19世紀でイギリスなTVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の19世紀でイギリスな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の19世紀でイギリスなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

86.1 1 19世紀でイギリスなアニメランキング1位
プリンセス・プリンシパル(TVアニメ動画)

2017年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (986)
3962人が棚に入れました
舞台は19世紀末、巨大な壁で東西に分断されたアルビオン王国の首都ロンドン。伝統と格式ある名門、クイーンズ・メイフェア校には、5人の少女たちが在籍していた。彼女たちは女子高校生を隠れ蓑に、スパイ活動を展開。変装、諜報、潜入、カーチェイス……。少女たちはそれぞれの能力を活かし、影の世界を飛び回る。

「私たちは何?」
「スパイ。嘘をつく生き物だ」

声優・キャラクター
今村彩夏、関根明良、大地葉、影山灯、古木のぞみ、菅生隆之、沢城みゆき、山崎たくみ、土師孝也、飯田友子
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二期ありきの構成

4話までの感想「いいからちせを出せ」
{netabare}“悪魔のリドル”ってアニメでは、ど根性ガエルの五郎というかモグラというか、そんな三下キャラを美少女化したようなキャラが居て、しかもそれがしっかり可愛くて、「こんなものまで美少女化するのかー、スゲーなぁ」と感心したことがあります。
で、このプリンセスプリンシパルだけど、1話を見てその時と同じ衝撃を受けました。
単なる思い違いだと思うのだけど…というかそうあって欲しいとさえ思うことなんだけど…。

ちせがモータルコンバットのライデンの美少女化に見えて仕方ない

う~~~ん、やっぱり思い違い?
三度笠?に能面貼ってないのでゼイラムでもないし、砂ぼうずともちょっと違うような…とはいえ、まさかそんな…ねぇ。
けどもしライデンであるならこれまたスゲーところから引っ張ってきたとして、もうそれだけで評価せざるを得ない。
そのうちケイバーライトを使ってサイコクラッシャーや感電死みたいなことするんじゃないかとヒヤヒヤしつつ視聴。
フェイタリティやったら拍手モノだけど、放送できないよね?
…が、2話3話と、ちせが全然出ずに地味~な話が続く。

ええい、プリンセスとかいいからちせを出せちせを

と思う程になってたのだけど、モーコンであろうとなかろうとここまで思わせたのはスタッフ大成功だと思う。
そして4話、やっとちせがマトモに登場する話になったけど…ぐぬぬ、あんまり活躍しない。
さすがにずっと脇役させられるとも思えないので、この先に期待ってことでしょうか。{/netabare}

5話感想「本当にちせが出た」
{netabare}4話までの感想で「ちせを出せ」と書いたその直後の5話で早速ちせメイン回キターーーー!
しかもアクションスゲー頑張ってるし。
やったね、オレ様大勝利?
…。
と喜んでたのだけど、あれ、ちょっと待てよ?
ひょっとして4話終了段階で公式とか見れば次回どんな話か予告あったり…する?
自分見てなかったのでやったーって感じなんだけど、周りらはナニ当たり前のことを…と思われてたりして。
こ、公式の予告(あるのかすら知らない)とか雑誌の予定とか見てないっすよ、ホウトウデス。

で、話は戻って5話感想。
この世界の日本はなんか怖いのう…ちょっとのことで簡単にハラキリしそう。
相手はプリンセス言っても順位はそんなに高くないんだよね?まぁ不利な条約をもちっとマトモにしてくりゃれと頼む側なので下手(したて)に出るのはしょうがないんだろうけど。
トランプのシーンはよく分からなかった、手先の器用さを競い合ってたのだろうか?
でもって親父との対決、↑で書いた様にモーコンのイメージがあるので、いつ親父の指先から電撃が飛び出すんじゃないかとヒヤヒヤした。
最後ちせは親父を打ち倒し涙するワケだけど…同時にベア子は忌まわしき改造手術が4話に引き続き身を守ることとなり、内心どう思ってるか気になった。
ってか改造は喉だけなのだろうか?ホントにそれだけ??

とりあえず2話以降、時系列を変えてメンバーがどのように集まったのかを見せる回が続いてきたけど、5話でひと段落?
まだ居たっけ?
出揃ったらプリンセスが継承権を上げるために親戚兄弟をヌッ殺してく話になるのかなーと思ってるのだが…今のところそれを匂わす描写は余りない。
これからってことかのう?
かなり期待の作品…だけど、レガリアみたいなことを起こすんじゃないかとちと不安。
特に5話あんなに頑張っちゃって…息切れせんよね?大丈夫だよね?{/netabare}

6話感想
{netabare}自分の親父には改造され、ちせの親父には斬首されかけ、ドロシーの親父には機械いじくり回され…ベア子はなにかと親父に縁があるな。
ってか主人公ベア子ちゃう?
妙に活躍多い気が…メンバー紹介用に「視聴者と同じ目線(何も知らない)キャラ」として扱われてるだけ?
ええい、もっとちせを出せ。{/netabare}

7話感想
{netabare}ああ、こうだよこう。
戦争モノいうたって兵站や銃後の描写が疎かだとションボリしちゃうクチなのですが、こういう「兵隊だけでなくそこで生活してる人」がちゃんと描かれてるのはホっとしてしまう。
それよりなによりビックリなのは6話で登場した借金取りの再登場!
6話では「ひょっとしたら親父殺害の犯人に仕立て上げられてるかも?踏んだり蹴ったりだなぁ」と同情は寄せつつも、所詮その回限りの捨てキャラだろうしと思ってそこまで肩入れはしてませんでした。
時系列よく分からないので6話の後なのか不明だけど、再び元気な姿を見せてくれて安心しました。
でもってこれも6話から気付いてたけど広川太一郎ボイスじゃーん?
1回限りの捨てキャラならまだしも、もしこれからもちょくちょく出てくるようであるなら…この作品の批判書けなくなってまう!(現状書く気は無いけど)
世代的にねぇ…あの声をまた聞けるというだけで涙腺緩みまっせ。
しっかしなんで広川太一郎?モーコン(これは自分の勝手な思い込み)といいこのスタッフのセンス物凄いかも知れない。

ところで自分は滅多に声優については言及しないんですが広川太一郎ついでにちょっとだけ。
ベア子登場時、3話前半までキャンキャンうるさくて「ちょっとイヤだな」と思ってたのだけど、それは後半の変声機使った時の対比を引き立たせるためワザとそうしてたんだ、と最近になって思うようになりました。
序盤に感じたうるささがいつの間にか気にならなくなってるので多分意図的だったんだろう、と。
よくある話、第一印象がマイナスからスタートだと0に戻っただけでも好印象に錯覚するというヤツのせいか、ベア子もかなり好きになってたり(一番はちせだけどねー、インパクトが異常だったので)。
そこまで狙ってやってたとしたら…ひょっとして音響の方って凄い人だったりする?

で、肝心のちせですが、勤勉くんか!ついでにこれは…塚原卜伝か?
ああいった世界なので人種差別どうなってんだろ?と思ったけど別に日本人だからといって差別はされてない?
5話で大人達が奇異な目で見られてたけど、あの土下座っぷりは特殊な局面だったのか武士だか政治家がああってだけで、民草は至って普通なんかね?
いや~今後も活躍が楽しみですが…借金取りの再登場はあるのかどうかも気になり出したりしちゃったりなんかしてー。


余談・他サイトのネタを拝借してるため問題がある場合は消します
なんでまた広川太一郎が?と思い、ついつい考察サイトを覗いてしまいました…考察なだけでネタバレは無いのでダメージは無いかな。
そこでちょっと気になる点があったのでここでちょいと。
OPの花についてなのだけど、
ちせ  :梅
アンジェ:ユリまたはキキョウ
ベアト :牡丹?
ドロシー:不明
となってて、多分ドロシーはオダマキじゃないかな?
花だけ見たらスイセンやヒメノカリスも候補に挙がるけど、葉っぱが三複葉ってことで。
問題はアンジェ。
自分はよく考えずにキキョウだと思ってたら、六弁なので違うかもしれないとのこと。
あそっか…かといってユリというのは違う気がする。
意匠化されてるとはいえひょんと突き出た柱頭が無いのはあり得ないというか。
じゃあ何かといえば、見た目だけで言えばバビアナが近いような…?
けどそんなの使うんかいな?あんまりマイナー…ってよりもドメジャーな物しかこういった所では使わない気がするんだが。
う~ん、なんか見落としあるのかのう。
ついでに言うとベア子は美女ナデシコだと思ってた。
これは歯車一個一個を花と捕らえるか花びらと捕らえるかの違いだけど…フォルム的にボタンはどうかな?
ボタンってアレよ?賭ケグルイのEDの背景にでんと描かれてるやつ(あっちは花札からの引用だろう)。

更にもうひとネタ。
カサブランカをユリの何たら~と書いてあったけど順序が逆。
ヤマユリ等を品種改良してできた純白の花にカサブランカって名前を付けた園芸品種。
野生には生えてないし作出されたのも1970年代、作中のメッセージとして使うには時期が違い過ぎる。
作中は単に命名由来の地名を指してるだけでユリは関係ないかと…「カサブランカの白い家」はちょっとフフッとなったけど。
{/netabare}

8話感想
{netabare}まさかの2話のネタバラシ。
てっきり「アンジェとプリンセスはずっと以前から入れ替わってた?」はクライマックスまで引っ張るのかと思ってたのでビックリ。
これは「そこまで引っ張るほどでもない」ってことなのか「クライマックスに相応しい山場は存在せず、淡々とした話が続く」ってことなのか?
まぁどっちでも良いし、ボンヤリとした部分を早目に明確にしてくれたのは親切心だと受け取ろう。
(自分は考察サイトを覗いてしまったので「やった睨んだ通りだったぜ」と喜ぶことはできませんでした。しまったなぁ…)
継承権上げるために身内同士の骨肉の争いをするのかと思ったけど、そっちには行かないのかな。

それにしても(作中の)現代でも孤児は居るけど、革命前は更に酷い有り様だったんやねぇ…。
単に史実を元にそう描いただけかも知れないけど、あれでは革命起きても止む無しと納得のできる描写で好印象。
やっぱり民間人描いてナンボだよ、ウン。

ケイバーライトを使って物凄い怪力を演出してたけど、発光は視聴者には見えてキャラには見えないのかな?
それと残念なことに広川太一郎は出ませんでした、2回で打ち止めかねぇ?{/netabare}

9話感想
{netabare}ちせメインで異文化ギャップを見せつつ世界観の掘り下げと今までのおさらいっぽい回。
多分異文化交流で最大のハードルは匂い、靴履きっ放しで足が臭い⇔納豆や糠が臭い、お互い臭い言ってて、美少女相手でも容赦のない姿勢は好感が持てる。
7話感想で日本人差別はどうなってるんだろ?と思ったら、差別以前の「よく分からない国」だったと判明。
いやぁ~こういう回は必要です、分かってるねぇ。
折角出身の違うキャラを一人ポンと投入したのだから、当然起こるべきことを当然のこととしてスラっと描いてくれるのは子気味いい。
そりゃあ目立つし、からかわれもするだろうて。
同時にプリンセスが継承権がそんなに高くない“らしさ”も上手く表現されてたと思う(高かったらちせへの挑発はすぐに止めたかと)。

まだNINJAは広まってない模様、下手にちせが活躍したら勘違いNINJAが流行っちゃいそう。
なんかあったら黒トカゲ星人よりも噂になりそうじゃない?NINJA。
ってか活躍する機会は今のところあんまり無いのね、スパイだったら仕方ないやね。
刃傷と人情かけてた気がする。
堀川公の邸宅は大使館みたいなものと思っていいのか?
弱小国扱いにしては立派な庭園に見えたが…。
それ以上に気になったのはちせの姉の存在、あれ、以前から触れてたっけ?
ひょっとして実在してない?
と思ったのも、手紙の内容が機密をぶっちゃけ過ぎてるから。
あの世界なら普通に検閲あるよねぇ…日本に住む姉宛てというより天国宛てな感じがした。
“きんつば”も含め、餡子って実は外国人は抵抗持つ人が多いと聞いたことがある、甘く煮た豆が信じられないとかなんとか。
ってことで振舞われたきんつばはちせにとってのみご馳走で、もしお土産に持ち帰っても糠漬け同様不評だったろうなぁと思うとちょっとクスッとくる。
あそうそう、安易にSUSHIを出さなかったのも好印象、時代的にあり得ないもんね(なれ寿司ならあるんだろうけど)。
SUMOUは言わずもがな、カン違いっぷり全開で笑うところだろうけど、どんなに珍妙に思えてもその民族の儀礼なら尊重するってのはこれまた常識…ってのはあくまで対等な場合で、プリンセスが弱小国の珍妙文化を実践してくれるってのはなかなか凄いことなんじゃなかろうか。
これでちせは篭絡されちゃったかなー?{/netabare}

10話感想
{netabare}8話で、2話で張った謎(アンジェとプリンセスの入れ替わり)をサラリと明かしたのはなんでじゃろー?と思ってたら、ナルホドねぇ。
委員長の憧れの相手…その相手が持つ憧れの部分──気張らず飄々とした感じか──は、真似しようとしたってそう簡単にできるものではない。
また真似しようとしてヘマこいて二重スパイしなきゃならないハメになったっぽい、薬に手を出した?
入れ替わって上手いこと演じ切ってる(真似てる)アンジュとプリンセスとの対比を明確にするために8話では早々にネタバラシをしたんだろうと推測。
同時に、入れ替わって演じ続けるのもいつか限界が来るかも?ってのを暗示してるようにも思える。

アンジェが犬小屋(じゃないけど)へワイヤー使って行く際、ベア子がなにか言おうとした内容は「なんでCボール使わないの?」って感じかと。
手の内を明かさない→委員長を疑ってるって伏線やね。
もしあそこでケイバー使ってたら逃走経路に電車は使わず、もっと面倒なことにになってただろう。
ケイバー使い過ぎると病気になるんで使用を極力避けてるのか?とも思ったけど、その件は掘り下げられないのかな。

鹿威しのシーン、池に浮いてる葉はオオオニバス、温室でないと栽培は難しい、ってことで室内庭園か。
そしてそれが何のためなのかはちせも知らず…くっそw着実にカン違い日本を広めてやがる。

いや~今回も楽しめました。
驚くくらい毎回しっかりとした内容で、一部では大河内チェンジリング説が飛び交ってる模様…ヒデー言われようだw{/netabare}

11話感想
{netabare}・植民地からの人員で結成された軍の一部に反乱の兆しアリ、プリンセスを旗印に掲げようとしている
これが11話始まる前に起きてた出来事だと思うんだ。
それとあの状況で「プリンセスをなるべく目立つように殺せ」ではなく「“暗殺”せよ」と命が下るということは…暗に「アンジェがプリンセスに入れ替わりなさい」と言ってるって解釈でいいのかな?
で、それを受けての11話の感想というか推測。
ゼルダの上司、ってかコントロールでいいのかな?の思惑について。

仮説1・反乱するにしても本物のプリンセスではなく息のかかったアンジェの方がコントロールしやすいってこと?
仮説2・わざと反乱させてその後「お前のプリンセスはニセモノでしたベロベロバー」として瓦解させる、反乱分子を燻り出して潰す作戦?
またはこれら以外。

要はLの更迭によってどっち側になってるのか自分には分からない。
ほほう、こりゃ次の話が気になりますなぁ…といいつつひょっとして大きな見落とししてる?という不安を抱きつつコレ書いてたり。
ってかね、単に戦争やりたいだけだったらCボール精錬技術盗めばいいんじゃね?(※)と思ってるので、内部の不穏分子粛清狙いなんじゃないかなー?と思ったり。
その一方であの時代に身の証を立てる手段ってあるんかいな?という疑問も。

それにしても継承権上位の連中出ないねぇ。
女王陛下自らでもいいけど「実は私も壁は要らないと思ってます」ってドンデン返しもありえる?と思ってるので。
あと気になったのは「プリンセスは始末した」と聞いて死体の確認をしないのはどうなんだろう。
ゼルダも何かウラがあったり?
…と、ここら辺は疑い出したらキリが無いですね。
いやぁホント次回が気になる。



4話より、共和国側はケイバーライトの小型化はできたけど実用化(実戦配備化)できるほどの精錬技術は無いらしい、一方で帝国側はその逆。
10話より、Cボールの配備はスパイでもごく一部止まり。
その問題をクリアして反乱軍に配備されたとかでもなければ反乱の狼煙を上げるのは早計な気が。
まぁ所詮は帝国内の内乱なので、共和国としては上手くいけば儲けもん程度で焚きつけただけだったりして。
Cボール自体が物語を左右する鍵となってるのかただの小道具止まりなのか…どっちでも良いけど現状では不明なため、予測は難しいのう。{/netabare}

最終回まで見て
{netabare}ああやっぱり、コントロール(の更に上、共和国上層部)は一枚岩じゃなかったってことか。
帝国で内乱起きればそれでいい、植民地軍がどうなろうが共和国側の腹は痛まないってことで扇動することにしたゼルダ・ジェネラル派と、それはアカンとする慎重派・L派に分かれてるってところか。
まぁやっぱり戦争おっ始めるならCボール大量生産からでないとちょっとアレよね。
恐らくジェネラルはあの後始末されただろうけど、共和国にタカ派(といっていいのか?)が残ってる限りゼルダはその手先として働き口があるのであんなに余裕綽々だったんでしょう。
日本としては帝国と共和国どっちに着くべきか決めかねてる状態なので、自分から仕掛ける気は無いが何かアクシデントが起きてくれた方が見極めやすいってことだったのかな?
なのでアクシデント(騒動)を未然に防ごうとするちせが堀川に諭されたってことなんだと思う。
ヤバいのはノルマンディにプリンセスの影武者が存在すること、共和国側にCボールがあることが知れてしまった点か。
スパイで一番ヤバいのは尻尾を掴まされることで、こりゃ大変だ~ってところでアニメは終わってしまいました。
2期やる気なのかね?ってか是非やって欲しいのだが。

充分面白かったけど、最後はちょっと物足りない感じだったかな?
・結局ゼルダの失態は死体を確認しなかったこと
・アンジェが会場に戻ってくるの早すぎ
→航空機で暫く飛んでたんでしょ?結構な距離離れてたと思うのだが…。
・10年前に入れ替わったネタを使い切れてない
→是が非でも壁を無くしたいという動機にはなるけど、別にそんな理由無くても昔出会ったことがあるってだけでも動機としては充分満たせるかと。
→イングウェイ少佐から鍵を奪ったのは10年前まだ乞食だった頃に培った技で「こんなところで活かせるなんて」くらい言わせれば良かったんじゃないかなー?
→その場合、鍵はすぐには取り戻されずに最後まで引っ張る展開にしないといけなくなるが。
・さすがにちせは対Cボール用の技を編み出しては居なかったか
→そこまでやってたら「ああ、日本はどっちつかずで場合によっては簡単に掌返す勢いなんだな」ってのに深みが増したんじゃないかな。
・これは追及してもしなくてもいいことだけど、そもそもアンジェとプリンセスがソックリな理由も…できたらあった方が良い様な?

と、突っ込み所が無い訳ではないけど、総じて充分楽しめました。
なにより序盤ちせのモーコン勘違い、中盤の広川太一郎で中ダルみ回避は個人的にはお見事と言わざるをえない(どっちもオッサン向けのような…)。
あと2話で張った謎を8話であっさりバラすのもビックリでした。
それだけに終わり方がねぇ…やっぱり2期っすか?2期に期待ってことっすかねぇ。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

飛び立つの~ モロッコへ~

オリジナルアニメって良いね(^^)


2018秋期『RELEASE THE SPYCE』観てた時に比較対象としてちょくちょく挙がってた本作。
ハードだよ、と聞かされつつもキービジュアルはいたって平凡。視聴を後回しにしてましたが劇場版控えた?再放送にて視聴しました。これきっとサムネで損してます。

19世紀末起点のスチームパンク作品。技術特異点は「ケイバーライト(重力遮断物質)」。このなんかすごそうなものをきっかけにあれやこれやの末、革命で東西に分断された架空のロンドンで暗躍するスパイたちの物語です。
現実のベルリンに「Checkpoint Charlie」通称「壁博物館」というのがあります。
勢力の境い目は常にインテリジェンスの最前線であるためきわめて妥当な設定。版図を広げた結果 “王国” と “共和国” に分裂した本作の舞台 “ アルビオン王国 ” のモデルはイギリスです。
イギリスといえば「007」を真っ先に思い浮かべますね。向こうは色男でこっちはJKです。指令役、向こうは“M”こっちは“L”。サイズアップしたことで一匹狼から五人組に変更が加えられております(嘘)。


結果、、、めちゃくちゃ面白かったです。
身も蓋もないハードな内容ですが、物語の柱となる主要キャラ二人の因縁に焦点をあてると、けっして後ろ向きではないメッセージが伝わってくるのがよい。
混み入ってるため整理がてら久々にあにこれ準拠で評価すると、


■物語
製作スタッフ曰く

「アニメ的に盛って作っています。綿密に考えているところと、わざとガバガバに見えるように盛ってあるところは強いメリハリをつけています。」

じゃあそういうことで(笑) 
全体のトーンはハードなんですけど力抜くところとのバランスが絶妙でごりごりの鬱展開手前でおさえる演出は見事でした。


■声優
可もなく不可もなく。主要キャラ五人組は以下。

 アンジェ(CV今村彩夏)
 プリンセス(CV関根明良)
 ドロシー(CV大地葉)
 ベアトリス(CV影山灯)
 ちせ(CV古木のぞみ)

私の場合どなたのお名前も存じ上げず、そのことがむしろ人知れずな存在であるスパイを体現しているかのように感じられました。
またアンジェ役今村彩夏さんは既に声優業を引退されたとのこと。続編を不安視する向きもあろうがきっと代役がしっかりこなすのでしょう。人知れず消えても何事も無かったかのように代わりの者が任に就く。スパイ稼業とシンクロするなぁと一人感慨に耽ってしまいました。ファンの方ごめんなさい。


■キャラ

アンジェとプリンセスをある意味超越した存在に仕立て、人間くさいドロシー、なごみとガヤ担当のベアト、ギャップボケのちせと緩急つけたキャラ配置。
そしてノルマンディー公や「コントロール」の面々。ハードな世界観を死守しました。いい塩梅です。


■作画

のっけの1話。架空ロンドンの街並みの妖艶さ。続けて2話。パーティーでのカメラワーク。そして緊迫感をともなうカット割り。正直文句はないです。そもそも技術の巧拙はよくわからんし。


■音楽

梶浦由記案件は無条件に5.0点!ドラマティックな劇伴の印象が強い梶浦氏。本作では緊迫のやり取りや潜入の緊張感を高める作曲。いわんや「志村後ろ~」を盛り立てるかのような楽曲たち。
OPEDは自分的には佳作。日本語でやっておくれ~、、、ただしOPアニメーションは秀逸。
{netabare}5人のワンカットが見事に各々のキャラを表わしています。黒蜥蜴星人からアンジェに切り替わってプリンセスに手を伸ばすカットからのツイストさせて銃爪をひくまで一連の流れがなかなかのメタファー。{/netabare}


