超能力でSFなTVアニメ動画ランキング 9

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の超能力でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月26日の時点で一番の超能力でSFなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.5 1 超能力でSFなアニメランキング1位
Darker than BLACK-ダーカーザンブラック 黒の契約者(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (3661)
19793人が棚に入れました
10年前突如東京を襲った異変、通称「地獄門(ヘルズ・ゲート)」といわれる未知の領域が出現したその時からこの世界は本当の“空”を失い、夜空を覆う満天の星空は偽りの星達のものとなった。また時を同じくして「契約者」と呼ばれる特別な能力を身につけた者達が現れはじめる。人間らしい感情や「契約対価」という代償と引き換えに人外の能力を得た存在である彼らを利用して、このゲートに関する情報を得ようと各国の諜報機関が東京にエージェントを送り込む。

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

契約者か、面倒だ

能力バトル+オサレ系です
めがっさ楽しい分、余韻が長引き、しばらく他のアニメが見れなくなる
かも知れません、オサレアニメ症候群とでも言いましょうか
私の友人も何人かかかってました・・・
冗談は置いといて


制作はボンズ、監督は岡村天斎氏
あぁ、良い・・・
本当なら良いのただ一言で済ませたりはせず、如何に良いか、どのように良いかをボキャブラリーの限りを尽くして表現せねばならないところ
良い物を見てただ良いとしか言えないようじゃ、美味しい物を食べてただ美味しいとしか言えない三流四流のグルメレポーターと同じ
でも他に言葉が出ない、良い・・・

銀ちゃんの指笑顔に釣られ、舐めてかかってしまったら最後
痛い目を見ます
その世界観、かなり難解です
毎回新事実が発覚していくくらいの目まぐるしさで
人物の台詞をリピートしまくって、それでも理解に足りないくらいです、体験談
あらぬところで重要ワードが飛び交いますので、相当神経を使って見てましたね

オムニバス形式で、契約者同士の戦闘がふんだんに盛り込まれてます
この能力を駆使した迫力ある戦闘シーンは、今作の醍醐味と言えましょう
まず、対価を支払って能力を使うという契約能力システム
そして、オーソドックスなものから一風変わったものまで多種に渡るその契約能力
内に眠る厨二心をくすぐられます

志保子とかアンバーとかベルタとかハヴォックとか
チート級の契約者が惜しげなく出て来ます
他方、対価が重いのはネックですよね、ルイとか、まさしく骨折り損
個人的ベストバウンドはやっぱりヘイVSウェイの対決でしょうか
何回も戦ってますが、どのシーンもかっこいい
最終章にて、EPRの契約者バーゲンセールは、その登場時間の少なさに嘆きつつも、様々な契約能力が見えて満足でした
地面に穴開ける奴や、空間を圧縮する奴は強かったですね

声優さんは、黒に木内秀信、銀に福圓美里他、かなり豪華です
木内秀信さんの声は、それまであまり接点がなかったのですが、この一役で惚れました
全体的にキャスチングは良好ですね、ホァンとかピッタリ過ぎス
アンバー役の川上とも子さんとか、改めて演技力の高さを実感させられます

      \  さいごのガラスをぶち破れ~   /
        \ 見慣れた景色を蹴散らして~  /
   ( \/ /_∧   <./|   /|       /\___
   ヽ/ /Д`/⌒ヽ  / .| / /     /    //
    / /\/ ,ヘ  i   ̄ > \_/   /____//
    し' \_/    i  />      ̄ ̄ ̄ ̄
       i⌒ヽ  ./   ̄>__         .|| |::
   /⌒ヽ i  i  \(    .|/  / /\    .|| |::
   i    | /ヽ   ヽ  ∠__/   ̄       .|| |::

OPEDどちらも前期の方が好きです
「HOWLING/abingdon boys school」「ツキアカリ/Rie fu」
OPはこれから始まるというワクテカ感を増幅
EDはこれで終わりという寂寥の感を増幅
DTBの世界を増して楽しめる仕様になっております

・・・C.C.がいるんだk(ry
ヘイさんには惚れるだろ・・・合理的に考えて・・
主人公がカッコイイアニメは強味です
ジト目って、好きなんですよねー私
黒ら契約者といい銀ちゃんらドールといいといい、ジト目キャラ沢山出てきて嬉しい限り
未咲?丁重にお断りしますwww


見た後は確実に目を細めて契約者のマネをやっちゃいます、体験談
ランセルノプト放射光・・・契約者か・・・

投稿 : 2025/03/22
♥ : 35

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

死神の仮面の下は…。願いを抱いて星は堕ちる。

本作は「メダロット」などの岡村天斎監督の作品だが、作風は全く異なる。


2クールで短いエピソードと本筋を追う構成は「攻殼機動隊」と同じで、その味わいも近い。大人の渋さと切なさが作品の底をしっかり支えており、その上にキャラの魅力という甘味が花を添えている。


本作は異能の持ち主が多数登場するが、ジョジョの二番煎じどころが三番煎じにもなってない粗製乱造気味な異能バトル作品とは一線を画する。


組織の命により暗殺やスパイに手を染める契約者たち。彼等と彼等に関わった人々の運命は安易な結末など許されない。その人々のドラマとして非常に胸をうつ物がある。


一見すると本作は地味である。キャラデザ的にも、舞台も下町の安アパートだったり、絶滅危惧種なタバコ屋だったりする。


しかし、2クールという長い時間の中で彼等の悲しみと矛盾を抱えながらも生きていく姿を追っていくうちに、軽薄な派手さや予定調和の世界で生きているキャラクターとは違う、生きた人間のように彼等を感じられるようになる。


特に、嫌な指令を伝える奴だと思っていた黄のエピソードは本作の白眉と言いたい。「対価」という設定が一番活きた回だろう。


ただ、辛いだけじゃなく、渋い声で喋る猫のマオや、感情を持たないキャラの王道をゆく銀、黒と水樹さん演じる刑事の交流など心暖まる要素が甘さを添えてくれているから対比の効果をあげている。


そして、本作のラスボス的な存在アンバーが川上ともこさんのほぼ最期の大きな役というのが大きい(CCに似すぎてる気がするが)。


彼女が戦い続けた意味と、黒の仮面の下にあったものが明らかになる最終回は、物語を完全に閉めないで道が続くことを暗示して終わるトゥルーエンドなラストとして心に残り続ける。



最期に、2期なんてなかった!いいね?(天斎監督が心配になった…)。 

投稿 : 2025/03/22
♥ : 23

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

全部、観てみたら…!

ゲートの出現により契約者と呼ばれる超能力者達が生まれ CIAやMI6等様々な機関の手先となって暗殺や情報収集や略奪等任務をしていくバトル系のストーリーなんだが…
設定は悪くないんだけど、2話のブツ切りな小編構成のせいか展開が暗いせいか どうもイマイチ乗りきれなかったが15話くらいにしてやっと飲み込めてきて面白くなっていって20話くらいにしてストーリーが動き出し22話くらいからオイラ的には入り込めてハマれたかなw
って!もうそれ1期のラスト辺りじゃ!?w
15話くらいまでは謎が多すぎてストーリーが淡々と流れていくので設定を掴みきれなかったらプロローグだと思ってじっくりと修業と思い頑張って下さい…w
まぁ1期26話 OVA4話 2期12話もあるんだしノンビリ楽しむのがいいかなw

2期はキャラも絵も歌もガラっと変わってバトルシーンなんかも格好良くなったし 展開もポンポン進む様になるので すぐ楽しめるかと思います^^2期は1話見だしたら止まらなくなって一気に見てしまいました♪

※ちなみに1期→OVA→2期と観るのが良いかと思います^^
じゃないとまた2期で迷子になるやも(〃^∇^)o_彡☆あははははっ

てか!対価を払って超能力を使える様になる筈なんだが最後の方は意味が無いと気づいてか殆ど払うシーンをカットされてるんだけどwww

2期のラストの方はチョットは感動シーンもあったし なかなか良かったと思います(o^-')b グッ!
エピローグ的にはこれで完結なのかな^^
まぁあれでラストのが良いとは思うけどw
3期がまた出るなら面白いと思いますので期待して待ってよっと♪

投稿 : 2025/03/22
♥ : 16

82.3 2 超能力でSFなアニメランキング2位
DARKER THAN BLACK-ダーカーザンブラック 流星の双子[ジェミニ](TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1738)
10324人が棚に入れました
突如東京に出現した謎の不可侵領域『地獄門(ヘルズ・ゲート)』。それに呼応するかの様に世界中で『契約者』と呼ばれる特別な能力を持つ者たちが現れた。ゲートの秘密を得ようとする各国の諜報機関は『契約者』を利用し、エージェントとして東京に送り込まれた彼らは異能の戦いを繰り広げる。その果てに起きた未知の災厄『トーキョー・エクスプロージョン』より2年、冬のロシアを舞台に新たな物語が始まる。

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

エッチバカ痴漢変態!

