TRIGGERでファンタジーなおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのTRIGGERでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番のTRIGGERでファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.8 1 TRIGGERでファンタジーなアニメランキング1位
ダンジョン飯(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (286)
957人が棚に入れました
ダンジョン飯。 それは、"食う"か"食われる"か――― ダンジョン深奥で、レッドドラゴンに妹が喰われた! 命からがら地上へ生還した冒険者のライオス。 再びダンジョンへ挑もうとするも、お金や食糧は迷宮の奥底……。 妹が消化されてしまうかもしれない危機的な状況の中、ライオスは決意する。 「食糧は、迷宮内で自給自足する!」 スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン! 襲い来る魔物たちを食べながらダンジョン踏破を目指せ、冒険者よ!

声優・キャラクター
ライオス:熊谷健太郎
マルシル:千本木彩花
チルチャック:泊明日菜
センシ:中博史
ファリン:早見沙織
ナマリ:三木晶
シュロー:川田紳司
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

重層的なストーリーと優れたアニメ技術。最高の作品です。

 この作品は、ファンタジー世界で架空のグルメをやっているというのが第1階層の見方だと思います。そして、極端な各キャラがギャグとして機能していることでしょう。これが表層です。
 マンドレイクのところでマルシルが伝統的な食物の採集方法を提示したのをみんなで馬鹿にしていました。ですが、結果として伝統的な方がおいしいということで、効率によって失われるものがある、などの問題を提起していました。

 第2階層ではそれぞれのキャラの性格造形がどういう過去があるからなのか。そのヒューマンドラマを楽しむということだと思います。なぜ、そのキャラの言動はそうなのか。センシ、マルシルを中心に描かれました。もちろんそのほかのメンバーもです。
 加えて、ライオス、ファリンの兄妹の性格造形も明らかになりましたが、天才型の孤独ですよね。
 シェイプシフターではペルソナ問題、人からの見た目が表現されれていました。

 第3階層では世界観です。ダンジョン、種族、歴史。そういったものの作りこみです。どこまでも緻密に考えられているだろう生態系を含め、ああ、そういうことか…ということです。もちろん、ゴーレムの畑などはわかりやすかったです。
 そこに狂乱の魔術師や1000年前の王国などが重なることで謎としても機能しています。ダンジョンは欲望をかなえる。金がとれる。狂乱の魔術師を倒せば主になれる。つまり、オークたちとの闘いの場面も含め、人間社会の縮図でもあります。

 第4階層として、生きること、食物連鎖の部分です。これは冒頭でマルシルが墓場の植物を食べるのを嫌がったことと、食人植物のところで人を吸収したものは、人を食べることと同義か?という問題がありました。そして、センシの過去の物語。加えてファリンをもとに戻す、イヅツミとファリンの魂と体の結びつき。これが生命のサイクルという哲学として、ダンジョンの生態系と結びついてきます。

 これはまだ原作者の意図がつかみきれないのですが、チルチャックが24話で「なんの肉だ?」と言っているのは、おそらく人肉でしょう。イヅツミの毛が伏線なんだと思います。
 原作者はカニバリズムにも何かあるのでしょうか。緊急避難です。日本では「ひかりごけ」や海外でも「アンデス墜落事故」などが有名ですが、〇〇〇〇の〇ープ問題にも通じますが、どうもこの点、原作者はこだわりがあるようです。ファリンを食べるという点でも、どこまでが人でどこまでが魔物なんだというあいまいな境界線の問題を提示しています。

 カニバリズムというより、食物を吸収することで違う性質をもつ、つまり生命の連鎖とも取れます。大きな命題は受け取れていると思うのですが、そこにどんな意図があるのかがつかみ切れていないもどかしさがあります。

 生きるための食事。採取し調理して食べる。人間はそのシンプルなことだけで生きられます。ですが、欲望にとらわれると…黄金の都と永遠の命とは…それは人への執着も含めてなのかもしれません。ファリンを追いかけるライオス一行と、王を生かそうとする狂乱の魔術師に違いがあるのか?


 ざっと振り返るだけで、読み取れることがいくらでも出てきます。重層的なストーリーと優れたアニメ技術。最高の作品です。テーマやキャラ、一貫性そして作画、音楽、演出、構成などを含め、完成度で言えば、ちょっと他に類例がないくらい素晴らしい作品だと思います。

 ということでテレビアニメNO1作品の一つとして推したい作品でした。2期決定もいつになることやらという感じですので、心待ちにしつつ原作を読み込みます。





1話 グルメ×異世界を楽しむ?それとも教養が試されている?

{netabare} 本作原作は未読ですが、原作者の九井諒子氏の短編集2作が好きで読んでいました。神話・聖書・民話などの物語、SF、そして社会問題を上手く絡めていて、かなりハイコンテクストで教養が試されるような作品集でした。

 その九井氏の作品ですから、一筋縄ではいかない…と思って見始めたら、うーん…うーん…なるほどわからん。グルメマンガ×異世界もの…しかもそれを架空の魔物でやろうというのは分かりますが…
 調理法を見る限り、現実の食べものを参考にして設定を面白がって作ったのかなあ…という気がします。何か自分で独自の「系」を作るのが好きな人なのかもしれません。

 単純にそれを面白がればいいのか、食文化等に対する何等かのメッセージが暗喩されているのか…まあ、まだ1話ですからいいんですけど、氏の過去作を知らなければ1話切りかも…という気もします。

 ちょっとエルフのお姉さんのキャラに現代女性の何かが乗っかっている気もしますが、キャラとしてはそれほど目新しい人物造形ではないのでわかりません。それにしても、このエルフのお姉さんの声優さん…低い声がいいですねえ…千本木彩花という方ですねえ…アニスフィア・無名・キルコの人ですか…結構グッときます。

 アニメのレベルは高いですけどね。グリッドマンユニバースの最後の場面で本作が映ってましたので、力が入っているのでしょう。



追記 原作者は物事を見る時に視点を変えて「行為」の本質を抽象し、その行為の意味をズラすとか違うものと組み合わせる…という人な気がします。

 食べるという行為は生命を維持すること。つまり魔物も生命である以上食べているはず。だから、魔物は食べられる。
 料理という行為「食べられないものを食べられるようにする」「おいしく加工する」である。だったらダンジョンにもグルメは有るはずだ、ということでしょう。
 さらに「グルメマンガ」「料理動画・番組」と「異世界もの」はどちらも人気ですから、組み合わせたんでしょう。

 だったら、出落ちのはずなんですけど、短編ばかりの原作者が長編を描けているということは出落ちではないと思います。そう考えると2話以降が楽しみかも。 {/netabare}


2話 コメディをやろうとしているのか、文化・文明を俯瞰しているのか。

{netabare} 料理という点でいえば、正直異世界グルメ、異世界調理というのは何の役にも立ちません。食材の知識はもちろんです。そこに何を見るか?ですね。もちろんエルルをコメディリリーフにしたギャグは面白いですが…ちょっと考えてみます。

 前半。栄養素が云々とかはそれっぽくウンチクを入れているだけですね。本当に読み取るべきは「古来から伝えられた技法は手間のようでもそれなりの理由がある」と言う事でしょう。効率化によって失われた価値があるということが主要なテーマだったかな?と思います。

 後半…はどうでしょう?専門性のある人間の繊細な努力が無駄ということが言いたいわけでなく、むしろ逆かも。適当な仕事の進め方で大雑把に何とかなっているように見えても、最終的には専門知識が必要になる。あるいは協力によって出来上がる、料理とは高度な人間の共同作業だとも取れます。

 あるいは罠というものを調理の道具に変える視点の問題なのかもしれません。バジリスクの尾と頭の関係も視点と先入観の話になっています。

 ということで、考察しようと思うといくらでも考察ポイントは出てきます。どうなんでしょうね?それはコメディをやろうとして原作者の教養がにじみ出ているだけなのか、それとも料理という文化・文明の視点を変えて俯瞰しているのか。

 さらに上の視点で言えば、食という人間に必須の営みに見える滑稽さと同時に努力と情熱を描いているのかもしれません。{/netabare}


3話 気楽に見ればいいかな…という感じです。

{netabare} 今回を見る限りあまり深い含意を込めようとしているわけではなく、エピソード作りの土台として教訓的なものを使っている、というスタンスが本作のような気がしました。

 世間に流布された風説や先入観を観察と実体験で打破すると言えば聞こえはいいですが、よくある話ではあります。成長という時間の流れも感じますけど。ただ、この3話は新キャラ?登場回の位置付けだった可能性はあります。

 いまのところ1回見る分には面白いですが、じゃあ、何度も見返して考察してテーマを深掘りしてという作品ではなさそうです。キャラに惚れるとかギャグが極めて面白いというわけでもないので、次回から気楽に見ることにします。で、気付きがあればレビューして考えてみます。

 ただ今回の甲冑についての生態はこじつけがひどかったかなあ。生物は事実は小説よりも奇なりがありますけどね。頭を探すとか、一列に並ぶとかどういう生態だよ…と。説明はありましたけどあまり納得感は無かったかな。やっぱり気になるのは次週以降アレはどうなるんでしょうね?{/netabare}


4話 ダンジョンが世界の縮図であるという少々重い感じがする話です。

{netabare}  気楽に見ればいいかなと3話で思いましたが、また随分と真面目な話をもってきました。

 前半は汚物の処理をして循環させないと暮らせないし、それが食物の連鎖になるという点ですね。人工の環境内だからこそ工夫と人手がいるという話でした。里山問題なども想起します。ゴーレムが減るというのは農地や自然破壊のアナロジーにもなります。つまりいずれは環境が悪化するということです。

 後半は民族紛争のお互いの理屈です。ただ、食べ物と子供の無邪気な疑問。なぜ奪うのか、なぜ仲良くできないのか。当然の疑問に対して本作では丸く収めましたがそれでも戦うのが人間です。

 中盤のところはその理から外れた人間たちの生きる価値、儚い運命ともとれますが、あの部分の描き方は少々分かりずらかったです。

 ということで、ダンジョンが世界の縮図であることが提示されていたと思います。軽いかと思えば重くなる不思議な作品ですね。原作者の本領はこっちの少し重い方な気がします。

 そう言えば2話で「毎回同じところで全滅」3話で「初めての死亡」というセリフがあったので当然普通にダンジョン内なら生きかえるという前提でいいんですよね?酒場のシーンはそういう理解で見てましたが…{/netabare}


5話 重層的にいろんな含意がある作品。見る側のセンスと教養が必要かも。

{netabare}  思っていたよりもというか、九井諒子氏らしいというか、かなり含意がある作品ですね。テーマというより世界の作り方に「視点」を感じます。となるとご都合主義に見えた3話の食べられる鎧の話も、生物の不思議な生態への感動のようなものを含んでいたのでしょう。宝の擬態にもそういう面を感じました。

 さらに少し考えを深めると金と欲についても考えさせられます。「あるわけがない」宝に気持ちをたやすく奪われる人間の弱さですね。

 そして、今回は「取りつかれる」でしたね。「イワシの頭も信心から」でもいいですが、むしろ今いない人に無意識に頼ってしまう心理が人間を弱くしてしまう点を描いていました。しかも、その流れでファリンというキャラを上手く描いていました。加えてグルメと絡めているのも工夫でした。重層的にいろんなものが含んでいる気がします。

 アイスクリームは霊が現れると気温が下がるという風説からの連想だと思います。

 4話、5話とどんどん面白くなってきました。キャラ萌えとお話だけでもちゃんと作品になっているのがすごいですね。ただ、うーん…どこかのタイミングでちょっと立ち戻って考察したいなあ…コミック原作はもったいないので、現状では保留ですね。見る側のセンスと教養が必要かもしれません。ついていけるかなあ… {/netabare}


6話 アニメのクオリティが高い回だったと思います。面白かった。

{netabare}  今回は演出と作画、非常に良かったです。あっという間に時間が過ぎました。マルシルがとても可愛かった…というよりかなり女性らしい(死語?)感じがしましたね。今回特にマルシルの横顔がかなり西洋人っぽい造形だった気がします。後半の作画はかなりデフォルメしてましたね。

 で、絵の内部は何かの伏線になっているのでしょうか?ダンジョン自体の正体がまだわからない状態ですし、内部の人は妙な存在感がありました。ダンジョンの来歴と関係があるのか。あるいは絵画=バーチャルリアリティの様なイメージとも取れますけど。ここは無理に深掘りしないで後で何かないか楽しみにしておきます。

 後半はチルチャックの性格が災いした感じでした。彼はこだわりもそうですけど、人に頼ることを知らないで危機になる感じですね。今までで一番おいしそうな回でした。{/netabare}


7話 1つのエピソードとしてアニメ全作品の中でも出色な出来でした。

{netabare}  今回は最高に面白かったですねえ。グリッドマンユニバースのEDで出てきたシーンですね。完パケかどうか知りませんが、ということはこの作品は制作が随分先行していたのでしょう。総作画監督が1人ですしね。なるほどクオリティが高いわけです。

 それと前回でてきた絵の中のダークエルフって、OPでチラッとでてますね。やっぱり主要人物なんでしょうか。

 ということで食材に対する感情の問題が前半でした。今回は馬と亜人です。現実世界でも韓国では犬食が法律で禁止するとかしないとか、日本でも馬はアメリカ人からすると許せないとか、鯨の商業捕鯨の再開などで、結構ホットな話題です。それとイカタコ食ですね。特にタコなどイタリア人と日本人、中国の一部くらいでしょうか。

 人間から見ると慣れて心が通いあっているように見えた動物が、単なる捕食のための行動だ、というのも面白いですね。哺乳類と食虫植物との対比のセリフがありました。それに対して分からないのはライオスだけとチルチャックは言っていましたが、結果的にあの馬と食虫植物の行動は一緒でした。

 漁の節度もあったし、食物連鎖の話がありました。これは明示的でしたが、この食物連鎖の説明が6話までで描かれてきたことの総括のような感じでした。寄生虫は…うーん。

 そして、石鹸と魔法のところです。魔法はセンシからすると自然の理に反するようですね。そしてヒゲを洗っていない。だから、魔法を受け付けない=自然と共生しているという意味でしょう。それが文明の力として石鹸を受け入れると魔法が上手くかかる。これを堕落とみるか進歩と見るか、ですね。やっぱりこういうところに本作の含意のレベルの高さが現れています。

 一番初めに死んだ人がどうなるのか、という説明不足も回収されていました。彼らがまた死んでたのが笑えますが、彼らの経験・知識不足あるいは多様性不足も見て取れますね。

 それにしてもマルシルの戦闘シーンよかったですね。面目躍如でした。今回は話も演出も含意も全部良かったです。今回は1エピソードとしてあらゆるアニメ作品の中でも出色な出来でした。最高だったと思います。

 どんどん面白くなりますが、含意が多く教養とリテラシーが必要なので振り落とされる人もでてきそうですね。 {/netabare}


8話 ダンジョン=バランスドアクアリウムということかな?

{netabare} 8話を見る限り、ダンジョンは大魔法使いの実験場的な物なんでしょうか。要するにボトルアクアリウムというかバランスアクアリウムということですよね。養殖というか栽培というかそういう発想ではなく、世界の環境を知るためのミニチュアの環境がダンジョンと言う事なのかもしれません。だから、食物連鎖の話をこんなにしつこくやったんですね。

 それと人間の欲望とか民族闘争みたいなもの、絵画の世界の歴史の様なものが絡まっていますので、ダンジョンの正体が面白そうです。

 内容が深い…というよりもゲーム世界的な異世界設定とこの設定を絡めてストーリー世界を構築いしているところが本当にすごいと思います。

 キャラ達の過去と絡めて非常に面白い回でした。ライオスが主役かと思ってたし定義上はそうなんでしょうけど、マルシルとファリンが真の主役っぽいですね。OPの演出もそんな感じがします。{/netabare}


9話 キャラの言動・感情・心の動きが不自然に感じる回でした。

{netabare} SFやファンタジーにおいて設定が荒唐無稽とか、話が多少ご都合主義とかは物語性がしっかりあれば全然OKだと思います。ただし、人の言動というか感情の動きが不自然なのはいただけません。

 その点で今回のナマリとタンス夫妻はちょっと不自然だった気がします。だったら再開のシーンをもっとマイルドにしても良かったのかなと思いました。
 もちろん友情というかかつての仲間に対する感情とか、表面と内面のズレの様なものはちゃんと感じられましたけど、どことなく不自然な感じがしました。

 鍋の設定は面白いですが、やはりどこかナマリの心の動きが不自然だった気がします。ファリンの人柄というのも強調されていましたので、後で今回感じた不自然さは回収されていくのでしょうか?

 死と魔法が明確に説明される重要な回でしたが、話の出来は全9話の中で一番「ん?あれ?」と感じた回でした。今後、理屈優先でキャラの感情・言動が不自然にならなければいいのですが。 {/netabare}


10話 ドラゴン戦が終わったらコミックス買っちゃおうかな?

