恋愛で泣けるなTVアニメ動画ランキング 91

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早速見ていきましょう!

84.6 1 恋愛で泣けるなアニメランキング1位
プラスティック・メモリーズ(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (2359)
11104人が棚に入れました
人間とほぼ見た目の変わらない人型アンドロイドが世界中に普及した、ちょっぴり未来の世界。アンドロイド製造メーカーSAI社が開発した「ギフティア」は、とても感情豊かで、今までにない人間らしさを持ったアンドロイド。でも技術的な問題で耐用時間があり、それを経過すると、ちょっと……いや、かなりまずいことになる。そのため、SAI社は耐用限界時間を過ぎたギフティアを安全に回収するためにターミナルサービスを設立。そんなターミナルサービスに配属された新入社員の“水柿ツカサ”は、そこでポンコツギフティアの“アイラ”とコンビを組んで、回収業務を行うこととなるのだが――

声優・キャラクター
内匠靖明、雨宮天、赤﨑千夏、矢作紗友里、豊口めぐみ、日野聡、上坂すみれ、飛田展男、拝真之介、津田健次郎
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

機械仕掛けの道化師とマリオネットの影法師

お茶汲みを特技とする美少女=天然気質の超アンドロイドと
ちょっと抜けてる青年のとの(凸凹と言うよりも)
凹凹コンビが繰り広げるファンタスティックな物語。

限りなく人間に近い、人間とほぼ同一の擬似人格を保有するギフティア
と呼ばれる超アンドロイドが人間と共に暮らす世界の中で・・・
ある日、主人公はヒロインと出会う。
彼女の瞳には涙・・・。

出会いは偶然、運命は必然。思い出は永劫回帰。

果たして主人公は、パートナーシップという問題に対して
いかなる答えを導き出すだろうか?


※本作の視聴に当たっては、SF思考の自重を推奨
※恋愛もの耐性ない人には合わない可能性あり
{netabare}つまり本作は純愛というジャンルではトップクラスの完成度を誇ると言える{/netabare}


この脚本家の実力は本物のようで、驚きを禁じ得ない。
edソングの洗練され具合に衝撃を受け例外的措置の上方修正をしつつ
もしかしたら歴史に名を残す傑作かもしれないという予感を感じたので
只今、レビュ書き直し中。。。

もしかしたら2週目以降の方が楽しめるアニメの類かもしれない。
何気なく発せられた台詞やシーンが物語の本筋と上手いこと歯車のように
かみ合い連動している印象を受けた。



16.ジェダイの道化師、復讐劇 機械仕掛けの輝きと贈りもの
{netabare}
カズキには後悔してることがある。
お互いのためと称してかつての相棒アイラとパートナーを解消したことだ。
その選択は必ずしも間違いだったというわけではない。
オーバーワークが祟って身体機能に著しい障害が顕在化するようになった
アイラに休息を与え、あるいは現場での業務をこなすのが不可能であるなら
現場から引き離す、それはアイラの体のことを考えたら適切な対応であると言える。
だが、アイラに、アイラの思いにパートナーとしてちゃんと「向き合っていた」
のか考えた時、ツカサがアイラにしたように真摯に向き合ってなかった
過去の自分を省みて考えを改めるのだった。

だから、カズキは不器用ながらもアイラと純粋に向き合うツカサに見所を感じ
反省の念を込めて全力で後方支援のお節介を焼きまくるのだ。

遊園地は昼から夕方へ、そして夜の時間を迎える。
夜の闇はツカサに寂しさをもたらす。
楽しかった思い出はちゃんと残るとアイラに慰めの言葉を掛けられても
ツカサはアイラの手をギュと握り締めることしか出来ない。
あとツカサにできることがあるとしたら、パートナーとして最後の瞬間まで
アイラと向き合うことだけだろう。

そう、だから、、観覧車、運命の輪の中で二人は向かい合わせに座り、
終りの瞬間のために向き合うのだ。
そしてツカサは、別れというものが意味する真なるリアリティーに遭遇する。

ツカサはアイラに出遭った時、前世の記憶か?宿命か?彼女の涙を笑顔に変え
彼女を悲劇から救済したいという思いに駆られる。
そのためにゆっくり流れる日常の中で彼女との楽しい思い出作りに没頭するのだった。
その日常の繰り返しによって二人の距離は縮まり、パートナーとしての
信頼関係が深まり、深い絆が芽生える。
アイラに笑顔が戻り、ツカサはあることに気がつく。
最初はアイラのためにやっていると思っていた楽しい思い出作りが、自分にとっての
喜びであり、至福のひと時であり、生き甲斐となっていたのである。
アイラはツカサにとって掛け替えのない存在であるということに気がついた時、
思い出を引き裂くようにして、別れがツカサを訪れる。ツカサは今、
振り子運動の反動か、あるいは予定調和の当然の結末として、
幸せの絶頂期から別れの悲しみのどん底に突き落とされるのだった。
思い出が輝かしければ輝かしい程、その反動として闇がより濃厚なものとなる。
楽しい笑顔の日常が終りを告げ、深い悲しみの闇がやってくる・・・
身が引き裂かれるような悲しみと苦痛にツカサは襲われる。
「涙」。それは「別れの悲しみ」を意味するものだ。

ツカサは悟る。アイラと出遭った時に見た彼女の「涙」の真の意味を。
楽しい思い出をいくら積み重ねても最後は悲しみ、悲劇で終わる。
如何に抗おうとも別れという必然的結末から逃れることは出来ない。
ツカサはアイラと向き合うことにより、アイラが抱いていた悲しみ知り
そして、同様に心の奥底に秘められた自分にとっての深い悲しみを知る。
結局のところツカサはアイラを失い、孤独の闇の中に埋没して終わるのだろうか?

いや、二人の絆は今こうして向き合っている間にも更に深まっていっている。
楽しい思い出を共有してきた二人は、同じ悲しみを分かち合い、お互いの気持ちを
より深く理解し合い、唯一無二のベストパートナーとなったのだ。

世界でたった一人の片割れを失う耐え難い悲しみに涙をこらえることは出来ない。
出遭いがあれば別れという必然的帰結として涙がもたらされる。
しかしそれを逆から見れば、涙あるところには必然的に「出遭いの喜び」
があるという関係性が成り立つ。
出遭いの喜びと別れの悲しみとは表裏一体にあるのだ。

悲劇の運命に抗い続けてきた悲しみのマリオネット、ツカサの「涙」に感化された
アイラは魂の共鳴連鎖を発動し、奇跡を引き起こす。
デウス・エクス・マキナ=機械仕掛けの神、降臨。アイラの覚醒である。

悲劇物語の中の奇跡とは、とてもささやかなものである。
暗い闇の中に微かに輝く星屑程度の光。

今アイラにできるのは、ツカサに出遭えた喜びと心からの感謝の言葉を贈ること、
ただそれだけ。
ツカサとの出遭いがきっかけでアイラは現場復帰でき、仕事とプライベートの
両面で充実した生を全うできた。
「ギフティアのオーナーの心のケアも徹底する」というアイラがこだわり続けた
方針は、いつしか第一ターミナルサービスの全員が一丸となって追い求める目標となり
ツカサと一緒に業務を続けていくうちに所有者や回収対象のギフティアから
感謝の言葉を贈られるという予想外の出来事に遭遇し、驚きを覚えるに至る。
今まで自分がやってきたことは、思い出を引き裂く仕事なんかじゃなく
やりがいがあって、所有者とギフティアにとって有意義なことだと気がつく。
アイラは、自分の仕事に誇りを持ち、悲劇の物語から救済されたのだ。

別れはアイラにとっても悲しいことである。だから自然に涙がこぼれる。
だが、とても楽しく、とても充実していた思い出の記憶を辿ると
奇跡的な出会いによってもたらされた喜びが溢れてきて、アイラの表情は
自然と笑顔になる。
アイラの優しさと心からの感謝の言葉ときらきら輝くような笑顔の表情に
感化されたツカサは、泣きながらも、不意に笑顔をアイラに返すのだった。
悲劇と喜劇の鬩ぎ合いの中で、笑顔が悲しみを引き戻す。

アイラは最後の瞬間に光を放つ。それは命の輝きが消える直前のスパーク現象か?
それとも神がかった奇跡の発動を象徴する聖なる光の現われだろうか?

ツカサはアイラの最後の瞬間の笑顔を記憶に焼き付けて、必ず思い出すだろう。
アイラと出遭った喜び、楽しい思い出、充実していたすべてのことを。
悲しみは消えないだろう。それでもアイラの命の光の、スターマインのように
輝きを放つ、記憶が、ツカサの中で希望として残り続ける限り、
ツカサはダークサイドに陥ることはないだろう。

奇跡的な出遭いは、奇跡的な別れをもたらした。
悲劇の結末は涙で終わるのが運命なのだが、
「笑顔でお別れする」というとてもささやかな奇跡が起こり
ツカサは悲劇の物語から救済される。

二人は互いの笑顔を、出遭いの喜びを決して忘れることができない。
だから約束を交わす。「いつかまた巡り会えますように」と。
それは叶わぬ望みなのかもしれない。有限の生の中で出遭いは一度きりなのだから。
それが運命だと定まっていたとしても、人間というのは出遭いの喜び、再会
を諦めきれない存在なのかもしれない。
だから、最後まで運命に抗う。
薬指のリングが象徴するハートの約束が潰えても祈りを捧げずにはいられない。
運命に対峙する人間の最後の抵抗、それは祈り。
諦めずに何度も祈りを繰り返す「いつかまた巡り会えますように」と。
そうやって折り合いをつけるしかやり様がないのかもしれない。
有限の生を精一杯生きるために。
{/netabare}





1.サイバーマリオネットは道化師の夢を見るか?
{netabare}
本作に描かれた内容を理解する上で不可欠なことは
ギフティアは話の都合上一応アンドロイドなのだが、物語上の意味合いとしては
ギフティアは「人形」という存在を意図するということ。
理屈としては未来のハイテク科学技術によって発明されたアンドロイド
ということでもいいのだけど、アンドロイドとしての機構がどうとか
動力源がどうとか、質量、出力、動作プログラム、データのバックアップがどうのこうのと、
そういう類の詳細な設定や、理屈付けとかあった方が世界観のリアリティーが増す
かと言えば、本来目指すものとは恐らく全然違う方向性に向かってしまうだろう。
この物語ヒロインは「人形」という設定なしには成り立たないのである。

似たような趣旨の例として挙げられるのが攻殻機動隊GITS。
この映画作品の中で象徴的意味合いを含んでいるのが「人形使い」である。
「サイボーグ使い」という名前でないのは単に語呂が悪いからというだけでなく
この作品の続編にあたる「イノセンス」では「人形」という「記号」が
内包する真の意味について、監督独自の着想が極めて先鋭的に展開される。
その内容詳細については、解釈の難解さなどの理由もあり、ここでは割愛するが、
人間というものは、人形という存在を目の前に置くと、独特の行動を
とってしまうものなのかもしれない。

人形は人の形をし、魂がない虚ろな存在。
この「虚ろ」は人間にとって本能的恐怖や不安を掻き立てるのか?
人間は人形を目の前にした時、衝動的無意識的に人形に魂を付与してしまう。
神話によって現される人間の誕生秘話がある。それは伝説。
神は土くれの人形に魂を吹き込み、人間という存在が生まれたというもの。
人間の潜在意識の中に在るような漠然とした衝動。
創造主が土くれのヒトガタに魂を吹き込んだように
人間は自分の魂を「人形」に分け与える。

子どもは「人形遊び」という遊戯の中で、親子関係という設定を前提とした
母親役を演じ、子役の人形に語りかける。
子どもの目には「人形」が映り、人形の目には「母親役」の子どもが映る。
(という想定上の擬似的関係性が成立する)
二つの視点と二つの人格によるある種の演劇が始まる。
が、実質は自作自演の独り芝居。
独り芝居の演劇において上演された物語はフィクション、虚構であるのだが
その虚構には、女優を演じた子どもの深層心理に潜んだ真実が照らし出される。
「人形の視点」という「設定」が、この「舞台の女優」の演技をより迫真めいたものとし
虚構の中の独特のリアリティーを生み出す。
そしてもうひとつ「視点の効果」として重要なのが、子役の人形の目に映った
母親役の子ども、すなわち自分。自分の目に映った子役の人形が、
まるで自分の意思を離れたかのようにオートマティックに動き出す?
現象(という錯覚)を介してより深い自己認識に至るということ。

貧乏ゆすりや舌打ちなどの癖は本人が無意識的に行うため自覚し難い。
同じように自分の内面的人格に癖があるとしたら、それを把握するのはさらに困難であると言える。
自分の無意識、自分の深層心理、自分の人間性、自分の魂
目には見えないこれらのものを把握するには、どうするか?
恐らく人形に投影させ、「どんな形」か「どんな色」かを把握するしか
方法がないのではなかろうか?
目の前にいる人形の深層心理にダイブすれば、自分の深層に迫ることがきるように。

人形が人間の魂を吸い取る怪奇現象があるとするなら
その主動因は人間の側にあると言えよう。
{/netabare}

2.人形は人間の魂を映す鏡
{netabare}
アンドロイドと人間の恋がより純愛の要素を引き立てるのは
①アンドロイドの心が白紙状態のまっさらである
②人間が求める理想(的人格)を完全に反映した存在として成り立つ
という理由が考えられるのだが、鏡の反射の特性を利用し
反射の連鎖を繰り返すことにより、理想の恋がより理想的な方向に発展可能となる。

新約聖書には、エバ(女)はアダム(男)の一部から創られたと記されている。
アンドロイドという人形が魂を持つとしたら、同じ類的存在の、つまり人間の
魂の一部を受け継ぎ、自律可動が可能になったと考えるべきではなかろうか?
アンドロイドが登場するファンタスティックな物語の中では。
{/netabare}

3.始りは終りの始まり 誕生は死の始り
{netabare}
別れ、終り、死。第1話から悲しい展開を予感させる出だしだが
物語の進路はどっちに向いているだろうか?

第1話冒頭から伏線、炸裂!
ギフティアと記憶と別れの悲しみ。
とある所有者はこう言い放つ、「ニーナを失うくらいなら死んだ方がましさぁっ!」
と確信めいたことを言われ、否定できず、同意する主人公。[死亡フラグその壱]
ある意味主人公の死亡フラグが立ったと解釈できなくないが
より本質的なことは、この物語が「悲劇」であるいう直観。

そして、それを考える上で重要不可欠なことがある!
それは愛しのアイラたん!のファッションチェ~~~~~~ックだ!
そう!まさに真理!お洒落は足元からなのである。
結論、「白いブーツ」を愛用している。ピュアな彼女にお似合いである。
{/netabare}

4.死へのダイブ 「イシカワ!これから潜るぞ!」
{netabare}
第一ターミナル課回収実績№1のアイラはその潜在能力を発揮する。
プレッシャーで硬直、呼び鈴エラー・・・
ゴミ箱ダイブ、に、貧乳? もとい!頻尿・・・
そんなバナナ!のお笑い要員!?ドジっ子設定萌え?
負けず嫌いで仕事熱心な彼女。
パートナーのツカサには強がって見せるも、度重なる仕事での失敗と自己嫌悪
シャワーシーンでその時、彼女の頬をつたうのは・・・。

「機械仕掛けの道化師」が演じる舞台のお題目は、
「運命という見えない糸に操られる人形」と、そしてその悲しみ。
身が引き裂かれるような苦しみ。
{/netabare}

5.道化師の皮肉なメイクは真実を映し出す。
{netabare}
涙。。

~「舞台の上では道化を演じる我々役者もまた血肉をもち、愛憎を重ねる人間であり、
それを想った作曲者は涙してこの曲を作ったのだ」~

道化師とは派手な衣装と化粧をし、サーカスなどに登場するコメディアンのことを言い
「クラウン」即ち「ピエロ」のことを指す。
道化師の歴史は古く、そのルーツは古代エジプトまで遡るとか。
その中でも中世のヨーロッパの宮廷道化師は芸により王の感情を操り、
時に政治的な助言を行うなどして、国政を左右する程の特別な役割を果たしたとも言われている。

クラウンに涙のメイクを印したのがピエロだ。
その涙は人から馬鹿にされながらも笑いを取らなければならないという
ある種の悲しい宿命を現している。

アイラの使命は第一ターミナルで業務こなし、仕事で役に立つこと。
別に笑いを取ることを目的に意図的にボケているわけではない。
アイラの行動の滑稽さはボディにガタが来てる結果でしかない。
第一ターミナルのギフティアは回収時での交渉能力強化という
特別カスタマイズが施されているのだが、アイラの場合となると
それ以前に顔の表情すら上手くコントロールできず、ある種の緊張状態により
声のトーンまで制御不能になってしまう。
招かざるその訪問者に出くわした所有者には、その表情がホラー映画「IT」に
登場する不気味な「ピエロ」に、もしかしたら見えたのかもしれない。
残り時間が少ない中で何とか有終の美を飾ろうという強い思い
焦りがあったためか、力めば力むほど空回りして、無様な失敗の連続。

しかし一方で観衆は、笑いとることにそこまでして必死になるか?
と哀れなピエロを嘲笑う。

それでもアイラは、回収業務で、ユニットテスティングルームのトレーニングで、「抗い」続ける。
この機械仕掛けのボディのリミットは「定め」られている。
「砂時計の砂」が、ただ下に向かって落ちていくが如く。

これは罰なのかもしれない。
回収効率ばかりを優先し、所有者とそのパートナーであるギフティアの
思い出を引き裂くという悲劇を自らの手で繰り返してきた過去の自分に対する罰だ。
これは当然の報いなのかもしれない。
別れの悲しみと苦しみ、痛みを省みず平然と思い出を引き裂いてきた自分への報いだ。
だから、途中で止めるわけにはいかない。
「ギフティアのオーナーの心のケアも徹底する」という基本方針を最後まで貫き通し、
そして独り、時間の砂とともに朽ち果てる。

「人形」は「人間の魂」を映し出す。
アイラの仕事熱心で負けず嫌いで意固地で面倒くさい性分は、恐らく
前のパートナーだったカズキの人格の影響だろう。
よく言えば実直で責任感があるのだが、悪く言えば自責の念が強すぎるところも。

そう、これは悲劇である。
だから、突然?白馬に乗った道化師の男が観客席から乱入する?
{/netabare}

6.笑い男事件 機械仕掛けの舞台への介入劇
{netabare}
この道化師には涙のマークがない、ということはピエロではなくクラウン。
空気も読まずに悲劇の舞台に踊り出てきたのは一目惚れが動機。
道化師はへらへら「笑い」ながらこう切り出す。
「美しいお嬢さん。あなたはあなたの涙の向こうに何を見たというのでしょう?」
「私はそれが気がかりでいてもたってもいられなくなり、ここに馳せ参じた次第であります」

エラー、終幕。
{/netabare}

7.ノロイの笑い男
{netabare}
この物語は悲劇である。にもかかわらず話がなかなか進展しないのは
こいつが原因なのである。この道化師=笑い男のノロイ。
ノロイ、すなわちストーリー展開が異常にノロイ・・・なんつってね!

エラー、終幕。

いやいや、しばらく、これにはちゃんとした理由があるのだ。
この物語は悲劇であるのにも関わらず、事態が深刻な方向に傾くと
常にラブコメテイストの展開でお茶を濁してはぐらかすという一定のパターンが繰り返される。
そういう意図的演出が毎回のように繰り返されている。
なぜそうなるのかというとこの道化師の介入が原因らしい。

悲劇のマリオネット、アイラが象徴するのは涙、悲しみ。
喜劇の笑い人形、ツカサが象徴するのは笑顔、喜び。
何度も言うようだがこの物語は悲劇である。
だから結末は必然的に「予定調和」で終わる。
二人の出会いは必然であり、運命である。
磁石のN極とS極が惹かれ合うようにツカサの意識はアイラの涙に惹き付けられる。
涙と笑顔とは、対照的な、「表裏一体」の関係であると言える。

笑い男のツカサは涙を笑顔に書き換え、悲しみを喜び塗りつぶして
悲劇を喜劇に改竄しようと、(最初は無意識的だが)悲しみのマリオネット
アイラの悲劇の物語に介入を行う。
それはつまり、ツカサが悲劇という「運命に抗う」ことを示す。
悲劇からの脱却、悲劇からの救済を目指すツカサの「意思」によって
悲劇とは対照的な方向の喜劇へ離脱しようとする試みが、物語展開において
何度も繰り返されるのだ。
メインストーリーは悲劇にも関わらず、度々喜劇への方向に引っ張られるため
方向感が掴みにくく、迷走しているような印象を抱かせてしまうのかもしれない。
「問題のワンダラー」の一件以来、物語の進行速度は一気にスローダンスし
純愛、コメディ路線に大きく舵が切られる。
ツカサが意図したとおりアイラに笑顔が戻り、二人の関係が、「ゆっくり流れる」
時間経過の中で少しずつ深まっていく。
信頼関係の深まりと伴にアイラの表情が柔らかく優しくなっていき(それはopで
ツカサの笑顔に対するアイラのリアクションの表情が少しずつ変わっていく
描写にも端的に示されているわけだが)相互理解の深まりともに長年連れ添った
夫婦のようなベストパートナーの関係に至るのである。
残り少ない時間の中のゆっくり流れる甘く輝かしいかけがえのない日常の繰り返し
その中で儚く切なく美しい「思い出」作り、それは確かに至福の時であるのだが
それにも拘らず、悲劇からの脱却が可能となるわけではない。

そういう意味において、ワンダラーの一件はこの物語の悲劇的方向性を示す
不可欠なファクターであると考えられるのだ。
{/netabare}

8.死角素子は笑う 並行世界:機械仕掛けの外殻纏う“1$”回収攻性機動部隊
{netabare}
問題となっているワンダラー回については多くの人が指摘しているとおり
全体のストーリーから浮いてる感が確かにあり、違和感がないと言えば嘘に
なるかもしれないというのも事実。

その理由について考えてみたのだが、本作と繋がるパラレルワールドが存在していた
と仮定すると説明の都合上はそれなりの整合性を持ち得ることができ、あるいは
ある種の利便性を得ることが出来るため、その可能性を追求してみたく思う。
要するに本作を製作するに至ったオマージュに対するモトネタ作品が存在したと
単純に悟ることができるならその方が本作を理解するのに遥かに近道であるのは言うまでもない。
(恐らくそれは10年前位の出来事。)

パラレルワールド
①GUNSLINGER GIRL

②マークスマンとスポッターとの一組、ツーマンセル体制で
暴走アンドロイドを狩り、回収するSFティックな物語

③主人公の筋肉とアサルトライフルとグロック(拳銃)のトリガーと
記憶障害の暴走と果たしたかった約束とお節介な友人と悲劇的な最後
を構成素子として持つ物語

①と本作の共通点は極めて少ない。
①と②、①と③の方が比較的関係性が強いのかもしれない。
①と本作の共通点は、(義体とギフティアの違いはあれど)記憶と記憶障害、暴走
義体と義体担当官のツーマンセルに対し、本作ではマークスマンとスポッターのツーマンセル。
義体の中には近接戦闘でナイフを使うキャラがいるのとアイラの謎ソード。
本作において祭りシーンの射的屋台に「ピノキオ」の人形、そしてマフィアの用心棒
のギフティアが登場。
①に登場する義体キャラ、エルザ・デ・シーカ(Elsa de Sica)のエルザ(Elsa)と
アイラ(Isla)の表記が何となく似ている。
エルザの声と本作における「ワンダラー化」したマーシャの声は同一人物。
(もちろんこれらすべてが単なる偶然の一致に過ぎないと言えばそれまでの話であるが)

②は(恐らくは10年前位の時の)本作の初期プロットで、SF色が強いガンアクションもの
だったらしく、ツカサは左腕が義手という設定のキャラデザだったとのこと。

③では、機械仕掛けの兵器を開発するSAI社のように世界的規模で展開する巨大企業と
アール・セキュリティ社のような反攻武装組織が登場し、しのぎを削り合う
展開が繰り広げられる。
③は①に通じる暗さがある物語で、記憶と記憶障害と暴走もあるのだが
ヒロインが(アイラのような)ドジっ子設定、「涙」に重要な意味があり、
「エルザ」と「マーシャ」と声が同じ人。
本作ではスポッターとマークスマンは同居する決まりがあるが、
③でも主人公はヒロインと同居しており、掛け替えのない日常生活を満喫していた。
ちなみに、彼女のコードネームは「ゴースト」。
一番引っかかったのが、本作冒頭での主人公の問いかけ、「有限の命」というテーマを提示し
それに対して最終話である「結論」を出したが、それが③のラストとかなり上手くリンクし、
あるいは③の物語を補完するような関係性がおぼろげながら見え隠れする。

以上のことをもって、パラレルワールド存在の真偽について確定したとは
必ずしも言えないが、想像力を使って積極的解釈するのも本作を楽しむための
一つの方法論であり、ある種の可能性を提示できたとしたらこれ幸いと思い
少しばかり大胆な仮説を披露仕った次第である。
{/netabare}

9.新たなパートナーは誰?
{netabare}
そして、それを考える上で重要不可欠なことがある!
それは愛しのアイラたん!のファッションチェ~~~~ック「その弐」だ!
そう!まさに真理!お洒落は足元からなのである。
結論、遊園地デートでは茶系の「ブーツ」を愛用している。
ツカサ色に染まったということだろうか、それはそれで彼女にお似合いである。

もしも本作が完全なるラブコメテイストの話だったら最終話に登場したツカサの
新たなパートナーがOS書き換え済みのアイラでも違和感は別にないだろう。
ザックがおやつとして食べていたバナナの皮が偶然床に落ちていて、自己紹介後
のアイラがそれを踏んで滑って転んで頭を強打、そのショックで記憶が戻る。
これは奇跡だと皆でコサックダンスを踊る大団円。

確かに本作にはラブコメ的要素がないわけではなく、ラブコメ展開でメインストーリの流れを
はぐらかすようなパターンを繰り返しすぎたため、ラブコメ展開や最終話のオチでも
ラブコメ的ご都合主義が通用するような錯覚を抱かせてしまうのも無きにしも非ずだ。
だが、本作のメインテーマは「有限の生」であり「別れ」である。
第1話でニーナのOS書き換えのサービスについてツカサが提案するも
所有者は断固拒否、ニーナは消耗品ではないという反論に返す言葉がなかった。
「Lの悲劇」でも同様、思い出の場所を再び訪れてもOS書き換え後のギフティアの
記憶は戻らないことが確定している。
ボディが一緒でも魂、人格が別物ならそれは別の存在。
一度別れを済ましたギフティアとは2度と会えないことが運命として定まっている。
ピュアなツカサにとっては酷なことなのかもしれないが、どこかで折り合いつけるしか
どうしようもない現実なのである。

ただ、折り合いをつけられない人のために製作者は、新たなパートナーについては
視聴者に判断を委ね、それが誰であるのか特定できない描き方をしている。

但し、特定できないということは、逆に、それがアイラではないという結論を示す。
第1話でツカサのパートナーとなるアイラの登場シーンは、
足元から入る「パーンアップ」映像。白いブーツを印象的に映し出していた。

最終話の新たなパートナーの登場シーンも足元からのパーンアップ。
確かに最後のデートでは茶系ではあったが、アイラはブーツを履いていた。
新たなパートナーのシーンでは色こそそれらしいが、ブーツではなかった。
「エラー」という口癖やハーブ茶などへの思い入れ等を鑑みるなら、
アイラは履物に対してもそれなりのこだわりをもっていたと考えるべきである。

そして研修を終えて再び第1ターミナルサービスに戻ってきたツカサは
「また、お世話になります」と課員に挨拶するが、新たなパートナーには
「また、よろしく」とは言わなかった。

但し、一見してメインストーリーには蛇足的である、新たなパートナーが
誰であるか特定できない描写を敢えて入れてきたのには、視聴者のミスリードも
製作者サイドがそれはそれで夢がある話として許容してる所もあるのだろう。
{/netabare}

10.機械仕掛けの暴走劇 “1$”の危険性?
{netabare}
初期プロット案でのアンドロイドの暴走、ワンダラー化は必然的な結果と
いうくらいの頻度で多発するものと推測されるわけだが、
本作におけるワンダラー化は極めて稀なケースとされている。
多く見積もったとしても3年に1度程度。

耐用年数が切れれば即、必然的にワンダラー化が発生するわけではない。
逆に言うと必然的因果関係がないから、事故発生にも拘らず、SAI社は業務停止
措置を受けずに済んでいるのだろう。

耐用年数が切れたギフティアは記憶や人格に重大なエラーが発生し
本能的行動しかとれなくなってしまう。という意味で野生動物に近いのかも?
本能的衝動や感情制御が困難な状態で、武装した大人数の野郎どもに囲まれ
大声で威嚇される。この武装した集団により、実際ミチルは突き飛ばされる
という暴力的扱いを受け、彼女の父は、本能的に身の危険を感じたに違いない。
カズキの言うように無用な刺激を与えず、穏便に対応していたらワンダラー化は
回避できていたかもしれず。
このケースのワンダラー化の引き金は、Rセキュリティ側が引いたのだ。

マーシャのケースも同様に引き金を引いたのは闇回収業者。
スタンガンによる電気的刺激が一番の要因かもしれないが
拉致拘束の挙句、これから解体しようと殺気だっているというならば、
マーシャの本能的恐怖心は限界値を突き抜けて当然。

ギフティアに人権が認められる社会において、人権的配慮に欠ける暴力的扱いを
するとしたら、目には目を、歯には歯を、撃つ者は撃たれるという反撃の対価を
支払わされる。因果応報ってやつなんだろうと思う。

我々が属する現実世界において、機械仕掛けの便利な道具やペットの類も、
過去に様々な事故を引き起こしていると言えるのかもしれない。
エスカレーターでの切断事故、エレベーターでの死亡事故、
大型車のタイヤ破裂の風圧でも人は死ぬ。
飼っていた大型犬が暴走し通行中の児童を噛めば命の危険に関わる事故になる。
動物園の象が暴走すれば車くらいは軽くぺしゃんこにする。

論点は、事故の頻度と被害の重大性、必然的因果関係の有無なんだろうが
一度現実社会に流通し浸透してしまったものは、多少の危険性にも拘らず
全面的使用禁止や法による規制の類も、実現は不能となるのが常。
禁酒法を成立させても、需要があれば闇市で酒は流通し、マフィアの資金源
になるのなら、この法はむしろ悪法。
脱法ドラッグ、もちろん規制すべきなんだろうが、法的に規制できるかといえば
非常に困難を極め、現実的には対応できない代物。

結局のところワンダラー化に対する最も有効的な手段は、ソフトウェア破壊用の銃と
武装集団RSによる2重の破壊工作で、それが現実的かつ最善の対応のように思われる。
恐らくワンダラー化による死亡事故は0件、重症事故はカズキの1件
(その1件もSAI社がもみ消している可能性もある)
もしもエレベーター事故のように暴走が多発しているのなら、因果関係が
研究によって明らかとなり、SAI社が既に対応してるのが当然の理なのである。

回収時期を期限の1年前か半年前に定める法案を成立させたとして、
所有者と相方の失踪、駆け落ち衝動を徒に煽るだけ、現実的対応策とは言えない
結局何がしたかったのか意味不明な米国州法のようなマヌケなオチに繋がるだろう。
ニーズがあればギフティア専門の逃がし屋だって暗躍し得るのが、
我々が属する現実社会のリアリティというやつなんだと思う。
{/netabare}

11.振り子運動は嘲笑う 機械仕掛けの“1$”襲来劇
{netabare}
ワンダラー回については、一見すると不要論が多いようにも思えるが、、、
本作は、ラブコメ的な、タイムマシーンという大変ご都合がいいドラえもんの道具で
どうにでもなるご都合主義のハッピーエンドを目指しているわけではない。
どんなにラブコメ的に表面を偽装しようとも、悲劇的結末の運命に抗おうとも
結局のところ、終りには「悲しみ」が待っている・・・

悲劇のマリオネット、アイラを悲劇的結末から救い出すための方針は、
第1話において大々的に示される。「笑顔でお別れ」するというものだ。
そのためにツカサは、少しでも多く「楽しい思い出」を作れるようにと振舞う。

ソウタとマーシャの別れのために誕生会を企画したのもその一環だ。
だが結果は無残。もちろん闇回収業者という不可抗力はあったにしろ、
マーシャの最後は、ツカサの手によって射殺されるという悲劇的結末。
皮肉にもツカサが意図したものとは真逆の展開になってしまう。
悲劇の物語の中で、「笑顔」を模索するツカサ。
物語の方向性をコメディの方に、「意志」の力で引っ張るが、その「抗い」も虚しく
コメディの方向に引っ張られた反動の必然的結果として、悲劇の方向に揺り返しが起こる。

結局のところ、アイラの報われない「抗い」=自主トレと同じように
ツカサの悲劇に対する「抗い」は実を結ばない。
ソウタとマーシャの結末は、ツカサとアイラの最後を暗示している。
ツカサが目指す「笑顔でお別れ」というシナリオは既に破綻しているのだ。
[ツカサの死亡フラグその弐]

ワンダラーの一件が、何故不可欠なのかといえば、この物語が悲劇の方向性を
持っているということを端的に表現する意味において効果的であるからだ。
喜劇と悲劇の鬩ぎ合い、それが本作の最大の見所なのである。
{/netabare}

12.マリオネットの罠 機械仕掛けの思い出リセッション
{netabare}
マーシャを必ず連れ帰るとソウタと約束するツカサであったが、
結末は最も悪いシナリオ・・・マーシャ殺処分・・・。
予めアイラが指摘していた通り、ツカサはソウタとマーシャの「思い出を引き裂く」
という仕事を完璧なまでにやってのけて死舞った。
ソウタとの約束は自分自身に対する誓いであったはずだから、
この失態は心の傷、トラウマ体験となり得る。

アイラは訝しがる、こんな惨劇の後で「ツカサは何故笑っていられるのか?」と
3年前ワンダラーの惨劇で父を失い、悲劇的結末の悲しみを知るミチルは答える。
ツカサが笑うのは「悲しいからかも・・・」と。

喜劇の偽装表面にひびが入り、悲劇の舞台が自動的に動き出す最中
ツカサはカズキから告げられる、アイラの残り時間について・・・
そして、マーシャの惨劇を味わったそのタイミングで、パートナーシップに
ついての決断を迫られるのだ。
もちろん、ツカサにはアイラとアイラの涙を見捨てるという選択肢は最初から
ないのだが、「思い出を引き裂く」仕事に関わる本当の意味について知らずして
このまま悲劇に抗い続ける道化師を演じるというのは、余りに滑稽で
実に皮肉な運命の操り人形と言わざるを得ない。

この悲劇の中に一つだけ「救い」があるとしたらそれは、悲しくても笑う
ツカサの笑顔、もしかしたら作り笑いかもしれないが、アイラを思い、
アイラを気遣う優しさによって裏打ちされた微笑。
その笑顔がアイラの「魂に反映」され、しばらくの間笑顔を忘れていたアイラに
笑顔が戻る。
「人形」は「人間の魂」を映す鏡故に、自らに対して正面から向き合うものの魂
深層心理を反映させる。微笑返しという現象。

もしもツカサ悲しいから笑うのだとしたら、アイラも同様に
(パートナーで居続けることを決断してくれた喜びだけでなく)
心の奥底に悲しみを秘めているということを意味するのかもしれない。

ツカサを半ば強引に飲みに誘おうとするヤスタカやカズキなど
とてもお節介で面倒見が良くて優しさに溢れている。
ソウタの件で深く傷ついたツカサを気遣う大人の配慮だ。
純粋なツカサにはまだこのお節介の意味するところがわかっていない。

コネ入社の社会人一年生のツカサには見えないことが多すぎるのだろうが
だから逆に間もなく寿命が尽きるアイラと向き合っていくという
思い切った決断があっさりできるのかもしれない。多分それをピュアと言う。
そしてこの後もツカサは笑顔でお別れするというゴールを目指し、悲劇を笑顔で
塗りつぶし、抗い続けるのだろう。悲劇の反動による傷口の悪化を身に受けながら。
{/netabare}

13.笑顔の代償
{netabare}
ツカサの努力の甲斐あってか、アイラは笑顔を取り戻す。
そしてツカサに感化されたアイラも「ツカサにはいつも笑顔でいて欲しい」
と願うようになる。
二人の信頼関係は日増しに深まっていき、そうだからこそアイラはパートナーである
ツカサに自分の言葉で寿命のリミットについて告知しなければならない。

カズキの目からから見てもアイラに訪れた良い兆候は明白であり
ツカサの純粋な思惑通り事は進行しているようにも見える。だが、
アイラとは対照的にツカサの笑顔の時間は徐々に減っていき・・・
ツカサの思いつめたような表情の時間は増えていく。

「人形が人間の魂を吸い取る怪奇現象がある」ようにアイラはツカサの笑顔
を吸い取ってしまったのだろうか・・・?

ツカサは祭りにて、アイラに純愛的告白を敢行したが、あっさり振られてしまう。
二人の距離感が縮まり、信頼関係が深まっていく手応えが確かにあったから
逆に振られた時のショックはより深刻で、立ち直れないくらいの精神的ダメージを負う。
口から「エクトプラズム」を吐き出し「抜け殻」状態になるツカサ。[死亡フラグその参]
抜け殻とはbodyであり、死体を意味する。
アイラに振られたショックで抜け殻化したというなら、それと等しいショック
が将来ツカサを襲う時、ツカサは「抜け殻」となるだろう。

アイラは見た目よりもずっと精神的には大人であり、ツカサを「素人」呼ばわりする
ミチルも過去の惨劇を経験しているだけあって物事の本質が見えている。
アイラがツカサを振り、距離を取ろうとしたのも大人の優しさに満ちた対応であり
ツカサのことを配慮した結果としての決断だった。
もっともそれは前のパートナーだったカズキの影響だろうが。

お節介が性分のミチルもツカサに事の重大性を悟らせようと言葉を投げかける。
「いい結末なんて待ってない」のにその結末に対して「責任とれる?」のかと。
だが純粋なツカサには、それらのことが現す本当の意味が
この時点では理解できてなかったのかもしれない。

砂時計の砂は日々減っていき、アイラの回収同意書に署名する時が訪れる。
ツカサの精神的な切迫感は限界値にまで到達し、この場から逃げ出したい衝動に駆られる。
ラブコメ的冗談の形式に乗せたように「二人で遠くに逃げようか」と不意に
口から出た言葉は、選ぶことが許されない選択肢に依存したくなるという
ツカサの本心の吐露である。
それでもアイラの望みとあるならパートナーとして署名しなければならない。
ツカサは苦渋の決断でもって書類の記入を終える。
恐らくこの時ツカサの心は限界値を超えてしまっていただろう。

純愛ものによくあるパターン、失踪、駆け落ちという線は消えてしまった。
それにより、もう一つのよくあるパターンが嫌でも意識されることとなる。
この時のツカサには抗うことができないくらい魅力的な選択肢に見えただろう
悲劇的結末の王道パターン。
{/netabare}

14.四暗刻立直 影法師は誘う
{netabare}
アイラとツカサの甘いひと時は続く。
アイラにとって始めての映画館もその一幕である。
しかしそれとは別の感情、一抹の不安がアイラのハートをよぎる。
「『暗いところ』にいると『ツカサがいなくなる』んじゃないか」
と不安に襲われツカサの手を強く握るアイラ。(死亡フラグその四)

二人の絆が深まり、ツカサがアイラのことを心配するように
アイラもツカサのことが心配で仕方がないという関係に変わる。
アイラには回収同意書に署名した時のツカサの苦しみが痛いほどよくわかっていた。

ツカサは平均的な人間に比べたら精神的には遥かにタフであるのだが。
それでもやはり、最後の遊園地での楽しい思い出作りの一幕では
ツカサに心の余裕が全くなくなってしまう。
「疲れた?」とツカサを気遣うアイラ。
「アイラの方こそ大丈夫」と返すツカサ。
進行役はツカサのはずなのに会話の主導権は常にアイラが握り、
本心を押さえ込むことで精一杯のツカサに対して終始気遣いを欠かさないアイラ。

不意に、アイラの視線はツカサに焦点を合わる。
その焦点が固定される様は、まるでオートロックオンシステムが正常に作動しているように・・・
そして、ツカサの深層心理を的確に見透かす。
まるでターミネーターが人間の生態データーを的確に捕捉するように
血圧脈拍体温バイタルシグナルを数値化し人間の行動パターンを分析するが如く。
アイラは知っている。決定的に欠落したものを。
それはアイラが高性能アンドロイドだからというわけではなく、
アイラがツカサの真のパートナーだからこそ、明確に見えている真実。
本来ツカサの在り様を現すべき象徴的姿であり、表情であるその様態は
完全に影を潜めてしまい、その代わりに今あるのは・・・
ツカサの空元気、作り笑い、、、ただそれだけである。

ツカサの純粋な思い。「笑顔でお別れ」するという思惑は今まさに崩れ去ろうとしている。

時間の砂もあと残り僅かに差し掛かった頃、夕暮れの光を浴び
ツカサはふと地面に目を向ける。
そこに映し出されたものは「影」、自分の身の丈をすっぽり覆いつくすほどに
遥かに長い自分の影だ。
ツカサの顔は引きつる。見てはいけないものを見てしまったかの如く。
SF主義的観点から解釈すると、この長い影は「落日」を意味する。
地平線に沈む間近の太陽の光と遮蔽物に当たる角度が限りなく水平、零に近いほど
遮蔽物の背後にはより長い影が投影される。
だがしかし、この解釈では不十分だ。リアリティと説得力が圧倒的に不足している。
異様にこわばったツカサの表情の説明が抜け落ちているのだ。

その影法師は、一見するとカーニバルなどに登場する足長のピエロの影にも思える。
光のマジックによって足だけが異様に長い影が映し出される自然現象の諸条件はさておき、
その影法師はツカサの心の奥底に秘めた本音を映し出す。
アイラを象徴する太陽が南西の地平に沈みかかる、ツカサの影法師は真逆の
北東に向かって不気味に伸びる。
影の足が異様に長いのは、ツカサの背伸び、即ち「強がり」を現し、北東は鬼門を現す。
四暗刻、即ちツカサが無意識の闇に隠した本心、[死亡フラグ]~
{netabare}【その壱:孤独感】【その弐:挫折感と罪悪感】【その参:無力感と虚脱感】【その四:不安感と虚無感】{/netabare}
~[四つ]が落日の時を告げる影とともに一人歩きを始めようと動きだした。
スターマインの七色の輝きが消え去れば、後には深い闇しか残らない。
心の奥底にしまった闇が徐々に広がりを見せ、ついにはツカサの世界を
飲み込もうとその鎌首をもたげ始めた。
光を失えば影は闇となりすべてを覆いつくす。闇。絶望の闇。

あるいは、ツカサの影法師をもっと端的かつ的確に表現する言葉がある。
「ドッペルゲンガー」、もう一人の自分。
その存在はモノクロであると言われることがしばしばある。

但し、アイラがそばにいる間は大丈夫。
アイラがいる限りツカサは「心中」というもう一つの王道パターンを選ばないだろし
アイラもそれを許さないだろう。

問題はアイラがいなくなった後のことだ。
{/netabare}

15.2ndインパクト 「ノロイの笑い男」再襲来
{netabare}
「人形は人の魂を映し出す鏡」だから、当然ツカサの形をした影法師には
ツカサの魂、深層心理が反映される。
その影には目も鼻もないが、何故か口だけがパックリと現れ、ニヤニヤ笑う。
もちろん影が独りでに動き出すのは夢の中でのことなのだが・・・

影はツカサの記憶に刻まれたヴィジョンをツカサに見せる。
大学受験の失敗、部長である叔父をはじめとする親戚一同の冷ややかな視線、
アンディによって引き裂かれた所有者とギフティアの悲しみの姿。
カズキに檄を飛ばされプレッシャーを感じる自分の姿。
仕事に対する中途半端な姿勢をミチルに指摘され凹む自分の姿。

自分の身の丈を超える長い歪な影法師が現れる。
その影の形は大きく歪み、回収同意書に変形、ツカサに署名させようとペンを握らせる。
ツカサは署名しまいとして、右手に力を込め、絡みついた影を振り払うため
右手を外側にスウィングさせる・・・その瞬間、握られたペンに衝撃が走る。
スイングさせた方向を振り返るとそこにはマーシャが・・・
右手に握られていたはずの・・・ペンはいつの間にか銃に変わっていた。
ツカサが放った飛翔体に貫かれ、マーシャの体には大きな黒い風穴が開く。
マーシャはその黒い風穴に吸い込まれるようにして消え去る。
マーシャを貫いた飛翔体は、その後ろにいたソウタの頭部を貫き、
ソウタもマーシャと同じようにして消え去った。
ソウタは消え去る直前にツカサに向けて言葉を発したが声にはならなかった。
だが、ツカサには口の動きだけで何を言わんとしていたのかがわかっていた・・・

ふと我に返ると、ツカサは舞台の上に立っている。
客席にはアイラが座り、舞台の一部始終をじっと眺めていた。
舞台の上方から幕とともに影が降りてくる。
影はニタニタ笑いながら拍手を送り、ツカサは悪夢から覚める。

ツカサは何度も同じ夢を見る。
夢の始まりには、影が決まってこう言う。
「It's a show time!」

夢は夢に過ぎず現実の出来事とは別物である。
だがもし、ドッペルゲンガーが人を呪い殺すことが起こり得るとしたら
多分このような流れになるのではなかろうか?

アイラは怖い夢を見て、ツカサが寝てるもとへ駆け寄る。
そして泣きながらこう訴える。
「まだいるよね?」「ツカサはそばにいるよね?」「どこにもいかないで」と
「アイラが見た夢」の詳細については作中には描かれていないが、恐らく
別れの時が間もなくやってくるという不安が心理に影響してるために
このような夢を見るのだと推測される。
ツカサがいなくなる予感がする[死亡フラグ四の]暗がりをアイラが恐れる理由は
アイラが見た夢の内容に関係してるいるのは間違いなく、それは同様に
ツカサにも悪夢が訪れることを意味する。

アイラを失った後、ツカサは悪夢を繰り返し見て、後追い自殺を試みるだろう。
ツカサの悪夢なんて作中には描かれているわけでなく、悪夢なんてないとしても
駆け落ちも心中も選べなかったツカサが、最後に選ぶ選択肢は一つしかない。
孤独に落ちたツカサにとって、後追い自殺という最終手段は、選ぶことを
回避するのが極めて困難、あらゆる精神的苦痛からの開放を可能とする魅惑的な蜘蛛の糸。
アイラという希望の光を失えば、絶望という闇に捕らわれ、死に至る病が発現する。

いや、まだ大丈夫だ。それが悪夢であれ、単なる漠然とした不安であれ
ツカサが孤独にならなければ、第一ターミナルサービスの面倒見のいい仲間が
いる限りは、ツカサが早まったことをしないように繋ぎとめてくれる。
ヤスタカ、カズキはもちろん、年下ではあるがミチルも頼りになるツカサの先輩なのである。
ミチルは父との別れという問題に向き合い、受け止めようと試みたが
受け止めきれずに最後は逃げ出した。そして結果色々な人を傷つけたと
今では冷静に自分を振り返ることが出来るツカサの良き相談相手だ。

だがしかし、皮肉な運命はツカサに9ヶ月間の研修という孤独を与える・・・
結局のところ悲しき運命のマリオネットに訪れる結末は
本人の意思とは別のイトによってもたらされ
やはりアイラが見た闇の暗示は回避不能なのだろうか?
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 29
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

アイラ ・ ビー ・ バック!!

2015年春より放送。
全13話。


【前置き】

制作側の熱が込もった大々的な広告で、放送前からかなりの期待が寄せられていた作品だったのではないでしょうか。
ただ、放送が進むにつれてその制作側の熱は、視聴者の熱と少なからず誤差が生じてしまっていたように感じました。

どストレートを目指した制作側と、大々的な宣伝からもう1~2捻りを求めてしまった視聴者。
私も、その多くの視聴者の中の1人でした。
じゃあ嫌いな作品かと言われれば、そこは間違いなく
「そうとは言ってないので!」
って言っちゃいますけどね。



【あらすじ】

「ギフティア」と呼ばれる、人間と瓜二つのアンドロイドが実用化された近未来。
そのギフティアの製造・管理を取り仕切る世界的大企業「SAI社」に就職した主人公『水柿(みずがき) ツカサ』は
「ターミナルサービス課」という、耐用年数期限である9年を迎える寸前のギフティアを回収する部署に配属される。

そこで彼は、滅多に感情を出さないギフティア『アイラ』のパートナーに選ばれます。
2人は仕事を通し互いを思いやるようになるのですが、実はアイラ自身の耐用期限も既に目の前に迫っていたのでした…。



【語ってみる】
{netabare}
本作は、シナリオライターの林直孝さんが10年程前から構成し温めていた作品だそうです。
ただ、今現在のように多種多様なジャンルが世に出た今となっては、本作の世界観や方向性はイマイチ新鮮味が足りません。
10年前ならまた違った評価になっていたのかもしれませんが、今ではただ無理矢理に都合の良い設定を作り泣かせにきた、といった感じの「あざとさ」が一昔以上に見え隠れしてしまったような気がします。
ちょうど一年前に放送された「一週間フレンズ。」を想像してもらえれば、分かりやすいかもしれませんね。

私は丁寧であるならば、王道も大好きですし、小難しい設定を羅列されるよりは、無い頭を使わずとも分かりやすく伝わりやすい作品の方が好みです。
そういう意味では、本作もその分かりやすい部類には入るのですが、世界観的にまだ何か隠れた設定が後付けで登場するのではと思わせやすかったのが問題だったのかもしれません。
同じ世界観では「攻殻機動隊」や「PSYCHO-PASS」等のように、舞台に広がりや奥深さを見せる作品もありますから。

私なんて、社内の筋肉質な男性レンが、実はギフティアで自分だけホントのことを何も知らず「家族が〜」とか妄言して現実を受け止められていない危なっかし……いや可哀想なキャラなのではとか、勝手に想像しちゃってましたよ。
捻りを求め過ぎてましたね。

実際、キャラクターや世界観の設定は決して少なくないのですが、どれも大きく活かせていなかったように感じます。
ギフティア製造の経緯、SAI社の上層部、ワンダラーについて、古株ヤスタカの思想、コネを持つというツカサの親、そしてミチルの猫耳。
どれも私的には説明不足に感じ結局この、食事から排泄(尿の我慢もある程度出来る神設定)まで再現されたギフティアが、データの移行すら出来ずに絶対的な活動期限を越えられない設定が、シナリオ上の都合の良い設定でしかないと余計に感じてしまうんですよね。


作画に関しても、評判高い「動画工房」にしては、途中「んん?」と思うこともしばしば。
全編を通し『泣き顔の描写』には太鼓判を押したいですし、ハーブの描写、ワンダラーの動き等、素晴らしい点も勿論あります。
ただ、たまにキャラ絵が止まっているように感じたり、ツカサやミチルの顔が崩れているように感じる場面も…。
ホントに酷い作品とは比べるべくもありませんが、同クールの京アニ作品「響け!ユーフォニアム」と比べると、かなりの大差です。
作画に関しては、目を見張る作画を目指すことの前に、まずは違和感を感じさせない作画を求めたいです。
定評ある制作会社の為、ハードルを上げて厳しい評価としますけど。


ただ、このような視聴者目線とは裏腹にツカサとアイラの、結末の分かり切った恋を育んでいく描写を、終盤からは一切ブレずにこれでもかと言うほど丁寧に描いた点は、作中で大きく評価したいところですね。
「あざとくても良い」とばかりに、泣かせるところは挿入歌を入れしっかり泣かせに来ました。

好きなシーンとしては、第8話ではぐれたアイラをツカサが捜すシーンですね。
素晴らしいタイミングでED曲が流れ
「はぐれた君を捜してたよ、呼びかけた声かき消されて…」
と、シーンと歌詞をリンクさせにかかってきます。
こういう演出は「化物語」をはじめ他作品でもままありますが、いつも鳥肌モノで大好きですね。

そして挿入歌として素晴らしかったのが、第1話や最終話等で流れる、メロディー・チューバックの「again & again」という曲ですね。
このピアノと声が非っっ常に綺麗で…、えぇ…はい…ストレートに泣かされました。
まぁ非常に涙腺が脆い私でも、結局泣いたのはこの曲のシーンだけでしたけど。

そうそう、シナリオの進行具合と共にアイラの表情が変わるOPも毎週楽しみでしたね。
ただ、それを言うとEDでアイラが何かを喋っているシーン、絶対最終話は台詞入りだと思ってたのになぁ…、残念…。。


さて、本作の主人公であるツカサは、これまたテンプレに近い優男であり、上司であるカヅキが冒頭で言った通りの『ロリコンであること』(←おい)を除けば、普通の好青年です。

ただ、そんな彼も最後の最後でしか、アイラに涙を見せることはありませんでした。
アイラのことを誰よりも何よりも純粋に想い、彼女に心配をかけたくない、彼女には最期まで笑顔のまま幸せでいて欲しい、と願った故の強がりでしたね…。
そんな気持ちを見透かされていたように、最期アイラはツカサの好きなところを

「辛いのに泣くのを我慢して、頑張って笑おうとするところ」

と言いました。
その時、彼は初めて…100%の本音を彼女に見せ涙を見せたんですね…。

彼女の最期を看取ったこの後、カヅキから

「最期まで、よく頑張ったな…。」

と言われた時の、その現実に改めて気付いたツカサがふいに泣き崩れるシーンは、非常に生々しく痛々しかったです。
でも、そんな強くて優しい彼だからこそ、アイラも想いを寄せたんでしょうね。

このラストに関してはホントに、誰もが想像出来うるような内容でした。
その後の、アイラの処遇に関しても。
当初に私が勝手に想像していたアイラのワンダラー化とか、そういう波乱も一切ありませんでした。
現実から抗った結果を、もう彼らは否が応でも学んでしまっていましたから…。

このツカサがこのストレートなシナリオに拍車をかけた節もありますが、ただ私はシナリオを追った上で、最終的に彼で良かったと思うようになりました。
何より、アイラが幸せそう……なので!!
{/netabare}



【アイラのアイラによるアイラのためのアニメ】
{netabare}
本作の見所は、もぅなんと言ってもポンコツ可愛いアイラちゃんに尽きます。
前文で私は本作の短所を、シナリオのあざとさと勝手に指摘しましたが、このアイラちゃんに至っては、その「あざとさ」がたまらない程に可愛かったのです。
勿論、故に真新しさはあまり感じないですけどね。
うん、でも可愛ければそれで良いのだ。
事実、今期のアニメヒロインランキングでは最終的に第3位、新規アニメでは堂々の第1位という結果を残しました。
やったぜ、アイラちゃん。
私的にも、萌えという一点においては、ここ一年ぐらいでは一番のヒットキャラかもしれません。

冒頭でこそクールなイメージがあったのですが、それは早くも第1話の「マンション落下→バナナの皮を頭に置く」で崩れ去り、以降は見る影もありません。
もう何をするにしてもポンコツ。
全てを、お約束レベルでしでかしてくれます。
それでも彼女は、いつもいつも一生懸命。
失敗の割に不相応な自信すら持ち合わせ、「やってやるぜ!」って顔をよくしていましたね。
長年連れ添ったカヅキ曰く、そういう顔の時は大抵ダメな時なのだとか…。
もぅ、なんて可愛いんだアイラちゃんはっ!!


ただ途中、彼女は元々優秀であり今現在ポンコツになっているのは経年劣化による身体低下によるものだと聞いてからは、可愛いというより可哀想に思えてきて、なんだか素直に萌えられなかったところは残念。
服をまともに着れなかったシーンは、所詮サービスシーンも兼ねてと思いつつも、「え? 服も着れないレベルなの?」と愕然として、少し引いてしまいました。
いや…でも一応…、……ありがとうございます。

寿命が迫っているという設定を伝える上では分かりやすい理由付けだったとは思うのですが、ここはただただアイラちゃんは天性のポンコツであるとか、「制作途中に雷が落ちてネジが一個とれた」ってコトでも良かったかもしれません。
元々がご都合主義の物語構成なら尚更。
昔は、カヅキとのコンビで多少ドジながらも回収率ナンバーワンを誇っていたようですが、それを想像した時の魅力の薄れ具合ときたら……。
やはりアイラちゃんは、超絶ポンコツであるからこそアイラちゃんなのです。


声優を担当された「雨宮 天(あまみや そら)」さんに関しては、一時期から怒涛に主演を担当し出したこともあり、正直もう食傷気味になりつつあって、加えて共通性のある「一週間フレンズ。」とも重なるので、当初は馴染み難かったのが正直な話。
ですが、アイラちゃんのイチイチと可愛い仕草を、これでもかと上手に表現して下さるので、見終わる頃にはやっぱり「雨宮さん良いわぁ」と思わされていました…、単純だなぁ…。


アイラちゃんの日記に綴られた、彼女の9年間の思い出。
思い出を引き裂く報われない仕事と言い張っていた彼女でしたが、ツカサと出会い愛を知ったことで…、その思い出を素直に受け止め、全てを大切な思い出へと変えていくことが出来ました。

「大切な人と、いつかまた巡りあえますように。」

と、沢山のギフティアに願った彼女もまた、ツカサからのその言葉とともに寿命を全うしました。
フィクションである作中でさえ、ありえないとされた願いではありますが、どうかこの願いだけはプラスティックなまま消え去らないでいてほしいですね。
{/netabare}


【総評】

今時珍しいぐらいの、とてもストレートな人間とアンドロイドの恋模様を描いた作品でした。
未来的な世界観や設定が登場しますが、そんなモノは最終的にあまり意味を成さないので、ハッキリ言ってしまえばどーでもいいです。
(実際、終盤前に制作側がそう示すような明言をされていましたしね。)

私は、出来れば始めから、ただただ純粋なラブストーリーとして本作を評価したかったです。
捻くれた見方をしなければ、もっと良い評価になっていたかもしれないですし。
演出面や2人の恋模様の描き方は、とても丁寧に作り込まれていましたからね。

結果的に、お気に入りの棚に入ることは今後も無いでしょう。
(俺の嫁の棚なんてモノがあれば、アイラちゃんは間違いなく入りますけどね。)
ただ、今期のオリジナル作品の一枠として、毎週気になって楽しませてくれ、キッチリと作品を描ききり完結してくれたので、非常に視聴後感の良い作品でした。

………………。
……と、綺麗に〆ようとしましたが…もぅ限界です。

はい、アイラちゃんがとにっっかく可愛いっ!!!
それだけで価値がある、それが本作の全てと言っても過言ではない。

「アイラ・ビー・バーーーック!!!!」

と言うことです……ハァハァ。
最後は下らないダジャレでお目汚しさせてしまい申し訳ありませんが、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『アイラ』声 - 雨宮天さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『アイラ』声 - 雨宮天さん


以下、アイラちゃんのことが萌え死ぬ勢いで好きな人のみ読みましょう。
上記以上にお目汚し必至な、カオスな文章となります。
{netabare}

さて、今回レビューするにあたり私は、アイラちゃんのどのシーンが一番萌えたかを考えてみたのですが、これがまたA難易度の国家資格並に難しく、加えて優柔不断である私は、全く答えを導き出すことが出来ませんでした。


というワケで、アイラちゃんの可愛さに萌え、悶え苦しみ抜いた皆々様。

これより45項目にも及ぶアイラちゃんの萌えシーンを羅列しますので、私と一緒に改めてアイラちゃんのポンコツ可愛い軌跡を追い、一番可愛かったシーンを決めようではありませんか。
(多少、私の偏った解釈のシーンもあるかもしれませんが、そこはご愛嬌。)

では、スタート。


01.エレベーターという密室で、ロリコンに邪な目をされ怯えるアイラちゃん。

02.某猫動画の如く手足を広げ、マンションからドヤ顔で落下するアイラちゃん。

03.バナナの皮を髪飾りにしながら、反省の意を示すアイラちゃん。

04.ギフティア回収の最終手段として、自信満々で食べ物で釣ろうとするアイラちゃん。

05.車内でトイレを我慢しつつも、実は若干の漏れを隠すことに必死なアイラちゃん。

06.回収中にズッコケて、鼻血を垂れながらも涙は垂らすまいと必死なアイラちゃん。

07.「暖気運動」が必要と言い張るアイラちゃん。

08.ツカサの妄想の中で、お風呂を覗かれるアイラちゃん。

09.洋服が上手く着れず、マズイ格好になったまま試着室から出てきちゃうアイラちゃん。

10.眼鏡を掛けたかと思いきや、ただの老眼だったアイラちゃん。

11.同じギフティアであるニーナの巨乳に顔を埋められ、なんとも言えない気持ちになるアイラちゃん。

12.ザックに「結構キモい」と言われながらも、笑顔の練習に励むアイラちゃん。

13.唐突に謎ソードを持ち出して構えるも、足蹴にされるアイラちゃん。

14.ツカサをストーカーする為ウェイトレスに変装するも、お冷を頭上にひっくり返し、半泣きで「ふぇ…」とか言っちゃうアイラちゃん。

15.まだまだツカサをストーカーする為シャワー室に潜入し、ツカサの全てを観察するアイラちゃん。

16.結局その愛らしい行動をシェリーに咎められ、緊急メンテが必要なレベルのたんこぶを腫らすアイラちゃん。

17.洗濯に目覚めた、アイラちゃん。

18.ツカサの社内書類を、思いっきり捨てるアイラちゃん。

19.カーナビを使わない→格好良いという理論を実践し、案の定迷うアイラちゃん。

20.熱で胸元に倒れこんだツカサを勘違いして、「エラァ…/// こういうの困る」って言っちゃうアイラちゃん。

21.充電が切れて、「なので」すら言えずヘタり込むアイラちゃん。

22.出張が出来ない子扱いされて、むくれるアイラちゃん。

23.お祭りで疎外感を感じ、エラーを連発しちゃうアイラちゃん。

24.思わぬツカサからの愛の告白に、「なので」口調すら忘れて「ムリです!!」って言っちゃうアイラちゃん。

25.その現実を受け止めようとして、「のでのでオーバーヒート」を起こすアイラちゃん。

26.「ダメだこの人」との呼び声高いエルにウサ耳パジャマを着させられ、身の危険を感じ涙目になるアイラちゃん。

27.ツカサとミチルとの事後を勘違いして、グルグル足になって逃げ出すアイラちゃん。

28.酔ったカヅキに、顔面を落書きされるアイラちゃん。

29.自分で書いた日記に赤面しちゃうアイラちゃん。

30.恋を覚え自分のあられもない下着姿に初めて気付き、恥ずかしさのあまり階段から落っこちて「ショッキングピンクwithゼブラ」を晒すアイラちゃん。

31.ヤスタカに恋人の初夜を指摘されて、いけない妄想をしちゃうアイラちゃん。

32.ツカサの食べ物の好みを知らない自分は、彼女失格だと落ち込むアイラちゃん。

33.しかし、食べ物の好みを聞こうとするもエラーが発動してミチルに怒られ「だってぇ…(;_;)」とか言っちゃうアイラちゃん。

34.ツカサにお揃いのパジャマを強要するアイラちゃん。

35.ツカサと一緒に料理を作るも、卵すらまともに割れないアイラちゃん。

36.ケチャップでハートマークを書くも、恥ずかし過ぎて上塗りして潰しちゃうアイラちゃん。

37.膝枕をドヤ顔で求めるアイラちゃん。

38.演歌を、ズンズンチャって踊りで表現するアイラちゃん。

39.事後を彷彿させるかのように、恥ずかしげもなくタオル一枚でツカサと風呂に入りはしゃぐアイラちゃん。

40.トトロに飛びつくメイちゃんの如く、遊園地のあまり可愛くないマスコットに飛びつくアイラちゃん。

41.ツカサの新しい恋人を想像して、ちょっと意地悪をしちゃうアイラちゃん。

42.ツカサが自分の好きなところを「背がちっちゃいところ」と言い、改めて自分の彼氏の性癖に戸惑うアイラちゃん。


43.大切な人と、いつかまた巡りあえますように祈るアイラちゃん。

44.その大切な人に看取ってもらい、安らかに眠りにつくアイラちゃん。


45.そして……、ツカサと改めて手を繋ぐ…、新しいアイラちゃん。



ーーー以上です。


……………ふぅ…。
なんて萌えシーンの多い作品なのだ…。

私的には絞りに絞った結果、02.05.06.08.14.17.20.21.24.25.28.30.31.33.36.37.39.40.43、となりました。
皆様は、どうでしたか?(笑)


さて、上記の全てのシーンを空で想像してニヤリと出来たら貴方は、もうアイラちゃんマスターです。

特別にアイラちゃんの前に限り、欲情を全面に押し出したワンダラーになることを許可します。

彼女が必死に抵抗をしめした場合は是非、こう言いましょう。


「エラー、よく聞き取れませんでした…ニヤリ」


と………。

さぁさぁ、ターミナルサービスが来るまでが勝負ですよ♪
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 59
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

鑑賞者の価値観と恋愛観に委ねられる傑作

林直孝氏がシュタゲで担当した部分はSFの部分では無くて、人と人とのつながりや、岡部と牧瀬のちょっとずつ距離が縮まっていく恋や、岡部とまゆりとの心地よい距離感のある関係の構築だったのでしょうね。シュタゲの下支え的な部分を綺麗に作っていたのだろうな・・・ということがプラメモを見ると実感できます。

<みどころ>
一生心に残る想い出は相手が人間であろうとアンドロイドであろうと関係ない。{netabare} アイラは一生懸命にツカサを愛し、ツカサの想い出の中で生き続けようとした。ツカサに出会い、ツカサの優しさや愛情を感じられなかったなら、アイラの最期は幸福感に満たされなかったであろう。{/netabare}
 
純粋に愛する人を想い、大切にするということはどういうことか、プラメモはストレートに感じさせてくれます。
{netabare}
ツカサはアイラを心から大切に想い、愛したからこそアイラも人を愛することを知り、その喜びと幸せを感じることができた。限られた時間の中で二人が育んだ幸せの軌跡だけに焦点を絞り、美しく表現してくれたことに拍手を送りたい。
 
愛に包まれた想い出を胸に、最期を迎えるまで笑顔でツカサとの時間を過ごしたアイラがとても愛おしく、また涙をこらえるツカサの切ない気持も見ていられないくらい感動できた。人間と人間的アンドロイドの『純愛』だからこそ、終始綺麗な内容で終えられたのかもしれない。{/netabare}
 
誰かを心から好きになったり、愛したことがある人にお薦めします。とても素晴らしい作品です。


<1話目~最終話までの軌跡> 
{netabare}
1話目を観た時に、『ギフティアの回収をメインに物語が展開されていくようならちょっとどうかな・・・』って思って観ていた。1話目にインパクトのある感動の話・・・よくあるパターンだと最初は思った。
だが話は、6話目から方向転換する・・・というかメインの話に移行する。ここからの話を深く楽しむための内容が1話~5話。それと社会への問題提起も少なからずあるだろう。
 
少子高齢化社会における老人介護福祉の問題、若年層の労働力の不足、両親のいない孤児(アンドロイドchildren)の問題等々、アイラ達ほど精巧でないにしても、顧客が求めるギフティアがそういう人たちの心の隙間を埋めていくことになる時代がやがてくるとしたら、日本はどうなるのでしょう・・・?との投げかけともとれる案件であった。
 
しかし、本筋は『全てアイラのため』に作られた5話。アイラがどういう性格のギフティアであるのかが窺い知れる内容で、後半との関連性もある。例えば、1話で二―ナがアイラに『本当は笑顔でお別れしたいんだけどな・・・・』と言い、おばあさんはツカサに『結局、私は自分のことしか考えてなかったんだね・・・』と自分を詰る場面は最終話のアイラの笑顔と最後まで涙を我慢したツカサの優しい気持ちに繋がっている。

4~5話のワンダラーの話は、回収期間内にアイラを回収しなければ、どうなるのか、ツカサは身をもって知ることになる。そして、アイラはただ笑顔だけじゃないツカサの強さと、事件後のソウタに対するツカサの優しさを知る。
この5回の話は、アイラとツカサがギフティアを共に回収する中でお互いに気がついたり、考えたり、努力したり・・・と、成長して気持ちを近づけていく演出にすぎない話だったように思う。
 
6話からは、アイラがツカサを意識しだすが、恋という感情に身を投じられないアイラは自分の殻の中でツカサを観察し始める。しかし、ツカサはいつもアイラに優しく笑顔で対応する。そんな折にツカサは、アイラの寿命は残り1000時間と聞かされる。ツカサはショックを受けるが、『最後までアイラのパートナーでいたい』と宣言する。アイラはカヅキとツカサのこの会話を立ち聞きし、過去にカヅキにパートナーを解消されたトラウマを払拭して、初めて笑顔らしき表情をツカサに向けるようになる。

7話はアイラとツカサは遊園地に初めてのデートに来る。ここでアイラは遊園地に来ると「嬉しいこととか、哀しいこととか、色々な感情が溢れてきちゃうので・・・」と言って浮かない表情であったが、遊園地で遊び、笑い、楽しみ、『見ているだけで温かい気持ちにしてくれる側』にアイラ自身がなれたことを実感できて嬉しかったのかもしれない。そしてツカサの存在を大切な人へと進展していく。初めてツカサと遊園地に来た時とは全然違う感情に至ったことは感じ取れると思います。
  
8話では、ツカサはミラベルの回収の際にOSの入れ替えを躊躇なく選択する奥方に会う。アイラの最期の後にツカサができる選択肢の一つにもなっている。OS入れ替えにも意義があると考える顧客の思想を取り入れたことはとてもよかった。最後にツカサはアイラに告白するが、アイラにまだ恋・愛の感情をまとめる力がなく、『無理です』と断り終了。笑って終了する話はこの回が最後ですよ・・・という合図なのか、OP曲が最後に流れた。
 
9話は傷心するツカサとは裏腹に、自分の恋心に気がつくアイラの心の葛藤の回。自分が恋をしても、想い出を残すことを快しとしないアイラは、ツカサから離れる決断をしているが、本心はそうではない感じが読みとれて、この心の葛藤をどう綺麗に進展させていくのかが焦点となった。
 
10話は神回でしょう。アイラとツカサのやりとりをもどかしく見るカヅキが、一時的にアイラと組み仕事を通して、頑固なアイラの心の扉を開こうとする。そして、アイラからツカサへの告白へ至る。この雨宮天さんの『好きなので。』の歌が流れる所からのアイラの描写がとても美しくて好き。告白の前に胸に手を当てる仕草の描写はとても美しい。勇気を振り絞る感を仕草で表し、一生懸命感を髪をフワリとさせる描写で綺麗に表す。言葉の使い方も丁寧で、細やかで繊細な告白シーンを美しく演出している。センスの良い美しい描写で、素直に感動しました♪ここはアイラと一緒に泣きました!
 
11話・12話はツカサとアイラのイチャイチャ話ですが、随所にツカサの胸に去来して離れない辛い気持ちが表れてくる。またアイラもそれは同様で、寿命を迎える自分への不安がつきまとう。こういう中でも、ツカサは笑顔で、アイラも笑顔でツカサに接する。どんなに不安なことがあっても、二人の時間こそが、二人を安心させる。勿論、時には仲間がそういう不安を拭ってくれることもあるという感じの話し。ツカサはアイラが仕事仲間のことも大好きであることを知っているので、いつも通りの毎日をアイラと過ごす。
この幸せな時間の描写がとても良かった。幸せな二人だけの時間を幸せに描くことに徹したことで、最後のアイラの笑顔の奥深さが実感できるのだ。
最後はどうまとめるのか、とても興味深かった。

 
最終話は、最後の一日。二人は部屋の清掃から始め、一緒にお風呂w しかし、いやらしい感じが無く、よかったんじゃないかな。最後に二人が行きたい所は当然、遊園地で決まりですよね。時間もあっという間に過ぎて、夕暮れ時、自分の影が長くなっていることに気付きアイラとの別れの時を意識し始めつつも気丈に振る舞うツカサ(とても悲しい・・・)。
アイラは「楽しかった想い出はちゃんと持って帰れるから・・・」と言った後に、最後の観覧車に二人で乗り込む。アイラは最期まで笑顔でツカサを見つめて、涙をこらえて笑顔を作ろうとするツカサを元気づける(涙ボロボロ・・・)。そして、ツカサは悲しみに耐えきれず涙を見せるが、アイラは笑顔でお別れのキスをする。アイラはどんな時にも笑顔で接してくれたツカサが、別れの時に涙を流してくれたことが嬉しかったのかもしれないね。きっとツカサの愛の深さを感じて幸せのまま目を閉じたことでしょう。最後まで笑顔のままで・・・ほんとに深い描写でした。
 
ツカサはアイラを回収する際に言った。
『大切な人といつかまた巡り会えますように・・・』
人間と耐用年数の限られたアンドロイドとの恋愛でなければ、この言葉は別れ際に発せられないであろう・・・。そして本当にアイラを愛しているからこそ、再び生まれ変わるアイラの幸せまで願った。漢だよ・・・ツカサ!!

 
 
林直孝氏のアイラを通して展開される恋愛観はとても美しかったと思います。13話の間に、アイラの心の動きを繊細に微妙に表現していく様子は見事でした。全体的に淡い色合いで構成された町並みも私の好みで好きだし、全ての話がしっかりと関わり合いがあり、より面白味と深さを堪能できました。
一見純愛の王道に見える本作ですが、人間と耐用年数が限られたアンドロイドの恋愛という設定が話に深みを与えた。本当に感心します。
 
他にも、女性らしい仕草の演出は上手で綺麗でした。言葉の使い方も、アイラの「・・・ので」に始まり、みんな特徴があってよかったです。
 
特筆すべきはOP/ED/again&again/「好きなので。」の4曲が話の一部として機能していたことです。曲もさることながら、タイミング・音の強弱の使い方・選曲、どれをとっても美しい選択でした。
OPもEDもどちらも林直孝氏の作詞で、この作品に込めた意気込みが曲からも詞からも伝わってきました。
もう一つは雨宮天さんの演技は素晴らしかった。間の使い方がとても上手な方ですね。告白の時の演技は何度見ても美しく・素晴らしい演技でした。告白シーンは、演技と作画の両方とも美しくて、そこだけ何度も観てしまいます。
 
プラメモの影の立役者は世話焼きのミチルですね!彼女の存在はとても大きかったです。随所に重要な役割を彼女に与えていましたが、その加減がいい塩梅でした。ミチルは最後に髪を切っていたけど、長い方がいいなぁ。
{/netabare} 
 
評価は分かれるでしょうが、私は名作だと思います。何度も観直すことと思いますが、この評価は未来永劫変わらないでしょう。
 
{netabare}最終話は泣かそうと思って作った話ではないように思います。回収直前になってもアイラの心に深く刻まれた『ツカサからの愛情と優しさ、そしてツカサへの感謝の気持ち』が、強く感じられます。最後までツカサを思いやる素敵なアイラを見せたかった林氏と藤原監督の渾身の最終話でした。{/netabare}優しい気持ちになる素敵な作品をありがとうございました。
筆舌に尽くし難い充足感と素晴らしさがプラメモにはあります。

ブルーレイで観ると、ほんとに綺麗な色使いが映えます。
雨宮天さんの『好きなので』もとても素敵な曲でした。ボーナストラックのギター版インストメンタルもとても雰囲気良くて満足できました!!

 

投稿 : 2024/09/07
♥ : 86

90.9 2 恋愛で泣けるなアニメランキング2位
とらドラ!(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (17926)
53219人が棚に入れました
その目つきの鋭さ故、不良に見られてしまうことを気にしている高須竜児は高校2年に進級し、以前から好意を寄せていた櫛枝実乃梨と同じクラスになることができた。一方で、新しいクラスメイトの間にはびこる「高須は不良」と言う誤解をまた最初から解かなくてはならなくなるのかと憂鬱であったが、「手乗りタイガー」こと逢坂大河との邂逅により意外に早くその誤解は解かれることとなる。
ある放課後、大河は想い人の北村祐作にラブレターを出そうとするがそれを間違って竜児のカバンにいれてしまう。ラブレターを送ったことを知られたと思った大河は、竜児に闇討ちを決行する。その夜のやりとりがきっかけで一人暮らしである大河の家事の面倒も見るようになって大河は竜児の家に入り浸るようになり、お互いがお互いの親友との恋を応援する共同戦線を張るようになる。

声優・キャラクター
釘宮理恵、間島淳司、堀江由衣、野島裕史、喜多村英梨、大原さやか、田中理恵、吉野裕行、興津和幸、野中藍、石川桃子、後藤沙緒里
ネタバレ

トゥーリータラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

学園恋愛ものの鉄板!

※1万文字を超えるダラダラとしたまとまりのないレビューです。ご了承くださいましm(__)m

アニメの中でもアニメらしい、学園恋愛アニメです。
この作品の特徴は、「アニメらしさ」だと思います。「アニメ」という手段を使ってこその表現や良さがたくさんあったし、そういう点も含めて日常アニメの中では最高レベルのアニメだと僕は思っています。
それに、結構古いネタがたくさん出てくるので(ギニュー特選隊等)そっちの面でも楽しめるカモ笑


ではまずはネタばれなしで紹介がてらレビューを書こうと思います。



物語
前半はキャラ紹介。激しい展開があまりないので飽きてくる人がいるかもしれませんが、展開ゆっくりなうちにしっかりキャラを掴んで下さい。より後半が楽しめます!
後半は前半でしっかり出来上がったキャラたちが一気に動き出す展開です。登場人物たちそれぞれの立場からじっくり視聴すると、胸が痛くなるシーンがたくさんあります。

簡単には前半キャラ紹介、物語の土台固め。後半物語の展開。といった感じですが、2回、3回視聴すると前半から少しづつ伏線をまきつつ話が動いていることに気が付くと思います。再視聴再々視聴がおススメな作品です。


声優、音楽
声優さんの演技は完璧です。しっかり登場人物の内面まで演じ切ってます。
さらに、このアニメはOPEDすべて声優さんの歌です。OP1ED2の「プレパレード」「オレンジ」は大河、みのりん、あーみんの三人。OP2ED1の「silky heart」「バニラソルト」はみのりんの中の人”堀江由衣”さんが歌っています。この作品はOPED含めて初めて完成する作品だと思うので、絶対に歌を飛ばしちゃいけないと思います!! 登場人物たちの関係性や前半後半の変化はOPEDで感じることができるし、EDの入り方はどの話でも最高です!
僕も初めはあまり好きな曲はありませんでしたが、アニメを見て聞くうちにだんだん好きになってきていました。「本編あってこそのOPED、OPEDあってこその本編」という感じで、OPEDの使い方の1つとして、最高の作りになっています。


キャラ
ライトノベル原作だからこそのアニメらしいキャラをしっかり描き切っていました。
よくこの作品を見て「とてもリアルな人間関係でおススメ」とか「こんな性格ありえないから見ても無意味」といった両極端の意見を見かけます。
その原因は「アニメらしさ」なんだと思います。
現実にはありえないキャラクター性を持っている登場人物たち(竜児の鈍さや大河のツンデレ貧乳暴力キャラやみのりんの天真爛漫さや北村君の裸族さwやあーみんの達観しすぎているところなどなど・・・)ですが、考え方や距離感はとてもリアルに描かれています。この作品の「テーマ」(ネタバレになるので伏せますが・・・)を表現するために、「アニメでなくては不自然なキャラクターたち」が「自然な感情変化、考え方」をしている。 ココがこの作品のポイントだし、傑作といわれる要因なんじゃないかと思いました。
ネタバレしちゃう為、詳しくは下の方で・・・笑


作画
作風にあった絵だと思う。表情も丁寧に描かれていて、キャラの理解に一役買っているし、勢いのある絵での激しい表現もありました。まさかこのアニメであんなに激しいシーンを見ることができるとは思わなかったです笑

表現のためにわざと崩しているようなシーンもありましたが、ただ「明らかにおかしいな」というシーンもいくつかありました。少なくとも丁寧な作画ではなかったと思います。
細かいところを気にするとアレですが、一番大事な「キャラクターの心情」をしっかり、表情や仕草で表現しきれていたのでよかったと思います。


~~~~~~~~~~~~
もう一度とらドラを見直して。
やはり、キャラの表情がイイ。多少、作画が荒くても、あの表情を表現できるのは素晴らしいことだと思う。
~~~~~~~~~~~~

まだ未視聴の方。是非見た方がイイ作品です。アニメでの1つの完成形に近い作品だと僕は感じました。



ではここからネタバレ。思う存分語っちゃいますwww
{netabare}

前半
まずは時系列に沿って簡単にまとめ。
1~4話
まずここまでで、あーみん抜きでの4人の関係性(表面上の)が固定されます。
5,6話
川嶋亜美登場。見かけは安定していた4人の関係を動かすキーパーソンです。
7,8話
5人の距離が縮まってくる。あーみんは竜児の気を引こうとする。
9,10話
別荘篇からだんだん雰囲気が変わってくる。ここに来て初めてみのりんが自分から「本当の自分」を竜児に見せる。大河も竜児への思いがまだ無意識ながらも形になってくる。そしてあーみんはもうこの時点で北村君のことも、ほか3人の関係も全部見通している。あーみんは竜児に「対等」でありたいと思う。
11~13話
大河の事情が明るみになると同時に、彼女を挟んでみのりんと竜児の仲たがい。あーみんは「対等」をあきらめて、「一歩先」へ。北村君は会長のために奮闘。
14~16話
北村君の激動。周りの4人も大きく展開し始める。ここまでで主要5人が掘り下げられて、前半終了。「罪悪感はなくなった?」が後半の展開へとつながる。

OPED
「プレパレード」はキャラ紹介。そして前半でのキャラたちの関係性を表現。「バニラソルト」も「プレパレード」もみのりんのキャラをはっきりと表わしていて、後半への変化を印象付ける。


ワードは「本当の自分」「建前と本音」「憧れと対等」「大人子ども」ってところだと思います。

「本当の自分」
素の自分と作った自分。これを持つかどうかで「あーみんとみのりん」、「竜児と大河」に分けられると思います。
前者は二つの顔を持っている。あーみんははっきり意識しているけど、みのりんは多分ほとんど無意識であのキャラを演じているんだと思います。あーみんは自分の利益になるようにニセの自分を作っているけど、みのりんは多分どっちが本当の自分なんだか分からなくなっている。
そして一方で、竜児と大河は裏の顔を持たない。ただ竜児は「ヤンキー」と誤解されるけど、はっきりとそれを拒絶している。大河は本当にまっすぐ。

「建前と本音」
大河の建前は「北村君が好き。」。でも自分も気づいていないところで竜児を意識し始めていました。初めて「大河」と呼ばれたとき、ラミネート加工での反応等々・・・。
それから「クソジジイ」という建前と、本当は父のことを悪く言われたくないという本音。話はそれますが、みのりんも一年前竜二と同じ体験をしたんだと思います。そして本当に怒った。だから大河はみのりんに家のことを話さなくなったし、みのりんも大河の本音を気付いていたからこそ殊更に、大河に演じた自分を見せるようになったのかもしれません。
そんな大河は建前を持たない北村君を好きになった。好きになったというよりも・・・。 

ここで「憧れと対等」
あーみんが洞窟で言った言葉ですが、大河は「建前」を持たない北村君に「憧れていた」んだと思います。そしてみのりんは竜児に、さらに大河にも「憧れ」ていた。何故かというと、大河と竜児は「本当の自分」を隠さないから。竜児もみのりんの輝きに憧れていた。「憧れていた」からこそ「対等」にはなれない。あーみんはそこまで見破っていたんだと思います。大河から北村君、そして竜児とみのりんは「憧れ」を「恋」と勘違いしていた。勿論それも「恋」になりえるけど、「対等」に変化しない限り不可能です。
あーみんは竜児と自分の関係を「対等」から「一歩先」に訂正しました。ここで自ら「対等」を捨てて(竜児を諦めて)、「一歩先」つまり”竜児が気づいていない本当の気持ちを気付かせたい”と思ったんじゃないでしょうか。あーみんは自分が「本当の自分」と「作った自分」を持っていたことをよく思っていません。だからこそ半無意識にしろ偽りの自分を持っているみのりんは多かれ少なかれ不快に思っていただろうし、まっすぐな大河にはもしかしたら「憧れ」すら持っていたかもしれません。
そのくせ、大河もみのりんも竜児もみんなもどかしくてずっとイライラしていたんじゃないでしょうか。

「大人と子供」
みのりんは無意識に人間関係を見抜いています。確証がないから信じられないケド、本人たちが気づいていなかった「竜児と大河」の関係をずっと疑っていました。(1・2話での大河竜児の誤解が解けてもみのりんだけはずっと疑っていた。)
対してあーみんは大人の世界での経験からはっきりと人間関係を見抜きます。しかも自分自身に対しても客観的に。そんなところをみのりんは「あーみんは大人」だと言ったのでしょう。対して、自分やその周りを客観的、冷静に見ることのできない(主観的にしか判断できない)自分たちは「子供」だと。
木原たちがあーみんに言った「大人」は単に落ち着いているといった意味でしょうが、みのりんは無意識ながらも人間を見る力が強いからこそ、そういった、斜めからの深い見方をして「あーみんは大人」と言ったのだと思います。
そして竜児はあーみんを「子供」だといいます。みのりんとは別の視点、わがままで自分勝手な性格からの見方です。竜児は鈍感ですが、他人の本当の性格を真っ直ぐに見破る点では人一倍高い能力を持っていたと思います。だからみのりんは「本当の自分」をはっきり見つめてくれる竜児に憧れたのでしょう。



次にもっとピンポイントで。
まず、大河が北村くんの告白を思い出すシーンがあります。「あの顔をもう一度見たい」と言いますが,回想のシーンでは北村君の顔は影がかかって見えませんでした。北村君が大河に「まっすぐなところがいい!」と「憧れていた」ときの表情は、大河が北村君に「憧れる」ようになった今ではどうしても思い出せないんだと思います。二人の関係性は真反対になってしまったのだから。

そしてオリオンの三ツ星。自分と北村君みたいだと大河は言っていましたが、もう一つは竜児だと気づいていたのでしょうか? 竜児と大河の距離は客観的に近く見えるけど、本人たちはそれほど近くはないと思っている。なのに実際はとても近い。客観的になればはっきりわかるのに、大河が竜児という「本音」を意識できないのは、北村君という「建前」があったからなんだと思います。

もう一つ。みのりんの「私普通に話せてる。」という言葉。別荘のときから
みのりんは素の自分を竜二に対してのみ、意識的に垣間見せるようになりますが、このとき遂に素の自分を無意識に竜児に対して晒してしまいます。ここで自分が竜児をどれほど信頼しているか実感してしまいます。勿論竜児が自分に気があることに、気づいている。
ただ問題は、「大河は竜児が好きだ」と勘で感じているということ。確証はないけど、間違いないと思っている。お父さんの件で負い目がある大河に対して彼女が思っている人を奪えない。(もちろん理由はそれだけではないが。)いつの間にか両想いになっていた自分と竜児の関係をとても後ろめたく感じていたのでしょう。

そこでさらに、「たかが写真」。
ツーショットの写真を買ってしまうが、その時にあーみんからかけられた言葉。あーみんはこのときの4人の関係をすべて見抜いたうえでこの言葉をみのりんにかけます。

そして「罪悪感はなくなった?」
「たかが写真」でみのりんは大河が北村君のことを好きだったんだと気づかされます。つまり自分の見立ては間違っていたと。
ただ実際はもう一枚の写真があるのですが、あーみんは全て見通しながらもその写真を見せずに、「罪悪感はなくなった?」と皮肉を言ってしまう。つまり、あーみんは意識的にみのりんを誤解させ、彼女を不安定にさせます。その直後のあーみんの表情から、みのりんの本音を出さない態度に対してのイライラ(これは過去の自分に対しても、つまりは同族嫌悪)、そして竜児と大河がホントの気持ちに気が付かないことへのもどかしさ、さらに全部分っているのにそこに加われず引っ掻き回すことしかできない自分に嫌気がさしていたのだと思います。竜児に「一歩先を行く」とは言ったものの、状況が見えれば見えてくるほど、どうすればよいのか分からなくなってしまったのではないでしょうか。
この発言でみのりんは大きくぐらついて、「作った自分」と「本当の自分」のバランスが取れなくなってしまいます。


こうしてキャラたちが自分の「本音」に気づき始めて前半終了。
ここから話が一気に動き出します。


後半へ
まず、いきなりOPの雰囲気がガラッと変わりますよね。
OP1では5人が同じ方向へ、それぞれのキャラを見せながら歩いていきますが、OP2では北村君は画面にいなくて4人がすれ違います。勿論みのりんの空元気も全くなくて、前半OPEDとの変化の大きさにびっくりしました。
OPでキャラの関係性や抱えているものの変化を強く感じました。
OPのなかで竜児が1話で大河があけた襖の穴の紙を指で貼りなおすシーンがあります。後半になってから、この紙は何気に背景によく映ってるんですよね。大河と竜児の出会いの象徴でもあるし、もとは北村君へのラブレターですから何だか深い意味を感じます。
EDの「オレンジ」はこの作品をもっともよく表している歌だと感じました。
「らしくないなんてね 笑うのはやめて ホントの私を 知らないだけだよ」
また、EDの絵も印象的です。何事もない日常が描かれていて、みんな屈託なく笑ってます。本編ではすれ違っている登場人物たちがEDで何事もない日常を過ごしているのは見ているだけでもつらくなります。「ずっとこのまま」ってわけにはいかないんですよね。


後半第一話。「クリスマスに水星は逆行する。」
タイトルから重い雰囲気でした。あーみんの言葉に動揺して「見えるもの」が見えなくなっているみのりんは辛そうだったし、クリスマスでこんなに胸が痛んだ作品は初めてです。
クリスマスになってから、モ○○ケ姫を歌たったり、みのりんの様子がいつも以上におかしくなりますよね。今までは半無意識におどけたりしていたんでしょうが、ここからのみのりんは明らかに意識してキャラを演じるようになります。
そしてあーみんは本当の自分を見せないみのりんにイライラし始め、一方大河とはだんだん距離が縮んでいきます。クリスマスでの練習で二人の距離が一気に縮まるにつれ、大河の思いを今まで以上にはっきりと理解しますが、それに気が付かない竜児に対してもちょっとずつイライラし始めましたよね。体育倉庫での忠告であーみんも遂に本音をこぼしますが、自分は当事者になれないことを悟っているあーみんを見ているのはつらかったです。
多分みのりんへのイライラはそこからも来ていたんじゃないかと。自分は当事者になれないのに、みのりんはなれる。なのに以前よりも仮面をしっかりとかぶって、本音も素の自分も見せようとしない。過去の自分を見ているみたいでとても不愉快だったんだと思います。対して大河も自分の気持ちをはっきり意識しない。でも隠しているんじゃなくて、「北村君」という「建前」が邪魔をして気が付かない。クリスマスで大河とより親しくなったあーみんは、当事者としては無理でも大河の本当の気持ちを気付かせてやりたいと考えたんじゃないでしょうか。

クリスマスからはクラスのメンバーも目立つようになってきます。
春田、能登、木原に奈々子様。彼らはそれぞれ北村君と大河の関係にかかわろうとしてきます。第三者としてです。
竜二も大河も今まで当事者だけで(あーみんはうまく立ち回っていたので大丈夫だったが)見てきたものが、彼らからの視点や見方を知ることでだんだん自分たちの気持ちの違和感に気づいていきます。
シリアスな展開になっていくにつれ、春田北村のギャグ度が上がりましたね笑 見ているだけでも胸が痛くなる展開だからこそ、彼らの明るさは視聴時の癒しになりましたww

クライマックスの一つ、大河が竜児への気持ちを自覚し泣き叫ぶシーンがあります。
今まで、「北村君」という建前で(「憧れ」であって「恋」とは言えない)無意識に無視してきた竜児への思いですが、クラスメイトの介入でそこの違和感に気づき始めます。ただし、ちょうど「クリスマスでいい子にすれば幸せになれる。現実じゃないものに頼れる。」という新しい建前が現れ、結局竜児への思いには気が付けない。
そして大河は竜児とみのりんの為、一人になる。(現実にはいないサンタにすがろうとする。)そこに何故か竜児が自分のすがろうとしていたサンタとなって現れ、そしてみのりんのもとへ・・・。このとき大河には「北村君」も「サンタ」もどちらの建前もなくなってしまします。もちろん建前がなくなれば「本音」があらわになってしまう。ただ、なんとなくこの思いに気が付いたわけではない。かなり前からの積み重ねで遂に竜児への思いに気が付いた大切なシーンです。
泣き叫ぶ大河を見てしまったみのりんは「たかが写真」で否定できたはずの自分の考えが間違っていなかったことに気が付いてしまいます。

「報われなきゃね。」先生の言葉が胸に刺さってとてもつらかったです。この言葉はこの後何度も出てくる言葉です。
そして「ホーリーナイト」
「キラキラ輝いて みんなが幸せで」 あーみんもみのりんも大河も理想のクリスマスとは程遠かった。この歌はそのことをより対照的に印象付けてくれました。あーみんは一番わかっているのに誰も聞いてくれないもどかしさ、みのりんは自分が「見えないもの」を見たいと思ったから大河を傷つけているという罪悪感。大河は両想いのみのりんと竜児の為には自分は居てはいけないという孤独感。みなそれぞれ苦しんでいました。


正月を過ぎて、煮え切らないまま時間が過ぎます。大河のカバンを持って二人で登校した竜児とみのりん。大河の気持ちを知っていながらこんな状況になってしまったことを歯がゆく思っていたと思います。でも初めてこのシーンでみのりんが赤面するんですよね。大河と竜児の間でものすごく葛藤していたんだと思います。
大河は二人のために、もう竜児に頼らないと宣言。でもこれって2回目なんですよね。一回目は北村君に告白すると決めたとき。このときは自分の為の行動でした。しかし、今回の宣言は内容は同じでも全く逆です。竜児の為。自分が恋を諦める為の宣言です。
もちろんあーみんはとても不愉快に感じる。おままごとの関係が余計にギクシャクして不自然になってしまったから。それなのに自分が加われない歯がゆさ、通り越して怒りすら感じていたんだと思います。


修学旅行で、ついにあーみんとみのりんが衝突します。
「あーみんには関係ないでしょ。」このみのりんの一言が、加わりたくても加われないあーみんの心をえぐります。そして「罪悪感」という言葉をみのりんを追い詰めるために意図的に使ってしまう。木原たちの仲裁で、ケンカはやみますが、「素の自分」で衝突したのに、両者とも「作った自分」でお相子にする。素の自分が納得していないのだから、この後の大衝突は不可避でしたね。 大衝突の時、あーみんが「上から目線がむかつくんだよ。」とみのりんに言いますが、これって明らかに自分のことですよね。つまりは意識的に「仮の自分」を演じるようになったみのりんを、同じような自分自身に重ねていたんだと思います。だからこそ、ここでのあーみんは全く仮面をかぶっていない「素」のあーみんでした。

大河救出シーンでのEDの入りは鳥肌ものでした。このシーンで竜児はやっと大河の思いを知る。
雪山遭難というベタ中のベタな展開ですが、登場人物たちの関係性を動かすのには、最高の設定だったと思います。


ここから「進路」という新しい問題が出現します。
今までの「恋愛」という地に足のつかないふわふわした話題から、「進路」の話題が絡むことで、一気に物語がはっきりとしてきます。そして、「家族」という問題提起にもつながってきます。

このあたりから、やっと竜児の思いが大きく動き出します。大河の気持ちを知ってしまったことや「進路」の問題。 大河は自分の気持ちを無かったことにしようとしている。これがイイ事なのか、いろいろな問題で頭がいっぱいの竜児は客観的に落ち着いて考えられなかったのでしょう。 
一方、大河も大きく変化してます。「普通に恋がしたい。」と言いますが「相手は知らない。」と答える。もう彼女の中で「北村君」への感情が「恋」ではなく「憧れ」だったのだとはっきり気づいたのでしょう。
そして、みのりんが竜児と両思いだという理由を述べるシーン。「あんたはみのりんが恋するに足る奴だから。」と答えます。1話での「げー、身の程知らず」とは天地の差ですよね。
あーみんも複雑です。今まで作った自分でみんなに好かれてきた。でも自分が本当に望んでいるのは、誰かが「本当の自分」を真正面から見てくれること。「みんなじゃなくてもよかったのに。」この言葉に、あーみんの本音がはっきりと表れていました。


バレンタインではこれまでの絡み合ってきた関係が、いくつもの想いを犠牲に遂に1つになります。つまりは「竜児も大河も互いを好き」だということ。二人の「憧れ」や「建前」がない「対等」な関係は、自分たちの想いを犠牲にしても守る価値があると考えたのでしょう。

ここからの「駆け落ち」という展開は、実は泰子たちと同じ発想なんですよね。つまりは「逃げ」。あまりに急な展開だと思う人もいるかもしれませんが、客観的に自分たちを見れなくなっている「若さ」を的確に表現する展開だったと思います。子供と大人の境目。駆け落ちすることを踏みとどまった竜児たちは泰子たちよりも「大人」だったんだと思います。
学園内の恋から、人生にかかわる問題へと大きく変化しますが、これは大河と竜児にとっては必然だったと思います。二人とも完全な「家族」というものをしらない。だから恋することはどこか「家族」ということにつながっていたのだと思います。だから互いに「対等」でお互いを必要としている。春田や木原と能登のような一般的な高校生の恋愛と対比されてますよね。


みのりん、あーみんの願いは叶いませんでしたが、二人とも大きく変化しました。
あーみんは「本当の自分」をよく思ってくれる人もいるということに気が付きました。
みのりんは大河の写メについて語るとき、初めてクラス全員の前で「素の顔」を見せます。決して「本当の自分」を人前へさらさなかったみのりんがそれをできるようになったことは大きな変化だったと思います。


{/netabare}


なんかすごくだらだらと書いてしまいました。自分の考えたこと、思ったことを垂れ流しにしたらこんなに長文になってしまって自分でもびっくりしてます笑
でももっと書きたいことはあったと思うし、この作品を見て感じたことの半分も書けていない気がします。 漠然としたことを文にするって難しい!

登場人物それぞれの視点で見方が増え、内容も厚くなる作品です。
だらだらと書きましたが、まとめると
素晴らしい作品。未視聴の人も視聴済の人も是非見るべし!!
ってことです笑

最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
この作品に出会えたことに感謝!

付け足し
視聴してから3日。
みのりんの「私はそれを受け取らない。」ってシーンがフラッシュバックしてきて、胸が痛むんです笑
視聴直後はあまり印象に残らなかったシーンですが、時間がたってからふと浮かんでくることってありますよね笑
なんだか心に引きずってしまうアニメですね。とらドラ!は。


引きずりに引きずって、ついに文庫本も全巻読んでしまった。。。
で、感想。
アニメのとらドラ!を見て面白い。深い。って思った人は是非読んでみるべきです!!
アニメでは拾いきれなかったり絞り切れなかったりした部分をよみとれました。 特にとらドラはキャラの心情が複雑なので、読むことでかなり整理できます。少しだけ捉え方が変わった部分もありました。
ちょっとアニメと違う(というよりアニメが改変した)部分もありますが、どっちも面白いし、いい作品だと思いました。やはり、いい原作だといいアニメになるんですね。
アニメスタッフも読者の一人。アニメのとらドラは原作をより素晴らしく引き立てていたと改めて実感しました。

とらドラにずっぽりで3か月。そろそろ抜け出さなくては・・・笑


最近、「とらドラ!ポータブル」にはまってしまいました・・・汗
ゲームに手を出したのはこの作品が初めてです笑
設定はクリスマスイブに倒れた竜児がそのまま記憶喪失になってしまい・・・。というifの内容。素晴らしい出来です。
このゲームただのキャラゲーじゃない。すごく難しい・・・。
とらドラ好きなら、やって損はしないと思いますよ!オススメです!!


再々々々視聴?していますww
{netabare}
2話をみて気が付いたけれど、この時点でみのりんは大河の想いに気が付いてますね。大河が教室で暴れた後のシーン。「でもそれってさ・・・。」のセリフです。しかもその時の表情とかからして、自覚無自覚は分からないけれど、竜児のことを意識しているようにも感じました。友達が好きになった人を・・・ということはよく聞きますが、そうではないにしてもみのりんは2話時点で竜児をかなり意識していたのではないかと思いました。
今のはさり気ないシーンでしたが、この回のメインは大河から北村君への告白。と見せかけて、実際は大河から竜児、竜児から大河への告白でしたね笑
北村君は二人のことを見抜いていて、それで大河の告白を誘導していたのだとも感じました。勿論、会長の件もあるのでしょうけど・・・笑
竜児は思いっきり告白してますねww その真意に気が付くのはまだまだ先の話ですが、2話時点でこんなにキャラ同士の関係が固まっているとは思いませんでした。そりゃ、あーみんも割りこめないと感じてしまいますね・・・。
{/netabare}

最終話まで見終わって、色々新しい発見もあったし、見方が変わったシーンもありました。けど上手く文章にできない・・・orz
何回見てもやっぱとらドラは面白い!!

