2024年度の高校生おすすめアニメランキング 18

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度の高校生成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月21日の時点で一番の2024年度の高校生おすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.5 1 2024年度の高校生アニメランキング1位
負けヒロインが多すぎる!(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (360)
969人が棚に入れました
第15回 小学館ライトノベル大賞《ガガガ賞》受賞作、待望のTVアニメ化!想い人の恋人の座を勝ち取れなかった女の子——「負けヒロイン」。食いしん坊な幼なじみ系ヒロイン・八奈見杏菜。元気いっぱいのスポーツ系ヒロイン・焼塩檸檬。人見知りの小動物系ヒロイン・小鞠知花。ちょっと残念な負けヒロイン——マケインたちに絡まれる、新感覚・はちゃめちゃ敗走系青春ストーリーがここに幕を開ける!負けて輝け、マケインたち!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

11話 小鞠をいじめる話が不快。温水に全く感情移入できず

1話 作画や背景がかなりハイレベル。ハーレムの様でハーレムでない感じ?

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2話 1クール完走は楽勝でしょうね。メチャメチャなコメディですけど、結構心が痛い。

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3話 日焼け表現が素晴らしい。小鞠ちゃんの結論は痛すぎて見たくないなあ。

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4話 忘れていた痛みの感情を思い出す話でした。

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5話 ドタバタ劇で終わるのかな?面白いですが、何かの視点が欲しい気もします。

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6話 話が強引すぎる気がします。レモンの「負けヒロイン」の辛さが弱いかも。

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7話 普通過ぎるくらい普通の話で、負けヒロインを笑えない。

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8話 八奈見が上手く使えてないかも。7話からは持ち直したかな。

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9話 普通のいい話など期待していません。新キャラがどうなるかですけど…

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10話 心の痛みに泣きながらも笑い飛ばすようなものを期待したのですが…

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11話 小鞠をいじめて話を作っている感じが不快。中断にします。

 さすがに最後まで見るかなと思ってたら、今回の話はちょっとひどいですね。もし、小鞠が極端な人見知りというなら頑張って部長をしようとしている小鞠に対して温水はひどすぎます。動物園のセリフも部長会も。高校生なら失敗を引き受ける覚悟も必要ですし、その覚悟を聞いた以上は余計なお世話というか人間としてどうよという気がしました。それに症状的には吃音ですし…

 なんか、8話以降小鞠をいじめて話を作っている姿勢が負けヒロインというよりは、精神的に苦しんでいる子を弄んでいるだけに見えてきました。興味があったテーマとはかけ離れた感じです。

 それと負けヒロイン達の心理状態にあるのは「心の隙間あるいは傷」です。作品の構造上結果的にそこに付け込まざるを得ない、温水=原作者はそれを自覚しているかどうかだと思うのですが、そこが無自覚なのがちょっとなあという気がします。負けヒロインとの恋愛は偽の恋愛にならざるを得ないということですね。

 で、挙句の果てに非常階段のシーンですか。うーん…音楽とエモいモノローグ盛り上げてますけど…そのまとめ方はメチャクチャじゃない?一番重要なのは小鞠は感情的にそうなる?その心の動きは自然なの?温水の行動はそれだけで許せるの?

 これ以上、文句を言いながら見ても仕方ないので中断扱いにします。温水にまったく感情移入も出来ないので、キャラの評価をかなり落とします。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 17

あ~にゃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

「負けヒロイン」ではない

作画は神レベル!
タイトルもキャッチー!
だけどストーリーが浅い…

そもそも、「負けヒロイン」と言うのは主人公を他の誰よりも長期間好きだからこそ「負けヒロイン」になるのであって、わけの分からないモブ男にフラレても「負けヒロイン」とは言えません!
「負けヒロイン」を語るならハイスコアガールの小春を見てからにしてほしい!

その結果、全体を通してギャグ頼みの浅い内容となってしまい、高レベルな作画と高レベルな声優陣とのギャップに残念な気持ちになりました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 6
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

揺れてCガール

A-1 Pictures制作。

思いを寄せる人の心を掴めなかった少女たち、
残念な負けヒロインとモブな少年の青春ラブコメ。

勝者がいれば当然、敗者もいるのが現実である。

恋の主人公には選ばれなかった少女たちだが、
その割にはあまり悲観的になりすぎることもなく、
コメディ要素が絶妙に演出されている。

美麗な映像と優良な音楽もあり、楽しい作品です。

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それにしても、LOVE2000が良すぎる。

最終話視聴追記。
好きと言えば、もう引き返せない。
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きっといつか報われますように。
素敵な青春ラブコメとなりました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 43

72.1 2 2024年度の高校生アニメランキング2位
時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (304)
824人が棚に入れました
久世政近の隣の席に座るアーリャさんは、いつも彼に対して冷ややかな目線を向けている。けれど、時々ボソッとロシア語で彼にデレていて......。 その言葉を政近も聞き逃しはしない。 なんと、政近はロシア語のリスニングがネイティブレベルだったのだ!! 気付いていないと思い込み、時々デレるアーリャさん。 そして、その意味を理解しながらも、気付いていないような振りをする政近。 ニヤニヤが止まらない、二人の恋模様の行方は——!?
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

1話 足の指の作画がすごい。それとOPEDは一見の価値あり。

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2話 アーリャのMプレイが主体?そして毎週1パンツ。

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3話 あれ?パンツとロシア語のデレは?

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4話 無理に政近を持ち上げる話が決定的に面白くないです。中断かな。

 うーん、話が面白くないです。1,2話は結構面白かったんですけど。エロシーン云々というより、4話のサッカー部と野球部のあれはなんですか?何か感心するところとかありました?
 
 普通高校のグラウンドの予約なんて曜日ごととかで決まってだろうとか、あれだけでかい高校でサッカーと野球のグラウンドが競合しているんかい!という突っ込みはさておいても、解決方法になんのヒネリもないです。アーリャがウニャウニャ言っていたのを政近がはっきり伝えただけでは?手伝いというのはありましたけど…

 生徒会室の問答もこいつら何言ってんの?としか思いません…なんでしょう、ドラマがないというか、エピソードで見せてよとしか言いようがないです。あのシーンで面白い・感動・感心・ほっこりなどの感情の動きはまったく感じませんでした。

 3話の中学生が文化祭でお泊りで準備するとかいう話もそうでしたが、無理やり作った政近スゲーの話がまったく刺さりません。3,4話って話の流れとして非常に不自然で、単にアーリャを下げて政近を上げるためだけの話でした。

 これは正直想像以上に面白くないです。EDのチョイスも良くわからないし。失礼ながら声優さん、決して歌が上手いわけでもないし。

 これは…一旦切ろうかな…アーリャは可愛いですが、話が決定的に面白くないです。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 9

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

4話まではよかったが・・・木を見て森を見ず

【レビューNo.152】(初回登録:2024/11/10)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
当初はタイトル切りしてましたが、ABEMAの一気見配信を観てたら
「思ってたやつと違うかも」でちょっと期待したのですが・・・


(ストーリー)
私立征嶺学園に通うアリサ・ミハイロヴナ・九条(アーリャ)は、ロシア人
の父を持つ銀髪ハーフの女子高生。
努力家で成績優秀・スポーツ万能の才色兼備で、生徒会役員も務めている。
そんなアーリャの隣の席にいるのは、やる気のないアニオタ男子・久世政近。
アーリャはいつも彼に対して冷ややかな目線を向けているものの、時々ボソ
ッとロシア語で彼にデレていて・・・
しかしは政近は幼い頃にロシア語を話す幼馴染がいたので、彼女のデレを理
解できるのだった。
そのことを知らずにロシア語のデレを繰り返すアーリャと気付いていないよ
うな振りをする政近。
そんな日常も政近が生徒会に誘われたことから変化し始めるのだった。


(評 価)
・4話まではよかった
 当初は上述の通り「どうせいつものツンデレであざといやつやろ」とタイ
 トル切りしてたんですよね。
 でもABEMAの一気見配信をたまたま観たら・・・
 一番感心したのが序盤で政近やアーリャというキャラがしっかり描かれて
 いたところですね

 ・政近
  アニオタのモブ的存在かと思ったら、能力を隠した有能キャラ。
  アーリャへの助太刀でコミュ力が高く調整能力にも秀でた一面を披露。
  それをイヤミなく描いていた点がGood!
 
 ・アーリャ
  努力家で何事にも全力を尽くす性格は美徳だが、それゆえに周りとの確
  執を生むことも。
  (周りと衝突したり、人に頼ることが出来なかったり)
  何でもできるスーパーヒロインではなく、そういう不器用な欠点に悩む
  1面を描いていたところがGood!

 そんなアーリャをみて、彼女が本気で生徒会長を目指していることを知ると
 政近も心を動かされ、共闘を呼びかけ彼女の手を取るという。
 ここまでが4話までの流れですが、これはダークホースが来たかと期待が高
 まったのですが・・・


・5話以降は消化不良 →木を見て森を見ず
 ところが5話以降が期待外れ。
 一番の問題が政近の「有能キャラ」という扱いの難しさ。
 上述のように掴みはOKだったのですけどねえ・・・
 名門「周防家」(今は両親が離婚して久世姓)で英才教育を受けたので、
 有能らしいのですが、ホワイトルーム出身の某主人公かよwww
 主な戦場は生徒会長選になるのですが、どことなく中途半端さや尺のバラ
 ンスの悪さが気になりましたね。
 ・よく分からないまま「えっ、それが主軸になっていくの?!」みたいな
 ・政近が「俺tueee」で出張ってきた分アーリャの魅力が薄れた印象
  (シナジーでなくアナジー)
  → 有能さアピールもサポートというより概ねアーリャの”子守り”に
    みえてしまうのがなあ

 また「周防家との確執」的なものもあるようですが、この辺も1期では特
 に深堀されることもなく、今のところ「周防家」という設定がむしろ過剰
 要素になっているという印象ですね。

 「周防家」といえば、周防有希という政近の実の妹(同学年)がいて、
 彼女がアーリャの生徒会長選の最大のライバルになります。
 しかし彼女も
 ・周りには兄妹と知らせず幼馴染で通しており、普段は猫を被っている
 ・実は重度のブラコン(しかもアニオタ)でそのノリで政近に迫ってくる
 という観ていてイタイキャラの方が目につくって感じですね。
 彼女も「周防家」ということで有能らしいのですが、やってることはアー
 リャの動揺を誘うなど、相手を下げる行為に知略を使ってる感じで、ここ
 でも「周防家」という設定がなあって感じなんでよね。

 またアーリャについても「ロシデレ」が出オチ的になるのはやむを得ない
 としても、恋愛要素はとってつけたような感じになり、イマイチ物語にハ
 マっていない感じがしました。
 どちらかと言えば、1期は生徒会長選前哨戦を経ての「アーリャの成長譚」
 という側面の方が強く「コテコテのラブコメ展開」を期待した層には肩透
 かしだったんじゃないですかね。
 それに上述の通り政近に”おんぶに抱っこ”というマイナス感も否めないし。

 全体像から見ると話がいろいろ膨らむように設定を盛ったり、多様化を描
 こうしたものの、「木を見て森を見ず」って感じで、個々の要素が点にな
 ってしまい、作品の方向性がぼやけてしまったという印象ですかね。
 (この辺は後述の構成の問題の影響かもですが)


2期も早々に決定のようで、1期の構成をみると2期まで視聴してようやく評価
できる作品のようにも思いますね。(分割2クール的な)
とはいえ、2期も積極的に観たいかと問われれば返答に困るところw
唯一琴線に触れた(かぐやさまの早坂風ギャル)宮前乃々亜の出番が増える
なら考えてもいいかなあ(笑)


(追 記)
「ロシデレ」は原作ラノベの売り上げが1巻から凄かったらしく、2巻をあの
『涼宮ハルヒ』と同数にて制作決定するなど、市場が縮小傾向にある最近の
ラノベ界ではかなり異例の存在のようですね。
で、アニメ化前で260万部、現在は500万部達成と絶好調のようです。
最近ではラノベを原作としたコミカライズがけん引というケースが多い中で、
ラノベだけで500万部というのは、『とらドラ』『はがない』クラスに相当す
るのだとか。
そういえば2年位前に「ロシデレ」がかなりきてるって話を聞いたのを思い出
したわw

>これはダークホースが来たか
私が知らなかっただけで、始まる前は実はド本命だったようですね。
でもアニメの評判はやはり芳しくないようで、分析によるとカットの取捨選択
でミスったとか原作自体のアニメ映えの難しさみたいなものがあるようですね。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 16

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ツンデレじょうずのアーリャさん

男性向けのハーレムラブコメ

でもこれはラブコメなのか?
ラブコメ見てるはずなのに、チートアニメを見ているような気分

アニメのデキはとても良くて、しっかり美少女達の可愛さを引き出せていますね

隣の席のクールビューティー美少女が日本語ではつれない言葉だけど、ロシア語では大胆にデレていて、実はロシア語理解している主人公がドキドキするラブコメ・・・なんだけど、次々とキャラの濃い美少女が表れるし、主人公は実は超ハイスペックで学校で無双して美少女たちにモテモテな様子はまるでなろう系主人公のよう
主役はアーリャさんのハズなのに、どんどん影が薄くなっていきます・・・

話はホントに学園版なろうって感じで特に面白くない。
相手に通じてないと思ってただストレートに気持ちぶっちゃけるだけで、ロシア語なんておいしいネタをうまくいかせてないのも勿体ない

でもかわいいからそれで充分でしょ、知らんけど

1話からミニスカートで靴下履かせて~って言いだして切ろうかと思った

投稿 : 2025/04/19
♥ : 18

68.5 3 2024年度の高校生アニメランキング3位
2.5次元の誘惑(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.3 (208)
458人が棚に入れました
「リリエーーール!!!」 3次元の女子に興味無し! 漫画研究部部長・奥村は今日も部室でひとり、画面の向こうに映る愛してやまない2次元のキャラクター・リリエルの名を叫んでいた……。 そんな奥村のもとへやってきたのは「リリエルになりたい」という3次元女子・天乃リリサ。彼女は、漫画の中に登場する女の子のエッチで可愛い「衣装」が大好き。 そして、奥村に負けないくらいリリエルを愛する仲間(オタク)だった! 奥村に秘密の趣味がコスプレであることを明かしたリリサは、コスプレの写真や動画が詰め込まれた「ROM(ロム)」のコレクションを見せて伝える――。 「私っ……これを作りたいんです!!」 ふたりきりの部室で始まるコスプレ活動! リリサが変身(コスプレ)したリリエルは奥村が衝撃を受けるほど本物(リアル)で!? 熱意に押された奥村もカメラを手に!? 真摯に熱くコスプレに向き合う彼らが、「何かを熱烈に愛している」全てのオタクへ贈るコスプレ青春ストーリー、開幕!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

11話 アニメのクオリティ不足。話も挫折が無さすぎ。中断します。

1話 ヒロインのコスプレ姿に全集中?ご都合主義妄想展開だけど面白そう。

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2話 ダブルヒロインのエロ作画に命をかけられないなら、断念候補です。

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3話 話が動きだして面白くなってきました。でも衣装は普通そうやって引っ掛かりませんよね?

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4話 失敗イベントの出来や来週への引きが良かった。面白いですが作画がなあ…

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5話 右肩上がりで面白くなってきました。

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6話 サブの男が活躍する作品は期待できそう…と思ったら四天王と廃部問題かあ…

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7話 さわちゃん先生そのままでしたけど、まあいいでしょう。

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8話 視点は面白いですが、不安要素も。あとは作画だなあ。

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9話 演技過剰、説明過多。闘志は内に、以心伝心、涙は秘めるが大事では?

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10話 バトル形式の勝敗をカメラ小僧の数で表現してるのは面白い。ただ、アニメのクオリティが辛い。

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11話 話ではなくアニメとしてのクオリティ不足。中断します。

 話は悪くないんですけど、11話のクオリティで力尽きました。あと、少し原作を読む機会があったんですけど、このクオリティでは明らかに原作者はお気の毒だと思います。ヒロインのコスプレのすごさが全然伝わってきません。故に10話11話の話に説得力が全くないです。

 ただ、手放しでストーリーが褒められるかというと、やっぱり善人ばかりの暖かい世界の話はちょっと飽きますね。
 753のキャラをもっと工夫できなかったのかなと思いますし、部活がそのまま継続というのも挫折がない一直線の物語だということもあります。つまり、今後の展開はあきるかなというのが中断の理由です。

 それと1クールじゃなきゃ12話は見ますけど、2クールなんですよね?あと1クール見る気にはなれません。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 9
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

『着せ恋』と比較されがちだが、少年誌らしい切り口で差別化は図られていた

【レビューNo.159】(初回登録:2024/12/22)
コミック原作で2024年作品。全24話。


(ストーリー)
ある高校の、たった一人しか部員がいない漫画研究(漫研)部部長・奥村正宗
は、昔母に捨てられたことがトラウマになっており、3次元女子が好きになれず、
2次元キャラへ愛情を向けるようになっていた。
そんな彼ののもとに、新入生の天乃リリサが入部してくる。
共に漫画のキャラクター「リリエル」が好きな二人は意気投合し、リリサの趣
味であるコスプレ撮影を始める。
また奥村の幼馴染で現役人気モデルの橘美花莉が登場、彼女は奥村にずっと好
意を抱いていた。
そして「コスプレ=奥村攻略の近道」と考えた美花莉もコスプレに関わるよう
になっていく。


(評 価)
視聴前に抱いた率直な感想は
「コスプレ分野には『着せ恋』という強敵がいるのに大丈夫なんか!?」
という心配ですね。
正直「コスプレという世界の奥深さや面白さ」という点に関しては、『着せ恋』
には及ばないかなという印象ですが、本作は本作で少年誌らしい切り口で差別
化は図られており、違った面白さがあるのかなっと感じました。

・王道的なバトル展開や仲間との熱い友情のドラマ
 「いかにも少年誌連載(少年ジャンプ+)らしい」
 と感じたのは、リリサ自体は
 「好きなコスプレをやれるだけで幸せ」
 という無欲なキャラなのですが、周りの状況は
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 また後半クールから活動仲間が2名増えますが、
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 「コスプレ」というニッチな分野を扱いながらも、少年誌読者層ウケしそう
 な要素を上手く取り入れているなという印象ですね。


・ラブコメ要素は意外と適切だった!?
 2話でいきなり「奥村先輩ラブ♡」の美花莉が投入されますので、
 「早くも(ご都合主義的な)三角関係ラブコメ勃発か!?}
 と、やはり安っぽい作品なのかなって否定的にみてたんですよね。
 序盤は結構ラッキースケベ的な展開も放り込んできますし。

 しかし3話で2人のコス併せをすると、以降は
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 この最終話がかなり秀逸で、ヒロイン側の心情だけでなく、奥村の心も動か
 してきます。
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まあ根本的な話として
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とツッコミどころもありますが、この辺も前半パートのエピソードとして一応
丁寧に描かれていますし、後半はキャラを増やして世界を広げて上手く展開し
てきたなと思います。
最終話もしっかり作品を引き締めつつ、ラブコメも進めて今後に期待を持たせ
る形で終わりますし。

ぶっちゃけ
「『着せ恋』との格の違いを晒して惨敗するやろ」
という事態も想定していましたが、「王道の少年漫画展開」で予想以上に健闘
してたかなという印象ですね。
やはり連続2クールで、後半ギアが上がってくる展開まで一気に観せてくれた
ことが大きいですね。
順当に2期も決定ということで。

ただ作画は『着せ恋』のクローバーワークスがハイレベルだっただけに、どう
しても見劣りしてしまいますね。
まあ比較なしでもヒロイン達はもう少し頑張って欲しかったというのはあるん
ですが。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 17

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

光る物はあれどシンプルに見ててつまらない、おすすめ度★★☆☆☆

リリエール!!