{netabare}  カエルでちょっと「このすば」を思い出してしまいました。マルシルが相変わらず可愛くて何よりでした。

 世界観も徐々に見えてきました。まだまだ謎は多いですが、全体の形は見えてきました。あとはどういうストーリー、設定が待っているかです。2クール放送の発表なのでじっくり楽しめています。

 いよいよですね。レッドドラゴン戦を見たらコミックス買っちゃおうかな、というくらいには楽しめています。ナマリはちょっと前回の唐突感がありましたが、キャラとしては根は良い人っぽいですね。あるいはファリンの人柄なのでしょう。
 キャラ達が良い人過ぎるがちょっと世界観と合わない気がしますが、そこがファリンなんでしょうか?{/netabare}


12話 緻密な設定と世界観が素晴らしかったですが、蘇生をどうとるかですね。

{netabare} ちょうど折り返しということで、話の区切りも丁度よかったです。構成に不自然なところもないので、これはかなりの脚本・構成力だったと思います。

 お風呂…サービス回…なんでしょうけど、まあ、色っぽくはないですよね。この2人。マルシルは髪型とか、悲壮な表情に色気がある感じでした。

 今後については、壮大な世界観とこの後のエルフとはどういう存在なのか?がテーマになってくるのでしょうか。最後に出てきたタークエルフは絵の中の人?長命で長い間生きているということなんでしょうか。

 で、その世界観と設定の緻密さ、伏線などに魅了されてきましたが、ここに来て出てきた「古代魔法」ですね。これをどう考えるか。設定を後出しの設定で解決したように見えなくはないです。
 ただ、マルシルのマンゴラドラのやり方とかその辺りに古いタイプの魔術を使う仕込みがあった気もします。そこは評価をする前に古代魔法がフェアな設定で納得いく伏線があるのか、後出しジャンケンなのかは検討したいと思います。

 評価は暫定です。{/netabare}


14話 2クールで終わらないなら、もう原作読んじゃおうかな。

{netabare} マルシル成分が足りない不満足な1話でしたが、いろいろキャラの相関が見えてきましたね。

 1クールを終え、2クール目の始まりを見ると、王道のファンタジーノベル…という感じの展開ですね。しかも、区切りが無い感じで。作品の楽しみ方としては、いろんな伏線が収束する感じと島主とかエルフとかダンジョンとか結果的にどうつながるのかというカタルシスを得られるか、ですね。

 登場人物が多いし設定が入り組んでいる割に、話が整理されて面白いと思いますが、この手の作品は結末を見ないことには出来の評価が難しいです。
 で、2クールじゃあ1区切りは無理かな?14巻だそうですし。それともアニメで何かの結末はつくんでしょうか。これは連続で結末まで見ないと、熱が冷めるのがもったいない気がします。場合によっては原作を読んでしまおうかな…今週考えます。{/netabare}


15話 ギャグ回面白かった。マルシルを堪能できました。

{netabare}  先週マルシル成分が少なすぎ多分、今週は最高でした。こういうギャグ回があるのも悪くないです。一応、蛇のピット器官のような秀逸な設定もありましたが、それよりもカボチャ的な物の絵面ですね。本当に面白い回でした。 {/netabare}


16話 ここにきて面白さが加速中。最高です。

{netabare} 面白さがここにきて加速中です。非常に面白い。面白過ぎます。話そのものも面白いですが、禁忌の魔法という設定とファリンの現状で否が応でも盛り上がります。

 黒魔術をもっと早くから仕込んでいれば最高だったんですけど…それともどこかに1か所でもマルシルが黒魔法を使うことを躊躇する場面とかそれらしいセリフとかありましたっけ?絵のところとか…まあ、後で通しで見てみます。

 本気で面白いです。この数年で見たなかでトップクラスに面白いです。{/netabare}


17話 名作ではないがエンタメ作品としての完成度は最高峰でしょう。

{netabare} 冒険譚はこうじゃなくちゃっていう感じです。はじめは世界観とか設定に興味がありましたが、どんどんキャラに入り込んで、今はストーリーが最高に面白いです。原作がすごいのかもしれませんが、アニメーションの出来も素晴らしい。

 センシがずっとおにぎり持っているのに笑ってしまいましたが、そこにほのかな含意と哲学があります。そう…いろんな視点で考えるヒントは散らばっているんですけど、そんなことを考えなくても面白い。2クールで1回もダレないのは素晴らしいです。

 アニメの作品として感動とかメッセージ性は名作認定はしないと思いますが、全体の作り込みと作品のクオリティーはすごいと思いました。このまま一機にラストスパートですね。


17話 再レビュー やはり名作かもと思います。圧倒的な作り込みの世界観が生み出す想像の広がりは他に類を見ません。

 名作とは何かというのは難しいですが、テーマ、メッセージ、文学性、いろいろあると思います。本作はこれらの要素については名作という水準ではないかもしれません。

 ですが、本作の圧倒的な世界観の作り込みが醸し出す想像の広がりを考えると、それはテーマにもメッセージにも文学性にもなりえるかもと思います。この17話は本当に素晴らしかった。単話でみれば最高水準だと思いますし、それを最高水準に押し上げる要素が1話から丁寧に積み上げれらた世界観であると思います。

 うん。やっぱり早々に原作を読みたいですね。アニメ終わるまで我慢できなくなりました。{/netabare}


18話 22時30分丁度に視聴するくらい楽しみ。原作本手に入れましたが…

{netabare} やばいですね。面白さなら過去トップ10に入る作品になりそうです。珍しく登録されるのを待ちわびています。原作を手に入れたのですがアニメの楽しみが減じてしまわないか心配で今部屋に積んである状態です。
 14冊赤茶色の表紙に手が伸びそうです。表紙絵を見る限りアニメの方が魅力的かもしれませんね。

 今週も人間観察のいい加減さと適格さの両面から頷ける、いい視点の話でした。緊迫感が続いたので息抜きでしたが、中身は濃かったと思います。昔の方がアニメは面白かったというのは一面の真実でもありますが、こういう作品が現れると進化も感じます。過去類例が無い作品だと思います。

 絵の件もちゃんと伏線だったし、この作品の世界観は感心するしかないです。{/netabare}


19話 マルシルがいつの間にか主役に?

{netabare}  なんかすっかりマルシルのファリンへの想いがストーリーの中心になってしまいました。マルシルが主役といってもいいくらいです。それが面白さにつながっているから大したものです。

 年齢問題と黒魔術のコンプレックス、ファリンの件の心の傷などをうまく表現していました。なかなか繊細なキャラ造形だと思い、改めて感心しました。
それとマルシルがエロくてよかったです。

 蜃気楼は巨大なハマグリの吐く幻というのと、悪夢を見せるもの…夢魔あるいはバクのような設定を組み合わせた感じでした。普通おなかをに重いものを乗せるとそれが悪夢の原因になりますので、そのあたりも考慮しているのでしょうか。
 その蜃気楼の原因である蛤を食うといのがまた…すごいですね。{/netabare}


20話 なぜマルシルはそこまで優しいのか?

{netabare} 1話2話を見返したのですが、いまさらですが初期設定で1000年前の王様とうのがあったんですね。そして、ダンジョンがかなり特殊な成り立ちになっているということも。はじめの方は集中してなかったのでいまさらですけどね。
 各話に考察する視点はあるのですが、やっぱり大きな要素はこのダンジョンは何なんのか、なんでしょう。

 そして、20話なんですけどイヅツミは不快なキャラですけど、むろしマルシルがなぜあそこまで優しいかという部分が気になりました。19話が何か関係してくるのでしょうか。命の長さ問題もありますし、両親に何かあったのか、ファリンをなぜそこまで慕うのか。やっぱりマルシルを中心に考えたいところです。{/netabare}


20話追記 19話20話が面白過ぎて原作を読んでしまいました。

{netabare} 正直この作品の特に第2クールを見ていると、他の異世界転生ものが色あせてしまい見る気がなくなるくらい面白いです。19話20話の奥行きが素晴らしかったと思います。で、マルシルの内面、ファリンの扱いの意外性などに興味がでて、ついに原作を読んでしまいました。

 まず、コミック1巻をはじめ初期の絵がまだまだ内容に追いついていないので、その点で今回のアニメ化の意味はすごくあったと思います。話題作とはいえ、1巻の内容と絵でははじかれる人も多いでしょう。九井氏の短編マンガはハイコンテクストな分、キャラ造形・キャラデザが記号的で含意中心の作品です。本作原作の初期には絵も含めてそのまま出てしまっています。

 ただし、4巻くらいからかなり絵もコマ割りも背景も物語もうまくなっています。アニメがどんどん面白くなるのは原作がどんどん良くなってゆくのと符合している気がします。それにしても今回のアニメ化のレベルは大したものです。原作の面白さも含意もキャラ造形も雰囲気も本当にうまくすくいあげて、さらにエンタメとしては洗練されています。

 それと構成がバッチリですね。14巻中7巻で大きな話の転換があって、そこまでで1期2クールで過不足なし、です。これは本当に原作もアニメもすごいと思います。

 で、最後まで読んで最後まで面白かったです。現状では今のアニメ化の範囲7巻までの方が面白いと感じています。
 ダンジョンの設定上の意味というより世界観の意味がカタルシスになりますが、ちょっと理屈っぽいかなという気がするためです。1期で考察しながら見ていたものが解き明かされる解答編ですが、話がうますぎて意外性にちょっとかけるせいかな?いや、気が付かないところがあるかもしれませんので侮れないですけど。

 原作もアニメも異世界ファンタジーとしては過去最高に面白いです。ぜひ、2期を早々にお願いします。{/netabare}


21話 急展開。マルシル可愛い。特に耳が今回は良かったです。

{netabare} さて、話がいよいよ核心へと向かってゆく折り返し地点が近づいています。起承転結の転の始まり、という感じでした。ダンジョンで飯を食う意味が深まってゆきます。

 この作品のコミックスの紹介で「今、人気のグルメ+異世界ものの取り合わせ」みたいな紹介をしていた、多分テレビの朝番組がありましたが見る目がないと言わざるを得ません。

 そしてマルシルは可愛い。今週は耳の形にやけにこだわったシーンがあったような…

 カナリア隊ですよね。意味は…思いつくのは炭鉱におけるガス探知機ですから、ダンジョンにおける危険の調査…という意味がかかっているのでしょうか?

 到達した場所の世界観が素晴らしいのでぜひ人間とは?食とは、生活とは?という考察をしたいところ。 {/netabare}


22話 マルシル最高。だが、あと2話しかないという事実。

{netabare} マルシルの何もかもが素晴らしい。髪を躊躇なく切ったところがカッコよかったし、キレた表情と間抜けな表情のギャップもよかった。羽ばたいたり跪く動きも表情も最高でした。

 話は原作読んだのでもう考察云々ではないですが、しかし、重層的な世界観はアニメの方が味わえるし、何よりアニメのクオリティが高すぎて面白さは原作の数段上です。もちろん原作ならではの良さはありますけどね。

 というわけであと2話しかない、という事実。つらい…せめて2期発表してほしい。 {/netabare}



23話 〇〇〇〇の〇ー〇の逆。これは1話から仕込んでいたということでしょうか。すごいですね。

 今週はなぜか24分ではなく28分ありましたね。きわめて珍しい事例だと思うのですが、イレギュラーなことをしても品質を維持したい、ということでしょう。

 で、ネタバレになりますので伏字にしますが〇〇〇〇の〇ー〇の逆というかひねった話でした。これがキャラの性格造形や言動に深く結びついています。ということは1話の段階からもうこの構想はあったと思われます。この緻密さがやはり本作のすごいところでしょう。

 で、そのシリアスな場面からのセンシの〇〇〇が笑います。常にバラをまとう作画はなんというか…そして、小籠包のイヅツミが作った分の毛とかやっぱり超ハイクオリティな作品だなあと思います。

 そして、多分次が最終回?ロスになりそうですが、原作がありますのでそちらをもうじっくり読みたいです。でも、やっぱり2期の発表がありますように…

 最終回を前にして考えたこと、思うことです。

 考えてみれば1話でマルシルが墓場に生えている植物を食べることを拒否した場面がありました。人を栄養として吸収した植物は食べられないということです。食人植物も描かれていました。つまり、23話のセンシの物語に対する伏線になっています。この構成もすごいですが、ここに一つの哲学を見ます。食ってなんだろう?と。

 エルフの長命問題もありました。物語の冒頭で1000年前の王が出てきました。それに対してこのダンジョンは死なないダンジョンです。センシが日ごろからいっていますが、魔法を含めて人の理から外れている存在です。

 1000年生きている村人たちは食事を忘れていました。このダンジョンは欲望をかなえます。死なずに済むことができます。そうすると食欲を忘れます。もし生きること=食べることと考えれば、彼らは生きているといえるのだろうか。退屈を紛らわすために無意味な行為をしている彼らは、ひょっとしたら食物連鎖の中にいることをわすれ、自分で食料調達をしない我々ではないでしょうか。
 マルシルのパリコレは笑ってしまいますが、我々の生活はマルシルのファッションを笑えないような実用性のない装飾ではないでしょうか。

 ダンジョンは一つの系を形成しているということです。ライオスたちはダンジョンの魔物と戦い、それを食べています。そこが他の冒険者との違いです。だからこそダンジョンを攻略できているとも言えます。

 もちろん道中にはほかにいっぱい何かを読み取れそうな、感じる部分はありました。本作はやはり一筋縄ではいかないテーマがあるなあと思います。特にファリンというキャラを置いた意味と、センシが言っていたダンジョンは欲望を実現するという意味です。まあ、そこは1期のアニメ化の範囲を超えますのでいずれ。

 23話の意味から逆算して考えれば考えるほど、考えさせられましたので最終回を前に少し頭を整理しました。
 なお、私はアニメ派ですね。原作よりも理解しやすかったし頭が回る気がします。





 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

魂を囚える迷宮

原作コミックは未読

【物語 4.0点】
魔物食がメインのようで、決して安直な“飯テロ”企画ではない。

迷宮(ダンジョン)の生態系の末端としての食事。
(動く鎧の真実など魔物たちの生存戦略には驚かされました)
迷宮が象徴する、同ファンタジー世界の歴史、情勢、
さらには思い出の料理を通じて、登場人物の心情を掘り下げるなど、
食事をシナリオ、世界観を深める道具として有効活用できている。

私は迷宮(あな)があったら潜りたくなる程度にはダンジョンRPG好きではありますが、
正直、ファンタジー✕飯テロには雰囲気先行では?との苦手意識もあり。
本作もダンジョンそっちのけで食ってばかりいるのではないか。
との懸念もあって放送スタート時は食わず嫌いしていた、この1期2クール作品。

1クール放送折り返したくらいで、こちらの感想も覗いて、
本作はちゃんと迷宮を堪能できる作品だと思い直し、ぼちぼち追い付いた次第。


料理名等をサブタイトルに1話数本立ての構成が目立った前半1クール目は、
まだ食事がメインである印象も受けましたが、
その中で散りばめられた迷宮に関するネタの骨格を前提に、
後半2クール目では、モンスター名等を冠したサブタイトルを中心に、
歯ごたえのある迷宮ファンタジーが肉付けられる。
終わって見れば骨太のダンジョン物だったとの満足感が残りました。


食事は迷宮探索を持続可能にする物資の多寡を伝えるシグナルとしても有効。
仲間を助けるために、敢えて一度、街に戻って立て直すか否か。
こうしたダンジョンの醍醐味を再現したネタも嬉しかったです。


個人的に一番グッと来たのが、迷宮と蘇生について。
死者復活の成否に関する悲喜交交(こもごも)もまたダンジョンRPGアルアルですが。
本作で興味深かったのが、
この迷宮では冒険者は死んでも魂が肉体に束縛されてしまい成仏できない。
故に迷宮では魂を肉体に戻す蘇生術が可能になるのだという視点。
まるで蘇生を迷宮の呪いの如く扱う描写に、なるほどそう来たか!と、私は本作に魂を囚えられました。

そして、魂を囚える迷宮の術こそが、
迷宮を創造した魔術師の狂乱した企てに直結していることを示唆して1期は幕を閉じます。

迷宮に誘き寄せた冒険者を己の野心のために悪用せんとする陰謀もまた、
ダンジョンRPGの真髄。

制作決定した2期で“メインディッシュ”を味わえることを期待しています。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・TRIGGER

戦闘シーン等では時に背景にも作画を入れて臨場感溢れるアニメーションを構築。
例えば{netabare} ウンディーネ戦で円筒形に伸びる通路を水の“ビーム”で破壊されながら逃げ延びる{/netabare} カットなどは、
作画、背景一体となった良いコンビネーションだったと思います。


同スタジオの金子 雄人氏によるモンスターデザインも上々。

ダンジョンRPGはプレイヤー一人称視点。
必然、にらめっこすることが多くなるモンスターの造形が最重要グラフィック。
こんな生い立ちの私は、異世界、ファンタジーにて、
ただ生物を巨大にしただけのような、やる気のないモンスター絵を出されると、
一気に作画評価が厳しくなってしまいますが、
本作は宿敵レッドドラゴンを軸に魅せてくれました。

生き物としての魔物が描き込まれているからこそ、
解体、調理した一品が旨そうに光り輝くのです。
まぁ、私もマルシル同様、これ食うのかよwとはなりますが(苦笑)


【キャラ 4.5点】
おばあさんが、通りのはげしい道を渡ろうとしているのを見たら、それぞれの性格ならこんな風にふるまうでしょう。

善:本当の善人ですから、わざわざ行って助けるという、近頃珍しいタイプです。

中立:自分が同じ道を渡っているなら助けてあげます。普通の人ですね。

悪:自分の利益になるなら助けてあげるという、自分に正直な人です。

~ダンジョンRPG『ウィザードリィ外伝Ⅱ』取扱説明書より抜粋~


“悪”だからって生存が許されないわけじゃない。
絶対的な勧善懲悪とは異なる、この相対的な性格設定。
ダンジョンを舞台にした作品では、これを物差しにできるか否かが、
私のキャラ評価を左右する要素で、その点でも『ダンジョン飯』は上質でした。

ライオス、マルシルは己を顧みずファリンのために死地に飛び込む善キャラであることが伝わって来ました。
レッドドラゴン戦敗北とファリン離脱をキッカケにパーティを抜けたナマリらは、この物差しに照らせば悪ということになるのでしょうが、
彼女の冒険者としての生き方も決して否定されるものでないことは描写できていて、この点も私は高く評価したいです。


トールマン(≒人間)、エルフ、ドワーフ、ハーフフット※
(※ホビット®は登録商標です。各種ファンタジー作品、今や『ウィザードリィ』ですら無許可使用できません。まったく迷惑な話だ。)

ファンタジー世界を構成するお馴染みの各種族が、ただファッションとしてまとわれるのではなく、
迷宮を巡るエルフとドワーフ対立の歴史、
{netabare} カエルスーツから髭がはみ出す勢いでw{/netabare} ちゃんと毛むくじゃらなドワーフ・センシなど、
伝統をキチンと理解、消化した上で作品世界に落とし込まれているのも得点が高いです。

その上でハーフフット・チルチャックの罠察知&解除スキルが詳述されている点も美味でした。
さらに彼の種族特性である鋭敏な足の裏も描写されるのですからマニアにはたまりません。
裸足の包帯取ったら、足の裏に毛が生えているのか確かめたくなりますw


【声優 4.5点】
センシ役の中 博史さんが柔和なドワーフボイスで魔物を調理し、
マルシル役の千本木 彩花さんがゲテモノに狼狽えるリアクション芸で未知の食感へのチャレンジを体現し、
ナレーションの三上 哲さんが「ダンジョン飯 ああ ダンジョン飯」と締めくくれば、大体パターンが決まってしまう堅牢な布陣。

パーティメンバー役を務めたメインキャスト陣は、“食レポ”対応だけでなく、
{netabare} 入れ替わりや、メンバーに擬態して紛れ込む魔物への対処など、
シャッフル芸含めた{/netabare} 複雑なコメディ対応も求められましたが柔軟に対応。

そんな中、私が好きだったのが、ここもチルチャック役の泊 明日菜さん。
中性的な小人ボイスで年齢を悟らせない。子供扱いはご法度。
この種族らしい絡みが好表現できていたと思います。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は光田 康典氏ら。
オーケストラを軸に、中世古楽の楽器もアレンジしてファンタジー世界を演出。
厚みのある音楽が、戦闘シーンだけでなく食材調理のシーンでも流れている点がそそります。
一番印象に残ったのが料理完成時の出陣のホラ貝?みたいなBGM。
私も食卓が完成した際に、時々、脳内再生していますw


OP主題歌
前期・BUMP OF CHICKEN「Sleep Walking Orchestra」
後期・sumika「運命」
ED主題歌
前期・緑黄色社会「Party!!」
後期・リーガルリリー「キラキラの灰」

いずれの楽曲も、これから死地の迷宮に挑むとは思えない明るく前向きな曲調。
「キラキラの灰」の“灰”なんかはダンジョンRPGファンにはピンと来る(蘇生失敗のトラウマを刺激するw)ワードですが、絶望感とかは特になく。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

食べることって本当に大事

九井諒子による原作漫画は、『ハルタ』(KADOKAWA)での連載が終了(全14巻、原作未読)。受賞歴は、このマンガがすごい!2016(宝島社)オトコ編1位、全国書店員が選んだおすすめコミック2016年度第1位、第55回星雲賞などなど。
アニメ1期は、全24話(2024年)。監督は宮島善博。制作は、『キルラキル』、『ダーリン・イン・ザ・フランキス』などのTRIGGER。2期の制作が決定済み。
(2024.6.30投稿 7.4推敲)

本作は、とにかく色々な賞をもらっていて、タイトルは以前から知っていたし、周囲のアニメ化への期待も高かった作品です。
ただ、屋外でゆるくキャンプではなく「ダンジョン」で「飯」を食う、しかも、普通の食べ物ではなく「魔物」を食うというニッチなテーマなので、一般受けするかなあというのが率直な印象(※魔物料理は、『とんでもスキルで異世界放浪メシ』で既に受けていたので、本作のアニメ化の追い風になったかも?)。

その魔物を食うというところは、「想像上の食材」をリアルの食材になぞらえ、そのリアルな食材に合うような既存の調理法をすることで、一般視聴者がその味を想像できるような工夫がなされています。