それから、各話の前後半の間に入る「と・ら・ド・ラ・!」の5文字。
話ごとに位置や動いている文字が違っていたので、注意深く見てみました。
ネットで調べたりもしてみました。
やっぱり意味があったみたい。今まで気が付かなかった。
今度観るときは、それについても詳しく考察したいなぁと思っています。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 30
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

中盤までのグダグダ感を踏み台に、第19話以降《神展開》となる傑作

2013年春以来、約2年ぶりに全話視聴してみました(トータル4周目)。
期間が空いているので、結末はともかく、細かいストーリーは結構忘れていて、そのためか初回に感じたのと同じように

(1)前半はやはり詰まらなくて、視聴が余り捗らずもどかしかったものの、
(2)後半、とくに第19話以降の超絶!胸熱展開に魅了されて、最終話まで一気呵成に見切ってしまいました。

その状況を視覚的に表わすと・・・

◆各話タイトル&評価

{netabare}★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に大きな疑問を感じた失敗回

================= OP「プレパレード」、ED「バニラソルト」 ===============
- - - - - - - - - - - - - 高校2年の1学期 - - - - - - - - - - - - - - -
(第1話) 虎と竜 ☆ 大河と竜児の出逢い
(第2話) 竜児と大河 ★  大河が北村に告白、竜児と大河の関係
(第3話) 君の歌  ☆ 実乃梨と竜児の実質的な初交流
(第4話) あのときの顔 × 大河が北村に惚れたわけ(写真回)
(第5話) かわしまあみ  ☆ 亜美登場
(第6話) ほんとの自分 ☆ 亜美が竜児にデレる
(第7話) プールびらき ☆ 亜美のアプローチに大河が焼餅
(第8話) だれのため  ☆ 大河VS亜美(水泳競争)、大河「竜児は私のもの」
- - - - - - - - - - - - - 高校2年の夏休み - - - - - - - - - - - - - -
(第9話) 海にいこうと君は ☆ 亜美の別荘回(犬の夢、竜児と実乃梨の幽霊の話)
(第10話) 花火 ☆ 続き(竜児と実乃梨・亜美の交流回)
- - - - - - - - - - - - - 高校2年の2学期 - - - - - - - - - - - - - - -
(第11話) 大橋高校文化祭【前編】 ☆ 大河の家庭事情(父親)・竜児側の事情
(第12話) 大橋高校文化祭【中編】 ☆ 続き(父親の件で竜児と実乃梨が喧嘩)
(第13話) 大橋高校文化祭【後編】 ★ 続き(ミス大橋&福男レース)
(第14話) しあわせの手乗りタイガー ★ 実乃梨が竜児の好意に気付いてしまう
(第15話) 星は、遠く ☆ 北村の恋、大河の決意(生徒会長選挙)
(第16話) 踏みだす一歩  ★★ 狩野会長の想いの前に大河の想いが砕け散る
================== OP「silky heart」、ED「オレンジ」 ==================
(第17話) クリスマスに水星は逆行する ★ 変わり始めた関係
(第18話) もみの木の下で ★ 竜児を避けてしまう実乃梨
(第19話) 聖夜祭 ★★★ 大河が自分の想いに気付く ※ED「ホーリーナイト」
- - - - - - - - - - - - - 高校2年の3学期 - - - - - - - - - - - - - - -
(第20話) ずっと、このまま ☆ 冬山修学旅行の準備~出発
(第21話) どうしたって ★★ 続き(竜児が大河の気持ちに気付いてしまう)
(第22話) 君のいる景色 ★ 大河不在の日々(竜児の気持ちも揺れ始める)
(第23話) 進むべき道 ★★ ヴァレンタインデー(竜児が決断を迫られる)
(第24話) 告白 ★★ 竜児の家庭事情(母親)・大河側の事情と二人の決断
(第25話) とらドラ! ★★ 続き(特に大河の決断)、ラストは1年後(高校卒業式)
----------------- TV本編終り -------------------
(OVA)  弁当の極意 ☆ 本編と全く無関係のコメディ回{/netabare}

※このように、前半(第12話まで)は、★付きが第2話だけというキツイ状況でしたが、第13話から少しづつ話が動き始めて、第16話の予想外の展開に「これは月並みのラブコメとは違うのではないか?」と興味をそそられ、神回として名高い第19話を見せられた後は、もうそのまま感動のラストまで途切れずに一直線!という、他に類例が思い付かない本当に凄い作品・・・と4周目にも拘わらず、またもや感じ入ってしまいました。

※なお、あにこれ登録前は、この作品を特にメモを取らず視聴していて、その記憶をもとに適当に前回レビューを書いてしまったのですが、今回は、気になる部分をメモし、必要ならば同じ個所を何回も視聴し直して、色々と考察してみた結果、前回のレビューの

(1)前半部分(すみれさん乱闘事件)は、今回もその通りだと思いましたが、
(2)後半部分(みのりん問題)の理解は、不十分で部分的に間違っている、と思い直したので訂正します。

4周目にして未だ感動が褪(あ)せないばかりか、以前の考察が間違いだと気付かせてくれるとは畏るべし「とらドラ!」

================================================
※参考:前回【2013年3月6日時点】のレビュー

なんだかんだいって3回も通しで見てしまったアニメは珍しい。

この作品の私的な鑑賞ポイントを2点ほど。

★1.スミレさん乱闘事件(16話だったはず)
{netabare}
ここまでは大河は自分の気持ちに正直に一直線に突き進むのが正しいんだ!と思ってたんですね。
だけど、スミレさんと乱闘して、自分が好意を寄せる相手のために敢えて自分の本当の気持ちを無理に抑えてしまわねばならない場合があるんだ(そうしないと相手のためにならないから)・・・ということを知ってしまうんです。

そして、それが、自分の本当の気持ちに気づいてしまった後の大河の行動に影響を及ぼしてしまう。
第16話までとその後では明らかに大河の行動パターンが変化しています。
{/netabare}

★2.ミノリン問題(第17話以降かな?)
{netabare}
高須君との同時ゴール写真のことで思いがけず高須君の好意に気づいてしまったミノリンは、なぜだか急に高須君を避けるようになってしまいます。
ミノリンも高須君に好意を寄せているハズなのに何故?というので、これをミノリン問題と呼んで疑問視する人も沢山いるそうです。

でも、この理由は単純で、ミノリンは高須君の好意を有難いと思うと同時に、自分は高須君の好意に値しない・・・と臆してしまっちゃったんだろうなあ(と私は推測する)。
これって、ミノリンの高須君への好意が本物だったからこそ、の臆病さなんです。きっと。

もしミノリンに高須君をもう少し客観的に斜めから見る気持ちがあれば、あるいは言葉は悪いけど、幾分かでも打算的な気持ちがあれば、高須君の好意を「有難く受け取ってしまおう」となるのですが、そうならず逆に高須君を避けてしまったところが、私的には物凄く可愛く見えてしまいました。
{/netabare}

こういったところが凄く好きだなあ。
アニコレでもとらドラ!の評判が良くて嬉しいです。

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※以下、今回【2015年3月2日時点】のレビュー

◆前期OP/EDが終わる第16話が本作のターニング・ポイント

上で、第16話({netabare}大河殴り込み・狩野会長との乱闘事件{/netabare})は予想外の展開と書きましたが、そこが本作のターニング・ポイントとなっていることは、OP/EDの変化からも明瞭だと思います。
すなわち、2クール作品(全25又は26話)の場合、通常は、OP/EDが変わるのは中間地点の第13又は14話なのですが、本作は第16話までを前期OP/EDとしており、その前期OP『プレパレード』の題意を考えると...

 pre-parade (= before Parade) パレード前の (形容詞)

つまり、第16話までは「パレード(晴れやかな行列行進)」前の状況だ、ということ。
このグダグダした一見詰まらない展開は、後期の急展開の下準備段階(前座)に過ぎず、第17話以降こそが本作の本番であり、そのテーマはズバリ

 『silky heart』(後期OP) すなわち「絹のように華奢で繊細な恋心」

...の揺れ動きを描写していくことにある、と読み取ることが出来ると思います。

※EDについても同様で、
(1)前期ED『バニラソルト』が、「{netabare}バニラソルトで/Burning Love/甘いだけなら/ソルトかけましょう」「甘いだけの愛はちょっと/私が求めているものとは違う{/netabare}」と、いささか浮ついた恋心をコミカルに謡っているのに対して、
(2)後期ED『オレンジ』は、「{netabare}オレンジ/今日も食べてみたけど/まだすっぱくて泣いた/私みたいで残せないから/全部食べた/好きだよ/泣けるよ/好きだよ/好きだよ{/netabare}」と、切実な恋の痛みを謳い上げる歌詞・曲調に変化しています。

◆嗚呼これが「恋」なんだな...と溜め息なしでは見られない第19話

本作は単に、①高校生の恋愛感情の推移を描出しているだけでなく、それとの絡みで、②同性・異性との友情や、③家族との関係構築をも包摂した、中々に複雑で深いテーマ性を持っているのですが、それでも中核となるテーマは、やはり①「恋愛」だと思うので、そこに焦点を絞って内容を考察していきます。
なお、「恋愛」といっても、本作は原作者(武宮ゆゆこ氏)・シリーズ構成(岡田磨里氏)が共に女性ということもあって、やはり3人の主要女性キャラの恋愛心理の描写が秀逸で、逆にいうと男性2人の心理描写は幾分手薄ではないか、と私は感じました(以下、女性3人の恋心を個別に考察)。

◇逢坂大河の恋心 - 第16話までとそれ以降で明らかに深化する大河の恋の質
{netabare}
前回レビューの★1.スミレさん乱闘事件の項に指摘した通りです。
それが誰の目にも明らかになるのが、第19話(クリスマス・イヴのエピソード)。
4周目にも拘わらず、またしても私は、「これが恋なんだな...」と嘆息せざるを得ませんでした。

※もう少し詳しく説明すると...

(1)第1話から第16話まで描かれた大河の北村君への想いは、どれだけ本人が真剣であろうとも、
 ①それは所詮、相手の好意を獲得しようとする駆引的な恋であり、
 ②「恋に恋して」恋を自覚的に楽しんでいる状態であって、
狩野会長の想いには叶わないと、遂には大河自身が悟らざるを得なかったものだった(※狩野会長、次いで北村君の言葉を聴いた後の大河の表情の変化に注目)。

(2)これに対して第19話でようやく自覚される大河の竜児への想いは、
 ①相手の好意を獲得しようという駆引的要素がなく、
 ②時に、本人にも無自覚のままに、
 ③しかし不可逆的に(=後戻りができないまでに)昂進してしまう恋
であって、狩野会長の想いに匹敵するもの、と要約できるのではないかと思います。

そして、それだけの強さのある想いだったからこそ、最終的には竜児が実乃梨への想いを振り切って、それを受け容れる結果につながったのだと思います{/netabare}

◇櫛枝実乃梨の恋心 - 目の前にある幽霊(=恋)を掴み取ることを拒否した少女の涙
{netabare}
前回レビューの★2.ミノリン問題の項では、①彼女の竜児への好意が本物であり、②彼の好意を素直に受け容れない彼女の臆病さもそれが原因だった、と指摘しましたが、その時点では私はまだ、第16話の乱闘騒ぎの後で亜美が彼女に囁いた「罪悪感は無くなった?」という言葉の意味合いを掴みかねていました。

この「罪悪感」とは、竜児の好意を受け容れれば大切な親友である大河を裏切ってしまうことになる、という実乃梨の後ろめたい気持ちのことですが、乱闘騒ぎの結果、大河が好意を寄せるのは竜児ではなくて北村君であることが一応は明らかになって障害は消えたのではないか...と亜美が皮肉っぽく彼女に指摘します。

しかし、それでも彼女は以前にも増して竜児を避けてしまいます。
実は、実乃梨には、大河への罪悪感のほかにも、
①幽霊(=恋)を掴み取ることが、自分の幼年時代からの夢(ソフトボールの全国的な選手になるという夢)の障害となってしまうのではないか、という怖れの気持ちがあり、
②そうした自分の夢と竜児の好意とを天秤に架けている、という後ろめたい気持ち(=これも一種の罪悪感)があって、
「私は傲慢でズルい」(第15話)と自己卑下し竜児の申し込みを拒絶してしまった、と考えるのが最も整合的と考えます。

そうした実乃梨の竜児への想いは上記の大河の想いに及ばず、結局彼女は竜児への恋を失ってしまいます。
それが、第24話に描かれた亜美の面前で実乃梨が流した複雑な涙につながったのだと思います。{/netabare}

◇川嶋亜美の恋心 - 周りの人たちの恋心が見え過ぎて返って淋しさを感じてしまう少女
{netabare}
モデル業を通じて大人の世界をよく知っている亜美は、大河や実乃梨のような下手くそな恋はしませんが、それでも幼馴染の北村君以外では唯一、彼女を素顔のまま受け容れてくれた竜児に対して好意を持ちます(第6話)。
しかし鋭敏な彼女には、竜児の気持ちだけでなく、大河(第8話)や実乃梨(第10話)の気持ちまでもが早々に見えてしまい、そうした未熟な恋の錯綜状況に積極的に関わる気持ちになれず、せいぜい相手から求められれば辛辣ではあっても的確なアドバイスを返す程度の役回りに終始して、時たま竜児に淋しさを吐露するばかり。

結局は亜美の場合、内心では竜児と対等な関係を希めながらも、周りが見えすぎるという特質から、どうしても上から目線に成らざるを得ず、恋の成就がなかったのは仕方のないことなのでしょう。
しかし物語の構成的には、亜美のように鳥瞰的に恋の錯綜状況を見渡せる存在がいたことは、本作の大きなポイントになっていたと思います。{/netabare}

◆総合すると...本作は“物語そのもの”の魅力によって成り立つ傑作

実をいうと、私自身は大河のようなタイプはちょっと苦手なんです(どちらかというと実乃梨タイプが好きなのですが、それでもド・ストライクには程遠いです...因みに私のド・ストライクは、{netabare}一歩引いたところから自然に周囲の人のサポートが出来てしまうアイマスの天海春香さん{/netabare}です(笑))。

リアル世界で、もし大河のようなタイプと出会っていたら、相手に合わせるのが相当しんどいだろうな...と思います。
だから、本作を最初に視聴したときも、かなり斜(はす)に構えて批判的に観ていたんです。
ところが、そんな私でさえ、本作には一度ならず四度までも感動させられてしまい、あまつさえ、こんな長々とした感想・レビューを書く気にさせられてしまうのですから、やはり本作は「学園ラブコメ」ないし「恋愛アニメ」として稀有の傑作と認めざるを得ません。
(※傑作ではあるけれど、決してド・ストライクではない、という意味で総合評価4.6と幾分点数をマイナスしています)

以上から演繹すると、本作は個々のキャラクターの魅力によって成立している作品ではない、ということになります。
言い換えると、本作は“物語そのもの”の魅力によって成立している作品、もう少し言うと、“割とありふれた高校生たちの恋愛感情の推移”という物語の魅力によって成立している作品、ということになると思います。
勿論、本作はフィクションですから、ご都合主義的な展開が多々あって、そこを指摘して批判することは幾らでも可能なのですが、それでもなお否定できない「心理的リアリティ」、「恋愛感情とはこのように発生し進展していくものだ」という視聴者側の想いがこの作品にいつの間にかシンクロナイズして、予想外に本作に魅了されてしまっている自分にふと気付く、というケースが多々あるのではないか、と思います。

未視聴の方は、結果的に本作を肯定的に捉えるにせよ否定的に捉えるにせよ、一度 experience として視聴してみる価値は十分あると思います。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 87
ネタバレ

底辺生活者 さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

私が世界一嫌いなアニメ

◆嫌いな特徴をざっくばらんに言います

{netabare}・ヒロインがむやみやたらに、人を殴る。

・ヒロインが暴力をふるって、皆をおびえさせて周囲を支配している。

・このヒロインが、最期まで人からビシッと注意されることがなく、このアニメは終わる。

・女キャラ達が『男のガチ喧嘩』みたいな殴り合いをする。

・(日常的に人を)殴るシーン『のみ』が、リアルすぎて、痛々しい。ギャグみたいに描かれていない。

・『とらドラ!は、リアル十代を描いた傑作アニメ』とよく耳にするが、全然、リアルではない設定が多い。

・ストーリー内容、キャラの言動行動に矛盾が多い。

・視聴者に深く考えさせないように、登場人物に語気を強めて語らせ、無理やり「ほら!ここが感動シーンですよ!」と演出している。洗脳してるようなアニメ。

・人を不快にさせるような罵詈暴言をヒロインが常に話す。

・このアニメの中でたまに出てくるギャグが全然笑えない。

------------------

◆矛盾内容、おかしいと思った部分を具体的に書きます。


●リアルなのかと思うと、リアルじゃない

このアニメは、『10代リアル青春を描いた傑作』と言われていますが、全然内容はリアルではない。ほんとに、マンガ。

・ヒロインが隣のマンションに住んでいる。しかも、偶然、位置も真隣。もろ、マンガ。

・何故か、ヒロインを家に毎日あげて、彼女のご飯を毎日作ることになる。その始まりも納得できるような内容ではない。

・竜児が、ヒロイン大河から廊下で一発殴られただけで、竜児の不良疑惑が消える。

竜児は第1話ですでに2年生。
竜児の性格だったら、第2学年になる前まで「不良疑惑」を引っ張ることはありえない。

・竜児が2年生になるまで、大河のことを全然知らなかったなんておかしすぎる。

大河は1年次から在籍している。

大河は、あの性格だったら、1年次から暴れてたはずだし、竜児は、「2年生の春に初めて大河のことを知りました」なんて物語が破綻してる。

・序盤のころ、竜児が、完全防犯設備の大河の高級マンションに、普通にスルスル出入りしていたが、どうやって進入していたのか、永遠の謎。

竜児が大河の部屋に入って来たとき、大河が毛布にくるまってて、大河がロック解除した様子もないシーンも序盤にあった。マンションの出入り口で、暗証番号を押すとかそういう描写もなかった。

もしも大河が竜児に暗証番号を教えてて、家のドアをまったく鍵をかけないでいつも過ごしてたいたとしたら、相当な関係だと思うし、無用心すぎると思う。
しかし、この時点では大河の竜児は、「私たちは男女の関係ではない」を言い張っていたし、疑われると教室で暴れ、迷惑行為までしていた。

ここまでベタベタしてて、「私と竜児は男女の仲ではない」と言い張り続けるのは、高校生にしてはどうかと…

・その人の話題をしていると、突然、その人が隣に立ってたり、真後ろに立ってたりするシーンが多すぎ。典型的なマンガちゃん。

・学園祭のあと、「幸せの手乗りタイガー」になるエピなんて、ほとんど、リアル度ゼロ。マンガちゃん。


なので、結局、設定が「マンガちゃん」なので、どこが『リアル十代を描いた傑作アニメ!このアニメ、すごいよ!』となるのかがわからない。


●ヒロインの暴力が、ツンデレ、ギャグレベルではない

・とにかくヒロインが人を殴りすぎ、罵りすぎ。

・ヒロイン大河が自分のためにご飯やお弁当を作ってくれている竜児を、毎日口汚く罵り、殴りつける。

『大河がちゃんと親から育ててもらえなかったから、大河は性格が破綻してしまった』
ということを制作サイドは理由にしたいらしいが、それでも、
見てて不愉快だし、やりすぎ。
せめて、もうちっと笑える描写にしてくれると楽だった。

・間違ってラブレターを竜児が自宅に持って帰ってしまったから、それを取り返すため、大河は竜児のアパートに侵入したのはいいが、

『木刀持参で、木刀を持って襲い掛かる』とか、

アニメでも全然意味が分からないし、最悪なことに、全然面白くない。ほとんど、殺す気だったとしか思えないし、笑えない。

木刀持って家に侵入するのが、『リアル十代を描いてる』のか…。

普段から、木刀を所持してて、何かが起きるたびに振り回す女子高生が現実にいる地域が、この日本国内にあるなら何県何町だか知りたい。


●情けない男ばかり、こんなに暴れてる大河に不良がからんでこない

女子の大河にふるえあがって、この学校の男子が全員、ビクビクして、逆らえない。見てて情けないし、無理がありすぎる設定。

かといって、大河は「ヤンキー」や「学校をしきっている不良」でもない。

大河がここまで暴れていたら、もっと戦闘能力が高そうな男の不良が登場するとか、他校の不良に目をつけられ、モメそうなものだが、そういうエピは1つもない。

不良をあえてこのアニメ(物語)に出さなかった理由とは、
どうしても、大河を、『このアニメの中で最強の生き物』にしておかないと、キャラの上下関係が崩れ、話も全然成立しなくなるからだろう。

だから、ちっとも、リアルな青春ストーリーなんかではない。


●大人も情けない

何故か、子供をちゃんと叱れる大人が全然登場しない。
ゆり先生もなさけなさすぎる。

※ちゃんと人を叱れる大人は、泰子の父親くらいだった。


●何の罪も無い生徒会長が殴られる

生徒会長が、北村の告白に素直に正直に答えなかった、という理由で、
『また』木刀を持ちだして、
大河が生徒会長に殴りこみをかけている。

そんなに、告白に対して素直に受け答えしないのは罪だ、というのであれば、

後の方のエピで、大河が、「竜児が実乃梨のために買った髪飾り」を
「私(大河)の宝物だから」と、嘘をついて、
実乃梨に渡したりするのも、ものすごく邪道な手段だと思う。
また、この行動は、大河は完全にキャラブレ起こしてる。

正直にならないのが罪だ、というのであれば、大河は誰かから木刀でボコボコに殴られるべき。


●勧善懲悪エピがなく、無実の人が暴力を受けるエピが多い

・ヒロインのためにせっせとご飯を作る男が、殴られ、罵られ続ける。

・全然悪い人でもない生徒会長が、ボコられる。

・気が強く、戦闘能力が高い大河が、本当に性格が悪い奴をやっつけたりする、見ててスカッとするエピが、このアニメには1つもない。


●竜児とベタベタしといて、周囲から「男女の仲」だと疑われると暴れる大河

あれだけ高校生男女がベタベタしてたら、周囲から男女の仲だと疑われても仕方ない。なのに、大河は、疑われたのが許せない!と、教室で、人の机をめちゃくちゃにする。

おびえるクラスメート達。

きっと、大河からめちゃくちゃにされた机や私物は、被害者達が自力で片付けたのだろう…

しかし、また、後日もずっと大河は竜児とベタベタし続ける。

★『暴力を使って、周囲を脅し、周囲を怯えさせ。
自分のやりたいように振る舞い、周囲を支配するヒロイン』

こんなヒロインがずっと幅をきかせているアニメを見て、どう感動すればいいのか?さっぱりわからない。


●このアニメで、実乃梨は『矛盾女王』

・たまにちょくちょく出てきて暴走する頭がおかしい女「実乃梨」

実乃梨は序盤の頃には、すでに、竜児に「大河のことは任せた!」と言っていた。
さらに、部活やバイトで忙しく、ほとんど、大河のことは、竜児に丸投げ状態だった。

しかし、たまに出てきて、大河のことで興奮したり、竜児をひっぱたいたりする。


・全然、大河のマンションや竜児のアパートに来ない「実乃梨」

実乃梨は、「大河は大親友!」と口だけは言うが、作品中で、実乃梨は、大河のマンションに1回しか来ない。


その理由として、実乃梨は、「大河のお父さんの件で近寄りにくくなったから」などと言っていたが、
大河のお父さんが大河と関わってない期間まで、全然、大河に会いに来ないというのは無理がありすぎる。

大河が毎日、男の家にご飯を食べに言っているのに、その様子を一度も見に来たこともない「実乃梨」。おかしい。


・前もって大河の父親の問題を竜児に伝えなかった実乃梨は、本当の親友とは言えない

学園祭の時、実乃梨は、また『竜宮レナ化』し(笑)

「大河の父親に会ったくせにあの男に問題があることがわからないの!?」

と、怒り出す。

人に数回会っただけで、その人の心が全部覗ける人間なんているわけがない。

あとで、実乃梨が前以て、大河の父親のことを説明しなかった理由として、「貴方に大河をとられちゃった気がしたんで、嫉妬したから、わざと貴方に伝えなかった」と言っていたが、アニメとはいえ無理がありすぎる言い訳だ。

本当に実乃梨が大河のことを大切に思う『親友』である、というのであれば、「大河のことを竜児くんにとられちゃったって思ってぇ~、嫉妬したからぁ~」などと思わず、すぐに大河の家庭の問題を竜児に伝えるだろう。


・自分で決めるのではなかったの?

実乃梨は、「私の幸せは自分で決めるんだッ!!!」と、大声で大騒ぎしてたのに、竜児に対して、「君は、大河が好きなんだ!!!」と大声で押し付け意見を言いはじめ、無理矢理、竜児に、「おう!」と言わせてしまう。

好きな人は誰かくらい、本人に考えさせたらどうか?


・大河の選択を受け止めると言ってたのに…

大河と竜が駆け落ちするとき、「私は大河の選択を応援する!」と言ってたのに、大河が転校すると知ったら、突然、竜児をひっぱたく実乃梨。

前に言っていたことと矛盾するし、自分は、バイトと部活と体育大進学のことばかりに夢中なのだから、たま~に、親友を名乗ってクビつっこんでくる「実乃梨」は、見ていて非常に不愉快。

こんな糞アニメにどう感動すればいいのか?



●主役の竜児が全然、自己主張をせず、従順過ぎる

竜児は、人から「こうしろ!」と言われると、
なんでも、ハイハイ言って従ってしまうタイプで、まるでデク人形みたい。
全然、魅力がない男主役。

『竜児は大河の父親代理でもあった』というのなら、大河をひっぱたくシーンくらいあっても良かったと思う。



●北村が三人の女にモテた理由がわからない

北村は、「大河」「生徒会長」「クラスメートの木原麻耶」にモテた。
本当にモテモテだった。
だが、この男のどこがいいのか、さっぱりわからない。

《北村の特徴》
突然裸になる。
金髪に髪を染め、ボク~!ボク~!と、いじけまくる。
融通がきかない。
暑苦しいくらい、優等生みたいな話し方をする。


●殴られた生徒会長が報われない

大河は北村が大好きだったからこそ、生徒会長に制裁を加えたはずだったのに、その後、あっさり、大河は恋愛対象を竜児に乗り換えてしまう。

本当に生徒会長は報われない人だった。


●グダグダな駆け落ちエピ

・あっさり終わる駆け落ち

これだけ長編のアニメだったのに、山場の駆け落ちは、あっさり終わる上に、内容がくだらない。

皆を集めて「私達は駆け落ちするの!」と宣言し、実乃梨から貯金全部(通帳と印鑑)、亜美から別荘の鍵を受け取る。

しかし、「泰子が家出しちゃったから」、とか言って、大河と竜が向かった先は泰子の実家。

その後、大河と泰子と竜は、あっさり帰宅してきてしまい、駆け落ちは無しに。

帰宅したら、大河と竜児は、すぐに、実乃梨や亜美に連絡をとり、お金(通帳と印鑑)や鍵を返して謝るのかと思えば、
全然、そういうことをせず、台所でのんきにカツをジュウジュウ揚げる竜児。

マジで糞アニメ。このアニメ、どこを感動すればいいのか?


●キャラブレ激しい

・大河は暴れたと思ったら、自己分析しだして、しっとり語りだしたりで、キャラが安定しない。

・「みのり」は、ほとんど、【ひぐらしのなく頃に】の竜宮レナみたいだった。二重人格。怖い。


●血が通ったまともな人間がほとんどこのアニメに出てこない

唯一、物語の後半、まともな人間に見えたのは亜美ちゃんのみ。

それ以外の「実乃梨」「大河」「北村」って、まるで『血が通ったまともな人間じゃない』みたいな人達だった。


●女の子達が『男のガチ喧嘩』みたいな殴り合いをする。

女が「たのもう!」と木刀を持って乗り込み、殴り合い。

スキー場では、女同士で、「グー」の拳で殴り合い。

殴り合ってる最中のみ、表情、殴り方、立ち振る舞いが突然、『男そのもの』になる、「とらドラ!」女子たち(笑)

私は女子中、女子高を出ているのだが、在学中に、3回ほど、キャットファイトを見たのだが、女子同士の喧嘩は、「とらドラ!」のあのシーンのように、「グー」で殴り合いにはならない。

女子の場合、ひっぱたく、髪の毛のひっぱりあいになる。


ああいう殴り合いを、男子高校生同士がやるなら、「リアル」って感じがするし、まだ理解できる。


●ギャグが笑えない

・大河が言ってた「ババさんは百文のキック…」どうたらとか、全然面白くない。

・たまに北村が裸になるが、面白くない。

・別荘に行く前に、EXILEの踊り?みたいなのをしていたシーンがあったが、全然面白くなかった。

というか、笑えるシーンがほとんどなかった。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 19

87.4 3 恋愛で泣けるなアニメランキング3位
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1292)
6361人が棚に入れました
《人間》は規格外の《獣》に蹂躙され、滅びた。たったひとり、数百年の眠りから覚めた青年ヴィレムを除いて。《人間》に代わり《獣》を倒しうるのは、《聖剣》(カリヨン)と、それを扱う妖精兵のみ。戦いののち、《聖剣》は再利用されるが、力を使い果たした妖精兵たちは死んでゆく──。死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の、儚くも輝ける日々。

声優・キャラクター
新井良平、田所あずさ、Machico、上原あかり、荒浪和沙、水瀬いのり、水間友美、久保ユリカ、石見舞菜香、木野日菜、小日向茜、井上喜久子、千葉繁、小杉十郎太、佐藤聡美、井上ほの花、佐藤利奈、麦人
ネタバレ

明日は明日の風 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

終末ヒロインの幸せとは何なのかを探し求めた結末…儚さと切なさを感じる作品

このタイトルを見た瞬間、訳がわからない感情がわき、ひかれました。タイトルで視聴を決めてしまいました。

1話…「私のこと忘れてくれると嬉しいな」
{netabare}ある島で出会う青年と少女。島の外れで遠くの島を眺める。少女はこれが最後みたいなことをいう。
青年は知り合いのゴブリンから軍の仕事を斡旋される。武器倉庫の管理だった。倉庫に向かうと、幼女に襲われる。が、そこに現れたのは島で会った少女だった。少女に導かれた先は大きな屋敷で、青年の知り合いのとおぼしき女性(トロル)と会話する。
青年の名前はヴィレム。なにかしら軍に関係した人物のようだ。そして、明るいのに影がある少女の名前はクトリ。青年にひかれているようだった。
この世界はすでに滅んだあとの世界で、青年は最後の戦いを経験した生き残りらしかった。

冒頭でいきなりクライマックスのシーンが出てきて、最後は…とかなり悲しい始まりでした。兵器=人間ということなのでしょうね。この二人がいい感じで、でも最後は辛い別れが待っている…考えただけで切ない。
作画の感じも良いし、展開も笑いあり、グッと来るようなシーンもあるし、これは毎週待ち遠しいです。{/netabare}

2話…幼女たちに信頼されるには
{netabare}武器倉庫とはいったものの、幼い子供たちの施設になっている状況にいまひとつピンと来ないヴィレム。子供たちは大人の男性に慣れていないため、接し方が分からない。そこでヴィレムはプリンを作って子供たちに食べさせる。その結果、ヴィレムはあっという間に人気者に。
ヴィレムが気になるクトリ。アイセア、ネフレンとの会話で「あと10日」というキーワードが嫌な感じ。
ある日、ボール遊びに夢中になっていた子供の一人が崖から転落。大ケガをしているにも拘らず、平然としていることに戸惑うヴィレム。
ナイグラートに武器庫に案内され、真実を知るヴィレム。子供たちは人間の武器が扱える妖精で、世界の驚異となっている獣たちと戦えること。飾られている聖剣は強力で、自らの命と引き換えに大爆発を起こせるということ。つまり、子供たちは命を落とすことが前提で生きていて、死を恐れていないのだった。しかし、ヴィレムには聖剣に見覚えがあった。聖剣は人間族の真の勇者だけが扱えるもので、ヴィレムにも関わりがあったのだった。
クトリとアイセアが数日消えた。獣たちと戦っていたのだった。迎えたヴィレムは疲れ果てていたクトリを介抱する。クトリは心の準備(死への)ができていたが、なにか違う感情が芽生えていた。

2話で「あと5日の命」という展開…。はじめから死しか選択の余地がない子供たちは…切ない。
クトリと同年代のアイセアとネフレンを置いたのは物語的に締まっていいように感じます。性格もバラバラだし、クトリ一人では重すぎだったので。
ヴィレムにも重い過去があって、ちょっとずつ明らかにしていく感じです。{/netabare}

3話…フラグ立てるな
{netabare}ヴィレムはネフレンに手伝ってもらい妖精たちの戦いの記録を調べた。翌朝、クトリが目を覚ますと、ヴィレムがネフレンと寝ていることに嫉妬(ジト目で)。ヴィレムがクトリに朝の運動と称して戦うことに。聖剣の使い方を伝える。クトリは戸惑うばかり。
戦い終え、ヴィレムが倒れる。ナイグラートに処置してもらい、落ち着く。そしてナイグラートは子供たちにヴィレムのことを話す。ヴィレムは人間族の唯一の生き残りだと。子供たちは驚くどころか、ヴィレムに益々興味を持つのだった。一方で、クトリはヴィレムから受けた戦いかたに混乱していた。空を飛び回り、ライムスキンと会話する。そこでクトリは本音を言い、ライムスキンはクトリに自爆せずに生き残ることも選択と伝える。
帰ってきたクトリにヴィレムは聖剣とは何かを話し、クトリは生き残ることもあることを話し、帰ってきたときの約束をする。そして戦場へ…。

濃い回でした。少しずつ明らかになるヴィレムの過去。そしてクトリの変化する心がなんとも言えません。三人娘が戦場に向かいますが、全員生き残ってほしい…。{/netabare}

4話…待つ者
{netabare}クトリたちが出陣してから半月、その結果は伝わってこない。心配するなか、ティアットが夢を見たという。ナイグラート曰く、一人前の妖精兵になる兆しだという。そこで診療所のある島に向かい、検査を受けるため、ヴィレムに一緒に行ってほしいと頼む。これはヴィレムに気晴らしをさせたいナイグラートの気遣いでもあった。
診療所に向かうヴィレムとティアット。飛行挺の中でヴィレムは夢を見る、それは悲しい夢だった。初めて島を出たティアットは検査を受けるためだと思いながらもウキウキ。ティアットが夢中になっている蜥蜴映画の聖地を巡り、あちこち引っ張り回されて検査に向かう。この検査、実は妖精兵になるための調整だった。これについてはティアットも心得ていて、立派な妖精兵になると言うものの、ヴィレムは「本当に良いのか」と問う。
翌日、雨降るなか、建物の雨漏りを見ていると外が慌ただしい。作戦は失敗したとかなんとか言っている。夢の中の描写と一緒になったヴィレムは焦る。そして情報を聞き出し、本当に失敗だったことを知る。愕然として膝から崩れるヴィレム…。そのとき、聞き覚えのある女の子たちの声が聞こえてきた。振り返るヴィレム、そこには三人娘がいた。ヴィレムは能力で瞬時に三人のもとへ飛び、そしてクトリを抱き締める。

先ずは無事に帰ってきて良かったよ…。ヴィレムがところ構わず抱き締めてしまうシーンはグッときたけど、表情がいまいちな気が…。それと、けっこう大雑把な流れになった気がします。もうちょっと丁寧に、じっくりためてからでも良い気がしました。とはいっても、この流れの話は好きなんですけどね。
今回の作戦が失敗だったということはどうなるんだろう? このあたりは次回明らかになるのかな? あと気になったのは噴水の像。確かOPに出ていたような気がするんだが…。{/netabare}

5話…ヴィレムはなんだかんだで
{netabare}三人娘の戦いの様子が語られる。敵は精神攻撃、予測を超えていた。そのための撤退だった。クトリは調子がいまいちである。
フィラのお願いにライムスキンは応えない。それどころか、ヴィレムに押し付けてしまった。かたくなに断るヴィレムだったが、その考え方は正論だった。フィラといつの間にか観光になっていた。しかし、それを狙う輩が。フィラの父親は市長で、反対派が反乱を起こそうとしていたのだ。そのために娘のフィラを誘拐しようと狙っていた。
ヴィレムはわざと狭い場所へ連れ込み、その一団をのしてしまう。なんだかんだ言いながら優しいのである。
島へ帰る直前、軍の一人に呼び止められる。ヴィレムはその名前を聞いて残らざるを得ないと考え、三人娘とティアットを見送った。

クトリに変化が生じてきた感じです。ヴィレムと離れてしまうことにかなり不安なんですけど…。
ヴィレムが残る理由は次週へ持ち越しですが、ヴィレムの過去が明らかになるのでしょうか。どうも転換点に差し掛かっているようで、目が離せません。{/netabare}

6話…良い最終回…じゃないのね
{netabare}ヴィレムが残った先には大賢者が待っていた。賢者はヴィレムの500年前の知り合い、スウォンだった。スウォンはヴィレムが石化した後も戦い続け、一度死んだが呪いをかけ不老不死になっていた。
ヴィレムはさらに意外な人物と接触する。頭蓋骨姿になっていたヴィレムが倒したイーボンキャンドルだった。スウォンとイーボンキャンドルからヴィレムが空白になっていた500年の話と妖精の話が若干される。二人はさらに核心を隠していた。
一方、クトリは苦しんでいた。何者かに精神が乗っ取られようとしていたのだ。これは生き残った妖精の宿命らしかった。ヴィレムが島へ戻って、クトリの状態を知る。ナイグラートと語らう。そのとき、クトリが目覚ます。クトリは先を考えず、ただただヴィレムに会いたい一心で帰ってきたのだ。

やっととというか、世界観が見えてきたような回でした。淡々と進むけど、もう中盤なんだ…。ヴィレムとスウォンの会話の珍妙なこと…。あの声で少年のような話しぶりは違和感より笑ってしまいましたが。
最後、単純な手法なのに、クトリの一声で涙止まらなくなってしまいました。弱いんだな、こういう展開…。これが最終回でもいいよと思うくらいです。{/netabare}

7話…続くのですね…
{netabare}クトリが目を覚まして数日。クトリには微妙な変化が生まれていた。ナイグラートに調べてもらったところ、反応が変わっているという。聖剣に近づかない方がいいと言われる。
ヴィレムは約束のケーキを作っていた。子供たちも大喜びだが、それはクトリとの約束だったケーキだ。クトリはそれを食べ、帰ってきたことの思いをヴィレムに伝えた。
一方、妖精兵はクトリたちの他にもいたのだ。ラーンとノフト、二人は地上の探索隊に加わっていた。そこに獣が襲ってくるが、ノフトが斬ってしまう。

ラーン、見た目がイカちゃん…。獣は某新マンのツインテールだし、ちょっと気になりました。二人のキャラがどう絡んでいくのでしょうか。ED、あれ?っと思って見比べたら、ちゃんと今回からラーンとノフトが加わっていたのにビックリです。細かい。ということは、一応、この回から後半突入ということになるんでしょうね。
クトリが約束だったケーキを食べることができて本当によかった。此のフラグは折ってほしかっただけに。でも、1話冒頭で赤い髪がクトリであることはバレているし、最後は…なんだろうけど、こういうシーン積み重ねていくと、最後は本当につらそうです。{/netabare}

8話…日常からの
{netabare}上官(とても嫌みな)との会話で地上の偵察隊について話を聞くヴィレム。見せてもらった写真はヴィレムのふるさとで、しかも自分がすんでいた家の跡地だった。
ヴィレムについてきたクトリ。もはやデートである。ヴィレムが地上に降りる話を聞き、クトリも一緒に行くことに言ってきかない。上官はなぜか簡単にOKが。どうやらクトリはヴィレムの愛人と思ったらしい。
夜、流星を見る子供たち。そのうちの一人が転落し、クトリが力を使って助ける。そして、クトリは異常が進行し始めた。

クトリとヴィレムの幸せそうな展開で、そのまま進む…分けがないのがこの作品ですね。最後だけでなく、途中にも先を案じる場面が織り込まれて、不穏でしたし。回数考えると、どんどん鬱展開に入っていきそうです…{/netabare}

9話…終わりの始まり
{netabare}クトリの変化に気づいたアイセア。クトリにアイセアの真実を話す。アイセアから励まされたクトリ、日常を明るく生きる。
ヴィレムはクトリの変化に気づいていた。それでもクトリは前を向くことを決意した。
冬の日の夜、壮行会を兼ねた降雪際パーティー。幸せな時間が過ぎる。そして、ヴィレム、クトリ、ネフレンは地上に向けて出発する。

クトリの一人語りが切なく、重いです。もう戻れないであろう、いるべき場所との別れ。最終回終わって見直すとじわじわ来るような作りなのかもしれません。
時折見せていたアイセアの違和感。その伏線の真実にビックリでした。その発想はなかったです。
とうとう地上に降りました。もう残り話数を考えると地上での話を繋いで1話冒頭の場面に行き着くのでしょうね。{/netabare}

10話…地上の日常
{netabare}地上に降りたヴィレム一向。ラーン、ノフトと出会う。地上の探索隊員から蔑みた目で見られたクトリ。クトリは自分のすべきことを行動で示し、隊員たちから信頼されるようになる。
クトリの脳裏に浮かぶ赤い髪の少女。その少女に立ち向かうこれまた赤い髪の少女。
ヴィレムはクトリのための聖剣を探し出す。そしてノフトの聖剣を手入れしている時に真実にたどり着き、愕然とする。

最後へ向かっての序章という回でした。真実を知ったヴィレム、クトリがクトリでなくなる寸前の状況、二人の着地点はどこにあるのでしょうか…。{/netabare}

11話…クトリの魂
{netabare}ヴィレムの求婚に応えたクトリ。二人は照れあい、普段通りとはいかない。ヴィレムの思い出の家に着いた時、地下から衝撃が。そして落下。
地下は空洞になっていたが、クトリの様子がおかしい。クトリが向かった先には氷付けになっていた子供がいた。セニオリスの呪詛によって閉じ込められたのだった。気を失うクトリ。
そのころ、飛行艇の周りは獣たちに襲われ大ピンチ。ラーンとノフトが抑えているが、二人は覚悟を決めた。気を失っているクトリ。クトリは意識のなかで赤い髪の少女と会話する。その子供は神で、過去に勇者のリーリァの一撃によってこの状態になっていたのだ。そして、クトリの存在が何であるかを知る。
飛行艇を襲いはじめた獣。ネフレンが必死に抑える。そしてヴィレムも戦う。

いよいよラストだな…という感じの回でした。重い、重いなぁ…。
せっかく幸せなろうとしたときに起こるピンチ。まぁ、1話冒頭で分かっていたこととはいえ、あれに繋がるのか…。みんな助かって欲しいけど、どう見ても悲しい感じだもんなぁ…。来週はハンカチ用意しておこう。
いままで謎だったクトリの真相、リーリァのこと、赤い髪の理由、とにかく詰め込んだので一回では掴みきれず、結局三回見てようやく納得。もう少し丁寧に描いてほしかったです。1クールだから仕方ないのかな。{/netabare}

12話…クトリの幸せとは
{netabare}飛行艇が獣たちに襲われる。ラーンもノフトもネフレンも限界に近い。ヴィレムは勇者になりきれなかった勇者。聖剣を使わなくても倒してしまうが、体がもたない。ラーンに自分の過去を話す。
限界を越えようとしていたネフレン。飛行艇から落ちそうになる。ヴィレムは救おうと手を伸ばすが、ネフレンは自ら落ちていく。追って落ちていくヴィレム地上に落ちる瞬間、クトリが救う。クトリはヴィレムを救うために自らを犠牲にしようとしていた。ヴィレムとのこれまでが幸せだったとこを強く思い戦う。そして消えた。
日が経つ。ヴィレムとネフレンの消息は分からない。クトリは消えた。そして青い髪の毛の少女が誕生し、大賢者の探査装置には波紋が二つ広がっていた。

1話冒頭で結末分かってはいたが、辛い結末でした。クトリの「誰がなんと言おうと、世界一幸せな女の子なんだ」はいかん…堪えきれません。その前のネフレン落下シーンですでに堪えきれなかったんですけどね。スカボローフェアはキツいなぁ…無理、堪えるのは無理。アイセアがぼろぼろ泣くシーンは泣き返しです。{/netabare}

今期もっとも期待した作品ではありましたが、一番とはいかなかったかなという感じです。それでも十二分に見ごたえあったと思いますし、良い作品でした。
ラストにきて次々と明らかにされていく真実や世界、頭追い付くのが精一杯で、2、3回見直していました。腑に落ちない点があったので、原作のあらすじを確認しましたが、なるほど、あと3話くらいあっても良い感じだったのですね。
ヴィレムが氷付けになる前の話し、リーリァとの繋がり、そういったものがもうちょっと掘り下げてくれたならもっと面白かったでしょうしょうね。

クトリというヒロイン、本当に良くできたヒロイン像だったと思います。ヴィレムとの出会いから信頼を寄せるまで、好きになっていく過程、自分の真実を知り、それでも前を向いて幸せになろうと進むところも良いです。最後のクトリとヴィレムの掛け合い、さすがにツラかった…。

OPの田所さんの曲、今期一番のお気に入りです。すごく心情に迫る感じがとてもよかったです。EDのTRUEさんはあんていしています。歌詞が書き込まれていたのは今どき珍しい。

二期があるとすると、別のヒロインの物語になるとのこと。クトリの物語が良くできていただけに、どんな話になるんだろう。やっぱり原作は読んだ方が良いのかな。

儚く散ってしまう少女の生きた過程を題材としています。こういった切なくなる話が好きだなという人にお勧めします。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 51
ネタバレ

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

HE once was a true love of mine

【2016/06/30 誤記訂正】


原作については何も知らないが、いい加減に、マーケティング会議で凡庸なブレーンストーミングの果てに多数決で決めたようなタイトル付けはやめるわけにはいかないのだろうか。
アニメの第一話を見た限りでは、十分にテーマ性も世界観も詰め込まれた物語に見えるのに、出版する側が創作性より市場を優先して目配りしているようでは作者が浮かばれないだろう。


一話の冒頭から、重苦しい展開を予想させるような描写で幕を開けるが、続く『スカボロー フェアー』でオッサンは完全にやられた。

同世代の視聴者であれば、文句なくサイモン&ガーファンクル版の『スカボロー フェアー』を思い浮かべるだろうが、別離を想像させる切ない歌詞が、「彼女」を想うものから「彼」を想うものへ変えられているのは、歌い手の性別だけではなく、先の物語の流れに合わせたのだろうか。
それに加えて、サイモン&ガーファンクル版の、あの不穏な輪唱の歌詞まで想起させて、より物語の行く末を(勝手に)想像させて来る。

名曲と共に登場した物語は、どのように流れていったのだろうか。


{netabare}ラストで再び流れる『スカボロー フェアー』は、やはり、この曲が物語を象徴していたと思わせる。

彼は私の大切なひと「だった」、と語る歌詞は、過去を「振り返って」あの時が「幸せ」だったのだと告げるものだ。
物語を通じて次第に明らかになる希望の無さは、ヒロインから「記憶」が剥落していく描写と並行して、「未来」から希望が次第に「消えてゆく」事態を表現している。

あの、物語の冒頭こそが「幸せ」の頂点であり、そこから滑落していく過程を象徴するものとして、この曲はある。

だが、「運命」に翻弄される悲劇だと一面化しきれないのは、サイモン&ガーファンクル版の、あの輪唱の記憶のせいだ。

>由来も遥かに忘却された いくさ に

>戦え、殺せ、と

>将軍たちは、兵士を駆り立てる

サイモン&ガーファンクル世代の視聴者としては、この詠唱(私的な意訳)を作品外から幻聴してしまう視聴を止めることが出来ない。
製作者の意図を度外視して、この詠唱を二重化する効果を含めて『スカボロー フェアー』を採用したという視聴を、あえて選びたいと思う。

そうであってこそ、ラストの、主人公とヒロインの「死」と「幸せ」が奇跡的に融合されるあの特権的な瞬間が、誕生するだろう。
与えられる「運命」としての「悲劇」であれば、それを「肯定」する事にも深みは生じない。
二人が「将軍」が「兵士」に死を命じるような「やりきれなさ」を受け入れてしまうことが、ラストの割り切れないやりきれなさを生む。


将軍と兵士の「やりきれなさ」は、「世界」の構造として表現されている。

本作の「世界」は、ひどく「堅い」印象があるのだが、これは設定の各要素が、互いに支え合うように配置されていることによる。

破滅的な超兵器によって半ば地獄と化した地上だが、そこから逃れて人々の生存を可能にする「島」は、「超兵器」と同根の「技術」によって「人工的」に維持されている「大地」だ。
人工的な維持機構なしで「大地」=生存は不可能で、やはり「超兵器」と同根である技術によって「生産」される「妖精」の「使い捨て」も、これもまた維持機構の一部であり、島の「生存」の為には不可欠のものとして構造化されている。
「人工島」を成立させるシステムの一切は、「獣」の支配する地上を生み出した技術と同根で、原理的に「システム」は「地上」の脅威を凌駕して浄化することはできない。
浄化できない限界性によって、「人工島」のシステムの停止=妖精の解放もまた、あり得ない。

こうして、「出口」を塞ぐように互いに絡み合う設定が作り出す窒息しそうな「世界」が、それでも作為性が希薄であるのは、この「世界」を構成するパーツが、視聴者には見慣れたものであるからかもしれない。


人工的な「大地」の維持システムの一部として、それ無しではシステムが崩壊してしまうものとして取り込まれている「妖精兵器」は、資本主義システムが必然化する、それ無しで存続が不可能である「相対的過剰人口」と相即的だ。

不景気には真っ先にクビを切られ、好景気でも最後まで安定雇用はされない、貧困との境界上に押し込められる不安定雇用の「相対的過剰人口」は、十分に好況であれば消滅するものではなく、資本主義システムの必然かつ必須のものとして、システム自体に構造化されて一体化している。
決して安定雇用を得られない「層」は、システム維持の「人柱」として、構成員の入れ替わりはあるにせよ「層」としては排除できない。
まさしく、「人工島」の維持システムとして、逃れられない「死」を押し付けられて何処にも行けない「妖精兵器」との相似を見るのは容易だろう。
どちらも、システム自体の崩壊や変質を伴わずに、脱出することが出来ない。

そしてまた、「地上」の敵を一掃し、環境や生態を一変させて「獣」の徘徊する廃墟に変えた「超兵器」と、「獣」を殺戮するために「妖精」の命を要求する「聖剣」が同じ技術から生じていることも、核兵器=原子力の関係を連想させる。

原子力発電所が、核兵器プラントから廃棄される排熱を発電機に接続しただけの、本質的に同じ設備であるのは周知のことだが、その維持がしばしば非正規労働者である現場作業員の(コントロールされているとはいえ)被曝と引き換えであるように、「超兵器」と本質的に等しい「聖剣」が妖精の生命や人格の喪失と引き換えであるのは、これも相似的だ。

別に「現実」を寓意するために、このような「世界」が構想されたとは思わない。

「世界」を、「堅い」強固なものとして構築しようとする意図が、自然に現実的な要素を引き寄せたのだ、ということだろう。


この「堅い」世界を、決して肯定的に描いているわけではないのに、抵抗や破壊に向けては物語は進まない。
破壊は、ある意味で「未来」を指向する。
しかし物語の視線は、一貫して「過去」に向いているようだ。

通常、若者向けの物語では、「過去」は脊髄反射的に劣位に置かれ、「未来」は無批判に優位におかれる。
だが、優劣を疑わない視点からは、「未来」を輝いたものとして希望する「私」は、「過去」によってしか存在し得ないことを自覚することが無い。

本作で、「記憶」の脱落によって深い絶望と恐怖にさらされるヒロインは、アイデンティティ=自己同一性は、「記憶」の連続性によって担保されているということを的確に表現している。
「私が私である」という自己同一性は、昨日の私がここにいたという記憶、1年前の私がここにいたという記憶、3年前の記憶、10年前の……という「連続性」の確信の上に成立する。

記憶の連続性が疑わしくなるとき、「私」の自己「同一性」は揺らぐ。
記憶が全て消滅すれば、「私」も消滅するだろう。私という自意識の消滅は、「私」の「死」だ。

「私」が消え去る「死」への坂を滑り落ちながら、あの時たしかに幸せ「だった」という特権的な「記憶」に支えられるヒロインを追う物語が、過去へ向けた視線に支配されるのも当然だろう。
無批判に「未来」志向の視線を「前向き」だと捉える能天気な気分は、未来を見つめる筈の「主体」=この私についての思考停止を表明しているに過ぎない。

「私」の不安定性に無自覚で「未来」の優位を漠然と信じる「前向きな」視聴からは、ラストの決戦は捉えにくいかもしれない。

あのとき幸せ「だった」、と「過去」を見つめて「未来」を指向しないラストの主人公とヒロインは、「後ろ向き」であるわけではない。

あのとき幸せ「だった」という記憶を持っている「私」は幸せ「である」のだ、と、この「現在」の「私」の一瞬に生きたのだ。

「この一瞬」にすべてが溶解するような作劇は、「絶望」とも「希望」ともレッテル貼りを拒絶する。
視聴者に向けて、レッテルを貼ってパッケージ化して差し出すことをしない製作者の「語り」は、この「堅い」世界を「生きた」キャラクターへの誠実を感じさせるものだ。


キャラクターへの誠実は、その描き方にも表れているようだ。

主人公とヒロインの恋が終幕に至るまで前景化してこないのは、そこに製作者か作者の自制を見たくなる。

保護者的な大人と未成年の恋は、典型的には「教師と生徒」の恋に象徴化できるだろうが、マンガやアニメではありふれている。

大抵は「二人が好きあっていればよい」と肯定的に描かれるが、普通の大人からは抵抗感を感じられる。
「教師と生徒」の大人と子供の関係には、抜きがたく力の上下関係が存在するからだが、「生徒」に近い読者層からは、「教師」という大人と、ある意味で「対等」になれるという力関係の逆転の満足を得たいという欲望から肯定されるのだろう。

しかし大人にとっては、力関係を背景とした恋愛は、一種のマイルドなパワハラかセクハラであって、未成年との「合意」という言い訳では、正当化するに十分であるとは感じられない。
現実に「教師と生徒」の恋を結んでしまった大人が非難されるのは、こうした大人のバランス感覚の欠如が問題視されるからだが、本作の主人公が、ヒロインの恋心を知っても距離を保っている描写は、アニメ的にやせ我慢をしているというよりも、「大人」を表現しているように受け取れる。(なにしろ主人公は500歳を超えている社会人だ)

トカゲ人間の将軍やサルベージ屋の大将が、「妖精兵器」に対してきわめて「まっとう」な公平性をもって接する描写も、ベテラン声優を配した効果を発揮して、いかにも「大人」であるバランス感を表現し得ているようだ。

こうした描き方が、終幕でヒロインの「死」を目前にして社会的な大人の配慮を捨てる二人の恋の成就を、アニメ的展開のご都合に見せない、「世界」を「生きる」キャラクターへの製作者の誠実を示している。


このような、あちこちで一般的な「受け」に逆らうような表現やストーリーラインは、「泣ける」「笑える」といったタグを掲げる大ヒットの手法を無視しているようだ。

しかし、非情で動かしがたい世界に置かれた実存が世界を肯定しようとするならば、「スカッとさせる」展開があるはずはないだろう。

「縫い目のないシャツを縫う」ような不可能な「奇跡」が、もしも起きるのならば彼は恋人に「なるだろう」という「未来」を歌う『スカボロー フェアー』が象徴しているのは、非情な世界では「未来」は「奇跡」を要求するという困難性であり、肯定しようとする実存の困難だ。

ラストシーンで誕生した新たな「妖精」が、転生による希望という「奇跡」であるのか、煉獄に送り込まれた「兵器」が一人増えたという「繰り返し」の絶望であるのか。
説明のない混沌は、視聴者のそれぞれの実存を問うものとして、レッテルなしで投げ出されている。


最後に、これだけの物語を、マーケ屋のでっち上げたタイトル付けで市場に送り出した出版社の安直は、どれだけ非難されても十分ではないと強調しておきたい。



P.S.
ヒロインの人格が浸蝕される悪夢のようなフラッシュバックの描写で、小文字でlilya(リーリア? リリア?)というキャラ名(?)が断片的に表示される。
一瞬、ilya〈イリヤ〉と錯覚させるかのような表示だが、自分の人格が消えて見知らぬ人格が立ち現われる場面で、存在者が消えてなお立ち現われる存在、は、できすぎた気がする。
作者か製作者がレヴィナスを読んでいたのかは分らないが、偶然としても、世界に投げ出された実存の物語にはふさわしいかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

ごった煮にして薄っぺらくした感じ

4話までの感想
{netabare}まず1話で思い切り興味を引いたのは、町をさ迷うシーンでカメラ固定(背景そのまま)でキャラがパッパッとテレポートする…実際にテレポートしてるんじゃなくて途中の時間をカットする演出があるのだけど、
テレポートするたびに微妙にカメラ(つまり背景)がズレる。
実写だったらそうなりがちではあるけど、アニメだとむしろ手間がかかってるワケで、そんなのをワザワザやってることに驚き。
(気付かないだけでそのようなズレる演出は他のアニメでも普通にやってるのかも知れないけど)
スカボローフェアもさることながら、ひょっとしてアニメってより実写映画を意識してるんじゃなかろうか?と思うように。
そして話が進んでいくと…1話での先入観も手伝ってアレを思い出しました。
怪獣映画と謳っておきながら怪獣を一切映さない映画…「大怪獣東京に現わる」。
怪獣が本当に現れたらどのように報道されて、人々はどう行動するだろうかってのを描いた作品、面白いっすよ。
ひょっとして終末は~ってソレ系?
原作未読なので今後の展開は知らないけど、もし最後まで地底?地上?のバケモノとの戦闘を「描かなかったら」かなりの良作になるんじゃなかろうか。
一方で描いちゃったらよくあるラノベ系で終わってしまいそう。
…しかしそんなことやるのかね?派手なアクションのないアニメって評価下がりそうだし。
クライマックスくらいは戦闘あっても、ま、まぁ大丈夫とは思うけど…。

それにしてもタイトルで損してる気がしないでもない。{/netabare}

5話感想
{netabare}あっれー?なんか変な方向に向かってないか??
序盤戦闘シーンがあったことは↑で書いた期待してたモノとはズレるけどそれは別に構わない、こっちが勝手に期待してた部分だしね。
ってか「こうなったらメガンテを使わざるを得ない」って状況までは追い込まれてないので、↑の示す「戦闘シーン」にはまだ至ってないのでセーフセーフ。
問題はそこじゃない。
新型の敵が現れて、対処方法が見付からず、浮島を一つ放棄した、ってことだよね?
う~ん…そんな状況って軍的には戦々恐々で物凄くピリピリしてるものだと思うのだけど、なーんか妙にノンビリしてない?
別部隊がコト(データ集積や検証)に当たっててヒロイン達は休養したまえってことなのかも知れないが、それにしたってなんか変。
ハドソン夫人がトカゲ男に頼み込むシーンにしても、ヴィレムの居る目の前でこれこれこんな事態なのでどうにかしてくれって言った後で「この話はできればおじさま以外の方には…」って…正気か?
あれれ?
でもって過激派がホイホイと軍にケンカ売るとな?制服で軍って分かってるんだよね?
んでもって内政がどうたら正義がなんたら…う~ん、暢気だなぁ。
なんかトータルイクリプス見てる気分になったのだけど、「お前らそれどころじゃないんじゃないの?」感が果てしない。
マンガなんかでたま~に見る「掲載誌が変わった」ってことで雰囲気が一変することはあるけど、ラノベでもそういうことってあるのかな?
いや、これ原作がどうであれアニメとしても脚本ヒドいと思うんだが…。
内政には不干渉だと軍規で決まってるなら向こうから手を出してくれないことにはどうにもならないワケで、囮に使ったことで怒られたり詐欺師呼ばわりされるのは不愉快(じゃあどうすれば軍規背かずに干渉できるのさ、と)。
ラストもウサギを殴ったんだと思うけどそれも意味フ。

とりあえず今回は捨て回と思った方が良さそう。
次回以降マトモに戻ってくれることを切に願う。{/netabare}

全話見ての感想
{netabare}終わってみれば「ありゃー?」って感じに。
今思えばハドソン夫人が出た回辺りからあれれ?だったかと、ってかそこで気付くべきだったか。
↑でも書いたけど、浮島1個沈んだことでじゃあ残った島はどうリアクションする?ってのは描かれない。
軍の活動も具体的に出てきたけど、同時にアラがやたら浮き出る形に。
活動資金は税金なのか接収なのか有志による募金なのか、とかね。

かつての自分の不甲斐なさを悔いて辛い生活に身を置く→わかる
かつて英雄としてスゲー存在だったけど今は知る者は居ない→わかる
この世界を統治する賢者に存在を知られてもそれまでの生活をそのまま→ん?

剣の調整ができるのはヴィレムだけで、もうこれだけでvip待遇待ったなしだと思うんだが…。
妖精が人扱いされないメガンテ要員だとしてもその立場は決戦兵器なワケで、扱いが雑になることはありえないような?
決戦兵器なれど消耗品な妖精の損耗率を下げられるって、ちょっとした革命クラスだと思うんだがかなぁ。
なんか、戦力増強が見込めるハズなのに放置してたり、妖精以外の対抗策全く考えてないっぽかったり、本気で化け物を倒す気は無さそうというか…危機感がなーんも無い。
これでは化け物の正体どうこうも、ふーんって感じにしかならない。

クトリの前世?侵食?もどうでもいいというか。
対決した化け物が侵食能力を持ってたってことではなく、一定以上HPを削ると侵食が始まるってことでいいのかな?
で、アイセアのケースから鑑みるに、前世の候補に挙がるのはヴィレムに縁のある連中(500年前にやらかした奴ら)ばかりってことではないっぽい?
あれ?じゃあクトリの前世が赤髪の少女だったのはただの偶然?
要は前世とやらは、生まれた時から決まってるのか後天的に植えつけられるのかようワカラン。
前者であるならクトリの前世に赤髪の少女が当たったのが都合よすぎ、後者であるなら最終回のオチが台無し。
じわじわと侵食されてく不気味さの描写もイマイチ、というか落第レベルだし(予算か?予算なのか?)。
…。
原作読めって?やだよお(苦笑い)

ところでここ(あにこれ)ではない何処かでプラメモと類似してるという指摘を目にしたことがあります。
う~ん、それはちょっと違う気がする。
プラメモは後半対応を変えたとはいえ、途中まで「そんなことをしても後で辛くなるだけだ」として主人公とヒロインが親睦を深めることに反対するキャラが居ました。
決して悪意があったってことではなく、「優しさ」由来の行動にバリエーションがあったというか。
対するこちらは二人を祝福するばっかりで、キャラに変化が無い。
ぶっちゃけ世界観を掘り下げる気が無いならラーントルクとノフトは要らんかったような…。
そうそう、ラーントルクで思い出したけど、生物兵器と生体兵器はちゃんと分かって使い分けてたのかな?
誤用してるなら誤用してるで構わないのだけど「バケモノの正体は一体何ぞ?」ってところで出た言葉なので、ハッキリさせてくれないと結局ボケボケにしかならないというか。
(敢えてどっちか分からない素振りで得体の知れない感を演出したのかも知れないが)

というかねぇ、同期に放送してたアニメでグラブルってのがありましてん。
浮島世界を舞台にしたファンタジーって共通点があって、どうしてもそれと比較してしまい安っぽく感じてしまう。
(グラブルの話も大概だが)島ごとに特産品があったりで、世界旅行をしてる気分になれた、多少なりとも。
終末も一応映画村とかあったけど…いやいやそうじゃなくて一次産業どうなってんのさ、ってのが説得力に繋がる部分だと思うのだが。
牧歌的な話を描きたいのなら人が社会生活するうえで最も根幹な部分である一次産業(農林水産業)を描くのが一番手っ取り早いと思うんだがのう。{/netabare}


総評
{netabare}浮島世界を楽しみたいならグラブル見た方が良い。
じわじわと侵食される恐怖を見たいならファフナー見た方が良い。
不幸ヒロインのラブコメが見たいならプラメモ(プラスチックメモリーズ)を見た方が良い。
転生ヲチがどれだけガッカリなのかを知りたいならケイオスドラゴンを見ればいい。
あ、大戦の生き残りネタ?う~んそれならガイアース(の1巻だけ)を見れば良いんじゃないかな、古いけど。
(ってか一時期流行ったんですよね、半ポストアポカリプスを舞台に大戦時の残党がどうこうするって話…ナウシカの影響か?)
それらをごった煮にして薄っぺらくしたのを見たければ…この作品!って感じでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 8

92.6 4 恋愛で泣けるなアニメランキング4位
STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.4 (16706)
50903人が棚に入れました
舞台は「ニュージェネレーションの狂気」による渋谷崩壊から1年後の秋葉原。秋葉原を拠点とする総勢3人の小さな発明サークル「未来ガジェット研究所」のリーダーで、厨二病から抜け出せない大学生の岡部倫太郎はサークル仲間と日々ヘンテコな発明を繰り返していた。2010年7月28日、岡部は単位取得のため同期にして友人の橋田至と共に向かった講義会場で、弱冠18歳でアメリカの科学誌に学術論文が掲載された天才少女、牧瀬紅莉栖と出会う。しかし、彼はその数時間前にラジオ会館の8階奥で大量の血溜まりの中に倒れる彼女を見ていた。そしてそれを橋田へ報告した携帯メールは、何故かその1週間前の日付で受信されていた。その直後、ラジオ会館ビル屋上に人工衛星らしきものが墜落しており周辺が警察によって封鎖されていたことに気付く。検証の結果、発明品の一つである電話レンジ(仮)が偶然にも携帯メールを過去へと送るタイムマシンとしての機能を備えていたことが判明する。そしてその偶然が全世界の未来を左右する出来事になると、世紀の大発明に浮かれていた「この時の」岡部自身は知る由もなかった……。

声優・キャラクター
宮野真守、今井麻美、花澤香菜、関智一、田村ゆかり、桃井はるこ、小林ゆう、後藤沙緒里、てらそままさき、山本彩乃、小形満
ネタバレ

kochiro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Steins;Gate/Zero

『人間は脳の10%しか働かせていない』

これは天才科学者のアインシュタインが「我々人間は潜在能力の10%しか引き出せていない」と言ったことが間違って広まってしまったのだという説もある。

しかし、脳科学によると、脳は物理的に10%が情報伝達を司る「神経細胞」であり、残り90%は「グリア細胞」と呼ばれる細胞群で構成されている。

そして、これまでの研究によるとグリア細胞は神経細胞への栄養補給など補助的な役割しか担っていないとされてきたため、優秀な人間ほど神経細胞の割合が高いと思われてきた。

ところが、アインシュタインの脳を解剖した結果、神経細胞よりもグリア細胞の割合が一般人の平均よりも高いということがわかってからというもの、グリア細胞にはまだ解明されていない未知の役割があるのではないかと注目されるようになった。

1982年 夏。東京都内 某大学 理工学部の掲示板

『脳信号処理システムの画期的な新理論を発表したばかりである新鋭の若手研究者、アレクシス・レスキネン教授の特別講義 本日、大講堂にて開催』

と、貼られている案内を読み終え、大講堂へと向かった。

ほぼ満席の大講堂、そんな中、大学に入学してからもう3か月は経つというのに軽く挨拶を交わすような友人すら私にはいなかった。自ら人間関係を持ちかけようとしない性格であり、そんなことをしているくらいなら研究を進めることの方が重要だ。

私は幼い頃から脳には無限の宇宙さえも超越する真理があると直感的に感じ、強く興味を惹かれていた。この世界を認識できるのは認識する脳があるからこそなのだ。

脳の神経細胞が伝達するパルス信号には一定の法則性があるが、これには自覚的ではない情報も含まれている。これは神経細胞が伝達するパルス信号に未知の情報が乗っている証なのではないかと私は仮説を立てた。しかし、常に飛び交うパルス信号に乗った情報を解析するというのは容易ではない。これがなかなか脳の研究が進まない一因でもあった。そこで、私はこの仮説を証明するためには脳の情報伝達原理よりも、留まっている脳内の情報そのものに着目して脳の特殊な暗号処理原理を解明することが先決だと考えるに至った。

開講時間となりレスキネン教授が登壇した。会場がどよめく。レスキネン教授は予想以上に背が高く大柄だった。日本語は話せないらしく英語での講演になるようだ。

講義が開始され、暫らくはレスキネン教授の話に集中していたのだが、前方に座っている男がずっとこちらを見ていることが気になり集中を途切れさせられていた。

「ち、なんだあの男は」

さらに、この特別講義が開講されることを楽しみにしていたのだが講義内容がレスキネン教授の論文からは想像もつかないほど低レベルであることに愕然とした。

「とんだ茶番だ。一般的な内容ばかりではないか。まるで話にならん…。これは時間の無駄だな」

私は広げていたノートを閉じると退室する支度を始めた。

人間の脳は情報を多重化して蓄積している。何かを思い出すときにはこの多重化された情報の断片から複数の鍵を用い規則的に抽出することで記憶を再構築する。この際、情報を規則的に抽出する鍵こそが重要であり、この鍵自身の情報も別の鍵により暗号化されてしまうこともあるため、多重化された記憶に鍵が埋もれてしまうと思い出せない、忘れるということになる。

脳が持つ特殊な暗号処理の理論、私がこの理論にたどり着いたのには理由がある。それは隠匿されていないと思われる文章や画像に多重化した情報を埋め込むことが可能な暗号化技術を独自に考案したためである。知る限り、この暗号化技術はまだ誰も使ってはいない、このことに気が付いた自分の優秀さを恐ろしいと感じるほどであった。

退屈な講義内容にも関わらず、熱心にレスキネン教授の講義に耳を傾けている聴講者たち

私は席を立ち、そんな彼らを見下ろした。

「愚民どもがせいぜいこの程度のヘボ講義で満足するがいい」

心の中でそう呟くと、ひとり講堂から外へ出た。
すると講堂の扉が開き、後ろから声をかけられた。

「ちょっと君」

ふり返ると同年代の学生と思しき男がこちらに近づいてくる。

なんだ?私に話しかけてくるとは馬鹿なやつだ。

「僕は秋葉幸高。はじめまして、どうぞよろしく」

よく見ると、その男は講義中にずっと視線を送ってきていた男だった。

「ん?私は貴様のことなど知らんが」

「だから、はじめましてと言っているじゃないか」

「そうか。では失礼する」

「ちょっと待ってくれ。単刀直入に言わせてもらうと、君の理論をもう少し詳しく聞かせてくれないかい」

唐突に何を言っているのだ、この男は?

「私の理論?いったいなんのことだ」

「僕のような愚民にもわかりやすくお願いしたい」

そう言ってさわやかに微笑んだ男。そう、これがのちに親友となる秋葉幸高との出会いだった。

私は秋葉幸高と名乗るこの男の申し出を無視したが、幸高はしつこく食い下がって、食堂にまでついてきた。

「しつこい奴だな、私の理論だと、そんなものは知らん」

「君の理論について詳しく話してくれるまでは諦めないよ」

「…」

まあいい。どうせすぐに諦めるだろう。さて、今日は何を食べるか…

「かつ丼かい?昼食くらい奢らせてもらうよ」

「な、飯ごときで私を簡単に懐柔できるとでも思っているのか?」

「ほらね。君はわかっているけれど自分の理論について隠しているのだろう」

しまった。見事に嵌められた。

「あ、いや、何だ。あれだ。貴様がしつこいから私の倫理観的なことを言ったのであって、けして研究をしていることを隠しているのではない」

「動揺を隠しきれていないな。君は何か特殊な理論についての研究をしている。でも最近、一人でできることに限界を感じているはずだ、そうじゃないのかい?僕は君の協力者になれると思うのさ。資金面の援助をするし、君の要求をできる限り聞くつもりだよ」

さわやかな表情から急に真剣でまっすぐな視線が私を突き刺す。

「…どこで私のことを嗅ぎ付けたかは知らんが、わかっているのだろうな?まずはこれから話すことについて絶対に口外しないことを一筆したためてもらおうか」

「無論、僕は君の理論の価値については理解しているつもりさ」

「中鉢だ」

「?」

「以後、私のことはプロフェッサー中鉢と呼ぶがいい」

「ふふ、君はまだ学位も取っていないだろ。そうだな、君の名前は章一だったね。じゃあ章一って呼んでいいかい?僕のことも幸高でいいよ。では改めてよろしく。」

「ぬぐ」

そう言って幸高はまたさわやかに微笑んだ。

幸高は私の独創的な理論に終始熱心に耳を傾け、表情は常に真剣だった。
私は頭の切れる人間が好きだ。会話中に余計な説明を加える必要がないので話がスムーズに進むからである。そして、幸高はまさに切れ者だった。
私の理論を聞き終わると幸高はしばらく考えてから提案をはじめた。

「この理論を実行するのに紙ベースでは時間がかかり過ぎるね。コンピュータがあればもっと多くの情報を埋め込めるし、効率よく整理できるじゃないかな」

幸高はなかなかよいところに気が付く。私は幸高が美男子だというところが少し気に食わなかったのだが、幸高の方から私の優秀さに気が付き、私の研究に対して資金援助をしたいと申し出てきたことで、まあ許してやらなくもない。と思った。それにしても資金援助とはどの程度の話をしているのだろう。学生のいう援助などたかが知れている。どうせ10万程度準備するのが精いっぱいだろう。と、私はたかをくくっていた。

が、私が風呂なし四畳一間トイレ共同の下宿先へ歩いて帰るというのに、送らせてくれないかという幸高からの提案で高級外車が大学の正門で待機していたときには、開いた口が塞がらなかった。
なんと、幸高は資産家の御曹司であるという。同い年でこんなにも経済的に恵まれている人間がいるということを私は妬ましく思った。

さらに、運転はお付きの執事がするというのだ。

「ぐぬぬぬ、これが格差というものか。」

執事と思しき男が後部座席のドアを開いてから丁寧にお辞儀をしていた。

「お初にお目にかかります。秋葉家で執事をしております黒木と申します。お名前は何とお呼びすればよろしいでしょうか?」

「ん、では章一様とでも呼んでもらおうか」

「かしこまりました章一様。至らぬところもあるかと存じますが、宜しくお願い致します。」

冗談のつもりで言った言葉がそのまま返ってきたことに少し驚いたが執事とはこういうものなのかもしれない。いや、何というか執事というのもなかなかいいものだな。一瞬で考えが変わった。

その後、幸高は研究所の提供を手始めに大々的に資金援助を始めた。

コンピュータについても、執事の黒木にコンピュータ最大手IBNの技術者であるギルバートという友人がいて、その男から型落ちではあるがパーソナルコンピュータIBN5100も譲ってもらえることとなった。ギルバートは幸高とも交友があり、幸高の自宅には業務用大型機も保有していてビジネスに使用しているとのことだった。
学生でありながら実業家の顔も持つ幸高はやはり切れ者だ。
譲ってもらうIBN5100は主流のPCになりそこねた異端製品らしいが、1982年当時、コンピュータを一個人が持てること自体がすごいことだった。

大学卒業後も私は幸高の支援を受けながら研究を続けた。研究はなかなか進まなかったが時間だけは過ぎ去っていった。独身貴族を貫こうと約束したはずの幸高は街中で偶然知り合った女性とあっさり結婚して娘まで生まれた。しかし、私はひとり研究に明け暮れた。幸高は研究資金を調達するために忙しい日々を送りながらも、たまに研究所へ顔を出し私と議論を交わした。

「人間の脳が認識できるRAMはどの程度なのかな?」

「RAMとはなんだ?」

「Random Access Memoryの略でコンピュータ用語だよ。メインメモリーや単にメモリーとも呼ばれるんだけどね。コンピュータのCPUって判断処理する部品だから人間の脳とよく似ていると言われることがあるけれど、RAMにデータを置くことでCPUはデータの処理ができるようになるんだ。言わば脳で言うところの記憶ってとこかな。で、このRAMの容量が大きいほど一度に処理できるデータ量が増えるんだよ。」

「なるほど。コンピュータの演算原理と人間の脳のメカニズムには関連性があるのかもしれんな。脳に置き換えて考えるとそのRAMに相当する容量は今までの研究から23の11乗だということまでは分かっておる」

「・・・23の11乗だって?」

幸高の表情が一変し、慌てて幸高が常に携帯している電卓で計算を始めた。それは1千兆に届きそうな数字となるため、その電卓では計算できんだろう。

「途方もない数字になるじゃないか・・・そんなことが解明できるなんてやはり君は天才だ」

「人間の底知れぬ能力よりも私の天才的な頭脳に驚いたようだな。しかし、人間は所詮そのすべてをフル活用できるわけではない。精々30%がいいところだろう。しかもこれは被験者10人による結果だ。まだ検体数が少なすぎる。さらに、なぜか貴様だけは例外のようで、RAMは23の12乗である可能性が残っている」

幸高はなにか気にかかることがあるようで少し考えていた。

「23という数字はどこから来ているんだい?」

「これは推論の域をまだ出んが人間は対の染色体を23種類持っているのだよ。その数字が関係しているのだと私は考えている。11乗での記憶のマスターキーワードと言うべき配列の解読にも成功している。驚くな。興味深いことにこれを言語に置き換えると23文字の古代ギリシア文字でIESUSCHRISTとなるのだ」

私は自慢げに答えた。

「その文字、何か意味があるのかい?」

幸高らしくない回答で少し拍子抜けした。

「・・・それくらい自分で調べるのだな」

そう答えると幸高が私の目を覗き込んだ。これは幸高の癖だ。この行為で人の目から真意を読むのだと幸高は説明していたが、この私がそんな非科学的なことを信じるわけがない。

「そうか、そういうことか。そういうことだったのか!」

幸高は興奮を隠せないようだ。

「なんだいったい」

「今日、君の研究に出資することになった幸運を神に感謝する必要があると心から思ったよ」

と、幸高は何か閃いたように私に提案してきた。

「ところで、例外が僕一人ではマスターキーワードの抽出もなかなか進まないだろう。あともう一人、被験者を増やすことはできるかい?」

「別に構わんが、幸高のデータは残しておきたい。とするとデータ蓄積用の記憶媒体が別に必要となるが、いいか?」

「君の偉大なる研究がもう1000万程度で進むのならそんなに安いものはないさ」

幸高のこの金銭感覚に私はついていけない。まあ、私としては研究が進むのだからこんなに喜ばしいことはないが。

ほぼ住んでいると言って過言ではない研究所。とはいっても幸高が保有している大檜山ビルという小さなビルの2階の部分であり、1階にはブラウン管工房という店舗が入っていた。ヨボヨボの婆さんが店主だったのだが、1995年に起きた阪神淡路大震災の余波で積みあがっていたブラウン管テレビの下敷きになり婆さんが亡くなってからというもの、店主が見るからに怪しい大男に代わった。風貌からしてあの気の弱そうだった婆さんの親戚にはみえない、あの婆さんが借金をしていたため店が乗っ取られたのかもしれない。おっと危ない目が合いそうになった。ああいう怪しそうな奴とはなるべく目を合わせない方がいい。

徐々に研究が進み、幸高が連れてきた新たなる被験者である幸高の妻の記憶も幸高と同様の特徴を示した。そして、2000年に例外的であった12文字からなる記憶のマスターキーワードの抽出に成功した。まだ抽出できただけで配列が明確になっていないため解明が完了したということではなかったが、幸高は飛び跳ねるように喜んだ。

「おい幸高、まだ解読が完了したわけではない。そこまで喜ぶとは私としても研究のし甲斐があったというものだがな。それにしても貴様の妻も例外的な存在ということなら脳の構造は2種に分類できるということなのかもしれん」

幸高は私をジッと見つめた。

「章一、僕がなぜこんなに嬉しいのかわからないだろうが、きっと君に話をするときが近いうちにくるだろうな」

しかし、私が見た幸高の姿はそれが最後となってしまった。幸高は事故に巻き込まれて亡くなったのだ。急な出来事であったことから、私は幸高がどこかで生きているのではと思いたかった。

幸高の死後、研究所のあった雑居ビルは相続の関係から売りに出され、なんとブラウン管工房の男が買い取ったらしい。やはり裏社会に関わっている男なのだろう。そうでもなければ小さいとはいえ秋葉原にあるビルを丸ごと買い取るなんてそんな大金を用意できるはずがない。それにしてもたまに店にくる可愛らしい女性は誰だろうか、あんな男にかわいらしい女性が会いに来るなんて、可愛そうにきっと騙されているのだろう。きっとそうにちがいないのだ。

幸高の死によって資金援助が途切れ、私は秋葉原の研究所から田舎の実家へと引っ越した。しかし、田舎の実家でも私は変わらず持てる力をすべてつぎ込んで研究を続けた。

そして、2002年、私はついに例外的であった幸高の記憶のマスターキーと呼べるものの解析を完了させた。それは2000年に抽出を成功させた文字の配列を入れ替えて表現できるものだった。

読みあげてみたところで特に変わったことは起きなかったが、私の理論が正しければこれによって世界の脳科学に新たな道を開いたと言っていい。

そして、2002年8月23日ついに世界に革命をもたらすときがきた。長い間、研究を重ねてきた命の結晶ともいえる私の論文が脳科学会の学術研究論文発表会において披露されるのだ。この場に幸高の姿がないことがとても残念ではあるが、論文には唯一、秋葉幸高へ感謝の言葉を記した。永遠に語り継がれるだろうこの論文に名前を残せたことを幸高は喜んでくれるだろうか。発表を前に私は興奮を隠せなかった。

その影響だろうか昼食をとってから発表会場へと向かおうとしたところで、私は急に激しい目眩に襲われた。

「うぐぅ」

グニャリと世界が歪み立ってはいられない。そんな頭痛に耐ながら会場に着くと、私は目を疑った。

発表会場の壁紙には『応用物理学会 学術研究論文発表会』という文字が書かれていた。

「これは? いったいどういうことだ?」

「ドクター中鉢さん、どうかされましたか?」

私が会場の入り口で呆然としているところに知らない男から声を掛けられた。

「私はドクターではなくプロフェッサー中鉢だが?一度お会いしたことがあったかね? いや、それにしても脳科学の発表会に応用物理学会の壁紙を掲げるとは、いったいどうゆう冗談かね?」

しかし、その男は私の問いに返答することなく、やれやれといった表情で

「・・・今日のあなたの発表こそ、冗談で済めばいいですがね」

と笑いながら去って行った。私は男が言った意味が理解できず首を傾げながらもこれから自分が発表する論文に目を落とし、そして愕然とした。

章一「な?」

“人間の記憶における多重暗号処理”と題して発表するはずの論文、そのタイトルには



{netabare}
この続きはあにこれの文字数制限を越えてしまいましたので、pixivに継続してアップしています。Steins;Gateの世界観はもとより、できる限り、ストーリーの整合性を保って作成させていただいているため、たびたび、内容を修正させていただいています。

pixiv Steins;Gate/Zero

でググれば出てきます。なんと!最新作「Steins;Gate 0」の制作が発表された影響で、Steins;Gate/Zeroで検索しても当方の二次作品が検出されなくなっていました。

親子の絆をテーマに最後まで書き進めていきますので時間があれば読んでみてください。

ここまで長文を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 62
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

軽蔑から憧憬へ。最高のアニメ・ヒーローに出遭える《奇跡の名作》

(※初稿:2015年時点のレビューです)

◆第23話Bパート『スカイクラッドの観測者』で炸裂する大仕掛け

あにこれ総合得点ランキング1位に本作が選ばれたので、ちょっと嬉しくなって約2年半ぶりに全話視聴してみました。
通算では4周目で、ストーリーの大枠は覚えているものの、細かい部分はかなり忘れていて、割と新鮮な気持ちで視聴でき、そして予想通り今回も、

(1) 序盤は、一見して下らない、むしろ不愉快としか思えない会話劇が続いて、「こんな作品を頑張って視聴しても時間の無駄ではないか?」というお馴染みの疑念に付き纏われて、なかなか視聴が捗(はかど)りませんでしたが、
(2) 中盤(第12話以降)からは次第に、主人公=岡部の苦悩を、まるで我が事のように気に病んで、彼の所作に一喜一憂する感情移入した状態に変わっていき、
(3) そして、待ちに待った終盤(第23話Bパート)、『スカイクラッドの観測者』が流れ始めた瞬間、不意に押し寄せる感動の波が、またしても尋常でない大きさで、ラスト回(第24話)+OVAを急いで見た後、なんの躊躇もなく5周目に突入~今度は一気呵成に完走してしまいました。

そうなんです。ここで思い出しましたが、シュタインズ・ゲートは、第23話を一度見終わったあとからの2周目が、圧倒的に面白い作品だったんです。


◆制作情報(全体)
{netabare}
原作ゲーム       5pb./Nitroplus
監督           佐藤卓哉、浜崎博嗣、小林智樹(第25話)、若林漢二(劇場版)
シリーズ構成      花田十輝
脚本           花田十輝(劇場版も)、根元歳三、横谷昌宏、林直孝
キャラクターデザイン 坂井久太
音楽           阿保剛、村上純
アニメーション制作  WHITE FOX{/netabare}


◆各話タイトル&評価(TVシリーズ第1作)

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

※以下の【起-承-転-結】は、話の流れが分かり易いように便宜的に切り分けたもので、特に深い根拠がある訳ではありません。

========== STEINS;GATE (シュタインズ・ゲート) (2011年4-11月) ========

----- 【起】 {netabare}Dメール開発と暴かれる世界の秘密{/netabare} ------------------
{netabare}
第1話 始まりと終わりのプロローグ Turning Point ☆ 牧瀬紅莉栖の死、最初のDメール(α世界線へ) 2010年7/28
第2話 時間跳躍のパラノイア Time Travel Paranoia ☆ 紅莉栖との再会
第3話 並列過程のパラノイア Parallel World Paranoia ★ SERNハッキング 7/29-
第4話 空理彷徨のランデヴー Interpreter Rendezvous ☆ IBN5100探し
第5話 荷衝突のランデヴー Starmine Rendezvous ★ SERNの秘密
第6話 蝶翼のダイバージェンス Butterfly Effect's Divergence ☆ Dメール開発、FB初出 8/2-3{/netabare}

----- 【承】 {netabare}Dメールによる過去改変とその結末{/netabare} ----------------------
{netabare}
第7話 断層のダイバージェンス Divergence Singularity ★ Dメール実行(ロト6失敗、軽微な過去改変)、貴方に救世主になって欲しい
第8話 夢幻のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis ★ 萌郁&るか Dメール実行(過去改変2~3回目) 8/3-6
第9話 幻相のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis ★★ フェイリス Dメール実行(過去改変4回目=秋葉改変) 8/7(特殊ED)
第10話 相生のホメオスタシス Chaos Theory Homeostasis  ☆ 脅迫メール1通目、鈴羽引き留め Dメール(過去改変5回目) 8/8-10
第11話 時空境界のドグマ Dogma in Event Horizon ★ タイムリープ装置開発、脅迫メール2通目 8/10
第12話 静止限界のドグマ Dogma in Ergosphere ★★ 実験中止、SERN襲撃 8/13(20時前){/netabare}

----- 【転】 {netabare}タイムリープ開始~まゆり救出オペレーション{/netabare} ---------
{netabare}
第13話 形而上のネクローシス Metaphysics Necrosis ★★ 椎名まゆりの運命 8/13(16時過ぎ) 
第14話 形而下のネクローシス Physically Necrosis ★(Aパート)☆(Bパート) 岡部の後悔、紅莉栖の助力、鈴羽の正体
第15話 亡環上のネクローシス Missing Link Necrosis ☆ タイムマシン修理 8/13→8/11-12
第16話 不可逆のネクローシス Sacrificial Necrosis ×(Aパート)☆(Bパート) 鈴羽(過去改変5回目の取消) 8/11-13
第17話 虚像歪曲のコンプレックス Made in Complex ☆ フェイリス(過去改変4回目の取消) 8/14→8/13-15
第18話 自己相似のアンドロギュノス Fractal Androgynous ★ るか(過去改変3回目の取消) 8/13-14
第19話 無限連鎖のアポトーシス Endless Apoptosis ☆ 萌郁(過去改変2回目の取消) 8/16→8/11
第20話 怨嗟断絶のアポトーシス Finalize Apoptosis ×(Aパート)★★(Bパート) 萌郁(続き)、FBの正体 8/12-15→8/13-14{/netabare}

----- 【結】 {netabare}行き詰まり~紅莉栖救出オペレーション{/netabare} --------------
{netabare}
第21話 因果律のメルト Paradox Meltdown ★ 牧瀬紅莉栖の運命 8/14-17→8/13-15
第22話 存在了解のメルト Being Meltdown ★★ β世界線に回帰(最初のDメールの履歴削除)、鈴羽再来訪 8/15-21
第23話 境界面上のシュタインズゲート Open The Steins Gate ×(Aパート)★★★(Bパート) 岡部の執念 8/21→7/28→8/21 ※ED「スカイクラッドの観測者」
第24話 終わりと始まりのプロローグ Achievement Point ★★ 紅莉栖救出(Steins;Gate世界線へ) 8/21→7/28→8/21- ※ED「Another Heaven」{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)5、★(良回)8、☆(並回)8、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7

※Aパート/Bパートで評価が分かれる回は、より評価の高いパートの評価をカウント。

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」


◆軽蔑から共感へ、そして憧憬へ

私の場合、好きなアニメキャラ(女性)を挙げろと言われれば、すぐさま何人もの名前が出てきますが、好きな男性アニメキャラは中々思いつきません。
それでも誰か一人、自分の一番好きなアニメ・ヒーローを挙げろ、と言われたら、私の答えは、きっと本作の主人公=岡部倫太郎となるでしょう。

実際には、本作を視聴し始めた時は、岡部に対して、かなり軽蔑した気持ちを持っていたんです。
自分にも、岡部みたいな性向は少なからずある(あった)かも知れない・・・という気恥ずかしい気持ちもありましたが、それにしても、"これは酷い"、"人間こうなってはダメだ"、"自分もこうならないよう気を付けなければ"、という否定的な気持ち、"こんなイタイ奴は見たことがない"という侮蔑の気持ちが、序盤には強くありました。
こんな見るに堪えないキャラの下らない所作ばかり描いた作品を視聴するのは時間の無駄だから、もう打ち切りにしたほうが良いのではないか?という考えに付き纏われた人は、私以外にも沢山いるはずです。

ところが、ストーリーが進むにつれて、こうした気持ちは次第に消えていって、岡部に共感し、応援したくなっていくのです。

第20話終盤の{netabare}岡部の絶望{/netabare}を見たあと、第22話での{netabare}彼の決断と勝利宣言{/netabare}を見て、思わず彼の肩をポンと叩きたくなる気持ちになった人も多いでしょう。

だけど、物語はそこで終わらないのです。
ここからが、本当のマジック。

岡部への共感が、今度は敬服と憧憬の気持ちに変わってしまうのです。
君こそ最高のアニメ・ヒーロー、私の憧れだ、という序盤・中盤には思いも付かなかった気持ちに変わってしまうのです。


◆完璧ではないが、バランスの取れた名作

本作にはストーリー面で無視できない欠点が幾つかあり、そのために点数を4.7と幾分マイナスにしましたが、それでも個人的には、私が視聴したアニメ作品の中では、『魔法少女まどか☆マギカ』、『アイドルマスター』と並ぶ大きな感動を得られた名作と考えています。

そして、『魔法少女まどか☆マギカ』、『アイドルマスター』が、

(1) 主人公達が中学生や高校生の少女であるばかりでなく、
(2) 彼女達に絡むサブ・キャラ達も同世代の少女ばかりで、

そうした作品に余り馴染のない人にはどうしても敷居が高い(?)印象があることを考えれば、本作は、

(1) 男性キャラ・女性キャラのバランスが良く、
(2) 彼らの年齢も20歳少し前の大学生および高校生という、より一般的な設定で、

多方面の人たちに比較的勧めやすい、という大きな長所があります(あとは前述の序盤の岡部に対する抵抗感さえ我慢してもらえれば、という条件付きですが)。

そういう意味で、本作が、あにこれ総合得点ランキング1位に選ばれて、これからも本サイトに来る多くの人に知られ視聴されていくことが期待できるのが、私には嬉しいです。

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◆『STEINS;GATE』作品別評価

(1) TVシリーズ1(STEINS;GATE)  ★★ 4.7
(2) OVA1(第25話)           ★  4.0
(3) 劇場版(負荷領域のデジャヴ) ☆  3.6
(4) OVA2(第23話β)          ★ 4.2
(5) TVシリーズ2(STEINS;GATE 0)  ☆ 3.8
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  総合                  ★★ 4.5


◆各話タイトル&評価(その他の作品)

=========== STEINS;GATE 第25話 (OVA) (2012年2月) ========

第25話 横行跋扈のポリオマニア Egoistic Poriomania ★ 4.0 {netabare}ラボメン達のアメリカ渡航編{/netabare}

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」


====== 劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ (2013年4月) =====

全1話 ☆ 3.6 {netabare}紅莉栖による世界線観測が不安定化した岡部の救済ミッション{/netabare} ※約89分

主題歌「あなたの選んだこの時を」
ED 「いつもこの場所で」


=========== STEINS;GATE 第23話β (OVA) (2015年12月) ========

第23話β 境界面上のミッシングリンク Divide by Zero ★ 4.2 {netabare}岡部がSteins;Gate世界線への移動を選択しなかった世界{/netabare}

OP 「Hacking to the Gate」
ED 「刻司ル十二ノ盟約」

※TVシリーズ第2作『STEINSGATE 0』は別途レビューします。

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◆以下、メモ書き

◇ラボメン№
{netabare}
001 岡部倫太郎(鳳凰院 凶真)
002 椎名まゆり(まゆしぃ)
003 橋田至(ダル、スーパーハカー)
004 牧瀬紅莉栖(クリスティーナ、助手)
005 桐生萌郁(シャイニング・フィンガー(閃光の指圧師))
006 漆原るか(ルカ子)
007 フェイリス・ニャンニャン(秋葉留未穂)
008 阿万音鈴羽(バイト戦士、John Titor)
{/netabare}

◇挿入曲『スカイクラッドの観測者』
{netabare}
歌唱:いとうかなこ
作曲︰志倉千代丸
作詞︰志倉千代丸

歌詞

<1番>
過去は離れて行き 未来は近づくの?
観測者はいつか 矛盾に気付く

神の創り出した世界は 完全なるもので 絶対の均衡
それは折り重なる偶然 宇宙規模の奇跡
守られてきた ゲート「規制」は終わった

Open The Eyes
「0」が過去で 「1」が未来 「今」は何処にもない
背く事の出来ぬ ロジック
Open The Eyes
並行する無数の線 選択は冒涜へ
僕らの「存在」さえ疑う その目に映る景色は
「収束」をする

<2番>
二つの針が指す 時間の概念も
観測者しだいで 歪みを見せる

神に与えられた英知は 必ず「果て」がある 絶対の領域
それは愚かな故の偶然 招かれざる奇跡
閉ざされてきた ゲート「規制」は終わった

Open The Eyes
光速へと手を伸ばした 想い出のパルスが
飛び込む不可思議な ロジック
Open The Eyes
宇宙がまだ隠し持った 秩序のない理論
無限と呼ばれた点と点が 不正な力を借りて
「再生」をする

Open The Eyes
「0」が過去で 「1」が未来 「今」は何処にもない
背く事の出来ぬ ロジック
Open The Eyes
並行する無数の線 選択は冒涜へ
僕らの「存在」さえ疑う その目に映る景色は
「収束」をする{/netabare}

(2018.10.6) レビュータイトル変更・制作情報等追加

投稿 : 2024/09/07
♥ : 111
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

好きであるが故に感想少な目

伏線や陰謀満載。
タイムリープが話の中心。
{netabare}最初と最後が繋がってくるなんて。世界線の収束があんな簡単に退けられるのはびっくりだが。{/netabare}
中々鬱な展開とかあるけど、すごく感動した。中々秀逸な終わり方だったし。
紅莉栖可愛いし、萌郁怖いし、ダルが実は超かっこいい。
そしてほうおういんきょうまのキャラクターが頭に残る。
僕は友人に勧められて見たのだが、はまってしまった。

OP
Hacking to the Gate 歌 いとうかなこ
アニメと関連した詞で好き。
ED
刻司ル十二ノ盟約 歌 ファンタズム(FES cv.榊原ゆい)
スカイクラッドの観測者 歌 いとうかなこ
Another Heaven 歌 いとうかなこ
挿入歌
ワタシ☆LOVEな☆オトメ! 歌 アフィリア・サーガ・イースト
My White Ribbon 歌 アフィリア・サーガ・イースト
やっぱりいとうかなこ最高です。Hacking to the Gateは最高傑作。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
舞台は2010年夏の秋葉原。厨二病から抜け出せない大学生である岡部倫太郎は、「未来ガジェット研究所」を立ち上げ、用途不明の発明品を日々生み出していた。だが、ある日、偶然にも過去へとメールが送れる「タイムマシン」を作り出す。世紀の発明と興奮を抑えきれずに、興味本位で過去への干渉を繰り返す。その結果、世界を巻き込む大きな悲劇が、岡部たちに訪れることになるのだが・・・悲劇を回避するために、岡部の孤独な戦いが始まる。果たして彼は、運命を乗り越えることができるのか!?

1. 始まりと終わりのプロローグ
マッドサイエンティストを自称する“厨二病”の大学生・岡部倫太郎は、発明サークル「未来ガジェット研究所」を秋葉原に構え、用途不明の発明品を開発する日々。そんな折、発明家・中鉢博士の会見を傍聴していた岡部は、偶然そこで天才少女・牧瀬紅莉栖と出会う。その直後、不審な悲鳴を耳にした岡部が声のする場所へ駆け寄ると、そこには血まみれで倒れる牧瀬紅莉栖の姿が…。

2. 時間跳躍のパラノイア
大学の講義の会場で、数時間前に刺されたはずの紅莉栖を見つけ驚愕する岡部。さらに直後の講義では、タイムマシンの存在について紅莉栖に完膚なきまでに論破されてしまう。

3. 並列過程のパラノイア
岡部たちが発明した「電話レンジ(仮)」には、偶然にも過去へメールを送れる機能が備わっていたことが判明した。さらにネット掲示板「@ちゃんねる」の情報から、素粒子物理学の研究機関・SERNが秘密裡にタイムマシンの開発を進め、その情報を隠しているとみた岡部は、SERNへのハッキングをダルに命じる。

4. 空理彷徨のランデヴー
SERNへのハッキングに成功するも、謎のプログラムコードに阻まれた岡部たち。そこで岡部は@ちゃんねるに現われたジョン・タイターという自称“未来人”から、コード解読には幻のレトロPC「IBN5100」が必要だと知らされる。

5. 電荷衝突のランデヴー
柳林神社に奉納されていたIBN5100を紅莉栖と二人でラボに持ち帰った岡部は、早速その接続を試みる。早くもラボの一員として馴染んだ紅莉栖の協力も得て、さらなるハッキングに成功した岡部たちは、そこでSERNの驚くべき秘密を知るが……。

6. 蝶翼のダイバージェンス
完全なタイムマシンを開発してSERNを出し抜こうとする岡部は、電話レンジ(仮)で過去にメールを送るための条件を発見するため、ラボメンを集めて「円卓会議」を開く。過去へ送れるメールの事を「Dメール」と名付け、実験を繰り返していくうちに、発生条件が次第に明らかになっていく。そんな中、岡部は街で「閃光の指圧師」(シャイニングフィンガー)こと桐生萌郁に出会うが…。

7. 断層のダイバージェンス
なぜか執拗にIBN5100にこだわる萌郁が気になる岡部だったが、成行き上仕方なく彼女を新しいラボメンに迎えた。「Dメール」が確実に過去に届いていることを確信したラボメン一同は、より詳しい仕組みを解明するため、さらなる実験を繰り返す。「結果が一目瞭然」という理由から「ロト6を当てる」ことを目標に、当選結果を過去のるかへメールで送る岡部。送信後、確かに世界が変わったように思えたのだが…。

8. 夢幻のホメオスタシス
引き続きDメールの送信を試行錯誤する岡部たち。実験が成功して過去が改変されたときには、岡部以外の人間はDメールを送った記憶を失っていることがわかった。ではなぜ岡部だけが記憶を保持していられるのか?ジョン・タイターからの不可解なメッセージが岡部の頭をよぎる。そんなある日、萌郁が「自分にもDメールを送らせてくれ」と申し出る。4日前に携帯の機種変をしたことを後悔しており、思い止まるよう過去の自分にメールを送りたい、というのだが…。

9. 幻相のホメオスタシス(げんそう)
メイクイーン+ニャン2で、フェイリスとタイムマシンの話をした岡部。ラボへ戻ると、そこには誰かと携帯電話で話をしている紅莉栖がいた。その頬に光るものを見て事情を察した岡部は、さりげなく励まそうとするのだが…。その頃まゆりは、漠然とした不安を抱いていた。電話レンジを発明して以降の岡部は少しずつ昔と変わってきており、いつか、どこか遠いところへ行ってしまうような気がしていたのだ。そんな岡部はますます知的探究心を燃やし、「電話レンジ(仮)を改良して物理的タイムマシンをつくる」という計画をラボメンに打ち明ける。反対する紅莉栖がいる一方で、なぜかタイムマシンに強く興味を示すフェイリス。ラボメンたち各々の思惑が錯綜し…。

10. 相生のホメオスタシス(そうせい)
Dメールの効果で見慣れたアキバが一変してしまった…予想だにせぬ結果を前に呆然とする岡部。さらにラボに戻ると、るかにも異変が…ところがDメールを送ったという記憶すら持たないまゆりやダルたちラボメンは、当然ながらそれらのことに何の疑問も持たない。孤独感を強める岡部のもとへ、さらに不安に陥れるような謎のメールが届き…。

11. 時空境界のドグマ
引き続きDメールの実験を繰り返す岡部たちは、ついに発生条件の鍵となる「リフター」の代わりとなるものの正体を突き止める。次のステップとして「物理的タイムトラベル」の実現を目指す岡部だったが、紅莉栖から即座に否定される。しかし紅莉栖は、専門である脳科学の視点から、記憶をデータ化して過去の自分に送る、いわゆる「タイムリープ」の可能性を示唆する。新たな目標に向け、電話レンジ(仮)を更に改良しようとする岡部たちだったが、その周りで不審な現象が起き始め…。

12. 静止限界のドグマ
ついにタイムリープ実験の準備が整った。実験には被験者が必要だが、紅莉栖はその判断を岡部に委ねる。最近の不審な現象が何者かからの“警告”だと考え、ラボメンの身を案じた岡部は、「実験を行わない」事、「タイムリープマシンを世間に公表し、然るべき機関に託す」事を決める。岡部の固い決意に安堵するラボメンたち。喧騒が過ぎ、元の穏やかな日常に戻ったかに思えた一同だったが、そんな状況を一変させる、恐ろしい出来事が彼らを待ち受けていたのだった…。

13. 形而上のネクローシス
ラボへの招かれざる来訪者により、岡部たちの日常が一変する。岡部は最悪の結末を回避するため、苦肉の策として、タイムリープマシンによって過去の改変を試みる。幾度もタイムリープを繰り返す岡部だったが、そのすべてが同じ結果に収束する。果たして運命を変えることは不可能なのか?2010年8月13日、この日より、岡部の「終わりなき旅」が始まるのだった…。

14. 形而下のネクローシス
何度タイムリープしても、どのように過去を改変しようとしても、ただ一つの結果を変えられないことに絶望する岡部。それでも諦めずにタイムリープを繰り返すが、ついに心折れそうになった何度目かのタイムリープ先で、紅莉栖にこれまでの経緯を打ち明ける。それを聞いた紅莉栖は…。

15. 亡環上のネクローシス
鈴羽の衝撃の告白に驚く岡部と紅莉栖。彼女から与えられた情報によれば、まゆりの死を回避するためには、IBN5100が必要との事。IBN5100を手に入れるために、岡部たちと別れて探しに行くという鈴羽。そんな中、鈴羽が父親に会いたがっている事を思い出したまゆりは、何とか別れの前に父親と会わせてあげたいと提案する。唯一の手がかりであるピンバッジをもとに、岡部たちは父親探しを始めるのだが…。

16. 不可逆のネクローシス
ピンバッジを頼りに鈴羽の父親を探す岡部たち。父親と思われる人物に辿りつくヒントを得るも、その正体はわからないまま、鈴羽との別れが近づいていく。そんな中、まゆりが唐突に「鈴羽の父親がわかった」と言う。その人物は、誰もが思ってもみなかった意外な人だった。そして無事に鈴羽は父親と感動の出会いを果たし、岡部たちに別れを告げるのだが…。

17. 虚像歪曲のコンプレックス
何度タイムリープしてもまゆりを助けられない事に絶望した岡部は、これまでの経緯を紅莉栖に相談する。そんな岡部に紅莉栖は「これまで送ったDメールを全てさかのぼって取り消せばまゆりの死を回避できるのでは?」との仮説を提示する。そして岡部は、まずはフェイリスが送った内容不明のDメールを取り消すために、「雷ネットアクセスバトラーズ」の大会が行われている会場に向かい、フェイリスが送ったDメールの内容を聞き出すのだが…。

18. 自己相似のアンドロギュノス
続いてるかのDメールを取り消すようるかにお願いに行く岡部。だが、るかが出した条件は「岡部が一日だけるかとデートをする」というものだった。初デートに戸惑う岡部は、紅莉栖やダルから様々なアドバイスを受け、デート当日に臨んだが、結果は散々なものに。思い立った岡部は、改めてるかに会いに柳林神社に向かう。

19. 無限連鎖のアポトーシス
ついに残りのDメールはあと一つ、萌郁が送ったものだけとなる。萌郁を探し、ようやくアパートを突き止める岡部。Dメールの内容を知るため、萌郁から携帯を奪おうとして彼女と乱闘となる。萌郁の身の上話など、様々な話を聞き出した後、ようやくDメール取り消しメールを送る事ができた岡部だったが…。

20. 怨嗟断絶のアポトーシス
萌郁からIBN5100が大ビル前のコインロッカーの中にある事を聞き出した岡部は、さっそく現地に向かい、ロッカーを破壊して取り出そうとする。だが、紅莉栖のアドバイスで、ラウンダーの指揮官である“FB”の正体を突き止めるために、ラウンダーがIBN5100を回収に来るまでロッカーを見張る事に。苦労しながらもなんとか尾行を成功させ、ようやく“FB”の正体を付きとめられたかに思えたが…。

21. 因果律のメルト
ダイバージェンス1%の壁を超え、まゆりが死なないβ世界線へ移動するために、IBN5100を使ってSERNのサーバーへハッキングを試みる岡部たち。そんな中、岡部はβ世界線への移動に伴う、あるリスクに気付き、ダルによるハッキングを一旦中止させるのだが…。

22. 存在了解のメルト
ラジ館の屋上で一人佇む紅莉栖を見つける岡部。話を始める2人だったが、突如降りだした大雨により、屋内へ移動する。岡部のびしょ濡れになった白衣の肩口が破れているのを見つけた紅莉栖は、自前のソーイングセットで破れた部分を縫うことに。暗闇が二人を包む中、紅莉栖は岡部にある決意を伝える。

23. 境界面上のシュタインズゲート
思いがけない人物からの連絡を受け、ラジ館の屋上、タイムマシンの前に集まった岡部・まゆり・ダルの3人は、そこで驚くべき説明を受ける。その内容とは、アトラクタフィールドの影響を受けない唯一の世界線「シュタインズ・ゲート」に到達する事で、再び未来を変えることができる、というものだった。最後の決断を迫られた岡部が選んだ行動は……?

