暴力で喧嘩なアニメOVAランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメOVAの暴力で喧嘩な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月23日の時点で一番の暴力で喧嘩なアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.6 1 暴力で喧嘩なアニメランキング1位
ケンガンアシュラ(Webアニメ)

2019年7月31日
★★★★☆ 3.6 (96)
397人が棚に入れました
企業同士が巨額の利益を賭け、雇った闘技者に格闘させる拳願仕合。乃木グループ会長に擁された十鬼蛇王馬(ときたおうま)が命がけのタイマン勝負を繰り広げる!

声優・キャラクター
鈴木達央、チョー、中田譲治、内山夕実、金子隼人、稲田徹、榎木淳弥、浪川大輔、阿座上洋平、天田益男、石井康嗣、石田彰、一条和矢、浦山迅、大塚明夫、緒方恵美、斧アツシ、小野大輔、加瀬康之、加藤将之、金尾哲夫、金澤まい、亀岡孝洋、川本宗幸、楠大典、楠見尚己、黒沢ともよ、桑谷夏子、玄田哲章、小市眞琴、小西克幸、小林操、小林ゆう、五味洸一、小山力也、櫻井孝宏、佐々木省三、沢城千春、柴田秀勝、下妻由幸、塾一久、白熊寛嗣、鈴木美園、高橋伸也、高橋良輔、竹内栄治、竹内良太、立木文彦、千葉繁、津田健次郎、徳本英一郎、豊崎愛生、蓮岳大、蓮池龍三、日高里菜、檜山修之、平川大輔、平田真菜、広瀬裕也、藤原啓治、渕上舞、保志総一朗、星野貴紀、堀井茶渡、前川涼子、マシューまさるバロン、増谷康紀、松岡禎丞、松風雅也、松田健一郎、松本大、真殿光昭、水島大宙、水中雅章、三宅健太、村瀬克輝、柳沢栄治、山本兼平、ゆかな、遊佐浩二、吉田真澄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

もうなんてゆーかおバカ過ぎて好き

原作未読


拳に願いを!!

 {netabare}when I wish upon a fist !!{/netabare}

拳願仕合(けんがんじあい)。作品タイトルでありキーワードでもある言葉についての説明は割愛。
嘘をつくと鼻が伸びてしまう木のお人形さんを頭の片隅に置きつつ、こちらは自身の闘争本能には嘘をつけない漢たちの物語。『バキ』っぽい!で通じる人には通じるくらいの特定層にはこよなく愛されるタイプの作品になるかと思います。

きっかけは『ダンベル何キロ持てる?』と同じ作者さんだということ。サンドロビッチ・ヤバ子氏の作品は私にとっては『ダンベル』が先。
世間的には逆で、2019年夏期アニメの放送当時、本作『ケンガンアシュラ』をきっかけに『ダンベル』へと流れた方が多かったみたいでした。


作風は一見、真逆なんですけどね。血なまぐさいバトルと底抜けコメディ。ただし、

・肉体に向き合ってそれもとことん向き合ってるという点で
・向き合いすぎると笑いに昇華されるという点で

実は仲良しな両作品なのかもしれません。他を寄せ付けないパワーをどちらからも感じます。
そういえば全ての道は筋肉に通じそれ以外を寄せ付けないのが空回りして、日本酒のプロモから外された演者さんもどっかにいたような(^^;


さて本作『ケンガンアシュラ』です。
先行してのNetflixでの配信。それから遅れること5か月後地上波にて放送でした。今のところPart1全12話、Part2全12話の3DCGアニメーション作品です。地上波ではPart1だけやる感じです。
厳密なモーションキャプチャではないみたいですが、格闘家さんのモーションから動画起こししてるため筋肉の流れが自然です。

この手の作品で重要視しているのが、ナレーションによる煽りのセンス。
『カイジ』等で確固たる実績のある立木文彦氏をナレーションに据え盤石の体制です。そもそもこの人“PRIDE”やってましたしね。
実際のナレーションについても私は第一話Aパートの煽りで掴まれましたので自信もっておススメできます。ネタバレで隠しますが気にされない方は視聴の参考にどうぞ↓

