2022年度に放送されたおすすめアニメ一覧 343

あにこれの全ユーザーが2022年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年05月12日の時点で一番の2022年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

73.1 50 2022年度アニメランキング50位
ヤマノススメ Next Summit(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (181)
555人が棚に入れました
あおいとひなた、ふたりで始めた山登りは、標高197mの天覧山、599mの高尾山、1786mの三つ峠山と徐々に標高を上げていく。 ふたりの思い出の山である谷川岳にも登頂し、関東の名峰を周るうちにここなやかえで、ほのかといった仲間も増えて充実するアウトドアライフ。 山への知識、道具、体力を充実させたあおいは更なる高みを目指す。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

再び富士山を目指して

これはヤマノススメの第四部です。
但し第一話から第四話までは過去の総集編がメインで新規エピソードは少ししかありません。
第五話からが本当の第四部の物語といえそうです。

主人公は高校一年生の雪村あおい。
入学当初は内気で他人とのかかわりを極度に拒絶していましたが、今では友達がたくさんできました。それは親友のひなたのおかげ。
ひなたが強引にあおいを山登りに誘ったことで楓(かえで)やここな、それにほのかとも知り合えて友達になりました。
そしてクラスメイトとも一緒におしゃべりしたり遊びに行けるようになりました。

そして第四部では登山部部長の小春(こはる)をはじめとして、さらに多くの人と友達になります。


第四話であおいは富士急ハイランドのジェットコースターに乗るのですが、そのときのあおいの青ざめた表情と、ここなやひなたの楽しそうな表情の対比が、とても頬笑ましいですね。


第五話であおいは、秩父の武甲山に登ります。
この山は秩父の繁栄を支えてきた山であるとともに東京にある多くのビルディングのコンクリートを提供してきた山です。
コンクリートの原料となる石灰岩を採掘したために山の半分が無くなっています。でも、残りの部分は自然が豊かです。

私も武甲山に登ったことがありますが、この山は結構険しい坂が続くので、登山の初心者にはお勧めできません。
今回あおいがペットボトルをしょって武甲山に登ることができたのは、再び富士山を目指す目標があったから。あおいは以前に比べて体力がかなりついてきました。
この分だと来年あおいは富士山の頂上まで登ることができるでしょう。
あおいの頑張りに拍手を送りたいです。
それよりも、あおいのお母さんが息切れせずに登ることができたのには驚きです。(あおいのお母さんはスーパーウーマンかも?)


第六話では、あおいやここながサンタクロースの衣装を着るのですが、ここなちゃんは何を着せても似合いますね。


第七話では、あおいたちが日和田山に登ります。
私も登ったことがありますが、日和田山の男坂は崖にしがみついて登っているような気分になるので面白いですよ。但し一人で登るのは危険なので必ず複数で登ってください。
それに9月中旬には、ふもとの巾着田で800万本の彼岸花が咲き乱れます。日和田山の中腹からも、その場所が真っ赤に染まって見えます。


第八話では、あおいたちは奥多摩の御岳(みたけ)に登ります。
最寄り駅は青梅線の御嶽(みたけ)駅です。駅から東京方面に50mも歩くとバス停があり、そこからバスで滝本駅まで行きます。
滝本駅からはケーブルカーでほぼ頂上近くまで登ります。
秋は紅葉が奇麗だし、夏は山の中のロックガーデンというせせらぎの場所で涼を感じることができます。
また、御岳から日の出山までは、なだらかなコースなので気軽な山登りには最適です。
私はもっぱら、御岳→日の出山→つるつる温泉のコースを歩きます。
山登りの後の温泉は気持ちいいですよ。


第九話では、あおいたちは名栗で渓流釣りをします。
このとき、ひなたがここなちゃんよりも年下に見えました。あいおもひなたも高校生には見えないほど可愛いですね。
名栗で渓流釣りをされる方は、禁漁期間があると思いますので、事前に確認されたほうが良いです。


第十話は、あおいの成長が見れる内容でした。
内気で引っ込み思案だったあおいが、クラスのみんなを引き連れて天覧山に登るようになったのです。
あおいは山登りをするようになって良かったと思います。


第十一話から第十二は再び富士山です。
あおいは頑張りました。成長しました。まさに、一歩、一歩、さらに一歩と、進んでゆきました。
追い越されてもいい。休んでもいい。少しずつ少しずつ前へ。
山登りは、どこか人生と似たようなところがあります。

最終話のエンディングは、あおいとひなたが歌う「スタッカート・デイズ」
これはヤマノススメ1のテーマ曲でもあります。
このアニメは最初は5分間だけの放映でした。それがヤマノススメ2では15分になり、そしてヤマノススメ NextSummitでは30分になりました。
このアニメも、制作の方々の努力で、少しずつ少しずつ成長していったのですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

昨日より輝いて見える景色

【紹介】
NextSummitってタイトルついてますがこれは2期じゃなくて4期です
1~4話はこれまでの総集編
5話から続きの話になります

【感想】
ただ険しい山を登ってみんなで絶景見て綺麗だねー良かったねーっていうアニメじゃなくて、いろいろな切り口から山の良さを描いていてこれまでと変わらず山の魅力と山の険しさがいっぱい詰まっています

あおいは一期から着実に成長していっているし、登山友達が増えて賑やかになって、苦労や挫折があったぶん楽しい時の充実感がより強調されてます
山あり谷ありで最後にはちゃんと充実感があって、綺麗な景色を見せてくれる正に富士山のような作品でした

4期になってはじめて30分アニメになりました、あおい達だけでなく作品も5分→15分→30分と着実に成長?してきましたねー!
今期アニメの頂上もとれるかな?! 

【作画】{netabare}
これまでと変わらず山頂からの絶景、山道の豊かな自然、木々の間から差す木漏れ日の美しさ、目印や山小屋、休憩スポットの雰囲気、、そしておいしそうなご飯!
山の魅力がたくさん詰まった美しい作画が魅力的!
空気がおいしそうだなあってのが伝わってきます

気が抜けた場面とか作画の質がたまにすごく落ちる時あるけど、見せるべきところでちゃんと魅せてくれるのでそんなに気にならなかった、作画の質というか作画の癖も各話で変化があって、絵を描く人が違うと印象が結構違いますね、コロナのせいかな?
EDアニメも毎回絵が違っていて、旅の思い出が詰まっていてとても良かったです!{/netabare}

【シナリオ】{netabare}
3期まではみんなと一緒で楽しい、最高ー!!!ばっかりじゃなくて、失敗も挫折も喧嘩もすれ違いもあって登山も友達関係もうまくいくことばっかりじゃないよってところを見せてきました
ちょっとネガティブ過ぎるかな?って思うことは何度かあったけど、これまでの3期でしっかり失敗や挫折を描いてきたからこそ、あおい達の成長が実感できて良かったと思いました
{/netabare}
【ちょっとモヤっとしたところ】
{netabare}
3期でも時々ひなたにモヤっとしたけど、2期であおいが寝不足で高山病になった失敗があって、それがあおいのトラウマになっていることを知っているはずなのに、自分が寝れないからって夜中に寝ているあおいを叩き起こした時はちょっとイラっとした

2期と3期を乗り越えてあおいは反省して成長してるけど、ひなたはそんなに成長している感じはないかなあ

ついでなので2期のことも言うと、あおいの富士山登頂失敗は周りのみんなにも責任あると思ってます、いちばん体力がない子が寝不足で体調悪そうなのはすぐ気づけると思うから、誰か後ろについてあげればよかったのにって思った
それに比べてあおいは4期になって体力がない人と一緒に登山するときにちゃんと気遣って歩調合せて登山している様子が良くて、あおいはネガティブでも優しいところが好き

{/netabare}
【あおいの成長!】{netabare}
身体を鍛えたり精神的に強くなって以前できなかったことができるようになるっていうシナリオはよくあるけど、ヤマノススメはちゃんと失敗した経験をいかしてルートや持っていく装備を再考していました

努力もあった、精神的な成長もあった、でもそういう目に見えづらいことだけじゃなくてちゃんと頭を使って失敗を繰り返さないために万全を尽くすところがリアリティがあって経験をもとに成功につなげていくところがより「成長」を実感できて良かった!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 30

lumy さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いろいろと感慨深いよね。

原作未読、アニメ前作全話視聴済みです。
しかし、アニメの根強い固定ファンがいるのか、
10年かけて完結するというすごい作品です。

この作品のテーマは好き嫌いがあるとして、
1期から、制作陣や声優さんの作品に対する愛を
ものすごく感じます。
1期2期は、5分だからといって手を抜かないところが
視聴者を驚かせ、
3期で15分に拡大してもクオリティを落とさず、
4年後の4期でフィナーレをかざるという、
今後も本作のような経過をたどる作品は出てこないでしょう。

3期の私の感想は、
「クオリティは高いけどぶっちゃけ見なくてもいいんじゃね」
というものだったのですが、
4期を見ると、3期は絶対に見なければいけませんw
あおいがちゃんと成長しているんです。
なんというか、時間をかけた分、あおいの成長がグッときます。

また、4期の目玉は吉成氏オール監修の毎話新作EDでしょう。
いやあ、あれはアニメではないんですが、
アニメの神髄を感じました。
声もない、動きもない。なのにどんな場面か想像できる。
もちろん、作中で各キャラの設定を知っていることが
大きいのですが、
それを逆手にとって大事な場面を切り取って構成することで
まるでアニメを見ている気分になるんですよね。
すごい。すごいから吉成氏の分、作画の星を0.5上げましたw

終わってしまうのかなあ。
このロス感は、ARIAに似ているのですが、
だとするとちょこちょこ新作が出たりしますかね。
ぜひ、お姉さんになったあおい達を見てみたいものです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

72.9 52 2022年度アニメランキング52位
名探偵コナン ハロウィンの花嫁(アニメ映画)

2022年4月15日
★★★★☆ 3.9 (70)
313人が棚に入れました
渋谷ヒカリエでとある結婚式が執り行われていた。そこには、ウェディングドレスに身を包んだ警視庁・佐藤刑事の花嫁姿が。コナン達招待客が見守る中、突然乱入してきた暴漢が襲い掛かり、守ろうとした高木刑事の身に危機が─!?。事態は収束し高木は無事だったが、佐藤の瞳には、3年前の連続爆破事件で、想いを寄せていた松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが、高木に重なって見えていた。
時を同じくして、その連続爆破事件の犯人が脱獄。果たしてこれは偶然なのか?安警察の降谷零(安室透)が、松田を葬った犯人を追い詰める。だが、突然現れた謎の人物によって首輪型の爆弾をつけられてしまう。爆弾解除のため安室と会ったコナンは、仮装爆弾犯「プラーミャ」との間で起こった過去の事件の話を聞く。やがて、捜査を進めるコナンたちを狙う不穏な影が─。
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最近のコナン映画の中では面白い方

{netabare}
最近ずっと酷いのが続いてたけど今年は結構よかった。
良かった点として今回は特定のキャラごり押しに感じなかったところ。最近は安室・赤井・京極とか一部の腐女子受けのいいキャラに活躍させて...みたいなキャラ重視の作品が多かった印象だけど、今回の作品は安室に出番があるとはいえあくまで1キャラとしての立ち位置だし、全員まんべんなく出番があって良かった。
今回の映画、膨大なキャラ全員に見せ場を作るのが上手かった気がする。通常のコナンのキャラ+で映画オリジナルのキャラにもしっかりと見せ場や掘り下げが合って、最後のエレニカのシーンとかも感動できた。

それと今回の映画が良かった理由として犯人が無駄に強いというのもあると思う。安室を出し抜いたり、大規模テロを仕掛けたり、一人なのにもかかわらず下手したら黒の組織レベルで規模の大きなことをやっていた気がする。相手が強かったのでアクションシーンや最後の戦闘が面白かったかな。

一方微妙だった点は、ミステリー要素が少ない。この点だけは最近の他のコナン映画と同じ。そろそろもっとミステリー要素強めでやってくれないことか...。
あの渋谷の道路の図の奴も異次元の狙撃手の劣化焼き増しに感じた。

もう一個、最後のあれはやりすぎ。あの大規模な爆弾をそもそもどうやって仕掛けたんだってのはまあいいとして、あれを阻止する方法が少し...。
どう考えても隙間とか下水道で爆発する。サッカーボールで空から中和剤振らせるとかの方がまだマシだった気もする。

ミステリーとしてはそこまでだけど、クライムサスペンスとしては完璧な映画だったかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 3

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

勝利のカギは、サッカーボールだ!

 前作はクエンチと呼ばれる煙だったけどまたもや、爆発が起きる劇場アニメに戻った展開が起きるです。今回は悪い奴の罠から始まり、警視庁前、渋谷を舞台とする連続爆破が起き、とんでもない方法で行われようとする爆破を阻止するコナン達の活躍を描いたお話だったです。
 降谷零(安室さん)や同期の他三人を中心に、以前のTV放送にあった爆破事件のつながりでさらに一方においても、表ざたにしなかった事件の絡みを見せてくれたです。佐藤刑事、高木刑事の活躍も見逃せないです。
 また降谷の同期の一人が、コナンと接点があったことが爆破を阻止した大きなカギとなったのです。やや、スリリングな展開だったけど、私には不自然な点から犯人が誰だか想像し、その通りであったことが意外性に欠けたようにも見えたです。

 祝辞と思われた光景がやっぱりこうだったかと一転したり、その一方で罠にはめられる降谷零、事件に巻き込まれるコナン、どうなることやら次々と展開が大きくなっていったように見えたです。

 二種類の液体を混ぜることで起動する手口の爆弾が、最後まで付けまわることになるのです。渋谷でそんなことが可能なのか?驚きの仕掛けを見たです。それをどうやって切り抜けたのか?見に行ってのお楽しみです。
 渋谷のハロウィン、かぼちゃの仮面が、誰にでも印象に残った光景を見たです。相変わらず劇場版コナンは、派手な演出が施されていると感じたです。降谷零の同期が、佐藤刑事、コナンにどうリンクしているのかが?面白みの一つかもしれないです。

 やや、心残りがあったとすれば私の都合上、渋谷で本当は見たかったけど、今回最寄りの劇場で見るしかなかったことでしたです。
 渋谷の建物が、リアルに再現されていたと思ったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

72.7 53 2022年度アニメランキング53位
古見さんは、コミュ症です。 2期(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (179)
687人が棚に入れました
2022年4月予定
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

古見が通り過ぎたあとに

原作未読

“○○な誰それ(♀)さん”系統作品の2期扱いですが、2021秋の初登場から1コ跳び程度と分割2クールみたいなもんかと。登場人物もやることもそう変わらず、良い方向で少しばかり調整してますね。

 人付き合いは苦手だけど人が嫌いなのではない

毎度繰り返されるフレーズはどこまでもコミュニケーション下手への優しい目線を崩しません。
わりと整理されてるので基本評価は1期レビューご参照。良い方向に傾いた理由/差分をまとめます。


■良かったとこ(ネタバレ無し)
 高校入学当初から美人な古見さんに興味津々なクラスメイトで真っ先に距離を詰めることに成功した只野君。彼が通訳役として次々投入される変キャラを媒介してた1期でした。個人的には古見⇔只野間の比重高めだったらきつかったろうなぁと思ってたので周囲を強キャラで固めてくれて見やすかったです。
 2期では通訳の役回りはやや後退。長名くん山井さんその他面々が好き勝手やってました。

 いつもの分かりにくい例えをすると…
 ヒロイン古見さんに期待するポジションは点取り屋ストライカーではなくボランチということになるんだと思います。自らゴールを決める強烈な個性を彼女に求めると物足りない。下がり目のポジションにいて必ずボールが経由する位置取りですね。なんせ喋らないですから。派手な活躍を期待せず、古見さんとのボール交換で周りが輝く、みたいな視点で俯瞰したらけっこう楽しめました。
 友達100人欲しくて人付き合い苦手な私でもどっこい今日も元気です!みたいなコミュ障讃歌展開だったら秒で切ってたと思います。

 とかく映像表現の評価が高かった1期と比較し内容“も”安定していたと思います。

■悪かったとこ(ネタバレ無し)
 OPは曲作った人{netabare}(川本真琴さん){/netabare}がそのまま歌えばよかったのでは? 


1期を受けて安定感の増した2期と言えましょう。コメディ方面でキャラ立ちした面々の動物園的な楽しみ方のできる佳作でした。
コメディ色強めてときおりほっこりさせる。少年誌らしいアプローチだったと思います。
なおラブは要らんと思ってます。現実味ないファンタジックなキャラ付けの子たちが愛を語ることは空疎ですもの。仮に古見さんリアルにいたら確実に持て余す自信があります。…なんだけどこれラブコメカテゴリーでしたっけ?肌に合うのか合わないのかよくわからんとです。



※ネタバレ所感

■コミュ症とコミュお化け
お化けとはなじみくんのことではありません。古見さんのママでもありません。
{netabare}週刊少年サンデー連載。ナレーションが日髙のり子さん。
その昔。大事なことは語らず匂わせまくって登場人物はこぶ平(現正蔵師匠)以外は察する術に長けたコミュニケーションお化けだらけの双子の野球アニメがありましたけど、本作品のナレーションに日高さん起用で思い出し個人的にツボでした。
そういえば双子弟がアレしたあまりにも有名なシーンで『幻想即興曲』流れてましたよね。こちらでは古見さんパパ登場で同じショパンの『革命のエチュード』流れてましたよ。
ただどうやら制作会社がもともと『タッチ』関連のお仕事でご一緒だった面々らしいです。その絡みかしら?いつもの邪推です。{/netabare}


■顔のないエンディング
好みではないOPと対照的にお気に入りのED。曲はもちろんアニメーションもインパクト強めでした。

{netabare}2パターンの下校シーン。前半は独り、後半は只野君と一緒に教室を出ていく古見さんでした。前半は窓の外が桜色だったので入学当初で、マフラー巻いてる後半は冬ってことなんでしょう。一年間のクラスの歩みが凝縮されてました。

それとなんでキャラの顔消してのっぺらぼうにしたんですかね?
歌詞とリンクしてるのもありますが、こちらあえて顔がないことで私たち視聴者が経験した高校時代のクラス風景と置き換えてみてね?との作り手からのメッセージではないかと思うのです。アニメほどじゃなくても同窓会で話題になりそうな濃いキャラの1~2人はいたし、狭い箱の中でのイチャコラはありました。当然1年間での変化もある。
卒業して年月が経ってなお繋がってる人は限られるし顔も忘れてたり。でも「こういうやついたよな~」は不思議と覚えてたり。のっぺらぼうに顔を描き足すなら案外身近な人になるのかもしれません。{/netabare}


そういえば王様ゲーで躊躇なくキス命令ぶち込む古見さんママだったり、「結婚しろよ」至極真っ当なツッコミをするバスガイドさんだったり、迷いのない大人がまぶしかったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

優しさは1000の言葉に勝る

一期はそれなりに楽しめましたが、1期に比べてラブコメもギャグも良くなっていて面白かった

一期から変わらずシナリオやキャラデザは薄くてあまり好みじゃないです
癖が強すぎるキャラクター達がわちゃわちゃやってるのを見て楽しむだけのアニメです

でも古見さんの成長も感じられるし、新キャラもいい感じだし、どんどん賑やかで楽しくなっていきます
二人の関係性も見どころ十分で最終回の締め方も綺麗に締めてて期待以上の2期だったように思います

個性的なキャラクター達のかけあいが面白い作品なので、一期の蓄積が良い感じに効いていますね
EDアニメも作品の魅力が詰まっていてとても良かったです
一期見てハマった人なら視聴して間違いなしです!

3期にも期待してます

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「1cmずつ 恋に落ちる」

【物語 3.0点】
1期から中1クールで放送された2期。話数も1期から継続。
実質分割2クールで1年生編を完走。

内容はごくごく平凡な学園生活・歳時記の再生産。
古見さん&只野君の関係等も、
OP主題歌から拝借したレビュータイトルの通り、
互いに遠慮しながら、ゆっく~りと亀の歩み。

“コミュ症”視点から、もしくは変人だらけのクラス構成から、
一年間、普通の青春がつつがなく完遂される価値を再認識し、
当たり前が幸せとホッコリできるか否かが折り合いポイント。
よって一定以上のキャラ理解や共感は不可欠。

私は古見さんが振動している姿を見ているだけで癒されるので、
本作は毎回脱力して楽しめる安全スポットでした。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・OLMが引き続き、光を反射する埃まで捉える高水準を維持。

歪ませた背景に回想を映し出すなど、作画と一体となって演出された映像美も健在。
{netabare}愛しの古見さんのストッキングを奪取して頭に被り逃走する山井さん。{/netabare}
など良く動くカメラワークにも妙な迫力がありw

顔の各パーツを少しずつ赤らめながら、距離を測って測って詰めないw古見さんなど、
心情表現も繊細で拾ってみるとキュンキュンできます。

それだけに漫画らしい心情説明の吹き出しテロップ。
説明文のツッコミがギャグの中核と理解しつつも、
私はやはり蛇足に感じることも……。
一度、一話限定で良いので、テロップも解説ナレーションも只野君の補足もなしで、
古見さんの心情解析に視聴者がチャレンジする回も欲しいと思ってみたり。


【キャラ 4.0点】
新たな強面“コミュ症”片居誠が登場し、古見さんに弟子入り(本人非公認)し、
相互誤解に基づいたギャグが多様化するなど、
ともだち100人に向けて“古見友人帳”は微増傾向。

そんな中、私の印象に残ったのは今回も大人。
{netabare}修学旅行のバスガイドさん。変人サファリパークの1年1組相手に、
ほとんど誰も聞いてない観光説明などで懸命に場を作ろうと奮闘。{/netabare}
行事が滞りなく進行するのって快挙だなw
と普通のかけがえのなさをここでも痛感。
1組担任みたいにもっとテキトーで良いのにと思いつつも、
その不器用な努力を応援したくなります。

14話からは三バカトリオが“クラスの女子 付き合うなら誰?”などと妄想を開始w
私も1組は意外と魅力的な女子が多いと錯覚w
私は、帰宅時、家にいたら安心できるという観点で言えば
尾根峰さんか尾鶏さんかな?(※あくまで妄想上の話w)

只野君が鈍感キャラではなく、
{netabare}バレンタインデーにチョコもらえなくて落ち込む{/netabare}わりと普通に青い男子だったのが胸キュンポイント。
そんな兄のドギマギを同室二段ベッドの特等席から観察する妹・瞳は共感度高し。
(というより普通に女子力高めで可愛い。リアルに付き合うなら瞳が本命まである←いい加減、妄想やめいw)

長名なじみのコミュ力もちょっとウザいかもと思い始めた2期。
ですが23話、{netabare}古見さんと只野君が詰将棋でギクシャクした際、
「いつの間に 喧嘩するほど仲良くなったの?」とサラリと一言で氷塊させてしまう。{/netabare}
“全校生徒の幼馴染”は伊達じゃないと脱帽しました。


【声優 4.0点】
古見さんの弟・笑介役の榎木 淳弥さん。
古見 硝子役の古賀 葵さんと合わせて、
喋ってナンボの声優さんの中でも、さらに巧みな喋りが人気のお二人が、
息遣いだけで掛け合いを展開する贅沢さが相変わらず笑点w
たまに喋ったらイケボなのもまたジワジワ来ますw
古賀さんも綺麗な声で一生懸命伝える場面が少しずつ増えては来ましたが……。
19話で絞り出した{netabare}修学旅行{/netabare}への想いグッと来ました。

寡黙なコミュニケーションも深まりナレーション・日高 のり子さんも
“執行ボイス”による心情判定に大忙しw
中盤には照れ隠しな手紙の代読までカバーする活躍ぶり。

2期ではさらに成瀬 詩守斗(しすと)の行動解説役などとして、
米谷 忠釈役の鵜澤 正太郎さんが淡々と茶々入れ。

声に出せない想いが積み重なるクラスとは対照的に“解説席”はにぎやか。


【音楽 4.0点】
ほとんど喋らない古見さんの反動なのか主題歌は饒舌。

OP主題歌は伊藤 美来さんの「青100色」
サビの終わりにかけて、喋り足りない胸の高鳴りを早口で畳み掛けて行くこの構成。
どこかで……と思っていたら、楽曲提供に川本 真琴さんの名がありビックリ。
四半世紀ほど前にアニメ版『るろ剣』OPなどで一世を風靡したシンガーの曲調に再会できるとは。
この点からも本作は古き良き青春アニメ志向。

