MAPPAおすすめアニメランキング 33

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのMAPPA成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月11日の時点で一番のMAPPAおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.7 1 MAPPAアニメランキング1位
ゾンビランドサガ(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1227)
4592人が棚に入れました
いつもの朝。いつもの音楽。いつもの自分。
7人の少女たちの安寧は、突如崩壊する。
死して蠢く、ゾンビによって……

否応なく踏み込んだ世界、そこは“最高×最悪のゾンビワールド”
少女たちの願いは、たった一つ。
「私たち、生きたい。」
これは、少女達が起こす奇跡の物語サガ。


声優・キャラクター
宮野真守、本渡楓、田野アサミ、種田梨沙、河瀬茉希、衣川里佳、田中美海、吉野裕行、高戸靖広

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

第1話冒頭のインパクトは過去最強クラス!?

アニメオリジナル作品。

第1話冒頭のアノ場面。
思わず声が出ちゃいましたねぇ(笑)
インパクトありすぎでしょ。

第2話くらいまでは、とても楽しそうに演じておられる宮野真守さん”だけ”が印象的な作品。
”ゾンビ”と”アイドル”という、相容れないモノのギャップを楽しむ作品。
その程度の認識でした。
正直、色物枠だと思っていました。

だけど、【良い意味で】完璧に裏切られちゃいました。
コメディとシリアスのバランスの良い、名作でした。

しっかりとした物語。
安定した作画。
声優さんもとても良かったです。
OP/ED、挿入歌も、申し分ありません。

アイドル育成系としても、史上最強クラスと言っても過言ではないレベルの作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 105
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

多くの人の記憶に残った、異彩を放つアイドルアニメ

アニメーション制作:MAPPA、監督:境宗久、
シリーズ構成:村越繋、キャラクターデザイン:深川可純
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ

2018年の秋クールで、どのアニメを思い出すかと問われて、
いちばん多く名前が挙がるのがこの作品ではないだろうか。
はっきり言うと、私はアイドルを題材にした作品が苦手で、
今まで1本も、まともに観たことがない。
ただ、ゾンビファンではある。
『ゾンビ』のDVDはノーカット版を持っていて、
20回は観ているし、ロメロ監督(犬ではない)の
ほかのゾンビ映画もほとんど視聴している。
それで何も知らずに観始めた結果、アイドルアニメも
観られることに気づいてしまったのだった。

主役がゾンビということで、ゾンビ映画のオマージュが
あるかと思ったら、犬の名前以外は感じられず。
ただ、1話目のインパクトはこの作品がいちばん強烈だった。
主人公のさくらがいきなり車にはねられ、
デスメタルとともにOPへと突入。
さくらの体が青色に変化する始まり方は、
かなりショッキングだった。

2話以降のOPアニメーションも派手な色遣いで、
ひとつのストーリーとして構成されており、笑わせてくれる。
EDのコーラス曲は『翼をください』を想起させて、
懐かしい気分にさせてくれた。
{netabare} 話として特に面白かったのは、2話のライブ会場で、
やる気のないメンバーに切れたさくらが、
たえちゃんの取れた頭をぶっ叩いて、
サキとラップバトルを展開するところだった。 {/netabare}
宮野真守による東京喰種の月山習を想起させるような過剰な演技にも
次第に慣れていき、気が付いたときには、
ほぼリアルタイムで必ず観る1本となっていた。

話の展開としては、過去の記憶のないさくらが、
自分の朧げな思い出を手掛かりにしながら、
アイドル活動の素晴らしさ、感動をほかのメンバーにも
伝えて盛り上げながら、それぞれが過去と向き合い
佐賀県の有名なものと絡んでいく物語となっている。
ドライブイン鳥のCMやガタリンピックへの挑戦、
アイドルとしての価値観の違いなども絡めながら
チームとしての結束力を高めていく。

曲も上手く作っていて、全体的に良かったのだが、
上手くやれば、もっと面白くなったと思う。
ストーリーはかなり勢いに任せているように感じられ、
全体をしっかり構成していなかったのは残念だった。
{netabare} 思わせぶりな記者のシーンが頻繁に挟まれるが、
最終回まで何もなく、そのまま終わってしまう。
また、さくらの過去話を最初から最後まで引っ張り、
物語の核としたのに、その部分の話が全く練られておらず、
ただの運の悪い女という話にしたことも良くなかった。
特にさくらの過去話は、もっとしっかり作ってくれたら、
最終回でさらに盛り上がったと思うし、
感動できたのではないだろうか。 {/netabare}
そこには詰めの甘さを感じてしまった。

ただ、全体を見渡してみると、
ゾンビのアイドル話に佐賀県という、
まとめられないような異質なものを上手く組み合わせ、
多くの人の記憶に残る、面白いアニメを作った。

アイドルアニメの異端として、続編も制作。
今後も盛り上がっていきそうだ。
(2019年1月27日初投稿・2021年4月10日修正)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 101
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

佐賀が舞台の屍(かばね)のSAGAに 目尻下がるは人の性

2018.12.24記


よく言われる「3話まで待て!」の上位互換が「初回から神回」とすれば、本作の場合、

 {netabare}「開始1分30秒!括目して見よ!」{/netabare}

最短記録更新です。

ゾンビ×アイドル×佐賀県と斬新な組み合わせ。よくこれで佐賀県民は文句言わないなと思いきや、広報広聴課と県の支援も取り付けてたり、さすが“はなわ”の自虐を受け入れた佐賀県。度量の深さに敬意を表するものであります。
製作会社のMAPPAしかり、音楽会社母体のエイベックス・ピクチャーズの参画も気になります。実写はめ込みの実験的なED「魔法少女サイト」、湘南乃風起用と合わせて、え!?それEDに持ってくる?の「ぐらんぶる」と本作への関与度合いは与り知らぬものの、音楽表現にも期待です。

大筋のストーリーは、生没年もバラバラな7人(体?)のゾンビが集められて、謎のプロデューサー巽幸太郎の指揮下、ご当地アイドルとして佐賀県の窮状を救うぞ!・・・という話。まともに取り合うには躊躇する内容です。これ説明されて「よし!観よう!」ってなりますか?普通はならんでしょう。
・・・そんな期待値の低さを逆手にとって、冒頭の衝撃で視聴者を巻き込み、その後は予定調和を廃したネタを矢継ぎ早に投入し、とかく目の肥えたヲタ層をも唸らせる一品に仕上がっちゃいました。製作陣は作品のバランスを取るのも大変だったでしょうに。お疲れ様でした。

ある種、素材の化学変化が魅力の作品であるため、面白さに触れるとネタバレ必至のレビュアー泣かせの作品な気がします。冒頭の1分30秒超えて、できれば完走なり断念された方向け、以下の続きを見ていただければと。
ちなみに私は、数ある良作群の中のひとつ。傑作には届かないものの1クールで良くまとめた構成力も好印象なお奨めしやすい一品、と捉えてます。
未視聴の方は、ぜひ「組み合わせの妙」なり「作品全体のバランス」に着目してみると面白いかもしれません。



(1)素材の組み合わせの妙→予定調和でないものと王道のもの
■とことん佐賀?
広告費出したん?と思えるくらい佐賀ネタ満載です。
{netabare}通常ロケハンして風景絵に借用+αくらいで聖地化が可能なところ、・・・骨の髄まで佐賀でした。登場人物の佐賀弁、嬉野温泉含めた各スポットの利用、くらいまでならわかります。そこからさらに、アイキャッチでの観光アピール、TV通販ばりの久光製薬サロンシップ(作中は久中製薬サガンシップw)の効能アピール、ドライブイン鳥のローカルCMロケしたり店長さん出演させたり。ここで店長さんの棒読みを非難するのは無粋というものでしょう。{/netabare}

■キャラの配置
生没年バラバラで生じるギャップと関係性がコメディでもシリアスでも活きてきます。
{netabare}平成アイドル(水野愛)と昭和アイドル(紺野純子)との対比は6~7話の柱。アイドル変遷史をダイジェストで見ているかのようでした。
伝説の山田たえ(ロメロ含む)がいることで、後半のゾンビ臭が薄くなる展開の中でも、ゾンビ作品であることを視聴者に認識させてました。彼女なしではただのアイドルものに見えてたかもしれません。
この配置は絶妙だったと思います。
巽幸太郎は唯我独尊w 宮野真守さんさすがだなぁ、としか言いようない本作のMVP。山田たえ役の三石琴乃さんも助演女優賞でしょう。声なき声を使っての表現の幅の広さはさすがベテランです。{/netabare}

■アイドルらしからぬ楽曲
きゃっきゃうふふのキャラソンにずらしを加えて、作品の魅力に仕上げてます。
{netabare}ゾンビの呻き声とデスメタルの相性の良さは言われてみれば納得するがこれは気づかんかった。その昔、マーティン・フリードマンが演歌とメタルの親和性を説いて唸ったのに近い衝撃を覚えました。これ第1話でしたね。
続いてラップバトル。さくら(本渡楓さん)とサキ(田野アサミさん)きちんとそれらしく聴こえてました。お疲れ様です。そこにボイパを被せるのはHIPHOPの王道ではあるものの、アイドルものでは見たことないし、ゆうぎり姐さんが三味線でカットインする編曲も斬新。これが第2話。序盤この2曲で引き込まれたのは私だけではないはず。{/netabare}

■整合性のなさは勢いで不問にする
火葬文化の日本でなぜゾンビ?と誰もが感じる違和感は、きっちり作中で言及しつつ、「よくわからん、まぁいっか」でスルーする。下手に言い訳しない潔さで、ご都合展開のツッコミが入る余地がありませんでした。そもそもゾンビが架空だからね、っていうツッコミはあるかもしれません。


(2)作品全体のバランスの良さ
6話から趣きが少し変わりましたね。脱予定調和から王道への転換です。
{netabare}ゾンビコメディや佐賀推しの度合いを弱めアイドル成長物語にシフトしていきました。己への向き合い方が“死因”だったりするのが本作の特長です。結果、1クールの中で転調してもしっかり纏まめてきましたね。個人的には前半のノリで押し切ってほしかったのですが、好みの判れるところだと思います。
6~7話は純子と愛。8話はリリィ。9話はサキ、とキャラ掘り下げ回でした。本作ならではの死んだ理由と生前の想い(または未練)に向き合う良回が続きます。それに合わせてキャラソンをあててくるのは王道ですが安心できますね。いずれも良曲でした。
転調で違和感を感じることの無いように特別EDを除き、1話からのEDは継続してましたし、キャラ回終わってからED「光へ」が流れた10回はそのレクイエム調の曲が沁みいる感覚を覚えました。
同じく転調の繋ぎとして安定の山田たえ、巽の存在。そして完成度が徐々に上がってく「目覚めRETURNER」は7話が集大成でした。3話と7話を比べると歌の巧拙含めて違いが見えてきます。{/netabare}

成長物語の定番。“トラブル発生”もおさえてましたね。{netabare}さくらの生前記憶は、実際戻ってみたら、なんとも救いようがなく不憫な記憶でした。{/netabare}
ピンチを救うのはやはり仲間。水野愛(種田梨沙さん)が再浮上してきて種田さん好きにはたまらんかったでしょう。私がそうですから。

{netabare}「失敗とか後悔とかを、全然ダメなことだと思ってないからですかね!」
「それって絶対、次につながることですし」
「そういうの全部ふみこえた先に、誰にも負けない私がいると思ってるので!」{/netabare}

上手くコメディ→シリアスへと軸足を移しながら、ステージの山場を2回{netabare}(7話「目覚めRETERNER」エレクトリカルVerと最終話「FLAGをはためかせろ」){/netabare}盛り込むなど、アイドルものとしてもしっかり仕上げたてんこ盛りの全12話でした。

ゾンビ×アイドルの組み合わせに“はあっ?”となったのも今は昔。キャラ掘り下げ回の題材に『死』が絡まざるを得ないこの異色の取り合わせが結果的に効きまくっており、“ゾンビ×アイドル?ええじゃないか!”と完走する頃には考えを改めていることでしょう。



繰り返しになりますが、序盤のカオスさ加減を維持したまま突っ走って欲しかったので、その点は残念です。それでも失速とは感じさせなかったスタッフの力量には感謝!
どう考えても2期を期待させる終わり方で、続きがあるならぜひ観たいです。
ソンビ映画あるあるの“続きがあると見せかけてその後音沙汰なし”みたいなのは、今回に限っては要らないですよ。


{netabare}・幸太郎がさくらの同級生っぽいシーンのあれって何?
・ゆうぎり姐さんの首周りの傷やもちろん伝説の山田たえの掘り下げは壮絶なものになりそうとの期待
・ゾンビバレするのか?あの記者の立ち回りで話は大きく展開しそう。愛とアイアンフリルとの邂逅は想像するだけで切ない{/netabare}

謎の種明かしというより、話をもっと膨らませられるネタが豊富という意味で続編に期待です。



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2019.06.08追記

■どうやらアニメ『神撃のバハムート』の登場キャラ“リタ(CV沢城みゆき)”がモチーフになった、とその後風の噂で聞いた。

■キャラソンもキャッチーかつJPOPへのオマージュがみてとれて好感。
・リリィ曲{netabare}:さだまさし{/netabare}
・サキ曲{netabare}:気志團{/netabare}
さしずめ『目覚めRETURNER』は{netabare}Perfumeだってみんな思うよね。{/netabare}




視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ

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2018.12.24 初稿
2019.06.08 追記
2022.06.02 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 97

83.0 2 MAPPAアニメランキング2位
この世界の片隅に(アニメ映画)

2016年11月12日
★★★★★ 4.2 (702)
3111人が棚に入れました
18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。
見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。

夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。
配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。

ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。
またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。
そして、昭和20年の夏がやってくる――。

声優・キャラクター
のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、牛山茂、新谷真弓、澁谷天外
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

戦時下でも蝉は鳴く

浦野家の長女として生まれ育ったすず。
明るくて純真な心を持つ少女。
特技は絵を描くこと。
昭和19年2月、すず18歳。
少女に縁談の話が訪れる。
相手は呉に住む北條家の長男周作。
海軍の軍港として栄える呉の街での生活が始まる。

こうの史代原作、片渕須直監督作品。
当時の街並みを再現した素朴で美しい情景。
戦時下の日常を生きる人々を描く傑作アニメ。

そこにあるのは規則正しいささやかな暮らし。
戦争という非日常の中にあっても、
すずは工夫をして食事を作り、洗濯し、
衣服を直し、日々をたくましく優しく生きている。
しかし戦局は悪化の一途を辿り、
物資の配給は減り、空襲の回数は増えていく。
そして昭和20年、運命の夏を迎える。
広島に新型爆弾が投下された。

{netabare}焼け野原と化した広島の街並み。
敗戦の玉音放送を聴き胸が詰まるすず。
張りつめていたこれまでが飛び去っていく。
泣き崩れるすずの胸中に想いを馳せる。
みんなが笑って暮らせますように。
この映画を不滅のものとした名場面がここに。{/netabare}

戦争ものは総じて苦手なのですが、
ここには前向きなメッセージがあります。
すずが暮らした70年前の広島でも、
夏にはスイカを食べ、蝉は鳴くのですね。
そんな当たり前に過ごす日々に感謝をして、
懸命に生きた彼女にまた会いたいと思います。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 99
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

微笑ましい日常を多く描くことで戦争の悲惨さを表現した名作

原作未読。

【はじめに】
「太平洋戦争を題材にした作品(映画・ドラマも含めて)の中で、これだけふり幅の効いている作品を見たことが無い」
これが私の第一印象でした。
作画や主人公・すずの人柄など、ノスタルジックでほのぼのとした日常の中に、悲惨な戦争がある・・・。

この作品の素晴らしさは、微笑ましい日常を多く描くことで、戦争の悲惨さを表現している所だと思います。
そして、絶望的な状況の中でも、前を向いて健気に生き抜いている人々(特に女性)の姿が、とても印象的でした。

太平洋戦争を題材にした作品の多くは、戦争の悲惨さを過剰に描いたり、(例えば特攻隊のような)兵士を英雄視して描かれる作品が多い中で、かなり異色な作品だったと思います。

『太平洋戦争を題材にした作品は苦手』という方にも安心してお勧めできる、傑作です。

【物語】
物語のほとんどが主人公・すずの目線で描かれている所が面白いと思った。
働き者でおっとり、少し内向的だけど明るい・・・。
そんなすずの目線で描かれていることこそが、この作品の一番の魅力だと思う。

【作画】
キャラデザを含めて、柔らかく、ノスタルジックな印象。
物語の印象とぴったりマッチしていて、とても良いと思った。

印象的だったのは{netabare}大好きな姪・晴美と大事な右手を失うきっかけとなった{/netabare}、あの空襲の場面。
まるで、水彩画を描くかのように表現されている。
幼いころから絵を描くのが得意だった、すずならではの見事な表現だと思う。
そして、「まるで現実の事とは思えない」すずの心情を上手く表していると思う。

【声優】
主人公・すず役ののん(能年玲奈)さんは、すずの役柄とぴったりだったと思う。
素朴な語り口が、この作品の魅力を最大限に引き出している。

【最後に】
書き出したらきりがないほど印象的な名シーンの多い作品だったと思います。
その内、いくつかを書き出しておきます。

~笑った~
{netabare}憲兵に間諜(スパイ)と疑われたくだりは声を出して笑ってしまった。

妊娠の兆候?➝朝食は2人分➝病院へ➝昼食は1人分。妊娠は気のせいだったんですね。(笑){/netabare}

~切なかった~
{netabare}右手を失ったすずのもとを訪ねた、妹・すみが別れ際に言った一言。
「広島に帰っておいでぇや。ひどい空襲も無いし・・・」
この後の歴史を知る者なら、誰もが切ない思いをするに違いない、地味ながら心に響く名セリフ。

玉音放送の後、人目を避け、泣き崩れた義姉・径子とすず。
誰もが勝利を信じ、色々な事を耐えて、我慢してきて、その結果・・・。
こういう所がとてもリアルで良かった。{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 94
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

右手を失った人に「運が良い人」とあなたは言えますか?

この物語は、戦争という理不尽な状況の中でも、たくましく生きていく人たちを描いています。

主人公のすずは、のんびり屋でおおらかな性格です。
そして絵を描くのが趣味な女の人です。

すずのおっとりした性格や作画の柔らかさもあり、最初はなごやかな雰囲気で物語がすすみます。
でも、この時代は戦争中です。

不覚なことに、映画の途中まで、私はそのことをすっかり忘れていました。
しかし、{netabare}
不発弾の爆発ですずの右手がなくなり、一緒に歩いていた女の子も亡くなったとき
「ああ、この時代は、兵隊でなくとも、空襲でいつ死ぬかも知れないんだ。命の保障など全く無い時代なんだ」
と、改めて気づかされました。

そこから先は、悲惨な内容ばかりです。

右手を失くして大好きな絵を描くことができなくなったすずに、
「右手を失っただけで済んだので運が良かったね」と、おばさんが言うシーンがあります。
もちろん私だったら、すずにそんなことを言えません。
でも、
実際に第二次世界大戦で命を亡くした人が沢山います。
日本人だけで、約300万人です。 
その中には、栄養失調で亡くなった人や満足な治療ができずに亡くなられた方もいます。
戦争さえ無ければ、栄養失調になることもなく、治療もちゃんと受けることができたはずですので、
やはり、それらの人々も戦争の犠牲者だと思います。

だから右手を失ったすずに「運が良かったね」と言ったおばさんは、悪気など全くないのです。 {/netabare}

この物語の最後に、すずが、母親を亡くした子供をひきとるシーンがありましたが、
あのシーンが無ければ、暗く辛い内容ばかりで映画が終わってしまうところでした。
あれで私の心が救われました。

私たちは、自分たちや子供たち、孫たち、その先のまだ見ぬ人たちのためにも、戦争のない平和な世の中を大切にすべきだと思います。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 90

85.6 3 MAPPAアニメランキング3位
呪術廻戦(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (870)
3478人が棚に入れました
少年は戦う――「正しい死」を求めて。辛酸・後悔・恥辱。人間が生む負の感情は呪いと化し日常に潜む。呪いは世に蔓延る禍源であり、最悪の場合、人間を死へと導く。そして、呪いは呪いでしか祓えない。驚異的な身体能力を持つ、少年・虎杖悠仁はごく普通の高校生活を送っていたが、ある日“呪い"に襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺の指"を喰らい、己の魂に呪いを宿してしまう。呪いである“両面宿儺"と肉体を共有することとなった虎杖は、最強の呪術師である五条悟の案内で、対呪い専門機関である「東京都立呪術高等専門学校」へと編入することになり……。呪いを祓うべく呪いとなった少年の後戻りのできない、壮絶な物語が廻りだす――。

声優・キャラクター
榎木淳弥、内田雄馬、瀬戸麻沙美、小松未可子、内山昂輝、関智一、津田健次郎、中村悠一、諏訪部順一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

呪いの王、呪力の痕跡

MAPPA制作。

人の負の感情から生まれる化物、
呪霊を使役し祓う呪術師たちの戦い。
禍々しいその力は人に何を伝えるのか。

MAPPAの躍進は大歓迎だ。
主題歌、ED曲良好、素晴らしい。
シナリオ構成の瀬古浩司氏も、
その仕事、すこぶる好調を維持している。

呪術師とその呪術、怪奇事件、秘学、
個性豊かなキャラクターが街に溢れ出し、
{netabare}呪力を手に入れた主人公・虎杖悠仁は、
特級呪物「両面宿儺」を口にしたことで、{/netabare}
怨霊、化物を一網打尽に出来るのでしょうか。

きっと長丁場、楽しめればと思います。

最終話視聴追記。
現世に於いても、蔓延る負の感情、
呪いの脅威と対峙し祓う呪術師たち。
呪術全盛は、平安時代だと言う、
きっと歴史の闇で暗躍してきたのでしょう。
禍々しく穢れた、世界観が好みである。

序盤最大の事件、渋谷事変へ。
{netabare}冥冥の活躍、呪詛師たち、呪霊の百鬼夜行、
夏油の野望は完遂され新世界は訪れるのか。{/netabare}

原作0巻、乙骨登場は劇場版へ、
ますます今後の展開が楽しみですね。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 65
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

外野の声をなるたけ廃す

原作未読

アニメ全般に言えること。視聴のトリガーは様々で本件の場合は「なんかすごいらしい」という理由。ちょい特別感を醸し出してましたよね。
視聴者の分母が大きくなれば目立ってくるのがネガティブ評なわけで自分はフラットより若干そちら側。その理由を因数分解すると外部要因が多そうだったので先にそちらを棚卸してからその前提を基に内容に触れることにします。


■後ろ向き理由其の一:バトル

バトルがしんどいから。二十歳前後で週刊少年ジャンプの定期購読を止めましたがほぼこれが理由。バトルする“背景”により踏み込んだものは別ですがなかなかお目にかかれるものではありません。
端的に当時の私にはこれらが子供っぽく見えたんですね。それ以降は単発で話題作をつまみ食いする程度で向き合ってます。好きなジャンルではありません。


■後ろ向き理由其の二:マーケティング

仕掛けるタイミングが悪い。やや先走り感あり。作られたブームと感じるとせっかくの良い作品もミソがついてしまう不幸。いわゆるネクスト○○ってやつですね。○○で儲け損ねた大手が二匹目のどじょうを狙ってるように見えてしまったのが気の毒です。
中身とは別のところで陰謀論やら場外乱闘やらが起きていてなんだかなぁというのも気の毒です。
{netabare}終盤で“渋谷決戦”を煽りながら劇場版へと誘導する展開もまあそうだよねって感じでした。{/netabare}

バトルに関心がなくマーケティングにも後ずさり。影響は否定しませんが実際観た結果は

 {netabare}まあ普通{/netabare}

主人公以外の主要キャラクター。キャラは立ってるがベクトルが似たり寄ったりで数のわりにはヴァリエーションに乏しい。4分割の分布図作ったらどこか一方の領域に偏ってる感じ。皆さん揃ってスカしてるのでガヤが欲しくなってきます。{netabare}木村昴さんが演じてた京都高専のマッチョはいい感じでした。{/netabare}
戦う理由にはきちんと味付けが欲しいところで若干薄味な印象です。ただしバトルそのものは見た目楽しく幸福なアニメ化だったといえます。

人間の恨みつらみが化け物化する設定は馴染み深いわけでして、もとの人間(だった)の業の深さが面白みに直結します。その点ナイスなところはナイスで、{netabare}いじめられっこ順平くんの悲しき末路なんて{/netabare}良いエピソードもありました。良き点悪しき点両方あるのです。総じて

 戦いそのものが楽しい
 作風に沿って戦う背景の説明はちょい頑張ってほしい


主人公虎杖悠仁(CV榎木淳弥)の行動指針となったじいちゃんとの関係をもっと掘り下げて欲しかった気がします。土台が固まっていれば良きバトルシーンは相乗効果でもっと魅力的に映ったことでしょう。
“切なさの残高”がほぼない状態から始まり物語が進行してるように映ってしまったのが敗因でした。


全24話から後はいったん保留で、今回の前日譚を劇場版で公開するとのことです。
煽りがけっこう凄かったことで期待よりもむしろマイナスからの入りだった人は私だけではないと思いますけど、お世辞抜きでヒット漫画に素晴らしい動きがついたことで払拭されたと思います。バトルものとしては良いアニメ化でした。
ただし不得意ジャンルにおいて私が感じる苦手なポイントはそのままで上乗せがなかったのは残念。こういうのも微妙な匙加減でどっちにも転ぶんですよ。
もちろん謎だらけ最強五条悟(CV中村悠一)の今後の動向次第で評価が変わる位置につけてる作品だとは思います。第1R終了した今の時点でイダドリもそうですが真横にポジショニングしてた伏黒恵(CV内田雄馬)と釘崎野薔薇(CV瀬戸麻沙美)が刺さっていれば爆上がりだったのになぁ。

バトルものはキャラ次第ってことです。受け止め方は人による。



※一言

{netabare}原作者さん、地元岩手の出身だし応援してますぜ!

釘崎の東京リスペクトっぷりはものすごく共感できるのよ w
主人公の仙台出身設定みたいに手近な都会が仙台ってのも共感できるのよ ww

あー憧れの八木山ベニーランド!!{/netabare}



視聴時期:2020年10月~2021年3月 リアタイ視聴

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2021.04.24 初稿
2021.12.17 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 56

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

全てにおいてよくできていてびっくり。巨人・菅野投手並の完成度!

<2021/4/10 追記>
先日最終話見ました。
うん。
面白かった。
最後まで優等生。
次回作は映画ですか。
どれくらいヒットするか、注目ですね。

<2020/12/31 追記>
いやー、レベル高いっすね。
アニメ好きなら好きになるなにがしかのフックがある。
それだけ数多くの魅力あります。
「キャラクターの魅力」
「物語の練り込まれ度」
「演出の完成度」
「映像美」

さらに、大事な点として
「見ることに躊躇が要らない」

これ、実は結構大事で。
見たら面白いんだろうけど、この先辛い展開がありそうだとかなんらかの理由で食が進まないことは多々あります。
そういうことがない。
まさに優等生。
各パラメーターにおいて高得点という化け物作品なのかもです。

これだけの作品だと鬼滅のような売れ方をつい期待してしまいますが、それは難しいんでしょうね。
本作は漫画やアニメが好きな人にとって百点満点。
でも普段そういうの見ない層にどれだけ訴求力があるかというとそこはやはり疑問があります。

それだけ鬼滅の刃という作品が、家族愛というこのコロナ禍で改めて見直された大事な価値観に訴える力の強い作品なのだと思います。

もし、「どちらが好きか」と問われると悩んだ末に「四月は君の嘘が一番好き」と答える自分が想像できますが 笑。

<2020/10/3 初投稿>
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。

原作は未読。
少年ジャンプだそうです。

録画予約した時、タイトルが
「呪術廻戦/犬と猫どっちも飼ってると毎日楽しい」
となっていたので意外とハートフルなのかな?
とか思っていざ見てみたら
「呪」に纏わるハードなダークファンタジーでした。

意表突かれたのは自分の勘違いからなんですが。

第一話を観た感想は、
・ノラガミを少年誌っぽくした感じ
・結界師をジャンプっぽくした感じ
・血界戦線を和風にして、割と普通にした感じ
・つまり「妖」とか「呪」とか「怪」とか「神」とか「鬼」とか「禍」とか「蟲」とかの漢字が似合いそう。
・こういう感じ好き

ちなみに第一話のサブタイ「両面宿儺」
たしか大昔、日本神話の創世記に現れたとされる鬼神。
貌が二つに手が8本だったかな。
このネーミングは本作の雰囲気をよく表してるのかもしれません。

この手の話は好物なので今期期待枠に入りました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 41

75.9 4 MAPPAアニメランキング4位
ユーリ!!! on ICE(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (743)
2996人が棚に入れました
日本中の期待を背負って挑んだグランプリファイナルで惨敗…
故郷吸収に帰ることになったフィギュアスケーター勝生有利。

「現役続行と引退はハーフ ハーフ…」そんな気持ちで実家に引きこもっていた勇利のところに突然やってきたのは世界選手権5連覇のヴィクトル・ニキフォロフで…

日本の崖っぷちスケーター勝生勇利と、ロシアの下克上スケーター ユーリ・プリセツキー。

2人のユーリと、王者ヴィクトル・ニキフォロフで挑む前代未聞のグランプリシリーズが今、幕をあける!

声優・キャラクター
豊永利行、諏訪部順一、内山昂輝、細谷佳正、本城雄太郎、安元洋貴、宮野真守、小野賢章、前野智昭、村瀬歩、野島健児、福山潤、日野聡、羽多野渉、土岐隼一

〇ojima さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

BLアニメというけれど?

「男子フギィアスケート」なんて書いてあるので当初期待してませんでしたが、非常に良い作品です!!!
1話、2話にて物語の掴みはOK。勇利の成長に焦点を当てます。
無論、ユーリにも成長の過程が組み込まれますが、やはり主役は勇利。
憧れ、ライバル、嫉妬、勝負、挫折、涙、達成、努力・・・たくさん要素が組み込まれています。観ていて楽しいですよ。

このアニメ、BLアニメというけれど、師弟関係とはそういうものではないでしょうか。
選手はコーチを信じて演技をして
コーチは選手を信じて大会に送り出す。
もし、これが男女の話の方が当たり前のようでつまらない展開になるのではないかと思いました。これで良し!
陽気に振る舞うビクトル。
憧れの選手にコーチをしてもらえるユーリ。
この組み合わせは最高だと思います。

敢えて残念なのは、このアニメ1クールで最後が急ぎ足。もっと個々の選手を掘り下げて欲しかった。個性のあるキャラが多いのでもっと楽しめたのではないでしょうか。

最後にOPのディーンフジオカにびっくり!良い曲です!