■第一話Aパートの煽りナレーション

新宿歌舞伎町の路地裏で屈強な二人の男の私闘を目の当たりにした冴えない中年男“山下一夫”。
決着がついて立ち去る勝者と取り残される一夫。気持ちの高ぶりを静められない一夫に畳みかけるように立木さんのナレーション…


{netabare}「山下一夫 56歳 真面目一徹妻子持ち」{/netabare}

{netabare}「飲む・打つ・買うとは無縁の壮年の男が…」{/netabare}

さあなんでしょう?続き↓

{netabare}「この日15年ぶりに女を抱いたー!!!」
「男を駆り立てたのは…保存本能!」{/netabare}


おバカすぎて好き(*'▽')


万事がこの調子なので細かいことは言いっこなしでいきたいところです。
元はお殿様の一言で始まった由緒ある拳願仕合。企業間の代理戦争。白黒つけるためのシンプルなルールはわかりやすいことでしょう。

序盤にはあった私闘や日常描写も中盤以降『拳願絶命トーナメント』なる仕合が始まるとなりを潜め、より肉体のぶつかり合いに焦点が絞られ純化されていきます。

{netabare}#8第一仕合、#9第二仕合、#10第三仕合、#11第四試合(主人公登場)。

一話につき一つの仕合。Part1最終話を残して一回戦の4分の1が終わったところでした。最終#12で

{netabare}第五第六第七、と。{/netabare}{/netabare}

合計32名。一回戦だけで16仕合あり、どの仕合も流さずにやるので飽きがこない工夫を望みたいところですね。Part1全12話終わってなおまだまだ楽しめそうです。

最終話はぶつ切りエンドではありましたが、次のPart2が確定していることが前情報としてあったのでダメージはないでしょう。
ただし、地上波のみでこのままPart2の放送がお蔵入りだともやっとすると思います。
Netflixとしてはよいプロモーション。続きが観たくなるしかけはプロモとしては正解だし、実際作品にも力はあります。血なまぐさいですが良作だと思いますよ。



■負け企業

{netabare}ボスバーガー。NENTENDO。セントリー。ペナソニック。ユナイテッドクロージング。マーダーミュージック。海一証券。です。

ここまでに敗れた企業たち一覧。モデルとなった企業になんか共通点ないかしら?と取りあえずリアルの業績について一覧しましたが、なにかしら法則性を見い出すには至りませんでした。

残念ではありましたが、こっそり「マーダー→まだ→soon→SONY」みたいな連想(妄想)がはかどって楽しかったです。一社だけ20年以上前に廃業した会社ありますけどね。平成も遠くになりにけりです。{/netabare}


■リングコールにダウン

トーナメントの元締めの一族のお姉さんがリングコール兼解説席実況を担当。
この分野で女性の声ですとレニー・ハートさんがまぎれもない巨人で否応がなくても比較されてしまいます。PRIDEの巻き舌ナレーションで有名なあの人のことですよ。

それについて片原鞘香(CV平田真菜)は正直なところ物足りなさを感じました。絶叫系でレニーに寄せてきたためなおさら粗が目立ちます。本作の残念ポイント。

{netabare}どうせレニーに寄せるなら…『けものみち』の斉藤貴美子さんは鳥肌もんでした。{/netabare}



徐々に肉体以外のドラマも小出しになってくるらしいですが、観たいような観たくないような。
Part2の視聴は要検討です。つまらなかったわけではありません。あくまで時間配分の問題っす。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

-----
2020.04.27追記

#13-#24もそのまま地上波で連続してやるようです。
元のNetflixでの配信が分割2クールだったらしく、あにこれでも便宜上「Part1」「Part2」に別れてますのでご注意ください。


2020.03.28 初稿
2020.04.27 追記
2021.03.09 修正

投稿 : 2024/05/18
♥ : 38

だんだだん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

24話まで見終わってサクサク削除

(Part1/2 とも共通の感想)

