショッピングモールを駆け抜けたり、エスカレーターを
戦車で降りたりとツッコミどころ満載。
でもこれがガルパンの魅力の1つなんですよねー。
一応、発砲禁止区域があるのは何だかホッとしました。

あっ立体駐車場でのシーンはTVアニメ版とリンクしてて
ちょっとドキドキ。
裏の裏をかいた演出が面白かったですね。

ノンナが神社の階段を戦車で降りる時、手を合わせていた
のも印象的。
水族館のお魚大丈夫なのかなぁ。ペンギンさんはちょこち
ょこ逃げていたけれど。

市街地を抜け最後は海岸での砲撃戦。
手に汗握るフラッグ車同士の撃ち合いを制したのは…
カチューシャが身を挺してかばうことで装填が間に合わな
いあんこうチーム。みほの焦る姿が印象的。
一瞬のチャンスを一撃でものにしたダージリン率いる聖グ
ロリアーナ&プラウダの勝利!

今回も熱い戦いを繰り広げた大洗女子学園。
ダージリンはみほが練習試合を含めて唯一勝てない相手に
なってきましたね。
これも何かの伏線なのかな?
いつかはみほに勝ってもらってダージリンがどんな格言を
言うのかそれも楽しみかな。
これでまた一つダージリン様のラスボス感が増えましたね

あっ、もう1つ嬉しかったのが桃ちゃん初撃破おめでとう!

ゼロ距離からでも外す桃ちゃん…
たまには当ててよ桃ちゃん…

大洗女子学園戦車道チームで未だ撃破のなかった、カモさ
ん、アリクイさん、カメさんチーム。
カモさん、アリクイさんに先を越されちゃったけれど
闇雲に撃った1発がローズヒップのクルセイダーMk.Ⅲに
命中!
偶然とはいえ嬉しい瞬間でしたね。
ローズヒップも初登場で撃破された相手が桃ちゃんって
いうのもなんだか…凄いです…。
っていうか桃ちゃんの流れ弾に自分から突っ込んでいった
様な感じでしたけれど…
まぁ桃ちゃんの初撃破という事で。

そしてそしてなんと言ってもウサギさんチームの丸山紗希
ちゃん。

梓「紗希が何か言おうとしている!」

紗希「蝶々…………。」

もうこれには分かっていても他の観客と同時に爆笑。
熊本の時は丁度飲んでいたコーラを思わず吹いてしまった
ので今回は準備万端でした。
でも紗希ちゃんの後半での一言があとで大きく戦況を変え
るきっかけになるんですよね〜。
紗希ちゃんに前半の特別賞をあげたいくらい。
っていうか後半の特別賞も確定なんですが…。

各チームとも最初から見せ場がきっちり。
この辺りの演出も流石ですね。

知波単…?
最初見た時どこの高校?って思いましたけれどそういえば
OVA第6話「エンカイ・ウォー」で継続高校と共に大洗女子
に祝電を送ってましたね。
時間の都合上、柚子ちゃんに省略されていましたけれど。

そんな印象的なチームの1つ、知波単学園。
そして知波単学園の西絹代隊長。
見た目はいいんだけど、喋ると残念な人?
CV:瀬戸麻沙美さんって言うのも残念美人、無駄美人と
言われたあのキャラを思い出しちゃいました。
何かの縁?
声優さんを愛する水島監督ならではの人選かな?
「こ・う・た・い」→「と・つ・げ・き」
なぜこうなる?
これは本当にウケましたね。

その他知波単学園ではやっぱりあの子!
眼鏡の福田ちゃん。
最初は知波単の特攻精神の象徴みたいな役柄でしたけれど
戦いの中で大洗や他のチームの選手と触れ合う事でその考
え方が変わっていく様が見事に描かれていたと思います。

「無能な味方は敵より怖い」なんて言葉を思い出すくらい
の知波単学園の描かれ方はなんとも残念…

突撃あるのみ、潔く散る玉砕の美学みたいな戦い方は
旧日本軍を彷彿させる描かれ方でしたけれど、福田ちゃん
の成長を通して変わっていく知波単学園のスタイルが敗戦
をもって知る日本の変化に似ているようで感慨深い物があ
りました。

あとアヒルさんチームをアヒル殿?と呼び慕っていく姿が
なんとも可愛い。
私的に大洗女子で1番練度の高いと思われるアヒルさんチー
ムが戦いの中で育てているようで。
やっぱり八九式が先輩だから通じるものがあるのかな?

でもアンツィオといい知波単といいこういうおバカで勢い
しかないけれど心は熱いキャラ私は好きです。

試合の後はいつものお風呂シーン。はい。
特別必要なシーンとは思いませんけれど、嬉しい人には
嬉しいサービスシーンという事で。
あれだけのメンバーでの入浴シーンはもう2度と無いと思う
ので…
そんな和気あいあいとした雰囲気の最中に生徒会長:杏ちゃ
んに緊急招集。
大洗女子学園に再び試練が襲いかかります。
{/netabare}

⑵大洗女子廃校通達後の仮校舎での生活編
{netabare}
全国戦車道大会制覇で撤回されたはずの廃校の危機は
撤回されるどころか即時廃校の急展開。
本編では「全国大会で優勝したら廃校は免除」という約束
だったのに文科省の役人の
「あれは口約束に過ぎない。検討の結果、やっぱり大洗女
子は廃校が決定した。」といういかにもお役所展開。

そういえばTVアニメ版でも杏が
「まさか優勝校を廃校にはしないよねぇー」
って言った時、あのメガネ役人はメガネ「カチャ」って言
わせただけで返事はして無かったですものね。

学園艦は解体、戦車は没収、生徒はそれぞれ転校という
仕打ちに失意のドン底に堕とされる大洗戦車道チーム。

そんな彼女達に一筋の希望の光が…
突如学校の上空に現れた1機の大型輸送機。
なんとC-5ギャラクシー!
開発当時は世界最大の米軍の輸送機なんです。
凄いんです!
音楽も相まって本当にカッコいい!
これには私もビックリしました。
凄いですね、サンダースの物量というか資金力。
戦車を次々と運び込み、紛失したという形で一時預かり。
颯爽と去っていく姿は本当にカッコ良かった。
ケイちゃんグッジョブです!

でも学校や試合が決まるまで預かってくれるのかと思って
いたら仮校舎が決まるや否やまたもやC-5ギャラクシーで
戦車を、しかも空中投下でのデリバリー!
これこれ、私見たかったんです。
戦車の空中投下!
「届けたからね〜」みたいな
なんとも言えないサンダースのキャラ豪快ですね。
ギャラクシーを操縦するナオミもカッコイイ!

先の見えない不安の中それぞれ日々を送る大洗戦車道部。
いつもは真っ先にうろたえる桃ちゃんが会長を信じ率先し
て動く姿がなんだか意外。

「会長がいない時こそ我々が…!」
えっこんなキャラだったけ?

リヤカーで荷物を運びパイプ椅子に押し潰されそうになっ
た時、会長帰還。泣きじゃくる桃ちゃん…

私まで目頭が熱くなるシーンだったのに…

アンコウライトの二宮金次郎に思わず…笑
ダメですよアレは。面白かったけど。
そして会長が帰ってきたらいつものポンコツ桃ちゃんに…

逆に1番しっかりしていたはずの風紀委員が…
なんとも…1番問題児化してましたね。
普段真面目な人程こうなっちゃうんでしょうか…
コンビニでたむろって焼き鳥…
きゅうりのヤケ食い?なぜきゅうり?
「風紀委員が地元の学生と喧嘩してまーす!」
笑っちゃいました。
「ルールは破るためにあるのよ」
まさかの思考的変化が面白かった。
風紀委員のやさぐれ方で桃ちゃんの実直さが俄然際立ちま
したね。
でも麻子との絡みは良かったなぁ。

前回の失敗から何かを学んだのか突如、筋トレに励む
アリクイさんチーム。
何故かサバイバルに目覚めてしまったウサギさんチーム。
(秋山殿の影響?)
あの魚の干物?燻製?が気になります。
そして山の中だろうが活き活きとしている秋山殿。
この子本当に楽しそう。

大洗女子廃校を一旦は受け入れざるを得なかった会長:杏
でしたがやっぱりこの人はやる時はやってくれます!
やってやるんです!
たった一人で戦車道協会の会長・西住流師範といった上層
部に訴え、正攻法で文科省役人との交渉。
約束を蔑ろにする行為こそが文科省が誘致を進める
「戦車道世界大会」のテーマに反すると。

そしてとても条件は厳しいけれどもし大学選抜チームに
勝ったら廃校取り消しという誓約書をとりつける事が出来
ました。
TVアニメの時もそうでしたけれどいざという時の会長
やっぱり頼りになりますね。
干し芋ばかり食べて「だよねぇ〜」だけじゃ無いんです。

しかし約束を取り付けたとはいえ条件はほぼ絶望的なもの
30対8の殲滅戦…
フラッグ戦ならまだ僅かでも希望がありそうですが、こう
なると流石のみほも不安な気持ちを隠せません。

厳しいけれど大学選抜に勝ちさえすれば廃校は撤回。
みんな笑顔で「がんばるぞ〜!」ってその時みほと
ちらっとみほを見た秋山殿の表情だけが曇るのが印象的。

恐らくみほの頭の中はこの時既に圧倒的な戦力差にいかに
対応するかでいっぱいだったのかな?
いつも1人で悩むみほらしい表情。
秋山殿も恐らく大学選抜の車輌の能力等既に把握していて
戦術に関してはみほの気持ちが分かる唯一の存在。
そんな2人の思考的な絆を感じさせるシーンでした。

そしてみほとまほ。
この中盤ではみほに対するまほの思いがひしひしと伝わり
ました。
黒森峰の隊長としてではなく、西住流の一員としてでもな
く、みほのただ1人の姉として妹を思う気持ち…

みほが転校の承諾書に親のサインを貰うため熊本の実家に
帰省した際、なんだか微妙に嬉しそうな、ホッとした様な
とした表情で迎えるまほ。

みほと母親のギクシャクした関係を考え母親に嘘をついて
までみほの為に承諾書を準備してあげたまほ。
TVアニメ版では見れない表情がいっぱいでとても印象的。
まほ、みほ姉妹の幼い頃の回想シーンはとても微笑ましか
ったですね。
みほがあんなに活発で明るい女の子だったって思わなかっ
たから。
姉妹で過ごした思い出の場所。Ⅱ号戦車での思い出。

高校1年生で黒森峰の副隊長に抜擢され、恐らくその時まで
はあの明るくて活発で戦車道でも無双的な強さを発揮して
いたのでは…
でも全国大会でフラッグ車でありながら勝負よりも仲間を
助ける事を優先し、チームはプラウダ高に敗北。
大会10連覇も逃す…。

熊本から、黒森峰から逃げる様にして辿り着いた大洗。

そこで大洗女子の危機を救います。そして大洗女子からみほ
自身も救われます。

やっと見つけた自分の戦車道。

1番わかっているのはまほなんですね。
みほの才能も、みほの気持ちも…
まほのみほに対する思い、凄く伝わります。

いろんな事情が重なってボタンを掛け違えているけれど
1つづつ元に戻していくようで作品中盤での重要なシーン
だったと思います。

この中盤では会長:杏の存在と大洗女子戦車道部への思い、
ライバル校同士一致団結そして戦車道への熱い思い、
西住姉妹の過去から現在への関係と互いの思いがそれぞれ
沢山詰まった、終盤での最終決戦へ向けての気持ちを高め
てくれるとても重要なお話だったと思います。

そしてこれだけのキャラを埋没させる事なく、魅力的に演
じさせる脚本、吉田玲子さんに感謝です。
{/netabare}

⑶大洗女子存続を掛けた大学選抜との試合編
{netabare}
いよいよ大学選抜チームとの決戦。
この作品最大の見せ場、私的には迫力とスリル、面白さと
感動のバトルシーンだったと思います。
つまり全部詰まっているという事です。

はっきり言って2回目でもまだ細かい所まで把握しきって
無いので印象に残った点を。

大学選抜vs高校連合というよりもいつの間にか西住vs島田
という2大戦車道流派の対決の構図に。
島田流の娘であり飛び級で大学に進学した天才少女・島田
愛里寿 。
まず私的にはCV:竹達彩奈さんていうのが嬉しかったです。
でもなんだか捕らえどころの無いキャラというかこの劇場
版の為だけに出てきたとしたらちょっと勿体無いかなぁっ
て感じでした。
ラスボス感は伝わるのですがもう少し素性を掘り下げて
欲しかったみたいな。
あと副隊長以下の3人も。
もしガルパンがまだ続編があるなら楽しみなキャラです
ね。

そんな中話を聞きつけたダージリン様。
オレンジペコがモールス信号を打電。
ダージリン様どんだけ大洗女子(ていうか、みほ?)
の事好きなんでしょうね。

大洗女子の前に続々集まるライバル校達。
王道の友情展開とか言われようが関係ありません。
ただただ胸が熱くなります。
聖グロリアーナ・サンダース・プラウダ・アンツィオ・
黒森峰そして継続高校。知波単いたかな?

まさにガルパンオールスターズ!
こんなドリームチームを見る事が出来る日が来るとは
思いもしませんでした。

ダージリン「お茶会の会場はここかしら?」
ケイ「ヘイ!私達も参戦するよ!」
カチューシャ「私達がカッコ良く最初に登場したかったの
に!」
アンチョビ「今度は間に合ったぞ!」
まほ「助太刀するぞ。」
ミカ「戦車道は人生…」
こんな感じでしたでしょうか?
登場する時の音楽も最高!

私的にはアンツィオのアンチョビ姐さん、カルパッチョ、
ペパロニの3人がP40ではなくCV33で登場したのが鳥肌
立つくらい嬉しかったです。
やっぱりアンツィオはカルロヴェローチェですよねー。
「ドゥーチェ!ドゥーチェ!」

でもこんな軽戦車以下の車輌でどうやって闘うの?
逆に足手まといじゃないの?って感じですが後半素晴らし
い役目が待っているんですよね。

大洗女子に短期転校手続きで戦車は私物として持ち込み。
そしてなんと言っても大洗女子のセーラー服姿が…
まさか、まほ姉のセーラー服姿を見れるとは思いませんで
した。
ちょっと嬉しいサプライズですね。しかも可愛い!
アンチョビ姐さん、ダージリン様、ケイちゃんなどなど
みんな可愛いんです!
カチューシャ袖長すぎ…
まさに「大洗女子制服コスプレ大会!」
「一度着てみたかったのよね」
でしたでしょうか?ダージリン様、お茶目…

特にTVアニメ版ではとにかくクールな印象が強かった
まほですが意外とノリがいいのにちょっとビックリ。
作戦会議で作戦名を決めようってなった時、みんなが
好き放題言い出して、最後はまほがきちんと締めてくれる
と思っていたら、
「ニュールンベルクのマイスタージンガーはどうだ」
ってちょっと笑っちゃいました。
ワーグナーを持ち出すなんて意外とユーモアのある人なん
ですね。

それにしてもみほの「こっつん作戦」って…笑
納得する皆んなも皆んなですが…
ボコの魅力といい、さおりんの気持ちわかるような…

そんな大一番でまずもうこれ本当に胸が熱くなって思わず
涙が出ちゃったのがプラウダ高校。
これ本当に泣けました。

カチューシャを助ける為に1人また1人…
KV-2に至ってはまさに弁慶のようでしたね。
まほがカチューシャに言った
「信頼と崇拝は違う」
という言葉がとても心に響きます。

ロシアの可愛い暴君的なキャラのカチューシャ。
そんなカチューシャを身を挺して助ける仲間達。
副隊長ノンナの最後の一言。

「カチューシャ…あなたは一人でも闘える…」

何かに気付く様なカチューシャ。
あのカチューシャの悲しくて絶望的な表情は2度と見れない
かもしれませんね。

ていうかこれ絶対死別してますよね…

ここまで涙を誘っておきながら試合終わると仲良く会話
してるんだから、もう本当にガルパンのイジワル〜って
感じです。
みんながカチューシャの事大好き。とても胸の熱くなる
シーンでした。
カチューシャを励ますダージリン様やっぱり素敵です。

そしてそしてアンツィオ、カメさん、アヒルさん、継続高
の4輌、軽戦車どんぐり小隊によるカール自走臼砲攻略。
最終決戦山場の1つ。
この作品を通してMVPをあげたくなるアンツィオの働き
最高でしたね。

巨大迷路で逃げまくるあんこうチーム。
それを追いかける大学選抜チーム。
いくら追っかけても巧くスルリとかわす絶妙なコース取
り。
んんん!って思ったらジェットコースターの頂上にアンチ
ョビ姐さん!あんこうチームにナビゲーション!
それに気付いた大学選抜チームもチャーフィーで追いかけ
る始末。
アンツィオCV33ならまだわかるけど普通の戦車でジェッ
トコースターの線路を…
わかってます!そんな事はどうでもいいんです!
これがガルパンなんです!
お祭りなんです!

CV33vsチャーフィーの派手な逃亡戦。
CV33にぎゅうぎゅう詰めのアンチョビ、カルパッチョ、
ペパロニの3人が可愛いくて楽しい。
やっぱりこの3人最高ですね。
最後は「ヘイ!タクシー!」

でもあの迷路の中での戦車の動き本当に凄いと思います。
滑らかな砲塔の動きや車体の切り返し。
言葉では上手く言えないけれど緻密な作画にただただ感服
しました。

そんなアンツィオを含むどんぐり小隊でのカール攻略作戦
なんですが、まずカール自走臼砲?なんなんでしょうか、
一体…
突然空から爆弾が降ってくるみたいな…
600㎜砲弾ですよ…
こんな兵器を直前で承認する文科省のえげつなさ…
高校生相手に、ここまで廃校に拘る理由はなんなの?
ってちょっとマジに腹立たしくなりましたね。

でもあの威力は劇場で見ていてもビックリ!
最初の1撃が来た時、館内ビリビリ揺れたような…
まさにアルマゲドンって感じ…
あれ直撃したらいくら特殊カーボンで保護されていても
ただじゃ済まないですよね。
ただシーンに圧倒されて何輌、誰の戦車が戦闘不能に
なったか2回目でも覚えてないくらいです。

そんな邪道な威力を誇るカール自走臼砲をどんぐり小隊で
やっつけるんだから楽しく無い訳が無いですよね。
TVアニメ最終話の対マウス戦を思い出しました。
あの時もカメさん、アヒルさんチームの捨て身の連携で
Ⅳ号が見事に仕留めましたから。
「軽戦車じゃないし〜」「中戦車だし〜」
思い出しちゃいました。
今回も何かやってくれるはず!

そんな私の期待以上の作戦。

杏「この四両で仕留めちゃおう!」
会長〜いくらなんでも…
でもこの決断力と実行力!やっぱり杏は凄いですね!

恐らくアニメ映画史に残るであろう、カール自走臼砲vs
どんぐり小隊!
アヒルさんチームとアンツィオの殺人レシーブ!
横転したカルロヴェローチェの履帯を回転させ勢いを
つけてカメさんジャンピングアターック!
凄い!ついにカメが空を飛んだ!
ではなくてヘッツァー空を飛ぶ!
バレー部顔負けのバックアタックですね。
こんな感じでしたでしょうか?