概観するとこんな感じです。
以下はネタバレ込みで視聴済の方向け。


■非情をしっかりと描く

非情な世界で友情を貫けるのか?
保身に走ってもおかしくない状況でどう振舞うかは作品の見どころでした。説得力を持たせるためにハードな描写は必要不可欠だったのです。

{netabare}さっそく1話で襟は正されます。あ!死ぬのね・・・を目の当たりにして作品の方向性がわかる仕掛けです。過剰なまでに “ 嘘 ” というセリフを言わせて頭脳ゲーム的展開を想起させる良い導入でした。そしてセリフとしての “ 嘘 ” は2話以降控えめになってます。うさんくさくならない手前でやめといて正解だったと思います。{/netabare}


{netabare}作戦がどういった類のものかに着目してみました。

1. 亡命幇助(西→東)
2. 建造計画流出阻止
3. 共和国紙幣原版の回収作戦
4. 王国で“ケイバーライト”小型化成功
5. 共和国寄りの要人暗殺者の特定
6. 王国外務省の暗号表奪取作戦

どれもパワーバランスを崩すインパクトのあるものばかり。使い古されているとはいえチンケな作戦はありません。とりわけ3.4.6.は力関係が逆転するほどのものです。{/netabare}


{netabare}1話完結タイプでその1話内で伏線提示と回収を済ませるテンポの良さにも感心しました。非情さの面で一例を挙げると、委員長回(第10話)の「さよなら」の使い方ですね。

冒頭。養成所時代のアンジェの回想
「基準に足りないと判断された子はある日突然いなくなってしまう」「だからさよならなんて言ったことなかった」

時は流れて委員長 (*´Д`)
「さよなら ドロシー」

養成所同期でアンジェに続いて万年2位だった委員長。彼女が求めたのがどうあがいても辿り着けない才能ではなくどうやっても真似できない生き方というのがなんともせつなく、クスリに頼るような優等生の弱さを見抜いていたアンジェがかけたせめてもの優しさだったかと思うと震えます。

「どいつもこいつも、ウソつきばっかりだ」
ヘタに泣き言を言わないだけにドロシーの胸中も察して余りありますね。特殊EDが涙を誘った父親回もそうですがこのアニメはドロシーに厳しすぎます。{/netabare}


■ベアトリスとちせの効用

ほっこり担当の二人。鬱ストッパーとして活躍しました。二人のいないプリプリは想像できません。

{netabare}なかでもベアトのポンコツシーンが良くてそれを見せるために(嘘)、アンジェの飛行機潜入(第3話)とドロシーの死体漁り(第7話)などペア組み作戦では必ず帯同していたのを忘れてはなりません。{/netabare}

{netabare}ちせは五人揃っている場面で波風立たせる役回り。ペア作戦がない分ちせ回 を用意してバランスを取ってたような気がしてます。{/netabare}

{netabare}セリフ回しでもいい感じで脱力できるシーン多々。

・「(日本では神は)山に川に厠にまでおるからな」 第5話ちせ
 →それって『トイレの神様』ってこと?w{/netabare}




こうして描かれてきた非情さとほっこりといった「緊張」と「弛緩」のバランスの上に立って物語の主軸となすのはアンジェとプリンセスの因縁の関係。
数奇な運命を辿った二人がお互い難しい立場ながら相手を想い続けられるのか?
この運命の濁流に飲み込まれ翻弄されるタイプの物語は控えめに言って大好物な私です。

{netabare}「その子が壁をなくしたいって言った時どういうことかわからなかったけど辛い事や悲しい事がなくなるなら本当にそうなってほしいって思った…」
「でも私がそのチャンスを彼女から奪ってしまったの!だから私が代わりにこの国を変えるって誓ったんです!」

プリンセスの命を懸けた訴えです(第11話)。前の回での「私の人生をあなたのおもちゃにしないで!」とアンジェに吐き捨ててからのこれですよ。尊いったらありゃしません。{/netabare}

{netabare}My turtledove,
Run and live
as Ange!

「アンジェとして生きて!」脱出用パラシュートに残されたプリンセスのメッセージも芸が細かい!{/netabare}



期待値を大幅に上回った良作でした。ご都合展開は当然あるしラストは急いで畳んだ感も残ります。
しかしながら作品から受け取るメッセージに共感できる部分が多く、マイナス要素は不問としました。要は手のひらで踊ったわけです。
大きな力に抗うかのようなさまは、『踊る大捜査線』の室井管理官と青島刑事との関係性に近いものを感じたりもして自分的にはどストライクな一品でした。お薦めです。



最後に、、、

{netabare}「カサブランカに白い家を用意したの」

 Casa(家) blanca(白){/netabare}

やっぱりこの作品はどこまでも洒落てました。




※以下自分用整理メモ

ほんとやめて~の時系列シャフル。
まるで2期前提かのような時系列ミスリード

#01 case13 Wired Liar
#02 case1 Dancy Conspiracy
#03 case2 Vice Voice
#04 case9 Roaming Pigeons
#05 case7 Bullet & Blade's Ballad
#06 case18 Rouge Morgue
#07 case16 Loudly Laundry
#08 case20 Ripper Dipper
#09 case11 Pell-mell Duel
#10 case22 Comfort Comrade
#11 case23 Humble Double
#12 case24 Fall of the Wall

空白のエピソードがあるのかないのか?

{netabare}時系列で整理すると以下のとおり。TV放送と円盤とで話順もちがっていてややこしい。

#02 case1 チェンジリング作戦始動 アンジェ転入 王女と接近 建造計画流出阻止
#03 case2 共和国紙幣原盤の回収作戦 Cボールまじ無双 ベアト融和的に
 ★A case3~case6★
#05 case7 ちせと残り4人との初対面 ちせさんマジ五右衛門からの十兵衛討伐
 ★B case8★
#04 case9 王国で“ケイバーライト”小型化成功 王女の身分利用でパーティ顔パス 
 ★C case10★
#09 case11 ちせ担当学園回 ちせ融和的に
 ★D case12★
#01 case13 亡命幇助(西→東)の話 キャラクター紹介
 ★E case14~case15★
#07 case16 共和国寄りの要人暗殺者の特定 洗濯工場潜入
 ★F case17★
#06 case18 王国外務省の暗号表奪取作戦 ドロシー担当潜入回 ベアトと一緒に死体漁り
 ★G case19★
#08 case20 重要回 アンジェとプリンセスの馴れ初め
 ★H case21★
#10 case22 委員長二重スパイ プリンセス暗殺指令
#11 case23 ゼルダ登場 お買いもので巻く
#12 case24 ラスト


虫食いは8箇所で12話分と見てとれる。劇場版で6編描くみたいなので楽しみにしとく。
間を埋めるエピソードなのか?case24以降を描くのかは不明。 {/netabare}

{netabare}想定はこちら↓

★A case3~case6★:どこかでプリンセス(王国側)とコントロール(共和国側)とでの合意事項を描いておく必要がありそう
★B case8★:case9での初潜入前にプリンセスのスパイトレーニング描写がないと不自然かも
★C case10★:チームの信頼を勝ち取ったプリンセスの後日談もしくはちせが客人扱いされて疎外感を感じる話が欲しい
★D case12★:五人組が相互に信頼を寄せあえるようになってからの初回。スカッとするようなチームアクション希望
★E case14~case15★:どっかでノルマンディー公の人となりの話がほしいな
★F case17★/★G case19★:1.王国(ノルマンディー公)への情報流出っぷり 2.クーデターの萌芽 ・・・終盤の展開から逆算すると説明不足だった箇所
★H case21★:いかようにでも・・・アンジェとプリンセス再開するまでを深掘りするのが無難。二重スパイを思いっきり悪役に描くとかヤク漬けにする鬼畜プロセス描写などもあり。{/netabare}



視聴時期:2019年7月~2019年9月 地上波再放送

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2020.03.11 追記

アンジェ役後任の古賀葵さん。まんまアンジェでした。劇場版も楽しみですね。

{netabare}「レビュータイトル『世界でいちばん熱い夏』っしょ?」{/netabare}

二重三重に隠した慎ましいボケを言い当てた○○さん、さすがです。
引き続き宜しくお願い致します。


2019.09.04 初稿
2019.09.27 修正
2020.03.11 追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 61
ネタバレ

HmFDB75691 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最終話&総評 傑作ではないが良作

このサイトのあてになるのかわからないランキングで1位になっていたので、見ることにしてみた。

第1話、第2話 いろいろ含みがありそうだけど
{netabare}
作画やキャラデザは文句なし。設定はやや複雑だけど、伏線をちゃんと回収して、ストーリーもそこそこ。注文をつけるなら、つづきが気になる終わり方をしてほしい。
絶賛するほどではないが、今期のアニメではいいほうだと思う。ゲームにはなってそうだけど、オリジナルかな。

西側が共和国で、東側は王国。王国のほうが強大なのだろう。アンジェたちは共和国側で、スパイとして王国側の学校に潜入中。
プリンセスは王位継承の順位が下のほうで、トップに立とうと奮闘中。そのためにアンジェに近づいた。だけど、アンジェとプリンセスは幼いときに知り合っていた……。こんな感じでいいのかな。

こういう展開だと、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってるんじゃないかって深読みしたくなる。アンジェとプリンセスの容姿が似ているのは、ただの偶然なのか、とか。

今後は、アンジェがプリンセスになりきって、王国に潜入する展開になるのか。でも、プリンセス自身がすでに肝が据わっているようにも見える。
いろいろ含みがありそうだけど、あまり期待せずに見ていきたい。
{/netabare}

第3話 主要キャラの背景を予想してみた
{netabare}
・アンジェ
プリンセスとは姉妹。東の王国側で生まれたが出生に秘密がある。命を狙われているため、西側に逃れた。王室の親族であるにも関わらず虐げられた経緯があり、王室を憎んでいる。
「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのはプリンセスというより、王室に対するもの。アンジェの目的はプリンセスと入れ替わり、プリンセスを消し去ること。だから、プリンセスに「一緒に逃げよう」と言った。

・ドロシー
二重スパイ。王国側のスパイで、コントロールの居所を探り、壊滅させるのが目的。成功したら金銭や地位を約束されている。裏で糸を引いているのはノルマンディー公。だけど、約束を反故にされたうえに命まで狙われる。結果、両方から追われることになる。

・ベアトリス
二重スパイ。共和国側のスパイで、プリンセスに接近し、さらに地位の高い人物を狙っている。ただし、彼女自身にスパイの自覚はなく、機械によってコントロールされたりする。裏で糸を引いているのはドリーショップ。

・プリンセス
女王になることでなく、ケイバーライトを消滅、または均等に分け与え、世界のバランスをただすのが目的。そのためには女王になる必要がある。

現時点ではこんな感じ。二重スパイはありそうだし、プリンセスも嘘をついている気はする。
アンジェとプリンセスの容姿が似ている点は、何度かセリフ等で出ているので、伏線の可能性は高いが、ミスリードかもしれない。
{/netabare}

第4話 とくにオチはなし
{netabare}
毎回、オチがあると思ったけど、今回はなかった。
王国は共和国のように小型化には成功していなかったけど、飛行戦艦は製造できて世界を凌駕している、と考えればいいのかな。飛行機あるならじゅうぶんだろって思ったりするけど。設定が複雑で把握してないとわからなくなりそう。

プリンセスが二重スパイとは考えなかった。ひねりがないから。あるなら、王国でも共和国でもない三重スパイか。
情報をリークした人物がわからずに終わった。最後にアンジェがドロシーをチラ見してたのが気になるけど。

ドロシーが二重スパイで王国側の命令で動いていると予想しているけど、ドロシーがプリンセスを二重スパイと疑うのは不自然か。二重スパイ同士、味方ってことになるから。ドロシーは共和国側の人間だけど、王国側に寝返っているという設定ならいいか。書いててわけがわからなくなってくる……。
{/netabare}

第5話 オチはわかった
{netabare}
車両を切り離すのはやりそうな気がした。映画ではよくあるので。切り離されたほうにいて車で追いかけたりする。オチもわかった。ちせを裏切り者と呼んでいたから。

わかりやすい話だったけど、面白かった。ちせのズロース(?)も和洋折衷でよかった。

わからないのは、なぜ、話の順番を入れ替えているのか。ややこしいだけで、それほどメリットを感じない。伏線なのか、変わったことをしたかっただけなのか。
{/netabare}

第6話 ドロシーのエピソード
{netabare}
よくある泣ける(でもないか)話。そんなことしゃべったらフラグ立つぞって突っ込んでいた。
もともとドロシーは王国側の人で共和国に逃げてきた。共和国のスパイになって王国に戻っている……でいいのかな。このアニメ、設定は複雑。

スパイらしい活動はしているが、緊迫感や緊張感が乏しい印象。
case18とする必要があるのか疑問。普通、第18話になったら、かなり話は進んでいると思うんだけど……。
{/netabare}

第7話 伏線?の回収
{netabare}
ちせが弾丸をよけたところが面白かった。それ以外は普通。オチもなかった。バッドエンドになりそうな雰囲気はあったけど。
前回(case18)の借金取りがまた出てきた。今回(case16)のエピソードのほうがさきになる。前回、ドロシーが借金取りを見てハッとなった伏線(と言うほどでもないが)が回収されている。

case1~case18まではキャラクターの裏事情のエピソードで、話はそれほど進んでいない気がする。
次回はcase19以上だと思う。1クールアニメならそろそろ結末に向かわなければいけないので。
{/netabare}

第8話 この展開はあると思った
{netabare}
最初のレビューで、アンジェとプリンセスは子供のころに入れ替わってると深読みしていた。ありがちな展開だけど、面白かった。これがないと、味気ない。

アンジェ=シャーロット(プリンセス)、プリンセス=アンジェ、でいいのかな。ややこしいので、いままでどおりで。
アンジェの髪の色が気になった。意図的に染めているのか。子供のころは金髪だったので、二人が姉妹の可能性も高くなったか。

第3話で、アンジェが「プリンセスなんか大嫌い」と叫んだのは、自分自身ということになる。このセリフが入れ替わりの伏線だった。アンジェの言っている黒とかげ星は、王国のことを指しているのかも。
いままでの話を入れ替えて見直すと、面白いかもしれない。
{/netabare}

第9話 ちせのエピソード
{netabare}
ほのぼのと始まり、ちせの決闘という展開。ちせのエピソードがあってもいいけど、もっとまえに入れるべきじゃないか。
前回の入れ替わりに繋がるところは、アンジェの表情に影が差したくらい。

スパイものとしても物足りない。仲間を見捨ててミッションをつづけるか、といった緊迫したものを期待していた。

これまでの話をcaseで並べてみる。

case01(第2話)プリンセスとアンジェの再会
case02(第3話)紙幣の原版ミッション、ベアトリスの声の秘密
case07(第5話)ちせが仲間になる
case09(第4話)小型化ケイバーライトミッション、リークは謎
case11(第9話)ちせの決闘
case13(第1話)王国の研究者を共和国へ逃がすミッション
case16(第7話)洗濯ものミッション
case18(第6話)ドロシーのエピソード
case20(第8話)プリンセス、アンジェの入れ替わり判明

なにかあるかなと思ったけど、なにもないなあ……。リークした人物がまだ謎のままだけど、たぶん、ドロシーだろう。
{/netabare}

第10話 終盤なのに意外と普通の話
{netabare}
ドロシーが関係するエピソードはバッドエンドになるなあって思った。
遊園地を絡めたオチはよかった。アンジェではなく、ドロシーに持っていくのはありがちな展開だけど、このアニメはうまく描いているので、ありがちだけど楽しめる。

一話完結として見ると秀逸ではあるが、全話で一つのストーリーと思って見ているせいか、ちょっと物足りない。せっかくの入れ替わりが生かせていない。次回は期待できそうではあるが。
{/netabare}

第11話 最終回を予想してみた
{netabare}
シャーロットが女王になって終わる。

これは普通にありそうな結末。
残り1話でアンジェがシャーロットだと説明する尺はない。簡単に済ませるにはこうするしかない。

現女王は、入れ替わりに気づいている。

身内なら当然である。気づいたなら放っておくはずがないので、

"チェンジリング作戦"は王国側が考えたもので、シャーロットを取り戻すのが目的だった。

この作戦を共和国に持ち込んで円滑に進める王国側の人間が必要となる。

それが、ドロシー。

ドロシーは王国側のスパイで、いくつもミッションを成功させてきた。現役のスパイなので、養成所もパスできた。年齢の謎も解決する。みんなドロシーに騙されていたというオチ。

問題はプリンセス。アンジェの気持ちを変えるため犠牲になる可能性大。プリンセスの結末がこのアニメの印象を決めるだろう。タイトルの「プリンセス・プリンシパル」はプリンセスのことかもしれない。
{/netabare}

最終話&総評 傑作ではないが良作
{netabare}
最終話はあっさりしていた。
"Fall of the Wall"はじっさいの壁ではなく、アンジェの心の壁というオチだった。
このタイトルなら、プリンセスかアンジェが女王になって壁をなくすと思うよ。
もう少しひねりのある結末を見たかった。残り1話では仕方ないか。
水着(?)のラストから考えると、このアニメはミッションインポッシブルでなく、チャーリーズ・エンジェルのほうなんだろう。


総評

作画、キャラデザは文句なし。ストーリーもさいきんのオリジナルのなかでは一番いい。とくに第2話(case1)がいい。入れ替わりがわかってから見ると違った印象になる。これで終わってしまうのは惜しい作品である。

ここからは不満点。
山場と言えるのは、入れ替えの第8話。終盤にかけてこれを生かしたなら、もっと面白いクライマックスになった。

チェンジリング作戦が主軸なのに実行されずに終わってしまった。アンジェを王室に潜入させて、色々ミッションをこなすほうがよかった。

ホームページに説明まであるのに、ほとんど登場しないキャラがいたりする。その一方で、ホームページで紹介されないキャラを終盤の敵役にさせるのはどうかと思う。

スパイらしい活動が少なかった。仲間をとるか、ミッションをとるか、といったスパイにありがちな展開もなし。

メンバーのなかに一人くらい二重スパイがいてもいいと思うんだけど……。アンジェがドロシーを疑うようにチラ見したシーンはなんだったんだ。case順に並べたダイジェストがあるので、そこでなにかわかるかも。

二期がありそうな終わり方だったが、あまり期待できない。それに全12話でうまくまとめたほうが傑作は生まれる。傑作になり損ねた良作というのが全体の感想。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

66.7 2 19世紀でイギリスなアニメランキング2位
英國戀物語エマ(TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (153)
948人が棚に入れました
19世紀末の英国。古くからの伝統への縛りと消えぬ階級意識の残る時代に一家の跡取り息子として育ったウィリアム・ジョーンズは、子供の頃に教育を受けた元家庭教師(ガヴァネス)のケリー・ストウナーの家を訪れる。
そして久々の恩師との再会は、新たな出会いをもたらす。ウィリアムはそこで働く家事使用人(メイド)のエマに恋をしてしまうのだった。

声優・キャラクター
冬馬由美、川島得愛、小林沙苗、うえだゆうじ、中西妙子

CountZero さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

英国が大英帝国だった時代に憧れる

森薫さんによる傑作恋愛漫画が原作です。
「エマ」といえば、18世紀の女流作家ジェーンオースティンの同名小説を思い出しますが、内容は全く異なります。
とはいえ、オースティンの「分別と多感」「高慢と偏見」、シャーロット&エミリーブロンテ姉妹の「ジェーンエア」「嵐が丘」などの恋愛小説で読んだ事のあるネタや、「ハワーズエンド」「日の名残り」といった映画で見覚えのあるシーンもちょこちょこ出てくるので、森薫さんの好みも見えておもしろいです。

この作品、ビクトリア朝全盛の19世紀当時のイギリスが建物や乗り物から、人々の服装や調度品、小物にいたるまできちんと描かれているので、イギリス好きは必ず満足できます。
なんと時代考証を担当している村上リコさんは森さんとの出会いがきっかけで、「英国メイド」と「英国執事」の図鑑まで執筆しちゃってますが、実はこれがなかなかにとっても良い図鑑なのでこれも結構おすすめです(笑)

で!本作ですが、アニメも原作コミックスと同じく、とにかく真面目になされている時代考証が本当に素晴らしい作品です。
黒髪にメガネっ娘のメイドさんが主人公とはいっても、巷にあふれる萌えキャラアニメとは全く違うので、そうゆうのが好きな方はご注意を(笑)
残念ながら安易なメイドさんによるエロカワイさは、この作品には皆無です。
そのかわり、ビクトリア朝時代のリアルな正統派メイド各種(仕事内容によって色々なタイプのメイドが出てきます)と、きらびやかな上流階級や貴族の女性たちにうっとりできます(笑)
基本的に主人公であるエマがメイドとして働くビクトリア朝時代の日常を丁寧に描きつつ、階級(クラス)違いの大人の恋愛を非常に真面目に描いた、大人向けのお話になっています。

20世紀に入って勃発した最初の世界大戦以後、本作で描かれているような英国の階級社会とそれに基づく伝統や習慣は基本的に崩れてしまったため、それ以前、19世紀末の大英帝国は、世界中に植民地を抱え、軍事的にも経済的にも隆盛を極め、イギリスがイギリスらしい伝統と文化を謳歌した歴史上最後の時代と言えます。
それゆえに、英国が大英帝国だったこの時代は本当に魅力的で、多くの人にとっていつまでも強力な憧れの的になっています。
そんな時代を舞台に繰り広げられる主人公エマとウィリアムの恋模様は、ベタな設定でもドラマチックでロマンチックです。

時代考証がしっかりしているのでイギリスが好きな方は間違いなく、憧れの文化と伝統にある意味「萌え」ながら(笑)、胸を切なく締め上げるような恋愛体験に浸る事ができること請け合いです。
もちろんそんな小難しい背景なんて抜きにしても、「青い花」や「マリアさまがみてる」の様な(これらは百合作品ですけど)冗談抜きの真面目な恋愛ものが好きな方や、ストーリー重視の方はきっと楽しめるはずなので、視聴をお勧めします。

大好きな作品なんだけど、お酒飲みながら書いたら何かよく分からない内容になっちゃった(汗)
まあとにかく素晴らしい作品なので是非!

