清々しいでファンタジーなおすすめアニメランキング 12

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの清々しいでファンタジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番の清々しいでファンタジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.9 1 清々しいでファンタジーなアニメランキング1位
骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (309)
978人が棚に入れました
目覚めるとMMORPGで自身が使用していたゲームキャラの姿のまま、異世界に放り出されていた「アーク」。その姿は、見た目が鎧、中身が全身骨格という"骸骨騎士"であった。 ──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!? アークは目立たないよう傭兵として過ごすことを決意する。だが、彼は目の前の悪事を捨て置けるような男ではなかった! 骸骨騎士様による無自覚"世直し"異世界ファンタジー、ここに参上!!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「面白い転生もの」の要素が網羅。2期をお願いします。評価再調整

 不満点は張った伏線が回収しきれていないことですね。1話の冒頭のお嬢様とかは結局モブ?そして皇帝は?アークの素性は?などあります。
 2期の可能性はわかりませんが、やるなら1年以内、本音をいえば23冬にはやって貰わないと熱が冷めます。何度でもいいますが、この1クールお試し制作体制を止めないとアニメ業界の緩慢な自殺になるでしょう。1クールで完結しないなら、せめて2クールでアニオリでいいので完結させないと、記憶に残らなくなっていまいます。

 一方「なろう系」「異世界転生」とカテゴライズされますが、面白いものと面白くないものの差がはっきりしてきました。以下、私が考えた面白いモノの要素です。異論は沢山あるでしょうけど。

 本作のように「転生の意味」を探るというのはその一つでしょう。目的をもって冒険等の何かに取り組むこと、世界感の設定が意図をもって原作者が明確に定めている、エピソードの積み重ねが全体の解決の一部になっていること、などがあげられると思います。

 もちろん、キャラの魅力は言うまでもありません。ヒロインが奴隷とかトロフィーワイフではないことも大事でしょう。ヒロインに意思があるのもいいですね。サブキャラに男性の魅力のあるキャラを置く、敵がやられキャラではなく敵として機能するなどの要素があげられると思います。

 主人公の設定が俺TUEEEであっても、ストーリーの解決のための俺TUEEEがいいんでしょう。つまり強さだけでは解決しない話になっているということです。
 無敵それ自体をエピソードにするものは駄作が多いです。設定に設定を重ねる、スキルとレベルに頼る。みんな弱くなった…などは駄目でしょうね。
 敵に魅力があるか、たくらみに面白さがあるかも大事です。敵のキャラや目的に、多様な価値観と重層的な社会の構造などが垣間見えるのが良さそうです。

 暴力、性表現などに意味があるかです。これは無駄にデオドランドされているものも駄目です。本作やゴブリンスレイヤー、回復術士など面白いモノはちゃんとこの辺を上手く扱っています。法律がどうとか、人として許せないとか完全に無視して、必要なものを描いているかという原作者の意思でしょうね。ポリコレは…まあ、ここでは言いません。

 スローライフ系はまた別の要素がありますが、結局完全にスローライフで面白いのって、スライム300くらい?まあスローライフは願望の投射なので自分にあうかあわないかでしょうね。ただ、設定を妄想した結果なのでしょう、出落ちが多すぎです。

 あとはアニメーションに関しては、全部が動く必要ないので、ポイント絞って決めるべきところは決める。エフェクトの工夫で低予算でも魅力的な画面作りをお願いします。止め絵、背景美術などがビシッとあると感動できます。それとモンタージュ理論とか異化効果とか古くからある技法を上手く使ってみるのも良さそうです。異世界ではありませんが「その着せ替え人形」の何話か目にかなりいい演出の回があったと思います。つまり演出は頑張ってほしい。

 それとテンポですね。本作はとにかくテンポが良かった。どんどん話が展開しました。間延びは最悪です。尺の問題は伸ばすのではなく、オリジナルで責任をもって埋めてください。無理に引き延ばしがあると駄目ですね。まあ、それで失敗すると悲惨なので、できればちゃんとある程度ストックが計算できるものがいいと思いますが。

 で、本作は一応最後に終わりっぽくしようという完結の努力は見られました。これがないとかなりシラケますのでせめて何かは解決してください。

 声優さんは私はなんとなく合えば気にしないです。本作の「アークです」は最高でした。あとポンタも何気にいい演技?演出?でした。

 OPEDはタイアップじゃなくてアニオリがいいですね。これは最近徹底している気がします。OPEDアニメも本編の抽出じゃなくて、世界感をあらわしたものが増えているのは好ましいです。この点は本作のOPは本当にすばらしかった。曲もキャラの雰囲気というか存在と完全にマッチして最高でした。
 また、OPEDアニメで本編ではやりきれない高度な技術にチャレンジしているものも飽きない工夫ですね。本作はそこまでではないですが最近沢山あって楽しめます。

 という事で本作は面白い要素をかなり網羅していると思います。なにより原作者の技量が大きいのはもちろんでしょう。

 販促アニメで1期で終わらないよう願いたいですね。今のままで行くと振り返ってみれば「アニメ暗黒時代」とよばれる可能性が高い気がします。なろう系云々ではなく、全体的に制作サイドの「創作物を公開して商売にする責任」をよく考えて欲しいです。



2022年8月 評価調整。見ているときの興奮で新しいものは評価が極端なので見直しです。

 本作の印象は上記の通りですが、名作とは呼べないですね。秀作というのもほめ過ぎかな。少なくとも完結してないし、テーマ性も薄いです。エンタメ性やキャラは光っていましたが。ということで、キャラ(声優で調整)とストーリーが4点。作画が3.5点でトータル3.9点というのが妥当かなと。音楽性は有りましたね。






以下 視聴中のレビューです。


1話 テンプレ過ぎてかえって清々しいです。{netabare}オーバーロードの設定をちょこちょこっといじるとこうなりましたという感じですが、異世界ものでそれを言っちゃお終いです。この件に関してはもはや批評する気にもなれません。様式美として受け入れました。マイルドアインズ様とかいうのは無粋なんでしょう。
 画も綺麗だし、作画もいいので、2話目からの展開が勝負でしょうね

 助かったからいいけど、レイプシーン、生々しすぎです。{/netabare}


2話 何か物語がスタートするんでしょうか?1クールですよね?

{netabare} また、終わらない話でしょうか。EDに出てくるエルフらしい女の子がまったく出ませんでした。テイムかなにかのリングが出てきたので何か物語が始まるんでしょうけど。最近の1クールって12話とか下手すると11話ですから、また中途半端で終わるのかなあ。

 九尾の狐のナウシカオマージュがちょっと面白かったですけど、今時通用するんでしょうか。クリエータがナウシカ世代なんでしょうね。
 テンプレエピソードは尺がないならカットすればいいのに… {/netabare}


3話 なかなか痛快な話でした。連続性もあるし期待値高めですね。

{netabare}  ちゃんと1,2話と話に連続性があったんですね。王族らしき女の子とバジリスク、そしてエルフ。
 なかなか痛快な展開でしたし、エルフ関連で話にまとまりがあるので興味がもてます。ちょっと重い話なのもあって期待値高めです。

 人に慣れないハズの〇〇が…は何度みたかわかりませんが、ナウシカオマージュも含めてそういうパロディの要素は意図的にいれてるんでしょう。
 作画も高級じゃないですが十分な水準だし、いい絵を見せようという工夫もある気がします。
 血液の色は規制でしょうか。

 高クオリティですね。継続決定、完走どころかかなり楽しめそうです。 {/netabare}


9話 そろそろ終盤ですが、最近の異世界の中では最高レベルでした。

{netabare}  本作をテンプレと片付けることは出来ません。オバロの真似じゃんとも言えません。面白さがちょっと最近の異世界では群を抜いていますね。なぜでしょう?正直わかりません。

 俺TUEEEではありますが、陰謀が強い弱いだけで片付かないからでしょうか。エルフと獣人の話で同じ構造のエピソードを2回繰り返したような印象でしたが、飽きませんね。今回の獣人の話はバトルに迫力がありましたし、犠牲者と弔いを描いたのは良かったですね。

 エルフも獣人も女性はそれぞれ魅力的ですが、なんといっても男キャラが立ってますね。獣人の男と何とも言えない共感が生まれるところとか、ちょっと他では見ないと思います。この男女が満遍なく出てくるのもいいところなのかもしれません。

 ポンタが身分証明として万能すぎだろう、問題もありますが、いっそ爽やかなくらいポンタ頼りなのも面倒がなくていいです。

 裏の王族の陰謀もなかなか興味をそそりますし、あのお姫様。美しいですね。横顔の鼻がちょっと残念ですけど、正面顔は非常に素晴らしい造形でした。ちゃんと高貴な感じのキャラデザです。その割に何か企んでいるような感じがいいし、それが安っぽい演出やセリフで語るのではなくストーリーに組み込まれているのが、いいですね。

 そうか…つまり物語に「構造」があるということですね。設定とキャラ、エピソードのつぎはぎではなく、お話になっているということなのかもしれません。

 ということで、まあ一部のビッグネームは別枠としても、ラノベ・なろう系の異世界転生ものとしては、この1、2年では最高に面白いです。ありふれた職業と、盾の勇者が期待外れだっただけにうれしい誤算でした。是非、2期をお願いしたいです。 {/netabare}



11話 面白い…面白すぎる。ストーリーの良さに加えて作画も演出もいい。

{netabare}  冒頭、先週の振り返りで娼婦が穴に落とされるときの作画が、結構すごかった気がします。ちゃんと、力が抜けた状態からフイに押された、体重の残り方と表情だったと思います。
 アークに助けられた娼婦の肩のツヤとか、なかなかですね。低予算っぽい感じもしますが、作画も演出も丁寧で面白さを引き立てています。

 こんにちは、アークですという入り、アークの目が光るシャキーンとう効果音の使いかたもいい、ポンタの声にも癒されます。OPは映像も曲も最高です。特にあの女の子を助けるベタな演出が最高です。このOPでアークというキャラの性格とか素性とか世界観とかコミカルな部分があるのが分かります。秀逸なOPです。

 あと、オバロのクレマンティーヌ様にも通じますが、俺TUEEEの面白さって、敵をどう描くかですね。最後は倒されるのはわかっている安心感はともすれば緊張感の無さにも通じますが、ゲスっぷりの描写がいいのでどんな卑怯な手を使ってくるのか、という面白さにつながっています。で、カタルシスがあるんでしょう。来週がものすごく楽しみです。どんな俺TUEEEを見せてくれるか、ですね。

 敵の描写が上手いので、どんなバカな力を見せてくれても見ているほうが嬉しくなります。むしろ、バカバカしいくらいなのを楽しみにしています。巨大な敵ですからね。エフェクトの使いかたが上手いので、ド派手に倒してほしいです。 

 そして本作は、エルフをめぐる陰謀や王族のいざこざ、骸骨の正体などを追っているという点では話の幹がしっかりあって、オバロより話自体は面白いくらいです。

 11話だけでみても、チヨメの件も何気なく伏線を張って、しかも、その部分でアリアンのヤキモチと裏で進行している陰謀、やられキャラの行く末を描くという、本当にストーリー作りのうまさに感心します。

 アリアンがどうしても開かない扉をアークが開けるのも、俺TUEEEを使うのではないのが、ストーリー(演出)のクオリティの高さになっています。
 数話前でアリアンのお尻が引っかかるシーンでアークが転移魔法を使うのとの対比になるだけに余計面白くなっています。

 いいですね。すぐに2期を作って欲しいです。少なくとも2、3クールでは面白さは枯渇しないでしょう。{/netabare}
 



 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ぱっと見オーバーロードもどき

冒頭で今まさに少女たちを強姦しようとしている輩の場面から。
いやあ衝撃衝撃。そりゃ、お漏らししますよ。胸糞悪い展開だけど、主人公が容赦なくズバッと一刀両断。なんか考え込みすぎてたようだ。でも、やっぱりアインズ様みたい。あとアクション仮面みたい。

エルフ絡みが多いのは差別化できているかも。
エルフぺろぺろとか救出の話が多い。作者がエルフ好きなのかな?と思ってたけど、貴族王族も助けてる。
ケモ耳忍者やもふもふも。
あとママがめちゃ強い、シスコンすぎる姉を盛り込むのもやりますね。
正義感が強いのも差別化か。
呪われてる設定が現実になっているのはちと笑。
骸骨なのに男認識されるもんなんだな。

内容的には思ったより頭に残らないなと。特に負の感情もないが。
頭を空にしてみるには最適かな。


OP
嗚呼、我が浪漫の道よ PelleK(ペルケイ)
ED
僕らが愚かだなんて誰が言った DIALOGUE+
PelleKは日本のアニメソング・特撮ソングの「歌ってみた」動画を9年以上投稿して388万人を超えるチャンネル登録者がいるノルウェー人シンガー(Wiki引用)。知らない歌い手さんだった。でも、何だろう。あの裏声が意外と頭に残るんですよね。
DIALOGUE+が歌うEDも。見たことあるグループ名だなと思ったらひげを剃るのOP歌っていたのか。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
目覚めるとMMORPGで自身が使用していたゲームキャラの姿のまま、異世界に放り出されていた「アーク」。その姿は、見た目が鎧、中身が全身骨格という“骸骨騎士”であった。──正体がバレたら、モンスターと勘違いされて討伐対象になりかねない!?アークは目立たないよう傭兵として過ごすことを決意する。だが、彼は目の前の悪事を捨て置けるような男ではなかった!骸骨騎士様による無自覚“世直し”異世界ファンタジー、ここに参上!!


第1話 流浪の騎士、世直し旅にて候ふ
MMORPGプレイ中に寝落ちし、目覚めるとゲームキャラの姿で異世界にいたアーク。全身に鎧を纏ったその姿は一見すると騎士のようだが、中身はモンスターにしか見えない“骸骨姿”であった。目立たず過ごすことを決意したアークは、傭兵になるために獣と魔獣の討伐試験に挑む。しかし、盗賊が貴族の少女たちを襲っている場面に出くわしてしまい──。

第2話 初仕事、少女の願いと忍び寄る影
傭兵稼業を始めたアークは、初めて受注した依頼「薬草採取の護衛」の依頼人マルカのもとを訪れた。亡き父の代わりに薬草取りの仕事をして母に楽をさせてあげたい──そんな少女の願いに応えると決めたアークは、マルカに同行して森へ分け入る。小さな精霊獣との思わぬ出会いもあり、依頼は順調に進んでいくが、森の奥で強力な魔獣に遭遇し──。

第3話 凜々しきエルフは同胞が為に舞う
盗賊団を討伐したアークは突如、ダークエルフの戦士・アリアンの襲撃を受ける。アリアンは付近に出没する“エルフ狩り”を追っており、アークを関係者と勘違いしていた。誤解を解いたアークは手を貸そうとするが、人族の加勢は無用だと拒絶されて──。だが、困った人を捨て置けないアークは、翌日エルフが住むという森へアリアンを探しに向かう。

第4話 潜入、奴隷商! 世に蔓延る悪を探れ
アリアンに傭兵として雇われたアークは、ディエントの街で“エルフ狩り”の情報収集をしていたエルフ族の戦士・ダンカと合流。敵の拠点に囚われた同胞の救出作戦に参加することに。転移魔法で拠点へ潜入したアークとアリアンらは手分けして捜索を開始する。しかし、突如アークに攻撃を仕掛ける存在があった。その正体は獣耳忍者の少女で──。

第5話 明かされる秘密と紡がれる絆
誘拐されたエルフ族の売買にはディエントの領主までもが関与していた。アークとアリアンは領主城に侵入し、エルフを弄ぶ領主に裁きの鉄槌を下す。今回の救出作戦に大きく貢献したアークは、アリアンに更なる助力を乞われエルフの里に招待されるも、余所者であるアークが里に入るには、兜の下の素顔──骸骨姿を晒して信用を得る必要があった。

第6話 エルフの里で触れる異世界の深淵
エルフの里・ララトイアへやってきたアークは、アリアンの父である長老・ディランの家に滞在することに。アリアンとディランが救出作戦の顛末をエルフ族の重鎮に報告している間、アークはアリアンの母・グレニスの案内で里を見物していた。そんな折、グレニスから娘の傍にいるアークの力量を見定めたいと手合わせの申し出があり──。

第7話 理想に燃ゆる王女に奇跡が舞い降りた
エルフ族救出作戦の続行を命じられたアリアンとアークは、更なる手掛かりを求めローデン王国へ旅立つ。道中、幻を操る魔獣・ホーンテッドウルフと遭遇。群れのボスに不気味なリングが嵌められていた。それはかつて目にしたことがある物で……。一方、エルフ族と接触すべくローデン王国を出立した第一王女・ユリア-ナは何者かの襲撃に遭っていた。

第8話 共闘! 獣人の友と闇夜を駆ける
ローデン王国の王都に到着したアークは、獣耳忍者の少女・チヨメと再会を果たす。チヨメに乞われ、囚われた獣人族の救出に手を貸すことになったアークは、王都最大の奴隷商・エツアト商会への襲撃作戦に参加。決行の夜──アークはチヨメの仲間であり筋骨隆々の忍者・ゴエモンと手を組み、警護が厳重な商会に対し正面突破を仕掛ける。

揺れ動く王都と乙女の誓い
エツアト商会を襲撃するアークとゴエモンは、別行動をしていたアリアンたちと合流。ついに獣人族が閉じ込められた牢を見つけ出すも、彼らに突きつけられたのは非情な現実で──。そして、チヨメは二度と悲劇を繰り返さないと誓いを立てるのだった。一方、エツアト商会と裏で繋がっていた第二王子・ダカレスは、窮地に追い込まれようとしていた。

第10話 砂漠で見つけし明日への希望
エルフは神聖レブラン帝国へ売られていった──チヨメのもたらした情報をもとに、帝国へと旅を続けるアークは砂漠の街・ブランベイナを訪れる。帝国へのルートがわからず難儀する一行に手を差し伸べたのはエルフの魔獣研究者・カーシーだった。帝国までの地図と引き換えに、研究対象である魔獣・サンドワームの捕獲依頼を引き受けたのだが……。

第11話 蛮族の魔獣使いは闇に嗤う
神聖レブラン帝国にたどり着いたアークは、国境の街・ケーセックでエルフ族の売買に関する情報収集を開始する。街から離れた砦にエルフが連れ込まれたことを突き止め潜入するも、最奥で待っていたのは蛮族の魔獣呪術師・フンバであった。アークは情報を引き出そうと試みるが、その最中に突然相棒のアリアンから剣を向けられ──。

第12話 異世界の悪を我は斬る!
“国落とし”の異名を持つ大魔獣ヒュドラ──暴走するフンバが解き放った奥の手によりケーセックの街に壊滅の危機が迫ろうとしていた。アークはか弱き人々を救うため危機に立ち向かうことを決意し、単身ヒュドラへと挑む。一方、アリアンとチヨメはフンバを見つけ出し--そして今、アークたちの勝利への切り札が炸裂する!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

優しいアインズ様

{netabare}
髑髏系主人公なろう第二弾。
二番煎じっぽいが、性格が真逆なのでそれほど既視感的なものはなく主人公に関してはむしろ新鮮な気分で見られる。
別にイキったりもしないのでなろう主人公感はなく不快感がない。
結構お茶目な部分もある主人公で嫌味がなく、技名のダサさや、邪気なノリなど作品全体の雰囲気も好きだった。
ハーレムではなくメインヒロイン1人とポン太での二人旅というのも、よりアリアンとアークの二人に魅力を感じられて良かった。

ただ、話自体はあんまり。
最初の方はキャラが良かったので話も戦闘も楽しめていたが、さすがに内容に工夫がないと途中で飽きる。
差別されているエルフを救うという内容だけでずっと一貫していて、絵面が変わらないので面白みがない。
テーマに関してももうい世界での差別と言う題材なんてありふれているし、敵に関しても、明らかに噛ませばかりで緊迫感のかけらもない。
結局主人公の成長などもなく、すでに持っている力を見せていくだけのパターンのなろう俺TUEEEE。

ストーリーで良かった点は、世直し旅というテーマに関しては一貫しているということと、何でもご都合解決ではなく、エルフを救うことができず火葬するバッドエンド寄りの回もちゃんとあったことかな。

OPがこのアニメの雰囲気に合っていてめっちゃ好きです。
外人の歌い手だったか確か。

↓一話毎メモ
{netabare}
1話 ☆7
草。初手サービスシーンw erro 歌詞助かる。エフェクトうるせえよ。
この人海外で歌ってみた上げてる人じゃん。オーバーロード
ああクソアニメだ。アインズ様? 盗賊匹カウントで草。
骸骨って食事できるのか?w はよ助けろや。
見て興奮してるんじゃねえw

2話 ☆9
あれこれ意外といいのでは。かわいい。
この二人、身長差がありすぎて骸骨が誘拐犯にしか見えない構図w
だっさ。渋い名前。
騎士と二人で森に行くってどう考えてもやべーだろw
突っ立ってないではよ動け
俺TUEEEなりに相手の強敵感も出せていて戦闘の見せ方が上手い。
あの緑はダメなのにこっちは結局持って帰るんかい。

3話 ☆8
あの一取れば国境防げるってことか? いや見つけられんやろ。
と思ったけどそのワープで空飛べたら見つけられそうだな。
噛ませっぽいキャラデザ熟女好きか? 服を着れよそこは。
こいつ性癖の範囲狭すぎだろ。くっころ 正義の側のアインズ様。
やっぱりこれ結構面白くね?

4話 ☆8
メイプル姿変わったな。やっぱなんか雰囲気がいい。
でかい。なんでそんなもん持ってるねん。気づかれずとはw

5話 ☆6
エッッッ 一応侯爵なら国の金盗んでることになるのではw
適当言ってるんじゃなくて本気でとる気なの? コロナ対策会議室。
スローループ アリアン可愛いな。壁が高すぎる。

6話 ☆7
先に攫った攫った方が100悪くね。負けてて草。
言うて魔法最強なのに剣術いるか? いい姉妹百合。
鎧なかったらこんなに細いのかよ。治っとるやんけ。

7話 ☆8
謎コーナー。はよ頭の上始末しろw また襲われる?
殺すなや。エロ展開やれ。倫理観。百合。これが正史だからな。
あの狼いい子たちだったのに...。

8話 ☆6
服が似合ってない。ゲームの設定じゃないの?
てかもろこの設定もオーバーロードだよな。この小物感w
ビビりすぎだろ。ノリが少し寒い。トロッコ問題。
転移はやりすぎなんだよな。おちゃめな主人公は面白い。
結局俺TUEEEだしやってることがワンパだから飽きてきたな。
圧倒的ラスボス感。

9話 ☆7
これも結局なろうって感じだなぁ。
やってる内容に代わり映えがなさすぎる。
そこは本当にドラゴンロード出してくれ。蘇生面白くねえ。
あ、蘇生じゃなかった。
転スラの数倍この部分はしっかりとしてる。けど生きてるじゃん。

10話 ☆4
失速アニメ。てか耳隠す風潮あるなら主人公も疑われそうだけどな。
もうこのエルフと人間が見たいな題材聞き飽きたわ。酔っ払いの流れ嫌い。
謎BGM、HEY!で笑ってしまう。唐突に変な魔物の話に。
国をめぐる話の途中で変な魔物退治の話少し脱線してる感あるなこの話いる? いくら地図のためとはいえ回りくどい
異世界でこの手の話ほんとにもうありふれすぎてるせいであまり面白く感じなくなってしまった。おい写せや。黎明期を見習え。

11話 ☆6
都合のいいチンピラ。このチンピラが直属の部下ってw
なんで隠し扉の情報までそんな簡単に手に入ってるんだよガバガバかよ。
こいつ初登場から1話で倒すのか。
王道漫画みたいな洗脳解除回想来る?
王道として見てないから全く雰囲気にあってないけど
どう考えても無事じゃない。結局俺TUEEE

12話 ☆5
こいつの掘りさげいる? 街が随分と近代的だな。
もう何も緊迫感ないわ…。召喚する意味ある?
既に持ってる力を見せつけていくという流れが全く面白くないんだよね。
まだ序盤の狼みたいなやつの方が苦戦してた。アークにも刺さる言葉。

曲評価(好み)
OP「嗚呼、我が浪漫の道よ」☆9
ED「僕らが愚かだなんて誰が言った」☆8
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

85.6 2 清々しいでファンタジーなアニメランキング2位
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (2766)
15416人が棚に入れました
広大な地下迷宮、通称「ダンジョン」を中心に栄える迷宮都市オラリオ。

英雄譚にあるような「異性との運命の出会い」にあこがれ、駆け出しの冒険者となった少年ベル・クラネルは、ある日ダンジョンで場違いな強さを持つモンスター「ミノタウロス」に襲われる。

あまりのレベル差になすすべもなく追いつめられたベルは、間一髪のところでトップクラスの冒険者アイズ・ヴァレンシュタインに助けられる。

その瞬間、アイズに一目惚れしてしまったベルは、いつかアイズに釣り合う冒険者になろうと行動を開始する。

声優・キャラクター
松岡禎丞、水瀬いのり、大西沙織、内田真礼、戸松遥、石上静香、日笠陽子、久保ユリカ、岡本信彦、早見沙織

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

それなりの面白さ

ヘスティアの紐が話題になった作品。
ベルはいつ気付くのだろうか。ヘスティアからの想い。この辺りは非常にもどかしいと思いつつ見ていた。

平凡と見せかけて稀有な才能を見せつける主人公ベルがダンジョン攻略していく物語。しっかり神の寵愛を受けているし、タイトル通り、色々な人と出会っている。出会いを求めて冒険しているわけじゃないだろうが。

これからの主人公の成長と恋模様が気になる作品。
にしても、アイズさん強いなあ。こんな強い女性惚れるけど、リアルじゃ中々相手してもらえないよなあ。そこは主人公補正かな。


OP
Hey World 歌 井口裕香
ED
RIGHT LIGHT RISE 歌 分島花音
挿入歌
REALIZE 〜始まりのとき〜 歌 リリルカ・アーデ(内田真礼)
Hey Worldいいよね。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
迷宮都市オラリオ──『ダンジョン』と通称される壮大な地下迷宮を保有する巨大都市。未知という名の興奮、輝かしい栄誉、そして可愛い女の子とのロマンス。人の夢と欲望全てが息を潜めるこの場所で、少年は一人の小さな「神様」に出会った。「よし、ベル君、付いてくるんだ! 【ファミリア】入団の儀式をやるぞ! 」「はいっ! 僕は強くなります! 」どの【ファミリア】にも門前払いだった冒険者志望の少年と、構成員ゼロの神様が果たした運命の出会い。これは、少年が歩み、女神が記す、── 【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】──