2018年2月平昌オリンピック開催。
2月12日付けの東京新聞 「東京エンタメ堂書店」記事にて
ユーリ!!!ONICEを絶賛しております。
それと、日本男女ペアが劇中曲にて挑戦するそうですよ。
プロも作品を楽しんでいるようですね(笑)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 54
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

スケートにも関係にもハラハラしましたー

フィギュアスケートを題材にしたオリジナルアニメ。


主人公の勝生勇利(かつきゆうり、以下ユーリ)は最初から日本一クラスの実力選手。
メンタルの弱さが目立ちますが、悔しさをバネに努力を重ねるというスポ根的な話ではありません。
そういう意味で主人公っぽいのは、同名のユーリ・プリセツキー(ユリオ)のほう。

この作品は、感情が変化することによって、演技にどう表れるかに焦点を当てています。
感情によって目的が生まれたなら、努力は勝手についてきます。
感情が乱されたなら、力があっても結果を出せません。
意識の変化を追いかけつつ、感情を語りながら演技に乗せるのは、強弱のあるフィギュアスケートと相性が抜群です。


よって、裏話はそこそこに、大部分が結果を見せる演技シーンに割り当てられています。
実況や解説まで付いていて、スポーツ番組を見ている感覚です。

この見せ方でもけっこう語れるもんなんですね。
ユーリやユリオはともかく、サブキャラは滑りながら心情を述べ、演技の流れで自己紹介しているに近い。
それなのに、キャラがちゃんと立っています。

サブキャラが活躍することで、それぞれの演技がうまくいくかどうか、ハラハラ。


ユーリの感情の核になるのは「愛」。
これはコーチであるヴィクトルとの絡みを中心に、「つながり」という形で描かれています。

最初は、男にしては近すぎる距離感の描写が単なる腐向けサービスシーンに見え、邪魔くさく感じていました。
しかし、中盤になると、どうにも中心になりそうなテーマだということが見えてきます。
この作品には各キャラにテーマがあり、それをストーリーに還元してるんですよね。
(「大人のエロス」をテーマにしていたクリスが主人公だったら、エロエロなストーリーになっていたはずです)。

「どんどん濃密になるよ」ということを匂わせることで、篩(ふるい)にかけていたんじゃないかという気もします。
そう考えて序盤のサービスっぽい要素に勝手に理由付けしたら、妙にしっくりきました。

でも結局は、テーマを探るよりも、「どこまで進むんだろう」というのが一番気になっていました。
実際に、{netabare}キスに見えるシーン{/netabare}とか{netabare}ペアリング{/netabare}とか見ながら、ハラハラ。
狙い通りに乗せられた気がしますが、えぐることはせず、落とし所は上手だったと思います。


映像・音楽はとても良いです。
最初から最後までめちゃくちゃ動くし、テーマソング含めて素晴らしく、見ていて飽きません。
1話まるごと使った見事な演技が何度も出てきます。
演技構成点が高いアニメです。


異なるハラハラが同居しているので、多種多様な感想が読めるというのも楽しかったりします。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

普通に面白いですが、フィギュア好きじゃない人はどうなんだろう…?

特に序盤から中盤まではかなり面白かったです。

いや、私自身がフィギュアスケート好きなせいもあるかもしらんけど…。

でも終盤は「お付き合いしました」感が強くて、「凄く面白かった」とは言えない感じです。

あ、第1話に出てきたヴィクトルのフリーのプログラムはめっちゃ高難易度ですよ…!?

なんだろう、普通にフィギュアスケートの試合を観ているような気分になっちゃったかな?

ステファン・ランビエールとか実在の人物が作中に出てきちゃったせいかもしれないですね。

元々フィギュアスケートって同じプログラムをシーズンを通じて難易度を上げながら煮詰める競技なので、「そんなん知らんわ!」って人なら競技映像ばかりだと普通に飽きるでしょうしね…。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 47

80.6 5 MAPPAアニメランキング5位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (534)
2205人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

生ける屍の死

時は室町から戦国、
領主である醍醐景光は天下泰平より、
己の野心に忠実に領土の繁栄を願い、
{netabare}我が子を12体の鬼神に生贄とし差し出す。{/netabare}
名誉欲に溺れた為政者である。

時代劇×妖怪×冒険。
MAPPA制作は抜群の相性を誇ります。
古風な寺、蝋燭の火、豪風雨の集落、
陰鬱な描写が素晴らしい世界観を伝える。

飢饉と流行り病に痩せ衰えた民と大地。
死を待つばかりの国の行く末。
死屍累々の荒野を旅する百鬼丸とどろろ。
襲い来る化物と己の「生」を見据え、
百鬼丸は身体を取り戻す戦いに明け暮れる。

鬼か人か、
生ける屍は何を語ると言うのだろう。

5・6話視聴追記。
感覚を取り戻す衝撃、世界は音の洪水だ。
{netabare}激しい「生」の苦しみと「生」の逞しさ。
慈愛に満ちた魂の色は透明である。
正義の到来を切に願おう。{/netabare}
哀悼のメランコリーである。

最終話視聴追記。
響くはずだった産声は呪われ、
因果の旅路の果てにあったものを想像する。
手塚作品は物語の上下運動は少ないのです。
中盤以降やや停滞するものの、
粛々と人の叡智と愚かさが描かれていく。
{netabare}彼は生きる力の中に「菩薩」を見る。{/netabare}
やはり語り継がれるべき作品でしょう。

手塚流曼陀羅、素晴らしいアニメです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 68

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

魔物は12体に減りましたが、思った以上に『どろろ』でした。

== [第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
「今夜(1/7)から放送開始だと思うんですが、あにこれのアニメ番組表に載ってません…。」と1/7当日に書いた手前もあり、さっそくの第1話視聴です。

大雑把にいうと、魔物に身体の一部を少しずつ奪われている百鬼丸が魔物を倒して自分の身体を取り戻していくお話であります。そして身体を奪われた原因は実の父親にあるので、これが「実の父親が仇」

手塚治虫による原作漫画は約50年ほど前の作品で、一度目の連載で途中終了、二度目の連載で打ち切りをくらい百鬼丸が身体をすべて取り戻せたかどうかは不明です。

旧作アニメでは、一応「最終回らしい最終回」を迎えています。リメイク版である本作はおそらくちゃんとシリーズ構成されているでしょうから「最終回らしい最終回」が期待されます。ちなみに原作および旧作アニメ設定では、魔物の数は48体でした。

キャラクターデザインについては漫画原作やそれに準拠した旧作とは大きく変更されていますが、それらしい面影は残っています。

作画に関しては、ツインエンジンが参加しているのでCGなども駆使してきっとそれなりにうまくやるでしょう。第1話の戦闘シーンの動きはなかなか良かったと思います。義手・義足の作り物感もわりと出ていましたね。

ストーリーや設定については、魔物の数以外は概ね原作準拠といった感じでした。

特に「原作・旧作は知らん」という方には、わりとお薦めできる感じだと思います。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.2.12追記:
第6話まで視聴終了。原作が『どろろ』だからと言ってしまえばそれまでですけど、この未央(みお)が出てくる5話/6話の前後編はなかなかに辛い話でしたね…。

2019.5.21追記:
第19話まで視聴終了。まさにサブタイトル通りの「天邪鬼(あまのじゃく)」でした。旧作『どろろ』には良くあったコミカルな感じのお話でした。

オムカエデゴンスとかヒョウタンツギが最近のアニメ作品では珍しく、本編中に出てきて懐かしかったですね。

2019.6.27追記:
最終話まで観終わりました。

百鬼丸の両親である醍醐景光や縫の方の扱いは原作よりも良かったんじゃないでしょうか。ただ、本作オリジナルの妖怪が出たりとかいろいろと改変されているようでいて意外と本筋は原作を踏襲していて、かなり良いアニメ化だったと思います。

「そういう作品だから」といってしまえばそれまでですけど、血が出たり人が死んだりはけっこうしていましたね…。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 61
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

原本のエキスを感じられるリメイク

原作は読んでないんだなあこれが…


原作者は説明不要の漫画の神様。1969年(昭和44年)アニメのリメイクです。
制作会社に旧虫プロの流れをくむ(といったらほぼみんなだけど)MAPPA。そして手塚プロ。手塚治虫から始まったアニメーションの歴史の一つの結実みたいで生き証人になった気分です。
昭和44年といえば安田講堂陥落のあった年。節目は節目でこういった世相も作品には反映はされてますね。

時代は応仁の乱近辺で、みんな大好き戦国時代へ向かう過渡期。国は乱れ各地方を治める領主の治下もジリ貧の状態。
荒れた土地そして苦しむ領民。領主醍醐景光は鬼神と取引をし、領地の繁栄と引き換えに自身の子を人身御供に捧げます。はたして産まれてきた子は体のあらゆる部分が欠損していて、ちょっくら一悶着した後に小舟に乗せて川へと流される。
その流された子が主人公百鬼丸。道中出会ったどろろと共に失われた体を取り戻しにいくというお話です。

あらすじ読んでも暗めな雰囲気は伝わってきます。敬遠される向きもあるかもしれませんが、単なる暗い話ではありませんでしたよ。
50年前の原作も前作アニメも知らずフラットに鑑賞できた上でどうだったかというと、これは当たりでした。
新しい古いは正直なところよくわかりません。しかしながら普段観てる作品とは違った描かれ方をしてるなーという部分が自分には心地よかったです。具体的には2点ほど。


■3ステップ構造

基本設定を動かせば収拾がつかなくなるもの。だいたいは“勧善懲悪”だけ。または“二つの正義”だけとどちらかに固めて動かすものではありません。最初に前者と見せて徐々に後半を見せる手法は名作ではまま見受けられます。
ここを段階つけて両方見せてきます。さらにキャラ変“同じ人でも揺れる”が入ってくる仕掛け。それでいて物語がきちんと成り立っているのでした。


STEP1 勧善懲悪
安心安全かつ分かりやすい反面深みを期待してはいけないのが勧善懲悪もの。鬼神VS百鬼丸と外面はその体裁を保ってるのが本作。
当然それだけでは終わらないわけですが、共感しやすい土台がまず敷かれることになります。
{netabare}物語は早々にSTEP2の装いを呈します。が、巡り巡ってラストは人間の善なる部分への期待へと戻ってまいります。{/netabare}

STEP2 二つの正義
互いの正義のぶつかりを上手く消化すると良作が生まれます。ところどころで表出しつつ、代表では百鬼丸と多宝丸にて描かれた本作です。
簡単に言えばよくある良作なわけなんですが、とはいっても単純な勧善懲悪よりも構造が複雑になります。ここに至るまでに収拾のつかなくなった作品なんて山ほどありますよね。

STEP3 同じ人でも・・・
“人”か“そうでない”かという指標が出てきます。「人の皮を被った○○」「畜生道に堕ちる」という文脈での二択。闇落ちという表現が妥当かもしれません。これは主要人物のみならず取り巻きや通りすがりの面々もです。
キャラ変みたいなもので同一人物でも光と闇を行ったり来たりとより複雑化。
{netabare}しまいにはお馬さんまで行ったり来たり。これ「畜生にすら…」を強烈に印象づけました。{/netabare}


{netabare}・簡略するとこんな感じかしら
-STEP1 Aは善 Bは悪
-STEP2 Aなりの正義 Bなりの正義
-STEP3 Aは善であり悪 Bは悪であり善{/netabare}


昭和一桁世代は10代で世の中の価値観が大転換しちゃったのでその影響も・・・
とまことしやかに高説をぶることも可能ですが、いややりかけましたが、シンプルに面白いのです。カオスになりそうなところを纏める手腕は原作の良さもさることながらアニメスタッフも良い仕事をされたと思います。


■分をわきまえた人たち

現代風にいえば、自由には責任が伴うですとか権利を謳うには義務を果たさなければならないですとか、そういった当たり前の感覚を身につけている人たちしか登場しません。
似たようなのに、「ほんとうの悪人が出てこない」がありますがちょっと違います。

 分をわきまえている

のです。派手なキャラ、尖ったキャラ、突出したキャラはいません。そこが良い。
それでいてキャラが誰が誰だかわからんということもなく、じわじわとくるのです。地味なの嫌いでなければたぶん大丈夫ですよ。

{netabare}・例えばこんな人たちかしら
1.お須志(第4話)
再会を心待ちにしてた兄を斬られたわけですが百鬼丸に恨み言一つぶつけないんですよね。兄を想う気持ちと兄の起こした所業とを天秤にかけるような描写すらありません。ただただ受け止めます。兄がやらかしたことを重々承知しているからです。
涙を流しながら「どうして?」と百鬼丸にすがる演出よりも彼女の悲しみがより伝わってきました。

2.ミオ(第5話~第6話)
どろろに仕事の内容がばれた時に、言い訳するでも口止めするでもありません。賤業であることを自覚しそれでもなお希望を失わず。
恥ずかしさに取り乱すなり開き直るなりの描写ではないため、より彼女の諦めの深さが伝わってきます。人としての誇りを失ってないこともわかります。どろろの返しもまたいいんですよね。

海軍大将で日露戦争の勝利に貢献しのちに総理大臣も務めた山本権兵衛。渡辺崋山や高野長英などを弟子に持つ松崎慊堂。いずれも奥さんは元遊女です。
職業に貴賤はありません。そして職業や身分よりも、その人物が、人として尊敬できるかどうかや、人としての矜持を失わずに生きているかどうか、そういうことを大切にしてきたのが日本人です。ミオはそんな人でした。{/netabare}



“3ステップ構造”そして“分をわきまえた人たち”
このへんを「アニメでは珍しいな~」と感じながらの視聴でした。地味ながら見応えのあるお薦めの良作です。


最後にどろろ…
本業声優ではない14歳の子役の方が演じられてますが、めちゃくちゃ巧かったと思います。
アニメ声が出るとかいう話ではなく、子供の喜怒哀楽がストレートに伝わってくる名演。演者は鈴木梨央さん。ハマリ役でした。
全体通しての展開や役回りからタイトルが“どろろ”であることに違和感がない全24話。難しい役どころだったと思います。お疲れ様でした。



※余談
其の一
『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』そして『どろろ』と、シリーズ構成を小林靖子さんが手がける作品にお世話になりっぱなしです。

其の二
足利義教がけっこう好き ※作中には出てきません

其の三
自分の親父が借りてきた『忍風カムイ外伝』を少年期に観てた私にとってはややダーク感は薄いと感じる



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視聴時期:2019年1月~6月



2019.07.14 初稿
2019.07.22 修正
2020.01.28 追記

投稿 : 2025/02/08
♥ : 60

83.8 6 MAPPAアニメランキング6位
賭ケグルイ(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (976)
4728人が棚に入れました
舞台は、日本政財界有力者の子女が集う名門・私立百花王学園。この学園でもっとも重要な能力は、勉強や運動ではなく「駆け引き」「読心術」「勝負強さ」――つまりギャンブルの強さが全てを決める。学園はギャンブルによる階級制度(ヒエラルキー)で支配され、その頂点には絶対的権力を誇る「生徒会」が君臨。賭けるモノは「大金」「カラダ」そして「人生」。そして、本作の主人公となる謎多き転校生・蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)の登場により学園の階級制度に異変が起きていく。

声優・キャラクター
早見沙織、田中美海、徳武竜也、若井友希、奈波果林、伊瀬茉莉也、芹澤優、杉田智和、鵜殿麻由、福原綾香、沢城みゆき
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

狂気のゆくえ

MAPPA制作。

伝統と格式ある名門、私立百花王学園。
独自の階級制度を採用している。
生徒は将来を約束されたエリートばかりで、
この学園では勉強や運動の成績が評価されない。

将来「人を使う」立場になる彼らにとって、
それほど重要ではないとの考えからです。
大切なのは心理戦、駆け引き、読心術、
勝負強さ、つまりギャンブルの強さである。
{netabare}ヒエラルキーの最下層は家畜扱いで、
名前は男ならポチ、女ならミケとなる。{/netabare}

とにかく言葉も表現も過剰な作品。
オリジナルギャンブルの数々が出て来ます。
{netabare}ただ賭けるモノまで過剰になっていき、
この過剰さで好みが分かれるでしょう。{/netabare}

原作者そこそこ病んでいますね。
キューブリック監督の戦争映画的な病み方。

演出・音楽・声優の熱演など、
癖がありますが印象に残る作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 85
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お淑やかな美少女が実はギャンブル狂

原作未読。最終話まで視聴。

【物語】
イカサマや策略を張り巡らせた相手に対し、主人公が人並外れた洞察力、記憶力、交渉術など駆使して挑む物語。
しかし、最後の勝負所だけは{netabare}運を天に任せていることも多々あり{/netabare}、視聴者をドキドキさせます。

ある意味、主人公最強系と言えるかも知れない・・・。

【作画】
こういう物語の場合、細かな感情の変化を表情で表す必要があると思いますが、とてもうまく表現されていたと思います。
もちろん、”顔芸”も含めて良かった。(笑)

【声優】
主人公を演じた早見沙織さんと生徒会長役を演じた沢城みゆきさんはとても良かったです。
そういう意味で、最終話はとても見ごたえがありました。

【音楽】
OP、EDとも作品のイメージに合っていたと思います。

【キャラ】
「物語の性質上」ってことかも知れないけど・・・。
かなり「イッちゃっている」人が多いです。(笑)

【最後に】
{netabare}イカサマの無いギャンブルってないのかな?
生徒会役員って言っても、イカサマばかり・・・。
威勢の良い、カッコいいことを言っていても、結局イカサマばかり・・・。
イカサマで成り上がった生徒会役員が、偉そうにしている所がとても笑えた。

もしかしたら、大物ぶった小物をあざ笑う作品なのかも知れない。{/netabare}

{netabare}その点、イカサマではなく策略で勝負を挑んだ生徒会長は、もしかしたら本当にすごいのかもしれないと思った。
(本当は、多少イカサマめいたことはあったかも知れないけど・・・?)

まあ、そんな生徒会長相手に、運だけで”引き分け”を引き寄せた夢子(と鈴井)も大概だけど・・・。{/netabare}

第2期制作決定しましたね。
今から楽しみです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 74
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

酒と賭博と男と女(酒抜き)

原作未読 全12話


2019年冬クールの第2期を前に予習です。

良家のご子息ご息女が通う学園私立百華王学園。人を統べるにはギャンブルが強くないとネ、の校風でギャンブルの強さが学園内での処遇に直結。ヒエラルキーのトップに立つは生徒会長。底辺は奴隷扱い。そんな学園に転校生 蛇喰夢子(じゃばみゆめこと読む)がやってきて一波乱。学園を舞台にギャンブルに興じる高校生たちのドラマ!?です。

さすがギャンブル大国日本ですね。切った張ったの一寸先はわからないあの緊張感は当事者はもちろん、傍目から眺める分にも面白いものがあります。
『哭きの竜』あたりを祖に“酒”“賭博”“女”が絡んでやさぐれ感満載の劇画タッチ麻雀漫画が主流だった時代から、2000年代あたりからの『LIAR GAME』『嘘喰い』と知能ゲームに軸足を置いたものが市民権を得てきた分野です。
本作もそんな潮流に沿った原作を基にしています。年齢設定から“酒”要素は望めないものの“女”要素は表に出ていて、OPとEDの淫靡な雰囲気に表れてるように、豆生田楓(まにゅうだかえで)の言葉を借りれば“王道”の系譜にあたるギャンブル作品の佳作にあたるでしょう。

本作については、ギャンブルというか賭博の持つ毒は薄めではないかと思います。オサレなのです。
本編で展開されたゲームはあまり印象に残らず、親の金で好き勝手やってもなぁと一歩引いて見てたこともあり、大博打での一発逆転や人生一発アウトの緊迫感の描写にリアリティを感じられず、ギャンブルものとしての評価はあまり高くありませんでした。{netabare}なんだかんだ親が翻意してしまえば救われますからね。{/netabare}
どうしようもない輩が身を滅ぼしていく中で、神憑り的な天才性を発揮する主人公が活躍する旧来のギャンブルものから得られるカタルシスを期待していたのかもしれませんね。先入観といってよいでしょう。


「顔芸」 「イカレたキャラ」 「美少女もの!?」


賭博の毒を抜いた別物として、知能ゲーム+上記のなにかを楽しむ作品と理解しました。


好印象なのは以下、

・最終話しっかり纏めたこと
・{netabare}序盤第3話西洞院戦でヒロインの敗戦を描いたこと。また生志摩戦でゲーム勝利は何かを再定義したこと。と単純な勝ち負けに終わらなかった点。{/netabare}
・パートナーの鈴井くんの凡百な視点。イカレキャラばかりだと食中りを起こしてしまいます。

登場人物名の漢字がほぼ読めないのはツッコミどころでいいのかしら。
キャラの中では生志摩妄(いきしまみだり)がお気に入りでした。名は体を表すというか、いきは“イキ”で、しまは“締”“沁”で、みだりは“乱”“淫”と二重三重の掛詞がハマるJK!!
さらに声優さんイカレ感を出してくれれば良かったのにと思うものの、ヒロイン以外で唯一、人生全振りしてるなコイツと思えたキャラでした。


あまりにも「顔芸」で名を馳せてしまったために、キャラものの印象が強い本作ではありますが、1話あたりの構成は地味に良かったと思ってます。

・基本1話完結
・対戦相手がイカサマを仕込んでる。
・対する夢子はそれを見破る。

日常→ハプニング→対戦→決着→後日談、の大筋の流れがあり、そこでのトリック(イカサマ)ネタ明かしが毎回の楽しみだったりしました。

これは江〇川コナンくんや金田〇少年と一緒ですね。たぶんやらないしやる必要もありませんが、脚本家を複数用意できれば、延々と続けられる鉄板の構成です。
それに夢子が無双なので水〇黄門のような安心感も得られたりします。ギャンブルものとしてはどうかと思われるこの安定度合いがむしろ作品を支えていました。2期があるのも頷けます。


旧来のギャンブルものとして観ると肩透かしを食らう。
キャラを堪能するならレベルは高い。
ギャンブルの特性(不安定さ)と手堅い物語構成(安定さ)とのバランスの良さ。


独特な輝きをもった実に興味深い全12話でした。実家の資産食い潰すだけでしょ?のひっかかりがなければもっと評価を上げてたことでしょう。
また、パ〇ンコ屋や一時期の消費者金融の「私たち社会貢献してます♡」TVCMの胡散臭さを感じようものならむしろ評価を下げてたことでしょう。


人としての均衡はお世辞にも保たれてるとは言えない面々が織りなす非常にバランスの取れた作品ということになろうかと思います。
OPもEDも良いですね。狂気とエロスは表裏一体だぜーっ!を上手いこと表現できてました。


■余談
酒がもっと絡めばな~(しつこい)



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2019.09.06追記
《配点を修正》 -0.1


視聴時期:2019年2月 配信



2019.02.24 初稿
2019.09.06 追記/配点修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 68

82.3 7 MAPPAアニメランキング7位
進撃の巨人 The Final Season(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (510)
2123人が棚に入れました
「その巨人はいついかなる時代においても、自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。名は――進撃の巨人」ついに明かされた壁の外の真実と、巨人の正体。ここに至るまで、人類はあまりにも大きすぎる犠牲を払っていた。それでもなお、彼らは進み続けなければならない。壁の外にある海を、自由の象徴を、まだその目で見ていないのだから。――やがて時は流れ、一度目の「超大型巨人」襲来から6年。調査兵団はウォール・マリア外への壁外調査を敢行する。「壁の向こうには海があって、海の向こうには自由がある。ずっとそう信じてた……」壁の中の人類が、初めて辿り着いた海。果てしなく広がる水平線の先にあるのは自由か、それとも……?エレン・イェーガーの物語は、新たな局面を迎える。

声優・キャラクター
梶裕貴、石川由依、井上麻里奈、下野紘、小林ゆう、三上枝織、谷山紀章、細谷佳正、朴璐美、神谷浩史、子安武人、花江夏樹、佐倉綾音、村瀬歩、川島悠美、松風雅也、沼倉愛美、増田俊樹
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

大義名分で舗装された道

原作は途中から控えたMEN
1クールにしてはボリューミー全16話です。
※以下3期までのネタバレは隠してないのでご注意を。


エレンたちが海に辿りついてから4年。太平の世が終わりエレンのおかんが食われて9年後の世界。

本放送中に原作が完結したりいよいよか!な〝FINAL”と銘打ちながらまだまだ続きがあるようです。
放送時期毎に感想書いてるとネタがつきてくるもんですが、そうはならない数少ない作品。毎度新たな一面を見せてくれ、それでいて一本筋が通ってるのが特長。

「あれ!?なんか観るアニメ間違えたかしら?」
{netabare}「あれ!?どちらのゴールデンカムイでしたっけ?」{/netabare}

そんな冒頭でさえ不安にならないのはひとえに積み上げたものへの信頼です。きっと回収するはず!
そんなひとつ。見上げた空に羽ばたく鳥たちのオープニングカットは1期第1話を彷彿とさせました。

「あーいよいよ完結するんだなぁ」 
「あーこのあと壁の中はえらいことになってたよなぁ」

そんなオープニングカットからの連想。前者は大河ドラマ並に重厚な物語が終焉を迎える高揚感と一抹の寂しさ。一方で後者が示唆するものはやや不穏。1期で壁内人類を襲った悪夢の再来です。
そうしてFinalseasonはお馴染みの面々抜きで海の向こうの国〝マーレ”側の視点から幕が開きます。ひとまず此度の16話をまとめるなら

 〝16話分のキャラ回”

1クール群像劇なら6話~8話あたりで適宜挿入されるアレ。キャラ評価の逆転を狙う目的なら終盤10話あたりまでと何処にでも挿入可能性あるアレ。敵味方問わず登場人物たちを深掘りし物語に深みをもたらすアレをまるまるやっていただいた印象。
思えば主人公エレン(それとアルミン)の原動力は〝駆逐してやる!”と〝璧外への憧憬”の二つ。憧れを象徴する台詞が「海を見たい」だったと思います。海をイタリア語で〝マーレ(Mare)”と言いますが、そんな海を冠した壁内人類との因縁浅からぬ国と対峙するぞ!というところで3期は終幕してました。
おさらい兼ねて駆け足で振り返る59話↓

 第1期(#01-#25) 人類対巨人の絶望的なパワー差でも抗う人類の意志を描き
 第2期(#26-#37) 絶対真理と思っていた『打倒巨人』の前提に揺らぎが生じ
 第3期(#38-#49) 揺らぎや萌芽が形となって壁内の人間同士の争いへと発展
 第3期(#50-#59) 明かされる世界の仕組み。壁内人類の災難はマーレ起因らしいことが判明
 第4期(#60-#75) 今ここ

そのままマーレを敵認定した組み立ても成立したでしょうがそうはしません。キャラ回をあっさり1話ちょっとで終わらせず、新キャラも順次投入し厚みを持たせていました。代表はガビ♀とファルコ♂の四月に嘘ついてそのうち神様になりそうな実力派声優コンビで息もぴったり。

 戦争は対峙する両者がそれぞれの正義を掲げ絶対的な善悪など存在しない

散々言われてきた使い古されたモチーフです。善悪二元論に傾かない最近の例で超絶ヒットした『鬼○の刃』でも鬼側の事情を丁寧に描くことに奏功してました。

そこに良い意味でえげつなく足を踏み込んでるのがこのFinalseasonではなかったでしょうか。単に相手側の事情説明に終わっていないのが良い。
対立してる二つの視点を擬似体験させる手法が徹底しているため、今目の前で繰り広げられてることや向けられるセリフ随所に〝かつての○○と同じ”フラッシュバックする場面わんさか。その意味ではガビ&ファルコはニコイチでかつてのエレンと見立ててました。死にたがり野郎成分多め「駆逐してやる」状態エレンを担当するのがガビ。その対極、勘はいいけど思慮浅めで戦士適正が低い落ちこぼれエレンなファルコ。


明かされていく伏線に唸るのももちろん楽しいですが、〝かつての○○”がいちいち刺さり、その最たる犠牲者!?ともいえるライナーが第1話(#60)声優紹介のトップを飾っていることがなによりのメッセージかと思われるFinal前半でした。
ただの知識でしかなかった善悪の曖昧さを疑似的に体験できる貴重な経験を得られるかと。文科省推薦にして夏休みの課題アニメにしたらいいと思います。
善悪に関する哲学的な思考。歴史観。各々の価値観次第でなにかしら引っかかるものがある傑作なことは言うまでもないでしょう。



※ネタバレ所感

■仕方なかったってやつだ

{netabare}「尊敬してたのに」とエレンを面罵するファルコ。昔同じこと言われたライナーの表情が蒼ざめる。
「友達だと思ってたのに」と姉の仇ガビに憎しみをぶつけるカヤ。そりゃそうなのです。

「人類を救うためです」シャーディス教官に答えた若き日のライナー。そう!人類を救うためなのよ。

パラディ視点で始まったこの物語は100年続いた安寧をマーレ側が破ったことが発端。抗戦の大義名分ありまくりです。
一方世界からみればパラディ(壁内エルディア人)は長年巨人使って残虐行為の限りを尽くしてきたわけで、それが辺境の島に残存戦力抱えて逃げ込んだ挙句〝地ならし”なんて切り札持ってる連中から「平和を望んでいる」と言われたところでそんなん信じられるか、ボケ!ってのは頷ける話です。

作者の性癖かもわからん。悉くブーメランがライナーに刺さるのが痛ましいのであります。
そして信じてたものが切り崩されてく絶望というものをガビとファルコが受け止めてくれました。おかげでガビの心がガビガビに…(自粛){/netabare}


■まあそう思っちゃうよね

ワルシャワのゲットー(跡地)をほっつき歩いた経験から、居住制限区域が対ユダヤ人のそれに見える。
{netabare}その前提に立つと、腕章での住民ラベリングやちょび髭の閣下風なあの人の登場だったりで、国家マーレにおけるマーレ人とエルディア人の関係はゲルマン人(アーリア人)とユダヤ人とのそれですわな。
密告社会だし、少年兵はヒ○ラーユーゲントだし、ヴィリーダイバーの真実の中に適度に嘘を散りばめた演説がゲッペ○スのそれにも見えるわけでして。

ドイツ人これ観てどう思うんだろ?{/netabare}


■そしてこんな風にも見えるよね

『山河燃ゆ』って大河ドラマをアメリカで放送した時、現地の日系人から猛烈に抗議を受けたそうな。どんな内容か?
{netabare}原作は山崎豊子の『二つの祖国』。その名の通り、大東亜戦争時の日系人の葛藤を描いた意欲作。
それで猛抗議する日系人の事情も配慮しないとですよね。アメリカ人として日本のことなど全く考えもしないという姿勢を見せないと移民国家では悲しいかな生きていけないのです。

被差別民族の忠誠心競争も、そんな彼らを地雷原や最前線に送り込むのもよくある話。
冒頭の戦役は203高地攻略っぽいし、エレン派のクーデターは二・二六事件になぞらえることも可能です。エルディア人=ジャパニーズ説。だいたい鎖国してる島国に列強が襲ってくる図式なんてまんまそれに見えなくもない。{/netabare}


ドイツにせよ日本にせよまたそれだけに限らず、歴史の表裏や機微を上手く表現してるからどの歴史にも代入できるんでしょう。外人さん政治/歴史大好きだから海外でウケるのには納得しますわ。

{netabare}始祖の巨人奪還作戦も示唆に富む気がします。始原への執着は宗教戦争に発展するわけで…
ユダヤ・キリスト・イスラムと聖地エルサレムを巡る三すくみの例は言うまでもなく、人類の始原をアーリア人(インドヨーロッパ語族)とすることで優秀なアーリア人とそれ以外はオマケと見做す選民思想に酔ったハーケンクロイツな面々なんかそうでしょう。これは麻薬にも似た誘惑があるのか、隣国からナンデモ起源説が無くなることもありません。

 優れた我々のルーツ

合理性とは異なる尺度で争いは始まります。2000年単位のエルサレム界隈では対処するための知恵を蓄積してますが、うしろ二つは歴史の長い文脈でいえばまだまだ若い。
始祖マンセーな歴史と最終兵器としての〝始祖の巨人”とでは厳密には話は異なりますが、〝ルーツ”を争いの元としてる点が一つのメッセージのように思えるのでした。{/netabare}



■オマケ

1.制作会社変更
私にはあまり違和感なく移行できてるように見えました。
{netabare}ただピークちゃんのデザインがなんとなく伊藤潤二氏の漫画に出てきそうな見た目だったのが残念。{/netabare}

2.道半ば
2021秋からスタートするクールで完結するらしい。。。
{netabare}まだまだどうなるかわからんですね。いったん地ならししないと収まらん気がします。エレンがミカサやアルミンら守るために偽悪を演じてる可能性も捨てきれず。それで次世代への継承みたいな感じでファルコやガビが新たな世界を歩んでいくような。いずれにせよエレンの未来は暗そう。{/netabare}

3.楽園
イタリア語でもう一つ。楽園を〝パラディソ(Paradiso)”言いますもんね。
{netabare}囲われた島パラディが楽園というのも皮肉が効いております。作中でも罪を犯したエルディア人にお注射ちっくんして島に置き去ることを『楽園送り』と称してるあたり、楽園は薔薇色ではないんですよね。{/netabare}


 地獄への道は善意で舗装されている

ポジティブさの裏に潜む地獄。作中用語であれば〝善意”を〝仕方なかった”に置き換えればよい。



視聴時期:2021年1月~4月 地上波リアタイ

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2021.05.07 初稿
2022.02.27 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 41
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

業火に薪をくべる

原作、諫山創。

地下室で見つけたグリシャの手記。
エルディア帝国、パラディ島、マーレ、
九つの巨人、力の継承者たち。
エレンが辿り着いた海の向こう側、
いつ終わるとも知れない戦争が続き、
ここに物語の根幹が開示され始める。

原作者による英断であろうか、
ジーク、ライナー側からの描写を置いた。
大国マーレの現状と野望である。
物語を重厚なものへと発展させるには、
必要不可欠だと判断したのだろう。
いささか体感速度を落とすことになるが、
{netabare}始祖ユミルフリッツを知る事に意味はある。{/netabare}

双方向に、他民族を、
征服し浄化した歴史がある。
人の悪業を以て歴史は、
業火に焼き尽くされようとしている。

我々はどちらにしろ薪をくべる。

最終話視聴追記。
{netabare}マーレ潜入、混迷を極める戦場。
あまりにも大きすぎる幾多の犠牲に、
これが正しい選択なのかと揺らぎ始める。
運命と対峙し乗り越えなければならない。
救済とはいったい何であろうか!?
自身への揺らぎ、信仰、他者への信頼、{/netabare}
ここが描かれた最終章前半の物語でしょう。

いよいよ決断、断罪の時が迫る。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 39
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ただただすごい!