ED主題歌はFantasticYouth「小喋日和」(こしゃべりびより)
こちらは想いがポエトリーにまで溢れ出す系。
EDアニメーション。表情のないキャラのシルエットが動き回るクラスの日常風景。
説明解説なしでも誰が何してるか分かってしまうキャラの濃さ。
上記の通りテロップアレルギー気味の私にとってはED眺めるのが、
毎回、何気に一番ウキウキする時間だったり。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20

72.7 53 2022年度アニメランキング53位
劇場版 Free!–the Final Stroke– 後編(アニメ映画)

2022年4月22日
★★★★☆ 3.9 (28)
101人が棚に入れました
初めて出場した世界大会の後、遙は《絶対王者》アルベルトの泳ぎに囚われ、自由を失っていた。「君はなぜ泳ぐのか?」問われたのは、泳ぐことの意味と水との在り方。もがき苦しむ遙はひとり暗い水底に沈んでいく。

心を抉られたような衝動に追い込まれながら、あえて過酷な特訓を選び、ただひたすら練習に打ち込んでいく遙。身も心も酷使していることは、遙自身深く理解していた。仲間たちはそんな遙を信じ、見守るしかなかった。

脳裏にフラッシュバックするアルベルトの冷たく乾いた泳ぎ。もっと速く、もっと強くならなければ。もう一度、アルベルトと戦わなければ。

遙の繰り出すストロークが、重く冷然な水を切り裂いていく。寄り添う仲間たち。

遙が泳いだ先に見た景色とは──!
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私たちはFreeしか追いかけない

【感想まとめ】
これで本当に終わったのねっていう寂しい気持ちに、まるで爽やかな涼風のような締めが心地良い、その潔い有終の美に自然と落涙する
お涙頂戴な展開などしなくても、ファンは自然と大好きな作品の終わりに万感の思いが駆け巡るのです
前後編にわたって遙が沈んでいるターンがちょっとくどかったけど最後のまとめ方は良くてとても良い終わり方だと思います
このシリーズに出会えてとても幸せでした、最高の時間をありがとうございました

【視聴者とキャラクター】 {netabare}
さて、10年近く続いたFreeシリーズも本作品をもって完結と言うことで、長年見守り続けたファンにとっては約10年間の集大成なわけです
これに対して作中のキャラクターにとって今回のエピソードは終わりじゃなくて長い人生の重要な分岐点

私は小さい頃からスポーツが得意でしたが、泳ぐのは苦手でした、それがこの作品と出会って水泳に興味を持って、今では結構速く泳ぐことができますが、Freeがなかったら今でも泳げないままだったように思います
私自身はこのシリーズを見て学生時代を過ごしてきて、遙達と同じペースじゃないけど私自身も9年で子どもから大人になって、彼らも幼少時代から大人になって世界で戦うところまで成長していく過程を一緒に生きてきたっていう実感があるのでもちろん想い入れが強いし、長年見守り続けたファンには遙達の想いとは違う気持ち、Freeの世界を卒業するという特別な気持ちがあると思う
そのため視聴者が今回のエピソードに寄せる想いと、遙達の想いにはズレが生まれるため、物語としての評価とファンとしての評価にも多少の乖離が見られると思う {/netabare}

【ファンの期待は重い?】 {netabare}
シリーズのラストを飾る作品として、同志であるファンの間でも期待している内容は違う
明るく楽しい雰囲気でワイワイ仲良くしているようなファンサービスがいっぱい見たいという人と、遙や凛達の人生をしっかり描いて欲しいという人がいると思う

長年見ているファンの心理からすると、これが最後の作品で大好きなキャラクターとの最後の時間なので、思う存分キャラクターの魅力を堪能して卒業したいっていう気持ちがたぶんあります
主な視聴者は女性なので、さながら片思い中の彼との離別、あるいは推しのアイドルの引退式のような引き裂かれるような想いがある
前編で遙が泳ぐことの意味と水との在り方を問われて悩み、それを引きずる形で始まった後編は一人暗い水の底に沈みながら必死に過酷な練習に打ち込んでいる様子が全体的に重苦しい雰囲気をまとっていて、最後を締めくくる作品に期待したものと違うという気持ちもある
それが前後編にわたってシリアスなシーンが続くことになっているので、みんなで明るく賑やかな劇場版が見たかったって思うファンも多くいるのではないでしょうか

これに対して、遙達の水泳人生の総決算をしっかり描いて欲しいという気持ちもあるはずで、その両者の期待に応えようとする姿勢は感じられた
その結果が今までの想い出を振り返るような構成と、それぞれのキャラクターの友情物語と、メドレーでの締めになったのかなと思います
そうやっていろいろ盛り込んでいるので、どうしても期待したものと違うという感想になってしまうのではないかと思いました
私はどちらも見たかったけど限られた尺で描けることは限られてくるので、遙達の物語をしっかり描くことを重視して欲しかった {/netabare}

【前編のシナリオに問題がある?】 {netabare}
前後編を振り返ってみると、前編でアルベルトのFreeらしくない描き方と、それに対する遙の意識と迷走が賛否両論になってしまった原因だと思う
前編での遙の様子はいい加減にしてよ、こんなことしてる場合なの?って思ったところもあった
もちろん世界の舞台で戦うラスボスなので絶対届かない壁として描くことは大事ですが、悩んで沈んで大事なライバル達に当たり散らせば届くのか?っていうとそんなことはないはず、世界の舞台って長い時間ぐじぐじ悩んで勝てるほど甘いものじゃないと思う
遙はアルベルトのことしか眼中になくて、そこに引っ張られて尺をとられた結果、凛や郁弥や真琴とのこれまでの関係性に向き合う時間が不足していたように思うし、彼らにとってどれだけ遙の存在が大きいのかずっと見てきただけに、遙のどこを見てるのかも不明な迷走に振り回されてなんか可哀そうだなって思ってしまった
ここは実力差を淡々と見せるにとどめて、凛や郁弥とのライバル関係のほうを深堀して打倒アルベルトに向けて高めあっていくシナリオのほうが
スッキリするし、明るいシーンが見たかったファンの要望にも応えられたのではないかと思いますが、それは私の勝手な願望です {/netabare}

【良かったところ】 {netabare}
凛の決意を語るシーン
凛と遙と真琴の関係性の良さをはじめ、キャラクター同士の深い関係性が多く見られたのが良かった
遙達の成長が感じられたところ
ミニ渚があざとかわいい
これだけキャラクターいっぱいいて、できるだけみんなに見せ場を用意してくれたこと

わたしはシリーズ初期からずっと凛と江ちゃんが好きです {/netabare}

【少し残念なところ】 {netabare}
まず世界の高い壁に挑むという時期にぐじぐじしすぎなのと、友情を描くことに力を入れすぎて世界の壁に向き合うことからだいぶそれているように思いますが、ここはファンに配慮している部分なのでしょうから仕方ないのかも
ただ、オリンピックというスポーツ選手にとって最終到達点の一つとも言うべき聖地で、楽観的な人でもやはり緊張感とか重みは感じると思うのです
それが高校生の部活と同じようなノリなのはかなり気になった
それから、凛達とのライバル関係も遙の向き合い方には疑問を感じたし、真琴がなんか自分の居場所を失ったような寂しさを感じましたが、みんなが満足するように作るのは難しいですし、いろいろな期待を受けて前半のあの沈んだ流れからラストの良い形に持って行ったのは、前編の最後に抱いていたどうなるのこれ?っていう不安をちゃんと払拭してくれて良かったです
{/netabare}
【シナリオ】 {netabare}
いろいろ文句も書きましたがリレーメンバーの選出や順番、つなぐシーンはどれもFreeシリーズの集大成って感じで良かったです
前編から続く空気の重さはあったけど、最後は良い締め方でした
それぞれのキャラクターの人生にとってこれは道の途中、水泳を通じて成長してきてここからそれぞれの道に歩いていく
人生と言う長い道のりの途中にある、最高に充実した時間はあっという間に過ぎていく、そんな彼らの人生の分岐点を、しっかり描けていた良シナリオだと思います {/netabare}

【謎の女】 {netabare}
もしかしたら、続編?に出てくる予定のキャラでしょうか?
もしくは原作に出ているけどアニメ未登場の亜紀でしょうか?原作は読んでないのでよくわかりません
女性ファンを作中に登場させたってのは個人的にないと思っています、映画館は確かに女性ばかりだったけど男性ファンもいますからね{/netabare}

【作品自体の質】 {netabare}
作画、声優、キャラクター、音楽
これについては言うことなしで、グランドフィナーレを飾るにふさわしい最高のクオリティだった
音楽自体も良いし、絶妙なタイミングで良いBGMが流れるのが素晴らしい
水泳選手らしい引き締まった筋肉の付き方も描き方が上手い
夜のプールのシーンでは、光の反射と水面の揺らめきがとても綺麗だった
遙の心情の表現方法もうまくできているし特に素晴らしいのは選手たちの筋肉の動きの精密さ、水中の映像美と選手達によってかき分けられる水しぶきの表現、水泡の様子までリアル以上に美しく、思わず目を奪われた
間違いなく世界最高峰のアニメ映像でしょう
本当はじっくり何度も眺めたいところですが、映画なのでBD発売までお預けですかね {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

400m先の未来へ

―というわけで,観てきました!!
色々文句もありますが,これはもうフルで★5をつけるより他ないです。
まぁ一旦レビューしますが,なんか想いを馳せてる間にどんどん物語が進んでいった節があって後々(いつか)きちんとレビューしなおそうと思いますので取り敢えずの感想をつらつらと書きつくろうと思います。

まず,絵の美しさは前編同様相変わらずで,安心と信頼の京都アニメーション。
さすがです!!
なんかもうFree!を何度も観ているせいで他のアニメでプールのシーンとかちょっと出てきたりすると水の表現が物足りないなぁと思うようになってしまいました。
どう責任とってくれるんでしょうか(怒)?

全体的に前編同様実写のドラマのような雰囲気で話が進んでいきます。
1回しか観てないからはっきりとしたことは言えないのですが,なんか前編よりBGMが控えめだった気がしていて,そういうBGMがないシーンだとより実写のドラマっぽい雰囲気になると感じました。
もうこの後編が最後なわけで,回収されていない伏線とかフラグとかがあってはならないですよね。
なので,この脚本を書かれるにあたってスタッフさん達は最初のFree!から観返したんだろうなぁなんて思いました。
というのも,このFree!のシリーズは何度も何度も観ているくらい好きな作品ではあるのですが,このわたしでさえ(?)「あ~。そう言えばこんなことあったなぁ。よくここでピックアップしてきたなぁ」なんてシーンもあったからです。
あと,このアニメはスポーツものではあるのですが,メタ的に言えばアイドルアニメ的な色合いもあるので推しがいるファンの方々を裏切らないようにそこら辺を斟酌したシナリオでもあったなと思います。
具体的には,メインキャラクター達が各々まんべんなく出ているという点ですね。
そのせいでどうしても物語的に深掘りできないのは時間という制約があるので仕方ないですが,ファンの方達の気持ちを考えるとわたしはこれで良かったと思っています。
でも,物語を作る上で主人公であるハルちゃんとの関わりを描くのに誰かしらはもってこないとダメなわけで,そこら辺は丁度いい塩梅で作ってきたなぁと思いました。
ただその一方でFree!シリーズの“みんな友達にしよう”がゴリ押しされてる気もして…。
まぁ分かるけど…。「このキャラクターとこのキャラクターしゃべらせたらどんな感じなのかな??」って興味あるし。
でも,もう時間ないから!!終わっちゃうからそこに時間取らないで~って思いました。
{netabare}例えば凛ちゃんと旭の会話とか…。
わたし個人で言えば,ハルちゃんと郁弥の2人のシーンが観たかったのよ。。
前編のレビューでも書きましたが,フリー対決も出来なかったし…。
わたしはスポーツものが好きなので,もう少しキャラクター同士の対決とか観たかったし,仲良しでありつつもライバル関係のバチバチな感じを描いてほしかったなぁ。
前編の凛ちゃんと郁弥の学園祭の(間接)ライバル感好きでした。
でも,ハルちゃんと凛ちゃんのフリー対決は公式じゃなくて残念ではあったけどほんとに胸熱でした。
アルベルトの存在も圧倒的な感じで好きだけど,やっぱりハルちゃんのライバルは凛ちゃんとか郁弥とか(全快した)宗介であってほしいんです。
わたしは漫画は少年漫画派だったので,そういう対決がメインで描かれて,一たびプールを離れれば仲良しこよしな日常パート―みたいに描いてほしかったのだけど,どちらかと言えば友情メインのアニメでしたね。
観る前から「400m先の未来へ」というキャッチフレーズでリレーを泳ぐんだなと想像できたのですが,どの4人が泳ぐのかは分からなくて…。
でも,予選と決勝で分けてくれたのは「やってくれたな!!」ってぐっときました。
まず宗介が世界水泳で泳げるまでになるなんて想像できなかったからご都合主義だとは思いつつも感動したし,何よりアニキ(夏也先輩)を入れてくれたことがほんとに嬉しかったです。
そして,わたしの推しの郁弥は今回は脇役に徹してたので2回泳がせてくれたのも嬉しいポイント…というかせめてもの救いでした。
「ハイ☆スピード!」で尚先輩が「1番疲労が少ない泳ぎ方してる。だからロングでもスピードが落ちない」って言ってたし,小説でも“直列"でそれが描かれていたのが,ここに来て発揮されるというのがうるっときました。
それに郁弥から「持久力には自信があります!!」って仲間のために手を挙げるのもぐっとくるし,何より兄弟で襷をつなぐのもうるっとポイントです!!
わたしが桐嶋兄弟のお母さんなら号泣してるわ。
旭は残念だったけどね~。旭…好きなんだけどなぁ。。
あと,やっぱ宗介にはバッタを泳いでほしいですね!!
いつか凛ちゃんと怜ちゃんと旭と夏也先輩と金城とか勢ぞろいでバッタ対決してほしいなぁ。。
そして,ハル,凛,桐嶋兄弟,旭,御子柴先輩,金城辺りでフリー対決も!!
旭は原作で「おれの専門は,もともとフリーだっつうの」とか言ってたし☆
そんな未来があるのだと空想しておきたいと思います(笑)。
あと言及しておきたいのは渚と怜ちゃんの進路ですかね。
実際は観る前にグッズのユニフォームがネタバレしていてですね(´・ω・`)
あぁ~!!って思ったけど,2人が水泳を続ける道を選んでくれて嬉しかったです。
怜ちゃんは続けるんだろうなとは思っていたけど渚は分からなかったのでほっとしました。
渚の愛され力の前では金城でさえもあぁなっちゃうのか…(笑)って思いました。
渚…可愛いもんなぁ。
渚にきついこと言って万が一にでもうるうるされたらもうどうしていいか分かんないもんね(;・∀・)
ただ…なんか声優さんがわざと声を低くしているとかどっかでおっしゃっていたけど,渚は可愛いで売ってるから声変えなくても良かったと思うんだよなぁ。
そういうディレクションだったのだろうけど…。
まぁ声優さんについては前編の方で書いたので,取り敢えずマコちゃんの声優さん変えないでくれて京アニさんには感謝というそれだけ!!{/netabare}

そういえば,江ちゃんて結局進路どうなったんだっけ!?
予告とかのクレジットで江ちゃん役がクレジットされてなかったから,あんま出てないのかなと思ったけどちゃんと出てきてくれて嬉しかった。
わたし的に江ちゃんもメインキャラクターなのだけど…٩(๑`н´๑)۶
江ちゃん好きとしては誰かとくっついてほしいけど,百太郎だけは永遠に脈なしであってほしいと思っています(笑)。
{netabare}凛ちゃんがメダルをかけてあげるとこはうるうるしちゃいましたね。
あと謎な点としては歩ちゃんて何なの!?
ここに来て新たな疑問持たせないでくれる!!?
そして,最後の方に出てきた女の子…。
SNSだと原作に登場する亜紀ちゃんじゃないかと言われているけど彼女は誰なんだろう。
わたしは歩ちゃんに似てるなって思ったんだけど,まじで唐突すぎてよく分かりませんでした。{/netabare}

そして…ここまで引っ張りましたがストーリーのメイン(?)のハルと凛について書こうと思います。
郁弥が予告で「ハルはヒーローだからね。遅れてやってくるんだよ」って言ってたし,キャストの方も凛のヒロイン力を語ろうとしたらしいですが…。
わたしはどちらかというと凛がヒーローでハルがヒロインっぽいなと思いました。
{netabare}前編で凛に酷いことを言ってしまったハルちゃん。
「こんなの俺の気持ちじゃない」って言ってたけど,むしろハルがずっとずっと凛に対して心の中で思ってたことじゃないかと思うんです。
だけどあんなことを言ってしまった以上どっちが歩み寄らないといけないかと言えばハルの方だと思うんですよね。
(そう言えば,郁弥だってプロ行きを決めたのに郁弥とはぎくしゃくしないわけ!?)
それなのに,走ってハルを探しに行く凛はまじでお姫様を助けに行くヒーローさながらだと思いました。
悔しいけど,やっぱハルの1番のライバルは凛だよ!!
あのシーンでどれだけ凛がハルのことを大切に想っているかを見せつけられた感じがしましたね。
凛は「俺の方が巻き込まれたんだよ。あいつのフリーに…」って言ってたけど,主人公であるハルちゃん目線でずっとストーリーを追っていたこちらとしては凛の方がハルを巻き込んだってずっと思ってました。
小学生のとき,突然目の前に現れた凛。
そこで仲間で泳ぐことの楽しさを教えるだけ教えてまたぱっと居なくなっちゃう。
そうかと思えばまた目の前に現れて「水泳やめる」とか言い出してハルの心をかき乱して…。
ずっと水泳は速さにはこだわらない,泳げればいいと思っていたハル。
多分友達はマコちゃんだけで良いと思っていたんじゃないかな。
そんなハルの前に現れてそういうハルの水泳や友達関係のスタイルを変えていく凛の影響力を見てきたこちらとしては凛てハルの運命の人(変な意味じゃなく)だったんだなと思いました。
運命と言えば,巻き込まれ型のハルと違って凛ちゃんは自分から運命を掴み取りに行くスタイルですよね。
そういうかっこよさもヒーローっぽいなと思います。
マコちゃんがハルをいつも受け入れて肯定してくれる人な一方で,凛はハルの安寧をぶち破る良くも悪くも嵐のような存在というか…。
マコちゃんの存在は大きいだろうけど,ハルがあぁなれたのは凛のおかげだろうなぁって思います。{/netabare}

最後はなんかみんなでわちゃわちゃしてほのぼの日常パートが描かれて終わるのかなと想像してたんですが,意外となんかしっとりと爽やかに終わったという感じです。
個人的には,なんだか切なさも残した終わりだったなと思いました。
後編はコメディ感があんまりなかったのがちょっぴり残念ではありましたが…。

音楽は印象的でしたね。
Dried Up Youthful Fameのアレンジが凄く良くてびっくりしました。

全体的にはやっぱ長くやってきたシリーズというのもあって前編同様終始うるうるしながら観ていました。
沢山居るキャラクターをちゃんとそれなりに登場させてあって嬉しかったけど,その分「もう終わり!?」って感じでした。
{netabare}ちょっと今はまだその現実を受け止めきれないし,取り敢えず京アニさんにはあの謎の女の子を説明してほしいです!!{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

キャラ重視をさらに強く感じたFree!!

 これでFree!!完結になるのかなな、「the Final Stroke 後編」になったです。

 女性ファンが喜びそうな、キャラの日常からはじまる出だしだったです。水泳のシーンはあるけれど、どちらかというと前編から続く葛藤、遥の心情、苦悩の先に行き着く未来を描いているように思えたです。
 ストーリー以上に、遥を中心とした今まで登場したキャラ一人一人を見せる演出が、多く感じられたです。

 一人で奮闘する遥かにおなじみの仲間たちが、引き寄せられ支え体を酷使しながらも、最後には期待に答える姿を見たです。
 アルベルトとの決着が終って、終了したと思ったでしたです。でも、何だかんだその先の近況も描かれるので、いつになったら終わるのかな?なんて思ったりもしたです。
 でもこれが、ファンにはたまらないのかなとも思えたりしたFree!!な気がしたです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

72.6 55 2022年度アニメランキング55位
アオアシ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (156)
478人が棚に入れました
「世界へ、連れていってやる。」愛媛に暮らす中学生・青井葦人(あおいアシト)は弱小サッカー部のエース。中学最後の大会で負けた日、悔しさをぶつけるように海辺で走り込んでいたアシトは、試合を見ていた一人の男と出会う。その男――福田達也は、J リーグ有数のクラブ「東京シティ・エスペリオンFC」で、高校生年代を育成する組織「ユースチーム」の監督だった。荒削りだが、ある特別な才能を持つアシトに無限の可能性を見出した福田は、自らの野望を語り始める。「俺には野望がある。俺の作り上げたクラブで、世界を掌中に収める。世界への踏み台じゃない。我がクラブこそが世界だと。その野望のすべてを担うもの、育成<ユース>だ。」福田の誘いを受け、入団試験<セレクション>を受けに上京することを決意するアシトだったが──常にサッカー漫画の最前線を走り続ける『アオアシ』が、ついに待望のTVアニメーション化! 挫折、成長、友情―青春の全てがここにある!