本当に凄いですね。
それぞれのキャラにそれぞれの役割。
対マウス戦に勝るとも劣らない興奮のバトルでした。

どんぐり小隊で後方支援していた継続高校。
はっきり言って謎だらけのチーム。
TVアニメ版でも名前が出たくらいで劇場版でいきなり登場
知波単もそう。
でも63回全国戦車道大会では2校とも黒森峰に負けている
んですよね。
知波単は1回戦で、継続は2回戦で。
しかも知波単は短時間で全車両撃破されたみたい…
このあたりも何か関係があるのでしょうか?
でも継続高校の隊長、クールな女の子ミカ凄く気になりま
すね。
私的にはちょっとダージリン様とダブるような感じです。
CVも能登麻美子さん。謎めいた感じが良く出ていたかも。

そんな継続高校の戦車BT-42。
履帯が外れてもハンドルをつけなおして華麗に走行。
なんだかルパン3世みたい…
ビックリしたというか素直に欲しくなっちゃいました。
カルロヴェローチェCV33以来です。
そしてミカの手にしていた楽器の音色がまたいいですね。
ミカが弾きだして戦闘に入るシーンとか鳥肌立ちました。
何だかミュージカルの1シーンを見てるみたいでこの作品の
中でも大好きなシーンの1つです。

ミカも劇場版最初の方から出ていたし、何だか謎めいた
人物。
島田愛里寿ちゃんと同じく凄く気になるキャラなので
是非続編での登場を期待したいです。

「各自が出来ることを」という言葉通りのキャラの活躍も
沢山ありましたね。

いっぱいあり過ぎて思い出せないくらいなのですが、中で
も私的に印象的だったのがアリクイさんチームですね。
TVアニメ版ではアリクイではなくアリさん程にしか役に
立っていないネトゲチーム。
ほぼ見せ場ゼロ。
そんなアリクイさんチームがまさかの筋トレでパワーアッ
プ。
「おっしゃぁー!」重たい砲弾を込める姿が格好いい!
そしてその成長を誇示するかの様なマグレでも何でも無い
大学選抜戦でのパーシング撃破。
これは凄いですね。
ゲリラ的な西住みほ流の戦い方を体現しているアヒルさん
チームが大洗女子の中でも最も練度の高いチームだと思い
ますが、この急成長のアリクイさんチーム。
その秘めたるポテンシャル、是非とも続編叶うなら見てみ
たいものです。

そしてそしてウサギさんチーム。
はい、後半でも来ました。丸山紗希ちゃん。

「観覧車……。」

後半でも特別賞あげちゃいます。
これって意図的に観覧車を使えって言ったのでしょうか?
それともだだ「蝶々…」の時みたいに目に入ったから
言っただけなのでしょうか?
理由はどうであれ圧倒的不利な状況を変えてくれる観覧車
大作戦のきっかけを作ってくれました。
これだけセリフ少なくてインパクトのあるキャラ、
中々お目にかかれませんね。

あっ話は戻るけれど、学園艦とお別れする時、いつもは
皆んなと違う方向を見ている紗希ちゃんが皆んなと同じく
学園艦を見つめている姿が印象的でした。
ボォ〜ってしている様な紗希ちゃんだけど彼女もやっぱり
大洗女子に何かしらの思い入れがあるのかなぁって思わせ
ワンシーンでした。

ウサギさんチームがサンダース高のアリスをタカシネタで
イジるのが面白かったですね。
TVアニメ版サンダース戦でしたでしょうか?
アリス「タカシ…どうしてあの娘を選ぶのよぉ〜」
みたいな。
もう本当にこういう細かいネタが随所に散りばめられてい
てスタッフのキャラに対する愛情をいっぱい感じちゃいま
すね。
まだまだ他にもいっぱいあるんですよー。

大学選抜T28をサンダース高・ナオミと連携して橋の下
から仕留めたダージリン様。
そのいつものエレガントな立ち振る舞いからは考えられな
い、捨て身の戦法をとるところにダージリン様の奥に潜む
ラスボス感が私の中でますます急上昇。
やっぱりこの方は底を見せてないですね。
友の為ならなんでも出来る。本当のエレガントさを兼ね備
えたダージリン様やっぱり素敵です。

ダージリン様のついでに聖グロリアーナ・ローズヒップ。
「リミッター外しちゃいますわよ!」からのチャーフィー
撃破からの自爆…笑
絶対彼女アンツィオかサンダースのキャラですよね!

このまま書き続けると延々と続きそうなのでそろそろ
島田愛里寿 vs西住姉妹へ。

西住流と島田流の一騎打ち。
と言っても2対1ですけれど。
まず島田愛里寿ちゃんの無双っぷりが凄すぎてある種の
恐怖心さえ感じました。
大洗女子に翻弄される大学選抜。
それまで戦況を見守っていたけど、突然歌い出したかと
思ったら(この歌が竹達さんらしくて…ちょっと…笑)
自らのセンチュリオンで出陣。
士気の上がる大学選抜チーム。
知波単、あひるさんチーム、ウサギさんチームを瞬く間に
撃破。他にも数輌。
とにかくその動きが凄すぎます。
挟まれたと思ったらすり抜けて仲間討ち。知波単…
追い詰められた様に見える山?丘?の頂上から一気に滑り
落ち、みほの真下につける圧巻の動き。
まるで忍者みたい。
2対1とは思わせないその華麗な動きに目がついていかない
くらいです。
とにかくカメラワークが凄いですね。
目まぐるしく動き回る攻防戦。

しかし戦いはいよいよ最終局面へ。

セリフ無しのラストバトル。言葉は要りません。
動きだけで充分伝わります。
みほの「左手は添えるだけ…」
凄いです、このシーン。震えました…
やっぱりガールズ&パンツァーの主役はみほなんだ。
改めてそう思わせるシーンです。
  
そしてまほ。
ちょっとしたボタンのかけ違いですれ違っていても
やはり姉妹。
息がぴったりと合う描写に感動します。
西住流とはかけ離れたみほの作戦に従うまほ。
妹を撃つ時の表情がなんとも…
2回目の視聴でわかったんですけれどあれは空砲だったんで
すね。
これが「こっつん」なのかな?

「大洗女子学園の勝利!」
蝶野教官(CV:椎名へきるさん)の声も何だかいつもより
感極まっている様に感じましたね。

エンドロールも凄く良かった。
参加チームの帰り道のシーン。
最初に流れるのがみほとまほが会話するシーン。
まほがみほに何かを言っています。
ちょっと切なそうなかんじで…
みほも言葉を返します。
固い握手を交わして笑いあう2人。
どういう会話を交わしたのか想像が尽きません。

しかしアンツィオ本当、楽しそう!
{/netabare}

2回目の視聴で私の評価も5点満点に上がりました。
ストーリーの足りない部分を補ってもお釣りがくるくらい
の作画、音楽、キャラ、声優の魅力。
何より私のアニメの評価で最も重要視している
「心の震え」がありました。
「戦車道は人生」何気にミカの言葉が心に響きます。

登場する戦車、人物共に非常に多いですので情報量が多く
て1回や2回の視聴ではなかなか処理できない部分もありま
すが、その点これから何回見ても新しい発見があるかも
しれません。それも楽しみですね。

改めてこの作品、関係するスタッフ皆様の並々ならぬ
ガールズ&パンツァーへの愛情と情熱が結晶となった作品
だと思いました。
水島監督のツィートによると完成したのが公開4日前。
なんと!
水島監督だけについ頭の中で納品の為に全国に走り出す
武蔵野アニメーションのスタッフの姿が蘇ります。

どれほどの苦労があったのでしょう。
妥協を許さない水島努監督をはじめ制作スタッフの情熱に
ただただ感謝と敬意の思いしかありません。

色んな今後に繋がる様な気になる場面もあったのでファン
としてはやっぱり続編を期待しちゃいますけれど、今は
ゆっくりとその時を待つことにします。
制作関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。
そして有り難う御座います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 79

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

無駄尺など一瞬たりとも無く瞬き禁止!やりたいことと出来ることを全てやった結果としての120分は深夜アニメからの映画として至高にして究極か!?(各劇場鑑賞記録最新版)

2012年秋期からシリーズが地味に続く『ガルパン』
3年間の集大成とも呼ぶべき完全新作映画
1945年以前の戦車を用いた武芸「戦車道」が女子の嗜みとされる世界観の元、美少女キャラオンリーによる戦車戦を描いたハートフルなミリタリーメカアクションです


深夜アニメから地続きになった作品ながら、映画としての完成度はオイラ個人の見解としてあの『アルペジオ』を超えて究極の1本と呼ぶべき仕上がりです
ただし登場人物が【物凄く多い】ので全くの初見だと顔と名前と声の一致は厳しいかと思います
ただし単純にミリタリーメカアクションという観点から観れば、本当に全世界類を見ない史上最高のアニメだと確信出来る素晴らしい作品ですので強くオススメしますb
ちなみに本編前にテレビシリーズを軽く振り返るSDキャラによるミニコーナーがあるので「テレビシリーズ忘れちゃったよ!」って方もwelcomeです


まず早々に名将ダージリンさんがお茶を飲むシーンから始まるのですがその矢先に激しい砲撃の爆音が劇場の壁を震わす
まさに耳を劈く轟音
『アンツィオ戦』の時にも書きましたが、この迫力は是非劇場で体感していただきたいですね
斜め後方から砲弾が空気を切り裂き真横をかすめ目の前で破裂する
オイラの目の前はまさに戦場、いや戦車道の試合会場
砲塔がこちらを向くカットでは緊張のあまり思わず目を逸らしたくなります!
再録された劇伴もより厚みと抑揚を増しつつ、立体音響で味わうとより一層感情を奮い立たしてくれます


この冒頭の試合シークエンスだけでも1800円の鑑賞料金を払う価値は十分あると言っていいでしょう
テレビシリーズ終盤、あの「黒森峰戦」“以上の”クオリティがずぅ~っと続くと思って下さい!
3DCGを用いて描かれるが故の繊細な戦車のモデリング、滑らかな動き、迫力のカメラワークはもちろん見どころ
しかしその他の背景や噴煙のエフェクトは手描きなんですよ
そりゃ制作に時間がかかるのも頷けます


冒頭の試合の舞台となるのはもはやお馴染みとなった茨城県大洗市の中枢部
先日ぽ~か~さんやしゅりーさん達と「劇場版ではココが戦いの舞台になるのでは?」と前回のシリーズでは描かれていなかった地区を予習しておいたんですが・・・結構予想当たってたぁw嬉しいですw
それにしても劇中では「試合で破壊されることは縁起の良いこと」とされているもののあwそwこwまwでw粉微塵に壊される大洗市の様はあたかも怪獣映画のよう
聖地巡礼ビジネス+迫力のミリタリーメカアクション=破壊の美学ってことでこーゆーのが好きな人には堪らない限りですな


『ガルパン』の魅力の一つとして、その個性的な登場人物の多さ故に群像劇としても秀でている、という点も忘れてはなりません
主人公サイドである大洗女子はもちろんのこと、テレビシリーズではライバルだったキャラ達もが総登場
しかも素晴らしいことにその多彩なキャラ一人一人にちゃんとした見せ場が用意されてるんです!
これはもうシリーズを追いかけて来た者にとって最高の感動ですよ
裏を返せば無駄な尺稼ぎなんて一切としてやってないんです
石原監督も新房監督も長井監督も出来てないことを、水島監督は「やりたいことを全部納めるため」に実践してるんですね!素晴らしい!


そして名前だけが出ていたフィンランド軍BT-42を駆る継続高校、新たに大洗女子に協力をすることとなる日本軍戦車で構成された知波単学園、ドラマCDや設定のみだったキャラの初アニメ化等なども含め、多くの新キャラの活躍も見逃せないところ
継続高校はフィンランドがモチーフってことでフィンランド民謡が流れるシークエンスは愉快痛快、楽しくなる名場面


そして、もちろん最大の見せ場となるのは大洗女子の新たなライバルである大学選抜チームとの死闘
これは今までのシリーズとは違い数が物言う乱打戦で、かつまたも個性豊かな敵戦車の登場で胸躍らす展開の連続です
『スターウォーズ』で例えるなら【エンドアの戦い】、『ガンダム』で例えるなら【『ビルドファイターズ』の最終回】、まさに集大成に相応しい舞台です


いやぁ、でもバカスカドカボコ撃ち合ってるだけの映画じゃないんだコレ;
中盤で散り散りになることを余儀なくされる大洗女子の面々に泣き
ウサギさんチーム7人の「笑顔で別れようって言ったじゃなーい」で泣き
泣き叫ぶ桃ちゃんで泣き(あれは作画がネ申掛かっていた)
孤立しかけるカチューシャの場面で泣いて4回も泣いてしまった・・・(雨が降ってくるあの場面の脚本、良かったですよねb)


そして主人公にして大隊長のプレッシャーを一手に背負う西住みほ、彼女を支え、そして救うのが【姉妹愛】だってことがまた美しいです


本当に2015年は良い映画と良いアニメ映画に恵まれた1年間でした
もしかすると今年を超える1年はもう暫く出てこないのかもしれません
だからこそ、この歴史的傑作に出会えた現在に感謝を込めつつ・・・最高の1本でした、とただ声を大にして言いたいわけです


で、とりま誰か一緒に富士急ハイランド行こうぜ?w

























鑑賞1回目
新宿バルト9
バルト9はスクリーン毎の差も少なく大きな画面と迫力の音響が保証されたオイラが最も信頼するシネコンです
ガルパンに限らず期待を裏切らない映画体験が出来るので強くオススメします


鑑賞2回目
立川シネマシティ極上爆音上映
極爆第二形態、センシャラウンドファイナルLIVE
正直なところ、立川シネマシティはあまり好きな映画館ではありません
極爆以外の上映は音を絞る映画館なんですあそこは
1年前にマッドマックスで極爆を経験した時は単に音が大きい、その割に不快な感じはしないな凄いな、程度でした
今回のセンシャラウンドファイナルLIVE仕様はカールの着弾や観覧車先輩が落下した時の迫力の凄まじさたるや、音というよりは突風とか衝撃波に近い感じを受けます
流石話題になるだけはありますね
それよりなにより、コレはどの映画館でも体験出来なかったなぁ、と心から感心したのは劇伴がとてもクリアに聴こえたことです
ハーベストミュージックフェスタに行った時に生で聴いたオーケストラ
まさにあの音がまんまスクリーンから聴こえてきたんです
これには思わずウットリしました
立川はともかく極爆はとてもオススメですb


鑑賞3回目
ユナイテッドシネマ入間4DX
もうちょっと音量が欲しかったかな?って点以外は最高です!
ひたすら揺れ続け、震え続けるので乗り物酔いし易い方や腰を痛めてる方には全くオススメ出来ませんw
が、よくよく考えれば遊園地などでも長くて30分ほどしかない体感シートアトラクションを120分もぶっ続けでやるのですからそりゃ疲れもしますw
ミカが現れる度に彼女の周りでは風が吹いてソレが4DXでも演出されるんですが、【心なしかイイ匂いがした】のはオイラの気のせいでしょうかw;
風呂でシャボン玉が飛んできたのとボコがボコボコにされるのには爆笑しましたw
それと遂にキャプテンのスパイクをこの身で(顔面で)受け止められる日が来ようとは感激の極み
山頂からひまわりチームが撤退する時の雨が車内と車外で素早く切り替わっていたのも細かい
本当に楽しかったですb
それこそアトラクションのようにどっかでずぅ~っと上映し続けて欲しいぐらいですね


鑑賞4回目
立川シネマシティ極上爆音上映
極爆第三形態、センシャラウンドファイナルエクストラ6.1ch(マサラ上映)
マサラ上映とはいわゆる声出しOK上映なのですが、実はこれ第二回ハートフルタンクカーニバルのライブビューイングを観に行ったが機材トラブルで中継不可になってしまい、劇場からのお詫びとして劇場版を流したという幻の1回
当然、ライビュが観れないならと帰る客がいるのかと思いきやオイラ含め満席の観客全員が拍手で劇場版鑑賞を許諾
そしてオイラの横のお客さんがライブの鬱憤晴らしに声出しにしてみては?と提案したところ、劇場も観客もこれを快諾
かくして幻の1回、極爆マサラにオイラも立ち会うこととなったのです
まあ実際は音がデカくて声張り上げても殆んど聞こえないんですがw
バレー部の掛け声に合わせたり、あやちゃんの「ぶっ殺せー!」を叫んだり、「家元、蝶野様がお見えです」に対し「どっちのー?」「プロレスラー!」と返したり…
まあ馬鹿騒ぎ出来ましたw
これまでで一番楽しい、そして何より思い出深い鑑賞になりました


鑑賞5回目
立川シネマシティ極上爆音上映
極爆第四形態、センシャラウンドファイナルLIVEエクストラ6.1ch
音響調整卓の新調で第四形態と称した状態で再調整された仕様です
本来、劇場版ガルパンは5.1ch作品ですが後方センタースピーカーを搭載したので後方の音を三方向に分散させるよう岩浪音響監督自らが再調整されてます
一週間後にはウーファーの新調が予定されていたので実質第四形態の最終上映です
第15回あにこれOFFのメインイベントとして計六人で観てきました
オイラ以外は極爆初体験で、またこの鑑賞の直前に劇場版SAO極爆も観ていたので比較にちょうど良かったと思います
主にそのイカレ具合についてwww
鑑賞前に劇場スタッフからロングラン上映御礼の挨拶がありました


鑑賞6回目
立川シネマシティ極上爆音上映bスタジオ
極爆の仕様変更で話題になるのはシネマシティのシネマツーaスタジオという最大スタジオなのですが、今回aスタのウーファー新調に伴い元々aスタにあったウーファーをbスタに移設して実現したおそらく片手で数える程度しかしていないbスタのガルパンです
aスタは縦に長い長方形の客席配置ですがbスタはほぼ正方形で音の広がりを実感出来、またスクリーンそのものもやや大きいです
肝心の音はバルト9と同程度ぐらいと思って頂ければいいでしょうか
aスタではドラムンベースが響き過ぎてマトモに聞こえないエンドロールの「Pice of Youth」が普通に聞こえますw


鑑賞7回目
シネマサンシャイン平和島4DX効果マシマシ版
4DX開始当初から話題でした平和島の4DX
エフェクト類をパワーアップさせた効果マシマシ版と、さらにシートモーションを最大値に設定したエクストリーム上映の2種類が存在しますが、効果マシマシ版の方を観てきました
ハコそのものが大きめなのですがスモーク、風、香りがハッキリ強いと感じます
特に香りは一年前の入間ではイマイチ分からなかったんですが、ミカの語りに合わせて吹き抜ける風のミカからするいい匂いw、ダージリンの紅茶、大洗港の磯の香り
これらが全部同じ匂いなんですが(笑)確かに漂ってきたのが感じられましたね
あと改めて4DXで観るとセンチュリオンが如何に馬鹿げた動きをしてるのかがわかります
一番好きなカットはパーシングを追撃せんとするアリサが履帯を破損する集中砲火を受けて車内でとっちらかるのを体感出来るところですねw


鑑賞8回目
シネマティックコンサートinパシフィコ横浜国立大ホール
シネマティックコンサートとはハーベストミュージックフェスタも担当された東京フィルハーモニー楽団による生オーケストラが、本編の映像に合わせてその場で劇伴を演奏するというスタイルのオーケストラコンサートです
横浜公演では自身も「ガルパンおじいさん」を自称する栗田博文さんが指揮を担当
もちろんカンテレの奏者はミカのカンテレの中の人こと、あらひろこさん
ただでさえ本編映像に合わせての演奏という無理難題を見事にこなしてしまう栗田さんと東京フィル…本当に素晴らしいパフォーマンスでした
カンテレに至ってはほとんどSE担当じゃないか…
映像素材はBD版を使い、SEこそ抑え気味にされているもののセリフはかなりハッキリと聴こえる中、それに負けじと迫力の演奏をなさっていたのが印象深かったです
試合直前、絶対絶命の大洗女子の前に次々と助っ人が加勢する軍歌メドレー「学園十色です!」で栗田さんがパンツァーフォー!の握りこぶしを挙げていたのがカッコヨカッタwww
流石は生オーケストラ!と、特に味わい深かったのは大学選抜のテーマ
「好敵手です!」と「無双です!」の演奏でしたね
本編後にアンコールでフルバージョンも披露していただけました
オーケストラならではだったのがボコが歌う挿入歌「おいらボコだぜ!」や継続高校の快進撃「Säkkijärvi Polka」、そしてエンドロールの「Pice of Youth」がオーケストラアレンジされていたところですね
ちなみにこの日が大宮公演を病欠していたchouchoさんの復帰一日目でした
思い出深い体験をありがとうございましたm(__)m


