ようす さんの感想・評価
4.0
少年シエルと、あくまで執事のセバスチャン。それぞれの目的のために結ばれた主従関係の結末は…。
「月刊Gファンタジー」にて連載されていた漫画が原作。
人気の高い作品だということは知っていたので見てみることにしましたが、
アニメは原作とは異なるオリジナルエピソードが多めだったようです。
1期できれいに完結しましたが、
2期や3期もあるんですね。
1期は全24話です。
● ストーリー
舞台は19世紀末のイギリス。
名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家当主は、
12歳の少年、シエル・ファントムハイヴ。
ファントムハイヴ家は代々政府の汚れ仕事を請け負っており、
シエルも「女王の番犬」として、裏社会の秩序を守る任務を遂行していた。
そんなシエルに仕えているのが、執事のセバスチャン。
料理も武術も、すべてが完璧な執事。
あまりにも完璧なセバスチャンに対して驚く周囲には、「ファントムハイヴ家の執事たるもの、これぐらいできなくてどうします。」「あくまで執事ですから。」と穏やかに語る。
そんなセバスチャンとシエルは、
普通の主従関係ではない特別な関係で結ばれていた。
シエルは過去に両親を殺され、
自分も命を脅かされた過去を持っています。
その復讐を果たすのために、
自分の魂と引き換えにして、
セバスチャンと契約を結んでいます。
シエルが引き受けた事件の解決と合わせて、
両親を殺した犯人に近づいていく。
この2つの物語が並行して進んでいく、
ダークファンタジーです。
幼くて傲慢で「周りの人間は全て駒だ」と冷徹なシエルと、
シエルの魂を頂く日まで、彼を主として仕えるセバスチャン、
その他にぎやかな使用人たちなど。
楽しそうで、幸せも感じられる日々の裏で、
シエルに降りかかるのは、非常な現実。
1話1話すべてに見ごたえがあるわけではないけれど、
それぞれの事件の山場は面白いと思いました。
面白いと言っても、わくわくするような面白さではなく、
時にはショックで、時には衝撃的で、時には残虐で、
でも悲しさとか辛さとかとはまた違って…
復讐や死にまみれた物語なのに、残酷さだけを強く感じない。
セバスチャンのキャラのせいなのか、
全体的に上品な雰囲気は抜けないのです。
後味の悪さもあるし、やるせない展開もあるのに、
鬱な気持ちだけでは終わらない、不思議な作品でした。
何よりも24話で積み重ねた重みに見ごたえがあって、
最終話を観終えたあとの余韻に、満足感がありました。
● キャラクター
やはりこの作品において一番重要なのは、
セバスチャンというキャラでしょう。
あくまで執事な立ち位置の彼ですが、
彼がいなければ、シエルは何もできないだろうし、物語は成り立ちません。
とにかく完璧なイケメン執事、
命と引き換えの契約でも安い!と思う!笑
途中からは、なんだかもう、
何ができても驚かなくなってましたw
話し方も柔らかくて丁寧で、
彼から上品さを学べた気がします。笑
時には色気を武器にしちゃって…なギャップも良いですな(*´Д`)
でもシエルとのコンビが一番安心&安定します^^
二人にならBL展開も歓迎してしまいそうです(*´Д`)ハァハァ
次回予告ではcv.小野大輔さんの遊び心なのか、
しばしば崩壊するキャラも楽しかったですw
シエルのわがままっぷりは少し苦手でしたが、
己の魂に恥じない生き方を選択する、という芯の強さは好きでした。
復讐を果たすことが正しい生き方なのか、そこは肯定できませんが、
周りを利用してでも、己の誇りの為に心に決めたことをやり遂げようとする人間というのはそうそういないと思うので、セバスチャンが魅了されるのも納得です。
他にも個性豊かで魅力的なキャラが多いですね^^
葬儀屋のアンダーテイカーの狂ってる感じが好きでしたが、
その正体には「なんだ、それなら普通じゃないか」と、少し冷めてしまいましたw
…別に狂ってる人がタイプなわけではないけれどw
まっすぐでいい人すぎるアバーラインも好きだったんだけど…
あまりにも救われなさ過ぎて(´;ω;`)
アバーラインに関する展開だけは、
ちょっと鬱な感情が尾を引いています。
最終的にはセバスチャンが一番お気に入りです。
● 音楽
【 OP「モノクロのキス」/ シド 】
最初は1番の、途中からは2番の歌詞が使用されていました。
シドの曲は特別好きというわけではなく、
この曲も以前から聴いてはいましたが、
この作品の雰囲気とよく合っていて、
この作品の曲として聴くようになってから好きになりました^^
【 ED1「I'm ALIVE!」/ BECCA 】
初めは、この作品にしては明るすぎる曲のような気がしましたが、
聴いているうちに気にならなくなりました。
今では好きな曲です♪
【 ED2「Lacrimosa」/ Kalafina 】
明るい曲ではなくなり、OPの雰囲気に近い曲となりました。
でもこの曲も好きです^^
シエルとセバスチャンの、
静かなようで情熱的な関係によく似合っています。
● まとめ
シエルという少年の人生。
それは二つに分かれる。
ひとつは、両親と共に過ごした温かい日々。
もうひとつは、セバスチャンと共に過ごした戦いの日々。
原作とは展開が違うようですが、
アニメの方も24話分の重みと見ごたえを感じられました。
初めはセバスチャンのイケメンさと万能さを愛でる作品かと思ってたけど、
それだけではありませんでした。笑
最終話まで見て、よかったなと感じています^^
とてもきれいに完結したと思ったけれど、
2期もあるんですね。
ちらっとあらすじを見ましたが、
なんだか1期とは異なるお話のようなので、
引き続き楽しみたいと思います^^