原作は昔1巻だけ読みましたがほぼ未読です。

3期(~59話)まではWIT STUDIO制作でしたが、今期はMAPPA制作に変わりました。
制作会社が変わると雰囲気などが変わる作品が多いので、大丈夫かなと心配しましたけど皆さんの評判が良いみたいなので、ちょっと期待しながら視聴を始めました。

これはすごい!
様々な謎の提示とそれが徐々に明らかになっていくところももちろん面白いんですが濃密な人間ドラマも丁寧に描かれていて、見終わった直後の感想は「ただただすごい!」でした。

いきなりマーレと連合国との戦争シーンから始まりちょっと面食らいますが、マーレとそこで生きるエルディア人を最初に丁寧に描くことで、それが後ですごく効いてきます。

今までずっと攻められていたパラディ島の人々が{netabare} ついにマーレを攻撃する{/netabare}展開は、3期までしか見ていないのならカタルシスを得られる展開かもしれませんでしたが、前記のとおりマーレでの人々を丁寧に描くことでもっと深みのあるドラマになっていると感じました。

エリンがライナーに語った「お前と同じだよ」という言葉が重いです。

そして67話。悲しすぎる。
サシャも、 {netabare}ライフルを撃った{/netabare}ガビも・・
70話で{netabare}逃げたガビたちを迎えてくれた一家がサシャの実家だったという展開、そしてマーレから来たと知りながらも友達になってくれたサシャの妹のカヤが、サシャを殺したのがガビだと知ったとたん、憎しみの表情を浮かべてガビを殺そうとする {/netabare}展開など、色々と考えてしまう目の離せない展開が続き、そしてやるせない気持ちになりました。

ほかにも、{netabare}ジークの裏切り、そしてエレンの離反と、{/netabare}先の読めない展開が続いてあっという間の75話。
名作だと思います。

続きのFinalパート2が今冬予定ということですが、今からとても楽しみです!

投稿 : 2025/02/08
♥ : 27

78.5 8 MAPPAアニメランキング8位
いぬやしき(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (716)
3196人が棚に入れました
定年を間近に迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は会社や家庭から疎外された日々を送っていたが、ある日突然、医者から末期ガンによる余命宣告を受け自暴自棄になる。

その晩、突如飛来したUFOの墜落に巻き込まれ機械の体に生まれ変わった彼は人間を遥かに超越する力を手に入れることに。

一方、同じ事故に遭遇した高校生・獅子神皓は、手に入れた力を己の思うがままに行使し始めていた。

自分の意に背く人々をただただ傷付けていく獅子神と、獅子神によって傷付けられた人々を救い続ける犬屋敷。

人間の本質は善なのか、それとも悪なのか…?

強大な力を手に入れた2人が、いま、それぞれの想いで動き出す――。

声優・キャラクター
小日向文世、村上虹郎、本郷奏多、上坂すみれ、諸星すみれ
ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

人間の本質が善か悪かというキャッチコピーですが。。。

原作未読。全11話。

宇宙船の墜落により、心と記憶はそのままで、身体をサイボーグに
された初老と高校生の物語。
サイボーグになったことで、星一つを壊滅できるほどの力を
得る一方で、人でなくなった事を思い悩むのですが、、、
共感はできなかったかなー。

{netabare}
初老は道徳的で正義感が強く、真面目、青年は自分の関わる人以外は
どうなっても良いという人間性で対称的、それらの人間性が、
生まれ持ってのものなのか、後天的に得られたものかは不明で、
結局、二人とも、人間でなくなったことを憂いはするが
力が無くて出来なかった事をするようになる。
元々の人間性が表面化する。
初老は人助けに生き甲斐を求め、家族に認めてもらえる、
青年は誰にも受け入れてもらえないが、一貫して身内だけを
助けたいと思うだけで改心していない。
一方で地球が巨大な星に衝突する危機となり、二人で自爆して
地球を助ける。

現代社会の不条理、行き過ぎたなメディアや暴力団や若者の
不道徳な行為などを批判的に織り込んで、打ちのめして
痛快に思えなくもないですが、対極的な二人の人間性の変化を
期待したかな。(多少の心の揺らぎはあったんですが、
物足りない感じです)
キャッチコピーの「人間の本質は善なのか、それとも悪なのか
。。。」が適切であった内容とも言えないかな。
{/netabare}

作画も音楽もかなりよく、観ていて退屈しませんでしたが、
物語としてはちょっと物足りなさを感じました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 36
ネタバレ

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

「最終兵器オヤジ」はサムメンコみたいなヒーロー厨じゃなくて、初老の冴えない事なかれ主義者だからこそ、人生に疲れ、悩み、苦しみながら生きていて、

なんだか共感できるおじさんなんです(笑)


もう私は、ノイタミナ枠は信じてないので、
基本的に、斜めにしか見ませんが、
今回の、こういうSFバトル系は、設定と脚本さえ暴走しなければ、
楽しく視聴できる、と再認識しました。
今のところは、ですが。
原作モノだから、サムメンコみたいにはならないと信じたい。



主人公のおじさん「いぬやしき」が、58歳にしては、
実年令よりかなり老けてみえるし、
慢性の腰痛持ちだし、
視力は衰えてきてるし、
判断力も老化してきてクルマの運転も危なっかしいし。
そのうえ、胃がんが発見されておろおろメソメソしてるのに、
家族にも疎んじられて、胃がんのことも切り出せないでいる様は、
悲しくも可笑しい現代のおじさん像そのもので、
同情を禁じ得ません(苦笑)

ところがどっこい!{netabare}
宇宙船と衝突!という事故に遭遇、完全OUT!と思いきや、
これが、とんでもラッキー・アクシデントで、
宇宙船の連中、手許にあった材料で、
テキトーに機械の身体で再生させちゃって、
事故をなかったことにしてどっかに行っちまったもんだから、
銀河鉄道999で延々と旅するまでもなく、超人体として蘇って、
胃がんの悩みも、腰痛も、視力の衰えも
完全解消、超ラッキー!

でも、心は普通のおじさんのままだから、
自分が超人体サイボーグになった事実を受け止めることもできないまま、
人外の存在になってしまったことを、ただ嘆き悲しんで
自分のアイデンティティを見失いそうになっておろおろするばかり。


そんないぬやしきを救ってくれたのは、
公園の東屋に棲むホームレスのおっちゃん。と言っても、
悪ガキどもにリンチ喰らって殺されそうになってしまうだけですが。
いぬやしきは、我が身可愛さから知らんぷりしかかって、
まあそれが普通だと思うのに、
結局は何の自信もないのに、
事なかれ主義より正義感がまさって、ホームレスと悪ガキの間に割って入って。
普通なら、やられちゃって、はい、おしまい。
なところですが、もはや、いぬやしきさん、超人体サイボーグです。
金属バットで首に一撃喰らって倒されても、
倒れたまま背中から指向性小型ミサイルだか何だかを多弾同時発射して、
悪ガキを追い払ってしまいます。
ただここでも、平和主義者なおじさんいぬやしきは、
普通の人間だったら殺されてる程の目に会ってるのに、
ハイスペックな認証システムとITスペックを駆使して、
自らの手で殺したりはしないで、ネット死刑を選ぶ。
今のところは、いぬやしきが操作している訳じゃなくて、
どうも機動装置の方に主導権があって、
いぬやしきの志向・性格に順応して解決方法を自律制御してるっぽいけど。

まあとにかく、ホームレスのおっちゃんには、神様とまで言われて感謝されて、
ようやく心の落ち着きを少し取り戻したみたいで、とりあえずはよかった、よかった。
これからは、宇宙船事故の巻き添えを一緒に食らった若者との、
孤高の戦いに進むんだろうな。
無双の身体を手に入れても、それで胃がんの恐怖を回避出来ても、
人ならざるモノになってしまった自分のことを嘆いて悩むだけだから、
苦戦は必至でありましょうが。{/netabare}
楽しく気軽に視聴継続、決定です。


ただし、小日向文世さんの声には、かなり違和感を感じました。
軽くてころころ回るハイトーン・ボイスは、
いぬやしきの風貌に見合った老けた声に聞こえないんで、
ミスキャストではないかと思う。
小日向さん自身の、CVのテクニックもちょっと不足してる。
実写映画のような生の芝居をしちゃってるんで、はっきり言ってノー・グッド。
あけすけに言ってしまうと、プロの声優みたいな技術は望まないので、
もっと記号的でいいから、ちゃんと発声して聞き取りやすさを大事にして欲しいです。


11/27追記
話が進んで行くにつれ、黒化&シリアス化加減が半端ない。
{netabare}犬屋敷対獅子神の一騎打ちになると思ってたら、
全然違う方向に行ってしまって、
これはこれで面白いんだけど、
こうなると、獅子神の贖罪と断罪の物語になるのか?

マスコミ陣惨殺にヒャッハーしたか、
2ちゃんねらー暗殺にヒャッハーしたか、
どっちだった?って視聴者への踏み絵のようで面白かった。
さてどちらが正解でしょう?
{/netabare}

最終話視聴を終えて
{netabare}
途中ではなしがどんどん膨らむ獅子神のターンは面白かったし、
犬屋敷v.s.獅子神のバトルも美麗かつダイナミックでよかった。
それだけに、最終話の妙にヒューマニズム的に、
こじんまりなまとめ方には、心情的に同調しかねる。
隕石の話が数話まえに出てきた時に、嫌な予感はしていたんだが。
まさか想像通りの、つまらぬ予定調和で幕引きとは・・・

残念ラスト。{/netabare}

↓「最速!2017秋アニメBEST10」にランクイン↓
https://www.anikore.jp/anime_rankings/view/46224/

投稿 : 2025/02/08
♥ : 33

ISSA さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

今の貴方を愛せますか…

1話見たときの印象とここまで違うの珍しいかも。
ちょっと主人公の声に違和感あるので期待してなかった部分あっだけど…
尻上がりに面白くなる、日本版アイアンマン。

10話、11話はアメリカンエンターテイメント映画かと言いたくなります。

ここでの評価26位…
指摘には5本の指、嫌3本の指に入ってきそうな面白さ。
OPの犬の被り物してるバンド最高にノリがいい♪


視聴完了
これが漫画原作アニメだとよく分かる作品でした。
読んでるうちに引き込まれてくる感じ出てました。

アニメだとキャラデサや声優さんの違和感あったけど、グロいSFアニメだと思いきや家族愛とか描かれて良かったです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 30

80.4 9 MAPPAアニメランキング9位
BANANA FISH(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (555)
2508人が棚に入れました
ニューヨーク。並外れて整った容姿と、卓越した戦闘力を持つ少年・アッシュ。ストリートギャングを束ねる彼は手下に殺された男が死ぬ間際に“バナナフィッシュ”という謎の言葉を発するのを聞く。時を同じくして、カメラマンの助手として取材にやってきた日本人の少年・奥村英二と出会う。二人はともに“バナナフィッシュ”の謎を追い求めることに──。


声優・キャラクター
内田雄馬、野島健児、平田広明、石塚運昇、古川慎、細谷佳正、川田紳司、福山潤、森川智之、千葉翔也、斉藤壮馬、上田燿司、小形満、村瀬歩
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

キース・へリングやバスキアが生きた時代

2019.01.03記


原作未読


書店で平積みされてたり、学校で女子が話題に挙げてたような挙げてないような。20年以上前の記憶です。
タイトルだけは知っていて中身がどんなか知らないものの、吉田秋生先生でノイタミナでという話題性に食いついてみました。

全24話2クール作品です。
舞台はアメリカN.Y。若くしてストリートギャングのボスであるアッシュ・リンクス(♂)は容姿端麗・頭脳明晰・殺人スキルも無問題の完璧超人。イラクで消息を絶った兄が残した「BANANA FISH」という単語を追って動き始める。
同じ頃、カメラマン助手として日本からやって来た青年奥村英二がひょんなことからアッシュと出会い、BANANA FISHを巡るいざこざに巻き込まれながら友情を育んでいく物語です。
けっこうハードなクライム・サスペンスで、コルシカマフィア、華僑の闇勢力、ストリートギャング、はたまた国家機関も出張ってきての組んずほぐれつ。諸悪の根源はBANANA FISHということになるんでしょう。

設定が設定だけに人が死ぬのはしょうがないとして、これでもかこれでもかと不運がアッシュに降りかかるのが本作の特色でしょうか。
30年前なら『おしん』、20年前なら『家なき子』、最近だと『東京喰種』の金木研ばりに過酷な試練の連続です。どうしようもない沼に嵌りこんでいるアッシュをもうこれ以上いじめないでください、となります。
このアッシュに共感できるなら作品にすっと入れると思います。
対する英二は平和ボケの権化みたいな向こうの人から見た“Tipical Japanese”を地でいく青年です。私は苦手なタイプですが、なぜか完璧超人アッシュにとっては安らぎを得られる存在。
生い立ちから歩んできた人生からまるで違う二人がなぜ共鳴し合えるか?
この友情物語を紐解くカギとなります。


私はけっこうながら見でした。
英二がまぬけというか、いや普通そんなんやったら死ぬで!の局面でけっこう素っ頓狂な行動を取ったりでイライラが募り、ストーリーに没入するのを邪魔します。
アウトローが自分に無いものを求めて無垢な存在に惹かれるというモチーフはよくあるため、逆側の無垢な存在がどうアウトローにシンパシーを感じるかの部分で弱い気がしました。

『だから二人は惹かれ合うのね』

ここがもっと欲しかったかな。男同士、女同士、男女でもそれは変わらないと思います。
クライム・サスペンスと友情物語がリンクする作風の中で、前者がなかなか面白いのは事実なものの、後者がしっくりこないと早々に“腐”認定してとりわけ男性視聴者が離脱してもおかしくないでしょう。
逆に両者がかちっとはまるとめちゃくちゃ面白く感じそうです。私はその一歩手前でした。

とはいえ完走はできました。佳作の域にはあると思います。

※メモ//石塚運昇氏遺作



■余談 
地味に良かったのがN.Yの雰囲気。
1985~1994年連載の原作でベトナム戦争帰りの設定だったのがアニメではイラクだったり、スマホがあったりと現代に合わせた調整はしょうがないとしても、ベースとなったであろう1980年代前半の超凶悪な街N.Yの雰囲気がよく出てたのは良かったです。
今と違って観光客が地下鉄に乗るなんてご法度もいいところで、昼間でもサウスブロンクスを歩けるわけがなく、例えばタイムズスクエア近辺のホテルから地下鉄でヤンキースの試合を観戦しに行くことは「死にたいの?」という世界。・・・だったらしい。なにぶんこの時期ガキンチョだったので見聞きした話です。
一方でアートやファッションはとても魅力的だったり。キース・へリングやバスキア。元は落書きの“グラフィティ”は画集を買ったこともあるし、ヒップホップも発祥はこの頃のN.Y。自分がはまったのはちょっと後の東と西でドンパチしてた頃ですが、私には興味惹かれる場所なり時代だったりします。

作中でも地下鉄でドンパチ普通にやるし、建設中ビルや廃墟などいたるところで銃声が響きます。このやさぐれ感はたまんなかったです。

リアルのN.Yで初の黒人市長が出て警官増員したのが1989年。ジュリアーニの登場が1994年。治安は急速に改善してきました。
私の初N.Yが2001年だったのでその頃はもう快適に過ごせましたね。

{netabare}超高層にもかかわらずガラス張りではなく屋外に出られるスポットがあるぜ、とN.Y出身知人のススメで訪れたのがワールドトレードセンター。訪問日は2001年8月11日午前。なんというかね。。。{/netabare}


やっぱり、あんな危ないエリアだったりストリートの悪がきがたむろするところを無警戒でほっつき回る英二って“なんだかなぁ”と思う私でした。


■余談2 ※最終回ネタバレ有
国民的愛唱歌『とんぼ』言わずと知れた長渕剛の名曲ですが、元は本人出演ドラマ「とんぼ」の主題歌です。
{netabare}最終回はヤクザ役の剛が腹を刺されて、倒れた剛をカメラが引きのカットでおさめて終了。図書館ではなくこちらは路上でしたが似たようなカット割りです。{/netabare}

{netabare}ヤクザ剛の役名は “英二” 

すまぬ。これ言いたかっただけです。{/netabare}


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2019.06.02追記
《配点を修正》

投稿 : 2025/02/08
♥ : 53
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

Walk on the Wild Side

ノイタミナ×MAPPA制作。
原作は吉田秋生の少女漫画の金字塔。

原作表紙のデザインが秀逸だなと興味をひき、
タイトルのフォントも素敵ですよね。
いつか視聴したかった作品です。
タイトルはサリンジャーからでしょうか。
あにこれのメインクラスターには、
吉田秋生と言えば「海街diary」かも知れませんね。

NYのソリッドな空気感とキャラ紹介。
バナナフィッシュの言葉の謎もあり、
初回、ラストの引きは上々だと思います。

13話視聴追記。
{netabare}中盤、盛り上がる演出もあるものの、
粛々と物語が進行し続きが気にならない。{/netabare}
ここからの後半戦に期待しましょう。

最終話視聴追記。
終始、一定基準で安定はしており、
{netabare}これはもう好みの問題ではないでしょうか。
永遠に変わらない2人の透明な絆、
素晴らしい余韻を残す万感の終幕でした。{/netabare}

ED曲は世界観に合っていて素晴らしい。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ハードボイルド欠乏性アンダーグラウンド

イタリアのシチリア島を起源とする犯罪組織をマフィアと呼びます。

マフィア映画の面白さは一般人が決して覗き込む事のないアンダーグラウンドを見せること。

人を食い物にするバイオレンスな彼らの世界にも存在するルール…日本で言う義理人情や、ビジネスの駆け引き、
暴力と権力によって誰に縛られること無く社会の強者として君臨する本能的で野心的な欲求を満たすような作品群。
往々にして事実と異なるエンタメ脚色をされるのはファミリー(組織)の絆や男の挟持、自己犠牲を盛り込むことで、
殺人、艶のあるシーン、歪な癖、薬物など、法に触れ倫理観を逸脱する刺激的な描写が多いのも特徴となります。

本作BANANA FISHは面白そうな題材と映像美だけに惜しい。

男性キャラのセックスアピールに集中し過ぎていて、これは少年性愛者で売買を生業にしているパパが元凶。
マフィアの世界やビジネスシーンの面白さを見せること無くBANANA FISHの謎と男性の美しさに頼ってしまいます。
男性のセクシャリティを売りにするのは少女漫画雑誌の女性向け作品なので問題はないがあまりに一辺倒すぎる。

作中で度々見られる中心人物の関係者が組織の暴力に晒されるのは往年のマフィア映画での王道パターン。
ジャンル愛好家なら見知った展開に「何か」物足りないのは過去作と比べ欠乏していた「ハードボイルド成分」。
殺しの呆気無く冷たい余韻や激情と復讐心に駆られた怒りなどマフィア映画で重要な暴力性や渋みは感じられず
酒の旨味もタバコの苦味も香らせない。中国系マフィアの美青年が登場したのも俗っぽさが加速したように思う。

最初から最後まで丁寧な作画が好みだっただけに惜しく、キャラクターや画面作りもジャンルには優等生過ぎた。
尖ったセンスや刺激的な表現をもっとぶつけてみればキラリと光ったかもしれない佳作アニメという印象です。

「マフィアの世界で少年の儚げな友情を描きたかった」と言われれば何も言うことはありませんし成功しています。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 30

73.2 10 MAPPAアニメランキング10位
体操ザムライ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (240)
720人が棚に入れました
時は2002年。かつては強かった日本男子体操界。体操に人生を注いできた元日本代表、荒垣城太郎(29)は、思うように演技ができなくなっていた。それでも練習を重ねる日々を送っていたが、ある日コーチの天草から「引退」を勧められてしまう。悩む城太郎。それを支える娘の玲。だが、ある『出会い』によって荒垣家の運命は大きく変わっていく。

声優・キャラクター
浪川大輔、小野賢章、本泉莉奈、梶裕貴、堀内賢雄
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

昔の光 今いずこ

オリジナルアニメ 全11話


時は2002年。選手としては旬を過ぎた男やもめ主人公がもう一度花を咲かせようと奮闘するお話。
そして主題歌は2003年リリースの『上海ハニー』。
なかなかこの事前情報(あらすじ)が曲者だったと思います。後続帯の『いわかける!』が肌の露出を隠れ蓑(日本語がおかしい)にしたガチめなスポーツものだったからなおさらに目くらまし。。。


 「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だァー!」


2004年アテネ五輪体操男子団体決勝で28年ぶりの金メダルを獲得した瞬間。真夜中に絶叫した私です。
どうしたってこの史実でのピークを見据えたなにかしらをやるはず!とそんな先入観を持ってた人は私だけではありますまい。
結論先に言うと「違います」。富田選手もあん馬の鹿島選手も出てきませんのであしからず。


①体操競技に向き合ったなにがしか

物足りなく感じます。描写そのものが少ない。アスリートのメンタルもライバルキャラも微妙。
こちらが勝手に2004年の栄光を作中どこか探しているので、ファンタジックな鳥や不法滞在外国人?の設定が必要なのか疑問符がつきます。脳筋を画に描いたような主人公は世界で戦えるようには見えません。期待の新星の「駆逐してやる」な性格についてはもはや“団体金”の持つ団結イメージとかけ離れてしまいます。
体操の作画は想像以上に良かった。鉄棒の回旋ひとつとっても重力を感じられる軌道。“トカチェフ”はトカチェフで“コールマン”がコールマンに見えます。足が開いてたり閉じたりしてる体操にとっては重要でも見た目で微妙な差もきちんと描けてます。これが活かせているかと言われると“否”なのが勿体ない。

正直に期待外れな感じがします。ここで唐突にメンバー紹介

上海ハニーの3人組
 荒垣城太郎(CV浪川大輔):主人公。スーパーポジティブ。玲の父
 レオナルド(CV小野賢章):自称忍者の不法滞在!?なロシア人
 南野鉄男(CV梶裕貴):バンダナ王子。体操界期待の新星

荒垣家の愉快な面々
 荒垣玲(CV本泉莉奈):城太郎の娘。とにかくできた娘
 荒垣マリ(CV田中敦子):城太郎の母。池袋でスナック経営
 荒垣BB(CV山口勝平):南米産の鳥。『たまこ』でいうところのデラマッヅィ
 荒垣知世(CV三石琴乃):城太郎の妻。大女優。亡くなっている


実際のところ体操選手たちよりも城太郎の家族の登場頻度が極めて高い本作。

②城太郎を中心としたホームコメディ

シリアスな体操もののイメージを捨てて、ややファンタジックな親子コメディへと視点をスライドしなきゃいけません。
スポーツアニメとして見るとガッカリするのが関の山。ホームドラマとしてならそこそこ見れるどころかけっこうナイスな仕上がりでした。

{netabare}面白いことに…
奇数回は体操中心のスポーツ重視展開
偶数回は不思議だったりハートウォーミングだったりな日常重視展開{/netabare}

視点の置きどころは難しかった。そうは言っても視点が収まるところに収まってしまえば平気。
ご存知でしたら『つり球』のような緩くて優しい雰囲気にノスタルジーとファンタジーのスパイスを振りかけたあの感じをに近いように思われます。
普段から私は『フラットな心持ちで観ることが重要』と公言しながら全くできてませんでしたよ、とてへぺろな気持ちにさせられた良作です。



※ネタバレ所感

■嗚呼2002年

『上海ハニー』もだし、いきなりコーチがベッカムヘアで登場。日韓W杯なんてのもあったっけ。
ついこの前のように感じるあたりこれが歳を取るということなのかもしれません。
ついでにあまり変わってないような気がするのも加齢なんすかね? 昭和30年~50年はもとより昭和50年~平成7年の20年期間なんて映像で見る限りものすごい変化してるように見えるのですがその頃を経験された諸先輩方も同じ感覚なんでしょうか興味深いところです。

作中でも「あーあったあった」の連続。20代半ば過ぎてればなにかしら記憶にひっかかりそうです。

{netabare}・着メロ(笑) 『浪漫飛行』でなんで特殊EDやらなかったんだろう?
・「別に」と吐き捨てるバンダナ王子 ハンカチは2006年夏。沢尻エリカは2007年9月
・『情熱大陸』みたいな振り返りは本職ナレの窪田等さん
・週刊誌の表紙に“タマちゃん” あれも2002年
・トレーニング回で『トップガン』『ロッキー』と子供の頃好きだったんだろう、なラインナップ
・池袋のカラーギャング特集で西口公園を特集してたり…それっぽい人いたり
・採点方式が10点満点だったり『日曜洋画劇場』が健在だったり{/netabare}


■嗚呼日本スポーツ界

“お家芸”と言うのも憚られるくらい失墜した競技がちらほら。体操に限らずバレーボールもメダルから遠のいて久しい頃合い。
さらに97年の長野で日本男子が金を獲ったら日本人に不利なかたちでレギュレーションが変更されたり、単独と思ってたサッカーW杯も共催になっちゃったり。
ストレスが溜まってる自覚は無かったと思います。見ないフリしてるか自信の喪失を認めたくない感じ。ただし知らず知らずに溜まってたのでしょう。

 そんなさなかのアテネオリンピック体操団体男子金メダル

シンクロ・野球・ソフトボールをdisるつもりはないけれど、王道もので久々のオリンピックの団体メダルみたいに感じて大興奮したのです。
もちろんこれで事態が一転したわけではありません。翌北京の柔道競技ではレスリングみたいな双手刈りが席巻してました。それでもたしかに大きな爪痕を残した感のある金メダルでした。

ちょっと期待しちゃうでしょ?
…はい、、、過度に期待した私の言い訳です。

{netabare}風潮でいえば、なにもかも代表に“サムライ”の冠つけるのって芸がないですよね。体操ザムライも昔のたけしがやってた『こんなサムライは嫌だ』に出てきそうなことしかしませぬもの。{/netabare}
{netabare}谷(旧姓田村)亮子選手が出てきた時、“YAWARAちゃん”って呼ぶな!と某漫画ファン一同が叫んだ感覚に近いです。{/netabare}


■ナイスな脇役
・あゆ(CV水樹奈々) 飲食店勤務 マジ有能説

{netabare}引退詐欺を理由に同級生からいじめを受ける玲の様子をレオから報告受けて…
「それさマジで赤壁っつーか ”気付いたらヤッバ!周り火の海”みたいな?」
「風向きって読めねぇことあんじゃん?緊張感ぱないよねぇ」{/netabare}

・滝沢(CV吉野裕行) ちゃっかり有能説

{netabare}うっかりNHK杯に出場してんじゃん、なパリピ{/netabare}


■よくよく考えたら…

監督以外は怪作『ゾンビランドサガ』のスタッフ。不意を衝いてぶっこんでくる伝統芸にも納得です。

{netabare}そもそも話す機会少なめ伝説の女優役を三石琴乃さん。娘役は私にはりりぃ以来の本泉莉奈さん。{/netabare}
なにかしら遊び心満載な小ネタがあると私信じてます。
{netabare}BBが「笑えばええんやで」を連呼した第6話。元ネタと思しき『新世紀エヴァンゲリオン』「笑えばいいと思うよ」も第6話。こんなの探すのけっこう楽しい。{/netabare}
{netabare}玲が「大女優になる」と宣言した重要回の8話。『ゾンサガ』のリリィ回も第8話でした。こじつけだろうがなんだろうが独りでニヤッとできれば秋の夜長にこれもよし。{/netabare}



荒垣城太郎。イニシャルトークするならJ.Aになるんでしょうか?
雨ニモ風ニモ負ケナイ丈夫な心を持ってそうですが、天候と折り合いつけたり堅実に耕すのできないに違いないので農業には向いてないでしょうね。
ここはサムライらしく和風で“荒”垣“城”太郎。…荒城です。

「昔の栄華は今どこに」と始まる歌詞は「月が照らす影は変わらずされど世の栄枯盛衰を照らそうとしてるの?」で終わります。

アテネも忘れかけてた頃合いに不意打ち。

{netabare}伸身の新月面で放物線を描いたのは体操界の新星でした。{/netabare}


リアルとアニメとでムーンサルトの競演。描く放物線はそんなに変わらないのかもしれません。
願わくば2期への架け橋だったらいいのにね。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2020.12.23 初稿
2021.09.23 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 49
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ビッグバードは今日も鳴く

制作MAPPA。

2002年の日本体操界、
29歳の元日本代表荒垣城太郎は、
怪我によって成績不振に陥り、
腐らず練習を続けるも引退を勧告される。
だが様々な出会いが彼の運命を変えていく。

不意打ち気味にカウンターである。
B級の仮面を付けたA級と見た。
シリアスな展開の中に気の抜けた演出。
絶妙なぬるさはクドカン的なノリである。
オフビートな笑いを響かせ、
感動局面に月面宙返りで着地を決めるのか。
空気も読まずガアー!!ガアー!!と、
ビッグバードは今日も鳴くのである。

3話視聴追記。
再生のドラマとして中心軸があり、
そこからの演出の緩急が絶妙に響いてくる。
キャリアの成否に関わらず見応えがあります。
後はキャラに奥行きがでればなお楽しい。

最終話視聴追記。
途中、少し褒めすぎたかと不安になるも、
{netabare}高難度演技の如く見事に着地を決めた。{/netabare}
レオはもっとやれたキャラだとも思う。
ED曲が物語と調和していますね。
少年の憧れが目標に変わり、
いつの日か追い付き追い越すその日まで、
きっと夢ってそんなものでしょう。

ガアー!!