1. 冒険者(ベル・クラネル)
迷宮都市オラリオ。その都市の象徴ともいうべき『ダンジョン』にこだまする魔獣の咆哮--新米冒険者・ベル・クラネルは、まさに絶体絶命の危機を迎えていた。少々残念な神・ヘスティアの唯一の眷族となり、はや半月。眼前には、5階層で遭遇するはずのない高レベルモンスター。すくむ足、震える身体……恐怖と絶望に支配されたベルの前に、一人の剣士が舞い降りる……。剣、魔法、魔物、そして神々。オラリオの零細ファミリア所属、ベル・クラネルの冒険譚は、ここから始まった--。

2. 怪物祭(モンスターフィリア)
「僕、強くなりたいです」憧れの『剣姫』アイズ・ヴァレンシュタインのように--純粋なる思いがベルに与えた能力(アビリティ)【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】。それは、懸想(おもい)が続く限り、懸想の丈に従い、少年に著しい成長をもたらすものだった。その能力を、ベルの憧れの対象を知ってしまった神・ヘスティア。彼女は複雑な思いを抱えたまま、神々の宴へと足を運ぶ。たとえ憧れの対象が自分ではなかったとしても、それでもベルの、彼女のたったひとりの眷族の力になりたい、そう決めたから--。

3. 神様の刃(ヘスティア・ナイフ)
「僕はもう、家族を失いたくないです」モンスター・フィリアの喧騒の中、突如、脱走したシルバーバックからの急襲を受けたベルとヘスティア。唯一の家族を護るため、ベルは、たったひとりで格上の魔物と対峙することに--しかし、奮闘むなしく徐々に追い詰められていくベル。一方、不本意な形でベルに逃がされたヘスティアもまた走り続けていた。再びベルに合流するため、彼女にとって唯一の眷族--家族を護るために。

4. 弱者(サポーター)
「突然ですが、サポーターを探していませんか?」急速な成長に伴い、ダンジョンの7階層にまで到達していたベル。装備品も新調し、次なる冒険への準備をしているところにシアンスロープの少女、リリルカ・アーデに声をかけられる。冒険者について回る雑事を一手に引き受けることを生業とするサポーターの彼女と、より冒険に集中し、ダンジョンの更なる深淵を目指すため、ベルは初めてのパーティを結成することになるのだが…。

5. 魔道書(グリモア)
リリの助力を得て、ベルの冒険は、これまでにないほど順風満帆な様相を呈していた。戦闘に専念することで収入も増え、ファミリアの女神ヘスティアにも、ささやかながら恩返しができるほどに。だが、そんな幸運をもたらしてくれたはずの、リリの周囲に漂う不穏な空気。「なにが冒険者様……ですか」 独りつぶやき、薄暗い路地裏で虚空を見つめるサポーターの瞳--そこに映るのは絶望、憎しみ……それとも……。

6. 理由(リリルカ・アーデ)
ひょんなことから手元に舞い込んだ魔導書(グリモア)から、遂に魔法の力を手にするに至ったベル。着々と力をつけていくさなか、明らかになっていくソーマ・ファミリアの実態。それは、奇跡の美酒に呑まれた狂信者たちの悲劇。リリルカ・アーデもまた、そんな狂気の渦に巻き込まれたひとりであった。冒険者を謀ろうと画策するもの、利を掠め取らんとするもの、同胞を護ろうとするもの……そして、愚直なまでに仲間を信じ、その手を取ろうとするもの--その誰しもが足を向ける、暗く深い迷宮(ダンジョン)の深奥へと。

7. 剣姫(アイズ・ヴァレンシュタイン)
ダンジョンでの出来事を経て、晴れてリリルカ・アーデとのパーティを結成したベル。神ヘスティアの承認も受け、山積された難題は全て取りさらわれたかに見えた……。「やっぱり闘おうか」 目の前にはベルが追い求め、未だやむことのない憧れを抱き続ける『剣姫』の姿。神々にすら惜しみなき賛辞を送られる、その華麗で鋭い剣閃がベルに襲いかかる。吐息さえも感じられる、アイズ・ヴァレンシュタインとの夢の様な距離、その間で舞い散る剣戟の火花。延々と放たれ続ける輝きの中、ベル・クラネルは何を感じ、何を得るのか--。

8. 英雄願望(アルゴノゥト)
「あなたは冒険者だ--」冒険者が、その高みを目指すとき、更なる次元に足を踏み入れようとするとき……必要となるものは文字通り『冒険』。かつて冒険者であった先駆者は、そう口にした。アイズ・ヴァレンシュタインとの特訓の日々を通じ、アイズも驚愕するほどの速度で力をつけてきたベル。そのベルが、次第にランクアップに興味を示すようになるのは当然の帰結であった。いつもと同じダンジョン。いつもと同じ冒険者としての日々。だが、静かに、そして確実に近づいていた--ベル・クラネルにとっての本当の『冒険』の刻(とき)が--。

9. 鍛冶師(ヴェルフ・クロッゾ)
史上最速でのランクアップを遂げた世界最速兎(レコードホルダー)--ミノタウロスとの激闘を制し、ベルの名は『リトル・ルーキー』のふたつ名と共にオラリオ中に轟くこととなった。ダンジョン探索も、中層という更なる境地を視野に捉え、ひとつの節目を迎える。これまで以上に苛烈さを増すであろう冒険を前に、着々と準備を進めていくなか、「俺をお前のパーティに入れてくれ」 ヘファイストス・ファミリア所属、ヴェルフ・クロッゾとの新たな出会い。この出会いが次なる冒険の扉を押し開ける--。

10. 怪物進呈(パス・パレード)
ダンジョン中層--浅層とは比較にならぬほどの難所、13層へと足を踏み入れたベルたち。そこは冒険者を困惑、混乱させ、死に至らしめることに長けた、死地と呼ぶに相応しい場所だった。悪意すら感じられる迷宮構造、圧倒されるほどのモンスターの数と質。更に少しの不運、期せず到来する人の悪意……少しずつ、気づかれぬよう密かに、ベルたちは真綿で首を絞められるかの如く追い詰められていく。冒険者という獲物を狩るに十分すぎる状況が整ったとき、迷宮(ダンジョン)は、その研ぎ澄まされた牙を露わにする--。

11. 迷宮の楽園(アンダーリゾート)
ダンジョンで消息を絶ったベルたちを捜索するため、有志の冒険者を伴いダンジョンへと潜ったヘスティア。だが、彼女たちが中層に至ったとき、既にベルの姿はなく、一行は、ベルたちが更に奥へ進んだことを知る。ほんの僅かな希望の光を求め、更なる深奥へ--。それは、ベルたちに残された最後の、限りなく困難かつ無謀とも呼べる選択肢だった。より強大になるモンスター、複雑さを増す迷宮、物資は枯渇し、仲間たちもやがて……そして姿を現す階層王(モンスター・レックス)--生命を賭した冒険は終わらない……。

12. 悪意(ショー)
モンスターが産まれない18階層『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』。命からがら、安全地帯(セーフティ・ポイント)へたどり着いたベルたちは、そこでアイズを始めとするロキ・ファミリアの面々に迎え入れられることに。無事、ヘスティア、リューたちとの再会も果たすことができ、慌ただしくも安息と平安の時間に身を浸し、傷と疲れを癒やすベルたち。しかし彼らは知らずにいた--最短期間で『迷宮の楽園(アンダー・リゾート)』までたどり着いたことが、オラリオ最大級のロキ・ファミリアに厚遇されるということが……どれほど冒険者たちの羨望や嫉妬--そして悪意を呼びこむのかを。

13. 眷族の物語(ファミリア・ミィス)
ヘスティアの力により、冒険者たちとのトラブルは収束したものの、安全地帯(セーフティ・ポイント)であるはずの階層に突如姿を現した階層王(モンスター・レックス)・ゴライアス。その風体、そして強さは、多くの冒険者が知る常識をはるかに凌駕していた。剣を抜き、弓を引き、魔法の詠唱がこだまする--つい先刻までいがみ合っていた冒険者たちもベルに続くように、死力を尽くして階層王に立ち向かう。だが、階層王の力は、彼らの団結をも嘲笑うかのごとく強大であった--。少年が歩み、女神が記す【眷族の物語(ファミリア・ミィス)】--少年は今、英雄への道を歩み始める。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
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ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

暇を持て余した神々の遊び

原作未読 ただし珍しく原作に興味が湧く


{netabare}「神様…僕…強くなりたいです」{/netabare}
神様ヘスティアが安西先生に見えた初回で期待に胸膨らんだ。大きく外すことなく全13話完走です。
タイトルは知っていて地上波再放送を機に手を取った『ダンまち』。タイトルと見た目で視聴優先順位を下げていた過去の自分よ、なんておバカさん。

至極真っ当にRPGしている作品でした。ノリでいえばそこはかとなく『Dungeons & Dragons』や『ウィザードリィ』古典の香りがする佇まい。

ダンジョン潜入

クエストの達成やモンスター戦闘による経験値稼ぎ

ギルドでのクエスト成功報酬受取りや宿に泊まるとステータスやLVアップ
 {netabare}※注 本作ではファミリア元締めの神にナニされるとステータスアップ{/netabare}

{netabare}ダンジョンの存在意義といった根っこの説明は無いです。{/netabare}世界の一部としてダンジョンが存在し、上記ルーティンをこなしていく冒険者の一人、ベル・クラネル(CV松岡禎丞)が本作の主人公です。
転じて、神々の世界。暇を持て余した神々が人間と接触を図り“ファミリア”と呼ばれるパーティを形成するのは本作の特長です。原作は知りませんが、神々の代理戦争といった殺伐した感は無く、神々の特色にあった性格を持つファミリアが複数存在し日夜ダンジョン攻略に励んでおります。
神々のモチーフは各国の神話からの抜粋。ギリシャ・北欧・ヒンズー・そして日本とバラエティに富んでおり、そのうちのギリシャ神話からもじったヘスティア(CV水瀬いのり)がメインヒロイン。ベルくんとヘスティアを中心に神と人間(人外種族も当然おる)けっこうなキャラが登場し物語を構成しております。

そんなややこしそうな設定は観ていればすんなり理解できる親切設計なので物語理解のわかりづらさとは無縁です。そう!分かり易い。
観終わっての感想はいたってシンプル


{netabare}「ベルくん。もうヘスティアでいいじゃないか」{/netabare}


ほら あなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるのよ、と思わずにはいられません。
タイトルから色恋沙汰を想像し、蓋を開ければ抑えめで真っ当なRPGをし、いざ終わってみるとやはり看板に偽りは無いんじゃなかろうか、と思える良作です。


1.ナメたタイトルのわりにはまともな内容
ベルくんを軸にしっかり“物語”があるのです。
{netabare}・ヘタレ優男が徐々に地力を付けていった序盤。惚れた弱みだから?眷属だから?駆け出し冒険者のためにヘパイストスに頭を下げるヘスティアの覚悟に感動しました。
・第6話。父母との別離の後、初めて触れたであろう他人からの信頼で救われたリリルカにこれまた感動しました。リリはベルの生命を獲ろうとする程の追い込まれた状況下にいたのです。そしてベルは甘いと思えるやり方を貫き通します。こちらもそういう話なんだと観方を固めました。
・転機となる第8話。第1話と同じケースに直面し…乗り越えました。これがまたベルくんいい顔してるのです。第7話が下地として活きてました。残り5話!
・その後、味方側にいわく有りげな男キャラを配置。最大のピンチ到来。と展開が速くなります。“詰め込み過ぎ”か“怒涛のラストスパート”か受け取り手に任せていて、私は後者寄り。{/netabare}


2.ヘタレな主人公が苦難を乗り越え成長していく
RPGのステータス成長のみに非ず。主人公が殻を破る内面の葛藤も描いた成長物語です。


3.ハーレムは申し訳程度(と感じる)そして俺TUEEEも申し訳程度(と感じる)
ハーレム:ベルくんはモテる要素を潤沢に保持してますので総取りも納得です。なんでコイツが?というキャラのハーレムとは一味違うと一線を引きました。

俺TUEEE:やや力技でした。{netabare}最初から「しあわせのくつ」持ちですしね。ただ、もしかすると死ぬかもしれん、という緊迫感はあったので良しとしてます。{/netabare}


4.緩急つけた魅力的なキャラたち
陰キャ陽キャそれぞれ特徴があったのはもとより、例えばヘスティアにしてもベルくんにデレる(ストレートな愛情表現が◎)ところと、意外と立派に神様してるところなど二面性や緩急をつけてきてました。
{netabare}「罪悪感なんて結局、自分が自分を許せるか許せないかでしかないんだ。君が心を入れ替えたっていうんなら、行動で証明してみせろ。」
※厳しくも温かい。そしてベルくんへの信頼があるからこそ出る言葉でしょう。{/netabare}


主演松岡さんで早々に戸松さんと絡んでるし、階層攻略のゲームっぽいし、モンスターにやられたらきっちり死ぬし、本人は一途ながら出合う女性軒並み好意持たれてるし、と某SAOと類似する点はそれほど気になりませんでした。松岡さんの声のトーンがいつもより高めだったからかもしれません。
既視感はあっても、丁寧に処理されたアニメです。神々と紐づくファミリアの設定は独特で世界観を構成する要素としてきちんと消化できてますし、別個のものとして捉えてます。


気にする気にしないのどっちに転ぶか、どこが刺さるかを言語化できたらラクなんですけどね。上に挙げた4点は魅力というより「マイナス先入観はこうしてプラスに転じました」的な内容。
もう少し掘り下げると、前述4.に絡んで“キャラへの愛着があった”が上乗せされて評価に影響しました。


■祖父の薫陶
人の好いベルくんに脈打つ祖父のDNA。これでだいたい説明がつきます。
{netabare}チートスキル「英雄願望」。ベルくんのモチベというか強さの源泉。女のために体を張る、そして女のために頑張る理由は幼いころ受けた祖父からの薫陶でしょう。{/netabare}
{netabare}「ベル。冒険者ならダンジョンに出会いを求めなくちゃっな」1話
「醜悪な怪物から、か弱い女冒険者を助け、感謝され、いい仲になる」同じく1話
「これぞ冒険の醍醐味ってやつだ!」これまた1話
「ゆけーいベルよ 男なら寝込みを襲え!接吻じゃー」7話
「覗きは男のロマンだぜ!」12話{/netabare}

■ヘスティアの献身
ベルくんは無自覚ですが、ヘスティアのベルくんへの信頼の厚さを端々に感じます。疑いの目を向けられてもヘスティアは動じません。二人の絆の強さを表わす描写に嫌味がなくそこにシビれます。
{netabare}昭和、いや明治の女の凄みを感じます。会ったことないけど。。。旦那を支える覚悟と信じ続けることのできる肝の据わりっぷり。THE内助の功。{/netabare}
{netabare}ヘスティアナイフの時もそうですが、エイナにリリを警戒するよう忠告を受けた時も、生還した後リリを諭す時も、パス・パレード(怪物進呈)を食らったベルくんの捜索隊を出そうとする時も、とむしろベルくんが目の前にいない時の振る舞いに惚れる。{/netabare}
{netabare}“例の紐”も良いですが圧倒的にここが私のツボです。{/netabare}

■長老役リューさん
古くはナウ○カのユパさま。強いです。そして淡々と飄々とさらっと大事なことを主人公に伝える役回り。本作で誰かヒロインを選べと言われたらこのワケあり美女を選びます。
{netabare}一緒の皿洗いでの一言が8話でミノタウルスに対峙するベルくんの背中を押しました。ベルくんをクラネルさんと呼び一歩センを引いている姿勢にも好感です。{/netabare}
リューの雇い主ミア母さんも粋ですね。ラ○ュタのドーラ婆さんと魔女の宅○便のオソノさんを足したような快活おかみさんもいいこと言うんですよ。
{netabare}「冒険者なんて格好つけるだけ無駄な職業さ。最初のうちは、生きることに必死になっていればいい。惨めだろうが笑われようが、生きて帰ってきたやつが勝ち組なのさ。」{/netabare}



難点挙げるならベルくんとヴェルフの名前の音が被ってしまうのはいかんとも。

恐らく原作では言及されていてアニメでは説明不足と感じる部分、アニメ観ただけでは理解しようがない箇所もあったり、未回収は残ります。
続きは外伝(ソード・オラトリア)、そして公開中(2019年3月現在)の劇場版を楽しみましょうか。
さらに2期制作のお知らせが公式サイトより発表されました。


とても見やすいファンタジーの良作。原作まで手を伸ばすかと久々に思える良い作品に出会えました。



視聴時期:2019年1月~3月再放送

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2019.08.11追記

この1期視聴から日をあけてオラトリアを視聴。できれば1期とオラトリアはセットで観たほうが良いかなあ、と体験談。結局オラトリア観てすぐこっちを観返すハメに。
これで2期の予習はバッチリということですな(^^)



2019.03.25 初稿
2019.08.11 追記
2020.03.22 修正
2021.10/10 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 81
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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

フレイヤ様の視点=視聴者の視点。ベルに感動せざるを得ない秀逸な構造でした。

「ダンまち」と「とある」「SAO」「魔法科」とアニメとして数期の続編が作られた超ビッグタイトルを並べてみると、震災後の数年に台頭してきたファンタジー要素が強いラノベが非常に多いですね。これ以外ですと「青春ラブコメ」が例外的に恋愛もので、これも長く続きました。
(追記 アニメの人気シリーズとして「化物語」も同時期ですね。私はラノベだとは思っていませんけど)

 多分ですが、作品としての幹の部分、キャラ、設定、テーマなどがしっかりと作りこまれているんでしょうね。数年…10年近くたってもシリーズが継続できる力強さがあります。
 これらの作品の特徴として、女性キャラに萌えることが視聴の理由ではない気がします。作品を見る理由がストーリーの面白さであり、または男性主人公の活躍です(レールガンの御坂は女性ですが同じ理由)。もちろん魅力的な女性キャラがいるので萌えることもありますが、それが視聴理由ではありません。

 古きよき少年マンガやジュブナイルからの系譜で男性の主人公の活躍が面白い作品ですね。話の結末を今はやりの「設定」により解決するのではなく「展開」による解決だということです。つまり俺TUEEEの「設定」で「えいっ」と解決するわけではなく、俺TUEEEを使いながら「ストーリー展開」で解決するということです。
(最近の転生ものが数値化とスキルに頼っている理由であり、無職転生が面白い理由もこの部分でしょう。進撃の巨人は、前半はストーリーが面白かったのに、後半でこの設定での解決に堕したといえばお分かりいただけますかね?)

 最近の作品が好きな人にとっては、舞台や世界観の設定が過多だし、キャラ造形に内面を持たせているので鬱陶しいと感じるのだと思います。それがないとストーリーが展開しないですからね。それにスマホ画面で読んでいる人には伏線や展開ではなく、キャラの設定で解決するほうが分かりやすいのでしょう。
「小説」原作のアニメなのか「なろう」原作のアニメなのかの分水嶺は、この解決の手法だと思います。

 ですので、ここに並べた作品の特徴はアンチが多いことですが、アンチが多いというのはそれだけメジャーだということだし、それだけ人気がある証でしょう。出来が悪いだけの作品なら切られておしまいですからね。

 ダンまちはその中では最後発で、異世界感が非常に強くなっていますが転生ではありません。ファンタジーの舞台設定です。これ以降は「なろう」が台頭し現世→異世界転生になって行きます。


 さて、作品ですがまあ、主人公萌えですよね。ストーリーが面白い理由も同様です。ベルクラネルという無知で無垢な少年が努力と根性で強くなってゆく。
 そのピュアな精神性は一方で事件事故の原因になるわけで、損な立ち回りをしているように見えるけど、結果的にその純粋性を貫き事件を解決する。それが周囲の人間を感動させる。

 神々、特にフレイヤ様の視点ですよね。ベルクラネルの活躍が無感動になった美の女神の心を動かす。そのフレイヤ様の視点が読者の視点になります。その構造になっているのでベルというキャラクターに感動できます。

{netabare}  そう…本作の最大のテーマ、あるいは仕掛けは、物語の初めからフレイヤ=シルですよね。ラノベ版の登場人物紹介のシルのスペルを見るとSYR=FLOVERですから、loverという文字がありますし、SYR=FはフレイヤFREYAのアナグラムではありませんが似た語感になっています。彼女は何のために登場したのかがわかります。

 シルはベルを愛するためのキャラというのは原作の1巻を見ると謎でもなんでもなく、作者は結構大胆に暗示しています。明示と言ってもいいくらいです。アニメの祭りの周辺のカットや演出もキャラデザの髪の形や色もそうでした。(追記 魔導書のところを言い忘れました。あれは露骨にシル=フレイヤと言っていましたね。) {/netabare}

 つまり「ダンまち」とは、構造的にフレイヤ様の視点でベルを見守りながら彼の純粋性が生み出す感動を見守る話です…というのが明確に1巻目、あるいは1クール目からの組み立てになっています。
 だから、ミノタウルス戦が本作のクライマックスだったわけですね。

 ミノタウルス戦…燃えましたね。登場人物たちがベルに感動しますが、それがそのまま視聴者の視点になっていました。

 実はこの構造のせいでヘスティア様がちょっとノイズに…いや、まあ狂言回し、コメディーリリーフとして、あるいはベルの純粋性を表すために必要だったのでしょうけど…

 この様に計算されたストーリーと設定に成り立っているので、非常に面白いです。アニメの脚本も原作に忠実ながらわかりやすく手が入っているし、映像の出来もいいし。

 というわけでいろいろ書きましたが、非常に面白く繰り返し見られる秀作でした。


追記 他のレビュアーさんのご意見でなるほどと思いました。題名の「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」です。
 これは題名が間違ってますね。キャッチ―ですけど物語とズレてます。アイズに憧れる成長物語ですもんね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

80.8 3 清々しいでファンタジーなアニメランキング3位
精霊の守り人(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★★ 4.1 (1231)
6431人が棚に入れました
女用心棒のバルサはふとしたことから新ヨゴの第二皇子チャグムの護衛を依頼される。彼はその身に、この世(サグ)と重なって存在する異世界(ナユグ)の水の精霊ニュンガ・ロ・イム〈水の守り手〉の卵を宿していた。チャグムは、威信を守るため息子を秘密裏に殺そうとする父帝と、ニュンガ・ロ・イムの卵を食らうナユグの怪物ラルンガの両方から命を狙われている。チャグムを連れて宮から脱出したバルサは、卵がチャグムの体を離れる夏至まで、幼馴染の呪術師タンダやその師匠のトロガイと共にチャグムと暮らし始める。

声優・キャラクター
安藤麻吹、安達直人、辻谷耕史、真山亜子、野島裕史、楠見尚己、松風雅也、西凜太朗
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

変な伏線がなく、素直に見ることのできるファンタジー

『攻殻機動隊 S.A.C』神山健治×『人狼』『イノセンス』『BLOOD+』プロダクションI.Gが放つ新・異世界物語(アジアン・ハイファンタジー) 「人狼」「イノセンス」など、世界中から注目される国内有数の制作会社・プロダクションI.Gと「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」でシリーズ累計DVDセールスでミリオンを獲得する若手No.1監督・神山健治が贈る新感覚《アジアン・ハイ・ファンタジー》大作。らしい。

作品自体は小説を原作としたファンタジー。個人的には序はバルサがチャグムの用心棒となり、敵から逃げ、安息の地を探し、破では、村での生活に馴染んだチャグムの様子を描き、急はチャグムが精霊の守り人としての責務を全うするという構成になっているのではないかと思う。本当に素直に見られるので、下手な伏線を入れるアニメより面白いことは間違いなし。ただ、登場人物が多くて、主要な数人のキャラクターしか覚えていない。

{netabare}
チャグムが生きていることが判明したのに、知らないまま死んだサグムが切ない。バルサを親の代わりに育てたジグロが友人を倒していくのも切ない。
精霊の卵を守るために、戦うシーンが割と地味でそこは少し残念だったかな。意外とあっさり終わっちゃって、拍子抜けた感じがある。{/netabare}

バルサみたいな強い女性って素敵だなと思う。タンダの気持ちが伝わるといいねと感じた。伝わってるけど、距離が近すぎて逆に恥ずかしいのかな。

OPはL'Arc-en-CielのSHINE。力がみなぎる曲。EDはタイナカサチの愛しい人へ。これは個人的にかなり泣ける曲。この曲をEDに持ってくるセンスに感激。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 第一話「女用心棒バルサ」
短槍使いの女用心棒・バルサは、2年ぶりに訪れた新ヨゴ皇国で、突然暴走した牛車から、川に振り落とされた皇子を助ける。 バルサが助けた少年は、新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムだった。皇子を助けたお礼に宮へ招かれ、歓待を受けたバルサは、ニノ妃から重大な秘密を聞かされる。チャグムは何か得体の知れないモノにとり憑かれ、これを疎ましく思う父帝が、彼を亡き者にしようとしているというのだ。ニノ妃は、バルサの腕を見込んで、チャグムの用心棒を引き受けてくれと頼む。 帝を敵に回すという、命の保証がない仕事をなぜか引き受けたバルサは、宮に火を放つよう指示して、燃え盛る炎を背に、チャグムをつれて宮を脱出するのだった。

2. 第二話「逃げる者 追う者」
燃え盛る炎を背に、チャグムをつれて宮を脱出するバルサ。二人は一旦頼まれ屋のトーヤとサヤの家に身を隠す。 一方、炎上する二の宮を見つめる一人の人物がいた。若き天才星読博士のシュガである。 チャグムの教育係でもあったシュガは、この国最高の賢者である<聖導師>の元を訪れ、チャグム暗殺計画をやめて欲しいと頼む。しかし、聖導師は逆にヨゴの政治の裏側を語って聞かせ、自分の後を継ぐべく聖導師としての道を歩むように諭すのであった。 もしチャグム皇子に取り憑いたものが本当に水妖ならば、それを倒すことが出来るのは帝だけである、と言う聖導師。それはチャグムを生きたまま宮へ連れ帰り、父である帝の手で討たせることを意味していた。 聖導師が差し向けた、帝の影に仕える<狩人>たちが、バルサたちに迫り来る。

