ラブコメで昭和なTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のラブコメで昭和な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番のラブコメで昭和なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

63.9 1 ラブコメで昭和なアニメランキング1位
夏のあらし!(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (253)
1579人が棚に入れました
夏休みを利用して田舎の祖父の家に泊まりに来た八坂一。彼はたまたま涼みに入った喫茶店の従業員・あらしに一目惚れをしてしまう。
とあるきっかけであらしが一に触れた瞬間、2人の間に雷のような衝撃が走る。あらしは「通じた!」と声を漏らすと、驚いた一を外へ連れ出す。そのまま2人で裏山を駆け抜けると、目の前には現代の日本だとは思えない風景が広がっていた…。

声優・キャラクター
白石涼子、三瓶由布子、名塚佳織、小見川千明、杉田智和、生天目仁美、安元洋貴、野中藍、堀江由衣
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

かなり オ・ト・ナ のアニメ(笑)

2021/03/08 投稿

この頃何を見ようか迷子なのです・・・

いっそ,自分の評価で,中で神アニメに当たるものを再度見ようかと考えて真っ先に浮かんだのが物語シリーズ!
でも相当なボリュームで敷居が高すぎ・・・

もっと手軽に1クールもので無いかな?

ハルヒ・・・2クール+2期+消失でやはり長いか・・・(エンドレスエイトはどうする問題もw)
シュタゲ・・・2クール+劇場版+Zero長いな・・・
ひぐらし・・・無印+解で50話と超長いし、見直すとしたらタイミング的には「業」終了後かな?
まどマギ・・・これだ!まどマギを見よう!!

いやまてよ・・・物語シリーズもまどマギも同じ新房昭之監督では無いか!

絶望先生と荒川は過去に挫折したけど,まだまだ新房作品にはスゴイ作品がありそうな予感!未視聴の新房作品を開拓しよう!

と言う流れで「夏のあらし!」です

見始めると

まず,OP曲が・・・

♪《前略》夏の扉が開いて 涙だけ(イントロはそこそこかっこよくボーカルが入ってからここまではまあ普通と思ったのですが・・・)

 (「~涙だけ」の続き)・・・{netabare}先走りね

 あたしにかけて いっぱいかけて
 罠をかけて ??(聞き取れません歌詞をみると「鼻に」耳に聞こえてくるのは「ほな?」)をかけて なさけををかけて
 あたしとかけて どこでもかけて
 時をかけて 生命かけて ※生死をかけて

 かけかけかけかけかけて
 あたしだけにかけて♪{/netabare}

汚れた大人の自分にはたいへんな歌詞に聞こえちゃうのですf^^;特に、※部分なんか違う漢字が頭の中に浮かびます・・・

映像もやよゐさんのカット【閲覧注意R-18】{netabare}(歌詞は「どこでも」のあたり)なんか脳内ではものすごい映像に変換されちゃいます…ゴメンナサイ...φ(..){/netabare}

キャラクターデザインは微妙・・・全体的に作成時期を考慮してもなお古くさい感じで、主人公の八坂一なんかは特にひどい,昭和の子供向けアニメの臭いがぷんぷんします・・・(意図的かも?)

1話は特に面白くも無く…と言うか訳分からない部類?
映像的には新房作品らしい演出も見られたものの1話で挫折しそうになりました・・・でも挿入歌「黒猫のタンゴ」やED曲(アニメーションの動きは不自然・・・)が良かったので

なんとか,勇気を振り絞って2話も見ました。冒頭は新房監督らしい演出,サブタイトル表示画面になんか既視感が・・・
あ!もしかしたらと思って検索すると中森明菜の「少女A」のジャケットでした,遡って1話を調べると山口百恵の「プレイバックPart2」のジャケット(以後全話タイトル曲のジャケットでした),挿入歌は「どうにも止まらない」ED後にはタイトルを忘れた話シリーズが追加。ここまで来ると視聴継続確定です!

3話ではEDにレコードジャケットの立方体が追加(「ひと夏の経験」と「ハイスクール ララバイ」以外ほとんど元ネタは分からないけど・・・w)

8話は神回

9話のタイムパラドックス論争もすごく面白かったです!

11話はストーリー上の山場!感動回。挿入歌の他の曲よりちょっと古い(大正の曲らしいです)「早春賦」も素晴らしいですし,ED曲もスペシャルです!

12話である程度伏線回収,Cパート(?)のタイトルを忘れたシリーズではなんとなくほろりときました。

13は1話のプレイバックPart2に対してのプレイバックPart1
{netabare}1話とほぼ同じ内容なのですが,1話で見たときよりもかなり好意的に見れました{/netabare}
ちなみにサクランボ爆弾を作ったときには洋楽のあの曲が挿入歌で出てくるのかと思ったのですが,著作権上の問題でしょうか・・・使われなくて残念でした。

尚,ウィキで調べたところ横浜大空襲について関連作品として記載されたいるのは意外なことに「夏のあらし!」だけでした。

総評としては,一定年齢以上のかなり大人には楽しめるのでは無いかと感じました。但し,一人で見た方がいろいろ気まずい思いをしなくてすむと思います。

で自分としては,何を見るか迷ったら新房作品という結論を得ました。(できたら,いろんな作品を見たいので何を見るか,困ったときに取っておきたいと思いますw)

OPアニメのジャケット風のカットの元ネタが全然分からず,エンディングの立方体も大部分は分からずいろいろ気になります^^;分かる方は教えて欲しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

景禎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

し、塩ください

SF(タイムスリップ)+ホラー(幽霊)+ラブコメ要素を持つ、他に類のない独特の雰囲気のギャグアニメです。基本はあくまでもギャグです。
監督は、新房昭之さん。アニメ製作はシャフト。ギャグものとはいえ、アングル、背景、空間表現など、まどか☆マギカ、偽物語、最近ではささみさん@がんばらない、などと共通する斬新な雰囲気を持っています。それでいて、挿入歌には昭和40年代~50年代あたりの歌謡曲が使われており、キャラデザも昭和っぽいので、レトロな雰囲気も持ち合わせているのです。お話そのものは現代のお話です。
OPの曲も昭和っぽいのですが、かなり色(エロ)っぽいです。親といっしょに見ると気まずいかもしれませんので注意。
舞台は古くから続く喫茶店。常連さんが何人かいるワケですが、その人たちの声はすべて杉田智和さんが声色を変えて演じています。杉田さんの一言ボケ、これがまたいい味だしてます。し、塩ください。
{netabare}
主人公とヒロインは戦中(太平洋戦争)と現代をタイムスリップし、いろんな人を横浜大空襲から助けます。その助けられた人たちが仲間となって、仲間の輪が広がっていきます。
{/netabare}
テーマとして戦争を扱うということで、当然ながら表現される内容は深くて重いです。しかし、その重苦しさを、ギャグ要素でうまく中和させています。作品のメッセージ性は強いが、おしつけがましくない、という絶妙のバランスを保つのに成功していると思います。
{netabare}
タイムトラベルの原理は、シュタインズ・ゲートの他世界解釈ではなく、タイムトラベルしても過去を変えることはできない、という決定論です。なので、あちこちにタイムパラドックスと言われる矛盾が発生しちゃいます。この作品では、逆にその矛盾が狙いのように思います。これについては、最終話に人類の謎として扱われています。
{/netabare}
各話の構成ですが、まず1話は時系列からはずれているため、これだけを見ても、設定もキャラもなんもわからん・・ということになります。ただ、雰囲気だけは分かります。実際の時系列は2話から始まります。1話と最終話が純粋にギャグで、それ以外の回は「はじめバラバラだった登場人物たちが仲間になっていく」というストーリー要素が比較的つよくなっています。
{netabare}
CM前後やOP、EDの前後にはいる影絵風の小ネタに登場するやよいとかなこも、後ほどちゃんと仲間になります。彼女たちが仲間に加わったあとも、この小ネタは継続されますが、登場人物が異なったりします。
13話(最終話)は基本的には1話の繰り返しです。というか、1話で苺だったものがサクランボに置き換わった設定となっています。これは1話の平行世界なのでしょうか? そういうことだと、この作品で採用している決定論的な考え方である「タイムトラベルでは過去を変えることはできない」に反しているように思いますが・・・とにかく、1話と13話(最終話)が対になっていて、それらに挟まれたかたちで、時系列で進む2話から12話がある、というサンドイッチ構成になっています。
1話のリフレインと思われる最終話ですが、当然ながら苺がサクランボに変わる以外にもいろいろ違います。まず、登場人物の服装。なぜか、喫茶店での服装が皆さん水着になってます。お決まりの水着回ということでしょうか。つか、登場する毎に衣装が変わるんですが・・・。これも視聴者サービスの一環か?
{/netabare}
ギャグ好きのオレ的には、1話と最終話に加え、それと8話のギャグの要素がつよい回が好きです。
{netabare}
8話はテッパンネタの男女入れ替わりネタ。それも尾道転校生と同じく、八坂と上賀茂が階段を転げ落ちて入れ替わる。男女入れ替わりネタは、最近ではSKET DANCEやココロコネクトでも使われたが、どれもオレ的にはうけた。安易とはいえ、やっぱおもろいわ~。
{/netabare}
あまり知られていない作品(少なくとも私は知らなかった)ですが、かなりおもしろいです。シャフト作品としては、個人的には、偽物語やささみさんより好きですね。もっと評価されるべき作品だと思います。
にゃん^^さん(http://www.anikore.jp/users/profile/31098/)に紹介していただいた作品です。いい作品を紹介してくれてありがとう。
引き続き、2期分を視聴します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嵐のような時間でした♪

スクールランブルの原作者、小林尽さんの漫画が原作。

1期と2期まとめてのレビューです。

次が見たくてしょうがないほど楽しめたのは
久しぶりだったのでまとめて観ちゃいましたw
早速、お気に入りの棚にいれなければ!