DTB2期です
BDDVD偶数巻には外伝EPが入ってます
1期の2年後が舞台で、物語はロシアから始まります


黒や猫は出てましたが、最終的に何がしたかったのかよく分からなかったですね
謎は謎のままといった感じです、2クール欲しかったなぁ
今作は前作のような次々に契約者が出てきて殺されてくわけではなく(序盤はそうでしたが)、固定キャラ同士の争いが多かったです
その上、黒さんが、、、なので。。。
ですが、その分外伝では、大盤振る舞いと来て、楽しめると思います

ターニャのGを操る能力はエグいですね、相当
あれに殺されるのは御免こうむりたい、ニカ・・・
イリヤ・ソコロフの脳内麻薬は良さげですが、本体がぐう畜野郎なので如何せん
1,2話の戦闘シーンはかなりクールです
愛すべきバーガーさんことゴランとエイプリルのバトルシーンで、弾丸避けるゴランのオーラといったら半端ない
これを見た後は確実に、夜道でバーガー食べながら猛スピードで駆け出したくなります、体験談
外伝のキャラでいうと、ブラックホール生み出す奴とか、カンフースーツの奴は強かったですね

ポッと出で見事ヒロインの座を射止めた魔砲少女こと
吸おう・シャブリチn(ry
蘇芳・パブリチェンコちゃん、大変結構
CV花澤キャラでもトップクラスの可愛さです
それも、黒の変質者に染められるのは時間の問題でしたが
未咲?絶対にお断りしますwww

OP「ツキアカリのミチシルベ/ステレオポニー」
これは良いものです、歌詞も曲調も映像も、すべて
答えの無い毎日が~ただ過ぎてゆく時間が~
EDも良しです、西川貴教氏の歌声は凄みがありますね


監督は全てやり切った発言をしており、3期はおそらくないかと思われます
ですが、DTB、シリーズを通してかなり楽しめます
いつ契約者になってもいいように、視聴をオススメします

投稿 : 2025/03/22
♥ : 10

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

久しぶりに会った「二期のほうが...な作品」

視聴理由 前作に続き

序盤 よくある展開なのかな「私だけ生き残ったせいで私だけ特殊能力を」
アツアツとおもったら対価で髪の毛をちぎるの...エイプリル、あなただったのね...猫...

中盤 戦闘シーンが前よりもすごくなくなった(語彙力
面白いことに変わりがないけどね。まさかあの人物が出てくるとは...
前作よりも内容が浅いな。前作のほうが深かったな

終盤 未来の記憶...へ?あ、えぇ...

バトルシーンが前よりも落ちたかなぁ
そして黒の性格も変わっちゃったのかな...あまり性格が好みではない...
opはステレオポニーさんの「ツキアカリのミチシルベ」神曲

投稿 : 2025/03/22
♥ : 5

Вистерия さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

学園ラブコメ…!?いやいやロードムービーです

序盤はまさかの少女が主人公で学園もの…唖然としましたが
やはりDTB。
中盤、三鷹文書が絡むまでは大方映画「LEON」(プロの殺し屋が、家族を殺した相手に復讐を誓う少女に殺しの手ほどきをしていくうちに奇妙な心の交流が生まれる。94年のアクション映画)を彷彿とさせる進行で、ロシアウラジオストクから東京までの逃避行、ロードムービー形式の構成でした。

1期の2話1ストーリーの構成ではなく、ゲストキャラも少なめで
ひとりの少女の成長ストーリーに並行して三鷹文書の謎が解かれていく進行だったので
そのせいか1期に比べてバラエティとスピード感は落ちていました。
代わりに蘇芳というひとりの少女の魅力が全面に押し出され、
ダークでハードボイルドな雰囲気は薄まりライトな観やすい作品になっていたと思います。

そのため一期のファンはもの足りなさを感じると思いますが
世界設定が同じ全く別物と考えてみると楽しめるかと。
物語の最後も綺麗にまとまっているし、見応えは充分です。

1期でやり残していたマオの過去の補完もあったし、
何しろ花澤香菜の蘇芳が可愛すぎて。
1期のDTBのようなアクションシーンも少ないし
最早流星の双子は蘇芳を楽しむ作品でしたとさ。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 6

87.4 3 超能力でSFなアニメランキング3位
新世界より(TVアニメ動画)

2012年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (3357)
16001人が棚に入れました
渡辺早季は、閉鎖的だが穏やかな田舎町「神栖66町」で幸福に少女時代をおくった。ある日、町の外へ同級生たちと出かけて小型図書館端末ロボット「ミノシロモドキ」と出会う。質問することにより21世紀前半の超能力者誕生から非能力者との敵対、その抗争から能力者の勝利と文明の崩壊、その後の暗黒時代、町の管理支配の実態といった禁断の知識を知ってしまう。その直後、バケネズミ同士の戦争に巻き込まれ、命からがら町に戻るがしだいに恐ろしいことが起き始める。

声優・キャラクター
種田梨沙、東條加那子、花澤香菜、工藤晴香、藤堂真衣、梶裕貴、高城元気、村瀬歩、浪川大輔、平田広明
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

残映抄―未来への挽歌

まず結論から言おう。この作品の評価は不可能である。
すべての星を並べたのは、「規格外」という個人的判定を意味している。

観る者はただ圧倒されて終わるしかないだろう。
SF的な着想の土台の上に緻密に構築された、壮大な世界観に。
人間という存在の本質に向けられた、苛烈極まる問題提起に。
緊迫の展開とスペクタクルが連続する、傑作エンターテインメントに。
無理に評言をひねり出そうとすると、こんな宣伝文句風の言葉にしかならない。

独断だけで済ませるわけにもいかないので、アプローチの足場を探してみると
そこに独特の複雑さが見出される。精神を刺激し、思考を誘発してやまない複雑さだ。
勿論、それは第一に原作小説に由来するものだが、おそらくそれだけではない。
アニメーションという表現形式が全力を傾けて原作の高みに挑んでいるためだ。


Ⅰ 物語の奪還
ネタバレレビューを読む

Ⅱ 早季と真理亜
ネタバレレビューを読む

Ⅲ 悲劇の超克
ネタバレレビューを読む

Ⅳ 偽神と人間
ネタバレレビューを読む


全編を締めくくるのは、やはり「家路」である。
とめどなく郷愁を誘うメロディは、亡き魂に捧げられた挽歌のようだ。
ラストシーン。鮮やかな残映の中に、在りし日の姿をよみがえらせる懐かしい人たち。
荘厳な響きとともに彼らを包んでいる夕空には、深い安らぎがこもっている。

「早季、ありがとう。」「ずっと一緒よ、早季。」
次々にかけられる温かい言葉は、彼女が託された使命に全力で応え切った証しなのだ。
そして、遥かな未来への出発をさりげない一言にこめて、この壮大な叙事詩は幕を閉じる―。

― 早季、そろそろ行こうか。―


(初投稿 : Ⅰ 2021/01/16,Ⅳ 02/21,ⅡⅢ 03/21)