投稿 : 2025/02/08
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男子体操競技の話(作中の世相が古くてちょっと懐かしい)

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

NUMAnimation(ヌマニメーション)というテレビ朝日系列で今年新設された枠で放送されています。この枠での前作が『イエスタデイをうたって』であったりと地味目なお話を放送する枠かと思いきや、この枠で『イエスタデイ~』と本作の間がエヴァTV版のセレクション放送だったり、次作として予定されているのが『ワールドトリガー』であったりとかちょっと良くわからないことになっていますが、それはとりあえず本作とは直接関係のないお話ですね。

本作はオリジナルテレビアニメです。作中年代はスタート時点で2002年で、2000年にシドニーオリンピックが開催され2004年にアテネオリンピックが開催されると言っているのは史実通りですが、登場人物は主人公の新垣城太郎も含めて架空の人ですね。

オリンピックのメダリストでありながら故障で成績が低迷して、コーチから引退を言い渡された主人公が再起を図ろうとするお話です。

ちなみに体操といえば『ガンバ! Fly high(フライハイ)』という作品がありますが、私は原作を読んだだけでアニメは観ていないので本作とのアニメ作品としての比較はできません。

主人公が子持ち(玲(れい)という名の娘がいる)のおっさんだったり謎の忍者かぶれ外国人レオナルドが現れたり、南野鉄男をはじめとする若手選手にろーとる扱いされたりと、地味ながらもわりと面白く観ています。

けっこうギャグっぽい感じもありますが、真面目に体操をしそうにも思われます。最終的にどっちに舵を切るんでしょうか?

作中の女子高生がたぶんPHSじゃないかと思われる電話を使っていたり、その電話で「ギャル文字」を使ったメールのやりとりをしてたりといったあたりは、2002年当時の世相を反映したものだと思います。(なお、城太郎はギャル文字を読めない模様…。)

そして、ビッグバードの知能レベルが謎…(笑)。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.22追記:
第11話(最終話)まで視聴終了。

基本的には一度は引退まで考えた主人公の新垣城太郎がもがきながら、城太郎に惹かれて来日したレオ、そして体操界の若手であり時代を背負って立つだろう南野鉄男に背中を見せるといった構図のストーリーです。

現実の世界では個人総合にこだわり続けた内村航平が種目別の鉄棒に活路を見出し現役続行を表明していたりしますが、結局のところ競技生活というのは誰かに言われてやめる物ではなく、自分がやめることに納得したときにやめる物ということなんでしょうね。

特に第一線で戦ってきた人々は、自分の思う通りのパフォーマンスが出ないからやめるという人もいれば「まだまだやれることはある」と思って現役を続行する人もいます。

競技は違いますがサッカーのカズ(三浦知良)選手なんて、いったいいつまで現役選手なんでしょうね。もうそのことがレジェンドという気がします。

作中描写では、競技が10点満点なのがちょっと懐かしい感じでした。ちなみに現在の体操競技は「満点」の天井がなく、技の何度や出来栄えで加点されていくと15点台が出たりします。

そういえば2週間ほど前でしたか、今年の全日本選手権もなかなか面白かったですよ。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 39

80.3 11 MAPPAアニメランキング11位
呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変(第2期)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★★ 4.1 (349)
1248人が棚に入れました
最強の2人 戻れない青い春 2018年6月、両面宿儺を己の身に宿した虎杖悠仁。 2017年12月、祈本里香の呪いを解いた乙骨憂太。 そして更に時は遡り2006年(春)—。高専時代の五条 悟と夏油 傑。 呪術師として活躍し、向かうところ敵のない2人の元に、不死の術式を持つ呪術界の要・天元からの依頼が届く。 依頼は2つ。天元との適合者である“星漿体(せいしょうたい)” 天内理子、その少女の「護衛」と「抹消」。 呪術界存続の為の護衛任務へと赴くことになった2人だが、そこに伏黒を名乗る“術師殺し”が“星漿体”の暗殺を狙い介入する…。 後に最強の呪術師と最悪の呪詛師と呼ばれる五条と夏油、道を違えた2人の過去が明かされる―。
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

生き方を決める

MAPPA制作。

懐玉・玉折編、
五条と夏油、高専時代の活動記録、
生き方を決めた2人の物語が描かれる。

不死の術式を持つ天元だが不老ではなく、
一定以上の老化を終えると星漿体との、
同化が必要となり、五条と夏油は、
星漿体である天内理子の護衛を命じられる。

{netabare}呪術界にしても、重要な任務であり、
ここで彼らは大きな挫折を経験することになる。{/netabare}

やはり優れた娯楽作品で面白いです。
五条の優れた才能が開花していく様と、
夏油の心が闇へと傾き始める様が対比されていく。

心乱れ疑う夏油の葛藤もよくわかる。
{netabare}呪術は非術師である人々を守るためにあるが、
愚かで無能な非術師を守る価値はあるのか!?
様々な事件を見聞し、価値観が揺らぎ始める。{/netabare}

彼らは岐路に立つ、そして混沌の渋谷事変へ。

最終話視聴追記。
五条封印を狙い渋谷を封鎖した夏油勢力、
後半は戦闘に継ぐ戦闘でしたが、見応え満載です。
{netabare}人類の可能性を探り、混沌を意図して生み出す。
人類の未来は呪力の最適化にあると夏油は語る。
双方に死傷者が続出し、渋谷事変も閉幕する。{/netabare}

再び呪術全盛の世が始まろうとしている。
虎杖、乙骨の更なる覚醒と活躍に期待しています。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 37
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

このまま邪道ド真ん中を驀進して欲しいです

引き続き原作未読で視聴。

【物語 4.0点】
人間と呪いの激闘、“呪い合い”を通じて、
秩序を強いる文明社会に封じられた人間の本性を丸裸にしていく。
王道というより、いっそう邪道を極めていく、自分にとっては期待通りの展開でした。

呪いこそが剥き出しな人間本来の姿であるが、曝け出し過ぎれば渋谷も文明も崩壊する。
だからと言って、呪いその他を、払って封じ過ぎた社会における人間は生ける屍同然である。
特級呪物・両面宿儺(すくな)を内包した虎杖(いたどり)悠仁は人間と呪いの間に風穴を開け得る諸刃。
最強の呪術師・五条悟は、呪いを過度に規制しようとする呪術協会の“おじいちゃん”たちには想う所が多々ある。
五条先生が管理下に置いた虎杖悠仁をどう扱うのか?どうなってしまうのか?
これは悟や虎杖がヒーロー主役ポジから世界から危険視、敵視されるヒールポジに転換する波乱もあり得る。
というより個人的には是非そうなって、さらに人間の性をぶちまけて欲しい。

こうした見通しと願望を抱いて2期視聴に挑んだ私。
結果、(※核心的ネタバレ){netabare} 五条悟は封印、両面宿儺の一時封印解放で、意図せず渋谷で虐殺を働いてしまった虎杖は、今後協会から追われる身となるのでしょうか。{/netabare}
興奮させられる幕引きでした。

全体構成は前半部「懐玉・玉折」にて、五条悟の挫折やら友との決別やらの青春時代を描写。
後半「渋谷事変」で現代の時系列に戻り、人間VS呪いの構図の転換と、傷付く仲間や自身の罪など大きなプレッシャーにさらされた虎杖悠仁の心身の変容を描く。

いずれも五条悟という最強の存在に振り回されたり、どうにかしようと食らいつく周りの悲喜交交がシナリオの軸。
作中、状況を「五条悟だから」で説明され虎杖が納得するシーンがありましたが、
私も納得し過ぎて吹き出してしまいましたw
五条先生ワイシャツも{netabare} 25万円{/netabare} で最強ですしw

「懐玉・玉折」と「渋谷事変」の間に挟まれた『劇場版 呪術廻戦0』のエピソードの重要度も上がったため、放送中再鑑賞。
正しく生きたい乙骨裕太と、正しく死にたい虎杖悠仁。
二人がどこで邂逅或いは衝突するのか?も個人的に関心事でしたが、
2期では{netabare} 乙骨が虎杖討伐を決意表明し{/netabare} 期待感を高めつつ持ち越し。
強い動機もあるので、制作が決定した3期「死滅回游」以降も当然視聴継続します。


1期Cパートのユル~い日常カット「じゅじゅさんぽ」が見られなかったのは地味に残念w
その代わり?2期次回予告の各キャラによるナレーションはユルく、しかし鋭く人生を語っているようで好きでした。

私のお気に入りはエピソード4(第28話)の釘崎野薔薇の次回予告。
{netabare} 「意外な一面って慣用句を考えた人は、人間を立体だと思ってて、
薄っぺらいって悪口を考えた人は、人間を平面だと思っていたのかなぁ?

どちらにせよ裏と表はあるんだね」{/netabare}
私も大概中身ペラペラですが、裏はちゃんとあると語ってくれたようで何か勇気付けられましたw


【作画 5.0点】
アニメーション制作・MAPPA

バトルアニメーションの最高峰。

先日BD4巻&5巻リリースに合わせて、「渋谷事変」の一部エピソードを映画館で振り返り上映する企画があって、私も行って参りました。

TVアニメで劇場版クオリティ!という褒め言葉が定番化した昨今ですが、
呪術2期の場合は劇場アニメの中においてもトップクラス。
これはアニメーターに追加ボーナスあげないと、といった感じで作画の凄まじさを再認識。
宿儺(すくな)の戯れで倒壊する渋谷のビル群とか、スクリーンで体感すると大迫力過ぎて笑いますw

本シリーズもまた呪術を通じて各人、各呪いが抑圧された“人間性”を花開かせる、
バトルで語るタイプの作品。
メカ丸の巨大メカなどは胸が踊りました。

ユニークだなと思ったのは、禪院直毘人(ぜんいん なおびと)の投射呪法を、
コンテ指示書?など剥き出しのアニメ制作現場風の背景も交えて再現したシーン。
老練1級術師の最速戦闘を支える“コマ打ちセンス”、フレームレートへのこだわりwなども伝わって来ました。
MAPPAにはアニメ制作現場においてオールリテイクを意味する『全修。』と題したオリジナルアニメ企画がありますが、そちらの方も楽しみです。

バトルだけでなく人間ドラマを演出した作画、背景美術も印象的。
私は特に夏油傑(げとうすぐる)が最悪の呪詛師へと変貌する前の、雨のカットが脳裏に焼き付いています。
“吐瀉物を処理した雑巾”のような呪霊取り込みを繰り返してきた夏油の、
人間への献身から、凡俗な大衆への不信と蔑みへと移り変わる心中の他、
(※核心的ネタバレ){netabare} 釘崎やななみん{/netabare} 離脱前の回想シーンなど、心情描写も上々でした。


【キャラ 4.5点】
若き日の五条悟と戦い土を付けたフィジカルお化け・伏黒甚爾(とうじ)。
遠い昔、悟と同様の無下限呪術を操る五条家当主と刺し違えた禪院家当主と同じ十種影法術を受け継ぐ甚爾の息子・伏黒恵。

恵は家柄も御三家の分家筋みたいな立ち位置で、
虎杖(いたどり)のサブで組み頭脳戦を仕掛けるような、
才能無き弱者ポジション(でもないですが)で意地を見せるタイプのメインキャラと思っていましたが、
2期を見て、伏黒は今後ジョーカーになり得るポテンシャルを秘めているのかもと認識が改まりました。


1期から虎杖と対峙し続けて来た宿敵・特級呪霊・真人との因縁も渋谷で頂点に。
相変わらず人間の魂をこねくり回して弄ぶ、倫理観を捨てて欲望に忠実になる呪いらしい言動で、
利他よりも自己実現の利己からくると思われる虎杖の正義感のメッキを剥がすトリガーとなる。


「渋谷事変」でカッコ良かったのが七海建人。
ななみんは最後までクールでしたが、私は特に助太刀して、後輩を痛めつけた敵をシメるななみん。
ターミネーターみたいで相手がいたたまれなくなりましたw


【声優 4.0点】
伏黒甚爾(とうじ)役に子安 武人さん。
禪院直毘人(ぜんいん なおびと)役に中田 譲治さん。
ただでさえ七海建人役に津田 健次郎さんがキャスティングされたりしている所へ、
粘度高めのキャストが追加投入され、声優陣はさらにネットリw

収録エピソードで面白いと思ったのが、
宿儺(すくな)役の諏訪部 順一さん。
原作アクションコマの詳述により「うっ!」とか「くっ!」とか、
キャスト陣にアドリブも求められたというバトルシーン。
けど、史上最凶の呪術師・宿儺は一方的に鏖殺(おうさつ)するだけなので、
ヤラれることもなく、諏訪部さんも特にアドリブの必要も無かったそうでw
アフレコでもキャラ能力格差って出る物なのだなとw

ナレーション担当・榊原 良子さん。
バトルアニメを堪能したい層からしたら、術式解説が無粋と感じる方もいるかとは思いますが、
正直、多彩な術式が乱れ飛び状況理解が追い付かない原作未読組の私にとってはナレーション解説が命綱でしたw


【音楽 4.5点】
劇伴担当は旧来の三者共作から照井 順政氏に一本化。

これによりジャンルの守備範囲が狭まることもなく、
むしろ制作スタッフとの連携も取りやすくなったのか、映像との一体感が増す方向に先鋭化。
奔放にフレーズを奏でるジャズ、現代音楽風が呪術百花繚乱を好演出。

特に、虎杖(いたどり)VS脹相(ちょうそう)戦は、
ジャンル横断、リズムの緩急も自在なバトルBGM「Resolve」を筆頭に、
渋谷駅構内の効果音も交えて、漏水が続くトイレ内での赤血操術との激闘を再現した、
音響、映像共に大好きなバトルシーンです。

かと思えば落ち着いたピアノ曲でしっかりと心情描写も下支えしてくる。
色々スタッフ変更があった2期ですが、この音楽担当一本化は上策だったと思います。



主題歌

「懐玉・玉折」
OP・キタニタツヤ「青のすみか」
ED・崎山 蒼志「燈」

「渋谷事変」
OP・King Chu「SPECIALZ」
ED・羊文学「more than words」
(以上敬称略)

個人的には「青のすみか」の爽やかさが鮮烈。
OPアニメも青々としていて。五条先生や夏油にもキラキラした青春があったんだなぁと。
「渋谷事変」OPが不穏な旋律で、出血多量だから尚更w

投稿 : 2025/02/08
♥ : 24

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

作画レベルが爆上がりの大人気作品第2期。五条先生の過去編&渋谷事変編

原作既読。1期視聴レビュー済み。全23話

五条先生の過去編と渋谷事変を描いた第2期。

正直1期のワクワク感を超えてくるものは無かったな。原作読んだせいもあるけど、物語は終始バトルだし、爽やかと言うより淀んだ暗い話ばかりなのであまり見てて楽しくない。
ただ、バトルシーンの作画は半端なく力が入ってる。1期で爆売れしただけあって予算あるんだなって感じ。
特に脹相と悠仁とのバトルは液体の描写が凄かった。言ってる事よく分かんないけど作画やべえなってことは分かる。

原作の難解さをアニメで分かりやすくしたことが1期がヒットした要因かなと思ってたけど、2期目は複雑さが増してよく分かんないし、画面ずっと暗いし、キャラクター達もどんどん傷ついていくから悲しくて辛かった。
原作はそろそろ完結らしいが、初めてみた時のあの衝撃を超えるものはこれから先出ないと思うので、3期は気が向いたら見ようかなって思ってます。熱がすっかり冷めた2期となりました。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 13

72.7 12 MAPPAアニメランキング12位
さらざんまい(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (317)
1241人が棚に入れました
舞台は浅草。中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ"に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。『元の姿に戻りたければ“ある方法"でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

声優・キャラクター
村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬、諏訪部順一、宮野真守、細谷佳正、釘宮理恵、津田健次郎、伊瀬茉莉也、帝子、加藤諒
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

煌めけ、太陽肛門

幾原邦彦×ノイタミナ。
制作MAPPA&ラパントラック。

この生命も世界もきっとパロディだ。
{netabare}人の世の裏側「欲望フィールド」を舞台に、
奇想天外な物語が展開されまず興味は尽きない。{/netabare}
自閉した群衆はピクトグラムで描かれ、
素性も知れぬものたちがこの星を運行している。

少年たちが商店街の河童像を、
破壊してしまったことから物語が始まる。
その不思議な色彩の世界で、
少年たちは尻の中に太陽光線をきらめかせる。
これこそが「太陽肛門」である。

欲望を生産するのだ。
尻の中から欲望を生産するのだ。

最終話視聴追記。
娯楽性を担保し謎が牽引する物語である。
考察は必要もなく丁寧に語られています。
{netabare}人は尻子玉で繋がっている。
それを失うと世界とは繋がれない。
世界の外部へと弾き飛ばされるためだ。{/netabare}
未来は欲望を繋ぐものたちだけが手に入れる。

人も社会も、繋がれば傷付き失う、
それでも希望はその先にあるということでしょう。
始まらず終わらず、繋がらない絶望への反撃か、
世界はいつだって試されているのだから。

このエールはきっと、
始まらないあなたへ贈る太陽光線なのでしょう。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 54
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

三匹が掘る!

何を?ってそれは言わぬが花。
主人公らネーミング元ネタがまんま『三匹が斬る』でした。

そもそもの視聴動機は「ノイタミナ」だからとわりとノーマーク。幾原邦彦監督作品も当方初です。


いつから芸術に哲学というものが持ち込まれたのだろう?

と思うことがあります。美術館では音声ガイドオプションが当たり前となり、クラシック音楽も“解釈”というものが幅を利かせております。
たまには小難しさより見たまま感じたままの分かり易さを求めたくもなりますが、今回の芸術作品もところがどっこいなわけであります。

・・・抽象的な作品のレビューはちょっとやっかい(愚痴)。もといおそらく解釈いろいろで面白いレビューが数多く出てきそうなタイプ、というのが視聴後印象。


本作『さらざんまい』は浅草と上野の中間合羽橋近辺の東京下町で繰り広げられるカッパのお話。
そんなスタッフの悪ノリから生まれた浅い話かと思わせといて、それこそ正真正銘の“カッパ淵(岩手県遠野)”の水深よりかは深いと思われるちょっぴり良いお話でした。


 “テーマは繋がり”


物理的に、精神的に、「繋がること」の定義も定まらない中、善玉も悪玉も大切に思う人との結びつきを求めて苦悩します。そして「繋がるとは何ぞや?」は毎話形を変えて繰り返されます。
{netabare}カパゾンビから抜いた尻子玉をケッピに転送する時の“漏洩タイム”。インターネットでも送信する時にはネットワークを繋げる必要があるわけでして、ここで繋がるということは、不必要または心を抉られるネガティブ情報にも触れることでもあるという暗喩。
「繋がること」を無条件に賛美するでもなく、それでも「繋がること」で乗り越えられる未来に希望を見い出す内容でした。{/netabare}


合わせて面白いと感じたのが、対抗する概念であると作中で位置づけられていた


 “愛と欲”


このへん踏み込むと長くなってしまうので、今回は、皿っとサラッとさらざんまいでぃっしゅ 
※注 シラフです
{netabare}結局のところ両者を明確に分かつことはなく、むしろ一緒だねというミスリードでした。{/netabare}


この繋がりだなんだであったり、愛と欲であったり、小難しい(っぽい)のは実は話数がだいぶ進んでから自分は気づいたよというのがお伝えしたかったこと。
伏線でもなんでもないものにしばらく気づかなかったのです。
{netabare}私みたいに後から気づいた方でも、最終盤ではこれでもかと出てくるので序盤中盤100%スルーしてても問題ありません。{/netabare}

その理由は他に気を奪われていたから。小難しい(っぽい)のなんて感づく暇もないくらい圧倒的な映像表現に目がいき、中身より見た目に気を取られておりました。


 “高揚感と生理的嫌悪感”


こちらが交互に押し寄せると言ったほうが適切かもしれません。そのへんは観りゃわかる(笑)
似たようなところで、“芸術”といえるかは微妙ながら映像表現はシュールです。醸し出す雰囲気はやや淫靡かしら。
{netabare}第2話で女装がばれたり、第3話でガチホモ展開きたり、序盤からついていけません。{/netabare}
{netabare}だいたい肛門突入からの液体ブシャーッ!なんて妄想たくましい自分には相当きついものがありました。{/netabare}
目が釘付けになるんだけれどなんか嫌っ!という感覚。



とここまできてふと感じた大事なこと。
結局のところ“哲学”なんてどこへやら、見たまま感じたままを楽しめてたことに気づきました。
哲学なんて仰々しいもんではないでしょうが考察するには楽しそうな作品。繰り返しますがかっぱ淵程度の深さです。


曲はEDがすこぶる良いですよね。FM横浜でのthe peggiesのライブをラジオ経由で聴きました。MC含めて上手に空気を作っていて、将来楽しみなアーティストさんです。
実写とアニメの融合したED映像については、深夜の人気のない都会の景色をもってくるのが通ですよね。グッときます。
例えば深夜遅くだったり朝まで飲んで家路につこうかという時。周囲に人っ子一人いない景色を見たことのある諸氏は多かろうと思います。

 “世界の中に自分ひとり”

という感覚になった経験ある方いらっしゃいませんか?自分にはあります。そこにきて曲題『スタンドバイミー』“そばにいて”です。
{netabare}毎度ED直前の「繋がりたいけど○○」メッセージを最終回で全投入してくる演出もGOODでした。{/netabare}



もう少し考える系の作品だと注意がそちらに行ってたかもしれません。
生理的嫌悪感がその他の要素を上回らない限り、このシュールなアニメーションを楽しめるんじゃないかと思います。
クールで一本くらいは欲しいかな~と私が思っている “作家性の強い作品” という位置づけです。
この目新しい感じ。好奇心という名の欲望を手離すな!と劇中からの引用で締めることにしましょう。



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2020.01.27
《配点を修正》+0.1


視聴時期:2019年4月~6月


2019.06.21 初稿
2019.07.16 修正
2020.01.27 追記/配点修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

何となく目が離せない作品

== [下記は第6話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
ノイタミナ枠のオリジナルTVアニメです。幾原邦彦監督作品ということで話題になっているようです。このレビューを書いている時点では第5話まで視聴終了しています。

矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人がカッパ王国第一王位継承者を自称するケッピと出会ってそれぞれの事情でカッパにされてしまい、元に戻るためには「カッパゾンビ」と戦えと言われる羽目に。

ということで毎話様々な欲望を持った人間が変異したカッパゾンビと戦うことになります。

他に主な登場人物としては毎回占いを披露するアイドル吾妻サラ、一稀の弟の春河、謎の警官二人組(新星玲央・阿久津真武)などです。

本作でもカッパゾンビの発生、カッパへの変身などでバンクシーンが多用され、毎話での新規作画が抑えられているようです。

登場人物が皆、それぞれの内面に向かい合う話になるようですが、バンクのせいなどもあって人によっては退屈に感じるかもしれません。

が、なんとなく目が離せず観続けてしまっています。でもたぶん観終わってみるまでちゃんと評価はできない気がします。そういう意味では『輪るピングドラム』なんかと似たようなところがあるかも。
== [第6話まで視聴時レビュー、ここまで。] ==

無事に最終回まで完走。

結局のところ人の縁、つながりといった辺りがテーマの作品なのだろうかと思います。私としてはわりと楽しく観られました。

EDでのミニチュアセット実写+画像処理を使った背景や、モブを記号的な人型で描くなどのシャフト制作の作品なんかでもやりそうな風味の演出がありましたね。

歌舞伎の見得のような「さらざんまい」のアクションやサラちゃんの「当世の本流とはほど遠いけどビミョーなカワイさ」など、スタイリッシュとダサさの狭間をいくような雰囲気はけっこう好きディッシュ!

挿入歌でミュージカル風に話を進めてみたり、個人的には面白ポイントは多々あったとは思うのですが、どうも「これは面白いよ」と他人に薦めるような感じの作品でもなかったなあというのが正直な印象です…。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 38

69.9 13 MAPPAアニメランキング13位
神撃のバハムート GENESIS(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (708)
3345人が棚に入れました
ここは<人><神><魔>あらゆる種族の入り交じる神秘の世界ミスタルシア

かつて、黒銀の翼持つバハムートにより世界は終焉の危機に瀕した。
しかし<人><神><魔>は種族の垣根を超えて共闘し多大な犠牲をもってその力を封印した。
そして、封印の鍵を二つに分け、<神>と<魔>それぞれが有することとなった。その鍵が決して一つになることのないように。

それから二千年以上が経ち、世界は安寧の中にあった。いつしか<人>はバハムートを唯一無二の存在と考え、恐れ崇めるようになっていた。
そんな或る日、決して盗まれるはずのない<神>の鍵がひとりの少女によって奪われる。

世界の近郊が緩やかに崩れはじめた。

バハムートが復活の咆哮をあげるとき、世界はまた絶対的絶望の淵に沈んでいく。

世界よ、滅べ。
誰かが、ただ切に願った。

声優・キャラクター
吉野裕行、井上剛、清水理沙、平田広明、潘めぐみ、岩崎ひろし、森久保祥太郎、森田成一、喜多村英梨、小山剛志、沢城みゆき、藤村歩、蒼井翔太、辻あゆみ、大関英里、玄田哲章、津田健次郎

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ハリウッドレベル

好みは別れるかもしれないけれど
3D駆使してるし、作画も抜群。
今期で一番凄いのでは…と
正直、驚きました。
洋画といいますかハリウッド作品見てる感じでした。
音響も5.1chサラウンド。
迫力も抜群です。
ただ、このクオリティで1クールもつのか謎が残ります。
それぐらい凄いし、よく動くし。
BGMも壮大です。


本格ファンタジー作品。
絵を描いておられたのはベルセルクの方かしら…これ気に しないでいいですw

監督にさとうけいいち(TIGER & BUNNYで有名ですね)
音楽に池頼広
アニメーション制作MAPPA
結構な拘りを感じさせる陣営です。

あらすじは、マトモなのはあにこれのを見て頂くか何かしてくださいw
簡単に説明すると、はだかんぼのおにゃのこが道案内せよ!って話ですw
この説明かなり酷いけど、内容はしっかりした内容。
ソシャゲ原作らしいですが、オリジナルということで
知らなくても、ゲームやってなくても特に気にせず見られます。

10月6日TOKYO MX
BS11は、10月8日水曜日の深夜0時
その他は公式で調べてくださいw
多分、ほぼ放送あるところは10月6日かと思います。

にこにこでは
「神撃のバハムート GENESIS」1話上映会
放送予定 10/06 26:05 -  タイムシフト予約

それ以外で見れないけど見たい方は…ごにょごにょして下さい(;´∀`)

OP「EXiSTENCE」
歌 - SiM

資金力というものは本当に凄い。
通常だと、アニメ制作決定してから
スタッフ確保の流れなのだけれど
この作品は支払いが良いせいか
逆争奪戦みたいになっている模様。

内容も面白いし、他とは比較にならないものを見せつけられると
ソシャゲ業界でも何でもいいのでお金沢山だしてくれないかな?って思う。

…アフロが格好良く見えて来る謎。
愉悦部員がいる…。


見終わって…

ルパン系が好きな人は好きじゃないかな。
最後迄作画や演出は素晴らしかった。
最終話なんて鳥肌もの。
格好良くて、惚れるレベル。

続編があったら見て見たいし、別のお話でも良い。
凄くクオリティ高くて久々に感動してしまった。
ソシャゲって点と、タイトルで損してるなって感じ。
まるで映画をみているようだったよ。

勿論お気に入りに直行です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 66

PPN さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ゲーム原作のお手本にヾ(o´∀`o)

多種族が存在する世界で巻き起こる
混沌を描いたファンタジー作品。
全12話。
原作:ソーシャルゲーム


キーワードはバハムートの復活。
世界を破滅に追い込む力を持つこの竜の復活を巡り
天界と魔界、人間界がそれぞれの立場や思惑で
せめぎ合い、交戦していくストーリー。

いや~クオリティの高さに本当に驚きました。
そして見事に引き込まれました(*´艸`)

しっかりと作り込まれたストーリーに
迫力あるCG、丁寧な仕上りの作画と
世界観を上手に表現している色使いは
まるで劇場版のようでした。

キャラの特徴を活かす各シーンのカメラアングルや
バトルシーンにセリフ回し、BGMなどなど
どの演出も素晴らしかったと思います(・∀・)v

また声優陣も好演。
ちょっと軽薄な面と熱い想いを持ち合わせる
主人公・ファバロ役の吉野裕行はまさにハマり役。

ゲーム販促とは思えない程のクオリティを
ラストまで維持してくれた点は高く評価したいです。
もっと評価されても良い作品だと思います!