もっとも、「飯テロ」と言っていい出来映えのものがある一方で、未知の魔物食だから当然というべきか、えーそんなものまで食べるの!?というある意味期待通りの「ゲテモノ」とか「悪食」とかいわれる部類のものもあります(笑)

その味を想像したり、キャラクターたちの様々な、時にオーバーなリアクションをみて楽しむ作品でしょうか。

ただ、物語の後半から、グルメ色は次第に弱まって、前半で脈絡なく出てきたように見えた登場人物や出来事が伏線となっていき、ダンジョンの秘密にぐっと迫っていきます。この展開のギャップもまたいいところ。


【あらすじ】
とある離島に突如ダンジョンが出現し、そこから一千年前に滅亡したはずの「黄金の国」の王を自称する男が這い出てくる。そして、彼は、「狂乱の魔術師」によってダンジョンに閉じ込められた王国民を救って欲しい、元凶である狂乱の魔術師を倒した者には国の全てを与えると言い残して消えた。

その日を境にして、魔物が跋扈するダンジョンを踏破しようと多くの冒険者たちが挑戦を始める。そんな冒険者パーティーの一つトールマン(人間)の剣戦士ライオス(CV.熊谷健太郎)率いる一行は、ダンジョン探索中に強敵レッドドラゴンと遭遇してしまう。ライオスの妹で魔法使いのファリン(CV.早見沙織)がドラゴンに食われながら、最期に脱出魔法を行使することで他のメンバーはかろうじて地上へ。

ファリンの命を諦めきれないライオスは、ファリンが完全に消化される前に救出し蘇生魔法をかけようと、再びダンジョンに潜ろうとする(※死んでしまっても、ある程度肉体が残ってさえいれば蘇生できるという世界観)。しかし、荷物も装備もダンジョン内に残してきたまま、蓄えもない状況で再度の突入は自殺行為であるとパーティーが瓦解。

それでも単身ダンジョンに挑もうとするライオスを見かねた、元パーティーメンバーのハーフエルフの魔法使いマルシル(CV.千本木彩花)と、ハーフフットの盗賊チルチャック(CV.泊明日菜)がライオスに同行。

ダンジョン探索中の食料については、魔物を食べて現地調達しようとしていたが、適切な調理法がわからず難儀していたところに、魔物食に一家言を持つドワーフのセンシ(CV.中博史)がライオスたちに興味を持って話しかけてくる。センシは、見事な手際で魔物を調理し、その魔物料理の美味さにライオスたちは舌を巻くのだった。

そして、レッドドラゴンが料理できる可能性に惹かれて、新たな仲間となったセンシを加え、ライオス一行は、魔物を食べながらダンジョンを踏破していくことになるのだった…


【食べることって本当に大事】
ライオスは、世間知らずで結構ぶっ飛んでるところがあるので、以前から魔物食に興味を持っていたようなのですが、本作の常識人枠であるマルシルは、当初、魔物食に激しく抵抗します(一応、魔物を食べるのはこの世界でも普通ではないよう)。
それでも空腹に耐え切れず、口にした魔物食が思いがけず美味であったことから、なし崩し的に魔物食を受け入れていく。この過程なんかがとってもコミカルに描かれていて秀逸です。


人間の歴史は、「飢え」との戦いでもあります。人間が脂肪をすぐ貯めこんでしまうのは、人間が長らく飢えに苦しめられてきたから。

古の人間たちは、飢えに耐え切れず様々な食材に手を出し、運が悪ければ亡くなった者もいることでしょう。個人的には、かつて人間の歴史でも本作と似たようなことがあったんだろうと、そういう先人たちの犠牲の上に、今の我々の豊かな食生活があるのだということを思い起こさせてくれる作品でした(毒のある「フグ」を食べ続けて安全なところを見つけた的な…)

また、終盤にセンシがダンジョンで魔物食を始めるきっかけとなるエピソードがあるんですが、まんま「海亀のスープ」の話です(※結末も同じかはお楽しみに)。
このエピソードも含めて作品全体から、特に元気がなくなった時に食べることって本当に大事なことなんだと改めて感じる作品でもありました。


{netabare}あとは、ダンジョン内は、閉じた世界で、そこだけで食物連鎖している特殊な生態系が面白かったですね。
加えて、ダンジョンに囚われた人たちが、その独自の生態系の中で周囲の世界と隔絶して生きていることの異質さ、それが本当に幸せなことなのかも含めて考えさせられたりもしました。{/netabare}


【緻密な設定】
本作は、空想上の生き物である魔物を食べるということで、そこにリアリティを持たせて我々の想像力をかきたてるため、その魔物の捕獲シーンなどを通じて、どんな生態をしているかなど細かい描写がされています。

もっとも、魔物の生態にとどまらず、トールマン、エルフ、ドワーフ、ハーフフットなどの種族の設定、ダンジョンの秘密、魔法の体系など、とにかく細部に渡って設定が本当に緻密です。

特にハイファンタジーものが好きな人は、その設定の緻密さに惹かれること請け合いの作品になっています。


【最後に】
本作は、「魔物食」というニッチなテーマから入って、最終的には、「狂乱の魔術師」を倒すという王道ファンタジーものに次第に物語の中心がシフトしていきます。また、架空の世界でありながら、そこに現実味を感じるだけの緻密な設定の裏付けも魅力的です。
既に2期も決まっていて、個人的に続きが楽しみな作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

83.1 2 TRIGGERでファンタジーなアニメランキング2位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (718)
3332人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

言の葉の力

言葉は本当大切。
それをあらためて教えてもらえる作品。

日本には古来より言霊(ことだま)という考え方があり、
良き言葉には良き霊力が、悪しき言葉には悪しき霊力が宿り
人の運勢にも大いなる影響をもたらすという。

確かに明るく前向きな言葉ばかりの人は運がいいし
周りの人々も明るくしてくれる。

今作の主役、アッコはその典型。
明るく前向き、積極的な言動で、
周りからどんなに馬鹿にされようと、
援軍無き孤独奮闘の状態なろうと
一旦決めたことは決して諦めない。

わがままな自己中、衝動的、押しつけがましいのが玉に傷で
物語の開始当初は、単なる痛いキャラに過ぎなかったのだが
徐々に彼女の魅力が発揮され遅くても15話の時点で、
自分の中では愛すべきキャラとしてすっかり定着してしまった。

彼女に巻き込まれたのは、物語の中の人々だけじゃなく
視聴者の多くもそうかもしれない。
この作品を愛する方のレビューを読むとそう感じる。

素直な感性を忘れない人には必ず届く
何らかのメッセージ性がある作品、
だから大人も子供も楽しめる作品だと思う。
決して幼稚ではないのが魅力。

これなら深夜に放送するより、
多くの子供たちが観れる時間帯に放送したほうがいいと思うが
なんらかの大人の事情でもあったんだうか。
そこはちょっともったいない。

2クールなので人物の掘り下げも丁寧。
個人的には15話でアーシュラ先生が
一番好きなキャラになった。
中の人、日高のり子さんの好演が光る。

日高さんは、最近では、カーナビ音声や
「PSYCHO-PASS」のドミネーターなど
機械系、無感情系の声のイメージが強かったが
今作は、人情味や母性豊かなキャラで新鮮。
演技の幅の広さは、さすがのベテランといったところ。

また、ここまでくるとアッコ役の潘めぐみさんは
すっかり役が染みついて顔までアッコに見える。

<シンプルで解かりやすい、親しみやすい物語>

いい感じに謎も残し、終盤に向けて盛り上げられるようにと、
よく練られたストーリー構成だと思う。

作画も頑張ってて、キャラの表情の豊かさと
動きの中にある説得力が素晴らしい。

コミカルでありながら、キャラの深い内面まで伝わる。
作品世界に確実に引き込む吸引力が半端ない。

スタッフの作品に対する愛情が伝わってくるようだ。

★ 第18話「空中大戦争スタンシップ」
{netabare}
今回、今までで一番笑えて
物語評価4.0→4.5、作画評価4.5→5.0に上げた。

特に今回の後半の演出の勢いは、
「未来少年コナン」の頃の宮崎駿氏を思い出させる。

ネタばれ抜きで何も考えないで観るが吉。

今回は、コンスタンツェとアッコ、
コミュ障無口×お騒がせおしゃべり、
器用な天才×破壊的不器用、
正反対のキャラが繰り広げるドタバタ劇。
二人組むと魔法が掛かってすさまじい化学反応を起こした。

よくできたシナリオに乗った
演出&作画スタッフたちの頑張りで
笑えるだけじゃなくちょっといい話にもなってるという
奇跡のハーモニーを奏でたと思う。

{/netabare}
★ 第19話「キャベンディッシュ」&第20話「知性と感性」
{netabare}
<アッコは妖怪「天然人たらし」>

ここしばらく、アッコの直感的な行動で問題解決、
人間関係の改善&深化の話が続く。

仲間の窮地を救い、人間攻略がなされ、
新たな言の葉ゲットという
目標達成も同時に描かれ一石二鳥。
効率がとても良い。

必要な攻略が完了して
固い絆の仲間たちが出来上がった暁には、
ラスボスと思われる某先生に、
皆で一丸となって立ち向かうという
今作のクライマックスが待っていそうな予感。

今回は、アッコとは、真逆の性格と才能と思われ、
水と油のようで難攻不落と思われたダイアナのターン。

1話分ではとうていそのプロセスを描き切れないと
脚本家は判断したんだろう。
2話掛けることで、無理のない自然な流れが生まれ、
そんなダイアナも遂に落とし信頼関係を築いた。

アンドリューまで登場させ、
その関係性の深化まで描いていることも非常に巧い。

しかもダイアナの慈愛溢れる本質まで判明。
彼女の人間的魅力も倍増した。

敵対するものも憎むべき存在として描いていないのも好印象。

とても後味が良く、微笑ましくホッコリ。

<印象的な19話でのロッテ&スーシィ>

アッコが無鉄砲にもダイアナを追いかけようとしたその時、
決して引き留めず、多くを語らず、必要なものをそっと差し出し、
信用して暖かく送り出す短いシーンがいい。
アッコの実力を認め、すっかり一番の理解者になってる様が微笑ましい。
{/netabare}
★ 第21話「ワガンディア」
{netabare}
<キャストの皆さんの、息も合った感情移入深い演技に魅了された>

今回で声優評価4.0⇒5.0に修正。

シリアスに話は進む。

シャリオとクロワの因縁の一端が明かされ
7つすべての言の葉の復活で得られるものをクロワが欲しているとわかる。

また、シャイニィロッドがアッコを選んだ理由もわかる気がした。

本質的には似た者同士のアッコとシャリオはソウルメイト。
世代を超えて固い絆で結ばれた二人は最終話で
何らかな奇跡を起こしてくれそうな予感がする。
ダイアナたちも大いに活躍しそう。
スーシィの「デレたか」の一言にクスッ。

7つ目、最後の言の葉の復活は過去においてシャリオは達成できなかった。
そのためにシャイニィシャリオであることを辞めて
名前まで変えて地味に目だない存在になってしまったのかもしれない。
そのあたりも今後どう描かれるのか。

シャリオが失敗したのなら、そう簡単にはいかなくて
アッコも相当苦労しそう。

課題、謎が明確なので次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
★ 第22話「シャリオとクロワ」
{netabare}
<アーシュラ先生の正体がばれる>

前回、アーシュラはアッコを庇い、
ワガンディアの花粉を浴びて空を飛べなくなってしまった。

しかし、アッコとアーシュラの試練はこれからが本番。

アーシュラは、本当はちゃんと伝えるつもりが思わぬ形で
シャリオ・デュノールであることがアッコにばれた。

それが結果的にアッコとの間に溝を生む。

<夢見る力を魔力に変える>

今までのアーシュラの正体ひた隠しの理由が明確に。

シャリオへの憧れだけが、
すべての活力の源だったアッコ。

クロワの、シャリオの真実の暴露のおかげで、
アッコの心は絶望に似た奈落の底まで突き落とされる。

当にヒロイン最大のピンチ!

果たして彼女は再び信じる心を取り戻し
言の葉を蘇らせることができるのか。

魔法は皆を喜ばせるために使うもの、
という信念を貫き通すことが出来るのか。

シンプルでベタで王道の展開ながら
キャラの魅力と相まって非常に面白い。

全25話なので残りは3話。
ドラマティックな盛り上がりを期待したいな。
{/netabare}
★ 第23話「Yesterday」
{netabare}
<感情移入させるポイントを絶対に外さない構成と脚本の魅力>

今までのエピソードの積み重ねは、
当初ダメダメで皆から馬鹿にされてたアッコが
皆から愛され、かけがえのない友になった過程そのもの。

ここまでずっと欠かさず観続けた
この作品を愛する視聴者にとっては
ロッテ達と同じようにアッコを心配してしまうだろう。

慈愛と尊敬の言霊でアッコを救ったダイアナ。
そんなダイアナだって19話、20話があればこそ
自分に足りない、素晴らしいものを持ってるアッコに
素直に敬意をはらえるのだと思う。

<若きシャリオの挫折描写も感情移入のポイント高い>

アッコは、若かりしき頃のシャリオと同じ。
私心なく、一途に魔法で人々を幸せにしたいという
純真な価値観だけが行動原理だった。
だから、シャイニィロッドに選ばれたのだろう。
21話ではぼんやりと、今回で明確に伝わった。

アッコの挫折からの立ち直りを1話で済ませたことは好印象。
ラストに向けて無駄なく必要なピースをさくさく埋めていく制作の手腕が見事。
出来上がったパズルは、きっと素晴らしい絵柄となって記憶に刻まれそうだ。
{/netabare}
★ 第24話「アルクトゥルスへの道」
{netabare}
今回は次回の25話とセットで最終話と言ってもいいと思う。
これなら、問題解決後の余韻も存分に味わえるラストが描けよう。

<シャリオ、カッケー!アッコ、まじ天使!>

ここまで一途に慕われるシャリオは幸せ。
シャリオとアッコは、前世からの深い縁に違いない。
師弟関係極まる二人の抱擁に感動でウルっ。

ベタな展開がこんなに心地良いとは!

スタッフたちのアイディアは多岐に渡り、
シャリオ渾身の戦いを彩る。

飛べなくなった設定が存分に活かされ、
長い髪をなびかせ必死にジャンプするシャリオ。

その素晴らしい身体能力は、峰不二子、ナウシカ...
過去に出会ったアニメの複数のヒロインのイメージと被る。

今まで魔法に頼っていたのに
何故あれだけの身体能力があるのかというツッコミは野暮というもの。
ここは素直に話に乗ったもん勝ちだ。

スターウォーズへのリスペクトか。
ライトセーバーっぽい武器が画的にいいアクセントに。

アッコの純真な気持ちは
7つ目の言の葉復活の決め手として
十分な説得力を持っていた。

<クロワの敗北はあっけなく訪れたものの・・・>

昨今の世界情勢の不穏さと絶妙にリンクしてる感。
絵空事でない緊迫感もあってヤバかった。

クロワはテクノロジー依存の人々の象徴か。
クロワは悪人ではないが、人は等しくクロワになり得ると伝わった。

怒り、いらだちの負の感情がもたらした機器の暴走。
クロワもすでに制御不能。
最後の○○○○は非常に生々しい。
今の日本を取り巻く情勢のタイミングでこう来るとは...
制作陣の勇気に感服した。

魔法は人類を救うための神々の恵み足り得るのか?
最大の危機が訪れ最後は如何に?

アニメは、今作の魔法の立場と一緒で
人に夢を与えてくれるもの。

この作品に限ってバッドエンドはあり得ない。
ハッピーエンドは見え見えだがそこがまた好い!

OPや今回登場した地面のシンボルマークに共通する、
三つ巴に組んだ腕は、人と人が信頼し助け合うことで
奇跡を初めて得るということなのだろう。

大勢の学友とシャリオが信頼し、協力してこそ奇跡は生まれ得るのだ。
{/netabare}
★ 第25話「言の葉の樹」
{netabare}
人々の憎悪の感情が集まって生み出された魔獣はミサイルと一体となった。
世界中にさらなる憎しみを拡散させ、完全なる自己破壊を達成するために。

<9人の魔女が一丸となることが現状打開の唯一の方法となる>

世界はミサイル迎撃に万策尽きた。
しかし周りがどんなに絶望感に囚われても我らがアッコは相変わらずだ。
「出来るよ!私たちなら止められる!!」
空気を一瞬で前向きなものに変える言の葉の魔法がアッコの最大の強み。

後は、ジェットコースターのような怒涛の展開。
制作陣の沢山のアイディアが詰まった作画と演出に魅了されるのみ。
アクションは台詞無くて作画だけでも面白い。

<世界中に広がる笑顔...>

ベタだが爽やかで希望溢れるラスト。
最終話で、世界中の子供たちに発信したい作品になった。
仮に日本の売り上げがいまいちでも
海外の売り上げが良ければ、続編も期待できよう。
その時には、シャリオのワガンディアの呪いも解けるに違いない。

ずっと飛べなかったアッコが、力むと全くダメなのに
リラックスして能天気な状態になることで
飛べたというオチがまたアッコらしくて微笑ましい。

多くの、このサイトのレビュアーがこの最終話を絶賛し
本作を名作認定している。
当方も全くの同感だ。

最終話で物語評価は5.0他で、全体評価を4.4を4.8に上げて更新した。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バカは時々、凄いことをする

[文量→大盛り 内容→考察系]

劇場版などは観ておらず、ここからの視聴です(が、充分に楽しめました♪)。

[2017冬 個人内ランキング 4位]

【総括】
心、洗われるアニメでした。絵本のページをめくるだけでドキドキしていた頃の気持ちを思い出しました。

忘れていたモノがたくさん詰まってる、古くて新しい素敵なアニメ♪

昭和のレトロ感が漂う映像にテンポ。落ちこぼれ魔法使いの奮闘と成長を描いた王道のストーリー。それらは意図的に懐古的に作られているものの、そのクオリティは高く、十分に新しいアニメと言えます。

パッと見、子供向けのようですが、小ネタなど笑える部分も多くてストーリーも良く、何気に深みがあるので大人にもオススメできます。というか、老若男女が楽しめるTHE・アニメですね♪ このアニメを日曜の朝に流してほしい!