声優・キャラクター
青井葦人:大鈴功起
大友栄作:橘龍丸
橘総一朗:山下誠一郎
冨樫慶司:八代拓
黒田勘平:堀江瞬
朝利マーチス淳:加藤渉
本木遊馬:榎木淳弥
竹島龍一:熊谷健太郎
福田達也:小林親弘
一条 花:河瀬茉希
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

戦術とコミュニケーション、あるいは本当の強さ

アニメーション制作:Production I.G、
監督:さとう陽、シリーズ構成:横谷昌宏、
副監督:曽我準、サッカー監修:竹下健一、曽我準、飯塚健司、
キャラクターデザイン:中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀、
総作画監督:中武学、山口飛鳥、
アクション作画監督:興村忠美、窪敏、音楽:横山克、
原作:小林有吾(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)

2022年に行われたFIFAワールドカップ・カタール大会。
日本はベスト16どまりだったが、
ドイツとスペインを破る大金星を挙げた。
交代人数が3名から5名に増え、
より戦術的な要素が大きくなったのが
今大会の特徴のひとつだった。
交代人数が5名に増えるという意味。
基本的には4名までの交代カードが早めに切れる。
1名分はキーパーの負傷など不測の事態に備えていないと、
最悪、本職のキーパーのいない展開になる恐れがある。
そう考えると、3名の交代枠だと2名の交代が
早い時間帯での最大の対応策となるが、
それでは、よほど個の力が優れていないと、
試合展開を変えることなどできない。
ところが、4名となると戦術の大きな変更が可能になる。

日本はその恩恵を最大限に活かし、
後半で三苫や堂安、浅野、冨安たちを投入。
4バックから3バックに戦術変更することで、
悪い流れを一気に断ち切り、
逆転勝利を上げることができたのだった。

今回のワールドカップは、メッシやエムバペという
突出したFWが局面を打開することが注目された。
細かな戦術も、ふたりにかかれば、
いとも容易く突破されてしまうのだ。
こういう選手を育てるのは、チームを勝たせるために
重要な要素のひとつだが、
日本というチームの特性を考えると、
やはりハードな運動量を伴った戦術強化が
今後、世界のトップチームと対抗するために
やっていかなければならないことだろう。

そういうテーマを中心に置いているのがアオアシだ。
各キャラクターの個性を取り上げながらも、
選手たちが戦術や仲間のことを理解しながら、
どのようにまとまっていくのかを描いている。
特にこの作品で新鮮なのはこれまでのサッカー漫画では
扱ったことがないJリーグのユースチームを題材にしていること。
ユースはプロの養成という面が大きいものの
描かれるのは、個人の意識や特徴に
大きな差がある中高生の年代。

ビッグコミックスピリッツの副編集長が
自ら企画を立ち上げ、書き手も選択したという。
戦術面もしっかり描いている『GIANT KILLING』と比較しても
より選手間の確執やまとまりに重点を置いた
作品になっている。

日本のサッカー界はJリーグ発足をきっかけに、
ユースが基礎となるチーム作りが行われてきた。
プロになれる選手は、幼い頃からユースチームで
活躍する選手が中心になっていった。
しかし、それによってユースのトップたちと
一般的な選手との軋轢や差別が生まれた。
1期ではそこをよりクローズアップしつつ、
エリート組と雑草組との違いを明確に表現し、
戦術を絡めながらドラマチックに描き出している。

戦術とはいってもサッカーの基本となる
トライアングルの考え方や片方のサイドバックが上がったら、
逆のサイドバックは下がって中央に寄せて「絞る」ことなど、
基本的なことを分かりやすく解説してくれるので、
知らない人でも楽しく観ることができるだろう。

物語のベースは、サッカーファンが考案したであろう
部分が滲み出ている。
90年代を想起するような表現が多い。
主人公の髪型が一世を風靡した
コロンビアのバルデラマみたいだとか。
中田英寿の代名詞ともいえる「首振り」も出てきて
懐かしい気持ちにさせてくれた。
トップ下が最も注目された時代だった。
そんな時代性も反映しつつ、
原作者は、家族像やキャラクターの性格などの
心の動きについて、かなりしっかりと構築している。
そのため、全体的なバランスがとても良い作品となっている。

原作は現時点で30巻まで刊行。
人気度やアニメ化したのがNHK絡みということから
長く続いていく作品になることが予想される。
今回を長い道のりの1期と位置付けるなら、
環境や立場の違う少年たちがトップチームを目指し、
サッカーを通して自分たちの気持ちを分かち合うための
段階の物語ということもできるだろう。

主人公は、愛媛県の田舎町でサッカーを楽しく一生懸命に
プレーする青井葦人。
点を取ることにこだわりをもつFWのポジションだ。
スナックを経営している母と
年の離れた兄のいる母子家庭の3人家族。
裕福ではないが、お互いを思いやることのできる
とても温かな家族環境で育っている。

そこにJリーグ・東京シティ・エスペリオンFCの育成組織、
ユースチームの監督・福田達也が現れる。
葦人のプレーに興味を抱き、ユースチームの入団試験・
セレクションに誘うところから物語が始まる。

どのストーリーも面白いのだが、
やはり惹かれるのは、昇格組、セレクション組、
そしてJリーグ・ユースに入れなかった雑草組ともいえる
3グループでの自尊と羨望、侮蔑、嫉妬という
感情の入り混じった戦いだ。

特に序盤から登場する、
黒田、朝利、竹島たち昇格組と
葦人、大友、橘、冨樫たちセレクション組との軋轢。
お互いのこだわり、プレーに対する理解など、
個々の考え方がぶつかる場面が面白い。
葦人を中心に意見をぶつけ合いながら、
戦術やプレーの結果につなげていくさまは、
とてもリアリティがあるし、カタルシスを感じさせる。
福田監督や伊達コーチたちのアドバイスや
考え方もとても興味深い。

サッカーの連携と戦術において、いちばん重要なこと。
もちろん、ひとつはチームとしての戦術の理解だが、
試合というのはゲームの展開や相手の長所を見極めながら、
戦術を変化していかなければならない。
例えば、味方が1対1で負ける局面が多いとき。
選手間の距離を詰めて、細かくパスをつなぐサッカーに
切り替えるのもひとつの方法だ。
こんなことは、プレー中にベンチから指示はできない。
とすると、選手自身が試合状況に応じて
自分たちの手を変えていかなければならない。
これをチーム戦術との対比で、個人戦術と呼ぶ。

では、個人戦術を共有するために選手は何をするのか。
試合中にコミュニケーションをとるしかない。
サッカーにおけるコミュニケーション。
アイコンタクト、コーチング、ボールの質
(速いor遅いなど)で理解を深めていかなければならない。
10人もいるフィールドプレイヤーに徹底するのはとても難しい。
先述したように昇格組・セレクション組などサッカー歴によって、
学んできたことの差異がある。
そこにメンタリティの強さ、弱さが加わることで、
チーム全体としての強さが決定づけられる。

チームとしての機能を高めることが、
どれほど難しいのか。
徹底的に描かれている。

1期終盤の武蔵野蹴球団ユース戦は、
それまでの問題を炙り出し、
昇華させる話として、よくできていた。
ひとつの物語の締めとしても完成度が高い。
立場や性格の違いがありつつも、
全員が勝利を目指して戦術を実行していくさまが
とても丁寧に描かれる。

人は窮地に陥ったときに、
どのように考え、行動するのか。
これは経験や性格によってそれぞれ違ってくる。
自分がピンチになったとき、
ほかの人間に責任を押し付ける者もいるし、
自分で全てを抱え込んでしまう者もいる。
周りを動かそうとする者もいる。
私は窮地に陥ったときこそ、
その人の本質が滲み出てくると思っているが、
この作品では「人間の本当の強さとは何なのか」という
テーマを突きつけてくるのがいい。

そんな熱い展開に「ダイアゴナル・ラン」という、
サッカーの試合でたまに見られる仕掛け
(いわゆるボールを持っていない選手の
ゴール前における斜め走りのこと)を
組み合わせたドラマチックな展開に目を瞠った。

しかし、何と言ってもいちばん衝撃を受けたのは、
(以下は強烈なネタバレなので
これから鑑賞予定の人は読まないことをお薦め)
{netabare}フォワードとして点を取ることに
人一倍こだわりを持っていた主人公の葦人が
サイドバックにコンバートされたことだった。

ユースメンバー候補としてスカウトされ、
セレクション組の選考試合をこなし、
フォワードとして結果を残した葦人。
晴れて正式なエスペリオンユース・メンバーとして、
仲間との軋轢も乗り超えた末に待っていたのが
サイドバックへのコンバートだった。
この展開には見ている私も大きなショックを受けるほどだった。

しかし、そこから立ち直るまでの経緯の描写が上手い。
呆然となって彷徨い歩いた葦人が向かったのがバス停。
それは故郷への想いの果てだった。
とても納得できる行動で、ヒロインの花が発見して
正気にさせるまでの流れも良かった。
人物の心の動きの表現が上手く、
こちらにも気持ちが入ってくる。{/netabare}

なぜこの作品がこれほどまでによくできているのか、
よく考えてみると、結局、以下の言葉に尽きるのかもしれない。

サッカーはひとりでは、何もできない。
思っている以上に。
だからこそ、あんなにも楽しい。

福田監督の台詞だ。
ごく当たり前のことだが、
この作品の流れのなかで聞くと、重みを感じる。
仲間や他人のことをこれほど深く意識させられたという意味では、
私が出会った最高の作品かもしれない。
(2023年1月7日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

若者の熱い心がフィールドから伝わって来る

「アオアシ」とは主人公の名前(あおい アシト)からとったもの。
でもそれ以外に、フィールドを自由自在に駆け回る意味が込められているような気がします。

そして、このアニメは熱い。煮えたぎるように熱い心の若者たちのサッカー物語。
それでいて、サッカーの基本を忠実に説明してます。
さすがNHKの名作アニメです。そして原作はビッグコミックスピリッツに連載中とのことでした。


アシトは四国の愛媛では優秀なフォワード選手。
しかし、夢を膨らませて入学した東京のジュニアユースチームではBチーム。しかも周りは強いやつばかり。
そこでアシトが数々の挫折を味わいながら成長する物語です。

アシトが中学のときに身につけた技術や特技は、ジュニアユースチームでは何の役にも立ちません。
「技術力が劣っている」、「瞬発力が劣っている」の烙印を押されます。
中学のときは押しも押されぬエースだった彼の自信は、瞬く間に粉々に打ち砕かれます。

でも、彼には決して諦めない熱い心があります。
アシトは、サッカーを通じてチームメイトと口論をしながらも、少しずつ技術を身につけ友情を培っていきます。

そんなアシトをいつも応援をするのが、一条 花(いちじょう はな)。
花はジュニアユースチーム監督の妹で、スポーツ外科医を志す少女。彼女の明るさが物語を明るく彩ります。


アシトに限らずジュニアユースに所属する若者は、既に社会の荒波にもまれているようなものです。
のし上がれないと消えていくのみです。
私達が娯楽で観戦しているサッカーの舞台裏には、中学高校の頃からの熾烈な戦いがあることを改めて感じさせられました。

Superflyが歌うオープニングのPresenceは、とても心地よい歌でした。
アシトがいろんな選手を追い抜いていく姿は、彼の人生そのものですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

苦しいときは顔を上げろ。困ったときは首を振れ。

[文量→中盛り・内容→雑談系]

【総括】
本格サッカー漫画。久しぶりに、アニメ→原作で、全巻揃えた。

そんだけ、先が気になったってこと。

数あるサッカーアニメの中でも、戦術や技術的な部分はかなり詳しく書かれていると思う。のに、マニアックになりすぎず、ちゃんと青春漫画って感じの雰囲気を出せてるのは、流石です。

ややクセのある作品、主人公ですので、私も最初はちょっと拒絶感がありましたが、見続けるうちに、とても人間らしい各キャラ達を好きになってきましたね!

ちなみに、レビュータイトルですが、ダブル・ミーニングにしてみました。

1つ目の解釈は、サッカー用語として。フィールドで求められる立ち振舞いです。

2つ目の解釈は、人間関係として。アシトの生きざまですね。苦しいときこそ、前向きに。困った時は、仲間を頼れ。

本作を表す言葉としてピッタリで、自分の中では、結構気に入っているレビュータイトルです。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「キャプテン翼」は、サッカー漫画の金字塔だが、あれはあくまで、1対1の戦いを描く作品だった。サッカーという媒体を借りた、野球漫画と例えても良いと思う(それが悪いわけじゃない)。

「蒼き伝説シュート」は、サッカー漫画ではあるが、あくまでキャラを描く漫画だった(ちなみに一番好きなサッカー漫画)。

最近のサッカー漫画は、わりと「サッカー」を描くサッカー漫画が増えてきたと思う。その中でも、本作はかなり本質的な「サッカー」を描いていると思う。

技術や戦術だけでなく、育成システムやサッカー界のアレコレにも、裏表なく切り込んでいると思う。それはすごく評価できる。

一方、「エンターテイメント性」という点では、シリアスが多く、万人受けは難しいと感じた。「メジャー」や、「はねバド」みたいな感じ。楽しいというより、興味深い、玄人向けのアニメ。

詳しくは余談に書くけど、ジュニアサッカーにちょっとだけ関わった身からすると、めちゃくちゃリアル。だからこそ、観ていると、ちょっと疲れる(苦笑)

ただ、アシトが成長した後は、ストレスよりもカタルシスの方が強く、ドキドキワクワクして観られた。だから原作も買った。アニメ後もしっかり面白い。

それから、数少ない女の子がみんな魅力的。特に、花は、良ヒロイン。

なんか、アシトに恋愛の矢印向けてる花と杏里だが、なんか、ドラクエ5のバーバラとフローラみたいだなと思った(笑) 性格や立ち位置含め、当然、花がバーバラで、杏里がフローラ。

私は、「1周目のプレイでフローラを選択する奴とは一生分かり合えない」という謎の信念を持っているのでw、もし、アシトが杏里を選んだら、このアニメを嫌いになるかもしれない(笑)

が、リアルサッカー選手ならそれもあり得るという偏見もある(暴言)w
{/netabare}


【余談①~アシトのモデルは?~】
{netabare}
これは公式に発表されているみたいで、原作者がファンの愛媛FCの選手みたいですね。ただ、生い立ちなどがモデルになっているということで、プレースタイルには触れられていませんでした(私も、プレーは見たことないので判断できません)。

個人的にパッと思ったのは(日本人なら)、「内田篤人選手(ウッチー)」ですかね。プレー的には。

アシトが目指すのは、まさにウッチーみたいな(あるいはさらに進化した)、「現代的サイドバック」だと思います。

ウッチーの魅力は、圧倒的なサッカーインテリジェンスの高さ。

プレーの選択がいちいち正確で、「意図がある」プレーをします。そして、それを支えるのが、視野の広さと、ポジショニングの良さ(ドリブルも速いけど、彼のドリブルは、フリーになれる能力が前提で生きている気がします)。

ウッチーに関して、ビルドアップの上手さはよく知られていますが、守備面での貢献が低いと思っている方もいます。確かに、同時期に活躍した長友選手の粘り強い1対1のボール奪取や、酒井宏樹選手のフィジカルの強いショルダータックルや空中戦に比べれば、目立ちはしなかったと思います。

ただ、ウッチーはパスコースに入るのが抜群に上手いので、そもそもパスを出させないんですよね。だから、守備機会自体が少ない(長友、酒井の両選手は、対人は強いけどポジショニングは微妙でした)。

それに、1対1になっても、間合いの取り方が上手いので、攻撃を遅らせながら2対1の状況にもっていくので、実は日本代表でもほとんど彼の右サイドは破られていないと思います。

そもそも、守備下手なSBがチャンピオンズリーグベスト4のチームでレギュラーなんかとれないです。

きっと、青井アシト選手も、こういう守備をやるようになっていくと思います。ウッチーに似て、体格には恵まれてませんからね。

ただ、ウッチー以上になれるとしたら、それはアシトが、右利きの「左」SBだというところですよね。当然、元フォワードの特性を生かしてシュートも打ってくるでしょうしね(ちなみにウッチーも元々はフォワード)。それに、練習熱心なアシトは、スタミナもあると思うので。

私は、「怪我さえなければ」歴代最高の日本人右SBはウッチーだったと思っています。

彼が代表で、そこまで輝ききれなかったのが(怪我もあるけど)、ある意味、サッカーの面白いところで、本作でもしっかり描いている部分です。

つまり、「チームメイト」や「戦術」の相性。

ウッチーは、「味方を生かし」「味方に生かされ」「ゲームを動かすスイッチを入れられる」選手です。

ところが、当時の日本代表では、ウッチーが輝けない要因が揃っていたんですよね。

①試合の組み立ては、ボランチの遠藤(ヤット)から。
②左サイドが、「香川・遠藤・長友・(トップ下が本田や俊輔)」だから、攻撃が左に寄り、右サイドは守備が中心。
③コンビを組む右サイドは岡崎なので、キープにもリターンにも期待が出来ない(なかなか攻め上がれない)。

というところ。特に③が致命的で、(岡崎は大好きな選手ですが)、右サイドからザキオカさんにパス出すなら、スペースに出す1択で、追い越す動きは不要。むしろ、真ん中(本田、前田、大迫)でためて、左で作って、右の岡崎が飛び込むのが、当時の日本代表の一番の得点パターンでした。

あの時代の日本代表の右SBならむしろ、(今の)冨安選手がやっていれば、バッチリハマった気がします。

むしろ逆に、現在の日本代表。つまり、(今は調子悪いけど)溜めを作れる大迫がトップにいて、守備を任せられる遠藤と田中碧(守田)がボランチにいて、テクニカルで周りを生かせる久保が右にいたら、ウッチーが凄く綺麗にハマる気がします(ちさまあ、右に伊東選手だと、相性良くないけどね)。

サッカーって、本当にチームメイトや戦術次第で、そこが、最大の魅力だと思ってます。

「アオアシ」はそこを丁寧描いていますので、今後にも期待ですね♪
{/netabare}

【余談②~少年サッカーに関しての私見~】
{netabare}
私は、「観る」という点なら、サッカーが一番好きなスポーツです(最近、自分的にはラグビーがかなりキテいますが)。バスケも野球もバレーボールもカーリングも、スポーツは大抵好きです。

そして、私自身、昔に少し、地元の少年サッカークラブの運営に首を突っ込ませてもらったことがあるのですが、その経験&本作を見て思ったことがあります。

サッカー経験者の方にはお叱りを受けると思いますが、サッカーは、「一般的な日本人が求める」人間性は育ち「にくい」競技なのではないか、と。

本作の序盤でアシトがぶつかった2つの人間関係の壁。愛媛時代の自己中的なプレーでの孤立。ユースでの下手くそ故の孤立。

プロレベルのことは分かりませんが、あくまで、低レベルでの育成年代の話です(でも、人数的にはそこが一番多いわけで)。

まず、低レベルな少年チームでは、皆でサッカーするよりも、上手い(才能がある)子がある程度1人(数人)でやった方が勝ったりします。また、圧倒的に下手な選手は無視した方が確実に勝てます。

色んな団体競技(球技)の中でも、サッカーは多人数広範囲の競技で、且つ、得点が入りにくい(1点が重い)という特性があります。

バスケで5対4になったらかなり厳しいですが、サッカーなら11対10でもなんとかなります(人数比の問題)。バスケでミスして2点とられても、「ドンマイドンマイ次いこう」だけれど、サッカーでミスって1点とられるのはかなり厳しいです。

つまり、下手な選手目線で見ると、無視されやすく、ミスると責められやすい競技。ただ、上手い選手目線で言えば、合理的に考えれば下手くそを省いて自分が頑張った方が勝てるから必死にやっているだけ。

日本社会において、「無視」や「でしゃばり」は誉めることはない。ただ、それが戦術的に意味があるなら、海外だとちゃんと評価される。

サッカーに必要な人間性って、日本社会とのマッチングはあんまりよくないと思います。だからこそ、世界で活躍したいなら、久保選手みたいに早くから外国の文化の中で揉まれるのは大事な気がします。

一方、「決められたことをキチッとこなす」のが大事な野球に求められる人間性は、実に日本人的だなって思います。

これは優劣じゃなくて、相性の問題なので、野球がこんだけ日本社会に馴染み、世の中的に高校球児が歓迎されるのに、サッカー選手はそこまで社会全体には受け入れてないのは、面白いなって思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

72.6 55 2022年度アニメランキング55位
ロマンティック・キラー(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (75)
297人が棚に入れました
Netflixにて配信

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

令和の顔芸は全身で表現する!

満足の1クール。とても楽しかったです。
おもしろくなかったら、すぐ切ろうと思っていたら、そのまま最後まで連続で観ちゃいました。
序盤はコメディ。スピードのある展開で面白いです。
中盤からは、、、見てのお楽しみ。

ヒロインは男気タイプ。筋が通って元気があって気持ちが良い。
顔芸も楽しかった。令和の顔芸は体全体で表現しちゃうんですね笑
男性陣は弱いのかというと、そうでもなく共感が持てる。

いやー、すっきりと楽しませていただきました。満足満足。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

Acacia さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ネトフリ独占配信もたまにはやる。

ネトフリオリジナルや独占配信シリーズ、
実写映画やドラマは上質な作品がたくさんあるのに、
アニメは外れの比率が高い印象。

しかし本作は素晴らしい出来でした。
タイトルからして秀逸。
ラブコメの定番「ロマンティック」を
ヒロインが「キラー」壊していくのですが、

なんといってもヒロインのコミカルな作画と
声優(高橋李依)さんの荒々しい演技力が100%以上のマッチ感で
ハイテンションコメディ好きには
たまらない極上のアニメとなっています。

高橋さん、リゼロ辺りから知ってて、
たくさん出演作品を観てきたと思いますが、
今まで観てきたどんな演技のアプローチよりも今作が秀でていて、
初めて「凄い声優」さん。と、認識しました。
人気があるのも納得。

相方(?)の魔法使い(小松未可子)さんも飄々とした演技が
絶妙過ぎて、二人の演技力でぐいぐい視聴者を
引っ張っていく、大正解のキャスティングだと思います。

やはりコメディは演者さんのセンスが重要だと改めて実感。

ネトフリ会員なら、是非観てほしい一作。
お勧めです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

のび太 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

良い乙女ゲーでした

少年ジャンプ+で配信された漫画作品が原作です。
元々は、LINEマンガで公開されていた作品のようです。

ゲーム好き、チョコ好き、猫好きで、恋愛からかけ離れた学園生活を送っている女子高生、星野杏子が主人公ですw
そんな杏子の元に、魔法界から「少子化問題対策プロジェクト」なる計画で、一人?の魔法使いが派遣されてきた。

まず原作者が女性ということで、ヒロインに萌え要素も、ロリ要素も、まったくありませんw
ストーリーはよくある乙女ゲーですが、ヒロインの杏子が男前すぎて、マジで惚れますw

展開もテンポよく、飽きさせずに一気見できる作品でした。

Netflix限定なのが、ちょっと惜しいですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

72.6 55 2022年度アニメランキング55位
ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (58)
209人が棚に入れました
己の剣だけを信じてきた。友も家族も帰る故郷もない──孤独な剣士ガッツは、百年戦争に揺れる地を傭兵として渡り歩いていた。 身の丈を超える長大な剣を自在に操り、強大な敵をいとも簡単に倒すガッツ。そんな彼に目をつけたのが、傭兵集団“鷹の団”を率いるグリフィス。 美しい姿からは想像もつかない統率力を持ち、大いなる野望を秘めたグリフィスは、自らの夢を叶えるためにガッツを決闘で制し、鷹の団に引き入れる。 数々の激戦を共にくぐり抜けるうちに、信頼で結ばれていく仲間たち。なかでもグリフィスとガッツの絆は、今や特別なものとなっていた。 やがて鷹の団はミッドランド王国の正規軍にのし上がるが、それはグリフィスの目指す頂点へのはじめの一歩にすぎなかった。 一方ガッツは、グリフィスの「夢」に取り込まれ剣を振り回すだけの人生に疑問を抱き始める。 だが、ガッツはまだ知らない。果てなき夢が二人に与えた、恐るべき宿命を──。
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

業と希望と渇望と

【感想】
※結構グロい描写や残酷な行為とか多いので苦手な人は気を付けてください!
原作や昔のアニメはまったく知りません
美しいグラフィックに迫力のあるシーンの連続で映画みたいって思ったら、元々は映画だったんですね

古い作品みたいですが、古さが良い感じに重厚な作風に合っていて、マイナスになってないのがいいですね
戦闘シーンの迫力が凄くて見ごたえありますし、シナリオも面白い

【シナリオ】
{netabare}
前半の仲間達と戦場を駆け巡っている間はとっても楽しそうで、戦記ものとして面白かったし、終盤は不穏な空気が漂ってきてからの衝撃の展開・・・

グリフィス達と戦を通じて絆を深めていくけど、安っぽい馴れ合いとかじゃなくて戦友って感じがして良かったし、関係性を作ってからの「蝕」のおぞましい出来事の衝撃が凄かった
{/netabare}

気分が良くなるシナリオじゃないけど、すごく話は面白くて先が気になる!