鑑賞9回目
立川シネマシティ極上爆音上映
センシャラウンドファイナルシャープネスBDver
aスタ、bスタ共にスクリーンを新調してよりクリアな画質とセンタースピーカーの抜けを良くしたとのこと
潔く3D非対応のホワイトスクリーンにしたとのこで、シルバースクリーンはよろしくないと思っていた自分には朗報です
映写機も双眼式から単眼式になったことで画質が向上してるそうです
aスタはシャープネス、bスタはグラマラスと命名されてました
さらに最終章第1話の公開直前ということでブルーレイ用マスターを1週間限定で上映
熱心なガルパンおじさんならお判りかと思いますが上映用マスターとブルーレイ用マスターだと作画、撮影効果、音響効果など推定100箇所以上リテイクが入っているので画面的にはほぼ別物
音響面でもセリフの反響音など細かい部分が聴き易くなっており、また今回の立川シネマシティの仕様変更のおかげもあってか立体音響感がかなり増しており特に後ろから響く音がハッキリ後ろから飛んでくる移動感が強くなりました
それと、個人的には『オーディナルスケール』を観て以来10ヶ月ぶりのaスタだったのですが、aスタ特有の破裂音(カール、観覧車先輩)のソニックはそのままに、西裏門での縦深防御戦で響くティンパニの歪みが抑えられ普通に聴けるし、「piece of youth」もズンドコ感が控えめに
セリフ面は好みが分かれそうですが劇伴や効果音面ではもうこれ以上に無い?と思わせる仕上がりですね


鑑賞10回目
シアタス調布4DXセンシャラウンドMAXエクストリーム効果マシマシ
出来てまだ1年の真新しいシネコン、シアタス調布にて4DX版のリバイバル上映を観てきました
シアタス調布は『最終章第1話』のdts-x版を上映した東日本唯一の劇場でもありますが、今回は劇場版4DXとなります
また、このリバイバルに合わせてMX4D式の劇場でも『劇場版』及び『総集編』が公開されてます
4DXは韓国の会社が作った規格でMX4Dはアメリカの会社が作った規格です
最も大きな仕様の差は4DXでは雪が表現出来て、MX4Dではそれが出来ないというところですが『劇場版』に関しては雪が降るシチュエーションが無いので参考までに
ちなみに『総集編』でも何故か雪は降りませんでした(他の映画では降ったんですけどねぇ)
ただしシートの可動のリニア感、空気砲や水しぶきの表現力は4DXの方が明らかに繊細です
MX4Dは可動がワンテンポずれたり、空気砲がうちわで扇いだような風なのに対し、4DXは可動も素早く立ち上がり、空気砲も針で刺されたような鋭いものが飛んできます
規格の違いによる価格差も無いので"演出"という観点から観ても4DXの方が断然オススメですのでMX4Dと4DX、両者とも選択肢に入る地域にお住まいの方は必ず4DXで観ることをオススメします!
さて、肝心のシアタス調布の4DXですが、シートモーションを最大値に設定したエクストリーム上映仕様に加え、スモークや風などの劇場エフェクトもフル稼動となります
シートモーションに関しては慣れたせいもあるのかそれほど大きな違いに感じませんでしたが、磯の香りと温泉の香りは全然別物とわかるぐらいハッキリ香ってました
また、ハコが小さめなこともありスモークが出るシチュエーションが続くとスモークが多過ぎてスクリーンが観えなくなることすらあるのは思わず笑いますw
初めて観るタイトルの映画だったら効果マシマシは避けた方が無難ですね(笑)
音響の方も岩波良和音響監督が直接調整されたということもあって爆音や破裂音のソニックと劇伴やセリフのクリアさが両立した満足のいく出来栄え
なんでもイオン幕張の支配人がこちらに移転されてきたとか?
立川、幕張に続く新たなガルパン聖地の誕生でしょうか?
ちなみに4DXで観るたびに笑うんですがwあさがおチームが突破された時に追撃しようとしたアリサがボコボコにされるシーンが一番好きなんですw


鑑賞11&12回目
新宿ピカデリー2番スクリーン岩浪美和音響監督 監修 極澄音
まさか新宿ピカデリーで『ガルパン』を観れる日が来るとは夢にも思っていませんでした(『ガルパン』は新宿ではバルト9の専売特許です)
このイベントは実際の音楽ライブの様に専属マニピュレータースタッフがスクリーン後方に在中し、シークエンス毎の細かな調整をリアルタイムで行う、という贅沢な期間限定イベントでした
スクリーン下方にはサブウーファー、フロント左右スピーカーが鎮座し、見た感じの仕様は同じ松竹系映画館で散発的に開催される爆音映画祭に似ています
今回『ガルパン』を2回ずつ、『オーディナルスケール』『幼女戦記』『サイコパス』を各1回ずつこの形態で観てきました
アクションシークエンス等では急激に音圧が立ち上がる一方、会話はちゃんとクリアに聴こえるという“痒い所に手が届く”上映でした
現在の立川aスタの仕様と甲乙付けがたいクオリティです
一方、あくまでマニピュレーターさんの腕次第、な部分もあるのが事実です
イベント初日初回に観た『幼女戦記』はアクションの最中の台詞が多少割れてしまっていた部分があったり、『ガルパン』は初日に観た時よりも後日に観た時の方が音圧が明らかに上がっていたりしました
まあそういう意味でも“ライブ感”を味わう上映だったと思います


鑑賞13回目
丸の内ピカデリーDolby Cinema Dolby Atmos
現在考えうる限り最高の劇場システムであるDolby CinemaでDolby Atmos用に作り直された『劇場版ガルパン』を観てきました
既に公開されている『最終章』はDolby Atmosも同時に制作されている為、この音響システムをご存知の方も多いと思います
これは天井に配置されたスピーカーも含め、これまでの前後左右の音の定位に加え、音に上下の表現を与えることが出来、尚且つチャンネル数に縛られないオブジェクトベースによるリニアな音の移動を表現する事が可能になった音響システムです
ちなみにDolby Cinemaとはこの音響システムに加え、Dolby VisionというHDR技術によるより鮮明な色彩コントラストの映像表現が出来る上映システムと、没入感を高める為の座席配置や光を反射し難いシートや壁の色、遮音技術などのスクリーン全体のデザインを含めたシアターの商標です
残念ながらDolby Visionは映像素材をソレ専用に作り直す必要があり、実際に対応した邦画は『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の様に極僅かです
今回の『ガルパン』は音響面のみが対応している作品、という事になります
で、肝心の作り直された音響ですが、5年以上観続けてきた今作に新たな発見を与えてくれて物凄く新鮮でしたw
戦車がカメラの頭上を通り過ぎるカットでは真上にエンジン音、左右に履帯が転がる音が広がり、まさしく頭の上を戦車が掠めてるかの様です
大洗市街地戦において砲撃で撓む電線のうねり音、真上から落ちて来るカールの砲弾が空気を切り裂く音、ローズヒップの機銃が観覧車先輩に当たる跳弾の音など、これまでそんな音が存在することすら知らなかった音にも気付かされましたw
破裂音や戦車が着地する音などで急激に音圧が上がる一方で、台詞は場面によっては少し聴き取りづらかったりと、若干賛否が別れそうなところではありますがそんなことより観慣れた今作に新たな気付きを与えてくれた事に感動です
まだ『ガルパン』の進化は止まらない、という事の様ですね
ちなみに何故かBlu-ray用マスターではなく初期に上映されていたマスターでした

投稿 : 2024/05/04
♥ : 63
ネタバレ

sinnsi さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

4DXは新規・追加鑑賞の価値あり。

通常版(Tジョイ博多) →
4DX(ユナイテッドシネマ・キャナルシティ13) →
4DX(小倉コロナワールド)
で計三回鑑賞。
(+初回レビュー投稿から二週間後、ユナイテッドシネマ4DX最前列で四回目鑑賞)
(++数ヶ月後、「4DX効果マシマシ版」を小倉コロナワールド最前列で鑑賞)

私がガルパンのテレビシリーズ・OVAで評価していた点。
その主たる部分は、Blu-ray版の戦車のリアルな音響と、一部の洗練された戦車戦の作画だ。
しかし、何だか物語はフワフワと地に足がついていないし、キャラクターも増えすぎて収拾がついていないように感じていたのが、テレビシリーズでの心境だった。

だが今回、{netabare}冒頭から緊張感の抜けないエキシビジョンマッチが行われてから数時間後、
再び大洗女子学園が廃校の危機に立たされていたというのは、いささか急ではあったものの、
その後にメンバー一人一人が、焦燥感、悲壮感、切迫感に追いやられる心情描写は十分に掘り下げられており、
またそこから希望へと向かおうとする一面も魅力的ではあったし、絶望に打ちのめされる余り、とてつもない言動をするようなメンバーもいて、笑いを誘う一面もあった。

そして杏の奮闘により、廃校を免れるための戦闘に臨む事となったのだが、
相手が大学選抜チームという、黒森峰女学園よりも全てにおいて格上のオールスターが立ちはだかる。
強敵に次ぐ強敵という展開は、テレビシリーズでは常に付いて回る展開ではあった。

しかし、そのルールが従来の一発逆転でやってきたフラッグ戦ではなく、絶対的な戦力差がある中での殲滅戦というのは青天の霹靂であり、
観ているこっちまで(絶対に無理!)と強く絶望に共感する一方、(……どんなご都合主義で勝たせるんだろう?)と、何だか白ける部分があったのは確かだった。

それでも試合当日、みほが『今度ばかりは……』と力ない足取りで隊長同士の礼へと向かおうとする。
はるか後方では、歯抜けのように立ち尽くす大洗メンバー一同と、対照的にスクリーン一帯を薙ぎ払うように並ぶ大学選抜メンバー一同。
圧倒的な力量差と気持ちで負けているこの戦い、(どうするの? どうするの?)と、何だか気が気でならなかった。

しかし突然、『待ったー!』と力強いのに間の抜けた声が空気を張り裂くと、
それまでに戦ってきた戦友らが、メドレー形式で各校のテーマソングとともに戦車で駆け付けてきたのだ。
「短期転校」で、ルールを掻い潜って。

つまりこれで事実上、高校選抜チームVS大学選抜チームという構図となり、運命の一戦が始まる{/netabare}という導入部は割りとベタでありながらも熱く、良い意味でご都合主義であった。
劇場版ならではのお祭り感があり、それぞれの戦闘の中でもキャラクターの個性が際立っていて、同校・他校間の掛け合いも面白く素敵であった。
更に、ファンの間ではどのキャラクター(戦車)が試合を作ったのかは意見が分かれているので、試合展開もだが、キャラクターの配分は非常に良好なバランスで構成されているのだ。
(ただやはり、{netabare}翌日廃校・翌日引っ越しを宣告された上に、それぞれの世帯で荷造りを済ませちゃっていたのは展開が早いと思ったが、二時間という枠の中にギリギリ収めた尺の都合もあっただろうし、元よりガルパンは割りとストイックな一面もあった{/netabare})

肝心の戦闘描写だが、あくまでも「戦車戦」ではなく「戦車道」だという嘘を巧みに用いていたのがまた面白い。
仲間戦車が踏み台となって戦車を投げ飛ばす事も厭わない上、水切りの要領で水面を走ったりとやりたい放題でいて、
戦車の動きが非常にフレキシブルすぎると言うか、カーチェイスの様相を呈しているのだが、
CGは動き・パーツのディテールがこだわり抜かれており、違和感なくハツラツとしている。

そして、現代日本での市街戦というファンタジーは本作・他作でも過去に何度もあったが、{netabare}遊園地跡{/netabare}での戦いというのは非常に珍しかった。
そこに点在する、いくつものいくつものギミックを巧みに用いていたのは非常に面白く、まるで自身もそこへ遊びに来ていたかのようだった。
戦争ではない、戦車道という武芸だからこそできる戦いなのだろう。

また、視点の切り替えも非常に優秀だ。
人間(車長)・戦車(+照準)・第三者視点の切り替えが見事でいて、人間の視点となった時には非常に強い意識の連帯感を生み出し、
戦車の視点となった時には迫力に溢れていて、第三者視点の時にはカメラワークが縦横無尽へと駆け巡ると、次から次へと情報量が発生し、その戦場の臨場感に圧倒される。
要所々々で車内の美少女へと移り変わるが、戦いの中での緊張感は共有されている。

そして、その戦闘描写を下支えする音響。
これが他アニメよりも大変秀逸であり、目の前で戦車道が繰り広げられているように優れている事は、
本レビュー冒頭、アニメシリーズレビューでも述べてきたが、それをより強化させた物が、4DXデジタルシアターだと思う。

まず、事細かな戦車の揺れ・傾きに合わせて椅子が動くモーション効果。
これにより、自身も戦車に乗っているような一体感が生まれ、終始没頭感の中にいたのだった。

何よりも素晴らしいのは、椅子が肘掛け以外、パーツに合わせて振動するバイブレーション効果だ。
戦車の機能音は重低音の塊であり、音響だけでも実体感が半端ではなかったのだが、
重低音と同時に激しい振動が生じると、映像を通した生々しい体験が身体を目覚めさせ、
それまで耳だけで体験していた重低音のリアリティが、全身を駆け巡るのだ。
(足元で激しい動きがあった場合には、くすぐり効果として、下にあるチューブがふくらはぎを左右に激しく刺激する)

また戦車の振動によってバイブレーション効果が生じたのであれば、同時にモーション効果が生じるのも常であり、
砲撃・着弾の瞬間の激しい反動・緊張感は、戦意高揚感を昂ぶらせてくれる。
特に一番激しかったのは、{netabare}アヒルさんチームの八九式がアンツィオのCV33を殺人レシーブするシーンでいて{/netabare} 、とても重厚な戦車の圧力がやってきて、前へと吹き飛ばされたのだった。

更に、よりリアリティを下支えするためのウインド・エアー効果。
戦車の走行時、身を乗り出した車長が受ける風を、共有して受ける事ができるのだ。
それはエアコンの除湿のような人工感はなく、スクリーンと共有した繊細な強弱を演出していて、とてもナチュラルだ。
やはり砲撃時にも、力強いのに加減の効いた圧のあるエアーがやってくるのが、また堪らない。
ふらっと、映画館の外に出て自然の風へと導かれ、戦車道に参加してしまったかのようだ。
(なお、砲弾をかすめると、決まってヘッドレストから頭横へ筒状の風が放たれ、まるで銃弾をかすめたかのような体験をできるが、何度も受けると人工感がある上に、戦車の砲弾とはサイズが一致しない)

セント効果は匂いを生じさせる効果でいて、時には荒原・草原のフィールドや、戦車の火薬臭がする物の、頻出する事はなかったのだが、
こちらも(あ、スクリーンから匂いがする)と、ごく自然でいて人工感はなかった。

というより、戦車道の合間にガルパン恒例の入浴シーンがあったのだが、スクリーンから漂う温泉の香りは気品溢れる芳醇な甘さでいて、
視覚的効果も相まって、まるで女子高生の残り湯を嗅いでいるようと言うか、一緒に入っているようと言うか、ともかくも邪な感情が昂ぶるのを抑えきれないのだった。

他にもミスト効果・雨効果・フラッシュ効果・煙効果・バブル効果があり、 (+未使用の雪効果)
前者三効果は、ごく一部の限られたシーンで有効(ミスト効果は自然な水しぶきで顔がヒタヒタになる程)だったが、
後者二効果はスクリーンの邪魔に他ならず、持続する視覚効果は4DXに不向きだと思う。

ただし、この4DXの評価は三回目「小倉コロナワールド」で4DXを鑑賞した際の評価であり、
二回目「ユナイテッドシネマ・キャナルシティ13」で4DXを鑑賞した際には、モーション・バイブレーション効果以外は感じ取れない物も多数あった上に、
頭横から放たれていた筒状の風も、耳横から出るようになっていて、度々ガルパンの全音域を阻害するのだ。
自身を含め、映画を鑑賞する際に劇場を吟味する層はいるが、それは4DXには欠かせない要素だと言えるだろう。
その上、「小倉コロナワールド」の画質・音質のクオリティは、一回目・二回目を凌駕する程だったのだから、Twitter検索等での劇場名の事前調査は必須だろう。
(とは言っても、モーション・バイブレーション効果さえしっかりしていれば、戦車のぶつかり合いの熱を堪能するには十分ではあるが、殺意だけは感じられない)
(四回目後追記:ただしユナイテッドシネマでも最前列であれば、効果を出すバーとも最短距離となるので、効果は強化される。持続する視覚効果も色濃く映るのだが、一体感が増す。そして4DXは構造上、最前列でもスクリーンは視界へしっかり収まる)

また4DXだと「話が頭に入ってこない」という事で、初見鑑賞には不向きだと言われているが、
ガルパンで激しい4DX効果が駆使されるのは、戦車が動く最中にほぼ限られる上、そこでは他作のように、
「敵のコアを破壊するにはНоннаがтанкでдавай спрячемся в той чаще」
「この世界はКатюшаだからПравда」
等と細々とした専門用語のオンパレードになったりはしない。テレビシリーズでもそうだった。
それに、瞬間瞬間で指揮命令が下されても、ガルパンでは次のカットで動いてくれるので、さして問題はない。

4DXは、映画に深みを与えてくれるのだ。
上映期間は残りわずかでいて、鑑賞できるのは 「今」を置いては他にない。

-----
数ヶ月後に小倉コロナワールドで上映・鑑賞した「4DX効果マシマシ版」について追記

まずウインド・エアー効果だが、繊細さはどこへ行ったのか、戦車の一挙一動で常に強い風の圧を受けるようになっていた。
しかし、走行している車の窓を開けた時のように、戦車道を再現しようと思ったらこういう具合になるのかもしれない。
既に冬から夏へと移り変わり、半袖へと衣替えをした影響もあるだろうが。

ミスト効果・雨効果は、入浴シーンや学園艦の水しぶきで追加されていて、前からこの効果のあったシーンでは絶えず続く仕様となっていた。
それも、しばらくはTシャツがヒタヒタとなる程に。

マシマシとなっていた煙効果は、最前列でも次の次の次のカットまで持ち越される程に色濃くなっていたので、正直なところ鬱陶しく、
セント効果も同様に濃度が強くなっていて、火薬臭にも分かりやすさが出ていたが、不意に鼻の前へ薬莢を差し出したようで、やはり繊細さに欠ける。

思った事は、全体的に分かりやすさを念頭に置いた仕上がりになっているという事。
これはこれでアリだと思うし、好みの差だとは思うが、私としてはもうちょっとボリュームを絞って楽しみたいと思った。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 10

74.0 3 遊園地アニメランキング3位
劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード(アニメ映画)

2000年7月15日
★★★★☆ 4.0 (224)
1665人が棚に入れました
小学6年生になったさくらは、まだ小狼の告白への返事をできずにいた。そんな時、エリオルの家の跡地に建てられた友枝遊園地で、ばったり小狼と苺鈴に遭遇。喜ぶさくらたちだが、町では町の中にあるものが次々に消えていくという奇妙な現象が起こっていた。そしてその現象はさくらたちの下にも及び、さくらの持つさくらカードが次々に消え始める。それは、名前のないクロウカード=無のカードの仕業だった。異変を止めようとするさくらだったが、相談したエリオルから無のカードを封印するには「大切な人への想い」を代価にしなければならないと聞かされる。動揺するさくらだが、無のカードは刻々と威力を発揮し始めていた。果たしてさくらはカードを封印し、小狼への本当の想いを伝えることができるのか。

声優・キャラクター
丹下桜、くまいもとこ、久川綾、小野坂昌也、緒方恵美、岩男潤子

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本当の想いを胸に、さくら最後の封印解除!