ソーシャルゲーム全盛の時代。
やはりソーシャルゲーム原作作品も
どんどん増えて行くのでしょう。
予算や時間の都合などあるとは思いますが
ぜひ、この作品をお手本にしてほしいです!
そしたらゲームやりますw

続編を作って貰いたい作品ですね!
男女隔たりなくオススメしたい1本(*´∀`*)ノ





《キャスト》

ファバロ・レオーネ(CV.吉野裕行)
カイザル・リドファルド(CV.井上剛)
アーミラ(CV.清水理沙)
リタ(CV.沢城みゆき)
ラヴァレイ(CV.平田広明)
ジャンヌ・ダルク(CV.潘めぐみ)
バッカス(CV.岩崎ひろし)
ハンサ(CV.森久保祥太郎)
シャリオス13世(CV.玄田哲章)
アザゼル(CV.森田成一)
ケルベロス(CV.喜多村英梨)
パズズ(CV.小山剛志)
ルシフェル(CV.櫻井孝宏)
ベルゼビュート(CV.大友龍三郎)




《主題歌》

OP
『EXiSTENCE』/SiM
ED
『Promised Lond』/清水理沙

投稿 : 2025/02/08
♥ : 55

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

完全に今季のダークホースでした。

Cygamesが開発・運営するソーシャルゲームを

原作とする作品です。全12話、ゲーム未プレイ。


賞金稼ぎであるファバロは賞金首を捕まえながら

やっていたがある出来事をきっかけにアーミラに悪魔の

契約をかけられてしまう。そしてアーミラの目的である

ヘルヘイムまで行くこととなってしまった・・・


タイトルはTVのCMでよく聞いていたのでこのアニメをする

と知ったときはまあ気にはなるがよう分からん話になるの

だろうと思ってとりあえず見てみるかという感じでした。

でも一話を見てなんだこのクオリティの高さはと思いました。

それに意外と面白そうかもという感じでした。


王道の冒険ファンタジーという感じのストーリー展開でした

が絵がものすごくカッコイイというか綺麗というかとりあえず

すごくていつの間にかハマっていました。


完全に、期待をしているどころか全く期待していなかった作品

だったのでここまで出来が高いとは思わず、完全に今季の

ダークホースでした。

全部繋げて放送したら長編映画と言ってもおかしくないくらい

の作品でした。

◆個人的点数評価 80.759点

投稿 : 2025/02/08
♥ : 51

70.7 14 MAPPAアニメランキング14位
平穏世代の韋駄天達(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (188)
565人が棚に入れました
“韋駄天" × “魔族" × “人類"、何が起こるか誰にもわからない禁断のバトルロワイアルがいま始まる―!! 壮絶な戦いの末、圧倒的な速さと強さを誇る戦いの神々「韋駄天」が世界を破滅に導く「魔族」を封じ込めてから800年。今や“あの戦い"は遠い神話の中の昔話でしかない。生まれてから一度も戦ったことのない「平穏世代の韋駄天達」が平和ボケしている中、何者かにより、再び魔族が長い眠りから復活させられた―!? 武力、智略、政治、陰謀、使えるものはとにかく何でも持ってこい! ノールール&ノーリミットな三つ巴のバトルロワイアルがいま始まる!!
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

お手軽にハイブリッド戦争

原作未読


キービジュアル/サムネや作品タイトルから少年誌でもさらに子供向けな内容を想像してさほど期待してませんでしたがところがどっこいでした。紛れもなくクール(2021夏)トップの面白さです。

韋駄天≒神様と魔物が対立する設定。強力な魔物を封印し平和が訪れ800年経過した世界が舞台です。脅威が去って久しいため、いい加減平和ボケしてるよの趣旨で“平穏世代の韋駄天達”なんでしょう。
半端な幕切れは原作との兼ね合いみたく、ならばと韋駄天が如く駆け抜けた疾風怒濤の全11話でした。


原作者クール教信者さんの同クール3連発。『小林さんちのメイドラゴンS(2期)』『ピーチボーイリバーサイド』『平穏世代の韋駄天達』のうち一つになります。食べ比べしてみるのも一興ぐらいの構えでしたが、なかなかどうして共通したテーマが見え隠れするのもお楽しみポイントです。余力があれば他のもどーぞ!
と褒めまくりなのですが一点。俺たたエンドでもないぶつ切りエンドが減点材料ですかね。だがネガティブ要素はこれくらい。というわけで中身なんですがあらすじ抜きでエッセンスを以下ご紹介↓

パワーゲームが上手いこと描かれてます。韋駄天VS魔物の構図はもとより第3極人間の立ち位置が趣深い。魔物に使役されるのは想像つきますが韋駄天にとって必ずしも守るべき存在ではありません。第一優先は魔物の殲滅であり人間保護は副次的なもの。
国家に例えるとわかりやすい。友好だなんだのというのはホームグラウンドの安全が担保されてこそ成立すること。一昔前は韓国、今だと台湾。あくまでロシアの南下や赤化勢力の橋頭保としての半島であり、沖縄防衛・シーレーン確保のための台湾であるのが地政学の常道です。“友好”は副次的で自国の国益優先で考えるのが筋なため「○○が親日だから」は要素であって不可欠な条件ではありません。
本作での人間は“プレイヤー”とはならず大国の都合で右往左往する〝傍観者”であり、言い方悪いですけど駒。それがうまいこと出てます。二項対立なプレイヤーと流動的な第三者という大枠部分がシンプルでわかりやすい。

そんなパワーゲームを下支えするのがややエログロな表現手法が取り入れられていること。なかなかお目にかかる機会がありませんが本作では特長となってます。
そりゃ胸糞に蓋できればいいんでしょうけど敗者がどんな目にあうかは自明の理ですからね。ウィグルとかどうなん?って話です。話せばわかるは絵空事。こと世界は残酷で不条理なのです。
た・だ・し…アニメでそれ見たいかどうかは人によるでしょう。私は抵抗のない人。むしろそれっぽい作風でしたらメタでも表現されてないと冷めるかもしれません。

 平穏世代=平和ボケ

かどうかは観てのお楽しみですがほぼ答え言ってるようなもんですね。
最後にインテリジェンス。情報戦です。ウォーポテンシャル=戦力も強い上で情報戦に強ければ万事安泰ですが、たいていは弱いところこそ情報戦に力を入れるものです。
ネタバレ無しではここまでですが、きちんと弱いほうが必死で情報戦仕掛けてきます。火力よりも情報戦がどれだけ大事かわかるような作品となってるんですよね。不思議なことに『三国志』で諸葛亮や司馬懿ら軍師の計略の威力をまざまざと見せつけられて知っているくせに、現実社会に置き換えると途端に感覚マヒしちゃって影響力工作の威力やどんなものかが分かんなくなることが多い。スパイ天国という単語は知ってても具体的にどんな工作があるか指摘できる人は少ないものです。


となんやかんや堅苦しいネタですんませんでした。実際は脱力系と言っていいくらい小難しさとは無縁なのでご安心を。この手の作風での教科書は『進撃の巨人』あたりかと思いますが、その『進撃の巨人』の設定を荒くしておふざけ増やして原型留めてはないんですけど旨味成分が遺伝子レベルでは一緒みたいな感じ。

ぶつ切りエンドだけはポカーンなるかもわかりません。11話と短めですから、サムネ/キービジュアルでイマイチ食指が動かん方もちょい重い腰をあげてもらって損はないと思える良作でした。
途中区切りのつけ方が綺麗だったらさらに点数上げてるのでもったいないですね。



※ネタバレ所感

■食べ比べ

言うまでもなく他のクール教信者作品との比較です。
{netabare}敵対種族とのコミュニケーション問題ばっかですね(笑) 

本作では魔族が絶滅危惧種という設定で、種の生存をかけて必死。うっかり肩入れできちゃう悪いやつらなんです。彼らにとって韋駄天は種の存続を脅かす不倶戴天の敵。
たしか300体だったと思いますが個体数の少なさで生じる危機感からか倫理観は吹っ飛んでましたね。劇中では輪姦・児童姦はもとより女性を生む機械と見立て多子出産推奨は当たり前と胸糞展開でした。
これがリアルだ!としたり顔で言う気はさらさらありませんが、どういう人たちがどういう時に胸糞なことやらかすかは歴史に複数事例があるので知っといて損は無いでしょう。尼港事件・通州事件・真岡郵便電信局事件あたりは良いテキストになると思います。

韋駄天側のミスは慢心なのかしら。私がたまに大日本帝国ネタを使う理由なんですけど日本型組織の良いところと悪いところの見本市みたいなとこあるからなんですよね。
それで慢心についてなんですが、当時の日本って
片手間に東南アジアに出張って200年~300年居ついていたイギリス・オランダ・フランスを駆逐し
片手間にドイツ第三帝国を敗走せしめたロシア改めソ連の南下を満蒙エリアで食い止め足止めして
片手間に内戦状態で国の体をなしてなかった共産軍・国民党軍の便意兵に連勝
しかも一等国民として調子に乗り満州で狼藉を働き散々足を引っ張る列島出身でない同胞を抱えながら
ついには太平洋渡ってアメリカの国土に攻撃加えるオマケつき

それぐらい強かったって解釈は可能です。それを地でいくくらいお強い韋駄天の皆さん。これで情報戦でも勝ってたらと悔やまれる展開だったので示唆に富むなぁと高評価の理由の一つです。

『ピーチボーイ』だと敵対種族の和解模索を示唆するくらいで終わってましたが、こちらは今のところお花畑皆無です。平穏世代と言いながら世界は残酷です。『メイドラゴン』となると私は1期止まりでして日常劇に落とし込んだ中にほろ苦さを感じる作りだったと思います。いづれの作品でもハレーションが必ずどこかで描かれ、そんなやっかいなテーマに向き合おうとの姿勢を感じるんですよね。{/netabare}


このアニメ観てまともな情報機関が欲しくなりました。
あまり性差を言わない私ですがこのアニメはパワーゲームに鼻の利く男連中が好きな気がします。



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

------


2021.10.14 初稿
2021.12.04 タイトル修正/配点修正 -0.2

投稿 : 2025/02/08
♥ : 28

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「面白かったけど、ここで終わるの?」という感じですね。

読んでないのでわかりませんが、「ここで終わる」に関しては原作事情によるものみたいで仕方がないようです。

ストーリーはいろいろとありますが、ぶっちゃけて言えば「超頑丈な異能者」(韋駄天)と「そこそこ頑丈な異能者」(魔族)によるバトル的なお話ですね。

韋駄天も魔族もその存在の維持は人類の存続に依存している一方で、どちらも人間は生存に必要な分だけ生きていれば良いという点で人類とは別の倫理観を持っていて、本当の意味で人類には与しない存在になっている点が面白いです。

韋駄天と魔族は不倶戴天の敵であり、普通に戦えば韋駄天が勝つであろう状況で、しかし頭を使うことで魔族側も韋駄天に対抗しうるという構図になっています。

韋駄天側の頭脳担当イースリイと魔族側の頭脳担当ミクの心理戦と、不倶戴天という状況自体をなんとかして人類も含めた三者の共存が図れないかと悩むギルといったあたりのキャラクターたちが本作を面白いものにしてくれていると思います。

ということで終始面白く観ることができたんですが、最終回が「え、ここで終わるの?」的なものだったのでそこは残念ですね。続編があればきっと観ますけど、いつのことになるのだろう…?

投稿 : 2025/02/08
♥ : 22

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

THE尻切れトンボ!

斬新な最終回でした。
強引にまとめちゃいましたね。

今までも最終話に問題のある作品は多かったけど、これは別次元に凄かったですね。

前半~中盤までは、確実に面白かったし、終盤に向けての展開も良かった。
高評価に値する作品だと思ったけど‥。

原作ストックが無いのに、何故、今アニメ化する必要があったんだろう?

投稿 : 2025/02/08
♥ : 13

75.5 15 MAPPAアニメランキング15位
賭ケグルイ××(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (448)
2171人が棚に入れました
良家の子女が集う名門、私立百花王学園。ギャンブルで支配されたこの学園の頂点に君臨するのは、弱者の人生を支配し、政財界にすら影響力を持つ絶対的な支配者、生徒会だった。しかし、生徒会長の桃喰綺羅莉は突然、生徒会の解散・総選挙を宣言する。選挙のルールは一人一票。全生徒に学園の頂点を目指すチャンスが与えられる。カオスと悦楽を求める綺羅莉の思惑による選挙戦。さらに、その機に乗じ、新たな脅威が訪れる。百喰一族――綺羅莉と夢子に連なる者たちが。蛇喰夢子と友情を深めてきた鈴井涼太、早乙女芽亜里、皇 伊月の4名は、この仕組まれた総選挙の中、自らの信念をかけた闘いを迫られる。弱肉強食の学園で「餌」となるか、他を喰らい生態系の「長」となるか。ギリギリの選択が心を揺さぶる「究極の選挙バトルロイヤル」がいま始まる!

声優・キャラクター
早見沙織、田中美海、徳武竜也、若井友希、奈波果林、伊瀬茉莉也、芹澤優、杉田智和、鵜殿麻由、福原綾香、沢城みゆき、潘めぐみ、井上遥乃、竹達彩奈、内山夕実、大久保瑠美、高垣彩陽、北原沙弥香、斎賀みつき、細谷佳正、石田彰、朴璐美

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「ギャンブル」そのものではなく「ギャンブル狂」を描く作品

1期目のレビューにも書いたのですが、ギャンブルそのものの駆け引きというよりは、ギャンブルに臨む人間の「人間性」みたいなものを描く作品なのだと思います。

1期目を視聴済みであると、「全てがギャンブルの結果で決まる」という私立百花王(ひゃっかおう)学園のシステムと、1期目から出ているメインキャラたちについて良く理解して視聴に臨めると思いますが、ストーリー自体は区切り良く始まっていて2期目からであってもそれなりに話にはついて行けるようにはなっていると思います。

以下、1期目視聴済みの方向け:
結局原作は未読のままですが、このレビューを書いている時点で第3話まで観終わっています。

2期目では新たな要素として生徒会長である桃喰綺羅莉(ももばみ きらり)をトップに据えているという「百喰(ももばみ)一族」なる新キャラたちが登場します。同じく名前に「○喰(ばみ)」の字を持つ主人公蛇喰夢子(じゃばみ ゆめこ)との関係も含めて、ギャンブルによって決められるという「生徒会長選挙」の行方が主なトピックといえるでしょう。

百喰一族にかかると1期目である程度強敵と目されていた生徒会執行部のメンバーの強さも霞んでくるわけなのですが、そんな中でも1期目同様かそれ以上に発揮される夢子の異常性に注目です。

それと、どうやら1期目では空気になりかけていた鈴井くんにも何らかの活躍の場面がありそうなので期待しています。

2019.4.1追記:
第12話(最終回)まで視聴終了。×喰零(ばつばみ れい)と蛇喰夢子の関係が視聴者に明かされるお話でしたが、『~××』で開始された生徒会選挙は終わりませんでした。

これ、続編が作られたりするんでしょうかね?
ところで敗者が敗者なりに、思ったより幸せそうにしているのが印象的でした。(幸せを感じること自体は理解できる状況ではありましたが。)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 44
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

キワモノたちの賞味期限

原作未読 1期視聴済


生志摩妄(いきしまみだり)をそこそこ愛でる私。
のっけからエンジン全開で粘膜の至るところから体液まき散らすみだり女史を拝めたとあってはなんて俺得なんだー!

となるかと思いきやそうでもない。
作品へのツッコミは数多くあれど、1期は構成の手堅さを評価してました。
2期は良くも悪くも1期と同じと言いますか、同じ路線で顔芸に磨きがかかって、新たな敵!?が現れとインフレ方向で話が展開しました。

 少々飽きました

1期踏襲となれば『賭ケグルイ』世界に対する評価も大きく変わらないので、詳述している1期レビューに詳細は譲ります。


・生徒会長を超える逸材が出てきてない ←ここが大きい!
・メアリや鈴井ら主役級がカースト下位から這い上がるサイドストーリーのあった1期


百喰一族大量投入の2期は早々に登場人物が確定し、学園内という狭いコップの中の水を掻き回す作業に似ておりました。
作中のギャンブル(ゲーム)はどれもよく練られたもので、原作者さんの苦労が伺えます。しかしながら新鮮味は薄れていきました。
好意的に捉えれば円熟味が増したということですね。ギャンブル(ゲーム)のアイディアが尽きなければ3期でも4期でも続けていってもらいたいです。
少し飽きがきた理由も


 キワモノたちの賞味期限


が到来したわけで、キャラ先行の鑑賞だと遅かれ早かれということで間違いありません。生徒会長のキャラ幅を広げるか、もしくはそれを超えるキャラの登場が待たれます。


さてマンネリ感漂う2期の特徴について、


1.底辺が底辺を動かす
一発逆転はギャンブルの醍醐味。カースト下位奴隷が“取り戻す”物語を鈴井やメアリら主役級がはったのが1期とすれば、脇役らが演じきったのが2期。
{netabare}×喰(ばつばみ)良いキャラでしたね。男装の麗人ということで動きがイチイチ宝塚だったのがツボでした。{/netabare}
{netabare}主体が脇役。モブが×喰に託し、、という構図だったため{/netabare}カタルシスみたいなのは希薄でした。
底辺にとってかわられる恐怖すら楽しめる連中(キラリや夢子)との勝負には勝てる気がしませんよ。


2.魂の解放!?
身の破滅ではなく呪縛を解き放たれた人達がいました。擦り切れて倒れる弱肉強食の世界なのでほっとできます。作品としてはOK!
自分はどうしても違和感が拭えませんでした。なんかいい話に収めてますが、賭博と心温まるエピソードとの相性の悪さが見え隠れします。
{netabare}さやかが吹っ切れたように晴れ晴れとした表情を見せ、×喰さんも復讐や誰かのためのギャンブルから自分を解放できて、と。{/netabare}
賭博ものにどうしても求めてしまう“身も蓋もない絶望感”が足りないんですよね。その期待値をキャラが上回った1期はともかく、今期は弱かったです。
解放された二人とも対象への執着をけっこう簡単に捨てられる状況にあったのにぃ、と思ってしまいます。



蛇喰夢子がことあるごとに“賭ケ”の対象がそれでは手ぬるいとベットを上げてきました。天井は人生です。
ただどうしてもその人生の上限値というものは、背負うものの多寡という点で高校生ではまだまだ低い。負けても悲壮感はなく勝っても高揚しない理由はここにあります。この作品はそこで勝負しちゃいけません。
あくまでキャラでいきましょう。責任はもちろんとりませぬ。

{netabare}俺たちのギャンブルはこれからだ!{/netabare}

頼みますぜ3期!
鈴井も今回は影薄かったしね。



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2019.09.21追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴



2019.04.22 初稿
2019.09.21 追記

投稿 : 2025/02/08
♥ : 44
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

賭けより顔芸優先アニメ

原作未読で1期は全話観てます。

お話のざっくり概要
ギャンブルが最優先される学校で
ギャンブル大好き娘の夢子がギャンブルしまくる顔芸アニメ …そんな感じ

んー、それ以外に説明のしようがないよ。詳しくは1期みればOKw
1話は見れました。
2話の録画最中にブレーカーが落ちまして…肝心な所が見れてません(泣)
まぁ気を取り直して視聴は続けるつもりです。

アニメ関係ないので畳みます。
{netabare}
真っ暗な中、スマホや懐中電灯も真っ暗すぎて探せず、
必至こいてブレーカーをあげるまでに15分ちょいかかり
肝心な所が全然取れて無かった! もう泣きそう!(すでに泣いてます)
{/netabare}

観れなかった部分の予測
{netabare}
夢子の指は大丈夫だろうけど、他の人の指がどうなったか気になる…
おそらく全員無事と予測。
けど余計なネタばれが怖くて検索もできず。。。
{/netabare}

絵は相変わらず顔芸が凄いっす。なんかエ□いし。
早見さんの演技ははっちゃけてて好きですw
2期になって一気に登場キャラ増えちゃって名前覚えれませんw
朴璐美さんのキャラがなんかジョーカーになりそうな雰囲気
あくまで予想なので外れても知りませぬ。

録画失敗は辛いっす。皆さんも冬場のブレーカーには気を付けましょう!

2019.04.06 視聴完了
{netabare}
ジョーカー予想あたったw 予想打率1割ぐらいの大ファールバッターのおいらとしては珍しいw
{/netabare}

見終わってなんか、1期とコンセプトが全然違うんだなぁーと。
あ、顔芸とはやみんの怪演はそのままなんですけど、
2期は賭け事してない感じでした。

特にそう思ったのは次の部分です。
{netabare}
五十嵐さん戦です。
イミフな塔と、回ってたらかかる過重でわかるだろとか
あの高さからあの落ち方したら、マットあっても無傷は無理だろ とかそういうツッコミはおいといて
命だけでなくすべてを賭けて戦うという下りで始まって…なんであの結末なの??

んーと、、、なんというかですね、
それをやられちゃうと命を賭けるとか、自分の全てを賭けるとかの言葉が
超ぺらっぺらになっちゃうので、以降の話が冷めた目で見てしまうん。

いうなれば、カイジで例えると
鉄骨渡りで、すぐ下にはマットが敷いてあって
電流もちょっとピリっとするぐらいですよー とか
耳につけるドリルも音だけですー とか
焼き土下座も42℃までしか上がらない、あったかホットプレートですー とか
そういう事でしょう?(そんなカイジでもまぁギャグとして見れると思うけどw)

まぁ賭けグルイに気持ちが離れたのは確かです。
ジョーカーである×喰さん戦も冷めた目で見てました。結末もお察し。
{/netabare}
ちゃんと賭けをやってくれれば面白かったのになぁ…と残念な感じです。
絵は綺麗だし、声優さんは凄いので見るのはオススメですよ!
たた、自分は冷めてしまったので合わない作品でした。。。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 30

64.0 16 MAPPAアニメランキング16位
かつて神だった獣たちへ(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (238)
845人が棚に入れました
パトリア大陸に生まれた民主主義国家【パトリア】。経済的不一致から【北部パトリアユニオン】と【南部パトリア連合】に分裂したこの国では、長きに渡る内戦が続いていた。劣勢に追い込まれた北部は、南部打倒のため、遂に禁忌の技術を用いてしまう。人間を異形の兵士へと造りかえるその術は、人の姿と引き換えに、神にも喩えられる力を得るというもの。その力により長き戦乱は、和平へと導かれる事となった。【擬神兵】、それは【神】と称えられた救国の英雄。時は経ち、戦争が過去へと移り変わる今。人の姿と引き換えに【擬神兵】となった者たちは、その過ぎたる力故、人々からただ【獣】と称ばれ、恐れ蔑まれる存在へと変わっていた。元擬神兵部隊の隊長・【ハンク】は、【獣】に身を堕としたかつての戦友でもある【擬神兵】を殺す者【獣狩り】として旅を続けていた。擬神兵だった父の仇を探す少女【シャール】はハンクと出会い、父の死の意味を知る為、共に旅することを決意する。やがて知る、戦い続けなければならない本当の理由。そしてハンクが探す【獣を解き放った男】の存在。仲間殺しの罪を一身に背負い続けていく【ハンク】の旅路の行き着く先とは?

声優・キャラクター
小西克幸、加隈亜衣、中村悠一、石川界人、日笠陽子、能登麻美子、市ノ瀬加那、坂本真綾
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

かつて期待した視聴者たちへ

かつて神(とまで称えられ尊敬を受けた兵士)だった 獣(となり下がった者)たちへ


適性ある者が施術を受けて一騎当千の人間兵器化し戦場を駆け抜けるも、戦争が終わったら用済みになったという悲しいお話。
彼ら人間兵器は擬神兵(ぎしんへい)と呼ばれその隊を率いていたハンク・ヘンリエット(CV小西克幸)が主人公。ハンクと行動を共にする少女シャール(CV加隈亜衣)の二人が主要人物となる物語。あらすじは省略。例によって原作は未読です。

全般恋愛要素は薄めで、もっぱら焦点は


 “戦中戦後で評価が逆転した者たちの悲哀”


これにつきます。タイトルから期待する展開はそれ以外考えづらいのです。

神を模した擬神兵との設定は独特。ガーゴイル・ウェアウルフ・セイレーンその他馴染みの神々たち。
{netabare}力を行使し続けた結果としての副作用。人間としての理性を失くしてしまうことで、{/netabare}彼らが邪魔者扱いとなっていく過程は哀しみの色を帯びてます。
下手に視聴者に媚びてないので、題材に興味を持ったら手を出して良いかもしれません。よくある帰還兵PTSDものの範疇かも。


で結論ですが、面白くありませんでした。あっさーいのです。


OPはまふまふさんの「サクリファイス」。
Aメロかっこいい! 
Bメロ盛り上がって来たぞ! 
サビ・・・ん?
ボーカルは音に負けてね?
一聴してカッコいい感じなのですがなんか違う。ネタばらしは簡単。サビのメロディがギターのメロディラインと被ってほぼ一緒。そのためメリハリがなく両者が喧嘩しているかのような曲です。
私の見立ては一点。ギターのフレーズ作りサボったなこいつ、です。メインのメロディいい感じで出来たのをどう活かすかの観点が希薄でした。

なんでこのネタ出したかおわかりですね。
面白い設定を肉付ける周辺要素が脆弱ということで作品そのものを表わしていると思ったからです。


■私の嗜好の観点でイマイチなポイント

兵器の取扱いが雑だと私の場合削がれます。不真面目な軍事描写は心象を悪くする重大要素なのです。
ただしこれは個人的な嗜好によるものなので気にならない方はスルーできるものになります。

{netabare}1.制御不能な兵器は作りません。ここ否定すると物語が成立しないので悩ましいところです。
2.戦後はしっかり管理しなさいよ。無責任です。テロリストの手に渡ったらどうするんですか?
3.遺族恩給など国はもう少し優しくしなさいよ。国のために尽くしたんですよ?
4.おなじく功労者への掌返しで殺処分をイージーに決断って為政者ひどくない?
5.(最終話)“腐食の毒霧”。これ統率の外道。戦時国際法違反なんて生温いファンタジー兵器だろう{/netabare}

本作品の意図するところは、用済み兵器となった者達の悲哀です。ならばその軍事的な背景が嘘くさいと一気に没入感が削がれてしまうのです。


■むべなるかなでイマイチなポイント

・バトル作画:動かない
・神々の戦い方が基本力任せのワンパターン
 {netabare}唯一セイレーンがユニークだったが敵対しなかったしなんだかなぁ。{/netabare}



題材に興味持ったら・・・
なんだかんだ最後まで観れました。たぶん理由は下記3点。

・ケイン(CV中村悠一)の目的ってなんだろう?が気になる。
・姉御肌ライザ少尉(CV日笠陽子)が魅力的。。。いろんな意味で。
・死にゆく擬神兵がそうはいっても同情してしまう。



※ラスト

{netabare}2期を見越した?俺たたエンドで終幕

続編で化ける可能性もなくはない。エレインやケイン側女子2名も気になるところだったりするのです。{/netabare}


真っ向から否定するには忍びない、という中の中な作品。
この期は中の中な作品が多かった印象。手前(春期)とその手前(冬期)は中の下な作品が多かったことを考えれば良しとすべきかもしれません。



視聴時期:2019年7月~9月 リアタイ視聴

-------
2020.04.03追記

“制御不能な兵器は作りません”。コロナウィルス生物兵器説に疑念を持つ理由がこれ。仮に事実でしたら覇権を握らせちゃダメ。いずれにせよコロナ禍が落ち着いたら世界はこの国の解体に向かうでしょう。5年後くらいをお楽しみに。


2019.09.17 初稿
2020.04.03 追記

投稿 : 2025/02/08
♥ : 47
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

テーマは良かった。見せ方次第で大分違ったかも。

[文量→大盛り・内容→酷評系]

【総括】
ダークファンタジーであり、バトルアニメ。グロあり。

テーマや世界観は(中二病くさくも)悪くはないと思うので、もちっと上手く出来なかったのかなぁ。原作は、多分、アニメより面白いんだろうなというのは、なんとなく感じました。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
構成の悪さを、強く強く感じました。勿体ない作品ですね。

この作品はつまり、1話目の内容をどこまでしっかりやりきれるか、なんですよ、多分(まあ、原作がそうじゃないんだろうから、無茶は承知で)。

極論を言えば、0~1話まで(神と呼ばれるまで)を1クール、12話かけてしっかり描いて、各キャラ(擬神兵)にファンをつける。そして、13話目が、本作の1話目になり、分割2クールまで期待を煽る。

そこまで下処理をちゃんとやってから、2クール目に今回の内容(獣と呼ばれてから)を描けば、かなりの問題作になれたはず。ようは、「ベルセルク」。

本作は仲間殺し。

殺される仲間に対して、こちら(視聴者)側の思い入れが強くなるほど、悲しみも苦しみも大きくなる。それが、魅力にもなっていく。勿論、(人気キャラを殺すわけだから)それ以上の批判を覚悟しながらにはなるけれど。

ところが本作は、「お前、誰やねん」というキャラを殺していくだけ。

殺す直前になり、回想場面を流していくのも、分かりやすすぎてつまらない。とってつけたような感動話に食いつくほど、今のアニメファンも甘くない。

まあ、1クールは言い過ぎでも、少なくとも3話くらいまでは、獣になる前の仲間の掘り下げをしても良かったんじゃないかと。他のエピソードの回想場面をまとめれば、やれたでしょ?