あ、ちなみに第二期まで観ないと二人の恋の行方は完結しないので悪しからず(笑)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

英国ヴィクトリア朝時代の静かな大人の恋物語

舞台は19世紀末の英国、ヴィクトリア朝時代。
日本だと、幕末~明治の頃。

メイドのエマと裕福な実業家の息子ウィリアムの静かな大人の恋物語です。
1期と2期あわせて全24話。

原作は森薫さん原作コミック全10巻。既読です。
これを見たきっかけが、森薫さんの「乙嫁語り」を読んですごく面白くて、そういえばエマ見てなかったなぁと。。

森薫さんの作品の特徴として、その物語の時代の雰囲気が丁寧によく描かれていて、たぶんそういう時代ものがかなりお好きなんだろうなぁというのが伝わってきます。(作者のあとがきでもそんなことが書かれてました)

このエマも、ヴィクトリア朝時代の英国の雰囲気がとてもよく伝わってくる感じで、風景や乗り物、小物に至るまで丁寧に描かれています。

アニメもよく動いていたと思います。

OPもいいですね。
ビクトリア朝時代の英国の庶民の暮らしと上流階級の世界が描かれながら奏でられるピアノの曲。

劇伴のピアノも静かなこのドラマの心情をさりげなく盛り上げてくれて、しっとりした雰囲気を作品に与えていました。

エマが仕えている元家庭教師のケリーがいつもさりげなくエマを気遣ってくれてるいい人で、エマにとって彼女の存在はとても大きなものだったと思うし、結構好きなキャラでした。

エマやウィリアムはもちろん、ほかの登場人物の心の動きも丁寧に描かれていて、静かに恋物語は紡がれていきます。

こういうのって少女漫画的に甘々な展開になりがちだけど、この作品はほろ苦いビターな感じで、そんなところもすごく気に入ってます。

ただ、見る人によっては静かな物語なので、派手な演出が好みの方は少し退屈に感じるかもしれません。

上流階級の華やかな晩餐会を描きながら、その裏側のキッチンで忙しそうに料理を出す使用人の様子をきちんと描いてたり。
そういう細かい描写も好きでした。

丁寧な描写がとても心地よくて、惹きつけられ、じわじわと心に沁みてくる良作でした♡

でもね、ウィリアムに一言言いたい!
{netabare}プロポーズを軽々しくするな~!「こんな気持ちで結婚してしまったらエレノアさんに申し訳ない」って、そう思うんなら、愛おしく思ってますとか言ってプロポーズしちゃだめでしょ。
婚約披露パーティーまで開いちゃってからのエマと再開をきっかけの婚約破棄。
もうね、エレノアがかわいそうでかわいそうで。
個人的にはこのままエレノアと結婚してエマとは悲恋エンドでも良かったけど。{/netabare}

関係ないケド。。乙嫁語りについて
{netabare}時代はたぶん19世紀後半。舞台は中央アジア。そう、中央アジアなんです!こんなマイナーな地域を舞台にするなんてすごい!
そしてすごく丁寧な描写でその時代・地域の風俗・雰囲気を感じられて読んでて楽しいです♪
物語も森薫さんらしいビターなドラマ展開が面白いです♡
アニメ化してくれたら嬉しいけど、この作品をきちんと描くには2クールは必要だと思うので厳しいかな。。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

横浜ゆう さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

わかっちゃうのよねぇ

コレは私の中でリスペクトに値する作品。
多分、5本の指に入る最高傑作だと思います。

気に入ってしまって原作はすべて持ってます。
原作ではやはりアニメとは異なりますので、
気になる方は手に入れても悔いは残らないでしょう。

森薫さんのファンになり、エマの後の新作品である
「乙嫁語り」も所有してます。

物語はヴィクトリア朝時代のイギリスでのお話。
貴族文化がベースとなる時代です。
身分という階層に、かなり厳しいイギリス。

主人公のエマはガヴァネス(家庭教師です)を引退したケリーのもとで、
オールワークス(いわゆる何でもやりますメイド)として住み込みで働いている。

ある時、以前ケリーの教え子であるウィリアムジョーンズが突然来訪。
ウィリアムは、ハウスメイドのエマに一目ぼれしてしまう。

ウィリアムはジェントリ(下級貴族:男爵の下ですね)だが一応貴族の位。

一応とはどういう事かと言うと、

王の一族「公爵」←チャールズ皇太子はココ
地方の有力者「侯爵」
家臣「伯爵」←カリオストロの「痛み入るぜ!伯爵!」はココ
上級貴族「子爵」←キャンベル家はココ
地方の名家「男爵」
地主貴族「郷紳」←ジョーンズ家はココ
勲章受理者「ナイト爵:勲位」←貴族ではない

エマとウィリアムは互いに惹かれあい、
貴族とメイドの恋が始まる。

まぁ、時代背景だけに普通は火遊び程度なんだけど、
ウィリアムはもう真剣に結婚したいと思っちゃう純愛なんです。

森薫さんのマンガはすごく丁寧。
かなり下調べをされているようですね。
街並みや使用している物、当時がどの様な感じだったか。
ミューディーズ(貸本屋)とかね。

背景やその他の描写も鮮明に描かれているので、
当時の雰囲気を知るにはとても良い作品です。

詳しいあらすじは書きませんが、
エマとウィリアムの恋愛は本当に叶って欲しいと心から感じる。

本当に良い作品です。一度ご覧あれ。

森薫さん、素晴らしい作品をありがとう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

72.7 3 19世紀でイギリスなアニメランキング3位
黒執事Ⅱ(TVアニメ動画)

2010年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (807)
5009人が棚に入れました
19世紀後半、英国名門貴族トランシー家。若き当主アロイス・トランシーは生まれてまもなく攫われ行方不明となっていたが、漆黒の執事クロードとともに帰還した。クロードはアロイスに絶対的忠誠を誓っており、広大なトランシー邸の一切を切り盛りしていたが、名前以外はすべてが謎に包まれていた。
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

好敵手の出現で1期より見応えがあった

レビューを書くにあたって少し前に1期、2期を通して再視聴したが、
実は僕の場合、「黒執事」を初めて観たのは2期を放送中だった頃の3話からだった。
そのせいもあってか、2期のほうから先に好きになった作品なので、
原作ファンの方とは、だいぶ観方や感想が違っているかもしれない。

というのもこの2期、原作でも1期でも主役であった執事セバスチャンと
その主、シエルの対抗相手として、原作には無関係の執事・クロードと
その主・アロイスが登場し、物語もオリジナルだったからだ。
で、1期を観た上で思うのは、2期のほうがメリハリあって個人的には楽しめた。
でも2クールかけた1期でのセバスチャンの有能さと、シエルとの信頼関係や
細かな設定、人物関係を観ていないと、1クールで終わってしまう2期に
感情移入しにくくなるので、当然1期を観ておくことはオススメ。

ちなみに1期、2期ともシリーズ構成は岡田麿里。
監督、美術、色彩設定のスタッフは変更になったため、違いは随所に見られた。
どちらが良いとか悪いとかは人それぞれ好みもあると思うけれど、
全体的に観て、1期は日常系的な要素のほうが強く、コミカルなシーンも多かったが
2期は笑える部分をかなり抑えてバトル色を濃厚にし、心理描写はさらに細かく深くなっていた。

個人的にキャラデザはクロード&アロイスのほうが好みだったりして、
オリジナルの新キャラであるクロードを、とことん冷ややかな策士にし、
アロイスの傲慢さとしたたかさ、その裏にある孤独や、絶望感と哀しみを
彼の過去とともに描くことで、1期では感じづらかったシエルの正統派お坊ちゃんの
高貴さが浮き彫りになったし、セバスチャンのちょっと人間味のある愛情や甘さも見えて
奥行きを感じ、特に後半は感情移入しやすかった。

OSTのほうは1期同様、ストラヴィンスキーやマーラー、ヴィヴァルディや
ショパンなどのクラシックをモチーフにしたような曲や、
エニグマのようなグレゴリオ聖歌をベースにした曲がいいタイミングで挿入され、
クールな外見に似合わないド派手なアクションや、
エキセントリックな内面を垣間見せるクロードの動きや、
アロイスの歪んだ人間性を哀しげに見せることに成功していたと感じる。

一方、セバスチャンとシエルのほうは、1期の最終回のその直後がどうなったのか
中盤で描かれており、あぁなるほどそういうことだったのかと納得はできた。
そしてセバスチャンがなぜシエルに固執するのか、その理由もよくわかる。
また、それをクロードやメイドのハンナが察知して企てる数々の
エグい展開はなかなか見応えあったし、これでこそ{netabare}悪魔{/netabare}
と満足できた。

特に9話以降は緊迫感で張りつめ、目が離せなくなる。
{netabare} あくまでも悪魔は悪魔ということか。{/netabare}
ラストに対しては賛否分かれそうだが、僕的には2人のひとつの道筋として
そして、実際あるかないかわからないけど3期を期待できる結び方だったかなと。

それにしても、契約を遂行する忠実さは良しとして、悪魔だろうが人間だろうが天使だろうが
やはり女性の持つ母性愛に適うものはないのかもなぁと、しみじみ感じる2期だった。

ちなみに、あにこれでは別作品として登録はされていないが、
この「黒執事」6話あるOVAがすごく面白いのでオススメ。
不思議の国のアリスをモチーフにした物語があったり、ファントムハイブ家を案内してもらう形で
屋敷内のさまざまな場所のことがわかったり、『黒執事』をハリウッド映画に仕立て上げ
オールキャラが俳優としてインタビューに答えたりするのも笑える。
死神たちの裏側のこともちゃんと描かれてたりして、それも楽しいのだが
一番心に残ったのは、アロイスを主人公にした6話の「蜘蛛の意図」
愛情を渇望する彼の痛い心が、2期を観終えた後だとなおさらせつなく。
そして悪魔に関しては、「悪魔としての悦びは悪魔としての苦しみの先にしかない」
って意味がよくわかる話だった。
もちろん、1期2期を観てないと設定や関係がつかめないので観終わってからが前提。

声の出演は以下の通り。

セバスチャン・ミカエリス : 小野大輔
シエル・ファントムハイヴ :坂本真綾
フィニアン : 梶裕貴
メイリン : 加藤英美里
バルドロイ : 東地宏樹
タナカ : 藤村俊二
エリザベス・ミッドフォード : 田村ゆかり
劉 : 遊佐浩二
藍猫 : 矢作紗友里
ドルイット子爵 : 鈴木達央
アバーライン : 菅沼久義
葬儀屋 : 諏訪部順一
グレル・サトクリフ : 福山潤
ウィリアム・T・スピアーズ : 杉山紀彰
アロイス・トランシー : 水樹奈々
クロード・フォースタス : 櫻井孝宏
ハンナ・アナフェローズ :平野綾

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

復讐と陰謀に絡めとられた少年の、気高き魂の行方は。

つい先日、黒執事が連載15周年を迎えましたね♪
おめでとうございます^^

1期で物語が完結したと思っていましたが、
これは1期の続編となっています。

原作とは関係のないアニメオリジナルキャラクターが、
もう一人の主人公として新しく登場しています。

全12話です。


● ストーリー
イギリスの名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家。
その当主はシエル・ファントムハイヴ。

まだ幼い当主の彼には、
有能な執事、セバスチャン・ミカエリスがついている。

料理、掃除、身の回りの世話まで、
なんでも彼一人で一流にこなす。

完璧すぎる彼に周囲は驚き、
そんな周囲に対してセバスチャンは冷静に告げる。

「私はあくまで、執事ですから」
「ファントムハイヴ家の執事たる者、このくらいできなくてどうします?」


初めは1期の終わりとのつながりが見えず、
時系列や世界線がわからずに混乱しましたが、

とりあえず1期と同じ、
いつも通りなシエルとセバスチャンの日常。

たとえピンチのオンパレードでも、
セバスチャンにかかればなんともなし。

なんでもできすぎて、もう何ができても驚かないよ。
笑ってしまうけど。笑

ただ解決するだけじゃない。優雅に、気品よく。
伯爵家の執事なのですから♪

5話あたりで、
1期からのつながりとシエルの現状がはっきりと語られました。

2期の大きな特徴としては、トランシー伯爵家の当主であるアロイス・トランシーと、その執事であるクロード・フォースタスが登場します。

この二人はシエルとセバスチャンと同様の関係。
つまり、悪魔とその契約者です。

つらい過去を持つアロイスという人物について。
それに加え、シエルを巡るクロードとセバスチャンの争いが2期の見どころとなっています。

2期もお話はきれいにまとめられていますが、
私は1期の終わり方のほうが好きだったなあ。

2期の方がハッピーエンド色は強いので、
こちらの終わり方のほうが好きだという方がいるのもわかります。

2期の終わり方がセバスチャンにとって幸せなのか不幸なのか、
どちらで捉えるかでも、変わりそうですけどね。

1期で十分物語としてまとまりがあったのに、
わざわざ2期を作ったのは、やはり人気があったから?

オリジナルキャラを用意して、
物語にもそれなりに見ごたえはありましたが、

私の中では“おまけ続編”という印象でした。

1期の美しいラストを覆してまで製作されるべきものだったのかは、
やや疑問が残っています。


● キャラクター
1期に引き続き、
シエルとセバスチャンの関係は安定です。

偉そうでわがままなシエルの要求に、
完璧に答えていくあくま(悪魔)で執事なセバスチャン。

シエルの周囲の人たちも、
シエルを愛していて、温かいです。

対して、
2期で登場したアロイスがひどい…。

彼の生い立ちを知ると仕方がないと思うところはあるのですが、
彼の乱暴でわがままな性格がどうも好きになれませんでした。

彼と比べると、
シエルが優しい人に見えるから面白いですね。

普段はぶっきらぼうなシエルの優しさが、
はっきりと浮かび上がってくるw

新執事のクロードは眼鏡イケメンキャラでしたが、
私はセバスチャン派でした。

2期で天使なのは、
アロイスの弟のルカだけです。

ルカの笑顔、可愛すぎる…。


● 音楽
【 OP「SHIVER」/ the GazettE 】

1期と似た雰囲気のOP。

ヴィジュアル系バンドの曲、
この作品には合いますね^^


【 ED「Bird」/ 松下優也 】

OPとは反対に、
こちらは優しい曲。

包み込む愛を連想させます。

包み込まれているのは、
シエルなのか、アロイスなのか…。


【 特別ED「輝く空の静寂には」/ Kalafina 】

最終話など、山場となる回で使われたED。

私はこの曲が一番好きでした。


● まとめ
セバスチャンのイケメンさとありえない芸を楽しむのが、この作品のユニークポイントであり、

シエルの復讐に関わってくるところがシリアスポイント。

このユニークさとシリアスさのバランスがよいと思う作品ですが、
今回はシリアスの方にやや傾いていたように感じます。

もちろん、ユニークポイントもちゃんと描かれていて、
そこは楽しませてもらいました^^

原作を読んでいないのでアニメでのみの印象ですが、
この作品は1期で満足かも。

1期だけでは物足りない、もっと見たい!という方に向けた2期かなと思いました。

3期は2期とはつながりがないようなのですが、個人的にはその方が楽しめそうなので、そのうち3期も見てみたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ・・そして、OVAは最高だったのである・・

1期に引き続き~なんて思いきや、
1話を観てみると・・「シエル&セバスチャン」が出てこない(;゚Д゚)
いきなり始まる「謎の執事と、謎の少年」の話。
しかもグロ健在?むしろひどくなってない?
「謎の少年」がメイドを目潰し!(σ´∀`)σ(*□*;)ギャ
これは・・完走出来ないかもしれない・・
と思いきや、颯爽と登場セバスチャン♫
やはり主役は変わらない事に安心し視聴継続しちゃって下さい♪

そうなのです、2期からは新しく「トランシー家」が加わります!
なので1期の「裏家業」とは違い、
「トランシー家」との話が中心になります!
トランシー家の当主「アロイス」・(あくまで)執事「クロード」
は執拗に「シエル&セバスチャン」を狙います( >_[・]) ロックオン
それは何故か・・という所がみどころになって来るのではないかと・・
しかしっ、やはり私が一番に楽しみだったのは、
オカマ死神「グレル」とセバスチャンの掛け合いですかねw
いや~何度観ても飽きないわぁww
\(・д\)ソレハ(/д・)/オイトイテ(グレル再度登場しますので・・w)

そして、注目すべき所は普通なら見逃す「アイキャッチ」
それぞれのキャラがタロットカードを正位置と逆位置で持っているのが印象的でした☆
カードの意味=ストーリーになってるようで、
詳しい方はそこも注目してみたら面白いと思います!

そして次回予告が面白いですね(・∀・)ニヤニヤ
セバスチャンが甘ぁーい声で色々やってくれます!

今回の新キャラの声優、
アロイス役には「水樹奈々」サン。個人的には・・合ってなかった・・かな。
クロード役は「櫻井孝宏」サン。
「イエス ユア ハイネス」が某ギアスのスザクとかぶったのは私だけ?(´・ω`・)エッ?w

1期と違い12話完結で完全オリジナルストーリー
なるほど・・って感じでした。
何で作ったんだ?とまでは言いませんが、
無くても良かったとは言えます・・
3期があってもおかしくないような終わり方。
私はあの終わり方には満足行きませんでした!
「あくまで私の意見ですが、ね|ω・`)」

しかーし、ここで終わらないΣ(*´∀`*;)ドキッ!!
私はレンタルで視聴したのですが、
OVAが収録されていて、ある意味そっちの方が面白かったとも言えます♫

①「シエル イン ワンダーランド(前・後編)」
黒執事版「不思議の国のアリス」ですね~☆
アリス=シエル・衣装が可愛すぎるぅ~(*´ω`)
白ウサギ=セバスチャン・うさ耳(*´ω`)
チシャネコ=グレル・猫耳(*´ω`)
他キャラもたくさん登場!黒執事の注目どころ、衣装が可愛すぎる作品です♥

②「ファントムハイブ家へようこそ」
うぉーーーーーー(゚∀゚)これは自分がファントムハイブ家へ行った感覚になれます♪かわゆいエリザベスのお友達として☆
セバスチャンが手を取ってくれます、シエルが歓迎してくれます、
ソウマに「可愛い」と言われます・・しかし、私には「ある計画」があるんです・・・

③「MAKING OF KUROSHITSUJI2」
黒執事の裏側・・登場人物達が役者のように私服でインタビューをうけたり、NGシーンだったり、グレルが「スッピンを映さないで!」と怒ったり、TVショッピングだったり・・アニメなのに、アニメじゃない・・こういうの好きです(。◕‿◕。)

④「死神ウィルの物語」
事前情報あったので、ウキウキで視聴♪
ウィルとグレルが新人死神に死神派遣協会を案内しながら
2人の過去をご紹介☆
こんな初々しい時期があったのか(*´∀`)
そして、メガネ課?死神にはメガネが必須アイテムらしいです♫

⑤「蜘蛛の意図語」
・・トランシー家の人物紹介?
とりあえず、使用人の3つ子が笑えます( ゚∀゚)アハハッ

Ⅱに満足いかなくても、これを観ればきっと満足出来るはずですよー!黒執事ファンなら是非♥

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

72.2 4 19世紀でイギリスなアニメランキング4位
憂国のモリアーティ(2クール目)(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (166)
755人が棚に入れました
「憂国のモリアーティ」は、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案とし、集英社「ジャンプSQ.」にて連載中の⼈気漫画(構成・竹内良輔、漫画・三好輝)。シャーロック・ホームズの宿敵・モリアーティを主人公にした、犯罪による革命の物語だ。コミックスは2021年1月時点で1~13巻まで発売、累計発⾏部数は400万部を突破している。2020年10月から12月までTVアニメ1クール目が放送され、2021年4月より2クール目が放送予定。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹、安元洋貴
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

前半に立てた仮説と検証

分割2クールの後半

原典のホームズVSモリアーティの対立構図を踏まえ、適度に煽りながら後半お楽しみに!と良い引きだった前半最終回。たぶん多くの人がそのまま後半に流れていることが予想される期待の作品です。

結果、

 うまいこというね~ …止まり

“唸る”と“うまいね~”の違いってあると思うのです。後者はなんかうまくまとめたでしょ?って向こうに若干ドヤが入ってる感じ。心に余裕ない時に観るとイラっとくるかもわかりません。
結論ではなく途中途中で「ちゃんとしたごしらえしてたら輝きそうなのに」と思えるネタがいくつか。

{netabare}切り裂きジャック キターとか
ジェームスボンド キターとか
フランス革命をイギリスが仕掛けたとか …あ、これパーマストンならやりかねんな{/netabare}

命題は階級制度へのアンチテーゼ。その処方箋にモリアーティの選択した手段が“犯罪”でした。
さてその階級制度打破についてなにかしら答えが出たがどうかは観てのお楽しみですけど、全くの広げっぱなしでノー回収ということはなかったので安心してください。

少しレビューらしいことも書いときます。
ホームズVSモリアーティでのスリリングな知恵比べに手を汗握った前半1クール。ここがそのまま続いて深化していくかと思いきやそうはなりません。“実はアプローチが違うだけで似た者同士な二人”な共闘関係と取れる描写が増えていきます。
いったん提示されてた視点の変更を余儀なくされるわけでして、スムーズに移行できるような手を打ってほしかったと思います。ここが弱い。説明不足ということです。

なので冒頭に触れたように、うまいこと言ってるように見えるだけの納得感に欠ける結果に。とはいえつまんないとは違うんだよなぁ。



※ネタバレ所感


■前半でたてた仮説についての検証(っぽいもの)

元ネタは前半クールのレビューに書いてます。
社会構造を改善ではなく破壊(革命)によって現状変更を試みる場合、ろくな未来は待ってないだろうよ、ということです。モリアーティ一味がそのうち手段が目的化して労働階級の人間にも手をかけることになるだろうとも予想しました。

{netabare}見落としてるかもわからんけど、労働階級には手を出して無かった気がする。予想外しました。
ろくな未来が待ってないことは私じゃなくても予想するに易いですけどこれも外してると思います。
なんか収まるところにいい感じで収まってましたね。なーんだ、つまんねーの、ちっ…{/netabare}

それでも期待のあの人はしっかりやらかしてくれてました、なコレ↓
{netabare}火をつけちゃだめよね。
予想というか行く末を気にしていた登場人物の一人モリアーティ家の長兄。ガチの貴族で善意の思考停止マン。大英帝国の近衛文麿/西園寺公一と言えるあの人は案の定ダメンズでした。火を放ったのはコイツです。多くの守るべき労働者階級を危険に晒すというところまで文麿仕様というのに強い説得力がありました。

さらに ※最終回のネタバレあるのでさらに隠しときます。
{netabare}手を取り合ってバケツリレーってのがお花畑全開です。
違う階級同士手を取り合っての美談扱いということですけどまさにこれが茶番。火付けは物理的破壊行為となりますが国民生活の破壊という意味でのメタファーになってます。ほら、経済を回らなくする/社会不安を煽る/その他国民を困窮させる行為全般とかね。そうすると現体制に不安が溜まって革命が起こるって寸法ですが、はた迷惑な話ですし、それまで破壊しかしてこなかった連中が疲弊した国民を統治するなんてできるわけありません。断言してもいいです。
アニメのように物理的な破壊なら傷は浅いかもしれません。ただしやっちゃだめよね。門を開けない貴族に文句言う前にお前らが火をつけなきゃいい話だろってのを忘れてます。

 ・民が困窮すればワンチャンあると本気で思っている輩 
 ・そうやって実際に放火して罪をなすりつける輩

現実でもよくあることなので騙されないようにと自戒する機会を与えてくれた佳作です。{/netabare}{/netabare}


追伸
壮馬さんのキャッチミーイフユーキャンの発音がなんかこそばゆい



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.07.07 初稿
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

僕にとっての盛りあがりって(1クール目)

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
いや、ダジャレですけど(笑)

2期も悪くはないけれど、やっぱり1期の方が面白かったなと。

ていうか、圧倒的に尺不足ですね。三期か劇場版があったら、もっともっと面白くなっただろうに、勿体無さ過ぎる。逆に、原作読みたくなっちゃうパターンですね(笑)

レビューでは、本作を見て物足りなく感じたことを。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
1話1話は結構面白く、特に、子供時代の裁判の話と、清廉潔白な議員を殺人犯に仕立て上げる話は刺激的だった。ジェームズ・ボンドのチート能力は、本作をファンタジー側に寄せすぎ、微妙だった。

本作を1期に比べて低評価をつけたのは、「性急」ということだ。

本作の見処は、モリアーティが犯罪卿として引き起こした犯罪が、どのようにイギリスを変えていくかというところだったが、そこが全然腑に落ちなかった。

最後に、モリアーティは「準備は整った」、ホームズが「全部繋がっていた」と言っていたから、そうなんだろうけど、そんな描写、あったっけ?

