2021年度の戦闘TVアニメ動画ランキング 36

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2021年度の戦闘成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月10日の時点で一番の2021年度の戦闘TVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.4 1 2021年度の戦闘アニメランキング1位
86-エイティシックス- 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (444)
1461人が棚に入れました
東部戦線第一戦区第一防衛戦隊、通称スピアヘッド戦隊。サンマグノリア共和国から“排除”された〈エイティシックス〉の少年少女たちで構成された彼らは、ギア-デ帝国が投入した無人兵器〈レギオン〉との過酷な戦いに身を投じていた。そして次々と数を減らしていくスピアヘッド戦隊に課せられた、成功率0%、任務期間無制限の「特別偵察任務」。それは母国からの実質上の死刑宣告であったが、リーダーのシンエイ・ノウゼン、ライデン・シュガ、セオト・リッカ、アンジュ・エマ、クレナ・ククミラの5人は、それでも前に進み続けること、戦い続けることを選択する。希望や未来を追い求めようとしたわけではない。“戦場”が、彼らにとって唯一の居場所となっていたのだから。そしてその願いは皮肉にも、知らぬ間に足を踏み入れた新天地で叶うことになるのだった。
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

恋愛にオクテな二人が早く結ばれることを願います

この第二クールはギアーデ連邦を中心としてレギオンの大攻勢に立ち向かう様子を描いています。

正直、この物語は暗く陰気なイメージがありますが、最後は明るいハッピーエンドとなります。
特に第22話と最終話の23話はコロナの影響で半年待たされましたが、待った甲斐がありました。
この2話は大変素晴らしい内容です。
特に最終話の途中で、第一クールのエンディング「Avid」がBGMとして流れたときには思わず感動しました。
未来に希望が持てる素晴らしい内容となり、とても満足感がありました。


さて、物語の内容は…
シンたちが生きていました。
シンたちはギアーデ連邦に助けられていました。ギアーデ連邦はギアーデ帝国を打ち滅ぼした市民主体の政府です。
{netabare}
ギアーデ連邦の政府関係者の多くは、当初、得体のしれないシンたちを危険視して処分しようとしていましたが、暫定大統領であるエルンスト・ツィマーマンが、シンたちを救いました。
ツィマーマンがシンたちに話した言葉が感動します。
{netabare}
利益が無ければ目の前の子供たちを助けない社会を良しとするならば、その社会は誰にとっても不利益だよ。
それに、得体が知れないから、万が一…、そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないのなら、滅んでしまえばいい。
{/netabare}
その後、ギアーデ連邦の軍部の人たちが戦歴豊富なシンたちを獲得しようとします。
彼らは、シンたち全員が戦場へ戻ることを希望していると言い、自分たちの正当性を主張しますが、ツィマーマンは、またしても彼らの要求を拒みます。
その説明も、大統領らしい素晴らしいものでした。
{netabare}
彼らが戦場に戻りたいという理由は、彼らが戦場しか知らないからだ。任務を全うした彼らには平穏が与えられるべきだ。
{/netabare}
しかもツィマーマンは、シンたちの後見人になったのです。
こんな大統領がいる政府は安心しますね。 {/netabare}

ギアーデ連邦の大統領はシンたちを軍隊から外して彼らに普通の幸せな人生を送らせたかったのですが、結局シンたちはギアーデ連邦の軍人としてレギオンと戦うことを選びます。

そしてシンにユージンという友達ができます。
シンは友達をつくりたがらない性格です。それはユージンが嫌いだからではなく。友達が先に死にゆくさまを見たくないためです。
でも…、{netabare}結局は友達となり、先に死にゆくさまを見届けることになります。レギオンに記憶を奪われないようにと、シンが自ら最後の一撃をユージンの頭に打ち込むことになります。
戦場で友達を安楽死させるために殺す行為は、どこの世界でも行われていますが、やりきれないものがあります。
おそらく、シンも同じ思いだと思います。{/netabare}

そしてレギオンの大攻勢が始まります。その大攻勢はサンマグノリア共和国に対しても例外ではありません。
サンマグノリア共和国の政府高官や軍部高官たちは、圧倒的なレギオンの数に戦うことを放棄し死を覚悟します。
だが、レーナだけは86地区の人たちと一緒にレギオンと戦います。
レーナは今まで一緒に戦ってきた86の人たちの死を無駄にしたくはなかったのでしょう。
そして、わずかでも希望があれば、必死に抗いたかった。自ら希望を捨てることはしたくなかった。

ギアーデ連邦でも、レギオンの本体をたたくためにシンたちを中心に攻撃部隊が特別編成されます。


この物語を見ると、レーナが顔も知らないシンのことを凄く慕っている様子がうかがえます。
最終話の最後に見せたレーナの涙にはウルッとしました。
そして生きる目的を見いだせないでいたシンも、ようやくレーナとの未来に希望をたくしていることがわかります。
シンは第22話で、無意識にそう宣言したのです。

ただ、二人とも恋愛のオクテですので、二人の恋はなかなか成就できそうにありません。
早く二人が結ばれることを願います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「再開」というよりは、まさに「第2部開幕」の趣き。延期にめげず最後まで観て良かった!

== [下記は第2クール初回視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1クール目は2021年4~6月の放送でした。3ヶ月開けての10月放送開始の第1話を観ました。

前クールで廃線となった線路に佇むレーナが出てきていましたが、それを受けての冒頭のシーンというところで、前クールからの物語の継続性が意識された演出だったと思います。

一方で前クールの最終話では一つの物語としてキッチリと綺麗に終わっていたともいえるので、続編として何をするかというところではこれまで明かされていなかったギアーデ帝国に関する事柄を知る驚きを、作中人物たちと試聴者が共有できる構成で、まさに「第2部開幕」といったスタートでした。

ということで、今後もこういう感じで驚きたいので原作はアニメで観た以降は読むのを保留したまま最終話まで視聴したいと思います。

取りあえず、1クール目が面白かった人には間違いなくお勧めです。
== [第2クール初回視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2022.3.31追記:
残り2話、モルフォとの決戦クライマックスというところで中断してから3/5に総集編で再開。以後、3/12、3/19の2回で無事最終話まで放送されました。

狙ったのか偶然か、放送の遅れにより作中の最終話時系列3/20と最終話の放送日時が重なる(3/19 深夜24時 = 3/20 午前0時)などという話題もあり大いに盛り上がった最終回でした。

最後のカットと作品タイトルロゴ『86』の出し方とか、演出面でもかなり凝った作品だったんじゃないでしょうか。

ライトノベル原作なのですが結構真面目に戦争をしていたり、深刻な人種問題があったり、革命政権下で旧皇族の扱いは面倒とかいう生臭い話が出てきたり、爽快一辺倒の話ではまったくありません。

原作を読んでいてもちゃんと集中して読まないと頭に入ってこず、流し読みはできない感じで電撃文庫らしさを感じる作品ですね。

本作とか『天鏡のアルデラミン』とかもラインナップに入っている電撃文庫は、他のライトノベルのレーベルと比べても少しばかり懐が深い気がします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

追いついたその先にあるものは‥‥‥

原作未読 全12話

86の第2クールです。第1クール(全11話)から観ることをオススメします。

無人兵器と人間が戦っている世界、ある国で迫害され、戦いの最前線(86区)に送られた少年少女たちを描くお話です。

その中でもコードネーム「アンダーテイカー」(死神)と呼ばれるシンエイ・ノウゼンが率いるスピアヘッド戦隊とその国で遠い場所から指揮官として指揮しているヴラディレーナ・ミリーゼ(通称レーナ)を中心に描いています。

最後の2話(総集編を含むと3話)がこの春放送しましたのでレビューが遅くなりました。

先に総集編がありましたので、内容を思い出すことができましたね。

第1クールでは絶望的でこのままで終われない感じの終わり方でした。

このクールでは希望と絶望が交わるお話でしたね。1クール以上の激しい戦いでした。

遅らせただけあって、凄い作画でした。また、描写が色々な意味で限りなく美しく描いていましたね。

追いついたその先にあるものは‥‥‥{netabare}再会と涙と笑顔{/netabare}

最後はとても暖かい気持ちになれました。この後どうなったのか知りたいですが、このあたりで終わった方が良かったのではないか私的は思います。

第1クール・第2クールと続けて観るといいかもしれません。

OPはamazarashiさん、EDはリーガルリリーさんが歌っています。

最後に、レーナことはもう少し観てみたかったですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

81.2 2 2021年度の戦闘アニメランキング2位
鬼滅の刃 遊郭編(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (516)
1899人が棚に入れました
無限列車での任務を追えた炭治郎たちの次なる任務を描く『遊郭編』。鬼殺隊最高位の剣士《柱》の一人、音柱の宇髄天元とともに炭治郎たちが向かうのは、鬼の棲む遊郭。

声優・キャラクター
花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、小西克幸
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

音の呼吸

UFOTABLE制作。

無限列車での任務を終えた炭治郎たちは、
音柱の宇随天元とともに、次なる任務へと向かう。
そこは鬼の棲む、吉原遊郭である。

見栄と欲、愛憎渦巻く夜の世界、
いつの時代も人の欲は、変わらぬものだ。
{netabare}情報収集中に、連絡を絶っていた、
天元の妻たちを探して、潜入捜査が始まる。{/netabare}

原作漫画では、キャラの見せ方の問題や、
小休止の印象もあり、好きな逸話ではないが、
気まぐれに楽しめればと思います。

10話視聴追記。
鬼気迫るとはこういうことでしょう、
凄まじい熱量、迫力ある戦闘に圧倒される。
{netabare}音柱の天元が、動きあってこそ魅力に溢れると、
今更ながら、アニメの素晴らしさを知る。{/netabare}

最終話視聴追記。
望まれずに生まれてきた子供たち、
容赦ない貧困と差別、過酷な環境の中で、
それでも人としての矜持を繋ぎ留めてきたもの。
{netabare}互いに支えあう、二組の兄妹の物語、
きっと底にあるものはどちらも尊いのでしょう。{/netabare}

次編もまた期待しています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

あなたと越えたい 梅妓越え

原作未読


まだ見ぬ作品を発掘し視聴の参考にする目的としてはレビュー不要な気がする程の有名作品。名前くらい聞いたことあるでしょうし、アニヲタ界隈だけに留まらない現代用語の基礎知識です。

“不倫”の語意は人の道に背くというのが本来の意味らしく、そんな修羅の道を進む男女の情愛を表現した稀代の名曲よろしく餓鬼道に堕ちた兄と妹が今回の敵さん。いったん劇場版を挟んでのシリーズ3本目となる第2期全11話となります。物語の背骨が“鬼にされた妹を連れた兄”の構図であるため、今回の敵さん兄妹との対比も楽しめれば良いってところでしょうか。『遊郭編』の主だったキャストはこちら↓

 ・宇髄天元(CV小西克幸):音柱
   {netabare}3人の嫁 - 雛鶴(CV種﨑敦美)、まきを(CV石上静香)、須磨(CV東山奈央){/netabare}
 ・堕姫(CV沢城みゆき)
 ・妓夫太郎(CV{netabare}逢坂良太{/netabare})←驚いた!

変わらず隅々まで豪華なメンバー。劇中で続編に繋がる新キャラも登場して耳が幸せとの表現がしっくりくる布陣です。職業声優さん以外をねじ込みたい事務所あったろうに今回もナシでした。無駄なハレーションを避ける英断の裏に、作り手有利だったことが推察されます。
“作品としての内容の良し悪し”もさることながら“ビジネス的にどうだったん?”の文脈で語れる稀有な作品ってことになりましょう。


■作品としての内容の良し悪し

いかにも少年漫画的な善逸と伊之助がさほど気になりませんでした。あるいは慣れたか。
キャラに語らせて説明過多に陥るのは今回もそれなりに。ただし本流部分{netabare}(環境の違いで道の別れた二組の兄妹){/netabare}はアニメーションで魅せてましたね。大事なところは画で語るスタイル。
なお、作画素人の私でも凄いことがおきてるくらいはわかります。なんかで聞いたことあります。同じ動かすでも無地と柄ものでは手間がン十倍違うとか。全11話通じて柄ものしか動いてませんでした。

かれこれ所作は決まってきて、強い鬼登場→当番の柱参戦→成敗→鬼の履歴書 みたいな流れが今後も続きそうな予感はします。
そんな勝ちパターンの繰り返しと捉えるだけでは“作画の凄さを前後比較してみる”と“YOUは何しに鬼になったの?”の2点を見届ける作業ゲーになっちゃいそうなのですがどうなんでしょうか。実際はきちんと積みあがってる感じはします。

 {netabare}恨んでも 恨んでも 躯うらはら 山が萌える じゃなくて燃える …実際業火の中へと{/netabare}

無限列車に乗り込んだ炎柱が見せたのは“ノーブレスオブリージュ”人と鬼との価値観の違いでした。
花街に乗り込んだ音柱が見せたのはそれよか身近なものへの責任でしょうか。兄妹愛の傍らで地味に咲く夫婦愛みたいなもの。

実力者である先達(柱)らは似てるようで各々異なるメッセージを送ってくれてます。
それと並行して、音(痕跡)を消す忍者の特性と音を駆使して闘う音柱とでは一見相反してるようにも見えるのですが、こちらはこちらで環境やらイベントやらでアップデートした結果だったことが示唆されているんですよね。やはり鬼とは違うんだよなぁ。

音の粒を拾って集めて譜面が完成したら無双の力を発揮する音柱よろしく、我々もビジュアルに目が行き過ぎて音の粒(物語の積み上げ部分)を拾い損ねたら譜面完成しないかもわからんと思われ、だったら“漏れ”に気を付けようと意識した『遊郭編』でした。


■ビジネス的にどうだったん?

これは今後わかることでしょうから結果待ち。
予算と時間は潤沢だったように思えるのと、あとは深夜帯常連のプロヲタではない一般人向けの親切設計なのを目の当たりにして、如何に自分が深夜アニメのお作法に染まっているか自覚しました。誇っていいのか凹んだらいいのか微妙…



映画『無限列車』のレビューでがっつり書いたのでここでは割愛しますが、我々って多かれ少なかれ鬼だったり人だったりあるいは行ったり来たりする存在なんだと思ってます。

 ・俺は俺の責務を全うしているのか?
 ・迷わずに利他的な行動を選択できるだろうか?
   {netabare}命の優先順位:「まずはお前ら三人、次に堅気の人間たち、そして俺だ」{/netabare}

とてもじゃないが俗物な私にはできてる気がしません。なので本作を見てショボい自分を省みるようにしております。明日から頑張ろう!



※閑話休題

■遊郭が舞台

吉原大門っぽいの出てたしまあ日本一有名な花街がモデル。
ちっちゃい子にも大人気なコンテンツで遊郭ってどうなん?と思わなくもないけど別にいいんじゃね?ってところでしょうか。
行為のみ海外の娼窟と日本のとは趣きがだいぶ違うので外人さんイメージ湧くのかしら?


■ある種のリアル

派手派手言うわりには相反して地味で堅実さが見受けられる第2期でした。細かい部分で一例挙げると↓
{netabare}バトル。妓夫太郎初登場のシーン。堕姫の中から登場するかしないかで天元は斬りつけております。
普通なら登場して口上述べてからバトル開始となるわけですがそうしない。瞬時で相手の力の計算してるのが一点。次に体制整える前に方を付ける行動に動いてる点。超合理的な思考を基に行動する“忍”のパブリックイメージと相反しません。{/netabare}

ポジに捉えりゃエンタメ性の優れた作品。ネガに捉えりゃ子供だましの作品。と視聴者の分母が大きくなれば両意見出るのが世の常でしょうが足元けっこうまともです。



■プロヲタと一般人の境界線

“ビジネス的にどうだったん?”とリンクしますが深夜アニメ常習者と一般視聴層を繋ぐ配慮が所々になされてたと思います。
まず目立つのが物販。『デフォルメシールウェハース』『PS4ソフト』『全集中パッド(漢検)』『フィギュア』『AUとのコラボ(鬼滅アプリ)』『楽曲』『折れた日輪刀(ボイス付き)8,800円』。お馴染みのから普段は日曜朝でしかご縁のなさそうなものがあれやこれやと洪水でした。異例ですよね。
その他一般層への配慮と思しきものは以下↓
{netabare}・手前でのTV版『無限列車編』放送。劇場版を分離しない仕掛け。
・初回1時間枠。半分はおさらいと掴み。
・最終話の放送開始前冒頭で「最後に発表がある」と告知。Cパートへの呼び水。
TV版の放送で連続したナンバリングが可能となりましたし、おさらいを強要するでもなくこちらが用意しましたし、往々にしてCパートなんて単語知らないでしょう。{/netabare}

きちんと配慮しながらヲタ世界への誘導が図られてましたね。職業声優さんばかりのキャスティングや力のある制作会社の本気というのもさることながら↓
{netabare}・第1話1時間。最終話CM無し32分ロングバージョン。
・第1話でなく第2話でAimerさん登場
・冒頭OP無しからの最終話。もちろん締めエンドロール。

お馴染みの演出構成とはいえお見事でした。
とりわけCM無しの決断は異例といってよく、制作側とフジテレビ側には相当交渉があったんだと推察されますが、最後はコンテンツをしっかり伝えたい制作側の意志が通ったんでしょう。クール無視の放送スケジュールもそうですね。{/netabare}


制約やルールあってのコンテンツにおいてとりわけクローズアップされるのは品質と納期のバランスです。このへんは某ドラクエや某ジブリが脳裏に浮かびますが、リリースしたらある意味手の離れるものと違って地上波でやりきったところにTVマンの意地みたいなのすら感じました。
ネット全盛もけっこうですが、独占状態になってきたら地上波以上に制限加えたりするのが始まっているのよね。SNSや動画コンテンツがそのへん先鞭をつけてますが映像配信だって潮流からは逃れられないでしょう。チャネル多いに越したことないので地上波も頑張ってね。
今回みたいなチャレンジは歓迎です。



視聴時期:2021年12月~2022年2月 リアタイ

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2022.04.10 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

バトルフィールド吉原炎上

【物語 4.5点】
プロットは少年バトル漫画の王道。
討ち取ったと思った敵は奥の手でさらなる絶望をもたらす。
もうダメだと思った主人公、仲間も、
どっちが鬼だか分からない程の底力を見せる。
驚異の応酬で熱くなる幾度も繰り返されてきたパターン。

にも関わらず、惹きつけられるのは、修行等の道程をしっかりと押さえているから。
鬼殺隊は本当に少しずつしか強くならない。
炭治郎に至っては、先の戦いで一度心が折れてしまった所からの再生。
リスタートの過程を初回拡大版に当てる盤石の土台に乗せてこそ
壮絶バトルの熱量が倍化する。

以前は飛び込めなかった柱VS上弦の鬼の間合いに割って入れた。
ちょっとした進歩に手応えを感じることができる。
私は『遊郭編』放送前に、劇場版『無限列車編』TVアニメ化を流した企画は
妙手だったと思います。


ドラマ部分では兄妹愛を鬼の兄妹も含めて改めて痛感。
TVでは本編CMなしで放送されたという最終回拡大版。
震えたなぁ。感涙したなぁ。
{netabare}一緒に地獄に堕ちることを選んだ兄妹を見て、私が流した涙は、
これで良かったと思ったからなのか、哀しいと思ったからなのか、
未だに判然としません。{/netabare}


【作画 5.0点】
圧巻だったのはCGで構築された吉原の街並み。
遊郭を舞台にしたオープンワールドゲームでも開発してるのか?って位のスケール感。
初回ED後にお披露目され度肝を抜かれて以来、
OPアニメーションにて吉原を一望するカットでウットリするのが私の週課にw
しかも血鎌などで概ね破壊可能なオブジェクトという狂気。

広大かつ自由度が高いバトルフィールド上ならば、
超高速での遠距離移動。相手を遠くまでふっ飛ばして、壁に叩きつける。
帯で建屋等を貫通する遠隔攻撃といったトリッキーな動きまでシームレスに演出し、
バトルシーンの興奮を途切れさせません。

激戦により灰燼に帰す吉原の街。
私は不謹慎にも、ある種のカタルシスを感じてしまいました。


バトル動画より私の印象に残ったのは
{netabare}禰豆子を寝かしつけるシーンの作画の迫真。
全国の子育て現場で繰り広げられているであろう。これもまた修羅場。
私自身も赤子の頃、相当な寝ず子だったそうで、
両親の苦労も忍びながらの鑑賞となりました。{/netabare}


【キャラ 4.5点】
今回の柱。音柱・宇髄天元。
人情の厚さをド派手な出で立ちと尊大な態度に隠した多妻な大男。
最初、{netabare}女の子を攫おうとしていた?{/netabare}時はどうなるかと思いましたがw
真意を隠せる性格が、虚飾多き吉原の任務にはマッチした模様。

主人公・炭治郎が対峙するキャラに、ifのバッドルートを写すことで、
彼がまっすぐ歩む道の貴重さを際立たせる構図も光る。
煉獄さんの父→心が折れたまま堕ちる道。
{netabare}妓夫(ぎゅう)太郎&堕姫(だき)→一歩、環境が変われば兄妹の禰豆子共々堕ちたかもしれない道。{/netabare}
炭治郎は意志も(頭突きもw)強固な剣士なのです。

善逸の鼻提灯タレながら屋根の上を疾走するシチュは衝撃的w
もはや起きている時の善逸を忘れそうになります。
やっと起きたら{netabare}足が潰れていました{/netabare}とか怖すぎですw


【声優 4.5点】
相変わらず激しいシーンでの絶叫(ギャグ含むw)がこだました本エピソード。
炭治郎役の花江 夏樹さんに至っては血反吐を吐いて咳き込む場面の収録にて、
演技に熱が入りすぎて、終わった後、咳が止まらなかったとのお話が。
人間の声帯は痛めたら容易に再生せず、今後も先は長いでしょうから、程々でお願い致します。

特筆したいのは堕姫役の沢城 みゆきさんの表現力の幅広さ。
トップ花魁のカリスマ性から、本性見せた時の恐ろしさ、
ワガママ、甘え放題の駄々っ子ぶり。
上からブスを罵倒したかと思えば、無惨様にはへつらってみたり。
みゆきちの鬼ボイスに終始翻弄されっぱなしでした。

妓夫太郎役はまさかの逢坂 良太さん。
武器から出す猛毒の如く、他人の幸福を僻んで取り立てんと吐く毒鬼ボイス。
耳に残るなぁ。癖になるなぁw


宇髄天元役・小西 克幸さんのド派手ボイスを囲む
CV.石上 静香さん、CV.東山 奈央さん、CV.種崎 敦美さん三人の嫁ボイス。
特に須磨役・なおぼうの喜怒哀楽の激しさは堕姫級で、{netabare}口に石を突っ込みたくなる程w{/netabare}


【音楽 4.0点】
劇伴担当は引き続き椎名 豪&梶浦 由記氏によるフィルムスコアリング。
長尺の戦闘シーンでも上々の対応力。
今作では絶望が極まった際の心情曲も重厚。

主題歌担当はAimer(エメ)
ぬめりを含んだ独特のビブラートが、愛憎渦巻く遊郭のムードにマッチ。
OPの『残響散歌』。絢爛(けんらん)なメロディー&コーラスに、芯の強さが滲む歌詞を乗せて音柱の生き様などを示唆。
EDの『朝が来る』。絶望の底から光を目指すメロディーラインが如何にも作曲・梶浦 由記氏らしい一曲。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

89.2 3 2021年度の戦闘アニメランキング3位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (748)
3251人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓う。フィットア領転移事件で魔大陸に転移後、冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。ルーデウスは「魔界大帝キリシカ」と出会い新たな力を手に入れる。魔力災害に巻き込まれた家族や仲間の行方はー。「人生やり直し」ファンタジー、再始動!

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

真摯な異世界転生

<2021/11/17 初投稿>
原作未読。
前期同様リアタイで視聴してます。

相変わらずアニメーションのレベル高いっすねぇ
それだけで見る価値あろうというものですが。
もちろんそれだけではない。

というわけで今回改めて思ったことを少し書いてみます。

なろう系異世界転生モノの原点であり原典というべき本作。
ここまで視てコンセプトがはっきりしてるように感じられてきました。

それは
「前世で生き方をしくじった主人公が、
しくじりと真正面から向き合い、
異世界で授かった新しい生で同じ轍を踏まないよう
真摯に生きる」
というもの

そのしくじりは普通なら直視できないようなあまりに痛々しい、情けない自分。

「◯◯は死んでも治らない」とは言いますが、
「死んで生まれ変わったらやり直せた!」
と最後言えるような物語なのではと。

人生に絶望した人が本当に人生をやり直そうとしたらこうなるのか、と思えるような。
そうしたテーマに真摯に取り組んで生まれた作品なのかもですね。

<2021/11/30 追記>
20話爆笑しました。
せっかく16〜18話で感動したのに
俺の感動返せ 笑

そして今日のYahoo!ニュースに
「<無職転生>ロキシーのフィギュアがフィギュア化」
って記事が!
「フィギュアがフィギュア化」ってこれまたメタなw
やはり腕は3本あるんだろうか?w

<2021/12/21 追記>
最終回まで見終えました。
良いラストでしたね。
3期が見たくなる。

物語の楽しみ方には大きく三つあると思います。
一つは登場人物に感情移入していく
二つ目は俯瞰的に見る
三つ目は感情移入と俯瞰をなんとなく使い分けながら見る

でも結局俯瞰だけ、ということは少なく、大なり小なり誰かに気持ちを入れ込んで見ていくことが多いと思います。
全く誰にも感情移入しないのは難しい。
つまり一か三。

本作の場合、やはりルーデンスになったつもりで見ていくのが王道。
そこで問題は前世の男。
ルーデンスになった気持ちで見ていくと突然この男が現れる。
まるで自分の嫌な過去を見せられたような気分になる人もいるのではないでしょうか。
そう思わせてしまうってことは、それだけ上手く作品を創り上げてるってことなんですが。
でも、自分の嫌なとこ見せられたような錯覚を覚え、これに我慢できない人はこの作品を生理的に受け付けられなくなるかも。

なんてことを考えてしまいました。

ざっくり言えば、嫌なことに正面切って向き合ってますよね。
私は本作のそういうとこ好きなんですけど。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 70
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

三十四にして立つ

原作未読


第1クールめ11話から続く第2クール全12話。#12~#23とありまだまだ続くようです。
一区切りつけてはおります。ものすごく盛り上がっての手仕舞いではなく“to be continued”感薄め。おそらく次が約束されてるからかもしれません。正々堂々とぶつ切りしておりました。
例によって先発でもクローザーでもない目立たない中継ぎポジション。ゲームを壊さずに繋げられるかどうかであれば合格。1クール目のMY評価は『3.9点』にしてますが2クール目はそれよりも高めにつけてることでお察しくださいませ。

 ① ヒキコニート / 勤め人or通学してる学生
 ② 無条件で強い / 強いのに理由があるor弱い 
 ③ 女に囲まれる / それなりにいる
 ⓸ 難儀しない  / それなりに苦労する
 ⑤ 元世界を黙殺 / 元世界との繋がりを意識 

こちらは1クール目のレビューにも載せた“異世界転生もの”評価軸です。①左側ヒキコニート以外の②③⓸⑤は全て右側であることのもの珍しさと丁寧な仕上げを好感したわけでして、今回もしっかり踏襲。

 ①{netabare}出オチネタで話数を重ねるごとに薄れてくかと思いきやところがどっこい{/netabare}
 ②{netabare}前半で魔術等の個人の成長過程を今回後半ではチームマネジメントを試行錯誤{/netabare}
 ③{netabare}シルフィエット(CV茅野愛衣)・ロキシー(CV小原好美)・エリス(CV加隈亜衣)と駒揃ってるけどハーレムと思わないのでは?{/netabare}
 ⓸{netabare}死にかけるしやらかすしとにかく失敗する。こっそり似たような間違いも繰り返している{/netabare}
 ⑤{netabare}むしろ今回の後半で濃度増してるのでは?{/netabare}

野球でいうところの6回か7回かはたまた8回かは原作読んでないので現在位置掴めてはおりません。しかしながら終盤に向けたゲームプラン通りに進んでいる安心感があります。
ここでやっと中身の話。魔力災害起因の転移事件により魔大陸に飛ばされてエリスとルイジェルド(CV浪川大輔)とパーティ組んで冒険始めてからの続きが今回の2クール目なんですけど下心あったら、飛ばされ前後に1クール目のピークをもっていきそのへんでちょうど11話使いきる気がします。
そんなことせず3人パーティがそれなりに機能している状態から2クール目はスタートしておりその3人パーティが一区切りつけるまででトータル2クール使いました。多く言わんでも次やる気です。
及第点でしょう。続編に期待。




※ネタバレ所感

■次に向けての備忘録

{netabare}・実はルーデウス諸悪の根源説
 魔力災害直前に刺客みたいなの現れてケモミミとやりあってたり、ツダケンさんに殺されかけましたし、そんでもってその刺客とツダケンと並列のショットで抜かれたのが魔眼持ちのキシリカ(CV井口裕香)だったので今はロキシーと道中共にしてるけどルーデウスと対峙するのかも。さらにルーデウス起因だとしてそれを知った時のパパンの反応も好ましくなることはきっとないのよね。{/netabare}

{netabare}・おかんが不穏
 そのキシリスの魔眼で覗き込んだらよくわからんが生きてるとのこと。しかも闇深い不穏なイメージ。由緒正しい家柄の娘さんだったと思うし、その血筋を触媒にして魔に取り込まれ乗っ取られラスボスとして登場とかしたら悲しすぎる。{/netabare}