これは名作、と言っていいのだろうな。
とにかくボコりまくるだけの映像作品。
なんか、格闘ゲームとか作りたいんかな、と思ってしまったw

ストーリー? そんなもんどうでもいいんだよ! と言わんばかりの
延々続くモブ?キャラ同士の凄絶かつアツい肉弾戦。
その 1on1 の戦いを肉付けするためだけに添えられた背景。

視聴者なんていいんだよ! こういう作品が作りたいんだ! という
意図が透けて見えるような割り切りのいい作品でした。
24話まで使ってストーリーはなんの解決も見ていない。

気持ちよかったけど、もう一回見たい、とは思わないがなw

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2
ネタバレ

テレ美 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

一期二期まとめての感想です

えー!面白かった!意外!(ぇ)
意外と思った理由(どうでもいいので閉じとく)
{netabare}バキって漫画(アニメ)あるじゃないですか。実はあの絵が苦手でして…。だからタイトルはよく聞くのに読むことも視聴もできないんですよね…。(興味はあるんですよ)
そんな感じで、筋肉で格闘で…となるとバキのイメージがあって、楽しめないんじゃないかと思ってたんです。{/netabare}
そしたらそんなことなかった!最後まで楽しく視聴できました!
作者が「ダンベル何キロ持てる?」の人と同じなんですね。
ダンベルとは違う雰囲気のアニメでしたが相変わらず筋肉でした(笑)
まさかの冴えない中年オヤジが公式ヒロインということでとても斬新!
でもなんか、確かにヒロインしてましたよ?(笑)
声優さんもけっこー豪華だったと。強さ=声優のネームバリューにならないように多少は配慮もされてましたし。
{netabare}桜井さんのキャラなんてしゃべったかと思ったらその直後退場しましたからねw{/netabare}
あと企業名。NENTENDOとかペナソニックとか義伊國屋書店とかボスバーガーとかどこかで聞いたような企業名が散りばめてありちょっと笑う。こういうのけっこー好きです。
もちろん作中オリジナルの企業も沢山あって、「ダンベル」の主人公達が通っていた学校もエントリーしてた気がする。
続編あるんでしょうか。面白かったので是非作ってほしいです。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 2

67.2 2 暴力で喧嘩なアニメランキング2位
湘南爆走族(OVA)

1986年9月10日
★★★★☆ 3.7 (20)
125人が棚に入れました
元祖ヤンキー漫画として人気を博した、吉田聡の描くコミックをOVA化したもの。茅ヶ崎界隈で一目置かれる走り屋集団「湘南爆走族」の二代目リーダー・江口洋助。腕っぷしも強けりゃバイクの腕前も天下一品という大した器量で仲間の信頼も厚いが、一方では通っている高校にて手芸部の部長も務めているというなかなか食えないヤツだ。そんな彼を敵視する、暴走族「地獄の軍団」の総長・権田は解散を目前にした「ハッスルジェット」のメンバーに対し、「湘爆」の名を騙って襲撃をかける。まんまと騙され、激昂した「ハッスルジェット」のリーダー真紫は「湘爆」との抗争に乗り出すが?
 ツッパリがブームとなっていた時期に満を持してのアニメ化を果たし、一般層にもアピールする人気シリーズとなった第一作目。洋助役には横浜銀蝿の翔が起用された。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

暴走族☓爆走族 拘りです。

原作は吉田の代表作暴走族漫画。略称は『湘爆』
少年KINGに1982年から1988年迄連載された作品。

1987年実写劇場版は江口洋助/織田裕二/清水美砂
のデビュー作でその他杉浦幸/杉本彩/翔/竹内力
「噂の刑事トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)
等も出演している。
OVシリーズ一期には声優として浜崎あゆみもいる。
本作はアニメOVA第1作目。アニメはOVA12作迄有る。