バラバラだった事件が繋がり、1つの結末に向かっていくことを期待していたのに、実際に描かれたのは、犯罪卿チームの格好よさや、ホームズとモリアーティの友情、刺激的な事件がメインで。

それはそれでエンタメとしては面白かったけど、本格ミステリーを期待したこちらとしては、やや肩透かし。

おそらく、この辺は原作ならちゃんと丁寧に描かれているのだろうなとは感じた。

最後も、キレイなラストではあったけれど、本作の場合、せめて生死が不明くらいの曖昧な感じの方が似合っていたと思う。

事件がイギリスを徐々に変えていく様。自身の悪事に耐えられず、徐々に死を望むようになるモリアーティの苦悩。正反対の立場で奇妙な友情を徐々に深めていくモリアーティとホームズ。

やっぱり全てが尺不足だった。好きな作品だっただけに、残念感が残った2期だった。原作買おうかな(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、新キャラ。兄貴か。その男装を見抜けないホームズじゃないだろ。

2話目 ☆3
フランス革命をイギリスが主導。そりゃ大事件だよな。

3話目 ☆4
犯罪卿チーム、格好良いよな。そこでジェームズボンドかい。

4話目 ☆4
ボンド、恐えよ(笑) ジャック・ザ・リッパーも仲間に(笑) なんか、エンタメ強くなってきたな。

5話目 ☆3
その狙撃の腕前は、やりすぎじゃないかな汗

6話目 ☆3
なんか、チート過ぎるんだよね、ボンドも。

7話目 ☆4
過去回想ね。孤児院から騙し取るとかね。随分公正な裁判だな。

8話目 ☆3
劇場型選挙。目的が達成できれば、手段や誰がやるかは問わないと。清廉潔白。

9話目 ☆4
心折れるか、復讐に向かうか。本質的な悪。議員に殺人を起こさせるまでの犯罪。理性で踏みとどまり、衝動的に殺人を犯す。死ぬことまで覚悟させるか。

10話目 ☆3
久々にホームズサイド。なんか、本筋から外れているよな。

11話目 ☆3
なかなか刺激的だが、ちょっと急ぎすぎの展開。この流れは、(あれば)三期で良かった気がする。

12話目 ☆3
この展開で、もう死にたいってのは、なかなかに斬新。キレイに終わったけど、う~ん。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

Moriarty the Patriot

この作品の原作は未読ですが、TVアニメの第1クールは視聴済です。

今回が2クール目なので、あらすじは1クール目と重複することから割愛します。

この作品のタイトルである「憂国」とは、「国家の事をうれえ、何とかしなければならないと心配すること。」という意味があります。
ところが、作品名を英訳すると「Moriarty the Patriot」となりますが、「Patriot」は「愛国者」という意味なんですよね。

モリアーティーの一連の行動原理が「現状の打破」であることは言うまでもありませんでしたが、その根底の「愛国心」が見て取れたかと答えはクエスチョンです。

幼い頃より非凡な才能を発揮してきたモリアーティーでしたが、その才能が発揮されるのは家族のためと仲間のためであることが殆どでした。
その理由は幾度となく迫害を受けていたからにほかなりません。

モリアーティーらを襲った辛く苦しい立場は一度や二度ではありませんでした。
そんな国家に対して愛情を持つことはできるのでしょうか。

例えば、現代社会においても色々と腐敗している面はあると思います。
私は、モリアーティーの様に社会から迫害を受けたことはありませんが、だからといってその腐敗した社会を自分で変えられるとは思っていませんし、そもそも求められてもいないと思います。

そこまで高い意識を持ち合わせていないから…なんでしょうね。
そもそもそこまで愛国心があるかと問われると微妙ですし…
日本人に生まれて良かったとは思いますけれど。

だけどモリアーティーは立ち上がりました。
最初は誰からも求められてはいませんでしたが、それでも立ち上がって進み続けたのは、やはり愛国心からなのでしょうか。
少なくても、私よりモリアーティーの方が国を愛しているというのだけは分かった気がします。

物語の方はモリアーティーの冴えわたる機転によりトントンと展開していくのですが、一方ホームズ陣営は少しモヤモヤして展開だったような気がします。
そりゃ、全ての駒はモリアーティーの策略の盤面上で動かされていたのですから仕方無かったのでしょう。

その分、後半にホームズ陣営が盛り上がりを見せた時には「これで一世一代の大勝負」が見られるとワクワクが止まりませんでした…
が、終盤の展開が想像以上に早く、あっという間に終幕してしまった気がしてなりません。
全ての準備が出来るまでの尺も短ければ、大勝負も呆気なかった…と言っても過言ではありません。

だって、同レベルの知性がぶつかり合うんですよ…
もっと尺を取って丁寧に描いて欲しいと思うじゃありませんか。
もちろん、今回の作品に限って言えば丁寧に描かれていたと思います。
ただ、尺が短く感じたのは否めませんでした。
きっと、それだけ2人の真剣勝負を楽しみにしていたからだと思うですけれど…

オープニングテーマは、畠中祐さんによる「TWISTED HEARTS」
エンディングテーマは、STEREO DIVE FOUNDATIONさんによる「ALPHA」
個人的にはエンディングがお気に入りでした。

1クール全12話の物語でした。
原作は未だ連載中のようなので、ラストはアニオリだったのでしょう。
着地点としては悪くないと思いましたが、もう少し尺を増やしてホームズ vs モリアーティーの戦いを濃厚に描いて貰えたら、なお良かったと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

67.9 5 19世紀でイギリスなアニメランキング5位
小公女プリンセスセーラ(TVアニメ動画)

1985年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (108)
446人が棚に入れました
バーネットの『小公女』が原作の「世界名作劇場」シリーズ第16作。“いじめ”が問題となる世相を反映し、本作では大富豪の令嬢から使用人へと転落した主人公セーラの受難の日々を描いた。ロンドンのミンチン女学院に入学した資産家の娘セーラ。だが突然の父の死のため身寄りも財産も無くなった彼女に対し学院側は今までの態度を一変させて、セーラを使用人として扱うのだった。使用人仲間のベッキーたち一部の人々に支えられつつ、セーラは必死に生きる。

声優・キャラクター
島本須美、山田栄子、一龍斎貞友、中西妙子、八百坂万紀
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

胸の奥にこの花あるかぎり…その6 (完)

観てたなぁ。子供の頃。
〜お金持ちのお嬢さんが没落して、陰鬱な目にあいながらも健気に耐えて、最後は逆転倍返しハッピーエンド〜 だったよなぁ確か、と、何回目かの再放送をしているのを見かけたので見た。

暗い話だから、色彩設定だけは明るくしたかったのか、すっとんきょうなビビッドカラーがあちらこちらに。目が痛いよセーラ。
こちらも今回は顔文字多めでお送りします。ネタバレ開くとそれぞれ長いです。


*召使いなるかそるかのお話
{netabare} すでに没落化しているセーラ。
寄宿舎でお手伝いさんになっている、元特別室の生徒、セーラ。
お手伝いさん仲間は優しい。かつて親しかった友達や、町で出会うなじみの子達やお店屋さんの大人達も、セーラの行く末を心配げに見守り、応援している。

高飛車なお嬢様キャラが、セーラを目の敵に。かつてのみんなの憧れの的がこき使われるだけでなく、彼女が持っていたもの全てを自分のものにしなくちゃ、気が済まない!!幸い、セーラんとこと違ってお父様のお仕事は順風満帆。アタシの時代がきたんだわ!攻めていくわ!o(`ω´ )o

ある休日、特別なお客様のための準備や掃除にセーラは奔走する。「特別室に入る生徒」がやってくるらしい。かつて自分の過ごした優雅な特別室に、自らの足で買いに出たお花を美しく飾るセーラ。
やがて、例のお嬢様とそのお父様、スネ夫のママンみたいな「ざあます」お母様もノリノリでやって来た。

(`ω´ )「今日からわたくし、ここで暮らすことになりましたの。それでね、お父様、お願いがありますの。わたくし専用のメイドを付けてくれませんこと?そこにいる…セーラがいいわ。」

宿舎のセンセイ
(゚o゚;「そ、それは…その…、モゴモゴ、聞いてみませんと…」
頼りにならないセンセーイ( ;´Д`)
(゚o゚;;「セーラ、あなたの、気持ち次第なんですよ。嫌なら、断わっても構わないんですよ…」

お嬢様のパパ
(^ω^)「そうだな!本人に聞かなくてはな。どうかな?うちの娘のメイドになってはくれないかな?」
そんな〜目の前で迫られたら断わりづらいよ〜ヽ(´o`;

ああ、憐れセーラ、こうして芋づる式に、苛烈な奉公が始まるんだ…あんな事やこんな事を…(/ _ ; )


ときっと誰もが思った時。セーラの放った言葉は。
さあ、あなたなら何と答える?!

(´-`)「 {netabare} お引き受けします。


もしも、もしもお嬢様が…
かつての級友を召し使いにと、そうお望みと、仰られるのならば…。 {/netabare} 」

ハッと言葉に窮したパパ。
身を翻すと、お嬢様のもとへツカツカ…パッシーン!!

えーーーΣ(・□・;)

( *`ω´)「知らなかったとはいえ、なんと恥知らずなことをする所だったんだ。おまえに召し使いはまだ早い‼」
「そんなァ、おとーさま〜(つД`)」

あれ?いじめ一直線じゃないの?
なんという機転のきく堂々とした回避でしょう。セーラの誇り高さに軍配が上がった!

しかも夜半に皿洗いしながら
(´-`).。oO「わたし、気が回らなくて、あんなきつい言い方しか考えられなかったの…ダメね…」と内省する素振りすら見せる。すごいよセーラ…。

記憶の中の小公女セーラって、かなり受け身な印象になってしまっていたけれど、結構やるもんだなあと見直した回でした。

しかししかし!
意地悪小娘ごときに運命の歯車は回させやしないとばかりの、怒涛の不運攻撃はこれからだったのだ…。 {/netabare}



*空腹の空想のお話
{netabare}

厨房にいるコックと下女が、顔つきもゴテっとしているんだが話し方も言う事も素っ気なく、セーラに対して優しくないんだ。
ある日のセーラ、お使いに行って帰ってきたらお小言を喰らう。

(♯`∧´)「どこで道草食ってたんだい!今から使ったんじゃ間にあいやしないよ!」

(._.)「ごめんなさい…あの、靴が壊れて歩けなくなってしまって、直してもらっていたものだから…」

(♯`∧´)「言い訳するじゃないよ!まったく、夕飯は抜きだよっ!」

メイド仲間(゚O゚)
「そ、そんな…セーラ様は、お昼ごはんも抜きだったんですよ…」飯抜きは日常茶飯事なんでしょうか。飯だけに。

コソッ(( (^_-)「セーラ様、残りパンがあります。紅茶に浸して食べてください。」(´-`)「ありがとう…」

地獄耳→(♯`∧´)「そこの残ったパン!始末しちまいなー!」

Σ(゚д゚lll)(´-`)「そんな…っ!」

夜半。皿洗いで夜は更けて。くたくたになって屋根裏部屋へと上るセーラには、暗い階段が長い長い急坂のよう。
やがて抜き足差し足、廊下を忍ぶメイド仲間の姿があった。
(^_-)ウフフ「セーラ様への差し入れのミートパイを作って差し上げたわ。きっと、お腹が空いて眠れないでいらっしゃるでしょう。コッソリお届けしよう…」

ガチャッ(`_´)ゞ院長
「何をやっているんです?それは何ですか!」

Σ(゚д゚lll)「はわわわ…これはソノ…アメリア先生が、いつもお夜食をと、今夜も頼まれているのですぅ〜。」

W(`0`)W「うそをおっしゃい!!アメリアは今夜は親戚の家で留守です!誰に頼まれてそんなもの作ったんです!さ、言うんです!」

(>_<)ヒィェー「あのっ、わたしが、食べようと。お腹がすいて…本当ですぅ〜」

W(`0`)W「んまーっあきれた!おまえのようないじきたない子は許す訳にはいきません!」

→ミートパイは寮長が没収、寝床で食べてむせる!ムゴッ(◎×◎;)

セーラの元へ来たメイド。
そこには、かつて仲良く過した級友2人もベッドを抜け出し、談笑しにきていた。
(´・_・`)ぶたれた頬をおさえ、何も差し入れられない非力さを謝るメイド。
級友は、セーラたちが腹ペコだと、彼らの無下な扱われ方を想像だにしてこなかったことに気づいた。その配慮の無さを詫び、クッキーを取りに部屋へと戻った。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌( >人<)┘そーっと!
ここはミンチン学院伏魔殿。クッキーを手に再び部屋を後にした姿を見守る、禍々しい影 |-| があった…。

屋根裏部屋の女子会はじまる。
皆で食べるせっかくのクッキー♡
テーブルを飾って、心ばかりのお食事会を開きましょうよ。
セーラのテーブルセッティングにみんなもノッてきて、いろいろ工夫をほどこします。
(=´∀`)人(´∀`=)人(=´∀`)人(´∀`=)
ストールをひいて、華やかなナプキンの代わりに紙を並べて、ハンカチを織り込んでかざって、ほら花束のようじゃなくて?まぁ素敵ー!
*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)''(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*
おままごとしてないでさっさと食っちまえば良かったんだ。そんなことはみじんも考えず、ただこの親しい者たちと善意に満ちた夜を分かち合い、味わい尽くしたくて、終わってしまうなんて考えたくもなくて、セーラの楽しい妄想は暴走。

*・゜゚・*:.。..。.:*・(´-`).。oOよくって?ここはヴェルサイユ宮殿の大広間よ。間も無く招かれた貴族たちがやってくるわ。

(宮廷の侍女になりきろうと慣れない想像をするメイド友(~_~;)、プルプル具合に笑いがおこる。みんなすっかり宮廷気分、画面描写も宮廷風味に埋没。)

テーブルの上にはたくさんのお皿、温かなお料理が盛り沢山よ。
お料理を載せてあるお皿は、全て金でできてるの。床にはフカフカの絨毯。天井にはシャンデリア。私達は美しい侍女なのよ。さあ、大広間のほうへ。上は丸天井、吟遊詩人の歌う舞台があって〜、美しいろうそくのあかり…かしの木の燃えている大きな炉もある…
おつきのものたちが分厚い扉をひらくと、さあ、国王とマリーアントワネットが現れるわ…!
*・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.・*:.。. .。.:*・゜゚・*

ギギギギギィ…

バターー[ \(♯`∧´)/ ]ーーン!!

「なーにをしているんです!!あなたたちィ!!」
強烈な後光とともに登場したのは、ある意味この宿舎の王女、ミンチン院長。

Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(゚д゚lll)Σ(´-`)光速でユメから醒める四人

ψ(`∇´)ψ背後でほくそ笑むのは、セーラを敵視するお嬢様。リークしてやったり!あたくし、寝たふり得意でしてよ!

阿鼻叫喚、言い訳も聞き入れられず、部屋へと連れ帰られる親友たち。全てはセーラのそそのかしと問答無用の判決。
(♯`∧´)「あなたへのお仕置きは追って考えます。今まで優しくし過ぎたようですね。いいですね、おまえは明日の朝も昼も夜も、食事抜きです!」
捨て台詞とともに全ては去った。クッキーの欠片も残さず片付けられ、一転していつもより暗さの増した屋根裏部屋に取り残されたセーラ。独り、ユメの残り火をすくいあげてみる。

_| ̄|○…ブツブツ…「炉は赤々と燃えていることにする…テーブルの上には…温かい、温かい、食事。美しい柔らかいベッド…触り心地のよいクッション…それから…それから…」
もう、眠りましょう…
眠ってしまえば…お腹がすいていることも、気にならないわ…ねえ、エミリー?

お人形を抱いて眠りにつくセーラ。
。・゜・(ノД`)・゜・。

妄想をこれでもかと華やかに盛りに盛り、バターン!!で落とす、オーソドックスとわかっていても、徹底してやられると清々しく逆に快感。ミンチン院長…。ミンチンて名前も怖い。 {/netabare}



*お人形をおよこし、のお話
{netabare} ある夜、途中から見たセーラは
どうも例のワガママお嬢様に
(¬_¬)「アンタの人形をよこしなさいよ。その人形、召使いにはもったいないわよ。アタイがかわいがってやんよ。」
と、カツアゲされそうになっていた。

このお人形、セーラにとって大切なパパママとの思い出。つらいとき、部屋に戻って誰にも言えない気持ちを打ち明けられる、たったひとりの家族。ジュモーのビスクドールだから高価でもある。

どうするの、セーラ。
メイド仲間にも心配され、しかし、人形を抱いて部屋から出るセーラ。
きゅっと結んだ口、沈んだ瞳、小さく固い背中。思いつめた表情で、ドアを開ける。
(´-`)
お人形をしっかりと、赤子のように抱きしめて廊下を進む。
階段を一段一段、降りる。

どこへ行くの?セーラ。
考え込んでいる。考えがあるの?
誰かに預けるとか…
隠すとか…
売ってしまうとか…
わーたしの かーわいい にーんぎょお〜♪
十二国記の祥瓊さんの歌声が頭の中で回るよ。

踊り場で、外を見やると、学院の少女たちが遊んでいる。
中心にいるのは、例のお嬢様。
でっかい車輪の自転車にまたがって、取り巻きにブイブイ言っている。じぃっと見下ろすセーラ。
(´-`)
なに考えてるの。

再び足を進めるセーラ。
お人形と一緒に体を固くしたまま、外へ出てきた。
めざとく目をつりあげるお嬢様。
o(`ω´ )o「あ〜ら、ついにソレをあたくしに渡す気になったってわけね。いいわよ。もらってあげるわよ。」≡3≡3
うつむいたまま、何も言わないセーラ。
(´-`)
イラつくお嬢様、お人形を取り上げる。o(`ω´ )o高々と、戦利品を手に。
まだ何も言わないセーラ。
(´-`)

その時、少女たちの中から、セーラを「ママ」と慕うちびっ子が猛烈な勢いで駆け寄って来る。

∑(゚Д゚)「ダメよーーーっ!!その子はセーラママの、たいせつなおともだちよぉーー!!」

o(`ω´ )o「なによアンタ。うるっさいわね。セーラがあたくしにどうしてもって、言ってるのよ?」

騒ぎに振り返る少女たち。

その中から、おとなしいセーラの親友も、勇気を出して身を乗り出した。

(´・Д・)」「うそよ!そんなはずないわ。セーラにとって、たったひとつの宝物のはずよ。それを取り上げるなんて、ひどいじゃないの!!やめなさいよ!!セーラに返してあげて!ひどいことしないで!!」

o(`ω´ )o「なっ…雑魚が…あんた、あたしにそんなこと言って、ただで済むと思ってんの…」


しかし、遠まきに聞いていた少女たちから、さざめきのように同調の声が上がり出していた。
「そうよそうよ!かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
「かわいそうよ!」(・Д・)ノ
「かえしなさいよ!」(・Д・)ノ
(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ(・Д・)ノ

ウッ…Σ( ̄。 ̄;ノ)ノ
かわいそコールに、さすがにたじたじのお嬢様。うつむくセーラの前にちびっ子がかばい、お嬢様が人形を高くあげ、親友が止め、もう決定的に悪役の構図。

小公女「プリンセス」セーラ、大勢の目の前でこれを繰り広げたのがポイントね。民意を試して沙汰を待ったのか!!
公共の場でなければ、この結果にはならなかったはず。
すごいよ、セーラ…。

(`_´)ゞ「な、なによ!!こんなキッタナイ人形、そもそもそんなに欲しくなかったわよ!フンッ!!かえせばいーんでしょかえせば。ホラッ!」
ポイッと投げられた人形…ビスクドールだから割れちゃうよ〜(゚o゚;;

セーラとちびっ子がナイスキャッチ、最悪の事態は避けられた。

ササーっと逃げるお嬢様
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
追いかける数名の取り巻きヽ(´o`;ヽ(´o`;

ここで面白いのが、
「よかったねー」ってセーラに抱きついているちびっ子や親友の暖かいゾーンを、ゾロゾロと通り過ぎて院へと戻る、その他の小女たち。
もう何事もなかったかのように、別の談笑をしながら、セーラたちを気にもとめない。
民意のとりとめのなさを表しているのか、妙な真実味のある光景だった。

うん、途中からみてもこんなに面白いんですよ!
起承転結と間がとても劇的でわかりやすいし。 {/netabare}



*セーラも私も泣けた(ノ_<)のお話

{netabare} 第35話

嵐で屋根裏部屋の窓の掛け金が壊れ、枯葉と雨水の入り込んでくる中、濡れた床をふくセーラ。バタンバタンバタンバタン開く窓を、もう閉めることもせず、雨が降り注ぐ中、床を拭き続けるセーラ。どこか行動がおかしいような。大丈夫なの?服が濡れ、傍らのベッドも毛布もビショビショ。悪い夢みたい。
メイド仲間が「おはようございます」と入って来て、惨状に驚く。
朝なのコレ?寝てないのでは…セーラ。

しかも(´-`)「寒気がするの」
なのに働かなくてはならない。ゾッとする。

学院の外に石炭運びの馬車が止まって、業者の人が道路より地下になっている勝手口付近の通路に樋のようなものを下ろす。もう一本樋を下ろして継ぎ足す。これを滑り台のようにして、道路からガラガラ〜〜と石炭を流し込んでお届けする。「ほほー、そうやって運ぶのか!」と面白く見ていたのも束の間。
(゚Д゚)「早くしねぇと石炭がぬれちまうぞ!」調理場のコックが山盛りの石炭にスコップ投げて去る。
学院の石炭置き場へと、バケツとスコップで手動で運ぶのは、セーラひとりの仕事…斜めの雨風が吹きすさぶ中。
石炭なんかもう濡らしときなよ。板でも上に置いとくとか。風邪で雨なんだし休ませなよ。子供だぞ。

石炭で学院のストーブに火を入れておくように言われたセーラ。
少しは濡れそぼった身体を暖められるかな…?
心地よい炎を前に、猫とともにウトウトするセーラ…(_ _).。o○
悪いことに、このお部屋は意地悪お嬢様のお部屋。
案の定、やってきたよ奴さん。いつものお供を連れて。
眠りこけているセーラをみて(−_−#)
セーラが寄りかかっているバケツを力一杯蹴り上げる。衝撃に驚いて目を覚ましフラフラ謝るセーラを、罵倒しだす。
お嬢様よ…暖房つけるくらいの季節なのになんでひとりだけ半袖なんだよ!小学生か!「ママに買ってもらったパリ仕立ての新作」だとか。そしてコレが、今回のワンポイント☆アンラッキーアイテム☆