投稿 : 2025/03/22
♥ : 30

World さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

史上最高峰の作品

素晴らしい。素晴らしいです。

原作未読ですので、単にアニメとして評価しますが、この作品はアニメ史に残る大作であると言えます。
もっと大きな反響があっても良いかと思いますが、テーマが万人受けしないからでしょうか。
大変楽しめました。


さて。この作品は、ジャンルとしてはSFになるかと思います。
しかし、それ以外にも様々な要素が盛り込まれています。

主要なテーマを抜きにして、最初に感じたのは、圧倒的な恐怖です。

今まで、アニメーション作品で恐怖した事は殆どありませんでした。
アニメのホラー作品は、グロテスク表現や、BGMでの演出、キャラクターの表情等で恐怖心を煽って来るのが常だからです。

恐らく、キャラクターと自分を重ね合わせる事が難しいからだと思います。
アニメはどうしても絵だという先入観がありますから。

ですが、この作品は違いました。

この作品は、自分が認識している世界そのものが偽りであるという事に対しての恐怖、根本的な部分での恐怖心を駆り立てます。

浅はかな発想かもしれませんが、クトゥルフ神話を連想しました。
対人、対もののけ等ではなく、もっと大きな、世界そのものへの疑問、違和感、恐怖。

そして、この作品内の常識と現実の常識との乖離。さらに、作品内の世界そのものが歪み、段々と露になる狂気。

とんでもなく怖いです。
そこに、独創的な作画やBGM、演出が重なり、更に昇華されていく。
素晴らしいです。


次に、世界観ですが、これもまた良い。

SFというのは、全てを理解してしまうとチープになってしまいます。
わからない方が幅が出来て良い所が多々あります。

そこにおいて、この作品は絶妙でした。
理解しておきたい部分はきっちりと説明してくれますが、ぼかすところはとことんぼかす。

ぼかされた部分は脳内で補完出来るので、より壮大な世界観を演出出来ています。

そして、個人的には「和」の雰囲気がとても良かったです。

日本人に最も馴染みのある世界ですから、ある程度の説明は無くても大丈夫ですし、八丁標や呪力等々、どういった意味合いなのかを理解しやすかったです。

日本人にしか感じ取る事が出来ない要素が多く盛り込まれていました。


世界観に関連してですが、テーマ。これも大変素晴らしかったです。

表現し辛いのですが、この作品は、主観ではなく客観的な視点から作られています。

世界という箱の外側から見ている様な感覚です。

ハッピーエンドだとか、そういった話ではなく、この場面ではこうなりました。この世界では、こうなりました。という結果を見せられている様なものです。

ですから、ストーリーの構成云々というのは正直どうでも良くて、どう感じるか、どう想うかが大事な作品です。

その点においても、人それぞれ違う感想を持つかと思いますが、私は、人間の芯たる部分を少し見ることが出来たと思います。

これは人それぞれ本当に違うと思いますが、テーマの性質上、それで正解なのでしょう。
狙いも十分に果たせていると思います。



この作品はネタバレ厳禁ですから、このくらいにしたいと思います。
一気に見ることはオススメしません。

1日3話位ずつ、ゆっくりと見ていくことをオススメします。



個人的に、SF小説は得意ではないです。創造力が欠如しているので。
子供の頃は楽しめたのになぁ。

小説原作アニメ。もっともっと出てきてほしいです。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 26
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

綿密な設定と深いテーマのSFアニメ。加速していく面白さと、強烈な余韻。

原作未読……が、これは読みたい!

今から1000年後の未来、場所は日本。
人間は「呪力(じゅりょく)」という力を持ち、異形のものを従えながら生活していた。


いやー、面白かったです!
斬新な世界観に引き込まれ、強烈な余韻を残してくれました。
ここまで原作が気になる作品に出会ったのは初めてかもしれません。

純和風SFという珍しいジャンル。
一昔前の片田舎を連想させるような、穏やかな風景です。

しかし、物語全体が、強い不安感に支配されています。
これには物語の構成と、演出が大きく作用していると思います。

物語は12歳編・14歳編・26歳編と3部構成。
ほぼ主人公視点で物語が進むため、主人公の見る風景が、視聴者にとって、世界のすべてです。

まず、最初の12歳編で、周囲の大人、異形のものたちに対する「疑心暗鬼」を徹底的に植え付けられます。
それと同時に、ドヴォルザークの"新世界より"から"家路"がBGMとして何度も流れます。
これが、後の14歳編、26歳編で、「"家路"が流れるだけで不安になる」という演出上の効果を生み出すわけですね。


さて、この独特な雰囲気の中、物語は加速するように面白くなっていきます。
伏線の張り方、ミスリードも見事ですね、ほとんど無駄がありません。
ネタバレレビューを読む

しかし、万人にお勧めというわけにはいきません。

理由は二つあります。


一つ目は構成のバランス。
原作はなんと1000ページ超え!!
しかも、非常に綿密な設定がされているようです。
序盤は世界観の説明に多くの時間が裂かれ、専門用語もたくさん出てくるため、退屈に感じるかもしれません。
また、思わせぶりでなかなか解決しない展開にもイライラするかも。

しかし、25話という短いスパンで1000ページを表現しているわけですから、それでも展開が速いんです。
流し見なんてしていたら、あっという間に置いていかれます。
そのため、頭を空っぽにして、雰囲気だけを楽しみたい人には向いていません。


第二の関門が、BL、百合、性的な行動、残虐な行動、利己的な行動など。
これがきついという方もいるでしょう。

ただ、この作品のテーマは「教育やネタバレレビューを読む」「倫理や道徳観」といったものです。
視聴者が、例えば、BLや百合に偏見を持つことが、物語のメッセージ性と重なっているんですよね。
もっと分かりやすく言えば、主人公を含め、キャラクターの行動に不快感を覚えること自体が、ある意味「狙いどおりの」反応なわけです。
ネタバレレビューを読む

その辺のテーマ性を早い段階で感じ取り、じっくり見れば、本当に面白い作品だと思います。
見終わるとガツン!とくる、激しいパンチの効いた作品。
ストーリー、テーマ性重視でSF好きの方にはピッタリです!


それにしても……原作が読みたい!

投稿 : 2025/03/22
♥ : 132

66.8 4 超能力でSFなアニメランキング4位
CHAOS;CHILD(カオスチャイルド)(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (456)
2436人が棚に入れました
2015年、渋谷。

6年前に起きた大災害、渋谷地震から復興された街に新設された私立高校『碧朋学園』に通う青年宮代拓留は、自身が設立した新聞部の活動の一環として『ニュージェネレーションの狂気の再来』と称される連続殺人事件を追っていた。

情報強者を自称する拓留は持ち前の好奇心と行動力、そして周囲の手助けや偶然もあり、とうとう事件の第一発見者となる事が叶う。

真相の究明をする事で自身の有能さを知らしめる事ができると考えた拓留は、義理の姉を自称する来栖乃々の制止も聞かず、幼なじみの尾上世莉架や親友の伊藤真二と共に動く事となる。

やがてそれは、渋谷に生きる全ての人々を巻き込む狂気となって拓留に襲い掛かり、拓留もまた、自身の過去と向き合う事となって行く。

声優・キャラクター
松岡禎丞、上坂すみれ、ブリドカットセーラ恵美、三森すずこ、水瀬いのり、仲谷明香、真田アサミ、藤原祐規、阿部敦、原由実、菊池こころ、くじら、志村知幸、加藤将之
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

桃太郎のストーリーを140文字以内で述べよ

原作プレイ済み。

推理モノと妄想・超現実をかけ合わせた作品。
ショッキング・グロシーンが多いので、苦手な方は注意です。

CHAOS;HEAD(カオヘ、https://www.anikore.jp/anime/1267/)の続編にあたります。
続編と言っても、本編内で重要事項の解説があります。
カオヘは未視聴で問題なし。


問題なのはストーリーの密度の高さです。
シュタインズゲートの1.5倍という文量に対し、発表された話数は12話+α。
原作プレイヤーからは「尺が足りないだろう」と言われていました。