湘南海岸を舞台に、「暴走族」と「湘南爆走族」との
抗争や登場人物やグループを中心に友情や恋愛等
を描いた作品で、ギャグやコメディの割合が多い。

不良・ヤンキー・暴走族漫画の原点ともいえる作品。
後々の同ジャンルの作品に多大な影響を与えている。


1作目はメインの「湘南爆走族」登場人物5人の出逢う
シーンやライバル?「地獄の軍団」との抗争・・解散
を決意した横須賀最大の暴走族「ハッスルジェット」
と「湘南爆走族」との潰し合いを画策し筋の通らない
漢としてのプライドを捨てた権田の葛藤を描く・・

「漢」の生き様のような任侠?暴力や暴走しか手立てを
知らない荒くれ者にも「誇り」がある! という感じの
作品かな。其処にギャグやラブコメを多く含んでる。

1作目は漫画と違い世界観重視の印象付けが主な内容。
シリアスで漢くさい作品になってるようです。

江口 洋助(第1作声優:翔※横浜銀蝿)他。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

mknsmn さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

残された走り屋たち

一作目「残された走り屋たち」。

当時中学生だった私は湘南爆走族(湘爆)にハマっていて、この作品を学校に行く前に必ず見て登校していたのを思い出しました。
影響されて自分なりにリーゼントにして行き、「それオールバックやろ」って言われたのが懐かしいです。まあ古い作品なんで湘爆を知らない世代がもういっぱい居るんじゃないでしょうか。
不良ツッパリマンガの中でも彼らは『ロックンローラー』と呼ばれる種族で、もう絶滅危惧種です。。
ロック=音楽?と思いますが、『音楽』の部分を彼らは『バイク』にしています。それが『ロック』なら表現方法なんて何でもあり!「楽しけりゃそれがロックロール」?なのでしょう、だってこのマンガ楽しいし、おもしろいのですから。

30才以上で見たことないって人にはオススメ。
なにか忘れたものを思い出させてくれる、そんな作品。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 3

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

湘南爆走族OVA第1弾

暴走族マンガの原点ともいえる『湘南爆走族』のOVA第1弾。
原作マンガは中高生の頃リアルタイムで読んでいたなぁ・・・。(あぁ、年齢がバレてしまう・・・)

湘南爆走族2代目リーダー兼波打際高校第25代目手芸部部長(!!)の江口洋助をはじめとする5人組・湘南爆走族のメンバーと仲間たち、ライバルの暴走族などとの友情や恋愛を描いた作品。
暴走族マンガらしくケンカのシーンも少しはあるけど、原作は、ほぼコメディ。

本作の前半は主要な登場人物の人物紹介。後半は湘南爆走族のライバル・地獄の軍団と横須賀・ハッスルジェットが絡むエピソード。

原作に忠実な本作に感謝!!

投稿 : 2024/05/18
♥ : 14

52.7 3 暴力で喧嘩なアニメランキング3位
いじめ 〜いけにえの教室〜(OAD)

2012年2月3日
★★★☆☆ 2.9 (32)
64人が棚に入れました
2012年『ちゃお』3月号・付録DVD「ちゃおちゃおTV!」に収録された。

私立星華女子学園に通う古城世良は、大会社の社長である父親の多額の寄付を背景に、生徒も先生も逆らえない女王様気取りで、ちょっと気に入らないだけで他の生徒を「生贄」と称し、全校生徒を巻き込む集団いじめを行っていた。

後輩の君島文香へのいじめを楽しんでいる最中に父親の会社が倒産したことで立場が一転。

世良はそれまでの恨みを全校生徒から買う形でいじめる側からいじめられる側へと転落してしまう。
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いじめおとぎ話

本編12分くらい、いじめをテーマに据えたアニメ。YouTubeにて公式動画が無料で公開中です。

原作は五十嵐かおるさんの漫画。「ちゃおデラックス」および「ちゃお」にて不定期掲載している様です。

コミックスは既刊13巻(2016年10月現在)。以下にリストを載せておきます。(サブタイトルのみ記載)
{netabare}
1.ひとりぼっちの戦い
2.生き地獄からの脱出
3.見えない悪意
4.勇気をください
5.静かな監獄
6.叶わない望み
7.凍りついた教室
8.光と影
9.タカラサガシ
10.いびつな心
11.かりそめの教室
12.心の傷跡
13.願い叶う日まで
{/netabare}