※この作品を観るときの注意点。
{netabare}この人の作品の絵は癖が結構ありますが
見た目だけで断念はしないでほしいですね。
それと1期の1話で困惑するかもしれません。
そこで切らずに2話、3話をみてほしいと思います
それだけの価値がある作品だと思ってます。{/netabare}


あらすじは
昭和20年の美少女、嵐山小夜子(通称:あらし)と
現代の中学生、八坂一を中心に
喫茶店"方舟"の従業員たちと巻き起こす
タイムスリップドタバタラブコメディーです。

この人のキャラは本当に魅力的だなあ~
特に男キャラが本当に素晴らしいです。
スクランの播磨のときもそうでしたが
抜けてるところはあるけど根っこはめちゃくちゃ良い奴だし
何より凄く応援したくなりますしね。
ラブコメ主人公はやっぱりこうでないとね。

もちろん、女の子たちも素晴らしかったですね。
どれも魅力的な女の子達ばかりですが
1番はやっぱりあらしさんですかね。
天真爛漫で人当たりがいいですし、
一が一目惚れしたのも大きく大きく頷けます♪


ストーリーは7割くらいドタバタラブコメですが
昭和20年(1945年)ということで戦時中の話が出てきます。

そういえば、アニメで現実の戦争の話は珍しいですよね
ドラマなどでは知っていたけれど
アニメで観るとまた違った戦争の怖い部分、嫌な部分が見えてきました。
いろいろと勉強になるところが多かったですし、
見てよかったと思えるものでした。


でもラブコメ部分はニヤニヤしっぱなしでしたし、
真面目なところはしっかり真面目に観れますので、
ギャグとシリアスのメリハリがあって
とてもバランスのいい作品だと思いました。

それとタイムスリップ物には付き物のタイムパラドックスについてですが
{netabare}"過去へ行って変えた歴史が現代の歴史"{/netabare}という設定には
納得できますし、なにより話をさらに面白くさせてくれましたね。

ややこしいですがストーリーに矛盾がなかったこともかなり好印象でした。

特に1期の1話、13話、2期の13話と3回に渡って続いた
激辛アイテム、キューティーちゃんを巡っての話は
本当に楽しかったです。
時系列を整理するのは大変でしたが、
納得したときの爽快感は最高でした♪

声優は主人公の一の三瓶さんが最高でした
今のところ少年の声なら三瓶さんが1番ですね!


そういえば、物語シリーズの監督として有名な新房監督と
シャフトなので演出が面白い面白い。
ただし・・・小ネタが圧倒的に古すぎるw
軽く調べたところ1980年代のものばかりでした。
分からなくても楽しめますが、やっぱり悔しい。
分かる人がただただ羨ましくなりました。
ということで80年代の漫画や音楽が詳しい人には特にオススメですね!


凄く楽しい時間でした。
1期2期、26話があっという間に見終わってしまいました。
というか評価されてなさ過ぎでしょう。
こんな面白いのに60点ぐらいなんてありえないですね。
もっと評価されてほしい!!

原作のほうも完結しているようなのでぜひぜひ読みたいですね♪
できれば残りの方もアニメ化してくれるといいなあ・・・


観終わって思ったことは
やっぱりこういったドタバタラブコメが
自分の肌に1番合うということでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

80.1 2 ラブコメで昭和なアニメランキング2位
スキップとローファー(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (398)
1176人が棚に入れました
地方の小さな中学校から、 東京の高偏差値高校に首席入学した岩倉美津未。 カンペキな生涯設計を胸に、ひとり上京してきた田舎の神童は、勉強はできるけれど距離感が独特でちょっとズレてる。 だから失敗することもあるけれど、その天然っぷりにクラスメイトたちはやわらかに感化されて、十人十色の個性はいつしか重なっていく。 知り合って、だんだんわかって、気づけば互いに通じ合う。だれもが経験する心のもやもや、チリチリした気持ち。わかりあえるきっかけをくれるのは、かけがえのない友達。 ときどき不協和音スレスレ、だけどいつのまにかハッピーなスクールライフ・コメディ!
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

【最終】モブ顔に騙された! →意外としっかり人物描写された青春群像劇

【レビューNo.66】((最終レビュー)初回登録:2023/6/21)
コミック原作で2023年作品。全12話。
正直1話の段階では切るか迷ったが、お付き合いあるレビュアーさんの勧めもあり
「癒し枠」位で保留の予定でしたが、2話で評価が一転。これは侮れない作品かも。

(ストーリー)
岩倉美津未は中学卒業を機に、石川県のはしっこから東京の高偏差値高校へ進学した。
(高校を首席入学する位成績は優秀)
理想に燃えて鼻息も荒く、胸躍らせて初日の登校を迎えるも、いきなり都会の洗礼を
受け道に迷う事態に。そこで同じ学校のイケメン男子・志摩聡介に出会い、無事ピン
チを切り抜ける。美津未の周りには聡介をはじめ、個性的な仲間が集まりだして・・・

(評 価)
・第1-2話:意外としっかりした青春群像劇の予感?!
 {netabare}・結構衝撃的なモブ顔の主人公
  率直な最初の感想がコレ。のちに美少女改変され、詐欺とまで言われた伝説のモブ
  顔「神のみ/小阪ちひろ」の再来かとwwwそんな容姿に加え、
  ・妙に気合が入っているが、どこか空回っている
  ・田舎育ちで純朴、天然なところがある
  ってことで、1話の段階ではこの美津未のドジぶりを愛でるような「緩い日常系癒し
  アニメ」かと思ったですが・・・

 ・意外としっかりした青春群像劇の予感?!
  ところが2話になって、美津未の周りの人間模様が急にきな臭くなってきました。
  OP映像を見た感じでは、美津未の他には聡介をはじめ6人位が物語の中心になりそ
  うですが、今回気になった人物をピックアップ。
  ●江頭ミカ
   実は1話で気になっていたのですが、後ろの席で美津未が話かけても無視だったの
   に、美津未が聡介とIDを交換した途端、急にすり寄ってきたんだよな。
   やはりあれは伏線だったようで、2話では露骨に聡介狙いで、聡介と妙に親しい美
   津未が気に入らないらしく、妨害工作や美津未をダシに聡介に近づこうしたりと、
   嫌なキャラが目に付く。(当初は「誰も傷つかない優しい世界」をイメージしてた
   だけに個人的には意外な存在)
  ●村重結月
   クールビューティ系で近寄りがたい雰囲気があるが、純朴な美津未のことは放って
   おけないのか、ミカのことなどフォローはしていた。根はいい子っぽい。
   ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
  ●志摩聡介
   草食系イケメン男子で人当りはよい。初っ端からいろいろやらかしている美津未に
   自分にはない(あるいは失った)何かを感じているようで、美津未には好意的。
   でも触れられたくない過去がある描写がラストになされて・・・
  各キャラとも何かしら心に葛藤を抱えているような感じで、これらのキャラ達が純朴
  で真っすぐな美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」っぽい物
  語になっていきそうな予感?!
  (個人的には「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的なものをイメージ?!)

 個人的には2話で評価が一転、俄然面白くなってきたという印象ですね。 
 正直今の段階ではなんとも言えないですが、ミカのようなキャラだったり、聡介が最後
 に見せた厳しい態度だったり、単に「緩い」とか「爽やか」だけでは終わらない感じで
 すね。意外と厳しい「インコース攻め」とかもあるかも。
 これは来週も楽しみです。{/netabare}

・第3話:作品の輪郭が見えてきたかな
 {netabare}・「ReLIFE」とは少し異なる青春群像劇
  やはり本作は、美津未と関わることで、お互いが成長していく「青春群像劇」とい
  うのが基本路線のように思いました。ただ前回
  >「特殊設定と熱量を抜いた『ReLIFE』」的ものをイメージ?!
  と書きましたが、少しアプローチは異なるようですね。
  ・ReLIFE:主人公たちが状況改善のために動いたりして、直接的にぶつかり合って
       お互いを理解し合いながら、成長していく。
  ・本作:美津未の純朴で真っすぐな部分に触れ、自分の心のわだかまり等に気づき
      内面と向き合いながら、第一歩を踏み出していく。
     (美津未がわかりやすい形で動くわけではない?!)
  まあ当然、全くぶつかり合いもなく全てが丸く収まるとか、そんなご都合主義の人
  間関係だけではないでしょうが、両作のキャラの魅力からすると、やはり方向性等
  は異なるんだろうなっと。

 ・今回も気になった人物をピックアップ 
  ●村重結月
   >ただ他の人とはまだ壁がありそうで・・・
   意外にもグループ内で上手くやっており、その辺りの空気を読んだコミュはきちん
   取れる模様。ただ自分のようなタイプを嫌う一定層がいることも理解している感じ
   で、やはり心に影がありそう。
  ●久留米誠
   今回の新キャラ。自分に陰キャという強い思い込みがあるようで、陽キャに対しコ
   ンプレックスを抱いている模様(結月や聡介は苦手なタイプ)。ただそういう自分
   を変えたいという思いも持っているようで・・・
  ●江頭ミカ
   美津未や誠に対し「引き立て役」と優越感に浸ったり、結月に「劣等感」を抱いた
   りと常に他人との比較に苛まれていたり、計算高さ等が垣間見れる。やはり作中で
   は、今のところ嫌なキャラ描写が目に付く。
   しかし彼女のもつ毒が、この作品の「緩さ」を上手く引き締めている感がある。

  終盤には、美津未に影響された誠が結月に「歩み寄りたい」という意思を表示、結月
  もそれに応える様が描写され、今後どういう関係になっていくのか楽しみですね。
  こうなるとやはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいて
  いくのかが、今後の見どころになりそうですね。
  まだ3話ですが、予想以上に人物描写がしっかりしており、更に作品に対する好感度が
  上がりましたね。{/netabare}

・第4話:美津未はアインズ様?! なんか「オバロ」の”お約束”を観ている感覚
 {netabare}・前回から少し気になっていたんだが、
  ・久留米誠
   ・美津未:塩味とキャラメル味のポップコーンをほおばる。
    → 食わず嫌いで人の1面しか見ていない自分に気づく。多様性を認めることの
      大切さを理解する。
  ・高嶺先輩(生徒会のストイックなキャラ)
   ・美津未:バスの時間を気にせずマイペースな振る舞い
    → スケジュールに追われ周りを見ていなかったことに気づく。もっと心に余裕
      を持つことの大切さを理解する。
  なんかこの構図って「オバロ」の”お約束”
  ・アインズ:その場しのぎ等特に深い意味のない言動
  ・側近たち:「さすが、アインズ様。これにはこういう狙いがあるのですね!」
  ・アインズ:(えっそうなの?!)
  を見ているような感覚なのは私だけ?!
  よくいえば「美津未の飾らない自然体の振る舞いが、周りに好影響を与える」ってこと
  なんだけど、やってることがポップコーンを食べるとか、猫を拾ってくるとか、ホント
  くだらないことなんだよなあwww。むしろそこから学びを得る周りのキャラの方が、
  「お前らどんだけ優秀やねん!」って感じなんだがw
 ・高嶺先輩との絡みは、美津未の「先輩への一片の曇りのない尊敬の念」が彼女らしくて
  とても微笑ましく、また「正反対のキャラを組み合せることで起こる笑い」は王道なが
  らも丁寧に描いていたので楽しませてもらいました。