24. 終わりと始まりのプロローグ
いよいよ最終ミッション「オペレーション・スクルド」を実行に移す岡部たちラボメン一同。果たして岡部は「シュタインズ・ゲート」に到達する事が出来るのか……?

投稿 : 2024/09/07
♥ : 11

91.1 5 恋愛で泣けるなアニメランキング5位
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.2 (14873)
49273人が棚に入れました
昔は仲良しだった幼馴染たち。でも、高校生になった彼らの距離はいつの間にか離れてしまっていた。ヒキコモリぎみの主人公“じんたん”。ギャル友達に流され気味の“あなる”。進学校に通う“ゆきあつ”と“つるこ”。高校に進学せず旅を重ねる“ぽっぽ”。そして、仲良しだった小学生の頃から、それぞれが変わっていく中で変わらない少女“めんま”。ある日、“お願いを叶えて欲しい”とじんたんにお願いをするめんま。困りながらも“めんまのお願い”を探るじんたん。そのめんまの願い事がきっかけとなり、それぞれの領域でそれぞれの生活を送っていた幼馴染たちは再びかつてのように集まりはじめる。

声優・キャラクター
入野自由、茅野愛衣、戸松遥、櫻井孝宏、近藤孝行、早見沙織

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

よくもわるくも「青春」イメージの見事な再生産

<短い感想>

・技巧的には、いい作品。
・ただし、全面的にプッシュするのは、申し訳ないがムリ。

<短くない感想>
■「青春」を表象するということ

 近代社会における「若さ」を経験している当人達に対して、その日々の生活に解釈を与える方法は数多く発明されてきた。
 そういった方法は、20世紀後半以後、特にこれといって何かの大きなことをなしとげるわけでもない凡庸で繊細なハイティーン~青年期をセンチメンタルに描きだす話というのは、おおいに受けたわけだ。どう考えても、対して立派なところなどなさそうな、ぼんくらな自分の日々(のようなものを)をなにがしかの形で、うつくしく肯定的に描いてくれる話とかあったら、そりゃあ、グッとくるよね。
 「ほろ苦く」「あまずっぱい」「未熟さ」などを前提にすえつつ、その繊細さ、そのどうにもならなさを、何かの視点を介すことで、どうにかして肯定的に描いてみせる。それが、ある時期以後の「青春」のイメージとなっている、と私はおおざっぱに理解している。

■ノスタルジーとしての青春を描く、ことの凡庸さ

 で、「あの花」は、そうした「青春」イメージを見事に踏襲している。岡田麿里の性能は、今回、まずは明らかにそこに費やされている。見事といえば、見事な腕前だとは感じるが、正直、こういうべたな青春イメージの再生産は勘弁してほしい、というのも率直な感想で、『トラどら』に見られるようないやらしさはなく、見事ではあるがウェルメイドである、というところにとどまっている感はいなめない。
 この手の「成熟しない日々の肯定」をしてみせる手法そのものは、むろん、多種多様なものがあるし、その方法の一つとしては、こういうタイプの物語はあってもいいと思う。だけれども、この手の肯定の仕方は再生産されすぎて、その肯定のされ方自体はやや単調になる。
 青春というのは、曖昧で優柔不断な日々で、その価値がとてもとらえがたい。ワンパターンなかたちでの肯定が本来は難しいものであるはずだ。しかし、それをあえて肯定する作法がけっこうワンパターンなかたちで再生産されている、というのはなかなか逆説的な事態だわなぁ、などとしみじみと思う。
 もっとも、『あの花』は古典的なパターンを踏襲しつつも、現代的なアレンジを加え、さまざまな水準の出来が高い完成度を誇っているので、見られるものに仕上がっているわけだけれども。
 
■ノスタルジーがノスタルジーをする
 ~どこまで行っても、享受すべき「現在」はたちあらわれない~
 
 あえて、批評的にこの作品をみるとすれば、ノスタルジーとしての「青春」を再生産しつつ、青春の真っ只中にいる主人公たちが、さらに彼ら自身の「少年時代」をノスタルジーとして表象する、という、ノスタルジーがノスタルジーを表象する、という二重構造みたいなところは、ひどくネジれていて面白い。

 それはどういうことか。
 まず、一般論として「いま現在が楽しければいい」という刹那主義の人間が、「10年後、どうなっていたいかが大事」みたいなことを言う計画的な未来志向をする人間を批判する、という構造は古典的にある。
 それは「おまえは未来ばかりみているが、いつになったら、<いま>を楽しむことができるのか?未来志向だけでは、楽しみを享受すべき現在、が永久に来ない価値観ではないか」という論理によってささえられている。計画的未来志向は、欲望される未来がさらに未来を欲望しつづけるわけだ。

 一方で、本作は、未来でもなく、現在でもなく、とにかく過去を欲望する話だ。そもそもがノスタルジーのフォーマットとしての「青春」をすごす人々が、彼ら自身の五年前を欲望するわけだ。未来志向とは別の形で、どこまで行っても、享受すべき「現在」という時間はたちあらわれないわけだ。
 この対称性は、ごく粗い整理で言えば、どこまでも未来を隠蔽し、神秘化する近代主義に対して、どこまでも過去を神秘化していく前近代的な宗教的世界観との対象性に近いものを感じる(※1)。宗教的世界観においては、未来は、神秘化された過去においてはじめて輝く。キリストというはるか昔の教祖や、はるか昔の創世記の物語が、現在に意味を与える装置になっている。
 すなわち、ある種の宗教的メカニズムと同様のかたちで、「過去」を神聖化するやり方をとっている。それによって過去のことばや、過去の人物は神聖化され、教条的な装置となり、「現在」はよりみじめな形でしか受容されなくなっていく。そういう、形式を本作はもっている。

■<現在>を結局すくいだすことは、できたのか

 過去を欲望し、過去に真剣に向き合うことによって救われる物語、というのは要するにキリスト教的なフォーマットである。
 キリスト教じゃなくてもいいが、「過去の教祖の物語」を聖典として保持してる宗教というのは、過去の聖典と向き合い、過去の聖典を真に理解することによって、はじめて真理へと到達する…という枠組みなわけだ。
 一五世紀~一九世紀にかけてキリスト教世界はそういった過去志向一元論から抜け出て、「理性」的世界観をキリスト教と並列的にたちあげ、イノベーション最高!みたいなことを言い出す。そのことによって、近代的世界が成立する。もはや、過去を神聖化するという枠組みは、少なくとも思想的にはある意味では死に体だといっていい。※2
だが、物語の強度として言えば、人類社会を千年以上にわたって維持させ続けた、超A級によくできた構造をもった物語構造こそが、過去の神聖化、である。
 なので、物語としての強度という点については、これはこれでとてもよくできたものだと思う。しかし、この物語を繰り返すことは現代的価値と照らしあわせると、正直あんまり褒められない。

 そういうわけで、本作の形式にたいして、岡田が自覚的なのであるとすれば、
1.<過去>を神聖化することによって、現在を肯定する、のではなく、
2.過剰に入れ込まれすぎた<過去>の経験の意味を軽くすること、
 によって、展開してほしかった、と思う。
 本作は、過去への拘泥を一回はさんで、過去から抜け出す、という構造になっているが、やっぱり過去からやってきた人の影響力はあまりにも強すぎる。
 神(幽霊)とイタコ(主人公)と、その信者たち(幽霊の見えない友人たち)の物語といってもいい。

 最後のほうの展開はそれまでのノスタルジー表現を否定するような気持ちの悪さを描こうと拘泥した印象は強力に与える。あそこは、結局何をやりたかったのか、消化不良な感が残るが、もしかしたらあそこに本当はもっときちんとネタを仕掛ける気だったのではないか、という気も残る。ネタを爆発させた感はあるが、なんだかネタの設置の仕方がいまひとつわかりにくくて、いまひとつ何をどうしたいのか、見方に困った。いまひとつ、鈍感なわたしにはわからなかった。

■強引にまとめ

 というわけで、本作が物語構造としてきわめて魅力的なものに見える形式をもっていることは太鼓判を押してもいい。
 だけれども、物語として魅力的ではあるが、こういう物語の構築の仕方は、わたしにとって支持したいと思うようなものではない。それゆえに本作に対するわたしの評価は、今ひとつ振るわない。
 誤解されるであろう言い方をすれば、本作はわたしにとってはプチ宗教のように見えるものだったということだ。正確には、教義をもっておらず、宗教物語の構造だけが保持されているものだということだ。
 そして宗教が魅力的なのも知っているし、偉大な力をもっているのも知っている。だけれども、わたしは無神論者であることを選びとりたいと思っている。
 だから、宗教の物語構造と類似した仕組みによって、人を感動に誘う物語に、わたしは、あんまりイエス、と言いたくない。
 魅力的な物語であるとは思う。

■追記:喪失をめぐる話として、だらだらと 2012/10/10

 これを「過去をめぐる話」としてではなく、別の仕方によって鑑賞する作法もむろん、ある。
 冒頭に著したように単に甘酸っぱいうじうじとした青春モノとして見るという見方、もある。
 一方で、もし、わたしが本作を肯定的にみられる回路がありうるとすれば、過去の「敗北」をめぐる話として見る、という見方ではないか、という気がする。
 キリスト教の話以前に、そもそも、ユダヤ教はそもそもは、負け続けてきた人びとが、「負け続ける我々」をどのように考えれば良いのか、という話でもある。すごく浅い理解で恐縮だけれども、「負けてしまった」ということに、「これは神の試練なんだ」とかなんとか、神話的な意味を重ねる、というある意味で現実逃避的な(失礼)、解釈を通じて生きていく話でもある。
 失敗したり、負けてしまったり、失ってしまったりしたことについて、何がしかのケリをつけて生き続けていく、という話は世の中に沢山あるが、世の中の多くの話は、

1.成功物語の前哨戦としての「負け」:負けを帳消しにするような、新たな成功をする
2.自己の再承認の物語:「そもそもあなたは、負けたり失敗したりなどしていなかった」というメッセージを受け取る

 といったことによって、負けが「帳消し」にされる……わけだ。
 が、個人的に申し上げれば、そんな話は……ふざけんな。だ。

 確かに、新たな成功を得るし、負けることによって解放されることもある。それはそういうこともあり、そこは人生の奥深さだとも思うので、まあよろしい。
 もちろん、一体、その人が何で負けたのか、にもよる。
 ただ、負けてしまった後、負けがそんなに簡単に帳消しにされたり、そもそも負けてないみたいなキラクな話は、幸せな方のケースか、あるいはご都合主義的な現実逃避か、のどちらかである。そういう幸せでないケースはやはり世間にはたくさんあり、やはり負けることや、失敗することや、失ってしまうことはそれはそれで消えないし、そんなに簡単に受け入れたりケリをつけておわらせられないこともある。負けるということは、やはりそれを引きずるし、人生をみっともないものにすることもあるし、人によっては、自死という選択をとることもある。
 負けるということは格好がわるい。負けてしまうことを、さらりと受け入れてしまう自分でありたくないと思うこともあるし、負けてしまうことをどう受け入れればいいのか、ということを真正面から問うている物語は実はものすごく、数が少ない。容易にぬぐいされない、大きな失敗の経験は、人をじっさいに腐らせる。歪ませる。それは、大きな負けを味わっていない幸福な人には、やはりなかなかわからないことだが、大きな失敗の経験は、やはり人を変える。
 結局、大きな失敗をしたあと、そのことをどのような素振りで処理すればいいのかなどということは、正直なところ、誰にもわからないのだが、とにかくそのことを、どういう形でか、処理しなければいけない。それは、そうしなければ「前にすすめなくなるから」ではない。前に進む必要というのは、前にすすみたいひとか、前に進まざるを得ない状況に置かれている人が、すすめばいいのであって、それはケースバイケースの話でしかないと思うが、とにかく、大きな失敗や、大きな負け――少なくとも本人が心の中で大きな負けだと思っている負け――ということは、なんらかのかたちで、どうにかしておかなければ、その後のその人は、腐る。その後の人生をポジティヴなものにするかどうかは、ともかく、ネガティヴなものにする確率はきわめて高い。直接にいえば、ほんとうに大きな負けや、ほんとうに大きな失敗は、鬱病やPTSDとされるようなメンタルな病名が付くようなものをほんとうにつくってしまう。

 *

 本作は、ノスタルジーの話として構成されているため、めんまを失うという、失敗の経験がどれだけ大きな喪失だったのか、という喪失感の演出はそこまで充分ではない。めんま、の喪失感は予め与えられており、登場人物たちは、第一話めの時点で、みなが喪失感を与えられている。
 もし、その点の描写の比率がもっと強ければ、と思う。で、あれば、この話は青春のはなしではなく、喪失をめぐる回復の経験として、もう少し貴重な物語になったと思う。



 青春物語のウジウジ、というのは多くの場合、承認欲求をめぐる問題である。ピングドラムのきっと何者にもなれないお前たちに告げる…ではないが、そのような「私はなにものにもなれない」というようなことが近代の先進諸国における「若者」たちの共通の悩みである。多くの場合の青春の「うじうじ」というのは、ほぼこの話を指すといってもいい。
 しかし、この作品の主人公たちの「悩み」の中身は、珍しいことにこういう話ではない。
 事故でうしなった少女をめぐる後悔にまみれた話だ。
 だから、実は、この時点で、あの花、は一般的な青春物語とは実際には違う話になっている。しかし、青春物語のフォーマットにのせることで、メジャー感のある話に仕上がっていて、商業的にはそれで正しい。
 だけれども、ただの青春物語、過去の神聖化の話としてみると、最終回の気持ちの悪い演出が、一体何であるのか、ということがよくわからない。
 しかし、これがひたすらに、喪失をめぐる「受け入れ」の話として見るならば、もう少し全体像が見えてくる。最後にみんなで懺悔をして、喪失経験を否認して忘れるのではなく、喪失経験と直接にもがく段階へとすすむ話なのだ、とみれば、話はわかる。喪失経験を否認するのでもなく、ごまかすのでもなく、正面からあがく、というのは、それはそれで、近代文学的な<反省>を真正面にやる話、だということとしては、よくわかる。こうした反省的プロセスを経ることを、一つの価値として描くというのはわからない話ではない。これがある種の、じゅうぶんに理性的な人びとによる「崇高」な悩みのプロセスである、という見せ方は――諸手を挙げてではないが――感動をともなって鑑賞することはできなくはない。
 ただ、こういう「反省する気高さ」みたいな話――要するに、悩める近代的自我だの、正解のない世界へと絶え間なく向き合う態度こそが気高いだのといった話――になると、それはそれでひたすらに、今度はそれはそれで、えらく近代特有の趣味の問題にもなる。
 たしかに、本作の終わりに見られるような、ああいったものがき方をすることこそが、みっともないようでいながら、「みっともないからこそ気高い」みたいな世界観は、実をいえばわたしも結構すきではある。
 好きではある……が、たとえば、メンタルヘルスの専門家の人からみたときに、実際問題として、ああいう、あがき方を十代の未熟な少年少女がしてしまうことが、はたして推奨できる状況なのかどうか、ということを、どう考えるのか。
 ある種の近代的な批評な枠組みだと、ああいった悩み続ける自我を肯定することによって、そういった実践的な問題は、文学的物語の鑑賞における「瑣末な問題」として捨て置かれる。態度の問題としては、わかるし、鑑賞において実践的な問題ばかりを言い出す人が、いかにも鑑賞のリテラシーをもっていないようにみえることも、わかっている。
 だが、しかし、そういった、「悩む」ことを、かっこいい、と思いすぎてきたんじゃないか、ともわたしは思っていて、「悩む人、カッコイイ」みたいな価値観を、押し出す必要のないケースにおいてまで、そういう価値観を押し出してしまうことの多い人達がおおくて……わたしは、そういうのは正直、その態度こそ悩ましいものだと思う。
 「喪失をめぐる問とむきあい」みたいな観点から本作を褒める人がいれば、その態度を理解しなくはない。だが、ああ、その人って「ブンガク」の人なんだな、とわたしは勝手にその人のことを感じてしまうだろう。

 なんのことを言っているのやら、ダラダラ書いているうつに、よーわからんテキストを書いてしまったが、…まあ、とりあえず、ここらへんで…。




 

※1 あまり、こういう対比は枠組みが大きすぎて好きではないが
※2 …というか、過去を強烈に権威化する思想が力を失っていなければ、イノベーションが高速に起こる社会システムを解釈する方法がそもそもない。過去を見ているだけでは、現代や未来を見通すことができない社会がやってきたから、ということだ。
 ただ、過去の神聖化、は思想的には死に体であるとは言っても、現代社会の至るところに残っている。いくらイノベーションがはやくなったからと言って、「過去の価値」自体は、もちろん重要。ただ、千年前の社会では、「過去の神聖化」をしても社会構造が維持できたのが、神聖化までしてしまってツッコミ禁止のものとして崇め奉ってしまっても、それでよかった。社会構造が変化しないか、あるいはごくゆっくりとしか変化しないから。
 だけれども、社会構造の変化が大きくなると、過去と現在と未来は等価なものとして評価されることになる。「過去の成功にこだわってないでさ、違うことにチャレンジしよう」という話が千年前の社会と、現在では言いやすさがまったく変わった、ということだ。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 55

nk225 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

円環の理に導かれたから?やっぱりあのタイトルが強かった Google上半期検索ワードランキング・アニメ編

いつだって、いつまでだって、なかよしなんだ

昔は仲良しだった幼馴染たち。
でも、高校生になった彼らの距離はいつの間にか離れてしまっていた。
ヒキコモリぎみの主人公”じんたん”。
ギャル友達に流され気味の”あなる”。
進学校に通う”ゆきあつ”と”つるこ”。
高校に進学せず旅を重ねる”ぽっぽ”。
そして、仲良しだった小学生の頃から、それぞれが変わっていく中で変わらない少女”めんま”。
あの日、”お願いを叶えて欲しい”とじんたんにお願いをするめんま。
困りながらも”めんまのお願い”を探るじんたん。
そのめんまの願い事がきっかけとなり、それぞれの領域でそれぞれの生活を送っていた幼馴染達は再びかつてのように集まりはじめる。

第1話「超平和バスターズ」
引き篭もり気味の主人公「じんたん」の前に、幼馴染みの少女、「めんま」が突然現れる。
自分の願いを叶えて欲しいと頼む「めんま」に、途惑う「じんたん」は…。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥

第2話「ゆうしゃめんま」
秘密基地で再会した「ぽっぽ」に「じんたん」は、「めんま」が願いごとを叶えてほしいと自分の前に現れたことを正直に打ち明ける。
それを素直に信じた「ぽっぽ」は、「じんたん」にアドバイスするのだが…。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥/近藤孝行

第3話「めんまを探そうの会」
「めんま」の願い事が、もしかしたら『「じんたん」が学校へ行くこと』かもしれないと思った「じんたん」は、「あなる」との約束も兼ねて、学校へ登校することを決意する。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥/近藤孝行

第4話「白の、リボンのワンピース」
「ユキアツ」から「めんま」を見かけたと告げられた「じんたん」たち。
隣に「めんま」がいるのにと訝しむ「じんたん」だったが、真相を確かめるために、皆と一緒に「めんま」を捜しに向かう。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥/櫻井孝宏/早見沙織

第5話「トンネル」
「ユキアツ」が見たという「めんま」は「ユキアツ」自身が女装した姿だった。
その事実に戸惑いを隠せない「じんたん」たち。
「じんたん」は倒れたまま動かない「ユキアツ」に声を掛けるが…。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥/櫻井孝宏/早見沙織

第6話「わすれてわすれないで」
「めんま」を成仏させるために、「じんたん」は学校へ行くことを再び決意する。
しかし「めんま」には無理して行くことはない、怖い顔をしていると心配されてしまう。

オーディオコメンタリー
入野自由/茅野愛衣/戸松遥/櫻井孝宏/早見沙織/近藤孝行

第7話「ほんとのお願い」
秘密基地に家出してきた「あなる」に「じんたん」は、ずっと学校を休むことなんて出来ない、家出なんてずっと続くわけがないと話す。
それと聞いた「あなる」は「じんたん」は昔と変わらないと告げる。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥/櫻井孝宏/早見沙織/近藤孝行

第8話「I wonder」
花火を上げることを「めんま」の父親に反対されていたと知り、ショックを受ける「じんたん」たち。
どうにか「めんま」の願いを叶えたいと、「めんま」の母親を説得しようと試みるが…。

オーディオコメンタリー
入野自由/茅野愛衣/戸松遥

第9話「みんなとめんま」
目の前に差し出された蒸しパンを見て、動揺しながらも「めんま」の存在を信じる「あなる」たち。
しかし「ゆきあつ」は、「じんたん」にしか「めんま」が見えないということに複雑な想いを抱く。

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入野自由/茅野愛衣/戸松遥

第10話「花火」
とうとう明日に迫った「めんま」の願いを叶える日。
そのことを仏壇に手を合わせて「じんたん」の母親に報告する「めんま」は、ふと見た自分の手が、薄く透けはじめていることに気付く。
その手を見つめる「めんま」は…。

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入野自由・長井龍雪・岡田麿里・田中将賀

第11話「あの夏に咲く花」
花火を上げても「めんま」は消えなかった。
その事実に呆然とする「じんたん」。
うなだれる超平和バスターズの面々。
何も知らない聡史は、「じんたん」たちに今日のことに対して感謝を告げる。

オーディオコメンタリー
入野自由・長井龍雪・岡田麿里・田中将賀

円環の理に導かれたから?
やっぱりあのタイトルが強かった Google上半期検索ワードランキング・アニメ編
昨年と比べ今年上半期に検索数が急上昇したアニメタイトルをGoogleに聞いてみた。1位はやっぱりあのタイトル。ほむほむ……じゃなくて、ふむふむっなるほど!

2011年上半期は「魔法少女まどか☆マギカ」や「TIGER & BUNNY」といったアニメが大いに注目を集めた。作品の人気度はネット上での検索数に比例するかも(?)ということで、Google日本法人にアニメタイトルの急上昇検索ワードランキングを聞いてみた。あなたのお気に入りは何位かな!?

2011年1月1日~6月末までの間に、Googleでの検索ボリュームが昨年に比べ急上昇したアニメタイトルを集計した。堂々の1位は「魔法少女まどか☆マギカ」に。2位は「TIGER & BUNNY」、3位は「花咲くいろは」という結果になった。

記者の周囲で注目度が高かった「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」が10位までにランクインしなかったのは、タイトルが長すぎたせいだろうか……。

せっかくなので、参考までにGoogleでタイトルを検索してみると、1位「魔法少女まどか☆マギカ」が約2310万件、2位「TIGER & BUNNY」が約3520万件、3位「花咲くいろは」が約894万件ヒットした。「TIGER & BUNNY」が逆転している(正式タイトルで検索しているので、略称などでは差異あり。また検索数は7月20日現在のもの)。2期に突入したことも要因か? ちなみに、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は現在約1020万件と堂々の3位入りとなっています。

決定!2011年のオススメアニメ
日夜放送されているTVアニメ作品。2000年以降に限っても、多くの名作が放送されているが、その中でオススメの作品はどの作品だろうか。教えて!gooにも、「2000年以降でオススメのアニメ作品を3つ挙げると」という質問があった。
「2000年以降の作品(TVアニメ・OVA・劇場版)であなたのオススメ3作品を教えていただきたいです」とのこと。どんな回答が寄せられたのだろうか。

■あなたのオススメ作品は?
回答の中で一番多かったものはなんだろうか。
一番多かったのが、「魔法少女まどか☆マギカ」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「日常」の3作品。

魔法少女まどか☆マギカ
新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ×シャフトが描くオリジナル魔法少女物語
「化物語」「ひだまりスケッチ」シリーズなどヒット作を多数手がける新房昭之監督とシャフトがタッグを組んで送る初のオリジナル作品として注目される本作。
脚本をPCゲームメーカー「ニトロプラス」所属のシナリオライターとして、その重厚な作風でファンを魅了し、小説「Fate/Zero」でもその才能を如何なく発揮した虚淵玄、「まんがタイムキララCarat」(芳文社刊)連載中の「ひだまりスケッチ」原作者・蒼樹うめが、初のオリジナルアニメのキャラクター原案を担当する。

大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。
見滝原中学校に通う、普通の中学二年生・鹿目まどかも、そんな日常の中で暮らす一人。
ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。
この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。
それは、彼女の運命を変えてしまうような出会い―
それは、新たなる魔法少女物語の始まり―

【季節を楽しむオススメ作品】「夏は冒険! 出会いが人生変えちゃうアドベンチャーアニメ」
梅雨が明ければいよいよ夏。そして、夏といえば冒険! 子どものころ、限りある夏休みという時間に日常と違う生活を体験した記憶は、誰にでもあるでしょう。だから夏の冒険物語は心を引きつけるのかもしれません。心おどるひと時を、アニメで感じてみませんか。

■「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2011年放送)
幽霊と出会って始まる、ひと夏のノスタルジック・アドベンチャー。心地よく泣きたい人におすすめします。

宿海仁太(じんたん)たち6人は、小学生のときに「超平和バスターズ」を結成し、秘密基地に集まって遊んだ幼なじみでした。でも本間芽衣子(めんま)が事故で亡くなったあと、残った5人の間には距離ができ、高校に進学した現在では疎遠になっています。ある日、不登校のじんたんの前に、昔の姿のめんまが幽霊になって出現。何かが心残りらしいめんまのために、じんたんは昔の仲間に協力を求め、めんまの「お願い」をかなえようとします。

5人の登場人物が、それぞれにめんまに対して負い目や執着を持っていて、1人ひとり自分自身と向き合い、過去を乗り越える様子が描かれるので、何と言うか、心に痛いです。見ている人も、思春期ならではの自分自身の心の傷や弱さを思い出して、ドキリとすることがありそう。それだけに、それぞれの感情が吹き出し、涙があふれるシーンでは、こちらも涙腺が決壊することに……。クライマックスは花火のエピソードです。

「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(2013年公開)は、テレビシリーズ1年後の5人の姿と、それぞれの回想を描いた内容で、見た人には問答無用でおすすめ。まだ見ていない人は、テレビシリーズを見ないとちょっとわかりにくい内容になっています。

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」は、2015年にフジテレビでドラマ化予定。また、本作のアニメスタッフが再結集して、同じ秩父を舞台に制作する新作アニメ映画「心が叫びたがってるんだ。」が、2015年9月19日公開予定です。今から見てもまだまだ楽しめる名作といえるでしょう。

欲しいのは親の理解?共感?アニメファンが選ぶ「もっとも親に見せたい(見て欲しい)アニメ」
第1位には、埼玉県秩父市が舞台で、幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長を描いた『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が選ばれた。とかくアニメに関する理解が薄くなりがちなのが「親」というもの。改めてアニメの良さを理解してもらう為に、親にも同作品で感動し楽しんで欲しい。そんなファンの思いが男女ともに上位を獲得し、堂々の総合1位へと繋がった。つい先日、実写化が発表され、話題となっている同作品。親世代への認知も高まる良い機会になるのではないか。

『あの花』スタッフが贈る映画『心が叫びたがってるんだ。』公開初日が9月19日(土)に決定!
2013年8月31日(土)に劇場公開し、観客動員数77万人、興行収入10億円突破、興行収入ランキング7週連続トップ10入りを果たし、日本中が涙した『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフが贈る、オリジナルアニメ映画『心が叫びたがってるんだ。』。そんな本作の公開初日が2015年9月19日(土)に決定した。

また、3月21日(土)・22日(日)に東京ビッグサイトで開催される「AnimeJapan 2015」のアニプレックスブースでは、桜の季節ならではの描き下ろしを使ったオリジナルポスター付きの前売券を、劇場に先立ち、会場限定特典付で販売されることも決定! 21日のスペシャルステージでは、メインキャラクター、メインキャストの発表なども予定されている。

2011年4月から6月までフジテレビ・ノイタミナ枠などで放送された。全11話。略称は「あの花」、「あのはな」。なお2013年8月31日に劇場版が公開された。

アニプレックス、フジテレビ、A-1 Picturesが手がける完全オリジナルアニメーション企画「ANOHANA PROJECT」として2010年12月に始動した。監督は長井龍雪、脚本を岡田麿里、キャラクターデザインを田中将賀が務め、2008年に放送されたテレビアニメ版『とらドラ!』を手がけたスタッフが名を連ねている。また、テレビアニメ版と並行して、岡田による小説版が『ダ・ヴィンチ』で連載された。

幼馴染の死という過去を抱えた若者たちの淡い恋や罪の意識、絆や成長といった内容を扱う、ドラマ性を重視した内容が志向されており、物語の展開に従って複雑化していく人間関係なども描かれる。死んだはずの幼馴染であるヒロインが幽霊として主人公の前に現れるというファンタジー的な題材が用いられてはいるが、作中では彼女をアニメ的な幽霊のように描写することは避けられており、生きた人間と変わらず振る舞う姿を描写しながらも、その姿が鏡に映らなかったり、主人公以外の人物たちにその姿が見えていないことを示すことで、彼女が霊的な存在であることを描写している。

監督の長井は、本作の内容があまりアニメらしくないことから、視聴者に受け入れられるのかという不安や葛藤も抱いていたとしているが、放送が始まると丁寧な演出などが話題になったという。2011年6月29日に発売されたBlu-ray第1巻の初動売り上げは約3万1000枚で、Blu-rayメディアにおけるテレビアニメ第1巻の初動売り上げとしては発売当時で史上3番目という記録を残した。2012年8月5日に開催されたファンイベントにおいて、2013年夏に劇場版アニメが公開されることが発表された。

平成23年度(第15回)文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門/長編(劇場公開・テレビアニメ・OVA)に選出。2012年、この作品の功績により、長井監督が芸術選奨新人賞メディア芸術部門を受賞した。

27時間TVで明石家さんまが 「あの花」つるこの魅力を熱く語った。

オープニングテーマ
「青い栞」(第1話 - 第11話)
第11話ではエンディングテーマとして使用(クレジット上はオープニングテーマ)。

エンディングテーマ
「secret base 〜君がくれたもの〜(10 years after Ver.)」(第1話 - 第10話)
最終話では挿入歌として使用。

スペシャルOA版オープニングテーマ
「サークルゲーム」(第1話 - 第10話)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 38

ラ ム ネ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「あの花」がウケた理由(わけ)`15  懐かしき焦燥`14

脚本はとても上手く、少し巧妙に過剰だ。そう私は考えた。
 「あの花」の登場人物達、主に超平和バスターズ団員の芽衣子、鳴子、仁太、集、知利子、鉄道の六人の小学校時代の友情関係は、芽衣子の事故死に依って一度離散した。しかし、彼等が高校生の時に芽衣子が仁太のもとに幽霊として現れ(まるで実物のように)、離れていた絆が修復されていく。話しの概要はこんなところだ。

纏めきれていない思考で少し敷衍するが、筆者の作中の過剰要素と解する点とそれに引きつけられる客衆について。

「学園もの等のアニメで、現実に対してやけに過剰描写している問題」は、この世界ではよく会話になる。既にこれ「過剰さ」が普通感覚になってきているくらいだ。
 しかしこの問題はいつも「フィクションだからいいじゃないか」という結論(?)止まりだ。この言葉に対して「まあ、意見はそれぞれあるからね。」で議論(?)話題(?)は幕を下ろす。後者の対応には「(これ以上話すと人間関係悪くなるかも)」と消極的な意思も見える。実は、その「人間関係に消極的な意思」こそが当問題に重要な歯車を掛けるのだ。
 「人間関係に消極的な意思」は現代世代の心理の象徴台詞のようなものだ。核家族の増加や、世代感の移り変わりの中、現代人はコミュニケーション能力が未熟になってきている。「できない」のではなく「未熟」なのだ。だから、「熟練」の人もいる。これは傾向の話だ。2015年現在の「幼児から35歳あたりまで」というその傾向があるらしい。社会に於ける個々人の人間性の鈍さが、子どもの教育にも勿論影響を与えている。
 それが現代の若者世代の決定的な「弱さ」となってしまえる原因となる。
 この「弱さ」は人間関係の問題だ。

恋愛学など、近頃は流行りに流行っている。「3高の恋愛」を追い求める世代から、「一緒にいて安心できる恋愛」などの「人間性を見る恋愛」に変容して来た。不況の所為も、世代の所為もあるだろう。これも世代の変移だ。
 しかし、ここでコミュニケーションの未熟さと弱さが恋愛に対闘してくる。今、多くの人が恋愛に諦めの情をもんでいる。恋愛に期待していない、期待しないという人たちだ。
 この人達は、フィクションの中に憧れる恋愛を求め出す。どんな連鎖する悲劇も愛で全て一発解決!などなどの「軽薄的過剰要素」の含まれる作品だ。
友人関係でも、同様だ。憧れる友人関係要素は多くの作品に取り入れられている。同時に、自分の現実に劣等感を感じる為に見たがらない人もいる。
そういう人たちは、少し現実ではありえない描写も、「そこまで友人関係が厚いなんて!」「そんな愛も憧れる!」と思うのだ。

 時に制作者たちは、社会状況を意図して作品を創造する。今、アニメを多く見る世代が「過剰な描写に憧れる世代。」なのならば、「愛で全てすっきり解決」する物語にして売り出せば売れるだろう、と。この業界では、自由に作りたいもの作って生計立てるなんて人は少ないのだから、媚びることは日常茶飯事だ。
 「あの花」が、一部媚びられて制作されたのかは分からない。脚本を書いた製作者本人が人間関係に諦めていた人なのかも知れないからだ。事情は知らない。
 唯、媚びていたとしても媚びてないとしても、脚本が世代感にハマるものだったのは確かだ。脚本は上手かった。私も当初、感動して涙腺に来たものだ。しかし、いつしかクドいと感じるようになった。もっとシンプルで良いのに、と。作品が変わったのではない、私が変わったのだ。少々の「過剰さ」に私は気が付いたのだ。そして、シンプルになったところで「あの花」ではなくなるし、評判は上がれどここまでブレイクすることはなかったかも知れない。

要するに、過剰な物語性に憧れ、魅せられ、喝采する人は現実に期待をしていない。
 私はつくづく思うのだが、アニメーションとは現実逃避の為に設けられている訳ではない。アニメーションとは映像作品、芸術である。避難場所の提供ではないと私は思う。
 単純な話し、なぜ私が「過剰作品」を嫌うかと言うと、現実に期待していない観衆に過剰な人間関係描写を見せて注目を集めようとか金を集めようとか、もしも制作側が意図しているのなら、観衆が踊らされている訳だから、単純に”汚い”と思うのだ。
 私がエヴァンゲリオン(庵野)を非難するところもここにある。またこれは時間のある時に、アニメというサブカルの抱える問題も多少交えて(こんな殴り書きではなく)書こうかと思う。
 

では、脚本の上手いところを例にあげてみよう。

グループの1人(芽衣子)の死に依って友人関係が疎遠となり、その故人が霊となってグループの1人(仁太)のもとに現れ、疎遠となったグループの関係を修復させていく。
グループの関係性は「良い→疎遠→良い」となる。そして、それは多くの共感を得たに違いない。小学校時代に無邪気に遊べた子は多かったが、いつしか疎遠になり、それっきり、なんてことはザラにある。そして、それっきりという疎遠状態から交友を取り戻す辺り、それっきりにしてしまう多くの現代学生にとって「良いな」と思えるのだ。
 そう。共感というのは、物語を有名にさせるには重要だ。共感できないのなら、人はそんな作品に直感的な興味を抱くことは少ないだろう。ここでも、「あの花」の脚本は巧妙だ。
「超平和バスターズ」の芽衣子を抜いたグループ5人は、それぞれ「芽衣子(メンマ)という共通の悩み」を持っているが、いい感じでタイプ(性格、生き方)がタグ分けされている。
 その中でも仁太はひきこもりだが、(場面は少ないが)父との関係性の描写も腑に落ちる設定だ。ひきこもる人は他者の注目を浴びたいとして大体行動している。この父親のようにひきこもるのはその人自身の問題なのだから、手を突っ込まないことだ。但し、楽天的放任主義であることは避けなければならない。それではその人の信頼感を得られないからだ。作中、仁太はある程度の信頼を父親に寄せているようだった。「なぜ、親父は俺に何も言わないんだ」の台詞に怒りも悲しみ(注目してもらえないという)もなく、唯純粋に疑念を持っている素振りだった。まあ、アフレコもどのように行われたか知らないので、考察も信憑性に欠けるのだが、しかし一部から仁太は「同上の人物」として見受けられたに違いない。
 そのタグ分けられた5人が物語終盤、心境を叫ぶところは、多くの人を引きつけたのだろう。初めの方、仁太が橋を叫びながら走る姿も、あれほどまで他人を思うことに憧れ、感動したが、今では「過剰だ」と見ている。強く他人を思おうと、無条件に信頼しようと己がしていない証拠なのだ、常に他人に疑心に駆られている不甲斐ない嘘なのだ、その感動に伴う感情は。
 憧れとは、身近なものではなく、己の身からいつも遠いところにある。現状を見据える覚悟がない内は、身に覚える必要はない。
 アニメを見たところで強くはなれないのだ。これが逃避した私の反省である。


最後に、彼等の”執着”とその解放について。

芽衣子の死に「超平和バスターズ」の5人それぞれが(恋心の三角関係による)未練・後悔があり、その「芽衣子への”執着”」が「解放される過程」を描いていることに、私は注目した。
「執着から解放される過程」とは、
1、 芽衣子霊が現れ、仁太へアプローチ。
2、 仁太が「超平和バスターズ」のグループへアプローチ。
3、 芽衣子母へアプローチ。
これらアプローチ(絆の修復)に依って、それぞれが執着から解放されていく。
 そして最後には、芽衣子自身が解放されていく。
 その様に私は解釈した。
芽衣子は下界の彼等(母親、超平和バスターズ各人)の執着心に、下界に降り立ち、彼等の執着心を解放し、消えていった、と見解ができるだろう。芽衣子が消える寸前のかくれんぼの最終シーンの台詞「メンマ、見いつけた!」は、芽衣子自身が「見つかる」ことに依って「解放」された場面と見ることができる。
2015/1/24


唯、十年前には流行っていた言葉が作中の台詞で使われ、今は無き過去の友の懐かしい声の響きが、郷愁と共に私の前に吹き抜ける。笑みをポケットからこぼしながら前を駆けていく子どもたちが、いつしか僕らの焦燥に重なっている。
2014/11/20

投稿 : 2024/09/07
♥ : 28

90.2 6 恋愛で泣けるなアニメランキング6位
天元突破グレンラガン(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★★ 4.1 (4251)
19964人が棚に入れました
これは、まだ自分の運命に気づかぬ一人の男の物語。遥か未来。人間は何百年もの間、地中に穴を掘って生活していた。ジーハ村の少年シモンは、いつものように得意な穴掘りをしていると、光る小さなドリルと巨大な顔を見つける。兄貴分と慕うカミナに、その顔を見せようとしたその時、突如として村の天井が崩れ、巨大なロボットとライフルを持った少女・ヨーコが落ちてきた。

声優・キャラクター
柿原徹也、小西克幸、井上麻里奈、小野坂昌也、檜山修之、伊藤静、中村大樹、谷山紀章、佐藤利奈、植田佳奈、阿澄佳奈、斎賀みつき、本田貴子、福井裕佳梨、梁田清之、根谷美智子、陶山章央、川久保潔、池田成志
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

とにかく熱さ尋常ではない

日朝にやるとは思えない圧倒的熱さ。この熱さに魅かれる。今でも、作画とこの熱さはTRIGGERの軸になってる。
{netabare}カミナとヨーコが良い雰囲気だったのに、カミナが死んじゃったのは凄く切なかった。{/netabare}
物語の前半と後半で異なるバトル。後半、大人になった主人公たちにそれぞれ生活がありつつも戦っていくのは好きだった。
戦いも{netabare}メカが肥大化してからとどめを刺すときは逆に小さくなってコアになるシーンは熱い。{/netabare}
最終話が切ないし、最後の戦いから時間経過した後がお前誰だよって感じになってるのは好き。ここからさらに主人公たちの生活を描いてほしいとも思う。

OP
空色デイズ 歌 中川翔子
ED
UNDERGROUND 歌 HIGH VOLTAGE
みんなのピース 歌 アフロマニア
挿入歌
happily ever after 歌 中川翔子
空色デイズはさすがの名曲。何度聴いても良い。個人的にみんなのピースもなんか好き。


1. お前のドリルで天を突け!
遥かな未来。人々は地中で時折起きる地震と落盤に怯えながら何百年も息を潜めるように暮らしてきた。村を広げるための穴掘りをしていた少年・シモンは、偶然、不思議に光る小さなドリルを見つける。そして、シモンの兄貴分であるカミナ。彼は地上があることを信じ、外へ出ようと目論んでいた。ある日、地震と共に村の天井が崩れ巨大なメカが落ちてくる! 暴れるメカに無謀にも立ち向かおうとするカミナ。その彼の前にライフルを手にメカ=ガンメンを追ってきた少女・ヨーコが現れる。しかし彼女のライフルでは、足止めをするのが精一杯。そんな中、シモンは地中から掘り出したモノをカミナとヨーコに見せる。それは顔だけの謎のメカだった…。

2. 俺が乗るって言ってんだ!!
ジーハ村を襲ったガンメンを撃破し地上に出たカミナとシモン。そこは更なるガンメンが待ち受ける世界だった。ヨーコの住むリットナー村をたずねる二人。そこには毎日のようにガンメンと戦っている村人たちがいた。村人の一人であるリーロンはシモンの乗っている「ラガン」に興味を持ち、何も知らない二人に「ガンメン」のことや地上のことを教える。翌日、夜明けと共に3体のガンメンが襲来する。驚く二人にヨーコは平然と「いつものこと」と答える。村人が応戦に向かう中、臆病風に吹かれ身動きの取れないシモン。村に危機が迫る中、戦いに加わっていたカミナは隊長機らしいガンメンに目をつける。「決めた!あのガンメン、俺がいただく!」

3. 顔が2つたぁナマイキな!!
シモンとの共同作戦(?)で見事ガンメンを奪取し、敵を撃破したカミナ。奪ったガンメンを「グレン」と名づけて得意げなカミナはヨーコに誘われ、狩りに出かける。その狩場でヴィラルと名乗る獣人と交戦。ヴィラルのガンメン「エンキ」の強さにラガンとグレンは敗退。なんとか命からがら逃げ出したものの、翌日にはリットナー村が襲われるのは明白だった。逃げようと提案するシモン。提案を一蹴し、ヴィラルとの再戦を挑むカミナだったが、やはり歯が立たない。ボロボロになっていくグレンの姿に、思わず顔を伏せるシモンに対し、ヨーコはカミナがシモンが必ず来ることを信じて戦っているのだと話す。「で、あんたはどうなの?」

4. 顔が多けりゃ偉いのか?
激しい戦いのなか、ラガンとグレンが奇蹟の合体を果たし、グレンラガンとなってヴィラルを打ち破ったカミナたち。勢いに乗って敵の本拠地に乗り込もうと旅を始めた矢先、突如合体の特訓を始めると言い出すカミナ。前回の合体はあまりにもブサイクすぎて「男の合体」ではなかったというのだ。最初は笑って取り合わなかったシモンだったが、特訓と称してグレンで大岩を投げつけられて逃げ回る羽目に。だが持ってきた食料を食べつくしてしまい空腹で力が入らない。特訓の最中、突然黒ずくめの4人組がグレンに襲い掛かってくる。彼らは獣人ハンター「黒の兄弟」と名乗り、グレンがシモンを襲っているのだと勘違いして助けに来たのだという。

5. 俺にはさっぱりわからねえ!
キタンたちと和解を果たし、さらに旅を続けるカミナ一行。とある場所までたどり着いた途端、突然地面が崩れガンメンごと地下に落下してしまう。落ちた先は古びたガンメンを「顔神様」と崇める奇妙な村だった。ガンメンから出てきたカミナたちは「顔神様の使い」として歓待されるが、その態度に不審なものを感じる。その後、村人たちはある儀式を行うが、それは貧しさゆえの過酷なものだった。儀式を「村が生きていくために不可欠なもの」と説く司祭に対し納得できないカミナ。そんな彼に反発を覚える村の少年ロシウ。一触即発になりかけたそのとき、新たなガンメンが天井から落下してきた! グレンラガンで応戦するカミナとシモンだったが…。

6. 見てえものは見てえんだ!!
仲間にロシウとギミー&ダリーを加え、敵本拠地への旅は続く。彼らの前に突如立ち塞がるガンメン軍団。これまでの戦いで成長しているカミナたちはあっけなく倒してしまうが、1体だけ逃してしまう。それを追えば敵の本拠に辿り着けると確信し、追跡するグレンラガン。だがいつの間にか立ち込めた霧のために見失ってしまう。霧中をさまよう中、1人の老人に出会う。老人は一行を奇妙な屋敷に案内するが…そこは温泉旅館?!女将と美女ぞろいのバニーガールに出迎えられ、下にもおかぬもてなしに浮かれっぱなしのカミナたち。そこにキヨウたちも合流し宴はさらに盛り上がる。ただ一人冷静なロシウは彼らの態度に疑いを抱き、屋敷内の探索を始める。

7. それはお前がやるんだよ!
オオカミ獣人の罠を打ち破った(?)カミナたち一行。その前に現れた獣人・ヴィラル。前回の戦いに敗れ、武士の誇りである兜をグレンラガンに奪われた雪辱を果たさんと再戦を挑みにきたのだ。そのまま激しい戦いを展開するグレンラガンとエンキドゥ。戦いの趨勢が優位に傾きかけたとき、突如彼方から砲弾が飛来し吹き飛ばされる。激しい砲撃と共に現れたのは……山のような巨大なガンメン!圧倒的な戦力の前に撤退を呼びかけるヨーコたちだが、カミナは一歩も退こうとはせず無謀にも戦いを続けるがまるで歯が立たない。集中砲火にさらされ、窮地に立たされるカミナたち。そんな彼らの前に新たなガンメンが現れる。彼らの正体は?!

8. あばよ、ダチ公
要塞型ガンメン・ダイガンザンとの戦いの最中、グレンラガンのピンチを救ったのはリットナー村のダヤッカや「黒の兄弟」キタンたちだった。彼らはカミナ同様、獣人のガンメンを奪取し自分のものにしてきたのだ。「大グレン団」の旗の下、各地で抵抗を続けてきた仲間たちが続々と集結する。カミナは彼らと共にダイガンザンの乗っ取りを決意する。作戦を前に盛り上がる大グレン団の面々とは裏腹に、カミナの無謀な行動に一抹の危惧を抱くヨーコ。決戦の朝、シモンはカミナとヨーコのキスシーンを目撃してしまい、激しく動揺する。そんな彼の心中をよそに、激しい戦いの幕は切って落とされる。果たして作戦は成功するのか?!

9. ヒトっていったい何ですか?
都に届けられた四天王チミルフ戦死の報。それは新たなる戦いの幕開けに過ぎなかった…。激しい戦いの末、ダイガンザンを手に入れた大グレン団。だが得たものの代償はあまりにも大きかった。カミナという精神的支柱を失い、目標を見失いかける大グレン団の面々。そしてアニキの死を「自分のせい」と半ば自暴自棄と化すシモン。仲間たちからも孤立する中、ガンメンとの戦いの最中にラガンが暴走し、グレンと分離し飛び出してしまう。コントロールのきかないラガンはそのまま、コンテナが散乱する奇妙な谷に不時着する。谷をさまようシモンの前に、新たなコンテナが落下してくる。その扉を開けると中には一人の女の子が眠っていた…。

10. アニキっていったい誰ですか?
シモンが連れてきた少女・ニアの正体を知り、動揺を隠せない大グレン団の一行。敵の情報を聞き出そうと尋問を試みるがうまくいかず、厄介払いでシモンに押し付ける。カミナを失った事実から立ち直れないシモンだったが、ニアに問われるまま、カミナとの絆を語るのだった。一方、ニア姫にためらい、戦いをやめてしまった四天王・アディーネ。都で螺旋王にそのことを責められたアディーネは単身ダイグレンを倒すことを誓い出撃する。ダイグレンの前に再び現れるガンメン・セイルーン。アディーネに対し、ニアは単身甲板に飛び出し、ことの真意を父王にただすべく、自分を都に連れて行くよう命じるのだが…

11. シモン、手をどけて
アディーネを退けた大グレン団。だが未だ立ち直れないシモンは部屋に引きこもってしまう。皆が見放していく中、一人ニアだけが彼を気遣うのだった。都を目指すダイグレンに入る緊急通信。あからさまに怪しい通信内容にリーロンたちは罠だと疑うが、キタンはそれをきかずに救助に向かってしまう。だがそれは四天王・グアームの狡猾な罠だった。ほとんど何の抵抗もできずに牢に放り込まれるシモンたち。脱出するべく穴を掘ろうとするキタン達だったが、全く歯が立たず、一人、また一人とあきらめていく。そんな中、一人黙々と掘り続けるシモン。そのうしろ姿を見て、ヨーコはかつてカミナが言っていたある一言を思い出すのだった…。

12. ヨーコさん、お願いがあります
グアームの卑劣な罠を打ち破り、己を取り戻したシモン。カミナの志を受け継ぎ大グレン団の新リーダーとして王都・テッペリンを目指す!そんな彼らの目前に海が広がる。地上専用のダイグレンでは海は航行できないのだが、こんなこともあろうかとリーロンは水上装備を用意していた。装備を換装する間、海水浴を楽しむ一行。その中に仲間として溶け込んだニアもいた。

13. みなさん、た~んと召し上がれ
四天王の一人、流麗のアディーネとの海戦に勝利したシモンたち大グレン団。その余韻にひたる間もなくテッペリンを目指すなか、突然「働きたい」と申し出るニア。メンバー全員が働いているというのに、自分だけ何もしないのはいやだというのだ。

14. 皆さん、ごきげんよう
ついに王都・テッペリン目前までたどりついた大グレン団。息つく間もなくテッペリン攻略戦の幕が切って落とされる。大グレン団の前に立ちふさがる四天王の旗艦ダイガンド&ダイガンテン。地上で、空中で互いのガンメンがぶつかり激しい火花を散らす。2隻の戦艦ガンメン相手にダイグレンは苦戦を強いられる。

15. 私は明日へ向かいます
シモンたちの前で、崩壊を始めるテッペリン。その正体は都市そのものが巨大なガンメンだった! 大グレン団の面々が呆然とする中、引き寄せられるように天空へ向かうグレンラガン。雲海を越えるほどの上空にしつらえられた玉座に座る一人の男。ついに螺旋王ロージェノムと相対する!

16. 総集片
これは、まだ運命に気づかぬ一人の男の物語。シモンとカミナ、二人の男が地下の村から地上へ突き抜けて始まった、遥かなる旅。見知らぬ世界、新たな仲間たち、そして別れ。絶望の淵で見つけた出会い。物語の欠片を紡いで語る「総集片」が今、ここに始まる。

17. あなたは何もわかっていない
テッペリンの決戦から7年後…。地上に解放された人々は、螺旋王の残したテクノロジーをもとに瞬く間に文明を構築していく。そんな中であるものは結婚して子供をもうけ、またあるものは新天地を目指し旅立っていった。新政府の総司令の座に着いたシモンは公務に忙殺される日々をぬって、ニアにプロポーズする。

18. 聞かせてもらうぞこの世界の謎を
螺旋王ロージェノムの予言通り、地上の人間の数が100万人になった瞬間に現れた正体不明の兵器。そして人類に宣戦布告したのはシモンたちにとって全く予想のできない人物だった。かろうじて敵を撃退したシモンは真相をただすべく、その姿を求めてカミナシティをさまよう。

19. 生き残るんだどんな手段を使っても
敵を撃退し帰還したシモンはロシウによって逮捕され、そのまま独房に監禁される。カミナシティで暴動を起こした民衆を鎮めるにはこの方法しかないと言うロシウに対し、キタンやダヤッカらグレン団のメンバーはいきり立つものの何も言い返せない。

20. 神はどこまで僕らをためす
カミナシティに帰還したシモンは監獄に収監される。そこにはかつてのライバル・ヴィラルも投獄されていた…。人間の避難を急がせるロシウ。ロシウの行動に不審を抱くキタンだが、行動の裏に隠された真の意味を知り驚愕する。

21. あなたは生き残るべき人だ
地下から出てきた人間たちが暮らすコレハナ島の小学校に、一人の新任教師が赴任してくる。その女教師は瞬く間に島の生活にとけこみ、生徒たちに慕われる。彼女の生徒の一人・ナキムは父親をなくしてこの島に移り住んだものの、島の生活になじめず、同級生ともうまく付き合うことができないでいた。

22. それが僕の最後の義務だ
宇宙へ脱出したアークグレンを、軌道上で襲うムガンの大編隊。ギミーたちグラパール隊の奮戦もむなしく、アークグレンの損害は増大していく。アークグレンのクルーが絶望のふちに立たされたそのとき、ブリッジに響くシモンの声!「あきらめるな!ロシウ!」

23. 行くぞ 最後の戦いだ
圧倒的なアンチスパイラルの猛攻を防ぎきり、逆転勝利を収めた大グレン団。その勝利の余韻も覚めやらぬまま、アンチスパイラルの本拠地探索を開始する。そのころ、ロシウは一人、生まれ故郷であるアダイ村に現れていた。

24. 忘れるものか この一分一秒を
人類の未来と愛するニアを救うため、次元の狭間にあるというアンチスパイラルの母星を目指すシモンと大グレン団。その行く手を阻むようにあらわれるアンチスパイラルの艦隊。その数、無量大数!シモンの螺旋力に全てを託し、大グレン団が絶望的な戦場で命を賭ける!

25. お前の遺志は受け取った!
アンチスパイラルの新たなる攻撃にさらされる超銀河ダイグレン。宇宙が高密度の海と化し、超銀河ダイグレンを沈めていく。罠を打ち破るため、シモンたちは一見無謀にすら思える捨て身の作戦に出る。

26. 行くぜ ダチ公
アンチスパイラルの罠を突き破り、ついに変形を完成させ大銀河に立ち上がる超銀河グレンラガン!その圧倒的な力は眼前に立ちふさがる敵艦隊をみるみるうちに駆逐していく。だが、アンチスパイラルの仕掛けた新たなる罠に大グレン団の面々はなすすべなく囚われる。それはシモンですら例外ではなかった。

27. 天の光はすべて星
これは自分の運命を知らなかった一人の男の人生の物語。今、男は自分の運命を知り、愛する女と、友と、まだ見ぬ明日のための最後の戦いが今、始まる!

投稿 : 2024/09/07
♥ : 8
ネタバレ

arias さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

日曜8時30分からこんな熱いの観てたら午後にはダウンしてるよ

2014年1月2日、3日のニコニコ一挙生放送にて(総集編16話を除く全27話)
ロボット(メカ)/熱血/成長/合体/SFファンタジー/オリジナル作品/2クール

1~15話  少年時代
16話    総集編
17話~27話 青年時代


ガイナックスによる熱血メカアニメ。なお主要スタッフである監督の今石洋之、副監督の大塚雅彦、原画のすしおらはTriggerを設立し移籍したため現在はガイナックスに所属はしていない。

アニメグレンラガンにはロボットとドリルを題材にした作品だ。今石らしいスピード感とコミカルな魅せ方と脚本による中島かずきによる友情(愛情)、熱血。これらがグルングルンとうまく合わさり回り素晴らしい作品になった。

1シーン見ただけで今石アニメだ!って思うほどの演出する監督だけれどもこれでもセーブしていた(ソースはアニメスタイル)とのこと。6話の温泉回が一番解放した回で徐々に落ち着いていき終わりに近づくにつれ大人しくなっていったかな、という印象を抱いた。最後はお話も真剣になっていくしね。
[追記:って6話は板垣伸が絡んで若干暴走気味だったのかな……?ソースは板垣伸のいきあたりバッタリ!第十八回]

さてロボットアニメなのでロボットについての話を。正直造形なんてわからないのでこうとしか言えないがかっこいい。合体シーンやドリル出現シーンなどは盛り上がる。
どうして動かせるのか、出力は何なのかなどの疑問の答えは「気合」。それでいいのかと思うけど熱血とスピード感でカバーしてる。
また主人公の機体は敵のロボットを略奪できるので性能の限界を感じることも飽きることもなかった。

熱血要素もこのアニメを語る上では欠かすことのできない。強大な敵にも諦めずに戦う姿やここぞという場面で「お前のドリルで天を突け」「オレを誰だと思ってやがる!」等の決め台詞もとても痺れちゃいますね。
毎話必ずおおっというシーンがあるし悲しい出来事や暗いエピソードなどで緩急もつけている。

岩崎琢による劇中音楽もまたいい味を出している。25話に流れたソプラノコーラス+ヒップホップ(ラップ)の楽曲がお気に入りです。
中川翔子によるOP&11話などの挿入歌も良かった。

不満だったのは4話かな。あの回は作画が酷かった。合体シーンだけ綺麗な作画になってて呆れてしまった。とはいえこれがパンティアンドストッキングの逆崩壊作画が誕生秘話だったのかもしれないが……。
9話も物語では重要な回だったがあれっ?と感じてしまうところがあった。
{netabare}後はブータが変身することの必要性が感じられなかったかな。結局合流する頃には元に戻るし。ケモナーホイホイだったのかもしくは何かのパロディだったのかね{/netabare}

天元突破グレンラガン……とても熱くかっこ良くいい作品だった。しかしこんな燃え上がる作品を日曜8時30分から地上波で放送してたなんて。その頃観ていたら午後にはテンション保てずダウンしてそうですね。



以下各話感想メモ。全力でネタバレしてます
{netabare}

★★★★★第一話~第三話★★★★★
熱血。熱い
カミナは頼りになるなぁ。
シモンは弱っちそうなだけに成長成分期待できそう

ところどころギャグが入ってる
第三話の初合体シーンは笑った
★★★★★第四話★★★★★
作画……頑張れよ
顔が潰れてるぞ
合体シーンだけ作画良くなってるな。ホント別人

洞窟暮らしが長いからか食物には火を通さないんだな
生肉とは恐るべし
★★★★★第五話★★★★★
あれっ普通に合体したな
あれだけ状況に拘ってたのに

全編通してフィルターかかってた
うまい演出だけど若干見づらかったな

これで仲間が3人増えた、のかな?
★★★★★第六話★★★★★
温泉回、ギャグ回。今石イズムだなぁ面白い
★★★★★第八話★★★★★
次回予告でネタバレしてたしAパートから死亡フラグ立ちまくってた
けど本当に死ぬとは。死んだんだよねこれ。どうするんだろ
9話予告で新キャラ登場。ナレーションもやってたからキーなんでしょうね
★★★★★第九話★★★★★
OP映像微妙に変わってる
カミナがOPから消えてら……
螺旋王人間なんじゃね?
→Bパートニアのセリフにより可能性大

箱からニアが出てきたのは箱入り娘ってことか

作画残念なとこあるなぁ。重要な回っぽいのに
★★★★★第十話★★★★★
ヴィラルはカミナ死んだこと知らないのか?
アイツいいやつになりそうだなぁ
★★★★★第十一話★★★★★
シモン復活。かっけー。しょこたんの挿入歌も盛り上がってよかった
十二話の次回予告。水着回かな?
★★★★★第十二話★★★★★
ヨーコも復活、でいいのかな
話の流れでニアの髪型変更。短いほうが描くの楽だからね
★★★★★第十三話★★★★★
OP、ニアの髪は長いままだった
やっぱりヴィラルはカミナが死んでいたことを知らなかった
良心も見せたけど螺旋王に改造されてダークサイドの道辿りそうだな

14話の次回予告「みなさんごきげんよう」って不穏だなぁ
★★★★★第十四話★★★★★
らきすたの店長がいるwww
突っ込んで死んだwwwww

ニアお別れじゃなかった
★★★★★第十五話★★★★★
螺旋王つええええwww生身のほうがつええんじゃねぇかこれ
意味深なセリフ残して消えたけど16話からは月偏なのかな
ひとまず1~15話、地球編おしまいってことで

作画監督すしおか。今更だけど音楽は岩崎琢
★★★★★十七話★★★★★
OPの歌詞が二番になってる
映像も変化……ってみんな大人になってるな
EDは歌詞も映像も変化

7年後の世界か。ロシウイケメンすぎる
性格変わったのもいればそのままのやつもいるね

ニアとケコーン……ならず

新章だけあってガラッとアニメの雰囲気変わったね
★★★★★十八話★★★★★
アンチスパイラルの存在なんかが明らかにされました
螺旋王も元は良い奴だった……?

シモンが暴走キャラに
ロシウが目的のためには手段を選ばないキャラに
★★★★★十九話★★★★★
ロシウ悪党すぎワロタ

ここでヴィラルと再会か
シモン反政府軍入り待ったなし
そしてここまで出番のないヨーコは何処へ
★★★★★二十話★★★★★
貴重なシャワーシーン(♂)

キタン回かってくらい出番あったな
死ぬのかと思った

最後の最後にヨーコきたあああああああ
★★★★★二十一話★★★★★
ヨマコ先生(ヨーコ)のおっぱい見つめるショタっ子
おねがい☆ティーチャーが始まりました

シモン「俺を誰だと思っている」
頂きました

シモンとヴィラルのコンビか。かっこ良すぎるぜ
シモン&ヴィラル「俺を誰だと思ってやがる!!」
うひょーーーーーーー!!!!
★★★★★二十ニ話★★★★★
怒涛合体アークグレンラガンかっけえええ

月もガンメンか

話の途中でぶっさしちゃったけど大丈夫かよ
大丈夫だったけど音楽も途中だったしビビったよ

次回からアンチスパイラルの全力軍隊との闘い編なのかな
これにて月偏終わりってことで
★★★★★二十三話★★★★★
ロシウ回

超銀河ダイグレン団結束!
ロシウもキノンとシモンによって復活したしいよいよって感じだな
★★★★★二十四話★★★★★
もう完全に戦艦のマスコットだな首だけ螺旋王さん

時間を稼ぐためみんな見せ場を作って死んでいく……
やっと合体かと思ったら罠にかかる……
★★★★★二十五話★★★★★
うわあああキタンも螺旋の力に目覚めてからやられてしまった……
お前もヨーコと死亡フラグ作ってから死んでいったな……
ヨーコのメンタルもやられそう

しかしついに超銀河グレンラガンの出番だ
最後のキタン→超銀河グレンラガンの流れにかかった音楽良かった
ソプラノオペラ+ヒップホップ風
★★★★★二十六話★★★★★
おぉIf...なBパート盛り上がる。カミナも出てきたし
Aパート後半の絶望感が緩急つけて良かったね

それにしてもブータは人になる必要あったのかな

26話のサブタイ『行くぜダチ公』と8話サブタイ『あばよ、ダチ公』。涙腺来ますね
★★★★★二十七話★★★★★
おおおおおおおおおおおお
グレン団全員騎乗による天元突破グレンラガン!
マスコットもいるwwww

ニア、消えてしまったんか……
結婚式でキスして消滅するなんて悲しすぎる

ところでブータさんは……
あっ数十年後を描いたCパートに出てきた。ちゃんと元の獣型でした

{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 1
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【視聴検討中!】ドラマのアオイホノオを観たり、キルラキルの関連作品として気になってます。

全27話 +DS版特典番外編1話

タイトル、絵柄からして、男の子向けと思ったので、視聴は初めから考えてなかった作品です。
なので、深夜の再放送でも完全ノーマークでした。

キルラキルも初めの数話で断念してしまったので、再トライしてみようと思っていますが、
よく一緒に名前が挙がるこの作品が気になり始め、視聴候補として検討中。

ただ、どちらを先に観た方がいいのか迷ってます。
もうちょっとレビューを読んでみたりしようかな。急ぐこともないかな。

しょこたんのOPテーマは、CMなどでも耳にしたので知ってました。
この作品のだとは知らなかったですが。


===================================
【参考情報】視聴検討するための予備知識など(公式サイト、Wikiなどより)
{netabare}
■概要
ジャンル:SFファンタジーロボット アニメ
16:9比率ハイビジョンサイズで制作されており、アナログ放送でもレターボックス16:9比率で放送されている。本作はGAINAXが単独でアニメーション制作をした初のTVアニメ作品である。

{netabare}作品名の「天元」とは、万物生育の根源という意味があり、また囲碁の用語では碁盤の中央(中心)を指す。劇中のキーワードにも螺旋、ドリル、回転等、中央・中心に関連するものが多く見られ、中央突破、王道路線を念頭に置いた作品名といえる。監督である今石洋之の「ドリル」を念頭に置いた原案、基本設定と構成から、脚本の中島かずきが「進化と宇宙での象徴である螺旋」というテーマに乗せ、一人の男の成長劇と、生命と宇宙の進化を描いた巨大ロボット作品となっている。

本作品に登場するロボットは全編通して「ガンメン」と称され(由来は顔面)、「顔を中心に手足が付属する」という比較的マイナー部類のデザイン系統を採用している。
物語は前編(1部・2部)と後編(3部・4部)の2部2編で構成され、主題歌『空色デイズ』の歌詞は1コーラス目と2コーラス目で、それぞれの世界観のテーマに対応している。{/netabare}

過去の特撮・アニメをモチーフないしパロディとしたメカデザインやシーン描写が多数存在する。

2007年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、東京国際アニメフェア2008・第7回東京アニメアワードテレビ部門優秀賞・個人賞(キャラクターデザイン)受賞作品。

{netabare}劇場版映画として『天元突破グレンラガン 紅蓮篇』が2008年9月6日に、
続編『天元突破グレンラガン 螺巌篇』が2009年4月25日に公開された。
劇場版の展開に合わせ、テレビシリーズの地上波再放送がテレビ東京系列深夜枠にて度々行われた。
2007年10月 - 2008年4月(16話の総集編を除いた全26話を毎週1話ずつ放送。ローカルセールス枠)
『2008〜2009年年またぎ 大グレン団祭』 2008年12月28 - 30日、2009年1月1日 - 4日(1話 - 15話、17話の全16話を年末年始に全7夜で集中放送)
『2009大グレン団祭"春"』 2009年4月9日 - 6月11日(18話以降の再放送){/netabare}

■ストーリー
{netabare}遥かな未来。
人々は地中に穴を掘って家を造り家畜を飼い、
時折起きる地震と落盤に怯えながら何百年も息を潜めるように暮らしてきた。
そんな村の一つ・ジーハ。 村を広げるための穴掘りをしていた少年・シモンは、
ある日、掘り進んだ先で偶然、不思議に光る小さなドリルを見つける。
そして、シモンの兄貴分である青年・カミナ。
彼は、村の上には「地上」があることを信じ、
グレン団というチンピラグループを率いて天井を突き破って外へ出ようと目論んでいた。
そんなある日、地震と共に村の天井が崩れ巨大なロボットが落ちてくる!
カミナは確信する「やっぱり地上はあった!」
そして、無謀にも村で暴れるロボットに立ち向かおうとする。
その時、更に地上から何かがやって来た。
それは、巨大なライフルを持った少女・ヨーコだった。
彼女は、ロボットを地上から追って来たのだ。
しかし、ライフルの威力では、倒すどころか足止めをするのが精一杯。
そんなピンチの中、シモンは、以前、地中から掘り出したモノをカミナとヨーコに見せる。
それは、顔だけの謎のロボットだった…。
(天元突破グレンラガン公式サイトより){/netabare}

■放送情報
2007年4月1日 - 9月30日  テレビ東京系列
毎週日曜8時30分から9時00分に放送。

■各話リスト
{netabare}第1部 カミナとの離別まで(第1 - 8話)
1話 「お前のドリルで天を突け!」
2話「俺が乗るって言ってんだ!!」
3話「顔が2つたぁ生意気な!!」
4話「顔が多けりゃ偉いのか?」
5話「俺にはさっぱりわからねえ!」
6話「てめえら全員湯あたりしやがれ!!」
7話「それはお前がやるんだよ!」
8話「あばよ、ダチ公」
------------------------------------
第2部 ニア初登場からテッペリン陥落まで(第9 - 15話)
9話 「ヒトっていったい何ですか?」
10話「アニキっていったい誰ですか?」
11話「シモン、手をどけて」
12話「ヨーコさん、お願いがあります」
13話「みなさん、た~んと召し上がれ」
14話「皆さん、ごきげんよう」
15話「私は明日へ向かいます」
16話「総集片」”第1部””第2部”の総集編
------------------------------------
第3部 7年後の新政府設立から月直撃を食い止めたところまで(第17話 - 第22話)
17話「あなたは何もわかっていない」
18話「聞かせてもらうぞこの世界の謎を」
19話「生き残るんだどんな手段を使っても」
20話「神はどこまで僕らを試す」
21話「あなたは生き残るべき人だ」
22話「それが僕の最後の義務だ」
23話「行くぞ 最後の戦いだ」
24話「忘れるものか この一分一秒を」
25話「お前の遺志は受け取った!」
26話「行くぜ ダチ公」
27話「天の光は全て星」(最終話)
------------------------------------
{/netabare}

OP「空色デイズ」歌:中川翔子(しょこたん)
挿入歌「happily ever after」歌:中川翔子(しょこたん)

<STAFF>
{netabare}企画:夏目公一朗、山賀博之、工藤陽二郎
監督:今石洋之
副監督:大塚雅彦
シリーズ構成:中島かずき
キャラクターデザイン:錦織敦史
音楽:岩崎琢
音楽制作:アニプレックス
アニメーション制作:GAINAX
製作:テレビ東京、電通、アニプレックス{/netabare}

<CAST>
{netabare}シモン:柿原徹也
カミナ:小西克幸
ヨーコ:井上麻里奈
リーロン:小野坂昌也
ヴィラル:檜山修之
ブータ/ダリー:伊藤静
ダヤッカ:中村大樹
キタン:谷山紀章
キヨウ:佐藤利奈
キノン:植田佳奈
キヤル:阿澄佳奈
ロシウ:斎賀みつき
ギミー:本田貴子{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 3

89.2 7 恋愛で泣けるなアニメランキング7位
君に届け(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (3037)
14969人が棚に入れました
陰気な容姿のせいで霊感があると恐れられ、「貞子」というあだながついている黒沼爽子。
周囲に避けられることに慣れてしまっていた爽子は、わけへだてなく接してくれるサワヤカさ100%の少年、風早翔太に憧れる。自分を変えたいという爽子の背中を押してくれる風早や、矢野あやね、吉田千鶴、真田龍といったクラスメイトたちとの関わりの中で、爽子は少しずつだが自分の殻を破っていく。
ピュアな爽子が友情や恋、ライバルや友達の失恋などいろんな「初めて」を知っていく過程を、丁寧に描いていく作品。
一般の少女漫画原作の作品と異なり、ドロドロとした女の戦いなどはあまりなく、それ以上に爽子が不器用ながらも自分の気持ちに正直に生きていく姿を中心に描かれており、思わず見ていてニヤニヤしてしまう学園青春ストーリー。

声優・キャラクター
能登麻美子、浪川大輔、沢城みゆき、三瓶由布子、中村悠一、平野綾
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

一時期、流行った少女漫画ですね。
いつの時代もコレって少女漫画が話題になるけど、その作品の中の1つですね。

主人公、黒沼爽子はクラスで避けられていて、周りから「貞子」と呼ばれてます。
彼女は少し陰キャで暗いイメージがあり霊感もありそうだからと言う理由

けど、ホントは優しくて笑うと可愛くて、周りと打ち解けたいと積極的に行動をしようと自ら挨拶したりと積極的な面を持つ女の子。
そんな彼女が、クラスメイトの風早翔太と出会い周りと打ち解けてゆくって話。

さて、この作品はクラスメイトがガキ過ぎます。
{netabare} 例えば、肝試しの後日、1人でゴール出来なかった風早にクラスメイトは罰ゲームは「1週間、貞子と付き合える件」とか言う罰ゲームでした。
それにクラスメイト全員がワイワイ騒いでて……

罰ゲームで誰かと付き合えとか失礼だし、そんな罰ゲームで盛りあがるのは小学生低学年くらいですよ。
高校生のする提案じゃない。 {/netabare}

ただ、それを否定する風早は良かったです。
{netabare} 「罰ゲームは受けるけど、黒沼と付き合う事が罰なんて黒沼に失礼過ぎる!」ってのは良かったなぁ〜
{/netabare}

後、席替えで、クラスメイトは黒沼の前後左右斜めになりたくないと大声で否定します。
そんなの言葉にするなよって思います。
正直最低な発言です。
ホントにガキぽいクラスメイトだなぁ〜と思いましたね。
結局、このクラスメイトは風早の良さを引き出す為に配置されてるんでしょうけど、行動に発言が高校生に思えないのが凄く目立ちます。

{netabare}そんな中、進んで黒沼の隣りに座る風早や目の前に座る友達の矢野に黒沼の噂を気にしないクラスメイトのリュウに後ろをの席を奪われた友達の吉田が斜め前に座ってくれます。{/netabare}

この席替えのシーンは凄く好きなシーンでもあって、私は例えば100人の人から好いて貰いたいとか理解して貰いたいとは思わなくて、100人の内1人でも自分を好いてくれたり理解してくれる人が居てくれたらそれで十分嬉しいかな?と思います。

だから、爽子の席の周りに5人も進んで傍にきてくれてホントに爽子は嬉しそうで素敵なシーンだなと思いました。

でも、そんな彼ら彼女らとすれ違っていきます。
{netabare} 陰口で爽子は「貞子と一緒に居たら絶対風早、株を落とすよ」 と聞かされます。
だから、自分と居たら風早が評判を落とすと思い風早を避け始めます。

けど、そんな爽子の対応が気になる風早は爽子と話し理由を知ります。
だから、風早は自分の気持ちを伝える。
噂なんかよりも大切なのは本人達の気持ちです。
もしも、自分の株があって特定の誰か、友達と居ると落ちる様な薄っぺらい株なんて何の意味があるのか、そんな株よりも誰かとの絆とか気持ちの方が大切だよなぁ〜と思いました。 {/netabare}

一方、友達の矢野と吉田ともギクシャクする爽子。
{netabare} 実は、矢野と吉田の悪い噂が流されて、それを爽子が流してると聞かされます。
2人は爽子が流すわけがないって信じてますが、爽子が別のクラスの幼なじみとの会話で爽子が「矢野さんと吉田さんは友達じゃないよ……」と意味深な言葉を耳にします。

2人は爽子に「私達の事を好き?」と聞くと「好きと言うか……」って言葉を聞いて2人は爽子の気持ちを怖くて最後まで聞けずに……目を背けてしまう。

爽子は自分の気持ちが伝わったと誤解してしまう。
彼女は友達なんて出来たことなくて、少しの言葉でも気持ちが伝わったと誤解してしまう。
そんな中、爽子は自分が吉田と矢野の悪口を流してるって噂を聞いて誤解を解こうとする。

それは自分の為じゃない。
吉田と矢野が傷つくからです。
だから、爽子も引けなくて女子集団に1人でぶつかる。
そんなやりとりで、爽子の気持ちを知り助けにくる吉田と矢野。 {/netabare}

結局、爽子は友達の関係性が解らなかった。
友達っていつから友達なのか?

{netabare} だから、彼女は友達じゃないよ、でもいつかは友達になりたいと思っていた。
好きと言うか、もっと好き大好きって気持ちって言葉を伝える。{/netabare}

やっぱり気持ちを伝えるって大切ですよね。
言葉にしなくても気持ちは伝わるなんて言うけど、言葉にしないとハッキリは伝わらないし、言葉を聞かないと自己完結させてしまうから擦れ違いもしますよね。

さて、爽子のライバルが現れます。
胡桃沢梅、多分学園の人気者かな?
確かに可愛いし優しい女の子。
でも、ホントは計算高くて悪巧み?する女の子。

{netabare} 常に爽子と風早が話していると割り込む。
吉田と矢野の噂も彼女が流した。
爽子に自分の気持ちを気づかせないように誘導。

中学時代も風早を誰にも取られたくない彼女が入念に手回しして誰も風早に告白しない状況を作り出した。

爽子に風早を諦めさせようと、自分が風早を好きだから応援するように話すも爽子に否定されて思い通りいかなくなると性格が一転……
爽子に嫌味を言うけど爽子は爽子で前向きに捉えてめげないw
逞しいですねw {/netabare}

胡桃沢は多分風早をホントに好きだから解るんだろうね。
{netabare} 風早は胡桃沢を好きじゃない、風早は好きな人は居なかった……けど、今は爽子が好きな事を。{/netabare}

{netabare}胡桃沢も気持ちを伝えたらと思うけど、胡桃沢は失敗する告白はしたくなかったんだと思います。
告白して失敗したら今の関係性は大なり小なり変化するから、それは出来ない……そうなるのが怖い

だから、矢野と吉田の噂を流したのも彼女を周りから孤立させる為だった。
最後は爽子の気持ちを風早からリュウにすり替えようとした。{/netabare}

問い詰められた時に、胡桃沢の「周りを陥れて利用して何が悪いの?みんなだって私を利用してるじゃん」ってセリフがあります。

多分、胡桃沢って本当は優しい女の子なんだと思う。
誰かが困って居たらただほっとけない女の子なんだと思います。
でも、他の女の子達からはそうした行動が目について、他の男の子に、言い寄っている様にうつったんだと思います。

{netabare} 陰口で「胡桃と居ると男子と喋れるから一緒にいるだけなのにね〜」って言葉を聞いてしまう。
これはショックだよね……仲のいい友達の本音って傷つく。

だから、彼女は友達関係を友情から利用に変更した。
二度と傷つかないように……周りが自分にしたように。 {/netabare}

確かに気持ちは解る。
ムカつくしショックだと思うし、自分も利用してやろうって思うよね。
でもさ、ダメなんだよね。
周りの関係のない人を巻き込んで利用したり傷つけたりさ。
特に爽子の様な本気で向き合ってくれてような子に、そうした痛みや辛さを知ってる人が、その痛みや辛さを押し付けるような事をしちゃダメなんですよね。

{netabare} 全ての顛末を矢野は風早につたえると言いだす。

爽子はそれを止める。 {/netabare}

爽子はショックだったと思う。
{netabare} 嫌われて、友達じゃないと言われて、噂を流したのが胡桃沢だと知らされて……
それでも、胡桃沢と同じく人を好きになったから解る。
好きな人に軽蔑され嫌われる事がどれだけ辛くて悲しいことなのか…… {/netabare}

自業自得だと言われてしまえば、それまでだし当然の悔いだと思う。
もしも、私が爽子の立場なら止めない。
けど、爽子は自分が傷ついても人を傷つける事は絶対にしない女の子で、人の痛みが解る女の子だから、そう言う強くて優しい女の子だから風早は好きになったのかな?ってw


吉田の恋は少し切ないね。
大好きな近所のお兄さん。
家族のように大切にしてくれる。
いつかは気持ちを伝えたい……

{netabare} でも、そのお兄さんは結婚してしまう。 {/netabare}

誰でもある子供の頃の恋の憧れ。
優しいお兄さんやお姉さんに憧れた年頃で「大好き」な人。
そして、成長すると気づく「大好き」の意味。
{netabare} 吉田の場合は告白する前に失恋しちゃったけどさ。{/netabare}

いつの日か、そうした子供の頃の憧れって徐々に忘れてしまう気がする。
その恋の対象が、クラスメイトや先輩や後輩とかに移り代わっていくような。
でも、子供の頃の大好きをしっかり持ち続けた吉田の恋心は素敵だなぁ〜と感じました。

クリスマスの話はね。
爽子ファミリーが良かったかなw
{netabare} 爽子のクリスマスプレゼントを見つけた父が娘の部屋から勝手に持ち出して喜んでる。
いゃいゃダメでしょうw
勝手にお部屋から持ち出したらwしかもお父さんへのプレゼント別にあるのにww

爽子だから許されたけど、私なら大激怒ですよ!
クリスマスがブラッディクリスマスに変わりますよww {/netabare}

けど、このお父さん。
しっかり家族とのクリスマスパーティをしてくれて素敵だと思います。
{netabare} プレゼントも爽子に友達が出来たから携帯電話を選んだのでしょうね。 {/netabare}

そして、家族とのクリスマスパーティの最中に電話が鳴ります。
それはクラスメイトからで父も母も爽子を送り出してくれます。

多分、父は爽子の為にクリスマスパーティを楽しいものにしたかったんだと思う。
友達の居ない爽子がクリスマスって素敵な日を寂しい思い出にしないように楽しい日にしようって毎年毎年準備してくれたのかな?って。

でも、今年は友達がいて一緒にクリスマスを祝える人がいる。
父が「早く行きなさい」って言葉があるけど、多分、父は娘の成長に気づいて送り出してくれたんだろうなぁ〜素敵なお父さんだなぁ〜と思えたエピソードでした。


最後に風早はいいキャラですね。
これは好かれますね。
カッコイイキャラではなく爽やかで可愛いキャラって感じがしますね。
なんだろ?男女問わず人気の風早君。
なんか納得出来る部分はあるかな。
普段は爽やかだけど、爽子が絡むと照れて可愛い1面を見せる風早君は、結構考えられたキャラ設定で女の子受けは良さそう。

男友達には少し爽やかってか、無邪気になるけどノリが良くてジョークにも付き合ってくれる友達にしても楽しいし男の子受けも良さそう。

後、風早が凄いと感じたのが。
{netabare} 胡桃沢に爽子とリュウが2人で話してる場面を見て、風早が爽子の手を取り走り出すシーンです。
私が風早のポジションなら、これは出来ないけど、このシーン見てたら、そこまで人を好きになるって凄いなぁ〜って。
どうあっても諦めたくない相手なんだろうなぁ〜って思いますね。 {/netabare}

結構リアルな話が多かった印象でした沁みやすい作品でした。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 16
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

爽やかな風に心洗われる初恋ストーリー

完成されたプロローグと言える、アニメの第1話は、原作少女漫画が連載化に推される元になった、傑作読み切り短編を、丸ごと完璧に収めています。

この1話だけで、本作が純粋に真っ直ぐに向き合う恋物語である事がわかり、無垢なヒロインの清廉な魅力と、作品全体を包み込む優しく清澄な空気を感じれるはずです。

乙女チックなモノローグや表現はいかにも少女漫画らしいのですが、序盤のエピソードで、女の子同士の心が通じ合うシーンは、友情を看板とする少年漫画も顔負けの熱さです!

主人公であるヒロイン「黒沼爽子」は、登場人物中、一番ファンタジーな設定ながら、説得力があり惹き付けられます。
ホラーを連想させる容姿から気味悪がられ友達もいない。
それゆえに純粋培養された無垢な純真さが、愛らしく自然に見えます。
誰に認められずとも、周囲の為を考え行動する姿は、健気で前向きで応援したくなります。

この主人公の設定は、ストーリーが重くなり過ぎないようバランスを取るのにも軽妙に活かされています。
恋の駆け引きが試される場面でも、彼女の天然な真摯さが、いじらしくも微笑ましく映ります。

お相手の男の子「風早翔太」は、頼られたら精一杯応えてあげる、困ってそうな子をほっとけない、そんな模範警察官のような正義感の強いイケメンくん。
当初、少女漫画の典型的な王子様に見える彼も、恋には純朴で、照れたり焦れたりする姿は背伸びしてない高校生に見え好感が持てます。

原作者、椎名軽穂先生曰く「孫の成長を見守るような」優しい目線で描かれた、オクテのヒロインの心情は、初々しく清らかに表現され慈愛に満ちています。
彼女の成長と恋の行方は、2期まで全36話(総集編除く)かけて見守ることになりますが、総じて他の登場人物達も、相手を思いやる気持ちが丁寧に清々しく描かれ心が洗われます。

人から優しくされたいとは多くの方が望むでしょうが、その為に、まず自分から人に優しくありたいと思える方(自分は思っても行動が伴いません~ -_-;)なら、強いシンパシーを感じることでしょう。

原作を忠実に再現したアニメですが、唯一残念な点を挙げておくと作画です。
途中の数話は体型のデッサンまで崩れている所があり不安定極まりないので、そこは我慢して観てください。(最初の1話のクオリティを最後まで保って欲しかった~)

私にとって、深夜アニメの世界の扉を開いたメモリアルアニメであり、乙女チック物語も大好きな痛いオヤジにさせられた、恐ろしくも素晴らしい作品!
ぜひ御堪能あれ♪

以下は1期2期通してのネタバレ含みの感想です

キャラクターについて
{netabare}
キャラクターデザインは女の子達が上手く描き分けられてますが、男性陣は似たようなイケメン揃いですね~
(本作に限らず、男性向け作品なら髪型以外は同じような可愛い女の子ばかりといった、主な対象視聴者受けの傾向は仕方ないでしょうが、個人的には男女共に描き分けがしっかり出来てる作品が好きです。同じ女性向け作品でも「ちはやふる」は傑出!)
キャラクター描写は、爽子については言うまでもありませんが、1期では出来すぎ感が強かった、お相手の風早くんも、2期での焦り悩む姿には同情して感情移入できました。
作品中唯一の悪役である「くるみ」もCV平野綾さんの好演も相まり、憎めない演出は光ってました。(因みに原作では、許されざる罰として、二度と恋の舞台には上がらせてもらえないのですが、ずっと抱え続けた爽子への贖罪の気持ちには泣かされます~T^T)

声優さん

個性豊かな主要キャラを演じる声優さんも、それぞれの特徴を見事に引き出す配役。
中でも爽子役の能登麻美子さんは、デフォキャラ時のコミカル声も可愛いし、ドア越しの告白は、こちらまで緊張するドキドキ物の迫真の演技!
私の初めてのお気に入り声優さんです♪

音楽

タニザワトモフミさんのOP、1期の「きみにとどけ」が作品にマッチした歌詞と優しい歌声で好きです。
劇伴曲もヒロインの情景を引き立てる瑞々しい響きが心地いいです。(EDは個人的な感性が合わず~^^;)

最後に

私、2期の放送まで続きが待てず、原作コミック、初の少女漫画大人買いをしたんです。(今では平気ですが、当時は本屋さんのレジに持っていくのも爽子のように勇気が要りました^^;)
アニメでは2人の恋が成就するまでが描かれています。
私的には、恋物語としてはアニメで十分なのですが、原作では他のキャラ達も含め、恋や将来に向けて真剣に考える姿が、一貫して美しく優しく描かれ続けます。
この作品世界にどっぷりハマれた方ならご一読ください~♪
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 22
ネタバレ

☆エトペン☆ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

sawako not sadako.

名前と容姿が似ていることで
「貞子」と呼ばれ、避けられるため
一人も友達が出来ないでいた。
(ここはちょっと微妙。なんか仲いい幼なじみがいるし)


彼女は私たちの考える事とは
ちょっとずれていて、ちょっと
勘違いばかりしてしまう。
いい方にも、悪い方にも。


これは最初は友達いなかったけど彼女の勇気とみんなのフォローで
クラスに打ち解けていく。
そんな温かいストーリー。




実はこのアニメは半年前から見ていたのですが、
最初の方はあまり気に入らず
3話で中断した状態だったのですが
最近見たいアニメも充分見たし
中断したアニメを全部最後までみることにした。



再開した後もこのアニメはすごくニヤニヤしてしまうので
その心を落ち着かせるため
停止しては再生。
停止しては再生。
を繰り返し、なかなか進まなかった。

そして途中から停止するのを無理やり止めたのですが
内容が全然頭に入ってこず
二回見る羽目になることもしばしば。

なのですべて視聴するのに時間を要してしまいました。




もうこのアニメはキャラがすべてだと思っているので
今回はキャラのことだけを語りたい。
まあしかしそうは言ってもキャラの中でも
殴りたいと思ってしまったのもいたんで
ちょっとキャラの評価を下げたんですがね。




黒沼爽子
{netabare}
この子は言うまでもなく純粋な子だよね。
あんまり好きな感じではなかったんですけど、
寝てるところはやられたね。

あと最後の方で風早とお参りに行ったとき
すんげーかわいかった。

いつもなら化粧で化ける女は好きになれないんですけど
今回は許せましたね。
{/netabare}




風早翔太
{netabare}
こいつはかっこよかったね。
最後まで見たらちょっとかっこよさが
薄れた気がするけど
席替えの時、黒沼の席の隣に移動したときは
こいつかっけーと思いました。
あとどんだけ黒沼好きなんだっつーのw
{/netabare}




矢野あやね
{netabare}
この人声良すぎてもったいないw
黒沼の友達だけでなく俺の友達にもなってくれw
中の人のおかげでどんな言葉にも重みがあるし。

初登場の時は感じ悪いと思ってたけど
徐々に仲良くなっていったときは本当に
ヤバかった。
もう感動せずにはいられない。

最近女の友情を見てると
どこか百合っぽいので
本当に新鮮な感じでしたね。
{/netabare}




吉田千鶴
{netabare}
この人も最初の印象は矢野と一緒だったけど
第1話で飲み物を爽子に渡したときは思わず
感動してしまった。

途中から貞子ではなく爽子と呼んでいたところにも涙。

早く気持ちに気づいて龍と一緒になってほしいですね。
{/netabare}



真田龍
{netabare}
作中で最もかっこいいと思った瞬間はやっぱり
この人の発したセリフかな。
「俺は千鶴一筋」。
ふつうこんな告白できないぞおい。
なんでみんなそんなにかっこいいかなw
{/netabare}




胡桃沢梅
{netabare}
この人は完全なビッチでしたね。
まあ日本語でビッチというとそんな重みはないのですが
英語でいうとかなり重いのでそっちのビッチです。

この人は殴りたいと思ってしまった一人で
もう多分どんないいことしても自分の評価は
ひっくりかえらないと思う。

最後までひどい女だなと思ってしまった。
{/netabare}



ピン
{netabare}
この人コメディ要員なんだろうけど
こいつ絶対教師じゃない。

生徒の噂を飲み込んで黒沼に対しての行動は
教師のやることではない。


まあ後々誤解は解けた感じだったけど
あいつの力じゃないし。

胡桃沢をかわいそうと思ってしまったのは
こいつのせいだし。

自分はこの人嫌いでした。
{/netabare}



二期があるらしいのですが、
そこまで面白くないと聞きましたし
自分もお腹いっぱいなので当分みることはないと思います。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 47

82.8 8 恋愛で泣けるなアニメランキング8位
琴浦さん(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (2438)
12340人が棚に入れました
琴浦春香は、一見普通の女子高生に見えるものの、人の心が読める能力を持つ。
しかしそのことをきっかけに、周りを疎外するようになっていった。と
ころが転校してきた早々に出会った真鍋義久がきっかけとなり、徐々に心が解され、また彼に惹かれていくのだが…。

―2012年8月にテレビアニメ化が発表された。

声優・キャラクター
金元寿子、福島潤、花澤香菜、久保ユリカ、下野紘
ネタバレ

アムールトラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

琴浦さんへの愛を詰め込みましたww【忠告】超長いですww

琴浦さんを一言で言うならば、
「萌えながらシリアス」
になります。

◎前書き(16.5.1加筆修正)
萌えとシリアスを融合した作品は最近増えてきていますが、ここまでシリアスなものは後にも先にも琴浦さんだけかもしれません。
決して完璧な作品とは言えませんが、とても個人的に好みな作品なので、ぜひ一度見てもらいたいと思っています。

※このレビューは超々々長いです。しゃれにならないくらい。(タグを開いてみれば分かります。)
読めるものなら読んでみろww
まじめに読むと少なくとも20分はかかると見ていいです。読むときはその点にご留意ください。もちろん、全部読んで頂けるととても嬉しいですが、多分相当きついです。

〈視聴状況〉
友人に薦められて一回目。
琴浦さんを愛でたくなって二回目。
もっと布教したいと思って三回目。 計三周。

──────────────────────☆彡
まずはキャラデザから。
外れのない可愛らしいキャラデザだと思います。程よいバランスで、凄く取っつきやすいですね。
強いて言えば、鼻がちっと特徴的かな?
まあ、それでも可愛いです。 

しかし、その中でも特に琴浦さん(主人公ヒロイン)の可愛さは異常です。目元の柔らかい感じとか最高です。
なんというか、小動物的な、愛でたくなる可愛さがあります。行動と組み合わされば破壊力抜群です。(荷物入ったダンボールタワーをなぎ倒すくらいに)

そして、そんな可愛い琴浦さんは人の心が読めてしまう。
それゆえに心に傷を負ってしまった。そんな中、運命の出会いを果たし、再生していく。そして、新たな人生を歩み始める。
大筋はこんな感じです。

シリアスを主軸としながら、適度なギャグで見やすく仕上げられています。
こんなに重い題材をよくもこの作品に落とし込めたものだなあ、と。

──────────────────────☆彡
○op「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」
作品によく合ったオープニングです。
opアニメーションでぴょこぴょこ出てくる琴浦さんが超可愛いです。
リズムに乗れる、中毒性のある曲です。
コシコシコシ。
題名についてなのですが、
そんな"琴浦"のまた裏話でしょ?←琴浦と掛けてる気がしないでもないですね。


○ed「希望の花」
これは神曲です。曲調もさることながら、歌詞が素晴らしすぎる。
アニメ琴浦さんのシリアス部分を凝縮したような、全国の卒業式で採用できるような曲です。
特に好きなフレーズはこの曲のラスト。

今あなたと、この場所から始めよう♪

シリアスシーンのバックで流れてくるこの曲は反則級ですね。流石に号泣とまではいかないものの、少なからず涙腺が刺激されたことは否定できないです。

○ed「ESP研のテーマ」
第5話限定エンディングテーマです。
内容はタイトルのまんまで、ノリがいい曲です。少し日常のオープニングに似てる気がしないでもなかったです。

○ed「つるぺた」
第6話限定エンディングテーマです。
ぺったんこヒロインであるところの琴浦さんがひたすらにかわいいエンディングムービーでした。

──────────────────────☆彡

Q.でも何で『琴浦さん』はこんなにも見やすいの?