3. 第三話「死闘」
バルサたちの前に立ちはだかる狩人たち。絶妙なコンビネーションに対し、バルサはチャグムの安全を最優先する。チャグムは一人、森の奥へと逃げ、バルサは狩人たちと戦う。暗殺術に長けた彼らの攻撃に苦戦を強いられ、修理することができなかった槍先が戦闘中に外れてしまう。モンの刃が、バルサの腹に襲い掛かる。しかし、バルサは自らが傷つきながらもモンに渾身の一撃を浴びせ、その場を逃れる。森の奥に逃げるバルサを見失ったジンは、本来の目的を優先し、チャグムを捕まえる。気を失ったチャグムを運ぶ最中、ジンは幼い日のチャグムと自分のふれあいを思い出すが、そこにできた隙を狙って、追いついたバルサが捨て身の攻撃に出る。バルサはチャグムの救出に成功するが、傷の影響でついに動くこともままならなくなり、チャグムにタンダを呼んでくるよう頼む。

4. 第四話「トロガイの文」
バルサがタンダに救われ、山小屋に向かっていた頃、トロガイはナユグの住人との接触を図っていた。そして、ことの始まりが「卵」であることを知る。トロガイは、彼女の命を狙って現れた狩人たちを軽くあしらい、彼女の得た情報についての文を聖導師に送る。 宮では狩人のチャグム拉致失敗の報がもたらされていた。それを聞いた帝と聖導師は、次の策を練り始める。シュガは聖導師に乾の相を打開するために必要と思われる、建国の碑文書の解読を命じられる。バルサは、山小屋で目覚めた。心配そうに見守るタンダやトーヤたちに、チャグムが新ヨゴの第二皇子であることを明かす。そして、自分が用心棒として雇われ、彼を守ることになったことも。だが、深手の傷を負ったバルサは動くことができない。しばらくの静養が必要だった。バルサは呪術師の力を持つタンダに、チャグムの体を見てもらう。

5. 第五話「秘策、青い手」
トロガイは、山小屋にいる一同にチャグムに宿るものが「精霊の卵」であることを教える。チャグムはナユグの精霊から「精霊の守り人」として選ばれた者だったのだ。バルサはトロガイに、「一生この子の面倒を見るつもりか?」と、きかれる。バルサが背負わねばならないのは、チャグム一人の命ではなく、チャグムの守護に失敗したときに起こるであろう干ばつも含めた新ヨゴとヤクーの人々の命であった。しかし、バルサの決意は変わることはなかった。都ではチャグムは死んだものとして、民へと発表され、葬儀が着々と進められていた。帝は「チャグムは死んだもの」として、宮殿に火を放ったバルサに、大規模な山狩りによる追っ手を堂々と差し向ける。それを知ったバルサは、過去に因縁のある「青い手」に使いとしてタンダを送る。

6. 第六話「青霧に死す」
翌朝、出発を前に髪を下ろし、平民の姿になるチャグム。無事逃げる為と理解しながらも、外見が皇子ではなくなってしまった事、母妃と遠く離れてしまった事を実感し、悔し涙をこぼす。都では、討伐隊が青い手が解放した人々に手こずっていた。討伐隊を率いる狩人達は、バルサの策により、むやみに動くことが出来ずにいた。様々な目撃情報が伝えられる中、モンたちはバルサの行動の裏の裏を読み、考えをめぐらせる。「沈思黙考!」バルサは北の故郷カンバルを目指して青霧山脈を越えるはずだと判断したその時、西に向かう短槍を持った子連れのカンバル人の目撃情報が入る。完全に分断された、狩人たちだった。モンとゼンが、青霧山脈へ向かう。そして山中、青弓川の渓流沿いで逃げるバルサとチャグムをついに見つける。

7. 第七話「チャグムの決意」
バルサはチャグムと共に扇ノ下に新居を構える事にする。死んだ事になっているとは言え噂の的になっている二人が都で暮らすことを心配するタンダ。しかしバルサはそんなタンダを他所に、街の人相手に自分の噂話までしてみせる。誰もバルサ本人がこんなところにいるとは思わない。噂ばかりが大きくなり、バルサの正体が見抜かれる様子はなかった。そんな中チャグムは、街では何をするにもお金が必要になることに驚いていた。自分が暮らす分のお金までバルサやタンダに頼るのでは、二人にとって迷惑なのではと心配し始めるチャグム。普段なら、バルサの用心棒の仕事は、敵を退けた所で終わりである。ましてバルサにとって自分は他人の子に過ぎない。チャグムは、タンダが12歳の頃から薬の調合を始めたと聞き、自分も独り立ちしなければと思いつめる。

8. 第八話「刀鍛冶」
ボロボロの槍を直してもらおうと、バルサはチャグムを連れて馴染みの鍛冶屋に向かう。死んだはずのバルサが現われ、驚く鍛冶。すぐに新しい槍を打って欲しいというバルサに対して鍛冶は、帝に弓を引いたという街の噂が本当ならば、バルサには協力出来ないという。バルサは真実を語ろうとしない。事情が分からない限り、槍を打つかどうかの判断が出来ないという鍛冶は、他の客が来るから隣の部屋に追いやる。その時客が入ってくる。狩人のモンとジンだったのだ!二人はバルサとの戦いで傷ついた刀をこの鍛冶に預けており、新しい刀を取りに来たのであった。その二人に対して鍛冶は、人の身を斬らずただ業だけを断ち切る、そんな刀をいつか打ちたい、という自分の夢を語って聞かせる。鍛冶は、過去にただ一人、そう思えた武人の話を始める…。

9. 第九話「渇きのシュガ」
シュガは、チャグムを救えなかったという深い無力感と自責の念に駆られていた。そしてその思いは、消えていない空の<乾の相>--干ばつの予兆--に気付かない星読み達への苛ちとして表れる。チャグムを可愛がり、その死を悼んでいたはずの兄、サグム皇太子も、この所は人が変わったように自信に満ち溢れ、チャグムの遺品を焼いて水妖の呪いを祓う仕事なども進んで引き受けるようになっている。そんな中、皇太子の教育係ガカイが、チャグムの遺品を捜そうと、シュガの私室に無断で立ち入る。それを見てガカイと言い争いになるシュガ。揉みあいになった勢いでガカイを強く打ってしまい、謹慎処分を言い渡される。

10. 第十話「土と英雄」
チャグムは順調に仕事を覚え、里での生活に慣れて行く。そんな賢すぎるチャグムを見て、バルサはこのままでは息が詰まってしまうと心配する。そんな中、狩人たちとの一件以来身を隠していた根っからの街っ子のトーヤが、街に戻ってくると知ったバルサは、チャグムを街の生活により馴染ませようと、ちょっとした荒療治を思いつき、頼まれ屋の仕事を手伝うようにとトーヤに頼む。トーヤと街に出るチャグム。扇ノ下の社会を体感していくなか、賭博現場に出くわす。これも社会勉強だと参加するトーヤ。傍でみているだけのチャグムは、持ち前の探究心で、トーヤが負けていく様子をじっくり観察し、ルールを覚えるどころか、この賭場のイカサマを見抜く。有り金をすってしまったトーヤは取り返そうとするが、胴元たちに軽くあしらわれてしまう。トーヤは諦めようとするが、チャグムはそうではなかった。

11. 第十一話「花酒をタンダに」
ひとりで落ち込んでいるトーヤ。その理由は、サヤが嫁にいってしまうかららしい。サヤがお見合いを受けると言ったため、兄替わりだったトーヤは賛成したものの、やはり独りになると、その喪失感はお金では埋められないものだった。しかし、そのおめでたいはずの見合いの席上、花酒を飲んだサヤが急に倒れた。しかも、どうやら“魂抜け”になってしまい、そのまま戻らない。バルサからサヤが倒れたことを聞かされ、お見合いの場に駆けつけるトーヤ。そこで、このお見合いが誰の了承も得てない物だったと判明する。サヤはお見合いが嫌でこんなことになってしまっているのだ。サヤの魂を戻すために、タンダは師匠のトロガイから止められていた術“魂呼ばい”をして、ナユグの世界へと入っていく。

12. 第十二話「夏至祭」
聖祖トルガル帝が新ヨゴ皇国を建てたのを記念するお祭り“夏至祭”が近づいてきた。農民たちも祭りへ向けての準備で盛り上がっている。チャグムは、近所の友人たちに、祭りの日に行われる格闘技の“ルチャ”の大会へ向けての稽古へと誘われる。会場に来たチャグムたちの前に現れた、隣国ロタ人の子ヤーサムの挑発に乗った、ガキ大将は勝負するが、その強さに全く歯が立たない。調子に乗ったヤーサムのヨゴへの侮辱、さらには帝の悪口に腹をたてたチャグムは、翌日の祭りでの勝負を約束する。家に帰ってバルサに勝負のことを話すチャグム。バルサは勝つ方法はあると言うが、祭りの大会で勝負すると聞き、その勝負はあきらるようにと諭す。大勢の人が集まり、誰が見てるかわからない場で目立つことはできないのだ。チャグムが思い悩む中、夏至祭りが始まった。

13. 第十三話「人でなく虎でなく」
バルサの存在が、過去に因縁のある武人カルボに見つかった。手紙を受けたバルサは、彼に会いに行き、自分と会ったことは忘れてくれるようにと頼む。しかし、カルボは過去にバルサから受けた屈辱を晴らすために今日まで生きてきたという。そしてチャグムのことで揺さぶりをかけ、さらには翌日から、街道の関門で最初に来た旅人を一人ずつ毎日斬っていくと言い放ち、その場を去っていくのだった。翌朝気になったバルサは、関門にくるが、カルボの姿は見当たらない。そこへ、旅人が通りかかる。バルサは彼らがカルボの標的になると、その旅人から目を離そうとしない。そんな中、姿を現さないカルボは遠くから執拗に旅人を付け狙ってくるのだった。精神的に追い詰められていくバルサ。しかし、カルボの思惑とは別に、バルサの中で眠っていた野生が目覚め始めてきた。

14. 第十四話「結び目」
世に伝わる『建国正史』。大聖導師ナナイが残した碑文を読み解くうちに、シュガはこの建国正史が、捏造された物語だったことに気付き、水の精霊こそが水の恵みをもたらすという事実にもっと早く気付いていれば、チャグムを守れたと、後悔するのだった。同じ頃、サグとナユグが折り合う地“結び目”にて、トロガイもまた、水の民との話により、建国正史の嘘に気付いていた。ナユグのものたちに襲われながらも、バルサたちのところに戻って来て、その事実を皆に伝える。安心するチャグムに、それ以上のことは言えないトロガイであった・・・。

15. 第十五話「夭折」
トロガイは、バルサとタンダに “卵食い”ラルンガの存在を話す。チャグムにとって最大の敵が何者なのか?卵が孵る“宴の地”とは?とにかくじっとしていても始まらないと、少しでも手掛かりを見つけるためにバルサたちは、ヤクーの伝承が残っているトウミ村に行くことを決める。シュガは碑文をさらに読み解き、チャグム生存の手がかりを見つける。しかし、まずは聖導師の断り無く入った碑文の間を出なくてはならない。シュガに味方する無人たちの協力で、外に出たシュガは、ついにその手がかりを見つけ、チャグムの生存を確信する。喜び、皇太子サグムのところを訪れるシュガ。病気に犯されながらも、死んでしまったチャグムの分もと、気を張って役務をこなすその姿を見て、シュガはチャグムの存在を話すことができなかった。

16. 第十六話「ただひたすらに」
シュガは、青霧山脈に来ていた。バルサとチャグムが落ちていった谷は前日の雨で、あの時立ち込めていた毒霧が晴れていた。シュガが谷底へ降りようとしたそのとき、聖導師の指示により後を追ってきた狩人たちが現れる。誰もがチャグムの生存を願っているのだ。その確認に崖を降りていくモン。谷底に存在していたのは、馬の死骸と二人の衣装のみだった。聖導師にチャグムの生存を確信したことと、碑文を読み解いた結論を報告するシュガは、さらに帝の許しを得て、チャグム捜索の全権を任される。狩人を借り受け、捜索に乗り出すシュガ。武術のみならず、むしろ諜報を得意とする狩人たちの手が、ヤクーの村へと出発するバルサたちの準備を頼まれたトーヤのもとにしのびよる・・・。

17. 第十七話「水車燃ゆ」
狩人たちとの隠れ家から、一旦宮へ帰ろうと、扇の下を歩いていたシュガは、偶然我が目を疑う人物を見かける。チャグム皇子だ!あまりにも突然の再会、一人で買い物をする行為、庶民的な容姿、そして言葉遣いに戸惑いながらも、シュガはすぐにでも宮に戻るよう、水の精霊の誤解がとけたことを説明する。しかし、どうしていいか愕然と立ち尽くすチャグム。と、そこに立ちはだかったのは、バルサだった・・・。一方、トーヤは、バルサにたのまれたものを届けに、水車小屋に到着する。トーヤを尾行していたゼンとユンは、その小屋をつきとめ、近隣住人の聞き込みを開始する・・・。再び小屋に戻ってきて、そこにバルサとチャグムが住んでいるという2人の確信は、モンへと伝わり、ついに水車小屋へと狩人たちが集結する・・・。

18. 第十八話「いにしえの村」
トーヤのおかげで難を逃れたバルサは、チャグム、タンダ、トロガイと合流し、直接トウミ村を目指す。しかしチャグムは、シュガから聞かされた兄サグムの事が気になり、自分が兄を気遣うこと以上の理由で、バルサたちと行動を共にすることに納得がいかない。ラルンガのことを話すことで、チャグムにさらなる精神的苦痛を負わせたくないバルサは、強引に彼を連れて行くのだった・・・。再びバルサたちを見失ったシュガと狩人たちは、トーヤが水車小屋に届けた荷物から、その行き先を推測する。そんな中、直接対峙したシュガは、バルサが自分と同じく新たな知識を得ようとしているのではと考えた。今までの行動とも合点がいくヤクーとの関わりを確信した狩人たちは、選択肢をしぼって、バルサたちを追い始める。そのひとつにあるトウミ村へは、モンとジンが向かっていた・・・。

19. 第十九話「逃亡」
トウミ村の少女ニムカから、“卵食い”ラルンガのことを聞いてしまったチャグム。そのことを教えてくれなかったバルサに対する不信感と、自分が精霊の守り人であり、ラルンガの餌食になってしまう運命にあることへの恐怖から、チャグムは宮に戻る決意をする。一方、トロガイたちは、ニムカの祖母から伝えられた話から、ラルンガのことや精霊の卵がどうやって孵るのかという謎の答えが、誰もが知っている田植え歌の中にあることに気付くのだった。しかし同じ頃、チャグムを奪回するべく、シュガと狩人達はトウミ村へと迫っていた。

20. 第二十話「狩穴へ」
バルサがチャグムを追いかけている頃、トウミ村に入ってきたシュガと狩人達。彼らの前に現れたトロガイは、ニュンガ・ロ・チャガとしての宿命を負ったチャグムのこと、 “卵食い”ラルンガのことをすべて説明する。皇子を守れるのはヤクーか?ヨゴか?プライドを傷つけられた狩人達が力ずくでその場を制圧しようとするが、ヨゴの大軍勢をもってしても、皇子を守ることに疑問を持ったシュガは、トロガイへの信用から、初代聖導師の碑文の存在を明かす。

21. 第二十一話「ジグロ・ムサ」
厳しい冬を越すための狩穴生活で、チャグムは、肉体的にたくましくなっていくが、精神的には、まだ精霊の守り人としての運命を受け入れられないでいた。そんなある日、バルサは自分にとってかけがえの無い存在、ジグロのことをチャグムに話す。幼きバルサ六歳の頃。それは、隣国カンバルの王室付きの医者であったバルサの父、カルナ・ヨンサが宮中の陰謀に巻き込まれ、親友のジグロ・ムサに、最愛の娘バルサを託した、壮絶なる悲劇の話であった・・・。

22. 第二十二話「目覚めの季」
バルサの話はなおも続く・・・。ジグロと親友“王の槍”たちとの戦い・・・。二人の逃避行・・・。そして、バルサがジグロから学んだもの・・・。すべての話が終わったとき、チャグムはバルサとジグロに、自分とバルサを重ね合わせていた。そしてチャグムは、自らの運命に立ち向かう決意をし、バルサに武術を教えてもらうことを請うのだった。やがてトロガイは別の場所で春の準備をするために狩穴を出て行き、残ったバルサ、チャグム、タンダの三人は、それぞれの想いを胸に、狩穴生活を続けていく・・・。

23. 第二十三話「シグ・サルアを追って」
ついに春がやってきた・・・。シュガは、すべての碑文を読み解くことは出来なかったが、ラルンガの弱点を見つけ出したことの成果を持って、狩人とともにヨゴの軍勢を率いて出立する。一方戻ってきたトロガイは、冬の狩穴暮らしで、すっかり男らしくなったチャグムに、新しい服と短剣を渡す。それはチャグムが一人前になった証しとして、バルサが頼んだものだった。バルサたち一行は、チャグムの導くままに宴の地・青池へと向かう。そこでシュガ率いるヨゴ軍と合流したのも束の間、チャグムはシグ・サルアの咲き乱れる青池の中心へと、卵に導かれるように歩みだす。

24. 第二十四話「最後の希望」
卵に導かれるままに青池を離れ、森へと去っていったチャグム。シュガは混乱する軍勢を立て直し、トロガイと共にお互いが持っている知識を共有することで、再び現れるであろうチャグムとラルンガに対応するための準備をする。チャグムを追って森に入ったバルサとタンダは、同じ行動をとった狩人たちと合流するが、双方チャグムを完全に見失ってしまう。宴の地が青池ならばチャグムは明け方には戻って来るはずだが、バルサは卵の行動に何らかの理由があると考え、再び襲ってくるであろうラルンガからチャグムを守るために、さらに森を探すことを決める。一方、シュガのもとに、残りの碑文を読み続けていたガカイからの伝令が届く。その残りの石版には、重大な情報が記されていた。

25. 第二十五話「宴」
タンダの捨て身の行動によって、ナユグのものと接触できるようになったバルサと狩人たち。宴の地に現れたチャグムを食らおうと次々と出現するラルンガたちに対し、狩人は大松明を駆使して撃退しながら、身を挺してバルサをチャグムの所へと行かせる。ついにチャグムの体の中の卵が孵る準備を始め動き出した。これを感じたチャグムは、サグとナユグの折り合いをつけられないままに、国のため、民のために自己を犠牲にすることを選ぶ・・・。

26. 第二十六話「旅立ち」
運命の戦いは終わった・・・。光扇京へ戻る一行。チャグムは、帝や二ノ妃の待つ宮中に迎えられ、帝直々に悪しき魔物から国を救った英雄として生きることを命じられる。そして、バルサのことは忘れるようにと・・・。十分な歓待と報酬を受け取ったバルサたちは、チャグムとは話をすることもなく、宮を去ろうとするのだった・・・。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

やっぱり!!のり塩 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

☆ハードコア・ペアレンツを見たァァァ!! 作品☆

■評価
テーマ性(家族愛):★★★★★ 5.0
脚本&構成巧み度:★★★★★ 5.0
音楽&音響巧み度:★★★★★ 5.0
名作度     :★★★★★ 5.0
話題性度    :★★    2.0
おススメ度    :★★★★☆ 4.4+0.5=4.9
(0.5点は私の愛をプラスしているので無視で構いません)

■ストーリー
用心棒家業を生業とし世界中を旅するバルサであったが、
久しぶりに立ち寄った新ヨゴ皇国で事故によって濁流に落下した
新ヨゴ皇国の王子チャグムを救う事になる。
しかし、これをきっかけにチャグムの母(宮中皇太后)より
チャグムは水妖の卵を産み付けられた事で、穢れを嫌う
帝から命を狙われている事を知る。そして隠密にチャグムを連れ出し、
用心棒を頼まれるバルサであったが...。
チャグムに産み付けられた水妖の卵とは一体何なのか?
帝より放たれた狩人たちの追っ手からバルサは逃げ切る事ができるのか?
世界を圧倒する大河アジアンファンタジーが今幕を開ける。

■感想
個人的に大のお気に入り作品であり、やっとこさ人生初の
BD-BOXを購入した作品。神山健治監督の作品だから、
攻殻SACから買うのが筋じゃないのかい・・・とも思ったのだけど、
この作品のBD-Boxを購入した理由も含めて全てこのレビューに
記載したいと思います。

本作はグロ・エロなどの刺激物は一切なし、ただ本来あるべき
理想の親子を描いた力作であり、ストーリーや脚本・演出・音響の
全てで魅せる作品は相当めずらしい。
原作者である上橋さんの小説版:精霊の守り人はアンデルセン賞
(児童文学賞)なる世界的な名誉ある賞を受賞した事はすごくうれしい...。
だけど、この原作小説を超えたアニメ版の方にこそ何か賞が与えられても
良いと思うほど出来がよいアニメです。

本作のテーマは『家族』とか『親子』なのだけれど、現実世界では
非常に扱いが難しいテーマです。何しろ親もしくは子を蔑ろにしたり、
子育ての匙加減や認識を間違えると親子での家庭内暴力・権力闘争・
相続争い・モンスターご両親、最悪の場合は"家庭外"暴力に繋がったりと
エライ目にあうと思う。だけど本作はこの難しいテーマを原作小説以上に
上手く消化し骨太な親子の物語を描ききっていると思う。

前置きが長くなってしまうけど、理想の家族ってものがどんなものか
視聴する前に思い描いてから見ても面白いと思う。
主観だけど僕が理想としたり、本作から感じ取れた家族像を
記載すると・・・
『生きる事とは何か?』
  誰かを必要とし、誰かに必要とされる事。
『親子とは何か?』
  人が”生きる事”を互いに学びあう関係の事。
『家族とは何か?』
  人が”社会”で生きていく事を学ぶ場所の事。
  そして自分を正当化して生きる事ができる場所の事
だと考えてます。
家族や親子は私の一言二言で片付くほど単純なものではない事は
重々承知しているつもり…だけどやっぱり根幹にあるのは
これが理想だと思うし、日本で生まれ日本の文化に囲まれて
育ったご家族であれば無意識のうちにこれに近い価値観が
備わっているのではないかと思う。
これを踏まえた上で本作を視聴すると感動が倍増する。

具体的な感想を書くと、子役となるチャグムは何とも過保護に
育てられた虚弱体質なガキンチョだけど、親代わりとなるバルサは
生きていくために必要なもの以外は殆ど物を与えない。
そのかわりバルサは『生活の知恵』『愛情』『人付き合い』
といったものを惜しみなく与え、子育ての最終目標である『自立』に
むけて命の盾となり、親が子にすべきことだけをする。
本作はこの生活の繰り返しなのだけれど、チャグムにとりついた
水妖の謎解きや追手からの逃走劇などのお陰で全く飽きが来ない。面白い!!
そして、この擬似親子が日々の生活の中で培う絆が『親子』や
『生きる事』とは何なのかをしっかり感じさせてくれるし、
本来あるべき家族と同じ様に自分みたいな甘しょっぱい人間でも
自分を正当化できる場所が実は足元にある事を気付かせてくれる。
だからこその感動というのが本作にはあると思う。
{netabare}
これを実感させる名シーンをいくつか紹介すると、
まずロタ人との喧嘩相撲大会で、チャグムがロタ人のガキンチョに
辛勝したあとにシャシャリでてきたモンスターペアレンツをバルサが
一投してだまらせるシーン。一見武力で解決している様にみえるけど違う。
これは負けても良いから人間として困難から『逃げない』『誤魔化さない』
『責任を持つ』という人の姿を子供に見せている良シーンだと思う。
この姿を子供に見せている時点で、あのモンスターお父ちゃまは既に
完敗なのです。
そして、過酷な運命から逃げるチャグムにむけて言い放ったバルサの
『親にむかって…』のシーンになる。これは実はチャグムに必要とされて
いない事を知ったバルサが一番傷ついている。
だからこそ『生きる事への執着』を教えるために愛と怒りの大ビンタを
かますのです。
そして、バルサの養父ジグロの『俺は案外お前やこの暮らしが…』の
シーンは感動の極地といっても良い。これは置物の様な地位・名誉・富を
捨て去り『誰かを必要として、誰かに必要とされる事』=『生きる事』を
選択して最後まで貫いた漢のぶきっちょな一言です。
これは生きる事が虚飾・虚勢をはるための空虚な情熱で浪費するもの
ではなく、ただ大切に毎日生きる事を意識する事なんだと感じさせて
くれるし、生きる事を学びあう親子に血のつながりなんてものは
実は関係ない事に気付かされると思う。
これが生きる豊かさというものなのだろう。

だいたいこのあたりのシーンでボロカスに泣かされているし、
小説にはないストーリーや脚本が追加されている事に感動を覚える。
大局的にみればストーリーはありがちかもしれない。
だけど、もし自分が生きている意味ないとか、不要な人間だと
思っている人が、この作品みたら強いとか弱いとか関係なく
『まず誰かを必要とする事』に気付かされるかもしれない。

ここまで全力で褒めぶっちぎったけど、悪い点を記載すると全体的に
行儀良く描かれているので、清廉潔白さや理想主義が鼻について白ける人も
結構いるかもしれない。また最も悪い点はこんな面白いのに
本作を何と言って人に薦めれば良いのか分からないくらい話題性が薄く
地味だ。なので進撃の巨人等にも負けないくらいのキャッチコピーを
妄想すると、『親の中の親を見た!!モンスターペアレンツを駆逐する
ハードコア・ペアレンツが今ここに!!』くらい言って周りの方に薦めても
良いでは内科と感じます。
{/netabare}
ちなみにストーリーやテーマ、そして脚本を強く褒め称えましたが、
音楽・音響・作画も本当に素晴らしい!!
あって当たり前の事を描いている作品なのだけど、
いつまでも人の心に残るテーマとメッセージの分かりやすさが
本作一番の魅力。

アホな僕は何かを評価・レビューしたりする時に、見本がないと
判断できない。だから本作を5点満点クラスの基準として、他作品の
評価を決める時に比較しながら決めています。
本作はそのくらい僕にとって重要であり大好きな作品。
なので最高の環境で視聴したいからBD-BOXの購入に至った次第です。

最後に原作者の上橋直子さん、神山健治監督および製作者の皆様に
心からの敬意と感謝の気持ちをもってレビューを終わりにさせて頂きます。
本当に感動を有り難うございました。

以下レビューに関係ない内容なので興味ない方は無視して下さいまし。
■余談:原作小説とこの後の物語について
{netabare}
私は小説版である守り人・旅人シリーズもすべて読破しましたが、
本作は小説版『精霊の守り人』を超えた面白さを持っていると
断言しても良いです。本作で感じた感動シーンはすべて小説には
記載されていない事に気付くはずです。
もし小説版にチャレンジされる方がいれば、若干キャラ設定が違いますが
本作を視聴してから続編である『闇の守り人』から読み進んでも面白いと
思います。まさに本作のラストでカンバルに旅にでたシーンから
始まります。