{netabare}・導かれし者たち
 最終話にシルフィ出てきてた。エリスがルーデウスへの恋心を自覚した。{/netabare}



※よもやま話

■始祖にして至高 または 原点にして頂点

連載開始2013年で34歳無職の設定だから2021年だと42歳前後になるんでしょうか。ガチの就職氷河期世代ですね。日韓ワールドカップ近辺で新卒を迎えた方々。妙にリアルでございます。
聞けば“異世界転生もの”の初っ端(しょっぱな)にしてサイトのトップを数年間堅持したタイトルらしい高い評価をアニメでも得ております。

{netabare}あくまで個人的な感想。その後続く私含めて毛嫌いする方多数のいわゆる“異世界転生もの”でこのタイトルに正面切って喧嘩を売った作品は皆無じゃなかろうか。冒頭“異世界転生もの”評価軸⑤を例に二つの世界の整合性を保ったままエンタメするに足る筆力は高いものが求められるのもあるし、真面目に書くと“無職転生”のパクリとなるわけでパロディに走らざるをえないような気がします。あとは6年もトップを保ったジャンルの派生形として二匹目のどじょう狙いすさまじき!ってところでしょうか。{/netabare}
{netabare}たぶん私古い人間で『ロードス島戦記』『アルスラーン戦記』のハイファンタジーで育っており、時代のニーズがどうこうよりも{netabare}“異世界に転生する意味や意義”{/netabare}が描かれなくて何が楽しいの?と思うわけであります。本作にはそれがある。仮に作画へろへろだったとしても楽しんでそう。{/netabare}


■無想転生

{netabare}メイビーこの作者は北斗の拳世代もしくはリスペクト系なんだろうと思います。
愛と哀しみの究極奥義をネタ元にして薄っぺらなもん作れまいと決意したと思われる。{/netabare}



■タイトル回収!?(注:それなりに重いネタバレ)

{netabare}異世界行ったら本気出してたじゃーん{/netabare}
{netabare}最終話。玄関を境に踏みとどまりうつむく34歳と一歩踏み出すルーデウスを同じフレームに収めて比較するカットが良かったです。「本気出す」の定義はいろいろありましょうが一つの証左と受け取りました。それがはっきりと表れたかたちです。
家の外に出て修業するのを怖がってた彼が踏み出したり(背中を押したのがロキシー)
トラウマとなったであろう人を助ける自身の正義感を諦めなかったり(シルフィに手を差し伸べた)
そしておかんゼニスを探すため玄関を出て一歩踏み出す あれ!?エリスなんかあったっけ?{/netabare}



差し伸べてくれる掌を払いのけていれば人は去っていきます。…と作中でも杉田が述べております。
そんなおっさんが生き直す物語は山あり谷あり、むしろ谷が多めでちょうどよいのです。



視聴時期:2021年10月~12月 リアタイ

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2021.12.29 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 61
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

絆を紡ぎ、手繰り寄せる物語

【紹介】
質の高い異世界なろう系アニメの分割2クール目。
異世界転生系アニメの手本になるようなよくできた名作。
相変わらず笑えるシーン、感動的なシーン、ワクワクするシーンの連続で飽きないですね。

【作画】
安定していて素晴らしい作画で、戦闘の動きがとても良い。
魔法の演出とかも良い感じでファンタジー世界の魅力を十分に伝えてくれています。

【キャラクター】
相変わらず魅力的なキャラクター達。
私はロキシーが好きですが、みんな可愛いですね。

ザノバがとても面白いキャラだった。
こんなぶっ飛んだキャラが出てきても不思議じゃないけど、今までなかったパターンなので不意打ちでした。
こういう程よく滅茶苦茶なキャラクターいいな。

【シナリオ】
1クール目はキャラ紹介がメインだったけど2クール目は物語が大きく動いてきてシナリオ的な面白さが増した。
前世での失敗、転生後の失敗、どちらもちゃんと反省して向き合って、今度は失敗しないように努力する。
仲間や大切な人のためなら、どんな困難にでも立ち向かう主人公が男らしくて最高にカッコいい。

抜群にシナリオが良くて先が気になって仕方がない。
相変わらず各話の区切り方、余韻の残し方、次の話へのつなげ方で興味の引き方がうまい。
主人公だからいつも行いが正しいわけじゃないし、主人公だからいつも善行を積むわけでもないし、仲間だからいつも都合よく動くわけでもない。
人間だから、間違うこともある。
だからキャラクターそれぞれが生きてるって感じがする。

{netabare}
16話親子喧嘩は、パウロの言い分がかなり理不尽では?って思ったけど、ちゃんと理不尽だってことをギースが指摘してて良かった。
人に諭すときに、正攻法でこれがこうでこうだからこうしたほうがいいって優しく諭すことってあまりなくて、ちょっと荒療治だけどちゃんと相手に響く言葉を選んで諭すところが、信頼関係があるように思う。
そういった人間らしさがとても魅力的に思った。
{/netabare}

ちょいちょいエッチなシーンや変態行為が出てくるのも相変わらずで、正直かなり気持ち悪い行為も多くて、顔をしかめながら見ていたけど
シナリオの中にうまく溶け込んでいて、短く話の邪魔にならないように入っているのは良かった。

【総評】
細かいことが気になるところもあったけど、そんなことはどうでもいい。
とにかく面白かった。それで充分じゃないでしょうか?

期待通りの2期で、つまらないシーンがほとんどなく順当に面白かった。
変わったものを作ろうとか、商業的な成功を目指そうとか、作者のメッセージを発信したいとか、そういう余計なことをせずに正攻法で楽しい作品を作ろうとする姿勢が素晴らしい。

続きがとても気になりますね、早く続きが見たい。こんなのは久しぶりだ。
原作を我慢できずに読んでしまいそう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59

74.0 4 2021年度の戦闘アニメランキング4位
怪物事変(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (308)
1120人が棚に入れました
古来よりこの世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物"(けもの)という存在。彼らの多くは人間の世界に適応し、社会に交じり生活していた。しかし現代では、人と必要以上に深く関わろうとするケースが多数報告されるようになっていた。探偵事務所を営む隠神は、そんな“怪物"たちが起こす怪事件のうちの一つを追い、片田舎のとある村を訪れる。そしてそこで夏羽という少年に出会う—

声優・キャラクター
藤原夏海、花江夏樹、村瀬歩、諏訪部順一、小野大輔、花守ゆみり、花澤香菜、下野紘

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

家族愛と友情を描いた半妖の子供たちの物語

この物語では登場する妖怪たちを怪物(けもの)と呼びます。
そしてこの物語に登場する怪物と人間との間に生まれた子供たちは、家族や友達をとても大切にしています。
もしかして、私たち人間よりも家族や友達を大切にしているようです。
だから、この物語を見ると、けっこう感動します。

主人公の夏羽(かばね)は人間と怪物との間に生まれた半妖の子供。
夏羽が13歳になったとき、村で家畜の変死体が相次いで発見されます。
犯人は別の怪物でしたが、この事件で村に居づらくなった夏羽は探偵の隠神(いぬがみ)に引き取られ、東京で暮らすことになります。
東京の探偵事務所には、夏羽と同じように半妖の男の子が二人いました。
一人は蜘蛛の母親をもつ織(しき)、もう一人は雪男の一族に生まれた晶(あきら)です。

夏羽は両親の顔を知りません。夏羽の望みは親を捜し出すことでした。
織は母親の消息が不明であり、母を見つけたいと願っていました。
晶は生き別れになった兄を捜しています。

この物語は、別の見方をすれば、家族を見つける物語でもあります。
だから、単なる妖怪アニメではありません。物語の内容が結構しっかりしていて要所要所で感動する話があります。

意外とお勧めできる内容です。


ところで、
この物語に登場する晶という男の子ですが、
晶は、この物語に登場するすべての女性よりも奇麗で可愛い。それに笑顔が眩しい。
晶の笑顔にとても癒されます。
私は男の趣味はないはずなのですが…。私の頭がおかしくなったのかなぁ?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

良い意味でのマイナー感と丁寧な作りのショタアニメ。ボ卿「君たちは実に可愛いですね」。

 薄い本が欲しい…、そう思わせてくれる作品はあまりないのですが、本作は珍しく終始そう思わせてくれるキャラ力があった。



 薄い本が欲しくなるのは、私としては媚び過ぎてはアカンし、かつ作風が明るすぎだったり、全体的にそういう風には見たくないキャラや関係性だとそうは思わない。


 本作は、全体的な作風のダークさ+マイナー感と、同時にキャラがデザインも含めてしっかり生きた物になっているし、関係性を1クールかけてしっかり構築しているし、キャラクター性の土台をしっかり据えるのに使っているのが好感が持てる。


 キャラクターデザイン的に、いかにも腐女子に媚びました的なセンスだとゲンナリな私ですが、本作は王道なオーソドックスなスタイルを抑えつつ、ちゃんとセンスを感じられるバランスがなかなかのもの、原作の絵が上手いんだろうが、キャラクターデザインの人が地味にセンスあるからこそ出来る芸当だろう。


 本作は珍しくショタキャラが多い作品だが、みんな被らないで一人一人が弱さや駄目さも含めて可愛らしい。エグいそれぞれのバックグラウンドも単なる味付けじゃなく、キャラクター性に落とし込めているから◎。


 主役のカバネの悟りキャラ、というか心がまだ存在していないような状態から、みんなとの関係性の中で心が出来ていく過程は王道でまた良し!。やたら感動げじゃなく、ちょっとギャグっぽく描く照れ隠し感もいいじゃないか。


 少ない女子キャラのコンと綾の存在も無碍にできない。コンは大谷育江さん感があって花守さんの新たな一面を見たし、綾のメスガキ感の素晴らしさは薄い本必至!。



 全体的に見ると傑作ではないが、良心的に丁寧に作られてる感じが好感を持たせる佳作である。まだセットアップだから本格的に物語が動いていくであろう2期が早く見たい。


 数少ない大きな不満点は、石田さんをあんまり大したことない悪役に使ったこと。天下の石田さんやで!、全ての黒幕か、最強クラスの敵に使わんかい!。子安さんとかもだが、お歴々を安く使わんといて。ヤングさんじゃないが「しょ〜もない役で呼ぶんやないぞ!」。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

現代社会を舞台にした伝奇物。読みは「かいぶつ」じゃないよ、「けもの」だよ!

==[下記は第1話視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。]==
原作漫画の掲載誌は「ジャンプSQ(スクエア)」だったかと思います。第1話でアニメ化されてる部分の原作は既読です。たぶん、放送クールのどこか途中で未読箇所に入るんじゃないかと思います。

作中では「怪物(けもの)」と呼ばれていますが、要は妖怪変化の類ですね。そういった物が原因と思われる事件を扱う、表向きは探偵ということになっている隠神(いぬがみ)さんに拾われた日下夏羽(くさか かばね)くんが主人公です。

第1話は夏羽の故郷に依頼を受けた隠神がやってきて、いろいろあって探偵事務所に合流するまでの話ですね。

作品の性質上バトル要素はありますが、基本的には普通に格闘や武器を使用しての戦いになるので「目からビーム」みたいなことにはなりません。

作画やキャストの演技などアニメとしての出来はアニメ化の要求レベルはちゃんとクリアしていると思います、というかまあまあ良かった方でしょうか。

流血とかは多少あるので、そういうのが苦手な人には向かないかも。
==[第1話視聴終了時のレビュー、ここまで。]==

2021.3.29追記:
最終話まで視聴終了。タイトル回収したところで、想定に反してアニメ化部分は全て原作既読(単行本だとたぶん6巻の途中くらい)でしたがペース配分的にシリーズ構成なども適切で、アニメ化自体の出来は大変良かったと思います。

怪しい原作改変などもなく、アニメを観た人が原作を読んでもキャラクターデザインなども含めて違和感は全くないと思います。

状況としてタイトルの「怪物事変」を含めて事情がいろいろわかったところで夏羽たちが東京を離れることになるという、話の区切りとしてはなかなか良いタイミングで1クール終了の原作付きアニメ作品としてはほぼ満点の出来だと思います。

特に何の予定も聞いていませんが2期目も問題なく制作できる終わり方でしたし、原作の販促アニメとしても文句なしです。まあ、もうちょっと続くと派手なアクションシーンとかもあったんでしょうが、それはそれ。

余談: 直接関係ないけど本作と同一クールのEX-ARMとか原作からアニメ化の出来を比べられるとめっちゃかわいそう…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31

76.1 5 2021年度の戦闘アニメランキング5位
SSSS.DYNAZENON(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (353)
1128人が棚に入れました
「SSSS.DYNAZENON」は、2019年12月14日(土)、15日(日)の2日間にわたって東京ドームシティで開催された「TSUBURAYA CONVENTION 2019」オープニングセレモニーにて、制作が決定したことが発表されていた、「円谷プロダクション」と「TRIGGER」がおくる完全新作アニメーション。2018年10月から放送された「SSSS.GRIDMAN」(グリッドマン)と同じく、原作を「グリッドマン」とし、監督は雨宮哲さん、脚本を長谷川圭一さん、キャラクターデザインを坂本勝さん、そして音楽を鷺巣詩郎さんが担当する。

声優・キャラクター
濱野大輝、榎木淳弥、若山詩音、梅原裕一郎、安済知佳、神谷浩史、内田雄馬、諏訪彩花、内山昂輝、伊瀬茉莉也、田所あずさ、小笠原仁、梶原岳人、土屋李央、遠野ひかる
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

怪獣使いって、なに?

TRIGGER×円谷プロ制作。

蓬は同級生の南夢芽と会う約束をするが、
約束の時間になってそこに現れたのは、
怪獣使いを名乗る謎の男ガウマであった。

グリッドマンのその良さは、
新条アカネの歪んだ破壊と創造の世界と、
裕太・六花たちの青春、日常風景にあった。
立ち上がりは王道ロボットアニメであり、
避難するはずの群衆が描けていないなど、
諸々の点が気になり書くことを躊躇ったが、
ここに来て物語が好みの展開へと動き始める。

やはりこのシリーズは日常パートが良い。
{netabare}姉の死の真相を探り夢芽と蓬は動き始める。{/netabare}

怪獣を育てるのは人の意志!?
なぜ怪獣は生まれてくるのか!?

それぞれの過去に起因する何か、
幾つかの曲線がどこかで交わるのでしょう。

最終話視聴追記。
世界の理の外側にいて、人の理解及ばぬ存在、
{netabare}ここではそれを怪獣と呼んだ。
古代より無自覚に自由を失い続ける人もまた、
その力に従えば死の宿命からも解放されるという。{/netabare}
なるほどそうだったのかと頷きつつ、
選択を迫られた蓬の答えに一定の共感を覚える。
私としてはグリッドマンに軍配を上げますが、
こちらはこちらで見応えもあります。

非常に模範的なロボットアニメでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

いつになれば どこに行けば

原作グリッドマン


『SSSS.』の冠とデザイン見た目。明らかにってやつですね。
ダイナゼノンとグリッドマン。たぶんどっちを先に観なきゃというのは無さげです。年替わり戦隊ものがそうであるように単品で楽しめる仕様。それでもグリッドマン観といたらそれはそれで楽しめます。

当方グリッドマンは視聴済み。
自宅に戻ってきた安心感みたいなのはさっそく第一話から。※一応隠します

1.{netabare}「Scarred Souls Shine like Stars」の4つの“S”登場。{/netabare}
2.{netabare}OPオーイシさんとED内田真礼さんの組み合わせ。{/netabare}
3.{netabare}スペシャルドッグで餌付けされるガウマがアンチくんっぽいなぁ。{/netabare}
4.{netabare}アカネが怪獣作成する時に埋め込んでたビーズみたいなの発見!{/netabare}

低体温なトーンとそこはかとなく流れる不穏な空気はシリーズの特徴ですね。だがそれがいい。
基本的には特撮モノに敬意を払いつつ日常劇を見せるスタイルです。初代ウルトラマンよろしく三段階ズームで変身するシーンなんかまさにそう。自分は違いますがファンだとけっこう好きそう。
そのうえで元来は茶番と言える特撮モノの前半部分が極めて味わい深い。本丸であるヒーローVS怪獣に加え、彼らががちゃがちゃする手前/前座部分を面白いと感じると評価爆上がりする仕様です。
さあどう感じるでしょうか?

■イマイチなとこ

前はAパート“日常”Bパート“特撮的なもの”とわかりみが良かったのに今回はばらついてて見づらい。
それに土日朝に観るようなもんを平日深夜に観るわけで、低体温っぷりに油断すると眠くなります。

■良いところ

最終盤に物語が動いた前作と比較し、今回は途中からちょいちょい動きがあります。眠気に勝利すれば途中も楽しめるかも。キャラほぼ15歳前後と思春期の悩み・痛みが色濃く出ていて見応えありました。



※余談


■紀世彦→亜美→豊→だいぶ跳んで→世界観

尾崎姓のアーティストって夭折のあの人以降なかなか出てこなかったよね。偉大すぎたのだと思います。
というわけでゆたかの話。

{netabare}稲本さん(CV伊瀬茉莉也)は夜の校舎窓ガラスこわしてまわってました。{/netabare}

彼女の同級生暦(CV梅原裕一郎)はその時代を境に色を失った人生を歩んでたりもして、ひょっとすると最後はなにかしらから卒業するみたいな展開を期待してました。

{netabare}高1の蓬(CV榎木淳弥)にとって母親の恋人は信じられぬ大人だろうし
中学生ちせ(CV安済知佳)はとにかくもう学校や家には帰りたくなさそうで
転がり続けてこんなとこにたどりついた感のある33歳暦がいる
夢芽(CV若山詩音)はなにより正しいものはなんなのか探し求めてたりもする{/netabare}

悪ノリが止まりません。


■愚考其の1:俺の考えた画期的結論

勝手に尾崎の世界観(紛らわしい)に浸ってたところへ不意打ち。

{netabare}第11話でシズム(CV内山昂輝)くんが怪獣化したとこで流れた曲がなんというか…『片翼の天使』っぽい。FF7のセフィロスのやつ。

「私は想い出にはならないさ」

と怪獣続くよどこまでも…なビターエンドを示唆してたかもわかりません。{/netabare}


■愚考其の2:俺の考えた画期的結論アナザー

やっぱり尾崎というか“思春期”に戻ってみる。

{netabare}南さんの姉の名前が“香乃”というのも興味深い。ローマ字で“KANO”。
その“KANON”は最も美しいコード進行とも例えられます。導き出されるは美しき永遠のループ。

皆さんどこかしら留まってたりループしてたりな日常の殻をひとつ打ち破ってた気がします。その象徴みたいに君臨してたお姉さんナイスでした。

そして事は単純な開放を意味せず、「かけがえのない不自由をこれから手に入れていくんだ」とループをループと受け入れることで一歩前に踏み出せるという手堅いメッセージ。{/netabare}


なんというか…健全なドラマでした。
対怪獣バトルが霞んでます。それはそれで良かったのかは不明。



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.06.19 初稿
2022.05.19 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

鬱屈した令和の現代人が変形合体

往年の実写特撮ヒーローを元ネタに展開する『GRIDMAN UNIVERSE』2作目の1クールTVアニメ。

【物語 4.0点】
特撮あるあるとして、予算の都合上、最後の派手なバトルシーンにソースを集約するため、
それまでは子供が見ても退屈な日常ドラマが延々と続くという構成が挙げられます。

本シリーズは、“退屈な日常”→対巨大怪獣バトルによる解放という各話構成でオマージュ。
それが作品テーマにもなっています。

私の場合、その“退屈な日常”とやらに、バトル以上に惹き付けられました。

『DYNAZENON』では退屈を越えて、鬱屈から情動を掘り起こす濃厚な人間ドラマが展開。

日常のキャラ心理とバトルのパフォーマンスが相互に影響し合うのは典型的な設定ですが、
決してロボで怪獣を殴った余勢を駆って日常の鬱憤も晴らす乱暴なプロットではない。
登場人物各々が知恵の輪みたいに割り切れない自分や仲間の心理としっかり向き合って前に進んでいく、綿密なシナリオが渋くて好感しました。
終盤の(※わりと重大なネタバレ){netabare}蓬の夢芽への「好きです。付き合って下さい」は、近年の告白シーンの中でも強く印象に残っています。{/netabare}

ただし、人間心理だけでなく、敵勢力「怪獣優生思想」もまた各メンバー信条がバラバラで割り切れないためか、
倒してもスッキリ感はもうひとつ。
そこは看板だけでも掴みやすい統一イメージがもっと欲しかったかもです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・TRIGGER

新設の“メカニックシークエンスディレクター”が巨大ロボの変形合体バンクを磨き上げる。
(上空に光の道を敷いてまで空中合体にこだわるエネルギーの無駄遣い感こそが様式美w)

車やビルがミニチュアと化しひっくり返るバトルシーンの迫力も相変わらず。
本作は怪獣VSロボの被害が消えない設定となっており、爪痕の描写も印象的。
大量の壊れたビニール傘が遺棄されたカットが妙に脳裏に焼き付いています。

日常の心理描写についても、顔は無表情が多いので読み辛いですが、演出には力が入っており上々。
{netabare}ちせが“ゴルドバーン”を発生させる{/netabare}件などはゾクッとしました。


【キャラ 4.0点】
一応の主人公で怪獣使いのガウマ。
この現代社会では目立つ(浮きまくる)5000年来の熱血ヤンキー属性で、
高校生の蓬(よもぎ)&夢芽、ニートの暦+ちせ等、気だるげな現代人共を率いて、合体ロボ活動の中核を成す。
感情のもつれを引きずってやる気なくすは、{netabare}風邪引いて咳き込みながらコールするは、{/netabare}
頼りない現代人だけでは合体維持など無理ゲーですw

ガウマさんを裏切り者と罵る敵勢力「怪獣優生思想」の面々。
自力では怪獣を創造できず、破壊活動は怪獣の発生頼み。
怪獣の種である人間心理の情動にアンテナを張る中で、敵対する「ダイナゼノン」乗組員たちとも交流。
蓬たちの深層心理を引き出すトリガーともなる。
{netabare}ムジナさんの酒に付き合わされる暦先輩の顛末{/netabare}がグダグダで結構好きw


前作とは直接の繋がりがない中で、シリーズファンにとっては{netabare}ナイト{/netabare}との再会が望外の喜び。
来年劇場公開予定の『グリッドマン ユニバース』でも作品世界を繋ぐキーキャラクターとなるのでしょうか?


【声優 4.5点】
ガウマ役の濱野 大輝さんが「怪獣優生思想」ジュウガ役の神谷 浩史さん辺りとやかましくイキり合ったりする他は、
地声寄りのアンニュイボイスによるゆる~い掛け合いが繰り広げられる。

が、無気力に見えて、現代社会の病理に鋭く斬り込んでいるのが本作の凄い所。
特に夢芽の姉の死因を探る中で、“イジメ”と“イジり”の中間の掴み所のないグレーゾーンを演技で再現したのは白眉。

最近の若者は感情表現が苦手なのではなく、
平坦ボイスで、杭を打たれないように包み隠して防衛しているのだ。

ある世代から下の人間と接したことがあれば、非常に心当たりのある演技をしてくる。
私が本作でバトルより日常シーンに惹かれた主要因。

蓬(よもぎ)役の榎木 淳弥さんが、
{netabare}姉の過去の一端を受け止めた夢芽のことを想って泣く{/netabare}演技も繊細でグッと来ました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は鷺巣 詩郎氏の続投。
“退屈な日常”から解放される怪獣VSロボバトルを音楽でも演出するため、
日常シーンでは基本BGMなし、バトルシーンでは勇壮な金管、コーラスで盛り上げるという極端な音響方針を貫く本シリーズ。
たまに挿入されるピアノの心情曲も良好なだけに贅沢な使い方だなとも(苦笑)

OP主題歌はオーイシマサヨシ「インパーフェクト」
バトルシーンの挿入歌としても映える明快なメロディに、
世界の憂鬱をひっくり返すなどと、核心を捉えた歌詞を乗せた優秀なアニソン。

ED主題歌は内田 真礼さんの「ストロボメモリー」
どんだけ低音域に沈んで俯くんだ?って位の歌い出しの“タメ”から、
高音域のサビへと疾走していく解放感が心地よい一曲。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

66.3 6 2021年度の戦闘アニメランキング6位
回復術士のやり直し(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★☆☆ 2.5 (459)
1120人が棚に入れました
【癒】の勇者としての素質に目覚め、勇者たちと世界を救う冒険の旅に出ることになった少年・ケヤル。しかし戦闘能力のない回復術士には、勇者たちにその能力を搾取され虐待を受ける日々が待っていた。自由と尊厳を奪われ、自我すらも失いかけたケヤルはある日、正気を取り戻し《回復》の真実に辿り着く。《回復》はただの癒やしではない。《回復》は世界を、人を、根源から揺るがす力である、と。ケヤルは世界そのものを《回復》し、四年前からすべてを“やり直す"ことを決意する。そして勇者たちへの報復に胸を躍らせるのだった……。「さあ、パーティー<復讐>のはじまりだ─」

声優・キャラクター
保住有哉、渋谷彩乃、石上静香、相川奈都姫、高森奈津美、津田美波、ふじたまみ、稲田徹

「ひろ。」 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

個人的には神アニメになってしまいました(追記あり:北米版BDを購入して)。

>3話まで視聴して
原作未読です。

1話観た段階では、単純に”なろう系作品”の過激エロ版??・・といった印象。

2話観終えた時点で、「あれっ?結構、面白くないかコレ?」って思って

3話観終えた時点で、それは確信に変わりました!。


面白いです!!。

たしかに完全にほぼエロゲなんですが、かなり良質エロゲなのでは??(詳しくないw)。
もしエロゲ版あるなら買ってもいいくらいだし
それがアニメで毎週観れるというのも、これはこれでかなりありがたい!。


個人的に何が高評価なのかというと
単純な安易なエロイベントの乱発とかではなく
登場人物たちの置かれた環境における絶望がしっかり描かれている。

渦巻く人々の悪意、裏切り、策略など
また恨み恨まれといった連鎖
人間の本質をえぐって描いているあたりなど

今、思い浮かぶのは、コードギアスやひぐらし(初期TV版)
等の要素をしっかり取り込んだ、良質エロゲ!
といったところでしょうか?。


1話2話では見えてこなかった
主要キャラ2名(主人公とフレア)も
3話の時点で、自分の中でかなり魅力的に変化してきました!。
これは話の構成が上手いのでしょうね。

フレアの中の声優さんも、素晴らしい演技されていて
魅力的な演技に感じています!。
これを機に、今後も羽ばたいていかれることでしょう。

4話以降もさらに主要キャラが増えていきそうなので、目が離せませんね!。


-------------------------------------------------
>6話まで視聴して
3話までで感じた確信はゆるぎないです!。

毎週楽しみで仕方ないですし
毎週期待を越えてくる、いろんな意味での”濃さ”が素晴らしい!!。
よくあれだけの要素を詰め込んで
なおかつ成立させていることに驚愕っ。

とにかくアニメ化スタッフ様方が、かなり優秀なのでは??。


まず、ケアルの幼い顔であの言動・・は、ホントイライラさせられますw(誉め言葉)。
それを逆手にとった展開や演出に唸ります!。

作り物?であるかもしれませんが
ケアルガでみせる表情や、おだやかな語り口調にはかなり好感^^。
(ここはケアルガの声優さん絶賛^^)
・・かと思えば1周目で受けた苦しみへの本音吐露と憎しみの感情爆発表情!。

物語の展開や重要なセリフ、キーワードなどの随所に
コードギアス感が溢れてしまってますw。

・・ここは、むしろエロ特化した同人劣化ルルーシュ?
的な楽しみ方もできてしまって、残念ながら評価は下がりません><。

下手したら、単純なパクリといわれてしまうかもですが
この物語にあわせた、新たな上手い使い方、再構成がなされてるので文句なしですね^^。


作品の3種類のバージョン違い!?
(2種は知ってたが3種あるのは今調べて知ったw)・・も見逃せません!。

・テレビ放送版
・やり直し版
・完全回復版

はい。完全回復版というネーミングセンスも秀逸ですし
テレビ放送版も、単純なただの光規制にとどまらず
どこか、のんのんびより的な素晴らしい自然の背景と
時間が止まったかのような、ゆるやかな平和な時間の流れが表現されていますw。

これは、2度・3度おいしい♪。


主人公があまりにゲスいという評をよく目にしますが
1周目であれだけのことをされてしまった人間が
正常でいられることは、まずありえないでしょう><。

本人も語っていますが、いろいろ壊れてしまっています・・。。

でも、壊れてしまっているながらも、なんとかしようとしているところ

なんだかんだいいながらも
時折見せる人間らしさ・・。


また、ただの狂気に描かれているようなところも
それらは本来人間があらゆる両面持ち合わせてるところ・・?
と感じさせられるような
突っ込んで描かれたようなものに、なにか惹かれてしまうのです^^。


音楽面ではED曲がとにかく素晴らしい!!。
3連符??のところのリズム感と世界観の変化が心地よく
まず最初に本作を好きにさせられた要因は
間違いなくこのED曲でした♪。


-------------------------------------------------
>12話まで視聴して
結論から言うと1話から12話まで終始完璧でした!。

エロ系に寄った作品って、序盤数話までは素晴らしいと感じた作品でも
後半はネタ切れ等で失速してしまうことが多いように感じますが
本作は、毎回ネタの捻り方が秀逸でした♪。

特に10話での日笠さん登場は完全に予想外の神展開&神キャストでした!!(絶賛)。


最終話のラストは、若干説明的な感じにもなってしまってましたが
ケヤルガの心情変化描写が描かれていた点がよかった。
(もちろんそのままを鵜呑みにしてるわけではなく)


