ユニバーサルスタイル さんの感想・評価
4.6
懐かしの面々が約12年ぶりに復活、新生トライガン?
今回の映画はTVアニメの本筋からは離れたストーリーです。
ヴァッシュがある男との因縁にケリを付けるためある街に訪れ、かつての仲間に再び出会う。
初見(原作・TVアニメ共に未見)でこの映画を見るとちょっと付いていけないと思います。そのためファンムービーの向きが強いと思われます。
まず、やはり作画は素晴らしい。12年という年月の間にマッドハウスが確実に進歩していることを実感できると思います。
撃ち合いのシーンだけでなく、庶民の生活風景や酒場での活気溢れる喧騒も、隙なく綺麗に映っていました。
それからメインキャストの面々も、それぞれのキャラの声に違和感なく合わせていて、こちらは逆に変わらぬ凄さを感じました。多分見ていた視聴者でさえキャラの声は忘れていたでしょう(笑)
ゲストキャラの声優、坂本真綾さんと磯部勉さんの活躍も目覚ましいです。二人とも複雑な過去を持つ一筋縄ではいかないキャラでありながら、その雰囲気を壊さずに表現している感じ。
あと音楽の方は、まず何故TVアニメのOPテーマを流してくれなかったのか・・・とそれが一つ残念です。(クライマックスでのOPアレンジは見事でした。)
楽曲担当はTV版と同じく今堀さんだったので素晴らしくはあるのですが、盛り上げるシーン(動)に比べて感傷的なシーン(静)はあまり心に響かなかった印象です。素人意見なので、どう変わったのか良く分かりませんが。
肝心のお話は中々楽しめはしたのですが、少し違和感が残ってしまいました。
ヴァッシュという男の信念が今回あまり感じられませんでした。ウルフウッドも同じく。不殺を貫くんだ!という二人の意志をもう少し見たかったなと思います。
軽快なテンポで華麗なガンアクションを堪能できるという点では良い娯楽映画でしたが、TVアニメと比較してしまうと何とも言えないですね。
ヴァッシュ・メリル・ミリィ・ウルフウッドに再び会える!というだけでも一応嬉しかったです。