続編小説ではバルサはジグロの贖罪と誤解を解くためにカンバルに。
そして旅の先々のジグロの教え通り、一文の得にならない事でも
少年少女達を救っていきます。
チャグムは庶民の暮らしや苦しみをしったからこそ、帝に反発しながらも
皇太子(外交官)として励み、新ヨゴ皇国に牙をむこうとしている
隣の大国『タルシュ帝国』との政争や戦争に巻き込まれていきます。

タルシュ帝国に追い込まれ窮地に立つ新ヨゴ皇国とチャグムに対し
バルサは再び立ち上がります。この二人は再び会える日が来るのか?
どうぞこの素晴らしい親子の末路を小説にてご堪能下さい。
(本当は続編作って欲しいのだけど・・・)
{/netabare}

■余談2:親子について
{netabare}
親子がテーマという事なので独白するけれど、実をいうと
僕はマザコンである。
別に今でもかーちゃんのおっぱいをチューチューしたいなんて事は
思わないけど、母親の誕生日にはとーちゃんから皇太后妃殿下の
聖誕祭なるぞ!!貢物を持ち実家に帰って来い・・・なんて内容の
メールが家族中に飛ぶくらいの痛いマザコン一家である。
しかもとーちゃんがこの聖誕祭のメールを誤って親戚の兄ちゃんに
送ってしまい親戚一同から失笑されるなんてのが結構あるから
頭から湯気がでそうだ。

けれど日本男児の60~70%は軽度~重度のマザコンである事は
間違いないはずだ。(根拠なし・・・)
これは幼少期に長い時間母親と一緒に育ったであろう日本男児であれば
当然の結果であり、これを認めない男は立派な男とはいえない(笑)。
本作を高く評価している男性陣がいらっしゃれば、恐らくその方も
・・・そうであってほしい。いや絶対そうだ。いや仲間がほしい。

だけどマザコンの根幹である母親への敬意は、妻もしくは恋人たる
女性への敬意にもつながるので実は重要な要素でもあると思う。
だから女性には旦那や彼氏や好きな人がマザコンであっても
幻滅してはいけないし心配御無用とだけお伝えしたい次第です。
(極度のマザコンは除く)
{/netabare}

■余談3:親にむかって・・・
{netabare}
僕はチャグムやバルサほどの過酷な運命に立ち向かった事もないし、
ましてや親にむかって刃物を向けたこともない。
だけど人並みに反抗期を迎えていた頃、僕は机にむかって一心不乱に
教科書を被せて偽装した漫画を読み漁っていたのだけど、
当然かぁーちゃんにバレて『のり塩!!勉強もしないで・・・』という
テンプレそのままに叱られていることに嫌気がさしてしまい、
あろう事か僕は・・・お尻の銃口を親にむけ『プップぅぅぅぅ↑↑
(訳:はーい)』と返事代わりにトリガーを引いたことがある。
これがきっかけで三週間弁当やら晩飯やら抜きになって独り大飢饉に
なった大変な思い出がある。
この作品を見て思うことは、すまん!!かーちゃん。親の苦労を
分かってなかった。
しかも・・・僕は今も大して変わってない!!本当にすみま千年。
{/netabare}

好きな作品だけに長文になり、大変失礼致しました
ご拝読有り難うございました。 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

時代を超えられるアニメ

[文量→特盛り・内容→考察系]

【総括】
世の中はものすごい勢いで変化を重ね、流行り廃りも激しい現代。

そんな中でも不変なもの、普遍なものはあって、この作品のもつドラマ性も、そのひとつなんじゃないかと思います。それが、時代を超えられるアニメ。

古代中国のような、アイヌ民族のような、様々なものが混ざりあった独特の世界観で繰り広げられる物語は、正に大河ドラマ。実写化されるのも頷けます。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
このアニメを観た素直な感想は、「悪人」と「無能」がいないアニメだな~というものだ。

「バルサファミリー」(主人公サイド)は勿論、善人かつ有能な集団だが、一見、敵側のように見える方(帝国サイド)も、善人かつ有能な集団だ。

「シュガ」は明らかだが、前半の分かりやすい敵役だった「狩人」や、「シュガ」と対立する「聖導師」、黒幕のように見える「帝」ですら、主要な人物は皆、善人かつ有能だった。私利私欲にかられる人物はいなく、基本的にチャグムの身を案じ、それ以上に国の未来を案じるという、正しい行動原理の人達ばかり。(普通、このような物語なら権力側が悪人として描かれるが)全員の「正しさ」は良くも悪くもNHKらしく、シリアスな展開のわりにストレスフリーな作風を作っている。

では、「正しい集団」同士なのになぜ対立するかというと、それは「知り得た情報(知識)」に差があるから。

ニュンガ・ロ・イムが良い精霊であると、「自然との対話」により知り得た「トロガイ師」や、伝承により真実が(うっすら)残る「ヤクーの民(先住民)」。それに対して、国をまとめる為に建国史を捏造した「ロタ帝国(移民国家)」との対比は面白く、人間の「業」による弊害を描いている。

とはいえ、それ(建国史の捏造)ですら、国をまとめるため、建国時の混乱を避けるためには仕方のない行為であり、初代ロタ皇帝は、後世のためにちゃんと「正しい知識」を残している。

おそらく、初代ロタ国王も、善人かつ有能だったのだろう。しかし、その「正しい知識」は正しいカタチで伝わらなかった。その原因は、星読達が本来の役割である「知識の追究、伝承」より、「政治」に重点をおいたためであり、やはりここでも、人間の「業」があるべき姿を歪めるということが描かれている。

精霊の守り人の素晴らしさは、トラブルの原因を「個人(突発的な悪人)」のせいにせず、「総体としての人間(人間のもつ欲や業など、性)」にした点だ。だからこそ、普遍的なメッセージとなり、世代を超える作品になり得るのだろう。

文明の発展の為に製鉄を行い、それがナージの個体数を減らし、結果的にはニュンガ・ロ・イムの卵を運ぶことが出来ず、水不足というカタチで人間の文明を破壊しにくる。国の急激な発展と豊かな生活と引き換えに、わずか100年の間に、伝承や自然などたくさんのモノを失ったロタ国の姿は、分かりやすく、現実世界の(自然破壊をする)我々に警鐘をならしている。

しかし、それ(人間が破壊した世界)を救えるのもまた、人間だ。

約束の地で、チャグムから取り出したニュンガ・ロ・イムの卵を運んだナージは、おそらくはチャグムの兄である第一皇子が治療し、自らの死の間際に空に放した個体だろう。そういった、人の優しさや技術が、自然を回復させることもできるという比喩としては、素晴らしい演出だったと思う。と同時に、「人の思いや成したことは、死してなおも残るものである」という、本作のテーマにも合致していて、伏線の回収としても見事だったし、「弟思いの優しく聡明で、しかし、体が弱い為に、国の為に何も成すことが出来ぬ後悔の中で死んでいった第一皇子」が、結果的に(人知れず)救国の英雄となるという筋書きは、単純に英雄譚として感動できた。

他にも、この作品の良さはたくさんある。

序盤のチャグムが「なぜ寝るのにお金がかかるのか」という疑問をもつなど、「浮世離れした環境で育った皇子」の思考をきちんと具現化し、作品に取り入れるところなど、原作者の高い技量が伺える。

とりあえず異世界にとばされて、何の葛藤もなくウハウハハーレム無双をさせることを小説だと言い張る自称小説家の方には、(同じくファンタジーを扱う身として)良いお手本にしてほしいとすら思う。

バルサがチャグムに、「どうしても母の元に帰るのならば、自分を切ってから行け」と言ったのに、いざチャグムがバルサを切ろうとすると、ビンタ一撃わ食らわし、「親に刃物向けるなんて、どんな了見だ!」と一喝。実に感情的で矛盾してて強引で、でも深い愛情に溢れていて。どうしようもないくらいに「人間」だった。

とりあえず異世界でたくさんのチョロインに囲まれているのに、鈍感の一点で誤魔化しハーレ(以下略)w

とまあ、とにかく人物描写もイチイチ細やかでリアルだった。作画も安定して綺麗だし、タンダとバルサの恋愛物語とか素敵だし、最終話の「正門はくぐらせない」とか素敵過ぎるし、小説原作らしく、余白を想像させる会話も、リアルで良かった。地味ながら名作級だったと思う。

勿論、難点もいくつかはある。

終盤、やや作画が崩れたり、ラストバトルのショボさは大分マイナス要因だった。何より、25話で、ニュンガ・ロ・イムの卵が複数あった(子熊が宿していた)ことが明らかになり、シュガ(だったかトロガイ師)だったかが「予想はしてた」というクダリは、本当にダメ。

食物連鎖、弱肉強食的な自然の摂理を表現したかったのだろうけど、だったら、チャグムは王宮で優雅に暮らし、あのクマやその他の「精霊の守り生物」を発見、保護し、約束の地へ連れていき、ラルンガに腹を割かせて卵を取り出せばノーリスクで万事OK! なのに、「精霊の守り生物」を探す素振りすらないのは不自然だし、これではチャグムの悲壮な決意や、バルサ達の旅は意味を失ってしまう。

ここまで丁寧に丁寧にストーリーを進めてきたのに何で? と思ったら、多分アニオリ設定。いや、素晴らしい原作なんだから、それを信じて守ってよと言いたい。後半は、監督が体調不良だったらしいので、それも響いたのかな? ワカラナイけど。

まあ、今回アニメ化されたのは、長い「守り人シリーズ(全10巻)」の、僅かに1巻分にしか過ぎないので、後は原作で楽しめってことですね。
{/netabare}

【視聴終了(要約バージョン小盛りレビュー)】
{netabare}
シリアスで重い作風ながら、「無能」と「悪人」がほぼ登場しないので、ストレスを感じずに観られる。

それでも事件が起きるのは、人間のもつ「業」のためであり、「悪人(個人)」が突発的に起こす事件ではないだけに、普遍的なメッセージとして伝わる。自然破壊など、考えるべき点も多いが、同時に、救いのある物語であった。

最終盤になり、作画、展開の面でやや不満はあるのもの、総じてレベルの高い作品で、原作者の力量が伺える。全10巻の中の1巻をアニメ化しただけなので、残りの原作も読みたいな。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目
金があったらどこでも同じ生き方をする。なければ、そこに合わせた生き方をする。バルサ、行動理念が高潔で、しかし現実的で、格好良いキャラだね。

2話目
チャグムが、ガチ王子なんだね。金を使う時期の指定とか、いちいち細かくてイイね。

3話目
ず~っと暗い映像で、ドラマを演出。

4話目
ババア強しw 幻だったか。腹をすかしたことがない、王子。即答。碑文の間、ちゃんとした鍵だな。

5話目
小説原作だけあって、説明が少なく、台詞も行間を読ませるものになっているね。

6話目
追っ手をまくのに、死んだフリは基本だね。

7話目
帝も一応、傑物なのかな? 寝たのは自分なのになぜ金を払うのか、という疑問w チャグムの成長。

8話目
バルサも元王族だったのかな。チャグムは、気づいたかな?

9話目
タンダとシュガの邂逅。どこかで共闘しそうだね。

10話目
チャグム、お前、虎だったのか、的な(笑)

11話目
チャグムとかバルサとか、ガンガン本名を言うのもね。

12話目
ロタ人って、ロシア人? 騒ぎを大きくしたけど、チャグムの男気を守ったバルサ。

13話目
業だけを切った。鍛冶屋の話の伏線回収ね。

14話目
建国記が捏造というのは定番だしね。しっかりとしたファンタジー。

15話目
ここまで静かな死というのは、アニメでは珍しいね。

16話目
黒子みたいな人(無人)が泣くの、良いよね。正導師も悪い人じゃないんだよね、無能でもないし。敵はもっと根元的なものなんだろうね。速読術&記憶術。これ、バルサを殺す必要なくね?

17話目
これ、王室と協力しながらいけないか? 不信感かな。シュガの弱さ、リアル。

18話目
古き村。話は悪くないが、このペースでちゃんと完結するか不安にはなる。

19話目
この100年で失ったものか。文化や伝承だけじゃなく、自然など。

20話目
親に刃を向けるなんて、どんな了見だ! 理由がないのが良い。ダメなものは、ダメ。シュガ、良いな。

21話目
昔話。重みがある。命を奪うことの意味を教えたわけね。

22話目
タンダ、フラレた(笑) じっくりしっかり成長。

23話目
トロガイ師の子持ち発言に驚くバルサ(笑) 恋ばなw いよいよクライマックス。

24話目
あの花って、前に酒にして飲んだやつ?

25話目
知と武、両面からの攻撃。ニュンガロイモの卵、複数あるなら、それを見つけて守るのも大切だったよね。チャグムの覚悟。もしかしたら、あのナージは兄貴が治療したやつかも。

26話目
英雄を生きろ、か。役目ね。まだやはり、身分の違いが。右の小路を行けとか、ニクい演出w ちょっと泣ける。バルサも格好良いな、ちゃんとチャグムに決心させるんだね。父親を弔いにいくんだね。タンダ、、、一途(笑) 恵みの雨。はよ結婚しろw
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

70.6 4 清々しいでファンタジーなアニメランキング4位
境界線上のホライゾンII(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (753)
4435人が棚に入れました
TVアニメ「境界線上のホライゾン」の第2シリーズ。遠い未来。「聖譜」と呼ばれる歴史書をもとに歴史をやり直す世界。三河争乱を経てホライゾンを聖譜連合から奪還したトーリたちは、ホライゾンの感情=大罪武装を求め、航空都市艦・武蔵で次なる目的地、浮上島・英国へと向かうことに。しかし同じ頃、英国とのアルマダ海戦に向け、三征西班牙も行動を開始していた。妖精女王の統べる英国で、トーリたちの新たな戦いが幕を開ける!

声優・キャラクター
福山潤、茅原実里、沢城みゆき、斎藤千和、小清水亜美、井上麻里奈、小野大輔、黒田崇矢、東山奈央、新田恵海、真堂圭、子安武人、名塚佳織、田村睦心、大橋歩夕、悠木碧、平川大輔、森永理科、又吉愛、白石涼子、楠大典、清水愛、真殿光昭、中原麻衣、小林ゆう、中田譲治、杉田智和、寿美菜子、白石稔、宮下栄治、田村ゆかり、白鳥哲、三宅健太
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ありがたや、ありがたや。

拝啓

浅春の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。最近、春の暖かさを桜の満開を以って実感出来るようになりましたが、まだ寒さもちらほら姿を覗かせております。

一昨日、ブルーレイ最終巻が届きました。奇数巻には特典小説がついておりますが、かんなり分厚い特典小説で420P程ございました。内容も大変美味しゅうございました。流石ファンサービスには定評のある川上氏。これからも一生信者として貴方の作品に付き従っていく所存です。ゲームの更なる延期を知ったときは、おい!川上!おい!コノヤロウ!と文句を事あるごとに言っていた私はもうここにはいません。これからも素晴らしい作品を期待しております。つきましては、ミトツダイラとアサマチの薄い本を公式で出して頂けると有り難いのですが。いえ無理にとは申しません。ただの希望です。ハッ!巫女と思われる人間と鎖に魅入られたワン公からの強烈な敵意が!!

{netabare}正直に申し上げます。最初2期の報を聞いた時は、2クールで作ると思っていたんです。1期は流石に何とかなりましたが、原作で大ボリュームのある2期は2クールだろうと。しかし予想を裏切り、貴方はアニメスタッフと共にとんでもない偉業を成し遂げてしまった。まさかこの英国編を1クールで終わらせてしまうとは。日常シーンの大半をすっ飛ばし、作品の中で重要な場面だけを掘り下げていき、展開になるべく無理がないように仕上げる。一視聴者としましては、若干、いえ、かなり無理がある展開に見えましたが、そこは1期を上回るアクションの出来が、マイナス面を打ち消してくれました。原作ではキャラの一挙手一投足まで動きが細かく描写されているバトルシーンを映像でここまで再現してくれたことは感無量です。でも3期は出来れば2クールでお願いします。原作読んでたからいいものの、未見の人には相当苦労される部分も多かったと思われますから。

時にお友達の小野監督はお元気でしょうか? 終盤の本多二代と立花嫁のバトルの後の特殊EDの話は感動いたしました。当初予定にはなかったものの、小野監督の一声で、新たに絵コンテが描き足されたと聞きました。音楽も相まって非常に感動的なEDで、あのシーンだけは、私の中では原作を越えてしまっております。やはりアニメではキャラも動きますし、音楽もついてくるので、感動という意味では一入ではなかったかと。

特に音楽を担当された加藤達也さんの仕事ぶりは素晴らしいの一言でした。私、思わずサウンドトラックを、観賞用・保存用・布教用と3セット買ってしまいました。私の中では、熱い旋律が印象的な『焦熱領域』と2人の魔女の疾走感が特徴の『Save you from anything』は大変お気に入りのBGMとなりました。{/netabare}

最後に、ファン一同、3期の実現を強く望んでおります。
近いうちに吉報を頂けると、信じております。
それでは拙文ですが、これにて失礼致します。

敬具

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ありとあらゆるジャンルがてんこ盛りで・・・やっぱり色々と難しい作品でした^^;

この物語の舞台は・・・遠い未来、かつて神州と呼ばれた土地・極東(日本列島)を舞台に、「聖譜」に基づく歴史のやり直しが行われている世界。
そして、航空都市艦・武蔵にあるアリアダスト教導院に通う三年梅組の生徒・・・彼らがこの物語の中核となる人達で・・・葵・トーリという総長が主人公になっている物語・・・第2弾です^^

1期を視聴した時、あまりの設定の複雑さについて行けず、目の前で起こっている状況そのものを楽しみながら視聴しました。
その後、皆さまのレビューを拝見させて頂くと案外同じような意見が多いのにビックリでした^^;
この作品って、私のような素人から、この世界観を制覇した玄人の方までそれぞれの立場で楽しめる作品なんじゃ・・・と考えると、改めて凄い作品だと思いました。

この様な事を思いつつ、2期を視聴した訳ですが・・・1期より登場人物が物凄く増え(たような気がしています^^;)ていた事もあり、やっぱり設定にはついていけませんでした・・・^^;
従って、今期も視聴のスタイルは1期同様、目の前で起こっている状況を楽しみながら視聴しました。

今期は、「アルマダの海戦」が行われている中、好きな相手に「告白し(コクリ)」に行く・・・という流れの中で幾つかの物語が同時に進んでいきます。
1期はトーリ君が「告白し(コクリ)」に行きましたが・・・好きな人のために身体を張って頑張るのは基本なんですね^^;
トーリの時には良く分かりませんでしたが、今回の「告白し(コクリ)」に行く話は面白かったと思います。
相手のヒロインも可愛らしいキャラでしたし、何よりCVが堀江由衣さんでしたし・・・^^

アルマダの海戦といっても実際には空中戦でした。でも空中戦といっても飛行機で闘うわけではありません・・・
航空艦という巨大な船の上で、それぞれの登場人物が自分の得意技で勝負を仕掛けてくるのです^^
今回の相手はやたら体育会系で、その中でも野球は特に印象に残りました^^
野球も9人で闘う訳ではなくピッチャーvsバッター(バットは使わず自分の武器で勝負します)の様な感じでしょうか^^;

そして、実際の海戦は良く分かりませんでしたが、沢山の登場人物の色々な技を駆使しながら闘いが成立してしまう設定は凄いのでしょう・・・一つ一つの闘いも悪くはなかったと思います。
でも、全体的に半端無い情報量だったと思います^^;

1期13話の作品でしたが、作品に対する印象は1期と一緒でした^^;
設定もキャラも十分理解できないままでの視聴でしたが、それなりに楽しめた作品だったと思います。
今回の作品で唯一気になったのがトーリ君の格好です・・・なぜ、あんな格好ばかりしていたんでしょう・・・?
あの格好は説明が無いと絶対分からないような気がしましたけど・・・^^;

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24
ネタバレ

TEE-PURPLE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

やはり脱ぎ脱ぎ

 前作の続編。主に点蔵とメアリの物語が中心となっている。

_ストーリー_

 三河争乱を経て出航した航空都市艦・武蔵は、英国をめざす航海の途上にあった。目的は、英国に武蔵への協力を取りつけること。しかし、後に控えているアルマダ海戦で英国と敵対することになる三征西班牙は、それを阻止するため武蔵を襲撃。陸上部や野球部員らによる波状攻撃、さらには聖譜顕装や重武神・道征白虎までも持ち出してくる三征西班牙に、武蔵は苦戦を強いられる。本多・正純が休戦を呼びかけるも攻撃の手は一向に緩まず、ついには副会長フアナが大罪武装「嫌気の怠惰」の超過駆動を発動させる。もはや打つ手なしかと思われたその時、現れたのは"リアル派"――!?

_______

 今回は、バトルが結構メインになってます。また沢山の新登場キャラが多くて、覚えるのが大変かもですが、そこはしょうがないということで…w

 戦いの最中、点蔵が謎の人物と出会うことで、2期は盛り上がっていきます。他にも、キャラそれぞれの過去やドラマが繰り広げられて、前作より楽しめるかと。
そしてやはり、トーリの脱ぎ脱ぎがものすごいので、その場面を観て笑うのもありかもです♪
全体としてのドラマもスッキリ出来ると思います。


☆感想{netabare}

 トーリの現れるたびに脱ぎっぱなしにかなり笑わせていただきましたw シリアスな場面でもオチとしてのアクセントとして、いい感じでした~。ただ、その場面だけ観てるとシュールな光景ですけど…。やっぱり主人公は主人公でした。

 さて、内容ですがまたまた大まかにしかストーリーの内容はつかめませんでしたが、それぞれ、ハッピーエンドなのは分かりました。さっぱり終わった感じですね♪
というか学園祭ではないでしょ…。
こんな戦いだらけの学園祭が実際あったら、怖い…
でもいろいろ解決したからいい学園祭だったのかなぁ?

でも私は戦いの場面は好きでしたよ。ラストのアルマダ海戦はみんな協力してかっこよかった!!やっぱ武蔵勢は団結力が違う感じでした~。誰かが苦戦してたら他の誰かが助けに来る、といった感じで魅せてくれました。

原作分厚いので悩み中ですが、機会があったら読んでみます。

{/netabare}


 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

83.1 5 清々しいでファンタジーなアニメランキング5位
リトルウィッチアカデミア(TVアニメ動画)

2017年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (718)
3332人が棚に入れました
幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす! ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる―。

声優・キャラクター
潘めぐみ、折笠富美子、村瀬迪与、日笠陽子、志田有彩、村川梨衣、上田麗奈、日髙のり子
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

言の葉の力

言葉は本当大切。
それをあらためて教えてもらえる作品。

日本には古来より言霊(ことだま)という考え方があり、
良き言葉には良き霊力が、悪しき言葉には悪しき霊力が宿り
人の運勢にも大いなる影響をもたらすという。

確かに明るく前向きな言葉ばかりの人は運がいいし
周りの人々も明るくしてくれる。

今作の主役、アッコはその典型。
明るく前向き、積極的な言動で、
周りからどんなに馬鹿にされようと、
援軍無き孤独奮闘の状態なろうと
一旦決めたことは決して諦めない。

わがままな自己中、衝動的、押しつけがましいのが玉に傷で
物語の開始当初は、単なる痛いキャラに過ぎなかったのだが
徐々に彼女の魅力が発揮され遅くても15話の時点で、
自分の中では愛すべきキャラとしてすっかり定着してしまった。

彼女に巻き込まれたのは、物語の中の人々だけじゃなく
視聴者の多くもそうかもしれない。
この作品を愛する方のレビューを読むとそう感じる。

素直な感性を忘れない人には必ず届く
何らかのメッセージ性がある作品、
だから大人も子供も楽しめる作品だと思う。
決して幼稚ではないのが魅力。

これなら深夜に放送するより、
多くの子供たちが観れる時間帯に放送したほうがいいと思うが
なんらかの大人の事情でもあったんだうか。
そこはちょっともったいない。

2クールなので人物の掘り下げも丁寧。
個人的には15話でアーシュラ先生が
一番好きなキャラになった。
中の人、日高のり子さんの好演が光る。

日高さんは、最近では、カーナビ音声や
「PSYCHO-PASS」のドミネーターなど
機械系、無感情系の声のイメージが強かったが
今作は、人情味や母性豊かなキャラで新鮮。
演技の幅の広さは、さすがのベテランといったところ。

また、ここまでくるとアッコ役の潘めぐみさんは
すっかり役が染みついて顔までアッコに見える。

<シンプルで解かりやすい、親しみやすい物語>

いい感じに謎も残し、終盤に向けて盛り上げられるようにと、
よく練られたストーリー構成だと思う。

作画も頑張ってて、キャラの表情の豊かさと
動きの中にある説得力が素晴らしい。

コミカルでありながら、キャラの深い内面まで伝わる。
作品世界に確実に引き込む吸引力が半端ない。

スタッフの作品に対する愛情が伝わってくるようだ。

★ 第18話「空中大戦争スタンシップ」
{netabare}
今回、今までで一番笑えて
物語評価4.0→4.5、作画評価4.5→5.0に上げた。

特に今回の後半の演出の勢いは、
「未来少年コナン」の頃の宮崎駿氏を思い出させる。

ネタばれ抜きで何も考えないで観るが吉。

今回は、コンスタンツェとアッコ、
コミュ障無口×お騒がせおしゃべり、
器用な天才×破壊的不器用、
正反対のキャラが繰り広げるドタバタ劇。
二人組むと魔法が掛かってすさまじい化学反応を起こした。

よくできたシナリオに乗った
演出&作画スタッフたちの頑張りで
笑えるだけじゃなくちょっといい話にもなってるという
奇跡のハーモニーを奏でたと思う。

{/netabare}
★ 第19話「キャベンディッシュ」&第20話「知性と感性」
{netabare}
<アッコは妖怪「天然人たらし」>

ここしばらく、アッコの直感的な行動で問題解決、
人間関係の改善&深化の話が続く。

仲間の窮地を救い、人間攻略がなされ、
新たな言の葉ゲットという
目標達成も同時に描かれ一石二鳥。
効率がとても良い。

必要な攻略が完了して
固い絆の仲間たちが出来上がった暁には、
ラスボスと思われる某先生に、
皆で一丸となって立ち向かうという
今作のクライマックスが待っていそうな予感。

今回は、アッコとは、真逆の性格と才能と思われ、
水と油のようで難攻不落と思われたダイアナのターン。

1話分ではとうていそのプロセスを描き切れないと
脚本家は判断したんだろう。
2話掛けることで、無理のない自然な流れが生まれ、
そんなダイアナも遂に落とし信頼関係を築いた。

アンドリューまで登場させ、
その関係性の深化まで描いていることも非常に巧い。

しかもダイアナの慈愛溢れる本質まで判明。
彼女の人間的魅力も倍増した。

敵対するものも憎むべき存在として描いていないのも好印象。

とても後味が良く、微笑ましくホッコリ。

<印象的な19話でのロッテ&スーシィ>

アッコが無鉄砲にもダイアナを追いかけようとしたその時、
決して引き留めず、多くを語らず、必要なものをそっと差し出し、
信用して暖かく送り出す短いシーンがいい。
アッコの実力を認め、すっかり一番の理解者になってる様が微笑ましい。
{/netabare}
★ 第21話「ワガンディア」
{netabare}
<キャストの皆さんの、息も合った感情移入深い演技に魅了された>

今回で声優評価4.0⇒5.0に修正。

シリアスに話は進む。

シャリオとクロワの因縁の一端が明かされ
7つすべての言の葉の復活で得られるものをクロワが欲しているとわかる。

また、シャイニィロッドがアッコを選んだ理由もわかる気がした。

本質的には似た者同士のアッコとシャリオはソウルメイト。
世代を超えて固い絆で結ばれた二人は最終話で
何らかな奇跡を起こしてくれそうな予感がする。
ダイアナたちも大いに活躍しそう。
スーシィの「デレたか」の一言にクスッ。

7つ目、最後の言の葉の復活は過去においてシャリオは達成できなかった。
そのためにシャイニィシャリオであることを辞めて
名前まで変えて地味に目だない存在になってしまったのかもしれない。
そのあたりも今後どう描かれるのか。

シャリオが失敗したのなら、そう簡単にはいかなくて
アッコも相当苦労しそう。

課題、謎が明確なので次回も非常に楽しみだ。
{/netabare}
★ 第22話「シャリオとクロワ」
{netabare}
<アーシュラ先生の正体がばれる>

前回、アーシュラはアッコを庇い、
ワガンディアの花粉を浴びて空を飛べなくなってしまった。

しかし、アッコとアーシュラの試練はこれからが本番。

アーシュラは、本当はちゃんと伝えるつもりが思わぬ形で
シャリオ・デュノールであることがアッコにばれた。

それが結果的にアッコとの間に溝を生む。

<夢見る力を魔力に変える>

今までのアーシュラの正体ひた隠しの理由が明確に。

シャリオへの憧れだけが、
すべての活力の源だったアッコ。

クロワの、シャリオの真実の暴露のおかげで、
アッコの心は絶望に似た奈落の底まで突き落とされる。

当にヒロイン最大のピンチ!