A.4コマ漫画原作なので、とてもテンポが良いです。このポイントは大きいですね。
また、キャラデザや声優の演技力も一役買っていると思われます。

心という、ともすれば物凄く重たくなる題材を扱っているにも関わらず、それを全く感じさせないのが素晴らしいです。
視聴後感は、あーよかった。
本当に良かった。見てるこっちもハッピーだ。


これが4コマ漫画って頭狂ってるだろ。なんだよこの安定感は。(ウフフ)


琴浦さんを見て、不快感が生まれることはまず無いでしょう。
★気軽に見られるシリアス作品として、皆さんにおすすめできます。


○声優について
実は超豪華です。
先輩コンビ(花澤さんと下野さん)は特に神がかってます。
琴浦さん役の金元さんも、琴浦さんの可愛さを充分に引き出しています。以下割愛(キリがないので)。

琴浦さんは間違いなく良作ですが、
その良さ、はたして演技が先かストーリーが先か。
まあ、多分ストーリーが先です。豪華声優をあてられるくらいの良作ということです。
──────────────────────☆彡
以下、各話レビューなるものになります。
<<各話評価>>◎、○、△、×の四段階。

一話:琴浦さんと真鍋くん◎
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは心が読めます。そして、その代償に、人として当たり前の多くのものを失ってきました。
転校した琴浦さんはある少年•真鍋と出会います。その日から、琴浦さんの世界が変わり始めました。

~構成~
○前半
琴浦さんの幼少時代から現在に至るまでの軌跡。真鍋との出会い。
○op「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」
○後半
すっかり擦れてしまった琴浦さん。接触を図る真鍋。猛アタックの末、真鍋はとうとう琴浦さんの心を開く。
○ed「希望の花」

~1話のお話~
キャラデからは想像もつかない、まさに衝撃の第一話でした。
1話はどこをとっても精巧な心理描写が成されていますが、特筆すべきは以下の2シーンです。

①前半のラスト
前半ではあまりに惨い琴浦さんの遍歴が描かれます。クラスメイトからいじめを受けて怪物と罵られ、それは小、中、高と年を重ねる度にエスカレートしていきます。
しかも、そんなのは序の口だと言わんばかりの手酷い場面があります。

「これでこの問題児ともおさらばだ」
教師が心の中でふと考えてしまったことです。{netabare}それを、琴浦さんは『読んで』しまいました。
それでも教師か!と言いたくなりますが、ここで責められるべきは教師ではありません。心はどうしようもないものですから、それを表面に出さなかった教師がどうこう言われる筋合いはないのです。
しかし、琴浦さんにはそんなこと関係ない。琴浦さんが心に受ける傷の大きさを目に焼き付けられました。{/netabare}

そして、両親の離婚。
{netabare}まだ幼い琴浦さんが何の悪気もなく放ったセリフが決定打となってしまいました。
琴浦さんは自分を責めます。
しかも、母親は言います。
「あんたなんか、生まなければ良かった」
絶望感は計り知れません。{/netabare}

これらの場面が、霞がかった配色で演出されます。その効果で、視聴者は暗い心情をひしひしと感じています。

そこで訪れる前半ラストのワンシーンです。
それは、琴浦さんがもう何度目になる転校をした日のことでした。
どうせ上手くいきっこないのだから
と淡白な自己紹介をし、指定された席に向かう途中の出来事です。
一応書いておくと、この時、琴浦さんは雑な自己紹介のせいで、既にクラスメイト達からの嫌みを『読んで』います。
そんな中、
真鍋:「あれ、お前誰?」
琴浦さんを全く気にも留めていなかった男子が一人いました。そいつは真鍋。
{netabare}その瞬間、画面全体にかかった霞にひびが入り、砕け散りました。
琴浦さんの世界が変わり始めたのです。{/netabare}

②後半のラスト
琴浦さんが真鍋に独白します。
{netabare}「こうなってしまったのは全部自分が悪い。」
「人と関わると迷惑をかけてしまう。」
「私に関わらないで欲しい。」
琴浦さんは頑なで、なかなか心を開きません。
それでも真鍋は琴浦さんと仲良くなろうと頑張ります。
「そんなこと言って、一番傷付いてるのはお前じゃないか」{/netabare}

このシーン、琴浦さんも真鍋も名言メイカーです。記憶しておきたいセリフがぽんぽん出てきます。
今まで耐えに耐えてきた琴浦さんが心を開くこの場面は感涙ものです。
①、②以外にも名シーン揃いの1話でした。{/netabare}

二話:初めての……◎
{netabare}~あらすじ~
仲良くなった琴浦さんと真鍋は、百合子さんの登場でESP研究会(超能力研究会)に入部します。
活動の一環で占いをやった時、真鍋に恋する少女•森谷さんが、自分の思考を読ませることで琴浦さんを攻撃しました。
真鍋は琴浦さんを守る為、森谷さんと直接口論し、無事平穏が保たれました。

~構成~
○op前
琴浦さんの朝の日常及び登校。
○Aパート
琴浦さんと真鍋がESP研究会に入部。百合子さん、室戸先輩と知り合う。
○Bパート
百合子さんの提案で、琴浦さんは占いをやることに。真鍋に恋する森谷さんとの衝突。真鍋の活躍で一件落着。
○ed

~2話のお話~
2話は個人的には神回の一つです。
この回の山場での真鍋の格好良さはシリーズ通して指折りに入ります。むしろ一番かもしれません。
{netabare}ESP研の百合子部長の提案で占いをやった際、相手が森谷さんの時に琴浦さんは吐いてしまいます。なぜなら、森谷さんの精神攻撃はことごとく琴浦さんのトラウマを抉るもので、到底耐えられなかったからです。
ゲロは汚いですね。普通だったら、やってしまったキャラは少なからず悪印象を纏うことになってしまいます。しかし、琴浦さんはそうはなりませんでした。
山場のシーン。真鍋は森谷さんに言い放ちます。
「琴浦に吐かせるくらい、お前の心が汚いってことだろ」
このセリフが
『森谷さんの心=ゲロ』
という図式を立ち上げました。そして、ゲロの悪印象を琴浦さんから取り除きました。それどころか、琴浦さんの悲惨さを際だたせる結果となりました。
そして──
「好きだからだよ!」
これは、なんで琴浦さんを庇うのかという問いに対する真鍋の答えです。これほど純粋で否定のしようがない答えがあるでしょうか。少なくとも、森谷さんに対してはこれ以上ない答えでした。だって、森谷さんは真鍋のことが好きだから。
真鍋は絶対に計算なんてしない男です。だから、これらは天然から出たセリフです。{/netabare}
天然最強説が急浮上しました。{/netabare}

三話:嬉しくて、楽しくて△
{netabare}~あらすじ~
ESP研はカラオケに行きました。琴浦さんの歌声は酷いものでした。
琴浦さんは真鍋に弁当を作る約束をします。その日、真鍋は森谷流の男等に襲われ、入院します。見舞いに行った琴浦さんは自責に駆られ、いなくなってしまいました。

~構成~
○op前
真鍋、黒板に描かれた相合い傘にハートを付け足す。
○Aパート
ESP研、カラオケに行く。
○Bパート
琴浦さんが真鍋に弁当を作る約束をした日、真鍋は森谷流の男等に襲われる。
琴浦さんが転校してしまう。
○ed

~3話のお話~
心を開きつつあった琴浦さんが、真鍋の怪我をきっかけに再び自分を責めます。
病院でのすれ違いの描き方が良かったです。
{netabare}琴浦さんは真鍋の病室の前で心を読みます。真鍋は何気ない思考の中で、琴浦さんに被害が無かったことを喜んでいます。
それを聞いて、琴浦さんは自分を責めます。
「私がいなければ、こんなことにはならなかった」

せっかく良い感じだったのに、という悔しさを感じるストーリーでした。
1、2話で琴浦さんの悲劇から再生を描き、少し落ち着いたかというタイミングで悲劇がぶり返すという構成ですね。
これはありがちながらもドラマチックで手堅いです。しかも、嫌な感情がぶり返すことは確かに実際あるものだから、違和感も感じません。{/netabare}
あざとかったですね。{/netabare}

四話:変わる世界○
{netabare}~あらすじ~
転校したかに思われた琴浦さんは実家(大豪邸)に帰っていました。室戸先輩の情報網と和尚さんの助けによって琴浦さんを見つけ出すことができました。そして、ESP研は琴浦さんを説得し、一緒に学校に戻ることになります。

~構成~
○op前
琴浦さんが一人で遊ぶ様子
○Aパート
無気力な真鍋。先輩二人の助けもあって、琴浦さんを追い、寺で手掛かりを見つける。
○Bパート
琴浦さんの豪邸にて。琴浦さん捕獲作戦。森谷さんの琴浦さんへの謝罪。
○edのラスト
琴浦さんと真鍋の会話。
「やっといつも通りだな」
「そんなことないよ。ほんの少しだけど、変わったよ」

~4話のお話~
3話で主人公ヒロインがいなくなるという衝撃体験をしてからの、4話です。
室戸先輩がハッキングやらを出来るという設定が追加されましたが、今まで作り上げられた人物像的に違和感なくすんなりと受け入れられました。
さて、琴浦さんはどこに失踪していたのか。
なんと、『琴浦駅』周辺です。

★ 鳥取県東伯郡琴浦町
{netabare}萌え起こしとかいうのがあるらしいですね。
琴浦町は琴浦さん原作サイドと良好な関係も築いている(wikipedia)らしいです。
知らなかったな。

琴浦さんのポスターが作られたらしいです。
知らなかったな。

琴浦さんはナンバープレートにもなってるらしいです。
知らなかったな。…ちょっと欲しいかもしれない。流石に使えないけれども。

萌え起こしって、他にも色々ありますよね。自衛隊とか。
アニメも地域も団体も布教できるという妙案ですね。考えた人は凄いと思います。{/netabare}

琴浦さんが金持ちそうだということはそれとなく示唆されていましたが、それがはっきりと示されたのはこの話(4話)が初めてです。到底日本だとは思えない大豪邸の持ち主でした。そこに暮らすは初老のお爺さんです。
ニット帽を被り、好好爺然とした彼=琴浦祖父は、その実ただのエロスでした。
いかにも大富豪のじじいという感じで、よく分からん思考の持ち主です。孫=琴浦さんのお尻に触れて興奮しております。
同じくよく分からん思考をしている真鍋=エロスと相性が合うのか、この二人の絡みがなかなか良かったです。
果ては、真鍋に対してまだまだだと宣言し、エロスを推進する始末です。{/netabare}

五話:学園天国?○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは無事、町に戻ってきます。学校では森谷さんとの関係が大幅に改善し、森谷さんはESP研に入部します。そして、遅ればせながら新入部員歓迎会を琴浦さん宅で執り行います。
その後、体育祭が開かれ、真鍋は借り物競争、琴浦さんはリレーに参加します。運動神経があまり良くない琴浦さんは最下位になってしまいますが、森谷流のネタで復活します。

~構成~
○op前
琴浦さんが田舎から帰ってくる。
○Aパート
森谷さんがESP研に入部。琴浦さんの新しい家にて、新入部員歓迎会。
○Bパート
森谷流ネタ。運動会が開かれる。
○ed「ESP研のテーマ」

~5話のお話~
4話までは、ギャグで適度に息抜きしつつのシリアスでした。そして、5話は、萌えギャグです。
今話は、純粋に琴浦さんを愛でることが出来る非常に有り難い回であります。
特に印象に残った場面を挙げましょう。
①琴浦さんが回るシーン
{netabare}文字通り、琴浦さんがくるくると横回転して段ボール箱に突っ込みます。落下に巻き込まれて「完」です。
op前のシーンで一度、森谷さんの写真を眺めた後にもう一度回ります。くるくる。
心の中に留めきることが出来ない感情の発露がこれです。まさに萌えの化身というべきか、僕には可愛い以外の形容詞が思い浮かばなかったです。{/netabare}

②琴浦さんと真鍋のいちゃいちゃ
{netabare}二人の好感度メーターは既に共に振り切れています。カンストです。下がる気配などないし、下げる必要もないです。この二人のいちゃいちゃは、ささやかで甘く温かい。その象徴たる、こんな場面がありました。
{netabare}「この家、前の家よりも真鍋くんの家に近いんだよ」
「そんなこと言っちゃダメだよー男の子の心を刺激しちゃ(以下略)」
かあー!いちゃいちゃしやがって!{/netabare}

また、こんな場面もあります。
新入部員歓迎会の後、睡眠中に図らずも琴浦さんと真鍋は寄り添って寝ていました。(偶然の産物)
その場面を激写した部長は琴浦さんに迫ります。
{netabare}「欲しいー?」
恥じらう琴浦さんの横で写真を欲しがる真鍋。部長は写真を消します。
しかし、
「ちゃんと送っといたわよ」
部長、ナイス!琴浦さんの心は幸せに満たされました。{/netabare}{/netabare}
萌えが止まらない回でした。{/netabare}

六話:夏休み!○
{netabare}~あらすじ~
脳筋の森谷さんはテスト赤点で補習三昧です。そんな森谷さんを待ち、ESP研は夏合宿に行きました。琴浦さん爺の招きにより、はるかーランド、海、バーベキュー、花火と楽しんだESP研。楽しそうな琴浦さんの姿を陰から琴浦さん母が見ていたようです。

~構成~
○op前
森谷が琴浦さんが好成績であることに対し、糾弾する笑
○Aパート
はるかーランドへようこそ。
ESP研は合宿的なものに行く。
○Bパート
海、バーベキュー、花火。真鍋が琴浦さんの弁当を食べる。
○ed「つるぺた」

~6話のお話~
まず、触れねばならないのはedテーマの「つるぺた」です。これはなんとも素晴らしい曲で、琴浦さんへの愛をきっと深めてくれることでしょう。
今回も5話に引き続き、萌え回というやつだと思います。やはり琴浦さんは可愛いかったです。{netabare}お化け屋敷で怖がる姿なんてもう、どうしようもなくそそります。
海シーンで「シャーー!!」も最高でした。
そんな中、3話以来お流れになっていた"琴浦さんのお弁当"がついにやってきます。真鍋はバーベキューを差し置いて琴浦さん作の弁当を食べます。当然の選択ですね。偉い。{/netabare}
そしてまた深まる琴浦さんと真鍋の親密度でした。
一方で、琴浦さん母の存在が示唆されております。どうなることやら。{/netabare}

七話:この世界に私は◎
{netabare}~あらすじ~
6話から夏期合宿が続いています。琴浦温泉にて、混浴ネタ、森谷さんの料理ネタ(下手が招いた惨劇)が展開されました。
町へ期間後、森谷さんは缶詰めになります。一方琴浦さんは真鍋に避けられている気がします。しかし、それはサプライズへの準備だったのです。

~構成~
○op前
真鍋と琴浦爺が混浴を目指す
○Aパート
琴浦温泉にて。森谷の料理が引き起こした惨劇。琴浦さんが母への思いを語る。
○Bパート
森谷の勉強。琴浦さんの苦悩。サプライズパーティー。
○ed

~7話のお話~
少しずつ琴浦母の存在がクローズアップされてきています。そんな中でのAパート:ギャグ回、Bパート:ハートウォーミングでした。
7話は殊更に「琴浦さんの幸せな日常」が描かれていたように思います。いつもの仲間、いつもの掛け合い。様々な苦難を乗り越えてきた琴浦さんがやっと手にした日常ですね。
Bパートの話でそれがより顕著でした。{netabare}真鍋の様子がいつもと違うことに気付き、不安に駆られる琴浦さんは未だこの温かい世界に馴染みきれていません。それで先輩二人に相談すると、
「考えるだけ無駄」
先輩方は突き放したのではありません。このセリフは真鍋への信頼ゆえなのです。しかし、それに気付けず琴浦さんは苦悩します。
ラストシーンで真鍋の行動に種明かしが成されます。
「誕生日、おめでとう!」
琴浦さんは心を読めてしまうから、サプライズ企画について他の人にも話せなかったという。
そんなこんなで、真鍋なら心配ない、という日常に琴浦さんはようやく気付くのです。{/netabare}
琴浦さん=サイコという設定とストーリーを絡めた良話でした。
最後はこのセリフで締められます。
{netabare}「お母さま、この世界に私は……」
琴浦さんの世界に変化が起きたということを示すセリフですね。{/netabare}{/netabare}

八話:デートじゃないもん○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんが風邪を引いた日の話です。
前半では、琴浦さん宅での看病が、
後半では真鍋と琴浦さんとの初デートが描かれました。

~構成~
○op前
真鍋から琴浦さんへの誕生日プレゼント(ロケットペンダント)
○Aパート
琴浦さんの風邪。
超能力が使えなくなった琴浦さん。真鍋は煩悩を鎮めつつ、看病します。
○Bパート
初デート。
普段からとても仲良しな二人の初々しいデートです。プリクラをロケットペンダントに入れる演出もあります。
○ed後
琴浦さんの超能力が再発現し、同時に倒れてしまいます。

~8話のお話~
普段からいちゃいちゃし放題の琴浦さんと真鍋ですが、今回は少し様子が違います。同じ二人きりという状況でも、意識しているのとしていないのとでは大きく異なりますから。
デートを意識し過ぎたのでしょう。琴浦さんはいつも以上におどおどとしていて可愛かったです。
{netabare}8話では、一時的とはいえ琴浦さんの読心術が消えます。生まれてこのかた常に超能力と共に過ごしてきた琴浦さんにとって、超能力がないことの方が非日常です。映画館での何気ないセリフが、それを如実に物語っています。
{netabare}「映画見にくると、いつも見る前にラストが分かっちゃうんだよね…」{/netabare}
幸い、今日は超能力が消えています。非日常を満喫する琴浦さんでしたとさ。{/netabare}
どの映画も全てネタバレされる世界なんて、嫌ですね。{/netabare}

九話:まわりにはみんなが○
{netabare}~あらすじ~
琴浦さんは、連続通り魔の思考を読んでしまいました。その事実がきっかけで、琴浦さんは再び風評被害にあいます。励ます為、琴浦爺は食事会を開きました。しかし、高級ホテルにて、琴浦さんはお母さまと出会ってしまいます。真鍋の活躍により、琴浦母子の関係にひびが入りました。
一方、森谷さんは琴浦さんに対する罪悪感から、一人袋小路に迷い込むことになります。

~構成~
○op前
刑事さん達の状況
○Aパート
ESP研にて、連続通り魔の話題。帰り道、真鍋は琴浦家にお邪魔することに?
○Bパート
刑事さんとの邂逅。琴浦爺の誘いにより、ホテルでディナー。
○ed後
森谷さんの手が血塗れに。

~9話のお話~
4話以来のシリアスメインといえるでしょう。連続通り魔という非日常の介入により、琴浦さんが築いてきた日常に微かなひびが入ったと思われます。
それにしても、この話では真鍋の安定感を痛感することになりました。{netabare}目が据わっていてとてもではないけれど近づきたくない琴浦母に対し、「俺、琴浦と離れる気全然ないんで」と言うその勇猛さ(?)は素晴らしいとしかいいようがないです。
しかも、それによって琴浦母の心根が垣間見えたのですから、グッジョブです。
そして、ed後のワンシーンが意味深です。さて、森谷さんはどうなってしまうのでしょうか。
次への引きが上手いですね。{/netabare}{/netabare}

十話:だけどあなたはいない△
{netabare}~あらすじ~
森谷さんは通り魔の第一発見者で、友人の証言のせいで逮捕されました。ESP研(真鍋抜き)は犯人を見つけ、事件を解決しようとします。その際、真鍋は琴浦さんの危険を鑑みて反対、不参加となりました。部長が囮となり、作戦を実行に移しました。

~構成~
○op前
学校に報道陣。森谷さんが逮捕された!?
○Aパート
警察署にて。ESP研が乗り込んで森谷さんの証言をする。
○Bパート
ESP研は犯人探しをする。(真鍋は抜きで)
部長が囮になる。
○ed

~10話のお話~
今まで一度たりとも衝突したことのなかった二人(琴浦さんと真鍋)が初めて喧嘩別れしました。{netabare}先輩方は楽観視して静観していますが、琴浦さんは友達がいなかったから、喧嘩もしたことがありません。仲直りはどうなるのか。先への期待が高まります。
一方で、刑事さんの不穏な動きの見せ方が秀逸です。普通な人に見せかけながら、小さな違和感をばらまいていくというのは、なかなか出来ないことかと思います。
「いい友達だよね。だって、平気であなたと一緒にいられるんだもん」
衝撃のセリフです。
そして、衝撃のラストでした。部長が背後から犯人に狙われ、鈍い音を残して幕引きという。{/netabare}これは、11話を見るしかない展開ですね。{/netabare}

十一話:スタンド•バイ•ミー◎
{netabare}~あらすじ~
連続通り魔に襲われたESP研。室戸が身を挺することで、百合子は守られました。しかし、そのことに百合子と琴浦さんは責任感を感じます。責任感ゆえの行動が起点となってストーリーが展開されました。百合子と室戸の関係。森谷さんと真鍋の関係。琴浦さんと真鍋の関係。そして、連続通り魔事件の行方。真犯人は刑事さんでした。

~構成~
○op前
犯人とESP研の大立ち回り
○病院
室戸君は軽傷。琴浦さん、自分を責める。
○刑事さん宅
一人でいる琴浦さんを刑事が保護、自宅に連れて行く。
○小学校前
琴浦さんに逃げられた森谷さんは真鍋に活を入れる。告白。
○病院
室戸君と百合子さんの話。
○刑事さん宅
真犯人は刑事さんだった。
○ed

~11話のお話~
今話は部長(百合子)と室戸先輩にもスポットが当たりました。2話から節々に前振りがありましたが、10話辺りからぐいっとクローズアップされてきて、11話で完全に話題とあいなりました。

{netabare}○千里眼を持つ母親に降りかかった災難のせいで闇を抱える百合子。しかし、悪役に徹し切ることは出来ません。そんな百合子を静かに見守る室戸。二人の間では、少し狂いが生じながらも、儚い関係が出来上がっています。{/netabare}
室戸達の話以外にも、11話では、1話の再来とも思える程に心情が裸にされました。

①森谷─真鍋
{netabare}森谷さんは一途でした。初登場からここに至るまで、真鍋への愛を貫いたのです。ある意味清々しい程の恋心。ここまでくれば賞賛に値するでしょう。
{netabare}「ずっと好きでした」
真鍋は告白をされますが、
「すまん、俺は琴浦が好きだ。お前の気持ちは受け取れない」
断ります。しょうがない。だって、あの二人は……。{/netabare}
森谷さんにとっても二人の関係は大事なものとなっていました。二人の関係が続くことを心の底から願ってしまっていたのです。でも、自分の心は偽れない。だから、告白して散る。
{netabare}これが、森谷流というやつですか。{/netabare}{/netabare}

②刑事•月野さん
{netabare}なんと、真犯人が刑事さんという話。
月野さんは一人ぼっちでした。ずっと誰からも受け入れてもらえずに生きてきた。なのに、自分が持っていないものを全て持っている少女•琴浦さんが現れた。
月野さんはストレスが爆発してしまいます。想像に難くないことですね。
しかし、彼女の二重人格には正直驚きました。ストレスを溜めてしまう表人格とストレスを解消する裏人格『俺』。今後症状が改善してくれることを期待したくなるような終わり方でした。{/netabare}

③琴浦さん─真鍋
{netabare}ここだけが少し不満といえば不満です。
今回琴浦さんは真鍋に縋るばかりで逃げに徹してしまいます。目の前のことから目を逸らしてしまったのです。
{netabare}「悲劇のヒロインごっこ」
『琴浦さん』で出てきたフレーズですね。少しそうなってしまったかと思います。{/netabare}
具体的にどこをどうすればということを言えないのが悔しいですが、琴浦さんの苦悩や成長を描いて欲しかったなと少し思いました。
しかし、真鍋側が琴浦さんに寄るというシナリオとしては、真鍋の思考がよく描けていて良かったです。
{netabare}「俺はずっと琴浦といるって言ったじゃないか」{/netabare}
真鍋は強いですね。
それに、琴浦さんの設定を考えると、このシナリオが最善かもしれないです。{/netabare}{/netabare}

十二話(最終回):伝えたい言葉(ココロ)○
{netabare}~あらすじ~
ESP研は百合子の変心により、「超能力者で遊ぶ部」となりました。その日常が描かれます。その後、琴浦さんが家に帰ると母親が。図らずも、母親が本心ではずっと琴浦さんのことを思っていたことを知ります。「言葉にしないと伝わらない想い」があることを知った琴浦さんは真鍋に告白し、真鍋からも返事を受け取りました。「ずーっと好きだ」

~構成~
○op前
本日をもって、ESP研を解散します。
○Aパート
新ESP研発足。カラオケ。琴浦宅に母出現。
○Bパート
琴浦さん、母と和解。そして、真鍋と愛を確認し合う。
○ed「希望の花」
「琴浦さーん!」
「みんな、おはよう!」

~12話のお話~
大団円であります。涙腺が緩みました。
琴浦さんが数々の苦難を乗り越えてくる姿を見た私達は、その温かさに涙するのです。
しかし、最後まで落ちがありましたね。
{netabare}真鍋:俺、いつも言ってるからな
琴浦:え、言われてないよ
真鍋:え、そうだっけ?
あろうことか、真鍋は口頭で「好き」と言ったと勘違いしていたのです。
琴浦さんか言葉にすることの大切さを知ったのは何だったのか。唖然とする琴浦さんに、真鍋は
{netabare}「ずーっと好きだ」{/netabare}
耳元で。息のかかる至近距離で。目を見て!
琴浦さん、良かったね。本当に良かったね。{/netabare}
幸せな話です。{/netabare}

──────────────────────☆彡
以下、少々細かな話をさせて頂きます。

★森谷流について
{netabare}「もりっ!」を掛け声とするのが森谷流武術です。
両手を大きく広げて、上下互い違いに曲げ、声を上げたなら、あなたも立派な森谷流門下生です。門下生募集中らしいので、入ったらいいと思いますww
この流派は謎が多すぎます。

{netabare}①異様な高学歴
なんと、東大出身とハーバード出身がいるのです。
②あの構えは何なのか
まだ普通に筋トレやっていた方が強くなれそうな?
③森谷ヒヨリの母
彼女のあの格好はなんでしょう。まさか宗教団体じゃあるまいね。というか、原作では確かに宗教団体だそうな。
④敷地面積
きっと相当なものです。琴浦さん爺の豪邸に匹敵しそうな程。{/netabare}

そんなくだらな面白い森谷流は、本編で漏れなくネタにされます。
門下生が少なかった昔、森谷ヒヨリが映ったビラを配っていたそうな。それを回収した真鍋は琴浦さんに引っ越し祝いとして渡します。
そして、その写真は琴浦さんの心のオアシスとなるのでした。{/netabare}

★琴浦さんは何故可愛いのか
{netabare}まず、言えることは「可愛いに理由なんてない」ということです。だから、こんなコーナーはナンセンスな訳ですが、それでもやりたくなってしまったという。
なので、僕なりにやってみます。

①可哀想系ヒロイン
{netabare}主人公がヒロインの酷い境遇を知り、ストーリーが展開するという話は多いですね。「琴浦さん」もその一つであるはずです。こういうパターンが多いのは、それだけ魅力があるからです。ある意味で王道的な魅力があるということです。
男というものは、哀しいかな、女の子を守りたくなってしまうものです。可哀想な境遇を持った女の子というだけで、多少のことは許せてしまう世の中ですから。{/netabare}

②健気さ
{netabare}青年:確かに可哀想ならば嫌いにはなりにくいですね。でも、それは好きとは別の感情ではないですか?
博士:そう、そこがポイントなんだよ。いくら可哀想でも、性格が最悪だったら誰も好きになってはくれないね。
青年:ということは、琴浦さんは性格がいいと?
博士:うーん、それもあるけど、ちょーっと違うかな?
青年:なんですか。もしかして、博士にも分かっていないのですか!
博士:そうさ、分かってない。でも、一つだけ言えることがある。それは──
青年:それは?
博士:琴浦さんは頑張ってるんだよ!ただただ身の不幸を嘆くんじゃなくて、ちゃんと頑張ってるんだよ!「俺は不幸だ」とか、「才能がないから仕方がない」とか言いながら何もしないやついるじゃんか。でも、琴浦さんは違ーう!
青年:お、おう……。
博士:彼女には意志がある。自分ももちろん幸せになりたいけど、他の人が傷つくのはイヤだっていう。それで閉じこもってしまう訳だけど、真鍋がその殻を破った後は、まるで今までの不幸を取り返そうとするかのようだったよ!恋、勉強、部活。精一杯満喫しながら、森谷さんと和解したり、お母さまとの関係改善に努めたりして、自分から幸せを掴み取ろうとしてるんだ!つまり、つまり──
青年:なんとなく分かりましたよ。つまり、健気ってことですね?
博士:そう、健気なんだよ!{/netabare}

③小動物的な?
{netabare}青年:ところで博士、このリスはとても可愛いですね。
(リス:キュンっ)
博士:そうだろそうだろ。可愛いよな!つまりそういうことなんだよ。話が早くて助かるなあ。
青年:いや、なんのことですか。分かりませんから。
博士:(チッ!)
青年:舌打ちしないで教えて下さい。
博士:いやだからさ、琴浦さんは小動物なのだよ。
青年:へえ、どの辺りがですか?
博士:くりくりした瞳!ふわふわした髪!ころころ変わる表情! ふわふわしたもみ上げ!ぺったんこな胸!あと、仕草も!
青年:へ、へえ……
博士:要するに、琴浦さんはぺったんこ可愛いんだよ。
青年:結局何もまとめませんでしたね。
博士:つるーぺたー、ぴったんこ♪{/netabare}{/netabare}

★真鍋と琴浦爺の関係について
{netabare}博士:私は、あんなじじいになりたいよ!
妻:勝手にすればいいわ。
博士:私はお前が心配だよ。くれぐれも琴浦母みたいにならないようにね。
妻:あー、はいはい。(皿を洗いながら)
博士:よし、あの二人の関係について語らおう。
妻:(ジャー)………うーん。
博士:私達も将来的には娘を嫁に出すことになる訳だよな。だけど、琴浦爺の態度について、率直にどう思う?
妻:(ジャー)…………。
博士:ねえ!聞いてよ。
妻:うるさい。
博士:お願い。聞いてくださいお願いします。
妻:(キュッ←蛇口をしめる音)はいはい。で?琴浦爺がどうしたのよ。
博士:彼はさ、娘に寄り付く蠅──つまり真鍋のことだけど──を歓迎してるじゃんか。
妻:そだねー。「この大チャンスを逃すとは何事か!」とか喚いてた。
博士:そうそう。それがさ、果たしてどう評価されるべきなのかってことをさ、語らいたいんだよ。
妻:うざっ
博士:っいまなんて?
妻:そういうのはあの青年とやりなさいよ!私は今忙しいのよ?
博士:そんなに怒らないでよ。じゃあさ、一言でいいから。一言だけ。……ね?それでいいから。
妻:まあそれなら。
博士:で、結局のところどう思う?
妻:あたしは理想的だと思うわよ。だってさ、真鍋いいやつだもの。
博士:………?
妻:……?
博士:それだけ?
妻:うん、それだけよ。親の役割って、子供が引き返せない道に入り込みそうになった時に引き止めることくらいだから。あのじいさんは琴浦さんの祖父でもあり、父でもある訳よね。父親は子供の道を正す。祖父は孫に愛情を注ぐ。それでいいと思うの。だから、真鍋と琴浦爺の関係は理想的じゃない?
博士:(ブンブンッ)うんうん。それが言いたかったんだよ!凄いよ。流石!
妻:そ、そう?なんか照れるわね。
博士:今日は一緒に寝よう?
妻:な、な…唐突ね!?(カァー!赤面)

娘:お父さん、彼氏連れてきたよ!
博士:何を!俺は断じて許さないからな!{/netabare}

★真鍋の精神構造について
{netabare}青年:僕は、彼が何者なのかと問いたいです。
博士:……ん?
青年:つまりですね、真鍋は果たして人間なのかと問いたいのです。
博士:はぁ…。
青年:なんですか。反応が薄いですね。
博士:今、君の真意を測りかねてる。
青年:何と言ったらいいのでしょうか。彼は、少々人間離れしていますよね。例えば、いわゆる『妄想爆発』です。断じて妄想が凄いとかいう訳ではないのですが、意図的にあそこまで思考を制御できるものなのかと。
博士:なーるーほーど。それは確かにそうだ。真鍋は四六時中エロスを思考してて、嫌みなことを何一つ考えないからね。
青年:そうです。彼は聖人君子か何かかと思う程に健全なんですよね。エロスとは言ってもR指定すら付かないレベルだし、何より、人の悪口が一瞬も浮かばないというのは尋常じゃないと思うのです。だってそうでしょう?普段僕たちは穏やかな日常を送ってますが、それは表に出す言葉や表情を意図的に制御しているからです。裏で一瞬も悪いことを考えない人なんていないんですよ。
博士:なのに、真鍋はその枠外にいるからね。
青年:はい、そういうことです。
博士:うーん、どうなんだろうね。確かに現実では考えづらいことだけど……アニメだからねww
青年:それは禁句です。
博士:まあ、相応な精神修行を積めば、無理なこともないんじゃないかな。だから、アニメのシナリオとしてはいいでしょ。「ありそうでない」っていう夢を実現する意味でさ。
青年:大きく出ましたね。
博士:問題なのは現実味じゃないんだよ。納得できるかどうかだと思う。真鍋は、そのボーダーラインなんじゃないかな。だけど、「琴浦さん」の主題は琴浦さんの悲劇からの再生だよね。主題と少しずれてるところだから、多くの人がすんなり入り込めたんじゃないかと思うよ。
青年:はあ、なるほど。僕は違和感感じましたけどね。
博士:そりゃあ人それぞれだからね。それに、何も視聴者全員の最高にならなくてもいいからさ。誰かの心に響けば、それは成功なんだよ。
青年:極論ですね……。
博士:まあ、その人数が多いに越したことはないけどね。{/netabare}

★室戸と百合子の関係について
{netabare}愛が高じた共依存的な関係といえるでしょう。
百合子は千里眼の母親にまつわる事件で少し歪んだ価値観を持ってしまいます。超能力を社会に認めさせるためならば、人の犠牲も厭わないという。
一方の室戸は百合子を愛しています。恋を超越し、静かな熱い愛となっています。
「乗りかかった船だ。どこまでも付いていくよ」
百合子の良いところも悪いところも全て飲み込む発言です。
なんだかんだ言って、琴浦さん─真鍋よりも中毒性の高い愛で結びついているといえるかもしれません。
しかし、盛大な落ちがあります。
{netabare}「どこまでも付いて行くって……?」
「まあ、幼なじみだし、今のところ引っ越す予定もないからね」{/netabare}
まあ、なんだかんだいって一番愛していると思いますけどね。{/netabare}

──────────────────────☆彡
◎最後に
前の方にも書いた通り、「琴浦さん」は完璧とは言えない作品です。しかし、「人の心」をとても丁寧に扱った、最高な作品ではあると思っています。まだ見ていない方にはぜひ見て欲しいです。
また、このレビューを読んで少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
各話レビュー及び小節まで全て目を通してくださった方がもしいたならば、最大級の感謝を捧げます。(計14803字)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 40
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

12話鑑賞済み。総評ぽいもの第1稿を追加(4/7)

まず。
今後、視聴したいと思っている方へ。
・下手な予備知識は持たずに観ることをオススメします。
・原作も最低アニメ4話まで観てから読んだ方が良いかと。いえ原作先でも一向に構わないとも思いますw どっちが優秀かとか、そういうお話でもなく。

原作4巻まで既読。
個人的に2013年冬クールNo.1だと思っております。

採点ポイント。
物語:1話の出来が何より良かったので。落としつつもきちっと掬い上げて、凹んだままにしておかないのが○。
3~4話にかけては連続したお話なので、例に漏れますが。

声優&キャラ:何だかんだでカッコよくエロスな真鍋君、初めての人達との付き合いを通して変わっていく春香さん、真鍋君の妄想に翻弄される春香さん、利用するといいつつも良い人な部分が多い部長、見た目はアレだけでどイケボな副部長。どなたも分かりやすくて、面白い人達だと思います。演じている声優さんもそれぞれ場に応じて演じ切れてると思います。

作画:観てる限りでとりたてて不満も無く。あるとすれば・・・真鍋君が意外と恐くないところですかね~。妄想内での春香さんの胸が盛られ気味なのは仕様でしょうw

音楽:場面場面に合ったBGMしていると思います。1話の段々暗くなっていくところとか、印象的でした。OPも耳に残ります。

総評っぽいもの。
{netabare}
・特筆すべきはまず、1話でしょうか。原作に触れたことない人から見れば「何この鬱展開?」と感じること間違い無しのAパート。触れたことのある人でもインパクト大だったことでしょう。かくいう僕も、主人公である琴浦さんのトラウマを真っ先にまとめて見せるなんて思いもしませんでした。
・各話にしても12話を通しても登場キャラにしてもですが、このアニメのキーワードになるのは「ギャップ」だと思います。狙って作られた落差だったとしても、それが何処でどういう展開で来るのか予測不能、そういう点も印象的でした。
・「右肩下がり」という評価が多い(元々面白いと思わない方は別として)と見受けられますが、それは多分・・・1話(もしくは4話まで)の展開が良すぎた為ではないかな?と思っております。

・アニメを見る上で「女性キャラ」に注目することが多い人間なのですが、この作品では珍しく「男性キャラ」に目が行きました。特に真鍋君。終盤辺りの室戸君も良かったです。
・エロ要素は持ちつつも下品にならず、悪い意味での表裏を持たず、締めるところは締められる、カッコ良いキャラだったと思います。

・個人的な欲を言えば・・・。室戸家と部長の物語をもうちょっと大きく扱ってもらえていたらな~と。幼い頃の2人の出会いと室戸母との交流は原作で少し扱われていますが、これも良い話でしたので~。

・OP&ED共物語と一緒に盛り上げてくれたと思います。OPの方は「コシコシコシ」で脳内をリフレインし、EDは良いタイミングで涙を誘う、名曲だったと思います。特殊EDも良かったですよ?w
{/netabare}

以下各話感想です。
{netabare}
12話鑑賞後----------
いきなりのESP研解散宣言!?
と思ったら、部長なりのケジメといいますか、仕切り直しなのでしょう。

エロス成分久々でしたね~。

新ESP研を祝ってカラオケ行こう~。
って学習能力無いのか?とw

11話で部長への想いを語ってくれて良いところみせてくれたと思いきや・・・見事なまでの朴念仁っぷりでw

琴浦母のエピソードは・・・これも不覚にも心にきましたね。
1話以降、それまでの記憶や言動が全て見たままというわけでは無かったんですね。

琴浦さんは心を読んで、真鍋君の好意を知っていたわですが・・・やはり言葉として伝えてもらえたら嬉しいわけですよね。
ようやくお互いに言葉にできた今回は、他のエピソード含め通して幸せを感じられる回で良かったと思います。

周りに誰も寄り付かず、暗い背景でスタートした作品ですが・・・。
ラストは明るい、幸せそうな表情の琴浦さんが対照的で印象に残りました。

10~11話------------
原作からの変更の強かった印象の9~11話でしたが・・・。
「真犯人の存在」「琴浦さんの力の告白」「裏サイト」等々。森谷さんの実家もその一部でしょうか。

(10話)
部長の真意が具体的に動く回でもありましたね。
琴浦さんの力を利用した犯人探しに反対する真鍋君、否定も肯定もしない室戸(何もしない時点で肯定してるとも言えますが)、対極的な男性キャラでした(注:どちらの対応も正しいと思います)。
超能力の証明(=御舟母の復讐)を琴浦さんの力に頼り切らず、最終的には自らを囮にしての犯人探しになりましたが。
身を挺して部長を庇った室戸君も無茶をなさる・・・。

(11話)
心の声や琴浦さんの危機への登場など、相変わらずのイケメンっぷりを発揮した真鍋君。
そんなに心配なら傍にいてあげなさい。 1話で「一緒にいる」「離れてなんてやるもんか」と約束したわけですし。

部長&室戸君のやりとりは、正直泣けました(後々若干の齟齬があることがわかり複雑な心境ですが)。
自分の復讐心の為に、周囲にどれだけの迷惑をかけ、最悪室戸君を失う結果になり兼ねない、そう思い知り心に刻んだ部長。
何だかんだで、傍で彼女を見守り続ける室戸。初めて自身がどう想っているかを言葉にしましたね。といいますか・・・この方も(色々な意味で)イケメンですね~。

結局アニメでは
『月野が通り魔の真犯人で、二重人格』
という展開だった為、「無職刑事」ルートにはなりませんでしたね。
改「良」なのか「悪」なのか言及する気はありませんが、これはこれで納得できる結末だとは思います。

そして次回はラスボス登場と。

9話鑑賞後-----------
第三部突入ですね。
通り魔事件となっていますが、観た記憶では死者は出てないようですが・・・。
うん原作読み直そうw まだ布教活動中ですけど・・・。

狙ったのか素なのかわかりませんが・・・前触れもなくエンカウントしてしまった琴浦母に対して、冗談交じりっぽくも琴浦さんを庇える真鍋君のメンタルに感動しました。他のESP研メンバーもでしょうか。

アニメでは名称出てたか不明ですが・・・「森太郎」怖いw 

8話鑑賞後-----------
今回のお話に沿えているか不安ですが、観て率直に感じたこと。「何気ない普段で感じられる幸せや楽しさの貴重さ」ですかね~。上手く書けないので、こんな表現になってしまいましたが・・・。
心の声が聴こえると映画すらまともに楽しめない。そのエピソードが、表面上ほど軽く聞こえなかったものでして。

Aパートの看病エピソードの真鍋君に於かれましては、忍耐のほど、ご苦労様でしたw いや・・・ちょっと心の片隅で「真鍋のヘタレ」と思わなくも無かったですがw

さて・・・Cパートから推察するに、ここで「第二部完」というところでしょうか。ここ4話はある意味、今後への伏線だったのでは?と思います。

余談ですが・・・某スポーツ中継の為に、琴浦さん以外の木曜アニメが一週分遅れました。
制作局だから、明け方にでも放送してもらえたんでしょうね、多分・・・。

7話鑑賞後-----------
Aパートは続・帰省回、Bパートは原作でいう「こっそりバイト回」でした。

Aパートでの原油発掘?では・・・リアルで晩御飯を吹き出しました。真鍋君&琴浦爺の妄想が重複してる辺りで限界スレスレ、で原油が出て・・・w

暴走真鍋&森谷の辺りとかも楽しく観れました。

Bパートは・・・何より久しぶりの真鍋君のイケメンタルっぷりが観られて、涙が。原作では確かクリスマスのエピソードだったと思いますが、誕生日に持ってきたこの展開も良かったと思います。直前に母の夢を挟んでいる辺りも、引き立てにはなっていたかと。

とりあえず・・・まだ琴浦母の出番ではないようで安心しましたが、今クールでのラスボスは彼女のような気がしているので・・・。

6話鑑賞後-----------
今回も鬱展開無しの、夏休み回でした。
水着回~水着回~w

しかし・・・初めて孫が友達を連れてくるというだけで、テーマパークを作ってしまう爺さん・・・。間違いなく爺馬鹿ですねw でもそんな祖父がいてくれたから、ここまで来られたのも間違いない話で。

部長は色々ズルいなぁ・・・w

そしてEDが・・・。
こういうコメディ色の強い回しか、前回今回のようなノリの曲は使えないでしょうし・・・可愛かったですけども、何か切ない気もしました。

EDにはお母さんが・・・。
次回予告観る限りでは、まだ関わってきそうにないですが・・・。

要所要所でイケメンタルな要素を見せている(ように思う)真鍋君ですが・・・最近若干エロス成分が多すぎませんか?w

5話鑑賞後-----------
アバン終了で「完」て・・・w
ビデオ鑑賞会(?)&体育祭回でした。

布教中につき、手元に原作1巻がないのですが・・・鑑賞会って森谷さん無しでしたよね?確か。
そのせいなのか、前回までの琴浦さんへの仕打ちの罰なのか、Aパートでの彼女の扱いが結構酷いな~とw
あ、でも拳圧(衝撃波)でロウソクを消した辺りはカッコよかったですよ? サイコキネシスではないでしょうけどw

この回は通して暗いお話がなく、初めて「最終回」と言われない物だったと思います。次回も予告を観る限りでは、明るい展開になりそうです。

が・・・その先は?
期待しています。

4話鑑賞後-----------
行方を眩ましてしまった後のお話。3話の続きになりますね~。

まず第一点。誰か駅名にツッコんで下さいよ、とw
調べてみた限り「琴浦」というの駅は無さそうなので、アニメでのオリジナルなのでしょうが・・・。

真鍋君の凹みっぷりが、若干キャラ的にどうかな?と。凹んでるというより・・・ヤケになってる?自暴自棄になってる?そんな風に見えました。落ち込むだけなら良いですが・・・。
(追記)
彼がイケメンタルなのを前提で観てしまい、悪い方向ばかりに目が・・・。いえ今回もカッコ良かったです。直後に雰囲気を壊すシーンが多かったので、相殺され気味でしたがw

琴浦祖父はまぁ見事なまでに原作通りだったかと。
真鍋君とのコンビは最悪ですね、本当w

個人的には今一つ謎なのは、森谷さんと琴浦さんの関係性についてでしょうか。原作での展開からも、それほど大きな違いは無く、2人で話すシーンになるわけですが・・・。
原作でもアニメでも、殆どと言って良いほど軋轢にもなっていない(ように見える)2人の関係とは、一体何なんでしょうか。琴浦さんは森谷さんの内心を知ってるわけですから、言葉が無くとも理解できるのでしょうが。
森谷さんの中で、一体何がそこまでの変化を促したのでしょうか。
この辺については色々な方の見方・ご意見を見たいと思います。

(追記)
今回は森谷さんの登場で阻害されましたが・・・真鍋君&琴浦さん、まだお互いの想いを両方が言葉にしたことありませんよね?
琴浦さんは心が読めますし、3話でのぶっちゃけシーンを陰で聴いてましたからご存知でしょうがw
でも琴浦さんの想いはまだハッキリと語られていなかったように思いまして。
いや、端からみてる分にはバレバレなんですけどねw

さぁ次回からは新展開?ということで。次回予告を観る限りでは、原作では番外編にあった体育祭ネタのようですが。

個人的には、御舟&室戸コンビの幼少期とか観てみたいな~と。室戸母とのやり取りは、この作品とかなり相性良さそうですので。

3話鑑賞後-----------
これまでは「一度落としておいてから掬い上げる」パターンでしたが、今回は「持ち上げておいて落とす」そんな展開でした。

ここがまず第一の山場でしょうか。姿を消してしまった琴浦さん、そして森谷さんとの今後。作品初の次回へ持ち越しエピソードですね。

森谷さんの実家を道場にした理由は何となくわかりますが、むしろこのエピソードではそうで無かった方が良かったんでは?と思います。倫理的にも、演出的にも。

コミックでは番外編として描かれていたカラオケエピソードですが・・・想像以上に酷かったw 「ゆのっち」みたいな微妙な下手さかと思っていました。

2話鑑賞後-----------
ESP研の2人が出てきて、占いネタ~ひと騒動というパートでした。このペースは・・・今期で何処までやるのだろう?と気になってみたり。

森谷さんの実家がアレじゃないのも気がついてはいましたが・・・。

後半での、琴浦さんへの嫌がらせに対する真鍋君の反応が予想より軽めだったので、ちょっと拍子抜け。1話の琴浦さんの半生が結構な鬱展開だったので、テンションの上下の幅が出るものと予想していましたが。
いや原作通りなら、この後もテンションダウン有なんで、そちらに期待(?)したいと思います。

でも「好きだから」というセリフは・・・良かった。
その後のやり取りがあまり無かったが、3話以降で描いてもらえると嬉しいかな?と思います。

1話鑑賞後-----------
前半、シリアスな展開からのスタートでしたが・・・これは良かったと思います。後からトラウマの要因を小出しにされるより、先に見せるだけ見せておいて、そこから明るいコメディ性を出していく。それだけでも、まず救われた気持ちになれます。
というか、正直泣けました。「TARITARI」以来でしょうかw

確かに、知っていること思ったことを(直接的に)何でも口に出してしまうのは、人間関係を悪化させる要因ではあります。

が・・・幼い頃にその技術を求めるのは酷だったと思います。ある程度成長した暁には配慮や思いやりというものを持たなければならないのも、当然だとは思いますが・・・。

といいますか・・・彼女の両親には何の同情の余地も無いな、と。
何が理由かなのか、外に女を作っていた父。娘のこと・旦那のことと原因は色々あれど、最終的には「産まなければ良かった」と口にしてしまう母。
最悪だな、と。

真鍋君に逢って、彼女にも明るさが見えてきたように思います。
そこが今回の一番の見所かな?

(追記)幼少期~真鍋君に逢うまでが一番の鬱展開かと思いますが、原作通りにいくとまだまだ山あり谷あり・・・。これからも泣かされそうな気がします。

{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 49
ネタバレ

おかず台 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

琴浦さん

ベタながらもかなり良い作品。
あえて原作を読まず、先を知らないままアニメでストーリーを楽しんでいきたい。

自分の性格からして途中で止まりそうな気がヒシヒシとするが、できる限り各話の感想をそれぞれ随時書いてみる。


第1話感想
{netabare}
良い! 凄く良い!! 今まで見た2013/01開始の新アニメの1話で一番良かった!
アバンの琴浦さんがどんどん傷ついていく様子が(穿った見方だが)、逆に「これから彼女どんな良い事があるんだろう? どんな変化が訪れるんだろう?」と凄くワクワクさせられた。
なのでサブタイトルにも出ている「真鍋の隣に座れ」と言われた時は「キターーー!」となった。

アバン後に入るOPもそれまでの展開とのギャップが凄く、ここからはこういう作品になる、アバンで期待した通りになる、と言う事が分かる。

ちょっとベタだけど1話の構成に感心、期待させられたのでこれ以降も期待したい作品。
{/netabare}

第2話感想
{netabare}
い~よい~よ~。期待通りだよ~。やっぱり今の所一番面白い。
真鍋に出会い、また今回ESP研究会に誘われた事による環境の変化、彼女自身の心境の変化がよく表現されていた。

琴浦さんは転校して来た時は無感情に振舞っていたのが、彼女本来の優しさ、明るさが出てきていたし、真鍋はふざける事が多くても馬鹿なわけじゃない。
今回は琴浦さんをいじめる代表だった森谷も、彼女への嫉妬が一番の動機とは言え言ってる内容は転校してくるまでは(残念ながら)琴浦さんにとっては当たり前の内容と、「理解者がいるからといって全て解決ではない」こと「理解者の少なさ」を表してる。

ただOP・EDを見ると森谷もどうやらESP研究会所属となる様で、「どう琴浦さんと和解するか」も今後の見所。
彼女が真鍋と仲良くなった、好意を持つ様になったきっかけも琴浦さんと似た経緯があったようだから、その辺がポイントになるのかな?


それにしても琴浦さんちっちゃくて可愛い。
{/netabare}

第3・4話感想
{netabare}
漏れ出てきていた3話の感想から、「どうやら3話は続くで終わって、しかもあまり後味が良くないらしい」と感じていたので、4話が来るまで我慢して続けて視聴。
うん、我慢して良かった。
と言うかこの2つの話、良い話なんだけどそれぞれの気持ちが複雑に「すれ違って」るんだよね……上手く書けるだろうか。


前半は前回からの続き的に琴浦さんと、真鍋含むESP研と仲良く。
「今が一番だなんて言うな」は言うと思ったけど、よく言ったw


しかし森谷との確執は当然前回では全然解消されてない上に、意中の相手の真鍋が直接的・間接的に目の前で琴浦さんとイチャイチャしてる物だからフラストレーションがたまり、遂には家の道場の門下生に頼んで……。
(ていうか空手の道場かと思ってたけど、この時の稽古内容からして森谷道場って中国拳法?)
ここ、琴浦さんを襲わせるのかと思ってしまった。良くない展開になるらしいことが分かってただけに余計に。
真鍋じゃないけど、本当に「まだ真鍋で良かった」。場合によってはそれこそ取り返しがつかなくなるし。

でも「襲われてる真鍋を森谷が助ける」とかそういうベタな事がやりたかったわけでもなく、単に痛めつけただけ。
ここだけは僕には彼女が何をしたかったのかよく分からなかった。「可愛さ余って憎さ百倍」って事だろうか?


翌日、担任から真鍋の入院を聞かされるわけだけど、ここは3・4話で一番重要なシーンじゃないかと思う。
正確には自分のしてしまったことに恐怖する森谷と、それに気付いた琴浦さんの反応が。
(ここも台詞・その演技・表情・振り返り方と恐怖・動揺・逃避・後悔が良く表現されててこういう所は……「も」ホントに上手い)

と言うか重要かつ色々な事が凝縮されてて何から書けばいいのか……。
よし、時系列に関係する順番に、簡潔に書いていこう。


「大丈夫だよ」と安心させるように微笑む所。
一見2話以降に見せていたような、彼女の本来の優しさの表れに見えるけど1話のアバンで描かれていたように、小さい頃から心の声を聞いて知ってしまったことを素直に口に出してしまい、それが原因で関係を悪化させてしまっていた彼女。
それを思うとただ「優しく抱えこんでしまう琴浦さん」ではすまないことが分かる。
むろん高校生にもなっているんだからそれくらいの成長は当たり前かもしれないが。


そしてそれを森谷は「自分を庇った」かの様に感じたけど、後からの琴浦さんの「自分がいなくなれば元の日常に戻れると思った」と言う考えを聞くと、ちょっと違うんじゃないかと思った。
この件に関して客観的に見れば嫉妬し事を引き起こした森谷が原因だけど、琴浦さんにとっては「自分が転校してきたことで人間関係が変わり、彼女にそんなことをさせてしまった」と言う事件。

詳しく描写されてないから、彼女がどう「変えた」と思ってるか、具体的には「心を読める人間が来た」事か真鍋が自分を好きになったことかその両方かまでは分からない。
ただ、これまでの彼女の事を考えると前者、テレパスに関してだと思っているのじゃないかと個人的には思う。
理由としては
・何度もそのことが原因で人間関係を壊してしまった
・実際2話ではそのことを理由に森谷は琴浦さんをいじめていた
・恋愛感情が原因なら彼女がいなくなったからと言って元には(少なくともすぐには)戻らないが、テレパスである彼女がいることが原因なのなら確かに戻る
という事から。


更にもう一つ、4話の最後に「森谷をあっさり許しすぎ」という意見もあるけど、彼女が真鍋を襲わせてしまったことは本人の悪意の有無など違いはあるものの、大きく見れば「自分の行動が原因で周りに迷惑をかけた」という点においては琴浦さんと一緒だったりする。
だからこそ琴浦さんは「心が読めた」というだけでなく、その気持ちがよく分かるから「大丈夫だよ」という言葉が出てきたのだと思う。
この事で琴浦さんと森谷はお互いにある程度同じ立場に立っている(森谷がそこまで下がったとも言うが……)。
更に時間経過による心の整理もあり、お互いに相手の嫌な気持ちを分かりあったことで謝罪一つで和解出来たのだと思う。

しかし前述の通り琴浦さんはこの件の原因を勘違いしていた可能性が高いので、そう考えると逆にやっぱりここも森谷から歩み寄った形になってる所が大きい気もする(勿論森谷が悪いというのは前提の上で)。
ただ琴浦さんの幸せと同じ様に森谷との関係も終着点ではなく、むしろようやくスタートラインに立ったところなのでそれも今後の見所……かな?


真面目な事を長々と書き過ぎたので、最後に不真面目な事も少々。
・「喜んで大ジャンプ」とか今時まず無い演出描写w もちろん狙ってやってるんだけど、「良い思い出」な回想シーンにまで混ぜるのやめてw
・今回気付いたけど真鍋のエロ妄想、「現実の本人はしない琴浦さんの色っぽい表情が見られる」というのは視聴者的においしいシーンだなぁ。良いぞもっとやれ!
{/netabare}

第5話感想
{netabare}
今回は(今回から?)完全にギャグ回。1話でOPを見た時「こうなるんだろう」と感じた内容そのもの。
実際にはそこから3話半かかった訳だけど、その積み重ねが例えギャグ回であろうと、話に深みを与えているように思う。


そして今回はギャグ回であると同時にほぼ森谷回。3・4話でお互い相手の気持ちに共感したおかげで、琴浦さんと森谷はすっかり仲良しになりたい2人。
(特に「また嫌われた~」と泣く下りはそれだけ森谷の本気度がうかがえる)
良く考えると森谷は今まで暗黒面ばかりが描かれていて、琴浦さん以上に本来の性格が出ていなかった事に気が付いた。
むしろ今度の件で成長し、精神面では琴浦さんが転校してくる以前より良くなってるかも?


更に後半は2話に稽古風景が出てきた時点でかなりおかしかった「森谷道場」がネタに。
いや、アレおかしいとは思ってたけど、この為の前振りだったのねw
すっかりツボにハマって笑いっぱなしの琴浦さん(と言うか僕も思わず笑ってしまったw)
この関連に関してもちろん森谷本人は全く悪くなく、あえて誰が悪いかと言うならこれを持ってきた真鍋。
ついでにこの件、部長と真鍋は直接相手を弄る描写が多かったのに対し、琴浦さんはあくまで自分の中で納めておこうとしている所に性格の差が出ている。
(予告は本編外なのでノーカウント)


そしてEDも今回から変更、その名も「ESP研のテーマ」!
今回の内容を踏まえると前奏の時点で笑えるというか酷いというか(苦笑)


今回の萌えポイント
借り物競争時、自分の方に向かってくる真鍋を見る琴浦さんの、期待と恥ずかしさが半々の顔w
{/netabare}

第9話感想
{netabare}
おじい様からの電話はあんな感じの内容だろうと思ってたw
そして今回はついにお母様とも直接再会。
真鍋はお母様にも認められて2人は保護者公認カップルに!(爆)

この時の真鍋、凄いなぁ。体を張ってお母様に思わず琴浦さんを庇わせてる。
お母様は素直になれないだけなのか、それともまだ琴浦さんに対する愛情が残っていただけなのか?


それにしても未だに森谷に対する批判の声聞くけど、個人的には彼女より部長の方がいまいち好きになれない。
どうも部長は琴浦さんを復讐の道具扱いしている部分が大きい気がする。


ついでに通り魔犯は誰だろ?
普通にみれば一番怪しいのは女刑事なんだけど。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13

86.2 9 恋愛で泣けるなアニメランキング9位
君に届け 2ND SEASON(TVアニメ動画)

2011年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (1861)
9705人が棚に入れました
長い黒髪と陰気な見た目のせいで「貞子」と呼ばれ、クラスメイトたちから避けられてきた黒沼爽子。しかし、高校に入学し、明るく爽やかで男女問わず人気のある男の子・風早翔太との出会いから勇気をもらい、友情や恋、ライバルや友達の失恋などいろんな「初めて」を経験し、大切な関係を築いていく…。

声優・キャラクター
能登麻美子、浪川大輔、沢城みゆき、三瓶由布子、中村悠一、平野綾、宮野真守
ネタバレ

シン☆ジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

【グチ注意】うぐぐ。。ハンパないモヤモヤに轟沈。

いい話でした。でも自分には耐性が不足しグチばかりです。
好きな方はスキップしてください。。

#wikiはネタバレなので見ない方がいいです。
#モヤモヤはおとなし目の表現であり、
#イライラと同義と受け取っていただいて結構です。

1期レビューに書き忘れたけど原作は未読。
この2期は0~12話。2011年放送。原作7〜10巻のエピソード。

第1期のレビューで、少女マンガの世界を堪能しよう。。とか偉そうなことを書いておきながら。。
完走はしましたが2期の展開はちょっと自分には無理でした。。

ごめんなさい吹けま・・いや、合いません。。(唯に逃避)
もう、ね、我慢しなくて、いい?(うしおに逃避)

いえね、リアリティー云々言うつもりは毛頭ないんですよ。。
ないですケド。。そこまでやりますかフツー。。(展開の話)

↓【以下ネタバレ グチ注意】
~{netabare}
■前半
あのラブラブな終わり方で、正月からバレンタインまで展開なし、
だと?(-_-メ)
翔太がメールひとつしていないって?
ぼっち属性の爽子ならわかるけど、爽やか属性の翔太がそんな・・・
あり得ないしょや。
進行上どうしてもそうしたかったんなら、休み中ずっとどっか行ってたとか携帯が壊れてたとか、いくらでも設定できるっしょや。

■第六話「好意と迷惑」
遂に翔太がカミングアウト。ただし流れ上仕方なく。。
正直観るのがつらかった。イライラ感MAX。
嵐を呼ぶキャラとして投入した三浦。そんなに悪い人にしたくなかったようだけど、「風早には好きな人がいる」の言葉がホント意図がわからない。
三浦がいたからふたりは告白する気になったかもしらないけど、この一言は不要。
これがなければ二人がここまでこじれることはなかった。。
そう、逆に言えば、こじらせたいがためだけに生まれた言葉。
唐突に作中でこの言葉を発する前フリもなく、キャラの行為も、キャラにこの言葉を言わせようとするこじらせ好きな制作側も、好きになれません。

そして「好き」の言葉の受け取り方をお互い誤解してすれ違うって。。
LoveかLikeか?って、ティーンエイジャーの基本ではないでしょうか。。
いくら古い作品とは言えそうまでして引っ張りますかそうですか。。

さらにこの言葉の誤解を解かないまま、もう一度告白というステップに進むことも強引過ぎて、モヤモヤ。。。

■第9話「告白」
教室で爽子が告白。翔太が抱きしめるも。。。バカが乱入。(オイ
スッキリしない。まだ焦らす?
お互い言いたいことを言っていないのに、告白途中で邪魔を入れるとか
ここまでウダウダ引き延ばす作り方は、正直受け入れ難い。

■第10話「こころから」
大勢のいる校庭に翔太が爽子を呼び出す。
呼び出しておいて、ほとんど相手に言わせたまま。
そして一言、誤解を受けた言葉そのまま、「好きだよ」。。
そこは「愛してる」とか「好きだ!付き合ってくれ!」じゃないの?
第六話で誤解したのにこの回では理解する?なぜ?
誤解の余地がない言葉をかけるんじゃなかったの?
「好きな人がいる」はどこいったの?
クライマックスはここじゃない、じわじわ行きます、なのか。。

■第11話「祭りのあと」
ようやくここで、爽子に「好きな人がいる」を吹き込んだ三浦が翔太にカミングアウト。コメディ風にちゃんちゃん・・・
で終わるかー!!それをあっさり許すなアホー!!!はぁはぁ。。。

■最終話「大事な人」
晴れて両想いとわかり、学年全体が交際を認識する事態に。
ようやく欲しかった展開。
千歳が翔太の取り巻きに対し「悔いが残るのは何もしなかったから」は効いた。。
泣きの演出と演技は相変わらずイイ。
けど、いかんせん回数が足りんぜよ。。

たまったモヤモヤのせいで、ハッピーエンドなのに、最終話までに気持ちの整理がつかない。。

もっと、爽子がせっかく掴んだ幸せを、素直に喜びたかったのに。。。。
{/netabare}~

せっかくの人気作、少しでも長く連載したいのはわかるけど。。
もしそうだとしても、この展開は好きになれない。。

OP/EDも個人的には1期の方が断然いい。
爽子のデフォルメ顔も、嫌いじゃないけど多すぎ。

可愛さや、切なさもあったけど、モヤモヤやフラストレーションが強烈すぎて、物語を楽しむ余裕が生まれませんでした・・・無念

あ、そうか。これって、ラブコメ?
シリアスを求めちゃダメ系?
1期で気付くべきだった。。

どうやら、まだまだ修行が足りないようです・・・・(-_-)
最後までお読みくださりありがとうございます。
不愉快にさせてしまったらゴメンナサイ。

(2020年Huluにて視聴)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13
ネタバレ

ドラれもん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

雨のち晴れのち曇りのち爽風

泣いたり・笑ったり・くよくよしたり・一途に風早を想う爽子の事を見て 僕は爽子を一期の頃から応援していました

☆未視聴の方へ
純愛です あなたに耐久力がなければ 皆の一途な想いに悶え苦しむかもしれません

あなたの目はきっと、少女漫画のヒロインのようなクリックリのキラッキラの目になるでしょう。

この先は視聴してから読んで頂いた方がいいです
{netabare}



☆「爽風」 タニザワトモフミ オープニングテーマ

この爽風って歌は風早が爽子の事を想って書いた歌詞なんじゃないのかな~って想像を 僕はしてしまいます

君に届けの中で僕は一番大好きな曲です


まさかギャグやバトル漫画等が大好きだった自分が 少女漫画のアニメにまで手を出すとは・・

でも僕、能登麻美子 さんの声好きなんですよ(。・_・。)

爽子のキャラに のとまみってハマリ役だと僕は思うんだけどなー


一期の頃から見ていてじれったい爽子の事を応援目線で楽しんでいた、

そんな僕の思考回路がショートしたあの!

  9話のラスト!

今まで何度も自分の脳内では爽子の背中を押していたのですが(頑張って気持ちを伝えろっ!爽子!って)

急いで教室に走って行った時の爽子の風早への想いが詰まったセリフとあの音楽!(良いっ!凄く良い!)

「届いて欲しい・・」 

「届け・・」

「届けっ・・・!」 には


ドラれもん「届くよーー絶対に届くよーー頑張れーー!」

・・ってもう完全にテレビにかじりついていた僕は

ドラれもん「えーー!今いい所なのにここで終わりー? 早く続きがーー」ってなりまして

  で、10話 

すれ違う二人の想いに・二人のその熱演に魅入っていました(ここ大好きなシーンです)

風早に出会ってから今までの沢山の 「ありがとう」 を一生懸命に伝える爽子

それでこの後の爽子のあの言葉に 完全に理性の失った!危険な風早が(←この風早は冗談で書きました^^)・・

教室のドアをガラガラって 爽子の手を引き寄せ教室の中へ!・・


ドラれもん「ウオーーッ!かーーぜーーはーーやーー!!!やーーめーーろーーーっ!!」 


と、のた打ち回りながら心の中で叫んでしまった僕はひょっとしたら、

爽子の事を心の中で応援しているうちに

段々と爽子の事を好きになっていってしまったのかも知れません



でも良かったです本当に 君に届け 最後まで見る事が出来て


どうしよう・・2NDの続き見たいけど でも少女漫画はさすがにな~ 
家にお客さん来た時に誤って部屋に入られたらな~~

そうか! ベッドの下に・・ってエロ本かっ!! みたいな事を今でも考え漫画の購入をどうしようか悩んでいます(゚-゚;)

{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21

くろゆき* さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

うれしいな。 一人で完結してない世界は、 思ってたより、 ずっとうれしい。

これでもかってコソバユイ
でも話にすっと入って行けた構成は上手いとおもった。

本作は「 ピュア少女 ・ 爽子の成長が心に響く青春グラフティ 」の副題が示す通り、主人公「 黒沼爽子 」の心の成長と、ささやかな恋愛を描くドラマなのですけれども、「 爽子 」と「 風早 」の織りなすほのぼのとした「 気になる 」展開の中に、「 千鶴 」と「 あやね 」との友情を描く『 友達編 』やライバル登場の『 くるみ編 』、親友「 千鶴 」の失恋を描く『 千鶴ロストラヴ編 』が、3つの山場となって展開します。

個人的には『 友達編 』が最も感動の強かったパートに思われまして、続く2つのピーク、『 くるみ編 』も『 千鶴ロストラヴ編 』も『 友達編 』ほどのヴォルテージを越えられなかったのが非常に残念に思いましたね。
良い事は良いのだけれど『 友達編 』ほどの感動はなく、いわゆる「 竜頭蛇尾 」形のようになってしまったということでしょうか。

「 爽子 」と「 風早 」の仲も、 2ND SEASON のようなスレ違いや誤解もなく、何となくダラダラと進展した感じでした。
特にそれは終盤の「 クリスマス編 」や「 初詣編 」に強く感じられまして、この2人のラヴドラマは 2ND SEASON まで待たなければなりません。

主人公の「 爽子 」に関しては、初めの頃の「 何もできない 」、「 何も知らない 」 爽子が次第に友達もでき、恋愛感情を持つ普通の女の子に近づくにつれ、魅力が徐々に失われてきたような気もしましたね。
ただ、狼狽したり、勘違いした場面などで登場する「 スーパーデフォルメキャラ爽子 」は極めて可愛かったとは思います。

脇役では「 風早 」以上に「 千鶴 」と「 あやね 」の活躍が目立ちました。
この2人の縁の下の力なくしては、この作品は有り得なかったと言っても良いでしょう。

なお、『 くるみ編 』の途中だったか、本編終了後の番組宣伝のコーナーで、とんでもない「 ネタバラシ 」が暴露されてしまい、その後の視聴意欲が減衰してしまったのは大きな事件でした。
思うにこれが本作の最大の落とし穴だったかなぁ、と。

基本的には詩情あふれる「 良い 」アニメだったと今でも思っています。
エンディング曲、何を歌ってるのか良くわかりませんでしたが、本編の余韻に浸り、激しく感涙に噎ぶことが多々ありましたね。

本作を1期、2期に分けて評価しろ、というのも如何なものかと思われますが、本作は 2ND SEASON と併せて視聴してこそはじめてその良さがわかるというものでしょう。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 6

80.1 10 恋愛で泣けるなアニメランキング10位
ゼロの使い魔F [エフ](TVアニメ動画)

2012年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1382)
9092人が棚に入れました
アーハンブラ城から無事にタバサを救出して魔法学院に戻ってきたルイズと才人たち。 あいかわらず才人はルイズに虐げられながらも健気に使い魔としてルイズのお守りをしている。 急遽、アンリエッタ女王の密命で学院からロマリアへ赴くルイズと才人。ティファニアもルイズたちと一緒に行くことに…。ルイズとティファニアは、ロマリア教皇の就任三周年式典で「巫女」として共に祈りをささげて欲しいと依頼される。 憧れの教皇聖下に謁見し感激するルイズ。一方、自分が虚無の担い手と知ったティファニアは、「才人が自分の使い魔で
あればいいのに」と 急に意識し出すことにより何やら波乱の予感が…。そんな中、ルイズたちに狡猾で邪悪な影が忍び寄るのだった!!
ネタバレ

PeachFly さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

あまりにも有り得ない設定^^; でもそれはそれで面白いかも! ^^

4期目のお話です。

ついに4期目、最終話に向かって一直線…と思いきや、またまた別の展開が始まります。

{netabare}
それは、宿敵ジョゼフ(タバサの叔父、ガリア国王)との決着であったり、女王陛下から頂いた領地での話であったり、その領地で温泉が出て温泉パーティーとなるお話であったり(ルイズと才人が裸で抱き合う!)、砂漠に住むエルフに捕まったり、といった展開が続きます。「…これって本当に終わるの?」と思いたくなるようでした。

とろが、それはそれ^^ ゼロの使い魔たる展開で、最後の3話で完結に至る展開となり、あとはバタバタバタ…と終わってしまいます。
また、この完結に至る展開の初め頃に、もう結末の状況が見えるようで、最終回は「あ~、やっぱりね…^^;」という内容でした。
{/netabare}

そして、この手のアニメには突っ込みは考えられない…してはいけない…いわゆるご法度…なのでしょうが、^^; 
…敢えて言わせていただきたい…

{netabare}
<< 才人が現代に帰ってきて、その後簡単に戦闘機を奪えるんですか~!!>>

どうみても才人が自衛隊基地から奪ったのはF-2ですが、そう都合よく自宅の傍に自衛隊の航空基地があるわけがないじゃないですか。
才人は秋葉原によく行っているようでしたが、すると自宅は関東 ? F-2は、青森か、宮城か、福岡か、岐阜か、浜松にしか無いはず… なので、F-2を奪いにヒッチハイクでで航空基地まで行ったと思われます。^^; 
才人はその日のうち自衛隊機地までたどり着いている。 青森、宮城(現在の松島基地は津波の被害で戦闘可能なF-2配備は無いはず)、福岡、岐阜、いずれもヒッチハイクでは遠すぎます。…それにでも、これはどうみても自衛隊の専用滑走路。 …では浜松でしょうか…^^;


<< 才人が現代に帰った直後に都合よく偶然に皆既日食が起こるんですか~!! >>

皆既日食が日本で起こった(起こる)のは2009年、2035年、2042年、2063年、2070年…ですが、「日食が正午前後」に起こるのは残念ながらありません。^^; 放送時期からみて、2012年5月21日の金環食を皆既日食のイメージで題材にしたのかもしれませんが、才人が基地のあるところで既に部分日食が始まっている。しかも、F-2で離陸した直後には皆既になりかけている。…であるなら…やっぱり浜松? 2012年は、浜松基地のほぼ真上で金環食が始まってる。 ^^ 
でも、浜松は訓練用のF-2しかないはず。 ヒッチハイクで朝東京を出発し、昼前に浜松にたどり着くのも不可能^^;
最終話では横田基地あたりをモデルに描かれているような感じですね。


<< フル武装してスクランブル直前の機体がたまたま準備されていたなんてあるんですか~!! >>

才人が強奪した機体には6発のミサイルが搭載されていて、最初に撃ったのは90式空対空誘導弾でしょうか、次いで2回目に4発同時に撃ったのは、93式空対艦誘導弾と思われます。
90式は1発1千500万円、93式は1発1億5千万円、…事後処理どうなるんでしょう…頭が痛いです^^;
でも、まぁ、才人が自衛隊に乗り込んだ際に、「偶然にフル装備」で、しかも「スクランブル直前の機体」が準備されていて、さらに「誰にも気がつかれず」にこっそり戦闘機を強奪できたなんて…^^; こちらの方が「絶対にあり得ない…」設定でしょう。。^^:


<< 結末では才人は日本に帰ってきている。高価な戦闘機を強奪しているのに、才人は指名手配もされていないんですか~!!>

F-2は一機120億はするシロモノ。奪ったらタダでは済まない。それもカミカゼ攻撃で跡形もなくなっている! 事件の後に気楽に自宅に帰って来るなんて…^^;
前にも書いた通り、「運よく」、「こっそり」、「誰にも見つからず」、「監視カメラにも記録が残らず」戦闘機を強奪できていたとしても、ヒッチハイクのドライバーに顔を見られている! 家に帰った時点で何らかのお咎めがあるはず…
また、戦闘機を強奪された基地の職員もタダでは済みません。 才人はハルケギニアを救った英雄になるも、その陰で多くの人の人生を狂わせた犯罪者でもあります。^^;
{/netabare}

どうも、失礼しました^^;

{netabare}
私はちょっと興味があるくらいで、軍オタではありませんが、最後にF-2がかっこよく登場したので◎です。
また、F-2を持ってきたのは、F-2の愛称「バイパーゼロ」と「ゼロの使い魔」をひっかけての演出だと思います。^^
{/netabare}

最終話は「ありえない設定」のオンパレードで、逆に面白かったです。

ひとまず全体を通すと、面白かった場面もあるのですが、どちらかと言えば「やっと終わった~」という感じですね~ ^^;


<<PeachFlyの「また観るかな~」判定>> : 2

0:途中で挫折、
1:もう観ない、
2:もしかしたらもう1回くらい観るかも、
3:たぶんもう1回は観るかな、
4:もう2~3回は観るつもり、
5:ベスト10に入る逸品!。きっとこの後何回も観ることでしょう^^

投稿 : 2024/09/07
♥ : 1
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

才人に出逢えて幸せです (ˇ◡ˇ✿)

■『ゼロの使い魔F』を観る前にひとこと c(゚ー゚*)
『三美姫の輪舞』から約4年、随分待たされちゃいましたね♪
今までのシリーズとは違って、原作者「ヤマグチノボル」先生がシリーズ構成を手掛けているが特徴、アニメならではの見せ方を意識したと言うことなので、そんなところも注目ポイントかも知れませんね♪
ヤマグチ先生といえば、2011年に末期癌で闘病生活をしているという発表がありましたけど、作品を手掛ける上でも本当に大変だったんじゃないかなって思います!
そんな中、小説版に先駆けてアニメ版『ゼロの使い魔』の結末を観ることが出来るのは嬉しいことです♪
色んな思いが詰まったゼロの使い魔シリーズ最終章をじっくり楽しみたいと思います(*^_^*)


■総評
まず第一印象は、前作と較べて作画がかなり向上してて映像が綺麗だったこと♪
やっぱり綺麗な映像でルイズの可愛い笑顔や才人達の活躍がまた見れたのは(o^-')b グッ!
それだけで「ゼロの使い魔」ファンとしては満足でした ⊂((〃 ̄ー ̄〃))⊃

ただアニメファンとしての視点から観た場合、ちょっと不満が多かったような…
全然許せる範囲ですけどね (〃∇〃)ノ☆
なぜなら、「ゼロの使い魔」の良い所でも悪いところでもあるからなのです☆彡
ラブコメ要素で例えるなら、3期「三美姫の輪舞」以降その表現スタイルはほとんど変化がなくって、良く言えば「らしさ」として安定感として捉えられますし、悪く言えば「ワンパターン」として真新しさを感じない印象になってしまうんです♪
ルイズと才人だけを見た場合はいつもの掛け合いで終始しているんですけど、周りのキャラの微妙な心情の変化はあるので飽きずに楽しく見れた気がします(^^♪

注目してたシリーズ構成については、σ( ̄∇ ̄*)アタシ的に概ね合格点でした。
ちょっと詰め込みすぎてチグハグな展開が目につきましたけどね (≧▽≦;)
とくに肝となるガリア王ジョゼフとの戦いや、エンシェントドラゴンとの決戦など結構あっけなく感じてしまいました(^.^;
ドラゴンボールみたいに何話もかけてとは言わないですけど…w
お色気シーンに力入れすぎなんじゃないの…って思わずにはいられなかったり…もうちょっと凝った展開をみせてほしかったかなぁって思いました (*´・ω・)(・ω・`*)ネー

でもなんだかんだでこのシーンが見れて本当によかったです♪
最終話のEDのシーン…
{netabare}
日本での楽しげな二人の姿☆彡
そして才人の実家へ挨拶しに行った二人の薬指に、さり気なく指輪がはめられてましたね♪
{/netabare}
このときのルイズと才人の表情は暫く忘れられそうにありません♪
思い入れの強い作品だったこともあってか、時には(゚ーÅ) ホロリと涙しながら最後まで楽しめました
☆⌒d(*^ー゚)b グッ!!


■「ゼロの使い魔」VS「灼眼のシャナ」
よく「灼眼のシャナ」と比較されるのでσ(o^_^o)も一言だけ…
ストーリーとかどーでもいいけど…
{netabare}
「ゼロの使い魔」の勝ち!
っていうか『才人』の勝ち!!! キャーゞ(^o^ゝ)≡(/^ー^)/"""パチパチ
KYで甲斐性なしの悠二よりも、才人の方が圧倒的に魅力的でみていて清々しい好青年でした♪
ちょっと色香に流されやすいけど、自分の気持ちに素直で誠実な才人はとってもカッコ良かったです
(///∇//)
{/netabare}


■MUSIC♫
OP曲『I'LL BE THERE FOR YOU』
 【歌】ICHIKO
 曲名を見て“Bon Jovi“を思い浮かべたのはσ( ̄∇ ̄*)アタシだけじゃないはずw
 今まで以上にノリノリで気持ちいい、それでいてゼロ魔らしい仕上りのナンバーですね♪ 

ED曲『キスシテ↑アゲナイ↓』
 【歌】ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(くぎゅうぅぅぅ)
 ルイズがいっぱい詰まったラブリーなアニソンですね♪
 4期で確信しました…くぎゅう歌上手くなってるって事をね(^_-)-☆


2012.08.15・第一の手記

投稿 : 2024/09/07
♥ : 47

Kiraz さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

あいつはモ◯ハンのラオにしか見えなかった件

まず原作既読です。

詳しくは1期→2期→原作→3期→4期

うん、なんて言うか
1期から4期までの間にどんどんアニメ化による副作用?というべきものなのかわからないが劣化が進んでく

原作読んでなかったらそんなこと全く思わなかったんだろうに…

前半はいつものようにハーレムラブコメでクスクスと笑える感じでよかった。また、原作をある程度再現してたのでよかった

が、

後半は…なんと言えばいいのだろう。
ここからはネタバレになるかも……実況してみるねww

某ゲーム会社が発売したハンティングアクションゲーム通称モ◯ハンシリーズに初代から存在する超大型古龍種もどきが突如出現。その名もラオもといエンシェントドラゴン。
注)フェアリーが入ってないのでシンクロ召喚されて出現したわけではない模様

本作品でラオもどきはモ○ハンではなせなかった進化を遂げた。多くの古龍種は進化の末、翼を手に入れた姿をしていた。が、ラオは巨体故にモ◯ハンでは翼を持つことを成し得なかった。

そのラオの悲願の願いからかラオもどきは本作品によって翼を手にした。
あの巨体を支えるにはいささか物足りないぐらいの大きな翼を手入れた。

そして、翼という力を手にして学院に進行するラオもどきを討伐せんと多くのハンターもとい魔法使いや戦士が集結する。
が、強力なブレスや湧き雑魚モンの邪魔によってなすすべなく防戦一方。

そこに出現、我らが主人公サイト

その主にして本作ヒロインのルイズと共にそのラオもどきの討伐に挑む。

サイトの奪取した現代兵器F-2戦闘機という某ゲームでは絶対にあり得ない武器によって負けフラグびんびんのラオもどき討伐に光が指す。
ミサイルや機体特攻によって固く覆われた外殻を破壊した。部位破壊報酬決定の瞬間だ。
そしてすぐさま外殻破壊によってさらけ出た弱点にルイズの溜め砲撃を打ち込む。

この一発が大きかったのか悠々としたラオもどきは崩れてしまった。討伐を成功させたのだ。

学院の耐久率は10%を切っていたがなんとか時間内に討伐することができた。

が、その引き換えに我らが主人公は討伐と同時に力尽きてしまう。

でも大丈夫b
サイトは2期で1回力尽きているがそれ以来力尽きていなかった、つまり今回で2回目、3回力尽きないと失敗にならないので、一応討伐は成功しているのだ。

が、剥ぎ取りは叶わなかったことは言うまでもない。

今回の討伐はサイトの現代兵器投入が大きかったといえる、さもなければ討伐は叶わなかっただろう。

そもそもロイヤルビッチ以外そんな装備で大丈夫か?と言われそうな武装、回復系アイテムを誰も所持していない時点で無謀な討伐だったといえる。

まあ無謀な討伐だったと言ったが結果的には討伐は成功に終わり。
誰から見てもハッピーエンドだったことは確かなのでよしとするか。


※この作品は某ゲーム会社の手掛けた通称モ◯ハンを宣伝するアニメではないのでご注意ください。
また、上記の表現は僕の視点からお送りしたもので、9割以上僕の誤植による表現が混在します。実際のアニメの表現とは全く違う恐れがありますのでご了承ください。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 0

74.9 11 恋愛で泣けるなアニメランキング11位
暁のヨナ(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (898)
4776人が棚に入れました
建国神話・四龍伝説が伝わる高華王国。
緋龍城では当時、王の他には世継ぎの王子も、世継ぎを産むお妃も無く
ただ齢十五の王女・ヨナが、大切に大切に育てられていた――。
そして迎えた十六歳の誕生日。
武器を厭う心優しい父王・イル、幼馴染で護衛のハクや、ヨナが想いを寄せていた従兄のスウォンと共に、幸せな一日を過ごす…はずだった。
宴の夜、スウォンとの婚姻を反対するイルに、ヨナは自分の気持ちを伝えに行く。
しかし、イルの部屋で彼女が遭遇したのは思いもよらぬ過酷な現実で…!?
ヨナと四龍、それぞれの運命が絡みあう、激動の大河ファンタジー・ロマン――!

声優・キャラクター
斎藤千和、前野智昭、小林裕介、森田成一、岡本信彦、諏訪部順一、下野紘、皆川純子
ネタバレ

小歌 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

各話の感想

 ■第1~10話■
{netabare}第1話 王女ヨナ
 {netabare} 高華王国の王女・ヨナは、いとこのスウォンに想いを寄せていた。しかし16歳の誕生日の夜、そのスウォンに大好きな父王が殺される。OPもBGMもやたら壮大。ハクの、幼馴染で護衛ってポジションには超絶萌えますな。今のところ甘ちゃん王女のヨナだけど、今後素敵に成長していくのかなーと期待。 {/netabare}

第2話 ちぎれた絆
 {netabare} 国王イルを殺害したのは、自身の父を彼に殺されたためだと明かすスウォン。口封じのためにヨナも殺されそうになるが、ハクによって辛くも王宮の裏山へ逃げのびる。放心状態のヨナが可哀想だけど、それに対して姫様姫様ぁ!とならずに、わりと淡々とキャラが行動していくのが花ゆめらしくて良かった。 {/netabare}

第3話 遠い空
 {netabare} 幼少時のヨナ、ハク、スウォンの回想エピソードが大半。ちびヨナかわいい。そして後半、今の放心状態のヨナに対するハクの献身っぷりに泣ける。ヨナがスウォンから贈られた髪飾りを手離せないことに憤りを感じつつも、それで彼女を現実に繋ぎとめられるなら構わないと思うハクが本当に甲斐甲斐しい…。 {/netabare}

第4話 風の部族
 {netabare} ヨナたちはハクの故郷である風牙の都に辿り着く。ハクの弟・テヨンをはじめ、マイペースで心温かい風の部族の人々。しかし、ハクの祖父・ムンドク長老がスウォンの王位承認を拒むと、スウォン派の火の部族から悪質な工作を受けてしまう。風の部族長としてのハクも、威厳があってすごく格好良かった。 {/netabare}

第5話 咆哮
 {netabare} これ以上風牙の都に危害が及ぶのを避けるため、ハクはソンの姓も将軍の座も捨て、ヨナとともに都を出る。まずは風の地のどこかに住む神官を探すことにするが、火の部族長の息子・テジュンが率いる兵たちに見つかり追い詰められる。ヨナ姫が気高く美しかった。「お前(ハク)が欲しいもの!」にキュン。 {/netabare}

第6話 紅い髪
 {netabare} 追い詰められたヨナとハクは谷底へ落ち、テジュンはスウォンに2人が死んだと憔悴しきった様子で報告する。一方、ヨナたちは谷底で倒れているのをユンという少年に発見され、介抱を受けていた。OPとEDに姿だけは登場していた、旅の仲間になると思われるキャラが登場。6話目にしてようやくだよ…! {/netabare}

第7話 天命
 {netabare} ユンの保護者を名乗る青年・イクスは、ヨナたちが探していた神官その人だった。ハクを死なせず、自身も生きたいというヨナの願いを聞いたイクスは、それはもはや天命だと言う。そして建国神話に登場する伝説の四龍を探すよう告げる。ますますもって面白くなってきた。ハクの片想いっぷりが切ない…。 {/netabare}

第8話 選んだ扉
 {netabare} ユンを一緒に旅へ連れて行ってくれないかとヨナに頼むイクス。それを聞いたユンは最初反発するが、イクスから離れて外の世界を知るため、ヨナたちと共に旅へ出ることを決意する。8話でようやく仲間が入ったよー。どうやらユンくんは本を1度読めばその内容を覚えてしまうほどの天才美少年設定の模様。 {/netabare}

第9話 ふるえる覚悟
 {netabare} 四龍の血をひく者が、火の部族と王都の近くを横切ったところにある山の上に住んでいるとイクスから助言を受け、まずはそこを目指すヨナ達。その道すがら、ヨナはハクから弓矢の稽古を受ける。生きるため・守るために、奪い奪われる命のやりとりをする覚悟を決めるヨナ姫。彼女の精神的成長が著しいな。 {/netabare}

第10話 待望
 {netabare} 白龍の血をひく一族が住まう里に辿り着いたヨナたち。そこにいたのは、白龍の力を受け継いだ証である龍の右手を持ち、主が現れるのを待ち望んでいた青年・キジャだった。1人目の四龍があっさり仲間に。銀髪美青年とは王道ですな。早速ハクとバトってたし、これからは逆ハー要素も楽しめるわけかー。 {/netabare}{/netabare}

 ■第11~20話■
{netabare}第11話 龍の爪
 {netabare} 初めて里を離れてする慣れぬ旅にうろたえるキジャ。しかし龍の爪の力は強力で、清廉な容姿には似合わぬほどの力技で敵をなぎ倒す。キジャが感じる四龍の気配を頼りに進む一行は、青龍が住まうと思われる岩山に辿り着く。ハクとキジャのヨナを巡るバトルが楽しくてニヤニヤ。ユンくんは完全にオカン。 {/netabare}

第12話 目隠しの龍
 {netabare} 青龍がいると思われる村に足を踏み入れたヨナ達だが、村人達はそんな者はいないと言う。迷路のように入り組んだ洞窟の村を探るうちにハク達とはぐれたヨナは、お面をつけた青髪の青年に助けられる。青龍の幼少時の回想シーンが切なかった…。キジャとは正反対で、龍の力を恐れられながら育ったのかー。 {/netabare}

第13話 反響する恐怖
 {netabare} 龍の力を“呪い”と里の人間から恐れられ、隔離させられてきた青龍。ハクを見張りとして残し、ヨナ達は青龍と話をしに再び迷路のような岩穴へ。仲間に誘うが断られ、さらに突然の地震で壁が崩れ進路が塞がってしまう。青龍もハクもシリアスで切ないシーンが続く中、1人だけ元気なキジャがおば可愛い。 {/netabare}

第14話 光
 {netabare} 無事岩穴から抜け出し、青龍も旅の仲間に加わることに。名を持たない青龍に、ヨナは“月の光”という意味のシンアという名を与える。ユンとシンアがヨナを名前で呼ぶようになったけど、ハクに対してだけは「姫って呼んで」と言ったシーンで、その理由も含めて泣きそうになった。主従モノの醍醐味だね。 {/netabare}

第15話 新たな地へ
 {netabare} とある荒れ果てた村に辿り着いたヨナたち。そこの村人が語った先王イルへの不満と新王スウォンへの期待に、ヨナは思わず涙する。一方その頃、スウォンは地の部族長であるイ・グンテを訪ね、地心の都へ訪れていた。緑龍見つける前にスウォンのターンなのかな。イル陛下の評判悪すぎてヨナが少し気の毒。 {/netabare}

第16話 戦ごっこ
 {netabare} のほほんとしたスウォンに猜疑心を抱くグンテ。お祭りと称してスウォンが主催した戦ごっこで、グンテに心酔する兵士たちを上手く操りながら戦況を優位に進める王の姿に何かを感じる。穏やかそうに見えて実はかなりの切れ者なスウォンのターン。ヨナ達の出番は一切なし。スウォンの二面性が少し苦手…。 {/netabare}

第17話 阿波の海賊
 {netabare} 緑龍の気配を追って、地の部族・阿波の都に辿り着いたヨナ達。食料調達のため1人で街へ向かったハクは、自由を愛する謎の青年・ジェハと出会う。彼の正体は緑龍で、阿波の港に停泊する海賊の一員でもあった。緑龍はナルシストキャラかー。前話になかったハク×ヨナのときめきも戻ってきて楽しかった。 {/netabare}

第18話 縁
 {netabare} 阿波の都を牛耳るヤン・クムジやその臣下の横暴っぷりに怒りが湧くヨナ。緑龍ジェハとついに対面し、仲間になることはスッパリと断られるが、クムジ討伐のため海賊と協力したいと申し出る。ジェハの計らいでギガン船長と面会をするヨナ達だが…。ジェハが登場してからテンポが良いね。がんばれヨナ姫。 {/netabare}

第19話 千樹草の試し
 {netabare} ギガンの信用を得るためヨナに課された試練は、断崖絶壁に生えた千樹草という薬草を1人で採ってくること。震える足で進もうとするヨナの姿に、ジェハは心を揺さぶられる。えろかった…ヨナの手につけすぎた蜂蜜を舐めとるハク…やばかった…。なんだかすごく乙女ゲームっぽいシーンが目立つ回だった。 {/netabare}

第20話 勇気の連鎖
 {netabare} 若い女を人身売買しているクムジ。3日後にその取引をするという情報を掴んだギガン率いる海賊団は、その日を襲撃日とする。女達が乗る船をいち早く見極め避難させるため、ヨナは自ら内部に潜入し合図の花火を上げる作戦を申し出て…。ユンくん女優やな。他の皆もどんだけ自分の女装姿に自信あるのよ。 {/netabare}{/netabare}

第21話 火花
 {netabare} 人身売買用の女たちの中に紛れ込むことに成功したヨナとユン。クムジに姫だとバレそうになったり、甲板に出る前に捕まって万事休すの状況に追い込まれたりするも、なんとか合図の花火を打ち上げる。ハラハラドキドキ。ヨナ姫は非力だけど、とりあえず眼力だけで相手が気圧されちゃうから都合いいよね。 {/netabare}

第22話 歴史は夜作られる
 {netabare} ヨナが射った矢がクムジの心臓に突き刺さり、戦いは終わりを告げる。阿波の街で勝利の宴会が催されるなか、ひとり歩くヨナが偶然出会ったのは…。ここでスウォンと再会とか!もう次週が楽しみすぎる。止めを刺したヨナ姫は凛々しかったけど、初めての殺生を経験したってことを思うとクるものがあるね。 {/netabare}

第23話 誓いの朝
 {netabare} 思いがけない再会をしたヨナとスウォン。束の間の邂逅のあと動揺を隠せないヨナであったが、明日には阿波を発つことを決める。翌日阿波の海賊や住人に見送られ、ヨナたちは旅へ出発。そして密かにつけて来ていたジェハを仲間に迎え入れる。スウォンが抱く志はヨナの存在があっても揺るがないのね…。 {/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 9
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

正統派伝記もの+

おもしろい。

というか正直、評価に困るw
本当、単純に、単純ながらこの物語がおもしろい。

当初は国盗り合戦みたいなものだと思っていたが、
{netabare}世直し{/netabare}の話だ。

これは朝鮮半島あたりの話だけど、
日本やギリシャ神話、異世界のファンタジーであってもすんなり落ちそうな内容。

{netabare}王族の主人公の親が暗殺され、命からがら国を逃げる。
共に国を出た仲間と共に協力者を探し、
当初は復讐を考えていたのだろう。

親の庇護下でぬくぬく育ってきた主人公は世間知らずで、
世に蔓延する穢れや苦しみを知らなかった。
臆病と言われながらも信じていた親が統治していた国、
豊かで平和だと思っていた、いやそんなことすら考えたことがなかった。

無意識の理想とは違った。

重税、病、資源の枯渇、差別、閉ざされた地域での圧政、
目にした現実に幸せなどなかった。

それを見て、どうしたか、どうするのか。
そういう物語である。


これ、ぶっちゃけファンタジー要素皆無でも問題ない。

武器、知力、腕力、視力、脚力、体力に優れた仲間。
そのものを探す旅の途中で磨かれる精神と肉体。

行く先は憎むべき親の仇と同じ道。


この物語の主人公はヨナとスウォンだと思う。
ヨナがこれまで、これから気付き、やってきたこと、やろうとしていることは、
スウォンと同じ。

違いは親の仇かそうじゃないか。

スウォンは親の仇であるヨナの父親を暗殺したが、
遅かれ早かれヨナの父親は殺されていただろう。
仮にスウォンがそうしなかったとしても、
そうしようと思っていたものは他に5人ぐらいはいたのではないか。

王位に着けるもの、あるいは王位に着けるものに近しいもの、動かせるもの、
そういうヤツらがそうしていただろう。
スウォンの脇にいる黒髪ロンゲなんて、スウォンを動かした人間だろう。

そして多分、スウォンはそれを分かった上で行動に移した、とあってほしい。



さてさて、だらっと物語について述べましたが、
こんなシンプルな話だと中高年層にウケても、
購買力のある歳がアラサーまでの人たちの手を引っ張るには至らないだろう。

足りない要素は
無双っぷり、実は天才、
美女、おっぱい、
イケメン、ほもー、

というより、いくらでも色付けができる内容だ。

今回は、主人公を美女にしイケメンパラダイス、
逆ハーレムにした。

ハーレムものにイラッ☆とする女子の気持ちがほんのわずかだけ分かりましたが、
残念ながらそれがメインの物語ではない、それはおまけだ。
{netabare}はちみつプレイは素晴らしかった。
なるほど、棘が刺さったら蜂蜜か。
ハクはイケメンでまじめだから患部だけにかけ、ついでに舐めていたが、
どうせならそのまま○○にかけモッタイナイので舐めました的にもってくか、
うひょひょひょひょ♪{/netabare}
とあらぬ角度で勉強にはなりましたww

けど、
「キモ」
「イケメンだから許されるんだ」
「オレもやりたい」
と思ったことはそれぐらいで、
自分としては程よい味付け。

むしろ、もーほーのストーリーになんなくて良かったwwwww
{netabare}漫画の大奥じゃないけど、
男が男で満たされる、的なことは往々にしてあったからね。・・・過去形にしたい。
日本で坊さんやら将軍やらそんな感じがあったってことは、
やんごとなき地位にいらっしゃる男は、もう本当。
そうできない人は仕方なくないけど、
美女を選べて、そっちにも手を出すとか、どんだけお盛んなんだよ的、みたいな~。
ぶっちゃけ主人公が中性的美少年とかでもストーリー作れたからね。
むしろ「美」が付かないくてもできたか!?
いや本当、そんなの見たくない。
ヨナちゃんが天パー赤髪美少女で良かった。
本当は美少女性分が不足がちなんだけど、
ヤン・クムジ編でいたし、
この物語にそういうの求めてないから。
別に、ヨナ姫だけいればいいし、本当そう思うよ。
もう一人や二人、いても罰当たらないなんて、そんなこと思ってもいないよ。

・・・と今回はネタバレタグの使い方間違っているなw{/netabare}

黄龍、なんかあるな~

この作品、まだ連載続いてるんだっけ?
その世界でのハッピーエンドはあり得ないけど、
二人の関係、三人の関係での終止符は打てるからそれは見届けたいな。

ということで、みんな買ってね♪
買わないと、矢で眼か股間を射抜くわよ☆


・・・悪ふざけが過ぎたけど、
普通におもしろい物語だった。演出も良かった。
6話ぐらいまでだるかったけど、それも含めていい作品。

{netabare}一応、ヤン・クムジを殺した後の気持ちにも触れてたし。
ゴミはゴミ箱へ的な感じかな。よく分からんかった。
もうちょい苦しんでても良かったんだけど、
物語としては重要じゃない。興味本位として掘り下げてほしかったが。

そういえば、ヤン・クムジが支配者についての名言を言っていたな。
どんな汚い手を使っても、恥を恐れず、自らを生き永らえさせる、
やっぱ本物はこうじゃなくちゃな♪{/netabare}


物語としての音楽は最高に良かった♪
BGMとか効果音とか良かったな☆
テーマ曲は、1クール目OPと2クール目EDがめっちゃ好き☆☆☆☆☆で、
1クール目EDはあんまり聞いてなかったけど嫌いじゃなくて、
2クール目OPの曲もアニメーションのやっつけ具合も微妙だった。
特殊EDはカッコよすぎ!!!!!

あと所々、戦闘や決めるところの描写がカッコよすぎ!!!!!
作画は全般的に良かったけど、本当、良かった♪

{netabare}物語としては、あの土の国?だっけ。
あーいう平和そうで全然平和じゃない、やることやってる話好き☆
まあ、他も好きだから最初の6話ぐらいまでのダルいとこ以外好きなんだけど、
けどそれも必要で・・・うんぬんかんぬん{/netabare}


この文章の長さが好きとか嫌いとか通り越した、この作品への思いと思ってください。{/netabare}



☆1話感想→{netabare}

『アハハ、ウフフ、ほらイケ綿のお花畑よ~・・・えっ (1話感想)』
2014.10.08 00:59 ★★★☆☆ 3.7
物語 : 3.5  作画 : 4.0  声優 : 3.5  音楽 : 4.0  キャラ : 3.5


あらすじ見てたから戦国時代的なのだと思ってたけど、そうきたかw
ぶっちゃけこういう話って誰が悪いとか良いとかない話。
何か理由があるとか、そういうのいいよ。

それはそれ。
これはこれ。
今のところ、かわええ女の子はヨナだけ。

問題は、華に群がる好青年どもをまとめて楽しめるか否か。

だけでもないか。
やっぱり国と国の小競り合いだから、国の行く末、
そして主人公たちの行く道、
ってのは気になるわな。

「タイトルがなんかカッケー」見よう♪
→「イケメンパラダイスだよー」やっぱやめた
→「少女マンガだから純愛っぽいかもー」観よう♪

という経緯wがあって見た。

いいよね、新ジャンルに挑戦しても。
と言っても、ハーレムとは違うのかな。

というわけで、そういえば大人になってからは見てない国取物語、
しかも歴史に関係なさそうな少女マンガの作品を見てみます。

よく分からんけど、チュッチュラブラブ以外の少女マンガも見てきて、実際面白かったから、
実は少年漫画とかそういう垣根と面白さってあんま関係ないのかな。
主人公の男女比が違うだけで。

・・・そう言えば「私ツエー」的なのって見たことないな。誰か作れば流行りそうなのにw{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

2クールじゃ全然足りないよぉo(>_<)o

「花とゆめ」で連載の少女漫画が原作のアニメです。
原作は読んだことないんですが,中華風ファンタジーとか和風ファンタジー大好きなので観てみることに…☆
―っていうか,これは韓国風なのかな!?
世界観はめっちゃ中国だけど,名前だけ韓国っぽいんだよねぇ。
まぁ,韓国も大陸だし,あの三角の帽子に数珠がついてる衣装の時代(韓国ドラマでよく見る)ばかりじゃないんでしょうけど…。

まず,キャラデザは…
良くもなく悪くもなく…といった感じです。
あたしが少女漫画歴が「りぼん」とか「なかよし」の少女向けのものでSTOPしてるのは,中高生以上向けの漫画のキャラデザがあんまり好きじゃないってのも大きいんですよね。
原作読んでないから知らないんですが,漫画がこんな感じなんですよね,きっと。
あ,でもヨナが好きじゃないだけかもです。
天パの設定なんですよね?
個人的に女の子は前髪アリのストレートロングのキャラが好きなので,天パなだけでなく,髪短くなっちゃうから更に…。
ハク,ジェハ&ゼノはキャラデザも好きだし,キャラ自体も好きです!!
特にゼノのキャラデザ可愛い♡

放送序盤でちらっとネットで感想読んだんですが…
{netabare}スウォンがイル陛下殺しちゃうのめっちゃびっくりしませんでした!?{/netabare}
なんか,あるあるっていうか,王道っていうか,先が読みやすい的に書かれてて,びっくりしたのあたしだけか(* ̄□ ̄*;って思いましたよぉ。
あたし的にもう少し緋龍城でのお話が続いてヨナとハクとスウォンの三角関係が描かれるのかなって思ってたのでショックでした。
最終的にヨナとハクがくっつくのは目に見えてるので,やっぱ序盤はヨナの想いが届いてスウォンとくっついたり,イイ感じになってほしかったなぁ。
やっぱハクが1番かっこいいけれど,スウォンのキャラも好きなのです。
{netabare}あと,「スウォン自ら手を汚さなくても…」とか「殺さなくてもヨナを籠絡すれば難なく国王になれたんじゃ…」的な意見もあって「確かに!!」と激しく同意してしまいました(笑)。{/netabare}

“四龍の戦士を探す旅に出る”なんてところはRPG感ありますねー。
「ふしぎ遊戯」(アニメは観てない)を思い出しちゃいました。
四龍の戦士それぞれに力があるってとこもそうだし,それぞれのお話が描かれてからの仲間になるっていう流れとか…。
なんかいろいろダブりますね。
やっぱ「ふしぎ遊戯」には及ばないですけど★
あと,同じく「花とゆめ」連載の「それでも世界は美しい」のレビューで比較すると書いてしまったのでくらべてみました♪←ちょっと後悔してる(笑)。
あと,最近3巻まで読んだ「女王の花」(中華風ファンタジー)という漫画もついでに…。
(あくまで個人の見解ですのでご参考までに…。)

恋愛感
それでも世界は美しい≧ふしぎ遊戯>暁のヨナ≧女王の花

ファンタジー感
それでも世界は美しい≒ふしぎ遊戯≧暁のヨナ>女王の花

歴史感
女王の花>暁のヨナ>ふしぎ遊戯≧それでも世界は美しい

コメディ感
ふしぎ遊戯>それでも世界は美しい≒暁のヨナ>女王の花

アクション(戦い・バトル)感
女王の花>ふしぎ遊戯>暁のヨナ>それでも世界は美しい

―って感じです。
こうみると「それでも世界は美しい」はロマンス(恋愛×ファンタジー)!!っていうのに対して「暁のヨナ」はそこまでロマンスっぽくなかったです。
アニメはまだハクとの恋が進展してないからラブっぽさはほとんどなく,どちらかというと歴史×ファンタジーの色合いが強い印象です。
少女漫画原作だからもっときゅんきゅんを期待してたのでちょっと拍子抜けだけれど,このくらいが丁度良いかも!!
原作の方は話も進んでもっとラブな感じなのかなぁ?
あ,でもハクが常にヨナに敬語を使い続けているところが態度とのギャップできゅんきゅんしますね。
「女王の花」もそんな感じできゅんきゅんしたので,こういう萌えがあるということを知りました。←
あと,ヨナやハクはスウォンのことをどう考えてるのか凄く気になりました。
アニメの中であまり描かれなくて…。
{netabare}特にヨナにしてみたら大好きだった人なのにお父さんの敵なんですよ!!
めちゃくちゃ憎いはずなのに簪捨てられてないですよね。。
再会した時もただ呆然としていてセリフ全然なかったし…。{/netabare}
あとスウォンもヨナやハクのことをどう思っているんだろう。
スウォンにあぁいう一面があったけど,今まで見せてたキャラが全て仮面という訳じゃなくて,あのおっとりしてるのもそれはそれでスウォンなんですよね。
複雑なんでしょうけど,だからこそ彼らの気持ちが気になってしまいました。
最終話でちょこっと描かれていたけど満足できない(>_<)

そもそものストーリーが壮大なので,2クールやってもなお全然足りない!!
だってゼノ出てきたばっかだよ!!しかもさらりと…。
キャラつかめないうちに終わっちゃったよ。。
むしろこれからでしょ!!っていう時に終わってしまったので,もちろん2期求む!!ですよ。

因みに,OP&EDはアニメーションをもう少し頑張ってほしかったという印象です。
なんか次々に絵を見せられてる感じ…。
EDはどちらもスローなのでそこまでじゃないんですが,OPは気になってしまいました。
しかも2クール目のにちょっと使いまわしてるし…(^-^;
EDの「夜」はめっちゃ好きになってしまいました♪
vistlipって知らなかったけど,まさかヴィジュアル系とは…(笑)。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 10

69.8 12 恋愛で泣けるなアニメランキング12位
革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (818)
4351人が棚に入れました
人類が宇宙に進出した時代、中立平和国家ジオールは突然ドルシアからの攻撃を受ける。政府が無条件降伏する中、学園や友人たちの危機を救うため、時縞ハルトは人型兵器ヴァルヴレイヴに乗り込み、ドルシア軍を撃退。学園のあるモジュール77はジオールから分離し、新生ジオールとして独立する。

声優・キャラクター
逢坂良太、木村良平、瀬戸麻沙美、戸松遥、小野友樹、中村悠一、悠木碧、福圓美里、吉野裕行、浪川大輔、寿美菜子、羽多野渉、堀江由衣、福山潤、宮野真守、細谷佳正、梶裕貴、小野大輔、水樹奈々、豊崎愛生、茅野愛衣、代永翼
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

uncover the world

(2013.10/16 13話)
{netabare}マギウスなる存在と邂逅を果たしたドルシア、アルス両名の長。

ジオールに住む皆の希望であるヴァルヴレイヴの原動力であるルーン、それが人を犠牲にする事で成り立っているとしたら?
ハルトは過ちを犯してしまったが為に実験体になる事を選んだのかも。
だからカイン大佐がヴァルヴレイヴを2体、もしくは2機ではなく2人と言ったもの頷けますね。

いやしかし、ハルトの回想シーンでサキが最初でショーコが後に出てくるって1話の時のショーコへの想いはニンゲンヤメタから無くなった?

マギウスの呪いを受けたハルトとマギウスであるカインの教育を受けたエルエルフとの呪いの絆が世界を変革するのか?{/netabare}

(2013.10/23 14話)
{netabare}親代わりであるサトミを、ある一件のせいで拒んでいるアキラ。 タイトル(大気圏の兄妹)からして連坊小路兄妹の兄妹愛がメインとなる?

以心伝心とまではいかなくても、互いに分かり合っていると思っていた。あの一件が起こるまでは…
失って初めて分かったありがたみをサトミは彼なりの方法で返そうとしている。


さすがアードライ、王子様なだけあって乗馬も様になってますね^^ アードライが王子様なのは前半(1クール)から、でている伏線の内の1つですが回収できるんでしょうか?回収するとしたらリーゼロッテも関わってきそう。

今までエルエルフをハルトしか信用していなかったようですが、ようやくハルト以外のクルー(サトミやタカヒ、マリエetc…)にも信用されたようで何よりです。
って、サトミの聖徳太子っぷりも空しく予定ルートから外れてしまったハルト達が行き着いたのは敵地であるドルシア領内。

と言う事はエルエルフとリーゼロッテの再会もある?{/netabare}

(2013.10/30 15話)
{netabare}人類初の「カミツキ」なので第1世代、ハルトやカインよりも先に呪いを受けた者がいる。それにしても彼女ってリーゼロッテの事?

ん~、偽装のヴァルヴレイヴの足のラインがスタドラに出てくるタウバーンっぽいですね。
あと、脚立の作画おかしくないですかね? 片方からしか登れないなんて^^;

幼い日のエルエルフを含むカルルスタイン出身の5人の姿は、ある意味仲睦まじいですwww

ヴァルヴレイヴ1号機のOSであるピノがマリエの事を知っていて、そのマリエの記憶が5年前から無いという事は5年前にVVV計画が始まった?
推測ですが、ピノとプルー(カインが奪った2号機に搭載されたOS)は元人間orマギウス?それかマリエ自身、人間ではなくOSとして造られた存在だったりして… もしくは人類初の「カミツキ」とか? それだとピノの言った「ルーンを食べちゃったから?」と矛盾する。

まぁ、兎にも角にも新しい伏線がでてきましたけど回収できるんでしょうか? 何か、最後は急展開・超展開でうやむやにされそうな気もしないでもないです^^;{/netabare}

(2013.11/7 16話)
{netabare}やはり、マリエはカミツキ(マギウス)だったんですね。それにしても、マリエの記憶(ルーン)を起動力として機能しているヴァルヴレイヴ(覚醒ver.)。と言う事はハルトもいずれは、自身の記憶や噛みつく事で得られた情報をヴァルヴレイヴに吸い取られていく?

呪いと呼ばれているカミツキが200年後には祝福へと呼び名が変わっている。その事とヴァルヴレイヴの覚醒に意味があると思いたいです。
またリーゼロッテ登場したのはいいんですけど、サウナみたいな装置に入ってましたね^^;

エルエルフ達、カルルスタイン機関の過去の回想で登場した友達が貴生川先生がメガネをはずして幼くした姿に見えてしょうがない^^;

いやはや、マリエのヴァルヴレイヴ1号機登場シーンでのBGMが「そばにいるよ」だなんて…・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.11/16 17話)
{netabare}ヴァルヴレイヴ1号機(火人)のOS・ピノは、ヴァルヴレイヴ本体とは別の意志(情報原子・ルーンを食べるという意味では同じ性質だけど)を持っている?
そのルーンによって得たエネルギーがヴァルヴレイヴ以外のものを巻き込んで革命が完遂する?

マギウスたるハルト達が「ニンゲンヤメマスカ? YES NO」でYESを選択した時点で人でなくなり、最初は悪魔の呪いのようなものでしかなかったマギウスの副作用が何らかの形で200年後には神の祝福へと変わっている事もヴァルヴレイヴ本体が関わっているんでしょうかね?

カインの命令で、洋館に招かれたイクスアインはマギウス側である101人評議会の生け贄でしかなかったなんて…

またヴァルヴレイヴという力を持ちながら、それ故の苦悩に悩まされるハルトと、ヴァルヴレイヴという力さえあればリーゼロッテを自身の手で救う事ができるのにそれさえも叶わないエルエルフの苦悩、それぞれが「半分こ」になる事で革命へと漸進していく。

次回、ついにヴァルヴレイヴの開発者でありハルトの父親である時縞博士が登場!?{/netabare}

(2013.11/21 18話)
{netabare}過去のリーゼロッテとエルエルフがアバンで登場してましたが、ついにリーゼロッテとの再会がみられるんでしょうか!?