セーラと寝ていた猫にまで、お嬢様たちの虐待の手が伸びる。(ノ_<)ひどすぎる。追いかけ回しているうちに…猫の蹴り上げたインク壺がお嬢様にビシリ。
(♯`∧´)「〜〜〜!?セーラ‼あんたのせいよ‼」
さすがのセーラも(; ̄ェ ̄)みたいな顔でとばっちりを受け止める。「シミ抜いとけよコラ!元通りにしないと、許さないんだから!」とまたご無体な。え〜〜。インクシミって消しにくいよね…(´・_・`)

横風の雨の中、カゴをもって買い出しに出るセーラ。傘が役に立たない。また服も身体も濡れていく…歩きにくい。嵐だよ。そんな日は家にいたらいいんだよ。体調悪いんだし。みんな残り物でも食べてしのげばいいんだよ。
案の定、市場すらお休みで途方に暮れるセーラ。屋根のある商店街の通りに入って行くと…

(抗えない天候の激しさと身体的なキツさ辛さが伝わって来て、見ていてセーラの今までで一番つらかったよ。うう、自然と涙がでた…なんでこんなんで泣いてんだろ私(/ _ ; )
心理的な意地悪より、空腹ネタよりもくるのはなんでだろう。)

しかしここで今回のアンラッキーアイテムが★ラッキーアイテム★に変わる出来事があったんだ。そこでセーラは、つらさをつらいままに涙を流すことができている。学院で涙を見せた事はないのに。

裕福だった頃、お父様と買い物に入った洋服店。ショーウィンドウにうつるセーラの姿は、今や襟も裾もほつれ、着どおしの汚れた質素な服になってしまっているけれど…。
店のご主人は、セーラのことを覚えていた。セーラの様子を見ると、邪険にすることなく
(´・ω・`)「一口では言えない事が、起こったようですね?」
気をほぐすような優しい声かけ。
セーラが身なりを顧みず入って来た訳を…「お友達」の服の染み抜きについて相談すると、
(^ω^)「大丈夫、わたしが直してさしあげますよ」。安心して涙が流れるセーラ。(;_;)
やがて曇りなくきれいに直された服。(^ω^)「これで、文句なんか言われやしませんよ?」
状況を察し、これまでの事情を聞かれ、心配してくれる紳士を前にさらに涙が止まらないセーラ( i _ i )ドドドド

しかし院に戻らねばならないセーラ。紳士は直した服を丁寧に油紙で包み、せめて十字を切りながら小さな背中を見送ることしかできないのであった…。


戻った先ではお嬢様によるミンチン先生への告げ口。
( ̄Д ̄)ノ「セーラさんがぁ、ワタシに嫉妬してインクを投げつけたんですぅ。それで染み抜きさせて欲しいって、言い出したんですぅ。」
W(`0`)W…ワナワナ… ←ミンチン院長

「たっぷりお仕置きしておやんなさい!!」といつものセリフを吐きかけられ、下女に調理場へ投げ込まれるが…体調の悪かったセーラ、もう腰が立たない。ついに倒れる…? {/netabare}
つづく


*セーラ流魔法の受け取り方。セーラの秘密を暴け!のお話
{netabare}第38話
ややあって隣人からの「魔法」の差し入れが始まる。
35話から病に倒れ、生死の境をさまよった間、姿の見えない「屋根裏の少女」を隣のお屋敷の主人と召使いたちが気にかけていたのだ。そして密かに贈り物をすることに。夜明け前が一番暗かったのだ。
いまや、夜半に疲れ果てた少女達が屋根裏部屋へ帰ると、暖かくしつらえられた食卓が待っており、美しいマクラや毛布も用意してあるのだ。空腹の時にセーラが夢想したみたいに。
(背景素材の都合上なのか、食後の皿の上のチキンが毎回ぜんぜん減っていないのが気になる…いじきたないアタイであった。)
これが朝になると仕事にでている間に、お隣の有能なインド人ハウスキーパー達がテキパキお片付けしておいてくれる。おかげで昼間のミンチン院長の抜き打ち検査にも【魔法 : 非検出】で事なきを得た。

魔法に慣れたようなセーラと、まだソワソワ感が止まらないメイド仲間。
(≧∇≦)「ああ〜、私達がこんなにありがたがっていることを、魔法使いさんにお伝えしたいですぅっ!!」
と興奮やまないメイド仲間に対し
(^ν^)「大丈夫よ。私達がどれだけ感謝しているかは、きっとわかってくれているはずよ。だってそれが魔法使いさんですもの?」
さすが、プリンセスセーラ。与えられた幸運を享受する時も優雅に動じない。

しかし滲み出る幸せオーラ。「あの娘なんだか綺麗になったみたい。恋してる…?!」的な鋭さで、セーラの異常を感知する院の魔物たち。

(¬_¬)( ̄3 ̄)「いやに血色がいい。きっと盗み食いでもしてるんだよ」と残り物チェックをする下女とコック。

(*`へ´*)「あんなに顔色がよく元気だなんて、おかしい。」
と訝しむミンチン院長…子供がはつらつとしてたら怪しむ学院って、教育機関として相当終わっています。

どこまでもセーラの屈強な面の皮を引っぺがしたいと夢欲する鬼どもの追っ手は止まらない。
プリンセスセーラ。アイドルとは人に夢を魅せるもの。汚れた奴らの見たい歪んだ夢すら映してしまうのか…。
いじめられても、(´-`)「はい、ミンチン先生」(´-`)「おはようございます、○○さん」(´-`)「わかりました。○○さん」と、爽やかな挨拶の後ろに名前をつけることを忘れないねセーラは。コレちょっとイライラする。

しかしついに、魔法発動中の夜間のガサイレが入ってしまうのだ…
魔法が暴かれた時も、食卓でセーラお得意の「こんな時こそ余裕で夢想享受」が披露されていた。ナプキンとフォークで人形を作ってダンスさせ( ´ ▽ ` )ノ「ランランランランランラーン♪」
そこへバターン!悪鬼どもの蹂躙…

メイド仲間の土下座も虚しく(´Д` )
ミンチン院長は(◎_◎;)「オトコ(街の少年ピーターのこと)に盗みをさせて貢がせたんですね!」とあさってな勘違いにワナワナ震え、
コックはしつらえを横取りに片しながらご馳走の匂いを(@ ̄ρ ̄@)クンカクンカ嗅ぎ、
下女は(♯`∧´)(´-`)セーラを引っつかんで馬小屋へ連れて行く。

こうしてセーラの馬小屋生活が幕を開けた…(´-`){/netabare}


*馬小屋生活始まる、のお話
{netabare}
ここは小公女だった時代に、セーラのお馬さんが繋がれてた小屋。今はからっぽの、藁だけが残る隙間風ふく小屋。そこに主人が暮らすとは。そしてその事をいじわるお嬢様にグリグリいじられる。本当に十二国記の姫様並にトコトンいくよどこまでも。
そして、一番暗い夜が明けたあともまだ次が。甘ーいもの食べさせた後でしょっぱいのがくるよ〜。
展開が早くて激しいので、文章にしても何だか伝わらない。こんないかがわしいまとめよりも観ていただきたいものだ。

学院でハロウィンパーティが開かれる。アメリア先生が子供達と色んな遊びをするんですが、この様子が楽しい。遊びの中で一手間かけてまでセーラを陥れようと頑張ってた、いじわるお嬢様( *`ω´)。しかしちょっとしたラッキーがセーラのもとへ。あらっ(^ν^)☆彡って感じに対して、キリキリキリ…( *`ω´)
アメリア先生は生徒達にも自然に親しまれてるし、この前の話あたりでセーラに申し訳ない心中を吐露してたし、妹さんのポスト院長色がひたひた濃くなってますぜ、ミンチン姉さん。そうとは知らなミンチン先生は基本コドモキライなので自室でくつろいでいた。( ´Д`)y旦~~

やがて夜が更け、パーティ気分が終わらない少女たちのちょっとしたイタズラが、馬小屋で火をおこしてしまう。燃え上がる小屋の中で人形を抱いて立ちすくむセーラ。
助かったものの、勿論とばっちりはセーラに…。

\(♯`Д´)/=3=3=3「おまえという子は…!身よりも家もないおまえを親切心からここへ置いてやったものをつけあがって…」云々のミンチン先生のお小言に、今回ばかりは毅然として言い切るセーラがいた。
(´-`)「ミンチン先生は、私に親切だったことはありません。そして、私はこの学院を家だと思ったことはありません。」
ミン(;゜0゜)チーン
「ンナッ、おまっ……でておいきー!!」 {/netabare}


*逆転倍返しはじまる、のお話
{netabare} すんなり意に従い出て行く訳ですが、ここから見ていられないのはセーラよりもミンチン先生。
出て行ったセーラを、(本当は心配なのか?院の評判が落ちるのを懸念しただけなのか?)呼び戻すよう妹に言いつけたり。
セーラに贈り物が届いたことで、実は金持ちのパトロンが居るのでは?という臆測に今度はすがりついて、o(;`ω´ )o「セーラさんっ」と丁寧に呼び出したり。
セーラの姿が見えずお隣へ行ったと聞いたときのムカッ腹から、学院にいる猫を生徒達の目の前で足で蹴り上げたり。(>_<)

そしてやっと、「おお、この子だ!」の回。隣の屋敷の主人が探していた「友人のダイヤモンド鉱山の遺産を相続する娘」が実はセーラだと判明した時の、ミンチン先生の脱力錯乱ぶりはもう穏やかじゃないね。
((((;゚Д゚)))))))は…はわ…はわわわ…っ
胸にダイヤモンドを飾り、厳かに階段上に登場した小公女セーラに、
( ゚д゚)「セーラ…さん…」
(´-`)「はい、ミンチン先生。」
膝叩いちゃうね。こんな時までセーラは丁寧な応答+名前呼びの「はい、○○さん」徹底してる。むしろこの時のためだったのかとさえ。

昔のモノクロ映画だったらここで失意の先生はミンチン学院じゃないナントカ院にドナドナ送られちゃうんじゃないのかという不穏さが漂う。妹アメリアから鬱屈されていた怒りにまかせて責められるだけで済んだのだけども、子供むけアニメにしてはかなり怖いと思う。しかしそれだけの事はしてきた、ミンチン院長。それだけの事を面白く見てきた私も、彼女が腰も立たず雪の中這いずって院に戻る姿を見届けるしかない。 {/netabare}


*最終話 小公女ラビニアに関する考察
{netabare}
いじわるお嬢様ラビニアとの握手が見もの。
セーラとお隣のご主人が弁護士を連れて学院へ乗り込んでくる。
意気消沈していた院長、更に訴えられるのかとガタガタ震えながら((((;゚Д゚)))))))出迎える。
一体何事かと見守る少女らに、ラビニアが( *`ω´)「たぶんこの院を買占めにやってきたのよ。ありあまるダイヤモンドで復讐のために、ね?」
こんな混乱も面白くてたまらないって端的な口調。

やがて学院への寄付にミンチン院長の声色は高く弾んで復活。セーラは懇意にしていたメイド仲間を自分に召し上げるとも公表し、涙の再会。
これを見守るラビニアの瞳がどこか寂しそうに見える。
小公女復帰を祝う少女たちに取り巻かれるセーラを、真っ直ぐな瞳でぐっと遠巻きに見守るラビニア。
鋭く小賢しく若々しい顔つき、シュッと通ったまつげ。見ていると似顔絵描きたくなる。嫌な子なのに、なんとも美しいんですよね。よく「性格の悪さは顔に出る」っていうけど…どこか魅力があるのは何ででしょう。ミンチンにはない、高い気位があり、劇的な面白さ(残酷であっても)を見抜く貪欲なところがあるからでしょうか。物事や人間同士の表面のみは見ていない。
胸の握り拳にどんな感情を押し殺したのか、やがてセーラへと踏み出し、友情締結を申し出る。

( ̄+ー ̄)「おめでとうセーラ。私、あなたさえよければ仲良しになってもよくってよ?」
(´-`)「ありがとう。私、本当を言うと、この学院にきたときから、あなたと仲良しになりたいと思っていたのよ。」←この子本心よーめーなーいーわー~_~;

この時ラビニアが何を飲み込んだのかは謎だけど、セーラの幸運大逆転の姿を見て「今はこれはセーラのターンだ」と悟ったのかもしれない。これまで何度か、好機はお互いの間を行ったり来たりしてきた。人生なんてこの先知れないのは誰も同じ。「だとしたら今は私は私の役を演じ切る。ミンチン先生のような醜態を晒したりしない!ぶれない!」という決意で踏み出したのかもしれない。オープニングで唄われる「胸の奥にこの花あるかぎり」の花の矜持は、ラビニアの中にも咲いていた…のかも?!

やがてセーラはインドへ、このお嬢様もアメリカへ旅立つことになる。
( *`ω´)「もう二度と会えないわね。」
(´-`)「きっといつかまた、会えるわ?」
( *`ω´)「フフン。何十年後かには会えるかもね…その頃あなたはダイヤモンドプリンセスからダイヤモンドクィーンになっているんでしょうけど?そしたら私は…、アメリカ大統領夫人になっているかもしれないわよ!」
同じ土俵では戦えなくなるけれど、この娘が私のライヴァルであることには変わらない。セーラが掴み取った幸せと競いあえるくらい、自分もきっと輝いてみせる、そういう「面白くなってきたわ。」っていう諦めの悪さがお嬢様の心の中では根強く育っていて、それを育てたのは、天性もあるだろうけど、打っても打ってもちっとも懲りた顔を見せなかったセーラのおかげではないかな。うらやましい、この2人の懲りなさ。もー自分、競うとか耐えるとかあらゆる面において面倒に生きてるので、どんな土俵にもチンとしとられんのでうらやましい。
セーラの言うとおり、お互い影響を与えあえる(セーラは影響受け取ってるのか微妙だが)関係になれるのかもしれない。

ミンチン先生は反面教師過ぎたね。ミンチンの中には花は咲いていなかったのだろうか。かつては咲いていたけれど、いつの間にかなくなっていたのだろうか。あんな大人になりたくないって、子供たち皆心に刻んだことでしょう。妹さんがいいアドバイス訳として腕を振るうようになるのかな。 {/netabare}

あなたの心の中に花は咲いていますか?

(¬_¬)( ̄3 ̄) (´・Д・)」(♯`∧´) ( *`ω´)(´-`)(´・_・`)
悪ノリな長文に、お付き合いいただきありがとうございました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

タイトルなし

下成佐登子さんの曲が作品の雰囲気とマッチしていてよかった。なんかOPから切なさが漂っている。

父親の死から始まる急激に鬱展開に突入して、感情移入しすぎたため、結構辛かったのですが、回りにいる優しい人に助けられ、最後は院長ざまあみろと思いました。救いは必要です。

閉鎖社会の恐ろしさがありありと分かる。
お山の大将にならないように注意が必要。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
勉学のため、インドからイギリスの寄宿学校にやってきたセーラ。ミンチン女子学院では特別待遇される大金持ちでありながら、誰とでもわけ隔てなく接し、優しく想像力にあふれたセーラは学院一の人気者です。ところが11歳の誕生日に、思いがけない父の死と破産を告げられ彼女の生活は一変します。屋根裏部屋住まいの下働きとなり酷使される毎日。しかしセーラは同じ下働きのベッキーと励ましあいながら、貧しさの中でも気高さや優しさを失いません。


1. ミンチン女子学院
ロンドンでも厳格な事で知られる寄宿学校・ミンチン女子学院に、一人の少女がやって来た。インドで莫大な富を築いたクルー家の一人娘、セーラである。セーラが彼女の専用馬車の御者に少年・ピーターを雇った事で、ミンチン院長の心中は複雑になる。

2. エミリー人形
セーラがいつの日か出会えると信じている "エミリー"。それは、心を許し合える人形の事だった。セーラは父と一緒にエミリーを探してロンドン中の人形店を訪ねてまわった。そしてついに、夢にまでみたエミリーを洋服屋のウインドーの中に見つける。

3. はじめての授業
最初の授業はフランス語の授業だった。セーラは教科書を見て困ってしまった。ミンチン院長は、セーラがフランス語を話せないと思い慰めてくれるが、セーラはフランス語がぺらぺらで、教科書が簡単すぎるので困っていたのだった。

4. 親友アーメンガード
セーラと同じクラスの少女・アーメンガード。セーラは、勉強が苦手で、いつもラビニアたちにからかわれている彼女の味方になる。セーラは落ち込む彼女を自分の部屋へ招待した。すっかり打ち解ける二人だった。

5. 泣き虫ロッティ
学院でいちばん小さい4才の女の子・ロッティ。なかなかみんなに行動を合わせられないロッティは、ラビニアやミンチン院長から毎日のように怒られて泣いてばかりいた。そんなロッティに、セーラは優しく接するのだった。

6. 灰かぶりベッキー
ある日、ミンチン女子学院に新しく雇われたメイドの少女・ベッキーがやって来た。彼女は、次々にたくさんの雑用を言い付けられて働き続けていた。セーラは自分と年が幾つも違わないベッキーがこき使われるのが可哀想でならなかった。

7. 代表生徒
日曜日、生徒たちは礼拝堂へと出かける。セーラにミンチン院長は列の先頭に立つよう命じる。市長夫人の前で、気品に満ちたセーラを表に出し、学院の株を上げようと考えていたのだ。学院の代表をセーラと交替させられたラビニアは我慢ならなかった。

8. 親切なお嬢様
セーラは、いつも働き通しのベッキーの事が気がかりでならない。ある日、セーラの部屋を掃除していたベッキーは、飾られていたエミリーの可愛さに見とれるうちに眠ってしまった。セーラは、ベッキーをお客様として丁寧にもてなすのだった。

9. インドからの手紙
ラビニアの態度は日に日に頑になっていった。ロッティにまで辛く当たる彼女に、セーラは怒りを感じながらも毅然とした態度でのぞんだ。そんなセーラに、周りの生徒たちはますます信頼を寄せる。そんなとき、セーラにお父さんからの手紙が届く。

10. 二つのプレゼント
セーラの11歳の誕生日。ミンチン院長は高級な服をセーラにプレゼントした。ベッキーは考えあぐねた末、肩掛けの目立たないところを切り取ってセーラの為に針刺しを作った。セーラはベッキーの気持ちが嬉しくてベッキーに抱きついて泣いてしまう。

11. プリンセスの誕生日
その日はセーラの誕生パーティーが開かれる事になっていた。生徒も準備に大忙しだ。ところが、パーティーが盛り上がってきた時、信じられない知らせが飛び込んできた。セーラのお父さんが事業に失敗して破産し、しかも病死したというのだ!

12. 屋根裏の暗い部屋
セーラへの投資が全部水の泡となったミンチン院長は、セーラに学院からの追放を言い渡す。学院に対する世間の評判を気にした院長は、セーラが学院に留まる事は許すが、そのかわりベッキーと同じようにメイドとして働くように命じるのだった。

13. つらい仕事の日
セーラに与えられた学院の最上階の屋根裏部屋…そこは、暗く、汚いひどい場所だった。ベッキーはどこまでもセーラを慕い、セーラもそんな彼女の優しさをうれしく思うのだった。メイドとして働くセーラの生活が始まった。

14. 深夜のお客さま
再び代表生徒の座を取り戻して勝ち誇るラビニアは、これまで以上にセーラに辛く当たる。そんなある日の深夜、仕事が終って部屋に戻ったセーラをアーメンガードが待っていた。アーメンガードはセーラにもう一度お友達になってほしいとお願いする。

15. 街の子ピーター
心配するベッキーに見送られ、セーラは市場へと買い物に向かう。市場に着くや、セーラは不意に街の少年たちに突き飛ばされ、お金を盗られてしまった。困り果てるセーラ。しかし、そこへ偶然通りがかったピーターが、買い物を手伝ってくれる事に。

16. ロッティの冒険
ロッティにはなぜセーラが自分と口をきいてくれなくなったのか理解できなかった。寂しさ募るロッティは、とうとう深夜に寝床を抜け出し、屋根裏部屋を目指す。その夜ロッティはセーラと一緒に屋根裏部屋で眠るのだった。

17. 小さな友メルの家族
セーラは屋根裏部屋の壁の穴に住むネズミにメルと名前を付けて、仲良くなろうとしていた。夜遅く部屋を訪れたアーメンガードは、メルを見て震え上がるが、次第にその可愛さにすっかりネズミ嫌いが治ってしまう。

18. 悲しいメイポール祭
夜も明けないうちから、仕事を始めるセーラとベッキー。その日は生徒たちもなぜか早起きだった。それもそのはず、今日は魔法の朝露が降る日と言われ、それを浴びるとこれから一年美人でいられるという日だったのだ。

19. インドからの叫び声
生徒たちに家族からの手紙が届く。セーラに届く便りがあるはずもない。と思った矢先、セーラにも手紙があるという! だがそれは、宛先不明となって返ってきた父宛の手紙だった。父の最期を知りたいセーラは、インド警察に手紙をだすのだった。

20. 謎の特別室生徒
ラビニアに靴磨きのやり方をなじられ、すっかりしょげるベッキー。その日、ラビニアの両親が学院を訪れる事になっていた。ラビニアは代表生徒として特別室に入る事を院長から認められ、さらにセーラを専用のメイドにしたいと言い出すのだった。

21. 涙の中の悲しみ
特別室に移ったラビニアが、セーラを呼びつけて雑事を言い付ける。特別室の掃除に呼んだのもそれだった。掃除するそばから部屋を汚していくラビニアたちに、セーラは「掃除はあなたたちがいない時にします」と、きっぱりとはね付ける。

22. 屋根裏のパーティ
アーメンガードとロッティは深夜にセーラの部屋に遊びにきた。そしてベッキーも加えて、4人は、屋根裏部屋でパーティーを開く事になった。しかし、ラビニアがミンチンに告げ口したため、ミンチンにひどく怒られてパーティーは終わってしまったのだった。

23. 親切なパン屋さん
道の途中で銀貨を拾ったセーラは、目の前にあったパン屋に屈けるが、そこで自分よりももっとお腹を空かせている少女に出会う。パン屋でブドウパンを買うと袋から1つだけ取り出し、残りをすべて少女アンヌに渡して帰るのだった。

24. エミリーの運命
その日は学院の代表生徒・ラビニアの誕生日だった。ラビニアは、自分へのプ ゼントとしてセーラのエミリー人形を要求する。しかし他の生徒たちも口々にエミリーをセーラに返した方がいいと言い、ラビニアは怒ってエミリーを投げて返したのだった。

25. 一日だけのシンデレラ
ミンチン女子学院へ市長夫人が視察に来る日、夫人は視察に際して以前美しいフランス語会話を披露したセーラにまた会いたいと告げてきたのだ。デュファルジュ先生の勧めもあり、1日だけセーラに代表生徒の代役を務めるように命じるのだが…。

26. 年少組の小さな先生
市長夫人の要請を受けて、ミンチン院長は年少の生徒にフランス語を教える役目をセーラに命じた。ロッティたちと机を共に出来る事を喜ぶセーラ。ロッティはもちろん、年少組の授業に加わったアーメンガードもセーラの楽しい授業に夢中になる。

27. デュファルジュ先生の帰国
ラビニアたちからデュファルジュ先生が出したフランス語の宿題を押し付けられるセーラ。セーラは何とか宿題を終えたが、ラビニアたちにはその内容が理解できず、セーラの手を借りた事が先生に分かってしまう。この事を逆恨みしたラビニアは…。

28. 夏休みの大騒動
誰もが待ちこがれる夏休みが目前に迫っていた。両親の迎えを待ちわび、休み中の行動をあれこれ思い描いて楽しむ生徒たち。その生徒たちをただ見守るだけのセーラ、そして、その姿を同情のまなざしで見つめるベッキー。

29. ベッキーの里帰り
ベッキーも夏休みをもらい、田舎へ帰る事になった。広い学院にただ一人残される不安を隠して、笑顔でベッキーを送り出そうとするセーラ。外出の詐可を得、駅までベッキーの見送りに出たセーラの心は帰る場所のない寂しさでいっぱいになる。

30. インドからきた紳士
セーラにベッキーから手紙が届く。毎日の様子が細かに書いてあるベッキーの手紙。そんなある日、学院の隣の空き家に引っ越して来る人があった。セーラは、自分と友だちになれるような人であってほしいと願う。

31. 屋根裏にきた怪物
学院の隣にインドから越してきたという紳士は、車椅子に乗り、どこか体調が悪そうな人物だった。その様子を心配するセーラは、早く回復して欲しいと心から願うのだった。そこへ、田舎からベッキーが戻ってきた。再会を喜ぶ二人。ところが…。

32. 壁の向う側の秘密
隣の住人・クリスフォード氏が、インドで鉱山を手掛けていたと聞いたセーラ。父と似た境遇にあった紳士が病に伏していると思うだけで、セーラの心は痛んだ。その頃、クリスフォード氏は弁護士に苦しい胸のうちを打ち明けていた。

33. 新学期のいじわる
いよいよ新学期が始まる。セーラたちは生徒の受け入れ準備に大忙し。ラビニアは、石板が汚れていると難癖を付けてきた。その石板を使ったベッキーをかばったセーラだったが、思わず弾いた石板が窓ガラスへ飛んでいき、ガラスを割ってしまった!