本作は言うなればエロ方面に多少寄せた劣化版着せ恋であり、着せ恋と違ってラブコメ要素よりコスプレの方が主軸になってる感じ。

女の子のビジュアル、コスプレに対する描写に関しては色々と良く、特にコスプレ愛や情熱を見せる場面の描き方はそれなりで悪くは無い。

しかし物語的にはスローテンポで、753の過去回想自分語りでそれが如実に現れてる。主人公とヒロインの痛々しいやり取りは薄ら寒いし、最初の方は変なお色気でお茶を濁したりもする。スタートダッシュから安定がない。

主人公のキャラはラブコメしてる時は悪くないがコスプレ関係となると途端に痛いオタクのそれで魅力がない。753のキャラもライバル的な立ち位置としてはなかなかのものだが、彼女掘り下げる余裕あるならもう1人のヒロインの美花莉掘り下げてくれません?流石にリリサと比べて露骨に扱いに差が出てんだよ。鬼頭明里の無駄遣いだろうが。

2クール目時点で現状問題が改善される見込みは果たしてあるのか。とりあえず暫定的な評価はこんなもん。しかし放送前は悪くなさそうだなと思いきやまさかこうもダメなアニメだったとは…まともなラブコメとしての地位をかなぐり捨ててなろう系へ走ったロシデレと違ってまだラブコメとしての体裁があるだけマシだけど。

すみません…さすがにテンポの悪さに耐えきれないので離脱します…

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

68.2 4 2024年度の高校生アニメランキング4位
義妹生活(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (173)
482人が棚に入れました
高校生・浅村悠太は父・太一の再婚をきっかけに、同い年の少女・綾瀬沙季とその母・亜季子と一つ屋根の下で暮らしていくこととなる。 互いに両親の不仲と離婚を経験しているがゆえに、男女関係に慎重な価値観の二人は、義理の兄妹として適切な距離感を保とうと約束する。 「私はあなたに何も期待しないから、あなたも私に何も期待しないでほしいの」 考えを述べあい、すり合わせを重ねることで、互いを理解していく悠太と沙季。 新たな生活に居心地の良さを感じはじめた時、二人の関係はゆっくりと、しかし確実に、変化をはじめて………… これは、いつか恋に至るかもしれない物語。 “他人”が“家族”へ、そしてその先へ。 少しずつ変わりゆく日々を映す、恋愛生活物語。

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

やたら描写が細かい。それが雰囲気づくりに貢献していて面白さも感じる

1話感想 3.1 なんか独特な変なテンポというか雰囲気が。悪くはないですが…

うーん、何でしょうねこれ。

いや、主人公はまあまあ共感できます。
初対面の相手にやたら横柄だったり馴れ馴れしかったりする男主人公は多いですが、最初はちゃんと丁寧で、相手の希望をちゃんと聞いて砕けた口調にするなど、悪くないです。

義妹も別に過剰にツンがきついわけでもなく、むしろ自然な、急に異性が同じ家にいたら普通に警戒するレベルで普通です。

というわけで、2人の対応は決して不自然ではなく自然な感じで悪くないとは思いました。

…でも、なんですかね? 独特な変な空気感といいますか。テンポというか、なんか変。
なんか良くわからない演出が… 最後の電気はなんですかね? あれはわかりやすく意味不明な描写でしたが、それまでもなんとなく空気が、ちょっと変というか。

独特な変な空気感があって、ちょっとなんか…。
なんだろう? 嫌だってわけでも無いんですが、何でこうなのかな? と引っかかるような… でも別に嫌ってほどではないんですけどね。

後は作画も全体的にちょっと微妙なのが残念なところ。
いやあくまで微妙でひどいってことは無いんですが。
でも途中崩れていきそうかなぁ。

いやコメントが難しいですが… 正直変です。
違和感があるってのは何か狙いがあるというか、単に出来が悪いんじゃないかな…。

でも変なセンスというのは決してダメダメではなく、何だこりゃ、と人目を引く部分もあるので…
ま、クオリティの割には、ちょっとは見たいと思えました。

でもクオリティが低いのは確かなので… 見るかどうかは考えます。

2話感想 3.6
こちらで他の方の感想を読んで違和感の正体に気づきました。

本作は、描写がやたら細かいのですね。

人間というのは多数無駄な動きがあって、実際には色々なことをやっています。
しかしアニメというのは些細な動きを書いたらその分作画コストがかかります。
だから些細な、本題に関わらない無駄な動作は一切省いて、ストーリーの進行に必要な描写だけを行うのが、当然だと思っていました。

なのに本作は些細な描写を、やたら細かく描いているのですね。
普通なら描かない、省略するような描写が多数あるから、『何か変』という違和感すら覚えたのでした。
アニメの文脈に慣れすぎていたせいですね。気づかず恥ずかしい…。

とはいえ、その無駄な多数の描写が雰囲気作りに役には立っている面はあると思います。

気付いたことで、本作に対する興味がぐっと増してきました。
視聴継続したいと思います。

全話感想
まあなんといいますか、独特な空気感、テンポ感のある作品でしたね。
内容としては具体的にどうというわけでもないのですが、なんとなく独特な空気があってそれが物珍しくて興味を惹かれました。
まあ面白かったかといわれればうーんってな感じなんですが。

しかし途中にあった妹が兄に身体を売る的な話はなんだったんでしょうね。
いやそれ自体は良い展開なのですが、結局未遂で終わるんですが、さらっと流すには重すぎるような。
注意して終わりで良いんでしょうかね。
まあ未熟な高校生、間違えることもあるってそんなものかもしれませんが。

とにかく、こういう空気、テンポはあまり見ない、という点で希少な作品ではあったと思います。希少というのはありふれているよりはよほど良いので、ちょっと評価対象です。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 8
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

キャラ全員が同じ人みたいな印象。終わってみれば演出が不快です。

 最後まで見られたのでその点は評価してもいいかなと思います。で、評価ですが本作で気になったのは2点。演出に内容(心理)が伴っていない気がしたのと、1人の独白をずっと聞いているような印象です。特に演出については作品を正確に読み取らせようという姿勢ではなく、ミステリアスなイメージ作りでしかなく正直これはどうよ?と思います。

 あのサイコロの目というか点字みたいなサインが何だったのかも私は読みとれていませんでした。沙季は音楽を聴いている=心を閉ざしている、現国が分からない=人の心が読めないという自閉症的な感じはしたものの、それがストーリーとリンクしているだろうか、突然悠太と同じアルバイトに面接に行ったり髪を切る衝動と結びつくだろうか、完璧主義と行動は言行不一致ではないだろうかなどと考えてしまいました。
 また、ジェンダー云々の発言も彼女の何を意図していれたセリフなのかはわかりますが、彼女を形作っている情報とか知識とはそぐわない気もしました。まして母親の水商売を旧父に対して論理的に擁護する立場ですからね。

 で、最後にギブアンドテイクかあ…人に聞くのが正しい勉強法でもないし、この辺はまだ沙季が幼く何もわかっていないと言いたいのか、物語としての主張なのかもよくわかりませんでした。

 最後の悠太の語りで結末はまとまった気もしますが、悠太と沙季がなぜ惹かれあったのかがやっぱり読み取れませんでした。同じ時間同じ空間を過ごしたからというには短すぎる気もするし、同類の親近感なのか、ルッキズムなのか、相手の弱さが愛おしいのか、家族という障壁が燃え上がらせたのか。その辺がよくわからない…というか、沙季も悠太も口で説明しかしてない気がしました。言葉と内面の不一致があってこそのラブストーリーだと思うのですが。そこがこの後、破局する物語ならわかるんですけど現状では保留という感じですね。

 一番気になったのが、この作品ってキャラの価値観の相対化ができていない気がします。やっぱり1人の人間が考えた道徳や恋愛観、社会、家族、男女などの一つの視点で見た世界観の中で、男女を配置して原作者の代弁あるいはコマとしてキャラが説明しているだけに見えました。大人の意見が大人に聞こえない、変わった人間設定の人間が変わっていない。准教授のところが顕著でしたが、やっぱり全部1人の口から出たセリフをキャラだけ変えて説明されているような印象が、特に後半では感じました。

 恋愛ものとしては「隣の〇〇」的なものの一種かな、という印象です。これは「都合の良く美少女と突然同居したら?」という作品です。原作をある程度読んだのでその印象は間違っていないと思います。演出の妙で心理劇のような印象を作ったのは、制作陣の上手さでしょうね。この作品をよくここまでもったいぶって作ったと思います。ただ、それは視聴者を裏切ったことにもなる気がします。

 テーマとして家族とは何か?も全く描けておらず、障害と義務としてしか機能していませんでした。そして障害としても低すぎるでしょう。それは父母を全く描けていないからだと思います。演出で重い感じを出していますが、雰囲気だけの演出はストーリーの邪魔にしかなりませんので、その点は一番頭にきています。

 なお、最終回の作画って結構崩れてました?別の作品かなと思うようなところがありましたが。

 点数はストーリーとキャラは2.0。演出はだましに近い気がするので作画に入れて1.5…ですが前半の作画は良かったので2.5にします。無音を使ったのはよかったので音楽は3.5にします。





11話までと原作4巻まで読んでのレビュー

 この原作の評価は、1人が考えた想像上の会話を聞かされている…という感じでした。「ゆっくり動画」の魔理沙と霊夢と言えばいいんでしょうか。情報や主義主張を語るだけでなく、一応プレゼンテーションとして会話劇にするという感じです。スマホでアフェリエイト狙いの冗長なブログとかとも共通しています。

 つまり、キャラが活き活きしていない気がします…というと情緒的すぎますかね。キャラが「ゆっくり」と同じように作者1人の言いたいことを代弁している様子が透けて見えるといえばいいんでしょうか。
 その印象の証拠として准教授が分かりやすかったですね。准教授と女子高生の会話への流れ、出会いすべて不自然です。なにか説明の場面を無理無理つくるために、ぽっと登場させたキャラであることが見え見えというべきでしょうか。
 で、准教授との会話が特に顕著なんですけど、知識人である大人と高校生の会話に見えないんですよね。「ちょっと勉強したんですけど聞いてもらえますか?」という説明を会話風にされている気分です。驚きも感動もない一般人の主義主張です。
 それを単に問答形式に2つの人間に分けただけで、会話にキャラ造形が透けてきません。言葉にバックグラウンドが感じられません。つまり作品のキャラがキャラ化できていないといえばいいんでしょうか。

 で、アニメなんですけど、恐らく監督か演出かわかりませんが、そこはちゃんと見抜いたんでしょう。軽くなりすぎる。キャラが活きない。だから、悠太の方の1人称を3人称の視点にして、意味深長な演出で心情がある風な演出にしたんだと思います。そうすると「深いかも?」という錯覚になるんだと思います。私もそうでした。

 義理の妹、兄を好きになる。それだけならアダルトコミックと変わりません。どんなテーマが入れられるか?ですが、うーん…ちょっと父母の言動といい、准教授といい「私の考えた主義主張」的な浅さがあるかなあ…やっぱり家族を解体させて、改めて付き合うとか何かが無いとなあという気がしました。原作評に近くなってしまいましたが、こんな感じでしょうか。

 一応もう1話でしょうから、12話を見て修正点があれば追記します。









1話 見てると息苦しくなりますが、それが2人の気分なんでしょう。

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2話 え、これは考察しろって言ってる?最後の方のあのシーンは何?

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3話 面白いし雰囲気いいですが、全部セリフで説明しちゃった?それはどうなの?

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4話 気になるのは音とイヤホン。なぜ、沙季のシーンだとBGMが消える?

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5話 なんか変なフラグが立ちました?あまり方向性が見えませんねえ…

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6話 最後の点字みたいなの何?もともと沙季は正常な人に見えませんが…

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7話 一番いやな予感がする話の展開になってきました。だとしたら馬鹿にされた気分。

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8話 悠太の気持ちが見えないのが結論に活かされるかですけど…なんかなあ…

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9話 居心地の悪い家族ゲームと恋愛に似た醜悪な何かを見せられている気分。

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9話まで中断時レビュー
「意味深長っぽい演出に騙された気分です。「義妹がいることとは?」の心情描写が薄すぎ」

原作1巻を読みました。本作を見ていて感じた違和感、主人公の視点はどう考えればいいのかがわからない理由がわかりました。1人称の小説を(神の視点ではなく悠太カメラの)3人称にしたんですね。そこが謎めいた演出につながって独特の雰囲気になったと。

 原作を読んだ印象は、キャラに実在感がなく、理屈をずっとしゃべっているだけに見えました。1巻が短くて夜這い的なところまででした。その先も入手してしまっているので読むかもしれませんが、今のところどうしようかなという感じです。

「お互い期待しない」のに「高額バイトを探して」と沙季が依頼する部分が代表ですが、いきなりお互いが干渉しあうんですよね。「期待しない」と「金で済ませる」をつなげれば、ドライな関係でいようということかもしれませんけど。

 ただ、完璧主義な人間がこういう言動をするのかなという違和感がやっぱり特に沙季側にあります。身体を売るなら売るで割り切って一人でさっさとやるでしょう。母がバーテンダーとはいえ夜職に理解があるなら「期待しない」義理兄に相談はしないし、まして身内に身体を売るなどという発想にはならないでしょう。
 ジェンダー論を勉強してそこにも完璧であろうとするなら、家父長制に反対すると思います。そして、母の再婚に抵抗しないところでジェンダー・フェミニズムの勉強も中途半端なんだと思います。英語の勉強=自立の準備という思考が安易です。悠太の身売り反対の理屈なんて正直言えばガキのたわごとで、童貞の妄想でしかないです。

 結果、自立というのが甘えにしか見えないです。単純に考えればあとわずかで18歳です。そこから独立するのに高額バイトで準備とか必要ないです。その沙季の甘えが描きたい部分かもしれませんが、それは読み手の妄想で表現されている部分からは読み取れません。沙季がどうやって変化していくのかが日記だけです。3人称にするならそこを丁寧に描いてほしいし、原作の弱いところなので補強しても良かったと思います。

 そして、じゃあ、本作が悠太のことが描けているかといえば、やっぱり聖人というか「僕の考えた理想のすごいキャラを形にしました」的な存在な気がします。この点は原作の方が義妹がいる戸惑いは描けていると思います。そう、義妹がいる戸惑い…どうやってふるまうかの思考ですね。これは1人称ならではです。
 これがあるので原作はまあまあ読めます。会話は説明くさいですけどね。本作は「義妹生活」のテーマであるだろう肝心な「義妹がいることとは?」がぽかっと欠落している気がします。ですので、原作勢は楽しめてもアニメ勢だと何が描きたいのかわからなくなっています。

 また、両親も本作よりかなりライトなノリでこの2人については家族問題の視点はほぼないといっていいでしょう。あとででるかもしれませんけど。

 いずれにせよ、本作に興味をもった演出のやり方ですけどそこに意味性はなく、意味深長に描いていますが単なる雰囲気だと判断しました。沙季の心情を丁寧にすくって音楽や場面が考えられているかと言えば、私はそうなっていないと思います。

 後付けで原作を読んだので余計頭にくるんだと思います。逆なら評価は変わるかもしれませんけど。
 たぶん買ってしまった原作を読んでしまいますのでレビューはこれくらいにして、結末後に追記するかもしれませんが、9話までですと正直期待外れもいいところでした。全部説明してしまっているラノベ故に、文学っぽい演出で心情を表現したいという意図はわからなくはないですが、演出意図に込められているものがほとんど読み取れません。その薄さ故に終わったときに1クールのアニメ作品として成立するかは微妙な気がします。結末は確認します。

 ただ、これは私の印象ですが、悪くとれば原作の1巻1巻の短さをカバーするために演出で引き延ばしたようにも見えました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 12
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品

【レビューNo.148】(初回登録:2024/10/20)
YouTube漫画原作で2024年作品。全12話。
ここのレビューでも散見されますが、タイトルからすると
「コメディ色の強いご都合主義のいつものやつ」
って思いますよね(笑)
リアタイで視聴していた時は「切るほどでもないが・・・」でダラダラ完走
したって感じでしたが、見返すと意外と悪くない作品だったかも。


(ストーリー)
「”義理の兄(妹)”はただの他人だ」
高校2年生・浅村悠太は父親の突然の再婚により、義妹となった派手な見た目
の同学年の綾瀬沙季と出会う。
2人は
・前の両親の不仲を見てきたために共に男女関係に慎重になっている
・今の両親に心配をかけて家庭を壊したくない
という思いから、都度”擦り合わせ”を行い、「適切な距離感」を保つことを
約束しあうのだった。


(評 価)
・タイパ重視のこのご時世に・・・ある意味挑戦的な作品
 同クールに70本程度放映されるのが当たり前となったこのご時世、それこそ
 3話切りどころか1話切りされる恐れもある訳で
 ・序盤からテンポよく畳みかけたり、キャッチーな展開をブチ込む
 ・目を見張る映像美やヌルヌル動く作画など
 最後まで視聴してもらうために各作品も頑張っているようで。
 しかし本作はこのタイパ重視の今の風潮に逆行したような、ある意味挑戦的
 な作品だったのかなっと。

 特徴的なのは作画のカメラアングルですね。
 本作の悠太と沙季の会話劇(擦り合わせ等)なのですが、同じような引きの
 画がメインになっているんですよね。
 イメージ的には家に仕掛けられた隠しカメラで覗き見や観察するみたいな。
 この定点的な視点で、2人のやりとりから距離感等が変わっていく様を淡々
 と積み重ねていくという何とも地味な作品ではあります。
 色調も抑え気味ではありますし。

 その辺りの制作陣の意図に気付けば面白みもでてくるのですが、私もリアタ
 イ時は半分脳死で観てたので微妙な作品だなっと。
 たまたま見返す機会があったので、再視聴したらそういうことかと評価を改
 めたのですが、このご時世になかなか思い切ったことやってるよなっと。


・セリフ回しのセンスがちょっと合わなかった
 個人的に初見で没入できなかったのは、沙季に好印象を抱けなかったのが大
 きいと思います。
 最初の悠太との会話が
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 これがラブコメ感あるツンデレなら可愛げもありますが、初っ端から地雷臭
 のする女だなっと。
 その後も
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 とか何かと「面倒臭い女」という印象が序盤で定着しちゃったんですよね。
 この辺りは悠太のセリフ回しにも引っ掛かるところがあり、どうも原作者と
 の相性が悪いみたいですね。

 また作品の性格上モノローグが多いのも、「面倒臭い女」と感じる一因の
 ように思いますね。
 あとギャルの恰好をしているのは「社会を渡っていくための武装モード」
 とかいう謎理論も何なんだと。


・義兄妹の恋愛模様は・・・
 こういう題材を扱っていれば当然「義兄妹の恋愛」というのは避けて通れず、
 というかそれがメインだったりするわけで・・・
 本作も上述のように地味な積み重ねから、現時点での2人の”擦り合わせ”を
 描いて終わります。
 作品を通じて感じたのは、「2人の温度感」的なもの描きたかったのではと。
 はじめはぎこちなさがあり低温だったものが、徐々に温度が上がっていき、
 最後は触れ合って2人の体温で終わるみたいな。
 感覚的には「ピュアラブストーリー」というより
 ・「俺は本物が欲しい!」(by比企谷八幡/俺ガイル)
 という人の関係性の根源的なものを描きたかったのかなとも感じましたね。

 ただ総じて理屈っぽさが鼻につき、個人的にはあまり好みな描き方ではなかっ
 たかな。


率直なところ初見ではあまり刺さらなかったものの、腰を据えて見返してみれば
いろいろ気づきのある作品だったかなっと。
ただこれだけアニメが大量に制作される時代ですからね。
序盤からしっかり視聴者の心を掴む工夫がないと、せっかくのよさも伝わらない
のでは?とも思いました。
あと2人の会話劇以外のエピソードとか全体的に弱いのかなあ。


OP『天使たちの歌/fhána』
・OPから作品への期待感を高めるfhánaのこの安定感よ!
ED『水槽のブランコ/Kitri』
・これは作品の余韻をきれいに昇華してくれる良曲

 
(追 記)
これを言っちゃうと身も蓋もないのですが、両親も子供が高2なんだからこんな
微妙な時期に再婚せずに、高校卒業まで待てなかったんかいっと。
コメディ強めの作品ならそのドタバタ劇も笑って許せますが、シリアス度が高い
本作だと、その辺が引っ掛かってきたかな。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 14

75.6 5 2024年度の高校生アニメランキング5位
【推しの子】第2期(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (330)
1016人が棚に入れました
「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で働く産婦人科医・ゴロー。 ある日"推し"のアイドル「B小町」のアイが彼の前に現れた。 彼女はある禁断の秘密を抱えており…。 そんな二人の"最悪"の出会いから、運命が動き出していく―。
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

漫画のメディアミックスの光と闇

『かぐや様は告らせたい』などの赤坂アカ(原作)、『クズの本懐』などの横槍メンゴ(作画)による原作漫画は、『週刊ヤングジャンプ』と『少年ジャンプ+』(集英社)での連載が終了(全16巻、既読)。
アニメ2期は全13話(2024年夏)。1期から制作体制に変更なし。監督は、『私に天使が舞い降りた!』、『恋する小惑星』などの平牧大輔。制作は、『イエスタデイをうたって』、『NEW GAME!』などの動画工房。3期の制作が決定(以上、Wikipedia参照)。
(2024.7.1投稿 10.12 「全体の感想」 12.26 「原作漫画の感想」を追記)

【あらすじ】
自らの作品に強いこだわりを持つコミュ障漫画家・鮫島アビ子(CV.佐倉綾音)は、自ら描いた漫画「東京ブレイド」が「2.5次元舞台」としてメディアミックスされるほど大人気であった。
しかし、あがってきた舞台の台本を見たアビ子は、その内容に納得できず脚本家を「この人、ちょっと創作者としてのセンスが…」と全否定。2期は、こうした漫画のメディアミックスの光と闇を中心に描かれていくことに…

なお、今回も1期の「恋愛リアリティショー」と同様に、本作の内容と類似していて、なおかつより悲惨な事件が直近にリアルでも生じていました。
もっとも、本作は、そういう問題がなぜ生じてしまったのかを、漫画家からの視点だけではなく関係者の様々な言い分を代弁するような形で解説するような内容にもなっていると思います。


【漫画のメディアミックスの光と闇】
2期の冒頭は、作中で人気漫画とされる『東京ブレイド』の「2.5次元舞台」で実際に行われているという演出のキャスト紹介から始まります。いきなりド派手な演出です。

当然、このシーンは原作漫画にありません。なぜなら、漫画とアニメは、同じ二次元ではあっても、無音声で静止画(漫画)と有音声で動画(アニメ)とで表現形態が異なるからです。

仮に漫画原作者が、このシーンの細かいイメージを持っていたとしても、漫画では表現できません。そこをアニメ制作者が原作者の意図を忖度して必要な動き・音などの情報量を付け足し、そのイメージをどこまで再現できるのかが腕の見せどころだったりします。

もっとも、漫画とアニメは、表現形態が違うのですから、漫画のシーンをアニメでもできるだけ同じように再現することだけが必ずしも「効果的な表現」とはいえない場合もあります(例えば、動画の強みを生かすため、バトルシーンを加えたり長くしたりするなど)。そうすると、同じシーンでも原作者と監督との間で表現者として異なる解釈の余地も生じてきます。