地球にいるジオールの人々をドルシアから解放する為に行動するハルト達。そんな事よりハーノインは、どうなったのか?
ヴァルヴレイヴラジオ(第22回)でも話題になってましたがホント、どなまで(どなたかハーノインを見つけた方はこちらまで)ですね。
もしかして、それが分かっているからイクスアインは一言も喋らなかった?
それにしてもキャラの作画が崩れているのが今回は目立つような^^;…

彼女の世界を守りたい、例え彼女以外を犠牲にしてまでも… それがエルエルフ、基ミハエルの変革・革命。
ヴァルヴレイヴとハルト達、ジオールの学生(パイロット候補生)は人類そのものに対する革命の手段でしかない。

「リーゼロッテ、俺に浚われてくれ。」とかキザな台詞ですけど何か格好よく見えてしまいますね。
18話を一言で表すと、決別と再会とですね。{/netabare}

(2013.11/30 19話)
{netabare}愛する人を守る為、ドルシアを裏切り敵国(正確には中立国であるジオール)に亡命し建国を促したエルエルフの目的はドルシアの革命ではなくリーゼロッテを救う事だったなんて…・゚・(ノД`;)・゚・

カーツベルフ(サキがジャックして乗り移ったカルルスタインの少年)の異常にアードライ実は気づいてるんじゃないのか?って思うくらい順調にきてるな、なんて思ったら(゚д゚;)!アードライに見つかったサキだけど、この場をどう切り抜けるのか?

クーフィアはカイン大佐に忠誠を誓っているというよりは、こっちに居た方が楽しそうだからなんていう理由だろうな^^;
ハーノインの末路?を悟った今のイクスアインはジャックされていない限り、怒りそうではあるけど…

OSのピノもまたリーゼロッテと同じ肉体を持たないマギウス(第1世代?)でリーゼロッテは人の身体を移し替えながら生き、ピノはOSという機械の器へ乗り移った事でヴァルヴレイヴが情報原子であるルーンを燃料とするキッカケとなった?

ん?「私たちは人間の体を次々と乗り換えて生きながらえてきました。」と言ったリーゼロッテの言葉が真実ならエルエルフが愛した彼女は既にマギウスに乗っ取られたリーゼロッテだったという事?

いやいや、「速い!」じゃなくて自分の射撃の腕を疑ったらどうなんだよクーフィア?だからナイフでの戦闘が得意なんだろ!

リーゼロッテを助ける目的をうしなったエルエルフは、この後どうなるのか?また少しずつ暴かれつつある世界(マギウスの秘密やヴァルヴレイヴが人為的なマギウス・人間を凌駕した次世代の霊長類の筆頭の為に必要な存在)は、どう収束していくのか?見物ですね!!!{/netabare}

(2013.12/7 20話)
{netabare}リーゼロッテという光を失ったエルエルフ(ミハエル)は再起する事はできるのか?また101人評議会なる存在はマギウスの生存本能の表れであり共存できる未来はないのではないか?

等々、疑問はありますがエルエルフの知力を使えないハルト達にドルシアと対抗できる手段があるとも思えない。やはり彼の力が無いと何もできない学生のまま…という訳でもなさそう。ショーコ達はショーコ達で物資の支援を受け持ってくれる所を探していたみたいだし、とてもカップ麺をラリアットで倒しまくっていた人と同一人物とは思えないくらいに成長してますね。

絶対的な力でもない限りドルシアには勝てない。その力の1つが知略だとしたら、もう1つは武力(ヴァルヴレイヴの覚醒)?

ハーノインのピアスに隠された仕掛け、イクスアインは気づいていたみたいですがカイン大佐に関する情報だったりして。
それと何とかアルスの協力を得る事ができたが、それはヴァルヴレイヴの技術をアルス側にも提供する条件付きなんじゃないかと考えてしまう^^;

ついにカミツキの秘密が全世界に暴かれましたが、まさかこれが「世界を暴くシステム」の結果じゃないですよね(゚д゚;)!?{/netabare}

(2013.12/14 21話)
{netabare}アルスとドルシアが裏で取引をしていたから起こった茶番劇と言うにはあまりにも不謹慎すぎる殺人劇。
自分達が101人評議会に利用されていると分かっていても自国の利益・ヴァルヴレイヴの破壊、もしくは強奪を未だに計画していて中立国であるジオールを攻撃する正当な理由付けの為だとでも?
だとしても、いきなり武力で制圧するのは正当防衛でもないしおかしいだろヾ( ̄o ̄;)オイオイ

それにしても、ショーコだけはあの動乱の最中終始みんなの命を気づかっていたのは一国を背負う総理としての立場上やむを得ない事なのか・はたまた父親の死を間近で見てしまった事によって同じ悲劇を繰り返させたくないという思いからなのか。

おいおい、このままじゃ「世界を暴く」どころか本当に暴きたい事を暴く前に人類から見放されて死を待つだけになってしまうぞ?

こんな裏切られ方ないよ(-_-;)今まで、みんなの為に頑張ってきたのに…自身が追いつめられればすぐに他人を切り捨てるなんて。(1人の命と多数の命どちらかしか助けられないとしたらどちらを犠牲にするか?)

犬塚先輩はアイナに嘘をついていた、好きと言えなかった自分自身と引き換えに守ったものは…ハルトの気持ちとみんなの命だった・゚・(ノД`;)・゚・{/netabare}

(2013.12/19 22話)
{netabare}200年後の世界にも咲森学園が保存されているという事はモジュール77をそのまま取り込んだ形の国家なの?
それにしても200年後の世界の王子と呼ばれている少年、外見はエルエルフですが瞳の大きさ・色はハルトそっくりですね。まさか、ハルトは意識だけの存在になってエルエルフ(クローン)の中で生き続けているとか?

戦争互助組織から国家へと変わったドルシア。その頃から101人評議会(マギウス)がドルシアのバックに居たとしたら、人類vsマギウスの対決は起こるべくして起こったとしか…
それに立ち向かうヴァルヴレイヴのパイロットであるハルト達は人類とマギウスのハーフとして造られた呪いを受けた存在であると同時に共存関係という祝福を手に入れる為にヴァルヴレイヴが必要だった。

「はんぶんこ」、何もかもそう容易く分け合う事はできない。だけどそれを願い、行動に移す事で変わるかもしれない
。ハルトのように半分、人間でもう半分はマギウスとなった身体で平和を願い、エルエルフはあの時終わるはずだった命をリーゼロッテに救ってもらった(髪を切る事で命を半分わけ与えてもらった)一件でリーゼロッテを救い出す事で彼なりの恩返しをしたかった。

男は拳でしか語り合えない?とはよく言ったものですが、今回の件で人間であるエルエルフとマギウスであるハルトが分かり合えた事は世界を対立の構造から協調の構造へと変えるキッカケとなるのでしょう。{/netabare}

(2013.12/28 23話)
{netabare}かつては共に革命を誓った仲間だったエルエルフ。だからアードライは一緒にその誓いを成し遂げたかった。だが、その革命へと続く互いの道はヴァルヴレイヴの出現によって別れてしまった。しかし、アードライの道は友を失ったイクスアインの協力を得て再び光が差しはじめる。

てっきりアードライ組む事は、もう無いと思ってましたがまさかの展開デーゲン!?(゚д゚;)
それにエルエルフの「言ったら信じてくれたのか?」の問いにアードライが僅かなためらいを見せたのは許す気があったんだろうな^^;

ヴァルヴレイヴOS・ピノの兄であるブルーに101人評議会の面々が一目を置いているという事は、黒幕はカイン大佐ではなくプルー?

何気にエルエルフがドルシアの軍服に袖を通すシーン、2期のPVでもありましたがここまで待たされるとは…

クリムヒルトは、ハルト達がモジュールを奪還する事に少なからず希望を持っている。彼女もまた王統派の1人であり今の反王党派が統べるドルシアを快く思っていないから。それにしてもドルシアはマギウスの後ろ盾が無かったら今頃クーデターで情勢が安定しないまま最悪、崩壊してそう^^;

次回、最終回なのでジオールとドルシアの決着は着きそうですが色々と消化不良な幕引きとなりそう。{/netabare}

(2014.1/2 24話)
{netabare}ドルシア総統もマギウスで合った事が世界へと暴かれてしまった中、カインが強奪したヴァルヴレイヴ2号機(ダーインスレイヴ)で出撃する。そのドルシアはマギウスの謎を秘める為にジオールと戦い、そのジオールはマギウス・世界を暴く為にドルシアと対峙する!

ダーインスレイヴの装備が3~6号機の寄せ集めみたいになっているのは残念です^^;唯一、槍の装備はダーンスレイヴ独自の物ですがイデアールの頭が付いてるってwww
このダーインスレイヴ、wikipediaによると北欧神話に登場する魔剣で鞘から一度引き抜かれ生き血を浴びると完全に血を吸い尽くすまでは鞘に戻らないという代物なんだとか。
まさに、マギウスらしい兵器のネーミングですね。

最終決戦なのにハルトが戦闘にほとんど参加しないのは、エルエルフとカインとの関係に終止符を打つ為だったと思いたいです。にしても深刻な状況に陥り、エルエルフをジャックする時のハルトの焦りにも似た表情がなぜか笑えるww

ハルトたちが守った世界は、第3銀河帝国の礎となりカミツキ(疑似マギウス)を呪いの象徴から祝福の象徴へと変えるキッカケとなった。{/netabare}


1st.seasonも含めてあっという間の2クールでしたが、200年後の世界に住む人々は人類と共存できたのでしょうか?
それに王子と呼ばれていたあの少年の正体や、ドルシア・ジオールのその後など描かれていない部分が多いので終わり方には納得がいかないです。
キャラに関してもクーフィア以外は個性があって好感が持てました。
もちろん、クーフィアにも強すぎる個性がありますがただの戦闘狂です^^;パーフェクツォン・アミーとしてはエルエルフの次に優秀でしょうけど人間性の面ではちょっと…(゚д゚;)

前述したように納得のいかない部分が多い、期待していただけに残念ではありますがコミックスや小説などのメディアミックス作品でもあるので、アニメでは描かれなかった所を描いていってもらえると個人的には嬉しいです。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21
ネタバレ

カリューム さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ちょっと内容を整理させて欲しい・・・(書き途中)

一期から時間が経ち、興味もだいぶ薄れていましたが、やっぱり謎を残したままというのは気持ちが悪く、最終話まで放送したあとに一気に見てみました

結論を言えば、「謎は明らかになったけど、わからないことだらけだった」でした

ここからはネタバレです
{netabare}まず作品の世界観というか流れを振り返らせてください
※ぶっちゃけうろ覚えだったりするので、勘違いがあるかもしれません

1.マギウス地球に来る
2.マギウス生物に乗り移る
3.マギウス人類に気味悪がれてしまったので、隠れることにする
4.ジオールがヴァルヴレイヴ作る
ここからは本編一期
5.ドルシアがジオールを奇襲
6.ハルトくん一号機でドルシア攻撃
7.なんやかやで咲森国爆誕
8.なんやかやで月目前でドルシアに攻撃され、弐号機がマギウスに奪われる
ここから本編二期
9.弐号機を退けて月到着
10.地球に行く事にしたが、ドルシアに到着
11.ドルシアでヴァルヴレイヴの開発者にあって、カミツキについて知る
12.エルエルフの想い人を発見保護したと思ったら、助けられて、助けられなかった
13.ファントムの船を捕まえる
14.マギウスにしてやられて、咲森国で大量虐殺がはじまる
15.逃げる
16.ドルシアとアルスが結託しようとしているので、阻止し、弐号機をぶち壊す
17.世界が大荒れ。人々は疑心暗鬼になるも、咲森国民は何人か生き残り、新たな国を作りました

う~む
こんな感じでしょうか?
とりあえず謎は全て明らかになったのかな?

個人的に分からない部分というのは、「なぜこんなにしっちゃかめっちゃかにしてしまったのか?」ですね

とりあえず、終わり方がもうなんなの?って感じでした
物語の流れ的には「マギウスと人間が共存する世界を作る」というのが最終的な目的になったわけです
いわゆる「相互理解って大切だよね!」みたいな感じ
主人公二人はそんな世界の実現のためにマギウスの存在を世間に知らしめます
隠そうとするやつをぶっ飛ばして、自分たちカミツキを暴いたときの意趣返しをはかります

ここで疑問なのが、マギウスと共存しよう的なエンドだと思いきや、主人公二人はいなくなり、ショーコちゃんが未確認宇宙生物とコンタクトを取っていることです
なぜその場面がラストなのか?
結局マギウスたちとはどうなったのか?
せめて最後にそこを描けよ(゚Д゚)
なぜ未確認宇宙生物とのファーストコンタクトを描くのか?

他にも細かいですが疑問点が
{netabare}1.なぜドルシア総督がマギウスだとわかったのか?カイン大佐がマギウスなのはわかってたけど、あいつがマギウスかどうか知るずべはなかったのでは?
2.なぜエルエルフはマリエを即始末しようとしたのか?雑すぎだろ。ハルト来ないからイラついてたんですかね・・・
3.なぜハルト以外はルーンを補充しないのか?一号機はOSちゃんの分も補充しないといけないのかもしれないから、ルーンの消費が激しいのかもしれないけど、ほかの人が一度もルーンを補充してないのはなんなのか?
4.ファントムの船を捕まえていたのは何だったのか?そもそも「月にファントムの船が向かっている」→「捕まえよう」。何故なのか・・・?{/netabare}



良かったと思える部分も無くはない
しかし、正直展開についていくのがやっとだったのと、上記の疑問点に「んんんんん?」となりながら見ていたのであまりいいとは思えませんでした
もう少しやりようがあったのでは?と思ってしまうので、惜しい作品だったとは思います

山田と先輩をもっと活躍させて欲しかったし、マリエの話も掘り下げて欲しかったな
あんだけ頑張って、その頑張りを知ってるのがハルトとエルエルフだけって寂しすぎるだろ(´・ω・`)
せっかくアキラちゃんとも仲良くなり始めたとこだったのに・・・
ルキノさんも物語から退場してる時間が長すぎたような・・・
ハルトくんとはいろいろあったんだから、そこらへんをもう少し描いて欲しかったかな
そういえば結局なんでチョメチョメしてしまったのかわからなかったな
あと主人公はヴヴヴを壊すと言ってましたが、あれはどうなったの?
マギウスとの共存という方向に向かったゆえの心情変化というふうに捉えることもできますが、作中で明言したりして欲しかったかな

そういえば、クーフィアというキャラがいましたが、あいつって実は裏切り者としてエルエルフ達が殺したやつと仲が良かったりしないかな?
そうだとすると、例え仲が良くても裏切り者は殺さなければならないという現実を最も心に刻んでいたのはクーフィアだったのかもと思うのです
戦闘狂っぽく描かれてましたが、実はエルエルフ達を仇として恨んでいたのかもしれないと考えると、面白いかも
{/netabare}

いったんここまで

投稿 : 2024/09/07
♥ : 10
ネタバレ

タナボソ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

クソアニメとは何か? それは例えば登場人物がシナリオの都合で軒並み馬鹿になり、非常識極まりない行動を取ったりし始める作品のこと

あまりにも笑ったので衝動的に書いてみました。
21話。凄かった。神回と呼ぶにふさわしい。

2013/12/07配信の21話、ニコ生アンケートでは
(①とても良かった ②まあまあ良かった ③ふつうだった ③あまり良くなかった ⑤良くなかった)

①24.2%
②6.7%
③6.4%
④9.6%
⑤53.0%

⑤が過半数超え、①が30%割れなんて初めて見た(ノ∀`)
つか53=ゴミなんて出来すぎで、これも仕込みなんじゃと疑うレベルw


【参考】他作品のアンケート ①とても良かった の割合 
 ※()内は配信日

のんのんびより
7話(11/28)95.4%  8話(12/5)96.0%

てさぐれ!部活もの
8話(11/24)94.8%  9話(12/1)94.6%

キルラキル
8話(11/24)93.0%  9話(12/1)93.7%

蒼き鋼のアルペジオ –アルス・ノヴァ-
8話(11/28)86.4%  9話(12/5)94.0%

弱虫ペダル
8話(11/29)93.1%  9話(12/6)95.1%

アウトブレイク・カンパニー
7話(11/26)92.9%  8話(12/3)90.4%

東京レイヴンズ
7話(11/27)76.4%  8話(12/4)69.6%

ストライク・ザ・ブラッド
8話(11/28)80.9%  9話(12/5)78.1%

IS<インフィニット・ストラトス>2
7話(11/25)52.0%  8話(12/2)52.2%

BLAZBLUE ALTER MEMORY
8話(11/29)80.4%  9話(12/6)62.1%

メガネブ!
8話(11/24)57.5%  9話(12/1)72.0%

-----------------------------------------


21話 嘘の代償
{netabare}> ドルシア総統によって、カミツキの秘密が暴かれた。
> さらに、101人評議会の情報操作により、ファントムによる殺人もハルトたちのせいにされ、
> 世界は一気に彼らの敵に回る。
> 危険生物の駆除という名目の下、次々と殺されていく生徒たち。
> やむを得ず逃げ出したハルトたちだったが、モジュール77は既に大艦隊に取り囲まれていた。
> そんな窮地に陥る中、一部の生徒たちがハルトを拘束する。
> ハルトを差し出すことで、自分たちだけ助かろうというのだが……。
{/netabare}

とにもかくにも雑で急。説得力不足。
{netabare}ドルシア、アルス、ジャーナリスト皆グルでジオールへのなすりつけが見え透きすぎの{/netabare}
茶番、誰も信じないでしょ。
{netabare}学生を無差別虐殺する{/netabare}非人道的行為を大統領主導であんな軽率に行うなんて、
視聴者の多くが不快に感じるのが妥当。
{netabare}「奴らは人間ではない! (不死の)危険生物7号だ!」と言いつつ射殺。
いやいや、あっさり死んどるがなw 不死としつつ殺す矛盾。{/netabare}

ハルトもショーコも揃って馬鹿。ちゃんと説明しないし衝動的に行動して人の話を聞かない。
シナリオの都合なんであろう方向に話をシフトさせる操り人形と化していると感じてしまいました。
{netabare}ハルトはうっかり口を滑らせすぎだし、ショーコは手のひら返しが早すぎ。
視聴者的に茶番で非人道的でご都合と映っているに過ぎないアルスに、ハルトをあっさり売るショーコ。

引きこもりエルエルフさん、あっさり捕縛、ハルトと共にアルスへ売られる。以前も見た光景だけど。
「買いかぶられたものだな」てのもなんかズレてる。
無気力ならそんな台詞出てこないはずだし、やる気あんなら捕まんなよだし。

常識人的振る舞いを見せた犬塚先輩、戦死。
「信じてもらえなくても、憎まれても、俺は!」仲間を守ろうと奮戦したのに…{/netabare}

バトル描写がまともでも、キャストが豪華でも、
シナリオのとんでもなさが全てを覆し、どうでもよくなる。
ホント凄いです。

監督:松尾衡
シリーズ構成:大河内一楼
21話脚本:熊谷純


「ボクジャナイー」⇒監督と脚本家で責任のなすりつけ合いかな?
「ジャッジメントする!」⇒視聴者にスタッフが裁かれるんですね
と話題をかっさらってきた(たぶん)ヴヴヴ、いったいどこへ行くのか。
全24話とのことで残り3話、ちゃんと終われるのか。
劇場版作って結末すんじゃね?なんて声もあるけど、
こんなのに一文も払いたくない人ほとんどなんじゃw
気になるのでとりあえず最後まで観ます。ある意味楽しみ。
(2013/12/08初up)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 5

77.9 13 恋愛で泣けるなアニメランキング13位
暗殺教室(第2期)(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (691)
4292人が棚に入れました
南の島で鷹岡との戦いに勝利したE組の生徒達。殺せんせーはカップル成立を目論んで「肝試し」を企画!だが、いつしかE組全員でのイリーナと烏間をくっつける作戦に!?果たしてその結末は!?夏休みも終わりに近づき、2学期へと思いを馳せる生徒達。その裏で謎の男の影も…?

声優・キャラクター
福山潤、杉田智和、伊藤静、速水奨、岡本信彦、逢坂良太、内藤玲、田中美海、矢作紗友里、松浦チエ、洲崎綾、佐藤聡美、川辺俊介、金元寿子、渕上舞、宮下栄治、山谷祥生、水島大宙、間島淳司、木村昴、沼倉愛美、斎藤楓子、日野未歩、河原木志穂、植田佳奈、浅沼晋太郎、高橋伸也、はらさわ晃綺、諏訪彩花、下妻由幸、藤田咲、緒方恵美、宮野真守
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

原作尊重が伝わる安定のクオリティ

原作は、少年ジャンプでリアルタイムで読んでます。
原作は完結しそうでなかなか完結しない状態でスタートしたアニメ二期。
単行本は2015年12月時点で既刊17巻ですが、
松井先生によると15巻からは、
最終回までの各回のプロットは既に決まっているそう。

アニメ版制作スタッフには最終回迄の流れを伝達済みなのか?
お話のゴールは間近のようですが、アニメは最終回まで描けるのか?
アニメ版を、どうまとめ、締めくくるのか、非常に興味深いところです。

今作制作の直前に、アルペジオを劇場版で高評で締めくくることのできた
岸誠二監督と脚本の上江洲誠さんのゴールデンコンビに期待してます。

第2期OP「QUESTION」とED「欠けた月」は初回時は
1期ほどのパンチがなくまあまあでしたが、、
4話目にはすっかりお気に入りの曲になりました。

キャラでは、状況に応じて衣装を変える人工知能の律が
アニメでは毎回おちゃめで可愛いし、
原作以上にいい味出してて一番のお気に入り。

渚のナレーションと的確なツッコミも楽しい。

<各話レビュー>
★ 1時間目「夏祭りの時間」 {netabare}
… 原作単行本第9巻:第74話「怖い時間」、
  第75話「殺しの時間」、第76話「衝撃の時間」より

二期は、二学期の始業式以降からスタートするかと予想してましたがハズレ。
意外にも一期のラスト第73話からの話をそのままでスタート。

キャストも既に2クール演じてるキャラだけあってよく嵌ってるし、
息もあった掛け合いも絶妙で安心のクオリティ。

<告白のつもりが殺白(ころはく)してどーすんのよ!!>
二学期編序章となった今回、
今後のヤバそうな伏線もありましたが
肝試しや「くっつけ」作戦などで構成され
大筋は小休止の日常回。
ヴィッチ先生の可愛さがよく描けていて始終ほのぼの。

放送が真冬なのに夏イベントというのもアレですが
コメディとして十分楽しめました。
{/netabare}
★ 2時間目「茅野の時間」{netabare}
… 原作単行本第10巻:第80話「茅野の時間」、第81話「鬼ごっこの時間」、
  第82話「泥棒の時間」、第83話「泥棒の時間・2時間目」より

第9巻の第77話から巻末の79話に当たる3話分、
前回、水木しげる先生似とされた、
竹林絡みのエピソードは丸々カット。
結構好きなエピですが、
話のテンポ上、仕方ないかな。

お話はいよいよ第10巻に突入。

今回、あまり繋がりのない3つのエピソードを
上手く1話に収めるることに成功してると思います。

・Aパート:第80話「茅野の時間」より

<プリン愛あればこそ>
松井先生も茅野と同じくプリンマニアだそうで
巨大プリンの設定をかなり練りこんだそう。

おかげでアニメでも丁寧な演出で
荒唐無稽なお話なのに妙な説得力があって
ギャグコメディなのに関心しちゃいました。

なにがあっても、ちゃんと生徒たちにもプリンを振る舞う殺せんせー。
ちょっとほっこり。

・Bパート:第81話「鬼ごっこの時間」~第83話「泥棒の時間・2時間目」より

殺せんせー、福山潤さんの
ハリウッド映画などのテンプレ悪徳警官の演技、
踊る大捜査線ネタ(アニメオリジナルの演出)にクスッw

おそらく尺の問題で、鬼ごっこ(ケイドロ)のエピの最後、
烏間を出し抜いた生徒たちの描写はカット。
これも無理ないけどちょっと残念。

<お前は俺より弱い>
自称殺せんせーの弟、イトナ、カムバック!
次回も楽しみ。
{/netabare}
★ 3時間目「堀部糸成の時間」 {netabare}
… 原作単行本第10巻:第84話「限界の時間」、第85話「駒の時間」、
  第86話「執着の時間」、第87話「吐きそうな時間」より

殺せんせーの力というより、
E組の生徒のチームワークのおかげで
イトナ(CV:緒方恵美)がクラスの一員になれたお話。

E組の生徒たちは人しての度量も大きくなってきた。
かつてはトラブルメーカーだった寺坂も
人を気持ちを解きほぐすことができるようになっていた。

殺せんせーの教育は、
生徒の学力や様々な技能のみならず
人格形成にも大きな結果を残してることが
伝わるエピソードでした。

原作の魅力を損なわず、
単行本の4話分を23分に無理なく収めるてる。
その上、原作上のいい台詞やギャグも決して外さない。
上江洲さんの脚本はやはりセンスがいい。
{/netabare}
★ 4時間目「紡ぐ時間」 {netabare}
… 原作単行本第10巻:第88話「紡ぐ時間」、第11巻:第89話「名前の時間」より

・Aパート:第88話「紡ぐ時間より

イトナは寺坂グループにすっかり溶け込んだ。
遠慮ない毒舌が友情の証であるかのようだ。

得意の電子工作の技術で対せんせー用の兵器を作ったつもりが、
E級男子の男のロマンの道具にされそうに…

エロと殺しと物作り、男子の都合をがっちり掴んで、
イトナを中心にいつの間にか輪ができていた。

真剣な作戦のために一致団結する彼らだが…

<ちょっと痴情のもつれが…>
オチには原作の補足となる描写もあって楽しかったです。
ちょっとだけプリズンスクール思いだしました。

・Bパート:第89話「名前の時間」より

一日だけ本名で呼ぶの禁止してお互いをコードネームで呼ぶお話。

コードネームは全員が全員分考え紙に記入、それを箱に入れる。
それを殺せんせーが引き当てたもので、全員分のコードネームは決定。

真面目な対戦訓練で、適当でふざけたネームで呼び合う彼らは
アニメでは声優の演技により漫画より可笑しさ倍増でした。

コードネームと呼ぶより、あだ名が相応しい。

特に笑えたのは、律の”萌え箱”を筆頭に、
ツンデレスナイパー、女たらしクソ野郎、鷹岡もどき、
中二半、永遠の0、メガネ(爆)など

ただ、メガネ(爆)は、竹林のことですが、
アニメでは竹林回がカットされてるので
原作読んでないと意味不明なのが残念。

原作のアレンジが絶妙で、なおかつ補足要素が加わり
今回の面白さは原作以上。

ちゃんと木村君の名前のコンプレックスを救うオチもあって
ギャグだけで終わらせないところが素敵です。

エンディングのキャスト表示で
E組生徒と担当教師3名の役名が本名でなく、
コードネームになってたのには(爆)

CAST
バカなるエロの
チキンのタコ   福山 潤
堅物         杉田智和
ビッチビチ    伊藤 静
---------中 略----------
性別       渕上 舞
って、これは「バカテス」の秀吉と同じくらいの笑撃www

だから岸&上江洲コンビの作品から目が離せません。

次回、浅野理事長親子が久しぶりの登場。楽しみです。
{/netabare}
★ 5時間目「リーダーの時間」 {netabare}
… 原作単行本第11巻:第90話「イケメンの時間」、第91話「体育祭の時間」、
  第92話「戦術の時間」、第93話「リーダーの時間」、第94話「敗北の時間」より

今回は、磯貝悠馬(CV:逢坂良太)の回。
コードネーム:貧乏委員
縁日でゲットした金魚まで食材にするほどの貧乏な母子家庭の苦労人設定。
でもE組の学級委員で、成績優秀、コミュ力あって人望厚くイケメンとして女子人気も高い。

前回は、原作2話分を補足まじえて丁寧に描いたかと思えば
今回は5話分を圧縮して構成してました。
だからといって薄味に感じることなく楽しめました。
ポイントは決して外してないためだと思われます。

体育祭の棒倒しのようなシーンは、アニメで音声と動画で描かれると
やっぱり漫画より見応えあっていいですね。
イトナが勝利を決める際、棒にぶら下がって倒すというアクションが足されていました。

留学生との会話を英語で統一させたのも
ヴィッチ先生の英会話の授業が役に立ってると伝わり良かったです。
キャストの誰が、英会話が上手いか下手かが判っちゃうのは、まあご愛嬌ですね。
{/netabare}
★ 6時間目「ビフォーアフターの時間」 {netabare}
… 原作単行本第11巻:第95話「間違う時間」、第96話「ビフォーの時間」、
  第97話「アフターの時間」、第98話「プレゼントの時間」より

<君たちは強くなりすぎたのかもしれない>
いつもの山中でのフリーランニングの訓練の成果を街中で試すE組の18名の生徒たち。
不注意から、自転車に乗った幼保育施設「わかばパーク」の園長に怪我をさせてしまう。
その責任を取るため、そして失敗から学ぶため、
E組28名全員参加の二週間の課外授業が始まった。

<なんということでしょう!>
『大改造!!劇的ビフォーアフター』…建築情報・ドキュメンタリー番組。
サザエさんの中の人、加藤みどりさんのナレーターが印象的。
殺せんせー、福山潤さんのものまねとBGMで上手く再現。
映像と音響あってこそのパロディ、原作では味わえない楽しさでした。

<蒼き鋼のアルペジオのキャスト再び>
岸&上江洲コンビの推薦でしょうか?
レギュラーのE組生徒は、
渕上 舞(渚、イオナ)
藤田 咲(律、ヒュウガ)
沼倉愛美(中村莉桜、タカオ)
宮下栄治(菅谷創介、橿原杏平)
佐藤聡美(神崎有希子、ナチ(劇場版))
カッコ内の前者は今作、後者はアルペジオでの役名

気付いたのは以上ですが他にもいるかも。

そして今回のゲスト、登校拒否の小5のさくらは山村響さんが演じてました。
つまり渚とさくらの絡みは、イオナとハルナの組み合わせ。
お二人とも演じ分けが巧みなのでエンドクレジット見るまで
この組み合わせとは思いもよりませんでした。
なかなか面白いですね。
{/netabare}
★ 7時間目「死神の時間 前編」 {netabare}
… 原作単行本第12巻:第98話「プレゼントの時間」、第99話「プレゼントの時間・2時間目」、
 第100話「「死神」の時間」、第101話「反撃の時間」、第102話「「死神」の時間・2時間目」、
 第103話「「死神」の時間・3時間目」、第104話「「死神」の時間・4時間目」より

今迄で最強最悪の超一流の暗殺者「死神」登場!
殺せんせー暗殺のため、あらたな外部からの刺客がE組生徒全員を人質にとる。
ヴィッチ先生もE組を裏切り「死神」側に取り込まれ、律もハッキングで無力化された!
E組に最大の危機が訪れ、殺せんせーと烏間先生が救出に向かうが……

「死神」絡みのエピソードは漫画では第99~110話までで12話分ありますが、
アニメでは2回分だけで描くのかな?
テンポがとてもいいです。
カット多いはずなんですが、全然気にならないのは、ポイントは決して外してないからでしょう。

<やる気しね~死神さんに逆らうとかありえねーし 働くぐらいなら電源落とす>
ほんの少しの登場ながら、漫画もアニメもHacked印の律はやっぱり可笑しい。
藤田咲さんの演技は、今回、ここだけ普段の清楚な役柄と違うので、
ちょっとだけアルペジオのヒュウガっぽく聞こえました。
{/netabare}
★ 8時間目「死神の時間 後編」 {netabare}
… 原作単行本第12巻:第105話「「死神」の時間・5時間目」、第106話「「死神」の時間・6時間目」、
  原作単行本第13巻:第107話「「死神」の時間・7時間目」、第108話「「死神」の時間・8時間目」、
  第109話「「死神」の時間・9時間目」、第110話「世界の時間」より

<この教室がどんな結果を迎えるのかはわからない...だが、この場所は...良い世界だ>
今回は、烏間が主役!烏間は、怪鳥音こそないもののビジュアル的には、
70年代の孤高のヒーロー、ブルース・リーのようなカッコよさ。
杉田智和さんのイケメンモードの演技も実によく決まってて、すっかり魅せられました。
ヴィッチ先生との絡みも素晴らしかった。

イトナもいい味出てます。彼の電子工学の才能が
しっかりE組の戦力に活かされてるのも地味にいい。

2回に分けられた死神の時間のエピソード、
カット多くても、キャラの心理描写がとても丁寧だったのが好印象でした。
{/netabare}
★ 9時間目「2週目の時間」 {netabare}
… 原作単行本第13巻:第111話「進路の時間」、第112話「2週目の時間」、
  第113話「1週目の時間」、第114話「渚の時間」より

生徒の進路指導のエピの中で浮き彫りになった、
渚と彼の母、潮田広海(CV:三石琴乃)の話。

広海役に三石さん起用とは少し意外でしたが、結果としては適材適所ですね。
実生活でも一女の母親でもある三石さん。
また「ドラえもん」で、のび太のママ役をもう10年以上演じているだけあって、
母性は、演じなくても自然に滲み出ていて、
さらに狂気を秘めた過保護の母という難しい役を絶妙に演じてらしてさすが。
{/netabare}
★ 10時間目「学園祭の時間」 {netabare}
… 原作単行本第13巻:第115話「学園祭の時間」、
  原作単行本第14巻:第116話「客の時間」、第117話「珍客の時間」、
  第118話「縁の時間」より

一期含め、今迄の敵味方問わず様々なキャラが文化祭でE組の模擬店に訪れる話。
なんとも緩く少年誌ならではのコメディ展開ですが、私は大好きなエピソード。
「昨日の敵は今日の友」的なものはいかなる作品でも個人的にツボです。

実に上手くまとめあげていたと思います。
二期のここまでの話で一番笑えて面白かった。

ここで久しぶり(一期17話以来)の、『いきなり「おしえて!くぬどん」』復活!
今回は、学園の文化祭紹介。
アニメオリジナルのこれ、好きです。
脚本の上江洲さんのブラックユーモアが冴えてます。

本校での浅野の企画した学園祭イベント描写の作画もセンスがいい。

<殺すつもりで売りましょう、君たちの数々の刃を!>
食は和を生み出す意味でも大切ですね。
どんぐりつけ麺、私も食べてみたいです。

修学旅行の不良高校生、わかばパーク関係者、南の島エピのキャラたち、
その他もろもろの殺し屋たち、最後に渚の母、再登場。
中でもユウジが、最もお気に入りなキャラなので丁寧に描いてもらえてうれしかった。
渚との絡み、可笑しくも今回は南の島の時以上に心温まりました。

渚の母は前回と打って変わり、子離れできた母親へ脱皮。

人の成長がちゃんと描かれてるから今作が好きなんです。

キャストの皆さんの演技力も冴えていて始終ほっこり。
{/netabare}
★ 11時間目「期末の時間 2時限目」 {netabare}
… 原作単行本第14巻:第118話「縁の時間」、
  第119話「期末の時間 2時限目」、第120話「殺気の時間」、
  第121話「解放の時間」、より

<正しい敗北を 僕の仲間と父親に>
理事長の歪んだ教育に気付き、素直にE組生徒たちに頭を下げる浅野学秀。
いつの間にか、本校舎生徒筆頭の彼も成長してました。
今まで見下していたE組生徒に素直に頭下げるとは
登場した頃には想像もつかなかった。
敗北から学んで強くなる…
普遍的な真理を自然に物語に織り込んでいて味わい豊か。

テスト問題と格闘する様をファンタジーバトルになぞられる演出
ここはアニメの真骨頂ですね。

{/netabare}
★ 12時間目「空間の時間」 {netabare}
… 単行本第14巻:第122話「空間の時間」、第123話「誤作動の時間」、第124話「教員試験の時間」より

前回と今回の間に、原作漫画はすでに第180話で完結してます。

アニメ2期は全25話予定らしいので残り13話あるよう。
とすると、アニメ1話分につき単純計算で平均、漫画の4話~5話分を
消化していけば結末まで充分描けますね。
これでアニメも、最後まできれいにまとめてくれそうで安心です。

<学秀vsカルマ、学業対戦の巻>

今回の数学の最終問題は、原作の松井先生が、
「中学生の知識で解けるけど、大学受験レベル」という発注で
中学生の通信教育のZ会の方に作ってもらたそう。
採用されたのは、いくつか作ってもらった候補から
漫画に相応しいと判断された選ばれた問題で
先生ご自身も3日かけて咀嚼して全容を理解した上での執筆とのこと。

私は、数学不得意ゆえ解く気も起きませんが
学秀とカルマ両者の着眼点の違いが対照的に描かれてなかなか面白い。

前回に引き続き、ファンタジーバトルの演出に、
アニメの利点が最大限に活かされてましたね。

でも、最高に可笑しかったのは、最後のくぬどんの件。
原作ではちょっとしたギャグをバージョンアップ
シリアス回なのに、こういうの、
いきなりぶちこんでくるセンスがなかなかいいです。

理事長と殺せんせー、教育方針は違えどどこか似てると思います。
理事長は好敵手としていいキャラです。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

殺センセーと3年E組の皆んなとの絆の物語・・・その熱情にただ感涙するしかできませんでした・・・

この作品は、「暗殺教室」の続編に位置する作品です。物語の内容に繋がりがあるので、前期を未視聴の方はそちらからの視聴をお薦めします。

この作品からは予想外の幸せをたくさん貰ったような気がします。
①前期視聴の際、殺センセーのキャラデザからこの作品の視聴を敬遠した方もいらっしゃるようですが、殺センセーと3年E組の皆んなとの時間は思いのほか激アツで堪能させて貰った事

②2期「SECOND SEASON」の放送後、そのまま15話からの「FINAL SEASON」まで描ききって貰った事

③物語の終盤・・・殺センセーと3年E組の皆んなとの大切な時間を共有させて貰った事

これも岸監督ならではのサプライズ・・・だったのでしょうか^^?
一番ビックリしたのが②です。リアルタイムで視聴していた際、4月以降のTV番組欄にこの作品のタイトルがあったので、「枠を延長してしっかり描いて貰えるんだ」と思っていましたが、延長はこれまでの経験上1,2話程度だろうと勝手に推測していました。
ところが、いつの間にかタイトルが「FINAL SEASON」に変わっているじゃありませんか。
そこで、原作終了に伴いアニメも最後まで描ききる・・・という情報を耳にしたんです。
こんな嬉しい朗報もあるんですね^^

この物語は、賞金首である殺センセーと椚ヶ丘中学校の底辺と蔑まれてきた3年E組の生徒が様々な触れ合いを通して先生と生徒の絆をしっかり固めながら、底辺からの脱却を目指して生徒たちが成長していく・・・こんな感じの物語です。

3年E組の皆んなも最初はバラバラでした・・・
このクラスに送り込まれる事に対する屈辱や自身のプライド・・・
或いは未来に対する絶望・・・
誰も好き好んでこのクラスを志望する人のいない底辺のクラスです。
でも殺センセーが担任になって・・・烏間先生の他にビッチ先生もこの輪に加わって・・・少しずつですが、3年E組の皆んなに変化の兆しが訪れるんです。

自身の変化が実感できた時・・・これまで出来なかった事が出来るようになた時って嬉しいと思います。
でも、それは何の苦労も無しに手に入れられるものではなく、変われるのは努力をした分だけ・・・
3人の先生からの教えが功を奏したのでしょう・・・見違えるぐらい生徒が進化していくんです。
この進化は見ていてとても気持ち良いです・・・
これまでE組を蔑んでいた人達は、進化したE組を見て何を思うのでしょう・・・

殺センセーは100億円の賞金首・・・暗殺者が黙っているわけはありません・・・
ビッチ先生を含め次々と暗殺者が送り込まれてきました。
でもここには・・・殺センセーと進化した3年E組が待ち受けているんです。

でも・・・中には暗殺者の心中を察すると胸の痛くなるような事もありました。
たった一つの願い・・・それを叶えるためなら人は何でもできちゃうの・・・?
どんな痛みにも耐えられるの・・・?

生徒たちが目の前の階段を一つ一つちゃんと登った時間・・・だったと思います。
こうして物語は「FINAL SEASON」に突入する訳ですが、正直この最終章は私にとって泣きどころばかりでした。

私は当たり前と受け入れてしまっていたため、これまで全然気にする事はありませんでした・・・
殺センセーはどうして3年E組の担任になったのでしょう・・・
それどころか、自ら宣言した来年の3月までの時間を、どうして教師として過ごしたのでしょう・・・
・・・これら全てに理由があったんです。
その理由は本編で確認頂きたいと思いますが、私は涙無しにはこの場面を見れませんでした。

この作品はこれまでの十分激アツでしたが、一気に熱さの加速度を増すのがここからです。
クラスの皆んなの本音・・・そしてそれを自分達が一番納得できる方法を模索し実践する・・・
本気で・・・全部でぶつかり合うから絶対に中途半端なんてできない・・・
そして導き出された答えを総意として咀嚼する・・・
これだけでも生徒の成長を十分に感じられます。けれど、この作品・・・これで留まってくれないんです・・・

烏間先生はE組の皆んなに「余計な事をするな・・・」と言いました。
けれど、皆んなその言葉の本意をちゃんと分かっています。
これまで1年間・・・同じ時間を共有してきた先生なんですから・・・

ここからは3年E組の集大成・・・
例えどんな相手でも、自分達の領域に持ち込めばそこに活路を見いだせる・・・
生きていく上で大切な事を身をもって教えてくれる殺センセー・・・
それを貪欲に吸収する生徒達・・・
殺センセーとE組の間には究極の師弟愛があったと言っても過言ではないでしょう・・・

決める時間・・・
皆んなで出した答えは・・・

今でも渚の泣き叫ぶ姿と声が頭から離れてくれません・・・
そりゃそうだよね・・・泣き叫ぶしかできなかったんだよね・・・
でも・・・優しかったね

オープニングテーマは、3年E組 うた担 [渚&茅野&業&磯貝&前原の「QUESTION」と「バイバイ YESTERDAY」
エンディングテーマは、宮脇詩音さんの「欠けた月」と「また君に会える日」
オープニングのノリの良さと、しっとりとしたエンディング・・・どちらも好きでした。

2クール全25話の作品でした。
この作品って、こんなにも感動する物語だったんだ・・・が視聴後の素直な感想です。
この作品が最後までアニメで見れた事に至福の喜びを感じています。
ホント・・・視聴して良かったと心の底から思えた作品でした。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 18
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

1年というリミットを設定した原作者が有能すぎる件

【レビューNo.57】(初回登録:2023/5/10)
コミック原作で2016年作品。全25話。
こちらもGW中にABEMAの一気見放送があったので(^_^)

(ストーリー)
1期からの続きで
Ⅰ.学園生活
 ・体育祭・文化祭等のイベント
 ・期末試験
 ・進路指導等
 ・卒業
 {netabare}・恋愛模様も入ってくるよw{/netabare}
Ⅱ.殺せんせーの秘密の種明かし
 ・殺せんせーの正体
 ・なぜこのクラスの担任になったのか
 ・殺せんせーを巡る過去の因縁
Ⅲ.地球破壊までのリミットをめぐる攻防
 ・生徒たちによる暗殺活動他
 ・政府やシロたち等の不穏な動き

原作も終了していたので、綺麗に完結までアニメ化してくれています。

(評 価)
・1期の基礎を2期で応用展開
 1期の最後の方で、殺せんせーが
 「3年E組『暗殺教室』基礎の1学期、これにて終業!」
 と高らかに宣言しますが、これはアニメにもいえることですね。
 ・1期:作品のチュートリアルから始まり、主に勉学や暗殺の訓練や実行といった日常
     描写をメインにして、生徒たちの成長物語を魅せていく。
 ・2期:イベント(学校行事や新たなる敵等)で物語を動かしていきつつ、殺せんせーの
    秘密も明かされていく。そしてクライマックスへと・・・
 「1期で培った基礎の上で、応用的に新エピソードを展開している」って感じなので、
 やはり骨太の面白さがあり、失速することなく完走したって感じですね。
 (2期は物語が締めに向かっていくので、泣きの感動要素が多くなってきます)

・驚嘆すべき淀みない秀逸なストーリー展開
 2期の目玉は「Ⅱ.殺せんせーの秘密の種明かし」になるでしょうか。
 {netabare}2話ほどかけて過去を語っていくのですが、後付け感が一切なく本当に淀みない秀逸な
 ストーリー展開に驚かされます。個人的な推測ですが、作品概要が決まった後、むしろ
 このエピソードから作り始めたんじゃかないかって。
 このエピソードはある意味この作品の「心臓部」にあたる部分です。ここを核として、
 3年E組の物語へ落とし込みにいったと考えると、いろいろとスッキリするんですよね。
 ・教師としてブレないバックボーンの正体(教師・殺せんせーの原点)。
 ・新キャラに見えた敵は、実は皆この過去に因縁がある者ばかり etc。{/netabare}
 作品全体を見ても(1期の)始まりから終わりまで、無駄・矛盾(不自然さ)がなく全体
 の整合性もとれており、綺麗にストーリーが流れていく様はホント見事だと思います。

・1年というリミット設定が作品の質を上げている
 ・実は1年というリミットは、生徒たちの卒業だけでなく、もっと深い意味があることが
  2期で明かされます。
  {netabare}(殺せんせー自体の寿命(地球を巻き込む程の大爆発を起こす)期限が1年だった。
   → それを踏まえての1年という政府への宣言だった。
   (ただその後の研究により、その可能性は「1%」に訂正されるが)){/netabare}
  1年というリミットがあることにより
  ・編集都合特有の無理な引き延ばし展開が入ってこない。
  ・生徒たちの卒業までを描いて綺麗に終わることができる。
  ・終わりが明確なので、最高のクライマっクスが用意できる。
   (終わりが不明確だと、出し惜しみ等いろいろ配慮が必要になる)
  結果作品の質の向上に繋がったのではないかと。
  (恐らくあのラストも早い段階から決まっていたのでしょう。そのラストにどう繋いで
   いくか、妙な引き延ばしを考えることなく、そこに注力できたのはかなり大きかった
   と思います。)
  
正直推測の部分も多く、真相は定かではありません。
でも最初からは終わりや心臓部を明確にし、そこから全体像を練り上げていたとしたら・・・
そう思える程に、この作品の構造・設計は本当に美しい。
そしてこの作品の根幹となるテーマ
{netabare}「殺せんせーはブレることなく、最後まで「最高の教育者」だったと」{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 10

70.6 14 恋愛で泣けるなアニメランキング14位
ラーゼフォン Rahxephon(TVアニメ動画)

2002年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (549)
3221人が棚に入れました
翼ある巨神が歌うとき、世界の調律がはじまる…。
21世紀の初め、日本の首都・東京は外部侵入者の『MU(ムウ)』により、その全体を半球状の物(東京ジュピター)によって外部から隔離されてしまった。
それから数年後、東京に暮らす神名綾人は模試会場へ向かう途中、電車事故に遭う。助けを呼ぼうとした綾人はその途中で神秘的な少女『美嶋玲香』と出会い、彼女に導かれるまま、東京の地下神殿にたどり着く。
その時、突如東京上空に現れた巨大な「何か」が放つ「歌」に共鳴した綾人は神殿内で倒れてしまう。混濁した意識の中、綾人が囁いた言葉、「ラーゼフォン」。そのとき何ものかが覚醒する。綾人こそ、この世界運命を握る鍵である時間調律師…MUとこの世界を変革する能力を持った人間だった。綾人が真の目覚めを果たし、巨大な神像"ラーゼフォン"と一体化したとき、世界は崩壊の淵に立たされる…。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こういうアニメが好きな人専用。

2002年1月21日 - 9月10日放送された。全26楽章。
2003年「ラーゼフォン 多元変奏曲」が劇場映画化された。
原作・監督は出渕裕。キャラクターデザインは山田章博。

"神名綾人"が謎の少女の導きで神像型ロボ"ラーゼフォン"
と出会い、人類と侵略者"MU※ムウ"との戦いに巻き込まれ、
徐々に自分の望み・運命・使命に目覚めて世界を調律する
までを描く物語。

監督の出渕は。「勇者ライディーン」のオマージュと公言。

各話は「楽章」。「歌」に感応するロボ。パイロットは「奏者」
と呼ばれ音楽に可也傾倒した内容。

RahxephoneのRahは"太陽神"Phonは"声"Xe"は未知"を繋げて
"神の未知なる声"。
キャッチは「美と神秘に彩られた究極のSFロボットアニメ」


2013年2月全世界は消滅し東京だけが奇跡的に生き残った。
都内に住む人々はそう教えられ疑わずに暮らしていた・・

2015年7月4日の朝、"神名綾人"は地下鉄の脱線事故に遭い、
地上に出ると"防衛軍"と"謎の戦闘機部隊"とが激しい戦闘
を始めていた。其処で遭遇した同級生の"美嶋玲香"の導き
で"ラーゼフォン"と出逢、少年は大きな謎に直面する。

感想・・1クール以上やる意味が解らない作品だった。
纏めるのも引き延ばすのも下手な作品にしか感じない。
人間不信の鬱屈で陰湿・陰険を煽る目的の描写が多い。


1話はジャブ。軽く物語の世界観のズレを描写。
2話目は習った常識の世界と真実の世界の二つがある説明。
"ラーゼフォン"と出逢い。新しい世界との反目。
3話目は撹乱。3分掛からない説明を"肝心な事"は解り難く
逸らかした回り諄い言い方で敵意と不信感を持たせる描写
が多く歪な人格の人間による歪で鬱屈した描写で煽るだけ。

4話は確執を深め敵対心を煽る待遇の描写や主人公の特殊
な存在であるアピール・・理不尽さを必死に煽る描写・・
5話目は誤解を解こうとする協力者等の描写・・2分で済む
説明をせずに・・強引にラブコメモード設定に押し込む・・
中学生向けの内容・・物語の逸らかしの連続構成。

6話は20年程の世界の違いの"ギャップ"を中心に"TERRA"の
現状などの補足。世界観の補足。謎の計画。エゴの煽り・・
設定や演出が子供向けすぎる・・

7話良くある脳天気な切れ者風メディア系人物の介入・・
表裏の有る陰険で鬱屈した人物像の煽りで憂鬱・・
高校生ってこんなにも未成熟で馬鹿だっけ?って疑問が・・

8話水着回。ラブコメ。彩り回。過去の因果の説明。
此処で概ねのネタバレ。恋愛絡みでの終焉路線が明示。

9話また子供じみた陰険煽り・・水着回・・ハーレム。
恋愛絡みの駄目押し伏線。人間関係泥沼予告描写。

下野紘さんの演技に良い時と悪い時の斑がある・・
と思って調べたら・・2001年声優デビュー。 2002年の
ラーゼフォン(神名綾人)テレビアニメデビュー作だった。

以降洗脳?記憶改竄云々の沼っぽい精神の世界。
神名麻弥の声優は音楽担当 - 橋本一子で素人演技。

12話で終わったほうが印象濃く面白かったかも。
退屈で同じ趣旨の描写が諄くて感性を疑われてる感じで、
此処まで愚鈍で感受性が鈍くて未成熟な高校生の視聴者
が多いとは思えない・・小学生に見せたくない内容だし
中学生だと鬱すぎないか・・大人向けには稚拙すぎる。

物語は結構良い様に感じるけど構成や演出が良くないと
感じてしまった・・イデオンのオマージュというより・・
あれとかそれのパクリ作品のパクリを捻じ曲げた感じ・・

ゆっくりと進むが・・同じ様な趣旨の演出を繰り返す・・
正直見飽きて退屈になってくる・・視たいのは結末だけ。

キャラデザやメカデザは結構良い雰囲気で世界観の設定
等も結構好きだけど非常にハマりにくい作品。

16話にして未だ嘘つき云々。TOKYO JUPITERに真実云々。
以降また精神攻撃のような描写・・18話で恋話回帰。
19話もぱく・・衝撃の展開で愈々全てのセット完了。
ラストは良くあるどんでん返し返しの返しで普通過ぎ。
音楽だけは可也の世界観にあった雰囲気で秀逸な感じ。

こういうアニメが好きな人には良い作品なのかな。
世界観は壮大だけど中身は非常に薄い。




神名綾人:下野紘:1998年生まれの17歳の高校生。
ラーゼフォンのパイロット「奏者(オリン)」。
内気で控えめな性格で現実主義者。絵画が趣味。

紫東遙:久川綾:1998年生まれの29歳。
TERRA情報部第二諜報課所属の特務大尉。恵の姉。
綾人を東京ジュピターから外の世界へと連れ出した。

紫東恵:川澄綾子:2013年生まれの14歳。
遙の妹。立派な姉にコンプレックスを抱いている。
素直で活発な性格。姉の働くTERRAでバイトしてる。

美嶋玲香:坂本真綾
陽炎のようにうつろう幻の少女。17歳で綾人の同級生。
全てを見通したかのように、綾人に手を貸し導く存在。

如月久遠:桑島法子
体が弱く伏せりがちで毎日TERRA本部で健診を受けてる。
ベスト型のライフモジュール(生命維持装置)を装備。

TERRA
如月樹:宮本充
TERRAに所属する科学者。如月久遠の兄。普段は柔和。
博士号を持ち、専門はネリヤ遺跡やオーパーツの研究。

キム・ホタル:折笠富美子
TERRAの正規オペレーター。オーストラリア国籍韓国人。
幼い頃に両親をMUのドーレムに殺され、復讐心が強い。

八雲総一:宮田幸季
TERRA副司令で少佐。物腰が柔らく甘いマスクの好青年。
外見に似合わぬ大胆な作戦行動でTERRAを指揮する。

五味勝:田坂秀樹
TERRAのオペレーター。堅物な性格。常に本を読んでいる。
四方田の事を煙たがっているが、共に行動する事が多い。

四方田洋平:原沢勝広:TERRAのオペレーター。

七森小夜子:田中敦子:樹の助手で研究員。遙の友人。

功刀仁:中田譲治:TERRAの司令官。冷静沈着な性格。

亘理士郎:内海賢二:TERRAの長官。

α小隊
エルフィ・ハディヤット:杉本ゆう
α小隊隊長。地球連合パイロット。インドネシア出身。
オーバーロード作戦の戦闘機パイロット唯一の生き残り。

キャシー・マクマホン:荒木香恵
α小隊の隊員。コールサインは「じゃじゃホース」。
階級は少尉。すぐにムキになり易い感情的な性格。

ドニー・ウォン:松本大
α小隊の隊員。コールサインは「東風」。階級は少尉。
風水に通じている。エルフィの呼びかけでTERRAに参加。

ジャン・パトリック・シャプラン:ふみおき
α小隊隊員。コールサインは「マエストロ」階級は大尉。
ベテランの黒人。エルフィの呼びかけでTERRAに参加。

TOKYO JUPITER
朝比奈浩子:かかずゆみ
綾人の高校のクラスメイトで中学も同じ。
鳥飼とは恋人同士であるが、本当は綾人のことが好き。

鳥飼守:野島裕史
綾人がTOKYO JUPITERにいた時の同級生。軽口で軽薄。

神名麻弥・橋本一子:綾人の義母。
実はMUの女王。奏者を育て導くコンダクター。

九鬼正義:大塚芳忠
TOKYO JUPITER内のMU総督府の防衛指揮を執る責任者。
階級は一佐。麻弥には絶対服従の様子。

三輪忍:浅川悠
TOKYO JUPITER内のMU総督府の副司令官で階級は一尉。
状況や戦場に応じてドーレムに指示を出せる存在。

バーベム財団[編集]
一色真:関俊彦 / 幼少:朴璐美
地球連合監察官。バーベム財団から派遣された人間。
エリート意識が強く非常に高圧的で高慢な物言いをする。

ヘレナ・バーベム:兵藤まこ
エルンスト・フォン・バーベムの秘書的な存在。
バーベム卿に狂信的な愛情に近い忠誠心を持っている。

エルンスト・フォン・バーベム:家弓家正
TERRAを財政面、技術面で支援するバーベム財団の当主。
世界を裏から牛耳ってる。吸血鬼の類の不死の噂がある。

六道翔吾:大塚周夫:引退した考古学者。
嘗て亘理と共に発掘調査でネリヤ遺跡を発見。
逆神隠しの祠から現われた2名のムーリアン少女も発見。

弐神譲二/十文字猛:堀勝之祐
天戸通信社の記者としてTERRAを取材するために来島。
作品の狂言廻しの役割を担い、遥に情報を与える。

ブチ:遙がTOKYO JUPITERを脱出した際、拾った二毛猫。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 2
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

エヴァもどきの一言で済ますのは惜しい、感情描写が細かい《セカイ系面白作》

アニメ史を紐解くと、1990年代後半の『新世紀エヴァンゲリオン』の大ヒットが刺激となって、ロボットもどきの機体(*)による戦闘シーンをアクセントとしつつ、そのパイロットと周辺の支援要員や指揮官の精神的苦悩や恋愛模様や成長を、世界全体の運命とリンクさせつつ描き出す《セカイ系》作品が幾つも制作された時期があった(らしい)。

(*)エヴァ以前に主流だった『機動戦士ガンダム』のような、人間が一から開発したロボットではなく、何らかの謎生物に改造を施してパイロットが乗り込み操縦できるようにした機体。

そうした「エヴァ・フォロワー」ないし「エヴァもどき」と呼ばれがちな1990年代終わり~2000年代前半のロボット・フォーマットの《セカイ系》作品群の中で、単なるエヴァの劣化品に留まらない独自の魅力を備えた作品として、『交響詩篇エウレカセブン』及び、本作『ラーゼフォン』がしばしば挙げられる(ようである)。

・・・ということで、今でもアニメ批評サイトなどで時々名前が挙がる本作についてTV版(全26話)+劇場版を一括視聴してみました。


◆総評

(1)TV版

・「エヴァもどき」というよりは第1話の{netabare}「蒼い血」のエピソード(※エヴァのBlood Type=Blue){/netabare}や第2話の{netabare}「東京ジュピター」のエピソード(※同じくエヴァの黒き月){/netabare}にみるように明らかに意識的にエヴァの設定を「本家取り」している。
・シナリオの展開が早く一話一話が濃いので、視聴中なかなか気が抜けず、「ながら見」が困難(褒め言葉)。
・《展開の早さ》だけでなく《個々のキャラクターの感情描写も肌理(きめ)細かい》点が好印象(※第5話「ニライカナイ」でそういう作品だということに気づいて好印象を持った)。
・但しロボットもどき同士や軍艦や戦闘機とのバトル・シーンの迫力は殆ど期待できない(そこが本作の見どころではない)
・第1話から終盤の第22話まで満遍なく楽しめ、とくに第19話「ブルーフレンド」が本作屈指の見どころのある回となった。
・しかし第24話からのラスト3話の展開は説明不足にも程があると言いたいほどの支離滅裂さで、ここで大きく評価を落としてしまった(※ここでもエヴァのラスト2話が支離滅裂だったのと似ている)。

(2)劇場版

・TV版の複雑に入り組んだ登場キャラクター達の人間関係をバッサリ整理して見易くなっている。
・とくにTV版では主人公(神名綾人=17歳の高校生)に絡んでいた多数の女性達のエピソードをすっかり削り落として、{netabare}彼と同級生だった2人のヒロインのエピソード{/netabare}だけに絞り、かつ彼女らの新規エピソードを追加して「恋愛アニメ」としてもそれなりに見れる作品に仕上げている。


→ということで、個人的な評価としては、

(1) TV版の方はラスト3話の×(疑問)回連発が祟って ★ 4.0
(2) 劇場版の方はTV版の謎もちゃんと説明しているので ★ 4.3

となりました。
※因みに、私の『交響詩篇エウレカセブン』の個人評価は ☆ 3.7 なので、それに比べるとかなりの高評価ということになります。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


=================== ラーゼフォン (2002年1-9月) =================

{netabare}第1楽章 首都侵攻 - OVER LORD - ★ 東京ジュピター(2015年7月4日)、Blood Type=Brue
第2楽章 神人(しんじん)目覚める - AWAKENING - ☆ 翼を持つ巨人(ラーゼフォン)と奏者(オリン)
第3楽章 二人の街 - Welcome to our town - ★ 三嶋喪失?、外の世界と時間(2027年11月10日)、紫東遥(TERRA特務大尉)
第4楽章 自分の時計 - Watch the year hand - ★ TERRA特務航空母艦リーリャ・リトヴァク、久遠との出遭い、D1の襲撃・ラーゼフォン応戦
第5楽章 ニライカナイ - On Earth As It Is In Heaven - ★★ 九州沖根来(にらい)島・海上実験都市神至(かない) ※恵(遥の妹)との交流発生が初見では分かり辛い点は×
第6楽章 消滅都市 - Lost Songs Forgotten Melodies - ☆ 函館D1ARIA発生、キム・ホタル少尉の復讐心、D1撃破
第7楽章 集まる日 - Phantom In The Cloud - ★ 神名綾人の過去を調べる記者、エルフィ小隊長の突進 
第8楽章 凍る聖夜 - The Dreaming Stone - ★ D1欠片からの復活(七森研究員)・再撃破、遥の手袋
第9楽章 時の祠(ほこら) - SANCTUARY - ★ 一色監察官と如月博士の実験、綾人と久遠の神隠し、「カトゥンのさだめ」
第10楽章 追憶のソナタ - War In The rememberance - ☆ 功刀(くぬぎ)TERRA司令官の娘の誕生日
第11楽章 虚邪回路 - NightMare - ★ D1に取り込まれる綾人(母の呪縛、三嶋の手助け)
第12楽章 黒い卵 - Resonance - ☆ 世界を裏切った人々、久遠脱走・暴走
第13楽章 人間標本第1号 - Sleeping Beauty - ★ 如月久遠の過去、衛星軌道のドーレムに矢を放つ回
第14楽章 鏡の中の少年 - Time After Time - ☆ 新兵器(ヴァーミリオン)、MUフェーズ反応、エルフィ出撃・ドーレム撃破
第15楽章 子供たちの夜 - Child Hood's End - ☆ ヘレナ・如月樹・一色の子供時代(バーベム財団当主の屋敷) 
第16楽章 他人の島 - The Moon Princess - ★ 恵の失恋、久遠の願い、綾人・久遠の出発
第17楽章 迷宮への帰還 - Ground Zero - ★ 東京への帰還、潜入
第18楽章 蒼き血の絆 - The Memory Of A Lost City - ★ 母との決別、脱出
第19楽章 ブルーフレンド - Ticket to Nowhere - ★★ 朝比奈との逃避行、結末
第20楽章 綾なす人の戦い - Interested Parties - ★ TERRA新司令部、鳥飼出現
第21楽章 ゼフォンの刻印 - Good Bye My Friend - ★ 監視者鳥飼
第22楽章 木星消滅作戦 - Down Fall - ★ 絵の完成、イシュトリ、東京ジュピター総攻撃
第23楽章 ここより永遠(とわ)に - Where The Sweet Bird Song - ☆ 世界でジュピター現象多発
第24楽章 調律への扉 - Twin Music - × ※以降3話はシナリオ支離滅裂過ぎてフォロー無理
第25楽章 神の不確かな音 - Deus Ex Machina - ×
最終楽章 遙か久遠の彼方 - Time Enough For Love - ×{/netabare} 
------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)14、☆(並回)7、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.0


OP 「ヘミソフィア」
ED 「夢の卵」


============ 劇場版 ラーゼフォン 多元変奏曲 (2003年4月) ==========

全1話 ★ 4.3 ※TV版の総集編だが、ストーリーおよび設定を一部変更



◆その他(メモ書き)

・第11話に出てくる用語 「IMPROVISATION」 (即興演奏)
・本作をお勧めする人→「エヴァンゲリオン」の女性キャラのうち、綾波レイや惣流アスカ・ラングレイよりも、葛城ミサトや赤木リツ子の方が好きな人?

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

キャッチフレーズは「美と神秘に彩られた究極のSFロボットアニメ」

前から気になっていた作品ですが、中々視聴の機会が取れず未視聴のままでした。
今回お盆休みを使って視聴しましたが・・・2002年の作品としては相当綺麗な作品だと思いました^^

物語は、2013年2月に世界は滅びの時を迎えるのですが、その時奇跡的に生き残った人口2,300万人の東京が舞台となっています。
この作品の主人公は、高校生の神名綾人・・・彼はとある朝、友人と学校に向かう途中の地下鉄の中で脱線事故に巻き込まれてしまいます・・・
多くの怪我人が発生した中、綾人の友人も怪我していた事から、助けを呼びに外に出た彼は愕然とします・・・
頭上の空を往来する戦闘機やミサイルの数々・・・一方地上では戦車が必死の攻防を行っている惨状を彼は目にするのです・・・
何が起こっているか分からない状況の中、同級生の美嶋玲香に出逢い避難先を探していたところ、怪し気なスーツの2人組が綾人をどこかに連行しようとするのですが、それを突如現れた紫東遥が阻止して今度は彼女が綾人の身柄を拘束しようとするのです。
綾人と玲香は地下鉄に乗り込み逃げ切る事に成功するのですが、その地下鉄の向かった先は「世音神殿(ぜふぉんしんでん)」という場所でした。
この神殿で玲香は歌い・・・綾人は「目覚めて」という声を聞き・・・卵が割れて・・・ラーゼフォンが登場し、壮大な物語が動き出すのです・・・

導入部分だけ見ても相当な設定が盛り込まれている作品ですが、これは序章のほんの一部に過ぎません。
綾人は「真実を知りたい・・・」という言葉を何度も用いますが、その位状況把握の難しい作品だと思います。
でも、一旦入り込んでしまえば、綺麗な作画と美しい音楽を肴にして思い切り満喫できる作品だと思います。

主人公の神名綾人は、17歳の高校生でラーゼフォンのパイロットです。彼は自ら望んでラーゼフォンに登場した訳ではなく、導かれるように・・・ラーゼフォンに呼ばれるようにパイロットになっていきます・・・
内向的で他人と距離を置く性格は、つい先日視聴したエヴァンゲリオンのシンジを彷彿させましたが、シンジよりはもう少し前向きにラーゼフォンに乗り込みます。
それは、ラーゼフォン自身が綾人以外を受け付けないことも理由の一つになっているのですが、守りたいモノが明確にイメージできる点が、シンジと大きく異なる点だと思って視聴していました。
そして彼は、ラーゼフォンに優しく守られています・・・ロボットと優しさって一見接点が無いように思えますが、この作品では大きく関係しているんです。練に練られた部分の一つだと思いますので、この作品に興味のある方は是非本編をご覧頂ければ、と思います。

そして冒頭で少し触れた紫東遙は本作品のヒロインです。
彼女も残酷な人生を歩まされた一人・・・だったと思います。戦闘時以外は、飲み友達と焼肉に行くか、綾人と一緒の時間を過ごしている彼女ですがとても魅力的な一面を持っています。
とにかく想いが一一途なんです・・・大災害により引き裂かれた想い人を一旦は忘れようとするのですが、想いを捨てきれず最も再会の可能性の高い仕事を生業にしているのですが、普通じゃそこまで出来ないと思います。
でも、その仕事が逆に妨げになった事もありました。努力家なので、仕事でもそれなりの職位に就いています。それなりの職位にはそれなりの情報が集まってきます。
中には当然機密事項も含まれています。なので隠していたんじゃなく、言えなかっただけ・・・
それが上手く伝えられず、冷たい態度に涙した事もありました。
でも、彼女の一番の魅力は「絶対に諦めないこと」だったと思います。
諦めなかったらきっと心が届くと信じ貫く彼女・・・思い切り応援しながら視聴していました。
それだけに、大災害という運命に振り回されなかった未来を期待しましたが・・・

オープニングテーマは、坂本真綾さんの「ヘミソフィア」
エンディングテーマは橋本一子さん、橋本まゆみさんの「夢の卵」
オープニングは特に素晴らしく、毎回欠かさず視聴しました^^

2クール26話の作品です。設定とストーリーが複雑なので、今回のレビューではこの作品の良さを書ききれませんでした^^;
今回レビューに記載した以外にも魅力溢れるキャラがたくさん登場しますし、色々と複雑な面もありますが十分感動できる作品だと思います。
もう一度視聴したら更に理解が深まりそうなので、時間が取れたらもう一巡したいと思いますが、その前に劇場版を視聴します♪

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21

82.0 15 恋愛で泣けるなアニメランキング15位
ハイスコアガール II(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (419)
1700人が棚に入れました
少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクターに支えられ、少年少女たちは強く、大きく成長していった。あきらめなければ無限コンティニュー?ハルオ、晶、小春が挑むファイナルステージの行方は!?

声優・キャラクター
天﨑滉平、鈴代紗弓、広瀬ゆうき、赤﨑千夏、新井里美、興津和幸、山下大輝、伊藤静、チョー、御堂ダリア、中村悠一、植田佳奈、井澤詩織、鈴村健一、寺島拓篤、諏訪部順一、小野賢章、安元洋貴、三宅健太、武虎
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

14話までの感想{netabare}
原作未読、アニメ1期は評価高し。
二期スタートだやったー、と思ったら15話だか16話までは1期終了直後に配信されてたもの、らしい。
あれ?じゃあその感想どこに書けば良いんだ?と迷ったけどこちらに書きますね。

13話、相変わらず登場キャラが良いヤツばかりで泣ける、爺やお前両親以上に親してないか?
ゲーセンパートでは奇ゲー推ししてたのにデータイーストが無かったのが気になる、見落としただけ?、
なんでもこの作品は権利関係でグレーな部分を行ったり来たりしてたらしいのだけど…。
14話、うっはw夜ゲーかよ、大丈夫これ、時代は1985以降だよね?
ゲーセンってのはパチンコ店なんかと同じ風営法の対象で、深夜12時以降は営業しちゃイカンとかなんとか(更に東京だと開店は10時から)。
夜ゲーはあくまで友人宅での夜通しゲームの延長って扱い…になるのかな?とりあえずめっちゃグレーゾーン。
参加するには基本一見さんお断りで、もし紹介があったとしても…18未満かぁ、こええなぁ。
作中では上手いことスルーしてるけど無断外泊でしょ、アレ。
実は今までで一番アブない表現だったのかも?


余談
当時はまだ台がネットに繋がってるワケもなく、時限式の隠し要素なんてのは基盤一枚一枚に仕掛けられてた(調べたら「タイムリリース」って呼ぶらしい)。
中には「○時間起動して電源を落とすと一日としてカウント、それで△日カウントすると隠しキャラが出現」なんて数え方のものがあって、上記の風営法に当たるゲーセンでは問題無いのだけど、これが24時間営業のドライブインのゲームコーナってなると話が違う。
まぁ、いつまで経っても隠しキャラが出ないw
逆に内部日数を早回ししていち早く隠しキャラを使えるようにしたゲーセンなんてのもあって、そういうところを探すのがまた大変だったなぁ…という昔話。

余談2
首領蜂はボムを使えば使うほど上限値が増えるというヘンなシステムで、クリア優先だけなら回復ポイントを抑えつつ敢えてボムを使う方が良い。
そうはいってもやっぱスコア気にしちゃうんだよねーw{/netabare}

15話感想{netabare}
ゲーセンが思い切り登り調子でそろそろピークを迎える時期、逆に言えばそれを超えた後の蔭りの予感がチラホラと見え出す時期…。
東亜プランが倒産したのってこの頃じゃなかったっけ。
この後の凋落っぷりを知ってれば知ってるほど切ないというかノスタルジー感が増すんじゃないかな。
実際AOUショーで紹介されたソウルエッジもファイティングバイパーズも「予算かかってそう」系だったり、「家庭用ゲームがどんどん進化していくが、まだまだアーゲードゲームも負けてねーぜ」とヒヤっとする台詞が飛び出したり。
そこに反応する自分が過敏なだけ?
原作未読ですので、本編がそこら辺触れるのかどうか知らないけど…どうなんだろ?
楽しいところばかり追い続けるのも良いけど、だったら1期で止めとくべきだとも思ったり…。{/netabare}

17話までの感想{netabare}
前回の感想が言葉足らずだったのでそのフォローから。
15話まで内容は非常に良かったのだけど、自分だけかも知れないけど作中の時期的に不穏な予感を感じてしまって…正しい意味での二期(16話以降)は大丈夫かなぁ?と余計な心配が湧き上がってしまいまして。
「これだったら1期だけで終わらせといたほうが良かった」ってことにならないでくれよー、と祈るような気持ちだったり。
と、不安が先走って妙な文章になってしまいました。

で、肝心の二期、不安は杞憂に終わった?大丈夫かな??
OPに映るゲームが殆ど格ゲーで、確かに格ゲーに絞る分にはまだ暫くは(新声社が潰れる1999まで?)アーケード業界は安泰…かと。
けどなー、自分は格ゲー全然知らないんだよなー。
なんてことを思ってたら17話、ちょw渋谷会館ww頭と指先が鍛えられるwww
店内の描写がかなり正確(あの暗い階段とか特に)で笑える。
自分がギャラクティックストームが稼動してるのを見たことあるのはここだけですね。
カイザーナックルのジェネラルはbiimの動画でも扱ってるので有名かと、ミカドの動画でも特集やってなかったっけ?こっちが先なんかね?
ダラ外は連射付きかどうかで難易度が段違い、渋谷会館はどうだったっけ…ってなんでキングフォッスルで稼いでるんだw
ABDGLQVが一番簡単だと思う、パズルボブル2は死ぬほどやったなぁ。
というかこの回は妙にタイトー推し。
エレベーターアクションリターンズ・ルナーク・ダラ外・プリルラが並んでるのはある意味壮観。
もうちょっとしたらサイキックフォースでも扱うんだろうか。

先生のリングアウト描写は正にポリゴンゲーのアレ。
フワフワっというかぬるぬるっというか、お前重力と摩擦どうなってんだよとツッコミたくなるアレ。
まさか!これをやるために3Dアニメにした!?
なんて長い伏線なんだー!!!って冗談は置いとくにしても、再現度の高さに爆笑w{/netabare}

18話感想{netabare}
ずんずん教じゃねーか!
一期のピストル大名といい、メーカーが黒歴史にしたがるのをぶっ込むなぁ…それでいてやっぱしゲームdisは一切しないところが凄い。
ジェネラルがラスボスの風格?いやいや単なる設定ミスだよwテストプレイ不十分だっただけだよ?
アルゴリズムのスキを突いた攻略がたまたま「発見」されただけで、当時はクリア不能のクソゲー呼ばわりですよ、タイトーの汚点といってもいい(タイトー汚点多いんだけど)。
で、自分も詳しくないのだけど、ジェネラル倒せる可能性があるのはキャラも限定されてて、作中アキラは不可能とされてるキャラで倒したってことなのかな?
ここら辺ちょっとワカラン、解説あった方が良かったような?
でもって、これは2人で渋谷で夜を明かしたってことでいい…のか?
どうしてもね、色々と思うことがあって愚痴愚痴した話になってしまうのだけど…ってことで畳んでおきます、ただのオッサンの愚痴です。
{netabare}
最近“PSO2ジアニメーション”の感想書いて、「いま一つパンチが足りない」ってことで思い当たることを書いたんだけど愚痴が過ぎるかな?と思ってボツにした文章。

SAOのキリト的行為を現実のネトゲでやったら大問題で…ってか実際にそれで迷惑被った人も多いんじゃないかな?
判断能力の薄い中学生が18禁サイトの年齢認証を通過して「こんなん意味ねーぜw」「余裕だったぜw」とドヤる(※)のと同じノリでキリトごっこをするのが一時大量に居たのも事実、今は知らん。
少なくとも自分がネトゲ廃人してた頃はSAOの登場時人物をキャラ名で使ってる奴とは関わらないほうが良いというのが暗黙の了解で…今は知らん。
良い悪いは置いといてSAOにそれだけの影響力があったのは事実で。
そこら辺考えると、ちょっとハメを外す描写さえも描くことはできなかったのかなー、とつい思ってしまう。

↑ここまでがPOS2ボツ文章、以下がハイスコアガールについて↓

その一方でハイスコアガールが結構そこら辺攻めた内容になってて…マンガ原作の強み?
店からしたら台バン勘弁してくれ・台を蹴るなんてもっての外・夜ゲーは黙っててくれ…または16才未満は夜何時以降は保護者同伴じゃないとゲーセン居ちゃダメだとか、グレーゾーンに迫る描写が多くてヒヤっとする。
原作自体が元々著作権関係でモメただけのことはあるんだろうけど…ヤバいこと描いてあるから面白いとまでは言わないけど、なんだ攻めようと思えば出来るんじゃないか、とは思って。
それと同時に思うのは「まぁあの時代は大らかだったし」と、あくまで過去の世界だから許されてるのかなぁ、とも(JOJOがノーヘルでバイクに乗れてたのもそのおかげ?)。
なんつーかね、もしそういう理由だったら、現代を舞台にした作品がほんっと息苦しいモノしか無くなっちゃいそうでイヤ~なカンジ。


実際に遭遇したことがあるんですけどね。
その場で説教しない自分も大したことない大人だけど、「いやいやそれはあんたのためにあるんじゃなくて、親御さんに向けてのパフォーマンスだから」とは思って。
もしくは「何かあった時は責任そっち持ちな」という保険みたいなもので、その保険がどれだけ効力あるかは不明だけど実際に「何か起きるまで」はその(年齢認証の)存在理由は表に顕れないというか。
(「アニメを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」ってのも、あれも保険だぞ?万が一ポケモンショックが再び起きた時に「注意喚起してたしー」とTV局側が言い逃れするための)
詳しくは伊織事件でググれと言いたかったけど…言えないよねー、現実に目の前で起きたら。
まぁぶっちゃけ、やっても構わんけど大きな声で話すな、と。
因みに“俺妹”について調べてみたら、どうやら作品世界は伊織事件より前と設定されてるみたいね、分かっててやってるわコレ、ホント悪質だわ…。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 12

TM360 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

グランドマスターチャレンジ

1期からの続き。
大野のねーちゃんのうつけ者っぷりがとても魅力的。
ハルオのかーちゃんも竹を割ったような豪傑で魅力的。
この2人のコンビは良いね。

1期は「ゲームを通じてラブコメ進行」が主な流れだったと思うが
2期に入ると「ラブコメを通じてゲーム史実を重ねる」という逆転が起きてたと思う。
だからといってゲーム部分の描写が疎かになってるという訳ではないから問題無し。

舞台も溝の口に移ったり渋谷会館が出てきたり実在したゲーセンも出てきたね。
あの96年当時の渋谷を描写しててドリンクサーバーがあって寝っ転がりながらマンガ読める漫画喫茶の描写が入ったけどそんなのあったかなぁ?という所が気になった。
カラオケはシダックスというチェーン店があったけどマンガは今のようなチェーン店形態の店舗は無かったような気がする。ネットカフェなんか当然無かったし。
マンガだとどちらかと言うと貸し本屋という形態がまだ残ってたような年代だったかと。
史実を元に描写してるから気になってしまいます。

関西滞在時に登場した10円ゲーセンも本当にあった場所ですね。
確かフェラーリって名前のゲーセンだったと思います。
当時遠征先のゲーセンの場所を知るには伝聞か、タウンページを必死に探すかしか無かったと思うんだけど、ゲーメストの付録で「全国ゲーセンマップ」という冊子を付けた事があってあれはとても有能だったと思います。


気になると言えば唐突に出てきた「そーだよそーだよソースだよ」というセリフ。
これは80年代に流行った言葉で「旨い焼きそばソースだよ」まで続いて1セットになるセリフ。90年代に再ブームが起きたというわけでもないのにどういう意図で差し込んできたんだろう。

物語は終盤の3回くらいは駆け足になっちゃったね。
でも最後は色んなゲームのキャラを画面中に散りばめたり煌びやかで版権の垣根を越えてオールスターが揃った感じが良かった。

物語はここで終わったけどゲームの史実として96年は業界の最盛期だったろうね。99年頃になると格闘ゲームのブームは一度静まり2000年台初頭にギルティギアがカプコン格闘と肩を並べて第三次格闘ブームが始動したという感じ。
続編を描くとしたらどういう切り口になるんだろう。今後があるなら期待。



↓↓↓ 以下おまけコラム ↓↓↓



・90年代のゲーセンに大野さんや小春みたいな女の子は居たのか?問題。

クレーンゲームとかプリクラのアミューズメントを除いて純粋なビデオゲームを遊ぶゲーセンという場に女の子のお客さんが本当に居たのかどうか。
感覚的には100:1どころか200:1くらいの割合だったと思う。
ゲーセンに女の子が居た時点で二度見して開口一番「なんで?」って言葉が出るような時代だったと思う。
だからといって女子供は出ていけ!というヘイトが飛ぶような環境でもないんだけど、大抵はゲーセンのルールを把握しておらずに後ろに人が並んでるのに連コインとかしちゃってそこで嫌われる人が心折れてもう来なくなっちゃうとかそういったパターンがあったのかなぁと。

それと大抵のゲーセンは常に薄暗くてタバコの副流煙が滞留してるのを目視出来るくらい空気も悪いし、そもそもトイレが男女分かれてるなんてゲーセンもなかなか無かったですからね。
女がトイレ行くには男が小便器に用を足してる所の後ろを通って男の“大”用の個室を使うしかないという環境を強いられる場でした。

そりゃゲーセンに女が居るわけないんですよ。

でも女性ゲーマーがゼロだったというわけじゃなく女性ゲーマーはネオジオの方に多かったです。家庭でゲーセンと同じものが遊べるというネオジオは女性ゲーマーにとっての救世主だったろうし、当時のSNKはキャラや演出に関する表現が特に秀でていたのでこれも女性の心を掴みやすかったというのもあると思います。

そんな時代背景なのに当時ゲーセンにキャミィのコスプレをした女の人が来たのを強烈に記憶してて…。メーカー広報の販促かなとも考えたんだけどどうやら一般のお客さんのようで、いざ対戦に座ると何故か春麗を使用して「えっ?」となった感じがとにかく忘れられなくて。(特に上手くは無かった)
だからよっぽど強靭なメンタル持ってる場合そういう人も居た。
今だったらそういうのはすぐスマホで撮られて晒されるだろうから逆に今の時代ほど無いよね。
あの人今どうしてるんだろう…。本当に謎。



・スト2Xである理由

ハイスコアガールの作中でもメインに取り上げられた94年稼働のストリートファイター2X。やっぱりこのゲームが格闘ゲームの頂点だと思います。
操作やシステムが軽快である事もあるが、プレイを見る側もゲーム内で「今何が起きているのか」がしっかりと伝わるゲームだと思う。
それが稼働から30年近く経とうとして、今でも現役でプレイされてるゲームの持つ力です。
あまりゲームを知らない人がこのアニメを見てもちゃんと伝わるものだと思います。

そんなスト2Xも計算し尽されて出されたタイトルではなく時間の無い突貫工事で出されたタイトルであるというのが非常に面白い。

というのも遡って前作のスーパースト2が満を持して登場したが、正直実際の評判というものがそこまでのものではなく、瞬間風速的にライバルのSNK格闘ゲームが人気を追い抜いてしまったという事態になってしまいました。
当時挙がった第一の不満はゲームスピードの低下。初心者に向けて遊びやすくゲームスピードを落としたらそれが大衆の不評を受けて仇になってしまった事。
ライバルSNKのゲームが「龍虎の拳」より採用し始めた一発逆転の大技「超必殺技」に大衆が大ウケしてカプコンのゲームが地味に見え始めていた。
主にこの2点がスーパースト2に足りなかったものとして認識されました。
この問題点を至上命題として可能な限り最速のタイミングで改善版を市場投入する事がカプコンの生命線となり登場したのがスト2Xとなります。
その投入までの期間はおおよそ半年。
そんな余裕の無い突貫工事でそこから30年遊ばれるゲームは誕生しました。

これは開発陣のセンス、意地、そして運にとても恵まれたものだと言えます。
SNKゲームの多くは研究が進む事によってゲームシステムが破綻してしまうタイトルが多かったです。本当にキャラコンテンツや演出が上手くてあの当時の勢いで乗り切ってた感じ。
それに対してスト2Xは研究が進んだ上でバグも見つかったりするけど、ゲームの面白さに作用する前向きなバグになる結果が多く発見されてそれがスパイスになって更に遊ばれるという感じでここまで研ぎ澄まされたという感じ。
これはまさに運です。
製作者の手から離れて一人歩きを始めても未だに製作者が意図したゲーム性の範囲内で楽しく遊べるというのはもう金字塔というべきもので囲碁とか将棋とか、そういったものに一番近い格闘ゲーム。もはやスト2Xも学問のひとつであるという領域まで昇華しそうなくらいです。

そういったゲームがこのようなゲーセンを題材にしたアニメ作品のメインで登場する事はやはり納得という感じです。

ここから「このアニメを見てスト2X始めてみました」って人も出てくるんでしょうか?そういう人が居たらぜひ対戦してみたいですね。そして完膚なきまで叩きのめして欲しいです。そこでやっと次の世代にバトンが渡せます。
今からこのゲームやってみたいという人は「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション」のSteam版を購入するのが良いと思います。オンライン対戦が料金不要で楽しめますしね。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 2
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゲームから始まる純愛ラブコメ完結編

第1期からの続きの第2期です。なので、第1期を見ていないと話がよくわからないと思います。
初見の方は第1期(1話~12話)とOVA(13話~15話)の視聴をおすすめします。
OVAのレビューは1期に書かせていただきました。

ゲームが詳しくなくても充分面白く見れてるので、ゲーム好きの方が見るとさらに面白いんでしょうね。
16話のアキラ視点からの導入はうまいなーと思いました。
OP変わったけど、雰囲気似てるから悪くない感じです。
最終話、見終わりました!ラストも原作通りで、すっきりした感じで終わりましたね。でもその後の話もちょっと見たかったなあ、という思いもあって、ネットでつらつらと検索してたら・・
「ハイスコアガールDASH」発表の記事が(゜o゜)な、なんですって!
しかも舞台はあれから10年後で主人公は中学教師になったコハルとか!
コハルびいきの私にとっては朗報でした(*^_^*)
各話のレビューは以下のとおりです。

16話
{netabare}まずは1期の頃のアキラ視点の話から始まったけど、これはこれでアキラに感情移入しやすくなって良いと思います。
奔放な姉の代わりにゴウダから容赦ない指導をされて身も心も疲れ果てるアキラ。
たまらず家から逃げだして街を歩いてるとそこには気になっていたゲームセンターが!
ゲームで不遇な扱いをされてるキャラに自分を重ねたのかな、そういうキャラを使いこなすアキラ。
あ、ここで1期1話につながるんだー。こういう導入いいな。アキラの心の応援キャラはザンギエフなんだね。
いちゃいちゃって何するんだ?って真顔で聞くハルオに笑った。。
コハルは色々あってご機嫌ナナメ。でもハルオの家に誘われて一緒に行くけど・・
そこにはアキラもいて、微妙な空気になるけど鈍感なハルオはお菓子食べてて平気な感じ(-_-;)次回どうなる?{/netabare}
17話
{netabare}重苦しい空気の中、突然始まったアキラとコハルの対戦!
密かにコハルを応援してる私。。コハルが恋敵としてだけじゃなくて対戦相手として純粋に勝ちたいと思ってるとこはいいなと思った。コハルがハルオに対してイライラしちゃう気持ちもなんとなくわかるなー。
コハルとの対戦から、ハルオを目の敵にしてる溝口勢が嫌で、渋谷のゲーセンに来るハルオ。
ハルオの腕が認められて渋谷勢に入っちゃうけど。。コハルとの再戦もある?
ガングロとか懐かしすぎる。。eggとかまだあるのかな?{/netabare}
18話
{netabare}ずんずん教の野望ってすごい名前のゲームだと思って調べたら、本当にあるゲームでびっくり(゜o゜)
渋谷に来たアキラ姉に怒られるハルオ。
でもアキラが寂しい思いをしてるって言われてるのに、ハルオはアキラのしているゲームと対戦することしか考えてないし(-_-;)
渋谷勢と溝口勢の対戦。コハルはすごく強くて、最後にハルオと戦うけど、あっさりコハルが勝っちゃって。。
コハルってホントにハルオが好きなんだね。こんなに思われてるハルオは自分が幸せ者だって気づけよ(-_-メ)
大雨で電車が動かなくなって、お泊りしたいコハルと、タクシーで帰りたいハルオはとりあえずファミレスへ。
コップの水滴を指でなぞったり、足を絡ませたり。こういう演出はコハルの気持ちを表してていいな。
コハルの話をごまかそうと必死にゲームの話をしようとしてるハルオくんかわいい(*^_^*)
朝になって・・コハルの感じだと上手くいかなかったのかな。
ぎゅっとしてと抱き着くコハル。でも目の前にアキラが立っていて(゜o゜)次回修羅場?{/netabare}
19話
{netabare}どうなることかと思ったけど、泣いて立ち去ろうとするコハルをアキラが引きとめて。
帰りの電車でハルオとコハルにアメを渡すアキラ。アキラは夜通しでハルオを探してくれてたんだね。
ハルオと一緒に過ごしたいと思ったアキラは黒服にハルオを拉致させてアキラの自宅に(-_-;)
アキラもコハルと一緒のハルオを見てヤキモチ焼いたのかな。。
じぃの買ってきた大量のゲームをプレイする二人。
お菓子が取れなくなってるアキラに、トレイをさりげなく回してあげるハルオ(*^_^*)優しいなあ。
次の日。コハルを訪ねるアキラ。なぜか一緒にゲーセンに行くけど、対戦ゲーじゃなくて普通に遊ぶアキラ。
次回、二人の再戦ある?{/netabare}
20話
{netabare}アキラと対戦するコハル。
コハルはすごく闘志を燃やしてるけど、アキラはちょっとわからない感じ。
なんとなく、アキラはコハルと勝負というよりも、一緒に遊びたかっただけなんじゃないかな。
ハルオママのホットケーキ食べたい(*^_^*)イチゴトッピングとか美味しそう。
なにこのおじさんのグラビア映像?で笑った(^○^)確かにそう思うよねー。
そしてラストのアキラの表情。。原作読んでるからちょっとせつない。。{/netabare}
21話
{netabare}アキラの思いつめた表情が気になって、なんとなく憂鬱なハルオ。
それをきっかけに、アキラのことが好きなんだとやっと自覚して。
ハルオは大阪のストⅡ大会でアキラに告白しようと思う。
でも・・アキラは今月末にロスに移住してもう日本に戻ってこない・・
古典的恋愛ものの展開ではあるんだけど、こういうストレートなのって最近あまり見ないから心にきますね。{/netabare}
22話
{netabare}新幹線の中の二人。アキラってほんとしゃべらないんだね(-_-;)
こんなアキラと楽しそうに動物数えてるハルオって優しいな。
表情としぐさだけでアキラが何言ってるか解読してくれるし(*^_^*)
ホテルの絵の裏のお札って本当にあるの?でもめくって確認するのは怖いかも(>_<)
結局一緒にシングルベッドで寝る二人・・これ寝れないでしょ(>_<){/netabare}
23話
{netabare}ベッドの中でハルオを見つめるアキラ。
手を握ってきたり、くすぐったり、ハルオを噛んだり。。もうハルオくん好き好きモードでしょ。
でもアキラに何もしないハルオくんって純粋というか何というか(-_-;)せめてキスくらいしてあげなよ。
寝不足だけど、アキラとの対戦を目指して勝ち進むハルオ。
でも・・アキラはなぜか1回戦で敗退・・しかし敗者復活戦で勝ちあがって決勝トーナメントに!
そして準決勝。ついにアキラとハルオの対戦に!{/netabare}
24話
{netabare}試合は僅差でアキラが勝利!
でも、勝って告白しようと思ってたハルオはがっかり・・
大会の後もずっと元気がないハルオ。アキラが遠くに行ってしまうと分かったのもあるのかな。
好きなんだったらうじうじしないで告白すればいいのにって思うけど。。
アキラからあの指輪がハルオに返されて、自分たちの関係は終わりなんだと思い込んでしまって・・
でも、コハルに会って、コハルに背中を押されて、アキラに会いに行くハルオ。
そんなハルオを見送って泣いちゃうコハル。。ここでちょっとうるっとしちゃいました・・
なんとか間に合って、アキラに告白して。。抱き合って涙を流す二人・・{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 28

87.3 16 恋愛で泣けるなアニメランキング16位
true tears[トゥルーティアーズ](TVアニメ動画)

2008年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (6158)
26389人が棚に入れました
絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、仲上家に引き取られてきた同じ高校に通う「湯浅比呂美」、そして両親の4人で暮らしている。眞一郎の母は、ある理由から比呂美につらく当たっていた。
 ある日、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなった少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事がきっかけで、涙が流せなくなったのだという。眞一郎は彼女との出会いをきっかけに比呂美、親友「野伏三代吉」、幼馴染み「安藤愛子」らとの関係や、自分自身との向き合い方に変化を生じさせていく。彼らはそれぞれに悩み、すべきことを模索し、成長していく。

声優・キャラクター
石井真、高垣彩陽、名塚佳織、井口裕香、吉野裕行、増田裕生、渡辺智美、藤原啓治、高橋理恵子、土倉有貴
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

冬に見たい孤高の恋愛アニメ

バトル・ギャグ・萌えといったアニメらしい要素を一切排した、
オリジナル作品としては異色の本格恋愛アニメです。
原作ゲームとの共通点は真実の涙を取り戻す物語というコンセプトだけで
そのままTVドラマや実写映画にできるほど正統派の青春恋愛物になっています。
単なる美談ではなく嫉妬や葛藤などネガ要素も隠すことなく描かれていて
本当は実写映画の脚本家になりたかった、という岡田麿里の志向が色濃く出ているように思います。

true tearsはP.A本社がある富山県が舞台で、実在する場所も背景に登場します。
アニメのロケ地をファンが実際に訪れる「聖地巡礼」の先がけになったそうです。
おそらく初の請負作品ということで愛社精神の意味合いもあると思いますが
富山の町並みは雰囲気作りに大きく貢献しています。
物静さと画面から伝わってくる冬の寒さが人の温もりを恋しく感じさせ、
物語に引き込んでいきます。

ストーリーは乃絵・比呂美・慎一郎の三角関係が主軸となっています。
実際にはこれに3人の男女が加わってもっと複雑な多角形を形成しているのですが、
核となるのは名前を挙げた3人です。

乃絵と比呂美はどこまでも対照的なヒロインとして描かれています。
なかでも乃絵は子供っぽくて比呂美は大人びているという違いは
最終的に2人の明暗を分けることになります。
大人と子供の対比がtrue tearsの大きなテーマになっています。

比呂美は理知的な顔立ちの優等生ですがその内に秘めた感情はとても激しく、
心情が最もリアルに描かれているキャラのため感情移入しやすくなっています。
親を亡くし仲上家でも肩身の狭い思いをしている不遇な状況にあり、
特に女性なら彼女に共感し、応援したくなるでしょう。

一方、乃絵は無邪気でとらえどころがない、いわゆる不思議ちゃんです。
比呂美とは違って男性、特にアニメファンに受けが良い女の子でしょう。
作品のコンセプト「真実の涙」を体現した、最も重要なキャラとなります。
乃絵は祖母の死をきっかけに自分が泣けなくなったことを真一郎に打ち明けます。
乃絵は他人に呪いをかけていますが、実は呪いにかかっているのは自分自身なのです。
感情を封じ込めてしまったことで、心の成長を止めてしまった少女。
それが乃絵の人物像です。

彼女が大人になるためには閉じ込めた感情を呼び起こす必要があります。
その方法を「他人から涙をもらうこと」だと乃絵は言います。
しかし具体的にどうすればトラウマから解放され、涙を流せるようになるかは分かっていません。
そして現実は残酷で、大事にかわいがっていた雷轟丸が死んだときよりも
ずっと悲しい思いを経験することで涙を取り戻すのです。

{netabare}
ストーリーを語る上でニワトリが重要なモチーフとなっています。
ニワトリの意味するところは作中で明確な答えはなく、人によりさまざまな解釈ができます。
それが何度も見返したくなる理由にもなるのですが、僕はこう考えています。

当たり前のことですが、そもそもニワトリは飛べない鳥です。
雷轟丸だろうとジベタだろうと飛べないし、飛びたいと思ってすらいません。
つまり自分たちとニワトリを重ねて見ていたことが間違いで、
海辺のカモメを見て自分たちはニワトリではなくヒナ鳥だったのだということに気付くのです。
飛ぶのに必要なのは自分自身が成長し大人になって、飛ぶ決意をすること。
「受け身でいる限り成長することはできない」
それが、ニワトリが教えてくれたことなのだと思います。

true tearsは恋愛ゲームように乃絵ルートと比呂美ルートが用意されているわけではありません。
紆余曲折あれど、終盤からはほぼ一本道になっています。
比呂美は慎一郎と結ばれる以外に幸せになれる道は提示されないし、
乃絵は「飛ぶ」ための過程として、慎一郎を諦めることが避けられない状況になります。

三角関係というと、もう一人足してペアをつくるか、なんとかラブストーリーのように
一人を退場させてしまうのが楽で、無難な決着の付け方です。
そのような安易な選択をせず、一人は恋敗れるという結果ながら
作品のテーマと融合させ、真実の涙を取り戻すため、
少女が大人になるための通過儀礼として失恋が表現されています。
本作の行きつくところは乃絵の成長物語だったと言えます。

最終話で乃絵はクラスメイトと元気よく挨拶を交わしています。
わずか十秒程度のさり気ないシーンですが、彼女が「飛べた」のだと悟ることができます。
本来乃絵は明るく皆から好かれるタイプの人間なのでしょう。
彼女は大人になることを拒んでいる少女でした。
周囲と距離を置き、子供じみた自分の世界に籠っている状態から抜け出すこと。
それが乃絵にとって「飛ぶ」ということだったのです。

けれども校舎の裏のニワトリ小屋の前に立つとまだ心が痛む。
石を並べて作った「乃絵が好きだ」という文字は見る影もない。
高校生ともなれば、精神的な心の繋がりだけで恋人の関係は成し得ないもの。
「好き」という気持ちは本物だったけれども、
それを恋と呼ぶには幼すぎたのだと今なら分かる。

リフレクティアが流れ、「まっさらな空」に乃絵の涙が舞い上がり物語は終わります。
ここで彼女と共に涙を流すことができたなら、この作品は忘れがたいものになるはず。
true tearsの結末は「切なさ」だけでなく「正しさ」がある。
比呂美と乃絵、どちらのヒロインに入れ込んだとしても最後に感動できる。
それがtrue tearsの名作たる所以だと思っています。

一方で評判のあまり良くない慎一郎ですが、
比呂美と釣り合わないようなつまらない男ではないし、
乃絵ならもっといい男を捕まえられる、
そうエールを送れる程度の「そこそこいい男」であるからこそ
比呂美と乃絵、どちらの結末もポジティブに受け取れるのだと思います。
むしろ絶妙な匙加減だったのではないでしょうか。
臆病風に吹かれ、時に見ているこちらを苛立たせるキャラでしたが
最後はきちんと男らしいとことを見せてくれました。
{/netabare}

ストーリーもキャラクタもアニメらしからぬ作品。
しかしともすれば陳腐になりがちな真実の涙を取り戻すというテーマを
違和感なく受け入れることができるのも、
石動乃絵が作中で浮くことなく魅力的なキャラとして成立しているのも、
アニメだからできたことだと思います。
恋愛を勝った・負けただけで捉えがちな他の深夜アニメとは一線を画す、
王道にして新しさを感じられるアニメでした。

本作は特に女性にお勧めしたい作品ですね。
成就せずとも恋する気持ちがあなたを素敵にしてくれる、
「恋せよ乙女」という作り手の思いを受け取っていただければ…

投稿 : 2024/09/07
♥ : 47
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

断固、比呂美! ドSに定評のある名塚

SF(すこしフシギ)純愛ラブストーリー。
当時はスルー。
なんだか評価は高めですが・・
あの時はそこまで話題にもならんかったので観てない。
なんだか手持ち無沙汰の時間に数話観たら・・・・まぁ短いから観ちゃった。好いた惚れた、このテが苦手な私なのです。

いろはあたりに、コイツの反省がちゃんと生かされてるんだなってのは勉強になった。
ジャンルはまったく違うが根本のテーマはにてるし。



ストーリー アニメ女VSリアル女 

めっさアマタおかしいヒロイン乃絵との出会いからはじまる物語。
コイツ、鶏マニア?だわ、主人公に鳥の餌やったり、から揚げを鶏にあげようとりたり・・しかもなぜか泣けないらしいの。
その時点でああ、コイツを泣かす話なのかなって。

いっつも空を飛べるとか飛べないとかいって、スピッツかよ?
完全に窪塚状態。トんじゃってんの。ピンポンのペコみたいなやつだ。アイキャンフライ!って感じよ。
そんなヒロインおかしいだろ。。


もうひとり、幼馴染の比呂美。
親が死んで主人公の家に居候、両親同士が友人のため、らしい。内縁の養子として扱われているが・・。{netabare}実は浮気で生まれた本当の兄弟かもしれない!{/netabare}ということで母にいじめられる。こっちは昼ドラである。
だが、人物背景が浮世離れしているだけで、キャラクター自体は非常にリアリスト。
スポーツで発散してても、ほとばしるHすんぞ!っていう欲求不満なオーラ。




この2人のヒロインがサンダVSガイラばりの戦いを繰り広げる。
一応もう3人も交えて話を複雑にみせるが・・
所詮時間稼ぎであってサブキャラは結局歯牙にもかけられてないない。
完全な三角関係。
ポイントなのはよくあるヌルめのハーレムではない。
きーみは誰とキスをする?とかいってらんない。
意外な伏兵がキスもってくしな。
人はこれは修羅場という。



ひたすら出てくる愚痴
{netabare}
まずキャラクターがアニメチックなのか少女マンガなのか、ドラマなのか・・・てんで各々バラバラ、綺麗な背景もあいまって作風がよくわからない。
ストーリーもひどいよなw。
ちょっと荒唐無稽すぎて覚める、山もなく・・12話で常にダレがあるってなんぞね。
主人公の行動、葛藤もアホ臭い。
絵本の比喩も別にいいんだけど、分かりづらいな。
心理描写であって何作か描いてるってことだろあれ。
渡したのと、投稿したのは違うものなんだから。
やっぱり水着、コメディ要素は必要か・・。


人退で出てきたマンガの書き方を思いだしたよ・・。
飛べる飛べない、涙が出ない、私は貴方の妹かも、都合よく現場目撃、兄がガチシスコン  等々しょーもない引きで盛り上げる。

予算の問題かもしれんけどね。
細かい演出にケチつけたらキリがない。

あとバイクはあんな簡単に燃えません!あれマジェでしょ・・
。絶対燃えないから。あんなで廃車なるかよアホ!
基本ガソリンは炎上するけど、タンクは密閉された状態なので場合によっては破裂という意味で爆発します!
気化した状態に火がついてもすごいことになるがな。
だるまとか年始に焼くと爆発するだろうが・・。
とんでもないこと教えんなよなぁ。


話をもどすと、なにか新しいことをしてみようとしたらちょっとスっころんだ、そんな感じの印象。


一番不親切だったのが比呂美との関係。開幕数話にしてこの娘とのフラグが立ってるし、コイツと最後くっつくしかないじゃんw
フラグが立つわけないメインヒロイン乃絵の意味不明さ。


比呂美の義母との確執、主人公の家に来た経緯。
いつ頃、どんな感じで、なんで仲良し幼馴染のくせに、ぎこちない関係なのか。まったく説明がない。来たばっかなのはわかるが。
でも主人公ラブ!で乃絵に予防線を張る比呂美。勘違いする主人公・・で話がはじまるのだがけど。