【主題歌】
EDテーマの中島美嘉さん「Wish」が作品のストーリーとうまくマッチしていてとてもいい主題歌だと思いました

投稿 : 2024/05/11
♥ : 16

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

夢の終わり そして始まり

原作未読 全13話

ベルセルク・ベルセルク 次篇視聴済 以外の過去の作品は未視聴

舞台は中世ヨーロッパ風な感じで、魔物や魔法が存在する世界。巨大な剣を振り回し戦う主人公のガッツ、今回は傭兵時代のお話で、傭兵集団である鷹の旅団に所属していた若かりしガッツやヒロインのキャスカそして鷹の旅団率いるグリフィスを中心に現在に至った経緯が語られています。

何故、ガッツが魔物に襲われるようになったのか、キャスカもグリフィスも何故現在のような感じになったのかようやく分かりました。

ガッツに対するキャスカの対応が徐々に変わっていき、ガッツの心も変化して、グリフィスは最悪な心の変化となりました。

特にキャスカが戦士から徐々に1人の女性として変わっていくところは良かったですね。

戦いのシーンも多く、戦い方も苛烈でかなり細かい描写がされていました。

過激で残酷なシーンがかなり多いので、苦手な方は気をつけて観てくださいね。

この作品(黄金時代篇)からベルセルク・ベルセルク 次篇と観た方が分かりやすいと思いました。

続きが気になるところですが、また出会えると良いですね。

EDは中島美嘉さん、この作品によく合っていました。

最後に、この作品は故人である三浦健太郎先生の作品です。30年以上前に物語の結末までを知っている親友の漫画家の森恒二先生が監修で三浦先生のお弟子さんの方たちが続きを描いているそうです。1989年から34年続くお話が、結末まで語られているのは凄いですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

大いなる物語の序章

「ベルセルク」とは、ノルウェー語で北欧神話に登場する異能の戦士たちのことを意味します。
この物語は、主人公ガッツと親友であるグリフィスとの友情と憎悪との物語の序章を描いています。
漫画家の三浦建太郎さんが描かれたベルセルクは、壮大な物語なのです。

実は、三浦建太郎さんは、ベルセルクを完結する前に亡くなられました。
しかし、三浦の親友の森恒二さんが三浦さんからストーリィを相談され、ラストまでストーリィを聞かされていたため、三浦さんが亡くなった後も漫画は続いたのです。


ガッツは、身の丈ほどもある剛剣を自由自在に振り回し群がる敵兵をまるで無人の野を進むように倒す怪力無双の戦士。
グリフィスは、女性よりも美しい容姿だが傭兵部隊である鷹の団のリーダ―。
ガッツはグリフィスと出会うことで、鷹の団の切り込み隊の隊長として大いに活躍します。
ガッツはグリフィスを誰よりも信頼し、グリフィスはガッツを誰よりも大切にします。
しかし、ある出来事が起こり…

ガッツの一本気で素直な性格に好感が持てますし、グリフィスのカリスマ性には恐れ入ります。

そして、この物語には欠かすことのできないヒロインのキャスカが登場します。
キャスカの心の葛藤とガッツへの反感から愛情へと変わっている様子が物語を大きく彩っています。

エンディングは中島美嘉さんが歌う「Wish」
中島美嘉さんのはかなく美しい歌声が、物語の行く末を表現しています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 12

72.4 58 2022年度アニメランキング58位
劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[前編]君の列車は生存戦略(アニメ映画)

2022年4月29日
★★★★☆ 3.9 (24)
157人が棚に入れました
病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。あれから10年——
かつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた…。

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

流石イクニ!、俺たちには出来ないことを平然とやってのける!。

 カルトなアニメ監督はもはや絶滅危惧種と言っても過言ではない。しかし、そんな中でもまだまだ活き活きとした可能性を残していらっしゃる鬼才はイクニこと、幾原さんしかおるまいて。こんな偉大な才能を有している方が、充分活躍できる場が用意されてないことこそ日本コンテンツ界の恥である。黒澤が映画を撮れないとかよりも個人的には大きな損失と言いたい。


 そこで本作であるが、私の生涯ベストアニメ候補に必ず食い込む「ピングドラム」と聞いては駆けつけざるをえませんでした(ウテナの方が好きだが)。正直イクニさん的には、総集編なんてお茶を濁した仕事より、もっとクリエイティブを大暴れさせられるウテナの時のような新作映画とかをやりたかっただろうけど、10年前の本作をやってた頃はまだあった体力も包摂力も業界になくなっちゃったのかなぁ…。



 最近某作品の総集編が正直ダメダメだったので少々心配でしたが、やはりイクニは違う。本編からして「ついてこれる奴だけついてこい!」なハイコンテクスト作品だったので、本作も当然本編を何度も当然見てるよね?なスタンスで清々しい。だから総集編だけ見ようなどという、ヘソで茶をわかすような怠惰な輩は最初から入れる気ないです。そんな人はどうせ本編見てもついていけないでしょうし。


 何度も見て彼らの運命の至るところを知ってるからこそ、新規カットのopで彼らの姿と音楽が静かに響き合うのを見てると思わずじ〜んときて目頭が…。


 それにしても、とにかく手取り足取りな優しい世界じゃないとアカンという不安でビクビクなコンテンツ界に広がる病理とハッキリ距離を取っているのがイクニさんの孤高な姿は尊敬に値する。


 しかし、改めて見直してやはりイクニさんの魅力は孤高で難解さを持ちながらも、ちゃんと笑いと涙のまっとうなエンタメに足がついている点こそが私が愛して止まない点である。この両立を達成してる人は、実写も含めて私が浅学なだけかもしれんがあまりいない。


 とにかく、本作を見て改めて本編は勿論、解説動画も全部見直したい!という気持ちが猛烈に掻き立てられました。やはり総集編は総集編で、本編に比べちゃと零れ落ちるものがあまりに多くて勿体ない。というわけで、早速DVDと動画鑑賞に向かいたいと思いすが、イクニさんの才能を活かせるたっぷりとした尺を利用できるのは2つの道しかないような気がします。


 一つはプリキュアやガンダムといった敢えての王道コンテンツ路線。もう一つは、Netflixで分割式にやっていく方向。普通の1クール作品ではもうあまりに冒険できない世界になってきちゃって気がするので。


 (後編も鑑賞後)


 後編のほうがアニメ後半の1クールが無駄がない充実した作りだっただけにエピソードを摘まんじゃってる感が強く出てしまったかな。回想の演出が連続したり、1話でビシッと締めたり次への引きを作る上手い演出が活かせないのも勿体ない。やはりテレビアニメとして良く出来てたんだなぁ…と再認識。

 
 それにしても、やはりイクニさんほど創造的な方には、「ウテナ」の時のように元見てないとわけわからんが、見てる人間には他に並ぶもの無き大傑作な新作をやった方が良かったような。


 まぁ、イクニさんとしては当然そうしたかったと思うのだが、現在のアニメ界の状況では難しいのかなぁ。庵野さんはイクニとは並々ならぬ仲なんだし、カラーが出資してでもイクニに映画や新作アニメを2クールとか撮らせて欲しい。わかってて儲かってる人がお金出してくれない限りチャレンジは難しいよう。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 10

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

かえるくん東京を救うと銀河鉄道の夜。違う利他の形ですが…

 ゴジラ-1.0を見て、ちょっと本作のTV版に似てるかもと思い、そう言えば映画どうなったんだっけとアマプラ探したら無料でした。現在前半を見終えて、後半見ていない状態です。

 前後半の前半部分ですので、考察でもないでしょう。少し感じたことです。冒頭だからネタバレではないと思いますが、主人公の2人は「かえるくん、東京を救う」を探します。
 2人がこの作品をその題名で探すのはあるあるですね。私も若かりし頃本屋で同じことをしました。「神の子どもたちはみな踊る」というソフトカバーの中の短編です。今でもしっかり手元に持っています。

 この作品は95年の阪神淡路のあと、村上春樹氏の描いた震災文学の最高傑作です。「すずめの戸締り」はモチーフこそ「海辺のカフカ」ですが、宗像氏の一族あるいは要石はまさにカエルくんでした。ミミズと戦うことすら濁していないので異論はないでしょう。
 運命と自己犠牲。名も知らない大衆を救うという理不尽な役割。カエルくんは自分だって怖いといいます。ただ、主人公のような市井の善良な人がいるからこそ、東京を守りたい。たとえ悪人がいたとしても。だから、是非主人公には自分の戦いを応援してほしいという話です。

 TV版では「銀河鉄道の夜」が主題であることを冒頭では強調していました。「銀河鉄道の夜」は日本的キリスト教的な性善説という感じの利他であり、生命と食のような業も含めていました。
 ただ、思わず河に飛び込んで助けるというのは、どちらかといえば「竜とそばかすの姫」の母ですね。他人を助けるということと、本作TV版の家族愛…それも疑似家族を助けるということとは少しずれていたのも事実だと思います。

 どちらの作品オマージュも、少し本作の主題とズレがあるような無いような、ですね。

「利他」に関する物語が本作をはじめ「すずめの…」「そばかす姫」「ゴジラ-1.0」も含めて、最近増えている気がします。
 ハリウッドでも「インデペンデンスデイ」とか「ハルマゲドン」古くは「ポセイドンアドベンチャー」でも自己犠牲はありますけど、あれは何かの型でした。最近の日本アニメにおける「利他」の描かれ方の深みは半端じゃないです。

 疑似家族ものとしては「岬のマヨイガ」とやはり「ゴジラ‐1.0」とかも震災に絡めてありました。こっちも上げればきりがないでしょう。
「かえるくん…」の中にも主人公の家族問題があって「すずめの戸締り」の環さんはここからとったのかな、と思います。

 2011年で日本の価値観の何かが崩れたとき「そういう時代」に入ったということでしょう。「そういう」を言語化するが現代の文学の最先端であるアニメの役割ということなんだと思います。疑似家族と利他。それはその大きな要素なのでしょう。


 本作はそして最後に不穏なものがありました。冠葉の陽毬に対する男女の愛のようなものが描かれます。これはTVシリーズになかった要素だったと思います。夏芽真砂子も冠葉に執着しているので愛のカタチについての対比になるのでしょうか。

 父母の家族愛についての明確な回想も入っていました。ラッコと河童も同様に親子問題みたいです。
 TV版では明確でなかったトリプルH、ダブルH問題も何か描かれそうですね。
 ペンギン桃果と赤ちゃんペンギンが何を表しているのかも気になります。

「利他」「生命の輪」「家族愛、愛のカタチ」「親の歪み」なによりも「運命」ですね。「かえるくん、東京を救う」を出した以上は、生半可な結末では許されません。是非、期待の上を行く後半でありますように。

 評価は後半見た上で。ベースとしてオール4はあっていいと思います。

 ただ、アニメ作品として見た場合、幾原氏の作家性というのはどうかな、と疑問もあります。考察のための考察になっていないか?という疑問が最近の氏の作品には感じられます。
 最終評価ではエンタメとしての完成度は映画としては求めると思います。よほどの深みがないと、後半見た上で減点する可能性はあります。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

プラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

総集編①

夢の世界で、桃果が幼き日の冠葉と晶馬に、彼らのストーリーを見させる形で、内容はアニメ 1 クール目の総集編。

アニメの内容を個々人のストーリーとしてまとめられている。新しい追加内容はない。

後編では新しい要素は追加されるのか?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

72.4 58 2022年度アニメランキング58位
劇場版 BanG Dream! ぽっぴん'どりーむ!(アニメ映画)

2022年1月1日
★★★★☆ 3.9 (11)
51人が棚に入れました
バンドは…いつだって夢を見させてくれる
武道館ライブを成功させた
Poppin'Party、Roselia、RAISE A SUILEN。
夢の舞台に立った余韻が残る香澄たちの前に謎の女性が現れる――。
次のステージは、なんと海外!?
Poppin'Partyの音楽は、まだまだ止まらない!

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

キラキラドキドキぽぴぱしちゃった!in Guam

 3rd Seasonの武道館ライブ直後の話で、突如グアムで行われるチャリティコンサートの依頼をされ、キラキラドキドキ香澄達が、ぽぴぱしに行くお話だったです。

 ぽぴぱもRUSも一緒に行ったです。マイペースなポピパの面々、全体的に癒やされるような感じがしたです。
 現地でMorfonica(モルフォニカ)も合流したです。既に顔見知りみたいだったところが、不思議だったです。フィルムライブ2で初めて出てきたけど、3rd Season通しても物語上どこで知り合ったのか?謎です。

 ポピパの成長が更に感じられる内容で良かったです。Morfonicaはサラッとした感じで、RUSはややトラブってたけどポピパの次に印象に残ったです。
 一番良かったのは、バーベキューのギターでかなでるポピパだったです。ありさからいい感じではじまって、凄くいい歌演奏を奏でてたのが良かったです。
 ライブ、パフォーマンスも結構いい感じで、星空の下で行われた「ときめきエクスペリエンス」が、かなり良くなっていたように思ったです。過去の曲でも現在改めて違う環境で行われるとさらに良くなっているように思えたです。
 今回の名シーンは、なんといってもライブの星空だったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

mucci さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

最高の年始になりました!

3期の直後の物語です。
ストーリーもキャラクターのわちゃわちゃ感も、いつも通りのバンドリって感じで、終始ニヤニヤしながら観ていました!
特にライブシーンの迫力が凄くて、劇場なのに声が出そうになったほどです(笑)

唯一残念なポイントは、ストーリー的に急に出てきたモニカがちゃっかりイベントにまで参加してる事です。正直、何の脈絡も無くて戸惑いと疑問の連続でした…。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

72.3 60 2022年度アニメランキング60位
転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編(アニメ映画)

2022年11月25日
★★★★☆ 3.8 (89)
419人が棚に入れました
の西に位置する【ラージャ小亜国】。

かつては金の採掘で栄えていたが、今はその繁栄は見る影もなく、

湖は鉱山毒に侵され、国は危機的状況に陥っていた。

女王「トワ」は、王家に代々伝わるティアラの魔力を使い、毒を取り除いて民を守っていたが、

その代償としてティアラにかけられた呪いを全身に受けてしまい、命を蝕まれていた。

そんな中、テンペストに突如現れた、大鬼族オーガの生き残り「ヒイロ」。

ベニマルたちの兄貴分だったというヒイロは、トワに命を救われ生き延びていたのだった。

自分を救ってくれたトワと【ラージャ小亜国】を守るため、

テンペストのリムルに助けを求めに来たヒイロは、ベニマルと運命の再会を果たす。

ラージャの危機を救うため、そしてトワにかけられた呪いの謎を解くため、

リムルたちはラージャへ向かうが…。そこには驚くべき陰謀が待ち受けていた!

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

純粋で正直者が報われる世界でした

けっこう楽しませていただきました。
リムルをはじめとした多くのキャラクターが、それぞれの個性を発揮して活躍します。
しかし、今回の主役はヒイロとトワのような気がします。この二人の純粋さと正直な心が印象的でした。
そして最後は心温まるハッピーエンドとなったので、大変満足です。


今回は、かつてベニマルたちの兄貴分だったヒイロが登場します。
戦いに敗れて瀕死状態だったヒイロはラージャ小亜国の女王トワに救われます。
ラージャ小亜国は昔は金鉱山の場所として有名でした。
ですが今では金は堀つくし、国民の生活は苦しい状態でした。
ヒイロはトワに受けた恩を返すため、テンペストのリムルに助けを求めます。

リムルはラージャ小亜国の救援に向かいますが、そこには驚くべき陰謀があったのです。

ヒイロもトワも大変純粋で正直者です。
しかもお互いに自分の命をかけてまで相手を救おうとします。
この二人の思いやりの心が良く表れており、二人を見ていると頬笑ましいです。

しかし、ヒイロもトワも、仮に現代で生活したら詐欺師にすぐに騙されるでしょう。
確かに現代は大昔に比べて暮らしが豊かになりましたが、人を疑うことをしない純粋な心の人たちが住みにくい世界です。
私達よりも、あの二人のほうが心が清らかなのでしょうね。

ところで、
リムルの仲間たちは、相変わらず強いですね。
ベニマルが強いのはもちろんのこと、ディアブロの強さといったら、もしかしてリムルよりも強いのかもしれません。
さらにヴェルドラやミリムも、リムルと同じほどの強さだし、
ソウエイやハクロウの強さは、みごとというか芸術的な強さですね。
もちろんランガやゴブタやガビルたちも活躍します。
それにシオンは、「料理」というリムルをも負かすほどの最凶の武器を無意識に使いますし…。

残念だったのは、シュナちゃんの活躍の場が少なかったことです。
私は個人的に、シュナちゃんの出番を増やしてほしかった…(:_;)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 20
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

東映まんがまつり (古w^^;)

序盤はかなり好きです。
リムルがラージャ小亜国を救い,同盟関係を築く
ジュラテンペスト連邦国(連邦国家だったんですね!)の勢力拡大物語
いかにも転スラらしい話で大好物ですw


自分としては,中盤以降は蛇足に感じました。
まず敵キャラがザコ臭しかしなかった点
とくに,ここまでジャンプ作品のように作中で戦闘力のハイパーインフレが起こって来ていたので,あの程度の的ではザコにしか思えませんでした。
ザコメインの話の尺を稼ぐ都合か,ヒイロがあまりに単純にだまされた事も違和感です。
そして,終盤の{netabare}禁断のどんでん返し^^;{/netabare}

全体的にストーリーはかなり対象年齢を下げてきた印象です。なんか,東映まんがまつりに通じる物があった気がします。「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」の劇場版のような,より深みのあるストーリーを期待したので残念でした・・・
本作のエピソードは,劇場版と言うよりはテレビシリーズ1話か2話程度にしてメインストーリー進行途中のちょっとした箸休め的なエピソードとして扱った方が良かったと思いました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

少しヒヤッと、そしてラストは・・・

オリジナルアニメであること。
ベニマルの兄貴が登場することのみの前情報で視聴しました。
兄貴と言っても兄者なんですね。
どうも血のつながりはないもよう。
それにしても、この二人よく似てる。

時はオーガの里が襲われた頃のこと。
クレイマン陣営に傭兵として雇われていた兄者が、襲撃の報を聞き脱走。
追手との凄惨な戦闘シーンより始まります。
そして瀕死の重傷。
ラージャ小亜国の女王トワに助けられます。
傷の手当を受けるために、ヒイロと名づけをされ配下に。
このラージャ小亜国のある呪いが物語の発端となったのです。

{netabare}本編は、ワルプルギスの後なので2期直後の話です。
だから、リムルは圧倒的な力で問題を解決します。
ラストも、ああもうスカッてしたなって感じ。
基本、転スラの規定路線と言えるでしょう。

驚いたことに、黒幕はウルティマことヴィオレだったんですね。
でもまあ、ディアブロ対ヴィオレ戦は見応えがありました。
ディアブロが手加減してたから、実力差は圧倒でしたが・・・

悪魔だからでしょうか、ヴィオレは不敵な悪女です。
ただ、筋を通す性格だから結構気に入りました。

羽目を外したヴェルドラとミリムのオチはいつも通り。
まるで、リムルが怖いお母さんのようでした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11

72.3 60 2022年度アニメランキング60位
ストライク・ザ・ブラッドFINAL(OVA)

2022年3月30日
★★★★☆ 3.9 (16)
77人が棚に入れました
「……私は暁先輩の監視役です。これまでも、これからも」

“異境”へと渡ったMAR総帥 シャフリヤル・レンは咎神の遺産である古代の超兵器“眷獣弾頭”を入手し、世界を再び天部の支配下に置こうと目論む。
その圧倒的な武力を前に、獅子王機関と攻魔局は“異境”と現世をつなぐ“門”である絃神島の破壊を極秘裏に決定するのだった……。
上層部から下された無情な任務に思い悩む雪菜。そして大切なものを護るため、絃神島の領主として仲間と共に最後のケンカに臨む古城。

「これから先の行動は、お前が自分で決めろよ。この島をぶっ壊しに行くか、 それともこの島を救うために手を貸すか」

雪菜、浅葱、紗矢華、ラ・フォリア、雫梨……、歴代のヒロイン達も大集合し、『ストライク・ザ・ブラッド』シリーズ“完結篇”――ついに開幕!!

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最終章だよね!?

この作品は、このシリーズの最終章とのことです。
たしかに、このシリーズらしい集大成であり、大団円な終わり方だったと思います。
しかも、最終章なのに続きがありそうな含みがある心憎い終わり方!
面白かったです。

ところで、今回から登場したラードリー・レン役の潘めぐみさん。
とても妖しげでファニーな印象のあるキャラによくあっていてイイですね。

■まとめ

そうそうたるメンツの声優さんたちに悶え声や喘ぎ声をさせるなんて・・・。
ある意味さすがの「ストライク・ザ・ブラッド」!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最後までちゃんと監視していますから

この作品の原作は未読ですが、アニメはTVとOVA含めて全作視聴済です。

2013年の秋アニメは過去に類を見ないほど大豊作のクールだったと思います。
1クール作品、若しくは、2クール作品で秋に終了した作品の一部を抜粋します。

・蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-
・機巧少女は傷つかない
・のんのんびより
・WHITE ALBUM2
・<物語シリーズ>セカンドシーズン
・リトルバスターズ! 〜Refrain〜
・境界の彼方

改めてタイトルを見返してみても珠玉の作品ばかりが名を連ねています。
その中で、秋アニメから2クールで放送された4作品…
私の中では今でも2クール最強世代と言っても過言ではないほど名作が揃っています。
以下の作品が全く同じ時期に放送されていたって、ある意味脅威だと思います。

・凪のあすから
・東京レイヴンズ
・ストライク・ザ・ブラッド
・ゴールデンタイム

私の個人的評価になりますが、2クール最強世代の4強の一画を為すのが今でもこの作品だと思っています。
今では、「お気に入りの棚」に入れる作品は1クールに1作あるかどうかですが、この4作品は全部が「お気に入りの棚」に入っていますので…
思い返すと、ずっと続けてアニメ化されたのは、結果的にこの作品だけだったんですよね。
原作のラストまでアニメ化して頂いたことに感謝の気持ちで一杯です。

本作品は結果的に第5期までアニメが制作されたことになります。

TVアニメ:全24話
OVA第1期:全2話
OVA第2期:全8話
OVA第3期:全10話
SP OVA :全1話
OVA第4期:全12話
OVA第5期:全4話

TVアニメの全24話も濃厚でしたが、その後のOVAはTVアニメ版より濃密だったかも…
そのOVA版が結果的に37話も制作されていたんです。
TVアニメ本編と合わせると全61話という1クール12話換算で全5クールと超大作な作品でした。
勿論、見応えも全体を通して半端ありませんでしたよ。


「……私は暁先輩の監視役です。これまでも、これからも」

“異境”へと渡ったMAR総帥 シャフリヤル・レンは
咎神の遺産である古代の超兵器“眷獣弾頭”を入手し、
世界を再び天部の支配下に置こうと目論む。

その圧倒的な武力を前に、獅子王機関と攻魔局は“異境”と現世をつなぐ“門”である
絃神島の破壊を極秘裏に決定するのだった……。

上層部から下された無情な任務に思い悩む雪菜。
そして大切なものを護るため、絃神島の領主として仲間と共に最後のケンカに臨む古城。

「これから先の行動は、お前が自分で決めろよ。
この島をぶっ壊しに行くか、 それともこの島を救うために手を貸すか」

雪菜、浅葱、紗矢華、ラ・フォリア、雫梨……、歴代のヒロイン達も大集合し、
『ストライク・ザ・ブラッド』シリーズ“完結篇”――ついに開幕!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

私の中では既に「終わらない作品」ちう位置付けでしたので、完結編の制作と聞いた時には、正直寂しさを感じてしまいました。

思い返してみると、種ちゃんが体調を崩して一時期休業されていましたよね。
この頃の種ちゃんは、何本もの作品に出演していたので代役を余儀なくされた作品も多くありました。
中でも一番ビックリしたのは、「食戟のソーマ」の薙切えりな役がひーちゃんに変わったことです。

そんな中で、この作品は「うたわれるもの」のクオンや、「ご注文はうさぎですか?」のリゼの様に種ちゃんが繋がってくれた貴重な作品の一つという気持ちが加わったのは間違いありません。

こんな気持ちを持ちつつ視聴しましたが…
物語の展開的には悪くはありませんでした。
ですが、物語が完結したかと問われると、答えに窮してしまいます。
何故なら、普通のまだまだ続きがありそうだったから…

なので、いつか普通に続編が始まっても微塵の違和感も抱くことはないと思います。
物語の中で、一度だけ未来人がやってきましたよね。
そこまで延々と描かれなくても良いですが、せめてその未来人に至るプロセスの一端くらいは見せて貰ってもバチは当たらないのでは…
なんて思ってしまいました^^;

全部視聴するのはそれなりに時間を要しますが、時間をかけた分以上の見返りを期待して良い作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、岸田教団&THE明星ロケッツさんによる「暁のカレイドブラッド」
エンディングテーマは、姫柊雪菜(種ちゃん)による「Engagement ~約束~」
オープニングテーマは、第4期から継続ですね。
ストブラっぽい曲なのでウェルカムでした。

OVA全4話の物語でした。
原作は終わっていますが、アニオリでも良いので続きが見たいと思っています。
でも、それが我が儘であることも分かっています。
でも、万が一の可能性を期待しつつ、こっそり待っていたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 5

72.3 60 2022年度アニメランキング60位
銀河英雄伝説 Die Neue These 激突 第一章(アニメ映画)

2022年3月4日
★★★★☆ 3.9 (13)
52人が棚に入れました
帝国暦489年(宇宙暦798年)1月、自由惑星同盟軍イゼルローン駐留艦隊分艦隊と、銀河帝国軍の遭遇戦が勃発。ヤンの被保護者ユリアンは新兵の一人として初陣に臨むこととなる。一方、銀河帝国内では、最高権力者となったラインハルトによる改革が進んでいた。ラインハルト麾下の「双璧」と呼ばれるミッターマイヤーとロイエンタールは、束の間の穏やかな時間の中、共にラインハルトへの忠誠を誓った日のことを思い返す。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

人望と誓い

 キルヒアイスを失ったラインハルトが、地盤固めをし宇宙を手に入れる決意をするお話だったです。ここで、終盤ラインハルトが、キルヒアイスの遺言の内容がはっきりわかるのです。
 ヤンの方では、新兵に関わることからユリアンの初陣を描いていたです。

 特にラインハルトの方でミッターマイヤー、ロイエンタールが、忠誠を誓った経緯、彼らの性格を印象的に描いていたです。
 このあたりの経緯から、ラインハルトがいかにキルヒアイスだけでなく、この二人からも熱い忠誠心がある事を改めてわかったです。

 まだ続く今作次回、ラインハルトがイゼルローン要塞をどう奪還にでるのか?タイトルなだけに気になったです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

72.2 63 2022年度アニメランキング63位
キングダム第4シリーズ(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (94)
388人が棚に入れました
合従軍編を描いた第3シリーズに続く物語。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

痴情のもつれ

原作未読 実写未経験


いろんな人から漫画をお勧めされ未だ成らず。ご経験あると思うのですが大作って尻込みするのよね。
アニメも1期から4期まで足掛け100話超え超長編の装い。さりとてこの4期ですら道半ばでございます。私のあにこれでの評価だと
 1期 4.4点
 2期 4.6点
 3期 4.3点
 4期 ←今ココ
4.5点近辺の評価は全体の10%内なので高く評価してるほうです。今回も期待通り面白かったです!