あと、前後期共に、OPの歌詞、メロディー、爽やかで前向きで好きです。EDもレトロ感があり、素敵♪

ちなみにレビュータイトルは、「のだめカンタービレ」で、「千秋真一」が「のだめ」を見て言った言葉です。「のだめ」にもピッタリだけど、アッコにもピッタリだと思いました♪ 「時々」というのがポイントですw

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品には、アッコを中心とした、いくつかの対立軸が見える。

伝統を重んじるダイアナと、革新的な行動を繰り返すアッコ。その一方で、魔法(伝統技術)を愛するアッコと、科学(革新的な技術)を信じるクロワ。政治の(現実的な判断が求められる)世界に身を置くアンドリューと、魔法の(夢を追い求める)世界に身を置くアッコ。

一方で型に囚われない行動を占めすアッコが、一方では魔法に固執する。それは一見すればやや矛盾を孕むものの、多分アッコの中では筋が通っているのだろう。

先日、あるテレビ番組で、オリラジの中田さんが、「科学とは、解明された魔法である」と言っていた(テレパシー→電話・魔法の箒→飛行機 など)。それはそれで正しい認識だと思うけど、アッコの信念とは違う。

魔法が何かを為すための装置、道具に過ぎないのなら、それはいつか科学技術にとって変わられるのかもしれない。でも、「魔法そのものに価値を見出だすのなら、魔法が科学にとって変わられることはない」。

そんな強いメッセージが、優しく発せられている印象。少なくとも、アッコ自身はそう信じて突き進んでいる節があった。

多分アッコは、シャリオのショーと同じものを、ワイヤーやレーザー光線で再現しても、あそこまでは感動しなかったんじゃないかな。それは、魔法が、あくまで人の(内側からくる)力だから。

シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったが、もっと大きなもの、「夢みる力」「信じる力」を与えていた。そして、それこそが真の魔法であり、世界を変える力だった。

クロワが目指したのは、「世界(行動・環境)を変えることで、人(心・想い)を変えること」。シャリオやアッコが目指したのは、「人(心・想い)を変えることで、世界(行動・環境)を変えること」(若い日のシャリオは方法を間違えてしまうが)。

最終話。アッコとダイアナ。クロワとシャリオ。魔法と科学と政治。様々な対立が解消され、ひとつになった。正に大団円。あれ以上素敵なミサイル爆破シーンは知らない(笑)


「間抜けのアッコ」「不気味のスーシィ」「空気のロッテ」

現実の学校の教室でも、ともすれば隅に追いやられしまっているような少女達。しかし、周りがどんな目で見ようとも、彼女達自身は自分を信じ、互いを信じ合い、支え合っている(憎まれ口なんかも叩き合いながら♪)。そんな少女達が小さな力を出し合い、大きな事を成していこうとするのだから、心が踊る。

「何か成す者とは、歩み続ける愚者である。成せぬ者とは、歩みを止めた賢者である」

という言葉は、「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の「セリカ=アルフォネア」の言葉だが、アッコ達にピッタリの言葉だと思う。

OPの爽やかな疾走感。安定した高レベルの作画(特にバトル)。熱さもギャグも感動も、ほどよくある1話完結ストーリー。落ちこぼれで視聴者の共感性が高い主人公。エロなし。なにより、夢に溢れる古典的な世界観。

魔法で何かをしたいのではなく、ただ魔法を使いたいだけだった女の子。それが徐々に自分のやりたいことを見つけていくという、実に王道な成長物語だった。

ホントに「誰にでも勧められる」良アニメ。なんか、「もう一度夢をみよう」と、思った。
{/netabare}

【余談(実は似ていると思う作品)】
{netabare}
この作品、私は「NARUTO」に似ていると感じました。NARUTOの初期~中期(ナルト少年時代)の感じ。

アッコは当然、ナルト(性格的にも、魔法の才能が吸われている点でも)。ダイアナは、サスケ。

シャリオはエロ仙人(アーシュラはイルカ先生)で、クロワは大蛇丸。スーシィはサクラでロッテはヒナタかな? 同室3人の関係性は「第3班」のようだったし、アマンダ・コンスタンツェ・ヤスミンカは、まるで「猪鹿蝶トリオ」のようw

ルーナノバは、この葉隠れのアカデミーって感じだしね。

いや、NARUTOをパクっているとかそんな無粋なことを言いたいのではないです。「ポイントを押さえた、実に王道な作品」だということです(両者とも)。

この作品にはどこか、少年漫画のような真っ直ぐさや熱血感、爽快さがありました。まあ、NARUTOに近ければ当然ですね♪
{/netabare}


【各話感想】
{netabare}
1話目
古くさい映像、好きですね、こういう作画。私は「リトルウィッチ」より先に「宇宙パトロールルルコ」を観ていたので、スーシィが出て来て嬉しかったw 主要キャラ3人の出会いと初めての冒険、なかなか盛りだくさんの初回でした。

2話目
ねるねるねるねw 展開が良いね。こっそりイタズラするスーシィが可愛い(笑) カードゲームにハマっていたから(初心者&劣等生でも)呪文を暗記していたというのは上手いな~と思った。

3話目
流星号、最後は自由になったんですね。爽やかな終わり方でした。

4話目
ロッテ回。アッコの逆ギレw アッコにとってのシャリオが、ロッテにとってのアナベルなんだね。ただのパロギャグ回かと思ったら、なかなか面白い展開に。スーシィ、キノコしか探してないw アッコとロッテの違い、なかなか深いな~と。

5話目
あれ、ドラゴンというよりワイバーンですな。なんだ? バトルも面白いじゃないか! 各キャラがちゃんと得意魔法使ってたし。ドラゴンが投資家w

6話目
崩れ落ちる通路を駆ける古典的シーン、久々に観た(笑) イケメン、マジ、イケメン(笑)

7話目
魔法の試験。試験範囲の意味も分からない(笑) パイシーズ先生、、、これ退学でもヌルイんじゃ(笑)

8話目
スーシィ回。なんか、テーマ性というか、メッセージ性が強い回だったな。これまでと、やや作風が違うかな。嫌いではない。

9話目
い、良い話しや。校長も良い味だしてる♪

10話目
惚れ薬(蜂)なんて、なんて古典的なw なんか、ラブコメの波動が(笑) あんな顔(ベルばら風)が、アンドリュー好みなのかなw この3人娘の恋ばなとか、なんか普通の中学生(いも)っぽくて良いね♪

11話目
いや~、スーシィの毒舌、いちいち好きだわw 熱いね。

12話目
アッコ達三人娘は、三人セットではなく、三者三様なのがまた良いね。なんか、すげぇ謂い話だった♪

13話目
現代魔法か。そういうジャンルもあるんだね。なんか、黒幕登場?

14話目
久々に全力バトル。ん? セカイ系に移行?

15話目
ネットw 遅い~ムリ~w シャールストレミングのパイかな? 相変わらずテンポが良いね。

16話目
サブキャラの使い方も上手いし、何気にバトル作画が良いよね、このアニメ。

17話目
アマンダ回。ここにきて、またサブキャラを活かしてくるか。

18話目
コンスタンツェ回。なんかこの、同期で同室の3人の通じあっている感じ、NARUTOっぽいな。まさかの巨大ロボw なんだ最後のコンスタンツェの笑顔、破壊力抜群か(笑)?

19話目
あれだけ色々あったダイアナを、本気で迷いなく止めるアッコは、らしいですね。ダイアナもシャリオファンだったってのは、良い設定だ。

20話目
しきたりは、破るためにある(笑) スーシィの毒に比べれば(笑) 最後は壮大で感動的。流石のバランス。この2話だけで映画をつくれそう。

21話目
アッコの根本にある、幼さがマイナス方向に出た話。クロワも、シャリオを殺しい程憎んでいるわけではないのですね。皮肉にも、憧れのシャリオから空を奪ってしまったアッコ。でも、引き継いだのは思い。そんな話でしたね。

22話目
政治の世界の話、過激なナショナリズムが描かれはじめましたね。これは意外な展開。実はアッコから魔力を吸いとったのがシャリオだったなんて……。

23話目
う~ん、ドリームヒューエルスピリットを使わせたのがクロワか。単純にクロワが悪い感じだね。

24話目
スターウォーズ(笑) シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったけれと、もっと大きな力、信じる心を与えていたのですね。

25話目
良い最終回だった。それ以上の言葉が、必要ですか?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私が個人的に最も苦手なタイプの魔法もの

私の個人的な感想を一言でいえば、
《①シナリオや、②キャラの心情推移を、丁寧に追っていこうとすると、馬鹿を見てしまう類の作品》
・・・ということになりました。
でも、まあ、そういうことってあるよね。

同じ魔法ものでいうと去年見た『終末のイゼッタ』、それから魔法ものではありませんが特殊なSF設定のある『電脳コイル』あたりが、個人的に本作と同じような感想になった記憶があります。
(序盤である程度の期待感を抱かせたくせに、中盤からシナリオ等がどんどん微妙になり、終盤は最早どうでもいい話になってしまってガッカリした点が共通)。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点の感想
ワザとらしい作画や展開が、個人的にかなり苦手な部類の作品である。
このような作風の作品を、無条件に『まどマギ』『なのは』『CCさくら』等の上に置いてしまう人がいることに少しイラつく。
但し完走して本作の内実を確り見極めたいとは思う。
・第2話視聴終了時点の感想
ヒロインの魅力のなさは相変わらずだが、魔法学院の生活ということで、『レディジュエルペット』みたいな展開(前半の少女たちの成長物語を踏み台にして、後半からセカイ系に発展)になるのか?少しだけ期待感を持つ。
・第10話視聴終了時点の感想
やはりヒロインの性格や行動の安直さからくる魅力のなさにゲンナリする。
(同様に魔法系学園での修行込みのコメディものの良作『レディジュエルペット』(※個人評価 ★ 4.2)のヒロイン(ももな)と比較しての感想)
・第14話視聴終了時点の感想
ヒロイン(アッコ)の性格や行動の厚かましさに閉口してしまう(とくに妖精労働者のストライキ扇動は、やり過ぎ)。
アッコの性格や行動が、『おジヤ魔女どれみ』のどれみに何となく似ているので、同作品を好きな人にはお勧めできる作品なのかも?
・第18話視聴終了時点の感想
こんなとこで場違いな合体ロボットを出してくるとか・・・下らないギャグ・アニメになっていいの?
・第20話視聴終了時点の感想
ダイアナの叔母一家が分かり易い悪人達で、第18話のロボット出現と併せて“作品の格”をだいぶ下げてしまった印象。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         TRIGGER / 吉成曜
監督         吉成曜
シリーズ構成     島田満
脚本         大塚雅彦(無印他)、島田満(映画他)、うえのきみこ、樋口七海、佐藤裕
キャラクターデザイン 吉成曜(原案・劇場版)、半田修平(TV版)
音楽         大島ミチル
アニメーション制作  TRIGGER{/netabare}


◆作品別評価

(1) アニメミライ版   ☆ 3.9
(2) 劇場版       ☆ 3.6
(3) TVシリーズ    × 3.4
-------------------------------------
 総合          ☆ 3.5


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======== リトルウィッチアカデミア (アニメミライ版) (2013年3月) ========

全1話 ☆ 3.9 {netabare}シャイニー・アルク発見、ドラゴン退治{/netabare}※約25分、作画・演出はいいけど、これだけでは何とも・・・


=== 映画 リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード (2015年10月) ===

全1話 ☆ 3.6 ※約55分、だからどうしたの?位の感想にしかならない・・・

主題歌 「Magic Parade」
挿入歌 「ふたつの夜」


========== リトルウィッチアカデミア (TVシリーズ) (2017年1-6月) ========

 - - - - - - - - OP 「Shiny Ray」、ED 「星を辿れば」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 新たなるはじまり ☆ シャリオの魔法ショー、アルクトゥルスの森とシャリオの魔法の杖、魔法学校入学
第2話 パピリオディア ★ 魔法学校の授業と生活(仲間たち)、記念樹とパピリオディアの蝶
第3話 Don't stop me now ★ 伝説の箒(流星号)、箒リレー ※ディズニー/ジブリ風の演出が個人的に苦手× 
第4話 ナイトフォール ☆ ロッテの大好きな小説の作家(アナベル)、古道具の精霊
第5話 ルーナノヴァと白い龍 ☆ 魔導石紛失、学園の財政危機 ※微妙な展開・・・
第6話 ポラリスの泉 ☆ アンドリュー(ハンブリッジ伯爵長子)来校、シャリオの祈り、アッコの願い
第7話 オレンジサブマリナー ★ 問題児アッコ、退学の危機 ※ギャクのツボが自分と完全にズレてる点は× 
第8話 眠れる夢のスーシィ × ※同上(単に奇を衒ったお騒がせ話にしか思えない) 
第9話 ブライトンベリーアンデッド紀行 ☆ ミランダ・ホルブルック校長のパパのアンデッド ※コメディパートがクドい×
第10話 蜂騒ぎ ☆ ハンブリッジ伯爵家パーティ、惚れ蜂の悪戯 ※スーシィ安直な便利屋キャラになってて×
第11話 ブルームーン ☆ 10年間消息不明のシャリオ、洞窟の亡霊、第2の言の葉の蘇り ※動きのある回だが分かり辛さは×
第12話 What you will ☆ 魔法祭の準備、ポラリスの泉再び
第13話 サムハインの魔法 ★ 魔法祭、バハロアの呪い、第3の言の葉の蘇り{/netabare}

 - - - - - - OP 「MIND CONDUCTOR」、ED 「透明な翼」 - - - - - -
{netabare}
第14話 ニューエイジマジック × 現代魔法の使い手(クロワ)赴任、妖精ストライキ、クロワの策謀開始 ※脚本の酷い回
第15話 チャリオット・オブ・ファイア ★ クロワとシャリオの因縁、狙いは世界改変魔法、アーシュラ先生との会話
第16話 ポホヨラの試練 × 4番目の言の葉、緑人間病 ※脚本が酷い回
第17話 アマンダ・オニール・アンド・ホーリー・グレイル ☆ エイプルトンの伝説の聖杯、アンドリュー久々登場回
第18話 空中大戦争スタンシップ × ワイルドハント(ゴーストを狩る集団)、ゴースト暴走 ※合体ロボット登場はさすがに場違い過ぎ
第19話 キャベンディッシュ ☆ ダイアナの退学・継嗣騒動、彼女の背負うもの
第20話 知性と感性 ☆ 続き、アッコとアンドリューの貢献、当主継承儀式の未達、5つ目の言の葉 ※見所はあるが脚本は粗雑×
第21話 ワガンディア ★ 6つ目の言の葉 ※シャリオとクロワの因縁が明かされる回だが、展開が遅すぎる点、そしてキャラの心情推移に説得力が不足な点は× 
第22話 シャリオとクロワ ☆ シャリオ身ばれ、ドリーム・フューエル・スピリット ※謎回収の中身がショボ過ぎる×
第23話 Yesterday ☆ シャリオの過去、ダイアナの過去、ノワール・フューエル・スピリット ※設定矛盾が目立つ回
第24話 アルクトゥルスへの道 × 市民暴動の発生、魔力の消滅、機械の暴走、最後の言の葉、世界改変魔法 ※最早どうでもいい話に・・・ 
第25話 言の葉の樹 × 魔獣の取り付いたミサイル ※ED「星を辿れば」{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)13、×(疑問回)6 ※個人評価 × 3.4

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

67.2 3 TRIGGERでファンタジーなアニメランキング3位
リトルウィッチアカデミア(アニメ映画)

2013年3月2日
★★★★☆ 3.9 (286)
1448人が棚に入れました
幼い頃に見た魔法ショーで魔法の魅力に取り憑かれ、ヨーロッパの魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。大きな期待とは裏腹に日々の授業は意外と退屈。保守的な魔法界の雰囲気を打ち破り、魔法に夢を取り戻そうと張り切るアッコだが、周囲の目は冷ややかで授業でも空回りの連続。唯一の味方はルームメイトで親友のロッテとスーシィの2人だけ。 そんなある日、学校でとんでもないハプニングが発生。思いがけず事件解決の鍵を握ってしまったアッコは、ロッテ、スーシィ達と共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子
ネタバレ

ぽよぞー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

天才アニメーター吉成曜 初監督作品

『リトルウィッチアカデミア』は文化庁若手アニメーター育成プロジェクト『アニメミライ』2013年度の参加作品の1つ。
製作は、ガイナックスで天元突破グレンラガン、Panty & Stocking with Garterbeltなどを製作していたスタッフが結集し、独立した会社『トリガー』によるものだ。

かわいい魔女、ド派手なモンスター、心躍るストーリー、動きまくるアニメーション、作り込まれた設定。
どれを取っても高いレベルでまとまっており、約25分の短編アニメとは思えないほどのクオリティ!!

この作品を手掛けるのは、世界でトップクラスのアニメーター「吉成曜」であり、今回待望の初監督となる。

「新世紀エヴァンゲリオン メカ作画監督」を初め、ゲームのキャラクターデザインから、
アニメのメカニックデザイン、コンセプトアートまで手掛けるなど、アニメーター・イラストレーターとして超一流の実力を誇っており、業界内でもスーパークリエーターとして認知されている。

そんなすごい人物が、監督として初めて手掛ける作品の評価は…

まさに傑作!!の一言。

本作品は、2週間の劇場公開で絶賛され、劇場公開終了後、公式でYoutubeに全編UPするなどして話題をさらい、日本国内だけでなく、海外でも絶大な反響を呼び、続編の制作も決定した。
続編では、クラウドファウンディングによる資金調達を行う手段としてKickstarterを利用し、
続編を期待するファン達から直接的に製作資金を集める等、新しいアニメビジネスとしても注目される。

『真のアニメファン』なら、今後最も注目しなければならないアニメの1つである。

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●あらすじ
小さい頃に見た魔法ショーで魔法の虜になってしまったアッコは、期待を胸にヨーロッパの魔法学校に入学するが、
魔法ショーのド派手でワクワクなイメージとは違い、実際は退屈で眠たい授業ばかり・・・
しかしそんなある日、学校で思わぬ大事件が発生してしまう。
思いがけず事件解決の鍵となってしまったアッコは、親友のロッテとスーシィと共に学校崩壊の危機に立ち向かう!

●脚本
25分と短い制約はあるが、斜に構えず、王道に書き切っている。
昨今のアニメは、伏線を立てまくり、それっぽく回収した風に見せかけて投げっぱなし等の非王道な脚本が多い印象だが、そんな時代に敢えて、クラシックなスタイルで王道を貫き、傑作足らしめたのは見事。

●映像
『元ガイナックス』と言っただけで想像出来る人は多いと思われる。
いわゆる金田的な動きなど、キャラクターがケレン味たっぷりに動きまくる作画が特徴。
それに加えて、本作ではカートゥーン的な動きがブレンドされているので、日本のアニメしか知らない人にとっては新感覚を味わえるだろう。
しかし最も注目するべきは、監督、吉成曜さんによるレイアウトの凄さ!必見。

※動画枚数約17,000枚

●楽曲
大島ミチルによるフルオーケストラ。しかもフランスでオーケストラ生収録!
25分のアニメなのに気合入れすぎでドン引きするクオリティ。

●作品の属性(ピン!と来たら是非)
魔女
カートゥーン
{netabare}ダンジョン
ミノタウロス
ドラゴン
空中戦{/netabare}

●吉成曜さんの過去の代表的な仕事
新世紀エヴァンゲリオン (1995-1996) メカ作画監督
ヴァルキリープロファイル (PS/1999) キャラクターデザイン
天元突破グレンラガン (2007) メカニックデザイン
Panty & Stocking with Garterbelt (2010) コンセプトアート コンテ・演出・作画監督・設定協力

●アニメミライとは?
2010年度から始まった文化庁若手アニメーター育成プロジェクト。
国内のアニメ制作プロダクションからオリジナルアニメーションの企画を公募し、
選考の結果選ばれた4社が、未来を担うアニメーターを育てながら、約25分の短編アニメを生み出す。

※『若手アニメーター育成』の為に行う事業なので、営利目的でないという所が重要です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

シェリー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

見習い魔女の魔法学校にて!

人々に魅せる魔法でショーを開くカリスマであるシャイニー・シャリオに憧れて魔法学校に入ったアッコ。
やる気と情熱は誰よりもある!だけど実力がついてきてはくれず、常に空回りしてしまいます。
私の憧れであるシャイニーもここでは「魔法の間違ったイメージを植え付ける」と忌み嫌われている。
でもアッコはめげません!頑張ってシャイニーに追いつくんだと彼女なりに精一杯取り組みます。彼女なりにね。
そんなある日、実習の最中に古代のドラゴンが蘇っちゃった!
さらに、たまたまアッコが拾った杖はなんとかつてシャイニーが使っていた杖だった!
二度と輝きが戻らないとされていたのにその杖は微かな光を灯していました。
と、なればドラゴンを倒せるのはもうアッコしかいません。がんばれアッコ!負けるなアッコ!