終盤で仲良くなった彼って魔族だったのですね。
ずっと人間だと思ってました。
生存させておいてほしかったな~。


ケヤルガは心を開いてしまって自分が変わってしまうことを恐れてるのですね・・。
本来の王道正義もの作品では、そっちルートが正解なのかもしれませんが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
ほぼ完全に(99%くらい?)壊れてしまっているので
そちらの方にケリをつけない限りは
もう前に進めなくなってしまっているように感じられます。

でも、時々、わずかに残っている1%の良心のケヤルガが見え隠れする
ところがグッときます。
でも99%の壊れケヤルガによって、打ち消されてしまうのですが・・。
(仲良くなった彼を助けない結果になってしまうあたりも)


あと、毎回のエロ描写ですが
ケヤルガは1周目で受けた自身への凌辱によって
日課となってしまっているので(立場は逆ではあるが)

逆に壊れてしまってるがゆえに
この日課をこなすことで安心感を得たり
自我が保てているようにも感じられてしまいます。
限られたコミュニケーション手段の1つなのかもですね・・><。

まあ日課ならば仕方ない?・・ですか。。


ああ、書き忘れるところでしたが
クライマックスでの戦闘シーン描写もなかなかよかったように思いました。

あと、キャラデザは文句なしの満点です!!。


はい。2期切望します!。


-------------------------------------------------
>北米版BDを購入して
国内版BDの購入をずっと迷ってましたが金額との折り合いがつかず、ずっと保留にしていましたが
北米版BDが発売されたことを知りました。

レビューでは強制字幕が消せないとあったので、そこがひっかかってたのですが
金額が国内版に比べて圧倒的にリーズナブルだったため、強制字幕を納得したうえで買ってみました。

で、まず家庭用のBDレコーダーで再生を試みたところ再生できませんでした。
リージョンコードは問題ないのですが、国コードロックで機種によっては再生できないようです。

次にPS4で再生してみたところ、再生できました。
ただし、強制字幕は消せませんでした。
まあこれはこれで、英語に親しむ教材に・・。なる?。
・・まあ視聴には問題ないのですが、消せるものなら消したい・・のが本音です。

次にパソコンでの某社の有料再生ソフトで試したところ
最初、再生できなかったのですが
国コードを変更したら再生できました^^。
ただし、強制字幕は消せなかったので、PS4と同じ結果でした。

最後に、無料再生ソフトを試してみたところ、設定で消せました^^。
ただし、日本製の再生ソフトではないので、もろもろ自己責任で・・ということですね。。
まあでも、やはり快適に視聴できたので、結果満足でした。


ひさびさの再視聴でしたが、評価が揺らぐことは全くありませんでした!。
むしろ盤石に。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ゲスの極みケヤル

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
う~ん、評価が難しいな~。快か不快かで言えば、不快なんだけど、面白いかつまんないかで言えば、面白い、、、ような気がしないわけでもない(笑)

これは、エロいアニメではない。ストーリーをもったアダルトアニメだ(笑)

紙屑のように虐げられた主人公(ケヤル)の心が歪み、世界にリベンジしていく話。ほぼエロゲーといえるひどいエロ描写。離脱する人も多いだろうな~と思います。

ちなみに、私は、A-TXの「完全無修せ、、、」じゃなかった、「完全回復版」で視聴です( ・`д・´)キリッ

これを☆1にしている人がいても、「そうだよね」って思うし、☆5にしている人がいても、「そうなんだね」って思う。どちらも理解できる。

「アニメは嗜好品」だから「良し悪しより、好き嫌いが大事」という私の信条からすれば、正に「嗜好品」という作品でした。好きな人は、褒め称えれば良い。嫌いな人は、貶し尽くせば良い。

レビューでは、こんなアニメなのに、ケヤルの心情なんかを真面目に考察してみたいと思います(ちょっとふざけた後にw)。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
この作品から、エロを引いて、攻撃手段をヒールに限定できていれば、名作になったかもしれない。

直す、治す、の範囲でできること。そこにはこだわって欲しかったな~。

まあ、ヒール=再生、なので、拡大解釈で「創造」が出来るという話なんでしょう(記憶とか顔とか)。ただ、細胞を過剰に再生させて破壊するのは分かるけど、相手の記憶やスキルを奪える理屈はよく分かりませんでしたね。まあ、エロのついでなのでしょうが。

さて、本作の特徴です。

意味のないエロは嫌いだが、意味の無さすぎるエロはリアルなのかもしれない。

例えば、「透明人間になったら何をするか」と問われたら、男の99%は女湯を覗きに行くと考えるはずだ(剣道部調べw)。エロ以外を答える人は、1%の聖人君子と、99%のムッツリスケベであると断言する(笑)

普通の男が異世界で、理不尽な能力をもったら、世界を救うより、普通にエロいことするよな~と思う。

だから、ある意味ケヤルは真っ当。色々理由をこねくりまわしたりせず、「ただヤりたいから(娯楽で)ヤる」というのは、潔い。最も、女性の目線に立った時、ケヤルの行為や動機は許せるものではなく、正に「ゲスの極み」だと思う。

ということで、本作、不快です。ただ、そもそも不快さを売りにしている作品で、主人公も、実は善人とか世界の為にとかではなく、極々個人的な欲望のために、悪を成していく。そこを徹底して描く、安っぽさ、無意味さ、残酷さ。なんの深みもないけれど、そもそも、深くないアニメだと開き直られれば、なんか否定しにくい。

そんな不安材料ばかりの本作がギリギリ破綻していないのは、ケヤルが元々は善人で、それを理不尽な暴力によって歪められたという前提(過去)があるから。

私は昔から(アニメでよくある)、「復讐なんて何も生み出さない」というメッセージが、あまり心に響かない。

例えば自分の大切な人が、理不尽な悪意によって奪われた時、確かに復讐してもその人は甦らないかもしれないけれど、だからと言って加害者がのうのうと生きているのは、はらわたが煮えくり返る。

勿論、復讐だろうがなんだろうが、行為自体は正当化されないから、自分自身もなんらかの罰は受けるのは当然。でも簡単に第3者が、「復讐は無意味」とは言えない気はしている。だからこそ、それを高い倫理観や自制心、あるいは、亡くなった大切な人の為にも抑え込んでいる人は、尊敬に値すると思う。

本作のケヤルは、始めは復讐が手段だった。自分が幸せに暮らすための。しかし、徐々に復讐が目的化してくる。復讐依存症、復讐することが幸せになってくる。だって、彼はもうすでに精神に異常をきたしているから。

彼にとって、元々フレアは1番の復讐対象で、始めは道具扱い。自分と境遇の近いセツナや、愛するイヴだけは大切にしたいと思うという、確かな差別化があった。

しかし、フレアではなく、自らが作り出したフレイアには愛着を持つなど、どうやら自分で自分の感情をコントロール出来ていない様子(まあ、女に甘く、男には無慈悲なだけとも言えるけど)。それは、「ケヤルが狂っている」からでも説明つくが、「復讐心の薄れ」ともとれる。

ケヤルが「復讐心がなくなるのが怖い」と言うのは、彼が生まれながらの快楽殺人者ではなく、後天的な復讐依存者だからではないだろうか。

もし、「復讐」という大義名分を、あるいは、復讐対象を失った時、彼は彼が行ってきた残虐非道に耐えられるのだろうか? もしかしたら、彼が復讐を完遂した瞬間が、彼が本当に壊れる時なのかもしれない。

ここからは妄想だが、そんな彼が自らを守るために、せっかく築き上げた幸せな環境を捨て、再び愛するイヴの心臓を奪い、また「復讐」を行うために世界をヒールするとしたら。3周目、4周目と、悲劇を繰り返し続けたなら。

悲しい男の物語として、私は本作を高く評価することになると思います。二期があったら、確実に観ます。

もっとも、今後もただひたすらにエロを貪り尽くすだけの可能性も、かなりありますがね(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
なるほど、世界を癒して2周目ね。エロアニメ? ん? 面白いか?

2話目 ☆1
復讐、とはいえ、胸くそ悪いな。ガッツリエロアニメに。判断が難しい、面白い要素もある。

3話目 ☆3
やはり、エロ描写、必要か? 残酷描写、暴力描写はあっても良いと思うけど。変態とレズとホモ。

4話目 ☆2
ガッチリエロゲだな。体液で、て、なぜ? そして、立ちバック(苦笑)

5話目 ☆2
ほぼAV(苦笑) いや、完全にAV(笑)

6話目 ☆3
人を呪わば穴2つ。死んだ人は甦らせない? 一応、自分なりのロジックはあるんだね。

7話目 ☆3
民意を操る。復讐の肯定。刹那はお気に入り扱いなのね。

8話目 ☆4
献血が税金ね。次は、魔王とヤるとしか思えない(笑) それは、魔王も焦るよな(笑) 魔王、チョロ可愛い(笑) 

9話目 ☆3
戦争の終結か、まおゆう、を観た後は浅く見えるよな。復讐は楽しいと言い切るのが、個性だな。

10話目 ☆3
まあ、目的は殺すことじゃなく、復讐だもんな。

11話目 ☆3
予想よりは、わりとあっさり殺したな。三英雄、勇者より強いのか。復讐狂い。

12話目 ☆2
ちょっとあっさり。復讐、そんなもんで良いの?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

何だ、ただのエロアニメじゃなかったのか?

原作未読。(完全回復VERにて)最終話まで視聴(笑)。

例のあのエロシーンですよね。
評価の分かれ目は・・・。
『必要か?不必要か?』みたいな話。
正直、あのシーンが無ければ、もう少し評価が良かったんじゃないかなと思います。
作品の品格を下げてしまっている。
わざわざ絵にしなくても、表現できる方法はいくらでもあるだろうに・・・、って。

主人公がひたすら復讐を果たしていく物語。
復讐に値するだけの愚行と愚民たち。
ここがきちんと描かれているので、復讐劇自体に不快感はあまりない。

主人公が回復術士というのも面白い。
第2話の{netabare}指を折る⇒治癒魔法で治すの{/netabare}ループは、確かに復讐っぽい。
ただ、それ以降の{netabare}『姿を変える』とか『記憶を変える』{/netabare}とかいうのは、”回復職の役割だっけ?”ってなっちゃう。

だけど、何かしないと、マンネリになっちゃうし、ここがこの作品の急所かな?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

66.3 7 2021年度の戦闘アニメランキング7位
ピーチボーイリバーサイド(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (256)
696人が棚に入れました
昔々のお話です。ある所におじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんは山へ芝刈りにおばあさんは川へ洗濯に──(中略)ついには鬼を退治しましたが、外国にも鬼がいるようなので…桃太郎は海を渡りました。すごいのは倒したこと 喜ぶべきは救ったこと ただ一つ…駄目だったことは……────楽しんだことこれはもしもの話だが……もし流れてきた大きな桃が一つではないとしたら…日本に流れてきた桃が複数あるうちの一つに過ぎないとしたら…

声優・キャラクター
白石晴香、東山奈央、M・A・O、増田俊樹、戸田めぐみ、斉藤次郎
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

Shake Your Booty

原作未読


へーすごい。同時期に『小林さんちのメイドラゴンS(2期)』『ピーチボーイリバーサイド』『平穏世代の韋駄天達』と同一作家さんの3作品がアニメ化してたようですね。食べ比べしてみるのも一興です。

これBEACHじゃなくPEACHなんです。蓋開けたら「ふーん桃太郎インスパイア系ね」とわかりますがタイトルだけだと混同しそう。ソースは私。“川縁(かわべり)のビーチボーイ”って何?と。
江の島海岸の境川河口付近みたいな喧騒離れた地元民御用達エリアか?みたいな映像が浮かんでみたり、海でも川でもない汽水域でしか生きられない半端者の哀歌か?と深読みしてみたりしましたがなんてことはありません。

 桃です

桃太郎をモチーフにしたアナザーストーリーということなんでしょう。
お爺さんが山へ芝刈りにお婆さんが川へ洗濯に行くみたいな基本線は押さえつつ、鬼と人のみならず亜人なども登場し、魔法もどきみたいな描写もある故異世界ものの一種と位置づけても良さそうです。
そして桃太郎といえば“勧善懲悪”のお手本みたいな物語ですが本作はややズレがある。肝心の桃太郎のモデルと思しきキビツミコト(CV東山奈央)は鬼退治というより鬼を殺めることに快楽すら覚えているちょっと危ない感じの人。ちょっと待てよとなるわけであります。そして彼が主人公というわけでもなく、メインはサルトリーヌ・アルダレイク(CV白石晴香)なる小国のお姫様が本作の主人公。酔狂で旅に出て仲間が集ってくるむしろこっちが桃太郎らしい展開。

で、集まってくるのが人間・鬼・亜人と見事なまでに同じ種族がいないパーティでこのことが今後に含みを持たせる展開となってます。要は
 
 異種族同士は交わらない

RPGでパーティを組む時は単純にアビリティの組み合わせで最適化するもんですが、この世界だともひとつ“相性”ってパラメータがあって同種族でないと数値ゼロかマイナスになっちゃうから同種族同士でパーティ組まないと知らないよってな世界観。人は鬼を恐れ鬼は人を憎み、亜人は人との接触を避け人は亜人を蔑む。そんな世界だから異種族同士のパーティがなにかしら意味を持ってきます。

 我、異種族間の架け橋とならん

本作のテーマは異なる種族同士の和解に重きを置いてました。平たく言うと鬼と仲良くみたいなやつです。それを“桃太郎”インスパイア系でどうやって料理するのか面白がれればよろしいかと思います。
自分はそこそこ楽しめました。こういう多文化共生系って料理の仕方を間違えると単なるお花畑に見えてしまって現実味が失せてくるもんですがギリ踏みとどまってる感ありの佳作です。



※ネタバレ所感

■ギリ踏みとどまれた理由

{netabare}お姫様だけでなく相手方にもスメラギと似たようなこと考えているのがいたからですね。
これお姫様のスタンドプレーだったら陳腐になってたろうなあと愚考。社会通念と真逆を行くのがたまたま敵同士だったみたいな間柄。勝海舟と西郷隆盛みたいなもんといえば言い過ぎかしら?{/netabare}


■ミッドナイトシャッフル

視聴中は全く気付かずレビュー書こうとして知ったのですが時系列をシャッフルしたバージョンをTV放送して時系列整ったのを配信で流してたみたいです。これがすこぶる評判が悪く“愚か者”との評価が大半を占めてる模様です。
ただ当方そんなに気にならずこういうもんかと思って全12話完走できちゃいました。これからの場合は下手にバイアスかけずにフラットな気持ちで臨まれることを推奨します。
なんだろね…円盤に替わる再生増や配信誘導みたいな新手のマーケティングかしら?知らんけど…


■どうでもいい余談(ややピンク…桃だけに)

{netabare}“peach”ってお尻を指すスラングじゃなかったっけ? 尻と関係ない部位の力の入れ様が半端なくて(笑){/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2020.09.18 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

シャッフル版、アリなのでは…?(← 個人の感想です)

アニメの全話視聴が終了した現時点でも、原作漫画は未読です。お話としては、昔話の「桃太郎」をベースにした世界観になっています。

この作品では人外の存在として「鬼」がいるわけですが、「人外には人とは違った価値観や倫理観がある」という辺りは他の同一原作者(クール教信者)作品である『小林さんちのメイドラゴン』などと相通じるところがあるやもしれませんね。

本作は話数ナンバリング通りの放送順でない版と、dアニメストアで配信された時系列版が存在します。

ちなみに時系列版の第何話にあたるのかは、特にどこかのサイトで調べたりはしなくても、放送時もしくは次回予告時に表示されれるサブタイトル画面の右下の数字を見れば一応わかるようになっています。
(私は録画を保存するときに、サブタイトルを編集してこの話数番号を各話サブタイトルの前に付けてわかるようにしました。)

私が見たのはTV放送順のシャッフル版で、時系列版の存在は知ってはいましたが、これを見てしまうとシャッフル版の正当な評価が出来ないように思えたので、時系列版での視聴はしていません。

さて、シャッフル版を視聴していると当然のことながら、前に観た回で死んでしまっているはずのキャラクターが普通に生存して暴れてたりとかの違和感があるわけなのですが、それを些細な問題として横に置いて全体を観てみると、意外と違和感なく観れてしまったりします。

各話にその話の中のメイントピックみたいなものがあると思うんですが、そのメイントピックだけアウトライン風に並べてみるとなんとなく辻褄が合っているという感じなんですね。

価値観の異なるコミュニティ同士は放っておくと衝突してしまいがちですが、理性で並立/共存を図ることはできるはず、みたいなトピックで追っていくと、放送された順番にエピソードを並べたことを積極的に支持しないまでも、なんとなく共感はできたりするわけです。

なんというか、音楽で例えるとDJがオリジナル楽曲からリミックスバージョンを作る的な感じなんでしょうか。ただ、「原作漫画のアニメ化」としてそれは許されるのかと考えると、「絶対に許さない」という人もいて当然という気はするので、世間でシャッフル版が非難されるのもまた当然という話だとは思っています。

あと、おそらく原作既読者はシャッフル版を受け入れられないんじゃないかという予測は立ちますよね。

しかし個人的にはシャッフル版はそれなりに面白く観ることができました。ただ、時系列版で改めて観るかと言われれば微妙ですねぇ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

いやぁ。。。監督さん、賛同できないです。

原作知らず。
評点はオンエア版に対するもの。

この作品で監督さんが施した手法が方々で話題になっているようですが、その是非を確認するという意味では視聴の価値があるかもしれません。

僕は原作の改編・改変を無条件に否定はしません。むしろ、必要ならばどんどんやって欲しいと思う側です。ただし、それが「必要」であり、かつ、その結果としてしっかりと「物語」が語られることが大前提です。

さて、今作の"シャッフル"に対して僕は全面的否定派です。結果としてできあがった作品も、シャッフルに対する制作サイド(主として監督)の気構えも、どちらも評価に値しないと考えます。

作画:{netabare}静止画としても動画としても中の上~上の下、という感じ。動きに関しては正直なところ今ひとつふたつ物足りない感じでした。{/netabare}

声優:{netabare}良い意味で、特に言うことはありません。おそらく、与えられた仕事を十全にこなされたのだと思います。{/netabare}

キャラ:{netabare}夢想的・独善的な理想家サリーが最後まで好きになれませんでした。これは、時系列で見ても同じ印象です。。。というよりも、こうまで物語がぐちゃぐちゃになるとキャラについてどうのこうの考えづらいです。オンエア2話終わり~3話冒頭のおかげで、ホーソーンは心的に問題のある人物だと思い込んでしまったし・・・{/netabare}

音楽:{netabare}OP・ED共に良かったと思う。{/netabare}


物語とシャッフルの是非:{netabare}

放映開始後まもなくの頃にタック二階堂さんが投下されたレビューを拝見しました。今となっては”まったくもって仰る通り”という感想です。

その時点でタック二階堂さんが指摘されたポイントは
 1."オンエア版(以下OA版)"と"時系列版"が存在すること
 2. そもそものシャッフル放送の是非
の2点と解釈しました。

1.OA版と時系列版の両方がある:{netabare} これはタック二階堂さん指摘の通り、監督の自信のなさに起因する逃げ道の確保と見なしました。ならやるなよ。

"自信を持って、「これが俺のピーチボーイリバーサイドだ」を見せつけてくれるだけで良かった(タック二階堂さんのレビューより)"のに、このような逃げ道の存在を自ら示し、挙げ句、次回予告で本来の話数(時系列順)をフレームに忍ばせるという小賢しいまねまでされては、、、、呆れます。

加えて、時系列版を同時制作(?)すること、かつ、両者の違いをシャッフルの有無だけとしたことが、OA版そのもにも足かせとなっていたと思う。つまり、シャッフル版の冒頭にナレーションなどを入れ、飛んだり入れ替わったりした物語の間を埋めることも出来ない仕様に自らしてしまったと言うことです。結果、OA版はただ順序がぐちゃぐちゃなものが出てきたという印象です。{/netabare}


2. 今作の"シャッフル"の是非:{netabare} 先に述べたとおり、僕は「非」と判断します。

==監督の思惑は何だったのか
{netabare}監督の思想に寄り添ってみる: 確かに、全体をオンエア順に俯瞰すると、立場・勢力・思想間の埋められない溝~種・思想を超えた共存とその現実~そのためのもがきとオレタタ、という感じのテーマ構成になっていると思われます(テーマ名称はもっと良いのがあると思う)。

でもなぁ: OA版が無理矢理作り出したこのメタ物語を、原作者が思い描いた・描こうとした物語にあえて被せる必要があったのか、甚だ疑問。というよりむしろ、原作そのままでも十分に描かれているのではないだろうか。かえってこのOA版のメタ物語(と、その結果視聴者側に生成されたキャラに対する印象)が、原作の続きに制約をかけはしまいかと危惧してしまう。監督インタビューでは原作サイドも了承済みといっていますが、このできあがりまで了承できるのだろうか。仮に原作の続きがストックされて、万が一にもアニメ続編となった場合、収拾がつくのだろうか。

やっぱりダメだこれ: 何より、監督が固執したメタ物語のために元来の物語(含:作中の人物)が犠牲を強いられたこと、そこまでしながらそれほど付加価値のないメタ物語であること、各エピソードの理解において視聴者に負担をかけたことを考えると、とても擁護する気にはなれません。{/netabare}

==時系列、そんなにダメ?
{netabare}時系列通りだとOA版第9話「ミコトとミコト」が最後になりますが、別にこれで締めても問題ないと思いました。あるいは、2期匂わせを狙うなら、「ミコトとミコト」のみを中盤の適当なところに挟み、OA版10話(時系列11話)「戦禍と恨み」を最終話に持ってきても良かったと思う。これはこれでステレオタイプな"おれたた"に出来たのではないだろうか。

監督は「決意と別れ」を最後に持ってくることに自信を持っていたようだが、残念ながらその良さを見いだすことが出来ない。結局のところ"おれたた"になっているだけではないだろうか(なにか見落としているのだろうか)。物語冒頭の変更も含めて、いったい何に対する「リスク(監督インタビューより)」があったのか今ひとつ理解できません。物語の主役が云々のくだりも、全く同意できないし。。。むしろ僕は「シャッフル版の方が良い」と監督の背中を押した(インタビューより)とされるスタッフ、現場の雰囲気を心配に思います。「あ~、そういう雰囲気の現場なのかなぁ・・・」と。{/netabare}

==よくもまぁ。。。ハルヒを引き合いに出したものだ
{netabare}どこかに掲載された監督インタビューで、涼宮ハルヒを引き合いに出して「シャッフルは良く用いられるからOK」的なことを宣ってました。が、僕には「ガワだけまねたけど、本質が見えていない発言」と思えました。ガワまねという意味では次回予告内の「本当の話順」もこれに相当するのかな(チッガーウ)。

初版ハルヒ(2006年版)は、{netabare}確かにシャッフルで良く引き合いに出されると思いますが、そうでありながらも物語の本筋を壊していない点も注目されるべきと考えます。合間々々に閑話的にエピソードが入り込むものの、14話構成の主軸は「憂鬱」になっていて、「憂鬱」の順番自体は変更されていません。加えて、エピソード0:ミクルの冒険(OA第1話)の選択が秀逸と思う。放送第1話にして主要キャラクターを総動員していること、次回予告も含めて「やらかしてますよ!」を視聴者に向けて盛大に宣言していること、「この世界、なんか変だぞ?!」をちりばめながらの劇中劇によって作品自体が持つ虚実の境目がわからない雰囲気を提示したこと、の3点がそう思う主たる理由。続く憂鬱Ⅰ、Ⅱ(OA2話、3話)でおおよその方向性を固め、退屈(OA4話)冒頭のキョンの語りで「やらかしの再宣言」という形になっている。{/netabare}いわば、シャッフルしても何とかなる土台を自ら作り・提示した上でのシャッフルであり、もちろん少なからぬ混乱は生んだものの、理解できるシャッフルになっていた。また、アニメ制作サイドの手による「メタ物語の導入」はなかったと考える。[以上、最近になってようやく視聴したいちファンの主観でした]

片や本作、、、、です。
比肩できるものですらない、と思うのですがどうなんでしょう。
{/netabare}{/netabare}{/netabare}

[2021/09/22 v1]
[2021/09/23 v1.1] なんか微妙な並びを形成してしまったのでタイトルプチ修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

76.5 8 2021年度の戦闘アニメランキング8位
Dr.STONE(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (403)
1707人が棚に入れました
全人類が、謎の現象により一瞬で石化して数千年――。超人的な頭脳を持つ、根っからの科学少年・千空が目覚めた。文明が滅んだ石の世界(ルビ:ストーンワールド)を前に、千空は、科学の力で世界を取り戻すことを決意。新たな仲間を集め『科学王国』をつくりあげる。火、鉄、電気、ガラス、ケータイ……石器時代から現代文明まで、科学史200万年を駆け上がる千空たち。しかし、そこへ霊長類最強の高校生・獅子王司が率いる『武力帝国』が立ちはだかる。人類浄化を目指す司は、強大な武力によって、科学の発展を阻止しようとするのだったーSTONE WARS、いざ開戦!

声優・キャラクター
小林裕介、古川慎、市ノ瀬加那、沼倉愛美、佐藤元、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健吾、麦人、中村悠一、石田彰、豊崎愛生、小野賢章、中島ヨシキ、種﨑敦美
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジャポニカ学習帳

トムス・エンタテインメント制作。

人類の石化から一人目覚めた千空。
科学の知識でライフラインを復旧させ、
石化を解く薬を完成させるも、
人類の浄化を目論む一派との戦闘が始まる。
石化そのものの謎は未だ解けてはいない。

世界は樹木が生い茂り景色は風化している。
現代からおよそ3700年経過している。
大胆な世界設定とこの世界を生き抜く、
少年たちのサバイバル術が見所である。

戦闘、和解、生きるための知恵、
あまり類するものを知らないこともあり、
不思議な視聴体験がまずまず楽しい。
そもそもなぜ石化現象は起こったのか!?
世界の謎に少年たちは挑もうとしている。

お気に入りは愛嬌のあるスイカ。
最後まで気楽に見ていければと思います。

最終話視聴追記。
総合評価では1期に分があるも、
こちらもまた娯楽作品として楽しめます。
{netabare}最終話は印象深く、爽快な大団円で終幕を迎える。
そして大航海へと、冒険は進む。{/netabare}

今後に期待の持てる展開でしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

かつて誰も殺さない戦争をした国などあっただろうか?

この物語は謎の光線により人類が石化してからおよそ3700年後の物語
シーズン1を見てられない方は先にシーズン1を見てくださいね。

今回は石神 千空(いしがみ せんくう)率いる科学王国と獅子王 司(ししおう つかさ)率いる司帝国との全面戦争です。
科学王国の千空は、石化した全人類を元に戻そうとする考えですが、司は選ばれし若者のみを石化から元に戻すという考えの持ち主。
両者は相譲れない信念を持っており、そのために戦争となります。

この物語の魅力は、自然界に存在する物質をもとに千空が電話器や蓄音機、蒸気機関車など、現代の機器をつくり出すことです。
もちろんラーメンや綿菓子、コーラなどの食べ物も作り出します。

でも、千空の最大の魅力は、全ての人を救おうとすること、戦争になっても誰も殺さないようにする考え方です。

人類史上かつて「誰も殺さない戦争」をし、勝利した国などありません。
確かに現実的にはありえない甘っちょろい考え方だと思います。ですが、私はこんな考え方は大好きです。

それに、全人類を救うことなんで誰もできない。誰もがそう考えるでしょう。
頭脳明晰な千空すら、その方法はわかりません。
でも千空は、今の自分たちにできないのであれば、みんなで考えれば何とかなるだろうと思っています。その「みんな」とは、これから誕生する子供たちや子孫も含まれています。

私たちが暮らしている現代世界は、一人一人の努力により長い長い年月をかけて一歩ずつ築き上げてきたものです。
火をおこすことから始まり、青銅器、鉄器をつくり、蒸気機関、電気製品をつくってきた人たち。
決して一人では成しえなかったものの積み重ねで今の世界ができています。

科学は人々を幸福に導くためにあるもの。それが千空の考えなのでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

獅子王は何王になりたいのだろう?

原作未読 続きもの第2期

下仁田ネギを擬人化したら大槻ケンヂだった件の続き。
もとい…全人類が石化しちゃって早幾年。大方の説明は省略しますがちょうどよいところで2クール終了したこともあって続きが楽しみだった作品の第2期11話です。うーん…コンパクト。
連載中の作品の場合、初出の1期においてはアニオリで畳むか続きを匂わせるかの2択となりますが本作は後者。さらにそれを受けての2期でも1期同様匂わせエンドであったため、踊り場の2期という位置づけになります。
そうなりますと本作に限らず経験則上評価は下がる傾向に。「終わってないじゃん」が最たる理由なのは当然として、継続前提の2クールならよっぽどでない限り“尺不足(説明不足)”とは無縁なわけですし、初物ならではの目新しさに引っ張られ満足しちゃう1期の存在がハードルとなってしまうからです。
そして高くなった期待値というハンデに加え、目新しさだけでの牽引力は賞味期限を迎え、と作るほうはたまったもんじゃなかろうというのが実情ですよね、と。

本作においての評価も自分の場合は4.2点を献上した1期からは下がります。
たぶん作品どうこうは今後にかかっているので暫定評価ですね。某『進撃の巨人』みたいに2期で目先を変えたらネガティブ評も目立っちゃったけどその後の展開で再評価された作品もありますので今後も見届けたいと思います。


…ってと自分に必死に言い聞かせてます。どういうことか?
食い気味で視聴した1期ほどの熱量が自分になかったんだなぁこれが('◇')ゞ
本作のコア部分の魅力は崩れてないため総じて低くない評価だったとは前置きしつつ、そのへん1期のレビューで書いちゃったし、じゃあ差分を書こうとするとネガティブになっちゃうという現在地。
よって

 ちょっと失速したかしらん?