比呂美の説明をもう少し丁寧に最初してくれればまぁ・・あのオカンとの馬鹿話は納得いったといいうか・・。あまりにもいきなりすぎるだろ。和解もなんともあっけない。



{/netabare}


比呂美がかっこよすぎる件
{netabare}
この作品で一人だけ、生臭いんです。
メイン3人で唯一の見所あるキャラです。
名作劇場のように継母のイビリにも負けません。
眉目秀麗・才色兼備wな優等生と劇中でいわれるとおりなのですが・・
たとえ異母兄弟かも・・としても一途に主人公への愛を貫きます。
兄弟じゃないと分かったら全力全開。
他のキャラと違ってとっても性的・・。貞操狙ってる。

えらいあざといし、それを自己嫌悪しつつも、絶対に分捕ったる!っていうむっつり、愛すべき肉食系女子。
幼馴染属性も武器にします。
自分のカラダでだって釣り上げるためには厭わない。
一人暮らしをして自己発見、心の整理みたいなこといってるがあきらかに連れ込み狙い。
最後は事後承諾前提で勝手に彼女を名乗る豪傑。
まさに鎧袖一触、爆笑したよ。
かっこいいよ旦那って。
『きせいじじつ』をとにかく作ろうとするんだよな。
でも正々堂々としてるというか、完勝しないと気がすまない。

あまりにも現実味がありすぎるキャラクター。
アニメ的なキャラクターから男を分捕ろうとするリアルな女です。
とても16歳に思えませんが・・。
ある種、男が引いちゃうくらいこわいんですが、その辺の距離のとりかたもうまくって・・さすがあざといという。
めちゃくちゃそこがかっこいいです。
寝たら最後、中田氏させられそうなその手腕におまえ処女じゃないだろ?といいたくなるが・・話の流れから明らかに生娘。
キスシーンが尺、作画予算を祭り、エンディングのほうに取られたのか、イマイチ・・残念。
あの年上との時のほうが遥かにエロス。性的すぎ。
ただ開脚できるようになったというのはあれなんかエロい。
自分の意思でがんばってるんだということだと思うが、
あんなシーンでいったらどんな体位もばっちこい的なことにしかならんと思うが。
そもそもなんで開脚なんだよ。



両親がひとつの答えになってるってのはよかったかなぁと・・
反面教師であり、もうひとつの道も正解なのかと。

たぶんあれ同じような恋じゃなくて、母が妥協で結婚してもらったという負い目があるんでしょう。
いまでも幸せなんだけどなんか納得いかない、だから死んだ相手を、娘を恨む。

で、オヤジはイイヤツなのに嫁の悪行に気がつかないのw?
普通初回の空気でもうキレるぞ・・。明らかに険悪じゃねーか。
まぁそこらへんが甘いというかツこんじゃいけないとこよね・・。ドラマにならんから。
{/netabare}

いやまぁなんだかんだいって楽しんでる。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21
ネタバレ

h02dvvd さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

”失恋”は”失恋”だけじゃない

【萌え】★★★★☆ 【シリアス】★★★★☆
【ヒューマンドラマ】★★★★★ 【アカデミック】☆☆☆☆☆
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★☆☆

 設定がどことなく「とらドラ!」に似ているなぁと思ったら脚本が同じ方でした。なるほど。僕は「とらドラ!」よりこの作品の方が好きですが。心理描写のやり方が非常に上手いです。
 要約:「『とらドラ!』より失恋に重きを置いた話。でもちゃんとハッピーエンドだから岡田麿里好きは観るべし。ちょっと電波だからって切るんじゃない!」

・いかにして失恋と折り合いをつけるか
 この作品はテーマとして恐らく”恋をする”ことより”恋をやめる”ことに重点を置いています。タイトル的に。同じ岡田麿里脚本の作品の中で恋をする方を重視しているのが「とらドラ!」です。個人的には恋をやめる方を重視したいので「とらドラ!」よりこの作品の方が好き、といったところです。

 ↓「true tears」「とらドラ!」のネタバレあり
{netabare}
 「とらドラ!」に関して。みのりんと亜美ちゃんが不憫じゃないですか?人によって感じ方は違いますし、僕の見方が間違っているかもしれないので断言はできませんが、やはり失恋との折り合いの付け方としてあのようなやり方は少々心に傷跡を残しそうな感じを受けます。特に亜美ちゃん。大人びていながらとても繊細な性格をしているので塞ぎこんじゃいそうで心配なんですがなあ……。「とらドラ!」は恋をするという点では素晴らしいと思いますよ。念のため。
 「true tears」に関して。愛子ちゃんのような失恋の乗り越え方はとても理想的だと思います。尻軽女と言われればそれまでなのかもしれませんが、「失恋」を自分にとってどんなものとして浮かび上がらせるかが重要です。僕にとっては。それでは乃絵はどうなのかというと、涙のくだりが無かったら自分の中での評価はもっと低かったかもしれません。恋を諦めたという事実と対価として得られたものが釣り合うかどうかという点で、この作品は赤字を最低限に抑えることに成功していると思います。もちろん恋愛はビジネスではないですよ。でも失恋して絶望のデフレスパイラルに巻き込まれるお話よりは赤字が少ないほうが良いと思いませんか。
{/netabare}
 ↑ネタバレここまで

・いかにして恋を描き出すか
 人類は数千年恋愛をし続けているため、今になって全く新しい恋愛観を生み出すことは非常に困難です。そのため、今さら恋愛というものに絡もうとする場合、別種の新しい何か(ケータイとか)を頑張ってねじ込むか、今までずっと言われてきたことを至極丁寧に作り直すかのどちらかしかないと思っています。世の恋愛物はたいていの場合は後者で、この類のものは感情の陰影みたいなものをどれくらい上手く表現できるかによって出来が決まるといっても過言ではないと思うのですが、この作品はたくさんの象徴的なフレーズを随所に織り込むことで恋を見事に描ききっています。

・恋を描き出そうとしたらこうなった
 こうなりました。
 TVアニメ「true tears」公式サイト|キャラクター|石動乃絵
 http://www.truetears.jp/character/chara_02.html
 ”突拍子もない言動が多く、変わり者扱いされている。”
 アニメに限らず最近の作品では、スパイスとして(?)多少の変わり者要素が入ってくることは珍しくはないと思います。それは分かっているのですが、困ったことにこの子は多少ではなくかなり変わり者です。そのような設定が必要だったのは十分理解しているので別に非難するつもりはありません。初見はビビるかもよ、ということです。

 問題児は一人だけじゃいんだなこれが。はい二人目。
 TVアニメ「true tears」公式サイト |キャラクター|仲上眞一郎
 http://www.truetears.jp/character/chara_01.html
 ”絵本作家に憧れており”
 絵本作家を馬鹿にする積もりは毛頭ございません。しかし下手したらこの人、上の人より残念です。というのも、事あるごとにわざわざ自らのポエムを視聴者に吐き出してきます。詩人作家を馬鹿にする積もりは毛頭ございません。世の中の大半の人は物事を詩に翻訳して考えることはしないので戸惑うだろうということです。

 他にも大半の一般人と周波数が合わなそうな方々(例:{netabare}四番{/netabare})がたくさんいらっしゃるのがこの作品のすさまじいところです。もし嫌気が差したとしても頑張って見続けてください。中盤あたりから「この人達はみんな360度回って正常なのではないか」と思えてくるのではないかと。最初の数話では、問題児(特に乃恵)の異常な側面しか見えてこないかもしれませんが、実際彼らはとてもまともな等身大の学生です。

{netabare}
 この作品の裏ボスは、物語後半になればなるほど異常っぷりが際立ってくる比呂美です。比呂美が気に食わないということでこの作品が嫌いな人も多いようで。涙を流しているときはとても性悪になるって、人間味溢れるいい性格だと思うのですが……気に食わないものは気に食わないでしょうから仕方ないか。
{/netabare}

・いかにして恋を描き出すか(その2)
 主人公が詩を垂れ流すというのは上でも触れました。が、ポエマーの定義を拡大して考えると主要キャラはほとんど全員ポエマーです。隠喩ばかり喋っています。「とらドラ!」にもオブラートで包んだ表現はあるのですが、「true tears」はこの傾向がかなり顕著です。「地べた」「雷轟丸」「飛ぶ」「雪」という象徴が何を表すか、主人公は絵本にどんな思いを込めているのかをしっかり読み取る必要があります。これを考えるのがとても面白いのですが、人によっては面倒くさいと感じるかもしれません。その点三代吉だけは唯一レトリックを使わず素直に喋ってくれるので、三代吉に親近感が湧く人はとても多いと思います。

 大衆に勧めるならば「とらドラ!」です。率直に言ってこの作品は少々見づらいです。上に述べたような点が人によってはマイナスとして働きかねません。逆に人によってはプラスに働くということで、万人にとまではいきませんがオススメできるアニメです。

2013/03/09 気が向いたので書き直し

投稿 : 2024/09/07
♥ : 17

88.5 17 恋愛で泣けるなアニメランキング17位
さくら荘のペットな彼女(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (5368)
26110人が棚に入れました
学園の問題児の巣窟『さくら荘』に住む高校2年生の神田空太は、変人たちに振り回されながら、『脱・さくら荘!!』を誓う毎日。そんなある日、『さくら荘』に、可愛くて清楚で、しかも世界的な天才画家である椎名ましろが越してくる。彼女を寮の変人達から守らねば!と考える空太だったが、ましろにはとんでもない秘密があった。なんと彼女は外に出れば必ず道に迷い、部屋はめちゃくちゃ、ぱんつすら自分で選べないし、穿けない、生活破綻少女だったのだ!空太は寮生たちによってましろの“飼い主”に任命されてしまう。こうして凡人・空太と天才少女・ましろの“飼い主とペット”生活が幕を開け―?この物語は、変態と天才と凡人が織りなす青春学園ラブコメである。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、中津真莉子、高森奈津美、櫻井孝宏、堀江由衣、豊口めぐみ、浅野真澄、小倉唯
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

24話鑑賞後。第1稿。採点も若干修正。

原作小説2巻途中、コミック4巻まで既読。

2クール、きっちり完走できて嬉しい限りです。
録画をミスることもなく、酷く溜め込むこともなく。

一通り観終わって・・・良い意味で泣かされたタイトルだったなぁと。特に終盤は毎週毎週ティッシュ箱を傍らに置き、涙を拭いつつの視聴でした。

総評は後日させて頂いて、とりあえず24話後の感想を。

{netabare}
24話鑑賞後---------
普段アニメの視聴は
『録画しておいて、翌日仕事から帰宅以降』
というスタンスなのですが。
最終話ということなのか、気合を入れて普段より早く起床して、観てから仕事にいきました(結果的に正解だったわけですが)w

冒頭寮生達が全て立ち去ってしまいそうないきなりな展開に「!?」と困惑したわけですが、仁・七海・リタの見送りだったということでホッと胸を撫で下ろした次第です。

とりあえずまずは・・・七海さん、お父さんから正式に許可を貰っての再チャレンジ、良かった。本当に。
このまま彼女が物語から脱落してしまうのは、どういう意味でも勿体無いといいますか、考えられない考えたくなかったので。

本意かどうかはともかく・・・龍之介&リタの関係も安泰なようで何よりです。大胆というか行動力があるというか・・・予想通りではありましたが、さすがリタ嬢w

美咲先輩は・・・まさかそう来るとはw というかどんだけ稼いでるでしょう、彼女。 しかも婚姻届提出済み!?w 早いよ、先輩w
以前1回だけ出てきた例の「ブツ」がここで生きてくるとは思ってもいませんでした。

結局、空太の気持ちはハッキリ示されることはありませんでしたね。何となく感じるレベルでは有ったように思えますが、言葉にはされておらず。
冒頭の看板を打ちつけるシーン。「何かデジャヴ」と思っていましたが、よくみると桜を意識したような模様になっている気がして、良かったと思います。

ましろは・・・無垢さは相変わらず、でも初回の時のような無感情無表情的な部分は無くなって、やはりこの娘も可愛いよな~と。

「はうはう」の弟君がさくら荘入りというのはともかく、トップで入試をパスした娘がというのは甚だ意外でした。
しかも一般寮を出るきっかけを作ったのが優子でw 普通追い出される(?)立場が逆だろう?とw というか合格しているとは全く思わず。
今後色々な意味で賑やか(騒がしく?)なりそうなさくら荘だな~と思いました。

終盤毎回クライマックス的な流れだった分、ラストの平坦さ(普通で考えればそうでもないですが)は意外でしたが、良かったと思います。

2期をやりたい意思の見える終わり方だったと思います。
個人的には是非続きを観たいタイトルになりました。
・・・といいますか、原作読みたいですw 限界です。
アニメとは異なるお話なのかもしれませんが、それでも。

余談ですが。
BD&DVD3巻のジャケットは美咲でしたが・・・メイン張ってる回では無かったようなw 収録話から選ぶなら・・・優子か龍之介かリタかw

23話鑑賞後---------
19話辺り以降、毎回ティッシュが手放せない展開が続いてますね~。今回もそうでした。

元生徒会長が答辞で何かやらかしてくれるかと思いきや、その役目自体を美咲に譲り渡す(上手い表現がみつかりません)という行動にw まさかそう来るとは、全く予期せぬ展開でした。

何処か大人らしい達観した立ち位置で、空太弄りにしか出てこなかったような印象の千尋先生ですが、ここ2話では特に重要な役割を演じていたように思います。
少なくとも、彼女なりのさくら荘への思い入れは有り。そして彼女がいなければ今話の3年生の企ては実行すら出来なかったわけですから。

龍之介&リタの桜のバッジ、3年生の企て。どちらも偶然それぞれが思いついたことなのでしょうけど、結果見事なまでに噛み合っていたな~という印象です。

これでさくら荘存続は確定ということで良いのでしょうか?
校長・理事長・オーナー辺りが汚く展開してくれなければ良いのですが・・・。

残りは・・・1話?2話? どちらにしても寂しい限りですが、何事にも節目、切れ目、出会い、別れはあるわけでして。
現状を円満解決するのには・・・。

22話鑑賞後---------
前回はましろがさくら荘を後にするところで終わっており、色々心配でしたが・・・なんとか戻ってきてくれたようで一安心です。
ただ、未ださくら荘の廃寮そのものは消えていないわけでして、しかも卒業式当日なわけで余談を緊迫した状態ではあるわけです。

七海さんは・・・本当に健気といいますか、自制の出来る娘といいますか。タイミングはちょっと微妙だったかもしれませんが・・・彼女自身の心の内を正直に吐き出してしまっても、僕的には責められたことではなかったように思います。
ただ・・・このことも彼女の判断や決めた事なわけで、これはこれで1つの形だと思います。

ましろへの想いを、表も裏も含めて初めて言葉にした空太だったわけですが・・・結局肝心なところは「七海とましろの友情」に持っていかれた感がw 元々ましろの感情は、偏ってはいても一つの形を示していたわけですから、ある程度の答えは見える気がしますがw

残る問題は今のところ、僕が考えられるだけで2つ。
・さくら荘の今後
・七海の今後

仁&美咲が元生徒会長カップルを巻き込んで何かやらかしてくれそうですが・・・今から次回が楽しみです。
正直・・・この2人は正式に答えを出せたら一歩下がった立ち位置になるかな?と予想していたのですが、意外と要所要所で表に出ていますね。

追記で。
藤沢さんの会社の行動については・・・千尋先生のおかげでちょっとは溜飲が下がった気分ではあります。
別チームの行動ということなら、いくら売れっ子クリエイターといえど会社の全体を把握し切ることは難しいとは思います。が・・・同じ会社・業界の人間としては批判は避けられないとも思います。

21話鑑賞後---------
前話では気丈に署名募集活動をしているような気がしていた七海さんですが・・・やっぱりそう簡単に割り切れませんよね。廃寮阻止に向けての彼女の気持ちは嘘偽りでは決して無いのでしょうが、そればかりなわけでもなく。
どんな形にしても、吐き出す機会は必要だったと思います。

逆に想いを抱え込むしか無かったのが空太なわけでして、タイミング悪かったな~と。気持ちの整理をつける時間も、七海における空太みたいな相手も無く・・・。
ましろを引き抜こう(上手い表現がみつからない)とする企業の姿勢を、「そう」感じてしまうのは無理からぬところだとは思えました。が・・・何事もこう考えるのは邪道ですが、色々タイミングが違っていたら、と思えなくもないですね。

そして何が一番の要因になるのかわからないですが、やはりさくら荘を後にしたましろ。彼女の生活と気持ちと想いが大丈夫なのか、かなり不安です。

20話鑑賞後---------
こう言っては何ですが・・・。
思ったより正攻法で廃寮に対して動いていて驚きました。
ご都合主義全開でやるならもっと超展開とか特殊スキルに訴えるとかあるでしょうに。そうせず署名活動などで地道に(?)動いている様は意外でした。(決して否定的な意味ではないです。)

しかし・・・学校としては「画家としてのましろ」に期待して編入をさせた(してもらったのが正解か?)わけで、その思惑に沿わず漫画家としてデビューまでされてしまったのは、到底認められる話ではないのでしょうが・・・。

だからと言って「耐久性」に託けて、その辺の軌道修正しようとする行為自体も認められるわけでもなく。クラッキングという手段で得た情報とは言え、学校側の言い分はどうしようもない物ですね。

ましろの両親はまだ登場してませんが、どういうスタンスなんでしょうね。画家としてのましろに肩入れするのか、漫画家としての娘に理解を示すのか。原作での展開を知らない身ではありますが、その辺考えると・・・学校側の行動はどっちにしても自らの首を絞めるものでしかないと思えています。

DVD2巻のジャケットを見て、最近改めて「七海も可愛いな~」と再認識したところなのですが・・・残念ながら最終オーディションは不合格だったようで・・・。正直思ったよりダメージ受けてます。
2クール目辺り(それ以前も込みで)からの七海さんの言動を改めて見てみると、結構切ない。この先の物語は知りませんが、以前見た時とは異なった感想・印象が湧いてきます。正直涙無しでは観られないです・・・。

都合の良すぎる展開を期待しているとは思いますが・・・3年生の卒業は避けられないとしても、2年生sは揃ってさくら荘にいて欲しいと思っている(20話観た今でも)ので・・・。

ましろの「わたしがさくら荘を守る」というセリフの意味が、一体何を指すのか少々不安ではあります。いざとなると、結構突拍子もない行動してるので・・・。

19話鑑賞後---------
前回ED明けにて、急展開を見せたわけですが・・・。

今回は、空太が猫を拾ってさくら荘に飛ばされた直後からのお話。

一番印象は・・・やはりゲームが古いという点でしょうかw
今回は「餓狼」もしくは「KOF」。あまり昔の格ゲー、詳しくなくてw ハードは・・・NEOGEOですかね~。

特にこれというポイントは無かったように思いますが、やはりどんな物語でも「ファーストコンタクト」というのは感慨深いものがありますね~。その作品が好きなら尚更でしょうか。

廃校・廃部みたいな流れの作品は(最近?)多々ありますが、このさくら荘は抗う方向でお話が進みそうですね。最終的にどんな決着が待っているとしても、「最後に一花」みたいなノリではない展開を期待しています。

18話鑑賞後---------
「宇宙人に初恋」というタイトルだけあって、やはり仁&美咲のエピソードでしたね。

仁が無事大阪の大学に合格して、報告・話進展かと思いきや・・・美咲がTELやメールをスルーという反応に。
どう解決するのかと思いましたが・・・。

仁の予想も見事に正解でしたが、今回ばかりは2年生トリオの絆が上回っていましたね。

空太と仁の殴り合いという構図になりましたが、結局はやはり仁自身がどう折り合うのか、どう納得するのか・・・そこが肝だったように思います。

仁と美咲の間が、1つの形を結べたことは良かったと思います。屋上での2人のやりとりは感動してしまいました。
といいますか、歳のせいか涙腺が緩くなっているんでしょうか、結構泣ける機会が増えたな~とw

ED明けに「さくら荘取り壊し」という衝撃の展開が・・・。
どの面々にとっても後の無い展開だなと。
七海にとっては、どうしても離れてしまいそうな。
ましろが独りで生活できるはずが無く。
龍之介も引き篭もっていられるわけでもなくなって。
空太は・・・。

16、17話鑑賞後---------
年末年始の帰省後のお話ですね。
この2話は緩急の差が激しいな・・・というのが、まず第一の感想です。「空太プレゼン」「優子受験」「14日」と1ヶ月ちょいの時間経過があるのですが、17話は実質14日のみのストーリーと、すごいバランス配分ですw

(16話)
空太君、プレゼン突破おめでとうございます。
ところでこういう「企画オーディション」は実在するのでしょうか?
あると仮定して、合否をこんな風にその場で決めてしまうものなのでしょうか?(これだと、合否待ちになった時点で不合格みたいなものに見えるので)
空太の参加は複数回目なわけで、今までのものも含めて判断されたということなのでしょうか?
原作ではどう描かれているのか、気になるところではあります。

神田父からの伝言「2人のどっちが本命?」ですが。
確かにそろそろ空太自身、胸の内に気がつくべき頃合かな?と。「七海が自制できる子」で「お互いに遠慮していない」から、この3人の関係が大荒れにならないのだと思いますが・・・普通の恋愛物だったら・・・。

16話のサブタイトルみて。
てっきり七海が告ってしまうのかと思いました。
なるほど、台本のセリフですか。焦った焦ったw

(17話)
2月14日。七海オーディション当日。バレンタイン。
各人、色々動きのあった回でした(現状はそれほどでもないですが)。
リタさん襲来とか、宮原君再登場とか。
ましろに急な仕事とか。

ましろへの仕事。表紙ですか。大役ですね~。
彼女自身既に仕事持ちなわけですが、やっぱり空太・七海が頑張っている部分ですから、こういう展開は欲しいですよね。後々に影響していくのか、今は知る由もありませんが。

リタさんは久々なのに・・・。
龍之介の女性嫌いは一体何が原因なのか。今後そのことに触れられるのでしょうか。
今回のは可哀想だったので。

七海のオーディションは順調に進むかと思いきや、事故で電車がストップ。大ピンチに。
ましろとの約束があっても助けに行こうとする空太。
どうするのか?と思いましたが・・・とりあえずましろを気にする余裕はあったようで安心しました。放置とかだったら洒落にならないので・・・。

オーディション会場までの道程でのやりとり、その後学校での出来事を見た限りで・・・。空太の心の内は、もう決まっているんじゃないかな?と思えました。本人が気付いているかはともかく。
まぁ・・・ましろの手作りチョコなんて、ありえませんよねw
ちょっと期待しちゃいました。

次回は・・・仁のエピソードでしょうか。

14、15話鑑賞後---------
他の新番組の方にかまけてレビューが滞っておりました。
色々思うところもありまして纏めてになったわけですが・・・上手く書けてるか大変不安です。

(14話)
ということでクリスマスのお話。
結局ましろの送迎の間に、七海とのプチデート?をするという展開に。13話の時は結構深刻なお誘いなのかと思っていましたが、美咲の為に一時的にさくら荘を空にする口実でもあったわけで・・・その辺上手いこと有耶無耶になった気がしないでもないですが。

仁は・・・美咲以外の方向には余計なくらい気が回っているんですが、彼女のことだと本当に・・・。考え過ぎなのか、空回っているというのか。
仁本人の中では「美咲とどうしたい」「どうありたい」と明確な理想像(?)があるようですが、それを彼女に伝えることもできず。「そのままで」という曖昧なことしか伝えられない。
言い方は悪いですが・・・「美咲を振り向かせたい」ではなく、詰まるところ、彼自身がどう自分に納得するか満足するか、だと思うんですよね。

さくら荘にきて以来のましろといえば、基本漫画に没頭していて、空太もその部分を目にすることが多かったわけですが・・・。
文化祭辺りのことで「ましろの中に重要な物が増えた」「新たな感情を知った」ことで、異なった一面を見せ始めたのだと思います。
何に向かっても真っ直ぐ。ましろそのものがブレてしまったわけではないのだと思います。

「まだ届けられない想い」。本当に七海さんはストイックですよね。とりわけ自分に対しては厳しすぎと思える程かと。空太は何のことかよく分かっていない様子ですが・・・。
個人的には、結果の成否に関わらず想いを届けて欲しいな、と思いますが・・・どうなるのでしょうか。

そんな意味でも空太君には、もう少し周りからの想いに気付いてあげて欲しいな、と。企画オーディションとか自らのことで精一杯かもしれませんが。
そして自分の想いの在り処にも。

このお話のタイムリミットは約2年後だと思っていましたが、実際はその半分なんですね。

(15話)
千尋先生のヴァカンスの為に、急遽帰省することになったお話。女の子3人連れてって、何てエロゲですか?とw そりゃ妹も驚きですよ。

仁さんの云わんとすることはわかりますが・・・もう少しはっきり応えてはあげられないものか?と思えてならないのですが・・・。

この回は全体的に感想書くのが難しいですね。
「美咲らしさ」・・・元々前向きな指向の彼女ですから、答えに辿り着ければ大丈夫だと思います。グルグル想いの迷宮を100周もしているだけでも大したものだと思いますけども。
「努力は報われると証明して欲しい」・・・そう思うのも分からないでもないですが、それは自分ですべきことかな?と。でないと、自分だけがダメだった場合、自分の結果を人の所為にすることにも繋がりかねないので。

長文で失礼をば致しました。

13話鑑賞後---------
年も明けて、物語もガラリと変わるのかな?と思いきや・・・意外にも空港シーンからでした。

今後は空太・ましろ・七海の3人の関係が厳しくなりそうですね・・・。方向はともかく、空太の思いの質は一体何なのか? ましろの自覚はどの程度なのか? 七海さんはまぁ本人も分かっての行動でしょうが・・・。

漫画を描くことよりも空太へのアクションに比重がいくという、ましろの姿は衝撃でした。空太の思いもわからなくは無いですが、主人公補正にしても鈍い・・・。
同時に七海からのアプローチもあったわけですが、そんな安請け合いして。思わず「いいのか~?」と口を出てしまいました。
この人間関係は果たして・・・。

ふと思ったこと。
やっぱ企画オーディション、そこにはしない方が・・・。他にもあるならそっちへ・・・。今回は一次でダメだったようですが、最悪、意図的に落とされている可能性すらありそうなので。空太なりの思い入れや憧れはあるでしょうけど。
と、本人にはそんなことを知る由も無く・・・。

12話鑑賞後---------
まず・・・年内に一区切り付けてもらえて何よりです。11話のままで越年とか、いろいろきつそうなのでw

物語としては大筋予想通りの展開でした。個人的には空太が、更にもう一歩踏み込んでくれるかな?と期待していましたが。ま~あと1クールありますので、そちらで期待しますw

叫ぶましろという構図は予想していなかった部分ではあります。と同時にcvの茅野さんの演技を意識して聴くの初めてなので、印象大でした。ガルパンとか他にも出演作品見てたようですが・・・。軒並み主演クラスは外してたようです。

「恋を教えて」というお願いに、これで1つ答えられたことになるようですね。主に「ドキドキ」させる方面。
それでもやはり、七海を意識したり、妹に張り合ってみたり、(これは異なるかもしれませんが)リタを助ける空太を敵認識してみたり・・・「恋」に近い感情は持っているように思えますよ?w

藤沢さん・・・。個人的にはあまり好きなキャラではないので、顔見ると少々イラっとしてしまうのですが・・・。
卒業生で千尋先生と知り合いで、おまけに元さくら荘住人となると、結構な立ち位置でしょう。う~む。
確かにプレゼン回見直したところ、履歴書?に住所まで書いてありましたね。

七海さん。一発勝負での、ヒロイン役兼進行役お見事でした。さすがというのかなるほどというのか、良かったと思います。

結局リタさんの思惑通りだったんでしょうか~?
一度彼女に、龍之介にこだわる理由を訊いてみたいですw

ミートボール。直訳すると肉球。今更気付きました。
猫好きな方は、食べるのためらったりするんでしょうか?w

11話まで鑑賞後-----
10話にて、リタさんにも何となくでも理解してもらって、ましろの味方になってくれるか~?と思いきや・・・「待つのは文化祭まで」「しかもましろ父の差し金(11話にて)」と、納得されていない模様。
う~ん、困ったものです。

ということで変わって11話。
というか文化祭パート長いですね。次で4話目。

七海さんのメイド姿がまずは・・・可愛いです。過去に美咲さんと比較して謙遜してますが、十分すぎるほどですよ、ホント。嫌味や情けとかじゃなく。
出展物作りにあまり手を貸せないと気にされているようですが、実際に発表の場で観客を扇動するというのも十分大役だと思いますよ。やり直しはきかないし、その場が全て彼女にかかっているんですから。

ましろの猫娘姿と聴いたとき、空太とほぼ同じ想像してました。どうせ裏切られるに決まってるのいるのにw
入り口で看板持って呼び込みしている着ぐるみ娘・・・「看板娘」では無いですよね?w あれはあれで可愛いのでアリですが、美咲さん話盛り過ぎでしょう。
しかも着ぐるみ内部はパンツのみて・・・。
いつもはパンツを信じてない様相ですが?w 最近信仰するようになったとか?w

森の作品展とかとか。
ましろによるケチャップ絵が、あまりにガチ過ぎる。似顔絵レベルじゃないw

龍之介&リタという組み合わせは不吉すぎですねw
「自動メール返信プログラム」のはずのメイドちゃん、結構独立して動けてる気がしますが・・・?w
この話での龍之介メイド仕様のおかげで、彼の性別がどっちなのか全く読めなくなってきました。ビジュアル的な問題だけではないのかもしれない、と深読みしてみたり。

藤沢さん再び。
卒業生だったんですね。
それでもやっぱり、アレは無いなと。

美咲さん、お姉ちゃんとホントそっくりですね。強いて違いを探すなら・・・総合的な輪郭でしょうか?
普段は結構お気楽(とはいえ行き過ぎている感はありますが)に対応できる仁さんですが、美咲さんが絡むと途端に余裕が無くなりますね。大阪に進学予定ですが、ダメージ受けるのは結構彼なのかもしれません。

仁さんとの関係に悩んだりで結構感情の起伏が激しい美咲さんですが、それでも持ち前の「前向きさ」はこのアニメでかなりの救いだと思います。本当は無理しているだけなのかもしれませんが、どちらも本当の彼女だと思います。
会いにいくのに気軽に「飛行機」「新幹線」と言える辺り、ブルジョワなのか愛が成せるわざなのかw

「ましろがイギリスへ」というのは、現段階では空太の思い込みという部分がありますよね? リタさんの言葉も真実では無いでしょうし。
それでも何か行動を起こそうとしている空太に期待したいです。何となくシナリオは読める気はしますが、ドキドキしてますw 2人の関係が良い方向に進みますように。

これで「恋を教えて」に繋がるのでしょうか?
多分・・・もう既に彼女の中には「恋」があると勝手に思っております。後は「周囲の人の」ではなく、自分の内に気付けるか、だと思います。

9話鑑賞後----------
先回のプレゼンシーンでの謎は・・・観返してみても、やはり意味不明。これについては友人とも同じ見解でした。
今のところでは「藤沢さんの何らかのコンプレックス、もしくは思い込み」にしか思えないですね。
これは原作を読んでみないと納得いかない点かもと思えたり。

で9話。
8話での次回予告がリタさんだったので、彼女メインの回かと思いきや・・・。
個人的には、龍之介君(?)に持って行かれてましたw
いえ物語の展開的にはリタさんが引っ掻き回した感が強いんです。

が・・・いかんせん、登場タイミングが・・・。
そもそも引きこもり設定キャラが急に現れたときの想定なんてありませんでしたw
ビジュアル的な部分については何処かで見かけていたので、それほどでもありませんでしたが。
メイドちゃんのcvがあえて(?)「???」になっていたのにはちょっと納得しました。いえ、先々の展開もある程度勝手に予想した上で、堀江さんの男子(?)役も「ありえる」とは思っていましたがw

リタさんの登場、イギリスに連れて帰る宣言から何となくお話はわかる気はしますが・・・リタさん&空太くんに一言。ありきたりな内容ですが・・・誰が何をするのか決めるのは、本人だよ、と。今のましろさんの判断や思いや方向性が将来正しいのか、そんなことは誰にも分からないでしょう。が、他人が決めることでも無い、とも思います。
言い方は悪いですが・・・ましてやリタさんは・・・。

8話鑑賞後----------
折角の「水着回」も、先週に比べたらその方面ではイマイチ威力に欠けると言いますかw

空太君の挑戦第1回は・・・良くも悪くも予想通りで。
いや・・・いくらさくら荘の面々が変人ばかりで、練習や修正を繰り返したと言えど、人生初プレゼンなんてそうは上手くできるはずもなく。
次に向けて、前向きに進んで欲しいです。
※この作品みて、自分以外に向けて「がんばれ」という言葉をかけることが、どれほど無責任なのか痛感した気がします。ましてや自分が出来ていないのならば、尚更ですね。

審査員(?)の中にいた藤沢さん(でしたっけ?)、プロフィールを見て急に思い立ったように質問をしていますが・・・どんな意図があったんでしょう。追々語られることとは思いますが・・・。個人的に関わりがあるのか、何なのか。
ただ・・・「そういう」質問はプレゼンが終わった後でも良かったんじゃないのか?と思いますが。
プレゼンを聴く必要がないと思えたなら、端から落とせば良い話ですし。
まだ1回観ただけなので、再度視聴~検証してみたいと思います。

7話鑑賞後----------
神田妹、登場~。
個人的にここまでテンション高めな小倉さんは初でしたので、何か新鮮でした。

進路相談(本人曰く建前とのことですが)の為に襲、訪問とのことでしたので、ちょっとはシリアス目な展開かな~?と思っておりましたが、それほどでも無く。
このエピソードが原作にあるのか分からないですが、あるようでしたら読んでみたいところです(現在アニメを追い越さないよう調整しつつ原作追従中)。

次回は水着回とのことですが、今回で既に結構肌色率高かった気がしますがw

妹vsましろも面白かったですが、七海さんが色々焦ってるのが特にツボでした。この娘も良いな~。

6話鑑賞後----------
今回は「FightingVipers」かw
ちょっとかじった程度ですが・・・でも懐かしいw

「8月10日」という日付には、もう1人の行動も含まれていたんですね。ましろデビュー、七海の中間発表会。それらに触発されてのエントリーだったのかもしれませんが。

「ましろ当番」という、ある意味七海さんには関係の薄い仕事に固執した理由は、果たして・・・。
純粋な「使命感」のようなものなのか。
(超)遠回りをした上での空太君への想いの欠片なのか。

結果的に体調不良に陥り、発表会に無理して出席して場を壊し・・・。それらの行動への評価は様々とは思いますが・・・僕としては悪くない選択だったかな?と。
そしてそれらの行動を後押ししたましろ。
あれも彼女なりの気遣いというか、気持ちの汲み方といいますか、そんな一面だったように思います。さくら荘の面々に頭を下げた手伝ったりしてる様は、また彼女の違った面が見られて良かったと思います。
この2人の関係はこれからどう動いていくのでしょう。楽しみです。

「ましろ」と名前を呼ばせるのは恋愛感情というより、「特別」という意味合いのが強いのかな?と感じた回でした。

仁さんの進路は・・・彼は彼の考えあってのことなんでしょうね。推薦蹴ってまで、というのは冗談ではないでしょうし。
そしてそれを察してしまう美咲さん。
・・・切ない。切な過ぎる。
そして色々な人間関係に接する空太君もつくづく絶妙な位置にいるな・・・と。

次回予告が意味不明すぎるw 空太の妹さんの出番なようですが。

例の変更点については・・・。
確かに・・・必要性はあったのか?よりによってこんなご時勢に?と疑問が無いわけでもないですが・・・。
過剰反応はいかがなものかと思います。

5話鑑賞後----------
七海さん、さくら荘へ~の回。
何より、途中の「サムスピ」?ぽい画が気になって気になってw いや~懐かしいなぁ。

先週読んだコミック3巻の後半部分からになると思うのですが・・・。(これでまたアド無しにw)
4話での次回予告とコミックを見比べて、ましろ追試前日辺りのお話は無しかな?と思っていたのですが・・・ありましたね。アニメでは色々軽めな扱いだったように思います。
個人的に前夜のやりとりは面白そうだったので。

それにしてもまぁ・・・ましろさんのスキルは反則でしょうw 詐欺とは言わないまでも、凶悪といいますか。漫画を描くため、テスト突破のために発揮される辺りが、嫌味にしない要因でしょうかw

そういえば・・・空太の家庭の話知らないな、と改めて。

七海さん、色々頑張り過ぎてる気がしますね。
この作品自体、何処かに「陰」と言いますか「裏側」と言いますか、そんなテーマが感じられるので、彼女のポイントの1つなんだろうな、と勝手に想像していたりします。

4話鑑賞後----------
個人的な未知数部分に突入しました。

そしてこの作品を観始めて、初めてましろさんに明確な表情が見えた回でもあったように思います。これまでは、あまり表情が伺えなかったように記憶していますので。
そして改めてましろさん可愛いなぁと。

4話を観て率直に思ったこと。
この作品に対するコメントが安定しないのは多分、登場人物達や物語に自分自身の心が激しく揺らされているからなんでは?と思えました。
方向性は異なりますが、TARITARI5~6話辺りを観た時似た感覚を覚えたような気がします。

来年発売予定?のゲームのCM観て。
七海さんもさくら荘に入るみたいですね~。次回予告の内容から、5話からでしょうか?

※11/3追記
コミック3巻の該当部分を読んでみて・・・。
漫画が原作通りであるならば、空太の心情が分かり易かったことが良かったですかね。アニメではその辺、急展開だった気がしないでもないので。
ただアニメの展開でも悪くはないと思います。

SAOもですが、原作が気になるタイトルです。
でもやはり時間が無い、とw

3話鑑賞後----------
ここまで観た時点で・・・コミックによるアドバンテージがほぼ消えました。 ここから先は殆ど展開も何も知らない状態になります。(注:一応コミック3巻買ってあります。元々読んでいたので。これ書いてる時点で未読です。)

ラブホ取材の件は、結構アッサリだったなと感じました。小説では分かりませんが、コミックでは結構ページが割かれていたように思いましたので。
たぶん・・・美咲さんのお姉さん(でしたっけ?)の話があまりされてなかった分、短く感じたのでしょうか(その話はもう少し後でしたっけ?)。

ましろさんの瞳(心と書いて良いのかな?)。
綺麗なことは変わらずですが・・・純粋でまっすぐで、心に刺さりますね。空太君にも悪意や邪気は無いのでしょうが、アレは結構効くでしょう・・・。

録れてる分を何度も観かえしていましたら、何となくましろさんの表情が分かったような気がしてきました。・・・気のせいな感じが否めないくらいの自信ですが。

2話鑑賞後----------
2話になりましたが・・・やっぱりなかなか纏まらずな感じで。
すみません。

今回までで、まず印象に残っているのは・・・ましろさんの瞳でしょうか。形とか輝き?とか。(意図的なのか)目で物を語っていないように感じるのでミステリアスと言いますか。

空太君絡みになると途端に表情がクルクル変わる青山さん。天才なのか変人なのかイマイチ本音を見せない美咲さん。
どの娘も魅力的ですね。

ましろさん、さくら荘の住人、たくさんの猫達に振り回される空太君・・・。いろいろ、がんばれw

1話鑑賞後----------
コメディっぽい感じが表に出てるように感じますが、コミック読む限りではそれだけでは全く済まないというのが印象なので・・・色々この先、一波乱も二波乱もありそうで。

・ましろさんがいい感じ。
・自動メール返信プログラムのメイドちゃんがw

今のところ書けそうなのはこれくらいです。
期待していた割に、こんなコメントしかできず・・・すみません。2話の時にはもう少し纏まった文章が書きたいと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 55
ネタバレ

助手さ~ん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

それぞれの恋と夢の行方。 21話までの感想追加!

さくら荘に住む変人達ととある理由からさくら荘に入れられた普通の少年の物語です。
さくら荘に住んでいる人達はそれぞれ優れた所がある天才なんですが変人ばかりですww
この作品のヒロインもそんな感じです^^
主人公は普通の少年ですがツッコミは優れていて面白かったですw
ヒロインのましろ可愛かったですね^^
ヒロインをはじめとする変人達に巻き込まれていく普通の少年の今後が気になりますね!
(こういうアニメよく見かける気もしますがw)
やっぱり天才はどこか変な所があるんでしょうかね?w
2話も見てみます^^

【2話感想】
ましろは思ったよりもヤバイですねw
あれは1人では生活出来ないレベルでした・・・
どうやら主人公のソラタがましろを介護して行くお話になりそうです。
ソラタのツッコミは相変わらず面白かったです。
僕には天才の考える事はよく分かりませんw
ましろのこれまでの人生は絵にしか興味がなくて絵だけを磨いて来たのかなと思いました。
しかしソラタに少しずつ興味を持ち始めている様子でした。
これからお互い何を学び成長するのか注目ですね^^
{netabare} 栄光のキャベツロードやバームクーヘン勝手に食べた所は面白かったですwアニメならではですね!(実際にあったら笑えないかもですが・・・)
青山さんの関西弁が可愛かったです^^
恋の行方も気になりますね!{/netabare}

【3話感想】
今回は近すぎて遠いと自分の居場所がテーマですね^^
{netabare}自分がいないとダメだと思っていたましろが実は世界的な天才画家でしたと知ったら落ち込みますよね~
ましてや自分には何も夢中になれることや目標が無いからなおさらですね。
アニメ脚本家のジンさんと美咲さんもなんかギクシャクしてましたね。天才でも悩みはあるものですね~
今回の話は後半シリアスが多めでしたね^^
ソラタはさくら荘を出て行くのか・・・
僕は出て行かないの思いますがww
自分の居場所やソラタとましろの距離感などを感じる回でした。今回はあまり話的には面白くないですが物語的には良かったのかなと思いました^^
次回が楽しみです^^ {/netabare}

【4話感想】
ましろの表情の変化やソラタの思いの変化など今回もシリアス多めでしたが良かったです^^
自分のやりたいことから逃げて才能が無いからできない失敗するのが怖いなどやる前から諦めてしまう事ありますよねw
恥ずかしいことかもしれませんが僕も良くあるので・・・
ちょっと主人公に共感できました。

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし  踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」

という詩があるのですが最近知ったので紹介です^^
この詩今回の話見て思い出したのでw
このアニメ学生とかに人気ありそうですね~
一歩踏み出せばそこから自分の道が広がり世界の色が変わるのかと感じました。
あなたは何色になりたいですか?
僕も自分の色が見つかるといいな^^

【5話】
{netabare} 今回は前回とは違って笑わせてもらいましたw
ソラタのツッコミがオーバーでましろは淡々とボケるところが得に。ましろはボケてるつもりはないんだろうけどw
ましろは本当に絵に対して努力してきたのは分かるけれどテストの答えすぐ暗記とかいう設定はちょとw
何でもありかよ的なw
ものすごい敗北感orz

青山ちゃんがついにさくら荘にやってきました^^
青山は親に声優の勉強するの反対されてそれでも1人でバイトも勉強もして頑張ってるのは凄いと思いました。
でも人を頼ることを知らずに自分で抱え込んでしまう感じでした。
ましろはソラタと青山の恋の展開も気になるね^^{/netabare}

【6話感想】
{netabare} 青山ちゃんは頑張りすぎましたorz
声優の練習にバイト、ましろ当番までやって疲れきってましたね。
せっかく練習してきたのに。。。
熱を出した青山ちゃんをましろは行かせましたね。
まさかあのましろが頭を下げるとは!
それだけ夢に対して純粋なのかなって思いました^^
僕だったら休めばいいと言ってしまいますねw
青山とましろの距離が少し縮まったかな。
サムゲタンはスルーでw
青山とソラタの会話も良かったですね^^
青山は誰かに優しい言葉をかけてもらいたかったんだね。{/netabare}

【7話感想】
{netabare}ソラタの妹が登場。
最近は妹押しが多い気がするw(他のアニメも)
妹の声優は小倉唯さんでしたね~
やっぱりああいうキャラが似合いますw
メイドちゃんは怖いです(^^;)
ましろはいつも意味深な事言ってるけど天然なんだよね?w
誤解されるような事ばかり言ってますww
だんだんハーレムっぽくなって来てますね。
青山ちゃんの関西弁が可愛いですね^^
次回は水着回ですか~
おにあいよりはまともだよねw{/netabare}

【8話感想】
{netabare} 今回はプレゼンと水着回でした。
そらたは一次審査に合格しました^^
頑張ってるソラタはちょっとかっこよかったです。
でも二次審査のプレゼンの方は残念な結果に。。
やっぱり本番になると緊張するよね(^^;)
ましろは落ち込んでるソラタに声をかけちゃいましたね。
ああいう時は声かけてほしくはないのかもだけどましろはいい子だよね。
水着回かと思いどうなるのかな~って思ってたけど結構いい話でした。
ソラタは本気になれる事を見つけれて楽しそうでした。
さくら荘のメンツは学校のプールに不法侵入とは流石ですねww
プールで鍋しようとしてたしw
edでみんなが走る演出は良かったです。
青春って感じですね~{/netabare}

【9話感想】
{netabare} 二学期が始まりました。
開始そうそうソラタの部屋が大変な事に・・・w
空太、宮原、青山の三角関係になりそうですね(^^;)
そして新キャラのリタが出てきました。
ましろのイギリス時代の友人みたいですね。
ましろをイギリスに連れて帰るために来たみたいですね。
どうなるのやら。
ついに赤坂が登場しました!
学校で授業受けながらパソコンってw
トマト丸かじりww
やっぱり天才は一味違うものなのか。
先生もああいう生徒がいるとやりにくそうだね(^^;)
リタとソラタがデートだと。
どうなることかと思ったけどそういうことねw
リタが見せたましろの絵はとても綺麗で人々を引き付けるそんな絵でした。流石ましろw
これはイギリスに帰れっていう理由も分からなくはないですね。
ただましろの気持ちはどっちなんだろう?
次回も楽しみです^^{/netabare}

【10話感想】
{netabare}さくら荘のみんなで文化祭に何かやることに。
ニャボロンを作る事になりました!
そしてプレゼンをソラタがやることに。
全開は失敗しちゃったけど今回は頑張って!

リタと赤坂の言い合いは凄かったです。
赤坂も良くあんなにハッキリ言えますねw
でも赤坂の言ってたことは間違いじゃないですね。
リタとましろは10年も一緒に絵を書いてたんですね。
リタも天才だけどましろはさらにその上をいく天才。。
リタはましろに対していろんな思いがあったんですね。
絵をやめていく人達の中で残ったリタは凄いと思いました。
リタも絵がとても好きなんだと思いました。
そしてましろの事も。
ましろはやっぱり人の感情とかは分からないみたい。
でもましろはリタの事も絵もとても好きだったんだと思いました。
ましろの「リタと絵を書いていてとても楽しかった」って思いはリタに届いて良かったですね^^
ましろは人の気持ちや感情がわからないかもしれないけれどいつか分かる日が来るといいなと思いました。 {/netabare}

【11話感想】
{netabare} 文化祭のお話です。
文化祭でのニャボロンづくりにみんなとても疲れてるみたいでした。
青山の格好は可愛かったですね^^
ソラタ褒めてあげてww
疲れててそれくらいはできるくらい可愛かったです!
ニャボロンに何かつけたそうとしてソラタは愛のパワーを加える事にしましたね。
人の心を動かすには自分の心を揺さぶらないといい作品は出来ないんですね。
でもこれは正しいと思いました。
この作品とは全く関係ないですが僕は歌が好きです。
やっぱり人の心に届く歌を歌うには自分の心も揺さぶらせないと歌えないと思います。
無感情で歌う歌など誰の心にも届かないかと思います。
それと同じじゃないかな。
まあ僕はプロになろうとか思ってませんし上手くもないですがやっぱり歌うの好きだし楽しいかな^^
だから今回のお話はそうだなと思えました。{/netabare}

【12話感想】
{netabare} 文化祭でいよいよソラタ達の出番。
ニャボロンは評判良かったですね。
あんなもの普通作れないですww
でもソラタが新しく導入した愛を叫べはやっぱり抵抗ありましたね。
ましろやみさき先輩が叫んでくれたおかげで無事に成功に終わりましたね。
楽しそうでしたね~
ミートボールビームはもう少し他の名前なかったのかと思いましたがww
でもそれも個性!w
駅でソラタがましろを引き止めるところは良かったですね。
リタは赤坂の事が好きみたいだね^^
不意打ちキスとかずるいわww
あの笑顔は本物だったね!
ましろの「これって恋」っていうセリフのあとの演出綺麗でしたね~
次回が気になります!{/netabare}

【13話感想】
{netabare} いよいよ2クール目に入りましたね!
op、edも変わりましたね。
サビは好きですが前のop、edの方が個人的には好みでした。
fullが早く聞きたいです。
内容としては前回の続きからです。
ましろは今までになかった気持ちが何なのか分からずに戸惑ってるみたいでした。
ましろは感情というものが少しずつ出てきて前よりも可愛いですね。
でもソラタは自分のゲームの応募が落ちた事も重なりましろが手をぬいてるとイラだってました。
分からなくもないですが(^^;)
でもましろは悪くないですね。
次回はクリスマスイブのお話ですね!
青山さんと美咲先輩には頑張ってもらいたいです。 {/netabare}

【14話感想】
{netabare}今回はクリスマスイブのお話。
それぞれの恋とキャラが可愛い回でした。
いきなりopから気合入ってましたねw
最終回かと思いましたよ。
opは青山さんのキャラソンみたいでしたね~
今回はとにかくキャラが可愛かったですw
青山さん、ましろ、美咲先輩みんなそれぞれの思いがあって良かったです。
青山さんのスカート姿、関西弁は可愛かったです。
アレはデートですw
青山さんも可愛かったけどましろもなかなかw
自分の気持ちが何なのか分かってないけどソラタが元気になるようにバームクーヘンを渡し続けましたね。
バームクーヘンっていうのがましろらしいw
ましろとソラタが抱き合ってるの見てた青山さんは切なかったです。。(;>_<;)
ジンさんは今まで女好きだったかもしれないけど美咲先輩のことは本気なんですね。
でもジンさんは美咲先輩と両思いだと分かってても美咲先輩の思いを受け止めてはくれませんでしたね。。
美咲先輩は可愛そうでした。
ジンさんは多分脚本家としても美咲先輩の隣に立ちたいんだと思いました。
決意が固いですね。
でも美咲先輩にとってはそんなことどうでもいいんじゃないかな(^^;)
それぞれの夢と恋の行方が気になる終わり方でした。{/netabare}

【15話感想】
{netabare} ソラタの実家に泊まることになった、さくら荘の女子たち。
美咲先輩はいつもと違ってテンションが。。
ジンさんは自分の夢に対して、美咲先輩への思いが強いんだと思いました。
美咲先輩とジンさんには上手くいってもらいたいです。
ソラタと青山さんはお互いの事を気遣ってて夫婦みたいでしたw
青山さんも応援したいけどましろもだんだん良くなってきました。
ましろはソラタの好きな自分になろうとしてました。
ましろは自分の気持ちがなんなのか分かってませんしソラタも気づいていないのか。。
ましろの自分らしさって何なんでしょう?
ましろはさくら荘と出会い、ソラタと出会い少しずつ変わってきてるけどそれをソラタという存在が止めてるように思えます。
ましろはどんな色(自分)を見つけるのか注目ですね。
それぞれが前に進もうと頑張ってるところ応援したいです。{/netabare}

【16話感想】
{netabare} バレンタインデーへのつなぎみたいな話でした。
ソラタはプレゼンで今度は緊張せずに出来て良かったです。
半分合格という形でしたが合格と同じようなものだと思いました。まだこれからが難しいと思いますがw
青山さんの台本の練習は気持ち入ってました。
ずっと好きでしたってお芝居じゃなく本当に言える日が来るといいなと思いました。
美咲先輩のウシガエルの真似は面白かったです。
せめて猫の真似とかにしてww
美咲先輩は手作りチョコ作るみたいですね。
渡せるといいですね。
妹はテンション高いですねw
妹も受験頑張って欲しいです。
ましろがソラタにチョコを渡すのかどうかも気になります。
修羅場になるのかな(^^;
次回は赤坂とリタの話になりそうですね~
バレンタインデーの行方が気になるところです。{/netabare}

【17話感想】
{netabare}バレンタインのそれぞれのお話です。
リタは赤坂に会いたいがためにわざわざ日本に来たのに冷たい態度でした。
赤坂は後で手紙送るくらいはしてあげて欲しい。
これじゃリタが可愛そうです。。

宮原くんはかっこよかったですw
この前、青山さんに振られたけどソラタから青山さんがピンチと聞いて助けに行くところが良かったです。
最後はソラタに任せましたが青春ですね~
青山さんの告白は演技でしたねw
本当の告白かと思いましたけどそれは後になるのかな?
ましろは今回も可愛かった。
流石に手作りチョコじゃないけど良かったと思いました。
たけのこ派が多すぎww
ただ今回の話でソラタは2人の気持ちに気づき初めました。
このまま2人にフラグ立てたままずるずる行くと見てるこっちが辛くなる。。
ソラタはどっちを選ぶのか気になりますね。
うん普通ならましろなんだろうけど気になるw
美咲先輩はジンさんにチョコ渡せなかったみたい。。
来週も楽しみです~{/netabare}

【18話感想】
{netabare}ジンさんと美咲先輩のお話は良かったです。
ジンさんとソラタの殴り合いはリアルでしたw
美咲先輩、ジンさん、風香さんの関係がよく分かる回となっていたと思います。
美咲先輩とジンさんは幼なじみで昔からずっと一緒だったことが分かりました。
美咲先輩は宇宙人と呼ばれていて凄く頭も良かったみたいでした。(どこのハルヒw)
最初は美咲先輩はジンさんのことを「一緒にいるのが当たり前」、ジンさんは「ほっとけない」という思いでいたんだと感じました。
そして2人ともどこか一人ぼっちで周りに自分たちの事を本当に思ってくれる人はいなかった。

この2人の感情を「恋」だと気づかせたのが風香さん、背中を押してくれたのがソラタ達、そんな気がしました。
ジンさんが風香さんと付き合ったことで美咲先輩は自分の気持ちに気づき、ジンさんも風香さんと付き合っていたけど気持ちは美咲先輩へと強くなっていったんだと思いました。
風香さんはそれを分かっていたように感じた。
風香さんはそれでもジンさんのことが好き(美咲に傷つけられるとこを見てられない)で、きっと妹(美咲先輩)のことも気にしてたと思う。
ジンさんと風香さんの恋は本物じゃなかったけど必要なことだったんだなと思いました。
風香さんに悔いはないと思う。
そして風香さんの分まで2人には幸せになってもらいたいと僕は思いました。

長い時間がかかったけど2人は結ばれて良かったです。
2人はいい後輩に恵まれさくら荘にきて良かったと感じました。
でもさくら荘潰れる話が出たみたい(^^;
ソラタの方の三角関係はまだ決着しそうにないですねw
最終話までまだまだ楽しめそうです。{/netabare}

【19話感想】
{netabare} ソラタがさくら荘に来たばかりの頃のお話。
ソラタのツッコミが忙しい回でしたw
さくら荘は一般寮の人達から見るとやっぱり問題児の集まりみたいな感じですね。
流石に宇宙人(美咲先輩)、幽霊(赤坂)がいるのは予想できないよw

美咲先輩は自由人すぎます。
まさか後輩君と呼ばれるまでにあんなに他の名前で呼ばれてたとは・・・ソラニン(有機化合物)は面白かったww
美咲先輩の頭の中はどうなってるのか謎ですw
赤坂は部屋からほとんど出ないみたいです。
メイドちゃん機能凄すぎww
便利だけど・・・w
赤坂とメールのやり取りは疲れそうです。
でも意外と先生が一番問題児なような気がするのは気のせい・・・?w
怪奇レモン星人ww
先生管理人なのに適当すぎる。

さくら荘は変な人ばっかりだけど暖かい場所ですね。
住めば都のさくら荘は納得!
美咲先輩とかいい先輩だと思いました。
BGMはとてもせつないですね。。
次回も期待したいです。{/netabare}

【20話感想】
{netabare}さくら荘が取り壊しにならないように署名活動が始まりました。
さくら荘取り壊しとましろの存在が関係あるみたい。
ましろが漫画家になろうと別にいいと思うんですが。
ましろがやりたいように生きればいいと思いました。
赤坂は相変わらず正論を言ってました。
ソラタはやっぱり理想論というか感情で動いてますね。
赤坂の言ってることは最もですがソラタのさくら荘の誰一人欠けて欲しくないという思いも分かります。
これからどういう展開になるのか気になります。

赤坂も過去にいろいろあったみたいです。
天才というのも大変なんだなと思うようになりました。
メイドちゃんはまるで一つの人格があるみたいな感じですw
あれでAIとは思えません。
青山さんはオーディションの結果がorz
笑って無理してました。
青山さんの努力は報われて欲しいです。
来週も楽しみです。{/netabare}

【21話感想】
{netabare} ソラタが審査会でまた落ちたり青山さんが・・・だったりと鬱展開でした。。
ソラタは流石にキツイだろうなと思いました。
今回で落ちるの何回めだろう。。
さくら荘がなくなるかもしれないから頑張ってる最中にこれは辛い。
しかもましろが良いとこどり。
ソラタも青山さんも頑張ってきたと思うから今回の話は少し悲しくなりました。
しかもさくら荘も・・・orz
ただ一つ言えることがこのアニメの主人公たちはまだ高校生なのに夢とか自分の目標持っててそれに向かって頑張るだけでも凄いと思った。(結果はともかく)
高校生らしい自分や周りとの葛藤を良く表していると思いました。
このアニメは何かと失敗→挑戦→失敗が多い気がする。
でもその中に少し良い事があってそして周りに仲間がいたり目標がいたりするのが普通なんじゃないかなって思う。
だからこのアニメはその辺は上手いと思う。(ちょっとやりすぎ感はあるけどw)
最後はスッキリ終わらして欲しいと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 65
ネタバレ

ゼロスゥ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

それぞれの夢に向かって

俺は物語も作画も声優も音楽も全部良いと思ってますが、何よりも素晴らしいのがキャラですね。
あれだけ個性派なメンバーが揃っていておもしろくならないはずがないです(^_^)v
特に空太のツッコミが神すぎるw
些細なギャグでも爆笑に変えてくれます。

一番好きなキャラは七海です。
マジで可愛すぎる。
ちょっといじられるだけですぐ顔を真っ赤にしてあわててw
空太が絡むと特にそうなります。
でもって純情で努力家!
完全にメインヒロインでしょう((´∀`*))

以下各話レビューです

2話感想
{netabare}
ましろちゃんアウトオオオォォォ!
同学年の男子に何を聞いとるんじゃおのれは!?
だが可愛いから許す!!

あと、勝手に勘違いしてあわてる七海も可愛い。

でもってキャベツを食べてもらえなくて地味に落ち込む先輩も可愛い。

・・・あれ?俺可愛いしか言ってないねw{/netabare}

3話感想
{netabare}
仁さんもましろもかっこいいです。
こうして空太もまた成長したのだと、そんな風に思える話でした。
空太が仁さんを殴ろうとしてもろにカウンターをくらった瞬間はおもわず吹いてしまったw
てか、三咲先輩のテンションって、とらドラのみのりんみたいだな~って思ったのは僕だけですかね?
あんな明るくておもしろい先輩は最高ですね。{/netabare}

4話感想
{netabare}
神回だった!
空太も夢に向かって歩き出しましたね。
ましろもデビューすることが決まったし。

しかし、こうなると七海のことが気になってきますね。
七海が空太のことが好きっていうのは十中八九間違いなさそうですし、一般寮で一緒に暮らしたいでしょうから。
まぁ次回予告でましろが思わせぶりなことを言ってたから何となくこの先の想像は付きますがw

後、気になるのは仁さんと三咲先輩の関係ですね。
この2人もうくっついちゃえばいいのにw

そして赤坂・・・
あんたはいったい何者なんだ!?
そろそろ正体を明かしてくれませんかね。
ついでにメイドちゃんの中の人もw{/netabare}

5話感想
{netabare}
ついに七海もさくら荘に来ましたね。
これでより一層おもしろい展開が待ってると思います。

てか、ましろ天然すぎ!
空太が寝かしてくれないだの、下手なのに何度もするだの、挙句の果てに話の途中で寝るって何だ!?
空太のツッコミで爆笑したわ!!
でもってメロンパンの下りでも空太の話は全く聞いてないしさ(;゚∀゚)
まぁ可愛いは正義だから俺は別にいいんだけどさw{/netabare}

6話感想
{netabare}
七海が倒れてしまった!
でもさくら荘の人たちはいい人ばかりです。
その中でも仁さん!
なんかあの人は全てのことを見透かしているような気がしま
すねw
料理もうまいって万能すぎんだろ。(でも、何故サムゲタン?w)
今回は名言(迷言)も飛び出しましたしね。

仁さんに振り向いてもらえず落ち込む先輩も可愛い。
てか、普通に仁さんに「付き合ってください」って言えばいいんじゃないかな?

ましろは七海のことをしっかり理解している、七海は空太に弱さを見せることができた・・・
このアニメはホントに毎週が神回です。{/netabare}

7話感想
{netabare}
なんかもぉ色々とカオスすぎる(;゚∀゚)
超が付くほどのギャグ回ですw
前回のシリアス回とのギャップが半端ねぇ!
ほんとに同じアニメかこれ?
けど入浴シーンがあったからそれだけで万事OKだよねw

だだん♪だんだ♪だん!♪
妹ちゃんがさくら荘に来ました。
お兄ちゃんっ子ってのがいいね。
自分でも言ってるしw

ましろは今回初っ端から飛ばしすぎw
悪意があって言っているようにしか思えんわ。
だが、爆笑したから許す!

七海は純情すぎて可愛い。
ましろや妹ちゃんのぶっ飛び発言に過剰に反応して顔を赤らめる姿がヤバいです。
襲いたくなりましたw

先輩は今回出番が少なかったけどインパクトは抜群でしたね。
何か免許取ってたし、これからの話の伏線ですかね。{/netabare}

8話感想
{netabare}
前回の予告からして今回はみんなでてきとーにプールで遊んで終わりかと思いきや全然違った(;゚∀゚)

プレゼンは落ちてしまったか・・・
そんな時でもみんながいてくれれば大丈夫♪
かなり独特の励まし方だったけど空太が元気になったから万事OKだねw

あと、メガネの七海もかわいい。{/netabare}

9話感想
{netabare}
オープニングにすっげー可愛い子がいたから「誰なんだ?」と思いきやまさかの龍之介でしたw
あれが男とか初見でわかるまいよ(;゚∀゚)

あと外人枠としてリタがさくら荘に来ましたね。
イギリスでのましろ当番だったみたいだけどリタも結構常識外れな気がしますw

今回一番おもしろかったとこは、ましろが「空太のバカ・・・」と言い続けるとこですね。
メールのとこは盛大に吹きましたw{/netabare}

10話感想
{netabare}
赤坂がすげぇ良いキャラしてるね。
言いたいことはズバズバ言って、ついでに女嫌い。
今回のことは赤坂がいなかったなら解決しなかったよね。
最後リタと七海に挟まれて焦ってた赤坂を見てすごい和んだわw

てか、リタが赤坂に興味を持っちゃいましたか。
また新たなラブの予感がしますな・・・

どーでもいいけど美咲先輩のエレベーターが地味に進化してましたねw{/netabare}

11話感想
{netabare}
どのアニメでも文化祭ってのはいいもんだ。
EDでましろや先輩が着てた着ぐるみは文化祭のものだったんだね。
赤坂の女装姿を普通に可愛いと思ってしまった・・・
何かに目覚めそうだw
リタに嫉妬してるメイドちゃんも可愛かったですね。
てか、そろそろリタもOPとかEDに出してやれよ(;゚∀゚)
住人ではないけど一緒に住んでんだし。

そーいや先輩のお姉さんが出てきたね。

「美咲を傷つけたくないから私を抱いているんでしょ?」

仁さんはお姉さん付き合ってたらしいですけど、あの時の仁さんは正直よくわからなかったですね。
美咲先輩をより傷つけてるような気がするんだが・・・{/netabare}

12話感想
{netabare}
ましろのいるべき場所はさくら荘。
この辺は予想通りって感じでしたw

美咲先輩と仁さんの方も進展がありましたね。
仁さんも叫んだらよかったのにw
龍之介もリタに少し関心がでてきたみたいですし。{/netabare}

これで前半戦は終了かな。
物語も折り返しってとこですね。

13話感想
{netabare}
後半戦突入です!
2クール目に入ってOPとEDが変わりました。
ちゃんとリタも入れてくれてました
OPの方はすごく良かったんですが、EDの手抜き感が半端ないです(;゚∀゚)

物語が後半に入ったことでより恋愛の要素を強めてきました。
しかしギャグの手を抜いたりはしない素晴らしさ。
料理の件が特におもしろかったw
これから先の話がより楽しみになる良い展開です(^_^)v

空太とましろはまた変な感じになってしまいまして・・・
前も空太が落ちた時にこんな感じになったよね。
そんな中で七海とデートすることになるってなんじゃい!?そんなことをする暇があったら新しいゲームの企画を練りなさい。
そしてデートの権利を俺に譲りなさいw
美咲先輩も仁さんに勝負を仕掛けるためにイブに何か計画してましたね。

後半戦最初は女の子たちのアプローチ回でした。{/netabare}

14話感想
{netabare}
今回はめずらしく千尋先生が活躍したんじゃないか?
あの言葉があったからこそ空太とましろが元通りになれたと思うんだ。

だがしかし、報われないのが美咲先輩(T_T)
結局仁さんが何を言ってるのか俺も全然わかりませんでした
先輩立ち直れんのかな?

あと、空太がましろを好きだと言った時七海は何を思ったのだろう・・・
二人の前では明るく振舞っていたが、やっぱり内心スゲー泣きたい気持ちになったんじゃないだろうか。
でも空太のプレゼン資格ゲットによりそういった気持ちは全部吹きとんだようにも見えましたね。
がんばれななみん!
スカート姿も可愛かったぞ!!{/netabare}

15話感想
{netabare}
前回一人だけ報われなかった美咲先輩だがバッチリ復活してくれました。
やっぱり元気な先輩が一番いいですよね(^_^)v
よくやってくれたぞましろ!!あと妹ちゃんも!
仁さんは仁さんでちゃんと考えていてくれて安心しました。
何の意味もなく美咲先輩距離を置いた訳じゃなかったんだね。

空太に対するましろと七海の好感度もグングン上がっていきました。
それぞれ二人きりの時間のときに色々と見つけたものがあったみたいです。
七海の方は最後にましろが着ちゃったけどねw

あと空太のお父さんがおもしろすぎますw
見た目と裏腹に超ギャグ担当じゃないですか。
風呂での会話には爆笑しましたw
空太のツッコミスキルが妙に高いのは確実にこの人のせいですねw{/netabare}

16話感想
{netabare}
空太のプレゼンがついに通りました!!
千尋はなんだかんだでやっぱり良い先生だよね。

バレンタインが近づいてきてさくら荘の空気も何だかそわそわしてきましたね。
ましろや七海は一体どうするのだろうか?
そして空太のその答えは・・・{/netabare}

バレンタインってどこもかしこも恋愛ムード一色で、すごく楽しそうなイメージがあるけど、実際楽しいのはイケメンに限るよね(;゚∀゚)
俺みたいにアニメばっか見てるような残念な奴にはいつもとなんら変わりないつまらない一日が過ぎていくだけなんですよ。

だが、しかし!
今年の2月14日はいつもと違うのです。
さくら荘のゲームがPSPで発売されるので今年は一人でも寂しくないのさ!

・・・そうやって言ってる時点でなんかもう既に寂しいのです(T_T)

17話感想
{netabare}
話の内容自体はすごく良い・・・
良いんやけどあかん!!
このままやとななみん負け戦や(T_T)
自転車乗ってる時のセリフ練習でついに告白キタ━―━―━―(゚∀゚)━―━―━―!!とか一瞬思ったけど、まぁそういうわけにはいかんよねw
やっぱオーディションに受かってからじゃないと。

しかし、これでななみんルートに近づいた・・・かと思いきやましろとの屋上での出来事・・・
これはヤバい・・・
空太もうほぼ落ちてるわこれ(;゚∀゚)
結局空太はどっちを選ぶのだろうか?
頼むからななみんを泣かせんとってくれよ~(+_+)

ところで宮原くんのあの自転車の件は必要だったのかな?
何かちょっと不自然だったような気もするんですよね。
自転車だけ貸してくれて最初から空太一人の方がしっくりきたんじゃないかとw{/netabare}

18話
{netabare}
ようやく仁さんと美咲先輩が結ばれた感じですね。
空太と仁さんが殴りあった時はどうなるかと思いましたが、やっぱり自分の気持ちを思いっきりぶつけることは大切ですよね。(空太が一方的にボコられてただけな気がしないでもないがw)
仁さんには空太たちのような一生懸命になってくれる人がいれくれてホントに良かったです。
空太たちがいなければ二人が結ばれることはなかったでしょう。

まぁちょっと詰め込みすぎた感もあるんですけどね(;゚∀゚)
1話完結じゃなくて、2話ぐらいに分けた方が良かったんじゃないかと俺は思いました。

仁さんの話に目が行きがちですが、空太のゲーム制作の話も進んでいます。
優子の合格発表を見に行く時の三人の会話は見てておもしろかったですねw
ましろは嫉妬してるし、空太と七海は顔を真っ赤にして慌ててるし・・・
仁さんたちは無事ハッピーエンドだが、この三人の最後はいったいどうなるのだろう・・・{/netabare}

19話感想
{netabare}
さくら荘を取り壊すことが決まり、空太は初めてさくら荘に来た時のことを思い出していました。
空太が自分の部屋に入り、押し入れを開けたらそこには美咲先輩(宇宙人)が!

現在のシリアス展開とは打って変わっていきなりギャグをぶちかましてきましたw
美咲先輩とのコントはホントにおもしろいですね。
他にもさまざまな変人たちに翻弄され続けられたのも今では空太にとって良い思い出になっているのでしょう。

みんながどのような方法で取り壊しを阻止するのか楽しみです。
思い出のたくさん詰まったものをいきなりぶっ壊されるなんて納得がいくはずないですよね。

ただそれ以上に気になるのが、次回予告でのななみん・・・
おそらくオーディションの結果の話でしょうが、その結末やいかに・・・{/netabare}

20話感想
{netabare}
ななみん落ちちゃったのか・・・
それでも明るく振舞ってる姿が見てて辛いです(T_T)
ななみんが空太に伝えたいことがあるっていうのは一体どうなってしまうのだろう・・・
そこが一番気になるところです。

龍之介の過去にも色々あったんだね。
でも今は空太たち・・・さくら荘のメンバーがいてくれる
もう一人になることはないでしょう。{/netabare}

ところで最近の空太はやたらキレやすくないですか?(;゚∀゚)

21話感想
{netabare}
今回ヤバいなー。
ななみんが泣いてるところでガチ号泣してしまったよ(T_T)

努力しても報われない・・・
ほんとに世の中って理不尽です。

空太の方もタイトル審査に落選・・・
さくら荘取り壊しの署名も集まらず・・・
何もかもがうまくいかないという現実がそこにはありました。

暗い・・・話が暗すぎる・・・

そして責任を感じてさくら荘を出ていくましろ・・・
一体これからどうなってしまうでしょうか?{/netabare}

22話感想
{netabare}
神回でした・・・

さくら荘を出て行ったましろをみんなが必死に探します。
そして駅のホームでましろを見つけた空太・・・
ここでの二人の会話がヤバかったです。
ましろは「自分がいるからさくら荘が無くなってしまう」そう思っていました。
しかし、それは間違いでした。

「ましろがいるからさくら荘が無くなるのではなく、ましろがいなくなればさくら荘でなくなる・・・」

あのオンボロな建物がさくら荘ではなく、そこに住むみんながさくら荘そのものだということに気付かされました。

ここはホントに号泣・・・何か俺もう毎週泣いてる気がするよ(;゚∀゚)

七海は結局告白できずに終わってしまったみたいです。
ましろを探すためにかけていく空太を見送る七海がすごく切なかったです。
このシーン・・・「とらドラ」の「ジャイアントさらば」のとこを思い出しました。
{netabare}主人公が本当に好きな人のもとに行くのを恋に敗れたもう一人のヒロインが見送る{/netabare}ってとこがすごくシンクロしてた気がします。

千尋先生は物語が終焉に近づくにつれてカッコいいところを見せてくれますね。
何だかんだでさくら荘のみんなを信じているんですね。{/netabare}

23話感想
{netabare}
ついに卒業式が始まりました。
今回は「美咲先輩回」って感じでしたね。
さくら荘での様々な思い出を語ってくれて、空太や七海はもちろんのこと、千尋先生までもが泣いていました(T_T)
当然俺も泣きましたが何か?w

元生徒会長たちと仕組んでさくら荘の取り壊しも中止となり、大盛り上がりを見せました。
本当に良かったです。

すごく楽しんで見てた「さくら荘」も次回ついに最終回・・・
空太とましろ、そして七海の結末はいかに・・・{/netabare}

最終話感想

ついに終わってしまったかー・・・
一番楽しんで見てたアニメだけあって終わってしまった時の寂しさが半端じゃないですね・・・

でも原作はまだ続いているし、2期を期待しちゃってもいいんですよね?
だったら気持ちを切り替えていつも通り明るいレビューを書きましょう!
{netabare}
まずはななみん、お父さんとちゃんと話をすることができて良かったね。
これで堂々と声優になるという夢に向かって頑張り続けることができるし、まださくら荘に住むことができますね(^_^)v
ホントに良かったよ・・・
これでななみんだけ一人実家に帰らされるんじゃあまりに悲しすぎるもん。
こんどこそ声優になって、そして空太に・・・頑張れ!

仁さんも最後までカッコ良かったね。
駅でのプロポーズにはやられましたよw
・・・だから美咲先輩待ってあげようよ!
何一人で勝手に婚姻届だしちゃってるんですか!?
「二人で出しに行こう」って仁さん言ってたじゃん!!
あんなにカッコよく告白した仁さんがなんかかわいそうになってくるじゃないか(;゚∀゚)
これじゃあ帰って来た時もう苦笑いしかできないですよw

そして最後には新しいこーはい君たちも登場しました。
こんどはこのメンバーでどんなハチャメチャ騒動を起こしてくれるのでしょうか?w{/netabare}

俺はこの作品にどれほど笑わせてもらったのでしょう・・・
現実で悲しいことや辛いことがあってもこの「さくら荘」のおバカな日常を見てると自然と顔が笑っていました。

それと同時にこの作品一つで何回も泣かされました。
感動の涙もありましたし、悲しみ涙もありました。

たくさん笑わされて、たくさん泣かされて・・・
そして「夢を叶える」ための勇気をもらいました。
この作品に出合えたことに感謝です。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 138

84.9 18 恋愛で泣けるなアニメランキング18位
電波女と青春男(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (4331)
21086人が棚に入れました
宇宙人が見守ると噂される町で、叔母の家に住む事になった主人公・丹羽真。彼を待ち受けていたのは、布団で簀巻きになった電波女だった!しかも、地球は狙われているだの、自分は宇宙人の血を引くだの、言動も電波そのもの。だが学校では天然癒し系なリュウシさんや、モデル体型のコスプレイヤー前川さんと出会って青春を満喫……してみたり。 宇宙への憧れにのせてお送りする、ちょっと不思議な物語。

声優・キャラクター
大亀あすか、入野自由、加藤英美里、渕上舞、野中藍
ネタバレ

麦茶 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

バッサリ斬ります。

始めに言っておきます。

私がここまでアニメ・小説というモノに触れることで不快になった作品は他に例を見ません。
また、これは私が100%自分の主観によって書かれたレビューになります。度重なる個人的なアニメ観や私的な事情の垂れ流しが続くので、読んでいただく際はその点をご留意くださいませ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【バッサリ斬ります。】(2014.8/19)

この作品との出会いは原作が初でした。

作者の入間人間という方は、以前から物語シリーズで有名な西尾維新と比較される対象として話題になっており、「西尾維新をリスペクトしていて作風が似ている」との触れ込みから試しに1巻を少しだけ読んだことが始まりです。
まあこれが、この作者に触れる最初で最後の機会になるだろうとその時は思ったのですが、まさかのアニメ化。しかもシャフトが制作に携わっているということで、放送時は視聴しました。

正直なところ、私はこの両作者を同列で語られることにかなり疑問を感じています。

本文の方でも書いているように、このアニメについては個人的に気に入っていた部分もあったので途中まで視聴を続けてきましたが、とうとう耐えられなくなり断念しました。それにはやはり良アニメとの間にある圧倒的な壁が関係してきてまして・・・。
ただ、よく耳にする「好きの反対は無関心」という言葉があるように、逆にここまで私に嫌悪感を抱かせた点はある意味すごいことだと思います。これも心を動かされるという、一種の「感動」なんじゃないでしょうか。それが今回、私の視聴を継続させたひとつの要因になっていたかもしれないというのは、正直なところ否めませんね。

そんな感じで、今作に対しては既に悪意まみれな私ですが、ただ悪い部分だけをツラツラ挙げているとさすがに心が壊れて人間ではなくなってしまいそうなので、人間性を保てているうちに良いところを先に挙げたいと思いますw

【良かった点】

・ 主題歌がOP・EDともに最高

OP:Os-宇宙人(神聖かまってちゃん Vo.藤和エリオ)

いわゆる電波ソングと呼ばれるモノですが、藤和エリオ役の大亀あすかさんの特徴的な歌声が、より「電波らしさ」を上手く良い方向へ表現できていたと思います。しかもキャラの心境を表しているような歌詞がなかなか良くて、初視聴のときから好きになりました。

ED:ルル(やくしまるえつこ)

いやもう、安定のやくしまるえつこさんですね。相対性理論のときからのファンですが、個人的にこの方が歌うアニソンで外れたことは一度もありません。この人の歌声は本当に脳が溶けます。

・ 原作イラストを担当しているブリキさん原案のキャラデザが可愛い

僕は友達が少ない、凪のあすからでお馴染みの柔らかくふんわりとした印象を持つキャラクターデザイン。それは今作でも健在です。実は前者は見ていないのですが、そんな私でもキャラだけは見知っているくらいには有名ですよね。とても可愛いです。ところで、このキャラデザって妙に性的で股間にく(ここから先は血で汚れて読めない)

・ シャフトが作品の雰囲気と合っていた

「このアニメが良かったか」と聞かれたら評価にもある通り首を捻ってしまうのですが、シャフト作品としてアニメーションのみを評価するのであればなかなか悪くはありません。作画に関しては少し・・・というか途中からかなり崩れているところも目立ちましたが、良くも悪くも、この作品の雰囲気をシャフト以上に演出することができる制作会社は他にないと思いました。

・ エリオが襖に刺さったところは面白かった

ここだけ笑えましたw

・ 5話のメメさんの台詞は良かった

{netabare}「いーい?エリオ。これからはね、鏡を毎日見る生活をしなさい。」
「そうしたら貴女は、もっとたくさんの人に、好きになってもらえるから。」{/netabare}

この台詞は深くて大人の含蓄に溢れていたと思います。本人も言っていた通り、惚れ直す確率の高いとても良い言葉でした。


【悪かった点】

・ 青春ポイントとかいう設定が寒すぎる

基本モノローグで語られる、主人公が所謂「リア充」的な行動を取ったり、そういう状況に遭遇したときに心の中で増減させているポイント。これを獲得するのに命を懸けているらしく、これの有無で死ぬ間際の満足感が普通の人と天と地の差を生むとのこと。人生の過程はその結末のためにあるのだから、高校生活がいかに重要かわかるだろう、とまで言っていました。

こんなことを考えながら主人公が日常生活を送っていると思うと・・・ひ、ひえ~。
もうブルッときましたw

原作だと最序盤、しかも冒頭で既に語られていて、私のSAN値をガリガリ削ってきたのですが、アニメだと4話まで詳しくは言及されないみたいですねw それでも1話アバンで主人公がなにやらボソボソ言ってますが・・・。

・ 主人公がとにかくウザい、ヒロインたちも見た目以外可愛くない

その作品に触れる上でかなり重要とされる主人公が、前述した要素や、後述する内容も含めてまったく見ていて好感が持てません。

また、担当している入野自由さんの若い声質が、役柄と壊滅的に相性が悪いんです。声が合っていないわけではありません。むしろ高校生らしい声だと思います。ですが、この作品特有の気取った言い回しが、この若さと反発していて悪印象しか生んでません。つまり生意気で痛いガキに見えるということです。さらに、ツッコミ役だからというのもあるとは思いますが、色んなことに対してウジウジと悪態をモノローグでついたり、そのくせ表面では・・・みたいなのがもう△※□○×ワシャーーーーー!!

そして、そんな主人公を「何故か」取り巻くヒロインたち。

これに関してはこの作品に限った話ではないのですが、作者が女の子にやらせたい妄想を露骨に描写するだけの装置になっているかのような・・・ 「キャラの性格」に紐付けされた行動ではなく、「エロ」や「可愛さ」に紐付けされた不自然な性格を強いられている印象を受けます。後述するように命がまったく吹き込まれていないんです。
「お前らはこういうのが好きなんだろ?」っていう作者の思惑が透けて見えて本当に不快です。あまりこういう中二男子の妄想を具現化したような作品に対して無粋なことを言うのもアレなので、文句はこのへんにしておきますが・・・ ヒロインたちが何故主人公に取り巻いているのか、またああいう態度をとるのかは終始不思議でしたね。まあ好きになるのに全部理由が必要ってこともないですから、この件に関してはスルーがいいと思います。理屈じゃないんですよ。

ただ、エリオに限ってはOPの歌詞にもあるように、主人公に惹かれる理由は多少理解できました。
しかし、実は私がこの作品内で一番苦手なヒロインがこのエリオだったりもして・・・。キャラの性質上仕方がありませんが、担当声優さんの「萌え」を意識した演技がものすごーく鼻についてしまって、その後の鶴田姫子役(咲-saki-)のときは普通にいい演技だっただけに残念です。

リューシさんに関しては、もう言葉もありません。
強いて挙げようとすると暴言しか出てこないのでここでは自粛します。というか、私がこのアニメの視聴に耐えられなくなったのはこの子のせいなので悪い印象しかありません。このキャラは苦手ではなく、嫌いです。

・ キャラクターに命が吹き込まれていない

主人公のモノローグや台詞が本当に・・・ 本当にもう、油断すると垢BANされかねない言葉が次から次へと止まらなくなりそうなくらい壊滅的に殺人的に悲劇的に最悪です。それはモノローグに留まらず、日常会話にまで現れだし、そしてなんと主人公以外の登場キャラも似たような台詞を吐き出す始末。

なんて言ったらいいんでしょう。
率直な印象を挙げるとすれば「ラノベの悪い部分だけを切り取ったような会話」。

内容がカラッポなものを、わざわざ無駄に遠回しに、無駄に大げさに演出するだけの寸劇。
それ故に台詞が無駄に長くなり、会話のテンポがこの上なく悪くなっています。これは原作を読んだときでさえ既に感じていたので、アニメ内でひとつの「シーン」としてあの会話劇が描き出されると、もう得も言われぬとてつもない化学反応を起こしていました・・・。

そして、私が寸劇と称したのは、それを、キャラクター(作者)が「自分たちは面白いことをしてますよ~」と言わんばかりに垂れ流して、誰かに見せびらかしているような不自然さがあるからです。まあ視聴者が見ているのだけどもw それをメタ的な意味合いで滑りネタとしてやっているのならまだ笑えますが、真面目に面白いと思って努めているとしか思えないキャラクターたちが手に負えません。

そんな薄ら寒さが端的に言えば「痛い」です。

少しキツイ言い方をすれば、よくこういう作風に対して巷で使われている(私は全く賛同できませんが)「言葉遊び」というものに影響を受けた凡才が、ちょっと頭のよさげな言葉を並べてみました、という具合。
物語を作る上で「言葉遊び」を技法として取り入れるのではなく、「言葉遊び」をしたいがために物語を構成している。言わば目的と手段が入れ変わっている状態ですね。それが文章やアニメを見ているとかーなーり伝わってくるんです。

これらはどう見ても『言葉遊び』などではなく、ただ『言葉に遊ばれている』だけです。

ここが西尾維新と入間人間の一番の差、そして、実力の違いです。
「そこに本物になろうという意志があるだけ、偽物のほうが本物よりも本物だ。」と某作品内で西尾維新さんの手がけたキャラは語っていますが、全然そんなことないじゃないですか。あんまりですよ偽物さん・・・。

西尾維新の会話劇は、無駄がない。
入間人間の会話劇は、無駄で構成されている。

西尾維新の会話劇は、中身はないが内容はある。
入間人間の会話劇は、中身がない上に膨らませる。

西尾維新の会話劇は、登場キャラの性格に紐付けされている。
入間人間の会話劇は、作者のこうさせたいという妄想がキャラに紐付けされている。

西尾維新の会話劇は、それを構成する上で作者の技量が要されている。
入間人間の会話劇は、作者の技量を披露するためにそれが構成されている。

「電波女と青春男」に限らず、このような要素を感じる作品は少なくありません。
それが本作では露骨に表れているだけであって、たとえ作品自体が本質的に上記のような作られ方をしていなかったとしても、視聴者にそう感じさせる描き方や魅せ方に問題があるのだと私は思っています。

例えば、キャラクターの場合。

とある物語の作者とその視聴者がいたとして、作者が視聴者に対して何らかの思惑を吹き込んだキャラを作ったとします。それは楽しさだったり、エロだったり、萌えや可愛さだったり。まあどんな作品でも魅力的なキャラは必要ですし、ある程度こういう思惑は誰しもあるものだと仮定します。
しかし、その思惑があることを認識しているのは作者だけなので、たとえ視聴者が裏を知っていたとしても、その作られたキャラは本来ひとつの人格として自然に映りますよね。楽しくて笑う、悲しくて泣く、嫌なことに怒る、これらが作者に意図されたものではなく、登場人物が自立して表現しているように見えるからこそ、キャラクターとして物語の中に存在できるのです。
ところが、この「作者の思惑」が透けて見えてしまうと、その瞬間初めて、キャラクターの性格がウケを狙っている「作り物」だと視聴者に認識されてしまいます。そうなれば当然そのキャラクターの魅力や可愛さを形作っている人格は破綻し、いわゆる「命が吹き込まれていないキャラ」の出来上がり。そんな作者の妄想や願望をたれながす空っぽの操り人形を見ても萎えるだけです。

そこをキャラの魅力を内包しつつ、上手く狙っていると認識させないようにできるかどうかが、本質的な意味での「キャラクター」を作るために必要なことなんじゃないでしょうか。

まあハッキリ言ってしまうと、入間人間はこれができてないんですよね。
そういうこともあって、両者の作品には一万歩譲って作風が似ているという見方ができても、これら埋めることのできない圧倒的な差異が内容の質にあるということ、そもそもプロと素人くらいやっていることが全く違うんだということを、素人の私に声を大にして叫ばれちゃってるワケです。


入間人間は、どうしようもなく、偽物なんです。


今回、たまたま制作がシャフトだったこともあり「電波女と青春男」というアニメに触れることになりましたが、このレビューで語った内容は今作品に限った話ではありません。最近の、こういった何を真似たのかいかにもなラノベ特有の言い回しと、作者が狙っているとしか思えない露骨で安直な「萌え」がとても顕著です。

それは、アニメとしては2006年の「涼宮ハルヒの憂鬱」からだんだんと増えていき・・・ やはり、この作品が世に与えた影響は消費者・生産者問わず大きく、作者の意図はどうあれ、特にキョンを意識しているかのような台詞回し、モノローグが多くの作品から垣間見えてくるのが痛々しすぎます。それを作者が小洒落ていると思って書いたと思うとますます身の毛がよだちます・・・。

ああいうのは、何度でも言いますが「物語を構成する要因のひとつ」としての面白さだから許されているのであって、先述したように、「面白いことを書こう!」という作者の思惑を具現化するための物語であってはならないんです。「人間」を描くことができないのなら、心の機微を表現できないのなら、始めから何でもありのギャグ作品かキャラの魅力を引き出すことに終始する日常系作品を作っていてください。


貴方たちが作ろうとしているのはラブでもコメでもありません。


さて、そろそろ区切りもいいですし、私は毒を吐きつくして疲れてきたので、このレビューもここらへんでお開きにしたいと思います。始めにも言った通り、今回の感想は100%私の主観に基づくものなので、痛々しい奴の戯言程度で解釈していただいてかまいません。ですが、私が伝えたいことはほとんど書けたと思うので、個人的には大満足です。
ただ、これはもう批判や感想というよりは八つ当たりに近く、今まで似たような作品に触れて溜まっていたものをこの場を借りてすべて吐き出したようなものなので、正直支離滅裂な内容になっていることは否めませんねw
また、他作品に対するフラストレーションも一緒に解消できたので、これからは清々しい気持ちで、またいろいろなアニメを視聴していける気がします←


「 それでは皆さん言ってみましょう、腹の底いらずの淡白なセリフで。」


これが、私のレビューを読んでくださった方が最初に浮かべるべき、正しい感想だということを念頭に置いて、今回の一連の自己満文章を終わりたいと思います。最後までお付き合いくださってありがとうございました。


「 さん、はい、『あっそ』。」


ほんとに鳥肌立つなァこの台詞・・・w

投稿 : 2024/09/07
♥ : 15

アラジン♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【ネタバレ有】 「自分の中の“現実”を書き換えることが出来るかどうか…!」

  
 正直な感想としては、なかなかに“評価が難しい作品”だと思う。


 例えば、“物語”だが、このサイトの評価でも☆3.4となっている通り、あまり高く評価していない人が多いのが現実であり―、確かに、客観的に観れば☆3.5~☆4.0の間くらいが妥当なところだろう。


 ただ自分としては、表面上のストーリー以上に、深く読み解く要素が数多くあり、そこら辺にある、“内容の無いアニメ作品”とは異なる作品だと感じた。



 まず、簡単にこの作品を説明すると―、
 ―自分のことを宇宙人だの超能力者だの言う、“痛い女の子たち”と、この手のラノベ原作のアニメにつきものの、とにかく“ツッコみまくる主人公”が織り成す、「日常系アニメ作品」である。



 評価が難しいと言った理由は、これから説明する“2つの大きなテーマ”にある。


 1つめのテーマは―、
 ―「宇宙人(や超能力者)の存在を信じるか否か―」
ということである。

 実にシンプルなテーマだが、これが、この作品の“キャラ”や“キャラの考え”、また、“主人公に起こる出来事”などを考える上での、全ての中心であり、“作品そのもののテーマ”と言っても過言ではない。


 具体的に言うと、(上でも述べたとおり)、この作品には、“電波的な痛いキャラ”がたくさん登場するわけだが―、
―このテーマに関して言えば、“自称・宇宙人”のヒロイン・“エリオ”と、“自称・超能力者”の“星宮社(ほしみややしろ)”、そして、そんなことを全く信じていない、いわゆる“普通”の高校生、主人公・“真(まこと)”がメインとなる。


 初めに釘(くぎ)を刺しておきたいが、宇宙人の存在の有無に対して、答えを出すことが論点ではない。
この1つ目のテーマをもっと正確に言うなら―、
 ―「自分の固定概念を打ち消して、全く別の見方や考え方をすることが出来るかどうか―」
 ―「自分とは全く違う考え方に出会ったとき、それを受け入れることが出来るかどうか―」
ということである。


 (上でも述べたとおり)、真は、宇宙人や超能力者を全く信じていない。
 つまり、(現実世界で“宇宙人信仰”をしている人たちを除けば)、真とは自分たち視聴者の“分身”であり、“自分に投影して”考えることが出来る。



 ストーリーに沿って見ていくと―、
 ―“真”は初めから、“エリオ”が宇宙人だとは思っておらず、事実、第4話において、エリオは、“記憶喪失による心の傷を隠すために、自分を宇宙人だと思い込もうとしていた…”ことが判明する。

 つまりはここで、(自分たち視聴者も)、この作品がより“現実的な”世界観の作品だと確信し、エリオが普通の生活に戻っていくことに、今後の話を持っていくものだと思ったわけである。


 そしてその後に、自称・超能力者の“星宮社”が登場するわけだから、真同様、「またか…」という気持ちになり、当然、彼女のことを“痛い女の子”という扱いしかしなかった…。

 しかし、この星宮社の“最終話での言動・行動”により、真含め自分たち視聴者も、今までの考え方を改めさせられることとなる―。



 何度も言うが、“最終話の最後の最後”まで、真含め自分たち視聴者も、「宇宙人・超能力者などは(この作品内においても)存在せず、電波的な人たちが虚言を吐いているのだ―」、というのが共通の認識であった―。

 しかし、最終話の最後の最後に、星宮社は「超能力を見せてやる!」と言い、真の目の前に、隕石を落とし、彼女は姿を消す―(原作ではこの後も存在が確認されている)。

 そして何度も、“最後の最後”と言っていることからわかる通り―、その後、頭を整理する間もなく、この作品は終わる訳だから―、真含め、自分たち視聴者も、「果たして何が正解で、どこからどこまでが本当なのか…」が曖昧になったまま、この作品は終了するのである…。


 それまで、全く信じてなど無く、日常系の“ほのぼのとした気分”でいたわけだから、最終話のラストのあの“衝撃”は、その振り幅で凄まじいものがあった―。

 そしてこの最終話の“隕石事件”によって、今までの考え方(事実としてとらえていた、超能力など存在しないという出来事全て)を見直す必要が出てきたわけである(…のだが、(真同様)確認する術はない)―。


 そしてここで原点に帰すわけだが―、この作品は最終的に、“果たして何が正解か、どこまでが本当か、を確認することが出来ない”―という状況で幕を閉じる。

 それはすなわち、上でも述べたテーマそのものであり、“宇宙人・超能力者の存在の有無を確認すること”…ではなく―、

 ―「自分の固定概念を打ち消して、全く別の見方や考え方をすることが出来るかどうか―」に帰るのである―(作中でも真は、おそらく前よりは、その存在を信じている様である…)。




 そしてもう1つのテーマは―、
 ―「自分が不利な立場になると分かっていても、多勢の意見に飲まれずに、自分が正しいと思う道を進めるか―」
ということである。


 これこそが、この作品をただ低評価にするか、そうしないかの“境界”であり―、1つめのテーマに隠れたこのテーマこそが、この作品の評価をどうするか考える上での岐路(きろ)となる…わけだが―
 
 ―自分としては、この2つ目のテーマこそが、この作品の“本質である”ことを確信している。



 (以下、少しストーリーの説明―)、

 “エリオ”は記憶喪失からくる心の傷を隠すため、自分のことを宇宙人だと言い、学校を中退して、体を布団でグルグル巻きにして街を徘徊(はいかい)していた―。

 その結果、同級生や街の人からも“変人”扱いされ、“忌み嫌われた存在”になってしまっていた…。

 しかし、彼女は、真の活躍もあって、自分は宇宙人ではないと自覚するようになり、少しずつ、過去のトラウマを乗り越えようとしていく―。

 そこで彼女は―、学校には戻りにくく、母親へのお金の気遣いもあって、働くことを決意する…のだが、社会は簡単に彼女を見放す―。

 街でも有名な変人の彼女を雇ってくれる所は無く、面接は全て落とされてしまい、彼女はひどく落ち込むが、そんな彼女に真は優しく手を差し伸べる―。



 …というのが、簡単なストーリーなのだが―、
 ―“フィクション”の世界に“現実”が入ってくると、こんなにも一気に、寂しくて切ない世界になってしまうのかと思った―。

 彼女は確かに、人とは違う言動や行動をとっていた。
 しかしそれは、心に傷を負ってしまっただけ…、進む道を間違えてしまっただけ…なのに、バイトの面接を断られたとき―、ふと急に…、それまで“フィクション”だった世界に、“現実の無慈悲さ”のようなものが入ってきて―、

 ―なぜこんなにも、現実は、現実の人たちは冷たいのだろう…、どれだけ自分中心なのだろうか…、と切なくなり、観た当初は、正直怒りさえ覚えた…(もちろん、これがフィクションだと分かっているが、“現実を投影した”フィクションであるが故である…)。


 その後、母親のおかげで、エリオは、おばあさんが経営している駄菓子屋で働くことが出来るようになる、…のだが―、

 ―ここでも、彼女が働いていると知った、元同級生たちは、「彼女が働いているからもう来るのはやめよう」と言って来なくなる…。


 そんな彼女を真は支えるのだが、それまで、すごく“良い人”だった真の友達・“流子(りゅうこ)”までもが―、
 ―「藤和(とうわ)さん(=エリオ)と仲良くしているところを他の人に見られたら、丹羽(にわ)くん(=真)まで疎外されちゃうよ」と言う―。
 (この後流子は、「私って嫌な奴だよね…」と、真に言うが、ここで自分の好きな男の子(=真)に対して、“保険”のようにこういうことを言う事がすでに、自分の中では“アウト”である―)。


 だが、この流子の言葉は、実に“現実的”で、“弱い人間が社会を上手く生きていく上で”の正論だと思う…、
…が正しいとは全く思わない―。



 (ここから少し感情的になるが、失敬…)


 現実でもよく見る光景―。
 自分中心に物事を考えたとき、まず真っ先に“周りの目”を気にする。そして自分の可愛さあまり、自分はその人・ものを嫌いではないのに、“周りに同調して”、嫌われものを避けるようになる―。

 どうして気付かないのだろうか―。
 そこでどうするのが一番かっこいいかを―。どうすれば何より“自分を嫌いにならずにすむか”を―。

 それがその先、もっとつらく、きつい場面に出くわした時の、自信になり、打開するきっかけになることを―。
(経験則から言わせてもらえば、“年齢以上に立派な人間”は、こういうことの蓄積からきている―)。

 それこそが、その瞬間分かる人と、分からない人の差であり―、“大した人間”と“大したことない人間”の差なのだと思う―。



 (ここからは真の言葉だが―)、

 ―「自分に対する言い訳さえあれば、人はどんな間違いも、後悔も乗り越えられる―。」
 もしここで、エリオを見捨て、自分も周りと同じ、“大したことない普通の人間”になっていたら…、おそらく死ぬ間際、いや現実ならそれ以降ずっと、後悔の念が頭から消えることはないだろう―。

 けれど、その瞬間は周りと切り離されようとも、自分の心の中で正しいと思った行動をとったのなら―、しばらくの間、きつい日々を過ごしたとしても、間違いなく、心はきっと晴れていると思う―。



 ここまで書いてみると、この考えに至れる“真”は、決して、“ただの普通の高校生”ではなく、“勇気ある立派な人間”だと気付かされる―。

 そしてこれこそが、(また原点に帰るわけだが―)、
 ―「自分が不利な立場になると分かっていても、多勢の意見に飲まれずに、自分が正しいと思う道を進めるかどうか―」ということである―。



 この作品は、物語自体に“厚み”はない―。
 なので、低評価にするのも間違ってはいないと思う。

 しかし、この作品は、この“2つの大きなテーマ”に沿って観てみたとき―、決して“内容の無い作品ではない”ことが分かり、改めて考えさせられることだろう―。
 
 要は、“自分たちの受け止め方次第”ということである―。


 (それと最後になったが、OPは中毒性があるので注意!)

 (終)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 15

くろゆき* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

友達ってのは酸素でも水でもない。 どちらかというと嗜好品の分類だよ。

しゃべるときは布団をかぶらずに


原作はライトノベルな本作品。
タイトル通りな電波なOP曲は始まりの印象としてはインパクト大だ(苦笑)
歌詞を聴きとるのが難しい・・・w
私はもちろん原作未読

基本的なストーリーはラブコメ・・・?
両親の仕事の関係で叔母の家に行くことになった主人公は
独身なはずの叔母の家の玄関先で簀巻きになっている少女を見つける、
その少女は自分を宇宙人だと自称する少女だった。という感じだろうか?