 正直思っていたものと違ってきたので「??」ってところはありますが、作品としては微
 笑ましく観れているので、今後の展開に注目ですね。{/netabare}

・第5話:ようやく王道展開、ミカ目線から美津未の人間性を語る演出は〇
 {netabare}・>やはり気になるのがミカ。一癖あるキャラだけに、美津未とどう近づいていくのか
  懸案だった「美津未×ミカ」回きましたね。
  ・美津未の方からミカにバレーボールの指導をお願い
   → ミカ「どうして村重さんじゃなく、私に頼んだの?」
     美津未「今まで嘘はいってないし、江頭さんの方が忌憚ない意見をいってくれそう。」
  だから、これが本来のあるべき姿でしょ。前回までの
  ・美津未:ポップコーンをほおばる →誠「私変わらなきゃ!」
  ・美津未:猫を拾ってくる →高嶺先輩「私変わらなきゃ!」
  って、一体何なんだよwww
  それと最後の「人格的にはそんなに褒めてないよ」はオチとして秀逸で、美津未の意外
  な一面も見れて面白かったなとw
 ・今回ミカのモノローグ等が多かったですが
  「私が嫌な人の名前を2つ覚える間に、彼女は親切にしてくれた人の名を1つ覚えるのだろう」
  「メンタル強!結局あの選択ができるんだから羨ましいよ。」
  「志摩君にないものは、ああいう子が持ってたりっするのかなって。」
  ミカ目線から美津未の人間性を語る演出はかなりよかったですね。
 ・ミカは「浮かないように周りに合わせていた自分」にコンプレックスがあったようで、
  それとは正反対の「素のままで周りに受け入れてもらえる」美津未に嫉妬や嫌悪感の
  ようなものを抱いていたようです。
  今後2人の距離がどこまで縮まっていくのかに注目ですね。
 ・あと「美津未×聡介」も流されるままに聡介の善意に頼っていた今の関係を見つめ直す
  描写もあり、こちらも美津未の今後の動向が気になりますね。

 正直3.4話の「アインズ様」展開は「??」な感じだったのですが、今回は「美津未×ミカ」
 「美津未×聡介」で正統な青春像群像劇っぽい感じはよかったかなっと。{/netabare}

・第6-7話:第1部(?)終了、新たなる展開の中盤へ
 {netabare}5話で「美津未×ミカ」を描いたことで、美津未との関わりが不透明だったキャラが一旦
 整理され、6話からは中盤に入ったのかなって印象ですね。
 やはり「ReLIFE」のような「熱さ」ではなく、日常系のような緩さやほっこり感もあるが、
 それでいて、この作品らしくしっかりとこの年頃の「葛藤」や「成長」を描いていくって
 感じの青春群像劇なのかなっと。

 ●×聡介
  ・美津未は「恋愛ビギナー?」らしく、聡介への気持ちが「恋なのか別のものなのか」
   混乱している模様。でも少なくても友達の一人として大切だと認識しているのは確か。
   一方の聡介も、「美津未は今までの女友達とは違う特別な存在」と認識しているが、
   それは「恋愛感情」かは不明です。
  ・あえていうなら「名前のない感情」みたいな?!
   でもそれがこの作品らくしていいのかなっと。最近の学園モノは「恋愛至上主義」的
   な作品ばかりな感じなので、こういう「恋か友情か曖昧ながらも、まずは『お互いに
   大切な存在』として、その気持ちに素直に従う」という関係性はある意味心地よさを
   感じますね。無理に恋愛を前面に押し出さず、「青春の1コマ」として自然体で扱う。
   そんな感じが、この作品にはちょうどいいのかなっと。
 ●×ミカ、×結月
  ・ミカは前回のモノローグで、美津未に対するわがたまりは大分氷解したように感じま
   した。ただ作中では、
   ・皆と打ち解けて仲良くしているようで、「夏休みの女子会予定」に自分も入っている
    ことに戸惑い(?)を見せる。
   ・6話で「聡介×美津未」を応援する描写をしながら、7話で2人で動物園に行く話を
    聞いて面白くないような描写もある。
   まだ複雑な心模様を見せています。ある意味ミカのキャラをよく表しているといえば、
   そのようにも感じられるところですね。
   美津未の相談に(いい意味で)少し毒を含んだアドバイスを返すなど、この「優しい
   世界」の中では少し異質なところが、個人的には嫌いではないですね。
  ・一方結月は始めから美津未に好意的だった分、ほとんど掘り下げされていないんです
   よね。(彼女だけが美津未に関するモノローグがない)
   でも前述した通り、「自分に一定数のアンチが存在する」ことを理解しているフシが
   あるので、今後その辺りからの掘り下げがあるかもしれません。
 ●×生徒会
  ・美津未は生徒会・書記に任命されたようで、活動も本格化した模様。
   生徒会といえば高嶺先輩ですが、生徒会長選挙で敗れたことにショックを受けている
   感じ( 現在副会長)。
   ただそこから彼女なりに立ち直り、(先輩への一片の曇りのない尊敬の念の)美津未
   の態度は相変わらずで、結構いいコンビですね。
  ・一方生徒会長の座に就いたのが、風上先輩。
   ・イケメンで陽キャなので、他生徒からの人気が高い。
   ・生徒会長になったのは「点数稼ぎ」と友達には話してた。(なので本心は不明)
   今後の生徒会活動の中でその辺りの掘り下げがあるのか、尺の都合でほぼ今回だけの
   キャラなのか。正直個人的には、どう受け止めたらいいのかわからんキャラですねw

 7話のラストで、聡介の知り合いのモデル梨々華が登場したり(何か一波乱あるのか?)、
 物語は夏休みに入るのでプライベートでの友達とのイベントや(石川への)帰省も予定し
 ているようで、今後の展開が楽しみな半面、(この辺でどの位尺を使うかによりますが)
 上記で中盤といいましたが、意外とキツキツな状況かもと少し気になるところですね。
 (「ReLIFE」は夏休みENDでしたが、夏休みENDにするにはちとエピソードが足りない
  感じがするので、2学期入りするのかなあ?そうなると尺がどうなのかと・・・){/netabare}

・第8-9話:予想に反し、あっという間に夏休み終わったな
 {netabare}>そうなると尺がどうなのかと・・・
 前回尺が心配と書いたのだが
 (8話)
  ・動物園
  ・女子会
  ・聡介×梨々華
 (9話)
  ・石川への帰省
  と一気にイベントを消化したので、いい感じの尺配分になったという印象ですね。

 ●美津未×聡介
  2人で動物園ですが、行く前はラブコメ展開を匂わせながらも、いざ始まってみるとな
  んか恋愛より友達モードって感じでしたね。まあそこが本作の良さでもあるのですが。
  ・途中で帰ることに申し訳なさを感じる美津未
   → 聡介「またくればいいじゃん」
  ・帰り際に聡介の弟のことで、複雑な家庭環境を思わせる描写(お土産を渡しづらい)
   → 美津未「志摩君からもらうから嬉しんだよ!」
  今は友達として、お互いを思いやる関係が心地いい感じですね。

 ●ナオちゃん(美津未の叔父(?)で東京での保護者的存在)×ミカ
  動物園尾行や女子会等、ミカは自分の感情が上手くコントロール出来ていない行動が目
  につきましたが、ナオちゃんが大人の目線からいろいろとアドバイスするという新しい
  名コンビが誕生した感じですね。
  たしかにナオちゃんのアドバイスは、美津未らには出来ない内容ですし、ここでナオち
  ゃんが美津未以外のキャラと絡むのは、物語の幅を広げる上でもいい展開だと思います。
  今後も「ナオちゃん×ミカ」の絡みがあると面白いかな。まあ直接会えなくても、スマ
  ホでやりとりなんかでもいいですし。

 ●×結月、×誠
  女子会でついに結月の掘り下げきましたね。でも意外とあっさり終わった印象。やはり
  その容姿等から恋愛のイザコザに巻き込まれる等があり、中学では空気を読んでばかり
  だったようで、その反省から高校では肩に力が入り、少し近づきにくい雰囲気はそれに
  起因していたようです。なので今の友達関係が心地いいと。
  それにしても誠は、マイペースで意外と強心臓だな。女子3人がおしゃれの話をしてても
  、興味なしで会話に入る素振りすらなかったしな。一番この友達関係を謳歌してるのは
  意外とか彼女かもw
  (それにここ2話は「僕ヤバ・山田」ばりに、やたらお菓子を食ってた印象w)

 ●聡介×梨々華
  子役の頃から付き合いがあり、その頃梨々華が大きく炎上する事件が起こったのだが、
  その原因を作ったのが聡介であると、梨々華はずっと根に持っており、聡介もどこか負
  い目を感じている描写がみられます。
  この辺りも今期のうちに何か好転する流れになるのでしょうか。

 ●×帰省・2学期
  帰るとやっぱ方言が出るようですね。家族に会って、文乃をはじめ中学の同級生に会っ
  てと思ったら、半分で夏休みは終わり、早くも2学期開始ですか。でも視聴して納得。
  2学期は頭から文化祭一色。そして美津未のクラスは演劇に決まり、戸惑う聡介・・・
  この引きに合わせて構成した感じですね。

 ということで、残りで聡介の「過去との決別」的なものを描いて、綺麗に1クールで纏
 まりそうな感じですね。
 美津未の純朴で真っすぐな振る舞いが「聡介×梨々華」にどんな形で影響していくのか。
 最後にいつまでもウジウジしてる都会っ子どもに「石川県産・天然モノ」(本人は自称
 シティガールだがw)の眩しさをバシッとかましてやってもらいたいものです。