差分を備忘に留めて置いとくかぐらいの心持ちで以下

1.ドラえもん化
ゼロからのモノ作りがおもしろおかしい魅力だった1期。2期ではプロセスを省いて“テッテレー”と文明の利器が登場するイメージ。
当然、最初に作ったものを利用して二次制作するなど初期段階から変わっていくのは仕方ないですけど、慣れたのか飽きたのかゼロベースのモノづくりで唸る場面はなくなりました。


2.敵役の矮小化

“霊長類最強の高校生”
このワードにツッコミ入れてない方が継続視聴されてるかと思います。原始共同体ならそりゃ軋轢は血なまぐさいものになるわなと許容範囲の1期。2期ではとある変遷{netabare}“獅子王司の良い人化”{/netabare}をどう評価するかが鍵なのかと思われます。
良くも悪くもジャンプらしい展開でした。こういう物言いする時は良く思ってない時なんですけどね。

{netabare}世迷い言。司ってゴールポスト動かすし知識階級(汚い大人ってくくりでしたが…)粛清するしポルポトみたいだねって放言した1期レビュー。ついでにコップの中で粛清始まるぞとも言いました。
案の定、反乱分子が出てきて路線対立していって、との流れは悪くないんだけど、バラモスの次はゾーマだ!みたいな流れができちゃったので今後インフレしていくしかないなこりゃと諦観してます。まさにTHEジャンプなのです。

さはさりながら“踊り場”2期で新敵役はさわりだけだったことは情状酌量の余地あり。千空と対立する理由が不透明のため煮え切らないのですが徐々に明らかになるにつれて物語は締まってくるでしょう。{/netabare}


3.野性味はどこへ?

象徴的なのがOP。1期のOPって土臭かったでしょ?
あれ好きだったのに、文明の夜明け的なノリが薄まっちゃったかしら。


3期は決定してるらしく要経過観察な2期になるのだと思います。
先のネガティブポイント3点も単純に飽きてきただけなのかもしれませんが今のところ自分でもよくわかりません。
追い打ちかけるように私が面白いと感じた部分が薄まったことで蓋をしてたことも悪い意味で顔を出してきとります。
例えば千空くんの「○○億なんちゃら」「超絶なんちゃら」「そそるぜ」等のイキリワード連発がしんどくなってきたとかね。科学の申し子設定だったらこんな非合理的な修飾語を連発しないだろうに…等々。いやあ不安です。


※余談

■どうせ実力あるんだから

様式美ってあると思うんです。
それがわかってくる醍醐味は重々承知していて、趣味なんてだいたいそんなもん。今回は声優さん。

子安さんが出てくれば「あ、変態だな」
杉田さんが出てくれば「あ、むっつり系の変態だな」
松岡さんが出てくれば「あ、女の子寄ってくるな」

{netabare}石田彰さんが出てくれば「あ、敵ね」{/netabare}

爪痕残しまくるせいかその役の印象が強いってのもありますけど想定の範囲内で終わってしまうことが寂しい気もしてます。



視聴時期:2021年1月~2021年3月 リアタイ  

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2021.04.17 初稿
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

70.8 9 2021年度の戦闘アニメランキング9位
戦闘員、派遣します!(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (404)
1352人が棚に入れました
秘密結社キサラギ。今や地球上の誰もが知る大企業は、自ら悪の組織と名乗ってさまざまな悪事に手を染め、ヒーローたちを打ち倒し、ついに世界征服を成し遂げようとしていた。しかし、世界を手に入れれば大勢の戦闘員たちは不要になってしまう。このリストラ問題を解決すべく、キサラギの最高幹部たちは新たな侵略先として宇宙に狙いを定める。そして地球によく似た環境の惑星へ、「戦闘員六号」と美少女型アンドロイドの「キサラギ=アリス」を派遣するが、現地の人々は“魔王軍"の侵略を受けていて――。

声優・キャラクター
白井悠介、富田美憂、菊池紗矢香、村上奈津実、髙橋ミナミ
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

好き者のコンピテンシー

暁なつめ氏の原作は未読


この御方は作品によって、大きく作風が変わらないため良くも悪くも想像しやすい。アニメ化は『このすば』『けものみち』に続いてってことになるのかしら?

・♂の異世界転生
・主人公♂が性的欲望に忠実
・ハーレムでわりと♀がひどい目に合う

○○のほうが優れている云々は置いといて、原作者の手癖みたいな会話の間やテンポ、そして交わされる会話の内容はやはりこの人とわかりますし、原作の良さ(読んでないけど)を踏襲するようスタッフが腐心したのだろうとは思います。 

どうやら地球から転送された(らしい)主人公の過去話はカットされてます。物語の進行に支障はございません。その戦闘員六号(CV白井悠介)が主人公です。Youtubeでたまにお見かけしていたしらいむさんの作品まともに観るのはこれが初。
世界征服を企む大企業「キサラギ」の従業員がとある星に転送されてのすったもんだです。ハーレム構成メンバーは以下

■6号のチーム:日々寝食を共にしてる
 キサラギ=アリス(CV富田美憂) アンドロイド/低体温ツッコミ役
 スノウ(CV菊池紗矢香) 近衛騎士団隊長/剣持ってる人
 ロゼ(CV村上奈津実) 戦闘用キメラ/大食の人
 グリム(CV髙橋ミナミ) 大司教/車椅子で呪う人

■キサラギ:上司に相当
 アスタロト(CV渡部紗弓) 氷結の人/チョロイン
 ベリアル(CV日高里菜) 業火の人/印象にない
 リリス(CV石原夏織) 科学者/人気投票の際バイデンしてたね

■グレイス王国:転送先のウォッチ対象其の一
 ティリス(CV前田佳織里) 王女/腹黒サディスティック

■魔王軍:転送先のウォッチ対象其の二
 ハイネ(CV瀬戸麻沙美) 魔王軍四天王の片割れ/たぶんドM
 ラッセル(CV伊藤美来) 魔王軍四天王の片割れ/うーん…美少年枠!?

チームメンバーとの日常劇をベースにその他愉快な仲間たちと組んずほぐれつします。多彩なので退屈はしません。完走への吸引力になりました。ハーレムの話はここまで。それこそハーレム+αの部分、“暁節”といえる会話劇が付加価値となります。
あらすじの通りで一言で言うとこのすば的サラリーマンのお話です。意外と実社会で使えるかもしれない!って視点で観るとより楽しめるかもしれません。



※余談

■コンピテンシー(有能社員の行動特性)

 「悪行ポイントが加算されました」

パワーワードです(笑) 
悪いことやると評価されインセンティブが溜まる明快な仕組み。営業なら売上いくらとか、人事採用なら採用者何名とか、工場なら生産量とか、開発なら納期遵守/安定品質とか、なにをもとに評価するかって指標がありますよね。

業種:商社?人材派遣業?
理念:世界をわが手に!
職種:戦闘員

他にも挙げれば細かくいろいろ出てくるでしょうが、従業員の行動規範があって、上司と1on1して目標設定したり、雇用契約にインセンティブ詳細があるのかもしれません。

それに沿って主人公は行動しているわけで、アニメの中で繰り広げられてる下衆なあれやこれやもそれが職務内容となってるのならしょうがないよね、普通よね、と考えてしまうのは骨の髄までサラリーマンだからかもしれません。
{netabare}あわよくばキサラギ社の新卒面接で志望動機を聞いてみたいものです。大喜利楽しそう…{/netabare}



視聴時期:2021年4月~2021年6月 リアタイ

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2021.06.30 初稿
2022.05.24 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

下品な主人公を軽蔑しつつも共感してしまう男心の弱さを突いた作品

この物語の原作は、「この素晴らしい世界に祝福を!」の著者である暁なつめさんが作家デビューする前に「小説家になろう」に投稿されていた小説です。
つまり「この素晴らしい世界に祝福を!」よりも前に書かれていたようです。
だから内容は、あのアニメと同じく、下ネタたっぷりのお笑いアニメです。


このアニメもまた、下品な主人公を軽蔑しつつ、ダラダラと結局最後まで見てしまいました。

著者の暁なつめさんは、いやらしいほどに男心の弱点をしっかりと突いてきます。
健全な男であれば誰でも下ネタが大好きであり、まるで麻薬のようについつい下ネタ話を知りたくなります。
こんな下品なアニメを見ている自分を”情けない”と思いつつ、男の本能には勝てずに、ついダラダラと見てしまう自分がむなしい…。
皆さんもそうですよね。(^_^;)


物語の内容は…、語る迄もありません。
暁なつめさん原作のアニメには、物語の内容などどうでも良いのです。
愉快な仲間が集まって下品なことを笑いながら楽しくやっていればそれでいいのです。


悪行ポイントを積み重ねることで自動車や武器が手に入るのであれば、私も主人公と同じことをしたい。
でも実際にそれを行ったら間違いなく警察に捕まってしまいますね。
女性のパ〇ツをいきなり脱がしてパンチ一発で許してもらえるほど世の中は甘くありませんので…。
それと、どんなに酔っていても先輩や上司の頭に「ちょんまげ」はしないでくださいね。その瞬間に人生が終わるかもしれませんので…。
視聴者の皆さんは注意してくださいね(*^_^*)

最後に私はアンドロイドのアリスが大好きです。(^_^)
外見は幼い美少女ですが、口調は大人びており、辛辣な言葉で主人公をいたぶっているところがたまりません。
そして主人公が意識不明で入院中に下の世話をしてくれた意外な優しさが嬉しいです。
貴方は意識不明の友達の排せつ物の処理を3日間することができますか?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

何だ、これってやっぱりSFなんじゃん…。

原作は読んでないけど、最終話最後の1カットの夜空でサラっと大きなネタを分かりやすくぶち込んできましたね!



……って、いきなり最終話を観てない人には意味不明な話で始めてすみません。一応ストーリーとしては、悪の秘密結社キサラギが世界征服を目前にして、征服後の組織維持のために宇宙の彼方に見つけた居住可能惑星を新たな征服地と定め、そこに組織古参の戦闘員六号と高性能美少女型アンドロイドであるアリスを先兵として派遣するというお話ですね。

侵略を目指した惑星には人間そっくりの知的生命体の他、魔族と呼ばれる存在がいて、自分たちが持ち込んだ科学技術とは別の「魔法」が存在するといった感じになっています。別の惑星上にある文明社会という意味では「異世界」ではありますが、人間や物が技術によって転送できている時点でいわゆる「異世界ファンタジー」ではありません。
(意思疎通も謎の能力ではなく翻訳装置的な物によってなされています。)

六号やアリス、そして二人が拠点とすることになったグレイス王国の王女ティリスなど人間的な外見の方が腹黒なキャラが多く、敵味方問わず「人外」キャラの方が純真な性格設定になっているのが特徴的です。

基本ゲスかったり腹黒だったりするキャラたちが時折見せる「悪に徹しきれない」ところや、逆に基本純真なロゼやハイネのようなキャラが欲望に正直すぎるあまり時々腹黒い連中をやり込めたりするドタバタ劇を楽しんでいた感じで、軽く流して観るような作品ですが、文物に関して軽い考察要素を入れることで設定に関して想いを巡らせる感じでもあります。

気付くと面白かったり気になったりする小ネタはちょくちょくあるので、そういうのを追いかけるのが好きな人には案外お勧めできる作品かもしれません。しかしニッチな需要とも言えるので、そんなに人気は出ないような気もします。

あと、ある意味古典的なアリスのツンデレはけっこうカワイイと思いました。

余談その1: 次回予告でキサラギ女三幹部が喋ってる内容に、案外情報量が多かった気もするしたいしたことなかったような気もします。とりあえずリリス様は非道い奴です(笑)。

余談その2: OP主題歌「No.6」のラテンっぽいアレンジが意外とハマります。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 40

72.1 10 2021年度の戦闘アニメランキング10位
結城友奈は勇者である 大満開の章 (TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (168)
558人が棚に入れました
TVアニメ新シリーズ『大満開の章』
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

結城友奈じゃなくても勇者である

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ゆゆゆ、は1期☆4、2期☆4と、高評価しています。好きなシリーズです。

本作は3期というより、ほぼスピンオフですね。ゆゆゆ自体は2期で大団円を迎えていますから、当たり前と言えば当たり前ですが。

本作、普通に普通以上の面白さがあるアニメです(だから☆4)。

ただ、「結城友奈は勇者である」という冠から、3期(2期の後日談)を期待した私が悪いのですが、思ってた作品とちょっと違いましたね、個人的には。

スピンオフならスピンオフと、言ってもらえればね、そういう姿勢で視聴するのですが。

本作、時系列が複雑なので、一応、余談に入れときますね。視聴の参考までに。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
正直、1度綺麗に完結した物語を、無理に引き延ばそうとしている感じがした。

おそらく、スピンオフにあたる「楠芽吹は勇者である」と「乃木若葉は勇者である」を、無理に「本編の中に入れたような演出」が違和感を醸し出していたのかな、と。

いや、2作とも単体として、とても面白かったですよ。

特に、「楠芽吹」はキャラの立ち位置として良かった。ああいう、「凡人の最強」みたいなの好きなんですよね。自分が量産型・消耗品でないことを証明するために戦ってきた結果として、本来なりたかった「勇者」として仲間に認められる。

良いじゃないですか。格好良いです。

加賀城雀や弥勒夕海子などサブキャラも魅力あったし。勇者部に匹敵する素敵なパーティ。まあ、やたら「ガンバスター」みたいな雰囲気でしたけど(笑)

ただ、本作の1話目を「勇者の章」の前(がっつり日常系)にしたせいで、「勇者の章」の続き(神を失った後の人類及び勇者部の営み)を期待していた私にとっては、???みたいな感じでした(これは、事前にアニメの情報は入れない私の視聴スタイルが災いした感じです)。

ファーストガンダムの後に、Ζガンダムの1話だけ流して、0083を放送したような違和感(ガンダム好き以外には伝わらないw)。

「勇者の章」ではバッチリ決まっていた、スピンオフを絡めながらの時系列シャッフル。それと同じことしているわけですが、本作ではハマらなかった感じ。

違いはやはり、「進行中の物語」でやったか、「完結後の物語」でやったか、かな。「進行中」なら、視聴者であるこちらも、内容を深めたいと思って観るけど、「完結後」、しかも、あれだけ熱く綺麗に完結した後に、今さら過去を掘り下げられても、もはや蛇足にしか感じられませんでした。

重ねて言うけど、「楠芽吹は勇者である」も「乃木若葉は勇者である」も、凄く面白かったんです。むしろ、もっと丁寧に、6話くらいかけてちゃんと観たかったくらいです(それぞれに単独で1クール使っても全然文句ないです)。

本作のタイトルを、「結城友奈は勇者である 大満開の章」とつけず、「楠芽吹と乃木若葉も勇者であった」とかにして、完全にOVA扱いにするくらいの、

「結城友奈という看板に頼らなくてもいける自信(作品に対する信頼)」

があれば、また少し違ったのですが。もしくは、本作の12話Aパート(純粋な3期)を1話目にもってきて、諸々を描き、12話編成でCパートまでたどり着くようにするか。

と、なんとなく酷評っぽくなっちゃいましたが、最後の友奈の幸せそうな笑顔見ちゃったら、もうどうでも良くなりますね(笑) 

1期からのトータルで、最後まで綺麗に完結した、素晴らしいアニメシリーズだったと思います。制作者の皆さん、お疲れ様でした♪
{/netabare}

【余談~時系列まとめ~】
{netabare}
複雑過ぎるので、多分、ですけど(苦笑)

①「乃木若葉は勇者である」
(アニメ3期5話~7話)
※西暦2018年。地の神VS天の神バトル開始。初代勇者、乃木若葉の物語。神世紀開始。

②「鷲尾須美は勇者である」
(アニメ2期1話~7話)
※神世紀298年。何代目になるかは分からないが、鷲尾須美たちが勇者として活躍していた時代の話。

③「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期2話)
※神世紀300年。あと一歩で勇者になれず、守人となった楠芽吹の話。

④「結城友奈は勇者である」
(アニメ1期1話~12話)
※神世紀300年。結城友奈をはじめとした、勇者部の話。以下、⑦まではほぼ同時期の話。

⑤「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期1話)

⑥「楠芽吹は勇者である」
(アニメ3期3話、4話、8話)

⑦「結城友奈は勇者である-勇者の章-」
(アニメ2期8話~13話&アニメ3期9話~11話)

⑧「結城友奈は勇者である-大満開の章-」
(アニメ3期12話)
※神樹様及び天の神がいなくなった後の世界。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
青い鳥。時系列は、神不在後? 楽器、上手いな。めっちゃ日常系。ゆゆゆの場合、さらなる悲劇への序章にしか感じないんだよね(苦笑)

2話目 ☆4
なんかもう、ノリがガンバスターになってきたな(笑) 量産型と量産型の戦いは熱い。そして、量産型でないことを証明しようとする主人公はもっと熱い。

3話目 ☆4
勇者部を外から見る。防人の歌。城マニア(笑) ここからシリアスか。やはり、勇者の章の前か。

4話目 ☆4
バーテックス倒すとか、かなり強いな。弥勒が犠牲者の1人目か。

5話目 ☆3
すごろく(笑)  ん? また過去編?

6話目 ☆4
さらに、スピンオフか。なかなか闇が深い話。もうちょい、ちゃんと観たいよな。

7話目 ☆5
郡と乃木。最後に、群千景は勇者であると宣言する乃木、格好良いな。

8話目 ☆4
ここでまた、楠芽吹の話に、また戻るか。カリンを励ます元ライバル。

9話目 ☆


10話目 ☆4
熱いバトルだったな~。銀の斧。台詞。千景砲。スナ~(笑)

11話目 ☆3
風の技、普通にめっちゃ格好良いよな。つまりは、ゆゆゆ完全版だね。

12話目 ☆5
ここでようやく後日談か。2期のCパートって感じだよな。やはりテーマは自立か。インフラ、資源はもう無限じゃないしな。クーデター(笑) 人の力になれるのは、人。4年後。むしろその4年を観たいのだが。天の神、放射能? チーム防人。まあ、希望を魅せたラスト、と。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

すべての想いを背負って戦う勇者

※間違えて一期にこのレビュー投稿してしまったことを教えていただいたので投稿しなおします。

【紹介】
これは3期にあたります。2期は「鷲尾須美の章・勇者の章」なのでそのあとに視聴しましょう
最初の4話までの時系列は1期と2期の間の話のスピンオフ的な位置で、2期の裏側を楠芽吹の視点で語られます。

【シナリオ】
序盤はものすごくダイジェスト感がありますが、仕方ないですね。こういうスピンオフは好き。
事前に1期と2期を復習しておいたほうがいいかも。

選ばれた勇者は替えがきかない英雄だけど、勇者じゃない防人は、替えがきく消耗品?
別に私じゃなくてもいい、それなら私たちはただ時間稼ぎして盾になるだけの生贄?
注目されることなく、一般兵Aとして大したセリフもなく一瞬で殺され誰の記憶にも残らないモブ戦闘員達。
彼女達がいなくても世界は救われるかもしれないし、何人死んだかなんて誰も気にしてないかもしれない。
世界を救う勇者だけが注目されるけど、そうじゃない一般兵士だって必死に戦ってるんだ、
セリフのないモブだって生きてるんだという当たり前のことを投げかける。

そういった当たり前が描かれるからこそ、託された勇者達の活躍がより輝きを増す。

そして満を持して登場する勇者たち。
すべての人類の希望を背負って、過酷な戦闘に身を投じる勇者
志半ばで倒れていった仲間の想いを継いで、ボロボロになって戦う勇者
応援せずにはいられなかった。

すべての人々が勇者を称えて期待して、絶賛ばかりされる栄光だけの物語とせずに、勇者に否定的な言葉や、感謝しない民衆もいて、多大な犠牲があって、戦う意義を見失いそうになる。
勇者だって人間だ、命がけで戦って、仲間が犠牲になって、理不尽な罵声を受けて平気でいられるわけない。
そういう勇者の苦悩を見せたところが良かった。

でも、一つ一つのエピソードがホントしんどいなあ。
しんどいからこそ、応援したくなるけど。

途中までは面白かったけど、最後のほうの神魂うんぬんが面白くなかった。

【文句も言いたい】
シリーズ通して女の子の自己犠牲の美化が激しく、本作品では「わたしたちは消耗品じゃない、一人一人生きてるんだ」ってところを強調していたけど、やっぱり消耗品扱いしていることは変わらないと思う。

【キャラクター】
歴代のキャラクター達のことは今さら語るまでもないと思いますが
楠芽吹編のキャラクター達もただのモブではないキャラの立ったキャラクター達で魅力的。
弥勒さんがテンプレお嬢様ライバルキャラだけど、すごく好き。

【作画】
とても綺麗で安定感がありますね。キャラデザも好き。
防人はフルフェイス衣装のせいで戦闘中誰が誰かわからないのが残念。

【音楽】
結城友奈OP「アシタノハナタチ」ED「地平線の向こうへ」
OPもEDもなんかグランドフィナーレって感じの曲調ですね。
どっちも激しい戦いを締めるに相応しいいい曲だと思うけど、このグランドフィナーレ感満載のEDが毎回流れるので毎回最終回みたいな感じに。

【総評】
世界観を理解するためにも1期2期視聴は必須。
ちょっと使いまわしが多かったのは残念だけど、何回見てもいいものはいい。

作品全体が最終回みたいな話ばっかり。
ご都合主義で自己犠牲崇拝しすぎだけど、そんなことは気にならないくらい強く引かれる魅力がありますね。

一話一話のエピソードがすごく重たくてかなりしんどかったです。
一気に視聴するのは精神的にかなりくる。

でもこのシリーズは本当にいい作品だと思う。
ここまでずっと見てきて良かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「車輪の下敷きにならないように」

原作小説で今回アニメ化された部分では『乃木若葉は勇者である』の一部を連載雑誌で見たくらい。

【物語 3.5点】
原案等でシリーズに関わって来たタカヒロ氏もまた2010年代に相次いだ
18禁含むテキスト型アドベンチャーゲームからのアニメ業界進出例。

『ゆゆゆ』でも適宜、前日譚や歴史を豊富なテキスト量でじっくりと紐解き、
設定の深さを伝える。
クライマックスに向けさらに事の発端となった時代にまで遡り、
過去と未来をつなぐ因果を提示していく。
【防人編】(現在)、【西暦勇者編】(過去)、総括(未来)の3部構成にて、
如何にも美少女ゲーム色の強いスケール感の出し方でシリーズを集大成。

結局、少女が身を削って戦って得たのは衰退までの時間稼ぎ程度という「大赦」の通常運転。
「神樹」様が少女に気まぐれに{netabare}神婚{/netabare}を求める(このロリコン神めw)
というパターンの繰り返し?との既視感もありました。
が、勇者たちの歴史を振り返り、
何故、大赦は勇者活動について秘密主義に至ったのか?など根本的な疑問に解答した。
その上で改めて「勇者部」が頑張る意義を再提示した。
スッキリ感は3期が一番でした。

まさか3期から初見する方もいないとは思いますが……。
第1話は、勇者部のこれまでの苦闘とノリを共有していれば、
彼女たちの日常はこれでいいんだと納得できます。
が、知らない方が観ると放送事故級の日常カオス回が直撃するので、
ここからいきなり飛び込むのは厳に慎みましょうw

【作画 3.5点】
アニメーション制作・Studio五組

萌えキャラが可愛らしい白目でリアクションするゆる~いコミカルシーンと、
CGの助力も得て表現したバーテックスの数の暴力などの絶望。
日常と戦闘の激しい落差という個性を貫き通す。

目を引いたのは【西暦勇者編】の精霊の力を宿す作画。
この種のパワーアップ機構のプロトタイプは大体、安全性に問題点が多くエグいが、
それが悪名高き「満開」システムの元ともなれば目を覆わんばかりの惨状。
胸に表示されるカウントダウンを見て、
『ゆゆゆ』は魔法少女ではなく特撮変身ヒーローの系譜だと再認識。

魔法少女ではない……と言えば、本シリーズの「樹海化」設定の背景美術。
元々、一面深緑の鬱蒼とした文字通りの樹海でデザインしていたが、
四国にロケハンに行ったスタッフが、
田舎じゃ森は当たり前すぎると実感し、某・魔女結界の如きカラフルな“樹海”に変更したとのこと。
私は初期設定の緑の樹海で見たかったという願望が未だに捨てきれません。
ラストの{netabare}緑で覆われた廃墟{/netabare}を見て、こっちの方が個性出たはずだと、ますます思います。

【キャラ 4.0点】
【防人編】主役の楠芽吹。レビュータイトルは彼女の座右の銘。
歯車の意地……胸に響きます。

【西暦勇者編】主役の乃木若葉。あの会見……グッと来ました。
このエピソードでは結城じゃない方の友奈も登場し、
神による友奈への執着の由来が示唆され、
同時に全ての勇者たちが積み重ねた想いが友奈に集約される流れを作る。

【声優 4.5点】
【防人編】で印象的だったのが加賀城雀役の種崎 敦美さん。
「ぎゃあああ!死んじゃうーー!!」などバーテックスを前に勇者のCVにあるまじき狼狽、大絶叫w
でも、これが化け物に対する中学生女子のごく自然な反応であり、ある意味安心しますw

【西暦勇者編】では郡 千景役の鈴木 愛奈さん。
戦いや勇者システムの副作用だけでなく、{netabare}勇者をバッシングするネット世論{/netabare}からも精神を蝕まれる。
{netabare}眩しすぎる若葉への嫉妬、友奈への重たすぎる百合。{/netabare}
病んだ心情をぶちまけた、迫真の演技に圧倒されました。
ただ、誠に申し訳ありませんが、{netabare}劣等感を爆発させ部屋で暴れる千景を見ていて、
不謹慎にも私はパチンコで駄賃をすって破れかぶれになっている邪神ちゃんを思い出してしまいましたw{/netabare}

友奈“二役”を担った照井 春佳さん。勇者パンチにも二人分以上の気持ちがこもっていました。
8話の{netabare}友奈が友奈に苦しい胸の内を明かす{/netabare}シーンお見事でした。

【音楽 4.0点】
劇伴はシリーズ通じて制作集団・MONACAの面々で完走。
音響がボケるシーンに戦闘曲を宛がう独特の采配もありましたがw
定番の和風女声コーラスなどで概ね無難に締めくくる。

主題歌は讃州中学勇者部。
OPは「アシタノハナタチ」
エピソードを経る度に、勇者たちの歴史と悲願を噛みしめることができるスルメ曲。
ただ……OPアニメが勇者部の少女たちのフルヌードなので目のやり場に困りますw

EDは「地平線の向こうへ」
アコースティックギターの優しい調べがお馴染みのアレンジ。
ラストの{netabare}樹が路上コンサートで歌い始める{/netabare}演出も感慨深かったです。


【感想】
メインストーリーはこれで一区切り。
ただメディアミックスは継続しており、アプリ等で勇者たちのエピソードは制作中。
私はタカヒロ氏ら本シリーズの文体はやはりリズムが合わないのでw
良いシナリオは映像化して頂けるとありがたいです。
後日談として、{netabare}友奈&美森で少女終末紀行{/netabare}とかやっても良いんですよ♪

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

66.0 11 2021年度の戦闘アニメランキング11位
探偵はもう、死んでいる。(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.1 (392)
1140人が棚に入れました
「君、私の助手になってよ」巻き込まれ体質の少年・君塚君彦は、上空一万メートルを飛ぶ飛行機の中、探偵を名乗る天使のように美しい少女・シエスタの助手となった。二人は世界の敵と戦うため、三年にもわたって世界中を飛び回り、目も眩むような冒険劇を繰り広げ――やがて死に別れた。激動の日々から一年。高校三年生になった君塚は日常という名のぬるま湯にとっぷり浸かり、ごく普通の学生生活を送っていた。そんな君塚の元に一人の依頼人が現れる。「あんたが名探偵?」同級生の少女、夏凪渚との出会いをきっかけに、過去と現在を繋ぐ壮大な物語が再び始まろうとしていた――。

声優・キャラクター
長井新、宮下早紀、竹達彩奈、高尾奏音、白砂沙帆、松岡禎丞、子安武人
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

退屈さの理由

原作未読


シエスタと言えばスペインかどっかの昼休憩または昼寝。
良くも悪くもラテンなノリに生産性上がんねーだろーなーと個人的には思いつつ、そうは言っても昼休憩3時間もあればいい感じでリフレッシュできそうとも思う。要はやってみないとわからない。

で、、、本編ヒロインの名はシエスタ。
ネタバレ抜きで作品の印象をふわっと述べると

 1.3時間の休憩良さげだなー(視聴前からおおむね1話まで)
 2.それ終わったら電池切れたわ やる気出ねー
 3.納期1週間後だしもういいや 飲みに行こー

って流れそのままに気持ちが離れていきましたよっと。出オチ系作品です。
スタートは悪くありません。ハイジャックに巻き込まれた主人公がそこで探偵ヒロインと運命的な出会いをした後、世界中を旅しながら秘密組織との戦いの日々を過ごすがヒロインと死に別れる。それから一年後謎の少女が目の前に現れうんぬんかんぬん…という導入。

一般的に、あらすじやキービジュアル/PV等の事前情報と第1話あたりで私たち視聴者はたぶん××なノリなんだろうなとある程度のマインドセットをします。
多くはその想定通りに進行し
『期待通りで安心したわ』となれば+評価に落ち着きます。
『想定範囲内で退屈したわ』となれば-評価に落ち着きます。
分水嶺はわかりません。視聴者とは勝手なものでこのへん個人差としか言いようがないからこうしたレビューサイトに価値があるのでしょう。
一方でなかには想定を超えるものがときたま登場し
『うわーっ…やられた』と膝を叩けばなれば名作認定がチラついてきます。
『うわーっ…やらかした』と頭を抱えればイラっとくるか呆れるかとなります。