3期大半を占めた“五国合従軍と秦との戦い”後のあれやこれや。要は政争ですね、の4期全26話。
外敵に目の向いてる時はまとまってても、一段落したり戦線膠着したりすると椅子の取り合いが始まるなんてことは世の常。
身近なとこでも、ペナントレース勝ち切った翌年にチームが瓦解してみたり、競合他社に水をあけた途端に失速してみたりはあるあるなんです。
ドンパチ控えめな分、権謀術数やら心の動きやらを愛でるわけですが見方によっては地味に見える仕様です。なんとなしに某心臓を捧げる巨人アニメ2期の如く終盤に効いてくるネタが仕込まれてそう。

プレイヤーは基本変わらず。今回シリーズの顔となるのは、まあ秦国の政争なんで“呂不韋”ですかね。

史実にも目を向けると、なにせ中原初の統一皇帝の物語です。ライバル国から頭一つ抜けて、史上誰も成し得なかった偉業達成がチラ見できるとこまで漕ぎつけました。ただ先駆者がいないため先例に倣うことはできません。
結果、世を統べる方法論で激突する嬴政と呂不韋。皆さんどちらにシンパシーを感じますか?
 

※ネタバレ所感

■4期の顔

・呂不韋 第20話~21話
{netabare}経済優先し資金力を背景に影響力を行使するスタイル。対して武力での統一を志向する未来の皇帝。
「統一しなくてもよくね?」な呂不韋には頷けること多々でしょう。援助で友好国増やす少し前のマイルド路線JAPANしかり、札束で顔ひっぱたく現在のCHINAしかり、企業単位ですら表現規制で生殺与奪権を握る某TUBEなんかもそうでしょう。金は力なり。経世済民は治世の根っこだと私は思います。
一方で、大陸に目を移すとそんな政治に興味ない一般国民でもCHINAの武断政治を目にしまくってるここ20年。国の成り立ちからしてTHE民主主義な我が国視点から見れば異様に映るわけですが、なんだかんだ大陸統治の基本プロットは長らくこれ。始皇帝嬴政が作ったスキームは以後2000年変更されずに受け継がれているのです。
どっちが良い悪いじゃないんだよなぁ。呂不韋が忌避した「暴力による統治」がこの土地の肌に合っている現実がなんだかなぁ、って感じがします。{/netabare}

・成蟜 第5話
{netabare}だいぶ前に後継者争いで敗れていた嬴政の異母弟。100話続いてる意味があると思わせた代表格。
第1期の頃は典型的な憎まれキャラが4期ではこれですよ。1or2クールくらいだと物語2/3経過あたりのイベント経てキャラ変したのを成長と見做す描き方が一般的ですが明らかに毛色が違います。
元の性格+複数エピソードの積み重ねで最期描写の説得力がハンパない。散り際が愛の言葉ですもん。{/netabare}

・太后さまと嫪毐(ろうあい)
{netabare}政の実母と宦官の間男。場末のスナックのママと通い詰める常連客って感じの組み合わせ。
欲と愛がむき出し過ぎて堪能できました。共依存の二人は死に場所探してましたしそのための物語も欲していました。憐れで愛おしい存在でした。太后さまの中の方の演技良かったです。{/netabare}


おおかた天下国家のデカい話も元を辿れば私情で動いているのかもわかりません。
そして高度化した現代では安全保障と経済は密接不可分。両雄並ぶ世界線があったかもしれませんね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

政と呂不韋 それぞれの志

第四部は、合従軍との戦いの後から嬴政が加冠の儀の式典により第31代秦王となるまでの話です。
第三部のような面白さはありませんでしたが、それでも熱い物語です。

主人公の信は合従軍との戦いの戦功により三千人将へと昇格します。
さらに著雍戦での戦功により、信は五千人将、羌瘣は三千人将に昇格します。
つまり飛信隊は8千人の大部隊となりました。
もう少しで信は政と約束していた将軍となることができます。

しかし、秦国は相変わらず王の政よりも丞相の呂不韋のほうが大きな勢力を持っています。
それに加えて今回は太后の反乱もあり、秦国は勢力が3つに分かれます。
そして第四部では、政と呂不韋との対決にようやく決着がつくのです。

やはり、この物語は信の熱い戦いが魅力的です。視聴の最中に思わずこぶしを握り締めてしまいます。

そして今回は、政と呂不韋との戦いにも目が離せませんでした。戦(いくさ)ではないので動きはありませんが、二人の語る志の熱さは、信の行動と同じように煮えたぎっています。

政は、世の中には戦はなくならないので中華を統一して戦のない世をつくろうと考えています。
(但し中華を統一することは全ての国を倒すことを意味しています)
呂不韋は、武力ではなく財力で秦国の人々を豊かにしようと考えています(但し秦国以外の人々は貧乏になります)
今の民主主義の考え方であれば、呂不韋のほうが正しいのでしょうね。
但し、この紀元前の世界では、話し合いでの解決なんてありえない世の中でした。

現代でも、話し合いでの解決を拒んでいる国があります。困ったものです。

この物語はまだまだ続きます。
続きが楽しみです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 13

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

駆け足で描いていく、アニメシリーズ第4期

原作既読。全26話。2022年放送。王弟成蟜の乱~毐国反乱編

3期の制作スタッフ続投ということで、所々作画崩れはありつつも原作寄りの絵柄で見ることが出来ました。

物語は、3期の終わりで「次は俺の番だ」と大きくうたってた割には、成蟜の話はあっという間に終わってしまいました。ただ、成蟜編から登場する瑠衣役の折笠富美子さんの演技は素晴らしかった。折笠さんの絶叫、泣きの演技は本当に素晴らしい。
その後の魏火龍の話は原作でもそうだったけど、敵キャラの魅力がちょっと物足りないので印象も薄め。毐国編は、作品の大きな節目となるストーリーでしたが、やはり3期程の盛り上がりはなかったかなと。

天下統一に向けて、5期に向けての準備期間のお話を描いた今期だったので、熱い闘いと盛り上がりは次に期待かな。
次は推しの桓騎が大いに活躍するはずなので引き続き見ていこうと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7

72.2 63 2022年度アニメランキング63位
地球外少年少女 後編「はじまりの物語」(Webアニメ)

2022年2月11日
★★★★☆ 3.8 (33)
231人が棚に入れました
AIの発達により、誰もが宇宙空間に行けるようになった2045年。日本製宇宙ステーション「あんしん」で、少年少女たちは大きな災禍に見舞われる。静止したネットワークの中、子供たちはAIと共に冒険をする。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

SFとしてもエンタメとしても最高です。3回目でも集中して見られます。

追記 改めて視聴。最高に気持ちがいいSFでした。

 22年の総括に合わせて見直し。簡単に流し見するつもりが見入ってしまいました。本作は22年ベスト3、そしてSFアニメのベスト10には確実に入れたい作品でした。
 少年少女が見ても楽しめると思います。その点で電脳コイルのリメイク的扱いを受けているみたいですが、厚みも深さもストーリーも段違いです。

{netabare} 本作の結末は、人間を知らないAIの暴走がメインテーマです。これは私の好きなSF小説・アニメ「ビートレス」に見られます。AIのシミュレートに人間の情報が加わることで、AIは人間に希望を見付ける。やっぱり「ウォーゲーム」という映画は「勝ち負け」の問題なので浅いですが似ています。

人間と人類の定義の差は、アシモフのSFに登場するAI「ダニールオリバー」の悩みでした。これをイライジャベイリという地球人との交流で達成しています。

 運命論とその否定はベースにありますが、一方でAIの振舞は最終的に因果関係を超越しているような話もありますので、全部わかっている風でもあります。
 ただ、そこは人間が不在でした。未来は意思=(人間の本質)によって変えて行ける?あるいは人間の次のパートナーたるAIが加わることで運命を越えられるのか?

 人間が因果関係に縛られていて、時間の枠=次元の枠にとらわれているという点では映画「メッセージ」に見られます。メッセージは運命を受け入れたときの達観と取る見方もできるので、必ずしもハッピーエンドではありませんでした。

 実存主義から構造主義に行った認識が間違ったのか、とも思えます。人間の本質はやはり進化なのでは?という感じもありました。冒険を忘れた人類は概念的にも物理的にも地球という檻に閉じ込められた。ただ、それは檻であると同時にゆりかごなのだ、と。

 小説「揺籃の星」では結果的に彗星は地球に衝突し、人類は外宇宙に向けて旅立ちます。本作はそれを回避し、それでも人間は外宇宙を目指さなければなりません。人間は未来に希望を持ちます。

 環境問題も相まって、ニュータイプや逆シャアに対する回答にも見えます。
 最後の6名目は誰か。それは本作がAIと共存する未来の話ですから多分そういう事でしょう。

 必ずしもSNSや企業が宇宙開発に絡むことを否定的にとらえていないのは、情報の制限はするべきではなく、広く人類が協力しあうと大きな成果が生まれるということかもしれません。{/netabare}


 やっぱり改めて非常に良いアニメだと思います。視点を沢山与えてくれますし、エンタメとしてもとても面白いです。SF設定、SFギミック、演出はもちろん、キャラデザや作画、様々な映像技術において、最高水準だと思います。 3回目を見て、初回より集中して見られるのですから、たいしたものです。

 主観的評価では95点/100点です。△5点は単に満点の作品はないという意味です。ほぼ満点だと思います。


以下 初回のレビューです。

SFが未来を救う?常に時代を作ってきたのは新しい発想でした。

 未来に夢を見るSFではなく、今の現実を考えるSF…に見せかけて、従来の形ではない未来をデザインしましょう、そういう話だと思います。かなりの名作だと思います。
 が、結果的にSF的な読解力がいらないと言った前半に比べて非常にSF的な読解力が求められる後半でした。

 さて、さきにオマージュ的な部分の目立ったところです。上げればキリがないです。

 アイザックアシモフのロボットシリーズに出てくるダニールは人類と人間の定義を統合することができました。一方ジスカルドはその両者を定義できずロボット3原則によって自壊してしまいます。
 ビートレスのAIヒギンズは人間が定義できず悩んでいました。その結果自律型のAI…娘であるレイシアを人間界に放ち人間と共に行動することで人間とAIがともに生きる未来を作り出しました。

 映画「メッセージ」に登場する宇宙人は因果関係を持たない言語によって未来も過去も現在も区別を持ちませんでした。
「巨人たちの星」シリーズで、惑星表面を覆うネットワークのスーパーコンピュータ。ヴィザーに対して宇宙船のコンピュータ、ゾラックがいました。セブンとトゥエルブの関係に似ています。
「たった一つの冴えたやり方」では、人間の脳に寄生する生物を滅ぼすために恒星への衝突コースを選択します。
 映画「ウォ―ゲーム」では核戦争に突入しようとするコンピュータに〇×(三目並べ)を教えることで戦争を回避します。

 新時代の「逆種のシャア」+「攻殻機動隊」がフレームではありましたが、肝心な部分でより大きなメッセージがありました。

 テーマです。一つはシンギュラリティーを恐れるな…AIは絶望ではなく人間を救う力になるということ。
 そして、科学はまだその先にパラダイムシフトがあるということ。11次元という言葉が出てきますが、まだまだ人類は宇宙を知り尽くしていないぞ、ということでしょう。あるいは次元を超えて拡張せよ、と。
 因果関係の問題と合わせて本当に今の人間が認識できる科学が正しいのか。「人間原理」的な認識認知を行っているのが今の人類で、本当はもっと広い視点の科学があるんだぞ…と。

 もう少し視点を落としたとして、AIはAIとかシンギュラリティ―という言葉に踊らされているだけで、本当に理解しようとしているのか。AIを恐れるのではなく人間をどう定義するか、させるか。AIが人間と共に発展して行くためにはどうやって学習させてやればいいのか。

 未来予測をしてわかった気になっていますが、限界を超えるために頭使っていますか?と問われました。

 そう頭を使えばAIシンギュラリティ―も環境も国際問題も解決できるんじゃないですか?人間の限界をなんで決めてるんですか?それは科学にせよ政治にせよAIにせよ枠組みにとらわれていませんか、ということだと思います。


 分類でいえばAIものですね。ネットの海の電脳空間、シンギュラリティ―の先にある恐怖、AIの人間性の獲得というのもあるのですが、AIとともに生きる未来はもっと人間に可能性を与えてくれるのではないですか?という話だと思います。

 テーマで近いのはビートレスだと思います。が、本作は現在のネットの状況や世界情勢などを踏まえてより突っ込んだ内容になっていると思います。
 AIものだけでなく環境やネット社会…というより今の閉塞感に対するマインドについてのメッセージだと思います。未来が見えない中で必死に頭を使っていますか?と。

 過去のSFがいっぱい出てきます。それはSFを読んで映画を見て、みんな未来を考えてどうなってゆくかを想像=創造してきたよね?今はなんで頭使って未来を考えないの?未来に夢を見て努力しないの?と叱られている気がします。

 相当な社会科学的なメッセージが込められたかなりハードなSFだと思います。大満足でした。そしてエンタメ性も相当なものでした。
 3時間なので前後半分けて視聴しました。いや後半の疲労感が半端ではないです。面白さに引きずり込まれながらも常に頭を使わされました。

 まあ、まだ1回見終えたばかりなので、もう2回くらい見ると思います。


 そうそう、ゆりかごから出る=JPホーガン「揺籃の星」彗星の設定などそのままですね。
 あるいはアーサーCクラーク「幼年期の終わり」…ですね。オーバーマインドの結末…物質ではない人間に…人類補完計画…
 本作の結末はこの2作とどう違うでしょうか?結末はご覧いただければ、と。


 追記 最後のセカンドセブンがトゥエルブを通じて語っている場面をもう1度見てみました。彼らの問答はハイデッカー的な死や時間の概念をベースにしているみたいですね。 2人が手をつなぐ場面の「選択」という言葉からするとサルトル的な実存主義もあるんでしょうか。
 残念ながら哲学は苦手なのでなんともいえませんけど。しかし、ここで心葉の結末=予知せざる未来を見る限りは未来は決まっていないということで、セブンポエムも万能ではないということでしょう。

 七瀬心葉=セブンズポエムのような印象です。しかし「心葉」という名前は「言葉」の新しい概念…つまり心が口というデバイス以外でつながる新しいコミュニケーションという風にも見えます。

{netabare}  ただ、彗星の質量のくだり…で、実はこの結末自体がすべてセブンの計算通りとも見えます。最後の一人も多分セブンセカンド…いやセブンサードかもしれません。ちょっと蛇足だった気もします。{/netabare}







 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 11
ネタバレ

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

予言を受け入れるか?未来を選ぶか?

 前編であんしんに彗星衝突する事態を登矢達が、どう切り抜けるのか?のお話だったです。またその彗星において真相、思わぬ裏切り者などが、描かれていたです。絶体絶命になったとき、どうしていくのか?です。

{netabare} 非常事態に対して登矢がアレコレしているのに、SNSで目立とうとしている美衣奈が、勝手な行動をしてピンチをさらに招く姿を見て苛ついたです。
 ピンチを回避していっても、何やら陰謀まで出てきたり、思わぬ悪者が出てきたり事態が急変したりとややこしくなっていったです。

 悪者の最後の意外な行動でいなくなっても、危険を回避できないままになったとき、登矢の幼馴染、心葉がここで活躍することになるのです。また、別の危険に残っているので、登矢が行動起こしたりと更にややこしくなる感じです。

 セブンポエムの予言だかなんだかの通りになっているらしいけど、{/netabare}本当にそうなるのか?は見てのお楽しみになるのです。奇跡は起きるのかな?です。

 終盤少し感動みたいになるし、未来はどうなるのか?を描いていたです。ゆりかごという言葉を、登矢の環境に当てはめて考えていたように見えたです。
 終わり良ければ、全て良しですかねです。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

72.1 65 2022年度アニメランキング65位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (259)
1018人が棚に入れました
迷宮都市オラリオ―― 『ダンジョン』と通称される、壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。この街で、一柱の小さな女神と出会った冒険者志望の少年は、 仲間をつくり、ダンジョンに挑み、多くの死地をくぐり抜け、 さらなる<昇格ランクアップ>を遂げていた。そんな彼のもとにもたらされた一通の書状。 書かれていたのは、ダンジョン未到達階層への遠征任務。 未知なる冒険へ向けて、仲間たちと共に、少年は新たな一歩を踏み出す。これは、少年が歩み、女神が記す、――【眷族の物語ファミリア・ミィス】――
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ベル君とその他大勢

【感想】
分割2クールで変なとこで終わるので、続きが放送される直前にまとめて見るのがいいかも

とりあえず前半クールだけでの評価

作画とても綺麗だし相変わらずダンジョンの構造にこだわりがあってダンジョン設定の解説が凝っていて良かった
面白かったけど尺稼ぎなのか、特にリリとかカサンドラのシーンがぐだぐだ悩んでいる時間長すぎて引きのばしている感じがしました

さらに分割2クールみたいで変なところで終わるし最終話で次回予告されていたけど続きいつやるの?って感じで間が空くと状況わからなくなりそう

前半終了時点ではシリーズをここまで追ってきたファンならなんとか見れるけど、今クールだけに限っていえばベルくん+その他大勢って感じになってるのが残念

【シナリオ】 {netabare}
今期は原点回帰のダンジョン探索に戻ったのは良かったけど、逆に言うとダンジョン探索しかない
3期とかにあった他のファミリアとの抗争とか町の様子とか全然なくて、今回の依頼にかかわるキャラクターしか出てきません
しかもヴァレンなにがしさんはじめとした華のあるロキファミリアの皆さんがほぼ出てこないのもきつい
突然変異の怪物を倒して町に帰還してここからどうなるんだろ?って思ったらさっき帰還したばかりの層に戻って、ずっと景色が変わり映えしないのも大きなマイナスかな?

ダンジョン潜る前に仲間達が攻略準備をしていて、パーティ戦闘がどうなるのか楽しみでわくわくしていたら期待外れでした
ベル君の急激な成長の速さが見ごたえですが、周囲の仲間を完全に置いてけぼりで一人でどんどん強くなるのがここにきてマイナスに働いている感じです
3期で仲間がいっぱい増えてやっと心強いパーティになったと思いきや、ベルくん一人で単独踏破できる階層のモンスター掃除くらいしか活躍機会がなくて強敵相手だと手も足も出ない
ほぼベルくん頼みでいてもいなくても関係ないむしろ足手まといだからついていかないほうがいいような状態でした
これではとてもパーティと呼べるものじゃなくて、仲間達の成長が急務なように思います

良いとところはやっぱりベルくんの急激な成長です、純粋な憧れの気持ちや強くなりたい気持ちが原動力になっている感じで応援したくなる主人公
ただ、ベル君以外のいる意味がわからなくなってきたのと、ファイアボルトの威力がますます大きくなって戦闘が機敏な動きとファイアボルトのワンパターンで単調になってきたのでそろそろ変化が欲しい
{/netabare}
【微妙だったところ】 {netabare}
・今回の敵役ジュラがもう少し大物感が欲しかったかも

・カサンドラの予知夢で不吉なことがあるって言っても誰も聞く耳持たないし、あれだけ具体的な不吉なシーンが見えているのに強く訴えないでずっともじもじしているのがひどい、信じてもらえるかわからなくてももっと具体的にどうなるか教えて強く止めるべきでしょ、なんのための予知なの?

言いたいけど言えなくて何度ももじもじして尺稼ぎするくらいなら、最初に全部話しちゃって「危険なことが待ち受けてるのはわかった、でもリューさんを放っておけないから行かなきゃ!!」って流れのほうが自然だし、同じ行くにしても危険を承知で行くって決めるほうが仲間って感じがしていいと思う

・パーティに指示を出す才能あるって言ってたけど、全滅のピンチに決断できずに迷う時間長すぎて、見捨てない選択をした尊さよりも
見捨てる気持ちが強かったからこそあれだけ迷ったっていう印象が強くて決断の遅さで状況を悪くしたように見えます、このシーンもぐだぐだしていて印象が悪かった

・水場に落ちたらどれだけ危険なのか必要以上に解説しすぎたせいで、その後ベル君が下に落ちてバラバラになって残された仲間達が全滅しかける展開が想像できてしまったこと

・ベル君は急いで救援に向かわないといけないはずなのに、ダンジョンで出会ったゼノスの子に見とれてて、そんな場合じゃないでしょって思った
「ダンジョンで出会いを求めるのは間違ってるだろうか?」
まさにこんな状況で、時と場合を考えてください、仲間が全滅しかかっています!
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

カサンドラ不要論

2022/11/12 初投稿

「新章 迷宮編」です!!
どうやら再びダンジョンへ行くようです!

自分は割と階層攻略型ダンジョンの話とか好きなのです。
「ドルアーガーの塔」とか「SAO」(なかなか素直になれず,キリトに文句をつけながらも実は割と好きw)など

胸が躍ります(笑)


結論から言うと,期待外れでした。
期待しすぎなのでしょうか?
いや,多分そうじゃないと思う。

率直に言って,悪夢(予知夢?)の設定は無い方が良かったのでは?

カサンドラが悪夢を見る。

冒険中現実にならないよう,夢と違う状況になるよう努力する

結局夢の状況になりかける

最終的には,危機脱出

悪夢の話無しで良くない?

ダンジョン探索

かなり苦戦したけど,みんなで力を合わせて,危機を乗り越える!

一人だけ違うベクトルで一生懸命動いている(本人は危機回避しようとしているつもり)より,PTの絆を描いた方がスッキリしませんか?
だいたい,全滅しないのは最初から分かっているし。

百歩譲って,1回ならまあいいけど,連続だとちょっと・・・
「カサンドラ,要らね~」って思っちゃいました・・・
ヒーラーって重要なのにもかかわらず・・・f^^;


そしてもう一点,すごく中途半端に終わっている・・・
早く続きを!!
さらに,希望を言うと
・カサンドラの夢はもう要らない!
・神様(ヘスティア)との絡みも作って!!
・ヴァレン何某出して!!!


余談
何かのゲーム(ウィザードリー?)にラビットフットってアイテムが有った気がします。確か幸運のお守り的なヤツ。
調べたら

日本語版Wikipediaによると
ラビットフット
1940年代 - 1960年代にアメリカのヒッチハイカーやバイク乗りたちの間で流行した。
当初は実物の兎の足で作っていたとか(グロ・・・^^;)

ついでに言うとFOOTなので脚ではなく足ですよね?

投稿 : 2024/05/11
♥ : 17

71.9 66 2022年度アニメランキング66位
とつくにの少女(OAD)

2022年3月10日
★★★★☆ 3.9 (20)
103人が棚に入れました
昔々、遠く遥けき地に二つの国ありて――。
世界は「内」と「外」に分断、
呪いをもたらす異形が棲まう地は“外つ国”と呼ばれ、
人々から恐れられていた。

ある日、人住まう地“内つ国”との国境で
一体の異形が打ち捨てられた 死体の中から一人の少女を拾う。
少女は自らを「シーヴァ」と名乗り、
自身を拾った異形を「せんせ」と慕った。

相容れぬ者同士が出会ったのち紡がれる、
密やかな調べ――。




これは朝と夜、その宵に佇む、ふたりの為の物語。

声優・キャラクター
福山潤、高橋李依

かりんとう さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

原作を読んだ人向け

どちらかと言うと原作を読んでる人向けに作られているアニメでした。
私は原作を途中まで読んでいたので、記憶を頼りに観ていましたが結構ないシーンがちらほらありました。
結局、少女が受けた呪いはなんなのかとか、お母さんと呼ばれるモノはなんなのかとか、細々とした部分は語られないのでアニメだけではストーリーを理解できないです。

雰囲気はとてもよかったです。原作の童話感をよく出してくれたなと感激しました。
もし原作を知らずに観た方で、好きだと感じたなら是非漫画も読んでみてください。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

ひとり さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

刺さる人には刺さる上品な作品

派手な作画、音楽、ストーリーの作品というわけでなく。
絵本のような芸術作品のような作画、引き込まれる会話のテンポや音楽で上品に、かつその世界に魅了されるような作品。
制作スタッフの愛を感じるような仕上がりになっていると思う。

お話が何処かで聞いたことがあるかもしれない内容になっているので、新鮮さを求めている人にはもしかしたら刺さらないのかもしれない。

漫画は完結したのでTVシリーズでのアニメ化に期待!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

71.8 67 2022年度アニメランキング67位
cyberpunk edge runnners(Webアニメ)

2022年9月13日
★★★★☆ 4.0 (46)
154人が棚に入れました
ナイトシティでは「アラサカ」という大企業が絶大な権力を持ち、人々の生活の全ての基盤となっていた。機械パーツ(サイバーウェア)で人体改造をすることが一般化しており、中にはその技術を使って不正に手を染める者もいる。この世界で才能に恵まれながらも無鉄砲に生きる貧しいひとりの少年デイビッドは、アウトローの傭兵である「エッジランナー」として歩み始める。その先にどんな未来が待っていようとも…。

XiSMI81258 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

タイトルなし

面白いが何度も見たくなる面白さではない。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

INFINITY さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

エッジの向こう側へ!!!TRIGGERの転換点を感じた

久しぶりにヒリヒリするアニメに出逢えて最高でした。観る麻薬。

どんどん引き込まれていくストーリーと世界観、そして上手く張られた伏線が見事です。2022年に始まったアニメで1番良かったです。

個人的にはヒロインがぶっ刺さりました。シビレますねぇ。NETFLIX限定なのが本当に勿体ない!!!