 (2023/6/2追記)
 個人的には、「聡介×梨々華」は夏休み中に決着するのかな、予想してたので・・・
 でもたしかに、文化祭の演劇に絡め、1期ラストの見せ場の構成の方がずっと面白いですね。
 なるほど、これはやられました。(まだ確定じゃないけどねw)
 これでラストが一気に楽しみになりましたね。{/netabare} 

・第10-11話:文化祭という舞台装置の中で、それぞれの心理を巧みに描写 
 {netabare}文化祭準備〜当日ということで
 ●美津未×聡介
  ・文化祭準備で空回る美津未をそっとフォローする聡介。彼は彼女に傷ついて欲しくな
   いと願うのですが・・・
   「私は多少ド派手に転ぶ人間だけど、その分起き上がるのもめちゃくちゃ得意」     
   そんな彼女を見て、「美津未ちゃんは美津未ちゃんだ」と思い直す聡介。
   また聡介はモノローグで「君がいて高校生活がちょっと楽しくなった」と語っており、
   やはり美津未は特別な存在のようです。

 ●誠×結月
  ・文化祭に来てくれた誠の友達を結月に紹介するも、友達は結月が苦手そう。以前自分
   がそうだったことを思い出し、友達に必死に結月のことをフォローする誠。そして結
   月にも友達のことをフォローして・・・
   最近お菓子を食ってる印象しかなかった誠でしたが、半年で人間的に大きく成長した
   様が伺えるいい演出でしたね。

 ●聡介×弟
  ・聡介の弟の迷子騒動。気丈に振舞っていた弟ですが、聡介の顔を見た途端張り詰めて
   いたものが切れたように泣き出して・・・
   聡介のもうひとつの問題「家庭環境」ですが、どうも再婚だったようで、自分の立ち
   位置が分からず、塾や友達の家に逃げ場を求めていたようです。そして弟との距離間
   も掴めずという感じでしたが、それは弟も同様だったようです。
   山田曰く「兄弟だと分かるわー、『気遣いい』良くも悪くもw」
   弟にとってはこの迷子のことだけでなく、今まで溜まっていたものを全て吐き出した
   という面があるのかも。
   本音を見せた弟との関係が一歩進みそうな、こちらもいい終わり方でした。
   全体的に文化祭を上手く使いつつ、それそれの心理を巧みに描写していた印象ですね。
   
 女子たちは美津未に影響を受け、好転していく描写が見られる中で、聡介だけが今だいろ
 いろなものに囚われて変われずにいるという・・・
 聡介は他の人に比べ、子供の頃からいろいろな体験をしすぎて(ある意味自分を守るため
 に)良くも悪くも一足先に大人びてしまってる印象がありますね。
 しかし、家庭の問題も好転の兆しが見えてきました。次は子役時代の過去との因縁ですが、
 梨々華も現れ役者はそろいました。どういう展開をみせてくれるのか、また美津未がどう
 関わることになるのか、来週も楽しみですね。

 あと個人的にツボだったのは演劇部の兼近先輩ですかね。自ら「借金取りのチンピラ役」
 で主演とか、高校生で何ちゅう脚本書いてんだよwwwしかも「後半の伏線回収が凄い」
 (友人評)とかどんな話か気になるじゃねーかw(原作ではどうなってるんでしょうね){/netabare}

・第12話:皆が少しずつでも前を向いて歩き出せそうな、成長を感じさせるラスト
 {netabare}●聡介×梨々華
  ・聡介は梨々華に対し
   ・破滅的なことはやりたくないが、前向きになることなら何でも協力する。
   ・今は学校が楽しい。
   ・梨々華「自分だけ幸せになりたいから、許して欲しいといっての?」
    → 肯定
   という、過去との決別を宣言します。
  ・それに対し梨々華は、
   ・「好きにしろ、その代わり2度と顔を見せないで!」といいつつも
   ・本当は「聡介だけが悪いのではない」ということも分かっている。
  今までは負の連鎖で、過去のしがらみから抜け出せずにいた2人ですが、聡介が第1歩を
  踏み出したことで、聡介だけでなく、梨々華もいずれ前を向いて進めそうなそんなエピ
  ソードでしたね。
   
 ●風上先輩×高嶺先輩
  これまで自分のことを語ることがなかった風上先輩ですが、
  ・エリートの家系に生まれ、部活も2年までと決められていた
   → 怪我で退部することに
  ・でも高校生らしいことを何かしたいと思った
  それで生徒会長に立候補したようで、またそれで高嶺先輩が生徒会長になれなかった
  ことに多少の負い目を感じていたようです。(彼女の強い思いを知っていた模様)
  彼もいろいろと思うところがあったようですね。

 ●美津未×聡介
  聡介には「スマートで大人っぽい男の子」というイメージを持っていた美津未でしたが、
  今日の聡介はなんだか子供もみたいで、それがちょっと嬉しく感じられて・・・
  前回書きましたが、やはり聡介はどこか大人の仮面を被っていたようで、それを脱ぎ捨
  てたことで、彼もようやく素顔が出せるようになったのでしょうか。
  そのきっかけを作ったのは、他でもない美津未なのですが・・・
 
 万事綺麗に解決したわけじゃないですが、それでも皆が少しずつでも前を向いて歩き出せ
 そうな、成長を感じさせるラストだっとと思います。{/netabare}

(最 終)
上述の通り、衝撃のモブ顔(笑)から一転、意外としっかりと人物描写された青春群像劇
だったなと。
前半は女子たちの心に抱えた葛藤と美津未との交わりにより変化していく様を描きつつ、
終盤は美津未に何かを感じながらも、なかなか一歩が踏み出せない聡介のドラマを魅せて
いくという、1クールの構成もよかったと思います。
それに「恋愛至上主義」の作品が多い中で、そこを下手に堀り下げなかった点も〇。
個人的には青春群像劇というとやはり「ReLIFE」と比較してしまうのですが、本作を観て
「『ReLIFE』って意外と『理』で描かれた作品だったんだな」
と、改めて気づいた次第ですね。
逆にいうと、本作は結構「感性優先」で描かれているのかなっと。
そういう意味では、本作は原作者なりの「人物描写」が見どころだと言えるのかも。

ただ個人的な好みの問題で、観ているときはそれなりに面白かったが「後日見返したい」
と思えるレベルではなかったかなっと。
何というか、少し深みが足りていないという印象ですかね。
(あと、ちょっと「優しい世界」すぎたかなっと) 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ナオちゃんは女の子??

●君に届かなかった、物語

本作は恐らく「君に届け」のオマージュ作品なのでしょう。

美津未と志摩君は「君に届け」の主人公=通称貞子と風早君を意識しているとしか
思えないところが多分にあります。

貞子は{netabare}キャラが濃く、かなり存在感がありまして、それ故なのか
このキャラと人間関係を構築するにも相応の胆力が求められることになったのであります。

見た目は呪いの人形みたいな人見知り根暗女子ですが、見た目に反して意外な一面も
あるということで、要は濃厚接触しないとどういう女の子なのか理解できない感じの
人間性を秘めていたのであります。

そんなわけで貞子が主人公である「君に届け」はスローテンポで進行する物語だったのですが
それに比べると本作は、主人公を取り巻く登場キャラが多い割に、兎に角
ハイペースでサクサク進むという点では、対照的な物語であったようにも思えます。

尺の都合とか色々あると思いますが、「君に届け」と比較して本作について言えることは
圧倒的な「心理描写のスキップ」でありまして、一言で言えば人間関係が薄味
ということになるように思います。

上級国民が集う進学校の主人公取り巻きたちは、皆精神年齢が高く、
ある種の優等市民でありまして、基本スペックは軽く平均値を凌駕しています。

しかし如何に優等市民であっても人間なので、それぞれ短所はあるだろうということになるのですが、
それを巧いことフォローするのがエリート官僚を目指す主人公の美津未の出番というわけであります。

主人公と取り巻き達のキャラ設定は適切と言いますか、理にかなっているとも言えるのですが
むしろ噛み合い過ぎなところがあり、いくらエリート官僚候補とは言えども
まるで事務処理みたいに友人関係をサクサク処理していくのは、テンポ良すぎて
人間関係の心情面の味わいが不足しているような印象を受けたのでございます。

本作の長所はテンポがいいということになりますが、故にさっぱりし過ぎて
心には刺さらず、熱意的なものが、届かなかったように思います。

美津未が着ていたスタッフトレーナーの【8、5、13】の暗示はクラスの出し物の評価ではなく、
どうやら志摩君との関係性が深まるというものだったようであります。{/netabare}

●キャラ設定

本作に登場するキャラは進学校だけのことはあり、偏差値が高いのはもちろん
高校生という割に大人じみたところがあり、精神年齢が極めて高い傾向が見みられます。

登場キャラが多い割にテンポよく物語がサクサク進行するのも、
キャラの精神年齢の高さが関係していると言えるかもしれません。

{netabare}聞き分けの無いキャラいないことにより、イライラしなくていいというのは
ある種の本作の強みとも言えますが、本来高校生とはもっと精神年齢は幼く
人間関係の測り方がそこまで巧くないのが本分と言うべきでしょう。

主人公の美津未にとって一番重要な立ち位置にあるキャラ志摩君は、兎に角
精神年齢が高く、社交的で、その上美形男子でありますので、それこそ
高校生女子にとっては理想的なモテ男子ということになりますが、設定面で
盛り過ぎたために、高校生の物語に単に不釣り合いなだけでなく、美津未にとっても
ただのいい人でしかなく、スマート機能搭載型彼氏特有の行動規範の制約により
美津未に対してシナジー効果を与えるような要素が皆無というのが彼のキャラ性の
致命的欠陥であると言えるように思います。

恋愛物語であれ友情物語であれ、パートナーとの関係性は「50:50」であるのが理想なのですが
アドバイザーとして優秀過ぎる志摩君には、付け入る隙がなく、少なくとも同世代には
自分の弱みを見せず、あまり多くを他人に求めないポリシーの人であったりします。