果たして彼女は再び信じる心を取り戻し
言の葉を蘇らせることができるのか。

魔法は皆を喜ばせるために使うもの、
という信念を貫き通すことが出来るのか。

シンプルでベタで王道の展開ながら
キャラの魅力と相まって非常に面白い。

全25話なので残りは3話。
ドラマティックな盛り上がりを期待したいな。
{/netabare}
★ 第23話「Yesterday」
{netabare}
<感情移入させるポイントを絶対に外さない構成と脚本の魅力>

今までのエピソードの積み重ねは、
当初ダメダメで皆から馬鹿にされてたアッコが
皆から愛され、かけがえのない友になった過程そのもの。

ここまでずっと欠かさず観続けた
この作品を愛する視聴者にとっては
ロッテ達と同じようにアッコを心配してしまうだろう。

慈愛と尊敬の言霊でアッコを救ったダイアナ。
そんなダイアナだって19話、20話があればこそ
自分に足りない、素晴らしいものを持ってるアッコに
素直に敬意をはらえるのだと思う。

<若きシャリオの挫折描写も感情移入のポイント高い>

アッコは、若かりしき頃のシャリオと同じ。
私心なく、一途に魔法で人々を幸せにしたいという
純真な価値観だけが行動原理だった。
だから、シャイニィロッドに選ばれたのだろう。
21話ではぼんやりと、今回で明確に伝わった。

アッコの挫折からの立ち直りを1話で済ませたことは好印象。
ラストに向けて無駄なく必要なピースをさくさく埋めていく制作の手腕が見事。
出来上がったパズルは、きっと素晴らしい絵柄となって記憶に刻まれそうだ。
{/netabare}
★ 第24話「アルクトゥルスへの道」
{netabare}
今回は次回の25話とセットで最終話と言ってもいいと思う。
これなら、問題解決後の余韻も存分に味わえるラストが描けよう。

<シャリオ、カッケー!アッコ、まじ天使!>

ここまで一途に慕われるシャリオは幸せ。
シャリオとアッコは、前世からの深い縁に違いない。
師弟関係極まる二人の抱擁に感動でウルっ。

ベタな展開がこんなに心地良いとは!

スタッフたちのアイディアは多岐に渡り、
シャリオ渾身の戦いを彩る。

飛べなくなった設定が存分に活かされ、
長い髪をなびかせ必死にジャンプするシャリオ。

その素晴らしい身体能力は、峰不二子、ナウシカ...
過去に出会ったアニメの複数のヒロインのイメージと被る。

今まで魔法に頼っていたのに
何故あれだけの身体能力があるのかというツッコミは野暮というもの。
ここは素直に話に乗ったもん勝ちだ。

スターウォーズへのリスペクトか。
ライトセーバーっぽい武器が画的にいいアクセントに。

アッコの純真な気持ちは
7つ目の言の葉復活の決め手として
十分な説得力を持っていた。

<クロワの敗北はあっけなく訪れたものの・・・>

昨今の世界情勢の不穏さと絶妙にリンクしてる感。
絵空事でない緊迫感もあってヤバかった。

クロワはテクノロジー依存の人々の象徴か。
クロワは悪人ではないが、人は等しくクロワになり得ると伝わった。

怒り、いらだちの負の感情がもたらした機器の暴走。
クロワもすでに制御不能。
最後の○○○○は非常に生々しい。
今の日本を取り巻く情勢のタイミングでこう来るとは...
制作陣の勇気に感服した。

魔法は人類を救うための神々の恵み足り得るのか?
最大の危機が訪れ最後は如何に?

アニメは、今作の魔法の立場と一緒で
人に夢を与えてくれるもの。

この作品に限ってバッドエンドはあり得ない。
ハッピーエンドは見え見えだがそこがまた好い!

OPや今回登場した地面のシンボルマークに共通する、
三つ巴に組んだ腕は、人と人が信頼し助け合うことで
奇跡を初めて得るということなのだろう。

大勢の学友とシャリオが信頼し、協力してこそ奇跡は生まれ得るのだ。
{/netabare}
★ 第25話「言の葉の樹」
{netabare}
人々の憎悪の感情が集まって生み出された魔獣はミサイルと一体となった。
世界中にさらなる憎しみを拡散させ、完全なる自己破壊を達成するために。

<9人の魔女が一丸となることが現状打開の唯一の方法となる>

世界はミサイル迎撃に万策尽きた。
しかし周りがどんなに絶望感に囚われても我らがアッコは相変わらずだ。
「出来るよ!私たちなら止められる!!」
空気を一瞬で前向きなものに変える言の葉の魔法がアッコの最大の強み。

後は、ジェットコースターのような怒涛の展開。
制作陣の沢山のアイディアが詰まった作画と演出に魅了されるのみ。
アクションは台詞無くて作画だけでも面白い。

<世界中に広がる笑顔...>

ベタだが爽やかで希望溢れるラスト。
最終話で、世界中の子供たちに発信したい作品になった。
仮に日本の売り上げがいまいちでも
海外の売り上げが良ければ、続編も期待できよう。
その時には、シャリオのワガンディアの呪いも解けるに違いない。

ずっと飛べなかったアッコが、力むと全くダメなのに
リラックスして能天気な状態になることで
飛べたというオチがまたアッコらしくて微笑ましい。

多くの、このサイトのレビュアーがこの最終話を絶賛し
本作を名作認定している。
当方も全くの同感だ。

最終話で物語評価は5.0他で、全体評価を4.4を4.8に上げて更新した。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バカは時々、凄いことをする

[文量→大盛り 内容→考察系]

劇場版などは観ておらず、ここからの視聴です(が、充分に楽しめました♪)。

[2017冬 個人内ランキング 4位]

【総括】
心、洗われるアニメでした。絵本のページをめくるだけでドキドキしていた頃の気持ちを思い出しました。

忘れていたモノがたくさん詰まってる、古くて新しい素敵なアニメ♪

昭和のレトロ感が漂う映像にテンポ。落ちこぼれ魔法使いの奮闘と成長を描いた王道のストーリー。それらは意図的に懐古的に作られているものの、そのクオリティは高く、十分に新しいアニメと言えます。

パッと見、子供向けのようですが、小ネタなど笑える部分も多くてストーリーも良く、何気に深みがあるので大人にもオススメできます。というか、老若男女が楽しめるTHE・アニメですね♪ このアニメを日曜の朝に流してほしい!

あと、前後期共に、OPの歌詞、メロディー、爽やかで前向きで好きです。EDもレトロ感があり、素敵♪

ちなみにレビュータイトルは、「のだめカンタービレ」で、「千秋真一」が「のだめ」を見て言った言葉です。「のだめ」にもピッタリだけど、アッコにもピッタリだと思いました♪ 「時々」というのがポイントですw

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品には、アッコを中心とした、いくつかの対立軸が見える。

伝統を重んじるダイアナと、革新的な行動を繰り返すアッコ。その一方で、魔法(伝統技術)を愛するアッコと、科学(革新的な技術)を信じるクロワ。政治の(現実的な判断が求められる)世界に身を置くアンドリューと、魔法の(夢を追い求める)世界に身を置くアッコ。

一方で型に囚われない行動を占めすアッコが、一方では魔法に固執する。それは一見すればやや矛盾を孕むものの、多分アッコの中では筋が通っているのだろう。

先日、あるテレビ番組で、オリラジの中田さんが、「科学とは、解明された魔法である」と言っていた(テレパシー→電話・魔法の箒→飛行機 など)。それはそれで正しい認識だと思うけど、アッコの信念とは違う。

魔法が何かを為すための装置、道具に過ぎないのなら、それはいつか科学技術にとって変わられるのかもしれない。でも、「魔法そのものに価値を見出だすのなら、魔法が科学にとって変わられることはない」。

そんな強いメッセージが、優しく発せられている印象。少なくとも、アッコ自身はそう信じて突き進んでいる節があった。

多分アッコは、シャリオのショーと同じものを、ワイヤーやレーザー光線で再現しても、あそこまでは感動しなかったんじゃないかな。それは、魔法が、あくまで人の(内側からくる)力だから。

シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったが、もっと大きなもの、「夢みる力」「信じる力」を与えていた。そして、それこそが真の魔法であり、世界を変える力だった。

クロワが目指したのは、「世界(行動・環境)を変えることで、人(心・想い)を変えること」。シャリオやアッコが目指したのは、「人(心・想い)を変えることで、世界(行動・環境)を変えること」(若い日のシャリオは方法を間違えてしまうが)。

最終話。アッコとダイアナ。クロワとシャリオ。魔法と科学と政治。様々な対立が解消され、ひとつになった。正に大団円。あれ以上素敵なミサイル爆破シーンは知らない(笑)


「間抜けのアッコ」「不気味のスーシィ」「空気のロッテ」

現実の学校の教室でも、ともすれば隅に追いやられしまっているような少女達。しかし、周りがどんな目で見ようとも、彼女達自身は自分を信じ、互いを信じ合い、支え合っている(憎まれ口なんかも叩き合いながら♪)。そんな少女達が小さな力を出し合い、大きな事を成していこうとするのだから、心が踊る。

「何か成す者とは、歩み続ける愚者である。成せぬ者とは、歩みを止めた賢者である」

という言葉は、「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」の「セリカ=アルフォネア」の言葉だが、アッコ達にピッタリの言葉だと思う。

OPの爽やかな疾走感。安定した高レベルの作画(特にバトル)。熱さもギャグも感動も、ほどよくある1話完結ストーリー。落ちこぼれで視聴者の共感性が高い主人公。エロなし。なにより、夢に溢れる古典的な世界観。

魔法で何かをしたいのではなく、ただ魔法を使いたいだけだった女の子。それが徐々に自分のやりたいことを見つけていくという、実に王道な成長物語だった。

ホントに「誰にでも勧められる」良アニメ。なんか、「もう一度夢をみよう」と、思った。
{/netabare}

【余談(実は似ていると思う作品)】
{netabare}
この作品、私は「NARUTO」に似ていると感じました。NARUTOの初期~中期(ナルト少年時代)の感じ。

アッコは当然、ナルト(性格的にも、魔法の才能が吸われている点でも)。ダイアナは、サスケ。

シャリオはエロ仙人(アーシュラはイルカ先生)で、クロワは大蛇丸。スーシィはサクラでロッテはヒナタかな? 同室3人の関係性は「第3班」のようだったし、アマンダ・コンスタンツェ・ヤスミンカは、まるで「猪鹿蝶トリオ」のようw

ルーナノバは、この葉隠れのアカデミーって感じだしね。

いや、NARUTOをパクっているとかそんな無粋なことを言いたいのではないです。「ポイントを押さえた、実に王道な作品」だということです(両者とも)。

この作品にはどこか、少年漫画のような真っ直ぐさや熱血感、爽快さがありました。まあ、NARUTOに近ければ当然ですね♪
{/netabare}


【各話感想】
{netabare}
1話目
古くさい映像、好きですね、こういう作画。私は「リトルウィッチ」より先に「宇宙パトロールルルコ」を観ていたので、スーシィが出て来て嬉しかったw 主要キャラ3人の出会いと初めての冒険、なかなか盛りだくさんの初回でした。

2話目
ねるねるねるねw 展開が良いね。こっそりイタズラするスーシィが可愛い(笑) カードゲームにハマっていたから(初心者&劣等生でも)呪文を暗記していたというのは上手いな~と思った。

3話目
流星号、最後は自由になったんですね。爽やかな終わり方でした。

4話目
ロッテ回。アッコの逆ギレw アッコにとってのシャリオが、ロッテにとってのアナベルなんだね。ただのパロギャグ回かと思ったら、なかなか面白い展開に。スーシィ、キノコしか探してないw アッコとロッテの違い、なかなか深いな~と。

5話目
あれ、ドラゴンというよりワイバーンですな。なんだ? バトルも面白いじゃないか! 各キャラがちゃんと得意魔法使ってたし。ドラゴンが投資家w

6話目
崩れ落ちる通路を駆ける古典的シーン、久々に観た(笑) イケメン、マジ、イケメン(笑)

7話目
魔法の試験。試験範囲の意味も分からない(笑) パイシーズ先生、、、これ退学でもヌルイんじゃ(笑)

8話目
スーシィ回。なんか、テーマ性というか、メッセージ性が強い回だったな。これまでと、やや作風が違うかな。嫌いではない。

9話目
い、良い話しや。校長も良い味だしてる♪

10話目
惚れ薬(蜂)なんて、なんて古典的なw なんか、ラブコメの波動が(笑) あんな顔(ベルばら風)が、アンドリュー好みなのかなw この3人娘の恋ばなとか、なんか普通の中学生(いも)っぽくて良いね♪

11話目
いや~、スーシィの毒舌、いちいち好きだわw 熱いね。

12話目
アッコ達三人娘は、三人セットではなく、三者三様なのがまた良いね。なんか、すげぇ謂い話だった♪

13話目
現代魔法か。そういうジャンルもあるんだね。なんか、黒幕登場?

14話目
久々に全力バトル。ん? セカイ系に移行?

15話目
ネットw 遅い~ムリ~w シャールストレミングのパイかな? 相変わらずテンポが良いね。

16話目
サブキャラの使い方も上手いし、何気にバトル作画が良いよね、このアニメ。

17話目
アマンダ回。ここにきて、またサブキャラを活かしてくるか。

18話目
コンスタンツェ回。なんかこの、同期で同室の3人の通じあっている感じ、NARUTOっぽいな。まさかの巨大ロボw なんだ最後のコンスタンツェの笑顔、破壊力抜群か(笑)?

19話目
あれだけ色々あったダイアナを、本気で迷いなく止めるアッコは、らしいですね。ダイアナもシャリオファンだったってのは、良い設定だ。

20話目
しきたりは、破るためにある(笑) スーシィの毒に比べれば(笑) 最後は壮大で感動的。流石のバランス。この2話だけで映画をつくれそう。

21話目
アッコの根本にある、幼さがマイナス方向に出た話。クロワも、シャリオを殺しい程憎んでいるわけではないのですね。皮肉にも、憧れのシャリオから空を奪ってしまったアッコ。でも、引き継いだのは思い。そんな話でしたね。

22話目
政治の世界の話、過激なナショナリズムが描かれはじめましたね。これは意外な展開。実はアッコから魔力を吸いとったのがシャリオだったなんて……。

23話目
う~ん、ドリームヒューエルスピリットを使わせたのがクロワか。単純にクロワが悪い感じだね。

24話目
スターウォーズ(笑) シャリオは確かにアッコから魔法の才能を奪ったけれと、もっと大きな力、信じる心を与えていたのですね。

25話目
良い最終回だった。それ以上の言葉が、必要ですか?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 41
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

私が個人的に最も苦手なタイプの魔法もの

私の個人的な感想を一言でいえば、
《①シナリオや、②キャラの心情推移を、丁寧に追っていこうとすると、馬鹿を見てしまう類の作品》
・・・ということになりました。
でも、まあ、そういうことってあるよね。

同じ魔法ものでいうと去年見た『終末のイゼッタ』、それから魔法ものではありませんが特殊なSF設定のある『電脳コイル』あたりが、個人的に本作と同じような感想になった記憶があります。
(序盤である程度の期待感を抱かせたくせに、中盤からシナリオ等がどんどん微妙になり、終盤は最早どうでもいい話になってしまってガッカリした点が共通)。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1話視聴終了時点の感想
ワザとらしい作画や展開が、個人的にかなり苦手な部類の作品である。
このような作風の作品を、無条件に『まどマギ』『なのは』『CCさくら』等の上に置いてしまう人がいることに少しイラつく。
但し完走して本作の内実を確り見極めたいとは思う。
・第2話視聴終了時点の感想
ヒロインの魅力のなさは相変わらずだが、魔法学院の生活ということで、『レディジュエルペット』みたいな展開(前半の少女たちの成長物語を踏み台にして、後半からセカイ系に発展)になるのか?少しだけ期待感を持つ。
・第10話視聴終了時点の感想
やはりヒロインの性格や行動の安直さからくる魅力のなさにゲンナリする。
(同様に魔法系学園での修行込みのコメディものの良作『レディジュエルペット』(※個人評価 ★ 4.2)のヒロイン(ももな)と比較しての感想)
・第14話視聴終了時点の感想
ヒロイン(アッコ)の性格や行動の厚かましさに閉口してしまう(とくに妖精労働者のストライキ扇動は、やり過ぎ)。
アッコの性格や行動が、『おジヤ魔女どれみ』のどれみに何となく似ているので、同作品を好きな人にはお勧めできる作品なのかも?
・第18話視聴終了時点の感想
こんなとこで場違いな合体ロボットを出してくるとか・・・下らないギャグ・アニメになっていいの?
・第20話視聴終了時点の感想
ダイアナの叔母一家が分かり易い悪人達で、第18話のロボット出現と併せて“作品の格”をだいぶ下げてしまった印象。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作         TRIGGER / 吉成曜
監督         吉成曜
シリーズ構成     島田満
脚本         大塚雅彦(無印他)、島田満(映画他)、うえのきみこ、樋口七海、佐藤裕
キャラクターデザイン 吉成曜(原案・劇場版)、半田修平(TV版)
音楽         大島ミチル
アニメーション制作  TRIGGER{/netabare}


◆作品別評価

(1) アニメミライ版   ☆ 3.9
(2) 劇場版       ☆ 3.6
(3) TVシリーズ    × 3.4
-------------------------------------
 総合          ☆ 3.5


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======== リトルウィッチアカデミア (アニメミライ版) (2013年3月) ========

全1話 ☆ 3.9 {netabare}シャイニー・アルク発見、ドラゴン退治{/netabare}※約25分、作画・演出はいいけど、これだけでは何とも・・・


=== 映画 リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード (2015年10月) ===

全1話 ☆ 3.6 ※約55分、だからどうしたの?位の感想にしかならない・・・

主題歌 「Magic Parade」
挿入歌 「ふたつの夜」


========== リトルウィッチアカデミア (TVシリーズ) (2017年1-6月) ========

 - - - - - - - - OP 「Shiny Ray」、ED 「星を辿れば」 - - - - - - - -
{netabare}
第1話 新たなるはじまり ☆ シャリオの魔法ショー、アルクトゥルスの森とシャリオの魔法の杖、魔法学校入学
第2話 パピリオディア ★ 魔法学校の授業と生活(仲間たち)、記念樹とパピリオディアの蝶
第3話 Don't stop me now ★ 伝説の箒(流星号)、箒リレー ※ディズニー/ジブリ風の演出が個人的に苦手× 
第4話 ナイトフォール ☆ ロッテの大好きな小説の作家(アナベル)、古道具の精霊
第5話 ルーナノヴァと白い龍 ☆ 魔導石紛失、学園の財政危機 ※微妙な展開・・・
第6話 ポラリスの泉 ☆ アンドリュー(ハンブリッジ伯爵長子)来校、シャリオの祈り、アッコの願い
第7話 オレンジサブマリナー ★ 問題児アッコ、退学の危機 ※ギャクのツボが自分と完全にズレてる点は× 
第8話 眠れる夢のスーシィ × ※同上(単に奇を衒ったお騒がせ話にしか思えない) 
第9話 ブライトンベリーアンデッド紀行 ☆ ミランダ・ホルブルック校長のパパのアンデッド ※コメディパートがクドい×
第10話 蜂騒ぎ ☆ ハンブリッジ伯爵家パーティ、惚れ蜂の悪戯 ※スーシィ安直な便利屋キャラになってて×
第11話 ブルームーン ☆ 10年間消息不明のシャリオ、洞窟の亡霊、第2の言の葉の蘇り ※動きのある回だが分かり辛さは×
第12話 What you will ☆ 魔法祭の準備、ポラリスの泉再び
第13話 サムハインの魔法 ★ 魔法祭、バハロアの呪い、第3の言の葉の蘇り{/netabare}

 - - - - - - OP 「MIND CONDUCTOR」、ED 「透明な翼」 - - - - - -
{netabare}
第14話 ニューエイジマジック × 現代魔法の使い手(クロワ)赴任、妖精ストライキ、クロワの策謀開始 ※脚本の酷い回
第15話 チャリオット・オブ・ファイア ★ クロワとシャリオの因縁、狙いは世界改変魔法、アーシュラ先生との会話
第16話 ポホヨラの試練 × 4番目の言の葉、緑人間病 ※脚本が酷い回
第17話 アマンダ・オニール・アンド・ホーリー・グレイル ☆ エイプルトンの伝説の聖杯、アンドリュー久々登場回
第18話 空中大戦争スタンシップ × ワイルドハント(ゴーストを狩る集団)、ゴースト暴走 ※合体ロボット登場はさすがに場違い過ぎ
第19話 キャベンディッシュ ☆ ダイアナの退学・継嗣騒動、彼女の背負うもの
第20話 知性と感性 ☆ 続き、アッコとアンドリューの貢献、当主継承儀式の未達、5つ目の言の葉 ※見所はあるが脚本は粗雑×
第21話 ワガンディア ★ 6つ目の言の葉 ※シャリオとクロワの因縁が明かされる回だが、展開が遅すぎる点、そしてキャラの心情推移に説得力が不足な点は× 
第22話 シャリオとクロワ ☆ シャリオ身ばれ、ドリーム・フューエル・スピリット ※謎回収の中身がショボ過ぎる×
第23話 Yesterday ☆ シャリオの過去、ダイアナの過去、ノワール・フューエル・スピリット ※設定矛盾が目立つ回
第24話 アルクトゥルスへの道 × 市民暴動の発生、魔力の消滅、機械の暴走、最後の言の葉、世界改変魔法 ※最早どうでもいい話に・・・ 
第25話 言の葉の樹 × 魔獣の取り付いたミサイル ※ED「星を辿れば」{/netabare} 
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)6、☆(並回)13、×(疑問回)6 ※個人評価 × 3.4

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

79.0 6 清々しいでファンタジーなアニメランキング6位
魔王学院の不適合者(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (650)
2608人が棚に入れました
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王――だが、魔王候補を育てる学院の適性――《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院"に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」

声優・キャラクター
鈴木達央、楠木ともり、夏吉ゆうこ、松本忍、豊崎愛生、小清水亜美
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

内容は面白かったぞ

魔王の生まれ変わりが主人公。突き抜けた俺つええでむしろ、面白い。
何しても必ず勝つ安心感がある。オーバーロードを見ていたときの気分。
煽るだけ煽って散っていく敵キャラの残念さが笑える。

あと、安定のハーレム。

両親が不思議すぎる。{netabare}生後何か月よ。成長早すぎるのに、何の違和感もなしに受け入れているのに驚き。受け入れるの速さに秘訣には{/netabare}
アノスが両親思いの素敵な魔王だからっていうのはあるんだろうが。

割と家族愛溢れる作品にも感じることもあってそこも良かった。


OP
正解不正解 CIVILIAN
ED
ハミダシモノ 楠木ともり
うーん、楽曲はあまり心に響かなかった。だからその点は評価低め。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
二千年の時を経て蘇った暴虐の魔王--だが、魔王候補を育てる学院の適性--《不適合》!?人を、精霊を、神々すらも滅ぼしながら、延々と続く闘争に飽き、平和な世の中を夢見て転生した暴虐の魔王「アノス・ヴォルディゴード」。しかし二千年後、転生した彼を待っていたのは平和に慣れて弱くなりすぎた子孫たちと、衰退を極めた魔法の数々だった。魔王の生まれ変わりと目される者を集め教育する“魔王学院”に入学したアノスだが、学院は彼の力を見抜けず不適合者の烙印を押す始末。さらには、伝説の魔王は自分とはまったくの別人という事になっていた。誰からも格下と侮られる中、ただひとり親身になってくれる少女ミーシャを配下に加え、不適合者(魔王)が、魔族のヒエラルキーを駆け上がる!!「摂理だろうと運命だろうと、奇跡だろうと、俺の眼前ではただひれ伏し消えるのみだ。」