それともう少しストーリーゆっくりやってくれても良かったですかね。まあそれは欲張り過ぎですか。実際テンポ感が早くて飽きが全く来なかったです。

以下、制作会社に対する感想です。

TRIGGERファンなので大体の作品を観てきましたが、いつもの青臭さが一新されていて感動しました。(もちろん、青臭いTRIGGER作品も大好きですが!) なんなら当初、TRIGGERなのかどうかわからなかったぐらいです。

こんなひたすらオシャレな作品も作れるんだなぁと。いつもの宇宙行ってとんでも展開で終わらせるデウス・エクス・マキナも封印され、一皮むけましたね...

次回作も期待大です!!

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2

あと さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

刹那的なサイバーパンク的ラブロマンス

 サイバーパンク世界観で貧困だが普通の日常を送る少年だったデイビッドが、母の死によって手にした違法な特殊能力を手にし、エッジランナーとして危険な仕事をするルーシーと出会ったことによって日常が変わりだす。
 ストーリーが本当に切なくてキレイで悲しい話。愛する彼女の夢のために自分を人ならざるものに変貌させていくデイビッドとただ愛する彼と幸せなひとときを過ごしていたいと思うルーシーの対比が切ない。何を得られたんだろう。
 後半にかけて一層止まらなくなるストーリーととにかくおしゃれな世界観が素晴らしい。原作ゲームをプレイしていなくても壮大な世界観を体感できる面白さだった。良い意味でTRIGGERらしさがなくてすっきりしていた作品。全10話なので濃密なストーリーが描かれているというわけではないが無駄のない構成で綺麗なストーリーと理不尽で危うさを持つサイバーパンクの面白さが詰まっている。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 1

71.7 68 2022年度アニメランキング68位
神々の山嶺(アニメ映画)

2022年7月8日
★★★★☆ 3.8 (32)
105人が棚に入れました
「登山家マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」という登山史上における実際の謎に迫りながら、孤高のクライマー・羽生と彼を追うカメラマン・深町が前人未到の挑戦に立ち向かう姿を描く物語。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

山に取り憑かれた男の心理に呑み込まれる

夢枕 獏氏の小説を原作にした故・谷口 ジロー氏の漫画化作品(いずれも未読)を、
谷口氏の強い意志で、フランス映画界がアニメ化。
同国・映画賞での評価、人気を獲得した上で、
日本に吹替版として“凱旋”して実現した劇場公開作。


【物語 4.0点】
1500頁におよぶという原作漫画。
サイドストーリーは削ぎ落とし、孤高のクライマー・羽生と、彼の足跡を追う雑誌カメラマン・深町に絞り込み90分余にまとめる。


「マロリーはエベレスト初登頂に成功したのか?」
「登山史上最大の謎に迫る」「究極の冒険ミステリーが始まる」

などと煽って来ますが、これは如何にもプロモは五流の日本映画界による的外れな宣伝かとw
もっとも私も“マロリー”に釣られた口なので大きなことは言えませんが(苦笑)


開始後まもなく、この映画の主題が謎解きではなく、
山に惹かれる人間の豊潤な心理の開示にあることが分かります。

人間ドラマが積み重ねられるに連れ、羽生がエベレストに挑む理由の心当たりは
絞り込まれるどころか、終盤にかけて、どんどん増えて行きますし。
結局、最後も、{netabare}マロリー初登頂の真相も羽生の真意もぼかされたまま終わります。{/netabare}

この物語に対して、山も人間も謎に満ちていて奥が深いと唸って満足するためには、
ミステリーなど邪魔になるだけなのでザイル(縄)共々切って落とした方が賢明かと思います。


【作画 5.0点】
アニメーションはフランス、ルクセンブルクの3スタジオで制作。

登山物は実写も含めて、本番はあくまで山岳シーン。
日常&準備期間の街中のシーンは一休みとのバランスになりがち。
が、本作は街中から作画が超本気です。

元ネタ小説が90年代連載とのことで、
眼鏡のモダンの端っ子を咥えて口角泡を飛ばす、昭和のオヤジたちが支配した
喫煙率高めの日本社会もフランス人視点で緻密に再現。

人物の表情描写が繊細であるだけでなく、小物も物量、再現度共に高水準。
その小物にキャラの心情や性格を反映して演技させるレベルで構築される映像も芸術点が高い。

街中の段階から、道具の描写にまで魂が宿っているからこそ、
登山シーンにて、氷壁そびえる大自然に、登山道具と己が肉体一つで挑むクライマーの生き様に迫力が出ますし、
例えば、クライマー・羽生の、山や社会との距離感についても様々な着想が可能になります。

比較的、無難なアングルで構成される街中シーンの日常感。
山の画面比率を高める極端なアングルで、自然の偉大さと人間の小ささを強調する山岳シーンの非日常感。
映像構成の使い分けも良好。

総じて映像だけでも体感して損がないボリューム。

【キャラ 4.0点】
かつての天才登山家・羽生丈二。
山に対してストイック故、ただでさえ社会との溝が深い所に、
パートナーの事故が、さらに深い影を落とす。
彼が次どう行動するのか?次は助けるのか見捨てるのか?
変わりやすい山の天候並みにスリリングです。
そして、恐らく羽生自身も、自らの心理を理解できていない。

私も含めて、今、自分がここで行っている所業の理由を語れる人間などそうはいない。
私が、この映画と羽生から学んだ一番の教訓です。


そんな羽生の登山家心理に取り憑かれてしまった雑誌カメラマン・深町誠。
真実を求める内に深みにはまりキャリアが破綻をきたす。
ある意味、登山家並みに狂った報道人の性が羽生の心理とも共鳴し、
クライマックスを極限の狂気へと押し上げる。

{netabare}私は、羽生に身命を賭した最後のアタックを決断させたのは
深町の執念の取材だと感じました。{/netabare}


メイン二人の脇で、山だけでなくスポンサーの攻略も上手いライバル登山家・長谷、
羽生の後輩クライマー・文太郎などの登場人物が彩るが、見事に男ばかりw
女など文太郎の姉として登場する涼子さんくらいしかいない。
本作は武骨な山と男の映画ですw


【声優 4.0点】
羽生役の大塚 明夫さんを、深町役の堀内 賢雄さんが追いかける渋いキャスティング。
深町視点で進行するため堀内さんがモノローグでナレーションも兼任。
年輪を分厚く刻み過ぎて、見えなくなってしまった本音が、見えそうでやっぱり見えない。
面倒くさい男の性を、声色レベルで心理を示唆できるベテラン二人が好演。

このお二人の間では文太郎役の逢坂 良太さんも可愛らしい後輩役です。
が、{netabare}終盤、化けて出てくるトラウマ描写は結構怖かったです。{/netabare}

涼子役には今井 麻美さん。落ち着いて過去を振り返る演技で、
ベテランを前にしたミンゴスのキャリアの確実性を確認。


【音楽 4.5点】
劇伴担当はアミン・ブハファ氏(チュニジア)

寒々しい弦楽の調べ→勇壮なオーケストラという登山映画の定番。
そして、やはり宇宙空間に匹敵する未知の領域である高山には重厚なシンセの和音が似合います。


作画だけでなく、効果音もまた街中から本気なのも高ポイント。
濃密に再現された日本の大都会の喧騒があるからこそ、
山肌が軋む雪山の不気味な静寂の説得力が倍化します。


【付記】
「なぜ、山に登るのか?そこに山があるからだ」
本作でも登場するジョン・マロリーが語ったとされるこの名言。
これもまた独り歩き名言の一つでしてw

NYタイムズ記者の「なぜあなたはエベレストに登りたいのか?」との質問に、
マロリーが「そこにあるからさ」とエベレストに限定して答えた内容が、
いつの間にか山全体にミスリードされ、登山家の哲学的発言だと拡散したのだとか。

質問内容自体も上辺だけで、回答も社交辞令な印象。
人間・マロリーの深層心理をえぐるには程遠い。

マロリーのエベレスト初登頂の真相。記録、競争などどうでも良い。
男の生き様に深く惹かれて、奥地まで追ってきた深町に羽生がこぼした本音が、
上記の逸話とも混ざり合って、何とも言えない渋い余韻が残りました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 24

にら さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

己の存在全てをかけて

(原作未読)
カメラマンの深町誠はある日、数年前に消息を絶った孤高のクライマー羽生丈二を目撃する。
羽生の人生の軌跡を辿っていく深町、人生の全てをかけたクライムへ歩き出す羽生。
そして2人の運命は、極限領域 – 冬のエベレストで交わることになる。


めっっちゃくちゃ良かったです。
アニメ映画としての完成度がめちゃ高い。
見終わった後の余韻というか放心状態ををうまく言語化できないのが
非常にもどかしいが、間違いなく映画館で見て良かった作品であり
多くの人に胸を張っておすすめできる。


「なぜ、山に登るのか。なぜ、命をかけるのか。」

この作品が掲げているものは終始ここに尽きる。
認められるためか、記録に残すためか、他者に負けないためか。
絶対的な理由なんてどこにもない、それでも探すことのやめられない
この根源的で究極的な問いに、男の生き様と渾身のアニメーションを通して、
94分間魂を削って向き合うのが本作である。


本作は基本的に2つの時間軸を行き来する。
カメラマンの深町が羽生の歩んだ道を辿る現在。
そして、呼応する羽生の過ごした過去。

主人公は深町だが物語の主軸をなすのは羽生の人生であり、
不器用で登山が全てと言わんばかりの彼の人生は決して
生やさしいものではなかった。それでも、ただ限界の先にある
頂きを目指して歩き続けるのをやめなかった彼の生き様、その歩みが
時を超えて深町に進むべき道を与える展開に何度も胸が熱くなった。
そして物語を通して深町が羽生の人生から得たものが、最初の問いに対する
答えとして掲示される。重厚な94分を見届けたからこそ、
終盤のメッセージが力強く突き刺さる。


全体通して作画に対する気合の入り用も半端じゃない。
正直、アニメーションだけでも見る意味が十二分にある。

エベレストの極限風景、高山地域のローカルな生活、90年代の東京の街中、
そこに生きた人たちの息遣いとかつて流れた時間が確かに感じ取れる。
クライミングシーンは息つく暇もなく、圧巻の一言。
ピックを指す、岸壁をよじ登る、足が滑る、ボロボロの傷を負う、
身体が悲鳴をあげる、その一つ一つの事象や動作が100%フォーカスされ、
クライマーがどれだけ過酷な状態で登ってるのかがダイレクトに伝わってくる。
少なくとも登山をしたことがない自分にとっては文字通り違う世界の景色であり、
あたかも同じに場所いるかのように足がすくんだり手が震えることが
多々あったくらい、臨場感と緊張に満ち満ちていた。
映像体験としてここまで没入できる作品もそうそうない。


現在では上映地域もかなり限られており見れない人の方が多いかもしれないが、
今後配信されることがあったらぜひ見てほしい一作。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 7

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

おそらく劇場で鑑賞したらこの何倍も素晴らしかったことだろうなと軽く悔やみましたぜ

正月休み明けの3連休。いきなりアマプラで配信が開始されていたのでそらあもう見ますでしょうが。

一応ミステリーとか書いてあるんですけど、見た感じ『そうかぁ~??』とは思いました。

ボクね~。SFとミステリー弱いんですよねぇ。


そんなボクでも全然楽しめました。
…ってかタイトルにある『登山史上最大の謎に迫る』といったようなことがあったのかなかったのか。ってボク的にはそう感じました。

確かにその謎を追っかけるって話にしないとこれは前に進まんのですが、なんか途中でそんなことどーでもええやんけと思うようになっておる自分がおるわけでした。


そうだす!!

そんなことどおでもええよって思ってしまうくらい主人公のおっさん2人の生きざまとゆうかかかわりとゆうかそこになんだか運命的な何かを感じましてですね。

そこにとにかくものすごい心動かされまして、謎とかボクの中ではもはやどうでもよくなっておったのでした(…そんなんでいいのか?)。

それに加えてまあ雄大な自然エベレストの山々の恐ろしくも美しい描写の素晴らしいことと言ったらない。

ここまで描き切った作品てかつてあったんだろうかと思うくらい素晴らしかったです。

それに合わせた音楽も素晴らしかった。劇伴だれがやったんでしょうか(笑)

おそらく劇場で鑑賞したらこの何倍も素晴らしかったことだろうなと軽く悔やみましたぜ。


ま、ボク自身山登りとかまったくやらない人なのでこのハナシがどのくらいリアルなのかはうかがい知れるところではありませんが、映像の説得力がハンパなさそうな感じは受けましたんでそれはおそらくそうなんだろうと思います。

そおゆう部分はよい作品であるためには重要なことだと思ってまして、実はよくわからんけどものすごい面白かったとゆう作品に共通する部分ではないかしらとも思っております。


とゆうわけで見てはらへん人は是非ご覧になることをお勧めします。
アマプラで配信はじまったばっかりやし、時間も約90分ってことで一杯やりもって見たらサクッと見れます。

これ見て『オレもアルプスに上るぞ!』とはなりませんけど、金剛山ぐらいは登ってみようかなとなるかもしれませんぞ。(ならんか)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 6

71.6 69 2022年度アニメランキング69位
本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 第3部(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (181)
702人が棚に入れました
誰もが本を読める世界へ 神殿の青色巫女見習いになったマインは、ルッツやトゥーリ、孤児院の子供たちと共に、子供用の聖典絵本を作った。 マインの本への情熱は高まるばかり。ヨハンやハイディにグーテンベルクの称号を与え、次なる目標・活版印刷を目指す。 だが、そんなマインの行く手に暗雲が立ちこめる。 強大な魔力と不思議な知識をもつマインに利用価値を見出した貴族や、マインに恨みをもつ貴族が、マインを密かに狙っていたのだ。 安全のため、マインには護衛騎士がつくことになった。 さらに、フェルディナンドはマインに、貴族であるカルステッドの養女になるようにと命ずる。 それはマインの身を守るための命令だったが、大切な家族と離れたくないマインは受け入れることができない。 そんな中、マインの家族に新しい命が誕生する。 エーファがカミルを出産。マインは姉となったのだ。 そして、神殿では身食いの捨て子、ディルクを育てることに。側仕え見習いのデリアはディルクを家族同然に可愛がるようになる。 守りたいものが増える中、マインを狙う魔の手はすぐ近くまで迫っていた。 マインはどうなってしまうのか!?


声優・キャラクター
マイン:井口裕香
フェルディナンド:速水奨
ジルヴェスター:井上和彦
カルステッド:森川智之
ダームエル:梅原裕一郎
ルッツ:田村睦心
ベンノ:子安武人
トゥーリ:中島愛
ギュンター:小山剛志
エーファ:折笠富美子
オットー:日野聡
コリンナ:衣川里佳
マルク:前野智昭
フリーダ:内田彩
ギル:三瓶由布子
フラン:狩野翔
デリア:都丸ちよ
ロジーナ:鈴木みのり
ヴィルマ:安野希世乃

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

マインの決断は家族を守るための苦渋の選択

第三クールは、マイン達の発明する印刷技術がさらに進歩する話です。
そして最後は、家族の温かさ、大切さを十分に味わうことができます。
マインの新たな旅立ちで、物語は完結します。


マインは活版印刷技術、そしていろんな色のついたインクを発明します。
発明により文明が発達し経済も成長します。

但し、既得権益で商売していた人たちは、マインのことを良く思いません。
なぜならば、彼らの生活基盤がマインによって壊されることになるためです。
さらには、マインの膨大な知識を独り占めしようと思う者も現れます。
そんな人たちは、なりふり構わぬ行動にでます。

貴族にとって平民を殺すのは虫を殺すのと同じようなものです。罪悪感など全くありません。
そのため、ある事件が起こります。マインの家族が危険にさらされます。

家族を守るために、マインは、ある決断をしなければなりませんでした。
それはマインにとって、とてもつらい決断でしたが、家族を守るにはその方法しかありません。

マインは決して贅沢をしたいためにその決断をしたわけではありません。
マインのことをあまり知らない方は、マインがどんどん出世して裕福になるので、うらやましがる人も多いでしょう。

でも、マインはどんなに貧乏でも絶対に家族と離れたくなかった。
しかし、自分のために家族が殺されることは絶対に嫌だった。

マインは家族を最も大切にしていたのです。


原作では、まだまだ続きますが、区切りが良いので、残念ながらアニメではここで終わることになったようです。

マインのその後の活躍を見たい方は、ぜひ原作を読んでください。
原作を読むと涙がでるほど感動するシーンが何箇所もあります。
それにアニメではカットされている部分が結構ありますので、原作を最初から読まれると、新たな感動が湧き起こると思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 33
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

マイン完封!?

原作未読

ナンバリング有。1期14話2期12話ときて、3期相当の今期は#27 - #36全10話となります。
原作小説は5部構成の既刊32巻で完結。アニメはこれまでの計36話を費やし『第一部 兵士の娘』『第二部 神殿の巫女見習い』を終了したものと思われる現在地ってところかと。

全10話と短めながらトータルで区切りの良いところまできてますね。

1期の良かったところ↓
①転生前の人生を踏まえた上で転生先での行動に反映されている
②文明差でマウントを取らず主人公が現地化に努めている
③「無いものは作ればいい!」と作り出して受け入れられていく過程
④『身食い』:物語に緊張感をもたらす時限設定

それを受けての2期の変化↓
①②③が低減。⓸が伸長。
現地化が進んだのと神殿メインの閉鎖したとこでの物語展開がなされ濃縮していってダイナミズムに欠けるとこありました。身食い設定に絡んで貴族のお作法学習機会みたいなところがあったと思います。
街に出てみて臭いを気にしてる所作があって、下水道が整備されてない中世世界をうまく表しているなと感じたのは1期のレビューに書いてます。


この3期ではそういった作者の中世ヨーロッパ世界の知見の広さを惜しみなく開示してましたね。
我々日本人がピンとこない階級社会をわりと正確に描いてたと思います。ただしそこまで。
貴族の階級社会の説得力の高さが物語を牽引してましたが、そちらに視線が向けば向くほど本筋がよくわからなくなり、元々の面白さがどんどんなくなっていくんですね。触れられててもお茶を濁す程度だったのです。

{netabare}前半はインク作りで初心取り戻した感あっても、後半で大波にかっさわれてました。{/netabare}

原作の半分弱終わって区切りも悪くないためここでゲームセットしても良いと思います。
続けるなら『本好きの下克上』の意味するところを知りたいので結局終わってみないと評価しづらい作品。さてさて続きはあるのでしょうか?



■備忘

{netabare}平民が貴族に手を挙げる死罪相当のやらかし解決のためにマインが領主と養子縁組をして終了。
これまで生活を共にした家族とはここでお別れです。本づくりは続けるみたい。

貴重な本というものを汎用化できるのでしょうか?

そしてゲームチェンジャーとなる存在がマインであるため既得権力側から見たら面白くない。実社会の縮図みたいなどろどろしたところも作品の特長でした。この点の描写には信頼置けます。{/netabare}


{netabare}TVCMで「こんなに大きくなったよ(マイン)」と成長した御姿が。幼女もの得意でなかったし大人になったらそれはそれで楽しめるかも。続けばの話。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 32
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

普通のなろうなら、ここから1話目が始まる。

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
知識無双系の異世界転生モノでは、現時点では、最も優れたシリーズだと思います。

ストーリーが非常にゆっくりしたテンポで進み、爽快感も薄い作風なので、好みは分かれるでしょうが、私は、大好物です。

1期から3期まで失速することなく、4期も充分に楽しめる余白がまだまだあるなんて、とても稀有な作品だと思います。

ゆっくりしたアニメを求めている方には、オススメです。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
最終話は、少し泣きそうになった。それくらい、感動した。

愛する家族との別れ。死別ではないが、永久の別れにも近い。

この展開が感動的なのは、2期の最終話が効いている。転生前の家族との突然の別れによる後悔。だからこそ、新しい家族との幸せな日々を誓った。

それすら、今回、奪われる。周りの思惑により、理不尽に。

でも今回は、最後の1歩は自分で踏み出した。転生前は母とケンカ別れしたが、今回はちゃんと感謝と愛情を伝えられた。そこが、転生前との違い。成長。

マインは、辛い別れをしつつも、それでも自分の夢に向かって突き進む。しかし、これまで「自分だけの夢」だった本作りは、愛する家族(弟)のためであり、街を発展させる(家族を守る)ためにもなった。

強大な魔力と豊富な知識を持ち、有力な貴族の養女になった(権力を手にした)マイン。ステータスだけなら、その辺のなろう主人公と変わらない。

でも、マインはそれを望んだわけではなく、喜んでいるわけでもなく、涙の中で選択したに過ぎない。本作を貫く「どうしようもない現実に抗う」姿が、今期も色濃く出ていた。

普通のなろう系作品は、強くてニューゲームがデフォだから、ここから1話目が始まり、無双し、異世界を蹂躙するだろう(逆に言えば、通常のエピソード0くらいのストーリーを、3期もかけて丁寧に描いているのが、本作最大の魅力)。

さあ、4期マインはどうだろうか。まあ、泣いて怒って笑って、悩みながらも一歩一歩進んでいくのだろう。是非、マインの旅を最後まで見届けたい。
{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

71.5 70 2022年度アニメランキング70位
転生したら剣でした(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (249)
807人が棚に入れました
転生したら剣でした――。 「知性を持つ武器(インテリジェンス・ウェポン)」と呼ばれる”剣“として異世界に転生した彼は、装備者との出会いを夢見ながら、孤独にスキル収集に励んでいた。 ある時、迂闊にも魔力を吸収される「枯渇の森」へ踏み入り、一歩も動けなくなってしまう。途方に暮れる中、奴隷として虐げられていた黒猫族の少女フランに出会う。 フランは巨大な魔獣に襲われ、絶体絶命の危機に陥っていた。彼女は眼前に突き刺さっていた彼を引き抜き、その力で窮地を脱すると、彼を「師匠」と名付けて正式に装備者となるのだった。 冒険者となったフランと師匠は、お互いにスキルを磨きながらクエストをこなしていく。フランは強さの果てにある「進化」を目指すために、師匠は少女の「願い」を叶えるために。 猫耳少女と親バカな剣の大冒険が始まる!