加えて、アニメの場合は、時間的な尺の問題もあるので、原作漫画の内容をカットする必要も出てくる。そして、カットした内容と辻褄を合わせるため、原作の内容自体にも修正が加えられることに…


本作の内容は、漫画を2.5次元舞台化する際の舞台裏を赤裸々に描いているわけですが、面白いことに『【推しの子】』という漫画をアニメ化する際にも同じ現象が起こっているという「二重構造」になっています。

というわけで、特に原作ファンにとっては、アニメが原作漫画をしっかりアニメ化出来ているかどうかも見所の一つかもしれませんね(笑)


【音楽】
オープニングは、『呪術廻戦2期-懐玉・玉折』オープニング「青のすみか」などのキタニタツヤと元SexyZone現timeleszの中島健人のユニットGEMNが歌う「ファタール」
エンディングは、『呪術廻戦2期-渋谷事変』エンディング「more than words」などの羊文学が歌う「Burning」

オープニングの「ファタール」は、フランス語で致命的、運命的という意味。特にオープニングは、歌詞が本作の内容とリンクしてます。


【全体の感想(※2024.10.12追加)】
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【アイで始まった物語はアイで終わるべきだったのでは?(※原作漫画の感想 2024.12.26追記)】
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【14話の感想】
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【15話の感想】
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【16話の感想】
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【17話の感想】
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【18話の感想】
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【19話の感想】
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【20話の感想】
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【21話の感想】
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【22話の感想】
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【23話の感想】
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【24話の感想】
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投稿 : 2025/04/19
♥ : 11

中島野球しようぜ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

案の定原作同様のダレ方、アニメはこれでも中だるみを上手く誤魔化せてる、おすすめ度★★☆☆☆

ついにスタートした待望の2期。原作だと賛否分かれる舞台編、そして原作は舞台編以降失速気味になってしまうのだが、果たしてアニメではどのようにして盛り上げてゆくのか。

芸能界の影と光に着目したドラマとサスペンス要素を掛け合わせた内容なのだが、原作ではサスペンス要素は舞台編は停滞している印象で、案の定舞台関係のゴタゴタを繰り返している描写が多い。某日テレ系列のドラマの事件を彷彿とさせる制作と原作のゴタゴタをアニメで揶揄する展開は琴線に触れかねない話題。

それはさておき、この舞台編から原作が急転直下でつまらなくなってゆく。舞台編は大筋のサスペンスそっちのけで芸能界の豆知識をうだうだやるだけでダレにダレているのだが、アニメは派手な演出と作画の動きで躍動感や勢いを持たせているため、これでもだいぶ原作よりは見応えはあると思う。

とはいえアニメの演出で取り繕おうが、つまらない物はつまらない。赤坂アカ作品は初速のインパクトは凄いが終盤になるにつれ面白くなくなるとよく言われがちだし事実、かぐや様は告らせたいも終盤は失速が酷すぎたのだが、まぁ推しの子も同じ轍を踏んでいるわけで…

アニメにおける舞台編は映像表現だけは凄いけど、肝心の内容はとにかく牛歩がすぎる。芸能界の裏側や闇を描くのがもはや目的であり、本筋の復讐がしばらくそっちのけになるのでテンポをそいでいるだけ。9話も費やす必要が薄い。

原作とアニメ2期追って思う事だけど、原作の方は後付け設定や復讐主軸によりかけてルビーが雑な扱いになりつつあるので、案の定全盛期は1期までだなぁと思わせられる原作も引き伸ばしや作者の逆張りが見え透いた展開が続く。1期っていうかB小町ファーストライブまでは不満もあれど悪くは無い感じで良くも悪くも先が気になる感じだったがなぁ、この作品も同じ赤坂作品のかぐや様は告らせたいの竜頭蛇尾のDNAを引き継いでしまった訳か…

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

お気に召すまま

“アイのお気に召すまま”と言うべきか。
これは今期のオープニングを見るまでもなく、2.5次元の住人に、原作者と製作者、役者を巻き込んで演じられるメタ世界。

"All the world's a stage,
(この世はすべて舞台だ)
And all the men and women merely players;
(男も女もすべて、ただの役者に過ぎない)
They have their exits and their entrances."
(皆それぞれに登場し、退場していく)

足し引きすることは何もなかろう。

しかし、このセリフの直前には「見るがよい、不幸なのは我々だけではない。この世という広大な劇場(This wide and universal theatre)では、もっと悲惨な見世物が演じられている」というセリフが置かれているそうだ。
それゆえに、かの名セリフが際立つのである。
(音楽之友社WebマガジンONTOMO、体感シェイクスピア! より抜粋)

あえて言うなら、その語り手である『憂鬱なジェイクイズ』同様、すべてを達観し、俯瞰する“脇”、アクアくんの存在が映えるのであり、“アイ”と言う見せ物がさらに輝きを放つわけだ。

もちろん、キレッキレの演出と作画、そして今回もまた道化役を演じてくれる有馬カナ、何よりアビ子先生の個性があればこその舞台であることは間違いない。そうでなければコメディとして成り立たないのであるから^ ^。
                (2024/07/19)
それぞれの“願い”が結界を越えるとき、
夢が現実に滲み出すのである。
それは神仏の戯れか…、
登場する者、そして…、

えっ!えぇぇぇぇ〜〜〜!

3期が待ち遠しい。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 12

70.7 6 2024年度の高校生アニメランキング6位
アオのハコ(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (131)
420人が棚に入れました
毎朝一番に会いたい人がいる―― 中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。 大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。 千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。 部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

7話 作画は万策尽きた?内容は中庸すぎて引っ掛かりがないです。

1話 同居しないとラブコメって描けないの?だったら別離で終えて欲しい。

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2話「タッチ」を思い出します。つまり王道少年誌ラブコメということでしょう。

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3話 王道すぎてレビューしてもしょうがないかも。意外性があればまた書きます。

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6話 モノローグいらない。俳句やモンタージュ効果のような内面から湧き上がる感情を作れていない。

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7話 作画は万策尽きた?内容は中庸すぎて引っ掛かりがないです。

 紙芝居?作画が動きませんでしたね。万策尽きる前兆なんでしょうか。まあ、それは制作の都合でしょうから内容とは切り分けた方がいいでしょう。

 本作の原作コミックは大変売り上げが高いそうですね。つまり性別年齢に関係なく支持されるということ。言い換えると内容がマイルドでストレスがなく分かりやすく、エモい、感動を適度にいれている、と言えるのではと7話まで見て思いました。特にジャンプ系はアンケート方式に頼っているのでこの傾向が強いかなと思います。

 この作品を楽しんでいる層というかボリュームゾーンからはそこが評価されているでしょうし、それはまったく否定しません。少女と少年に受ける作品が基本的には爆発的な売り上げになりがちです。そういう層がアニメを支えているのも事実でしょう。

 ですが、作品の質としては、ここにきてアンケート方式の功罪は感じますね。「ダンダダン」ですら、なんか出会いの鮮烈さを失ってどんどんマイルドになって行ってますし…ヒューマンドラマの引き延ばしとか過去回想が始まるのでしょうか?それを言うならドラゴンボールからしてそうですか…まあ、時代というよりやっぱりジャンプ系ですね。

 少年ジャンプの掲載順を分析すると24年11月上旬で1位ワンピース2位アオのハコ3位サカモトデイズ4位あかね噺5位逃げ上手の若君だそうで、要するにこれらの作品は私は避けた方がいいということでしょう。

 何が言いたいかというと、中庸すぎて引っ掛かりがないので視聴中断します。中庸はある意味高度な人間の状態なんですけど、創作物だと特徴がないとうか…否定すらできないというか…なんか低評価の点数も違う気がしますので、オール3のままにしておきます。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 13

ぽむお さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

2クールで突然化けた。トムスさん許して。

2025.1.10修正、3.2→5.0
トムスさん、疑ってすいません。原作者の三浦糀先生が信頼してる制作チームが、間違った映像化をするはずがなかった。1クールは物語の性質上それぞれのキャラの説明や背景、イントロ的な意味合いが強いことに気付かず、テンポが遅いだの酷評して本当にすみませんでした。
13.14.15話と、作画・声優の演技・劇伴、全てが完璧な神回が続いています。第1期のラストは間違いなく、雛のあの合宿のシーンでしょう。その後に流れるTOMOOのエンディングを思うと、涙せずにはいられない。
海外のアニメサイトでも安定して常に3位以内を獲得しており、2期制作はほぼ確定。覇権は取れずとも、確かなファンが根付く素晴らしい作品になりました。トムスさん、このまま駆け抜けてください。

(旧レビュー)
先に言っておくと、自分は原作を最新話まで読み続けているガチファンで、OP映像が公開された時などはそれこそ期待値は最高潮でした。
が、八話まで見たところで断念。どんなに原作ファンでもこれは擁護できない。最大の理由はキャラクターの会話のテンポ、ストーリーの進め方の緩急。これがテレコムアニメーションズ制作チームが全然原作の良さをわかっていない。千夏先輩を可愛く描こうとしすぎるとただの少女漫画チックな展開になってしまう。スポーツの硬派な雰囲気の中で、さらっと描かれる可憐さやイタズラっぽさが読者の興味を惹き続けているのに、ねっとり赤面の描写とかしてしまえば、ただのチープなラブコメに格落ちしてしまう。会話のテンポはもっと早くできるし、大喜はもっとかっこいい男だったはず。
アオのハコのアニメを見て「これが覇権予想されてたの?」と疑問に思った方は、原作を読んでください。なぜジャンプで長らく人気を博してきたかがわかるはず。そして気づくのです。悪いのは作品ではなく、アニメ制作会社だということに。
テレコムさん、ルパンの時の素晴らしさをもう一回再現してください。ファンを失望させないでください。このクオリティで12巻の内容まで描くというならば、流石に原作ファンが黙ってないと思います。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 5
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

モヤモヤを痛みを伴いながら具体化する過程が実にアオハル

朝練でよく一緒になるバスケ部のメインヒロイン・鹿野千夏に、
バド部の高1男子主人公・猪股大喜が恋をして。
でもまずは部活から頑張ると互いに距離を測っている間に、
主人公の幼馴染の新体操有力選手が“マケイン”ポジションから巻き返しを狙って、
トライアングルになったりする。
同名ジャンプ連載の青春部活コミック(未読)の2クール連続アニメ化作品の1期目(全25話)


【物語 4.0点】
シナリオ展開はマンガらしく大胆。
それでいて青春心理の自己分析など心情描写の繊細さに惹かれる。


序盤から、憧れの千夏先輩とネタバレレビューを読むが始まる。
後半クール、煮え切らない三角関係の膠着打破の起爆剤として投入される
超・積極恋愛体質の女子マネというテンプレ。
などシナリオ展開上、都合の良いイベントが次々と迷いなく繰り出されるが、
部活に恋と、アオハルの勢い押されて、リアリティなど気にしている場合じゃない感じ。

そもそも千夏先輩や雛みたいな非実在美少女など、
現実は愚か、仮想世界でもお目にかかることは滅多にないので、
これはフィクション、楽しんだ者勝ちという私の割り切りは0話から完璧?ですw


前半戦は恋よりまずは部活という傾向もあってか、
どちらかと言うと、突っ走る青少年の若さ、勢いが目立つ構成。
若人は良いのう~と好感はしましたが、果たして2クール目までスタミナ保つのか?
という懸念があったのも事実。

後半に入って、これは良いなと転機になったのが、
ネタバレレビューを読むという別形態のカップルの提示。
それまでは主人公・大喜のインターハイ行ったら千夏先輩に告白する縛りとか。
本気で部活に打ち込のに恋は足かせになるから二の次。
という価値観に大喜も視聴者も囚われる一点集中構成でしたが。

恋と部活、仕事は両立し得る。何なら恋が下支えとなり、目標や夢を追う原動力になるまである。
先を征く先輩カップルというモデルケースで視野を広げられたことで、
部活頑張りたいけど先輩を想い幼馴染に想われるこの気持ちとどう折り合い、決着を付けていくべきか。
大喜の自己分析を私も共有しやすくなって、いっそう惹き込まれました。
だから終盤の(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む
という大喜の決断も、優柔不断から来た青春の過ちではなく納得感の方が私は強いです。

よってアオハルに脳を焼かれてのぼせ上がっていたのは前半ですが、
少年少女の揺れ動く心理をより本腰を入れてつかみに行こうと身を乗り出したのは後半。
爽やかな1クール目より、いっそう痛みも苦みも伴う2クール目の方が、私は好きという結論になります。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・テレコム・アニメーションフィルム

近年のアニメ視聴においては、作画技術以上に撮影技術の進展に驚かされることが多いのですが、本作も同様。
後光に照らされて白んだ主線から輝きを放つ千夏先輩とか、眩しすぎて語彙力を失います。
それでいて、恋に高まる乙女の肌色のグラデーションなど、心情を表す作画も上々。
古くは『ルパン三世 カリオストロの城』なども手掛けて来た同スタジオ。
伝統的なアナログ描画スキルだけでなく、革新的なデジタル技術の受容による進化も順調なようです。


背景美術で好きだったのが、体育館。
スポーツ強豪校たる中高一貫校・栄明が誇る、オープンワールドかよって位ビッグサイズの競技施設。
多数の部活を仕切りなしで、青春丸ごと飲み込むこの屋内では、
新体操部からバド部、バスケ部まで風通しが良く、恋の噂もよく通り、
部活を横断する各種進展イベントの進行もシームレスです。
前期EDアニメ冒頭で流れる体育館の設定画像を眺めるのが、私が密かに楽しみな週課でした。


大喜と千夏の足首に巻かれたミサンガなど、
小物に心情を映すお仕事も、青少年の心理分析に有用。

妙に脳裏に焼き付いているのが、第20話の焼きそばとたこ焼き。
千夏先輩一択だったはずの大喜が、
にわかに入って来た雛への想いを処理できずグチャグチャになっていたのに対して、
ダチの笠原が、大喜の100%を占める千夏(焼きそば)だけでなく、
雛(たこ焼き)への気持ちも3割くらい上乗せされることもあるんじゃないかと、
焼きそばに、たこ焼きを盛り付けてアドバイスするカット。

美少女、粉物天国と化したパック。
美味しいそうより先に胃もたれしそうと思った私w
アオハルは元気な内にしておくべきものだと再認識(苦笑)


【キャラ 4.5点】
負けヒロインが尊すぎる。

大喜の千夏先輩への想いの強さを知った上で、尚、食い下がろうとする雛。
マケインポジションとしては、不器用で玉砕して大ケガしちゃうタイプではない。
むしろ致命傷を負わないように大喜との距離を慎重に詰めていく。
その健気さが、もう堪らないです。

新体操界で将来を嘱望される一流アスリートの卵でもある雛。
足首捻った時も、まずは本番までの回復スケジュールを計算するなど、
なまじメンタルコントロールが優れているばっかりに、
大喜との恋についても、器用に予防線を張りながら立ち回る。
(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む


メインヒロインの千夏先輩。
時折見せる天然?な言動とは裏腹に、呟きやモノローグは結構、詩的。

第7話。部活帰りのコンビニ。
大喜の唐揚げを奪って頬張った雛を見て、千夏も「一つちょうだい?」と大喜にせがむ。
もらった唐揚げを摘みながら雛が羨ましいとこぼす千夏先輩。
欲しかったのは唐揚げか、想い人に大胆にアプローチできる雛の勇気か。
など思わせぶりなダブルミーニングで、秘めた大喜への恋心を溶かし込んで誤魔化す。
千夏先輩には、こうした場面がちょくちょくあって、くすぐったかったです。

意味深な千夏先輩の振る舞いも神々しくて好きですし、
「一つちょうだい?」を始め、各話タイトルにピックアップされた千夏先輩の発言は攻撃力がありました。
が、大喜も雛も痛みを恐れずに自分の気持ちに整理を付けて言語化すると決意しました。
制作が決まった2期以降。後は、千夏先輩次第だとも私は思います。


大喜もまだ気付いていない雛の大喜への想いをメガネ越しに共有できる笠原。
千夏と同じバスケ部の親友・渚など。
大喜たちの三角関係を取りまくサブキャラによる視点拡張も、ベタですが有効。


【声優 4.0点】
主演・猪股大喜役の千葉 翔也さん。
『よう実』綾小路清隆、『青オケ』青野一など、
近年は抑揚をセーブした中で心情をフォローする引き算の演技が印象的だった同声優。
今作は元気をモリモリ盛って来る、明るいチバショーも堪能できたのが個人的に嬉しかったです。

その『よう実』で負けそうになっていたメインヒロイン・堀北鈴音役としてチバショーと共演していた鬼頭 明里さんが、
マケインポジの蝶野雛役を演じるというのも私の注目ポイントかつ視聴動機の一つでした。
明るい声色の中に、動揺や傷心を包み隠す演技には殺傷力がありました。

鹿野千夏役の上田 麗奈さん。
上記のダブルミーニング発言を始め、セリフへの解像度も安定して高水準で、多様なキャラ声をこなす同声優。
元々、一線級でしたが、30代に入り全盛期を迎えていると言っても過言じゃないと思います。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は大間々 昂氏。
『水星の魔女』などでも魅せた高火力のバトルBGMは、緊迫の試合描写でも威力を発揮。
が、今回はギターやピアノをアレンジした、朝もやが似合う繊細な仕事がより目立った感じ。
今後、本作サントラを朝の情報番組等で耳にする機会もあるかもしれません。

主題歌は、前期がOP・Official髭男dism「Same Blue」、ED・Eve「ティーンエイジブルー」でまさに青ずくし。

後期がOP「然らば」(さらば)、ED・TOMOO「コントラスト」で雛らキャラの心情を深堀り。

特に前期OPの「Same Blue」。
個人的に、令和時代が終わった時、青春ソングの代表格として挙げたいくらい激推ししている名曲。
なのですが、TVサイズはあの出来でも、飛ばし気味のAメロなど編集がやや良くない印象。
青春ショートムービーとしても力作なフルサイズの公式MV。是非一度ご賞味下さい。


あと、私は1990年代、どちらかと言えばミスチル派でしたが、
スピッツの「渚」は他のミリオンヒットより好きな名ラブソングだと再認識しました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 17

67.7 7 2024年度の高校生アニメランキング7位
先輩はおとこのこ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (128)
333人が棚に入れました
男だけど可愛いものが大好きで、女の子の姿で高校生活を送る“男の娘”・花岡まこと。 ある日の放課後、まことは、“女の子だと勘違いしたまま”の後輩女子・蒼井咲に告白をされる。 「実は自分は男の子なのだ」と打ち明け、告白を断るまこと。 しかしまことの予想に反し、咲はあきらめるどころか、「男女両方の先輩が楽しめる」とテンションアップ! さらに、「私が先輩の初恋の人になってみせます」と宣言して……。 可愛いものが大好きな、まこと。 まことに恋をする、元気いっぱいの後輩・咲。 まことを近くで見守り続けてきた、幼馴染の竜二。 3人の、恋と友情と、成長の物語がはじまる――。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

1話 それほど深くない、設定どまりの気もします。期待しすぎたかな?

ネタバレレビューを読む


2話 くじらさんは何者?母親が結構な毒親で話としてはいい流れです。

ネタバレレビューを読む


3話 今日の話だと子供ゆえの不安定、自分勝手な振舞いと見てしまいそう。

ネタバレレビューを読む


4話 咲の描き方が良くわからない。感情は自然に各話で繋がっているのでしょうか?

ネタバレレビューを読む


5話 話が拠れている感じ。感情・内面・関係性に納得感がありません。

 何が描きたいのか理解できなくなってきました。まことの女装問題は一旦置いておいて、今度は咲の問題になるということでしょうか。で、咲は家族の関係で八方美人の性格になって、好き嫌いが感情的に理解できないということでしょうか。

 なんとなくですけど、話として途中から方向展開したように見えます。三角形を作るにはまこと→咲、咲→竜二、竜二→まことの構造に無理やりもっていったのかなと。くじらをやけに強調するなあとは思っていましたが、まったく上手く使えてないんですよね。大きさだけの問題なんでしょうか。

 まあ、連載あるあるですけど、1話から追ってみるとそれぞれのキャラの感情がやっぱり不連続な気がします。ちょっと期待外れ感が大きいですね。

 一旦、中止します。ラブコメというよりラブストーリーで感情に乗れない、内面が見えない、描きたい人間関係に納得感がない、というのはちょっと期待が持てません。




 

投稿 : 2025/04/19
♥ : 7

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

まこと君とは一体何だったのか?トランスジェンダー的な問題をギャグに落とし込むのは、やはり無理がある…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.10.03

 8話あたりから咲はめでたく空気になりました。母親と義母(咲の婆ちゃん)との間に確執があり、家族が微妙な感じなのですが、そんなん珍しくもありません。高校生にもなって、何を言ってんのか!

 咲が空気になったのは、まことのせいでもあります。結局まことは何者なのかが、上手く描けていないため、周りの人物達もボヤケてしまっています。

 性自認は男性?女性?性指向は?竜二と付き合ってみたり、咲に手を出そうとしたり、バイセクシャルなの?

 まことは、高校生活の最初の方で、女性として生活しており、男だとバレて女子コミュニティから排除された描写がありましたが、女子生徒を危険にさらした高校の責任はどうするんでしょう?高校を騙して女の子として入学したの?高校は実は男の子でしたで、そのまま在籍させるの?猥褻目的で女性に化けていた可能性もありますよね?恐らく、こんな簡単な話では済まないと思います。

 まことの祖父が出てきたりしますが、この人も性自認や性指向が謎です。可愛いもの好きで化粧したり女装したりしますが、趣味レベルなの?