この作品は、サクラカード編の後日譚を描いた物語です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

小学4年生だった桜たちは、小学6年生に進級していました。
振り返ってみると、これまで色々ありました。
桜はみんなの力を借りながら、やっとの思いで全てのカードをサクラカードにすることに成功しました。

一連の騒動が収束して…リ・シャオランは香港に帰っていきました。
シャオランは、きっと山ほど後ろ髪を引かれたと思います。
でも自分が日本に留まる理由が無くなったのもまた事実です。
きっと自分で自分の首を絞めた…或いは自らの手で居場所を無くした…
そう考えてもおかしくはありません。
でも、そんな自分の気持ちより優先したい事がシャオランにはあったから…
残していったクマのヌイグルミが何よりもその気持ちの証…

そういえば故郷に帰ったのはシャオランだけではありませんでしたね。
柊沢エリオルもかつてクロウ・リードが住んでいた頂きの洋館を離れてイギリスに帰っていきましたっけ…

シャオランが香港に帰って4か月…友枝町は街ぐるみで行う「なでしこ祭り」の開催を控えてみんな大忙し…
桜たち6年2組のメンバーは劇をすることになり、連日練習に励んでいました。
そんな中、エリオルが昔住んでいた洋館が取り壊されて遊園地が建てられたのですが、その完成とほぼ時を同じくして友枝町にまた摩訶不思議な出来事が起こり始めるのです。

クロウカードは全てサクラカードに変換して超常現象が起こる元凶は無くなった筈なのに…
たまたま訪れた遊園地でバッタリ再開したシャオラン、メイリンと一緒に原因の究明と対処にあたろうとした矢先、桜の耳に事態を収束させられる唯一の方法が届くのですが、それは桜が絶対選択できない方法だったんです。

何故なら、その選択をするとどんな結末を迎えるかを知っているから…
かつて経験した闇より深く暗い世界が、この先無限に広がっていくなんて…
でも、桜の今度の相手は微塵の猶予も与える事無く襲い続けてくるんです。

桜の大切が両手から次々と零れ落ちていきます。
理由が分からないのに相手を攻撃するなんてできないよ…
桜の悲痛な叫びが胸に突き刺さります。

それでも相手の攻撃は激しさを増すばかり…
そして変化の矛先は、いよいよ桜の周りの人々に向き始めるのです。
大切な友達や家族を優先するか…
それとも絶対選択したくない方法を選ばなきゃいけないのか…

荒れ狂う嵐に舞う木の葉の様に桜の気持ちは揺れ動きます。
本当に他に選択肢は無いの…?
視聴している私も本気でそう思いました。

でも運命の神様は本当に残酷です。
願いも思いも半分も言っていないのに勝手に歯車を回してしまうのですから…
たくさんの思いがかき消されていく中で何が起きるのか…?
桜の大粒の涙と悲痛な叫びの行方は…?
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

約1時間40分の作品でしたが、この作品を視聴してサクラカード編だけでは物語が完遂していない事を実感しました。
サクラカード編とこの劇場版を視聴して、初めて大切なモノが繋がった気がします。
事の顛末が気になる方も多いと思います。
劇場版なので尺の関係上、若干速足のところもありましたが、きっと一番綺麗な形で桜の思いが届いたのではないでしょうか。

これからクリアカード編が始まります。
監督やスタッフ、そして当時のキャストがほぼ再結集して制作されるのだそうです。
ここまでこの作品を愛した人たちがぞ続編を紡いでくれる…これほど嬉しい事はありません。
今は放送の始まる前までに何とか過去作が完走できて良かったと思っています。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

桜ちゃんの想いは、届かなければならない!小狼くんもこれでいいのだ!です

 今になって、またもや劇場で見ることになるとは、思わなかったです。「劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード」リバイバル上映、懐かしく見てきたです。
 このレビュから約15年前だったか?あっ17年前になるか、学校に行っていた頃、まだ上映回ごと完全入れ変え制の劇場が少なく、ある劇場で2回友達と続けて見たのを覚えているです(その劇場は今はもうないです)。劇場版エスカフローネもこの頃、上映されてたでしたです。

 当時NHK衛星第二放送と呼ばれたころ放送された、さくらカード編の続きのお話なのは、知られているですよねです。


 エリオルくんが引っ越していったあと、取り壊し中の家に謎のカードが出てきてと始まるのだが・・・・です。
 いきなりの桜ちゃんの活躍は、新たな敵の出現{netabare}??と思いきや、知世ちゃんのいつもの趣味だったのは、このアニメらしいと思うし、{/netabare}ファンにはたまらないシーンだったのでは!だったです。

 小狼くんの告白から、意識するようになる桜ちゃん、恋する女の子という感じで良い感じです。
 一番最初のシーンを通して、小狼くん、苺鈴ちゃんの登場は、わざとらしい気もしないでもないけど、運命みたいな気がしたです。いろいろ気を使う苺鈴ちゃんも何かいいです。
 ケロちゃん、桃矢くん、雪兎さんの面々も相変わらずです。

 このアニメの見どころは、やはり桜ちゃんの想いだったと思うです。{netabare}そこに最初に出てきた謎のカード、無のカードが大きく関わりを持つという訳です。
 それ以外も、桜ちゃんと小狼くんのケロちゃん、桃矢くん絡む面白エピソードも必見です。

 身の回りの変化(ジョジョ第4部に例えると虹村億泰のザ・ハンド能力みたいな形跡)に気づく桜ちゃん、その真相を知ったときに取らなければならない行動と末路に苦悩する桜ちゃん。大変な事態になったとき、無のカードと向き合い{/netabare}最後の決断するです。思わぬ奇跡が起きた時、感動だったです。「これでいいのだ!」です。{netabare}あの最後の桜ちゃんの行動、大胆だったけど、大丈夫かなぁだったです。


 リバイバル上映よりも先に、初めてこのアニメを見たときに気づいたこと!。もしかしたら、もうとっくに知られていることかもしれないけどです。
 無のカードを桜ちゃんが追うとき、知世ちゃんがいつの間にか、どこからか??桜ちゃんの衣装を持っていたところです。小狼くんのまでもあるです。そのシーンの直前には、どこにも持っている形跡がないのに突如出てきた衣装??。知世ちゃんスカートの中にでも隠していたのか?なぁです。


 つい最近までこの劇場版が、アニメにおける「カードキャプターさくら 」の最終回だと思っていたです。十数年後に続きが、あるとは!です。{/netabare}

                    
                    2017.12.30 +

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

夢の続きへジャンプ♪

劇場版2作品目。アニメ版70話の後の最後の作品。

小狼は自分の精一杯の気持ちをさくらに告げるが・・
さくらはまだ小狼への返事を言葉に出来ずにいた・・
全てのカードが揃った事で小狼は香港に帰国する。

その後のさくら達が6年生の夏休みを迎えた時の物語。


友枝町の「なでしこ祭」でクラスは劇を行う事になり、
劇の練習をしていたさくらは、エリオルの家の跡地
で小狼と苺鈴に遭遇するが・・やはり・・なかなか
小狼に上手く返事ができない・・

そんな時・・街では色々なものが次々に消えていく
という奇妙な現象が起こっていた。

全52枚のクロウカードの他にまだ1枚・・封印されて
いたカード・・無のカードの封印が解けてしまった。

異変を止めようとするさくらだったが・・相談した
エリオルからカードを封印するには代価が必要だと
聞かされる・・その代価とは・・「大切な人への想い」

動揺するさくら・・そして知世、苺鈴、ケルベロス・・
ユエも次々と姿を消し・・小狼も見失ってしまう・・

はたしてさくらはカードを封印し無事解決できるのか・・
それとも「大切な人への想い」を代価に皆を救うのか・・

流石に70話終了後のお話なので、とても明るい雰囲気
かな? 所謂アフターストーリーみたいな感じ?
序盤なんか本当にラブコメしちゃって可愛いです♪
ラスボスは兄?という程狙いすました登場結構笑えた♪

それだけに中盤以降や終盤は良い感じだった。

ラストは出来過ぎな感じだけど視聴層を考えると最高♪



木之本桜(丹下桜)
李小狼(くまいもとこ)
ケロちゃん/ケルベロス(久川綾/小野坂昌也)

大道寺知世(岩男潤子)
李苺鈴(ゆかな)
木之本桃矢(関智一)
月城雪兎(緒方恵美)
木之本藤隆(田中秀幸)

無のカード(坂本真綾)
柊沢エリオル(佐々木望)
スピネル(冬馬由美)

大道寺園美(伊藤美紀)
観月歌帆(篠原恵美)
佐々木利佳(川上とも子)
柳沢奈緒子(本井えみ)
三原千春(松本美和)
山崎貴史(宮崎一成)
寺田良平(小西克幸)

62話以上に真赤な小狼が見れるのか?

同時上映は「劇場版 ケロちゃんにおまかせ!」約10分。
※ケルベロス(ケロちゃん)とスピネル(スッピー)を
主役とした上映時間約10分の短編ギャグストーリー。

すてきですわ、さくらちゃん!
知世のカードキャプターさくら活躍ビデオ日記!(OVA)
※DVD等の購入特典として収録されている短編アニメ。
1・2・スペシャルの3作品がある。1作品5分程度。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

64.6 4 遊園地アニメランキング4位
名探偵コナン 天空の難破船(ロストシップ)(アニメ映画)

2010年4月17日
★★★★☆ 3.7 (264)
1643人が棚に入れました
世界中を股に掛けて宝石を狙う怪盗キッドのところに、彼との対決に執念を燃やす大富豪・鈴木次郎吉からの挑戦状が舞い込む。世界最大の飛行船ベルツリー号の宝石“天空の貴婦人”を盗んでみろという次郎吉の申し出を知らされ、コナンや蘭、小五郎も駆けつけるが……。

声優・キャラクター
高山みなみ、小山力也、山崎和佳奈、山口勝平、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、緒方賢一、松井菜桜子、堀川りょう、宮村優子、永井一郎、石塚運昇、優木まおみ、大橋のぞみ、大友龍三郎、中田浩二、大矢兼臣、小山武宏、小川真司、茶風林、井上和彦、湯屋敦子、千葉一伸
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

怪盗キッド登場3作品目

本作は銀翼の奇術師以来3回目の怪盗キッド登場作品である。キッドが登場する作品は、ハングライダーを見せたいのか、空が舞台の映画が多い(とはいえ2/3だが)。
本作から毛利小五郎の声優が小山力也に変わった。また、著名人によるゲストは、大橋のぞみ、優木まおみが出演。
前作からの反省か重要な役は演じない。(優木まおみの役には名前も無い)
原作では自称怪盗キッドのライバルでお馴染みの鈴木次郎吉が映画に初出演。

以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
東京都西多摩市の国立東京微生物研究所が、7人組の武装グループに襲撃される事件が発生。武装グループは研究所に厳重保管されていた殺人バクテリアを強奪、研究所を爆破して逃走した。

翌日、警視庁での記者会見の最中にテロ組織「赤いシャムネコ」から「殺人バクテリアを手に入れた。7日以内に次の行動を起こす」との犯行声明がインターネット上に流される。

時を同じくして、鈴木次郎吉がまたもや怪盗キッドに挑戦状を叩きつけた。鈴木財閥が建造した世界最大級の飛行船「ベル・ツリーI世号」に収めたビッグジュエル「天空の貴婦人(レディー・スカイ)」を盗んでみろというのが今回の挑戦。制限時間は東京を出発する13時から大阪に到着する19時までの6時間。キッドからは「夕方、飛行船が大阪市上空に入ってから頂きに参ります」との返事が届いた。

赤いシャムネコの犯行予告期限の7日目、飛行船は次郎吉の招待を受けたコナン、蘭、小五郎、少年探偵団、さらに中森警部ら刑事と独占取材陣たちを乗せて離陸した。ところが、各々が遊覧飛行を楽しんでいた矢先、赤いシャムネコから「殺人バクテリアを船内にばら撒いた」との脅迫電話が次郎吉にかかってくる。喫煙所を調べると、ソファーの下に赤いシャムネコのアンプルが発見された。その直後、乗客と乗務員の2人に感染症状である発疹が発生。さらに船内に侵入した赤いシャムネコによって飛行船がハイジャックされ、船内に爆弾を仕掛けられてしまう。爆弾が爆発すれば乗客・乗務員全員が犠牲になる。そして、大阪上空で飛行船が爆発して細菌が飛散した場合、関西圏の1000万人の人々が感染の危機に晒されることになる。

テロリストたちの目的は一体何なのか? そしてコナンとキッドの対決はどうなってしまうのか。
{/netabare}

物語が飛行船内で展開され、ハイジャックのスリルが味わえる本作だが、キッドとコナンが仲が良すぎな気が・・・(戦略的互恵協定だろうけれども)
キッドが登場する作品はいつもキッドにオイシイ場面をもっていかれ、コナンは地団駄を踏むわけだが、本作はそんなキッドの「まじっく快斗」の顔である、少しドジな一面も伺える。
服部も2作連続出演し、3人が協力し活躍するのは私は好きである。また、最近あまり取り上げられない新一と蘭の色恋沙汰もきちんとあって、盛りだくさんな作品だ(相変わらずコナン無双のシーンは存在する)。

総評としてはコメディ要素が強く色々詰め込んでいて面白かったが、肝心の推理が今一つ。
犯行の動機も・・・{netabare}仏像盗む為に何をしているのこいつ等は{/netabare}

キッドが好きな人にはお勧めです。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ハイジャックだと劇場版ぽい

世界中を股にかけて宝石を狙う怪盗キッドは、名探偵コナンにとっても手ごわいライバルだ。そのキッドとの対決に執念を燃やす大富豪・鈴木次郎吉が挑戦状を叩きつけた。世界最大の飛行船ベルツリー号に収めた宝石“天空の貴婦人”を、盗んでみよというのだ。制限時間は東京から大阪に着くまでの6時間。小五郎と蘭、コナン達少年探偵団も飛行船に招待されて乗り込んだ。コナンは護れるのか?キッドは盗めるのか?大空を舞台に頭脳戦が始まったまさにその時、謎のテロリスト「赤いシャムネコ」が飛行船を襲う!果たして、ハイジャックの目的は? キッドとコナンの対決はいかに!?というあらすじ。


バイオテロ目的なのか最近を奪った集団と園子のおじさま飛行船VSキッドやで。
相変わらず紛れているキッドがかっこいい活躍。いつものことながら凄い飛び降り。
片や空の上でテロリストと戦い、片や地上から色々画策して事件を解決していく。{netabare}ヘリコプターで上空へ。警察カップルもまんまと騙された。新一=キッドという勘違いが{/netabare}

{netabare}実は細菌は嘘で赤くなるのは漆のせいだったというオチ。用意周到やな。仏像窃盗カモフラージュということまで。最初に被害者を装うのがボス。仲間が潜んでいるというかコナンに近い関係以外はテロリストじゃん笑。裏切りとは切ないねえ。六甲の夜景は良いすね。それにしても低空飛行。{/netabare}

規模が比較的大きい事件だと劇場版らしい感じがしますね。
ラストは蘭姉ちゃんと新一と勘違いされたキッドがキスしそうになる。まさかそこで違うことがばれるとは。彼女はさすがやな。お尻か


主題歌はGARNET CROWでOver Drive。コナンにGARNET CROWが欠かせなくなったのはこのくらいからかな。あの声が絶妙よな。
歌詞が作品の内容に合うかは??一応、空の話しているから合っているか

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

えぇっ!蘭ちゃんがキッドと・・・!

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第14作目。

巨大飛行船を舞台に、コナンと怪盗キッドの凸凹コンビが大活躍する話です。
そして地上では、平次と和葉ちゃんが活躍します。

ネタバレになっちゃいますけど、{netabare}本作では一人の死者も出ません。なので、殺人事件が苦手な人でも{/netabare}安心して視聴する事が出来ると思います。

物語としては謎解き要素より、アクション要素の強い作品です。
コナンとキッドの凸凹コンビは相変わらず面白いです。
平次と和葉ちゃんのコンビも面白いです。

ラストに、蘭ちゃんとキッドの“ドッキリ”シーンがあります。
蘭ちゃんファンなら、誰もが目を覆いたくなるようなシーンなのですが、我慢して必ず最後まで見て下さい。
{netabare}思わず笑ってしまいますから!{/netabare}

しかし、いつも思うんですけど、コナン君、怪盗キッドを捕まえる気はサラサラ無いですよねぇ?
義賊であるキッドを認めているとか、『コナン=工藤新一』である事をバラされたくないとか、たまに新一の真似をして貰って助けて貰っているからとか・・・。どちらかといえば、キッドとの知恵比べを楽しんでいるとしか思えないんだけど・・・。

主題歌はGARNET CROWのOver Drive。名曲です。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

74.6 5 遊園地アニメランキング5位
クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(アニメ映画)

1996年4月13日
★★★★☆ 3.9 (262)
1625人が棚に入れました
しんのすけたちは幼稚園の春の遠足で、新しくできたテーマパーク“群馬ヘンダーランド"へ出掛けた。ふとした拍子にみんなとはぐれたしんのすけは、サーカス小屋のテントに迷い込み、そこで檻に入れられた可愛い女の子を見つける。彼女はメモリ・ミモリという異次元王国ヘンダーランドの王女で、オカマ魔女のマカオとジョマによって閉じ込められてしまったのだった。王女を助けようとしたしんのすけだったが、オカマ魔女の手下クレイ・G・マッドとチョキリーヌ・ベスタの妨害にあい、人形のトッペマ・マペットの助けを借りてその場から逃げ帰るのが精一杯だった。トッペマは魔女の魔法のトランプをしんのすけに託し、ヘンダーランドを救ってほしいと助けを求める。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『この馬鹿ブタ……、脳みそあるのか…。』『…少し………。。。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第4作。
1996年公開。


【前置き】

「ヘンダヘンダよ~~♪、ヘェエンダ~~ランドォ~~♪」

本作をよく覚えていなくても、このフレーズは記憶にある方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

劇場版第4作は、前作の戦国時代を描いたものから一変、シリーズ屈指のファンタジーをド直球に描いた作品となっております。

ちなみに、第1作から監督を務め脚本にも手をくわえていた本郷みつるさんは、本作以降は監督を降板。
(16作のみ再び監督をされますが。)
次回作以降は、これまで脚本を務めていた原恵一さんに監督をバトンタッチするのでした。


本作の魅力としては、しんちゃんらしい笑いも勿論なのですが、直球なファンタジー性に隠れた『敵が忍び寄る恐怖』の描き方もまた良いんですよね。

あと、個人的に大好きな「ぶりぶりざえもん」が、シリーズ内でも一番彼らしい快演をするという点に置いても、イチオシです。



【あらすじ】

しんちゃん達ふたば幼稚園のメンバーが、群馬に新しく出来た「ヘンダーランド」という遊園地に遠足で向かいます。

しかし実はそのヘンダーランドは、異世界に住む2人のオカマ魔女『マカオ』と『ジョマ』が潜む城であり、元いたヘンダーランドの住民を支配した彼ら……(汗)いや彼女らは、この現実世界をも支配しようとしているのでした、というストーリー。