1. 魔王学院の不適合者
「--よく聞け。愛しき子孫どもよ。お前達の始祖は帰ってきた」二千年前、暴虐の限りを尽くした史上最強の魔王アノス。そんな彼の血を引く後継者、《魔皇(まおう)》を育成するべく、現代の魔王学院では入学試験が行われていた。試験内容は生徒同士で決闘を行う「実技試験」。そこに現れたのは、二千年前に荒んだ世界に飽き、転生した暴虐の魔王アノスの姿だった。

2. 破滅の魔女
「殺したぐらいで死ぬなら、俺は二千年前にとうに死んでいる」始祖としての莫大な魔力を有しているにも関わらず、《不適合者》の烙印を押されてしまったアノス。彼はそんな不当な扱いも意に介さず、圧倒的な実力を示し続け、班別対抗試験にはリーダーとして参加する事に。だが、クラスメイトは混血のアノスを認めず、班員はミーシャのみになってしまう。さらに対戦相手は、実の妹であるミーシャを《ガラクタ人形》と蔑む姉、サーシャ率いる班となった。

3. サーシャの真意
「サーシャ……ただですむとは思っていないだろうな」「最後に、あなたに会えてよかったわ」。意味深な言葉を残したサーシャの真意を掴めぬまま時は経ち、魔王学院では特別授業として、七魔皇老アイヴィスによる大魔法教練が開催される。七魔皇老は始祖が自らの血を使い生み出した七人の配下。「くれぐれも失礼のないように」とエミリアに念を押されたアノスだったが、躊躇いもなくアイヴィスのことを呼び捨てにしてしまう。

4. 十五の誕生日
「俺が魔王アノス・ヴォルディゴードだ」「十五歳の誕生日……。午前零時に私は消える……」。ミーシャが衝撃の事実を告げる。アイヴィス・ネクロンの掛けた魔法により、仮初めの生を過ごしていたミーシャは"本来は存在しない存在"であった。「十五年が私の一生」。それでいいのだと諦観する彼女にアノスは告げる。「俺には知らぬことが二つある。後悔と不可能だ」。《不適合者》が姉妹を縛り付ける悲劇を、理不尽を、いま粉砕する。

5. 転入生
「俺に抜けぬ剣など、この世に一本しかない」ミーシャ、サーシャとの邂逅。アイヴィスとの激闘も記憶に新しい中、魔王学院では、七魔皇老をも打ち負かす実力者、《錬魔の剣聖》レイが転入生として現れる。レイは有能なリーダーのもとに就きたいと言い、アノス班に入ることを希望した。しかしアノスがこれを拒否。代わりに「相応の結果を見せれば配下に加えてやる」と条件を提示する。かくしてレイは班を結成し、アノス班と、班別対抗試験で真っ向勝負をすることに。

6. 魔剣大会
「一分で終わらせてやろう」班別対抗試験での活躍を認められ、アノス班に加入する事となったレイとミサ。その後、アノス家にて行われた祝勝会で喜びを分かち合ったのも束の間、魔剣大会への参加者として、レイとアノスが選抜されることに。再戦のチャンスが早くも訪れたと喜ぶレイとは対照的に、アノスは「何か裏があるのではないか」という疑念を拭いきれない。そしてミサの案内で七魔皇老の一人メルへイス・ボランと出会い、事態は加速していく。

7. 母の言葉
「嘘つきの行く末は、地獄だ」「皇族派がどんな罠を仕掛けてこようと打ち砕く」。そう決心したアノスは、父グスタから託された剣を手に、魔剣大会の一回戦へ臨む。また同時刻、選手控室にて己の胸元を強く押さえるレイ。いつもと様子が違うレイに対し、アノスは「首輪をつけられているな」と人質の可能性を感じ取る。魔剣大会の背後で蠢く、存在と陰謀とは一体。

8. 二人の決勝戦
「今は俺とお前だけの時間だ」ディルヘイド魔剣大会決勝----アノスとレイが激突する。シーラを人質に取られ、実力を出し切れない状況へ追い込まれた両者は一つの決断を下す。そして決着の瞬間、突如舞台に巨大な魔法陣が出現。二人の周囲の景色は歪み、異次元空間へと飛ばされる。事件の黒幕が、遂にその姿を現す。

9. 勇者学院の謎
「何を言っている。一秒で着く」魔剣大会も幕を閉じ、アノス達は勇者学院との交流授業のため、人間界・アゼシオンへと赴く。現地で各自行動をとる中、「調べ物がしたい」というアノスは、勇者学院へ向かい、“部外者立ち入り禁止”の学院内に堂々と侵入しようとする。するとそこに「ボクと一緒ならお咎めなしだぞ」といたずらっぽく笑う、勇者学院三回生エレオノール・ビアンカが現れ、特別に学院を案内してもらうことに。

10. 学院別対抗試験
「--あとは俺に任せておけ」アノス達は勇者学院との学院交流初日を迎えた。しかし“学院交流”とは名ばかりで、勇者学院の面々は、歓迎ムードとは程遠い雰囲気。魔王学院三回生首席のリーベストが魔法の発動に失敗すると、勇者学院の面々はくすくすと笑い声を漏らす。不愉快そうに表情を歪める魔王学院の生徒達。そんな状況をアノスの一言が切り裂く。「--相変わらず、罠を仕掛けるのが好きだな、人間は」。学院交流は、不穏な雰囲気で幕を開けた。

11. 命の輝き
「……ほう。なかなか歯ごたえのある者もいるようだな」学院別対抗試験第二戦が開始された。ハイネ達に敗北したリーベストの悔恨を引き受け、アノス達は勇者学院の面々と対峙する。作戦は必要なら考えると、莫大な魔力を用いて、正面から相手を叩き潰しに行くアノス。たが、都市を覆う結界『デ・イジェリア』と、少女・ゼシアの聖剣エンハーレの斬撃によって攻撃は防がれてしまう。そして次なる攻め手に欠ける状況下で、ミーシャがある打開策を提案する。

12. 禁忌の魔法
「全員まとめて、幸せにしてやればいいのだろう?」「お願い。ゼシアはボクにしか止められないぞ」。ディエゴによって瀕死まで追い詰められたミーシャを抱き上げ、神殿の奥間へと向かうアノス。そこにはエレオノールの姿があった。自身が“魔法そのもの”であるという彼女は、その真意について、そして勇者学院の狂気に満ちた真実について語っていく。

13. 世界が愛に満ちるように
「生きよ!! 魔王が戻る、その日まで……!!」全ては二千年前から始まっていた。黒い仮面の男・アヴォス・ディルヘヴィアの正体が明らかになり、事態は急転する。二千年を経ても癒えぬ魔族と人間の禍根。その果てに、暴虐の魔王アノス・ヴォルディゴードが取った選択とは--。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

こんな(俺TUEEEな15年前のラノベ)作風なのに、そこそこ面白いだと!?(笑)

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
主人公最強系、の中でも、かなり俺TUEEEな作品。

2010年代前半頃は、こういうラノベアニメが氾濫していたな~という印象。(本作もなろう原作ですが)最近は、主人公最強=異世界転生ばかりだったから、久々に楽しめた。

久々だから、楽しめたのかもしれないけれど。

レビューでは、本作のような「俺TUEEEE」と「異世界転生(なろう系)」との違いと、本作の中で疑問に思った点を書きたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
異世界転生との違い。

元々その世界で力を得ているか。転生によって力を得たか。

転生によって「奇跡」の力を得ることは、なろう黎明期においては、「希望」であったと思う。今はこんな俺だけど、いつかきっと、みたいな。

しかし、それもあまりに連続すると、「夢想」になる。「今の自分のダメさを直視しろよ」と。

本作もなろう原作で、いわゆる「俺TUEEEE」だけど、主人公を「異世界転生」にすると、これまで通りのなろう系になる。

じゃあ何が違うかというと、力の背景にある思いの強さや厚みだろうか。

「俺TUEEEE」の場合、多くは「力を得るまでの過程」はすっ飛ばされ、そこは視聴者の想像に頼る。努力が描かれない点での不満はあるけれど、「なんかうだつの上がらない現世で? 死んで? 異世界に転生したら? 強くなってた? なぜ???」みたいな、明らかなお手軽感はない(いや、転生よりお手軽という説もあるけど)。

「元々強い」と「急に強くなった」のどちらを好意的に感じるかは、人それぞれだろうけど。

本作、厨二的な要素満載で、一見、クソアニメ認定されそうな雰囲気ながら、展開の面白さや、キャラクターの良さで、ギリギリで面白い作品になっている(でも最終話はふざけすぎ)。

ただ、3つ、疑問に思うことがある。

1つ目は、「自らが魔王として討たれてなんて面倒くさいことせずに、レイ(カノン)が霊神人剣エヴァンスマナを手にした時点で、ジェルダ先生のアスクを切れば済む話」だったんじゃないかという点。あれ、「望むものなら何でも切れる剣」で、運命や世の理すら切れるんなら、魔法陣くらい楽勝に切れるんじゃないかと思う。

こういう「俺ツエー」にありがちだけど、すんごい能力出したがために、「全部それで解決できんのに、なぜわざわざピンチ演出するの?」になりがち。だから、能力には限界やリスクをつけるなど、何か限定的なものにしないとね。「何でも」というのは、考えるときは楽だし、色々動かしやすいんだろうけど、後々、自らの首を絞める諸刃の剣だと思う。

2つ目は、なぜレイの母親が七魔皇老に呪いをかけられたか、という話。よく分からんが、カノンがアヴォスヴィルヘイドなら、七魔皇老を洗脳したのもレイなわけで、色々矛盾があるのでは? これなら、「七魔皇老を洗脳した黒幕は別にいて」、「カノンは転生したばかりで力がなかった」という方がまだ納得した。

3つ目は、カノンの目的を考えると、レイとしてアノスの前に姿を現し、しかも仲を深めていくというのは、リスクしかないのに、なぜあんなに目立ったの? という話。こういうのは、一応の納得がある答えが、少しでも示されていればね。

例えば、最終戦のなか、こんな会話(があれば良い)。

アノス「ひとつ聞いていいか」

レイ「なんだい?」

アノス「貴様が魔王として討たれるつもりなら、なぜ、レイとして俺の前に現れた? 姿を隠している方が、得策ではないか?」

レイ「なんだ、そんなことか。だって君と約束したじゃないか。次に生まれかわったら、友達になろうって」

アノス「ふっ、そうだったな。では、いくぞ!」

、、、くらいの会話があれば満足なんですよ。

という具合に、「レイ=カノン」というミスリードは面白い展開だったが、それだけに、もう少しプロットを練り上げてもらえれば、と、勿体なさを感じた。

全体的に面白い作品であったことは間違いないけど、「1クールに1作品」で良いし、これに味をしめて、似たような作品を連発することがないように(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
いきなり主人公最強全開か。魔法全無効とか、ヒデェな。生まれて1ヶ月(笑) バリバリ魔王なんだな。

2話目 ☆3
生まれてすぐしゃべる(笑) 姉妹の出会いから仲直り、デレまでを1話でやるか。かなり、トントン拍子だな。もはや調教(笑) 友達のキスって何だよ(笑) 

3話目 ☆3
分かりやすく、ミーシャのためだよな。命の供給材とか、そんな感じか。

4話目 ☆3
発動条件のために、嫌われる準備、、、いい話だけど、だとしたら、2話で仲直りしなくてよかったよな。誰よりアノスが理不尽だけどな(苦笑) 

5話目 ☆2
仲間が増えていくが、認めた奴だけのラインは守って欲しいな。特にストーリー進まず。

6話目 ☆3
応援歌(笑) 刀預けるとか、不用意すぎだろ。トラップかな? アノスにもできないことあるんだね。これはアノスガチ切れだよな。名前を覚えるクダリは好きだけど、何人か男子をまぜてほしかったな。んで、モブ同士の恋愛とかやってほしかった。罰もいい落とし処だし。

7話目 ☆3
理屈はよく分からんが、まあとにかく、全てを力づくで解決だな。父親を立てる。まあとにかく、理屈はよく分からんが、復活オメ(笑)

8話目 ☆4
なんか、ちゃんと面白いんだよな、こんな作風なのに。アノスの言葉の端々に、優しさと切なさがあるからかな。

9話目 ☆3
歌った(笑) バカげた歌って、正解(笑) 根元爆発て、序列2位のメガネも超近くにいたけど。ザクザク。急にグロい。カノンを語られると怒る魔王。

10話目 ☆3
勇者が魔王(アヴォス)に、てな感じかな。そして、自分を討伐することで、人間族を救うのか、そのまんま滅ぼすつもりなのか。これは、なかなかうまい展開。でも、疑問も残るな。

11話目 ☆3
アノスが自身を滅ぼさせるか。まあ、ルルーシュなんだろうけど。ただ、個人的には、「ロードス島戦記の赤髪の傭兵ベルド」みたいな方が好みだな。滅ばされても良し、滅ばしてもよし、みたいな。ラストは、ちょっと演出で遊び過ぎ。どこかで感想が1話ずれたけど、まあ、良いや(笑)

12話目 ☆

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 32
ネタバレ

食前酒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

魔法ファンタジー系で指折りの作品

【第十三話】(総評も含みます)
{netabare}最終話でした。序盤からいきなりレイとガチガチの魔法戦争。この作品は魔法やら種族やら設定が細かいし、しっかり作りこまれてるからアニメ見てるだけでは正直全部は把握できてないけど、どうやらレイは悪い奴ではなくアノスは人間たちの前で身代わりになって穏便に終わらそうとしたというのは理解できた。その後の裏ボス的なデカいおじいさんもレイと当たり前のように復活してきたアノスとサーシャミーシャ達で撃退。ここのサーシャミーシャの融合魔法の演出デザイン可愛かったですね。エレオノールも最後にはアノスによって全部解決。エレオノールも無事アノス家に入りました。今回もやっぱりアノスは最強だったということが分かりました。このアニメは冒頭でも書いたように世界設定の作り込みや魔法や種族についての関係性も丁寧に作ってあるのでガチでハマる人がいるのも分かる。サーシャミーシャやエレオノール、他サブヒロイン達もキャラデザはもちろんこのキャラたちにもちゃんと物語があってすごくいいところだと思う。ちなみに私はサーシャ派です。一方でアノスのキザな言い回しや立ち振る舞いが嫌いな方もSNS見てる感じだと賛否両論なのかなとも思いました。主人公のチート級の強さ、よくある魔法学院ものということでこのタイプに見飽きてる人や合わない人はあまり楽しめないかも。逆に私の場合は単純にアノスのチート級の強さやキャラクターの可愛さで見ていた部分もあるので、一度気になった方は見てみてください。普通に面白い作品だと思いますし、内容も魔法ファンタジー系アニメとしてもゆびおりものだと思いますよ。{/netabare}

【第一話】
どしょっぱなの中田さんナレーション以外眠気を誘る展開でした。一部界隈からは絶賛されていますが私的に主人公男が好かないのでどんだけ展開良くても普通な評価です。
【第二話】
{netabare}主人公男の攻撃方法には一話目からある意味驚きでした。今回も敵に城ごとぶん投げて倒すとかまさにぶっ壊れでした笑。次回からも主人公男がどんな攻撃方法をするのか楽しみになった。{/netabare}
【第三話】
以外に面白かったです。次回で二人のヒロインの関係が明らかになると思うんですが、魔王の主人公男の関わり方によってはかなり高評価するかも。今期のダークホース候補の一つになりそうです。
【第四話】
{netabare}今回でサーシャミーシャ絡みの前編話が終わった感じ。4話までの完成度でいったら良くできていた方だと思う。サーシャのわかりやすすぎる不器用な感じとか魔王の相変わらずのぶっ壊れっぷり、悪くないです。これぐらいキャラやストーリー展開がぶっ飛んでた方が下手に着飾ったアニメより好感持てますね。{/netabare}
【第五話】
今回も突っ込みどころ満載のチート魔王。サーシャミーシャが馴れ初めしてる間にきた転入生ですがこちらもまたチート級。退屈しないで見れたので25分が早く感じた。
【第六話】
今回はチートバトルの展開はありません。でもミーシャの手作り料理やお出かけデートなどもあってミーシャ可愛い!箸休めではないですがこういう回も嫌いじゃない。
【第七話】
3+3+3+3+0+1=13
【第八話】
{netabare}今回もなんかすごかったな(笑)。アノスとレイが決着したかと思えば急に謎の空間に転生される二人。いかにも悪者そうな風貌のやつが出てきてアノスとレイを殺そうとするんだけどもうここまでこのアニメ見てきたらだいたい結果がわかる。案の定アノスが圧勝してついでにレイと人質にされてたレイのお母さんも復活させてみんな元気いっぱい。そして最後にレイとの勝負に勝った証としてサーシャが出てきてアノスにキス。この時のサーシャの髪形と言い、格好といいめちゃくちゃ可愛かった。あと勝利後にアノスが剣をくれた父親に対して感謝してたのも地味にポイント高い。今回も魔王らしく暴れたアノスでした。面白かったです。{/netabare}
【第九話】
サーシャ可愛いですね。最初はやっぱミーシャでしょって思ってたけど回が進むにつれてなんかサーシャ寄りになってきた(笑)。あと今回でできた僕っ子の「~だぞ?」が口癖の子も嫌いじゃない。話の方はまた一変して対勇者に。まぁまだ何もわかってないので次回以降ですね。ただ今回もアノスはやっぱりチート魔王で遠く離れた勇者学校にも一秒で転位しちゃったり、からかってきた勇者学校の強者をまばたき一回でねじ伏せるなど。ここまで来たら普通もう慣れてきそうなもんだけど何故かこのアニメは飽きないね(笑)。
【第十話】
話は毎回違うけどやってることはずっと同じ。今回もただただアノスが破格なだけ。勇者学院の連中が出てきて魔王学院の生徒を貶めるようなことしてたけど結局VSアノスみたいな構図になってアノスに完敗。見え見えのストーリー展開で可愛い以外いよいよ楽しめなくなってきた。先週は飽きないとか書いてるけど正直ここまで同じ展開ばかりだと…。
【第十一話】
{netabare}このアニメは今期一番30分が短いし見てて清々しい(笑)。内容は今までと同じくアノスに楯突くやつが魔法やらで何とか倒そうと四苦八苦するけど結局アノスにぼこぼこにやられるというもの。話の大筋は一緒なんですがその中でも今回は特に面白かったところがあり、途中ミーシャがこれでもかってくらい頭のおかしな老人に殺されるというシーンがあるんですが普通のアニメならメインヒロインがズタズタに刺されてたら絶望しかないけどミーシャの表情にどこか無敵の意思がある(笑)。これは今までのアノスの破格っぷりを間近で見てきたミーシャがアノスが100%助けてくれると信じているからでしょう。こんなヒロインや主人公のアニメは私が今まで見てきたチート主人公アニメになかったからこれは評価したいです。{/netabare}
【第十二話】
{netabare}自称暴虐の魔王を語る偽者が登場。その偽物魔王とアノス軍で対決が始まりました。でも今まで見たいなチートバトル展開はなく次回最終話への橋渡し的な回だったかな。最後の最後にその偽物魔王の正体が明かされそれがまさかのレイ。正直この落ちは私的には「あっそうなんだ」程度でそこまで驚かなかった。レイっていう意外性はあったかもしれないけど黒幕が一番近くにいるっていう典型パターンだったからかも。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

74.0 7 清々しいでファンタジーなアニメランキング7位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (308)
1120人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルで埋もれちゃいそう。勿体無いお化けが出るよ(笑)

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
ジャンプスクエア原作、と聞いて、「らしいな」と(笑)

ジャンルとしては、ファンタジー、バトル。鬼や化け狸、アラクネ、雪女(男)などの妖怪達が、様々な背景を背負いながら戦うストーリー。

少年漫画らしい熱さ、友情、感動。そこに、ジャンプスクエアらしい、少し大人な毒も入れつつ、総じて、レベルが高い作品。なんか、女子に人気出そうな感じです。

なんですが、「怪物事変」っていう、なんかどっかで3回は観たことあるんじゃないかと思う安易なタイトル(笑)で、他の作品に埋もれちゃうんじゃないかと心配になってしまいます。名作とまでは言えませんが、70~75点くらいの秀作って感じですね。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
キャラクター重視の作品。

夏羽は人気あるだろうな~と。悲しさを背負いながら、それを表に出さず、人のために戦う心優しき鬼の子。

半妖の悲しみというのは、犬夜叉や他の作品でも散々描かれているけど、本作の場合、半妖であることをネガティブに捉えるのではなく、「愛の形」としてポジティブに捉えようとしているのが、面白い。

そんな中で、織のストーリーで、半妖の別の側面を魅せる。甘くない、と。半妖作品は、人間サイドと妖怪サイド両面が描かれるものだけれど、こちらでは人間サイドの悪が描かれる。

とはいえ、人間だけが悪なのではなく、晶のエピソードを通して、妖怪達の悪もきちんと描く丁寧さ。

んで、結局、「母生きてる」「兄も生きてる」となるあたり、平和だな~と。隠神さんは安定して格好良いし、飛び抜けたオリジナリティはないものの、ヒットする要因を安定的に詰め込んだ、打算すら感じる作品。そういう意味では、やや鬼滅っぽい。

個人的には、日常回が結構好きでした。夏羽とコンのラブコメとか、そこに絡んでくる綾とか。

あとどうでも良いんですが、蓼丸昭夫。石田彰さんが、一見黒幕みたいで、実際に黒幕だった話だな~、と(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
鬼の能力ね。だったら、「死にな、泥田坊」くらい言って、撃ってほしかったな。

2話目 ☆3
凄く可哀想だし、凄く強いのかな。悲しい話。

3話目 ☆3
雌狐。悪役らしい悪役。

4話目 ☆3
ラブコメ(笑) 窓開けた時点でセコム来そうだけど。

5話目 ☆3
とりあえず、もう少し戦術的なバトルを見たいな。

6話目 ☆3

7話目 ☆4
なかなか攻めた話。石田彰さんが、黒幕みたいで黒幕だった話(笑)

8話目 ☆4
王道だな。主人公が許して、悪役が悪役を殺す。

9話目 ☆4
妹、ナイスキャラ(笑) コンと三角関係(笑) 楽しそうだな(笑) 兄バカ(笑) 居ないぞ!(笑) ラブコメ回、面白かったな、シンプルに。


10話目 ☆3
兄さんね。晶回。

11話目 ☆3
心が壊れてしまっているわけね。

12話目 ☆4
寝るな(笑) 二期が楽しくなりそうな終わりかた。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ザ・少年マンガ!(妖怪退治系)

決して、別に馬鹿にしてる訳じゃありませんよ~(笑)

まさしく、正統派の、「熱血少年王道アニメ」っていう、
そんな感じの作品になりそうだという意味の
タイトル付けなんです。

王道少年アニメ要素その①
主人公が、{netabare}半妖の少年で、かなり高い戦闘能力と、
その力を封印する妖具を携行しているって設定。{/netabare}
CVは藤原夏海さんですけど、女の子の役もいいけど、
藤原さんは、やっぱり少年役がはまりますねー(#^^#)

王道少年アニメ要素その②
妖怪退治系{netabare}バトル+ホラー&ちょっとスプラッター
ここは非常に期待したいところですね!
腕力バトルは初回からハッスルしてくれてますけど、
鬼滅みたいな心理バトルとかも楽しめそう(^_^){/netabare}
やっぱり少年マンガといったら、バトルとホラーは、
欠かせませんね!

王道少年アニメ要素その③
主人公の少年と、よきライバルであり、かつ仲間となる、
そんな感じの、{netabare}やはり妖怪の血を引く子が出てきます。
ツンの方の子が主人公と同い年ぐらいなんで、
いろいろと張り合ったり、ぶつかって喧嘩したり、
お互いの危機一髪のときに助け合ったり、
協同して難敵に挑んで戦ったりするんだろうなぁ。{/netabare}
ショタ要素ありで、そういうのがお好きな方にもハマりそうですww

王道少年アニメ要素その④
少年を導く{netabare}クールで頼りになる師匠の存在。
探偵事務所の所長さんですが、この方も半妖で、
妖怪の起こす不審事件を専門にしてるご様子です。{/netabare}
これまたCVが諏訪部さんです。
この方、今期何本アニメ出演されているのでしょう?
この作品では、低めの二枚目声で演じていらっしゃるけど、
大車輪の大活躍ですね!

王道少年アニメ要素その⑤
少年向けライト風味{netabare}お色気キャラ(≧▽≦)
ここはまだ、どうなるのかは未知数なんですけど(笑)
日笠さんや上坂さんはそういう役、実績も豊富でこなれてますけど、
花澤香菜さんや花守ゆみりさんがCV出演されるようなんで、
そういう展開になるなら、新鮮かな?ってww{/netabare}
きっと、そのあたりは押さえていくのでしょうねww

まだ1話観ただけですけど、
作画もわりと綺麗だし、
今後の展開、意外と言っては失礼なんですけど、
次週の第2話からも、
楽しく視聴できそうだと、期待しています!!


観終わりました!
{netabare}少年アニメなんだけど、
それはそうなんだけど、
意外なほどに、熱かった!
そんな感じの作品。
そう思ってしまいました。
メインキャラひとりひとりのエピソードの展開もしっかりしていたし、
この感じのまま、
夏羽君のエピソード、
続きでじっくりと鑑賞したいな!
そう思えた作品です。
2期やってくれるの、待ってます(^^♪{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

怪物(けもの)の少年たちが紡ぐ数奇なる冒険

この作品の原作は未読です。
この作品との出会いも「怪病医ラムネ」同様、自動録画された作品でしたが、豪華声優陣の演技に圧倒されながら視聴した作品でした。

諏訪部さん、花江さん、小野さん、香菜ちゃんと下野さんは声を聴いて一発で分かりました。
分からなかったのが、主人公である夏羽役を演じた藤原夏海さんと、紺役のゆみりん…
正直ゆみりんの声を聞き分けられなかったのは少しショックでしたけれど^^;

でもこの二人はエンドロールで名前を見たら納得できる感じなのですが、晶という男の娘役を演じていたのが村瀬歩さんと知った時はビックリしました。
絶対女性の声優さんが演じているとばかり思っていたので…


古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、
人と関わり合って生きる“怪物”(けもの)という存在。

彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。
しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが
多数報告されるようになっていた。

探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物”たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、
片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

完走して思ったこと…
この作品、メッチャ面白かったんですけど!