進学校に通うある意味エリートなので、そういう生き方はむしろ適切と言えるわけですが
初期設定でレベル99のハイスペックキャラの冒険物語にスリルのような
ドキドキ感を期待できるかと言えば、クエストをあっさりこなして
最短コースでシナリオを消化するだけに終わるだろうという話であります。

レベル1のキャラ同士でパーティー組んで経験値を積みつつ
成長する物語こそが王道展開であると言えるでしょう。

高校生なのに敢えてスマート機能搭載型彼氏をメインキャストに登用するならば
その設定の意図するところが問われてしかるべきであります。


文化祭で美津未が着ていたスタッフトレーナーには
【☆】=【五芒星】が7つに、「13R」のロゴがプリントされています。

【☆】は「5」という数字を示し、それが7つなので
5×7=35→3+5=8

つまり【8、5、13】の法則の発動でありまして
「R」はアルファベット18番目の文字ですので【18】の暗示ということになります。

【18】=【6+6+6】
【666】は契約成立の証ですので、「※願い事」が叶うという暗示であります。

文化祭でのクラスの出し物が評価され表彰されるということなのかもしれません。{/netabare}



●「上級国民」は【獣】の種族

風早2世のような爽やか美形男子の幼馴染までもが、 {netabare}モデル業に携わっていて
如何にも上級国民らしいオーラが出まくっており、どいつもこいつも
「六本木【野獣】会」のメンバーか!?と思えるくらいにキャラ構成に
偏りを感じずにはいられません。

まるで【推しの子】の恋愛リアリティーショーを再現しているような面子にお似合いの
バイアスのかかったわざとらしい空気感が漂っているような印象を受けます。

一番わかりやすいのは生徒会長のキャラ性であります。

ある意味彼も爽やか男子でありますが、人の上に立つのが自分の宿命と自覚して
生徒会長に立候補している辺りが、完全リアルな上級国民そのものであり、
【優生思想】が滲み出てるあの独特な感じの描写も見事に決まっていたように感じました。

「六本木【野獣】会」とは、昭和時代に話題となった、六本木を拠点に芸能人などの
上級国民に属する若者たちが中心となり結成した、遊び人サークルであります。

所属メンバーには、すぎやまこういち、田辺靖雄、峰岸徹、中尾彬、大原麗子、
小川知子、井上順、ムッシュかまやつ などがおり、芸能界の勝組だらけの集まりであります。

「六本木【野獣】会」には「ナベプロ」などとの太いパイプがあり、メンバーは
当たり前のようにスカウトされ、当たり前のように「スター」になります。

芸能界とは完全なるコネ社会でありますので、上級国民は勝つべくして勝つのであります。

上級国民は世の中の仕組みを知っており、なので【ハンドサイン】の意味も熟知し
勝ち組の証として【ハンドサイン】を頻繁に世に晒します。

「【野獣】会」の最年少メンバーであった井上順はTVCMをきっかけに
【ピースサイン】を日本に大流行させました。

【ピースサイン】は【コルナサイン】の一種であり「角」を表現した【ハンドサイン】であります。

【ピースサイン】=【Vサイン】を考案したのは秘密結社「黄金の夜明け団」に所属する
【アレイスター・クロウリー】という名の【黒魔術師】であります。

【ピースサイン】というのは、「【ガンド】アーム」の【ガンド】であり
「幽遊白書」の浦飯幽助が使う「霊丸」に同じく、【呪術】の手法であります。

【ハンドサイン】は【ガンド】であり、【呪術の術式】であるのですが
(例えば「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」という「九字切り」も)
その意味を知っているのは上級国民だけということになります。

本作に登場するキャラも【ハンドサイン】をさり気なく使ったり、
LGBTに対する寛容性が強かったりと上級国民の設定固めに余念がない状況であるが
故に見ていてドン引きしてしまうわけでございます。{/netabare}


●キャラ設定に秘密が?

本作に対する謎の低評価工作員が湧いていますが、何が狙いなのでしょうか??


「君に届け」は許容出来て何故本作には抵抗を感じるのか?についての理由が判明しました。

もしも本作が完全なるフィクションならば、{netabare}「共感できない」で終わっただけなのですが
少なくとも官僚を目指す主人公についてはとても理解ができるのが厄介でありました。

偏差値が高い進学校に通う勝ち組=上級国民のキャラ設定が相応にリアルであり、彼ら特有の
独特のオーラが放たれてる感とかも巧い事描写されているために、ある種の拒絶反応が
自分に出てしまったという結論に至るわけであります。

本作は「人生の勝ち組を描いた物語」であり
それは「庶民の知らない物語」であります。

租税負担率が社会主義国並みの重さでのしかかり、生活は苦しくなるばかりの庶民の日常

それでも現実世界では、「They live」
という真実を本作は示しているのであります。{/netabare}


●人生勝ち組ランカーにおける逆転劇

本作の主人公が「君に届け」のサダコに{netabare}雰囲気が似てるため、相応の学生友情物語が
展開されることは予想できましたが、何か引っかかるものを感じます。

確かに風早君は爽やか青年でありましたが、仮に本作がオマージュ作品としても
何処か?何かが?ズレているような印象を受けてしまいます。

「異世界でチート能力を手にし~無双する」という異世界転生系の作品がありますが
ある意味ご都合主義過ぎるまでに勝ち組人生を送ることとなったその主人公と
本作に登場するクラスメイト達のポジションがどことなく似ていると言いますか
異世界転生ものだからこそ許されるご都合主義と同じレベルの学生生活が本作でも
繰り広げられているような、そんなデジャヴ感にちょっとした戸惑いを覚えるわけであります。

フィクションなので学生生活の多少の美化は許されるべきなのかもしれませんが、
本作OPのダンスシーンにしても、フィルタリング掛け過ぎで、所詮はまだ子供に過ぎない
はずの高校生の不純物やノイズみたいなものが完全除去され、高校生と言うよりも聞き分け
のいい純粋無垢なる大人のクラスの物語みたいなことになっているように思えてしまいます。

学生生活の思い出に浸りたがるのは大人特有の病であると言えるのかもしれませんが
これをやたら美化したがるのはある種の病的な現実逃避の傾向があるようにも思えます。

進学校で容姿が美しく個性的なキャラをできるだけ多く展開させようとし
しかも美しい学生生活の物語を描こうという八方美人的な考えに基づく
ストーリー設計にそもそも無理があると言えるのかもしれませんが、完璧主義者故に
必然的に出てしまう粗が物語の根本に穴をあけ兼ねない懸念を感じる次第でございます。


恰も犯罪係数アンダー10以下のシビラシステムに選ばれたような、まっさらなメンタルの
学生たちには「天国大魔境」の施設で育成される子供たちのように、何とも言えない
不自然な空気を感じてしまいます。
{/netabare}

●ハンドサインが凄い!?上級国民作品

3話まで視聴した本作の印象は要するに雰囲気アニメであります。

官僚を目指す主人公のキャラ性は悪くないと思いますが、{netabare}「君に届け」の劣化版のような感じで
高校生の日常を描いてるのが何とも言い難く、ギャップ効果よりもミスマッチ気味なものを
大いに感じてしまいます。

上級国民のような選ばれしセレブたちが通う進学校の高校生の日常は、案外普通の高校生と変わらない
ものなのかもしれませんが、セレブな美形男子や美形女子に混じり戯れる主人公の人間関係性に
何かを見出せるかと言えば、普通の高校生でも成り立ったのでは?という素朴な疑問が
頭をよぎるばかりでございます。

高校生にして官僚を目指すという明確なヴィジョンを持てるような意識高い系の人種は上級国民
以外にあり得ず、庶民とは思想性が全く違うからこそ、子役として活躍したり、ある種のカリスマ
モデルのような振る舞いが自然とできるわけであります。

上級国民とは【優生思想】に毒され、人の上に立つのが当然と信じている人種でございます。

そして【Ⅴサイン】だとか【666】の「OKサイン」だとかのハンドサインの意味を熟知しており
これを公衆の面前で然るべきタイミングで多用する習性があるのが彼らの特質であります。

「ナオちゃん」というLGBTを当たり前のようにぶっ込んでくる時点で思想性に偏りがあることは
明白でありましたが、案の定カラオケ回では「3時間600円」コースなどの表示をさり気なく背景に
忍ばせたりしていました。

サリンジャー著作の「バナナフィッシュにうってつけの日」でも【6】に
特別な意味を持たせるとともに【6】にLGBTを絡ませておりました。

3×6=18=【666】
これを【獣の刻印】と言いまして、【ソドム】の住人にもこの刻印が記されており
【ソドミー】の罪故に【ソドム】は滅んだのでありました。

【666】の刻印を持つ種族はLGBTを許容します。
LGBT自体がどうであるよりも思想的な意味をこれに見出している種族がいるという話であります。

思想的に偏りがある特別な種族による普通の高校生の日常を見せられても
微妙であるというのが当方の結論であります。{/netabare}



見ていて一番気になったのはナオちゃんでありましたのでwikiで調べて
みました。

{netabare} やはりLGBTでしたね。{/netabare}
いつも通りゴリゴリ来てます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

再追記 違和感があり低評価でしたが8巻まで読んで理解しました。

23年11月 再追記 原作8巻まで読みました。

 ああ、なるほどね、という展開でしたね。そういう事をちゃんと見越していたんですね、としか言いようがありません。

 群像劇の中でコンプレックスあるいは逆コンプレックスとか気持ちのすれ違いとか生きづらさみたいな、結構痛いところの描写が厳しくなってゆきますね。それが見たかった部分ですので本作の原作評価は上がりました。
 1期までだと初めの掴み以外は、みつみが「ハチミツとクローバー」のハグちゃん的なモンスター(ただしスケールは小さめ)になるのかな、と思っていましたが…なるほどなと。みつみがちゃんと描かれて良かったです。もちろん原作ネタバレなので、内容は書きません。

 しかし、私が思っていた疑問というかこの作品に対する不満に対して展開上織り込んでいたのはさすがです。ということはキャラ造形は作者の計算通りということでした。

 評価はアニメの評価なので本来は評価をかえるべきではないでしょうが、それを見越しての違和感を作ったなら大したものです。ただ、2期がきていない以上、そう過大評価もできません。ストーリーを3.5から4、キャラを3.5から4に変更します。