【論じてみる】
{netabare}
冒頭は、ふたば幼稚園のいつものメンバーで遊園地を楽しむシーンが続きますが、考えてみればふたば幼稚園のメンバーが映画でこれだけ絡むのは本作が初めてでしたね。

本作では、いつものメンバーにさりげなく一緒にいるバラ組のチーター君が良い味を出してました。
運動能力抜群で高飛車な言動が目立つ彼ですが、風間君にも冷静なツッコミを入れられる園内でも一番の常識人な気がしました。

先生達も皆、本編以上に良い味を出して笑わせてくれます。
特に好きなシーンは、アトラクションで檻に入れられた園長先生に対し、よしなが先生がうっかり

「園長先生、よくお似合いですわ。」

というところですね、酷い言い草ですwww

あと、まつざか先生がそのグラマラスを全面に出した格好で、園内の『猿』を虜にして、冷やかされるシーンも好きでした。
ここでも、よしなが先生が

「お猿さんの電話番号聞いた?」

と、いじり倒します。
ここで

「うっかりしてて聞きそびれたわ(怒)」

と返す辺り、まつざか先生もシャレが利いてますね。
仲のよろしいことで。



本作は、(個人的に見てですが)笑いの質がシリーズ中でも高く、「笑いたいなら本作を!」と押したくなるのですが。
もう一つの魅力として、私は敵キャラの雪だるま

『ス・ノーマン・パー』

の、異質で不気味な存在感を押したいですね。

遠足の途中、園内で偶然出会う人形「トッペマ・マペット」から、ヘンダーランドの真実と、魔法のカード「スゲーナスゴイデス」を受け取るのですが、これを取り返しに来るのが、この「ス・ノーマン・パー」なのです。

見た目は、誰でも描けそうなぐらいの、まさに絵に描いたような雪だるま。
江戸っ子染みた言葉遣いと、明朗活発な応対で他者に取り入るのが非常に上手く、不審に気付いたしんちゃんを尻目にドンドンと周りの信頼を勝ち取っていき、しんちゃんに忍び寄ってきます。

そして、いざ本性を見せるとシリアスかつドスの効いた声色で、しんちゃんを脅しつけてくるのです。

これは、声を担当された古川登志夫さん(うる星やつらの諸星あたる等)の絶妙な使い分けが、凄まじいギャップを醸し出すことに成功しているのだと思いますね。
加えて、顔がシンプルで表情に乏しいのが、余計に相まって恐いのでした。


しかし、そこに現れたのが、カードの力で登場した「アクション仮面」「カンタムロボ」、そして救いのヒーロー「ぶりぶりざえもん」。
彼らが出てきたことで、妙な安堵感を憶えました。

家が壊れたり火事になるのをお構いなしに攻撃を繰り広げる2人。
そして、それを尻目に寝返る、ぶりぶりざえもん。

その目に余る行動から袋にされ、あげくヒーローである2人から

「このバカ豚……」
「脳みそあるのか……」

などと、およそヒーローらしからぬ暴言を吐かれるも、

「少し……。。。」

と返すしか出来ない、ぶりぶりざえもん。
やはり、ぶりぶりざえもんがいると笑いのクオリティが飛躍的に上がりますね。
他にも定番の、

「私は常に、強い者の味方だ。」

「救い料1億万円、ローンも可。」

こういった彼の言動や行動、そして渋さと情けなさを兼ね備えた声。

「ぶりぶりざえもん」は、私がクレヨンしんちゃんを大好きたらしめた要因だと言っても過言ではないです。
{/netabare}



【しんちゃんの成長が見える終盤】
{netabare}
終盤、これまた不気味なマリオネット人形と、両親を入れ替えられたしんちゃん。
2人を救う為一人で、埼玉から群馬のヘンダーランドに向かいます。

ここでのしんちゃんは、とても5才児とは思えない一面を見せ、最後にトラックで送ってもらったオジサンからは

「しっかりしてるねぇ…。」

と言われるほど。
いつも呆けているしんちゃんですが、実はちゃんと出来る子なんですよね。

負傷を負ったトッペマとの一連のシーンでも、それを横で見ていたひろしはこう言います。

「みさえ…、今俺達の息子が少し大人になったところだ……。」

大人になって見返すと、しんちゃんの視点から見ていた本作が、いつの間にかひろしとみさえの視点になっていて、しんちゃんの成長になんかちょっとホロッときちゃいました……。


ただ、やっぱり最後はクレヨンしんちゃん。
最終戦の、JOKERのカードを奪い合う

『野原一家VSマカオとジョマの追いかけっこ』

は、劇場版屈指の面白さでした。

特に、ひろしが投げたカードを必死に追いかけたマカオが手にしたのが、実はひろしの名刺だったとところは爆笑しちゃいました。

360度の如くグルングルン回る勢いのある作画も、非常に見映えがあり凝ってるなぁ~と思わせてくれますしね。
{/netabare}




【総評】

シナリオとしては正直、いつも以上にご都合主義が見える点は残念なところ。
魔法を使えるカードはトランプ分の枚数ありチートレベルだし、対してヘンダーランドを根城にしているマカオとジョマは城の中では魔法を使えない謎設定。
その倒し方も含めて、首を傾げてしまう点は多いです。

子供向けだからと逃げるのは簡単ですが、大人が見ても面白いと評価される初期しんちゃんシリーズなので、そこは厳しめに……。。。

しかし、見た目の強烈なマカオとジョマと、見た目とは裏腹に圧倒的な存在感を放つ「ス・ノーマン・パー」の印象値。
そして、ぶりぶりざえもんを始めとした室の高いギャグは、それを差し引いても十分に余りアリ!!


あと、雛形あきこさんが歌う「SIX COLORS BOY」という主題歌は、シリーズの中でも大好きな曲で、今でも聞いています。
実は作中でもイチイチ本人登場してますしね。
(毎回言うプロフィールのせいで、お雛が「A型の水瓶座」って覚えちゃったよwww)


あぁ…、総評と言いながら語りたいことが溢れ出ちゃいますね。
笑いのクオリティと、密かに迫る恐怖が魅力な、そんな作品がヘンダーランドです。


ではでは最後は、ヘンダーランドのCMにちなんで、

『嘘だとっ♪ 思うなら♪ ちょぃと見ておいでぇ~えぇ~えぇ♪』

読んでいただき、ありがとうございました。


次回作は、第5作「暗黒タマタマ大追跡」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ス・ノーマン・パー』声 - 古川登志夫さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『トッペマ・マペット』声 - 渕崎ゆり子さん



以下、低俗な駄文なので〆ます。
{netabare}
作中に登場する、これまた劇場版キャラで高い人気を誇るヒロイン、トッペマ・マペット。

愛らしい見た目と声や意外と勝ち気な面も含めて、魅力たっぷりなキャラクターです。


なにより、ゼンマイで動く人形である彼女は、動きが止まると…なんと


『ケツにゼンマイを差し込み、捻り込む』


という手法で、復活するのです。


久しぶり本作を見返した私の、新しいお気に入りのシーンとなりました。

本当にありがとうございました。


コレは……、初心者は真似しちゃいけないぜ…(*´Д`)ハァハァ
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 21
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

変だ変だよ、ヘンダーランド!ウソだと、思うなら、ちょいとおいでぇ~~♪

1996年公開の劇場版クレヨンしんちゃん・第4作目の作品。

クレヨンしんちゃん大好きな友人が
「これは完璧なクレしん映画!」と絶賛していました。

私はこれまで「オトナ帝国」しか見たことがないのですが、

「オトナ帝国」は大人の方が受けがよさそうなのに対し、
こちらは大人も子どもも楽しめそう。

ただ、この作品の魅力はそれだけではありません♪
なるほど、友人が絶賛するのも納得でした。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
群馬県に新しくできた遊園地、“ヘンダーランド”。

幼稚園の遠足でヘンダーランドに行ったしんのすけは、
みんなからはぐれ、テントに迷い込む。

女の子の人形、トッペマ・マペットと出会い、
ヘンダーランドの正体は、オカマ魔女の城であることを知る。

オカマ魔女はトッペマの故郷を征服し、
次は地球の征服を企んでいた。

「スゲーナ・スゴイデス」と唱えると何でも願いが叶う魔法のトランプを使って、
オカマ魔女の野望を阻止してほしいと頼まれるしんのすけ。

しかし、怖さからそれを断り、
トッペマと決別してしまう。

トッペマが去った後、
しんのすけの手元には魔法のトランプが残されていた。


あらすじから察するように、
ゴールはオカマ魔女をやっつけることなんだけど、

しんのすけが協力を断るなど、
本題に入るまでの伏線や寄り道がなかなか面白いです。

ひとつの展開をダラダラ続けないので、
見ている方も飽きませんでした。
 

≪ クレヨンしんちゃんの面白さ ≫

たくさん見てきたわけではないので、
あくまで個人的な印象ですけれど。

・しんちゃん個人のハチャメチャさとギャグ。
・幼稚園の友だちの幼稚園児らしくない可愛げのなさ。
・時々年相応さを見せるしんちゃんの可愛さ
・野原一家への親近感と、いざという時には腹をくくるかっこよさ。
・しんちゃんに振り回されたり影響を受けたりしたキャラの、キャラ崩壊。

こんな魅力があるのがクレヨンしんちゃんという作品なのかなと、
この作品を見ながら考えていました。

そしてもちろん、
この作品ではどれもしっかりと味わえます♪

ちゃんとしんちゃんの魅力を詰め込んでいるからこそ、
しんちゃんファンからの支持も厚いのでしょう^^


≪ 見事!な伏線たち ≫

どの作品でも仕掛けはあるものですが、
この作品の伏線は見事でした!

「ああ、あれが伏線になっていたんだ。」と気付くと同時に、
「なんてきれいな伏線!」と感心させられるものばかりだったのですよ。

例えば…
{netabare}
オカマ魔女が「クールな男になりなさい。」とかけられた呪いで、
王子は雪だるまになっていた。確かにクール!
{/netabare}

{netabare}
「いつまでも幸せに暮らすなんてありえない。」
「おとぎ話なんて子供だましだ。」と騒ぐしんちゃんたち。

だけどそれが一番のハッピーエンドであることに、
文句のつけようがなくなるオチ。
{/netabare}

などなど…。

私は夢を感じられたので、
オチへの伏線が一番好きでした♪


● 作画
ラストシーンの、
オカマ魔女と野原一家の追いかけっこは名シーンだと思います。

追いつかれたらどうしよう!なドキドキなシーンのはずなのに、
面白くて笑えるってどういうことww

野原一家の常人離れした動きもだけど、
細かなギャグが散りばめられていて、笑いっぱなしw

作画がきれいだとか、動きが滑らかだというわけではないけれど、
このシーンは魅了されました。

ああ、あとは野原一家の阿波踊りの情熱にも魅了されましたw


● 音楽
【 OP「パカッポでGO!」/ 野原しんのすけ(矢島晶子)】

久しぶりにこの曲聴きましたが、
今聴くとすごく好きなんだけど。笑

歌詞のぶっ飛び具合は、
子ども向けとしてNGと言われてしまうのも納得ww

しんちゃん声で歌う矢島さんのすごさに脱帽しました。
しかもうまいし。改めて、すごいわ。

OPのクレイアニメもすごかった!


● まとめ
しんちゃんファンの友人が絶賛してたから見てみましたが、
確かに脚本が完璧だというのは納得でした。

間延びさせずに時間を展開に有効に使う。
ファンタジーあり。
キャラの個性をちゃんと見せる。
シリアスな場面もシリアスすぎない。
一つの場面の緩急のつけ方が完璧。

そして、大人も子どもも楽しめる!
しんちゃんシリーズが長年愛される理由がわかりました。

今のところ、劇場版クレしん全部楽しめているので、
このまま他の劇場版も楽しみたいと思います^^

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

しんちゃん映画の醍醐味

しんちゃん映画といえばなんといっても「オトナ帝国」という意見も勿論わかる。私も大好きな作品だからだ。しかし、初期からこのシリーズを見続けた者としては、本作を個人的には推したい。


 しんちゃん映画の醍醐味とは、それはタイトな時間の中に集中した笑い、アクションというエンターテイメント要素だろう。ホロリとさせるところや、テーマ的なところがあっても勿論良いが、そこはメインではあるまいて。ジャンル映画の割には感動やテーマ性も備えて立派だから評価しようみたいな考え方は、ジャンル映画を、エンターテイメント魂を、しんちゃん映画を低く見た考えであると断言したい。


 本作ではホロリとさせるところは本当に慎ましいが実に効果的に作用している。それはトッペマが魅力的だからだよぉ~!。しんちゃん映画に限らずドラえもん映画でも毎回ゲストキャラが登場するのはお約束である。そういったキャラたちでも、メインキャラと肩を並べるくらい魅了的なキャラが登場すると、断然1話限りの物語に対する熱中度が変わる。


その点、魅力的な脇役を多く輩出したしんちゃん映画の中でもトッペマは特に印象的。デザイン的にも簡素でスッキリしなながらもセンスが光り、アクションも格好良く、萌えに走らない自然な可愛さがあり、あの戦いの後のシーンの悲しさと切なさ、そしてちょっと驚きのラストまで備えている素晴らしさ。


 敵役のマカオとジョマも素晴らしい。二人との世界を賭けたババ抜き対決、その後の追いかけっこの活劇の素晴らしさは、記憶に残るアニメ名場面の一つとしたいくらい。ギャグでは、アクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんが勢ぞろいという豪華さ!。そしてちょっと怖い、他のしんちゃん作品にはあまり見られない静の描写まである。


 短い時間内でいかにお客さんを楽しませるか?、エンターテイメントとは何か、ここまで考えて努力してこそ真に人の心を打つ物になる。海原雄山の「人の心を感動させうるのは、人の心だけなのだ!」という金言が胸に響く。感動させますよ~って姿勢は、全否定しないけど如何なものか、という感じである。特にしんちゃんだとね。
いいね!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 9

67.0 6 遊園地アニメランキング6位
だれかのまなざし(アニメ映画)

2013年2月1日
★★★★☆ 3.9 (304)
1385人が棚に入れました
就職を機に一人暮らしを始めた社会人2年生の岡村アヤ、通称「あーちゃん」と、お父さん、お母さん、猫のミーさんが織りなすストーリー。野村不動産グループ「プラウドボックス感謝祭(2013年2月)」のオープニングフィルム。

声優・キャラクター
平野文、花村怜美、小川真司、遠藤璃菜、下崎紘史、石嶋久仁子、藤原由林
ネタバレ

はなび@虹色 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

忘れてしまっていた気持ちを思い出させてくれる作品です。

私なりに考えてみた、「だれかのまなざし」を楽しむための見どころ

・「生活感を醸し出す、日常の場面描写の細やかさ、巧みさ」
・「成長するにしたがって離れていく娘と父」
・「忘れてしまっていた気持ちを思い出す」

総評としての感想です。

劇場公開された「言の葉の庭」と同時上映された、
新海誠監督が制作した、7分44秒の短編アニメです。

現在は、新海誠さんのHPで無料公開されています。
http://shinkaimakoto.jp/manazashi

私はどうやら新海誠監督の作品に弱いみたいです^^;
優しい映像と語りと音楽、そして思い出補正にやられて、
たった7分の映画なのに涙がぼろぼろ。

この作品は大人向けの作品という感じがします。
とくに、社会人として一人暮らしをしたことがある方向け。
それ以外の人が楽しめないということはないですけど、
一人暮らしの経験がある人とない人とでは、
こみ上げてくる思いの深さがやはり違うんじゃないかなと思います

父と娘の愛情を描いた、
とっても、やさしい作品です。大好きです。

{netabare}
・「生活感を醸し出す、日常の場面の描写の細やかさ、巧みさ」

新海誠監督の作品ということで、
日常の描写がほんとうに細やかで繊細です。

一人暮らしの部屋の場面では、
脱ぎ捨てられた服、干しっぱなしの洗濯物、
積み重ねられたダンボール、ぬいぐるみ、
一つ一つを丁寧に描いて、
見事に一人暮らしの女性の生活感を演出しています。

もう一つ、私が唸ったのは成長の見せ方。
幼少期を描く際に、周りにつみ木や絵本を描き、
思春期に成長した次のカットでは、
iPodやヘアスプレー、ファッション雑誌などを描くことで、
生活の変化と同時に成長をも実感させる描写がうまいです!

日常の描写の細やかさ、巧みさはやはり非凡です。


・「成長するにしたがって離れていく娘と父」

成長していく過程で、
あーちゃんはお父さんからじょじょに離れていき、
お父さんはあーちゃんが自分から離れていくこと自体が、、
娘の成長だと喜びつつも寂しさを感じている・・。

ミーさん(語り)
親友として、ときには、母親代わりとして、
あーちゃんの成長を見守り続けて、
あーちゃんが成長してからは、お父さんのそばにいて、
家族を見守り続けていてくれた存在なんですよね。
平野文さんの語りがとにかくやさしいです。

あーちゃん
本当はお父さんのことが大好きなのに、
素直になれずにつれない態度をとってしまったり。
本当にいつからなんだろう。
子供の頃は確かに「私がお父さんを守る」って思っていたのに、
いつしか距離を置くようになってしまうのは。
本当はお父さんのことが大好きなのにね。

お父さん
あーちゃんに絶え間ない愛情を注ぐお父さん。
でも、父親からすると、思春期を過ぎた娘と接する時って、
どこか気軽に入っていけない壁のようなものが見えて、
距離を感じてしまうものなのかな。
家族なのに、愛しているのに、心の距離を感じてしまった時、
やっぱり、ものすごい寂しさを感じてしまうんじゃないかな。
お父さんって、辛いよね・・。お父さん。


・「忘れてしまっていた気持ちを思い出す」

でも、そんな2人をずっと見守ってくれていた存在がいたんです。
ひっそりと。でも、しっかりと。

それがミーさんだったんですね。

ミーさんは最後に、離れてしまっていた娘と父の気持ちを、
近づけて繋いでくれたんじゃないかと思います。

お父さんのために料理を作っていたあの瞬間、
あーちゃんは確かに思い出していたんです。

以前、学生の頃にお父さんに料理を作ってあげた時のことを。
お父さんのことが本当は大好きだということを。

それを思い出すきっかけをくれたのは、
他の誰でもなく、ミーさんだったんですよね。
そのことに、あーちゃんもお父さんも気づいていたんですね。

私、もうこの場面で号泣です。泣きまくりです!
{/netabare}

この作品は「大人向け」と先ほど申しましたが、
「忘れてしまったもの」がある大人の方が見てこそ、
この作品は「思い出させてくれる」んじゃないかと思うんです。

だから、社会人の方に見て欲しいなって。
あと、今まさに一人暮らしをしている方、
あるいは、これからしようとしている方に見ていただけると、
感動できる、深い思いがこみ上げてくる作品じゃないかなって思います!