今回はやらかしたケース。第一に事前の想定と乖離があり第二に乖離して戻ってくる気配がない。
こうなるとそっ閉じするか、「シエスタかわいい」その他なにかしら自分を納得させる継続理由を見出してお付き合いするようになるのだと思います。
もしご覧になられるなら、第1話で抱いた印象(想定)を覚えとくと面白いかもしれません。内容そのものには触れません。よくわからなかったです。



※雑感

■自分を納得させる継続理由

1.声優宮下早紀のお仕事

『放課後さいころ俱楽部』にも出演されてましたけど、個人的には『はるかなレシーブ』かなた役以来。新人さん多めのキャスティングで皆さん奮闘されてた印象が残るアニメでした。出演者の中では島袋美由利さんが頭一つ抜け出演機会を増やしてたのでこうして宮下さんと再会できたのは喜びです。
あたかもセルティック移籍後のホームデビュー戦でハットトリック決めた古橋選手みたいに、高校時代は同じ高校の同級生南野拓実の陰に隠れ、プロの引き合いがなくて大学進学し岐阜FCに拾われ、苦労した末ヴィッセルでイニエスタ&ビジャを師匠に花を咲かせたような展開を今後期待してます。
今回のお仕事はさしづめJリーグでも弱小カテゴリー岐阜でチャンスもらったようなもの。

2.弱小カテゴリーと思えば…

新人さん多めのキャスティングですね。J3の試合を楽しむくらいのイメージでちょうど良いのかもしれません。普段EUROやチャンピオンズリーグなんかで目が肥えちゃってる自分の視点を変える。これも先述の「自分を納得させる継続理由を見出す」ことと同義です。


■つまらなさの理由

面白くはないです。冒頭で得た想定からどんどん変ちくりんに乖離してった点が致命的でした。
この点、乖離とみるかどうかは個人の捉え方に依ります。

{netabare}個別具体的にはいろいろありますよ。
・日本の高校生年代で都合3年間も世界中を旅するとはテキトーすぎる初期設定
・異能バトルと職種“探偵”の相性の悪さはいかんともしがたい
・動かないバトルシーン etc…
あるにはありますけど細部どうこうのツッコミはこの際置いときます。いろいろ破綻しとる。{/netabare}


1.釣りタイトル
{netabare}SNS発展が加速させてるのでは?
「○○の××した理由がヤバかった」で動画やニュース開いて、結局のところ理由もヤバくなければ理由すら述べてないみたいな。なんでこのページ開いたか自分でもよくわからないみたいな。

『探偵は、もう死んでいる』本作のタイトルです。
死んでいるので嘘はなくギリセーフ。ただし謎解き要素どこ?な展開はミスリードを誘います。
そしてそんなロングタイトルミスリード系が巷には溢れており、こっちのリテラシーでなんとかなるわけじゃないのでチェックするのが大変。10分程度の動画やテキスト記事ならまだいいとして、アニメだとヘタすりゃ12話×25分ですから勘弁してほしいのです。

 『君の膵臓をたべたい』<『転生したらスライムだった件』

他作品比較で恐縮ですが、タイトルミスリードの観点ならきみすいはギリセーフで転スラはアウトです。最弱スライムじゃないの?と探偵謎解き要素どうなったの?の戸惑いはほぼ一緒。
中身が良ければってのはありますけど、自分はわりとこのへん厳しめに突き放すほうです。

実社会でも報告書の件名が不明瞭なものもしくは嘘だったり、その報告書冒頭のサマリを虚偽記載してたら書き直しを命じるでしょう?これと近しい感覚なのかもしれません。
なおこんな偉そうに言っといて自分のレビューがブーメランになってないことを祈ります。{/netabare}


2.マインドセット

これまでに鑑賞してきた作品のあれやこれやの積み重ねでなんとなく予想とまではいかないバイアスがかかるもの。
経験浅ければシンプルに感動できるし沼に落ちてればわかりみが深かったりします。私のバイアス↓

{netabare}ハイジャック犯が予想外の人外さんでなんとなく人間VS人外さんの構図を認める
タイトルから連想する探偵ものと省エネ高校生主人公からなんとなく『氷菓』が脳裏をかすめる
スタッフに“赤尾でこ”を発見して安心するあるいは不安になる{/netabare}

どんなバイアスがかかるかは人それぞれであることは大前提として、、、結果、

「探偵もんだと思ってたのになにこれ?」

となりました。釣りタイトルにイラっとしたのはマインドセットに失敗したからです。後に引いてしまって寝落ちが常態化するほど退屈しちゃいました。
それは別に照れくささの裏返しなどではなくただただ顔をしかめただけで終わったのです。



※オマケ

■それなら君が名探偵!

{netabare}あまりにも探偵してなかったので、ここのレビューの本文どこかとタイトルに小ネタを仕込んでる?{/netabare}



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.09.20 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 44

でこぽん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

シエスタの可愛さだけは評価できますが…

この物語には自称探偵は登場しますが、推理ものではありません。
「それでは自称探偵が登場する理由は?」と問われると、おそらく誰も答えられないと思います。

ジャンルはSFなのでしょうか? バトルなのでしょうか? それともハーレムものなのでしょうか?
良くわかりません。

この作品の唯一褒めるべきところは、シエスタがとても可愛く魅力的な少女である、その一点のみのような気がします。(ファンの方ごめんなさい)

監督さんも脚本の方も、工夫されているようですが、その工夫が物語をどんどんわかりづらくしています。物語をどんどん薄っぺらくしています。
同じ工夫するのでしたら、物語に深みを持たせるとか、起承転結をはっきりさせるとか、基本的なところを工夫してほしかったです。

例えば、仮にも「探偵」を生業としているのであれば、探偵事務所があり依頼者もいるはずですが、最後まで見ても探偵事務所は出てこないし依頼者も出てきません。
起承転結については、物語の順序をわざとランダムにシャッフルしています。

どんなアニメでも、視聴者が理解できるようにつくる必要があります。
それを理解しづらいように理解しづらいようにと、意識的につくっているのですから、困ってしまいます。
これはもはや工夫ではなく、監督さんの自己満足としか思えませんでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

えたんだーる さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

「たんもしはもう、死んでいる。」(あるいは「シエスタさえいればいい。」)

原作ライトノベルは未読です。

真面目に設定を追ったり考察しようとすることは、本作品に関しては個人的にはおあまりお勧めしません。

コミカライズは2作品あって、どちらも「月刊コミックアライブ」で連載中です。
1.『探偵はもう、死んでいる。』
2.『探偵はもう、死んでいる。-the lost memory-』

本作アニメを観ていた人に通じる言い方でいうと、1.が現在編(夏凪渚(なつなぎ なぎさ)がメインヒロイン)で2.が過去編(シエスタがメインヒロイン)って感じになるでしょうか。

「月刊コミックアライブ」はKADOKAWAが運営する「BOOK☆WALKER」という電子書籍サイトのサブスク契約で読めるので、単行本としては読んでいませんがコミカライズはなんとなく読んではいました。

一応のストーリーとしては、自称「平凡な高校生」である君塚君彦(きみづか きみひこ)が、謎の組織「SPES」と戦う「名探偵」シエスタと出会い、探偵助手として濃密な3年間を過ごす2.の過去編、そしてシエスタを失い失意の1年間を過ごした後、シエスタとの所縁を持つ少女である夏凪と出会い、「名探偵」としての意思を継ごうとする夏凪を助手として支える1.の現在編で構成されています。

シリーズ全体としてのヒロインは夏凪であると考えるのが自然なストーリー構成ではあるのですが、私の知る限りでは圧倒的にシエスタの方が人気があり、その結果を受けてストーリーも軌道修正されている感じがします。

男性向けライトノベル作品らしく複数のヒロイン候補となる女性は出て来はするのですが、結局のところシエスタと並び立つほどの人気を獲得するヒロインは現れないようです。

Blu-ray第1巻の限定特典版に付いてくるのも「シエスタ -水着ver.- 1/7スケールフィギュア」だったりするわけです。夏凪の立場は…(笑)?

余談: 君塚とシエスタの会話は、完全にラブラブのカップルのそれで微笑ましい。一応この点は、本作の魅力だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 30

69.0 12 2021年度の戦闘アニメランキング12位
精霊幻想記(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (311)
991人が棚に入れました
前世と現世が交錯――二つの記憶を持つ少年が運命に立ち向かう!!幼い頃、母を殺され孤児となったリオはスラム街で必死に生きていた。ある日、幼馴染との再会を夢見て事故死した《天川春人の記憶》と《強大な魔力》がリオの中で覚醒し、剣と魔法の異世界に転生していたのだと気づく。さらに、偶然出くわした王女誘拐事件の解決に貢献したことで、貴族の子女が集う名門学院に入学することに……。階級社会の最底辺から這い上がるリオは、出会いと別れを重ねながら過酷な運命を打ち砕いてゆく。

声優・キャラクター
松岡禎丞、諏訪彩花、藤田茜、桑原由気、楠木ともり、原田彩楓、鈴代紗弓、本渡楓、金子彩花、浜田賢二、田丸篤志、遊佐浩二、東山奈央、新田ひより、首藤志奈、西明日香

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

現世しがらみ系異世界転生(?)作品 → 最終回:『卒業』(笑)!?

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

原作未読です。コミカライズ版はピッコマなどのサイトで無料でけっこう後の方(少なくともアニメ6話以降)まで読めると思います。
(私はけっこう後の方まで読んでしまいました)

異世界のスラムに転生した主人公が、早くに両親を亡くし不遇な幼少期を送りながら、王族絡みの事件に巻き込まれるというわりとありがちな物語の始まりになっています。

しかし主人公のリオは転生前の天川春人としての人生や人間関係にも未練があり、そのことが以降のストーリーにも密接に関わってくるというのは本作の特徴と言えると思います。

レビュータイトルで異世界転生の後ろに(?)付きなのは、主人公は転生なんですけどそうじゃないパターン(異世界転移など)で主人公のいる世界に現れるキャラがいるからです。とはいえ、そういうごちゃ混ぜパターンは他の作品でも使われている気がするので本作のみが特殊ということではないと思います。

取りあえず第1話のバス事故は以後のストーリーの伏線になっているので、後の方の話数を観てから見直すと何か発見があるかもしれません。

本作は、たぶん最終話まで観る予定です。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.21追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。個人的には1クール単品のアニメ作品としては、あまり高い評価は付けられないですね。

尺として1クールしかないところで最終話でのカタルシスを求めて、大胆なエピソード順変更を図った感じがします。たぶん2期目を作る気はなさそう。

じゃあ2期目を作るのは無理かというと、万が一人気が出たら何とか軌道修正は出来そうではあるんですけど、最終話Cパートでいきなりブッ込んできて「え、ここで終わり?」みたいな最終回です。

もし観ていない人がいて観るかどうか考えているとしたら、続編が作られるまで観ないかもしくはアニメは観ずに最初っから原作かコミカライズ版を読むかをお勧めする感じではあります。

余談: テレビで視聴していると提供画面の後でコミカライズ作画担当によるおまけ漫画みたいなのが映るんですが、個人的にはこれが意外と面白かったです。でも、特に一般的にお勧めする内容でも無かった気がします。
(でも、おまけ漫画を配信サイト視聴で観ることはできないようです。)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

時間経過、とは

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生なろう系の、一般的な枠内に収まっている作品だと思います。なんだか色々とテンプレでした。

バトルに恋愛がメインであり、ややダークな要素もあり、設定としては悪くなかったと思いますが、作画がへたってたのと、なんかやたらに説明くさいセリフ回しのせいで、安っぽくなってた印象です。評価は☆2に近い☆3って感じですね(序盤は良かったので)。

レビューでは、作中に見られた時間経過について。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
これだけ、1クールの尺の中で(早送り、もしくはその間を描かない)時間経過がある作品も珍しいのかなって思います。

精霊の民の森で1年、カラスキ王国で1年だったかな。

個人的には、作中で時間経過があるのって好意的に捉えることが多くて、それは、その過ぎた時間の中で「重み」や「成長」を感じられるから。ONE PIECEとかもそうだったしね。

ただ、ONE PIECEの場合、「2年の修行で全キャラパワーアップ」と「2年たっても変わらぬ思いや関係性」を表現するための時間経過であり、再会を楽しく劇的に表現したために、なかなか効果的だったと思う(まあ、尾田さんが家族サービスするための休み期間という側面もあるけどw)。

とはいえ、100巻続く漫画の中で2年と、1クール12話の中で2年だからね。

本作の時間経過の意味は、精霊の民の森での1年は、「ラティーファがサラ、オーフィア、アルマと家族になるまでの時間」という意味では価値があったと思うし、旅を止めてまでそれに付き合うリオにも好感がもてました。

ただ、カラスキ王国での時間は、必要だったのかな? 色々考えても、しっくりくる理由が見当たらなくて。

ということで一勝一敗というか、まあ、時間経過の効果を考えるには良い素材になったかもしれない。

アニメとしては、1話目のスタートは丁寧な描写の中で分かりやすかったし、リオが少年時代の方が見応えがありました。あのまま学園モノでも良かったくらいに。

最終話は残念すぎて笑えました。クソ安っぽい展開に、言い訳がましいダラダラとした念話。崩壊した作画でのバトル。ビックリするくらい中途半端な終わりかた。急展開のCパート。

最近見た最終回でもだいぶヒドイ方だったと思います。

(もしやるなら)2期はおそらく三角関係メインでしょうね。ぜひ、作画は普通レベルくらいでやってほしいですね。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
すげぇリアルな事故シーンだな。転生モノのテンプレートながら、丁寧な作り。

2話目 ☆3
両方の記憶がある系。イケメン(笑) 

3話目 ☆2
崖落ちるとこの作画、ヤバいな。バトル全体、酷いな。

4話目 ☆3
ロリキャラ、味方になったな。

5話目 ☆3
亜人族達の、人間族に対する手のひらの返し方が、ちょいと気持ち悪いな。精霊の話を聞いた後なら分かるけれど。半年以上の時間経過か。

6話目 ☆3
ナウシカ戦法(笑) ワイバーンを素手でボコす。装備その他、パワーアップ。

7話目 ☆3
いきなり着いたな。ウルトラあっさり祖母に会うかい。そして余裕のハーレム。トラウマからのダークモード。

8話目 ☆3
祖父母、人間できすぎだろ。作画はかなりやばいね。

9話目 ☆2
何年経ちました、だけだからな、実質。んで、何したいか不明だな。

10話目 ☆2
面白い部分が見当たらないな。

11話目 ☆


12話目 ☆1
そこでダラダラと念話をするから、説明臭くて美化しすぎてつまんなくなる。やたら中途半端な最終回だし。Cパートの雑さは、ヤバイな(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

わりと好き。

割と好きなタイプの作品でした。

視聴した印象としては、しっかりと作られているなという印象でした。
すべてが見えたわけでは無いですが、メインストーリーは少しぼんやり、その中で主人公の学生生活や、仲間との出会い、世界の広がりが描かれていくタイプ。
このクールでは割とオーソドックスな異世界転生モノのスタイルと言ってもいいかもしれません。

このメーンストーリーに含有されるそれぞれのエピソードが話数ごとにメリハリが効いていて、ちゃんと構成が設計されている感がありました。

ただし、主人公が優れた能力を持っているのは、この手の作品の常なのですが、話が進んでいくうちに、この世界でのお家柄等も明かされていき、どんどん特別な存在であることが明らかになっていきました。
この辺は「あーやっぱりスーパーエリート君的になっていくのかぁ」とは思ってしまいました。

そして・・・、スーパーエリートと言えば、
取り巻きのガールズたちですよねぇ。
こちらでも、スーパーエリートの様で、どんどん、愛されキャラになっていきますねぇ。
今のところ、ベッタベタのハーレム状態とまではいかないものの、コレも、この手の作品の常かぁ・・・と遠い目をしている私です。


ちなみに、この主人公さん、他の方のレビューを拝見した際に散見されるように、とあるソードな作品の主人公さんにえらく寄っていっている気がしますねw。

6話の旅立ちのシーン以降、途端に「何か」に似てきた気がする、とは思っていたのですがw。

メタな話どうやら、中の人が同じなんですかね(調べずに書いています)。
それで、キャラの方向性が似てくるってあるのかなぁ、とも思いながら眺めていました。



物語自体は、このクールではそれほど劇的に進捗した感は無かったですね。
~主人公の表向きの出自~

~学生生活期間での成長、出会い~

~旅立ち~

~冒険中のあれやこれや、出会い~

~精霊の里での交流~

~ヤグモ地方でのあれやこれや、出会い、交流、真の出自の開陳~

そして、学生時にお世話になったセリア先生を政略結婚から略奪(救出)。

ってところでした。

で、最後の最後に所々でカットインされていた、
転生前のかつての思い人(?)との突然の再会っと。

地固めが終わって、さあ、ここからって感じでしょうかね。
どうやら2期クールが既に決まっているそうなので、そこは安心して今後のストーリーを待つことにしたいと思います。


私的には、好みのタイプ。
しっかりと作ってあるという好印象。
各キャラも造形がしっかりしていて安心して観れる。
といった、好印象な作品でした。

機会がありましたら、ご覧くださいませ。
私も2期を楽しみに待ちたいと思っています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

77.1 13 2021年度の戦闘アニメランキング13位
転生したらスライムだった件(第2期) 第2部(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (430)
1843人が棚に入れました
主人公リムルと、彼を慕い集った数多の魔物たちが築いた国
<ジュラ・テンペスト連邦国>は、近隣国との協定、交易を経ることで、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。リムルの根底にあるのは元人間故の「人間への好意」……
しかしこの世界には明確な「魔物への敵意」が存在していた。その理不尽な現実を突き付けられた時、リムルは選択する。
「何を失いたくないのか」を―― ファン待望の転生エンターテインメント、暴風の新章に突入!

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

良質な異世界なろう系アニメ

【紹介】
今まで視聴を続けてきた転スラファンなら視聴して間違いはないと思います。未視聴の人は一期から見ましょう。
異世界転生系アニメが嫌いじゃないのならオススメです。

【作画・音楽】
相変わらず質が高く、予算がちゃんとついているんだろうなって思う。

【シナリオ】
主人公のチート感とインフレが凄い、とても丁寧に作らていてキャラクターにも愛着が持てる。
シナリオは都合よすぎで、敷かれたレールの上を走っている感じはしますが、そんなこと気にならないくらいの不思議な魅力がある作品。
来る日も来る日も会議ばかりしていたけど、現状を整理するのには必要な回だったと思います。こういう視聴者を置いてけぼりにせずにくどくてもちゃんと説明するところがいい。
相変わらず国造りと、周辺勢力との外交や駆け引きが面白い。

【キャラクター】
どんどん仲間や協力者が増えていき、勢力がにぎやかになっていくのが爽快で、くどいくらいキャラクターの魅力をちゃんと描くところがこの作品の魅力だと思う。
また、これだけキャラクターが多いのに誰これ?ってならないのが凄い。

【総評】
丁寧すぎてちょっとくどいのが難点ではあるけど、丁寧に順を追って説明するマジメさも良い。
最後まで付き合いたい作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

誰もが認める魔王に

この第2期(第2部)は、正直言って今迄よりも面白みに欠けます。
それは戦いが個人戦主体から集団戦主体へと変わり、リムルの魅力があまり見れなくなったため。
さらには、ラスボスである魔王クレイマンが{netabare} あまりにも弱すぎたためです。{/netabare}
しかし、この物語はリムルの理想国を完成させるために不可欠な話なので、気楽な気持ちで視聴されることをお勧めします。


この物語は魔王クレイマンとの戦いが中心です。
戦いは、今までのような個人の戦いではなく、国と国との戦い。つまり戦争に発展します。
そしてクライマックスは魔王達の宴 ~ワルプルギスでのクレイマンとの戦いです。
誰もが認める魔王となるには、リムルはクレイマンに勝たねばなりません。

今回はリムルの戦いはあまり見れませんでしたが、可愛い癒し系のシュナの意外な強さや、紅丸の進化した超強大な力、それに紫苑の魔王をも倒すほどの強さを見ることができます。
そしてゴブタは、いつの間にか器用で機転が利くようになり、ゴブリンライダーの隊長の風格が出てきました。これもハクロウの厳しい教えのたまものです。


但し拍子抜けした点もいくつかあります。

戦争の準備のためには会議が必要。それはわかりますが、会議の時間が長い。実に長いですね。
思わず眠くなりました。もう少し短くしてほしかったですね。

ですが、歴史上では戦争で戦う時間よりも、準備のための会議時間がはるかに長いのは常識です。
例えば、本能だけで戦術を練っているように見える織田信長の桶狭間の戦いですら、周到な準備期間があり、厳格な戦い方を皆に徹底させました。
(声を絶対に出さないで戦うこと、今川義元以外の首は不要なので首を切り落とす作業は禁止、など)
集団が統一した意思で戦うためには事前調整に多大な時間が必要なのです。

また、ラスボスのクレイマンが{netabare}あまりにも弱すぎます。魔王なのだから、もっと強いところを見せないと物語のつじつまが合わなくなります。
これだと紫苑や紅丸が魔王級の実力を持っていることになります。{/netabare}


ところで、敵方ですが涙目のピエロのティアが意外とかわいい。素顔は見れませんが彼女は魅力的ですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「魔王」がいっぱい(笑)!→ 劇場版決定おめでとうございます!

== [下記は第4話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追加あり。] ==
『転生したらスライムだった件』1期目(2クール)+ 2期目前半クールの続きです。ここまでの本編を観ていないと、お話し的にはさっぱり意味不明なはずです。スピンオフの「転スラ日記」を観ていなくても大丈夫ですが、本編を観ていない人はとりあえずさようなら…。



主人公のリムルはネタ的にモンスターとして最弱クラスの例に挙げられがちな「スライム」に転生していますが、本作開始時点ではスライムなのは完全にネタで、作中でもリムルが最強というわけではないにしろかなり強いです。

1期目でのゴブリンの集落の拡大から周辺の魔物たちを取りまとめての「ジュラ・テンペスト連邦国」の設立やいくつかの既存国家との国交樹立、2期目前半クールでの首都リムルおよび街道の整備などの勢力拡大に伴うファルムス王国との摩擦からの開戦を経て、本作はその戦争の後始末から始まります。

ここまでのお話で作中世界には「魔王」と呼ばれる存在が複数いて、リムルと直接面識があるのがラミリス、ミリム、カリオンの三名、名前を知っているのがシズさんの一件で名を聞いているレオンと直接敵対しているクレイマンの二名、そして別途作中で名前が出ていたフレイの六名が出てきています。

他にも「魔王」がいるらしいのですが、それらは一体何者なのか…?


……ということでちょっと気になったので、今だと「ピッコマ」でアニメ化部分以降も含めて結構原作を読むことができるので、2期目前半クール終盤くらいのところから何となく読み始めてしまったのですがこれが面白くて、たぶん今期アニメ化される以降まで読んでしまっています。

転スラは確かにバトル要素もあるんですが、今期のように(世間では不評との噂も聞く)バトルしていない時期の方が、個人的には好きだったりします。ということで、なかなか話が進まないとじれている向きもあるかとは思いますが、私はけっこう毎週楽しみに観ています。
== [第4話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.9.22追記:
第12話(最終話)まで視聴終了しました。

当初レビューで書いた通り、現存の魔王達が勢揃いする形でキリ良く終わりましたね。クレイマンの「小物界の大物」感が素晴らしかったですね。仲間たちとの回想で盛り上げるのはズルい(笑)。まるで、主人公のようだ…。

魔王であることは絶対的な強さの指標ではなく、魔王という地位なのだということが印象付けられるこのクールでしたね。

劇場版は普通にここまでのストーリーの続きとして制作するなら「聖魔対立編」+α的な内容になるのでしょうかね?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

73.5 14 2021年度の戦闘アニメランキング14位
聖女の魔力は万能です(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (418)
1386人が棚に入れました
ちょっと仕事中毒な20代会社員・セイは、残業を終えて帰宅した夜、突然光に包まれ異世界に「聖女」として召喚されてしまった。しかも召喚されたのは二人!?現れた王子はもう一人の女子高生にかかりきりで、セイのことは完全スルー。それならこっちも自由にやっていいでしょう?と、セイは王宮を飛び出し、元々の植物好きを活かして、薬用植物研究所で一般人として働くことになった。所長のヨハン、教育係のジュードに支えられ、ポーション作りや魔力の使い方を学んでいくセイ。だが、作ったものはすべて効能が5割増しで、思いがけず「聖女」としての能力を発揮することになる。そんなとき、セイのポーションが瀕死状態だった騎士団長・アルベルトの命を救い、次第に、セイこそが本物の「聖女」ではないかという噂が囁かれはじめるのだった……!?

声優・キャラクター
石川由依、櫻井孝宏、江口拓也、小林裕介、八代拓、市ノ瀬加那、福山潤、上田麗奈、梅原裕一郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

異世界転生スローライフ物

== [下記は第5話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第5話まで観た時点で、このレビューを書いています。原作は未読ですが、コミカライズ版は読んでいます。元々は「小説家になろう」掲載作品で、現在でもなろう版を読むことはできるようです。

女性が異世界転生するストーリーの代表格が「悪役令嬢」だとすると、異世界召喚される方の代表格はたぶん「聖女」なんじゃないでしょうか。

通常は1人しかいないはずなのに余分な召喚者がいるというパターンも増えてきているようですね。また前世の労働が過酷だったために異世界でスローライフを送るという話も増えてきてますね。

本作では儀式により聖女を召喚したものの召喚者は二人いてどちらが本来の聖女か当初は不明であり、儀式の責任者であった王太子である第一王子には無視されたセイは薬草の研究を中心にスローライフを開始するという、要素てんこ盛り的ななかなかに欲張りな作品となっています。

魔物の脅威はあるものの召喚されたスランタニア王国は基本的に治安の良い平和な国家であろうこととか、文化レベル的な物は台詞で事細かに説明するというよりはプロップデザインなどで画として説明されている感じで、その意味では作画的にもシナリオ的にもまあまあレベルは高いアニメだと思います。

派手なイベントは多くなく起伏の少ない話なので、主人公のセイを中心とした人間関係の機微とかに興味を持つことができないと、かなり退屈に感じる可能性は大です。セイ自身が多少照れたりすることはあっても基本的にはあまり恋愛に強く関心を持たないキャラなので、あからさまに「逆ハーレム」的な描写もあまり多くはありません。

ここにハマれればかなり気分良く観れますが、合わない人には「どこが面白いかわからん」的な作品だろうと思います。

あと、本作ならではの描写としてはなろう原作アニメでありがちな「ステータス表示」みたいなものは無しになっています。

コミカライズ版はセイはウインドウ的な表示で自身のステータスを知ることができていたのでたぶん原作も普通のなろう作品的に主人公のセイは自身のステータスやスキルを確認できる設定であったのがアニメで改変されたんじゃないかと思いますが、これが想像通りだとすると個人的にはこれは改変して正解じゃないかと思いました。
== [第5話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.23追記:
最終話まで視聴終了しました。結局アニメは現在6巻まで刊行されているコミカライズ版を追い越したようです。スピンオフコミック『聖女の魔力は万能です ~もう一人の聖女~』の描写も取り入れつつ、卒のない出来のアニメ化となったようです。

こう書くと怒られそうですが、ディオメディア制作とは思えない終始安定した作画で、最終話まで安心して観ることができました。

そして主人公のセイがだらけたりむくれたりする表情が大変かわいく、2021年春クールではかなり気に入った作品になりました。

原作を読んでいる人からすると色々なエピソードがオミットされているという声も聞かれますが、原作が継続している1クール作品と考えると「ちゃんと1クール観終わった」と感じられる、なかなか考えられたシリーズ構成だったのではないでしょうか。

社内に兼業ラノベ作家陣を抱える、ある意味ディオメディアの強みを見せた脚本だったと言えますね。

音楽面では「結城アイラ最強!」とでも言うべき出来で、ここもなかなか素晴らしかったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

こんな異世界生活なら、多少強引に召喚されちゃってもいいかも(笑)

安全な所で、高貴な美青年に囲まれて、みんなに大事にされてww

おまけにこの異世界で貴重な、異世界モノお決まりのチート能力を持ってる上に、
異世界召喚効果?でちゃっかり目もよくなって、
さらには容姿までなぜか綺麗になっちゃって。


お話としては、
それだけなんですけど、
それだけで、十分、
羨ましいですよねえ!(*^~^*)

腐ってるって思われてしまっては心外です。
ですが、そう思われたって、このゆったり幸せな感じは、
やめられません(*^▽^*)

もちろん、他人様にはお勧めしたりはしません。


作画が意外と丁寧だとか、
主人公セイちゃんのキャラクターがおっとりしてて親しみやすいとか、
男性の、騎士とか貴族とかだけでなく、同性のお友達もちゃんとできたりとか、
お勧めできるところはいろいろあるのですけど、
やっぱりこういう、まったりした逆ハーレム感、
こっそり楽しみたい世界ですね(#^〇^#)


観終わりました。
{netabare}最終回での魔物との戦いは、この作品の苦手なところみたいで、
ちょっと観ていてガッカリでした。
作品の主旨と違うから?
こんなカッコ悪い戦闘描写だったら、絵にしないで、後方支援に徹しておいてほしかった、かな・・・?