 ただ、やっぱりだったら2クールで作れ、と言いたいです。1期で4巻なら2期で8巻分。つまり2クールで消化できたはず。2クールなら名作だったと思います。

 ですが、本作は5巻以降が私の好みでした。2期早く作ってください。



以下 23年7月レビューです。

 志摩と赤毛のモデル以外は良かったと思います。特にミツミとサブキャラとの絡みが良くて、ほっとすると同時に、サブキャラの成長が見られました。

 が、志摩の1話のルールに縛られないようなのびのびした行動と、ミツミの関係が良かったのに、なんか赤毛のモデルが出てきておかしくなったなあと思います。話にストレスがあるのは構いませんが、事件のための事件というか、ヒロインと係わらないところで動いて、アリクイかあ…

 あと幼馴染グループの太目の男子ですけど、お前が志摩を縛ってるんじゃね?と思わなくはないです。タクシーの中の会話ですが「どっかいったりしない」と言うマインドじゃなくて、志摩は志摩の世界を作っているんだから、帰る場所という発想じゃないとなんかおかしい気がしました。

 で、そうなったときに、なんとなく志摩のミツミへの気持ちが逃避というか、無いものねだりに見えてきます。美少女モデルとの対比で田舎育ちの普通の子がいいというのが、ここにきて、なんとなく不快な気がしました。

 全体としては、前半は面白かったんですが、赤手モデルの子が出てきからつまらない部分が増えました。ストレスならストレスで志摩とミツミの成長を見せて欲しかったです。

 前半だけなら75点くらいつけたいですけど、後半は50点以下な気がしました。
 この展開で赤毛モデルと志摩がくっつくなら評価は爆上がりでした。

なお、23年春のラブコメランキングを付けると、ヤバい奴、グイグイ、本作、銀河、インソムニアかなあ。
 ダークホースで「百合はお仕事です」が、キャラの内面が描けていました。ヤバい奴と同列かも。


追記 志摩と赤毛のモデル、リリカの物語上の違和感についてです。

 志摩については、物語の初めの頃の好き勝手にやりたい事をやっている奔放な性格と、最後の方の母から演劇をやらされリリカからは自分への隷属を要求され、自分になりたいことがないという状態にギャップを覚えました。

 初期の奔放さが志摩の過去の事件でヤケになっているのだとすると、それは志摩の本質ではなく、ミツミの表面的志摩の印象、見せかけに対する憧れは、嘘になるのでは?と思います。

 次に志摩がミツミへの「嫉妬」という感情に気が付いて学校にいるのがやりたいことで「がんばろう」と思うところです。
「やらされている感」がどうやって解消されたのか。ミツミを見て「嫉妬」「頑張ろう」に気が付く感情の動きが、ミツミの表面を撫でて自分を納得させているだけに見えました。志摩は果たしてミツミの本質に触れるほど、彼女の何を見ていたのかが分かりません。

 さらに嫉妬に気が付いてなお、志摩がミツミに惹かれる感情に乗れませんでした。そこは志摩の成長だともとれますが、どうでしょう?成長したら、ミツミへの憧れが無いものねだりだったと気が付くのではないでしょうか?

 だから、幼馴染グループに心を残している、あるいは過去の事件であんなことになってなおリリカを気にかけているなら、リリカの感情に気が付いて二人がくっつくほうが話としては納得感があるかな、と思いました。
 ミツミは志摩のスケールに納まらない子で諦めるところだろ?と。その方がミツミを中心とした青春群像劇としては自然かな、と思いました。

 どうせなら演劇のところの「やらされ感」と自分の欲求が薄いところで、母との関係だけでエピソードにした方が活きるのかなと思いました。つまりリリカが余計なキャラに見えました。

 ということで、志摩とリリカ関係のエピソードが不自然だしノイズだと思いました。志摩とリリカがくっつくなら青春群像劇として自然で深かったのに、と思ったわけです。






1話 量産型平成的イケメンと優等生のラブストーリーという感じ?

{netabare} 羽海野チカさんの原作あるいはアシスタント言われても驚かないくらい雰囲気がそっくりです。ただ、導入の感じはもっと単純で量産型の昭和の少女マンガの文脈を崩した平成の少女マンガ的な超テンプレな匂いがする作品です。

 世間知らずの普通の優等生が、ルール無視で好きな事をやっている図々しい感じの女の子に慣れているイケメンと恋に落ちる感じでしょうか。まあとにかく平成に入って量産された、「そこそこ真面目で勉強ができる。でも冒険できない普通より少し可愛くない」という自己認識の女子が感情移入する類の話です。

 我儘で自己認識の高い女子とか、優等生タイプの男子とか出てきたら本当にテンプレですね。ちょっと親問題が絡んだり、学校からにらまれたりかな。
「スキップ」「ローファー」は両方とも足に関わる単語ですから成長課題なんでしょう。スキップは気分の高揚なのかとばして行くという意味か。ローファーは高校生…いや優等生かな。

 まあ、女子向け青春ものはストーリーやテーマ性ではなく エピソードあるいは場面が大事ですからね。舞台設定はテンプレでいいのかもしれません。一瞬で入り込めて一瞬で泣けるのがいいのでしょう。

 ただ、キービジュアルを見た感じ、女子の世界の話の可能性もあります。お決まりの百合展開ならげんなりですけど。

 私としてはそういうテンプレラブストーリーとか流行の百合ものとか話ではないことを祈りつつ、数話見たい感じです。同時期に「インソムニア」がありますので、導入はそっちに軍配かなあ。
 なお、このところ出来が悪いPAの作品なので、やめようかとも思いましたが、原作付きなのと「色づく世界の明日から」の演出をやった人が監督さんみたいなのでちょっと確認したくなりました。{/netabare}


5話 テンプレですが女性誌的ギャグと周囲のキャラが上手くかみ合っている気がします。

{netabare}  アニメの第一印象は羽海野チカさんでしたけど、見続けているとどちらかと言えば佐々木倫子さん的でしたね。

 ヒロインは、田舎少女、優等生、天然ボケ、自意識という何となく少女マンガ的に共感されるような要素をより集めた抽象的な存在です。ヒロインの内面描写にちょっと疑問が残る展開ですし、類例も過去沢山見てきたしテンプレ要素は多いです。

 ただ、周囲の人間の側の視点でヒロインを見ることで、ギャグと周囲のキャラが影響を受けて成長するところは「明日ちゃんのセーラー服」的の構造もあるかなあと思います。
 テンプレ…というより抽象的なキャラであるヒロインとヒロインのギャグにも見える素朴さ、素直さが、周囲のキャラに影響を与えて行きます。その組み合わせが上手いので、作品自体の下手さは感じますが面白みや深みが生まれているのかもしれません。それは各話のサブキャラに注目するとよくわかると思います。特に5話のミカは良かったと思います。

 下手さの部分での例で5話の「漬物」のところですが、この浅漬けはクラス皆の塩分補給のための差し入れです。これを志摩君に個人的に渡して照れるという心情というのは自然なんでしょうか?こういうところはちょっと疑問が残る部分です。肝心のヒロインの言動が「田舎者」キャラ造形のために歪んでいないかは、気になります。

 間の採り方が大事なので、ゆったり進むのはいいですが、成長ものだとすると1クールでの結末が気になります。
 美少女と子役もやっていたイケメンの2名に認められる、という構造がともすればヒロインをペットの地位に落としているような感じもあります。この2名の負の面の描写があるともう少し深みが出てくる気がしますし、1クールだとするとそこ今後のヤマにしてほしいなあと思います。この2名の美男美女とヒロインの内面がカタルシスになるなら、今のヒロインの描写にも納得感はあります。{/netabare}


7話 高瀬先輩よかったです。ゲストキャラの方が話が面白いかも。ただ、中盤ですのでそろそろガツンとストレスがある展開が欲しいかなあ。

{netabare} 6話があまあま過ぎて、アレ?ちょっと普通のラブコメになっちゃった?と思ったら7話良かったです。むしろゲストキャラが絡んだほうが面白い話になります。

 辛いですよね。生徒会長選挙。小学生~高校生に選挙をやらせる残酷さは、昔から思っていました。ルッキズムとかポピュリズム…つまり、校内の人気とノリで投票結果がきまる。それが現実ですけど民主主義を勘違いしますよね。基本的に人を選ぶのが選挙ですが、本来的には政策×実行度の期待に投票するのが正しいのでしょう。

 一方で、挑戦した高瀬先輩に幸あれ。その調子で大人になって欲しいです。ただ、真面目過ぎて折れないように息抜きもしてほしいです。今回の話は高瀬先輩の感情というか折り合いの持っていき方が上手かったと思います。

 それにしても本当にコメディに関しては 6話で暴走族のイメージを出すあたり佐々木倫子の後継者ですね。佐々木倫子よりも女子が上手く書けてる分、ラブコメとしての完成度が高い。というか佐々木倫子はラブコメはかけませんね。この作者、東村アキコまで化けるでしょうか。

 まあ、赤髪の彼女はどうせ姉、親戚なんだろうと思います。ただ、この話にからんで志摩の負の側面が見たいなあ。何となく伏線はある感じだし。{/netabare}


8話 昔の因縁の作り方が不自然で下手すぎ。他は良いのになあ…どしたの?

{netabare}  あの赤髪のモデルの娘との因縁…昔のスキャンダル?小学校6年が飲酒でって…それが本人のスキャンダルになりますか?高校1年生の4年前でっていうところに縛られて不自然すぎる気が…世間は時に非常に愚かですが逆にそこまで倫理的には狂ってないとは思います。

 せっかく若干荒唐無稽でご都合主義でも、自然なキャラの言動だったのに、なんか非常に8話のスキャンダル話がノイズになります。
 作中に入って考えても、メタ的に外から見ても、非常に不自然です。もうちょっとナントかならなかったの?
 まあ、暗い面を出してきたのはいいんですけど…結局赤髪のモデルが彼を好きだっていう話にしか見えないです。

 連載ものでしょうからすべてが完璧にはいかないでしょうけど、あまり出来がいいストレスとも思えないので、さっさと次のエピソードに行ってください。 {/netabare}


10話 志摩のキャラが1話から変わりすぎ?素朴なヒロインへの憧れでいいんじゃないでしょうか?