単純爽快な「選ばれし勇者」ストーリー。
数多の作品で使われてきたパッケージをごっそりと中身だけ変えてそのまま作ってきました。
おいおい、そんなもん何が面白いんだいと不思議に思われます。いやまあ大して面白くはないんですがw
魅力は、というか目立つ違いは、キャラクターと柔らかい作画ということになると思います。
主人公のアッコと大人しく控えめな友人ロッテ、ちょっとマッドなスゥシーの三人が基本の登場人物です。
そこでほんの少し異なった個性や人間関係を描くことで差別化があるような、ないような…
でも作画はすごく良いんですよ。動きが柔らかいし、キャラの表情もとても豊かです。
静止画はほとんどなくどの場面も細かいところまで動かし、リアルな動きを追及しています。
魔法の見せる魅力も過去どの作品と比べても落ち度はありません。
炎や魔法の矢を放つ瞬間やドラゴンの爆発シーン、箒で空を飛ぶ様子などかなりいい。
特にキャラクターはこの作品の目玉です。デフォルメもちょうど良く、線を太く濃くはっきりと描かれています。
僕はアッコのカエル顔が好きです。カエルに似てません?彼女は喜怒哀楽がはっきりしていてとても愛らしいです。
一番好きなキャラはスーシィです。スーシィとっても好きw全身のシルエットやあの独特なしゃべりがツボです。

好きなシーンはアッコがシャイニーの杖を持ってきて先生に見て見て!ってやってるとこ。
ここはちょーかわいいです!ホントかわいい!あとスーシィの毒殺シーンも好き。なかなかグロいけどw



でも、作品自体のレヴェルは僕は低いなあと思います。ほんとに面白くない。
単発的に映像にワクワクさせられることはあっても、話の流れの中に戻るとすごく味気ないです。
既視感もそうですし、いささか単純すぎるシナリオそうですし、話の流れそのものが単調であると感じます。
これはどう言ったら伝わるのかわかんないけど、場面が変わっても変わってもそこに落差がなく、
いつまでも同じものがずっと連なっている感じというか、そんな感じです(笑)
あと個人的にはアッコ役の藩さんの芝居があまり好きではありませんでした。声はアッコに合ってると思います。
ただ、ちょっとうるさいw 甲高い声自体好きではありませんし、ちょっとオーバーにやり過ぎで芝居臭いです。


表紙パケの花火をバックに立つシャイニーのかっこよさに惹かれて観てみたけれど、まあそれなりのものでした。

あでゅー。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

『魔法使い』でも『魔法少女』でもなく10割が『魔女っ子』で出来ています(キリッ 最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ

今年度のアニメミライはヲタ向けに振っていると散々言ってきましたが、今作はまさにそれの典型であり本当の意味でコアなヲタが狂喜乱舞しそうな内容の全く持って偏った作品であることを先にお詫びしておきましょうw
つまりオイラ向けです!w


最低限の言葉で説明するならば「かわゅい」、「微グロ」、そして「作画スゲェ!」の3つ
これだけでも十分じゃないかなってくらい軽快な作品ですw


幼い頃に魔法ショーで見た魔法界のヒロイン『シャイニィ・シャリオ』
その魔女にそぐわぬ派手な外見と大袈裟な魔法の数々に「いつか自分もシャリオのように」と憧れた少女『アッコ』
やがて月日は経ち、理想と現実のギャップに四苦八苦し、劣等生とからかわれながらも仲間達との魔法学校での日々を一生懸命に過ごすアッコ
ある日のこと、ダンジョン探求の実地授業で危険なドラゴンが暴れ出す事件が起きる
ドラゴンの暴走から学校を守るべく、アッコと仲間達は奮闘する・・・


まずこまけぇことを言ってもしょうがない
ようつべで“公式に無料配信されてます”のでまずご自分の目でお確かめ下さい


https://www.youtube.com/watch?v=RBlqxEIJ_Cg


アニメミライ関連作品はほとんどの場合は限られたカタチでしか公開されないが、プロジェクト終了後に作品の権利は制作会社に返却されるはず
にも関わらず、これまでプロジェクトの作品はほんのわずかな数量しかソフト化されず現在では入手困難なものばかり;
今作のように無料配信されるのは大変に喜ばしいことです
今のうちに目に焼き付けておかねば、次はいつ観れるのかワカラン!w


さて、今作の監督についたのは天才アニメタ、吉成兄弟の弟である吉成曜
作ヲタならその名を知らぬであろう名アニメタでありまして、古くはテレビシリーズ『エヴァンゲリオン』の戦闘シーンの大半を
特に12話で陸上競技のように疾走する三機のエヴァは有名
近年だとやはり『グレンラガン』とか『パンスト』が記憶に残りますね
そんなスーパーアニメタの氏が遂に監督を務めることとなり、業界各所や作ヲタは歓喜に湧きました


『パンスト』でも氏が愛するカートゥーンアニメーションの要素が持ち込まれていましたが、今作は自身の監督ということで自らキャラクターをデザイン
やはりどこか70~80年代の海外アニメ作品の雰囲気を匂わせるモノで、ダークグレイッシュな色調、陰影のハッキリしたベタ塗りな色使い、大きな白目など
『フリクリ』や『トップ2』に似た要素ですよねw
これらは昨今の美少女系作品の傾向とは真逆のベクトルを向いてるのが面白いところです



そんな氏の可愛らしいキャラが、とにかく所狭しと動きまくる
細かい芝居はモチロン、魔法を使うってことで光や炎などエフェクト類もホンマ丁寧
魔法バトルの迫力はむしろスクリーンで観た方が痛感しますかな?
作画に関しちゃ言うこと無しの100点満点
メチャクチャすげぇっすよ!


個人的に推したいポイントは主人公の友人スーシィやライバル役となるダイアナさんといった濃ゅいサブキャラクターの可愛さが異常なところw
微グロな場面もあるので決して子供向けではないのですが、そこだけ割り切れば、、、というか前述の通り「ヲタ向け」に振り切ってる作品なのでご視聴の際は覚悟を決める必要アリです^q^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32

67.4 4 TRIGGERでファンタジーなアニメランキング4位
リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード(アニメ映画)

2015年10月9日
★★★★☆ 3.9 (177)
1033人が棚に入れました
幼い頃に見た魔女・シャイニィシャリオのショーで魔法の魅力を知り、伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学したアッコ。
騒動ばかり起こしているアッコと、友人で世話役のロッテ、皮肉屋のスーシィの3人は、罰として魔女狩りの歴史を再現したパレードに参加させられることに!
同じく問題児グループのアマンダたち3人と一緒にパレードを成功させなければ、落第決定。
しかしどうせなら、シャイニィシャリオのショーのように思いっきりハッピーなものにしたい!!
街全体を巻き込んだ、アッコたちの魔法仕掛けのパレードが動き出す──。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

“THE HAPPYTINE 計画”!魔法が素敵なものだって、みんなに知ってもらいたい♪

2013年に公開された“アニメミライ”の1つ、
「リトルウィッチアカデミア」。

その続編として、
2015年に公開されたのがこの作品です。

DVDには2作同時に収録されているので、
先に前作から観ることをおすすめします。

前作は30分、
本作は1時間ほどの作品です。

ちなみに、2017年のTVシリーズは本作の続編ではなく、
完全新作だそうです。(私はまだ観ていません。)


● ストーリー
魔法学校の生徒であるアッコ、ロッテ、スーシィ。

彼女たちは学校でよく騒ぎを起こしていた。

罰として、ふもとの街で行われるお祭りの、
魔女パレードを成功させるよう命じられる。

魔女パレードは魔女狩りを模したパレードで、
どう見ても楽しそうなものではない。

他の問題児3人が加わり、
パレードの計画を考え始めた。


標準的な映画と比べると短い時間ですが、
中身に関して物足りなく思うことはありませんでした。

テンポよく話が進むので、
むしろこの時間でよかったなと思います。


話のオチからエンドロールへ。

この時の気持ちって映画の感想に大きく影響すると思うのですが、
いやーとても清々しくて満足度の高い終わりでした。


≪ うまい!空気作り ≫

アッコは幼い頃に観た魔法への憧れが強く、
魔法に対して“かっこいい”という明るい印象を持っています。

そんなアッコのキャラが
とても大切にされているような気がします。

様々なハプニングが起こり、
ピンチに立たされることも。

しかし、
ピンチが嫌な緊張感になることは決してない。

なんかむしろ「もっとやれー!」な楽しさw

それはキャラたちが意図的に作った空気なのですが、
それがそのまま作品の空気になっちゃうんですね。

空気がいいから、
この作品に対して悪い印象を抱きにくい。

結構荒いんですけどねえ、脚本w
{netabare}
・街が破壊されているのに演出だと信じてうろたえない市民。
 演出だとしても相当派手に破壊されてますけど…。笑

・すごく難しいと言ってた高等魔法を、 あっさり使えてしまう3人。
 火事場の馬鹿力ってやつ?いやいや無理あるだろ。笑
{/netabare}

魔法っていいな~と純粋な気持ちで憧れちゃいます♪


≪ 物語を動かしていたのは悪ガキたちだった ≫

魔女をバカにしている街の悪ガキたち。

物語が展開するときにまず動くのが、
この悪ガキたちなのです。

メインキャラ以外のキャラが物語の舵を切ることで、
物語に意外性が生まれる。予想しなかった方向へ物語が動く。

この作品の楽しいところの一つに、
そういう“一筋縄でいかないところ”もあると思います^^


● キャラクター
私、どうもアッコが好きになれなくて。

自分がやりたいことしか考えてなくて、
それがすべて正義だと思っていて、
平気で周りを振り回す。

にぎやかで明るいキャラだけど、

周りの人たちの気持ちを何も考えず、
自分がやりたいことだけに一直線な姿には高い好感は持てない…。

夢は思い描く。しかし口だけで自分が努力をすることもない。

何か不都合があれば、
周りのせいにしたり、わかってくれない人を悪く言う。

…ほら、アッコ最低な主人公じゃない?笑


しかし、そんなアッコを私に見捨てさせない存在がありました。
2人の親友、ロッテとスーシィです。

特に終盤のロッテの台詞がすごくて。

アッコ:
「{netabare} ごめんね。いつも自分勝手で、ロッテの気持ち考えないで。 {/netabare}」

ロッテ:
「{netabare} いいの。だからアッコは、私ができないことができるの。前を向いてどんどんやりたい方に進んでいくの。それがアッコだよ。 {/netabare}」

アッコの悪いところを全部わかっていて、
それでも悪いところじゃなくて、よいところを大切にしているんだな~と、

なんて懐が深い人たちなんだと、感激しました。

ロッテのこの台詞が、
アッコというキャラをすべて表している。

「アッコが腹立つんだよね。」なんて思っていた自分は、
なんて歪んでいると思いました。反省。笑


● 音楽
【 主題歌「Magic Parade」/ 大原ゆい子 】

この主題歌好き♪

爽やかでキラキラしていて…
私の好みです^^


● まとめ
私の中では珍しく、
「キャラに好感は持てないが、物語は好き」な作品でした。

手描きのぬくもりが伝わってくる丁寧な作画も好きでした。

アッコの自分押し付けな行動は好きではないけど、
夢を恥じない一直線な姿は見習いたいな。

テレビシリーズも観たいと思います♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「忘れないで、信じる心があなたの魔法よ」

この作品は、2015年10月に劇場公開された作品ですが、実はこの作品には前日譚に位置付けられる作品があるんです。
2013年の「アニメミライ2013」で公開され、2014年の1月からレンタルが開始されている「リトルウィッチアカデミア」という作品です。
収録時間は26分なので普通にアニメ作品1話分に相当する尺となっていますが、作品自体が登録されていないので、合わせてレビューを記載したいと思います。

この物語の主人公は、日本人のアッコ…彼女は幼い頃に魔女シャイニィシャリオの煌びやかな魔法に憧れて、魔法家系でもないのにヨーロッパの魔法学校に入学した女の子です。
でも魔法使いを目指す者の多くは魔女の血筋を持つ者が圧倒的に多く、一般家庭育ちのアッコは言わば落ちこぼれ組…
それでも憧れの魔女に近づくため希望を持ち続ける…そんな女の子です。

「リトルウィッチアカデミア」では地下迷宮探索の実習中に、アッコはシャイニィシャリオの杖…シャイニィロッドを見つけるのです…本来そのロッドは2度と輝きを取り戻せないと言われていましたが、アッコがそのロッドを手にした途端にロッドが輝きだしたんです。
でもその実習では、同時に古のドラゴンの封印が解かれていました。
ドラゴンが地下迷宮から地上に出てきた事で学校は大混乱…
ですが、これまでろくに魔法の使えなかったアッコがシャイニィロッドを手に魔法使いの片鱗を見せてくれる…
こんな物語が描かれています。

一方、本作ではアッコ、ロッテ、スーシィの仲良し3人組は、仲が良すぎる反面、自由気ままな授業態度がそのままみんなの迷惑になっていて、その態度は一向に改善されません。
そんな3人に痺れを切らせた先生は、アッコを含めた問題児6人にこの街の伝統行事である「魔女パレード」への参加を命じるのです。
でもその魔女パレードとは名ばかりで、実質的には昔行使されていた魔女狩りを、学校の生徒を魔女に見立てて再現したお祭りだったんです。

「どうせパレードを見てもらうなら、見に来てくれた人が笑顔になれるようなパレードにしたい」
アッコらはこう考えて物語が動いていきます。

作風は、一目見てTRIGGERさんだと分かるくらい、キャラの勢いや躍動感など表現の特徴がしっかり捉えられています。
「お客様を喜ばせたい」
シャイニィシャリオに憧れるアッコなら当然の発想だと思います。

でも何故、魔女狩りを再現したお祭りが街の伝統行事として今でも続いているのか…
学校の外では魔法使用に限界があり、学校の中の様にうまく魔法を使えない事も後押しして事はそんなに単純には運ばないんです。
結果的に実現不可能な議論を堂々巡りさせた成れの果てで待っているのは亀裂しかありませんでした。

でもアッコは諦めません。
何故なら、ここで自分が諦めたらもう「狩られる」事しか選択できなくなるから…
彼女のありったけの知恵と時間を絞り出した「彼女らしさ」は迫力満点です。

それとこの作品の魅力は豊かな表情を持ち合わせたキャラデザだと思います。
TRIGGERさんのキャラは喜怒哀楽が全身で表現されていますが、それがまた作風にピッタリなんですよね…
それに所狭しとキャラが画面一杯使って動き回るのも見ていて楽しいと思います。
「綺麗」とか「汚い」という尺度で測れないこの作品のキャラも十分魅力的だったと思います。

完走して言える事…それは2017年冬アニメで放送予定の「リトルウィッチアカデミア」には十分期待できる、といったところでしょうか…
「キルラキル」でも同じ事を感じましたが、この作品も躍動感が半端ありません。
90分弱の作品なのですが、タイトルに相応しい内容だったと思います。

もし、現在放送中の作品を見て過去作が気になった方は、視聴をお勧めできる作品だと思いました。
引き続き、2017年冬アニメの放送を視聴します。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

【これがTRIGGERの本気!】アッコに勇気付けられ、ロッテに泣かされ、スーシィに爆笑させられる【超豪華スタッフによるネ申作画と新しいアニメの作り方!】

2013年度アニメミライに採用されたTRIGGERの短編作品『リトルウィッチアカデミア』の続編で長篇作品です


舞台は魔女を養成する名門、ルーナノヴァ魔法学校
幼い頃に観た魔法ショーへの憧れが忘れられず魔女を目指す問題児、アッコとその友達たちが巻きこすドタバタファンタジー
街で開かれるお祭りのパレードに参加することになったアッコとその友達たち
しかしパレードは魔女狩りを再現した陰険なもので、ルーナノヴァでは忌み嫌われていて問題児達へのペナルティ的な側面が強すぎた
アッコは魔女の悪いイメージを払拭すべく、ハッピータイム計画なる明るく楽しいパレードを企てるが友達たちとの折り合いが付かず一人空回りしていく・・・


上映前に30分の前作が流れ、その後に60分の本作が流れるので全くの予備知識無しでもオーケーb
魔女っ子ファンタジー、歯に衣着せぬキレたギャグ、ドタバタマジックアクションがお好きな方は是非チェックしていただきたい!
新たに加わった新キャラも魅力的でしたが、折笠富美子さんの歌声が久々に聴けたのには思わずホロっときちゃいましたね


監督は超天才アニメーター、弟成こと吉成曜
前作は新人の育成が主目的でしたが(と、いっても凄い新人さんたちでしたがw)今作では現在のTRIGGERを代表する夢のような作画メンバーが一堂に集結
だから作画クオリティはめちゃくちゃ高いです!
『キルラキル』とか好きな人にもオススメします


実は今作が制作されるまでの経緯が特に面白いんです


アニメミライ2013のプロジェクト終了後、YouTubeで公開され大きな反響を呼んだ前作
すぐさま続編が企画されましたが、続編制作を成立するための資金調達としてクラウドファンディングで15万ドルも集めなくてはいけなかったんです
記憶が確かなら、日本のアニメがクラウドファンディングで制作費を調達するのは初めての試みだったはず
YouTubeでの英語字幕付きの公開も助けになり、特に海外からの熱いエールと応募があって目標を遥かに超す62万5518ドルが集まりました


丸2年の歳月を経て完成した本作の先行上映は、あえてアメリカ最大のアニメファンイベント、AnimeExipo2015で行われ4000人の観衆からスタンディングオベーションが巻き起こったそうです
そんなこんなで満を持しての国内凱旋ってわけ


これは本当に凄いことです
【日本のアニメをお金を払ってでも観たい】という海外の方々が本当に沢山いるんだってことをこの作品が証明してみせたわけですよ
と同時に、一見して無謀なオリジナルアニメ企画にもクラウドファンディングという形でなら直接消費者から制作者へエールを送れる、という可能性を示したのです


ずばりアニメの新しい制作スタイルを確立した歴史的一作と言えるでしょうb

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

84.9 5 TRIGGERでファンタジーなアニメランキング5位
ダーリン・イン・ザ・フランキス(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1076)
4705人が棚に入れました
遠い未来。人類が荒廃した地上で生き抜くために作り上げた巨大移動要塞都市では、名前のないコドモたちが戦うことだけを教え込まれながら、毎日を過ごしていた。コドモたちの1人であるヒロは、角が生えた謎の少女ゼロツーとの出会いを機に彼女のパートナーとなり、命を懸けた戦いに身を投じることとなる。

声優・キャラクター
上村祐翔、戸松遥、梅原裕一郎、市ノ瀬加那、田村睦心、山下七海、後藤ヒロキ、早見沙織、市川蒼、石上静香、小西克幸、井上麻里奈、堀内賢雄
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

【総評】 ストーリーよりも予想や考察で楽しむアニメ

TRIGGERとA-1 Picturesが組んでロボアニメを作ったらこうなるんじゃないかって感じのアニメ。


第1話~第4話 一区切りしたのでレビューしてみた
{netabare}
ロボアニメにありそうな展開がつづいている。毎回レビューしたくなるほどではない。有名な制作会社が組んだのだから、もう少し個性的な作品にしてほしい。

コックピット内の下ネタ会話は個性的でいい。あとは、どこかで見たことあるようなストーリー。
用語を調べると、ピスティル/ステイメンはめしべ/おしべ。そんな感じと思ったよ。フランクスはフランクのことかな。搭乗者の気分や気持ちが現れるから。


この手のアニメにありそうな展開を予想してみる。

・だまされて戦わされている
・叫竜は人類が作り出した
・ヒロとゼロツーは以前会ったことがある
{/netabare}

第5話~第8話 ロボなしのほうが面白かったかも
{netabare}
第8話はこれまでのなかで一番よかった。ロボなしのほうが面白い気がする。どこかで見たようなロボバトルがあるために、ありきたりなアニメに思えてしまう。