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

いつでもそばに

ただフランが可愛いってだけの普通の異世界なろう系だけど、チートだけど無敵って感じはなくて結構戦闘で苦戦するし、戦闘の動きがいいので面白かったです

美少女が無駄にいっぱいでてくるとか、主人公を引き立てるためにわざとらしい展開にするとかそういう余計なところがなくてスマート

無駄にいっぱい美少女はべらせなくても、一人いれば十分ってことがよくわかります
バランスが良くて出来のいい異世界転生アニメ

まるで娘の成長をそばで見守る父親みたいで、フランとししょーのコンビが素敵でした

最初から2期制作が決まっているみたいなのも変な終わり方しないので良いですね

投稿 : 2024/05/11
♥ : 35

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

減点は少なくキャラが加点要素で総じて高評価ななろう原作アニメ

本作の作品タイトルは『転生したら剣でした』であり、つまり転生の主体は異世界転生した「師匠」なんですが、物語としての主人公要素はむしろ黒猫族の獣人少女フランの方にあると言えるのではないでしょうか。

ちなみに「師匠」というのは転生者である「剣」に対してフランが呼びかけにつかっていて、「剣に意志がある」とわかった人たちの間ではそのまま名前として認知されている呼び名です。

魔物を討伐して得た魔石を吸収して「師匠」は魔物のスキルを吸収することができます。そして「師匠」の装備者であるフランは自身のスキルに加えて「師匠」が得たスキルを共有することができます。

当初は「師匠」のスキルに頼りきりのフランですが徐々に自身も強くなってゆくという順当な成長ストーリーですし、フランは「師匠」とはぐれることで危機を演出することもできて、「圧倒的に主人公が強い」というストーリー的な単調さから逃れることができるようになっています。

フランの冒険の旅は適度な爽快感と危機の発生によって、主人公補正による安心感もありつつ楽しめる物になっているように思われます。

終始作画的には安定していましたし、フラン自身がキャラクターデザイン的にかなり可愛く、また周囲を固める人物たちの個性もあいまって特に目立った減点要素はありません。

平凡なストーリーと言ってしまえばそれまでですが、「なろう原作のアニメで手始めに観るなら何が良い?」と訊かれたら本作は充分にその候補たりえる良作だと考えます。

なお、この1期目が終了して早々に2期目の制作決定がアナウンスされました。そのうち続編が観られるだろうという点においても安心してお勧めできます。

余談:「師匠」の転生者としての要素はそれほど目立っていない本作ですが、こと料理という分野においては転生者としての知識が如何なく発揮されており、「師匠」のカレーやハンバーグはフランを虜にしています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

GWだものテンプレ作品も観ておかないとねぇ。

本日は2024.5.5なり。

地獄の繁忙期を乗り越えやっとのことでGWにたどり着いたぜ。
もろもろ、いろいろなお付き合いもしつつ、いつもの某アベマなTVで一気見シリーズを物色。
これは後で見ようかな、というものは除外し、本作が目につきました。
隙間時間では、既に視聴済みの作品も飛び飛び視聴で記憶を喚起しつつ、本作の一気見を敢行。

う~ん、フランかわええっすねw。

物語は、まぁ、この手のファンタジーものに準じている感じですが、フランの可愛らしさほぼ全振りで視聴していればいいでしょう。
いや、さすがにそこまでは言い過ぎですが、テンプレ的作品を観続けようという大きな求心力になり得たのは間違いないでしょう。
逆に、この幼女的キャラが合わないとなれば、視聴しづらいという方もおられるかもしれませんね。

全体的にフランとスーパーすごい剣師匠との掛け合いを眺めつつ、折々にある障害をフランたちが乗り越えていくカタルシスも楽しみの一つでしょう。
また、バディを「剣」にしたと言うのは、この作品のキーとなる設定でしょうが、話すとはいえヒト型ではなく、無機物と言うところで、より一層フランを引き立てているのかもしれません。


別の視点としては、フランの成長していく様子を眺めるという楽しみもあるかもしれません。
仲間を増やすという意味でも成長しているのかもしれません。
後半で登場してきてPTを組むメンツなどは、どう見てもmob系のキャラなのですが、ミッションをこなしていく中で、なんとなく良い関係が構築されていっているようにも見受けられます。

まぁ、フランも次第に愛されキャラ的な立ち位置に移行していくのですが、フランと師匠、一部の女子キャラ以外は作画的な意味であまり力が入っていないような印象ですね。
声優さんも、少し未熟な方もおられたような気がしています。


アマンダいやママンダでしょうかw。
このキャラが出てきてから、少し賑やかになって楽しくなりましたね。


そして、最後にフランとアマンダの関係性が明らかになりました。
この辺も、匂わせていたものがはっきりと形になっていい終わり方のように思いました。

・・・はて、ここで旅立ちEND・・・。

・・・これなんてエウレカ?ってなシーンもありましたが、ここで終わりって・・・。


と思い、HPを確認に行きますと・・・2期か決定との報が。
へー、なら、この終わり方もいいのかな、と。

個人的には、もう少しクオリティアップしてほしいところもあるのですが、続きがあったら観てみたいと思うほどのフランの魅力がありましたし、師匠との掛け合いも観てみたいものです。


「たぶんすごい黒猫族の子供」と「スーパーすごい剣師匠」の
またの冒険を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 21

71.4 71 2022年度アニメランキング71位
スローループ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (270)
784人が棚に入れました
海辺でひとり、亡き父に教えてもらったフライフィッシングを嗜む少女・ひより。 いつもどおりに釣りをしていると、いきなり海に入ろうとする天真爛漫な少女・小春と出会います。 一緒に釣りをする事になった2人でしたが、実は親の再婚相手の娘どうしで…? ひょんな出会いから「姉妹」になったひよりと小春と一緒に、「釣り」をしながらスローに過ごしてみませんか?

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

沈んだ気持ちも釣り上げるフライフィッシングの魅力

私は釣りにあまり興味ないのもあって、そんなに惹かれるものはなかったけどキャラクターが可愛いし雰囲気もいいのでまったり見るにはいいですね。

ただ釣りばっかりしているアニメじゃなくて、二人は悩みも持っていて釣りを通じてその悩みに向き合っていきます。
楽しいことばっかりが人生じゃないけど、釣りを通じて前向きに、楽しく生きている二人を見て少し幸せを分けてもらえる作品。

きらら作品にしては設定が結構重くてびっくりした。
話を作るために無理やり重くして釣りと結び付けている感じがして蛇足感はありますが、単調なのも良くないので好き好きでしょうか。

作画は色使いがとても可愛らしくて綺麗だけど、ときどき顔や体のバランスが気になるところがあった。

友達の亡くなったお父さんが使ってた部屋って、いろいろな意味で嫌じゃないかな?
あと死んだお父さんの部屋を与えたってことは、元々は父と娘が部屋となり同士で部屋の仕切りもすぐガラッとあくタイプ
これだけプライバシーないとどれだけ仲良くても娘は嫌がると思うけどなあ。
そういう面倒くさいところサラッと無視するところが好きですねー

人に向けて竿振るのは、注意書き書いても実際にやっちゃだめだと思う。
釣り詳しくないけど、たぶんあれ身体に刺さったらたいへんな事になると思う。
こういうのはダメですっていうチュートリアルで例として出すだけならやるべきだと思うけど。

釣り担当と料理担当に分かれていて、釣った後はおいしく料理するので飯テロアニメとしても良かったです。

姉妹になる必要あったのかわかんないけど、のんびりスローライフで楽しそう。可愛くて癒されますね。
ていぼう日誌、ゆるキャン△あたりが好きならおススメ!

これぞきららって感じの安心してみられる雰囲気の良い癒し作品。
釣りの専門用語とかは全然覚えられないけど、釣りの魅力は伝わってきました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

初めは偏見で過小評価してましたね。日常+ノウハウの良作でした。

 総括ですね。スク水女子がいきなり海に飛び込んだり、釣り針をひっかけたり、再婚同居とか鬱まっしぐらな設定で驚きましたし、ちょっと「アレアレ…おかしいですよ?」という感じでマイナスイメージが先行してしまいました。「また日常系かあ」という偏見も確かにあったと思います。が、結果的にレベルの高い日常モノ+ノウハウものだったと思います。

 完全にストレスレス設計ではなく、若干のスパイス的な負の感情があったし、登場人物の年齢層性別に幅があって、それが自然なストーリーになっていたのも、新鮮で良かったですね。で、癒しパートではしっかり癒されますし。

 ノウハウも料理と釣りでどっちつかずじゃね?という心配も大丈夫だったですね。まあやっぱり興味がもてたのは釣りの方かなあ。

 一方できらら系の特性で物語が中途半端でも気になりませんし、伏線とかテーマ性とかそういうのが無くても満足できました。初めの方は集中して見られなかった部分もあるので色眼鏡を外して再視聴してもいいかな、と思ってます。

 釣り版のヤマノススメですかね。日常+ノウハウにちょっと負の感情とスト―リーがある…みたいな面白さがちゃんとある、という良い意味で言ってます。是非ヤマノススメ同様2期が来るといいですね。



以下 視聴時のレビューです。


1話です。{netabare}初め、海で毛バリなんか使うかよ、と思って調べたら最近は使うみたいですね。勉強不足でした。虫を食べる渓流の魚向けだと思ってたらメバルは確かに釣れるみたいです。

 作品です。きらら系ということで、日常な気もしますがヤマノススメみたいに若干ストーリー性を感じます。完全な癒し系ではないということでしょうね。少し暗い要素も入っていますし、いきなり再婚で同い年の姉妹ができるというのは普通メンタル的にハードな設定だと思います。

 ただまあ、あまりシリアスにはならない気がします。コハルとヒヨリで小春日和ですね。これがまあストーリーの性格になるんでしょう。

 ヤマノススメみたいな話だとすればちょっと展開が楽しみです。ただ、1話の様子からして料理も釣りも専門性が中途半端かなあ…まあ、見てみないと分からないですけど。

 キャラデザの横顔、鼻のラインが極端に凹になっているかなり昔の感じですね。髪型は輪郭を隠すような最近の流行ですね。制服がリボンとネクタイなのって普通の高校だと有りなんでしょうか(調べたら選べる高校も多いみたいですね。これも勉強不足でした)。私服のセンスは…うーん…

 とにかく気軽に見られそうですし、なんとなく引っかかりがあるアニメなので今期の視聴候補ですね。

 なお、冒頭のスク水シーンは一応スルーしておきます。つかみ…なんですよね? {/netabare}

2話 ひよりちゃんってコミュ障じゃなかったでしたっけ?

{netabare}  ひよりちゃん、友達のお父さんと気軽に話せたり、積極的に釣りに誘ったりどうもコミュ障には見えませんね。いいですけど。
 キャラデザで睫毛に白いのが混ざるのが気になりますね。光沢なんでしょうけど白髪に見えます。

 思ったよりも釣りの話がありましたが…ちょっと物足りないかなあ…4種類の毛ばりの動きのところとかもっと見せ方が…それと釣りの技術に関してループとは何なのかどういう技術が必要か、釣れるポイントとかウンチクがもっとあってもいいですけど。

 OPで「料理・エフェクト作監」で鷲北恭太とおっしゃる方ががクレジットされていました。食戟のソーマの料理の作画ををやった方らしいですね。ということは料理には力が入るのでしょうか。{/netabare}

3話 ひよりちゃん、語りすぎ?

{netabare}  話そのものは家族の問題に焦点を当てて、かつ、釣りの話、料理の話とあって、そこそこ面白いですし、作品に求めるニーズも満たしていると思います。イワナの作画綺麗でしたね。イワナって湖とか海に降りるとマスになる…と思ってたんですけど湖で釣れるんですね。

 ただ、ひよりちゃん、語りすぎですね。というかそのほかの人たちも内面をセリフで垂れ流している気がします。セリフじゃないにしても分かりやすい表情とか。語るのではなくて演出を使うとか…説明セリフばかりだとやっぱり心情の表現が物足りなくなります。深さのチューニングが中途半端でせっかくの子連れ再婚という設定がかえってノイズになっている気がします。特に父母のキャラが薄っぺらいからなあ…そこがなあ。

 そもそも、家族の問題なら事件…つまりエピソードで見せた方がいいと思うんですけど…あっさりとこれでみんな仲良しならその設定は不要でしたね。仲良しJK同士が料理と釣りに…でいいと思います。設定活かすならこの後何かあるならいいですが。

 なお、梅干しのウンチクは良かったですね。こういう感じが沢山あると面白いと思います。バナナって何があるんでしょうね。気になります。

 まあ、継続視聴…でしょうね。 {/netabare}


9話です。ダーク設定がいい隠し味になっているのかも
 
{netabare} 初めはきらら系の日常に親の再婚とかきついダーク設定いるかなあ、と思ってたんですけど、そのおかげでキャラが描けていて、癒しパートがなかなかいい感じですね。だらだらした日常ものよりも、少しだけの辛さや涙が心の琴線に触れるせいでしょう、いい隠し味になっている感じです。

 話も海にいったり、渓流にいったり、釣り堀だったりと薄く広く話が展開するので飽きない感じですね。ちょこっと入るウンチクもなかなかいいレベルだと思います。キャラも増えちゃったけど、きらら系には珍しく家族…老若男女でてるのもいいですね。ちょっと新しいかもしれません。

 思っていたよりも面白いかもしれません。ちょっと消化枠として、ながらっぽくまとめて流してみてたらいつの間にか集中してみていました。引き込まれる何かはあるのでしょう。それがダーク設定とか家族の部分なのだと思います。9話、面白かったと思います。{/netabare}



11話 再婚と恋のキャラを話として上手く回収しましたね。

 10話のてんからという単語を始めてしりました。そしてやっと毛ばり以外のまともな釣りも出てきましたね。ちょこちょこと面白い知識がはいってきました。1話2話辺りはノウハウものとしてどうかなと思いましたが、なかなか機能していますね。

 イソメきましたね。いや無駄にリアルすぎるでしょう。なんでここだけ作画いいんだよ…そして寄生虫ですか…うーん。食欲が…で、その後釣った生サバの調理とか…胸がいっぱいです。ただ、文化祭回ってシリーズで一番面白い場合と、騒ぐだけ騒いで面白くない場合がありますが、本作は面白いほうでしたね。

 本作は可愛いとかそういう作画ではありませんが、給仕のコスプレのヒヨリちゃん、可愛かったです。


 11話です。あーモヤモヤですね。友情の優先順位的な嫉妬ですね。可愛いエピソードですけど、やっぱり心の闇的な感性が原作者にはあるんでしょうか。これは実際感じたことがある人じゃないと描けない気がします。

 日常系としては、どこかダークな雰囲気が漂いますね。そこが面白いんでしょうね。再婚話、恋ちゃんとの思い出を絡めて上手くまとめました。なかなか良かったですね。

 ここまでは日常系の要素もノウハウとしても面白かったうえに、ちょっとした友情家族のストーリーもなかなか良くできていました。ちょっと新しいですね。
 なお、やっぱり東山奈央さんの声はいいですね。追加声優って…でもOPはとばさず聞いてます。


 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

きららの皮をかぶった軽く闇(やみ)な人間ドラマ(釣りもやってます!)

まんがタイムきららフォワードに掲載の漫画原作は、連載は読んでいますが単行本は持っていません。

タイトルの「スローループ」はフライフィッシング(毛針を使った釣り)の用語から。フライ(毛針)のついた釣り糸を目的の場所に向かって送り出す(キャスティング)時の方法ですね。

キャラクターデザインは、原作からかけ離れてはいないものの過去のきららアニメっぽさに寄せた感じになっています。私はアニメのキャラデザの方が好きかもしれないです。

さて、そんな『スローループ』ですが…。

母親を亡くしている小春と父親を亡くしているひよりが親同士の再婚で血のつながらないしまいになってしまうという、ときどきラブコメ(の場合は男女ですけど)で見かけるような設定になっています。二人の名前をつなげると「小春日和」になるのはもちろん狙っているんでしょうけどね。

小春とひよりの他に、ひよりの幼馴染みである恋ちゃんを含めた三人がメインキャラとしてED主題歌でもフィーチャーされています。このときの三人でスクリーンを見ているみたいなアニメーションがけっこう好きです。

本作では基本的には、父から教えてもらったフライフィッシングにこだわりを持つひより、釣り用具店の娘として釣りに詳しい恋ちゃん、そしてそんな二人を通して釣りに興味を持ち元々得意であった料理で釣った魚を捌いてゆく小春、といった構図でほのぼのとしたストーリーが展開していきます。

ですがその裏では三人それぞれになんとなく闇を抱えて生きています。そんな三人がそれぞれの闇と向き合いながらお互いの距離を縮めてゆく、『スローループ』はそんな物語…。

個人的にはネタバレとは思わないのですが、三人の闇については一応改行を多めに挟んだ以下で言及しておきますね。





ひより: 実父にはとても可愛がられて育ち、そんな実父を亡くした傷みから立ち直りきっていません。母の再婚自体は祝福しているものの、再婚相手を自身の父親としては認められていなかった感があります。

小春: こちらも母と弟を亡くした経緯がかなり悲しい物であり、ひより同様父の再婚相手を自身の母親としては認められていなかった感があります。

恋: 父親同士も釣りを通して仲が良く、ひよりとは小さな頃からの長い付き合いであったはずなのに、ぽっと出の小春に「ひよりの隣」というポジションを取られてしまったという嫉妬めいた感情が生まれてしまっています。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 22

71.3 72 2022年度アニメランキング72位
恋は世界征服のあとで(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (181)
564人が棚に入れました
説明しよう! 世界平和を目指すヒーロー戦隊「ジェラート5(ファイブ)」のリーダー・相川不動(あいかわふどう)と、世界征服を目論む秘密結社「ゲッコー」の戦闘員リーダー・「死神王女」こと禍原デス美(まがはらですみ)。 宿敵同士の彼らには、組織の壁を越えた深い因縁があったのだ・・・!! 実はこの二人・・・付き合っているのである! 世間や仲間に公表せずに内緒の交際を始めた二人。 でも、恋愛初心者のピュアな二人にはすべてが新しいことだらけ。 バレたらそこで試合終了な禁断のラブコメが、始まっているのである
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

イチャイチャはみんなを撒いた後で

【紹介】
敵同士だから誰かが見ている前では全力で戦うふりをして、誰も見てないところでイチャイチャするギャグラブコメ

【感想】
コメディアニメとしては雰囲気が良くていいアニメだと思います

真剣なシーンでもなんかギャグになってしまって絶妙にちょっと笑える感じ、メイン二人だけでなく周囲のキャラクターの恋愛模様も面白い
ツッコミどころしかないので、ラブコメというよりギャグアニメとして見たほうが楽しめるかも

【ラブコメとしてはもう少し頑張ってほしかった】{netabare}
ラブコメとしてはちょっと物足りないです
まず二人がいきなり付き合ってるのはいいとしても、その割に二人の立場以外はかなり健全なお付き合いだし、終盤になっても二人のラブコメを掘り下げずにドタバタやってたりして期待していたほど恋愛は盛り上がらないです、2期前提でまだまだこれからということでしょうか?

キャラクターは魅力的でデス美はかわいくていいんですけど
禁断の関係にしては二人とも真剣に隠す気がなく、むしろ障害が多い恋に酔ってる感じで緊張感ないし
強大な悪の組織って言っても気のいいキャラばっかりなので罪悪感も少なそうだし
会いたいのに会えない、イチャイチャしたいのにできないっていう悲壮感や焦りみたいなのがない
ばれて面白くなりそうと思ったら二人の間に割り込もうとするわけでもなくてむしろ協力してくれちゃうし

禁断の関係って言いながらどこかいつでも会えるって安心しきっているように見えるんですよね
遠距離恋愛とか禁断の関係って二人で会える時間が貴重だから二人とも会いたい気持ちが抑えきれなくて大胆になるイメージがありますので
たぶんたまに会えた時はかなり積極的に距離詰めようとすると思うんです
ラブコメ的には「もう会えないかもしれない」って常に危機感を持ってたほうが面白くなると思う

でも面白かったので良かったです!
{/netabare}
【キャラクター】{netabare}
この作品の一番の魅力で、いいキャラクターが多かったですし、キャラ同士の掛け合いが楽しい

デス美さんが可愛い!
どのキャラも見た目通りの中身ってことはほとんどなくて、それぞれのキャラの意外すぎる一面の見せ方がいい

ただ一部のキャラの掘り下げが不足していて、1クールでうまくおさめることができなかったように感じました {/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

そらジェラートは甘いよ

原作未読

戦隊レッド♂と悪の軍団リーダー♀のロミオとジュリエット的な恋物語。
…を想像してみたらちょい違います。敵対属性の禁断の恋と思いきやさわりだけのプロレスですね。
ゆるくなった分コメディ要素に振り切るかと思いきやそうでもない。設定や世界観がヘンなだけでキャラはまとも。ギャグを回すには役不足。
というわけでラブですねラブ。主役のカップル二人が第一話でソッコーくっつくのであとは周辺環境を適度なスパイスにして二人のイチャコラを楽しむ感じ。好感度高い二人で嫌な感じはしません。
立木文彦氏のナレーション。オーイシマサヨシ楽曲に田村ゆかり女史フィーチャリングとツボを押さえてる点も見逃せません。

月刊少年マガジン連載です。アニメ化したもの含め連載作品はまともなラブコメが多い。転じてぶっ飛んだ頭おかしいラブコメしかやらないのが週刊少年マガジン(偏見)。同じ講談社だし月マで週マみたいなのやってみたけど育ちの良さ(偏見)が隠せない。そんな印象の作品です。

キャラ分布。まずは正義の戦隊側から。

【正義のヒーロー戦隊“ジェラート5”】
 相川不動/レッドジェラート(CV小林裕介):主役。筋トレマニアでお察し。
 王子野隼人/ブルージェラート(CV興津和幸):イケメンナンパ師。
 神宮寺美咲/イエロージェラート(CV稗田寧々):唯一の成人。大人のお姉さん。
 有栖川ハル/ピンクジェラート(CV日高里菜):最年少ツインテロリ。序盤のキーマン。
 轟大吾/グリーンジェラート(CV間島淳司):寡黙。ガヤな面々の中でパランス取ってる感じ。

 ビッグジェラート博士(CV茶風林):役どころや立ち回りは説明不要ですよね。

なかなかの定番ぶりです。対する悪の組織はやや複雑。

【秘密結社ゲッコー】
 禍原デス美/死神王女(CV長谷川育美):主役。なんというか素直。そして天然で最強。
 魔島忌々/魔獣王女(CV花澤香菜):ガヤ。いろんな背景があって死ね死ね団的役回り。
 黒百合凶子/鋼鉄王女(CV金元寿子):黒髪ストレートメガネの優等生。…が乱れるところ見たい。
 乱乱/断罪王女(CV桃月なしこ):塩対応ショート。ゲッコーのロリ枠!?
 宝条闇奈/灼熱王女(CV佐倉綾音):ギャル。そして当然のようにデス美を偏愛。
 三途川鬼羅/鮮血王女(CV沢城みゆき):唯一の成人。大人のお姉さん。

 ボスラー大総統(CV杉田智和):他のキャラがキツイのでほぼモブ。

対する悪の組織は“○○王女”シリーズだけで一名多い。さらに“○○王女”の上位層“○○怪人”も合わせるとこっちのが多士済々。王女たちを中心にお話が回っていくのと通り名で呼び合うものですからデス美以外は本名覚えてません。そして両者とも高校生主体です。世界を救ったり征服したりする行為がバイト感覚だというゆるさが通底しているのはもちろんのこと学生生活も描かれるのでした。

ロミジュリ的な禁断の恋には遠く及ばず
ギャグで振り切るにはキャラのアクが弱い
普通のラブで見るには設定・世界観がおかしい

そんな中途半端さを越えたところで主役カップルのやり取りが微笑ましい一品。
■不動くん
“好き”な感情が素直に出てくる言動の数々。迷いなく相方を肯定する一言を放てるってなかなかできません。これ付き合ってる女子側からみたら有難い話です。「相手を駄目にする」ってことなくもないでしょうがこれに縛られた男子の多いことよ。女性は何をやっても許されるのです(持論)。そんな持論はともかく、彼女にとってもそれが必要なことであったとわりかしきちんと描かれていましたよ。
■デス美さん
良い出会い運命の出会いに近いもんだったかと。仕草や見た目がどうというのもありますが、これまで良くも悪くも周りの評価に沿った行動をしてきた彼女が自我に目覚めて取り戻す物語と見えなくもない。物語がシリアステイストではない分ドラマ性に欠けますけど共感を得やすいヒロインになってたと思います。かわいいに+αがありましたね。


総じて視点の置きどころに迷う短所はありますが、それでも離反しないのは二人に救われたとこ大いにあったからです。声優さんの配置も適材適所。作画も曲も頑張ってて見やすかったです。



※無駄話

■気になったとこ

1.ラスボス怪人
{netabare}田村ゆかりさんということでオープニング回収。初めての共同作業で恋路も回収。最終回だけ戦隊もの色強いのはもはやネタ。{/netabare}


2.筋トレマニア
{netabare}…設定のわりにはダンベルアームカールのみでそれだけじゃ上腕二頭筋しか鍛えてねーじゃんとつっこみ交じりで鑑賞。だがしかし断罪王女のレッド変体を見破ったデス美の一言。

 {netabare}「上腕二頭筋が一回り小さい」{/netabare}

ここに深い愛を感じたのは私だけでしょうか。{/netabare}


3.筋トレマニア2
{netabare}「○○香る△△の戦士」。枕詞の○○は各々、ストロベリー(レッド)、ソーダ(ブルー)、イエロー(レモン)、ピーチ(ピンク)、ピスタチオ(グリーン)でした。色に合わせてハメただけでしょうが、ブルーとグリーンには妥当なフルーツがなかったんでしょうね。グリーンを抹茶なんかにせず良質な脂質であるナッツ類ピスタチオと糖質制限する際の必須品目を持ってくるあたり芸が細かい。お茶は利尿作用大で体内の水分無くなりますからね。もう一つのブルーはトレーニング関係なく夏の風物詩だからって理由かしら。夏祭りの夜店や海の家でのブルーハワイやラムネは非日常感あり。誰がなんと言おうと夏はナ○パの季節だからキャラにも合う。{/netabare}