投稿 : 2024/05/04
♥ : 43

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あなたを支える…まなざしがそこにある|д・)ジー

◆新海誠監督作品 映画「言の葉の庭」と同時上映公開された
上映時間約6分半のショートフィルム作品…〆⊱*•ω•*⊰


どこか近未来的な色合いを含んだ街並み…
その先に映る淡く儚げな夕映えのコントラスト

この街の灯り一つ一つにも…きっとどこかでまた
今日も人々の暖かい営み、そして優しい時間で溢れていることでしょう☆*―



よし! あらすじはこんなとこで(o´Д`)Фフゥw
毎度毎度w 全くあらすじになってなくてかたじけねぇ(*;ω人)ゴメンネ…

えー、まず今作も
”あにこれ”に登録したがゆえ出会うことのできた作品でして
ご紹介頂いたたくさんのあにこれユーザーの皆さまには
あらためてお礼の意を申させて頂きます(人´∀`)


本作はたった6分強の短いショートフィルム作品ですが、
人情溢れた暖かい想いがいっぱい詰まっている作品でして
何分この手の作風に弱い私ですが、物の見事に、物の数分で…
思わず涙の垂れ流し状態に…。゚(゚´Д`゚)゚。”ヾ(・ω・`)ハナミズフイテネw

それくらいあっという間ににスゥーーっと気づけばそこに映る人々の
心情、気持ちにすぐに感情移入してしまいました(´Д⊂


人って成長して大きくなって大人になっていく上で…
いいえ…大人になった今も尚
色んな”大切なこと”…たくさん忘れていってしまうものなんですネ…

“絶対守ると心に決めたあの約束”も、”必ず叶えてみせると誓ったあの願い”も…

移りゆく季節、日々の暮らしの中ですっかり忘れてきてしまうもの―
そんな”大切なこと”をあらためて思い出させてもらった作品でした♪

本作が近未来風な描写で描かれているのは、きっと…
現代の私たちにそんな大切な気持ちをいつまでも忘れないでいて欲しい
という想いが込められているからなのでしょうネ:*:・(*´ω`pq゛


時に、現代を生き抜く私たちって…
ついつい慌ただしい毎日に追われては
頑張らなきゃって(p`・ω・´q) そーやって一人自分を奮い立たせては
自分なりに精一杯の日々を過ごしてみたりするのだけれども…

でもそんなくたびれた時には
ちょっと目線を変えてみるのもいいかもです(´―`*)ウンウン

あなたが過ごしてきたその後ろ姿は
きっと喜びや悲しみや寂しさやたくさんの思いで溢れていて…

でもちょっと振り返ってみれば、きっと
気づくことができるでしょう!! そこにある…優しいまなざしに♡

あなたの頑張ってるその姿も、寂しさに堪えきれず思わず涙してしまったことも

全部私知ってますから(*´ω`) 大丈夫ですよヾ(・∀・`)

あなたを支える、…まなざしがきっとそこにはあるのですから―



ちょ、そこーーヾ(`Д´*)ノ!!!! w

これ”ストーカー”の話しじゃないんだからネッヾ(・ω・`) n[◎]コω<`)パシャ☆
書いてて何だか妙に感じてたんですけど…w
絶対違うんだからネฅ`・ω・´)っ=
今回は割と真面目なレビュver.のつもりなんですからッ(`・ω・´)キリッw

まー本作未視聴の方からすれば、
相変わらず今日もkazuyanラリってるなぁヽ(((`∀´≡`∀´≡`∀´))ノ✰ฺ。・゚・
と思われることと存じますが…w


とにかく私は本作を視聴しながら
私の膝の上でぬくぬくとくつろいでいる愛猫の温もりが
いつも以上に暖かく、そして何よりも愛おしく思えてきて
こんな時間をこれかも、もっともっと大切にしていきたいな~ッて
そんな風に思えた瞬間でした―

見る人の心が暖かくなれる♪
そんな暖かい気持ちで包まれた素敵なひと時でした(*˘︶˘*).。.:*♡


カプ麺食べ終える暇もないほどの時間で
あっという間に手軽に観れてしまう作品ですので、
まだ未視聴のそこのあなたもよろしければぜひ☆・゚:*(人´ω`*)


もしかしたらあなたの心にも忘れかけていた大切な何かを…
思い起こせてくれるかもしれませんネ꒰✩'ω`ૢ✩꒱

投稿 : 2024/05/04
♥ : 50

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

共感するということ

新海誠監督作品。ショートアニメ。
娘の自立と子離れを経験する父親を題材にした作品。

感動した!何度観ても泣いちゃう!っていう意見の多い作品です。
普段自分たちが表に出せない感情が生のままに表現されているところに共感するのでしょう。
誰もが通る道であり、普遍性を持ったテーマを扱った点においては新海さんの目の付け所は良かったのではないでしょうか。
でもね、まあ例によって僕は欠片も面白くなかったのです。ということで批判します。ごめんなさい。
でもまあ感情的に批判したりしないので大丈夫です。

上でも言ったように扱ったテーマはアニメの題材としてちょうど良いサイズのものだったと思います。
それが長編であれ、短編であれ。
じゃあ何がってその描き方に問題があると思いました。
一番の理由はそれに使われる言葉です。
この作品では、まったく肉の付いていない言葉の数々が鳴り響いているだけで、
それは一体誰の何を語っているのかまったく掴めませんでした。隣の家から漏れ聞こえてくるテレビの音のよう。
登場人物たちの言葉もそれは同じです。岡村綾って、岡村浩司って誰なんでしょう。顔も思い出せません。
そこにいるのは誰でも良いように、誰もがその主人公になれるように作ったのかもしれませんが、そんな当たり障りのない空っぽな作品は観る価値がありませんし、まず訴えかけてくるものもないから観ていても何も感じません。
テーマに関して共感はしてもそうだよなあと頷いてもその作品自体は死んでしまっています。なにも広がりはありません。

テーマ=作品ではないですね。テーマそれ自体は現実世界にごく普通に転がっているものです。
アニメーション作品ならば監督が、それをどう作品の中で、物語の中で扱うかということを最も考えなければならないと僕は思います。
ではそれを本作ではどのように見せたか?
テーマに関してはありきたりな世間一般が使う言葉で、逆に言えば誰にでも分かる言葉で、
変に作り手の顔を出さず仮面を被った言葉で終始語っていきます。
あとは新海監督持ち前の「綺麗な絵」と「だれかのまなざし」という題目で猫目線にするという、言ってしまえば小細工でそんな風に見せていただけなのです。
うーん。「これで感動して下さい、どうぞ」と差し出されても困ります。おもわず手で頭の後ろを掻いてしまうかも。

もうひとつは人を取り巻く環境です。
なんであんなにハイテクな時代で描いたのだろうと僕は不思議に思います。
中高生の若い視聴者の目を引くのかもしれないけれど。
電話や綾の乗る車なんかももっと僕らの身近にあるものを使ってこそ共感ってものがあるのではないでしょうか。
あの生活に実感がわかないから全然わかんないです。
いったい何のどこを描いているんだろうって不思議に思ってしまいます。
電話は携帯や子機、それか受話器にぐるぐるがついていて、車はトヨタのカローラで、
父のマンションも最近の「モダンな」均質化されたようなデザインではなく、
手垢の付いた、あるいはどこか住みにくそうなところがあってこそ実感があるんじゃないかなーって思うのですが。

こうした空疎な映像作品であるからこそ、誰もがそこに入っていけるからこそ新海作品の味なのでしょうか。
それともテーマを差し出して観た人がこれをきっかけにだったり、触発材としてここから想像させるのが目的なのでしょうか。

まあ僕がこんなところでねちねち何を言おうが一番惨めなのは僕ですからね。
支持があって人気があるのだから人によっては素晴らしいものなのでしょう。
それならそれで良いと思います。僕も誰もが嫌うものを好きであることは珍しくないから。
失礼があったらすみません。あでゅー。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

69.5 7 遊園地アニメランキング7位
名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)(アニメ映画)

2016年4月16日
★★★★☆ 3.9 (186)
1183人が棚に入れました
劇場版「名探偵コナン」20作目にあたる。

物語は動画にも登場したオッドアイの持ち主である謎の女性が、記憶喪失状態でコナンたちと出会うところから動き出す。

声優・キャラクター
高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也
ネタバレ

❣ユリア❣ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

20周年超大作!!黒ずくめ!公安!FBI!豪華ですね~(*´∀`)

☆映画20作品目☆
映画館にて試写です♪

今回はメインとして黒ずくめが出てくる話です☆

~あらすじ(予告参考)
全国各地で起きた連続スパイ暗殺事件
全ての鍵を握るのは、秘められし「記憶」!?

衝突する、探偵vs黒ずくめの組織vs公安vsFBI
聖域の扉の先にあるのは、真実か、偽りかー。


ともかくすごかったところ 感想
{netabare}
今回は安室と赤井も出てきて
特にその二人の戦いのアクションシーンがすごく迫力があり、カッコよかったです!
観覧車の裏?、観覧車の上、でやったり、ともかく黒ずくめに狙われているという危機にさらされながらの戦いがほんとにハラハラしました!!
そして、2人が一緒に出てきたのもレアたったのでとっても良くてお気に入りです!!

また、コナンの観覧車から色々な所に命懸けで乗り移るアクション?もすごかったです!
コナンが棒?に掴めそうで掴めない…落ちそう…!ってときに、赤井が助けたところは本当に
赤井ナイス!!!!カッコいい!!
と思いました☆
それで、よく死ななかったなぁと思いましたww

そして!!!
黒ずくめであったキュラソー!

最後のシーン、観覧車に閉じ込められた少年探偵団や皆を助けるため、海?に落ちて死んでしまった?と思えば、今度は命懸けでクレーン車で観覧車を止めたところ、本当に感動しました!!(命懸け…本当にそれで死んでしまったんですがね‥(泣))

黒ずくめを裏切ってw少年探偵団を守りましたね!
そして手には少年探偵団達からもらった、あのイルカを最後まで大事そうに持ってたなんて…!
とても感動しました…(´;ω;`)

というか、今回は以外と少年探偵団役にたったんですよねw

少年探偵団がいたことによって、キュラソーが黒の組織に戻ることを断念した
それにより、キールとバーボンの正体がばれなかった!!

さらに、観覧車が動いたとき、コナンたちだけでは止められなかったことを命懸けで、クレーン車で止めるのを手伝った
よって、少年探偵団は安室や水梨を救っただけではなく、水族館にいる、何万人?数千人の人たちの命を救ったことになる!!そして蘭たちも救ったことに!
つまり、少年探偵団はは世界を救った!!

ということになります☆


あっ、かと言って

少年探偵団すごいんですよ!私はほんと好きなんです♪お手柄ですよね~♪
って言いたいわけじゃないですよ!!w
少年探偵団を良い風にとらえると、そういうことになるだけなのでw
{/netabare}

~疑問点~
{netabare}
キュラソーの記憶が戻った時、ベルモットに
「あなたの携帯から送られたあのメールはあなた本人なの?」
みたいなことを聞かれました
あれは、コナンが偽装して送ったものでそれがバレたらヤバイ!
見ててハラハラしました!
でも、キュラソーは
「ええ、私よ。何か問題でも?」
と、コナン達をかばってくれました!実際はかばったのかどうかは分かりませんが…
キュラソー…(泣)ありがとう!!!

~疑問点その2~
赤井、よくあれだけ黒ずくめに姿見せといてばれませんでしたよね?あそこでバレたら原作にも影響してくるからなんでしょうけど…
あんなすごい狙撃者は赤井しかいないので黒ずくめにばれるのも時間の問題かなと思いました☆
{/netabare}
という感じで、今回はどちらかというと

アクションメインな感じで、カッコいい!
という場面が多かったかなと思います♪
いつもとは違う感じでしたが
アクション と捉えるととてもよかった作品だと思います♪


~追記、お気に入り♡~
{netabare}コナンが黒ずくめ達がいると思われる、東都水族館に向かうときに灰原が言ったセリフ
「行かないで‥」

ふいにコナンの腕を掴んで言った言葉です!
子供の姿だったのが少し残念でしたがwとてもきゅんとしました♡


~ちょっと笑えたところ~
コナンが工藤新一で、蘭からかかってきた電話に出て、話をしていたとき、東都水族館の音楽が流れて来たところ
コナンは黒ずくめの計画を阻止しようとしていてそんなことは全く気づきませんでしたが蘭に誤解されかねませんでしたねw
{/netabare}
~いつもの定番物の…~
{netabare}
阿賀博士のなぞなぞ!w
今回は以外と簡単だったかなと思いました☆
※興味ない人は飛ばしてくださいm(__)m
{netabare}
Qその色をまじりっけなしに塗り込んでいくと、変身してしまうものは次の4つのど~れじゃ
1赤色
2青色
3茶色
4黒色
A {netabare}茶色{/netabare}
{netabare}言い換えてみて、赤がまっ赤、青がまっ青、茶色がまっ茶、黒色まっ黒
茶色がまっ茶→抹茶になるということです☆
{/netabare}
{/netabare}

そして、何かしらある毛利小五郎の水にドボン!
毎回の定番でしたが…今回はありませんでした☆
というか、コナンや皆が危険な目にあってる時もず~っと車で寝ていました‥今回は何もやっていませんでしたね…(  ̄▽ ̄)
{/netabare}
主題歌はB′zさんで「世界はあなたの色になる」です
5年ぶりの映画主題歌書き下ろしだそうです☆
ぜひ聞いてみてください♪

最後に…
コナンはリアルに考えると死んだのは2回ですかね?
{netabare}観覧車ごと、真っ逆さまに落ちたところ
観覧車から棒?までベルトで伸ばして飛んで、乗り移ったところ
{/netabare}
今回はコナンよりも他の人達(安室、公安の人など)の方がよっぽど危険だったと思いますw


そして来年は平次が登場!
世良、キッド、黒ずくめ!
と来て平次ですかw
どんなのになるかはまだ分かりませんが
来年も楽しみにして見たいなと思います♪

投稿 : 2024/05/04
♥ : 12

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【コナン×公安×FBI×黒の組織】の直接対決が初めて描かれる20周年に相応しい一大スペクタクルムービー

劇場版『名探偵コナン』シリーズ第20作目(『ルパンVSコナン』は除きます)
監督は『沈黙の15分』以降お馴染みとなった静野礼文
脚本は『絶海の探偵』と『業火の向日葵』の櫻井武晴
劇場版では初めて安室(公安)と赤井(FBI)が題材にされ、また原作やテレビシリーズに先立って黒の組織のNo.2と目される‟ラム”自身が登場します


警察庁で極秘に管理されていた世界各地のノックリスト(スパイリスト)を盗み出した黒の組織の女性工作員
自身も黒の組織に潜入捜査しているバーボン、こと安室透は逃走する女を追跡しカーチェイスを繰り広げる
そこにFBIの赤井秀一も乱入し大事故の末に女は海に転落する
翌日、記憶喪失になってしまいノックリストの行方や自身が黒の組織の一員であることを忘れてしまった女は偶然にもコナン達に保護される
女の記憶を取り戻してあげようと奮闘する少年探偵団だったが、灰原哀は女が黒の組織の‟ラム”である可能性を示唆し警戒する
一方で公安、FBI、黒の組織は各々に女の行方を追っていたが、ジンは女が送った不完全なノックリストに従ってノックと思しきメンバーの始末を始める
そのリストの中にはバーボン(安室透)とキール(水無怜奈)の名も入っていた・・・


黒の組織が絡む劇場版は大概しょうもないオチがついて終わるものばかりですが、今作は原作の根幹に関わる部分が描かれているとあって黒の組織を廻るキャラが総出演
20周年に相応しい大作に仕上がったと思います


冒頭の首都高11号線(レインボーブリッジ)をモデルにしたカーチェイスは『頭文字D』も真っ青の迫力のCGで描かれ、多重クラッシュや大爆発も相まってコレだけでも劇場に足を運ぶ価値ありますし、中盤までは謎の女の正体が‟ラム”なのか否かが物語を強く引っ張ってくれます


本来なら協力関係を結ぶべき公安とFBIが安室と赤井の私怨のせいで仲違いし、その仲をコナンが取り持つってのには笑ってしまうところですが、二人の対決(素手で殴り合うwガンダムかよw)は作画もめちゃくちゃ良くって大きな観どころの一つです
公安が表立って登場するということで目暮警部はじめ警視庁は蚊帳の外に置かれてしまうのもリアルでしたね


ウォッカやベルモットの静止も聞かず、ノックの始末に躍起になって暴走するジンは本当に怖い
クライマックスでは遂にオスプレイまで担ぎ出しお台場と葛西臨海公園をモデルにした舞台を大破壊する様は圧巻
最後まで全く目が離せず釘付けになりました
コレにイレギュラー的に巻き込まれる蘭や少年探偵団は最早お約束ですが【日本映画においてここまで派手に名所を破壊しまくってるのは『コナン』と『ゴジラ』ぐらい】なもんでしょうw
とにかくドキドキする映画がお好きな方には率直にオススメ出来ます!


しかしバーボンとキールを捕らえ躊躇無く始末すると断言したにも関わらず「待ってやる」と約束を守ってくれるジンは本当は優しいヤツなのかな?とも思ったりw


今作、唯一惜しいなと感じたのが鍵を握る記憶喪失の女を演じるのが天海祐希だということでしょうか
正直違和感というか・・・声優は初めてじゃないはずですし、天海祐希ほどの大女優を持ってしても声の演技とは難しいものなのか・・・と、痛感致しました


今作ラストの手放しでない結末はオイラとして最も評価をしたいポイントです
まあ、あれほど好き勝手やっておいてタダではすまんだろうとは思っていましたが
観終えた後に何色の気持ちになるか?とは今作に添えた青山剛昌先生のコメントですが、オイラは‟良い意味で”ブルーになりました
さあ、あなたは何色に染まりましたかな?

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11
ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

異能力バトルアニメ!名探偵コナン!!

 毎年私の周りにファンが多いこともあって、4月の風物詩となっているコナン映画ですが、今年も楽しんできました!

 今回は黒の組織メイン回と言うことで、割と期待していきましたが、やはり私の求めているコナン映画とは違っていました…面白いんですけどね
 まあアクション路線になってからも売り上げは伸びてますしね…

 なんというか作画が凄い、歴代でも最高レベルのアクションものです!超人が沢山出てくるスマブラみたいな映画です(適当)
 こいつら防御力高すぎだろ…。

 あと、コナン映画にB'zはやっぱり合いますぜ!

 アムロとシャア的な意味で面白い掛け合いもありました。
 ガンダムファン必見ですね!?

 あと記念すべき20作目ということで、コナン映画なんでも一本無料でみれる熱いやつをもらえます。(私はレクイエムにGOするつもりです。)

以下ネタバレ付き感想(推理映画求めてた人の)
{netabare}
 何が良くないって、推理シーンほぼなかったんですもの…。
 館とかクローズドサークルで次々殺人が起こるとか、ベタな感じのものそろそろ欲しい…。

 チェイサー同様、黒の組織は相変わらず派手な行動をとります。
 「弾丸の雨を…」で笑いました。またかよ!てか内部にスパイ多すぎだろ!全然隠れてないなお前ら!
 