それでも。
逆ハーレム要素満載なのに、
セイちゃんが一途なの、悪くなかったです。
最終回で、やけにセイちゃんの唇のアップが多いような気がしたんですけど、
それもよかったと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 38

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界転移モノの秀作

原作未読。最終話まで視聴。

異世界転生・転移モノと主人公最強は、決して相性が悪いとは言えない。
異世界転生・転移モノと中二病は、かなり相性が悪い。
異世界転生・転移モノとハーレムは、主人公が中二病を発症していなければ問題ない。

まあ、個人の見解ですが、おおむね以上の通りかと。
もう少し補足すると、主人公が大人(もしくは元大人)で、その大人っていう設定が活かされてさえいれば、おおむね間違いないように思います。

さて、本作の主人公は大人です。
しかも女性。
大人の女性という設定はしっかりと活かされています。

主人公最強と言えば言えなくはありませんが、それはあくまでも結果的にという話で、いわゆる主人公最強系とは異なります。

逆ハーレムの兆候は見受けられますが、主人公が中二病を発症していないので問題ありません。

ゆっくり、まったりと物語は展開していきます。
これはお気に入りの棚直行ですねぇ(笑)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

69.6 15 2021年度の戦闘アニメランキング15位
バック・アロウ(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (214)
495人が棚に入れました
リンガリンド。その地は、壁に囲まれた世界。壁がその地を覆い、守り、育み、育てた。壁は神――それがその大地、リンガリンドの根幹である。ある日、リンガリンド辺境の地「エッジャ村」に謎の男「バック・アロウ」が現れる。アロウは記憶を失っているが、自分が「“壁の外"からやってきた」ことだけはわかると言う。記憶を取り戻すために壁の外を目指すアロウだったが次第に、自身をめぐる争いに巻き込まれていく――

声優・キャラクター
梶裕貴、洲崎綾、小澤亜李、小野賢章、置鮎龍太郎、杉田智和、潘めぐみ、小清水亜美、小松未可子
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガンソード×グレンラガンなのか

<2021/1/9 初投稿>
見始めなので評点はデフォルトの3.0です。

今期新作7つぐらい第一話見てみましたが、今のところ一番好感触!

どうやらオリジナルアニメのようで。
EDクレジットが原作「谷口悟朗、中島かずき、ANIPLEX」になってました。

谷口悟朗と言えば「コードギアス」「ガンソード」「スクライド」などの魅力的なオリジナルロボアニメを生み出す名監督。
原作付きでも名作「プラネテス」を始め「純潔のマリア」などでも手腕を発揮。
「ガンソード」「プラネテス」「純潔のマリア」は特に大好きです。

かたや中島かずきといえば「グレンラガン」「キルラキル」「コンクリートレボルティオ」、最近だと「プロメア」とか「DNA」とか「ノリと勢いと熱量」で押し切る名作、良作、迷作を多数輩出する作家さん。
ちなみにこちらの中では「グレンラガン」が大好き。

この二人が手を組んだ、ということのようです。

で、本作の第一話を見ての感想。
谷口監督の方が芸風が広い分、中島かずきテイストに少し寄せて少し暑苦しい感じはします。

一応、{netabare}ロボもの{/netabare}のカテゴリになるんでしょうが、
谷口「ガン×ソード」と中島「天元突破グレンラガン」の空気感を混ぜこぜにしたような。
でも出てくる人はみんな普通そう。
カミナのような気合いでなんでも解決可能な人も、ヴァンのような真性「バカ」もいなさそうです。
そういう意味ではキャラの人格的には「コードギアス」っぽいかな。

という作品です。

世界観とかキャラ紹介などは2話以降、もう少し見てから追記したいと思います。

<2021/1/24 追記>
三話まで視聴しました。
グレンラガンやガンソードがお好きな方なら好きな展開ではないでしょうか。
同じような展開とも言えますが 笑。

少し内容に触れます。

周囲を高さ十キロの壁に囲まれた、いわゆる異世界。
その世界の住人は「壁の外には何もない」と言います。
そしてその世界には二大国を始めとするいくつかの国があります。
中世の中国っぽい国、独立前のアメリカみたいな国、コードギアスのブリタニアみたいな国。
文明レベルはレボルバーや大砲は普通にあるので現実世界で言えば1800年代くらいなんでしょうか。

ちょっとアンティークな世界観。
ただ一つブライハイトという巨大ロボットの技術を除いては。
と言っても謎のオーパーツ的なものなのでその世界の人々は技術を理解してるわけじゃないのですが。
ここら辺のロボの扱いもグレンラガンやガンソードとよく似てますね。

第三話で{netabare}巨大戦艦を入手したバックアロウ御一行はエッジャ村の村人全員と一緒に壁に向かって旅立った{/netabare}のでした。
やっぱり{netabare}ロードムービー{/netabare}でした 笑

そしてやっぱりこういう展開好き。

登場人物は相変わらず正常な人が多いけど、でもそのうち鉤爪の男のようなイカれポンチが出てくるんじゃないかと期待してますw

やっぱこれ楽しいな。

<2021/6/18 追記>
最終話まで見終えました。
ラストはなんか{netabare}ポカン{/netabare}としましたよ。
バトルのところ{netabare}最終回での畳みかけ方はグレンラガンやガンソード{/netabare}のそれを思い出しました。
それ、というのは{netabare}対アンチスパイラル戦や対鉤爪の男戦{/netabare}のことです。

でも本作はカタルシスがちょっと足らない。

しつこいと言えば良いのか。
確かに{netabare}ルドルフ{/netabare}は良いキャラしてたし、やはり{netabare}三木眞一郎さん{/netabare}は凄い。
でもこんだけ引っ張るとなー

そしてこの世界のカラクリ。
良かったですよ。
これは予想できない。
ちょっと{netabare}LAST EXILE{/netabare}を彷彿とさせる。
でもなんかその割にカタルシスが足らない。

なんでなんだろうな。
全編通して展開は早く、盛り上げ方もさすが。
でもなんか噛み合ってない。

もしかしたら谷口悟朗監督と中島かずきさんは作風が少し似てる分、相性がさほど良くないのかも。
美味しいウスターソースに美味しい醤油混ぜたら微妙な味になった、って感じかも。

ちょっと評価の難しい作品でした。。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

何かちょっとザブングルとかを思い起こさせるような話ですね…。

== [下記は第2話まで視聴終了時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第1話は録画だけしていて、まとめて第1話と第2話を続けて観ました。

「世界は壁に取り囲まれていて、その外側は存在しない」というリンガ・リンドという世界の成り立ちに何らかの知性体の作為を感じさせる訳ですが、実際の世界の成り立ちについては秘匿されていてそれに触れようとすることは禁忌とされているみたいです。

また先進文明的な物は「ラクホウ」なるカプセル状の物が降ってきたときにそこに入っている物しか得られないようで、リンガ・リンドの住民たちは自力で生産することはできないみたいです。

この辺りの人工的な世界観を見て何となく『戦闘メカザブングル』みたいな設定だなと思ったんですが、何しろオリジナルTVアニメ作品なので本当に似たような話なのか全然違う話なのかはわかりません。もちろんリンガ・リンドの形状的に「惑星ゾラ」とは事情は違っているんでしょうしね。

とはいえ、さすがに新作で作画の方は特段の古さは感じませんでした。ただ、演出面ではちょっと古くさいかもしれません。でも一周回って良い方に転ぶかもしれないし、監督が同じ『ID-0』とかはわりと楽しく観れたので世間の評判とは別に個人的には合うかもしれないです。

信念が具現化してブライハイトと呼ばれる巨大ロボット的な兵器になるとか、ラクホウに入って降ってきた主人公が素っ裸とかそういう辺りは「脚本:中島かずき」的な暑苦しさを感じます。

視聴開始を後回しにしておいてなんですが、意外と面白かったのでこれからは毎週ちゃんと観ようと思います。
== [第2話まで視聴終了時のレビュー、ここまで。] ==

2021.6.25追記:
最終話まで視聴終了。

「ザブングルみたい」とか書いてたら「アイアン・ギア」までやってしまいましたね。まあ見た目からそのこと自体は予想はされていましたけど、そこから合体までやってのけるとは(笑)。リンガ・リンドに外側があるのは想定通りでしたが、その「外側」の設定はちょっとビックリしました。

しかし中盤はフィーネ、終盤はゼツ凱帝が大活躍でしたね。その分アロウの影が薄くなっていましたが…。

これも作品設定を考えれば「SF作品」といえますね。最近SFは意外と多いかも。復権の兆し…?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

壮大な物語だが実際は極微、だが大いに楽しませてくれた物語

壁に囲まれた世界『リンガリンド』。
なぜ壁ができているのか、壁の外に何があるのか、誰もわかりません。
この物語は、壁の外からやってきたバック・アロウを中心に多くの登場人物が活躍する内容です。
SF群勇伝のようなものかもしれません。

バック・アロウには過去の記憶がありません。自分が何者かもわかりません。
ですが彼には正義の心があり、人の命がかけがえのないものであることを彼は知っていました。

最初は作画に迫力がないため、たいしたことないだろうと思っていましたが…、
いつの間にかそれぞれの登場人物の生き方・信念に共感し、気づいたときには次回が待ち遠しくなりました。


リンガリンドでは武力の国「レッカ凱帝国」と慈愛(?)の国「リュート卿和国」とが覇権を争っていましたが、それぞれの国には独自の複雑な内面があります。それが結構興味を注ぎます。

そして、レッカ凱帝国の天命宮大長官だったシュウが自国を捨ててエッジャ村の住民になったことから物語は急展開をします。
彼は頭脳明晰な男です。彼の望みは『壁の外を知ること』その好奇心を探求するだけの理由で自国を捨てたのです。
実は、シュウこそがこの物語の真の主人公です。少なくとも私はそう感じました。

バック・アロウが空から落ちてきたエッジャ村は毎日の食べ物にも困る貧しい村でしたが、アロウとシュウが加わることで、やがてこの村が世界を統一する架け橋へとなります。

そして、やがて壁の外へたどり着きますが、そこは…

最後の結末を知ったとき、私は昔、手塚治虫さんの書かれた「火の鳥」未来編に説明されていた『コスモゾーン』を思い出しました。
それは、素粒子理論と宇宙理論とは同じようなものであるという仮説。例えば原子の周りを電子が周回している姿と太陽の周りを地球や他の惑星が周回している姿とは似ています。
さらに発展して、銀河は高次元生命体の細胞の一つなのかもしれないという仮説。
まさにリンガリンドは、手塚治虫さんが説明されたコスモゾーンのようなものでした。


この物語は実に多くの登場人物が自分の信念を語ります。
主人公のバック・アロウの存在が薄く感じられるほど、個性的な連中が出演します。
私はリュート卿和国のフィーネ姫の信念「愛こそ全て」が大好きです。

もしまだ見てない方は一度見られることをお勧めします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26

67.3 16 2021年度の戦闘アニメランキング16位
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (347)
1130人が棚に入れました
「君は真の仲間ではない──」最前線での戦いについていけなくなってしまった英雄・レッドは、仲間の賢者に戦⼒外を⾔い渡され勇者のパーティーから追い出されてしまう。「──はぁ、あんときは⾟かったなぁ」レッドが抜けた事で賢者達が⼤パニックになってるとは露知らず、当の本⼈は辺境の地で薬草屋を開業しようとワクワクした気分で過ごしていたのだが・・・・・・「私もこのお店で働いていいかな︖住み込みで︕」突如かつての仲間であるお姫様が⾃宅まで訪ねてきて!?"のんびり楽しい薬屋経営"、"お転婆姫とのイチャイチャ⽣活"、報われなかった英雄による素晴らしき第2の⼈⽣がはじまる︕

声優・キャラクター
鈴木崚汰、高尾奏音、大空直美、雨宮天、八代拓
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

有能な私を評価してない世の中が許せないっていう作者の愚痴を聞かされている感じ

【紹介】
勇者の仲間だったが、戦いについていけなくなって戦力外だから仲間じゃないといわれ
仲間を離脱して辺境の地で薬草屋をして美少女と同居のスローライフを満喫しようとする話。

でもスローライフしているアニメという印象はあまりない。

アニメを通じて作者の愚痴を聞かされているだけだと思うんですよ。

【どうして作者の愚痴だと思ったのか】
この作品を簡単にまとめるとこのシナリオは全部、作者の愚痴だと気づく。
{netabare}
まとめるとこうです。

俺は勇者である妹から慕われていて、みんなから必要とされてるのに、一人だけ俺に嫉妬したおバカさんがお前いらないって言うから思い知らせてやろうと思って出ていくことにしたけど、俺の有能さが理解できないあいつは見る目がない、やれやれ、やっぱりみんな俺がいないとダメダメじゃん、追放されてからようやく理解できたの?でも今さら戻ってきてくれって言われても手遅れだよ、君たちが命がけの苦しい旅をしている間も俺は美しいお姫様とイチャイチャ幸せなスローライフエンジョイしている勝ち組だ、うらやましいでしょ? でも可愛い妹がお兄ちゃんがいないとダメなのって言うから、真の勇者である俺が魔王倒してあげるよ、あ、俺を追放した見る目ないやつは俺のパーティにいらないし、むかつくから惨めな最後迎えてね。ざまあ!

こういうことなんですよね。

これって鬱屈した思いがたまった作者の、自分を評価してないムカつく人たちを見返してやりたいっていう願望ですよね?

それをうまくシナリオに落とし込めていれば面白くなると思うけど、
ただ願望を垂れ流しているだけじゃ面白くならないんですよ。

{/netabare}

【キャラクター】
キャラの掘り下げや心理描写が非常に薄っぺらいので、みんな何を考えてるのかよくわからなくて、役割に応じたセリフをしゃべらされているだけの人形に見えた。
{netabare}
例えばギデオンが大事ってみんな言うけど、その絆の部分の描写が薄く、街の人も勇者パーティもギデオンの有能性ばかりを強調するので、便利な人だから必要と思っているだけなのか、人として好きなのかがよくわからなくて、終盤で急に大事な仲間みたいな空気出したのが唐突に感じた。そんな大事に思っているならもっとそれらしい描写入れるべきだと思う。

上記のような一例に限らず、キャラクターが生きてるって感じがしない。
キャラクター達は加護に振り回されている人形だから仕方ないって言うのならまあ、納得するけど。

賢者が本当に愚かで嫌な奴だけど、賢者は嫉妬に狂った感情がちゃんと描かれていて、キャラクターの中で唯一人間味のあるキャラクターだった。
{/netabare}

【シナリオ】
ギデオンのスローライフと勇者パーティの斜陽が交互に見せられて交わっていくところはどうなるんだろうって興味持てました。
タイトルにスローライフって入っている割にあまりスローライフ感がないので、タイトルで回避されるパターンと、タイトルに釣られたけど思ったのと違って視聴断念するパターンがあってタイトルのつけ方を失敗していると思う。
タイトルはやっぱり大事。

{netabare}
加護によって人生が決められて加護に人生が振り回されるという設定は面白いと思った。
でも、その設定が話を面白くしているわけではなく、キャラクターの行動の不自然さの言い訳をしているようにしか見えなかった。
普通に加護の強制を否定して自分の人生を切り開く話で良かったのでは?

特に賢者の行動や言動は不自然極まりないもので、それが加護のせいってのはわかったけど、理由がわかったところで彼の行動とそれによって起こった出来事の不合理さと不快感は消えるわけではなく、それでシナリオ的に面白ければいいけどギデオンが勇者パーティに必要な男だってことを視聴者に説明するためだけに勇者パーティを崩壊させているようにしか見えず世界のすべてが、主人公の人生のために都合よく回っているという印象になっている。

ギデオンが勇者パーティに不可欠っていうのは良いと思うけど、その証明のために勇者パーティを下げ続けたのが原因。
このせいでアレスはもちろん、他の勇者PTのメンツまでギデオンがいないとまともに旅ができない残念な人達っていう印象になってしまっている。
不自然に勇者PTを下げるんじゃなくて、主人公が勝手に自分が足手まといと判断して抜けたけど、勇者パーティは必要だってことを知ってるからなんとか探し出して連れ戻そうとしているっていう描写だけで良かったと思う。

それでスローライフしている過程で薬草だけでなく道具や武器などの知識を身に着けていって、勇者パーティを助けるキャラクターとして描けばタイトル詐欺にもならないし、もう少し面白くなったんじゃないかと思った。

{/netabare}

【総評】
まずスローライフさせたいのか、勇者パーティに入れたいのかはっきりするべきだと思う。
スローライフで幸せになったけど、勇者パーティの一員としての名声も欲しいっていう未練がましさがシナリオに表れていて、不自然で中途半端な作品になってしまっている。
二兎を追う者は一兎をも得ず、欲張るのはやめましょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

スピーディライフ

原作未読 全13話

お話はタイトルに近いのですが、少し違うのが「スローライフすることになったはずが、結構スピーディな毎日を送っています。」ではないでしょうかw

なぜ追い出されたのか、勇者との関係、スローライフの内容は詳しく語られていました。

また、主人公を追って1人の女の子が訪ねて来ます。2人の関係は初々しいですねw

1話1話の事に少しずつ不協和音を入れており、後半から全貌が見えてきます。

最終話終わって、ここからスローライフの始まりような感じがしました。

OPはゆいにしおさん、EDはJYOCHOさんが歌っています。OPを聞いているとまったりできますね^^

最後に、何故スローライフというと「薬屋」になるのでしょうかw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

勇者は、義務か権利か。

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
本作の長々としたタイトル通り、随分とごちゃごちゃしたアニメです。

やろうとしたことは面白く、レビュータイトルにした問いなどは非常に哲学的で、上手く料理さえできれば☆5も目指せるポテンシャルはあったと思いますが、結果としては残念な仕上がりに。

レビューでは、本作の秘められた可能性を書きつつ、構造上の問題点も指摘したいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
これ、3つのアニメ作れるね。

①真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境で薬屋をやって過ごす、ギデオンとリットを主人公にした、異世界スローライフ&イチャイチャエロアニメ。

②真の勇者じゃないと勇者パーティーを追い出されそうになったが、仲間や世界を救うため、パーティー内では最弱ながらも、バランスのとれたスキルと戦術、戦略などを駆使しながら魔王を討伐する、ギデオンを主人公にした異世界バトルアニメ。

③スキルや加護を呪いのように捉え、その葛藤に苦しみながら戦う勇者、ルーティを主人公にした哲学アニメ。

どれで作ってもそこそこ面白くなりそうです。

個人的には、②が好みです。

ギデオンの「導き手」というスキルの設定は面白いと思います。勇者が成長するまでの指南役兼護衛役。初期パラメーターが高く、バランスも良いが、ある一定以上は成長せず、次第に勇者や他の英雄に追い抜かれる。RPGなんかではよくいる設定の、中盤で死んだり離脱したりするキャラですね(笑) 

でも、それが用済みにならず、力不足を感じつつも勇者パーティーに残って戦い続けるのは、面白そうです。私、そういう立ち位置のキャラ好きですし。

(つまり、スラムダンクの木暮君や、キャプテン翼くんの来生哲兵、ドラクエ5のパパスが主人公のアニメを観たいかどうかです。私は観たいw)。

本作はまあ、③がメインでしょうか。勇者の、眠気、空腹、温度への耐性という加護。逆に言えば、生きていること、「人生」(人としての生)が奪われる呪いともとれます。

また、勇者に限らず、「やれること」「やれと言われること」と、「やりたいこと」が合わないことの葛藤。これは、私達視聴者にとっても、身近かつ重要な問題提起になっていたと思います(ここが本作で一番高く評価したポイント)。

この③については、なかなか良く描けていて、哲学的な深みを感じさせる良いアニメになり、、、そうだったのに、それが微妙なクオリティに。

問題点としては、

(1)①②③を全部やろうとして、全てが中途半端になったこと。

(2)③の超シリアスな展開の中に、①のエロ要素が入ることで、不真面目さや不謹慎さ、軽さが際立ってしまったこと。

(3)作画がクソショボいことで、②のバトルがギャグ化してしまい、なんの熱さもなくなってしまったこと。

主にこの3点により、本作の優秀な設定を全て殺しにいった作品に感じました。

というより根本的に、まとめきれないのに、この難しい3要素を全て混ぜた、原作者の力量不足や見通しの甘さはあると思いました(原作未読なので、あくまでアニメから分かる範囲では、ですが)。

ひとつひとつは凄くよい素材なのに、料理の仕方が悪く、結果としてマズい料理になってしまったという点では、アニメ系の専門学校の教材にでもしてほしい作品です。

いや、これは別に嫌味で言っているわけではなくて、世の中に無数にある「毒にも薬にもならない作品」や「何のポテンシャルも眠ってない作品」に比べれば随分と高評価で、だからこそ、「どうすれば良くなったか」ということを考えられる、「教材化する価値のある作品」だと思うんですよ。

脚本、演出、作画、全ての面で設定を生かしきれていない、なかなかレアな「もったいない作品」だと思いました。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
こういう立ち位置のキャラクター好き。昔、RPGツクールで作ったゲームに似ている(笑) 勇者が仲間を見捨てられないという設定と、竜騎士団副団長のメンツというのが、何気に上手い。

2話目 ☆3
リット、ツンデレチョロイン(笑) バトルの作画はショボいが、バトルを魅せる作品じゃないしな。放送事故レベルの間(笑) 勇者サイドも魅せて、どっかで救うのだろうけど、その塩梅が大事。

3話目 ☆4
生まれついた加護。同一加護持ちの殺傷だけが加護の強化? 凄い世界だな。加護により人生がある程度左右される世界。低レベルだが複数のスキルが使える利点を生かした薬作り。人の一面だけを見て評価してはいけないよな。

4話目 ☆3
終身雇用契約(笑) 思い出話、ちと長い。加護を超える愛。勇者ワンパン。作画は酷いな。だいぶ歪んできた。

5話目 ☆3
勇者の加護。眠気、空腹、温度への耐性。逆に言えば、生きていることが奪われる。作画も展開も崩れてきた。

6話目 ☆


7話目 ☆2
安いな。安い、安い。

8話目 ☆3
会えずにすれ違う流れかと思ったが、さて、会ってどうなるか。勇者闇落ちかな?

9話目 ☆4
勇者は、義務か権利か。勇者という呪いを、よく表現している。

10話目 ☆3
ルーティのためって、それ、導く者の影響なんじゃ?

11話目 ☆2
バトルの作画がショボくて、ギャグに見えてしまう。やってることはそんなに悪くもないと思うけど。勇者のバトルだけそこそこ作画頑張るし、なんじゃこれ。

12話目 ☆2
このアニメらしい、ごちゃごちゃした、まとまりがない悪いラスト。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

71.4 17 2021年度の戦闘アニメランキング17位
takt op.Destiny タクトオーパスデスティニー(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (324)
922人が棚に入れました
「苦悩を突き抜けて、歓喜に至れ――L.V.ベートーヴェン」音楽は人の心を照らす光――突如として、その『光』が世界から奪われる。空から黒い隕石『黒夜隕鉄』が降った夜、世界は様変わりした。黒い隕石から生み出された異形の怪物『D2』が、大地と人々を蹂躙し始める。D2は人の奏でる旋律に惹かれ、やがて『音楽』そのものが禁忌とされた。だが、その怪物に抗う者達が現れる。音楽を力とする少女達――『ムジカート』彼女達は、人類史に残る偉大な歌劇、楽曲の楽譜(スコア)を身に宿し、D2を撃ち破る力とした。そして、彼女達を指揮し、導く『コンダクター』2047年。D2との抗争によって荒廃したアメリカ。コンダクターの『タクト』は、ムジカート『運命』と共にニューヨークを目指して旅していた。音楽が失われた世界で、音楽を渇望する『タクト』D2の殲滅を望むムジカート『運命』二人の少年と少女が生み出す旋律は、歓喜かそれとも絶望か――
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

タクト ‎Oops!

メディアミックスもの ゲーム展開されてます


音楽をモチーフに遊んでみた!みたいな作品。
コンダクター(そのまんま指揮者の意)がムジカートと呼ばれる有名楽曲を擬人化した娘さんと二人三脚で怪物とくんずほぐれつするバトルものです。ゲームに映える設定。“MUSIC”と“ART”でムジカートって意味なんですかね? クラシック曲にちなんで年季の入ったコクみたいなのを味わえたらいいなぁと思いましたがそうはいきませんでした。

・似たようなコード進行の曲をを連荘で聴かされて辟易してたまふまふさんを再評価。これはよい
・中島美嘉さんはまあよいよね 
・動くし武器のデザインも凝ってるのか派手というのか人目をひく

コクどころか片手間で視聴可能な程度でしょうか。選ぶキャラとバトルが面白ければOK!なゲーム設定の範疇を超えません。せっかくの定番曲すら曲に絡むエピソード薄めなのでなぜ“指揮者&曲(擬人)”なる設定にしたのか根っこの部分で理由をイマイチ捉えきれないんですよね。だいたい複数の楽器が奏でる音ををいい感じでまとめてくことが生業の指揮者なのにタクトふる対象は擬人化娘一人って時点で本質外してる気がします。アンサンブルなんて関係なくドローンを操縦するのと何が違うんだって話になるかと。
ということで御不満理由は“音楽”がストーリーにあまりにも絡んでこないことでした。
{netabare}有名指揮者の息子だとか劇伴で流すとかは設定と演出のことで誰でもできるので、これをもってストーリーに絡んでるとはちょっと言い難い。{/netabare}


アニメ序盤はゲーム原作にありがちなありきたり展開ゆえに、設定に信憑性を持たせてくれたら良かったのにねといったところなんでしょう。
なお最後まで鑑賞すると一通りまとまりのあるストーリーになってます。全11話と1クールものでも短く物語とキャラの心の動きともども説明不足は否めないところですが、差し引いても手に取りやすい作品になってることを評価したいですね。



※閑話休題

■どうもノリきれなかった2つの理由

①指揮者は凄い
 有名どころはもちろん、プロ指揮者の知人おりまして事前の準備から指揮ひとつで変わる演奏などなどのお話を伺ってたりするともう少しその深淵の片隅くらい見せてくれたら良かったのに、とは期待の裏返しだったかもです。
先述した通りでドローンの操縦と変わらないのよね。とは言いつつも古くは金田正太郎くんと鉄人28号にまで遡る定番の関係性だけに、このへん気にしなければ違和感を持たないことでしょう。


②広井王子
 最近は『ソラとウミのアイダ』でお馴染みの氏が本作でもいっちょかみしてます。前作は奇抜な設定が有機的に絡んでない印象でしたので似たようなもんかと思える出だしにギアを一段下げました。


①指揮者は凄い②広井王子…あくまで個人的な予備知識や先入観によるもの。気にしなきゃよかよ!


■ラストについて

{netabare}利他的な行為といいますかどうも滅びの美学みたいなのには弱いので心動かされちゃうのよね。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~12月 地上波リアタイ

-----



2021.12.25 初稿

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

オン・ザ・ロード

MAPPA×MADHOUSE制作。

異形の怪物D2によって荒廃したアメリカ。
その怪物に抗うものたちが現れる、
戦闘少女ムジカートと指揮官コンダクターである。
音楽が禁忌とされた世界で音楽を渇望する、
コンダクター、タクトはNYを目指し旅をする。

旅の途中で起こる様々な出来事が、
物語の軸となり展開するのでしょう。
ロードムービーは好みの世界観である。

ソシャゲありきでは心配も大きいが、
絵も音楽もキャラクターも雰囲気は良い感じ。

最終話視聴追記。
望みの冒険譚とはいきませんでしたが、
{netabare}先の見えない暗闇の世界に音楽で希望を伝える。
儚くも消えた、運命に喝采を送ろうと、
最後は少なからず余韻があったと思います。
まずまずは楽しめました。{/netabare}

アクション満載ですので、
続けて観ると良いかも知れませんね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最初は面白くないが、いつの間にか大好きになった物語

この物語は、音楽が失われた世界で、コンダクター(指揮者)のタクトとムジカード(戦士)の運命の成長と活躍を描いた物語です。
正直言って最初は訳が分からないことが多くて面白くありません。
Openingも、最初は全然感動しませんでした。

でも、視聴を続けていると、物語の内容が少しずつ理解できて、感動するようになります。
そしてOpeningの歌と描写を見ただけで、悲しくて悲しくて泣けてきそうになります。
このOpeningには、深い哀愁が込められています。

Endingも、7話までと8話以降とでは、挿し絵が微妙に違っています。その違いの意味するものをつきとめると、複雑な思いが交差して心がこみ上げてくるでしょう。


主人公のタクトは、有名な指揮者を父に持つ卓越したピアニストです。
しかし、この世界では音楽は禁止されています。
歌ったり演奏したりすると、D2という異形の生物がやってきて町を破壊し人間を殺すためです。

コゼットはタクトの演奏するピアノ曲が大好きな明るい少女。
彼女の明るい笑顔にタクトはいつも癒されていました。
そのコゼットが{netabare} 亡くなり、彼女の体は、{/netabare}ムジカードの運命へと変わります。
ムジカードは、有名な楽曲の力を宿しており、D2を倒すことができる戦士のことを指します。

運命は、最初の頃は何も知らないので、非常識な行動をしてみんなを悩ませます。
しかし、運命は少しずつ心が成長していきます。
{netabare} 自分はコゼットという少女の体をもとにつくられたことを理解し、
コゼットの姉の深い悲しみを知り、タクトがいかにコゼットを大切にしていたかを知り…
でも、自分はコゼットではない。姿かたちはコゼットだが、自分はコゼットにはなれない。だから悩み、悩み…。{/netabare}
その心の成長が、とても感動します。
もしかして主人公はタクトではなく運命なのでは?と、思ったりします。
そして、いつの間にか運命が魅力的に感じるようになりました。

Openingは「タクト」、複数の人たちが歌っています。
Endingは「SYMPHONIA」、中島美嘉さんが歌っています。Openingとは趣が異なった美しい歌声です。


どんなに絶望な状況でも、音楽は希望をもたらしてくれます。
音楽は心を救ってくれます。
この物語の最後は、絶望ではなく希望への道なのでしょうね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

67.6 18 2021年度の戦闘アニメランキング18位
ありふれた職業で世界最強(第2期)(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (172)
702人が棚に入れました
“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?

脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。

「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。
 全部薙ぎ倒して世界を越えよう」

奈落の少年と最奥の吸血鬼による“最強”異世界ファンタジー、「ありふれた職業で世界最強」の第2期

声優・キャラクター
南雲ハジメ:深町寿成
ユエ:桑原由気
シア・ハウリア:髙橋ミナミ
ティオ・クラルス:日笠陽子
白崎香織:大西沙織
八重樫雫:花守ゆみり
畑山愛子:加隈亜衣
ミュウ:小倉唯
リリアーナ・S・B・ハイリヒ:芝崎典子
ノイント:佐藤利奈
フリード・バグアー:小西克幸
ミハイル:石井真
ネタバレ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ありふれたモブ女でハーレム

1期から間が空きすぎていてほとんど何も覚えてないですが、結構面白かったです。
でも1話は勢力に分かれてキャラクター紹介と何を目指しているのか簡単な紹介があるのでなんとか入ることができました。

1期とちょっと見比べてみましたが、1期より作画が良くなってますね。

【キャラクター】
1期から引きずってるコンセプトですが、精神的に病んでるキャラクターが目立つのが好き嫌い分かれるところ。
{netabare}
主人公が規格外の強さでハーレム状態だけど、ヒロイン争いはユエが独走していて特に争う気もない平和なハーレムっていう感じだけど、香織はヒロインの座を諦められないみたい。
でもやっぱりユエが強すぎて勝負になってないので、ラブコメの面白さはまったくないです。

ユエは凄く可愛いしいいキャラクターなのが救い。

ハーレムが増えるのはいいけどみんなちょろすぎるので、また増えたって思って冷めた眼で見てました。
薄いヒロインがたくさんいてもどうしようもないですね。
{/netabare}
【シナリオ】
テンポがかなり良くてスムーズに話が進みますね。
{netabare}
主人公だけじゃなくてヒロインもみんな強いのでほとんどピンチになりません。
ピンチを演出しても結局あっさり解決しちゃうのでなんか無駄なやり取りだったなーって思う。

男性向けのエッチな描写が結構ありますが、話の邪魔になるような感じじゃなかったので気にならなかったです。
{/netabare}
【まとめ】
結構面白くて好きだけど、無駄に増える薄っぺらいハーレムは魅力的に見えないですね。
どうせやるなら羨ましいって思えるような少数精鋭で固めたほうがいいと思う。
ユエと、ユエに対抗するヒロイン1~2人くらいで十分じゃないかな?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

モテモテ

原作未読 全12話

ありふれた職業で世界最強の2期です。関係性から1期から観ることをオススメします。

1期の終盤からですが、別々になっていた他のクラスメイトとのお話がメインとなっています。

主人公はあいかわらずのモテモテぶりですねw

裏切ったクラスメイトや巨大な敵、主人公と互角に張り合うぐらい強い敵が現れますが、決着はまだまだのようです。

主人公は最強ですが、まわりのキャラも段々強くなりそうですw

OPはMindaRynさん、EDはFantasticYouthさんが歌っています。

最後に、1期書きましたが、異世界に現代の乗り物や武器が出てくるのでちょっと違和感がありましたね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ユエの余裕、安定の2期です。<追記;ありふれた寄り道で世界最強>

何だろう、このありふれた感。
強い主人公が次々に試練を乗り越えていくような。
1期ほどのパワーは無いような気がします。
そりゃ、危ないシーンはあったけど。

三人の姫ヒロインに、香織とミュウが加わった2期。
ますます、ハーレム増強です。
しかし、ユエが大量リード。
死地を共闘しただけあって、ハジメにとって特別な存在なんでしょう。

{netabare}ラスト、香織が別人に。
えっ、誰?でした。
でも、どっちかっていうとこっちの方が私好み。
今後の活躍に期待です。{/netabare}

増々意気軒高なハジメ一行。
次の迷宮攻略は?魔人族との闘いは?
はたまた神の討滅か?
3期が気になります。

<追記;ありふれた寄り道で世界最強>
{netabare}第13話未放送エピソードで、とくにストーリーとは関わりはありません。
ハジメ、ユエ、シア、ティオ、香織、ミュウによる珍道中記です。

エピソードが3つ。
ユエの魔法先生、衣装交換、ユエの幼児退行。
と、全体にユエが話の中心です
やはりメインヒロインは優遇されますね。

衣装交換が新鮮です。
とくに、ユエが色っぽい。
もっとじっくり披露してほしものです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

71.7 19 2021年度の戦闘アニメランキング19位
世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (425)
1362人が棚に入れました
世界一の暗殺者が、暗殺貴族の長男に転生した。彼が異世界で請け負ったミッションは只一つ。【人類に厄災をもたらすと予言された《勇者》を殺すこと】それこそが世界最高の暗殺者が、新たな人生で果たすべき使命であった。現代であらゆる暗殺を可能にした幅広い知識と経験、そして異世界最強と謳われた暗殺者一族の秘術と魔法。そのすべてが相乗効果をうみ、彼は史上並び立つものがいない暗殺者へと成長していく――。「面白い、まさか生まれ変わってもまた暗殺することになるとはね」転生した"伝説の暗殺者"が更なる高みへと駆け上がる!限界突破のアサシンズ・ファンタジー!!

声優・キャラクター
赤羽根健治、上田麗奈、高田憂希、下地紫野

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

思ったより作画が良くてビックリ! でも、原作で転生前ってこんなに詳しく書いてたっけ?

たぶんストーリー初見の視聴者にとっては、この第1話の第一印象と第2話以降のストーリーではだいぶんイメージが違うってことになりそうですね。

『回復術士のやり直し』と同じ、月夜涙先生のライトノベル原作です。こっちは幼少期からやるので最初のうちはそうでもなさそうだけど、そのうちそっち系(?)の場面も出てくるはず。いや、アニメは第1話しか観てないんで知らんけど…。

小説家になろう → スニーカー文庫 → コミカライズ(ヤングエースUP)という展開で、このたびアニメ化の運びとなりました、

まだなろう版は読めますが、スニーカー文庫版はそれよりもだいぶんストーリーが進んでいますし、内容もけっこう変わっています。

さて、以下はアニメ第1話の話です。

アバンタイトル無しで、第1話が普通にOP主題歌から始まるのって最近は意外と珍しい気もしますが、妙にカッコ良くてまずビックリ。

開幕で時系列冒頭よりも後の場面を見せて視聴者を掴みにいくのは今どき珍しい演出ではないと思うんですけど、何となく思っていた始まり方とは全く違ったので、これまたビックリ。

まあ、ヒロイン勢揃いで見せるのは異世界ハーレム物としてはわりと正しいのかもしれません。戦闘場面のアクションも、作画・演出ともになかなか良かったんじゃないでしょうか。

そしてさらにビックリしたのは、ゴルゴ13的な転生前のおっさんが最後に請け負った仕事の内容が詳細に語られたことです。原作ではけっこういきなり死ぬ場面で、生前の仕事ぶりは独白で簡単に説明されただけなはずなので、ここはアニメオリジナルで約15分くらいの尺の脚本が書かれたってことになりますね。まあ、これで生前のスキルについては二度と語られることはないということなのかも知れませんが…。

ということで私は一応本作は最終話まで観るつもりなんですが、「第1話で面白そうだと思ったのに!」って怒る人がいるかも知れないので、一応「たぶん第1話とその後とはイメージ違うと思うよ」とだけ書いておきます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

勇者を殺す、ただそれだけのために生きてきた。

【紹介】
世界一の暗殺者が暗殺貴族の長男に転生して、女神から「人類に厄災をもたらすと予言された勇者を殺す」というミッションを課せられ、転生前の知識を生かしながら勇者を暗殺するときのために18年がかりで準備を進めていく話。

【作画】
たまに気になるところはあったけど、作画はかなりいい。
特に美少女の作画とアクションシーンの作画が良いですね。

【キャラクター】
主人公がプロフェッショナルって感じでカッコいいのと、女の子たちがとても可愛い。
ただ、女の子達全員ちょろいので、すぐ主人公にべたべたするのは残念かも。

【シナリオ】
転生前の話がかなり面白くて、もっと見たかった。

暗殺者でも人間らしさを捨てずに生きていこうとするところは都合がいいなとは思いつつ、良いと思った。
ハーレムにするためなのか、無敵の勇者を暗殺するという壮大な目的に忠実なようで結構ぬるいことやってるとは思いましたけど、これはこれでいいかなって思いました。

テンポよく進むシナリオは良いですが、スピード感でまるめこんで雑な設定をごまかしているところはあって、暗殺の緻密さとかに期待しているとちょっと肩透かしかも。

それでも幼いころから準備して技能を磨いていくところや、頭を使って戦うところが面白くて、最後まで楽しめました。

【総評】
なろう系ハーレムアニメが嫌いじゃないなら、なろう系の中では話が面白いほうなので楽しめると思います。
本格的な暗殺とかスパイとか潜入とかに期待するのなら違う作品を見たほうがいいですね。

面白かったです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

いつか刺されてほしい(笑)

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
異世界転生チートハーレム、いわゆる「なろう」の系譜。

転生した後が、勇者か冒険者か暗殺者かの違いだけで、あとは定番のノリですね。

シリアスな展開はありつつも、最後までわりと気軽に楽しめましたし、バトルには一定の緊張感や迫力があり、飽きずに楽しめました。

他の方の酷評レビューも読み、原作者が、あの悪名高き「回復術士のやり直し」の方だと知りました。ところが、私、「回復術士」の方も、そんなに酷評してないんですよねぇ~。もしかして私は、この原作者と気が合うのか? なんか、、、嫌だなぁ(笑) 

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
私は異世界転生モノを評価する際に、1つポイントにしているのは、「転生前(生前)がどのくらい活かされているか」なんですが、その部分で高評価です。

暗殺者のスキルや思考回路を活かすだけでなく、生前にやらなかった「自分で殺す相手を選ぶこと、その死を背負うこと」をやっていこうとする点、いわゆる主人公の成長を描く点は良かったと思います。

また、転生直後に、ランク別にスキルを選択できるのは面白かったです。しかも、ちゃんと根拠があって効果的な組み合わせでしたし。ただ、経験を積むと新魔法がパッと頭に浮かぶというのは、「ロマサガか」と笑ってしまいましたがw

あとは11話、12話のバトルは、なかなか戦術的で良かった。主人公はチートクラスに強いとはいえ、正面から戦えば、最強レベルには追い付いていないという事実が提示され、「暗殺」の意義も出てきたと思う。

とまあ、あんまり文句つけるところないんですが、、、なんでしょう? 理由は分からないけど、この主人公、どこかで女性陣にプスッと刺されて欲しいな~と(笑)

いや、別に彼女らのドロドロした争いとか、致命傷とかじゃなくて良いんです。彼女らがニコニコと笑ったまま、「プスッ」と可愛い感じで刺しといてほしいな~と。超軽傷で良いんで、、、この気持ち、分かるでしょうか?(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
一話冒頭からOPね。正義の暗殺者系ね。勇者を暗殺か。

2話目 ☆4
チートか微妙なライン。スキル選択は面白いな。16年の修行期間があるからな。

3話目 ☆3
ちょいエロいのは、不要かな。ロマサガ方式(笑) 魔法の方程式から、新たな魔法を生み出す。ラストはちょいグロ。

4話目 ☆3
仲間ね。それなりのレベルじゃないと邪魔じゃない? 暗殺なら。どんなエロ特訓(苦笑) それ、教えて強くするのと、その時間を自分の訓練に当てるのと、どっちが良いかな? 

5話目 ☆4
騎士の仲間。ナニを教わったのやら(笑)

6話目 ☆3
口紅の描写が、リアル。かなり重い話。この話を処理できる程、作品に深みがあるか、だな。

7話目 ☆3
雇うのは良いよな。魔法開発は任せる。有能な人は囲う。いつか刺されてほしいな(笑) 

8話目 ☆3
声を合わせるとか、ここまでくると、気持ち悪いな。トゥワハーデを継ぐ流れは良かったが。

9話目 ☆5
暗殺者であっても、僅かに、でも大きな違いがある。自分で殺す相手を選ぶこと、その死を背負うこと。この辺のストーリーはよい。

10話目 ☆3
なんかイチャツイテルナ。まあ、絶対に殺さないよな。

11話目 ☆4
やっぱり偽装か。忠誠心か、恋慕か、洗脳か。バトルも悪くはない。

12話目 ☆4
勇者、、、ではないんだろうけど、強者との対決。グングニル。自由落下ということは、対人用には難しい魔法だけど、うまく時間を稼いだな。まあ、放り投げた段階で気づかない相手も相手だな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27

59.7 20 2021年度の戦闘アニメランキング20位
すばらしきこのせかい The Animation(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.9 (104)
295人が棚に入れました
“シブヤ"の街を駆け巡り、7日間の「死神のゲーム」を生き残れ!!シブヤのスクランブル交差点で目を覚ました主人公・ネク。そこは現実のシブヤと重なりあう異なる次元 “UG(アンダーグラウンド)" だった。訳が分からないまま「死神のゲーム」の参加者になっていたネクは、同じゲームの参加者である少女・シキと出会い、“パートナー"として契約。理不尽に課せられる“ミッション"や襲いかかってくるバケモノ“ノイズ"に立ち向かいながら、「死神のゲーム」と自分の記憶に隠された真相に迫っていく。『生き残れるのは、パートナーを信頼できた奴だけだ。』果たして、彼らは生き残ることができるのかー

声優・キャラクター
内山昂輝、鉢嶺杏奈、木村昴、竹達彩奈、木村良平、津田健次郎、新井里美、勝杏里、高橋研二、藤本隆行、生天目仁美、白熊寛嗣

よこちゃん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

オシャレなアニメ

DSのゲームが原作。もう10年程前ですが、このゲーム中古で買ったんですよ、ところが面白くなくて(タッチペン操作が多くてイライラした^^;)数時間で辞めたんです。なのでほぼ無情報で視聴。
普通に面白いと思ったんですけど、めちゃくちゃ評価低いですね(^_^;)
主人公ネクが成長していく所とか良いし、謎めいた話で毎話続きが気になるし、意外な結末で私は面白かったです。
作画もキャラ絵もオシャレで好きです。戦闘シーンもよく動いてると思いました。
残念だったのが、美少女のシキとライムの出番が少なく、男性キャラばかりになるシーンが多かったことですかね(私が美少女好きなだけかもしれませんが)。
あと私は細かいことはあまり気にせず、ざっくりアニメ観れちゃうんですが、そういう人に向いたアニメの様な気がします(よく分からない部分があったんで)。
結局、私のアニメ歴が浅いから観れたのかもしれませんが、面白かったんでお勧めします。もし、イマイチだったらすみません。
家のどこかにあるだろうから、探してゲームしようかなぁ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

『すばこの』・・・ねぇ

ゲーム原作らしい。
ゲーム音痴の私には知る由もない。

死神ゲーム?
まあ、とにかく全く説明が無い。
分かったフリをしながら視聴し続けるしかない。
まあ、普通、苦痛に感じますよね。

皆さんのレビューを拝見すると、やはり、ゲーム経験者向けなんですね。
それなら説明が全くないのも理解できる。

ゲームプレイ経験者が見るアニメ。
未経験者は、あくまでも置いてけぼり。
『知りたければゲームをしなさい!』
かなり上から目線の販促なのか!?(笑)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

死神ゲーム、開幕 7日間を生き残れ

この作品の原作はゲームだったみたいですね。

2007年にニンテンドーDS用ソフトとして発売された当時は、最優秀携帯ゲームを受賞するなど、国内外で高い評価を受けた作品だったようです。
以降、スマホやNintendo Switchに移植され、今回のアニメ化に至ったそうです(wikiより)。
辿ってきた軌跡だけをみると、凄いゲームがアニメ化されたように見受けられます。


“シブヤ”の街を駆け巡り、7日間の「死神ゲーム」を生き残れ!!

シブヤのスクランブル交差点で目を覚ました主人公・ネク。
そこは現実のシブヤと重なりあう異なる次元 “UG(アンダーグラウンド)” だった。

訳が分からないまま「死神ゲーム」の参加者になっていたネクは、
同じゲームの参加者である少女・シキと出会い、“パートナー”として契約。

理不尽に課せられる“ミッション”や襲いかかってくるバケモノ“ノイズ”に立ち向かいながら、
「死神ゲーム」と自分の記憶に隠された真相に迫っていく。

『生き残れるのは、パートナーを信頼できた奴だけだ。』

果たして、彼らは生き残ることができるのか―


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

原作が「キングダム ハーツ」や「ファイナルファンタジーシリーズ」の制作スタッフが開発を担当する、アクションロールプレイングゲームであることは本編を完走してから知りました。

今では殆どゲームはしないものの学生時代はRPGが結構好きで「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」は結構やり込んだので、ゲームの面白さの一端は理解しているつもりです。

ですが、この作品の魅力は結局分からず終いだったような気がします。
まず、主人公の人格に難があったような気がしてなりません。

他人と分かり合うことに疑問を感じ、
一人でいることを好むと同時に他人と関わることを極度に嫌っているので、周囲を拒絶する表れとして常にヘッドフォンを装着している…という主人公の設定自体は悪くないと思います。

ですが今一つ共感できなかったのは、もしかすると原作ゲームの年代が古いから…?
2007年当時なら感覚も違っているのかもしれませんけれど…

それと、ダメージへの耐性が他のプレイヤーと如実に違ったのも違和感を感じたところです。
もちろん、主人公なので死んでもらっては困るのは理解できるんですけど、この耐性の差が緊迫感が欠如してしまった理由なのかもしれません。

また、メインヒロインであるシキの出番が極端に少ないことに加え、CVに女優さんが起用されていたのも心に響かなかった要因の一つだと思いました。
物語の展開上、仕方無かったのかもしれませんが、中盤に華が感じられなかったのも事実です。

まぁ、ゲームとアニメの評価は別ものですからね…
監督は「潔癖男子!青山くん」「灼熱カバディ」「セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-」らを手掛けた市川量也さん。
アニメーション制作は、ドメリカとシンエイ動画の共同制作でした。

オープニングテーマは、石元丈晴さんによる「Twister -Animation OP ver.-」
エンディングテーマは、ASCAさんによる「カルペディエム」
「カルペディエム」は、通勤中に聞いていた楽曲の一つでした。

1クール全12話の物語でした。
原作ゲームをプレイ済の方には感慨深い作品なのかもしれませんが、私の琴線には刺さらなかったかな…^^;
この作品の魅力を引き出してくれているレビューを拝見するのが楽しみです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

66.8 21 2021年度の戦闘アニメランキング21位
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (256)
996人が棚に入れました
ゲーム内の姿で異世界へと召喚されてしまったディアヴロ(本名・坂本拓真)は、「私こそが召喚主」とお互いに主張するシェラ、レムの2人とゲームにそっくりな異世界での日々を過ごしていた。エルフの王国の精鋭部隊と戦ったり、魔族と戦ったり、復活した魔王クレブスクルムを従わせたり。「我はディアヴロ。異世界の魔王であるッ!」と魔王演じながら、強敵に立ち向かっていくディアヴロは、ときには美少女たちに翻弄されつつも、確かな信頼関係を築き上げていた。──そんなある日。湖東の森に出かけたディアヴロたちは、ボロボロになったひとりの少女と出会う。「か、神様……、なのですか?」それは聖騎士に追われた、教会の大主神官・ルマキーナだった……!コミュ力ゼロの魔王(演技)が、絶対的な強さで突き進む!異世界魔王と召喚少女たちが繰り広げる“夢いっぱいの異世界冒険譚"、再び!

声優・キャラクター
水中雅章、芹澤優、和氣あず未、伊藤美来、古賀葵、内村史子、赤﨑千夏、原由実、大久保瑠美、加藤英美里、種﨑敦美、森嶋優花、千本木彩花、置鮎龍太郎

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

EVERYBODY! EVERYBODY!(OP主題歌)を世に送り出しただけでもこのアニメには価値がある!

『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』(無印)に続く2期目の、ラノベ原作アニメです。原作の最新刊14巻はまだ買っただけで読んでいません、すみません…。

なお、アニメも原作同様エロ成分は多めです。

OP主題歌『EVERYBODY! EVERYBODY!』は音楽レーベル「avex trax」や「avex tune」が送り出してきた、1990年代後半~2000年代前半のディスコサウンドを基調とするJ-POP楽曲(アーティストとしてはTRF、m.o.v.eなど)を知る人にはとても懐かしい感じがし、かつ中毒性の高い名曲です。

TRFのDJ KOOとm.o.v.eのmotsuを迎え、メインボーカル芹沢優がi☆Risやこれまでのソロ楽曲とは違ったテイストで歌い上げる、「The avex sound」とでも呼ぶべき曲に仕上がっています。

ED主題歌『YOU YOU YOU』は、同じく「芹澤 優 with DJ KOO & MOTSU」ですが楽曲としてはアイドル楽曲っぽく仕上がっており、こちらはMVではDJ KOOとmotsuの二人も芹澤優のカワイイ動きに付き合うように楽し気にノリノリで踊っているのが印象的です。

アニメの話じゃないんですが、このユニットでアルバム作れるくらい楽曲を出して欲しいと思うくらい、天才的にハマったユニットだと思います。

なお、DJ KOOとmotsuのお二人は本編でもモブキャラとして声優としての出演を果たしています。

そしてようやくアニメ作品の話:

原作のジャンル的にはいわゆる「異世界召喚」ものなんですが、「小説家になろう」発とかではなく最初から商業出版として企画されたライトノベルです。

基本設定に関する説明は1期目に関するあにこれ公式の「ストーリー・あらすじ」を見ていただければだいたい正しいです。召喚時には自分がプレイしていたMMORPG「クロスレヴェリ」的な世界に召喚され、自分のプレイ時のキャラクターである「ディアヴロ」として召喚されます。

ディアヴロを召喚したと主張する女の子が二人(エルフのシェラと獣人のレム)いる時点でいわゆる「異世界ハーレム物」という方向づけは明らかですが、路線的に当たり前のように巻を追う毎にディアヴロの周りに女の子が増えていきます。

原作では10巻くらいまでは一応「3巻で1セット」みたいな雰囲気のシリーズ構成になっていまして、1期目は主に原作1~3巻の内容、2期目は原作4~6巻の内容がアニメ化されています。ということで、以下は1期目を観終わった人向けに書くのでまだの方はひとまずここでさようなら。



アニメ化の感じを1期目と比べると、ディアヴロが魔王として振る舞うときの演出として、1期目が「表面上は余裕だが内心ではギリギリ」という感じだったのに対して2期目は「表情にも余裕の無さが表れてしまうが周りのキャラに見られていないからバレない」みたいな感じになっています。

私個人としては1期目の描き方の方が好きで、原作のイメージに近いと思っています。

ストーリーとしては大主神官ルマキーナが登場し、ファルトラと王都以外の都市として初めてジルコンタワー市が舞台となったりしますが、1期目に比べるとラスボスが地味で見栄えがしない話になっています。

ですがここで手に入れるアイテムなどが以後の話の伏線になっていたりはするので、仮に3期以降も作られることがあるとすれば飛ばすことはできないだろう箇所でもあります。

ストーリー的に大きな改変はなかったはずなんですが、「なんか原作のイメージと違う?」みたいな違和感を抱きながら全話完走しました。

まあでも、どうせなら続きもアニメ化して欲しいとは思います。以降の敵とかもなかなかに強いし女騎士アリシアのイカれっぷりも増してさらに盛り上がりはするので…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ムラとムダの多い2期

1期とかなり方向性が変わったんですかね?
尺が足りなかったから無理やり引き延ばしたような安っぽさを随所で感じました。
面白いところも多いのですが、雑なつくりで全体的にもったいないなと思った。

1期は楽しめていて、2期で残念な印象が強くなったため、なんか悪いことばかり書いていますがそれなりには楽しめました。

作画はあまり安定していなかったし、もともとシナリオを楽しむ作品ではないのですが、2期になってさらにエロばかりを無駄に強調してくる。
エロの頻度は増えたけど質が低下している感じがします。
こういうのは、溜めに溜めて、ここぞという場面でご褒美的な感じで質の高いシーンを入れて満足させたほうがいいんじゃないんでしょうか?
1期のようにシナリオの中にエロを入れたのではなく、2期はエロのためにシナリオを書いているような印象で物語的な面白さは少し残念な感じになってしまった。

2期になって増えたキャラクターはなかなか良かった。

ただ、主人公が能力的にも精神的にもなんか中途半端でダサいんですよね。
敵も強くて結構苦戦するのは良かったのですが、バトルシーンがしょぼいので盛り上がらない。
恋愛的にも普段のあの傲慢さはどこにいったのかっていうヘタレぶりが情けない。もう少し堂々としていて欲しい。

でも、時々面白い回もあって、特に最後の2話は質も高かったし、ラストはなかなか面白かったので、挽回はできたかと思います。

回によってムラとムダが多い2期でした。丁寧に作って欲しい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

やはり、苦手でしたね、2期も。

[文量→小盛り・内容→感想系]

【総括】
1期を私は☆2(低評価)にしていました。理由は、「エロいだけのテンプレアニメ」だと感じたから。

が、1期のあにこれ評価(令和4年5月時点で)79.7点ですか。名作レベルの評価を受けているんですよね。同点が、「イカ娘」「アキラ」「灰羽連盟」「フェアリーテイル」「火垂の墓」「Ζガンダム」「防振り」「どろろ」ですから。

う~む、好みはそれぞれですが、個人的には、1期がそこまで評価されていることに、驚きました(もし、私が点数をつけるなら、68点くらいでしょうか)。

さて、元々観る気がなかった2期ですが、「1期を多くの方が評価している理由」を知りたく、視聴することとしました。

結果として、クオリティに関しては数多のなろう系アニメと比べれば、高い方かなとは思うものの、やはり作風としては苦手であることに違いはないですね。3期は、あっても流石に観ないかもですね。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
キャラクターはなかなか可愛らしかったと思います。

特に良いなと思ったのは、ホルン。レベルアップの聖杯にオ◯ッコをして、それを聖杯に「生き血」と勘違いされたクダリは笑えた。まあ、当たらずとも遠からず(笑)

また、その後、魔術師を目指すホルンに主人公が、「好きで遠回りをするのを邪魔されるのは好きじゃない」と言うのは、なかなか素敵だと思った。ゲーマーらしさが出ていた。

というように、悪い部分ばかりではないが、1話目冒頭の「触手責め」から始まり、「ソーププレイ」とか、その他諸々、苦手だな~と感じた。う~ん、数多のなろう系作品との違いが分からんな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17

76.7 22 2021年度の戦闘アニメランキング22位
ワールドトリガー 2ndシーズン(TVアニメ動画)

2021年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (191)
821人が棚に入れました
三門市。人口28万人。ある日この町に異世界への門が開いた。「近界民(ネイバー)」後にそう呼ばれる異次元からの侵略者が門付近の地域を蹂躙、街は恐怖に包まれた。近界民に地球上の兵器は効果が薄く、都市の壊滅は時間の問題と思われた。しかし、その時突如現れた謎の一団が近界民を撃退。近界民の技術を独自に研究し、「こちら側」の世界を守るため戦う組織、界境防衛機関「ボーダー」。彼らはわずかな期間で巨大な基地を作り上げ、近界民に対する防衛体制を整えた。それから4年。門は依然として開いているにも拘わらず、三門市を出て行く人間は驚くほど少ない。高校生の三雲修もまた、ボーダーに所属していた。ある日、修のクラスに転校生がやってきた。空閑遊真と名乗った少年は、何故かボーダーの人間にのみ携帯を許される「トリガー」と呼ばれる武器を持っていた。修に問いただされた遊真は言う。『俺は門の向こうの世界から来た。お前らが言うとこの「近界民」ってやつだ』遊真と修、二人の物語が動き始める。

声優・キャラクター
村中知、梶裕貴、田村奈央、中村悠一、島﨑信長

ISSA さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ヌマアニメーション

個人的に原作コミック買い続けてるのが、これとダーウィンズゲーム&この音とまれ!…

正直2期は絶対無いと思ってただけに凄く嬉しいです。
バトル設定の複雑さやキャラクターが異常に多いので初見ではお勧め出来ませんが単純な強さより、戦術や状況判断が勝負の分れ目になるのが面白い。

主人公の三雲 修や雨取 千佳ちゃんの成長もたのしみ。

個人的に好きなキャラはメガネキャラの宇佐美 栞ちゃん…
玉狛支部のお母さん的な存在、いざランク戦になれば有能オペレーター。
彼女の適時に与える正確な情報が玉狛第1、第2の強さの支えとなっている。

諦めてた2期放送、楽しみです。


視聴完了
原作好きでどんな内容か知っててもやっぱり楽しめました、個人的には冬アニメの中で一番体感5分アニメだった。

これからさらに盛り上るB級ランク戦が後半クールにするので、これからも楽しみなアニメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

第3期、楽しみにしています!

原作既読。最終話まで視聴。

週刊少年ジャンプは40年近い愛読書です(笑)。
いよいよ待ちに待った第2期です。

第1期70数話に対して、第2期12話って・・・。
短すぎる。
とても面白い作品だけに、本当に残念。

第3期、楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

熾烈を極めるボーダーB級ランク戦!