 このアニメは、非常に色々なモノから逃げています。ヤバくて、描写出来ないなら、そもそも題材に選ばなければ良かったのです。

 まことは高校生なので、トランス女性になるとかそういった話はまだ無い様です。まことの性的対象が不明なのも、未熟な高校生だから!で逃げています。まことは結局、トランスジェンダーなのかさえ怪しいです。

 実に換骨奪胎したアニメです。原作もそうなのかもしれませんが、端から覚悟が足りていません。昨今のLGBTQを巡る社会情勢や議論等をつまみ食いしただけの、社会問題ファッションアニメでしか無かった様です。

 好きな物を好きでいたい!まことが結論として言っていることは魔法少女マジカルデストロイヤーズのオタクヒーローと同レベルの浅さを感じました。

 母親も、「息子がアブノーマルだったとは、こういうことだ!」と叫びながら、ランバ・ラルなみにガラスを突き破って自爆するくらいの気概が欲しかったです。

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 4話まで観ました。2024.27.30

 どうも、デフォルメパートで分かり易い感情表現(興奮して鼻血を出したりするテンプレ表現)を多用するせいで、LGBTQに寄り添った意識高い系アニメとは、一概に言えない感じがします。

 まこと君がトランスジェンダーなのは間違いなさそうですが、性自認と性的な嗜好がボヤかされているので、単なる女装好きっぽくも見えます。

 私は自分と可愛い物が大好き!女は可愛い!私は可愛いので女装したい!三段論法的な邪悪さも感じます。

 また、まこと君は性的に中性的で、美少年兼美少女なので親友の竜二も単純にゲイと言うわけではなさそうです。

 まこと、咲、竜二の関係も、咲がドチビの性的に未成熟な少女として描かれているので、三角関係が成立しておらず、まこと君の性的魅力(フェロモン)に惹きつけられている蟲2匹といった関係性です。

 物語が進展して、竜二が咲を意識する展開になれば、話は変わっていきそうです。そうはならないかな?

 何となく敷居が高そうでしたが、まぁ、深いことは考えずに気楽に観ても大丈夫そうです。

 しかし…まこと君、トイレやシャワーはどうしてるんでしょうね?高校にはトランスジェンダー専用のがあるんでしょうが、外ではどうしているのか?その辺も曖昧にしています。

 お馴染みの新宿二丁目のゲイ達は、見た目が邪悪で禍々しい連中です。醜男が女装して醜女になっていると、警戒されるのに、美少年兼美少女だと許されるんか?

 この作品に通底するルッキズム臭は、キャラクターがアニメとして動くと更に強調されますね。咲の反応でもそうですが、見た目が良ければ女子風呂、女子更衣室等々に入ってきてもラッキースケべでOK!的な…。

 咲も別に深いキャラではなく、単なる面食いでメス犬ムーブをかますビッチに見えなくもないのが残念です。

 ガワだけでなく、キャラクターの掘り下げがもっとあることに期待しています。

 特に咲は吶喊色ボケアスペの変態娘にしか見えないので、今後のキャラクターとしての成長に期待大です。

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  3話追記 2024.07.29

 4話をレビューする前に、昭和の知識で誤ったレビューを更新しなければなりません。

 まこと君と蒼井咲が衣装を交換することに対する違和感は、私のファッションセンスが古いから感じる可能性はもちろん否定出来ません。服飾の専門家ではありませんので、認識の限界はあります。

 しかし、ユニセックスやフリーサイズというのは、そんなに万能な概念ではありません。

 男女兼用の衣服は、身体の線を出さないワイドシルエットが中心の様です。これは、民族衣装的な発想です。これなら、少ない資源で色々な体形の使用者に適用出来ます。

 しかし、作中で咲の着用しているドレスは、どう考えてもワイドシルエットではありません。身体の線を強調するデザインっぽいです。

 また、フリーサイズと言っても、まこと君はバスケで活躍出来る位の身体能力を持っている描写がありました。おそらく、身長も人並みにあるのでしょう。

 バスケは身長依存スポーツです。NBAでは2メートルでも低身長と言われている昨今、日本の高校生が授業でやっているバスケであっても、活躍出来るなら平均身長以下とは考えにくいでしょう。まこと君はチビのヒョロガリではありません。

 さらに、竜二は咲をちびっ子と呼んでいます。男性はあまり女性をチビとは認識しないのですが(男性より基本的に身長が低いから)それでもちびっ子と称しているのだから、女性の中でも小さい個体なのでしょう。

 そんな性差も体格差もある個体同士が着衣の交換が出来るとは思えません。

 また、オシャレの基本は身体のサイズに合ったものを着用することにあります。着用出来れば良いというものではありません。

 サイズが合っていなければ、チャップリンの生み出したキャラクター、小さな放浪者の様なギャグキャラになります。

 このキャラは、一応、紳士のスタイルだけど、靴もズボンもブカブカ、上着はピチピチの何かおかしい人物、道化の極みとして、今でも世界中で愛されています。

 当然、そんな描写は作中にありませんので、すさまじい個体差があっても似合う衣服を咲は着用していたことになります。

 こんなオーパーツみたいなのが、実在するんでしょうか?車が空を飛び、メタンが吹き出す軟弱地盤の地獄の大地にカジノや万博会場が作れる今の技術力なら、ラフォーレ原宿付近には実在しているのかもしれませんが…。

 しかも、咲は逃げ上手の若様の諏訪頼重ばりに未来を拾って先輩とドレスを交換することを予知して備えていたんでしょうか?

 普通は自分のドレスを他人(しかも男)が着るなんて想定しないはずですが?

 しかも、ユニセックスの難しい点は、チャップリンを引き合いに出すまでも無く、男女兼用でどちらにも合う、ダサくならないデザインを追求しなければならない点にあります。

 そのため、普通の衣服よりデザイン料が上乗せされ、値段が高くなりがちです。咲はワザワザそんなのを用意してたなんて、もはや出演するアニメを間違っています。

 アベンジャーズに日本代表のサイキッカーとして登場した方が、活躍出来ます。スーサイド・スクワッドでも良いですね。

 で、なければ咲は極虎一家の枢斬暗屯子さんみたいにワイルドセクシー系女子なんでしょうね。この辺が少女漫画的なルッキズムなんだよ!小柄な可愛い系女子が舐めんじゃね〜!(# ゚Д゚)

 レビューはあくまで作品に対する個人的な見解であり、本来的に正解や誤りはありません。レビューアーがそう感じたら、そうなのです。

 作品に対する愛は理解しますが、過度な擁護は自由な感想
の表明を萎縮させ、結果的に作品の魅力を減じる結果となるでしょう。

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 3話まで観ました。2024.07.24

 ラストは違和感を感じます。性自認は各自の自由だとしても、肉体は言うことを聞きません。

 感動的な海岸でのラストシーンですが、現実ではギャグになります。先輩は絶対に蒼井咲のドレスを着ることは出来ません。

 どんなに華奢な男性でも、肉体はドッペルイクスとは違います。赤ん坊の頃から男子は肩幅があって、逆三角のフォルムのため、どんなにビッグサイズの女性モノ衣装でも、第二次性徴以降は肩が入りません。

 蒼井咲がラッキーシモノビッチみたいに肩幅1メートル超えの女子高校生なら話は別ですが、あり得ない描写に、所詮はこの程度、少女漫画的なルッキズムなのか…と感じます。

 精神と肉体との折り合いがつかない状態が悲劇なのです。現実味が薄いのはフィクションなので仕方ないですが、過度の期待は禁物の様です。

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 2話まで観ました。2024.07.18

 なかなかコミカルで面白い雰囲気はあります。主人公につきまとう後輩の蒼井咲も、一線を越えた嫌がらせはしてこない、わきまえた女子ですし、親友の大我竜二も良い青年です。

 2話では、3人で遊びに行ったりするのですが、なんか良い感じです。

 ただ…、肝心なのはこれからですね。主人公はこれからどんどん男になっていきます。私も経験ありますが、自分でもわかるんですよ…。男として肉体が完成していくのが…。

 私はトランスジェンダーではないので、筋肉がゴリゴリついていく自分の肉体がとても愛おしかったですが、主人公にとってはどうなんでしょう?

 また、親友と後輩は所詮他人なので、ジェンダー規範を逸脱した主人公に好意的ですが、これから関係を深めていくと、主人公の母親みたいに闇堕ちするのでは?

 これからどうなるのか、とても楽しみです。

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 初回観てのレビューです。2024.07.06

 コミカルな感じで、ギャグとしては中々面白そうです。ただ、虎の尾を踏む危険性があります。

 後輩は、モラトリアム期女子に発病しがちなライト百合っぽいですが、先輩はガチのトランスジェンダーの様です。

 多様性への理解が進んだとは言え、女装して登校するのはかなりのプレッシャーです。周りのノーマル達がどんな酷いことをしてくるか分かりません。単なる二重人格のサイコパスや女装趣味で片付けられる問題ではありません。

 最近、会社同僚の女性社員が男性になりました。胸と子宮を手術で除去し、男性ホルモンを投与してやっと、裁判所に性別変更を認められたそうです。

 この方は地方出身なんですが、上京して初めてカミングアウトしたそうです。他人に基本的に関心を示さない東京じゃないと、場合によってはトランスジェンダーは死を意味します。

 肉体が男性ならリンチ、女性なら輪姦される危険が高いそうてす。性的、社会的に世間様から期待される役割から離脱する人間を田舎の地域社会は許しません。

 男性支配の強い社会だからなのか、田舎の同調圧力なのか不明ですが、LGBTQが普通に生きられる地域は日本でも限られています。

 我が社でも、一部の幹部が扱いに困ると嫌がってひと悶着ありました。一応、先進的な取り組みをしている事業所っつーことになっているにも関わらずですよ…。

 ふたなり男の娘AV をライトにした様な、ちょっとエッチな感じの作品にする気なのかもしれませんが、危険すぎます。

 こんな地雷を上手くアニメ化出来るのか?すごく気にはなります。

 注 最初のレビュー時は、性同一性障害と記述しましたが、否定的なニュアンスがあるので、トランスジェンダーに修正しました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

ヤマナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

リアルな心情や環境が刺さる。

初見評価
最近多いジェンダーレス作品。
割と軽い雰囲気の作品かな?
自分も学生時代同性を好きになった事あるけど、少し距離が近いだけでホモホモ騒ぎになり、親に同性愛って人がいるんだってーとそれとなく言うと「キモ」と一蹴されたことがある。性別関係なく人のことを愛せるってとても素敵な事と思ってた当時は人格否定されたようで傷ついた記憶がある。
だから主人公の気持ちがよくわかる。俺もこんな美形だったら女装してたと思う。

9話まで視聴
男だけど女性的な主人公、男だけどそんな主人公が好きな友達、女で主人公のことを好きだと思うけど好きがわからない後輩。
それぞれが相手のことを思い動くからすれ違いも起きて、、、。
それに合わせて、それぞれの家庭環境が見えてきて少しずつ重くなっていく。

友達の家庭はおそらく平均的な家庭。
主人公の家はお母さんがヒステリックで不安定。
後輩の家がかわいそう。
自分も小学生の頃、父は「子供はいらない」と女を作って出て行って、母はヒステリック系で日々育て方を間違えただの産まなければよかっただの言われ突然数日帰ってこなかったり怒鳴るは物を投げるはで中々苦労したほうだと思う。
家庭って選んで生まれれないし、事あるごとに普通の家庭だったらなって悲しくなる気持ちよくわかる、家族が味方じゃないと思った時の孤独感はとても辛かった。でも、一番つらいのはそんな親でも自分にとっては家族で憎いんだけどどこか信じて期待してしまうそしてまた裏切られて自己嫌悪。
いっそのこと他人と思えたら楽なのにって何ども思った。
そんなしんりがリアルに描かれてると思う。
けどなんか、ホントはいいお母さん風で閉めようとしてるけど身勝手な親は許せない。

自分語りが多くなってしまうけどそれくらい現実的な設定で自分と重ねてみてしまう。
蒼井ちゃんのこの経験は無駄にならないきっと幸せになると信じたい。

後、残念ポイント。
作画が低予算なりに頑張ってるって感じ。もっと金かけてたら大作だったと思う。あと、ED騒がしい。雰囲気台無し。

最終話まで視聴
最終的にそれぞれの家庭の問題も一歩踏み出すことができ幸せな形で終わることができよかった。ちゃんと区切りよく終わってくれてとても好印象。
主人公とお母さんが歩み寄る展開とかグッとくるよね。
ただ回収できてないことが気になる。
1,結局蒼井ちゃんのお母さんはなんであんな長い間あってあげなかったの?
金に余裕出来たから会いに来たってちょっと都合よくない?また余裕なくなったら捨てるってこと?
貧乏だろうが今の日本ならまともに働いてれば生活はできると思うし、
ましてやおばあちゃん家持ってんならバリバリ働けば三人で生活だってできたんじゃないの?
そこについての説明がほぼなくなんかいい雰囲気って感じでごまかしてた感じ。
2,蒼井ちゃんのお母さんがまことに似てた発言。その設定いる?
なんか見覚えある。(誰なんだろう。)あ、まことに似てる(え、複雑な関係?)って憶測が膨らんだのにそのまま触れることなく終わった。
え、その設定いる?それとも、原作では続きがあるのかな?

もしかしたら、今後明かされていくのかもだけどとりあえず気になった。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 3

71.3 8 2024年度の高校生アニメランキング8位
らんま1/2(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (84)
261人が棚に入れました
早乙女乱馬と、天道道場三女の天道あかねは親が決めた許婚同士。

しかし乱馬にはある悩みが...。 中国での修行中、伝説の修行場「呪泉郷」に落ちてしまい、 水をかぶると女に、お湯をかぶると男に戻るという、不思議な体質になってしまっていた!? 乱馬とあかね、そして個性豊かなキャラクターたちが繰り広げるドタバタ格闘ラブコメディー、ここに開幕!

lostmemory さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

まるで学習していない…

うる星やつらのリメイクで失敗したのに
懲りないね。あれ4クールもやったのに
誰も話題にしてなかったよ。

で、こっちも八宝菜が出ない時点で論外
でしょ。下品なキャラだけどああいうキャラ
いてこその作品なんだけど。簡単に言えば毒
だが、作品から毒を抜いてしまうとそれただの
普通の作品になるよ。言い換えればつまらなく
なるだけ。

いい加減過去の栄光は捨てなよ。こんなのに
ただでさえ人材不足なアニメ業界の人手を
割いてどうするの?どうせうる星やつらの時
と同じく少ない話数で終わるんでしょ?

旧作を見た人には物足りないし、今回から
初めて見る人には楽しめない。今回初めて
見て興味を持った人はアニメじゃなくて漫画
買って読んだ方が断然楽しめるよ。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 1
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

千差万別我愛你

平成初期のアニメのリメイク、お話の舞台は80年代の東京だそうです
旧作は知りませんが有名な作品なので気になっていました。
EDテーマが好き、女乱馬とシャンプーがかわいい

乱馬とあかねを取り巻く周りのキャラクターは色んな愛の表現で好き好きいって迫ってきて大騒動に発展する騒々しいラブコメバトルアニメ
テンポの良い掛け合い、個性的な設定に面白そうなキャラ、声優は大御所ばっかりだし作画は良いし歌もいいしとてもいいアニメでした、どんどん面白いキャラ増えてきて、これ絶対もっと面白くなっていくやつじゃないですか
続きが早く見たい!

滅茶苦茶な設定をギャグみたいな展開と一緒に単純明快に説明しきった手法がすごい、1話で引き込まれて、次々と現れる奇人変人によって出来上がっていく極上の舞台にワクワクする

娘の部屋をノックもしないで急に入る父親にビックリ、許嫁っていうのも全然聞かないし、今のアニメではあまり見ない感じの暴力とかもあって昔のアニメなんだなーって思う

顔は変わってるっぽいけど、髪の毛の色も変わってる? アイラインいつの間に引いたんだろう? 
本人の身体が女に変化するんじゃなくて、別人の身体になってるのか変身なのかな?
父のパンダ化なんて道着とかメガネとかどこ行ったんだろ?衣装もセットなら乱馬は服そのままっぽいし、謎

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/19
♥ : 17

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

これだけの歴史的作品に、評価も何もって感じですが

原作既読。
懐かしいですね。
最初から最後までサンデーで読んだおっさんです。

まあこれだけ歴史的な作品になると、評価も何も…。
色々なジャンルの走りですからね。

TSものとしても相当走りの方であるのは有名ですが…。
まず「三姉妹が住んでいる家に主人公が同居する」部分から走りじゃないですかね。
今期も甘神さんちの縁結びとかありますが。
古典的だね、と言われる、まさにその古典ですからね。

古いヒット作は、現代の作品は過去を踏まえて進歩したわけで、今となっては陳腐に見えてしまうのはどうしようもないかと。
歴史の流れですね。

でもまあ、他人には出せない高橋留美子の世界観があって、それはそれで独自の面白さがあって、今でも面白く感じられる部分は確かにあると思いますが。

これだけ大御所なのに、今でも普通にサンデーで連載しているところは非常に素晴らしいと思います。
まあMAO自体は、別にそこまで評価していないのですが…。
でも大ベテランがなんか普通に活動していると、それだけで良くないですか。
私はチャンピオンを読んでたんで、手塚治虫の連載を普通に読んだことがあることが嬉しかったものです。
そういう位置づけの作家ですね。

クオリティは問題なしですね。古い作品のリメイクという流れは面白くはあると思います。

まあ常に新しい作品を見たいので、私は知っている作品はスルーしますが。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 0

67.7 9 2024年度の高校生アニメランキング9位
村井の恋(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (47)
140人が棚に入れました
様子のおかしい男子高校生・村井は担任の田中先生に恋をしている。 しかし一方の田中は乙女ゲームの推しキャラクター「春夏秋冬(ヒトトセ)」に恋をしている。 そんなことはつゆ知らず、田中に告白をする村井だったが、「黒髪ロン毛は恋愛対象外」と一蹴されてしまうーーところが翌日、髪型を一新して現れた村井は田中の”推しキャラ”そのものの姿となっていた。 激しく動揺する田中と猛烈にアプローチをし続ける村井、果たしてこのおかしな恋の行方はどうなっていくのか...!? 「次にくるマンガ大賞2019」Webマンガ部門で2位に輝いたエクストリーム胸きゅんラブコメ「村井の恋」が待望のアニメ化!
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ばん、ばん、ばん、ばん、ばん!

原作未読 全12話

高校生の村井が、あることで教師の田中に恋をします。そして、村井は告白をするが秒で振られてしまいますが、諦めない村井は、田中が乙女ゲームのオタクだと知り、その乙女ゲームに溺愛している主人公に村井は髪型を変えて主人公に寄せて何度もアタックをしていきます。はたして恋の成就は成るのか?友人やクラスメイト、他の先生たちも交えての恋愛をコミカルに描いたラブコメ作品です。

結構、性格が滅茶苦茶なキャラが多いですねw

田中はいつも敬語で話してくるのですが、心の中のセリフは結構弾けていましたねw 流石のCV日笠陽子さんです。

村井も変わっていますが、友人たちも結構ズレた性格なので余りまわりを気にしていませんねw

ネタバレレビューを読む

ずっとコミカルなシーンが多く、このまま終わるかと思いましたが、最後はきちんと伏線が回収されて締めてくれましたね。

OPは莉犬(すとぷり)さん、EDはヤバイTシャツ屋さんが歌っています。

最後に、作画はあまりいい方でありませんが、この作品には合っているように思えました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

2.5次元の誘惑(村井)あるいは日笠劇場

実写化もされたLINE漫画原作。
あからさまに低予算ながらしっかり面白い。

OPED・映像楽曲ともに勢いがあって良き。

自身の推しキャラにそっくりな村井に猛アタックされる高校教師田中。彼らを取り巻く愉快な一般人やらオタクやらと紡ぐ妄想純愛ドタバタラブコメ。口パク動画で枚数を減らしたぶんカット数を増やして勢いよく畳み掛けるテンポよいギャグ時空が心地よい。そのうえ日笠氏の怒涛のムッハー芸を畳み掛ける職人技のキレの良さ。エフェクトをピカピカ光らせてたりコマ数増やしてヌルヌル動かしたりCGをグリグリと回転させたりさせずとも面白いアニメは作れることを示してくれる秀作。抜けた作画だからこそのアニメならではの味わいが楽しめる。しかし30分枠だとやや冗長。メイン2人以外の出番が増えないとキツイかも。

02
低予算ながら引き算として成立、安っぽさも嫌味もない。

しかし話の内容的には特に新しさはないのであとはノリと勢いとの相性次第。次回以降周囲のキャラにも存在感が出せないとダレてくる一方だと思う。美少女アニメではないのでキャラの魅力ガー掘り下げガーなのかもしれないが、ぼざろ的な演出の良さは感じられると思う。ラブコメではあるが美少女アニメではない一般向けアニメ。

勢いと演出というかノリが全て。相性次第ではただの低予算アニメでしかないか。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

tomledoru さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

プレミア作品の扱いですが,その価値はあるんでしょうか?