設定や描写をそのまま受け止めると、現実味が感じられなかったり、悪くすると荒唐無稽と取られかねなかったりする物語ですが、昔話やおとぎ話の様なファンタジーとして受け止めれば、じわじわと心に這い寄る寓話性を見出せる事と思います。

作中のいじめ描写は表面的なものに限られていますが、現実のいじめがこれよりも酷いものなのか否かは私には判断しかねます。人の心を痛めつける類の陰険ないじめはあるし、暴力のレベルについても、このアニメで描かれているよりも、もっと酷いものもありますから‥。ただ、それによって受ける苦しみは当事者でなければ知りようも無い事ですので、どちらがどれだけ酷いという事など、第三者が口にして良いものではないと私は考えます。キャラの心理描写についても表情や台詞に篭った情感などから判断するしかないので、この様な描き方も含めて、本作品が寓話的あるいは暗喩的作品となっていると言えるのでは無いでしょうか?

登場人物の名前も古城世良とか‥殆どそのままだけど"小公女セーラ"をもじっているものと思われ、設定も学園の女王としてちやほやされていた立場からの、父親の会社の倒産、転落という流れがそっくりで、例え話としての印象を強めます。(原作では投資の失敗ですけど)

「小公女」に登場する主人公のセーラはお嬢様ですが、終始良い子なので、本作中の世良との人物描写に共通点はありません。ですが、ちょっと視点を外して、同じ物語に登場する、取り巻きの二人の少女を引き連れた、イジワル少女ラヴィニアに目を向けると、何でも持っているセーラを嫉み、その友人のアーメンガードとメイドのベッキーを蔑む姿が、本作の悪役である古城世良と重ならないでもないのです。なれば、最初のいじめられっ子の文香は零落したセーラ、あるいは最初から弱い立場にあったアーメンガードかメイドのベッキーという事になります。

モチーフとなった物語の話はともかく、傍観者役である文香の友人のエミというキャラは古典的な物語の範疇では珍しい立場のキャラであり、それだけに私には、作者の五十嵐さんが、このキャラにこそ多くの注意を注いで欲しいと願っている様に感ぜられました。

友人同士が結束して困難に立ち向かう姿は美しいものとして描かれる事が多いものですが、これは転じて加害者側の立場に変わり、醜くもなりかねない危うさも秘めています。この作品ではその両方が描かれている様に見受けられました。そしてそれを担うのはもちろん、私たち視聴者の分身、エミなのです。

一つ例えを用いれば、自分の家族や友人が他者から何らかの攻撃(言葉とか暴力)を受けたとします。その時無条件で庇いたくなるのが人情というものですが、事情も知らずに身内に加勢する場合、間違いを冒す危険も少なからず生じます。もしかしたら、自分の贔屓にしている家族や友人の方が悪くて、争いの原因を作ったという可能性もあり得るからです。

もう一つ例えを出すと、子供同士の喧嘩があった場合、どんな親でも自分の子供を擁護したい気持ちになるものですが、なるべくなら(出来れば徹底して)喧嘩の原因を問いただして、事情を知ってから、どちらかか、両者に謝らせるべきでしょう。もし自分の子供に非がある場合には、親としては苦渋の決断となりますが、公正さを子供に見せる為には必要な教育だと思います。

踏まえ、人を守るという事は尊い行為である一方で、人を責める危険を多く含んでいるという事を、傍観者の立場にいる者は常に意識すべきだと思います。このアニメを見て今更ながらそれを痛感させられました。

好きな人を守りたい。そんな感情は誰しも持ち合わせているものですが、それはその人の事を深く知った上で初めて輝きを持つ言葉です。一方で、力に迎合する時、弱者を守る時、敵を見る時、人の魅力に心奪われる時、私たちの心はひどく曇ります。そんな時にこそ、私たちはいじめの加害者になるのではないでしょうか?