夏羽の淡々とした口調、隠神さんの飄々とした感じ、織のすぐ突っかかる性格に、昌の臆病でおっとりした感じ…
全ては凸凹なのですが、それがうまい具合にマッチしているんですよね。

物語は、隠神怪物相談事務所に舞い込んだ依頼に対応しつつ、隠神さんの事務所で働いている3人の子供たちの親や家族を探していく…という感じです。
3人の子供たちは13~15歳くらいなのですが、親の記憶がありません。

自分の親が誰なのか、自分は親に愛されていたのか…
やっぱり気になりますよね。
それが生きているなら猶更です。

今回の物語の中では3人全ての事情は明らかになりませんでした。
原作の連載も未だ続いているみたいなので、今後明らかになっていくのでしょう。

個人的に好きだったキャラは、出番は多くありませんでしたけれど、ゆみりん演じた紺です。
気性は若干荒めですが、ゆみりんが演じているのも相まってとにかく可愛いんです。
今期ゆみりんは大活躍ですね^^

オープニングテーマは、小野大輔さんの「ケモノミチ」
エンディングテーマは、佐咲紗花さんの「-標-」
個人的にはエンディングが好みでした。

1クール全12話の物語でした。
この先の展開が気になります。
続編制作してくれると嬉しいんだけどな…
しっかり堪能させて貰いました!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20

58.1 8 清々しいでファンタジーなアニメランキング8位
護くんに女神の祝福を!(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (108)
904人が棚に入れました
近年に発見された大気中を漂う新物質ビアトリス。人間の思考・意志に感応・反応して変化し、あらゆることを可能にするそれは、その性質より『奇跡の物質』『現代に蘇った魔法』とすら呼ばれる未知にして世界中から注目される新物質であった。それを理解し、操り、知り抜くすべを教える日本で唯一の高校が、東京ビアトリス総合大学附属高等学校(東ビ大附属)である。そこではビアトリスに対する適応能力を持つ若人たちが自らも優秀なビアトリス使いとなるために日々勉学と研究、さらには忙しい日々を癒してくれる騒々しい青春に明け暮れている。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

一途路線のラブギャグ♪ 旧ツンデレ?

近年に発見された大気中を漂う新物質ビアトリス。
人間の思考や意志に感応・反応して変化し、あらゆる事を
可能にする。その性質故「奇跡の物質」「現代に蘇った魔法」
として未知にして世界中から注目される新物質であった。

上記ファンタジー設定以外極普通の学園ラブコメ&ギャグ。


吉村護(木村亜希子)東ビ大附属基礎2科の1年生。
心優しく、芯は強く、無敵の癒し系スマイルを持つ男の子。
7歳の時遭遇した事故で見た奇跡に憧れ、この学校に転入。

鷹栖絢子(高橋美佳子)東ビ大附属戦術科の2年生。
生徒会治安部長。魔女ベアトリーチェ、ビアトリスの死天使
等の異名をとる。規格外に卓越したビアトリス使役能力者。

「癒し系の小動物」の様な護と「凄烈でクール」な絢子の出逢は
二人にとって運命的なものとなり・・周辺を巻き込む騒動や
事件等に翻弄されつつ愛を育むという純愛系ギャグアニメ。


登校初日。護は桜の木に満開の花を咲かせ冷ややかな表情
を魅せる謎の少女に出逢い見とれてしまうが・・何の用?
と聞かれ・・戸惑いつつ・・少女に笑みを投げかけた。

その笑顔に初めての衝撃を受けた少女は笑顔を振りまく護に
いきなり愛の告白をする・・その瞬間学園内にも大きな衝撃
が疾走り・・その事件は多くの生徒を震撼させる・・

絢子とは・・容姿端麗だが他人を寄せ付けぬクールな性格で
卓越したビアトリス使役能力から様々な異名を持つ破壊魔的
側面を持つ為畏怖の対象でもあった・・その絢子の告白・・

クール&ビューティーな絢子は・・護の事になるとデレデレ
の甘々で人格が崩壊・・それ以外の事には苛烈な一撃を容赦
なく加えてしまう超ツンデレ?
※ツンデレの定義は・・元々対象にはデレ非対象にはツン
という時代の作品。今のようにツンからデレに変化とは別。

特に護の絡みで冗談や悪戯をする相手には能力を最大限に
振るう破壊魔的な暴挙に出る・・「メガデレ」

そうした学園ラブコメ描写を軸にドタバタギャグ風に展開。

キャラはデザも含めてコメディ向けのソフトな感じで個性
を強調するデフォルメが多いかな。

幾つかの学園での事件や外での事件に徐々に得体の知れない
陰謀に翻弄されていく・・そして大きな試練が・・

其々の成長と友情や愛情色々・・緩急あって良いかな。

全24話。ラブコメの意地っ張り描写とかデレデレをにや~
と見られるなら充分楽しめると想う。

結構笑えたし。

周藤摩耶(小野大輔)東ビ大附属情報科の3年生で生徒会長
周藤汐音(能登麻美子)絢子のクラスメート。生徒副会長
丸山友香(こやまきみこ)資源科の3年生。生徒会美化委員
藤田美月(千葉紗子)護のクラスメート。生徒会広報。
長谷杏奈(猪口有佳)制御術科の2年生。生徒会書記。

吉村逸美(清水愛)護の妹。好奇心旺盛な中学生。ブラコン。

Johan Deiter Rudiger(子安武人)別名<プロイセンの魔王>。

ガートルード・マクヴリーズ(生天目仁美)銀のマリア

鷹栖尚幸(若本規夫)絢子の祖父。元・内閣総理大臣

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

蟹チャーハン さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

ベタすぎるくらいベタな異能学園ラブコメ

世界でも貴重な才能、創造すればなんでも可能にしてしまう、
そんな異能の持ち主が通う学園が舞台のラブコメです。

主人公は異能の方はてんでダメだけど、とびっきりの
スマイルが魅力で、意図せず学園一の美女、それも世界で3人
しかいない異能の持ち主にほれられてトラブルに巻き込まれていきます。

まぁ、すぐに相思相愛の関係になるんで、そこらへんは無問題。
逆にいちゃいちゃシーンが多くて、非リア充な人は覚悟を!
て感じか~。

基本、コメディ、ギャグ路線を突き進むアニメなだけに
時代的にも古臭いギャグが多めで、内容的にも小学生か中学生向けかな。
ちょっと萎えますw

ちなみに異能といってもバトル成分は少なめで、
というか1度しか見なかったか。
それだけでも純粋ラブコメだってわかりますね。

とまぁ、中盤までは特にケンカしたりすることもないし、
周囲がイベント企画して、そこでドタバタ喜劇を繰り返す
パターンが続いて、正直、飽きてきたかな・・・というところで、
2人の関係に思い切り禍根を残す出来事が!!

以下ネタバレで~
{netabare}
絢子と同じレベルの異能の持ち主であるドイツ人が来日、
絢子に研究を手伝えと、そして将来の結婚みたいなものを求めてきます。

で、きっぱり断ればいいんですが、どうもそれがうまくいかない。
頭では好きでもないし断りたいのだけど、異能どうしが引き合って
嫌でも反応してしまうのだとか~。

おっ、これはちょっと新鮮!

結局この事態を収めることはできたのだけど(ドイツ人は帰国)
2人の関係は修復できたようなのだけど、ドイツ人は
研究の用意ができたらまた来る宣言してたし、
根本的にやばいんじゃないですか? とも。

それと2人とも、肝心なときに意志を伝えるのが不得手すぎて
見ているとイライラしてくる場面が多いんですよね。

絢子のおじさんが総理大臣という設定で、彼氏がいることを
ナイショにしたくて黙っているうちに誤解されて、
ドーデもいい相手と婚約パーティーまで開かれるんですが、
なんでずっと黙っているのか?!

言ってもわかってくれない風な強引な展開でしたけど、
意味わからないし、見てて醒めました。どんびき~ ←古いかw
で、そのとき、彼氏は家で不貞寝してたりするんです。
僕はチャンスを逃したから・・・とかなんとか。

なんだこの腑抜け!

でも、ま、どーでもいいや て感じですw

全24話なんですが、この話しの後の17話あたりだったか、
何かの影響で髪型がさらさらストレートヘアーになっちゃう
とかいう(本気でどーでもいい)エピソードで
視聴をやめました~。 他に見たいのたくさんあるしw

まぁ、アニメでもいろいろありますね。
この内容でも24話使えたんだから、
この時代のアニメは本当幸せものです。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

次々に立ちはだかる寝取りキャラからヒロインを守れ

【一話の印象】
桜舞う入学式。ショタ主人公に一目惚れのヒロイン。そして告白。流行りのツンデレに負けないベタ惚れのヒロインに、ピュアラブコメのイチャイチャが楽しめる作品であると期待できる一話でした。

【主人公とヒロインを狙う影】
だが増えるのは寝取り、寝取られキャラの嵐。特に男の寝取り役の充実加減がこの作品の最大の癌。生徒会長好青年。メガネキモストーカー。俺様鬼畜眼鏡。ダンディ叔父さん。どんだけ竿役増やすんだよ。主人公の頼りなさも相まって、選択肢を間違えたら一気に寝取られENDの綱渡りアニメだったような気が。ラブコメディとして見ればそういった恋の空回りはお約束だし、構わないんだけど、そうこうしている間に結局よくわからなかったビアトリス関連の話にいっちゃって、あんまりイチャラブできなかった感が否めない。

【総評】
ほのぼの→ちょっとすれ違い→イチャラブ(比重大)→たまにベアトリス
がベストな構成だったな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

67.2 9 清々しいでファンタジーなアニメランキング9位
錆喰いビスコ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (201)
586人が棚に入れました
全てを錆びつかせる≪錆び風≫が吹き荒れる日本。人々は街や生命を蝕む錆に怯えながら暮らしていた。忌み嫌われる≪キノコ守り≫の一族の少年・赤星ビスコは、瀕死の師匠を救うため、全ての錆を浄化する霊薬キノコ≪錆喰い≫を求めて旅をしていた。旅の途中、忌浜(いみはま)で出会った美貌の少年医師・猫柳ミロもまた、大切な姉を蝕む錆の対処法を探していた。愛する者を救うべく、ふたりの少年が手を取る時、新たな冒険が始まる。人の心までは錆びつかない。

声優・キャラクター
鈴木崚汰、花江夏樹、近藤玲奈、富田美憂
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

露骨すぎるナウシカの模倣は隠す気ゼロ。そこに含意が持たせられたか?

 なるほど、類似性を言うなら確かにナウシカ+アキラ+グレンラガンと言った趣でしょうか。そこに北斗の拳とかディストピアものを入れてもいいし、ターミネーター2やスターウォーズを入れてもいいでしょう。

 それと冒頭の恐らく売春宿を無料で見る医者という場面も医者の善性を表すために良く登場するテンプレですね。
 その意味では模倣の塊と言う批判があるのはやむを得ないでしょう。

 ただその全体的なディストピア表現としての模倣を私は云々言いたくありません。SF作品というのは多かれ少なかれ模倣で成り立っています。いやSF作品だけでなく小説全体が模倣…類似性の塊です。ですので、舞台やキャラ設定の類似性はほぼ気になりませんでした。

 それは物語世界の世界観を明確に表現しているから、これからどんなストーリーが展開されるかワクワク感がちゃんとあったからです。
 エンターテイメントとして、謎と敵対する組織に内部事情がある雰囲気、主人公といずれ意思をともにするだろう2人のヒロインがちゃんと描写されていました。なので、物語世界に興味を持ってすんなりはいれました。

 となったときに問題は、ナウシカというビッグネームの構造を露骨に物語に組み込んだという事につきます。これを軽く考えてはいけません。それを分かって原作者も編集もこの作品を世に出したということは、ここに意味性を持たせない限りは模倣性を糾弾されても仕方ありません。

 以下 ナウシカの原作のネタバレがあります。

 {netabare}キノコが悪だけど実は浄化、巨神兵、森の人、コルベット、巨大浮遊生物等々ですね。ナウシカそのものです。生半可な類似性ではありません。演出やギミックを通り越して構造がそのままナウシカでした。完全にオマージュを通り越しています。

 一応善意に解釈すると、それはハッピーエンドと分かりやすい結末という気がします。
 何が言いたいかというと救いと爽快感ですね。映画版のナウシカではなくマンガ版を読んだ人なら分かると思いますが、圧倒的な絶望のバッドエンドが描かれます。それはナウシカ個人の問題ではなく今生きている人類の滅亡を宣告され避けようがないという終わり方です。
 このバッドエンドに対するアンチテーゼかなあという仮説がまず1つ。

 もう1つはナウシカの最大の欠点。それは人が描けていないことです。特に映画版ですね。クシャナ殿下とクワトロがかろうじて人間的でしたがそれ以外はほぼ内面がなく「キャラ」でした。特にナウシカの善性はサイコパス的でもあります。
 その意味では各キャラクターは結構活き活きと動いていたと思います。人間の欲望としての性の部分を敢えて入れたんでしょうか。大茶釜チロルとかですね。中途半端ですけどね。

 ただ、これは敢えてでしかなく、そこまで深い意図があったかなあ、という気はしますね。オマージュだけのつもりならオマージュをはき違えています。

 
 もう1点、本作についての批判、物語の展開が読めるかといえば読めます。これは本アニメの範囲であれば、最後のビスコ復活も含め、SF読みなら完全に読めると思います。
 ナウシカの模倣ということで巨神兵展開は完全に読めますし、あのサビが人為的なものというのも県知事の描き方から言って、半分に行く前に想像できます。
 ビスコが死ぬタイミングも早すぎて復活するんだろうな、という予測ができます。もちろん錆喰いの設定がそれを裏付けています。{/netabare}

 ただ、言えるのは読めるかどうかは実は物語の面白さに関係ないんですけどね。どちらかといえば隠そうとして読めるのがシラケるのであって、本作ははっきり言えば隠しているとは思えないほど一本筋のストーリーでした。まあどういう演出で来るかを楽しめばいいのでしょう。


 総評です。ナウシカの模倣と物語が読めるという批判があるのは理解できますし、完全に同意です。その場合問題になるのは、エンタメとして面白さ、センスオブワンダーがあるか、そしてテーマ性や含意ですね。

 テーマ性はあまりないと思います。もちろん科学技術と支配みたいな部分にテーマ性を牽強付会はできますが、本作ではギミックのレベルでしょう。
 センスオブワンダーは本作では従来のSFディストピアものを超えていないです。特に構造に模倣があったのでなおさらです。悪のモチベーションや構造もテンプレで読み切れる構造でした。

 で、まあ褒めるところがあるとすればアニメーションとして演出とキャラ達が好きになれるかと言う部分かなあ。最後まで見て、キャラたちのそれぞれの活躍は、なかなか面白かったというレベルにはなっていると思います。

 思いますけどやっぱりこれって許されるレベルの模倣なのかなあ、という引っ掛かりは残りました。
 本来ならナウシカの模倣性の意味が希薄なので、物語に1を付けたいところですけど、うーん。キャラたちが作り出したストーリーはまあ、面白いといえば面白かったかなあ。

 なお、時間が前後するのはいやこれくらい読み取ろうよ、というストーリー展開上の演出レベルですね。これがあるからまだ見られる話になっていたと思います。
 これが駄目ならブギーポップは歯が立たないでしょう。

 ナウシカの模倣を許せるかで評価が変わるでしょうね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

二人のアカボシ

文明崩壊後、全てを錆びつかせる”錆び風”が吹く、荒廃した日本を舞台に、
“キノコ守り”の少年・赤星ビスコと、町医者の美少年・猫柳ミロの旅路を描いた
同名ライトノベル(未読)のアニメ化作品。

【物語 3.5点】
原作1巻分の内容をジックリ1クールで。

序盤3話こそ、トリッキーな時系列前後もあるが、
後は古き良きディストピアを驀進する
アウトロー冒険譚が淀みのないペースで繰り広げられる。

掛け合い含めたノリは良くも悪くも旧世紀末のアクション映画風味。
いつも血塗れなアイツ、ま~た死に損なったのかw
やっぱりラスボスはイカれているのかw
ま~た最終決戦前に{netabare}美女とキス{/netabare}するのかw
洒落たセリフで煙に巻いているけど、これって結局オマージュと称したヒット作からのパクリじゃないかw
芸が無いなと苦笑しつつ、内心は興奮しながらTVロードショーを鑑賞していた
あの頃を思い出しますw
こういうノリが許容できるか否かが折り合いのポイント。
私は、何もかも皆懐かしい……という心境で終始楽しめました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・OZ

聞き慣れない制作会社だが、
陣容は碇谷 敦監督が『ID:INVADED』制作時のメンバーで固めたとのことで、
作画ソースは潤沢ではないが、チームワークは良好だったのか、
工程管理不足による乱調はあまり見られず、
海獣が空を舞う等、尖った世界観の再現に注力できている。

幼少時、動植物、魚、きのこ等の図鑑の写真イラストに、
メカニックの精密さに通じるトキメキを感じた方には刺さるデザイン。
エスカルゴ空機とか最高じゃないかw

銃火器よりも、“キノコ守り”がキノコを咲かせる菌糸を仕込んだ弓矢が上位に来る。
燃費、戦費を無視したバイク、戦車と巨大生物、古代兵器との乱戦。
など戦闘シーンもマニアックだが私は好き。

世間で、右肩上がりの不揃い手書き細字フォントが猛威を振るう中、
ゴツい毛筆調のタイトルフォントや、
太字ゴシックの“群馬”看板などを譲らないのもツッパってます。


【キャラ 4.0点】
“キノコ守り”ビスコだの、町医者・ミロだの、{netabare}チロル{/netabare}だの元気が出そうな菓子名で、
アクが強いメインキャラを固める。
入れ替わりの激しい菓子業界でしぶとく生き残っている菓子名でもあり、
その点からも懐古の主張を感じます。

無敵の最強(恐)アウトロー・ビスコの猛進を、
ひ弱だったミロが知識と医術で視界を補いつつ共闘している内に、
染まっていくのも凸凹バディの典型。

ミロの姉御で凶暴ライダーでもある忌浜警備団長パウーが執拗にビスコを追跡する内に……。
というのもお約束の流れ。


生物では、横歩きより前へ突進する進化を選んだ巨大蟹・アクタガワの“暴れ馬”ぶりが強烈w
上に跳ぶためのジャンプ台でもあるエリンギと合わせ、
動植物ですら下や横道を拒絶して、諦めが悪過ぎるアウトローの生き様の熱量アップに貢献。


【声優 4.0点】
主人公ビスコ役の鈴木 崚汰さん。
個人的には『かぐや様~』の石上会計の草食系な演技の印象が強く、
無頼のアウトロー熱演は新鮮。終盤のバトルなど敵よりビスコの方が鬼気がありました。
ただ、恋バナにはウブなビスコ。動揺する声が可愛かったですw

相方ミロ役の花江 夏樹さん。
優しい町医者さん→空中から弓で狙撃する武闘派へと変貌していく成長度合いを、
声の変化を付けて好表現。最後はどっちがビスコか分からない程ドスが効いてましたw
患者をちゃんと叱れる医者こそ名医です。


彼らに対峙するのが、忌浜県のブラック知事・黒革役の津田 健次郎さん。
クライマックスでは{netabare}テツジンのうめき声{/netabare}までカバーするボスキャラぶり。
ネットリと憎悪を煽る挑発的な声で、メイン二人の怒りの演技をスムーズに引き出す。


シャビ役の斎藤 志郎さん。
荒涼としたディストピアには、ベテランの濁声(だみごえ)のスパイスが欠かせません。


【音楽 4.0点】
劇伴は椿山 日南子氏が多彩なジャンルを駆使して、
文明崩壊後の日本の無国籍感や、心情曲まで幅広くフォロー。
椿山氏に背中を任せた上田 剛士氏が
ハードなロックやテクノを剥き出しにして、思う存分暴れ回るコンビネーション♪
{netabare}最終話ED{/netabare}でもある「ぶち抜け!」辺りは中々のアドレナリンブースターぶり。

OP主題歌はJUNNA「風の音さえ聞こえない」がロックサウンドでディストピアに殴り込み♪
この方どこかで……と思ったら、『まほよめ』OP歌手だったのですね。
曲調、違うから分かりませんでした。意外とロックがお好きなんだなとw
挿入歌「フラクタル」ではバディの結束が深まる瞬間を詩的なロックで捉える。

ED主題歌はビスコ&ミロ「咆哮」
人情ノスタルジー歌謡曲?でデュエットしているのを聞いている内に、
脳裏に浮かんで来たのが、レビュータイトルだったのですが、
この曲、覚えている方どれ位いらっしゃるのでしょうかw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

ネムりん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

最終話まで観ましたが.....

作画3.0点→3.5点(最終)

最後まで視聴したけど、他の作品から引用し過ぎたね...。
『ドロヘドロ』、『ナウシカ』、『AKIRA 』、『砂ぼうず 』、『FAIRY TAIL』と。
鉄人は『ナウシカ』の巨神兵だし、黒革がキノコに潰される所は『AKIRA』の名シーンそのものではっきり言ってしまえばやりすぎ。

オリジナルの世界観があるだけにオリジナルティーを出せていないという何とも皮肉な内容となってしまったが、良いところを見つけて点数付けるつもりでいたけど、さすがにこれは高い点数を付けられなかった。
"あにこれ"よりも評価者数が10倍超の辛口評価サイトで作品内容をかなり叩かれていたが、結果として全体の3/4以上の視聴者に低評価(結局は厳しめの評価をしているサイトの方が、いろんな見方をしているので参考になる。)されてしまうのは仕方がないと思う。

時系列シャッフルは何とか許せたが、{netabare}ストーリーに都合のいいように主人公を復活させてしまったし、最後まで謎だった部分が解明されないまま終わってしまった{/netabare}ので、脚本も上手く描かれていたようには思えなかった。
{netabare}サビ風の原因が鉄人{/netabare}というのはエンディングのネタにするにはシンプル過ぎるし、環境汚染やウイルス関連に絡ませるとか響天動地、錆喰いの秘密に迫る奇を衒う内容にしてもらいたかった。
それから内容が単調だったので"チロル"をもっと話に絡ませた方が良い出来に仕上がっただろうし、見た目も中身も中高生をターゲットとしたジャンプアニメ作品のような作りになっているので、原作改変するなら対象年齢をもっと幅広く取れる工夫が必要だったと思う。

作画は最後の方気合が入って描かれていたが、同じくらいのクオリティを保てれば4.0点くらいは付けられたけど、弱い部分が散見されたので-0.5点。

声優の鈴木崚汰さんは声がマッチョでカッコよく、JUNNAさんのOP曲はやはり良いね。(2度目)

総評するとストーリーが良いと全体が良く見えるのでもっと上の点数を付けられたが、期待はしていたけど凡庸な作りに終わってしまい、期待を超えることができなかった今一つ物足りない内容の作品でした。




以下は過去レビュー

{netabare}3話目まで観た感想を言えば世界観や設定が分かりづらく、ストーリーに入り込めなかったイマイチよく分からない作品。

東京が爆心被害にあって消滅したのは初回冒頭を観れば分かるけど、それが原因で錆び風が発生しているのか、どういう仕組みで錆び風が起こるのか、爬虫類や海産物がなぜ生息しこれらは錆び風の被害に合わないのか、錆び風の被害にあってない人はどの様にして身を守ったのか、日本なのになぜ砂漠化しているのかなど、不明な部分がたくさんありすぎてどんどん話が進んでしまっているため、説明不足感が否めず、今のところは首を傾げながら作品を観るしかないです。
YouTubeとかで話題になってる時系列シャッフルなんて原作改変も甚だしく、独善的な考えで論外 。

作風は確かに言われてみればドロヘドロだけど、砂ぼうずみたいのが出てきたり、AKIRAに出てくるバイクのようなのが出てきたり、主人公がジャンプアニメ作品に出てきそうなキャラクターだったりと、いろんなものが混在していて目新しいものが感じられませんでした。
ビスコの相棒のジャビが攻撃被害を受け負傷したので、仕方がないからミロを連れて旅立つ展開もありきたりで、途中で内容が読めてしまい捻りがなく面白味に欠けました。

作画も突然巨大キノコが発生して危機迫る展開になるかと思いきや、ただキノコがでかいというオチだけで終わってしまったし、ロングボウアパッチのような攻撃用フェリが出てきて迫力のある戦闘シーンの展開を期待してみれば、PSYCHO-PASSや20年も前の攻殻機動隊シリーズに比べると、ミサイル攻撃がロケット花火みたいで全体的にチープな出来で全然でしたorz。

声優は筋トレオタクで赤星ビスコ役の鈴木崚汰さんは芯の通った太い声でかっこいいと思ったけど、 ミロ役の花江くんはいつもの声の演技で、どこかで聞いたことある声だよねーと旨みが感じられず、もう少し演技を変えてもいいのかなと思ったりして...。

OP主題歌はJUNNAさん。タイトルに"風"、歌詞に"サビ"というフレーズが入ってるので起用されたと思いますが、作品によって合っている曲と合っていない曲がある方だなと感じていましたが、今回は合っていたと思います。良かった。
EDの"咆哮"、ミロとビスコのデュエット...う~んイマイチ.....