原作とかが大変に評価が高くて、いわゆる「鳴り物入り」でアニメーションになった作品だと思います。

鑑賞できる環境が地上波ではなくて。ほかの動画配信サイトなどでも、プレミア扱いされていることが多くて、課金しないと見れないというサイトもあるようです。

BS日テレかなんかで確か、録画して見てますが,それほど、気合の入った作品とは思えませんでした。

今の高校生や、若い人たちが。どんな恋をするのか、私にはちょっと想像がつきませんが,年上の先生を好きになっても、それはそれで結構なことだと思います。「村井」には、彼なりのアプローチの仕方があって,そこは面白いです。

教師と生徒が恋に落ちて。問題になることがありますが。それは,どちらか片方が?下心があったり、いい加減だったりする場合だと,私はそう思っています。

私が知ってる限りで,周りの大人も公認が前提で,教師と生徒がひそかに付き合っていて,結婚できる年齢になってから籍をちゃんと入れて,真っ当に暮らしてるというカップルを結構知ってます。

歳が上とか下とか、そんなことは恋愛には関係ありません。人を好きになってしまえば。全てが許されるわけです。相手の魅力も。相手の欠点もすべて受け入れる。真剣な覚悟で付き合っていくのが恋です。

いかにも若い人に気に入ってもらえるようなアニメーションに仕上がっていますが,果たしてそれだけの値打ちがあるのかどうか。

かえって視聴率を下げてしまって。円盤も売れずに、半年経ったら忘れ去られるようなアニメになるような気がして。残念な気がします。

もっとオープンに。誰しもが見られるような設定であれば、きっと多くの人が楽しんで見られるアニメーションだと思うのですが。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

69.6 10 2024年度の高校生アニメランキング10位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (232)
623人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

ネタバレレビューを読むと定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造はネタバレレビューを読むこれが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

ネタバレレビューを読む


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

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3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

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4話 この作品の最大のトリックは何か?

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5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

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6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

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7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

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8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

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9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 21

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

『氷菓』や原作を知っているとつい口を挟みたくなるのは申し訳ない

【レビューNo.158】(初回登録:2024/12/15)
小説原作で2024年作品。全10話。
原作についてはアニメ『氷菓』で米澤穂信先生を知って読み漁るようになり、
その際に読了済み。
その当時は漠然と「これもアニメ化されたらいいのになあ」と思っていたら、
このタイミングでまさかのアニメ化ですよ(笑)


(ストーリー)
主人公・小鳩常悟朗は中学時代に問題事を推理したがる性格で苦い経験を持つ。
そして同級生の小佐内ゆきも常吾朗と似た境遇を送っていた。
そんな2人は意気投合、「小市民」を目指すために互恵関係を結ぶことになる。
高校生に進学した2人は平穏を求めながらも、日常の中で発生する事件に巻き
込まれ、結局封印したはずの謎解きに挑むことになる。


(評 価)
上述のように待望のアニメ化だったのですが、率直なところ
「アレ!?思ったほど面白くないなあ」
原作を読んだのも大分前で結構忘れてる部分も多く、思い出補正なんかもあっ
たのかなあと思っていたのですが、最近最終巻(冬期)が図書館から回ってき
たので読んでみると
「おい!やっぱり面白いやんけ!!」
なので、もう一度原作を読み返してみると・・・

・1,2話でやらかしている
 1話を視聴して感じたのが
 「アレ!?こんな不自然なストーリーだっけ?」
 という強い違和感だったんですよね。
 原作を確認すると、やはり「ポシェット事件」と「いちごタルト事件」は
 本来別エピソードでアニメ化で改変されたようですね。
 まあ1話で視聴者を引き付けるために上述構成にした意図は理解できます。
 でもここに問題が発生したんですよね。

 小佐内さんは本来「スイーツ」については異常ともいえるこだわりや執着
 を持っている、個性的なキャラだったんですよね。
 それが本作だと
 ・「春期限定いちごタルト」に強い執着を持ち、絶対ゲットしたい
  しかも今日までという期限付き
 ・そして(2個ゲットするため)小鳩君に同行の約束を取り付けるも
 ・ここで事件に巻き込まれ小鳩君が友人から呼び出される
  → 小佐内さんおとなしく待機
 って、こんなの私の知ってる小佐内さんじゃない!
 売り切れるかどうかの瀬戸際で、呑気に待機してる場合じゃねーだろ!!
 個人的には彼女の強烈な個性は吹っ飛び「普通のスイーツ好き女子」に成
 り下がったなと。
 (この辺はその後のエピソード含め(説明セリフ頼りとか)演出が弱かっ
  たかなっと)
 これだけなら些細なことかもしれませんが、本作は一事が万事こういう感
 じなんですよね。

 例えば続けて2話ですが、今回は「おいしいココアの入れ方」です。
 これはミステリーのオチが斜め上過ぎて酷評の嵐でしたが、原作を読むと
 本編のポイントはここではなく、小鳩君と友人堂島健吾の間で交わされる
 「お前中学で何かあったのか?雰囲気が違い過ぎる。」
 という会話劇なんですよね。
 
 これも
 ・原作だと知恵働きをやめ「小市民」を目指すようになったきっかけが語
  られるのは一番最初のプロローグ(夢の中という設定)
  → それを受けての上述会話劇になるので重さを増す
 ・本作だとこの辺りが語られるのはラスト付近
  → 上述会話劇が唐突な昔話になり伏線めいた扱いに
 制作側としては最後の見せ場にとっておいたようなフシがあるのですが、
 そのせいで
 ・会話劇の重みが薄らぎ「ココアの入れ方」の不出来が悪目立ち
 ・「小市民」という言葉もどこかひとり歩きしているような状態に
  (また後述の2人のキャラの描き方にも影響したような)
 と、やはり違和感を覚えたのは正しかったようです。

 1,2話で「??」となった視聴者も多かったんじゃないですかね。
 (制作側のやろうしていることは分かりますが、序盤からこれだけ違和感
  を覚えるとなあ・・・という感じですね。)


・3話以降は原作の出来に助けられたが・・・
 3話以降は原作者の調子も上がってきた感じで、ミステリー的なストーリー
 は楽しめたように思います。
 しかし「魅せ方」については比較するのは適切でないかもしれませんが
 ・『氷菓』は
  ・「何故この作品をアニメでみせるのか」を考え抜いた上で
  ・それに従い全体像も練り上げて、そこからエピソードに落とし込む
  という意図が感じられ、アニメは原作越えの面白さがあった
 ・しかし本作は
  ・このシーンはどう見映えするか的な”点”で終わってしまってる印象
 という感じで連続性のある積み重ねという部分が弱い感じがしましたね。

 その辺はキャラにしわ寄せがきてる感じで、例えば小山内さんなんかは
 ・普段はスイーツ好きで小動物的にかわいく描いておいて
 ・ここぞの場面で作画のインパクト等で「実はどす黒い女子です」アピール
  しときゃいいやろ的な
 他のレビューで書きましたが、キャラ造形って
 >・作り手が「彼はどういう人間か?」というのを考え抜いた上で、それを
 > 作中の言動に地道に落とし込んていく
 >・その積み重ねを経て、視聴者側がどう受け取るか
 ということだと思うのですが、そういう点では物足りなさを感じたかなっと。
 (全体的にキャラの捉え方が平面的というか、他のレビュアーさんのご指摘
  通り行間を読み取れていないというか・・・)

 それに伴って、小鳩君との「小市民」を目指すための互恵関係という設定も
 作品の面白さに繋がっていない感じですし。


・作画もレベルは高いが・・・
 作画は綺麗でかなりレベルが高いです。
 しかしここでも引っ掛かるところが・・・
 ミステリーだと会話劇が冗長的になりやすいので、飽きさせないようイメージ
 映像を挟んだりするのですが
 ・『氷菓』だとメインの会話がよりわかりやすくなるように等会話劇を面白く
  引き立てる名サポート役的に描かれている
 ・本作は目先の変化だけが目的というか、川辺のシーンなんかむしろ本筋より
  作画がきれいだったりとこっちを強く主張してどうすんねん!
  (会話劇を面白くする方向に機能していない)
 こういう感性が合わなかったところも1話から違和感を覚えたひとつですかね。
 (作画も全体的にアニメとして面白くみせることより、作画自体の凄さを見せ
  つける方向に神経がいっていないかと?)


『氷菓』や原作を知らなければまた評価も違っていたかもですが、なまじ知識
があるとつい口を挟みたくなる点はちょっと申し訳ないですね。
期待値が高かった分辛口気味なレビューになりましたが、標準レベルはクリア
されているとは思います。
(正直なところ1,2話で負のバイアスがかかったのが影響してる感じ)
決して『氷菓』を目指して欲しいわけではありませんが、『氷菓』の真骨頂は
ある意味
「原作へのリスペクトと圧倒的な理解度の高さ」
にあると思っているので、そういう点は見習って2期では
「この原作のどの部分が琴線に触れアニメ化に至ったのか」
が見えるような作品を期待したいですね。
2期分の原作エピソードもより面白いものになっているので。


(追 記1)
>このタイミングでまさかのアニメ化ですよ(笑)
これは2024/4に最終巻が発刊され、完結まで描ける目途がたったのが大きかっ
たのでしょうね。
個人的には、2022/2の米澤先生の「✕」での発表
「KADOKAWAさんから出る新刊は、〈古典部〉シリーズの長篇にしようとご相談
 しています。」
以降『氷菓』の続編どうなっとんねん?が気がかりなんですが。
『小市民シリーズ』も無事完走したことですし、こちらの方もよろしくお願い
します m(_ _)m
(『氷菓』のレビューでも書きましたが、これが完成すればギリ1クール分の
 ストックは確保できるかなっと。
 アニメ化してくれるかは知らんけどw)

(追 記2)
あと堂島健吾のことを彼女が「ケンケン」と呼んでいたが、やっぱアニオリだ
ったんだな。
そこはちょっと面白かった。小鳩君の間とか後でちゃんといじってたしw
(改変が”点”で終わらず、きちんと”線”になっていた。)

ただこの回では堂島が「名前は言えないんだが」といいつつ、次の会話であっ
さり名前を言ってしまう”大雑把さ”に小鳩君が心の中でツッコミを入れると
いう(原作の)流れなんですが、本作ではそこはスルーかよっと。
また最終話の小鳩君が最後のパフェを食べた際の心理描写不足とか・・・
こういうキャラの魅せ方とか細かい感性のズレが原作のよさを活かしきれず、
イマイチ合わないなあっと感じてしまった。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 22
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小市民の星

ラパントラック制作。

清く慎ましい小市民を目指す小鳩と小佐内、
平穏な高校生活を望むも、推理の得意な、
小鳩の元には様々な事件や災難が舞い込んでくる。

涼やかで綺麗な映像描写とちょっとした推理劇、
実写ドラマを意識しているそんな印象も受けますが、
静かなメインキャラは疲れないので良いです。

少年と少女、不思議な関係ですね。
ネタバレレビューを読む

季節感溢れる青春×学園ミステリー、
素敵な作品になればと期待しています。

5話視聴追記。
新聞部部室での伯林あげぱんの謎解き、
ネタバレレビューを読む
 
最終話視聴追記。
娯楽性は乏しいのかも知れませんが、
文学的な会話劇、最後はお見事でした。

ネタバレレビューを読む

続編を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 36

61.4 11 2024年度の高校生アニメランキング11位
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★☆☆ 2.9 (200)
514人が棚に入れました
全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!! 修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。 召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。 突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。 だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、 ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。 飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。 夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ! ……かに思われたが……。 「死ね」 夜霧はその一言でドラゴンを撃退。 なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!! 元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。 そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼?   やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者? そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが! 前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年とちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(最終)これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼwww

【レビューNo.110】((最終レビュー)初回登録:2024/3/22)
ラノベ原作(なろう発)で2024年作品。全12話。
まあ少し違った切り口からこの作品を語ってみようかと。

(ストーリー)
面倒なので省略

(評 価)
・大きな括りでみればよくある「低予算なろう作品」
 大括りでみれば、よくある「すっとぼけ系主人公がチート能力で異世界で
 無双する『低予算なろう作品』」になります。なので
 ・粗を探して観れば、いくらでもツッコミどころ満載
 ・「こういうもの」として割り切り脳死で観ればそれなりに楽しめる
 って感じで、視聴者が「どこにハードルを設定するのか」により評価が変
 わってくるという話でしょうか。

・「Z世代」を象徴したような主人公
 しかし見方を変えてみると、結構いろいろ斬新だなっとw
 すっとぼけ系「俺tueee」主人公ということですが、従来の「無自覚系」で
 「また俺なんかやっちゃいました?!」
 というのとまた違うのかなっと。何というか「無欲・淡泊系」というか、
 執着がないって感じなんですよね。
 ・仲間意識が希薄
  この手の作品にありがちな「仲間思いの正義感あふれる主人公」って
  感じが皆無。ヒロインと旅していても「成り行きで飛んでくる火の粉
  を振り払ってるだけ」みたいな。
  観ていて「ヒロインを守るために」って感情とかが薄いんですよね。
 ・恋愛感情・性欲が皆無
  巨乳でかわいいヒロインと2人きりで旅しているのに、「ラッキースケ
  ベにドギマギ」とかがあるわけでもなく、そもそも
  ・「異性として全く意識してないだろw」とか
  ・「根本的に他人に興味ないだろw」とか
  いう感じなんですよね。
 ・守りたいもの→「ゲームをする時間だけ」
  チート能力があっても無欲で、「ゲームをする時間だけあればいいや」
  で面倒ごとは「タイパ重視」でちゃっちゃと終わらせようみたいなw
 思うに原作者は「『Z世代』を象徴した主人公」を描きたかったのに違い
 ないとwww
 執着を持たないなかなか斬新な主人公だなっと。
 (「Z世代」は正確にいうと執着がないのではなく、「失われた30年」の
  あおりをモロに受け、執着をしたくてもいろいろあきらめざるをえない
  状況下にいるのだと思うのですが)
 
・これは「呪術廻戦」に対するアンチテーゼ
 「呪術廻戦2期」は1期以上に作画が凄かったですね。特にバトルシーンと
 か。もうTV版じゃなく劇場版レベルでしたね。
 しかしこのクオリティーを維持するために、人海戦術とかタイトなスケジ
 ュールで綱渡りとか制作現場はかなりの惨状だったという話も。
 (アニメーターさんがTwitterでぼやいていたとかw)
 本作はそんな「呪術廻戦」に真っ向から喧嘩を売っていきます。
 ・主人公が「死ね」とつぶやくだけで、敵がバタバタ死んでいく。
 ・なので本来なら見どころのひとつである主人公のバトルシーンに全く見
  どころがない。というかバトル自体成立してないだろうw
 って感じなのですが、しかし見方を変えてみると
 ・そもそも「低予算なろう作品」が体力ある「呪術廻戦」と勝負しても勝
  ち目あるわけないやん。
 ・それなら極力バトルシーンを省力化した方がいいやん。
  (どうせ低予算でバトルシーン描いても「作画ガー」で叩かれるし)
 ・バトルシーンが省力化できる本作は、お財布に優しい「低予算なろう作
  品」の救世主やん。
  (面白いとはいっていないw)
 思うにこれは「作画至上主義」ともいえる「呪術廻戦」に対するアンチテ
 ーゼに違いないとwww
 これも「コロンブスの卵」的な発想がなかなかに斬新だなっとw

まあ半分ネタとして書いてるわけですが、切り口を変えてみてみるとなかな
かに斬新で面白みのある作品なのかなあっと。
「呪術廻戦」が白鳥の如く、優雅な姿の水面下で必死に足掻いている様を横
目に、こういう作品をぶつけてきたのは個人的には結構ツボりましたね。
作品自体は脳死で観ているので、まあこんなもんかって感じですが。
ここにきて登場人物がかなり増え、いろいろな勢力が思惑をもって動いてい
るような描写もありましたが、あと数話でどう風呂敷を畳むのでしょうか。
バトルロイヤル的なもので主人公が一気に処分してしまうのか、投げっぱな
しENDで放り出してしまうのかw

あとOP曲「Killer Bars/Hilcrhyme」は個人的には耳に残り結構好きでし
たね。綺麗に韻を踏んでるのはさすがHilcrhyme。

一応中間レビューではありますが、最後まで観ても書きたいことは変わらん
だろうなっと。

(2024/3/22追記)
状態 →「観終わった」に変更

・とりあえず思い付くままいろいろねじ込み、カオスな状態にw
・収拾がつかなくなると主人公のチート能力で「処分」
・そしてお約束の「俺たちの戦いはこれからだ」END
しかし風呂敷を広げても、最後は「死ね」で解決できるんだから、制作陣
にも便利なチート能力だよな。
まあ何かと制作陣に優しい作品だったということでw

投稿 : 2025/04/19
♥ : 16

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

全ての敵を即死させる最強主人公爆誕!!

この作品の原作は未読です。
タイトルからチート無双系の作品であることは分かっていましたが、まぁ半端ありませんでしたね^^;
なお、原作は全15巻で完結しているようです。


全ての敵を即死させる!最強主人公爆誕!!

修学旅行中、高遠夜霧とクラスメイトたちは、突然異世界に召喚された。
召喚したのは賢者を名乗る女、シオン。彼女は《ギフト》と呼ばれる特殊能力を彼らに与え、
賢者になるための試練をクリアしろと一方的に宣告する。

突然の事態に動揺しつつも行動を開始する一同。

だが、なぜか《ギフト》を与えられなかった夜霧や壇ノ浦知千佳ら一部の生徒は、
ドラゴンが迫る草原に囮として置き去りにされてしまう。

飛来したドラゴンによって次々に殺されていく残された生徒たち。
夜霧と知千佳も絶体絶命の大ピンチ!

……かに思われたが……。

「死ね」

夜霧はその一言でドラゴンを撃退。
なんと彼は、任意の対象を即座に殺せる《即死チート》の持ち主だった!!!

元いた世界への帰還を目指し、旅を始める夜霧と知千佳。
そんな彼らの前に現れるのは異世界にいるチート能力者たち。不死身の吸血鬼? やり直しの勇者? 神に溺愛されし転生者?
そんなやつら、即死チートの相手にはまるでならないんですが!

前代未聞のチート能力が武器のダウナー系少年と
ちょっぴり残念な美少女の異世界冒険が今、幕を開ける!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

まぁ、深夜アニメでしか放送できない作品でしたね。
主人公の持つ即死チートのえげつなさがヤバいくらい凄いんです。

主人公らに敵意を見せた相手の命は、きっと真綿より軽い…
そういう場面をまざまざと見せつけられた感じです。

ここまでくると、嫌悪感というより作品への慣れからなのか、あまり何も感じなくなるんですよね。
しかも、その場にいない相手だって即死させられるんだから、一層質が悪いです。

とみたんボイス、ほっちゃんボイスを堪能できたのは嬉しいと思いました。
他にも旬な声優さんがたくさん起用されているんですが、主要登場人物以外の出番はほんの少ししか無かったので、ほぼ印象に残らなかったのが残念だったかな^^;

主人公がダウナー系でヒロインがちょっぴり残念な美少女に位置付けられるんでしょうね。
ダウナー系…周囲の人間の気分を暗くする人、または常に暗い気分でいる人やさまを意味する単語だそうです。
確かにけだるそうにしていたから、一応そんな感じかな。

という事は、とみたん演じる壇ノ浦 知千佳がちょっぴり残念な美少女…!?
主人公にキレッキレのツッコミを入れる美少女の方が合っている気がしますけれど^^;
少なくても私には残念要素は見当たらなかったかな。

wiki先生を見て面白いと思ったのは、主要登場人物に下野さん演じる花川 大門が入っていたこと…
確かに他のクラスメイトと比べたら出番は多かったと思いますが、決して立ち位置的には主要登場人物枠には入らないと思うんですけど^^;

アニメーション制作は、アース・スター エンターテイメントさん。
あの超早口アニメ「てーきゅう」を制作した会社です。
思い返せば、フルタイムの作品を最初に制作したのは2013年に放送された「世界でいちばん強くなりたい!」でした。
当時は「本当に制作できるのか!?」的に自虐ネタで宣伝していましたが、それから10年が経過しようとしています。
時間の流れの速さを改めて感じた気がしました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Hilcrhymeさんによる「Killer Bars」
エンディングテーマは、ウタヒメドリームの桜木舞華(鈴木杏奈さん)による「Haze」

1クール全12話の物語でした。
圧倒的なチート能力を気軽に楽しめる作品…といったところでしょうか。
主人公らは元の世界に帰りたいと言っていました。
果たして本当n帰れるのか…気になったら原作で、という感じですかね^^
総じて楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 9

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

クリエイション・クリティシズム

売れ線アニメをコケにしたようなメタコメディ。
数々のお約束をブッ壊していくカオスな爽快感。

修学旅行のバスごと異世界召喚された高遠たち。無能扱いされ窮地を脱するべく、高遠は過去に自ら封じた「即死チート」を発動。

バカな話はバカには書けない。作品の成立すら難しい設定で既刊14巻。これもっといい作画でやるべきだったよ。もったいねえ。

OP・クソダサい。これ自体もメタなのか。期待通りに必ず飛ばす。
ED・歌上手いなと思えば声優さん。だがメインキャラ担当ではない。謎。

11
おもしれー

こういった何でもアリなのがマンガやアニメの醍醐味だったはず。いろんな表現を自在にできるのでアニメーターとしてもやりごたえのある作品なのでは?とも思うけど、ビジネスとしてはグッズが売れる作品優先になるのはしかたないか。

デスゲーム突入で即死マンから潰すのも上手い。デブヒーラー便利すぎと思えばしっかり自己言及もさすが。毎回「アレはアレ、コレはコレ」と、とにかく引用量が凄まじい濃度なのだが、抽象度をうまく操作しててモロパクリにはせずアンチを引き寄せない作りもさすが。すごい。今回は特に面白かった。情報の摂取量を教養と言うのなら、まさに教養が試される作品と言える。もしくはいにしえのマンガオタク向けのシルバーアニメなのかも。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

69.1 12 2024年度の高校生アニメランキング12位
弱キャラ友崎くん 2nd STAGE(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (156)
445人が棚に入れました
友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!