 面白かったのは声優さんで、アムロとシャアが熱い戦いを繰り広げるガンダムファンが熱くなれそうなシーンがありましたね!(ぶっちゃけ何してんだ?こいつらって感じのシーンですが…)

 ゲスト声優が前回より大分いいです!良い声ではありませんが…違和感はさほどありません。(むしろ小五郎にまだ慣れない…)
 
 驚いたのはここにきて映画名物の「ラアアアアアアアアアアアアアン!!」がなかったことです!てかランがヒロインしてなかった映画って今までありましたっけ?
 ランのサイヤ人シーンが無かったのは良かったです。

 視聴後はなんかよくわからない気持ちになりました。あまり気持ちの良い終わり方ではないです。
 感動する人はしそう。個人的には極悪犯罪組織の一員が、この程度で懐柔することに驚きました。黒の組織のマネジメント能力に問題アリですね…。

 あと公安の無能っぷり…なぜ一対一で乗った?てか記憶取り戻すために乗ったならあそこで背を向けて救急車よぶのはおかしいだろ…。むしろ警戒しろよ。

 博士さんが少し不憫なシーン多かったです。「ワシじゃよ新一(ゲス顔)」展開は流石に期待できそうもないですね…。

 一番テンションが上がったのは次回予告!
 「平次きたああああああああああ!」
 これはマジで事件&推理の予感!
{/netabare}
 なんだかんだ毎回楽しんでるツンデレコナン映画好きの感想でした(^^)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

61.7 8 遊園地アニメランキング8位
宇宙ショーへようこそ(アニメ映画)

2010年6月26日
★★★★☆ 3.6 (160)
675人が棚に入れました
村川村は、都会から遠く離れた自然囲まれた土地。夏休みの子供だけの合宿のために小学校に集まった夏紀達5人は、行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れるのだが…。

声優・キャラクター
黒沢ともよ、生月歩花、鵜澤正太郎、松元環季、吉永拓斗、藤原啓治、中尾隆聖、五十嵐麗、小野坂昌也、竹田雅則、宮本充、飯野茉優、江川央生、斎藤千和、伊藤和晃、日髙のり子、銀河万丈、飛田展男
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

前半と後半の出来の差が…名作になり損ねたのかもしれません。

 初めの7、80分くらいまでは、なんでこんな面白い話があまり評価されていないんだろうと不思議でした。が、後半ですね。テーマ性はあるんですけど、それが表現しきれていないし、かなり冗長感がありましたね。

 前半部分は、かなりワクワクする話でした。冒頭のバトルシーンは敵味方を錯覚しましたし、兎捜索からの出会い。姉妹…ではなくイトコなんですかね。葛藤もありまししたし、非常によい掴みでした。

 そして、突然宇宙へ。このパート。話そのものはご都合主義的なストーリーでしたが、キャラが子供たちのせいか、暖かく楽しく見られました。そして出会いと別れ。ちょっとホロリとしました。
{netabare}ただ、問題はテーマ性ですね。入国時、自分の力でやる人が正しい…ですか。今の複雑すぎてすべてが専門的、バーチャルの世界の体験しかできない世の中で、特にZ世代以降で共感できるでしょうか。まあ、スマホ脳的な警告もあるので、自分でやることの大切さが表現できていればまだよかったです。だからバイトもしたのでしょう。ギャンブルや借金の対比もありました。でも偶然もっていたワサビでなんとかなってしまいました。ポカーンですよね。いやだったらバイトは?{/netabare}

 で、帰国ですね。まあ、テーマ的な文句はあっても、ストーリーはかなり面白かったです。SFとしての映像も新鮮でしたし。キャラたちも良く動いていたし、ちょっとしか出ないキャラにも魅力がありました。

 ですがこれ以降です。

{netabare} 肝心の宇宙ショー。伏線としては興味がもてたのですが、それだけにちょっとがっかりな感じですね。宇宙ショーの陰謀に過去のポチの因縁を絡める必要があったのか。あの悪役2人がやられたところで何の感慨もありません。あの犬の女性とか単なる悪人だったし。以前付き合ってて、でも…みたいな感じでもなかったですし。

 イトコ同士の気持ちの問題。結論はいいと思います。田舎の夏休みでお互いの成長に戸惑う。兎から始まって、それが最後にはわかり合えました。これは良いと思います。でも、だったら自分の力でやるというテーマはいらなかったのでは?

 また、ポチの実家とか大学の場面とか…いい場面なのはわかりますが、どこか切らないと。
{/netabare}
 最後の12分くらいは、なかなか良かったです。長い物語の末の感動はちゃんとありました。

 なんとなくですが、余計なところを切って90分くらいにまとめれば…ってどこかで聞いたセリフですが、本当に面白くなる可能性がある映画だったのに、と思うとかなり残念です。ディレクターズカットとかで90分とはいいませんが100分くらいにすればかなりの良作だと思います。

 で、アニメは非常に良かったです。3DCGのキャラとか写真的な背景を見慣れていたので、本作のテイストは「ああ、こういうアニメっていいなあ」って素直に感動しました。要はできがいい古き良きアニメ感がありました。もちろんCGはたっぷり使ってますが、田舎の表現もいいし、宇宙の絵もワクワクしました。
 いろんなSFオマージュ的な映像を上手く本作のテイストにまとめて、いましたしね。 {netabare} ナマズ?ハゼ?の999。{/netabare}良かったです。

追記 ワサビ田の作画、かなり気合入ってましたが、あれがワサビだという説明ありましたっけ?子供に見せるなら必要だったのでは?

 ということで名作になり損ねた、非常におしい映画でした。とは言っても普通に面白かったですけど。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 3
ネタバレ

文葉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙人、拾いました。

「ありがとう、おかげで助かりました」

全校生徒たった5人の小さな小学校に通う仲良し5人組は
行方不明となったウサギを探すために裏山に足を踏み入れて、
ミステリーサークルと、傷だらけの犬を目撃し持ち帰る。

手当をして元気になると・・
人の言葉をしゃべる!
二足歩行で人間みたいに歩く!
小学二年生の女の子を「美しい・・」と褒め称えて口説くw
こんなの犬じゃねぇ!・・普通じゃないと・・。

だが、彼は犬・・ではなく宇宙人だったのだ。
{しかも名前はシンプルなポチ。}

ポチは介抱してくれたお礼として
一行は月で修学旅行をすることになった
{羨ましすぎるから私も仲間に入れて欲しい!w}
月では数々の宇宙人、見たことない乗り物やお菓子
地球にもあるファーストフードやコーラもある
{ただし地球で買うより高い}

物語に深く関わるキーワードの
今宇宙で最も注目されている番組「宇宙ショー」を楽しんでる中
月からの地球便がすべて通行禁止になり、帰れなくなってしまう・・。

帰れない。修学・・襲愕旅行(;゚Д゚)!
月でアルバイト
{netabare}
特急に乗るため一行は乗車料をバイトして稼ぐことに・・

良いなぁ。
私も月でバイトした~い!!(笑)
地球にもある宅急便、ベビーシッター
ピザの配達、アイドル、メカニック系なんでもアリ!!
今やってる仕事?そんなの放って月へ行く!w
{何て言って責任感強くて出来ないw}
{/netabare}

136分・・2時間弱あるのでとても長いです。

前半ジャングルジムごと月へワープするのとか
銀河鉄道の夜を思い出すような宇宙を駆ける列車
月を旅行したり別の惑星に行ったり
宇宙人の友達が出来たりとか
大人になると忙しさの中忘れちゃったような
子供の頃の夢とか詰まっていて見ながら
良いなーと思いながら観てました。

ポチ、かっこいいよポチ
{netabare}
ポチが初登場の頃から
犬にしてはイケメンすぎる声だな・・と一目惚れ(笑)
7歳に対して「あまねさん」と敬語なところと
本気で口説いちゃうところとか
実は教授なとことか好きすぎるw

最後あまねちゃんがポチにちゅーして
ポチがめっちゃ照れてるのが可愛い!
「いつかあまねさんを迎えに行く」
と言っちゃうところが素敵!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/04
♥ : 22

ガチHOMO野郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙かわいい

名前だけは知ってたけど観たことなかったシリーズ第1弾は本作、『宇宙ショーへようこそ』です。
長いことレンタルのパッケージだけ見て手を出さずにいましたが、実際観てみるとパケ裏のあらすじなどなどによる逆詐欺だったことが明らかになりました。

なんといってもこの作品の見所はキャラの良さ。
どいつもこいつもいい奴ばかりです。
キャラ付けはちょっとありがち感とか漂いますが、今の時代ありがちじゃないキャラは大体どっか破綻しているので物語を進めるのに適したキャラクターだったと思います。
あと宇宙人のデザインが秀逸。
キモかわいいという表現が一般的な気もしますが、個人的には直球かわいかったです。
後述する某キャラなんて家で飼いたい。

次に作画。
劇場版だけあってやはり流石の出来でした。
狂気の作画や手抜き風味などもなく、非常にハイレベルです。
あと序盤の色味とかがジブリ風味に感じられましたがそこはまあ個人の感覚ということなので深くは突っ込まないでいただきたい。
また色々な架空の存在の造詣が素敵です。
個人的には、過去これ以上俺好みな宇宙はトップをねらえ!以外では観たことないです。

音響面はまあ劇場版のクオリティだな、って感じで特筆すべき点を見出せませんでした。
唯一語るとしたら「Happy Birth Day to You」ですかね。
あれはすごい耳に残ります。

ここまで色々と書いてきましたが、ひとまず断言できるのはサブキャラの宇宙人、インクショップの看板娘であるインクちゃんがかわいいってことです。
まったくもって美少女キャラではございませんが、メインキャストのヒーロー(女)、ヒロイン(女)を押しのけてかわいいです。
言うなれば小動物。
頭部の髪の毛っぽい部分がメインの腕みたいになってるので乗り物のハンドルを切る時とか首を傾げてるみたいでマジたまりません。
上のほうで色々褒めたり貶したりしてますけどそのシーンだけでもこの作品を観る価値があると思います。
マジです。

そんなわけで、あなたも是非夏のバカンスに宇宙旅行をお楽しみくださいってこった。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

72.4 9 遊園地アニメランキング9位
トイ・ストーリー4(アニメ映画)

2019年7月12日
★★★★☆ 3.9 (42)
341人が棚に入れました
“おもちゃにとって大切なのは子供のそばにいること"──新たな持ち主ボニーを見守るウッディ、バズらの前に現れたのは彼女の一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。彼は自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう…。ボニーのためにフォーキーを救おうとするウッディを待ち受けていたのは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会い、そしてスリルあふれる遊園地での壮大な冒険だった。見たことのない新しい世界で、最後にウッディが選んだ“驚くべき決断"とは…?

声優・キャラクター
《日本版声優》唐沢寿明、所ジョージ、戸田恵子、竜星涼

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

無限の荒野へ。さぁ、行くぞ。

トイ・ストーリーシリーズ大好きで、蛇足になりそうと心配してた人間だが、これには文句なし!。むしろ、前まであった僅かな弱味を克服し、更にテーマを前に進めて見せるなんて!。前と変わらんようなことを年年歳歳やってるこっちとは次元が違う。


キャラは、今回はお馴染みのメンバーじゃなく新キャラに振ったの正解だろう。だってみんな良いキャラなんだもん。


ボーの素晴らしさはどれだけ語ってもたるまい!。彼女とウッディーのやり取りを見てるだけで、おもちゃと人形なのになんでこんなに胸を打たれるんだ!。台詞だけでなく、微妙な表情一つでも心に染み入る繊細さと上手さがある。


そして、本作で白眉なギャギャビー。今回の重要な更進ポイントだろう。今までも悪役なキャラは出たが、単なる悪役じゃない幅のあるキャラだったのに、結局排除されて終わりなところがあった。本作は、ついにその救済が描かれる!。


そして、ラストへ…。寂しいがこの物語を追ってきて、テーマの進行をわかってる者なら必然だろう。


バズの表情や台詞一つでもう泣けて仕方がない。しかし、歳をとり迷いながらも、殻に閉じ籠らず無限の彼方を目指すのがカウボーイには相応しい。


同日見たこの夏話題のもう一本より100倍キュンキュンし、1000倍エンタメしてて、10000倍テーマが味わい深かった。まぁ、当然なんだけど。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 13

67.8 10 遊園地アニメランキング10位
うる星やつら3 リメンバー・マイラブ(アニメ映画)

1985年1月26日
★★★★☆ 3.8 (49)
279人が棚に入れました
キュートな異星人・ラムと、超女好き高校生・あたるが次々に巻き込まる宇宙規模のドタバタ事件を描く、ハイテンション・SFラブ・コメディ。劇場用作品、第3弾。原作は高橋留美子。監督、やまざきかずお。友引町にメルヘンランドという遊園地がオープンした。だが、そこのアトラクションのひとつ、大マジックショーを見に行ったあたるの身に、とんでもない災難が降りかかる。魔術師ルウに魔法をかけられ、ピンクのカバにされてしまったのだ。なんとかしてあたるを助けようとするラムだったが、今度はラムが罠にはめられてメルヘンランドのミラーハウスに閉じこめられてしまう。だが、一連の事件は実はラムのほうに原因があった。ラムが生まれたときに彼女にかけられた呪いが、今ごろになって効きだしたのだ。だが、その呪いをかけた人物とルウの間には何の関係もなく…。果たしてルウの目的は? そして、ラムの呪いはとけるのか?

声優・キャラクター
平野文、古川登志夫、鈴木一輝、杉山佳寿子、島本須美、岩田光央

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

私たちの左手の小指には誰でも目に見えない赤い糸が結ばれていて必ずある人の指に・・・

1985年公開の劇場版うる星やつら第3作 90分

原作 高橋留美子 監督 やまざきかずお 脚本 金春智子

10年ぶりくらいに見返してみました。
このタイトルはほぼ全部観たので少しずつレビューしていきたいです。
1985年1月なので、テレビ放送138回(161話)ころ。
130話以降はやまざき監督なので、交代後30週以上は経ってます。
ゴールデンタイムなので野球放送などの影響があり約1年弱でしょうか。

この作品から大きく変わったのは脚本でしょう。
第一作「オンリーユー」のクレジットには金春智子さんの名前がありますが、
どうもアイディアだけ残して押井守氏がほとんど書き換えたらしく、
第二作「ビューティフルドリーマー」は脚本押井守です。

押井氏が去ったことにより、原作者との連携が取り戻せてコミックに近い脚本にはなっています。
しかし面白いかというと前2作には遠く及ばないどころか、
原作に忠実なテレビ版のような魅力も減ってしまっています。
脚本に関しては致命的につまらないシーンも多いようです。

単に「オンリーユー」の元設定の逆転、つまり当事者があたる→ラムに変えただけとも取れますし、
キャラの扱い方や物語の進行も相当雑です。
脚本に関しては愛が足りないとしか言いようがありません。

作画はテレビ版からずっとやまざき氏が中心なので大きな変更はありません。
この作品に関しては物語よりも作画が先行しているような雰囲気で、
新海誠氏の劇場版アニメにも近い感じです。

もっとも嬉しい点はラムのビキニ姿が堪能できることで、
ビキニラムの空中戦闘シーンはテレビ版でも少なく、最大の見どころではあります。
現代の基準では低レベルすぎる戦闘ですが、なにしろラム様なので格が違うかもしれません。
作中、ラムの出生年らしき表示が1967年とありました。
今や50歳ですね。

ラムは周囲の人間をもサザエさん時空に閉じ込める能力があるという描写がこの作品にもあります。
過ぎ去った時間をも元に戻すようです。

脚本は雑ですが本来の「うる星やつら」の乱雑さがそれなりに表現されて、
この時点のキャラ勢揃いの本作もアニメ史的に見て重要だと思いますし、
日本人として最も幸せだった「ラムちゃんLOVE時代」に触れられる貴重な作品。
力作であり傑作でもあると思います。

テレビ版を見つつ、オンリーユーから順番に観ていただきたい逸品ですよ。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 23

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

情けないっちゃ♫

やまざきかずお劇場アニメ初監督作品。

「結ばれる男女は赤い糸で結ばれている」
そんな言い伝えを聞き、はしゃぐラムは
早速あたるとデートする為新設の遊園地
「友引メルヘンランド」がへ向かうが・・

妖怪や宇宙人と等でごった返していて・・
それだけではなく・・只ならぬ妖気を漂わ
せていた・・
その遊園地のイベントで、あたるは手品師
によってピンクのカバにされて、元の姿に
戻れなくなってしまう・・

ラムは手品師を鏡迷路へ追い詰めるが・・
逆に亜空間に幽閉されてしまう・・

ラムの束縛や嫉妬から開放されたあたるは
此処ぞとばかりにナンパを謳歌するが・・

運命の赤い糸は・・ラムとあたるには存在
せず、結ばれることはないのか?というか・・

ラムは放置で良いの?あたる君?という物語♫

ラムが居なくなった事で、変と変をつなげた
もっと変な世界の友引町が・・普通の町に・・


TV版の延長の様で、劇場版の中で起承転結が
一番はっきりした作品かな。

劇場版の「お約束?」何時もラストはキス寸前
で・・二人の愛?を確かめる肝心な所で邪魔
が入るが・・今度こそ結ばれるのか?放置の
ままなのか?

それにしてもコタツ猫・・そして取り巻く猫
可愛いな・・龍之介も男らしい!?で・・
相変わらず登場人物が多いけど、基本メイン
のラムとあたる中心の展開です♫


ゲストキャラクター

ルウ(岩田光央)
ピエロやマジシャンに扮する謎の少年。

ラーラ(島本須美)
ルウの家庭教師。

樫の木森のオババ(京田尚子)
ラムの生誕祭に自分だけ呼ばれなかった
腹いせに、ラムが年頃にる頃、愛する男
と必ず引き裂かれる様に呪いをかけた人。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1

miki0908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

無駄が多いがアイデアは最高です

前作ビューティフルドリーマーはアニメの金字塔の一つ。
今作はそれと比べると辛い。
しかしアイデアは素晴らしい。

ラムがいなくなってそれを探すあたる、
また、あたるを探すラム。
呪いによって引き離された二人が様々な動物、昆虫になっても必ず結ばれる。
よく出来ているんですが、脚本が甘い。
でもEDのリメンバーマイラブは名曲です。

古い名作の一つとして一見の価値ありです。
BSで再放送とかやってくんないかな。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 2

71.3 11 遊園地アニメランキング11位
雨を告げる漂流団地(アニメ映画)

2022年9月16日
★★★★☆ 3.8 (53)
238人が棚に入れました
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。

泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

巣立ち〜大切な場所から羽ばたく物語〜

取り壊しが決まっている団地
別名、幽霊団地に忍び込んだ小学生6人が団地ごと別世界に飛ばされて帰る方法を探すってお話です。

実は、この団地は主人公の船祐とヒロイン夏芽が住んでいました。
夏芽には母が居ますが一時期訳ありで、船祐と船祐のおじいちゃんと暮らしてます。

しかし、おじいちゃんも亡くなり今は別々になり元の家にくらしていました。
夏芽は当時{netabare} 家庭環境に悩まされていて…船祐達と暮らす中で、こちらが本当の家族みたいに感じて居て…… {/netabare}

でも、船祐は彼女を{netabare} 居候{/netabare}としてしか思っていなくて……今も昔も
なんか寂しいよね。
{netabare} 自分は家族の様に思っているのに認めて貰えないとか感じて貰えないのはさ…… {/netabare}

昔は多分…悪気はなかった。
{netabare} 病院で船祐の「お前のおじいちゃんじゃないのに」ってセリフがショックで病院を飛び出す夏芽を「追いかけろ!」と船祐を叱りつけるおじいちゃん。 {/netabare}

船祐は多分単純に解らなかった…夏芽が飛び出した理由もおじいちゃんが怒った理由も。

けど、今は多分解っている、、、
でもそれを認められないのは、もしかしたら船祐は……
恥ずかしかっただけかな?
なんか照れくさがったり、少し意地を貼ってみたり?
中々素直になれないお年頃?
相手が女の子だと余計に見えを張っちゃったり……

{netabare} サッカーでも点数を取れるのは夏芽らしいし、その事も気にしていたのかな?