結果、尺が足りませんでした。

内容はほとんど原作通りであり、悪改変もありません。
しかし、尺が足りなすぎて、視聴者が単なる傍観者でしかなくなっています。

* 主人公の心理がわからない
* 日常がカットされているので、キャラに愛着がわかない
* 情報量が多く、眺めているだけでは置いていかれる
* 伏線設置が一瞬過ぎて記憶に残らない
* 演出が短いので感傷に浸れない

原作では、日常が壊れていく感じとか、疑心暗鬼になっていく感覚などの心理的効果が大きいです。
売りのひとつであるアフターエピソードも6月ですし、TV放送ではありません。
この時点で魅力は激減。


ただ、制作スタッフは頑張っていると思うんですよ。
限られたリソースを工夫して、ドラマチックに見せようとしているのが伝わってきます。
声優も美術も音楽も悪くないです。

正直言うとね、12話で泣きました。
気持ちを知っているし、気持ちがこもっているから。

でも、流し見してきた一見さんは12話でポカーンの可能性があります。


時間が足りないとどうなるか、名作「桃太郎」を例に出してみましょう。
Twitterの制限文字数で収めます。


「桃から生まれた桃太郎は犬、猿、雉を連れて鬼を倒し、財宝を持ち帰りました。」

ただの強盗殺人です。


「昔々の話。
桃から生まれた桃太郎は、鬼退治に向かうことにしました。
途中で犬、猿、雉をお供にし、鬼ヶ島へ到着しました。
鬼を退治した桃太郎は、財宝を手にしました。」

賞金稼ぎの桃。
こまけぇこたぁいいんだよ!!


「昔々、おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
桃を割ると中から元気な赤ちゃんが生まれ、桃太郎と名付けられました。
成長した桃太郎は、きびだんごを手に、犬と猿と雉をお供にし、鬼ヶ島を目指しました。
鬼を退治した桃太郎は、金銀財宝を手に無事に家に帰りました。」

これで140文字です。


いやー、ストーリーを曲げず、なるべく多く語るのは難しいですね。
でも、肉付けは全然足りない。おじいさんいないし。。。


「情弱と情強の差」というのがストーリーに関わってくる本作。
骨組みは一緒でも、情報量によって大きく印象が変わる、というのをアニメ自ら実演してくれていますね。


原作を知っている人にとっては、「キャラが動いてる!」という感動はあります。
実際楽しめました。

知らない人にとっては、
「ショッキングだけど、結局なんだったの?」とか、
「なんとか理解したけど、気持ちがわからん」とか、
「何このネタバレレビューを読む」という感想が出そう。


販促としてはきつそうですし、ネタバレダイジェストをしている本作は、原作の驚きを低減させます。
ちょっと厳しい立ち位置にいるかもしれません。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 52
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ラストで好きになれた

2017年冬アニメ。全12話。
原作ゲーム未プレイです。さすがはニトロプラス、グロ注意ですね…;;

最初のスプラッタ描写がきつくて録り溜めたままなかなか手が付けられなかったのですが、3話目辺りからは引き込まれて一気に観てしまいました。
「妄想」というのがこのシリーズのキーワードなんですね。本作の中では「情報強者」「情報弱者」という言葉で端的に拓留の問題点を表しているのがわかりやすい。

音楽は全体的に雰囲気を壊さずに使われていてとても良かったです。特にいとうかなこさんのOPは素晴らしい。
作画・演出も安定しており、最後まで違和感なく見られました。
ホラー演出とストーリーの両方にある程度尺を必要とする悩ましい作品という印象でしたが、個人的にはその点では上手くバランスを取っていたように思います。
ストーリーはかなりのカットや短縮があるのは感じましたし「そういうもの」で流す所も多かったですが、ストーリーの流れは丁寧に見ていれば理解できる範囲に収まっていて面白かったです。

ネタバレレビューを読む

本作は最初から面白いとは思っていたのですが、正直最終話のAパートまで好きになれるかどうか自信が無く、ラストで一気に気に入りました。
他の人に勧めにくい作品ではありますが、個人的には最後まで視聴して良かったと思います。(2017.5.18)

投稿 : 2025/03/22
♥ : 12

レオノジョウ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

面白いのに惜しすぎるアニメ

ゲーム版をプレイしてないうえでの感想と評価です。まずこの作品の説明です。このカオスチャイルドという作品は科学アドベンチャーシリーズというシリーズの4作品目にして1作目のカオスヘッドの正統続編です。科学アドンベンチャーシリーズには他にあにこれアニメランキング1位のシュタインズ・ゲートやノイタミナ枠で放送されたロボティクスノーツがあります。さてここからが本題ですこの作品なのですが、特に自分が言いたいことは、とても惜しいということです。現在9話まで放送されているのですが、もともとゲーム原作の作品で、そのゲームのシナリオがとても長いためか本来2クール近くの話数を必要とするところを無理やり1クールにしているため、かなりゲームのお話をはしょってはしょって制作されています。そのせいでゲームをプレイしていない人にとってはかなり話が難解になっており、よくわからなくなるところが多数見られます。ただ重要な部分を丸ごとカットしたりはしていないのでもう話が飛び過ぎてまったくわからなくなるということはないと思います。なので物語については、元のお話自体はすごく面白いらしいのですが、このアニメだけ見るとそこまで面白くは感じられない方が少しいるかもしれません。キャラクターの心情もゲームよりもはしょられているためにわかりずらく、ゲームでは共感できたところもアニメでは共感できないかもしれません。作画や音楽はとてもいいわけではありませんが毎話安定して楽しめるようなものを制作会社のシルバーリンクが制作してくれているので、そこは安心してみてもらって大丈夫だと自分は思います。そして声優さんの演技ですがやはりカオスチャイルドはココがすごいです!主演の松岡禎丞さんをはじめ、ほとんどの声優さんがノベルゲームだったゲーム版カオスチャイルドと同じ声優さんのため本当に声だけでカオスチャイルドの世界が見えてくるような素晴らしい演技をしてくださっています。正直中には気になる声の方もいますが、それでも声優さんに関しては安心したうえで視聴してくださって大丈夫だと自分は思っています。以上の点でカオスチャイルドに少しでも興味を持ってくださった方がいれば見てみてください。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 4

54.5 5 超能力でSFなアニメランキング5位
コメット・ルシファー(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★☆☆ 3.0 (323)
1709人が棚に入れました
青く輝く鉱石、ギフトジウムに覆われた大地、惑星ギフト。

ソウゴ・アマギはギフトジウム採掘で栄える街、ガーデン・インディゴに住む純朴な少年。希少な鉱石を集めるのが趣味のソウゴは、ある日、同級生のカオン、ロマン、オットたちが引き起こす騒動に巻き込まれ、鉱山跡深くの地底湖へと迷い込んでしまう。

そこでソウゴは不思議な少女と出会う……

風にそよぐ青い髪、まっすぐに見つめる赤い瞳。

いったい彼女は何者なのか、この出会いがソウゴに何をもたらすのか。

そしていま、結ばれた絆が冒険への扉を開く――。

いま冒険の旅がはじまる。君と仲間と、運命を連れて。

声優・キャラクター
小林裕介、大橋彩香、高橋李依、寺島拓篤、諏訪彩花、水瀬いのり

67.4 6 超能力でSFなアニメランキング6位
地球へ…(テレビ版)(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1480人が棚に入れました
現代から遠く離れた未来―S.D.(Superior Dominance:特殊統治体制、西暦3千数百年)の時代。人類は環境破壊により滅び行く地球を再生させるため、植民惑星へ移住した。コンピュータ管理により整然と生きる人類。その一方で疎まれる、特殊な能力を持つ「ミュウ」という存在。彼らは過酷な弾圧の中で政府の目から逃がれ、息を潜めながらも自分たちの存在意義を考え、そして地球への帰還を夢みていた…。ミュウのリーダー、ソルジャー・ブルーは、アタラクシアに住む少年ジョミーを自分の後継者として選び、夢を託す。