声優・キャラクター
友崎文也:佐藤元
水沢孝弘:島﨑信長
日南葵:金元寿子
中村修二:岡本信彦
七海みなみ:長谷川育美
竹井:水野駿太郎
菊池風香:茅野愛衣
夏林花火:前川涼子
泉優鈴:稗田寧々

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

君の描いた選択肢が、みんなの物語になる

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期は視聴済です。
物語の内容に繋がりがあるので、前作未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

アニメーション制作がproject No.9さんで、キャラデザが矢野茜さん。
この最強タッグの作品が視聴できることが素直に嬉しく思います。

これまでこの最強タッグは、「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」「りゅうおうのおしごと!」「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」「弱キャラ友崎くん」などの作品を輩出してきました。
どの作品も華のあるひろいんが目に浮かぶ作品…と言いたいところですが、ネトゲの亜子ちゃんと、りゅうおうのあいちゃんに、よりその傾向が強く感じられますね。

そして亜子ちゃん、あいちゃんのどちらも演じているのが、ちゃんりななんですよね。
これは運命的な何かを感じるのは気のせいでしょうか^^;?
そう言えば、この度、内田雄馬さんとご結婚されましたよね。
おめでとうございます!! 末長い幸せを祈念しています。


友崎文也は、日本屈指のゲーマーながら現実ではぼっちの高校生。

“人生はクソゲー”だと言い切る彼が出会ったのは、
学園のパーフェクトヒロイン・日南葵だった。

「この『人生』というゲームに、真剣に向き合いなさい!」

人生ははたしてクソゲーか、神ゲーか?
日南の指導のもと、弱キャラ高校生の人生攻略が幕を開ける!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

第1期では自分を知り、周りとの距離感を知りました。
そして第2期は周りとの距離を縮めつつ、より高校生活を満喫できるようシフトチェンジする展開だったと思います。
距離感に気付き、意識するようになったのは主人公の友崎だけではありません。
七海みなみ、菊池風香、そして少し毛色は違いますが夏林花火の存在がより増した展開であったとも思っています。

個人的には、七海みなみの良い子っぷりが堪らないんですけど…
友崎をブレーンと呼称したり、突然夫婦漫才を始めてみたりと、お互いの息がピッタリ合う感じは、視聴者のみならず本人たちも気持ち良かったのではないでしょうか。

そしてそんな空気を同調できるからこそ、気付いてしまうコトもあるんですよね。
きっと知らないフリをしていても良かったと思っています。
だって、未だ成就出来ていないのだから…
でも、みみみは自分のことより相手を優先する女の子なんですよね。
どこまでもムードメーカーたらんとする彼女に言動には、こちらも思わず貰い泣きです。

そして、ここまで視聴してきて一つ気付いたことがあります。
友崎の変化によって、クラスメイトや友人との立ち位置も変化したと思います。
きっとこれは良い変化なんだと思います。

ですが、パーフェクトヒロインである日南葵の立ち位置だけは全く変わっていないんです。
最初は、友崎のアドバイザー的な役割だからだと思っていました。
でも、彼女の不変はとても頑なで、距離感が近いようで決して自ら歩み寄ることの無い雰囲気が見え隠れしたように感じてしまいました。

私は原作未読なので、アニメを視聴した範囲の事しか分かりません。
ですが、これがもしも彼女のSOSだったとしたら…と考えると、本当に救済すべきは彼女なのかもしれない、と思ってしまいました。

作画も良いクオリティで安定しているので、とても見易くしっかり感情移入できる作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、「イージー?ハード?しかして進めっ!」
エンディングテーマは、「誰かじゃないから」
どちらもDIALOGUE+さんが担当されています。

1クール全13話の物語でした。
原作は小説は既刊13巻(本編11巻+短編集2巻)まで発行されているようですが、漫画は全6巻全29話で完結しているそうです。

もしかすると完結までアニメで視聴できるのでは…?
と甘い気持ちを抱いているのは、きっと私だけではないと思います。
続編が制作されるなら、是非、日南葵にメスを入れて貰えると嬉しいです。
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 15

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

個性のあるラブコメとして面白いのだけれども・・・。

1期で褒めた点がそこそこ維持されていたので、悪くはない印象でした。

悪くはない印象だったのですが・・・、日南 葵の理論的と言いましょうか、テクニカルな所に強くフィーチャーしている所はすごく苦手でした。

1期のレビューでは理論が違うのを承知の上で、コーチング20%ティーチング80%と評しましたが、2期では、ほぼガッツリとティーチングといった感じでした。
いずれにせよ、依頼人≒友崎くんと信頼関係が築かれた上で、依頼人の希望を叶える方向に動いているようなので外野がどうこう言う事ではないのですが・・・。

また、意図的に心理学や認知心理学、認知行動学などのテクニックを使って「人を動かす」というより、コントロールする様は、なんとも・・・。
いや、本当にどう表現して良いかわからないのですが、あえて言えば苦手でした。
凄いとも思いますし、よく勉強しているとも思いますし、効果的に実行できてるところも「やるな!」とは思うのですが・・・。

皆さんは、この点どのように受けとめられましたかねぇ。




物語の前半部分のキーとなるクラス内不和の件(あえてぼかします)でも、私はどうにも馴染めない点がありまして・・・。

夏林花火がターゲットになってからの、何とかしてあげよう的なクラスメイトの動きは確かに好感を持って観ていました。
そして、やっている側のエリカに不快な印象を持っていたことも確かなのですが・・・。
それ以上に、日和見的な、移ろい易い大衆≒周囲のクラスメイトの様子が嫌でした。
まあ、世の中そんなもんやろ、との思いもあったりはするのですが、どうにも私の感性では嫌なんですねぇ。

結果、諸々の施策、努力の甲斐あって「呪い返し」の様なブーメランによって、落ち着きを取り戻したようですが、本当に私自身の感想としては辛く、苦い面持ちでした。

もしかしたら、これは私の過去体験に原因がある様な気もしますがw自己分析すれば。


そして、後半メインとなる七海みなみと菊池風香のエピソードについても、これはこれで、なかなかにシビア。
前半戦とは別の意味、別のベクトルで辛いものがありました。
これも、多くは語らないのですが、個人の感想として、友崎くんの選択は意外でした。


多分ざっくりとしたお話しか書いていませんが、
この作品は学校モノのラブコメ作品としては、少し別格の魅力を持っていると思います。
個人的にですが、同じような感覚(痛みや辛さ、苦しみを色濃く内包していた作品)を受けた作品として『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』シリーズが浮かびました。
こちらも、個人的には学校ラブコメとしては高く評価しているつもりなのですが、それに近い印象を持っています。

ただ、個人的には続きがある様な演出で終わっていましたし、女性キャラが大変に魅力的なので、またの機会があれば視聴をしてみたいという思いは強くあるのですが・・・。
一つ形になった上で、さらに、ゲームチックに「課題」を詰めていくとなると・・・、本当に「ゲーム」になってしまいそうで少し気がかりに思っています。
今後どうなるのかは知りませんが、一度心を合わせてお付き合いを始めた上で・・・、ゲームの様に「課題」をクリアしていくようなお付き合いをされたら、どう思います?
課題をクリアする本人は、対人スキルなり、人間力なり、成長をしていくのだとは思いますが、相対している方は・・・。
課題をクリアする過程とは言え、あっち行ったり、こっち行ったり、あれしたり、これしたり、仲良くなっていけば(お互いの中が進展していけば、本人もそう望んでいるという事で)納得してくれるんでしょうか。

私は、それあんまり見たくないなぁ。
完全に振り切ってコメディレベルまでもっていってくれれば見れるかなぁ、ぐらいには思いますが・・・、今のままの建付では見たくないと思っています。
まぁ、ここら辺は次回があった時のクリエイターさんの腕の見せ所かもしれませんが。

ああそうそう、女性キャラの事ばかり言っていますが、水沢くんは、さすがのイケメンぶりでしたね。
それ以外にも友崎くんに言いにくい事をズバズバいう様子。
チャラいのはチャラいかもしれませんが、努力と才能に裏打ちされた筋のとおったイケメンチャラ男かもしれません。
なかなかにいい男です、友達にはなれそうにありませんがw。



そうですね、私の好きな学校ものラブコメのトップ2が決まったかもしれません。
ちょっと、苦しい思いもあるので、硬派部門かもしれませんが。
ライト部門もいくつかありはするのですが、それはまたの機会にw。


個人的には、ユニークで面白いつくりになっていると思います。
もしかしたら「学び」になる点も多いかもしれません。
この中で描かれているテクニックを使うも、見破るもあなた次第かもしれません。
機会があれば、ご覧くださいませ。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 18
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

正しさの証明

原作未読ですが面白かった
すごくデキがいいアニメだし、何よりキャラクターの描き方が上手だし、1期の引きこもりな友崎くんの視野はまだ狭くて目の前の出来事で終わってたけど、2期になってリア充の仲間入りした友崎くんの視野は凄く広くなって、クラス全体が見えるようになって人間関係が大きく広がりました、今まで目に入らなかったことが見えるようになって友崎くんの成長がこんなところにも表れています
不自然なこともあるけど、とてもいい作品です!いちばん好きなのは水沢

一期は引きこもりコミュ障だった主人公をリア充に変えていくのがメインテーマのようだったけど、1期の主人公の成り上がりはこの作品全体の本筋ではなく、前フリというか準備期間かな?
キャラクターの描き方がとても上手で、奇抜なキャラ付けに頼らず見事に様々なタイプの高校生を描いているので普通にラブコメとして面白いけど、作者の描きたいものはラブコメのもっと先にあるように思いました

【日南は友崎くんに何をさせたいのでしょうか? 考察】
まず、2期を見ていくとネタバレレビューを読む

気になったところは、2話3話あたりの ネタバレレビューを読む
先の話がとても気になります! おもしろかった

投稿 : 2025/04/19
♥ : 19

74.0 13 2024年度の高校生アニメランキング13位
夏目友人帳 漆(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (94)
346人が棚に入れました
小さい頃から妖怪を見ることができた少年・夏目貴志は、祖母レイコの遺産「友人帳」を受け継ぎ、 自称用心棒のニャンコ先生と共に、そこに名を縛られた妖怪たちに名を返す日々を送る。 妖と、そこに関わる人との触れ合いを通して、自分の進むべき道を模索し始めた夏目は、想いを共有できる友人たちにも助けられながら、大切な日々を守るすべを見つけていこうとする。

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

しばらくだったな〜 帰ってきたぞ〜 なつめ!

原作未読 全12話

夏目友人帳の7期です。出来れば1期から観てみることをオススメします。

普通の人間には見えない妖を観ることができる友人張の所有者である夏目レイコの孫で同じ能力がある夏目貴志を中心に妖と人間との心暖まるエピソードを描かれている作品です。

劇場版から3年、テレビアニメシリーズから7年を経て待望の7期の放送でした。

心暖まるお話が中心ですが、災いをもたらす妖もでてきますね。

以前から出てきた妖や人間のキャラたちもみなさん出てきます。

今回も素敵なお話が色々とありましたが、レイコのお話とお庭のお話が好きでした。

ちょっとだけ進んだ夏目友人帳、また再会できることを楽しみに待っています。

OPは柏木ひなたさん、EDは近藤利樹さんが歌っています。

最後に、先生はあいかわらずでしたw

投稿 : 2025/04/19
♥ : 18

ひなぼたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

やはり安定して面白い

久しぶりにアニメ化したから内容忘れてるのもあるが、以前と変わらず安定して面白かった。妖怪と人間の間のちょっとしたほっこりする話が毎回癒しになってた記憶がある。

これまでの夏目友人帳を批評するとするならば安定して面白いがその域を出ないといったところだと感じる。妖怪に名前を返していくという話は進んでいるのだが、終着点が見えないところと派手さがない為、毎回似たような感動話の連続で慣れてくるのが原因か?
あとこうゆう続編は時期が空くと新規も古参も戸惑うよね。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ニャンコ先生の可愛さ際立つ大人気アニメシリーズ第7期。

原作未読。7年ぶりのアニメシリーズ第7期作。
全12話。

第7期の今作は、日常に溶け込む妖怪との日々がよりゆったりと描かれている印象。派手な進展や事件もなく穏やかな12話でした。

他の期と比べると、ニャンコ先生の可愛さがピックアップされてる気がしました。ふとしたニャンコ先生の動きや表情に力が入っていて、よりマスコット感が増してたかも。かっこいいより可愛いが強調されてました。

また、ゲスト声優が他の期と比べて豪華になっていた気がします。ツダケンやじゅんじゅんなど、新キャラに人気声優がキャスティングされています。ツダケンは特に遊び心を効かせたキャラ感になってるので、好きな方は見てみるのもいいかもしれません。

終始穏やかな期になっているので、続けてみたい面白さよりはゆっくりと楽しむ人向けな作品かと思います。
夏目友人帳のファンの方なら変わらず世界観を楽しめます。

2008年から続く今作品引き続きゆっくりと続編を待ちたいと思います。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 19

65.3 14 2024年度の高校生アニメランキング14位
君は冥土様。(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (101)
320人が棚に入れました
ある日突然、メイドさんが営業に来た──。 高校生・横谷人好の家に突然の来訪者が現れた。 黒髪で清廉、丁重な言葉使いが特徴的なメイドさん。 第一声は「私を雇って欲しい」。 彼女は前職が”殺し屋”、特技は”暗殺”、家事は全くの初心者で”ドジっ子” 運命の出会いから、メイドさんと同じ屋根の下での共同生活がスタートする…!? だんだんと、感情を知らない彼女の心が揺れ動いていく──。 これは、ひとりぼっちだったメイドさんに”家族”ができるまでのお話。
ネタバレ

てぶくろ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

ハートフルさを全面に出す割に視聴側からの歩み寄りがかなり強いられている。

  最終話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

 第9話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

 第3話まで視聴しました。
 ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/19
♥ : 7
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

2話 なぜ最近の物語の主役はいい子でなければならないのか?

1話 清々しいくらいお話がない。強引に設定を説明しただけ。

ネタバレレビューを読む


2話 なぜ最近の物語の主役はいい子でなければならないのかが分からない。

 なぜ、ラノベや少年マンガの主人公の少年は、いい子でなければいけないのでしょう?いい子でいることが美少女と恋愛できる理由だということでしょうか?
 悪いところがあると、恋愛する資格がないと思うのでしょうか。もちろん、いろいろ欠点の描写はあると思いますが、いい子というのは「本質と正義と人間が分かっている少年」という意味でです。しかも、その内容が極めて浅い「僕が考えた正しい少年」という水準です。

 このキャラ造形ってなんなんでしょうね?「ロシデレ」も「義妹」そんなキャラ造形だった気がします。「マケイン」ははじめの数話は上手くキャラを作っていたのに、結局はいい子にしようとしていました。異世界系も同じような傾向がある気がするので流行りなんでしょうか。

「異世界失格」ですら、口では独特の価値観を語っていましたが、結局人助け行脚でした。「ブラックジャック」の時代からそういう傾向がなくはないのですが、しかし、彼はちゃんと行動原理を持っていてそこに説得力がありました。

 それが「少年漫画」つまりティーン向けの令和のマーケティングとしては正しい考え方なのかもしれません。が、話としては物足りない部分になってしまいます。
 そういえば「魔女の旅々」でも、ヒロインが人助けしないと酷評されていました。「ひげひろ」では犯罪行為だと糾弾する騒ぎがありました。つまり、綺麗な行動をしないと恋愛する資格がないという感覚なんでしょうか?

 昨今のこの「主人公いい子化傾向」は少し病的な気がします。「小市民」シリーズが同時期にあったので余計感じました。童話の結末から死とか復讐、不条理とかがデオドラント化された影響でしょうか?因果応報じゃないとやりきれないくらい実生活が辛いのでしょうか。

 つまり、本作の主人公にはまったく乗れませんので、この辺で中断します。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 6
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ソース派にオススメ?

元殺し屋で天然ドジっ娘属性のメイドを雇うことになった、高校生男子宅で繰り広げられる、
日常などを描いた同名コミック(未読)の連続アニメ化作品(全12話)

【物語 3.5点】
暗殺者が普通の生活に馴染む系のコメディは、最近、常に供給がある風潮なので、
特段、真新しさはありませんが、私は比較的このジャンルは何度でも美味しく頂ける質だったこと。

集中力を要する“質アニメ”がごった返す2024年秋アニメの中で、
日常物でホッと一息つける枠がもう一本欲しい所へ、本作がスッと滑り込み、
気が付いたら完走していた感じです。


中盤5話にて、この種のシナリオでありがちな、
やはりお前は暗殺者(こっち)側の人間だというシリアス展開もありましたが、
基本的には、横谷家の四季を描く、かなり日常寄りの歳時記。
メインディッシュにはなり得ないけれど、デザートならあっても良いポジション。


メイド様こと雪さんの日常の幸福を象徴するのが「勝田のソース」ではないでしょうか。
勝田惣菜店が誇る、トンカツにベストマッチする魅惑の味に取り憑かれた雪さんの姿は、
見ていて私もとても幸せな気持ちになりました。
何だかんだ勝田ソースのネタバレレビューを読む 雪さんのエピソードが、
5話より好きだったり。

苦悩と退屈に満ちた日々が続く中でも、これさえ食べられればハッピーになれる。
私も何か一つ見つけたいなと思いました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・FelixFilm

シリーズで元請けしてきた『MFゴースト』2期がズレ込んだこともあり、
同スタジオ初の同一クール複数作品放送となりキャパオーバーも懸念されましたが。
作画カロリーを抑える所は抑えながら無難に乗り切る。

平生は時に立体感も乏しい、のっぺりとした印象の作画ですが、
5話など、暗殺者・雪(シュエ)のアクションシーンや、
主人公少年・人好(ひとよし)と雪の感情が昂ぶるカットなど、
勝負所では、描きこんで来ます。


将来的なフルCGアニメ制作を目指しているというFelixFilm。
『MFゴースト』よりは2D寄りの本作ですが、
主題歌アニメーションでは大胆に実写映像も取り込むなど、
2Dの枠を破りたい同スタジオの意志は伝わって来ました。

個人的にはOPのトンカツソースと血の混同を誘発するカットからの、
赤線が入ったロゴ形成の演出が、妙に病み付きでした。


【キャラ 3.5点】
主人公少年・横谷人好(ひとよし)。
雪さんに膝枕している時は、よくあるラッキースケベ野郎。
私も爆発しろとか思ってましたがw
後半に入り、人好もまた、両親離婚による親父とのわだかまりなど、
寂しさを抱え母性の代替を求める、ちゃんと中身のあるキャラだなと見直しました。

離婚した母方に身を寄せている人好の妹・李恋(りこ)
訪れるとパッと明るくなる陽キャ。
母、妹と、太陽のような女(ひと)と別々に暮らすとなったら、
人好も雪さんに膝枕したくなるというものです。


最初メイド業はてんでダメだった雪さん。
バケツがあればひっくり返すレベルで、よく暗殺業が務まったなとw
ただ雪さんが徐々に家事に慣れていく姿も日常の尊さを象徴していました。
私も洗濯など苦痛なルーティンなどとやさぐれずに、
仕上がったタオルの柔らかさに幸福を感じてみたいと思いました。

モフモフと言えば、横谷家で飼うことになった、あげもち太郎。
その名の通りの衝撃のまるっ子さ。
フカフカは正義なのであります。


【声優 4.0点】
雪さんを演じた上田 麗奈さん。
“白狼の雪(はくろうのシュエ)”としてヤりに行く時の冷酷な低音。
勝田のソースで昇天した時の、ラリった?高音までw
芸域の広さを遺憾なく発揮。

うえしゃまも、プリキュアやっていたかと思えば、
本作と同クールで『アオのハコ』で後光が差すくらいの正統派ヒロイン・千夏先輩も好演したり。
キャリアも中堅に差し掛かり、充実の一途ですね。

2025年も既に数多くのメインキャストが決まっている上田さんですが、
私は『チェンソーマン』のレゼ役が特に楽しみです。


そんな雪を狙う猫っぽい暗殺者・グレイス役のLynnさんも、
詰めが甘い(いや、雪(シュエ)がおかしいだけかw)新任体育教師(変装)役で対抗?