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ版第1期は視聴済です。


1stシーズンから“4年半”の時を経て超進化を遂げてアニメ「ワールドトリガー」が帰ってきた!
シリーズディレクターに畑野 森生(代表作「聖闘士星矢Ω(第1期)」、
「ドラゴンボール超(未来トランクス編)」)を新たに迎え、
シリーズ構成・吉野 弘幸、キャラクターデザイン/総作画監督・海谷 敏久、
音楽は川井 憲次が継続参加し前作を超える本領を発揮!
超豪華スタッフで送る渾身の新生「ワールドトリガー」をぜひお楽しみに!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
そう、TVアニメ版第1期から4年半も経過しているんです。
もう続編は無いものとばかり思っていたので、続編放送を聞いた時には素直に嬉しく思いましたが、同時に第1期の内容を殆ど忘れていることにも気付きました。

第2期放送前に第1期の再放送があったようですが、そちらは時間が捻出できる未視聴のまま、本作の視聴に臨むことになりました。


新たな脅威に立ち向かう界境防衛機関“ボーダー”の精鋭たち!

未知なる力を持つ「近界民(ネイバー)」の襲撃に対抗すべく設立された界境防衛機関“ボーダー”。
その末端に所属する三雲 修(CV梶 裕貴)は、偶然知り合った「近界民」空閑 遊真(CV村中 知)と
幼馴染である雨取 千佳(CV田村 奈央)と共に三雲隊を結成、
「近界(ネイバーフッド)」への遠征部隊加入を目指すべく
ボーダー内部のランク戦を勝ち抜こうと奮闘していた。

そんな中、新たなに「近界」からの襲撃が予測されるという情報がもたらされる。
最大級の軍事国家アフトクラトルによる第二次大規模侵攻の傷の癒えぬ三門市と
市民の混乱を避けるためボーダーは迅 悠一(CV中村 悠一)の予知をもとに
A級を中心とした精鋭隊員による極秘迎撃態勢を整えようとしていた。

「門(ゲート)」が上空に発現し、攻撃手(アタッカー)ランク1位の太刀川 慶(CV浪川 大輔)が
動き出そうしたその瞬間、迅が捉えた未来はー!?


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

ぶっつけ本番で第2期の視聴を始めましたが、視聴を進めるうちに記憶が色々と蘇ってきました。
全然忘れていると思っていたのに…人間の記憶って凄いなと改めて思いました^^;

物語はB級ランク戦の真っ只中…

隊長である三雲 修を筆頭に、空閑 遊真、雨取 千佳を擁する玉狛第2は、どうしても遠征部隊に加入しなければならない理由がありました。

ですが、「行きたい」と手を挙げれば行けるという甘い世界ではありません。
ボーダー最高位であるA級ランク若しくは同等の実力が無ければ加入は許されないんです。

加えて、玉狛第2は結成して間もない新人部隊…
空閑 遊真の実力はA級に対して見劣りしないものの、修と千佳は他の部隊の精鋭たちと比べると決して強いとは言えません。
だから、総合力で本来の実力+αを引き出し続けなければランク戦を勝ち上がることはできないんです。

ですが、周りからそのようなレッテルを貼られて指を咥えている二人ではありません。
状況が少しでも自分たちが有利に進められるよう、自分たちの強みを活かし相手に戦いづらいと思わせながら戦闘を続ける二人は着実に強くなっていると思います。

この3人一緒の感じが堪らなく心地良いんですよね。
この作品の醍醐味とも言えるのではないでしょうか。
そんな玉狛第2にもどうやら転機が訪れるようですが、良い方向に転がってくれるのを期待しています。

オープニングテーマは、TOMORROW X TOGETHERさんの「Force」
エンディングテーマは、神はサイコロを振らないさんの「未来永劫」

1クール全12話の物語でした。
第1期が全73話もあっただけに、1クールだけだと短さを感じてしまいますが、2021年秋アニメで3rdシーズンが放送されるそうなので、秋を楽しみに待ちたいと思います。
今度は半年後なので、物語を忘れる心配もありませんしね…

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8

60.9 23 2021年度の戦闘アニメランキング23位
セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 3.0 (84)
241人が棚に入れました
“為せ 汝の欲することを"かつて世界を救った英雄達がいた。数多の英雄達は〈破壊〉の力と戦い、この世界を守ったのだ。そして、時は流れ――英雄たちは歴史の彼方へと去り、彼らの力を身に纏い戦う〈継承者〉と呼ばれる少年少女達に世界の運命は託されることとなった。〈継承者〉の頂点に立つ〈セブンナイツ〉の一人、少女ファリアは押し寄せる〈破壊〉の軍勢との戦いの中、ネモと名乗る一人の少年を救う。激戦の中、ネモは自らも知らぬままに〈英雄〉の力を喚起し、〈継承者〉としての力を振るう。だが、彼の〈英雄〉は誰も知らぬ、誰も語らぬ者だった。そしてこの時より始まるのだ。過去と現在の交錯する魂の旅路が――

声優・キャラクター
山下大輝、山村響、花澤香菜、梅原裕一郎、武内駿輔、保住有哉、沼倉愛美、櫻井孝宏、嶋村侑、田村ゆかり、伊藤健太郎、松本梨香、森川智之、新井里美
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

変化球の王道異世界物語

ゲーム原作 全12話

この世界の各地で世界を滅ぼそうとする破壊の軍勢と戦う英雄の継承者の集まりである学園の生徒会セブンナイツの活躍を描く作品です。英雄の継承者は、その英雄が憑依し姿を変え、能力を使うことができます。

ゲームが原作のようですが、お話はアニメオリジナルストーリーということみたいですね。

破壊され人々が逃げ惑う中、その土地に暮らしていた主人公ネモはセブンナイツの一人であるファリアに助けられるところからお話は始まります。

この世界は様々な種族がいる世界みたいですね。

ネモにも英雄の継承者の力があったことで、そのまま学園に入学することになります。

前半は、ネモが起点となりその学園で起きた様々な事件を解決して他のセブンナイツのメンバーと信頼関係を築くことになります。

後半は、前半の謎だった伏線を回収しつつ、この世界の真実を知った主人公たちが巨大な敵に立ち向かいます。
{netabare}
まさかネモが人間ではなくて、本来のネモを乗っ取っていたのは驚きました。本来のネモは優しすぎますね。
{/netabare}
綺麗に終わっています。{netabare}ネモとファリアの2人が封印できる場所に旅をするところで終わるのも{/netabare}良かったですね。

OPはflumpoolさん、EDは主人公ネモ役の山下大輝さんが歌っています。

最後に、花澤香菜さん演じるセブンナイツのキャラがいつも「主体性のない女」と言っていましたが、そういうこと言っている人に限って実は主体性があるんですよねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

全12話で綺麗に終わる、ソシャゲ原作の王道ファンタジーアニメ

ソシャゲ原作のファンタジーアニメ。全12話。
内容は、はるか古代の英雄たちの力を身に宿した少年少女たち「セブンナイツ」が、怪物たちを世に放つ破壊の教団「ピュシス」から世界を守る、みたいな感じ。物語冒頭、とあるきっかけからセブンナイツに新たに迎えられた少年・ネモが、序盤から中盤にかけてのエピソードで徐々に仲間たちの信頼を得ていき、終盤のラスボスとの決戦に向かう、というようなストーリー展開は、特に何か変わったことをやっているわけではありませんが、良い意味で王道というか、地に足がついた感じで、意外と楽しめました。いちばん良かった点は、主人公、ヒロイン、仲間、ラスボスなど、それぞれのキャラが物語のなかできちんとその役割を果たしていたところ。ヒロインはこうあるべきだとか、ラスボスはこうあってほしいみたいな、求められる理想の役柄像というようなものをしっかり把握して作られていたように思いました。物語自体も、最終回でこれ以上ないくらい綺麗に終わっていて、後味が良かったです。
作画は、ソシャゲアニメの割にはあまり金満な感じはしませんでしたが、悪くはなかったです。終盤のバトルシーンなどは、かなり動いていました。キャラは、ヒロインのファリアがかわいかったですし、「私は主体性のない女ですから」が口癖のエレンも、その活躍が印象に残りました。
最後まで観終わって、当初に予想したよりは、ずっと面白かったです。ソシャゲアニメというのは、キャラやストーリーにいろいろ制約があって、無難な内容になりがちというイメージですが、この作品は限られた枠組みのなかで、なかなか頑張っていたように思いました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

対立する正義、血栓の戦禍 偽りの命が放つ、最後の光。

この作品の原作はゲームだったみたいですが、アニメでは原作から遥か未来の時代を舞台に、新世代のキャラクターたちによるオリジナルストーリーが展開されたようです。
とは言え、原作ゲームが踏襲されているので、設定などはしっかりしていると思える作品でした。


“為せ 汝の欲することを”

かつて世界を救った英雄達がいた。
数多の英雄達は〈破壊〉の力と戦い、
この世界を守ったのだ。

そして、時は流れ――

英雄たちは歴史の彼方へと去り、
彼らの力を身に纏い戦う〈継承者〉と呼ばれる
少年少女達に世界の運命は託されることとなった。

〈継承者〉の頂点に立つ〈セブンナイツ〉の一人、
少女ファリアは押し寄せる〈破壊〉の軍勢との戦いの中、
ネモと名乗る一人の少年を救う。

激戦の中、
ネモは自らも知らぬままに〈英雄〉の力を喚起し、
〈継承者〉としての力を振るう。

だが、彼の〈英雄〉は
誰も知らぬ、誰も語らぬ者だった。

そしてこの時より始まるのだ。
過去と現在の交錯する魂の旅路が――


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

作画がしっかりしたので、アニメーションとしてのクオリティは悪くなかったと思います。
アニメーション制作は、ライデンフィルムさん…
ググってみると、2021年は相当精力的に展開されている会社でした。

21年冬アニメでは、以下の4作品を制作しています。
・たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語
・はたらく細胞BLACK
・オルタンシア・サーガ
・裏世界ピクニック
オルタンシア・サーガなどは本作品と同じく原作がゲームですが、キャラデザが綺麗だったのは記憶に新しいです。

そして21年春アニメでは以下の3作品を…
・セブンナイツ レボリューション -英雄の継承者-
・さよなら私のクラマー
・東京リベンジャーズ

私はアニメーション制作会社には疎いですが、アニメを1作仕上げるのは制作会社の総力戦が主体だと思っていました。
もちろん、同クールで複数の作品を手掛けている制作会社があるのは知っていますが、それでも3~4作という数字はビックリするほど多いと思います。
よっぽど、大きくて機動力のある制作会社なんでしょうね。

一方、私のキャラ推しは、山村響さん演じるファリア一択でした。
きっと、山村響さんが演じられていた影響は多分にあると思いますが…
「戦翼のシグルドリーヴァ」のクラウディア・ブラフォード役を演じられていた時にも感じていましたが、一本筋の通った孤高のキャラの感じが抜群なんです。
だから、今回のファリア役も適任だと思いながら視聴していました。

そして物語の方ですが…
最後まで目の離せない展開が目白押しでした。
セブンナイツが継承している英雄は、契約者と言葉を交わすことができますが、どうしてネモの英雄は語りあわないのか、香菜ちゃん演じるエレンはどうして主体性が無いのか、そして敵対していた、ゆみりん演じるレダが、どうして英雄アイリーンを継承していたのか…
他にも色んな伏線が張り巡らされているので、普通に物語として面白かったと思います。

オープニングテーマは、flumpoolさんによる「フリーズ」
エンディングテーマは、山下大輝さんによる「Tail」
どちらも通勤中に聞いている楽曲です。

1クール全12話の物語でした。
オリジナルストーリだけあって、12話の尺の中に物語がしっかり収まっていたと思います。
続きを予感させる終わり方も、ファリアの言動と相まって高評価でした。
しっかり堪能させて貰えた作品でした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

58.3 24 2021年度の戦闘アニメランキング24位
進化の実~知らないうちに勝ち組人生~(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★☆☆ 2.7 (202)
576人が棚に入れました
柊誠一:下野紘
サリア:花澤香菜
アルトリア・グレム:井上麻里奈
ガッスル・クルート:稲田徹
エリス・マクレーヌ:西尾夕香
ルルネ;西本りみ
神無月華蓮:南條愛乃
ルイエス・バルゼ:日笠陽子
羊さん:新井里美
オリガ・カルメリア:久保ユリカ

レオン博士 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.1

努力しないで幸せになる妄想を見せられる不快感

【感想】
最後まで見るとそこまで悪い話じゃないけど、ギャグが下品で笑えないし、会話のセンスが独特すぎるのと、つかみが悪いから酷評されるのも仕方ないかな?

なろう系のチートは主人公があり得ない速度で強くなっていくところが爽快っていうところがあると思いますが
この作品は強くなる過程が雑に飛ばされ、主人公が強くなることに飽きている描写があってそれを視聴者に伝えてしまうことで爽快感が台無しに、主人公がつまんないって態度なのに視聴者が楽しめると思いますか?

いじめられっ子からの下剋上って見方でも、進化して美形になって何も問題がなくなってしまって後は美少女にモテるハーレムものになっていく感じで、いじめられて人生何も面白くない人が、神様の気まぐれで急に無敵のヒーローになって、努力しなくても何もかもがいい感じに事が運んで、美少女から愛される・・・

努力しない人間の「こんな人生なら幸せなのに」っていう妄想を見せられているだけかな?

主人公なら少しは自力でなんとかするところを見せてほしい

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

チート過ぎますねw

原作未読 全12話

学校内で日陰の存在だった主人公は、ある日クラスごと異世界に召喚されてしまう。召喚後他のクラスメイトと全く別の場所で転移した主人公は、進化の実を食べることでチート体質となり様々なことに巻き込まれることなる異世界ハーレムギャク作品です。

キャラデザから量産型異世界ものような感じでしたが、当たらかずといえど遠からずでしたねw(スマホ3兄弟みたいなw)

とにかく作画酷いです。キャラクターもですが、バトルも全然迫力がありません。

お話も主人公とちょいちょい他のクラスメイトとお話を分けていましが、他のクラスメイトお話はなくても良かったんじゃないかと思いました。
{netabare} (最終話までにクラスメイトと学園を印象つけさせようとしたようですが、2期も決定していないのに本編に挟む必要はなかったと思います。){/netabare}

主人公役の下野さんも頑張ってはいましたが、魅力的なキャラが全然いませんね。

お話は切りの良いところ終わっています。

OPは南條愛乃さん、EDはPoppin'Partyさんが歌っています。

最後に、稲田徹さんのピンクゴリラ役は笑ってしまいましたw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 15

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.8

はじめて、このレベルの星をつけましたw

出来心で観てしまったことを反省している所です。
いやだなぁ、こんなんだったら、ちゃんとどっかに〔視聴注意!〕とか〔真剣に見ないでください〕って書いておいてくださいよう。


某アベマなTVのアニメジャンルをふらり散歩中に目にとめてしまったのが運の尽きでした。
ストーリーだけでも追ってみようと思ってしまった自分を過去に戻って止めたいですw。


ギャグなのかシャレなのか・・・。
あらゆる点のレベルがいまいちで・・・。
コメディにすら昇華させれていないなんて。


物語:進化うんぬんの所がギリユニークな切り口、ユニークとは言ったが、効果的な活用はされていない。
そのほかはその他作品の標準レベルには達していない。

10話目くらいだったかな、主人公が秒で語るダイジェストで90%は説明できてる。
最終話、何も解決せず「俺たちの戦いは~」にさえなっていない。
最終話の最終盤で新しいキャラ(あのふざけたキャラ)を登場させるなんて、続編を企画できるレベルではないのにふざけてるレベル。
本当にギャグにもシャレにもならない。
このレベルで「終!?」とクエスチョンマークをつけている所に怒りと不誠実さを感じた。


作画:いろいろなところが、いまいち。フックにしたいキャラだけは造形をらしくしているが、トレス線も無駄に太く、昭和レベル、または5~6歳児くらいならダマせるかなってレベル。
キャラの動き、構図、いろいろなところの設計がガバガバ、グダグダ。
学生の同人レベルなら「ふ~ん、がんばったじゃん」とは言ってあげたい。


声優さん:仕事として、しっかりとやっておられると思います。
が、土台となる舞台装置(作品自体)の力不足で、いまいち、それなりにしか機能していない。


音楽:フツー。というか、OPは耳に残るパートもあるけど、やはり作品自体の印象が悪く、評価できない、したくないと感じる。


キャラ:前述したように、フックになるキャラの造形だけを頑張ろうとしている。
キャラクタとして、魅力を発揮できそうなモノはいるにはいるが、やはり、そこだけを狙いすぎ。
「こんなんだしときゃ満足すんだろ」感が見え隠れして、正直に言わせてもらえば、下手な萌えアニメ、あざとい作品以上に不快。
100%フルスロットルで「おっきいお兄さん向けの作品作ったぜ!!」的作品の方がよっぽど清々しいかもしれん。



この作品をクリエイトされた方、アニメ作品として仕上げるためにご尽力された皆さんには大変申し訳ないのですが、私には合いませんでした。

やや、序盤の方から、
某アベマなTVの再生速度を変える機能で2倍速で観させてもらいました。
それでも、同じ時間を使うなら、何かほかの作品を観ればよかったな、と思ってしまいました・・・。

それにしても、数回あった倒した相手の過去を本という形で知ることができる演出・・・、
これって、鬼滅と同じ手法なんですよねぇ、
同じことをやっている部分もあるのに、ここまで差があるって・・・逆に怖いですw。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

58.7 25 2021年度の戦闘アニメランキング25位
BLUE REFLECTION RAY/澪(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★☆☆ 2.8 (75)
234人が棚に入れました
これは煌(きら)めく<想い>を繋ぐ物語――喜び、悲しみ、怒り―。人の想いは、誰もが持っている、しかし目には見えない力。その力は時として、世界さえも変えてしまうかもしれない。常に前向きで、困っている人がいれば放っておけない平原陽桜莉(ひらはらひおり)と、人と仲良くなろうとしても付き合い方が分からず、不器用な羽成瑠夏(はなりるか)。対照的ともいえる2人の少女の出会いは、彼女たち自身を、そして世界をどのように変えていくのか―。

声優・キャラクター
石見舞菜香、千菅春香

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ストーリーは悪くない。作画は残念過ぎる…。

岸田メル先生のキャラクター原案らしいんですけど、メル先生のキャラクターデザインでアニメで成功しているのって『花咲くいろは』くらいじゃないのかな、知らんけど。

言われれば「そうかも?」って思うくらいの片鱗は残っている気もしますが、アニメではまったく活かされていません。

ちなみに『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』ってゲームがあるらしく、たぶん作中の「リフレクター」の設定は共通なんじゃないかと思うんですが、ゲームではちゃんとメル先生っぽい絵が動いている模様。
(​もしかしてアニメとは相性悪い?)

ものすごく雑にストーリーを説明すると、思春期の女の子に独特の「想い」を抽出して集めることで何かをしようと企んでるリフレクターと、「想い」を守ろうとするリフレクターのバトルですね。

主人公は守ろうとする方の陣営です。

リフレクターになれるのも女の子だけで、魔法少女みたいな変身バンクで変身して、剣とかで闘います。主人公が女子校通いというのもあるかもしれませんが、モブキャラでも「男っていたかな?」っていうくらい男の人は出てきません。


「思春期の女の子」に幻想持ちすぎというかそこがまったく今風ではないわけですが、懐古的に観る分には楽しめると思います。

『あかねさす少女』とかが楽しめた人なら、まあまあ大丈夫かも。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

少女の最深部……共鳴、乱反射。

“リフレクター”と呼ばれる変身ヒロインたちが、同世代の少女たちや自分自身の深層心理と関連した世界の異変に立ち向かっていく青春&バトルRPG『BLUE REFLECTION』シリーズ(一作目のPS4版中盤過ぎで挫折)
4年ぶりの新作ゲーム『~帝』、アプリ『~燦』の新展開に合わせ、
メディアミックスの一環として制作された連続アニメ化作品(全24話)

【物語 3.5点】
原作ゲームと関連はあるが、また違った世界の話。予備知識はそこまで必須でもない。
ただ、後半の種明かしで多用される設定用語。例えば深層心理世界“コモン”などについてはゲーム版を知っていれば理解の一助にはなる。


注意すべきは唐突に繰り出される鬱展開。
平時は、きらら系とはまた風味が異なる、微百合、“姉妹”成分配合の、ゆるふわしたヒロインたちの掛け合いが繰り広げられる。

で、まったりと萌えれば良いのかと油断していると、
思春期少女たち鋭利な心のささくれにブスリ!とやられる。
こんなに悩み多く苦しい現世なら、いっそ心など捧げて空っぽになった方が良いという虚無の沼に引きずりこまれる。
極端なシナリオバランスはゲーム版同様。

むしろ昨今の子供の貧困や虐待、自己責任論と魔合体したカルト宗教など、現実社会で可視化された社会問題をも取り込み、闇はゲーム版より深くなっている印象。
取り敢えず、第{netabare} 6{/netabare} 話と第{netabare} 22{/netabare} 話はガチガチにガードを固めて挑むよう警告しておきます。
いきなりバイロン詩集を吟じ、居場所はないのかと鬱々し始めた時は、私もこの世は地獄と絶望しましたw

えぐり出された深層心理の肝を、まとめきれず生煮えのままぶつけるのもゲーム版同様。
佳境になるほど、セリフがポエムの応酬の様相を呈するのが、やや勿体ないです。
ただ、立ち向かったテーマの重たさを考えれば、簡単に答えを出すのも無粋でしょうか。


【作画 2.5点】
アニメーション制作・J.C.STAFF

乱調。
メディアミックスの予算配分が柱のゲーム重視だったからなのか、
カロリー不足によるものと思われる顔面、等身などのキャラデザ不一致が目に余ります。

剣をメイン武器にする変身ヒロインという希少性も見どころですが、
総じて剣戟も迫力不足。

何よりゲーム版キャラデザ・岸田 メル氏が生み出した美少女たちの造形の良さが全く失われてしまっています。


ただ、シナリオが掘り下げた心情を作画で汲もうとする意志は感じられるのが評価に困る所。
顔面福笑い状態になりながらも、眼だけは死んでいない。

背景に草花のフィルターをかぶせて演出した異能バトル空間なども万華鏡みたいで個性的。
戦力不足でも、コンテは諦めていない印象。
基準点は付けられないけど、そこまで底割れした評点でもないかなと。


尚、やたら雨天、曇天が多いですが、これは鬱だからではなく仕様。
ゲーム版のウリの一つに、JK変身ヒロインの雨で濡れ透けた制服姿をリアルに表現するというフェチズムがありましてw
ですがこのアニメでは制服を透けさせるだけの作画カロリーすらもなかった模様。
そこも残念無念?でしたw


【キャラ 3.5点】
主人公・平原 陽桜莉(ひおり)の明るいキャラに潜むシスコンの深さ。
敵方として対峙する姉・美弦(みお)。
姉妹の依存、愛憎がメインストーリーの一つの軸。

そんな陽桜莉の人懐っこさにツンツンしたりデレたりするクールな羽成 瑠夏(はなり るか)が定番の凸凹バトルヒロインコンビを形成。

あとは主人公コンビを目の敵にするライバルコンビ。
過ちは繰り返すまいと世話を焼く先輩コンビ。
と一式揃えて少女たちの想いの結晶“フラグメント”を巡って乱戦させる。
人物相関自体は、ヒロインバトル物では割りと無難。


この種の鬱ヒロインバトルで必ず出没する、もっと叩いて虐めて欲しい系のキャラ。
本作の駒川 詩(うた)は責められる機会を待つのではなく、挑発的言動で暴言暴行を自らに向けさせる積極的なMw
心の闇が深いヒロインズの中では、Mな言動がコメディーリリーフにすらなるw
ただ、こんなに苦しい世の中じゃ、痛みこそが実存とか強弁されると笑って否定することなど出来ないんですよね……。


“リフレクター”たちには対象の少女の想いと“共鳴”する能力設定があります。
言葉にできない想いを拾う。言葉にできない鬱も拾うw
悩める少女たち最深部に潜り共鳴するには相応の覚悟が必要なのです。


【声優 4.0点】
キャスト陣には若手も目立ちますが、外面と深層心理の振れ幅が大きいメインどころには数年のキャリアを積んだ声優を配して心情をカバー。

ヒロインの姉・平原 美弦(みお)役の上田 麗奈さん。
水崎 紫乃(しの)役の井澤 詩織さん。
特に、世界を呪いたくなる程の運命を背負う要所には実力者を起用。
特に井澤さんは紫乃だけでなく{netabare} 双子の姉・加乃{/netabare} もフォローする難役でしたが好対応。


“毒親の見本市”との異名も誇る本作。
狂気を提供したCV.石井 未紗さんは映画吹き替えも経験。
鬱よりヤバい躁も提供したCV.森なな子さんは元・宝塚歌劇団の男役。
アニメ声優一筋とは異なる畑も知ったご両人が、
湿度高めの病んだ演技で泥沼の深度アップに貢献。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は篠田 大介氏。やはり心情深部で鳴り響く重たいストリングスが耳に残ります。
日常シーンではゲーム版のピアノ曲も使用。懐かしく軽やかな旋律が本作の数少ない救い。


主題歌は前後期とも、しんどくても前を向かせる風味の力強い女性ボーカル曲。
特筆したいのが前期OP・EXiNA「DiViNE」

EXiNAとは、アニメ版『艦これ』のOP「吹雪」のヒット等で知られる西沢 幸奏さんのソロ・プロジェクト。
中低音ボーカル、ハードなエレクトロロックと、デビュー時とは曲調が一変しているので気が付かない方もいるかもしれません。
ビジュアルも闇落ちしたネーヤ(※『無限のリヴァイアス』のキャラ。古くてスンマセンw)みたいに変わり果ててしまってw

EXiNAで世間に迎合せず、自分の音楽を追求して闇に潜伏していたからか、
アニメタイアップとは縁がない日々が続きましたが、最近また戻って来ましたね。
アーティストとして我を通す生き様。結構好きです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

これは煌めく<想い>を繋ぐ物語――

この作品の原作はゲームだったみたいですね。
原作ゲーム2作と、このテレビアニメの3作品が「BLUE REFLECTION」プロジェクト」と題してクロスメディア展開されているのだそうです。

キャラクターデザインは岸田メルさん…
これまで「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」「花咲くいろは」「RDG レッドデータガール」などのキャラクターデザインを手掛けられてきた方です。


喜び、悲しみ、怒り――。
人の想いは、誰もが持っている、しかし目には見えない力。
その力は時として、世界さえも変えてしまうかもしれない。

常に前向きで、困っている人がいれば放っておけない平原 陽桜莉と、
人と仲良くなろうとしても付き合い方が分からず、不器用な羽成 瑠夏。

対象的ともいえる2人の少女の出会いは、
彼女たち自身を、そして世界をどのように変えていくのか――。

コーエーテクモゲームスのガストブランドより
2017年に発売された「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」原点に、
新たな「BLUE REFLECTION」プロジェクト」として展開されるTVアニメーション。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

…色々と損をしている作品だったというのが率直な感想です。
視聴していて気になった点が2点ありました。

一つはキャラデザ…
岸田メルさんが原案を務めているにも関わらず、キャラデザに魅力があまり感じられませんでした。

そしてもう一つはアニメーションそのもの…
一生懸命キャラを動かしているのは伝わってきましたが、息遣いや重みといった要素が伝わってこなかったんです。

https://bluereflection-portal.com/

上記は、「BLUE REFLECTION」のポータルサイトのURLです。
是非一度見て欲しいと思いURLを記載しました。

何故ならそこでは岸田メルさんならではの繊細なタッチのキャラたちを見ることができるからです。
本作品以外に掲載されている2本のゲームは未だ販売前のようですが、10月21日に発売が予定されている「BLUE REFLECTION TIE/帝」は、Official siteでPVを見ることができます。
ゲーム自体は3DCGが駆使されているのでアニメと雰囲気は違っていますが、かなりのクオリティで仕上げられるといっても過言ではありません。

https://social.gust.co.jp/gakkou/
上記は、この作品の元となった「BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣」の公式サイトです。
こちらでも「発売記念ムービー」と「第2弾PV」を視聴することができますが、キャラデザに関しては雰囲気は感じるもののクオリティには雲泥の差があると言わざるを得ません。

きっと原作プレイ組の中には、この作品を楽しみにしていた方もきっといらっしゃると思います。
ゲームのクオリティがそのままアニメ化されたら…という期待もあったかと思います。
私は原作ゲームは未プレイですが、見惚れるほど繊細なキャラデザであることは間違いありません。
どうしてこうなっちゃったんでしょうね…

…と思ってwikiをチラ見して気付きました。
アニメのキャラデザは菊田幸一さんという方だったんですね。

菊田さんがこれまで手掛けられてきた作品は以下の通りです。
・この素晴らしい世界に祝福を!
・球詠
何となく相関が見える気がするのは私だけでしょうか…^^;?

オープニングテーマは、西沢幸奏さんによる「DiViNE」と、藍井エイルさんによる「アトック」
エンディングテーマは、ACCAMERによる「最深」と「fluoresce」
楽曲はどれも素晴らしいと思いました。
でも1点気付いたのは、楽曲に見合ったアニメーションにする責務が付きまとうことです。
例えば、藍井エイルさんによる「アトック」は最高の楽曲でしたが、オープニングアニメが釣り合っていたかといえば、頑張っているのは認識するもののやはり答えに窮します。

2クール全24話の物語でした。
声優さんたちの熱演に何度も引っ張って貰いましたが、この作品の本当に魅力に触れるには、やはり原作ゲームをプレイした方が良いのではないかと思ってしまいました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13
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