第一話、主人公の長いひとり語りからストーリーが始まる。
もうぶっちゃけ、ハルヒのキョンから何人目だという自分語りだが
これこそライトノベルの主人公的な匂いがプンプンと漂う。
自分語りをする主人公=世間と一枚壁をはさみ他人や自分を客観的に見れツッコミ役、
そしてラノベのような世界観に憧れてはいるが至って普通という
印象が私の中ではついてしまっている、本作品の主人公はその印象通りと言えるだろう

そしてヒロイン、これがもう、強烈な印象。
主人公が叔母の家に上がった瞬間、玄関先で上半身を布団にくるんで
足だけ出ている状態で寝ているという・・・うむ(苦笑)
更には喋っても「何喋ってるんだ?!」という状態。
演じられた大亀あすかさんはベストな配役だった。

ただ、このヒロインが「電波」というのか、「可笑しい人」なのかが
私の脳内では判断しかねたが少なくとも「電波女」というキャラ付けとしては印象大だ。

その後もストーリーが進めば進むほど電波なキャラが出てくる。
電波女の母親は39歳なのにキャピキャピ、
主人公のクラスメイトはコスプレ少女にヘルメット少女、超能力少女と
非常に濃ゆいキャラクターたちばかりだ。

同時にシャフト独特の演出と角度も光る。
ただ、絶望先生やひだまりスケッチ、魔法少女まどかのような
癖の有り過ぎる演出は本作品ではあまり見られず見やすい。
内容が電波でぶっ飛んでいるので演出は控えめにしたのだろうか?
確かにこの内容であの演出をやられると、くどすぎたかもしれない。

しかしながら、その分作画のレベルが異常に高い。
原作絵を書いているブリキさんの絵を再現できるのか!?と
アニメ化前は話題になっていたが、作品でのキャラクターの作画とデザインは
ものすごく可愛く描かれており、雰囲気も抜群だ。
電波女の初脱皮?シーンでの光の粒子など神秘的に見えた

この可愛さに関しては、原作ファンの人が「ブリキ絵の再現」について
こだわっていたのが納得出来る。
キャラクターデザインがかわいすぎる上、独特の雰囲気を醸し出している。
この雰囲気こそがブリキ絵であることを実感しました

特に4話以降のエリオの可愛さはなんだこれというぐらいに可愛い
ストーリー的には主人公を中心としたハーレム的ラブコメなのだが
エリオの言動や行動が可愛すぎる。
だが、同時に6話あたりから作画のレベルが下がってしまっているのが残念だ。
6話から最終話まで作画が安定しない部分が出てしまったのも評価を下げる点になった

同時に一話からセリフ回しがうざい。
製作が同じ「化物語」では独特なセリフ回しとキャラたちとの会話が楽しめたのだが、
本作品ではそのセンスがなく、ネタを散りばめただけで面白みのないひねった会話は
ストーリー進行を遅くしているだけで、いらいらが募ってしまった。
同時に電波女のSF的電波要素は涼宮ハルヒの憂鬱の長門の設定を感じさせた

簡単にいえば「西尾維新に憧れる作家」が描いたんだな~と感じる、
だが、劣化コピーのような印象はどうにもオリジナリティをだそうとしすぎていて癖が強い
喩え話というか比喩表現がヘタでピンとこず、最終話までそこに面白さを見いだせなかった
化物語を納豆とするならば本作品は納豆にケチャップいれた感じだろう
この組み合わせを受け入れる人にはグッとくるのかもしれない。

ただストーリー的にメリハリが薄い。
序盤の1話~3話までの電波女事エリオが自分を宇宙人じゃないと自覚するまでの
ストーリーはラノベの一巻らしく勢いがあり、見やすいのだが
4話以降の展開は平凡的で電波的要素も薄くなっており、青春ラブコメって感じだ。
ストーリーの方向性が見えないというのが最大の原因かもしれない

爆笑できるようなセリフもなければ、感動できるようなストーリーでもない
黙々と「キャラの可愛さ」を堪能するための補助的ストーリーにしか過ぎず、
そのための濃すぎるキャラ設定という印象が強く残ってしまい
キャラ萌え以上の魅力を本作品では見いだせなかった。

個人的にはエリオが可愛かったと同時にリューシも可愛かった。
だが彼女、リューシが主人公を好きになるきっかけがまったく描かれず
一話の時点から主人公にベタぼれっぽい感じだったのは非常に気になった
初登場して次の登場のときくらいにはもう好意を見せており、
3話が終わる頃にはすでに主人公に恋愛感情がある感じだ。

同時に終盤で唐突にもう一人のヒロインである前川さんが
主人公に対し好意をいだきアピールしだしたのが驚いた
そのハーレム状態に対しての主人公の魅力を感じない。
まあ・・・ラノベの主人公らしいといえばそれまでだが(苦笑)

全体的にキャラクターの設定が先行しすぎており、それにストーリーがついて行っていない。
エリオの電波設定も序盤のみ、リューシの恋愛要素も唐突、新キャラの登場も唐突と
ストーリーに脈絡がなく唐突に進んでいく展開が多く
物語が進んでいるのか止まっているのか、物語の方向が何処に行っているのか
今期ではわかりづらかった。
特に新しい宇宙人が出てきた終盤はどうしたいんだろう・・・という感じが強まった

ストーリー的にも完結してないのが評価を下げてしまったポイントだ。
震災の影響で一話切れたせいもあるのだが、全12話観終わった後に
1つの作品を「観終わった感」が薄く、回収されていない伏線や設定も多い
2期があれば、ストーリー的にもすっきりした完結を見られるかもしれないが
その前にDVDに収録される震災の影響で放映できなかった話が気になる。

2期があれば見たい作品ではある、だが2期のストーリー展開が
一期と同じ感じでストーリーが進まない、方向性が見えないのであれば
見るのがどんどんきつくなっていく作品になってしまう可能性がある。

個人的には中盤は楽しめたのだが、序盤と終盤が何とも言えなかった。
リューシもエリオも確かに可愛い、だが、ストーリーが楽しめなかった・・・。

恐らく賛否両論が恐ろしいまでにはっきり分かれる作品だ。
エリオやリューシの可愛さにやられてしまった紳士はストーリーも楽しめるだろうが
エリオにどん引きし主人公をウザク感じてしまった人は楽しめない。
第一話でこの作品を見るか見ないかを決めることをおすすめしたい。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 8

69.3 19 恋愛で泣けるなアニメランキング19位
戦場のヴァルキュリア(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (666)
3856人が棚に入れました
時は征暦1935年。ヨーロッパ大陸は東西の二つの大国に分断されていた。
鉱物資源・ラグナイトをめぐり勢力争いを広げる専制君主国家「東ヨーロッパ帝国連合(通称・帝国)」と、王政を廃した共和国の連邦国家「大西洋連邦機構(通称・連邦)」の両国がついに開戦する。
争いは、武装中立を国是とする小国・ガリア公国へも飛び火し、国境の町・ブルールで出会った少女アリシアと青年ウェルキンは、「必ず故郷へ戻る」ことを誓い、義勇軍への入隊を決意する。

声優・キャラクター
千葉進歩、井上麻里奈、櫻井孝宏、桑島法子、皆川純子、乃村健次、田中敦子、福山潤、大原さやか、大塚明夫、大塚周夫

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

戦場の荒野で育まれる愛・・・

この作品の原作は未プレイですが、PCやPSを媒体に複数作のゲームが制作されており評判も上々・・・そして、何よりジャケットの女の子が可愛いとなると俄然興味が湧いてくるわけですが、今回は皆さまのレビューのタイトルを少しだけ拝見させて頂きました。
2クールもの作品を全くの無知で挑んでいく事に少し抵抗があったので・・・^^;
目についたキーワードは「恋愛ファンタジー」で、この一言が私の背中を後押ししてくれて・・・今回の視聴に至りました。

この作品の舞台は架空のヨーロッパ・・・そして人類は大きく3つの民族が存在しています。
現代の世界を征する大多数を占める一般人類、超人的な力を備えたヴァルキュリア人、そしてかつて大陸を手中にしていましたがヴァルキュリア人によって打ち倒され、現在では差別される民族として苦汁の生活を送るダルクス人です。
そして、物語は自国の領土を広げようとする戦争の真っ只中・・・ガリアの義勇軍を構成している小隊を中心に動いていきます。

この作品の主人公はガリア義勇軍第7小隊長のヴェルキン・ギュンター・・・かつて「ガリアの英雄」と称えられたベルゲン・ギュンターの息子なのですが、大学で生物社会学を専攻する彼は、戦という単語が凡そ似つかわしくなく、生物のスケッチを趣味とするのんびりで穏やかな性格の持ち主です。

ですが祖国の保有する資源に目を付けた他国からの攻撃を受けたことをきっかけに戦争が始まってしまい・・・徴兵制度という法律の名のもとにヴェルキンも戦争に参加することを余儀なくされてしまいます。
そして、ただでさえ戦争が不似合いであるヴェルキンに課せられた枷はそれだけではありませんでした。
英雄の家系に生まれ育った彼は義勇軍の一個小隊の長になってしまうのです。
もともとは祖国を守るため・・・ですが戦争に出る前から守るべきモノが膨れ上がったヴェルキンでしたが、彼の冷静な判断と奇策が部隊の危機を何度も救うことになるのです。
こうしてもともと最前線で血を流している兵から決して快く思われる事のない士官候補生である彼は、自らの行動で仲間の信頼を勝ち得ていきます。
「部隊が危機を乗り越える」
言葉にすると単純ですが実践し・・・繰り返していく事はとても難しい事だと思います。
それが自らの生命のかかった戦争なら尚更です。
それをやり遂げられるのは、小隊の皆んなが隊長に命を預けているからに他なりません。
そして隊長はそれを自覚し・・・その責務を果たすためにあらゆる方向から物事を捉え、常に最適な答えを選択し続ける・・・
ヴェルキン隊長率いる第7小隊の人間模様・・・とても魅力的に描かれています。

そしてこの第7小隊・・・隊長が優秀なだけではありません。
傍らで隊長をサポートし続けるヒロインのアリシア・メルキオットも絶対に外せない存在です。
彼女は頭にスカーフを付けているのですが、そのスカーフは彼女がパン職人である証なんです。
例え戦争の様な過酷な状況でも自らの本分を見失わない・・・それだけでも十分に彼女は魅力的なのですが、明るくて・・・優しくて・・・正義感に溢れていて・・・そして愛くるしい彼女は、まるで第7小隊の太陽みたいな存在でした。
レビューの冒頭に記載した「恋愛ファンタジー」の鍵となっている彼女・・・彼女の一挙手一投足からは決して目が離せません。

アリシアが太陽なら第7小隊のお月様は、ヴェルキンの義理の妹であるイサラ・ギュンターだと思います。
イサラは・・・ダルクス人です。どの様に生まれるかなんて人に選択肢はないのに・・・彼女はきっとこれまで数え切れないくらいの偏見の眼差しに耐えてきたんだと思います。
その様な自分の持つハンデを理由に横道に逸れてしまう・・・或いは自分への下手な言い訳で本心を誤魔化そうとする・・・人間の心は弱し傷つくのも苦手だから仕方無いことだと思います。
イサラの偉いのは、周囲の目線に動じることなく、誹謗中傷にも怯むことなく自らの使命に没頭するんです。
彼女は亡き父が残してくれた「エーデルワイス号」という戦車の操縦士兼整備士なのですが、小隊の皆んなのため常にエーデルワイス号を最高の状態に整備し続けるんです。
小隊の中にはダルクス人を許せないくらい憎んでいる人もいるというのに・・・
私の中で言動に一番心が震えて・・・涙で前が見えなくなった存在だったと思います。

一部のキャラの紹介しかできませんでしたが、他にも魅力的なキャラがたくさん登場します。
戦争の行方・・・戦場で育まれる愛の行方・・・見どころはたくさんある作品だと思います。
圧巻の全26話でした。気になる方は是非本編を視聴してみて下さい。
視聴者が納得できる範囲までしっかり描かれていたと思います。

いま悩んでいる事・・・アリシアのフィギュアの出来が良いんですよね〜
とネットで見ていたらAmazonからアリシアのフィギュア情報がバンバン入るようになっちゃいました^^;
何度も見ていると・・・ホントに欲しくなるんですね^^;
これって新たな商法なの・・・^^;?

投稿 : 2024/09/07
♥ : 21

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ゲームの番宣。ゲームに興味のある人用。

2009年4月TV放送された。全26話。製作はアニプレックス。
2008年4月24日発売PS3用ゲームソフトを元に制作された。

途中で中弛みに感じて8話迄で視るのやめてしまった作品。
進行方向と結末には凄く興味があったので機会があれば。

少し興味はあったので改めて一話から視聴。

感想。矢張り視ない方が良かったと・・後悔が多い。
※描きたいのは恋愛でウェイト8割。後は盛り上げる演出。
至るところでナンセンスな恋愛模様が繰り広がられる。

設定&概要。
作品の全体像は、恋愛45%/戦闘25%/仲間との交流30%程度。
"戦闘中"も含めて"恋愛"の要素は全体的に振り分けている。

架空のヨーロッパが舞台。※異世界風の時代改変もの??

ガリア公国が物語の中心。征暦はヴァルキュリアと呼ばれる
超人的民族がダルクスと呼ばれる民族を打ち倒したとされる
年を紀元として、純血種が絶滅しているという世界観。

"1930年代"でヴァルキュリア人は伝説や神話、御伽話の存在
となっている。一方ダルクス人は被差別民として存在し続け
ており、作中にも幾人かのダルクス人が登場する。

"ラグナイト"と呼ばれる鉱物資源があらゆるエネルギー資源
として使われ、ガリア公国はラグナイトの産出国である事を
要因に戦争に巻き込まれている。


感想。

物語の設定上、人種差別を大きく描く事も多い。
緩いラブコメ風の描写が殆どなので、そういう部分だけ重く
リアル追求風に表現する所は歪で余り良い印象は受けない。
時代改変ものかと思いきや・・異世界ファンタジーな作品。
女の子が変身ヒロインものみたいに沢山出てきてパンツ見
せる作品と変りない。(パンチラ無いけど)

"1930年代"風の戦場でミニスカートで生足出して・・大きな
リボンで長髪の兵士は・・戦場を駆け抜けて敵の銃撃を受けて男に庇われ倒れた時にラブコメ演出とか巫山戯た作品。

ラブコメ風描写だったり・・終始恋愛ごっこしてる最中での
戦争描写で重みはない・・そしてやたらと差別的なキャラが
多く登場するので・・苛っとするだけで余計重みがない。

1話目・・名乗れば済むのに何度も機会がある中でも余計な
無駄話して名乗らないで済し崩しに巻き込まれていく演出。
此れは流石に主人公の性格を表すにしても稚拙過ぎる。

8話迄ベタッと軽いラブコメモードで何がしたいか意味不。
以降ヴァルキュリア人云々の伏線で戦争以外に陰謀がある
という描写になるけど、一旦お預けで2クール目に入る。

色々な登場人物の恋愛模様描写が殆どで演出の為のゲリラ戦
や白兵戦・・18話辺りで肉親の死の演出で恋愛補強って・・

作品である以上演出は必要だし抑揚のない物語を商品化する
筈もなく・・戦場では人は死ぬものだ。ただお涙頂戴演出が
過剰に多い。抑揚がない作品の緩急が其処だけでドン引き。

肝心の恋愛模様も・・主人公に全く魅力が感じられず・・
アリシアとコーデリア姫のダブルジャンヌのような雰囲気。
イサラの死を乗り越え・・盛り上がっていく??と思わせ

ヴァルキリア人一人で戦局が変わる程のファンタジー作品。
※ゲームを知ってる人には楽しめた作品かもしれない。

クライマックスも子供が書いたような馬鹿馬鹿しい展開。
シュールなギャグアニメを視ている感じでした・・

ミリタリーモノを余り視た事無い人やファンタジー作品と
して視るならそれなりの気もするけど地味で殆ど恋愛描写
の為の演出なので見終わっても此れじゃ無い感が半端無い。

キャラデザはそれなりだったかな?程度・・




キャスト。

ウェルキン・ギュンター 千葉進歩
アリシア・メルキオット 井上麻里奈
ファルディオ・ランツァート 櫻井孝宏
イサラ・ギュンター 桑島法子
ロージー 皆川純子
ラルゴ・ポッテル 乃村健次
エレノア・バーロット 田中敦子
マクシミリアン 福山潤
セルベリア・ブレス 大原さやか
ラディ・イェーガー 大塚明夫
ベルホルト・グレゴール 大塚周夫
ラマール・ヴァルト 成瀬誠
ダモン将軍 塩屋浩三
エレット 進藤尚美
スージー 戸塚利絵
ヤン 平井啓二
イーディ 鹿野優以
ホーマー 庄司宇芽香
オスカー 外村茉莉子
エミール 日比愛子
マリーナ 阿川りょう
カロス 坂熊孝彦
アイシャ 井上ひかり
ハンス 池田千草
コーデリア姫 能登麻美子
ボルグ 柴田秀勝
ザカ 中井和哉
カール 岡本寛志

投稿 : 2024/09/07
♥ : 2

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

恋愛物でふ。

【更新履歴】
■8/22 文章を訂正

-------------

■戦争として考えると優しすぎるかもしれません。

前提として、戦争特有の「グロさ」が少ないため、実際の戦争と比べると、作品内の戦争というのは少し優しいものなっています。
キャラクターは死ぬので、全く「グロさ」が無いわけではないのです。
ただ、緊張感の無いシーンがあったり、死者がモブキャラばかりで、重要キャラの死亡者が少なく、悲劇的な演出がとても少ないです。そのため、「戦争の残酷さ」というものが余り伝わってきません。戦争の悪い部分(人種差別)については、描いているシーンはあります。そのため、一部分だけは、似ていますが、実際の戦争とは少し異なるものと考える方が良いでしょう。


■恋愛物

本作は、恋愛物として見るのが良いです。
戦争物として見ると優しすぎますが、恋愛物として見るとちょっぴり甘酸っぱいです。

アニメ版のヴァルキュリアの魅力というのは、ここです。
ガリア公国義勇軍第3中隊が戦争という同じ目的を持ち、そのガリア公国義勇軍第3中隊内での恋愛というのが本作の魅力です。

恋愛物として見るか、戦争として見るかで大きく感想が変わってくるでしょう。


■戦闘面を見ると

ただ、見た目は、戦争物の本作。
原作は、シミュレーションロールプレイングゲームなので、戦争を楽しめるシステムなのかもしれません。

しかし、アニメにおいては、そういった楽しみが生かされないため、別の楽しみ方を考えるべきなのですが、戦闘シーンに特筆した楽しみはありませんでした。戦闘シーンに爽快感もなかったですし、驚くべき策略で視聴者を驚かす展開でもなく、緊迫感もいまいち伝わらなかったです。

『戦場のヴァルキュリア』という題名にしているのですから、やっぱり、恋愛だけでなく、戦闘の要素を加えないとタイトルに見合わないのではないか、と思いました。
原作は『シミュレーションロールプレイングゲーム』なのですし、やはり「戦闘の楽しみ」があってこその原作。
アニメという媒体では、戦闘の楽しみを描ききれなかったのかもしれませんが、描く努力はするべきだったと思います。
そもそも、恋愛やほのぼのしたシーンが多かった以上、最初から戦闘を描く気が無かったと捉えられても仕方がありません。

■宣伝用として見て

仮にこのアニメを、視聴者に「戦場のヴァルキュリアとはこういうものだよ。買ってみると面白いかもしれませんよ」と宣伝するためのアニメだった、と解釈します。
そうして見ても、『戦場のヴァルキュリア』は、恋愛が中心でストーリーが進んでいき、戦闘は蔑ろにしているんだな、という誤った印象を与える可能性があり、私は宣伝用として見ても、この作品は失敗だったのではないか、と感じます。


■総評

これから見る人は、恋愛物と割り切ってみるのが良いと思います。
ただ、このアニメから受けるゲームの戦場のヴァルキュリアの印象は全く違うと考えてる方が良いでしょう。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 11

92.4 20 恋愛で泣けるなアニメランキング20位
CLANNAD AFTER STORY-クラナド アフターストーリー(TVアニメ動画)

2008年秋アニメ
★★★★★ 4.4 (10446)
33976人が棚に入れました
『CLANNAD ~AFTER STORY~』は、「CLANNAD -クラナド-」の第2期シリーズ。「世界の終わりは悲しい色に満ちていた」あの感動のストーリーが再び――。制作は第一期に引き続き京都アニメーションが担当し、脚本も引き続き原作ゲームの大ファンと公言している志茂文彦氏という、黄金タッグで作られている。
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

哀しみと涙に満ちてさえ世界は美しい

レビュータイトルはことみパパのセリフから

本作の『渚が洗濯物を抱えて微笑んでいる』一枚絵
ただそれだけの一コマがどれだけ尊いことなのか・・・
そう感じさせてくれただけで充分かな、と全話観終わっての感想です。


名声をもとに視聴に至る・・・
一定数は評判通りの印象を作品から受け取る一方、あぶれる観客も出てきます。
とりわけ4クール分となれば、あぶれた場合に期待からの反動は大きいものとなり、視聴後はなんともやるせない気分になります。それはできれば避けたいっ ( ゚Д゚)
視聴までのハードルが高い作品というのはあって、『コードギアス』そして本作『CLANNAD』あたりは代表格ではないでしょうか。1クール全盛時代に、両方とも途中参加は忍びない大作です。見逃してしまった評判の高い大河ドラマをイチから追いかけるような感覚に近いかもしれません。

話数の多さ。だけでなく、関連情報に触れた時の目に飛び込んでくる熱量の高い推薦の声・声・声。「観たい」んだけれど知らず知らずに後回しにしていた作品でした。


 “名作を名作のまま堪能したい”


せっかく視聴するんだからこれに尽きます。『CLANNAD』と『CLANNAD ~AFTER STORY~』堪能する上での障壁と思しきものは3つ。

1.キャラデザイン
という声が多いですね。私はあまり気になりませんでした。内容を知らないウチの家族にチラ見されるとちょっと恥ずかしいかな!?くらいです。

 ⇒“3日で慣れる”と言い聞かせてみてはいかがでしょうか。


2.キャラの行動
アニメアニメし過ぎてシリアスパート外でのキャラ付けにリアリティを感じにくいのです。

 ⇒おとぎ話と割り切って、私は考えるのを止めました。


3.{netabare}結末の唐突感
これは障壁というよりも本作品に限らずあり得ることですし、受け取り方でこればかりはしゃーないです。{/netabare}

細かいのを挙げればキリがないですが上記3点をスルーできれば、家族愛という普遍的テーマを扱う本作を“名作”として楽しめるんじゃないかと思います、たぶん。。。
前置き長くなりすんません。私は思いっきり堪能しました。たしかに名作の名に恥じない作品だと思います。

親、兄弟、姉妹、妻、夫、そして子供。家族を大切にしようと思うのではないでしょうか。
そこに仲間を加えて、周囲の身近な人たちが自分にとっても向こうにとってもかけがえのない大切な存在だと思える。キャラの見た目やおかしな行動などを軽く超えて訴えてくるものがありました。

軽いお話ではないですし、この際泣ける泣けないは置いとくとしても、“生きていくこと” “人との係わり” についてポジティブなメッセージを発していることは確かで、視聴する価値が充分にあるオススメアニメです。

また、主人公らの高校時代にだいぶ時間を割いているものの、老若男女いろんな人にストーリーが用意されてたり、主人公らにも高校卒業後の人生イベントがいくつか控えてたりと、視聴する方の年齢や家族構成によって受け取り方に幅のある奥行きのある仕上がりになってます。




以下、ネタバレで感想。
どうみてもエモいシーン{netabare}(渚の出産、汐と朋也のあれこれなど){/netabare}については出尽くした感があるので割愛します。良いシーンですよ。


■岡崎と渚の補完しあう関係
{netabare}岡崎はこの街が嫌いでした。対照的にこの街(学校)が好きと言う渚。ただ好きでい続けられるかは本人も自信がありません。
「全部変わらずにはいられない それでもこの場所を好きでいられますか?」
そこに岡崎が「見つければいいだろ次を」
瞬間モノクロの画面がカラーに転じて春の桜の風景が立ち現れる冒頭のシーン。以後何回か繰り返される重要な場面です。

二人には、こんな印象を持ちました。

岡崎:現状否定。場所を変えればなんとかなると思ってる人。
渚:現状肯定。場所に留まり続けるために努力しようと思ってる人。

家庭環境の差そのまんまです。見た感じ渚はふわふわしてる一方で岡崎は行動力あってとまさにミスリードなのですが、覚悟や芯の強さで渚はブレず、対する岡崎は場当たり的だったのが実状でした。でも悪いことではありません。渚も行動に落とし込む作業が苦手なためお互い足りない部分を補えばよいのです。環境を変えて上手くいくことだってあります。

完走してみると、そんな岡崎が現状を受け止め、受け入れ、本当に大事なものを見つけるまでの物語だったのだと思います。

現状を受け入れたくないなんてこといくらでも思い当たる節があります。{/netabare}


■不協和音の正体が判明してから押し寄せる感慨深さ
ヒロインたちの行動にリアリティが乏しくシリアスパート以外キャラへの共感がしづらい。そこはおとぎ話と都合よく脳内変換することで不問にしたのは先に申し上げた通りです。
2期AS中盤以降シリアスだらけになるためそこでまぁいっかになるか、それまでの負債のせいで低空飛行してしまうかというのはあるでしょう。そんなの全く気にならなければ、無視してもらって構いません。

{netabare}こういった極端なキャラさんは現実世界を生きていく上での “理不尽さ” の表れのように思えます。どういうことか?
アニメだからと言い訳はたつものの、例えばリアルで風子やことみのような同級生がいたら「お薬足りてますか?」ですし、杏にバイクで轢かれたら保険屋さん呼んで首痛いとなるでしょう。平たく言うと“あり得ない”人達です。そんな彼女らを岡崎(春原もね)は邪険に扱いません。

【いいことがあった時や幸せの瞬間に生じる光の玉 手に入れると願いがかなう(8話の宮沢有紀寧)】

唐突にも見えるラストシーンもこれまでの光の玉収集の積み重ね。

1.理不尽さの象徴たるサブヒロインらに向き合って、いいことや幸せの瞬間を迎える。
2.嫌いなこの町(現状)を受け入れることで、いいことや幸せの瞬間を迎える。

だいぶおかしなところもある仲間を大切にする(1.)、受け入れがたい現状を受け止め前を向く(2.)。そうやって徳を積んでいった結果のラストシーンだったと思えてくるのです。

『置かれた場所で咲きなさい』
数年前のベストセラーで内容もタイトルから想像できるような書籍です。
生きていればいろいろあって、恋愛なら意中の人と出会った後、付き合ってからが、結婚してからが、そして子供が産まれてからがそれぞれ本番でしょう。
置かれた場所で懸命に咲く。付き合うまで、結婚するまでを追う作品が大半の中で、その後の『AFTER STORY』を消化して提示できた作品は稀であります。

本作が名作たる所以なのでしょう。{/netabare}


{netabare}またこのことは岡崎だけに限りません。むしろ岡崎がやらかしたことを周りの助けがあって救われることもありました。
例えば“5年もの間、実娘(兼愛妻の忘れ形見)をほったらかしますか?”
ただしここでは岡崎への文句よりも古河夫妻の献身に触れたいです。夫妻の視点だとネグレクトな義理の息子と乳呑み児な孫娘の存在は“受け入れ難い現実”です。結果は観ての通り。主人公だけではなく他の登場人物も立派でした。

人は一人では生きていけないとか絆だとか言うは易しですが、きちんと具体的に作品の中で描いてはじめて説得力がでてきます。{/netabare}

いくら理不尽だろうが、その場から逃げることはできない。逃げたいという誘惑を振り切って留まり覚悟を決める。
岡崎が否定した“この街”とは、理不尽であり不条理な現実のことを指していると解釈しました。


■親が子に見せたい背中
親世代で登場するのは、渚、朋也、ことみの3家族でしょうか。この作品。一口に家族愛で済ませるのはなんか足りない気がしていて、自分が感じたのは、親の子への想いってどんなだろう?について好感のもてる演出だったところになるかと。
親が必死に子育てしているのが伝わってくるのです。

{netabare}「自分の夢をお前の夢にしたんだ」(学園祭劇での古河家)
「まだ絶望するわけにはいかなかったんですよ」「この子だけは自分の手で育て上げるから」「それでもあなたと生きることをあの子を選んだのです」(岡崎家)

ちょっとしたところでも、例えば早苗さんが秋生と朋也の野球対決で渚が割って入ろうとした時に、「男の対決は黙って見守るもの」と年長者らしい配慮を見せて退出を促しつつ、それでも残る渚に対しては何も言わず一人で退出していく、と出るとこ引くとこ緩急の使い分けが心地よかったりします。{/netabare}

脈を打つ次世代へバトンタッチのDNA。自分らが良ければいいのではなく、次に繋ぐ覚悟と行動に胸を打たれました。後世に託しているのです。

改元のタイミングでもあるのでそれに即して説明すると、、、
日本人は「続く」ことに対して当たり前のものと捉える傾向があるそうです。2000年以上、国の断絶を経験してないことが大きな理由でしょう。一方でだからこそ、国が無くなる、分割されるといった悲劇を肌感覚で理解はできなくても、「続ける」ための多大な努力を払ってきたし、またそうした努力には敬意を払う心根が根付いてます。
そこで古河夫妻と岡崎父です。子供に託した古河家、捧げた岡崎家です。私たちも普段は無自覚でもこうして親の献身ぶりを目の当たりにするとなにかしら思うところがあるのではないでしょうか。

A.孫が大きくなった時?その頃には自分死んでるから知らん
B.孫とその先の世代まで幸せに暮らせますように

極論でもB.の感覚に近い人たちの集合体が私たちであると信じたいものです。
ただもうそれは立証されてるのかもしれません。「愛してるぜハニー&マイドーター」な家族愛ではこれほどの高い評価は得られなかったと思うからです。




1期と合わせた総評となりますが、
序盤から中盤までは多くの作品で描かれてきた学園生活といったものを。
その登場人物らの人となりが浸透してから満を持してAfterstoryを。
さすがに老人期まで描くことを望むのは欲張りなことで、それでも山あり谷ありの人生の一部を垣間見せてくれた作品でした。看板に偽りなしです。


{netabare}ラストの奇跡は元気玉みたいなもんだと思ってます。コツコツ集めた光の玉が臨界点にまで達したのでしょう。
渚の出産時に「ずっと一緒にいることがやっと見つけた夢」となり、「やっと見つけた。俺にしか守れないもの」汐も同様です。
「あなたをこの町の願いの叶う場所へ連れて行きましょうか?(学園祭劇での渚のセリフ)」
汐が果てる時に、「渚!汐を助けてくれ!」と絶叫しながらの悲痛な願いが並行した幻想世界とリンクしたんかな?と。このへん解釈いろいろありそうです。
そもそも元気玉といっといて、効果はシェンロンだったりするのでやはりよくわからないですかね。
光の玉の乱舞は地面から天へと。渚も汐もアレしたのは雪降る日と絵的にも良い対比でした。{/netabare}



全編完走した私たちはきっと、after×2(仮)では、洗濯物を抱える渚に目を細めてしまうのでしょう。
ことみ父の言葉を借りれば、“この世の美しいものを最もシンプルな言葉で表現された”かのような物語でした。



最後に、、、
「私のパンは〇〇だったんですね~」の早苗さんとそれを受けての秋生の返しと毎度ナイスな大喜利を考えてくれたスタッフさんありがとうございます。



-------
視聴時期:2019年5月   



2019.05.11初稿
2019.11.21追記

投稿 : 2024/09/07
♥ : 72
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

父と子の感動のエピソード~その眼差しに涙する~

Key製作のゲーム原作によるアニメドラマ。
1期(無印)の続編(アフターストーリー)です。

私は、原作ゲーム未プレイ、1期から通しで、5年ほど前に、京都アニメーション作品として初視聴しました。
あにこれで評価の高いクラナドですが、私は、素直なところ、作品の優劣を両極端に感じ、原作を知らない方への全編のオススメが難しい。

1期から2期(アフターストーリー)の前半までは、原作のゲームらしく、男子高校生の主人公が各ヒロイン毎の出来事をクリアするようなエピソードが続きます。
ここまでは、学園の日常物やコメディの好きな男性なら、じんわり胸に来る話もあり、好みに合えば楽しめると思います。(私は、コメディセンスが合わず。唯一の男友達を貶めすぎに感じる・・)

本作の高評価は中盤9話からの主人公にスポットをあてたシリアスなストーリーにあるでしょう。
ただ、そこからでも私には、登場人物達の言動が、主人公に都合が良すぎるように感じたり、リアリティに欠ける気がして、物語に入り込めずに観ていました。
しかし、17話からです。
続く18話19話まで、そんな事が気にならないくらい引き込まれました。
美しい作画と絶妙の演出。効果的なBGM。声優さんの円熟の演技。
そうして紡がれる父と子の感動の場面。
私の少ない映画視聴歴では、「ライフ、イズ、ビューティフル」「クレイマー、クレイマー」と同じくらいアニメで泣けました。

もし、キャラクターデザインが好みでないと視聴をためらわれたり、序盤を観てつまらないと断念されてるなら、ここだけは観て欲しい。
観て損はないと断言できます!
そこで、17話~19話の約1時間くらいなら観てもいい思える方のために、それまでのあらすじを以下に置いておきます。
(あくまでも、部分限定視聴用なので、個人的アレンジへのクレームはご容赦ください)

あと、これだけはお伝えしておきます。
続きが気になっても21話は観てはいけない!
せっかくの感動を台無しにするどころか怒りを覚える可能性があります。
このレビューの冒頭に述べた、両極端な私の感想はそこにあります。
もし、続きが観たいなら、最終22話はアナザーストーリーとしてご覧になってください。
(番外編のアナザーストーリー、会長編と姉妹編は良かったです~♪)

1期~2期16話までのあらすじ
{netabare}
幼い頃に母を亡くした主人公、岡崎朋也(ともや)は、高校に進学する頃から働かず酒に溺れるようになった父、直幸(なおゆき)との喧嘩による怪我で、スポーツ選手への夢を断たれ、すさんだ高校生活を送っていた。
ヒロイン、古河渚(なぎさ)は、体が弱く高校を休みがちで友達もできず孤独で寂しい日々を過ごしていた。
そんな二人が出会う。
渚は、朋也を通じることでたくさんの友達ができ、朋也の応援で諦めかけていた憧れの演劇の舞台に立つことが叶う。そして、自分に勇気と喜びを与えてくれた朋也に懸命に尽くしていく。
一方、朋也は、渚の暖かい思いやりに救われ本来の優しさを取り戻し、渚の夢に向かってひたむきに努力する姿を見て更生していく。
卒業後、朋也は電気工として働きだし、仕事での飛躍のチャンスを得るが、またしても、罪を犯した父親の検挙で挫かれてしまう。その時、自暴自棄になりかけた朋也を、励まし支えてくれたのも渚だった。
朋也は渚のために生きることを誓い、2人は結婚する。
慎ましくも幸せに暮らし始め、ほどなく渚は身籠る。
体の弱い渚の出産に朋也は不安を感じたが、渚には、愛する人の子供が欲しい母性に加えて、どうしても産みたい理由があった。
母親の愛情を知らずに育った朋也に家族の暖かさを与えると共に、朋也が親子の愛情を感じることで、いつの日か、愛する朋也を育てたその父親との絆を取り戻してあげたかったのだ。
しかし、その想いも虚しく、新しい命、汐(うしお)と引き換えに、渚は命を落としてしまう。
あまりの喪失感で気力を失った朋也を見かね、渚の両親である古河秋生(通称おっさん、アッキー)早苗(さなえ)が、汐を引き取り育ててゆく。
いつの日か必ず、娘に明るさと希望を与えてくれた朋也が立ち直る事を信じて・・・
{/netabare}
本作9話以降のストーリーについてネタバレ感想です。
{netabare}
朋也が卒業後、シリアスになる物語。
社会人として働きだす姿はリアルでいいんです。
だけど、メインヒロイン渚の描き方が馴染めない。
薄幸そうに見せる為だけのような学園生活。男子にとって都合の良すぎる従順な女性像。さらにあの体で自宅出産を言い出すなんて、ただの痛い子に見えてしまう。
そして、あの程度の見立てで、渚と話すシーンもなく、危険な出産を渚の意思に委ねる両親も説得力に欠ける。
だから16話まで観ても、悲劇を見せて泣かせたいだけに思え、逆に泣けませんでした。

しかし、17話からです。
冷静に観れば、朋也が5年も育児放棄したり(仕事が出来ないほど病んだ訳じゃない)、汐も5歳にしては幼すぎたり(「一人で出来た」は2~3歳くらいまで)いろいろリアリティーに欠けるんですが、そんな事は気にならないくらい、ある描写に引き込まれました。
それは、警戒感、好奇心、悲しさ、寂しさ、次々と訴えかけるような、
朋也を見つめる汐の眼差しです。
この作品のキャラ画の特徴である大きな瞳は、この子の演出の為だけにあったと思えるほど、父親の言動や行動を見つめる瞳が何度も描写されます。

徐々に伝わるその瞳の奥の純粋な思い。
「ママの事はパパに聞きなさい。」
「パパに初めて買ってもらった物だから。」
「泣いていいのはトイレとパパの胸の中だけ。」
古河夫妻の教えで、この子にとって朋也は、ほとんど会いもしてくれない父親なのに、甘えて頼っていい唯一の人であり、いつかそう出来ることを幼な心に待ち続けていた、その一途な期待が宿った眼差しだった!
その幼児の純心さに、あまりにも不憫だと感じると同時に、朋也が懺悔し改心したことで、この子が救われた事に無上の喜びを得れる瞬間。
暖かいオレンジ色の光に包まれた花畑のシーンは感涙です。

続けて、帰りの列車内で、封印していた渚との思い出を語りだしたシーンでも、美しい夕景とフラッシュバックする回想、情感を掻き立てるBGM、そして、朋也を見上げる汐の涙の瞳!
たとえあざとくても、この眼差しを加えたトリプル演出には何度観ても(このレビューを書いてる今でも)泣かされます。

この一連のエピソードには朋也とその父親に関しての描写も胸を打ちました。
汐が無くしたロボットを探す中、デジャブを覚え導かれるように向かうその先で待っていた祖母からの話。
自分と同じ境遇でありながら苦労して育ててくれた父に思いが至る回想。
父親への思いを改め、父親としての自覚に目覚める、目まぐるしい感情が詰め込まれているのですが、私にはストーンと胸に落ちて、もうここから涙が込み上げました。
私は中学から母子家庭で育ちましたが、父親でも母親でも1人で子育てをするのは大変な苦労を伴います。仕事と育児のストレスで倒れ社会生活に支障をきたす事も十分にありえます。(犯罪はいけませんが・・)
また、個人的に、私も父に対して嫌悪感を持っていました。しかし、自分が父親となり過ごしていくと子供に対して不甲斐なく感じる事も多く、また、父とのわずかでも楽しかった思い出もよみがえり、父への感情も変わってきたからです。
続く19話も、朋也が父親と和解する光景に私は深く胸が震えました。
ラストの見送りで汐が見上げる光の玉が、渚の想いの成就に見えた感動とともに、私自身、他界した父に果たす事の無い理想を観れた思いがしたからです。
自分は最期まで父に歩み寄れませんでした。
身勝手は承知でも、今は反抗期の子供達と良好な関係を築きたいと願ってやみません・・・

考察なんて言えない私的な理由ですが、この三話だけは、自分にとって人生を振り返る事になり「クラナドは人生」が大袈裟ではなかったと感じた次第です。
{/netabare}
個人的な不満。ファンの方は見ないで頂くように伏せます。
{netabare}
21話だけは酷いを通り越して腹立たしい。

長く退屈にも感じたストーリーも終盤で一躍、感動の傑作だと思え、後は「うさぎドロップ」のような希望の未来への余韻にひたれるものと安心していました・・・

なのに、あろうことか、唯一その登場から感情移入できたキャラクター、汐が死んでしまいます。
否、製作サイドに殺されます。
それも父親にとどめを刺させて・・

何故あそこで汐が死ななければいけないのか。
悲劇を描く事で、その後の奇跡がより感動的に見せれると、安直に考えているとしか受けとれず、視聴者をバカにしているとしか思えない。
初見時、奇跡が起こる最終話も、あまりの喪失感と怒りで、17話冒頭の朋也の如く、ポカーンと観てました。
後日Wiki等で作品の解説を調べると、ゲームの奇跡エンドを迎える為の攻略のピースに汐の死が必要なのだと知りました。
だが、アニメのシナリオだけでは必要性が全くわからない。
原作ゲームの販促を考えるなら、21話以降は原作のファン向けにOVA等で発信し、ゲームには未放送のエンディングがある事だけ知らせれば、アニメから作品に触れた人の購入増がもっと見込めたのではなかろうか?

現実には、罪のない無垢な命が奪われる悲しい出来事を見聞きし、辛い思いをする事は多々あります。だが、楽しむための映像コンテンツで、意味のない子殺しほど、胸糞悪いものはない。お願いだからやめて欲しいです!
{/netabare}
声優さん
{netabare}
やはり私が特筆すべきは、あのシーンを演じたお三方。
まず、声優としては当時でも最高齢かもしれない麻生美代子さん。あの風格ある語り口があったからこそ、より回想に重みが増し、感動に引き込まれたのでしょう。
そして、これまた20年以上のベテランこおろぎさとみさん。舌足らずで少しもどかしく聞こえる声は、幼児の純心を表現するのに最適でした。
最後に、中村悠一さん。私は、本作より先に視聴した「君に届け」「俺妹」からお気に入りの男性声優さんでした。でも、それより以前に、こんな感情のほとばしる、ベテランに負けない神演技をされてたとは!現在でも第一線で活躍されてるのが頷けます。

音楽

LiaさんのOPがいい!歌声・曲調ともに美しく、作品の感受性を高めていたと思います。
また、劇中のBGMや挿入歌も良いものが多いです。
欲を言えば、18話のエンディングだけ、Liaさんの歌声が入ったBGM「願いが叶う場所」を使って欲しかった~(曲だけで泣けます♪)
曲とは無関係ですが17話のエンディングの繋ぎも鳥肌でました!

最後に

最近、立て続けに感動させられた京都アニメーションさんの初視聴作品として、私に良くも悪くも強烈なインパクトを与えてくれた作品であり、今更ながら、纏まりのない拙いレビューを書きました。
長々と感情垂れ流しで、ただの憂さ晴らしのような書き方にもなり、読まれて不快に思われた方にはお詫び申し上げますm(__)m
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 24
ネタバレ

Key’s さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

とても感動できる作品♪

あらすじ

2学期が始まった。
朋也たち3年生はそろそろ進路を決めなければいけない時期だが、
朋也は自分の将来が見えないまま、
相変わらず渚の家に居候していた。
そんな中、秋生が隣街の商店街チームと野球の試合をすると言い出す

そしてだんだんと
卒業に近づいていき
みんながそれぞれの道を歩き始める

そして朋也や渚に
さらなる過酷な運命に
立ち向かうことになる



感想


文句なしに面白いと思います
音楽、作画、声優どれもよかったですし
何よりストーリーが良くてとても感動しました
特に18話では泣いてしまいました
BGMが効果的なタイミングで使われていると思います

話は完全に一期のCLANNADの続きなので
一期を見てから視聴してほしいと思う
高校生活の終わりの方と社会人としての
生活が主なストーリーですね


1期と比べるとより絞られた
1つのテーマで物語が進行しているように思いました。
アニメでこれほど、、というより今までに見た
どんなドラマや映画も超えてしまう程に泣きました。


ジャンルは個人的には
恋愛ものではなくテーマである「家族」や
「人と人との繋がり」を描いたものだと思います。
特に後半は毎回涙しながら見てました。
作画のクオリティの高さはさすが京都アニメーションです

泣かせ方としては相当あざとい手法を用いていますし
感動と同情の押し売り感が半端ないですが
わかっていても泣かされてしまいますw
でも人によっては萎えたりして泣けないかも知れないですね

1期よりもギャグは少な目になっています
1期の時も書いたかもしれませんが
作画というかキャラデザが
万人受けはしないんでしょうね
好き嫌いが分かれるかもですw


key作品のほとんどに言えることですが
日常生活のなかにファンタジー要素が組まれている為
いや、ありえないだろとか思う時があります。

感動させようという演出がベタでみえみえなのですが
何回見ても感動しますし、BGMの力が強いと感じます。
主人公の気持ちにあった曲調を選択している
シーンや音楽の入り方が本当に秀逸で
後半はずっと涙腺崩壊してました

最終回あたりは結構展開が早いです
原作をやってないとどういう事なのか、
なんであの演出にしたのかわかりずらいかもしれません
意味が分からない人もいると思います
その人の為に下の方に解説を
書いてみたのでよかったら読んでください


でも全体的に見て上手くまとめてると思いますし
原作やってなくても充分感動できると思います
伏線や謎を最後に丁寧に回収し、
そしてあの終わり方で締めたということにあります。
演出も凄い良かったです。


人との絆が――当たり前に、
普通にあることがどれほど尊いのか、再確認しました。
世界は悲しみに満ちているけれど、
だからこそ美しい想いで溢れている。
このアニメーションの中にはそんなたくさんの想いが
詰まっていると思いました。

演出面は時間の表現が上手いです。
移ろう季節に合わせて変化する関係性が、
青年期を終え大人になりそして親に至る過程が、
巧みに緩急をつけて描かれ、見ていて飽きませんでした


ぜひ一度は見て欲しいオススメ作品です!



少しここからは
物語のわかりにくい所を
説明をしようと思う
ネタバレなんで隠しておきます
まだ全話見てない人は見ないでください
{netabare} ~


幻想世界の存在意義について

何も生まれず、何も死なない世界・・・。
それが『幻想世界』
CLANNADという物語を理解するためには
『幻想世界』の解釈が不可欠であり、
いくつかの疑問点を解消しなければなりません。

そしてまずは
幻想世界の少女は汐、
ガラクタ人形は朋也です。
そこを理解したうえで読んでもらいたいです

幻想世界は、朋也たちがいる世界と同じように進んでいく平行世界です。
渚と朋也・少女とガラクタ人形(元々は光)の出会いから始まり、
学校卒業・あの小屋にとどまるだけの世界からの卒業、
社会人になって一人立ち・旅に出る…という風に。

そして、朋也と渚・汐の関係が、
ガラクタ人形と少女の関係に置き換わっただけですし、
渚が死んだ後は汐に引き継がれたので、
人形と少女の関係は変わっていないんですよね

また、渚は幼少時に死に掛かったときに、
町を愛する秋生があの場所へ連れて行き、そこでの願いを町が叶え、
町そのものである少女が渚の半身となることで
生きることが出来たわけです。

その後、町の自然が奪われていったり、
単純に冬になり緑が減るような時期には町が弱るのか、
渚が発病してしまいます。
汐も同じですけどね。
アニメでは冬に渚が動いていたかどうか覚えてませんが、
恐らくは冬に元気な状態の渚はほとんどいなかったはずです。

何で渚と汐は助かったか?

改めて考えてみると、恐ろしく説明不足な部分でした。
アニメの各話のタイトル画面で光が表示されていますが、
これは登場キャラクターたちの願いが叶ったりしたときに
増えているはずです。
そして、幻想世界で見える光は、町の人たちが幸せを願う想いでした。

こうした光が集まったことで、
想いの力が少女を動かして奇跡を起こす…と書くと、
やはりもの凄くご都合主義に思えてしまいますよね…。

ゲームではもっと長いし、秋生や早苗さんのエピソードもあったので、
もの凄く色んな幸せな風景を朋也が作る手助けをして、
長い長い道のりを歩いてきて、
最後はああいう結末(汐との旅行)になってしまったわけですけども、
頑張ってきたご褒美みたいな形でトゥルーエンドもあったのかな?
と思うのです。
アニメではその辺を納得させるところには至らないですね

朋也と汐の旅行が終わった世界と、
渚たちが助かった世界との関係は?

これは、ゲームでは明確にループしていましたから、
パラレルな世界と言い切れます。
ただアニメでは、結局どこの選択肢でも間違えていないわけですし、
見た目では一本道なのにいきなり時間が戻った?って
驚く展開になってしまってます。

ゲームでは、最初は絶望した朋也が「渚と出会わなければよかった」って
回想するときに選択肢自体が現れず「出会わなければよかった
→抜け殻のような生活」という流れが自動だったんですよ。
アニメではそういう演出自体がありましたっけ? で、汐編まで終わり、
各シナリオでの必要な光を集め終わると、
渚が汐を出産するシーンで「出会わなければよかった?」となる場面で
選択肢が現れ、ようやく奇跡が起こり渚が生きるわけです。

その辺の説明がアニメでは為されていなかったわけなので、
わからなくて当然だと思います。
ですから、他のキャラのシナリオと同等に、
朋也と汐が倒れた世界も、渚が助かった世界も、
一つの可能性を示した別の世界とも言えるでしょうね。
この辺は、原作者がゲームならではの世界観や
シナリオの設定をしたために起こった弊害みたいなものだと思います


{/netabare}

長くなりましたがこんなところでしょうか? 
そもそもがアニメ化で良さが伝わらないだろ?!

と思っていた作品だったので、
むしろこれだけ新規でCLANNADに触れてくれる人が
多いこと自体が感激しているんですけども。

ただそんなご新規さんが読後感悪く去ってしまうのは惜しいんで
僕なりに解説をしてフォローしてみました
これを読んでまたCLANNADをぜひ見直してほしいです

投稿 : 2024/09/07
♥ : 237

89.9 21 恋愛で泣けるなアニメランキング21位
CLANNAD [クラナド](TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (8637)
33632人が棚に入れました
進学校に通う高校3年生の岡崎朋也は、無気力な毎日を送っている。毎日同じことの繰り返し。
周りのみんなのように学校生活を楽しむこともできず、毎日遅刻ばかり。
そのためか、校内では浮いた存在になっていた。ある日、朋也は学校まで続く坂道の下で、一人の少女と出会う。

声優・キャラクター
中村悠一、中原麻衣、広橋涼、神田朱未、桑島法子、野中藍、能登麻美子、阪口大助、置鮎龍太郎、井上喜久子、ゆきのさつき、榎本温子
ネタバレ

01oinaris さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ギャルゲー発アニメ・Keyアニメ・京アニの頂点にして至高の作品(前編)

あにこれに参加する数ヶ月前に視聴して感涙。涙腺の固い私が泣いた2作目のアニメだ。
採点だけしてレビュー書かずに放置していたが、1年ぶりに恋しくなって再視聴。
ようやくレビュー書く気分になった。

18禁ギャルゲーで名を馳せたKeyが手がけた3作目のアニメであり、
前作Kanon、AIRが18禁ギャルゲーなのに対し、本作は初の全年齢対象ギャルゲー。
派生したアニメは本作22話(+番外編)、続編であるCLANNAD After Story22話(+番外編+総集編)、さらに劇場版1話と全48話。
1話25分と見積もっても推計20時間を軽く超える、Keyアニメ1の超大作。
その感動的なシナリオ、男女問わず琴線に触れるストーリ、劇伴曲の秀逸さ、小気味の良いギャグ…{netabare}それと便座カバー。{/netabare}
本作をきっかけに深夜アニメの世界に没頭した女性も数多いと聞く。
本作は2007年10月〜2008年3月、10年以上前に放送された作品だが、
恋愛を主軸にした作品の中では、私は本作以上のものを未だ見つけられない。
10年経っても輝きは色褪せず、見返すたびに違った感動が得られる。
また、恋愛をメインにしつつも、友情、主人公の成長と挫折、結婚、家族の絆と再生、親子の愛情というテーマが随所に散りばめられており、
老若男女問わず誰もが感動できるストーリーとなっていることも、他のギャルゲー発アニメとは一線を画す。
「CLANNADは人生」とも称される所以である。
無印CLANNADは高校生活の中盤({netabare}文化祭まで{/netabare})のストーリーまでとなっており、After Storyと比べてギャルゲー要素が色濃く、
各ヒロインのストーリー攻略のような話であり、ギャルゲーに免疫がない人には退屈な内容かもしれない。
しかし後半に向かって引き込まれていくストーリープロットは素晴らしいし、
本作を見ないとメインディッシュのAfetr Storyにたどり着けないので、その点は我慢して完走してほしい。
本作は、学生の自分・社会人の自分・親としての自分…と自身の成長に合わせて見え方が変わってくる独特なアニメであり、
ふとした時に見返すとまた違った感動が得られる、稀有な作品だ。
そしてEDのだんご大家族、初見時は(なんだこのED?)と思ってしまうが、
2周目に見返すともう第一話EDから涙腺がやばい。
この歌に込められた思い、登場するだんご家族の真の意味を知る前と後では感じ方が180度変わる、この点でも稀有なED曲だ。

ギャルゲー版スタッフ(wikiより引用)
{netabare}
企画 - 麻枝准
シナリオ - 麻枝准、涼元悠一、魁、(丘野塔也)
原画 - 樋上いたる
音楽 - 折戸伸治、戸越まごめ、麻枝准
{/netabare}

アニメ版のスタッフ(wikiより引用)
{netabare}
原作 - Key / ビジュアルアーツ
監督 - 石原立也
シリーズ構成 - 志茂文彦
キャラクター原案 - 樋上いたる
キャラクターデザイン・総作画監督 - 池田和美
美術監督 - 篠原睦雄
色彩設計 - 竹田明代
撮影監督 - 中上竜太
編集 - 重村建吾
音楽 - 折戸伸治、戸越まごめ、麻枝准
音響監督 - 鶴岡陽太
プロデューサー - 中山佳久、中村伸一、太布尚弘、八田陽子
アニメーション制作 - 京都アニメーション
製作協力 - ポニーキャニオン、ムービック、京都アニメーション
製作 - 光坂高校演劇部、TBS
{/netabare}

メインキャスト
{netabare}
岡崎 朋也(CV 中村悠一)・主人公
古河 渚(CV 中原麻衣)・メインヒロイン
藤林 杏(CV 広橋涼)
一ノ瀬 ことみ(CV 能登麻美子)
坂上 智代(CV 桑島法子)
伊吹 風子(CV 野中藍)
宮沢 有紀寧(CV 榎本温子)
藤林 椋(CV 神田朱未)
春原 陽平(CV 阪口大助)
相楽 美佐枝(CV 雪野五月)
古河 秋生(CV 置鮎龍太郎)
古河 早苗(CV 井上喜久子)
伊吹 公子(CV 皆口裕子)
芳野 祐介(CV 緑川光)

井上喜久子と皆口裕子の共演…ってだけで私には垂涎ものですね(笑)実は意外と少ないので。
{/netabare}

本作のノリと作画・テンポとギャグ要素…まさに初期Keyアニメの典型例であり、完成形。
ヒロインキャラの顔の半分を占める大きな瞳、
ほとんどのヒロインは高校生とは思えないような、幼女といっても差し支えないほどの精神年齢っぷり。
実際の女子高生とは大きくかけ離れており、現実感は皆無である。
ゲームをプレイする男子をターゲットに、幼女を守りたいと願う雄性の庇護本能を刺激するための、Keyの常套演出なのだが、
合わない人はとことん合わないと思う。
そういう人には無理には勧めないし、感性の相違は埋めようが無いので仕方ない。
その時は、鍵っ子になる資質が無かった…と思って諦めるしかない。

CLANNAD1期は、基本的に各ヒロインの紹介とエピソード、
そして各ヒロインの問題を主人公が解決していく…という典型的なギャルゲープロット。
巷のギャルゲー派生アニメのような、えっちいシーンやセクシーカットは皆無です。
この点は18禁ギャルゲー大好物の男子には物足りないかもしれないが、
逆に女性に見せても大丈夫な出来に仕上がっている。
ゆえに嫁や彼女、娘の前で堂々と視聴可能。
むしろ一緒に見てください。そして、一緒に感動してください。涙してください。
一組の男女が出会い、共に成長し、涙を流す、{netabare}そして家庭を築く…(これはAfter Storyの話だが){/netabare}
そのプロセスを丁寧に描いているだけでなく、
その親が何を思い、何を子どもに夢見て、何を子どもにしてあげるのか、
という観点も非常に丁寧に描かれている。
本作〜After Storyは主人公・朋也の17歳(高校三年生)〜25歳ごろまでの成長物語であると同時に、
ヒロイン・渚の両親の視点から子どもたちの成長を見つめる物語でもある。

幻想世界のエピソード、初見時は意味がわからないだろう。
全て見てからもう一度見返すと、そこに込められた意味に気付き涙が出そうになる。
見返してようやく意味が分かるシナリオプロット、
2度見しないとその深さに気づかないストーリー、
AIRやKanonもそうでしたが、麻枝准はこういうのが好きですね〜。
{netabare}
ガラクタを積みあげて、あの子は僕を作る
あの子は、ガラクタに命を吹き込む
ガラクタで出来た僕
あの子の力で、ガラクタだった僕に命が宿る
{/netabare}
あの子は一体何者なのか、ガラクタは何を意味するのか、それはAfter Storyまで全て見れば自ずと分かります。
初見時は「?」でいいんです。そのまま気にせずに進めてください。
そして、After Storyまで完走したら、もう一度幻想世界を見てください。
幻想世界に新たな感動が生まれることでしょう。

本作〜After Storyを見て感動した人は、きっとこう思うだろう。
{netabare}
未婚の人なら、自分もいつかはこんな暖かい家庭を築きたい。幸せな家庭を築きたい。
そして、お父さん、お母さん、私を産み育ててくれてありがとう。
もし既婚で子どもがいるなら、思わず子どもを抱きしめてしまう。
子どもに、生まれてきてくれてありがとう、あなたは私の世界一の宝物
そう思えるはずです。
{/netabare}

さて、本作見て心がほっこりした諸君は、鍵っ子になる素質あり。
迷わず次のAfter Storyにレッツゴー。
あ、ハンカチとティッシュ(箱ティッシュ推奨)の用意をお忘れなく。
After Storyまで見て、CLANNADの完結です。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 16
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

しっかりと練られたドラマに感心

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
エロゲ原作ではなく、恋愛ゲーム原作なのですね。
構成としては、主人公の岡崎朋也とメインヒロインの古河渚が「演劇部の復活」という目標に向かっていくのを縦軸に、様々なサブヒロインの悩みを解決していくという王道の展開。

ドラマ性が高く、映像の古さは気になりませんでした。なるほど名作だ、と納得しました。

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
作画は、最近のものに比べれば当然落ちるけど、年代を考えれば神作画と言えるだろう。特に背景は、今観てもかなりの水準では?

例えば「ヨスガノソラ」のように、攻略キャラごとにシナリオを作り、そのシナリオ中の出来事は他のシナリオに影響しないっていうやり方も、アリっちゃあアリだと思う。けど、ドラマという点では弱いとも思う。やはり本作のように、ひと繋がりのストーリーの中に、伏線やらなにやらを全て詰め込み、しっかりまとめてこそ、ドラマは成り立つのだと思う。

第一章となる「風子編」から、後の攻略対象となるヒロインは顔出しして、色々伏線を張っていたし、それが、自身のシナリオ時には生きてきてるし。また、第二章以降も時々、風子が顔出ししてくれたのが良かったし、風子のことを岡崎達が「なんとなく」覚えているのも良かった。あれだけ力を込めた第一章を「無かったことにはしていない」「全部しっかり繋がっている」というのは好印象。

文化祭本番の、秋生(渚の父)の叫びは、心がうたれた。「子の夢は親の夢」……シンプルですが、だからこそ響いた。ラストの岡崎の告白の言葉もど真ん中ストレートなのに感動した。台詞を工夫しなくても、丁寧に物語を重ねていくと感動に繋がるというお手本ですな。

もしかしたら、渚は別の世界からこの世界に転送してきて、岡崎はその人形だったのかな? とか思いました(考えすぎかな)。

オマケの智代エンドは、好き♪ こんな感じでスピンオフやってくれるのは嬉しい!
{/netabare}

【伊吹風子 編】
{netabare}
泣き、という点では第一章となる風子編が一番かな? 風子は「生き霊」で、叶えたい願いがあって、次第に消えていくという、「これぞKey」といった展開。「Kanon」の「真琴」を思わせました。風子のキャラも良く、ボケ役としてはかなりのもの。結婚式前に演劇部の部室で3人だけのパーティーをした回が印象的でした。自分が消えることを知りつつ、岡崎への淡い恋愛感情も自覚しつつ、それ以上に友達として、岡崎と渚の事が大好きで、二人の呼び名を変えるってとこが、絶妙なラインで良かったです。一番好きなシナリオ、キャラでした。(ほんのちょっとだけ,「化物語の八九寺真宵」を思い出しました)
{/netabare}

【一ノ瀬ことみ 編】
{netabare}
図書館に引きこもっている天才少女、という(恋愛ゲームには)よくいるキャラ。語尾に「なの」を付けたり、テンポのズレた古典的なギャグやツッコミをかますことで味のあるキャラに(余談ですが、恋愛ゲームの性質上、場所に依存したキャラは多くなりますよね。そこに行けば会えるって、ゲームならではですし)。色々と思わせぶりでしたが、岡崎とは幼馴染で、岡崎はその記憶がないという、これまた良いん感じのライン(この辺がKeyの上手さ)。展開としてはやや退屈でしたが、ラストの人形のくだりは良かったです。「世界の真実を解き明かした論文」より、「娘へのプレゼントと手紙」を優先した親の愛に感動。ただ、あのサイズの人形が入るわりに、ケースが薄すぎて笑えましたけど(苦笑い)。
{/netabare}

【坂上智代 編】
{netabare}
後輩らしからぬ後輩キャラ。元は暴力少女でしたが転校を機に女の子らしく過ごすことに。「家族との思い出の桜並木を守りたい」という理由で生徒会長を目指すことに。その理由が等身大で良かった。智代が「通い妻」化するところは萌えました。テニス部との対決中に、渚を庇う岡崎を観て、岡崎が渚を想う気持ちと、自らが岡崎を想う気持ちの両方に気付き、達観したような、なんとも良い表情をします。その後、気持ちが崩れず、凛とした表情でプレーを続ける姿がなんとも坂上らしくて素敵でした。好きなキャラ2位ですw
{/netabare}

【古河渚 編】
{netabare}
本作のメインヒロインで、病弱により留年しているため、友達がいない。お人好しで真面目、献身的だが頑固(潔癖)。自分のせいで両親が夢を諦めたことを知り、また、他の人を巻き込みながら自分だけ夢を追いかけて良いのかと悩む。正直、「いや、ここまできたんだからつべこべ言わず頑張れよ」と思ったが、まあ、それが出来ないからこそ渚なんでしょう。渚含め、古河ファミリーは安定した面白さと温かさを発揮。岡崎家との対比なんだろうけど、最後にちゃんと岡崎家も半歩前進できて良かった。
{/netabare}

【藤林杏・椋】
{netabare}
双子の姉妹。姉の杏は勝ち気で体育会系のツンデレキャラ。妹の椋は真面目で引っ込み思案な委員長キャラ。二人共岡崎のことが好きですが、杏は妹のことを思い、岡崎と椋をくっつけようと動きます。この二人の攻略回はありません(残念)でしたが、全てのシナリオに関わっている大切なサブキャラ。「智代編」のテニスの場面で、智代同様に岡崎の気持ちに気付く。と同時に、妹の椋は、杏も岡崎の事が好きで、しかもずっと自分の為に想いを我慢していたことに気付き、杏に詫びる。

同じ場面を目撃し、トリプル失恋をした3名でしたが、そのリアクションは様々。号泣する杏。杏を想い泣く椋。前を向く智代。ピンときてないことみw それぞれのキャラの特徴が端的に表現できている、良いシーンだったかと(後に、智代が演劇部の部室を訪れ、渚に「お前で良かった」というシーンも同様に良かったです)。
{/netabare}

【春原陽平】
{netabare}
主人公の相方にして、大切なお笑い要員(主にやられ役w) チャランポランに見えて、実は暗い部分だったり激情を隠している。それは、スポーツ特待生として入学したのに、先輩との軋轢から部を辞めざるを得なかったことに起因する。物語前半は特に、そういう傷にさわられると激昂する場面もあったが、最終回付近(文化祭リハーサル)で、演劇部の皆と円陣を組んだ際、「サッカー部の時はよくやったな~」と、何事もないように笑顔で言った時には感動した。陽平にも、「打ち込める何か」が見つかり、「サッカー部での辛い経験」を「過去のもの」として受け入れられたことを表していると思う。他のヒロインのように攻略パートがあるわけではないが、ちゃんと陽平も成長していたという、何気ないシーンだけど、隠れた名シーンだと思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 50

keylove さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

絶対に神アニメ!レビュー更新します(声優さんを書くのを忘れてたので)

key作品が好きなのですが、この作品は特に素晴らしいと思います。
個人的にもそうですが、世間一般的にも、神アニメですね。
もちろんそれはアフターストーリーも含めてのことですが、この学園編がないことにはそれも存在しようがないので、これはやはりすごい作品の始まりだったのでしょう。

音楽もすべて素晴らしくて(key作品全般に言えることですが)CDを買ったほどですし、作画は意見が分かれるみたいですけど、僕は大好きです。


ストーリーとしてはこれはネタばれではないと思いますから書きますけど、
アフターストーリーまで観て初めて良し悪しが決まるのでこの学園シリーズだけを観て退屈だとか感動できないとかは思わないでもらいたいです。
アフターストーリーを観れば、この学園編がやはり大きな意味を持っていることに気付くはずです。

で、クラナドは人生ってよく言いますけど、このアニメの特徴は、たんなる
萌えだけではなくて、一人一人の生い立ちやこれからを細かく描いている点です。

この一期は、主に今までを振り返るというストーリーになっていて、主人公がヒロインだけではなくてその周りにいる女子たちの心の傷を治そうとする努力というものが中心になるかと思います。

例えるなら、物語シリーズのそれぞれのストーリーというのに題名がついていないパターンのようなものです。ですからそういう風に分けて観てみるとあらためて感慨深いのではないかと思います。


とにかく、どのキャラがヒロインになっても不思議ではない構成なのでそれだけでも観る価値はあると思います。
クラナドでは泣けないという人もいると思いますけど、自分に置き換えてみるとまた違うと思います。それくらい、このアニメはただ単に萌えアニメなんかではなくて、個々の人生を表しています。
流し見というのではなくて、きちんと心理描写や個々の葛藤などを感じながら観てもらいたい作品です。

本当に、本当にこの作品は今まで観たアニメの中で一番心に響いたものでしたので、なんどでも紹介したいと思います。
もちろん、アフターはこの一期以上に人生を表していますので、そちらもまたレビューを更新したいと思っています。

では、キャラ紹介をしておきます。
声優さんはベテランさんが多いんですが、それぞれに大活躍されている人ばかりなので、それもまた見どころの一つだと思います。


岡崎 朋也(おかざき ともや)- 中村悠一さん
本作の主人公で、高校三年生。
遅刻や授業をサボるなどの生活態度があって、周囲からは不良と思われている。
でもこの作品のヒロインたちのことは、まるで自分のことのように考え、その問題を解決しようとがんばります。
cvの中村悠一さんは、デュラララ!!、俺の妹がこんなに可愛いわけがない、魔法科高校の劣等生、など多数で主役級を多く演じて大活躍されています。


古河 渚(ふるかわ なぎさ)-中原麻衣さん
本作のメインヒロインで、高校三年生。
身体が弱くて、一年留年している。
性格も引っ込み思案なところがあり、周囲に遠慮しながら生活しているという女の子。主人公たちに出会ってから成長していきます。
cvの中原麻衣さんは、ひぐらしのなく頃に、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている、サーバント×サービス、など多数で大活躍されています。
大人気声優さんの一人ですね。


藤林 杏(ふじばやし きょう)-広橋涼さん
本作のヒロインの一人で高校三年生。
性格は明るくて主人公の朋也に辞書を投げつけるなどする超活発な女の子。
それでいて実はシャイなところがあって、みんなのことを大切にする。
cvの広橋涼さんは、ARIA The ANIMATION、あかね色に染まる坂、WORKING!!、など多数で大活躍されています。


一ノ瀬 ことみ(いちのせ ことみ)-能登麻美子さん
本作のヒロインの一人。
いつも図書館でいる不思議な女の子。
成績は全国でもトップクラスで、それゆえに図書館での個人勉強を許されている。
性格はいわゆる天然で、いつもボーっとしている。
cvの能登麻美子さんは、ルパン三世 天使の策略 〜夢のカケラは殺しの香り〜、乃木坂春香の秘密、花咲くいろは、など多数で大活躍されています。
大人気声優さんですね。

坂上 智代(さかがみ ともよ)-桑島法子さん
本作のヒロインの一人。
主人公たちの一つしたの高校二年生。
とても可愛い容姿でありながら、その戦闘力は町でも肩を並べる者がいないほど。
でも根はとても真面目で、生徒会長を目指すなど優等生ぶりを見せる。
cvの桑島法子さんは、電脳コイル、ハートキャッチプリキュア!、いなり、こんこん、恋いろは、など多数で大活躍されています。


伊吹 風子(いぶき ふうこ)-野中藍さん
本作のヒロインの一人。
ある意味で一番特徴があるヒロイン。
一見は幼い子供のようでとても可愛いのだけど、意外と毒舌家で頑固者。
ことあるたびに「最悪です!」というような言い回しをする。
cvの野中藍さんは、アスラクライン、電波女と青春男、魔法少女まどか☆マギカ、など多数で大活躍されています。


春原 陽平(すのはら ようへい)-阪口大助さん
主人公の親友で、高校三年生。
朋也とは不良仲間として知られている。
サッカーで特待生として入学した。
智代にいつもちょっかいを出して、いつも何倍もの反撃を食らっている。
かなりの名言の持ち主です。
cvの阪口大助さんは、銀魂、ギルティクラウン、ゴッドイーター、など多数で大活躍されています。


古河 秋生(ふるかわ あきお)-置鮎龍太郎さん
渚の父親で古河パンの店主。
主人公の朋也とは悪態を付き合うような関係で、不良がそのまま大人になったというのがピッタリの親。
しかし、この秋生の言葉で泣かされます。
本当に娘と妻を想う気持ちは誰にも負けないという最高の父親。
cvの置鮎龍太郎さんは、SLAM DUNK、リングにかけろ、影鰐-KAGEWANI-、などで活躍されているベテラン声優さんです。


古河 早苗(ふるかわ さなえ)-井上喜久子さん
渚の母親で古河パンの新しいメニューを考案しては店頭に並べるのが好きという、子供のような、まさに渚の母という感じの女性。
渚と同じくアホ毛が特徴で、それはのちのちのキャラにも影響している。
パンが美味しいと褒められないと家を飛び出ていってしまう。
cvの井上喜久子さんは、らんま1/2、AIR、とある魔術の禁書目録、など多数で主にサブキャラとして大活躍されています。


これが主に常に出てくるキャラたちです。


レビューに慣れてない頃に書いたので記載し忘れていました。

改めて、この作品を万人にオススメします^^

投稿 : 2024/09/07
♥ : 37

87.4 22 恋愛で泣けるなアニメランキング22位
ギルティクラウン [GUILTY CROWN](TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (7204)
30407人が棚に入れました
「僕にはわからないんだ、みんなと何を話したらいのか。だから内心焦りながら”友達風”のものを増やして、生きてきた。」
 時は2039年。「僕」の名は、天王州第一高校に通う高校二年生桜満集(おおま しゅう)。欝屈した気持ちを抱えながら、どこか世間に覚めた視線を送る彼はクラスメイトたちとも一定の距離を保ち、ただ漠然と、平穏な日々を送っていた。学校の休み時間に交わされる退屈な会話。ヘッドホンから流れる少女の歌声。「…でも、これでいいのかな?」10年前、突如発生した”アポカリプスウィルス”の萬延によって、大混乱に陥った日本。無政府状態となったこの国は、超国家間で結成された”GHQ”の武力介入を受けその統治下に置かれることとなる。のちに「ロスト・クリスマス」と呼ばれるこの事件をきっかけに、日本は独立国家としての体を失い、形だけの自治権を与えられ、そして人々は、カリソメの平和を享受していた。スピードを上げていて走り抜けていく”GHQ”の装甲車。テレビから流れるテロのニュース。「僕にももっと、やれることってないのかな・・・・・・」しかし集の平穏である日常はある日、突然、打ち破られる。放課後、お気に入りの場所で出会った、ひとりの少女。彼女の名は、楪いのり(ゆずりはいのり)といった。集は憧れ、ウェブ上で絶大な影響力を誇る人気の歌姫。そして彼女には、もうひとつの裏の顔があった。”GHQ”からの「日本の解放」を謳い、命をかけて孤独な戦いを続ける

声優・キャラクター
梶裕貴、中村悠一、茅野愛衣、花澤香菜、竹達彩奈、嶋村侑、寿美菜子
ネタバレ

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

・・・ずっと側に居ても、いい? (;`O´)oダメーーー!!∑('◇'*)エェッ!?

■「ギルティクラウン」ってどんなアニメなの(⌒^⌒)b
舞台は近未来の日本、突然発生したウィルスのパンデミックにより日本が無政府状態になるほどの危機的状態になったのでした。
そこに武力介入してきたのが、超国家間で組織されている「GHQ」だったのです!
そんな従属国に成り下がった日本でしたが、10年後に新たな戦いが起ころうとしていたのです♪

平穏な日々を送っていた天王洲第一高校2年の少年がある少女と出逢い「ヴォイド」という力を手に入れるのです。
その力とは、「GHQ」のロボット兵器を一刀両断するほどの破壊力だったのです!
また、少女の出逢いが必然的にレジスタンス「葬儀社」との出逢いともなり、彼の運命が大きく変わって行く事となるのです。


■「ギルティクラウン」と出逢った日の日記φ(*'д'* )
作画のクオリティーの高さは劇場版でも見ているような綺麗さと演出で本作品に対するスタッフの意気込みをかなり感じる事ができました♪
キャラデザに関しても、男の子の力強さや女の子の柔らかい肌の質感を丁寧に描写できていて感心するほどの出来栄えです♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
BGMの巧みな手法が秀逸で、シーン毎にメリハリあって他の演出をより際立たせている事も印象的ですね♪
緊迫感を出す場面や会話などでBGMが邪魔にならない様にちゃんと気配りがなされていているのが良くわかりますし、選曲のセンスも良いので好印象です♪

後は2クール枠を余すことなく使った壮大なストーリーがどれだけ見ている人の心に響く物になっているかでしょうね(*^-^)
1話観ただけではまだ全体像がハッキリしないので、なんとも言えませんけこの作品の雰囲気から並々ならぬ力強さを感じるのできっと満足いく結果を見せてくれると信じています♪


■総評
放送前はとっても期待していたノイタミア発ロボットアニメだったんですけど、心にイマイチ響かなかったみたいです(・・∂) アレ?
OP曲/ED曲/BGM/作画についてはかなりの高評価を多くの人から頂けてましたよね♪
もちろんσ(^_^*)アタシも同じように思ってました♪
でも残念なことに一番大切なストーリーの組立がチグハグな部分が目立っていて、押さえておきたいポイント見間違えていたように感じました。
そういった意味ではオリジナルストーリーらしからぬ出来栄えになっていたかもしれませんね。
まず、『友達』とか『背徳感』をキーワードに掲げていましたど、こだわり過ぎで足枷になっていたような気がしたのです。
たとえば、「友達を武器に戦う」キャラの個性をヴォイドの形として表現しているのですけど、ハレちゃんの包帯は良いとして、他の人のヴォイドの形が本当に個性を表現しきれていたのかなぁって思うのです。
どちらかと言えばストーリーに都合の良いように各キャラに当てはめただけのような印象のほうが強かった気がします!
また『背徳感』については、後ろめたい気持ちや罪悪感をどのように描写していくか、どう関連付けしていくかがポイントだったんですけどね(≧▼≦;)
とくに主人公の桜満 集(ouma shuu)の引込み思案で臆病な性格は、罪悪感や後ろめたい気もちを背負わせるにはやりやすいキャラだったと思うのですけど、その殆どが周囲の影響によって背負わされたものだったんです(´;ェ;`)ウゥ・・・
戦争を知らないナイーブな性格な集の心情をリアルに描いていたとは思うのですけど、ワンパターンな表現だったがために主人公としては物足り無さを感じちゃったわけなのです。
せめて終盤くらいは誰の影響も受けず、みずから道を切り開いた上で背負った『背徳感』をみせてほしかったなぁって思いました。
幼い頃の恙神涯(tsutsugami gai)が集のリーダーシップに憧れを抱いていた事や、最期にいのりとすべてを背負おうとした集の行動が、もっと素直に受け入れることが出来たかなぁって思うんです
…c(゚^ ゚ ;)ウーン
きっと最後の最後、誕生日のシーンを見た時にもっとスッキリした清々しい気持ちで見れたような気がするんですよね!

他にも、キャラデザが美麗な反面、見た目が幼く見えてしまうので、行動や言動に重みや深みを与えるべきだったのですけど、心情の変化が描写されていない場面もあって説得力が欠けているシーンが目についちゃいましたね(^▽^;)
「城戸 研二」の凶悪さや才能、「ダリル・ヤン」の不器用な生き方など、どれだけの人が印象に残ってるのでしょうか?
アンドレイ・ローワン大尉の名言{netabare}「生き直せるなら今度はもっと人に優しくしろ、本当はもっといい子だったんだろ、ダリル坊やは」{/netabare}
の場面は名シーンになるはずだったのに…いきなりそんな事言われてもねぇ(∀`*ゞ)

面白い設定や展開があっただけに、なんだかもったいなかったなぁって印象でした(^=^;
期待が大きかったぶん余計にそう思ってしまったんでしょうね♪


■MUSIC♫
OP曲『My Dearest』
 【歌】supercell(こゑだ)
 テンポやリズムに微妙な変化を付けて疾走感の中にギルティクラウンの世界観を表現したナンバー♪
 そんな変幻自在の曲を力強よく見事に表現してたこゑだちゃんって何者w
 
ED曲『Departures ~あなたにおくるアイの歌~』
 【歌】EGOIST(chelly)
 σ(・・*)アタシの中で2011年度バラード部門があったらNo.1ソングです♪
 この曲、簡単そうで難しい、切ない悲しげなバラードなんでよね!
 とくにAメロなんかはほとんどピアノの伴奏しかない中、見事に心憂い表現までも出来ているのです♪
 末恐ろしい17歳ですね・・・♪⌒ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
 声質は透き通るようなウィスパーボイスで久しぶりに心に響く名曲に出会えました(*^▽^*)

OP曲『The Everlasting Guilty Crown』
 【歌】EGOIST(chelly)
 『Departures ~』とはうってかわってアップテンポのナンバー!
 この子はやっぱりバラード向きかなって、ちょっと思ったりして♪
 
ED曲『告白』
 【歌】supercell
 明るく元気で疾走感溢れるロックチューンなナンバー!
 
挿入歌『エウテルぺ』
 【歌】EGOIST(chelly)
 幻想的で淋しげなバラード♪
 安心して聴ける良質なバラードですね(*^^*)


2011.10.16・第一の手記
2012.05.19・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 123
ネタバレ

ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

やりたいことをやるとやっぱりそうなるんだよ!きっと!

コードギアスの世界観でヱヴァンゲリヲンみたいな物語をSAOのキリトがやるとこーなった!物語。



パクリとオマージュは別ものですよ。この作品はパクリではない。似ているからそれらの作品に寄ったように「見える」だけだ。ロンギヌスの槍やまどかの弓が出てくるのもきっとオマージュなのだろう。多分。


そもそもオリジナルでも面白くないなら良作とは言えない。コードギアスは作画ゴミでロボットや持ち物のデザイン超絶ダサい。話しにならないレベルであれはロボット系の作品にあってはならんだろ。ついでに設定もガバガハ。
SAOは物語が幼稚かつ短絡的。人間関係作れない人が作ったような作品でまともな物語となる2期のユウキの話しになるまで片手間で見ても長すぎる。バトルシーンも大した工夫を感じないし超退屈。ヱヴァンゲリヲンは物語のベースとなったものが深すぎて俺みたいな考察しない人間にはワケわからん。まどマギは全部が「重い」んです。とにかく重い。

などなど、粗はいくらでもあるもので。でも作った人に関わらず色々な作品から影響を受けるのは至極当然。子は親に似るものです。そしてその作品が何らかの影響を受けていても「良さ」は必ずある。その良さが粗を突き抜ければ必ず良作になるんですよね。突き抜ければ。
コードギアスは物語は面白かった!学園ネタが要らないけど。SAOの世界観は良かった!そう、そこだけ・・・。ヱヴァンゲリヲンはとにかく良いのさ、レジェンドだから。今観てもなんの遜色もない。まどマギは両手離しで誉め称える作品。重さ含めて全部良い。

この作品の良さはやはりデザインだろう。サイコパスでもレビューしているがロボットや小物類のデザインが近未来にしっくり合っている。近未来系作品でまともに見れる作品があまりない。ロボットなんか特にダサいのばっかで。ちなみにSTAR WARSですら苦手です。そんな私でも見れる作品を作ってくれるプロダクションI.Gには興味津々。

シュウのトラウマを活かせないところはキリト以上。ハレが○んでも活かせないのは最後に○○○と心を共にするからだろう。この構成が好きで儚いイノリがとても魅力にあふれ終盤はかなり熱くなり分かりきっていても涙が滲み出る。15話、18話、最終話に見事な山場があるが周回すると他の回がイマイチなんですよね。終盤にしか山場がないからマジで長い。そしてソウタは何度見てもムカつく!
ベースとなっていそうな部分もややこしいですね。ついでにシュウの感情移行が雰囲気で感じとれ!みたいな描写が多く後々セリフで表す暴挙をしちゃってるんです。良い物語なのに構成が若干荒い。

ちょいちょい挟む静止画での描写。あれホンマにマジでなんなん?って感じ。作画はとても良いのに動きがあるべきシーンに静止画って「あんたばかぁ?」なんですけど!チョーもったいない。プロダクションI.Gって人が走る描写苦手?サイコパスでもそうだったが明らかに重心がおかしい。
でもバトルシーンは素晴らしく私にとってはかなりの上物。武器もカッコいいし躍動感も素晴らしくスピード感溢れた作品です。

物語と声優さんの演技も相まってイノリ、ハレ、アヤセ、ツグミがチョーカワイイ。もうキュンキュンですね!茅野さんの色んな声が聞ける作品でもありますがツンデレな花澤様がサイコーです!ツンツンされたいぞー!シバキ倒してもら・・・。

そしてこの作品の至高の産物はやはり「EGOIST」じゃないでしょうか。躍動感溢れたメロディはこの後の作品でも素晴らしいものを残されています。歌詞分かりにくいけどね。supercellのEDは後期の世界に全く合って無かったなぁ。


今さら再視聴したのはパチンコの影響。アニメ系のパチンコやパチスロにハマっちゃって演出が面白くて。必死で演出を見ながら台パンチ(ボタン)をするのがチョー気持ち良い!エウテルペやThe Everlasting Guilty Crownを聴きながらイノリちゃん見ちゃえばムラムラしちゃいます。そんな中毒性のある作品。だけどもう見るの辛いぞぉ!次は何を台パンチしようか迷うなぁ!

満足度評価は若干花澤補正が入ってます!


【以下過去レビュー】
{netabare}
近未来に宿命と戦い背負う「人」の物語。

2クールしっかり使いきりキャラクターの感情がしっかり絡み展開も考えて作り上げられたバランスの良い作品でした。かなり登場人物が多く、黙示録をもとに作られたストーリーは本当に苦手というか訳が分からない。そんなややこしい物語でもスピーディーな展開はあっと言う間に1話が終わり22話の長丁場もいつの間にか終わってます。スピードがある分、序盤は置いてきぼりになりがちですが主人公とメインヒロインから目を話さず物語に沿えば楽しめると思います。
作画も基本的にはよく動いていて安定したもので良い作品と思います。ただ、優れた絵とちょいちょい手抜き感が強いシーンがあったので若干目につき残念でした。キャラクターデザインは私の好みでプラトニックな割には女の子たちはとても魅力的で普段は興味を持たない男性キャラクターも物語に嫌味無く絡んでてなかなかの良作。

ただ、10話の最後にイノリが出てくるシーンと20話のソウタとの絡みはもっときっちり描いて欲しかったですね。重要な局面でもっとイノリの気持ちの表現とシュウの人としての感情を感じたかったです。ちょいちょいある静止画の差込みは萎えますね。アニメは動いてなんぼでしょ。あとは最終話の二人の将来はもう少し見たかったですね。予定より短い終わりを迎えたのかな?
序盤のOPEDはかっちょええです!ってかイノリ役の人が歌ってないんだよね。残念。後半のOPEDは何も感じませんでしたがEDがある話数で心にぶっ刺さっちゃって2周目でも思わずホロホロきちゃいましたね。
超苦手分野であるロボ系作品としてのバランスは優れている作品でコードギアスでトラウマであるSF&ロボ系のジャンルに再度踏み込めるようになりました。数値的には神作に近いのですが重要局面の作りの甘さからその域には達することがなかった作品でした。惜しいなぁ。

花澤さんのシリアスなツンデレ堪りませんなぁぁぁ!ってことで毎度の色眼鏡評価です。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 24
ネタバレ

kwm さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

絶賛と酷評が入り混じった名作、いや迷作

対象の胸元に手を突っ込んで『心』を引っ張り出し、具現化した武器として戦っていくのが特徴の作品。
綺麗な作画と素晴らしい音楽とは対照的に、どうしようもなく残念な脚本が目立っていました。
後に脚本家以外のスタッフを率いて作られた『進撃の巨人』は大ヒット。
『ギルティクラウンは犠牲となったのだ』と茶化すのは簡単ですが、それにはあまりにも惜しい高いポテンシャルを秘めた作品でした。
罪の王冠ギルティクラウンが実在するのなら、是非本作の脚本家に着用して頂きたい。

本作品で最も印象的だったのが、ヒロインの『いのり』がボーカルを務める作中のアーティスト『EGOIST』による曲の数々。
特に一番好きだったのが、いのりが作中において度々口ずさむ事になる『エウテルペ』という挿入歌。
『咲いた野の花よ』という歌詞から始まるこの歌は、流れる度に私の頭の中を空っぽにしていき、すぐに何も考えられなくなった。
カラオケで女の子が歌い始めたらそれだけで好きになってしまいそうな曲。
『歌で世界を表現する』という歌姫の彼女らしさがでていて、本当に設定に合致した最高の曲だった。
EGOISTは後にアニメの世界を飛び出してリアルでも活動する事になるのだけど、それに対してなんら違和感を感じさせないクオリティの高さ。
もちろん一曲だけではなく、オープニングやエンディングも素晴らしかった。

こうした楽曲の美しさや作画の綺麗さが目を引く一方で、ガバガバな設定や心理描写の少ないひどすぎる脚本には溜息しか出てこなかった。
今まで素材の素晴らしさが生かしきれなかった悔やまれる作品として『ラストエグザイル』を挙げてきたけど、それを容易く塗り替える酷さ。
特に序盤に関しては、世界中から集めた選りすぐりの高級食材を元に作った素人料理を見ているかのようでした。
これ以上のガッカリ感は当分無いと思うし、ただただ『どうしてこうなった…』としか言えない。
ちなみにこの作品を最初に視聴した時、3話を終えた後に一旦見るのを辞めていました。
意味不明すぎて見る気が起きなくて、結局ちゃんと見た回数も含めると1-3話を3周もしていた。

以下にその際にメモを取ったガバガバな設定について記しておこうと思う。
本当は登場人物達の意味不明な行動や設定の穴など、他にも書き切れないほど沢山あるのだけれど、キリがないので最も大事な一つとしておきたい。

これは『心を武器にする』という本作の最も大事な設定が序盤に崩壊しているという点。
非常に個性的で、あらすじを読んだ人を惹きつけるであろう大切な部分なのだが、序盤はこの設定がほぼ崩壊している。
未視聴の方でもハードルを下げるという意味でこれを閲覧できるよう、武器の性能など著しいネタバレになりえる情報は伏せてある。
これで少しでも総合得点の高さとの乖離で残念に思う人が少なくなれば良いなと思います。

{netabare}
第1話
主人公は心が具現化した武器『ヴォイド』を取り出せるようになる能力を得る。

第2話
敵から『万華鏡』という名のヴォイドを引き抜く。
万華鏡と叫びながらヴォイドを使用していた為、この時点で事前に何者かに名前と性能を教えられていたか、引き抜くとそれがわかる設定かのいずれかが確定。
しかし事前に主人公に情報を伝えているような描写は一切ないので、ここでは『引き抜くとわかるんだな』としか判断できない。

第3話
特定の形状のヴォイド探しを行う。
通行人など、片っ端から人の胸に手を突っ込みヴォイドを引き抜き、目当ての形状のヴォイドを探していく。
つまり誰がどんな能力のヴォイドを持っているのか、主人公は引き抜いてみないとわからない。
では何故、直前の2話の主人公はヴォイドを引き抜いた直後にその名前も性能も知っていたのだろうか?

第4話
新たに取り出した銃型のヴォイドを見つめながら『銃?』と疑問を持つ。
更に目をつぶりながら試し打ちをし、『なんだこれっ』と驚く。
やはり引き抜いただけではわからないのか?


第5話
仲間から引き抜いたヴォイドを別な仲間に即使用する。
直前のエピソードでは引き抜いた直後にその形状や性能について疑問や驚きを持っていたにもかかわらず、ここでは躊躇無く仲間に対して使用してしまう。
あれれ?引き抜いただけではどんなヴォイドかわからないんじゃなかったかな?
攻撃型だったらどうするつもりだったのだろう?
一体何が正しいのか。
{/netabare}

つまり、エピソードごとに主人公と武器に関する設定がちぐはぐで、整合性が取れていないという事なんです。
ヴォイドの扱いに長けていたかと思えばそうでなかったり、何故そうなのかが一切描写されていないので疑問しか残りません。
このように一人の脚本家が書いたとは思えない支離滅裂な展開が続くので、ストーリーが全く頭に入ってこないし、序盤は主人公への感情移入なんてとてもじゃないけどできませんでした。
説明一切無しで話が画面の中だけで進んでいってしまうこの感じは、アニメ史を塗り替えたとまで言われたあの『魔法戦争』を思い出してしまうレベル。
それでも良い所は他に沢山あったので、魔法戦争のように茶化したおふざけレビューを書く気にはなれなかった。

脚本や設定については酷評しましたが、序盤を3セットしてまで見たくなるほど惹かれるものはありました。
前半と雰囲気が全く違う後半部分についても、私好みな展開だったので飽きずに見れたというは大きかったです。
これについてはあまりにも急激な変わり方をしてしまうので、変化の内容もそうですがそのスピードに対しても驚いてしまう方も多いかもしれません。
2クール目に入った途端に本当に別作品のように変わります。
4クールにでも分けて作っていれば、設定の甘さや速すぎる展開もなかったんじゃないかな…、本当に惜しい。

何にせよ、音楽面の活躍っぷりが凄まじい作品でした。
『神OP』のタグが一位になってしまうのもわかります。
この素晴らしい音楽が無かったら最後まで見ていませんでした。
もしこれから本作を見る人がいたら、素材は凄く良いのでハードルは下げられるだけ下げて見てほしいですね。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 36

88.2 23 恋愛で泣けるなアニメランキング23位
中二病でも恋がしたい!(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (6216)
29071人が棚に入れました
高校1年生の富樫勇太は中学生時代、邪気眼系中二病を患っていた。
しかし、そんな黒歴史を中学とともに卒業し、高校ライフを満喫していた。勇太は周りには中二病だったことを隠していたがひょんなことからある日、クラスメイトで現役中二病患者の小鳥遊六花と半ば強制的に契約を結ぶことになってしまった。

声優・キャラクター
内田真礼、赤﨑千夏、浅倉杏美、上坂すみれ、天野由梨、福原香織、設楽麻美、保志総一朗、井上喜久子、仙台エリ
ネタバレ

助手さ~ん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人は思い込みの中を生きているのかもしれない。中二病は身近な物だと感じた。

タイトルどうり、中二病ラブコメです。
京アニの作画や面白おかしなキャラが魅了ですw

前半は中二病全開のギャグがメイン、後半は恋&シリアス展開となってます。
最初は中二病全開のギャグアニメで恋をどこに入れるのか気になってましたが終わってみると最初にこの作品を見たイメージとは全く違うものでした。
まさかここまで中二病で重い設定になるとはおもいませんでした。
シリアス展開で少し好み分かれそうだけどいい話もあったし僕は好きでした^^
ちょっと切なくなりますね(^^;
意外とラブコメとしても優秀かもしれません。
ギャグは面白いですね~
特に真剣に中二病なのが面白いですw
過去の実績が面白い人も・・・w(モリサマー)
京アニのバトルシーンやBGMもいいですよ^^
挿入歌も凄くいい!

【曲の紹介】
・「Sparkling Daydream」 歌 - ZAQ
この作品のopです。
中二病でも恋がしたい!の『恋』を扱った曲。
映像の立花の指回しに中毒性有りw
テンションの上がる曲です。

・「INSIDE IDENTITY」 歌 - Black Raison d'être(小鳥遊六花、丹生谷森夏、五月七日くみん、凸守早苗)
この作品のedです。
中二病でも恋がしたい!の『中二病』を扱った曲。
立花をはじめとするキャラが歌っている曲です。
カッコイイ曲かと思います!
くみん先輩意外と歌上手いですw
モリサマーの声はカッコイイです!

・「始まりの種」 歌 - ZAQ 
第8話の挿入歌として使われた曲です。
電車の中で立花とゆうたが会話してたときに流れた曲。
浄化されるようないい曲です。
始まりを予感させる曲ですね~
{netabare}すべての始まりは2年前か。。{/netabare}

・「きみのとなりは」 歌 - ZAQ
第10話の挿入歌として使われた曲です。
{netabare} 立花とゆうたが告白するときに流れた曲です。
曲と映像のシンクロ率が高すぎw
『背中あわせじゃなくて』の歌詞のところと映像は軽く鳥肌です。
この曲があったからより演出がリアルに見えました。
早くフルが聞きたいです^^
いい曲なので是非聞いて欲しい。{/netabare}



【中二病について感じた事】
{netabare} 中二病って人が何げに思った事を想像し思い込みその思いが強い人なんだと感じた。
誰しも昔は○○ライダーになりたいだとかプ○キ○アになりたいだとか思うかもしれない。
でもそれは年を追う事に薄れていきやがて消える。
理由は多分なる必要もないし周りもやってないしなどなどだと思います。
でも立花みたいに自分の世界を変えたい、こうありたいと思う気持ちが強い人はその思いを行動にし貫き通すから中二病と呼ばれるのだろう。
何故人々は中二病を笑うのか、それは誰もが行動には示さないけどこうありたいと思った事があるからではないか?
中二病はやってる本人も恥ずかしいと思わないかもしれないけど見てる人も恥ずかしくなりますよねw
笑うということは少なくとも理解しなければ笑えないのでこの作品を見て笑ったあなたは既に中二病は身近な存在ではないだろうか?w
人は思い込みの中を生きているとしたら中二病は身近な存在だと思いました。
まあちょっと行き過ぎちゃったのが中二病ですねw
でも自分に素直で一番楽な生き方かもしれないですね(^^;
オススメはしませんがw
ちょっと色々考えてしまった(^^;
本来そんな作品ではないですので楽しんで見てくれるといいですw
僕も楽しんで見てました~{/netabare}



  【ここから下は各話の感想です】
{netabare}
【1話感想】
{netabare} とりあえず1話の感想です!
まず京アニの作画とopに魅了されました~
opの絵はとても良かったです!

アニメの内容はタイトルどうり中二全開でしたww
ここまで引っ張るかと思うほど攻めてきましたね~
しかしクドさを感じず楽しめました^^
むしろ笑えましたww
ここまで中二ネタやられると新鮮で、すがすがしいですねw

作画も安定していてキャラクターも可愛かったですね^^

正直タイトルで中二病のキャラが出るのかなと予想してはいましたがまさかここまでとは・・・w

これからどうなるか楽しみです!

2話も楽しみですね~{/netabare}

【2話感想】
{netabare} 2話でも相変わらずの中二病全開です!
会話のほとんどが中二病で普通なら違和感を感じるはずなんですが・・・何か慣れてきたのかな?
それとも僕が中二病なのかな?www
今回も面白かったです^^

六花と姉のバトルシーンは凄かったです!(妄想)
クオリティー高いですねw
すみませんが他のバトル物のアニメも見習って欲しいくらいの出来でした。(あれこれバトルアニメじゃないよね?w)
立花と委員長さんは今回も可愛かったです^^{/netabare}

【3話感想】
{netabare} 今回のお話では新キャラ、部活動と物語が動きそうな予感を感じる回でした。
部活動はやっぱり青春って感じがしますね^^
まあ立花は空想の世界を生きてますがw
新キャラも中二病でしたね^^
部活動作ろうと思った理由と部活名が痛々しすぎますね!
僕があの学校なら何回かすどうりして笑いこらえるのに必死ですよw
中二病が二人いると普通の会話してるように感じるのは不思議です!w
中二病が2人いるとめんどくさいですね~
でも楽しそうです^^
にぶたにさんは何故か部活に入りたいと接近してきました!
その心はいかに・・・
次回も楽しみです^^ {/netabare}

【4話感想】
{netabare} 今回のお話で丹生谷さんの過去が明らかに・・・w
今回も妄想バトルがありましたがクオリティーが毎回高いですね!
戦ってる本人達にはあれが見えているのか~
レベル高いなww
丹生谷さんの過去は魔術師で精霊使いでしたかww
またレベルの高いことw
魔法陣分かるはずですよね~
普通の人だと思ってたんですがどうやら間違いでした^^
凸守さんは語尾のデースがウザすぎるww
でもクセになるのでokです^^
元中二病と現役ではやはり現役の方が強いんですね!
新たな発見ですw
モリサマーとダークフレイムマスターはあの部活にいちゃいけない気がするww(復活したらどうするの?w)
モリサマーは可愛かったですが怖いですね~
5話も期待です!{/netabare}

【5話感想】
{netabare} 今回の話では立花好きにはたまらない回ですね^^
表情の変化が可愛かったですw
まだ見てない方は注目です^^
ちなみに僕が好きなのはモリサマーですw
数学は僕もダメなので立花の気持ち少し分かりますw
あいつら何考えてるのか分かりませんw(冗談です)
流石に2点はないですが・・・
そしてまさかの凸守!
中等部学年トップが中二病で変な喋り方って理不尽すぎるww
他の人もう少し頑張ってw
僕は泣きたくなってきたのデースww
凸守は安定のウザさでした^^
黙ってれば可愛いのに黙ってれば・・・w
ユウタかっこよかったですね^^
立花はやっぱり友達少ないのかな?w
でも本人が楽しいならそれが一番です^^
それとも本当はさみしいから中二病になったのかな?
次回も期待です!{/netabare}

【6話感想】
{netabare}今回はいっしきがメインの話でしたw
いっしきの男の生き様はかっこよかったですw
なんだろう謎の感動?ww
いっしきの坊主無駄に可愛いですね^^
モリサマーと凸守笑い過ぎでしょww
いっしきは男にモテるパターンだね!
いつか女にもモテるといいけど。。。


モリサマー怖いですね(^^; 
何あの脅したあとの眩しい笑顔w(可愛いw)
ダメだ騙されるww
凸守とモリサマーの対決はこれからも続きそうですね~

電車の前で立花とゆうたが手をとるところは良かったです!
風が騒がしいな・・・w
そして訪れる夏!
次回も楽しみです^^{/netabare}

【7話感想】
{netabare} 前半笑わされて後半しんみりするいい回でした!
くみん先輩は癒されますね~
一色はデレデレしすぎww
出番あって良かったね^^
相変わらず凸守はうざいなww
面白すぎるけどw
凸守とモリサマーはいいコンビですね^^
日焼けww
本当仲いいなw 意外と似たもの同士なのかな?w

立花のお父さんの話はしんみりしました。
立花はパパが死んだ事を信じたくないんだね。
もしかしてさみしいから中二病になったのかな?
不可視境界線を探す理由が分かった気がする。
立花の涙とBGMが反則過ぎて少し泣けました^^
次回はバトルから入るのかな?w
続きが気になりますね! {/netabare}

【8話感想】
{netabare} 今回の話も良かったですね^^
ゆうたと立花の距離感が絶妙ですね~
中二病のことはやっぱり中二病の人しか分からないよね。
自分と同じ境遇の人だからこそ立花を分かってやれるんだと思いました。
回想シーンのゆうたww
きっと立花にとってダークフレイマスターは憧れなんだね。
今は恋に変わってきてるみたいです^^
でも立花は気づいてない様子。
次回も楽しみです!{/netabare}

【9話感想】
{netabare}立花がとても可愛かったです^^
中二病設定と現実の感情に揺れる所がいいですね。
応援したくなりますね。
モリサマー、くみん先輩との会話も良かったですw
天然と中二病は相性がいいのかな?w
凸守はやっぱり頭がいいみたいです(^^;
クラスでは意外と人気者なのかもw
最後のゆうたと立花が抱き合うところも良かったです!
次回も楽しみ^^{/netabare}

【10話感想】
{netabare} 立花もゆうたも自分の気持ちに気づきました。
凸守はアホだけどいい奴ですね^^
立花の事を理解している良きサーヴァント・・・
じゃなくて友達だねw
立花とゆうたの告白シーンで流れた曲が凄くあってて良かったですね~
見てるこっちも恥ずかしくなったけど恋っていいなと思いました^^
小指を繋ぐとことか特にいいですねw
立花がお父さんの好きな曲歌ったところとか凄く切ない気持ちになりました。
そしてついに眼帯を。。。。
次回も見所ありそうです!

あと一色お疲れ様ですw
流石くみん先輩タイミング素晴らしいww
モリサマーは今年で716歳か・・・w
長い生きだねww{/netabare}

【11話感想】
{netabare}最初に中二病は決していいことだとは思わないと定義w
今回の話は立花が中二病を卒業して3週間後のお話。
立花が眼帯を外しぎこちないながらも普通の会話をしていたがその時点で違和感がw
凸守はアホで中二病かもしれないが生き生きしていたのに対し立花は何か我慢している様子でした。
さなえちゃんwww(凸守の下の名前)
凸守は何度も立花を本来の形に戻そうと頑張っていた所が印象に残りました。
今日1日で何回デースを聞いたことかw
モリサマーが凸守を抱きしめるところは流石コンビだね^^
ちょっと感動w
立花もゆうたも現実にとらわれて本当にしたいことや信じたい物に素直になれんかったと思いました。
それが普通なのかもしれないが。。。
みんなそんな物は本当にはないと分かってでも結局人は無いものねだりなのだろう。
中二病も一つの個性と考えると今の立花は抜け殻。
それはとても悲しいことだと思う。。
現実と空想の狭間で揺れる彼らがどんな答えを出すか次回に期待!次回最終回かよw ちょっとさみしい^^
爆ぜろリアル!弾けろシナプス!バニッシュメントディスワールド!!をもう一度立花の口から聞けることをひそかに期待しておこうw
一色も頑張れ!!(ついでw) {/netabare}

【12話感想】
{netabare} いよいよ最終回!
あれ、凸守らしき人が・・・w えええええww
凸守も違和感が(^^; 
メッチャ普通に可愛い女の子になってるしw
くみん先輩はついに目覚めたのかw
立花にそっくりでした(^^;
みんな立花とゆうたの事を心配してて暖かいな~と思いました。
結局一色は最後までいいとこなしw
痴漢役にさせられてかわいそうww (顔やめてw)
今頃は刑務所かな?w

モリサマーの『人はいつも何かに病んでいる』という言葉が印象的でした。人は結局思い込み、イメージの中を生きてるのかなと思いました。
それがたまたま中二病になっただけで根本は同じなのかもしれませんね(^^;

立花とゆうたは青春って感じで良かったです^^
立花はダークフレイマスターに元気をもらい自分の現実(父親の死)を少しでも変えたいと思い中二病になったんだなと思いました。
最初はダークフレイムマスターに憧れ最後は恋したんだなと思いました。
それにしても2年前のゆうたは捕まるレベルww
でも本気でアレができるのは凄い!
中二病が人の心を動かす事もあるんだね。
立花にとってダークフレイマスターは特別でダークフレイマスターじゃなきゃダメだったんですね^^
まさか中二病でこんなに壮大な話になるとは思わなかったけど楽しませてもらいました!
僕たちは少なからず中二病とは関わってるのかなと思いました。
不覚にも中二病でも少しはいいのかもと思ってしまった自分がいるw
僕も私も中二病でもいいじゃないか?w
決めるのは皆さんです^^{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 77
ネタバレ

ゆ~ま さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

DVD7巻(Lite全話と13話)を観ての感想。

原作小説未読。

総評的なもの。
{netabare}
・個人的にはくみん先輩が好みでした。
・たまに見せる、素の六花もなかなかw
・物語としては序盤~中盤の、ドタバタコメディ&ラブコメパートが好きでした。終盤のシリアス展開辺りは微妙に納得できないです。
・勇太&六花以外の面々にも、もう少しスポット当てて欲しかったかな?と思います。が・・・1クールでは厳しいですよね。かと言って2クールにして間延びしてちゃ台無しでしょうし・・・。
・画的な点は・・・素晴らしい出来だったと思います。人物・背景・動きどれをとっても良かったと思います。
・故に惜しいのはキャラデザかな?と。「京アニ」ブランドとしてみれば当然の選択なのかもしれませんが、やはり同社製の他作品と(他社製の物とも)ダブる部分が否定できません。
・OP、ED共にお気に入りです。個人的にはOPのが上位ですね。アニメそのものに対する感想ではないですが・・・ED曲もZAQさんverのが・・・。作詞作曲担当のZAQさんには、これからも注目していきたいと思います。
{/netabare}

以下各話レビュー。
{netabare}
13話・Lite全話鑑賞後----
まずは改めて・・・この作品はコメディ要素を前面に押し出した方が面白いな~と感じました。確かにそれだけではいずれ飽きてしまう可能性が高いとも思えますし、シリアス要素そのものを否定するつもりは無いのですが・・・。

ジャケットのあらすじを読んで正直・・・「え!? あの2人のクリスマスネタ!? 何も起きないでしょ。」とか思いましたw
ま~実際・・・お膳立てしたのは周囲な気もしますし、一色は相変わらずでしたし、何より「何か起きたのはそこか!?」とw

いや~面白かったです。
こんな方向性でなら2期に期待したいと思います。

12話鑑賞後-------------
最終話ということで、普段以上に気合入れて視聴。

11話終盤からどこかギクシャクした勇太&六花でしたが・・・想像以上に深刻でした。六花はともかく勇太は・・・ちょっと自覚無さ過ぎかな?とも。いや、横から観てるだけだからそう思えただけなんでしょうね。当事者になっていたら、そうは思えないでしょう。

序盤から出てくる、くみん先輩による「二代目・邪王真眼」がかなりハマりました。弾け具合は初代に比べ控えめだったように思いますが、雰囲気は見事な再現っぷりでw 浅倉さん、GJです。

凸守は・・・結局何者なんですか?w 六花実家に来ていたときの車は何?w 運転手っぽいのいませんでしたか?
そして中二病発病前(というのか?w)の気持ち悪さと言ったらありませんでしたね。見事に勇太とセリフが被りました。

丹生谷さんのセリフは一理あるかと。
「人はいつでも何かの病にかかっているのでは?」という意味合いと理解したのですが、ラストのナレーションに通じる物が感じられました。
表現方法や方向、傾向が異なるだけで、何歳になってもその意味としてはあまり差が無いのではないか? そんな風に思えました。

実は六花の恋心はもっと以前から存在していた、という点は素直に驚き、納得できました。確かに初対面からにしては接近が速かったですからね。

ただ・・・。
父の死にきちんと直面できなかった、という六花の心の傷?という点は理解できますが、そこが起点に中二病を患ったみたいな展開は頂けないかな、と。結局はその時に見かけた勇太の姿に憧れて、ということにはなるわけですが・・・。
何かイマイチ納得できないといいますか、安くなってしまっているといいますか。上手く表現できないです。

11話鑑賞後-------------
物語前半殆どがテンション高め・明るい・(ラブ)コメディ展開(ちょっと伏線風味?)だった分、ここ終盤での「落差」がそれなりに激しいように感じます。

が・・・その落差も個人的には今一つでして。
先が読みきれてる部分(あくまで勝手な予想ですが)、何か一つ筋が通っていないように感じる部分(特に勇太君)、六花の中二病の要因の1つと思しき「父の死」。
それらが落差を安くしてしまっているように感じます。
今思い返してみると・・・実家でしょうか、祖父母の家に行った辺りでのやりとりを、少々長く扱い過ぎていたようにも思います。
「落差」をもっと急激に出してくれたら、感情移入できたかな?と思います。

次回最終話ということなので、ここらの物語の感想は次回に持ち越したいと思います。
勇太&六花の進む先は・・・?