4.ラブで締め
{netabare}下の名前で呼ぶのに四苦八苦するラブコメ定番の逆を行き、最後の最後で「死神王女」「レッドジェラート」と通り名で呼び合う二人がなんか良かった。ヘンテコ設定・世界観のなかでわりと常道を進んでいたのを評価してましたけど最後にひとひねり。
イタリアのジェラテリアあたりだと好みのフレーバー選んだ後に一言「con panna」と申し添えると生クリーム追加してくれます。パンナコッタのパンナですね。最後に甘みの追加。ごちそうさまでした。{/netabare}

投稿 : 2024/05/11
♥ : 25

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

天体戦士サンレッドとは対極の戦隊物語

<2022/4/8 初投稿>
見始めなので評価はデフォルトの3.0です。
原作は月マガのようです。
未読。

あまりにバカバカしくて①話見ちゃいましたww
バカップルな空気感は「リケ恋」に近いかな。

今季のノンストレス枠かも

<2022/4/20 追記>
2話見ました。
ウブなバカップルって定番だけど上手くやると良い感じの作品になりますよね。
そう。
2話良い感じでした。

そしてデス美が可愛い。
今季ではSPY×FAMILYのヨルと双璧かも。

あと愛猫「ヘル子」
声はM・A・Oさん

戦隊モノって46作あって、自分はそのうち10作ぐらいしか見たことないのですが。
海賊戦隊ゴーカイジャーは全話見ました。
なんか好きで見てましたね。

そして、M・A・Oさんはゴーカイジャーの1人、ゴーカイイエローの人。
声優に転身された時は少し驚きましたが、まさかそこからここまで売れっ子声優になるとは!
なんか感慨深いものがあります。

<2022/5/29 追記>
8話まで見ました。
灼熱王女が君嘘の椿に見えて仕方ないのは気のせいか?笑

半分過ぎたので中間評価点付けました。
なんだかんだ面白いので4.2です。
あとOP曲よろし
特に安元さんVer.がよい

<2022/7/20 追記>
リアタイで見終えました。
面白かった。

結構お話し膨らませられるもんですね。
最終回はオチ分かりきってるのに燃えてしまいました!
OP曲が予想通りの良いところで掛かってテンション爆上がり♪

デス美が素朴な感じで可愛い(くてコスチュームがやらし)いのと、不動がアホなまでに誠実なところの食い合わせが良かった。
ナイスカップリングでございます。。

そして「愛しさよ」とか不動のフレーズは日常生活でもいろいろ使えそう

投稿 : 2024/05/11
♥ : 23

71.3 72 2022年度アニメランキング72位
プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (179)
541人が棚に入れました
紡いだ絆に思いを乗せて、ユウキたちの冒険が再び始まる。 その出会いは突然だった。 意気投合した彼らはあるギルドを結成するーーその名は【美食殿 】 。 美食の探求を目的とした彼らは愉快な仲間たちと友情を深め、美味しいごはんを食べ、そしてときにはちょっぴり危険な冒険に身を投じ、せわしなくも穏やかな日々を送っていた。 ところが、胸に秘めた思いはやがて交錯し、彼らはかつてない困難に巻き込まれていく。


声優・キャラクター
M・A・O、伊藤美来、立花理香、阿部敦

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

原作やってない人にもう少し寄り添ってほしいかも

スマホゲームの宣伝アニメですが、宣伝アニメにしてはかなり良いです。
1期よりクオリティは高くなったけど、1期のほうが話は面白かった。

原作のゲームはまったく知らないけど、知らない人でもそれなりに楽しめる作りなのが良い。(ただシナリオは良くわからない)
このすばの監督で、雰囲気が似ているのでこのすばが気に入るならこれも楽しめると思います。

作画はとても綺麗で背景もポップなファンタジーで美しいし、2期は特に動きが目に見えて良くなっています。

話は説明不足でよくわからないことが多かったけどギャグもシリアスも熱いシーンもあってテンポ良く楽しめます。
原作ゲームやればわかるのかな?

1期2期と楽しめてキャラクターも好きになってきたし、原作ゲームやってみたくなってきました。

キャラ多いけどキャラの魅力はしっかり描けているし、シナリオは説明不足だけど作品の魅力はわかりやすい。良い宣伝アニメですね。
宣伝アニメって低予算でこだわりのない適当なものが多いので、この作品を見習ってほしい。
アニメが面白くないのに原作をプレイしてみようなんて思わないですから。

【あまり好きじゃないところ】
ユウキがお利口な子どもみたいな牙を抜かれた毒にも薬にもならないピュアの化身で男らしさがなくて苦手。
目立たないようにしてるんでしょうけど、これはやり過ぎかな。声もなよなよしすぎで気になる。
生まれてからずっと女性だけの環境で育ったような人ですね。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 19

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

映像作品としての楽しさ: ◎

タイトルに「Season 2」とある通り2期目で、ストーリー的にはダイレクトに1期目の続きとなっています。

お話しとしては「Re:Dive」自体が、「Re:Dive」が付かない世界線での失敗を受けた設定になっているようなのですが、「Re:Dive」が付かない世界線の話はアニメ化はされていないので、そこを知っているかどうかはあんまり問題にする必要はないかもしれません。

ある意味、ストーリー的にアニメで初見という人は置いて行かれても仕方がないという割り切りは視聴する上で必要かも。
(私もゲームのプリコネはやっていないので、ぶっちゃけそんなスタンス。)

ぺコリーヌのプリンセスストライクといった大技や、巨大な敵に対して飛んで回り込んだり体表を駆け上がるといった画的な楽しさ・爽快感みたいなものが味わえるという点で純粋に映像作品としての楽しさはかなりのレベルにあると思います。

キャルやコッコロなど、キャラクターデザイン面でも様々な需要に応えるバリエーションという点も含めて「萌えアニメ」としてそこそこのレベルに達した作品なんじゃないでしょうか。

エンタメ性は高いのですが、「そういうアニメには時間を使いたくない」という人は観なくて良いと思います。

私個人はけっこう楽しめました。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 15

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バトルがさらに激しくなりました。やばいですね!

原作未プレイ 全12話

2期なので関係性から1期から観ることをオススメします。

ソーシャルゲーム原作にありがちな「キャラが多くて分かりません!」ということはなく、キャラは多いですがそれぞれのキャラが出てくる話でかなり印象深く描かれていますので、名前は忘れてしまうことが多いですが、どんなキャラだった思い出させてくれます。

序盤は主人公たちのギルド「美食殿」が色々なクエストを挑みながら、出てくるキャラと親交を深めていき全体のお話が少しずつ進んでいく感じでした。

そして段々とこの世界の真実にたどり着いていきます。

後半は段々と良くない方向に進んでいきますが、最後はスッキリとした終わり方でした。

ただ、一期で伏線がありましたので何となく分かりましたが、詳しく語られていない部分もあるのでちょっとモヤモヤしたところが残りましたね。

OP・ED ペコリーヌ(M・A・Oさん)、コッコロ(伊藤美来さん)、キャル(立花理香さん)が歌っています。OPは1期と同じ曲ですが、この曲を聞くとプリンセスコネクトが始まった感じがしますね。イントロの部分が好きです。

最後に、ペコリーヌたちが作るおにぎりが美味しそうでしたね^^

投稿 : 2024/05/11
♥ : 14

71.3 72 2022年度アニメランキング72位
雨を告げる漂流団地(アニメ映画)

2022年9月16日
★★★★☆ 3.8 (53)
238人が棚に入れました
まるで姉弟のように育った幼なじみの航祐と夏芽。
小学6年生になった二人は、航祐の祖父・安次の他界をきっかけにギクシャクしはじめた。
夏休みのある日、航祐はクラスメイトとともに
取り壊しの進む「おばけ団地」に忍び込む。
その団地は、航祐と夏芽が育った思い出の家。
航祐はそこで思いがけず夏芽と遭遇し、謎の少年・のっぽの存在について聞かされる。
すると、突然不思議な現象に巻き込まれ――
気づくとそこは、あたり一面の大海原。
航祐たちを乗せ、団地は謎の海を漂流する。
はじめてのサバイバル生活。力を合わせる子どもたち。

泣いたりケンカしたり、仲直りしたり?
果たして元の世界へ戻れるのか?
ひと夏の別れの旅がはじまる―
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

哀しみの感情、包み込む幸せ

アニメーション制作:スタジオコロリド
監督:石田祐康、脚本:森ハヤシ、石田祐康
キャラクターデザイン:永江彰浩、
演出:渡辺葉、間﨑渓、竹内雅人、木村拓、増田惇人、
作画監督:近岡直、西村幸恵、黄捷、加藤万由子、
荻野美希、三浦菜奈、薮本和彦、水野良亮、坂口歌菜子、
渡辺暁子、平井琴乃、櫻井哲也、宇佐美皓一、篠田貴臣、斎藤暖

海上を漂流している、
SOSの文字の描かれた団地。
屋上には人の姿。
石田祐康監督が映画制作に取りかかる前に描いた
1枚のイメージボードだ。

その絵から生まれ出たのは、
それぞれの心のなかで、
ひっそりと留まって固まっていた残滓が
海上を漂う物語だった。

主人公は小学6年生の熊谷航祐と兎内夏芽。
幼馴染の男の子と女の子。
ふたりは、夏芽の両親の離婚と母の仕事の事情から、
同じ団地で姉弟のように育ったが、
航祐の祖父である安次の死がきっかけで、
関係性が変化してしまう。
そのふたりに加えて、航祐のことが気になる
羽馬令依菜と令依菜の長年の友人である安藤珠理、
航祐の親友である橘譲と小祝太志、
謎の少年・のっぽという登場人物たちが
不思議な漂流生活を送ることになる。

どちらかというとイメージ先行の作品だが、
それが好ましいものなので、安心して観られる。
昔は絶妙なコンビだった航祐と夏芽。
今でもお互いのことを大切に考えているが、
安次の死によって負った傷があまりにも大きすぎて、
なかなか修復できない。
ふたりにとって、大切な思い出は、
取り壊しが決まった団地での暮らしだった。

幸せな時間は住んでいた場所に残り続けるのか。
大切な思い出は建物がずっと覚えていてくれるのか。
暮らしていた団地や場所が、
人に対して何か影響を与えることがあるのか。
{netabare}簡単に言うと「付喪神」と呼ぶのかもしれないが、
この作品に限っては、団地自体が
色々な人々の想いを受けて持つことになった
「心」と言ったほうが正しいと思う。{/netabare}

映画を観て思い出したのは、
重松清のニュータウンを題材にした一連の小説だった。
日本で一時期流行った、東京や大阪郊外の大型マンション群。
夢見て購入した自分たちの未来が次第に変容し、
思い描いた夢と大きくずれていくさまを
ユーモアとシリアスを交えて情感たっぷりに
描いた作品で、多くの共感を呼んだ。
そこにあるのは、心の底から求めた願いの形。
人々が傷つきながらも、大切なものを渇望する物語の流れに
どこか似た香りを感じたのかもしれない。

ただ、この作品で思うのは、
細部におけるキャラクターへの寄り添い方や
心情の描き方が物足りないということだった。
中心は航祐と夏芽なのだから、
このふたりの心情をもう少し丁寧に描いて欲しかった。
イメージとしては、とてもよく分かるのだが、
例えば夏芽と母親の関係性や
航祐と夏芽の大切な思い出を
もっと丁寧に描き、現在につなげても良かったと思う。
{netabare}正直なところ、令依菜絡みの話は、
ほとんど必要がなかったと思うし、
珠理との話ももっと短縮できたのではないだろうか。
そもそも遊園地の部分の話が長すぎるし、
個人的には枝葉に時間をかけ過ぎているように思えた。{/netabare}
これは構成と脚本の問題が大きい。
もっと時間を短縮できただろうし、
その分、航祐と夏芽のつながりが強固になる部分を
膨らませて欲しかった。

とは言え、絵的なイメージやキャラクターの感情表現などは
目を瞠る箇所がたくさんあった。
子どもたちと一緒にひと夏の冒険譚を楽しませてもらった。

誰にでも大切な思い出が心のなかに必ずある。
そして、昔の想いを自分のなかで
昇華させながら成長する。
マイナスの感情もプラスの感情も併せて、
心のなかで何かを生み出す。

そうやって、私たちは大人になっていくのだ。
(2022年9月24日初投稿)

投稿 : 2024/05/11
♥ : 29
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

団地は思い出を巡る方舟

石田 祐康監督のオリジナル青春アニメ映画及びNetflix配信作品({netabare}120{/netabare}分)
(劇場版を鑑賞)

【物語 3.5点】
小6最後の夏休み。少年少女たちの団地での“漂流記”を描く。
物語の柱は、団地育ちの航祐、夏芽二人。あとは団地に棲む謎の少年・のっぽ君。
特に取り壊しが決まった団地への未練が捨てきれないヒロイン・夏芽の抱えた物を、
漂流中の不思議なサバイバル体験、それに伴う子供同士の衝突などにより解き明かし、
ひと夏の成長を促すジュブナイルの王道。

よって種が明かされない漂流団地の仕組みについて説明を求めるよりも、
夏芽の心情周辺に焦点を当てた方が、迷わず航海できると思われます。
この視点から見れば、ここで起こしたトラブルで夏芽の何を掘り起こそうとしているのか、
明確な脚本意図が伝わると思います。
何より思春期一歩手前の小6の背伸び感たっぷりの人間模様は瑞々しく、
ロリショタは歓喜できると思いますw

惜しむらくは、団地アニメとしての個性がもっと欲しかった所。
築60年、様々な人生を見守ってきた団地。
とありますが、メインシナリオから共有できるのは航祐、夏芽の6年くらい。
歴史を感じる団地の描写や、団地伝統の夏祭りを示唆するカットなどで、雰囲気は味わえますが、
そこは団地建築当時の住民の営みなど、エピソードとして頂きたかったです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・スタジオコロリド

同スタジオの真骨頂である、ゲリラ豪雨などの圧巻の天候描写。
加えて“団地監修”を迎えて、描き込んだ漂流団地ほか建物、廃墟も出色の出来。

躍動する人物描写により再現された小6のワチャワチャ感も上々。
ちょっと目を離すと何しでかすか分からないガキンチョの危なっかしさが、
子供たちだけの漂流で解放されるドキドキの冒険要素。
終盤だけでなく、頭ぶつけたりするシーンも結構あったりして。
一歩間違えれば一人二回ずつくらい死んでます。


【キャラ 3.5点】
主人公格の航祐と夏芽。ツートップのキャラ解像度、団地への愛着度は良好。
“やすじい”に関するわだかまりと掘り下げは感動的。
夏芽は居場所を見失い漂流しがちな現代っ子の縮図です。

が、ここも団地と縁が深いのがこの二人とのっぽ君くらいというのが……。
七人で漂流するなら、過半数は団地関連の子供で固めて団地への愛を叫んでもらった方が、
クライマックスの共感度もアップしたと思うのですが……。
結局、団地以外のキャラの家族愛は隅に追いやられがちでしたし。
パワー担当で、{netabare}母ちゃんのコロッケ{/netabare}くらいしか愛を叫べなかった譲(ゆずる)君が不憫でなりませんw

ただし、団地を知らない子供たちの中でも、
令依奈は高飛車な憎まれ口で、シナリオの転換点として機能していました。
男子を原始人呼ばわりしつつ、航祐の前では赤面する。
ロリのツンデレは最高の遊園地アトラクションですw


【声優 4.5点】
主役の航祐役には田村 睦心さんの少年ボイスを、ヒロイン・夏芽役には瀬戸 麻沙美さんを、オーディションで選出。

他にはおっとり眼鏡枠の珠理役に花澤 香菜さんを指名し、
令依奈役の水瀬 いのりさんの喧嘩腰をなだめて見守る構図。

のっぽ役には声変わり前の少年も巧みに演じる村瀬 歩さん。
一人で場を賑やかにする大志役の小林 由美子さんのワンパク少年ボイス。

などなどキャストは声優陣で固める。

音響は、同じセリフを雰囲気を変えて複数収録し選りすぐる手法をしばしば用いる。
これは高確率でOKを連発できる実力を有した声優でないと難しい方法。
人気声優の名前じゃなく、技術を求めて、それを作品に生かせていると好感します。

ジーンとくる場面も多々ありましたが、
私にとっては物語以上に声優さんの演技にグッときた面が大きいです。

総じてロリショタ大歓喜ということで(←クドいw)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は石田監督とは『ペンギン・ハイウェイ』でも組んだ阿部 海太郎氏。
ストリングスを押し出した感動系だけでなく、
“お化け団地”要素もフォローしたコミカルなホラー系も提供しエンタメ性を付加。
店内放送風のBGMで、思い出のトリガーとなる演出も、ノスタルジーを醸し出す。

効果音も、実際に団地で生音を拾うなど、多彩な音源を駆使して、
団地が漂流する超常の中でも、地に足が付いた実在感で、あの夏が夢じゃなかったことを示す。

主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。「消えてしまいそうです」
他に挿入歌「夏枯れ」も提供。
小6にしてはチョット背伸びし過ぎな感はあるものの、
詩的な歌詞で夏の思い出を噛み締めることができる佳作サマーソング。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 27
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

蒼空を翔けたいんです

スタジオコロリド制作。

夏休み、小学生の幼馴染、航祐と夏芽、
取り壊し前の団地に入り込んだことから、
不思議なひと夏の冒険物語が始まる。

夏休みの自由研究に団地へ訪れた、
子供たちは不思議な現象に巻き込まれ、
気が付くと大海原を漂流していた。

冒険活劇の楽しみは勿論ですが、
それ以上にとても優しい印象を受けます。

団地が象徴するものは、
{netabare}子供たちの原風景としての思い出の場所、
そして心の安らげる場所のようだ。
内的世界の象徴として機能している。{/netabare}

あまりにも多くのものが移り変わり、
人は古いものから新しいものへと移行する。
どこかにあるその原風景の一つに、
心を捉えられた子供たちもいるのです。
{netabare}内的世界からの飛躍こそが主題であり、
それが成長の糧へと繋がっていくのでしょう。{/netabare}

これは良品でしょう、お薦めします。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 26

71.1 75 2022年度アニメランキング75位
劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』[後編]僕は君を愛してる(アニメ映画)

2022年7月22日
★★★★☆ 3.8 (18)
97人が棚に入れました
これは、ある兄弟妹と、突然やってきたペンギンと、
この世界の過去と未来についての物語である——。

病気の妹・陽毬の命を救うため、謎のペンギン帽の命令により「ピングドラム」を探す
高倉家の双子の兄弟・冠葉と晶馬。
自身の運命を信じて日記に書かれた出来事を実現しつづける荻野目苹果。
新たな運命を導くため萃果の日記を手に入れようとする夏芽真砂子。
大切な運命の人を取り戻すために目的を果たそうとする多蕗桂樹と時籠ゆり。

彼らはそれぞれの運命と大切な人の為に「ピングドラム」を追い続けたのだった。

あれから10年——
かつて運命を変える列車に乗り込んだ冠葉と晶馬が、運命の至る場所からひととき戻ってきた…。

謎の赤ちゃんペンギンに導かれるままに巨大な本棚で埋め尽くされた
不思議な図書館へたどり着いた冠葉と晶馬。
「ようこそ、運命の子供たちよ!」
突然、本棚が割れて、ペンギン帽をかぶった少女が二人の前に現れる。
「それはあなたたちの物語」
図書館の司書を名乗る荻野目桃果は一冊の本とともに”大切な使命”を二人に授ける。
「きっと何者かになれるお前たちに告げる。己のなすべきことを見つけ、この世界を救うのだ!」
果たして冠葉と晶馬は何を見つけるのか…!?

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

劇場版の意味は?分かりやすくした?東日本大震災を受けて?

 TV版と主題は同じですが、若干分かりやすく修正されていました。ただ、前半よりは後半の方がTV版の再編集の印象は強かったです。

 テーマとしては、全体としては宮沢賢治的な利他・生命の循環というテーマ。家族とは家族愛とは?という子供に必要なのは愛であり、誰からも必要とされないと感じると透明になるという親による精神的虐待・ネグレクトを含むテーマ。
 そしてそう言うものが生み出した破壊衝動というか破壊に向かわざるを得なかった社会が生み出した悪意のようなモノです。

 こうやって見ると、例の宗教テロ事件をモチーフにしたというよりも宗教テロ事件とサカキバラ事件に着想を得て、その原因となった親と家族・教育問題を描きたかった、と見る方が自然だったかも、という気付きはありました。が、どちらが先でもいいと思います。

 後半は結末の修正でTV版よりも子供ブロイラーと透明な存在についてが分かりやすく描かれたこと、ピングドラムが生命の循環でありペンギンは陰陽の象徴であることが、分かりやすく描かれていた気がします。一方でオープンエンディングで余韻だった部分を見せてしまったのは、あまり関心しませんでした。

 悪意の象徴である渡瀬眞悧と善意の象徴である桃果の対の表現が、チビペンギンにより直接表現されたものの、一方でその対立が希薄になっています。全体的に悪意というか悲惨な出来事が省略されて一旦どん底に落ちる部分がマイルドだったのでカタルシスは弱い気がします。あわせて日記の方のピングドラムがちょっと希薄になったかなという気がします。

 例の白黒のクマがいる空間で鏡が割れていて、そこを歩くと傷がつくというのはそう考えると分かりやすいアナロジーで、あの空間は生きるということそのものだったのかもしれません。

 で「かえるくん、東京を救う」を入れた理由ですねえ…うーん。本作の舞台が2011年で、重要な出来事が95年。本作のTV版が7月からだったらしいので、おそらく東日本大震災は入れられなかったのでしょう。

 重要な震災2つの年と絡みながら、それを描けなかったことを修正しようとしたのかもしれませんし、家族・疑似家族の絆と愛情の問題より、広くとったほうが利他とか人間には誰にでも役割ある、みたいなことがが分かりやすくなるし、桃果と眞悧が活きてくる気がしたのかもしれません。
 ですが、ここは教育・親問題→子供ブロイラー→疑似家族で愛と承認と命の輪廻の話で良かった、気がします。大衆が人形みたいな理由はそこからわかりますし。

 となった時に、名作のテレビ版を越えたか、ですね。

 こうしてみると蛇足感はあります。面倒ではあってもテレビ版で十分言いたい事を言いきった感じでした。ただ、やっぱり2011年の東日本大震災問題です。
 ここで起きた創作上のパラダイムシフト…人間の間の悲劇よりあらがえない惨劇を経験しました。平穏な生活はいつでも破壊される。その現実の上で日本人は生きているという事実です。
 これがあるから新海3部作のともすればハッピーエンドは内容が無いと言われながらもそうしたのは、マーケティング的な思惑は別にして東日本大震災後に悲劇の在り方が変わったのでは?と思うからです。現実は悲惨だ。だったらせめてハッピーエンドを目指して生きようよというメッセージが必要になったと思っています。

 そうなったとき、この作品の最後に希望を持たせるためにこの作品が出来たと考えることはできます。それを想起させるための「かえるくん、東京を救う」を入れたのかな、と思わなくはありません。

 一方で大衆特に若い人がストレス耐性がなくなったから、バッドエンド・作品上のストレスに耐えられないという言説を聞きます。まあ、そういう面も必ずしも否定しませんが、そうなった原因にこの作品の主題である、親・教育・社会と子供の乖離が考えられます。子供は蝶よ花よで育てられて、ネグレクトというよりもスポイルされているからでしょう。その意味で新しい問題かもしれません。

 バッドエンドが駄目なのか?東日本大震災とストレス耐性などを含めて考えてみると、このリメイクに意味があるとするとそこかなあ…という気がしなくはないです。

 それとダブルHを登場させた意味がやっぱりちょっと消化不良だったかなあ。友情というには薄いですよねえ。TV版のEDを考えると運命論の話なんでしょうか?ここはやっぱりわかりませんでした。

 更にいじわるな見方をすると「RE:cycle of the PENGUINDRUM」の「RE:cycle」はリサイクルです。つまり、中古品を見せられている可能性はあります。お前らわからないみたいだから、中古品でもう1回分かりやすくしてやんよ?かもしれません。

 評価は…うーん、難しい。正直第一印象はTVでいいじゃん、ではあります。が、冒頭とラストの変更ですねえ。難しいので、取り敢えず保留の意味でまた、オール4にしておきます。

 テレビ版をまた見るかなあ…






 

投稿 : 2024/05/11
♥ : 4

御宅 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

僕は幾原邦彦を愛してる

非の打ち所がない完璧な作品。幾原監督は庵野秀明監督に次ぐ演出監督として名前を刻んで良い。アニメオリジナルでは群抜きで1番。

投稿 : 2024/05/11
♥ : 2
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