また、仲間を殺す動機も微妙。

いや、理由は分かる。せめて人のうちに。つまりは、「尊厳死」なんだろうけど、それって、あくまで本人の意思じゃん? まあ、「獣になって意志もへったくれもない」から、「強制的な尊厳死」に持ち込むんだけど、それはつまり、相手に人権を認めていないわけで、擬神兵を一番人間扱いしてないのは主人公じゃん? と思ってみたり。

主人公の行動にいくばくかの正当性が生まれるとしたら、「擬神兵は100%人間に戻らない」と断定され、市民に被害が出る場合だろうけど、そこがなぁ。まあ、ハンクからすれば、「擬神兵研究の第一人者である、エレインが戻らないと言っているんだから、100%戻らない」という理屈なんだろうけど、そんな理屈で殺される擬神兵からすればたまったもんじゃない。科学や技術は日進月歩。まだ見ぬ可能性を信じ、例えば、「体をはって擬神兵を捕らえ、死ぬほど頑丈な牢屋や地下施設に閉じ込めておく」とかは、ムリだったのかな? そういう努力を全てやりつくした上での、「殺人」という選択だったのかな? それとも、単に愛する人の遺志を継ぐという、個人的な理由なのかな。そこがモヤモヤしました。

あと、中間的な立ち位置で物語の重心を決めるはずのナンシーがね、どうも。ハンクにデレるの早すぎじゃない? もっと憎もうぜ、親の仇だぞ?

殺す側、殺される側、傍観者。どこのサイドにも共感できない話になっている。正直、心情的には新パトリアの気持ちが一番共感できる。俺が擬神兵でも、おとなしく死のうとは思わない。足掻くよ。

しかも、結論は投げっぱなしジャーマン。

あと、バトル作画の悪さは致命的。もとが、中二感満載なだけに、作画がしょぼいと一気に安っぽくなる。バトル自体もただのゴリ押しで、能力使ってないしね。つまらなかった。

てか、ラスト、ハンクはなんでスーパーサイヤ人になったん?(笑) あと、散々シリアスなテーマ引っ張ってきて、まさか、ケインの最大の動機は、実はBLなのか???(違うことを祈ります)。

ラスト1話で、☆を1つ下げました。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
戦争の描写は結構、エグい。味方からすれば神、敵からすれば獣、か。なるほど、次第に獣になっていくのね。素晴らしい、結婚発表だな。この良い仲間をきちんと描くからこそ、次が生きるな。

2話目 ☆3
ドラゴン。なんだ、回想か。獣化していない人の話かと思ったわ。姿は戻らずも、心は保つパターンもあるのか? いや、やはり時間の問題なのか。安易に悲劇を起こさず、未然に防ぐか。安っぽくならないな。撃ったしな。う~ん、そこでいきなりついていくって選択はな~。

3話目 ☆3
ミノタウロス。連れていくのが、なんで? だったが、わりと痒いところに手が届いてるな。

4話目 ☆3
ベヒモス。メチャ強いな。多少は理性を残した中で。次第に心を許していく。

5話目 ☆3
ガーゴイル。絶対正義は絶対悪に近くなる。一番強い思いが増幅されて、残る。

6話目 ☆3
なんか、立体機動装置みたいなのが(笑) まあ、擬神兵側の主張も分からなくはない。このアニメ、わりとちゃんと撃つもんな。

7話目 ☆2
だったら、ナンシーをデレさせてちゃ、ダメでしょ。もっと、ハンクのことを、憎ませてないと。

8話目 ☆3
セイレーン。1話完結。どの話もそうだが、とってつけたような感動なんだよな~。

9話目 ☆2
バトルアニメでここまで作画がしょぼいというのもな。

10話目 ☆3
だからさ、ちょいちょい回想を挟むより、ガッツリ過去編をやった方が良いでしょ。

11話目 ☆3
撃ち続けろや、倒れても。まあ、軍医というのは、ツラい立場だよな。

12話目 ☆1
首の飛び方よ(苦笑) そこまで、ハンクにこだわる理由が、イマイチ伝わってこないな。ホモか? なんか、スーパーサイヤ人になった(笑) はよとどめさせや。しかも、結論は投げっぱなしジャーマンか。
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 25

えりりん908 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

見続けましたけど、何が面白いのかわからないままでした・・・

やめた方がいいのに、
なぜだか見続けています。
多分、タイトルがカッコいいから、かな?

中身は、意味がよくわかりません。

普通、戦争のために人の手で作り上げられた兵器は、
擬神兵みたいな生物兵器でも、
戦争が終わったら、
軍とか国家とかで管理されるものなんじゃないかなー?
戦争が終わったら帰郷させておいて、
それで殺して回るって、
何だかアタマ悪すぎませんか?

戦後処理として、
擬神兵は抹殺されることになってしまい、
それに反発した擬神兵たちが
軍に反旗を翻して内乱になって、とかの展開があったのなら、
まだ理解出来るんですけど・・・
それとも本当は、そういうストーリーが、あったりしたのかな?

なんか、誰にも共感出来なくて。

ちょっともう、無理かもしれません・・・




結局ズルズルと、最終回まで観てしまいました。
作画がどんどんひどくなって行って、
お話も中途半端なまま、
終わってしまいました。
続編に含み持たせてたけど、
これでは、続きを観たいって気持ちに、
全然なれませんでした。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 23

67.3 17 MAPPAアニメランキング17位
将国のアルタイル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (189)
844人が棚に入れました
ここではない世界、いまではない時代。
将軍と呼ばれる為政者たちの治める草原と砂漠の国・トルキエ将国。
12年前、隣国・バルトライン帝国との戦争で母を失ったマフムートは、
平和な国にしたいと希い、トルキエ史上最年少で将軍となった。
しかし、交易で得た巨万の富をもって安寧を取り戻したトルキエに対して、再び帝国の侵略が始まる。
犬鷲・イスカンダルを相棒に国家間に渦巻く陰謀と策略を切り裂かんと動くマフムートは、
いかにして自分の国を平和へと導くのか?
―――理想と現実の狭間で彼のとる行動とは…?

声優・キャラクター
村瀬歩、古川慎、KENN、諏訪部順一、小西克幸、緒方賢一、津田健次郎、小林ゆう、櫻井孝宏、中井和哉、内山昂輝、茅野愛衣、島﨑信長、岡本信彦、佐藤拓也、日笠陽子

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

王道伝記ファンタジー

原作コミックは未読で視聴


感想

「アルスラーン戦記」に似た伝記ものですかね?
主人公のマフムートが頭の切れる軍師のようにいくつもの戦で活躍し、徐々に国をまとめていく様は観てて痛快。
敵味方双方とも魅力あるキャラが多く、少しずつ仲間を増やしていく展開も王道だけどそれがヤシャシーン!

2クールの全24話で見ごたえありました。
面白かったです。
個人的には、アルスラーンとこのアルタイルとでは甲乙付け難いです。
まだまだ話の途中でEDしてしまったので続きが気になりますね。
アルスラーンとともに2期あれば観たい作品でした。


主題歌は有名どころが唄ってて良かったです。
好きだったのは2曲のED
「たいようの哀悼歌(エレジー)」/ 歌 - Flower
「Windy」/ 歌 - CHEMISTRY
特に「たいようの哀悼歌(エレジー)」は、最近カラオケでよく唄います。^^


余談
あにこれのレビューが少ないと言われ放送局を調べてみたら
毎日放送、TBS,BS-TBS、新潟放送
配信がAmazonプライム・ビデオのみ という事で、視聴できなかった人が多くいたみたいですね。
ちょっと勿体なくて残念。
全国放送するのってお金もかかって難しいのかなぁ・・・

投稿 : 2025/02/08
♥ : 26

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

前半クールは「普通」って感じでしたが、後半クールに入ってから「わりと面白い」ですね。

同タイトルのマンガ原作は未読です。2017年7月から2クールの放送が予定されているようです。

これを書いている時点では、第17話まで視聴済みです。ここまで予算的に厳しい感じはあまりなく、作画などはわりと安定しているようです。

中世っぽい時代の地中海っぽい海域(作中でセントロと呼ばれる)とその周辺の地勢をベースにしている架空歴史ものですね。モデルはあっても史実とはかなり違うお話ですので、観ていても歴史の勉強にはあまりならない気がします。

主人公マフムートが属しているトルキエ将国は、名前や風俗はトルコ(オスマン帝国時代?)をベースにしているようですが、トルキエではイスラム教が信仰されている訳ではなく別の架空の宗教(「水の精霊ナバラト」信仰)が国教的なものになっているようです。

トルキエ将国は国王メフメトⅡ世を戴く王政の国家のようですが、パシャと呼ばれる重臣たちによる合議をベースにした政治を行っているようです。主人公のマフムートはパシャの一人ですが最年少で、他にたくさんいる年長のパシャや国王に対してトルキエ国内的にも才覚を示して説得していく形になっています。

敵対しているバルトライン帝国はヨーロッパっぽい大陸で一大勢力を誇る大帝国で、周辺国家を侵略しているようです。こちらは皇帝ゴルドバルト11世を戴く絶対王政のようですが、皇帝は基本的に帝国宰相であるルイ大臣に治世を一任している様子。

一応ストーリーとしては、「ルイ大臣主導によるバルトライン帝国の侵略に対抗するトルキエ将国の将軍・政治家としてパシャであるマフムートがどのように活躍するか」といった感じです。

「戦争嫌いのパシャ」として名を馳せるマフムートですが、決して戦闘指揮が苦手という訳ではありません。前半クールでは若輩のマフムートが失敗して左遷される中で経験と人脈を得ていく話が中心でしたが、変な青臭さと理想主義的な思考が垣間見えて、爽快感のないストーリーでした。

ただ、前半クールの終盤あたりから有能な仲間も見つかり、政治の現実のようなものに目覚めたのかマフムートの印象がだいぶん良くなりました。

トルキエ、バルトライン以外の国家(ポイニキア、ヴェネディック、ウラド、フローレンスなど)も出てきて各々の同盟や敵対にマフムートが絡むようになり、外交的な要素でけっこうおもしろい話になってきたと思います。

前半クールで切ってしまった人もいるかもしれない作品ですが、とりあえず後半クールでの伸びはこれからも期待できそうです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 24

37111 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

後半にかけての盛り上がりはなかなかでした。

1話視聴後感想と今後の期待度
一言コメント:劣化アルスラーン。の世界観で。
期待度:★★★

最初は????とわけわからなかったけど、話が進むにつれてだんだんとその世界観に引き込まれていく。

鷹がとにかく最強で、いろいろ設定として納得できない部分はあるが反戦者が率先して戦争に巻き込まれていく様は良く描けている。

主人公は知略も単体武力もある所謂スーパーマン。若くして政界入りして一度は挫折するものの持ち前のステータスで再びのし上がっていく。

序盤我慢できれば良い作品。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 14

82.3 18 MAPPAアニメランキング18位
残響のテロル(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2162)
11427人が棚に入れました
ある夏の日──突然、東京を襲った大規模な爆弾テロ。平穏なこの国を眠りから覚ました事件の犯人は、たったふたりの少年だった──。〝スピンクス〟と名乗る犯人たちの、日本中を巻き込んだ壮大なゲームがいま、始まる。

声優・キャラクター
石川界人、斉藤壮馬、種﨑敦美、咲野俊介、潘めぐみ

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

希望

スカパーにて再放送してて2週目!

名前のない二人の少年がテロをおこすお話。
とある計画のために施設で育った少年たちは数字で呼ばれていた。
生き残った少年、ナインとツエルブ。

すごく頭がよくてとにかくすごいと思いました。
ナインとツエルブが爆弾作ったり設置したり
動画流したり
そんなシーンをもうちょっと観ていたかったですヾ(●´□`●)ノ

警察との戦い観てておもしろかった☆

途中もう1人の生き残ったハイヴの邪魔が入り
ハイヴvsナイン&ツエルブの戦いになって
もはや私は頭がついていかなかったです。
難しすぎる!!

そんな戦いも決着がつき
二人の最終計画もとげられる。
あの最終回のオーロラの様な光のシーンは本当に綺麗だった。

ヒロインのりさの存在は個人的にあんまり
好きにはなれなかったけどまぁ必要でしたね。

結末は悲しかったです(´;ω;`)
テロなんて問題なのは分かるけど悪魔でアニメの世界としての評価は
私は良かった作品だと思いました(*´ω`*)
OPはなんだか不思議で独特♪
有名な方がこの主題歌作られてますね。
作中使われるBGMも不思議な独特感でよかった!

結果悲しかったけど、おもしろかったです!
ツエルブが好きになりました。
あんな風に助けられたら好きになっちゃいます笑

彼等の最後のセリフと
VONの意味を知った時
彼等の生きてきた道が走馬灯のように頭に流れてきました。

忘れないよ。って言ってあげたいです。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 88

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

『この世界に、引き金をひけ』(`・д・´)キリッ

ある“目的”を持ちテロ行為を起こす2人の少年と
それに巻き込まれた女子高生の姿を描いた作品。
オリジナルアニメーション。 全11話。


スピンクスを名乗るナインとツエルブ。
この2人の少年によって起こされる爆弾テロ。
予告される爆弾テロを巡り、繰り広げられる
スピンクスvs警察の頭脳戦が序盤の見所。

中盤以降の見所はスピンクスvs警察vsFBI。
まさに三つ巴の攻防戦。
更なる頭脳戦が展開されて行きます。


ストーリー、世界観や設定など
良く練られ、丁寧に作られた物語だと思います。
すっかり引き込まれてしまいました(´ー`)

ある“目的”の為にテロを起こす2人。
リアルで頻発する宗教問題や愉快犯の類いとは違い
関係のない一般人を巻き込むような事はしません。
物語中盤には一般人を守る為の行動さえ起こします。
2人の“目的”を強調する良い演出だったと思います。

頭脳戦も緻密に作り込まれた良質なもの。
悪く言ってしまえばご都合主義のような展開もありますが
序盤でこの物語にハマれば存分に楽しめると思います。

事件に巻き込まれた形のヒロイン・三島 リサ。
事件を掻き回す過去を知る女、ハイヴ。
2人の女性が良いアクセントとして組み込まれています。

作画やOP・ED、BGMなどの音楽も素晴らしい出来。
あにこれのアニメ成分にも記載されていますが
劇場版クォリティという印象を持ちました。


『もっと評価されるべき』倒叙ミステリーだと思います。
ナインとツエルブ、この2人の少年の想い、末路
そして物語の顛末をぜひ見届けて欲しいと思います。
ミステリーファンは必見の作品でございます(*´∀`*)/″




《キャスト》
ナイン(CV.石川界人)
ツエルブ(CV.斉藤壮馬)
三島 リサ(CV.種崎敦美)
柴崎 健次郎(CV.咲野俊介)
羽村(CV.逢笠恵祐)
六笠(CV.かぬか光明)
ハイヴ(CV.潘めぐみ)
クラレンス(CV.高橋大輔)



《主題歌》
OP
『Trigger』/Yuuki Ozaki(from Galileo Galilei)
ED
『誰か、海を。』/Aimer

投稿 : 2025/02/08
♥ : 73
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

夏の日のまぼろし

MAPPA制作、渡辺信一郎監督作品。

雪の青森、核燃料再処理施設から、
プルトニウムが強奪される。
半年後、夏の東京、
動画投稿サイトにアップされた、
スピンクスを名乗る2人の少年の犯行予告。
{netabare}突然、都庁を襲った爆破テロ。
爆弾には「VON」の文字、犯人の動機と目的は!?{/netabare}
テロを巡り水面下で行われる激しい攻防。
美麗な背景とキャラクターデザイン。
これはスリリングな犯罪推理活劇。

{netabare}元凶は厚生省が行ったとある計画。
具体的な内容には触れません。
全ての真実を白日の下に曝け出すための導火線。
誰にも握りつぶすことが出来ないように、
少年たちは生の痕跡を刻み戦い傷付く。
当事者たちに直接、手を下すことよりも、
社会的な汚名を背負わせ、記憶と記録に残す。{/netabare}

中盤以降、新キャラの登場で、
アニメ特有の「俗っぽさ」が加わり、
評価点を少し下げましたが、
全11話、見応えのある作品でした。

ここにあるのはテロリズムの原理や背景、
それに対する道徳や価値観以上に、
普遍的なヒロイズムがテーマなのでしょう。
彼らの目的は「生」を救い出すことなのだ。

夜空を彩るプルトニウムの花火、
夏に咲いた爆弾、あまりにも儚い。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 67

71.6 19 MAPPAアニメランキング19位
神撃のバハムート VIRGIN SOUL(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (262)
1160人が棚に入れました
ここは、《人》《神》《魔》あらゆる種族が入り混じる神秘の世界ミスタルシア バハムート復活による世界崩壊を免れてから10年─── 新たな《人》の王は《神》の神殿を襲い《魔》の国を攻め落とした 壊滅寸前だった状況からの復興と更なる発展 王都は《人》に富をもたらす 王都復興の糧として奴隷となる《魔》 消えゆく信仰心により力を失った《神》 均衡を失っていく世界で《人》《神》《魔》それぞれの正義が交錯する―――

声優・キャラクター
諸星すみれ、梅原裕一郎、吉野裕行、井上剛、森田成一、沢城みゆき、岩崎ひろし、森久保祥太郎、潘めぐみ、坂本真綾、間宮康弘、小野賢章
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ファンタジーの衣を被ったガチめのラブストーリー

ゲームはしてない


1期に続いて2期を観たという流れです。1期が面白かったので特に抵抗なく。。。

1期全13話(総集編的なの1話込み) 2014年10月~
2期全24話(こっちは総集編無し)  2017年4月~

掘り出し物です。

Cygamesさんの数少ない一社提供のうち一つ。肝いりの2クールの割には話題にならなかったのかな? その頃アニメ観てないのでよう知りません。
レビュー・感想数207件(2019.02.06時点)は同期の作品の中でもTOP20にも入り込まないながらも、得点では地味に8番手くらいにつけてるというあにこれの評価です。同期に『月がきれい』『エロマンガ先生』『進撃の巨人2期』とあるなかで健闘してるように見えます。
観た人はそこそこ満足したと思われる客観評価。私も同様でした。
さて、、、、

・ゲーム原作かよ?
・〈神〉?〈悪魔〉? ファンタジー系はちょっと・・・
・1期逃してるのでスンマセン

安心してください。

“ファンタジーの衣を被ったガチめのラブストーリー”

でした。・・・いや・・・まあファンタジーなんだけどさ。ラブストーリーであり冒険活劇であり成長物語であったりと毎話Bパートの引きの良さもあって、2クール分一気に観せる力のある作品でした。
ソシャゲ原作特有のグダグダなところもなく、主人公が1期と変わるので、2期から参入しても問題は無さそうです。

1期でのファバロ、カイザル、アーミラ、リタを中心とした物語から10年後。ダークな世界観はそのままに2期の主人公をニーナ(CV諸星すみれ)にバトンタッチして、話は進んでいきます。
このニーナ、これあくまで私の思い込みですが、ヲタ受けしないヒロインさんです。少々イケメンならすぐ赤くなる恋愛体質に見えてしまう彼女は早々にビッチ認定されてしまいそうww
それも数話経てば霧散することでしょう。どんな娘かというとあれです。寝ちゃいけないって思うと眠くなっちゃう的なアレ。こちらは本編でお確かめください。彼女については表情が多彩というか喜怒哀楽で何パターンあるんだというくらい作画班が良い仕事してます。

繊細な“心情”を描写してのラブストーリーとは毛色が違う、“感情”を全面に出したり押し殺したりの全力投球ヒロインはとても好印象でした。
ちょっと脱線すると、全力投球ヒロイン設定は意外とリスクって高いです。さじ加減を間違えると

1.躁鬱の“躁”状態に見えてしまう
2.一歩間違えればコミュニケーション障害
3.ドジっ子空回りキャラみたいな型にはめたくなる誘惑に勝てずブヒる層以外が離れてく

この手の女の子でおバカっぽく見えないようにキャラ設定を組んだ製作陣の勝利だと思います。


そんな彼女のラブストーリーの行方と、“成長”物語が、けっして能天気じゃない世界で繰り広げられることになります。

能天気に見える女の子が能天気じゃない世界で能天気のままいられるのか?
能天気でいられないならどんな覚悟を決めたのか?

前半のほっこり回が進んでいる中でも忍び寄る不穏な影が徐々に濃くなっていく中盤あたりからはニーナの笑顔も違った意味をもってきます。このへんは親目線ですが、彼女の成長が頼もしくそして周りの救いとなってくるのです。
そして最終話を観終わると、序盤うっとうしく思った(かもしれない)彼女の能天気さを思いだし、

能天気が能天気でいられる世界がいいよなぁ・・・平和が一番!

ひと回りして“アリ”な娘さんと思える満足の全24話でした。くどい。。。


肯定的に捉えた本作の世界観については1期レビューで触れてますのでよろしければそちらを。


2期からOK!とのたまいつつ、物語を深掘りするならやはり1期からの視聴をお薦めします。1期は1クールと手に取りやすいしこちらも単体で楽しめる仕上がりですよ。
とりわけ重要局面で取った選択。旧主役ファバロと2期主役ニーナとの対比は“なにが正解か誰にも分からない”この世の真理を露わにしてました。やはり主役は主役でした。
ここでは触れてない脇役たちにも主役を食う魅力的なキャラに事欠きませんのでお気に入りをぜひ見つけてみてください。


物語は1期より複雑です。〈神〉〈悪魔〉の二項対立の末、「そうきましたか・・・」の1期だとすると、
2期は〈神〉〈悪魔〉の上に人間が立っちゃったかも、という斬新な種族相関からスタートします。
現実世界でもパワーバランスが崩れた時に戦争は起こるもので、まさに2期の舞台がそれ。極限の状態で人(※本作の場合神も悪魔も)は試されそして輝きを放つのです。


OPは1期から続くラウド系ロック。EDは米津玄師とのコラボで名の売れたDAOKOを配置。前半ED「拝啓グッバイさようなら」は地味ながらクセになる良曲です。

 
ソシャゲ原作の中では群を抜いて完成度の高い本作。言われなければゲームが母体とは気づかないでしょう。あらためて思います。

逆宣伝になるような粗悪品を濫造するくらいなら、しっかりアニメアニメしたものを作ってほしいな。よっぽど宣伝になるはずです。



※オマケ

■ジャンヌダルクは蜘蛛が苦手
ちやほやされた後は落とされる。本邦マスコミの得意技ですが、これをどさらにどでかいスケールでやられちゃったのが歴史上のジャンヌダルクであります。
{netabare}10話の母息子回の余韻が冷めない11話で、{/netabare}蜘蛛が苦手というエピソードを挟んできました。史実ではジャンヌを登用したシャルル7世の跡継ぎルイ11世のあだ名が“蜘蛛”だったとかなんとか。
王室に対しては恨み骨髄でしょうねww


■ジ○リっぽいと言えなくもない
表情筋がよく仕事をする巨匠の作品と似てるな~と思っていたら、{netabare}12話トロッコの脱走劇。{/netabare}どこぞの有名冒険活劇で見たことあるアクションシーンを堪能できます。


■声優“野沢雅子”のお仕事
2クールめ初っ端の14話に登場しました。人間国宝にしてよいと思う。


■サブタイトル“Virgin souls”
本作タイトルを冠した{netabare}第17話の{/netabare}サブタイトルです。
「次会えたら私のなすべきことを伝えよう」この回からクライマックスに向けてエンジンが吹かされる重要回です。
なんですが、ニーナが洞窟池の中に入ってって身を隠してから竜に変身してましたね。みだりに変身すると着ていた物を破壊しちゃうから、律儀に彼女は見えないところで衣服を脱いで変身したんだろうと妄想。
こういった恥じらいは大事です。気にも留めない振りをする男側の度量も試されます。


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2019.08.20追記
《配点を修正》 +0.2


視聴時期:2019年2月頭

続編で面白さが継続しているのはたいしたもんだ。それも主人公を変えてたりするのに。
ダンスシーンはこれまで観たものの中でもトップクラスでしたね。



2019.02.07 初稿
2019.08.20 修正

投稿 : 2025/02/08
♥ : 40

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「脚本: 大石静」だと…?→ 1クール目はまずまず順調

「神撃のバハムート」はとても有名なスマホゲームのタイトルです。タイトルからしてそれが原作のアニメなんだと思うんですが、『神撃のバハムート GENESIS』(前シリーズ…?)は観てませんしゲームもやったことありません、すみません。

「脚本: 大石静」という、もうこれだけで観てみようかなと思ってしまいました。ちなみにドラマ脚本ではとても有名な人です。私がちゃんと観た脚本作品はNHKドラマが多いですが、『ふたりっ子』、『オードリー』、『功名が辻』あたり。

あんまりちゃんと観ていなかったけどタイトルは知っているという感じなのは『おとなの選択』、『長男の嫁』、『ガラスの家』、『セカンド・ラブ』、『コントレール〜罪と恋〜』など。

家族ドラマ、恋愛ドラマの脚本に強いというイメージ。アニメの脚本は初じゃないすかね…?

脚本といい、作画といい、なんかお金かかってそうだなあ…。とりあえずGENESISを観ていなくてもついていけそうなので、視聴継続。

2017.7.4追記:
キャラクターデザインやストーリーはシリアス寄りなのに、殴り合いの描写やトロッコアクションなど随所にマンガ的な演出が光る意外と侮れない作品です。

1クール目でキャラクターはほぼ出そろったと思うので、2クール目以降の展開(人間 vs 神々 vs 悪魔 & 主にニーナ周辺の恋愛ドラマ)に期待します。

2017.10.5追記:
観終わっていたのですが、更新を忘れていました(笑)。

「大石静(おおいし しずか)力いかばかりか」という点で注目だった本作でしたが、『神撃のバハムート』のファンタジー的な世界観・設定にうまくなじめなかった印象です。

重要人物を殺すことに意外と躊躇がないのは、さすがにドラマ畑出身の脚本家という感じでした。展開的にアニメ視聴者層には違和感があったかもしれないです。

元々ニーナの恋愛脳はかなり前に出てきていたと思いますが、これをもっと前面に押し出した感じなら、そもそも2クール必要はなかった気もしますね。

つまらなかったわけではないですが、やや凡作感はありました。が、シリーズのファンなら観ておいて良いのではないでしょうか。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 38
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

10年に1度、「???」が大暴れする街?住みたくねぇ~

最終話まで視聴。前シリーズも視聴済。

【物語】
大石静が脚本ということで、かなり期待していたけど、終盤がちょっと・・・。
{netabare}終わってみたら、何か普通っていうか、期待外れっていうか・・・。

{netabare}王の目的が「バハムートの復活ではなく、バハムートの討伐だった」ってところが見せ場だったんだろうけど・・・。{/netabare}

バハムートのパワーが前作より落ちてる?
アーミラの登場が唐突過ぎて、驚いた。{/netabare}

【作画】
見事としか言いようがない。
非の打ち所がない。

【最後に】
前シリーズからリタ推しだった私には大満足の作品でした。
最初から最後まで出っぱなしだったし、終始、大活躍だったし・・・。
何だかんだ言って、『亀の甲より年の功』って事でしょうか?
{netabare}カイザルの死は可哀想だったけど、ラストでゾンビ化したカイザルを見てホッとした。
これからはカイザルとずっと一緒にいられるね!{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 32

65.6 20 MAPPAアニメランキング20位
DAYS(TVアニメ動画)

2016年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (295)
1360人が棚に入れました
何のとりえもない、特技もない、けれど人知れず、熱い心を秘めた少年・柄本つくし。
彼が西東京の名門、聖蹟高校サッカー部に入部した時、運命は激しく回転を始める。
孤独なサッカーの天才・風間陣、超高校級プレイヤーの主将・水樹寿人、トップ下に君臨するクールな司令塔・君下敦、
唯我独尊系大型フォワード・大柴喜一……。
クセ者の集う厳しくも優しい部活の中で、少年たちはかけがえのない絆を結び始める。
これは、ひたすらに熱く、どこまでも純粋な、聖蹟高校サッカー部の汗と奇跡と友情の物語!!

声優・キャラクター
吉永拓斗、松岡禎丞、浪川大輔、小野大輔、宮野真守、櫻井孝宏、伊瀬茉莉也、佐倉綾音、小西克幸、吉野裕行、石川界人、豊永利行、下野紘、岡部涼音、小林裕介、KENN
ネタバレ

〇ojima さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

つくしがだんだん強くなってゆくぞ。

最後まで観た感想
視聴して楽しかったです。
{netabare}つくしの成長に名門聖蹟サッカー部全体が引っ張られてチームも強くなってゆく。
試合の流れで皆が落ち込みそうな時にチームを盛り上げる。
一度、決定打をモノにできず試合に負けて悔しい思いをして、皆の励ましで心を支えられ、サッカー部に勝つことで恩返しをする。
!!!おぉOP、EDがあらすじだ!!!{/netabare}

つくしの成長が分かりやすくて観やすかったです。
残念なのは3期連続放送で決勝戦やって欲しかったなぁ~

〈過去レビュー〉
18話も良かったです。
最後のゴールはグッと来ました。
前話からの話が非常に反映されています。
つくしはこれから逞しくなるのではないかな?

16話はなかなか良い話。
DAYSはスポーツ根性ですがサッカーのルール説明は今のところ無し。
よって、気持ち全面のアニメで突き進みます!
これはこれでいいんじゃないかな。

タイトル見てもサッカー系とは思いませんし、
最初は興味ありませんでしたが、ちょっと視聴。
主人公だんだん成長してゆくね!
8話で{netabare}サッカー部の皆がつくしを心配してそれぞれメールを出すところは{/netabare}ウルッときちゃいました。
〇ojimaは友情物も好物でした。

ボールの模様が30年前からある古い模様は原作どうりなのか!
サッカーアニメはみんなそうなの?