このペースだと2クールか。ロボなし1クールラストにオチあり、としたほうがいい作品になったと思う。
{/netabare}

第9話~第13話 予想通り
{netabare}
ヒロとゼロツーは会ったことがあると予想したけど、その通りだった。
気になるのは、子供たちがいなくなるのと、ゼロツーが人間化していくのに関連があるのか……。ヒロを取りこまないから、元の姿に戻ってるとか、そんなことを考えてしまう展開だった。
{/netabare}

第14話~第16話 謎が多すぎる
{netabare}
謎が多くて、予想するのが難しい。
ネットでよく見るのが、001がいてゼロツーと叫竜の姫を争っているとか。だけど、ここにきて新キャラがラスボスかなあ。ナナがコドモのときのキャラの可能性はありそう。

ゼロツーが人間と叫竜に分かれて、ヒロがどちらかを選択するとか考えたけど、選ぶのは叫竜の姫と言っている……。
ただ、ゼロツーが人間化してるのは自制心ではなく、ほかに理由があると思う。ミクの老化(?)は都市にいる人と同じ現象だろうし、都市に人がいなくなったから、影響が及んだような。都市そのものがゼロツーを人間化させるためにあるんじゃないかと。

ヒロはゼロツーと搭乗して体に変化が現れたけど、あれは叫竜と同じコアができたのではないか。ゼロツーと搭乗した人間が叫竜になっていくとか。

ほかに思いついたのを書いてみる。あの巨大な手は兵器かなにか。見られたら困るものを隠した。七賢人は角があるか、人工知能。地球ではなく別の星で、コドモたちを使ってその星の生物と戦わせているとか。

気になるキャラは、ナオミ。キャラ一覧にもあるし、ヒロが気にかけているのも伏線と思われる。ミストルティンを去ったキャラの代表として、再登場するんだろうな。
{/netabare}

第17話 556+214=?
{netabare}
子作りアニメになってきた。
ナナも子作りしているなら、相手はハチだろう。だから、こんな計算式を思いついた。

7+8=15(イチゴ)、7×8=56(ゴロー)

すでにネットで同じことを考える人がいた。だから、だれも考えていないのを探してみた。

ナナの子作り遺伝子を引き継ぐならココロのはず。ココロがフトシを捨てた理由もあるはず。それを表す計算式が、これ。

556(ココロ)+214(フトシ)=770(ナナ)

つまり、ココロとフトシは、兄妹(番号から考えてココロが妹)。無意識に兄だと感じて、フトシを捨てた。
でも、よく考えたら、子供より番号がデカいのはおかしい……。
{/netabare}

色々予想してみた
{netabare}
ナナの相手はハチではなく、ミクが見つけた写真のなかにいる。眉毛が太い男だと予想している。

オトナは肉体を捨てたアンドロイドかな(微妙)。

ほかの謎は『パシフィック・リム』を参考に考えてみた。

地球は叫竜の星とゲートで繋がっていて、グランクレバスが出入り口。叫竜を送り込んで資源を吸収している。
地球を救うために、叫竜の姫はゲートをくぐってやってきた。そのときに乗っていたのが、フランクスに似たロボ。
絵本のようなことがあったあと捕まる。同調されたりして、叫竜の目的を知られる。
叫竜の星を攻撃するためにフランクスを量産。姫のDNA(鍵)がないとゲートをくぐれないため姫からゼロツーを作る。
9'sは叫竜のコアで運ばれてきた叫竜星人。姫を助けにきて、居場所を教えてもらうまで従っているふりをしている。

謎の大部分が解決するけど、さすがにここまでパクらないだろう。もしかしたら、『パシフィック・リム』をパクっていると思わせるミスリードかも。
{/netabare}

第18話 痛ッ、が伏線だろう
{netabare}
ココロがナナと同じ境遇になるのはわかりきっている。衝撃回と思った人はいないだろう。だから、1話使うのはもったいない。謎が多いわりには進み方がスローペース。全部回収できるのか。

ナナのパートナーがハチでないのは予想通り。あとは眉毛が太いかどうか。回想シーンとミクが見つけた写真を比べてみた。メガネの男は共通しているけど、あとはあまり似ていない。ただ、ココロと同じように、ナナは髪をいじるのが大好きかもしれない。

あと、指輪を外そうとして、「痛ッ」で思い出す。たぶん、伏線。
{/netabare}

計算式を考えてみた(196-015=?)
{netabare}
イクノが百合とわかり、数字にもなにか隠されていると思って、探してみた。

現在のパートナー、フトシをどう思っているか。

214(フトシ)-196(イクノ)=18(いや)

ココロに捨てられ、イクノにも嫌われているようだ。
イチゴが惚れているヒロに対して、どう思っているか。

196(イクノ)-016(ヒロ)=180(いや)

やっぱり嫌っているようだ。
では、本当にイクノはイチゴに対して百合なのか。

196(イクノ)-015(イチゴ)=181

これを(強引に)漢字に変えると、百、八0(八と0)、一。並べ替えて縦にすると……。






百合という漢字が出現。やっぱり、百合だった。
{/netabare}

色々予想してみた2
{netabare}
推測する材料が乏しいので予想するのが難しい。まずは、叫竜がどこからきたのか考えてみる。

(1)別の惑星
これは前に書いたので省略。ただし、人類が移住してきたパターンも考えられる。その場合、プランテーションは移民船。

(2)感染
ヒロの竜化が感染なら、地球上の生物が叫竜となった可能性もある。七賢人のセリフは、感染をおそれて肉体を捨てたと解釈できる?叫竜の姫は抗体を持っているとか……。

(3)ガイア理論
地球の自浄作用により現れた。アニメによくあるガイア理論。マグマ燃料と関連があるかも。

宇宙からの襲来とか、地底や海底に潜んでいたのは、ちょっと古いかな。AIの仕業にするのが一番簡単だと思う。

つぎは、巨大な手について。
あれだけデカいのだから、全身は相当なもの。脅威になるのは間違いない。完全体になっていないか、拘束されているか、伸ばしたら手だけが届いたか……。叫竜を運ぶものとも考えられる。

あとは、恋愛や子作りは意図的な気もする。なんらかのシナリオがあって、恋愛するように導いたとか。フランクスもそのひとつ。
{/netabare}

第19話 太い眉毛が伏線か……?
{netabare}
ネットでは、某アニメのパクリと騒がれているが、『パシフィック・リム』にも似ている。二人乗りに変えたところとか。

謎が明らかになったように見えるけど、肝心なところはスルーされている。むしろ増えた気もする。

・遠い未来?
HPに遠い未来と書かれているけど、数十年は近い未来だろ。

・ご都合主義的なマグマ燃料
今回の説明だけで終わらないと思う。一般的なマグマとは無関係と言える。

・パイロットに生殖能力が必要
ロボ動かすのにそんなの必要ない。この点から考えても、人類が製造したものではないとわかる。


今回気になったのは、博士の嫁、カリナ。眉毛が太い。当然、二人も子作りしているはず。となると、こう予想できる。

博士とカリナの子供→ナナのパートナー、ナナとパートナーの子供→ココロとフトシ

こうやって太い眉毛が引き継がれていった……。
子作りしていくほうが美しい、というオチにもなる。
{/netabare}

【考察・予想】遠い未来について
{netabare}
百年程度は近未来の範囲ではないか。それと気になるのは、西暦がない点。公式HPの解説も2025年だけ。西暦2025年とか、AD2025とするのでは。ほかのロボアニメのHPを調べたが、西暦はついている。

文明が滅んでから2025年後、別の惑星に移住してから2025年後ではないだろうか?

遠い未来にも合致する。
しかし、オーストラリアやアラスカといった名称が出てくる。疑問を持たずに見れば近未来の地球で、西暦は省略したと解釈されるが、"遠い未来"の疑問は残る。

・文明は滅んだが、人類の記憶からは消えている
・別の惑星に移住したが、地球と思いこませている

強引ではあるが、こういう解釈もありうる。
次回は特番なので、三つのパターンで考察でもしてみようと思う。

1.西暦2025年(近未来の地球)
2.文明が滅んでから2025年後(遠未来の地球)
3.別の惑星に移住してから2025年後(遠未来の別の惑星)
{/netabare}

【考察・予想】謎を解く鍵はミツバチか?
{netabare}
叫竜の姫がオスのDNAを取り込んで、新しい生命を生み出したという計算式を思いついた。

叫竜の姫(001) + ハチ = 9's

"ナナ+ハチ=イチゴ"から、9'sがイチゴに興味を示す理由がハチだと推測できる。ただし、ナナハチには恋愛感情はないだろう。

さらに、恐竜から叫竜、博士の左腕から巨大な左腕が生み出された。

「働き蜂はすべてメス」。叫竜がメスなのはここからの発想だろう。ミツバチは蜜を集めて巣に戻り蜂蜜を作る。蜜にあたるのが地球上の生物(恐竜や人間)で、蜂蜜がマグマ燃料。叫竜の姫はオスのDNAを取り込んで新しい生命を生み、マグマ燃料で育てる。

・恐竜のDNA+恐竜マグマ燃料→叫竜
・博士の左腕+恐竜マグマ燃料→巨大な左腕
・ハチのDNA+人間マグマ燃料→9's


ローヤルゼリーを与えられて女王蜂が誕生する。ローヤルゼリーは花粉から作られる。花粉はオシベ(ステイメン)から出る。ゼロツーと搭乗する男はローヤルゼリーで、新しい女王を作るため。ゼロツーが餌と言っていたことと合致する。あと、ツノではなく触覚かもしれない。
{/netabare}

【考察・予想】コドモは遠い親戚か?
{netabare}
ヒロイチゴの10番台は、一桁のコドモ(ナナハチ・カリナも?)の組み合わせで生まれた。
メンデルの法則なら、ナナハチがP世代、ヒロイチゴがF1世代となる。

P世代とF1世代を交配させ、コドモを増やす。さらに、そのコドモとコドモからコドモを……と何世代もつづけていった。その結果、老化現象が起きた。F1であるヒロイチゴには起きず、ほかの子より感受性も高い。

兄妹といった血のつながりが強いと、フランクスのパイロットとして支障が出る。その例がココロとフトシ。兄妹の可能性は低いが、どこかでつながっているのだろう。ヒロとミツル、イチゴとイクノも遠い親戚だと思う。あと、ココロ、ミツルに老化がなければ、奇跡的な交配を経て結びついたと言える。

F1は毎回作っていたと思う。リーダーにもなるし、パイロット適性も高いから。そのほかのコドモはできるだけ血縁にならないよう交配していった。コピーではないのでナナのようなフラッシュバックもない。

現在は40世代目。ヒロの正確なコードはFP40-T3NL-016で、FP-40はフランクスパイロットの40世代目と考えられるから。
たくさん生まれても適性がないコドモばかりになる。だから、長い期間を経て、少しずつ増やしていった。一世代に15年かけたとしても、現在に至るまで600年かかる。現在は、西暦2700年くらいか。これなら遠い未来と言える。
{/netabare}

【考察・予想】予想が難しい三つの謎
{netabare}
第20話の予告を見たけど、転校生の女の子がヒロにキスして、幼なじみのゼロツーが激怒、みたいな感じだった。叫竜の姫がオスのDNAを取りこみ、新たな生命を作るという流れか。博士が作りたかったのはヒロ(竜化したオス)で、ゼロツーはそのための道具だった……そんな展開を予想してしまう。


マグマ燃料、叫竜の姫、七賢者は、推測する材料が少ないので予想が難しい。ただ、繋がっているとは思う。

・マグマ燃料
地球にあったとは考えにくい。外から持ち込まれたはず。高度な文明をもった女だらけの移民船が、生物のいない地球にたどりつく。DNAといったデータだけを残し、肉体は大地にささげ、マグマ燃料となる。マグマ燃料のおかげで緑豊かな星へと変わり、生命が生まれる。

・叫竜の姫
人口生命体で、巨大な宇宙船のなかにいる。オスのDNAを取り込み、新しい生命を作る。生物の進化を担っている。マグマ燃料が枯渇すると、大地が荒廃するため、叫竜に命じて取り戻す。いわば、自浄作用。

・七賢者
AI。移民船のデータを戻せる生物が現れるまで進化を見守る役目だった。しかし、長い時を経て創造主になる野望を抱く。叫竜の姫を取り除き、従順なゼロツーと取り換えようとしている。博士と七賢者の思惑は、ゼロツーを作る点では一致するが、そのさきは別だと思う。


次回は、 叫竜の姫を倒しにいくんだろう。倒すのは9'sかな。伏線としか思えないナオミも出てきそう。
{/netabare}

第20話 古典回帰に意表を突かれた
{netabare}
地球が住める星になるまで移民船が待機しているとか、叫竜のコアで運ばれてきた叫竜星人とか考えたけど、古すぎると思った。叫竜星人なんか書いてるとき苦笑だったよ。

地球を舞台にすると、どうしても宇宙からの襲来になってしまう。ゲートを使うとか工夫して、「あっ」と驚くものがほしかった。「ええーっ」だったので。
面白いことは面白かった。ネットでは賛否両論。じょじょに評価が下がりそうな気はする。

とりあえず、叫竜の姫と七賢者の謎は解決した。この二つは伏線が少なく難解だったので。叫竜が乗り物だったのは意外ではないが、進化するのはやられた感じ。進化するから叫竜の姫から生まれる生物と考えてしまった。

意外だったのは、ココロが指輪を外している点。「痛ッ」は伏線だと思うので、はめたときに思い出すんだろう。
気になったのは、叫竜の姫を見たときのヒロのフラッシュバック。これは考察してみたい。
{/netabare}

【考察・予想】OPの伏線回収か?
{netabare}
冷静になると、また考察したくなった。VIRMについてちょっと考えてみた。

叫竜人がいるなら、VIRM人だっているよね。ツノがふたつはVIRM人かもね。高度な科学力があるから、謎も簡単に解決……というわけで、VIRM抜きで考察することにした。


博士が言った「また持って行かれた」ものは、叫竜の姫。こう推測できる。

最初に博士が会った叫竜の姫はオリジナルで、001はコピー。

博士が作ったものにだけ、コードがつくと考えるほうがすっきりする。

オリジナルを持って行ったのはだれか?
VIRMとは考えにくい。この時点で現れたなら、七賢者が全員VIRMを認識しているはず。

オリジナル(叫竜人の女性)は、巨大な"左腕"(叫竜)になった。たぶん、ナナがいた部隊との戦闘で。

姫のパートナーは絵本の王子(竜化した人間の男)。

001は巨大な"右腕"になり、両手でゼロツーを受けとめる。ゼロツーは空を飛ぶ必要があるので、大槍に乗り込む。

エサは進化のためのデータで、姫は腕だけ、ゼロツーは全身(人間の男)を得た。ゼロツーは人間になれるが、人間の姿をした叫竜というオチ。詳しくはつぎの考察で書く予定。
{/netabare}

【考察・予想】第21話の予想
{netabare}
ヒロの体内のコアや知性のないスタンピード・モードは、叫竜になる前段階と推測できる。戦い続ければ、ヒロはコアになり、ゼロツー(正確にはストレリチア)は叫竜に進化する。

20話ラストのトラップは叫竜の姫のDNAから作られたと考えられる(高度な文明にしてはセキュリティーが脆弱)。DNAを変えるために、001は右腕(叫竜)になると予想。

第21話は、こんな感じかな。
ゼロツー大槍に乗り込む→001右腕になる(つがいがなくてもいい)→VIRMによって大槍大破→巨大な両手がゼロツーを受けとめる→ヒロのコアで大槍再発進(比翼の伏線回収)
{/netabare}

第21話 絵本の結末はどうなるんだ?
{netabare}
ゼロツーがなにかに乗ることはわかったけど、姫の叫竜だったとは……。叫竜に認められたのか。OPの両手受けとめが回収されてるのかも。

勢いに押されて気にせず見てたけど、あとから考えるとけっこう雑。
スターエンティティのためにゼロツーを作ったにしては、扉があかないとか、三人になれば何とかなるとか、もう少し練ってもよかったのでは。

今後は、アパスのなかで眠り続けるゼロツーを、ヒロが起こしに行くという展開か。ゼロツーが考えた絵本の結末があるので復活するんだろう。絵本だけ残ってる可能性もあるけど。そのあたりは少し考えてみたくなった。
{/netabare}

【考察・予想】今後の展開を予想してみる
{netabare}
第21話のラストは絵本の結末に沿っただけ。このあとゼロツーの考えた結末につながると思う。ゼロツーがハッピーエンドを考えたなら、このアニメもハッピーエンドになる。
例えば、生まれ変わりなら、ヒロとゼロツーも未来に転生し、こんな感じになる。

「遅刻、遅刻ぅ~」と言いながらパンを咥えて走るゼロツーが、ヒロとぶつかり尻もち。「パンツ見たでしょ」「見てない」と言い争っていると、空からVIRMが襲来。地下で眠っていたアパスが出現。起動因子がキスだと気づいて……。

第1話の魚を咥えるゼロツー、パンツを見つけるヒロという伏線(?)の回収にもなる。
{/netabare}

【考察・予想】気になる二人の結末を予想
{netabare}
パンを咥えて走るゼロツーを期待してるけど、予告を見る限りでは難しそう。
ゼロツーが考えた絵本の結末とヒロが描いた変な王子。この二つをどう扱うか。転生後の王子として絵本に登場できると思うんだけど……。

計算式も使って予想してみる。

ヒロ(016) + ゼロツー(002) = 18

漢字にすると、十八。さらに合体させると"木"ができる。
荒廃した地球を覆う巨大な連理木(れんりぼく)になる?