34. 嵐の中のつぐない
その日は、強い嵐だった。こわれた窓から屋根裏部屋に雨が吹き込んでしまっていた。さらに外で石炭運びをしたセーラはすっかりびしょ濡れに。そのまま 特別室に石炭をくべに行ったセーラは、あたたかい暖炉の前でつい寝込んでしまう。

35. 消えそうないのち
セーラは熱を出して倒れてしまった。病気の感染を恐れた院長は仕方なく医者を呼ぶ事を許可する。医者の診断によると、セーラは恐ろしい重病で、命も危ないという。ベッキーやアーメンガードの懸命の看病が続く中、セーラはうわ言で父の名を呼ぶ。

36. 魔法のはじまり
隣家の召使い・ラムダスは屋根裏部屋の様子がおかしいのに気付き、クリスフォード氏の許可を得て密かに様子をうかがいに訪れた。彼はセーラが病に倒れた事を知る。報告を聞いたクリスフォード氏は、何とかセーラの病気を救おうと、思案を巡らす。

37. 屋根裏は大混乱
魔法の感激に酔った一夜が明けた。セーラの回復が早いので、院長たちはセーラが仮病だったのではないかと疑って部屋を調べに来た。ところが、部屋はさっぱりと片付けられて元通りになっている。密かに首をかしげるセーラとベッキー。

38. こわされた魔法
夜、部屋に戻ると待っている魔法。それを楽しみにするセーラとベッキー。セーラの買い物の後をつけたモーリーは、ピーターが何かとセーラの面倒を見ている事を知り、院長に報告する。セーラはピーターの援助を受けている、そう考えた院長は…。

39. 馬小屋の寒い夜
院長の怒りを買って、セーラは何と馬小屋で寝泊まりをする事になってしまった。それでも誰を恨む事なく、セーラは与えられた運命を生きようとする。外出も禁じられ、前にも増して働かされるセーラ。セーラの身の上を知ったピーターは…。

40. アメリア先生の涙
ある日曜日。アメリア先生は以前から生徒たちと公園へ散歩に行く約束をしていたので、礼拝の後、実行する事にした。公園に弁当を届けるよう言われたセーラとベッキーも、外出できる事を密かに喜んだ。二人が公園に着いたその時…。

41. 妖精たちのパーティ
今日はハロウィン。学院でもパーティーが開かれる事になり、早速セーラとベッキーは買い物へと出かける。生徒たちがパーティーの準備に忙しくする中、セーラたちは次々と雑用を言いつけられていた。

42. 雪の日の追放
ロッティが誤って落としたランタンのロウソク…それが元で馬小屋が火事になってしまった。エミリーを救おうと、炎に包まれている小屋に飛び込んだセーラ! 何とかエミリーを持って出たセーラだが、とうとう学院から追い出される事になる。

43. 幸せの素敵な小包
セーラは、ピーターの助けを得てマッチ売りの仕事を始めた。そこへ、ピーターが迎えに来た。ミンチン院長がセーラを呼んでいるという。学院にセーラ宛の大きな荷物が届いていたのだ。中には、服や帽子どれも特別あつらえの一級品が入っていた。

44. おお この子だ!
誰か自分を助けてくれる人がいる。セーラはまだ見ぬその人物宛に感謝の手紙を書く。手紙を読んだクリスフォード氏は、セーラの優しさに打たれていた。ちょうどそこへセーラが訪ねてきた。セーラのフルネームを聞いた氏は…!

45. ミンチン院長の後悔
セーラを連れ帰そうと、ミンチン院長はクリスフォード氏の屋敷へ向かう。だが、その院長に告げられたのは、驚くべき真実だった。セーラこそ、まさしくクリスフォード氏が探していた親友の娘で、今や世界有数のダイヤモンド鉱山の持ち主なのだ!

46. また逢う日まで
ダイヤモンド・プリンセスとなったセーラは、ミンチン学院で勉強を続ける事を希望し、学院へ生徒として戻ってきた。ベッキーも、正式にセーラ付きのメイドになった。そして、セーラはクリスフォード氏とともに父のお墓参りにインドへと旅立つ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

不朽の名作

長くなるので、最初にこれだけは伝えたい。
とにかく、YOUTUBEでOPの「花のささやき」を聴いて欲しい。
この曲を聴けば、本作が一体どういうものか、と言う事が理解できるだろう。
日本のアニメ史上最も悲しく美しいOPの一つである。


本作は自分が小学生の頃、リアルタイムで観ていたものの、
約30年という月日が流れても、トラウマのように心の片隅で忘れることが無かったほど、
印象深く記憶に残っている作品である。

念願叶って約30年ぶりに再鑑賞を終えたので、この機会に感想を書いてみようと。
結論から言うと、今観ても充分衝撃的な内容であり、また名作であると再確認した。

本作は世界名作劇場シリーズの中の1作品で、
他作品同様、主に子供向けで作られた作品ではあるものの、
(今思うと本当に子供向けかよ、と思える内容だが)
大人が観ても見応えのある、素晴らしい内容となっている。
当時は日曜日のゴールデンタイムに放送されていて、視聴率も高く、
家族揃って観ていた人が多かったように思う。

主にソフト路線で似たような雰囲気の同シリーズ作品と趣は大きく異なり、
全46話のうちの10話目くらいから、
主人公のセーラが執拗に虐げられるシリアスな描写が続き、悲惨さを極めた鬱展開に..
やはりこのアニメで目に付くのは、どうしてもその部分になってくるだろう。

そんななか、特筆すべきはセーラの「天使過ぎる」性格。
もはや現実にはあり得ないぐらいのレベルだが、
それが逆に周りの大人達や虐めているキャラの醜悪さを強調し、
(ミンチン院長はアニメ史上屈指のクソババアで間違いないだろう)
悲しみに暮れるセーラに深く感情移入してしまう要因にもなっており、
正直、視聴者はどうしようもなく切なく、また胸糞悪い思いをする事となる。
毎週毎週本当にいつまでこんな辛い展開が続くのか...と。

しかし、セーラの心の支えとなる、ベッキーやピーターの存在が非常に大きなものだったとはいえ、
どんなに酷く辛い目に遭っても、セーラは決して絶望しなかった..涙


それにしても今回再鑑賞で感じたのは、
やはり昨今のアニメ(視聴者を安易に喜ばせるような内容)を見慣れてるせいか、
この作品は何時間も続けて観るには、精神的に結構キツい。
昔は週に1回観るだけだから良かったものの、続けて観ると大人になった今でもしんどいレベル。

今のアニメなら、シリアスな内容のものでも、少しはギャグ要素なり、
萌えなどの一息つける場面があるものだが、
この作品にはそういった、ある意味視聴者に媚びるような演出は殆どない。

たとえセーラの味方になってくれる人物と一緒の時でも、
やはり根本にある悲惨な状況には変わりなく、徹底してシリアスを貫いている。
少しでも良い事があったら、倍以上に胸糞悪い展開が後に待っている。


もしこれから初めて観る、という人が居るなら、
鑑賞にはかなりの忍耐力や苦痛を伴うことと思う。
ハッキリ言って、観ていて楽しいという類のものでは決して無い。
このような内容は円盤を売るためのアニメでは、殆どあり得ないものだ。

でも一度観始めたなら、作中のセーラのように耐えぬいて、ぜひ最後まで見届けてほしい。
製作者側が視聴者に忍耐を強いるのにも、当然意味があるから。
そして、最後まで観たならば、これまでの悲しさを吹き飛ばすような展開が待っている。

ただ、自分はセーラほど出来た人間ではないので、
最後までラビニアの態度は気に食わないし、
院長も土下座して謝るくらいするべきなのでは(全然足りないが)、と思う。
罪を憎んで人を憎まず、とはよく言ったものだが...

人生は決して楽しいことばかりではなく、
むしろ嫌なこと、不幸、理不尽、不条理、差別や偏見に満ち溢れている。
この作品はそれら、様々な負の要素が含まれているが、
実際にそのような場面に遭遇した際に、いかに生きるべきなのか、
決して誰しもセーラのように振る舞うことは出来ないだろうが、
セーラの態度や行動に感銘し、多くのことを学べるのではないかと思う。
自分自身も、今回の鑑賞でまた勇気を貰い、頑張ろうという気持ちになった。


-ここからは作品の評価と余談-

シナリオは小学生が観ても理解できる単純なもので、途中でオチも予想できてしまうが、
やはりそれでもあれだけの日々が続いた後なので、心に響く。
しかし、演出があっさりしすぎているせいで、思ったほどは泣けないかも知れない。

声優はセーラ役に「風の谷のナウシカ」等で有名な島本須美さん。
もうこの役にはこの人以外考えられない、最高のキャスティングだと思う。

ミンチン院長とラビニア役の声優さんには、放送当時非難が殺到し、
カミソリの刃が送りつけられるという事件まであったらしく、
放送終了時には、「こんな役は二度とやりたくない」と言ってたらしい‥
裏を返せばそれだけこの二人の演技が上手くて、本当に憎たらしいということだろう。
アーメンガードだけ、ちょっと棒っぽい演技なのが気になったくらい。

作画は今のデジタル&CG技術など無かった前時代のもので、
単純に比べるべきものではない。
ただ逆に色使いに関しては、100年ほど前の時代を描くためであろうか、
くすんだ感じがより作品を悲しく、愁いを湛えているようにも思う。

音楽に関しては、本当に素晴らしい。
冒頭に書いた通り、OPの「花のささやき」は、セーラの悲しみと、
決して絶望しない強い心が嫌というほど伝わる、泣ける名曲だ。
挿入曲もバイオリンやピアノなど、アコースティックなものが多く、
現代のパソコンやシンセ等で作れるデジタル音楽と比べて非常に温かみがあり、
かつ、しっとりと聴かせる趣きのあるものとなっている。


このような内容の作品は、現在のアニメ業界を考えると、なかなか作ることが難しい。
永く後世に伝えていくべき作品だと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

68.6 6 19世紀でイギリスなアニメランキング6位
黒執事 Book of Circus(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (490)
2800人が棚に入れました
街を賑わすサーカス団。しかし、彼らの移動とリンクするように街では子どもたちが消えていた。調査のためサーカス団に団員として潜入した、セバスチャンとシエル。そこで思いがけない人物…に遭遇する。サーカス団の隠された目的とは!?

声優・キャラクター
小野大輔、坂本真綾、宮野真守、高垣彩陽、甲斐田裕子、岡本信彦、寺島拓篤、泰勇気、新谷真弓、小柳良寛、三上哲、東地宏樹、梶裕貴、加藤英美里、藤村俊二、杉山紀彰、KENN、福山潤、立花慎之介、安元洋貴、田村ゆかり、遊佐浩二、矢作紗友里、諏訪部順一、菅沼久義、木村良平、前野智昭

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

3期キターーーけど。。ラストの後味の悪さがハンパない;

ウキウキ、ウッキウキ観始めたのだけど。。ラストの後味の悪さったら;
苦い砂を飲まされるようなクライマックスは九話から(八話からかも)。

(第九話)
え、シエル?
どーしちゃったの??
そんなア〇イスみたいな惰弱で残酷なシエル、おばちゃん観たくないよ。。

(第10話)
いきなり終わっちゃった。。後味の悪さを残したまま。
見た目からそそられる、甘くて美味しいケーキの中に、苦い砂のような異物が混入されていたかのようなラストです。
じゃりじゃりと、ハートにサンドペーパーをかけられた様な感じ。。

てな感じで、終わり悪ければ全てがと、残念に締めくくって良かとでしょうか?

八話まではシエル萌え天国でした、アーメン。
興味ある方、以下ご参照に。

**********************************

女子のための不動の名作、黒執事TVシリーズ3期来ましたね!!
シエルの可愛らしさがパワーUPして、どんどんショタへ走りそう。。
TVシリーズ2期で完結しているから、当然の成り行きでしょうが、物語の時期的には、1期の途中にあった事件がらみのエピソードみたい。
つまり、マダムレッドがあーなった後で、女王様があーなる前ですね。
詳しくは1期をごらんください♪

中間期エピソードで、OVA的な内容になるのかなぁと思いきや、シエルの、ファントムハイブ家の、あの惨劇に繋がるよーです。
つまり、物語の核心に迫るワケですね=33
そーいや2期でキレイに完結してたけど、シエルとセバスチャンの詳しいなれそめとか、サワリの部分がぼかされていたよーな。

EDラストのセバスチャン、文字通り、食べちゃいたいくらいシエルが愛おしそうな仕草がたまりません~3

以下、萌えどころを中心に感想。

(第一話)
ファントムハイブ家らしい日常、定番デス☆
シエルのおみ足にソックスを履かせるセバスチャン(今期、このシーン多くて好き♪♪)、どっちもうらやまスィ~;

(第二話)
女王様、まだご健在でなにより。。
危険なニャンコにからむセバスチャンにびっくり☆
シエルがネコアレルギーって、私も、私もだよっ、シエル~(#^.^#)♪

(第三話)
事件はサーカスがらみ?
でもイイコ達に思えるけどなぁ。。
庶民なシエルも可愛いです~~

(第四話)
なんと、あの人も潜入中とはっ!
例のあの人じゃなくて、まさかのあの人の方だよ!!
。。何しに来たのかしら?例の人より萌えるっスけど♪

(第五話)
熱にうなされるシエル。。くぅ、かわゆい~ぎゅううぅぅ~~
吸い飲みでお水を飲むシーンなんて、愛らしさの極致デス☆☆
ああもうっ!こんなん、誰だってショタになっちまうぜっ!!

(第六話)
まぁ、なんてイケナイ悪魔でしょう、セバスチャンは。。
王子様方が久しぶりに大騒ぎで大活躍、ナマステ~
ひよわな坊ちゃんは寝かされてしまいマス。Good night, baby☆

(第七話)
いよいよ敵地へ踏み込むゾ=33
病んだ男のヘンタイぶりにヘドが出ます、ぺっ!!
でもそのヘンタイを目覚めさせたのはシエルの愛らしさ。。うん、分かるぅ;

(第八話)
惨劇のトラウマがフィードバックするシエル。
シエルパパったら、セバスチャンにそっくり??おいしそーな美形っス;
ヘンタイ男は天誅でとーぜんだけど、サーカスの子たちは、ねぇ。。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ドラクエⅦの1エピソードのような話

2014年7月~ MBSアニメイズム枠にて放送
全10話

私は原作未読、1期は全話完走、2期は途中で断念という状態で視聴しました。

【1話で設定と世界観の説明を上手くまとめていた】
おそらく初見さんに配慮した話だと思いますが私のような所謂「視聴復帰組」にとっても1話で端的にわかりやすくまとめられていると色々思い出せて物語にすんなり入り込めました。普通3期まで続いているシリーズは途中で断念してしまうと中々また見るということも無いので非常に良い導入でした。


【OPの映像に魅せられて視聴継続を決意】
1話の最後にOPが流れたのですが映像がすごく格好良くて一気に視聴意欲が湧きました。
事前知識でどうやら「サーカス」が深く関わっていることしか知らなかったのですがその「サーカス」色を全面に出しつつオシャレでスタイリッシュな映像に仕上げていました、
そういえばサーカスって子供のころに木下大サーカスを1回見たきりですが何だか薄暗くてちょっと不気味だったなぁとこのOPを見て思い出してました。


【物語】
2話以降から「サーカス編」の開始
序盤はギャグを交えながら明るい雰囲気で進行していくも徐々に明らかになっていく闇とサーカスの真実。物語の緩急の付け方が非常に上手いと感じました。
あいだあいだで前作までのキャラが登場しますが初見向けの説明をはさみつつ基本ギャグで処理されて本筋にはあまり絡まなかったので全員を把握してなくても特に問題はありませんでした。
後半、ケルヴィン男爵が出てからは怒涛の展開、丁寧な伏線回収で見入りました。
ケルヴィン男爵役の茶風林さんの怪演がすごかった。
そして最終回、{netabare}サーカス団の面々は全員死亡、守っていると思っていたワークハウスの弟たちも既に・・・
本当に誰も救われない展開。
醜悪で残酷な人間の性をまざまざと見せつけられ良くも悪くも心にズシンと突き刺さる展開でした。{/netabare}
徹頭徹尾ピエロだったということですな。サーカスだけに


【総評】
全10話と1クールでも短めの話数でしたが急ぎすぎということも無く非常に丁寧に物語を進行していて最後はバッドエンドながらも説得力があり不思議とモヤモヤの残る印象はありませんでした。
ハッピーエンド至上主義なところがある私があまり悪いイメージをもたなかった珍しい作品となりました。
人体に欠損のある人の描写や拷問シーンは規制が少なく、細かいところで妥協の無い映像作りをしているなぁという印象。
1期、2期ともアニメオリジナル要素を入れながら一定の評価をされたシリーズが今回初めて完全な原作再現を果たし、個人的には今回1番面白い黒執事を見せていただいたので是非続編も見てみたいと思いました。(OVAでは出るみたいですがやっぱりTVシリーズがいいよね!)

【レビュータイトルについて】
{netabare}完全に余談
ドラクエⅦはシリーズ屈指の鬱エピソードが多いことで有名です。
最終話で荒廃したワークハウスの悲しくも美しいシーンを見たら妙にドラクエⅦを思い出してしまいました。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「美しき残酷な世界」とはまさにこれだ!(・∀・)

タイトル、分かる方に何となく分かって頂ければそれで良いです(笑)

原作既読(アニメ1,2期視聴→原作→本作視聴です)。
1期は途中から原作と話が変わり、2期もアニメオリジナルということで
次は期待できないかと思っていたんですが何と来た!!
漫画ではモノクロだったサーカスが、アニメになることでカラフルな世界に変わり、今までの私の印象もガラッと変わりました。
とても嬉しいことだ!

【物語】
所々笑えるところはあるものの、全体的に暗いお話。
血が大量だったり、とにかく色々不純でした...(笑)
それでも何故か、黒執事の世界は美しいと思ってしまうんですよね!
不思議です。

原作で読んでいたので展開に驚いたり、というのはなかったですが
本作は結構原作に忠実だったので楽しめました。
そしてシエルとセバスチャン&ファントムハイヴ家の使用人たちの主従関係もよく表れていました!
他の方もレビューに書かれているように、{netabare}サーカスVS使用人のシーンはかなりかっこよかったし、意外に感動があります。{/netabare}


【キャラ/声優】
今までの豪華声優陣に加え、サーカスの面々も豪華過ぎです。

(敬称略)
セバスチャン・ミカエリス-小野大輔
シエル・ファントムハイヴ-坂本真綾

ジョーカー-宮野真守
ドール-高垣彩陽
ビースト-甲斐田裕子
ダガー-岡本信彦
スネイク-寺島拓篤
ピーター-秦勇気
ウェンディ-新谷真弓
ケルヴィン男爵-茶風林

セバスチャンとシエルの声は、6年経っても変わらなかった...!
2人共、凄く良い声で大好きです。
あと、スネイクの寺島さんは素晴らしいですよ~。
きちんと「蛇の使い分け」をしてました!!
{netabare}しかも5話の次回予告では15役全部に挑戦!
面白かったので是非耳を澄まして聞いてみてください。
スネイクは黒執事の中で多分一番好きなキャラです!{/netabare}
ジョーカーは、活字体だとあの似非関西弁も気にならないんですが
声になるとウザさがあったかな(ちょっと悪い意味でw)。
見た目が子供のまま成長しないブランコ乗りのピーターとウェンディ、
ケルヴィン男爵の声はイメージと違ったので残念でした。

【作画】
今までと変わらず、美麗でアクションシーンも素晴らしい絵でした。
(私は原作の方が好きなので減点してしまいましたが^^;)
OPが良かったです。

【音楽】
黒執事の主題歌は、曲自体はあまり好きではないんですが
絵とマッチして世界観が上手く表現されているところが良いです。

OP-ENAMEL/シド
ED-蒼き月満ちて/AKIRA

【全体を通して】
1期、2期、本作の3期、そして映画化...
と、さらにアニメ黒執事の世界は広がっていきますね。
流石の人気です!
個人的には原作を続けて読むのがおすすめなので、アニメを観て気になった方は是非そちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

72.4 7 19世紀でイギリスなアニメランキング7位
アンデッドガール・マーダーファルス(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (222)
688人が棚に入れました
19世紀末。吸血鬼・人造人間・人狼など、異形な存在がまだ暮らしていた世界。首から下のない不老不死の美少女探偵・輪堂鴉夜が、“鬼殺し”の異名を持つ半人半鬼の真打津軽と、彼女に付き従うメイドの馳井静句と共に、怪物専門の探偵 “鳥籠使い”として数々の事件を解決しながら、鴉夜の奪われた体を探してヨーロッパを巡る―――。
ネタバレ

アニメアンチの憂鬱 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

究極のグノーシスヒロイン登場!?