総括するとこれといって魅力的に感じられるものは現時点ではないという結論になり、原作が各賞を受賞してきた経歴を感じさせない内容の出来で、あと2、3話ほど観て同じ作風が続くようなら視聴断念してもいいのかなと思ったのが率直な感想です。

{netabare}ていうふうにレビューされたら評価している人は嫌ですよねー、というお話。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

69.4 10 清々しいでファンタジーなアニメランキング10位
きみの声をとどけたい(アニメ映画)

2017年8月25日
★★★★☆ 3.6 (117)
523人が棚に入れました
湘南・鎌倉の海辺の町を舞台に繰り広げられる、少女の悩み、葛藤、夢、そして届けたい“声(想い)”の物語。
将来の夢が見つからず少し焦っている16才の少女・行合なぎさは、幼い頃に祖母からきいた「コトダマ」言葉には魂が宿るという話を、ある出来事により信じている。
ある日、なぎさは何年も使われていないミニFMステーションに迷い込み、軽い気持ちでDJの真似事をする。すると、放送されたコトバは 思いもかけない人に届いていて―。

声優・キャラクター
片平美那、田中有紀、岩淵桃音、飯野美紗子、神戸光歩、鈴木陽斗実、三森すずこ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ユニゾンする声

2017年8月25日公開の劇場アニメ。
海辺の街を舞台に女子高校生たちの青春を描くオリジナル作品です。

この映画は御覧になられた方が少ないと思いますので、
ネタバレにならない範囲でストーリーを紹介しておきます。

~あらすじ~
海辺の町、日ノ坂町に暮らすなぎさはごく普通の高校1年生。
主人公なぎさには3人の幼なじみがいる。3人は全員ラクロス部。
かえでは同級生でスポーツが得意。はっきりした性格で気が強い。
雫もなぎさの同級生でお菓子作りが得意。こちらはおっとりした性格。
夕は別の名門学校に通うラクロス部の時期キャプテン。部活では3人のライバル。
特にかえでは夕に対してライバル意識が強く、最近は関係がギスギスしてきている。
夕のことを悪く言うかえでに対して、なぎさは快く思っていない。
でもかえでもなぎさの大切な友達なのでその思いは口に出せず、それがストレスになっていた。
ある時、何年も使われていない喫茶店アクアマリンに迷い込み、
その一角にあるミニFMステーションの設備を見つけたなぎさは、
ちょっとしたいたずら心でDJの真似事をする。
その放送を偶然聞いた少女、紫音との出会いから始まる夏休みの物語。

本作は極めてオーソドックスな青春アニメです。
将来の夢が見つかならず悩んでいるごく普通の女の子が新しい物に触れ、新しい人と出会い、
時にぶつかりながらも仲間たちと共に成長し、今まで気づかなかった自分の強みを見つける。
…という王道そのものの少女マンガ系ストーリー。展開も本当にベタ。
「誰」の声を「誰」に「どうやって」届ける物語なのか、
あらすじをもう少し先まで書くと勘の良い方は最後の結末まで読めてしまうんじゃないだろうか。
ただベタなのは別に悪いことではないですね。奇を衒ったものが良いとは限らない。
(べ、別に打ち上げ花火の映画の話とは言ってないからね)
青春物のツボはきっちり押さえてあるので安心して見れると思います。
いやー映画館で思いましたもん。「こういうのでいいんだよ、こういうので」って。
ほんとバカみたいにまっすぐなお話です。
ちなみに恋愛要素はありません。
「百合は?」あるわけないだろそんなもの!

少し目新しいのは言霊(コトダマ)というテーマでしょうか。
なぎさは幼い頃に祖母から聞かされた言霊の話を今も信じています。
願い続ければきっと叶うし、悪いことばかり口にしているとそれが現実となって自分に返ってくる。
なぎさの目にはその言霊が実際に見えるといいます。
電波な少女…ではなく、彼女は少し夢見がちな女の子なのです。
言霊信仰はなぎさの人当りの良さに作用している反面、
言いたいことがあって言えないという彼女の悩みにもなっています。
「思春期における葛藤」という青春物の大事な要素につながっているわけです。
この言霊の映像表現が平凡で拍子抜けするかもしれません。正直シャボン玉にしか見えない。
おっと、悪く言うと自分に返ってくるんだった。

でも「きみ声」がビジュアル・バリユーに優れた作品とは言い難いのは確かです。
背景等十分きれいなレベルですが、深夜アニメの中でも本作を超えてくる作品は多々あるかと。
僕が良いと思ったのはキャラクターデザインですね。
今の萌えアニメの主流とは明らかに違う"かわいい"というよりは"かわいらしい"デザイン。
言霊という少しファンタジックな要素と相まって、なんだか懐かしい「青春のおとぎ話」
といった雰囲気を作り上げています。

音楽には非常に力が入っていて、どれも良い曲です。
音楽担当は「響けユーフォニアム」の楽曲等を制作された方だそうです。

でもまぁ、中盤まで見た僕の感想は「悪くない。全然悪くない。でもフツー。」という感じでした。
この映画、ベタな話だと書きましたがストーリー構成も超ベタ。教科書通りの三幕構成。
物語の終盤に楽しい日々が終わってしまうような出来事があり、そして映画のクライマックスでは…
お約束。お約束すぎる展開だ。でもなぜだろう?僕の目が涙で滲んでいるのは。WHY!?

これはもう、なぎさちゃんの言う通りかもしれないね。

*。*。 奇跡も、魔法も、コトダマもあるんだよ *。*。

「そんな台詞なかっただろ!!」と怒られそうですねスイマセン。
(実際のキャッチコピーは「コトダマってあるんだよ」)
このアニメは新世代の声優を発掘するオーディション「キミコエプロジェクト」で選ばれた6人を
デビューさせるという声優アイドル企画ものです。
「きみの声を届けたい」は新人声優(=きみ)の声を観客に届けるための物語でもあるわけです。
そう考えると青春物の面白さを表現しつつ、デビューしたての声優のフレッシュな魅力を最大限に活かした
非常によくできた脚本のように思えます。
言葉のチカラ、声のチカラ、音楽のチカラ。それは決して陳腐ではない。
彼女たちの歌声から、声優企画と青春ストーリーのシナジーを確かに感じられたのです。

夏から秋の始まりにかけての時期には爽やかな青春物が見たくなるもの。
そんな要望にきっちり応えてくれると思います。
この作品、欠点はいくつかあれどイヤなところは一つもないんですね。それが大きな長所です。
あまり宣伝されなかったためか認知度が低く、すでに公開を終了している所も多いようですが
青春アニメが好きな方にはお勧めできる内容です。
きっと見終えた後は気分良く映画館を出れるはず。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

言葉には、魂が宿っているんだよ。ちゃんと声に出せば、その願いは叶うの。

たまたま手に取った作品だったので
高い期待はしていなかったのですが、

見てみると、
個人的な好みにハマった作品♪

新人声優発掘育成企画
「キミコエプロジェクト」と連動していて、

本作のメインキャラ7人のうち6人が
プロジェクトのオーディションでの合格者で、
この作品がデビュー作です。

だけど、下手だとか素人っぽいとか、
そんなマイナスな印象はまったくありませんでした。

90分ほどの作品でした。


● ストーリー
高校2年生の行合なぎさ(ゆきあい なぎさ)は、
言葉には魂、“コトダマ”が宿っていると信じている。

たまたま雨宿りをした喫茶店。
閉店して誰もいない店内にあったのは、ラジオスタジオ。

ラジオDJの真似事をしたつもりが、本当に電波が飛んでいて、
ラジオ番組「アクアマリン」のDJの娘・矢沢紫音(やざわ しおん)と出会う。

「アクアマリン」の元DJであり、紫音の母である朱音(あかね)は、
12年前に事故に遭い、それ以来昏睡状態が続いていた。

ラジオを通して朱音さんに呼びかけることを提案したなぎさは、
仲間と共に「アクアマリン」を復活させる。


言葉には魂が宿っている。
“コトダマ”を信じ、言葉を大事にしている主人公・なぎさ。

なので、
自然と“言葉”がテーマとなっています。

どんな気持ちでも、
言葉にすると、それは力を持つものになる。

いい言葉も、よくない言葉も…。

友だちが友だちの悪口を言う、
そんな姿を見たくない。

どうせ口に出すなら、
叶えたい願い事を。

そんな前向きななぎさの言葉、
私にはたくさん響いたよ^^


≪ みんなでラジオ番組を作る! ≫

ラジオ番組でトークしたり、
オリジナル曲を流したり…。

そういうのが新鮮で、わくわくしました♪

女子高校生のひと夏の物語としては、
十分な展開と盛り上がりでした!


● キャラクター
キャラの作画は少しクセがあるかな?
あまりかわいいとも、きれいとも言えません。笑
(作画が悪いわけではないのだけど…。)

口がωとなっているのも、好き嫌いがあるかも。

なぎさのキャラには合っていたと、私は思いますが♪

メインキャラの声優さんはほとんど新人さんということでしたが、
皆さんお上手だったと思います^^

特に主人公のなぎさ役の片平美那さんの演技が自然体でよかった♪

なぎさの台詞には、
何度かうるっとさせられました(´;ω;`)


● 音楽
メインキャラによる挿入歌が
たくさん使用されていました。

どれもいい曲でした♪

特に山場の挿入歌がよくてですね…(´;ω;`)

音楽担当は松田彬人さん。
BGMは優しい曲が多く、印象に残ったものが多かったです♪

映画で聴いて惚れたので、
すぐにサントラ手に入れました(`・ω・´)


【 挿入歌「Wishes Come True」/ メインキャラ7人 】

山場で流れました。

曲もいいし、
曲に合わせて涙をこらえながら歌う紫音にこちらが涙(´;ω;`)

クライマックスの盛り上がりは、
間違いなくこの曲の力が大きいです!

音楽の強い力を感じました。


【 ED「キボウノカケラ」/ NOW ON AIR 】

メインキャラ7人のうち、
新人声優6人によるユニットです。

明るくて、この作品のEDにふさわしい曲だと思います♪

この曲好きだな~^^


● まとめ
90分という、やや短い時間だからか、
展開に無駄がなくて思い切りがあり、よかったです♪

まっすぐななぎさに引っ張られて、
重い話も重すぎず。

正直ストーリーはベタな流れで、
展開もありきたりではありますが、

挿入歌がとてもよかったのも手伝って、
私はこの作品の雰囲気好きでした♪

映画公開時にはそれほど話題にならなかったけれど、
知らない人が多いのはもったいない作品です!

言葉にできる強い想いは、きっと叶うはず。

言葉の力を信じて、
前に進む勇気をくれる作品でした^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

高2の夏休みの小さな出来事を描いた良作も、映画としては…

 なぜ、アニメの世界ってミドルティーンを中心に置くんでしょう?10代中盤と言う年齢からは「発展途上」「未成熟」「可能性」そういった言葉が思い浮かぶからでしょう。つまり「成長」を描くことができるからでしょう。
 その中でも高校2年生は、大学受験もない高校生活もおっかなびっくりじゃない。一番安定して何でもできる1度しかない「思春期」の真っただ中です。悩むこと、泣くこと、チャレンジ、好奇心、そして失敗が許される年齢というのが高校2年生なんじゃないでしょうか。

 この作品の主役が例えば18歳の大学生ならまだ通用したかもしれませんが、ここまで仲間に対していろんな葛藤があったでしょうか?地元という地域性に由来した人間関係でしょうか?大学生は少なくともある種の選別が終わって、多様性が無くなる時期です
 20歳ならどうでしょう?ちょっと幼い感じがしないでしょうか。20歳や社会人になるといった切れ目を超えると大人でならなければならない、完成系でなければならないという気がしてしまいます。

 だから本作は高校2年生でしか成立しないのでしょう。

 江ノ島はアニメのみならず文学でも舞台になる場所です。行ったことがある方はわかると思いますが、関東近郊であれほど「青春」という単語がぴったりくる場所はありません。長い海岸線とそれに沿って走る134号線。そして江ノ電、モノレールに鎌倉、水族館。低い山に張り付くように広がった街。何よりも江ノ島とその上の塔を見ると、唯一無二の場所感が、ものすごい詩情となります。

 ストーリーです。言霊と歌とFM…ついでにお寺の鐘の叫びですね。言葉に発する、それが気持ちになって人に伝わる。また、人に伝わると同時に自分にも帰ってくる。単なる情報ではなく、実体を持って伝わるのが言葉なんだよ、と。

 だからこそ、友人同士の諍いがあって、劣等感や優等生の胸の内があって…でもそれは伝えていないからで、言葉にすることによってどんどん収束してゆきました。
 言霊はオカルトではなくて、自分も含めて言葉を発することで、言葉は実体を持つ。だから、大切に扱わないといけないし、止めてもいけないということかもしれません。

 母親のところも昔きいた子守歌の記憶と、目を覚ましてほしいと歌う歌の対比が良かったですね。想いがFM放送を通じて時を超えて伝わっていました。
 
 作品全体は、100Mの範囲に届くFM局の話で小さな出来事ですが、シンプルながらいい話だと思います。言葉の持つ力を、いろんな考えや状況の人を配置することでうまく描き切っています。

 2度と戻らない高校2年生の夏休みのちょっとした成長が、その後の人生に多分影響したんだろうなあという余韻を残してくれました。
 アニメ的には、江ノ島の夏の雰囲気がしっかりと画面から伝わって来て、作画も美術もキャラデザも良かったと思います。

 感情に訴えかけるものがある良い映画でした。ただ、映画としては満足度は低いかもしれません。サブスクで見たから私は素直に良いと思えましたが、映画館まで行くかなあ。

 点数をつけるなら4.2点は盛ってないし、見て損はないと思いますけど、劇場映画かあ。短編小説を読んだような視聴後感なので、名作というよりも良作という感じでしょうね。


 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

64.6 11 清々しいでファンタジーなアニメランキング11位
スレイヤーズRETURN[リターン](アニメ映画)

1996年8月3日
★★★★☆ 3.5 (39)
268人が棚に入れました
とある宿場町、あいも変わらずつまらないことで喧嘩していたリナとナーガの前に、1人の傷ついた少女が現れる。ある日、レッサー・デーモンを連れた男が村にやってきて、村人を脅して無理矢理働かせ始めたのだと言う。ビアズというその村の名前に聞き覚えのあったリナは、一味を追い出して欲しいという少女・サリーナの頼みを聞くことにした。

arts さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

気分が落ち込んだときに見るべき作品

スレイヤーズの劇場版。
スレイヤーズの劇場版はどれもテレビシリーズよりもコメディ色が強いが、本作もシリアスはほとんどなくギャグで一貫している。
また、テレビシリーズでは主人公含む女性キャラの恋愛要素も若干描かれているのに対して、この作品やその他の劇場版ではほとんどの作品で相棒がナーガという女性キャラなので、そういった要素が描かれることはあまりない。
そのため、劇場版とアニメでは同じスレイヤーズシリーズでも大きく違うと割り切って楽しんだ方がいいと思う。

本作も感動的なストーリーを楽しむというよりは、ギャグや魔法を使用する見せ場のためにストーリーが一応用意されているといった感じがある。
というよりも、作品全体が真面目で重厚なファンタジー作品に対する皮肉のような気さえしてくるものとなっている。
しかし、それが主人公含む登場人物たちの魅力によって、嫌味になってないのがスレイヤーズシリーズの凄いところだと思う。
いずれにせよ、ストーリーを追うというよりも、あまり深く考えずにキャラ同士のやり取りを見るという楽しみ方が本作には合っているように感じた。

また、主人公のリナは90年代に多かった男に依存しない女性キャラの代表格といえるだろうが、上述のように恋愛要素が全くない分、彼女の清々しいほどの豪快さを存分に楽しむことができる。
基本的に傍若無人な性格は、個人的には絶対に身近には居て欲しくないが、見ている分にはとても清々しい。

ストーリーは本当にくだらないものであるが、なぜか見た後にスッキリした気分になれるいい作品だと思う。
気分が落ち込んだ時などに元気になれる作品を探しているならば、本作を含む劇場版スレイヤーズ作品をお勧めしたい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

タイラーオースティン さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でおバカで軽い感じで楽しめるスラップスティックコメディー

前作で、リナとナーガの漫才のような掛け合いがメインだったら楽しめるのにと思った。

その通りに登場したので、のっけから好印象です。乗り込んだ敵の本拠地は掘っ立て小屋で、ボスはみすぼらしく、かつての部下に給料未払いで袋叩きに合うほど情けない、という脱力系の展開から、掘り出した魔獣の暴走と対抗すべく作り出したゴーレムのこれまた暴走といった具合に、かえって事を大きくしてしまうバカなノリは、スラップスティックなアニメとして単純に楽しめました。前作にあった情感は皆無なのですが、60分の映画ならば、これくらい割り切りってお笑いに徹していた方が好感が持てます。

併映していたもう一つの作品がシリアスな内容だっただけに良いバランスが取れていたのも大きかったかな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

さすがスレイヤーズ!

劇場版第2作目。
世界征服を目論む最強?の組織との対決を描いたドタバタストーリー。
その内容はスレイヤーズらしさを十分に発揮した内容で最高に笑えました。
特にオチが面白過ぎる!
やっぱりスレイヤーズはこうでなくちゃ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

61.0 12 清々しいでファンタジーなアニメランキング12位
あさっての方向。(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (138)
627人が棚に入れました
小学6年生の少女五百川からだは、両親が他界してからは兄の尋と二人暮らしをしている。からだは尋を楽にしてあげたいと早く大人になることを夢見ていた。ところがある日突然、からだは尋の元恋人・野上椒子と年齢が入れ替わる形で大人になる。それは、からだが願いをかけた願い石の魔力なのか…?

ろき夫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

本当に良い作品

~あらすじ~

静かな町、叶町が舞台。大人の姿になってしまった少女「からだ」と、子供の姿になってしまった女性「椒子(しょうこ)」
それぞれの想いを口にできないまま戸惑う二人だったが、共に暮らす内に徐々に心を通わせていく。
二人のヒロインと、彼女たちをとりまく人々を描くひと夏のファンタジー。




【感想】

タイトルも地味で、絵柄もピンと来ず、最初は全然期待してなかった。
けど、結果的に大当たり。予想と反してこれほど良かった作品も自分の中では珍しい。
実際、最近見たアニメの中では一番良かった。点数に反映されないけど、お気に入り度で言えば満点。
本来眠くなるはずのこたつ環境下で、目が覚めるような面白さだったのだから多分相当良い作品ですよ、これは・・・。
レビューがつい長くなってしまいました^^;

この作品の良いところを言いますと、いろいろあるのですが、主に「雰囲気が良い」ということ。

その雰囲気とはどこからやってくるものなのか、というと「細かさ」です。
漫画でも、旅館でも、なんでも、何となく雰囲気がいいものってあるじゃないですか。
ああいうのってやっぱり、嫌味が無い、程良い細かさ、というのにとても気を使ってますよね。
このアニメで言うと、人物の反応が細かいんです。欲しいところに欲しい表情を入れてくる。
リアクションが至って自然。そのキャラの心情になりきって考えられている。
なんだか書いていて当たり前のように感じるけれど、それが新鮮に感じたということは、それがちゃんとできているアニメって実は少ないんじゃないかと、経験的に感じるわけです。ストーリーのシンプルさゆえなのか、制作進行が上手いからそう見えるのか、たぶんどっちもだと思うんですけど、急いでる感じが全然せず、ゆとりを感じさせます。からといって、退屈かと言うとそんなこともない。

すんなりドラマに入り込める工夫が徹底していて、分かりやすい萌えや、顔芸、あざとさを極力排除している。
萌え要素、萌え絵、そういうのがあるとどうしても許容(スルー)しなくちゃいけない部分があるよな、と思ってしまう。例えば、演劇部的な言葉の掛け合いの不自然さだったり、足場の悪い所にわざわざ立っていたり、すれ違い当たり前の恋愛脳展開だったり・・・まあいろいろ。批判してるわけじゃなく、そういうのも好きで、全然OKなのですが、許容する部分を広くしているせいかハードルも低く、並なお笑い番組に対して抱くような期待度しか抱かなくなって、繊細さを諦めてしまっている部分がどこかあるんですよね。もちろんその期待を良い意味で裏切るものもあります、が、やっぱり基本大味なわけでして、二郎系じゃなくて中華そばの薄味で繊細なのが食べたいよーって、欲求不満な感じになっていく。萌え要素って、あざとさを売りにする代わりに犠牲にしてる部分も大きいよなって思う。この作品の素朴さは、じんわりとくる優しさで、荒れた胃を整えるのにうってつけ。最高の癒しになります。

結局のところ、人物の反応に目が行ってしまうのは、演出が細かいからというのもあると思うけれど、他に目立つところを意識的に無くしているから、という気もしてくる。何もかも平凡だけど、それが全て収まるところに収まっている。都合良く考え過ぎな気もするけど・・・。まあ、どちらにせよ徹底している。特殊なことは恐らく何一つやってないんですけど、恐ろしく正確なんですよね。当時、どのような制作現場だったのか興味が湧いてきます。


・人物の反応が良く見えると、ストーリーも良く見えてくる。

この物語のテーマとなる、大人っぽさと、子供っぽさ。
うわべじゃない本当の、っぽさ。それを作品は、ちゃんと理解しているように感じた。
ヒロインの一人、からだちゃんは12歳の少女。体格が幼いので実際はそれ以上に幼く見える。
けれど、彼女は目上の人に敬語を使うし、家事もテキパキこなす。大変気のきく良い子だ。
その中身と容姿とのギャップに、第一話では驚かされるはずだ。ヘタすると「大人っぽい」なんて思うかもしれない。
けれど、それは錯覚で、まだまだ子供だということが大人の姿になってからはっきり見えてくる。

子供と大人の差はなにか?
いろいろ尺度はあると思うけれど、一つ明確なのが「問題解決に対する対応力、柔軟性」だと思う。
家事・礼儀なんてものは背伸びしたら身につくことかもしれないけど、こればかりは人生経験を積み重ねないと身に付かない。からだちゃんは、何かトラブルがあると、どうして良いか分からず戸惑ってしまう。そのとき相談役になるのが、幼児姿になってしまった椒子さんだ。彼女は、からだちゃんに気を使い、適切にアドバイスを与える。その冷静な振る舞いはまさしく大人の女性で、子供を見守る保護者のしぐさもしたりする。大人が大人っぽいこと、子供が子供っぽいことを言っても当たり前で、何も感じない。しかし、それを内面と外面のコントラストよって、「っぽさ」の違いを強調するあたりに面白さを感じる。椒子さんは家事がてんでダメ、という設定も評価したい。

それぞれ、大人子供の姿になったからこそ自分を見つめ直し、内面の成長を見せたエピソードもあり、「姿が逆転する」という一つの仕掛けを、物語を動かす上で十二分に有効活用している。「盛り上がりどころがない」なんて意見もあるけど、個人的にはそう思わない。物語は、ご都合主義が目立つ部分も多少あるが、それは必要最低限のフィクションといった感じで、人物の心の動きに忠実な流れなので、そこに注目していれば盛り上がりどころもあるし、必ず面白く感じるのでは、と思う。最終話に関しては、何度最高だ、と口にしたか分からないほど連呼した。本当に最高だった。


まだ見たこと無い人にはもちろん、以前見たけどそんなに感じ入れ無かったよって人にも、もう一度見てもらいたい。
まさしく「もっと評価されるべき」だと感じてやまない、大好きな作品だ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19

めじな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感想

全12話。日常・伝奇・感動もの。

あらすじ
大人になりたい子供(五百川 からだ)と子供になりたい大人(野上 椒子)。
ある日、からだが「願い石」にお願いします。それは願い石の力なのかお互いの身体が入れ替わる。
願いが叶った二人は過去の自分と向き合っていく物語。

キャラなんですが、からだちゃんが可愛い。
まだ小学生なのにしっかりしてる。
次に子供になった椒子さんは頭脳は大人、身体は子供でコナンみたいw
メガネかけた生意気なカンジで笑えますw

前半から話はゆったりと進みます。でも、テンポは悪いとは思わない。
早く大人になって尋から独立したいと思っているからだと、
過去をやり直したいと思っていた椒子が入れ替わるが、
身体は大人になっても心が大人じゃなく苦悩するからだ、
周囲の子供達の感情に触れて周りとの接触を恐れなくなっていく椒子、
二人の感情や行動を描いているのが非常にうまく描けていました。

途中微妙な三角関係の様な展開もあり、昼ドラの様にも思えます。
その間周囲の混乱や恋愛感情の変化もあって、
また、ヤキモキさせられるところがあり、ストーリーに入っていけた。

メイン3人の心情描写も丁寧に描かれていてとても良かった。
それに、心のすれ違いと心の成長も描かれています。
主人公のからだですが、子供から大人へという単なる成長の物語ではなく、
しっかりと自分に合ったカンジで成長していくことも観て取れました。

この作品は情緒的で心に響く作品です。ということで、テーマは「心」。
早く大人になりたいと思う心、子供の頃に戻りたいと思う心、
お互いを思いやる心、現実と向き合うことを恐れる心。

次に尺が足りないように思えます。
その為かラストが何の伏線もなかったのはいただけなかった。
でも、最後は心が温まりました。

演出・音楽がとても良かった。
OP曲、ED曲、途中の挿入歌。どれも良い曲ばかり。
私が好きなのは、途中の挿入歌の「傘」これを聴くと心にジーンと来ます。
そのシーンと合っていてホントに良い場面です。

途中、都合の良すぎるような展開もありましたが、
全体的に柔らかいカンジでドラマティックな内容の作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
ネタバレ

ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

人間は自分が持っていないものに強く憧れる。

良く面倒をみてくれている年の離れた兄の尋のため
早く大人になりたいと願う小学6年生の五百川(いおかわ)からだ。
失恋をし、人生を後ろ向きに考えていた24歳の野上椒子。
ある日2人は、からだは大人の、椒子は子供の体になってしまう・・・

この2人を軸に様々な気持ちが
明後日の方向へすれ違う、ひと夏の思い出のお話。


とても素敵なお話でかなり楽しめた作品でした。

特に序盤から中盤にかけては
登場するどのキャラも心情の描写がとても丁寧で
彼らが今、何を考えているのか、どういった気持ちなのかが
表情や仕草が細かに表現されていました。

おかげでからだは表情豊かで特に可愛かったなあ。

どのキャラもしっかりとキャラ立ちしていたので
スルスルと物語に入り込めましたし
何でそうなるの!?と理解できない行動も少なく
自然な流れで共感できたことも楽しめた要因でした。

そのため、少し暗めな話でしたが清涼感を感じることができ
暗い話が苦手な私でも清々しい気持ちで視聴できましたね。

ただ、終盤は少し駆け足だったり、都合が良すぎたりしていたのが
ちょっと残念でした。
もしかしたら、尺が足りなかったのかもしれませんね。

それでも全体的に丁寧な作りなのは変わらないので
起伏は少ないものの最後まで飽きることは全くありませんでした。
最後まで清々しい気持ちで余韻に浸れましたし言うことなしですね♪
{netabare}何よりハッピーエンドだったことが1番嬉しいことでした! {/netabare}


作画も安定していましたし
夏の雰囲気が画面から溢れ出てくるようでした。
見た時期がちょうど夏だったことも良かったのかもしれませんw

そして何より音楽が素晴らしかったです。
爽やかで気持ちのいいOPや夕暮れ時のような切ないEDもさることながら
BGM、さらには挿入歌までどれもアニメにピッタリな
素敵なものばかりでした。


こういったすっきりした雰囲気のアニメは最近見ていなかったので
色々と新鮮でしたし、小さい頃を思い出して懐かしくもなりました。
久し振りにいい掘り出し物を見つけることが出来ました。
隠れた名作大発見。もっと評価されてほしいと思う作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22
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