気になる二人が木になるか微妙だが、裸で抱きあうシーンはありそう。
{/netabare}

第22話 あれって、飛べるんだ……
{netabare}
絵本とつながっているのは予想通り。ゼロツーはアパスのなかで眠ってヒロが起こしにくると考えたけど、戦っていたか。アパスは迎撃システムじゃないのか? 「じつはこのアパス、空も飛べるんだ」というセリフを姫に言わせるべきだろ。

絵本にはまだ空白があるから、結末は変わる可能性があるし、変な王子も回収されていない。ただし、だれが書くのやら。
ナオミの伏線が回収されたけど、期待したものとは違うなあ。ヒロと再会させるキャラだろ。

ゼロツーがアパスに取り込まれたのは、スタンピード・モードだから。解除すれば戻れるんじゃないか。攻撃されて、アパスからストレリチアを切り離す気はする。そのとき肉体がないと、ゼロツーが戻れなくなる。だから、連れて行っている可能性が高い。

ゼロツー(肉体)も連れて行くのか、ココロの出産と火星に着くのはどちらが早いか、といった点を考察してみたい。
{/netabare}

【考察・予想】次回の展開を予想してみる
{netabare}
ココロの出産は最終回かな。ただし、絵本の読み聞かせのほうが絵になる。火星には一週間で着きそう。帰還できそうなのは、イチゴ(&ゴロー)。ただ、荒廃した地球に自然をよみがえらせる役目をヒロとゼロツーは担っている気はする。

ゼロツー(肉体)は連れ行くと思う。地球に残したままだと、ヒロが帰還しないといけないし、チュッチュできない。アパスに乗り込んだあと、スタンピード・モード解除。ゼロツー復活。攻撃を受けてストレリチア単体で敵本体に突入か。
{/netabare}

第23話 結局ラストは『パシフィック・リム』
{netabare}
ゼロツーの合流(というか融合)は笑えた。笑えるという意味では面白かった。
ゼロツーはこのアニメの顔ではあるが、アパスの顔にするのは微妙。擬人化させた感じ。アニメって好きだよね、こういうの。「地球に帰ろう」とか言ってるのもツッコミたくなった。ゼロツーアパスで畑を耕せば効率は上がるけど。

ゲートについては以前予想で書いた。結局、ラストは『パシフィック・リム』。映画では持参した爆弾を使ってしまい自爆を選び、パイロット二人が脱出する終わり方だった。このアニメもそんな感じになりそう。

ただ、このまま地球に戻っても体格差がありすぎて結婚式はできないので、転生ハッピーエンドの可能性が出てきた。
{/netabare}

【考察・予想】最終回を予想してみる
{netabare}
途中までは『パシフィック・リム』と同じになるだろう。持参した爆弾は群がる敵に使ってしまい、自爆を選ぶ。アパスの大きさから考えて威力は相当なもの。そのあと、ヒロとゼロツーがどうなるか。

1.都合よく地球に戻る
自爆寸前で姫の思念体が現れ、「あとはわたしに任せろ」とおいしいところを奪っちゃう。
ヒロとゼロツーは都合よく地球に戻り、しかも人間の体になっている。

2.ココロの双子として生まれる
結婚はできなくなるけど。

3.転生してハッピーエンド
エンディングが流れる数分間で、出会いから結婚まで演出。

ただ、人間ではなく、それを超えたところで結ばれるのがテーマなので、人間以外の可能性が高いかな。桜の木とか。
あと、気になるのは絵本の結末をだれが描くのか。ココロかイチゴかな。
{/netabare}

最終話 ほぼ予想通りの結末
{netabare}
桜の木、絵本、転生、これらのキーワードで予想していたから、ほぼ予想通りの結末。逆に言えば、わかりやすい面白みのない結末だった。

ラストシーンはきれいに収めた。散々視聴者をかきまわしたのだから、最後も意表をついてほしかった。
入学式に遅刻してパンを咥えて走るゼロツーを見たかった。八年後では転生としては早すぎるか。パンが出てきたときは期待したのに……。

まえにも書いたけど、ゼロツーが人間にならずに結ばれることがこのアニメのテーマだと思う。人間に転生したのは、ハッピーエンドを求める視聴者におもねった感じがする。

あと、巨大な腕は謎のままだけど、最終回を見た感じでは、ナオミの腕から進化したのかも。ミストルティンをよけた理由にもなる。説明がないのでなんとも言えないけど。

総評はそのうち書く予定。
{/netabare}

【総評】 ストーリーよりも予想や考察で楽しむアニメ
{netabare}
ゼロツーにウェディングドレスを着せたほうがよかった。

観終わって一番強く思う。
ロボなしでキャラだけのやり取りのほうが、いい作品になっただろう。

『パシフィック・リム』をパクったのがよくなかった。
("パクリ"と書いているが批判ではない。オマージュより見慣れているし、字数が少ないので)

『パシフィック・リム』は、二人乗りのロボで怪獣を倒す話。最後は怪獣がゲートをくぐってやってくるのを知り、爆弾でゲートを壊そうとするんだけど、途中で使ってしまい自爆。パイロットの二人は脱出してハッピーエンド、というシンプルで面白い作品。

これに余計なもの(VIRM)を入れたのがこのアニメ。
しかし、VIRMがないと、怪獣が叫竜になっただけの丸パクリになる。丸パクリになってしまうから、VIRMを入れたのだと思う。その結果、シンプルさを失い、評価も下げてしまった。


多くの視聴者を感動させたヒロとゼロツーの幼いときのエピソードも、パクリを疑っている。

監禁されている女の子を男の子が助けて一緒に逃げる→大人に捕まってしまい記憶をなくす→成長してから再会し、あることがきっかけで記憶を戻す

これは某ドラマのあらすじを書いただけである。よくあるストーリーでパクリと言えないなら、テンプレに視聴者は感動させられたことになる。


結論としては、パクリ部分によって評価を上げたが、オリジナル部分によって下げたと言える。謎を残したままなのも爽快感を削いだ。オリジナルアニメではよくあることだけど。

ただ、予想や考察ができ(2クール目からだが)楽しめた。
考察した人かわいそう、というコメントを見かけるけど、考察もせずに最後まで見た人は根気のある人だなって思う。
競馬で走っている馬をただ見ているより、予想したほうが楽しめる。このアニメも予想や考察で楽しめると思う。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

船頭居なくて船進まず

2話までの感想{netabare}
ギャグなのかシリアスなのか判断に苦しむ。
そして自分はそういうのって結構好きだったり。
このプレッシャー…小池一夫か?
「どうしてエレクチオンしないのーッ!」「オレは…ゼロツーとじゃないとエレクチオンしないンだ」

これは天使の3Pや“宇宙より遠い~”を見てても思ったことなンだけど、色仕掛けをするのって女性側もスッゲー緊張するんじゃない?
もし反応しなかったら沽券に関わるというか。
(本家の「どうしてエレクチオンしないのー!?」はそれでプライドへし折るシーンな訳だけどさ)
ただのフニャチンじゃなくて「お前では勃たない」だからねぇ…いやぁ怖い怖い、刺されても文句言えんぞ。{/netabare}

余談・園芸ネタ{netabare}
2話で演習をしたロボットの機体名がストレリチアとデルフィニウムで「ん?」と思いまして。
ストレリチア→極楽鳥花、デルフィニウム→大飛燕草って和名がある植物の名前でして、「ああ、鳥絡みの名前なのね」ってのは瞬間的に思いました。
が、残りの機体名は聞き覚えが無いので「植物以外で、やっぱり和名宛てると鳥関係の何かなんだろうなぁ」って思って関心を持つことはありませんでした。
が、やっぱりなんか気になって調べてみました、公式のページ見ながら。

まずアルジェンティアだけど、「argentea 花」でググってみたところケイトウ(鶏頭)がヒット。
って、ケイトウなんて属名のセロジアまでしか覚えてないって、種小名はカンベン(っていうか属名はダブりNGだけど種小名はダブりOKなので厄介)。
ニワトリって漢字入るしロボのデザインもそれっぽいし、これで合ってるんじゃないかな。

次、ジェニスタ…ググったらヒトツバエニシダだった。
これは純粋に知らなかった、エニシダはエニシダでしか覚えてないや。
エニシダは漢字で書くと金雀枝、うん、鳥入ってる。
とはいえロボのデザインにはどこにもエニシダっぽい所は見当たらないような…?

最後はクロロフィッツ、綴りはChlorophtumでクロロフィツムだと思うんだけど、オリヅルラン(折鶴蘭)でした。
これも学名までは知らなかった…5種類の中で一番目にしてるのにね、近所でもよく見かける。

ってことで結論。
ロボは「和名にすると鳥の名前が入る植物の名前」で機体名が統一されてる。
デザインもそれに即してる感じではあるけど(ストレリチアの青い角はまんまソレだし)、そこまで徹底的ってほどではない。
エンディングのタイトルもトリカゴだし、何か鳥に意図があるのかも知れない(無いかも知れない)。
ここら辺はインタビューとかで普通に話してるのかも知れないけどねー、気付いたので調べたって感じです。{/netabare}

6話までの感想{netabare}
「13都市のフランクスは特別だ」と言われてたので、では量産型とどう違うの?と気になってしまうのは自然な流れ。
ひょっとしたら搭乗スタイルからして違うかも?と思ったら…量産型のコクピット内(搭乗者2人が1画面に収まってる画)見せないでやんの。
わざわざ見せるまでもない、大した違いは無いってことなんだろうけど…。。
「描かなきゃアカン」ではなく「描かないよりは描いた方が良いよねー」程度のことではあるけど、描くの面倒だったのかな?

それ以外は「まぁこんなもんじゃないの?」って感じ。
まだ話が動いてないので…次回から動き始める、のか?{/netabare}

12話までの感想{netabare}
まず↑の“2話までの感想”で小池一夫に触れたけど説明がイマイチだったので改めて説明。
小池一夫の真骨頂といえば、冷静に考えたらオマヌケな姿──大抵は全裸で股間エレクチオン状態──なのに真顔で難しいことを言うトコロ。
「そんなこと言うがお前その格好じゃ説得力ないよw」とついつい突っ込んでしまう、ギャグなのかシリアスなのかよく分からん微妙さが面白い。
これは時計仕掛けのオレンジのドルークと同じ系統かと。

で、ダリフラはメカに乗って戦闘して、危険な目に遭ったりシリアスな展開になっても「そうは言っても搭乗姿ってアレなんだよなぁ」と吹いてしまうのを楽しむものなのかな?と思ってまして。
なのだけど…あれ、そうじゃないかも?
というのも、今度は↑の“6話まっでの感想”で触れた「コクピット内(搭乗者2人が1画面に収まってる画)」が、7話以降も殆ど出てこない。
こうなってくると「設定上は立ちバック姿だけど1話で興味を引くためだけで、もう見せません」ってことなのか?と思い始めたり。
また、搭乗中の女性パイロットの顔すらも滅多に見せない、それを見せる必要があるシーンではロボットの表情で代用。
なんか「極力コクピットの中は描きたくありません」って意思がひしひしと…同時に、ロボの顔のデザインはそのためか?とさえ思えてきました。
女性キャラの表情描くのとあのメカの表情描くのどっちが手間か?って考えると前者っぽいし、結構初期の頃から省力ポイントは練られてたのかも。
で、立ちバックシーンは手間かかる部分になると思うので、もうマトモに描かれること無いかも?
「わざわざ立ちバックって設定にしたんだからもっと描けよオラァン!」と言ったら「ハイ、コクピットの中をなるべく描かないで済むようにロボの表情とシンクロするように設定しました。これからもこの設定を活かしてコクピット内を見せずにロボの表情で表現するようにします」と返された感。
ボクはどんな表情をすればいいのだろう。

そして話グルっと回って小池一夫の件、立ちバック見せないんだったら「ギャクなのかシリアスなのかよく分からん微妙さが面白い」って点に於いては条件を欠いてしまいます。
ありゃこれは参ったね…そして話はなんか“地球へ”みたいになって来てるような?
嫌いじゃない、むしろ好きな部類の設定だけど、前期(2017、10~12月)でもクジラっていう“地球へ”モドキ作品があって大コケしたばかりなので、大丈夫かなぁと不安ががが。{/netabare}

16話までの感想{netabare}
いや参ったね、13話終わった段階で感想書いておけば良かったか。

まず13話、途中まではまずまずの出来だったのに、オチがちょっと…。
「記憶消されてたのを(内容も一緒に)思い出しました」って、まてまて。
記憶操作自体がデウスエクスマキナに片足突っ込んでると思うんだよね、そんな設定あるなら途中どうとでもできちゃうじゃん、と。
というかそれだけで一つの作品作れるくらいのドデカいネタで…同期に放送してるものならウィクロス、カリギュラはちょっとまだ不明、公式の動画がネット上にずっと上がってる物としてはモンストアニメ(一期)とか。
なにより「記憶消されてたこと自体記憶にない」「記憶を消されてたことは分かるがその内容は思い出せない」「記憶消されてたことは分かるし、その内容も分かる」と、段階があると思うんだ、左から重篤。
ウィクロスやモンストはこの真ん中の状態がデフォで、一方のダリフラでは…左から一気に右まで行っちゃってない?
段階すっ飛ばし過ぎじゃない?
この雑さがどうにもデウスエクスマキナ臭に感じてしまい、3話はとても褒められたものではありませんでした。

そして15話ではヒロとイチゴでデルフィニウム動かせて「!?」に。
「ゼロツーの想いが流れ込んで来るー」って、フランクスにはそんな機能あったのか。
また、その場面のイメージ映像では13話の幼少時の出会いシーンはナシで、「これじゃあ馴れ初めは他人には分からないままなのかな?」と思ったら16話でしっかり「二人に何があったか分からないけど」みたいなことをイチゴが言っててそれは評価。
うん、そこは評価する、評価するけど…16話さ…

大切な思い出を消したヤツに、なにか思うことないの?(※)

ってのがすっごい引っかかってしまいまして。
なーんにも思ってなさそうなのが違和感ありまくりで…「てめぇよくも」ってのもさることながら、「思い出したのはあれで全部だろうか」とか思ったりしない?
もっといえば「大人達はいつでも都合のいいように記憶を操作できる。今こうしてる間もなにか洗脳が施されてるのかも知れない」って思わない?
これは“ゆゆゆ”でも思ったことだけど、今ある自分の記憶は本物だろうかって不安にはならないのだろうか。
記憶操作できる存在から「もうそういうことはやってないししません」って保証取りつけてないんだぞ?(証言だけではダメだぞ)
結局これって、キャラの身になって物を考えてない、物語の都合でキャラを動かしてるだけ、もっど悪い予感がするのは「他の作品の印象的なシーンを継ぎはぎしただけ」に思えてどうにもこうにも。
記憶操作ネタはホント慎重に扱わないとアホっぽくなるだけなんで…。

まだ最終回迎えてないし、文句ではなく今後※の問題へ切り込んでく展開になってくれたらいいなぁ~ってことで。
パパへ不振を抱かない(そういう発想が浮かばない)こと自体が既に洗脳されてるってことなんかなぁ?
一応「いただきますの時にパパへの感謝の言葉を言わない」と洗脳がほぐれつつあるような描写はあったけど、き、期待して、大丈夫、なのか??{/netabare}

19話までの感想{netabare}
これってちゃんと何人もの目を通して推敲したのかなぁ?
マグマエネルギーで不老不死→わかる、っていうか突っ込むところではないだろう
不老不死の施術をすると生殖能力を失う→わかる、減数分裂しないとか受精卵が育たないとか起きるだろう
生物学者が対叫竜兵器作った→わ、わかる、そのせいでロボっぽくないロボになったってことの説明にもなる、かな?
フランクスの操縦は「生殖能力をを持ってないと無理」→ん?

そこは「不老不死施術を受けた者では操縦できない」じゃないの?
引っかけかなぁ?
生殖能力の有無だけで言えば、不老不死施術したかどうかは大した問題ではなく…あくまでいち集合でしかない。
要は作中の言い方では、あたかも「お前がそう設計したんじゃん」って印象が強くて。
これが「不老不死施術を受けた者では無理」って言い方なら「意外な副作用」として受け入れやすいのに。
流れで理解できなくもないけど言葉のチョイスが悪い。

それとやっぱり↑でも指摘したけど、ヒロ達は何をもってして自分の記憶は正しいと思ってるんだろう?
ひょっとしたらその感情さえ操作(作り出されたもの)されてるかも知れないぞ?
視聴者(神の視点)から見れば「嘘じゃない」ってのは分かるけど、キャラクターはそれの確認のしようがない。
どうもやっぱり描きたいシーン優先でキャラに立ってモノを考えてない臭がする…なんかレクリエイターズを彷彿とさせる。

あとちょっと専門的な話になるけど、「(叫竜は)女性が持つ染色体XXが含まれる~」とかなんとか。
え、どうやって!?
ホニャララって生物の遺伝子と酷似してるとかで性染色体の存在が判明したはいいとしても…ホモ結合だからってメスとは限らんぞ?
生活史分からない状態でXY型とZW型(またはそれ以外)って判別できるのか?
まぁそれ以前に…対立遺伝子かよw倍数体かよwwwww
そこまでやったら2n=いくつかまでやりゃあいいのに…今後やるのかな?シローとか出ないの?
ってかフランクスの機体名に植物の名前付けてるが、どれも雌雄同株なんですがそれは。
特にクロロフィッツ(オリヅルラン)は栄養生殖(無性生殖)の代表選手みたいなもんで…あ、それイチゴもだ。

なによりビックリなのは、あんな世界になってからそんなに時間経ってないこと。
居住区の住民がツガイで生活してるのは大昔の慣習引きずってるせい…と思ったら数十年程度しか経ってないという事実。
居住区民って記憶操作されてるのかな?
ってか“ビートレス”で疑問に思ってることの正反対でおかしい方向に振り切っちゃってて…。
不老不死化→労働の不必要化→ガリアンのランプレート人化
分からんでもないけど、途中に「インフラの自動化」が無いとどうにも釈然としないというか。

間すっ飛ばしてる感というか、既存作品の切り貼りでそのパーツ同士の隙間を埋める部分が雑というか…既存作品の知識を持って「説明しなくても知ってるでしょ?」って振舞ってる感。
パーツの隙間を埋めることに苦労してた既存作品を蔑ろにしてるみたいでどうにも感じ悪い。{/netabare}

21話までの感想{netabare}
ペアのうち片方がフランクスから離れた場所に置かれて、もう片方のペアの待つフランクスに辿り着いたら勝利って展開多いっすね。{/netabare}

23話までの感想・ガンダム本編でMS少女は止めろと言っただるるるろおおお!!!?(言ってない){netabare}

くっそう、思い出せない。
エヴァじゃなくトップ2じゃなくて巨大ロボだかなんだかが美少女の顔になるのって何かあったよねぇ…なんだっけ?(武装神姫のアテナじゃないなぁ、途中から突如そうなるヤツ)
思い出せないってことは大した作品じゃないってことかな、もしくは記憶違い?