終盤、絡んできたくノ一属性のクラスメイト・日陰ナカ役の稲垣 好さん。
私にとっては『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』以来、
久々のメイン所でのエンカウントで何か嬉しかったです。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は得田 真裕氏。
ギャグからアサシンアクションまで、対応力が求められた音楽。
暗殺者の運命(さだめ)を内包したメインフレーズから、
弾むようなメロディのコメディ曲に、心情を深堀りするバラード曲まで。
同氏はピアノ一つで多彩なムードを演出してくれました。

実写ドラマ・ドキュメンタリーが主戦場で、アニメはたまにといったキャリアの得田氏。
個人的には、バトル物を中心に、もっとアニメにも楽曲提供して欲しい、
菅野 祐悟氏のお弟子さんです。


OPはtricot「おとずれ」、EDがDUSTCELL「表情差分」
いずれも、日常寄り。雪さんの心情を汲み取った主題歌。

自分は特に「表情差分」がお気に入り。
無表情だった雪さんが、様々な感情を取り戻していく過程が走馬灯のように駆け巡る、
心地よいアップテンポナンバーです。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 14

66.4 15 2024年度の高校生アニメランキング15位
来世は他人がいい(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (69)
228人が棚に入れました
染井吉乃は祖父である、関西最大の暴力団「桐ヶ谷組」直系「染井組」組長・染井蓮二が決めた縁談相手、深山霧島の住む、関東最大の暴力団「砥草会」直系「深山一家」のもとで暮らすことになる。 吉乃を優しく迎え入れる霧島は、爽やかで人当たりのよい、ヤクザの家系を思わせない好青年。慣れない土地に不安を抱えていた吉乃は胸をなでおろす。 ……しかし!! ある事件をきっかけに、吉乃は霧島の本当の姿を目の当たりにすることになる。

ひっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

敬遠してる人は今一度再考を

極道ものだから遠ざけている人、
乙女系の恋愛ものなのではないかと遠ざけている人、
今作はそのどちらも主眼に置いてない作品なので再考してほしいです。

これは、誰かのキャラに感情移入するというよりも、
常識のタガが外れた奇人と奇人の鋭利な会話劇であり、
ラブコメというよりもサスペンスを孕んだバディものに近いです。
比較対象のない独立した質感の魅力があります。

キャラクターの次の行動や言動が気になり続け、
ずっと緩やかにハラハラする感じが保たれていたのですが...、
なんというか、2クールアニメの1クール目で終わったかのような印象で、
芯を喰った本題に切り込む前で区切りをつけたよう。

でも、この作品に関しては、
これくらい丁寧な描き方じゃないと(忠実に掘り下げないと)
キャラの魅力が伝わらない作品なので、
続編を望めるかは別として、1クールものとして
解像度の高いアニメ化だったと思います。

それにしても...、最終回の大部分を他愛もない会話のラリーに割く所に、
この作品が合わせているピントを確かめられる。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 2

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

おもしれー女になるためなら腎臓売却<55>

漫画原作である程度の雑誌で勝ち抜いてればそれなりにヤマが配置されてるからという視聴感の良さはあれど、いやーこれ完走しちゃったかと思わなくもなし。
ナメられたから腎臓も売ってドヤるいう、最序盤にデカいやらかしがあるのがいつまでも作品評価の足を引っ張ってるわ。
結局プロットバリアーに守られて腎臓はありまーすでは、さらに悪印象だしね。
その後なんぼヤクザがらみのやばいとこに突っ込んでもバリアーが見えちゃってるのよねん。
そのマイナスがありながらも完走はしたとう一定の評価。

我が方寸の乙女心は安臥の構え<56>
1話視聴。
女性向けのハーレクイン的なコミックでヤクザな彼が~ってのが量産されてますが、本作も基本線はそれ。
ただ掲載誌がアフタヌーンなのでご都合ファンタジーヤクザとちゅっちゅぱやるだけではないのねん。
とは言っても基本線は「凶暴な彼がアタイに夢中」なので嗜好としては外れててニントモカントモ。
ターゲット的にちょろい方向に修正しやすいのに暴力描写をヘタレずやってたのには好感。

と、上げ下げ激しくも、結局クォリティ次第といった位置。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 1

ねるる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

物騒不穏でミステリアスなキャラが魅力的な極道ラブコメ作品!

2024/10/27
原作未読。 3話視聴レビュー

3話から登場人物が増え一気に面白くなる予感がしてきた。物語も不穏一択だし、物騒な人達しか出てこないのに魅力的なキャラ感に惹かれる。遊佐さんの演技も相まって今後がすごく気になります。引き続き視聴したいと思います。

◎視聴後レビュー
原作既読。全12話

ヤクザの孫娘"染井吉乃"と謎多き男"深山霧島"の極道系物騒ラブコメ作品。

殴る蹴る血が出るが当たり前の世界観なので、物騒度は高め。東リべ見れてた人なら余裕で見れると思います。
深山霧島の異常な愛情表現と吉乃の2面性のある肝の座り方とキレ方が見所かなと思いますが、他にも魅力的なキャラクターが多く登場します。

絵柄はちょっと癖がありますが、極道の世界ということで肝の座った(目も座った)キャラが沢山でてきます。石田彰さん遊佐浩二さんとちょっと年齢層高めのキャスティングで、見始めは少し違和感ありましたが慣れてくると気にならなくなります。
遊佐さん演じるキャラが可愛げと物騒さと吉乃への愛があって素敵でした。断然翔真派。

アニメ放送途中に原作も見ましたが、原作の方が絵が綺麗だし、アニメで省略されてるセリフも多くあったので、気になる人は原作を読んだ方が面白いかもしれません。
新キャラが登場し、二人の仲が進展した所で終わってしまったので、原作読みつつ気長に続編を待ちたいと思います。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 8

71.3 16 2024年度の高校生アニメランキング16位
デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.8 (46)
164人が棚に入れました
「ソラニン」などの浅野いにおによる漫画をアニメーション映画化した2部作の後章。
入試に合格した門出と凰蘭は、亜衣や凛と同じ大学に通い始める。大学では竹本ふたばや田井沼マコトと意気投合し、尾城先輩がいるオカルト研究会に入部する。一方、宇宙からの侵略者は東京各地で目撃され、自衛隊は駆除活動を続けていた。上空の母艦は傾いて煙を上げ、政府転覆をねらって侵略者狩りをする過激派グループの青共闘も暗躍するなど、世界の終わりに向かってカウントダウンが始まるなか、凰蘭は再び不思議な少年、大葉に遭遇する。

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

半端な結末が生み出す不思議なカタルシス。期待以上ですが余韻が薄いかも。

 感想を一言で言えば期待以上にカタルシスが大きかったという感じでしょうか。結末がすべてな気がします。今までの積み上げが意味を持つ瞬間という感じです。いや、意味を失うからいいのかもしれません。

 面白いかと問われると一般的には面白くない…というと語弊はあります。途中から一体どういう物語の着地をするんだろう?という部分に関心が行ってしまいました。それを面白いというのかはわかりません。

 物語は前章でも感じた通り借り物ばかりです。ですので普通に考察していた人は普通に物語の構造は読み取れていたと思います。
 一方含意についてですが、前章で「ドラえもん」「時をかかる少女」オマージュがすごかったですが、後半はどちらかと言えば「エヴァ」が露骨でした。ですがエヴァよりも格段に中途半端です。

 この作品は、その結末の中途半端さ、描かない部分がいいんですよね。要するに人類が続く限り同じことを繰り返すわけだと思います。それが何かハラ落ちというか、胸にきてしまいました。
 となってきたときに結局明確な答えなどない、修正もできない、リセットなんて都合よくできない。誰がいつ死ぬか、何があるかわからない世界で人とつながりを大切にしながら、生きてゆくしかないじゃんという結論になりそうです。

 政府や企業はみんな深く考えているようで、結局場当たり的なところがこの社会の愚かさを適格に表現していた気もします。陰謀論なんて実際はこんなものなんでしょう。

 一方で日常パートですが、都会に生きる生きづらさっていうとそれも違う気がします。生きている方はみんな日常を普通に生きている感じです。好きとか嫌いとか、誰が死んだとかいなくなったのかとか。その感じが重すぎずかといってご都合主義でもなく、非常にその部分にリアリティがありました。
 それを是正しようとしても、結果的にもっと大きな悲劇を生むこともある、というのが前章までの部分です。

 話それ自体は新海誠監督の「君の名は。」「天気の子」のリメイクのような感じも受けます。「君の名は。」を手直ししたような構造ですし、災害ものですから当たり前なんですけど…どうしても助けたい人がいる。文明が子供を苦しめるなら文明など滅びてしまえ、という感じもあります。
 そういう気分をより分かりやすい世界系にした感じはあるんですけど、ただ、世界系と言われるとなんか気分が違うんですよね。選択というより一択というか、積極的に世界なんてどうにでもなれば的な感じがしました。

「インデペンデンスデイ」や「第9区」にUFO的なビジュアルイメージや一部設定は似ているといえば似ていますが、やっぱり本作の方がアメリカの娯楽SFでは到底到達できない人の気分にまでいきつけていると思います。

 最後の方のUFO上のシーン。「未来少年コナン」のギガントとかそういうのを思い出しますが、なんとなくですがそういうすっきりした物語の物語性をどこかで相対化したかったのかな?という気もします。

 総評すると、結論がないような説明がないようなメッセージ性がないようなオマージュの様な中途半端な結末ですが、その中途半端さになぜか非常に深く共感し、納得もし、そして意味不明に感動してしまいました。
 このあと咀嚼してから大人買いしてしまったコミックスを読んで、ひょっとしたら2回目を見に行きます。ただ、この作品は結末の1回目の衝撃がいい作品な気もします。

 前章を見たときにTVシリーズにしたほうが、と思いましたが後半を見ると一気に見た方がいいかもという気もしました。それは結末に向けて収束する感じがいい作品だから、短く見せられても咀嚼しきれない気がしたからです。


追記 原作読みました。

 原作を読みました。意味は劇場版よりわかりやすいです。題名の意味も読み取れたと思います。人類の「希望」をわかりやすく表現していました。ただ、そこまでの部分は劇場版の最後で読み取れるとは言いませんが、想像できる種まきはありましたので、そういうことなんでしょう。

 ただ、私は滅びにもロマンを感じますので、そっちの方向もあり得た方がいいのでオープンエンディングの「開き度」が大きい劇場版の方がよいです。

 トモダチの意味は分かりやすかったかな?劇場版は恋愛メインのような雰囲気はありますが、恋愛は代替可能だし面倒です。大事なのはトモダチですよね、という感じは原作の方が強いです。
 トモダチということと結末の暗示の点で「イソベやん」の意味性はより深かったかなという気はします。

 劇場版で消化不良を感じている人は読む価値はあります。劇場版ではキャラのエピソードの省略もありました。
 前半の意味性については、構成の関係で原作の方が置いた位置はいいかもしれません。時間をおいて後半を見ると、少々トモダチの意味が希薄になる気がしました。

 ただ、やっぱり劇場でアニメで見た迫力…というのは説得力があります。力業ですけどね。その点でも劇場版の方がいまのところは評価高いです。もう一回通しで見たいですけどね。


再追記 2回目見てきました。

 この作品、オマージュかを探すと結構ありますね。あげるときりがないくらいです。それが意図的なのかどうかは不明ですが、ただそっち系の考察はどうなんでしょう?
 ドラえもんと時をかける少女(かどうかはわからないがループものの救済とその危うさ)についてに注目したほうが考える的を外さないかな、という気がします。

 そして8.31=3.11、トモダチ、今の社会の生きづらさは社会のせいでもあるし自分たちのせいでもあるというような2面性、恋愛事情とか、まあいろいろ考えるヒントはたくさんあると思います。ここまでの作品ですからいろいろ入ってはいるんでしょうし。

 最終的に大場の血は赤かったということと、あの場所で終幕したことで想像を広げてゆけばいい気もします。肝心なのは世界かトモダチかという選択ではなくトモダチ一択だったということかな、という気はします。愛の物語とも言えますがやっぱりトモダチと言ってくれてれてますしね。

 それと改めて、声優さんについては、触れるのを忘れるくらい違和感がないですね。ダブルヒロインともにぴったりの声優さんでした。

 なお、2回目を見るのはどうかな?という気はしました。1回目の衝撃が良かった作品なので、考えながら見るよりも初めての時の感情の動きをそのままにしておいた方がよかったかも。



 そして一番の衝撃。幾田りらさんって、YOASOBIの人なの?びっくりしました。イクラさんって別名なのね。アクアさまの声優さんがエライ美人なのでびっくりしたより驚きました。
 それで声優もできるんだ…才能なのか努力なのか…すごい人がいたもんです。正直この作品の面白さは2人の声優さんの力が大きいですからね…




追記 見て数日は最高の作品だと思ったし、今も出来の良さについては同じ印象なんですけど…なぜか、余韻の減衰が非常に速い気がします。まあ、考えるテーマは描き方はすごかったんですけど、内容的には平凡と言えば平凡です。面白さも1回目の「驚き」に依存するところも大きいですしね。

 2回×2回みて、原作も読んでいろいろ咀嚼して、それほど浅い話だとは思わないんですけど、引っ掛かりがないのかも。それと原作の12巻がちょっとノイズになったかなあ…それもまあオープンエンディングではあるんですけど、SFで考えるとかなり限定されたハッピーエンドなんですよね。

 うーん、むつかしいですね。いったんストーリーの評価の5を4に下げます。

 ただ、です。この映画の価値で再認識しているのは、やっぱり原作を読んでなんですけど、ヒロイン2人の声優さんの掛け合いです。これは原作にはない良さです。素晴らしかった。いままでのアニメヒロインの中でもっとも心地よかったかもしれません。2人ともミュージシャンということで声質がいいのか、音楽的なリズムなのかわかりません。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 9
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

世界を変える想いが主人公特権じゃないが故の興味深い混沌

引き続き原作未読で劇場鑑賞。

【物語 4.0点】
率直に言って、スッキリとは終わらない、凄くモヤモヤする幕引きとの印象を受けました。
ですが興味深いとの感想も得ました。

主人公の“おんたん”こと中川鳳蘭が小山門出を想う気持ちが、
世界に大きな影響をもたらしていたというシナリオ。
本作の場合これが主人公補正の無限チート能力ではなく、
ネタバレレビューを読む 高度な技術が裏付け。
技術が有限である以上、おんたんの想いが世界を変える力にも限度がある。

さらに、想いで世界を変えたい、一矢報いたいのは、おんたんや門出だけじゃない。

後章、実質3人目の主役ポジだった大葉。
人間のアイドルの身体に“侵略者”の意識を移植した彼もまた、
ネタバレレビューを読む も交えた想いを原動力に最終決戦に挑む。

“侵略者狩り”集団を率いる小比類巻 健一も、
想い人を喪失した復讐という負の感情から“侵略者狩り”を行い、
人類終了後の新時代主導を目論んだ。
彼もまた、想いで世界に影響を及ぼそうとした一人でしょう。

その他にも、世界にぶつけたい想いを抱えた登場人物は数多くいましたし、
各並行世界に現れる事象というのは、こうした無数の想いが入り乱れて成される。
よって一個人が世界を思うがままに改変したいというのは不毛。
例え、その想いが高度な文明の支援を受けたとしても、
宇宙から、さらにネタバレレビューを読む 神の審判レベルに超越した存在が干渉してくれば、大局の主導権は敢え無く奪われてしまう。

やり直しなど無意味とこぼした“侵略者”の警鐘?が、
終盤になるほど重たく鳴り響きます。


個人が世界を変える限界をこれでもかと描写できているからこそ、
世界を決め付ける自称絶対の法則やイデオロギーよりも、
自分にとって絶対なあの人と共に生きることを大切にしよう。
人類終了騒動の顛末と併存する、おんたん&門出のゆる~い日常がかけがえのないものに思えて来ます。

事態は混沌としていましたが、終末を前にした各登場人物たちの想いは整理された良シナリオだったと感じました。

脚本・吉田 玲子氏が私の鑑賞動機の一つでしたが、
人の心を扱う物語をさばかせたら彼女は一級品だと再認識しました。
吉田氏、次は今夏末の山田 尚子監督映画『きみの色』の脚本。
私も終わらない夏休みを夢想しながらw心待ちにしたいです。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・Production+h

巨大円盤とそれに対抗する決戦兵器という想像し易い凄さ、ワクワク感があった前章に比べ、
原理すら想像が付かない未知の存在への畏怖がより強調された3DCG。
黒い護岸ブロックを巨大な浮遊球体として構築したような“ゼロ磁場”から繰り出される超常現象の再現が象徴的。

“侵略者”、人類共に血しぶきを上げて弾け飛ぶなど、
グロ表現も容赦なく、
暴力の是非について鑑賞者に突き付けるのに十二分。

異なる時間軸を行き来したり、覗き見たりしながら、
時系列も前後する複雑なプロット構造でしたが、
碁盤調にワイプする画面演出など、作画の支援もあって、
私は何とか付いていくことができました。
ただ換言すれば、背景、作画からの情報も読み解いていかないと置いていかれるので、集中力は必須です。


【キャラ 4.5点】
大学に進学した、おんたん、門出たち。
平和主義者の竹本ふたばを取り込んでいく“侵略者”保護を叫ぶ集団SHIPと、
それを潰そうとするカウンター勢力など、
我こそが絶対の社会正義だと思い上がるキャンパスの痛い連中も、高解像度で再現。

一方で展開される、おんたん、門出それぞれの恋模様、二人の友情とのコントラストで、
世界を決め付ける絶対のイデオロギーより、個人にとっての絶対であるあの人と一緒にいたいという論点がより明確化。

その流れから、私がずっと追っていたのが、ジャーナリストの三浦太郎。
“侵略者”の扱いを巡り対立を深める両陣営からは距離を置き、
社会正義に血眼になる学生に、
後々、笑い話になることを祈るよと冷めたアドバイスを送る。
だが、彼もまたポジショントークで上手く立ち回っているように見えて、
結局はバランス良く真実を追求する気分を視聴者に与えるコメンテーターという商品を提供、消費される存在に過ぎなかった。
その“商品価値”が毀損されるに及び、訪れた顛末もまた考えさせられるカットでした。

この観点から、おんたんの兄で、“自宅ネット監視員”中川 ひろしも、
SNS等で意識高い系や陰謀論者が続々沸いて出てくる惨状を嘲笑する、
私が前後編通じて、視点を共有しやすい良キャラでした。

終盤にはネタバレレビューを読む などディープフェイクの要素も絡んで来たりして、社会風刺は上々。
それらを織り込んだ独特のセリフ回しにも含蓄がありました。

私がツボった、かつ可哀想だなと思ったのが、
ネタバレレビューを読む


あとは、大学のオカ研会長の“ブロッコリー”尾城先輩。
これ見よがしに空を覆う巨大母艦なんてUFOじゃないとのオカルトの主張。
私も全力で同意しますw


【声優 4.0点】
大葉役の入野 自由さん。
無味乾燥だった“侵略者”が人の想いを知って変わって熱くなっていく過程を好表現。

小比類巻健一役の内山 昂輝さん。
躊躇なく“侵略者”を虐殺する圧倒的な暴力を行使し、
非暴力を主張する“侵略者保護”の学生運動にぬるいとマウントを取る言動。
人間が暴力を否定し続けても尚、惹かれてしまう理由。
正論なんだけど怖いし間違っている気がする。
微妙なさじ加減を、おどろおどろしいボイスを駆使して体現。

実力者声優二人の競演が、後章のクライマックスを引き立てる聞き所。


【音楽 4.0点】
後章ED主題歌は幾田りらfeat.ano「青春謳歌」
主役二人がポジションを前章から入れ替えてのコラボソング。
世界をひっくり返す危険性が醸されていた前作よりも、
ゆる~いギターサウンドがリードする日常系で穏やかに締めくくる。

“人類が終わる”その時のシーンでは、
2015年に原作者が作詞でコラボしたアイドルソング、でんぱ組.inc「あした地球がこなごなになっても」が起用。
こちらも世界が滅びるからって深刻にならず楽観的に過ごす、
本作の世界観を拡張する明るい曲風。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 20
ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

あちこち良い!って思う所が散りばめられてるけど纏まりはイマイチ

とりまえずドラえもんとエヴァリスペクトがすんごい
最後の名前考えながらメモは要チェックやで笑
他にもセリフの言い回しとか演出は既視感あるの多めで楽しい

肝心のストーリーなんだけど徹頭徹尾言いたいことがあるんや。って感じではなくて現代社会ってこんなとこあるよね、こんなリスク孕んでるよね、てか実際起こってるよねお前ら大丈夫なん?え?あーしら関係なくね?どうせ大丈夫っしょ。的な平和ボケ加減とか
あーあるある。それ知ってるっていう現代社会の中に何世代も先の技術を持つバカでかい宇宙船に乗って現れた宇宙人っていうギャップがすごいし
ちゃんとめちゃくちゃ現代人が皮肉られて風刺が効いてる
けどこれが正解っていう押し付けがあまりないのも良い

ただトランクの中に好きなもの目一杯詰め込んでギリギリ閉じれたようなお終いでスッキリって事はなかった
なんなら、ん???、、、ん?って感じで今も正直よくわからずフワフワしながらレビューを書いている笑
ただ言いたい事はわかったし、ちゃんと面白かった

良いと思った所多過ぎて思い出せんくらいには良い
地味に弟たくさんいる子のデートシーンとかすごいと思う
チー牛には書けない
それに構成が行ったり来たりするからちゃんと集中して登場人物を覚えておいた方がいい
きっと考察要素もありそうだからもう一度見直すかも

作画は良いし声優陣もお見事
まさかあのちゃんぽいなと思ってたらマジであのちゃんだったのね、、上手くて気付かなかった

1番好きなシーンはネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/19
♥ : 1

82.6 17 2024年度の高校生アニメランキング17位
響け!ユーフォニアム3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★★ 4.2 (323)
922人が棚に入れました
高校3年生になり、部員90人超となった北宇治高校吹奏楽部の部長に就任した、黄前久美子。久美子たち3年生にとっては最後となる吹奏楽コンクールを控え、練習にも熱が入る。悲願の「全国大会金賞」は達成できるのか? 部長として踏み出した久美子、高校生活最後の熱い青春を描く!