声優・キャラクター
斎賀みつき、杉田智和、子安武人、小林沙苗、井上麻里奈、羽多野渉、増田ゆき、小杉十郎太、浪川大輔、喜多村英梨、杉山紀彰、高城元気

クアーレ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

文句無いです

物語
大雑把に超能力といっているのでどういうことが出来るのかがはっきりと分からないのですが、主要なミュウ達は皆タイプブルーといって、我々が超能力として「できるだろ」と思っている大概のことはできます。できることは色によって異なるらしいのですが失念しました。
構造としてはミュウ側の主人公ジョミーと、人間側の主人公キースの両視点から描かれています。
ミュウ側は、完全管理下であるCE体制により異端とされ追われる超能力者達で、逃げ、隠れ、そしてかつて人類が汚染し人が住むことの出来なくなったテラ(地球)を目指します。
人間側はCE体制を覆す存在となりかねないミュウの殲滅せんとしています。
とまあよくある逃亡劇のような物語ですが、逃亡側の規模も、追跡側の規模もデカイです。人数の規模も距離の規模も隠れる規模も違います。
また、ミュウの寿命が長いからこそ起こる世代間の対立など彼らならではの問題もあり新鮮さもあります。
ミュウ側のことばかり描きましたが、人間側にもほぼ同等の時間が割かれています。“ただ追いかけてくる嫌な連中”ではないのでご安心を。


作画
これに関してはあまりよくわからないのですが、原作を真似て描くようなものでもないので問題なく見れるのではないでしょうか。
自分はもう見慣れてしまったので分からないです。
キャラデザには少々古臭さを感じることがあったような気がしますが、違和感はあまり感じませんでした。

声優
これに関してもあまり詳しくないのでどうこう言えることはあまりないのですが、終盤に何度も泣かされました。もちろん悪い意味ではありません。いい演技だったのではないかと思います。

音楽
すばらしいです。悲しげな曲が多いですが、そういった場面が少なくないので仕方ありません。サントラを購入するくらいには気に入りました。
主題歌も非常によいです。
個人的にはOP1であるUVERworldのendscapeと、OP2である高橋瞳のJET BOY JET GIRLがお気に入りです。
見ないですっ飛ばす方もいらっしゃるかと思いますが、特にJET BOY JET GIRLの方は声の伸びがまっすぐで素敵ですので是非。

キャラ
ミュウと人間の違い、重ねた年の違い、してきた経験の違い、置かれている環境の違い、能力の違いなどからそれぞれが違う考え方を持っていて非常にいいキャラクターたちだと思います。
最近の作品にときどき見られる“展開のためだけに存在する考え方がおかしい意味の分からない登場人物”というのはいません。
それぞれがきちんと考えを持って様々な気持ちで物語に関わっています。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 6

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ただただ涙が溢れて止まらなかった。。

そういえばものすご~く昔、まだオタクという言葉も定着していなかった頃、オタだった長姉が原作マンガを所有していたなぁ~3
たしか、雑誌っぽい粗い紙のA4サイズで、紙が真っ茶色になるまで納戸の中に放置されていたのだ。
そして、いつの間にかなくなっちゃったんだよね~
何べん読んだだろう、あのマンガ?
同時期に映画も公開されたけど、原作ファンだった姉が舌打ちする位の、ヒドイ出来だったらしい。。

竹宮恵子といえば、「風と木の詩」等、BLモノの先駆けとして有名な少女漫画家だけど、SF漫画家として高名を馳せた時期もアリ。彼女のSFモノの代表作が本作「地球へ・・・」だけど、同系列では「アンドロメダ・ストーリーズ」等が挙げられる。
「アンドロメダ」も原作本があったよーな気がするけど、「地球」より先に処分されたみたいで、その内容はうろ覚えだが、どちらも遜色無く面白かったよーな。
ファンタジー物として、「イズァローン伝説」を最後に読んだのがいつだっけなぁ?
コレは良く出来たファンタジーストーリーなんだけど、BL的表現は「風と木」に勝るとも劣らなかった;;

ごめんなさい、アニコレの骨子からズレてしまった。。
原作者、竹宮恵子のマンガはどれも面白かったけど、上記のよーに、たいていBL的表現が絡んでくる。
ただ、「地球へ・・・」や「アンドロメダ・ストーリーズ」等のSFモノに関しては、少年誌「月刊マンガ少年」で掲載していた関係上か、竹宮流BL表現は珍しく無かった。
唯一、主人公ジョミーのシャワーシーンだけが、風木っぽくて竹宮臭が漂っているなぁと、ションベン臭い子ども心に苦笑した記憶がある。

再度になるが、当時ものすごい前評判で作られた映画は、原作ファンには大変残念な仕上がりだった。
その後ン十年が経過し、ナンで今ごろリメイク?と首をかしげながらも郷愁にかられ、TVの前に座った2007年。
原作と少々違う部分はあれども、ようやく素晴らしいアニメに生まれかわって、原作を読んだ者として本当に嬉しかった!!
やっぱりキース、昔と変わらず、一番好きなキャラだなぁ~3
非情な堅物エリートとして振る舞っているけれど、その実、誰よりも情が深くて人間らしいのだ。
こんなイイ男、好きにならない方がムリだよ~~;;

ラストには、ただただ涙のナイアガラ。
そうでなくとも、EDの切ない調べには、勝手に涙がダラダラ流れてきて、老いた母にアキれられたのが、もう5年前か~3
色々あったなぁ、あの頃。。
ワケもなく涙が止まらなかったあの時も、なんとなく原作に触れた少女期の自分と今の自分を重ね、色んな感情がブワッと湧き上がっきて、堰き止めきれなかったダムのように、ただただ涙が溢れて止まらなかったんだよネ。。

さすがにちょっとクラシックなSFだけど、作画もキレイな良作でした。
う~ん。。でも当時はキレイさに感動したけど、今ちょっと観直してみると、ちょっとなぁ。。アニコレフレンドのメッセ・エッヘンさんのレビューを読んで、もういっぺん確認してみたら、おっしゃる通りの作画評価でした;ただ5年前当時はえらく感激したので、作画★4.0のままとさせていただきマス;;

原作を知る世代の方には、ひときわ感慨深いアニメでしょう。
原作を知らない方も、漫画&アニメ史に残る本作、ご興味があればぜひどうぞ~(^ ^)

投稿 : 2025/03/22
♥ : 19

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

現在社会の問題に関して、考えさせられるアニメです。

竹宮恵子さんの古い漫画が原作のSFヒューマンアニメです。
文明社会の進歩により、地球環境を破壊した人類。
このため、人類は地球外へ脱出することに。
何故か、ミュウという異端遺伝子を持つ超能力者が出現。
管理型人類社会はミューを排除するようになります。

このアニメは、ミュウと人類の双方の視点より描かれます。
ミュウ側の主人公は、ジョミー。
他人思いのやさしい性格で、圧倒的な超能力を持つ指導者です。
人類側の主人公は、キース。
機械のような冷酷な性格で、徐々に頭角を現す有能な人物です。

ミュウと人類の戦いの結末は?
ミュウと人類の相互理解は?
人類は何故ミュウを排除?
「地球」の行く末は?
など、興味は尽きません。
また、現代社会の人類の問題も二重写しになります。

それぞれの登場人物の思惑が複雑に絡まったシナリオ。
素晴らしいです。
そして、ラストは感動。
涙ザザ漏れでした。

<大昔の劇場版アニメに関しての話>
私は未視聴です。
嫁さんに聞いたら、あっさり
「見たよ。」と。
悔しいので、これ以上聞くのはやめました。

当時、このアニメは話題作でした。
特に、ダ・カーポが歌う主題歌「地球へ」は良く耳にしたものです。
「地球へ」の歌詞、「ただひとつの夢のために、ただ一度の命かけた」
こんな人生を送りたいですね。
視聴後、改めてこの曲を聴いたら・・・、涙ザザ漏れでした。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 41

70.4 7 超能力でSFなアニメランキング7位
宇宙の騎士テッカマンブレード(TVアニメ動画)