{netabare} ここにきて志摩のキャラ造形が作り物っぽくなってきましたねえ。あの赤毛のモデルの娘との因縁もそうですけど、モノローグがかなり多くなって、初めのはつらつした規格外がどこかに行ってしまいました。なんか1話で描いていたキャラと違う方向にいっちゃってる気もします。

 まあ、連載なら良くあるとは思いますが、お話のために内面とか過去とかを捻じ曲げちゃったかなあという気もします。そんなにモノローグで語らなくても…というくらいちょっと8話以降感情丸出しすぎでしょう。

 ヒロインに対して変わらないでほしい気持ちは、ヒロインの素朴がつまり癒しであるいう風に見ていたので、この後どうなるんでしょう?
 お互い成長していって、お互いの本質が見えてなかったね。やっぱり恋愛とは違うよねとなるなら、キャラの内面出し過ぎ問題は別として、この流れでいいと思うのですが、くっつくならそれは成長か?とも思います。

 なぜ成長にこだわるかというと、スキップとローファーというタイトルから言って、成長課題だろうなあ、と思って見ているからです。

 志摩のキャラ付けというか、変化がなあ…成長に見えないしやっぱりちょっと不自然に感じるなあ…ヒロインは相変わらず楽しめるんですけど…うーん。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

68.6 3 ラブコメで昭和なアニメランキング3位
うる星やつら(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (205)
611人が棚に入れました
「でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。」地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。二人の出会いからすべてが始まった…!今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年放送予定)監督は『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、シリーズ構成に『はたらく細胞』の柿原優子、キャラクターデザインに『おそ松さん』『映像研には手を出すな!』の浅野直之、アニメーション制作は『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ、『炎炎ノ消防隊』のdavid productionが担当。そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を神谷浩史と上坂すみれが演じる。大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ラブとコメ 仮レビュー・仮タイトル,星評価はデフォルト状態

2022/10/25 初投稿
2022/10/30 一部訂正,加筆
2022/11/05 加筆
2022/11/12 加筆

まずは,自分の立ち位置などから

長いし,本作品に直接関係ないので隠しておきます。

{netabare}
原作(漫画版):未読 ※部分的には飲食店などで読んだことがあります。

旧シリーズ:大部分視聴済み
 ※昭和末期から平成初頭の一連のテレビシリーズ,劇場版,OVAなど(古川・平野版)をここでは旧シリーズと呼ばせていただきます。
そして,旧シリーズはかなり好きなアニメです。
好きなエピソードをいくつか挙げると
「ビューティフル・ドリーマー」(劇場版)
「決死の亜空間アルバイト」
「みじめ愛とさすらいの母」
「ときめきの聖夜」
「どっきり図書館!お静かに!!」
「さよならの季節」
などです。

何が好きかというと,押井守を筆頭として,制作スタッフの悪のり感,シナリオ,演出,作画,声優陣などそれぞれが好き放題暴走できた点です。その結果旧シリーズはアニメーションの実験室と化し,日本アニメーションの表現の幅を大きく広げたと言えます。また,それによって多くの人材が育ち,さらには後に続く人材にも直接的・間接的両面で大きな影響を与えたと言える点です。

そんな旧シリーズへの想いがある自分としては僅かな望みと大いなる不安をいだき新シリーズを待ちわびていました。

なので,自分としては久しぶりに配信では無く,リアルタイム(録画だけど,だいたいリアルタイムw)視聴とあいなりました。

本作品に期待することは現代の技術での綺麗な作画で「うる星やつら」を蘇らせてくれること。

懸念材料はどうやら原作準拠らしいという話が聞こえてくること。そうすると恐らく旧シリーズの作り手側の自由奔放さは期待できないでしょう。40年という歳月を経ての現在の再アニメ化。推測するにモチベーションが高いのは制作陣の上層部(高齢層)ではないかと思います。上司の意味不明の情熱と原作遵守の縛りにイマイチモチベーションが上がらない若手スタッフがつきあわされる・・・そんな作品にならないことを願っています。
懸念材料その2として「ぶらどらぶ」を見て思ったのですが,現代と昭和の感覚の違いに思った以上に距離があること。自分自身旧シリーズ(昭和)的「ぶらどらぶ」の笑い(?)には既に全くついて行けなくなっていると思った点です。原作準拠ではそこらへんのアップデートも難しいかも。
{/netabare}



前置きがやたらと長くなりましたが,新シリーズを見ての感想です。

1話 絵は綺麗!期待通りというかそれ以上!ラムとあたるの声も違和感なし!むしろラムとあたるにしか聞こえないw
逆にラムのセリフの言い回し「~かや?」とかに強烈に違和感を感じる。
そして,ラムってこんなに性格悪かったっけ?思い出補正かも知れないけど,ヒステリックではあっても意地悪では無かったイメージ。サブタイトル「かけめぐる青春」「絶体絶命」は昭和歌謡曲ですね!
クラスメートにメガネのキャラクターが出てきましたがモブでした。メガネロスw
OP,ED曲は適正に解釈され現代の曲に置き換えられていると思います。もうちょい分かりやすい表現を思いつきました。旧シリーズが現在まで続いていたとしたら,現在のOP曲やED曲はこれだろうな,という曲で結構好きw

2話
心配していた「昭和」的感覚が前面に・・・
現代の感覚からするといろいろイタい感じがします。罵倒,セクハラ,暴力・・・そもそも「うる星やつら」ってこんな感じですが,現在のアニメとしてみると結構抵抗がある・・・すでに,2話途中で脱落しそうになっている自分がいる^^;
キャラクターでは解毒されたメガネ登場wメガネ度20%くらいか?あ,でも覗き(犯罪です)はしていましたねw
サブタイトルは既に調べないと分からない。「あなたにあげる」は演歌?「幸せの黄色いリボン」は洋楽でした。聞いたことはあるけど間口広げすぎ感。


3話
なんだかんだ言いながら見てるw
サブタイトル「トラブルは舞い降りた!!」「迷路でメロメロ」
あれ?そんな歌あったか?
検索したが,無いみたい
3話でもう方針変更かwなら,最初からやらなきゃいいのに・・・
イヤ待てよ!
再び検索!!
なるほど!原作のサブタイトルですね!
そもそも,原作のサブタイトル自体が曲名由来の者が多かったようですが一貫していないようです。
噂通り,原作をなぞる形でのアニメ化のようです。
原作の欠点や時代性にそぐわなくなっている点もそのまま・・・

どうやらやはり懸念した通りのアニメ化のようです。
現代に再アニメ化する大義(大げさw)も意味も価値もあまりないように感じます(あくまで個人の感想です。)
脱落しそうなんだけど・・・来週も見るんだろうなぁ~
でも,4クールつきあう自信は全くもてない^^;


4話
今週も見ました,おそらく一度貯めたら以後,見ないと思うのでw
今週は作画崩壊とまでは言わないですが,映像的なクオリティーは維持できていないと感じました。あえての再アニメ化なので,この点は頑張って欲しいです。
それにしても,原作の古臭さがやはり気になります。
コンセプトの原作準拠が唯々重い足枷のように感じます。
聞くところによると,今回のアニメ化は小学館100周年企画事業の一つとして企画されたとか。
であれば,方向修正は不可能でしょう。

小学館100年の歴史のなかの出版物に目をやれば
大辞泉には次のように書いてあるとか
「不易流行」 ふえき‐りゅうこう〔‐リウカウ〕【不易流行】
蕉風俳諧の理念の一。新しみを求めて変化していく流行性が実は俳諧の不易の本質であり、不易と流行とは根元において結合すべきであるとするもの。
まさに新シリーズにおいて決定的に不足しているのは,「新しみを求めて変化していく流行性」ではないでしょうか。


6話
今週も脱落せず,ちゃんと見ました^^;

「愛と闘魂のグローブ」特にコメント無し

「君待てども・・・」
旧シリーズの「ときめきの聖夜」ですね!前述しましたが旧シリーズでも好きなエピソードの一つです!旧シリーズの半分の尺でしたが,割と納得の出来でした。特に,ラムが電信柱(旧シリーズでは時計)の上で悩むシーンや最後のラムとあたるが家に帰るシーンは現代の技術で作画された価値が感じられました。新シリーズで初めて評価できるエピソードだったように思います。(とは言え,旧シリーズの作り手の熱量が伝わる感じには及ばないのですが・・・)
そして,気がついたのですが「ラブコメ」の「コメ」=コメディーに関して笑いは文化を背景に成立する面も強いので,内容によっては国や時代などによっては全く通じない,あるいは最悪嫌悪感をいだかれる可能性もあります。特に「うる星やつら」のコメディー要素には強く時代にそぐわなくなっているように感じます。一方で「ラブ」に関しては割と不変で本エピソードのようにラムとあたるのラブストーリー的な落としどころに持って行くと割と納得出来る気がします。
改めて今みると,実はあたるって不器用な「昭和の男」なのかもなんてむしろ好意的に捉えたりしちゃいます(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

saitama さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

本当に期待していた…そして史上最悪レベルのショック。金の匂いだけの糞作品。

原作は全巻所有。



えーと、なんと表現すればいいか…、脚本は忠実に原作どおりではある。

そして、制作陣に才能のひとかけらも感じない、糞作品を作り上げた。

原作どおりなのに糞つまらないって、本当に監督、脚本家、演出家、音楽、声優、全員がすごい制作陣だ。

自分のセンスの問題かと思って、huluで旧作1話を観た。100倍面白かった。

これは、もうセンスとしか言いようがない。監督以下、製作陣のセンスの問題だ。

そしてキャラの表情や奥行き感の作り方、動き、カット割り等々、セル画時代の1981年作品に、なにひとつ上回っていないという恐ろしい事実。適当に画がキレイなのと画に魅入られるのは違うんだよ…。

こんな糞作品、1話で糞だと関係者全員気付いたろ。

そして曲もBGMも効果音もすべて糞。

わかりやすい比喩をしたら、「はたらく魔王さま!」の1期と2期かな。それ以上に酷いけど。

金に目がくらんだクズが集まると、どんな作品でも最低作品に仕上がるってことだ。

史上最大の糞作品をどうもありがとう。
それが原作、そしてアニメをリアルタイムで観たファンの感想です。

あ、1981年のオリジナル作品がなければ、きっと作画だけキレイに見える、3.1〜3.2点くらいの可もなく不可もなしな作品と評価したかも。原作漫画を熟知していると、とにかくつまらない。原作および1981年リアタイユーザーとしての視点があるから、現状ではこの点数しか出せない。