投稿 : 2025/02/08
♥ : 20

Progress さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

over driveを読んでいたこともあり波長が合う。何も無い主人公がアホみたいに頑張って突破する作品

「サッカー漫画かあ・・・最近食傷気味なんだよね、ほら、サンデーを見てもジャンプを見ても(当時)サッカー漫画あるじゃん?ジャイキリだけでいいかな」

そんな食べず嫌いにより、マガジンを読む機会がありながら、スルーしていた作品でした。

さてアニメ化されてこの作品を見たのですが、BS11でやってるし一応見るか、という感じで二話から視聴。

感想としては、あー「over drive」っぽいなあって。まず主人公が天然、ちょっとヘタレな感じ。最初はサッカーを何も知らず、ビギナー特有のやる気のゴリ押し、人の創造を上回る頑張りを無自覚で行っていく主人公っていうのがとても既視感を覚えます。

いや面白いですよ?over driveもこんな感じに熱い作品だったなあって。自転車なりサッカーなりの知識が無くても、展開で面白い!というタイプの作品です。
ただ、やることが自転車からサッカーに変わっただけじゃないの、とも思ってしまうんですよね。

over driveでもそうですが、チームメイトが主人公のひたむきさに押され周りの士気が上がる、いわゆる「チームスポーツ感」が主人公を凄く見せさせる鍵だと思います。

人間どこかで「あきらめ」を抱いていたりしますが、主人公にはそれが無いので、周りに初心を思い出させてくれて、周りも主人公みたいにアホみたいに頑張るようになる、そんな作品ですね。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これまで積み上げてきた時間が大切なんじゃない…大切なのは中味なんだ…

この作品の原作は未読です。実は最初は視聴を迷っていた作品でした。
スポーツモノは嫌いじゃありませんし、サッカーもそれほど嫌いじゃありません。
でもキャラデザに対する印象は普通…
キャラデザで視聴を切ってはいけないと知ってはいます…
けれど、毎期山の様に放送される作品全ては視聴できないので、何らかの篩にかけて選抜しなければいけません。
その選抜の基準にキャラデザがあってもおかしくはないと思います。
でも、完走して振り返ってみると視聴して大正解の作品だったと思います。
何しろ「がむしゃらに頑張る」という点においては頭一つ抜きん出た作品でしたから…

この物語の主人公は、聖蹟高校1年生の柄本つくし…彼は背が低く体格に恵まれている訳ではありませんし、スポーツに秀でていた訳でもありません。
それでも名門と言われるサッカー部に入部するんです。
もちろん、サッカーに関しては経験皆無の超初心者…
名門と呼ばれるところには普通上手なプレイヤーがたくさんいて、初心者に務まるのは雑用だけで居るだけで肩身の狭い思いをする…
普通はこんな風に考えて敬遠してもおかしくないと思います。
全国大会を目指すチームとなると尚更です。

それでもつくしはサッカー部に入部しました。
初心者の立ち位置を理解していない訳ではありません。
ただ、サッカーが大好きで、このチームでみんなと一緒にプレイしたい…
つくしはこのたった一つの原動力を糧にして物語と共に動いていきます…

見た目は怖そうな人も多いですが、懐に入ると温かさを感じる…
聖蹟高校のサッカー部はこんな感じでした。
でも1年生の扱いなんて、基礎体力を付けるために走るとか大体どこも似たようなモノです…
それでも名門チームに入るだけあってみんな運動神経は決して悪くありません。
ただ一人つくしを除いては…

運動神経、体力、サッカーの技術…つくしは全てが最底辺からのスタートでした。
周りとの実力差を何度も痛感させられたと思います。
きっと何度も心が折れそうになったと思います。
でも、つくしの心が物語の中で折れたのはただの一度だけでしたけれど…

きっとつくしの心はそれほど強くは無いと思います。
たった一つの原動力が心をも成長させたのだと思います。
そしてつくしの成長が感じられたのは、神が均等に与えた二つを誰よりも大切にしたからだと思います。
一つは時間で、もう一つは…努力する事です。
どんなスーパーマンにも1日は24時間1440分でしかありません。
そしてこの時間をどう使うかを決めるのは自分自身です。
つくしは開いている時間の全てをサッカーに注ぎ込んだのではないでしょうか…
それも常に自分を限界まで追い込んで…

つくしがどのチームでも同じことができたか…と考えると決してそんな事は無いと思います。
聖蹟のみんながいたから…一緒に居てくれるみんなに恩返しがしたいから…
ここまでへりくだって物事を見る必要があるか…というと実際にはそこまでの必要は無いと思います。

でもこれはフィクションなんです…アニメなんです…
だから熱く盛り上がって面白ければ問題無いと思います。
つくしのこの思いに共感できない人なんてきっといないでしょうから…
現に物語の中でつくしはどれほど周りをやる気にしてきたか…
どれだけ自分の思いを伝染させてきたか…
本編を見れば一目瞭然だと思います。

このつくしの気持ちに触発されたのは、マネージャーである生方千加子も一緒です。
最初は怖い女の子というイメージが先行しましたが、中盤以降…良い意味で存在感が増していったと思います。
つくしにかける言葉も最初は完全に上から目線…だけど必死に努力するつくしの姿は彼女の目にどう映ったのかは分かりません。
だけど、少しずつ言葉遣いが変わり…つくしの心が完全に折れた時には一生懸命励ます彼女にはもう怖いなんてイメージはなく、本心から立ち直って欲しいと思っているのが伝わってきます。
仕方ありません…あんな思いをしたのは、きっとつくしにとって初めての経験だったでしょうから…

でもこの辺りを境に彼女の言動が変わっていく事となります。
そして彼女の本気が垣間見えたのは物語の終盤…
やっぱりサッカーってフィールドの上だけで戦うスポーツじゃないんですね。
今後の彼女の変化が気になるところです。

オープニングテーマは、HOWL BE QUIETさんの「Wake We Up」と「Higher Climber」
エンディングテーマは、聖蹟高校サッカー部の「EVERLASTING DAYS」と、Shout it Outさんの「DAYS」

2クール全24話の物語でした。毎回気持ちが熱くなれるような物語の構成になっていたので、王道的な展開ながらも毎回の視聴が楽しみでした。
慣れるとキャラデザも気にならなくなりましたし…
何より嬉しいのは、続編の制作が既に発表されている事です。
マネージャーは聖蹟の智将へと進化するのか…
そして次の一戦の行方は…みんなどんな活躍をしてくれるのか…
もう気にし出したら止まらなくなってしまいます。
続編…楽しみにしています。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 14

70.0 21 MAPPAアニメランキング21位
RE-MAIN(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (122)
350人が棚に入れました
知らない自分に、僕らは出会う
総監督・脚本 西田征史(「TIGER & BUNNY」) × アニメーション制作 MAPPA(「呪術廻戦」)の初タッグで水球に挑む!

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

もっと単純につくってほしかった

この物語は、おそらく原作者の方が工夫に工夫を凝らしたのだと思われます。
でも、工夫を凝らせばいいものができるとは限りません。
もっとシンプルにつくってほしかった。
そうすれば、かなり感動できたと思います。

主人公のミナトは、中学で水球日本一になったチームのエースストライカー。
その彼が、突然事故で意識不明となります。
意識が戻ったのは一年後、しかも過去の記憶をすっかり失くしていました。そのうえ、まるで別人のように、性格もすっかり変わっていたのです。
もちろん一年間も寝たっきりの状態だったので、たくましかった筋肉もすっかり削げ落ちています。水球の技術もゼロになりました。

そんなミナトがゼロの状態から再び水球をやり始め、仲間と一緒に切磋琢磨します。
ここまでは凄く良い内容でした。
この延長で最後までやってほしかったと、つくづく思います。


でも、ここからは、見たくないものを見せられた気分です。
原作者は工夫を凝らしたつもりかもしれませんが、
それが視聴者の私には、不愉快にしか感じられませんでした。

確かに車の事故を起こしたのは母親ですが、あそこまでひどく恨み言を言うのはやめてほしい。まるで幼稚園児のようなふるまいです。

それに、エースは自分勝手に振る舞って良いといった監督さん。あなたは本当に水球を知っているの? と思わず言いたくなります。
しかもそれを真に受けて、ミナトはチームメイトに独裁者のようにふるまってしまう。
これじゃあ、みんなやる気をなくします。
視聴者も、見る気を失くします。

最終回にしても、いきなり怒鳴り散らして、最後にあればフェイクだったと言われても、そのとき感じた不愉快さは、なかったことには戻りません。

もっと単純につくってほしかった。つくづくそう思います。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 21
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ワイも不時着

オリジナルアニメ


岡山舞台の水球アニメ。中学で全国制覇した主人公が不慮の事故で記憶(だけ)を亡くし浦島太郎状態で高校生活をスタートするというとこから。競技の記憶もごっそり抜けてることもあって全国制覇メンバーのお友達も寂しそうなんだけど本人はどうにも反応しづらい。
この記憶の欠落した時点を境に前後の自分はまるで別物。ある意味で生まれ変わったようなものですがいかんせん同一人物なんでね。徐々に記憶を取り戻したリなんだりでビフォアアフターが混じったり反目したりと単なる水球アニメになるところへコショウ一振りスパイスつけてる感じです。

 創部(または再建)→なんかしらの結果出す

これを1クール尺で頑張るので区切りのいいところまでになりますがどこで一服つかせるかは腕の見せ所。評判良かったら続編も…を念頭に置いてるかもしれません。

 夏・プール・男の裸

とリアタイ視聴期の季節感にも合い納涼一服気分で楽しみました。
男だらけアニメにたまに見られる“男同士の変な距離感”はありませんでした。一方でプールだけに『Free!』みたいなスイミー作画を期待したところこちらもさほどでもないです。作画はよくわかりませんが目立ってスゲー!みたいなのはありません。
私としては特に刺さらず可もなく不可もないという評価です。後述ネタバレのどうでもいい理由が気になってたのと、よくよく考えたらオリパラ開催期間中で未知なるスポーツにワクワクするのもドキドキするのもアニメ外で充足できてたのでお腹いっぱいだったかも。
夏場の清涼剤くらいの感覚で臨まれてはいかがでしょうか。。。



※雑感

■『forget me not』

水球で有名な人だと吉川晃司さんを思い浮かべる人も多いでしょう。たしか広島ご出身だったから岡山の隣県ですわな。その飲み友達だった故尾崎豊の代表曲一つと同名タイトルがOPに使用されてます。もちろん尾崎のとは全く違う楽曲ですよ。
めっちゃ爽やかで夏やプールや男の裸が映えるチューンでした。K-POPみたいですね。「煌めく日差しが♪」が「煌めくぅひじゃしが」に聞こえてたのであーなるほどでした。
で、めっちゃ爽やかなのはいいとしてたぶん私がバカ耳だからだと思うんですけど
{netabare}サビ部分がユーミン『守ってあげたい』のソレと被るんですよこれが。ユードンハフトゥウォーオリ♪のとこ。以来脳内にカチッとセットされてしまい最後までユーミンの顔がチラつき邪魔をしました。{/netabare}

{netabare}気になりだすとユーミンだろうがKーPOPだろうが脳内比率のうちOPを占める割合が高くなってきます。こじれると、、、
K繋がりで韓流ドラマあるあるの一つ“とりあえず記憶喪失!”と本作の基本設定の相性が良いじゃーんとかどうでもいいことを考えるに至ります。
そしたら関連してもっとすごいのぶっ込んできましたね。“記憶喪失してる期間のスライド”という力技。今度は一部思いだしたけど別の期間の記憶が抜けちゃうという脳医学臨床の最先端をゆく症例でございます。なにか糸が切れた瞬間でした。{/netabare}

王道スポーツものではなく韓流ドラマという魔解釈から抜けきれないため本レビューは参考にしないでくださいませ。


■韓流おかわり

悪ノリ続きです。ここまで来たらどんどんいったれーっ!とそれっぽい違和感が残った3点を追加

1.{netabare}曙学館(しょがくかん)の備前監督(CV緑川光){/netabare}
 {netabare}高校の学校スポーツは教育の一環です。仮に建前でもですよ。なので中学優勝時の記憶が戻った主人公に対する大人の態度としてあれはないかな、と。体調やメンタルなどみなと君その人個人への気遣いはなし。かつての教え子に大きな変化が生じているのにです。「大丈夫か?どうだ?」くらい声かけてあげりゃいいのに、あくまで競技者視点でのうんぬんかんぬんのみ。全国クラスならなおさらメンタルケアなんて大事だろうに。どうにも違和感しかない監督さんの対応でした。アニメ的にも大人は魅力的に描かないとだめよね。{/netabare}

2.{netabare}川窪ちぬ(CV Lynn){/netabare}
 {netabare}つまり記憶無くなる前のオラオラみなとくんが気になってたということね。KISSも意味不明で「ズキュゥゥン」な唐突さでした。同じオラオラでも適宜適切ワードをぶち込んでキュン死させるのが日本の少女漫画。オラオラなまま性格どんなでも結果出しちゃうあなたがどうにも気になるわの韓流ドラマ。ちぬちゃんは後者っすね。好きな人は好きなんでしょう。{/netabare}

3.{netabare}曙学館手前の試合{/netabare}
 {netabare}試合展開、心理描写、軒並み稚拙なんだけど試合には勝利。プロセスより結果重視。順位序列が上であることを優先。なんだかなぁ{/netabare}
 {netabare}最終回。曙学館に1点取るとこも上手いことやったった感醸し出してたけど自身の競技力低下には見ぬふりで、だまくらかしただけでドヤられてもなぁ{/netabare}

歌と記憶喪失設定だけではないと魔解釈をさらにこじらせてるためやっぱり本レビューを参考にしてはいけません。



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.03 初稿

投稿 : 2025/02/08
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

知らない自分に、僕らは出会う

この作品はオリジナルアニメだったみたいですね。
この索引では水球を題材にしたいましたが、こういうマイナーなスポーツにも脚光が浴びるのは個人的にとても良いことだと思っています。

最近、カバディや男子新体操などを題材にしたアニメが放送されたましたが、マイナーなスポーツのアニメ化が流行っているのでしょうか。


アニメ「TIGER & BUNNY」などの脚本を手がけた西田征史が
原作・総監督・シリーズ構成・全話脚本・音響監督を務め、
「呪術廻戦」などの話題作を生み出し続ける
アニメーション制作会社MAPPAとタッグを組み、
誰も見たことのない本格水球TVアニメに挑む。

中学3年の冬、水球の全国大会で優勝した清水みなとはその帰宅途中、
交通事故に遭い昏睡状態となってしまう。

203日後、ようやく目覚めたものの、彼は中学3年間の記憶を失っていた。

水球から離れ、気持ちも新たに山南高校へ入学したみなとだったが、
ひとつの約束をキッカケにそこで出会った仲間たちと水球を始めることになる。

しかし、弱小水球部には様々な困難が待ち受けていて……。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

事故で記憶を失う…
私は経験がありませんが、どんな感覚なんでしょう。
記憶を失った本人は、その期間の記憶を失ったことに対する違和感は感じるんでしょうか。

きっと自分一人だけだったら何も感じないのかもしれません。
一番堪えるのは、記憶を失うことによって自分と自分以外の人たちの間に溝を感じる瞬間なんだと思います。

相手は自分の知らない自分を知っている…
思い出せない自分の言動を自分だけが知らないなんて、違和感を感じずにはいられないと思います。

才能に恵まれ、日々の鍛錬も欠かさなかった。
掴むべくして掴んだ栄光の日本一…
これが足元から崩れ落ちるとは誰一人として微塵も思わなかったことでしょう。

今回初めて知ったのは水球のルールです。
これまで水球というスポーツの存在は知っていましたが、恥ずかしながらルールまでは知りませんでした。
まぁ、カバディのルールも知りませんでしたけれど…

公式サイトに「Water Polo Rules」としてルールが掲載されていました。

水球は、「ボールを持っている選手に対してはコンタクトが許されているため、選手同士が激しくぶつかり合うことから「水中の格闘技」と称される。試合中はプールの底に足をつけず泳ぎ続けなければいけないタフな競技でもある!」
なんだそうです。

私はハンドボールを水中でプレイするくらいのイメージしか持ち合わせていなかったので、このギャップには正直驚かされました。

それと一つ疑問に思ったのが、何故物語の舞台が「倉敷」だったんだろう、という点です。
公式サイトに倉敷市の公式観光サイトへのバナーが貼ってあったり、その公式観光サイトでも結構大きく取り扱われていたり…

少しググって分かりました。
倉敷は「水球の聖地」だったんだそうです。
そういえば、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」も岡山が舞台でしたよね。
念のため岡山の観光サイトもチェックしてみましたが、残念ながら「推し武道」を見かけることはできませんでした。

それだけ倉敷市が水球に力を入れている、ということなんでしょうね。
倉敷市の公式観光サイトでは、アニメで取り上げられた聖地が掲載されていました。
普通なら相応の盛り上がりを見せるのでしょうが、このコロナの予断を許さない状況ではなんとも…

オープニグテーマは、ENHYPENさんによる「Forget Me Not」
エンディングテーマは、仲村宗悟さんによる「壊れた世界の秒針は」

1クール全12話の物語でした。
主人公の失意のどん底から始まった物語でしたが、キチンと纏まっており見せ場もしっかり設けられていたと思います。
個人的には、Lynnさん演じた川窪ちぬがどう変わっていくかが気になりますけれど…
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2025/02/08
♥ : 13

64.1 22 MAPPAアニメランキング22位
うしおととら(TVアニメ動画)

2015年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (454)
2421人が棚に入れました
中学生の少年・蒼月潮は、寺の住職をつとめる父親と二人暮らし。

ある日、彼は自宅にある蔵の地下室でとんでもないものと出会ってしまう。

それははるか昔、凶悪なバケモノとして民に恐れられ、「獣の槍」によって五百年間も封じ込められていた大妖怪であった!

槍を引き抜いてしまった潮はあわや妖怪に食われかかるが、同時に眠りから目覚めた「獣の槍」の力によって変身し、妖気に群がってきた他の妖怪たちをあっという間に撃破する。

槍の威力を恐れて思わず協力してしまった大妖怪は、潮に「とら」と名付けられ、行動を共にすることに。

かくして「獣の槍」の伝承者となってしまった少年と、いつか彼を食ってやろうとつけ狙う大妖怪の“うしとら”コンビが誕生したのだった。

そして襲いくる妖怪どもを次々と蹴散らしていく彼らは世界の存亡をかけた壮大な戦いに巻き込まれていく……。

声優・キャラクター
畠中祐、小山力也、小松未可子、安野希世乃、藤原啓治、牧野由依、浪川大輔、中村悠一、豊崎愛生、てらそままさき、清水理沙、三木眞一郎、梶裕貴、南里侑香、茅野愛衣、折笠富美子、坂本真綾、水樹奈々、細谷佳正、逢坂良太、高垣彩陽、永澤菜教、花澤香菜、宮野真守、潘めぐみ

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

連載終了から19年の歳月を経てアニメ化された作品

この作品の原作は未読ですが、タイトルや大まかな内容は知っていました。
週刊少年サンデーに連載されたのが、1990年〜1996年なので、正に19年という長い歳月を経てアニメ化された作品です。

本格的にアニメを視聴する前は、時間に結構余裕があったのでよく本を読んでいました。
この作品の原作にも触れる機会はあったのですが、当時は繊細なタッチの作品が好きでそういう感じの作品ばかり見ていて・・・この作品の作画タッチは真逆だったこともあり敬遠していました^^
でも今回この作品を視聴して当時の私の考えが間違っていた事に気付きました。

こういう熱い作画タッチでなければ描けない作品がある・・・という事です。
そしてこんなに面白いなら原作を読んでおけば良かったと少し後悔しています^^;
でも今は時間が取れないので原作は殆ど見ていませんが・・・^^;

この物語の主人公は、獣の槍を持つ蒼月潮・・・彼は自宅の地下で獣の槍で500年間封印されていた妖怪を開放してしまうtころから物語が始まります。
開放した妖怪はとても強い妖怪で、アヤカシにとって天敵と言われる獣の槍でなければ封印できないほどの妖怪だったんです。

こうして「いつか潮を食ってやる」と思いを巡らすトラと、「食われてたまるか」と獣の槍で応戦するのが日常となり・・・お互いの関係が少しずつ深まりながら物語が動いていきます。

物語の序盤は静か・・・潮らの身の回りで起こるアヤカシとの小競り合いが中心なのですが、潮が「母親の真実を知りたい」と東北・・・そして北海道に旅を始めた頃から、物語とアヤカシのスケールが少しずつ大きくなっていきます。

この作品・・・見た目は3枚目ですが、やっぱり潮が格好いです^^
曲がったことや嘘が大嫌い・・・実直で正義感の塊みたいなんです。
彼の「助けたい」と思う対象は、人もアヤカシも関係ありません。
そして一旦助けると決めたら、それに向けて全力投球・・・自分の事なんて何も考えないんです。
だからどんなに自分が危険に晒されても一度伸ばした手を絶対離さない・・・そんな少年なんです。

潮は母の手掛かりを探すための始めた旅先で、色んな人と出会いその人達が抱えてきたアヤカシによる苦しみを断ち切っていきます。
でも彼はそれだけじゃないんです。
次の一歩のために背中をそっと押してあげるんです・・・
そしてそれが優しくて・・・温かいんです・・・

物語の中盤で潮が絶体絶命のピンチに陥ります。
そんなピンチにこれまで潮が手を伸ばした人達が助けるために駆けつけてくれるんです・・・
潮が絶体絶命のピンチを救い出す・・・これは自分にも身の危険があるという事は火を見るより明らか・・・
それでも身を引く人は誰ひとりいないんです。
「全力で助けてもらったんだから全力でお返ししなきゃ・・・」
こうして果敢に飛び込んでいく姿・・・もう涙無しには見れませんでした^^;
私の一番大好きなシーンです^^

オープニングテーマは、筋肉少女帯の「混ぜるな危険」
エンディングテーマは、Sonar Pocketさんの「HERO」と、若旦那さんの「負けるな小さきものよ」

2クール全26話の作品でした。
この作品は3クールと聞いていました。連続で2クール目が放送されたので、てっきり連続して放送するのかと思っていましたが、最後の1クール分のみ2016年春アニメに分割されるようです。
強大な敵を前に物語は着実に面白味を増しています。
今後の展開が楽しみで仕方ありません^^

投稿 : 2025/02/08
♥ : 24
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yuugetu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

不安は少し残ったものの、第二期も注目していきたい

2015年夏アニメ。3クールアニメの前半2クール、26話。
本当は最終回まで見てから書こうと思っていたのですが、ちょっと書きたくなったので簡単に。

藤田和日朗原作の名作長編漫画のアニメ化です。
もちろん私も原作は読了。色んな事情で3クールなので、ちょっと短いですね。

原作者の要望で白面との決着までアニメ化するため、一部エピソードはカット。カットするエピも原作者が選んでいます。

とにかく原作に対するアニメスタッフの愛と情熱を感じるアニメになっていて、細かなセリフなどのカットにも一貫性があると思います。主にサブキャラのセリフを抑え目にし、メインキャラのキャラクター性を残す方向になっています。

…ちなみに私が一番好きなのは、 {netabare}麻子を助けるために潮が炉に飛び込む一連のエピ{/netabare}(こちらは確実に描かれる)と、キジムンとカニマムジンのお月様の話なんですけど(こちらはもう本当に地味な話でカットは必然)原作者が選んだと言うなら何も文句は無いです。
むしろどこをピックアップするかで何を大切にしてアニメ化するかはっきりしますから、個人的には注目どころ。

全体的に駆け足で余韻や間を楽しむ事はできませんが、雰囲気を壊さず、ギャグもテンポが上手なので生き生きしています。
作画は原作絵に近くかなり細かいのですが、崩れることもなく、本当に凝っていて頭が下がります。(藤田先生髪の毛萌えなんだもん…作画さん大変すぎる;)

BGMはいまいち好みではないです。ホラー要素のある本作であれば、BGMの使い方自体ももう少し控えめにして、メリハリを付けたほうがいい気がします。

キャスティングはほぼ文句なしです。
何よりうれしかったのが潮役の畠中さんがすごく合ってたことです。
イメージと違うキャラクターもいましたが、進むにつれこなれてきた感じ。

全体的に評価できるところの多いアニメ化になってると思います。


【11月18日現在、20話まで視聴済しての感想】
19話と20話が凄く良い感じでした。
{netabare}
19話はいわずもがな、白面の威容が良く表現されていた事ですね。前半の一家の団欒を極力縮めて、Bパート全て白面のために使っています。
原作では火を吐き城門の中の人々を大量虐殺するシーンが印象強く描かれていますが、アニメでは潮に対する脅威である事のほうをより強く印象付けた演出になっています。こういう変更でアニメの方向性がわかってくるので面白い。

20話Aパートではジエメイが炉に飛び込み、ギリョウが槍を打ちます。原作だとジエメイの死ぬシーンの方がギリョウのシーンよりインパクトが強いのですが、アニメでは逆で、ギリョウの描写に重点を置いています。
これは個人的には英断だったと思います。なぜって、全編通して霊体のジエメイとは交流があるので彼女の内面はそれなりにわかるのですが、ギリョウの人格や苦悩がわかるのって本当にここしかないからです。

尺が限られた中で泣く泣く削るところも多いでしょうし、アニメのスタッフが表現したいものを明確にしてブラッシュアップし、それを最終回まで一貫してくれれば、それが一番私としては楽しいですね。

…あ、でも白面がなんで高い声でマッチョなのかはよくわからないw
声はともかく、白面は筋肉で体動かしてるイメージは無かったんですよね。妖力で動いたり戦ってるとてっきり思ってたので。まあそこのイメージの食い違いは仕方ないですね。
{/netabare}


【12月30日追記】

2クール見終わりました。
劇中の音楽の使い方がだんだん良くなってきたと感じました。新録のBGMもあったんですかね?
斗和子のチェロのシーンは原作にもありますが、実際音楽になると良い演出でした。

21話以降も全体的に良かったのですが、このエピソードを採用したのにその部分抜いてしまって良いの?と思う所がちらほら。
単純な不満というより、今後の展開でどうしていくつもりなのかがちょっとわからない、という感じで…。矛盾を生まないように改変するのならそれでもかまわないです。
{netabare}

気になったのがキリオ編での真由子とのファーストコンタクトを抜いてしまったこと、TATARIの一言も出ないのにサブタイトルをそのままTATARI BREAKERにしてしまったこと、あたりでしょうか。

キリオ編は潮と白面にスポットが当たっていた印象で、個人的にはもう少しキリオを深く描写してくれたほうが良いなと思いました。

もうひとつ欲を言えば、ハマー編では麻子にもう少し分かりやすい女性的な描写が欲しかったかも。
真由子は性格的にもストーリー的にも全体的にヒロインなので(「愚か者は宴に集う」の回があったばかりだし)、ボーイッシュで常に気丈な麻子は少し霞みがちな印象でした。
{/netabare}

第3クールの最終章への布石を打った形なので、それまでにくらべカタルシスは弱くなった部分があったかな。個々のエピソードは悪くないです。
20話時点の評価から少し下げましたが、次のクールに注目という所。
全体的にクオリティを保って駆け抜けた印象で、スタッフの皆さんにお疲れさまでした、と言いたいです。(2015.12.31)

投稿 : 2025/02/08
♥ : 17
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renton000 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

第2期も見るよ!