10話鑑賞後-------------
どうやら勇太も六花も自分の気持ちに自覚できたようで何よりです。そしてお互いがそれを口にすることで、互いに伝える。ニヨニヨ好きな人間としましては、大変美味しく頂くことができました。

で・・・「2012秋BEST」に書いたことと若干矛盾してくるんですが。個人的にはこれ以上のゴタゴタは見たくないんですよね・・・。
「くっついて終わり」では他のキャラの存在とか適当すぎる気がするので、彼らなりのエピソードが欲しいところではあります。
ですが、ここから勇太&六花の間に更に何か起こされるのは、何か違うような・・・。六花の家庭の事情とか無視できる点では無いとも思えますが。

9話鑑賞後--------------
8話では小鳥遊家の事情が明かされ、2話続けてテンション低めのお話だったと思います。
そして六花と勇太は小鳥遊実家から逃避行、と。

一色君の扱いがやはり酷いといいますか、可哀想になってきますw

で・・・まさか9話でようやく気持ちを自覚するという展開になるとは思わず・・・。いや「らしいもの」には気付いていたけど、そのものの正体を知った、というところでしょうか。
動揺しっぱなしの六花さんは、可愛いですね~。
(というか可愛い娘が焦ったり、慌てたり、揺れ動く姿が好きなんだと再認識・・・)

丹生谷さんが六花のフォローに回る辺り、さすが委員長と。元中二病を隠す為だけかと思いきや、元々こういう気質なんでしょうね。バイオレンス気味で口が悪いだけかと思ってましたが、評価up。
そしてくみんさんは・・・天然モノの天然さんだと信じたいです。狙ってとかキャラ付けとかは・・・勘弁してくださいね、ホントw

7話鑑賞後--------------
くみん先輩が白かったw
丹生谷さんと凸森さんの日焼けが驚きでしたw

そして何より・・・ここまではテンション高めの物語だったのが、今回はシリアス成分多めで。こちらも意外でした。
小鳥遊家の家庭の事情が見えてきて、六花の行動の起源のようなものも見えてきて。

良い意味で期待を裏切ってくれてます。

6話鑑賞後--------------
丹生谷さん、放送当初から見事なまでのキャラ豹変ぷりですねw そして見事な脅迫ぷりw (「キルミー」のやすなさんとcv同じわけですが・・・同じに聴こえないw)

一色君のフォローをしたいわけではないですが・・・確かに見つかったのはマズいね。
発案者として、坊主頭にして他の男子を守ったことは評価に値するかと思います。

アジト(部室?)に設置された(電飾)魔方陣が意外な活躍をみせますね。今回の一色君の頭は光り過ぎだと思います~。

小鳥遊姉の依頼で幕を引いた6話。
次回はどんな方向にお話が向かうのでしょう?
というか、どこに来てくれと・・・?w

5話鑑賞後--------------
近頃「次回予告が無い」もしくは「次回予告になってない予告」な作品が多い気がしますが・・・。
コレもその1つかとw
別にそれが悪いとも思いませんし、むしろ魅力になっている物もあると思います。

で、正直この作品の目的地って何処なんでしょう?
各キャラ一通り出揃って、何か展開あるのか?と思ったら・・・むしろ停滞気味?
唯一進んだように思えるのは、勇太と六花の関係の一歩というところでしょうか。

何だかんだで封印しているはずの勇太君の中二病、結構漏れ出てると思いますw

それにしても2点か~。
いえ学生時代、数学で200点中1ケタとかやったことあるんで全く笑えない立場ですがw

4話鑑賞後--------------
丹生谷さんが部活?同好会?に入って、ハーレムちっくな展開になるのか?と思っていましたが。

何ともまぁ、彼女まで(元)中二病患者だったわけでw それは予想してませんでした。しかも凸森さんは六花にベッタリなのでハーレムな展開にはなりそうも無く、余計な心配でしたw と勝手にひとまず安心していたりします。

「類友」とはよく言いますが・・・周囲の中二率(もしくは変人率?)高すぎでしょうw

3話鑑賞後--------------
今回も無駄に?w気合の入ったバトルシーンでw 寝転がっての再現かよ!?とw

物語的には・・・「中二っぽい」というより「ハーレムっぽい」匂いがしないでも無いですが・・・w

凸森さんも登場して、丹生谷さんも正式に参戦?して、これからが本領でしょうか?

とりあえず3話の時点で、今クールの軸に認定したいと思います。極端にハーレム展開されたり、あまりに勇太君が優柔不断だと評価が逆転しないでもないですが。

個人的にはくみんさん推しでw

2話鑑賞後--------------
お姉さんと六花のバトルシーン、気合入ってましたね。そして現実とのギャップがまたw どんな、おたま使いかと。

きめらって・・・あ~確かに、背中に羽、蛇っぽい何かが付いてるw

登場順から、次は丹生谷さんかと思いきや・・・。
「五月七日」で「つゆり」か~。うん、初見では読めないですねw
どこかで聴いた声だと思って、結局EDまで分からなかったのが情けない。ごめんなさい浅倉さん。
六花と勇太の会話を普通に聞いているあたり、彼女の立ち位置がどこら辺なのか不思議です。

登場するどの女性キャラも可愛らしく描かれていて、今のところその方向では満足しております。
 
1話鑑賞後--------------
物語については今後次第といいますか、本題にも入っていないでしょうから、追々。

声優さん達についても、追々。
キャラ出揃ってないでしょうからw

秋アニメを放送前にキャスト・スタッフ・スケジュールなどをチェックして気になっていた1つが、この作品のOP曲でした。「咲-阿知賀編-」EDを担当してらしたZAQさんの曲です。こちらについては文句無く。一度何とかフルコーラス聴いてみたいですが、CD待ちですかね~。

画方面ですが・・・良くも悪くも京アニですね。
個人的には悪い方に、気になっています。
恐らく京アニ純粋培養なタイトルなんでしょうが、過去に観たことのある京アニ作品に近すぎるように感じます。
スタッフや製作会社などが近ければ、作風が似てくるのは仕方がないこと、むしろそれこそが「社風」なのかもしれませんけども。
OPは若干観づらい(画面の切り替わりが早いので、目がチカチカします)ですが、面白いとは思えました。
が、EDは・・・正直初見で「どこかの軽音楽部っぽい」と思えてしまいました。いや、これが持ち味だとも思えますが・・・。

主人公のcvは福山さんですが・・・あの声が聴こえて、他に「小鳥遊」というキャラがいると、凄い違和感がありますねw

初回だけですが、ちょっと酷評気味になってしまいました。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 35
ネタバレ

アスピリン さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

何度見ても最高の作品だと断言できる!

放送終了から1か月ぐらいでBDなども発売していますが、何度見ても最高の作品だと断言できますね!

まずテンポのいい会話に飽きることがないですし、各キャラの個性も強い、また最高の作画や最高のBGMなど本当に完成度の高い作品。

個人的な話になってしまうかもしれませんが、やはり六花の可愛さは他の作品のヒロインを凌駕しているんじゃなかろうかと?思っています(笑)
(その六花のの可愛さを引きj立てているのも他の3人の部員のお陰だとも感じます!)


テレビの放送は終わってしまいましたが、今後OVAなどのタイトルに期待したいかなーって気もします。
ただ、変に内容のない2期にするぐらいならこのままいい思い出で完結していてもいいのかなーって気もするんですよね・・・


タイトルで観る気がしないという人もいるようですが本当にいい作品なので是非とも見てもらいたいです!!!!

絶対に期待を裏切らない作品だと思うので・・・・
(私はこの作品をタイムリーに見ることが出来たことがうれしかったです!)










11話感想{netabare}

これまでで最大の鬱回だったと思います。
森夏の言う通りでお互い意地を張っている感じで、無理やり中二を内に押しこめている感じ。

六花は勇太にそのことを言って欲しいと思ってるみたいだし、勇太もそれを言いたいけど 言ったら無責任ということで言い出せない感じがなんとも言えませんでした。

そのことをデコに指摘され、わかってて言えない現状へのモヤモヤをデコにぶつけてしまいましたね。
(本当にデコがかわいそうだった・・・・・・・)

中二のいいところである笑顔要素が全くない鬱回でかなしい11話でした。 {/netabare}

10話感想 {netabare}

六花も勇太も自分自身が好きな相手を認識したところで・・・ものすごく痒い展開になってましたねw

六花はなんとなく勇太のことが好きなんだろうっていうのはわかってましたが、勇太があれほどまで六花のことを好きだったとは・・・・(笑)

何はともあれお互いの気持ちを確認したところで、文化祭に突入したんですが、ここで六花を中二に突き動かした要因になったかもしれないであろう 母親がお弁当を持ってきて勇太と遭遇。

なんかお母さんがすごくかわいそうな感じでしたね・・・
それを感じる勇太・・・

ここは回想シーンだけとなりましたが、眼帯を外すように指示する勇太と拒む六花。

落ち込む勇太でしたが、最後のシーンでの六花の右目と歌っている曲に色々詰まっているみたい。 {/netabare}

9話感想 {netabare}

ここまででも十二分に満足だったし、面白すぎたんだけど9話を見終わって「最高すぎるでしょ!!!」と更に文句のつけようがないです!

ストーリー構成もそうだし、キャラデザインの秀逸さもそうだし、背景絵の綺麗さもそうだし、その背景絵を引き出す意味でのBGM、またカメラワーク(視点切り替え)もすごい! 
もちろんキャラが可愛いっていうのは言わなくてもいいぐらい

ヒロインである六花が既に勇太に抱いている中二妄想が恋であることを認識しているあたりがすごくストレスなく見れましたし、それに当然気づかない主人公、アシストする森サマーも素晴らしい!

ラストのシーンとか言葉を失ってしまうぐらい綺麗な校舎まわりの背景・・・圧巻。。。
(ただ屋上?の手すりの適当さはBDなりで修正したほうがいいかもね?w あれは現実離れしすぎている危なさです・・・。)


来週も楽しみすぎるんですけど、あと3話ぐらいしかないと思うと寂しい・・・・・・・・・・。
絶対OVAとかは出して欲しいし、この作品の世界観にもっと浸っていたいな~    真面目に。 {/netabare}

8話感想 {netabare}

すごく惹きつけられる。
どうしたって観たくなる。
それが中二病の特徴かと思いますね~

本当に面白すぎるんだよなー、今のところ今期ナンバーワンは中二かなって思ってるぐらいです!
(同意見の人は多いはず!)

今回でひと段落しそうな感じだったので、次週からまた可愛い邪王心眼を拝められそうです(笑)

来週が待ちどおしい~ {/netabare}

7話感想 {netabare}

前半からどこか六花が実家に帰りたがらないな~って雰囲気があったんですが、てっきり実家のおじさんなどが嫌いなのかな~って思ってました。

ただ、それ以外にもやっぱりありましたね。

六花は父親がまだ生きていると思い込み続けているのが原因みたいですね。

思い出の地が売地っていうのもさびしかったですね・・。

ラストのシーンが中二戦闘への導入だったので次回は戦闘から始まるのかな??


あと、勇太はいい子だね~。
こんなやさしければ中二でも恋はできるだろ!(笑)

またキャラデザインは今期の作品でダントツの1位だと思います。サブキャラにも凝っているあたりがすごいよね~{/netabare}

6話感想{netabare}

タイトル通りで踏切のカットはあまりにも印象的なシーンでしたね。(このような感じで作品の分岐点となりえる箇所をあえて他の演出とは一線を反して製作しているのは本当に素晴らしく記憶に残ります!
今までで1話で中二病たちの残骸を捨てずに取っておく選択をした際のBGM、加えて今回の踏切シーンのBGMは異質でいいな)

まだ6話までですが、ここまでの総括でいうと
やはり細部までしっかりと作られていて 丁寧に且つ大事に作られている気がします。

こういった作品はもっともっと評価されるべきですし、もっともっと多くの人にタイトルで観るのを止めたりしないできちんと観て欲しいですね!それだけの価値は十分!


はやく7話がみたいなー。。。 {/netabare}

4話感想 {netabare}


のことをてっきり普通の可愛い女の子で物珍しさだったり主人公への興味で入部希望したのだと思っていたんですが、まさかまさか自身も中二病だったとはwwww

しかも結構有名人なのかな?!


全体的には こういう予想外の展開でストーリーが進んでいくのは見ていて面白いですし次回以降が楽しみでなりませんね!(中二病戦闘の力の入れ方からのリアル戦闘へのシーンの切り替えとかもうね・・w)


一応これでメンバーは揃ったみたいなのでこれからさらに楽しくなっていきそうです!

2話感想 {netabare}

しかし、、、ものすごい中二力ですねw
なんかここまで来ると普通に呆れを通り越して可愛さ満点です!(笑)

中二力を存分に生かしたキャラ作りは素晴らしいですし、これだけ評価+注目度が高い作品ですが、単純に中二を極めるだけでなく、ストーリーにも目を見張る展開を期待したいですね!(まだ2話なんでストーリーで魅せろっていうのは難しい話なんだけど、2話でいうと姉からの相談っていうのが割と真剣み味があってよかった)


また中二全開バトルシーンの作画はすごかったですね・・・・・本当に労力の無駄使いって感じだよ(笑)
加えて、BGMがその辺の安っぽいバトルアニメなんかより気合が入っていて笑ってしまったよw

もうこの辺がさすが京アニメってことになるんだろうね。 {/netabare}

3話も期待! {/netabare}

1話感想 {netabare}

中二病はかなり重症でしたね(笑)
1話を見ただけなんで何とも言えませんが、なとなく京アニ補正ってあるんだなって思いました。


それを感じたのがタイトルにあるようにBGMを用いた雰囲気作り。
はちゃめちゃな展開からいきなりムードを変えたり、最後の場面みたいに切ない空気を演出するためのBGMにしたりと、やっぱりこだわるところが違うな京アニ!

加えて、京アニの作画は安定していて、もう言うことなしです。素晴らしい。


で、原作未読の私が最も気になっているのは、果たして単純に中二病の2人を描いていくのか、それとも本当にSFをかすめるぐらいの展開になるのかってことです。
(個人的には"電波女と青春男"のOVAみたいなギリギリSFをかすめるぐらいがあるんではないかと期待していますw)

あとはなんといっても六花が可愛いってことかなw
まさに愛らしいとはこの事か!!って思いましたよ!


今後、更に期待していい作品トップですね。 {/netabare}

開始前レビュー {netabare}本日、京アニチャンネルなどで配信されました学校編。
私のイメージとだいぶ違っていましたね。

てっきり無口な中二病の女の子かと思っていたんですが、実際は可愛いらしい普通に喋る中二病の女の子でしたw
と言うか、ドジっ子って感じのほうがニュアンス的には近いのかもしれません。(6分ぐらいの短編だからこそ、製作側の意図が表れていると信じたい(笑))


情報によると「涼宮ハルヒの憂鬱」に被せたみたいな不思議な方向にいく可能性もあるみたいですし、なんでも長門をイメージしたとかw
ってことはですよ!ハルヒみたいなSF要素がどれぐらい入ってくるかも期待したいところですよね。


なんとなく普通の学園アニメって感じがするんですが、SFテーマが入ってくるって事なら話は全く変わってきそう。


また、少し話がそれますが、CVが非情に良い感じですね!
声優で勝負するのではなくて、物語で勝負って感じがとっても好印象です!!
京アニの力を見せてもらいたい!



TV放送開始まで楽しみですね。 {/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 14

90.0 24 恋愛で泣けるなアニメランキング24位
花咲くいろは(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★★ 4.1 (6277)
26938人が棚に入れました
突然の夜逃げ、突然の告白、そして突然の別れ――。今までとは違う自分になりたかったという夢は、急に現実となりました。私、松前緒花の平凡な日常は1日にしてドラマチックな展開を迎えたのです。通い慣れた、それでいてあまり愛着のない街を出て、話したことや会ったこともない祖母の元で暮らすのです。大正浪漫あふれる温泉旅館・喜翆荘(きっすいそう)。そこで出会う人たち。花の芽が地上に出て新たな世界を知るように、私も、今までとはまったく違う、新しい生活を始めます。それは辛いことかもしれません。でも、めげても、くじけても、泣きじゃくっても明日は来るんです。だからこそ私は頑張りたいんです、そして輝きたいんです。太陽に導かれるよう咲く花のように。いつか大輪の花を咲かせられるように……。


声優・キャラクター
伊藤かな恵、小見川千明、豊崎愛生、戸松遥、能登麻美子、梶裕貴、本田貴子、久保田民絵、浜田賢二、間島淳司、山口太郎、恒松あゆみ、諏訪部順一、チョー

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

お仕事いいね

PAWorks10周年を記念して制作されたお仕事シリーズ第一弾。

安定した作画だけでなく、主題歌も良い。
緒花ちゃんや個人的な推しキャラの菜子ちゃんなどキャラクターも可愛く、人間らしさがあふれていました。旅館業を通してそれぞれのキャラクターが目標に向かって成長していくさまを見て感動しました。こうして、旅館業は成り立っているのだと分かります。見終わった直後は旅館で働くのも良さそうだなんて変な考えも浮かんでしまった。すぐに消えたけど。

制作会社のPAWorksは北陸、富山に本社を構えているだけあって、石川県を舞台にしているわけだが、このアニメに端を発した祭りがあり、地域振興にかなり寄与した作品であったと言える。僕はこの作品を友人によく勧めるほど、クオリティの高い作品だと感じてもいるし、見て終わりの単なるアニメではない。石川県は一時期、レディー・加賀と言ってPRしていたが、PRするまでもなく、かなりクオリティの高い旅館が多いらしい。是非行ってみたい。

面白いけれど、ひとつ不満があるとすれば、緒花の母が苦手ということくらい。ああいう母親にしないと、この物語にはできなかったことは容易に想像できるが、好きな作品でもどうしても好きになれないキャラクターがいたっていいよね。


1. 第1話 十六歳、春、まだつぼみ
突然、母、皐月(さつき)から「夜逃げをすることになった」と伝えられた松前緒花(まつまえ・おはな)。母親から手渡されたのは“喜翆荘”(きっすいそう)という名と、電話番号が書かれた一枚の紙切れだけ。住み慣れた街、母親、そしてクラスメイトの種村孝一(たねむら・こういち)に別れを告げ、まだ出会ったことのない祖母がいる街で暮らすことになった緒花は、海岸線を走る列車からの景色を見ながら、これから始まる新たな生活に思いをはせるのだった。

2. 第2話 復讐するは、まかないにあり
「従業員として働きながら高校に通うこと」と、祖母である四十万スイ(しじま・すい)から厳しく言われ、スイが経営する温泉旅館“喜翆荘”で、新たな生活を歩み始めた緒花。それは思い描いていた生活とはほど遠い世界だった。だが彼女は、板前見習いとして住み込みで働く鶴来民子(つるぎ・みんこ)や同じ仲居の押水菜子(おしみず・なこ)をはじめ、喜翆荘で働く従業員たちと打ち解けようと孤軍奮闘。しかしその頑張りが裏目に出てしまう。

3. 第3話 ホビロン
“喜翆荘”で長逗留をしている売れない小説家、次郎丸太郎(じろうまる・たろう)。彼の書きかけの原稿をゴミだと勘違いして捨ててしまった緒花は、次の朝、まかないの支度途中に姿を消してしまう。「東京に帰ってしまったのでは?」と心配する従業員たち。しかしスイは、そんな彼らを横目に旅館の大掃除を命じる。掃除のため次郎丸の部屋に向かった菜子だったが、次郎丸に、かたくなに掃除、そして部屋に入られることを拒まれてしまうのだが……。

4. 第4話 青鷺ラプソディー
東京から来たということで女生徒たちには質問攻めに、実は男子に人気のある民子と一緒に住んでいるということで、男子生徒からは興奮気味に詰め寄られる。その勢いに戸惑う緒花を救ったのは、クラスメイトであり、有名温泉旅館“福屋”(ふくや)の一人娘である和倉結名(わくら・ゆいな)だった。にぎやかにスタートした緒花の学校生活だが、校舎裏で男子生徒から告白を受けている民子の姿を目撃する。

5. 第5話 涙の板前慕情
“喜翆荘”の板前であり民子を指導する先輩でもある宮岸徹(みやぎし・とおる)。緒花と民子は、彼がホットパンツ姿の結名をバイクに乗せ走り去るのを目撃する。驚くふたりだったが、翌日、板長の富樫蓮二(とがし・れんじ)から徹が来ないことを告げられた民子は、さらにショックを受ける。事情を知った菜子や次郎丸、仲居頭の輪島巴(わじま・ともえ)らも加わってあれこれ推測するも、次郎丸が仕入れた情報により、福屋旅館による徹の引き抜きという結論に至るが……。

6. 第6話 Nothing Venture Nothing Win
ある朝緒花が玄関を掃除していると、車に乗ったひとりの女性が現われる。彼女こそ、経営が苦しい“喜翆荘”を立て直すべく、叔父であり番頭である四十万縁(しじま・えにし)が雇った経営コンサルタント川尻崇子(かわじり・たかこ)だった。実は、ほぼ毎月やってくるという崇子から今回提案されたのは、仲居の服装を一新する案だった。ド派手な衣装を前にとまどう従業員たちだが、崇子の迫力と縁の勧めで、とりあえず服装を変え仕事をすることに。

7. 第7話 喜翆戦線異状なし
母からの電話でお見合いを勧められる巴。すでに相手の写真も送ったと言われ、実家に帰ってこいと迫られる。それに対して勝手に決めないでと反論するも、高校時代の友達の中で結婚していないのは巴だけであることや、喜翆荘でお金持ちのお客さんを捕まえて玉の輿に乗ることに失敗していることを指摘され言葉に詰まる。今の仕事を続けるか、それとも結婚か。これからの人生について悩む巴。そんな彼女の前に、少し特殊な常連客一行が現われる。

8. 第8話 走り出す
旅行雑誌で喜翆荘のある湯乃鷺温泉街が特集されることを知った緒花。旅館ランキングで上位になればお客も増え、スイからも労ってもらえるのではと妄想する。しかし現実は1組の予約しか入っておらず、菜子や徹が休みをとるぐらい暇だった……。ところが幸か不幸か常連さんと飛び込み客が重なり、一気に慌しくなる喜翆荘。スイも仲居として巴や緒花を手伝おうとするが、急に倒れてしまう。そんな中、崇子はお客に覆面記者がいると言い出すのだが……。

9. 第9話 喜翆荘の一番長い日
いきなり増えた宿泊客。突然倒れ病院に運ばれたスイ。菜子や徹の不在。そして覆面記者宿泊の疑い……。女将不在の中、右往左往する喜翆荘の面々は、崇子の提案で覆面記者と思われるお客を優先に接客しようとする。しかし緒花はこれまで通り、宿泊客全員に平等のおもてなしをするべきだと反対。友人の結婚式に出席している徹も連れ戻すと言って飛び出す。徹が見つからず焦る緒花の携帯に、突然孝一から着信が入る。

10. 第10話 微熱
最近、毎朝早起きをして玄関や帳場の掃除を続けていた緒花だったが、無理がたたり熱を出して倒れてしまう……。落ち着いて寝ている緒花を心配そうに見つめる民子や菜子、巴たちは、今日一日ゆっくり寝かしておこうと決める。オリジナルのおかゆを持ってくる徹や、お見舞いがてら新作を披露する次郎丸など、皆が入れ替わり立ち替わり緒花の様子を見に来るも、緒花は自分がいなくても仕事が回るのを見て、本当に自分は必要なのかと自問する。

11. 第11話 夜に吼える
湯乃鷺温泉街の特集が載った旅行雑誌の発売日。緒花は旅館ランキングでの喜翆荘の高評価を期待していたが、現実は10点満点中の5点。またランキングの結果を受けてか、予約キャンセルが相次いでいた。ランキングの結果に納得のできない緒花は、「喜翆荘にめちゃくちゃな評価をつけた犯人と戦ってきます」と書おきを残し、電車に飛び乗っていた。交渉(?)のすえ、なんとか出版社で記事を担当したライターの名刺を見せてもらうのだが……。

12. 第12話 「じゃあな」
旅行雑誌の旅館ランキングで、喜翆荘に悪い点数を付けられたのは大人の事情が絡んでいたと知ってショックを受ける緒花。心配で迎えに来た徹と民子に慰められ、3人は小さなビジネスホテルで一夜を明かすことに。翌朝、緒花は喜翆荘の本当の良さを知ってもらうため、母親であり、ライターでもある皐月を誘拐して連れて帰ることを宣言。徹と民子にも協力を仰ぐ。それを了承する徹だったが、孝一も一緒に喜翆荘に連れていくという条件を出す。

13. 第13話 四十万の女 ~傷心MIX~
母親を車に乗せ戻ってきた緒花たち。皐月は着くなり、浴衣のデザインやお茶菓子、お風呂の時間について、いろいろと指摘する。菜子はそんな彼女を素敵と思い、小さい頃から姉にいじめられてきた縁は威圧的なオーラにひるみ、次郎丸は皐月の艶めかしく白いうなじにやられていた。一方、スイと緒花は皐月と距離を取っていたのだが……。仕事を通してスイ、皐月、緒花それぞれの気持ちが交錯。四十万の女たちの物語に新たな1ページが加わる。

14. 第14話 これが私の生きる道
空に浮かぶ白い雲、照りつける太陽、目の前に広がる青い海。今日は緒花たちが通う香林(こうりん)高校の修学旅行。水着姿の緒花が、パーカーとショートパンツとサングラスで完全防備姿の民子の手を引き海へ誘っていた。仕事を離れ緒花、民子、菜子、結名たちは南国の夏を満喫していた。宿泊先の大きさに圧倒される緒花。旅館の番頭であり跡取り息子の日渡洋輔(ひわたり・ようすけ)は、何か結名と関係がありそうな雰囲気だが?

15. 第15話 マメ、のち、晴れ
結名の遠い親戚の日渡洋輔。彼の実家が経営する旅館「福洋」に修学旅行で泊まることになった緒花たち。しかし番頭である洋輔の厳しい指導や彼の態度に我慢できず、バイトの仲居4人が突如辞めてしまう。洋輔の両親と残った従業員は、手空きの仲居がいないか組合に連絡を取るなど奔走する。それを見ていた緒花は、自ら仲居の仕事を手伝うと伝えるも、洋輔の父にお客様の手を煩わせるわけにはいかないからと断られるのだが……。

16. 第16話 あの空、この空
結名の実家である「福屋旅館」に集まった湯乃鷺温泉の女将、組合員たち。不況の時世、どうやったら温泉地を盛り上げられるかと話し合っていた。その中には緒花、菜子、民子、そして結名の姿も。突然女将から率直な意見をと求められた緒花たちは、自分たちの欲望のまま答え女将たちを呆れさせてしまう。その頃、喜翆荘では縁と経営コンサルタントの崇子が、スイに喜翆荘を舞台にした映画の製作、そしてその映画への出資の提案をしていた。

17. 第17話 プール・オン・ザ・ヒル
喜翆荘の螺旋階段では、緒花と菜子に追い詰められ進退窮まった結名の姿があった。喜翆荘を舞台にして、さらに現地の人も積極的にキャスティングすることとなった映画製作。特撮用の機材も運び込まれ、カメラテストが行なわれていた。それを嬉しそうに眺める縁。喜翆荘の庭にある池が映画の為に掃除され、元のプールの姿を取り戻すと、縁はそこに過去の幻影を見る。一方、東京に戻った皐月からスイへ一本の電話が……。

18. 第18話 人魚姫と貝殻ブラ
夜、次男をおぶりながら台所で夕食を作っていると、長男と次女の「お腹空いたー」という声が響き、居間からは小学校の教師である両親の討論が聞こえてきた。「そういう話は学校で!」と、弟妹の面倒を見ながら両親をたしなめる菜子。そこには家の外では見られない力強くしゃべる姿があった。翌日、菜子はお客から見ごろの花を聞かれるも、すぐに答えられず落胆する。家でのように振舞いたい、やっぱり今の自分を変えたいと思い始めていた。

19. 第19話 どろどろオムライス
文化祭で「姫カフェ」を企画することになった緒花たちのクラス。主に男子からの強い支持で、接客チームのリーダーは結名姫、料理チームのリーダーは民子姫ということに決まり、緒花は仲居の経験を活かし接客チームの講師を任される。あまり乗り気でない民子だったが、徹の「文化祭当日の昼間は暇だ」というひと言で俄然やる気に。限られた調理器具で、最高の料理を作ろうとメニューをいろいろと考えるのだが……。

20. 第20話 愛・香林祭
文化祭の「姫カフェ」のメニューについてクラスメイトと言い合いになってしまった民子。売り言葉に買い言葉、材料の買い出しや準備を自分だけでやると言い、準備当日も朝早くからひとりで出かけていた。心配した緒花は集合時間より早く教室に行くと、そこには黙々と準備を進める民子の姿が。手伝いを申し出る緒花に、民子は手伝いはいらないと声を張り上げる。一方クラスメイトの水野と二人きりで準備していた菜子だった。

21. 第21話 蘇る、死ね
縁と崇子から突然の結婚宣言を聞かされる喜翆荘の面々。お金がなく結婚式があげられなくても、ふたりの力で旅館を盛り返すと息巻く縁だったが、スイから喜翆荘の番頭としての体面を保つため、必ず式は挙げること、と条件を出される。結婚費用の高さに頭を抱える縁、そしてそれを見つめる緒花たち……。だが豆じいのひと言から、皆が手伝い喜翆荘で結婚式を挙げることに。 緒花や初めて宴会料理を仕切ることになった徹は俄然やる気を出す。

22. 第22話 決意の片思い
緒花、菜子、そして結名は手作りのウェディングドレスを、蓮二から初めて宴会料理を任された徹は当日のメニュー作りに、そして次郎丸はオリジナルの寸劇の準備にと、それぞれが縁と崇子の結婚式準備を進めていた。そんな中、あることから一方的に民子に嫌われてしまった緒花は、何とか話し合おうとするのだが取り付く島も無い……。どうすることも出来ない緒花だったが、母・皐月との電話の中で聞かされた言葉をきっかけに、あることを決意する。

23. 第23話 夢のおとしまえ
四十年欠かさずつけてきた業務日誌を誰かに引き継いでほしいという電六の申し出。それを了承したスイは、ある重大な決心を緒花に告げる……。後日スイの気持ちを知ることとなった喜翆荘の人々は、普段と同じよう仕事をこなしながら、これからの自分たちの行く末を思案していた。そんな中、崇子は縁が騙し取られたお金を取り戻すため東京に行くことを宣言。それを聞いたスイから、緒花も一緒に東京へ連れていってほしいと頼まれる。

24. 第24話 ラスボスは四十万スイ
偶然にも東京で出会った緒花と孝一。突然のことに驚くふたりだったが、孝一はあらためて自分の気持ちを緒花に伝えようと、ゆっくりと話しだす。しかし孝一の気持ちを汲み取った緒花は、それを遮り、ぼんぼり祭に来て欲しいとお願いする……。喜翆荘に戻ってきた緒花と崇子を待ち受けていたのは、ひっきりなしに入る予約の電話だった。盛り上がる縁や巴だったが、スイは決心を変えるつもりはなく、これ以上の予約を取らないようにと言う。

25. 第25話 私の好きな喜翆荘
湯乃鷺温泉にある神社や湖では、ぼんぼり祭の準備が着々と進められていた。結名から渡されたのぞみ札を持って緒花が戻ると、縁をはじめ蓮二や徹、民子や菜子、巴たちが、いつもより多くのお客さんをどうやってもてなすかとバタバタしていた。それを見ていたスイは、半ば諦めつつも祭の日だけは、今まで通りのやり方でもてなすようにと告げる。スイ、電六を除く面々が一丸となって喜翆荘を盛り上げようとしている中、緒花はどこか違和感を覚えた。

26. 最終話 花咲くいつか
神社を目指して徐々に集まるぼんぼりの灯り。暗闇の中で輝くその灯は、空に輝く天の川のようにも見えた。初めて目にするその様子に感動する緒花。そのとき携帯電話に孝一からのメールが入る。人の流れに逆行して、慌てて駆け出すその手には、願いが書かれたのぞみ札が握られていた……。夜店をのぞいたり飾られたぼんぼりを眺めたりとそれぞれが祭を楽しみ、一夜の夢が終わる。緒花、民子、菜子、そして皆の新しい物語がここから始まる--。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 14
ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

緒花により成長していく人たちと、緒花自身の心の揺れ動き 追記:一挙放送視聴後の感想

映画にニコ生一挙放送もあるので、今のうちに何かしら書いておきます。

こういう元気があふれてまっすぐな主人公とても好きです。何かしら良い意味でも悪い意味でもやらかしてくれそうな雰囲気があって、物語を華やかにしてくれるタイプの主人公だなと思います。
緒花の行動、言動によって多くの人たちの心を動かし、成長していくのがこの作品の見どころの一つです。元気、打たれ強い、前向きといったキャラで、全くぶれなそうな人物という描写をしています。

私がこの物語で一番心を動かされたのはあの場面です。
{netabare}
物語の中盤、緒花が東京の母親に抗議しに行く回です。母親に会いにいったけど、現実をつきつけられる、こうちゃんに会うものの互いの心がすれ違ってしまう、自分には何もできない、自分がよくわからない、何もかもうまくいかないといったマイナスの考えが緒花の頭の中を埋め尽くしたことでしょう。
どれだけ強気な性格でも、どん底まで悩んだり落ち込んだりすることはあるんです。人間だもの。すごくぶれない人物という描写を前半にしていた分緒花がここまで落ち込んだことにはかなりのインパクトを受けました。それでも、それ相応の仕打ちを受けていたので、決して無理やりな展開ではなかったと思います。
そんな中みんちの登場に、せき止めていたダムが崩壊したのでしょう、あの緒花が泣いてしまったのです。私も泣きました。頭がごちゃごちゃになる感覚、その後何も分からなくなった所に友人の登場、安心感と言うか、言葉にできない感情があふれる感じ、本当に共感できましたし、感情移入して思わず泣いてしまいました。

→追記
緒花も泣きながら「分かんない」って言ったり最後のしめで「こんなに心が動いた日は初めてだ」って言ってましたね。
別にそこは言葉にしなくてもいいんじゃないかなと思いましたけど、多くの人にこの気持ちを伝えたい、強調したいという意図からのセリフかなと思います。
あと、見返したら緒花って結構泣くことが多いキャラでした。他に感情が動くシーンが結構多くて、いろんなことを考えているキャラでもありました。
緒花の人物像が2回目の視聴によって大きく変わったなと思います。それは自分の考えや、アニメの見方が変わったというのも理由のうちの一つでもあると思います。
{/netabare}


追記:一挙放送を見ました
改めてじっくり見て、いたるところにメッセージが詰まっている作品であったと思い知らされました。
1回目に比べ、印象に残るシーンがだいぶ変わりました。私の考えの変化や、このサイトで考察していたことによってアニメの見方がだいぶ変わったのかなとも思いました。
うまくまとめれるか分かりませんが、感じたことを書けるだけ書きます。

・本当の自分って何?
{netabare}
きもなこちの回です(笑)菜子が自分を変えたい、家庭で振舞っているのが本当の自分であり、どの場所にいてもその姿で、本当の自分で居続けたいと迷走する話です。
これは私の経験とリンクするところがあります。個人的な話なので、特に読まなくてもいいということで隠します(笑)
{netabare}
教育実習の時の話です。私は当初、実習先の生徒と全く話すことができませんでした。他人行儀な感じでしか話しかけられず、生徒も壁を作っていて私に話しかけてきませんでした。私は吹っ切れて、はっちゃけて振舞ったところ、話せるようになり、壁を作っていた生徒たちも、私に話しかけてくれるようになりました。私はこの経験からありのままの自分(明るく、積極的な自分)で振舞うことが大事であり、必要なことだと感じました。本当の自分を見せれば、相手も本当の自分を見せてくれるのだと感じました。
しかし、最近疑問に感じていたこともあります。もし、自分が根暗だったら、ありのままの自分で振舞って生徒とコミュニケーションをとることができるのか。そもそも普段の本当の自分もよくわからないのに、ありのままの自分で振舞うってどういうことなのかなと感じていました。
{/netabare}
菜子は女将さんの言葉によって答えをみつけます。
家庭での明るい自分も、喜翆荘でのしずかな自分も全部本当の自分なんだと。とくに深く考える必要はない、どの自分も自分だと、そんなメッセージが伝わってきました。
私もそうでありたいなと、変に自分を求めて明るくふるまったりせず、これはこれで自分の姿なんだと受け入れて、自分という人間、そして自分の性格を大切にしていきたいです。自分のことがよく分からなくても、深く考えすぎずに進んでいきたいと、考えて立ち止まっても多くのものを得ることはできないと感じました。
{/netabare}

・ぼんぼるという言葉について
「頑張っているけどぼんぼっていない」
{netabare}
正直言ってねらいすぎというか、はやらなそうな言葉ですよね(笑)しかし、目標に向かって頑張るという意味合いは素晴らしいものがあると思うんです。女将さんと対立して喜翆荘を残すために紛争しているシーンで緒花が言った「頑張っているけどぼんぼっていない」という言葉は核心をついてるなと、この状況をよく言葉で表わせたなと言う印象です。
「緒花ちゃんは女将さんの味方なの?」「女将さんの味方やめなよ」というように、喜翆荘の従業員は本来第一に考えなければならないお客さんを二の次にして、女将さんと戦っているわけです。頑張り方を間違えているわけです。
このことに関しても自分の経験と重なるものがあります。これも長く、2つの経験をあげるのでとばして結構です(笑)
{netabare}
私は大学の研究室で失敗続きでひたすら怒られていた時期があります。私は気付かないうちに、怒られないようにしよう、失敗しないようにしようという気持ちばかりが前にいってました。しかし、それに気付くと同時にある経験を思い出して考え方を変えなくてはと思いました。
思い出したのは中学時代の経験です。野球部に所属していたのですが、あまりに監督が怖くて、ビクビクしながらプレーしていて、伸び伸びと楽しみながらのプレーをすることができませんでした。振り返って私は監督に怒られないように、失敗しないようにプレーしていたなと、今と同じ状況だったなと思いました。あの時、考えるべきは監督ではなく、「絶対に打ってやる、抑えてやる」といった、目の前のことだったなと思いました。
私は中学時代のプレーを後悔したと同時にこれを繰り返してはいけないと、頑張り方を間違ってはいけないと思い、自分の考え方、行動を見直したという経験です。
{/netabare}
頑張っていても頑張り方を間違っていれば、より失敗する可能性があがったり、空回りに終わってしまうこともあります。自分のやるべきことや、目標を明確にしたうえで頑張らなくてはいけないということです。
ぼんぼるという言葉は、響き的には少しダサいですが、意味合い的にはとても素晴らしい言葉であると思うのです。思い返してみれば、緒花も最初はぼんぼっていませんでした。何をすればいいかわからず、ただただ頑張ろうとし、空回りしていた。そんな中輝きたいという自分の気持ちをみつけ、ぼんぼるという言葉を編み出した緒花は、ただの主人公補正でなく、順調に成長し、自分の目標のためにぼんぼっていたのだなと、そのうえでの行動だったなと感じました。
確かに自分が何をすればいいか分からないという人もたくさんいると思います。それでも頑張るべきことを見つけた時、それを大事にしてほしいなと思うんです。喜翆荘の人たちはそれを一度忘れてしまいました。ぼんぼることが見つかったら、それを簡単に手放さずにぼんぼってほしいなと感じました。
{/netabare}

・この物語の成長の流れ
{netabare}
以前、緒花によって周りが変わっていく、成長していくと書きましたが、改めて見返して、緒花も成長している、むしろ、緒花視点で進むというのもありますが、この物語で一番成長したのも緒花だなと感じました。
周りの人たちが元からの緒花という人間に感化されて成長したわけではありません。緒花がまず成長して、成長した緒花の行動に感化されて周りも成長につながったというのが、本当の形かなと思いました。自分の成長が周りの成長にもつながるといった感じです。緒花の影響力は相当大きいなと感じました。

もう1つ、この成長の仕方は他の作品ではほとんど扱われていないのではないかと思います。
それは、間接的な成長、緒花の行動に感化されて成長した人にさらに感化されて成長するというものです。
これは、修学旅行での緒花、ようすけ君、結名の関係です。結名のプライドや負けん気が働いたのもありますが、ようすけが変わらなければ、結名の感情変化もありませんでしたからね。
結名らしい成長を求めたうえでのシーンかもしれませんが、この成長の仕方は新鮮なものがありました。
{/netabare}

・考えるよりまず行動できる
{netabare}
これがこの物語での登場人物の成長に大きな役割を果たしていました。修学旅行での緒花の行動に対して、喜翆荘での指導の賜物だということで言われた言葉です。まぁ指導というよりは緒花の性格のような気はしますが、そこはあまり緒花という人間を知らないから言われた言葉なのかなと。
緒花の影響力はとても大きいです。しかし、自分が考えていることを話したり、行動にしなければ何も起きません。それは物語だけでなく、現実でも同じことが言えます。変化は行動しなければ起こせないのです。
ちなみに「考えるよりまず行動」というのは何も考えてないということではありません。緒花は色々、人からすれば気にしない、ほっておけということまで考えています。そして、その答えが見つかった時、迷わず行動に移します。自分の考えに対して、疑問や不安、ためらい、失敗した場合などのいらないことを考えずに行動に移せるというのがこの言葉の意です。
{/netabare}


じっくり見返してみれば、こんなにも見えてくるものがあるんですね。一挙放送で見返すことができて良かったし、他のアニメにもまだまだ見落としていることもたくさんあると思ったので、色々見返したいなと思いました。
花さくいろはについても、まだ書きたいことを書ききれていないので、これからも考察を続けて、考えがまとまったら続きを書きたいと思います。
とりあえず今回はかなり時間をとりすぎてしまったのでこのへんで(笑)


追記:最近すごくよく考える"変化"についての考察
地元への帰省によってクラナド2つのレビューで考えていることを書きました。花咲くいろはでもあの回があったことを思い出し、改めて考えてみることにしました。
{netabare}
皐月さんの喜翆荘への評価覚えてますか?この回が今回考察したいところです。とりあえず丸々コピーしてきたやつを貼り付けます。
「十年一日の如くと言ってしまえば簡単だ。しかし、変化を続けなければ場は淀んでしまう。
 変わらないというイメージを人に与えないための変化は、非常に難しいのだ。
 喜翆荘は常に進化を続ける。変わらぬサービスを続けるため、十年一日の如くを守りぬくため。
 従業員達の気概を感じる、とても暖かな、居心地の良い旅館だった。」

ほっとけば何も変わらないわけではないですよね。絶対マイナスの方に向かった変化をしますよね。加えて、変化をしなければ変わらないイメージを与えられないと言っているのです。
凄いですよね。こういうことを考えて文字にできるって。
考えて見れば分かることだと思います。変化することよりも変化しないことの方が難しいことだと。私も最近の経験もあって、より一層そう感じます。
変わらないと感じるものだからこそ価値がある、持続するために数々の努力をしている、というように皐月さんは評価を下したのです。
大切なものを守りたい、変わらせたくないと思っているものがあったら、この皐月さんの言葉は非常に大切なものだと思います。常に進化し、変化を続けなければ、持続していくのは難しいと私も思います。

最後に「ここは変わらないなぁ」「ここは変わったなぁ」どっちの方が好みですか?
私的には前者の方が和やかというか、落ちつける感じで元々好きです。そして今回考察してみて、何気なく見てきた日常、変わらないものって実はとても価値のあるものなんじゃないかなぁと思いました。{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 30
ネタバレ

赤緑 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

好みに合いすぎて高評価だけど合わない人は合わなそう・・・老舗の温泉旅館を舞台に繰り広げられるお仕事ドラマ

(やや長め:各話コメントを除くと2,500字程度・全部で5,000字程度)

とにかく私ごのみの要素が詰まっていて、大好きな作品。
居心地がよくて、観てると落ち着く。まるで本当に旅館でくつろいでいるような気分で観られる。
アニメとしてのクオリティーは高いけど、興味のない人や合わない人にはとことん合わないと思うので、評価は分かれるだろう。

---


≪概要≫

東京の女子高生が、突如として石川県にある温泉街の旅館で働くことになる。
旅館で働く女の子たちと、同じく旅館で働く人々のそれぞれの思いが入り乱れるドラマである。

仕事に対する価値観と心構えが全く異なる4人の女子高生が登場する。



≪視聴状況≫

初回はテレビ(再放送)で観てたんだけど、当時のテレビの画質がよくなかったのと、あまり視聴に集中できなかったため、それほど評価してなかっただが、観終わってからこれは高画質の環境で観るべきと思い、BD-BOXを購入して再度一気見。

最高。

レビューする前にもう一度観ておかないとと思っていたのだが、BD環境が調子悪かったのでレビューできずにいた。
やっとBD環境を新調したので再度観た。
やっぱり最高だった。

BD-BOX、家宝である。
コンパクトなところもいい。



≪物語のポイント≫

主要キャラの4人を中心に物語は進む。
でも、サブキャラの話もそれなりに出てくる。こういうのも群像劇って言っていいのかな?

主人公の少女・松前緒花が、東京から離れて旅館の仕事をしていく中で、これまであまり深く考えてこなかった仕事・家族・恋愛について気付いたり教えられたりする。



≪好きな点≫

個人的に好きなポイントをいくつか挙げてみる。


1.旅館が好き

マニアというわけではないが、私は旅行に行って旅館に泊まるのが好きで、本作の舞台となっている「喜翆荘」(きっすいそう)みたいな老舗の旅館に憧れがある。


2.女性がみんな可愛い・美人

可愛いお気に入りキャラが出てくるアニメは他にたくさんあるけど、特に気に入っているキャラじゃなくても可愛い・美人。
詳しくは後述。
キャラデザ&作画監督の人(関口可奈味氏)の作画が好きだからというのもある。


3.料理人

若いときに料理人にあこがれていた。
ただ、修行に耐えられるほど根性がないので目指すことはしなかったけど。
だから料理人の話は好き。


4.絵がきれい

安定という点ではやや劣るけれど、ここぞというときの画の美しさはそれを帳消しにしてくれる。


5.音楽

劇伴は邪魔にならない程度に地味だけど、場面にあった落ち着いた音楽が多い。
OP,ED曲はタイアップで専用の主題歌ではない(たぶん)ので、すごくマッチしているとは言えないが、雰囲気はとても良い。
OPはアップテンポな曲で、元気良く動くムービーと相まって爽快感がある。
EDは曲と映像共に落ち着いた雰囲気で和ませてくれる。



≪苦手な点≫

P.A.Worksさんの作品で描かれる人物(特に若者)と恋愛観みたいなのがちょっと苦手。
上手く説明できないんだけど、特有の痛々しさがあるというか。
若い子には気にならないのかも。
まあ、アニメには多かれ少なかれそういうのはあるだろうけどね。

ただ、この作品に関しては、このような苦手さがありつつも、それでもどのキャラもそれなりに好きで、恋愛に関しても他の作品に比べるとかなりマシなのでそんなに気にならない。



≪女性キャラについて≫

男性キャラもなかなか魅力的なのだが、やっぱり女性が可愛い・きれいというのは重要だ。


個人的な好みで言うと、菜子がいちばん好きである。地味だけど隠しきれない美しさがあるみたいなのがすごくイイ。

だが、作品の中でもっとも光っている女性は、やはり女将であるスイさんだろう。
緒花の祖母であり、歳からいっても完全におばあちゃんなのだが、
理想の女将さんだ。
CVの久保田民絵さんの名演も本当に素晴らしい。

緒花の母も、娘にビ●チ認定されるほど恋愛に積極的で(夫とは死別)、年増ではあるが「いい女」感がスゴイ。


そして、今回観ていて今までと違ったのは・・・
民子である。
もう何度も観ているのにここに来て印象が変わるとは驚いた。以前はビジュアルが黒髪ロングストレートで性格は可愛くないしあまり面白みがないなと思っていたんだけどね。
性格は相変わらずではあるが、とにかく可愛いシーンがたくさんある。
演技も、最初は浮いている気がしていたが、今ではこれじゃないとみんちじゃないって感じるようになった。


≪声優さんについて≫

細かく書くとキリが無いので、代表的な人だけ。

上で書いた通り、女将役の久保田民絵さんの名演が一番に挙げられる。

あと、緒花と菜子って、『超電磁砲』の佐天さんと初春なんだよね。でも性格が全然違うのであまりそういう感じはしない。



≪アニメである必然性はあるのか≫

こういう意見をたびたび耳にするけど、一理あるとは思う。
ただ、この作品をこのクオリティーと同等のものに仕上げるには、NHK朝の連ドラくらいのお膳立てが必要になるんじゃないだろうか。
深夜アニメだからできた企画なのでは。
色々あるだろうけど特に予算的に。私には円盤購入で買い支えるくらいしかできないが報われて欲しい。



≪余談≫

石川県には行ってみたいんだけど、北陸の中でも特に奥まっていて行きづらくて、まだ行ったこと無い。
飛行機を使えばいいんだけどこの距離で飛行機はあまり使いたくないんだよね。
北陸新幹線もできて交通の便が良くなったのでいつか行きたい。



≪総合評価≫

題材や結末については人を選びそうだし、アニメならではの面白さは弱いかもしれないが、
ドラマアニメとしての完成度は非常に高い。
点数はひいき目に付けた。

物語:
全体のストーリーは絶賛するほどではないけど
脚本と演出が特に良かったのでは。

作画:
人物が安定しない回がちらほら見られるけど、
背景はとてもいい。
キャラ原案が良かったからなのか、女性がとても好み。

音楽:
前述のとおり、劇伴もOP・ED曲も良い。(Best10・歌手編にランクイン)

声優:
前述のとおり、久保田民絵さんの演技がすごく好き。
伊藤かな恵さんも小っちゃくて元気な女の子の役が上手いね。『大正野球』の小梅とか。

キャラ:
脇役まで含めて存在感がとても強い。




≪各話コメント≫

視聴時のメモ。第9話まではメモるの忘れたので第10話から。

{netabare}
▼第10話 微熱

大好きな回。
上手く説明できないけど、「間」を使った話というのかな。

緒花は喜翠荘で居場所を見つけたことで、却って自分が喜翠荘で必要とされているのかどうかを気にするようになった。

テレビを点けたり消したり。意味があったんだ。

みんちが少し優しくなってきた。


▼第11話 夜に吼える

3話連続の話。
前編
「ぼんぼる」はこの話が初出?
緒花の「ババァ」ってセリフ、なんかイイ。


▼第12話

中編

作画が良かった。


▼第13話 四十万の女

後編

みんな美人。


▼第14話 これが私の生きる道

OP,EDが変わる。
絵・曲ともにこっちの方が好み。

折り返し地点につき、サービス回?

修学旅行、前編。

みんちの効果線付きホビロン笑える。


現実の嫌なところを突きつけられるので、あまり楽しくない。


▼第15話 マメ、のち、晴れ

修学旅行、後編。

ちょっと作画の粗が気になる。

ありえない展開だと思うけど、緒花の心意気が伝わって良かった。

個人で旅行に行くと、先に風呂に入るのって割と普通だけどな。
修学旅行の時ってどうだったっけ。昔過ぎて覚えてない・・・。

結菜が少しペース崩されて溜飲が下がる。いや、別に結菜が嫌いなわけじゃない。
普通の女子高生ってきっとこっちが普通だろう。

最後にさらなるサービスが。


▼第16話 あの空、この空

映画回前後編の前編。また現実的で嫌な話なんだよな。

作画はとても良い。


▼第17話 プール・オン・ザ・ヒル

映画回後編。

緒花が撃たれたときの伊藤さんの声、いいな。

プールサイドの無理な体勢。宮崎アニメかよ。


▼第18話 人魚姫と貝殻ブラ

菜子回。

菜子、所帯染み過ぎだろ。
両親、教育オタクかよ。めんどくせー。

おしゃれ菜子、可愛い。

「この広い野原いっぱい」いいなー。

シャレオツw


▼第19話 どろどろオムライス

文化祭前後編の前編。
これまた面倒くさい。

結菜「キャハッ」ウゼェーw
メイド服は可愛いけど。

緒花、なんだその気持ち悪い夢は。


▼第20話 愛・香林祭

文化祭、後編。

みんこを責める気はないけど、料理人なら、ある設備と材料でなんとかする方法も考えられないといけないよね。(味沢匠を思い起こした。)まあ、彼女もまだ未熟だから仕方ない。

やりたいことを見つけられても、大成するとは限らないんだから、モラトリアムも悪いことじゃないと思うんだ。

オムライス告白とか。

みんこ可愛過ぎだろ。


▼第21話 蘇る、死ね

若旦那の結婚話。

徹の残酷な言葉。
そういえば、蓮は気づいてるっぽい?

赤い教室って、心理学的に間違ってないか?

カーテンか。ドレスはレンタルの方が良かったんじゃないか?

最後、グッとくるシーンなんだけど、同時に???になる。
どういうことなんだ?


▼第22話 決意の片思い

そういえば、今時、オフィスでタバコ吸えるところなんてあるのか?
マスコミ系は普通なのかな。
昭和かよ、と思ってしまった。>さつきのオフィス

ここの緒花はなんか可愛いな。

試着、やばいな。

本人に聞かれるパターン、これは嫌いだな。
『凪あす』はこれのもっとひどいやつをやってたけど。
でも、こっちはこの後の展開が素晴らしい。ゾクゾクした。

みんこ可愛い。

なこ、凛々しい。

ドレスの元が何なのかってのは

単に挿入歌でなく、
主題歌歌ってる人がそのまま出席しているみたいな演出、いいね。
声も。
出席者の余興として。

女将がなんか思わせぶりなことを言った。


▼第23話 夢のおとしまえ

やっぱ美人だな。さつきさんは。
全然関係ないけど、『げんしけん』の咲ちゃんを思い出す。
ビッチなところも似てるし。
高嶺の花だけど、好きだわ。


駅弁は楽しいよね。
私はタイミング的に新幹線で食べてしまうことが多い。
でも本当はローカル特急で食べたい。


貴子さんもいい女だと思う。


ED前の音の演出、すげー。



▼第24話 ラスボスは四万十スイ

口抑えているポーズおかしいw

いやー、東京の景色も綺麗だよ。このアニメのは綺麗に描けてるよ。

OPにも出て来るけど、きっすいそうの遠景もいいよねえ。

『流れ包丁?』の元ネタは、『包丁人味平』か。
まあ絵がそのまんまだから分かるよね。

女将の入浴シーン、
何じゃそれー、って思うけど印象的なシーン。

御墓参りのシーンもいいなあ。



▼第25話 私の好きな喜翠荘

みんちは確かに厳しいよな。
ここにいるのだってお情けがあってのことだし。

なこ、いいこと言ってる。
「自分が走れる人だから、走れない人の気持ちがわからない。夢を持っている人に一生懸命ついていくことが夢になることだってある」
こういうのってあるよね。私も身内で似たようなことがあったからなんか分かる。

そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。

旅館には賑わって欲しいけど、私が自分で行くときにはもっと空いている時がいいな。

三世代の揃い踏みカット。

ED曲は、もっと和風な方がよくないか?


▼第26話 花咲くいつか

最終回。

無粋なことを言うようだが、みんなで出かけてしまっていいのだろうか。

三角関係でも、こう言うサバサバしたのなら大丈夫。

> そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。
いや、最後の最後で今後何かありそうな感じ。


バカな子ほど可愛い。


しばし感傷に浸る女将さん。
これ以上ない終わり方だ。

さすがの女将さんも溢れる気持ちを隠しきれず。

蓮さんは繊細だなあ。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 17

90.5 25 恋愛で泣けるなアニメランキング25位
凪のあすから(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (6462)
25590人が棚に入れました
海と地上、そのどちらにも人が暮らす世界。中学が廃校になり、幼なじみと共に地上の学校へ通うことになった海村の少年・先島光が転校初日目撃したのは、大切に守ってきた少女まなかが、地上の少年と特別な出会いをした瞬間だった。

声優・キャラクター
花江夏樹、花澤香菜、茅野愛衣、逢坂良太、石川界人、小松未可子、石原夏織、名塚佳織、天田益男、間島淳司、清川元夢、鳥海浩輔
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

溢れ出る感情の波に幾度も心をかき乱されてしまう、感銘も感動も大きいが視聴に難儀する《名作》

(2019年3月) 制作情報等を追記

◆感情描写の濃度が桁外れに高い作品

私は、恋愛などの感情描写系アニメを視聴するときは、作品中に不意に差し込まれる微妙な心情変化を見逃さないようになるべく集中して視聴するようにしているのですが、本作の場合、多数の登場キャラたちのどんな目線の動きにも手足の仕草にも確りと意味が込められていて、そうした一つひとつの挙動に暗示される各キャラの感情推移を読み取るのに視聴中ずっと頭をフル回転させている状態が続きました。
そのため1話視聴する毎に物凄く疲れて、暫く頭を休ませてから次の話に行く、ということの繰り返しで、これまで本作を余裕を持って視聴できていなかったのですが、3周目を終えた時点で漸(ようや)く、そうした感情を読み取る作業を自分が納得いく程度に終えることができた感じを持てました。
そして念を入れて行った4周目の視聴で、やっと余裕をもって本作全体を楽しめ、かつ自然な感じで感動もできたように思ったので、それに合わせて本作の評価を ★ 4.3 → ★★ 4.7に大幅に引き上げました。
(※1~3周目も視聴中に感動はしていましたが、果たしてその自分の感動が辻褄の合った納得のいくものなのか確証がもてずに警戒しており、本作の総合評価を ★ 4.1~4.3と低めに据え置いていました)
だいぶ苦戦しましたが、頑張って繰り返し視聴して良かったと思いました。

◆起/承/転/結のはっきりしたシナリオ構成

本作は、純粋な日常系の恋愛作品ではなく、①ファンタジー設定と②セカイ系設定を上手く組み込んだ変則的な恋愛感情描写系作品ですが、よく見るとシナリオ構成の基本に忠実に、全26話を以下のように、【起】【承】【転】【結】に上手に振り分けていることが見て取れます(※詳しくは◆各話タイトル&評価へ)。

【起】第1~7話(計7話) {netabare}海村とウロコ様の存在というファンタジー設定が示される{/netabare}
【承】第8~13話(計6話){netabare}地上の異変と海村の冬眠・人の滅びの予告というセカイ系設定が示される{/netabare}
【転】第14~20話(計7話){netabare}5年後の世界に切り替わり海村の3人の冬眠からの目覚めが描かれる{/netabare}
【結】第21~26話(計6話){netabare}登場人物たちの錯綜した恋愛状況が世界の命運と連動しつつ収束していく{/netabare}

◆作品テーマ

ひとことでいえば、{netabare}恋愛感情をもつがゆえの苦悩とその最終的な肯定{/netabare}、を描き尽くすことにあると思います。
この作品テーマは、第5話(あのねウミウシ)での美海と光の会話によく現われます。
{netabare}
美海「もう、あんな悲しいお腹になるのは嫌だ。大好きにならなければ、あんなに苦しくならない。だから、だから美海・・・」
光「大好きにならなければ、好きにならなければ、辛くならない。確かに、そうかも知れねぇな。」
美海「え?」
光「なんか俺も人のこと言えねぇ。好きとか、なんないほうが、やっぱ楽なのかも知れねぇと、思う。だけどよ、誰かを好きになるの駄目だって、無駄だって思いたくねぇ。」{/netabare}

→この会話は最終話で見事に回収されます。

※なお、本作で最終的に肯定される「恋愛感情」とは具体的にどのようなものか?をさらに一歩踏み込んで考察すると本作を一層深く楽しめるようになるのではないか、と思います(※その点、◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理へ)。


◆制作情報
{netabare}
原作         Project-118
監督         篠原俊哉
シリーズ構成     岡田麿里
脚本         岡田麿里(12)、横手美智子(4)、吉野弘幸(4)、和場明子(3)、根元歳三(2)、西村ジュンジ(1)
キャラクターデザイン ブリキ(原案)、石井百合子
音楽         出羽良彰
アニメーション制作  P.A.WORKS{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得のいかなかった疑問回

======================= 凪のあすから(2013年10月-2014年3月) ====================

~~~~~~~~~~~~~~ OP「lull〜そして僕らは〜」、ED「アクアテラリウム」 ~~~~~~~~~~~~~~
     ※ まなか・ちさき・光・要・紡(中学2年)、美海・さゆ(小学3年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【起】 第1~7話は、{netabare}海村の4人が陸村の中学に転入したことを切っ掛けとして、彼ら内部や彼らと陸村の人たちとの間に発生する心の揺れ動きを描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第1話 海と大地のまんなかに ★ 海村の4人の転校初日、まなか・紡の出逢い
第2話 ひやっこい薄膜 ☆ 美海・光、さゆ・要の出逢い、あかりの恋愛事情
第3話 海のいいつたえ ☆ 海村の掟、あかりの男の事情、紡と海村の4人が打解ける
第4話 友達なんだから ★ お女子様の破損事件、さゆの要への思慕の始まり
第5話 あのねウミウシ ★★ ちさきの想いを知ってしまう紡・まなか、美海家出・光への思慕の始まり
第6話 巴日のむこう ★ 光・紡の水泳競争、ちさき・まなかの喧嘩~仲直り
第7話 おふねひきゆれて ☆ 海村と陸村の対立、あかり海村から離れ地上へ{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【承】 第8~13話は、{netabare}地上の異変~海村の冬眠決定を契機とした海村の4人や陸村の人たちの決断・行動を描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第8話 たゆたう想いのさき ☆ 美海・光・紡・まなか・ちさき町へ(プレゼント探し)
第9話 知らないぬくもり ★ 地上の異変、紡→ちさき「今のあんた嫌いじゃない」、廃校でハグ(光→まなか)
第10話 ぬくみ雪ふるふる ★★ 冬眠の準備、まなかの想いはウミウシへ、要の告白
第11話 変わりゆくとき ☆ お船引き決定~準備、あかりの決断(結婚・お女子様に)、ちさきの決断(光へ)
第12話 優しくなりたい ★★★ 廃校での告白(光→まなか、ちさき→光)、第1話のリフレイン(まなか・紡)
第13話 届かぬゆびさき ★★ 冬眠、お船引き、お女子様(あかり→まなか){/netabare}
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ OP「ebb and flow」、ED「三つ葉の結びめ」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ※ まなか・光・要・美海・さゆ(中学2年)、ちさき(看護学校1年)、紡(大学1年)
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【転】 第14~20話は、{netabare}5年後の海村の3人の目覚め、彼らと地上に残された人たちの戸惑いを描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第14話 約束の日 ★ 5年後の世界(主にちさき・美海の視点から)、光の目覚め
第15話 笑顔の守り人 ★ 光・ちさき再会、美海の光への思慕、紡→ちさきへの希望表明
第16話 遠い波のささやき ★★ 光とのデート(美海・さゆ喧嘩)、美海にエナ、要の目覚め
第17話 ビョーキなふたり ☆ 要・ちさと再会、さゆ・要再会、海村へ(美海・光・要) 
第18話 シオシシオ ☆ 冬眠中の海村の様子、まなか発見~救出
第19話 まいごの迷子の… ★ 大人になった事に気付くちさきと、紡・要の彼女への想い
第20話 ねむりひめ ★ まなかの目覚め(必死に手を尽くす光と揺れる美海の心){/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
 【結】 第21~26話は、{netabare}海神様とお女子様の伝承をリンクさせつつ、登場人物たちのそれぞれの想いの着地点を描出{/netabare}
 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}第21話 水底よりの使い ☆ OP映像マイナー変更。まなかの異変、ちさきと光たちとの距離・紡との距離
第22話 失くしたもの ★ ウロコ様探し、まなかの失ったもの(人を好きになる心)
第23話 この気持ちは誰のもの ☆ ウミウシの石、紡・光の殴り合い、紡の想いがちさきに伝わる(紡にエナ、海村へ)
第24話 デトリタス ★★★ お船引き再び、ちさきの本心(要へ)、さゆ→要へ告白・完結
第25話 好きは、海と似ている。 ★★ まなかの本心(美海・紡へ)、紡・ちさき完結、美海失恋、お船ひき
第26話 海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~ ★ 美海の心を知る光・お女子様の心を知る海神様、光・まなか完結、ぬくみ雪やむ{/netabare}
----------------------------------------------------------------------------------
★★★(神回)2、★★(優秀回)5、★(良回)10、☆(並回)9、×(疑問回)0 ※個人評価 ★★ 4.7


※このように本作は前半のラスト2話(第12-13話)・後半のラスト3話(第24-26話)にそれぞれクライマックスが来るように巧みに構成されていますが、その他の回も万遍なく楽しめる平均点の高い作品となっています。
(前半が詰らなくて後半がグンと面白くなく『とらドラ!』とは好対照)


◆本作品に描かれた恋心(恋愛心理)の整理

私たちがラブストーリーを批評する場合、「きゅんきゅんする」「甘酸っぱい」「純情」というのは常套句ですが、そうした感覚的で曖昧な表現だけでは、恋心(恋愛心理)の分類としては舌足らずであり不明確だと思うし、また本作に描かれた恋を「青臭い」の一言で切り捨てるのはいかにも粗雑な感想だと思います(※もし「青臭い」と断言するならば、どこがどう青臭くて、それとの対比で「青臭くない」恋とはどんなものなのか?が具体的に示されないと説得力に欠けます)。

そこで、ここでは本作に描かれた恋愛模様をより具体的に考察するために、以下の分類を用います。

{netabare}<1> 出逢い方による分類

①幼馴染型 → 海村の4人の場合(光・要×まなか・ちさきの関係)
②ボーイ・ミーツ・ガール型 → 陸村と海村の出身者の間の場合(紡とまなか・ちさきの関係)
③年上への憧れ型 → 陸村の小学生と海村出身の中学生の場合(美海・さゆ×光・要の関係)

<2> 恋の回数による分類

①初恋 → この作品の大部分の恋
②2回目以降の恋 → 無意識のうちに進行してしまうちさきの紡への恋
③その他(既婚者との恋など) → あかりの美海の父への恋

<3> 恋愛感情の内容による分類

①趣味的恋愛感情(※相手の好意の獲得を目的とした駆引き的な恋であり、恋に恋して恋を自覚的に楽しんでいる状態)
②虚栄的恋愛感情(※ブランド品を見せびらかすように恋人を持ちたがること、また人の恋路に嫉妬して燃え上がる恋)
③肉体的恋愛感情
④情熱的恋愛感情(※説明が難しいが、本作で描かれるほぼ全ての恋愛感情はこれに当てはまる){/netabare}

このように本作は、都会から遠いファンタジックな小村(海村も陸村も)で生まれ育ち、世の波風にまだ汚されていない中学2年(13~14歳)の少年少女の初恋という設定に基づき、全26話を通して、①~③の要素をほぼ排除して、④情熱的恋愛感情の描出一本槍で突っ走るという、ラブストーリーとしては些(いささ)か稀な作品となっています。

また、本作で描かれる心理関係のほとんどが、幼馴染の間か、さもなくば年上への憧れとして発生していることも、彼らの④情熱的な恋愛感情に説得力を持たせています。

《一般的な恋愛作品との違い》

これがもし高校生以上の関係で、かつボーイ・ミーツ・ガール型の出逢いだったなら、いきなりの④情熱的恋愛感情の発生には余り説得力がなかったことでしょう。
例えば、あにこれでも高評価の恋愛アニメの代表格『とらドラ!』は、
{netabare}
(1)序盤から中盤にかけて、ヒロイン大河の北村君への恋のときめきや躊躇いを繰り返し描き出していますが、そうした大河の恋心は、実は「駆引きを通して相手の好意を獲得することを目的とする恋」つまり①趣味的な恋愛感情であって、
(2)第16話(すみれさん乱闘事件)を機に大河は自分の恋心の浅はかさを悟らざるを得ず、そして、
(3)第19話で、大河はとうとう自分の本当の恋心は北村君ではなく竜児にあることを自覚するに至り、なおかつ、この自らの恋の成就を目指すのではなく、これを秘匿し押し殺して竜児の恋の成就を密かに支援する側に廻ることを決意する、
{/netabare}
・・・という流れになっていますが、このように大河の恋心が、①趣味的な恋愛感情から、④情熱的な恋愛感情に移行してしまうストーリー展開の巧みさに『とらドラ!』の凄みがあって、それがこの作品が高評価を取っている本当の理由と私は考えています。

この『とらドラ!』の例のように、優れた恋愛作品というのは、アニメ・実写あるいは小説といった表現媒体に関係なく、

(1)①趣味的な恋愛感情、②虚栄的な恋愛感情、あるいは、専ら④肉体的な恋愛感情からスタートした心理的関係が、
(2)いつの間にか、④情熱的な恋愛感情に転換してしまい、本人の意思では簡単に逃れられなくなっている様

・・・を説得力をもって描き出している作品であるのが一般的だと思います。

※因みに、そのような説得力を持ったアニメ作品は、実は結構少ないと私は思っており、例えば、あにこれで「恋愛タグ」に高いポイントがついている作品であっても、その内容をよく見ると、①趣味的恋愛や②虚栄的恋愛の範囲内で終始していて、④情熱恋愛への転換を描くに至っていないものが幾つもあると思います(例えば、『CLANNAD』、『初恋限定』)。

《本作視聴の難儀さの理由と魅力》

そうした一般的な恋愛作品との比較から、本作はやはり、
{netabare}
(1)海村という閉鎖的な環境で自然に芽生えた幼馴染同士の恋という設定、また、
(2)小学3年生の少女の5歳年上の少年への憧れと、少年の5年間の冬眠状態~解除により、本来は恋愛が成立しないはずの関係が“成立し得る関係”に転換してしまう、という現実世界では在り得ない特殊設定
{/netabare}
を巧みに用いて、序盤から終盤まで一貫して、④情熱的な恋愛感情の進行過程の描出だけでストーリーを展開している点で、恋愛作品として特殊であって、

(1)その④情熱恋愛一本槍という特徴から、本作に独特の息詰まるようなナーバスさが発生し(※注釈)、
(2)その結果、私たちは毎話のように視聴に難儀してしまう羽目に陥るのですが、
(3)そのナーバスさ・難儀さは私たちにとって、懐かしくまた切ない感覚を伴ったものでもあって、
(4)結局のところ本作の最大の魅力は、そうした感覚を私たちに思いがけず(かつ繰り返し)惹起させてしまう点にある、

・・・と私は結論づけたいと思います。

(※注釈)もし本作に、①趣味的・②虚栄的・③肉体的な恋愛感情が一定量混在していれば、他作品によくあるように、それらが適度に陽気な冗談や下ネタやおふざけを作品中に呼び込んでいたはずです。

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◆(参考)過去に書いた感想・レビュー

※前述のとおり、私は3周目までは「自分が安易に感動させられてしまうこと」への警戒から本作に対して相当に身構えていて、本作から自分が受ける感動の性質を慎重に見究めようという批判先行の視聴姿勢を取っていました。
以下はその当時の感想・レビューの一部です。

2015.3.10 三回目視聴を完了。
各話評価を追記。総合評価を4.1→4.3に改訂。
1クールに上手く圧縮されていたなら私も本作を名作(総合評価4.5以上)と評価していたと思います。
ですが、2クールはちょっとやり過ぎ感あり(稀に見る美酒も味わい過ぎると食傷気味になってしまう感じ)。
そういう意味では、かなり残念な作品でした。

2014.7.19 二回目視聴を完了。
全体に遊びとかギャグ要素が非常に少なく、重く沈鬱な印象。
この作品は毎話毎話、ほんの一瞬のカットに感情の微妙な変化や発露を盛り込んでくるので、安直な気分で流し見するわけにはいかず、全26話を通しで視聴するのに今回もかなり時間がかかってしまいました。

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※以下は第1回目視聴直後の感想・レビューです。

《岡田シナリオのメタ分析》

{netabare}★岡田シナリオの基本パターン

このアニメのシナリオ構成・脚本を担当した岡田磨理という方のシナリオは、表面的には色々ヴァリエーションを取りながらも、大雑把にいえば、

==========
A子はB男が心底好きだ。
だがB男は、A子の親友のC子の方に恋をしており、A子にはそのことがよくわかる。
A子も親友のC子が大好きで、彼女の美点を沢山知っている。



A子は、自分がB男に恋しているのと同じように、B男もC子に恋をする権利があると考える。
A子は、B男の恋心を捕らえている親友のC子を羨ましく思い、そしてそのようにC子に嫉妬している自分の心に気づいて、自分を浅ましく醜いと思う。
A子は、B男のC子への恋が実ることが、自分が恋をしているB男にとって一番幸福なことだと思い込む。
こうしてA子は、自分の恋心を押し殺して、B男のC子への恋を実らせるために密かに行動を始める。



ところがC子は、ずっと以前から親友のA子がB男に激しく恋していることを知っており、A子のB男への恋を実らせるために、B男に対して無関心を装うどころか、B男ではなく全然関係ないD男に恋している振りまでして、B男の自分への恋心を挫こうとしている。
実はC子も本当はB男を恋しているのだが、親友A子の恋心を犠牲にしてB男の恋心を受け入れようと時折考える自分の心を醜く浅ましく思い、許せないでいる。



一方、B男は・・・
また、D男は・・・
==========

という複数の男女の恋心が錯綜しループして、それぞれの善意と誤解から軋みと混乱と和解とが繰り返され、こうしたカオス的状況の中から次第に着地点が現われてくる、というパターンを、凡そ踏襲しているように見える。

この「凪のあすから」という作品も、これでもかと畳み掛けるような感じで、こうしたパターンが集積して出来上がっているように見える。

さすがにここまでくると、ちょっと食傷気味で、私の個人的評価は低くしてしまいましたが、でも、やっぱり実際視聴してみたら、相変わらず面白いんだよね、これが。

逆に言うと、なぜ岡田磨理さん以外のシナリオライターが、こうしたワンパターンながら安定的に私たちの心を揺さぶるようなシナリオ・脚本を書けないのか?ということの方が疑問なくらいです。

★岡田シナリオとその他の人のシナリオの違いとは何か?

一言でいえば、登場人物たちが、根本的な部分で、自分の恋心の成就を望むか否か、の違いではないか。

上にも書いたとおり、岡田シナリオの登場人物たちは、

①自分は誰かに激しく恋しながらも、
②自分の恋の対象者は、自分と同じくらいの強さで別の誰かを恋する権利を持っており、あるいは、
③自分とは別の誰かも、自分と同じくらい自分の恋の対象者に強く恋する権利を持っている、

ということに何時も気づいて、結局

④自分の恋心を押し殺して、自分の恋の対象者の恋を成就させることが正しい、という結論に達し、
⑤そのために密かな行動に出て、かつその行動を決して誰かに悟られまいとする、

という行動パターンを踏襲する(しかも一方ではなくほぼ全員が)。

要するに、岡田シナリオの登場人物たちは、他の、言ってみれば趣味的な恋愛感情のやり取りをしている作品の登場人物とは全然違って、アニメ作品でありながら、かなりリアルな情熱恋愛的な行動パターンを取っている、ということになり、そこから岡田シナリオの独特の迫力が生まれるのではないかと考えます。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 161
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

全てにおいて丁寧に描かれた、恋愛アニメの傑作

2013年10月より放送。
全26話。


【前置き】

冒頭部分を見ていた時は、まさか今現在のような高評価を出せる作品に発展するとは思いもしませんでした。
本作は、恐らく視聴した誰もが仰るでしょうが、後半からが本番と言わんばかりの尻上がりの面白さを見せる、大器晩成型のシナリオでしたので。


アニメーション制作は、安定と信頼のP.A.WORKS。
「true tears」から始まり、「Angel Beats!」「花咲くいろは」「Another」「TARI TARI」「有頂天家族」等、今現在では、またオリジナルで「グラスリップ」も放送されていますね。
ただ、特にオリジナルの作品に関しては「true tears」以降、個人的にいつもホームランを打つような感じではなく、どこか惜しい佳作止まりな感じがしていました。

しかし、本作は違いました。
ファンタジーを織り交ぜながらも、ラブコメとは全く違うガチの恋愛作品として、人気作「true tears」を越えたかも…とさえ思わせてくれる出来でした。



【あらすじ】

舞台は、かつて全ての人間達が海の中で普通に呼吸し、生活を営んでいた世界。
ただ、ある時を境に陸に上がって生きる人達が現れはじめ、やがて人は海と陸に分かれ深く関わることを避け生活するようになっていました。

物語は、汐鹿生(しおししお)と呼ばれる海底の村に住む4人の少年少女達が、その村の中学校の廃校をきっかけに地上の小さな港町の中学校に転入するところから始まります。

ただ1つ、その汐鹿生の村には破ってはいけない掟がありました。
それは、海の人間と陸の人間とが…恋をして結ばれること……。



【前半は、後半への壮大な前振り】
{netabare}
あらすじだけ聞くと、よく聞く可愛らしいお伽話のようにも聞こえます。
実際、当初は海中にある村の世界観やオープニングの雰囲気からも、ファンタジー要素を全面に押し出した作品に思えました。

しかし蓋を開ければ、その世界観を丁寧に説明しつつも、7人の少年少女のいじらしい恋愛模様を生々しく描いた作品でした。

冒頭は、話数に余裕があるが故のその丁寧な解説が少々退屈に感じる節もありましたが、今思えばそれは壮大な後半へ繋がる前振り。
今思えば、存分に描いて下さって本当に良かったと思っています。

ただ、オリジナル作品故にどうしても先を予見出来ず、この冒頭で切ってしまった人も放送当時はやっぱり多かったようですね…。
「3話程度では本筋がまだ見えてこない」という点は、本作の難点でもあるでしょう。


私的に、視聴を継続出来た理由として、その丁寧に描かれたシナリオ以上に丁寧に彩られた、安定と信頼のP.A.WORKS(←何度でも言いたい。)の、作画の存在が大きかったですね。

中でも、海底にあるの村の汐鹿生は綺麗でした。
塩が粉雪のように降り積もり細かくキラキラと輝いた町並みは、とても幻想的でした。

水面では泡の一つ一つから、海面では船の揺らぎ方一つ見ても、海の演出は特に目を見張るシーンが多かったです。
作画だけでも見たくなる、安定と信頼のP.A.WORKS。(←はい、だから何度でも言います。)



本作の前半最後の山場。
海の村の人は、いつ覚めるか分からない冬眠に入ってしまいます。

仲違いしていた地上と海の関係が少しずつ緩和され始めていた中の、突然の冬眠勧告。
その冬眠を受け入れられる人もいれば、受け入れられない人もいました。

この冬眠は、いつ覚めるかも全く分からないようでしたので、実際不安に感じるのも当然でしょうね。
特に、自分だけ目が覚めるのが遅かったら…。。
周りだけ成長している中、自分だけ起きた時取り残されていたら…。。


この『冬眠』という要素が放つシナリオの盛り上がり方は、作中でも随一でした。
想像したら、やっぱり恐ろしいですしね。

大好きな人が自分の知らない間に成長していて、自分だけ眠り続け取り残されるかもしれない恐怖。
……いや、そもそも…、もしかしたら一生目覚めないかもしれない。


当初は互いに歩み寄り始めた地上と海の展開から、「これ2クールもして後何するの?」なんて思っていましたが、こういうことだったんですね。

シナリオ構成は、「true tears」「とらドラ!」「あの花」も担当された、岡田麿里さん。
この御方は、やっぱり見せ方が上手ですね。
{/netabare}



【時を進めた者と、そうでない者】
{netabare}
そして、その本番の2クール目。
前半とは打って変わり、かなり切なげな雰囲気のモノローグも入る新オープニングは、まさに本番開始という感じがしました。

5年の歳月が流れた同舞台で、海中で冬眠についた者、地上で5年の時を過ごし成長した者の物語。
主人公を始め、冬眠から目覚めた者が少しずつ地上に姿を表し、再び止まっていた恋愛模様が動き出します。


後半冒頭では、海の人間でありながら冬眠に入ることが出来なかった、「比良平ちさき」のエピソードには胸が苦しくなりましたね。

5年前の、中学生だった自分はもういない。
大好きな相手はその中学生のまま地上に戻ってきたのに、自分は大人になってしまっている。

それでも、やっぱり会えば好きな気持ちは蘇ってきてしまいます。

「あの…私……、変わっちゃってゴメン…。」

そういうちさきに対し、その大好きな人は、見た目にとらわれず

「オマエ、全然変わんなくて安心した!!」

と言ってくれるんですよね。
ちさきは、嬉しくて涙しながら

「アンタに言われたくないわよ!」

っと、くいかかっていましたね。
……うん、コレはごもっとも。

した人は勿論、端から見ている側さえも世界観を大きく変えてしまう「冬眠」の恐ろしさが描写される中で、ここは大好きなシーンでした。


そして、5年前に恋をしていながらも、年齢差があって想いを伝えられなかった、小学生の女の子2人組、「美海(みうな)」と「さゆ」。

彼女達の視点から言えば、当時大好きだった中学生の男の子が突然いなくなってしまったワケでしたが、自分達が同じ年齢の中学生になった今、当時の年齢のまま戻ってきたというワケですね。

前半は、ハッキリ言って

「この小学生達の恋愛模様、こんな念入りにいる?」

と思ってしまい、蛇足や尺稼ぎにすら思え、少々退屈だとさえ感じていました。
(いや勿論、小学生は最高だぜよ?)

しかし、こういうエピソードに発展する為の伏線だったんですね。
これまた上手いですね、やられました。


この後半は、毎回少しずつ冬眠から目覚めてくるキャラが出て恋愛模様が入り乱れていくので、全く退屈しないどころか非常に毎話盛り上がって楽しめました。
小出しにされる焦れったさは多少感じましたが、決して尺稼ぎ感はなく、それぞれ進展する恋愛模様を丁寧に描いてくれていました。
これもまた、全26話のという話数の強みですね。

小学生から中学生になった2人。
中学生から大学生になった2人。
そして、中学生のままの3人。

それぞれの視点から描かれる5年を経ての恋愛模様は、それぞれの昔のエピソードが序盤で丁寧に描かれていたからこそ、感情移入しちゃうんですよね。
正直な話、要所要所で私は泣かされっぱなしでした。
{/netabare}



【要君から見る、凪のあすから】
{netabare}
さてここからは、後半から個人的に一番好きになって注目していた、海の人間の中でも物静かで空気の読める大人っぽさが魅力の

『伊佐木 要(いさき かなめ)』

を通して、作中の魅力的なシーンを、熱く語っていきたいと思います。


当初から同じ海の人間の ちさきが大好きで、でも彼女の気持ちが自分に向いていないことに昔から勘付いているので、中学生ながら基本的に傍観者でいた男の子。

しかし冬眠前に、その先行きの不安もあり、ちさきの家族にも公表するカタチで堂々と、

『ボク、ちさきのことが好きなんだよね、かなり前から。』

と、いつもの笑顔で告白。
しかしちさきが地上に残ってしまった中…自分だけが冬眠に入ってしまい、目覚めたらその大好きな ちさきは大人になっていたワケですね。


世界が変わっても

「変わらないものもある。

 変わるわけ……ない。」

と、自身の ちさきへの想いを再確認する要。

ただ、これまでは同じ年齢同士なので、その達観した物言いや立ち振る舞いにも余裕があった(ように見えた)のですが、流石に本物の大人相手にはその余裕も通用しないんですよね。
しかもその恋敵は、ちさきと5年を共に過ごした…非の打ち所なしのこれまた超絶イケメン紡(つむぐ)なのですから。

「大人だね…、ちさきは…。」

そう言いながらも、精一杯に顔色を変えず立ち去り、「クソッ!」と襖越しに言うしかない要。

今までにない余裕の無さ、それ故の焦りがリアルに描写され人間味が出てきて、私は後半からグンと好感が湧いてきました。

「ちさきが光とうまくいかなくても、次は僕じゃなく紡だってわかってたから。」

と、昔からの友達とはいえ、大人を相手に精一杯達観して喋るその仕草は、もぅたまらないぐらい いじらしかったです。



結局、本人の言う通り勝ち目のない恋だったのかもしれません。

でも、そんな要のことをずっと好きでいてくれた…、自分と同じく5年経っても変わらない想いをブツけてくれた女の子、さゆがいたんですね。

前半では、小学生が憧れのお兄さんへ抱く淡い恋のように描かれていた、さゆの恋。
それが、遂に一つの形となり本人の元へ、『不器用ながらも』思いっきりブツけられたのでした。


『ずっと…ずっと見てたよ……。

 私、アンタのことずっと見てた、ずっと待ってたんだからっ!!

 アンタがいるから、だから頑張ろうって…。

 アンタに釣り合いが取れるように、アンタに子供扱いされないように、

 アンタにちゃんと…、女の子として見てもらえるようにっ!!

 アンタがいない間も、アンタはここ(心)にいた。
 
 ちゃんと…、この真ん中にいたっ!!!』


この告白で、これまでずっと大人ぶっていた要が、冬眠から覚めても家族がいなくて寂しかった本音を、初めて吐露しました。
誰も自分を待ってくれていなかったんじゃないか…、と。

ただ、ずっと想って待っていてくれた さゆの気持ちを知り、救われたかのような嬉し涙を見せるのでした。


要「これからちゃんと見てみる。ちっちゃな女の子じゃなくて、同じ年の一人の女の子として。」


さゆ「上から目線だよね。」


こういう憎まれ口も、さゆらしくて良いですね。
振り返れば、告白中も「アンタ」って7回も言ってるしww


「あの頃はさ、遠くから見てるだけだった。一緒にいるけど、すっごく遠くて……。」

5年前を振り返りそう言っていた さゆが、中学生になって見せた要への5年越しのド直球アタック。
ココは個人的に、作中でもクライマックス以上に大好きなシーンとなりました。



話はそれますが、さゆを演じた石原夏織さんは「あの夏で待ってる」の谷川柑菜や「変態王子と笑わない猫。」小豆梓などを始め、恋愛的に報われない負け確定ヒロインを演じることが多く、今回もそうなんだろうな…と勝手に思っていました。
いやはや思いの他、大健闘でしたね。

今作では、いつも以上に良い演技も見せてくれましたし。
上記のシーンの他にも、第22話で光とブツかった時の、あの可愛らしくもドスの利いた

「おいタコスケ!!、ゥルェディイ(レディー)を突き飛ばしといてそのままかよ!!!」

も、とても印象的でした…、あぁ…中学生ってコワイ…。。。
やっぱり、小学生は最k(ry

2014年は、あまりアニメ担当数はふるいませんが、好きな声なので今後の活躍に期待したいです。



最後は、全員が見事なカップリングとは行かずとも、良い着地点を見せてくれたかなと思います。
変に話をぼかしたり、続編を匂わす描写が無いのも良いですね。

ただ、7人というのは奇数なワケで……、やっぱりそういうことになりますからね…。
(ちょぉっとは救いの目も見えましたケド。)
最後にもう一捻り欲しかった気もしましたが、これは大好きな作品故の小さなクレームです。


エンディングでは、エンドテロップとともに最初のファンタジー色の強いオープニング「lull~そして僕らは~」の別バージョンを存分に流し、キャラクター達の最後が海と地上でぞれぞれ、最後まで丁寧に描かれておりました。
この世界観と主要キャラ皆に好感が湧いたからこそ、120%楽しめたエンディングでしたね。

見終えた時「とても良い作品を見たなぁ…。」と非常に後味も良かったので、今でもとても好感触な印象で記憶に残り続けているのでしょうね。
{/netabare}



【総評】

序盤で切ってしまうには非っ常に惜しい、是非とも後半の盛り上がりを見て判断して欲しい作品です。


短気ながらド直球な男らしさが光る、ひー君。

無邪気で屈託ない笑顔を見せてくれる、まなか。

団地妻のような妖艶な色気を見せる、ちさき。(昼下がりの、じゃないよ。)

大人びたクールガイながらイクところはイク、要。

「海」という一言で全てを伝えることが出来る水陸両用イケメン、紡。

一番女の子らしく いじらしい気持ちが描かれる、美海。

ちんちくりんだった小学生から一転し、最後は女を見せた。さゆ。


世界観も、このキャラクター達も、シナリオ展開も、そしてそれを彩る作画も含めて。
私は半年間(特に後半3ヶ月)、大いに楽しませてもらいました。

『海と大地のあいだで揺れる 青の御伽話(ファンタジー)』と題されていた本作。

それは、想像していたよりもずっと重く、そしてなにより全てが丁寧に描かれた傑作だと、私は感じました。

またひとつ、大好きな作品に出会えました。


長々と読んでいただき、ありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『伊佐木 要』声 - 逢坂良太さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『潮留 美海』声 - 小松未可子さん

※※※
以降は、視聴済の方向けに書かれた、ただの私の妄想なので〆ます。
{netabare}
さて、本作のように世界観や物語が魅力的な作品に出会うと誰しも、

「一度でいいから作品の中に入ってみたいっ!!」

と、妄想してしまいますよね?


………ねっ!!!


というわけで、もし

【「私」が、この世界の8人目として、同じ年齢で恋愛模様に加わっていた場合】

を想定して、この綺麗な物語の展開を、更に味付けしてみました。



■第0話■
ひー君達が後に転入するクラスの隅に、「私」登場。



■第1話■
ひー君達、汐鹿生の4人が転入。
「私」まなかの屈託の無い笑みを見て、「この子は俺に惚れている!!」と勘違いする。



■第9話■
クラス皆で、おじょし様を作っている際に「私」、小学生の美海を見かけ何かに目覚める。

以降、「俺には、まなか がいるのに…」という、不必要な葛藤が毎晩続く。



■第13話■
葛藤で睡眠不足ののまま迎えた、おふねひき当日。
「私」荒れた海の中、人知れず海に落ちる。
(当然、エナが発動することはない。)

汐鹿生の村人が冬眠に入る中、一人永眠に入る。



■第13話と第14話の間■
偶然にも、紡が海へ出していた定置網に、最早原型を留めていない「私」が引っかかる。

紡、顔色一つ変えず無言で、手荒に海に返す。



………というわけで。。


どう想像しても「私」は、後半に駒を進めることが出来ませんでした。

私がいれば、男4女4で綺麗に恋愛模様もまとまっていた(に違いない!!)でしょうに…。

ゴメンよ美海……。。。


こんな綺麗な世界に『どざえもん』を出してしまうことになり、誠に申し訳ありませんでした。
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 76
ネタバレ

アリス★彡 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

懐かしい匂いがした

最初はただの絵本を手にする気分でした。
かなりファンタジーチックで最初は淡い恋愛感情を描く恋愛物だと思っており、そこまで期待はしてませんでした。
ですが、確かに絵本のようなおとぎ話だったものの、今まで読んできた絵本よりもとんでもなく素晴らしい絵本でした。

淡い恋愛物のふりをしたドロドロの恋愛物です。

人間が海の中に住んでいるというファンタジーな世界観。
この世界観を存分に活かした展開が本作品の魅力です。

キャラクターデザインは、
『僕は友達が少ない』や『電波女の青春男』の挿絵や表紙を手掛けたブリキさん。

シリーズ構成は、花咲いろはやとらドラの岡田麿里さん。

前半は淡い子供の恋愛物語、三角関係、海の人間と陸の人間の関係、などを中心にお話が進んでいきます。
ドロドロした人間関係を描いたお話で、とても岡田麿里さんらしいドラマチックな脚本でした。

前半は正直キャラクターの精神年齢が子供だったりするので、キャラクターに共感出来ずに、だるくてつまらない印象を受けるかもしれません。
暴言や喧嘩、恋愛の考え方もかなり子供っぽいです。
前半も良い感じのラブコメで楽しめたという人もいるので、前半は評価が分かれます。

この作品は前半で張った伏線を一気に回収する中盤から見所で、後半に進むにつれ一気に面白くなります。
また、大人が共感出来るようなシーン{netabare}(例えばちさとと紡が大人になったり) {/netabare}もあるため、ここから一気に大衆向けの作品に化けます。

また子供っぽいと思ったキャラクターも徐々に成長していき、大人になっていきます。
これが本作の魅力です。キャラクターの子供の時代を描くことにより成長した時、さらに感情移入が出来るようにしています。

この後半の展開は前半に張った伏線が無ければ、描写が足りずに感情移入が出来にくかったでしょう。
前半の甘いラブコメがあるからこそ、後半の壮大な世界観を描けるのです。

終盤になるにつれて、世界観の壮大さが強調されていきます。前半は、小さな恋愛物語を使って若年層の共感を呼び、そのあと徐々に前半に張った伏線を回収しながら設定を活かした壮大な話を描く。

本当に計算されている作品だと思います。
説明しなくても分かるシーンは、視覚のみ情報で理解できます。また陸と海との関係で、感情的になるところは、対立は中々終わらないということの、少し説得力が増えて良かったかなぁっと思いました。
ネタバレ有りのところでも書きますが、勢い任せの展開は、視聴者の感情を高揚させるためのテクニックであり、テクニックに現実世界のような心理を求めるのは、的外れもいいところです。この作品は、とてもそれに優れていて、とにかく感情を高ぶる良いシーンが多いです。
なので、私は視聴者の感情を高揚させることが本当に計算されているな、と感じました。(どういう風に感じたかはネタバレ有りのレビューで語ります)


深いテーマ性も物語を楽しむ上での醍醐味なので、ぜひぜひ考えてください。


↓以下ネタバレの長文。かなり書いてます。。。すいません。


{netabare}

■まなかが紡のことを好きだと思わせるミスリード
前半は、まなかが紡のことを好きだと思わせる徹底的なミスリードが行われています。
まなかが紡に釣り上げられるシーン、まなかが赤面して教室から出て行くシーンや、紡がまなかを助けるシーンなどなど。
例を上げればキリがありません。

1話目で、
紡「綺麗だ」
まなか「え、あ、なんだ魚のことか・・・」
紡「あんたも」

なんて台詞を入れているんですから、まなかは紡と結ばれるのかな、と思っちゃったりしました(笑)
完全に製作者の意図に騙されましたね(笑)

最終的にまなかは紡ではなくて光が好きだということは分かります。
その展開を視聴者に読ませないために、わざわざあんなフラグを作ったんですね。


■海の人間と陸の人間の対立
学校のシーンやおふねひきの件で揉める件で強調されています。

学校のシーンでは、通ってきた中学が廃校になったため転校してきた光たちに対して、陸の子供たちは、からかったり馬鹿にしたりしました。
海の人間と陸の人間の関係について数話を使って、上手く描写していたなと感じます。

また中盤のシーンでもその対立は描かれています。
おふねひきの件で、光のお父さんを含んだ海の人間と陸の人間が口論から喧嘩に発展するシーン。

結局、どちらが悪いのか分からないですけど、とりあえず凄く対立しているんだな、ということが分かりました。


その対立も、海の人たちが冬眠することで、陸の人たちが海の人たちに支えられていることに気づいて、また海の人たちも冬眠する前はなんだか寂しげな表情をしていました。

お互い憎んでいたけれど、お互い支えあっていたり、お互いいなければ分からないことがあったと気づきました。

■要
告白するというのは自分を納得させるため。
要は、冬眠の前に、ちさきに告白したり、光に、まなかに告白するように迫ったり、突然理解できないような行動を取ります。

しかし、全て告白するというのは自分を納得させるためだ、という要の自論に基づく行動なら納得がいきます。


相手に気持ちを伝えないということは、自分の気持ちに嘘をついたまま過ごすということ。
例え、相手の事を大好きでも、自分の気持ちに嘘ついてしまっては、なんだか心の仲が落ち着かない感じになってしまうかもしれません。
だから自分を満足させるために告白するんだ、というのが要の自論です。


その考えは告白すると人間関係にひびが入るかもしれないから嫌だ、というちさきやまなかに否定されてしまうのですが...

まぁこのあたりの価値観の押し付け合いは、子供っぽいなぁと思わせるシーンでした。

■変わらないもの

冬眠から覚めた光は、変わった街を目にして、変わらない自分と比較してなんだか途方に暮れます。

「自分はつい前まで、おふねひきをしていたのに、いきなり街が変わって、美海も大きくなって、もう何がなんだか分からない。
これ以上、変わったものを見てしまったら、俺は耐えられないかもしれない。
だからちさきには会いたくない。
もっと変わったものを見ちまったら、もうおかしくなりそうで見たくない。」

そう思っていた矢先にたまたま成長したちさきに会います。


「あぁなんだ
変わらないものもあるんだ」


5年間という空白は大きかった。
けど、5年間立っても変わらないものはある。
どれだけ変わろうとも、変わらないものは絶対存在するんだ。

そういうことを思わせるシーンでした。


■変わるもの

光達が冬眠している間に、ちさきと紡は二人で三人が目覚めるまでゆっくり時間を過ごします。

ちさきは、もしも光達が帰ってきたら、自分が光を好きでなければ、光達がなんだか遠い存在になるような気がするので、光のことを想い続けます。
自分が光の気持ちを無くしてしまえば、戻ってきたみんなは自分の変化に気づき、複雑な心境になるからでしょうね。


光達が戻ってきてから、ちさきは徐々に自分の好きという気持ちが紡に移っている事に気づきます。

分かっていてても認めたくないちさき。
そう、それを認めてしまったら、みんなを複雑な心境にさせてしまうかもしれない。

だから、認めたくない。


元々、ちさきは変わるのが嫌だから、告白して自分自身を満足させている要の考えには同調していませんでした。
今の関係が壊れるのが嫌だから、光に告白しませんでしたし、要が告白したほうが良いと勧めても、拒否しました。

そういった考えだから五年立っても人間関係が壊れるのが嫌で、光の事を想い続けたままでいます。



要はそんなちさきを見て、おふねひきの事を思い出します。

あの時、自分が紡を救わなければ、自分はちさきと一緒に入れたのではないか。
そうしていれば、ちさきが今好きな相手は紡ではなく自分だったのかもしれない。

でも、自分が紡を救わなかったら、確実に紡が死んでいた。


けど、最初からちさきは紡の事を気になっていた。
自分が紡を救わなくて、誰かが紡が救っていたとしても、結局、ちさきは紡の事を好きになっていただろう。


だって 人の気持ちは変わるものだから


どれだけ変わらない事があっても人間関係は何年もすれば変わるもの。
人の気持ちは移り変わるもの。



ちさきは紡の事を好きだって認めたくない。


けど、人の気持ちが変わるという事を知る。


だから気持ちが変わるという事を受け入れて、紡のことを受け入れる。



やっぱり時間が変われば人間関係が変化するんものなのだなぁっというのを感じたシーンでした。






■美海
今思い返すと、光と美海を5歳差にしていたり、美海が光に助けられたシーンを描いたりしたのは、全てはラストのためだったんだなぁ、と感じます。

まなかさんも好きだけど、自分も光が好きだから、まなかさんとは恋敵になってしまう。
そういう複雑な状況になり、精神的に追い詰められます。

さらに、光と同い年になった事で、いつも遠くから見ていた光と傍で一緒に学校に行けるという事に喜びます。

ですが、その考えも光の「これ以上、変わったものを見たくない」という発言を受け、「私馬鹿だった」と自らの考えを否定しています。

良いことがあった、と思ったら、すぐ嫌なことがある。
美海の人間関係は複雑で嫌な感じですね(笑)

そんな美海の出した答えとは?


■好きになってもいいんだよ
これを伝えたかったのかな?
これだけドロドロした恋愛物語を見せられてきて、「好きにならなければいい」、と一瞬でも思えるシーンがありました。
しかし、それらのシーンは全てこのテーマを伝えるためだったのですかね。

美海の出した答えでもあります。


製作者の主観的なメッセージ。
もしも、相手を好きになったら、それなりに苦しいことや辛いことが待っています。
場合によっては相手と結ばれるのは、難しい場合もあります。
けれど、好きという気持ちを無くしてしまえば、そもそも好きから生まれる味わい深い感情を得られないので、多少損していることになります。
そういう寂しい人生は嫌だな、そういう好きを感じない人生は嫌だな、という少し子供っぽくもとれるメッセージ。

それを14歳の美海を使って、最終話で伝えています。
誰かを好きになるというのは、海神様とおじょしさまのエピソードのようにとても素晴らしいことなんだよ。
好きにならなきゃこういう感情を味わえないんだよ。
だから私は嫌だな。
誰かを好きになった気持ちを忘れたくはないな。
例え叶わない恋でも、この感情がただの感情になるのは嫌だな。
だから、好きになっていいんだよ。
光も海神様も。
もっと素直になっていいんだよ。

ということを、主観的なメッセージであるもののしっかり伝えています。






子供っぽくても、子供っぽいからこそ、枯れた心には良いメッセージになりました。

好きという感情がどれだけ味わい深い感情かを再認識させてくれる。

とても良い作品でした。


あ、あともう一つだけ。
好きな気持ちは人間を変えてしまうことがあります。


例えば、作中の中で、
光はまなかを救うために、何回も海の中に潜りましたし、
美海は光を庇いましたし、
人間を突然本気にさせたり感情的にさせたりします。


光は美海を別のベクトルでしたが好きでしたが、ベクトルは違えど、最後のシーンで必死で助け出そうとしました。






どういうことかというと、


人の強い想いは時にとんでもない奇跡を起こすことがある。




これだと思うんですよね。


好きだということは相手を強く思うこと。
強く思うというのは人間のやる気が湧く要因になるということ。
やる気というのは、人間が行動するというためのエネルギーになる。

行動するというのは、時にその行動する量により周りに影響を与えることがある。
周りに影響を与えるということは、大いなる流れを変える可能性がある。



一つの大きな想いが、大きな行動を生み出して、大きな流れを変える可能性があるということです。


明治維新であれ、フランス革命であれ、大きな想いが無ければ大きな行動は生み出せませんでした。


何か大きな行動を起こそうと思うとそれなりのやる気が必要です。

やる気の源になるのは感情です。強く思う事です。


好きだと強く願えば、その好きのエネルギーが世界を変える原動力になるかもしれません。
その好きがやる気になって、世界を動かすやる気の一つになるかもしれません。


可能性が低くてもゼロではありません。


だから私は好きな気持ちは、時として人間を変えてしまうということがあり、その時に生まれた強い感情が世界を変えてしまうこともあるのだと考えます。


例え小さな変化だったとしても、その小さな変化が大きな流れを変えてしまうことがあるのだと考えます。








『海神様、まっこと面白いですなぁ人間と言うものは』


『傷ついて答えはなくても、それでもひたすら足掻き夢を見て』



『その想いが大いなる流れを変えるやもしれん』






『ぬくみ雪が止みましたな』


byうろこ様



{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
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