1992年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (68)
402人が棚に入れました
連合地球暦192年。謎の宇宙生命体『ラダム』が突如として地球に来襲、人類の宇宙進出の夢を懸けて作られた軌道エレベータ基地・オービタルリングを瞬く間に占拠し、地球侵略を開始した。地球製兵器では傷つけることすらできない強靭無比のラダム獣に対し、唯一対抗し得る兵器であるオービタルリングのレーザー砲を奪われた人類には対抗する術がなく、その侵攻をただ黙って見ているしかできなかった。そんなある日、地球上のラダム獣や地上に根付くラダム樹の調査・分析をしている外宇宙開発機構の前に、正体不明の記憶喪失の青年が現れる。

声優・キャラクター
森川智之、松本保典、林原めぐみ、横山智佐、鈴置洋孝、飯塚昭三、中原茂、子安武人、水谷優子、小杉十郎太、島香裕、横尾まり、飛田展男

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画は不安定だが、とても見ごたえのあるSFヒーローもの

この作品は、1975年に放送された『宇宙の騎士テッカマン』
を元に制作されたオリジナルアニメである。

私は、この作品の後に宇宙の騎士テッカマンを知ったため
詳しくはコメントできないが、一部の設定を除き、全く
異なる作品として作り上げられているようだ。
別物として、考えた方がいいだろう。

作品のジャンルとしては、復讐劇としての要素が非常に強いSF
ヒーロー物だが、1990年代の作品の中でも特にハードで、主人公が
最初から最後まで報われない鬱展開に仕上がっている。少なくとも、
近年のテレビアニメでは中々お目にかかれない卓越したストーリー
展開であることは間違いない。

一時的に暴走したのを機に戦意を完全に喪失したり、自分の目的を
達成するために、後半では寿命を削ってでも肉体を強化しようと
試みるのだが、今度は脳に障害を起こす等とことん負のスパイラルが
連鎖していくのだ。最終的には平和をもたらすことに成功したものの
その代償はあまりにも大きいものだった。
今までの事を考えると、あの終わり方が彼にとって一番幸せ
なのかもしれない。切ない。耐性がない人は視聴しないほうがいい。

それを可能にしたのは、主人公の憎むべき敵であり、全ての
元凶ともいえるラダムの凶悪さにある。いわばキャラクター設定だ。
なぜ、ラダムがオービタルリングを占拠したのか、
どうして主人公以外のテッカマンが存在するのか、
ラダム獣が植物化してラダム樹へと変化すると何が起きるのか
こういったことは作中できちんと説明されるので安心して欲しい。
ラダムの凶悪性が把握できている頃には、主人公がなぜあそこまで
ラダム討伐に力を注いでいるのか分かってもらえると思う。
(ここまで行くともはやいじめの領域に達しているような
気がしないでもない)

ラダムだけに関わらず、主人公を支えるブルーアースのメンバー
やラダム側のテッカマン達にもきちんと焦点が当てられているため
そういった点にも抜かりはない。

個人的に思い入れのあるキャラクターが非常に多く、選び出すと
キリがないだが、ここではあえて劇中屈指のネタキャラとして
愛されているテッカマンランスを挙げていこうと思う。
彼はラダム側のテッカマンの一人であり、戦闘力も高いのだが、
やたら自信家な人物として描かれている。

単独行動を取り、先にブレードを仕留めようとウキウキな気分で
立ち向かっていたのだがタイミングが悪かったのか、たいした
活躍を見せずに消えてしまったなんとも哀れな奴だ。
要はただの咬ませ犬である。

まあ、別の見方をすれば自らの命を犠牲に
死亡フラグを丁寧にレクチャーしてくださるありがたい教師ともいえる。
彼を象徴する代表的な台詞と言えばやっぱりこれ。

「フッ、いくら進化したと言えど、この至近距離からの
ボルテッカではひとたまりも……なにっ!?」

文字だけ見ても、典型的な咬ませ犬のテンプレそのものだ。
そりゃあ、テッカマセランスと呼ばれても仕方ないわな。合掌。
(他のラダムテッカマンと比較しても存在感はかなり薄い方だったので、
ぶっちゃけいなくてもいいんだけどね。)

作画に関してだが、非常にムラがあり、とても不安定な点はぬぐえない。
キャラクターの顔が多岐にわたっているのは勿論の事、
一部のシーンは色塗りがされていなかったり、使いまわしている
場面も多い。

原因は、予算や時間の都合によるものだというのは納得していたが
流石に48話のエビル作画だけは非常に目についてしまった。
なんせ顔だけでなく、髪の色がまるっきし違うのだ。
「あいつこんな色してたっけ?」と自分に問いかける始末。
もう少しで話が終わるのでせめて色だけはきちんとして欲しかった。
勿体ない。声優の演技に救われたのは言うまでもない。

作画はそこまで気にしない、濃厚なストーリー展開を好む
SF好きの方にはオススメ。但し、これでもかといわんばかりの鬱要素が
詰まっているのでそこだけ注意して欲しい。

個人的には、名作の域に入っても不思議ではないと感じるほど
とても面白かった。 名作だと思う。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「仮面の下の涙を拭えっ!!」

1992年タツノコプロ製作。
『宇宙の騎士テッカマン』(1975年 未見)から設定・世界観を一新し、
ハードSFアニメとして再構築した4クール作品。

【物語 5.0点】
悲壮。過酷な宿命を背負った主人公“Dボゥイ”こと“テッカマンブレード”が、
宇宙からの侵略者にひとり立ち向かう。
仲間の協力も得ながら徐々に心を開いていくが、
そこへ襲い掛かるさらなる悲劇と絶望のフルコース。
それでもヒーローは、男は、燃え尽きるまで戦い続けねばならないのだ。

プロット自体は変身ヒーロー物の王道だが、
主人公に課せられる試練が心身共にアニメ史上屈指のベリーハード。
キャッチコピー「仮面の下の涙を拭えっ!!」は伊達じゃない。

運命に立ち向かう男の生き様に魂が震える。


【作画 2.5点】
不定形。本作唯一の弱点。

作画そのものは実はそんなに悪くはなく、
むしろ戦闘シーンのメカニック描写などは上々。

ただ作画担当によってキャラデザ?何ソレ?
と言わんばかりに大きく変動する人物描写は、
声優さんの演技がなければキャラ判別困難。


【声優 5.0点】
主人公Dボゥイ役の森川 智之さんVSライバル・テッカマンエビル役の子安 武人さんによる
宿命バトルには単純な演技を超えた鬼気迫る物がある。

そして、ネタバレレビューを読む

さらにはヒロイン役を務めた林原めぐみさんだけでなく、
クールだが秘めた情は厚い司令官フリーマン役の鈴置 洋孝さん
オカマなメカニック役の中原 茂さんら、
脇を彩るボイスも濃厚。
あとはネタバレレビューを読む

本作はフリーマン視点で物語を俯瞰する脚本であり、
ナレーションも務めた鈴置さんの沈着冷静なナビゲートが
ハードな展開をいっそう引き締める。
(上記のキャッチコピーはフリーマンによる次回予告の締め文句でもあり、
彼が語ってこそ味わいが出る)

90年代アニメの中でも、本作の魂が籠もった熱演は別格かつ伝説級。


【音楽 5.0点】
極上。総勢60余名のオーケストラ編成に
勇壮な混声コーラスをアレンジしたメインテーマなどの迫力のBGM。
繊細な弦楽が、ロボットとも有機生命体ともつかないテッカマンの神秘性も内包しつつ、
地球圏に跨がるSFバトルを大いに盛り上げる。

OP&ED主題歌は前後期4曲とも小坂 由美子さん。他に挿入歌もあり。
確かな歌唱力に裏打ちされた、伸びのあるビブラートが、主人公の哀しみと共鳴。


【キャラ 5.0点】
悲運が積み重なった主人公には“Dボゥイ”ほか様々な名前、異名があり、
そのこと自体が彼の過酷な運命を象徴している。

ここでは本作の徹底した悲劇設定から生まれた主人公名言だけ引用しておきます。

ネタバレレビューを読む


【感想】
“隠れた名作”としての悲劇が語られることも多い本作。

よく見るのが『セーラームーン』の裏番組で埋もれてしまったとか、
テレビの自主規制で表現萎縮が進む中、
ハード過ぎる描写故にろくに再放送もされなくなっていったとか。
(エロ面でも、一応、一部変身シーンで乳〇が見えるアニメでもありますしね)

けど都会の人気アニメが放送後回しにされる北陸在住の私には無関係(苦笑)
本作も『セーラームーン』の裏ではなく、
全国放送終わった少し後の夕方16時台~17時台の枠で観てました。
因みに後の『エヴァ』何かも、私は旧劇公開に合わせた夕方再放送を視聴してました。
後回し地方民も悪いことばかりではありませんね。

夕方、帰宅してすぐにグロエロ不問でハードなアニメを自主規制なしで楽しむ。
あの頃は良い時代でしたな~(遠い目)
(もっとも、帰宅しなくてもスマホの動画見放題サービスで本作を視聴できる
今もまた良い時代ですが)


本作は私が“神アニメ”と呼べる数少ない傑作の一つ。
今世紀実現した『スパロボ』参戦後も依然埋もれているようなので、
一人でも多くの人に掘り起こして欲しいと願います。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 17

チョコ太郎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

テックセッターー!!