1981年からの作品は本当に奇跡的な成功だったんだな…。


■追記

ちなみに、Huluとかで1981年のオリジナル1話を初めて観た人は、「ラムちゃんとか可愛くないし全然顔違うじゃん!」と思うかもしれないが、もともと高橋留美子先生の描く女性顔は、1981年の1話がほぼ原作どおり。

そこから、アニメの方が先にかわいい顔になっていき、それと呼応するように高橋留美子先生の描く原作のラムちゃんや、うる星やつらの少しあとに連載が始まった「めぞん一刻」の音無響子も、キツい顔つきから、可愛い顔へと描き方が変化していく。

今回の最新作は当然、漫画家デビュー当時のキャラ画ではなく、時を経て完全に完成されたキャラ画で描いているのに、物語として、1981年の方がずっとレベルが高いのは、単純にスタッフのセンスと技量の差としか表現しようがない。キレイ目という部分においてだけ作画だけが上回っている。

ま、1981年版は1回目の2話で登場したモブキャラのメガネ(原作では3話の話)が、制作陣によって勝手にほぼレギュラー化され、そうしたアニオリ路線が原作者の不満を呼び、映画のビューティフル・ドリーマーで完全に怒りを買い、押井守は外されたわけだが…(原作者は嫌いではないと言っているが、が…ね)。その意味においては、今回はとことん原作に忠実が約束事になっているのかもしれないが。予告の扉絵ひとつとっても、どんだけ原作者に気を使っているのかがわかる。

始まる前からローソンとかいろいろなコラボがあり、メディアミックスで電通がフルに動いてブームを生み出そうとしているのだろうけど、まず力を入れるべきはアニメだと思うんだけどね…。鬼滅やスパイファミリーみたいに、アニメの出来がよくて、そこにあとからメディアミックスが乗っかるほうが、結果ブームになるわけだし。


■2話視聴

前にも書いたが、まったくもってコミック原作通りなんだけど、恐ろしいほどあっさりな出来栄え。
アニメ化による面白さがひとつもない…。この路線のまま100話作るの??? 本気???


■5話まで視聴

さすがに原作は面白いので物語を3.5にした。でもアニメはつまらない。
クラマ登場は最初の物語をすっ飛ばしても、たしかに初回はなくても話にはなるが、キャラの深みが消えた。

君まてども…なんて、良い話だけど原作は本当にあっさりした回だから、アニメ化するなら1981年版みたいな設定変更も仕方ない。だけど今回は、まんま原作通りで原作以上にあっさり回というつまらない作品になった。それでいて、クラマは登場回すっとばすとか、アニメ制作陣のセンスが無いとしか…。宮崎アニメが何十年経っても面白いのは監督以下制作陣の才能によるもの。1981年からのうる星やつらTV版が面白いのもまた、制作陣の才能。

才能の差をまざまざと見せつけられた作品になってきた。

最近はアニメ界隈じゃないところでも、スパイファミリー筆頭にアニメの話題ってよく出るけど、うる星やつらに関しては全然聞かない時点でお察しってことじゃなかろうか…。


■9話まで視聴

えーと、もはや配信当日に観ることもなくなり、他のアニメやら書籍やら、いろいろな時間を費やして、なんか空いてしまった時間のときに、「一応、確認しておくか」程度に視聴するようになった。

そして感じる更に酷くなった空回り度…。さらに言えば、最初の数話より明らかに作画レベルが落ちている。ハッキリと実感できるレベル。校長やこたつねこの描写あたりは、もう最近の低レベルなろう系アニメと変わらん…。

ランちゃんとかも、原作通りではあるが、キャラと声が合っていないし…。1981年版は声優のマッチ度含めて奇蹟過ぎたんだな…。

もはや電通が糞仕込みしようが、ファン含め誰も話題にしていない時点で察するしかない。そもそも電通が入っている時点でファンなぞ見ていない。いかにコラボ売りつけて金を奪うかの皮算用…。


■20話まで視聴

作画の雑度が酷い。どんどん劣化している。なので作画評価を下げた。
キャラ静止画をそのまま動かすシーン乱発とか‥論外。どんな低予算アニメだよ。

そうやって考えると、モブキャラとかを背景化させるべくスクリーントーン貼りで消すのって、予算下げるためだろうと気づいた。こんなもん、原作に寄せた演出でもなんでもない。

マジで製作陣は1981年度版を全話見直して、ついでにめぞん一刻も全話観ておけ。
自分達がどんな恥ずかしい真似をしているのかを自覚した方がいい。
今やっているのはアニメもどきの紙芝居になっている事実を理解した方がいい。
それは原作リスペクトとは言わない。

何よりも原作よりつまらなくて、1981年作品より100倍つまらな時点で、全てが破綻している。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

♪あんまりソワソワしないで あなたはいつでもキョロキョロ よそ見をするのはやめてよ 私が誰よりいちばん♫

この作品の原作は未読…では無いと思いますが、きっと完走はしていないと思います。
原作の連載時期がだいぶ昔なので、視聴した当時の記憶が相当曖昧になっています。

それはアニメについても然り…
当然第1話の鬼ごっこについては視聴した記憶が鮮明に残っています。
ですが、それ以外は特に印象に残っていなかったり…というか、実は殆ど見たことないんですよね^^;

レビューを書くためにwikiをチラ見したところ、こう書かれていました。
その内容の斬新さと魅力的なキャラクターは1980年代のみならず以降の漫画界とアニメ界に衝撃を与え、当時の若者たちの圧倒的支持を受けて一大ブームを引き起こし、若者文化にも影響を与えた。

…だそうです。
少なくても私はその当時の恩恵には微塵もあやかることはできませんでした。
従って、今回がほぼ初見になります。

こうしてリメイクされなければ、きっとずっと視聴する機会は無かったと思うので、その機会をくれた作り手の皆さまには感謝です。


でもうちは、やっぱりダーリンが、好きだっちゃ。

地球“最凶”の高校生・諸星あたると、宇宙から舞い降りた“鬼っ娘”美少女ラム。
二人の出会いからすべてが始まった…!

今なお第一線で活躍する高橋留美子による鮮烈のデビュー作「うる星やつら」。
小学館創業100周年を記念し、選び抜かれた原作エピソードを4クールに渡ってテレビアニメ化!(第1期2022年10月放送予定)

監督は「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」を手掛けた髙橋秀弥・木村泰大、
シリーズ構成に「はたらく細胞」の柿原優子、
キャラクターデザインに「おそ松さん」「映像研には手を出すな!」の浅野直之、
アニメーション制作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ、「炎炎ノ消防隊」のdavid productionが担当。

そして、主人公の“ダーリン”こと諸星あたると、ヒロイン・ラムという稀代のカップル役を
神谷浩史と上坂すみれが演じる。

大胆不敵、恋にも全力、でもどこか切なくて…
あたるとラムのボーイ・ミーツ・ガールを、
銀河中から集結するキャラクターたちが彩るラブコメディ。

目を見て「好き」と言えない今だからこそ届けたい。
ゴージャスでタフ、クレイジーな“やつら”の青春がかけめぐる!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

今回色々と改めて知ることができました。
1980年代に放送されたアニメは、約4年半に渡る超大作だったそうです。
それに加えて6作の劇場版と12作のOVAも制作されたんだとか。

個人的にはどちらかと言うと高橋留美子先生の「めぞん一刻」の方が好きで、単行本を全巻持っていた上、当時のテレビ放送を全話録画して持っていました。
あの頃はVHSビデオで録画していたので、今となっては再生方法も謎ですが、そもそも現在進行形で行方不明なので、きっともう二度と出会うことはないんだと思っています。
因みに、「めぞん一刻」は約2年間全96話が放送されたそうです。

こうしてみると、昔の作品って長寿ですよね。
今ほど対象となる作品が無かったからなのか、アニメーション制作スタジオそのものが少なかったのかは分からないですけれど…^^;

一方、物語の方は日常系の作品ですが、ちょいちょいSFチックな要素が散りばめられている感じで、宇宙人が出てこようがUFOが出てこようがあまり皆さん驚かず、色んなものが壊れたとしても、次の物語の時にはすっかり元通りになっていたりなど、いささかご都合主義的な一面はありますが、当時はそれも含めてご愛敬なのでしょう。

現に、現在の作品でも次の瞬間には元通りなんて作品はいくらでもありますからね。
そういう意味で行くと、この作品はコメディ設定の先駆けなのかもしれませんね。

それと個人的には声優さんの配役が素晴らしいと思いました。
諸星あたる:神谷浩史さん
ラム:すみぺ
面堂 終太郎:宮野真守さん
三宅 しのぶ:まややん
サクラ:みゆきち
テン:あおちゃん
ラン:香菜ちゃん

この中でも特に面堂役を演じた宮野さんと、ランを演じた香菜ちゃんには大絶賛を送りたいと思います。
コロコロ変わるキャラを見事演じられていました。
特に狂暴になったランをここまで豹変させられるのは最早香菜ちゃんの天性の才能と言っても過言ではないでしょう。
ランにはこれまであたるとの接点は微塵もない、サブキャラとうい立ち位置でしたが、個人的には一推しだったかも…

1980年代の作品に触れることはできませんが、今視聴しても十分面白と思えました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、美波さんによる「アイウエ feat. 美波, SAKURAmoti」と、asmiさんによる「アイワナムチュー feat. asmi, すりぃ」
エンディングテーマは、花譜さんによる「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ feat. 花譜, ツミキ」と、yamaさんによる「アイタリナイ feat. yama, ニト。」
元々、「ラムのラブソング」は今思うと中毒性のある楽曲だったと思いますが、今回の主題歌の中毒性も
中々のモノだったのではないでしょうか。

2クール全23話の物語でした。
元々、全4クールの前提で制作されていたので既定路線ですね。
第2期は2024年に放送されるそうです。
昔の記憶が殆ど無いので、この物語の顛末を楽しみにしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
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