声優・キャラクター
黄前久美子:黒沢ともよ
加藤葉月:朝井彩加
川島緑輝:豊田萌絵
高坂麗奈:安済知佳
黒江真由:戸松遥
塚本秀一:石谷春貴
釜屋つばめ:大橋彩香
久石奏:雨宮天
鈴木美玲:七瀬彩夏
鈴木さつき:久野美咲
月永求:土屋神葉
剣崎梨々花:杉浦しおり
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

【第13回感想&総括レビュー】未来の僕らは知ってるよ

【第13回(最終回)感想】
初回冒頭。「ディスコ・キッド」が流れるシーン。
久美子の夢の中で展開される、北宇治吹奏楽部の春は見知った光景のようで少しずつ違っていて。
視聴者も何処か違和感を覚える内に、久美子は夢から醒めて現実の北宇治へ向かうという不思議な幕開け。

最終回(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む という答え合わせがされる。
シナリオ自体は原作準拠ですが、初回の久美子が夢であの場面を見るというのはアニオリの脚本、演出。

原作組の私は初回冒頭観て、同じ花田 十輝氏脚本の劇場版『ラブライブ!The School Idol Movie』を思い出し、また仕掛けて来たなとニヤニヤが止まりませんでした。
あの劇場版『ラブライブ!』。ネタバレレビューを読む

進路は、過去、現在の延長線というだけではなく、
未来の自分から導かれる物だという、ちょっとスピリチュアルな筋書き。

変化球でしたが「青春の価値」とは?という本シリーズのテーマとも合致する好演出でした。
久美子が吹奏楽を通じて出会った人々との関わりを通じて、
久美子自身が潜在意識の中に元々持っていた素養が導き出されていく。


そう言えば、先日、言及した、みどりの石原監督にこのセリフが本作のテーマですと言われたという制作エピソード。
答えはやはり青春は未来への種蒔きという件でした。

青春を生きる者にとっては悲痛な挫折に感じるあの瞬間も、
後々振り返れば糧になっていたりもする。

私は、今回のレビュータイトルに『ラブライブ!』の曲名を引用させて頂きました。
“未来の僕たちはきっと答えを持っているはずだから ホンキで駆け抜けて”
但し、あの曲はμ'sではなく『~サンシャイン』2期OPのAqours(アクア)ですがw

未来に導かれ、懸命にあがく若人は、どこまでも輝かしい。
だから「年を取るとな、若者が頑張っているだけで涙腺が緩むもんなんだ」(by“軍曹”松本先生)

『ユーフォ』が音楽アニメとしてだけではなく、青春アニメとしても味わい深い作品であることを再認識させられた3期でした。



以下、総括レビュー

【物語 5.0点】
単なる3期目というだけでなく、シリーズ全体を締めくくる集大成。
青春の傷みと価値を視聴者にも思い知らせる鬼脚本。


北宇治は実力主義だから、麗奈は特別だから。
熱病に憑かれて立ち回って来た久美子が、
今度は部長として、また逆の立場に立たされて、後輩の頃とは違う気持ちを知り、
人間として成長して、進路を見出していく痛切だが価値ある青春ドラマ。

例えば久美子1年時の麗奈VS香織の公開オーディション。
特別じゃないけど足掻いて納得したかった香織先輩や、
そんな香織を応援し続けた“デカリボン先輩”
正直、私も状況は理解できるけど、何であんなエゴ丸出しで号泣する程、思い入れるのか心情までは共有しきれなかった。
が、3期で先輩と似たような立場を経験するとその痛みが分かる。

3期にはこうした、1期以来の過去シーンと対になるような場面が数多く登場します。
それらの場面はシリーズの思い出に浸るオマージュに留まらず、
3期でアニメ『ユーフォ』全体を総括して大団円を迎えるよう、
逆算して緻密に配置されている。

最終話。(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む で幕が引かれるシリーズ構成も綺麗でした。


衝撃のアニオリ回となった第12回。
私も最初は驚きましたが、振り返って、シリーズ全体の中で位置づけてみると、
ネタバレレビューを読む
という風に、悔しいけど凄く納得できる、あまりにも“正しすぎる”構成、脚本。

展開については今後も賛否は分かれ続けるでしょうが、内容の濃密さについては、あの第12回は間違いなくアニメ史に残る名回。
視聴者の皆が同意でき心地よくなれるシナリオが必ずしも良いとは限らない。
むしろ視聴者の間で色々と異論も出ること自体が青春のリアルを象徴している。
原作は原作、アニメはアニメ。小説、漫画はアニメの台本ではない。
最後まで原作とアニメが刺激し合い、高め合って来た『ユーフォ』
アニメ作品のありかたにも一石を投じた本作は、物語5.0点に値すると私は確信しています。


シリーズ全体を締めくくるという意図を第12回までで思い知った上で迎える最終回最後のコンクール。
私は、演奏中から結果発表まで泣き通しでしたが、
一番泣いたのはネタバレレビューを読む
全ての登場人物の心情を再認識し、救済、昇華して迎える大団円。
救われなかったのは強いて言えばネタバレレビューを読む くらい?w
9年シリーズを追って来た私も感無量でした。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・京都アニメーション

人間ドラマ重視の構成、脚本方針により、作中の合奏シーンが飛ばされて来た3期。
最後のコンクール自由曲もフル尺演奏ではあったのですが、
特盛された、久美子の3年間の回想シーンによるシリーズ総括が優先されましたし。
結局、京アニがフルパワーで合奏シーンを構築できる程、復活できたのかについては疑念が残りました。


人物作画による心情描写については、特に8話以降は圧巻。
泣き顔の大技から、瞳に映る動揺などの小技まで、
原作の小説媒体では拾い切れなかった心理が容赦なく描き込まれており、
こちらは京アニの本領発揮。

人物を描ける兵力は整ったが、楽器を光らせる特殊技能兵はまだ揃っていないということなのか。
相変わらず吹奏楽部員を全員分キャラデザしてくる辺り決して戦力不足ではないと思うのですが。
答え合わせのための劇場版総集編。あっても良いと思います。


放送中YouTube公式にて、毎週各話の制作メイキング映像も配信していた京アニ。
近年のアニメーション制作は手描きの技術だけでなく、
CGや撮影なども重要度を増していると再認識。
大吉山を聖域たらしめているのは、撮影処理で加えられた自然界には存在しない謎の光による心情演出です。


【キャラ 5.0点】
新登場の吹奏楽強豪校からの転校生・黒江真由。
原作購読中、私が“裏ボス”だと認識していた真由。
“裏ボス”というのは換言すれば要するに、原作の真由は本編に組み込まれてない感じがあった。
久美子たちの集大成の当て馬にされた感を抱いたという私の本音の現れでもありまして。

アニメ3期は、その真由をも北宇治の一員として救済してしまったのが白眉。
ネタバレレビューを読む
自分の中で、アニメの真由は“裏ボス”から“真ボス”くらいにはなれたかな?と好感しました。
但し自分にとって、“ラスボス”はやっぱり今回も、ネタバレレビューを読む というアドバイスが容赦なかった、あすか先輩だけですが。


3年になり部長となった主人公・黄前久美子。
北宇治の三年間、三人の部長。
実は私は、原作完結段階で、最強だったのは久美子2年時の“優子政権”だと思っていまして。
“黄前政権”は優子政権の遺産で成り立っていたとの印象を抱いていました。
部長の負担を副部長とドラムメジャーに分散する組閣しかり。
3年生卒業による音の厚みの低下を補うアンコン参加しかり。
優子部長はネタバレレビューを読む 部員に名演説で発破をかける気丈さも持ち合わせていましたし。

ですがアニメにてネタバレレビューを読む などと部員を鼓舞する久美子の勇姿を見て、
私は、この部長最強だわと脱帽しました。
この点でも第12回の原作改変は計算し尽くされた鬼の一手だったと思います。


そんな久美子を慕い続ける久石奏もまた原作以上の後輩キャラとして期待通り魅せてくれました。
加えて、アニメ3期では釜屋つばめも効いていました。
黄前部長のポジションを取らないでと白眼視される感じで孤立する真由を支え続けてくれた親友つばめ。
3期に先立って、つばめをピックアップしたアンコン編を公開したのは、
単なる準備運動ではなく、意図して組み込んだシリーズ構成だったのだと思います。


【声優 5.0点】
転校生・黒江 真由役には戸松 遥さん。
“ラスボス”あすか先輩役が寿 美菜子さんだったので、
真由は同じスフィアの、豊崎 愛生さん辺りかな?と私は妄想していましたが、
とまっちゃんでした。

その戸松さん。アフレコでは通常、各話ごとに台本を渡される。
“北宇治カルテット”などメインキャストに至っては原作閲覧禁止令まで出される中(※1)、
戸松さんだけには、敢えて結末までシナリオを読ませた上で収録に挑ませる鬼方針(※2)
(俺にはアフレコはもちろん、ネタバレ厳禁のプレッシャーにも耐えられないでしょうw)

真由はセリフ自体は穏やかなのに、どこか引っかかる不穏なムードが醸されている。
真由のあの独特な異物感は、先々のシナリオまで織り込んだ戸松さんの繊細な演技と、素材を引き出すディレクションがあってこそ。


そんな真由の危険性に警戒心を隠さない久石奏役の雨宮 天さん。
今回は語尾の発声をコントロールすることで各キャラとの距離感を表現したとのことで。
穏やかな口調で釘を刺す奏ちゃんの真由先輩への毒舌。胃が痛かったですw

戸松さんに、雨宮さん。
言わずもがなな、黄前 久美子役の黒沢 ともよさん、高坂 麗奈役の安済 知佳さん。
この四者の熱演が交錯する第12回はクドいですが、脚本、作画、演技が極まったクライマックスでした。


新一年生役の新キャスト陣。
アニメのネームドキャラは初担当となる上石 弥生役の松田彩音さんらが、
“三馬鹿”トリオでボケとツッコミを繰り広げ、
緊張感が続くドラマの中で貴重な息抜きスポットを提供する。

その松田さんは『ユーフォ』は中学時代に観ていた大好きな作品だったのでとオーディション合格の喜びを語っており。
ここでもアニメシリーズ展開9年という月日の長さを実感します。


【音楽 4.5点】
OP主題歌はTRUEが「ReCoda」で『リズと青い鳥』を除くシリーズ全作完投。
ブラスバンドの音圧に押し負けない声量パワーと、
作品の細かい要素まで取り込む歌詞でシリーズを支え続けたTRUEさん。
「ReCoda」もまた終盤になるにつれ“後悔も喜びも全部歌に”する意義を噛みしめることができる作品解像度の高い良曲でした。
OPアニメも、卒業した先輩も含めて勢揃いしていく構成が素晴らしいです。

ED主題歌も北宇治カルテットが「音色の彼方」でTVアニメ全3期完走。
1期、2期では楽しげなメロディで和ませてくれた同カルテットですが、
3期では中学テニス部時代の葉月など貴重な過去カット等と共に、
過去と未来を繋ぐ感動系青春バラードを合唱。
こちらも余韻が残る良作なのですが、本編で負ったダメージを楽しさで上書きするタイプではないのも事実。
ここは、ネタバレレビューを読む など何があってもボケ倒すエンドカードに丸投げの方向でw


劇伴担当もシリーズお馴染みの松田 彬人氏。
作中演奏シーンこそ少なかったですが、
神経をざわつかせるような松田氏の心情曲群にはゾクゾクさせられました。

松田氏は、作中コンクール自由曲「一年の詩~吹奏楽のための」も戸川ヒデアキ名義で作曲。
春夏秋冬を多彩なメロディで表現する構成は、久美子の北宇治3年間の回想劇にマッチ。
作中やPV等で流れていたあのメロディも「一年の詩」だったのかとの驚きも、
最後の演奏シーンの集大成感を出す一助に。

ラスト結果発表時に、久美子1年時からの歴代コンクール自由曲や「響け!ユーフォニアム」のフレーズを散りばめていく演出も粋でした。

ただ、今回、私はサントラCDは購入しないと思います。
『ユーフォ』サントラもサブスク配信される時代になり、
「一年の詩」も放送翌日に即配信開始されているというのもありますが。
何より今回のサントラには(※核心的ネタバレ)ネタバレレビューを読む

邪念もあって今回は4.5点止まりということでご容赦下さい。


【付記】
3期も色々と波乱もありましたが、初回から本気モードで視聴するに値する名作でした。
3期連続お気に入り棚直行の作品で、シリーズを締めくくって頂き、
スタッフ・キャスト陣には心から感謝致します。

初回放送の高揚感に居ても立ってもいられず、
この春、私は花見も兼ねて4年半ぶりに宇治へ聖地巡礼にも行って参りました。
久々に見る宇治は変わらぬ所もあり、変わっている所もあり。

アニメ3期もまた、例えばラスト、ネタバレレビューを読む など、
移り変わる時代を切り取った“記録映像”としての価値も有した作品でした。
数年後、未来には無くなっているであろう青春の情景を思い出しながら懐かしむのもまた一興。

『響け!ユーフォニアム』
私にとっても特別で何時までも色褪せない名シリーズです。


【参考文献】(※1)「月刊Newtype」2024年7月号
(※2)Febri「『 響け!ユーフォニアム3』 戸松遥に聞いた黒江真由との向き合いかた」


以下、過去話感想。長くなるのでタグに折りたたみ。

【第12回感想】一生忘れられない恐るべきアニオリ回
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【第11回感想】窓は間もなく開け放たれるであろう
ネタバレレビューを読む

【第10回感想】やっぱり『ユーフォ』の“ラスボス”はあすか先輩しかいません
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【第9回感想】空気読解力高過ぎな久石奏の独自目線
ネタバレレビューを読む

【第8回感想】見えてなかった見たくなかった物に直面する痛みと共に修羅の門が開く
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【第7回感想】音に出そうな久美子の進路の迷い
ネタバレレビューを読む

【第6回感想】“後藤夫妻”の穴をどう埋めるか問題
ネタバレレビューを読む

【第5回感想】私も松本先生に進路を相談してみたかった
ネタバレレビューを読む

【第4回感想】求くん問題一挙解決回の是非
ネタバレレビューを読む

【第3回感想】強豪校に変貌しつつある北宇治が得る物と失われていく物……。
ネタバレレビューを読む

【第2回感想】“ダーク久美子”黒江真由
ネタバレレビューを読む

【初回感想】3期の注目キャラ。久石奏、滝昇、松本美智恵……
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/19
♥ : 54
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

制作サイドが鬼だと思っても真由のことは嫌いにならないでください(笑)

武田綾乃による原作小説は、宝島社文庫(宝島社)で刊行中(既刊11巻、原作未読)。
アニメ3期は、全13話(2024年)。監督は、『日常』、『中二病でも恋がしたい!』などの石原立也。制作は、『氷菓』、『けいおん!』シリーズなどの京都アニメーション。
(2024.7.5投稿 7.28一部加筆修正)

人気作しかも続きものの3期ということで、今更紹介する必要もないと思うので、観た前提で感想のみ書いていこうと思います。

観てない方は、是非1期から観てください!


【制作サイドが鬼だと思っても真由のことは嫌いにならないでください(笑)(※ネタバレ有りの感想)】
ネタバレレビューを読む


【黒江真由について思うこと(※2024.7.7追記)】
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/04/19
♥ : 26
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良くも悪くも「女子(JC・JK)」という生き物を生々しく描いている

【レビューNo.134】(初回登録:2024/7/14)
小説原作で2024年作品。全13話。
個人的にはそこまで好きな作品ではなかったのですが、ここで交流あるレビュ
アーさんは本作ファンの方が多く、またレビューを書き始めて価値観が変化し
たこともあり、今一度きちんと視聴してみようかと。

(ストーリー)
黄前久美子が入学した京都府立北宇治高校は、10年ほど前まで吹奏楽の強豪校
だったが、現在はすっかり落ちぶれていた。
そんな吹奏楽部に久美子は級友たちの誘いを断りきれず入部する。
新しい顧問の滝昇の元、全国大会出場を目指す選択をした吹奏楽部は紆余曲折
を経て力をつけていく。
そして久美子も3年生に進級、同部の部長にもなり「全国・金」を目指す最終
楽章が始まるのだった。

(評 価)
・良くも悪くも「女子(JC・JK)」という生き物を生々しく描いている
 ネタバレレビューを読む

・意外とあっさりと終わった最終話
 ネタバレレビューを読む

・塚本副部長はツライよ他
 ネタバレレビューを読む
    
そんな感じで私の価値観も大分変わったところもあり、今作はかなり楽しめた
感がありますね。
過去作も今見直してみると違った形で見えるんだろうなっと。
「女子」という生き物をここまで生々しく描いている作品はそうそうないと思
うので、なかなか見応えのある作品じゃないでしょうか。
男性作家が描く”青春モノ”とは差別化できており、女性作家らしい感性が随所
にみられる点がなかなかに興味深いですね。

最後に交流あるレビュアーさんからの刺激がなければ、価値観が変わらなかっ
たと思いますので、皆様には感謝ですね。
アザ━━━(*゚∀゚*)ゞ━━━ス!!

投稿 : 2025/04/19
♥ : 30

68.1 18 2024年度の高校生アニメランキング18位
好きでも嫌いなあまのじゃく(アニメ映画)

2024年5月24日
★★★★☆ 3.6 (21)
70人が棚に入れました
「ペンギン・ハイウェイ」を手がけたアニメスタジオ『スタジオコロリド』による長編第4作。雪が降ったある夏の日、山形県に住む高校1年生の八ッ瀬柊は、頭にツノが生えたの少女・ツムギに出会う。人間の世界に母親を探しに来たというツムギは柊を旅の道連れに……。

nyaro さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

衝撃的なつまらなさ。私が間違ってるのかなあ…と不安になる。

「うしおととら」を新海誠ソース、ジブリ風味でお届けします。物語性とテーマ抜きであっさり仕上げました。キャラは無味無臭にしたのでお好きにお楽しみください。

 衝撃です。こんなに意味内容が見いだせない映画をよく作りましたね。荒唐無稽なのは映画だからいいんです。省略があっても想像で補えるだろうという計算があるなら全然かまいません。多少偶然の要素が不自然でもいいんです。

 最悪なのは人の行動が不自然なことです。見知らぬ少女を息子が連れてきて、夕飯をふるまって風呂に入れて泊めてって。それが超田舎の大家族でお人よしならいいんですけど、現代的な家庭で父親は教育虐待的な毒親にも見えます。一般論ではおかしいし、特殊なお人よし精神を持つ家族としても主人公との関係性で違和感しかないです。ここがテーマじゃないんだ?というのがものすごく不思議でした。

 突然いなくなれば心配するのは親として当たり前の描写です。それ以前の主人公とヒロインのぶっ飛んだ行動があるので、その行動に唖然とします。主人公の苦しみも全然伝わってきません。むしろ親に同情してしまいます。

 後半のヒロインの両親との対比も考えたのでしょうけど…うーん。鬼とは何か?が描けていないので世界観が薄っぺらいんですよね。言いたいことを言えない=鬼ならそれはどういう一族なの?

 そしてサブキャラ描写も性格造形がわからないので、目の前で話は動くんですけど何を見ていいのかさっぱりわかりません。

 これって誰かシナリオを事前チェックしたんでしょうか?テーマは小学生低学年の道徳の教科書レベルでしかない気がします。

 むろん、私が読み取れない深いテーマとか民俗学的な教養があれば気づく何かとかあるなら申し訳ないですが、見たところ言いたいことは言おう…にしか見えません。
 画面も、珍しく寝落ちしそうになるくらい同じような景色の繰り返しだし、キーとなる場面転換で人間の里と鬼の里の違いも絵として表現できていませんでした。

 で、鬼の種族なのか村なのかわかりませんが、選ばれて役割を果たすキャラの葛藤が浅すぎてちょっと信じられません。

 最近オリジナル劇場版(ネット配信含む)が増えてきたのは喜ばしいですが、粗製乱造になるのはいただけません。劇場アニメが増えるのは質が上がる分にはいいんですけど、金になるから…と言ってこういうレベルの作品を作っておいて、人手不足はないだろう?という気がしました。

 ネットフリックの姿勢はコンテンツ作成ではなく投資ですね。脚本のコンペをする実力がある審査機関を作るなどしないと、お金の無駄遣いですよ。

 考察…はしていないので印象とか感想の類です。読み取れていない部分があったら申し訳ないですが、底が浅い…というか薄っぺらい映画に見えてしまいました。金と時間を返してほしい…けど、ちょっと珍しいくらいのつまらなさで、得難い体験なのかもしれません。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 5

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やっぱり最後は『は?』となる。

うーん。なんかこうねえ。まあまあでした。

てかちょっとボクがこおおゆうハナシに耐性がないのかなんなのか、要するにアホで理解できなかったのか。

そんな感じでいったいなにをいわんとしてるのか、何を見てる人に伝えたかったのかよくわからんかったですわ。

コロリドのアニメってそもそもなんか子供が出てきてよくわからん行動をしてわーとなってしゅっと終わるみたいなハナシ多くないですかね。

まあ全部の作品見たわけやないですから一概にはゆえんとは思いますけども。

台風のノルダとか、ペンギンハイウェイとか、最後『は?』ってなる。
漂流団地はおもろかったけどな~。


ま、そんなこんなで今作品。
子供が出てきて子供らだけで旅をしてちょっと難しい大人の世界もアレして成長してゆくってそおゆうのん基本大好きなんですけど、この作品はちょっと変。

高校生なのにね、なんかこう濃密な2人の関係に最終的にならないのね。いろいろあったけど楽しかったね!そんじゃね!ってあっさり別れちゃう的な。
パズーとシータみたいにならねえのかよ!みたいなね。

それってマジ今どきの若者の達観した目線ってゆうのか、まあーそおゆう言いしたら若い子は気ぃ悪くするかもだけど、なんかこうもやもやするのよ。

あとそもそもなんで鬼なんだよとか、鬼の住んでるところって車で行けちゃうの?とか、おとんなにしとんねんとか、おかんあんたなんやねんなとか。
なんかピンとこなかったんですよねぇ。

それがまあコロリドの作風といえば作風なのかもですがやっぱり最後は『は?』となる。

とゆうことでおそらく表現したいことはなにかあるんでしょうけどもちょっとボクにはわかりませんでしたとゆうことでした。

すいませんでした。

投稿 : 2025/04/19
♥ : 7
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