夏芽は2人でツートップって言っていたのにね。 {/netabare}
多分、本当に思う事が色々あって認められなかった。
それが今……でも、漂流する事で夏芽の{netabare} 家族への想い{/netabare}を知って成長します。


謎の少年ノッポ

彼の正体は知りません(´・ω・`)
{netabare} 謎のままで終わりました。{/netabare}

なので、私なりの推測を立てました。
彼の正体は多分、付喪神かな?
誰かに大切にされた物や場所に宿る存在。
またはそうした気持ちから生まれる精霊。

彼はずっと団地の住人を見てきたと言います。
{netabare} 中でも船祐と夏芽の笑った顔が好きだった。
きっと、ノッポはそんな2人だから、夏芽の目の前に現れた。{/netabare}

でも、船祐と夏芽は喧嘩を始める。
{netabare} それはノッポが好きだった2人じゃないし、喧嘩をする2人の怒りと泣きそうな顔が辛かったでしょうね。
しかも、夏芽が足を滑らせ屋上から転落……
漂流したのもその瞬間でした。 {/netabare}

多分、無意識にノッポが{netabare} と助けようとしたのかな? {/netabare}
だから、ノッポは{netabare} と 「君たちを連れてきたのはボクかもしれない」と{/netabare}話した。

あんなに幸せそうな2人の笑顔で1杯の団地の思い出が悲しい思い出になる……それが悲しかったからあのタイミングでの漂流……

あの世界がなんなのかもわかりませんが。
もしかしたら、大切な物や場所が行きつく場所……人で言う天国や地獄……あの世的な世界だったのかな?と思いました。

あの観覧車もそうです。
{netabare} 令依菜の大好きな観覧車…… {/netabare}
彼女も大好きだった場所……あの観覧車が作品のMVPだった気もしますね。
観覧車の{netabare} お姉さん {/netabare}凄く頑張ってましたからね。

{netabare} 沈んでしまいそうな団地を全員で助け出すシーンは{/netabare}素敵でしたね。
皆さん、超怪力です。
{netabare} 1本のワイヤーに沈みかけの団地をすくい上げる訳ですからね {/netabare}
最近の小学生は力がありますね。

さて、ノッポも夏芽も多分1番大好きな物が詰まったいた団地…… {netabare} だから帰ることよりも団地にいる事を選ぼうとする。 {/netabare}

大好きな場所に居たい。
ここから出たくない……そう思える場所ってあると思う。
でも、そこに囚われていてはいけないのです。
船祐が言う通り出て行かなくてはいけないのです。

その場所が無くなっても……思い出や気持ちは消える事はなくて……その場所があったから私は今ここを進んで行けるんだって胸を張って思えるように。

帰ってきた夏芽は母に聞きます。
{netabare} 「甘えていいの?」と……母の答えは…… {/netabare}

結局、夏芽にとってあの団地での生活は本当に素敵な家族との日々だったのだと思います。
でも、今はその家族の形はなくて……帰らないで団地に引きこもっていても多分いつかは孤独に押しつぶされていたと思うし、何より……本当に娘を大切にしているお母さんとの大切な家族の形を失っていたと思います。

夏芽にとってこれからがスタート。
本当の家族としての……

さて、物語自体は普通かな?
まっ、物語自体が基本団地の中だけで展開されていくので飽きる人は飽きそうですね。

後は、少しメッセージ性が弱いかな?
感情移入出来なくはないけど伝わりにくくは感じます。
謎が多すぎてスッキリって感じもないですね。

私的には謎は残さないで欲しかったかもw
ミステリーならともかくミステリーではないので……

時間があるし見てみようかな?感覚で見る方が楽しめる作品かもしれません。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 16
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

団地は思い出を巡る方舟

石田 祐康監督のオリジナル青春アニメ映画及びNetflix配信作品({netabare}120{/netabare}分)
(劇場版を鑑賞)

【物語 3.5点】
小6最後の夏休み。少年少女たちの団地での“漂流記”を描く。
物語の柱は、団地育ちの航祐、夏芽二人。あとは団地に棲む謎の少年・のっぽ君。
特に取り壊しが決まった団地への未練が捨てきれないヒロイン・夏芽の抱えた物を、
漂流中の不思議なサバイバル体験、それに伴う子供同士の衝突などにより解き明かし、
ひと夏の成長を促すジュブナイルの王道。

よって種が明かされない漂流団地の仕組みについて説明を求めるよりも、
夏芽の心情周辺に焦点を当てた方が、迷わず航海できると思われます。
この視点から見れば、ここで起こしたトラブルで夏芽の何を掘り起こそうとしているのか、
明確な脚本意図が伝わると思います。
何より思春期一歩手前の小6の背伸び感たっぷりの人間模様は瑞々しく、
ロリショタは歓喜できると思いますw

惜しむらくは、団地アニメとしての個性がもっと欲しかった所。
築60年、様々な人生を見守ってきた団地。
とありますが、メインシナリオから共有できるのは航祐、夏芽の6年くらい。
歴史を感じる団地の描写や、団地伝統の夏祭りを示唆するカットなどで、雰囲気は味わえますが、
そこは団地建築当時の住民の営みなど、エピソードとして頂きたかったです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオコロリド

同スタジオの真骨頂である、ゲリラ豪雨などの圧巻の天候描写。
加えて“団地監修”を迎えて、描き込んだ漂流団地ほか建物、廃墟も出色の出来。

躍動する人物描写により再現された小6のワチャワチャ感も上々。
ちょっと目を離すと何しでかすか分からないガキンチョの危なっかしさが、
子供たちだけの漂流で解放されるドキドキの冒険要素。
終盤だけでなく、頭ぶつけたりするシーンも結構あったりして。
一歩間違えれば一人二回ずつくらい死んでます。


【キャラ 3.5点】
主人公格の航祐と夏芽。ツートップのキャラ解像度、団地への愛着度は良好。
“やすじい”に関するわだかまりと掘り下げは感動的。
夏芽は居場所を見失い漂流しがちな現代っ子の縮図です。

が、ここも団地と縁が深いのがこの二人とのっぽ君くらいというのが……。
七人で漂流するなら、過半数は団地関連の子供で固めて団地への愛を叫んでもらった方が、
クライマックスの共感度もアップしたと思うのですが……。
結局、団地以外のキャラの家族愛は隅に追いやられがちでしたし。
パワー担当で、{netabare}母ちゃんのコロッケ{/netabare}くらいしか愛を叫べなかった譲(ゆずる)君が不憫でなりませんw

ただし、団地を知らない子供たちの中でも、
令依奈は高飛車な憎まれ口で、シナリオの転換点として機能していました。
男子を原始人呼ばわりしつつ、航祐の前では赤面する。
ロリのツンデレは最高の遊園地アトラクションですw


【声優 4.5点】
主役の航祐役には田村 睦心さんの少年ボイスを、ヒロイン・夏芽役には瀬戸 麻沙美さんを、オーディションで選出。

他にはおっとり眼鏡枠の珠理役に花澤 香菜さんを指名し、
令依奈役の水瀬 いのりさんの喧嘩腰をなだめて見守る構図。

のっぽ役には声変わり前の少年も巧みに演じる村瀬 歩さん。
一人で場を賑やかにする大志役の小林 由美子さんのワンパク少年ボイス。

などなどキャストは声優陣で固める。

音響は、同じセリフを雰囲気を変えて複数収録し選りすぐる手法をしばしば用いる。
これは高確率でOKを連発できる実力を有した声優でないと難しい方法。
人気声優の名前じゃなく、技術を求めて、それを作品に生かせていると好感します。

ジーンとくる場面も多々ありましたが、
私にとっては物語以上に声優さんの演技にグッときた面が大きいです。

総じてロリショタ大歓喜ということで(←クドいw)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は石田監督とは『ペンギン・ハイウェイ』でも組んだ阿部 海太郎氏。
ストリングスを押し出した感動系だけでなく、
“お化け団地”要素もフォローしたコミカルなホラー系も提供しエンタメ性を付加。
店内放送風のBGMで、思い出のトリガーとなる演出も、ノスタルジーを醸し出す。

効果音も、実際に団地で生音を拾うなど、多彩な音源を駆使して、
団地が漂流する超常の中でも、地に足が付いた実在感で、あの夏が夢じゃなかったことを示す。

主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「消えてしまいそうです」
他に挿入歌「夏枯れ」も提供。
小6にしてはチョット背伸びし過ぎな感はあるものの、
詩的な歌詞で夏の思い出を噛み締めることができる佳作サマーソング。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 27
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

哀しみの感情、包み込む幸せ

アニメーション制作:スタジオコロリド
監督:石田祐康、脚本:森ハヤシ、石田祐康
キャラクターデザイン:永江彰浩、
演出:渡辺葉、間﨑渓、竹内雅人、木村拓、増田惇人、
作画監督:近岡直、西村幸恵、黄捷、加藤万由子、
荻野美希、三浦菜奈、薮本和彦、水野良亮、坂口歌菜子、
渡辺暁子、平井琴乃、櫻井哲也、宇佐美皓一、篠田貴臣、斎藤暖

海上を漂流している、
SOSの文字の描かれた団地。
屋上には人の姿。
石田祐康監督が映画制作に取りかかる前に描いた
1枚のイメージボードだ。

その絵から生まれ出たのは、
それぞれの心のなかで、
ひっそりと留まって固まっていた残滓が
海上を漂う物語だった。

主人公は小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽。
幼馴染の男の子と女の子。
ふたりは、夏芽の両親の離婚と母の仕事の事情から、
同じ団地で姉弟のように育ったが、
航祐の祖父である安次の死がきっかけで、
関係性が変化してしまう。
そのふたりに加えて、航祐のことが気になる
羽馬令依菜と令依菜の長年の友人である安藤珠理、
航祐の親友である橘譲と小祝太志、
謎の少年・のっぽという登場人物たちが
不思議な漂流生活を送ることになる。

どちらかというとイメージ先行の作品だが、
それが好ましいものなので、安心して観られる。
昔は絶妙なコンビだった航祐と夏芽。
今でもお互いのことを大切に考えているが、
安次の死によって負った傷があまりにも大きすぎて、
なかなか修復できない。
ふたりにとって、大切な思い出は、
取り壊しが決まった団地での暮らしだった。

幸せな時間は住んでいた場所に残り続けるのか。
大切な思い出は建物がずっと覚えていてくれるのか。
暮らしていた団地や場所が、
人に対して何か影響を与えることがあるのか。
{netabare}簡単に言うと「付喪神」と呼ぶのかもしれないが、
この作品に限っては、団地自体が
色々な人々の想いを受けて持つことになった
「心」と言ったほうが正しいと思う。{/netabare}

映画を観て思い出したのは、
重松清のニュータウンを題材にした一連の小説だった。
日本で一時期流行った、東京や大阪郊外の大型マンション群。
夢見て購入した自分たちの未来が次第に変容し、
思い描いた夢と大きくずれていくさまを
ユーモアとシリアスを交えて情感たっぷりに
描いた作品で、多くの共感を呼んだ。
そこにあるのは、心の底から求めた願いの形。
人々が傷つきながらも、大切なものを渇望する物語の流れに
どこか似た香りを感じたのかもしれない。

ただ、この作品で思うのは、
細部におけるキャラクターへの寄り添い方や
心情の描き方が物足りないということだった。
中心は航祐と夏芽なのだから、
このふたりの心情をもう少し丁寧に描いて欲しかった。
イメージとしては、とてもよく分かるのだが、
例えば夏芽と母親の関係性や
航祐と夏芽の大切な思い出を
もっと丁寧に描き、現在につなげても良かったと思う。
{netabare}正直なところ、令依菜絡みの話は、
ほとんど必要がなかったと思うし、
珠理との話ももっと短縮できたのではないだろうか。
そもそも遊園地の部分の話が長すぎるし、
個人的には枝葉に時間をかけ過ぎているように思えた。{/netabare}
これは構成と脚本の問題が大きい。
もっと時間を短縮できただろうし、
その分、航祐と夏芽のつながりが強固になる部分を
膨らませて欲しかった。

とは言え、絵的なイメージやキャラクターの感情表現などは
目を瞠る箇所がたくさんあった。
子どもたちと一緒にひと夏の冒険譚を楽しませてもらった。

誰にでも大切な思い出が心のなかに必ずある。
そして、昔の想いを自分のなかで
昇華させながら成長する。
マイナスの感情もプラスの感情も併せて、
心のなかで何かを生み出す。

そうやって、私たちは大人になっていくのだ。
(2022年9月24日初投稿)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 29

60.4 12 遊園地アニメランキング12位
映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~(アニメ映画)

2015年4月18日
★★★★☆ 3.5 (43)
192人が棚に入れました
「ありがとカスカベ。さようならカスカベ。」野原家がお引越し!?父・ひろしの転勤で、春日部のみんなと涙のお別れを決意した野原一家。行き先はなんと…ラテンのリズムぶりぶりのメキシコ!!おねいさんがみんなボン・キュッ・ボボ~ンと聞いて喜んで旅立つしんのすけだが、待っていたのは…動くサボテンだったぁ~!

声優・キャラクター
矢島晶子、ならはしみき、藤原啓治、こおろぎさとみ

もふ(´-ω⊂゛) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

初の人間以外の敵

メキシコが舞台。
お引越しするところでまずは感動しました。
メキシコに渡ってからは、謎の人食いサボテンの恐怖!といった感じで本格的なホラーでした。徐々に明かされていくサボテンの謎や最初はなすすべなく逃げ惑っていた人々の反撃、人食いサボテンという点からも近年ヒットしている進撃の巨人を意識しているのかな?と思いました。
子供だけでなく大人も楽しめる内容になっています。
個人的には坂本真綾さんや浪川さんが出演してらしたのが嬉しかったです!オリジナルキャラクターがいい味だしてました!
芸能人のゲスト声優にはあえて触れませんが。

加えて好感を持てたのが作画です!テレビアニメでのラフな絵から一転、特に序盤の春日部の背景画はとても美しかったです。風間くんとの別れのシーンの河川敷が特に!キャラクターのラフなデザインとしっかり描き込まれた背景がうまくマッチしていました。

全体的にみても十分満足ですし、観て損はないですよ(^ω^)

ただ、なぜサボテンが人を襲うのかをはじめとして不明な点もところどころにありました。

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ネタバレ

ヒカリ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

久しぶりにしんちゃんを観てみた

キャッチコピー「ありがとうカスカベ。さようならカスカベ。」
野原一家がカスカベからメキシコに引っ越しするお話。
{netabare}引っ越しのお見送りに、意地を張って来なかった風間くんが、新幹線を追いかけて走っている様子は、胸が熱くなりました(笑){/netabare}

これだけ聞くと、すごく感動的なものが想像出来るのですが、
しんちゃんはどこにいってもしんちゃん。
お姉さんに目をきらきらさせて、おしりをフリフリして
どんなにハードな展開でも疲れることなく、むしろ楽しんで観れました♪♪

しんちゃんとかマルチなアニメ映画で気になるのはゲスト声優。
AKB48の指原莉乃ちゃんが出ていました♬
少し、違和感があったとはいえ、ツンデレな台詞が可愛かったです。

私は小さい頃、しんちゃんをそんなに観ていなかったのですが、
しんちゃんっておもしろい☆彡(もうしんちゃん呼ばわりだし笑)

久しぶりに観たらいいかもしれません(*´꒳`*)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 15

NDD. さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ビミョー

あんまり面白くなかった、クレしん映画の中では下の方だな

投稿 : 2024/05/04
♥ : 0

65.3 13 遊園地アニメランキング13位
Yes!プリキュア5 鏡の国のミラクル大冒険!(アニメ映画)

2007年11月10日
★★★★☆ 4.0 (36)
191人が棚に入れました
西洋風テーマパークに出かけたプリキュアの5人。ドレスを着てお姫様気分を味わっていたが、イケメン王子に扮したココとナッツが現れて大興奮となる。ところが、ドリームコレットを狙って世界支配を企む悪者シャドウに操られた、鏡の国に住むミギリンとヒダリンによってココとナッツが鏡の国にさらわれてしまう。2人を救うためにプリキュアたちは鏡の国に足を踏み入れる。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

プリキュアというシリーズと田中宏紀というアニメタが作り上げた伝説的傑作!「そんなのまだ習ってないよっ!」

もしあなたがプリキュアというシリーズをよく知ってらっしゃるのなら、この映画を観ない理由は無いと思われます


もしあなたがプリキュアというシリーズをよく知らない、或いはこの映画を知らずに嫌悪感を抱いてらっしゃるのなら、早合点せずに是非一度この映画を観ていただきたいです!


鏡をテーマにした遊園地に遊びに来たプリキュア5の面々に、ココとナッツに変装したモンスターが襲い掛かることで物語りは始まる
モンスターの正体は鏡の国の妖精であるミギリンとヒダリンがシャドウというワルモノによって姿を変えられたものでした


誘拐されたココとナッツを救うために鏡の国のシャドウと決着を着けんとするプリキュア達
しかしその前に立ちはだかる、シャドウによって生み出されたプリキュアのコピー、【ダークプリキュア】との対決が最大の見所です


後のテレビシリーズを手掛け、『テコ入れ』を成功させた東映の名プロデューサー、梅澤淳稔が初めて登板
監督には後の『ハートキャッチプリキュア』『ハピネスチャージプリキュア』の監督でもある長峯達也を起用しています


本編前の注意事項説明のミニアニメの段階で「行き過ぎたハイテンション」「ギャグ顔」「コメディタッチの流血」など既にハトプリのノリが形成されているのがよくわかりますwww


なによりもプリキュア対プリキュアという『王道の構図』を初めて本格的に扱った作品であるのが特徴ですね
この映画に手応えを感じたスタッフはその後のシリーズにもこの構図を持ってきています


この『王道への挑戦』がプリキュアにとって如何に難しいことだったのかは、MaxHeart2をご覧になった方ならわかると思います
MaxHeart2という映画では互いに敵の幻覚で錯乱したプリキュアが生身で殴りあうという対決あり、これが余りにも痛々しかったため試写会で泣き出す女児もいたとか・・・
結果的には反省点を残す問題作となったからです


今作もやはり、あまりにも悲しすぎるダークプリキュアの出生と彼女達との対峙
結局ダークプリキュアとは自分自身なので・・・単純にワルモノ扱いしないのが泣けてきます;
しかしその扱いを今作は間違えませんでした
その証拠に幾多の『愛すべき悪役達』を見慣れてきた歴戦のプリヲタの間でも、今作のダークプリキュア(特にダークドリーム)は人気キャラクターとして評価されております


ちなみに今作で初めて観客参加型の演出である『ミラクルライトを使ってプリキュアへの応援を観客に呼び掛ける描写』が用いられ、それがやたら露骨な感はありますが、なんせ初めてやったことなので観客へのわかりやすさを優先する意味では許容範囲ではないかと思います
(観客とはもちろん女児のことですよ)


それと一番凄ぇのが戦闘シーンのほとんどを現代のアニメの最前線で活躍する超一流の天才若手アニメーター、田中宏紀が手掛けていることです
田中パートへの修正も少ないので、田中さんの絵柄を大切にしている点でもかなり貴重です
数多くの作品で素晴らしい作画を披露してきた田中さんですが、オイラ個人としては彼を語る上でもこの映画は絶対に外すことの出来ない一作だと思ってます

投稿 : 2024/05/04
♥ : 11

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

皆口さんと釘宮さん使ってるのに勿体ねぇ!

 声優界の国宝級であるお二人、皆口さんと釘宮さん使ってるのに勿体ねぇ!の」一言。70分しかないからいかに無駄を切って本質であり重要な部分を残すかが重要なのに、脚本の練り不足かな。


 お笑い芸人は論外として、シャドウや序盤の戦闘やパークの部分もほとんど不要だろう。ダークプリキュアとの出会いと戦闘だけに集中して、それぞれの成長をしっかり描けてれば十分面白かった。肝心のそこが薄いから物足りぬ。あと、画質というか色彩の美しさもなんか微妙…。作画も良いところと悪いところのムラが目立った。

 

投稿 : 2024/05/04
♥ : 5

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

Man In The Mirror

「Yes!プリキュア5」は、プリキュアシリーズの継続を決定づけたターニングポイントになる作品だと思いますが、
まさかミラクルライトの元祖も生み出していたとは・・・。

ストーリーも、ヒーローものだったら一番盛り上がるやつですし、本当によくできています。

鏡の国が舞台ということでザ・たっちも出演しているのですが、これもなかなか良い。


朴璐美さんが今作の敵を演じていますが、
「Yes!プリキュア5GoGo!」でシロップを演じるのに近くないか?と思わないでもないです(笑)

投稿 : 2024/05/04
♥ : 1
ページの先頭へ