ラダムと地球人類の壮絶な戦いを描いたスペースオペラ!!

この作品の見所はテッカマンブレードであるDボウイのあまりにも重く過酷な運命を、遊びなしのシリアス路線で全49話に渡り描ききっているところだと思います!!  
個人的に48話は神回でした!!^^


作画が安定せず作画崩壊している回も多く、映像の使いまわしも多いです^^;しかし、見ごたえのある作品なのは間違いないです!!

90年代の傑作アニメだと思います!!

投稿 : 2025/03/22
♥ : 4

58.1 8 超能力でSFなアニメランキング8位
E'S OTHERWISEエスアザーワイズ(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (49)
325人が棚に入れました
特殊な能力を持つ少年・戒は、アシュラムという能力者の警察集団に所属していた。
だが遺棄された巨大人工都市「ガルド」に存在するゲリラへの攻撃中、同じアシュラムのメンバーである神龍に攻撃され、負傷しガルドに住む明日香=篤川に助けられる。その後、アシュラムに帰還しようとするがアシュラムの放ったイエーガーによる虐殺現場を目撃、アシュラムの行いに疑問を感じアシュラムに戻ることを拒み襲ってきたイエーガーを撃破した後ガルドにとどまる。

57.1 9 超能力でSFなアニメランキング9位
サイファイハリー Sci-Fi HARRY(TVアニメ動画)

2000年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (31)
145人が棚に入れました
ハリーは内気でいじめられっ子の高校生だが、ある時を境に超能力に目覚めてしまう。スプーンを曲げる程度の超能力であり、それをキャサリンの前でしてしまったハリーはキャサリンの勧めでスプーン曲げの練習をし、キャサリンの売込みでついにテレビ出演をする。 ハリーのすごい所を皆が知ればハリーはいじめられないそんなキャサリンの願いはテレビ局の大惨事によって無残にも打ち砕かれてしまう。キャサリンや一部スタッフや観客を除くテレビ局のスタジオの人間が不可解な力により首をへし折られて殺されてしまうという大惨事によって・・・。そこに現れたアキューザーと名乗る謎の組織に拉致されてしまったハリー。 ハリーの運命はもはや後戻りできない程動き出していた。

ディザイア さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

じわじわくるゾクゾク感がたまらない!「玄人向け」ですが、ご自分の眼力に自信があるなら視聴してみるといいのでは?

☆警告☆
読みづらいですから、読みたくなかったら読まないほうがいいです。
他の方のレヴューを読んでくださればと思います。
もしよかったら読んでください。
内容は一部飛躍していたり、異常な部分があるかもしれません。
また、本作はアニコレ内では格段に評価が低いのですが、わたしはそれを視聴者側の能力不足ときっぱり言い切っています。
そうした断定調(事実を突きつけられること)が嫌だったり、個人的にわたしのことが気にくわなかったりする場合も、読まないほうが良いです。
自己責任でお願いしますね。

☆はじめに☆
最近わたしは幻覚が見えたり、幻聴が聞こえてきたりするようになり通院してます。
薬は飲んでいますが一向に改善の兆しが見えてきません。
それでまぁ、現在の自分と共通点のある、というか、状況が近しいキャラクターは居ないかなと探してみたところ、本作の主人公が割と近似していました。
それでまぁ、視聴してみたワケでありますよ。
えっと、まぁ、うん、タイトルに書いたように、玄人向けの作品でした。
ですから、初心者の方にはお勧めできません。
どうぞ、素人向けの作品を観て、目を肥やし、目利き力を上げてください。
また、料理にせよ、読書にせよ、じっくりと咀嚼し、骨の髄まで味わい尽くしたほうが、本人の為になるのではないか、と、わたしは考えておりますが。
本作もそのように、最後の最後まで、ゆるりと味わうべき作品に思います。
最終話に近づくにつれ、主人公という名の「旨味成分」が、より引き立っていて、美味でしたよー。

☆点数☆
87.9点

☆成分ピックアップ☆
超能力〆憂鬱〆大量殺人
シリアス〆玄人向け〆秘密組織

☆シリアルポイント☆
展開がスローテンポの為、サクサクっと進むような単調な作品を好む人からしたら、この作品はクソアニメに入るのではと思う。
他の人のレヴューを読んでいてそう思わずにはいられませんでした。
ただそれは、視聴者側の耐久率が低いだけであって、この作品の構成に明らかな問題があったワケではないのでは?なんてことを考えさせられました。
そもそも、静的な物語と、動的な物語というものがありますよね?
前者は、ストーリー性重視の作品。
後者は、アクション性重視の作品。
というように、わたしなりには区別しています。
で、本作の立ち位置が偶然、前者側に寄っていたというだけ。
じつに単純明快、直截簡明な話ですね。
あはっあははははは。そんな区別ぐらい大学生でもあるまいし、つきますよね?ましてやわたしの最も馬鹿にしている高校生でもあるまいし。
いいんですよ?何かにおいて素人であっても。別の何かにおいて少なくとも中級者であればねぇ。わたしはそれでよいと思うのです!思います!
然しながら!
そうして、煎じ詰めれば、視聴者側の知識不足によって理解を得られなかった、あるいは、正当な評価を下されなかった作品は、時代の流れに早くから押し流され、「そんなんあったっけ?」と、まるで最初からそこに存在しなかったような、惨たらしい扱いを受けることになるでしょう!
ああ無情!なんたる悲劇か!
これはですね、世界史上における、敗者の理論に等しいんです!
あはははははっ!クックック(あ、これだとはがないの小鳩ちゃんみたい)!
あっわっれー、哀れー、無残ー、弱者はいつだって無視されるー、それはわたしもよくわかるー、同情したくなるー、ああっ、でもっ!作品の評価は極めて客観的に下したはずですから、面白さはお墨付きですからねー、信じてくださいますか?わたしを

☆総決算☆
若干、横道に逸れた気もしますが、まぁお伝えしたいことはお伝えできたかなぁと。
物語について何ひとつ触れてないじゃないか!と怒りんぼな人はわたしのことをぶん殴って血だらけにしたいと思われたかもしれませんが、それは意図的にですからね?
だって、長々と、作品の概要であったり、矢鱈詳しく細部を詰めた粗筋を語られたって、つまんないですよね?それとも、そっちのほうがいいの?
それに今回は作品が作品なだけありましてね。
問題が問題を呼ぶ。
謎が謎を呼ぶ。
そこが一癖も二癖もある、絶妙なスパイスなのに。
その、あれですか?
隠し味についてはじめから知りたい系なんですか?
違うでしょう?違いますよね?、、、えっと、、、(´・_・`)
(´・_・`)