いやさぁ、こういうのってすっごくキモいと思うんだよね。
アニメの方は何だったか思い出せないけど、一方でゲームは思い出しました…怒首領蜂大復活を見た時、あん時ぁ吐き気を催したぞ?
エスプやムチムチポークには文句は無いが(といいつつメーカー違うけどエグゼリカは寒気を覚えた)、なぜに首領蜂でボスを美少女化するかねぇ、と。
まるでコンマイみたいだあ、って…気になってさっきググってみたら首領蜂はすっかり美少女コンテンツになってるのねー。
ピンクスゥイーツじゃダメなのか。

デク「ケイブも生き延びたいからなーっ!」
ドバ「そうだった…」

と、別にゲームの文句ここで言ってもしょうがないのだけど、ああいうのが商売として成立してるからには支持する人が居るってことでしょう。
むしろそれを「うっ」て思う自分の方が稀なのか?
でもってダリフラのスタッフはそういうのが大好きな方達だった模様。
アイマスが大好きって段階で気付くべきだったかー、しっかしそうはいっても明貴美加だってTPOは守ってたと思うんだが。
最初から「そう」なら文句は無いんだ、引っ張って満を持して「どうだ」と出してきたのがコレだと「ええ…」とドン引きでして…。{/netabare}

最終回まで見て{netabare}
ひっどいなこれ…。
何がどう酷いのかひとつひとつ説明してくのはこっちも辛いんだけど、全体の雰囲気としてはコメルシやビビオペっぽい。
って、ビビオペとプロデューサー同じだって!?
…。
作画上がりの新人(?)監督潰しが得意なのかな?
オリジナルやりたいなんて言い出さない様に、大人しく原作モノを粛々とこなす様に叩き潰すためのこの企画だったんじゃ…。

見当違いかもしれないけど自分が肌で感じるのは、監督自身の「アレやりたい」ってのもさることながら、下の者から「あれ入れようコレ入れよう」と注文が来たら首を横に振れない人なんじゃないかな。
ここら辺がコメルシっぽいんだよね。
しかもそう進言する連中なんて社会の底辺を這いずる“アニメで育ったアニメーター”ばっかりで、結局「どこかで見たアレ」しか出てこないの。
で、作監上がりの監督は不必要な物を「要らん」とホチキスで止めてゴミ箱へ捨てる(宮崎駿)ようなこともできずに全部作品に入れちゃいましたー、みたいな。

思わせぶりなシーンはあるけど全部投げっ放し、木曜洋画劇場の予告だけ見てる感じ。
こういうのってあんまここで書くのは適切じゃない気がするけど、エロマンガとかよく見てみると、その作家の得意とするポーズってのがあるみたいで、クライマックスのシーンがどれも同じポーズなんてのがよくあったり。
恐らく編集からあれこれ言われるのが弱いジャンルだからだと思うのだけど。
要は意識的に違うものを書こうと心に強く持ってないと、手癖と言うか、いつもの書き慣れたものに収束しちゃう。
ダリフラも「どこかで見たアレ」の殆どがガイナで、以前描いたことがあるんだからそりゃ再び描くのは楽だしついついそっちに流れちゃうんじゃないかな、意識をちゃんと持ってないと。
で、監督はアレ入れようコレ入れようで頭がゴチャゴチャして強く意識しておくことを忘れちゃった、みたいな。
で、そこで「あんたブレてるよ」って指摘するのがプロデューサーだと思うのだが、なんかそれを怠ってるっぽい、これまで関わってきた作品(レクリ、ビビオペ、プラメモ)の傾向見てみるに。

まぁなんつーか、原作モノならまだしもオリジナルをやるには無茶だったっつーか…ビビオペの高村と同じ道を辿りそうで。
見てるこっちが心苦しくなるというか、あんま強く批判する気も起きないけどお勧めする気もありません。


追記
そういやコミカライズの方はとらぶるの矢吹でしたね。
ある意味お似合いっていうか、矢吹も通った道なんじゃ…。
とらぶる無印は、それこそうる星よろしく後先考えずに次々と新キャラ・新設定をボコボコ突っ込みまして。
けどダークネスになってそりゃアカンと気付いたのか、それまで出しまくったキャラ・設定をどうにか回収することで「あれは伏線だったんだ」ってことにしようと尽力した形跡がよく見て取れます。
これは多分長谷見沙貴の力もあって、話飛ぶし以前もどこかで書いたけど“もえたん”のオーコメで長谷見沙貴出てて、まぁ大抵は戦車のアレのよいしょ(アクタスなんで)なんだけど反省会も展開してて、序盤にケータイで変身するシーンで「これ設定入れたけど後半全然生かしてませんね」みたいなこと言ってたり。
チェーホフの銃(ググって)は発砲させねばならぬってのを心底思い知ったみたいで。
で、それを現場で体験してきた矢吹からしたら借り物(パクり)の部品ばかりで作られた発砲能力の無い銃になってるアニメのダリフラはどう映ってるんだろう?
仕方ない自分もそうだったと子供を見る面持ちなのか、失笑なのか…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

少々、天元突破グレンラガンを彷彿とさせる展開

A-1 PicturesとTRIGGERの共同制作オリジナルアニメーション企画。

出会いによって一変してしまう典型的なボーイミーツガール作品であった。フランクスというロボットに男女{netabare}(生殖可能な状態というのが必要条件){/netabare}で搭乗し、叫竜と戦うというもの。比翼の鳥という表現がよく出てくる。{netabare}グレンラガンの如く、真の敵はまた別にいるわけだが。実体を持たない意識の集合体みたいなやつ。叫竜も元々人間で過去に集合体みたいなやつに攻め込まれた人たちの子孫であった。強い人は姫みたいな奴だったり、兵器になるが、弱い人は地下のマグマになったらしい。そら、勝手に使われたら、怒りますわ。{/netabare}

{netabare}最後の敵を倒すときにマトリョーシカのように小さいやつが出てくるのも。{/netabare}グレンラガンのよう。エヴァンゲリオンぽい所もあったような気がする。

この作品で最も印象に残っているのは{netabare}7話の休息を取る回でココロが見つけた出産に関する本を読んで子作りに興味津々になり、ミツルとしちゃうこと。さらに、一発で決めている。若さのなせるわざ。結婚式を邪魔され、記憶を消されたのは個人的に最も辛いシーンだった。結局、4人目まで生まれるけれども。結婚に出産にと、戦闘漬けの生活しかしてこなかった子供たちが始めた人間らしい生活。最終話ではヒロとゼロツーの戦闘よりも地球に残った人々の生活が描かれている。子供たちが増えて人類創生。ゴローはなんだかんだイチゴと子供作って、ココロに振られたフトシも家族ができ、イチゴに振り向いてもらえなかったイクノは研究で人類の手助け。ナナとハチも大分性格が変化して最初とは大違い。ゼロツーの好きだった絵本の最後のページは幸せそう。それに、最後は2人で再会できたみたいでめでたし。{/netabare}結構、最終回は個人的に好きな展開だった。それなりにハッピーエンドでかつ、家族愛を感じられる展開で。グレンラガンを彷彿させると書いたが、やはり名残はあるが、別物として作られたと感じるので、グレンラガン見たことない人でも楽しめる。途中は単調なバトルが続くが、{netabare}ココロの悪阻シーンから個人的に面白く感じるようになった。{/netabare}

ミクが表情豊かで飽きさせない。一人は変顔要員必要ね。博士の懺悔やゼロツーが{netabare}叫竜の姫のクローンだったこと{/netabare}も印象的だった。ラスト4話くらいが好きであった。

OPは中島美嘉でKISS OF DEATH 艶めかしい歌声。
EDは全てXX:meというヒロインのユニット{ゼロツー(戸松遥)、イチゴ(市ノ瀬加那)、ミク(山下七海)、ココロ(早見沙織)、イクノ(石上静香)}が歌う。
トリカゴは現代のJKっぽい制服を着たヒロインが素敵。
真夏のセツナでは水着を着たヒロインがセクシー。束の間の休息という感じが溢れている。
Beautiful Worldではヒロインたちの仲良し日常生活が描かれる。
ひとり ここはゼロツー(戸松遥)のみ歌唱。ゼロツーの好きな本が絵が描かれる。出会いと別れの切ない物語。{netabare}人間になりたいと焦り、戦闘するゼロツーが過去にヒロと出会っていたことを思い出す回でのみ、流れるわけだが、少々リンクしている。{/netabare}
EscapeもJK風ファッションのヒロインたちがより憂いを帯びた表情。手を繋いだり、寄り添ったり。そして、たくさん並んだゼロツー。
ダーリン 作品の終わりが近づいているときに流れるので、切なくなってくる。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 独りとヒトリ
遠い未来。 人類は荒廃した大地に、移動要塞都市“プランテーション”を建設し文明を謳歌していた。そんなプランテーションのひとつ、「セラスス」では、パラサイトたちの入隊式を翌日に控えていた。パラサイト候補の一人であるコード016「ヒロ」は、事前のテストで落第を言い渡され、失意の中にいた。 入隊式の説明会にも出ず森に入ったヒロは、奥にある泉で、見知らぬ少女が泳いでいるのを目撃する。コード002「ゼロツー」と名乗ったその少女の額からは、艶めかしい二本のツノが生えていた。

2. 繋がるということ
ヒロのことをすっかり気に入った様子のゼロツーは、13都市に残ることに。だがヒロは、ゼロツーとストレリチアに乗ったときのことをほとんど覚えていなかった。ゼロツーともう一度乗れることを証明したい。そんな思いを抱えながら、ひとり、訓練に明け暮れるヒロ。一方イチゴは、ゼロツーに、これ以上ヒロと関わるのはやめてほしいと告げる。そんなとき、ヒロの実機での起動テストが行われることになった。テストの結果次第では正式にパラサイトとして選出されると言われ、希望を抱くヒロ。そのテストでのヒロのパートナーに名乗り出たのは……。

3. 戦う人形
起動テストでの失敗のあと、気まずいヒロとイチゴ。ヒロはもう一度ゼロツーと乗られるようにナナやハチに掛け合おうとする。そんなヒロに対し、ゴローがある噂を口にする。「3回以上、ゼロツーと一緒に乗れたパートナーはいない」と。それを知りつつも、他に道はないと答えるヒロ。そんなとき、13部隊がはじめての実戦に出ることに。ただしAPE本部からは、ストレリチアの出撃は禁止とされた。「いいの? あの子たち、みんなやられちゃうよ?」そんなゼロツーの言葉を聞きながら、もどかしい気持ちでヒロが見守る中、13部隊が叫竜と遭遇して……。

4. フラップ・フラップ
先の戦いのあと、ミツルは意識を取り戻したが、肉体には大きなダメージが残った。しかもゼロツーに対して異様なほどの怯えを見せる。「パートナー殺し」という、ゼロツーに付きまとう噂。ゼロツーと一緒に乗ったパートナーは、3回目で必ず命を落とす――その噂のことは、ヒロも何度も聞いていた。フランクスに乗れなければ、いないのと同じ。しかしゼロツーと乗れば、無事では済まないかもしれない。ふたつの感情の間で揺れるヒロ。一方、ゼロツーに対してAPE本部から「13都市を出て前線に戻れ」という通達が届く。

5. キミの棘、ボクのしるし
13都市と26都市のキッシングが行われる。キッシングとは、移動要塞都市同士で接続し、マグマ燃料の受け渡しをすること。しかしそれにより、大量の叫竜を呼び寄せることになってしまう。そこで、13部隊と26部隊が共同でふたつの都市を守ることに。両都市を繋ぐメインパイプの防衛には、ヒロとゼロツーが乗るストレリチアが配置されることとなった。26部隊のコドモたちは、ゼロツーとストレリチアの名を聞いて動揺する。以前にも26部隊はゼロツーと共同作戦を行ったことがあり、その際、ゼロツーの周囲を考えない戦い方のせいで仲間を失っていた。

6. ダーリン・イン・ザ・フランクス
キッシングによるマグマ燃料の受け渡しが続く13都市と26都市。大量に押し寄せてくる叫竜を相手に、フランクス部隊による防衛作戦が始まる。26部隊が見事な連携で次々と叫竜を倒していく一方で、13部隊はうまく戦えず、経験不足を露呈してしまう。そんな戦況を見て、ストレリチアがいよいよ戦場に出る。ヒロにとっては、ゼロツーとストレリチアに乗るのはこれが3回目。圧倒的な力で次々と叫竜を倒していくが、コクピット内のヒロの肉体は限界に達しようとしていた。

7. 流星モラトリアム
13都市は最重要特別監視都市に認定される。ゼロツーとストレリチアは13部隊所属となり、ヒロがゼロツーのパートナーに正式に選出された。ゼロツーの噂に対する疑念も晴れ、13部隊のコドモたちも彼女を仲間として迎え入れる。そんな13部隊に、休暇が与えられる。はじめて見る海を前に、テンションが上がるコドモたち。つかの間の平穏な時間を満喫する。だが、海岸から少し離れた場所に、見たこともない廃墟を見つけて……。

8. 男の子×女の子
13部隊のピスティルとステイメンの間で、大ゲンカが勃発。きっかけは、叫竜との戦いの最中、男子が女子の体をやらしい目で見てしまったことだった。これに堪忍袋の緒が切れた女子たちは、男子との共同生活を拒否。男子も、女子の好きにさせてなるものかとこれに応戦する。ケンカが長引けば長引くほどお互いに意固地になり、後に引けなくなっていくコドモたち。それは一部のコドモに稀に症状として現れる『思春期』と呼ばれる状態だった。

9. トライアングル・ボム
13部隊のコドモたちに、パパからプレゼントが届く。欲しいものを事前に伝えておけば、一年に一度、パパから届けられるという風習だった。それぞれがもらったプレゼントを喜ぶ中、ゴローが髪留めを持っていることに気付くヒロ。だがそれは今回もらったものではなく、昔、イチゴに渡そうとして渡せなかったものだという。そんなとき、叫竜が襲来。戦いの最中、デルフィニウムが叫竜の体内に取り込まれてしまう。ゴローはイチゴを緊急脱出させたものの、自らはコクピット内に取り残されてしまい……。

10. 永遠の街
戦いの活躍が評価された13部隊に、勲章が与えられることになった。授与式は、13都市内で行われる。これまで自分たちが守ってきた都市の中にはじめて入れることになり、はしゃぐコドモたち。中でも、オトナになることに憧れているゾロメは、興奮しすぎて落ち着かない。授与式当日。コドモたちは13都市の市長から直々に激励の言葉を受ける。式そのものは粛々と終わり、その帰り道、ゾロメはひとりはぐれて、都市の奥深くへと迷い込んでしまう。

11. パートナーシャッフル
叫竜との戦いの最中、ミツルが『コドモ熱』にかかり、クロロフィッツは行動不能に陥る。発熱は一時的なものだったが、これまでもあまり安定していなかったイクノとのコネクト値が、実戦投入が難しくなるほどまでに低下してしまう。このままでは部隊全体の作戦行動に影響が出るおそれがあった。そこでナナが打開策として提示したのは、13部隊のコドモたちの中でパートナーを入れ替えるというものだった。

12. ガーデン/始まりの庭
13都市は、通称『ガーデン』と呼ばれるAPEの施設に立ち寄る。そこは、何百人ものコドモたちが幼少期を過ごすパラサイト育成施設であり、ヒロたちにとっても故郷と呼べる場所だった。ガーデンに隣接するラボで、種々の検査を受ける13部隊のコドモたち。ヒロは、この場所に戻っているはずの元パートナー・ナオミに今の自分のことを報告するため、禁止されているにもかかわらず、ガーデンの内部に忍び込むことに。

13. まものと王子様
ゼロツーの肉体に異変が起き始めていた。その影響で精神的にも不安定になり、これまで以上に叫竜への敵意を剥き出しにするゼロツー。パートナーであるヒロの言葉さえも届かなくなりつつあった。そんな戦いの最中、ヒロはゼロツーの意識と深く繋がり、そこから流れ込んでくる記憶を垣間見る。それは幼い頃の思い出。まだ名前もなく、言葉も喋れなかった彼女と、かつて自分は会ったことがある――ヒロはそれを思い出すのだった。

14. 罪と告白
ゼロツーのパートナーとしてフランクスに乗り続けた結果、ヒロの肉体にも大きな変調が起きていた。結果、ヒロは一時的に意識不明の状態に陥ってしまう。ヒロの変調がゼロツーによって引き起こされたものであると知ったイチゴは、ゼロツーをヒロから引き離す。APE本部からも、この状況を受けてゼロツーをAPE直属の親衛隊『9’s』所属に戻すという通達が出された。もう一度話をしたいと願うヒロとゼロツーだったが、お互いに会えない時間が続き……。

15. 比翼の鳥
ゼロツーがミストルティンから去った後、13部隊は、グランクレバスという叫竜の一大拠点を制圧する作戦に参加することとなった。この拠点を奪取できれば、叫竜との長きにわたる戦いは一気に優勢に転じる。APEにとっては重要な作戦であった。他の多くの移動要塞都市、およびそこに所属する多数のフランクス部隊も戦いに投入される。その中には9’sとともに行動するストレリチアの姿もあった。一方、パートナー不在となったヒロは、出撃する13部隊の仲間たちを見送って一人だけ13都市に残る。そこへフランクス博士が現れて……。

16. ぼくたちの日々
グランクレバスでの激しい戦いからおよそ1ヶ月。13都市は壊滅したものの、ミストルティンは奇跡的に破壊をまぬがれており、13部隊はそこでの待機を命じられていた。しかしそれ以降、オトナからの連絡は一切なく、コドモたちを監督する立場のハチとナナも接触しようとしてこない。ミストルティンでは、環境を維持する機能が不具合を起こし、これまでのような快適な暮らしはできなくなっていた。そんな状況でも、自分たちで工夫しながら日々の生活をこなす13部隊のコドモたち。その中には、仲間たちと一緒に笑うゼロツーの姿もあった。

17. 楽園
オトナから一切の連絡がない状況が続く中、ミストルティンに突然、9’sの面々がやってくる。パパから様子を見てくるように言われたという彼らの言葉に、自分たちは見捨てられたわけではなかったと安堵する13部隊のコドモたち。9’sはミストルティンでの13部隊の生活に興味があるらしく、この日は泊まっていくという。その夜、ココロがみんなに内緒で手元に持っている『手帳』が、9’sに偶然見つかってしまい……。

18. 桜の花が咲く頃に
コドモたちとの接触を避けていたハチから、久しぶりに指示が来る。次の補給船が来たらミストルティンを放棄し、13部隊はAPEの施設『トリノス』に移るという。それを聞いたヒロは、ミストルティンにいられるうちに、最後の思い出作りとしてミツルとココロの結婚式を開こうと提案する。式場やドレス、そして指輪。どれも手作りで、自分たちができる範囲で準備をしていく。ミストルティンの森の桜が満開になったその日。コドモたちだけの結婚式が始まる。

19. 人ならざるモノたち
ラマルク・クラブによる13部隊への強引な対応を知らされたフランクス博士は、それを機に、APEという組織に彼自身が招かれたときのことを思い出していた。2025年。博士がまだ、ヴェルナーと名乗っていた頃。きっかけは、クリーンかつ万能なエネルギー源『マグマ燃料』がAPEにより発掘されたことだった。そのエネルギー革新により人類は本格的に不老不死の研究に着手し、ヴェルナーもそれに参加する。しかし、2037年。地中から叫竜と呼ばれる未知の存在が突如出現したことで、人類は苦難の時代を迎えることとなった。

20. 新しい世界
数多の犠牲を出しながらも奪取に成功したグランクレバス。その地下には、スターエンティティと呼ばれる叫竜の超巨大兵器が眠っていた。ニンゲンの手でこれを起動させることができれば、叫竜との長きにわたる戦いに終止符を打つことも可能となる。が、叫竜がそれを許すはずもなく、全戦力を投入してグランクレバスに迫ろうとしていた。フランクス隊が迎え撃つ中、ヒロとゼロツーに対しラマルク・クラブ賢人から別任務が命じられる。ヒロはそんなラマルク・クラブの賢人たちを前に、この作戦が終わったらオトナと決別すると宣言する。

21. 大好きなあなたのために
コード001――叫竜の姫によって乗っ取られたストレリチア。これを鍵として、スターエンティティは叫竜の制御の元、起動してしまう。だがそんなニンゲンと叫竜の決戦の場に、突如として空から謎の存在が降り立つ。VIRMと名乗るその存在を、叫竜の姫は“侵略者”と呼び、敵意を剥き出しにする。叫竜もニンゲンも関係なく無差別に攻撃するVIRM。APEは壊滅し、コドモたちは自分がなにと戦うべきか分からなくなってしまう。一方、ストレリチアを奪われた形のゼロツーは、自身と叫竜の姫との衝撃的な因縁を博士から聞かされて……。

22. スターゲイザー
ニンゲンと叫竜の戦いは終わった。叫竜は“侵略者”であるVIRMを迎え撃つため、次々と地上を離れ宇宙へと上がっていった。その中には、誰も乗っていないはずのストレリチア・アパスも含まれていた。生き残ったコドモたちは、新たな生活を始めていた。あまりにも厳しい環境に放り出されながらも、誰に頼ることもなく懸命に生きる日々。そんな中、戦いの後で抜け殻のように虚ろになってしまったゼロツーに、ヒロは献身的に寄り添っていた。

23. ダーリン・イン・ザ・フランキス
ヒロはストレリチア・アパスに取り込まれたゼロツーとの再会を願い、他のコドモたちとともに宇宙へ旅立つ。叫竜の艦隊は、火星宙域に集結しつつあった。だがそこでは、叫竜の艦隊とVIRMによる、地上で行われていたものとは比べられないほどの大規模で激しい戦いが繰り広げられていた。一方、ミツルはココロに付き添って地上に残り、二人の問題に向き合おうとするが……。

24. わたしを離さないで
仲間たちと別れたヒロは、VIRMとの最後の決着を付けるため、ストレリチア・アパスとともに宇宙の果てを目指す。虚無にも等しい真っ暗な宇宙空間をひたすら飛び続ける――永遠にも思えるその旅路は、やがてヒロの時間の感覚すらも失わせていく。一方、地球では、イチゴたちが宇宙から戻ってきてからすでに数年が経過していた。彼らは幾多の苦労を乗り越え、ようやく平穏な日々を送れるようになっていた。

投稿 : 2024/11/02
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