私も学生時代にいじめを受けた事があります。いじめを受けている、あるいは受けていた人に対する慰めになるかは分かりませんが、遠い日のいじめの記憶など、大人の私にとってはもう昔話。いい思い出とは言えずとも、すでに苦痛は無く、むしろ自分の血肉になっているという感謝すら覚えます。今いじめに遭って苦しんでいる人の上にも、いつかはそんな風に思える日がやって来る事を願ってやみません。

耐える事、考える事、憎悪する事、悲観する事、抵抗する事、心を殺す事。偉そうな事‥(コレ違う)を言っておきながら、実際の所は軟弱者で感傷的なブリキ男を名乗る私が言うのもなんですが、こういった事は必ず皆さんの将来の糧になります。

心を折らず挫けず、逃げる時は逃げ、戦う時は戦う、そうして死ななければ人生は大勝利です。強くあろうとする必要は無いし、勝つ必要も無い。のらりくらり飄々と、水の様に変幻自在に生きていけば、それがその人にしか体験し得ない貴重な人生の一部となっているはず‥。

楽観や諦めを否定的な感情と捉えずに、むしろ盛んに肯定して、ねこの様にしなやかに、ねずみの様にしぶとく生きていけば、きっと楽しい事だっていくらかあるはず‥いつかは自分にしか出来ない事だって見つかるはず‥。それはとってもうれしい事だと私は思います。

願わくば、いじめを受けている者たちに祝福を、虐げられている者たちに幸あれ!



って説得力ないですね‥わたし、叩けば凹むブリキ男だし‥(笑)

投稿 : 2024/05/18
♥ : 20

たっぷりおから さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

コミック「ちゃお」って子ども向け?

いじめの陰湿さはそこそこ伝わってきた。
でも舞台が中学だしそもそも飛び抜けたお金持ちの令嬢なんて私の学校にはいなかったです。悪人には自分から近づかないってのは普通だとと思うけど、これは状況がちょっと限定的過ぎるんじゃないかな?あまり話をリアルにし過ぎて将来あるマドモアゼル達にトラウマ植え付けるってのも不味いと思うけど。

私は好き嫌いははっきりさせるタイプですが、このアニメは短いしどっちかつかずの微妙な評価しかできない。コミックも読んだら判断できるんだろうけど、時々買う少女漫画も不定期連載となると興味は持ちづらいかなあ。かといって人におすすめ出来る内容でもありませんでしたが。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 4

てけ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

内容ではなく存在が問題提起になっている気がする

YouTubeで公開されているアニメ。12分ほど。

学校の女王様に目をつけられた生徒がいじめられる。
しかし、その女王様はある事情で立場が変わり、いじめられる側になる。
最初にいじめられていた生徒は……。


作品そのものは低年齢層向け。

いじめが発生する場合、人物関係は、

①いじめの中心人物
②いじめを面白がる人
③見て見ぬふりをする人
④いじめの被害者(の味方)

と分けられます。

周囲の人物は、一般的には成長とともに②→③と基本スタンスが移行していきます。
しかし、この作品では大多数が②に属していています。

また、いじめの動機・形態がリアルとは言えません。
現実の類型を気にせず、「いじめのイメージ」を描いています。
経験や知識に訴えるのではなく、雰囲気に訴えているというわけです。

なので、よっぽど幼くなければ、作品から直接学ぶことは何もないでしょう。
この内容で登場人物が中学3年というのはあんまりです。
ましてや、その歳でアニメから教訓を受けるようでは遅すぎます。


ただ、ざっくりして短いがゆえに、意識が作品の外に向きやすくなります。
また、上記の①~④と立場の移行はフォローされています。
そのおかげで、「こういういじめ、こういうシチュエーションについてどう思うか」ではなく、
「いじめそのもの、そして立場についてどう思うか」という根本的な問いに結びつきやすいと思います。


突っ込みどころの多さで話題になった側面もあるかもしれません。
しかし、100万再生を超える、多くの人の目に止まっています。
宣伝文にある問題提起の役割は果たせているのではないでしょうか。

投稿 : 2024/05/18
♥ : 34
ページの先頭へ