☆さあ!観なきゃ損ですよ!☆
はぁはぁはぁ。疲れました。。。ごめんなさい、ちょっと休憩。
薬が効いてきたのか思考がうまくまとまらない。
くぬぬ。うむむ。(´・_・`)(´・_・`)(´・_・`)
助けて神様。
というワケです!はい!
観てくだされば、たぶん、お分かりになると思いますよ?
伏線回収って、ゲームなんかで良くある話ですけど、この作品も半ばそのような展開で進んでいきますからね。
「焦らず、じっと視聴する」、これが一番お伝えしたい秘伝の極意なんですよ。
笑いましたか?いま、笑いましたね?あなた。
わたし、何かしましたか?ごめんなさい。わたしが全ていけないの。
くふふ。うまま。(´・_・`)(´・_・`)(´・_・`)

☆最後に☆
ではそろそろお別れの時間になりました。
何かわたしに言い残すことはありますか?ないの?何もない?
あるでしょうに!ほんとうはあるのに、誰かに邪魔されてるの?そんなやついたらわたしが始末してあげますから。あなたは真実だけ教えてください。それで許します。
そうだ。本作の主人公ハリーですが、じつに内気な少年でしてね。
内向型人の国際選手権大会があったら、間違いなくのび太を抜いて一位の座に君臨することでしょう。
わたしは内向型でも外向型でもないけど。じゃあ何だと思いますか?
はっはっは。わたしはどこに位置する?さあ?位置しないのでは?この世に存在しているのかしら。
さて、ゾクゾク、ワクワク、ジワジワ、そしてガクガク、この4拍子を味わいたい人!暇があったら観てくださいね!是非とも!
絵柄は古めですけど、パズルのように散りばめられた伏線を、登場人物たちと一緒になって探し、はめ込んでいくような、チームプレーというか一体感?も満喫できる!
あなたの知力、胆力、精神力を総動員して、是非とも、果敢に、この強大な隠れた名作に、挑んでいってくだされば、それだけでわたしは満たされます。うれしくなると思います。
余談ですが、マイク刑事というオジちゃんキャラに注目してください。
こんなにダンディでウケるキャラクターは希少でしょう。
ではさようなら。今回は以上です。
疲れたので薬飲んで酒飲んで寝ます。

投稿 : 2025/03/22
♥ : 3

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

誰かに見てもらいたいひとりぼっちのハリー

洋画的要素を多分に含んだサイキックサスペンス作品です。

ハリウッド映画、スティーブン・キング原作の映画を髣髴させる様な、アメリカンなテイストの初回エピソードから始まって、中盤から後半へかけてはサスペンス、SFの要素を盛り込んだ、不気味さ充分の展開が目を引きます。登場人物の表情や声に見られる、細やかな心理描写にも魅力のある作品だと思います。

これでも主人公?終始困り顔でおどおどしているいじめられっ子のハリーは意志薄弱で常に弱気です。行動は愚か、言葉による意思疎通もままならない彼のおびえた態度は視聴者をやきもきさせる事請け合い。彼の歩むふらふらな道行きを忍耐を持って見守れるかどうかが、視聴継続の判断のネックとなると思います。

序盤エピソードで超能力の発現をきっかけに、憧れの人キャサリンとの関わりを持つ様になるハリーですが、キャサリンは同情半分、面白半分、それに対してハリーは必死です。その関係を壊すまいと懸命な卑屈さでしがみつくハリーの姿は見ていて痛々しく、哀れみさえ覚えます。そんな弱虫ハリーも回を重ねるにつれ、人の真心に触れて、緩慢に、緩慢に成長していきます。

ハリーとキャサリンの優柔不断さに不快感を覚えて早々に切ってしまう方もいらっしゃるかも知れません。でも脇を固めるキャラ達の個性と意志の強さは物語を牽引する十二分な魅力があったのではないかと私は思います。

序盤~中盤にかけて、謎を追う探偵の役回りのマイク警部とジョン坊やの年齢と人種を超えたコンビは、ハリウッド映画的なアメリカの理想を体現した様な関係に映りますが、映画やドラマなどで繰り返しテンプレートとして描かれるバディ関係だけあって、確固たる安定感が有ります。二人して情報屋を待ちながら、バーガーにかじり付いているシーンなど妙に和むのです。「それよりジョン、新しい情報が入ったんだ‥。これからそこに行かないか? 」とか台詞回しも独特の距離感があって面白いです。

マイク警部の声、妙に聞き覚えのある懐かしい感じの声だな?と思えば、それもそのはず、この方はアニメのみならず、リーサル・ウェポンのマータフ刑事を始めとし、無数の洋画で吹替え俳優として活躍されている大御所中の大御所、田中信夫さんでした。落ち着きの中にも情熱の見え隠れする老練デカの声を見事に演じ切っていらっしゃいました。次回予告の説明調の読み上げも、機能的に、スマートに収まっていて、実に耳に心地良い。最後まで聴き入ってました。

ジョン役、銀魂の近藤さんの声でお馴染みの千葉進歩さんの声も、当時の溌剌とした若さが感じられて、この愛すべき実直青年をさわやかに演じています。相性ばっちりでした。正にナイスガイ!

そして巻き毛を三つ編みのお下げにしたローティーンの少女ジノリ。本作唯一の萌えキャラ?と言えなくも無い風貌ですが、ツンデレ+病んデレな性格が、かなり強烈な印象を残します。天使と悪魔、胸中に秘めた思惑と暴力性、見え隠れする優しさと恋慕の情が交互に表れます。演ずるゆかなさんの声色の出し方も明確な2種があり、一方は無邪気で朗らかな子供の声、もう一方は冷たい怒りを含んだ低く脅す様な攻撃的な少女の声、どちらにも魅力があります。

声優さんについてはかなり素人っぽい演技をされる方が何人か含まれていて、違和感強すぎるキャラもいましたが、ターニャとミーシャなどは※1AKIRAに登場するナンバーズを意識してわざとそうしているのかも? とか思いました。何にせよ、上記のマイク、ジョン、ジノリに加え、ハリー、キャサリン、※2ケイト、※3ロッドの声をもって満点を付けても良かろうとも思われました。とても素晴らしかったです。

音楽について、OPテーマ「Mysterious」はJanne Da Arcというグループによるもの。ミステリアスという表題が示している様に、登場人物達の不安を描いた歌詞とも取れ、映像、音楽と共にかなりのインパクトがありました。

作中の弦楽器を用いたBGMも緊張と不安を煽る演出において非常に効果的で、サイファイハリーの世界観を形作る上で無くてはならなかったものと評価したいです。

依存するものとされるもの、作中で描かれる全ての人間関係は相互的に依存傾向があり、繊細で傷つきやすい間柄として描かれています。マザーとジノリ、ジノリとハリー、ハリーとキャサリン、キャサリンとジョン、メリルとミーシャ。偏愛と拒絶の関係のマザーとジノリ、利用する者とされる者の関係のメリルとミーシャはとりわけ悲痛な関係として描かれています。

作品を通して、事件に係わる人々を言葉で翻弄する不気味な電話主"ファットマン"、"マザー"と呼ばれる青年の存在、謎の組織アキューザーなど数々の複線が着実に張られ、後半の衝撃的とも言える急展開で一気に収束させる手法、演出はやはり映画的でスリルを感じます。欲を言えばエピローグ的な+1話があれば、作品全体の安定感が増して良かったのではないか?とも思われましたが、不気味さを残した終幕というのもホラー映画的な気持悪い余韻を残して中々に味なものです。続編とか作ろうと思えば作れそうで、まぁ十中八九製作される事は無かろうかと思われますが、どこがどう間違ってか作られたら是非観たいものです。

痛快な展開など微塵も期待してはならないどんよりとした世界観、煮え切らないハリーとキャサリンに波長が合えば、この上なく魅力ある作品と感ぜられる事でしょう。


※1:漫画家、大友克洋氏原作の近未来SFアニメ映画。"ナンバーズ"は作中に登場する老人の様な顔をした子供の姿の超能力者達。皆声は幼い。

※2:謎の組織アキューザーで暗躍する女性。演ずるは沢海陽子さん。とてもセクシー。

※3:マイクの上司。演ずるは若本規夫さん。ぶるわぁぁーとかは言わない。

投稿 : 2025/03/22
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