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 第1期26話、第2期13話。第2期は今年の春からですね。
 原作は既読です。比較的読み返している作品なので、内容はほとんど頭に入っています。というか、アニメを見ながら読み返しました。右肩上がりで面白くなっていく作品ですので、第2期の方も完走するつもりではいます。序盤のいまひとつなストーリー展開で切ってしまった人も多いかもしれませんが、過去編まで頑張れた人はその後は結構楽しめたんじゃないのかな、と思います。第2期はこの右肩上がりを維持したまま駆け抜けるでしょうから、第1期を見終えた人は安心してその後も継続していいと思います。

 で、ストーリーうんぬんよりも、気になったのは作画の方ですね。近年の作品にしては動かないような気がします。一昔前か二昔前の作品を見ているような感じですね。バトルも多い作品なのに、バトルに力が入っていないっていうのは、あまりいただけません。インパクトのある一枚絵は何度かありましたが、一枚絵を評価できるのはアニメというよりはマンガの領分のような気がします。

 他にも気になったことがあって、カットのつなぎがあまり良くないです。引っ掛かるというか、突っかかるというか、スムーズにつながっていない箇所が散見されて、ちょっと気持ちが乗り切れない感じがしました。以下のレビューでは、このカットのつなぎ方で感じた違和感の正体を探っていきます。


カットのつなぎ:{netabare}
 アニメ版のうしおととらでは、カットを省略していると思われる個所が散見されるのですが、そのつなぎがあまりよくありません。このことを説明するために、簡単な例を用意しました。「AさんとBさんが向かい合わせで立って話をしていて、その後Aさんが反対側を向いて走り去る」というシーンです。アニメとマンガの違いという視点で見ていきます。

(1)3カット/コマ構成:{netabare}
 例示したシーンをシンプルに描くなら、次のような3カットの構成になると思います。
①AとBが向かい合わせで立って話しているところ<A→←B>
②Aが振り向くところ<←A B>
③Aが走り去るところ<←←A  B>
 このシーンは、①の静止しているところと②のその場で反転するところ、そして、③の走っているところ、という3つの動きで構成されていますから、これらの動きに合わせてそれぞれのカットを分割するのが自然だと思います。カメラ位置を変えながら、①は二人を横から、②はBの背中側から、③はAだけをアップにして横から、みたいな感じで撮っているのは多いですよね。

 ここからカットを増やすのは簡単です。①では二人の顔のアップをそれぞれ入れたり、②では踏み込む足を入れたりすればいいだけです。いくらでも増やせますから、4カット以上の構成はあまり考慮しなくていいと思います。基本はこの3カット構成で、マンガなら3コマでの構成ですね。アニメでもマンガでも、どちらでもできるのがこの構成です。
{/netabare}

(2)1カット/コマ構成:{netabare}
 アニメとマンガの差が露骨に出てしまうのが、この1カット構成ですね。
 1カット構成では、「話しているところ」「振り向くところ」「走り去るところ」という三つの動きを、カットを切らずに表現することになります。尺が長くなれば、映画でいうところの長回しという手法になります。これを特長として持つ映画監督も結構いますよね。長回しはアニメでももちろんできますが、マンガではまずできません。マンガは静止画ですから、複数の動きを入れることは基本的にはできなくて、動きの過程を入れるのが精いっぱいだからです。

 手を振る動作の「(・ω・)ノシ」という顔文字が良い例ですよね。振り上げた手の「ノ」と振り下ろしの手の「ノ」の間に、動きの過程を示す「〃」を入れることで、手を振る動きを表現しています。この「〃」は、モーションブラーという言われるもので、静止画で動きを表現するのに良く使われています。マンガで武器を振るシーンなんかでは、「(・ω・) ノ」と描くと振り上げたのか振り下ろしたのか分かりませんから、モーションブラーを入れて「(・ω・) シ」とすることで、振り下ろしたことが分かるようにするのです。

 アニメでもモーションブラーは使われていますが、モーションブラーを使わなくても動きを表現できるアニメと、モーションブラーを使わなければ動きを表現できないマンガの差は大きいと思います。動きの表現の差が顕著に出てしまうのが、この1カット構成ですね。
{/netabare}

(3)2カット/コマ構成{netabare}
 やっと本題に到達です。3カット構成はアニメでもマンガでもできて、1カット構成はアニメにしかできない、という話を今まで述べてきました。今度の2カット構成は、結論から言えば、どちらでもできます。でも、カットのつなぎ方自体は違うんだって話をしていきます。アニメ版のうしおととらで引っ掛かりを感じるのが、この2カット構成です。

 3カット構成のところで、次のようなカット割りを例示しました。
①AとBが向かい合わせで立って話しているところ<A→←B>
②Aが振り向くところ<←A B>
③Aが走り去るところ<←←A  B>
 このシーンを2カット構成にすると、どこかを省略しなければなりません。このシーンで絶対に必要なのは①と③ですから、必然的に②のカットを省略することになります。ですが、①の「話しているところ」から直接に③の「走り去るところ」につなげてしまうと、その経緯が分からなくなってしまいますよね。そのため、2カット構成にするには、単純に①と③をつなげるのではなくて、②をどちらかに入れ込むことになります。

 アニメなら、②を①に押し込んで「話しているところから振り向くところまで」を1カット、③の「走り去るところ」で1カットとすれば、2カットの構成になります。または、②を③に押し込んで、①の「話しているところ」と②③の「振り向いてから走り去るところ」という2カット構成にもできます。
 つまり、動きを表現できるアニメの方は、②の動きを①か③に担わせればいいのです。

 で、マンガの方はというと、アニメと同じつなぎ方は出来ません。②を①に押し込もうとしても、①にモーションブラーを入れてしまうと「振り向きながら話している」になってしまって、違和感が残ります。また、②を③に押し込もむのは、「振り向く」と「走り去る」の二つの動きが必要ですから、1コマで表現するのは不可能です。マンガはアニメと違い、動きを使ってカットを省略することができないのです。

 では、どうすればいいのかというと、②を担うセリフを①に入れ込むしかありません。①の吹き出しの最後に「そろそろ行くわ」程度のセリフを入れて、①を「話しているところから離れることの意思表示まで」とし、その上で③につなげるのです。こうすることで、「ここで振り向いているだろう」と読者にコマとコマの間を補完させるのです。
 なお、このセリフは、③に入れることはできません。「走り去っている」という絵が描いてあるところに、「じゃあ行くわ」というセリフを重ねられないからです。このセリフは走り去る前に発せられるべきものです。
{/netabare}{/netabare}

うしおととらのカットのつなぎ:{netabare}
 うしおととらの原作マンガは33巻ありますが、これに対しアニメ版は全39話しか用意されていません。圧倒的に尺が足りていないんですね。省略されてしまったエピソードが多いのは残念ですが、そればかりは仕方がないと思います。ですが、それでも尺が足りないのか、アニメ版ではカットの省略もされていて、その省略の仕方が非常に悪いんです。前掲の例のように、本来3カット以上のものを2カットで構成しているところが多いんですが、その内容が①から直接に③につなげるようなものばかりなんです。そのため、カットとカットの間が飛んでいるように見えて、見ているこっちがちょいちょいつまずいてしまうような感覚に陥ります。

 で、見ている最中は、マンガの2コマ構成をアニメの2コマ構成にそのまま使っているためにんじゃなかろうかと、すなわち、原作マンガを絵コンテとして流用しているんじゃなかろうかと思い、それが違和感の正体かもしれないなと思っていました。アニメとマンガの差が出ているんじゃないかってことですね。ですが、どうやらそうではなさそうなんです。
 違和感のあったいくつかのシーンを原作で確認してみましたが、原作の方では3カットか、4カット以上の構成にしているところしか見当たりませんでした。カットの省略自体がされていなかったのです。つまり、アニメ版だけが独自にカットを省略し、その省略の仕方をミスっているようなんです。

 マンガで2コマ構成にするときは、前述したように、コマとコマの間を読者に補完させればいいだけです。①の「話しているところ」と③の「走っているところ」がコマとしてはつながっていても、その間で「振り向いているだろう」と想像させれば違和感は残りません。これは、進行の主体が読者側にあるマンガだけができる手法です。コマを読み進めるスピードやページをめくるスピードが読者に委ねられているために、想像さえさせてしまえば、行間を埋めるための時間は読者の方が勝手に用意し、勝手に納得してくれるのです。

 ですが、アニメではこうは行きません。アニメは進行主体が視聴者ではなく製作者の方にあります。一時停止しない限りは、製作者の用意した時間の流れに乗るしかないのです。視聴者には想像して行間を埋めるだけの時間的な余裕がないわけですから、①の「話しているところ」と③の「走っているところ」が②の振り向きの動作がなくつながっていると、視聴者側は「飛んだ!」とビックリしてしまうのです。
 これを避けるには、走り去る前に暗転を入れるとか、走り去るシーンを遠景から入る(パンフォーカスを用いる)とか、想像させるための間を取れば良いってことになります。こういうのを演出として組み込んでいる作品も結構あります。
 ですが、この手法は、尺を省略するときには機能しませんよね。暗転や遠景に尺を使うのなら、そもそも3カット構成にしておくことでも解決するわけですからね。尺の無い状況で2カット構成にするならば、②の動き自体を①の終わりか③の頭に入れることは避けられないように思えます。

 アニメ版のうしおととらでは、カットを省略するのみならず、一部の動きすら省略してしまったために、カットとカットのつなぎが上手くいっていないんだと思います。①のカットの最後に肩をちょっと動かすだけで良いはずなのに、それが含まれていないんですね。原画が悪いのか絵コンテが悪いのか監督が悪いのか、という犯人探しをするつもりはないんですけど、ちょっとお粗末だなと思いました。
{/netabare}

雑記:{netabare}
 私はもともとマンガ勢なんですけど、うしおととらを読み返した辺りから、ちょっとだけマンガ熱が戻ってきたように感じます。レビューにもその傾向が出てしまっていて、最近書いたレビューは、アニメのレビューというよりもほぼマンガのレビューになっているような気がして、いくつかお蔵入りになってしまいました。

 このレビューでは、カットのつなぎが悪いってことを散々書いてしまいましたが、本当のところは殊更批判するつもりはないんです。うしおととらに限らず、変なカットのつなぎがされている作品はままありますからね。ストーリーを追うだけならあまり気にする必要もないと思います。

 私は、ベタベタな少年マンガが好きなんですけど、うしおととらってやっぱり面白いですよね。少年マンガのベスト10には入れてもいい気がします。アニメ版は出来がそんなに良くないし、エピソードも随分削られていますから、復習にはちょうどいいかなってくらいですかね。アニメでうしおととらに興味を持たれた方には、ぜひとも原作マンガの方に手を出して欲しいかな、なんて思います。{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 13

67.3 23 MAPPAアニメランキング23位
てーきゅう(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (758)
3293人が棚に入れました
原作は、ルーツ(原作)、Piyo(作画)による同名コミックス。
テニスをほとんどしないテニス漫画。
亀戸高校テニス部、女の子4人の抱腹絶倒の日常を描くハイテンションギャグコメディ。
監督には、「ベン・トー」「迷い猫オーバーラン!」の板垣伸氏。アニメーション制作を「坂道のアポロン」のMAPPAが手掛ける。

声優・キャラクター
三森すずこ、渡部優衣、鳴海杏子、花澤香菜

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

超高速テンポのカオスギャグアニメ

制作はMAPPAで原作は漫画です。
ジャンルはギャグです。


亀井戸高校テニス部4人の日常を描く。


本作はとにかく早い。
まずこの一言。
何言っているのだか分からないくらいに早い。

そして、カオス。
何の脈絡もないとはこのこと。
相当にぶっ飛んでいる。

さらに、テニスをほぼしない。
テニス部だけどテニスをしない。

加えて、OP。
情緒が不安定になりそうな感じ。
ちょっとヤバい。
2分アニメなのに30秒がOPですからね。

最後に、花澤さん。
とてもイキイキしていますw
花澤さんファンなら見て損はないはず。


総括して、2分だけど面白いですよ。
壮絶な置いてけぼり感を味わえること間違いなし。
ショートアニメでは「ヤマノススメ」も好きですが、こちらも別のベクトルで面白い。
二期も見てみます。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 45

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ぎゅうぎゅう

たった2分間の1クールアニメ。
速い。
速すぎる。
その高速性能は、北陸新幹線か、リニア中央新幹線か。
声優さん早口で、年寄りには聞き取れねえ。
それに、短い時間に、セリフがギッシリ。
金の延べ棒のように密度が高いです。

ちょっと、ぼっとしているうちにアニメ終了。
集中力が要求されるので、どっと疲れます。
しかし、ハマった時の破壊力は抜群。
鬱状態を解消するにはうってつけですね。

3人の変人先輩に真人間後輩がツッコむ超絶技巧コメディー。
正直、そのハイテンションっぷりには、口があんぐりです。

花澤さんが関西弁の変態キャラとは。
私は、好きですけど。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 40

Smog さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

勢いに圧倒されるノンストップハイテンションショートコメディ。

コミック原作。
全12話の2分ショートアニメ。
原作未読です。

30秒OP+ハチャメチャショートストーリーで構成されるギャグコメディ。
てーきゅうという名前ですが、テニスはコスプレとネタくらいにしかなっていませんw

一番の見所は、圧倒的な勢いと情報量でしょう。
OPを除く1分30秒の尺に、これでもかというくらいエッセンスが詰まっています。
・インパクトが強烈な登場人物
・通常の1.5倍速くらいの早い台詞回し
・よく練られたシーンとカット
・ボケとツッコミのテンポの良さ
・まったく先の読めない破天荒な展開とオチ
などなど、短いので疲れない上に全く飽きません。
そして、1回だけだと内容を把握しきれず、何度も繰り返し見たくなる中毒性も秘めています。

ストーリーについて、発想の柔軟さが印象的でした。
終始、「そこからそう展開するのか!」と、予測不能な展開です。
ショートギャグアニメならではの演出が楽しめました。

作画と音楽について、1分30秒の中によくぞここまで詰め込んだという仕上がりです。
2分のうち30秒を占めるOPも中毒性が高く、毎話欠かさず見ていました。

声優さんについて、渡部優衣さん、三森すずこさん、鳴海杏子さん、花澤香菜さんなどがメインで出演されています。
長くて早い台詞回しは、声優さんのがんばりあってこその仕上がりだと思います。

ショートアニメということで、BD/DVDも1巻に全部収録されています。
価格も手ごろで「ノンOP全話ぶっ続けver.」特典もついているようですので、要チェックですね!

ギャグアニメが好きな方にぜひオススメしたい作品です。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 35

58.2 24 MAPPAアニメランキング24位
アイドル事変(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (131)
544人が棚に入れました
MAGES.原作の二次元アイドルプロジェクト。アイドル議員たちが、みんなを笑顔にするため、歌とダンスでニッポンを変えていく物語。各県代表の個性的なアイドル議員が登場!

舞台は現代の日本によく似た、パラレルワールド的な[ニッポン]。一世を風靡したアイドル議員旋風から十数年、新潟出身の元気っ子・星菜夏月がヒロイン党から新人アイドル議員としてデビュー!

環境汚染、ごみ問題、待機児童、汚職事件…山積みの問題に取り組む夏月たちアイドル議員の前に、政権与党・楼凱党が立ちはだかる。楼凱党からの度重なる妨害工作にもめげずに、活動を続けるアイドル議員たちが、やがてこの国に奇跡を起こす――。

声優・キャラクター
八島さらら、渕上舞、上田麗奈、Lynn、久保ユリカ、仲谷明香、吉田有里、赤﨑千夏、山本希望
ネタバレ

こた さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

星菜夏月は面白い子だけれど、ストーリーとしては結局最後まで何も起こらなかった……

*全部観終えて。
{netabare}爆死コースだと言われるのも納得。
だってそれ相応のストーリーと予算のかけ具合なんだもの(-_-;)
もっと早く見切れなかったかなぁ……。アニメはなんでも観ればいいってものじゃないわ。時間は有限。{/netabare}

☆個人的なハマり度
(※あくまでも目安です)
★ピーク
1話☆☆
2〃☆☆☆
3〃☆☆
4〃☆☆
5〃☆☆☆
6〃☆☆☆
7〃☆☆☆
8〃☆☆★
9〃☆
10〃☆
11〃☆
12〃☆


(前回のレビュー)
一話で悟った。
これはクソアニメw
まずキャラデザが微妙すぎ。原作は知らないけど、とりあえずアニメの絵ははっきり言って良くない。
作画はOPはまあまあ頑張ってると思った。けどストーリー上では予算ケチってるな~って感じ。髪も全然靡かないし(笑)
最後は歌とダンスで聴衆を虜にして解決~って、あまりにも展開もチープ過ぎww
でもこの作品のメインの子?星菜夏月ってキャラがいい子そうだし、とりあえず2話だけ観とくかなーって感じでC= (-。- )

実に、今期は面白いのが多い。ガヴリールドロップアウト、幼女戦記、このすば2期、小林さんちのメイドラゴン、バンドリ(うーん(-_-;)w)、うらら迷路帖(うーん(;'∀'))、おまけに再放送で四畳半神話大系、有頂天家族。
視聴継続を考えたものだけでもこれ程あるので、正直すぱっと視聴切りしたいところであった。

で、2話視聴。
内容は議員になる覚悟がどうたらで、成り行きでバンジー対決。
崖の上からバンジージャーーーンプ→ {netabare}途中縄が切れる→「もうひどいよ~(○`ε´○)プンプン!! 」(どうやら川に落ちて助かったらしい)っておいwww相当高かったぞwwwもしかして幽霊ってオチか?wwwクソワロタwww3話まで観よう{/netabare}

その後も、星菜夏月という子には不思議な力が感じられ、なぜか惹きつけられる。天真爛漫、ドジっ子、食いしん坊、どこでもいそうなキャラである。
一話で、この子には人を惹きつける特別な力があるのよ~と過剰演出してたけど、なんだかあながち間違っていないように思えてきたw

曲はOPもEDも良いと思う!OPは耳から離れないw

散々小ばかにしながら観いたので、ちゃんとレビューを書いて陳謝しなければならないと思った(;'∀')
現在8話まで視聴!
おっと、ここにきて謎の盛り上がりを見せてきてますねw( ̄▽ ̄;)wどうでしょう、途中からでも視聴してみます?w
この際、最後まで見届けることになるでしょうね(^-^;最終回まで観終えたら評価更新するかもです。ではまたヾ( ̄ー ̄ゞ))

追記:
{netabare}9話糞だった(;´・ω・)次回に期待{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 26
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

これは政治アニメですか? それともアイドルアニメですか? いいえ、ギャグアニメです(笑)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
まず、このアニメで一番してはいけないのは、「矛盾点にツッコム」こと。

大切なことは、「ギャグアニメだと割りきる」こと。

そうやって気軽な気持ちで眺めることができれば、なかなか楽しめるアニメですw

アイドルが議員をするという設定は面白かったかと。ただ、被選挙権は25歳からだから、アイドルとしてはもうBb……ゲフン! まあ、そんな細かいことを気にする方は見ない方が吉ですね。なんたって、ギャグアニメですから(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
政治をバカにするな!

と、いう怒りが全っ然わいてこないのは、リアルの政治家も政治(国民)を小馬鹿にしている印象があるからでしょうか(苦笑)

どうせなら、楼外党のトップを小泉さん(過去の首相)のパロじゃなく、安倍さん(現役の首相)のパロにするくらいの気概が欲しかったな(笑) そして、学校の誘致問題を扱うとか(笑) トランプさん(現役米国大頭領)まで出してるわけだし。やはり社会風刺というのは、中途半端(保身を考えるの)ではなく、時の権力者に噛みついてこそ、価値があると思うし。

設定はおもしろかったけど、作風的に生かせていないと思いました。個人的には、「クニミツの政(漫画)のアイドル版」のようなアニメを観たかったです。日本が直面する問題を、アイドルならではのアクロバティックな方法で解決してほしかったけど、まあ、現役の政治家にもできないことが、いちアニメ制作者にはできなくてもしょうがない。私も(矛盾なく効果的な解決法は)思いつかないしね。

ただ、流石に「それ、政治家の仕事か?」「つか犯罪じゃん」と思うのが多くて、私のような屁理屈をこねるタイプの人間には、合わないのでしょう。政治家の一番の仕事は、「法律をつくる」ことなんだけどね。

まあ、苦言を呈するならば(呈してもしょうがないけどw)、アイドル議員が、「アイドル議員」なのか、「議員アイドル」なのかだけど、むしろ前半の方が、「アイドル議員」って感じがしたかな。後半は、政治家としての知名度や政治闘争を、アイドルの集客に利用してた感もw

(私は基本的にシリアス好きですが)どうせ(ギャグアニメ)なら、無理にシリアス追わないで、前半のノリのまま総理大臣まで倒し、日本を救って欲しかったですw

実際、7話目までのおバカ展開している時は3をつけていましたが、8話目以降のシリアスパートで、評価をひとつ落としました。
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目(選挙w)
テーマとしては、目新しいね。多分、政治アニメではなく、普通にアイドルアニメやるんだろうなw 楼凱党って、「老害」ってことだよねw あとどうでもいいけど、筋肉痛でテーピングして、なんか意味あるの? 湿布だよね、普通w

2話目(不法投棄)
勉強会、ちゃんとやっている方向でいくんですね。え、え~! ビンタって、現役議員が傷害罪はマズイんじゃ……。そして深夜の不法侵入……。いや、死ぬやろ……。握手券商法は笑ったw 不法投棄の現代アート化は、根本的な解決にはならんな。

3話目(動物の虐待?)
これ、青島や田代島の方が観たらどう思うんだろうね。猫の被害が大変とも聞くけど。かなりぶっ飛んだ話でした。もはや、まともに解決する気がないな(笑)

4話目( )
水着回。半端ない雑さw たこ焼の売り方は笑った、ありゃ売れるわ(笑) いよいよ、( )内に書くこと思いつかないくらい、政治が関係ないw オチは笑った。

5話目(女性の社会進出・待機児童)
いや、狂言誘拐、犯罪だから。ホームアローン? 警察、無能過ぎ(笑) てか、あそこに巣が見えてるなら、煙とかいらんよ、袋でサッととればオケw

6話目(教育問題?)
稲川淳二(笑) どうせなら本人に依頼したら? やってくれそうだけど(笑) 銅像(笑) 今更飲酒程度のコンプライアンス気にするんかい(笑) 伊藤博文がグローバル化に反対しとる(笑) 最後の国会議事堂の歴史を絡める答弁は良かったかな。

7話目(税金の無駄遣い)
スタジアム建設反対って、建設会社じゃなく、行政に言わないとダメでしょ(苦笑) いや、建設会社と政治家なんて、誰よりも蜜月でしょ(嫌味)。いや、だから、公共事業の計画を一企業が勝手に変えられないでしょ。

8話目(アイドル議員の功罪)
マスゴミ感が出てたな。編集って、ホントにメディアの暴力につながると思う。ただ、マスコミの言葉にも一理はあるし。アイドル議員、連立組むのは良いけど、政策や理念が共通してるの? いや、スタジアム建設前に仕入れ増やすってw

役不足、を正しい意味で使ったのは良いが、これまでの展開的に不自然な言葉(今まで使っていた言葉と違いすぎ)。監督の「俺、皆が間違う役不足の正しい意味知ってまっせ」アピールがウザく、逆に頭悪く感じた(邪推なら、ごめんなさい)。

9話目
アイドル議員で総理までいった人いるんか。アイドル議院禁止法は、流石に無理があるでしょw 法律には詳しくないけど、色々とひっかかりそう。

10話目
超党派、というが、アイドル政党間の政策の違いがまったく見えないが(汗) あと、アイドル議員禁止法案ですが、アイドル議員の定義が難しそうだな。

11話目
シリアスパートですね。お~、素晴らしいくらいのご都合主義w うんうん、このアニメはこのくらい突き抜けてる方が良いよ!

12話目
超展開w 無茶苦茶なとこが良いねw サーフィンって、あれ?野外ステージって丘の上にあったよね、とか、どうでも良いw これでナニがドウ解決するのかはよく分からないけどw
{/netabare}

投稿 : 2025/02/08
♥ : 23

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

つんく♂プロデュース楽曲

スマホゲーム「アイドル事変」の世界観をベースに作られたらしいアニメ作品。ゲームはプレイしたことはありません。

OP/EDはかの「モーニング娘。」で有名なHello! Project(以下、「ハロプロ」)のプロデュースをしていたつんく♂さんの楽曲提供です。

声帯を切除して人口声帯にする手術をしてからはハロプロの音楽プロデュースからは離れていたとの話も聞いています(詳しくは知らないんでこれは間違っているかも)が、楽曲提供をするような復活を本作品で果たしたのであれば個人的には嬉しく思います。

作りとしてはわりと普通のアイドルアニメですが、アイドルが国会議員をやるというのが本作品のウリなんでしょうか。被選挙権とか作中世界でどうなっているのか良くわからないですが、そこはツッコまずにしばらく楽しんでみようと思います。
→ 一応「現代日本によく似たニッポン」的な感じで、現実の公職選挙法のことは考えなくても良いみたいですね。

主人公は新潟の補欠選挙で当選した星菜夏月(ほしな なつき)、そして夏月とユニット「With(ウィズ)」を結成する既に2回当選の鬼丸靜(おにまる しずか)、そして夏月が所属する「ヒロイン党」の党首である近堂幸恵(こんどう ゆきえ)といったメインキャラが1話で紹介されていました。

作品コンセプト的には、他のアイドル議員もいるようです。アイドルアニメではライブシーンが重要なんだと思いますが、わりと良かったんじゃないでしょうか…。

#「新潟からスカウト」って設定に何か既視感があると思ったら、元「モーニング娘。」(7期メンバー)の久住小春だ…。

2017.5.23追記:
観終わっていたのに、素で更新を忘れてました…(笑)。

「歌は命!」
「歌は愛!」
「歌は希望!」
「歌は神秘!」
「歌は元気!」

…って、違う違う(笑)。という訳で、某シリーズとはまた別の意味で良くも悪くも「歌って踊ればすべて解決」な強引さがありました(笑)。

政治はまあ…、あまりやってないですよね…。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 22

59.5 25 MAPPAアニメランキング25位
パンチライン(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (442)
1984人が棚に入れました
「パンツを見たら人類滅亡!?」
とある事件をキッカケに幽体離脱してしまった高校生の伊里達遊太。
自分が住んでいるアパート、古来館で目覚めた遊太は、
突如現れた猫の幽霊、チラ之助から「肉体を取り戻したかったら、
古来館のどこかにある聖典を見つけるのら~」と告げられる。
かくして館内の捜索を始める遊太だったが、
そこで住人である女子のおパンツ様を目撃した瞬間、地球にトンデモナイ災いが…!!
遊太は特殊な霊力を使って住人達の暮らしに干渉。
ときに秘められた謎を解き明かしていったりしながら、人類滅亡の運命に立ち向かっていくことになる。
はたして彼らは最高にハッピーでピースフルな未来を迎えることができるのだろうか!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、雨宮天、寿美菜子、釘宮理恵、戸松遥、吉田有里

Baal さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

布面積は 乙女心 反比例

監督・上村泰、MAPPA制作によるオリジナルテレビアニメです。

全12話


古来館に住む伊里達遊太は同じ古来館に住む秩父ラブラと

共にバスジャックに巻き込まれる。そこに正義の味方を名乗る

ストレンジジュースが現れ犯人グループを撃退する。そこに

謎の白髪の青年が現れるが興奮した遊太が覚醒しその男もろとも

海に飛び込む。そしてストレンジジュースに助けられるも

再びパンツを目撃し気絶してしまう。そして気が付くと自分は

古来館に戻っており、更には幽体離脱までしていたのだった・・・


作品タイトルに加えてキャッチコピーが「パンツを見たら人類滅亡!?」

というのでそこを基軸にしたギャグコメディが展開されていく作品

だと放送前はなんとなくそんな感じに思っていました。序盤はバス

ジャックや幽体離脱等が起きているものの当初の予想していた部分が

多めにあったのでバトルの部分もうーん何に使うのだろう・・・と

思っていました。それから3話くらい経つ頃に漸くそれまでなんとなく

散りばめられていたであろう出来事が全く別の所で動いているんだと

感づいていました。

5,6話を迎える頃には3話で感づいていた事が確信へと変わって

いき、そこから見えてくるものにはそれまでの出来事にその瞬間が

より強く詰まっていたのだと思わされました。


どことなくギャグ路線が見えてくるのにどうやってもそのレール

には乗ってこない。どこかそんな事ぐらいでくだらない・・・と

思っている反面、ここまでの繋がりとこれからの繋がりはどこに

向かっていくのかたまらなく気になってくる。そうやって後半、

その先へ進むにつれてどんどんもっと見たいと不思議とそう感じ

させて来る展開でした。


それから登場人物のネーミングがパッと見ても誰でも気が付く様な

つけ方なのに5,6話の展開が見えて来るまで全然気づくことが

出来なかったです。上手いこと作っているなぁと思いました。


曲は特にOPですが後半になってくるにつれてなんか雰囲気だけが

ズレていっているようでした。まあ展開が後半どんどん変わって

いっても私が当初思っていた事はあながち外れる事も少なかったので

それもこのOPあってこそかなと思います。


ニコ生一挙放送で幾度となく最初の方を見ましたがその度に新たな

話数を見ているのでその時々によって同じ物語が違った印象を感じ

ていました。初見の段階で1~4話辺りが退屈に感じていましたが

その先を知った上でまた見ると案外そうでもなかったりという感じ

です。複数回見るつもりなんて当初は想定していませんでしたが・・・


後半からいい感じになっていましたが序盤と言っても4,5話辺り

までためてしまっているので多くの人が途中で切ってしまいそうで

すが2,3話辺りでどこか予想や印象とは違う何かがあると私は

思ったので見続ける事ができ、後半で良くなっていくのを楽しめた

と思います。

◆個人的点数評価 76.989点

投稿 : 2025/02/08
♥ : 33

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

パンツは地球を救う?

バスジャックに遭遇した伊里達遊太。
正義の味方であるストレンジジュースの下着を目撃する事によって幽体離脱してしまう。
目覚めた遊太の前にチラ之助と名乗る猫が現れて、遊太は地球を救う為に行動する事となった。

物語に関する事を書くとネタバレになりそうになるので迂闊には書けないなぁ。
とりあえず、6話ぐらいまでが話の伏線でしょうか。
視聴する人には途中まで我慢して見てもらいたいです。

タイトルにもなっているようにパンチラというかパンモロのシーンが多いです。
遊太はパンツを見る事によってパワーアップする事ができますが、あまりにも興奮し過ぎると地球が滅亡。
丁度良いパンチラも難しいですね。

始めは、ただのHシーン満載のお色気作品と思うかもしれません。
たしかにパンチラシーンは多いです。
しかし、それは物語を進めていく上での必須事項。
視聴する際には、この点を気をつけないといけないです。

登場人物の名前の付け方には、よく考えたなぁと感心してしまいます。
伊里達遊太(いりだつ ゆうた)……幽体離脱(遊太 伊里達)←名前と苗字を入れ替える
成木野みかたん(なるぎの みかたん)……正義の味方{成木野は読み方を変える}
曳尾谷愛(ひきおたに いと)……ヒッキー、オタ、ニート
台初明香(だいはつ めいか)……大発明家
秩父ラブラ(ちちぶ らぶら)……乳ブラブラ
古来館の住人達はキャラも個性的ですが名前の印象も強いです。
古来館は「こら、イカン。」を元にしたのかな。

地球の命運はパンツにかかっているとバカバカしく思えますが、これはシリアスなシーンを暗くさせない為の作り手側の配慮でしょうか。
軽い気持ちで数話見ようと考えると視聴断念する可能性が高いので、視聴すると決めたら一気観して下さい。
全話視聴して「騙された。」と言われても責任は持てません^^;
あくまで自己責任でお願いします。(無責任ですいませんm(_ _)m)
さあ視聴してハッピーでピースフルな世界へ旅立ちましょう。

投稿 : 2025/02/08
♥ : 33

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

タイトルを見るとギャク作品ように見えますが、そうでもありません。

パンチラインとは英語でコメディやジョークなどの「落ち」という意味らしいですが、この作品はそれだけの意味ではないみたいですw

全12話 オリジナルアニメ作品

キャッチコピーは「パンツを見たら人類滅亡!?」

バスジャックのあったバスに乗り合わせた主人公の伊里達 遊太(いりだつ ゆうた)は、正義の味方ストレンジジュースの助けもあってバスジャックしているものたちを撃退します。しかし、遊太はある出来事で川に落ちストレンジジュースの下着を見たことで幽体離脱をしてしまいます。序盤は、元の体に戻るため色々と悪戦苦闘するお話です。

最初は、奇抜なストーリー展開と女の子の下着のオンパレードに、3話まで観てちょっと視聴を止めていました。

キャストさんからのコメントで6話以降から色々な謎が解き明かされていくというニュアンスだったので、視聴を再開しました。

序盤は上記に書いているような内容でしたが、確かに6話から色々と展開が変わってバラバラなお話が繋がっていきますね。

5話までで謎を色々と溜めていた分、6〜12話まではこれまでの経緯とこれからのことが怒涛の展開で進んでいきます。

お話もきちんと終わってますし、すべてがハッピーエンドではないですが、私は最後まで観てよかったと思います。

設定は色々と奇想天外ですが、内容はいたって真面目な作品なので、ギャク作品と思って観るとギャップを感じるかもしれません。

ただ5話まで根気よく観る必要(私はそうでしたw)がありますので、そこまで視聴ができたら最後まで観るのもいいかもしれませんね。

OP しょこたん♥でんぱ組が歌ってます。作詞作曲は前山田健一(ヒャダイン)さんなので元気な曲ですね。
ED こちらは一転、落ち着いたバラードとなってます。曲も好きですが作画も良かったですね。

最後に、この作品の劇中歌は小室哲哉さんすべて作曲しています。色々な引き出しがある方ですね^^

投稿 : 2025/02/08
♥ : 33
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