●「名前のない怪物」が宿る場所

今回触れるべき話題は「名前のない怪物」が生まれる背景的なことでありますが
この件は究極のネタバレにもなり兼ねませんのでさらりとこなして別件に進むことにいたします。

「バンケット」とは{netabare}「宴会」や「宴」のことでありますが個人的解釈では
「ダークギャザリング」と同じ意味になるのであろうと推測いたします。

「晩餐会」とは「最後の晩餐」を意識しているとも考えられますが
「前夜祭」とも考えられるわけであります。

前夜祭と言えば宗教行事ということになりますが、本作との関係性で考えるならば当然
【呪術文化】に絡む宗教行事になるのでありましょう。

アニメには「裏設定」というものがあるのですが、それと同じように
「裏テーマ」というものもあるようであります。

「メイドインアビス」のプリンセスファプタや成れ果てたちそして
「天国大魔境」のヒルコに共通する裏テーマは「進化」であります。

「キメラ」という人工生命体を作る秘術が【錬金術】というものでありますが
詳しい話は「ライザのアトリエ」の方にでも譲るとして、ざっくり言うなら
【ボアズとヤキン】という2本の柱を掛け合わせて融合するという発想でありまして
女神転生みたいに?新しい生命体が生み出されるわけであります。

これは禁断の秘術でありまして、もしかしたら【カバラ】と一致するのかもしれません。

「バンケット」なる組織は新たなる種族を創造しようと目論んでいるようですが
それが「名前のない怪物」なのか、人類の救いとなるのかは未だ定かではありません。

そんなわけでここからは現実世界の「生首事件」について言及いたします。

事件の詳しいことには触れずこの事件に関わった「被疑者R」についての情報を記載します。

「被疑者R」の趣味とコレクション
・ゴスロリ
・パンク
・仮面
・黒魔術
・髑髏の置物
・ジャックスケルトン

「ゴスロリ」は「ゴシックロリータ」のことであり小学生当時の「R」が好んだ
ファッションでありまして、特に気に入っていたブランドが「h.naoto」ということであります。

「デスノート」のミサミサもこのゴスロリファッションをしておりますが、パンクの要素も
入っているのが偶然にしては出来過ぎと思えるくらいのシンクロ率であります。

ゴスロリと言えば黒色基調のパターンが多いのでありますが、何故黒かと言えば
当方の個人的解釈によればゴスロリが【堕天使】を題材にしているからであるということになります。

「パンク」と言えば「反体制」や「反発」的な意味合いがありますが、【堕天使】とは
神に背く【反逆者】でありますので両者のイメージは一致するわけであります。

「黒魔術」と言えば【フリーメイソン】であり、【ドルイド教】の【ドルイド】が使っていたもの
であるとも言われておりまして、早い話が【オカルト】であります。
【オカルト】と言えば、【バビロン、古代エジプト、ケルト】などの【呪術文化】と
当然繋がるわけであります。

小学校の同級生の証言によりますと「R」の部屋には本物の髑髏の置物があったという話であります。
髑髏と言えば秘密結社【スカル&ボーンズ】であり、【ケルト人】であります。
【オカルティスト】はグロイものを好むようです。

「ジャックスケルトン」は骸骨のアニメキャラでありますが、要するに【スカル&ボーンズ】であり
「ハロウィンパーティー」の【ジャック・オー・ランタン】と関係性があるものと考えられます。

「ハロウィン」の元ネタは【ドルイド教】の【サウィン祭】でありまして
10月31日は「前夜祭」に当たります。

「バンケット」には「宴」や「前夜祭」といった意味がありますが、
これはただの偶然でしょうか?

そしてついに触れてはいけないタブーに該当する「R」のコレクション
「仮面」について触れてみたいと思います。

「仮面」とはタキシード仮面やセーラーV、美少女仮面ポワトリンなどが付けているものであります。
他にもアイドルのミステリーキッスやアザリエも変態仮面仲間であります。

「仮面」のことを【マスカレード】と言いまして【仮面舞踏会】のことも意味します。

【マスカレード】は貴族文化でありまして、発祥が【ヴェネツィア】であるということですので
当然【ヴェネツィアの黒い貴族】が絡んでくるだろうという推測が成り立つわけであります。

「黒い貴族」とは「褐色の肌を持つ貴族」たちのことであり、つまり
【フェニキア人】であったなどと言われています。

彼らの行う【晩餐会】でありますので当然「宗教的な儀式」ということになります。
そんなわけで【マスカレード】とは貴族特有の文化で、それは
【乱交パティー】であったなどという説が生まれるのでありました。

貴族文化である【マスカレード】の秘密を命がけで暴露しようとしたのが
映画界の巨匠「スタンリーキューブリック監督」でありまして、彼の遺作
「アイズ・ワイド・シャット」では秘密の儀式の一部が暴露されております。
https://youtu.be/k1Q7aCzpEuk

この監督が大成功を収めた背景には当然の如く、「出資者」という計り知れない程強大な存在が
いたからでありますが、自分の実力とは関係なく出来レースみたいな感じで結果が決まる映画業界の
在り方について監督本人のプライドがどうにも許容できなかったようで
命がけの暴露でもって一矢報いようとしてこの遺作を作ったとのことであります。

しかしながら貴族文化の闇を完全暴露するはずだったノーカット版は封印され
彼の願いは叶わなかったようであります。

それでも「アイズ・ワイド・シャット」を見れば【マスカレード】が特別な儀式であり
彼らの思想が濃厚に反映された「宴」であることが、なんとなく理解はできるので
それが唯一の救いであると言えるのかもしれません。

【ヴェネツィア】にいたのは【黒い貴族=フェニキア人】ですが「アイズ・ワイド・シャット」の
「仮面舞踏会」が「ハロウィンパーティー」に酷似してるのが少し妙であります。

しかしながら【ヴェネツィア】に伝わる伝統的な祭りでは実際に「ハロウィンパーティー」のような
奇妙な仮面を被るのは事実のようでありますから、【フェニキア人】と【ケルト人】の文化は
予想外に似ていたということなのかもしれません。

・ゴスロリ・パンク・マスカレード・黒魔術・髑髏の置物・ジャックスケルトン
これらは被疑者「R」の趣味嗜好であり、彼女の思想を解明する手がかりであります。

ざっくり言えば「R」は【オカルティズム】に毒されているわけですが、酒鬼薔薇聖斗のように
儀式めいたことをするならば、それはもはや【サタニスト】ということになります。

「名前のない怪物」が心に宿ると人は【オカルティスト】となり
【サタニスト】になるのかもしれません。

「生首を愛でる」価値観や正当化できる理由が「R」とは別にあるとしたら
それが何なのか是非ともお伺いしたいというのが個人的な意見であります。

【マスカレード】は紳士淑女の変態的晩餐会であります。
「生首を愛でる」趣味嗜好にも同じような変態性を感じます。

冷静に考えれば【グノーシス主義】とは倒錯した価値観の表明でしかないのですが
そんな【グノーシス主義】的な本作のヒロインに何か特別な意味があるのでしょうか?{/netabare}

●カリスマ黒魔術師

モリアーティー教授御一行の中に{netabare}切り裂き {/netabare}ジャックなる人物がいますが
その犯人像は「変態的英国紳士」だとも言われています。

英国名物の英国紳士でありますので、当然それに対を成すのは貴婦人でありまして
カーミラなるキャラが登場するわけであります。

{netabare} 吸血鬼カーミラはレズビアン的性癖があるようですが、その元ネタと言えば
もちろん「現実に存在した吸血鬼」=血の伯爵夫人【エリザベート・バートリー】であります。

「血の伯爵夫人」については語るべき要素が多々ありますがここでは単純に
「変態貴婦人」であったことを強調しておきましょう。

紳士と貴婦人の「とある変態プレイ」は貴族文化を象徴的に示すものでありまして
それ自体がタブーでありますが、その変態性思想について本作に相通じるところがある
現実で発生した「とある殺人事件」と関連付けて、ある種の思想性、つまり
【グノーシス主義】についての解析を行おうということでありまして、現実と創作を関連付ける
という行為はある意味最大のタブーとも言えますが、敢えてリスクを冒してでも、
思想の秘密について暴露して参ろうという話であります。

それについては来週の話になるでしょう。

先に言及すべきは現実に存在した【黒魔術師アレイスター・クロウリー】であります。

【黄金の夜明け団】というある意味【フリーメイソン】のような秘密結社に属し
【黒魔術】を研究していたカリスマ的存在でありまして、そっちの界隈では
絶大なる影響力を発揮していました。

「ヒッピー文化」や「ニューエイジ運動」などもこの「カリスマ黒魔術師」の思想的影響を受けたものでありまして、同性愛を是とするヒッピーの価値観も
【クロウリー】自身が「バイセクシャル」であったことに関係すると考えられるわけであります。

LGBTの思想的先駆者であった「カリスマ黒魔術師」、同じように現代のLGBT
推進論のカリスマである【レディー・ガガ】、そして「L」の傾向が見られる
【血の伯爵夫人エリザベート】、この三者に共通する思想性を示すなら
【サタニズム】ということになるでしょう。

「思想的LGBT推進論者」は【サタニスト】であります。

【サタン】とは【反逆者】のことでありまして、
それは「モーセの十戒」に「反逆する者」であり
「創造主ヤハウェ」に「反逆する者」であります。

創造主は、男のアダムのために女のエバを生み出し、
互いを思い、愛し合うことを望んだのでありますが、
【反逆者】は男と女が愛し合うことに反逆して敢えて同性愛を選ぶのであります。

【サタニスト】とは同性愛が是か非かよりも【反逆】自体に重きを置く人種でありまして
ある意味反抗期の子どもみたいなへそ曲がりであると言えます。

【アレイスター・クロウリー】は【チャネリング】が得意でありまして
エジプトのピラミッドの下に眠る【トート神】と【チャネリング】をしたということであります。

【チャネリング】とは【シャーマン】などが使う秘術でありまして、ドラッグを服用し
普段使われていない脳の部分(松果体?)を活性化させ、神秘的幻想体験の中で
神や悪霊と繋がり、啓示を受ける類のものでありまして、神降ろしの儀式とも言われます。

ドラッグと言えば当然の如く「ヒッピー文化」に繋がるわけですが、
「ニューエイジ運動」とも深い関係性があります。

日本では「ニューエイジ運動」というとあまり聞きなれないものでありますが
日本では「スピリチャル系」という名前でかなり広範囲に浸透しておりまして
少し前のことになりますが日本の若者が、「アヤワスカ」なるドラッグがもたらす
神秘体験を求めてわざわざアマゾンの奥地まで赴くということが一部でブームとなった
ことがありまして、この事例により神秘体験に対する関心が異様に強い「スピリチャル系」
なる謎人種が日本にも意外といるということが見えてくるという話であります。

「黒魔術」に「神秘体験」に「スピリチャル」、早い話が全部【オカルト】でありまして
聖書で「やってはいけない」と記される【サタニズム】の行為と【オカルト思想】が見事に
リンクし【ドルイド教】などの「古代宗教」と【オカルト思想】も見事に繋がるわけであります。

6話で生首女が車に轢かれグシャりましたが、何故そのような描写を挿入するのでしょうか?
何故【アレイスター・クロウリー】?
何故【エリザベート・バートリー】?
何故【アンデッド】?
何故【生首】?

「生首」というのはとても重要であるのかもしれません。
「生首」はタブーとも言えますが、【グノーシス主義】的にはそれこそが
肝であると言えるのかもしれません。{/netabare}

果たして、「生首」の思想性とは如何なるものでありましょう?


●英国紳士は変態プレイを好む

真打登場して駄洒落で落とすというバルス展開は悪くもないとも思えますが
{netabare}「吸血鬼」も「鬼」も同じ「鬼」であり【デーモン族】であるのに「鬼」の攻撃力だけ
チート級に高いという設定には微妙なものを感じました。

肉を食らい血を飲むのが「鬼」であり、【ネフィリム】であります。

【ネフィリム】は【堕天使】と人間から生まれた「ハイブリット」の眷属でありまして
早い話が「怪物」でありますが、【巨神族】とほぼ同じの【鬼神】に比べると
「吸血鬼」は体格も小さく人間に近いという解釈もできないこともありませんので、
より【堕天使】の血が濃い【鬼族】の方が攻撃力が高いという発想ももしかしたら
間違っては無いのかもしれません。

しかしながら真打の芸人が証言している通り「人と怪物は共存なんてできませんよ」
というのは真理でありまして、「吸血鬼」も「鬼」も【ネフィリム】であり、
怪物でありますので、ゴダール卿が目指す人類との共存という理想と彼の家族ごっこは
「悲劇」どころか、「喜劇」でしかないというがこの話のオチであります。

伏線回収は相応に巧く「血は水より濃い」という言葉の通り、【ネフィリム】の一族の独特の血統
故に息子が見事に【優生思想】丸出しの思考回路に染まっていまして、
下等な人間族を見下し、人類との融和路線をぶっ潰す暴挙に出るわけであります。

【グノーシス主義】が目指すものは人類との共存ではなく、支配であり飼育でありまして
何故ならば【ネフィリム】の種族の方が力があり優秀だからということであります。

「創造主ヤハウェ」が純血の種族であるユダヤ人に【カナーン人】を聖絶せよ(=滅ぼせ)と
命じたのも血統の性質により両者が共存するのは不可能と判断したからと推測されるわけであります。

鬼族、巨人族、ヴァンパイア、エルフ、ドワーフ、魔法少女、ネクロマンサー、ポケモン等々
これらすべては怪物であり、【ネフィリム】の血統の為人類との共存は根本的に不可能でありまして
そのことについて一番よく知っているのは【優生思想】に毒されている彼ら自身であります。

しかしながら【ネフィリム】の血族は知能が高いため、争いの原因は人間族が
差別的で好戦的であるからであると責任転嫁のフィクションをでっち上げるわけであります。

亜人種などが人間により差別され冷遇される類の話が腐る程蔓延してますが
すべては【グノーシス主義】に毒された確信犯の仕業であります。

「生首女」と「成れ果て鬼」のコンビが出てくる時点で本作も【グノーシス主義】の影響を
受けていることは明白ですが、【優生思想】に毒された典型的というべき貴族を登場させ
それなりに真実を描いているだけ大分マシと言えるような気もします。

黒幕の謎の「M」が英国紳士だとしたら、スパイ映画「007」の「M」ということになるでしょう。

確かに見た目は「モリアーティ教授」ですが、明治維新や明治政府との関係で考えたら
「M」は英国の諜報機関「MI6」であるように思います。

「MI6」や「モサド」、「CIA」の創設にかかわった「陰の実力者」と言えば
【アイゼンベルグ】という名の「ユダヤ人」であったと言われていますが、
ユダヤ教を信じているはずのユダヤ人が世界の黒幕であるとする「ユダヤ人の陰謀論」の類の理屈は
思想的に言えば完全に本来のユダヤ主義と矛盾しており、むしろ反ユダヤ主義的であると言えます
のでユダヤ人と敵対関係にあった【バビロンの種族】の残党であるところの【フェニキア人】が怪しいという結論に至るわけであります。

英国紳士の中でもとりわけ大富豪が鬼畜であった理由としては、切り裂きジャックの件もありますが
やはり何と言っても【英国東印度会社】による悪行の数々が決定的でありまして
その株主、資金提供者は誰なのかと言えば、英国の有名な金融マフィアや同じような
欧州の金融関係者に、莫大な資産を持つ王侯貴族の類ということになるでしょう。

金の亡者どもの資金ルートを追うとすべては繋がるという話でありまして
陰謀機関であれ、秘密結社であれ、何かの組織を作るには莫大な資金がいるという時点で
そのような資金を出せるような陰の実力者に相当するクラスの人物ならば自ずと
的が搾られるわけであります。

「M」は「MI6」の意味もあるでしょうが、【ジャーディン・マセソン商会】の
「マセソン」の「Ⅿ」とも考えられるわけであります。

【ジャーディン・マセソン商会】は【東印度会社】の系統でありまして、この商会の
「長崎代理店」と言うべきものが【トーマス・グラバー】が設立した【グラバー商会】であります。

【トーマス・グラバー】なる商人こそが長崎を拠点に坂本龍馬などを取り込んで
意のままに操り、明治維新という日本の近代化を仕込んだ工作員と言われる人物でありまして
明治維新の立役者と呼ぶべき英国紳士でございます。

【グラバー商会】の背後には【ジャーディン・マセソン商会】があり、それには
【香港上海銀行(HSBC)】が絡んでいたことから、英国の有名な金融マフィアである
【ロスチャイルド家】に繋がるわけであります。

英国紳士は金稼ぎの「鬼」であり、金儲けの為ならば何でもやる潔い生き方を貫く
変態種族でございます。

なぜそれ程までにポリシー貫けるのかと言えば、恐らくは彼らの血統に秘密があるのでしょう。

【ネフィリム】とは【堕天使】と「人間」のハイブリットであり、
「巨人族」であり、「鬼族」であり
そして力ある勇者、名の知れたものであったと言われています。

勇者は【黄金の魂】を持ち、その能力を発揮して「王」となるわけあります。
【黄金の魂】を持つ種族だから【優生思想】に毒されているというのは辻褄が合う話であります。

優れた種族がより劣った種族を支配するという発想自体はとりあえずは理解はできます。
しかしながら「彼ら」との共存はそもそも無理というのが結論であります。{/netabare}



兎にも角にもアニメアンチの知ったかぶりをまずは披露させて頂きますと
本作は「魍魎の匣」のぱくり、いえ、オマージュ作品であります。

如何にも見世物小屋の客引き名物になりそうな感じの「生首女」の元ネタは
「魍魎の匣」に登場する美少女でございます。

魔法少女と言えば聞こえはいいですが、要するに魔女でありまして
{netabare}魔女と言えば醜い老婆であり、早い話がグロであります。

本来ならば見た目がグロの悪役側である、魔女や鬼族やネクロマンサー、吸血鬼、エルフに
魔王、ドラコニアン、進撃の巨人とか、無理やりデフォルメ美化させて、主人公やヒロインなど
主要キャラに抜擢しあべこべな捏造しちゃうような思想傾向を【グノーシス主義】と言います。

ということで本作の生首アンデッドモンスター娘もグノーシス主義ヒロインということに
なりますが、いい加減ネタ切れのようでありまして、「魍魎の匣」のキャラをぱくっ、いえ、
オマージュしたのでありましょう。

まったく面白くないわけでもありませんし、むしろ粋な会話劇などには好印象を抱きますが
コメディ路線の本作が「魍魎の匣」を越えられるかどうかは定かではありません。

敢えて「魍魎の匣」に喧嘩を売ったのならその意気込みは買いたいところですが
如何せん【グノーシス主義】という自己満足傾向がある作品には加点するよりも
減点するバイアスの方が強く働くのは宿命と言うべきかもしれません。

「匣入り娘(=生首)は粋だ!」という感覚こそが【グノーシス主義】の最たるものでありますが
「マイホームヒーロー」の頭蓋骨も含めて、【スカル&ボーンズ】的な悪趣味性には
いい加減自重を要請したいところでございます。

例えば吸血鬼をヒロインにして、人間から差別されるとかいうパターン
そういうのはもううんざりするほど見飽きたので2度とやらないで欲しいというのが
当方の個人的願望といいますか、率直なアレルギー反応の表明であります。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

評価修正。作品の完成度は高いけど3つ目の話以外は物足りないかも。

 本作は3つの話に区切れていましたが、1つめの話のときはスノビズム臭が強くて「本格推理」のトリックのデータベース紹介を、オカルトと合わせて視点のズラしを狙った作品なのかなあと思いました。

 1つめの話は本格推理として、若干アラは感じますがその狙いが上手くいっていて、オカルト設定を絡めながらフェアな本格推理として成立していることに関心しました。が、まあ面白いけど飽きるかなと思いました。

 しかし、2つめの話で突然ロンドンで恥ずかしいくらいの「有名どころ」を集めて活劇を始めました。アレ?と思いましたが、結構引き込まれて行き、結果的にかなり面白いです。ルパンVSホームズ的な作品の中ではかなりレベルが高いと思います。

 話はベタな予告盗難もので、トリックというよりは仕掛けですが、これの仕掛けの大がかりですが説得力がありました。展開もいいです。主要3人のキャラも立ってきて愛着がわき出すのもあるでしょうが、上手くゲスト・サブキャラと絡まっていました。

 そして、3つめ。この活劇のままで行くのかなと思ったら、また視点が変わりました。〇〇モノと書くとそれだけでネタバレになるので書きませんが、舞台設定とキャラの動き、そして肝心な幹になるストーリーが絡まって面白い、迫力がある、考えさせられる話になっていました。

 本作全体が、推理+オカルトという題材でしたが、3つの話でその方法論が違うのに、主要キャラ・サブキャラの動きに違和感がありません。これは原作者が相当優れたストーリーテラーなんだと思います。

 推理スノッブの人でもそうでない人でも楽しめる上に、ラノベ的な痛快さとキャラ萌えを両立できていると言えるでしょう。

 それを支える作画、美術、演出、声優さんの演技、構成などなどすべての要素の水準が高かった思います。OPとBGMの水準も高いと思います。

 テーマというか作品の構造ですが、仮面ライダー的あるいは人魚伝説的な根底にある不幸と、ゲストキャラの素性の悲惨さで、決して軽いだけの作品ではないです。
 ですが、それを覆い隠すエンタメ要素があるので表層ではまず楽しめる。けどやはり感じるもの、考える素材も提供してくれる感じです。1クール作品としての完成度はかなり高いのではないでしょうか。

 あまりこの辺、作品の構造を詳しく書くとネタバレになるのでこれくらいにします。シリーズとしては、主要キャラの目的は達成できていませんが、逆にもっと続いて欲しいと思わせてくれました。

 今期のアニメ、途中で嫌になる作品が多く、あまり完走した作品は多くありませんが、いまのところ作品の出来としては本作がナンバー1かなあという気がします。
 ただ、この作品を面白がれるかどうかは、人を選ぶかもしれません。その要素は…言わないでおきましょう。一つだけ言うと推理小説が好きかどうかは必要条件な気がします。

追記 23年夏のベスト1にあげていましたが訂正です。3番目のエピソードは深みがあって面白かったし完成度は高かった。ここは高く評価していいと思います。
 真ん中のエピソードは活劇として面白かったですが、ドタバタ劇だったかなあ…ここの評価は下げたいですね。
 本格推理のところも、トリックの壮大さとかハッとする感じではなかったかな。ただ、オカルトと本格推理の組み合わせは良かったです。

 評価4.7でしたが、4.3に修正します。夏の中では良かったほうには変わりないですが、ナンバー1ではないですね。



以下、視聴時の感想です。

3話 「その怪物を殺す独特な方法」による殺人を推理する?首だけの意味を出せるか?

{netabare} 1話目を見ると、初め題名にマーダーが入っているし、頭だけの存在=頭脳で勝負するという感じで、探偵ものかな、と思って見ました。
 なんだ、妖怪もの?という感じで、ただ、話の建て付けは、石ノ森章太郎氏的な改造人間の悲哀とか、人魚伝説のような不老不死の物語のような感じでした。

 ところが2話です。やっぱり探偵かい!というツッコミを入れたくなります。急におどろおどろしい感じが無くなって、古き良き探偵ものの始まりです。完全な頭脳だけで勝負の安楽椅子探偵というのがありますが、この作品は首だけでも動き回るのが面白いところですが、その首だけ設定がどこまで生かせるか?

 現状では首だけというのは、画面と設定としての面白さ以外には、あまり効果的ではないです。首だけだからこその探偵というのが描けるかどうかでしょう。あるいは、不死・改造人間問題がありますので、焦点はそこだけなんでしょうか?だとしたら、探偵ものとして描く必要があるか、です。

 Mでシャーロックホームズがいる世界ですから、オールマイティーの悪役である、モリアーティーだとしたら、ちょっと笑ってしまいますが。
 本格の推理作家の人はシャーロックホームズをネタに使い勝ちです。ですが、シャーロックホームズ的な推理はジョークネタとしてはやっても、肝心な部分の推理の組み立ては「君のシャツのエリは…」ではないと思います。

 少なくとも「ノックスの十戒」を守るとは思います。殺人に関する探偵ものとしては、トリックのズラしとして「その妖怪・怪物を殺す特有の方法」がミソっぽいですね。そこ以外は多分フェアにヒントと証拠を入れてくるのでしょう。

 ということで、設定を活かしきれるかどうかという不安はあるものの、結構妖怪殺人の探偵という流れは面白いです。
 なお、メイドはロベルタにしか見えませんでした。

 それと声優の黒沢ともよさん、さすがですねえ。あの生首っぽい声がだせてます。クレジット見るまでわかりませんでした。
 なんで生首が声だせるんだ?空気漏れないの?という疑問はさておいて。{/netabare}


4話 ちゃんとフェアな推理小説の形式になっていると思います。

 本作はやはり本格推理の様式に乗っ取り「その妖怪の特性」を作中で提示することにより、読者(視聴者)も推理可能な証拠を提示していると思います。ただ、吸血鬼編は3点ほど理解できてない部分がありました。

 ネタバレになるので未視聴の方はご注意を。

以下、トリックのネタバレ含みます。気になる点3つ。
{netabare}

1つめ。 氷のナイフによる殺人というのは非常に古典的な方法でつららを凶器にするなど、さまざまなバリエーションがります。
 そもそも、氷の凶器で人を殺せるか問題は議論があるところですが、本作は推理の古典的様式にのっとっているのでそれは不問とします。

 本作の問題は吸血鬼の弱点として「銀の杭なら殺せる」というミスリードが上手いかどうかです。
 というのは、聖水でやけどするのは明示がありましたが「聖水で殺せる」というのが明示されていない気がします。
 アリバイ工作の銀の杭が、唯一の殺せる武器だとも言っていないので、間違いではないのでしょうし血液のトリックが活きる部分ではあります。しかし、単なる杭でも心臓に突き刺せば殺せるのでしょうか?そうすると、普通の氷でもいいんじゃね?という気もします。やはり銀の杭の代替として聖水は機能するという説明は必要だったのでは?
 それと銀の杭の破壊力から言って、傷口が綺麗すぎるというのもあると思います。名探偵なら気が付くと思いますが、どうでしょうか?

2つめ。左側の血液が少ない…と言っているのは血液を採取したからという画でしたが、説得力あるかなあ?。衣服の上を流れる血液をビンで採取したんでしょうか?それにそんな左右で差がでるくらい左から採るという状況が物理的に分かりません。

3つめ。穏やかな笑顔で死んでいた、といいますが、その伏線回収が弱いです。心臓を貫かれて即死にしても、表情は変わるのでは?息子が犯人だから覚悟して穏やかに殺された、とならないと説得力がありません。本格でわざわざ言うからには、そこの説明は必要でしょう。寝てたからで終わりでしょうか?{/netabare}

 もちろん初見ですので、見落としているかもしれませんが、ここは後でフェアだったかどうか考察したいところです。

 と文句もありますが、行き詰ったジャンルとしてのパズル的な本格推理に古典的で知名度が高い妖怪の弱点を組み合わせたのは面白いところです。
 本格推理は「人が描けない」ことも特徴ですので、メインキャラへの感情移入は難しいでしょう。つまり、首だけ=頭脳の役割、鬼は怪異を殺せる以上のキャラ付けではない気もします。

 それと、予告編で今後の登場人物出てましたね。モリアーティまで出てました。これは興をそがれるなあ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
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101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

大乱闘大衆カルチャーブラザーズ

“怪物一掃”が推し進められる架空の近代世界。
鳥籠の中に佇む主人公の“不死”の生首女探偵・輪堂鴉夜(りんどうあや)
半人半鬼の“鬼殺し”真打津軽(しんうちつがる)
鴉夜(あや)に仕える色々な意味でクールなメイド・馳井静句(はせいしずく)
怪物専門の探偵グループ“鳥籠使い”の3人が、鴉夜の奪われた身体を探し求め、
欧州各地を巡り、怪異事件を解決していく。
同名小説シリーズ(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
一応の基本ジャンルは伝奇ミステリーですが、
ルパンやホームズなど誰もが知っているようなフィクションの登場人物との絡みあり、
真打津軽らとヨーロッパでお馴染みの怪物とのバトルもあり、
五体が不満足どころか皆無な鴉夜が繰り出す自虐ネタのノリは落語の小噺のようでもある。

近代は、教育の普及による庶民の識字率の上昇と共に、
彼らに向けた大衆文学や新聞などのマスメディアが急速に発達した時期でもあります。

本作の近代世界においては“怪物一掃”により、
怪物は人間を襲撃せず共存を誓った「親和派」以外は撲滅される一方。
ですが、実際は近代こそが、怪物だの怪盗だの、
庶民の妄想ワールド(切り裂きジャックにまつわるゴシップなども含む)が急拡大した時代。

ジャンル横断的な展開は闇鍋感たっぷりで、悪く言えば的が絞れていない感じもしますが、
本作は大衆文化のオールスター展開により表現された、
近代空想世界の爆発的なエネルギーを浴びる作品なのだと思います。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ラパントラック

始まり地・明治日本や欧州各地などの多彩なロケーション。
多種多様な怪物たちやその社会性を反映した建物、小物。
再現すべき要素は多いが無難に対応。

バトルシーンも極上と言うわけではないですが、
広い空間を躍動する人物や怪物のスピード感には時々目をみはる。

表情変化の描写もまずまずですが、
脳裏に焼き付くのは、いつ何時でも変わらない生首探偵・輪堂鴉夜の不敵な笑みw
作中では一度、{netabare} 馬車に轢かれて真っ二つになった後でも微笑み続けた{/netabare} 不気味なことこの上ない不死の生首ですが、
900年以上生きている間に鴉夜様が泣いた夜とかあったのでしょうか?

尚、作画も闇鍋なので唐突に部位欠損や出血多量が飛び出したりしますが、
主人公が生首でも視聴するような奇特な方なら心の準備はできているでしょう。


【キャラ 4.0点】
津軽による真打とは名ばかりの前座レベルのネタを
鴉夜(あや)に吹っ掛けてはヤレヤレといった感じで流される。
津軽の落ちないネタを、メイドの静句(しずく)の毒舌に痛打される。
灰汁が濃い掛け合いが珍道中の定番。

生首だの鳥籠だの、こんな濃厚な闇鍋メインキャラ要るの?
となりますが、オールスター級の面子を相手に事件に挑むなら、
むしろ、これくらい濃くないとメインがゲストに負けて埋没してしまいます。

某話にて、{netabare} 鳥籠使いの3人が名探偵らと共に、怪盗の挑戦を受ける展開があって、
これは灰汁の濃い闇鍋が出来上がったな。そろそろ灰汁取らないとアブナイな。
と思っていたら、引きでさらに、怪物界隈の“夜宴(バンケット)”の一味が横槍を入れて来まして。
闇鍋にまだゲテモノを放り込むのかと、私は胃もたれしながらも、ブラックな笑いに酔い痴れましたw{/netabare}


鬼の力を持つ津軽だけが“不死”の鴉夜を殺せる。
死を願う鴉夜に、津軽が、肉体の捜索がてら、もう少し人生を楽しんで頂きましょう。
といった感じで始まったこの欧州行脚。

落ちたら旅も人生も終わってしまう。
だから津軽の話は滑ったまま落ちなくて良いのですw


ただ持ち越しとなったシナリオの方は決着して欲しい所。
鍵となる黒幕の夜宴(バンケット)首魁・{netabare} モリアーティ。{/netabare}
不死を求めていると思しきラスボスが、不死に飽きて来ている鴉夜とどう対峙していくのか。
拡大し続ける大衆文化の妄想ワールドの大風呂敷を鮮やかに畳む一手はあるのか。
鴉夜様の本気。是非見てみたいです。


あとはパリの新聞特派員・アニー。
メディア・スクラムを通じてマスコミの発達と弊害が印象付けられる中、
真っ直ぐな14歳記者がどんな取材で食い込んで来るのか。
私が地味に楽しみだった隠し味です。


【声優 4.5点】
鴉夜役の黒沢 ともよさん。
動けない生首でも、探偵は頭脳さえあればできる職業などと鴉夜様は述べられますが、
数分間、人外含む曲者相手に論理的な推理に傾聴させるなど、
口車が回らなければ出来ない芸当でもある。

津軽役の八代 拓さん。
時に落語の演目も拝借しつつ鴉夜や静句や怪物たちに減らず口を叩き続ける。
こちらもスタミナが要るタフな役柄。

メイン2人には噺家の如き長尺のセリフをオーディションの段階から要求し選出。

前期『スキロー』みつみ役で主演を務めた、ともよさんのロスを埋めるように本作を観始めた私ですが、
田舎出のほんわかJKから不敵な生首探偵へ。この落差w
聞く度に毎回ニヤニヤが止まりませんでしたw


【音楽 4.0点】
劇伴担当はyuma yamaguti氏。
ジャズやクラシックを軸に伝奇ミステリーを演出。
民族音楽を想起させるコーラスや、電子音なども幅広く取り入れる大胆なアレンジもまた、
ジャンルをまたぐ作品の志向性を後押し。


OP主題歌はCLASS:y「Crack-Crack-Crackle」
明治日本、近代欧州と来て、主題歌はK-POPともはや何でもアリですがw
トレンディーなダンス音楽が、混沌としたOPアニメーションと割りとマッチしていたのが意外性。

ED主題歌はAnna「reversal」
不気味な電子和音に乗せて生首探偵の矜持を述べる怪作バラード。
いくら常識に囚われた人間が浅はかだからといって、
脳の蜜を吸い取ってしまうのはあんまりなので、
鴉夜様落ち着いて欲しいのですw


【余談】
掛け合いも独特な本作の余韻に浸ろうと。
また、落ちない津軽の講釈ばかり聞いてないで、たまにはちゃんと落ちる話を聞こうとw
先日、落語の寄席に行って参りました。

正真正銘の落語の真打の演目はラスト、少々の感動も伴いながら、見事にストンと落ちました。
俺たたENDとなった本作のモヤっとした気分も晴れて、今はスッキリとした気分。

続編のアニメ化は微妙なラインでしょうが、無心で待ちます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

61.7 8 19世紀でイギリスなアニメランキング8位
魔界王子 devils and realist(TVアニメ動画)

2013年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (355)
2167人が棚に入れました
名門貴族のウイリアムは、類いまれなる頭脳の持ち主。パブリックスクールでも、家柄のこともあり、話題の中心でもあった。しかしそんなある日、叔父が事業に失敗したことで財産を失ってしまう。名門の名に傷がつくことを恐れたウイリアムは自宅に戻り、家令と共にお金になりそうな物を探す。屋敷で見つけたのは、先代が出入りしていた地下の部屋。そこには魔法陣があり、意図せずウイリアムは悪魔を呼びだしてしまう。呼びだされた悪魔、ダンタリオンはウイリアムに告げる。「ウイリアムは魔界の代理の王を選ぶことのできる選定公である」と。それゆえに、自らを王に選べと迫ってくるのだが…。果たして魔界の代理王は誰になるのか!?

声優・キャラクター
江口拓也、寺島拓篤、松岡禎丞、柿原徹也、福山潤、高城元気、鳥海浩輔、斎賀みつき、小野友樹、安元洋貴、山本和臣、鈴木裕斗

ARENO さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

原作絵柄好み・キャラ良し・声優良し・・・あーでもストーリー惜しい

・☆・英国×悪魔×天使×学園×ファンタジー×バトル×女子向け

・☆・「きゃらびぃtv」で発見し、あっ面白そう♪と友人と騒いで放送を楽しみにしていたこの作品。一言でいえば、ちょっと残念・・・
※以下批評含みます


・★・概要・★・
魔界王子は、『コミックZERO-SUM』にて連載された漫画原作、2012年12月にテレビアニメ化が発表され、2013年夏季まで放送された。舞台は19世紀イギリス。ひょんなことより悪魔を召還してしまったウイリアムと、彼を魔界の代理王にしたい悪魔たちとの波乱に満ちた日々が始まる!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うーん・・・
どうも惜しいんですよね。キャラ的には女子受けしそうですし
雰囲気や魔界的要素を取り入れてくるところなど、
いい要素は沢山揃っているのに、扱いきれていない。
・・・みたいな。


個人的にはとても期待していたので、これから
面白くなるだろうと楽しみにみてたのですが、
結局ストーリーも大きな盛り上がりには
欠けたままゴールイン←これも結構強引に。



なにが足りないんだろうと疑問を持ちながら、
この前録画整理ついでに見て思ったことが。



→描写不足
英国学校に笑い要素、バトルに選帝侯決定戦、魔界
など様々な要素を描き切れていないのが1つ。
殊に魔界においては最後まで中途半端だったように
思われます。少しコメディ方向に傾きすぎたかな。

→ストーリーの盛り上りが欠ける
ウィリアムが超現実主義というあの性格が災いしたか、物語が
新キャラ→魔界関連→バトル→しかし意思は曲げないウィリアム
といったようにパターン化してしまってるんですよね。
つまり、だいたい先が読める!
とあと、最終回まで大きな進展が特にあるわけでもない
ので、これはその時その時でのコメディ部や
キャラを観て楽しむのがいいと言えますかね。



まあ、お話としては私にとっては少し残念であり、
最終回も不完全燃焼な感じがしてならなかったのですが
(↑もしかして、二期への…だったりして)
そこを求めなければ、登場人物やOP、舞台・作画など
楽しめる要素もあったのかな~と♪

英国/学校の組み合わせはツボでしたw
ハリポタの影響ですかね~(笑)でも、イギリスの
雰囲気とか良かったな。思えば、イギリスと言えば
ホラーやオカルトティックなものがポピュラー
なので、そういうところも意識されたんでしょうか。


あとはキャラ。個人的にはシトリーがお気に入り♡
可愛いですw ダンタリオンも嫌いじゃないし、切り離せば
ウィリアムも堅物悪くないです(切り離せばというのは
BLあまり好きではないので汗汗)
ただ、ウィリアムに最後の方でもう少し心境の変化が
あったりという場面が見れればよかったのにな~と。
始終「現実しか信じん!」なキャラで終わって
しまいましたね。そこを面白さととるかも
人によって分かれるところだと思います。


それにしても、こういう女性向けアニメは
やはり豪華男性声優を採用されてますよね!
➡ 主人公は江口くん、ダンタリオンは寺島さん、
  シトリーは松岡くん(ああ、キリコw) カミオ役
  柿原さん(かっきーって呼びたい笑)ケヴィン福潤
です。一部省略すみません汗
そして彼らがOPEDまでも歌ってしまうとは!
ファンには嬉しい(*´▽`*)
どちらもお気に入りです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

とまあ、このように突っ込みどころも多いアニメですが
聞くところによると原作の方がお薦めという声も。

いづれにせよ、ストーリーは流れをつかむくらいで
キャラやバトル、コメディを目的とすれば
それなりには楽しめる作品だと思います(^^)/

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
ネタバレ

Ballantine さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

腐女子ホモ向けアニメ(2話まで見たけど中断

■関連URL
・番組公式サイト:http://makai-ouji.com/ http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/makai-ouji/
・番組公式Twitter:http://twitter.com/anime_makaiouji
・原作漫画特設サイト:http://www.ichijinsha.co.jp/special/zerosum/makaiouji/


ストーリー

時は19世紀末のイギリス。貴族の子息・ウイリアムは後見人である叔父が事業に失敗したことから、財産を失ってしまう。「学費未納で退学」という最悪の事態を防ぐため、金目の物を探しに屋敷の地下室に入るとそこには魔法陣があり、彼は意図しないうちに悪魔・ダンタリオンを召還してしまう。ダンタリオンはウイリアムに言う。「あなたはソロモン王の血を引く選定公であり、魔界の代理王を選ぶ権利がある」と。ウイリアムと、彼に気に入られたい代理王候補の悪魔達の騒がしい日常がこうして始まった。

思った程露骨なキスとかは無いから普通に見れそうだ。
設定が結構面白いのとバトルが面白そう。



1話
{netabare}特に事前情報なし。まずは見てみよう。
え?まさかガチホモアニメ!?
ガチホモアニメは見た事無いな。
ニコニコだしちょっと見てみるかな。
ホモじゃない臭いを漂わせて最後ホモでしたアニメには頭に来た事あるけど冒頭でBL仕様ってわかるのは親切だな。
隠し地下扉本当にあるんかーい!
お?血の契約か!?ソロモンの魂…ダンタリオン!
中二病アニメなのかな?これ結構面白そうだ。
魔界の大公爵弱すぎww
なぞの闇に吸い込まれた… ヤギw
ダンタリオン完全にギャグ要員じゃないかww
うおっ家が吹っ飛んだ!?FF6のケフカみたいなの出てきた。
魔法使えるのか。死んで400年しかってスケールでかいな。
「こいつは俺のものだ」ってwwどういう事なのww
魔法便利すぎw
オカマなかなか良いキャラしてる。
政治上のライバルってw大胆だなw
なんだオカマはシールド貼れないのか。
ヤギ使えねーなw バトルが熱い!
おいバトルキャンセルすんな。
お約束の転入生。ですよねぇーww

学園バトルコメディーって感じかなぁ。ややホモっぽいが。
シャナみたいな感じかな。結構面白いからしばらく見よう。


2話
まさかの魔法少女…(だが、男だ。)ワロエナイ。
ってより飽きたよ。


うーん大して面白くなさそうなんでやっぱもういいや。
そもそもホモアニメは無理だなやっぱ。
リアルで昔ショーパブで働いてたからガチホモとかニューハーフとか未だにたまに飲みに行く仲の人いるけどアニメで見ても面白く無いや。
ちなみにリアルのオカマからするとオカマの安売りのせいでショーパブ儲からないと怒ってた。

評判良かったらまた見るかも知れない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

選定公設定等活かされていないです…。

リアリストで頭脳明晰、名門貴族のウイリアムが魔界の代理王を選ぶ選定公に!
そして王になりたいダンタリオンが現れ果たしてどうなる?ってストーリー。

最近の魔王ものアニメってなかなか面白いです。
気にしてなかったけど、ひょっとして魔王が好きなのかもな。

※1話感想 {netabare}
今回の成分 選定公2:破産2:バトル2:魔界2:貴族1:現実主義1

普通あれだけの事を目の当たりにしたらリアリストと言えども
魔界の事を信じてしまいそうだけどきっとそうは行かないのでしょうね。
ウィリアムとダンタリオンのやり取りが楽しくなってきそうです。

学費はダンタリオンが払ったのかな? だとしたらもう既に賄賂の様だけど…魔界だしアリか。
期待できそうな感じで次回も楽しみです。
ただ女性キャラが全く出て来ないのは少々気になりますが。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
今回の成分 堕天使4:奨学金2:現実主義2:召還1:指輪1

女性キャラ登場!っと思ったらあれで男なのか…。
なんだか宝塚っぽさもUPしました。
演技が誇張され舞台向けな感じに聞こえてくる。
個人的にはこれはこれで面白味は感じますが好き嫌いは出てきそうです。

今のところコメディとシリアスを混ぜていて無難な感じですが
この作風だとコメディはあまり向いてないですし
このまま進んでも器用貧乏な感じで終わってしまうと思いますので
もう少しシリアス路線を強めて欲しい気はしています。
{/netabare}

【総評】
出だしは面白くなりそうな要素を感じたりもしていたのですが…。
ストーリーに厚みがなく今までの伏線や設定関係なしに魔界無双で締める内容。
1クールで締めたいのでしょうけどコレは無いです。
キャラクター付けも薄く皆似たり寄ったりの色男で個性が出ていないです。
また掘り下げも浅く感情移入のしようがないので、
最終的に美男子の魔法レーザー撃ち合うバトルをただ眺めていただけでした。
単調だし使い回しの絵は多いし迫力無くワクワクもしませんでした。

主人公のリアリストという設定は悪くはないですし悪魔も性格や使える魔法に
もっと個性が出ていれば特徴ある作品になれたかもしれませんが
全て控えめになっていて面白味も魅力もない作品となってしまっています。
ストーリー物にもコメディ物にも成りそびれた印象です。
一部でも突き抜けるキャラが居れば違ったと思いますが…。

個人的には全く楽しめず無為な時間となってしまいました。
登場キャラクターの中に見た目ストライクだと思える者がいる人は
もしかして楽しめるのかも知れませんけど、お勧めは出来ません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

65.6 9 19世紀でイギリスなアニメランキング9位
レディ・ジョージィ(TVアニメ動画)

1983年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (12)
50人が棚に入れました
オーストラリア、シドニーの牧場で暮らす少女・ジョージィ。彼女に父親は無かったが母と優しい2人の兄と楽しく暮らしていた。しかし兄達はオーストラリア総督の孫のロエルがジョージィに接触した事を機に、長い間秘めていた彼女への想いをぶちまけ喧嘩になってしまう。それを見た母は怒り悲しみ、ジョージィに向かって流刑囚の子と罵る。ジョージィはその時初めて、自分が拾い子だと知る。ジョージィは本当の父を探すため、物心が付く前から身につけていた腕輪を持って恋人ロエルのいるイギリスへ渡る。アベルもまたジョージィを追ってイギリスへ向かう。家同士が決めたエリーズとの婚約を解消できないロエルは、ジョージィと共にロンドンを脱出するが、ロエルは重い病気にかかっていた。ジョージィはロエルのためにお針子として働く。残されたアーサーもイギリスへ。だがダンゲリング公爵の悪事を知ったために、彼の屋敷に監禁され苦しんでいた。

R子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

誰も悪くないけど…

アベルとアーサー兄弟と、その妹・ジョージィの数奇な運命を描いた物語。

ジョージィを想う二人の兄が、真実を語ることもできず妹を見守ることしかできない様子は、とてももどかしくて切ない。

すれ違いに次ぐすれ違いが生む、出会いと別れ。
誰も悪くないのに、誰かの幸せを願うと、誰かが不幸になってしまう。

原作とはラストが違っているが、それぞれに面白さがあって楽しめる。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

yuala さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ちょっとドキドキ❤

コミックスは読みました。
主人公はジョージィと言う少女の恋愛ストーリーですが、女性ならドキドキハラハラする内容でした。
アニメでも観てみたい作品です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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